衆議院

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第2号 平成17年2月23日(水曜日)

会議録本文へ
平成十七年二月二十三日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 塩崎 恭久君 

   理事 園田 博之君 理事 田村 憲久君

   理事 平沢 勝栄君 理事 吉野 正芳君

   理事 津川 祥吾君 理事 伴野  豊君

   理事 山内おさむ君 理事 漆原 良夫君

      井上 信治君    左藤  章君

      笹川  堯君    柴山 昌彦君

      谷  公一君    早川 忠孝君

      松島みどり君    三原 朝彦君

      水野 賢一君    森山 眞弓君

      保岡 興治君    柳澤 伯夫君

      柳本 卓治君    加藤 公一君

      河村たかし君    小林千代美君

      佐々木秀典君    樽井 良和君

      辻   惠君    松野 信夫君

      松本 大輔君    江田 康幸君

      富田 茂之君

    …………………………………

   法務大臣         南野知惠子君

   法務副大臣        滝   実君

   法務大臣政務官      富田 茂之君

   最高裁判所事務総局総務局長            園尾 隆司君

   最高裁判所事務総局刑事局長            大谷 直人君

   政府参考人

   (警察庁長官官房総括審議官)           片桐  裕君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 吉田 英法君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    岡田  薫君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          倉吉  敬君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    寺田 逸郎君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    横田 尤孝君

   政府参考人

   (法務省保護局長)    麻生 光洋君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  三浦 正晴君

   政府参考人

   (外務省大臣官房国際社会協力部長)        神余 隆博君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    鹿取 克章君

   政府参考人

   (文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官)          尾山眞之助君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            鈴木 正徳君

   法務委員会専門員     小菅 修一君

    ―――――――――――――

二月二十三日

 国籍法の改正に関する請願(伴野豊君紹介)(第一七三号)

 国籍選択制度と国籍留保届の廃止に関する請願(中井洽君紹介)(第一九三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

塩崎委員長 これより会議を開きます。

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房総括審議官片桐裕君、警察庁長官官房審議官吉田英法君、警察庁刑事局長岡田薫君、金融庁監督局長佐藤隆文君、法務省大臣官房司法法制部長倉吉敬君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長大林宏君、法務省矯正局長横田尤孝君、法務省保護局長麻生光洋君、法務省入国管理局長三浦正晴君、外務省大臣官房国際社会協力部長神余隆博君、外務省領事局長鹿取克章君、文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官尾山眞之助君、中小企業庁事業環境部長鈴木正徳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

塩崎委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局園尾総務局長及び大谷刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

塩崎委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松島みどり君。

松島委員 自民党を代表して質問させていただきます。

 大臣の所信表明の中で、私は非常に共感したところがございます。それは、今、国民が最も強く望んでいることは、安心・安全な日本を回復することですというくだりでございます。私自身、昨年秋は犯罪被害者を救済するための議員立法に取り組みまして、ことしは、犯罪を起こさせない、未然に防ぐということが自分にとってのテーマでございます。

 その中で、大臣が言われたことの中で、言葉として言いますと、子供を安心して学校に通わせるということや、女性や老人が夜道を安心して歩くことができるということ、そしてさらに、幼い子供が被害に遭うような痛ましい事件を少しでも減らすというそのお言葉に、もうそのとおりだと思っている次第でございます。

 そこで、まず、子供を対象にした二つの不幸な事件を例にとり、質問させていただきたいと思っております。

 一つは、仮出獄中の男が愛知県安城市のスーパーで生後十一カ月の男の子を母親の前で惨殺した事件でございます。この事件については、本当に母親の目の前の出来事で、この若いお母さんは、お母さんがかばい切ることなんか絶対できなかった事件であるにもかかわらず、これからずっと、なぜあの子をあのとき救えなかったかという思いにさいなまれながら彼女はこれからの日々を送るんじゃないかと本当に気の毒に思います。

 そしてもう一つは、奈良県で小学校一年生の女の子を強制わいせつの目的で連れ去り、そして殺害した、昨年末に逮捕されてよかったんですけれども、この犯人は、二度逮捕されて、そして二度目はこれも強制わいせつ目的で幼い女の子の首を絞めて、気づいた人がいたからよかったけれども、殺人未遂でしたけれども、気づかなければ殺人に至ったでしょう、その事件で実刑判決を受けた、そういう歴史を、そういう経験を持つ犯人でございました。

 この二つについて例を引きたいと思います。

 愛知県安城市のスーパーの事件では、この犯人は刑務所を仮出獄、仮出獄というのは模範囚として仮出獄するわけですけれども、そして仮出獄して更生保護施設に入ってから三日で行方不明になった、そして間もなく起こした事件でございました。保護司の方々とか更生保護施設というのは民間の方がボランティアでやっていらっしゃる。こういう出てきた人をずっと閉じ込めておくということは無理なことでございます。もちろん、そこを足場にして職探しにも出かけるわけですから、無理なことです。

 しかしながら、今、こういう仮出獄をして所在がわからなくなっているという人は全国でどれぐらいいるのかということが一点、質問です。

 もう一つは、こういう場合、皆さん方だけで、保護観察所の方だけで調べるというのは無理でございますから、警察に依頼して指名手配などをして捜索をすべきではないかということが二つ目の質問。

 そして三つ目の質問は、所在を明らかにするという約束で仮出獄していても行方不明になることが間々ある。こうした場合も、見つかったら、また刑務所に入れられて残りの期間を刑務所で過ごさなければいけないだけでありまして、追加的な刑は発生しません。一方、刑務所に入っているとき脱獄事件を起こすと、脱獄というのは逃走罪として、単なる脱獄で一年以下の懲役、これが刑務官などに暴行して脱獄したということだったら五年以下の懲役となります。このアンバランスというもの、私はちょっとアンバランスだと思うんですけれども、どのようにお考えになるか、伺いたいと思います。

南野国務大臣 本当に、先生がおっしゃいました殺人事件、いろいろございますけれども、特に子供の痛ましい件につきましては、本当に涙することがございます。しかも、誕生日を三日前に控えてあのようなことになるというのは、本人もそうですけれども、母親、父親、両親の気持ち、また周りの気持ちはいかばかりかな、そのように思っております。同じ気持ちを持ちながらこの問題を解決していかなければならないということでございます。

 仮出獄中の問題でございます。所在が不明となって保護観察の停止の措置をとられている人は、平成十七年一月末現在の仮集計でありますけれども、六百四十名あります。従来から、仮出獄中の者が所在不明になった場合には、保護観察所で家族や知人等の立ち回り先について継続的に調査するなど所在調査に努めてまいりましたけれども、今後は、あらかじめ仮出獄者の家族や交友関係等をさらに詳細に把握するなどして、本人が住所不明に陥った場合に、一層迅速かつ充実した調査を徹底して行わせたいと考えております。

 また、所在不明の仮出獄者の所在調査をより一層強化するためには、保護観察所から警察に協力を要請することとします。その具体的な方法を定めるため、今、実務担当者レベルで協議を開始いたしており、これを早急に結論を出させたいというふうに思っております。

 それから、もう一つの質問でございますが、刑のアンバランスということもございます。逃走の罪は、拘禁された者が暴行等の手段により逃走する行為を国家の拘禁作用を侵害するものとして処罰するという一つの決めがございます。これに対しまして、仮出獄制度は、刑期の途中で仮に出獄を許した上、仮出獄者が遵守すべき事項を遵守しなかったなどの事情があれば、これを取り消して残刑を執行するという制度でありますために、このような制度の性質上、一定の住居に居住する等の遵守事項違反につきましては、仮出獄の取り消しとは別に犯罪を構成するということは難しいという判断になっているところでございます。

 そういう今の取り決めがございますことを御報告しておきたいと思います。

松島委員 国家の拘禁に対する反逆という大変厳しい表現があったんですが、それと、もちろん法令遵守のルールを守らない、決めて、こういうお約束で外へ出してあげたのに守らないというのは、これは国家の拘禁に対する犯罪でないにしてもやはりかなりまずいことで、追加の罰則があるのが普通じゃないかと私は考えますが、ぜひ今後検討していただきたいと思っております。

 次に、奈良の事件でございます。性犯罪の中でも小児性愛という特殊な、特別な犯罪でございます。

 この小児性愛の問題に関しては、今既にその対策として、法務省として、私が知り得ている範囲では二つのことをやっていただいているようでございます。出所後の帰住先、帰っていく先を警察に連絡するということ、もう一つは、この国会でまた議論されます監獄法の改正、まあ、今どき監獄法という名前が残っていたのが不思議なぐらいでございますが、刑事施設法ということに変える、そしてその中身も改正する中で、今までは希望者だけが受ける、希望すれば受けることができた矯正、教育プログラムを性犯罪などについては必ずやらなきゃいけないという義務にするということを伺っております。

 これは二つとも、もちろん私は評価させていただきます。しかし、それを評価した上で質問がございます。

 一点目。先ほど、帰住先を警察に知らせるための協議を進めているようでございますが、帰住先といっても、一度帰った後、もちろんずっとそこにいるかどうかわからない。それで、その後、その元受刑者、小児性愛など特定の性犯罪によって刑務所に入っていた元受刑者が出所した後、住所を移した場合にも地元警察などに報告をさせる義務を課すことはできないでしょうか。

 例えば、今実際にある法律で、犯罪者予防更生法という名前の法律がございます。この一章一条には、目的として、「犯罪予防の活動を助長し、もつて、社会を保護し、」という言葉がございます。犯罪を予防する、そしてそれによって社会を保護する、この観点に立ちましたら、この趣旨を生かしましたら、例えばこの法律の改正によってもこういう報告義務を加えることはできるのではないかと私考えますが、いかがでございましょうか。

南野国務大臣 先生の御疑問、本当にそうだなというふうに思いますが、刑事責任を果たし終えた、刑務所を満期出所した人に対しては、出所後の住所を地元警察署などに届ける義務を課すことについては法律で規定する必要がある、これは考えておりますが、その場合、このような義務を課すことが正当化される理由、また届け出の実効性を担保するための方策、届け出義務の期間をどうするか等の問題につきましては慎重な検討が必要であるというふうに思っております。

 なお、犯罪者予防更生法、先生が今お話しになられました、犯罪をした者の改善及び更生を助け、恩赦の適正な運用を図り、仮釈放その他の関係事項の管理について公正妥当な制度を定め、犯罪予防の活動を助長して、もって社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進すること、それを目的としておりますけれども、ここで言う犯罪予防の活動の助長というのは、犯罪の予防を目的とする地方の住民の活動を助長することなどを意味しておりますので、この法律で刑務所を出所した者に対して出所後の住居を警察に届け出させるという義務を課すことは難しいのではないかなと。今の枠でございます。

松島委員 追加質問でなく、それについて感想だけ申し上げさせていただきたいと思います。

 役所の縦割り行政の中で、例えば法務省の保護局の法律であるという意識があるとしたら、それは私はおかしいと思っております。社会が、住民が、国民が安全で安心な暮らしを送る、これが第一義でございまして、そういう観点に立って、どの法律はこのためだからなどということを言わないで、まあ、別の立法でもやっていただければやればいいとは思っておりますが、感想でございます。

 このたび、今もお話の中に、刑期を終えた者についての対応というのはというくだりがございました。それについての質問でございます。

 今後、監獄法を改正して、先ほど申しましたように、刑務所で性犯罪者などに適切な教育がなされたとします。この教育も、これからどういう教育がふさわしいのか、今までやってこなかったことをプログラムを組むわけですから、非常に難しいことだとは思います。

 しかしながら、これをきちっとやったとしても、ほかの犯罪と違って性犯罪という特殊な犯罪、特に小児性愛という問題については、専門家の中にも、例えば精神科医やあるいは心理学者など専門家の中にも完全に治すことは難しいという見方もございます。決められた刑期の中で教育をした、その教育をする側が、この受刑者は完全に治っていないかもしれない、また社会に出たときに同じ犯罪を犯すおそれがあると心配することはあり得ると思います。

 刑期というのは、何年間、とにかく刑務所へ入っている、拘束するということを定めているわけですが、その間にそういう癖というか病気というかが治るとは限らない。そうした場合に、そのまま刑務所を出すのか、そして晴れて天下で自由に行動させるのか。私は、非常に怖いことだと思っております。

 そこで、質問でございます。

 刑期満了後の保安処分、保護観察処分というものがとれないか。例えば、外国に例を引きますと、ドイツのように、刑期満了後も必要ならば、この必要というのはだれが判断するのかはこれからまたの話でございますが、必要ならば精神病院に入院させるなどの措置をとることはできないのかということが一点。

 そしてまた、ついでに外国の例を引きますと、アメリカ式の情報公開。アメリカもいろんなレベルに合わせて、一番情報公開する場合はホームページで地域の人も見ることができるようになっているようでございますが、そういった情報公開。あるいはイギリス式の、GPSというのを用いて、警察による監視システム。こういう元受刑者は子供たちがいる学校や公園の近くに寄ってはいけない、そうした場合にはセンサーが働いてブザーが鳴って逮捕されるというような、そういうことを考えるかどうか。

 ここまで一挙に行けないとしたら、まず第一歩として刑期満了後、保護観察といっても、これは一般的な保護観察官なりあるいは保護司なりでは対応し切れない問題がございますから、刑務所を出た後も、例えば精神科医の治療を受ける義務、あるいは心理学の面でのカウンセリングを受ける義務を課して、その義務に違反した場合には、これは処罰の対象となるというようなことを規定する、そういった方向のお考えがあるかどうか、こういうことについて伺いたいと思います。

南野国務大臣 本当に、先生の御心配、そのとおりだと思いますが、御指摘のような意見があることは承知いたしております。

 性犯罪者に関して、刑期を終了した人に対しては、保護観察を続けたり、先生がおっしゃった、発信装置を取りつける、そういうことをしながら監督を続けることや、または住所情報を公開することにつきましては、これらの者の社会復帰のための努力を阻害するおそれがあるのではないかという声もまたございます。出所者や家族の生活にも悪影響を及ぼすのではないか。さまざまな問題がありますことから、慎重に検討をしてまいるべきものと思っております。

 いずれにいたしましても、性犯罪者による再犯を防止する、これは喫緊の課題であろうかと思っておりますので、関係機関とも協議しながら多角的な施策を実施する必要があると思っておりますので、先生のお考え、これも一考させていただきたいと思っております。

松島委員 私は、何に重きを置くかということだと思います。加害者の人権、犯罪者のプライバシー、それよりは、だれが次の被害者になるかもしれないということ、このことを重要視していただきたいと私は思っております。

 今の制度の中でも、例えば、お礼参りとかそういうものを危惧して、その心配がある場合には出所情報を被害者に伝えるというのがございます。この幼い子をねらう人たち、犯人は、だれでもよかったと言うわけです。つまり、だれでもよかったということは、すべての女の子が次の被害者になるおそれがあるわけです。そこをぜひ考慮していただきたいと思います。

 そして、次の質問でございますが、今、刑期のことが出ました。私は、強制わいせつ事件は初犯だと執行猶予のあるケースが非常に多いと言われているので、どういうことだろうかと調べました。私が調べた範囲では、強制わいせつで七割強、七割以上、そして、もっとひどい強姦及び未遂でさえ二三%は、これは初犯、累犯、とにかく全部合わせてでございますけれども、執行猶予つきの判決となっています。

 これを最高裁判所に確認させていただきたい。過去数年間の経緯、どれだけの事件、そのうち判決で執行猶予がどれぐらいかということ。そして、もしこうでありましたら、肉体あるいは精神に大きな打撃を与える犯罪であるにもかかわらず、余りにも甘過ぎると言えるのではないかと思っております。そして、昨年秋に刑法改正で強姦罪が少し重くなりましたが、これで執行猶予つきが減ると考えることができるかどうか、これも含めてお願いいたします。

大谷最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 まず、数字の問題でございますが、地裁通常第一審における強制わいせつ、これは未遂を含む数字でございますが、この有罪人員は、平成十二年には七百三十八人、平成十三年には七百八十一人、平成十四年には八百八十三人、平成十五年には八百四十九人、平成十六年には九百四十三人であります。有罪人員のうち執行猶予の付された人員でございますが、これは、平成十二年には五百二十九人で全体の約七一・七%、それから平成十三年には五百四十三人で約六九・五%、平成十四年には六百三十九人で約七二・四%、平成十五年には六百一人で約七〇・八%、平成十六年には六百七十七人で約七一・八%となっております。

 また、地裁通常第一審における強姦、これは未遂をまた含みますが、この有罪人員でございますが、平成十二年には四百二十四人、平成十三年には四百二十三人、平成十四年には四百六十六人、平成十五年には四百九十一人、平成十六年には四百六十人であります。有罪人員のうち執行猶予の付された人数でございますが、平成十二年には百二人で全体の約二四・一%、平成十三年には百十九人で約二八・一%、平成十四年には百七人で約二三・〇%、平成十五年には百十七人で約二三・八%、平成十六年には百六人で約二三・〇%となっております。

 なお、平成十六年の数値はいずれも概数となっております。

 続いての御質問ということでございますが、今お示ししました数字は、これは合計値ではございますが、結局は一つ一つの裁判体が具体的事件で下した結論でありまして、最高裁の事務当局としてそれらの当否についてお答えする立場にはないということは御理解いただきたいと思います。

 なお、一般論として裁判の実情を申し上げますと、個別の事件の量刑というのは、各裁判官が構成する裁判体が、被害の実情やあるいは裁判時における示談の有無や被害感情というものを含めて、法廷にあらわれたさまざまな具体的な事情を前提としまして、また、検察官からの論告求刑、あるいはこれに対する弁護人からの意見等、量刑に関する点を含む当事者の主張を聞いた上で、その事件の被告人に対して最も適切と考える刑を下しているのでありまして、また、検察官、弁護人等の上訴による是正の道も講じられているところであります。プロセスについては以上のような実情にございます。(松島委員「刑法改正によって少し重くなるのですか」と呼ぶ)

 今回の、昨年秋の刑法改正につきましては、もとより、全国の裁判官に対して法改正の内容や趣旨についてこれを周知する措置をとっておりまして、各裁判官は、改正の趣旨も念頭に置いて、量刑について判断しているものと思います。

 ただ、今申し上げたところと基本的には同じ理由でございますが、個別の事件の量刑がどうなるのかということについて、最高裁の事務当局から意見や予測を申し上げることについては非常に難しいということは御理解いただきたいと思います。

松島委員 もともと三権は分立しておりますから、国会議員が裁判の判決について云々言うことはできません。しかしながら、裁判所を取りまとめているというか、裁判所関係で一番偉い最高裁判所の方に個々に決めることだからと言われてしまうと、国民の一般的な声とか考えというのはどうやって反映すればいいんだろうかと物すごくむなしくなってまいります。

 そして、もう一つここで大事なことは、先ほどの教育とか矯正のプログラムでございますが、刑務所に入れば教育が、これが法改正できちっとされるとします。でも、強制わいせつ及び未遂で七割以上が執行猶予がついている。強姦及び未遂で二三%とか、年によったら二五%以上が執行猶予がついている。執行猶予がついたら、これはどうやって教育をやっていくのか、だれが責任を持つのか、これはちょっとどちらに聞けばいいのかわからないんですが、御答弁お願いします。

麻生政府参考人 刑事裁判で執行猶予判決が出ますと、一般的には、保護観察がつく場合とつかない場合があります。つかない場合につきましては、保護当局として何もできないのが現状でございます。

 それから、保護観察になった場合につきましては、その観察の過程でいろいろな指導をするということが想定されるかと思います。

 以上です。

松島委員 保護観察となった場合、ただ、現行の規定では、先ほどのように居場所を明らかにするとかそういうことだけでございますから、教育のシステムはないわけです。ぜひこれは早急に取り組んでいただきたい。

 なおかつ、ぜひ全国の裁判官の方に、執行猶予をつけるということがどういうことをもたらすのか、それが理解できるように、何らかの啓蒙啓発を、教育をしていただきたい、かように思っております。

 その根底には、私、もうきょうは質問にしないで要望にしておきますけれども、昨年秋の改正でも、まだ性犯罪に対しては非常に甘い。強姦致死傷罪が懲役五年以上。それに対して強盗致傷罪が六年以上でございます。昨年の秋もこの委員会で触れさせていただきましたが、そして附帯決議もつけましたが、これは早急に我々も法定刑を見直したい。法定刑を見直さないと裁判所は甘い裁判、甘い判決をしばしば出すわけですから、法定刑の段階できちっとしておかなければいけないと私は考えております。

 テーマを変えます。

 次は、外国人犯罪の増加をとめるために、私、昨年の二月の法務委員会で、入国審査と外国人登録の厳正化について質問いたしました。それについて、その後の行政の取り組みについて質問させていただきたいと思っております。

 昨年二月の質問で私、外国人犯罪を減らすために、入国審査の際に指紋採取や虹彩で確認すべきだと申しました。それに対して当時の野沢大臣から、国際民間航空機関の生体認証に関する国際標準化作業の進み方も見ながら、日本でも生体認証のどれがいいか検討するという答弁をいただきました。そして、昨年十二月には政府の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部でも、「テロの未然防止に関する行動計画」として入国審査における指紋採取の導入が決まりました。ぜひこれを早くやっていただきたい。

 その中で、もし指紋採取についてのアレルギーというものがあるものでしたら、日本国民でも本人が同意した場合に指紋をとって、帰国後、成田でも込んでおりますから、帰国後の入国審査をやりやすくする。優先的に迅速にさっさと通るようにするというようなメリットを与えて、もちろん日本人は希望者だけで結構ですけれども、そういう指紋採取に対する国内外のアレルギーを解消する、そういうことが考えられないでしょうか。今、検討を進めておられると聞くんですけれども、その中身を教えてください。そして、外国人の入国審査も、来年法改正なんて言わずに、今年じゅうにでもやっていただきたいことでございます。

南野国務大臣 外国人の指紋情報を上陸審査時に取得するということは、テロリストや不法滞在者の水際防止、それの対策として極めて有効であるというふうに思っております。それを最も効果的にするためには、制度や運用というものを技術的な面から多角的な研究や検討が必要であろうかと思っております。法務省としても、しっかり取り組んでいきたい。先生がおっしゃったように、できる人からやっていけばいいのじゃないかなというふうにも思っております。

 また、迅速な出入国手続を実施する観点から、渡航者から生体情報の登録を自発的に求めることもできるのではないかとの御提言をいただきました。御指摘のあった方策につきましては、法務省といたしましても、生体情報認証技術を活用した出入国審査を今後展開していく上で有効であると考えております。平成十七年度には、関係府省などとも連携しながら、いわゆる自動化ゲートに関する実証実験などを行う予定でございます。その中にもバイオが取り込まれたりいたしております。

 このような生体情報認証技術を、問題のない数多くの渡航者の円滑かつ迅速な処理、そして厳格な水際管理の双方として活用していきたいと思っております。

松島委員 二つまとめて伺います。

 今、自動化ゲートと言われたこと、どういうものかの確認が一つと、そしてもう一つ、別の質問でございますが、去年、私、同じようにこの場で、外国人が自治体に外国人登録を申請した際に、自治体は実際にその住所に住んでいるかどうかを確認しないでそのまま受け付ける仕組みになっているのが問題だと主張いたしました。その際、当時の入国管理局長から、不正防止策を講じることにしたいと答弁がございましたが、その後、外国人登録を自治体に出すときにどのような不正防止策がとられたか、さっきの自動ゲートの話とあわせて、最後にお答えいただければと思っております。

三浦政府参考人 自動化ゲートの内容でございますけれども、現在考えておりますのは、例えば、日本人の方で外国にしばしば出張されるような方につきまして、御本人から御希望がございました場合にはICカードというものを、銀行のキャッシュカードと同じようなものでございますが、これを発行いたしまして、そこに御本人の指紋を登録していただきまして、このカードを自動化ゲート、JRのSuicaカードのようなイメージでございますが、機械に通すことによりまして迅速な出入国手続ができるということを考えておるところでございます。

 二点目でございますが、昨年二月に先生から御指摘のあった件でございますが、登録申請時におきます不正防止の対策につきましては、昨年の四月十五日から実施に移しております。

 具体的に申しますと、不法滞在者から新たに外国人登録の申請があった場合におきましては、これを直ちに受理するのではなく、法務省におきまして出入国、在留、退去強制等の記録を精査いたしまして、市区町村においても郵便物の送付を通じた住居実態の確認を行うというようなことを実施しております。

 これらの不正防止対策につきましては、相当の効果を上げているものと考えておるところでございます。

松島委員 もし、相当の効果というのが具体的にございましたら、どれぐらい拒否したとかございましたら、最後にそれを教えてください。

三浦政府参考人 昨年十二月末時点の統計でございますが、その処理状況を若干御紹介いたしたいと思います。

 市区町村から法務省あてに、申請の受理についてこれが妥当かどうかという照会が二千八百件ございました。このうち、市区町村におきまして、郵便物を送付するなどしたものの、居住の実態が確認できないために申請の受理を留保して外国人登録証明書を交付していないという案件が全体の約四割、件数にいたしますと約千百五十件という状況にございます。

松島委員 どうもありがとうございました。

塩崎委員長 次に、柴山昌彦君。

柴山委員 自由民主党の柴山昌彦でございます。

 まず初めに、司法改革の関連で、今後の裁判所の体制の量と質の改革についてお伺いしたいと思います。

 平成十七年の裁判所の体制で、裁判官の数を大幅にふやす。具体的には、判事の員数を四十人、判事補の員数は三十五人増加するというような計画となっております。ただ、判事補について見れば、対前年、平成十六年比で十人から三十五人と大幅な増加になりますが、判事については、むしろ、平成十六年の四十二人から四十人に減少しております。これは、当然のことながら、一定の期間判事補を経験した者だけが判事になれるということで、急激には判事の増加が図れないという限界があることが背景にあると思います。

 そこでお伺いしますが、今、裁判員制度の導入などにより、司法の民主化ということが大きく言われる中で、例えば、弁護士任官を大幅にふやす、また民間の経験のある方をふやしていくという中で、判民交流というものも積極的に進めていくべきではないかというように考えます。弁護士会では法曹一元制度を究極の理念としているわけですけれども、こうした提案についてどのようにお考えでしょうか。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 裁判官の民間企業での研修などにつきましては、このところ、年間四十名を上回る裁判官が参加されているというふうに承知いたしております。また、弁護士から判事への任官につきましては、これまで弁護士七十五名が裁判官に任命されているというところでございます。

 裁判官任官制度は、その運用が適切に行われるのであるならば、法曹三者の経験の交流を深め、相互理解にも資するものであると理解いたしており、平成十三年六月十二日に取りまとめられました司法制度改革審議会意見におきましても、弁護士任官の推進や、裁判官、検察官、弁護士及び法律学者といった人材の相互交流の促進が提言されているところでございます。

 今般の司法制度改革におきましては、判事補に弁護士としての職務経験を積ませる制度、弁護士が、民事調停事件及び家事調停事件に関し、裁判官と同等の権限を持って調停手続を主宰することができる制度を創設するための法整備が行われたところであります。

 裁判所におかれましても、これらの制度の活用なども通じまして、判事補が法律専門家としての多様な経験を積み、また裁判官に適任の弁護士が多数任官することにつながる、そのようなものと期待しておりますということは承知しております。

柴山委員 方向性としてそのような御認識だということには大変ありがたいと思っておりますが、今後促進される今おっしゃったような方針、スケジュール及びその人数等で具体的なプランというものが既にできているのかどうか、ここについてもちょっと突っ込んでお答えいただけますでしょうか。

倉吉政府参考人 ただいまスケジュール及びプランという話がございましたが、今のところ考えておりますのは、先ほど大臣からお話のありました司法制度改革でもたらされた新しい制度、これが運用していくのを見守りつつ、もちろん、これが定着するようにということで、最高裁でもさまざまな運用基準を改めるなどして弁護士から任官される人が任官しやすいように、それから、裁判官が民間の方でいろいろな経験をするということもさらにふやしていこうと考えておるところでございますので、さらにその定着の度合い、そしてこれが一層発展していくようにということを見守りながらやっていきたいと思っております。

 以上でございます。

柴山委員 どうもありがとうございました。

 続きまして、入管行政についてお伺いしたいと思います。

 法務省が、昨年の十二月だったと思いますが、入管法の七条一項二号の基準省令の改正案を公表されたと思いますが、こちらで、いわゆる興行ビザの発給基準を、外国政府などが発行した芸能人資格証明書、これが今まで認められたものを削除するというような提案がなされたと思います。

 つきましては、どうしてこのような改正というものがなされるのか、その理由を教えていただけますでしょうか。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員御指摘の法務省令の改正でございますけれども、昨年十二月に策定されました政府の人身取引対策行動計画の中にも盛り込まれているところでございますが、本年二月十五日に改正省令を公布しておりまして、一カ月後でございます三月十五日にこれが施行されるという予定になっているところでございます。

 この省令改正の趣旨でございますけれども、我が国におきまして、近時、人身取引の被害者と目される人がかなり見られる状況にございます。これらの人身取引はまさしく人権を侵害する重大な事案でございまして、これに対して適切に対処をするべきである、被害者に対しましても適切な保護を遂げる必要がある、こういう観点から対策を講じることとされたわけでございます。

 今回の基準省令の改正につきましては、主としてフィリピンの方についてでございますけれども、興行の在留資格というものがございます。これは、外国の方でいわゆる芸能を身につけた方々が日本に来ていただいて、その文化を日本に紹介していただくというようなことで、在留資格の一つとして認められているわけでございますけれども、いろいろな要件がございます。

 と申しますのは、興行と申しましても、やはり日本に来て収入を得て労働に従事するということでございますので、入管法全体の趣旨からいたしますと、我が国の労働者の受け入れ政策の基本となっておりますのは、専門的、技術的分野の方々については積極的に日本に来ていただくという反面としまして、単純労働者につきましては受け入れを認めていないという政策をとっておるわけでございます。入管法もこの政策に基づきまして種々の規定が置かれているところでございます。興行につきましても、その一環、同様でございまして、まさしく興行、芸能人であるということにふさわしい方には日本に来ていただくということから、従来、基準を設けております。

 実際の省令は、まだ改正前の現行のものを紹介いたしますと、一つは外国の政府またはこれに準ずる機関が自国民を芸能人であるというふうに証明した証明書を有している方、もしくは二年間の芸歴がある方などにつきましては、それらを理由として日本に入国を認めるということになっておるわけでございます。

 フィリピンの方は年間八万人ほどお見えになっているわけでありますけれども、ほとんどがフィリピン政府の証明書、興業の、芸能人の証明書で入っているわけでございます。ところが、現実に見ますと芸能人としての実力を備えていない方が相当いるという実態が把握できておりまして、これらの方、多くの方々がいわゆるパブ等でホステスとして稼働しているという実態が明らかになってきたものでございます。

 結局、こういう事態になりますと非常に低賃金で働かされるという実態がございまして、かなり労働の搾取をされているというような実態も判明してきたものでございますので、ここを見直すべきであるという議論から、外国の政府の発行した証明書のみによって芸能人として我が国に入国するという制度はこの際取りやめるべきであるということから、省令を改正するに至ったものでございます。

柴山委員 ありがとうございます。

 その趣旨は理解できるところですけれども、一方で、今後、日本が観光立国を目指していく、またFTA交渉が進む中で、単純労働は認めないという原則をこのまま維持するのが妥当なのかどうか、むしろ、しっかりとした経済的基盤あるいは語学能力とかを確保した上で積極的にこれを受け入れ、そして管理監督等を強めていくという方向に進めて、まじめな人はやはり受け入れていくということが国策としてふさわしいのではないかという声もあるところだと思っております。

 そこで、今後、こうした外国人の積極的な受け入れを推進していった場合に、今ある簡易な資格証明書というものを廃止した場合に、現在の入管のチェック体制でそういうものが全部チェックできるのか、二年以上芸歴がある者とかというものを現在の体制で本当にチェックできるんでしょうか。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 今、委員御指摘の体制の点でございますけれども、現時点におきましても、興行の資格で日本に入国される方は、一番多いのがフィリピンの方でございますけれども、それ以外の国の方も相当多くございまして、トータルで年間十三万人くらいの方がお見えになっているわけでございます。フィリピンの方は、先ほど御説明いたしましたように証明書によって入国されてくるわけでございますが、その余の国の方々につきましては、すべて二年間の過去の外国における芸歴というものを要件として入国されてきているわけでございまして、これにつきましては、現在におきましても、入国管理局におきまして、適正な審査によりまして入国を認めるか認めないかということを判断しているわけでございます。

 したがいまして、この体制をより強化いたしまして、フィリピンの方々につきましても、今後一層審査に充実を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。

柴山委員 先ほど入管局長が、今十三万人というようなお話がありましたけれども、フィリピンからの興行ビザによる入国者が八万人というようなお話をされていたと思いますので、その八万人をやはりきちんとチェックする体制というものは、一方でしっかりと拡充をしていかなければいけないのではないかと思います。

 そして、先ほど私が申し上げたとおり、そもそも搾取等がどれだけあるのか、そのような中でどれだけ今後外国人の労働者を受け入れていかなくてはいけないのか、そのあたりにつきまして、外務省ともし調整をされているというようなことがあれば、その状況について教えていただけたらと思っております。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の第一点目の外国人労働者の受け入れ問題一般につきましては、これはなかなか、法務省だけの問題ではございませんで、日本の労働政策全般という観点から考えるべき問題でございます。委員御指摘のような考え方もございますことは十分承知しております。これから関係省庁といろいろ議論を重ねていく必要があるのかなというふうには思っているわけでございます。

 それから、外務省との連携でございますけれども、今回の省令改正につきましても、外務省その他関係省庁との間で種々議論を重ねまして、省令改正の手続に至ったものでございます。この実施につきましても、当然、対外国との関係もございますので、外務省等関係省庁と緊密に連携をいたしまして、適正な受け入れができるような形で準備をしていきたい、こういうふうに考えております。

柴山委員 もちろん、そうしたホステスなどの搾取などを決して許すものではないということだけ強調させていただいて、次の質問に移りたいと思います。

 犯罪被害者等基本法が昨年の臨時国会で成立をいたしまして、今後、各省庁横断的にその対策の具体化の作業に入っていくことになろうかと思いますが、これからの各省庁でのこうした具体策の取りまとめのスケジュール、そしてどのような論点が出てくるのかということについて、順次お伺いしていきたいと思います。

大林政府参考人 犯罪被害者等基本法は、昨年十二月八日の公布から六カ月以内の政令で定める日に施行することとされているところでございます。

 現在、内閣府におきまして、この法律の速やかな施行に向け所要の準備を進めており、施行後においては、犯罪被害者等施策推進会議において犯罪被害者等基本計画の案を作成した上、政府が同計画を定めることになると承知しております。

 法務省といたしましても、この基本計画の定めるところに従い、他の府省庁とも連携しつつ、犯罪被害者のための制度の整備や運用の充実を図るなど、さらなる施策を推進してまいりたいと考えております。

柴山委員 その中で、ちょっと論点についてもというようなことで申し上げたんですが、被害者の刑事手続の中での地位の見直し、あるいは附帯私訴ですとか独立の上訴権等々、考えられると思いますが、それについての検討もこれからということでよろしいでしょうか。

大林政府参考人 犯罪の被害に遭われた方々やその御家族のお気持ちを真摯に受けとめて、保護や支援を図っていくことが非常に大事なことであると認識しております。このため、法務省におきましてはこれまでも、例えば平成十二年のいわゆる犯罪被害者保護二法により、被害者やその御遺族が量刑に対する意見を含め被害に関する心情などの意見を法廷で陳述できる制度を導入するなど、種々の施策を講じてきております。

 また、御指摘の犯罪被害者等基本法が制定されたところでございますが、法務省といたしましては、これまで、外部の有識者を招いて犯罪被害者のための施策を研究する会を開催し、お尋ねの法廷における被告人への質問権を含め、被害者に対する保護、支援のあり方について調査研究をしてきたところでございます。

 今後さらにその検討を深めてまいりたい、このように考えております。

柴山委員 続きまして、犯罪被害者に対する救済という観点から、現在の犯罪被害者給付金制度の見直しについてお伺いしたいと思いますが、どうなっていますでしょうか。

片桐政府参考人 お答え申し上げます。

 犯罪被害者等基本法におきましては、犯罪被害者等に対する給付金支給制度の充実等、警察に関連する多くの施策が盛り込まれているところでございます。今後、この法律に基づきまして犯罪被害者等基本計画が策定されまして、政府全体としての取り組みのあり方が議論されていくこととなるわけでございますけれども、警察庁としましても被害者支援全般の充実方策について検討してまいりたいと考えております。

 なお、御指摘の犯罪被害者給付金制度でございますが、これは平成十三年に法が改正されまして制度の充実が図られたところでございますが、今後この法律の制定を受け基本計画をめぐる議論がなされますが、そうした中で、今回の犯罪被害者等基本法の趣旨を踏まえていかなる充実を図ることとすべきか、検討してまいりたいと考えております。

柴山委員 そもそも、こうした犯罪被害者に対して給付を行うべきは究極的には加害者であるというのが大原則でありますから、この給付については、例えば保険制度の検討ですとか、あるいは一時金が適当なのか年金が適当なのか等々、さまざまな、哲学から方法論等、多面にわたる検討が必要だと思いますので、例えば厚生労働省等とも協議をしていただいた上で、深い議論を早急に行っていただけたらというように思っております。

 続きまして、被害者の精神的な支援ということがやはり重要だと思っております。こうした中で、保護観察所の保護司の活用ということが考えられると思うのですけれども、このあたりの検討状況についてお伺いしたいと思います。

麻生政府参考人 保護司は全国津々浦々に約五万人配置されております。この方々は、民間ボランティアであるとともに、非常勤の国家公務員として守秘義務を負っておられるという公的な側面も持っておられますので、その意味で、犯罪被害者や御遺族の方々が安心して相談できる立場であると考えております。

 犯罪被害者等基本法が制定されましたことを踏まえまして、更生保護官署及び保護司がその担当する地区に居住しておられます犯罪被害者や御遺族の方々に対する支援を行うための制度の導入に関しまして、所要の検討を進めておるところでございます。

柴山委員 どうもありがとうございました。

 いずれにせよ、被害者の皆様が大変待ち望んでいた法律でございます。早急に、スケジュールそして具体策の策定に取り組んでいただければと強く願っております。

 続いての質問に移らせていただきます。

 つい先日の報道で、二月九日、東京地裁の判決で、暴力団のやみ金融事件で下された判決なんですけれども、組織犯罪処罰法違反の罪に問われた被告の約五十三億円に上る犯罪収益、これが全く没収、追徴を認められなかったという判決でございました。これについて、どうしてこのような判決がなされたのかということについて御説明をいただけたらというように思います。

大林政府参考人 御指摘の判決におきまして、裁判所は、被告人が得た利益はいわゆる組織的犯罪処罰法に定める犯罪収益等に該当するものの、当該収益は同法第十三条第二項に定める犯罪被害財産と認められるので、没収、追徴が禁止されているとして、検察官請求に係る追徴を認めなかったものと承知しております。

 他方、検察官は、論告において、本件預金債権等がいずれも犯罪収益として没収、追徴の対象となり、一方、組織的犯罪処罰法第十三条第二項に規定する犯罪被害財産とは、刑事手続上、犯罪行為及び被害者が特定されていること、すなわち、被害者の財産と没収対象財産の結びつきが明らかであることが必要であるところ、本件においてはこの点が明らかではないので、没収、追徴が禁止されている犯罪被害財産に該当しない旨、主張したものと承知しております。

 なお、本件につきましては、検察官において控訴し、上級裁判所の判断を仰ぐこととしたものと承知しております。

柴山委員 確かに我々の、法曹実務家の認識では、没収の大原則として、犯人以外の者に属している財産というものは没収できない、その後の被害回復というものは、そういう被害者の方からの民事的な請求にゆだねるというのが大原則であるというようには認識をしております。

 しかし、今適切に御指摘されたように、被害者が不特定である場合についてはこうした回復措置というものはとれない、また、組織犯罪の場合に本当に、被害者が仮に特定されていても、それらの被害者の方々が暴力団に対して民事訴訟を起こすことが実効的かということは、ぜひ御検討いただけたらと思います。

 私などは、こういった犯罪収益については、しっかりと没収をした上で、これを、例えば簡便な処分で配当等の手続を行うことができないか、あるいは、簡便な処分でないにせよ、債務名義を得ればそういうことを認めていったらよいのではないかというように考えますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。

大林政府参考人 犯罪被害財産を犯人から剥奪した上で、これを国庫に帰属させるかわりに被害者に帰属させることができることとする制度につきましては、平成十一年の法制審議会でその導入の是非について議論されましたが、起訴されて有罪となった事件の被害者のみが救済されて、起訴の対象とならなかった事件の被害者は救済されないことなど、被害者間の公平が図られないなどの問題点が指摘され、組織的犯罪処罰法の運用を踏まえつつ引き続き検討を継続すべきこととされた経緯がございます。

 いずれにいたしましても、被害者の保護、支援の充実を図るための施策につきましては、犯罪被害者等基本法も成立しましたので、今後、基本法の定めるところに従い、制度及び運用の両面についてさまざまな角度から検討を進め、適切に対処してまいりたいと考えております。

柴山委員 いずれにしましても、こうした組織犯罪というものについては、今後、しっかりとその根っこを絶たなくてはいけないということを強く主張させていただきまして、次の質問に移りたいと思います。

 民事の関係についてです。

 今国会で会社法の改正が予定をされているわけですけれども、一面、敵対的買収等の事件に目が向きがちなんですが、その一方で、一円からでも株式会社の設立が可能であるというような重要な改正がなされると聞いております。

 この改正によって、ベンチャー企業等が新しく事業を起こしやすくなるというプラスのメリットがあると思いますが、その一方で、いわゆるこうした企業の統治体制、いわゆるガバナンスというものがかなり緩やかになっているというように承知しております。そのような場合に、会社債権者あるいは出資者の保護というものはきちんと図られているのか。役員あるいは発起人等の責任をきちんと明確化することが必要ではないかと考えますが、そのあたりの考え方についてぜひお聞かせいただきたいと思います。

寺田政府参考人 ただいまお話ございましたとおり、現在、商法中にあります会社の規定と、有限会社法、それから商法特例法、監査特例法でございますが、これの中にある規定、これらを総合的に見直しをいたしまして、一つの会社法をつくるというプロジェクトをかねてから計画いたしておりまして、去る二月九日の法制審議会において、その会社法の現代化に関する御答申をいただいております。現在、事務当局では、この答申に基づきまして法案を作成作業中でございます。

 今おっしゃいましたいろいろな論点がございますが、そのうち非常に重要な柱が、大きい会社は大きいなりに、中小の会社は中小の会社なりにそれぞれにふさわしい統治のあり方、会社のあり方を今回は規定して、できるだけその会社自体がそれに沿った運営の仕方をしていただきたい、このような考え方が一つの大きな柱になっているわけでございます。その場合に、大会社は基本的にこれまでと同様の規律が維持されるわけでございますが、中小にとりましては、株式会社には仮になりましても、相当大幅な会社の内部の自治、裁量の余地が出てくるわけでございます。

 その場合に御心配になりますのは、ただいまありましたガバナンスの問題でございますが、私どもは、基本的には株主の権限というものが非常に重要だというふうに考えております。株主総会で行うことのできる権限でございますとか、あるいはこういう中小会社、現実には株式の譲渡の制限のかかっている会社ということになるわけでございますけれども、そういう会社において、どういう場合に株主が会社の全体のガバナンスに口を出すことができるかということを、相当これまでよりは活発にできる余地を高めようという方向で、現在、この要綱に基づいて検討しているわけでございます。

 と同時に、やはり会社の内情の公開ということも非常に重要な柱でございまして、例えば決算公告を義務づけるというようなことをいたしまして関係者の保護を同時に図ってまいりたい、このように考えているわけでございます。

柴山委員 当然のことながら、株主のガバナンス、それから情報の透明性、公開ということは非常に重要であるということは論をまたないわけでありますけれども、それと同時に、やはり関係者の責任、これについてはちょっと分けて考えなくてはいけないんですが、取引上の責任の有限性ということと違法行為を行った場合の関係者の責任ということはやはり明確に区別しなければいけないし、また、一定の資本についてはこれをしっかりと充実させていく責任というものはあるのではないかという問題意識だけ提起をさせていただきまして、今後、議論がなされると思いますので、しっかりと検討させていただきたいというように思っております。

 私の方からは以上です。ありがとうございました。

塩崎委員長 次に、漆原良夫君。

漆原委員 公明党の漆原でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 先ほど松島議員から提起された件でございますが、奈良市の小一女児誘拐殺人事件、本当に痛ましい事件でありました。この事件を契機に、法務省は、性犯罪者の再犯防止の今後の取り組みということで、次の三点を決めたと聞いております。

 第一点は、監獄法を改正して、受刑者に矯正処遇、改善指導を受けさせることを義務づけるということであります。第二点としては、外部の専門家の助言を得つつ、性犯罪受刑者に対する科学的、体系的な処遇プログラムの整備等を行う。第三点として、性犯罪受刑者の出所後の所在に関する情報を警察へ提供する、こう聞いておりますが、まず、第一点と第二点について、内容についての御説明を具体的に求めたいと思います。

横田政府参考人 お答えいたします。

 まず、第一点ですが、法務省の性犯罪者の再犯防止についての今後の取り組みとして、近く提出を予定しております法案におきまして、性犯罪者だけではなくて受刑者全般に対して、その者にふさわしい矯正処遇を受けることを義務づける、そして、改善更生の意欲を喚起するとともに、社会生活に適応する能力の育成を図るための制度を整備したいと考えています。

 また、性犯罪者に対しまして、効果的な処遇を実施するために、精神医学、心理学等の専門家の協力を得まして、施設内処遇、社会内処遇両面における科学的、体系的な再犯防止プログラムを策定いたしますとともに、行刑施設におきましては、心理技官を活用いたしまして、民間カウンセラーの導入を行うなど、処遇方法、処遇体制を整備していくことと考えております。

 さらに、再犯防止のために、性犯罪受刑者の出所後の所在等についての情報を、その者の改善更生にも配慮しつつ警察に提供する、そういう制度を構築したい、このように考えているところでございます。

漆原委員 今の第一点目、二点目については、何で今までなされていなかったのかなという気持ちがいたします。今回の監獄法の改正等でそういうふうな処遇、矯正処遇についての義務づけができるとすれば、更生の大きなきっかけになるんじゃないかなというふうに思っておりますので、ぜひとも充実させてほしいというふうに思っております。

 第三点目の、性犯罪者の出所後の所在を警察に通報するというこの制度でございますけれども、最近、残虐な事件が多いということもありまして、ともすれば、犯罪防止それから社会防衛というふうな観点からの指摘が非常に強くなっているというふうに思っております。

 この考えを突き詰めていけば、危ないやつは監視しておけ、危ないやつは一般から隔離しておけというふうな考えにもつながるものではないかという危惧を持っておりまして、江戸時代は、刑務所から出所した人は入れ墨をしたということで、一般の人にわかるように、ふろ場にいてわかるようになっていたようですけれども、では、社会防衛というなら額に性犯罪受刑者と入れ墨すればいいじゃないかというふうな、まあ、そんなことを言う人はいませんけれども、とにかくそういう議論になりがちだという危惧を持っております。

 この性犯罪者の出所後の状況を警察に知らせるという、さらにそれをもっと徹底して所在地の住民の皆様にも、学校にも全部知らせるべきではないのか、こういう考えもやはり強くあるんですね。しかし、私は、これはやはり受刑者の刑は終わっているわけですから、更生という観点から見てもそこまでいくのは行き過ぎだなというふうに考えておりますが、この点の大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

    〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕

南野国務大臣 本当に、先生が思われるように、そうあるであろうというふうに思っておりますが、性犯罪者に関しましてはその居住情報などを地域住民に開示することにつきましては、これらの者の社会復帰のための努力を阻害するおそれがあるのではないか、出所者または家族の生活にも悪影響を及ぼすのではないかなど、種々の問題があろうかと思っております。そういう根拠も含めまして慎重に検討すべきであるというふうに思っております。

漆原委員 性犯罪受刑者の出所後の所在情報を警察に提供するというこの法務省の決定について、我が党は問題意識を持ちまして、法務部会、たまたま私委員長をやっておるものですから、拡大法務部会といいまして、我が党の全議員に呼びかけをして、意識のある人に全部呼びかけて拡大法務部会というのを一月十九日に開催して、法務省の意見を聞いたわけでございます。その当日の法務省の説明では、出所後の所在情報の提供は性犯罪受刑者のみが対象だという説明を受けておりました。

 しかし、今回、法務大臣のこの所信を私お聞きしまして、こうなっていますね、「受刑者の出所後の所在等に係る情報の取り扱い」、性が抜けているわけですね。大変びっくりした。我が部会に法務省から来ていただいたときは、性犯罪受刑者のみが対象ですよと言われて、その後今日に至るまで、実は、変更しましたという連絡がありません。

 したがって、私は、大臣のこういう所信であるにもかかわらず、従来の法務省のお考えどおり、この「受刑者の」というのは性犯罪受刑者のというふうに読んでよろしいのかどうか、お聞きしたいと思います。

横田政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる出所等の情報につきまして、当初、警察庁との協議におきましては、性犯罪を中心にして協議してまいりました。その上にまた、今、漆原先生がおっしゃるような御説明も申し上げました。

 その後、新たな犯罪が発生したようなことがございまして、警察の方から性犯罪以外の受刑者の情報についても提供を求めたいという申し出がございまして、私どもといたしましては、警察の求めに応ずるということで、基本的には情報提供していきます。

 ただ、今後、それについて、どういう取り扱いが適切かということはさらに協議をしてその中で検討してまいりますし、それから、提供する情報の範囲等についてもまだこれから協議を重ねるということになります。

 提供する情報の範囲につきましては、警察におきまして、どの範囲の犯罪を中心に再犯の防止に力点を置こうとするかという検討がなされて、今後、犯罪の再犯率の高さだけではなくて国民に与える不安感等の点も考慮に入れながらその範囲が決められていくものというふうに考えております。

漆原委員 同じ質問を、法務部会に御説明いただいた刑事局長にもいたします。

 まず、変更になったのかどうか、変更になったとすればなぜ我が党に変更になった理由の説明がないのか、この二点を。

大林政府参考人 今矯正局長が申し上げたとおりでございまして、今委員御指摘のとおり、最近いろいろな事件が起こっております。情報提供のあり方についても今なお警察等と協議をしておりまして、そこがまず、確定したと言える段階ではございません。どのような情報をどのような形で提供するかということはなお検討させていただきたいと思いますし、また、それがもう少しはっきりすれば委員会にも御報告したい、こういうふうに考えております。

南野国務大臣 先生方に御報告していなかったということはそれは大変失礼なことかなというふうに思っておりますが、性犯罪ということだけにとどまることなく、もっと何か考えることがあるのではないだろうかというようなことも含めまして、所信表明に書かせていただいた形で今後検討していく課題でもありますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

漆原委員 今刑事局長が、確定していない、確定してからというふうにおっしゃったんだけれども、どうなんですか、性犯罪だけが対象だという点は、変更になったんですか、ならないんですか。

大林政府参考人 確かに、今の、性犯罪限定ということから範囲が広がったことは事実でございます。そういう面で、変更があったんじゃないかとお尋ねがあれば、それはもう少しそういう広い角度から検討させていただくという面になったんだというふうに思います。

 ただ、その内容、先ほど言いましたとおり、どの範囲ということがまだ今の段階で確定したわけではございません。ですから、おっしゃられるとおり、もう少し広がった形で検討するようになったのではないか、こういう御趣旨であれば、そのとおりでございます。

漆原委員 なぜ私がこの問題にこだわるかというと、我が党の部会では、この点について二つの意見がありました。一つは、浜四津を中心にする意見でありまして、性犯罪受刑者については警察に出所情報を一回だけ通告することはやむを得ない、しかし、行政の判断にだけこの問題を任せておくと、これが性犯罪に限らずずるずると広がっていく可能性があると。したがって、浜四津の考え方は、性犯罪だけ特別扱いだよということで特別立法にするべきなんだ、認めるのであれば特別立法にして、広がらない担保を、措置を講じておくべきだというのが浜四津の考えだった。

 私は反対なんです。私は、再犯率から考えてみても、いろいろな犯罪、いっぱいあります。法務省から全体の犯罪の再犯率を出してもらいました。なぜ性犯罪だけ特別扱いをするか、これについてのまさに立法事実がない。性犯罪よりももっとたくさん再犯率の高い、覚せい剤とか、いろいろな事件がいっぱいあります。それに対して出所状況を警察に通知しないで、なぜ性犯罪だけ例外にするのかというこの合理的な説明がない。したがって、もしもこんな状況で警察に情報を出したならば無制限にこれが出される可能性があるので、特別立法というよりもそもそもそのシステムをやめるべきだというのが私の考えなんです。

 いずれにしても、浜四津の考えも私の考えも、無制限にずるずる広げてはならない、こういう考え方では一致しているんですが、手法については、特別立法で性犯罪だけ認めるという、私は、同じ危険性があるから一切認めないという考えで、大分法務部会でやり合ったんです。それは刑事局長も知っているはずだ。

 それだけ議論をしているのに、そのときの法務省の答えはどうかというと、これは性犯罪だけを対象にする、そしてまた、犯罪予防という観点から、個人情報保護法にも違反しませんよ、性犯罪だけ対象とするものだから特別立法は必要ありませんよ、また、無制限に広がりませんよという説明だった。だけれども、その説明からわずか一カ月もたたないうちに、我が党で盛んに議論をしたことが全くネグレクトされて、報告もなしに、結果として、性犯罪に限らないで広げたということでしょう、これは。そんなことでいいんですか。

大林政府参考人 委員おっしゃることは、私ども十分理解できます。

 ただ、御案内のとおり、最近、重大な事件が起こっている、性犯罪の重大な事件が起こった、最近は少年における性犯罪ではない重大事件が起こったということで、非常に国民に対して衝撃を与えるような事件が起こっているという事情もありまして、そういう情報提供のあり方はどうしたらいいかということは、やはりいろいろな御議論を踏まえてやるべきだということで、確かに、変更とおっしゃられるのであればそうかもしれませんが、ただ、そういう社会的に衝撃を与える事件がこのところ続いている、性犯罪だけにならなくなってきたという事情も御理解いただきたいというふうに思います。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

漆原委員 余りこのことで時間をとりたくないんだけれども、御理解いただきたいのはよくわかりますが、きちっと法務省として、報告をしたことが変更になったのであれば、大臣所信の前でとは言わないけれども、所信の後でもいい、私に法務部会を開かせて、実は対象範囲が、従来、性犯罪だけと言ってきたけれども、これこれこういう理由で一般犯罪にまで広げることになりました、そう言ってしかるべきじゃないんでしょうか、どうですか。

大林政府参考人 御指摘を十分踏まえてこれから対応したいと思います。不手際がありましたことについてはおわび申し上げます。

漆原委員 民主党もおっしゃっていたけれども、我が党内だけじゃなくて、法務省の説明を受けていろいろな議論をしているわけですから、その大方針が変わったのであれば、変わりましたという説明は当然あって当たり前だというふうに僕は思います。

 それから、警察に情報を提供するということは、長い法務省の歴史の中で初めての経験なんでしょうね。今回、情報を提供することについて法務省の中でも慎重な意見があったというふうに聞いているんですが、どんな意見だったのか、教えてください。

横田政府参考人 お答えいたします。

 今回、私どもが警察庁と協議しておりますいわゆる出所情報の提供でございますけれども、実は、これは一般的、一律的に情報の提供の求めがあれば私ども応ずるということの基本線に立って協議を進めているわけでございます。

 実は、個別の情報の提供というものはこれまでもやっておりまして、これは平成十三年ごろからその制度を運用しておりますけれども、いわゆる被害者等の再被害を防止するために必要なものにつきましては、行刑施設あるいは保護機関の方から、警察から通報の要請があった場合にはそれに必要な情報を伝えて、そして被害者等の再被害を防止するという仕組みをやっておりまして、これが現に動いているところでございます。

 いずれにしましても、そういう形で、必要があればそれは応ずるということであったわけですけれども、今度はむしろ、一般的、一律的に情報を提供するかしないかということになったわけでございまして、警察の方から、必要な情報がある、それは目的から見て合理的目的があって、しかも守秘義務がありますから秘密も保持されるということである以上、基本的にそれに応ずるということにつきましては、部内で異論があったというふうに私は理解しておりません。

 恐らく、当時の議論として、それがすぐ一般に公開される、一般に情報が提示、開示されるんだというような議論がわっと出ましたので、そこのあたりのところの議論との混同がもしかしたらおありになったかなというふうに今私ちょっと思ったんですけれども。間違いでしたら大変失礼ですけれども。

漆原委員 もう一点だけ。法務省がその当時私に説明してくれた文書の中ではこうなっているんですね。「出所後の所在に関する情報」を警察へ提供する。「出所後の所在に関する情報」をと。大臣の所信は「出所後の所在等に係る情報」となっておりますね。

 この「出所後の所在等」、この「等」の文字が今までの法務省の説明文書に入っていないわけです。大臣の所信には「所在等」、提供される情報の対象が、法務省の説明では「出所後の所在」となっていたわけです。今度は「所在等」に変わっている。これは広がったんですか。それで、「等」の中に何が含まれるのか。

横田政府参考人 お答えいたします。

 この「出所後の所在に関する情報」という記載と、それから「出所後の所在等に係る情報」といいますのは、これは基本的な差異はございません。

 大臣の所信表明におきまして「受刑者の出所後の所在等に係る情報」としておりますのは、出所後の所在であります住所のほかに、出所予定日とか出所者の名前とか、そういうものを含むということも必要によっては考えられますので、そういう意味で、表現の正確を期して「等」であらわしたということでございます。

漆原委員 もう一度、「等」というのは何なのかということをもうちょっと箇条的に言ってください、「等」とはこれだというのを。

横田政府参考人 お答えします。

 警察との協議で、提供する情報の範囲、警察がこちらの、法務省の方に、あるいは行刑当局等に要請する情報の範囲というものについてまだ確定しておりませんので、これは協議中のことでございますので確定しておりませんけれども、いずれにいたしましても、恐らくその所在地、いわゆる帰住地とかそういう住所だけではなくて、出所予定日であるとかあるいは氏名とか、そういうものも対象になるであろうことも想定されますので、そういうものを含めて「等」であらわしたということでございます。

漆原委員 よくわからないですね。

 法務省は、ある意味ではやはり人権を守るという役目があるわけですね。情報は出すことは決めたけれども細かいことは決まっていませんというんでは、果たしてそれでいいんだろうか、どの情報をどういう状況で出すかまで決めた上で出すか出さないか決めるのが僕は正しいやり方じゃないのかなというふうに思うんですが、慎重にやっていただきたいと思います。

 警察庁に尋ねますが、今の議論でおよそおわかりだと思いますが、警察庁は法務省からもらった情報を一般住民、学校等に提供することがあるのかないのか、教えてください。

吉田政府参考人 警察といたしましては、法務省から提供を受けた性犯罪前歴者に係る出所情報は、例えば子供に対する声かけ事案やつきまといなどの犯罪の前兆と見られる事案が発生した場合などに活用するほか、性犯罪が発生した場合には捜査にも活用し、被害の拡大防止等を図ってまいりたいと考えております。

 また、性犯罪以外の犯歴者に係る情報については、どのような情報が警察活動にとって有効かを整理し、その範囲を法務省と協議した上で活用してまいりたいと思います。

 お尋ねの、地域住民や学校関係者など警察部外への情報提供につきましては想定しておりません。

漆原委員 ありがとうございました。

 新聞報道によりますと、長官が一月二十日の会見で、出所後の居住地からの転居先についても継続して把握する必要性を指摘されたというふうに報道されているんですが、まず、そのとおりかどうかということと、そのとおりだとすれば、どんなふうなシステムを考えられておるのか、お答えいただきたいと思います。

吉田政府参考人 性犯罪前歴者の出所後の居住地からの転居先の把握については、性犯罪の再犯の予防等のために必要と考えており、現行制度で可能な範囲において把握に努めてまいりたいと考えております。

 なお、その具体的な把握の方法については、事柄の性質上、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

漆原委員 現行法上可能な方法というのはどんな方法なんですか。よくわからない。事柄の性格といったって、別に現行法上やっているんなら問題ないんじゃないの。答えてください。

吉田政府参考人 まさに、どういう仕組みにするかということを部内でいろいろな角度から検討しているところでありまして、まだ、こうしたら現行法上可能で、ここまでやろうということまで詰まっておりませんで、検討中でございますので、きょうの答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

漆原委員 いや、だから、情報を出した、その出した情報がどう使われるか、全然法務省は考えていないんだね。出しっ放し、後は警察にお任せ、こんなんでいいのかなと私は思うんです。それがまさに縦割りの話であって、必要だから出した、出した後は警察庁、どんなふうに使うか一切法務省は関知しないというんじゃ、僕はちょっと無責任過ぎるんじゃないかなというふうに思うし。警察は、法務省からどこに情報が行くのか、その情報が現場の警官におりるまでどんな経路をたどっていくのか、この辺はいかがですか。

吉田政府参考人 その点も含めて、どういう仕組みにするかということを部内で検討中でございます。

漆原委員 ずっと何人かの手を経ることになるんでしょうけれども、この情報の管理は非常にしっかりやっていただかないと大変なことになるなというふうに思っております。

 それからもう一つ、この情報の扱い方として、性犯罪、声かけ事案があった、あるいは性犯罪が起こりそうだという場合に、そこに受刑者がいるという場合に、その受刑者の会社だとか近所に行ってその周辺事情を聞くとか調査するとかいうことはするんですか、警察庁。

吉田政府参考人 いずれにいたしましても、現場でどのような活用の仕方をするのか、それでどのような情報が要るのか、そういうことも含めて現在検討中でございます。

漆原委員 法務大臣、どういうふうにお聞きになったかわかりませんが、犯罪予防という点で必要であるということでお出しになる、性犯罪に限らず一般の情報もお出しになるそうですけれども、今お聞きしたように、警察庁ではまだその管理の仕方も、それからその情報を使ってどんなふうな捜査、調査をするのかもこれから、検討中だという話ですよね。そういう意味ではやはり、これからも法務省と警察庁は連絡をとってやるんでしょうけれども、出しっ放しにならないように、その情報がしっかり管理されるように、細かいところまで打ち合わせをしていただきたいなというふうに思いますが、大臣、いかがでしょう。

南野国務大臣 先生の御心配は全くそのとおりでございます。警察にも守秘義務がございますので、そこら辺を尊重しながら、我々としては慎重にその問題は取り扱いたいというふうに思っておりますので、また、いろいろな御助言、御指導をお願いしたいと思っております。

漆原委員 ありがとうございました。この問題については、詳しい協議の結果ができた段階でまたその都度お尋ねしていきたいというふうに思っております。

 次の問題に移ります。

 私、久しぶりに婚外子の質問をしたいなと思っております。平成八年に初当選しまして、平成九年の法務委員会で婚外子の問題と、もう一つは夫婦別姓の問題を、当時の松浦大臣だったでしょうか、質問させていただいたんですが、南野大臣が法務大臣になられたんで、久しぶりに婚外子の問題、聞きます。

 大臣は、特にその所信の中で人権という項目を設けられまして、こう述べておられます。「すべての者がひとしく人権を享有するとの理念は、分野を問わず、社会の隅々まで行き渡るべきものと考えております。」全く私も同感でございます。

 しかし、現実には、生まれたときから厳然と法的差別を受けている子供がいるんですね。これが婚外子。民法九百条の一項の四号、非嫡出子の相続分は嫡出子の二分の一とされております。生まれたときからこの差別を受けている、この問題について、大臣はいかがお考えでしょうか。

南野国務大臣 先生が長年この問題について御検討いただいていることには敬意を表します。本当に、子供が生まれてくるとき、生まれてきた子供は親を選べないというところに大きなポイントがあり、そのことがやはり平等でなければいけない、どの子も同じというような認識が私にもございます。

 この民法におきます九百条の第四号、ただし書きにおいて、嫡出子でない子供さんの相続分は、今先生がおっしゃられましたように、嫡出子である子供さんの二分の一というふうに、もう生まれながらにして規定されている、これを差別するものであるというふうにおっしゃられているというところでございますが、相続分を同じにすべきであるという御意見もまた他方ございます。

 そういうことについてはもう承知いたしておりますけれども、この問題につきましては国民の間でまだまだいろいろと御議論がありますので、各方面での御議論が一層深められる必要性があろうかというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。

漆原委員 生まれてくる子供は親を選べない、本当に私もそう思います。まさに大臣のおっしゃるとおりだと思います。

 憲法十四条は、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」こう規定していますね。非嫡出子の相続分差別は、この憲法の禁止する社会的身分による経済的差別に当たるのではないかというふうに私も常々考えておるんですが、大臣の御見解はいかがでしょう。

南野国務大臣 難しい課題でございまして、憲法第十四条第一項が禁止する差別には当たらないとの判断が最高裁によって出されているということも承知いたしております。

漆原委員 最高裁はそういう判決をしているんですよね。

 簡単な話、私、婚外子の事件を担当したことがずっと前ありましてね。簡単な例を申しますと、同じ日時に二人の子供が生まれたとします。同じ日時に二人の子供が生まれた。一人の子供は、いわゆる部落出身の親御さんの子供だった。この方は絶対差別禁止ですよね。この方を部落出身だという理由で差別したら憲法違反になる、これは間違いない。しかし、同じ日時に生まれたもう一人の子供は、たまたま両親が法律婚じゃなかった、婚外子だった。

 子供から見れば同じじゃないですか。まさに大臣がおっしゃったように、親を選べないんですから。部落の子供さんとして生まれたのもあるいは婚外子の御両親から生まれたのも、子供から見れば、大臣、同じじゃないですか。どうして差別されるんでしょう。どうですか大臣、これは。

 それでも、僕は最高裁の判決、大臣はお読みになってどうお考えかわかりませんけれども、余りいい判決じゃないなと思っているんですけれども、今こうやって素朴に二人の子供を並べてみると、どうしてこの子と差別される理由があるのかなというふうに僕は思うんですね。部落の子供と婚外子の子供と二人並べてみて、取り扱いが違う理由というのはないんじゃないかなと思うんですが、大臣、どうですか。直観でいいです。

南野国務大臣 直観というふうにお話ございましたけれども、本当に選択できない立場で、法律上の婚姻の尊重と嫡出子でない子供さんの保護、その間の調整を図っているようにも思われております。民法の規定が合理的理由がない、それで差別であるとまでは言えないと思っております。

 いろいろあります。どのような環境であるかというその環境が来々と子供にも影響をしている。そういう意味では、親がどうあるべきかということをまた考えていかなきゃいけない。親のビヘービアも子供にとっては大切な遺産であるというふうにも思っております。

漆原委員 私、学生時代にこの差別の勉強をしたときに、差別の理由について、婚外子の相続分差別の条文というのは、日本は法律婚主義をとっていますね、この法律婚制度を維持するための政策的な規定なんだ、こういうふうに教えられたわけですね。それでは法律婚制度を維持するために子供に犠牲を強いることになりますよね。僕はそう思うんですよ。親の不始末が、不始末と言っていいかどうか知りませんけれども、親の不始末が子にたたってしまうわけですね。こんなのはいいのかなというふうに思います。

 久しぶりに注釈民法というのを読んでみました。今はこんなふうに書いてあります。この注釈民法でも、この差別は正当だという理由は何も書いていないんですよ。ただ、現行法改正に際して、当時の政府委員はこう答えているらしいですね。「正当な婚姻から生まれた子と、そうでない子とを区別するのは正当な婚姻を奨励尊重するための合理的な差別として是認されると答弁している。」こんなことでこの差別が認められているわけですよね。政府委員がこう答弁しているわけです。しかし、子供から見れば関係ないわけですからね。

 法制審の答申も出ていることですから、また、夫婦別姓も一緒に出ていますね。この際、人権という観点から一押し頑張ってみられるおつもりがあるかないか、大臣、いかがですか。

南野国務大臣 人間として生きている以上、人権というものは大切な問題であり、自分の課題でなく、これは他者の課題でもあると思っております。

 日本国民の方々がルールを守って、そのルールをつくったのは我々でございますので、そのルールを守りながらお互い生きていくことが人権を守ることになるんじゃないかな、そのように思っております。

 頑張ります。

漆原委員 どうもありがとうございました。

塩崎委員長 次に、江田康幸君。

江田委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、子供たちを取り巻く治安の問題について質問をさせていただきます。

 つい先日、大阪府の寝屋川市の小学校におきまして、十七歳の少年が、母校の小学校を訪問して、対応した教員を殺害、ほかの教員にも切りつけるという衝撃的な事件が起こりました。またかと、あの池田小学校事件を思い起こされた方々も多いはずでございます。

 今日、子供を取り巻く治安の悪化というのは極めて憂慮すべき状況にございます。特に、学校への不審者侵入事件や登下校時に子供たちが襲われる事件が相次ぐなど、社会的弱者である子供たちがねらわれる犯罪が急増しております。

 警察庁の調べによりますと、全国の学校で起きた犯罪、これは外部侵入者による刑法犯でございますが、平成十五年でいきますと凶悪犯が九十九件、侵入犯が八千四百四十六件、住宅侵入が二千六百六十件となっておりまして、特に凶悪犯については平成八年の二倍以上となっているわけでございます。このように、学校の施設も決して安全な場所ではなくなっておりまして、学校の危機管理対策の強化というのが求められているところでございます。

 さらに、小中学校の略取誘拐事件は、一昨年度でございますけれども、そのデータしかございませんが、全国で百十二件発生しておりまして、そのうち五十七件が通学路上で発生しております。今後は、総合的に学校、PTA、地域、警察、消防の機関が連携して、子供の安全を守るために実効性のある施策を進めていくことが非常に重要かと思っております。

 それで、質問でございますけれども、公明党は昨年の六月に、子どもたちの生命を守る安全プランを政策提言させていただきました。中でも、スクールガード、すなわち、学校安全警備員の配置につきましては予算案として七億五千万円が計上されておりまして、今後の役割が期待されているところでございます。

 しかし、時代環境は予想以上に変化しておりまして、先ほども大阪の寝屋川の小学校の事件が起こったばかりでございます。なぜ校内での殺傷を防げなかったのか。仮に、世間を震撼させた大阪池田小学校事件のように、教室への乱入となっていたと思うとぞっとするわけでございます。

 まず、文部科学省にお聞きしますが、池田小学校事件以降、学校の防犯対策としていかなる危機管理の対策をとられてきたのか。さらに、今回の大阪府の寝屋川市の小学校の事件におきましては、府教委のマニュアルに基づいた独自の危機管理マニュアルに従って適切な対応をしたにもかかわらず、教職員が被害に遭っております。府教委は、今回の事件を踏まえまして、卒業生が来校したときの対応や職員室への誘導方法などを、追加対策を検討しているということでございますけれども、文部科学省として、今回の事件を機にどのような対応策をまたとろうとしているのか、あわせてまずはお伺いいたします。

尾山政府参考人 お答え申し上げます。

 学校におきましては、児童生徒が安心して教育を受けられるよう、家庭や地域の関係団体、機関等と連携しつつ、安全管理の徹底を図ることが重要であると考えておるところでございます。

 文部科学省では、学校安全及び心のケアの充実に総合的に取り組む子ども安心プロジェクトを平成十四年度から推進しておるところでございますけれども、これは、危機管理マニュアルの作成でございますとか、教職員や児童生徒の安全対応能力の向上を図るための防犯教室の開催を推進するなどのソフト面の取り組みと、また、死角のない校舎配置の工夫、必要に応じた防犯監視システムの導入等を初めといたします学校施設整備指針の防犯対策関係規定の充実などのハード面の取り組み、このソフト、ハードの両面にわたりまして各学校における安全対策の支援を行ってきたところでございます。

 また、平成十六年一月には、より具体的な学校の安全対策を推進するために、子供の安全確保のための具体的な留意事項でございますとか、学校、家庭、地域、関係機関の連携方策などについてまとめた学校安全緊急アピールを公表したところでもございます。

 こうした結果、学校独自のマニュアルの作成でございますとか、教職員や子供の防犯訓練、緊急時の通報システムの整備など、各学校の安全対策が進んできていると考えておるところでございますけれども、こういった状況の中で寝屋川市立中央小学校のような事件が発生したことは極めて残念でございます。文部科学省では、省内にプロジェクトチームを設置いたしまして、学校安全のための方策の再点検等を進めることにいたしておるところでございます。

 また、平成十七年度予算案におきまして、先生から御指摘がございましたように、地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業の実施に必要な経費を計上しているところでございます。この事業によりまして、それぞれの地域において学校安全ボランティアを安全かつ効果的に活用する仕組みを整備いたしまして、学校安全の体制の整備を推進できるよう支援してまいりたいと考えておるところでございます。

江田委員 学校独自のマニュアル等、各学校で結構進んできておることは私も承知しております。しかし、今回の寝屋川小学校事件はまた起きたわけでございまして、これは学校内への不審者による事件でございました。これに対応するということで、危機管理マニュアルに沿って対応が進んでいるところでございます。

 しかし一方では、子供にとって最も危険なのは登下校時にあるわけでございます。先日やっと容疑者が逮捕されましたあの忌まわしい奈良の小一女児の誘拐殺人事件、これもそうでございましたし、また、現職の警官が逮捕された佐賀の連続女児連れ去り事件、これもまた下校時でございました。さらには、新潟の、皆さん覚えておいででしょうけれども、九年以上にわたる女児監禁事件、これもまた、すべて下校時に通学路で起きているわけでございます。

 登下校時における安全対策を初め、地域ぐるみで子供たちの安全を守ることをしなければ、やはり十分な対応にはならないかと思っております。先ほども少し御説明ございましたけれども、我々は、やはりそれには、地域と子供たちの結びつきを強めていく、地域の防犯力を向上していかなければこれらに対応していくことはできないと考えておりますが、文部科学省の取り組み、改めて、いかがでしょうか。

尾山政府参考人 先生御指摘のように、学校におきましては、児童生徒が安心して教育を受けられるよう、家庭や地域の関係団体、機関等と連携しながら、登下校中も含めまして、安全管理の徹底を図ることが重要であると考えております。

 文部科学省では、平成十三年十一月に作成いたしました教師用の安全教育の参考資料でございますとか、平成十四年十二月に作成いたしました危機管理マニュアル等におきまして、通学安全マップの作成や通学路の安全点検など、登下校時における安全確保について指導しているところでございます。また、子供が犯罪被害から自分の身を守ることができるよう、警察職員等が講師となって実践的な指導を行う防犯教室を各学校で開催するよう指導しているところでもございます。

 今後とも、登下校時の児童生徒の安全確保につきまして、通学路の安全点検や、交番や子ども一一〇番の家の場所などの周知、万一の場合の対処法、例えば大声を出すことなどでございますけれども、こういったことの指導など、都道府県教育委員会等に対する指導を徹底いたしまして、安全教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

江田委員 警察もお願いいたします。警察庁。

吉田政府参考人 子供を犯罪から守ることは警察、家庭、学校、地域社会が共同して取り組むべき課題であり、警察においては、子供を被害者とする一連の事件を受け、パトロールの強化に努めているほか、議員御指摘の地域の防犯力の向上を図るため、子供を対象とした犯罪、不審者に関する情報の提供、学校等との連携による不審者侵入時の防犯訓練や子供への防犯教室の実施、子供を守るための地域住民らによる自主防犯パトロールや子ども一一〇番の家の活動等に対する支援などを行っているところであります。

 今後とも、学校や地域社会と連携を強化し、子供を犯罪から守るため、努めてまいる所存でございます。

江田委員 今、文部科学省と警察庁の方から、地域ぐるみで子供たちの安全を守るということについてお話を伺ったわけでございますけれども、これは強力に進めていく、そういう総合対策が非常に重要かと思っているんです。

 一方で、加害者の犯行動機や逮捕歴などに基づいた再犯防止策が重要であるかと思っております。奈良の小一女児の誘拐殺人事件で逮捕された容疑者は、これまでも幼児に対する強制わいせつ容疑などで二度の逮捕歴があったということで、今、再犯防止策のあり方が問われているところでございます。

 一般的に、性犯罪者、中でも小児性愛者は再犯率が高いと言われておりますけれども、その実態はいかがでしょうか。数字で示すことができますか。

 また、これまでの主な事件についてはどうでしょうか。平成十二年一月に発覚して逮捕された新潟の事件、また、昨年の佐賀、福岡の連続連れ出し事件、奈良の小一女の子誘拐殺人事件の容疑者、これらは再犯と報道されておりますけれども、警察庁、どのように掌握されておりますでしょうか。あわせてお伺いいたします。

吉田政府参考人 警察では、現時点でいわゆる小児性愛者の再犯率に関するデータは保有してはいませんが、平成十五年中に警察が検挙した成人被疑者のうち、強姦で検挙した者で過去に強姦の前科があったものの割合は八・九%、強制わいせつで検挙した者で過去に強制わいせつの前科があったものは一一・五%となっております。また、平成十五年に警察が刑法犯で検挙した全成人被疑者のうち、以前にも同一の罪種で検挙したことがあったものの割合は一三・七%であります。

 警察庁では、子供を対象とする性犯罪を犯した者の再犯傾向を明らかにするため、平成十六年中に十三歳未満の子供を被害者とする強姦、強制わいせつなどの性犯罪で検挙した者にどのような前歴があったかなどの詳細な調査を実施しているところであります。

 なお、お尋ねの具体的な事件の被疑者の前歴についてでありますが、特定の個人の犯罪経歴はその個人のプライバシーに深くかかわるものでありますことから、お答えすべきものではないと考えております。

江田委員 特定の事件についてのデータは出てこないということですけれども、今一部出てまいりました。強姦については八・九%、強制わいせつでは一一・五%ということでございます。やはり性犯罪において再犯の傾向があるということであるかと思います。

 法務省にお聞きしますけれども、これまで同じ犯罪を繰り返した場合の再犯の統計はあると思いますけれども、例えば、強姦罪で服役して出所後に強盗容疑で捕まった場合などは、性犯罪の再犯としては把握できなかったわけでございます。再犯防止や処遇プログラムの充実に必須の情報と思いますけれども、法務省の今後の対応について、法務総合研究所等で取り組むということは聞いておりますけれども、いかがでしょうか。

横田政府参考人 委員御指摘のとおり、性犯罪者に対する適切な対策を講じるためには、再犯の状況などに関する基礎的なデータを把握することがまず必要でございまして、法務省におきましては、各局の協力のもとで、今委員もおっしゃいましたように、法務総合研究所におきまして、性犯罪者の釈放後の再犯の有無等に関する調査などの性犯罪者に対する多角的な調査研究を行うこととしていると承知しております。

 この調査研究の結果が取りまとめられましたならば、性犯罪者に対する処遇等の施策に役立ててまいりたいと考えております。

江田委員 時間がちょっとなくなってきましたが、やはり再犯防止ということに努めるためには、もう一方で、そういう再犯の統計を活用した上で、それに基づいて矯正教育プログラムというものをしっかりと作成して実施していく必要があるかと思います。

 法務省におきましては、今回、性犯罪の再発防止に効果のある矯正教育プログラムというものをつくるために研究会も発足したということも聞いております。あわせて、監獄法を改正して、受刑者に教育指導を、性犯罪に限らず、薬物犯罪などに関する教育指導を受けることを義務づけることを決定したとも聞いております。

 あわせて大臣にお伺いいたしますけれども、このように幼い子供が被害に遭うような痛ましい事件が起こっておりますけれども、法務省として、大臣としてどのように対応をしていくおつもりか。そして、今般、大臣の方からも法務省における再犯防止のための緊急的対策というのが出されておりますけれども、それを踏まえて、大臣の決意をお伺いしておきたい。

南野国務大臣 少し長くなるかもわかりませんが、昨今、幼い子供が被害に遭うような痛ましい犯罪が発生している、しかも続発している。法務省といたしましては、国民の皆様の不安な気持ちを受けとめ、このような痛ましい事件を少しでも減らすことができるよう、緊急に取り得る対策として、次の対策を実施することといたしました。

 第一に、性犯罪者に対する適切な対策を講じるための基礎といたしまして、性犯罪者の実態、再犯の状況などに関するデータを把握し、多角的な検討を進めてまいります。

 第二に、具体的な施策ですが、これは三本の柱から成っております。

 一つ目は、犯罪者に対する処遇の充実強化であります。

 まず、精神医学、心理学等の専門家の協力を得まして、施設内処遇、社会内処遇両面における科学的、体系的な犯罪防止プログラムを策定するとともに、行刑施設におきましては、心理技官を活用するとともに、民間カウンセラーの導入を行うなど、処遇方法、処遇体制を整備してまいります。また、受刑者につきましては、近く提出を予定いたしております法案において、その者にふさわしい矯正処遇を受けることを義務づけるということがポイントでございますが、保護観察対象者についても教育処遇を受けることを遵守事項として定める運用を進めてまいります。

 二つ目は、犯罪者の社会復帰を円滑に実現するための支援体制の強化であります。

 勤労の意欲のある者に職を提供するため、国民の皆様の御理解と御協力を得て、犯罪者の更生に協力していただける雇い主を、雇用主ですね、より多く確保する取り組みを強めてまいります。

 三つ目は、犯罪の取り締まりを実効的に行うための情報の共有でございます。

 当省が有している情報でこれに役立つものについては、犯罪者の改善更生にも配慮しつつ、関係当局に積極的に提供していきたいと考えておりますが、これが着実に成果を上げるよう努めてまいりたいと思っております。

江田委員 これで終わりますが、子供たちを取り巻く治安の問題、非常に憂慮すべき状況にございます。文科省、警察庁、そして法務省ときょうはお聞きさせていただきました。政府を挙げてこれに強力に取り組んでいくという所存で我々もまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

塩崎委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

塩崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。伴野豊君。

伴野委員 大臣、いよいよ始まりましたけれども、始まったかなと思い出したら、どうも何か波浪警報が出ているようでございまして、いろいろなところでちょっと波高しになってきたみたいで、大臣とお会いできるのも次はいつの日になるかなと思いつつ、きょうはしっかり質問させていただければな、そんなふうに思うわけでございます。

 きょうは少し理念的なことも含めていろいろお聞かせいただければなと思うわけでございますが、今の日本の置かれている状況、それから、今後この国が五年、十年、いやいや三十年、百年、どちらの方向へ行くのかというようなお話と、世界の中の日本、あるいは小泉構造改革がもたらす社会の変化、それらに対応して法務行政としてどうあっていただきたいか、そんなところを創造的に、建設的に大臣と議論をさせていただければ、そんな思いでおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 そうした中で、小泉総理がこの四年半どんな政治的メッセージを発していらしたか、少し私なりに検証してみました。就任されて早々、聖域なき構造改革、大臣も覚えていらっしゃると思いますが、正直言って、我々の世代はこの言葉に期待もいたしました。そして翌年からは、構造改革なくして景気回復なし、さらには、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、最近よく使っていらっしゃる言葉は、改革の芽が出てきた、大きな木に育てよう。大きな木がどんな木かよくわからないんですけれども、正直言いまして。スローガンとかワンフレーズで訴えるということに関しては、私も勉強させていただくことが多いわけでございますけれども、ある意味、逆説的に、この四つのフレーズでこの四年半やってこられたすごさということに驚いております。

 そして、今どうなっていくのかなというこの小泉構造改革、一口で申し上げて、私は、少し経済、財政の事柄に偏重していないのかな、少し近視眼的になっていないのかな、中長期展望がどこにあるのかな、少し感性的な言い方を申し上げれば、光と熱がなさ過ぎるんじゃないかなという思いをしております。

 光というのは、ビジョン、展望でございます。指し示す大きな方向性でございます。熱というのは、温かさやぬくもりとか、ほっとできる空間、そんなようなことに言いかえることができないかと思うわけでございます。

 これはこじつけかもしれませんが、昨今、人間のしわざとは思えないような事件、事故、午前中も与党の委員の方々が御指摘されておりましたが、人のしわざとは思えない残念な事件が続いている。小泉構造改革がもたらす一定の方向性の中で言えることは、できるだけ自立できる人は自立していっていただこう。逆説的な言い方をすれば、少し弱肉強食になっている面がないか、格差が広がっていないか。

 確かに、ルールはグローバル化していくんだけれども、どうしてもそのルールになじめない、あるいは自立できない、陰のところに落ちてしまう人たち、そういった人たちに、先ほど申し上げた光と熱を与えないと、今問題になっている、人とは思えない事件を未然に防ぐことはできないんじゃないかな、これは私なりに思っております。

 大臣の御世代の方々が戦後頑張ってこられたこの経済を中心とした復興、高度成長期を迎え、経済大国にしていただきました。ジャパン・アズ・ナンバーワンという時代もありましたが、残念ながらバブル崩壊をし、ではまず何からやり始めようというところで、確かに近視眼的には、経済、財政を中心とした立て直しというのはわからないでもありません。しかし、人間は経済だけで動いているわけではありません。効率を突き詰めれば突き詰めるほど、人間らしくなくなってしまうところがございます。

 人は、先ほど申し上げたように、生きていくために光と熱が必要です。必要なゆとり、余裕、遊び心まで省いてしまっては、後から考えたときに、ちょっとした余裕、むだがあった方が人が人として生きていくためにはよかったのではないかなということにならないためにも、ぜひきょうは、この法務行政の管轄だけは経済が中心ではなく人を中心にしていただくような、そんな展望を大臣と一緒に考えさせていただければ、そんなふうに思っております。

 ルソーは自然に帰れと申しました。人が今タブーを破っているような気がしてなりません。BSEの問題もそうでございます。午前中話題になった、幼い子を性の対象にして見る、これは人間的に考えたらタブーでございます。そこに手を突っ込んでしまう人、私は、人間回復が求められているのではないかな、そんなふうに思うわけでございます。

 そういった中で、小泉総理一人を批判してはいけないんですが、残念ながら、小泉総理が発せられる政治メッセージの中に、今のこの現状を踏まえた法務行政のあり方、あるいは今後法務行政が考えていっていただくその道筋になるものにお触れいただいていないのじゃないかな、法務行政に本当に興味がおありになるのかな、人権に興味がおありになるのかなと疑わざるを得ません。

 きょうは、まず大臣に、大臣就任当時もいろいろ御指示があったかと思いますが、今国会を迎えるに当たり、新たに御指示いただいたことでも結構でございます、小泉総理が御自身の言葉でどんなことを大臣にお求めになって、指示あるいは激励があったのか、まずお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

南野国務大臣 本当に、先生のお話、大変含蓄あるものであり、聞きほれておりました。

 総理からは、閣僚懇談会その他でもいろいろとお話をお聞きいたしております。一番最初に私が御下命を受けたときには、世界一安全な国日本の復活というようなところでございますので、そういうところを体しながら、法務行政の中に生かしていこうという努力をしてまいりました。そして、関係大臣に対しましても、総理からのお話の中には、国民が不安に思うような事件を防ぐために省庁間の協力体制を築いていこうというお話もございました。

 また、先生が光と熱というようなお話もされましたが、刑を執行されておられる方々ももっと農業に親しむようなこともひとつ考えたらどうかという御下命もいただいております。これにはいろいろまた難しい課題もあろうかなと思いますが、やはり光と熱、地球と土と熱、太陽と土、そういうようなものも、その人の人生に触れるところが大いにあるだろうと思っております。

 奈良の事件などの痛ましい事件が立て続けに発生したことにつきましても、私も深刻な事態であると認識いたしております。今後とも、国民の皆様の不安な気持ちを受けとめ、各省と協力の上、一層再犯防止のために政策に取り組んでいきたい、この心いっぱいでございますので、先生の御指導もまたいただきたいと思っておるところでございます。

伴野委員 大臣に御理解いただきまして、本当にありがとうございます。

 私も、図らずもこの法務行政の仕事、法務委員会の仕事をさせていただくようになりまして、つくづく、いろいろな勉強の中で今思っておりますのは、人はやはり人の中でしか生きていけないんだろうな、人とかかわってしか生きていけない、一人じゃ生きていけない、そんなことを思っておりまして、昔、倫理の時間だったんじゃないかと思いますけれども、人間は社会的動物だと言われたことをきのうのことのように思い出しているわけでございます。

 一方で、こういうことも言われているんじゃないかと思うんですね。文明の機器の発達とともに人間が本当の会話をできなくなっている、コミュニケーションができなくなっている。正直言いまして、昨今起きている事件のいわゆる犯人と言われる方々、少し社会から疎外されて、被害に遭った方が一番悲しい思いをしていらっしゃるんですが、多分、余り人間愛に接することもなく、コミュニケーションをとることもなく、携帯電話あるいはメールがこれだけ発達するのに直接的な会話ができない、非常に残念な社会になってしまっているなということを思うわけでございます。

 そうした中で、今、小泉総理からいろいろ御下命を受けたという、安全な国日本、少し矯正の中に農業というものを取り入れたらどうだ。農業を取り入れるというのは非常に結構じゃないかと思うんですね、これはいろいろ制約があったり難しい面もあるんじゃないかと思いますが。

 そうした中で、今回、大臣はいろいろ所信の中で述べられました。私もこれを一つ一つ見せていただいたわけでございますが、最初は司法制度改革から始められて、裁判所の体制のお話、民事、刑事の基本法制のお話、それから矯正のお話、さらには幼い子供たちの対策のお話、受刑者処遇のお話、PFI、少年非行、さまざまなことを所信で述べられております。この中で、大臣はここぞと、南野大臣ここにありというような思いで法務行政を引っ張っていく、おありになりましたら、どの部分か教えていただきたい。

南野国務大臣 一点に絞ることは大変難しいことでございますけれども、その一言一言に思いを込めているつもりでございます。所信の中に申し述べさせていただきました。

 やはり、安心・安全な国日本の回復ということには一番思い入れが強いところでございます。そういう中で、法務行政がしっかりと今根づいていこうとしているところであろうかな、そういう方向に持っていかなければいけないんだな、一つ一つ、人が生活しやすい形に持っていかなきゃならないというふうに思っております。

 私は、助産師として、命または性という問題に対し、今までも思いをいたしてまいりました。また、取り組んでもきましたが、子供が性の被害に遭い、また命を奪われるということ、本当に痛ましい事件が続発している。これを何とかしなければいけないというふうに思っております。

 真剣に取り組んでいかなきゃならないところであり、人という字は人二人が寄り添っているところ、人間と人間の社会の中じゃないと生きていけないのが当たり前ですが、今、人間と機械がともに生きていっている。その中で、効率的ないいものもあります、でも、先生がおっしゃったように、会話が足りないところをどう取り戻していくかということも必要ではないかなと思っております。

伴野委員 命の大切さ、まさにそのとおりでございまして、そういった意味でも、さまざまなこれからの行政の中心は、言わずもがなでございますが、やはり人だと思うんですね。

 そうした中で、今回南野大臣の御所信の中にも、多分あえて書いてくださったんじゃないかと思うんですが、三ページ目に、「特に、幼い子供が被害に遭うような痛ましい事件を少しでも減らすことができるよう、緊急に採り得る対策を早急に取りまとめ、これを実施してまいります。」とございます。正直言って、非常に難しいことに挑戦していただくわけでございます。

 私も九つになる娘がおりまして、特に奈良の事件を初め、あるいは、これは私の選挙区の近くでございますけれども安城で起きたこと、どれだけ経済的に発展しても、あるいはお金を持っておいしいものを食べて、旅行をし、ぐるっと回って、住んでいるおうちもすてきなおうち、もうどこから見てもうらやむような生活をしていらっしゃる方でも、一歩自分のお子さんが外へ出た瞬間にわけのわからない人にあやめられる、こんな社会は、どれだけ生活が豊かになっても私は否定したい。

 仮にわらぶきの屋根の家であっても、あるいは旅行に行けなくても、お米をみんなで分け合って食べても、大臣がおっしゃったように、命を大切にし、人と人とが寄り添ってぬくもりを感じる、私はそういう社会を求めていきたい。もっと言うならば両方あるのが一番いいわけでございますが、しかしながら、現実は一方が崩れているような気がしてならないわけですね。

 ここには、先ほど申し上げた、確かに戦後日本は経済を中心にして発展してきた、そこに心血を注いだ、エネルギーを注いだ。これは一つは、成功の道すがらとしてはその時代にはとるべき姿だったのかもしれませんが、その反面、忘れてきてしまったもの、落とし物が今あるような気がしてならないわけでございます。

 私も、こう見えましても一応都市計画の技術屋の端くれでございまして、この法務委員会のお仕事をさせていただく前までは、社会インフラというのは社会資本整備、どちらかというと国土交通でやる仕事が社会インフラだと思っていたんですね。

 しかし、今のお話で、どんなにいい町ができても、どんないい空港ができても、どんないい鉄道ができても、先ほど申し上げたように、自分の子供が一歩自分の家から出た瞬間に、あるいはそれこそ楽しみにしていたショッピングに行ったときにあやめられてしまう、こんな世の中は望んでいない。

 さらには、この法務でやっていらっしゃるさまざまな仕事の方が、今申し上げた国土交通省でやっている社会インフラよりも本当は基礎の基礎にある、人間が人として生きていくための、最低限と言っては言い過ぎかもしれませんが、基礎の基礎のインフラ整備をしているんじゃないかな、そんな認識を新たにしているところなのでございます。

 そういう思いの中で、ここへ来て、先ほど申し上げたように、幼い子供が被害に遭う、そんな社会に残念ながら今あるのではないか。あえて挑戦されると思われるんですが、ぜひぜひ推進していただきたいと思いますが、今どんなお考えを持っていらっしゃるか、お聞かせいただきたい。

南野国務大臣 先生がインフラの話をされました。私も同感でございます。どんなにすばらしい橋ができても、渡る人がいなければ、渡る人の心に感謝がなければ、そのような思いをいたしております。

 昨今、幼い命が被害に遭うような痛ましい犯罪が続発している中で、法務省といたしましては、国民の皆様の気持ち、これを大切に受けとめながら、このような痛ましい事件を少しでも減らすことができるように、緊急にとり得る対策として、次の施策を実施することといたしております。

 第一には、性犯罪者に対する適切な対策を講じるための基礎といたしまして、性犯罪者の実態、再犯の状況などに関するデータを把握し、多角的な検討を進めてまいります。

 第二に、具体的な施策でありますけれども、これは三つの柱から成っております。

 一つ目は、犯罪者に対する処遇の充実強化であります。

 まず、精神医学、心理学等の専門家の協力を得まして、施設内処遇、社会内処遇両面における科学的、体系的な犯罪防止プログラムを策定するとともに、行刑施設におきましては、心理技官を活用するとともに、民間カウンセラーの導入を行うなど、処遇方法、処遇体制を整備してまいりたいと思っております。また、受刑者については、近く提出を予定しております法案において、その者にふさわしい矯正処遇を受けることを義務づけ、保護観察対象者についても教育処遇を受けることを遵守事項として定める運用を進めてまいりたいと思っております。

 また、二つ目には、犯罪者の社会復帰を円滑に実現するための支援体制の強化であります。

 勤労の意欲のある者に職を提供するため、国民の皆様の御理解と御協力が必要であり、それを得て、犯罪者の更生に協力していただける雇い主をより多く確保する取り組み、これも強めてまいりたいと思っております。

 三つ目は、犯罪の取り締まりを実効的に行うための情報の共有であります。

 当省が有しております情報でこれに役立つものについては、犯罪者の改善更生にも配慮をしながら、関係当局に積極的に提供していきたいと考えております。

伴野委員 ぜひ、このあたりは総力を挙げてやっていただければと。私は、今こそこの問題に関しては国の英知を結集して、官民の枠を超えて、少しでも情報を持っている方に寄っていただいて、対策本部なんかもつくっていただいてやっていただいてもいいんじゃないかなと思うんですね。

 ある精神医学の専門家にお聞きしますと、これは多分、特に被害者の方からは、人のやるしわざではない、鬼のようだ。特に、午前中に性犯罪のお話もあったようでございますけれども、性犯罪の被害に遭った女性あるいは小さなお子さん、その保護者の方、親御さんにしてみれば、犯罪者というのは鬼畜のように思われる。場合によっては、今の弱肉強食的な発想からすれば、社会から抹殺したいあるいは切り捨てたいと思われるのかもしれません。

 しかしながら、法務行政のかかわる部分で、最後のとりでとして、一方で人として扱わなければいけない。ここでも人として扱われないと本当にもうどうしようもないという状況になってしまうと思いますので、その点も、こういうのを対話と圧力というんですか、どこかで聞いたようなフレーズですけれども、両面でやはりやっていかなきゃいけないと思うんですね。ぜひよろしくお願いいたします。

 では、次の質問に行かせていただきたいと思いますが、小泉さんがよくお使いになる、民にできることは民にという言葉もあります。これは法務行政にどう生かされていくのか。

 行刑施設の一部をPFIでやってみたりというお試みもあると思うんですが、官のことを下の民に任せるという感覚ではなくて、民の持っているノウハウを全部官に集めて、この法務行政のおやりになっているほとんどの部分というのは、私は、世の中が変わろうともかなりの部分は国が責任を持ってやっていただかなきゃいけない部分だと思うんですね。そういった意味で、民にさせられないところもあるんだと思うんですよ、一方で。

 そういった中で、今後、先ほど矯正のお話も出ました、民の力を法務大臣はどう吸収されていくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

南野国務大臣 法務省といたしましては、今先生からもお話がございましたが、刑務所の過剰収容ということも大きな課題でございます。それに対処するためには、従来からの施設の整備、それから拡充、それに加えまして、PFI手法も活用しながら、民間の力はいただきながら、また官は官でそのつかさつかさの役割をやっていくというところにもあるかと思いますが、新設を行っていこう。

 既に刑務所においても被収容者カウンセリングなどについて可能な限り民間委託を検討するなど、刑務所という治安関連インフラの整備、運営にも民間活力を応用する方策を進めてまいりたいと思っております。

伴野委員 今、過剰収容のお話も出ました。民主党では、今回奈良で起こった性犯罪等々にかんがみまして、党を挙げて、今行刑施設を視察させていただいております。その関係につきましては、法務省の皆さん方に御協力いただきましてありがたいわけでございますけれども、どの世界もそうですが、現場の方は本当によくやってくださっていると思います、この財政状況の中、限られた人材の中。しかしながら、やはり限度というのがあると思うんですね。

 びっくりしたのは、九畳ぐらいのスペースの中に八人から十人。これはどうしてもそういう状況になってしまっているということなんです。

 私は社会人になったのが国鉄が最初でございまして、当時、昭和六十年の国鉄もひどいものでございまして、今でも覚えているんですが、国分寺というところで全部、百数十名ぐらい集められるんですよ。その最初に寄宿した寮が、昭和三十二、三年にできた。そのときにも、大体私どもの年代というのは自分の部屋を持って勉強していたものなんですね。それが、社会人になってこれから楽しい社会が始まると思ったやさきに、四人部屋ですよ。四人部屋でも、あいつのいびきがうるさいとかあいつの歯の磨き方が気に食わぬとか、一カ月しないうちにいろいろあるんですよ。

 普通の人間でもそうでした。収容されている方は普通の人間じゃないというのは、今のはちょっとカットしておいていただいた方がいいのかもしれませんが、いわゆる犯罪を犯してしまった方々がその状況で収容というのは、外の生活のバランスとの兼ね合いもあると思うんですね。余り快適にし過ぎちゃっても、それはいろいろ御批判が出るところでございます。

 まず、それが驚いた一点。これもやはり見せていただかないと本当にわからない。

 次に驚いたのは、あの塀の中も高齢化しているんですね。パーセンテージにして、どうなんでしょうか、かなりいらっしゃる、今ちょっと数字がすぐ出てきませんが。ですから、結構おむつが用意されていまして、そういう施設ですから、やはりバリアフリーなんかになっていませんよ。でも、そろそろそういうことも考えていかないと、人として扱うということからすると、介護のノウハウというものも考えていかなければいけないんじゃないかなと思うんですね。それはやはり外の生活レベルとのバランスだと思います。塀の中が一番暮らしやすいなんて言われてしまったら、これは本末転倒でございますので。

 さらに、矯正のお話。今私が子供を通わせている学校でも学級崩壊とか言われている時代でございます。ですから、これから育てる、まだ手あかのついていない子たちを育てるのも大変な時代。言ってみれば、いろいろな形になっていらっしゃると言うと言い過ぎかもしれませんが、それをまた矯正。矯正ほど大変なものはないと思うんですね。そして、そうした中で、その業務を今現場の刑務官の方たちがいろいろ工夫をして、少ない人員の中でやっていらっしゃる。

 正直言って、この御時世の中、この要員でこれだけの人をこういう教育をしていくというのは、それはプログラムやシステムをきっちりつくっていくというのは大事なんですが、それが本当に実行に移せるか、それだけのノウハウが集められているのか。もっと言うならば、それだけの情報で、協力体制になっているのか。それが甚だ疑問でございました。

 ですから、この際、先ほども申し上げたように、人が人であるための基本的な社会インフラを整えるという意味で、法務、医学、教育だけではなくいろいろな人材を一度集めていただいて、先ほど申し上げたような本部のようなものをつくっていただいて、人間が生きていく流れのループの中で、法務だけ取り上げてもだめだと思うんですね。全体のループの中でどうしていったらいいのか。ここに段差があってもいけないと思うんです。

 要するに、実社会と塀の中の段差があっても、これはなかなか、それこそ高齢化社会ではありませんがスロープをつけてやらないと、急に外へ出てもなじんでいけない、先ほど言ったコミュニケーションギャップを感じてしまってまた戻ってしまう。この繰り返しをしていったら、今懸念されている犯罪というのはなかなかなくなっていかないんじゃないか。

 これが、一つでも再犯が少なくなるんだったら、特に被害者のお立場になっている人からすれば、どれだけお金をかけてもらってもいいんじゃないかぐらいのことは思うんだと思うんですよ。人の命はそれだけ重いんだと思うんです。だから、ぜひ、そのシステムをやはりここへ来て一から組み立て直していただく意味で、いろいろな人の御助言やアドバイスを入れていただいて、それこそ、それが法務行政における構造改革の大きな木じゃないかなと僕は思うんですね。

 そういった私の意見に対して、いかがでしょうか。

南野国務大臣 先生が先ほど三十二年のお話をなさいました。私も三十二年の思い出があります。助産婦学生のころでしたが、十九人が多く一部屋で生活したことを思い出しております。それを考えると、先生は幸せな時代にお勉強されたんだな、そのように思います。

 今の行刑施設を見せていただきますと、個室がないんですね。一人のお部屋も二人で使っておられる、六人部屋を八人で使っておられる。そういうところにも思い入れをしないと、やはり心の問題というものの解決は環境によって変わってくるものだというふうに思っております。

 今先生るるお話しいただきました。御指摘のとおりであると思いますが、犯罪を防ぐための施策に教育または精神科学の見地を取り入れることは有用であろうかと思います。法務省といたしましても、例えば性犯罪について、精神医学的な観点を取り入れた新たな処遇プログラムの策定に取り組み始めたところでございます。

 また、さまざまな分野の英知を結集することも非常に重要なことと考えておりますが、政府としましては、このような観点から、一昨年、全閣僚で構成する犯罪対策閣僚会議を立ち上げました。治安の回復に取り組んでいるところでございますし、最近におきましても、文部科学省や厚生労働省の参加もいただきながら、再犯防止対策に関する関係省庁会議を設けまして、再犯防止のための省庁横断的な取り組みを進めているところでございます。

 私としましては、現時点で新たな組織を設けるというシステムではなく、皆様方のお力を総力させていただいて取り組んでまいりたいと思っております。

伴野委員 どうしても省庁さんというのは縦割りになりがちでございます。あるいは、御自身のお仕事を少し囲おうとする傾向がございます。この際、塀は取っ払っていただいては困りますが、垣根は取っ払っていただいて、ぜひさまざまなことをコラボレートして結果を出していただければ、そんなふうに思います。

 小泉改革が今後もたらすもの、中長期で考えていきますと、確実に自立社会になっていくと思います。言いかえれば、自己責任社会になっていくんですが、一方で、自立できない無責任な人も出てきてしまう。さらには、それぞれの能力で頑張っていただくということは、能力が発揮できなかった方はドロップアウトしていってしまう、残念ですが、そういう傾向はあります。

 そうした中で、今まで以上に、多分、法務行政の方でお世話にならなきゃいけない方々というのはふえてくるような、言ってみれば、負荷は大きくなっていく一方だと思います。その一方で、今、緊縮財政、これが唱えられているわけでございますが、先ほど申し上げたように、人が人であるための基本的な部分には、私は、必要なものは必要なことを、人もお金も用意しなければいけないと思っております。今後、さまざまな人材が要ると思いますし、予算も要ると思いますが、そのあたりの対策はいかようでございましょうか。

南野国務大臣 受刑者の改善更生と円滑な社会復帰を図るための処遇、これを実現させるためには、御指摘のとおり、人的、物的体制の整備が必要であります。特に、法務行政は人対人、先生もおっしゃっておられるとおり、やはりマンパワーがなければこれは難しい形であろうかと思います。

 平成十七年度予算案におきましては、行刑施設における心理技官を六人増員しようということでございまして、また、二十四施設分の民間のカウンセラーの委託経費、これを計上するなどいたしているところでございますが、今後とも、近く提出を予定しております法案の円滑な施行に向けて、引き続き所要の措置が講じられるよう努力を続けてまいりたいと思っております。

 どうぞ先生、予算、よろしくお願いしたいと思います。

伴野委員 私に予算執行権限があればいかようにでもするところでございますけれども、残念ながら政権すら持っておりませんので、このあたり御理解いただければと思うわけでございます。

 引き続いて、行刑施設の中でも、更生保護法人というものも見てまいりました。ここにも本当はお金をかけなきゃいけないんだと私は思うんですね。職員の方も高齢化していらっしゃる。拝見したところは施設はまあまあだったんですが、本当にわらぶきに近いようなところもあるというふうにも伺っています。

 ですから、この更生保護施設というのが、言ってみれば、先ほど言った高齢化社会でバリアフリーにするためにスロープをつけますが、そのスロープの役目をするんだと思いますが、ちょっと段差が来ているのかなという気がしてなりません。また、人もお金も入っていないような気がしてなりません。

 今の状態でマスコミの批判にあるようなことまでやれと言われると、これはやれと言っている方が、私は甚だ、現場の方はやっていらっしゃるんだと思いますし、頑張っていらっしゃると思いますよ、しかし、それも限度がある。だから、このあたりのところにもぜひ光と熱を当てていただきたい。

 そして、そういうところにも、確かに寄附をされればそのインセンティブはあるんですけれども、こういう施設なりあるいはこういうところに協力した自治体にインセンティブが働くように、また教育の中でも、そういうことに自分が将来貢献していくというような教育とあわせもって、心のインセンティブというんですか、ぜひ与えていただけるような仕組みづくりというのも重要なんじゃないかなと思うんですね。

 どうしても、これはNIMBYと言われているうちの一つでございまして、必要性はわかっているんだけれども、皆さん方御自身の自治体へ来ることや、あるいは御自身の家の近くに来ることを非常に嫌がります。だから、そういった意識改革も一緒になって、そこでの拒絶が新たな犯罪を生むんだという意識をぜひ国民の皆さん方にも御理解いただいて、ここにも光と熱を南野大臣が先頭になって与えていただければな、そんなふうに思う次第でございます。

 続いて、次の質問へ行かせていただきたいと思いますが、そうした中で、やはりこれも社会インフラの根源じゃないかなということを思うことがございまして、これは、正直に言いまして私も我が党の勉強会で初めて知ったことだったんですけれども、今の司法解剖の現状、今後について、これから少し御議論をさせていただきたい。

 これも、先ほどのお話ではありませんが、行刑施設における職員の皆さん方の御努力と同じように、現場の方は、限られた予算と限られた人員で基本的には頑張っていらっしゃる。警察も法務行政の皆さん方もそうだと思います。しかしながら、数字を拝見したり、現場の声を、全部ではありませんからこれは全部聞かないといけないと思いますけれども、私どもに入ってきたところのものを情報処理しますと、本当に、安全な国日本あるいは社会インフラの基礎ができている日本と言えるのかなと。

 先ほど、この法務行政の委員会の仕事をさせていただくようになって、人のことを、あるいは人の命のことをより考えるようになったと申し上げましたが、また一方で、死というのは生きることを考えるために必ずしっかりと考えなきゃいけない。最後の最後、人の最期がわけのわからない人生というものほど人の尊厳に背いていることはないんじゃないかなと思うんですね。それが、国という国家がその人の死の原因を確定できていないとしたら、これは、社会インフラの根底が存在していないと言われても過言ではないんじゃないかなと思うんですね。

 そういった意味で、この司法解剖の現状をお教えいただいて、今後の指針などをお示しいただければありがたいと思うんですが、まず、数字の確認をさせていただきたいと思います。

 昨年、いわゆる警察の方で死体取り扱いの総数というものが出ていると思いますが、それは幾つで、そのうち司法解剖されたのは幾つなのか、お教え願いたいと思います。

岡田政府参考人 平成十六年中に警察におきまして死体を発見または死体がある旨の届け出を受けて取り扱いました総数は十三万六千九十二体でございます。また、このうち司法解剖を実施した体数は四千九百六十九体であると承知をいたしております。

伴野委員 この数のありようを細かく議論するつもりはきょうはありません。これはいろいろな見解があるところだと思いますし、解剖には、少なくとも病理解剖、行政解剖、司法解剖、いろいろあると伺っておりますし、検視の段階で警察官の方がいわゆる五官ということで死体の状況見分をされる、その上での御判断だということもうかがい知っております。

 その中で、問題提起があったのは、やはり医学の世界はどんどん発達している、その一方で、現場はその医学の発展についていっていないんじゃないかなという危惧。さらには、殺され方と言うとちょっと語弊があるのかもしれませんが、凶器もどんどん変わってきます。やはり五官でわかりにくいと言われているのは、私が漏れ伝え聞いたところによると、薬物関係、さらには細菌関係。こういったものに関して、本当に今の現場の対応で対応し切れているかといったときに、もっと改良していく点はあるのではないかな。

 例えば、CTスキャンがある世の中です。やはりなかった時代ではないので、なかった時代とある時代を比べたときに、それを有効活用するということも避けるべきではないと私は思いますし、諸外国と比べて、確かに日本の文化というものの中に解剖というものを多少避けられる傾向もないわけじゃありません。

 先ほど申し上げたように、ただ、死の原因というのが究明できないということは、最低の人権といいますか、現状を批判的に言うつもりはありません。しかし、現場は限られたお金と人材で、ぎりぎりの段階で、しかも最新のノウハウを入れることなくやっているという現状を考えますと、ここにも構造改革があってしかるべきだと思いますし、ここにも光と熱を与えていただきたいな、そんなふうに思うわけでございますが、大臣、いかがでしょうか。

南野国務大臣 お亡くなりになられた方々に対しては、私ども今まで臨床にいましたりしたときには、本当に、合掌して御冥福を祈りながらその次の行動に移らせていただいたものでございます。

 変死者または変死の疑いのある御遺体につきましては、まず司法検視が行われますが、犯罪による死亡の疑いがある場合には、死因を解明するため司法解剖が行われるものと承知いたしております。

 また、先生が先ほどおっしゃっておられました、五官の作用によって死体の状況を見分するだけであり、正確な判断がなされないのではないかというようなこともございますが、司法解剖等の必要な捜査を行いますので、そういうことは特に御心配要らないのかなと思いますが、司法検視は緊急の状況下において迅速に行う必要があろうかと思っております。

 御指摘のいわゆるCTスキャン、そのような死体の現存する現場では、捜査が大変困難であります。そういうようなことにより、検査方法を一律に義務づけられないこともあるな、そのように思っております。

伴野委員 現場においてつかさつかさでしっかりやってくださっていると逆に私も信じております。しかしながら、今申し上げたように、時代に合うやり方を工夫されてもいいんじゃないか、工夫されても損はないんじゃないかな、そんなふうに思う次第でございますので、ぜひこのあたりの構造改革もなし遂げていただきたいなと思う次第でございます。

 では、余すところ時間も迫ってまいりましたので、先ほど申し上げたように、ほかの委員会がかなり波高しということになってまいりましたので、これらの議論に入れるかどうか私もどきどきしているところでございますけれども、今国会に出ております法案について、幾つか気になる点を大臣に直接お伺いしていきたいと思います。

 まず一点目は、いわゆる共謀罪のお話でございます。

 私が申し上げるまでもなく、この案件というのは条約で定められ、そして今日に至ってきているわけでございますが、しかしながら、いろいろ浅学非才の私が勉強した限りにおいても、おいおいというようなところが幾つか感じられます。そのあたりのところをぜひちょっときょうは、この法案審議に入れるかどうかは別として、お聞かせいただければと思います。

 まず、犯罪構成要件というのは難しい言葉でありますよね。これはプロの方ではわかるんですけれども、その中で、考えとか合意とか、そんなことを基準に対象とされるんだと思うんですけれども、しかしながら、条約はそこまで求めているんでしょうかね。そのあたりのところからぜひちょっと教えていただければと思います。

南野国務大臣 今先生のお問い合わせの中では、法案の共謀罪は合意だけで処罰するとしているが、構成要件が不明確ではないかというふうに解釈してよろしゅうございますか。(伴野委員「はい」と呼ぶ)ありがとうございます。もう御審議にお入りいただいたことを感謝申し上げまして、お話しさせていただきますが、今回の法案の共謀罪は、重大かつ組織的な犯罪を実行しようとする共謀する行為を処罰するものであります。そして、この共謀する行為と言えるためには、特定の犯罪を実行しようという具体的かつ現実的な合意をする行為がなされなければならない。漠然とした相談程度では共謀罪は成立しませんよということでございます。

 また、この共謀罪は、重大な犯罪のうち、厳格な組織性の要件を満たす犯罪であるとしており、団体の活動として、犯罪行為を実行するための組織により行う犯罪、また団体の不正権益の獲得、維持拡大の目的で行う犯罪、それを共謀した場合に限り処罰することとしているわけでございます。

 したがいまして、法案の共謀罪の構成要件は明確であると考えているところでございます。

    〔委員長退席、田村(憲)委員長代理着席〕

伴野委員 そういうお考えなんだろうとは思いますが、条約はそこまでを本当に求めているのかどうか、少なくとも私は理解しかねるところがあります。その点は指摘しておいて、余り突っ込んじゃうといろいろございますので、次に行かせていただきたいと思います。

 続いて、午前中も話題になった監獄法でございますが、これにつきまして、これは新聞報道の見出しのつけ方もあるのかと思うんですが、一方で、この見出しだけを見た人は、本当に大丈夫なのかなと。いわゆる外泊等々、いろいろな諸条件がある中で緩和していかれるんだと思いますけれども、この点、南野大臣はどのようにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

南野国務大臣 先生のお尋ねは、監獄法を改正して受刑者の改善更生プログラムを充実させることであるけれども、そのための予算措置ではないんですね。(伴野委員「ではないです」と呼ぶ)予算措置ではない。監獄法の改正についてどう思うかというお尋ねでございますか。(伴野委員「はい」と呼ぶ)それについては、粛々とやっていくことの方がより適切に適応させていけるものというふうに考えております。

伴野委員 先ほどちょっと新聞報道の話をいたしましたが、例えばこういう見出しがあるんですね。「受刑者の外泊、電話許可 法務省、処遇法案で方針」「付き添いなく外出許可 刑務所からの電話も」というこの見出しについて、どんな印象を持っていらっしゃるかということでございます。

南野国務大臣 今先生がお話しになられた事柄については、これから検討を進めていくという課題であろうかと思っております。

伴野委員 ですから、報道のあり方もあると思いますが、事実が伝わっていなければ、よくそのあたりをしんしゃくしていただいてお伝えいただきたいと思います。

 先にちょっと話題に出てしまいましたので、次へ行かせていただきたいんですけれども、矯正プログラムのお話ですね。先ほどもずっとその議論もしてまいりましたけれども、現場の声といたしまして、どなたがと言うとまたいろいろあるかと思いますが、一般論としてお聞きいただきたい。

 今でも大変な数を限られた人材とお金でやっている。確かに、プログラムはいいんだけれども、本当に魂が入るのかどうかというところですね。だから、本当ならば、社会保険庁でむだ遣いしているようなお金なんかはそういうところへ入れればいいと思いますし、だぶついている方々はそういうところで頑張っていただくというのも一考だし、新たなお金をつけなくてもできるようなこともたくさんあるような気がしてならないわけでございますが、このあたりはいかがでしょうか。

南野国務大臣 有効的に、このたび予算を通していただけますならば、その中でしっかりと頑張っていきたいというふうに思っております。

伴野委員 これまた繰り返しになりますが、政権をとらせていただければ進んでやらせていただけることじゃないかなと思うわけでございます。

 続いて、少年法のお話もちょっと触れさせていただければと思います。

 ここへ至った資料をいろいろ読ませていただくと、残念だけれども、そういう時代が一方であるのかなと。しかしながら、まだ本当に成長過程の人間といわゆる大人、言ってみれば一つには権限を持った方々とが対等に話せるのかな。対等に話す必要はないとおっしゃる方もいるやに伺いますけれども、本当の意味でコミュニケーションができるのかなという危惧を持っております。

 そういった意味で、これも現場の声をお聞きになったということも伺っておりますが、本当にこの方向性でいいのかな、改めてちょっとお聞きしたいと思います。

南野国務大臣 この法案につきましても、いろいろな多方面からの御意向をお伺いいたしております。どの方向が正しいとか正しくないとか、今ここで申し上げられませんが、両者の御意見をしっかりと踏まえながら、どのように少年たちをすてきな大人にしていくのかということが一つ課題になってくると思っております。

伴野委員 これも、今後どういう委員会運営になるかわかりませんが、審議があるようでしたら、しっかりとその中で詰めさせていただければと思うわけでございます。

 最後に、これも新聞の方が先行していろいろお話が行ってしまっているのかもしれませんが、法務省がお持ちになっている情報を警察にという、午前中の議員の質問の中に、受刑者が仮出獄をされた後の情報等々のお話がございました。

 犯罪にお遭いになった方あるいは性犯罪を対象にして女性が考えた場合に、首に縄をつけておくと言っては言い方が変ですが、何らかの科学技術を使ってでも、あるいは、接近が予見できるようなシステムというお話もあったように記憶しておりますが、それはちょっとという感じもいたしましたし、今回、どういう情報をどこまで流すかという議論もあるんだと思いますが、アメリカとは違いますのでね、この国は。やはりこのあたりは本当に、一方で防いでいただかなければいけないんですが、しかしながら、これが行き過ぎてしまったり、あるいは思っていた方向とは違う方向へ行ってしまったときに取り返しのつかないことになってしまうと思いますので、このあたりを改めて、どういうお考えを持っていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。

南野国務大臣 本当に、外国の文献ということは検索しなければいけませんけれども、それを日本で展開するというようなことはいかがなものかな、これもまた皆様方の御検討の中にあるというふうに思っておりますが、具体的にどのような課題になっていくのかなということを検討していきたいと思っております。

 今、警察との関係の中では、具体的にどのような情報を提供するかについては目下警察と協議しているところでございますが、出所者の居住先等の情報を警察に提供した場合、警察も守秘義務を持っております。それを我々は信用するわけでございまして、提供した場合、警察もその守秘義務を負った以上、犯罪の防止という正当な目的に資するよう適切に管理されるものと承知しております。民間にその情報が流れるといった事態を懸念する必要はないものというふうに思っておりますが、そういう意味では、今先生がお話しになられました、日本は日本の手法よということに、皆様方とのお力を合わせていかなければならないと思っております。

伴野委員 日本の文化ということも意識していただいて、今後、御協議を慎重にお続けいただければ、そんなふうに思います。

 ずっと、一時間にわたっていろいろ議論をさせていただきました。ありがとうございます。

 最後に、繰り返しになりますが、法務行政は、人が人として生きていくための社会インフラの基礎の基礎をつくっていただくところだ。ですから、ぜひとも人を中心に、ある面、経済市場原理と外れてもいいと思うんですね。それぐらいの思いで光と熱を与えていただければな、そんなことをお願いしつつ、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

田村(憲)委員長代理 次に、山内おさむ君。

山内委員 民主党の山内おさむでございます。

 大臣とは、ことしになって初めての質疑になると思うんですけれども、これから約五カ月の間、よろしくお願いします。

 性犯罪者の問題につきましては、警察との情報提供をするということで午前中から議論があっているんですが、そもそも、性犯罪が起きないようにするという点が大事だと思うんですけれども、大臣、どうでしょう。

南野国務大臣 予防にまさる治療はなしと言われているくらい、予防が一番大切でございます。人の生活という問題についても、悪いことをする前にそれが予防ができれば、その人の人生、マイナスポイントをつけることはないのではないかな、そのようにみんなで協力していかなければならないということにもつながっていくと思っております。

山内委員 性犯罪というのは、例えば何が原因で起きるとか、これはちょっと取り締まらなければいけないなと思われることは何ですか。

南野国務大臣 性犯罪はなぜ起きるかという先生のお考えはどういうお考えかは存じ上げませんが、それは個々によって違うものと思いますし、環境によっても変わってくるものと思います。ホルモンによっても変わってくるものと思います。原因は多種あろうと思っています。

山内委員 例えば、今日本がどういう環境があるから性犯罪が起きていると思われますか。

南野国務大臣 それは先生、わかりませんが、先生がもし御存じなら教えていただきたいです。よろしくお願いします。

山内委員 例えば漫画とかネットとかで随分わいせつな、あるいは業界の用語で言うと劣情を思わせるような情報というかな、そういうのがはんらんしている、そういうようなことをどうかなと思われたりすることはないですか。

南野国務大臣 いや、全くないわけではありませんが、それも一因だと思ってはおります。

山内委員 一因だと思われるんなら、それ以外で大臣が思っておられることは何ですか。

南野国務大臣 いや、それはいろいろなものがあると先ほども申し上げました。性という問題をどう解釈するかによってまた変わってくるものと思います。

山内委員 大臣ね、自分で物事を考えるという癖をつけていただかないと、質問者に見解を聞くというのは、やはりちょっと情けないと思っていただきたいと思います。(南野国務大臣「いや、思ってないです」と呼ぶ)私はそう思います。(南野国務大臣「私は思っていません」と呼ぶ)はい、そうですか。

 大臣は、抱負の一番目に、世界一安全な国日本を復活させたいということを言われていますね。ちょっとうなずいてもらえませんか。

 ただ、この問題は、今までは例えば被害届とか告訴について、全部が全部受け付けるというようなことをしていなかったのを、今ちょっと運用を変えてそういうものをきちんと受けとめていこうという、法務、警察の取り扱いが少しずつ変わってきたこととか、あるいは昔は泣き寝入りをしていた、例えば電車での痴漢とか、そういう申告することが恥ずかしいとか、これは黙っておこうとか思っていたことを、例えば特に女性の皆さんを初め、これはやはり許せないことだ、そう思って被害申告をいっぱいし始めたということが原因であって、そうそう性犯罪がふえたということに、あるいは凶悪犯罪がふえたということにはならないんじゃないかという議論があるんですが、その議論についてはどう思われますか。

南野国務大臣 議論はいろいろしていただいて結構だというふうに思いますが、お尋ねのような御指摘があるということは私も承知いたしておりますし、犯罪統計については慎重な吟味が必要であろうかというふうに思っております。

 ただ、例えば強盗事件の認知件数、この前は体感というようなお話もさせていただきましたが、強盗事件の認知件数というのは、平成六年は二千六百八十四件でありましたが、平成十六年には七千二百九十五件と、約三倍近くに増加している。そのうち侵入強盗の認知件数も、平成六年には千二百六十四件であったのが、平成十六年には二千七百七十六件と、二倍に増加しております。これらの数字も治安の悪化を裏づけているものと思います。うなずいてください。

山内委員 ちょっと何か、余りひどいことは、失礼なことは言わないでくださいよ。

 あなたは、第二の抱負として、人権に配慮した透明性の高い矯正行政を実現するということを就任時に言われていますね。ところが、ことしの一月の法務省の広報の「あかれんが」という広報誌には、この人権に配慮したというのが抜けているんですね。行刑改革、民間活力の導入を図った行刑施設の充実と。この人権に配慮したという文句を入れなかったのは何か理由があるんですか。

南野国務大臣 就任時、総理から御指示を受けたのは、人道、人権に配慮した在留許可と難民認定についてでありますが、私は常にこれを肝に銘じながら入管行政に当たっているつもりでございます。それは、御指摘の広報誌における表現ぶりについては、そのような御理解の仕方があるかもわかりませんけれども、別に変わってはいません、中身については。

田村(憲)委員長代理 大林刑事局長。(山内委員「いやいや、そうじゃなくて、抱負の二ですよ」と呼ぶ)

 わかりますか。

富田大臣政務官 委員のお尋ねの「あかれんが」というのはこの記事ですね。これは大臣のインタビューの抜粋をまとめた形になっておりますので、大臣就任時の抱負では総理から御指摘のあったとおり大臣の方が述べて、これはそこを取りまとめたという形で、そこの部分が抜け落ちているというふうになっていると思います。

山内委員 今の説明でよくわかりました。

 ところで、刑務所の過剰収容の問題については、一一〇%ぐらいの収容率で、非常に窮屈な思いを受刑者はしているんですけれども、例えば五年以内に一〇〇%以下にするとか、あるいは何年間をかけてこういうふうに刑務所を建設していきますというようなビジョンはないんですか。

滝副大臣 基本的には当面の過剰収容をどうやってこなすかということが問題であるわけでございまして、今回も、十七年度の当初予算とそして十六年度の補正予算で当面の過剰収容をとにかくこなすという最小限度の目鼻がついたかなと、要するに五千人分ぐらいの収容増ができる、こういうことで対応したわけでございます。

 したがって、将来の問題になりますと、基本的には、こういう時代が続けばそれなりにふえてくるという問題がございますけれども、どの程度までふえるかという将来予測をするというのはなかなか難しいんじゃないだろうか。要するに、治安を何とか守りたい、向上させたい、こういう中でございますから、仮にそういうような計画を、もうちょっと収容人員が多くなるんだということを推計して作業をするというのはなかなか難しい問題があるんだろうというふうに思っておりまして、したがって、そういう意味で法務省としても、例えば平成十八年度以降何人ふやすとか十九年度はこうなるというような将来予測を確定的に、ある程度精度を持って出すというのは難しいんじゃないだろうかな、こう思っております。

山内委員 大臣、私は、質問を聞きに来られた若い課長補佐たちに、課長補佐というのかな、局付とかに、大臣の就任時でのメルマガで言われたこととことしの一月の「あかれんが」の発言と今回の所信表明あいさつの内容が少しずつ違っているので、この点、きちんと押さえさせてください、こう言っているので、大臣、そういうことを聞いておらなければ、そういうふうにきちんと私は聞きますので、問いに応じた答えをお願いします。

 三番目に、大臣は抱負で、司法制度改革をしっかりと根づかせて実現したいということを言われております。裁判員制度の問題と司法ネットの問題、これは大きな問題ですので、また後日聞かせていただこうと思います。

 四番目の抱負で、大臣は、就任時は「人権と人道に配慮した在留許可と難民認定の運用に努力する」というふうに言っておられるんですが、一月のその「あかれんが」という広報誌では、「人権と人道に配慮した」という部分がすっぽりなくなっているんですね。「適正な在留許可と難民認定」という表現に変わっているのですが、これはなぜなんでしょうか。

南野国務大臣 就任時におきまして総理から御指示を受けたのは、人権、人道に配慮した在留許可と難民認定についてであり、私は常にこれを肝に銘じ、入管行政に当たっているつもりでございます。

 御指摘の広報誌における表現ぶりにつきましては、そのような御理解の仕方もあるかもしれませんが、私としては他意はなくそのような表現をしているところで、人権、人道に配慮した入管行政を行う気持ちには変わりはございません。

山内委員 そうすると、一月の大臣の「あかれんが」での発言は、適正にということに表現が変わっているけれども、人権と人道に配慮した運用をするというふうに、今お話をされたと思います。

 それでは、二月の十八日にここの法務委員会で所信表明をされましたが、この中には、「人権と人道に配慮した」とか「適正な」とか、表現は別にしても、「在留許可」とか「難民認定の運用」という表現が一切ないんですね。これも大臣の基本的な姿勢とうかがわなければいけませんか。

南野国務大臣 先生、何ページをお読みでしょうか。今、私、十ページでありますが、「人権・人道、国際協調の視点にも配慮しつつ、調和のとれた出入国管理行政を進めたいと思っております。」というふうに申し上げておりますので、人権、人道についてはいろいろなところで心を入れております。

山内委員 今のは、所信あいさつの五ページじゃないんですか。

南野国務大臣 私が持っているのは少し大きな字になっているものですから、ページ数がずれておりました。先生お持ちの五ページと同じものでございます。

山内委員 人権、人道に配慮した出入国管理行政というのは、どういう行政のことを言われているんですか。

南野国務大臣 出入国管理にはいろいろなケースがございますので、先生、どのケースを申し上げるのか、またケースについては申し上げられないということも前もって付しておきたいと思います。

山内委員 出入国管理、難民認定といって、一応委員会で普通議論するときには分けて議論しているじゃないですか、今まで。出入国管理というと、悪いやつを入ってこさせないようにとかそういうことで使われるんじゃないんですか。

 私は、大臣が最初のメルマガとか一月の発言で言われている「在留許可と難民認定」というのはまさに人権とか人道とかが配慮されるべき問題だから、大臣はそういうふうにきちんと言われたんだなと思っていたんですけれども。

南野国務大臣 そのことにつきましては、いい方にも悪い方にも適用するのかな、表現が悪いですけれども。例えば、出入国管理の中で我々がちゃんと適正に配慮しなければならない方、それはお入りいただけない方、いただく方、いろいろと条件が出てくるのではないかなと思います。

山内委員 そうすると、「人権と人道に配慮した在留許可と難民認定の運用に努力する」というのはこの五ページの三行目に書いてはいないけれども、書いてあるというふうに思っていいんですね。

南野国務大臣 はい。先生のおっしゃるとおりでございます。

山内委員 先日、大臣はクルド人の難民について、法務省は難民と思っておられないから私の言い方で聞いてください、強制送還をされました。国連難民高等弁務官事務所からは難民と認定された方を、大臣は難民じゃないといって強制送還をされたわけですけれども、これは人権、人道に配慮した在留許可と難民認定の運用に努力したとは言えるんですか。

南野国務大臣 この事例全部をごらんになっていただくと私の心を読んでいただけるかなというふうに思いますが、お尋ねの親子につきましては、UNHCRがマンデートしているといたしましても、難民不認定の処分取り消し請求訴訟事件に関する東京高等裁判所において難民でないという判断が明確に示され、同判決は確定しているほか、退去強制令書が発付され、処分取り消し請求訴訟事件に関する東京高等裁判所においても難民でないという判断が改めて明示されたケースでございます。

 当局はこのような裁判所の判断を踏まえまして適正な手続を進めたものでございますし、今後とも、難民認定など諸手続に当たりましては人権と人道に十分配慮するよう努めてまいりたいというふうに思っております。

山内委員 共謀罪の質疑に入る、入らないということで、入り口で今もめておりますよね。その議論の根底にあるのは、構成要件としては不明確な部分もあるけれども、しかし国際的な流れにおくれないようにと、たくさんの国がそういう条約を批准している、だから日本だけそういう組織犯罪について何も考えない法制でいいんですかという要請も重く受けとめているからいろいろ悩んでいるわけですよ。

 このクルド人の問題も、国連ですよね。しかも、私たちは日本から代表として緒方さんという方を高等弁務官に出していた国からすると、難民については人権後進国だ、そういうようなもっと世界から非難を受けないようなやり方、つまり、例えば、今大臣がおっしゃるんだったら、私たちが裁判が確定するというのは、最高裁の判決が出て確定すると思うわけですよ。だけれども、最高裁の判決も出ないうちにされた。

 それから、国連難民高等弁務官事務所ともっときちんと話し合いをするとか、少なくともそういうルールをつくって、ああ、国連だけの一方的なことを言っても、この日本ではまた違う考えもあるんだなと、人々あるいは国連、諸外国を何か納得させるような手続を考えて、それからでも私は遅くなかったなと思うんですよ。だから、人権、人道に配慮が私は足りないのじゃないかなと思うんですが、どうですか。

南野国務大臣 お尋ねの点につきましては、我が国の裁判所が難民でないと判断した、そのケースについてでありますので、国連とは今後とも協力していきますし、もう話し合いの段取りもとっておりますが、お互い協力しながらこの問題を解決していこうということについては努力していくところでございます。

山内委員 強制送還されたカザンキランさんの家族五名の東京入管への切りかえの出頭日があした二十四日なんですが、この二月二十四日九時半に、カザンキランさんの家族に対しては法務大臣としてはどう対応されますか。

南野国務大臣 それは個別の事案でございますので、お答えいたしかねます。

山内委員 在留許可と難民認定の運用については人権と人道に配慮した運用努力をするということを、もう一度大臣の口から言ってもらえますか。

南野国務大臣 一般論といたしましては、人権と人道に配慮した在留許可と難民認定に努力するということでございます。

山内委員 大臣、今四つの抱負について聞きましたけれども、これは最初のメルマガの表現を借りると、小泉総理から取り組むべき重要な項目四つを示されたということで、小泉さんから言われたことなんですね。

南野国務大臣 就任に当たって、そのようなお話をいただきました。

山内委員 あなたが大臣として抱負として思っている課題は何なんですか。

南野国務大臣 総理からの御下命をしっかりと守っていくということでございますし、私の抱負としては、先ほども申し上げた課題でございます。

山内委員 つまり、大臣独自の抱負がないんですね。だって、四つの項目というのは総理から言われたことなわけでしょう。もう少し、大臣だったら、ああ、私、指示された四つのほかにこういうことをやりたいとかないんですかね。まあ、なければいいです。

 では、次の質問へ行きますよ。もういいです。

 先ほどから性犯罪の問題が出ておりますけれども、大臣は、警察に情報提供、共有する性犯罪者というのは、どういう事件を犯した人のことを言っておられるんですか。

南野国務大臣 性犯罪者というのはどういう方々かという枠も先生方に決めていただくと思います。ディスカッションがあると思いますけれども、性的かかわりの問題ということで御理解いただけると思います。

山内委員 性犯罪者とはこういう人たちをいいますとか、下着泥棒や電柱にぺたぺた売春の広告を張るとか、文書頒布とか、そういうようなことはいいませんとか、もう少し何か専門的な話ができないんですかね。

富田大臣政務官 一般的に性犯罪者と言われるのは、強制わいせつとか強姦とか、女性の性的自由に対する侵害を行う犯罪者だと思うんですが、この点に関しては今警察庁と協議中ですので、どこまでを性犯罪者というふうにするかは、この場ではちょっとまだお答えできないんですが、現在協議中ということで御理解いただきたいと思います。

山内委員 そこがまさに問題なんですよ。最初に法務省と警察庁とで二月十日に一応の合意ができた内容は何ですか。十三歳未満の被害者に対して暴力的な性犯罪を行った前歴者について警察との情報共有をしていこうという議論じゃなかったんですか。

横田政府参考人 私の方からお答えさせていただきます。

 現在、それにつきましても、情報の共有の範囲については協議中でございまして、委員が今おっしゃったことに確定ということではなくて、そういう申し出があった、要請があった、しかし、それはそういう御意見があったというだけであって、なお現在協議中だということでございます。

山内委員 微妙に変えていかれるんですね、どうも。二月十日に合意された内容は、被害者が十三歳以下の性犯罪、暴力的な性犯罪を犯した前歴者について出所後の帰住先の情報を提供するということで、法務省と警察庁とで一応の合意をしたでしょう。一回ごとの合意内容をぐちゃぐちゃにしないで、今の考えに持っていかないでくださいよ。もっときちんと答えてもらえませんか。

横田政府参考人 協議の中においてそういうお話が出たということでありまして、合意という確定したものではございません。

山内委員 あなた方はどうも、一たん考えついた制度をそういうふうになし崩しに広げていくんだなと思いますね。

 では大臣、警察に情報を提供する、その情報について、漆原先生も項目を言ってくれということを先ほどから言われていたけれども、例えば住所、身長、体重、顔つき、年齢、どんな前科を犯した人間だったのか、生年月日、そういうものは、今言った項目については情報提供されるんですか。

横田政府参考人 その点についても協議中で、私ども申し上げておりますのは、あくまでも警察の方から、再犯の防止、そういう目的に今資するために、いわゆる所在等の情報について提供していただきたい、そういう要請がありました。それに対しては、法務省としては基本的にこれに応ずる、その上で細かいことについて協議をいたしましょうということについて合意ができているということで、またそれ以上のものではございません。

山内委員 大臣、今の矯正局長の話を聞かれて、警察に法務省が持っている情報を提供する、もしそういう制度をとったとしても、どういう内容のものを教えていこうかということについては法律できちんと書き込んでいこう、そういうふうに思われませんか。

横田政府参考人 私どもの考えは、これは行政部内における情報の共有だというふうに考えていますので、今私たちが協議している事項につきましては、これは法律に定める必要はないというふうに考えて、そして協議しているところでございます。

    〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

山内委員 そうすると、例えば、顔つきがわからなければ顔写真も提供する、詳しいことを知りたいと警察が言えば、前科についてはもうどんな内容でも話していく、そういうふうに、何かこう歯どめがありますか。

横田政府参考人 再三申し上げているところで失礼かと思いますけれども、現在どの範囲、それは罪種も含めてですけれども、どういう範囲のものを、どういう事項を、どういう方法でそれでは提供いたしましょうかということについて協議中で、固まっているわけではございません。

山内委員 どういうふうに情報を使われるのかわからないで、法律もつくらないでそういう仕組みだけ先行して考えるというのは本当に危険だと思いますよ。

 例えば、アメリカでミーガン法というのがありますよね。ミーガンで危険度一から三ぐらいのレベルに分けるんですか、そういう議論もないじゃないですか。再犯の危険度についても、もう絶対にまた間違いなく起こすかなというような人から、もう本当に反省もして絶対に犯さないと思っている人まで、やはり危険度というのはランクづけようと思えばつけられるでしょう。ところが、そういう議論もしないままで、だれもかれもの情報について、一度事件を起こした途端に情報提供対象者となるというのは、大変アメリカ以上に粗っぽい議論をしているんじゃないですか。

横田政府参考人 今先生が前提になっておっしゃっていること自体確定したことではございませんので、何とも申し上げようがございません。

山内委員 確定していないんだったら、所信表明のように、積極的に「協議を整える所存です。」というような書きぶりにしないでくださいよ。

 例えば、法務省が出所者に、東京方面とか大阪市内に帰る、それだけというケースもありますよね。そういう場合に、じゃ、この制度をつくった、実効性がありますか。

横田政府参考人 現在の出所者が出所をする際、受刑者がいわゆる帰住地というものを書きますけれども、その書きようによっては今委員がおっしゃったような書き方をしている受刑者もおります。そういう書き方をしている者もいるという前提に立って現在協議を進めているということでございます。

山内委員 これは江田議員が午前中の質疑で言っておられたことなんだけれども、強姦などの暴力的性犯罪とわいせつ文書頒布などの暴力を伴わない性犯罪との関係、あるいは罪種にどういう特徴があるのか、相互に関係があるのか、そういうような議論とか、性犯罪以外の犯罪を犯した人とそういう性犯罪を犯した人との関連などについて研究が全くなされていないでしょう。そういう法務行政の状況の中でこういう情報提供の話だけ進んでいく、これは法務省の担当者として、国民の一番間近にいて治安について責任を負っている警察官から幾ら言われても、いや、待てよ、もっと慎重に考えよう、そういうようなことは言われないんですか。

横田政府参考人 先ほどもちょっと申し上げたことなんですが、警察の方としては、再犯の防止という行政目的を達成するために、我々法務省が持っている情報を提供いただきたいということであったわけです。それは正当な理由、行政目的、一定の正当な理由にあるわけですので、それを同じ政府の機関内で必要に応じて情報を提供すること、それ自体について格別な問題があるとは考えていないという、まずその大前提から私どもは出発をしております。

山内委員 大臣は、二月十六日に内閣府であった関係省庁会議に出られた際に、大臣は出ていないの、警察庁の方から性犯罪以外の前歴者についても情報の共有を検討してほしいと申し入れをした、それについて法務省としてはどういう返事をしたんですか。

横田政府参考人 お答えいたします。

 警察庁からそのような申し出がございましたときは、前向きに対応いたします、このように申し上げました。

山内委員 そうすると、二月十日ごろまでは、性犯罪者の、しかも十三歳未満のちっちゃな子供、抵抗のない子供に対しての前歴者を対象としているのを、性犯罪者の前歴者全部に行く以上に、たった五日間であなた方は性犯罪者の前歴者以上に全受刑者についてそんな理屈を考えるんですか。余りにも、余りにもひどいんじゃないんですか、議論の仕方として。

横田政府参考人 お答えします。

 まず、委員、性犯罪者以上とまでおっしゃいました。一般に性犯罪者と言われていますけれども、その中でどういったことを対象にするかということについてまだ決まっているわけではないということを先ほど申し上げております。

 それから、全受刑者を対象にするというふうな前提でお尋ねですが、そのようにまだ決めているわけでは決してございません。協議をするということを申し上げただけです。

山内委員 性犯罪者の再犯率で、平成十一年に刑務所出所者のうち平成十五年末までに再び刑務所に入る割合は、全犯罪は四六%、だけれども性犯罪の人は三一%なんですね。だから、性犯罪者の人が平均値よりも全然少ない数字なんですよ。このデータとか、それから、性犯罪を犯した人でまた強姦で再入所した人は、あなた方がつくったデータでも三・八%なんですね。ですから、何かこうすごい勢いで議論が進んでいるなと思って、ちょっと怖くなるんですけれども。

 警察とそれから法務省と両者だけで今話をしておられますけれども、大臣、出所情報の公開、この大きな論点については有識者や専門家、国民の目に触れる形で議論をする、そういうようなことを行って、そして仕組みをつくっていく、そういう姿勢が必要なんじゃないんですか。

横田政府参考人 まず、委員ただいま情報の公開とおっしゃいましたけれども、私ども、公開という考え方では議論、協議をしておりません。

 それから、いわゆる再犯率、あるいは私どもが把握しているのは再入率でございますけれども、再入率の多寡というのはもちろんございます。しかし、今私たちが考えておりますのは、いわゆる再犯率あるいは再入率のみをもってその情報の共有が必要であるか必要でないかということを議論しているわけではございません。

山内委員 大臣、私が質問したことに答えてもらえませんか。有識者や専門家など、もっと国民の目線で議論できる人たちの間で警察情報との共有の問題についてはシステムを考えていく、そういうことは大臣の所見にはないんですか。

南野国務大臣 行政組織内での情報共有ということで警察庁と協議を行っているところでございますので、その協議の中でそのような御意見も出てくるかどうか、それを見守っていきたいと思います。

山内委員 大臣、もっと答弁もきちんとやってもらえませんかね。法務大臣と警察庁の間で話をするという枠組みじゃなくて、もっと有識者とか入れられたらどうですかと問い合わせをしているんだから、そういう仕組みは考えないんだったら考えないんでいいんですよ、考えるんだったら考えると言ってもらえばいいんだけれども、警察との議論の中でそんなことも考えていくでしょうみたいな話じゃないでしょう。

 大臣、あなた方の警察庁との議論で一番足りないのは、再犯を犯さないためにはどういう仕組みが必要なんだろうか、そういうことについての視点が抜けているんですよ。もっと矯正プログラムをしっかりする。七十四も刑務所、そういう施設があって、実際に行われているのは七カ所ぐらいじゃないですか。そういうことから反省するという考えがないんですか。

 もう時間がないので終わりますけれども、大臣、情けないですわ。あなたは好きな言葉で泣こよっかひっ飛べという言葉があるそうですね。どんな言葉ですか。どんな難しいことがあっても明るく勇敢に立ち向かおうと、それが自分の信条だとあなたは言っているでしょう、いろいろなところで。しかし、間違えないでくださいよ。勇敢に立ち向かう相手は、国民に立ち向かうんじゃないんですよ。今まで人道や人権やそういうものを、そういう視点がなかったところをぐっと切り開いていく、それにあなたの力量が問われているんですよ。どこまで行くんですか、こんなことを。例えば男性ホルモンを殺す薬を打ったり睾丸を摘出したりするんですか。そういうもう少し緻密な議論をしてください。

 この議論については、本当に拙速にあなたと警察庁だけで考えないでね。これからもうちのメンバーを何回も立たせますので、この議論は当分やっていきたいと思います。

 終わります。

塩崎委員長 次に、松野信夫君。

松野(信)委員 民主党の松野信夫です。

 私の方からは、大臣の所信に対して、大きく言うと二点御質問をさせていただきたいと思います。基本は、大臣が所信の中でも言っておられる、人権・人道に配慮して、本当に人権をしっかり守っていく、そういう観点からぜひ法務行政を担当してもらいたい、こういう意味で質問をさせていただきたいと思います。

 まず第一は、難民認定の問題。特に最近この問題が非常に大きく取り上げられているわけです。

 まず、難民認定の申請及びその処理数の件ですけれども、日本の難民認定は諸外国に比べて認定数が非常に少ないということであります。申請数そのものは少しずつふえているわけですが、実際に難民として認定されるのは、私も数字をとってみますと、我が国では大体年間に十名から二十名程度、そういう数字が推移をしています。平成十五年では十名、平成十六年の暫定版ですけれども、十五名ということでございます。そして、人道配慮による在留ということで、これは恐らく法務大臣の特別在留許可だろうと思いますが、それも九名ということで、こちらの方は年々減少傾向にあるというふうに言えるかと思います。

 諸外国の方を見ますと、G7の中では大体万単位で難民が認められている。これは、法務省の方は数字をもちろんつかんでおられると思います。詳細な点は避けたいと思いますが、例えばカナダでは一万七千、イギリスが一万九千、アメリカ一万三千、フランス一万三千、軒並みそういうような状況でありまして、日本のように十人とか二十人とかいうのは全くないわけであります。

 この難民の認定の数が少ないというのは、国会の委員会の中でも繰り返し繰り返し取り上げられて質問がなされています。各委員が質問されて、何でこんなに少ないんだというふうに質問しますと、私も委員会の議事録を調べてみたんですが、大体答弁は決まっているんです。大臣の答弁としては、適切に処理をしております、あるいは、認定の数は少ないかもしれないけれども認定率はそんなに悪くはない、大体こういう答弁になって、もしかしたらそういう答弁をもう用意しているかもしれません。

 だけれども、認定率はそんなに悪くないといったって、そもそも数が今申し上げたような数字ですから、もう認定率云々の世界じゃない。よその国が万単位であるのに我が国は十人、二十人ということですから、そもそも、どうせ認定申請しても難民として認定されないともう半分あきらめている。前から、日本は難民鎖国だ、こういうふうに言われていたわけですけれども、まさに数字的に見るとそういうふうで、答弁では認定率を言われるかもしれませんが、そういう状況じゃない、これをまず先にくぎを刺しておきたいと思うわけであります。

 やはりこれは、こういうような状況が続くということは、我が国の難民認定制度については制度的な欠陥がある、こういうふうに考えざるを得ないのではないか。認定基準というのが余りに厳し過ぎる、こういうふうに言えるのではないか、このように思いますが、大臣、いかがでしょうか。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 我が国の難民認定申請者数が諸外国と比べて少ないというのは、我が国と難民の出身国との関係が歴史的に乏しいこと、また言語の違い、そのほか、我が国が難民の出身地域とは遠距離にあるために、交通手段が、海路であったり空路であったり、それに限られていること等々さまざまな事情が影響しているものと考えられますが、我が国はこれまでも、難民条約等の規定にのっとり、難民と認定すべき方々には適正に認定してきていると信じております。

松野(信)委員 適正にやっているというのは従来の答弁と全く同じでありますが、しかし、今大臣が言われたように、地理的な距離があるんじゃないか、こういう御指摘がありましたけれども、G7は先ほど申し上げたとおりですし、それ以外、例えば同じ島国でいうならニュージーランド、ニュージーランドもかなり離れた島国ですね。ここでも二〇〇三年でいえば二百三十七人を認定しております。また、小さい国、面積的にも狭いオランダあたりでも千百二十七人を認定している。こういう状況ですから、こういう数字から見るならば、適切に処理しているという答弁はもうそろそろ撤回せざるを得ないんじゃないか、こういうふうに思いますよ。

 それで、先ほど申し上げたように、やはり制度的な欠陥、例えば難民条約についても、難民というのはどういうふうにとらえられるかというのが、国連での解釈と我が国での解釈にはかなり乖離があるのではないか。国連の方では割合広く難民を認定している。しかし、我が国の方の難民基準というのは非常に狭い。どうもその国際基準と国内基準が狂っているのではないかという気もいたしますが、その点はいかがですか。

南野国務大臣 いろいろな問題点もございますので、今、我々入国管理といたしましては、UNHCRと協議を持つという段取りで話を進めております。

松野(信)委員 念のために確認をしておきたいと思いますが、難民かどうかという点について、後発的な理由で難民ということもあり得るわけですね。出身国、そこでは特段政治的な活動はしていない。けれども、外に出て、例えば日本に来たり、よその国に来て、そして出身国に対する例えば政治的な活動をする、批判活動をするというようなことから、また出身国に戻ると迫害を受けるおそれも出てくる。こういうのをいわゆる後発難民、自国を出た時点では難民ではなかったけれども、外国に移って、そこでの活動から、自分の国に戻ったときに迫害を受けるおそれが十分にあるというような場合は、後発難民ということで、これも難民としてやはり認定されるべきだというのが国際的な基準かと思いますが、念のために確認です、我が国でもそういうような理解でよろしいでしょうか。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおりでございます。

松野(信)委員 それで、難民の問題については、先ほど申し上げたように、これまで何回も質疑が委員会あたりでされておりまして、調べてみますと、これは二〇〇二年五月二十一日の参議院の法務委員会で浜四津議員が質問しておりまして、当時の森山大臣がこう答えておられます。

 難民認定というものが話題になってまいりましたのはこの数年でございます。確かに御指摘のように難民認定のあり方について今のままでいいか、反省すべきこともいろいろあると思います。人道とか人権に関する意識の変化ということもございますし、そういうことに十分配慮しながら政府全体として審査の体制の充実とか整備を検討する。こういうふうに答弁をしております。

 この答弁からもう既に三年近くがたとうとしておりますので、政府全体としての難民審査の体制の充実とか整備、この辺についてはどのように変わってきているんでしょうか。

富田大臣政務官 松野先生の方から、浜四津委員の質問を引用して御指摘いただきましたが、難民調査体制につきましては、従前から体制の強化に努めてまいりましたけれども、近年では、平成十五年度に六名の難民調査官を増員し、平成十六年度にさらに四名の難民調査官を指定するなどした結果、全国の難民調査官は五十四名、うち専従者十二名というふうになっております。

 ちょっと長くなりますが、御説明させていただきますと、これら難民調査官は、難民認定申請者の出身国の国内情勢や日々刻々と変化する国際情勢について十分に理解していることが必要でありますので、入国審査官の中から、このような職務を行うにふさわしい資質を備えた者を難民調査官に指定しております。特に東京での認定申請が多いものですから、東京の方は難民調査部門を置いて専従の難民調査官を配置し、また大阪にもそのように配置しております。

松野(信)委員 今、五十数名ぐらいいるという話ですが、しかし大半は、入国審査官と難民調査官、これが実際は兼任をしているのではないかというふうに思います。専任の難民調査官というのは、今の御答弁では十二名だということであります。体制としては、入国審査官と難民問題に当たる難民調査官とが兼任になっているというところに問題がある。

 既に平成十六年の暫定版でも、平成十六年に四百二十六名という申請数があります。やはりこれだけの数があるし、今後ともこれはふえていく可能性が高いわけでありまして、兼任というのではなくて、この難民の問題については専門の、専任の難民調査官が当たるというのが本筋だ、こういうふうに思いますので、十二人で何百人ものチェックをしていくというのは、これは圧倒的に数が少ない。

 専任の難民調査官をふやして慎重に対応していく、こういう制度がやはり絶対必要だというふうに思いますが、この点はいかがですか。

富田大臣政務官 先生の御指摘はもっともだと思いますが、残念ながら、五十四名と十二名という現実がございますので、先ほどお話ししましたように、東京入国管理局、ここに認定申請の九〇%以上がされているということで、そこには難民調査部門を置いて専従の難民調査官を配置しておりますし、先ほど申しましたように、大阪の入国管理局にも専従者を配置しております。

 他の地方入国管理官署につきましては、効率的な職員の活用の観点から兼任として、難民認定申請があった場合には難民調査事務に専従することとしておりますので、何とか現場では頑張っているという状況だというふうに理解しております。

松野(信)委員 ぜひ、やはり人権感覚に富んだ、人道も、そういう面も十分配慮できる専任の難民調査官でやらなければおかしい。大体外国はそれでやっているわけです。その点を指摘しておきたいと思います。

 それから次に、難民条約の評価というか、解釈の点です。

 これについては、国連難民高等弁務官事務所、いわゆるUNHCR、こことしっかり話し合い、協議をしながらこの難民の問題については当たっていく、これが絶対必要ですが、どうも最近これがうまくいっていない。特に、ことしの一月十八日にクルド人の親子を強制送還した、この辺から、この前からもそうですが、我が国の場合は、UNHCRの日本・韓国地域事務所とどうも余りうまくいっていないな、こういうふうに言わざるを得ないところがあろうかと思います。

 UNHCRの日本・韓国事務所の代表もこう言っています。難民条約は庇護希望者の拘束を原則として避けるように求めている、しかし、日本はそういうふうになっていない、日本はUNHCRへの世界第二の資金拠出国なのに難民には閉ざされている、こういうような指摘をしているわけです。

 確かに我が国は、お金は相当出している。湾岸戦争でも最大の拠出金を出しました。国連の負担金もたくさん払っている。さきのインド洋の大津波でも緊急支援ということで五億ドルを出すという形で、世界的にも、お金は出す、金は出すけれども、現実には、人権とか人道、こういう面については本当におくれている、外国からそういうふうに見られる。これは本当に残念ですけれども、それが実態じゃないか。

 外国のメディアから、日本は大変気前がいい、金を出すからすごく気前がいいと。しかし、金は払うけれども、人道、人権の配慮が全く欠けている、こういうふうに言わざるを得ない、これが実際ではないかと思います。

 ですから、私は、せっかくあるこのUNHCRといろいろな問題で十分協議をしながらやっていく必要があろうかと思いますし、それについては、法務省だけでなく外務省の方も、積極的に、間に入るなりしてやってもらった方がいいのではないか、こう思っております。

 外務省の方は、きょうお呼びしておりますので、このUNHCRの難民保護業務についてどういうような協力とか支援をやってきたのか、これについて御説明をいただきたいと思います。

神余政府参考人 お答え申し上げます。

 外務省はこれまでも、国連難民高等弁務官事務所、UNHCRとの間で、難民に関する問題につきまして緊密に意見交換を行ってきております。そして、その結果を、随時、法務省を含む関係府省と共有しております。さらにまた、関係の府省からの情報提供の依頼などを受けて、難民情勢を含む関係各国の情勢などについて、在外公館からの情報に基づいて適切に情報提供を行ってきております。

 外務省としては、今後とも政府一丸となって、関係府省間で一致協力してUNHCRとの一層緊密な連絡、連携に努めてまいる次第でありまして、外務省としても努力をしたいと思っております。

松野(信)委員 外務省さん、ぜひよろしくお願いしたいと思うのです。

 それで、昨年、入管難民法の一部改正がなされました。そのときの附帯決議があります。昨年の五月二十六日、入管難民法の改正法案についての附帯決議です。その中の第五項にこういうのがあります。難民審査参与員制度については、専門性を十分に確保する観点から、国連難民高等弁務官事務所等々からの推薦者から適切な者を選任するなど留意をする、こういうふうなくだりがあります。

 恐らく、この難民審査参与員制度について、この参与員の人選あたりをやっているのではないかなというふうに思いますが、せっかくこういう附帯決議がありますので、UNHCRからの推薦とか、そこといろいろ協議をする、こういうことをされているんだろうと思いますが、その点は今どういう状況でしょうか。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員御指摘の附帯決議の趣旨に沿いまして、現在、関係各機関、団体等に参与員の方の御推薦をお願いしておるところでございまして、新年度早々にもこの方々に正式にお願いをしたいというふうに思って手続を進めているところでございます。

松野(信)委員 念のため確認しておきますが、UNHCRの事務所の方には推薦の依頼を出しているということでよろしいんですね。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、推薦の依頼をしております。

松野(信)委員 ぜひ、UNHCRとの間で緊密な連携をとりながらやっていただきたいというふうに思っております。

 特に、クルド人の問題で、正直言うと、いろいろとぎくしゃくしているところがあると思います。

 UNHCRの現地事務所の方の話では、難民認定するかどうかという点についても、諸外国では、法務省当局、入管当局とUNHCR、現地の人とがあらかじめいろいろ協議をする、協議をした上で当該国が難民認定の手続をする、ところが日本は、どうもUNHCRは置いてきぼりで、一方的に日本の入管当局が難民ではないというふうにやってしまう、その後、UNHCRの方がマンデートする、こういうようなくだりが現実にあるので、どうも必ずしも緊密な協議というのができていないのではないかと思うんですが、その点はどうですか。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 従来から国連の方とは協議をしてきたところではございますけれども、御指摘のような形になっておりますので、今後、さらにこの協議を中身の濃いものにしていきたいというふうに考えているところでございます。

松野(信)委員 ぜひ協議をしていただきたいというふうに思います。

 それで、今大変問題になっているのが、ことしの一月十八日、クルド人親子を強制送還した。これは、御存じのように、UNHCRの方がマンデート難民と認定したにもかかわらず強制送還したというようなことで、ある意味では世界から非難されているわけであります。

 私の手元にニューズウイークの日本版がありますが、この二月九日号でも、「日本はやっぱり「難民嫌い」」というような形で批判をされているわけであります。国連の認めた難民が、迫害が予想される国へ送還された例はないということで、人々の動揺が大きい、こういうような指摘もなされているわけであります。

 今申し上げたように、UNHCRと法務省との間で、この送還問題について、言うならばけんか状態と言ってもおかしくないだろう、こう思います。

 こうした形というものは、例えば難民条約にしても、難民条約の三十三条でノンルフルマンという原則があるわけですね。迫害が予想される国に強制送還するな、こういうふうに言っているにもかかわらず今回のような措置をしてしまうということは、真っ向からこの難民条約三十三条に違反するのではないか、こういうふうに言わざるを得ないんですが、この点はどうですか。

滝副大臣 外から見ていますと、そういう雑誌で取り上げられたことが本当のような感じもするんですけれども、結局、入国管理局が審査するときにはいろいろな情報を集めてやるわけですね。もちろん、UNHCRの情報も集めますし、在外公館からの情報も集めてやるわけでございますけれども、やはり問題は、本籍国で迫害されているかどうかという事実認定の問題が最大の問題としてあるわけですね。

 今回の場合には、基本的に、いろいろな情報を集めた結果、どうも迫害はされていない、本人は本籍国で立派な住宅を持って家族に送金までしている。本人は裁判所で、迫害を受けていない、こういうことも本人が証言しているということもあって、今回、これは難民じゃないという高裁の判決に従って、入国管理局としてやったわけでございます。

 問題は、その過程で、先生御指摘のように、UNHCRとどういうすり合わせをしているかということにやはり尽きるんだろうと思うんですね。ですから、当然のことながら、それはいろいろな過程の中でUNHCRとすり合わせをしながらやっていくということでないと、この問題はスムーズにいかないと思うんです。

 ただ、結論的に言えば、日本国としては難民として認定しなくても、UNHCRは、難民に近い人だから第三国へ出国するための手続はUNHCRがやるんだという部分がありますから、多少広目に出てくる問題があるんです。今回の場合は我が国の手で本国に送還されて、本国から、本人はよろしくやっています、こういうぐらいの情報を得ていますから、高裁の判決が、まあまあそれなりに事実認定をしたんだろうというふうに私どもは理解しているんですけれども、問題は、今のように、どうやってすり合わせをしていくかという問題だと思っております。

松野(信)委員 確かに、今答弁ありましたように、すり合わせ、これはすり合わせという意味では必ずしも十分でなかったことは、その後法務省とUNHCRが文書でお互いに非難合戦をしているというところからもはっきりしているわけですよ。しかも、今回は、第三国の方に出国したらどうかというような話まで持ち上がっているところに、いきなり出身国に帰してしまう。これは余りに乱暴なやり方だというふうに言わざるを得ないわけであります。

 この問題については、個別の問題ですので、またいずれ質問させていただきたいと思いますが、私は、何よりもこの事件で問題にしなければならないことは、この事件に関して、法務省の職員が昨年の七月にトルコまで出張して、トルコの軍とか警察、いわゆる治安当局に難民認定申請者の名前とか住所、そういうのを知らせて、それで家族にまで同行させて調査をしている、こういうようなことをしているというのが一番問題だというふうに言わざるを得ないと私は思うんです。

 これについて、まさにUNHCRは、難民認定手続の秘密保持に関する国際的な基準に違反する、こういう批判をされて、これは甘んじて受けざるを得ない批判だというふうに考えざるを得ないと私は思っていますが、この点、大臣はいかがですか。

滝副大臣 詳細にその事実認定がどうなっているかは局長から答弁申し上げた方がいいと思うんですけれども、基本的には、御指摘のように秘密裏に、仮に調査をするにしても秘密裏にやる、こういうことですから、私が承知しておりますのは、確かに担当者は向こうへ参りましたけれども、外見から調査してきたということであって、必ずしも名前とか何かを詳細に向こうの関係者に伝えた上で調査をしたわけではないように聞いておりますけれども、詳細については局長から答弁を。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 トルコにおきまして実情調査をした事実につきましては委員御指摘のとおりでございますが、この件に関しましては、先ほど御指摘のあった件に関してというものではございませんで、一般的にトルコにおける情勢を広く調査してきたという事情がございます。

松野(信)委員 詳細な説明があるかと思ったら、委員のおっしゃるとおりだと言うので、ちょっと確認だけはしておきますよ。

 副大臣とちょっと違うのは、難民認定申請者の氏名や住所までは明らかにしなかったのではないかというふうに副大臣の方はおっしゃったんですが、今局長の話は、委員のおっしゃるとおり、しましたと言うので、これは食い違っていますよ。どっちが正しいんですか。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 調査に当たりまして、訴訟が日本で提起されておった件の中で、御本人が難民であるということの立証として、本国から逮捕状が出ているということで、逮捕状の写しが訴訟上の証拠として提出されたという経緯がございます。これにつきまして、これの真偽につきトルコ政府に確認をしたという事実がございます。したがいまして、その限りにおいては、当然、逮捕状なるものに本人の氏名が記載されているわけでございますので、その点はトルコ政府が認知することとなったというのは事実でございます。

松野(信)委員 そういうふうな本人にとって秘密になっているものを、治安当局、まさにここが迫害するかもしれないというふうに一番恐れているところですよ、警察とか軍というところ。そういうところに氏名とか住所を明らかにするというのは、全く、恐らくそれは難民認定の申請をしていた人も予想だにしないことでしょうし、そんなことをされたら家族にどういう攻撃が加えられるかわからない。この恐怖は大変なものだと思いますよ。そういうようなことが、まさに人道に配慮していないという指摘がなされるんじゃないでしょうか。この点はどうですか。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 調査に当たりましては、当該個人のプライバシーの保護及び新たな迫害を招くような事態がないようにということを十分配慮して調査を実施しておるところではございます。

 なお、先ほど申し上げました逮捕状の件に関しましては、これは、既に公開の法廷で御本人が難民であるということで公に主張されておる状態の中で出されたものであるということを承知しております。

松野(信)委員 裁判になっているから何でもかんでも明らかにしていいなんということは絶対ないですよ。もし本当にそういうふうにお考えだったら、これは大変な問題ですよ。どうですか。裁判になっているからそれはすべて明らかにして情報を流していいんだ、こういうふうにお考えですか。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 必要最小限度の範囲で事実関係を確認することが訴訟において適正な裁判所の御判断をいただくために必要であるというふうに思っておりまして、その点で、本件は、逮捕状の真偽というものが非常に難民の認定上重要であるというふうに考えて、調査を行ったものでございます。

松野(信)委員 難民の認定に当たって、法務省入国管理局の方は難民認定事務取扱要領というのをつくっていますね。これを見ますと、「事情聴取上の留意点」というふうに記載があります。中を見ますと、「申請者又は関係者に対し、聴取した事項に関する秘密は保護される旨伝え、申請者等の了知しているあらゆる事項について秘匿することなく供述するよう促した上で事情聴取を行う。」こういうふうに入管当局はされておられます。

 実際、私が入手しましたこの供述調書においてもこういうふうな記載があります。「本職は、」本職というのは入管当局側ですが、「本職は、」云々かんぬんとして、「聴取した事項に関する秘密は保護される旨の説明をした。」こういう記載がある。それを踏まえて、聴取をされた、これはトルコ国籍の人ですが、「私が聴取を受けた事項に関する秘密は保護されることをよく理解しました。」こう書いてある。

 こういうようなやりとりをしているということは、要するに、何でもお話しなさい、あなたがしゃべったことはしっかり秘密を守りますよ、一方ではこういうふうな手続をしておきながら、他方では、裁判になっているから母国に行っていろいろ調査していいんだ。本当にそういうふうにお考えですか。

富田大臣政務官 今の難民認定の事務取り扱いについては、先生御指摘のとおり、プライバシーを保護する、絶対外に出ないよということを言って取り扱っていると思うんですが、先生が御指摘の本件については、逮捕状が基本的には偽造だったということで、御本人も本国で迫害を受けるということはないというのを認めているわけでして、例えば、一般論ですけれども、偽造文書の提出や虚偽の供述をして難民として認定を受けようとするなどの悪質な事例に対しましては、申請人のプライバシーの保護及び迫害を誘発するおそれなどについて十分に配慮しつつ所要の調査を行うことが必要ではないかというふうに考えております。それに基づいて、今回のトルコの調査が行われたというふうに理解しております。

松野(信)委員 今まで、難民認定申請者が出て、難民認定の手続の中で、どうもこいつは怪しいというようなことで、例えば、その出身国の方に法務省の職員の人が行ったりしていろいろ調査をされたというようなことはあるんですか。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 過去に難民をめぐる一般情勢につきまして海外調査を実施した事実はございます。例えば、ミャンマーに関する難民認定申請に関しまして、近隣のタイ及びマレーシアに赴きまして調査を実施したというような経緯は過去にございます。

松野(信)委員 そうすると、一般的な当該国の難民情勢、それについては調査に行ったことはあるけれども、個別具体的な難民認定者の問題について、その出身国まで調査に行ったというのはこれが初めてだ、こういうふうなことでいいですか。

三浦政府参考人 委員御指摘のとおりでございます。

松野(信)委員 ちょっと外務省の方にお聞きしたいのですが、そういうふうに法務省の職員が難民認定申請をしている人の動向をいろいろ調査するということで出身国に行くというようなことは、外務省は承知をしていたんでしょうか。あるいは、何か事前に相談でも受けましたか。

神余政府参考人 事前に法務省の方が行かれるという事実については承知をしておりましたが、どのような内容でどういうことをされるかまでは承知しておりませんでした。

松野(信)委員 承知していたのであれば、それについて、そういうのは国連の基準からいうと違反のおそれもありますよ、やめたらどうですか、そういうような指摘はされましたか。

神余政府参考人 事前にどのような調査であるかということまで把握しておりませんので、事前にアドバイスをするということはなかったと思いますけれども、事後的にしかるべきアドバイスは差し上げたと承知しております。

松野(信)委員 事後にしかるべきアドバイスをしたと。では、事後にどのようなアドバイスをしたんでしょうか。

神余政府参考人 一般的な難民に係る調査については、これは在外公館も行っておりますし、また、先ほど御答弁のありましたように、法務省みずからおやりになるということもあるわけでありますけれども、トルコにおきますさまざまな状況を踏まえて、その調査の方法等々について、どういうことであったのかということをお伺いした上で、適切なアドバイスを差し上げたということでございます。

松野(信)委員 いや、何を言っているんだかよくわからない。しかるべきアドバイスというのであれば、もう少し具体的な、こうすべきだ、ああすべきだというのをされたのではないんですか。どうですか。

神余政府参考人 あるいはその調査の仕方について万々が一誤解を受けるようなことがもしあったのであれば、そこは、今後はそういうことがないようにということでアドバイスを差し上げたと承知しております。

松野(信)委員 こういうような調査について、UNHCRの方は、難民認定手続の秘密保持に関する国際的な基準に違反する、こういうふうに批判をして、こういうような調査というのは今後するな、こういうふうに指摘をしていると思いますが、これについては法務省はどうお考えですか。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 難民認定の申請者の国籍国からの情報収集につきましては、先ほども申し上げたとおり、これまでも行ってきているところでございまして、今後とも必要な情報についてはその収集に努めてまいりたいと考えております。やはり難民であるかないかということの認定につきましては、その本国の実情というものを把握することが不可欠であるというふうに考えておりますので、そういった考えを持っております。

松野(信)委員 ぜひ、この問題については法務省として真剣に取り組んでいただきたいと思います。

 出身国に行って調査するということがどれほど難民認定申請者の本人及び家族に恐怖を与えるのか、これについてはよくよく考えていただきたい、こう思います。本国というのが、難民認定申請者から見ればまさに迫害を行っている対象なんですから、そこが本当に正しいことを言っているかどうかすらわからない。

 例えば、サダム・フセイン政権の当時、イラクから逃げてきたという人について、では、サダム・フセイン政権に、この人についてはどうだこうだという調査をしますか。あるいは、北朝鮮から逃げてきた人に対して、北朝鮮に対して、この人はどうだこうだ、こんなことをしますか。まさにそういう問題だ、こういうふうな認識をぜひ持っていただきたいと思います。

 時間が余りありませんので、次に公証人の問題について質問をしたいと思います。

 公証人の作成する公正証書、これがある意味では悪用されているというのが特に最近いろいろ指摘されておりまして、いわゆる商工ローンそれからやみ金、こういうものが、契約書類の中に公正証書作成嘱託の委任状というのをうまいこと紛れ込ませて、そして債務者あるいは連帯保証人に署名をさせてしまって、いつの間にか公正証書が作成されて、いきなり給料その他財産の差し押さえが飛んでくる、こういうようなことで大変な被害が発生をしている。これまた大変な人権問題だというふうに思っております。

 やはりこの公正証書を作成する公証人というところが、本当にしっかり、債務者本人、連帯保証人、そういう人たちの意思を確認してつくっていかなければならない、このように思います。本当に、この公正証書というのは判決を先にとってしまっているようなものですから、いつでも強制執行できる大変な武器なわけですね。

 ところが、現実には、公証人が作成する公正証書に多くのミスがある。これは、二〇〇三年の公証役場検閲報告書、地方法務局の方で行っている報告書では、アトランダムにいろいろとったところ、公証人の約六割がミスをしているということが明らかになりました。債権額が違っている、あるいは公証人の署名もない、委任事項もない、そういうようなものがぼろぼろと出てきて、基本的なミスも多いわけであります。

 これは一体どういうふうに考えるべきものなのか。このままでは到底いいとは思われません。大臣、どのようにお考えですか。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 公証人の監督事務、これは全国の法務局または地方法務局で行っておりますけれども、公証人法等の法令の規定に基づきまして、少なくとも年一回、すべての公証人について、職員を公証人役場に派遣して書類を検閲し、執務の状況を調査しているというのが現状でございます。そして、職務上の過誤があると認めますときには、法務局長らから公証人に対して指摘をすることとなっており、現にそのような指摘をしている件数も少なからずあるということでございます。

 公証制度は、法的紛争を未然に防ぎ、法律関係の明確化、安定化を図ることを目的とするものでございますけれども、このような事態は公証制度に対する国民の信頼を損なう原因となりかねないものであり、極めて遺憾でございます。

 法務局の調査により指摘された過誤はいずれも運用上の過誤であるということでありますが、慎重かつ適正な職務の遂行によって防止することが可能なものでございますので、法務省といたしましては、適正な公証事務が行われますよう、今後とも公証人に対し厳正な指導監督に努めてまいりたいと思っております。

松野(信)委員 厳正な指導監督はいいですけれども、これだけ、公証人の約六割がミスを犯しているというのは大変な問題ですよ。今大臣のお話でも、一定の注意というか処分というか、そういうのがなされているような話ですけれども、具体的に、最近の公証人に対する一定の処分、一定の制裁、これはどのようになされているのか、この点を明らかにしてください。

寺田政府参考人 ただいま申し上げましたように、大臣の答弁にございました調査に基づく事項につきましては、それぞれの法務局、地方法務局から、このようなことを行っていては公証人の全体の信用にかかわるということで、数々の指摘をさせていただきました。また、私ども、全国の公証人大会に本省の方からも参りまして、年に一回総会があるわけでございますが、その総会の席上で、これは大変な問題ですので、厳正な職務に努めていただきたいということを再三申し上げたわけでございます。

 ただ、今までのところ、公証人法上の処分に発展することは、このミスに関してはそれに至らないものというふうに判断しておりますので、御指摘があった内容について具体的な処分があったということはございません。

松野(信)委員 では、今申し上げたようなミスは運用上のミスだから具体的な処分はないというようなお話ですが、それでは、それ以外の点について何らかの制裁をしたということがあるのか。例えば、平成十五年度にはこれくらいの処分をした、十六年度にはこういうような処分をした、別に個人の名前まで言う必要はありませんから、その件数あたりは明らかにできますか。

寺田政府参考人 処分が行われましたのは、具体的には、公証人役場で公証人が、個人的に、経済合同等をやっている関係で、資質として余り適当でないということが認められた場合に過去数件ございますが、最近ではございません。

松野(信)委員 別に公証人だけを取り上げて非難するというわけではありませんが、一般的には、公証人の方はおおむね裁判官あるいは検察官をされて、ある意味では功成り名遂げて公証人の方になっておられる。年齢も、恐らく、平均的には六十四、五歳ぐらいになっているのではないか。そうだとすると、率直に言って、ある意味では天下り的な仕事というような形で、まあ、ゆっくりやろうか、正直言ってそういう意識の人もかなり多いのではないか。例えばドイツあたりは、平均年齢は三十五歳ぐらいですよ。日本は、言うならばお年寄りの隠居仕事的な、そういうぐらいの認識だから先ほど申し上げたようなミスが、公証人の六割もミスが出てくるというのは、とんでもない話ですよ、これは。

 ぜひ、この公証人の任命の問題、私はある程度承知しておりますが、裁判官なり検察官なり、肩たたきにあって、あんた、ここにいい公証人の口があるからそろそろやめんかい、実際はそういうぐらいの調子でやっている。ある意味では外から血が入ってこない。法務省さんの方は最近は公募をしていると言っているけれども、実際に公募で合格している人はだれもいない。非常に閉鎖的であり、この任命の点からしてやはり大きく変えていかなきゃいけない、この点を指摘させていただきたいと思います。

 それから、いわゆる商工ローンあたりで公正証書が無断に作成されている、あるいは委任状がうまいこと複写式でいつの間にか作成されていて、いつの間にか公正証書ができ上がってびっくりする、こういう例もあるんですが、それについて、対策としてはどういうふうなことをお考えでしょうか。

滝副大臣 一番信用をしなければいけない公証人がいろいろなミスをやっているというのはまことに公証人らしくないことでございますから、厳正にやらなければいけませんけれども、今の御指摘の点は、規則を改正しまして、例えば保証人になったときとか、あるいは本人が公正証書の債務者となった場合には、郵送ででございますけれども、公証人役場から、こういうふうな公正証書ができていますよということの通知をするように改正をいたしまして、要するに、債務者がそういうような公正証書ができ上がっていることを知らずに最悪の事態が出てくるということのないような措置をいたしたところでございます。

松野(信)委員 今答弁いただきました通達というのは、この法務省民総第三四八号の民事局長通達のことだろうと思います。確かに、この新しい通達の中では、「改正省令による規則第十三条の二の改正について」ということで、事後的に、事後通知をきっちり出しなさい、こういうふうになってはいます。なってはおりますが、ただ、この事後通知というものは、これまでの裁判例あたりで、国の主張では、これは訓示規定だというのが国の一貫した主張ではないかと思います。ですから、それほど規制力というものがあるわけでもないんじゃないか、こういうふうに思います。

 ただ、この新しい通達の中で、「事後通知の実施を怠り、規則第十三条の二に違反した公証人については、公証人法及び規則に基づく監督及び懲戒の対象となり得る。」こういうような内容になっています。

 一方では訓示規定だというふうに言っておきながら、一方では懲戒の対象になるというのもどうなんだろうかな。そうであれば、訓示規定ではないというふうに思い切って言ってしまうぐらいにこの十三条の二というものを見直したらどうかと思いますが、この点はいかがですか。

寺田政府参考人 これは訓示規定ということの意味にもよるわけでございますが、私ども、この規定は決してお飾り的な規定ではなくて、これはもう明らかに義務規定だというふうに理解しております。

 ただ、違反に対して罰則がないという規定でありまして、そこで、その違反に対して、ひどいものがあれば、先ほど申し上げましたような監督措置としてのさまざまな指摘をさせていただきますし、また、それがある程度重大なものだということになりますと、当然のことながら処分の対象になる、懲戒処分の対象になる、こういう理解でおります。

松野(信)委員 この事後通知というものが現実にはなされていないという話は私もいろいろな方面から聞いております。ぜひ、この事後通知がしっかりなされるような担保を、どうやって担保するかということも考えていただかないといけないと思います。

 しかし、これはあくまで事後通知ですから、現実にもうできてしまったということであれば、この事後通知を怠ったとしても、民事的な効力は別に否定はされないだろう、こういうふうに思うわけですから、やはり事前に、本当に債務者なり連帯保証人の意思に基づいた公正証書というのができなきゃいけない。そういう意味では、意思確認、あなた、本当にこういうのでいいですかという意思確認をしっかりやることが大変重要なことだ、こう思います。

 その点で、今度のこの新しい通達では、「規則第十三条の釈明方法について」ということで、一番最後に、委任状の筆跡が同一人のものであることや、委任状の記載がカーボン紙を用いて転写されたものであること等がうかがわれ、無権代理が具体的に疑われるようなときには、意思確認の書面を出せ、こういうふうになっているわけです。

 意思確認を書面等で公証人が直接行うというふうに記載があるんですが、これは具体的に公証人はどういうような書面で意思確認をするんだというようにお考えでしょうか。

寺田政府参考人 これは、あらかじめこういうまず執行受諾について意味を問いただす文言を提出していただくわけでありますが、さらに、御指摘のところは、それでも疑わしい場合はどうかということでございますので、これは具体的な事情に応じて疑わしさを解消できるような手段ということになりますので、その場その場で公証人にお考えいただくという考えでこちらの方としてはおります。

松野(信)委員 そうすると、ある意味ではもう公証人にお任せというようにも聞こえます。ところが、さっき申し上げたように、公証人は、余り言うといかぬですけれども、功成り名遂げた人たちがたくさんいらっしゃるものだから、どこまで本当に実行してくれるかなというのは非常に危惧されるところであります。

 それで、こういう通知が出されても、現実にはもう商工ローンあたりは先の先を行っているわけです。例えば、委任状の記載がカーボン紙を用いて転写されたものであることがうかがわれるかどうかというふうに記載がありますが、現実には、例えばSFCGという昔商工ファンドと言っていた会社、ここが一番いろいろ問題が出ているんですが、最近はカーボン紙あたりは使っていないんです。委任状の用紙はまた別に用意していて、次から次に書かせているわけです。そういうようなことで、今は余りカーボン紙を用いて転写というふうにはなっていないというのを、ぜひ、実態を踏まえたことをやっていかないと、それこそ追っつかない、こういうことだと思います。

 それで、よく、会社の社員が債務者の代理人にもなる、会社側の代理人にもなるということでやっている、双方代理じゃないかという問題も指摘があります。それも、さすがにそういう指摘を受けたので、最近は司法書士さんあたりを形の上だけ入れて、債務者の代理人として司法書士さんが出てくるというケースが非常に多くなっている。

 ところが、実際には、この司法書士さんなんというのは債務者と会ったこともない、債務者もどの司法書士さんを頼んだか、だれだか全然わからない、だけれども実際にはできてしまう。私は、弁護士だったら絶対そんなことはあり得ないと思いますが、委任者と会ってもいない司法書士がこういう書面を次から次に代理人だと称して作成する。これは司法書士法上も大変問題だというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。

寺田政府参考人 おっしゃるように、これまで双方から、全部内容は決まった上で、公正証書をつくるという点でだけ双方の代理人として出てこられるケースがあったわけでございますけれども、今おっしゃったように、今度は新たに、司法書士のお名前を挙げられましたけれども、どなたかが専門家として、代理人としておいでになるということになりますと、それはきちっと代理人としての手順を踏んでいただかなきゃならない、これは当然のことでございます。それに一定のルールの違反があるということになりますと、それぞれの業法に従って、司法書士でありますと私どもということになるわけでございますけれども、監督をするということになろうかと考えております。

松野(信)委員 時間が来ましたので終わりますが、ぜひ、やはり法務省は司法書士さんあたりも監督しているわけですから、余りええくろかげんな形で公正証書ができてきて、そして結局不公正証書になってそれが蔓延するというようなことのないようにしっかり指導していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

塩崎委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時四十七分散会


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