衆議院

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第13号 平成25年5月22日(水曜日)

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平成二十五年五月二十二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 平井たくや君

   理事 木原 誠二君 理事 関  芳弘君

   理事 田中 良生君 理事 西川 公也君

   理事 平口  洋君 理事 若井 康彦君

   理事 松田  学君 理事 高木美智代君

      青山 周平君    大岡 敏孝君

      鬼木  誠君    勝俣 孝明君

      川田  隆君    小松  裕君

      新谷 正義君    田所 嘉徳君

      田中 英之君    高木 宏壽君

      冨樫 博之君    豊田真由子君

      中谷 真一君    中山 展宏君

      平沢 勝栄君    福山  守君

      山田 美樹君    吉川  赳君

      荒井  聰君    岡田 克也君

      後藤 祐一君    津村 啓介君

      足立 康史君    遠藤  敬君

      杉田 水脈君    中丸  啓君

      山之内 毅君    岡本 三成君

      輿水 恵一君    浜地 雅一君

      大熊 利昭君    赤嶺 政賢君

      村上 史好君

    …………………………………

   国務大臣

   (地域活性化担当)    新藤 義孝君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 古屋 圭司君

   国務大臣         山本 一太君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   甘利  明君

   国務大臣

   (行政改革担当)

   (公務員制度改革担当)  稲田 朋美君

   内閣官房副長官      加藤 勝信君

   復興副大臣        谷  公一君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   内閣府副大臣       寺田  稔君

   厚生労働副大臣      秋葉 賢也君

   内閣府大臣政務官     北村 茂男君

   財務大臣政務官      竹内  譲君

   農林水産大臣政務官    稲津  久君

   国土交通大臣政務官    赤澤 亮正君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  由木 文彦君

   政府参考人

   (内閣官房地域活性化統合事務局長)        加藤 利男君

   政府参考人

   (内閣官房政府情報化統括責任者(政府CIO))  遠藤 紘一君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 木下 賢志君

   政府参考人

   (内閣府民間資金等活用事業推進室長)       澁谷 和久君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   井上 源三君

   政府参考人

   (内閣府経済社会総合研究所長)          梅溪 健児君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 平嶋 彰英君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   西田 安範君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           内田 俊彦君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局水資源部長)    小池  剛君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局次長)            清谷 伸吾君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  森  雅人君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  山縣 宣彦君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 吉田 正一君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  徳地 秀士君

   参考人

   (統計委員会委員長)   樋口 美雄君

   内閣委員会専門員     雨宮 由卓君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十二日

 辞任         補欠選任

  小松  裕君     冨樫 博之君

  遠藤  敬君     足立 康史君

  輿水 恵一君     岡本 三成君

同日

 辞任         補欠選任

  冨樫 博之君     小松  裕君

  足立 康史君     遠藤  敬君

  岡本 三成君     輿水 恵一君

    ―――――――――――――

五月二十日

 国民生活を破壊する社会保障と税の一体改革と共通番号制の中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六二八号)

 社会保障・税の一体改革の白紙撤回、TPPへの参加反対に関する請願(笠井亮君紹介)(第六二九号)

 国民会議での社会保障改悪、共通番号制の導入反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六五七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 総合特別区域法の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)

 内閣の重要政策に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

平井委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として統計委員会委員長樋口美雄君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官由木文彦君、内閣官房政府情報化統括責任者遠藤紘一君、内閣府大臣官房審議官木下賢志君、内閣府経済社会総合研究所長梅溪健児君、国土交通省水管理・国土保全局水資源部長小池剛君、防衛省大臣官房審議官吉田正一君、防衛省防衛政策局長徳地秀士君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中丸啓君。

中丸委員 おはようございます。日本維新の会、中丸啓でございます。本日はよろしくお願いいたします。

 まず冒頭に御質問させていただきたいのは、国民の祝日についてちょっとお伺いしたいと思います。

 みどりの日が、昭和天皇のお誕生日だったと思うんですが、昭和の日になりまして、今、一部国民の皆様の運動、署名運動等が始まっていまして、十一月三日、文化の日を明治の日にしようという話も出ているんですけれども、そもそも昭和の日に変わりました経緯を教えていただければと思います。

菅国務大臣 実は、私も、昭和の日は推進すべきだという、当時、その議員連盟の一人でありました。

 平成十七年の議員立法によって法律改正が行われたわけですけれども、激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧みて、国の将来に思いをいたす日として、四月二十九日を昭和の日にすべきじゃないか、そういう当時多くの議員の声があって、この目的に向かって、議員立法でこの日が決定をされたということであります。

中丸委員 ありがとうございます。

 議員立法によって、官房長官みずからお入りになられていたと。(菅国務大臣「みずからって、一人ですから」と呼ぶ)一人。ああ、そうですか、失礼しました。

 昭和の日といえば、当然、明治、大正、昭和とつながってくるわけで、明治の日というお話はそのとき出たことはございましたでしょうか。

菅国務大臣 当時の記憶でありますけれども、当時、やはり昭和の日にしようということで一点集中でやっておりましたので、明治の日にまでは私どもの思いも発展しなかったのかなというふうに思っております。突破口として、当時のそれぞれ賛成をされた議員の皆さんの雰囲気としては、まず昭和の日からというところで、そこに全精力を掲げて昭和の日が制定されたんだろう、今そのように記憶しております。

中丸委員 ありがとうございます。

 明治の日制定については、当然、明治天皇のお誕生日でございます。戦前には明治節という祝日だったわけでありまして、国民の声により、昭和二年に明治節として祝日と定められ、国民に親しまれてきました。昭和二十三年には、近代文化が目覚ましい発展を遂げた明治時代を念頭に、文化の日として改めて定められております。また、昭和二十一年に日本国憲法が公布された日でもあります。

 したがって、文化の日ではなく、後世にやはりきちんとした歴史を伝えるためにも、明治の日制定が必要と我々考えておりまして、昨日も超党派で集まりましてお話を少しさせていただいたりしているわけですけれども、明治の日制定に向けた官房長官のお考えをお願いいたします。

菅国務大臣 今委員からお話がありましたけれども、十一月三日、戦前は明治節として祝われた日であった。しかし、昭和二十三年に議員立法で国民の祝日に関する法律が制定をされた際に、文化の日にされたという経緯があります。

 当時、昭和の日を議員立法で制定するときに、やはり、議員はもちろんですけれども、国民全体として祝日というのは認められるというんですか、何となくそういう雰囲気があって、これは国民全体で祝ってもらうということになるんだろうということでありますし、そういうことを考えると、やはり広く国民の理解を得られて初めて国会も動くようになるんだろうと。

 そういう意味で、今、議員連盟ですか、つくられたようでありますけれども、私の立場からすれば、そうした運動の中で、国会で十分議論をされて決定していただく事柄だろうというふうに思います。

中丸委員 ありがとうございます。

 しっかりと署名等々も含めて議論を進めた上で、議員立法等で提案をさせていただきたい、このように考えております。

 続きまして、質問をちょっとかえまして、昨今、北朝鮮がミサイルを三日続けて連続で発射したということがあるんですけれども、そういったことに関する経緯の御説明をお願いしたいと思います。

菅国務大臣 経緯について、我が国で知るところではないんですけれども、事象として、十八日と十九日に発射が行われたことを北朝鮮は認めています。そして、それは軍事訓練である、そのように承知をいたしております。

 今回、この発射について、我が国の安全に直接かかわるような事態が生じているということには私どもは認識をしておりません。

中丸委員 ありがとうございます。

 今、我が国に直接という御答弁でございましたが、発射体は恐らく射程百二十キロ前後の地対地短距離ミサイルKN02というふうに韓国政府も発表しているようなので、官房長官のおっしゃるとおりだと思います。しかし、常に短距離ミサイルのみを発射されるとは限りませんので、より一層の警戒監視を御要望させていただきたいと思います。

 続きまして、今、東京都の新大久保などで、非常に外国人に対する一種の差別的なデモが行われている。はっきり言いますと、在日韓国・朝鮮人の皆様に対する排斥を主張するデモが行われておって、その中で、警視庁の新宿署は二十日、暴行容疑で、デモに参加した自称元自衛官の無職の容疑者四十七歳を逮捕したというようなことが起こっております。

 これは、一種の外国人排斥運動、国籍によって何人も差別されるべきではないと私はもちろん考えますが、こういったデモ活動に対して、御所見をお伺いしたいと思います。

菅国務大臣 まず、先ほどの北朝鮮のミサイルの件ですけれども、私どもには直接危害はないという判断をしていますけれども、しかし、常に政府は警戒態勢をしっかりしきながら、日米韓で連携をして当たっているということをまず御理解いただきたいと思います。

 そして、今の外国人の差別であります。

 そうした排斥する過激な言動が見られていることについては非常に残念に思います。さらに、こうした行為は、まさに、人々に嫌悪感を与えるということだけでなくて、差別意識を生じさせることにつながりかねない。一人一人の人権が尊重される豊かな社会というのが我が国にとっては当然のことでありますので、そういう意味において、極めて残念な行為であるというふうに思います。

中丸委員 表現の自由等もありますので、直接的な対策は難しいとは思いますけれども、こういった事件につながらないように、また警視庁等にもぜひ御配慮いただくように御指導いただければと思います。

 続きまして、飯島内閣官房参与が北朝鮮を御訪問されたというニュースがかなり出ていまして、金永南最高人民会議常任委員長らとの会談を行われたということで、そのときに、飯島参与は、拉致問題が動かなければ何も動かないという日本政府の立場をお伝えになられたというふうに聞いております。北朝鮮側は、その日本側の姿勢を金正恩第一書記に伝える意向を示したというふうに言われております。

 安倍総理は、安倍政権のうちにこの拉致問題を解決する、こういう決意である、日本が主導的に解決をしなければ、残念ながら、ほかの国はやってくれないという決意を記者会見等で発表されています。そういう中で、まさに対話と圧力、常にドアをオープンにしながらこの問題解決に全力を尽くしていくと官房長官御自身がコメントをされていますけれども、再度、その決意とそのお話についてお聞かせください。

菅国務大臣 飯島参与は、訪朝して、そのときに我が国の北朝鮮に対しての立場というのは明らかになっているんです。

 まず、対話と圧力というのが方針ですよね。そういう中で、日朝平壌宣言、これに基づいて、拉致、核、ミサイル、これを包括的に解決する、さらに、拉致問題については、全ての拉致被害者の安全確保そして即時帰国、さらにこの真相の究明、実行犯の引き渡し、これが我が国の北朝鮮に対しての基本的な姿勢であります。飯島参与もこうしたことを踏まえて交渉をした、このように私自身も訪朝後にも確認をいたしております。

 総理としてはまさに、この拉致問題というのは、主権を侵害されて、平和な生活をされていた国民がまさに拉致されたわけですから、ここは日本として何としてもこの問題を解決しなければならない、そのためには日本が動かなければ、他国というのは、連携をして当たっていますけれども、なかなか動いてもらえない、ここも事実だというふうに思います。

 そういう中で、ありとあらゆる可能性を私どもは求めながら、拉致問題、これは安倍内閣の手でしっかり解決をしたい、こう思っています。

中丸委員 私の住んでいる広島は、横田めぐみさんが一時期おられたところで、拉致被害者を救う会の皆様とか、実際に今でも広島で活動されておりまして、今月の二十六日にも街頭で署名運動を継続してやられるというふうに聞いております。

 そういった中で、実際に今、そういう被害者の会の皆様も、もちろん御両親とかは非常に高齢化も進んでおりまして、とにかく一日も早く娘の顔を見たい、会いたいという御意思を示しておられるので、日本は相当強い決意があることを知らしめていく必要があると二十日の日に安倍総理が参議院の決算委員会の中でおっしゃられていたということなので、その強い決意があると知らしめるというところを、やはりより具体的に、より強力にぜひ推進していただきまして、一日も早い解決をお願い申し上げたいと思います。

 それでは、少し質問をかえまして、平成二十五年度の予算の中にも組み込まれているんですけれども、F35A次期主力戦闘機についてちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。

 航空自衛隊は、老朽化したF4EJ戦闘機にかわるFX次期戦闘機として、ロッキード・マーチン社のF35を採用、これはAタイプを採用することに決められました。

 去る四月二十三日、BSフジのプライムニュースにおいて、次期主力戦闘機F35、日本が選択した戦略と題した回に、森本前防衛大臣それから佐藤正久防衛大臣政務官が御出演されて、一緒にF35について語られたようですが、その御発言の中で、お二人の言われるところで、ちょっと私の中でひっかかる部分がありまして、それをきょうは質問させていただきたいと思います。

 基本的に、全面的に、F35Aの採用、国内生産を是として進んでいると思うんですが、そもそも政府、防衛省はF22ラプターを望んでいたわけですけれども、結論としてアメリカが輸出を認めなかったということでしたが、これがF35に選定されるまでの期間、何度も交渉を繰り返して、防衛省、空自も含めて、ひたすらある意味米国の心変わりを期待していた、そのために非常に時間を浪費してしまったという見方もできると思うんです。

 その間、約六年間、もちろんF4EJの老朽化が進んで、その上、国内にラインのあったF2型、F2の生産ラインも閉じてしまっていると思うんですね。このため、住友電工などのメジャーな戦闘機ベンダーを含め、少なくない企業が戦闘機の生産から手を引いた、つまり、生産メーカーからレッドカードを突きつけられたという意見もあると思うんですが、そこについて、いかがでしょうか。

徳地政府参考人 確かに、先生おっしゃられますように、今、日本の国内の戦闘機の製造ということで見ますと、既にF2の製造は終わっております。したがいまして、今後、まさに、戦闘機の生産、開発に関する技術を国内の防衛生産、技術基盤の問題としてどう確保していくかということについては、私たちとしても非常に重要な問題というふうに考えておるところでございます。

 他方で、F4EJの後継の問題につきましては、これはもう既に減勢、つまり、耐用年数が来て、用途廃止に次々となっていっております。したがいまして、F4EJの二個飛行隊分、これについて穴があかないように次の戦闘機を選定するという、これは先生おっしゃられたように、ずっと前から検討してきたわけでございますけれども、その間、F4の運用、飛行についても工夫をして、できるだけ穴があかないようにということでやってまいりましたが、もう既にそれもかなり限界に来ているということがありましたので、二十四年度から整備をするということで、先般、機種選定をした、こういう経緯でございます。

中丸委員 ありがとうございます。

 F35の選択理由の一つとして、国内で組み立てができるということを番組でもおっしゃっていたと思うんですけれども、でも、ここは実は、皆さん、そういうふうにおっしゃって、F35にしようという選定にされたと思うんですが、よく考えると、F22をそもそも選定しようとしていたわけですね。F22は当然、国内での生産は不可能なのはわかっていたわけです。国内で生産不可能だったF22を選定しようとして、アメリカに断られた瞬間に、国内で生産できるからF35というのはおかしくないですか。いかがですか。

徳地政府参考人 確かに、先生おっしゃられたように、F4EJの後継の機種を何にするかということを選定する際に、世界にあるいろいろな戦闘機について私どもも調査をいたしました。その際に、先ほど御指摘のロッキード・マーチン社のF22につきましても、詳細な情報を得るというために、当時、もちろんF22だけではございませんけれども、所在する国の政府に対しましていろいろ質問をいたしたという経緯はございます。

 ただ、その当時も、F22にもう決めたんだということでやっていたわけではなくて、あくまで、まず我々の要求性能を満たす可能性のある候補機種として一つ考えていたということでございますし、それから、何よりもやはり、今の我が国をめぐる安全保障環境の中でどのような性能を持つものがベストであるかということが一番の眼目でございますので、したがって、国内において生産ができるということに最も大きなプライオリティーがあるというものではございません。

中丸委員 わかりました。生産云々だけではなかったということで理解をさせていただきます。

 そういう中で、では、今、生産の話をしていたんですけれども、生産だけじゃないということなので、ちょっと質問をかえまして、F35は、調達単価が、アメリカ国内で調達する、俗に輸入するという前提に比べて、ラインの整備等も含めかなり高くなるはずですが、初年度の予算だけではなく、当然これは最終的に四十機以上調達を予定されていると思うんですけれども、そういう中で、初度費のみの計上で一機当たりの単価が出るというのはよくわからないところもあるんですが、トータル含めて、通期でどれぐらい見込まれていますか。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 F35につきましては、二十四年度は完成機四機のFMSによる調達でございますけれども、二十五年度につきましては、国内企業が一部の製造にも参画するという前提で二機分の価格を計上しておるところでございます。

 その二機の機体の取得費用そのものは約二百九十九億円でございますけれども、製造参画のための必要ないわゆる初度費、生産ラインを構築するための費用といたしましては、約八百三十億を計上しているところでございます。

中丸委員 今御答弁いただいた八百三十億の中にはライセンス料は入っていますか。入っているとすれば、そのライセンス料は何機分入っていますか。

徳地政府参考人 先ほど申し上げました初度費につきましては、生産ラインをつくるための費用でございますので、いわゆるライセンス料というものは入っておりません。

中丸委員 今聞いていただいたように、初度費の中にライセンス料が入っていない。ライセンス料が入っていないのにつくれるわけがないので、どこかでその費用は発生するということでよろしいですか。

徳地政府参考人 ちょっと説明が足りませんで大変失礼をいたしました。

 先ほど、機体費用として約二百九十九億というふうに申し上げました、それから初度費として約八百三十億と申し上げましたけれども、教育器材でありますとか、その他、先生がおっしゃられたようなさまざまな経費を含めまして、その他に関連経費として約二百十一億円。それで、二十五年度につきましては合計で千三百三十九億円を計上しておりますので、その中に含まれているということになっております。

中丸委員 わかりました。二機で二百幾らというだけではなくて、実際は千数百億円かかっているわけですね。

 先ほど申しましたように、以前の戦闘機の話ですが、F15Jもそうなんですけれども、アメリカで生産される約三倍かかるんです。何で三倍かかっても国内で組み立てをしたいかという理由が、国内にやはり技術がきちんと残るようにするためという回答はあらゆる場所で行われていますし、そのBSフジの番組でお二方もそのようにお答えをされていたと思います。

 しかし、製造という言葉を事務方の方は使われるんですけれども、実際は製造ではなくて組み立てではないですか。何かつくられますか、そこのラインで。

吉田政府参考人 御説明させていただきます。

 今回のF35に関する製造参画についてでございますが、その中身につきましては、今先生から御指摘のありました最終組み立てという部分がございます。それに加えて、二十五年度予算では、エンジンの一部の部品の製造、それから、アビオニクスと呼んでおる部分でございますが、こういったものについての製造を組み込んでいるところでございまして、引き続き、米国との調整のもとに、実際に物をつくるという部分を拡大していく、こういう予定でございます。

中丸委員 今御答弁いただいたF35のアビオニクス、いわゆる電子機器なんですけれども、について、今のアビオニクスを日本で製造されるというのはちょっとびっくりした発言だと思うんですけれども、そこに関しては、システムの方がブラックボックスで、ほぼ我が国の産業界に移転メリット、要は米軍の機密だというふうに聞いているんですけれども、そこのアビオニクスの製造というのは日本でやれるんでしょうか。

 例えるならば、パソコンの組み立て工場だと思っていただければいいんですけれども、その組み立て工場では、それまで行っていた、CPUやフラットディスプレー、リチウム電池などのコアのコンポーネント、さらにはOSのようなソフトウエア開発までもともとやっていたのが、それをやめても開発生産能力が維持できるかどうかというぐらいの話なんですよね、このブラックボックスと言われていたアビオニクスに関しては。

 だから、ここを開発できるのであれば、それはすごい大きなことですけれども、開発、製造されるんですか。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のアビオニクスに関してなんですけれども、今回、二十五年度におきましては、レーダーのうちの七品目、デジタル信号受信あるいはレーダー波の発信機構部といったところについて、国内企業が生産を受け持つということになっております。

 それから、F35につきましては、もともと、部品の点数において約四割程度の国内生産が可能というふうにされておるところでございます。したがって、もともと全ての部品について我が国で生産可能ということには必ずしもなっておりません。それから、アメリカ側が日本に対して、日本で生産をしていくことが可能だと言っているものについて、全て二十五年度から生産が可能というふうになっているわけでもございません。

 ただし、私たちとしては、国内の生産基盤を維持するという観点から、これをできるだけ拡大していくという方向で今後ともやってまいる所存でございます。

中丸委員 今のように、アビオニクスは生産すると言った、実はその中の部品の一部をつくるんだ、実態はそういうものだと思います。全部をつくらせてもらえるわけがないので。

 一部の報道で、今の答弁にもありましたが、約四割のコンポーネントを生産するというふうに報じられていまして、武器輸出三原則の例外、特例化とかいろいろな中で、それが輸出もできるんじゃないかというような話があるんですが、これは実は随分楽観的な話でして、四〇%、四割を輸出できるなんということはなくて、F35というのは国際共同開発された機体でありまして、生産分担が決まっています。

 しかし、ただ、決まっている、じゃ、日本がつくっているんだからそれはできるだろうというのは非常に安易な考えでありまして、F35のコンポーネントの多くは、リスク分散のために生産がデュアルソース化されているはずなんですよね。したがって、複数の企業が同じパーツをコンポーネント生産しているという事実があるはずなんですけれども、それでも、そういう開発資金も含めてリスクをしょって、我が国が輸出で四割のシェアをとれるなんということは妄想に聞こえるんですけれども、いかがでしょうか。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生が御指摘になられましたように、F35については九カ国の共同開発ということでございまして、この開発国には日本は入ってございません。入れなかった。

 そういう中で、御指摘のように、F35の当初の機体については、既に生産を分担する国というのが決まっている。それで、日本がこれから生産に参画する部分でございますが、これについては、御指摘のようなセカンドソースという位置づけになります。

 そういった意味で、日本で提供するものが価格的にも品質的にも劣らない、優位にあるという場合については、日本のそういったものについての引き合いというのが今後生じてくる可能性というのはございますが、いずれにしても、日本として努力していかないとそういった事態にはなっていかない、こういう現状でございます。

中丸委員 非常に明確に御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 ですから、四割が日本でつくるから、それがそもそも、そこの武器輸出三原則の条項だけ緩和されれば輸出できるというのも非常に安易だということはわかっていただけたと思います。

 仮に、そういった事態の中から、セカンドソースという位置づけにありますので、当然、国内でつくるのは国内で調達するものしか使えないんですけれども、最終的に四十二機をつくられるという中で、四機は輸入するということであるんですけれども、三十八機分のコンポーネントを国内専用に生産するとすれば、一機当たりのそのラインを含めたコストは非常に多大なものになると思うんですね、三十八機しかつくらないわけですから。

 F15Jに関しては、二百機ほど国内で生産されていると思うんですけれども、二百機つくっても、一機当たりの単価でいうとアメリカの約三倍かかっています。たかが四十機弱、三十八機で、一機当たりのコストがどれほど高騰するかは容易に想像がつくと思うんです。

 セカンドソースであり、非常に少ない機数で、しかもまだいつ導入できるか、いつから実際に実戦に配備できるのかもなかなか、アメリカの動向に振り回されているこの状況の中で、これでもこれを進めるのがベターだというふうにお考えですか。

吉田政府参考人 この製造参画につきましては、私ども、今回三月一日に出させていただいた官房長官談話の中でも、国内企業の参画は、戦闘機の運用、整備基盤を国内に維持する上で不可欠である、また、我が国の防衛生産、技術基盤の維持、育成、高度化にも資する、それから、三点目といたしまして日米安全保障体制の効果的な運用にも寄与する、こういうふうな諸点を踏まえた上で、製造参画を決めたというふうなことになってございます。

 また、今の先生の御指摘、三倍とございますが、かつてのF15とかの経緯でいいますと、完成機を輸入した場合と国内製造参画した場合、約一・五倍ぐらいでございまして、今回のF35につきましても、国内製造参画をする、生産基盤を強めるという観点と、全体的に調達コストを抑えていく、こういう両面をちゃんとできるように、米国ともきちんと連携、調整を進めていきたいと思ってございます。

中丸委員 済みません、今、三倍じゃなくて一・五倍と言われた。それは、ライセンス料はもちろんのこと、生産ラインをつくる段階、その維持管理、それも全部含めて一・五倍という判断でよろしいですか。

吉田政府参考人 今申し上げました一・五倍というのは、機体の価格というふうなことでございまして、先生の御指摘のところは含まれておりません。

中丸委員 ですから、私が三倍と言うのは、飛行機というのは機体の調達というよりも、機体ができ上がったものを輸入するわけじゃないですから、当然、それにかかる経費は税金で賄われているわけで、それをトータルして、二百機なら割る二百にすると一機当たりの単価が出る、そうすると三倍になるという算出です。約ですけれどもね。まあ、いいです。

 F35自体、アメリカ自体が開発が非常に大きくおくれておりまして、調達コストもどんどん上がってくるわけですね。はっきりしたコストが決まらないと、やはりもうちょっとかかる、やはりもうちょっとかかると。買うというのを先に決めてしまえば、売り手と買い手、商売というのは、値段が決まる前に先に予約すれば、当然、それはオークションと一緒ですからプレミアがついちゃいますよね。今現状、そういう状況だと思うんです。

 このため、カナダは、F35の採用を白紙撤回。トルコは、ことし調達するはずの二機の調達の延期。オーストラリアも、開発のおくれから、F35Aの完成を待たずに、何と二十四機もスーパーホーネットをかわりに発注している。もちろん三機目以降の発注は見直しをされている。

 今、F35というのはこういう状況なんですけれども、全く見直すという議論すら出ていないんでしょうか。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、F35Aの取得につきましては、そもそも、航空自衛隊のかつての主力戦闘機であったF4EJが減勢をしていく、そこについて穴をあけてはいけない。他方で、ステルス性能を備えた高性能の戦闘機が出現をしている、あるいはネットワーク型の戦闘が主流になってきているというようなことを踏まえて、最新鋭の我々として必要な要求を満たす戦闘機というものをできるだけ早く整備していく、この要請に変わりはないということがまず第一点でございます。

 それから、F35につきましては、既にもう生産も開始はされていますが、他方で、開発のおくれというようなこともしばしば指摘がされております。しかしながら、F35の選定の過程におきまして、我々といたしましては、アメリカ側に対して、提案要求書によりまして提案内容の遵守というものを求めております。それから、その後も累次にわたりまして、アメリカ側から、提案内容はきちんと守るという誓約書を受領しておるところでございます。

 その後も、F35の開発状況について、日本とアメリカとの間で緊密な意見交換を行っております。先般も、小野寺防衛大臣からヘーゲル国防長官に対しまして、このプログラムの円滑な実施について確認をしていただいておるところでございます。

 したがいまして、私どもといたしまして、このF35のプログラムを見直すということは考えておらないところでございます。

中丸委員 見直すことはないということでございますが、そもそも何のために入れるのか。ただ古くなったから新しくするために入れるのではなくて、F35は戦闘機なんですよね、領空を守るために存在するものなんですよ。偵察も業務としてはあると思うんですが。

 そもそも、必要な時期に装備が調達、実戦配備されていて、それが戦力化できなければ、その分何が失われるかというと、官房長官、聞いてください、これは抑止力が失われるんです。抑止力が失われるということは、衝突の可能性が起きてくるということなんですね。

 ゆえに、通常、軍隊では、十年後に調達可能なベストな兵器よりも、二年後に調達可能であるセカンドベストの兵器を調達するのが常識です。例えば、米軍にしても、イラクやアフガニスタンにおいて、将来に調達する歩兵用兵器を持つのではなくて、それはそうですよね、そのまま戦場に行くわけですから、現在手に入る装備を手配して戦場に投入するんです。

 今も領空侵犯等々起こっているわけですよ。そもそも六年、中国もそうかもしれませんが、他国の領空侵犯等そういう脅威は、F35Aが、二個飛行隊、二個編隊が整備されるまで待ってくれるんですか。いかがですか。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 もちろん、我が国の防衛あるいは領空侵犯に対する対処、領土、領海、領空の警備というものについては、まさに今やらなければいけない、将来にわたってやらなければいけないということではございます。

 ただ、その際に、将来の航空戦闘の趨勢というものを考えたときに、我々として何がベストの選択肢かということを考えてF35を選定したということ、このことには変わりはないということでございます。

 それから、もちろんF35は、極めて先進的な機体というものについて生産とともに開発が続けられているという状況でございますので、我々としては、アメリカとの間で今後とも緊密なやりとりをするとともに、提案内容どおりにきちんと期限までに入るということを引き続きアメリカ側に対して強く要請してまいりたいと考えておるところでございます。

中丸委員 おっしゃることはわかるんですけれども、手当てですから、現状どうなのか、今どうか。

 例えば、中国軍が領空侵犯、衝突が起こったとしましょう。そういう有事が起こった場合に、戦闘機の保有機数ははるかに中国の方が多いわけですね。そうすると、攻撃側である中国軍は、我が方の戦闘機より明らかに多数の数を振り分けてくるわけです。先ほど来から、性能等を重視してというふうにおっしゃいましたが、空中戦において多くの敵に対峙する場合では、相当、性能面とそれだけの武器が必要になります。

 私が何でF35を問題視しているかというと、金額のこともあるんですが、お金だけじゃないんです。このシナリオであれば、F35Aの活躍は難しいと私は考えます。

 それはなぜかというと、F35は、実戦化されるとして、短距離の、要は空中戦における空対空のミサイルが当初は搭載できずに、ステルスモードではウエポンベイの中に中距離空対空ミサイル、しかもこれは二発しか搭載できないんです。通常、戦闘機が必中を期するために、ミサイルを空中戦で発射するとき、一発ずつじゃないですよ、一度に二発発射するんですね。わかりますか。F35では、実際に空中戦になったときに、一回の出動で一機しか撃墜できないんですよ。相手の方が多数来ることが想定される中で、これが本当にいい選定だとは到底私は理解できません。今、答弁はいいです。

 パイロットの練度も含めて、実際にやはり必要なもの、何が要るのか、今何が必要か。例えば、ユーロファイターや中古のスーパーホーネットでもとりあえずそろえた方がいいんじゃないかという話も、そういう提案をされる専門家の方もおられます。そういうことを考えずに、とにかく金額と紙の上の性能、実際の実戦配備という実体のない装備計画でいけば、これはもはや航空自衛隊でもなく、航空自衛隊博物館というふうに私は思います。

 戦闘機は、戦える能力を持ち、必要な戦略に合う性能と数、これを確保できて初めて実体ができます。戦闘機を飛ばさなくていいのであれば、中国や他国の脅威は存在しない、領空侵犯は存在しないといえば、空自の戦闘機は必要ないことになってしまいます。F35さえ調達できればそれで日本の領空は守れるというもし楽観的なお考えがあれば、ぜひともお気をつけていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、大熊利昭君。

大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。本日もよろしくお願いをいたします。

 まずは、官民ファンド関係につきましてお伺いをさせていただきます。

 この内閣委員会におきましても、二月の地域経済活性化支援機構の関係の官民ファンドと以前の企業再生支援機構、それと先週のいわゆるPFI機構に係る官民ファンドの質疑とやってまいったわけでございますが、そのうち、最初の方の地域経済活性化支援機構、あるいは当時の企業再生支援機構の案件の、JALを除く投資案件の現在の状況。この内閣委員会では、先週のコロナ工業や、あるいは二月のヤマギワ、これはうまくいった事例だと思うんですが、二つの事例について取り上げさせていただきましたが、JALを除く残りの案件は今現況どうなっているのかについて御教示いただければと思います。

木下政府参考人 お答えいたします。

 まず、この三月十八日に地域経済活性化支援機構に移行いたしましたので、前身であります企業再生支援機構についての状況でございますが、JALを除きまして、機構としては二十七件、そして、その後の地域経済活性化支援機構としては五件の支援決定を行っております。

 このうち、企業再生支援機構として支援した二十七件、JALを除きます二十七件のうち十三件は、支援が完了しているところであります。

 そして、機構につきまして、十一件、出資を行っておりまして、このうち、支援が終了しました五件につきましては、出資額以上の回収を達成いたしました。また、支援中の六件につきましては、先般御議論がございましたコロナ工業を除きまして、現在も、時価または一株当たりの純資産に基づきます評価額が簿価を下回っているものはないというふうに承知をしております。

 それから、新機構、地域経済活性化支援機構についても申し上げますと、現在五件を支援決定いたしておりますけれども、いずれも、機構による出資は予定していないということでございます。

大熊委員 今お伺いしました完了した十三件、これはいわゆるエグジットが完了したということなのかなというふうに思いましたが、この十三件の全体としての投資収益率、いわゆるIRR、これは何%だったんでしょうか。

木下政府参考人 御質問の件でございますけれども、全体としてのIRRにつきましては、私どもとしては試算いたしているわけではございません。

大熊委員 こちらにいらっしゃる委員の皆様方も、あるいは大臣の皆様方も、通常、何か投資商品を買うと、自分の投資したものが全体としてどうなっているのかというのは大変気になるところなんですね。ところが、今明らかになったように、いわゆる官民ファンドというのは、投資したものが全体としてどうなっているのか。つまり、税金ですから納税者のお金ですね。国民皆さんにわたって薄く広くなのかもしれませんが、ファンドですから、かなりリスクをとった投資をするわけでございます。これが一体どうなったかというのを全体として管理していない、こういうことが明らかになったわけでございます。

 それでは、五件はプラスだとおっしゃった、こちらも、全体として何%プラスだったか、これについても管理されていない、こういう理解でよろしいでしょうか。

木下政府参考人 パーセンテージという形では今手元にありませんけれども、全体として、日本航空を初めとして、出資額に対しまして、それを上回った形での譲渡額ということでございます。個別にはお答えはできますけれども、そういう状況でございます。

大熊委員 やはりこちらについても全体としての数字は把握していない、わからないということでございまして、通常考えている常識からすると、かなりかけ離れた現状になっているのではないかなというふうに思わざるを得ないわけでございます。

 念のためお伺いしますが、純資産は簿価を上回っているとおっしゃられましたが、企業価値の算定方法、これはどのように、企業価値の算定方法はいろいろありますが、どういう方法でやっていらっしゃるんでしょうか。

木下政府参考人 先ほど答弁の中で申し上げましたとおり、もちろん、株式上場されているものにつきましては、当時の取得価額である簿価と昨年の十二月時点での株価で上回っていると申し上げているわけですが、上場していないものにつきましては、一株当たりの純資産で比較をして、評価額が簿価を上回っているということでございます。

大熊委員 評価の物差しそのものについても、通常、こういういわゆる再生ファンド系、広く言うとバイアウトファンド系というのは企業価値の算定をやるわけでございまして、単純な純資産、あるいは上場していたら、きょう千円だったら、千円掛ける発行済み株式数、企業価値ですと純有利子負債を足すわけなんですが、こうじゃなくて、DCFでやるか、類似会社方式でやるか、参考として純資産も見ますけれども、こういう方式でやるのが民間では普通なんですね。

 こういう方式を何でやっていないのか、官民ファンドだと何でやっていないのか、これについて御答弁をお願いいたします。

木下政府参考人 今の御質問、直ちに私も答えるすべはないんですけれども、いずれにしても、機構としてはそういう形で、一株当たりの純資産という形での評価方法でやっているということでございますので、そのほかにつきましては、現在、ちょっと、私どもとして把握をしているわけではございません。

大熊委員 ありがとうございました。

 今の最初の事例を踏まえて、昨今、報道ベースで承知したんですが、官邸に、官民ファンド総括アドバイザリー委員会、こういったものを設置するという報道があるわけなんですが、これについて、官房長官、このとおりなのかどうか、どういったことをおやりになるのか、御答弁をお願いいたします。

菅国務大臣 その報道は事実であります。

 現在、既存の官民ファンド、さらに今、官民ファンドを準備中であります。これらの官民ファンドが果たして民間投資の呼び水になるかどうか、そういう観点から設立をしたわけですけれども、今委員からの質問の中にありましたけれども、税金、公的資金を使う、そういう大事な問題ですから、しっかりと機能されているのか、政策目的に運用されているのか、そういう意味で、政府一丸となって横串のチェックを行う必要があるんだろうという思いであります。

 このため、官民ファンドの運営状況の評価、監視を行う仕組みとして、世耕副長官を座長として、官邸の中に有識者や関係省庁のファンド関係者から成る委員会を設置して、六月には一定の整理をしたい、そういうことであります。

大熊委員 ありがとうございました。

 ただ、先週のPFI機構の法案のときにもこの場で質疑させていただいたんですが、本来は、各官民ファンドの関係する法律の中に埋め込んでおく必要があるんだろう。

 例えば、そうしなかったがゆえに、今、最初の質疑で申し上げたとおり、地域経済活性化支援機構のこういったような状況が生まれてきてしまう。先週の質疑でも申し上げたコロナ工業というのが、法律が通ってわずか二カ月で倒産しているんですね。出資をしたのはその前の企業再生支援機構の当時なんですが。

 ただ、倒産の二カ月前、この場で法律を通すそのときには、まさか倒産寸前の会社が含まれているんだろうと多分誰も、賛成された方も思っていなかったんだろう。私どもは反対しましたけれども。

 こういったことは、やはり、最初の法律をつくる時点から、法律にはよく支援基準が書いてございます。支援基準だけじゃなくて、その後のモニタリングをするんだということ。それから、失敗した場合には、人間ですから、それは将来のことを誰も確実に読める、そういうことはありません。ですが、プロとしての結果責任を負うということも法律の中に、支援基準だけじゃなくて、モニタリングをすること、それから、失敗したときの結果責任を負うということ。どのように結果責任を負うのか。国家公務員法の、国賠の関係云々というようないろいろな議論があると思いますが、それは個別の条文だと思うんですが。

 いずれにしても、この二点を追加して、今後、私どもみんなの党は基本的に官民ファンドについてはどうかなと思っているところではありますが、もしされるのであれば、少なくともこの二点をあらかじめ最初に法律の中に埋め込んでいく必要があるのではないかというふうに考えているんですが、一般論として、官房長官、一言お願いいたします。

菅国務大臣 そこが極めて難しいところだと思います。

 委員は専門家でありますから、この官民ファンド、投資政策目的に、まず選定、採択が行われているのかどうか。さらに、透明性の公開、これは当然ですよね。さらに、これは非常に難しいんですけれども、成長戦略の観点から、創業、ベンチャーへの資金提供、ここはやはり官民ファンドの大きな部分ではありますよね。さらに、この官民ファンド、大手企業に行えば、これは民間に対しての補完だけじゃないかとか、いろいろなこういう問題がありますので、先ほど申し上げましたけれども、官邸の中に、運営状況、また評価、監視を行う仕組みのあり方、こうしたものについて、今、専門家も交えて、世耕座長のもとにそうした委員会をつくる、そういうことであります。

 ファンドの特性上、極めて難しい、しかし、そこは税金である。しかし、創業、ベンチャー支援も危険も伴うことでありますけれども、そうしたものを総合的に考える必要があるということです。

大熊委員 先ほど官房長官の方から、横串を刺すというお話がございました。一方で、民間ファンドに対するチェック、検査の専門家といえば、我が国はやはり金融庁、これが民間ファンドの検査を法律に基づいてやっているわけでございます。この官民ファンド総括アドバイザリー委員会の中に、金融庁のそういった当該部局の方、これは入る予定でいらっしゃるかどうか、お答えください。

菅国務大臣 金融庁、当然入っています。

    〔委員長退席、関委員長代理着席〕

大熊委員 ちょっと安心をいたしました。

 というのは、先週の金曜日、この場での質疑で、先ほどのPFI機構の官民ファンドについて、この予定されている官民ファンドに対して金融庁の検査は入らないんですかと聞いたら、入りませんと。普通の民間ファンドは金融庁が検査しているのに、何で官民ファンドはやらないんですか、これは不公平じゃないですかと言ったら、法律に書いてないからだとおっしゃった。だから法律にあらかじめ書いてくださいよというふうに申し上げているんだという堂々めぐりになりました。

 やはり、私どもとしては、こういった官民ファンドについても、法律に今ないからじゃなくて、であれば法律を改正すればいいわけでございますから、金融庁が民間ファンドと同様に、官民ファンドは内閣府が専門家だから金融庁はやらなくていいんだ、こういう御答弁をなさったんですが、そうじゃなくて、しっかりと金融庁も民間ファンドのように検査をしていく。これは、投資一任業者と同じ、非常に厳しい検査になると思うので、こういったことをしっかりやっていただきたいなということ。

 もう一つ、その先週のときに、金融庁の方が、例えばPFI機構の官民ファンドだと、PFI機構、その法案の所管の内閣府が専門家だから、専門家だから内閣府さんがやればいいんだというふうに金融庁さんはお答えになったんですね。

 でも、よく考えていただきたい。内閣府が自分でつくるファンドを自分で検査する、そういうことになるわけですね。これはやはりおかしいのであって、専門家かどうかということじゃなくて、やはり、自分のつくるファンドを自分で検査する、それが当然だというのはこれはおかしいんじゃないかと思うんですが、それについて一言だけ、お願いいたします。

菅国務大臣 そこは私も当然だというふうに思います。

 ただ、ここはぜひ御理解をいただきたいんですけれども、先ほど申し上げましたけれども、創業、ベンチャー支援というのもあるわけですから、余り強くすると安全なものしか投資しなくなってしまいますので、趣旨とも違う形になりますので、そこは、透明性、公開性というものはこれは当然のことでありますし、政策目的によって選定、採択というのは行われているかどうか、そういうこと。そして、私は正直言って、民業補完になっている嫌いがある部分はあると思っているんですよ、今。そういうことも含めて、全体としてアドバイザリー委員会の中でチェックしていきたいということです。

大熊委員 ちょっと時間が押してまいりましたので、それでは続きまして、公務員改革の方の関係に移らせていただきたいと思います。

 まず、公務員制度のあり方に関する意見交換会についてお伺いしたいと思うんですが、以前から議論のあるとおり、この交換会での議論を踏まえて、速やかに公務員改革の関連法案をお出しになる、こういう理解でよろしいでしょうか。

稲田国務大臣 今委員が御指摘の意見交換会、これは、有識者の方々に忌憚のない意見を一回ずつ、二時間ぐらいですけれども、述べていただいております。

 そういったことを通じて、今までに出された法案等の集大成、検討、そして検証、その上で、法案の提出に向かって検討を進めてまいりたいと思っております。

大熊委員 時間の流れの速くなっておる昨今でございますから、それはいつ出される予定なのかについて、もう何年も先ということじゃないんだろうと思うので、いつごろなのかについてお答えいただきたいと思います。

稲田国務大臣 基本法の中の、三年以内に必要な法案を三回提出して、それがいずれも、自民党政権下でも民主党政権下でも廃案になった。そして、それぞれの内容が全て異なっていた。そして、基本法に書かれている事項というのは非常に広範にわたっております。それらを検証した上で総括をし、早急に法案の提出をしたいと思っております。

大熊委員 早急にということで、もうここ一カ月以内とか、そういうふうな理解をして可能なんでしょうか。

稲田国務大臣 何度も答弁いたしておりますけれども、この法案は非常に大切な法案です。しかも、過去、自民党、民主党で三度、政府提案の法案が出されて、全て廃案になっていて、全ての法案の内容が違っているということもございます。

 そういう意味で、委員が御指摘のように、なるべく早くということは当然ではございますが、それ以上に内容が重要なのではないかと思っております。

大熊委員 すぐれたスタッフの方がたくさんいらっしゃるわけですから、今国会中にぜひ、いい内容のものを出していただきたいというふうには思うところでございます。

 この意見交換会の中身にちょっと移らせていただきますと、まず第一回目の二月二十二日なんですが、これは前回通告をして、時間がなくて聞けなかったところなんですが、五ポツの最初のところで、「従前は、霞が関の官僚は早ければ四十歳で課長になっていたが、勧奨退職者が大きく減少する中で、上のポストが詰まり、審議官以上もどんどん高齢化しており、早期昇進体系は行き詰まっている状況」、こういう議事録があるわけでございます。

 これは、要は、天下りができにくくなった弊害である、こういう意見だというふうに、大臣、承知されますか。

稲田国務大臣 この意見交換会では、それぞれのアドバイザーの方々、またヒアリングに来られた方々が、さまざまな資料も出されて、さまざまな観点からお話しになります。

 その一つ一つのおっしゃったことについて、私がコメントをするのは差し控えたいと思いますけれども、今委員が御指摘の部分は、公表しております有識者の説明資料の中の、天下りの原則廃止、早期昇進体系の行き詰まりという状況について御意見をいただいたところを指されているのではないかなというふうに思います。

 有識者の方は、再就職あっせんの禁止、早期退職慣行の是正などにより、勧奨退職者が大きく減少したことが大きな要因となって、幹部の早期退職を前提とした従来型の人事体系の限界があらわれていることについて御意見をされたものでございます。

 したがいまして、委員御指摘のように、天下りの規制があったからどうだというような、そういう意見ではなかったと私は承知をいたしております。

大熊委員 現実、やはり天下りがしにくくなったのでこういう意見が出てきていて、その後、それにどう手当てするかということで退職管理基本方針というものが生まれてきたというふうにとるのが自然だろうと思うんです。

 あと三分ということで、第六回、つい先日、おとといの幹部人事の一元管理、これはまだ議事録を載っけていただいていないので、議論の方はよくわからないのでまた次の機会に移したいと思うんですが。参考資料集だけから推察をさせていただいているところなんですが、その中の参考資料集で、一つ、幹部人事の一元管理に関する主な議論ということで、過去の国会での質疑等々のA4の横書きのものが配付されていると思うんですが、この幹部人事、おとといの議論ですね、この中ですっぽり抜け落ちている議論、これは大臣、何かあるんじゃないでしょうか。お答えいただきたいと思います。

    〔関委員長代理退席、委員長着席〕

稲田国務大臣 おととい、第六回だったかと思います。この意見交換会は、今までも、今申し上げましたように、六回にわたって、各二時間ずつ、さまざまな分野について御議論いただいております。

 その中で、第六回については、幹部人事の一元管理等について、ヒアリングに来ていただいた方々の、養成の方法ですとか、幹部人事のあり方ですとか、さまざまな観点から意見をいただいたものであって、何かが抜けているとか、そういう種類の意見交換会ではございません。

大熊委員 後で、後日、恐らく議事録がアップされると思うので、それで確認をさせていただきますが、それでは、確たること、つまり議事録がないので確たることではないかもしれませんが、自民党さんが野党時代にみんなの党と一緒に出した幹部公務員法の議論、これがすっぽり抜け落ちているものというふうに思うんですね。なぜならば、資料に何も、一言も入ってございません。これはやはり、前回も申し上げましたが、自民党さんは与党になると変わってしまうのかなというふうに思えるんですが、この点、いかがでしょうか。

稲田国務大臣 何度も申し上げていますように、この意見交換会は、アドバイザーの方々、そして来ていただいたヒアリングの方々が、それぞれの知見に基づいて、幹部の人事、それから幹部の養成の方法についてお話しいただいております。この六回の場合には、民間の企業の方にも来ていただいております。

 そういう意味において、それぞれの法案について、例えば、自民が出した法案、民主が出した法案、自民とみんなが共同で出した議員立法、そういう総括をしているわけではなくて、この回は、それぞれの知見をお話しいただいて、忌憚のない意見交換をしたということでございます。

大熊委員 いろいろな法案が出て、それぞれ内容が違うから検討されているという冒頭の話と今の答弁は矛盾しているんじゃないかなと思いますが。

 まずこの点を指摘させていただきつつ、やはり後ほど議事録で確認させていただきますが、この重要な幹部公務員法の議論、これが、前回、民間から来た米女さんですかね、私と一緒にやっていた米女さんのお話なんかがあったようでございますが、では、民間の方のお話はなかった、それは一民間の皆さんのお話だ、政府はまた別なんだということで、この幹部公務員法については、民間の方の意見聴取の場ではないけれども、自民党さんの中では、政府の中ではしっかりとテーマに上がって議論をされている、最後、こういう理解でよろしいでしょうか。

稲田国務大臣 もちろん、過去の出された法案の検討、検証ということでございますから、検討の対象に入っていることは当然のことでございます。

大熊委員 与党になった自民党さんは変わったんだ、公務員改革、後退したんだということのないよう、ぜひお願いしたいというふうに申し上げて、終わりたいと思います。

 以上です。

平井委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 いわゆる河野談話の問題について、官房長官に伺っていきます。

 安倍首相は、いわゆる慰安婦問題につきましては、筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛むわけでございまして、この点についての思いは、私も歴代の総理と変わりはないと答弁されてまいりました。

 そこで、確認をいたしますけれども、安倍内閣は、いわゆる慰安婦問題について、これまで歴代政府が継承してきた慰安婦関係調査結果発表に関する内閣官房長官談話、いわゆる河野談話を継承しているんでしょうか。

菅国務大臣 安倍政権、安倍内閣の立場というのは、何回となく、私、国会の場で答弁をさせていただいております。

 これまでの歴史の中で、多くの戦争があって、その中で女性の人権が侵害されてきた。二十一世紀こそ人権侵害のない世紀にすることが大切であり、日本はそのために全力を尽くしていく考え方であるということであります。そして、慰安婦問題についても、筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛むという、この点については歴代内閣と変わらないということであります。

 そして、総理も述べておりますけれども、政治問題、外交問題にさせるべきではないと考えています。そして、前回の安倍内閣においてこの問題について閣議決定をされたという経緯も踏まえて、内外の歴史学者、有識者の手により、さまざまな問題について研究が行われている。そういう中であって、学術的観点からさらなる検討が重ねられることが望ましい、これが安倍内閣の基本的な考え方であります。

赤嶺委員 今、私は、河野談話を安倍内閣は継承しているのかと伺ったところであります。拡充検討が望ましいという御発言がありましたけれども、今、菅官房長官がおっしゃったように、二月十八日の参議院予算委員会での答弁を繰り返しておられました。

 その中で、この問題についてなされた閣議決定という点について確認をしたいんですが、二〇〇七年三月十六日、第一次安倍内閣が、衆議院議員辻元清美君提出安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問に対する答弁書のこと、これに間違いないですね。

菅国務大臣 そのとおりであります。

赤嶺委員 この答弁書を読み直してみました。「官房長官談話は、閣議決定はされていないが、歴代の内閣が継承しているものである。」このように述べております。さらに、「政府の基本的立場は、官房長官談話を継承しているというものであり、」こう言っているわけですね。第一次安倍内閣は、官房長官談話を継承しているとの閣議決定をしているわけです。

 今回の安倍内閣は、この立場を変更したんですか。

菅国務大臣 みずからの第一次安倍内閣で閣議決定したことを変更するつもりは全くありません。

赤嶺委員 では、その中では官房長官談話を継承するとしていたわけですね。この点はそのとおりでいいわけですね。先ほどの拡充というのと、どういう関係になるんですか。

菅国務大臣 拡充と言ったと私は思っていませんけれども……(赤嶺委員「答弁を繰り返してください。何とおっしゃったんですか、さっき」と呼ぶ)

 前回の安倍内閣においてもこの問題について閣議決定をされた経緯も踏まえ、内外の歴史学者、有識者の手により、さまざまな問題について研究が行われている中で、この問題についても学術的観点からさらなる検討が重ねられることが望ましいと考えている、こう申し上げました。

赤嶺委員 学術的観点からさらなる検討が望ましい、官房長官談話は継承しているという第一次安倍内閣のときの閣議決定は今も変わらないんだと。

 それでは、具体的な中身についてちょっと伺っていきたいんです。

 この二〇〇七年の答弁書では、「慰安婦問題については、政府において、平成三年十二月から平成五年八月まで関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、同月四日の内閣官房長官談話のとおりとなったものである。」このように述べております。

 官房長官談話、すなわち河野談話では、「今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたもの」、このようにしております。

 現安倍内閣も、慰安所の認識について、この河野談話のとおりですか。

菅国務大臣 第一次安倍内閣で閣議決定をしたわけでありますから、そこについては全く変わっていないということであります。

赤嶺委員 それでは、河野談話で言われた慰安所の設置、数多く慰安所が存在し、広範な地域にわたっていた、慰安所は当時の軍当局の要請により設営されたものというのは、そのとおりだという理解でよろしいですか。

菅国務大臣 たびたび申し上げておりますとおり、第一次安倍内閣で閣議決定をした政府答弁書というのは全く変わらないということです。

赤嶺委員 私、具体的な河野談話の内容について、官房長官からしっかりしたお答えをいただきたいんです。全てが閣議決定どおりだと言われても、その中身について一つ一つ確認しているわけですから、しっかりお答えいただきたいと思うんですよ。

 河野談話では、さらに、「慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たった」、このようにしております。

 現安倍内閣も、慰安所の設置、管理、慰安婦の移送、募集についての認識は、この河野談話のとおりですか。

菅国務大臣 閣議決定というのは、内閣の意思を示す意味で、最高の、極めて重要な決定でありますから、そのことは現内閣においても全く変わらないということであります。これで私は全て御理解をいただけるんだろうと思います。

赤嶺委員 河野談話の継承は閣議決定されている、これが全てだと。しかし、国民に理解を深めてもらうためには、やはり、何でああいう閣議決定が必要だったのか、何で河野談話の継承が問題になっていくのかという点について、継承するということを閣議決定されたんですから、中身についてもしっかり答弁していただきたいと思うんですよ。

 軍の関与によって慰安所が設置された、そして慰安所の管理も軍の関与があった、こういうことを河野談話は述べているわけです。私、談話以外の話を今官房長官に確認しているわけではないんです。談話の文言どおり、これはそうですねということですから、そうですねと言われたこと、具体的な中身についてお答えいただきたいんですよ。やはり避けているように見られますよ、国民からは。それは本意じゃないと思いますから、きちんと答えてください。

 慰安婦にされた人々、河野談話では、長期に、かつ広範な地域にわたって数多く設置したが、それらは軍の要請によって設営され、その設置、管理及び慰安婦の移送は軍が直接、間接に関与し、募集においても軍の要請が起点をなしていると認めております。

 軍の要請によって慰安所が設置され、管理され、そして慰安婦の募集も軍の要請が起点だったと具体的に歴史認識を述べているわけですが、菅官房長官は、この具体的な中身について、いかがですか。もう閣議決定された話はよろしいです、よくわかっています。

菅国務大臣 私、何回も申し上げておりますように、閣議決定をされた問題については、内閣として見直しをするということを、見直しを含めて検討するということさえ私ども言ったこともありませんから、その閣議決定の中に書かれていることが全てであります。

赤嶺委員 やはり具体的に踏み込まれないんですね。

 具体的に踏み込むというのは、何も新しいところに踏み込むんじゃなくて、皆さんが河野談話は継承しますということを閣議決定した、その中身について、では、それはどうなんですかと。いろいろ、継承しているんですから、あなた方が持っている認識で、軍の関与はそのとおりだったというような、踏み込んで答弁するというのは、私はこれは当然だと思いますよ。

 官房長官、安倍内閣のそのときの答弁書は、慰安婦問題については、調査の結果、河野談話のとおりになったものである、このように言っておりました。河野談話の中身というのは、調査の結果、ああいう中身になったんだと。軍の要請によって設営され、そして設置、管理及び慰安婦の移送にも軍が直接、間接に関与し、募集も軍の要請が起点をなしていた、河野談話はここを認めているんですよ。

 この点は、菅官房長官も、閣議決定で継承するとおっしゃったわけですから、この点を継承するということも、これは間違いないことであるわけですね。ここは非常に大事なポイントになります。お答えをお願いします。

菅国務大臣 たびたび申し上げていますけれども、第一次内閣で閣議決定したことを、二次内閣で見直しを含めて検討するということは全くありませんし、そういう発言も今までしておりません。閣議決定というのは、先ほど来申し上げておりますように、内閣の極めて重要な決定でありますから、そこを守っていくというのは当然のことじゃないでしょうか。

赤嶺委員 結局、閣議決定をされた大臣の、政府の立場とおっしゃりながら、河野談話ができ上がった経過も、皆さんは資料を持っておられる。その経過を踏まえて検討して、河野談話の一言一句がつくられている。そこの大事なポイントは、慰安所の設置や管理や、あるいは慰安婦の募集、全部、軍の強制、関与であったか、この点をお認めになりますかと何度聞いても、閣議決定、閣議決定と言う。閣議決定の話は、今の短い時間で何度も出てきましたから、百も承知の話ですよ。

 河野談話の立場を日本政府が本当に国民に知らせていく。あるいは河野談話について皆さんの立場というのは、非常に疑いの目でもって見られているわけですよ。これは菅官房長官も御承知だと思います。ですから、そういう国民の疑問に立って質問をしたわけです。河野談話の中身を一切触れない、あるいは触れたくない、あるいは触れるまい、こういう姿勢は国民の理解を得られるものではないということを申し上げておきたいと思います。

 それで、いわゆる強制連行問題について伺っていきたいんですが、二〇〇七年の安倍内閣の答弁書は、「同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである。」第一次安倍内閣でこのように答弁書を出しております。

 ここに、当時の政府が発表した、政府が発見した資料の一覧表、いわゆる従軍慰安婦問題の調査結果について、私、手元に持っているわけですが、そこには、法務省関係が提出した資料として、バタビア臨時軍法会議の記録というのがあります。この資料は、第一次安倍内閣の答弁書にある「同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料」、これに入っているんですか。

菅国務大臣 先ほど来申し上げておりますけれども、まさに、安倍内閣、閣議決定というのは極めて重いわけでありますから、そうしたことも含めて、答弁書の中に、閣議決定の中に含まれているということがこれは全てであります。

赤嶺委員 その全ての中に、バタビア臨時軍法会議の記録、これはあったんですか、なかったんですかと。これは事実関係ですよ。

菅国務大臣 今申し上げましたけれども、政府の閣議決定というのは極めて重いものでありまして、それの中に書いていることが全てでありますし、第二次安倍内閣において、見直しを含めて検討するという内容の趣旨を発言したことは、私は一回もありません。

赤嶺委員 済みません、今、最後のところをちょっともう一度答弁していただけますか。

菅国務大臣 見直しを含め検討という内容のことを述べたことは一回もないということです。

赤嶺委員 勘違いの答弁なんですよ。

 私は、バタビアの資料があるかどうか。皆さんが、この中で、答弁の中で、いわゆる強制連行を直接示すような資料はなかったと言っているけれども、まさに政府が出した資料の中に、バタビアでは強制連行があったことを示す資料があったと。

平井委員長 委員に申し上げます。質疑時間が過ぎておりますので。

赤嶺委員 はい。

 私、最後に一言申し上げたいんですが、沖縄戦は、地上戦が繰り広げられて、日本の国内で一番慰安所が多かったところです。強制連行も、どんな奴隷的な生活を送っていたか、目撃者もたくさんおります。歴史認識をゆがめることは絶対に許されないということを申し上げまして、質問を終わります。

平井委員長 次に、村上史好君。

村上(史)委員 生活の党の村上史好でございます。

 官房長官、十時四十五分までということでございますので、急いで質問をさせていただきたいと思います。

 まず、アベノミクスにおける浜田教授、また、今回訪朝をされた飯島氏、内閣官房参与という立場が今ちょっとクローズアップをされているところでありますけれども、この内閣官房参与について基本的なところをお尋ねをさせていただきたいと思います。

 まず、内閣官房参与の選定基準また手続について、どのように行われるのか、また、なぜ非常勤の立場なのか、そして安倍内閣における官房参与の現状について、まとめて御答弁いただきたいと思います。

由木政府参考人 お答えいたします。

 内閣官房参与は、内閣総理大臣の諮問に答え意見を述べることを任務といたします、内閣官房に置かれます非常勤の一般職の国家公務員でございます。

 その選定につきましては、その時々の内閣の重要政策等につきましてすぐれた識見を有する者の中から、内閣総理大臣みずからが、最も適任であるという観点から人選を行った上で任命をされてきているものでございます。

 現在、安倍内閣におきましては、内閣官房参与は九名発令されているところでございます。

村上(史)委員 今九名ということでございます。それぞれ役割があるということだと思うんですけれども、総理にとってこの内閣官房参与というのはブレーンであり、またアドバイザーであるということだと思います。そういう面においては、内閣官房参与の意見等は総理の政策決定にも大きな影響を及ぼす立場であるというふうに理解をしております。

 今回、飯島参与が訪朝されたわけですけれども、どういう肩書の上で訪朝されたのか、お尋ねをしたいと思います。

菅国務大臣 現在、安倍内閣では、飯島氏に対して内閣官房参与ということでお願いをいたしておりますから、そういう立場で訪朝した、このように思います。

村上(史)委員 特命担当だということですから特命があると思うんですけれども、今回の訪朝、一般的に言う首相特使なのか、そのあたりの見解をお尋ねしたいと思います。

菅国務大臣 マスコミではいろいろな報道をされていますけれども、そういうことではありません。内閣官房参与として訪朝をしていただいたということです。

村上(史)委員 ということは、今回の訪朝は、外交ルートではなくて、あくまでも官邸主導で行われたという理解をしてよろしいんでしょうか。

菅国務大臣 事柄の性質上、いきさつ、そういうことについては控えさせていただきますけれども、基本的には私の判断で、そして総理から御了解をいただいて、訪朝をしていただいたということであります。

村上(史)委員 ありがとうございます。

 ということは、これは今後の展開にも大きな影響があると思うんですが、外交ルートで積み上げて交渉をやっていくのか、それとも政治主導、官邸主導でこの問題の解決に向けて進んでいくのかによって、結果も、また時期的なことも恐らく変わってくると思うんですが、今後についても官邸主導という形、そこまで言い切れるかどうかわかりませんけれども、内閣官房参与という立場で今後も交渉の窓口になっていかれるのかどうか、その点についてお尋ねをします。

菅国務大臣 今回はそういう形で訪朝をしていただいたわけでありますけれども、ただ、外交ルートも、きょうは拉致担当大臣も出席をしておりますけれども、全ての責任者は内閣総理大臣でありますから、私たちは、拉致問題解決のために、ありとあらゆる対応をしながら、一日も早く我が国の拉致に対する、この三点を中心に、とにかく拉致被害者の皆さんの安全確保、即時帰国、そしてその原因の究明、さらに実行犯の引き渡し、そうした観点から拉致問題は解決をしていきたい。

 ですから、このルート、あのルートということでなくて、それは我が国の総力を挙げて拉致問題を解決するというのが安倍内閣の方針でありますし、総理も、みずからの手によって何としても解決をしたいと強い決意を持っています。

村上(史)委員 その決意というものは、私も十分理解をいたしております。

 その上で、あえてお尋ねをするんですけれども、話すことができること、できないことがあると思うんですけれども、飯島参与から帰国の報告を受けられた、昨日も総理と同席をされて、飯島参与の報告を聞かれたということでございますけれども、話せる範囲で結構でございますので、交渉の経過についてお話しください。

菅国務大臣 なかなか事柄の性質上、お答えできる点は少ないわけですけれども、ただ、訪朝に当たっては、我が国は、拉致、核、ミサイル、これを包括的に解決していくというのが北朝鮮に対しての基本姿勢です。

 そして、その上に、先ほど申し上げましたけれども、拉致問題というのはこの三点を基本として交渉していく。訪朝に当たり、私はこの点について飯島参与とも十分に話し合いをいたしました。参与もそうしたことを理解した上で、我が国の国益、拉致問題解決のために交渉をされた、そういうことを報告を受けております。

村上(史)委員 より具体的な話は無理かと思いますけれども。

 それでは、角度を変えまして、官房長官の御見解を伺いたいんです。

 今回、何人かの北朝鮮の政府高官の方と交渉をされた。その中で、いわゆる北朝鮮のナンバーツーである金永南人民会議の委員長ですけれども、会談をした。ただ、実質的には権限がないだろうとも言われているんですが、私は、ここで一つ危惧をするのは、当初からマスコミでも報道されておりますが、いわゆる北朝鮮のプロパガンダを担わされてしまったのではないか、一役買わされてしまったのではないかなという指摘もあります。

 この金永南さんとの会談について、どのように評価をされますか。

菅国務大臣 マスコミの方がいろいろな報道をされているということは、私自身も承知をいたしております。

 しかし、この拉致問題をいかに解決していくか、さまざまな観点から考えたときに、我が国がやはり主体となって動かなければならないということもぜひ御理解をいただきたいと思いますし、北朝鮮に北京から入るということは、マスコミの皆さんは航空機の乗客名簿を持っていますから、そうしたことは私どもも全て計算をした上で訪朝していただいているということは、ここは私たちも、また、北朝鮮はどうするかという、ありとあらゆることを想定した上で訪朝をしていただいたということでありますし、国益にかなう交渉をしていただいた、こう思っています。

村上(史)委員 時間の方も押し迫ってまいりましたけれども、あと二点ほどお伺いいたします。

 まず一点は、いわゆる朝鮮総連の本部の競売の件でございますけれども、そのことは話し合われたと報告を受けておられますか。以上、どうでしょうか。

菅国務大臣 訪朝をされてどのようなことを話し合ったかということは、事柄の性質上、これは全て控えさせていただいています。まさに外交交渉、極めて大事なことでありますから。

 ただ、飯島参与が交渉したというのは、先ほど申し上げました、まさに三点、これが私は全てだろうと思います。

村上(史)委員 ありがとうございます。

 それでは最後に、今回の訪朝について、実際はどうかわかりませんが、アメリカにしろ韓国にしろ、事前に知らされなかったという、報道ベースですけれども、私はあり得ないとは思うんですが、事務方の方から両国には事後の形であっても報告をされたということでございますが、肝心かなめの拉致被害者の御家族の皆様方にこの経緯等についてお話をされていたんでしょうか、また、今後される予定があるのか、お尋ねをいたします。

菅国務大臣 安倍政権というのは、先ほど来申し上げておりますけれども、みずからの手で拉致問題を解決したいと断固たる決意で今臨んでおります。そういう中で、家族会の皆さんとは緊密に連携をとっておるということも事実ですし、拉致担当大臣がそこはしっかりと連携をとっていただいております。

 現段階において、飯島参与の件について説明する具体的日程というのは決まっておりませんけれども、そこは、御家族の皆さんの御要望があれば、さまざまな形で対応させていただくというのは当然のことだというふうに思います。

村上(史)委員 ありがとうございました。

 官房長官への質問は以上でございますので、お時間もございますので、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。ありがとうございました。

 それでは、古屋大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 これも報道ベースでございますけれども、今回の訪朝に際しては、内閣総理大臣、また官房長官、そして古屋拉致担当大臣が御承知であったという、報道ベースでございますけれども、事実でしょうか、また、事実であるならば、御報告は受けておられるでしょうか。

古屋国務大臣 そのことをもう何度も聞かれているんですよ。これはもう総理大臣がはっきりおっしゃっていますよね。官房長官も今答弁ありましたよね。これは、事柄の性質上、そういった類いのことには一切お答えできません。私もそういうふうに申し上げております。

 なお、ちなみに、これは内閣委員会で、この前も村上委員からこの拉致の問題で直接私に質問があって、ほかならぬ村上委員の御質問ですから、それはお答えさせていただきましょうということでしたけれども、やはり私の担当委員会は拉致問題の特別委員会でございまして、本来なら副大臣が答弁をするのが国会のルールだというふうに私は承知しておりますけれども、きょうはあえてこちらに出席をさせていただいているということだけ指摘をさせていただきます。

村上(史)委員 まことに申しわけなく、承知をしつつ質問をしてしまいました。

 私は結構厚かましいものですから、もう一点だけお尋ねをしたいんです。

 五月に訪米をされて、あのときのスピーチの、講演の発言について五月十日の委員会でも質問をさせていただきましたけれども、まさに今回の飯島さんの訪朝とあの発言が妙に一致するものですから、これは大臣としてあの発言を裏づけることになっているのか、これもお答えにくいと思うんですけれども、あの発言に沿った行動だと認識をされておられますか。

古屋国務大臣 私も連休に、ワシントン、ニューヨークでシンポジウムに、政府主催で、出席をさせていただきました。初めてのことですね。私はそこではっきりシンポジウムでも表明をしたのは、拉致、核、ミサイルを包括的に解決する日本の方針には変わりはない、しかし、日本は拉致問題という極めて重大な問題を抱えている、この問題を解決するには主体的に取り組んでいくということも選択肢の一つであるということをはっきり申し上げました。そして、その前提があるんですね。やはり日米同盟の信頼関係が回復をしている、これが何よりも大切なんだ、こういうことを申し上げました。

 一方では、御承知のように、政府が一月二十五日に決定した八項目の具体的な対応方針、この八番目に、あらゆる選択肢を駆使して拉致問題解決のために取り組んでいく、先ほど官房長官も答弁をしたとおりでございます。

 では、果たして飯島参与の訪朝がその中に入るか入らないか、これはどうか委員が御自身で御解釈をいただければよろしい問題だというふうに思います。

村上(史)委員 ありがとうございました。

 それでは最後に、国家公安委員長として質問をさせていただきたいと思います。

 思いのほか拉致問題の交渉が、また解決へ向けてのスピードがアップをしてきた、予想以上に問題解決への道筋がつきつつあるのではないかなという印象を持ちますけれども、その際、やはり拉致問題の真相の究明、あるいは実行犯の引き渡しを求めるためには、こちら側の証拠固めが必要だと思います。

 拉致の認定ももちろんそうです。拉致の可能性のある行方不明者の捜査、これも先般の質問でも大臣から御答弁いただきましたけれども、DNA鑑定試料を早く収集する、また、警視庁に捜査特別班を設けて捜査を進めていく、そういう御答弁をいただいておりますが、殊のほか進みそうな状況であるので、やはり国内としては早くこの問題を究明していく、捜査を尽くしていく、そういう必要性がより一層早まったのではないかというふうに認識をしております。

 国家公安委員長の御見解をお尋ねして、質問を終わらせていただきたいと思います。

古屋国務大臣 政府の基本方針の一つに、政府認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の帰国を要求する、こういう趣旨で記されているんですね。ですから、これはもう当然特定失踪者も含まれるんですよ。

 我々は、今御指摘があったように、特定失踪者の方々に対しての捜査をさらに充実させるために、特別指導班、これは警視庁じゃなくて警察庁の中につくって、外事課というところがあるんですが、ここで今、鋭意捜査をさせています。そして充実をさせています。

 具体的には、都道府県警察の担当官の直接指導の徹底とか、実際に、必要に応じて、事案の現場の捜査、あるいは複数の都道府県にまたがる事案もありますので、それはやはり都道府県警察同士の連携が必要でございますので、そういった取り組み等々、現場の状況、あるいは証拠収集の強化等々、徹底をいたしております。

 もし、この捜査班が、もうちょっと数が必要だということになれば、そういった充実も考えていきたい。

 これもいずれも、やはり、もう既に北朝鮮に対しては、拉致被害者の政府の認定の有無にかかわらず、全員帰せということをはっきり言っているんです。ある意味でボールは向こうにあるんですよ。だから、向こうがはっきり、拉致した方々はこれですからお帰しします、こういうふうにしていかなきゃいけないんですね。

 ですから、私たちも、その裏づけをしっかりするために、こういう形で、特定失踪者の皆様についても、改めて捜査の強化をしているということだというふうに御理解をいただきたいと思います。

村上(史)委員 ありがとうございました。終わります。

平井委員長 次に、大岡敏孝君。

大岡委員 自民党の大岡でございます。ありがとうございます。

 私から、三問質問させていただきたいと思います。

 まず、自転車事故の防止のための適正な取り締まりということで、古屋国家公安委員長にお尋ねをいたします。

 環境とか健康、観光などの観点から、とりわけ都市部におきましては、さらに自転車の利用を推進すべきというふうに考えておりますが、そのためには、注意をしたり、啓発をしたり、教育をしたり、そして取り締まりを適正に行うという環境整備をしていかなければなりません。

 そうした中、現状はどうなっているかといいますと、自転車は、御存じのとおり反則金制度というものがございません。したがって、例えば信号無視をしたとなりますと、車は九千円の反則金、原付バイクであれば六千円の反則金でございますが、自転車だと、いきなり赤切符、刑事罰でございまして、この内容は法律に書かれておりまして、五万円以下の罰金か三カ月以下の懲役ということになっております。しかも、刑事罰ですので前科者になるということでございまして、これは危険性との兼ね合い、バランスを考えますと、これから課題があるのではないかという認識を持っております。

 さらには、最近の報道によりますと、神奈川県警は、これまでは注意をちゃんとしていたんだけれども、注意を挟まずに赤切符を交付するというように方針転換をしておりまして、先日も、高校生に注意なくいきなり赤切符を切って、刑事罰に問うている。高校生、子供でございますが、子供もいきなり赤切符を切って、刑事罰に問うているということでございます。

 これは、もちろん神奈川県警が現行法制度にのっとってやっているわけでございますから問題はないわけでございますが、問題は、この現行法制度が適切なのかどうかということを議論しなければならないと考えております。

 そこで、この自転車の取り締まりの適正化につきまして、古屋国家公安委員長はどのように考えておられるか、教えていただければと思います。

古屋国務大臣 委員御指摘のように、私も同じ疑問は持っています。

 確かに、車ですと免許がありますから、ちゃんと免許を持っている人は捕捉できますでしょう。だから、反則金制度だとか、こういうものもできるんですけれども、自転車は免許がありませんから、やはり、そういった、ある意味でちょっと不公平というか、首をかしげたくなるような、ただ、これはルール上そういうふうにせざるを得ないということなんですね。

 だから、今回の改正でも、今までも反復してそういう違法行為をする人についてはやはり指導をしてやっているというのが基本的な警察のスタンスです。

 ただ、今回は法律で、そういった自転車の利用に対して、交通ルールを守らずに悪質、危険な違反行為を反復して行うなど、将来的に交通の危険を生じさせるおそれがあると認められるものについてはという規定で、専門の講習を命じることができるなど、そういうような形で道路交通法の一部改正案で出させていただいているんですね。これはこれでしっかり運用していけばいいことだというふうに思います。

 一方、新聞記事で、私もあれを見ました。よくよく警察に聞いてみたら、ちょっと正確性には欠ける記事なんですね。やはりぴしっと基本的に今までもそういう指導をした上で、聞かなければそういった刑事罰というか、いわゆる赤切符というのを出すことはあるんですけれども、いきなりというのは、ちょっとこれは今までの指導からしたら適切ではないということは、私もそのとおりだというふうに思います。

 今後もそういう指導を徹底していくことはもちろんですけれども、もう一方では、やはり、刑事罰によらない簡易な仕組みを自転車に導入する、こういうことも、私、考えられるんじゃないかなと思っているんですね。

 ただし、どうやって本人を確認するか、こういう問題もございますよね。ただ、これからはそういった問題についてもICTが進歩していきますし、マイナンバー等々もこれから法案としてでき上がっていくわけでして、こういったものをいかにして活用して対応することができるのか、今後の検討課題、研究課題としてしっかり警察に検討させるように私は督励をしていきたいというふうに思います。(大岡委員「ありがとうございました」と呼ぶ)

平井委員長 指名されてから発言するように。

 大岡君。

大岡委員 済みません。失礼いたしました。

 ありがとうございました。同じ問題意識を持っていただいているということで、大変ありがたく思いました。

 私も、自転車議連でも、今度、利活用のプロジェクトチームにも入れていただきましたので、ともにしっかりと研究してまいりたいと考えております。ありがとうございました。

 次に、行政改革の進め方について、稲田国務大臣にお尋ねしたいと思います。

 行政改革は、前の自民党政権時代、そして民主党政権時代、継続して取り組まれてきたわけでございまして、このたびは稲田大臣を先頭に、自民党として行革を進めるということになったわけでございます。

 最初にお聞きしたいのは、自民党政権時代に進められたことで、どの部分は評価をして残し、どの部分は見直していく考えなのか、まずこれをお尋ねしたいと思います。

稲田国務大臣 今のお尋ね、民主党政権におけるという意味だと思うんですけれども、御指摘のとおり、自民党政権下でも民主党政権下でも行政改革は取り組んでまいりましたし、また、政権がかわったとしても、国民の行政に対する信頼を確保するためにも、また、この国のあり方を決めるためにも、行革というのは非常に重要だと思っております。

 民主党政権の中で取り組まれたことでも、よいものはぜひ引き継いでいきたいというふうに思っておりまして、例えば民主党政権でつくられたシート、行政事業レビュー、考え方は自民党政権下でもあったんですけれども、その行政事業レビューシートの透明性ですとか公開性、外部性など、そういったものは引き継いでまいりたいというふうに思っております。

大岡委員 ありがとうございました。

 次に、これまでの、とりわけ公務員改革の反省としまして、公務員の給料がどうとか宿舎がどうとか、どうもそういう、いわゆる国民のひがみ根性をあおって、公務員をたたいて、そして相対的に政治家の地位を高めようという嫌いがあったというふうに考えております。

 しかし、公務員をたたくことというのは、私は国家にとって大変な損失であるというふうに考えておりまして、国家全体の力をなくすことにつながるという危機意識を持っております。

 そういう点で、行革が進んだかおくれたかの物差しについて、公務員の給料が減れば減るほど行革が進んで、ふえると後退だ、あるいは、公務員の数が減れば減るほど行革が進んで、ふえると後退だ、この物差しを見直していかなければならないと考えておりますが、大臣として、一体何をもって行革が進んだ、何をもって行革が後退したというふうに考えておられるか、教えていただければと思います。

稲田国務大臣 私も、本当の意味での政治主導というのを確立しなきゃいけないと思っております。

 その上で、ややもすれば公務員をバッシングしたり、あと、給料を下げること、人員を削減することのみに重点を置くのではなくて、やはり公務員の方々が自分の仕事に誇りを持って職務に邁進していただくような制度をつくっていくということが本当の意味での公務員改革であるし、行革も、国の役割とは何か、そして官と民の役割分担は何か、そういう大きな方向性を決めた上で取り組むべきだと思っております。

大岡委員 ありがとうございます。

 私も全く同じ考えで、公務員の生産性を高めていく、やはりこのことにこだわるべきではないかというふうに考えております。

 最後に、行革を成功させるためには全ての公務員の協力が不可欠なわけでございますが、その公務員が、これから一体どういう意識の持ちようで仕事を進めてもらいたいと考えておられるのか、公務員の行動規範というものはどうあるべきだと考えておられるのか、最後にお答えいただきたいと思います。

稲田国務大臣 ことしの公務員の初任研修のときに総理が訓示をされました。その中で、私、大変印象的な言葉が幾つかあります。

 一つは、政策のプロになるべきだと。そして、誇りを持って、国家国民のために使命を果たす、闘う公務員になってくださいということをおっしゃっていたんですけれども、私もまさしく、公務員の方々が自分の仕事に誇りを持って、使命感を持って、国家国民のために闘う公務員であっていただきたいというふうに思っております。

大岡委員 ありがとうございました。また今度、六月一日に滋賀県にお運びいただけるということでございますので、また続きの話をその場でお尋ねしたいと思っております。

 最後に、ITの推進について、ITと行革をつなげていく取り組みについて、山本国務大臣にお尋ねしたいと思います。

 国のシステムを考えてつくっていくときに、結構、国のシステムというのは都道府県とか市町村につながっているという場合が多くて、そういうときのITの特徴としましては、同様のシステムを市町村とか県に導入するというと、似たようなシステムを複数つくることになるんですが、そうすると、当然、構造的に限界費用がどんどんゼロに近づいていくという特徴を持っていると思います。

 そう考えますと、本来、このITというのは、国が県とか市町村まで見越してシステムをつくって提供した方が、コストは安く、強靱性は高いという特徴を持っているというふうに伺っています。

 そこで、私は、山本大臣に、まさに先頭に立って、県、市町村を含めた国全体のIT化を進めるという決意を持って仕事をしていただきたいと考えておるんですけれども、大臣として、やはり政府、まずは政府の方のIT化と行革を進めるというお考えなのか、それとも、やはり常に市町村まで見通してシステムをつくり、IT化を進めていくという考えなのか、この大臣の守備範囲についてまずお尋ねしたいと思います。

山本国務大臣 大変大事な御指摘だと思います。

 都道府県、市町村と連携している政府の情報システム整備、これをやっていかなきゃいけないわけですが、これは今委員がおっしゃったように、中央だけでなく地方を含めた国全体をスコープにして、地方公共団体と十分に連携しながら、これが答えですが、十分に連携しながら、国全体としてより効率的かつセキュリティーに配慮したものにしていく必要があるというふうに考えています。

 特に、社会保障・税番号制度に関するシステムについては、もう御存じのとおり、中央政府と地方自治体と民間にまたがっておりますので、今、法案の議論をお願いしている政府CIO、このCIOが司令塔機能を発揮してもらって、番号制度を活用した、まず業務改善を徹底してもらった上で、可能な限り標準化、共通化を図って、シンプルで柔軟性の高いシステム構造にする。これによって、さっきコストの話がありましたが、システム改修負担を軽減し、国全体としてより効率性の高いものにする。そういうことを踏まえて、しっかりと進めてまいりたいと思います。

大岡委員 ありがとうございました。本当に私も安心をいたしました。

 最後の一問としまして、既に民間企業で多くの実績を上げてこられた遠藤CIOにお尋ねをしたいというふうに思います。

 私、かつて、こうしたITを使った業務改革を提言、提案している企業に、一体どの部分をIT化すれば一番効率よくなるんですかと聞いたことがあるんです。そうしたら、どういう答えが返ってきたかというと、どの部分をIT化とか、そういう発想がそもそもだめだ、今までの業務フロー、業務の流れに合わせてIT化したのじゃだめだ、抜本的にまずIT化の仕組みを入れて、それに人間の判断を入れるところは入れて、それぞれの企業に適合するところを入れるという、他企業のベストプラクティスに腹をくくって合わせるという発想を持たないと本当の業務改革はできませんといって、お叱りをいただいたことをよく覚えております。

 そういう観点から、今後、IT化を推進するに当たり、政府CIOとして、既存業務をベースにIT化をしていくのか、それとも、まずIT化の理想というものを軸にばしっと据えて、それから既存業務をむしろITに適合させていくように改革をしていくのか、この考え方というか、業務の進め方につきまして遠藤CIOにお尋ねしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

遠藤政府参考人 お答えいたします。

 どっちかと言われると非常に難しい答えになります。

 例で申しますと、今、御承知のように、政府の中には約千五百のシステムがあって、これは、名前からそれぞれのシステムの目的を理解すると、かなり同じようなものがダブってある、こういう場合には、どちらかというと、IT主体で、こんなもの一緒にすればいいじゃないか、共通部分も多いんだから、こういうやり方ができます。

 しかし、番号の話になりますと、今までやっていたことのない業務を、要するに、少なくとも情報システムが扱っていなかった部分、人間の手で、紙とかそういうものでつなげられていた部分を情報システムを使ってやらなきゃいけない。そうすると、最初から業務を設計しなきゃいけないところが出てきます。しかし、人間の手でやっていたものを情報システムに変えるわけですから、いずれにせよ、非常に大切なところは、今一体どういうことをしているのかということであります。

 私が前から標榜していることは、情報システムを使おう、利活用しようというときには、まず、今やっていることをやめられないか。それから、中抜きできないか。当然、あっち行ったりこっち行ったりする必要がなくなるわけです。それからもう一つは、非常に重要なことは、新しく、今までできなかったことをできるようにできないか。この三つの質問をみずからに投げかけてやるというつもりでやっております。

 したがって、今の委員の御質問に対しては、どっちとは言えず、場合によってやりかえると。

 最後に一つだけ申しますと、番号の場合は、今、国と地方の話がございましたけれども、地方では約千七百のいろいろな行政サービスのシステムが動いているわけです。もちろん、共通化されている部分もあるんですが。それを共通化することをまずやらないと、国は、地方自治体と結びつけるときに、千七百通りの結びつき方をしないといけないということになってしまうわけですね。これは極端な言い方をしています。

 ですから、私は、まずやるべきは、地方の公共体の標準化を、一つというわけにはいかないと思うんですが、ごく限られた複数のシステムに整理していくことが非常に重要じゃないか。それに対しては、権限でというわけにいきませんが、協力を求めて、御支援をしてやっていきたい、このように考えております。

 以上であります。

大岡委員 ありがとうございました。私も、しっかりこの部分も今後研究させていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

平井委員長 次に、鬼木誠君。

鬼木委員 おはようございます。自由民主党、鬼木誠でございます。よろしくお願いいたします。

 本日の質問は、水の安全保障というテーマで質問をさせていただきます。

 私は、今回、昨年の総選挙におきまして、一つのテーマを持って訴えをしてまいりました。それは、主権国家が自前で確保すべき四つの要素がある、それは水と食料とエネルギーと防衛である、これらをしっかり確保した強い国に日本をしていきたいということを訴えさせていただきました。

 水、食料、エネルギー、防衛、これらを他国に依存することは、国の生き死に、国民の生き死にを他国に委ねることにほかならない、すなわち、安全保障上の問題であるというふうなのが私の認識でございます。

 一つ例え話をしますと、シンガポールという国があります。非常に小さな島国で、狭い、高低差のない国土の中に雨が降りますと、もうその小さな国からさっと水が全て流れ出してしまいまして、国の中に真水が確保できない国なんですね。そこで、必死に雨水をため池でためたりして飲み水を確保しようとしているんですが、どうしても足りない。そこで、シンガポールは、マレーシアからパイプラインで海を渡って導水管を引っ張ってきまして、水を輸入して、国民の飲み水、生活、工業用水を確保しているというのが現状なんですね。

 ところが、隣国というのはやはり難しいもので、シンガポールとマレーシアがけんかすることもあるわけなんですね。そういうときに、マレーシアから、もうシンガポールに水を輸出するのをやめちゃうぞと言っておどされるわけです。長期契約していますけれども、この契約ももうなしにしようかなと言っておどされるわけですね。そうやって、水をとめちゃうぞ、きゅきゅっと蛇口をひねるぞとおどされると、もうシンガポールは国際的な交渉に譲歩せざるを得ない、そういう弱い立場に立たされてしまうんですね。そこが今のシンガポールのアキレス腱と言われております。

 そのように、やはり主権国家が独立国としてしっかり強く生きていくためには、国民生活を危機にさらさないためには、先ほど申し上げた四要素、自前でどうやって確保するかというのが国家的な安全保障上の課題だというふうに私は考えているんですね。

 特に、この水というのは、今まで、ただで幾らでも手に入るというのが日本人の感覚でした。湯水のように使うという表現があります。ただで幾ら使ってもなくならない、痛くもかゆくもないという感覚が、かつての日本人の水に対する感覚だったと思います。

 ところが、水がなければ生きていくことさえもできないんですね。飲む水も必要です、農業用水も必要です、そして産業のための工業用水も必要でございます。ですから、水というのは死活的に重要なものであるというふうに考えます。

 水は安全保障上の問題である、これが私の認識ですが、安全保障というのを辞書で引いてみますと、国外からの攻撃や侵略に対して国家の安全を保障することというふうに辞書には書いてあります。この国家の安全を保障する、これを防衛という意味だけでなく、もっとやや広くとれば、水というのは十分国家の安全保障に値する重大問題なのではないかと私は考えるのですが、このことについて、政府の認識をお聞かせいただきたいと思います。

加藤内閣官房副長官 鬼木委員にお答えをしたいと思います。

 今御指摘ありますように、水という問題は、日ごろ、我々国民一人一人の生活に大変重要なものであり、さらに言えば、水がなければ生命を維持することすらできないという大変重要な問題でありますし、さらに、日々の経済社会活動においても、水資源をいかに確保していくのかというのは大変重要な課題だというふうに思っておりまして、そういう観点からも、今、安全保障というようなお話をされたんだろうと思います。

 また加えて、現在、さまざまな、例えば温暖化による気候の変動、あるいは我々人間自体の活動によって環境がいろいろ変化をしている、さらには、人口増に伴う、さまざまな資源が窮迫している、そういったいろいろな現象がやはり水という問題にもかなり強く出てきている。

 これは、従前、自民党においても、たしか平成二十年、亡くなられた中川昭一先生が中心となって、水の安全保障研究会というのがありまして、そこでも相当な議論がなされていた。

 私どもも、私自身も、そういう認識を踏まえて、政府も、各省庁連携してこの問題に当たっていかなきゃならない、かように認識をしております。

鬼木委員 ありがとうございます。前向きな御答弁で、ありがとうございます。

 その水、大事な大事な水というものに対する現状、今御答弁の中では世界的な状況についても言及がありましたが、例えばアフリカでは大きな干ばつに見舞われたり、最近ではアメリカでも大きな干ばつがありました。また、中国においても、黄河の水がかれてきて、砂漠化して、砂漠化が広がった黄砂がどんどん日本に吹いてきているというふうなこともあります。また、中東国家は慢性的な水不足で、どうやって水を確保するかということを常に考えている。世界的な水資源の獲得競争時代に、今、世界が陥ろうとしている。

 そういう中で、今まで豊かな水資源国家だった日本は、その危機意識が、まさに湯水のごとくなかったということで、これから国民のための水をどうやって確保していくかということを真剣に考えていかなくてはならない。

 先ほど答弁にも出ました故中川昭一先生の特命委員会がございました。これがまさにタイトルで水の安全保障委員会ということで、安全保障だと捉えて勉強を重ねてきたわけでございます。今、自民党の一期生の議員の中でも、有志を募って、水の勉強会を再び立ち上げようという機運が盛り上がってきております。まさに安全保障の問題だ、どうやっていくのかということ、これは日本の問題でもあると考えております。

 その日本において今起こっていることは、水源地の山林を海外資本がたくさん購入しているということでございます。今、日本の行政においては、外国資本が土地を所有すること、そしてまたその地下に眠る水資源を利用することに対する制限も十分にされていないという状況でございます。ですから、この上の土地をどうするか、そして地下の水をどうするか、そうしたことを行政の垣根を越えてきちんと議論して、一つの整合性ある水行政というものをつくっていかないといけない、そういう現状にあると思います。

 例えば、水利用についてだけでも言いますと、水道については厚生労働省、下水道、河川については国土交通省、工業用水については経済産業省、農業用水については農林水産省。利用についてだけでも四つの省庁ばらばらに、一つの水というものをめぐって違う行政がなされている。これらの行政を、垣根を取っ払って、整合性を持って、一つのチームとして水についての議論を高めていかなければならないというふうに考えております。

 一元的に今統括されていない水行政を、私は内閣官房において省庁横断的な取り組みが必要であるというふうに考えておりますが、政府の見解を伺いたいと思います。

加藤内閣官房副長官 御指摘のように、水に関する行政の取り組みというのは、一省庁で終わるものではなくて、各行政、幅広い行政分野にかかわってくることでありまして、そうした対応が当然必要であろうと思っております。

 ちなみに、平成二十一年一月に、内閣審議官と国土交通省水管理・国土保全局水資源部長を共同議長とする、水問題に関する関係省庁連絡会議というものが設置をされました。関係府省での情報交換、意見交換を行いつつ、連携に努めることとされたところでございまして、こうした組織も含めて、御指摘のように、政府一体としてこの問題には取り組んでいかなければならない、このように考えております。

鬼木委員 ありがとうございます。

 まさに関係省庁一体となった連絡会議ということでございますが、その中で、今、日本の水立法というものを、きちんとルールをつくって、国際社会にも対応していかなければならない。そうしなければ、今どんどん土地を買われているわけですが、それは外国人かどうかわからない法人も含めて、もうあらゆる人たちが水源地をどんどん今買っている状況にあるわけですね。これを外資だからと制限するだけでは済まないんですね。今度は、それがもう外国資本かどうかもわからない法人も、どんどんどんどん日本の名前を使って買いあさっている。となれば、これからやるべきは、地下の流れる水の所有権、使用権を含め、日本がどういうものを立法していくか、法治国家でございますから、そこまで私たちは取り組んでいかなければならないと考えております。

 そしてもう一つが、今まで私は、水について、日本の守りの部分ばかり、どうやって水を守るかということばかり言ってきましたが、攻めも必要だと思っております。

 日本の水技術というのは、本当に世界に誇るべきものがあります。先ほど申し上げたシンガポールの例で言いますと、シンガポールは、本当にもう水に困っていますから、何とかして国民の飲み水を確保しなくちゃいけないということで、下水の高度ろ過技術というのを国策で、国を挙げて開発しまして、便所に流れる下水を飲用水に変えちゃうということまでやり遂げたんですね。ニューウオーターという、視察に行くとペットボトルを手渡されて、これを飲んでごらん、下水からできたんだけれども、飲めるんだよと言って、飲んで気持ちのいいものじゃないんですけれども、飲めるわけですよ。そこまで苦労して水技術を開発した。

 これは国民に水を供給するために必死でやったんですが、それが功を奏した部分もあって、シンガポールの水技術が、今、中東にも引っ張りだこであるという状況がございます。

 ですから、守りの部分では、日本において国民を絶対飢えさせない、かれさせない、そのための水確保のための立法が必要である。この守りの部分が必要であるとともに、水技術を海外にどんどん輸出する。これで海外で日本が稼ぐ。まさに日本のイノベーションで経済成長に貢献していくという部分の攻めの部分。

 中国での緑化対策で日本の水技術を投入することは、中国の環境をよくして、ひいては日本のためにもなる、環境もよくなる。そういうふうに、よい連鎖の中で国際的な日本の地位を上げていくということにも、日本の水技術というものは十分資するものがあると思っております。

 ですから、ぜひ、その部分も含めて、省庁横断的な水政策、水行政の取り組みを内閣官房でリードしていただいて、強い日本、主権国家、独立国家、絶対に国民を飢えさせない、かれさせない国をつくっていただきたいと要望申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

平井委員長 次に、津村啓介君。

津村委員 民主党の津村啓介でございます。

 本日は、皇室典範の改正問題、そして、合同庁舎八号館のレイアウトの問題も触れさせていただきたい、菅官房長官に御質問させていただきたいと思っておりますが、この後御到着ということですので、質問の順番を入れかえさせていただきまして、まず、安倍政権の経済政策の数値目標、そして、それを正確に把握していくための経済統計、インフラである経済統計の正確性向上について御質問をさせていただきたいと思っております。

 まず最初に、甘利大臣にお伺いしたいと思います。

 民主党の新成長戦略では、将来の目標として、名目GDPを三%、実質を二%、逆算いたしますと、GDPデフレーター一%というものを新成長戦略の数値目標としておりましたが、安倍政権のこうした経済政策の数値目標というのは、どういった形で決まっているんでしょうか。

甘利国務大臣 これから、六月の中旬、成長戦略の取りまとめをいたします。そして、大体同時期くらいに骨太方針ができ上がる。そして、その先には中長期試算ということになってくるわけであります。中長期試算のときには、当然、具体的な数字が入っていかないと見通しができないわけであります。ですから、そこに向けて、具体的な姿が明らかになってくると思います。

 もちろん、与党自民党におきまして、物価安定目標が二%のもとで、あらゆる政策を総動員して達成すべき成長の姿として、名目三%以上の経済成長を目標として掲げております。

 加えて、税制抜本改革法の附則の第十八条一項が、平成二十三年度から平成三十二年度まで、この間の平均で名目三%程度、そして実質二%程度、ですからデフレーター一%ということになりますけれども、この経済成長を目指した望ましい経済成長のあり方に早期に近づけるための総合的な施策の実施とその他の必要な措置を講ずることを規定しているわけであります。

 でありますから、こういう点を踏まえながら、成長戦略の策定、骨太方針、中長期試算、そういう過程の中で具体的な数字を提示していくことになろうかと思います。

津村委員 今大臣は非常に重要なお話をされたんですが、今お触れになった法律というのは民主党政権下で成立した法律だと思いますけれども、これにコミットメントされるということですか。

甘利国務大臣 幾つかのベースになるもののうちの一つになっていくということだと思います。

津村委員 幾つかのとおっしゃいましたけれども、仮にも法律でございますので、これから中長期試算あるいは骨太方針の中で違う数字の目標を出される場合には、そこは整合性が問われると思います。そういう意味では、仮に違う数字を数値目標とする場合には、今の法律については改正するということでよろしいですか。

甘利国務大臣 この法律が、先ほどの十年間の経済成長の数値、これは、こういうことを視野に、消費税引き上げの判断材料、環境が整っているかどうかということだと思います。ですから、この数字以外の経済成長の姿を描いてはいけないとか、あるいは描くときにはこの法律を改正せよというのと少し違うのかなというふうに理解しておりますけれども。

津村委員 それはちょっと私は解せないところがございます。政府の法律で、別の指標も見るよ、それも総合的に勘案するということならわかります。しかし、同じ名目GDPあるいは実質GDPについて、全く違う数字が出てくるというのは、それは非常に、マーケットに対しても、あるいは事務方に対しても、どうすればいいんだということになると思うんですよね。

 そもそも数値目標を設定することに対する御認識が甘いといいますか、政府が数字を出されることの重みというものを否定されていると思うんですけれども、もう一度御答弁いただけませんか。

甘利国務大臣 否定しているというつもりはありません。自民党の公約でも掲げておりますし、ほぼ同じような数字が改革法附則でも出ている。これは、消費税の引き上げを判断するときに、こういう数字が確保されているかどうかということを判断材料にすると書いてあると思うんですけれども、それはもちろん、当然バックボーンとして我々は認識しているということでございます。

津村委員 先ほどもう一つ大臣は重要なことをおっしゃいました。これから中長期試算をしていく中で、私がさっき問いました三つの、つまり名目GDP、実質GDP、そして物価指数については、何らかのものは当然なければ試算ができないというふうにおっしゃいました。それはもちろんそうなんですが、私は目標を問いましたので、試算をするというのは、仮にこうであればこう、仮にこうであればこうというので、幾らでも試算は並べることが、列記することができますけれども、一つの目標を設定されるということでよろしいですか。

甘利国務大臣 中長期試算というのは、希望的観測を並べるわけではありません。具体的に直近の姿を描いて、その延長線上に描けるわけでありますから、そこは単なる希望的観測とは違いますから、具体的に政府がとっていく施策の中で、それを延長していくとこういう姿になるということになるのではないかと思います。

津村委員 では、少し中身の話に入りますが、自民党さんは、名目GDPについては三%以上を目指すということを、これは党の方だと思いますけれども、おっしゃっていますね。一方で、日銀との間では、これは日銀の目標であって政府の目標でないとおっしゃるのならば別ですけれども、CPI、消費者物価指数二%ということを一つの目安として繰り返し触れていらっしゃいます。

 CPIとGDPデフレーターは定義が若干違いますけれども、しかし、物価ということでいえば、物価は二%ということを言っているわけですから、これを割り戻しますと、実質GDPについては一%以上という計算になるわけですね。これは、これまでの新成長戦略、実質二%というものからすると、物価のところで勇ましいことをおっしゃっている分、GDPギャップを埋めていこうという努力については、ちょっと志が低いようにも見受けられます。

 実際、産業競争力会議で出てきている成長戦略の具体的な個別の弾については、これはるる御評価は分かれると思いますけれども、必ずしも、これまでの成長戦略と比べてより充実しているということは、少なくとも、需要創出効果だとか、あるいは雇用創出効果という数字が出てきていないことから見ても、成長戦略の中身が少し劣化しているんじゃないか。

 実際、それを数値目標としてもお述べになっていないというふうに思うんですけれども、これから六月の成長戦略、骨太方針に向けて、実質GDPの目標というのをどういうふうに考えていらっしゃるのか。一%程度ということでよろしいんでしょうか。

甘利国務大臣 そこは、委員が今おっしゃったように、CPIとGDPデフレーターは必ずしもイコールじゃないわけですね。

 GDPデフレーターというのは付加価値の値段のことでありますから、CPIとどう沿っていくのが理想的な形かというのは、私は専門家じゃありませんけれども、当然そのデフレーターとCPIの誤差というのはあるということで、アローアンスとして捉えているんだというふうに思っております。

津村委員 六月に何らかのものが出てくるわけですから、今、具体的な数字をお示しになれないのは私も理解しますので、考え方の整理だけ議論させていただいたんですけれども、非常に問題はややこしいです。

 我々が今まで、実際、法律にまで載った形で、名目三%、実質二%ということを法律的にコミットメントして、それを現政権は今のところ改正されようとはされていない。そうした中で、自民党さんの名目三%超ということと、物価についてはCPI二%ということをお述べになっていて、そういう中で、三本目の矢である成長戦略について非常に注目が集まっているわけですから、そこでどういう数値目標を示せるのか。そもそも数値目標を示すことすらしないのか。そしてそれを、どういう形でPDCAサイクルを回していくのか。

 KPIということを今おっしゃっているようですけれども、これは非常に志が高いと思うんですが、しかし、トータルで見たGDPにどうつながっていくというのは、ちょっとわかりにくいところがありますので、たくさんの指標を並べているということで目先をそらしている部分もありますから、最終的に実質GDPにどうつながっていくんですかというところがやはりこれから問われ続けていくと思いますので、ぜひ、その視点で、六月の試算、あるいは骨太の方針、きっちりといいものをつくっていただきたいと思います。

 それでは、続きまして、デフレの定義の話をさせていただきたいと思います。

 これは、この後るる御質問させていただくGDP統計の、私は今非常に危なっかしい状態だと思っていまして、それは、私自身が、ある時期、内閣府の政務官として私のいるときに推計のミスがわかって、あるいは、プラスだと言っていたものが、その後、改定されてマイナスになった、マーケットにもある意味では非常に混乱した情報を出したということでもありますし、その反省から一定の取り組みをしたんですけれども、まだまだそれが不十分じゃないか、そういう自戒といいますか、反省の念を込めて御質問さしあげるんですが、大臣はこれからデフレ脱却を目指していかれるお考えですか。

甘利国務大臣 もちろん、アベノミクスは、その一丁目一番地に、約十五年近く続いたデフレが日本経済の健全な成長の一番の阻害要因だった、これを脱却することが一丁目一番地というふうに考えているわけでございます。

津村委員 では、どういう状態が生じたときにデフレが脱却できたと御判断されるんですか。

甘利国務大臣 デフレの定義はいろいろあるんでしょうけれども、連続的に物価が下落をしていくということだと思いますが、連続的に物価が下落をしていく状況から脱して、それからそういう状況に陥らないということ、一言で言えば、そういうことだと思います。

津村委員 ぜひ、一言ではなくて、もう少し精緻な議論をしていただきたいと思います。

 これまでも、国会の御答弁では、私たちのときもそうでしたし、自民党政権下でも、デフレの定義というのはもう少し精緻な議論をしてきたわけであります。

 恐らく、三つ四つの基準といいますか、判断材料があると思いますが、大臣が判断材料と考えられているもの、それをきちんと御説明いただきたいと思います。お手元にあるんだと思いますが。

甘利国務大臣 三つ四つの判断材料がよく掲げられます。GDPデフレーターとか株価とか、あるいは需給ギャップであるとかユニット・レーバー・コスト等々が、判断材料の数値のバックボーンにあろうかと思います。

津村委員 これは非常にマーケットへの影響も大きいやりとりでありまして、デフレの定義というものを曖昧な状態でデフレ脱却を目指すというふうに、このアベノミクスのいわば中心的な存在であられる甘利大臣がおっしゃられるのは、非常にこれはよくないと思うんですよ。

 少なくとも、BISだとかIMFでは、二年程度の物価下落の状態だということを言っていて、今、内閣府が、ある時期、二〇〇九年の十二月ですけれども、十一月の月例経済報告という形で、十二月某日にデフレということを書き込んだわけですね。それをマーケットはデフレ宣言と受けとめたわけです。

 そのときには、私の記憶の範囲では、CPIが、これは二年ではなかったけれども、半年程度でしたけれども、しかし、はっきりとマイナスを示している。そしてGDPデフレーターが二四半期連続でマイナスである。そしてGDPギャップ、デフレギャップが非常に大きい。たしか三十兆円とかそういう規模だったと思いますが、そういうことを具体的に例示して、この状態を私たちはデフレと認識しますということをアナウンスメントしたわけです。そのことによってマーケットは大きく動きましたし、ある意味では混乱も招きました。反省も含めて申し上げているんですけれども。

 そして、その直前にあったドバイ・ショックの影響等も相まって、これは何らかの対応を打たなきゃいけないということで、十二月に緊急経済対策をやって、日銀も緊急の金融政策決定会合を開いて、経済政策を打ったわけです。その判断が正しかったのかどうかというのは、まだまだわからないところもありますし、私、後ほどGDPの数字を挙げて、そのときの判断が必ずしも正確なデータに基づいていなかったという反省を述べたいと思うんですけれども。

 いずれにしても、そういった、まさに数字を、何のために経済統計があるのかという話になるわけですから、一つ一つの数字をどういうふうに見ていくのか、そしてそれをどうデフレという非常に重要な国家的なテーマに判断材料として使っていくのかということを曖昧にされるのは、それは困りますよ。これまでの国会での答弁よりも随分後退された今の御答弁ですから。

 そこに書かれているはずですから、しっかりとそこはここで答えてください。

甘利国務大臣 二年近く物価下落が続いた、では、一年九カ月ではどうなんですか、一年半ではどうなんですか。

 内閣府が月例経済報告でデフレ状態という宣言をしたのは二〇〇一年の四月ですよ。それは本文で言いました。一月前にはトピックで言っていますね。しかし、その二年前ぐらいから物価下落は続いているんですよね。

 デフレというのは、きっちり、これが一ミリでもずれたらデフレでもない、これが一ミリ上がったらデフレだ、そういうことじゃないと思いますよ。だから、言ってみれば、ある程度の幅というのは当然あってしかるべきもので、それをきっちりこれが何カ月、これが何カ月、そういうふうに定義をすべきものだと、ないと思いますし、かえって誤解を招くと思います。

津村委員 おっしゃるとおりで、一字一句、何か法律の解釈のような、裁判のようなことをやっているわけではないわけですし、私たちは学者ではありませんから、政策判断をどうするかということ、政策判断の透明性という議論をしているのであって、学術的なデフレの定義とは必ずしも一致しなくてもいいと思います。もっと言えば、国際的な基準と日本の判断がもし違うのであれば、それをきちんと説明ができればそれでいいんだと思います。しかし、大臣は今、何も御説明をされていません。説明ができないと言っただけじゃないですか。

 私たちも、さっき申し上げましたように、一年九カ月だったらだめなんですか、二年でなきゃだめなんですかとさっきおっしゃられましたけれども、さっき私は言ったじゃないですか、私たちは半年でデフレと判断しましたと。だから、二年じゃなきゃだめなんて言っていないんですよ。別に半年でもいいですし、三年でもいいです。そこはそのときの御判断できちんと御説明さえされればいいと思いますが、今の段階の標準的な物の考え方としてどういう尺度を持っていらっしゃるか。

 それがもしずれたら、そのとき説明してくださったらいいですから、あのときの答弁と違うというのは、それは説明さえしていただければ言いませんから、今、標準的なシナリオとして、どういう状態を実現しようとされているのかを聞いているんです。それが曖昧なままだったら、ゴールのないところに突き進んでいくことになるじゃないですか。

甘利国務大臣 これは、きょうこの時点が今デフレかデフレじゃないか、割と、こういう統計、こういう判断というのは、振り返ってみて、あそこがこうでした、ここがこうでしたと言われているわけですよね。ですから、委員が御指摘のように指標はありますよ、CPIとかGDPデフレーターとかユニット・レーバー・コストとか。それぞれの判断で総合的に判断するということでありまして、安倍内閣ではこれがデフレです、次の内閣ではこれがデフレですということではないと思いますね。

 申し上げているように、三つないし四つの判断項目があります。それらを総合的に見て、そして、物価が連続的に下落していない、それを脱した、そしてそれに再び戻るようなリスクがないという判断を総合的に政府がしたときに、デフレが脱却しましたとか、あるいはこの状態はデフレに入っていますとかいうことを言うんじゃないですか。きっちりそういうことを、具体的にこれがこうで、これがこうで、この内閣ではこの基準で判断をしますというものじゃないと思いますけれどもね。

津村委員 私は、甘利大臣の答弁を見ないでお答えになられる姿勢は大変すばらしいと思っていまして、御自分の言葉でそうやってこういう緻密なといいますか、多少専門性のある議論をされるというのは本当にすばらしいと思いますし、私もそういう政治家でありたいと思いますが、ただ、この議論は、そうはいっても若干正確にやらなきゃいけない議論だと思うんですよ。

 もう一つ申し上げれば、これから、最近の経済政策の世界的な潮流、あるいは日本でも、これはもう自民党、民主党、党派は関係ないと思いますけれども、やはり、さっきのKPIだとか、あるいは私たちがいろいろ出した試算もそうですけれども、目標設定をきちんとやって、そして官民挙げてそこに向かって国力を結集していこう、政策を総動員してこの難しい難局を乗り越えていこう、そういう政策文化といいますか、そういう経済政策の運営の仕方でいろいろな力を引き出していこうと努力をしているときに、そういう前近代的な、あらゆるものは総合的に判断するんだ、一つや二つの数字ではそれは表章できないというような、この経済政策の、しかもデフレという極めて、物価がプラスかマイナスかという数字の議論をしているときに、そういう抽象的な御答弁では、これは幾ら答弁を、紙を見ずにお答えになるスタイルは御立派ですけれども、それとはちょっと別の次元のお話ですから、きちんと正確な議論をしていただけませんか。

甘利国務大臣 別にこれは、紙を見ているから、見ないから答弁が変わるという話じゃないと思いますよ、これは政府の判断基準ですから。

 それから、経済成長戦略は、確かにKPIを、むしろ再生本部としてしっかり掲げています。具体的に何をKPIにするかといえば、例えば、国際人材をしっかり輩出する、大学の競争力を上げていくというときに、今、上位百校の中に日本の大学が二校しか入っていない、これを十年以内に十校にするとか、そういう具体的な目標を掲げています。

 掲げるべきものは掲げる、総合判断すべきものはやはり総合判断じゃないでしょうか。その総合判断の材料も、きちんと委員御指摘のようにGDPデフレーター、それからKPI、あるいはユニット・レーバー・コスト等々、大事な要素はしっかり踏まえて、しかし、その一項目一項目が数値としてこうこうということまでは、デフレ脱却したかどうかということの判断には、かえって誤るんじゃないだろうか。それが一個ずれていたら、ではデフレ判断はしませんとか、四項目がきっちり想定の数字になったから脱出です、一つでも零コンマ幾つずれていたからそうではありませんというのは、むしろ、このデフレの脱却をしたかどうかの判断をするときに、かえって間違ったメッセージを市場に与えるんじゃないかと思います。

 答弁書を見ないからとおっしゃいますけれども、答弁書を今読んでみますけれども、デフレ脱却については、物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないことと定義しているところ。具体的には、一、現状における物価の基調が上昇に転じ、その後もプラスで推移すると見込まれ、二、また、持続的な物価下落をもたらすようなショックが生じる可能性が低いと見られる状況になる必要があると考えており、デフレ脱却の判断は種々の指標で総合的に判断されるものである。

 この役所がつくった答弁書にはこう書いてあります。

津村委員 役所の答弁が非常に後退したというのがよくわかりました。これまでの政府の答弁、あるいは経済財政白書とも随分違う表現でありますので、この問題はこれからも改めて繰り返し取り上げていきたいと思います。

 次の議論とも深くかかわりますので、ここから先は西村副大臣に基本的には御質問しようと思いますが、よろしければ甘利大臣も聞いていただければと思います。

 私がお配りした資料がございまして、実質GDP成長率の推移というのがございます。これは、点線が一次速報値、四半期ごとにGDPは出るわけですけれども、大体グローバルスタンダードなんですが、その四十日後には、各国ともGDPの速報値を出します。そして、それから二カ月、三カ月と二次速報が出て確報値が出ていくんですけれども、確報値というのは、これは季節調整を過去にさかのぼって毎回かけ直すものですから、確報値と言いながら、半永遠、永遠はちょっと言い過ぎですけれども、何年も変わり続けていきます。これがGDPの変化なんですけれども、一次速報値と現在の公表値の乖離というものに着目していただきたいと思います。

 これは二〇〇八年の九月にいわゆるリーマン・ショックがありました。その前後に、非常にこの一次速報値と公表値の乖離が生じています。

 ちょっとこれはグラフが小さいですから、一枚おめくりください。

 二〇〇八年七―九月期の実質GDP成長率の推移、これはまさにリーマン・ショックが起きたときの四半期のGDPがその後どういうふうに評価されていったかなんですが、リーマン・ショックが九月に起きてその一カ月余り後、十一月に出たはずの一次速報では、この四半期は、実質成長率はマイナス〇・四%だったと評価されました。しかし、その数週間後に出た二次速報では、いやいや、マイナス一・八%だった、そして、さらに後に出た確報値では、いや、マイナス五・二%まで落ち込んでいたと。その後この基準が変わりましたので、五年に一度基準がえをしますので、現在の評価はマイナス四%となっています。

 つまり、リーマン・ショックの評価の影響を過小評価したということです。これは人為的なものではなくて、現在のQEのGDP統計の速報値の算出の仕方がこういう結果を招いたということです。

 もう一枚おめくりいただきますと、これは、さっき私が、後で反省の弁を述べなければいけませんと言った部分なんですけれども、二〇〇九年七―九月期というのは、リーマン・ショックから一年たちまして、まさに政権交代の時期です。八月三十日に選挙があって、九月の十六日に鳩山政権が発足をしまして、私も政務官に就任させていただきました。

 その後、最初に出したQE速報、記者会見をさせていただいたのがこれです。私たちは、七―九月期はプラス四・八%であると言いました。ところが、二次速報になると一・三%でした。確報ではマイナス二・三%でした。実に七%以上、全く逆方向を向いた発表をしておりました。そして、このときのこの数字を名目と割り出したGDPデフレーターが二四半期連続マイナスだったことを根拠にデフレ宣言をしました。

 今回確認しましたところ、名目の方も随分変わっていたようで、GDPデフレーター自体は二四半期連続マイナスだったようですから、その定義によれば、デフレ宣言をこのときに発したのは必ずしも間違いでなかったのかもしれません。ただ、これはさまざまな方の評価を待ちたいと思いますけれども、しかし、私たちは、こんなに振れてしまう非常に危なっかしいデータをもとにデフレ宣言をしていたんです。

 きょうお聞きしたいのは、そのGDP統計の推計のあり方でございます。欧米では、これはOECDの統計ですが、平成十八年のOECDの統計によれば、当時、日本のGDP作成部署のスタッフは四十七名、アメリカは百七十四名、そしてイギリスは百七名、フランスは百二十七名。ほかの文書にはイギリスは二百人以上だと書いていますが、いずれにしても日本とは四、五倍の開きがあるわけですね。

 このGDPの作成スタッフの数はその後改善しているわけですけれども、そこを、現在のスタッフの数、そして最近の変化について幾つかお聞きしたいと思います。

 これは西村副大臣にお答えいただければと思いますが、定員がどうなっているのか、どう推移しているのか。そして、いろいろなところから、出向者も含めて、もうとにかく人が足りないからということで借りていると思いますので、実働のスタッフはどれだけいるのか。そして出向者の割合、平均在籍の年数。そして修士号やPhD、博士号を持っている方がどのぐらいの割合でいらっしゃるのか。欧米と比較したいと思いますので、ぜひお答えください。

西村副大臣 お答えをいたします。

 今御質問の、いわゆるGDP統計等、こういう国民経済計算を推計している国民経済計算部という部署があるわけですけれども、ここの常勤の職員の定数は、平成二十二年度は五十七人でありましたけれども、二十五年度、本年度は六十三人に増加をいたしております。

 さらに、非常勤職員を含む実働人員については、平成二十二年は七十七人であったものが、現在八十三人に増加をいたしております。

 このうち、出向者は約五割であります。

 さらに、この国民経済計算部に所属をしております常勤職員の累積平均の在籍年数は三年程度。

 さらに、この職員のうち、修士号あるいは博士号取得者は二十人程度であります。

 以上です。

津村委員 今、修士と博士を両方ともまとめておっしゃいましたけれども、多分、PhDの数はその中で大分少ないと思いますが、これは欧米では、さっき百二十人とか二百人という数字を話させていただきましたけれども、出向者とかいうことではなくて、それを専門にPhDを持っている方がかなりの数いらっしゃって、三年ということではなくて、もっと長くやっているわけですね。

 私は、決して日本のGDPがノウハウの面で他国に劣っているとは思わないんですが、こうした非常にタイトな労働環境といいますか、あるいは人繰りの中で、やはりいろいろと、避けられる失敗といいますか、幾つか課題を残してきたと思います。

 きょうは、もう時間の制約で、そこを深く聞く気はありませんので、質問はいたしませんけれども、先般、五月七日には、昨年十―十二月期のGDP統計速報値について、これは民間のエコノミストの方から指摘があって、推計式のミスだということで訂正をされて、改善策を発表されましたが、こういったことも、もしもう少しスタッフが多くて、しっかりとこれを見ていくことができれば、避けられたんじゃないかなというふうにも思います。

 あるいは、後に時間があれば触れますけれども、今回、研究開発投資をGDPのベースに加えて、二〇〇八年基準ということで、これは国際的に今基準改定が進んでいますが、残念ながら、基準改定が日本で実現するのは二〇一六年、先進国で一番遅いわけで、グローバルスタンダードになかなか追いついていかない。これも、関係者の方に伺えば、マンパワーの不足で、どうしても他国と比べておくれてしまうということでもあります。

 研究開発投資は、日本は他国よりも大きいわけですから、それだけで大きく日本の評価が変わるわけではないとしても、今、中国にGDPで抜かれて三位になった日本が、それでも実際のところ、GDP、こういう見方で見ればもう少しいい数字なんだということをちゃんと世界に発信しているかどうかということも、何年もおくれてしまっているわけです。

 ですから、ここは、この数年間、確かにスタッフはふえてきましたけれども、今八十三人とおっしゃいましたが、たしか二年ほど前では八十五人までいっていた時期があったと思います。

 ぜひ、西村さん、テークノートしていただきたいんですけれども、これから骨太の方針があって、予算とか定員だとか各省の、内閣府内でも調整が始まると思いますし、他省庁とのやりとりも始まると思います。

 他省庁も、今、統計の数は随分減らしていまして、さっきの四枚目をごらんいただきますと、国の統計職員数というのは非常に減ってきているんですね。この大きな理由は、一つは、農業統計というものに何千人という全国的に労力が割かれていたものが、非常にリストラといいますか見直しが進んでいるということ。そしてもう一つは、IT化でこれだけ減ってきています。

 国民の皆さんの理解という意味では、数字を足し上げていく、IT化にある意味ではなじむ分野に人をふやすというのはなかなか難しいことだと思いますが、そのGDP統計の作成部署の、コンピューターも最新のものではないと聞いておりますし、スタッフも、私たちのときにも、いろいろなところに頼みに行って、出向者を出していただいたり、総務省の統計部署の方とかけ合って、少しでも回してもらえないか、内閣府内でも官房長とお話をして、少しでもGDP部署を充実できないかということをやりましたが、力不足でした。

 ぜひ、西村副大臣、もちろん甘利大臣、ここの点は本当に、日本の国力をはかる、そして先ほども反省も含めて触れましたけれども、間違った数字で判断しては本当に国を誤りますので、ここはエールとして申し上げているんです。

 これから数カ月が来年度の定員、予算の重要な時期になると思いますので、ここは四号館だと思いますが、ぜひその部署に足を運んでいただいて、どういう人たちがどういう機械でやっているのかをぜひ政務三役が直接ごらんになって、しかるべき措置をとっていただきたいというふうに思います。応援させていただきますので、ここはぜひ力を入れてやっていただきたい、そこは申し上げたいと思います。

 少し時間が押していますので大分はしょるんですけれども、GDP統計の……

平井委員長 では、西村副大臣。

西村副大臣 大変重要な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。

 先月、GDP速報についてミスがあったということで、しかも外部の方からの御指摘ということで、大変残念なことでありまして、これは本当におわびを申し上げたいと思います。

 その原因が何であるのか、少し、よく私も見きわめたいと思っておりまして、数式を間違えたものを持ってきて、その結果、チェックもできていなかったということですので、御指摘のとおり、人員が全体としては諸外国に比べて少ないのは事実でありますし、そのあたり、よく見きわめたいと思いますし、まさに津村政務官のときにやられたように、外部の人材あるいは内部の経験者をまたそちらで使う、頑張ってもらう、そういったことを含めて、さまざまな形でこれはぜひ努力していきたいと思いますので、引き続き、また御支援をお願いしたいと思います。

津村委員 それでは、少し技術的なことを、まとめて二つお聞きしたいと思います。

 先ほど申し上げましたように、二〇〇八年の新しい基準というのがあるわけですけれども、こちらに研究開発投資をカウントできることになっております。それによって日本のGDPは三%程度かさ上げされるだろう。これは全ての年が三%上がるので、前年比が上がるわけではないんですが、しかし、日本の体力というものをあらわす一つの材料なんだろう。

 これの試算というのを内閣府の方でされていると思うんですが、近年の計数で見ると、GDPは具体的な数字ではどのくらいの試算になりますか。かさ上げの額をお聞きしたいと思います。

西村副大臣 二〇〇八年SNAにおいて、御指摘のとおり、RアンドDへの支出を投資として扱うように勧告を受けておりまして、今度、二〇一六年に、日本のGDP、国民経済計算については基準改定を行う予定でありますので、その際に、仮に投資として扱うということにすれば、さまざまな基礎統計の反映など、ちょっと幾つかの要素がありますので、全体として不明な点はありますけれども、RアンドDの資本化に限って見れば、現時点での内閣府の暫定的な試算によれば、名目GDPを三・一%から三・四%程度押し上げる要因になるというふうに考えております。

津村委員 ここは実額をお答えいただけると聞いているんですけれども、お願いします。

梅溪政府参考人 お答え申し上げます。

 あくまで暫定的な試算でございますが、リーマン・ショックがありました二〇〇八年以降で申し上げますと、二〇〇八年が十七・三兆円程度、その後、十六・〇兆円程度、十五・七兆円程度、直近の、最後でございますが、二〇一一年には十五・八兆円程度と、今の時点で暫定的に試算いたしております。

津村委員 時間が押しております。

 きょうは、統計委員会の樋口委員長にお越しをいただいております。

 統計委員会というのは、皆さん、釈迦に説法でございますが、新たな統計法のもとで、各省庁にまたがる統計を、横串を刺して、ある意味では、先ほど申し上げたようなスクラップ・アンド・ビルドを進めて、本当に日本のこれからの将来像を描くのに重要な統計の部分にしっかりとマンパワーを割いていこう、そういう志があろうかと思うんです。

 二点まとめてお伺いします。簡潔にお答えいただければと思いますが、一つは、GDP統計の、これまでは、今ある統計の中からどうやってGDPをうまくつくっていくかという、目の前にあるものからつくっていこうということでやっているわけですけれども、やはり、先ほどから申し上げているようなGDP統計の重要性から考えれば、本来あるべきGDP統計の姿、そして、そのためにはどういう一次統計が必要なのか。

 今の家計調査の標本が八千七百でしたか、それでいいのかとか、法人企業統計のサンプルも少ないんじゃないか、あるいは、その資本金の分け方がいいのかとか、いろいろな技術的な論点があると思うんですが、こういったところの、特に一次統計の部分への統計委員会の提言なりグリップというものが省庁の壁に阻まれて、必ずしも、樋口委員長が思われているように、うまくいっていないんじゃないか。そこは政治がしっかりサポートして、樋口委員長の背中をぜひ大臣や副大臣が押していただかなければいけないんじゃないか。そういうことを思うんですけれども、この点が一点。

 そして、もう一つは、やはりスクラップを進めていくときに、これもまた大変な省庁の抵抗があろうかと思うんですが、このときに、どのぐらい今の統計が利用されているかということを、これはぜひチェックしていけばいいんじゃないかな。

 経団連さんは、先ほどお配りしたこの紙の五ページ目のようなものをつくっています。これは政府の統計がどのぐらい利用されているかということをグラフにしたもので、GDPや日銀短観というのは非常に人気があるんですけれども、経産省さんや総務省さんの調査の中には余り使われていないものもある。

 ただ、これはあくまでも民間企業が使っているか使っていないかですから、公的なニーズというのはまた別に把握すべきで、こういったことを統計委員会さんがしっかりと見ていくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

樋口参考人 お答えします。

 一点目のことでございますが、これは、統計委員会の中でも、SNA統計、それと、その一次統計との間の整合性、連携についてずっと議論してまいっております。

 御指摘のように、SNAの視点から見て、加工統計の視点から見て、一次統計はどうあるべきかということについても、これはワーキンググループにおいても議論しておりますし、また、今、次期の基本計画を策定しておりますが、そこでも反映するような形で検討しているということでございます。

 二番目の御指摘でございます、統計利用のユーザーの数量的な把握についてというようなこと、これも御指摘のとおり非常に重要な問題だろうというふうに思います。

 経団連が出しておりますその数値自身も参考にさせていただきたいと思いますが、ただ、御指摘のとおり、これは、企業統計あるいは事業所統計もございますれば、あるいは家計、世帯を中心に調査しております統計もございます。そのユーザーによってかなり利用者が違うということで、そこに提示されているものも一部だろうというふうに思いますので、その数値的な把握ということも今後ますます進めていきたい。さらには、数字であらわれないような利用の深さというようなこともあるかというふうに思います。

 統計委員会自身、利用者の声も聞きながら、そういった会議も開いておりますので、その辺を参考に考えていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

津村委員 ありがとうございます。

 統計委員会は五年間の基本計画というものに沿ってこれはされておりまして、ことしが最終年度でございます。そういう意味で、課題がかなりはっきりと見えてきた状態だと思いますし、この間、継続的に御努力されてきた樋口委員長は、今の御答弁でもあらわれていますけれども、非常に御苦労されてきたわけで、しかしながら、先ほども申し上げましたけれども、統計自体も一種の既得権益でして、各省庁がそれぞれの自分たちの持っている業界をグリップするツールのような側面もありますので、そういった各省の省益が全体的な統計行政というものをなかなか歯がゆいものにしている。委員長は御苦労されているということですので、ぜひ大臣、副大臣、官房長官も、その視点を持っていただいて、樋口委員長の背中を押していただいて、力をかしてさしあげてください。

 最後に一問だけ、菅長官、大変お待たせして失礼いたしましたが、これも私が継続的に取り上げさせていただいている皇室の減少の問題を一問だけさせていただきます。

 これは、二カ月前、随分やりとりをさせていただきましたが、今、皇室は、悠仁親王を除けば、若い男性の皇族の方がいらっしゃらない。こういう中で、皇統の安定性、あるいは皇族の皆さんのお仕事の負担というものが非常にふえているわけで、どうにかしなければいけない。

 大きくは二つの議論がございます。一つは女性宮家、もう一つは旧皇族の復帰の議論ですが、羽毛田長官が当時の、当時といいますか、陛下の御意向も受けながら、火急の案件ということで野田総理に二年前に面会をされて、そして有識者会議をつくって、去年一定の結論を出した。結論といいますか、幾つかの案を出した。そのこと自体をそのままどうこうということではないんですが、一向に動きが見えないというのは、足がとまっていらっしゃるというのは、これはいかがなものかと思うんですね。

 二カ月前の時点で、今後考えていくということをおっしゃいました。その後、この話を安倍総理とされましたか。

菅国務大臣 二カ月前も、委員と議論をする中で、皇族の方々の人数が減少し、皇室の活動を維持していくのが非常に困難になってくる、そういう問題についてはまさに共通の認識を持たせていただきました。

 そして、その際にも申し上げましたけれども、この問題については、これまでの議論を検証した上で、慎重に、また丁寧に対応していく必要がある、このように実は認識をしておりまして、現在も、事務方に命じまして、これまでの論点整理というのをさせていただいています。

 いずれにしろ、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みを踏まえながら、今後、安定的な皇位継承の維持や将来の天皇陛下をどのようにお支えしていくか、このことについて考えていく必要があるというふうに思いますし、この点については総理と一緒です。

平井委員長 津村君、申し合わせの時間が過ぎておりますので、よろしくお願いします。

津村委員 はい。

 これからも取り上げていきますので、もうこれ以上お聞きしませんけれども、本当にこれは日本の国の根幹にかかわることですので、ぜひ与野党を超えて皆さんに共有していただきたいと思います。

 最後に、私、西村さんにおわびをしたいんですが、きょうは日銀の金融政策決定会合を欠席されていたと伺っています。おわびと同時に御提言したいんですけれども、私は、それがわかっていれば、多分西村さんには御質問しませんでした。やはり金融政策決定会合は非常に重要で、大臣あるいは副大臣にぜひ出ていただきたかったです。それを私はきのうまで知らなかったものですから、こういうことになりました。

 ぜひそこは、場合によっては野党の理事の方々にも考えていただくべきことだと思いますが、これは、委員会は大事ですけれども、避けられる衝突は避けて、有意義な政策運営をしていただきたいと思いますので、御協力できるところはいたしますので、ぜひ共有させてください。

 ありがとうございました。

平井委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

平井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 内閣提出、総合特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、本案に対し、平口洋君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党の共同提案による修正案が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。後藤祐一君。

    ―――――――――――――

 総合特別区域法の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

後藤(祐)委員 ただいま議題になりました総合特別区域法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 第一に、指定地方公共団体は、国際戦略総合特別区域計画に、構造改革特別区域法に規定する特定事業、規制の特例措置の内容等を記載することができるものとし、内閣総理大臣から、当該計画について認定を受けた場合において、当該認定を構造改革特別区域法に規定する認定とみなして同法に規定する規制の特例措置を適用するものとすることとしております。

 第二に、地域活性化総合特別区域計画に関し、第一の国際戦略総合特別区域計画と同様の改正を行うこととしております。

 第三に、構造改革特別区域法に同種の定めのある規制の特例措置である酒税法の特例等について、重複を避けるために、認定地域活性化総合特別区域計画に基づく事業に対する規制の特例措置から削除することとしております。

 第四に、修正に係る規定の施行日は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内で政令で定める日から施行するものとし、その他所要の規定を整備することとしております。

 以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

平井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

平井委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房地域活性化統合事務局長加藤利男君、内閣府民間資金等活用事業推進室長澁谷和久君、内閣府政策統括官井上源三君、総務省大臣官房審議官平嶋彰英君、財務省理財局次長西田安範君、厚生労働省大臣官房審議官内田俊彦君、国土交通省自動車局次長清谷伸吾君、国土交通省海事局長森雅人君、国土交通省港湾局長山縣宣彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平井委員長 これより原案及び修正案を一括して質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。足立康史君。

足立委員 ありがとうございます。日本維新の会の足立康史でございます。

 ふだんは厚生労働委員会で仕事をさせていただいておりますが、きょうは、内閣委員会で、総合特区ということで質問をさせていただきます。

 総合特区の改正案の審議、私のこの質問が最初だと伺いましたので、最初ですので、この総合特区制度、この趣旨を簡潔に、事務方からよろしくお願いします。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 総合特区制度の趣旨でございますが、総合特区制度は、産業の国際競争力の強化及び地域の活性化を図るため、地域における包括的かつ先駆的なチャレンジに対して、区域を厳選して指定し、国と地方の共同プロジェクトとして、国と地域の政策資源を集中して推進を図ろうというものでございます。

足立委員 ありがとうございます。

 私、昨年の十二月に初当選をさせていただくまでは、二十年余り経産省におりまして、ちょうど今御発言をいただいた民主党の後藤祐一委員と御一緒に仕事をしてまいりました。そういう中で、この特区制度については特段の思い入れというか、ございまして、こうした特区制度が強力にこのように推し進めてこられていること、この全体については、まず、僣越ながら評価というか、大変すばらしい制度が拡大をしてきている、このように認識をしております。

 ただ、大事なことはこの中身でありまして、私はもともと地元は大阪でございますので、国際戦略総合特区等の指定を受けて、地元の方々も懸命に地域の活性化とそして国際競争力の強化に今全力で取り組んでいるところでございます。

 この国際戦略特区については、趣旨の紙なんかを拝見すると、まず一番頭に、自己責任のもとに、区域限定で特区制度を推進するんだ、こういうことをアンダーラインを引いて強調していただいています。この点、私も大変重要な趣旨であると思いますので、お手数でございますが、まず大臣から、この点について改めて、この趣旨について、確認の意味で御説明をいただければと思います。

新藤国務大臣 とにかく、私たちの国の成長を促していくために、我々内閣としては、金融緩和と財政出動をやって、目の前の危機は、とにかくそこにてこ入れをして経済を上向かせよう、そしてその先にあるのは、持続可能な民間の活力を喚起する、そういう成長戦略をとっていかなくてはならない、御案内のとおりであります。

 その中で、私は、その鍵を握るのが地域の活性化、そしてまた日本の経済の自律的成長だというふうに思っています。その牽引役となるのがこの特区という制度でありまして、それは、その地域の人たちが地域で決断をし、やりたいことをやってもらう。また、それに係る規制の緩和が必要であれば、財政支援や税制の措置、こういったものを兼ね合わせて目標を達成しようじゃないか、こういうものが今回の特区であります。その中で、この総合特区制度というものも位置づけていきたいというふうに思うわけであります。

 この総合特区制度は、特に、特区の構想に応じたオーダーメードの措置を講ずる、その地域に合った、また地域の御要望を踏まえた事業展開ができるようにする、ここが特徴でありまして、それを国と地方が協議の上で、双方が責任を持ってやっていく。自己責任というのは、これは、地方が、事業主体が責任を持つ。あわせて、国もそれに対して責任を持つ。こういう意味で、双方が責任を持ちながら成果を出していこうじゃないか、こういうことだと考えております。

足立委員 大臣、ありがとうございます。

 今御説明をいただいたように、この特区制度は、まさに経済の成長、活性化を図っていくための肝であると我々も、私も思っております。

 ただ、ぜひというか、改めてこの委員会で私の方から確認的に申し上げたいことは、これはなかなか大変な戦いだったということですね。こういう競争力に資するような制度改革を、要は、日本では一律には進まなかった。その中で、先ほど名前を挙げましたが、後藤祐一委員を初めとする関係者がこの制度を提案し、そしてさまざまな政治的な戦いを通して今の制度まで至った。

 では、何でこの特区制度がそんなに大変なのかというと、まさに今大臣がおっしゃった、オーダーメード、地域の要望、地域はこうしたいんだ、こういうふうに競争力のある地域をつくっていきたいんだというその思いと、中央の、いわゆる中央省庁というのは縦割りでございます。この世の中の森羅万象、所管が基本的には決まっていて、縦割りで決まっている。きょうも国土交通省の方においでをいただいていますが、国土交通省、農水省、国土交通省の中はまた、道路、河川、港湾、分かれているわけですね。この縦割りの構造の中で、地域のニーズに沿った、あるいはグローバル経済、こうした厳しい競争環境の中で地域がしっかりと競争していくための制度改革をするというのは大変な戦い。

 先ほど私、中央省庁は縦割りと申し上げました。そういう意味では、地域は横串でございます。縦割りと地域の横、縦と横ですから、基本的には相入れないんです。相入れない問題を何とか折り合いをつけて、先ほど大臣もおっしゃった、地域のオーダーメード、地域の責任においてやる、それを国も支える。この枠組みを、特に大事な、最後、私、一言申し上げると、これは政治主導でやらないといけないんですね。今申し上げた縦割りの中央官庁と地域の横を折り合いをつけていけるのは、これは役人では無理なんです。政治家しか絶対にできない。この点を、今まで特区にかかわってきた人間の一人として、最初に申し上げておきたいと思います。

 早速ですが、私、この法案はさまざまな改革の改正内容を書いてございますが、これまで積み上げてきていただいた内容ですから、この個別の論点については、特にこの私の時間では触れません。

 一方で、この法案の外で、地域と中央省庁が協議をしている内容が幾つもあります。その中で、きょうは、一つの事例としてこの紙を配付させていただいておりますが、大阪の府市が、新港務局というものを、新港務局構想とあえて申し上げますが、こういう提案をしている。

 この内容について今詳述、申し上げる時間はございませんが、きょうおいでの国土交通省は、既に何度も打ち合わせ、協議をしていただいていますので、もう中身は御理解をいただいているかと思います。これも簡潔で結構ですので、国土交通省の、この提案、大阪府市の新港務局構想に対する考え方を政務官の方からお願いいたします。

赤澤大臣政務官 府市港湾管理者統合による新港務局について、国土交通省の考え方ということでお尋ねでございます。

 広域的な視点から港湾を一元的に管理運営するという考え方については、我が国の港湾の国際競争力を増進していくという観点から、意義があるというふうに考えております。

 現在、国土交通省では、戦略的に港湾の国際競争力の強化を図るという観点から、例えば、阪神港、京浜港を国際コンテナ戦略港湾に指定して、ハード、ソフト一体となった施策を集中的に講じております。

 その一環として、大阪、神戸両港では株式会社による港湾運営が既に行われておりまして、両社を統合して、阪神港の一体運営に向けた取り組みが行われているところでございます。

 今先生から御指摘のありました港務局構想については、強い競争力のある港湾をつくるという目的は一致をしているということでありますので、両施策の総合性に留意した上で進めていく必要があるというふうに考えております。

足立委員 私が伺っているとおりの御答弁でございますが、今おっしゃった、目的は一致している、これはよくある御答弁でありまして、当然、今申し上げたように、日本は、経済の成長、競争力、そして地域の福祉、同じ目的で走っているんですから、恐らく、その目的についてたがうことはまずないんですね。

 問題は、具体的な中身について。今お話をいただいた、国土交通省が昨年の末からかな、進めておられる、会社をつくってということも聞いておりますが、今、その運営会社は、大阪府市の提案と比較すれば、例えば、複数港湾区を管理しているとはいえ、それはコンテナ等一部に限られているし、あるいは、その会社が入港についてさまざまな交渉を、世界じゅうの関係者と協議をする契約をしようと思っても、その権限がないんですね。極めて一部の、一部だけを取り出して会社をつくりました、これで阪神港の統合的な運営をやっているんです、これが、今の港湾局の基本的な理解だと思うんです。私は、今、この会社では不十分である、そう思っています。

 政務官、そもそもこの港務局、皆さん、この港務局という言葉を余り聞きなれないと思われる。内閣委員会ですから、国土交通委員会ではそういうことはないと思いますが、あるかもしれません。実は、港務局というのは、今、日本に、新居浜港に一つだけあるんです。

 そもそも、今、日本の港湾については、昭和二十五年にできた港湾法、この当初の規定で、地方公共団体と同じぐらいしっかりした、さらに、地方公共団体とは独立をした、そうした地方公共団体に準ずる港務局という団体をつくろう。当初、昭和二十五年からそれがあって、そのある種の準用として地方公共団体が出てきているだけなんです。本来二番手の地方公共団体が、今や日本じゅうを席巻している。本来の港務局をもう一回つくろうというのが、この大阪府市の考え方でございます。

 私は、先ほど、法案という観点からでございますが、新藤大臣からおっしゃっていただいたような、そういう政治主導の観点から、この大阪府市の新港務局構想については、きょうはこの委員会ですから太田大臣にはお越しをいただけませんが、赤澤政務官、ぜひ、政務のお一人として、この大阪府市の港務局構想、本格的に取り組んでいただくようお願いをしたいと思います。ぜひ、その点、御答弁をお願いします。

赤澤大臣政務官 きょう、港湾局長も足を運んでおりますので、私が申し上げることについて、もし事実の間違い等あれば補足してもらえればと思いますが、港湾の管理者について、先生御指摘のとおり、法律を見ると、港務局が最初に書いてあるということです。

 もともとは、ポートオーソリティーという英語をそもそも訳したものであると理解をしておりまして、法律上は並列をして地方公共団体、この中には、広域連合でありますとか一部事務組合、通常の地方公共団体、どれも並べて書いてあって、本来港務局と今先生がちょっとおっしゃったように聞こえたのは、必ずしもそういうことを想定していたものではないのではないかなというふうに私は理解をしております。どれも、その時々の機能に合った取り組みをしてもらえればいい。そんな中で、目的が一緒だというのは先生御指摘のとおりでございます。

 一方、私の理解するところ、委員の提唱しておられる新港務局の場合は、これは物流に特化をして、ほかの機能はとりあえずそぎ落としてやるといいのではないかという御指摘であると思うんです。

 必ずしも通告に沿った御質問じゃなかったと思うので、簡潔に二点申し上げると、一つは、物流機能の強化ということについても、これは、大阪府市で考えられる物流機能、こういうものが理想的で、こうありたい、こうしていくべきだというものと、国が、本当に国全体としての国際競争力強化のために、東京港やあるいは京浜港、それから大阪、阪神で果たしていただきたいものとが必ずしも合わないような場合というのはあり得る。その場合は相当やはり調整が要るだろうということが一つあると思います。

 あわせて、物流だけに特化するということになりますと、やはり港湾について言うと、東日本大震災を御想起いただければということですけれども、防災の機能とか、非常に大きな機能を担っていて、そういったものが、港湾全体として、物流機能を果たす部分、防災機能を果たす部分、うまく整合的にできていないと、有事には非常にまずいことになるといった視点もあり得るということで、なお一層御指摘いただきながら、御意見も伺いながら検討していかなきゃいけない問題であるなというふうに受けとめております。

足立委員 まさに今政務官がおっしゃっていただいたように、今の港湾法における港務局の枠組みでは、物流特化はできません。それは、今おっしゃったように、港湾局は適当ではないと思っているわけですね。さらに、複数港湾区域の管理も、これはできません。一つの港湾に一管理者。したがって、今の大阪府市の新港務局構想とは根本的に発想が違う。まさに今、政務官がおっしゃっていただいたとおりです。

 すると、今の大阪府市のこの提案については、基本的な枠組みについて受け入れられない、そういう制度に改正することはできない、こういう理解でいいですね。

赤澤大臣政務官 そこも含めて、もう少し委員の御指摘の新港務局構想についてもいろいろお聞かせいただきながら、私どもも検討させていただきたいというふうに思います。

 現在の枠組みについては、おっしゃった以外にも、港湾管理者はその地先水面を管理するということになりますと、例えば大阪府市だけで阪神港を広く担当するといいますか管理するというわけにはいかないとか、法令上の、ほかにもいろいろ検討すべきところはありますので、その辺も踏まえて、御趣旨そして目的、それに合うような形で、どこまでできるのかということを検討させていただきたいというふうに思います。

足立委員 実はこの国会において、さまざまな自治体において同じような議論がこの十年、二十年、三十年繰り返されてきた、その際に、窓口のお役人さんというか中央官庁の担当者が言ってきたせりふが、今、政務官がおっしゃったせりふなんですよ。そういうせりふをずっと繰り返してきて何にも変わらなかったから、三度目ですけれども、後藤祐一委員が頑張ったんですよ。

 だから、今私がこの内閣委員会で、総合特区の法案の審議において政務官をお呼びして、お越しをいただいてこの議論をしているのは、そういう御答弁を続けているだけでは何も変わらないですよということを申し上げているんです。もう一度お願いします。

赤澤大臣政務官 これは考え方の相違の部分にもなるのかと思うんですが、港湾の管理のあり方について、確かに問題がないとは言えません。その問題がないとは言えないのは、ほかの例えば道路とかそういったものと比べても、港湾について言うと、地方公共団体の管理に委ねているという部分が、どちらかというと、国策として国家の戦略に基づいて港湾の国際競争力を図るということのむしろ障害になっていないか。そういう意味では、場合によっては、港湾の管理について今と違った形の制度をつくっていく、考えていくといったようなことも検討の対象にはなり得るのかなと思っております。

 その意味で、検討の方向が、より地方公共団体の自己責任の方に任すという方向だけが、議論のあり方として、確実にそれがベストなんだということの議論が今行われているわけではなくて、港湾管理について、あり方をもっと広く検討していく必要があるのではないかなと私は考えております。

足立委員 今おっしゃった点は重要な点で、この港湾の管理を、さっき申し上げた港湾法の枠組みの中で、本来港務局というものが構想されていたにもかかわらず、今は、新居浜港以外においては地方公共団体が管理者になっている。この点が、やはり日本が、港湾の競争力が世界の競争の中で大きくおくれをとった理由の一つではないかと私も思っているし、恐らく大阪府市も、そういう観点からの要望が来ているんだと思うんです。

 そのときに、今おっしゃったように、大阪の府市が、自分たちが持っている港湾をそういう国際競争に適した形で再編していく、あるいは自治体から独立をさせる、そして物流に特化して、一方で管理権限はしっかりとグリップをして、世界のポートオーソリティー、世界の港湾の管理者たちと正面から交渉していけるような主体をつくっていこう、まさにこういう先進的なことを言っているんです。

 今、政務官は、検討する、検討する。その検討はいつまでに結果をお出しになるんですか。

赤澤大臣政務官 済みません、想定した問いの数より大分多く御質問をいただいておりまして、大変ありがとうございます。

 港湾管理のあり方が大変重要な問題であることについては、もう異論のないところであると思います。今の御指摘も踏まえてしっかり検討していきたいと思いますけれども、時期について今申し上げられるものではございません。申しわけないです。

足立委員 通告の内容から派生をしていますので御了承いただきたいと思いますが、御承知のとおり、日本の経済あるいは産業の競争力はもう大変な局面に来ていて、まさに自公の安倍政権は、三本の矢ということで、三つ目に構造改革、成長戦略を掲げておられる。なぜ三本の矢が大事かというと、我々に残されている時間が少ないからですね。

 したがって、この委員会で今審議をしている特区の改正法案、この法案自体はいいんです、もう通せばいいんです。しかし、大事なことは、この法案に脈打っている、その政策思想というものを、港湾局を含む霞が関がよく理解して、地域のそういう創意工夫というものを潰さずに、できるだけ拾っていくという方向での仕事にエネルギーをとにかくかけていただくことが、本当に今、別に政権はいいんです、日本の経済、産業にとって重要だということを改めて申し上げておきたいと思います。

 それから、もう時間がなくなりましたのでざっと割愛しますが、通告申し上げている質問の中で、四つほど、関西の国際総合特区の関係で、その特区を推進している方々から四点要望が出ております。個々に今取り上げる時間はございませんが、これはもう既に関西の当事者には御回答を、私、事務方には二月に要望書は御提示していると思いますが、もう既に回答いただいていますでしょうか。

加藤政府参考人 まだ回答はいたしておりません。

足立委員 この国際戦略総合特区というのは、まさに、ここにおいでの新藤大臣が筆頭になって、きょう審議している法案の中身そのものです。その中身そのものについて、その当事者が、まあ要望はいろいろあるんでしょう、いろいろある中で四点に絞ってしっかりとお届けをしている内容について、それは事務的で結構ですから、ぜひ御回答をいただいて、一つ一つ、これはできる、できない、はっきりさせましょう。

 そうしないと、それぞれの地域で、なかなか、やはりフラストレーションというか、関西はこれは感謝していると思いますけれども、もっと、やはり関西、大阪経済も厳しいものですから、これを活性化させるために懸命にやっている人たちからすれば、もう一歩もう二歩、中央官庁にも一肌二肌脱いでいただきたい。これがやはりこの総合特区制度に手を挙げていただいている地域の方々の思いだと思う。これは大阪だけじゃない、関西だけじゃない、日本じゅうがそうだと思うんです。いかがですか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 いただいている御要請は、主として、予算あるいは税に関するものでございますので、これらにつきましては、予算編成過程、要求も含めてですが、それと税制改正の過程において、私たちとしても検討を深めていきたい。その意味で、先ほど申し上げたように、まだ回答はさせていただいていない、こういう状況でございます。

 御理解を賜りたいと思います。

足立委員 予算、税ということですが、予算、税以外にも要望は出ております。

 いずれにせよ、大臣に今御質問するまでもなく、この特区制度の最大の意義はスピードなんですよ。スピードが特区制度の命なので、そこは一つ一つ、案件にもよると思いますが、しっかりと中央省庁の判断を、現時点で結構なんです、その判断をお伝えいただいて、だめならだめで、それを前提にみんな頑張るんです。それはぜひよろしくお願いします。

 それから、もう最後にいたしますが、今回の法案は、いえば総合特区制度ということで運用してきていただいているわけですが、昨年の十二月の選挙の結果、政権がまたかわって、自公政権において、私は詳細は承知しておりませんが、いわゆる国家戦略特区、アベノミクス戦略特区というようなことが喧伝をされ、準備をされておられると承知しております。

 これについて、我が党等にも御指導いただいてきた竹中平蔵先生などは、いろいろな記事なんかを拝見すると、このアベノミクス戦略特区というのは、いわばミニ独立国なんだ、そういう思いでやるんだと。先ほどの国交省の答弁と大分雰囲気は違いますけれども、ミニ独立国と竹中先生がおっしゃるような、さらにこの総合特区を深掘りしていく、強力に推し進めていくことをみんな期待しています。

 大臣、この新しいというか深掘りした強力な特区制度の御検討の状況、これをぜひ御紹介ください。

新藤国務大臣 これはまさに国家戦略として、今までと次元の違うそういう町づくり、地域づくりをやってみようじゃないかということであります。これは誤解のないようにというか、整理をしなきゃいけないんですが、今ある特区制度を深掘りしたり、それから、今の特区の中からピックアップしてくるものではありません。そうではなくて、これまで、中心市街地活性化、構造改革特区、そして総合特区、また環境モデル都市とか、いろいろな制度があります。それぞれにおいて皆さん頑張っていらっしゃいます。

 私は、そちらの地域活性化の担当大臣もやっているわけです。今までの制度はきちんとやっていきますよ。その上で、今回のものは、これはナショナルプロジェクトとして、国とそれから地域、そして民間、さらには事業体、そういう人たちが同じテーブルに着いて、今、日本の国をどうしたら元気にできるか、その最先端の仕事をやってみようじゃないか。

 それは、キーワードとして、我々のミッションでありますが、世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくる、そして、そのためのビジョンが、これは大胆な規制緩和と税制措置です。それから、新しい技術やシステムを入れたイノベーション、こういうもので、日本がこれから目指すべき一つの形をつくろうじゃないか。それは、大都市において、力の強い地域に、より国際展開をさせることも一つです。

 一方で、例えば過疎の地域とか、それから産業の強化が叫ばれる農業だとか、そういうものに焦点を当てて思い切ってやってみたらどこまでできるのか、こういうことを総合的に進めていこうじゃないかということで、これまでと次元の違うというのは、これまでの特区は、皆様方の地域から上がってきたもの、オーダーメードにせよ規制緩和するにせよ、地域からの手挙げ方式でございました。今度は、地域と国が一緒になってスピーディーに選択しながら仕事を進めていく、こういうことをやれないかというのを、今私は担当大臣となって検討を始めた、作業が始まった、こういうことでございます。

足立委員 大臣、ありがとうございます。

 まさにその御趣旨、大賛成でございます。あわせて、きょう私が御紹介をしたこの大阪府市の新港務局構想、まさに今大臣がおっしゃった構想にぴったりじゃないかな、こう思います。

 ぜひ、政務官、今、安倍政権として御検討されている国際的な感覚を持ったそういう新しい制度、ぜひ国交省も当事者として、港湾局も当事者として、この大阪府市と連携をして、港務局と大阪府市が一緒になって、新しい港湾づくり、御支援をお願いしたいと思います。

 最後に一言だけ、政務官からその点について一言いただいて、私の質問を終わります。

赤澤大臣政務官 本日の御審議も踏まえて、何が本当に国益にかなうかということを念頭に置きながら、結論を出してまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

足立委員 ありがとうございました。

平井委員長 次に、松田学君。

松田委員 日本維新の会、松田学でございます。

 ただいま足立委員の方から、日本維新の会として、この特区というのが大変画期的な制度である、あえて我々は反対するものではないというのは、私も同一の立場でございます。

 以前、この委員会で、新藤大臣に対する質疑の中で、自立というのは、維新の会もそうですし、自民党も同じ立場であるというお話も伺いましたし、また、そういう意味で、私も、当時はあれはマイナンバーの法案のときの質疑だったと思いますが、いろいろと地域再生の構想も御提案させていただきまして、新藤大臣としても同じ意見であると、大変力強いお言葉をいただいていたかと思います。

 自立ということを進めていくに当たって、今まで経済政策の考え方というのは、政府が介入するという考え方か、あるいは市場でやっていくかという二つしかなかったんですが、これからの経済政策のあり方というのは、やはり、どちらかといえば、選択肢をたくさん提示して、自己決定して、自分で納得しながら、それぞれの会社なりあるいは個人が自分の運命を切り開いて、それで社会が前に進んでいく、そういう選択肢を与えていくというのが新しいあり方じゃないかなと、私どもの維新の会の中でも議論しながら、これからの規制の組み立ての仕方というのはそういうことじゃないかなということも今議論しているところであります。

 そういった点から見ると、この特区というのは、その選択肢を与えるということになるんですが、ただ、構造改革特区からさらに総合特区ということになるんですが、構造改革特区がいろいろ尻すぼみになってきた背景として、全国展開を前提にしているという、これはやはり各省庁は抵抗が強いので、今回は、全国展開を前提にしないで、特定の地域に対して政策資源を集中するというような、そんなイメージで捉えられるかと思うんです。

 逆に言うと、全国展開しないことを前提にしてしまうと、せっかくいい制度が今回の特区で認められても、これはいいじゃないか、ほかの地域でやってみてもいいじゃないかというものは結構あるかもしれない。そこのところについて、やはり選択肢をどこの地域の人にも満遍なく与えていくという観点から見ると、その辺はどうなのかなという感じが率直に言ってしないでもありません。

 今回のいろいろな措置を見ても、これはほかの地域でやってもいいんじゃないかというのがちらちらと見えるものですから、そういう観点からの御質問をさせていただきたいと思います。

 また、地域ということでやってしまいますと、私も、自分の選挙区でも何でもない、ある地域再生構想にずっと携わってきたんですけれども、環境未来島構想と言うとどこの地域かすぐわかってしまうかもしれませんが、それを随分長い間やっていたんですが、そういう特区の制度ができてからは、個別のいいプロジェクトよりも、県庁の方がみんな霞が関の方ばかり向いて、いかにこの特区をとるかということに血道を上げて、それで、個別のプロジェクトなんかその先だという感じになってしまった。

 こういうのも新しい何か中央依存みたいな感じが非常にしていて、地域でやるというのもいいんですけれども、余り地域限定とやると、かえって地域の中央依存が進んでしまうんじゃないかという懸念もなきにしもあらずなんですが、大臣のお考えをちょっとお聞かせいただければと思います。

新藤国務大臣 まず、私たちは、国と地方との相互の関係、これを見直していかなくてはいけない、そして、最適な環境をつくることが必要だと思っています。それは、ゼロ、一〇〇ではないんですね。どっちかがよくてどっちかが悪いとか、形を変えればうまくいくということでもなくて、既存の生活の中で、既存の制度の中で、さあ、どれをどのように変えていけばいいかということがベースにあると思います。

 この特区というのは、その中で、今、一遍に、一律、全国ではできないが、どこかに限定をして、そしてそこの中でやってもらって、その実績を見て、また国民理解、全体の理解を得ようじゃないか、こういうステップのものだと思うんです。構造改革特区というのは、そういう意味では一律のものになりました。

 今度は、それをやったからもう一歩進めて、総合特区というのは、その地域のみに通じるオーダーメードのものをやってみよう。それが普遍性を持つものであって、また、他地域からも御要望が強くなっていって、これをやることが合理的だということになれば、それは全体的な規制緩和ということになると思うんですね。その規制緩和をした結果が地方制度の変化にもつながっていくかもしれない。

 私は今、一連の規制緩和、地域活性化、地方分権、こういったものは一つの流れの中にあるのではないかなと思っているんです。ですから、まず現実的にできることから手をつけて、今あなたがおっしゃるように、柔軟性を持って運用していかなくてはいけない。

 一方で、それがなし崩しだったり、モラルハザードにならないような、また、さらには、それを目がけて、その枠にはまればいいやというふうになってしまっても困る。自分の考えで、自分たちのやりたいことをきちっと出してください、そのかわり、それは自分で責任を持って事業展開できるようなものにしてください、こういうことを国と地方は双方で話し合っていくべきだ、このように考えています。

松田委員 日本は大変広くて、いろいろな利害もふくそうしている社会を少しでも動かすためには、成功モデルを地域につくっていくことしかないというのは、私もかねてからそう思っていまして、いろいろな地域の再生構想にもかかわってきたんです。

 ただ、今回、ちょっと個別の話に入っていきますと、例えば国有財産法の特例というのがありますが、そもそも、売却の可能性が極めて低くて、ほっておいたら多額の維持管理費を要するような財産というのは、個別に、合理的な理由があれば、何もこの特区に限らず譲渡ができる、まあ、無償で譲渡できると今回なっていますけれども、これは別に全国でやってもいいんじゃないかと言われかねないような感じもするんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

西田政府参考人 お答え申し上げます。

 国有財産は国民共有の財産でありますことから、その処分は有償で行うことが基本的な原則でございまして、例外的に財産を無償で譲渡するということについては、基本的には慎重に考える必要があると考えてございます。

 したがって、財産的な価値に乏しい国有財産でありましても、そうした例外的な取り扱いをすることにつきましては、財産の価値だけではなくて、その使用目的等も踏まえて検討することが必要だと考えてございます。

 このため、本件においては、売却できないことが明らかである、あるいは解体、撤去費用が多額で、更地にして売却しても回収できる見込みがない、あるいは維持管理費が多額になるといった経済的な要件に加えまして、当該財産が特区において特区の目的に沿った用途に供されるといったことも踏まえまして、特例措置を講じることとしたものでございます。

松田委員 私も財務省出身ですから、その答弁は当然予想しておりましたので、そういうことだと思いますが、要するに、特区に認定されているということをもう一つ加えないとだめだよということだと思うんです。

 ここのところは、別に、一般の国民の目から見れば財政的にむしろそっちの方が合理的であれば、さらに進めていく。新藤大臣もおっしゃいましたように、とりあえずやってみて、成功して、よければほかにも適用していく、そういうような弾の一つじゃないかなと。また、そういう選択肢が与えられれば、同じようなケースというのはほかにもあり得るわけですから、やはり手を挙げて、それでやっていこうという人が出てきたら、それはまたチャレンジを応援することになるので、そういう観点からの質問であります。

 同様に、ちょっとまとめてお伺いしますと、例えば国際戦略総合特区の設備投資について、課税の特例に器具や備品が入っている。この法案で大々的に出ているにしては、何だ、器具や備品が加わるだけじゃないかというような、そもそも、機械とか建物がいいのに何でこれが入っていなかったのかなという率直な疑問も出てくると思います。

 それから、酒税法の特例措置の適用対象として、特産の水産物及び加工品。これは、ほかの地域でも個別に判断して、おかしくなければ認めていけばいいじゃないかと言われかねないような感じもするんですが、この辺もちょっと率直に、どういうふうな、ほかの地域ではできないということについての合理的理由があるのか、お聞かせいただければと思います。

新藤国務大臣 まず、この総合特区における税制措置、これは、そのプロジェクトに対して真に必要であって効果を上げられる、こういう具体的な事業性に基づいたもの、もしくは事業が実施される、こういう前提でなければ特例にする意味がありませんね。

 いろいろな御要望は、税制改正、幾らでもありますけれども、その中で、特に特区として認めるというのにはそれなりの事業性が必要である、またその具体性が必要だという観点から、これはやはり一つ一つ取り入れていかなければならない、こういう構造になっているのは容易に御理解いただけると思うんです。

 その前提に立って、まず研究開発用の備品、機器、これについて、入っていなかったものがある。これは、そのときの検討においては要望が出なかった、もしくはその必然性が高くなかったが、この事業が進むにつれて、これがぜひ必要である、こういう御要望が入ってきた、それを踏まえて検討した結果を追加しよう、こういうことになるわけであります。

 今後も、この手のものは幾つもあると思います。租特も含めてたくさんの措置がありますから、その中からやはり取捨選択していくことになるだろうと思います。

 それから、もう一つの、酒税法の特例の措置につきましては、またちょっと違いまして、これは今回の総合特区において認める、こういうことなのでありますが、あわせて、構造改革特区法においてもこれは認められることになっています。ですから、こういうことをやりたいんだ、基準を超えてというよりも、基準を下げて、お酒をつくりたいとか、そういう御要望のある方は、構造改革特区の中に申請いただければ、総合特区にならなくたってできる。

 こういうことで、いろいろな手段がありますから、そういうものを使って、御活用いただければいいのではないか、このように思っています。

松田委員 どうもありがとうございました。

 以下、この特区のことを少し離れまして、地域再生担当大臣として、幾つかの御質問をさせていただき、関連のお答えをいただければと思います。

 まず、これから、例えば維新の会は道州制というのを掲げていますが、分権改革、道州制を推進していくに当たって、経済的にやはり重要なのは、都市にいかに集積をつくっていくかだ。それぞれ広域経済圏が自立できるようにしていって、その中核都市がやはりグローバル競争に対応できるような集積をいかにつくっていくかという。

 また、日本も人口減少社会ですから、郊外に拡大していた人口をどんどん都市の方に集めていかないと一人当たりのソーシャルコストもばかにならないということを考えていくと、やはりこの中心市街地なり都市の魅力を高めて、戦略的に郡部から人口が撤退して、郡部は郡部でいろいろなまた別の振興を考えていかなければいけないんでしょうけれども、やはり都市の力をいかに、都市を中心として経済成長を起こしていくというのが極めて重要だろうと思っております。

 そういった意味で、いかに都市集積のインセンティブを構築していくかというのがこれから極めて重要な課題だろうと思っております。この観点も議論し出したら切りがないんですが、その一環として、私は、ある商店街の再開発というか、携わってきたんですが、やはり商店街の活性化の上で、例えばここを超高齢化社会の拠点にしていくんだ、そのために福祉と医療を連携させる施設を導入していくんだ、いろいろな居住を呼び寄せるということをやる場合に、再開発に当たって重要な定期借地権とか信託、例えば町づくり運営会社みたいなものをつくって、そういうところと個々の地主なり商店主が結んでいくということをやると進むんですと言われていながら、全国に数えるほどしか事例がなくて、進んでいかない。

 これについて、もう少し国が旗を振る方法はないものだろうかとかねがね考えていたんですが、いかがでしょうか。

新藤国務大臣 私は、都市計画法の改正と一緒に中心市街地活性化法を改正するとき、自民党の方でそれを担当しておりました。TMOをつくってコンパクトシティーを進めていこう、こういうことでありましたが、なかなか事例が進んでいかない、こういうのも事実であります。

 結局のところ、ポイントは、事業性をいかに持つか、そしてそれが持続可能な事業になっているのか。国からの助成金や補助が入っている間はできるが、それが抜けると自立できない、これでは意味がないということがあります。ですから、今回、これは特区でもいいです、中心市街地活性化でもいいと思います。

 それから、私は今、総務省で、地域の元気創造本部というのをつくって、地域経済の循環型の枠組みをつくろうとしています。それは、地域の資源と地方金融機関の資金を加えて、それを町づくりとあわせてやっていこうじゃないかと。今委員がおっしゃったような商店街の活性化でもいいし、それから、医療や福祉のサービスの向上と利便性、それはICTです。コンピューターの基盤を入れて、ここの町に来れば、病気になった人は、ここに住むと治してもらえるとか、体が弱っても、サービスをきちんと受けられながら安心して暮らしていけるとか、そういうことを鍵にした町づくりもできないか、いろいろな仕組みがあると思うんです。

 鍵は、自分たちで考えて、自分たちで資金を調達して、そして、いわばお客さん、利用者を獲得して、その利用者から得られるお金と、国からの継続的に行われる支援措置、これを使う中で、自立できるかどうか。そういう試みを、いろいろな制度は幾つもありますから、使っていただいていいと思いますが、大切なことは自立性なんですね。権限だけ渡せばいいというものじゃないんです。自分たちでやっていける、そこまでの仕組みをいかにしてつくるか。そこに対する専門家を派遣するとか、立ち上げの初動の資金や税制の恩典をある期間与えるとか、こういったことは私たち国ができることだと思いますが。

 とにかくいろいろ取りまぜて、総合的な観点から、今までの、やってきた取り組みを踏まえた上で、違うテーブルにみんなでのった方がいいのではないか、私はそのように考えています。

松田委員 まさにおっしゃるとおりで、自分たちで自分たちの地域の未来の運命を切り開いていくというのは、これがないと、また地域全体がよくならなければ自分たちももうからないんだということを一人一人の地域住民が考えていかないと進まないというのはおっしゃるとおりなので、そういった意味で、まさに自立という考え方を自民党も維新の会ももっと推進していくという点では共通かと思います。

 それから次に、よくこれは、医療関係では、厚生労働省でも十分認識されている話と思いますが、統合ヘルスケアネットワークという、まさに医療のいろいろな機能分担をしながら、地域全体として一つの事業体として統合していって、そして住民に対して、医療のネットワーク、いろいろな形態の医療を、あるいは福祉とも連携して提供していくという構想がありますが、これも、単に医療改革という視点ではなくて、地域再生という観点から、もっともっと国が後押しすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

新藤国務大臣 全くそのとおりだと思います。それは、厚労省でもやっているし、私たちもやっているし、いろいろなところでやってくれています。この総合特区の中にも、そういうコンセプトで特区をやっていこうというのもあります。

 いずれにしても、これからの少子高齢化社会の中で、この福祉、医療、それから高齢者の生活、こういったものを、総合的な支援ができるようなネットワークをつくることが重要だと思います。

 私は、その鍵を握っているのはICTだと思っていますし、そういった社会的課題に対して、それを自分たちの業としながら、なりわいとしながら、そういった社会的弱者の方を支援する、そういう団体また仕事があってもいい。これはコミュニティービジネスといいますけれども、こういったものも育成していかなくちゃいけないだろう。既に、奈良でもそういった取り組みがあって、我々は支援をしています。千葉の柏でもやっています。委員もかかわっているかもしれません。

 ですから、いずれにしても、それは地域の活性化の一つなんです。全国同じ町にする必要はないんです。自分たちの地域で、特性を持って、そこに住みたい人をふやす、そしてそこに住んでいる人たちがずっと住み続けたい、そういう町をつくることが重要ではないか、このように考えます。

松田委員 具体的にそれを進めていく手段ということで、ちょっと金融面の話、二つまとめて御質問したいんです。

 一つは、今回の国会というか、地域経済活性化支援機構というのを今般の法改正で設立することになりまして、それとあわせて、今、財務金融委員会の方でも五%ルールの見直しが打ち出されて、いわゆる地域の面的な事業開発に対して、銀行側も、出資形態でより出しやすくなる。そして、こういう機構もできたということもあります。

 それからまた、今審議されているPFI法案も、これも自治体の方にいろいろな事業があると思いますし、例えばコンセッション方式をどうやって自治体の方で進めていくかという、いろいろな施策を組み合わせていかなきゃいけないと思うんですね。

 今国会は、そういう意味では、いろいろな意味のある法案が次々と成立していく流れにあって、やはり省庁横断的な取り組みというのをぜひ進めていく必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

新藤国務大臣 これも、委員がおっしゃっていること、今、それをいかに具体的に実現していくかというステージだと思います。

 それは、やはりどこかで成功事例を出すことと、いろいろなアプローチがあって、それをどれでも使えるようにするような、そういう政策横断も必要なんだろう、このように思います。

 ですから、地域経済活性化支援機構法、こういったものもあります。私たちは、一方で、さっきの地域の元気創造本部では、地域経済循環の枠組みをつくりました。法律ではありません、予算です。これは、国が支援をする経費と同額を地域の金融機関が融資することが前提になっています。ですから、投資効果は倍になるんです。そしてそれを、国は債務を負いません、自分たちで地域がやってください、こういうような試みも始まっています。

 ですから、総合的にやっていかなきゃいけない。しかも、いい仕事というのは、そもそも国の支援がなくたってできちゃうんですよ。

 ですから、問題は、いかに事業計画をきっちり詰めるかなんですね。それに公共性が加味されて、収益性が低いならば、最初の立ち上げの部分を公共が支援する、そして、最初の弱い部分を補って、でも、事業が成り立てば、これは自分たちでやっていける。こういう仕事ができれば、そんな、特別な融資といったって、通常の融資は世の中にあふれているわけですから、そういったものも使ったってできるじゃないか。これは意気込みですよ。

 そういうことを前提にしながら、まず、その寸前にいる人たちを、またそういう寸前にある事業体を私たちは応援していく、これが国の役目ではないか、このように考えています。

松田委員 そろそろ時間になってきたので。

 先ほど足立委員も質問しました国家戦略特区ですね、これまでとは次元の違うものだという説明がなされているんですが、先ほど大臣、少し御説明いただきましたけれども、どういう点でこれまでと次元が違うのか、もう少し詳しくお話をいただければと思います。

新藤国務大臣 私は今、自分の手がけている仕事を、ミッションとビジョンとアプローチ、こういう形で整理しているんですね。

 先ほども言いましたように、世界で一番ビジネスがしやすい、そういう環境をつくろう。それは二十四時間都市です。それから、日本の国内だけじゃなくて、世界の人が日本にやってきて、そこで仕事をする、住む、そして教育を受ける、医療を受ける。そういったことができるような、ビジネスのしやすいというのは、居住環境もあわせてのことです。そこに大胆な規制緩和、それから税制措置をする。さらに、そこにイノベーションを、新しいコンピューターの仕組みを入れた町づくりをやりましょう。こういうことなんです。

 その次元が違うというのは、これまでのものは、手挙げ方式で、応募されて、それを審査しながらやってきました。今度のものは、国家の意思を示す上で、総理大臣がトップになって、そして関係の地方の代表の方、それから事業体の代表の方、それが同じテーブルに立って、みんなで決めて、これはスピードを持って即断即決でいこう、そして、自己責任のもとで、自分たちでそれが展開できるような、そういう事業性を持ったものにしてもらおうではないかということ。

 そしてそれは、そこだけよくなればいいんじゃなくて、実は、今までの特区というのは区域が決まっていました。そうではなくて、そこでやろうとしている仕事に対して参加するならば、区域を越えても規制緩和を受けることができる、そういうような、バーチャル緩和みたいなものです。そういったものも入れられないかという今検討を始めています。

 ワーキングを立ち上げまして、近々に制度設計をして、速やかに、まず第一弾で行う地域を選定しようというふうに思っているんですけれども、先導的な仕事であります、これを全部一遍に日本じゅうでやればいいということではありません。が、まず、日本の勢いをつけるためのそういうプロジェクト、次元の違うというのは、今までとは次元の違う効果を生み出すことでもあり、取り組みの考え方も変えていこう、こういうことでやってみたいというふうに今思っております。

松田委員 どうもありがとうございました。

 何となく国主導という感じが、すごく今までと違って、私も、今まで霞が関に長い間いて、やはり、地方の自立と言いながらも、なかなか地方だけではうまくいかない。この際、国が主導でやらないとだめだというのが随分あったのは事実なんですが、ただ、余り国主導でやると、これもまた自立を阻害してしまうので、非常にこの辺の接点は難しい。

 そういう点でいうと、確かに、道州制というのは、ひとつそういう主導がとれる強い地方をつくっていって、本来、産業政策というのは道州がやるべきだ、皆さんはそういうふうにおっしゃいますけれども、やはり、そういったそれぞれの特性を生かした主導体制というのをこれから分権的につくっていくというのが日本の課題じゃないかなというふうに思っていますが、最後に、新藤大臣、いかがでしょうか。

新藤国務大臣 そこを私はぜひ皆さんと議論しなきゃいけないし、また、みんなで共有すべきだと思うんです。

 私が少し心配しているのは、国と地方が対立概念となって、国が抱えているからだめなんだ、地方に出せばいいんだ、では、地方だけでできるのかと。

 私が今、国家戦略特区と言いました。そうすると、国がやるのかと。一体、日本人、国民でない県民というのはいるんですか。国と地方は一緒なんですよ。だから、国ぐるみでやろうというのは、地域の人も、それは住民も、企業も、産業界も、学界も、そして国家行政組織も、みんな一緒になってやろうじゃないか、そういうふうに見ないと、一々誰かを悪者にして、あいつらが邪魔しているから、我々に任せればできるのになんて、早くやればいいじゃないですかと。できないんですよ、そんなことは。

 そういう、対立概念をあおって何かを進めるというのは、これは個人の感想でありますが、僕はそういうふうには考えておりません。

 ただ、みんなでとにかく、自分たちの国に誇りを持ち、地方に誇りを持ち、そして自分と家族、家に誇りを持って、それぞれのそういったものを固めて、どうやって世の中に貢献できるんだということをやるべきではないか、それを政治がみんなで共有すべきだ、このように思っています。

松田委員 どうもありがとうございました。

 維新の会、最近いろいろ言われておりますが、この件に関しては自民党と考え方は全く同じということであります。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、杉田水脈君。

杉田委員 日本維新の会の杉田水脈です。

 今回も、総合特区の話に入ります前に、まず、これの前提となりました構造改革の特区の制度について質問をしてまいりたいと思います。

 まず、この構造改革特区なんですけれども、これが始まったのは平成十四年だったかと私は思っておりますが、それで正しいですか。はい、ありがとうございます。

 もう一度改めて質問をさせていただきますが、この構造改革特区というものは、一体何を目標に、こういった制度ができたのでしょうか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 構造改革特区自体は、大胆な規制緩和を行う、これを突破口にいたしまして、これを全国に及ぼすことによって社会構造システムの改革を図ろうというものと、あわせて地域の活性化を図ろうということで、平成十四年に制定されたものでございます。

杉田委員 当時は特区担当大臣というのがいらっしゃいまして、たしか初代は鴻池さんだったかと思うんですけれども、先ほどのお答えにもありましたように、規制緩和の手段としてこの構造改革特区があったというふうに私は認識しているんですが、それでよろしいでしょうか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 あくまでも、規制を緩和するというのは、その緩和をした後に、その地域なりあるいはもろもろの事業活動をどう展開するかという目的を達成するための、いわば手段としての規制の見直しという観点も、要素としてあったのではないかというふうに考えております。

杉田委員 改めて、きのう、当時の構造改革特区のパンフレットを資料としていただいたんですけれども、この中に目標というのがきっちり書かれておりまして、先ほどの松田委員の質問ともちょっと重なるんですけれども、特定の地域における構造改革の成功事例を示すことによって、このときは、全国的なところに波及させていくというのが、まず大きな目標として一つあった。そして二つ目は、当然、地域の活性化というのが目的としてあったというふうに思います。

 ここでお聞きしたいんですけれども、どのように展開されていったのかということなんですが、一体どれだけの特区が実際に認められて、特区として活動をして、その中で一体どれくらい、じゃ、そこの地域で成功したので全国に波及しましょうというような形になったのか、お答えいただきたいんです。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 構造改革特区制度では、同法が制定されました平成十四年以来、典型例で申し上げますと、どぶろく特区というのがございますが、そうした特区を初めといたしまして、七百六十項目の規制の特例措置、千百九十七件の特区を実現してきたところでございます。

 お尋ねがございました、その特区の成果を全国に広げる観点からどうかという御指摘でございますが、その点に関して申し上げますと、有識者から成る評価・調査委員会におきまして、規制の特例措置ごとに評価を行いまして、特段の問題が生じていないと判断されたものにつきましては、速やかに全国展開を推進しているところでございます。これまでに約七割が全国展開されてきているところであります。

 ちょっと宣伝じみた話になりますが、先ほどパンフレットを御紹介いただきましたので、あえて申し上げさせていただきたいんですが、今申し上げたように着実に成果を上げてきたと思っているわけですが、最近では提案件数とか認定件数が減少傾向にあるということもございますので、私たち事務局といたしましては、先ほど先生が提示していただきました制度の仕組み、事例等の紹介パンフレットの作成をしたり、あるいはホームページに載せたり、いろいろな工夫をして本制度の周知に努めているところでございます。

杉田委員 今、定量的に結果をお知らせいただいたんですけれども、七割が全国展開されたということで、これは実際に、担当の省庁としては、七割が全国展開できたということはどのように評価されていらっしゃいますか。

加藤政府参考人 それは、私ども事務局としてはどのように評価しているかという御趣旨だと受けとめて答弁させていただきますが、実は、規制緩和の全国展開七割というのは本当に意味があることだと思っておりますが、ただ、構造改革特区の中で、単純に数値だけでもってうまくいったかどうかというのを比較するのは若干いかがかなと思っております。

 それは、規制改革の項目といいますか、内容によって、本当に成果が上がったもの、あるいは、なかなか規制緩和の壁が厚くて、突破できなくて継続的な協議になっているもの、そういうものがございますので、一概には言えないと思いますが、今申し上げた全国展開という観点だけからすれば、かなり成果は上がってきているのではないかというふうに受けとめております。

杉田委員 そこで、今回、この総合特区の制度の方に移っていくんですけれども、総合特区の創設の経緯というのを読ませていただきますと、先ほどから質問させていただいております構造改革特区の方が、だんだんと提案数が減少してきたりとか、提案が小粒化、断片化して、いろいろな課題が顕在化したというような形で総括をしていらっしゃいます。その構造改革特区制度のこれまでの地域活性化の取り組みの総括の上に、この総合特区という構想がなされたというふうに書かれているんですが、それは間違いないですか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 もともと構造改革特区というのは、規制改革の突破口ということで、主として個別の規制の特例措置を対象に、一般的、汎用的な制度として、広く一般から提案を求めて、どの地方公共団体においても、計画の認定を受ければその特例措置が活用できるという制度として構成をされたものであります。

 一方、総合特区でございますが、これは、選択と集中の観点から、国が地域を厳選して指定いたしまして、規制の特例措置に加えて、税制、財政、金融上の支援措置を総合的に講じる制度として創設されたものでございます。

 総合特区について、あえて、規制の特例措置との、構造改革特区との違いを申し上げれば、先ほど来、新藤大臣から御答弁させていただいていますように、総合特区の方は、地域の構想に即応した、いわばオーダーメード型の規制緩和を可能とするというのが大きな差異であろうというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、両制度の特性を生かして、地域の実情に応じた地域の取り組みの支援というんでしょうか、それに努めてまいりたいというふうに考えております。

    〔委員長退席、関委員長代理着席〕

杉田委員 これはちょっと私の感覚的な意見なんですけれども、例えば、それまでの構造改革特区は、先ほど事例に挙げていただきました有名などぶろく特区なんかは、これは岩手県の遠野市なんかが取り組んだんですけれども、割とこういう小規模な自治体が、単独であっても手が挙げやすい制度だったと思います。

 今回、皆様のお手元に、総合特別区域ということで第三次指定まで今なされております事例を配っているんですけれども、これをざっと見た感じでは、どうしても、規模の大きな自治体だとか、自治体でコンソーシアムのようなものを組んで大きくしたところがきちっと提案ができて、そこのところが指定されるという、自治体側から見ての使いやすさという面では構造改革特区の方が、自治体の規模にかかわらず使いやすい制度だったのではないかというふうな印象があるんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 総合特区には二つのパターンがございまして、国際戦略総合特区と地域活性化総合特区というものでございます。

 このうち、地域活性化総合特区でございますが、これは地域の地理的条件ですとか産業等の地域資源を最大限活用して、地域の活性化を図る先駆的な取り組みをする地方公共団体を対象としておりまして、規模の大小にかかわらず、地域の取り組み等を評価して指定しているものでございます。

 ただいま先生、遠野市のどぶろく特区の話をしていただきましたけれども、それ以外にも、地域活性化総合特区の中では、例えばでございますが、北海道の下川町という町がございます。これは人口が約三千五百人で、森林総合産業特区という地域活性化総合特区の指定を受けておりますし、また、島根県の雲南市、こちらは人口が約四万人でございますが、たたらの里山再生特区ということで、再生可能エネルギーの利用などを構想に盛り込んだ地域活性化総合特区ということで認定をしております。

 したがって、人口規模が小さい市町村でありましても、地域の取り組みを評価してこれまで指定に当たってきたということでございます。

杉田委員 そのように、私もきのう疑問を投げかけましたら、下川町の事例とそれから島根県の雲南市の事例をお答えいただいたんですけれども、これはどちらも林業の特区になっております。同じように過疎化が進んでいて、林業とかの特産品、林業というところに特化した形で地域を活性化していきたいというところは日本全国たくさんあるかと思うんですね。

 その中で、現在指定されているのはこの下川町と雲南市なんですけれども、例えば、手を挙げてきたから下川町、雲南市という形になっていったのか。ほかにもたくさん林業に関して手が挙がっていて、その中からこの二つの市が選ばれているのか。それとも、ここしか手を挙げてくるところがなかったのか。どのようにこの地域を選定されたのかをお聞きしたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今ちょっと手元にデータがないので、林業関係で地域活性化総合特区で、どの程度応募があったかということについては、答えを持ち合わせておりません。

 ただ、総合特区について申し上げますと、これまで三次にわたって指定をしてまいりましたが、応募されてきたところを評価・調査検討会で書面審査、ヒアリング等を行いまして、客観的な評価をいただいて指定をさせていただいております。

 その意味からいいますと、手を挙げてきたところから全てを指定しているというわけではございませんで、先ほど申し上げました、どちらかというと、選択と集中の考え方、本当にやる気のあるところを国も一体的になって応援するという趣旨からすれば、手を挙げてきたところを全部指定しているということではない、適正な評価を行った上で指定をさせていただいているということでございます。

杉田委員 もう一枚資料を配付させていただいております。総合特区区域のスキームということで、どのように決めていくのかというようなことで、わかりやすく図にしていただいているんです。

 私の前に松田委員とそれから足立委員が質問をされましたが、お二人とも霞が関で働いていらっしゃったということなんですが、私は地方の自治体で働いていたという経験からして、やはり国が審査をして、国が評価をして、国が認めた地域を支援するというのが、どうしても上から目線のように思えて、地域活性化という形で持っていかないといけない中で、いわゆる中央集権で、国が評価したところで国が認めたところを国が支援するんだというような形になっているところが、どうしてもひっかかるんです。

 今後のこの特区制度、未来に向かっていく中で、少しでもそのあたりが、地域にインセンティブがおりてくるような形に動いていかないかなというふうに私は要望していきたいと思うんですけれども、それについて、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

新藤国務大臣 国が評価して国がコントロールしているという、その国というのは誰なんだということになりますね。中央省庁の役人が自分たちの都合のいいように、また、例えばそこに政治がとか、そういうことで動いているんでしょうかということを、私は一緒に考えてもらいたいと思いますね。

 これは、地域がどこかでやりたい、それを誰かが客観的に評価、また総合的に評価しなくてはいけない。そして、国が審査しているといっても、この特区は、役人も入らない、政治家も入らない。客観的な専門家が、点数を場合によってはつけて、持ち寄って、そういう中で、妥当性を審査しながら、事業性をチェックしながら、それを最終的に国として認めようというので、これは関係大臣の判こをもらい、場合によっては全閣僚からの了解を得て決めていく。

 それは公平に総合的に、そして、もとの要望は地域です。ですから、地域がインセンティブを持つためにこういう制度が始まっているのであって、いや、まだなかなか地域の声が届かないじゃないかということは、改善していかなきゃいけない部分があるならば、直せばいいと思いますよ。でも、もともとの骨格というのは、国というのは、みんながやりたいことを公平に総合的に見るから国家があるのであって、自分のところでやりたいことを決めるなら、自分のところだけで全て動いていけばいいんだけれども、結局、その地域というのは、人の出入りも、町の中だけで暮らしている人というのはいないんですよね、本当の基本的なところだけれども。そこはぜひ一緒に考えていただいた方がいいのではないかなと。

 それから、特区になるかならないかではなくて、特区でなくてもたくさんの地域活性化の取り組みは自主的にやっているし、工夫をして、通常の事業の中でもやっているわけですね。そういう中で、特にこれはというので出てくるのが、またそれをいろいろなパターンをつくろうというので制度が幾つもつくられているということなのであって、これをやってきました、これはもう要らないから次に行きましょうではなくて、やはり、ある程度並行でいろいろな選択ができるような、幅広の選択をしてくる、そういうふうに捉えていただければいいのではないかと思います。

杉田委員 先ほどの大臣のお答えにありましたように、そこで、俺たちに権限さえくれればできるんだというようなことはもうやっていけばいいというのは、私は本当に、今、これだけ国としてやらないといけないことがたくさんある中で、やはり地方にできることは地方に任せていくという考え方でいいと思いますし、その中で、やはり、地方の側から見れば、そこの部分の規制だけを取っ払ってくれればとか、ここのところの法案をちょっと変えてくれればうちで十分できるのにというような部分は、今もまだたくさんあると思うんですね。

 そのあたりを解決していきながら、やはり、国と地方の役割分担という中の一つとしては、この総合特区も、それから構造改革特区の方もまだずっと制度としては続いているというふうに確認させていただきましたので、いかに地方と国との役割分担の中でこれを広げていくかということで、維新の会もしっかり協力してやっていきたいと思っております。これからもよろしくお願いいたします。

 終わります。ありがとうございました。

関委員長代理 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 民主党の後藤祐一でございます。

 先ほど提案させていただきました、構造改革特区で認められた特例については総合特区でも自動的に認めるという条項を加えるべきということについては、ぜひ、各会派の御協力をいただいて、修正の方向で御議論いただければというふうに思っております。

 さて、先ほどから、構造改革特区と総合特区の関係ですとか、あるいは新しく考えておられる国家戦略特区との関係ですとかという議論が出てきておりますけれども、ちょっと私なりに、構造改革特区の私は起草者だと思っておりますので、というのは、この構造改革特区は私がお風呂に入っているときにふと思いついてでき上がったものでございまして、最初は、この中でも一部の党がおっしゃっておられますけれども、条例上書き権型を目指したんです。

 各自治体が、こういう要件を満たしたときは条例で規制の上書きができるという形でできないかという、かなり高目の球を投げつつ、各省が、これだったら規制緩和できますよというのを各省一個ずつ考えて、それをホッチキスにする束ね型という、これは最悪の結論で、その間に、各自治体なり民間事業者なりから提案をいただいて、そのいただいた提案を、内閣官房に特区室を置いて、その特区室が規制を所管している各省庁と代理戦争をするという形にする、この真ん中の案というのが最終的な落ちどころにするために、全部そういう設計をして、最初の高い球を投げるところも含めてそういった提案をさせていただいて、でき上がったという経緯を申し上げたいと思います。

 つまり、これは、内閣官房なり内閣府なりに特区室、あるいは今、地域活性化統合事務局ですが、こういったところが規制を所管している各省に対して、地域のために、あるいは現場で規制で困っている事業者のために、代理で規制についての交渉をするというところに実は本質があるんだということはぜひ御理解をいただきたいと思います。

 そんなことは法律の目的には書いていませんけれども、実は、その昔、パイロット自治体制度というのがあって、静岡県の掛川市が、例えばパスポートを自分のところでも発行したい、県に行くのは遠いのでと言って外務省にお願いすると、だめと言われて終わっちゃうわけです。個別の自治体は、本省に対してこれを変えてくれと言ったって、怖くてしようがないわけですよ、お金をくれなくなるかもしれないと。なので、個別の自治体なり事業者は、もっと強い人をつくって、その人に、いじめられて困るんです、かわりに戦ってくださいというところがこの話の本質だということはぜひ御理解をいただきたいと思います。

 その上で、構造改革特区で認められたものを総合特区で全部認めましょうというのは今提案させていただいておりますけれども、その逆、すなわち、総合特区で認められた個別の規制改革の特例は自動的に構造改革特区でも認められるという形にすることについて御検討いただけないか、これについて新藤大臣の御見解をいただきたいと思います。

新藤国務大臣 まず、委員が冒頭におっしゃったこの精神、それは今そのままやっていますよ。

 ですから、統合事務局の人たちは、各省と時にはけんか状態になります。それから、私の方から、これは何とか穴をあけてこいと言われて、がんがんやっている、こういう状態でありまして、かつての各省の縦割り体制からすると、今、内閣府だとか内閣官房というのはちょっと仕事が真面目過ぎじゃないかというよりも、結局、新しい仕事で内閣を調整してくれというと、各省に置けないんですよね。したがって、官房や内閣府のあり方もちょっと考え直さなきゃいけないんじゃないかと私は思っているんですけれども、そのぐらいに仕事はいろいろ始めているんじゃないかというふうに思っています。

 その上で、今回の、構造改革特区で認められているものを総合特区で認められるようにしようと。これは、法律をちょっと工夫すれば包括的に見られる、いいアイデアだと私も思います。そして、各党各会派で御協議いただいて、ぜひ、そういったものに、いい方向になるように私も期待をしているわけであります。

 一方で、今の、その逆はどうかといえば、委員は、自分で設計しているんだから、かなりわかった上でお尋ねになっていると思いますけれども、オーダーメードで総合特区はオーケーしている。それは、その特区の区域の中でのみ、しかも事業の前提があってやりたいということでありますから、それを汎用性を持たせるというのは、これはちょっとなかなか難しいんじゃないか。

 シンプルに言えば、要するに、構造改革特区の方は、全国、この基準になりたい人はどうぞ手を挙げてくださいといって、そこに行くわけですから、それは全国どこでもオーケーなんだから、総合特区でもオーケーですよ、オーダーメード型に入れられますよと。しかし、オーダーメードのものは、オーダーメードであるがゆえに総合特区になっているわけですから、それを今度は全国に、どこかで一個認めたものを全国で認めてくれというのは、これはどのように工夫していったらいいのかということだと思います。

 ですから、シンプルに言えば、簡単にはできませんね。しかし、そのことがどうして必要なのかという議論をきちんとした上で、では、どのような手段をとればその目的が達成できるのか、ここは議論の余地があるのではないか、このように思っています。

    〔関委員長代理退席、委員長着席〕

後藤(祐)委員 さっき、私のしごと館が今回加わる話は、ほかのところでやってもいいんじゃないかという御議論がありましたけれども、ああいったものはいいと思うんですよ。先ほど、ややへ理屈な答弁がありましたけれども、トータルでお金が出ていくのが減るんだからいいじゃないかということに反対する国民はいないと思うので、物によって、やはり認めてやっていいんじゃないかという部分はあるんですね。

 もしそこで少し御懸念があるとするならば、構造改革特区で認めちゃうと全国展開の方に引きずられていってしまうので、総合特区はそういうスキームに今のところはなっていないので、構造改革特区の方まで自動的にやっちゃうと、その後全国展開になると困る、そういう約束でオーケーと言っていないよというのが、各省と地域活性化統合事務局の交渉の中で多分裏にあるんだと思うんですね。

 もしそういう事情が制約要因なんだとすれば、総合特区で認めた特例を構造改革特区にやった場合には、必ずしも全国展開というところはそう強くは求めない。特区の評価委員会というところで、これは全国でできないかというのをぎりぎりやることになるんですが、そこについては横からずれてきたものだから、ちょっと考えてあげましょうと。

 要は、今までの交渉の経緯みたいなものの信頼感というのを崩すようなことまでする必要は私はないと思うんですけれども、ただ、さっきのしごと館の例のように、横展開した方がいいものもあるんです。ですから、そこはぜひ御検討いただきたいと思います。

 それともう一つ、復興特区があるわけです。要するに、総合特区と構造改革特区と復興特区、三つあるわけですから、今言ったような、一つのもので認めたらほかのもので認めたらどうかという組み合わせは、全部で六通り発生するんですね。今、二通りについて議論をしました。残りの四通り、すなわち、復興特区で認めたら総合特区で認めるべき、その逆、復興特区で認めたら構造特区で認めるべき、その逆と、四通りあるんですが、これをそれぞれ御検討いただけないでしょうか。

 特に、構造改革特区で認めたことというのは、全国に広がることが前提で、あるいは、少なくとも数がたくさん出てもいいという前提で合意されているものでありますから、それを復興特区で認めることにはほとんど問題がないと思うんですね。構造改革特区で認められた特例措置を復興特区で自動的に認めるという条項を加えることについて、どうお考えでしょうか。

新藤国務大臣 委員の今の問題意識を私なりに解釈すると、実は、そういう観点から作業をやっているんですよ。それは、特区の行って来いではなくて、そもそもが規制緩和じゃないですか。ですので、私の分権改革担当の方で、規制緩和をどうやって進めていこうか、その中で、全国一律の規制を緩和する、しかし、その緩和はそれをやりたいところに適用する。

 ですから、今のように、私のしごと館、要するに国有財産の処分などについて、そういった適用を受けたい場合には、カテゴリーをちゃんとつくらなきゃいけないと思いますけれども、そういうものに対する規制の緩和として特例措置を認める。こういうことは、実は我々、権限移譲だとか規制緩和の中でできないかというのを今研究している真っ最中のところなんです。

 その意味においては、この制度の中の行って来いにこだわって制度的なもので勝負していくのか、それとも、実というか、実際の目的を達成させるか、ここは研究の余地があるんじゃないかと思いますね。

 その上で、今のたくさんの、復興特区まで入れてのやりとりなんですけれども、復興特区については、特にこれは役所がそのためにつくられて、そして、その地域の特殊な事情によって行われているものであります。ですから、そういったもので、今、制度として機械的に、自動的に相乗りをするというのはなかなか難しいことがあると思います。

 しかし、あなたもそうだと思うけれども、これはやってもいいんじゃないかというようなこと、三つにわたるようなもの、それについては、まさに個別の事案、個別的事案になるじゃないですか。こういったものの工夫というのは、私は、できる余地があるんじゃないかなと。今これを設計しているわけではありませんけれども、当然のごとく、これから進めていって、この問題はどれにでも共有するんだというものが出てくれば、それは個別の対処をしつつ制度を整備していけばいいのではないか、このように考えます。

後藤(祐)委員 せっかく谷復興副大臣が来ておられますので、同じ質問をちょっとしたいと思いますが、そのためだけに法律を出すというよりは、復興特区法をどこか見直すときに渡りをつける条文を一つ加えるというのは、割かし現実的に可能なことじゃないかなと思うんですけれども、御見解をいただきたいと思います。

谷副大臣 後藤委員とは、復興特区法の審議過程で、議員修正もあったかと思いますけれども、お互い立場は与野党で違いましたけれども、理事として案をつくり上げたことを懐かしく思っております。

 その上で、今の御質問でございますけれども、今さら私が言うまでもなく、大臣の方からも御答弁がありましたように、復興特区というのは、あれだけの過去に例のないほどの大災害を受けた被災地におけるさまざまな特例を設けたものだ。それで、今すぐでなく、構造改革特区あるいは総合特区の現実も見ながら、何よりも被災自治体、被災地の要望がどこにあるかということをしっかりつかみながら、御指摘のように、また法改正のときに、それらもあわせてしっかりと検討してまいりたいと思います。

後藤(祐)委員 ぜひ御検討いただきたいと思うんですね。

 例えば、さっきどぶろく特区の話がありましたけれども、今回の被災地の近くというのは、どぶろく特区をとっているところが多いんですね。もともと遠野が手を挙げて有名になったわけですけれども、被災される前からどぶろく特区だったところが多いんですが、そうでないところもあります。

 例えば、今の規定ができれば、復興特区のところは自動的にどぶろく特区の特例が適用されるとなったら、うちはどぶろく特区に手を挙げていなかったけれども、ではやるかと、すぐできるわけですよ。だって、全部復興特区のエリアになっているわけですから。

 そうすると、やはりハザードが違ってくると思いますし、一々やる必要もないし、どぶろくだけじゃなくて何百とあるわけですから、規制の特例が。例えば、こんなことをあそこの構造改革特区ではやっているけれども、実は、被災地だったら何にもしなくてもすぐ今できるんですよ、やりませんかというようなアクションにもつなぎやすくなる話だと思いますので、これは本当に今回の条文程度の簡単な条文で済みますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

 それと次に、総合特区も構造改革特区も復興特区もそうなんですが、先ほど新藤大臣から、事務方が大変汗をかいているというお話がございました。各規制所管府省と交渉をしなきゃいけないわけですけれども、その交渉を成果が上がるようにするためにはどういうことを考えなきゃいけないかということについて、ちょっと質問したいと思います。

 規制を所管しているディフェンス側からすると、総合特区でこれをやってくれと言われる、構造改革特区でこれをやれと言われる、そして全国版の規制改革について規制改革会議の事務局からこれをやれと言われる、それで今度は国家戦略だ、そんな一々カードを切っていられないですよ。本当はここまでだったら認めていい、百だったらおりてもいいのかなと思っているのを、五百だったり千だったり一万だったりするタマが飛んでくる中で、本当は百を切ってもいいと思っているんだけれども、こんなところで百を切ったら次は千をやれと言われるから、どれもカードを切るのをやめておくかとなっちゃうんですよ。

 これは非常に残念なことで、実際、構造改革特区を最初につくったときも、規制改革とどういうふうに足並みをそろえてやっていくか、すごく気をつけてやっていました。あのときは、提案を割かし同じようなスキームで集めて、それを割り振ってというような形で、そこの連帯性はとっていました、今もある程度もちろんとっていらっしゃると思うんですけれども。

 ぜひ、規制の特例を規制所管省と交渉する窓口は一本化した方がいいと思うんですよ。というのは、例えば薬事法だったら薬事法で、毎回出てくるわけですよ。あのときにもうカードを切ったじゃないですか、これでしばらくはちょっと勘弁してよということを約束に今回ここまで切りますからというような、事務当局間の仁義だとか信頼関係みたいなものというのは私は大事だと思っていて、それがないとカードは出てこないんですよ。

 そこのところは、ぜひ、全国版の規制改革の事務局が特に重要だと思うんですけれども、そこと地域活性化統合事務局、復興は若干あれかもしれませんが、特にこの二つ、規制の窓口を一緒にして、形の上での所管は、例えば名刺は二枚持っていることにするとか、やりようはいろいろあるわけで、生身の人間としては、両方の立場で、でも一人がやっている、この人と交渉すれば全部終わるということにすることは、全体の進捗をよくしていくために大変重要なことだと思うんですね。

 これについて、ぜひ新藤大臣の御見解を賜りたいと思います。

新藤国務大臣 現場の交渉の状況をよく知っているから、そういう意味では、委員の提案というのは実務的な、しかも、委員が目指しているのは、きちんと形を整えて制度を整備すればその結果として仕事が進むんじゃないか、こういう意味から提案されているんだなというのは、聞いていてよく理解をできます。

 それで、今の話というのは、実際交渉するときに、確かに、ちぐはぐにというか、みんなで五月雨式に行けば、相手の方は、どれか一つ受けるとほかも受けなきゃ、こういう話になるのもわかりますね。ですから、ちょっと研究をしてもいいな、こういうふうには思っています。

 ただ、現実には、大体、大臣が違うんですから。そして、事務局を仮に一つにしても、その中にセクションが分かれることになりますね。

 ですから、私が今心がけて、またチェックしているのは、規制改革の関係とそれから地方分権の統合推進の関係、これがどのぐらい意思疎通を図っているかということが重要だと。それで、タスクフォースにするなりプロジェクトにするまで必要なのかというところも議論しています。現状においては、かなり、実務的には双方で同じテーマについてはすり合わせをしていることがあります。

 そういう中で、規制改革で全国版ではできないけれども、その中からはみ出たというか、そこには無理だけれどもというものの中で、でも分権統合ならば、ここの部分で絞ればというタマが出てくるのも事実なんですね。だから、こういうやりとりをしている。

 これは意識して、私の方も、職員たちが動いていることをチェックしています。また、それを推奨していて、かなりの分野でやっています。そうでないと成果は上げられないんです。ここのところでまた一挙にいろいろな規制緩和というか権限移譲も実績を出そうと今作業をやっていますから、その意味での実態上のことは動きがありますよというのは私は報告したいと思います。

 御本人がおっしゃっているように、復興との関係というのは、なかなかこれまた、復興は復興でもっと全庁的に私はやらなきゃいけないことがあると思っているんですけれども、いずれにしても、今委員の問題意識というのは、いかにして制度をきれいにしてその中から成果を上げていくかという観点においては、これはいろいろな研究をするべきだと思うし、またいろいろな提案をしてもらいたい、このように思います。

後藤(祐)委員 ぜひ、タスクフォース方式でも結構ですから、せっかく、寺田副大臣、全国版規制改革担当の副大臣としてお越しいただいていますけれども、うまくそこはやっていただいて、名刺を二枚持っていることにすればいいと思うんですよね。いかがですか。

寺田副大臣 お答えいたします。

 今、新藤大臣の方からもお答えありましたとおり、地域活性化の統合本部と、私の方で規制改革の方を所掌させていただいておりますが、かなり緊密に連携をとっております。実は、つい先週も新藤大臣と一緒に、これは規制だけのテーマではなかったわけですけれども、地域の活性化、また金融の円滑化等の観点で、ともに要請を行うというふうな場面もあり、私はかなり事務レベルでも連携はとれているというふうに思います。

 したがって、実はきょうの午前中も規制改革会議があったわけでありますが、いろいろなそうした横串の観点、そしてまた、どうしても各省、大臣が異なると縦割りになるわけですけれども、そういったものを横串で見ようというふうな議論もさせていただいております。新藤大臣が言われたタスクフォース方式というのも一つの有効な手段ではないかというふうに考えております。

後藤(祐)委員 例えば副大臣をそろえるとか、政務の方の人事のやり方というのもあるんじゃないかなと思います。大臣はなかなか難しいかもしれませんが、例えば新藤大臣が規制改革と同時に地域活性化統合事務局も見るとか、そうすると、いろいろなことがやりやすくなるんじゃないかなという気がします。ぜひ御検討ください。

 きょうはだんだん厳しいものになってまいります、最初はお願いする話ですが。

 実務上はかなりやっているというお話なんですが、ちょっと遅いんです、全体的に。今回の総合特区法で出ている法律ダマというのは、二十三年の十二月に一次指定された総合特区の案件です。もうそれから一年半近くたっているわけです。これはもう少し早くできないか。

 特に、十一年前ですか、最初の構造改革特区をやったころは、うわっと何百と提案が出てきて、それを一、二週間ぐらいでばばっと分類して、各省に投げて、その回答が来てというのをその都度ホームページに全部公開する。恥ずかしい答えをしていると恥ずかしいぞという形の中で、ぱっぱぱっぱ進めていくという物すごい高速処理をしていました。

 今は、海のものとも山のものともというものをもうちょっと整理した形にしてから、要は、各省と戦う道具立てを整えてから内閣府が交渉するということなんですが、いかにも遅過ぎます。今、三次指定がことしの二月の十五日に指定されて、各所管省庁の実務者と各都道府県ですとか市町村なんかの実際これを担当している方で、では一個ずつすり合わせましょうというのが始まったのが四月の半ばぐらいだと聞いています。タマをそろえるのに二カ月も時間はかからないわけですね。

 そこはもう少し早く処理してほしいなと思うんですが、ちょっとけしからぬというか、これだけは何とかしてほしいというのは、まず、法律が時間かかるのはわかるんです。国会の状況ですとか、ねじれ国会だとか、いろいろな状況で遅くなるのはわかるんですが、ほとんどのタマは政令以下ですので、政令以下の話については、そんな一年何カ月もかかる必要はないわけでありまして、できれば三カ月ぐらい、遅くても半年ぐらいでできる話だと思うんですね。

 法律事項についても、総合特区指定、あるいは構造改革特区であれば提案が出てきてから、次の国会、例えば、二月十五日に総合特区が三次指定されましたが、この国会に出せというのは確かにちょっと厳しいかもしれないけれども、ことしの秋の臨時国会には出せるようなところから逆算していろいろな準備をしていくというぐらいのことは約束すべきだと思うんですが、早く処理するということに関して、新藤大臣、いかがお考えでしょうか。

 特に、今出ている三次指定の法律事項については次の臨時国会でやる、政令以下の話についてはそれまでの間に全部処理するということについて、お約束いただけないでしょうか。

新藤国務大臣 まず、この時間のかかり過ぎは、私もそう思っています。

 そもそも、総合特区の第一次指定が平成二十三年の十二月ですから。その指定を受けた三十三区域から提案が出てきたのが二十四年の二月ですから、一年以上たって、この二百七十五の提案が出てきた、そして、その後の四カ月間で二度の書面協議を加えて、またいろいろな協議の中でということで、最初、すごい勢いでやっていたということなんですが、やはりちょっと政治が混乱したんでしょうね。ですから、これは、前政権のときの運営が後半において非常に混乱していたあかしでもあるんじゃないか、このように思います。

 ですから、私も今担当大臣になって、余りにも進行管理がめちゃくちゃになっているので、それを整理して、分割してやっている最中なんです。

 私たちの方もまだスピードが上がっていません。それはなぜならば、体制が、今度、国家戦略特区もやりましょう、それから、第三次の一括法、これは前政権で積み残しのもの、プラス我々なりの作業をしたもの、これを合わせて第四次の見直しを一括法で出したんですから、まずそういう作業があって、同じ人がやっていますから、そういう多少の、今おくれているのは確かに事実だと思います。スピーディーにやらなければ意味がありませんので、ぜひスピードアップは約束したい、このように思います。

 ただ、具体的にいつになるかというのは、今委員が御提案されたことは一つの目安だと思いますが、私は、実際に国会で約束するとするならば、それは、実際の作業量をチェックして、その上で実現可能かどうか、こういったものを検討した上ででなければ責任ある答えとしては出せませんから、目安として、そういう節目というのは、国会、国会というのはございます。でも、とりあえず現状をチェックしながら、どこまでスピードアップできるか、これは検討したいと思います。

後藤(祐)委員 非常に早くやっていたのは実は構造改革特区の初期のころですから、総合特区の方ではないんですけれども、我が政権のときにも遅かったのは事実だと思います。

 目安としてという御答弁をいただきましたけれども、今出ている三次指定案件を臨時国会で出すというところから逆算して今どうなっているんだということは、ぜひ、政治のリーダーシップで、工程管理をしっかりやっていただきたいと思います。それと、当然、政令以下事項はその前に決定するということになると、その一点だけ決めれば物事は全部動いていきますから、ぜひ大臣のリーダーシップをお願いいたします。

 では、この一次指定のときの案件は今回の法案で全部仕上がるかというと、実はそうではないんですね。法律事項で残っちゃっている案件が幾つかあるんです。理由はそれぞれあったりするんですが、きょうは秋葉厚労副大臣にお越しいただいていますけれども、外国人医師の関係で、内容的には二年前に既に合意された案件がございます。

 これは、先ほどあった二十三年十二月の総合特区一次指定の案件で出てきている、一つ目は、関西イノベーション特区から出ている外国人医師の臨床修練制度の修練期間を、今は二年なんですが、それをプラス二年できないかという提案。もう一つは、ふじのくに先端医療総合特区、これは静岡県ですが、外国人医療資格者の業務従事を、大病院しか今は認められていないんですが、これに加えて、一定の小さな病院でも認めるべきではないかという提案が出てきております。

 ただ、これについては、実はそれよりも前、二十三年の六月八日の社会保障審議会医療部会で、この二つについては認めようということで決着をしております、内容的には。何でおくれているかというと、この二つのことも含めた医療法全体の改正を今しているので、社会保障と税の一体改革の審議がおくれたとか、いろいろ多分事情があるんでしょうが、医療法全体がおくれているから、この二つもそこに盛り込む予定になっているのでおくれているんですという御説明をいただきました。

 であるならば、今回の総合特区法で、先出しでやったらいかがですか。かわいそうじゃないですか、待っているところは。内容的には合意している話なんですから、医療法全体が行かないから行かないというのは、ちょっとかわいそうではありませんか。

 本来は今回の総合特区法に加えるべきだと思いますが、今ちょっと出すのが難しいとするならば、少なくとも次の臨時国会に、医療法全体に織り込んだものが出せるならいいですけれども、やはり間に合わないとなった場合には、次の総合特区法改正案という形で、今の二つは法律事項として盛り込んで出していただくべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。

秋葉副大臣 今委員御指摘のとおり、二十三年度中にはそういう方向で私どもはやりたいということで、一つの結論を得ていたところでございます。ただ、厚生労働委員会も法案が大分立て込んでいる委員会でございまして、子供関連の法案が優先されたりして、今日までなかなか改正案が出せないでまいりました。

 しかし、私どもとしましては、この外国医師等に対する臨床修練制度については、現在、最長二年間とされている期間について、正当な理由があればさらに延長を認めるということは、そういう方向で決めております。

 また、受け入れ病院と緊密な連携体制が確保されている病院、診療所での臨床修練も認める方向で考えております。さらには、研修目的の場合に加えまして、教授、臨床研究を目的とする医療行為も認めるということを含めて、諸々の見直しをしっかりと実施して、現在、医療法の改正案を検討中でございますので、その中にしっかりと盛り込んでいきたいというふうに思っております。

 また、一方で、八月二十一日をエンドに国民会議での議論もございます。これも一方で踏まえることも大事かなというようなこともございまして、この国会後に国民会議の結論が出るわけですから、それを踏まえて、この秋に開催される臨時国会、ここにはしっかりと提出をさせていただきたいと考えております。

後藤(祐)委員 医療法がまとまらない場合に総合特区法でどうかという御質問なんですが、幸い、総合特区法は内閣委員会でございますので、一番忙しい厚生労働委員会にかける必要はございませんので、しかも、先ほどの新藤大臣の目安ということからすれば、今、二月十五日に指定した三次指定の案件が、法律事項があれば、この秋の臨時国会にかかってくるわけです。そこに今言った二つのタマを織り込めば、両方、スピーディーという意味では、きれいにまとまっていくんです。

 これをやるつもりはありませんか。もし総合特区法が出る場合に、一緒に乗っていただくことについて御賛同いただけませんか、厚労省として。医療法が出せない場合の話でいいですよ。医療法が出せる場合、そっちでやればいいんですから。

秋葉副大臣 我々も早くやりたいという思いは委員と一緒なわけでございますが、これは全国の制度にも係ってくる部分でございますので、特区でというよりも、やはり医療法できちんと対応したいというのが私どもの考えでございます。

 ただ、この秋の臨時国会にはしっかり提出をさせていただいて、ぜひ成案を得ていきたいと考えております。

後藤(祐)委員 こういう答弁では困ってしまうわけでありまして、いかがですか、医療法が出なかった場合で結構です。もうこれは内容的には合意しているんです、答弁しているとおり。

 新藤大臣、秋の臨時国会で今の二つの案件、医療法が出ない場合は総合特区法で対応すべきだと思いませんか。

新藤国務大臣 内容、こういう必然性は双方が合意しているわけです。ただ、一応みんなで協議した上で、厚労省の方がそういう方針でやっていこう、我々もそれに同意をしている、この枠組みの中でありますから、今、答弁は秋葉さんと同じことになっちゃうんです。

 ただ、実態上としてこれは何か工夫できないのかというのは、それは我々は、決めたことなんですから早くやりたいという思いはあります。思いとしてあるということであって、あとはちょっと協議しなくちゃならない、こういうことだと思います。

後藤(祐)委員 関西イノベーション特区の関係者、この中にも、西村副大臣もそうだと思いますし谷副大臣もそうだと思いますので、兵庫もたしか対象でございますから、これはもう内容は終わっていますから、ぜひ、これは一番簡単な政治のリーダーシップだと思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。

 さて、きょう財務省の竹内政務官にもお越しいただいておりますけれども、今回、酒税に関しての規定があったもので、酒税について、ちょっと別な話になってしまいますが、一つお聞きしたいのはこの酒税の税率なんですね。

 特に、地ビールで地域振興を考えておられる地域というのはたくさん日本じゅうにございまして、御存じのとおり、ビールの税率というのは非常に高くて、一リットル当たり四十四円かかっている。一方で、酎ハイとかワインとか焼酎とか、こういったものは大体十円とか十一円とかいうぐらいで、幾ら何でもビールは高いんじゃないかということで、アルコール度数に応じて酒税の税率というのはできるだけ平準化していくべきじゃないかと思いますけれども、この見直しについて御見解をいただきたいと思います。

竹内大臣政務官 お答えいたします。

 酒税は、それぞれの酒類に対して、単にアルコール分のみを基準とするのではなく、酒類の消費態様や生産、消費の動向なども踏まえて税負担を求めることを基本としているところでございます。

 欧米諸国におきましても、蒸留酒につきましてはアルコール度数課税となっておりますが、ビールやワインなどの醸造酒につきましては、必ずしもアルコール度数課税に統一されているわけではないと承知をしております。

 仮に、全ての酒類に対して一律にアルコール度数課税とする場合におきましては、現行の税収規模を維持しようとするのであれば、それぞれの酒類の税負担に大きな変動をもたらしまして、酒類の消費動向にも影響を及ぼすおそれがあることに留意する必要があると考えているところでございます。

 酒税につきましては、先生御指摘のとおり、ビール類につきましては依然として税負担格差が残っているとの指摘があるところでございますけれども、このため、税制抜本改革法第七条におきましても、「類似する酒類間の税負担の公平性の観点も踏まえ、消費税率の引上げに併せて見直しを行う方向で検討する。」との方針が示されておりまして、今後、この方針に沿って検討してまいりたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 それぞれのお酒の特性によって多少状況が違うのはわかるんですが、全部、完全一律ではないということかもしれませんが、ちょっと極端に違い過ぎるので、そこを踏まえた見直しというのをぜひお願いしたいと思います。

 竹内政務官と谷副大臣はこれで終わりだと思いますので、もしよろしければ、こちらで結構でございます。秋葉副大臣は多分もう一つあると思いますので。

 それでは、総合特区のちょっと各論、これは総論だけやっていると見逃すので、各論がどうなっているかという話を二つ三つ確認させていただきたいと思います。

 私の地元でも、さがみロボット産業特区というのが三次指定をされまして、一つ一つの規制についての協議がどうなっているかというのを、今回の法案審議もあるので、ちょっといろいろ伺ってみました。まだそれぞれ実務者ベースで始まったぐらいの状況ですので、こうですということはなかなか難しい状況であるということは承知の上で、少し、このぐらいは何とかならないかというのがあったものですから、お聞きしたいと思います。

 一つ目は、厚労省の関係なんですけれども、ロボット関係の医療機器をつくりたいと。そのときに、医薬品医療機器総合機構、PMDAの審査というのは時間がかかってしまうので、これを優先的に審査していただけないかという提案なんです。

 このPMDAについては、五月二十一日の読売あたりの新聞によると、千人にふやすというような、政府全体として充実していこうという方向が示されております。大変結構なことだと思いますけれども、ぜひこの優先審査の対象に検討いただきたいんですね。

 今の制度ですと、治療が困難で、かつ、ほかに治療法がない場合だけ優先審査というものが認められているそうなんですが、副作用がないか調べるとか、体の中に何か入れるものとか、そういったものと比べると、ロボットがやる話というのは、例えば歩行をちょっと補助するとか、比較的審査がたやすい。生物学的、化学的審査というよりは、物理学として機械をチェックするようなものですから、比較的早く終わる話ではないかと思いますし、実は、神奈川県は、その分にかかる人件費は出してもいいとまで言っているんですね。プラスアルファでそれがかかるんだったら、お金を出すから早くやってくれないかということまで言っております。

 そこらも含めて柔軟に対応していただきたいと思いますが、秋葉副大臣、いかがでございましょうか。

秋葉副大臣 今委員御指摘のとおり、優先審査制度というのがございます。基本的には、先生の御地元でのロボットの問題についても、全体の中での判断でございますから、この優先審査の対象にはなり得るわけでございます。

 ただ、どういうものがなり得るのかという一定の規定が一応今ございまして、少し先ほど御指摘もございましたけれども、薬事法に基づくこの制度におきましては、承認申請された医療機器というものが、一つは、希少疾病用の医療機器であるということ、そして二つ目には、その他の医療上特に必要性が高いと認められるもの。具体的には、適応疾病が重篤であると認められること、あるいは既存の医療機器または治療方法と比較して明らかにすぐれていると認められること。

 ですから、ここの部分には該当してくる可能性があるわけでございますから、ここに該当してくれば、当然、その優先審査制度の中で取り上げることも可能だということでございます。医療の質の向上に明らかに寄与するものであるということが大前提となってまいります。

 この優先審査制度については、医療上の必要性によることもなく、特定の地域の事業者からの承認申請であることをもって優先的に審査を行うということは、他の品目に与える影響等もございますので、全体の中であくまで該当すれば判断をしていく、こういうことでございます。

 現在、御指摘の特区では、今後開発される医療機器はまだ明確ではないというふうに承知をしておりますが、医療上特に必要性が高いと認められるような医療機器の開発を進めることで優先審査の指定を受けることは、先ほど申しましたように可能でございますし、また、そうした優先制度の医療機器に該当しない場合であっても、先ほどお披瀝がありましたけれども、PMDA、しっかりと強化をしていく。

 今の官邸でも健康・医療戦略室の中で、我が省も人を随分送り込んでおりますし、そういう中でトータルとして、こうした分野も安倍総理の一つの柱の部分でございますから、全体の審査体制も強化する中で、これは全体的に本当に強化をしていきたいということを考えているところでございますので、その中で御地元の案件もかかってくればいいんじゃないかと思っております。

後藤(祐)委員 前向きな答弁、ありがとうございます。

 秋葉副大臣はお忙しいと伺っておりますので、もしあれでしたら、こちらで結構でございます。ありがとうございます。ぜひ前向きな審査をよろしくお願いいたします。

 もう一つ、農水省の関係で、稲津政務官にもお越しいただいております。ありがとうございます。

 同じさがみロボット産業特区の中で、区域区分、いわゆる線引きですね。

 この線引きをする場合に、県と地方農政局の間で農林漁業調整というものが行われます。調整区域から市街化区域にするときに、農業に影響がないかというようなことを多分チェックするということだと思いますが、この中で、都市計画運用指針というものがあって、これに基づいて運用されているそうなんですけれども、いわゆる農振農用地について、ここがそうでなくなるのであれば、ほかのところでかわりに確保してくださいというようなことが求められるケースがどうもあるそうなんです。

 ところが、この運用指針においては、そういったことを求めるとは書いていないので、ぜひ、こういった農振農用地の代替地を求めることはないということを確認させていただけますでしょうか。そして、できれば、その旨、地方農政局に徹底をしていただけないでしょうか。

稲津大臣政務官 お答えいたします。

 農地の市街化区域への編入に当たっての農林漁業との調整についてのお尋ねでございますが、都市計画法によりまして、都道府県が都市計画を変更して市街化区域に土地を編入するとき、これは、国土交通大臣が同意しようとするときはあらかじめ農林水産大臣に協議をするということにされております。

 この場合、農林水産大臣は、地域において実施している土地改良事業等との関係など、農林漁業に及ぼす影響等について検討して意見を述べる、このようになっておりますが、その際、農用地の区域内の農地を市街化区域に編入する場合、この場合に、その編入面積に見合う農用地の区域内農地をかわりに求めるということはしていないというところでございます。

 したがって、御指摘のようなことでございますので、このような運用方針であることについては改めて地方農政局等に周知を徹底してまいりたい、このように考えているところでございます。

後藤(祐)委員 ありがとうございます。

 本省では非常に真面目にやっておられるんですが、現場に行くとなかなかそうでなかったりする場合があるものですから、ぜひその方向でよろしくお願いいたします。

 稲津政務官も、もしお忙しいようでしたら、これで終わりでございますので結構でございます。

 各論について今幾つか挙げましたけれども、ちょっと新藤大臣にお伺いしたいと思います。

 こういった総合特区とか規制改革、構造特区もそうなんですが、各論の話は非常に細かい話なんです。今の二つも細かい話かもしれません。ですが、やはり政治家が、特に大臣が、こういう細かいところ全部は無理ですが、ちょっとここはどうなっていると、ぱっと見てみて、きっちりやっているかどうかを時々チェックするというのは非常に大事なことで、そうすると事務方も締まってまいりますし、各省と交渉しているときに、大臣、これは絶対のむべき話をのんでくれないんですというようなことが可能になってくると思うんですね。

 それで、きのう通告させていただいたのは、新藤大臣の地元の川口市で総合特区があると一番よかったんですが、残念ながら出ていないので、埼玉県で一つ総合特区が出ています。次世代自動車・スマートエネルギー特区というのが出ていて、一つ一つはこれも細かい規制なんですが、水素の保有量の規制緩和ですとか、セルフ充填ができないかとか、こういったものが出ていますが、どの規制についても、具体的にこういうふうにやろう、こういう大きさで、こういう規模で、こういうふうにやろうという話が来たら、そのとき相談に応じますよというような答えが大体なんですね。

 これは実は、総合特区の性質が、エリアをまず指定して、大体こういうことについて、こういう方向を向いていますというぐらいなことしか定めていなくて、個別具体的な事業者が、この人はこれをつくりたいというところまで煮詰まっていない場合が多くて、それは当然なんですね。なので、ここでとまってしまうとなかなか物が進まない。いや、個別の話が出てきたら相談に応じますよと。でも、その相談に応じるというのは、既存のルールでやりますからねと言われちゃったら、何の意味もないわけです。

 今、エリア的に見ると、今の特区の話を少し御説明があったんじゃないかなと思いますし、あとは個別の規制に関して言うと、新藤大臣は総務大臣でございますから、総務省の関係で何かないかなと思ったんですが、電波法というのがございます。これは、先ほどのさがみロボット産業特区の中で電波法の規制特例を三つほど出しておるんですが、これについても説明をしておいてくださいねと申し上げました。

 今、エリアとして見たもの、自分の所管規制としてごらんになったもの、説明があったと思いますけれども、この進捗状況、ほとんどが、できるようなふりをしてほとんど何も動いていないという状態なんです。こういう状況を踏まえて、もう少し何とかならないかという督励をぜひしていただきたいんですが、これについての大臣の御見解をいただきたいと思います。

新藤国務大臣 それは、さがみロボット産業特区のUWB無線システムのことですか。(後藤(祐)委員「それも含めてです」と呼ぶ)

 では、まず個別のことで言うと、このさがみロボット産業特区における無線システムの緩和、これにつきましては私も少し勉強いたしました。結果的に、使用周波数の緩和をすると、他の無線システムに電波干渉を与えるおそれがある。その干渉する相手先の電波が、河川管理、警察無線、防災行政無線、こういう公的にも極めて重要な部分も含まれてくるということでありますから、この基準緩和には慎重な検討が必要だということですね。そこまではお話が行っていると思うんです。

 加えて、実験試験局の話は行っていますか。(後藤(祐)委員「ある程度は聞いています」と呼ぶ)はい。ですから、もしスピードを上げてすぐにやってみたいということになれば、電波法における実験試験局の免許を取得すれば、これはすぐにできることになるわけです、全体調整を待たなくても、ここの部分だけでですよ。

 ですから、そういう工夫はしていただきたいなと思いますし、私も今、さいたま市のこともありますけれども、折に触れて、そういう懸案になっているものを出してくれと言おうと思っています。

 やはり、ある程度の段階がありますよね。これはもう一押しすればいけるものだ、それから、これはもう少し大きな取り組みが必要だ、これは抜本的な取り組みだと。こういうものを分けて、その中で進捗が管理できるようなそういう工夫はしたい、このように思っていますし、それを私が大臣に、そのときの大臣の雰囲気で変わってしまっても困りますから、何かいいルールをつくらなきゃいけないな、このように思っています。

 とにかく、今回、特区だけで、私が担当して進捗管理しなくちゃいけないのが、都市再生でしょう、それから中心市街地活性化、地域再生、そして環境未来都市、環境モデル都市、近代化産業遺産等世界遺産登録、構造改革特区、そして総合特区、それに今度は国家戦略特区ですから。これはすごい勢いでみんな、それぞれが動いているんです。直近にもまだいろいろな申請が出てきて、これの制度の中で頑張りたいという事業体がたくさんあるんですね。

 ですから、これはなかなか一遍に進まないというもどかしさはありますが、しかし、その中でやはりめり張りをつけた進捗管理が非常に重要だと思いますし、心がけていきたいと思っています。

後藤(祐)委員 ぜひ、鳥の目とアリの目と両方持って、個別具体的なところもきちっと、全部は無理ですけれども、厳しい目で見ながら前向きに進めていっていただきたいと思います。

 それで、国家戦略特区の話も聞きたかったんですが、ちょっと時間がかかっておりますので、先ほど皆さんもお聞きになったのでそれは後にしまして、懸念だけ申し上げますと、最初に申し上げたように、やはり特区というのは、地域なり現場の事業者がこれをやりたいという話があって、内閣府なり内閣官房はその代弁者なんです。規制所管省庁を説得する係なんです。

 ただ、手挙げ方式ではなくというところが今度考えている特区の特徴なんだとすれば、そこが全く違ってくるわけですね。逆に言うと、そこで選ばれなかった地域の方からすると、何であの人たちだけということになるわけです。特に法人税を下げるということになりますと、これは公正な競争という観点から大変問題だというふうに思いますし、税金を投入する場合でも、何であそこだけという話になってくるわけです。

 例えば沖縄を特にそういう特区にするとか、そういう話は聞いていませんけれども、沖縄をやるというんだったら、それは沖縄振興ということに対して割かし理解を得やすいと思いますけれども、もともと強いところをより強くするという話に関してはなかなか慎重に考えなきゃいけないところがあって、少なくとも手を挙げるチャンスはあった、手を挙げた結果、こういう基準でもって選んだからこうなったというやり方だと納得感があると思いますが、そのプロセスなくして、いきなりここですという形でやるというのはいかがなものかなと。そのデュープロセスは後で大変問題になると思いますよ。

 実際に、第六回の産業競争力会議で配られた資料によりますと、具体的な自治体名が挙がっているわけです、東京都とか大阪府市とか愛知県とか。これは、そこに入らなかった人からすると、いかがなものかなと思ってしまうわけです。知事会はどう思っていますか、そういったこともきちっと聞きながら進めていっていただきたいなと思います。

 それでは、規制……(新藤国務大臣「答弁させてくれるんだったらするよ」と呼ぶ)同じ答弁だったらもう結構でございますので。懸念として、私はだめだと言っているわけじゃなくて、デュープロセスをきちっとやって進めていく必要があるんじゃないかなと思います。

 それでは、規制改革全体の話に移りたいと思いますが、二月十四日の内閣委員会で、これは甘利大臣だったんですが、昨年十一月三十日に閣議決定された、民主党政権のときですが、日本再生加速プログラム、これは自公政権においても有効という答弁をいただきました。

 その他、民主党政権時、あるいはその前の、二〇〇九年までの自公政権時も含めた過去累次の規制改革にかかわる閣議決定、あるいは別の形式の場合もあったかもしれませんが、政府として正式にこれはやると決めたことというのがもう山のようにございます。これらは全て有効でしょうか。これについて確認をしたいと思います。

寺田副大臣 お答えいたします。

 二月十四日の当委員会において、委員からの御質問で、甘利大臣、やるべきことは全力でやるという御答弁が議事録に残っておりますが、委員御指摘のとおり、規制改革に関するこれまでの閣議決定は有効でありまして、これを着実に推進するということにいたしております。

 今後、廃止とか見直し、後法が前法をオーバーライドするということはあるわけですが、現状においては、廃止、見直しがなき限り、所要の措置を講ずべきものであるというふうに考えております。

後藤(祐)委員 このことが確認されたのは初めてでありまして、実はすごい大事なことだと思います。

 規制改革は、派手なことを打ち出すことも大事だし、プライオリティーをつけることも大事なんですが、山のようにたくさんある細かいことを一つ一つ着実に前に進めることもまた大事ですので、ぜひ、これは余り政権がかわったからということではなくて、一貫して、少しずつは前に進んでいるんだという形でやっていただきたいと思います。

 これら過去の閣議決定において、平成二十四年度末までに対応するということが決まっているものがたくさんございます。それは最終的な結論でないにしても、ここまでにこういう方向は出すとか、いろいろな形があるわけですけれども、多分、これらは全て対応済みではないと思うんです。二十四年度中にやると言ったけれども、できていないようなものもたくさんあるはずなんですね。

 これについて、その昔というのがいつまでかちょっとわかりませんが、少なくとも、私は役所に二〇〇五年までいましたけれども、二〇〇〇年代前半ぐらいは、例えば三月末までにこれを決めるとなったら、規制改革推進三カ年計画とか昔ありました、三月末までに決めるとなったら、二月ぐらいから、規制改革当局が各所管省庁に対して、この三月にどうやって書くつもりかという原案を出せ、それじゃだめだというやりとりをやって、それで三月に決めるというやり方をしていたんです。

 ところが、今はもうそこはほとんどスルーになっていて、各省が好き勝手に書いたのに近いようなもの、あるいは何も三月末には起きない状態で、例えば二十四年度末までに何かすると書いたものはいっぱいあります。先ほどの十一月三十日のプログラムでもそうなんですが、これが今どうなっていますかということを事務方に聞いたところ、もう聞いたので結構なんですが、それがどうなっているかを今調べていますという答えでありました。いつ調べ始めたんですかと聞いたら、先週です、五月十五日に各省に発注していますと。これはたるんでいませんか。

 二十四年度中に措置すると約束したことがどの程度できているかということを、本当は事前にぎりぎりやるべきところをやらないで、事後であったら、せめて四月の上旬ぐらいに、どこまでやったか確認する作業をしなきゃいけないんですが、それを五月の、私が事務方に聞いているのでは、十五日に発注して今発注中ですという状態ですが、これはたるんでいると思いませんか。

 二十四年度末までにやると言ったことをどうフォローアップしていくつもりですか。お答えいただけますか。

寺田副大臣 お答えいたします。

 過去の閣議決定等で、先ほど委員御指摘のさまざまな閣議決定、日本再生加速プログラムもそうであります。あるいは、昨年の例でいいますと、規制改革に関する方針、平成二十四年七月のもの。あるいは、その後のものも多数存在いたしております。

 これらは定期的にフォローアップ調査をして、できているもの、できないもの、ここらは、例えば平成二十四年の七月、十月、ことしについて言うと、一月にも一部やっております。

 今現在調査中のものも確かに御指摘のとおりあるわけでありまして、ここは調査結果がまとまり次第、当然速やかに公表することを考えておりまして、現在調査中のものというのは、平成二十四年度までの期限のもの、これは五月中には公表できる見込みで、今突貫でこの調査を行っているさなかでございます。五月中でございます。いましばしお待ちをいただきたいと思います。

後藤(祐)委員 それと別途、五月二日の規制改革会議で示されたものとして、規制改革実施計画というものを六月につくることになっていますよね。これはどちらかというと、今の自公政権になって規制改革会議が発足してから、ことしの六月までに取り組んだ規制改革対象案件のうち、各省と合意に至ったものを規制改革実施計画として策定し、閣議決定すると書いてあります。

 今、副大臣がおっしゃった、昔からの宿題になっている膨大なもの、これは含まれないんですか。新しくやるのもいいんですよ。プライオリティーが高いものとして、いいんですよ。それと、過去からの宿題になっているものをきちっと一つ一つピンどめして、これについてはこうだといって閣議決定していく、両方、二段構えでやるべきではありませんか。

 この六月に決める規制改革実施計画の中に、二十四年度末までの約束になっていたもののフォローアップ結果が五月中に出るわけですから、それも合体させて閣議決定するつもりはありませんか。

寺田副大臣 申し上げます。

 フォローアップ調査の方は、委員御指摘のとおり、既にこれまでに大変多くの項目、恐らく全部積み上げると千を超える項目になろうかと思います。そうした指摘事項、閣議決定事項については、フォローアップ調査を行い、公表する。

 今現在、今回安倍内閣になって立ち上がりました規制改革会議においては、規制改革会議で取り上げるべきものとして、委員のメンバーで議論をし、最初、五十九の重点項目を発表いたしました。今月二日の規制改革会議におきまして、実施計画として、そのものは盛り込む。今現在オンゴーイングでやっております規制改革会議の事項は、規制改革会議として規制改革実施計画としてまとめて、閣議決定する。

 まさに今、二本立てというふうに言われましたが、これまで既往のものも当然調査結果を、フォローアップ調査をし、それとは別に公表したい、このように考えております。

 なお、フォローアップの結果、取り組みが不十分なものがあった場合には、改めて当規制改革会議において取り上げて議論をする、すなわち、既往のものも当会議に取り上げて議論することは十分あり得るものと考えております。

後藤(祐)委員 取りまとめて公表するだけだとピンどめにならないんですね。それは閣議決定していただけませんか。

寺田副大臣 まず、既往の閣議決定については、調査結果をフォローアップしてこれは公表するということですね。

 今現在、規制改革会議で審議しているものの中には、既往の閣議決定されたものも一部含まれております。当会議で委員のメンバーで議論して、重要性の高いものを取り上げているわけでありまして、先ほど五十九項目というふうに申し上げました。これは、五十九というのは代表例であって、かなりの数の、本当にちっちゃい小骨のような部分も、それを取り外せば事業が拡大する、あるいは経済が底上げになる、そういったような項目もかなり広範に取り上げられております。

 したがって、今回閣議決定すべきものは、五月二日に決めたものは、あくまで規制改革会議の場でもって議論をされたものであるということであります。

後藤(祐)委員 別の形式でもいいんですが、膨大な方のものも閣議決定していただけませんか。別途でも結構ですから。

寺田副大臣 過去の膨大なものというのは、既に閣議決定を一回経ているわけですね。一回閣議決定を経て、その後フォローアップ調査を行い、調査結果によって、これは措置済みである、あるいは、この点についてはこうであると。

 民主党政権時代はたしか四半期ごとにそうしたものを公表され、公表するだけでなくて、この事項についてはこうすべきであるというリコメンデーションをおつくりになっていたと思いますが、我々としては、一旦既に閣議決定をしている、それは政府として、先ほど言ったように全て有効であるという解釈でありますから、それを再度閣議決定することは考えておりません。

後藤(祐)委員 そこが緩いと思うんですよね。前に進めるためには、ここまでは進んだということを一個一個定期的に決めていく場をつくらないと、各省ずる抜けになっちゃいますよ。

 規制改革の会議の場が、何年に一回かガラポンでかわるわけですよ。そうすると今までの約束はチャラだねというような感じになっちゃうと、そこをつけ狙ってくるわけですよ、各省は。ああ、こんなの黙ってずっとディフェンスしていれば、そのうちまたかわるわというのが一番なめられるんですよ。

 だから、確実に例えば三月末には必ず閣議決定するというような形にしていくことが、いろいろ政権がかわった場合なんかにも、各省に対して厳しく内閣がやっていく上で大事だと思いますので、ぜひ、細かい大量の案件についても定期的に閣議決定することを求めてまいりたいと思います。

 さて、ちょっと時間が過ぎてしまっておりますが、西村副大臣、お越しになられていますので、西村副大臣のところを二つだけ聞きたいと思います。

 中期財政フレーム、二〇一五年に二〇一〇年のプライマリーバランス赤字を半減するという目標、これは堅持するということでよろしいんでしょうか。そして、守れるということでよろしいんでしょうか。

西村副大臣 この目標は堅持をして、そして、実現すべく全力を尽くしてまいりたいと思っております。

後藤(祐)委員 それは骨太方針で明らかにされますか、あるいは何か別の形で、閣議決定なりなんなりされますか。

西村副大臣 御案内のとおり、経済財政諮問会議で、今、財政健全化の道筋を議論していただいているところでありまして、その財政健全化の大枠の方向性あるいは実現する道筋について、ぜひこの年央の骨太方針において示してまいりたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 我々の政権のときには、子ども手当、全額ではなかったですが、倍ぐらいにふやして、三十五人学級をやるだとか高校無償化をやるですとか、やりました。それをかなりの程度自公政権で引き継いでいただいていることには、その部分については敬意を表したいと思うんですけれども、我々は、公共事業を三割カットしてこの財源を、全部ではありませんが、生み出したわけです。ところが、公共事業もやるというようなことになると、歳出全体が拡大するに決まっているわけですね。

 そういう中で、五月二十日に、これは議員立法ですが、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案というものが出てまいりましたが、これでは、あれもやります、これもやりますということになりませんか。特に、この国土強靱化基本法案によって、どうしても公共事業がふえる傾向になるのではないかということについてどうお考えかということと、防災・減災等の「等」とは一体何ですか。

西村副大臣 まず、後者の防災・減災等、これは議員立法で提出されたものでありますので、中身についてはぜひ提出者に確認していただければと思いますけれども、条文一条なんかを見ると、「等」のところが、その他云々となっておりまして、その中には、防災施策を通じた国際競争力の強化みたいな趣旨が書いてありますので、そういったことなのかなと推察をいたしますけれども、中身についてはぜひ提出者に聞いていただければと思います。

 その上で、国土強靱化、これはまさに防災、減災、それから南海トラフ、首都直下、いろいろなことが予測される中で、やらなければいけない、対応しなければいけないことであることも事実であります。

 ただ、その際、進め方については、先に事業とか投資額ありきではなくて、ちゃんと目標を設定し、それぞれの分野の脆弱性を評価、確認し、優先順位をつけて対応していくという方針でありますし、四月十日に国土強靱化推進に向けて各省連絡会議をやっておりますけれども、その中でも、必要となる施策、事業の具体化に際しては、既存の社会資本の有効活用、あるいは効果的な維持管理等によるトータルコストの縮減、それから民間資金の積極的な活用にも留意するというふうに明記をしております。

 委員も非常に御熱心に取り組んでいただいておりますPFIを含めて、しっかりと財政制約の中で効果的な対策を打っていきたい、こうしたことについても経済財政諮問会議でも議論を進めているところでございます。

後藤(祐)委員 中期財政フレームを担当し、かつ、国土強靱化を担当しちゃうのは非常にかわいそうだなと思いますけれども、要求官庁と調整官庁は余り一緒にやらない方がいいと思いますよ。あれもこれもということは国際的に誤解を生むのではないかと思いますので、ぜひ、西村副大臣の厳しい財政に対する規律、これを持ち続けていただきたいということを申し上げたいと思います。

 さて、残り数分になりましたので、最後に、公務員制度改革についてお伺いしたいと思います。

 きょう午前中も、稲田大臣に対する一般質疑で、公務員制度改革に関連する法案がなかなか出てこないと。労働基本権のところの法案が出ないということは、なかなか、そうすぐぱっと出てこないのかもしれませんが、きょう午前中の質疑の中で、幹部公務員については二つのパターンで二回出しているわけですね。せめてこれについては、すぐ出せるんじゃないか。

 これが出せない理由として、先ほどの質疑はちょっとひどいものでした。過去出た法案についての資料すらない中で、有識者に議論をしてもらっていますと。それは何事ですか。

 ぜひこれは、寺田副大臣はよくおわかりだと思いますので、もうパターンは幾つかしかない中で、この国会に出さないと基本法との関係ではもうタイムアップなんです、ことしの七月十日に切れちゃうわけですから、本部が。この本部があるうちに、少なくとも最低限、ある程度出せるものについては出すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

寺田副大臣 お答えをいたします。

 委員もよく御承知のとおり、法案も過去も出て、ことし、基本法上の期限も迎えるわけで、我々、今、早目にそうした作業を行うべく、稲田大臣のもとで公務員制度改革に関する有識者の意見交換会を開催しております。

 今、法案についての資料がないというふうなお答えだったんですかね、午前中の質疑。いろいろな過去の経緯や法案なども含めて、総合的に検証しながら我々は最適解を見出そうというふうにしているわけで、今ちょうどこの意見交換会では、そうした幹部人事のあり方でありますとか、あるいは若手の公務員、委員もかつて霞が関で精励をされていたわけでありますが、私もそうでありますが、そうした若手の公務員がやる気とモチベーションを持って公務にいそしむ、精励ができる、そうしたような体制整備のあり方、あるいは任用制のあり方、給与制度のあり方、そうした制度論全般にわたり、総合的な議論、検証をゼロベースから行っております。

 幹部人事のあり方についても、当然、基本法で定められておりますところの、例えば内閣人事局の設置でありますとか、この内閣人事局をどういうふうに制度設計するかによっても、自律的労使関係のあり方とこれはリンクをしてまいります。そういった議論を今、総体的にやっております。

 なるたけ早くこうした議論も行い、早いタイミングで法案を出すことができればいいなというふうには考えておりまして、まだ議論が続行中であるということで御理解をいただければと思います。

後藤(祐)委員 いや、全く御理解しません。これは法律上の義務を果たしていないので、法律違反ですから。

 そして、この本部はことしの七月十日で切れてしまいます。この国会中に、せめて幹部人事に関する法律だけでも、これは出さないということでよろしいですか。あるいは、出さない可能性が高くなってくるのであれば、せめてこの本部の設置期限を延長しないと、この法律に基づいての本部の権限が切れてしまうと、法律設置だからこそ事務局長がおり、事務局次長が二人いて、そういった人に給料を払っているといったことも認められると思いますが、法律上の期限が切れたら、勝手に閣議決定か何かで設置し直すのかもしれませんが、何でこの方々に給料を払わなきゃいけないんですか。サボっていたんですよ、今まで。

平井委員長 質疑時間が過ぎておりますので、簡潔に。

後藤(祐)委員 はい。これについて、最後、御質問したいと思います。

寺田副大臣 今まさに大臣のもとで、この意見交換会で、ゼロベースで、真の改革になるように検討を続行しているところであります。

 本部の期限が確かに七月に到来することは、我々、重々に承知をしております。委員も御承知のとおり、かつて、この公務員制度改革は、行革の組織の中の一部局としても議論をしておりました。期限到来後も当然、議論を継続していきたい、そのように考えております。

後藤(祐)委員 期限到来後に議論をするというのは、大変、立法府に対して失礼な態度だということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、大熊利昭君。

大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。

 たびたび、よろしくお願いをいたします。

 これまでの議論にも出てまいりましたが、いろいろな特区がある、あるいはできようとしているという中で、今回の総合特区法改正案の外枠でございますが、先ほど来の国家戦略特区につきまして、一言大臣から御所見をお願いしたいんです。

 私どもみんなの党としても腰を抜かすような案をぜひ、高いボールを出していただく。これはすぐに、それじゃできましたと結果が出るほど簡単なボールじゃなくても、むしろ高い球を、例えば、混合診療の全面解禁でございますとか株式会社の病院参入、あるいは農地の取得といった、こう言っては失礼ですが、自民党政権ではとても無理じゃないかと思われるような高い球をまず出していただく。これはみんなの党も腰を抜かす、こういうものをぜひやっていただきたいなというふうに思うんですが、一言お願いいたします。

新藤国務大臣 個別に何をということは申し上げられませんが、そういう気持ちはあります。ただ、腰を抜かしただけでとまればいいですけれども、倒れてしまう場合もありますから。

 とにかく、我々がやらなきゃいけないのはブレークスルーなんですね。ですから、国として、これは今までと違う形のものを頑張ろうと。しかし、それ一つで解決するものではありませんから、やはりどこかに特化したものなんです。でも、それで成功事例をつくった上で、じゃ、究極いくとそこまでいけるのなら、それを目指して我々もやろうと。

 それから、さっき後藤委員からの、答弁はいたしませんでしたが、新聞に出ているようなものが予定調和でできているわけではありません。あれは報道が出ているだけであって、私たちは全然違うことを考えています。あえてリークしているのでもないということであります。

 その上で、バーチャルのものも含めて、概念も新しいものを入れたいというふうに思ってやっているんです。それは、リーディングシティーだとかリーディングプロジェクトになるものもあるし、それから、今までさわれなかったけれども、逆にここの部分をやったら、弱いと思っていたところを逆に、そこを逆手にとって、そこが魅力的な町になったとか、いろいろなものを組み合わせながらやっていきたいと思っています。それに迅速な、そして国家レベルで、みんなが入った意思決定をすれば、それは実行されるわけであります。そういう形をとりたいと思っているんです。

 でも、一遍にはいきません。順番にやっていくことになりますから、全体像があらわれるのには少し時間がかかると思いますけれども、ぜひそういう新しい形のものを取り組んでいきたいと思っていますので、御支援と、また御期待をいただきたいと思います。

大熊委員 私どもみんなの党も、いわゆる三本の矢のうちの一本目と三本目、これについては同様の政策を掲げておりますので、ぜひ、この三本目にかかわる国家戦略特区、トップダウンも含めてお願いしたいというふうに考えているところでございます。

 さて、通告をさせていただいております個別の質問に移らせていただきます。

 今回の総合特区の改正案、四つ出てきているわけでございますが、若干、私のように、後藤委員と違って過去の経緯を知らない者にとっては単発感がありまして、例えば札幌なら札幌、関西なら関西、複合的に、同時に幾つか、まとまりの中で出てきてしかるべきだろうというふうにも思っていたわけでございます。

 理想論かもしれないんですが、やはり、同時に複数の特例措置が出てきて、それらが相乗効果を出せる、そういうことの方が理想、ベターなのではないかというふうに考えるわけなんですが、これについてはいかがでございましょうか。

新藤国務大臣 総合特区というのは新しい制度で、昨年から本格的に、地域指定をして始めているところであります。ですので、最初に国際戦略特区が七つ、そして地域活性化総合特区が三十七あって、それはそれぞれの地域で、オーダーメードの、すばらしい、たくさんの計画があるわけであります。

 そういったものを進めつつ、今回、法律に加えたいものが出てきているから、結局それは特区法で指定していくので、必要なものはこのように法改正しなければいけない、こういう中で出てきたものですから、この一点だけを見ると単発的なふうに捉えられるかもしれませんが、その以前に、総合特区というのは、その名のとおり、まさに総合的に、その地域にオーダーメードの規制緩和やいろいろな財政、税制支援措置を与えて、そして効果を出してもらおう、地域を活性化させていく、こういうことでありますから、御指摘の点、相乗効果を高めていくというのは極めて重要だと思います。

 それから、特区で成果を上げたものは、それはもう少し汎用的なものにしていったっていいと思っているんです。内容次第です。ですから、その意味でもいい仕事をしていただく、また、いい仕事になるような支援を我々はしたい、応援をしたい、このように考えております。

大熊委員 総合特区であっても場合によっては全国展開もし得る、そういう大臣の貴重なお話をいただいたというふうに御了解をさせていただきました。

 次に、この総合特区法、かつての、平成二十三年五月十三日、この時点での附帯決議の五番目で、「グローバル企業等の誘致を推進すること。」というふうにございますが、約二年間たっているわけでございますが、実績として何社のグローバル企業等の誘致に成功したのか、この点について教えていただきたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 国際戦略総合特区では、規制の特例のほかに、法人税の軽減等の税制、財政、金融上の支援措置を用意しているところでございますが、東京都のアジアヘッドクォーター特区などでは、これらの措置のPR等によりまして、国際的な企業の誘致に取り組んでいるというふうに私ども承知しております。しかし、現時点では、これらの特区において実際に誘致に成功した件数については把握しておりません。

 が、しかし、これについては、今申し上げたアジアヘッドクォーター特区では、五年間でアジア地域の業務統括、研究開発拠点を五十社以上、その他の外国企業を五百社以上誘致するという目標を掲げているところでございますので、今後実施いたします事業評価等を通じて、誘致に成功した企業等の把握についても努めてまいりたいというふうに考えております。

大熊委員 一般的な表現で、把握していないということはゼロ件、そういう理解でよろしいのかということと、二年前にさかのぼって、五年間五十社ということは平均的に言うと一年十社ペース、二年間ゼロということは残りの三年で五十、一気に後半加速する、こういう理解でよろしいでしょうか。

加藤政府参考人 実際のところを申し上げますと、東京都にいろいろ照会はかけておるんですが、実際、はっきりしたところがつかみ切れていないということでございまして、数字についても把握できていないというのが実態でございます。

大熊委員 むしろ正直に教えていただいた方が、別に、何か追及するということでやっているわけじゃございませんので。

 企業が登記されれば登記簿等で確認できるわけでございまして、国家権力をもってして把握できないというのはちょっと合点が、得心がいかないんですが、もう一度お願いしたいと思います。

加藤政府参考人 これは正直に申し上げているんですけれども、私どもも東京都にも問い合わせをして、実際どのくらい誘致に成功したんでしょうかと。いろいろなことをやっているというのは事実で、いろいろな場を通じてPRもやって働きかけもやっているんですが、実際にそれがどの程度まで効果が上がっているかというのは、今のところ何とも、私たちには答えが返ってきていない。

 今申し上げましたように、そういうことであってはいけないので、事後評価をちゃんとしっかりしようということがこの総合特区の特色でもございますので、その評価の過程を通じて、しっかりとした把握に努めていきたいというふうに考えております。

大熊委員 ぜひお願いしたいというふうに申し上げると同時に、これは本当にお願いしたいというふうに考えるんですね。やはり、この政策を導入した、法律も二年前に通した、その政策効果の測定一つとってもできていないことになるわけでございますから、行政の効率化という観点からも、本当にぜひお願いしたいというふうに思うわけでございます。

 続きまして、資料にいただいた、国と地方の協議会、先ほど来からも議論に出てきておりますが、改めて、この概要と、一般的な打ち合わせというんでしょうか、国側と地方、特区側との交渉スタイルですね、どういうスタイルでやっている協議会、会議体なのか、簡単に御説明していただければと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 国と地方の協議会につきましては、総合特区法に基づきまして、それぞれの指定された総合特区ごとに設置するものでございまして、構成員といたしましては、関係省庁、地方自治体のほか、民間企業等によって成っております。その中で、その地域に必要となる規制の特例措置ですとか、税制、財政、金融上の支援措置、これらのもろもろについて、そのあり方について協議を行うということを役目としております。

 国と地方の協議につきましては、これまで、昨年春と昨年秋の二度、実施をしております。また、ことしにつきましても、現在、三回目の協議を実施しているところでございます。

 では、具体的にどうやってやっているのかというお尋ねだったと思いますが、実際のやり方としては、去年の二月の例をとりますと、これは一次指定で総合特区に指定されたところを対象にしたものでございますが、そこでは二百七十五の提案がなされまして、その提案を受けて、書面でいろいろ協議を行いました。各省にもちゃんと提案を渡して、書面で協議をいたしますが、その上で、対面で、相対でいろいろ、私たち、公共団体から、特区の方から受けた提案に即して、応援するという立場も当然ございます。そういうことで、対面協議を、管理職レベルを含め、数多く実施してきているということでございます。いわば書面でのやりとりだけじゃなくて、実際に顔を突き合わせて、公共団体も入っていただいて、協議の実を上げていこうということで、実際上、やっております。

 その結果、先ほど二百七十五提案と言いましたが、百五十四項目については合意に至るとともに、六十一項目については方向性について合意に至るなど、約八割の項目について一定の成果を得ているというふうに考えております。

大熊委員 ありがとうございます。

 今言われた、中央省庁の方が入っていらっしゃる、これは内閣府あるいは内閣官房の方のみが入っていらっしゃるのか、あるいは、それぞれの案件ごと、担当の例えば経済産業省とか厚生労働省とか、そちらの方も入っていらっしゃるのか。それはどちらなんでしょうか。

加藤政府参考人 協議の進め方としては、提案されている規制の所管省庁、私ども、提案サイドの三者が集まって協議をしております。

大熊委員 ありがとうございます。

 これも先ほど来議論になっておるように、内閣府さんというのは、特区側のアドバイザー的な、そういう立ち位置で参加していらっしゃるし、そういうふうにあるべきではないかなというふうに私も考えるところでございます。

 続きまして、残念ながらといいますか、今お話のあった、その他、合意あるいは方向性の合意以下の六十件の案件について、これは個別には後ほど時間の許す範囲で一つ一つ見ていきたいと思うんですが、全体としまして、この合意できなかった六十件、これはどういうことで合意できなかったのかなど、どのように総括されていらっしゃるか、教えていただければと思います。

加藤政府参考人 今お尋ねの、その他の六十項目のうち、合意に至らなかった二項目についてのお尋ねだったと思います。

 この二項目は、具体的に申し上げますと、外国人弁護士の規制緩和、これはアジアヘッドクォーター特区から提案を受けたものでございます。それともう一つが、札幌コンテンツ特区から出されたものでして、行政書士法の特例ということで、外国から来ます撮影クルーのビザの取得申請ですとか、そういったもろもろの手続についての緩和、この二項目でございます。

 これは、合意に至らなかったのは、それぞれ、弁護士会との調整、あるいは行政書士会との調整を要するということで、なかなかすぐには結論が出ないということで、合意に至らなかったものでございます。

大熊委員 敵という表現は穏当じゃないんですが、交渉先は、中央官庁とともに、そういった外部の団体というふうな、これが一番ハードルが高い案件だというふうにまず総括をする、こういう理解でよろしいでしょうか。

加藤政府参考人 総括についてはなかなか難しい点があるんですが、今申し上げました春協議で出された二項目については今申し上げたようなありさまですが、実際、どこにハードルがあって、なかなか規制改革が進まないかについては、それぞれ提案されている規制内容に応じて、随分様相が変わってこようと思います。

 したがって、先ほどの外国人弁護士の規制緩和の例でいうと、確かに弁護士連合会との慎重な調整が必要という面もあるんですが、それ以外にも各省側で、規制を担当している部門の方で、例えば安全ですとか公平性ですとか、その他もろもろの要素を勘案してハードルが高いというものもあろうかと思います。

 なかなか一概に言えない点があるのがこの規制改革の難しさではなかろうかな、事務局としてはそう捉えております。

大熊委員 もう一つ、同じ外国人弁護士の具体例で恐縮なんですが、この事務局の方からいただいたペーパーですと、内閣府整理コメントということで、「実現に向けて「相当の経験年数」」を、要するに、実務経験三年を特区の方は二年にしてくれという話でございますね。この「「相当の経験年数」につき、法務省に対し東京都の質問に対する回答を求めつつ、緩和に向けた更なる検討を求める必要。」ということで、これを見ますと、先ほどのとおり、やはり内閣府さんも、ある程度特区側の立場に立った応援をしていらっしゃるのかなというふうにも思いますが、回答を求めるということじゃなしに、今後、法務省に対してどのような説得をしていかれようというふうに考えていらっしゃるか、一言お願いしたいと思います。

加藤政府参考人 これは、私どもとしてはなかなか、説得する妙手が今現にあるのかと言われると答えに窮するのが実態です。

 が、ただ、私たちが担当させていただいておりますこの特区制度の実を上げるためにも、ぜひ、地元からこういう規制改革が必要だという提案をいただいておりますので、私たちも、それを正面から受けとめて、一緒になって規制当局に、引き続き、いろいろな資料も用意して働きかけを、働きかけといいますかお願いも含めてですが、行っていくほかないのかなというのが今の実感でございます。

大熊委員 私ごときの考えで恐縮なんですが、ここにも書いてございますように、では、二年でどういうような実害が出たのか。実害というのは、認められていないから、ないのかもしれないですけれども、仮にやってみて、二年で実害が出たらその後の事後規制、そういう行政の考え方でどうかという、それは行政の考え方の問題かもしれませんが、そういう方針をまず合意していくということでいくのはどうなのかなというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。

加藤政府参考人 多分、先生も内閣府の整理のところをごらんいただいていろいろ御質疑いただいていると思うんですが、私どもとしては、取っかかりとして、そこでも書いていると思いますが、例えば、諸外国でどういう制度をやっているんですかと。日本では先ほど来お話のように三年と言っていますが、外国ではどうなっているんでしょうか、その例も参考にしながらぜひ検討してくださいというようなことを、何というんでしょうか、粘り強く、いろいろな材料を求めて、私たちとしても、できる材料は取りそろえて相手方に働きかけを行っていくということが肝要ではないかと思っております。

大熊委員 ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。

 さて、この改正案の四つの事項に戻りますが、一番最初の、国有財産法の特例の部分、いわゆる私のしごと館のお話でございます。

 かつて、国会の議論で、この私のしごと館について随分と議論があったようでございますが、この私のしごと館は、建設資金が、そもそも雇用保険特会ですか、事業者負担分ということでございますので、譲与後も、もともとお金を払った事業者の方々が例えば研修として使えるとか、何か、ひもが残った形、メリットが残った形にするようなこと、これはできなかったのだろうかなというのをちょっとお伺いしたいと思います。

内田政府参考人 私のしごと館の譲与後の、いわゆる費用を負担された事業主のメリットについての御質問でございますが、今回の特例で、旧私のしごと館が、国際総合戦略特区の事業として、国際競争力の強化に資する先端的な研究開発に活用されることによりまして、研究の推進でありますとか産業の活性化等を通じて、事業主の皆様にも寄与するものであると考えてございます。

 現在、この譲与を希望しておられる京都府では、スマートコミュニティオープンイノベーション拠点として、この旧私のしごと館を整備し、これを、企業等を含めた共同事業体の利用等も想定して取り組んでおられるところでございまして、そういった意味で、事業主にとってもメリットのあるものになると考えているところでございます。

大熊委員 ありがとうございました。

 間接的なメリットは、ないことはないということだろうと理解しました。

 続きまして、同じ、私のしごと館関連なんですが、総合特区法ということで来ているということは、全国になかなか広げたくないといいますか、広げるのはどうかという、そういう観点があるんだろうと思うんですが、一方で、この不動産以外に類似の不動産ですね、やはりほとんど売れそうもないというような状態にある物件、これはほかに一件もないんでしょうか、何件かあるんでしょうか。お願いいたします。

内田政府参考人 ちょっと具体的なケースというのは把握してございませんけれども、今回の国有財産法の特例と申しますのは、国有財産そのものは、あくまでも国民共有の貴重な財産ということでございますから、その処分は有償で行うというのが基本的な原則でございます。例外的に財産を無償で譲渡するというのは慎重に検討する必要があると考えてございます。

 したがいまして、財産的価値に乏しいという国有財産でございましても、例外的に無償で譲渡する場合には、財産の価値だけでなくて、その使用目的も踏まえて検討することが必要であると考えているところでございまして、今回は、経済的な要件に加えまして、総合特区でその目的の趣旨に沿った利用がされるというものについての特例を講ずることとしたものでございます。

大熊委員 この部分は痛しかゆしで、どんどん譲与ができてしまうとなると、好ましくないものをつくって、だめになったら譲与がどんどんできるということに、出口がどんどんできてしまう、これもよくないだろうというふうには承知いたします。

 やはり、私のしごと館の案件については、そもそも論ですね、こういうことになってしまう、そういう可能性が高いといいますか、ある、そういう箱物を建ててしまう、ここのところが当然問題だったのかなというふうには思うわけでございまして、関西特区が、国際戦略特区がまさにポジティブに使っていくということだけを法律に書き込むのではなく、やはり、過去のマイナスのところについてもある程度、何らかの形で言及しておくということが、過去の反省をするという点になろうと思います。

 したがって、そういう部分も、法律の条文の中で書いていくのは難しいと思うんですが、何らかの形で加えていくことについては、私どもとしても必要なのではないかなというふうに考えているところでございます。

 続きまして、海上運送法の特例でございます、旅客不定期航路事業者の件でございます。

 そもそも論なんですが、こちらは、定期事業と不定期事業の認可基準が異なるのはなぜかという点でございますが、資料等によりますと、例えば不定期事業者が定期事業者の定刻のダイヤの直前に出発時刻を合わせて、そういう不定期事業者のダイヤが設置されると、一気に乗客を持っていかれて、不公正な競争条件になるんだ、したがって認可基準が違うんだ、こういう説明があるわけでございますが、まず、この点、そういう理解で大体よろしいかどうか、お願いいたします。

森政府参考人 海上運送法におきましては、一定の航路を定めて、一般旅客を対象に行う運送事業として、二つの許可区分を設けております。一つは、一定のダイヤに従った運航を条件に許可するもの、これは一般旅客定期航路事業と呼んでおりますけれども、それと、もう一つが、ダイヤの設定を条件としない、旅客不定期航路事業であります。

 先生御指摘のとおり、異なる二地点間の乗り合い旅客の輸送については、一般旅客定期航路事業として許可をしており、旅客不定期航路事業としては許可をしておりません。これは、先ほど先生がおっしゃったような要素もあるんですけれども、むしろ、公共交通機関としての利用者の利便性を確保する観点からは、ダイヤをきちっと設定していただいて、当該ダイヤに従って運航していただくということが必要不可欠であるという考え方からでございます。

 今般の総合特区法案におきましては、例えば国際会議場等と近くの空港等との間で、国際会議等参加者を主な対象として行う乗り合い旅客の輸送については、特例的に、旅客不定期航路事業、ダイヤを要しない区分でございますけれども、許可することとしております。本措置によって、国際会議等の誘致が促進され、国際戦略総合特区が目指している国際競争力向上に効果が見込まれるとともに、かかる航路は、国際会議等が開催されていないときは利用者が大幅に少なくなるものですから、事業者の都合により運航本数を増減しても利用者の利便を損なうものではないという判断で、特例を設けたものでございます。

大熊委員 そうしますと、海上運送法の特例、このケースについては、今の御説明ですと、特区、この地域だけじゃなくて、全国展開も比較的考えやすい事例だというふうに考えて差し支えないでしょうか。

森政府参考人 今申し上げた、例えば国際会議場と近くの空港との間の旅客輸送というのは、非常に特殊な輸送需要に基づいて輸送するものであります。こういったものが非常に多くなってくればまた別ですけれども、今のところは、あくまでも、この総合特区法に基づいた特例措置という形を考えております。

大熊委員 東京ですと、私も東京なわけですが、お台場等でいろいろな展示会があるということを想定しているんだろうと思いますが、東京以外でも恐らく類似の展示会などが行われるということだろうと思いますので、そういう点からも、全国展開というのは比較的容易なんじゃないかな、考えやすいんじゃないかなと。先ほどの議論ですと、構造改革特区的な観点で広げやすいんじゃないかなというふうに思うわけでございますが、改めて、いかがでございましょうか。

森政府参考人 本特例措置は、先ほど申し上げたとおり、東京都から要望があったものであって、現時点では、羽田空港とお台場を結ぶ航路を想定しているのは事実でございます。

 一方、アジアヘッドクォーター特区の例と同様に、特例措置を講じることで国際会議等の誘致の促進に効果があると考えられる航路においては、特例措置の対象とすることが妥当というふうに考えております。

 今後、ほかの国際戦略総合特別区域から同様の要望が行われた場合には、当該要望について検討を行い、要件を満たすものについては特例措置の対象としたいというふうに考えております。

大熊委員 国交省さんとしては、ほかの地域から要望もないのに、そういうことができるよというふうなことというのはおっしゃりにくいんだろうというふうには思うんですが、逆にといいますか、一方、内閣府さんでは、東京でこういうことができるのであれば、ほかの地域でもできるよというようなアピール、こういったことが必要なんじゃないかと思います。

 先ほど大臣の方からも、敵味方ということじゃなくて、いいことであれば一体となって、国が、地方がということじゃなくてやっていく。そういう趣旨からすれば、東京でできる、いいことなんだということであれば、関西だって名古屋だってでき得るわけですから、そういった事例をほかの地域についてもPRしていくということが肝要なんじゃないかと思うんですが、内閣府の参考人の方、お願いします。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 海上運送法の特例でございますけれども、これは、国際戦略総合特区に認める措置でございますので、同様の国際戦略総合特区で必要であれば、当然使うことが可能だというふうに考えております。

 したがって、先ほど海事局長からも答弁がございましたが、東京でまず使ってみて、どういう成果があるかも含めて当然、評価をするということになるわけですから、その成果も踏まえて、必要な対応を検討していきたいと思っております。

大熊委員 ぜひ、民間企業でいえば営業だと思いますので、内閣府さんにしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 そして、このケースの最後の点でございますが、可能な対象先というのが、国際会議等ということなんでしょうか、片仮名で、MICEというんですかね、ミーティングとかインセンティブ旅行、コンベンション、エキシビションということだと承知しているんですが、例えば、晴海かどこかで集会をやる、原発デモをやる、こういったケースは対象になるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

森政府参考人 本特例の対象となっています国際会議等とは、この法案の十九条の三に書いてございますけれども、いわゆるコンベンション法、国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律第二条に規定する国際会議等というふうにされております。

 コンベンション法の第二条では、「会議、討論会、講習会その他これらに類する集会であって海外からの相当数の外国人の参加が見込まれるもの並びにこれらに併せて行われる観光旅行その他の外国人のための観光及び交流を目的とする催し」というふうに定義されております。

 本規定上、会議等の目的は限定されておりませんので、例えば原発のあり方を考える国際会議というのは、一般的には、同法における国際会議等に該当するものと考えられます。

 一方で、今先生が御質問になりました、例えば街頭のデモ、これについては、その目的にかかわらず、本規定による国際会議等には一般的には該当しないというふうに私どもは聞いております。

 いずれにしても、今回の総合特区法案に基づいて許可される不定期航路事業については、その主目的が国際会議の参加者の輸送であることを求めてはいるものの、利用については、広く一般旅客が利用できるものでございます。

大熊委員 ちょっと細かいところで恐縮なんですが、船に乗るお客さんが、その後、会議場、室内に入る、これはオーケー、外でみんなで集まる、これはだめというのは、ちょっと論理的には、船に乗る乗客という観点からすると同じだろうと思うので、よくわからないのですが、そういう法令になっている、そういうふうに理解をさせていただきました。

 あと五分ということで、次、酒税法の方……

平井委員長 森海事局長。

森政府参考人 済みません、私の答弁がちょっと悪かったかもしれませんけれども、要は、その航路を利用する人は、別に国際会議等に参加する者でなくても、一般の方は利用できます。

大熊委員 会場の中に入らなくてもいい、そういうことでございますね。

 続きまして、酒税法の特例に参りたいと思うんですが、そもそも論の、最低製造数量基準ですか、これが今日まであるその理由、背景あるいは目的について簡単にお知らせいただければと思います。

竹内大臣政務官 お答えいたします。

 酒税につきましては、酒類製造者が所得の有無にかかわりなく納税する必要があるため、納税の確保のためには、一般に採算のとれる程度の規模の製造が可能であることが必要であると考えております。このため、酒類の製造免許の付与には、酒類の区分及び製造場ごとに定められた最低製造数量基準を満たすことが要件とされております。

 仮に、最低製造数量基準を設けない場合には、採算のとれない製造者の増加を招き、滞納などの発生といった酒税の確保に支障を来すことの懸念や、税務当局による実態の把握が困難になることに伴う密造の横行など、酒税制度の根幹に影響を与える問題が生じかねないと考えております。

大熊委員 前段のところは、普通、民間企業であれば、採算がとれないものをわざわざやるということはないだろう、短期的にやったとしても、中長期的には淘汰されていく、なくなっていくというふうに思うのが一点。

 それから、税務当局による実態の把握が困難というところでございますが、これは、かつて、昔、酒税法ができたときと、今般、この場で随分長い時間議論をして衆議院を通過したマイナンバー、法人についても法人番号が入るわけでございますから、個人については個人番号が入るわけでございますから、これによって、今お答えの後者の部分は相当程度把握できていくはずなわけでございまして、これはやはり時代に合わせてここの部分も変わっていく必要があるんじゃないかなというふうに、この特例措置ということ以外に思うんですが、この点、いかがでございましょうか。

竹内大臣政務官 最低製造数量基準の緩和といったものは、小規模な酒類製造者の増加を招きまして、滞納の発生や密造の横行の懸念など、酒税制度の根幹に影響を与えかねないため、酒類の製造実態等を勘案して、慎重に検討する必要があると考えております。

大熊委員 この酒税法の特例、水産物はワカメというふうに伺ったんですけれども、随分いろいろな広がりがある、全国展開に近い部分がある、そういう理解でよろしいでしょうか。

加藤政府参考人 今回の特例措置は、もともと昨年度の構造改革特区法の改正で措置されたものを、今回、総合特区法においても同様の規定を置こうということで、改正をお願いしているものでございます。

 規制緩和項目としては確かに総合特区法の緩和項目でございますが、今申し上げましたように、一方で同趣旨の内容の改正を構造改革特区法で措置済みでございますので、他の地域で、例えば総合特区以外のところで同じような規定を活用したいという向きがあるところについては、構造改革特区のスキームで手を挙げていただいて計画認定を受ければ、同様の改正内容が実現されるということでございます。

大熊委員 構造特区と重なる事例だというふうに理解をして、本日、時間の配分を間違えまして、終了ということでございますので、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

平井委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る二十四日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時九分散会


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