衆議院

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第8号 平成25年4月24日(水曜日)

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平成二十五年四月二十四日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 平井たくや君

   理事 木原 誠二君 理事 関  芳弘君

   理事 西川 公也君 理事 平口  洋君

   理事 若井 康彦君 理事 松田  学君

   理事 高木美智代君

      青山 周平君    大岡 敏孝君

      鬼木  誠君    勝俣 孝明君

      小松  裕君    新谷 正義君

      助田 重義君    田所 嘉徳君

      田中 英之君    高木 宏壽君

      津島  淳君    中谷 真一君

      中山 展宏君    平沢 勝栄君

      福山  守君    堀内 詔子君

      山際大志郎君    山田 美樹君

      吉川  赳君    荒井  聰君

      岸本 周平君    後藤 祐一君

      津村 啓介君    遠藤  敬君

      杉田 水脈君    中丸  啓君

      山之内 毅君    輿水 恵一君

      浜地 雅一君    大熊 利昭君

      赤嶺 政賢君    村上 史好君

    …………………………………

   総務大臣         新藤 義孝君

   国務大臣         山本 一太君

   国務大臣

   (社会保障・税一体改革担当)           甘利  明君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   総務副大臣        坂本 哲志君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   内閣府大臣政務官     山際大志郎君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    山本 庸幸君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 辻  義之君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  望月 達史君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    須江 雅彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       高倉 信行君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           神田 裕二君

   政府参考人

   (特許庁総務部長)    小糸 正樹君

   内閣委員会専門員     雨宮 由卓君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十四日

 辞任         補欠選任

  川田  隆君     助田 重義君

  豊田真由子君     堀内 詔子君

  岡田 克也君     岸本 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  助田 重義君     川田  隆君

  堀内 詔子君     津島  淳君

  岸本 周平君     岡田 克也君

同日

 辞任         補欠選任

  津島  淳君     豊田真由子君

    ―――――――――――――

四月二十三日

 社会保障・税一体改革の撤回等に関する請願(宮本岳志君紹介)(第四六六号)

 社会保障制度改革推進法の撤回に関する請願(宮本岳志君紹介)(第四六七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案(内閣提出第三号)

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第四号)

 内閣法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

 地方公共団体情報システム機構法案(内閣提出第七号)


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     ――――◇―――――

平井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、内閣法等の一部を改正する法律案及び地方公共団体情報システム機構法案の各案を一括して議題といたします。

 この際、内閣提出、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案及び内閣法等の一部を改正する法律案の両案に対し、木原誠二君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党の共同提案による修正案がそれぞれ提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。後藤祐一君。

    ―――――――――――――

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案に対する修正案

 内閣法等の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

後藤(祐)委員 ただいま議題となりました両修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案に対する修正案の趣旨について申し上げます。

 第一に、この法律の目的として、行政運営の効率化及び行政分野におけるより公正な給付と負担の確保を図ることを追加することとしております。

 第二に、この法律の基本理念として、政府原案では「行政運営の効率化を図り、もって国民の利便性の向上に資すること。」となっていたものを、「国民の利便性の向上及び行政運営の効率化に資すること。」と修正することとしております。

 第三に、国税庁長官が都道府県知事もしくは市町村長にまたは都道府県知事もしくは市町村長が国税庁長官もしくは他の都道府県知事もしくは市町村長に、政令で定める国税に関する法律の規定により国税または地方税に関する特定個人情報を提供する場合において、当該特定個人情報の安全を確保するために必要な措置として政令で定める措置を講じているときは、当該特定個人情報を提供することができることとしております。

 第四に、政府は、給付つき税額控除の施策の導入を検討する場合には、当該施策に関する事務が的確に実施されるよう、国の税務官署が保有しない個人所得課税に関する情報に関し、個人番号の利用に関する制度を活用して当該事務を実施するために必要な体制の整備を検討するものとすることとしております。

 次に、内閣法等の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨について申し上げます。

 第一に、内閣情報通信政策監に対する事務の委任主体について、政府原案では高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部となっていたものを、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長とするとともに、本部長は、関係行政機関、地方公共団体及び独立行政法人の長並びに特殊法人の代表者に対する資料の提出その他の協力の求めに係る事務を内閣情報通信政策監に行わせることができることとしております。

 第二に、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長は、内閣情報通信政策監の意見及び報告に基づき、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、勧告することができることとしております。

 第三に、施行期日を、「平成二十五年四月一日」から「公布の日」に改めることとしております。

 以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

平井委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

平井委員長 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、警察庁長官官房審議官辻義之君、総務省自治行政局長望月達史君、総務省統計局長須江雅彦君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官高倉信行君、厚生労働省大臣官房審議官神田裕二君、特許庁総務部長小糸正樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平井委員長 これより各案及び両修正案を一括して質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岸本周平君。

岸本委員 おはようございます。民主党の岸本周平でございます。

 本日、内閣委員会におきまして、マイナンバー法案に関する質問の機会をいただきました。本当にありがとうございます。

 ちょうど昨年の解散・総選挙の前ですけれども、民主党政権としてマイナンバー法案を提出させていただいておりました。その際に、今の平井委員長それから高木理事と三名で、三党協議の実務責任者として修正の詰めをさせていただきました。ほとんど三党で合意をしていたのでありますけれども、残念ながら、解散・総選挙ということで、あの法案はなくなってしまったわけであります。

 一方で、今回、安倍内閣で、基本的にはこの際の三党協議の内容をもとに、新しい法案を提出いただきました。その上で、審議の経過を経て、与野党ともに修正案を提出していただいたということであります。内容的には、私自身、これまでかかわってきた者として、大変よい法案ができた、よい修正案も出されたというふうに感じております。

 したがいまして、今後、この五十分の間で、何問か、国民の皆様に内容をよく理解していただくための質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず最初に、新藤総務大臣にお伺いをしたいのでありますけれども、実は、番号という意味では、今回、新しく番号法案が出されているわけでありますけれども、もともと、住基ネットワークシステム、住基ネットのネットワークシステムがございます。住基ネット、住基番号というのがあります。残念ながら、なかなか国民全般に普及しているというわけではありませんが、まず、大臣は住基カードをお持ちでいらっしゃいますでしょうか。

新藤国務大臣 私は持っております。

岸本委員 それは、いつごろ入手されて、これまで何回御利用になられましたでしょうか。

新藤国務大臣 この所管の大臣になりましたときに、そのころに入手いたしました。それから、私がカードを使って手続したことはございません。自分でやる必要性がそのときにはなかったものですから、まだ使ったことはございません。

岸本委員 やはり所管大臣としてお持ちいただいて、大変ありがたいと思いますけれども、実は、この住基カードは、最近の統計でいいますと、昨年の十二月までに累積七百十四万枚しか発行されておりません。昨年の十月段階の人口が総務省推計で一億二千七百五十二万人でありますから、何と国民の〇・〇五%しか住基カードはお持ちいただいていない。ほとんどこれは利用も少ないということであります。年金関係で少し御利用いただいていたりしますけれども、そういう状況であります。

 一方で、これまで使われてきた予算でありますけれども、少なくともシステム開発には四年間で四百億円弱の予算が使われております。そして、運用の費用でありますけれども、これは地方財政措置が行われておりまして、平成十六年から二十四年度まででございますけれども、予算ベースで千三百六十億円。合わせますと二千億円弱の予算が使われていて、〇・〇五%の国民しか住基カードは持っていないということであります。

 これは、一体、日本政府として何だったのだろうかということを深く反省しなければならないのではないかと私は思います。

 もちろん、個人情報に関して、いろいろな御懸念もあり、いろいろな訴訟もあり、いろいろな背景がございましたから、一概に役所が悪いというわけでもないとは思いますけれども、今回、私たちがマイナンバーを国民の皆様にお使いいただく際に、やはりここは、全く使われなかった、使われていないということについての反省はしていかなければならないのだろうと思います。

 それで、総務大臣、もう一度お聞きしたいんですけれども、運用は、LASDECというところを通じて地方公共団体あるいは年金の関係で利用しているんですけれども、地方財政措置なものですから当初予算しかないんですが、これは、例えば実績で、一体、この住基カードを一年間に運用するのに際して大体どれだけ実際に使われているのか、決算ベースの数字はおありでしょうか。

新藤国務大臣 ちょっと今、手元にその数字がないのと、もう少し質問の趣旨を御説明いただきたいと思うんですが、まず第一に、委員はマイナンバー法案の実務の責任者として御尽力いただきました。敬意を表したいと思います。

 ですから、その上で、これは私も共有の認識を持ちたいと思うんですが、住基カードが普及しなかった、それは、住基カードを普及することが最大目的ではなくて、国民の中に行政の手続を簡便化するための住基ネットのシステムを入れることが重要だったということであります。

 一億二千万人で七百十四万ですから、これは五・一%ということでございますね。それで、その上で、一億二千万人の国民において、四億三千万件の年間の本人確認情報が処理されています。それから四千万人分の年金現況届、それから、住民票の写しが五百二十万件省略であります。ですから、住基ネットというのは国民の行政の基盤ですから、その意味においては定着をし、そしてそれによって効率が上がったことは間違いないと私は思っています。

 この住基ネットの基盤を使ってさらに利便性を上げるための今回のマイナンバー法案だということでありまして、カードの普及については、なぜ普及しなかったのかといえば、それは、私が自分で直接持つ必要もなかった。なぜならば、証明書というのは免許証でも足りるし、それから、住民票をとりに行く機会というのは、自分でもって直接行くことがそれほどなかったわけでありまして、そういう意味で、その必要性が感じられた人、これは例えばe―Taxを確定申告で使うとか、こういうときには必要でしたから、そういった方は使っていただいたという意味においては、私は、これまでの住基ネットの運用があって今回のマイナンバー法になったということだと思います。

 しかも、セキュリティーは、住基ネットを入れるときにもさんざんの議論は、これによって国民背番号制につながるのか、プライバシーやセキュリティーは守られるのか、そういうことがあって、四情報による行政内の手続でまずはやってみようということになったわけでありますから、私は、所期の目的は達成したというふうに思っています。

 それから、運用の経費は、これは導入でもって三百九十億です。年間で約百二十億から、更新のときで百七、八十億かかりますが、その中で、要するに、カードの部分については、カードのシステム運用、これはリースの機材が十三億です。保守のメンテナンスが六億円です。

 そういった範囲で使われているわけでありまして、それは、カードが五%程度の普及しかなかったというのは残念なことだ、このように思いますが、しかし、これは今後マイナンバーカードと統合されるわけでありますから、今後はきちんと使われるのではないか、このように期待をしているわけであります。

岸本委員 今、総務省の模範答弁があったわけですけれども、それから、〇・〇五%は失礼しました。五%でした。

 それで、今の決算のお話なんですけれども、実は事務方に聞いたんですけれども、決算ベースの数字はないということで、お答えはいただいておりません。それは恐らく大変なことですね。多分、全ての地方公共団体にヒアリングをしないと、トータルの実績値というのは出てこないわけです。ですから、この千三百六十億円という当初予算ベースの地方財政措置というものが、本当にどの程度の規模で実際に地方公共団体が御負担されているのかわからないということなんです。

 これはなぜお聞きするかというと、今後、マイナンバーについても、事務処理をされるのはやはり地方公共団体なわけでありますから、後ほど御質問もいたしますけれども、そのときにどの程度の費用が一体かかるんだろうかということについて、もし住基ネットワークの方できちんと総務省の皆さんが実績値をお持ちであれば、それはそれで新しい行政の参考になるんだろうと思うんですけれども、そういう数字も事務方から私は頂戴をできていないということでありますので、そこが大変残念だということを御指摘したかったわけであります。

 そこで、マイナンバーの方の議論に入らせていただきます。

 実は私、平井委員長、高木理事とよくいろいろなパネルとかシンポジウムにも出させていただいて、いろいろな方々と議論をしてまいりました。その中で、民間の方々がぜひ利用させてほしいと。これはもちろん、法案にも民間利用は書かれているわけですけれども、ぜひ使わせてほしいということを伺うんです。

 実は、よくよく伺ってみますと、例えば、民間の保険会社が、円滑に保険金を支払いたいんだけれども、死亡情報がきちんととれればいいなとか、あるいは、保険金を支払いたいんだけれども、新しい住所がわからないのでそこにリーチできないんですよとか、最新の住所情報を使いたいという声が結構多いですし、これも前の政権で、銀行の休眠預金を、ぜひこれを活用してやっていきたいと。今は頓挫しておりますけれども、そういうときも、ともかく最新の住所情報がわかればいいんだがなという声が結構多いんですね。

 これは今、まさにネットワークで、総務大臣御説明されましたけれども、住基ネットで管理しているわけです、最新の四情報は。ですから、個人番号、マイナンバーを待たずとも、住基ネットの情報を民間に使ってもらえば、実はマイナンバーの前に相当便利になるということなんですけれども、総務省として、住基ネットの四情報の民間利用、これはまさに、今おっしゃったような立派なネットワークだとおっしゃるのであれば、民間利用も進めてはどうかと思うんですが、総務大臣の御所見をお伺いいたします。

新藤国務大臣 まず、私は模範回答をしているわけではございません。縁もございまして、この住基ネットの法案を入れるときの総務省の政務官でございます。私も、直接の担当ではなかったんですが、この問題で大変な苦労をしたことを承知しております。

 この住基ネットを入れる際の最大の懸案は、これが国民の生活を侵害するのではないか、国家、行政が国民の生活を縛るのではないかという、今から思えばというような議論が延々とあって、その上でこのようなものを入れたのであります。まだ委員はそのときは議員ではなかったと思うし、そのときは財務省にいて、この問題にどこまでかかわっていたか私は知りませんけれども、だから、昔は大変だったと言うつもりはないんですよ。だけれども、そういう積み重ねがあって現在があるということであります。

 その中で、この住基ネットの導入時の法案での附帯決議、これには、「システム利用の安易な拡大を図らないこと。」というようなことがわざわざ附帯決議に付された、こういうような状況もあります。そして、御承知のように、法律で定められた行政機関等以外の者の住基ネットの利用は認められないということがあります。

 ですから、今回、私もよかったなと思っているのは、住基ネットに直にその他の利用をやるということは、これは結局、ネットの世界ですから、必ずバリアは破られて、それをまた次に補完する、これの繰り返しであります。したがって、一番基幹となる部分は四情報に定めて基盤をつくり、それを使いながら、さらにマイナンバーで転換していくというのは、これは世界で日本が一番、ある意味ではかたいやり方というか、そういうやり方になっているんじゃないかというふうに思っているんです。

 したがって、この民間利用の拡大は、私ももとより願うところであります。これをもっと活用することによって、国民の、行政だけでなくて民間の産業も含めての利便性が上がればいいな、このように思っております。したがって、それには、まず実績をつくり、住基ネットの信用が得られた、今度はマイナンバーをつくり、それを三年後を目途に見直しをしよう、こういう中で、今の委員のような御意見も踏まえて、我々も対応していきたいと。

 まずは、国民に信頼を得、そして国会の議論をいただいて、その上で、行政としては適切な措置をしていきたい、このように考えているわけであります。

岸本委員 ちなみに、私は、通産省の情報処理システム開発課長をしておりましたときに、住基の問題については十二分に勉強させていただいておりますので、つけ加えておきたいと思います。

 それで、最初のとき本当に大変だったというのは、今思うとと大臣おっしゃったとおりですよね。それはやはり、社会の、つまり、ITがどんどん進んでいく中で国民の皆様のアレルギーがどんどんとれていったということですから、確かに、当時の状況を御存じない方からすれば、何であんな議論をしていたんだろうということになると思いますけれども、それは前へ進んでいますので、よいことだと思います。ぜひ民間利用についても、住基もマイナンバーも含めて、前向きにお考えをいただければと存じます。

 その際に、今大臣もおっしゃいましたセキュリティーの問題です。これはもうイタチごっこのようなものがあるんですけれども、これは山本大臣の御所管でもありましょうけれども、しかし、それはそれとして、我々も克服していかなければならない問題であります。

 そこで、公的個人認証の問題なんですけれども、これのセキュリティーを、完璧なものを追求するということは当然だといたしまして、一方で、利便性を高めていかなければならないという要請もあるわけであります。使い勝手が悪ければ、住基カードと同じように、実は個人番号カードも使われないということになってしまいます。そういう意味では、ぜひ使い勝手のいいものにしていただきたい。

 その意味では、今回、整備法の中で、公的個人認証の認証事業者を民間事業者にも開放できるように認めるという範囲になっているわけであります。これは、積極的に民間事業者に開放していくという理解でよろしいのかどうか、その際に、どういう要件で民間の認証事業者を認めていくのか、お考えがあればお聞かせ願えればと存じます。

新藤国務大臣 御指摘のとおりでございます。

 今回、公的個人認証法を改正して、これまで行政機関等に限定してきた、認証サービスを活用して本人確認を行うことができる者の範囲を拡大する、それは、私が、総務大臣が認定する民間事業者を追加するということにしたわけであります。

 これは、誤解のないようにというか、民間事業者が自由に使えるのではなくて、本人が民間事業者との間で行う手続において、本人確認ができるようになる、申請する方、使いたい方が、民間事業者に対しての個人認証をできるようになる、こういう意味であります。

 そして、この民間事業者に対しては、まず、必要な技術的基準をクリアしてくださいというのが一つあります。それからもう一つは、地方公共団体の情報システム機構から提供を受ける失効情報ファイルを適切に管理することができる、このセキュリティーの基準をクリアしてくださいと。こういう条件を満たすことを求めるということを私は考えておるわけであります。

 この基準を定めるに当たっては、セキュリティーの専門家、それから学識経験者、こういった意見を踏まえながら処置をしてまいりたい、このように考えています。

岸本委員 ありがとうございます。

 そこで、これはマイナンバーの方に話が移っていくわけでありますけれども、個人であること、個人認証の問題もありますが、一応、今の制度のたてつけは、個人番号カード、これをICカードでやるということになろうかと思います。恐らく、非接触型にするのか、これはセキュリティーの問題が少し言われますけれども、それは余り問題ないと思うので、できれば非接触にしていただいた方がいいのかなと思いますが、何しろICカードでいくと。その先に、私たちはマイポータルというものを利用していくようになるわけであります。

 今のたてつけは、パソコンに、リーダーライターをお求めいただいて、そこにICカードをがちゃんと挿入してアクセスをするというようなたてつけになっておりますが、一応私ども、前の修正協議でも、それは余りにも時代錯誤であってガラパゴスなので、やはり日進月歩の技術の部分を附則でやってくれと。できれば、マイポータルまでには、例えばスマートフォンですとかタブレット型の端末で個人認証をしてマイポータルにアクセスできるようにぜひしていただきたいと思うわけでありますけれども、この点について、総務大臣の御所見をお伺いしたいと存じます。

新藤国務大臣 この件については、前回の番号法案、民主党案の中では規定がなかったわけであります。しかし、委員や、平井委員長や、皆さんの御努力によってこの条項が追加されたというふうに承知をしています。またそれは、事宜にかなったものだと思います。スマホやタブレットだとか、そういったものからもアクセスができるようになるというのは、これはまた利用の促進につながることだと思いますから。

 要は、あとは技術的な課題ですね。それから運用上の問題。こういったものを解決するための研究が必要だと。既にそういったことを始めておりますし、前向きに取り組みたい、このように考えています。

岸本委員 ぜひ、時間もありませんので、その辺は総務大臣のリーダーシップで前に進めていただきたいと存じます。

 それから、法案の附則の第六条によりますと、マイナンバーの利用範囲の拡大については、先ほど御答弁もありましたが、三年をめどに検討するということであります。

 利用範囲を民間に広げていくというときに、二つの方法があると思います。マイナンバーそのものを民間で利用する方法を認めていくというやり方と、マイナンバーそのものは、やはりこれは、そのまま民間で御利用いただくといろいろなセキュリティーの問題もありますので、むしろ、マイナンバーとは異なる番号を使っていいんだけれども、まさに情報提供ネットワーク、これは当分、役所間の、いろいろ突合するわけですけれども、そこのネットワークに民間も入っていただいて、そこで利用していただく。利用者からすれば同じことなんですけれども、この二つの方法があります。

 今、総務省としては、三年をめどに考えている利用範囲の拡大といった場合に、どちらの方向でお考えになっていらっしゃるのか、今おわかりになる範囲でお答えいただければと思います。

甘利国務大臣 まず、答弁の前に、先般、TPPの急な海外出張に際しまして、委員長、理事、委員の皆様には大変御迷惑をおかけいたしました。御高配をいただきまして、無事、仕事をし終わって帰ってくることができました。仕事をし終わらない方がよかったんじゃないかと考えていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、大臣としての仕事をすることができまして、感謝を申し上げます。

 ただいまの利用範囲の拡大の件であります。結論は、三年間の間にいろいろと検証していただいて、ベターな方法をとっていただくということになるんだと思います。

 ただ、一般論として申し上げますと、個人番号そのものの利用範囲を拡大するということよりも、個人番号を用いずに情報提供ネットワークシステムの利用範囲を拡大する方が拡張可能性が高いというふうには考えられるんだと思います。これにより得られる国民、民間事業者のメリットだとか、あるいはプライバシーに対して新たに生じる脅威があるかどうかなど、細かく検討した上で実施する必要がある。どういう方法かももちろん含めて、予断を入れるのはどうかとは思いますけれども、三年間の間にしっかり検証していくべきだというふうに思っております。

岸本委員 ありがとうございます。

 引き続き甘利国務大臣にお聞きしたいんですけれども、法案の第五十四条によりますと、今回新たにつくられます特定個人情報保護委員会の業務の一つとして、マイナンバー関連の情報システムに対して費用の節減等の合理化、効率化を図るということが挙げられております。これが保護委員会の仕事の一つになっているわけですが、このときに、例示として、今大臣がおっしゃった情報提供ネットワークが例示されているわけですけれども、当然ですけれども、マイナンバーを取り扱うための地方公共団体情報システム機構の情報システムに対しても、これは、当然、費用の節減等の合理化、効率化を図ることを委員会としてきちんと指導ができるというふうに考えてよいのかどうか、御質問します。

甘利国務大臣 結論から申し上げますと、そのとおりであります。

 番号法案の五十四条におきまして、特定個人情報保護委員会は、「個人番号その他の特定個人情報の取扱いに利用される情報提供ネットワークシステムその他の情報システムの構築及び維持管理に関し、費用の節減その他の合理化及び効率化を図った上でその機能の安全性及び信頼性を確保するよう、総務大臣その他の関係行政機関の長に対し、必要な措置を実施するよう求めることができる。」というふうにされているわけであります。

 地方公共団体情報システム機構が保有する個人番号を取り扱うための情報システムにつきましては、総務大臣が地方公共団体情報システム機構法に基づきまして地方公共団体情報システム機構に対する監督を行う機関とされていることを踏まえまして、この五十四条の適用につきましては、地方公共団体情報システム機構に対する指導監督等を行う総務大臣を特定個人情報保護委員会の権限の行使対象とすることで、地方公共団体情報システム機構に対して間接的に必要な措置を求めることといたしております。

岸本委員 ありがとうございます。

 その辺はぜひ、新たに立ち上がる地方公共団体情報システム機構、LASDECを受け継ぐわけでしょうけれども、きちんと政府の方でも目を光らせていただきたいと思います。

 それで、マイナンバーを国民の皆さんに理解していただくために少し細かい質問になってしまいますけれども、マイナンバーというのは住基の番号からつくっていくわけですね。それをそのまま使わずに、新たにマイナンバーを、生成するという言葉を使っていますけれども、このマイナンバーを生成するに際してどれぐらいの費用がかかるというふうに見積もっておられますでしょうか。

新藤国務大臣 番号生成の業務のためのシステム構築費、平成二十五年度から二十七年度までの三年間、この事業費総額で約百億円程度を見込んでおります。

 そして、内訳といたしましては、まず、個人番号生成機能の構築費用に加えて、住基ネットの本人確認情報に個人番号を追加する、この改修費用に約三十四億です。さらに、マイポータルへのログイン手段としての利用者証明用電子証明書の創設を含む公的個人認証サービスシステムの構築費用として三十九億円。それから、個人番号カードを交付する主体であります市町村の事務負担軽減に配慮いたしまして、個人番号カード発行システムの構築費用、これが十六億円。それから、その他、データのシステムですとか技術的なことを行う人件費等々工程管理業務が合わせて十二億ということでございます。

岸本委員 そのように御説明されると、議事録を見た国民の皆さんはそうかなと思うのでありますけれども、私は情報処理システム開発課長を二年やっておりまして、当時、一生懸命勉強しておったんですが、ITの調達というのはなかなか難しいんです。

 それで、今、マイポータルの関係の費用をおっしゃいましたけれども、実は、マイポータルがどんなシステムになるのか、まだ全くわからないんです。その全くわからないシステムに対応する認証のシステム、それは、役人に聞けば、いや、できます、そこの限られた部分でできますと言うんですけれども、そうでもなくて、トータルの絵がない中で、個別にちょこちょことシステム開発するとベンダーさんは言ってくるわけですけれども、百億円というのは、地方公共団体の費用軽減、負担軽減というのはいろいろあるので、それっぽいんですけれども、実は、マイナンバーを生成するのは一回限りなんです。一回だけなんです。一回だけ生成するわけです。

 それで、いろいろくっつけていますけれども、百億円というのは、業界の皆さんからお聞きしますと、いかにも過大ではないか。これはもう水かけ論争になりますからきょうは申し上げませんけれども、業界の皆さんからすれば、あるいは私のようなある程度かじった人間からすると、マイナンバーの生成一回限りのシステム開発費としての百億円はいかにも多いのではないか。もう少しコンパクトな仕組みができると思います。

 例えばコンビニなんかは、何億、何十億というトランザクションがあるんですけれども、システム開発費は十億円レベルですね。百億円オーダーではありません、二桁億円オーダーなので、その辺はぜひ山本大臣には目を光らせていただきたいと思います。山本大臣の指導力を、政府CIOを使っていただいて、しっかりと見ていただきたいと思います。

 それから、今度、地方公共団体情報システム機構がメーンプレーヤーになってくるわけでありますけれども、マイナンバーに関して地方公共団体情報システム機構が年間どれぐらいの運用費を使うのか、今の時点で想定されている数字があれば大体の感じを教えていただきたいし、では、その費用は誰が負担するのかということについて、住基ネットのように利用料を取るという考えもあるでしょうけれども、システム機構がその運用費をどうやって調達するのかということも、わかればお教えいただければと存じます。

新藤国務大臣 今の開発費用の問題につきましては、これはできる限り節減に努める。しかも、日進月歩でいろいろな仕組みがあると思いますから、そういった工夫をすべきだと。これは、削れば削るだけ褒められる、こういう形をつくっていくべきだというふうに思いますし、しっかりとチェックをしていきたい。これは開発の方は内閣官房が行うわけでありますから、我々もそれを期待している、また連絡をとりたい、このように思います。

 その上で、システム機構の運用費でありますが、住基ネット、この地方自治情報センターが実施している業務を継承する、これが今、二十四年度の予算ベースで約百十億円使っています。さらに、個人番号の生成など番号法に規定される業務、それから公的個人認証、これは自治体衛星通信機構から継承される、こういったことで、仮に見積もりますと百四十億円程度の規模になるのではないかという想定があります。

 そして、これらは、今回は地方共同法人という形で機構がつくられます、そのガバナンスのもとで実施されるわけでありますから、地方が必要経費を精査してもらう、こういうことになるわけなので、現時点で詳細な試算というのは国はしていない、こういう状況があります。あくまで目安であります。

 機構の費用については、これは地方公共団体が負担をするということが基本になります。そして、国は、情報提供手数料という形でそれを機構が国から徴収をすることができるということで、国の費用負担を明確にしているということでございます。

岸本委員 そうなんです。後でまた御質問しますけれども、かなりの窓口の事務負担は地方公共団体がなさり、また、機構を使うときにも費用を分担せざるを得ない。それが一体幾らぐらいかかるのか、まさに住基の世界で実績を総務省の事務方が把握されていない現状で、できれば本当に地方公共団体の立場に立って本当の費用を面倒を見ていただくような形をとっていただきたいと思います。後ほどまた御質問をいたします。

 そこで、少しまた細かい質問になりますが、これは事務方にお答えをいただきたいと思います。

 マイナンバーを導入する場合は、今、各行政機関が全て番号を持っています、国民に対して。厚労省から始まって、いろいろな、国税庁もそうですが、マイナンバー以外の番号を持っていますが、これをマイナンバーにひもつけしていかなきゃいけない。これは一体、具体的にどのように行うのか、それを少し事務方の方から御説明いただきたいと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 まず市区町村につきましては、みずから個人番号を付番いたしますので、付番に際しまして、住民等についている番号をマイナンバーにひもつければいいということになろうかと思います。

 それ以外の行政機関につきましては、まず、事前にはそれらの行政機関はマイナンバーの情報は持っておりませんので、いわゆる基本四情報、氏名、住所、生年月日、性別でマイナンバーをまず照会して初期突合するというふうな格好になるのかなと思っております。それから、基本四情報が格納された電子媒体を用いてマイナンバーを照会するということも考えられますし、さらに、実際に始まりましたら、番号つきの情報が入ってまいりますので、それらをさらに照会するということも考えられるのかなと思っております。

岸本委員 ありがとうございます。

 この場合も、ぜひ政務の皆さんには御認識いただきたいんですが、照会も一回なんです。一回で済むんです。一回照会すれば大丈夫ということですから、この関連のシステム開発もそんなに大きなものにならないということを一言申し添えておきたいと思います。

 それで、厚生労働副大臣においでいただいていますが、実は、年金システムが、年金支払い者の基礎年金番号と住基コードをひもつけするということで、今のLASDECに費用を払われてやっていらっしゃるんですが、これはなかなかうまくいっていないということを伺っております。さっきのひもつけの話が、またうまくいかないというようなことがあっては困りますので、そこは少しお考えをいただきたいと思います。

桝屋副大臣 お答えを申し上げます。

 今先生からお話のございました、そもそもの、新しいマイナンバーの前のまずは基礎年金番号と住民票コード、このひもつけのお尋ねをいただきました。

 これは昔から苦労してきた世界でございまして、社会保険オンラインシステムに住民票コードを収録するためのシステム改修を行った上で、現況届等を通じて住民票コードの把握を進めながら、ひもつけを平成十八年から行ってまいりました。

 現在までに、年金受給者の基礎年金番号と住民票コード、九八・九%につきましてはひもつけが進んでいるところでございます。ただ、残り一・一%、これは、全体が大きゅうございますから、人数にいたしますと四十万以上の数になるわけでございます。

 先ほどから出ております今回の番号制度、住民票コードをもとに付番をしまして、個人番号と基礎年金番号のひもつけも住民票コードをキーにして行う方向で検討されているわけでございます。したがいまして、現在のひもつけ率、今申し上げた九八・九%でありますが、これは維持できるというふうに考えてございます。

 先生から、うまくいっていないというのは、まさにこの一・一%のところでございまして、ことしから、二十五年度から、住所と居所の双方を収録できるシステム改修を行いまして、基礎年金番号のひもつけを推進していきたいというふうに考えてございます。

 この番号制導入後も、現況届あるいは年金相談などさまざまな機会を捉えて、基礎年金番号と個人番号のひもつけを進めてまいりたいと考えてございます。

岸本委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 それから、また甘利大臣にお聞きをしたいんですけれども、先ほど来、セキュリティーの話が出てまいります。それは、技術的にセキュリティーを高めて、イタチごっことはいえ頑張っていくということも大事ですけれども、実は、社会保険庁で問題になったように、職員がのぞき見る、その情報を扱う職員さんが一番危ないわけですね。

 そういう意味で、マイナンバーに関係する事務を行う際、権限のない職員が特定個人情報を閲覧しないようにするですとか、職員自体の認証をしっかりしなきゃいけないということだろうと思います。

 特に、地方の自治体の職員さんの数は膨大な数になると思われますけれども、例えば、指紋認証などの生体認証を導入する必要があるのか、あるいは、その職員の公的個人認証をどうするのか。特に、公務員の認証こそがレベル4の高い水準を求めるべきではないのか。

 御参考までに申し上げますと、参考人質疑で清原三鷹市長は、三鷹市としては、早々に、今の住基の世界ですら静脈認証を取り入れたいとおっしゃっていましたけれども、この職員の認証について、甘利大臣としてはどのように今お考えになっていらっしゃいますか。

甘利国務大臣 その情報漏えいに関して、制度的あるいは技術的にセキュリティーを設けましたといっても、今委員御指摘のとおり、のぞき見事件等がありますから、国民がなかなか、大丈夫なのか、いや、罰則を強化しますといっても、それでも、見つからない限りはかけようがないじゃないかとか、いろいろな話があると思います。

 そこで、生体認証についても検討をすべきかなと。生体認証というと、指紋とか静脈とか虹彩、いろいろあると思います。もちろん、人権の問題等々いろいろなことをおっしゃる方も出ると思いますが、その辺のことも注意を払いながら、セキュリティーをしっかり高めていくということについては検討していきたいと思っております。

岸本委員 それで、実際にこれから作業をしていただくわけですけれども、プロジェクトマネジメントという考え方があるんです。ITのシステム開発などをするときに大事なことなんですが、これがなかなか政府は得手が悪いし、実は、ベンダーさんもなかなか完璧なプロジェクトマネジメントをできるところが少ないものですから、結果として何が起きるかというと、システム移行する際に地方公共団体の職員さんが全部しょっちゃうんですね。ベンダーさんは高い料金だけ請求するんですけれども、プロジェクトマネジメントが下手なのが全部現場の職員さんにしわが寄ってしまう、こういうことが実際に多いわけです。

 これはことしの二月二十二日の朝日新聞ですけれども、二〇〇八年五月十九日に宮崎県新富町役場の職員だった松本美香さんが自死されている。これはまさに、システム移行のときの、過労死に近い、大変な状態だったというわけであります。

 そういう意味で、総務大臣と山本大臣にお聞きしたいんですけれども、総務省として、本当に、地方公共団体がこれからマイナンバーを入れていく中で過重な負担をしていく、それに対してどのようにお考えなのか。それから、山本大臣としては、政府CIOを指導する立場として、国としてあるいは政府CIOとして、地方公共団体のシステム移行に対して何かできることがあるとお考えなのかどうか。それをお伺いいたしたい。

新藤国務大臣 マイナンバーを導入するというのは、電子行政の推進、IT化、この中の中核をなすものですね。私は、このIT化は、行政サービス、また、国民の皆さんの暮らしの利便性の向上とあわせて大幅なコストカット、これを実現するものを追求しようじゃないか、こういうふうに思って、省内でもいろいろな研究をさせています。

 今の部分というのはまさに肝の部分でありまして、住基ネットの導入のときも、これはもう今となっては仕方がありませんが、それぞれの導入市町村に住基ネットのシステム導入の基本設計と実施設計を別々にやったんですね。そして、それぞれの役所は使っているメーカーが違います。それから、母体となっているのも、住基台帳を使う役所もあれば、社会保障の方の、保険の方の番号を使う役所もございました。ですから、もとがばらばらで、使う企業がばらばらで、全国で一律で使うのに別々に自治体がつくったわけですね。だから、これは無駄ではなかったのか、こういう素朴な疑問がございました。

 ですから、今回、できるだけ共通、共有できるものは共有しよう、そして基本的な部分は我々総務省でガイドラインをつくって提供しようじゃないか、自治体においても各企業さんにおいても、使えるものはできるだけ共有してくれ、こういうことを私は通達したいというふうに思っています。

 それから、何よりも業者任せにしないということは、職員のその業務に対する精通度を上げるということであります。ですから、研修などもしっかりとやっていただくような、そういったことをお願いしようと思っています。

 さらには、住基ネットのときにできなかったのが今回できるようになるのは、これはやはり自治体クラウドですね。ですから、そういう情報処理の新しいものを入れた中で、コストカット、コストダウン、こういったものを図りたいというふうに思っています。

 ぜひいろいろまたお知恵があればいただきたいと思いますが、いずれにしても、これは予定した予算よりもカットできること、それにIT化のメリットを見せるという意味においても私たちは挑戦していきたい、このように考えています。

山本国務大臣 岸本先生は本当にシステムの専門家なのでよく御存じだと思うんですけれども、とにかく、大規模で複雑で全面刷新を伴うようなプロジェクトについては遅延したり中断したりということがよくあって、これは今、新藤さんの方からもありましたし、主な原因としては、やはりプロジェクト管理能力がなかったり、あるいは、もともと技術力が不十分な業者を選んでしまうとか調達プロセス上の問題があるので、まずそこについて、細かく申し上げる時間もないと思うのですが、とりあえず、政府としてしっかり発注力を上げるということをきちっとやって、余り能力のないベンダーが地方公共団体に何かを押しつける、そういう状況が起こらないように、いろいろな改革を政府内でもやっていきたいというふうに思います。

 その上で、地方公共団体との話ですけれども、これはCIOは総合調整を行うということですから、司令塔機能を発揮しながら、総務省等々の関係省庁と十分連携をしていきたいというふうに思いますし、今度の法案でも、地方公共団体の協力については、協力の求めがあったときにIT調達に関する情報提供などの協力を行うことにしているということですから、そういう意味で、何度も御指摘をいただいていますが、政府CIOとしてもしっかり総務省と協力してやっていくように指示をしていきたいと思います。

岸本委員 それでは、山本大臣に引き続きお伺いしたいと思います。

 これは本当に、マイナンバーのシステムというのは大きなチャレンジです。日本政府にとっても、これだけ大きなシステム開発をするというのは大きなチャレンジであります。そのために、実は政府CIO法案というのがこの中に入っていまして、今、遠藤さんがやっていただいていますけれども、これをきちんと法的に位置づけ、権限を持たせ、特に修正案はすばらしい修正だと思います、政府CIOにこれまでにない権限を持っていただいて、勧告権まで持っていただくということであります。

 特に今、遠藤さんは、本当に業務改善の専門家で、すばらしい、物すごく目を光らせていただいています。しかし、一人で全部やるというわけにはいきません。本当に、今システムを開発するにはいろいろなものを考えていかなきゃいけない。特に、日本の場合、政府が一番欠けているのはトータルのシステムデザインですね。そういうことをする能力が著しく欠けていて、ベンダー任せになってしまっているということであります。

 いろいろなアプリケーションを見たり、システム全体の設計、あるいは、さっき言ったプロジェクトマネジメントもしていかなきゃいけないし、何より、システムデザインというのでは、チーフ・テクニカル・オフィサー的な部分も必要であります。政府CIOにチーフ・テクニカル・オフィサーまで求めていくというのはこれは大変ですから、補佐官が必要になってきます。

 補佐官も、今回は一括して政府CIOのもとに集めて、政府CIOに対するアドバイスとともに、各省にもそこから派遣するという形で、実は、私は政府CIOをつくったときの担当課長だったんですが、運用がうまくいかなかったのを、今回、随分と前へ前進させていただいていると思います。

 さはさりながら、では、その政府CIOの補佐官にどなたに来てもらうのか、これがまたすごく大事なことであります。政府CIOは大変いい方に来ていただけました。しかし、これはまた任期もありますから、また次の方も育てていかなきゃいけないし、政府CIO補佐官にどうやって来ていただくのか。今、仮にベンダーさんが自分の社員を政府CIO補佐官に出してしまいますと、そこは実はなかなか政府の仕事が受注できないということになっています。それはそうかもしれません、インサイダーになってしまいますから。

 しかし、そうなると、ベンダーは優秀な社員を出しません。また、日本は職業の流動性がアメリカのようにありませんので、一本立ちした優秀な人が渡り歩いて、では、今は二年間政府に入ってやろうというような形もなかなかとれない中で、例えば、金融庁なんかは、幸い、証券会社とか銀行が倒産したこともあって、割と流動性ができていまして、二年ぐらい政府で働いてもいいよという方がたくさん出ました。

 ぜひ、今回、CIO補佐官をお選びいただくときに、今言ったような、ベンダーから出たらそこは受注できないよというのがいいのか、もちろんインサイダーはいけませんけれども、その辺、政府CIO補佐官にどういう形で来ていただくのかについて、ぜひ山本大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

山本国務大臣 大変鋭い御指摘だなと思うんですが、社会保障番号制度に関するシステムは、これはもう非常に大規模かつ多岐にわたるので、標準化、共通化を図って、可能な限りシンプルに整備するためには高度な専門性が必要だというふうに考えていまして、政府CIOが専門的な立場から司令塔機能を発揮してもらうということはもちろん大事だと思っています。

 これは、もうおっしゃったとおり、十分機能するためには政府CIO補佐官が大事だということで、四月一日から七名採用して、プール制ということを今おっしゃいましたけれども、体制の充実には努めております。

 そして、今御指摘のあった、調達の透明性、公平性を確保する観点から、CIO補佐官が所属するベンダーは当該CIO補佐官が直接担当する調達には入札できないということで、全く御指摘のとおり、民間から優秀な人材を確保するためには、業務内容とか処遇とかキャリアパスなどを含めた、やはり総合的な対策が必要だというふうに思っています。

 総合的な対策は何かということになると、これもなかなか難しいんですが、一言で言うと、政府CIO補佐官というポストを魅力のあるものにする、もうこれに尽きるのかなと。いろいろ内閣府のスタッフの方とも議論してそういうふうに考えていまして、政府CIO補佐官の業務をハイレベルな人材が持つ知識経験を存分に発揮することができる魅力的なものにする、ちょっと抽象的ですが、もうこういうことに限るのかなと思っています。

 今、民間のお話もありましたが、民間のハイレベルな人材にふさわしい、相当するような給与面での適切な処遇というのも大事だと思っていまして、政府CIOの現在の給与は、民間企業の部長クラスということですけれども、これについても少し考えなければいけないと思いますし、あるいは、政府CIO補佐官として実績を残した人材が適切に評価されて、民間企業とか地方公共団体のCIO等に後で迎えられるとか、そういうキャリアパスをたどれるようにする、こんなことが大事だと思っています。

 いずれにせよ、こういうことを総合的に推進して政府CIO補佐官を社会的に認知されたより魅力的なポストとする、こういうことで優秀な人材の確保を図るということで、これについてはぜひ岸本委員の御所見もいただきながら検討させていただきたいというふうに思っています。

岸本委員 どうもありがとうございました。

 各大臣から大変説明が明快で、議事録として必ず国民の皆様にわかりやすく御理解いただけると存じます。

 そして、これは与野党全く関係なく、与野党で対立する部分ばかりがマスコミに取り上げられますが、与野党協調して、日本の国益のために、国民の利便のために、行政の効率化のために、前へ進めていくすばらしい事例の一つだと思いますので、担当大臣の皆様にエールを送って私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、杉田水脈君。

杉田委員 日本維新の会の杉田水脈です。きょうはよろしくお願いいたします。

 今まで、いわゆるマイナンバーにつきましていろいろと議論を重ねてまいりました。そしてまた修正案も出ております。この修正案の中で、政府の原案では「行政運営の効率化を図り、もって国民の利便性の向上に資すること。」となっていたものを、修正案では「国民の利便性の向上及び行政運営の効率化に資すること。」と修正することというふうに出させていただいております。いずれにせよ、行政の効率化そして国民の利便性向上というのは、このマイナンバーにおける一番核となってくるところだと思います。

 そこで、本日は、いわゆる国が行う統計調査について、今回はこのマイナンバーの中には入ってこないんですけれども、三年後にいろいろと拡張性を持たせる中ではぜひ取り上げていただきたい課題だと思っておりますので、統計調査とマイナンバーのことについて三点質問をさせていただきたいと思います。

 一点は、今の基幹統計の統計調査における現状の課題ですね。それから二点目は、統計調査とマイナンバーの今後の連動性、三年後にどのように検討していっていただけるのか。それから三点目が、海外の統計調査におけるマイナンバーの活用事例について御質問をさせていただきたいと思います。

 今現在、基幹統計調査というのが、平成二十五年の四月現在で五十一調査ございます。これは、以前は指定統計と呼ばれておりましたが、平成十九年の統計法の改正によりまして、基幹統計調査というふうに名称が変わっております。まさしく統計調査というのは、その統計調査によって得られたデータをもとに国の方向性を定め、そして政策決定を行う上で大変、名前のとおり基幹となるものです。

 毎年予算とかも結構な額が組まれておりまして、平成二十年度で二百五十九億、二十一年度で二百六十六億、平成二十二年度は八百二十億、これは、二十二年度は国勢調査が行われた年になりますのでぼんと金額が、予算額も上がっております。二十三年がまた二百六十九億、二十四年が二百三十八億となりまして、二十五年度も、統計に関する予算といたしましては、二百六十七億の予算が組まれております。

 まず、この統計調査の中でも一番大きいのが、先ほど申し上げました、五年に一回行われる国勢調査だと思います。この国勢調査についての、今、現状の課題について質問をしてまいりたいと思うんですけれども、総務大臣にお聞きします。一番直近で構いません。平成二十二年度に国勢調査が行われた際に、この国勢調査の拒否の件数というのが全国でどのくらいあったのか、お答えいただきたいと思います。

    〔委員長退席、木原(誠)委員長代理着席〕

須江政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十二年の国勢調査におきまして、国勢調査員が世帯の側と接触できずに聞き取り調査という形になったものが約八%ほどございます。

杉田委員 接触ができずにというのではなくて、明確に拒否をされた件数というのは、ございますか。

須江政府参考人 明確な拒否ということで数字は把握しておりません。接触できない、あるいは接触を断られたということも含まれているかもしれませんが、全体で八%が聞き取り調査という形になっております。

杉田委員 多分、拒否はないという答えが来るのではないかと私は思っておりました。

 実際には、国勢調査を含め基幹統計は、統計法の中で国民の義務となっておりますので、拒否はできないことになっております。もし拒否した場合は、統計法の六十一条に罰則規定がございまして、「五十万円以下の罰金に処する。」という形になっておりますので、もし拒否というのが一件でもありましたら、この罰則規定が適用されなければならない。でも、過去に、国勢調査を拒否したので罰金を払わされたというような事例はありません。

 ここが非常に矛盾をしておりまして、実際に、私はずっと自治体職員として国勢調査を担当しておりましたが、物すごい数の、拒否をされる方はたくさんいらっしゃいます。ただ、国の方に、拒否された場合はどのように対処すればいいですかというふうに質問をしますと、統計局からの回答は、拒否は存在しませんという答えが返ってまいります。そこで自治体の職員は非常に困るんです。

 拒否だけではなくて、今は、ワンルームマンションとか、そして生活も多様化しておりますから、調査員が接触しようとしてそのおうちにどれだけ行っても、全く会えないというような場合もあります。その場合に、先ほどの回答にもありましたが、聞き取り調査というのができるようにもなっておりますし、また郵送調査というのが依頼できます。不在の場合はポストに、郵送でこれを返してくださいというふうな形でできるんですが、郵送調査を依頼した場合に、大体どのぐらいの割合できっちりその回答が来るのか、その割合をお答えいただきたいと思います。お願いいたします。

須江政府参考人 国勢調査の場合で六割程度、郵送で回収しております。

杉田委員 郵送で回答できなかった四割は、どのようにしてデータを得るのでしょうか。お答えください。

須江政府参考人 先ほど言いましたように、聞き取りが八%程度になっておりますので、残りは調査員で回収しているということになります。

杉田委員 ここもまた実態とかけ離れている部分であります。

 先ほどの聞き取り調査というのを詳しく説明させていただきますと、ずっと不在で、調査員が何回行っても会えないお宅があった場合、近所の方に聞き取りができるようになっているんです。お隣のお宅の家族構成はどうなんでしょうかというようなことで、それによって、調査員が近所の方に聞いて調査票ができる。隣は大学生のお嬢さんがいらっしゃいますよとか、小学生のお坊ちゃんがいらっしゃいますよと。

 ただ、これが本当に、近所のトラブルを招いたりとか無用なトラブルとかを招いたりもしますし、昨今、隣の家族構成を知っている方もほとんどいらっしゃらないというのが都会の問題点としてありますので、なかなかこうして正確な統計というのがとれていない状況にあると思います。

 大正九年に第一回の国勢調査が行われてから、調査の方法というのはほとんど変わっておりません。調査員が一軒一軒回って調査票を配付して、それを回収してくるというふうな形になっております。

 これは、調査員というところでの問題点としましては、平成二年には、女性の統計調査員が殺されるという殺人事件なんかも起こっておりますが、それにもかかわらず、ここの部分は全く改正をされていません。また、大変高齢化もしておりますし、民間委託ができないようなシステムになっているんです。

 というのが、統計調査員の任命は総務大臣や都道府県知事が行いますので、一時的に統計調査員は、その統計の間だけは公務員という身分になります。その後、何回統計調査をやったかというので叙勲や藍綬褒章の対象にもなるんですが、それはおいておいて、そういうふうな形がありますので、なかなか一括して人材派遣会社にしていただくとかそういったようなことができないシステムになっておりまして、調査員の確保も難しいというのが自治体の苦悩でもあります。

 もう一点、大きな問題となりました、二〇一〇年に愛知県の東浦町で市制への移行を目的としました水増し事件というのが起こりました。これは、古くは昭和四十五年に北海道の羽幌町の方でも同じく交付税などの額をめぐっての水増し事件というのが起こっております。

 これは本当に氷山の一角ではないかというふうに我々は思うのですが、先ほどから何度も言っています、例えば、聞き取り調査もできなかった、郵送調査でも返ってこなかった、拒否をされた、調査員が実際に調査票を作成できなかったという部分については自治体がどのようにして人口をデータとして上げてきているのか、再度お尋ねしたいと思います。

須江政府参考人 国勢調査ですので、調査できたものが全てということになります。

杉田委員 では、調査できなかった方は日本の人口のデータに入っていないということですか。

須江政府参考人 したがいまして、郵送あるいは調査員による調査、それから東京都では二十二年にはインターネット調査をしておりますけれども、そういったことで調査回答が得られたもの、そして残り、聞き取りによらざるを得ない、要するに世帯員と直接接触することができずにその回答が得られないというもとで聞き取り調査というものを認めておりまして、その分をカウントして合計ということであります。

杉田委員 このあたりが本当に、現場と国でこの事業を担当していらっしゃる方との認識の差だと思います。どうしても最終的には頼らないといけない部分が住基のデータであったりとか、そういう中で、自治体は、五年に一度、だって、その拒否された方の分が上がってこないとなると、本当にその部分の人口がそこの自治体から減ってしまうことになるので、それをさせないようにするために必死の努力で人口のデータを作成している。そういった上で成り立っている国勢調査が、国の基幹調査として、国の大切なデータとして本当に正確なものなのかどうかというところに残念ながら疑念を抱かざるを得ないと思います。

 そしてもう一点、統計調査の調査員調査における今の状態での問題点というのは、震災などがあった場合にこの統計調査が非常に難しいということなんです。

 私は、平成七年の国勢調査を担当いたしましたが、阪神・淡路大震災、平成七年の一月に起こりました。そのときに、もう用意していた地図だとか、下準備になっておりますもとデータというものが全部使えなくなりました。その中で統計調査を行わなくてはならない。仮設住宅とかが建てられているところにもきっちり行かなくてはならない。そして、最もそこのところが住民基本台帳のデータと国勢調査のデータの乖離が大きかった年だったと思うんです。だから、一番重要なデータになったかと思うんですけれども、そのあたりで、今の調査の方法が既にもう破綻をしている、大正時代からずっと同じ方法でやっていること自体おかしいということが、皆さんにおわかりいただけたのではないかと思います。

 それでは、二点目になるんですけれども、三年後の検討の中に、マイナンバーを使って統計調査を行っていくというようなことが検討課題の中に入っているのかどうか、お答えいただきたいと思います。

新藤国務大臣 委員の問題意識は共有できると思います。

 統計をいかに正確にするか、また国民の間にこの統計が重要であってそれに御協力いただかなきゃならないんだということをわかっていただかなければならないということが重要だと思います。ですから、現場でその調査に当たる人たちは大変な御苦労があるということであります。その上で、我々は、できるだけの正確を期して、それをもって国のいろいろな、さまざまなものの基幹となります、制度をつくるなり、法律をつくるときの基幹になるわけですから、その重みというものをしっかりとまず国民に周知また理解いただくことが重要だと思います。

 その上で、今の御提案のマイナンバーの見直しの際にこういった業務を追加できるかどうか、これは検討すべきだと思いますし、そういったことは、まず国会の中で各党の議論というのがあると思います。そういったものを踏まえて、我々も適切に措置していきたい、このように思いますが、国勢調査のみならず、いろいろな統計業務やあらゆる行政事務にIT化を進めていくこと、電子化を進めていくこと、これが利便性の向上とコストのカットにつながっていく、こういうことだと思います。

杉田委員 先ほど大臣お答えいただきました、やはりIT化を進めていく。私は、ずっとこの統計調査という業務を担当しながら思っていたのは、多分日本が持っている技術というのは世界最先端だと思うんです。いろいろな技術があるのに、ここの部分だけは変わらないんです。

 ほかの海外の事例なんかは、その平成七年の当時でも、例えば調査員調査だったとしても、オランダなんかは、質問票を見て、それぞれ何番ですとかというようなことをボタンを押して、そのボタンを押せばそのままデータが行って集計も全部なされてしまうようなシステムがもうヨーロッパではできていました。

 でも、そういう技術が一番得意なはずの日本で、なかなかそれが普及していかない。誰も問題意識を持ってここの部分を追求する人がいなかったというのが問題ではないかというふうに感じるのですけれども、今後十分拡張していく中にこの統計調査を入れていただけるというふうな御回答をいただきまして、本当にありがとうございました。

 そこで、続きましては、マイナンバーをきちっと統計のデータに役立てているスウェーデンの事例について質問をしたいと思います。

 統計調査にマイナンバーを活用していくということで、諸外国の事例なんかはどの程度研究をなさっていらっしゃるんでしょうか。

須江政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省では、諸外国の国勢調査の実施状況を把握するための情報収集を行っております。国連の調査でも出ておりますが、例えば、ノルウェー、スウェーデンなど、人口が小さく、行政記録において職業ですとかそういった属性情報についても入手可能な国では、行政記録を利活用しております。比較的規模の小さな国、小国が多いかと思います。

 一方で、アメリカ、カナダ、イギリスなど、多くの国、八五%を超える国々では、国勢調査と同じように調査員調査が行われているというふうに理解しております。

杉田委員 よく人口の規模というのが、北欧とか、北欧型にするかという、福祉の分野なんかでは、人口の規模が違い過ぎるので、直ちにそれは日本の社会には適用できないというようなことは、よく回答の中にあるんですけれども、このデータ、マイナンバーということに関しては、必ずしも人口規模が大きい小さいにかかわらず、データ化してしまって、そのデータをいかに活用するかということですので、国の人口が一億人だろうが一千万人だろうが適用することには変わりないと思うんですけれども、そのあたり、いかがでしょうか。

    〔木原(誠)委員長代理退席、委員長着席〕

須江政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバー制度の今後の運用あるいは充実につきましては、今後の課題だろうというふうに思っております。

 しかしながら一方で、申し上げておきたいのですが、例えば、住基で登録されている場所、そこに実際に人が住んでいらっしゃるかどうかという、国勢調査の場合にはそこに住んでいらっしゃる方を対象としておりまして、そこに登録されている方をカウントするのであれば住基をカウントすればいいということですので、そこに住まわれていない方、例えば、大学へ進学するときに、転居しても住民票はそのまま置いてくるとか、施設に入った高齢者が、施設に入ってはいるけれども住民票をもとのまま置いているとか、そういったさまざまな事情で住民票と違った場所に住んでいる方を、その常住実態に着目して調査するというのが国勢調査であるということを御理解いただければありがたいと思っております。

杉田委員 我々、国勢調査を行うときに、住基はいわゆる住民票をどこに置いてあるかの人口であります、国勢調査は実態調査なので、住民票とは関係なく、実際に住んでいる住所でお答えくださいというようなことを対象者の方に説明しておりましたが、ちょっと話はそれるんですが、そもそも、住民票を置いていない場所に住むということは、これは法律上どうなんでしょうか。

望月政府参考人 住民票は、基本的に、生活の本拠としているところに住んでおられる場合には、届け出をきちんとしていただいて、住民票の整理をしていただくことが必要だと思います。

杉田委員 例えば、単身赴任で行かれるとか、先ほども事例を挙げていらっしゃいました、大学へ行くのに行かれるというのは、では、住民票を動かす必要はないんでしょうか。

須江政府参考人 実際に手続が必要で移される方もいらっしゃるかと思いますが、移されない場合は、下宿される方、あるいは長期海外渡航に行かれる方、さまざまな事情で人々は行動しているものですから、それを一々法令違反かどうかということについては、ちょっと私どもの方ではお答えいたしかねるかと思います。

杉田委員 でも、法令違反なんですね。

須江政府参考人 済みません。私の知識が不足しているせいかもしれませんが、基本的に人間は自由に行動していますので、それを一つ一つの、たまたま調査時点でそこに常住されていないということが法令違反かどうかについては、にわかにはお返事はいたしかねるということでございます。

杉田委員 人は自由だと言えば、では、何のために法律や法令があるのかということになると思います。

 先ほどの大臣の御答弁にもありました、きちっとそのあたりを皆さんに理解していただくということが一番大事なんじゃないかと思うんです。

 例えば、国勢調査は義務であるので拒否はできません、これは国民の義務ですということをまずきちっと理解していただくことが一番大事なことでありますし、住民基本台帳というのも、自分の住んでいるところ、生活があるところに住民票は置かなくてはいけない、日本国民としてきちっとそれはしなくてはいけないということを理解していただくことが一番大事なことだと思うので、それがあった上で成り立っていく統計調査だと思いますし、マイナンバーではないかというふうに思います。

 先ほど、海外の事例とかもいろいろ研究なさっていらっしゃるということなんですが、スウェーデンでは、一九九〇年より、毎年、マイナンバーのデータが利用可能となって、調査員調査を行わなくとも、基礎となる登録情報、納税情報や住民基本情報などが蓄積が可能でありまして、そして、それをもとに抽出調査なんかもできる、そしていろいろなデータが醸成できるという形になっておりますので、こういった大規模な調査員調査を行わずとも、きっちりと国の基幹となる統計調査が成り立つというようなことになっているので、ぜひこのような部分につきましては研究を進めていっていただきたいと思いますし、やはり一番問題となっているのは、マイナンバーもそうですけれども、法令があった上で皆さんの自由がある、義務があった上で皆さんの自由があるということをきちっと訴えていくということも大事だと思います。

 それからもう一点。ここまでスウェーデンが統計調査の中に、マイナンバーが活用できたというのには、ひとえに、スウェーデンは、統計局、統計を実施する部署が中心となってマイナンバーというものの制度、システムを組み立てていったという、そこが一番、最も今の日本と違う点だと思うんです。

 私も、もっともっと統計局の方に頑張っていただきたいですし、基幹となる基幹統計調査というのを、もっと精度を上げて、もっときっちりしたものにしていただきたいというふうに思っておりますので、今後、マイナンバーの議論において、統計をつかさどる部署というのがどのようなかかわり方をしていく形を考えていらっしゃるのかを最後にお聞きしたいと思います。

新藤国務大臣 先ほどからの委員の話は、とても真摯な御意見だと思います。また、そのようにみんなが思って、そして、この国、社会というものが成り立っていくんだという、基本だと思いますから、ぜひ、それは私たちも含めて、みんなで周知徹底、特に、広めていくのは行政もやりますけれども、政治の役割というのは大きいと思うんですね。そういうことをお訴えになってくれることは、それはあなたが地域における有権者の信頼を得ることにつながっていくのではないかと期待をしたいと思います。私もやっておりますし、これからもやっていきたいと思うんです。

 統計のあり方というのは極めて重要です。そして、その統計を分析して戦略的に使っていく、そういう観点が今まで以上に必要だと私も思って、自分の役所の中にはそのような話をしております。それは、マイナンバー法にどう位置づけるかというよりも、統計業務というものを国においてどのように位置づけていくか。それは、私が冒頭申しました行政の電子化、電子政府、電子行政、こういったものを推進していく中の大きな要素なんですね。ですから、こういった部分は国としてもさらに取り組みを強化し、そしてまた位置づけというものを向上させなければいけない、このように考えています。

杉田委員 ありがとうございます。

 国の中において、統計調査というのは本当に根幹をなす部分だと思います。ここの部分が、電子自治体を進めて大分長い時間がたっておりますが、なかなか電子化されていないということについて、今後取り組んでいただけるという大臣の前向きな答弁をいただけて、本当にきょうはうれしく思います。これからもよろしくお願いいたします。

 質疑を終わります。ありがとうございました。

平井委員長 次に、山之内毅君。

山之内委員 日本維新の会の山之内毅と申します。

 本法案は、皆様御存じのとおり、多くの与野党の委員の方の質疑、参考人質疑、また連合審査会を経て、大方議論は尽くされて、論点は絞られていると思います。私自身も、本法案について二度目の質疑になります。

 本法案、いわゆるマイナンバー法案は、行政の効率化と国民の負担の軽減を目指す意義深い法案と考えておりますが、一方、莫大な導入及び運用経費が確定できず、軽減できることもあれば目算以上の経費がかかる可能性も残っており、将来にわたる費用対効果が明確でないという点もございます。

 また、こうした状況下でCIOが監督しながら本当に使えるシステムであるのかどうか、これが完成できるのか、それだけの対価を支払ったものが国民の生活に今最優先されるべきシステムなのかどうか。また、サイバーテロや成り済まし犯罪がさらにふえる昨今の時代に合ったシステム構築ができるか。この点が課題であると思っております。

 つまり、本法案を通して、真に使えるシステム、これをつくらなければ意味がなく、そのためには権限と責任が明確な組織の形があり、その組織に適材適所の人物が任命され、また、その方々が扱うシステムが健全かつ費用対効果のあるものであることが重要であり、さらにその進捗状況をその都度確認できるものでなければならないと思っております。

 おおよそこれらの点が本法案の本質であると思いますので、この観点から改めて質疑をさせていただきたいと思います。

 さて、このシステム構築についての費用対効果ですが、こちらは何度も質疑があるんですが、くどいようですが改めての確認です。

 システム構築は、二〇一三年度予算案に情報提供ネットワークシステム、マイポータルシステム、個人カード交付等制度の導入、基幹的なシステム構築費用として三百五十億円の予算を計上し、これらに対応する自治体のシステム改修費で二千億から三千億円の費用がかかるとの説明があり、費用対効果の面では、残念ながら総コストが曖昧であると言わざるを得ません。

 もちろん、努力をされてシステム改修費用を限りなく下げていくと答弁もありましたが、具体的にどのようにコストを下げるのか、受注する特定企業の見積もり、金額等を透明化していくのか、またランニングコストは幾らなのか等をお聞かせいただきたいと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 まず、現在、予算で出ておりますのが新しいシステムの三百五十億円の方でございます。これは二十五年度予算の債務負担行為という形で出てございます。それから、残りの二千三百五十億円、これは既存のシステムの改修費が現時点ではそこまで見込まれている。

 一方で、今後、二十六年度予算編成過程におきまして要求が出され、その段階でさらに精査されますでしょうし、さらに、要求から査定という形で本予算が決定される過程でさらに精査されていくと。

 その精査のされ方は、システムをつくる場合の、システムというのは基本的には要件定義に依存するわけでございますけれども、その要件定義する場合の事務の流れも、今後、国会の議論の中でも事務そのものを合理化しようという御意見を多数いただきました、これらについても検討していかないといけない。

 その上で、さらに、システムにつきましても、ベンダーの見積もりを聞くだけではだめですし、また、特に、地方のシステムが多うございますけれども、地方のシステムにつきましては、先ほど来議論がありますように、やはりいろいろ共通化するとか、いろいろな工夫もできると思いますし、国のシステムにつきましても、これまでベンダーロックインされていたような部分をどうやって打破していくのかというのとあわせて、コストを下げるような要因もまだあるのではないか。

 ただ、いずれにしても、これまでの過去の御批判あるいは失敗、これらを踏まえて、政府CIOのもとでしっかりやっていきたいと思っております。

山之内委員 ありがとうございます。

 ぜひ、過去の経緯を踏まえながら、よりコストが安い、費用対効果のあるシステムをつくっていただきたいと思っております。

 今の御答弁でもありましたCIOです。こちらは、極めてその権限が内閣で発揮されなければいけない重要なポストであると思っております。改めて、CIOのあり方について、また、このCIOと約千八百の地方自治体とのかかわり方、連携、サポートはどのように取り組む予定か、教えていただけますでしょうか。

向井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回のCIO法案におきましては、まず、各府省の大臣政務官と並ぶ高い位置づけを有している。そして、みずから各府省に対しまして総合調整を行うことが内閣法上可能になろうと。それから、政府CIOは、IT総合戦略本部に本部員として参加いたしますし、事務の一部について委任を受けて本部名で行う。その事務の中に府省横断的な計画というのがございます。その府省横断的な計画とか、それから予算の調整がございますので、それらを通じて、一体的な、各府省に横串を刺せるような調整が行われるものと考えております。

山之内委員 ありがとうございます。

 地方自治体、千八百自治体もあれば、できる自治体とできない自治体が出てくるかと思います。その自治体の進捗状況を確認しながら、サポートまでCIOが対応するということでよろしいでしょうか、お願いいたします。

向井政府参考人 お答えいたします。

 今回のCIO法案におきましては、自治体の協力の求めがあった場合は、自治体に協力するよう努めるというふうな規定がございます。これは、マイナンバーのシステムの構築につきましても、当然、努めるとありますが、やはり積極的に自治体の求めがあった場合には応えていく、そういうものだというふうに考えております。

山之内委員 ありがとうございます。

 また、このCIOの権限ということでございます。

 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法の一部改正案の中で、皆さん御存じのとおり、以下のような要件があります。

 一 高度情報ネットワーク社会推進戦略本部は、その所掌事務(高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策で重要なものの実施の推進に限る。)のうち次に掲げる事項に係るものを本部員たる内閣情報通信政策監に行わせることができること。

  1 府省横断的な計画の作成

  2 関係行政機関の経費の見積りの方針の作成

  3 施策の実施に関する指針の作成

  4 施策の評価

とありますが、この1、府省横断的であり機能する、このCIOのあり方について、民主党さん、後藤委員からも「本部」を「本部長」にするという御提案があり、修正案にもあると思います。

 改めて、その趣旨を御説明いただけますでしょうか。

後藤(祐)委員 お答え申し上げます。

 この「本部は」というところを「本部長は」というふうに変えた趣旨でございますけれども、今委員がおっしゃったような、府省横断的な計画の作成ですとか経費の見積もりの方針の作成なんかをするときに、本部というものが政府提案のとおり委任の下になっておりますと、本部の中には全大臣が含まれます。逆に言うと、政府CIOとしてはこうしたいという思いがあるのに特定の省庁が例えば反対しているといった場合に、本部が主語になると、その特定の省庁が反対したことによって政府CIOに対する事務の委任というものが適切に行われないというような事態も起き得るというふうに考えております。

 そこで、今回の修正案においては、その委任主体を本部長、つまり内閣総理大臣にしたことによって、特定の省庁が若干違う意見をお持ちの場合でも、内閣官房主導で、そして本部長主導で、そして政府CIOの知恵をいただきながら適切な形で進めていける、そんな形にしたところでございます。

 また、あわせて、IT基本法の三十一条一項に資料の提出の協力の求めというのもございますけれども、これが今まで政府CIOに委任できる事項に入っておりませんでした。実際には、政府CIOが各省に対していろいろなチェックをするに際して一番最初に必要になるのはこの資料提出要求、こういった協力の要請だと思われますので、本部長たる総理大臣が政府CIOに対して資料提出要求をしてくださいということについても委任できるようにしたものでございます。

 これらによって、政府CIOの指導力をしっかり発揮していただいて、より実効性のあるマイナンバーそしてIT施策の推進に資することを期待して、修正したものでございます。

山之内委員 ありがとうございます。

 本部長の権限において府省横断的な事務をされる、そういうことの認識だと思います。

 逆に、「本部」と修正以前になっていた経緯ですね。こちらはなぜ本部長ではなく当初は本部であったのか、もしおわかりの方がいらっしゃれば教えていただきたいと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 もともと、本部の事務を本部が委任するというのは一番自然な形でございまして、合議体であるIT本部が委任する場合には自然な形であろうかなという意味合いで、もともと「本部」となっていたものでございます。ただ、本部長が委任するという考え方も十分あり得るものだというふうに考えます。

山之内委員 私は過去の経緯を知らない新人でございます。本法案は、民主党政権のときから継続して審議されているということでございます。私は個人的には、新人でございますので、経緯を知り、勉強して、国民のために議論する、与野党、党派を超えて、前へ進むためになるものであればそうすべきだと思っております。拙速ではいけないと思っておりますが、スピード感も今の時代、今の国会には必要だと思っております。

 さて、またこちらもくどいようですが、セキュリティーの課題、重要な課題だと思っております。

 その中で、四月十三日、朝日新聞でございますが、このような文面がございました。複数の大手インターネットサイトに対して三月下旬から四月上旬にかけて、不正アクセスが相次いでいることが判明いたしました。いずれもIDとパスワードを使って会員に成り済ましてアクセスを繰り返す手口でございまして、実際にログインされる被害が出ております。専門家からは、闇市場に売り出す目的で、使えるIDとパスワードを洗い出していた可能性があると指摘されております。

 三月二十六日、四千四百五十四万人の会員がいるTSUTAYAさんのTサイトでは、会員二百九十九人のTポイントが盗まれて、被害総額は非公表。四月一日から五日には、七十七万人の会員がいるイーブックジャパンでは、七百七十九人分の不正侵入を確認し、四十六人分のカード情報にアクセスの痕跡が発見されました。その他にも、四月一日から四日、NTTレゾナントのgooでは、千八百万人の会員の、十万八千七百十六人分の会員IDに不正侵入があり、四月四日、九日、十日と、NTT東日本、フレッツ光メンバーズクラブでは、四百四万人の会員のうち、百七人分の不正侵入が確認されております。

 それぞれ名立たる大企業の会員システムであり、それでもこれだけの被害が出ている現状でございます。

 改めて、本システムでのセキュリティーに対する対策と、万が一、個人情報へのアクセス、成り済まし、そして情報漏れが発覚した際の対応と、CIOの責任と権限のあり方を具体的に教えていただきたいと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 まず、番号制度の方のシステムでございますけれども、基本的には閉じたシステムを使います。政府機関とかの情報のやりとり、国、地方のやりとりについては、基本的に閉じたシステムにしたいと思っております。ただ、以前も議論がありましたように、マイポータルにつきましてはインターネットとの接点ができる。したがいまして、そこの接点のセキュリティーについては万全を期す必要があると思いますが、特に、今先生がお話しになられた各システムというのは、基本的にはID、パスワードの世界でございまして、そういう意味では、認証レベル1の世界でございます。それに対しまして、マイポータルとかにつきましては、認証レベル3以上の公的個人認証等を用いていく。そういう意味で、その認証レベルを確保することによりまして、そういう成り済ましを防いでいきたいと思っております。

 それから、システムをつくる際のセキュリティーでございますけれども、基本的には、そういうサイバーテロ的な事件につきましては、内閣官房にNISCという機関がございまして、そこが対応いたしますが、一方で、セキュリティーというのは、事件対応というよりはむしろシステム設計の段階から常に頭に入れていかないといけない、そういうことでございますので、そういうふうなシステム設計、運用に当たりまして、常時のセキュリティー管理につきましては、政府CIOが意を用いて各府省を指導していく、そういう格好になろうかと思います。

山之内委員 ありがとうございます。

 完璧なシステム、絶対防げるシステムというのは極めて厳しいと思っています。まず、そういったことが起こった際に、もちろん、なるべく起こらない方がそれは理想ではございますが、やはり、不備のあるシステムをつくった場合、誰に権限と責任があるのか、その緊張感を持って取り組まなければならないと思っています。いわゆるハッキングとセキュリティーはイタチごっこの世界だということを念頭に入れて、CIOの方々は日々責任と権限の両輪を持って更新し、対応し続けなければいけないと思います。

 そこから続きまして、CIOの任命、人事についてお伺いしたいと思います。

 昨年八月、野田内閣では、リコージャパンの元社長で、政府情報システム刷新有識者会議委員を務められた遠藤紘一氏を政府CIOに任命しておると聞いております。現在、内閣官房の政府CIO室に非常勤の身分で詰めているとお聞きしますが、約九カ月間、どのように政府CIO室が運用されていたか、お知らせいただけますでしょうか。

山本国務大臣 今委員が御指摘されたように、昨年八月十日、初代政府CIOとして任命された遠藤紘一氏、株式会社リコーのCIOとして同社の情報システムの改革及び情報システムを活用した業務改革に大変実績を上げられてきた方であって、民間CIOのリーダーとして後進の育成にも大変御尽力をされてこられました。政府CIO就任以前から政府情報システムの改革について検討を行う各種会議の構成員として精力的に活動していただいていまして、初代政府CIOとしてはまさしく適任な方だというふうに考えております。

 遠藤政府CIOは、就任以来、政府として初めて全府省にわたるシステムの棚卸しを指導していただきましたし、また、二十五年度の概算要求に当たっては、社会保障・税番号制度に関するシステム整備について、関係機関からもヒアリングを行っていただきました。今、現場の陣頭指揮をとりながら、精力的な活動をしていただいています。

 今度の法案で政府CIOである内閣情報通信政策監が設置されれば、司令塔としてさらに十分な権限を付与できるというふうに考えておりますので、ぜひこの法案を早期に成立させていただきたいということだけ申し上げたいと思います。

山之内委員 ありがとうございます。

 こちら、CIOの任命、指名することになると思いますが、やはり選定に当たっての基準、選定の情報開示、またCIOの方々の能力、こういったものは極めて重要になると思っております。

 CIOの任期は一、二年ではなく数年が望ましいということだと思いますが、ある程度継続し、対応し続けることができる方が望ましいと思います。

 先ほどのセキュリティーの話からも理解していただけると思いますが、ハッキングとセキュリティーのイタチごっこの世界の中で、セキュリティー対策等の知識、ノウハウの蓄積を含め、効果的で継続的な対応を望みたいと思っております。

 また、みんなの党さんから当初修正案が出ていたことについてお伺いしたいと思います。

 まず、こちらの意義、メリット等を教えていただければと思います。

大熊委員 お答えいたします。

 基本的な考え方としましては、番号というものが入る、それを、ただ番号が入っただけではもちろんしようがないわけでございまして、どうやって使っていくんだと。

 それは、国民の利便性の向上と、それから行政事務の効率化と運営の効率化ということなわけですが、その行政事務の効率化、しかも、行政でどう使っていくか。いまだに、まだ入っていない制度といっても、仮に将来、給付つきのような制度が入った場合に、それにも対応でき得るような番号法の手当てをあらかじめしていこうというような考え方に立って、給付つき税額控除の事務を的確に実施するためには、現在、国税当局では把握していない年間給与五百万円以下の収入情報等について、それらの情報を別途有している地方公共団体と国税当局が連携をして的確に当該事務を実施する体制を整備する必要があると考えました。

 そこで、附則の第六条を修正しまして、政府は、給付つき税額控除の施策の導入を検討する場合には、当該施策に関する事務が的確に実施されるよう、国の税務官署が保有しない個人所得課税に関する情報に関し、個人番号の利用に関する制度を活用して当該事務を実施するために必要な体制の整備を検討するものとする旨の規定を追加したということでございます。

山之内委員 ありがとうございます。

 先を見据えてのことだと思います。

 いずれにしろ、重ねて申し上げますが、本法案、また修正案等ですが、いわゆるマイナンバー法案は行政の効率化と国民の負担の軽減を目指す意義深い法案と考えますが、一方で、先ほど申し上げましたとおり、費用対効果が不明確という懸念は残っております。

 その中にあって、より使えるシステム、これから今後つくっていかれるのだと思いますが、より使えるシステムであること、CIOが監督しながら、それだけの対価を支払ったものが国民の生活に最優先されるべきシステムとして存在できれば、価値はあるということになると思います。

 サイバーテロや成り済まし犯罪がさらにふえる時代に合ったシステム構築、こちらは簡単なものでなく大変なものだと思いますが、当然、責任も重大なものとなると思います。

 いずれにしろ、国民の利益に合致したシステム、使えるシステムを構築していただくことをお願いいたしまして、少し時間は残っておりますが、私の質疑を終了させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、大熊利昭君。

大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。

 続きまして、私、今度は、政府案、原案に限定しまして、答弁席からこちらにまた、ふだんどおりといいますか、質問ということでさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 審議の方も大分煮詰まってまいりましたが、ここで改めまして、マイナンバー制度が入る、マイポータル制度も入るという前提で、入った後の国民の利便性ですね、具体的に、ああ、そういうことなのかというところを国民の皆様方にもマスコミを通じて、あるいは直接にお知らせしたいという意味も含めまして、本日、配付資料を配らせていただいたところでございます。

 これは私の地元の東京の文京区の資料などから集めてきたものでございまして、住民が国民年金の届け出だとか国民健康保険の届け出、申請等をやる場合に、こういった一番から二十五番までの関係の手続等があるということでございまして、例えば、マイナンバー、プラスマイポータルが入った後、この一番から二十五番について、まず、全てオンラインで完結できるようになるものというのはあるのでしょうか。あるとすると幾つぐらいあるのかというのを、まずお伺いしたいと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 これらにつきましては、これから精査も必要でございますし、さらに、法令上ではなくて、運用上、地方公共団体が要求しているものもございます。

 そういう中で、まず、お示しの資料にある中で、診療内容の明細とか領収といったものにつきましては医療機関が発行するというふうに思われますが、この医療機関からの情報提供というのは今回の対象となっておりませんので、これらにつきましては、これらの書類が精査してもやはり必要だということになれば、これは、添付省略、添付書類自体は省略できないというふうになろうかと思います。一方で、年金の関係の年金手帳とか被保険者証につきましては、番号とひもづけが起こりますので、これは、その添付が省略できるのではないか、そういうふうに考えられます。

 これらの物の考え方としましては、マイナンバーとひもづけられているものにつきましては添付省略が可能となりやすいですし、一方で、その要件として挙げられているものがマイナンバーとひもづけされていないものにつきましては省略しづらい。そういう意味で、例えば福祉の給付なんというのは何らかのいろいろな、例えば障害ですとかそういった要件がありますので、そういうものを省略することは難しいでしょうが、所得とか年金番号とか、そういうものにつきましては省略が可能になりやすい。そういうことだと思います。

 ただ、いずれにいたしましても、これらの事務をもう一度一から挙げ直して本当に全て必要かというのも、やはり洗い直す必要があるなというふうに考えております。

大熊委員 この法案が衆議院を通過した、あるいは成立したという段階で、ぜひ、国民の皆さんへの具体的なアピールということで、これがこうなるんだよということをやはり全体をお示しすべきだと思います。

 今の審議官のお話もそうだと思うんですが、まあ、いろいろこれからですというお話もあったわけで、やはり、もう少し全体、例えば、この八番がどうだったらこうなるとか、十五番だったらどうなるということを、まだ少し時間もあると思うので、ぜひ、法律の成立までにいろいろともう少し具体的に絵を、市町村等の状況によって前提、仮定を置かなければならないのかもしれませんが、お示しいただけないだろうかなというふうに思いますが、改めてその辺のお考えをお伺いしたいと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 やはり効果についてはできるだけ明らかにしていく必要があると思います。

 ただ、一方で、ここに書いてあるもの、例えば「国民健康保険の各種届出・申請」の中の「健康保険証」という欄は、多分、市町村の運用において提出を求めるものだというふうに考えられます。これらにつきましては、ちょっと、それぞれの市町村がどういう判断をされるかというのもあろうかと思います。

 ただ、一方で、年金なんかで既に明らかに省略してオンラインができそうなものも幾つかございますので、それらにつきましては、番号制度それからマイポータルが入った前提で完全オンライン化が可能というのが明らかになるようなものにつきましては、そういうこともちょっとお示ししたいなというふうに思います。

大熊委員 前回の質疑で、私、マイポータルについていろいろ申し上げたんですが、ここでは、本日はマイポータルに入るという前提で、今の向井審議官のお考えでもいいんですが、この年金について一番から九番まで、では、どれが全部オンラインで解決できそうなのか。二つ三つ、あるいは九つありますから、半数以上、五つぐらい挙げていただくとありがたいんですが。まあ、一つでも二つでもお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 マイポータルの機能にもよるかとは思います。ただ、例えば年金手帳の再交付を受ける話というのは、多分、基礎年金番号だけで大丈夫なようなので、これなどはもう明らかにオンライン化は可能だと思います。

 それ以外につきましても、年金につきましては、多分、三番以外はかなりの可能性でオンライン化が可能になるのではないかというふうに考えます。

大熊委員 三番以外、九つのうちの八つはオンラインでできるということを積極的にアピールしていかれれば、ああ、そんなに便利になるのかということにもつながるのではないかなと期待をさせていただきたいというふうに思います。

 続きまして、やはりこのマイポータル関係の利用なんです。先ほど岸本委員の方からも、マイポータル、リーダーライターを使わないような、スマホですとかタブレット対応の話もあったんですが、既存のといいますか普通のPCを使った上での前提で質問させていただきたいんです。

 金融機関の人が使っているような金融情報端末、例えばブルームバーグというようなものについては、PCの画面にカードを照らして光のセンサーでもって感知をしてというものが何年も前から実用化されていて、これは、金融情報端末ですからお金のやりとりを伴うものということで、それなりに認証レベルの高いものではないのかなというふうに、私も専門外なんですが想像いたします。

 このような類似の仕組みで、認証レベル4、私、認証レベルは4が前提だと思っていたので、先ほどの審議官のお話ですと3か4というお話もあったかと思うんですが、3ないしは4なんでしょうか。それで、この既存のPCを使って、非接触の仕組みでマイポータルを構築する、こういう可能性について教えていただければと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 マイポータルの利用に当たりましてその認証をどうするかというのは、いわゆるカードリーダーとカードだけではなくて、技術の進歩とともに常に検討していく必要があるものだというふうに考えております。

 その上で、生体認証につきましては、先ほどの公務員の認証とは異なり、一般国民の方の認証でございますので、技術的な課題プラス、やはりプライバシーの問題も考えないといけないというので、そういう生体情報を政府が保有することに対する国民感情がどうかということも考える必要があろうかと思います。

 ただ、一方で、銀行なんかでも、もちろん選択、同意のもとに、生体認証をつけたキャッシュカード等は出回っておりますので、それらにつきましても、やはりいろいろなそういう状況を踏まえながら今後検討していくべきだろうというふうに思っております。

大熊委員 おっしゃるように、御指摘のとおり、やはり生体関係のものを使うということへの国民の抵抗感も当然予想されるところではございますが、お話しのように、選択制にすると、一方ではリーダーライターを買ってきてやらなきゃいけないよ、そうでなければ、生体認証を使ってそういったものを用意なくできるんだよ、そういう選択肢を国民の皆さんにお示しした上で、生体認証という方に導いていくという言い方が適切かどうかはあれですが、そういうふうにしていけば、それなりに可能なのではないかなというふうに考えております。

 私も、e―Taxをやっていない理由は、やはりリーダーライターがあるからというところが一番、私の個人的なちょっと抵抗感でもあり、ぜひここのところは、そのような選択制を設けるということで、リーダーライターを既存のPCでも使わないような仕組みを構築していただきたいなというふうに、お願いといいますか考えているところでございます。

 続きましては、先ほどの議論でも若干出ておりましたが、地方公共団体情報システム機構の関係とともに、政府CIO、特定個人情報保護委員会あるいは総務大臣、各機関の権限の関係、これについてぜひ整理をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

 戻りまして、地方公共団体情報システム機構の法律案では、定款変更は第五条でもって総務大臣の認可事項、それから業務方法書は第二十三条によって総務大臣への届け出というふうになっているわけでございまして、総務大臣と地方公共団体情報システム機構については、強い権限の関係で結ばれているのかなというふうに推察をしております。

 一方で、これらの権限を持っている総務大臣と政府CIOとの権限の関係、先ほども、本部決定があるのかどうかでもって大分事情は違うと思うんですが、まず、地方公共団体情報システム機構についての総務大臣の権限と政府CIOの権限の関係について教えていただければと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 地方公共団体情報システム機構に対しましては、総務大臣が、いろいろな権限、あるいは届け出を受ける対象であったりいたします。

 一方で、政府CIOにつきましては、政府CIO法上、各種調整権限がございます。そういう調整権限あるいはIT本部から委任された権限を用いて、総務大臣に対してそういう権限を発揮する。

 そういう形で、間接的ながら、地方公共団体情報システム機構に対して指導なりなんなり、そういうことが可能になるのではないかというふうに考えております。

大熊委員 修正案のCIOの権限強化というところに結局のところはつながっていくのかなというふうに思って御質問させていただいているんですが、地方公共団体情報システム機構法の第一条の「目的」のところの最後の方に、「もって地方公共団体の行政事務の合理化及び住民の福祉の増進に寄与することを目的とする。」というふうにはっきり書いておりまして、政府CIOの所掌している政府関係機関の行政の効率化云々というのは、この法律には明記をされていないということで、必ずしも国の行政機関の効率化と地方公共団体情報システム機構法の目的とが一〇〇%一致するとは限らないわけでございまして、やはりここのところが、本部決定なのか本部長決定なのかというところの差が出てくる具体的な場所なのではないかなというふうに考えているところでございます。

 一方で、番号法の本体の方の五十四条、先ほども議論に出ましたが、特定個人情報保護委員会、こちらには、これまで出てきた議論等で、非常に強い権限が与えられておりまして、例えば、「総務大臣その他の関係行政機関の長に対し、必要な措置を実施するよう求めることができる。」というふうに書いております。

 先ほどの議論にありましたが、もう一度確認といたしまして、この特定個人情報保護委員会は、総務大臣を通じて、地方公共団体情報システム機構への権限を有しているというふうに考えてよろしいのかどうか、教えていただければと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 先ほど大臣が申し上げたとおり、間接的な権限を有しているということでございまして、総務大臣その他の関係行政機関の長の中には地方公共団体情報システム機構は入らない。したがいまして、総務大臣に必要な措置を実施する。総務大臣は、別途、地方公共団体情報システム機構に対して権限を持っておりますので、そういう間接的な形になろうかというふうに思います。

大熊委員 確認させていただいたんですが、その場合に、やはり疑問に思わざるを得ないのは、先ほど申し上げたとおり、政府全体、政府の行政機関の行政の効率化と地方公共団体の行政事務の合理化というのが必ずしも一〇〇%一致するとは限らないので、政府CIOの考え方と特定個人情報保護委員会の考え方が異なった場合、これは法律上どうなるのかということについてお伺いしたいと思います。

向井政府参考人 政府CIOは、内閣官房に所属するものでございまして、一つの行政機関ということでございまして、内閣官房の事務のうちの情報通信技術の活用による国民の利便性の向上、行政運営の改善に関するものを統理する、それから、IT本部の本部員として、本部の一部の事務を受けて行うということでございます。

 一方で、第三者委員会、特定個人情報保護委員会は、総務大臣その他関係行政機関の長に対して必要な措置を実施するということで、関係行政機関の長となりますと、内閣の場合ですと内閣総理大臣になろうかと思いますが、内閣に対してもそういう措置を命ずることができるということで、そういう意味では、政府CIOが、むしろ、第三者機関とはいえ、同じ政府部内ではありますが、より独立しておりますので、外から政府に向かって独立した立場で物を言うという形になるのかなというふうに、法律上はそういうふうな構成になっているということでございます。

大熊委員 今のお話の確認ですが、ある意味、ちょっと外の方から委員会は、法律上は、本部長もしくは政府CIOに対しても措置の実施を求めることができると。そういうふうなことでいきますと、やはり政府CIOよりもさらに上位といいますか、権限は強いものがこの特定個人情報保護委員会には与えられている、そういうふうに認識しても間違いではないでしょうか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 独立しているとはいえ、第三条委員会も内閣の、政府の中にあることには変わりがない、それは職務を行うに当たっては独立している、そういうことでございます。

 その意味では、こういうものというのは、基本的には、統治機構としては権限の牽制関係が常に起こる。それはもちろん、三権でもそうですけれども、政府部内でも同じでございまして、一方で、任免権が内閣にある、総理にあるというふうなこともありますから、どっちが権限がある、ないという話では必ずしもないんだろうと思います。

 ただ、措置要求ができる、措置を実施することを求めることができるという点におきましては、そういうことを、内閣府の長である内閣総理大臣に措置を求めることができる、そういう権限があるということは事実でございます。

大熊委員 では、五十四条の一項によって内閣総理大臣が措置要求を求めて、一方で、レアケースなのかもしれませんが、万が一のときということも考えて、その措置要求に対して内閣総理大臣が何もしないという場合は、法律上はどうなるんでしょうか。内閣総理大臣はこの委員会に対してどのような、具体的に、では、人事で権限を持っているとか、そういうことになるんでしょうか。

向井政府参考人 実際上は、こういう勧告を出す場合、いろいろな措置を求める場合には、事前に調査いたしますし、そういう意味で、事実上、そう意見が離れることはないとは思いますが、法論理、法の形式論理的にいきますと、一方で、この第三者委員会は、政府の関係機関の長でございますので、内閣総理大臣も含む関係機関の長に措置を求めることができる。もう一方で、内閣総理大臣は人事権を持っている。法律の形式論理上はそうなるということでございますが、現実問題、運営に当たっては、そういうものは当然調整されることになるだろうというふうに思います。

大熊委員 人事権ということで、権限を委員会に対して内閣総理大臣は持っているということで理解をさせていただきました。

 最初に戻りまして、そごが出ることはまずないという審議官のお話なんですが、冒頭申し上げたとおり、地方公共団体情報システム機構法の目的に、地方公共団体の行政事務の合理化とだけ書いてあるので、国の行政機関のことは何も書いておりません。ここの点について懸念があったので、念のためお伺いしたという次第でございます。

 続きまして、では、システム機構の内部のお話に移らせていただきますと、これは機構法にも具体的に明記をされているところなんですが、もう一度、確認の意味で、このシステム機構の各種会議体、代表者会議、役員会、そして経営審議委員会、三つあるわけでございます。この三つの機関の、内部の機関のそれぞれの関係について整理をお願いできればと思います。

望月政府参考人 お答えいたします。

 代表者会議でございますが、これは、機構の財務及び業務の方針を決定する意思決定機関でございます。定款の変更や予算決算等を議決するほか、理事長、監事の任命、それから経営審議委員会の委員の任命を行うことになっております。

 いわゆる役員会でございますが、役員会といった規定は法律上はございませんが、業務の執行に携わる役員といたしましては、理事長、副理事長、理事及び監事が想定されます。理事長は機構を代表いたしまして、その業務を総理することとなります。

 経営審議委員会でございますが、これは有識者によりますチェック機関でございます。機構の予算、決算などにつきまして、理事長の諮問などに応じて調査審議をし、意見を述べることとされております。

大熊委員 代表者会議が財務についての権限を持っているとおっしゃった一方、第三十三条で、実は、会計、財務については省令事項だというふうに書いてあるんですが、ここは矛盾していないですかね。細かい財務の話とか会計の基準というお話を御答弁になるんでしょうが、先ほどおっしゃられた話ですと、財務について代表者会議が権限を持っているといいながら、第三十三条には、省令事項で会計、財務について決めるというふうに書いてあるんですが、その関係について御説明をお願いいたします。

望月政府参考人 申し上げました財務の関係につきましては、予算でありますとか決算といったいわば機構の大きな方針につきまして、それを予算決算にどう落とすか、反映されたかということについて議決をするということになります。

 委員の御指摘のありました省令の関係でございますが、こちらの方につきましては、財務関係のいわば様式等の細かなことを規定することを想定しております。

大熊委員 以前、どなたか、戦略は細部に宿るということをおっしゃった方もいらっしゃるかと思うんですが、この細かいところというのがどうしても気になるわけでございまして、具体的にこの第三十三条に書いてある、「機構の財務及び会計に関し必要な事項は、総務省令で定める。」の「必要な事項」というのを具体的に教えていただければと思います。

望月政府参考人 お答えいたします。

 財務諸表の関係の様式でありますとか、それから、閲覧に関する手続などが想定されます。

大熊委員 様式というと、具体的に言うと、民間の上場会社と同様の形式ということなんでしょうか。あるいは、国等の公会計の財務諸表の様式、そういうことなんでしょうか。

望月政府参考人 機構は企業会計を会計の基本とすることに想定されておりますので、そういった、いわば会社の財務諸表に近いような様式を考えようと考えております。

大熊委員 済みません、細かいところをお伺いして申しわけないんですが、近いというところがやはり気になるわけでございます。

 具体的に、では、東京証券取引所に上場しているような会社の有価証券報告書に載っているような財務諸表と同じもの、そういう様式だというふうに理解してよろしいでしょうか。

望月政府参考人 実際に、地方共同法人は既に数例ございますので、そういった法人のものを参考にすることになりますが、基本的には、御指摘のありましたような企業会計に沿ったものを考えております。

大熊委員 やはり、情報公開という観点で、しっかりとした財務諸表の様式であることを希望させていただきます。

 同様に、地方公共団体情報システム機構法の第四条の資本金の部分でございますが、資本金については地方公共団体が出資する、それ以外の者は出資できないというふうに法律に書いてあるわけでございますが、具体的に各自治体の出資割合というのはどのように決められるのかというのを教えていただければと思います。

望月政府参考人 お答えいたします。

 機構は、現在ございます財団法人地方自治情報センターの解散時にその一切の権利及び義務を承継することとされておりまして、その解散の前日において地方自治情報センターに対して地方自治体から拠出をされております金額に相当する金額は、地方公共団体から機構に対して出資されたものとされている、そういった規定になっております。

 このように、地方公共団体によります財団法人地方自治情報センターに対する拠出金がそのまま機構に対する出資として引き継がれ、代表者会議の議決を経て定款により定められることになります。

 また、機構は、資本金、出資及び資産に関する事項を定款をもって定めることとされているとともに、機構の運営費用は、定款で定めるところによりまして、地方公共団体が負担をいたします。

 以上でございます。

大熊委員 具体的に、どの自治体が何%、筆頭株主は、出資者は誰になって、二番、三番はそれぞれ誰になって、何%になるんでしょうか。

望月政府参考人 現在の地方自治情報センターの基本財産でございますが、出捐金といたしまして一億三千四百万円となっておりまして、四十七都道府県と二十の政令指定都市からの出捐金となっております。ちなみに、四十七都道府県は二百万円ずつの出捐となっています。

大熊委員 そうすると、今のお話でございますと、四十七都道府県は二百万円ずつ均等ということで、政令都市の方は幾らで、またこれも均等なのでしょうか。

望月政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり均等でございまして、二百万円となっております。

大熊委員 全て二百万円の均等で四十七都道府県と政令都市二十ということが今わかりました。

 これはちょっと一般的な感想でございまして、出資割合が、大きい小さいがついていますとガバナンス的にはっきりするわけでございますが、例えば五〇%、五〇%のジョイントベンチャーというのは、大体五〇%ずつの出資者同士が後ほどうまくいかなくなり崩壊をしてしまうという例が多くて、意外と均等出資というのが後々の問題をはらむという場合が多いのではないかというふうにコメントをさせていただきます。

 続きまして、では、均等の出資割合ということになりますと、当然運営費用についても均等の負担割合ということになるのかどうか、お尋ね申し上げます。

望月政府参考人 運営の費用に当たりましては、機構の設立に当たりまして、代表者会議の中で十分な議論をし、定款に定められることになると存じております。

大熊委員 と申しますと、逆に費用負担が均等ではなくなる可能性も十分にある、そういう理解でよろしいのでしょうか。

 それと、続きまして、その関係でも一部関係するんですが、通常、民間会社等でやっているジョイントベンチャーの場合は、出資者間同士の契約、いわゆる株主間契約というのを必ずやるわけなんですが、これはどうなっているか、あるいはどうなるのでしょうか。この四十七都道府県と二十政令都市の間の契約、これはどうなるんでしょうか。

望月政府参考人 機構の設立に当たりまして、御指摘の出資者間契約という概念は、なかろうかというふうに思います。

 いずれにいたしましても、地方公共団体が共同して設立をするわけでございますので、法案が通りますれば、必要な協議を地方団体間で始め、それが代表者会議の議を経て決まっていくということになろうと思います。

大熊委員 今回、修正案ということで、こちらは含まれてはおりませんが、先ほど申し上げたとおり、出資者が均等ですと、その後もめるというケースが、通常、多うございます。たくさんの何十もの関係自治体がいる中で、一者というんでしょうか、一団体とか二団体程度、非常に変わったことを言い出す方も中にはいないとも限りませんので、ここはやはり、法律成立後でも場合によっては可能になるんじゃないかと思いますが、出資者間契約について検討すべきではないか、この機構のガバナンス上、必要なのではないかなというふうに思うのですが、その点、いかがでございましょうか。

望月政府参考人 出資者間契約というふうなことではないかもしれませんが、いずれにいたしましても、今回、法案が通れば、新しい法律に基づく、いわばガバナンスのきかされた法人ができるわけでございますので、LASDEC、これまでの地方自治情報センターの運営にさらに上乗せをするようなしっかりとした運営形態をとるべく、地方公共団体間でしっかり議論していただきたい、そのように考えております。

大熊委員 地方公共団体間での何十もの関係者間の議論を、しっかりと合意書のような形、契約書といいますか、そういった形で残しておくということが、後々のもめごとを起こさない、事前に防止するというガバナンス上の観点から大切なのではないかというふうに意見として申し上げたいと思います。

 続きまして、同じシステム機構法の第十五条に、役員の欠格条項を二つ書いてございますが、やはり、ここの部分には、天下りあるいはそれの類似だというふうにみなされるようなことがないように、政府の職員であった者も役員の欠格事項に加えるべきではなかったかというふうに思いますが、この点についていかがでございましょうか。

望月政府参考人 お答えいたします。

 新しい機構におきましては、理事長と監事は代表者会議が任命することといたしておりまして、副理事長及び理事は、理事長が代表者会議の同意を得て任命するとされております。

 こういった役員の欠格条項でございますが、機構法の第十五条におきまして、政府または地方公共団体の職員、代表者会議の委員、この二つが欠格者とされております。

 この欠格条項につきましては、地方公共団体金融機構法など、他の地方共同法人の根拠法においても同様の規定がございます。

 なお、現在の財団法人地方自治情報センターは、事業仕分けによりまして官庁OBの再就職の自粛という指摘を踏まえながら、対応いたしております。

 この趣旨は引き継がれるものと考えておりまして、いずれにいたしましても、機構の役員につきましては、代表者会議の選任でございますが、あらゆる可能性を排除せず、有為な人材を登用することが重要であると考えております。

大熊委員 天下りの議論をするときはいつも似たような議論になるわけでございますが、もう一度、この十五条の一号を見ていただきますと、現職の政府または地方公共団体の職員については欠格なわけですが、退職した者については書いていないわけでございます。あらかじめ、天下りと疑われるような事案を事前に防ぐという意味でも、ここについては、職員であった者も加えるべきではなかったのかなというふうに、意見として申し添えさせていただきたいと思います。

 続きまして、次の十六条の第三項なんですけれども、理事長の解任権、人事権についてです。

 この三項の規定ですと、理事長の人事権は自分には最終的にはなくて、代表者会議の同意が前提というふうになっておりまして、これでございますと、実質的に理事長の人事権が非常に強く制約されておりまして、簡単に言うと、副理事長や理事の方が理事長を向いて仕事をしないと思うんですが、これについてどう思われるか、教えていただけたらと思います。

望月政府参考人 地方公共団体情報システム機構法におきましては、理事長と監事は代表者会議が任命することとしておりますが、副理事長及び理事は、理事長が代表者会議の同意を得て任命することとされております。また、機構の職員は理事長が任命することとされておりまして、私どもといたしましては、こうしたことから理事長は人事権を十分に行使できるものと考えております。

大熊委員 一般的にも、人事権の行使といった場合は、任命するときもそうなんですが、やはり強い力かどうかというのは解任をするときに発揮できるかどうか、あるかどうかというところが問題なのであって、今申し上げた第十六条の三項という解任のときの規定、これについて理事長は権限を自分だけでは持っていない、こういう法律になっているわけでございまして、改めて、やはりこれでは理事長の権限は非常に弱い。簡単に、平たく申しますと、理事や副理事長さんが代表者会議を向いて仕事をする、理事長に対する集中といいますか、こちらを向いて仕事をするという法律になっていないのではないかなというふうに申し上げたいと思います。

 続きまして、あと二、三分でございますが、最後に情報システム機構の収支の見通しなんです。機構法の第三十二条によって、この費用は株主である地方公共団体が負担し、そしてまた、先ほども議論に出ましたが、住基法の改正によって手数料を行政機関や法人から徴収できる、そういうことになっておりまして、この事業は独占体でございまして、ここだけを見ますとかなり収益性のよい法人というふうに推察できますが、そういった認識でよいでしょうか。

望月政府参考人 お答えいたします。

 機構の運営に要する費用でございますが、定款で定めるところによりまして、地方公共団体が負担するとされております。また、機構は、総務大臣の認可を受けて定める本人確認情報の提供に関する手数料を国の機関等から徴収することができるとされています。

 定款でございますが、設立時には設立委員が定め、その後の変更は、代表者会議の議決を経て、総務大臣の認可を受けることになっておりまして、地方のガバナンスのもと、その運営に必要な費用が精査され、適正に各地方公共団体の負担が決まるものと考えています。

 また、国の機関等から取ります手数料でございますが、これにつきましては、国の機関等が機構から情報提供を受けることが必要不可欠となることを踏まえ、適正な手数料設定が行われる必要がありまして、これを制度的に担保する観点から総務大臣の認可事項としております。

 そもそも機構は、目的規定にございますように、地方公共団体の行政事務の合理化及び住民の福祉の増進に寄与することを目的としておりまして、収益を目的とする法人ではございません。地方の負担のあり方は代表者会議のガバナンスのもとで定められ、また、総務大臣の関与によりまして手数料額の設定が担保されておりますので、そういったことで適切な運営がなされるものと考えております。

大熊委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、この費用の関係についてはいま少し機会を改めさせていただきたいと思います。

 以上で失礼します。

平井委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 委員会での質疑を通じまして、なかなか安心できない、あるいは、これはやはり問題だと思うのは、成り済まし犯罪や、あるいは個人情報の重大な漏えい問題であります。

 今回の番号システムでセキュリティー上の欠陥が指摘されるのは、先ほども出ておりましたが、マイポータルの問題であります。

 この点について、政権時代にみずから番号法案を提出した民主党の委員からも、この委員会の議論の中で指摘が出ておりました。向井参考人も、これまでの答弁の中では、システムそのものは基本的には専用回線を使おうと思っておりますが、マイポータルに関しては、インターネットとの接続口が必ずできてしまいます、その点については、セキュリティーの面で一段落ちる危険性がある、このように認めておられました。

 マイポータルは、自己情報表示機能があります。この一段落ちたセキュリティーを不正アクセスで突破された場合には、情報提供ネットワークにつながっているその人の個人情報は、住民票の家族情報、税金申告の所得情報、年金保険など全て流出をするということになりませんか。

西村副大臣 お答えを申し上げたいと思います。

 御指摘のとおり、今回のマイポータルは、インターネット上に構築されるシステムでありますから、その整備に当たっては一段のセキュリティー確保が重要というふうに考えております。

 御指摘の、そのセキュリティー突破に対する具体策としては、侵入検知機能を設置して、侵入を検知した場合にはマイポータルのシステムを一時的にでも停止させるという運用をするほか、各機関の情報システムにおいてもアクセス制御あるいはデータの暗号化が行われておりますので、情報提供ネットワークシステムにつながっている情報が、全部つながっているわけですけれども、そのつながっている情報が全て流出する可能性はまずないというふうに考えております。

 しかしながら、御指摘のとおり、情報技術は日々進歩しておりますし、いわゆるサイバー攻撃も日々巧妙化をして、いろいろなことが今起こっております。こうした動向も継続的にしっかりとウオッチしながら、内閣情報通信政策監とも連携を緊密に図って、まさにシステム整備に万全を期してまいりたいというふうに考えております。

赤嶺委員 いろいろな手だてをとって万全を期すという決意表明はわかりますが、それで本当に大丈夫なのかという不安は国民の中に残るわけです。

 ただ、マイポータルがあるから今度の制度は便利だということも強調されているわけですよね。ネットで自分の情報の全てが見られて便利だと。しかし、それは反対に、マイポータルで見られる個人情報は全て流出の危険にあるというコインの裏表の関係にもなっていくわけですね。

 その流出は、ネットでの不正なアクセスにとどまらず、今度は個人番号カードそのものを成り済ましでつくられた場合、それには防御手段はあるんですか。

西村副大臣 お答えを申し上げます。

 これまでもいろいろ議論をなされてきておりますけれども、まず、個人番号カードの交付に当たっては、本人からの申請に基づいて、市区町村の窓口におきまして、個人番号といわゆる基本四情報、氏名、生年月日、性別、住所が記載された通知カードの原本と、そして、運転免許証やパスポートなど顔写真のついた証明書などを提示する必要がありますので、成り済ましによる作成、不正取得というのは極めて困難というふうに認識をいたしております。

 万が一、個人番号カードを不正に作成、取得された場合には、本人に成り済ましをしてマイポータルへアクセスすることは可能となりますけれども、その場合でも、本人が市町村長に届け出ることによってマイポータルにログインするために必要な電子証明書を停止するということで、マイポータルの利用はできなくなるということであります。

 いずれにしましても、この番号導入に当たっては、通知カードが詐取されることのないよう、広報を通じてしっかりと周知をしていきたいというふうに考えております。

赤嶺委員 個人番号カードの交付で成り済ましは起きない、そういうことですか。

西村副大臣 個人番号カードの交付と、それとあわせて、市町村の窓口で、そのカードの原本と運転免許証やパスポートで顔写真のついたものを確認しながら発行しますので、これはなかなか難しいんだというふうに思っております。

赤嶺委員 その場合に、住基カードも本人を確認の上でやってきたわけですよね。住基カードで成り済ましの不正が起きてきたわけですが、これはどういう状況ですか。

望月政府参考人 お答えいたします。

 住基カードにつきましては、カードの偽造、また券面の改ざん、あるいは本人に成り済まして不正に取得するといった事件がございます。

 過去五年間の件数で、総務省が把握している数字を申し上げますと、平成二十年度におきましては十二件、平成二十一年度は四十五件、平成二十二年度は九十七件、平成二十三年度は五十四件、平成二十四年度は三十件が報告を受けております。

赤嶺委員 今の説明の中で、成り済ましは何件ですか。

望月政府参考人 お答えいたします。

 平成二十年度におきましては成り済ましは三件、平成二十一年度は十五件、平成二十二年度は六十三件、平成二十三年度は十件、平成二十四年度は十五件となっております。

赤嶺委員 五年間で百件の成り済ましの不正が起きているわけですね。

 住基カードで成り済まされても、全ての個人情報が流出という事態にはなりません。しかし、個人番号カードの交付で成り済まされた場合は、マイポータルの全個人情報の流出ということになります。年金機構など一つの機関から漏えいしたということともわけが違います。

 マイポータルからの個人情報流出は、システムに蓄積された全個人情報となり、深刻なプライバシー侵害になるのではないかと思いますが、いかがですか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 マイポータルにつきましては、番号にひもつけられた情報につきまして本人が入手できるということでございますので、成り済ましが起こった場合は、確かに、その個人について番号情報が全て漏えいする可能性があると。

 ただ、番号カードを、詐取、成り済まして取得しただけでは、直ちにログインできるわけではございません。公的個人認証等の認証手段が必要ですので、その認証手段を取得するときに再度、顔写真の確認をするということが起こりますので、そういうふうな安全措置を講じていくことが大事だと思います。

 また、発行に際しましても、過去の反省を踏まえて、これまで以上のセキュリティーをとっていく。そこは、多分、実際に発行する前に、市町村等に密接に連絡をとって徹底していくということが非常に重要だと思います。

赤嶺委員 個人番号カードを紛失して暗証番号も破られたときにも、全個人情報流出の危険にさらされていきます。

 マイポータルは政府が便利になると見込んで制度に組み込んだものでありますが、本システムよりは一段と落ちるセキュリティーで、不正侵入の危険性が高まる上で、個人番号カード交付の時点で成り済まされたら、いろいろな防御をとると言いますけれども、防御のしようはないと思います。紛失時にもリスクがあります。やはり、この制度の導入によって、全ての国民にそういうリスクは避けられない、こういうことを指摘しておきたいと思います。

 プライバシー侵害というのは、そのリスクはマイポータルに限りません。情報提供ネットワークシステムに接続する情報保有機関、健康保険組合や自治体などのセキュリティーはどうなっているかについて伺いたいと思います。

 厚生労働省に問い合わせたところ、健保組合については、企業のプライバシーポリシーでは個人情報の扱いが厳重に行われており、健保組合においても、業務システムについては個人情報が流出しないように、基本的にスタンドアローンであり、一般の者が外部ネットからアクセスできる仕組みにはなっていない、そういう回答がありましたが、それは変わりないですか。

神田政府参考人 お答えいたします。

 健康保険組合の業務管理システムについては、サーバー等を含むコンピューターをみずから設置してデータ管理を行う場合と、専門のデータ管理会社にデータ管理を委託して、外部から侵入できない専用回線によってデータ管理を行う場合の大きく二通りがございまして、一般的には、外部とは専用回線以外では接続されていないことから、独立しており、外部の侵入ですとかデータの抜き取りができないようになっているものというふうに承知をいたしております。

 スタンドアローンということにつきましては、コンピューターをほかのコンピューターと接続しないで単独で動作させているというふうに一般には解されているというふうに理解しております。健康保険組合のシステムにつきましても、サーバーと端末を接続しているということから、一般的な意味でのスタンドアローンには該当しないというふうに承知をしております。

赤嶺委員 スタンドアローンではないと。私は、最初は、健保組合においてはスタンドアローンで完璧な防御体制がとられているというぐあいに伺っていたんですか、そうではないという御答弁でありました。

 今回の情報提供ネットワークシステムで最も多様な個人情報ファイルを保管しているのは各自治体であります。住民票情報、課税情報、保険情報などの個人情報を保有しております。

 総務省に確認をいたしますけれども、自治体が保有するこれらの個人情報は、ネットから物理的に隔離されたスタンドアローン状態にあるんですか。

望月政府参考人 お答えいたします。

 地方公共団体の個人情報管理でございますが、地方公共団体が保有いたします個人情報の内部での目的外利用や第三者への提供を原則として禁じました個人情報保護条例が、まず全ての地方公共団体で制定されております。また、情報セキュリティーの対策の観点から、総務省が公表しております地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインに基づきまして、各団体におきまして、情報セキュリティーの基本指針として情報セキュリティーポリシーが作成されておりまして、総務省といたしましては、この遵守の徹底を要請しております。

 地方公共団体の情報システムやネットワークでございますが、個人情報保護条例や情報セキュリティーポリシーに基づく運用が確実に実行されるべく設計、整備されるものであることを踏まえれば、個人情報を格納したコンピューターが、スタンドアローンの状態であるほか、庁内LANあるいは専用回線と接続された状態で管理されることは考え得ますが、インターネットのような公衆回線に直接接続された状態で管理されることは想定しづらいところでございます。

 番号制度の導入に当たりましても、制度面とシステム面の両面から個人情報の保護措置を講ずることとしており、総務省といたしましては、引き続き、運用面も含めて、地方公共団体におけます個人情報の管理に万全を期すよう努力をしてまいりたいと考えています。

赤嶺委員 各自治体さまざまだというのは先ほど大臣もおっしゃっていたんですけれども、私が自治体の担当者に聞きましたところ、一つの端末で、住民基本台帳の情報も見るし、ネットも見ている。つまり、自治体の庁内ネットワークは外部ネットと接続しており、スタンドアローンとは言えない。庁内のネットワークと外部のネットワークの間にDMZと言われる装置を置いて不正アクセスを防御しているとのことでありました。

 ところが、このDMZ、これは絶対に破られないと言えるのか。これは、スタンドアローン型の他のシステムに比べて一段落ちるのではないかと思いますが、いかがですか。

望月政府参考人 先ほど申し上げましたように、庁内LANでありますとか専用回線といった状態以外の状況はなかなか考えにくいところでございます。

 いずれにいたしましても、技術は日々進歩するものでございますので、自治体側におきましても、そういった状況を十分踏まえて情報管理の徹底を図っていただきたいし、私どももそのような要請を日々しております。

赤嶺委員 衆議院や参議院のシステムもDMZという同じような装置で防御していたはずでありますが、この間、突破されて、国会議員のパスワードとIDが流出をいたしました。

 万全のセキュリティーというのは考えられないわけですね。日々技術は進歩していっているというお話もありましたけれども、個人番号を含む個人情報を保有する機関は、健康保険組合や年金機構、自治体などの公的機関にとどまらないと思います。

 私は、質問の中で、源泉徴収などで個人番号を取り扱うことになる関係事務実施者の数を聞きました。約百五十万を超えるという答弁でありました。この約百五十万を超える個人番号関係事務実施者のもとには、個人番号を含む個人情報、特定個人情報、どの程度あると推定をされますか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 個人番号関係事務実施者といたしましては、例えば、特に多いのが、企業がその雇用する従業員に関しまして税務署に提出する給与の源泉徴収票だと思われます。これらの法定調書につきましては、個人番号が付され提出されることになりますが、現在の法定調書の提出実績を踏まえれば三億件を超えるものと考えられます。

赤嶺委員 膨大な数になるわけですね。

 これらの個人情報、特定個人情報がどの程度のセキュリティーで守られているかという問題が出てくると思います。

 十一日の質疑で向井審議官御自身が、経済団体からの要求について次のように述べておりました。

 経団連とかの団体からよく聞かれますのは、通常、人事システムというのは、従業員の給料とかそれから源泉徴収だけではなくて、いろいろな過去の賞罰等々と一緒にシステムで管理している。したがって、番号を入れることによって、番号とひもづけられる情報が所得とかそういうものに限るのであるならば、別のシステムをつくらなきゃならなくなる、そこまでするのはちょっと勘弁してくれという話がございます。

  実際、そういうことが起こりました場合には、さすがにそこまでを求めるのは酷なのではないかというふうに考えております。

  そういう意味で、常識的な範囲で必要な範囲というふうなことだと思っております。

このように述べておられるわけですね。

 情報提供ネットワークシステムでは、やりとりする情報を符号と関係情報に限定すると言いますけれども、これだけの規模で特定個人情報を持つ個人番号関係事務実施者から情報が漏えいするときには、番号と源泉所得情報だけでなく、それに関連した情報も漏えいをしていく、こういうことになりませんか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 企業の人事システムというのは、その企業の中で最もセキュリティーが高い措置をとられることが通常であろうかと思います。

 私が申し上げたのは、むしろ、目的外利用に当たるか当たらないかという話でして、逆に、源泉徴収とそういう税情報以外の人事情報とを一緒に管理することが番号の目的外利用に当たるか当たらないか、そういう解釈の面では、通常考える範囲においては目的外利用には当たらないというふうに考えるのではないかという意味で申し上げたものでございます。

 一方で、そういうシステムから今度は税に徴収票を出すときは、それぞれの番号と社員と給与とそれから所得税を書いたものを打ち出しまして、それをダウンロードするなり別のところに移した上で、今度は税務に申告するシステムに載せるということになりますので、逆に言うと、外部から直接全てがつながっているというものでは決してないということだと思います。

赤嶺委員 番号社会、そういう問題についてやはりきちんと見ておくべきだと思うんですよね。

 実際に、個人番号の先進国である韓国では、一億五千万人の個人番号つきの個人情報が漏えいしたと言われております。韓国は人口が五千万人でありますから、国民一人当たり三回情報漏えいをした計算になります。

 こうなってきますと、情報提供ネットワークシステムで個人番号を符号化したから大丈夫というレベルではなくなります。

 今度はちょっと警察の方にお伺いしたいんですが、日本でも、闇社会では個人データが回っております。その一端がわかるのが振り込め詐欺であります。最近では成り済まし詐欺との名称も使われますが、警察は、こうした詐欺の犯人を捕らえたときに、犯人グループから名簿を押収するときがあると思いますが、現在、押収した名簿を合計すると何人ぐらいになりますか。

    〔委員長退席、木原(誠)委員長代理着席〕

辻政府参考人 お答えをいたします。

 振り込め詐欺等の被害に遭うおそれのある方に対する注意喚起のために、警察庁において、特殊詐欺等の犯行グループから押収した名簿を集めまして、これをデータ化いたしたものを都道府県警察に還元するようなことを今やっておりますけれども、平成二十四年度中に還元いたしましたものは約六十三万人分でございます。

赤嶺委員 この六十三万人、これは注意喚起のためにまとめた名簿と。押収した名簿そのものはもっと多いわけですよね、当然。その中から六十三万人を選んで注意喚起を各自治体にやっているということなんですが、警察の資料によれば、これは公開されておりますが、警察が押収した名簿には、大手企業退職者、先物取引経験者、夢見る老人データ、こういうのがあったといいます。

 番号制度が導入されれば、こうした犯人グループから押収した名簿に個人番号が付番されている可能性があるわけですね。この場合の個人番号を含む個人情報の扱いはどうなるんでしょうか。保管は可能ですか。

向井政府参考人 番号法におきまして国勢調査ですとか警察捜査については情報提供の例外としておりますのは、例えば、捜査したときに、あるいは調査したときに、たまたまそこで押収したものに番号が入っていた場合に、それを証拠として押収することができなくなるということを避けるためにそういうふうな例外を認めておりますので、いわゆるそういう捜査に付随して押収したものに限られます。

 したがいまして、この番号法で、個人番号の利用、いわゆる個人番号を使いました情報の検索とか管理というのを行う場合は、第九条に規定した事務に限られておりますので、刑事事件の捜査に関しまして証拠として押収した個人番号つきの名簿を、証拠として取り調べることは認められますが、これを超えまして、その個人番号をキーとして検索したりすることは認められないということでございます。

赤嶺委員 さっきの、六十三万人の名簿を各都道府県に注意を喚起するために知らせているというのは、これは刑事捜査の範囲には入らないわけですね。しかし、押収した個人番号がついた名簿を統合して、複数の名簿に載っている人をチェックしたり、その名簿を使って注意喚起することは可能でありますか。いかがですか。

向井政府参考人 番号法で認められておりますのは捜査に限られておりますので、捜査の範囲を超える分については、そういうことは認められないということになろうかと思います。

赤嶺委員 国民が危惧している点だと思うんですよ。警察が犯人グループを摘発するほど、警察には個人番号つき個人情報が蓄積をされていきます。詐欺グループだけでなく、不正アクセスを摘発した場合にも、こうした個人番号つきの大量の個人情報ファイルが押収されていくだろうと思います。さらには、韓国のように、個人番号を名寄せされた、ほぼ全国民の個人情報データをファイルする、それを押収する場合もあるかもしれない。実際に韓国の新聞に載っているのを見ると、その押収された名簿が北朝鮮に流出していたというニュースもあるわけですね。

 犯罪組織というのは、摘発すればとりあえず一段落であります。警察には膨大な特定個人情報ファイルが蓄積され続けることになりますが、そうすると、今度は、こうしたデータが恣意的に利用されないか、チェックが必要になると思いますが、これはどうやってチェックするんでしょうか。

    〔木原(誠)委員長代理退席、委員長着席〕

向井政府参考人 お答えいたします。

 番号法で番号の利用が限られておりますのは、捜査、それからそれに続きます起訴、起訴まで行くと検察になりますが、そういう一連の手続に番号を利用することが認められているだけでございますので、そういうふうなデータファイルというのが存在し、検索機能を有するというのは、それ自体が違法になるものと考えます。

赤嶺委員 違法は違法ですが、これをどうやってチェックするのかということです。

向井政府参考人 そういう個人情報、特定個人情報、番号つき個人情報の問題につきましては、いわゆる特定個人情報保護委員会、第三者委員会がチェックすることになると思います。その中で、一部につきましては特定個人情報保護委員会の権限から外れている部分がございますが、それはあくまで捜査それから起訴等の刑事手続に限られますので、今おっしゃったようなことが現実に起こったと仮定すれば、それにつきましては第三者委員会の権限が及ぶということになろうかと思います。

赤嶺委員 別に、頭の中で考え出して、こういう場合はどうなるかと聞いたわけじゃなくて、当内閣委員会で我が党の塩川議員が、二〇一〇年に公安警察の情報がネットに流出するという事件が起きました。その中にはさまざまな個人情報が含まれておりました。ところが、警察は、これをいまだ警察のものだとは認めておりません。捜査の秘密などを盾にとられれば、とてもチェックなどできるものではありません。また、いわゆる別件捜査と言われる捜査も時折問題になります。こうした手法で個人番号つき個人情報を収集したときに、これをチェックできるのかという問題です。

 現在も、犯罪組織はさまざまな個人情報を収集して名簿をつくり、犯罪に利用しております。今回の番号制度は、それを効率化するツールにもなるわけです。それを摘発する国家権力の側にも、国民の大量の番号つき個人情報が蓄積されます。

 民主党政権がまとめた社会保障・税番号大綱は、番号制度についての国民の懸念の第一に、国家管理への懸念、第二に、個人情報の追跡、突合に対する懸念があることを指摘しておりますが、やはりそれは、そういう形で具現しかねないということを申し上げておきたいと思います。

 利便性、採算性の問題についても聞いていきたいんですが、私は、平井委員長が、昨年の四月に、経団連のICT懇談会の講演で、当時、民主党政権が提出した番号法案を痛烈に批判しているのを拝見いたしました。まず第一、住民票コードから番号を生成させた上に、その番号を使わないで情報連携する仕組みについて、数千億円のコストを要するであろう核心部分なのだと説明し、費用対効果を精査せずして推進するわけにはいかない、このように批判をされておりました。第二に、平井委員長は、問題点はまだまだあるが、何より問題なのは、国民のメリットが全く示されていないということだと。この法案の審議の中で明らかにすべき論点であります。

 今回のシステムは、初期投資で三千億円から二千億円、巨額の投資であります。その費用対効果の試算は、法案提出時に示しませんでした。民主党政権も民主党政権だったと思いますよ、費用対効果を出せませんでしたから。それから一年以上もたつのに、いまだに費用対効果は示されておりません。国民には費用対効果を示す必要はないという認識でスタートするということでしょうか。

甘利国務大臣 導入コストについては、新規システムで三百五十億、既存のシステムの改修、見直し等で二千三百五十億、これも、システムを具体的に検討していく中で、当初、民主党政権の時代に五千億云々というのが、だんだんフォーカスが絞られてきたわけであります。

 国民や行政が受ける利便性、メリットにつきましては、定性的にはいろいろな回答がなされているわけでありまして、それについては御理解をいただけるかと思います。そういう作業を通じて、具体的に、行政の費用や、あるいは使う側のユーザーのコストの低減について、制度が実施されるに従って次第に明確になってくる部分もあろうかと思います。

 この種の民間団体がはじいている金額はそれぞれありますけれども、彼らの主張の中でも、費用対効果でいえば効果はかなり大きいというふうに承知をいたしております。

赤嶺委員 まさに、平井委員長が指摘した問題点は、まだ決着がついておりません。利便性についても、先ほど審議官の方から、みんなの党の大熊さんが文京区の例を持ち出してどれが便利になるかと言われたら、答えられない。そういうような状態でこの法案の審議を終わるわけにはいかない、もっと慎重な議論をすべきだということを申し上げまして、質疑を終わりたいと思います。

平井委員長 次に、村上史好君。

村上(史)委員 生活の党の村上史好でございます。

 三十五分という時間でございますので、早速質問をさせていただきたいと思いますが、まず、修正案について、二点ほどお伺いをしたいと思います。

 先ほどの質疑の中で、給付つき税額控除がこの修正案に出てきた理由については御答弁がございました。本来、税額控除が出てくるならば、番号制度と一体であった歳入庁、これは当然創設をすべきだと思うんですけれども、その点について御見解をお伺いしたいと思います。

大熊委員 お答えいたします。

 この部分については具体的に通告をいただいていなかったのでございますが、私どもも、みんなの党としましても、歳入庁設置については前向きに考えさせていただいているところでございまして、この給付つき税額控除とマイナンバー制度の関係とともに、歳入庁設置とこのマイナンバー制度の関係については鋭意検討していく必要があろうかというふうに考えているところでございます。

後藤(祐)委員 お答え申し上げます。

 歳入庁については、現段階のこのマイナンバー法案においてどう扱うかということについてはともかく、本年の四月十六日に、我々民主党は、歳入庁の設置による内国税並びに労働保険料及び年金保険料等の徴収に関する業務の効率化等の推進に関する法律案、いわゆる歳入庁設置法案を提出させていただいております。

 この法案については、歳入庁の設置の前までの検討事項として、「内国税並びに労働保険料及び年金保険料等の徴収等に資する各種のデータベースに関する関係行政機関との連携を強化すること。」ということを挙げさせていただいております。

 このように、歳入庁の設置の前もそうですし、当然、歳入庁が設置された後についてはもちろんですが、このマイナンバーを十分活用して歳入庁は業務を行うことになるというふうに思われることから、歳入庁に対応した制度改善は当然必要になってくるというふうに考えております。

 このマイナンバーの導入によるメリットをより確実に強化、拡大していくためにも、歳入庁の設置は大変重要な、不可欠なことであると考えております。

村上(史)委員 ありがとうございます。

 しかし、給付つき税額控除や歳入庁の創設については、安倍政権ではほとんどやる気はない、全くやる気がない。既に自公では軽減税率でやるということも合意をされておりますし、今後の展開を見ましても、今御答弁いただきましたけれども、なかなかそういう方向には向いていかないのかなという思いがいたします。

 いずれにしましても、共通番号制度の導入の始まりである根本の目的が原案では抜け落ちておったということで、それを、取ってつけたように文言が書き込まれているというのが実態ではないかなと。魂はとっくに抜き去られてしまったのではないかという思いがいたします。

 いずれにしましても、公正な給付と負担の確保を図る、あるいは、行政の効率化、また、国民の利便性の向上、給付つき税額控除の文言は原案に入ってしかるべき文言だと思うんですけれども、なぜ欠落をしていたのか、そしてなぜここに書き込まれることになったのか、その経過と理由についてお尋ねをしたいと思います。

後藤(祐)委員 お答え申し上げます。

 当初の条文案、政府案に入っていなかったという理由は、必ずしもつまびらかではございませんけれども、これについて少し事務当局に確認をさせていただきました。

 要は、最終的に閣議決定して国会に提出された条文の前に、最初の案というのがあったそうなんですね。その最初の案文には、今委員がおっしゃったようなところ、正確に申しますと、公正な給付と負担の確保と行政運営の効率化については三条の方でだけ触れられていて、基本方針の方でだけ触れられていて、利便性の向上と負担の軽減については一条の目的の中で触れられているというのが、最終的というか、今政府から出されている案文なんですけれども、その最初の段階の政府案では、どれも入っていたそうなんです。

 ところが、実際のマイナンバーのメリットとして、政府側のいろいろなところへの説明ですとか、あるいはこの委員会における答弁なんかでも、これらについては、利便性の向上ですとか負担の軽減について、あるいは行政運営の効率化、給付と負担の確保、どれも答弁で触れておられます。

 ただ、内閣法制局における審査過程で、これを全て一条の目的の中に入れるということはふさわしくない、一条と三条が相まって目的が表現されるんだというような趣旨で修文をされて、政府案が決まったというふうに伺っております。

 これは、国民にとってのメリットがどこにあるのか、そして、そのメリットこそがマイナンバーの導入の目的でなきゃいけないわけでありまして、しかも、そういう答弁もされておられるわけですから、内閣法制局を含めた役所の思考様式が国民の常識と若干ずれているところがあって、なかなか乗り越えてこられなかったということだと推察いたしますけれども、我々、国民から直接選ばれた国会議員がいるこの立法府において、国民のメリットということをはっきりと明確な形で法目的に定めるという修正をすることの意義は大きいというふうに考えております。

村上(史)委員 ありがとうございました。

 ちょっと問題点が今の御答弁の中にあったんですけれども、きょうは時間もございませんので、御説明だけお聞きをするということで、質問は次の機会にさせていただきたいと思います。

 それでは、政府原案についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 特に、先般、四月の五日に参考人質疑がございました。その参考人の答弁を踏まえながら質問をさせていただきたいと思います。

 日弁連の清水参考人、これは、住基ネットの違憲訴訟に対する最高裁で出した判例についてお尋ねした件で御答弁されておりますけれども、今回の共通番号制は、生涯不変、見える番号にすることによって、マッチングのキーにしますという番号ですので、最高裁が違憲だと言ったものを今つくろうとしていると発言をされておられます。また一方、この問題に深くかかわってこられました堀部参考人は、第三者機関で監視機関として特定個人情報保護委員会を置くので、違憲であるという判断にはならないのではないだろうかと、断定ではなくて、やや弱い表現で御答弁をされておられます。

 そこで、訴訟のリスクの問題として、今回の共通番号制度の方がはるかに高いと言われております。違憲訴訟は必ず起こるのではないかなというふうに思いますけれども、原案は裁判に十分たえられるものなのか、その点についての御認識を確認したいと思います。

甘利国務大臣 この番号制度の構築に当たりましては、住基ネットに係る最高裁合憲判決、これは平成二十年の三月六日のものでありますが、この趣旨を十分踏まえる必要があるものと考えております。

 これに加えまして、番号制度ではデータマッチングを行うことが必須でありますから、さらに高度の安全性を確保すべく、個人情報保護の有識者から成る個人情報保護ワーキンググループで十分に検討した上で今回の保護対策を講じているところであります。

 具体的に申し上げますと、まず、個人番号に係る個人情報をみだりに他人に知らせてはならない旨法律に規定をしたこと、それから、情報管理につきまして各府省等のデータベースによる分散管理とすること、そして、特定個人情報の安全管理措置義務、特定個人情報の提供可能な事務等を法律に規定をしたこと、そして、システム上のセキュリティー対策を十分に講ずるということ、それから、現行の個人情報保護法制より罰則を引き上げること、これは約二倍にしておりますが、そして、独立性を担保された特定個人情報保護委員会を設置して特定個人情報の取り扱いを監視、監督することなどの措置を講ずることとしておりまして、違憲性はないものと考えております。

村上(史)委員 いろいろと対策あるいは見解についてお述べになりましたけれども、そもそも、やはりマッチングするということが大きな問題であるというその本質そのものが変わらない限り、そういう違憲の判断というものも今後出てくるのではないかなというふうに私は思います。

 そこで、法制局としてもこの法案に対して十分審議をされたと思いますけれども、法制局長官として、この法案、全く問題ないというところなのか、御見解をお伺いいたします。

山本政府特別補佐人 お答え申し上げます。

 この法律案につきましては、ただいま所管の甘利大臣がお答えなさったように、御指摘の住基ネット訴訟に係る最高裁の合憲判決の趣旨を十分に踏まえまして、まず、個人番号をその内容に含む個人情報である特定個人情報の取り扱いの適正を確保するための規制及びこれを実効的に運用するためのいわゆる三条委員会としての特定個人情報保護委員会の設置等の体制の確保を行っておりますし、また、特定個人情報の漏えいがあった場合等の罰則の整備を行っております。

 さらには、特定個人情報を管理するために設置される情報システムの安全性の確保など、一連の個人情報の保護に十分配慮した規定が設けられております関係上、法律案を審査した当局といたしましても、その内容は妥当なものだと考えております。

村上(史)委員 ありがとうございました。

 法制局としても、そういう違憲訴訟があっても十分たえられる内容だという御見解、これは議事録でしっかりと受けとめたいと思います。

 続きまして、国民のニーズと理解についてお伺いをしたいと思います。

 これだけ大きなシステムが構築されようとしています。全国民を網羅する巨大なシステムなんですけれども、そのことの国民の認知度は、今現在やはり低いのではないか。また、受け入れられるような状況にはまだなっていないのではないかという思いがいたします。

 参考人である須藤さんが、番号制とは何か、社会保障、税の納付等にどういう影響を与えるのか、災害のときにどういうメリットがあるのか、広報は極めて重要、不安をお持ちの国民の方はいまだいらっしゃる、アンケート、満足度等をとって、きちんと国会で議論していただいて、それを払拭するような枠組みをつくっていただきたいという発言がございました。

 同じく、清水参考人は、現実のニーズに基づいて制度を構築していくのが望ましい、そういう御意見も述べておられます。

 政府として、国民の理解は本当に十分できているのか、また、そのニーズが本当にあるのか、そして、それをどのように検証されているのか、調査をされたのか、その点についてお伺いをしたいと思います。

甘利国務大臣 御指摘のように、国民各界各層の不安を取り除いて、この利便性を理解していただく広報活動は、非常に大事なところでございます。

 そういう視点に立ちまして、番号制度の導入に当たりましては、国民の理解と納得を得ていくこと、その重要性から、検討段階において二回のパブコメを実施いたしました。そのほか、地方六団体や番号制度と関連性の高い業界団体等からヒアリングを行うなど、国民のニーズを把握して、制度設計の参考とさせていただいた次第であります。

 それから、全国四十七都道府県でシンポジウムを開催いたしまして、国民との対話を積み重ねまして、各種調査においても、番号制度の導入の必要性について、国民の皆様に広く理解を得られてきたものというふうに承知をいたしております。

 引き続き、番号制度の円滑な導入に向けて、国民のニーズを把握しつつ適切に対応して、国民の理解と納得が得られるよう、御指摘の点をしっかり踏まえまして、広報活動や教育活動に注力をしてまいりたいと思っております。

村上(史)委員 さまざまな取り組みをされていることは理解をいたしますけれども、現実の状況としましては、私だけの例を持ち出すのはどうかと思いますが、少なくとも、地元に帰ってこういうマイナンバーの話をしても、ほとんどの方が御理解をいただいていない。また、それはいいですねという声も聞かない。いわゆるニーズがないということも実態としてはあるのではないか。その点は、やはり政府としても謙虚に受けとめるべきだと思いますので、その点について、今後も、国民のニーズ、そして理解度が高まるようなことを施策として行うべきではないか、そのように私は思っております。

 それでは次に、システムの限界とセキュリティーについてお尋ねをしたいと思います。

 この点につきましても、須藤参考人がこのようにおっしゃっておられます。システムは完璧ではありません、進歩はしていますが、それを攻撃する手段も進化をしている、その中で、一〇〇%完璧であるということは、セキュリティーにおいても申し上げることは不可能です、こういう御答弁をされておられます。

 今、国民が最も懸念をされているのは、個人情報の保護であります。他の委員の質問でも、ほとんどそのことで質疑が交わされている。それだけに、国民の不安というものは大きいということが言えると思います。政府は、事あるごとに、大丈夫だ、完璧ではないけれども、セキュリティーの問題については二重三重の対策を打っているとよく言われますけれども、にわかには信じられないというのが国民の肌感覚だと思います。

 そういう面で、リスクマネジメント、危機管理の体制について、どのように構築をされておられるのか、改めてお伺いいたします。

甘利国務大臣 確かに、この種のシステムに完璧、一〇〇%ということはなかなか難しいかと思いますが、要は、日々、一〇〇%に向けて、ハード、ソフト面でアップデートしていくということが大事なんだというふうに思っております。

 国民の皆様の懸念があることはよく承知をしておりまして、現状でも、制度面とシステム面の両面からそういう懸念に対して対応することといたしております。

 具体的に申し上げますと、制度面における保護措置といたしましては、まず、番号法の規定によるものを除いて、個人番号の利用、収集、保管、提供などを禁止しております。御案内のとおりです。そして、システム上、個人情報が保護される仕組みとなっているかを事前に評価する特定個人情報保護評価の実施であります。そして三点目には、特定個人情報保護委員会による監視、監督。そして四点目には、情報提供ネットワークシステムを利用した情報の提供における提供記録の保存などの措置を講ずることといたしておるわけでございます。

 また、システム面における保護措置といたしましては、もう既に委員会でも何回か報じられたところでありますけれども、まず、個人情報を一元管理せずに分散管理をする、そして、情報提供ネットワークシステムを利用した情報提供に際して、個人番号とは別の符号を使用する、そして、アクセス制御によりまして、アクセスできる者を制限管理する、さらには、通信の暗号化などの措置を講じているところであります。

 技術の進歩によってそれが取り込める部分がある場合には、可及的速やかに組み込んでいくということも忘れずに対応していく所存でございます。

村上(史)委員 政府としてはそういう御答弁になると思うんですが、これも、現実的な問題としてこの委員会でも指摘がありましたけれども、諸外国では、セキュリティーを破っていろいろな情報が流れて、そして大きな被害を出しているという事例もあります。そういう面で、原発事故でもそうだったんですけれども、いわゆる絶対安全神話というのがありましたけれども、残念ながら、見事にその神話は崩れてしまった。そして同時に、危機管理の体制というものが日本ではおくれているということも指摘をされております。そういう面で、この問題についてはよりシビアに捉えていく必要があると思います。

 そして、より問題なのは、例えば原因を突きとめたり、また、犯罪者を逮捕したりということではなくて、一旦流れてしまった情報は取り返すことができないということで、国民がこうむった被害を復旧するということはできないと言われております。例えば、罰則が強化されても、これは解決しない問題であります。

 この点について政府のお考えをお伺いいたしたいと思いますし、失われた情報の回復、あるいはそれによる損害賠償の責任は誰がどのような形で負うことになるのか、明確にお答えいただきたいと思います。

向井政府参考人 まず、情報漏えいした場合の責任でございますけれども、一義的には、その情報漏えいをした、機関に責任があれば機関でしょうし、個人に責任がある場合は個人だろうと思います。その上で、もし個人がそういう場合につきましては、当然、監督責任というのはその機関にありますでしょうし、機関を監督する機関がある場合ですと、その監督責任を問われることになろうかと思います。

 ただ、実際に漏えいをする原因が、例えば、故意過失がない場合、外からハッカーする場合もあろうかと思います。そういう場合は、当然、ハッカーに対して損害賠償責任を問うわけですけれども、なかなか見つからない場合も多数あろうかとは思いますので、それらの場合につきましても、例えば番号の変更を行うとか、将来にわたってそういう不利益が出ないような措置はとっていく必要があるのではないかと思っております。

村上(史)委員 ということは、内部の犯行といいますか、内部の問題ならそれでいいと思うんですけれども、今言われたようにハッカーとか、ほとんど犯人を特定できない、それは今までの事例で明らかなんですけれども、そういう場合、被害を受けた国民というのは泣き寝入りということになるんですか。

向井政府参考人 基本的には、そういうハッカーの犯罪でございますので、これは犯罪で、できるだけやはり犯人を突きとめるというのが大事でしょうし、そういうことによって、加害者の特定というのが非常に重要になってくると思います。

 その上で、例えばハッカーされる原因となったシステム上の欠陥なり過失なりがあれば、それは、そういうシステムを持っているところは、当然、損害賠償の責めを負うことになろうかと思います。

 さらに、将来に向けてのいわゆる回復措置として、確かに、漏れた情報を戻すわけにはいきませんけれども、そういうハッカーされるような状態を取り除くような措置も必要になってくるというふうに思います。

村上(史)委員 結局、システムそのものがどうなのかというところにまた行き着いてくると思うんですけれども、この問題については以上とさせていただきます。

 実は、以前の審議の中で、後藤委員だったでしょうか、このシステムが最終的に立ち上がったときの所管はどこになるんですかという問いがあったと思うんですけれども、現実にはないという形だったと思うんですけれども、このシステム全体が立ち上がる、そのときの所管はどこで、そして誰が責任者となるのか、明確にお答えいただきたいと思います。

向井政府参考人 マイナンバーの制度そのものにつきましては内閣府が所管となって行いますが、情報提供ネットワークシステム、そのシステムの所管は総務省でございます。

村上(史)委員 システムの所管は総務省ですね。内閣府がトータルとしてこのシステムの責任をとるということでよろしいんですか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 法律が成立いたしまして、法律の所管はどこかということになりますと、これは内閣府と総務省の共管という形になります。

 制度というのは、例えば付番からいろいろ始まって、いろいろな制度の固まりとして番号制度の形が出ておりますけれども、その中で、情報をつなぐ情報ネットワークシステム、これを今回つくることになっておりまして、その情報ネットワークシステムを通じて情報のやりとりをする。その情報ネットワークシステムの運営管理の所管は総務省ということでございます。

村上(史)委員 総務省ということは、システム全体の責任は総務大臣にあるという理解でよろしいんですか。

向井政府参考人 システムの運営とか安全の確保についての責任につきましては、総務大臣にあります。

村上(史)委員 内閣府については、どなたが責任をとるんですか。

向井政府参考人 システムの運営につきましては総務大臣の所管でございますので、総務大臣の責任となります。

 内閣府は、関係がないというか、政治的な責任という意味での内閣府としての責任は別としまして、法律上は、内閣府は、情報ネットワークシステムに関しましては、その運営とか管理につきましては関係がないということでございます。

村上(史)委員 時間も迫ってまいりましたので、また次の機会で質問させていただきたいと思います。

 最後に、システムの構築とTPPとの関係についてお尋ねをしたいと思います。

 きょう質問をさせていただこうと思いました厚生労働省の年金機構のシステム開発、時間がないんですけれども、このシステム開発、今、まだ完成していないと思います。本来、このマイナンバーの中核となるシステムだと思うんですが、まだでき上がっていないというところで、見通しについてお尋ねをいたします。

高倉政府参考人 お答え申し上げます。

 社会保険オンラインシステムは、全体として、大別して三つから成っておりまして、記録管理システム、基礎年金番号管理システム、そして給付システム、この三つでございます。

 現在、この刷新のスケジュールについてでございますけれども、記録管理システム及び基礎年金番号管理システムの刷新につきまして、「基本設計の修正等を補完工程として実施し、その上で、新しい年金制度の検討状況を踏まえつつ進める。」と定性的に書かれておりまして、また、年金給付の方につきましては、記録管理システム等の最適化の実施状況を踏まえて、第二段階として準備を進めるということで、いずれも定性的な記載にとどまっております。

 これを、具体的に刷新を進めていく必要があると考えておりまして、現在、第一段階とされております記録管理システムと基礎年金番号管理システムの刷新の部分につきまして、関係府省と具体的なスケジュール等について調整中でございます。できるだけ早く調整を図ってまいりたいと考えております。

村上(史)委員 一方、特許庁の業務適正化プロジェクト、これは失敗に終わりました。七年間という年月あるいは税金を使って、結局システムが構築できなかった。この原因はどこにあるんでしょうか。

小糸政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の特許庁業務・システム最適化計画につきましては、昨年一月に開発の見通しが立たず中断をいたしましたが、その主要な要因につきましては、第三者委員会により評価をしていただいております。

 まず一点目として、設計開発業者の技術力、プロジェクト管理能力の不足、二点目として、調達手続において事業者の技術力を確認するプロセスが不十分であったため、必ずしもプロジェクト遂行能力が十分でない事業者が選定をされたこと、三つ目として、システムを一括更新する大規模開発でございまして、技術的困難性が高かったこと、これらが主な要因として指摘されております。

 先月公表いたしました新しい開発計画におきましては、指摘を踏まえて改善策を講じておりまして、調達手続につきましては、技術力が低い事業者を排除すべく、プロジェクト遂行能力に対する審査を重点的に行いまして、特にプロジェクトマネジャーに対するヒアリング等々を直接行うなど、手続を改善することとしております。

 また、システムの開発方式につきましては、業務単位ごとに分けて段階的にこれを更新していくという方式をとりまして、技術的困難性を大幅に低減してまいります。

 また、調達仕様書におけます要件定義の一層の明確化、外部専門人材の活用、あるいは政府CIO初め関係当局との連携強化、こういった取り組みを通じて、一刻も早くユーザーの方々の利便性の向上を図るべく、新しいシステムの開発に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

村上(史)委員 いろいろと述べられましたけれども、会計検査院からは、発注者にも大きな責任があると。いわゆる業者といいますか、システムをつくる会社を見分けることができなかったということも大きな問題であります。

 それ以上にもっと大きなシステムが、今回の番号制度のシステムであります。今後、いろいろなトラブル等も予想をされるほどの巨大なシステムになっていくと思います。そういう面で、特にきょうお聞きしたいのは、それだけ大きなシステムであると同時に、巨額のお金も動くということで、政府調達という形になると思うんですけれども、安倍政権が今交渉を進めておられるTPPが締結されれば、この政府調達も、外国からの調達の対象になるのかどうか、国際的な入札が行われるのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。

甘利国務大臣 TPP交渉に関しましては、まだ本交渉に入っておりませんので、中での情報はごく限られたものになっております。

 政府調達は、WTOのラインに沿ってだというふうに承知をいたしております。

 ただ、いずれにいたしましても、大規模なコンピューターのシステムになってきますから、特許庁の失敗もしっかり検証して、このシステムにたえ得る技術力がちゃんとあるかということを検証する。これは、技術力に関しては、内外最高のものを使うということになろうかと思います。

 特許庁に関しては、調達に関して、価格と技術評価がたしか一対一だったと思いますけれども、技術評価をもっと上げなければならないということにこの種のシステムはなっているはずでございますから、きちんとした技術で担っていける事業者の選定ということになろうかと思っております。

村上(史)委員 もう時間が参りましたのでこれ以上質問できないんですけれども、今の御答弁によりますと、海外の企業もこのシステムの構築に対する入札の対象となるということでよろしいんでしょうか。

甘利国務大臣 政府調達の中身がどうなるかということは、まだ予断を許しません。

 ただ、特許庁では、日本の企業の子会社が担当してうまくいかなかった。また、別のシステムでは、米国本社の日本企業が担当して、そこでもなかなか大変で、本体がそっくり出張ってきて何とか仕上げたということもあります。

 大事なことは、セキュリティーを含めたあらゆる面で的確なシステムが構築されるということが最重要な点だというふうに承知しております。

村上(史)委員 時間が参りましたので質問を終わらせていただきたいと思いますけれども、国民の個人情報が満載のシステムです。国益の観点からも、外国にそのシステムの構築を委ねるというのは極めて危険ではないかなということを指摘させていただいて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

平井委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十八分散会


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