衆議院

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第35号 平成23年7月28日(木曜日)

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平成二十三年七月二十八日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第二十四号

  平成二十三年七月二十八日

    午後一時開議

 第一 原子力損害賠償支援機構法案(内閣提出)

 第二 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案(参議院提出)

 第三 有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 原子力損害賠償支援機構法案(内閣提出)

 日程第二 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案(参議院提出)

 日程第三 有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)

 東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出)

 東日本大震災により生じた廃棄物の処理の特例に関する法律案(内閣提出)及び東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案(小里泰弘君外十名提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議

議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 原子力損害賠償支援機構法案(内閣提出)

 日程第二 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案(参議院提出)

議長(横路孝弘君) 日程第一、原子力損害賠償支援機構法案、日程第二、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。東日本大震災復興特別委員長黄川田徹君。

    ―――――――――――――

 原子力損害賠償支援機構法案及び同報告書

 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔黄川田徹君登壇〕

黄川田徹君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、東日本大震災復興特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、原子力損害賠償支援機構法案、いわゆる機構法案は、大規模な原子力損害が生じた場合に、被害者への賠償の迅速かつ適切な実施を確保するとともに、電力の安定供給等を図るための措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 原子力損害賠償支援機構を設立すること、

 機構は、原子力事業者から負担金を収納し、原子力損害が発生した場合には、事業者に対する資金援助を実施し、さらに必要があるとき、交付国債を活用した特別資金援助を実施すること、

 機構は、負担金等をもって国債の償還額に達するまで国庫納付を行うこと

などであります。

 次に、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、いわゆる仮払い法案は、東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電施設の事故による災害が大規模かつ長期間にわたる未曾有のものであり、これによる被害を受けた者を早期に救済する必要があることにかんがみ、事故による損害を迅速にてん補しようとするもので、その主な内容は、

 国が仮払金の支払いを行うこと、

 原子力被害応急対策基金を設ける地方公共団体に対する補助を行うことができること

などであります。

 機構法案は、去る七月八日、本会議で趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託されました。本委員会では、同日海江田原子力経済被害担当大臣から提案理由の説明を聴取した後、十一日から質疑に入り、十二日には菅内閣総理大臣に対する質疑、十三日には参考人からの意見聴取、二十六日には再度菅内閣総理大臣に対する質疑を行いました。

 また、仮払い法案は、参議院提出に係るもので、七月十九日本委員会に付託され、二十日には発議者を代表し参議院議員佐藤正久君から提案理由の説明を聴取した後、二十五日から質疑に入りました。

 その結果、二十六日には、機構法案に対して、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党及びたちあがれ日本の四派共同提案により、国の責務規定を設けること、国債を交付しても特別資金援助に係る資金が不足するときに限り、政府は機構に資金を交付することができるとの規定を追加すること、機構は、原子力事業者の委託を受け、損害賠償の全部または一部の支払いを行うことができることなどを内容とする修正案が、また、仮払い法案に対して、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党、みんなの党及びたちあがれ日本の五派共同提案により、国が行う仮払金の支払いについて、特定原子力損害を受けた者の早期の救済のために迅速なものであり、かつ、国民負担の観点から適正なものでなければならないとの規定を追加することなどを内容とする修正案が、それぞれ提出されました。

 両修正案の趣旨の説明を聴取した後、両案及び両修正案を一括して質疑を行い、同日質疑を終局いたしました。

 質疑終局後、みんなの党から、機構法案に対し、原子力事業者が債務超過に陥った場合に、電力再生委員会が特別公的管理の開始を決定することなどを内容とする修正案が提出され、趣旨の説明を聴取した後、内閣の意見を聴取しました。

 次いで、両案及び各修正案を一括して討論を行い、順次採決を行った結果、機構法案につきましては、みんなの党提出の修正案は賛成少数をもって否決され、四派共同提案の修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決し、仮払い法案につきましては、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。

 なお、両案に対しそれぞれ附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。高橋千鶴子さん。

    〔高橋千鶴子君登壇〕

高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表し、原子力損害賠償支援機構法案及び仮払い法案に反対の討論を行います。(拍手)

 福島県原子力損害対策協議会は、二十一日、すべての県民が放射線の見えない恐怖に長期間さらされている、これまで築き上げてきた地域社会や地域経済の崩壊も危惧される危機的な状況にあるとして、東京電力と国に対して、あらゆる損害への迅速かつ十分な賠償を求めています。

 また、放射性セシウムに汚染された稲わらが全国各地で見つかっています。東電福島第一原発事故の収束は今なお見えないばかりか、損害と影響の広がりは、はかり知れません。

 まず何よりも、東京電力は、原発被害者への迅速で全面的な賠償を行うべきです。そのためには、莫大な内部留保を初め全資産を放出し、株主、金融債権者などステークホルダーに責任と負担を求めるべきです。

 ところが、機構法案は、東電を債務超過させずに存続させることを大前提とし、政府と機構が必要があれば何度でも援助するという、閣議決定を具現化したものであり、大株主やメガバンクの負担と責任を一切問わない、異様な東電救済策にほかなりません。

 その一方で、賠償原資は国民負担で賄うものとなっています。東電初め各電力会社が機構に拠出する負担金は事業コストとされ、電気料金の値上げに直結します。また、修正によって、旧六十五条に加え、五十一条を新設することで、二兆円の交付国債が不足した際に税金投入ができる仕組みを盛り込みました。これにより、事実上、際限のない税金投入の仕組みがつくられたことは重大です。福島県の地元紙が指摘したように、原発事故の賠償対象者が賠償金の一部を自分で支払う矛盾が生じかねない、こう言わなければなりません。

 第二に、支援機構法と仮払い法の一体化です。

 修正により、機構が、賠償の本払いと仮払いをできるようになります。これによって、賠償資金から支払い実務まで、東電の負担が軽減されることになります。資金援助の前提となる特別事業計画も仮払いには必要ないため、文字どおり、東電は何もせず、すべて国が面倒を見るということになりかねません。

 第三に、重大な問題は、法案が原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保を目的とし、将来にわたる原発事業の継続を前提としていることです。

 修正により、国の責務を規定し、原子力政策を推進してきた国の責任に言及しましたが、そのため東電の負担と責任を軽減するというのは、本末転倒と言わなければなりません。

 国の責任は、安全神話を振りまいて原発を推進し、今回の事故を防ぎ得なかったことの反省に立って、東電に全面賠償を行わせ、原発政策を根本から転換することであります。福島県復興ビジョンが原子力への依存から脱却を明確に打ち出したように、県民の願いにこたえ、原発ゼロに向け、期限を切った取り組みを進めることであります。

 最後に、電力の安定供給というライフラインを人質に、実質破綻している東電を無理やり救済し続ける必要はありません。

 東電の全資産を可能な限り賠償に充てさせ、株主やメガバンクに責任と負担を求め、プラントメーカーなど、いわゆる原発利益共同体に社会的責任を果たさせ切ることです。東電や電力業界が積み立てる使用済み核燃料再処理等積立金約二兆五千億円を取り崩し、原発推進のための核燃料バックエンド費用として今後も電気代から積み立てられる十六兆円などを活用すること、こうして、国の介入によって全面賠償と電力の安定供給は両立できる、このことを指摘して、討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) 吉野正芳君。

    〔吉野正芳君登壇〕

吉野正芳君 自由民主党の吉野正芳です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、原子力損害賠償支援機構法案及び平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案の両案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 このたびの大震災及び東電原発事故に際しまして、全国から、全世界から、温かい、真心のこもった御支援をいただいております。この場をおかりして、感謝と御礼を申し上げます。

 しかしながら、私たちの福島は、原発事故がまだ収束しておりません。災害は継続中であります。

 東日本大震災復興構想会議の復興への提言の中に、福島の大地がよみがえるときまで大震災の復興は終わらないと書かれております。

 議場の皆さん、福島の大地をよみがえらせるのは、私たち政治家です。政治家に課せられた重大な使命であると私は考えます。心から、さらなる御支援を福島に対していただきますよう、お願い申し上げます。

 自由民主党は、七〇年代の石油ショック以来、国内に有力な天然資源を持たず、そのほとんどを海外からの輸入に依存するとともに、島国で他国から電力の供給を受けることができない我が国が国民生活の向上と安定的な経済成長を維持していくために必要な手段として、原子力発電を基盤エネルギーの一つとして推進してまいりました。

 しかしながら、このたびの原発事故は、安全を大前提として推進してきた原子力政策が安全を確保できない結果を招いてしまいました。このことに対し、我が党は、真摯に反省し、国民の皆様、とりわけ避難を余儀なくされている福島の方々に、心からおわびを申し上げます。

 その上に立って、我が党は、政府に先駆けて、これまでのエネルギー政策について、安全性、リスク分散、コスト面、環境面など多面的にゼロベースで見直しを行い、エネルギー政策を再構築することに着手をしており、その結果を早急にお示ししたいと考えております。

 こうした中で、東電原発事故の被害者の方々に対して、一刻も早い救済措置の実施が強く求められているところであります。このため、我々自由民主党は、原子力損害に関しましては、被害者への迅速かつ確実な賠償、電力の安定供給、日本経済の安定、この三つを最大の命題と位置づけております。

 その中で、特に被害者への賠償について、原子力損害賠償支援機構法案が本院に提出されましたが、その内容は、残念なことに、迅速な賠償という点でまことに不十分であり、今般の原発事故被害者の一刻も早い救済のために、国による仮払金の支払いに向けた対応が不可欠であるとの観点から、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、いわゆる仮払い法案を、自民党、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革と共同で参議院に提出し、去る七月十五日に参議院で可決された後、本院において審議が進められてきたところであります。

 その結果、我が党といたしましては、何よりもまず、現在大変な苦境に見舞われている原子力被害者への賠償を確実に進めることが最優先であるとの観点から、東京電力の賠償の支援等を行うため、新たに原子力損害賠償支援機構を設立することや、将来の原子力事故に対する備えとしての保険機構的な機能を設ける必要性そのものにつきましては、賛同すべきものと認識をいたしました。

 しかしながら、その他の内容に関しましては、国の責任の明確化、東京電力の責任と再生のあり方、今回の原子力事故処理と今後の事故に対する備えとの区分といった点で問題があると判断いたし、政府に対して修正等を求めてまいったところであります。

 与野党間で真摯な修正協議を重ねた結果、原子力損害賠償支援機構のスキーム等の修正に合意いたしました。委員会の附帯決議でも、これまでの我々の主張が反映され、被害者への迅速かつ確実な賠償、電力の安定供給、日本経済の安定という我が党の原子力損害賠償に関する基本方針にある程度沿った内容となったものと認められたことから、自由民主党は、原子力損害賠償支援機構法案に賛成することといたしました。

 さて、私ども自由民主党は、千年に一度の大災害に際しまして、当初より、与野党の対立を回避し、国家国民、被災地、被災者のためにお互いに手をとってやっていこうと誓い合って、しっかりとした提言を行い、ただいま議題となっております平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、いわゆる仮払い法案を初めさまざまな議員立法を行い、国会の場で議論をしようとしてまいりました。

 原発被害者の方々に対しては、東京電力株式会社より仮払い補償金の支払いが進められているところでありますが、補償対象や補償金額が限定されており、残念ながら、被害者の方々が置かれた苦しい立場を思慮したものとはなっておりません。現在ある原子力損害賠償スキームは、歴史的な大規模原子力災害について、一民間企業に対策を押しつけ、国が責任逃れをする構造になっております。これまで東京電力に任せ切りだった仮払い補償金の支払いは、原発被害者の方々の迅速かつ適正な救済になっていません。

 だからこそ、我々は、原発被害者の方々の立場に立った救済を第一に考え、迅速かつ十分な支払いのために国が賠償の前面に立つ必要があると考え、いわゆる仮払い法案を提出したのであります。もちろん、国が仮払いを行った部分については東京電力に求償権を有し、東電が責任を免れるものではございません。

 また、紛争審査会の指針で賠償の対象外となった事柄について対応することも必要と考えました。

 つまり、居住者等の被曝放射線量の測定、放射性物質による汚染の除去等の応急対策など、東京電力による仮払いだけに任せておいたのでは原発被害に対して十分な対策をなし得ないのではないかという懸念があるため、仮払い法案には、これをカバーするために、原子力被害応急対策基金を設けることにしております。

 この仮払い法案は、参議院において真摯な修正協議が続けられましたが、残念ながら合意に至らず、本院に送付されたものであります。委員会審議の過程において、参議院での修正協議を参考に、各会派でさらに熱心な協議を重ねた結果、修正案を得ることができました。原発被害者の方々へ、一刻も早い、かつ手厚い支援体制を構築することができたものと確信をしております。

 与党の皆様方も国会の場で我々の提言をおくればせながらも受け入れ、本法律案においても、それが結実いたしました。

 現在、我々自由民主党は野党の立場にあります。しっかりと、この未曾有の大震災の被災の現状に向き合い、国の総力を挙げて被災者の救済を行うとともに、強固で希望にあふれた新生日本を築き上げるべく、全力を尽くして頑張りたいと決意をいたしております。

 与党民主党の皆様方も、内向きの主導権争いに明け暮れてきた現状を反省し、どうか、良識を取り戻して、議会人としての責任をともに果たしていただくことを心からお願いして、私の討論を終わります。

 ありがとうございます。(拍手)

議長(横路孝弘君) 吉泉秀男君。

    〔吉泉秀男君登壇〕

吉泉秀男君 社会民主党の吉泉秀男です。

 私は、社会民主党・市民連合を代表して、原子力損害賠償支援機構法案に反対、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案に賛成の立場で討論を行います。(拍手)

 支援機構法案に反対する第一の理由は、この法案が、東京電力を救済する、この目的だけではなくて、東京電力が引き起こした事故の責任を不問に付しかねない内容だからでございます。

 法案では、機構は、当該原子力事業者に係る原子力損害賠償額の全額または一部の支払いを行うことができる、機構は、支払いを行うために必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に協力を求めることができる、機構は、仮払金の支払いに関する事務の一部を行うことができるとされております。まさに、至れり尽くせりの内容になっております。

 機構が損害賠償全額を払うとなれば、東京電力は損害賠償額の支払いに応じようとしないことも考えられる、そういう状況だと思っております。

 国が東京電力の損害賠償を支援するのであれば、東京電力は、国民の負担を極小化するために、保有している送電線を含むすべての資産を売却するなどあらゆる努力をすべきであり、国が法律で、そうした措置を東京電力に求めるべきであります。東京電力が事故の責任をとることなく、増税や電力料金の値上げで国民だけにしわ寄せが来るようなやり方を、国民が納得するわけがありません。

 第二の理由は、損害賠償支援といいながら、東京電力が行う原子力事故の収束に係る費用まで国の支援の対象とされていることでございます。

 東京電力の危機意識の欠如、おごりと無策から生じた原子力事故の収束のための費用を国民が支払うことは、絶対に認められません。

 第三の理由は、この法案が、原子力発電の将来にわたる運転、稼働を前提とする法案だからでございます。

 私たちは福島原発事故の現実を直視すべきであり、この事故の教訓を二十一世紀の新たな出発点とすべきであります。国民が求めているのは、原子力発電ではありません。

 私たち社民党は、原子力発電からの脱却を進め、再生可能な自然エネルギー一〇〇%の社会を目指すために、全力を尽くす決意でございます。

 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案は、おくれている被害者への迅速な支払いを行おうとしている内容であり、全面的に賛成をさせていただきます。

 以上で私の討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) 佐藤茂樹君。

    〔佐藤茂樹君登壇〕

佐藤茂樹君 公明党の佐藤茂樹でございます。

 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました、原子力損害賠償支援機構法案及び平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、いわゆる仮払い法案に対する修正案並びに両案の修正部分を除く原案について、賛成する立場から討論を行います。(拍手)

 東京電力福島第一原発事故から四カ月半が経過しました。政府と東京電力は、事故の収束に全力を挙げるべきは当然でありますが、並行して、国が前面に立ち、被害者の方々の救済を進めていかなければなりません。

 しかし、東電の仮払いの実情を見れば、一世帯当たり百万円の仮払いは実施されたものの、その後、第二弾の、避難期間や状況に応じて支払われる一人当たり十万円から三十万円は、やっと始まったばかりという状況です。農林漁業者や事業者に対する仮払いも極めて限定的かつ少額であり、被害者の実情を見れば、東電に任せるというだけで政府がみずから救済の矢面に立とうとしないのは、国の怠慢であります。

 一人の人の命を守り、いかに救済するか、国の責務はここにあります。この一点から出発すべきです。

 私は、国が、今般の原子力災害によって生じたさまざまな課題にどう行動するのか、その覚悟と具体的な行動が求められていると考えます。

 放射線から命と健康を守る。避難された方の生活、雇用、そして地域のコミュニティーを守る。そして、原子力損害の賠償、仮払いを国が責任を持って補償する。すべてにおいて国が矢面に立つべきではないでしょうか。

 こうした観点を踏まえ、以下、両修正案に対する賛成理由を申し述べます。

 被害者の方々の視点に立てば、被害者への賠償金支払いを完全に保証できるスキームを構築し、また、賠償金の仮払いの迅速化を図っていくことが急務の課題です。

 まず、支援機構法案についてですが、公明党は、政府提出の原案について、幾つかの問題点を指摘し、その修正を求めてきました。

 具体的には、一、国策として原子力政策を進めてきた国の責任を明確にすべきであること、二、今般の事故を踏まえ、原子力損害賠償法の見直しを行うこと、三、東電の経営者責任やリストラを徹底することとあわせ、株主などの関係者の責任のあり方も検討し、適切に対処すること、四、東電以外の原子力事業者が行う負担金については、区分して管理すること、五、原子力事業者による負担に伴う電力料金への転嫁の回避など、国民負担の最小化を図ることなどです。

 以下、賛成理由を具体的に六点申し上げます。

 第一に、国の責任の明確化については、新たに第二条「国の責務」が追加され、「国は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、」「万全の措置を講ずる」としています。

 原案では、国の責任が極めてあいまいなまま、あくまでも原賠法の枠内で、賠償責任は原子力事業者に負わせるものでした。しかし、原子力政策を推進し、原子力施設の安全基準を策定し、それを認めた政府の責任、さらには、今回の事故に関して政府が行った避難指示や警戒区域の設定、出荷制限等によって住民がこうむった被害や苦痛に対する国の関与と責任が、皆無であるとは言えません。

 第一義的な責任が東京電力にあることはもちろんですが、今般、国の社会的責任を法律で明記したことは、今後の原子力損害における国と原子力事業者の責任のあり方を規定する上で、非常に重要な一歩であると考えます。

 第二に、原賠法の見直しについては、今般の大規模な地震、津波を伴った原発事故による巨額な損害賠償に対応することには限界があり、抜本的な見直しは不可欠です。

 修正案では、附則第六条一項において、政府は、法施行後できるだけ早期に、原子力損害の賠償に係る制度における国の責任のあり方等について検討を加えるとともに、これらの結果に基づき、原賠法の改正等の抜本的見直しを初めとする必要な措置を講ずる旨を規定しました。

 また、委員会においては、できるだけ早期にとは一年をめどとする旨の附帯決議がなされたところです。

 政府は、これまでの法解釈にとらわれず、今般の事故の経験を踏まえ、新しく法律をつくりかえる覚悟を持って、速やかに、かつ真摯な議論を開始するよう要請します。

 第三に、東電及び株主等の利害関係者の負担のあり方については、修正案では、附則第三条二項で、東京電力は、「その経営の合理化及び経営責任の明確化を徹底して行うとともに、当該原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施のため、当該原子力事業者の株主その他の利害関係者に対し、必要な協力を求めなければならない。」としています。

 徹底した合理化と経営責任を求めていくことはもちろん、株主や金融機関など利害関係者の負担のあり方も、国民負担の最小化の観点から、今後、十分な監視と追及が必要であると考えます。

 第四に、東電以外の原子力事業者の負担については、本則第五十八条四項で、機構は負担金について原子力事業者ごとに計数を管理することとしています。その上で、附則第六条二項にて、法施行後早期に、東京電力と政府及び他の原子力事業者との間の負担のあり方等について、法律の施行状況について検討を加え、必要な措置を講じるとしています。

 公明党は、原子力事業者の負担金は、今般の事故と将来の事故への備えについて、これを分けて考える必要があるとの観点から、修正案に沿って、早期にその負担のあり方の検討を行い、適切に対処すべきであると考えます。

 第五に、修正案において、国民負担を最小化する観点を条文上明記し、今般の賠償に際しては、原子力事業者による負担に伴う電気料金への転嫁の回避など国民負担の最小化を図る観点から、施行後早期に検討を加え、必要な措置を講じるものとしております。

 第六に、附則第六条一項に、原子力損害の賠償に係る紛争を迅速かつ適切に解決するための仕組みの整備についても、できるだけ早期に検討する旨規定しております。

 ジェー・シー・オー臨界事故の損害賠償の最終解決に、事故から約十一年の年月がかかりました。今回の事故の損害賠償は、対象件数や範囲からしても、膨大になることが予想されます。政府には、被害者救済の視点からの前向きな対処を望むものであります。

 さらに、修正案では、機構が原子力損害の賠償あるいは仮払いの支払いを実施する規定も追加され、より迅速かつ適切な賠償支払いができる体制となったことも、仮払い法の制定とあわせて効果が期待できるものと考えます。

 次に、いわゆる仮払い法案についてであります。

 この法律は、東電による仮払いが、遅い、足りない、不明確といった問題があることを踏まえ、国の責任のもとで仮払いを迅速に行い、また、紛争審査会の基準で対象外となっている方々も柔軟に救済することが可能となるようにするものです。

 仮に、支援機構法案が成立し、賠償の枠組みが決定しても、原発事故の収束がいつになるかわからず、また、被害の損害範囲が確定し、本格的に賠償金の支払いが始まるまでには相当の月日がかかることなどもかんがみれば、被害者の方々の救済の観点からも絶対に必要な法律です。

 参議院における同法案の修正協議では、ぎりぎりのところで最終合意に至らず、原案のまま可決され、衆議院に送付されました。

 今般、本院では、真摯な与野党協議の中で、国の責任で仮払いを行うという趣旨を生かしつつ、仮払いの事務が都道府県に過重な負担を課することのないよう十分に配慮することとする配慮規定の追加などの修正を含め、より迅速かつ適正な被害者救済が図れる内容となりました。

 支援機構法案と仮払い促進法案は相対立する法律案ではありません。私は、両法律案が早期に成立し、被災者救済に向けて速やかに施行されることを強く切望するものであります。

 最後に、一言申し上げます。

 今般の両法律案に対する復興特別委員会における論議及び与野党の修正協議は、その修正内容もさることながら、与野党の議員が、原子力災害における被害者の迅速な救済をいかに図るかという観点で、それぞれの主張の差異を調整しつつ、まさに真摯かつ有意義な協議がなされ、大きな成果を生んだものと、当事者の一人として自負しております。まさに、これこそ、本来、復旧復興に向けた国民の代表たる国会のあるべき姿であると思います。

 公明党は、今後も、国会議員の本分、使命を忘れることなく、被災者の方々の視点を持って取り組んでまいる決意であることを最後に申し上げ、私の討論とさせていただきます。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

 次に、日程第二につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) 日程第三は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 日程第三 有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)

議長(横路孝弘君) 日程第三、有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の趣旨弁明を許します。農林水産委員長山田正彦君。

    ―――――――――――――

 有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔山田正彦君登壇〕

山田正彦君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 本案は、有明海及び八代海並びにこれらに隣接する海面の海域における赤潮等による漁業被害の発生状況等を踏まえ、同法の対象となる海域に、橘湾及び熊本県天草市牛深町周辺の海域を加え、特定の漁港漁場整備事業に係る国の補助の割合の特例についてその期限を延長し、赤潮等により被害を受けた漁業者等に対する支援及び救済に関する規定を充実させ、並びに、有明海・八代海総合調査評価委員会の所掌事務を見直す等の措置を講じようとするものであります。

 本案は、昨二十七日の農林水産委員会において、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

小宮山泰子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出、東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 小宮山泰子さんの動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出)

議長(横路孝弘君) 東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の趣旨弁明を許します。政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長松崎公昭君。

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 東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

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    〔松崎公昭君登壇〕

松崎公昭君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 本案は、東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日の延期の期限を、平成二十三年十二月三十一日まで延期するとともに、特例選挙期日の告示日について、現行法に規定する告示日以前の日とすることができるようにするものであります。

 本案は、本日、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会において、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。

 なお、本委員会におきまして、本案に関し、東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する決議が行われたことを申し添えます。

 何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。(拍手)

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議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

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 東日本大震災により生じた廃棄物の処理の特例に関する法律案(内閣提出)及び東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案(小里泰弘君外十名提出)の趣旨説明

議長(横路孝弘君) この際、内閣提出、東日本大震災により生じた廃棄物の処理の特例に関する法律案及び小里泰弘君外十名提出、東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案について、順次趣旨の説明を求めます。環境大臣江田五月君。(発言する者あり)

    〔国務大臣江田五月君登壇〕

議長(横路孝弘君) 静粛に願います。

国務大臣(江田五月君) ただいま議題となりました東日本大震災により生じた廃棄物の処理の特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 東日本大震災は、東日本の広範な地域に未曾有の災害をもたらしました。特に大津波により甚大な被害を受けた岩手県、宮城県及び福島県の三県では、合わせて約二千万トンを超える大量の災害廃棄物が発生し、その量は、前例のない膨大な規模となっております。今後、被災地の衛生状態の悪化や悪臭等の発生による生活環境への支障が生ずることが懸念されており、災害廃棄物の早急な処理が喫緊の課題となっております。

 このため、国がより積極的な役割を果たせるよう、市町村域、県域を越えた広域での処理を可能とすべきとの意見が出されており、被災した地方公共団体からも、災害廃棄物の処理は市町村が行うのではなく、国が直轄で処理することとしてほしい旨の要望が出されております。

 本法律案は、こうした状況を踏まえ、東日本大震災による被害を受けた市町村における災害廃棄物の処理の実施体制、その処理に関する専門的知識及び技術の必要性並びにその広域的な処理の重要性にかんがみ、国が被害を受けた市町村にかわって災害廃棄物を処理するための特例等の措置を講じようとするものであります。

 次に、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、災害廃棄物の処理に関する特例についてであります。(発言する者あり)

議長(横路孝弘君) 静粛に願います。

国務大臣(江田五月君)(続) 環境大臣は、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第二条第二項に規定する特定被災地方公共団体である市町村長から要請があり、かつ、当該市町村における災害廃棄物の処理の実施体制等を勘案して必要があると認めるときは、市町村の区域内における災害廃棄物の収集、運搬及び処分に係る事務を、当該市町村にかわってみずから行うことができるものとしております。

 第二に、費用の負担についてであります。

 環境大臣が行う事務に要する費用は、国が負担することとしております。この場合において、市町村は、当該費用の額から、みずから事務を行うこととした場合に国が当該市町村に交付すべき補助金の額に相当する額を控除した額を負担するものとしております。

 また、国は、特定被災地方公共団体である市町村が災害廃棄物の収集、運搬及び処分を行うために要する費用で当該市町村の負担に属するものについて、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

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議長(横路孝弘君) 提出者小里泰弘君。

    〔小里泰弘君登壇〕

小里泰弘君 自由民主党の小里泰弘でございます。

 ただいま議題となりました東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案につきまして、自由民主党・無所属の会、公明党、みんなの党及びたちあがれ日本を代表して、その提案理由及び内容の概要を説明申し上げます。

 震災発生以来、自由民主党は、幾多の災害を克服してきたノウハウを生かし、被災地の声をいただき、党を挙げての議論の上に、政府としての組織体制のあり方、避難所対策のあり方、医療・介護対策、中小企業対策、雇用対策から復旧対策に至るまで、計五百七十七項目に及ぶ具体策の提言を行ってまいりました。

 政府においては、提言の多くを取り入れ、税制改正や補正予算、特別立法等を通じて、これらの提言を震災対策に生かしてきたところであります。

 しかしながら、政府の対応にスピード感がなく、学校、病院、鉄道、漁港、海岸堤防等の本格的復旧事業はいまだに始まらず、政府が復旧に向けて動いている姿がない、一本のくいも打っていないという嘆き、怒りの声が被災地から伝わってまいります。

 被災地における復旧復興への取り組みは大きくおくれ、瓦れき処理においても例外ではありません。

 今回の大震災においては、二千二百万トンを超える膨大な災害廃棄物、いわゆる瓦れきが生じており、瓦れき処理なくして、復旧も新たな町づくりもあり得ません。

 私どもは、莫大な瓦れきの処理が復旧復興への第一歩であるとの観点から、震災発生直後から、再三再四、瓦れき処理のための具体策を提案してまいりました。しかるに、政府においては何らの抜本策も施されずに、作業は遅々として進まない現状であります。

 そこで、私どもは、瓦れきを迅速かつ適切に処理するために、瓦れきの処理に関して国の責務を明らかにするとともに、国による代行に関する規定を設けて、事実上の国による瓦れき処理の直轄化を図る一方、当該処理に関する費用の全額を国が補助することとし、あわせて、瓦れき処理に当たっての全国の自治体との広域的連携、瓦れきの再生利用等、瓦れき処理が遅滞をしている原因や課題を踏まえて、国が実施すべき要諦の抜本策を講ずるために、本法律案を提出した次第であります。

 次に、本法律案の概要について説明を申し上げます。

 第一に、国の責務についてであります。

 瓦れき処理が進まない大きな理由として、被災自治体が、被災業務に追われ、瓦れき処理に手が回らないことがあります。

 そこで、本法案では、瓦れきの処理が迅速かつ適切に行われるように、今回の震災に係る瓦れき処理が国の責務であることを明らかにし、国の責任で、主体的に、市町村長に対して必要な支援を行うとともに、処理に関する基本的な方針等を明らかにした工程表を定め、これに基づいて必要な措置を計画的かつ広域的に講ずることといたしました。

 また、瓦れき処理に関する措置を講ずるに当たりましては、被災自治体の意向を最大限に尊重するものといたしたところであります。

 一方、政府案には、国の責務規定がなく、国が主体的に責任を持って対応する姿勢が見られないものであります。

 第二に、国による瓦れき処理の代行についてであります。

 国は、被災市町村の長から要請があり、かつ、地域の実情を勘案して必要があると認められるときは、当該市町村にかわって国みずからが瓦れき処理を行うものとしております。

 また、その場合の処理費用は、全額国の負担としております。事実上の、国による瓦れき処理の直轄化であります。

 すなわち、国の責任で政府を挙げてこれを行う姿勢を端的に示したものでありますが、他方、政府案では、環境大臣が事務の遂行に支障のない範囲内で代行することができるとしており、従来の縦割り行政と消極的な姿勢から抜け出せないものであります。

 第三に、瓦れき処理等に係る費用の補助についてであります。

 瓦れき処理が遅滞する主な原因として、費用面における地方負担の存在が被災自治体の大きな不安となっていることがあります。

 そこで、本法律案では、市町村がみずから瓦れき処理を行う場合にも、要する費用について、処理施設の新設、運営費用も含め、その全部を国が補助するものといたしました。

 しかるに、政府案では、自治体負担分については現状のままであり、処理施設の新設等への支援策もなく、費用面における新たな対応策が全く盛り込まれておりません。それどころか、自治体負担に係る交付税措置について、「必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする」との努力規定にとどまり、かえって、現行の方針よりも後退する印象すらあります。

 一割負担、二割負担といっても、瓦れき処理費用の全体額が巨額であることから、他の復旧事業の地方負担分も合わせると、自治体の年間予算をも上回りかねないものであり、通常であれば、再建団体に転落しかねない数字であります。

 すなわち、政府案では、被災自治体が長期にわたり、巨額の借金を負い、四年目ないし六年目から十年以上かけて毎年借金を返していくこととなり、返すたびに国が穴埋めをするということでありますが、先々に対する自治体の不安はぬぐえないものであります。

 この不安が業者への発注や支払いを滞らせる要因ともなり、国が後で見るというなら最初から全額を見てほしいという、被災自治体の切なる要請であります。

 第四に、瓦れきの処理に関して国が講ずべきその他の措置についてであります。

 私どもは、瓦れき処理遅滞の要因についてあらゆる観点から検証し、本法案においてそれぞれの対応策を定めております。

 まず、仮置き場や最終処分場を確保するために、全国の自治体に広域的に協力を要請し、これに係る費用のすべてを国が負担することとしております。

 また、土地の借り上げ等に必要な措置を講ずるとともに、仮置き場への搬入、搬出に関して、渋滞が発生をし近隣住民生活にも支障を来している状況にかんがみ、道路、港湾等の輸送手段の整備を講ずる旨規定をしております。

 次に、瓦れきの再生利用の促進であります。

 例えば、コンクリートくず等の瓦れきを防潮林や新たなまちづくりの基盤として活用することは、最終処分にも資するものであり、本法案において必要な措置を講ずるものであります。

 三つ目は、瓦れき処理に係る契約内容に関する統一的な指針の策定等の措置であります。

 瓦れき処理においては、犠牲者の皆様の遺留品をえり分けながらのきめ細かな作業が求められるために処理費用がかさみ、また、被災自治体や根拠法律によって発注単価が異なったり、事業者における資金繰りの問題が存在をするなど、多くの課題や事情が存在するところであります。

 このような現状にかんがみ、本法律案では、費用の算定に係る適正な単価の設定を初め、契約の内容に関する統一的な指針の策定と必要な措置を求めることとしております。

 四つ目として、アスベスト等の有害物質による健康被害の防止を初め、作業に従事する労働者やボランティアの皆様の作業環境の整備を図ることも喫緊の課題であり、本法案において必要な措置を図ることとしております。

 五つ目として、いわゆる海の瓦れき処理については、港湾、漁港、海岸、漁場など、管理主体が複雑であり、処理の実施主体や対象範囲すら必ずしも明確でないことにかんがみ、指針の策定とともに、早期の処理に必要な措置を講ずるものとしたところであります。

 さらに、津波による堆積物、いわゆるヘドロを初め災害廃棄物による感染症や悪臭発生の防止のための措置も喫緊の課題として定め、さらに、無害化処理を行った上での再生利用を講ずることとしております。

 なお、政府案におきましては、以上のような瓦れき処理に際してのさまざまな配慮事項に関する規定は全く見られないものであります。

 第五に、復興庁が設置されるまでの間における国の体制整備等についてであります。

 すなわち、復興庁が設置されるまでの間の現行の行政組織のもとでも、適切な総合調整のもとに、可能な限り、関係省庁の活用を図りつつ、体制を整備し、瓦れき処理を迅速に進めることを求めるものであります。

 以上、本法律案の概要について説明申し上げましたが、被災地では、学校のすぐわきに瓦れきの仮置き場が置かれ、悪臭を発し、ハエがたかり、授業になりません。さらに、運動場や野球場や公園などあらゆる場所が仮置き場として使われ、満杯状態であります。被災地に仮置き場を置きたくなかった、そこが取り残されてしまうからとの被災地の市長の悲痛な声に、思いをいたさなければなりません。

 まさに、時間との勝負。被災地の生活環境も限界であります。一刻も早く二次置き場へ移す必要があります。

 現在の瓦れき処理の進捗率は四割といいますが、あくまで一次仮置き場へ四割を移動したにすぎず、今後、さらに二次置き場から中間処理、最終処分に至る気の遠くなるような作業工程を考えますと、瓦れき処理は、まだ緒についたばかりであります。

 被災自治体との意見交換会でも、今、一番の課題は瓦れき処理だ、政府案では大事なところが入っていない、ぜひ野党案でお願いしたいとの切なる声であります。ただ単に代行規定を定めただけで何らの具体策も盛り込んでいない政府案に対しまして、本法律案に対する被災地の期待は大きなものがあります。

 実効ある具体策を定め、処理方針を明文化することで、行政に対する確かな義務づけとなり、国の明確なメッセージとして被災地に届いてまいります。迅速な審議でこれを成立させ、瓦れき処理の迅速化を図ってまいりたいと思います。

 なお、私どもは、放射性物質を帯びた瓦れきの処理については、特段の配慮を要することから、別途法案を要するものとして、現在、立法化に向けて作業を進めております。政府においても早急に対応されますよう要請するものであります。

 被災地の至るところに横たわり、あるいはうずたかく積まれた瓦れきの山は、大震災の象徴でもあります。被災地の一日も早い復旧復興に向けて、議員各位の御理解、御協力を切にお願い申し上げ、本法案の趣旨説明といたします。(拍手)

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 東日本大震災により生じた廃棄物の処理の特例に関する法律案(内閣提出)及び東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案(小里泰弘君外十名提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(横路孝弘君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。吉川政重君。

    〔吉川政重君登壇〕

吉川政重君 民主党の吉川政重でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました、内閣提出、東日本大震災により生じた廃棄物の処理の特例に関する法律案及び自民党、公明党、みんなの党、たちあがれ日本提出の東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案について質問をさせていただきます。(拍手)

 まず、冒頭、震災廃棄物の処理が急がれていることについては与野党一致した認識であり、政府としても早急な対策を実施すべきであるということを申し上げておきたいと思います。

 今回の大震災に伴う災害廃棄物、いわゆる瓦れきの処理は、一般廃棄物と同様、市町村が処理することが原則となっています。しかし、今回の震災で生じた災害廃棄物の総量が、環境省の推計で、岩手、宮城、福島三県だけでも約二千五百万トンに上っていること、処理に際しては専門的技術が必要であること、当該地域における処理施設の能力不足もあり広域処理が必要であること、資金面が不足をしていることなどの理由から、被災市町村だけでは処理し切れないのが現状であります。

 このような状況の中、今現在、政府はどのような取り組みをなされているのか、まずは環境大臣にお伺いをいたします。

 また、既に政府、環境省として東日本大震災に係る災害廃棄物の処理指針を公表し、国の県、市町村に対する支援実施と災害廃棄物の役割分担について定められておりますけれども、この指針と政府提出法案との関連性についても環境大臣の御所見をお伺いいたします。

 次に、災害廃棄物処理に関する国の代行についてお尋ねをいたします。

 災害廃棄物処理に関する国と市町村の役割に関して、まず、政府案では、環境大臣は、特定被災地方公共団体である市町村長から要請があり、かつ、当該市町村における災害廃棄物処理の実施体制等を勘案して必要性を認めるときは、市町村の区域内における災害廃棄物処理を当該市町村にかわって行うことができるとされています。

 これに対して、一方、小里君外提出の野党案につきましては、国は、被災市町村の長から要請があり、かつ、その市町村における災害廃棄物処理の実施体制等の地域の実情を勘案して必要と認められるときは、その市町村にかわって国の費用で災害廃棄物の処理を行うとされております。

 政府案では、この代行措置を実施する主体を環境大臣と明確に規定をされているのに対して、野党案では、その実施主体については、単に、国はとしか規定されず、当該処理を所掌する大臣は政令で別に定めるとされておりますけれども、実施主体が不明であります。

 市町村の災害廃棄物処理は、この間、環境省所管の補助制度で対応し、それを関係省庁が支援する体制が既にでき上がっており、これによって既に四割を超える災害廃棄物の一次仮置き場への搬入が完了しております。もし、今になって、環境省以外の機関が市町村の災害廃棄物処理事業を代行するとなれば、現場が相当混乱することは、火を見るよりも明らかであります。

 一体、だれに担当させるおつもりなのでしょうか。今さら、さらに新しい役所を設置されるのですか。野党提案者からの明確な答弁をお願いするものであります。

 さらに、政府案、野党案ともに、必要があるときは、それぞれ、環境大臣または国が被災市町村にかわって災害廃棄物の処理を行うことができるとされております。そこで、必要があると認められるための具体的要件とは何かについて、環境大臣並びに野党提案者双方にお尋ねをいたします。

 次に、国の財政負担のあり方についてお尋ねをいたします。

 政府案では、災害廃棄物の処理費用については、まず国が最大十分の九を負担し、残りについては、地元市町村が当面負担し、事後に国が地方交付税等で手当てすることとしています。この仕組みについては、廃棄物の処理は市町村が行うこととしている、廃棄物の処理及び清掃に関する法律や、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律、「平成二十三年度補正予算に伴う対応等」で定められた負担方法や交付税措置のあり方と整合性がとれており、おおむね妥当であると考えます。

 しかし、一方で、市町村からは、たとえ一時的な負担といえども、この負担が市町村の財政を圧迫するのではないかとの懸念から、全額国庫負担を求める意見もあります。

 これらの不安を払拭するためにも、特に地方一時負担分について交付税措置でいつごろに国から支払いを受けられるのかについて、総務大臣の明確な答弁をお願いするものでございます。

 次に、広域処理のあり方についてお尋ねをいたします。

 現在、災害廃棄物について、一次仮置き場への搬入作業が進められており、災害廃棄物推計量に対する搬入済み量の割合は四十数%まで進んでいます。しかし、その先の中間処理や最終処分等の方針については、当該市町村や県レベルで処理することは困難であろうと予想されます。そのため、災害廃棄物の処理を速やかに行うためにも、環境大臣が指揮をとって、県を越えた全国レベルでの広域処理体制を早急に構築することが必要であると考えます。

 環境大臣に、災害廃棄物の今後の広域処理体制のあり方について、基本的なお考えをお尋ねするものでございます。

 次に、放射性物質による汚染廃棄物処理についてお尋ねをいたします。

 政府案の汚染廃棄物処理代行の主な対象は、放射性物質によって汚染されたおそれのある廃棄物を想定し、政府は、既存の制度を最大限活用して廃棄物処理を進めているところであります。

 しかし、一方、野党案では、この処理については、別に法律を定めるところによるとされているわけでございます。これでは、現在既に福島県で進められている廃棄物の処理が、野党案でおっしゃっている別に定める新たな法律が制定されるまでの間、とまってしまうのではないでしょうか。それでは、あしたからの処理は一体どうすればよいのでしょうか。余りにも現場の実態と乖離していると言わなければなりません。この点について、野党案提案者の明確な答弁をお願いいたします。

 最後に、今回の大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により、原子力発電所に直接かかわるもの以外でも、避難地域等において放射能に汚染された廃棄物が発生しています。汚染廃棄物を早急に処理し、国民の安全、安心の早期確保や、避難住民の早期帰宅を実現するためにも、今後の対応について国民にわかりやすい明確な方針を定めることが必要と考えますが、環境大臣の基本的なお考えをお尋ねするものでございます。

 被災地のため早急な復旧復興、そして、震災廃棄物処理のため迅速な対策をとられることを心からお願い申し上げて、私の代表質問を終わらせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣片山善博君登壇〕

国務大臣(片山善博君) 私には、災害廃棄物処理事業に係ります地方交付税措置につきまして御質問がございました。

 災害廃棄物処理の費用負担につきましては、地方負担分の全額をまず災害対策債によりまして資金調達をし、その元利償還金の全額を地方交付税措置することとしております。今後、地方団体が各年度に支払うこととなります元利償還金に応じて、その同額を来年度から着実に交付税措置することとなります。

 なお、それぞれの年度の交付税の交付時期につきましては、地方交付税法第十六条に基づきまして、四月交付を含め年六回とされておりますけれども、今回の大きな災害の対応には巨額の財政負担が生じることとなることを踏まえまして、被災団体の資金繰りに支障が生じないように万全の対応をしてまいりたいと存じます。(拍手)

    〔国務大臣江田五月君登壇〕

国務大臣(江田五月君) 災害廃棄物の処理に向けた政府の取り組みについてのお尋ねがありました。

 今回の震災では、災害廃棄物の発生量が推計で二千万トン以上と非常に多く、また、行方不明者の捜索など、困難な状況の中で災害廃棄物の撤去が行われてきたことから、地域によって進捗状況に差がありますが、市町村の努力により、災害廃棄物の仮置き場への搬入は着実に進んできております。

 政府においては、市町村における災害廃棄物処理に係る費用について、国庫補助率のかさ上げを行うとともに、残る地方負担分についても全額を災害対策債により対処し、その元利償還金を一〇〇%交付税措置することにより、実質的に負担が生じないよう措置しているところです。

 また、五月十六日には、災害廃棄物の適切かつ効率的な処理を進めていくための指針、いわゆるマスタープランを策定しました。今後は、指針に基づいて、集められた災害廃棄物の再生利用や焼却、最終処分などを進めていく必要があり、現在、岩手、宮城、福島の三県が具体的な処理の実行計画の策定作業を進めています。

 さらに、災害廃棄物処理の迅速化、効率化を図るため、広域処理の調整を進めているほか、契約面や技術面での支援ができるよう、現地に環境省職員を常駐させ、県、市町村と協力しながら処理を進めています。

 今後も、これらの取り組みにより、被災地における災害廃棄物の処理が円滑かつ迅速に進むよう最大限努力してまいります。

 東日本大震災に係る災害廃棄物の処理指針と政府提出法案の関連性についてのお尋ねがありました。

 御指摘のとおり、指針では、国、県及び市町村の役割を示し、それぞれが連携しながら災害廃棄物の処理を推進することとしています。したがって、この方針に基づき、基本的には市町村や県が災害廃棄物の処理を進めていくことになりますが、その量は膨大な規模であるため、広域的な処理や国による代行処理の必要性が生じている状況にあります。

 このため、今般の政府提出法案では、国が被害を受けた市町村にかわって災害廃棄物を処理するための特例を定めるものであり、国がより積極的な役割を果たしていくことを可能とするものであります。

 政府案において、国が被災市町村にかわって災害廃棄物の処理を行うことができる要件についてのお尋ねがありました。

 政府案では、まず、災害廃棄物の処理の実施体制、さらに、災害廃棄物の処理に関する専門的知識及び技術の必要性、そして、当該災害廃棄物の広域的な処理の重要性の三つの事項を勘案して、特に必要があると認めるときに、国が市町村にかわって災害廃棄物の処理を行うこととしています。

 市町村から要請があれば、法の規定に照らし、真摯に対応したいと考えております。

 災害廃棄物の今後の広域処理体制のあり方についてお尋ねがありました。

 東日本大震災により生じた膨大な災害廃棄物を適正かつ迅速に処理するためには広域的な処理の実施が重要であり、政府案においても、法律の趣旨として、その旨明記しております。

 一方で、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響により、岩手県及び宮城県内の災害廃棄物について放射性物質による汚染を危惧する意見も寄せられており、慎重な対応が必要となっています。

 自治体間協力による広域処理を進めるためには、災害廃棄物を受け入れていただく自治体の理解が重要です。受け入れ側の自治体の理解を得た上で、一日も早く広域処理が開始できるよう、関係自治体との調整を積極的に進めてまいります。

 避難区域等における災害廃棄物の処理についてのお尋ねがありました。

 御指摘のように、わかりやすい明快な方針を定めることが重要と認識しています。

 避難区域及び計画的避難区域を除く福島県内の災害廃棄物の処理については、災害廃棄物安全評価検討会の議論を踏まえ、六月二十三日に環境省が処理方針を取りまとめ、福島県の関係市町村に説明しました。

 避難区域及び計画的避難区域の災害廃棄物についても、今後、実態を把握するための調査を実施し、処理方針を検討することとしています。

 環境省としては、避難を行っている住民の皆さんの早期帰宅を実現するためにも、この処理方針を速やかに検討し、国民の皆さんに示していきたいと考えております。(拍手)

    〔小里泰弘君登壇〕

小里泰弘君 吉川議員から、重要なポイントについて三点質問をいただきました。私からは、うち二点について答えさせていただきます。

 まず、瓦れき処理の代行の主体は、環境大臣ではなく国と規定をしているが、どこに担当させるのか、今さら担当を変えると混乱を来すのではないかとの御指摘であります。

 そもそも、陣容が小さく、手足もなく、規制官庁である環境省が瓦れき処理を担当するところに無理があり、実施主体を変えるべきではないかとの意見があるところであります。しかしながら、御指摘のとおり、にわかに実施主体を変えることは、制度や仕組みを抜本から変えることになり、かえって時間を要し、現場に混乱を来しかねないものであります。

 そこで、当面の法律上の実施主体は環境省であるものの、瓦れき処理を迅速かつ適切に行うための体制整備を本法案において求めるものであります。すなわち、復興庁が設置されれば復興庁が名実ともに実施主体となることを期待するものでありますが、それまでの間は、復興本部が総合調整を図りながら、国交省や関係省庁も効率的に活用しつつ瓦れき処理を進める体制を整備することを求めるものであります。

 平野復興大臣におかれては、委員会質疑で申し上げましたとおり、ぜひ、おれがやるとの気概を持って臨んでいただきたいと思うところであります。

 なお、主語を国とすることで、やがて実施主体となるべき復興庁への移行を円滑に行い得ることは、言うまでもないところであります。

 次に、国は、被災市町村の長から要請があり、かつ、災害廃棄物の処理の実施体制その他の地域の実情を勘案して必要があると認められるときは代行するとあるが、どのような基準で判断するかとの質問であります。

 野党四党案では、国は、瓦れき処理が迅速かつ適切に行われるよう主体的に市町村に対して必要な支援を行う責務を有することを明らかにしますとともに、瓦れき処理に関する措置を講ずるに当たりましては、被災自治体の意向を最大限に尊重するものとしたところであります。

 このような規定にかんがみ、被災市町村から瓦れき処理の代行の要請があれば、基本的には、必要があると認められ、国が代行することとなると考えております。代行の必要がないと判断されるのは被災市町村に十分な処理能力がある場合でありますが、そのようなケースはほとんどないものと考えております。

 なお、必要があると主観的に認めるときに代行することができるとする政府案と異なりまして、野党四党案は、必要があると客観的に認められるときに代行するものとするとしております。このように、野党四党案は、国の判断で代行を拒む余地を実質的になくすよう、条文上の工夫を凝らしていることも付言をしておきたいと思います。

 もう一問につきましては、かわってお答えを申し上げます。(拍手)

    〔江田康幸君登壇〕

江田康幸君 吉川議員より、放射性物質によって汚染された瓦れきの処理に関して、別に法律で定めるところによるとしたことにつきまして、現在行われている放射性物質を帯びた瓦れきの処理に支障を来すのではないかと御質問をいただきました。

 現在、放射性物質を帯びた瓦れきにつきましては、暫定基準、一キログラム当たり八千ベクレル以下のものは通常の災害廃棄物として処理されていることは承知をしております。本法案におきまして、これを妨げるものでは全くございません。

 一方、我が国におきましては、原発施設外、すなわち一般環境に放出された放射性物質に汚染された水、大気、土壌、さらには瓦れき等々に対処するための根拠法は全く存在いたしません。我々は、政府にその立法化を求めるとともに、独自に議員立法の作業を進めているところでございます。

 現在の政府の対応は、あくまで暫定基準に基づくものであり、暫定基準を超える放射性物質を帯びた瓦れきについては何らの対応もされておりません。速やかに立法化を図り、環境基準、生活基準、健康基準を定めて放射性物質を帯びた瓦れきに処する方針を定めることは、本来、政府の責任であると考えます。

 この問題が解決されない限り多くの人々がふるさとに帰れないことに思いをいたし、国において早急に対応されんことを求めるものでございます。(拍手)

    〔議長退席、副議長着席〕

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副議長(衛藤征士郎君) 高木陽介君。

    〔高木陽介君登壇〕

高木陽介君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました野党四党提出の東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案及び内閣提出の東日本大震災により生じた廃棄物の処理の特例に関する法律案について質問をいたします。(拍手)

 まず、災害廃棄物処理に関する制度の審議が東日本大震災が発生してから五カ月が過ぎようとしている今になって始まる菅内閣の現場感覚のなさ。被災者の痛み、苦しみが全くわかっていないと言わざるを得ません。

 災害廃棄物の処理は、災害直後に取り組まねばならない人命の救助や、生活インフラなどの最低限の復旧のために、絶対に必要な対策であります。イの一番に取り組むべき対策なんです。震災発生直後に、我が党も何度も指摘をしてきたではありませんか。与党からもそういった声があったはずです。

 にもかかわらず、そういった声や国民のニーズは全く無視され、やれ浜岡原発は停止だ、やれストレステストを実施する、やれ脱原発依存だなどなど、菅総理は、被災者の生活からは全く乖離したことを思いつきで打ち出し続ける。しかも、何一つ実現していません。

 災害廃棄物の処理のような対策は、菅総理からすれば、支持率アップにはつながらない地味な取り組みかもしれません。しかしながら、こうした地道な積み重ねに徹し、一日も早く復興への道筋をつけることこそ、政治が果たすべき使命のはずです。

 具体的に指摘をしたいと思います。

 まず第一に、環境省によると、岩手、宮城、福島三県で発生した瓦れき、つまり災害廃棄物は、沿岸三十七市町村の推計量で約二千四百九十万トン。三県の通常の廃棄物処理量の十年分を優に超えています。七月二十日の時点で、仮置き場に搬入されたのは全体の四割程度にすぎず、二割前後の自治体も少なくないというありさまです。しかも、猛暑により、水産物などの混入した瓦れきが腐敗臭を放つなど、被災地の衛生環境を悪化させています。

 第二に、政府は、震災後、市町村の委託を受けた県が運搬や処理を代行する仕組みを構え、八月末までには住宅地の瓦れきを仮置き場に搬入する目標を掲げていますが、既に、絵にかいたもちです。結局、政府が、責任を回避し、瓦れきの処理を被災自治体に丸投げしたからであります。

 第三に、こうした事態に慌てたのか、政府は、七月に入って、国主導で瓦れき処理を進めることを目的とした廃棄物処理特例法案を国会に提出しましたが、余りにも遅過ぎます。野党四党が同様の趣旨の法案を出した一週間も後のことでした。

 このありさまで、どうして自治体が安心して瓦れき処理に取り組めるでしょうか。市町村長との話を聞けば聞くほど、政府への不満ばかりであります。ある首長は、国の判断を待っていられないと、とるべき施策を次々と実施をしていますが、すべての自治体で可能なことばかりではありません。

 委員会を通じた答弁でも、被災地の自治体が希望を持てるような答弁はありませんでした。

 そもそも、政府はいつから今申し上げた三つの問題を認識し、そして、いつ法案作成の指示があったのか、環境大臣に伺います。

 公明党は、七月一日、瓦れき処理を国の責務として促進する災害廃棄物処理特別措置法案を自民党、みんなの党、たちあがれ日本の四野党共同で衆院に提出をいたしましたが、野党の法案からおくれること一週間もたって提出されたこの政府案は、野党案に比べものにならないほど中身の薄い法案でありました。

 加えて、政府案では、災害廃棄物処理事業に係る経費についての国庫補助金の申請は個々の市町村ごとに行う必要があり、煩雑な申請手続事務が被災自治体の負担となっていることも問題であります。

 問題は、一時的にでも財政的な負担を負えないほど瓦れきの量が多いことです。

 これまでの審議の中で、我が党の江田議員の質問に対して、菅総理は、国の全額負担について、自治体に支払いをさせない形も含めて相談をすると答えましたが、相談の結果はどうなったのか、環境大臣に伺います。

 次に、具体的に国が講ずべき措置について伺います。

 現行法では、海に流出した災害廃棄物について、その処理に責任を負うべき主体が明らかではありませんが、政府提出の法案では、どのような扱いになるのか明確ではありません。

 政府案の第三条では、「環境大臣は」「当該市町村に代わって自ら当該市町村の災害廃棄物の収集、運搬及び処分を行うことができる」とありますが、漁場など海中の廃棄物のように、そもそも市町村の責任ではない災害廃棄物の処理については、何ら手だてをしないということでしょうか。環境大臣に答弁を求めます。

 一方、野党提出法案においてはどのような位置づけになっているのか、提出者にお尋ねをしたいと思います。

 さらに、廃棄物の一つにヘドロがあります。政府案では、これらについても該当する規定がありません。感染症の発生予防、無害化処理について政府はどのように対処していくお考えなのか、厚生労働大臣に伺います。

 また、野党提出案においてはどのように対処するよう規定しているのか、提出者に伺いたいと思います。

 また、災害廃棄物の処理に当たって、コンクリートや木質系廃棄物、鉄鋼材等の再生利用も重要と考えますが、それぞれの法案ではどのように対処していくお考えか、環境大臣及び提出者に伺います。

 結びに、現在、石巻市の瓦れき推計量は六百十五万トンで、百十年分、亘理町では百二十七万トン、百年分であります。また、松島町での瓦れき処理の進捗率は、いまだに三%。

 菅内閣は、千年に一度の未曾有の大災害と言いながら、瓦れきに囲まれて生活する被災者や復旧に当たる自治体のことをまるで認識できていないのです。これほどの量の瓦れきを、これまでの対策の延長のような取り組みで処理できるはずがありません。もし、ここに五%でも被災自治体負担が発生をすれば、五年分相当の瓦れき処理費用を確保しなければならない。今の財政状況では到底不可能であります。

 政府は、処理費用を全額負担するものの、自治体にその一部の立てかえ払いを求めていますが、我々野党は、政府が直接全額負担すべきだとしております。

 政府・与党は、立法趣旨をより深く考え、野党に譲歩し、早急に結論を出すべきであると強く申し上げ、質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣江田五月君登壇〕

国務大臣(江田五月君) 災害廃棄物の処理に関する問題の認識と、法案作成の指示の時期についてのお尋ねがありました。

 政府としては、これまで、市町村に対する財政援助により実質的に市町村に負担が生じないようにしたほか、被災自治体に環境省職員やコンサルタントを合計二十名常駐させ、契約面、技術面の支援を行うなど、積極的に被災自治体を支援してきたところであります。

 このような支援の結果、災害廃棄物の処理が着実に進められてきており、ほぼすべての市町村において、八月末までに住民が生活している場所の近くにある災害廃棄物を仮置き場へ搬入することができる見込みとなっております。

 今回の政府案は、一次補正予算成立後、災害廃棄物処理を進めていく中で、被災自治体からの要望等を踏まえ、検討に着手したところであります。その後、政府としてこれまで行ってきた支援の効果や、被災自治体における処理の現状を踏まえ、国が代行することで一層の効率化が期待される仮置き場以降の災害廃棄物処理に移りつつある段階で国会に提出すべく、検討を続けてきたものであります。

 いずれにせよ、災害廃棄物の処理が円滑かつ迅速に進むよう、政府として、引き続き最大限努力してまいります。

 災害廃棄物の処理に係る費用負担についてのお尋ねがありました。

 災害廃棄物処理に係る地方負担分については、国と地方の役割分担を踏まえ、国によって確実に措置することにより、実質的な地方負担が生じないようにすることが必要と考えています。

 そのため、政府が提出した東日本大震災により生じた廃棄物の処理の特例に関する法律案において、国は必要な財政上の措置を講ずるよう努めることとしたところであります。

 さらに、具体的な措置として、地方負担分の全額を災害対策債により対処し、その元利償還分を一〇〇%交付税措置することを関係法令において明確化することとし、そのための規定が設けられた法律案も、七月二十二日に閣議決定し国会に提出したところです。

 また、引き続き現地に派遣されている環境省職員が補助金の概算払いの申請に当たり市町村に対して助言を行うなど、被災市町村へのきめ細かな支援等を通じて、より速やかな予算執行を進め、災害廃棄物の円滑かつ迅速な処理を進めてまいります。

 漁場など海中の廃棄物の処理についてのお尋ねがありました。

 今回の震災により生じた海域にある災害廃棄物については、港湾や漁港の管理者、漁業者等がその処理に取り組んでいるところであると承知しております。

 また、環境省では、市町村がみずから行う必要があると認めた場合、海域にある災害廃棄物も含め、市町村の災害廃棄物処理事業として実施できることとしており、環境大臣が代行する場合も同様であります。

 海域にある災害廃棄物などの処理は、関係する者が積極的に取り組んでいくことが重要であり、国が市町村にかわって災害廃棄物の処理を行う場合であっても、関係者と連携して積極的に取り組んでまいります。

 災害廃棄物の処理に当たっての再生利用の推進についてのお尋ねがありました。

 東日本大震災により発生した膨大な量の災害廃棄物は、津波によりさまざまなものが混在している状況にありますが、可能な限り分別を行い、極力再生利用を図ることで、処分量や処理コストを削減することが重要であると認識しています。

 環境省が五月十六日公表した災害廃棄物の処理指針、いわゆるマスタープランでは、このような考え方に基づき、金属くずについては分別した上で再生利用、コンクリートくずについては復興の資材等として、木くずについては、木質ボードやボイラー燃料、発電等に利用し、再生利用を図ることとしております。

 政府提出法案に基づき、国が災害廃棄物の処理を代行する場合においても、このような考え方により、再生利用を積極的に推進してまいります。(拍手)

    〔国務大臣細川律夫君登壇〕

国務大臣(細川律夫君) 高木議員にお答えいたします。

 ヘドロによる感染症の発生予防、無害化処理についてお尋ねがありました。

 現在までのところ、ヘドロそのものに起因した感染症の発生の報告は受けておりませんが、今後そのおそれが生じた場合には、直ちに感染症予防法に基づき消毒等の措置を講じるとともに、その財政支援を行うなど、感染症の発生及び蔓延の防止に万全の体制をとってまいります。(拍手)

    〔江田康幸君登壇〕

江田康幸君 高木議員より、海の瓦れきについて御質問をいただきました。

 被災地域は、重要港湾や数多くの漁場を抱えておりまして、漁業従事者も多く、早期の復旧復興のためには、迅速に海の瓦れきを処理する必要があります。

 しかしながら、海の瓦れきにつきましては、港湾、漁港、海岸、漁場など、管理主体が複雑でありまして、かつ、その処理責任を負うべき主体が明確でないという問題があります。とりわけ、沖合にある漁場は、法的管理者が全く現行法では規定されておりません。責任主体が全く明らかではないがゆえに、このままの状況であれば、海の瓦れきの処理は大きくおくれていくわけでございます。

 この点、政府案では、海の瓦れきの処理に関して何ら規定はございません。これでは、この海の瓦れきの処理は全く進まない。非常に不十分なものとなっております。

 一方、野党四党案では、海の瓦れきにつきまして、その処理を行うべき主体の明確化を含めた指針を策定するとともに、早期に処理するよう必要な措置を講ずることとしております。これにより、海の瓦れきの処理を行うべき主体が明確になり、迅速かつ適切に海の瓦れきの処理が行われる前提条件が整備されることになるものと考えております。

 続いて、ヘドロ対策について御質問をいただきました。

 被災地では、沿岸部を中心に、津波によって海岸に打ち上げられた大量の津波堆積物、いわゆるヘドロが堆積しております。その量は、六県で千三百万から二千八百万トンとも推計をされております。

 このヘドロにつきましては、細菌の増殖による感染症の原因となるものであります。早期に処理しなければ、感染症の蔓延のおそれがあるものであります。また、ヘドロは、強烈な悪臭を放つものであります。さらには、工業用重油やガソリンなどの有害物質を含み、無害化処理をしなければならないことなど、被災地における復旧復興作業の大きな妨げとなっております。

 しかし、現状では、瓦れきの処理に手いっぱいで、膨大なこのヘドロの処理はほとんど手つかずであります。このヘドロを早急に処理しなければ、瓦れき処理を初めとする復旧復興はままならないわけであります。

 この点についても、政府案では、何ら規定がなく、不十分なものとなっております。被災して足腰が弱くなっている市町村や県が、膨大なこのヘドロをどうして無害化処理をして活用することまでできるでありましょうか。国が前面に出てやるべきであります。被災者に寄り添う姿勢が全く見られません。

 これに対して、野党四党案におきましては、ヘドロ処理について、国は感染症の発生の予防及び悪臭の発生の防止のために緊急に必要な措置を講ずるものといたしました。あわせて、早期に、無害化処理を行った上で、地盤沈下した場所の埋め戻し材として、また、盛り土材等の土木資材やセメント原料として活用するなど、復旧復興のための資材としての活用を含めて、必要な措置を講ずるものとしております。

 残余の質問に関しましては、同僚の提案者より説明させていただきます。(拍手)

    〔小里泰弘君登壇〕

小里泰弘君 高木陽介議員より、災害廃棄物の再生利用について御質問をいただきました。

 今般の大震災におきましては二千二百万トンを超える大量の瓦れきが発生しており、その処理を進めるに当たりましては、適切に分別を行い、再生利用できるものについては、可能な限り再生利用を図っていく必要があります。

 この点についても、政府案では、何ら規定がなく、再生利用という観点が全く盛り込まれておりません。

 野党四党案では、国が講ずべき措置の一つとして瓦れきの再生利用を盛り込み、新たなまちづくりへの瓦れきの活用等の措置を講ずるものとしております。例えば、コンクリートくずなどを海岸防潮林の造成の際の基礎として活用するなどの形で再生利用することを想定しているところであります。これは、そのまま最終処分にも資するものであります。

 瓦れきの処理を迅速かつ適切に進めるために、国の責任において取り組むべき施策として、立法府の判断として法律に規定するものであります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(衛藤征士郎君) 秋葉賢也君。

    〔秋葉賢也君登壇〕

秋葉賢也君 自由民主党の秋葉賢也です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表し、ただいま議題となりました、自由民主党・無所属の会、公明党、みんなの党及びたちあがれ日本共同提案の東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案及び政府提出の東日本大震災により生じた廃棄物の処理の特例に関する法律案について質問いたします。(拍手)

 東日本大震災では、強烈な揺れと想像を絶する大津波が発生し、その結果、多くの建物が崩壊し、膨大な量の瓦れきが発生いたしました。

 このような大量の瓦れきの発生は、過去に類例のないことであり、今回の大震災の一番の特徴であります。その総量は、通常の二十年分以上、二千二百万トンを超えると推計されております。

 このうち、岩手県は約四百五十万トン、福島県は約二百三十万トン、そして我が宮城県は、両県の合計の二倍以上に当たる約一千六百万トンに達しております。青森や茨城でも大量な瓦れきが発生いたしております。この中で突出しているのは、特に石巻市であります。石巻だけでも約六百万トンで、もう何百年分に値すると言われております。

 こうした現況の中で政府の対応を見ると、全くもってその処理が不十分な状況にございます。震災の発生から既に四カ月以上が経過しているにもかかわらず、一次仮置き場に搬入された瓦れきですら、まだ約四割の処理率であります。最終的に、瓦れきは、焼却や埋め立て、あるいは再利用などを行って初めて、処理したと言えるのであります。したがって、私に言わせれば、実質的な瓦れきの処理はいまだにゼロ%だと言っていい状況でございます。

 一次仮置き場以降の二次仮置き場への搬入、そして、再利用や最終処分場での処理については、きちんと今後計画どおりに進むのか、不透明な状況であると言わざるを得ない現状にあります。

 一次補正予算の中では、瓦れき処理に係る補助金として三千五百億円を超える額が計上されました。しかし、今日まで、市町村からの要求額が約一千八百億円あったにもかかわらず、予算が執行されたのはわずかに二百八億円にとどまっております。

 また、市町村の職員からは、補助金を申請したけれども、国から書類不備を理由としてはねつけられ、業者への支払いにも支障が出ているとの声が届いております。国が直轄で処理せず、市町村にゆだねているからこそ、このような問題が生じているのであります。

 煩雑をきわめる補助金の申請、交付の手続にも大きな問題があります。

 補助金を受けるためには、委託、受託、処分、概算請求、補助申請、交付の決定、概算払い、県から市町村への実績報告、市町村から国への実績報告、国と市町村の間の精算、市町村と県との間の精算と、何と十一ものプロセスが必要になっております。しかも、このサイクルが何度も何度も繰り返されることになるわけでありまして、自治体の事務作業は極めて大きな負担となっております。

 我が党は、これまで三次にわたる緊急提言を発表し、その中で、政府に対して、瓦れき処理に関する抜本的かつ具体的な施策を提案してまいりました。しかし、政府においては、これらの提案が顧みられることなく、対応が進まないままで現在に至っております。

 そこで、今回、野党四党の共同提案という形で法案が提出され、政府は、慌てて、この一週間後に、国の代行の仕組みだけを定めた法案を提出してきたというのが実態であります。

 本日は、この野党四党共同提出の法案と政府案との相違点を中心に、法案提出者及び関係大臣に質問をさせていただきます。

 まず、特別立法のそもそもの趣旨、必要性についてお尋ねいたします。

 先ほど述べたように、瓦れきの処理を迅速かつ適切に進めるためには、現行の政府の対応では不十分であり、特別立法の制定は喫緊の課題であります。

 四党案では、なぜ今瓦れき処理に関する特別立法が必要なのか、その実質的な背景が第一条に詳細に述べられておりますが、この点について、より詳しい説明を提案者に求めます。

 一方、政府案では、単に、災害廃棄物を処理するための特例を定めるとあるだけであります。題名からして処理の特例に関する法律案であって、なぜこの特別立法が必要なのか、その目的や背景が法案には全く示されておりません。政府の対応が不十分であるために瓦れきの処理がおくれているという認識を本当に持っておられるのでしょうか。環境大臣にお尋ねをいたします。

 次に、国の責務についてお尋ねをいたします。

 瓦れきの処理は、大震災からの復旧復興の大前提です。したがって、当然、国が前面に出て、主体的に、かつ計画的に取り組んでいかなければなりません。もちろん、地元自治体の意向を尊重しなければならないのは当然のことですけれども、やはり国が前面に出なければ、瓦れきの処理は進捗をいたしません。

 四党案では、国がどのような役割を担うのか、提案者にお伺いをいたします。

 その一方で、政府案では、単に環境大臣が代行するとの規定があるのみで、国が責任を持って瓦れきの処理を行うという姿勢は全く示されておりません。瓦れき処理に関して国はどのような責任を負うと考えているのか、環境大臣の認識をお伺いいたします。

 次に、国による瓦れき処理の代行についてお尋ねいたします。

 現行の廃棄物処理法では、災害廃棄物は市町村の責任において処理することとされております。しかし、今回の未曾有の大震災では、被災市町村は、復旧復興のための膨大な業務に追われて、瓦れきの処理までには十分手が回らないのが実情であります。したがって、瓦れきの処理を迅速に進めるためには、やはり、国による代行、事実上の直轄化が必要不可欠であります。

 そして、その際に重要なのは、その実施体制であります。国が代行する場合には、どの大臣が、どの省が、どのような形でかかわっていくのかという点であります。迅速に瓦れきの処理を進めるためには、国の責任で、縦割り行政の枠を打破して、政府を挙げて対応していかなければなりません。

 四党案では、国が代行するとあります。また、附則には、体制整備に関する規定もしっかりと設けられております。国が代行する場合にどのような体制で瓦れき処理に当たるのか、提案者にお伺いいたします。

 一方、政府案では、環境大臣が代行するとあります。瓦れきの処理は環境省だけで対応できるのでしょうか。具体的には、例えば、道路瓦れきの処理に実績のある国土交通省や、その組織、人員、ノウハウも最大限に生かしていかなければならないと考えます。政府案では、環境省以外の省はどのような形で瓦れき処理にかかわるのかについて不明であり、環境大臣及び復興担当大臣の見解をお伺いいたします。

 次に、代行の要件についてお尋ねいたします。

 瓦れきの処理を迅速に進めるためには、市町村から要請があった場合には国が確実に代行する制度でなければなりません。

 そのような観点から代行の要件に関して両法案を比較いたしますと、政府案では、いわゆる震災復旧代行法と同様に、必要があると認めるときは、その事務に支障のない範囲内で行うことができるとあるのに対して、四党案では、必要があると認められるときは行うものとするとあります。

 代行の要件についてこのような規定ぶりとした理由について、四党の提案者にお尋ねいたします。

 次に、国庫負担についてお尋ねをいたします。

 四党案と政府案との最大の相違点は、瓦れきの処理に要する費用を全額国庫が負担するか否かについてであります。地元自治体、現場の自治体の方々の意見を伺うと、費用の負担が最大の課題であると答えております。

 具体的には、二つの点で課題があると認識しております。

 まず、その負担額の大きさであります。

 今回の大震災で発生した瓦れきの処理には約六千八百億円もの費用を要するとの推計もあります。我が宮城県の分だけを換算しても、現在のところ、約四千億円の費用が最低かかるだろうと推計されております。総額が巨額であるため、九割の国庫補助があったとしても、残りの一割の市町村負担分は極めて大きな額になると言わざるを得ません。規模の小さな市町村では、一般会計の予算規模が年百億円に満たないところもたくさんございます。まさに、一割といっても、けた違いに大きい負担なのであります。

 政府の方針では、地方負担分については全額交付税措置を講ずるとのことですが、本当にこれが確実に手当てされるのか、どこの自治体の首長さん方も疑いのまなざしを向けております。

 次に、その手続であります。

 例えば、瓦れきの処理を県に委託している場合、現在の枠組みでは、市町村負担分があるために、市町村ごとに瓦れきを区分し、それぞれの市町村の負担部分を計算する必要があります。その事務作業量も実に膨大であり、自治体に大変大きな負担をかけております。

 確かに、瓦れきの処理は第一次的には市町村の責任であり、したがって、国が処理費用を補助するにしても全額補助ではなく、地方も一定の負担をすべきというのは、一見、もっともらしい理屈かもしれません。

 しかし、それはあくまでも平時の論理にすぎません。今まさに我々が直面している、この大震災がもたらした想像を絶する甚大な被害、膨大な瓦れきの山を目の当たりにして通用する論理ではないのです。今求められるのは、まさに、平時ではなく、緊急時、非常事態の対応であります。瓦れきの処理を迅速に一刻も早く進めるためには、平時の論理を乗り越え、国が確実に全額負担する仕組みを講じていかなければなりません。これこそ、我々政治家に課せられた使命であり、真の政治主導だと確信をいたしております。

 全額国庫補助は瓦れきの処理を迅速に進めるために不可欠であると考えますが、この点について、四党提案者及び環境大臣の双方に認識をお伺いいたします。

 次に、廃棄物処理施設の新設に係る国庫補助についてお尋ねをいたします。

 今般の大震災で発生した瓦れきは、到底、既存の廃棄物処理施設だけで賄える量ではありません。迅速に処理するためには、新たな処理施設の整備が必要不可欠であります。

 しかし、廃棄物処理施設というハード面について、政府の対応では、一般廃棄物の処理施設の復旧に限ってその九割を補助するにすぎません。これでは全く不十分であると言わざるを得ません。

 四党案では、ハード面についても全額国庫補助するとの規定が設けられております。その趣旨や対象についてどのように考えているのか、提案者にお伺いをいたします。

 次に、瓦れきの処理に関し国が講ずべき措置についてお尋ねをいたします。

 瓦れきの処理については、現実にさまざまな課題、問題が明らかになっております。仮置き場や最終処分場をどのように今後確保していくのか、被災地で発生した大量の瓦れきをいかにして広域的に処理していくのか、どれだけ瓦れきの再生利用を図ることができるのか。そして、海の瓦れきやヘドロといった特殊な災害廃棄物については、大半が手つかずのままの状態であります。

 特別立法を行う以上、これらの諸課題にどう取り組んでいくのかといった点にも十分留意していかなければなりません。種々の施策について確実に実施していくためには、やはり法的な裏づけが必要になってまいります。

 四党案では、第五条において、国が講ずべき措置が列挙されております。これらの措置を法案に盛り込んだ趣旨について提案者にお伺いいたします。

 最後に、復興庁の設置についてお尋ねをいたします。

 瓦れきの処理を含め、震災からの復興を着実かつ迅速に進めるためには、我が党の案を丸のみして制定された復興基本法に基づいて、復興に関する施策の実施を担う復興庁を早急に設置していかなければなりません。私は、年内の設置が必要だと考えております。そのためには、会期が八月末日までに延長された今国会での設置法案の提出、整備が必要不可欠と考えております。

 関東大震災の際には、発生から一カ月後には帝都復興院が設置をされました。これに対して菅政権では、瓦れきに限らず、あらゆる面において全くスピード感というものが感じられません。

 復興庁の設置時期のめどについて、復興担当大臣にお伺いをいたします。

 また、復興庁を設置する際には、被災地の中で中央省庁の東北管区出先機関が集中する仙台市に設置することが有益だと考えますが、この点についても復興担当大臣の見解をお伺いいたします。

 以上、両法案について、その相違点を中心に、提案者及び関係大臣に質問をいたしました。

 被災者の方々の御苦労を思うと、瓦れきの処理を一刻も早く進めなければならない。その思いはますます強まるばかりであります。被災自治体の首長からは、一たん起債して後日交付税で措置する、面倒を見るというのはもういいかげんやめてくれ、国の直轄でやってくれという声が絶え間なく私どもに寄せられております。

 今こそ、平時ではなく非常事態であるという認識のもと、これまでにない枠組みで対応していかなければなりません。そのためにも、瓦れきの迅速な処理のために必要な施策を盛り込んだ、我が党を初めとする四党が提出した法案の成立こそが不可欠であると強く訴えて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣江田五月君登壇〕

国務大臣(江田五月君) 災害廃棄物の処理状況に係る認識についてのお尋ねがありました。

 今回の震災では、災害廃棄物の発生量が推計でも二千万トン以上と非常に多く、また、行方不明者の捜索など、困難な状況の中でその撤去が行われてきましたことから、地域によって進捗状況に差がありますが、市町村の努力により、災害廃棄物の仮置き場への搬入は着実に進んできています。

 政府提出法案は、このように、災害廃棄物の仮置き場への搬入が進み、今後、国が代行することで一層の効率化が期待できる仮置き場以降の処理に移りつつあること等を踏まえ、災害廃棄物処理の実施体制、その処理に関する専門的知識及び技術の必要性並びに広域処理の重要性にかんがみ、国が被害を受けた市町村にかわって災害廃棄物を処理するための特例等の措置を講じようとするものであります。

 災害廃棄物の処理についての国の責任についてのお尋ねがありました。

 災害廃棄物を含む廃棄物の処理については、廃棄物処理法において、国は、国内における廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう適切な措置を講ずるとともに、市町村及び都道府県に対し、必要な技術的及び財政的援助を与えること並びに広域的な見地からの調整を行うことに努めなければならない旨規定されているところであります。

 また、本年五月に環境省が策定した災害廃棄物の処理指針、いわゆるマスタープランでは、国の役割として、災害廃棄物の処理が適正かつ効率的に行われるよう、処理指針の作成のほか、財政措置、専門家の派遣、広域かつ効率的な処理に向けた情報提供等の支援を実施することとしているところであります。

 このように、災害廃棄物の処理に当たって国が果たすべき役割は明確でありますが、今回の東日本大震災により発生した災害廃棄物の量は前例のない膨大なものであることなどから、国がより積極的な役割を果たす必要があると考え、今回、本法案を提出したものであります。

 環境省以外の省の災害廃棄物の処理へのかかわりについてのお尋ねがありました。

 災害廃棄物の処理に関しては、これまでも、環境省と関係省庁とが緊密に連携し、災害廃棄物の処理等について円滑化を図るため、諸課題について整理、検討を行ってきたところであります。

 また、被災の大きかった三県に設置された災害廃棄物処理対策協議会には関係省庁も参加し、仮置き場のための国有地の提供、自治体への必要な情報提供を行うなど、積極的な協力が行われているところであります。

 これらにより、これまでも災害廃棄物の処理が着実に進められてきたところであり、国が処理を代行する場合についても、関係省庁の緊密な連携協力のもと、環境省が責任を持って処理を行うことにより、災害廃棄物の円滑かつ迅速な処理ができるものと考えております。

 災害廃棄物の国庫補助についてのお尋ねがありました。

 災害廃棄物の処理については、環境省としても迅速に対応していく必要があると考えています。政府では、既に、国庫補助率のかさ上げを行うとともに、残る地方負担分についても全額を災害対策債により対処し、その元利償還金を一〇〇%交付税措置することにより、実質的に負担が生じないよう措置を講じているところです。政府案により国が代行する場合においても、同様に、適切な措置を講ずる予定です。

 地方負担分については、国によって確実に措置することを関係法令において明確化することを検討しており、そのための規定が設けられた法律案も、七月二十二日に閣議決定され国会に提出されているところです。

 さらに、現地に派遣されている環境省職員が補助金の概算払いの申請に当たり市町村に対して助言を行うなどのさまざまな措置を講じており、こうした被災市町村へのきめ細かな支援等を通じてより速やかな予算執行を進めることにより、災害廃棄物の円滑な処理を進めてまいります。(拍手)

    〔国務大臣平野達男君登壇〕

国務大臣(平野達男君) 秋葉議員から、大きく二問の質問をちょうだいしております。

 まず、政府案における瓦れき処理の体制についてお尋ねがございました。

 災害廃棄物の処理に関しましては、これまで、環境省が中心となりまして、農林水産省、国土交通省を初めとする各省制度もフルに動員して、被災自治体と連携しつつ、政府一体となって瓦れきの処理に取り組んできたところであります。

 これから瓦れきの処理が本格化することが見込まれる中にあって、今後とも、環境省を中心として政府一体となって取り組んでまいるよう、復興対策本部事務局としてもこれを後押ししてまいる所存でございます。

 次に、復興庁の設置についてお尋ねがございました。

 まず、その設置のめどにつきましては、復興基本法の策定の際の与野党協議におきまして、政府においては、一日も早く復興庁の業務の全体像を示せるよう協議を進め、年内に成案を得て、速やかに設置法案を国会に提出すべき旨合意されたところであります。現在、復興の基本方針を今月中に策定するべく取り組んでいるところでございます。

 この基本方針の策定によって、復興特区の創設、復興財源の確保といった、今後政府が行うべき復興施策の実現への道筋をつけます。

 復興庁についても、この基本方針に基づいて早急に準備体制を整備して、一日も早い設置法案の提出を目指してまいります。

 最後に、復興庁の設置場所についてお尋ねがございました。

 未曾有の災害である東日本大震災からの復興を行っていくためには、復興庁につきましては、一つとしては、内閣の機関として、各省に対する司令塔となるとともに、みずから予算の確保等を行う中央省庁としての機能と、二つとして、被災地において自治体や被災者と向き合い復興事業を実施する現場機能の、双方を兼ね備えたものとすることが不可欠でございます。

 こうした観点から、復興庁の設置場所については、被災地に設置することも含めまして、これからしっかり検討してまいります。

 以上でございます。(拍手)

    〔田中和徳君登壇〕

田中和徳君 被災地宮城県の地元議員として大変な御苦労をいただいております秋葉賢也議員より、我々提出者に対しまして七点の御質問がありました。そのうち五問について、私、田中和徳より答弁をさせていただきます。

 まず最初のお尋ねでありますけれども、本法律案の提案の背景についてお尋ねをいただきました。

 現在、東日本大震災により生じた瓦れきの処理が著しく停滞しており、そのため、被災地域の復旧復興が大きく遅延しております。被災地の一日も早い復旧復興を進めるためには、まず何よりも、この瓦れきの迅速かつ適切な処理が必要不可欠であります。

 そこで、災害廃棄物を迅速かつ適切に処理するため、災害廃棄物の処理に関し、国の責務を明確にし、国による瓦れき処理の代行、国による瓦れき処理に要する費用の全額補助、及び国が講ずべきその他の措置を定めた法律案を提出した次第でございます。

 二つ目についてお答えをいたします。

 二つ目は、瓦れき処理に関し国はどのような役割を担うのかという重要な点であります。

 これは、現行法上、瓦れき処理は市町村が行うべきものとされております。しかし、多くの市町村は、先ほども話がありましたように、復旧復興のためのさまざまな対応で手いっぱいであります。迅速かつ適切に瓦れきを処理する余裕がないからであります。

 そこで、法律案では、国に瓦れきの処理を責任を持って行わせるよう、国の責務を規定いたしました。一方、政府案には、国の責務規定が設けられておりません。

 本法律案では、国が自治体に対して主体的に必要な支援を行うものとするとともに、瓦れき処理に関する基本的な方針等を明らかにした工程表を策定することを明記するなど、国が瓦れき処理に関し必要な措置を計画的かつ広域的に講ずる責務を有することを定めておるものでございます。

 その一方で、国が瓦れき処理を進めるに当たっては、地元自治体の意向を最大限に尊重することを明記し、自治体への配慮もなされた内容となっております。

 三つ目のお尋ねは、国が代行する場合の実施体制についてお尋ねをいただいております。

 第三条第一項において国が代行すると規定した趣旨は、特定の大臣や省だけではなく、市町村との関係で、国が政府全体として責任を持って瓦れきの処理を代行することを明らかにした点にあります。その上で、瓦れき処理の代行の主体につきましては、第三条第二項において、瓦れき処理に関する事務を所掌する大臣が権限を行使すると規定しております。したがって、現時点での行政組織法を前提とすれば、廃棄物処理に関する事務を所掌する環境大臣が瓦れき処理を所掌することになります。

 しかし、実施を一元的に担うこととなる復興庁が設立されることとなっておりますので、その段階では、復興庁の所管大臣が瓦れき処理の代行も行うことになるものと考えております。

 さらに、附則四条において、復興庁が設置されるまでの間においても、復興対策本部の総合調整のもとで、環境省の取り組みに国土交通省等の各省庁のすべての能力を活用させるなど、政府全体の責任において瓦れき処理を迅速かつ適切に進める体制を整備するよう促すことにいたしておるものであります。

 第四の質問は、国が代行する場合の要件についてであります。

 瓦れきの処理を迅速かつ適切に行うためには、市町村から要請があった場合には国が確実に代行する仕組みとしておく必要があります。

 政府案では、必要があると認めるときとされていますが、これでは、必要性を国が判断する余地が大きいという問題があります。これに対し、私どもの法案では、より客観的に判断されるよう、必要があると認められるときといたしました。

 また、政府案では、その事務の遂行に支障のない範囲で行うことができるとされていますが、これでは、必要性があっても国の事務の都合や裁量によって代行しないとの判断もできるように読めるものがございます。これに対し、私どもの法案では、代行の必要性があれば必ず代行することとするため、行うものとするといたしたものであります。

 第五と第六の質問は山内康一議員からお答えをいただくことになりまして、最後の七問目でございます。

 第五条の国が講ずるべき措置についてお尋ねがありましたので、お答えいたします。

 第五条では、瓦れきの処理に関して国が講ずべきさまざまな措置を規定いたしました。具体的には、一つ、仮置き場や最終処分場の確保、全国の自治体に対する広域的な協力要請、施設整備の費用負担、二つ、瓦れきの再生利用、三つ、瓦れき処理契約の内容に関する統一的な指針の策定、次に、アスベスト対策、次に、海の瓦れきの処理責任主体の明確化、さらに、ヘドロの処理について、国が講ずべき施策を定めております。

 これらの施策の中には既に政府が取り組みつつあるものもありましょうが、全く現場には徹底されておらず、極めて不十分であります。例えば、瓦れきの仮置き場や最終処分場の確保についての政府のこれまでの対応は不十分であり、海の瓦れきやヘドロの処理についてはほとんど進んでおりません。

 そこで、本法案では、瓦れき処理が進まない実態を分析した上で、立法府の判断として、国が重点的に取り組むべき施策として法律に規定することといたしたものであります。

 処理方針を法律に明文化することにより、行政府に対する確かな義務づけとなります。国としての処理方針を明確なメッセージとして被災地に届けるものであります。

 私からは、答弁、以上であります。(拍手)

    〔山内康一君登壇〕

山内康一君 全額国庫補助の必要性について御質問がありました。

 現在の政府の施策は、瓦れき処理の費用負担は、まず、市町村に対してその財政力に応じて五割から九割弱を補助した上で、残額については災害対策債により対処をし、後年度、元利償還金を一〇〇%地方交付税で措置するものと承知しております。しかし、一割、二割といっても、瓦れきの量が膨大であり、したがって処理費用の総額が膨大であるため、市町村の起債、すなわち借金の負担が極めて大きいものとなります。

 そこで、市町村が瓦れき処理に安定的に取り組めるよう、特別財政援助法の措置を拡充し、瓦れき処理の費用の全部を国が補助することがぜひとも必要であると考え、本法律案では全額国庫補助といたしました。

 瓦れきの処理は国と地方の共同事業であるから国と地方で負担するという建前が原則だという意見もありますが、それは平時の議論であって、現在のような緊急時には妥当しないものと考えます。

 続きまして、処理施設の新設等に対する全額国庫補助の規定について御質問がありました。

 本法案では、廃棄物処理施設の復旧、新設など、瓦れき処理のためのハード面も全額国庫補助の対象としております。

 瓦れきの処理は復旧復興事業の大前提であり、迅速に進めなければなりません。東日本大震災では大量の瓦れきが発生しており、既存の廃棄物処理施設を復旧するだけでは、迅速かつ適切な瓦れき処理を行えません。

 しかし、政府の施策では、既存の一般廃棄物の処理施設の復旧に限り、その九割弱を補助した上で、後年度に残額の九五%を交付税で措置するものと承知しております。これでは、新たな廃棄物処理施設の建設費用は直接的には補助対象とならず、市町村は財政的に不安を感じております。

 そこで、市町村が財政面で不安を感じることなく瓦れき処理に安定的に取り組めるよう、瓦れき処理を行う新たな施設の整備、運営等に要する費用についても、その全額を補助することとしたものです。

 以上です。(拍手)

副議長(衛藤征士郎君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(衛藤征士郎君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十一分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣    片山 善博君

       文部科学大臣  高木 義明君

       厚生労働大臣  細川 律夫君

       農林水産大臣  鹿野 道彦君

       環境大臣    江田 五月君

       国務大臣    海江田万里君

       国務大臣    平野 達男君

 出席副大臣

       環境副大臣   近藤 昭一君


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