衆議院

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第11号 平成30年5月11日(金曜日)

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平成三十年五月十一日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 平口  洋君

   理事 大塚  拓君 理事 門  博文君

   理事 田所 嘉徳君 理事 藤原  崇君

   理事 古川 禎久君 理事 山尾志桜里君

   理事 源馬謙太郎君 理事 國重  徹君

      安藤  裕君    井野 俊郎君

      上野 宏史君    大西 宏幸君

      鬼木  誠君    門山 宏哲君

      神田  裕君    菅家 一郎君

      城内  実君    小林 茂樹君

      谷川 とむ君    中曽根康隆君

      古川  康君    宮路 拓馬君

      山下 貴司君    和田 義明君

      逢坂 誠二君    松田  功君

      松平 浩一君    階   猛君

      柚木 道義君    大口 善徳君

      黒岩 宇洋君    藤野 保史君

      串田 誠一君    井出 庸生君

    …………………………………

   法務大臣         上川 陽子君

   法務副大臣        葉梨 康弘君

   法務大臣政務官      山下 貴司君

   最高裁判所事務総局家庭局長            村田 斉志君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 渡邉  清君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 福田 正信君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 小田部耕治君

   政府参考人

   (消費者庁政策立案総括審議官)          井内 正敏君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    福岡  徹君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    小野瀬 厚君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    辻  裕教君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           神山  修君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           下間 康行君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉永 和生君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           小林 洋司君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           諏訪園健司君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)           山本 麻里君

   法務委員会専門員     齋藤 育子君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十一日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     宮路 拓馬君

  黄川田仁志君     大西 宏幸君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 宏幸君     黄川田仁志君

  宮路 拓馬君     鬼木  誠君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 民法の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)


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     ――――◇―――――

平口委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、民法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本件審査のため、来る十五日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本件審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官渡邉清君、内閣府大臣官房審議官福田正信君、警察庁長官官房審議官小田部耕治君、消費者庁政策立案総括審議官井内正敏君、消費者庁審議官福岡徹君、法務省民事局長小野瀬厚君、法務省刑事局長辻裕教君、文部科学省大臣官房審議官神山修君、文部科学省大臣官房審議官下間康行君、厚生労働省大臣官房審議官吉永和生君、厚生労働省大臣官房審議官小林洋司君、厚生労働省大臣官房審議官諏訪園健司君及び厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長山本麻里君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平口委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局家庭局長村田斉志君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平口委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤原崇君。

藤原委員 自由民主党の衆議院議員の藤原崇でございます。

 今回の民法の改正案について、トップバッターとして質疑をさせていただきたいと思います。委員長、理事始め委員の先生方には大変感謝をしております。

 二十分という中で御質問をさせていただきますが、今回の民法の一部を改正する法律、これは法律の本文自体はこの法律案関係資料のうちのたった一ページということで非常にシンプルな中身の法律でありますけれども、その意義というのは非常に大きい、インパクトも大きい法律なんだろうと思っております。

 これは、言うに及ばず、二十の成人が十八歳に変わるということでして、今の民法典が完成して以来初めてここに実質的な意味での大きな手をつけるということで、非常に大きな意義のある改正だと思っております。

 まず初めに、法務大臣に、成年年齢の引下げ、こういう大きな改正の意義についてお尋ねをしたいと思います。

上川国務大臣 おはようございます。

 民法の成年年齢の引下げにつきましては、御指摘のとおり、十八歳、十九歳の者を独立の経済主体として位置づけ、経済取引の面で、いわば一人前の大人として扱うということを意味するものでございます。

 成年年齢を引き下げた場合におきましては、十八歳、十九歳の者は、みずから就労して得た金銭などをみずからの判断で使うことができるようになるほか、みずから居所を定める、あるいは希望する職業につく、こうしたことができるようになるものであります。

 また、未成年であることが職業の欠格事由とされるなど、民法の成年年齢は他の法令によりさまざまな意味を与えているものでございます。民法上の成年年齢が引き下げられることによりまして、これらの内容につきましても変更されることになります。

 その結果、若年者の自己決定権がさまざまな場面で拡大をするということになるものでございます。こうした取扱いは、新たに成年として扱われる若年者の自己決定権を尊重し、みずからその生き方を選択することができるようにするものであると考えられ、若年者個人にとって大きなメリットをもたらすものであると考えております。

 また、人口減少や超高齢社会といった多くの構造的課題を抱える我が国におきましては、若年者が一人前の大人としての自覚を高めていただき、社会のさまざまな分野で積極的に活躍をしていただく、このことは社会に大きな活力をもたらすことにつながるものでありまして、このことは社会全体にとっても大きなメリットであるというふうに言えると思います。

 このように、成年年齢の引下げには、若者が積極的に活躍できる社会をつくり、若者の力を社会の大きな活力とすることができるという大きな意義があるものというふうに考えております。

藤原委員 ありがとうございます。

 成年年齢の引下げによって、十八、十九、そういう年齢の皆様が自己決定権をしっかりと行使をして、大人として行動を行っていく、そして逆にやはりそういうことを促していく、そういうような非常に大きな意義があるんだろうということであります。

 今回の法律、先ほど大臣の答弁にもありましたけれども、法律案本体は一ページでありますが、関連して、未成年となっている、さまざまな資格制限なども改正をされるというわけでありますが、その中で、附則の第一条というのが私は本文と同じくらい大事なんだろうと思っております。

 附則の第一条、「この法律は、平成三十四年四月一日から施行する。」そして、ただし書きがあるということでして、平成三十四年の四月一日から十八歳が成人というふうに扱われるということで、三十四年の四月一日、これは平成は恐らく終わっているのかもしれませんけれども、三年後、四年後には十八歳が成人ということで、この基準となる三十四年四月一日というのも非常に大きな意味があるんだと思っております。

 成人年齢を引き下げることについて、プラスの面もあります。そして、新たに対応しなければいけない面、消費者教育等、そうでありますけれども、それと同時に、今まで二十の成人という前提で動いてきた世の中の慣習、あるいは世の中の取決め、そういうところもさまざまな分野で影響を受けるところがあるんだろうと思っております。

 そういう点について、本日はちょっとお尋ねをしたいと思っております。

 まず一つ目は、成人式の問題であります。

 成年年齢が引下げになったことに伴いまして、今、従来は二十の一月に成人式が行われております。これはあくまで慣習ということで、成人の日にやらなければいけないと法律で決まっているわけではないんですが、普通に考えれば、成人の日ということは、大人というよりは成人という言葉ですので、これは二十、あるいは十八歳に引き下げられた場合には十八歳の一月というふうに考えることもできるんだろうと思っております。

 高校三年生の一月というのは、これはさまざまなところで指摘があるとおり、大学に進学をしようと考えている方々にとっては一番大切な時期であります。あるいは、今まで二十の一月ですと、多くの成人の方は着物、振り袖みたいなものを着て、割とお金をかけて節目を祝うということをやっておるんですが、果たしてこれが十八歳になった場合、そのまま高校三年生の一月に行った場合には、本人たち十八歳の新成人もそうですし、あるいはそれ以外のさまざまな関連業界にも大きな影響が出ると考えております。

 この成人式は、各自治体の判断で行うものと。現に、私の生まれた町は二十歳の八月にやっておりました、これは自治体の判断だと思うんですが。それは自治体の判断ではあるんですが、国として、十八歳の一月にやることの可否、あるいはさまざまな業界に大きな影響が出ること、そういうことを踏まえて、やはりこれは統一指針を示すべきだと思うのであります。

 国の方で十八歳に成人を改めるわけですから、それによって出てくる影響というのは、これは自治体にお任せをしてということではなく、しっかり国の責任で、問題が出ないように方向性を示すべきと思いますが、いかがでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘の成人式でございますけれども、現在、多くの自治体におきましては、成人式は成人の日あるいはその前日に行われているものと承知しております。

 この一月の第二月曜日の成人の日でございますけれども、大人になったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます日とされております。

 この大人の意味につきましては、必ずしも民法の成年を意味するものではないと考えられますが、いずれにしましても、選挙権年齢が十八歳に引き下げられ、また民法の成年年齢も十八歳に引き下げられることとなりますると、この成人式の対象とされる者の年齢も十八歳に引き下げられることになる可能性もあると考えられます。

 そうなった場合ですが、今御指摘がありましたとおり、多くの者が高校三年生の時点で成年に達することとなると考えられますが、高校三年生にとりましては、成人の日は大学入試センター試験の直前でありまして、その時期に成人式を実施すると受験生が参加しにくくなるのではないかといった問題が指摘されています。

 また、これも御指摘がございましたとおり、着物業界から、これまで成人式に着ていくための振り袖等の着物の売上げが一定程度見込まれていたものの、こういったものの売上げが落ちるのではないか、こういう懸念も寄せられているところでございます。

 成人式の実施等につきましては、法律で定められているわけではございませんで、現在、各地方自治体の判断で行われているものでございますので、政府として一律に、成年年齢の引下げに伴う成人式の時期、あり方等の見直しについて何らかの統一的な指針を示すことは、必ずしも適切ではないように思われるところでございます。

 もっとも、成年年齢の引下げによりまして、実際上、成人式のあり方等に影響が及ぶことは避けられないと考えられますので、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議におきまして、改正法案の成立後に成人式の時期やあり方等を検討課題として取り上げることを予定しております。

 政府としましては、今後、関係者との意見交換などを通じまして、関係者の意見や各自治体の検討状況を取りまとめた上で適切に情報発信し、各自治体がその実情に応じた対応をすることができるように取り組んでまいりたいと考えております。

藤原委員 ありがとうございます。

 自治体の判断であると同時に、やはり国で大きく変えることですので、自治体によって新成人の方にいろいろな不合理な差が出ないように、そこはやはり国の方も汗を流すことが必要なんだろうと思っております。

 次にお聞きをしたいのは、離婚の際の養育費についてであります。

 離婚をした際には、子供がいる場合には養育費の定めをすることが通例であります。成人に達するまで、成人に達した月の末日までという記載の仕方をすることもあれば、平成四十何年何月までと、大体二十を基準にして、明示的に何年までというふうに養育費の支払い終期を決めることがあるんですけれども、これが今回の法律の改正によって影響を及ぼす事例というのはあり得ると考えているのかどうなのか、これは個別事例ですが、法務省の見解をお聞きしたいと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 養育費の支払いの終期につきましては、さまざまな定め方があろうかと思います。

 例えば、当事者間の合意で、養育費について子供が二十歳に達する日が属する月まで毎月一定額を支払う、こういったように、特定の日が特定の例えば年齢ですとかそういったような文言で合意が調っていた場合には、成年年齢にかかわらず、子が二十歳に達するまで養育費を支払う義務を負うと考えられますので、こういう場合には、成年年齢の引下げはこういった合意には影響しないものと考えられます。

 他方で、子が成年に達する日が属する月まで毎月幾らを支払う、こういったような文言で合意をしていた場合には、この合意をした当時の当事者の意思を推測することになると考えられます。

 一般的には、その合意をした当時の成年年齢は二十歳でございますので、その当時、成年年齢に関する法改正があり得ることを想定して、それに連動させる意思を有していた、こういったような例外的な場合を除くと、成年に達するというのは二十歳に達するという意味というふうに解釈するのが自然であると思われます。

 また、当事者は、予測される子の監護状況、子に受けさせたい教育の内容、子が経済的に自立すると予測される時期等を考慮して、その後どれだけの期間養育費を支払う必要があるかを定めたと考えられますが、こういった事情は成年年齢が引き下げられたとしても変わるものではございません。

 したがいまして、一般的には、成年に達する日が属する月までという表現で合意した場合も、合意当時の当事者の意思は、当時の成年年齢である二十歳まで養育費を支払うものであるというふうに考えられます。

 また、法改正前に既に確定している養育費の審判で成年に達する日が属する月までとしているものにつきまして、当事者間で争いが生じた場合、最終的には裁判所の判断によって解決することとなりますけれども、一般的には、先ほど申し上げました施行日前の合意に関してお答えしたところがほぼ当てはまるものと考えられるところでございます。

藤原委員 ありがとうございます。

 最終的には個別の判断ですので、場合によっては事情変更の申立てが認められるケースもないわけではないのかもしれないんですが、まずは法務省としての、政府としての見解というのをしっかり示すということは、今後の予測可能性の点でも大事なんだろうと思っております。

 次にお聞きをしたいのは、平成三十四年四月一日、この施行期日の前後の問題でございます。

 実際に養育費が決まって、それをいつまで払うのかという問題と同時に、やはり、現状、残念ながら離婚というのは日々起きているわけであります。当然、平成三十四年の四月一日の前後でも、離婚調停であるとか離婚裁判あるいは審判等で養育費がどんどん定まっていくわけであります。

 そういうふうになった場合、最低限しかどうしても養育費を払いたくないよという方はいないわけではないと思うんですね。例えば、平成三十四年の三月に、いやいや、来月から成人は十八歳になるんだから、十八歳以上、もう養育費は払いません、そういうような主張をなさる当事者の方もいらっしゃるわけでありましょうし、あるいは、平成三十四年の三月に離婚裁判の判決で、養育費、十八歳までの養育費なのか二十までの養育費で判決をするのか、これはやはり未成熟という概念がポイントになるんですが、それと同時に、やはり二十が成人であるということも実際は大きな影響を及ぼしているんだと思います。

 これはそれぞればらばらに対応をしてしまうと困ると思うんですが、個別の裁判でなかなか難しいところもあるんですが、最高裁として、やはりそのような論点が非常に出てくると思いますので、それについて検討を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。

村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 養育費の支払い義務は、必ずしも子が未成年である場合にのみ認められるものではなく、支払い義務の有無及び具体的内容は、子が未成熟で経済的に自立することを期待ができない場合に、両親の経済状況等の個別事情を踏まえて判断されているものと承知しております。

 したがいまして、当事者に対しては、このような趣旨を丁寧に御説明することにより、調停の円滑な進行に努めるということになると思われますし、施行期日の前でも、また、法律が成立しまして施行後ということになりましても、このような趣旨を前提に、個別の事情を踏まえた適切な判断等がされるものと思われます。

 もっとも、養育費支払いの終期、すなわち、いつまで支払うべきかということにつきまして問題とされることもあり得るというふうに考えられますので、最高裁といたしましては、本改正法が成立した場合には、各家庭裁判所に対して、その成立の通知を行うとともに、施行後における留意点につきまして周知してまいりたいというふうに考えております。

 また、成年年齢の引下げにより、養育費支払いの終期に関する判断等に実務上の問題が生じるというような場合には、最高裁といたしましても、裁判官の協議会等においてその実務上の問題を取り上げるなど、必要な支援をしてまいりたいというふうに考えております。

藤原委員 ありがとうございます。

 先ほどの成人式と同じなんですが、やはり、判断が統一されるまでの間、いろいろな判断があり得るのは仕方がないと思うんですが、左の裁判所に行ったら十八歳、右の裁判所に行ったら二十まで、やはり、そういう御不便を一般の皆様に課すというのは非常に難しいところもありますので、ぜひ、しっかり検討をして、問題意識を共有していただければと思います。

 最後の質問なんですが、十八歳、高校時代に成人を迎えることによって、ある意味、消費者教育等、これは高校で非常に重要になってくると思います。

 自分が来月成人になるということであれば、逆に、学校での消費者教育にも身が入ると思うんですよね。三年後に大人になったときに、こういう消費者被害の問題とかと言われても、三年後であればなかなかイメージができない。だけれども、十八歳で成人になるということであれば、自分が高校在学中に、例えば、来月であるとか半年後には自分も大人になってそういうような問題があるのだな、そういうような意識を持ちながら消費者教育等を受ければ、これは教育効果も非常に高いんだろうと思っております。

 そういう意味で、ある意味、成人が高校在学中になったということは、消費者教育についてしっかり取り組めば、高校生にとっても非常に我が事として受け取れるということで、教育効果が非常に高い、自分の身近な問題として取り組めると考えております。

 そこで、高校での消費者教育などをどのように充実させるとお考えでしょうか。文科省にお尋ねします。

神山政府参考人 お答えいたします。

 民法が改正され、成年年齢が十八歳に引き下げられた場合には、十八歳及び十九歳が行った契約について、保護者等の取消しがなくなるということになります。

 そのため、十八歳までに、契約に関する基本的な考え方や責任について理解をいたしますとともに、主体的に判断をし、責任を持って行動できる能力、こういったものを養成する必要がございます。

 そのため、関係省庁が緊密に連携をいたしまして、若年者への実践的な消費者教育を推進するため、本年二月に、消費者庁、文部科学省、法務省及び金融庁の四省庁関係局長会議におきまして、二〇一八年度から二〇二〇年度の三年間を集中強化期間とする若年者への消費者教育に関するアクションプログラム、こういったものを決定したところでございます。

 これを受けまして、文部科学省といたしましては、高等学校等における消費者教育を推進するため、公民科や家庭科等、関係学科の学習指導要領の趣旨の徹底を図ること、消費者庁が作成をしております高校生向けの消費者教育教材「社会への扉」の活用を促進すること、また、教員養成、教員研修等における消費者教育の充実を図ること等に取り組んでいるところでございます。

 今後とも、消費者庁を始め関係省庁と緊密に連携を図りながら、若年者への消費者教育の推進に努めてまいりたいと考えております。

藤原委員 ありがとうございました。

 ぜひ、新成人になる十八歳の皆様方にも充実した消費者教育等を施していただければと思います。

 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

平口委員長 次に、國重徹君。

國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。

 本日は、百四十年ぶりの成年年齢の引下げ等に関する民法の一部改正案についての質疑をさせていただきます。

 きょう、私に与えられた時間、十五分という非常に限られた時間でありますので、先日幅広く質問させていただきました本会議での質問、答弁を踏まえて、きょうは消費者教育に絞って質問をさせていただきたいと思います。

 成年年齢が引き下がるということは、未成年者取消権を十八歳、十九歳の若年者が失うということと同義でありまして、それらの若年者が悪徳商法のターゲットとされる危険性が高まるということでもあります。

 林文科大臣は、先日、成年年齢の引下げに向けて、若年者への実践的な消費者教育を一層充実させていくことが重要、その充実に向けて取組を加速させていく、そのような旨答弁されました。これまでも消費者教育はやってきたけれども、その効果として十分ではなかった点もあったかと思います。

 実際に、本年三月十四日の読売新聞を見ますと、四月から大学生になる十八歳の声として、ローン契約に親の同意が不要になるのは便利な面もあるが、知識がなくて不安も大きい、メリットやデメリットを学校でしっかりと学べるようにしてほしい、利息などお金に関する知識がないので、トラブルにならないか怖い、こういった声が上がっておりました。

 そこで、今回の法改正をチャンスと捉えて、より実効性ある取組を進めていくことが大切になってくると思います。しかし、その一方で、現場の教員は多忙をきわめておりまして、働き方改革の要請も強いという実態がございます。この実情に十分配慮しないと現実的な取組にはならないと思います。

 この点、教育現場では、主権者教育を始め、例えばオリパラ教育とか○○教育、こういったものをテーマにした授業が多くなっている。例えば、ある学校でも、百以上の○○教育というのがあるということで、教員の負担が重いという指摘もありますけれども、現場の実態はどうなのか、お伺いいたします。

下間政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者教育のほか、環境教育でございますとか主権者教育など、現代的な諸課題に対応して求められる資質、能力については、教科横断的な視点に立って育成していくことが重要でございます。例えば、環境教育であれば、理科の自然環境の保全に関する学習や、家庭科の資源や環境に配慮した生活に関する学習など、関連する複数の教科の中にその教育内容が位置づけられております。

 文部科学省では、各学校においてこうした教育などに取り組む際の参考となりますように、それぞれの教育に関する内容がどの教科、どの学年に位置づけられているかを整理した一覧表を作成するなどによりまして、各学校の取組の支援に努めてございます。このほか、関連する省庁や団体におきまして、各学校で実際の授業を展開する際に効果的な副教材や教師用指導資料の作成、配付などを通じた支援に取り組んでいるものと承知してございます。

 文部科学省といたしましては、関係省庁と必要な連携を図りながら、今後とも教師の負担軽減に配慮しつつ、児童生徒にこれからの時代に必要な資質、能力が着実に育成されるよう努めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。

國重委員 今御説明いただきました。

 ただ、この○○教育というのがふえることについて辟易としている教員がいることも現実の事実でございます。その中で、新たにまた消費者教育を加速させていくということはそう簡単なことではないというふうに思います。

 ○○教育というのがあまたある中で、成年年齢引下げにしっかりと対応できるような消費者教育を加速していくためには、校長等の管理職がその重要性を認識、理解して、現場で消費者教育に携わる教員にその重要性を理解させられるように、浸透させていくように促していくことが必要になってくると思います。これは、私も実際の教育現場の校長等から聞いた声であります。これに関する見解、また今後の取組について伺います。

神山政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘をいただきましたとおり、学校における消費者教育の充実、加速のためには、校長を始めとした管理職等に消費者教育の意義や重要性について御理解いただくことが重要と考えてございます。

 文部科学省では、成年年齢引下げの議論を踏まえ、本年二月に、消費者庁等の関係省庁で連携した、二〇二〇年までの三年間を集中強化期間といたします若年者への消費者教育に関するアクションプログラムを決定したところでございます。また、三月に変更を閣議決定いたしました消費者教育の推進に関する基本的な方針におきましても、若年者への消費者教育が当面の重要課題の一つとされているところです。

 これらについては、消費者庁との連名による通知によりまして、全国の地方公共団体や教育委員会、大学等に周知をいたしますとともに、若年者への実践的な消費者教育の推進を依頼しているところでございます。

 また、全国の教育委員会関係者や校長等が集まる会議など、あらゆる機会を通じまして、消費者教育の重要性について周知を行っているところでございます。

 今後とも、消費者庁を初めとする関係省庁と緊密に連携を図りながら、消費者教育の一層の充実に努めてまいります。

國重委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 これまでも学習指導要領の中などで消費者教育をやってきたことは、これは事実だと思います。ただ、その一方で、先ほど述べたように、○○教育とか、一つ一つの大切さをわかっていたとしても、それがどんどんふえることで、構えてしまって、負担感を抱いている教員がいることもまた事実であります。

 要は、時代や社会の要請でやらなければならないことと負担とのバランスをどうとっていくのか、バランスをとるためにどうバックアップしていけるか、ここがポイントになってくるかと思います。そのために、現場の声にぜひこれまで以上に真摯に耳を傾けていただきたいと思います。

 この点、全国高等学校長協会は平成二十八年九月の意見書で、主権者教育の効果はいまだ不十分であり、このような状況で成年年齢を引き下げた場合、主権者教育も消費者教育もともに中途半端に陥る可能性がある、主権者教育が定着するまで民法の成年年齢の引下げは先送りしてほしい、こういった旨の意見が述べられております。

 このような意見がある中で、どのようにして消費者教育を加速して、その効果を浸透させていくのか、お伺いいたします。

神山政府参考人 お答えいたします。

 文部科学省では、先ほど申し上げましたアクションプログラム等を受けまして、全国の高等学校等での消費者教育を推進することとしております。このアクションプログラムにおきましては、まず第一に、平成十六年度の消費者基本法の制定等を受けて、消費者教育に関する記述を充実しております現行の学習指導要領の趣旨の徹底を図ることとしており、教育現場において、学習指導要領に基づく公民科や家庭科の教育がしっかりと実施されるように努めてまいります。

 加えまして、消費者庁作成の高校生向け消費者教育教材「社会への扉」の活用を促進すること、消費者教育コーディネーターも活用し、実務経験者の外部講師としての活用を推進すること、また、教員養成、教員研修等における消費者教育の充実を図ることとしており、教材や人材面におきまして教育現場の取組を支援していきたいと考えております。

 こうした取組を三年間の集中期間の中で着実に実施することによりまして、学校における消費者教育が充実、加速するよう努めてまいります。

國重委員 現実的な取組となるように、今、教材とか人材面で教育現場での取組を支援していくとありましたけれども、しっかりとやっていただきたいと思います。

 今、答弁にありました若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムでは、高校生向け消費者教材である「社会への扉」、この活用を促すこととしております。これについては私も読ませていただきましたけれども、高校生のことを考えた教材となっていて、比較的わかりやすい教材となっていまして、一定の評価をいたしております。

 もっとも、個々の教員が多忙で、新たな教材研究の時間が十分にとれないことを考えると、この「社会への扉」を活用するための教員用の資料を提供したり、また、どの教科、どの単元、どういったタイミングでこの教材を活用するのが効果的なのか、どこに焦点を当てて授業をすればいいのか、モデル例を示す必要があると思いますが、これについての見解を伺います。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 「社会への扉」につきましては、教師用解説書も作成しております。「社会への扉」を効果的に活用していただけるよう、生徒用教材の内容の詳細な解説や効果的な活用方法、授業で活用できるワークシートの例を掲載しているところでございます。

 知識を得るのみでなく、日常生活の中でそれを実践することができる重要な能力を育み、みずから考え、みずから行動する自立した消費者を育成するためには、学校の教職員による適切な指導が必要と考えております。このような情報提供を通じて、学校における消費者教育の充実を支援してまいりたいと考えております。

國重委員 次の質問に行きます。

 若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムでは、実務経験者の外部講師としての活用を推進することも挙げられております。

 消費者教育を行うといっても、その内容の全てを子供たちが全部記憶する、記憶に残すというのは困難であります。子供たちの記憶の中に、消費者教育について、そのポイントに何らかの、こういうことがあったなという記憶を、ひっかかりを残すということが大事になると思います。

 そういった意味で、外部講師の活用は、いつもと違った授業の形式また内容となって、外部講師ならではの子供たちへのインパクトがあると思いますので、こういった面ではいいかと思います。

 また、私も実際に、弁護士をしているときに何度か、出張授業ということで外部講師として、消費者教育に限りませんけれども、行かせていただいたことがありました。

 これは教員の負担軽減にもつながり得ると思いますけれども、その一方で、これは消費者教育に限ったことではありませんけれども、現場の教員から、外部講師を使うとかえって時間がかかる、事前の仕込み、打合せ、こういったものでかえって忙しくなる、このような声も聞いております。

 外部講師の活用と教員の負担軽減との関係をどのように捉えているのか、お伺いいたします。

下間政府参考人 お答え申し上げます。

 複雑で予測困難な社会においてさまざまな課題に対応できる資質、能力を子供たちに育むことが求められる中で、新学習指導要領における社会に開かれた教育課程の趣旨も踏まえまして、授業において外部講師を活用して、外部の人材の経験や知識を生かして学校における教育活動の質を向上していくことは、大きな意義を持つものでございます。

 しかしながら、外部講師の活用による効果を十分に発揮するためには、事前の打合せを適切に行うなど、学校と連携した準備が必要でございます。その際、教師の負担が過重にならないようにするためにも、学校と外部人材をつなぐコーディネーターの育成、配置など、国や教育委員会等において外部講師の活用のための支援の取組を行うことは重要というふうに認識してございます。

國重委員 今御答弁ありましたとおり、しっかりと教員の負担にも配慮した取組を進めていくことが重要であって、このことは、消費者教育の外部講師の活用の推進に当たっても同じであります。

 では、消費者教育の外部講師の活用の推進に当たって国としてどのようにバックアップをしていくのか、お伺いいたします。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者庁としましては、若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムに掲げているとおり、全ての都道府県の消費者教育コーディネーターの配置に向けた支援に取り組んでまいります。

 具体的に申しますと、平成三十年度予算に計上されている地方消費者行政強化交付金では、若年者への消費者教育の推進に関する事業メニューといたしまして、消費者教育コーディネーターを明記しているところでございます。

 今年度からは、地方公共団体における消費者教育コーディネーターの配置が円滑に進むよう、実態把握を進めるとともに、地方消費者行政強化交付金を活用して積極的に支援してまいります。

國重委員 ぜひよろしくお願いします。

 今般の成年年齢引下げ等に関する民法の改正案、これが今後審議をしていって成立した場合に、これによって若年者が被害に遭ったり、またその被害が拡大してしまうようなことがあってはいけない。それを防ぐための消費者教育の充実は必須であって、成年年齢引下げの大前提であるというふうに思います。

 ただ、私は、この消費者教育の役割というのは、単にだまされなくするためのものだけではないというふうに捉えております。みずからの消費行動が社会やさらには将来世代にどのように影響を与えていくのか、自分で考え、自分で判断できるようになっていく。そのことが、社会を構成する一員であるとの自覚を促し、主体的な考えを持った人間への成長、大人としての自覚を高めていくことにもつながるというふうに思います。

 そういった意味で、消費者教育は、まさに自分で考え、自分で判断するというアクティブラーニングに最適な題材であるというふうに思います。

 私はかつてノルウェーの方に行きまして、ノルウェーは消費者教育の世界の最先端を行っている国でありまして、その取組をつぶさに見てまいりました。しっかりと日本も消費者市民社会に向けての取組を加速していっていただきたいと思います。

 今般の法改正によりまして、より一層消費者教育が充実し、今後、日本を支える若者の皆さんの多角的で主体的な思考を養うための一助となることを期待しまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

平口委員長 次に、松田功君。

松田委員 おはようございます。立憲民主党の松田功でございます。

 きょうは、民法の一部を改正する法案について質問させていただきたいと思っております。

 まずその前に、五月の九日に、プロ野球選手の内川選手が二千本安打を達成して、十八年かけて達成されました。そんな中で、内川選手が横浜時代に、仁志選手の方から、考えながら常に試合に挑んでくださいということを教えられたらしいんですね。そこから、打席、打席ごと考えて、打つ前、打ち終わった後、考えながら、今日の二千本安打を達成できたということで、私自身もそのお話を聞いて、国会に来るとき、また地元に帰ったときも含め、市民、国民のために一生懸命考えながら進めていければというふうに改めて感じるところで、質問に入らさせていただきたいと思います。

 民法改正案の成年年齢引下げについて議論させていただきたいと思います。

 本法律案は、民法上、成年となる年齢を二十から十八歳に引き下げるものであり、条文上はシンプルでありますが、社会の広い範囲に波及する極めて影響が大きい法案と言えます。にもかかわらず、その影響や課題が多い中で、国民に知られていないと感じているところでもあります。法改正ありきになってはいけないと思いますので、委員会の方で、ぜひ丁寧に議論をしてまいりたいと思っております。

 まず、今回の改正の、成年年齢引下げのポイントを確認していきたいと思いますが、一つは、未成年者取消権が使える年齢が下がり、十八歳、十九歳の若者が、親の同意がなくても一人で高額の商品を購入するなどの契約ができるようになる反面、未成年であることを理由に契約の取消しができなくなるということであります。

 もう一つは、親権の対象となる年齢が下がり、十八歳、十九歳の若者は、親から居所を指定されたり、懲戒されたり、仕事をするために許可をもらったり、財産を管理されたりすることがなくなるということであります。

 私のこのような理解でよろしいでしょうか、御確認をさせていただきたいと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、成年年齢の引下げには、民法上、大きく分けて二つの意味がございます。

 民法上、未成年者は、原則として単独で法律行為をすることができないとされておりまして、親権者の同意を得ないで契約等の法律行為をした場合には、これを取り消すことができることとされております。このため、成年年齢の引下げは、未成年取消権の対象となる年齢の上限を引き下げるということになります。

 次に、未成年者は親権者の親権に服するとされておりますので、成年年齢の引下げは、親権者の親権に服する年齢の上限を引き下げることをも意味するものでございます。

松田委員 それでは、また次にお尋ねをさせていただきたいと思います。本法案の立法事実、すなわち、改正の必要性についてであります。

 本法案の提案理由の説明では、この法律案は、公職選挙法の定める選挙権年齢が満二十歳以上から満十八歳以上に改められたことなどの社会経済情勢の変化に鑑み、民法が定める成年となる年齢の引下げを行うものでありますと書かれてありますが、未成年者取消権や親権の対象となる年齢を二十から十八歳に引き下げる具体的な必要性や理由は全く見えません。

 立法事実としては、一般的に、改正あるいは新法といった立法の必要性や正当性を根拠づけるものとされています。わかりやすく言えば、今の法律では、具体的な不都合や支障が生じているという事実があるため、それを直すために改正するということだと理解いたします。

 今回の成年年齢引下げの立法事実として、今、未成年者取消権や親権の対象年齢を引き下げなければならない何か具体的な不都合や支障が生じているのでしょうか、お尋ねをいたします。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 ただいま、成年年齢の引下げの理由に関する御質問をいただいたところでございます。

 今、憲法改正に係ります国民投票年齢あるいは公職選挙法上の選挙権年齢は十八歳となっておりまして、民法の定める成年年齢とそごが生じているところでございます。

 もっとも、近時の公職選挙法の改正等によりまして、国家のあり方や国政の方向性にかかわる最も基本的な権利が与えられたということは、十八歳以上の者にはこれらの重要事項についての判断能力が備わっており、いわば一人前の大人として扱うのが相当であるという国政上の判断が示されたものと言うことができます。

 このため、法制度としての一貫性や簡明性といった観点からは、市民生活の基本法であります民法の成年年齢もできる限り一致していることが望ましいと考えられ、国民投票法の法案審議を行った際の提出者からも同様の意見が示されているところでございます。

 また、今日の十八歳、十九歳の者の実情といたしましては、法律上は親の監護下にありますものの、大学入学や就職を機にひとり暮らしを始めて、独立した主体として生活している者も多うございます。また、十八歳、十九歳の者は、十七歳以下の者と比べまして、何らかの形で就労して金銭収入を得ている者の割合が大幅に高く、八割を超える大学生がアルバイトをしているという調査結果もございます。

 民法の成年年齢が二十歳であるため、これらの者は自分が得た金銭で単独で有効な取引をすることができないということになりますけれども、このようなことは、これらの若年者の経済活動を適切に反映していないと言うことができるようにも思われます。

 どのようなものを具体的な不都合あるいは支障というかということにつきましてはともかくといたしまして、このように、参政権に関する年齢と食い違いが生じているという点や、若年者の経済活動を反映していないという現状につきましては、社会的に見て決して望ましいものではないと考えておりまして、このような事情も法律の改正の理由になるものと考えているところでございます。

松田委員 支障がないというような形にも聞き取れるように思いますが、一方、成年年齢の引下げについて、少子高齢化が急速に進む中、若者が大人としての自覚を高めることにつながるとか、諸外国の多くでは十八歳成年制だからとか、提案理由にもあります選挙権年齢も十八歳になったから民法の成年年齢も十八歳にそろえるといった理由が聞こえてまいります。

 これらは、改正が必要であるという明確な根拠、必要性、立法事実と言えますでしょうか。私は言えないのではないかと思いますが、法務省としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 成年年齢の引下げによりまして、若年者に対しましては責任ある主体として積極的な社会参加が促される、こういうことになろうかと思っております。また、そういった若年者の自覚を高める、こういったような効果も有するものと考えております。こういうことによりまして、若年者がさまざまな社会の分野で積極的な役割を果たすことは、我が国の社会に大きな活力をもたらすことにつながって、社会にとって大きなメリットであると考えております。

 また、多くの諸外国におきます成年年齢は十八歳でございまして、G7を構成します先進諸国は、日本や一部の地域を除き、成年年齢を十八歳と定めておりまして、OECD加盟国におきましても、三十五カ国中三十二カ国が成年年齢を十八歳と定めている状況でございます。

 さまざまな面で国際的な交流が進んでいる今日の状況のもとで、我が国において、世界標準よりも高い成年年齢を維持すべき合理的な理由は見出しがたいものと考えられます。

 法務省といたしましては、このような事実、事情も、いずれも成年年齢の引下げの必要性を根拠づけるものでありまして、本法律案の立法事実となるものと考えております。

松田委員 それでは、成年年齢引下げの明確な立法事実、すなわち、今ぜひ改正しなければならないという根拠、必要性自体を、もう少し、何なんだろうということを御説明いただきたいと思います。

 今までの説明の中では、明確な立法事実、具体的な不都合や支障がないという理解はいたしましたが、そうであるならば、すなわち、明確な立法事実、具体的な不都合や支障がないならば、今なぜ、何のために成人年齢の引下げの改正を行うのかを、改めてその理由、目的を大臣からお聞かせいただきたいと思います。

上川国務大臣 先ほど民事局長が答弁をしたところでございますが、市民生活の基本法、民法の成年年齢でございますが、これは参政権に関する年齢とできる限り一致していることが望ましいというふうに考えられるわけでございます。

 民法の成年年齢が二十歳、二十であるという現状につきましては、参政権に関する年齢と必ずしも整合的ではないわけでございまして、また、若年者の経済活動を適切に反映したものとは言えないとも考えられるわけでございます。

 これをもって具体的な不都合や支障と言うかはともかくといたしまして、民法の成年年齢を引き下げることの重要な立法事実になるものと考えているところでございます。

 また、人口減少や超高齢化社会といった多くの構造的課題を抱えている我が国におきまして、こうした課題に対処するためには、国の将来を担う若者の力が必要でございます。そのために、若者も一人前の大人として扱い、社会のさまざまな分野におきまして積極的な役割を果たすことによって、その力を発揮してもらうことが重要であり、それが我が国の社会に大きな活力をもたらすことにつながるというふうに考えられます。

 このように、民法の成年年齢の引下げは重要な意義を有しているものと言えます。そして、我が国の未来のためにも速やかな法整備が必要であるというふうに考えているところでございます。

松田委員 それでは次に、少し時間をさかのぼりますが、今回の改正のベースとなった法制審議会の答申について御確認、お尋ねをさせていただきたいと思います。

 平成二十一年、二〇〇九年の十月二十八日に法制審議会が法務大臣に答申をしました「民法の成年年齢の引下げについての意見」です。その答申の中では、法制審は確かに、「民法が定める成年年齢を十八歳に引き下げるのが適当である。」と述べております。

 それが今回の法案につながったというふうに理解をいたしておりますが、実はそのときの法制審の答申には続きがございまして、そこには、「ただし、現時点で引下げを行うと、消費者被害の拡大など様々な問題が生じるおそれがあるため、引下げの法整備を行うには、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現されることが必要である。」と書かれています。

 さらに、これらの施策の効果が十分に発揮され、その効果が国民の意識としてあらわれた段階において、民法の成年年齢の引下げの法整備を行うのが適当であると書かれております。

 つまり、幾つかの条件が付されております。それが実現されているのか、順次お聞きいたしたいと思います。

 まず、二十一年の法制審の答申の中でも、若者たちの自立を促す施策や消費者被害拡大への施策が実現される必要があるという点が非常に重要だと思いますが、政府はこの間、このためにどのような施策を行ってきたのでしょうか、教えていただきたいと思います。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、法制審議会の答申におきましては、成年年齢を十八歳に引き下げる前提といたしまして、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策の実現が必要であるとの指摘がされております。

 これらの施策は、当省のほか、内閣官房、内閣府、金融庁、消費者庁、総務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省にかかわるものであり、これまで政府全体としてさまざまな取組を行ってきたところでございます。

 この施策の全てにつきましてこの場で御説明することはなかなか難しゅうございますが、代表的な施策について概略的に申し上げますと、まず、若年者の自立を促すような施策といたしましては、これは成年年齢の引下げの議論を直接の契機とするものではございませんが、政府におきまして、平成二十一年に成立した子ども・若者育成支援推進法に基づきまして、若年者の育成支援施策の推進を図るため、平成二十二年七月に子ども・若者ビジョンを策定し、平成二十八年二月には、これにかえて新たな子供・若者育成支援推進大綱を決定したところでございます。

 こうした方針のもとに、例えば、文部科学省によるインターンシップの促進等のキャリア教育の推進、厚生労働省による課題を抱える若者に対する各種の就労支援の実施といったキャリア形成支援が行われてまいりました。また、内閣府による子ども・若者支援地域協議会の設置や、文部科学省によるスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの設置といった、困難を有する子供、若者への支援の推進、さらに、内閣府による子ども・若者総合相談センター、厚生労働省による地域若者サポートステーションといった相談窓口の充実、こういった施策が実施されてまいりました。

 消費者被害に対する施策といたしましては、平成二十一年九月に消費者庁が設置されまして、消費者行政の一元化及び充実化が図られておりますが、教育の面からは、平成二十年及び二十一年の学習指導要領の改訂によりまして、消費者教育、法教育、金融経済教育等の充実が図られております。改訂後の高等学校学習指導要領は平成二十五年度から実施されておりまして、現在の高校生は既に改訂後の学習指導要領に基づく教育を受けております。

 平成二十四年八月には消費者教育の推進に関する法律が制定されまして、この法律に基づき、全ての都道府県等において消費者教育推進計画が策定され、消費者教育推進地域協議会の設置も進められておるところでございます。

 また、同法に基づいて閣議決定され、本年三月に変更された消費者教育の推進に関する基本的な方針におきましては、消費者教育を消費者の特性や教育の場の特性に応じた方法で実施すること、特に、成年年齢の引下げに向けた環境整備の観点から、高等学校段階までに、主体的に判断し、責任を持って行動することができる能力を育むことが基本的な方向性として示されております。

 さらに、今国会には、若年者を中心に発生する消費者被害事例を念頭に置いた取消権の創設等を内容とする消費者契約法の一部を改正する法律案が提出されているところでございます。

 こうした各種の取組に加えまして、本年の二月の二十日には、成年年齢の引下げを見据えて、実践的な消費者教育の実施に関する取組を関係省庁が緊密に連携して推進するために、消費者庁、文部科学省、法務省、金融庁の関係局長で構成する若年者への消費者教育の推進に関する四省庁関係局長連絡会議を設置し、若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムが決定されております。

 このアクションプログラムでは、二〇一八年度から二〇二〇年度までの三年間を集中強化期間として、実践的な消費者教育教材を全都道府県の全高校に提供し、活用を促すことや、学校教育現場において外部講師の活用を進めるために消費者教育コーディネーターを全都道府県で配置することを目標とすることが定められております。

 また、本法律案の施行に向けては、環境整備の施策を更に充実させるため、省庁横断的な取組が必要であると考えられます。こうした観点から、本年四月十六日、法務大臣を議長、内閣官房副長官補を副議長、関係府省庁の局長級の職員を構成員とする成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議の第一回会議が開催されたところでございます。

松田委員 数多く施策を今進めていただいているところを御説明いただきました。

 少し時間が参っておりますので、質問をちょっと二つばかり飛ばさせていただきたいと思います。

 この改正に当たって、国民や世論に望まれているのかどうかということと、また、十分に理解をしていただいているのかということを御確認をさせていただきたいと思います。

 内閣府による成年年齢に関する世論調査は、現時点では二〇一三年十月のものが最新となっております。それによれば、十八歳、十九歳の者が親などの合意がなくても一人で高価な商品を購入するなどの契約ができるようにすることの賛否は、反対四七・二%、どちらかといえば反対が三二・二%で、反対が七九・四%と八割に上っております。一方、賛成である七・四%と、どちらかといえば賛成である一一・二%を合わせた賛成は、一八・六%にとどまっています。

 また、十八歳、十九歳の者について父母の親権を及ばなくすることについては、どちらかといえばを含む賛成が二六・二%、どちらかといえばを含む反対が六九・〇%と、これもかなり反対が上回っております。全体として、圧倒的に反対が多いと言ってよいかと思います。

 五年前とはいえ、現時点で最新の世論調査で圧倒的に反対の意見が多いにもかかわらず、なぜ今法案を国会に提出したんでしょうか、お尋ねをいたします。

 また、法改正の前に、もっとさまざまな施策を行って、成年年齢の引下げに関する国民の理解を図る必要があると思われますが、いかがでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 法務省といたしましては、成年年齢の引下げの法整備を行う時期につきましては、世論調査の結果ももちろん一つの考慮要素と考えておりますけれども、それのみによって判断するのではなく、各種の環境整備の施策の効果等を総合的に考慮して判断されるべきものであると考えております。

 また、御指摘のとおり、平成二十五年の世論調査では、この成年年齢の引下げ等につきまして多くの国民が消極的な意見という結果になっておりますけれども、その消極的な意見の中にも、法的な物の考え方を身につけるための教育の充実や消費者保護の施策の充実という前提が整えば成年年齢を引き下げてもよいという意見が多数含まれておりまして、こういった意見の方と賛成の意見の方を合わせますと、その数は全体の六割に上っているというところでもございます。

 政府といたしましては、これまで、消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策など、成年年齢の引下げの環境整備のための施策の充実に努めてきたところでありまして、これにより、環境整備の施策について相応の効果が上がっているものと考えております。

 また、国民投票の選挙権年齢が十八歳と定められ、実際に十八歳、十九歳の者による選挙が実施されたことによりまして、若年者の社会参加を促すことの流れは国民に定着しているものと考えられますところ、そのような流れの中に位置づけられるこの成年年齢の引下げにつきましても、国民の理解は進んでいるのではないかというふうに考えているところでございます。

 法務省といたしましては、このような環境整備について相応の成果が上がっていることに加えまして、選挙権年齢の引下げ等の社会経済情勢の重要な変化があったことを踏まえて、現時点において成年年齢の引下げについて国会の御判断を仰ぐことが適切であると考えて、今国会に本法律案を提出することとしたものでございます。

 今後も、本法律案の施行に向けて、環境整備の施策を更に充実させ、また、そのような取組が行われていることを国民に周知すること等により、国民の十分な理解が得られるように努めてまいりたいと考えております。

松田委員 ちょっと、なかなか理解に苦しむところもあるお答えもいただいておりますが。

 そもそも、成年年齢の引下げに関する内閣府の世論調査は、二〇一三年を最後にそれ以降行われておりません。五年もたっております。

 なぜ法案提出前に新たな世論調査を行わないのでしょうか。既に法案が提出されたので行わなかったのでしょうかとお尋ねすべきかもしれません。そして、具体的に法案をまとめて提出するには、最新の世論調査結果を参考にするのが当然と考えますが、いかがでしょうか。

 そのために、政府として世論調査を早期に行うべきではないでしょうか。こちらも行うべきでなかったのでしょうかと聞くべきかもしれませんが、以上、そういったことを鑑みて、大臣、お考えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。

上川国務大臣 法務省といたしましては、成年年齢の引下げの法整備を行う時期につきまして、世論調査の結果として、国民の賛成意見につきましても一つの重要な考慮要素ではあるというふうに考えております。

 しかし、それのみではなく、各種の環境整備の施策の効果等を総合的に考慮して判断されるべきものであるというふうに考えております。

 その上で、選挙権年齢の引下げが行われました。また、現実に、平成二十八年に、十八歳の方の選挙権が行使されたという社会経済的な情勢の変化が生じたところでもございます。

 平成二十五年の世論調査以降、各種の環境整備のための施策が推進されまして、一定の成果を上げてきたことも踏まえまして、今国会に、御審議いただくべく、本法律案を提出したところでございます。

 そのため、法案提出に際しまして、その是非を問うという形の世論調査は実施していないというところでございます。

 ただ、法務省といたしましても、本法案の施行に向けまして、国民の意識の状況を絶えず把握していくことにつきましては、大変重要であるというふうに考えております。

 法律案の成立後、平成三十年度中を目途に、成年年齢の引下げに関連して生じますさまざまな影響につきまして把握をするために、成年年齢の引下げの意義や他法律への影響、これまでの環境整備施策の内容といった事項につきまして、国民への浸透度を随時調査するということにつきまして検討をしているところでございます。

 国民の皆様の理解が一層進むことができるように、努力を惜しまず、してまいりたいというふうに思っております。

松田委員 最後に、今、国民的な関心や理解が低い中で急いで成人年齢を引き下げる必要があるのか、まだ理解ができません。

 きょうは取り上げませんでしたが、今回の法改正で各方面から最も懸念される、十八歳、十九歳に対する消費者被害の拡大という点であります。

 その点を含め、今後、引き続きまた議論をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

平口委員長 次に、山尾志桜里君。

山尾委員 上川大臣に伺います。

 ただいまの質問の続きですけれども、世論調査について、平成三十年度中にも、是非は問わないが浸透度を問うようなことを検討するとおっしゃいました。

 そうであれば、この法案がまだ成否がわかる前に、なぜ現時点での国民の意識の是非を問わないんですか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 先ほど大臣から答弁がありましたとおり、法務省といたしましては、先ほど申し上げましたような各種の環境整備の施策の効果等を総合的に考慮しまして、この法律案を提出する、すなわち成年年齢を引き下げるのが相当ではないかというふうに判断して、本法律案を提出したところでございます。

 ただ、今後、先ほど大臣からも答弁しましたとおり、この法律案の施行に向けまして、どのような環境整備の施策の充実が必要なのか、あるいは、効率的な広報、周知活動を行うというために、どのような国民の浸透度がいっているのか、こういうところは調査することは必要かと思っておりますので、そういうところにつきまして調査をしていくということを検討しておるというものでございます。

山尾委員 大臣、今の質問は、全く民事局長に答弁をさせるような質問ではないと思います。大臣の直近の答弁についての御質問です。

 改めて伺いますけれども、私たちは別にやみくもに反対と言っているわけじゃないんです。実際、賛否を決めておりません、立憲民主党も。

 ただ、今のような形で答弁をごまかさないでいただきたいし、率直に言って、この民法改正という全ての国民に関係をする大きな変更を議論するのであれば、五年前の国民の意識が相当反対が多いわけですね。反対と、どちらかといえば反対、平成二十年は七八・八が、平成二十五年度では七九・四と上がっているわけです、反対が。

 そういう中で、じゃ、五年たった今、この反対は上がっているのか、下がっているのか、横ばいなのか。これは、この民法の改正を審議するに当たって、私たち全員が把握しておくべき基本中の基本の数字だということを今改めて思っております。

 逃げるような答弁はしていただきたくないんです。やっていただいたらいいと思うんです。その上で、世論だけが全てではない、そのほかにもこういう効果が出ているからやりますというなら、そういうふうに主張されればいい。なぜやらないんですか。

上川国務大臣 現時点におきまして、無条件で成年年齢の引下げに賛成する意見の割合が反対意見の割合を下回っているということは事実でございます。

 しかし、若者を一人前の者として扱い、また社会参加の機会を与えるという大きな政策の流れにつきましては、平成十九年に日本国憲法の改正手続に関する法律が制定された後、公職選挙法の改正、またこれに基づく選挙が実際に行われたことなどによりまして着実に積み重ねられており、国民の中にも浸透してきたものというふうに考えております。

 例えば選挙権年齢を十八歳に引き下げることにつきましても、当初は、世論調査におきまして、これに賛成する意見は少数でございました。その後、一貫して増加をし続けておりまして、特に十八歳、十九歳の若者の中で、この選挙権年齢の引下げにつきまして肯定的に評価する、こうした意見は、選挙権年齢の引下げ後に実際に選挙が行われた後に大幅に上昇をしているものでございます。

 成年年齢の引下げもこのような大きな政策の流れの中に位置づけられるということを考えますと、今、環境整備についてしっかりと取り組んでいく、そしてそれは、今の段階で環境整備が終わりではなく、これからますますその役割は大きくなろうかというふうに思いますけれども、このことについてしっかりと取り組んでいき、そして国民の皆様の理解をいただくことができるものと確信をしているものでございます。

 また、成年年齢の引下げが議論されるようになりまして、これに向けた環境整備の施策につきましても、先ほど来の答弁の中でも申し上げたとおり、とりわけ成年年齢の引下げに伴いまして懸念や不安の大変大きな要素であります消費者被害、こういったこともございます。こういったことにつきましての教育、そして自立のための支援策、こうしたことが行われてきたということでございます。

 その意味で、成年年齢の引下げについての大きな流れにつきまして、今の時期で、この政策の判断を今議会の中でしていただく、そうした時期に至っているのではないか、このような判断をいたしまして、今回お出しをしたところでございます。

山尾委員 全く承服できないんですね。実行すれば賛否は変わるんだという御答弁でした。そういう例もあると思いますよ。

 ただ、実行する前の国民の素の意識をきちっと聞いておくということが必要じゃないですかと申し上げているんです。それでもやはり反対が多い、それでも政治家として判断をするんだ、やってみれば更に理解は得られるということであれば、それはそれで一つの考えです。やらない理由にならないということを私は申し上げております。引き続き、このことはしっかりと主張してまいりたいと思います。

 今回ですけれども、成年年齢の引下げですが、私は三点をクリアすることが大事だと思っております。

 一点目、親権に十八歳、十九歳が服さなくなるということで、この結果、例えば単親家庭に育つお子さんや児童養護施設で育っているお子さんなど、本当に社会的にとりわけ厳しい立場に置かれている子供たちにこの変更が絶対に不利益になってはならないという点が一点目。

 二点目です。十八歳、十九歳が親の合意なく交わした契約について取消権を奪うという効果がありますので、消費者としての若年者が社会的に不公正な経済の食い物になってはならないという点が二点目です。

 そして、三点目ですけれども、少年法とのリンクはここでしっかりと遮断をしていただく、こういう必要があると思います。

 まず一点目ですが、単親家庭の問題を取り上げたいと思います。

 先ほどからも問題になっていますが、成年に達するまで養育費を払うという合意がなされている場合に、仮に成年年齢が引き下げられた場合に法務省としてどういうお立場をとられるのか、こういう御質問が先ほどからなされておりますね。基本的には、法務省の見解というのは大事な見解で、議事録に残しておくのは大事だと思います。ただ、最終的には裁判で決まるということになるでしょうし、そういう御答弁でありました。

 問題は、その裁判所の判断というのが大変心もとない状況だということです。

 資料一を見ていただきたいんですね。これは、最高裁判所作成の養育費の請求調停の申立書のひな形であります。

 最高裁にお伺いをします。

 先ほど、必ずしも未成年にのみ養育費というのは支払われるものではない、そして、そのことを当事者にも丁寧に御理解いただくし、今回の改正がもしなされれば必要な支援はやるということをおっしゃいました。

 まず一点、大事なことをお願いします。

 この申立書のひな形、「未成年者」となっているんですね。これは、子供、子に変えていただく必要があると思います。いかがですか。

村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、最高裁判所におきまして、調停、審判の申立書の定型書式を作成、用意しておりまして、養育費請求等の調停、審判につきましては、「申立人」及び「相手方」のほか「未成年者」という記載欄を設けた申立書の定型書式を作成、用意しております。

 このように、「未成年者」の記載欄を設けているのは、一般に、未成年者であれば未成熟で経済的に自立することが期待できないことが多いと思われることによるものでございます。

 養育費請求等の申立書の定型書式に「未成年者」の記載欄が設けられていることによりまして何らかの問題が生じるかについては、見きわめていく必要があるというふうに考えておりまして、定型書式を改訂する必要があるかにつきまして、委員の御指摘も踏まえまして、さまざまな議論の状況等を注視してまいりたいというふうに考えております。

山尾委員 既に何らかの問題は生じているんですね。今、現段階でも、当事者の合意の中で、例えば、大学進学までとかあるいは二十二歳までとか、当然、現時点での成年を超えて養育費の支払いを合意している場合があり、それが、例えば何らかの理由でとまったりしたときに、成年の子に対する養育費の請求ということも調停であり得るわけですよね。このときにも、このひな形がやはりひな形として使われているという、現時点での不都合があるということを御指摘します。

 そして、もう一点、今回、仮に、万が一改正ということになれば、今度は、十八歳を過ぎて成年だけれども、合意をした時点の成年は二十だったので養育費を支払ってほしい、こういう請求のひな形にも今後使われることになるわけですね。ですよね。そういうことを考えていくと、現時点でも不都合だし、もし改正があれば、よりその不都合は強まるということなんです。

 最高裁に見ていただきたいのは、釈迦に説法ですけれども、資料の二でありますが、これは、夫婦の離婚の当否の問題において、最高裁の判決書であります。四角で囲ってありますけれども、慎重に、未成年の子という言葉は避けております。あくまでも、未成熟の子の監護の状況とか未成熟の子がいるかどうかとか、やはりそういう文言を使って、必ずしも成年、未成年がその考慮のラインではない、あくまでも成熟、未成熟が考慮のラインなんだということを最高裁自身が判決で示しているわけですから、現時点でも不都合、これからはより不都合になり得る、そしてこういう判決書があるということも含めて、改めて前向きな検討をお願いしたいと思いますが、もう一度、いかがですか。

村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 御指摘をいただいたような点を含めまして、この改正法案についての国会での御議論の状況、それからまた実務上の御指摘、こういったものを踏まえまして、改訂の要否について必要な検討をしてまいりたいというふうに思います。

山尾委員 これは、もし改正が成立したら変えるとかそういうものではなくて、私としては、この議論中にどういう裁判所の判断、あるいは検討、判断があるかということをしっかりと私の方も見せていただきながらこの議論を進めていきたいというふうに思っております。

 次に、もう一つ、社会的、経済的弱者となりやすい児童福祉施設に通う子供たちの利益のことを大変に懸念をしております。

 まず、こういった児童福祉施設ですけれども、現時点で何人の子供たちがいるんでしょうか。

山本政府参考人 児童養護施設に入所する子供の人数は、直近のデータで、平成二十九年三月三十一日現在で二万六千四百四十九人となっております。

山尾委員 その中で、施設を出る理由としては、自立をして出ていく、あるいは親元に戻るとか、いろいろな理由があるわけですけれども、そういった施設を出る理由、一番多いのはどういう理由で、何割ぐらいなんでしょうか。

山本政府参考人 平成二十八年度中に児童養護施設を退所された方の主な退所理由につきましては、家庭環境が改善したといったような理由、そのほか、児童の状況が改善した、これらで五五%でございます。それから、就職や進学で三八%となっております。

山尾委員 少なくとも、就職や進学、ある意味、児童が施設を出て自立をしていくということを理由に出ていく、施設を卒業するのが三八%、四割の子供たちがいるということです。

 そういう中で、十八歳を過ぎても自立にサポートが必要な場合は、児童福祉法で二十まで施設にいることができるというふうになっておりますけれども、私が懸念をするのは、もし仮にこの二十という年齢の根拠が二十で成年になるからという根拠であるとするならば、今回の成年年齢の引下げが非常にこういった子供たちに不利益に働くのではないかという懸念です。

 この懸念を踏まえてお答えをいただきたいんですけれども、この二十までという数字の根拠は何ですか。

山本政府参考人 児童養護施設に入所できる年齢につきましては、児童福祉法において、原則十八歳としつつ、必要に応じて二十まで延長できることとされております。この二十というのは、成年年齢なども考慮されたと思われます。

 加えまして、入所措置が解除された方について、退所後も引き続き自立支援のために児童養護施設に居住できることとする予算事業を平成二十九年度から実施しております。その対象年齢につきましては、原則として一般的な大学卒業の年齢に当たる二十二年の年度末までとしておりますけれども、疾病等やむを得ない事情による休学等により二十二歳を超えて大学等に在学している場合は、卒業までの間を対象としているところでございます。

 これらの年齢要件については、今回の成年年齢見直しにおいても、対象となる方々の支援の必要性を考慮し、現行の要件を維持することとしております。

山尾委員 現時点ではこの答弁でしっかりと議事録に残していただき、ただ、成年年齢も考慮されたという点もあるというところにまだ懸念も持ちながら、これから先、また参考人の方では、こういった施設の現場を知る方にもいろいろと御知見あるいは御不安をいただいて、しっかりとこの委員会で払拭をする議論をしていきたいというふうに思っております。

 次に、消費者契約法についてです。

 この改正において、若年消費者保護の徹底が図られるということが、成年年齢の引下げの大前提となると思います。ですから、この契約法がせめて衆議院でどのような形で通過するかを見据えないと、なかなか、この成年年齢の引下げ自体に賛成、反対という判断自体が難しいということは最初に申し上げたいというふうに思います。

 この消費者契約法の改正案ですけれども、私どもとしては今修正を考えているところですが、三点御質問しようと思いましたけれども、時間の関係で、きょうは一点だけお伺いをしようと思います。

 事業者が契約の勧誘をするに際して、必要な情報提供をする努力義務というのがあるわけですけれども、その情報提供に当たって考慮すべき事柄が、この改正案では不足するのではないかという指摘です。

 改正案では、個々の消費者の知識及び経験というふうに列挙されていると伺っておりますが、私どもの考えは、ここに、当該消費者の生活そして財産、こういったものをあわせて規定すべきではないかということです。

 とりわけ、若年者にとって生活と財産というのはすごく大事であって、これをきちっと事業者側に考慮させることによって、必要がないのに買わせるとか、あるいは、学生でそんなお金に余裕がないのに大量のものをつかませるとか、そういう本当に若年者を食い物にするような不公正な経済活動というのをやはり抑止をする必要があるのではないかというふうに思いますが、この点、消費者庁、いかがですか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者契約法改正案につきましては、消費者委員会の答申を踏まえまして、事業者が消費者に情報を提供するに当たって、個々の消費者の理解を深めるために考慮すべき要素として、知識及び経験を挙げたものでございます。

 情報を提供するに際して考慮すべき要素としては、消費者の理解と結びつきが強く、本質的な要素である知識及び経験に着目することが適当である、こういう考えのもとで改正案を策定したものでございます。

山尾委員 私も、知識と経験という要件が不適切だと言っているんじゃないんですね。これはこれで必要だと思います。あわせて、さっき申し上げたような提案をしているということですので、これは引き続き、特別委員会の方でもしっかりと議論をしていただきたいと思います。

 時間もあと二分ですので、民事局長にお尋ねをいたします。

 先ほど、民法の成年年齢部会の最終報告書からもお話が出ました。今回、私の方では資料三でおつけをしております。

 改めて、この資料三、報告書の文案を見ていただきたいんですけれども、報告書がつけている条件というのは、消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現され、この効果が十分に発揮をされ、それが国民の意識としてあらわれた段階で速やかに行うと言っているんですね。この国民の意識を最も適切に判断できるのは国民の代表者から成る国会なので、国会の判断に委ねるのが相当だということをおっしゃっているんですね。

 こういった状況の中で、立法府の意思というか判断が一切ない状況で、このタイミングについて、平成三十四年四月というふうに内閣の方で決めたのはなぜなんでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 これまで、政府としましては、消費者被害の拡大を防止するための施策として、各種の施策に取り組んできたところでございます。

 例えば、学習指導要領の改訂によって消費者教育等が進められております。また、今国会には、先ほどお話がありました、消費者被害に対応するための取消権の創設等を内容とする消費者契約法の一部を改正する法律案も提出されているところでございます。また、若年者の自立を促すような施策といたしましては、例えば、キャリア教育などのキャリア形成に関する支援、あるいはスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の推進、相談窓口の充実といった施策が挙げられます。

 法務省といたしましては、こうした各種の施策によって、成年年齢の引下げの是非について国会に御判断いただく前提としての環境整備は実現されたものと考えまして、今回この法律案を提出させていただいたというところでございます。

 その上で、この施行日でございますけれども、この改正は国民生活に広く影響を及ぼすものでございますので、そういった改正内容あるいはこれに伴う具体的な影響などについて十分な周知を図る必要がございます。

 また、改正に向けた環境整備との関係では、改正法の成立後、その施行までの間、なお若者の自立を促し、消費者被害の拡大を防ぐための施策というものをやはり進めていくという必要があろうかと思います。

 こういったことを考えまして、少なくとも三年以上その期間を確保する必要があると考えたところでございまして、そういったことなども考慮して、施行日の方は平成三十四年の四月一日としたものでございます。

山尾委員 私の質問は、なぜ平成三十四年にしたかというよりも、国会の判断でその時期を決めろという報告書が出ているのに、どうして内閣本位で決めたんですか、その理由は何ですかという御質問だったんですね。

 改めて、引き続き、やはりこの国会の議論の中で、相当時間をかけた議論が必要だというふうに思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願いします。

 以上です。

平口委員長 次に、階猛君。

階委員 国民民主党の階猛です。

 成年年齢引下げの関係で個人的な経験を少し申し上げますと、私の子供、息子が二人いまして、上が二十二歳で、下が十八歳です。二十二歳の息子が大学生ぐらいのときに、ネットでチケットを買おうとしてだまされそうになったというのがありまして、結局、お金は戻ってこなかった。被害届は出したんだけれども、戻ってこなかった。私だったら多分そういうのに手は出さないだろうなと思うんですけれども、まだ未熟な判断力の中で、そういう被害にも遭ったりしている。

 もう一つは、下の息子なんかも、十八歳で、やはりまだまだ子供だなというのが、親の目から見ると思うわけですね。

 ということとか、あとは自分自身のことを振り返ってみても、特に私は地方から東京に出てきた人間ですから、十八歳、十九歳で初めて親元を出てひとり暮らしをする、いろいろな物入りで大きな買物などもするというときに、未成年者取消権があることによって安心感があるんじゃないかな、私自身はそういうトラブルに巻き込まれることはなかったんですけれども、親元を離れて東京に出てきて、キャッチセールスなんかも当時結構ありましたけれども、そういう被害に遭わないようにするためにも、やはり未成年者取消権は大事だったのかなというふうに思ったりしています。

 そんな経験を踏まえながら質問させていただきたいんですが、先ほど来、今回の成年年齢の引下げの理由などについて御質問が続いていますけれども、私が聞くところによると、もう十八歳は成熟しているからいいんだみたいな話というのはなかなか聞かれなかったような気がするんですね。選挙権年齢との平仄を合わせるとか、社会で活躍してもらいたいから、そんなことが印象に残っているんですけれども、大臣のお考えを改めて聞きたいんですが、この成年年齢の引下げの理由ないし目的というところで、心身の成熟度合いとか、こんなことが加味されての十八歳なのでしょうか、ちょっとお考えをお尋ねしたいんですが。

上川国務大臣 民法の成年年齢の引下げでありますが、民法の成年年齢を参政権に関する年齢と一致をさせる、そして、十八歳以上の者を一人前の大人として扱うことにより、若年者に責任ある主体として、社会のさまざまな分野において積極的な役割を果たしてもらうということ、このことにつきましては一つの大きな背景がございます。

 また、今日の十八歳、十九歳の経済活動の実態に合わせ、これらの者が単独で契約を締結することができるようにする前提としては、九八%を超える高校等の進学率、消費者教育や法教育あるいは金融経済教育等がさまざまなレベルで充実をされ、また、十八歳、十九歳の者がみずからの判断で契約を締結するのに必要な判断能力を備えるようになっているという実態があるものというふうに考えております。

 先ほど、階先生のお子さんのお話、また御自身のこともおっしゃったわけでありまして、いろいろな社会経験を積む中で、三十になっても四十になってもいろいろな判断の部分で間違いをしてしまうということもありますし、また社会が大きく変化する中でありますので、そういう意味では、的確な情報をしっかりと提供し、なおかつ、その方が一人の判断でしっかりと判断していただくことができるように、絶えずその支援のための施策については重要というふうに考えております。

 成年年齢の引下げのためにはいずれの観点というのも重要でありまして、そのどちらかを重視しているということにつきましては、どちらかということではなくいずれも重要であるというふうに考えております。

階委員 今の御答弁の中で、経済活動の実態というのが十八歳引下げの理由に挙げられていましたけれども、ちょっと総務省の方で調べてもらったんですけれども、十八歳、十九歳の就業率と二十歳、二十一歳の就業率、十八歳、十九歳では三五・六%、二十歳、二十一歳では五九・〇%、これは二〇一七年の数字です。明らかに、二十を超えるかどうかで大きな数字の違いが出ておりまして、二十歳、二十一歳からでも、経済活動の実態に照らせば、成人としていいんじゃないかなというふうに私は思います。

 それから、消費者教育が進んだから、もう十八歳でも十分な判断能力があるんだみたいなお話ですけれども、それは先ほどの質問でもありましたとおり、世論調査を見ると、まさにその部分がしっかりしないと成人年齢を引き下げるべきではないという、逆に反対の理由に挙げられているわけですね。ということを考えると、これも説得的な理由ではない。

 社会で活躍していただける環境を整えるということでいえば、やはり活躍してもらう前提として、心身の成熟度合いというのが重要ではないかと私は思っています。果たして、じゃ、十八歳、十九歳、心身が成熟しているのか、十分な判断能力があるのかということを考える上で、一つ、ファクトを私は確認したい。

 それで二つ目の質問ですけれども、未成年者の取消権、この行使件数の推移について、これはこの法案について審議する上で重要なファクトだと思うんですが、参考人の方から、それをどのように捉えているか教えてください。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 未成年者は、法定代理人の同意を得ずに行った契約を取り消すことができるわけですが、この取消権は、未成年者又はその親権者が契約の相手方に行使すれば足りるというものでございますので、実際にどれぐらい行使されたのかという統計データは政府としては保有しておりません。

 もっとも、全国の消費生活センター等に対する消費生活相談の件数については把握しているところでございますが、例えば平成二十九年度につきましては、全相談件数が約九十三万件であり、これは必ずしも契約の取消しにかかわるというものではございませんが、このうち契約当事者が十八歳、十九歳の相談件数は約八千件という状況でございます。

階委員 時系列的な推移というか、過去に比べてどうなのかということも教えていただけますか。

小野瀬政府参考人 失礼いたしました。

 先ほど相談件数約八千件と申し上げましたけれども、この件数ですが、この十年間でおおむね一万件前後を推移している、こういう状況でございます。

階委員 できれば、この未成年者取消権というのがどの程度行使されているのかというのが過去から推移がわかれば、より密度の濃い審議になるかと思うんですが、確かに裁判外で行使されるのも多々あるので、実態が把握しにくいというのはわかりました。ちょっと今の答弁なども後でデータなどもいただきながら検証してみたいと思います。

 それで、先ほど来、世論については、反対者に対して条件整備があれば賛成に回るみたいなことで、それを考えると賛成が多いんだみたいな話もありましたけれども、そこはちょっとまやかしではないかと思っています。

 きょうの資料にもありますとおり、三ページ目には、契約を一人ですることができる年齢の引下げについて、反対、どちらかといえば反対という方たちが合わせると八割ぐらいに上っているという中で、その反対だという人に対してどのような条件整備が必要かということが四ページ目にありますけれども、条件整備をすれば賛成ですみたいなふうに皆さん捉えられていますけれども、いや、もともと反対であって、それは今こういう条件整備がなされていないから反対だというふうにも捉えられるわけですね。

 今現在されていないような状況だから反対だということで、この世論というのは、まさに今、成年年齢引下げは拙速だという理由づけにもなると思うんですが、この世論調査の結果について、大臣の御見解を問いたいと思います。

上川国務大臣 世論調査の結果ということで御質問がございましたけれども、無条件で成年年齢の引下げに賛成する意見の割合が反対をする意見の割合を下回っているということは事実でございます。

 ただ、若者を一人前の者として扱い、社会参加の機会を与えるという大きな政策の流れ、特に、平成十九年に日本国憲法の改正手続に関する法律が制定された後に、公職選挙法の改正や、これに基づきまして選挙が実際に行われたことなどによりまして着実に積み重ねが行われているということで、国民の中には浸透してきたものというふうに考えております。

 選挙権年齢を十八歳に引き下げることについて、先ほど申し上げたところでもございますが、当初、世論調査におきまして、これに賛成する意見は少数でありましたけれども、その後、一貫して増加をしているわけでございまして、特に十八歳、十九歳の若者の中で、これを肯定的に評価する意見が、選挙年齢の引下げ後に実際に選挙が行われた後に大幅に上昇している、そうした事実もございます。

 成年年齢の引下げにつきましても、このような社会全体の中での大きな政策の流れの中に位置づけるということを考えると、この環境整備につきましては、これまでも精力的に取り組んできたところでありますが、今の消費者被害等の懸念事項、その他さまざまな課題、問題、こうしたことについて挙げての取組を更に推進していくということについては、これは引き続きの努力として取り組んでいく必要があると思いますが、国民の理解を得られるものというふうに考えているわけでございます。

階委員 あくまで希望的な観測にすぎないと思っていまして、実際やってみて混乱が生じたらどのように責任をとるかということで、やはり国民の世論というのは大事ではないか、もっと重要に受けとめるべきではないかというふうに思います。

 そしてもう一つ、民法の年齢のほかに少年法の年齢ということも、公職選挙法改正のときに、附則の第十一条について、検討を加えて、必要な法制上の措置をとるべしというふうになっていますね。それに基づいて、今、刑事法の関係の法制審でも議論がされているというふうに承知しています。

 法制審に行く前の議論の状況が、きょうの資料の一番最後、七ページに、法務省の中に設置された勉強会の取りまとめ報告書の概要というものをつけさせていただいております。

 この中で、十八歳未満に引き下げるべきであるという方、右側と、二十歳未満を維持すべきであるという左側の意見が鋭く対立していますね。私もちょっとこの問題については今のままの方がいいんじゃないかという立場なんですけれども、法務省の方では、何かこの十八歳か二十歳かという問題を棚上げにしたまま、まず法制審では十八歳に引き下げた場合の若年者に対する刑事政策的措置というところから議論を進めていっている。先に引下げを前提とした措置を議論を進めていって、何か外堀を埋めているような感もするわけですね。

 一方で、条文上も、私、この少年法の条文を見た場合に、二条一項に、少年とは二十歳に満たない者をいうという、極めて明確な条文があります。仮に、先に成年年齢を十八歳に引き下げたという場合には、今の二条一項、少年とは二十歳に満たない者をいう、これを仮に維持したとするならば、民法では十八歳を成年としつつ、少年法では十八歳を少年とする。一人の人間が成年であったり少年であったりする。これは変な話で、論理必然的に、もし成年年齢を引き下げると、この少年も十八歳になりかねないのではないか。

 私は危惧しているのは、やはり少年法の引下げというのは、そういうなし崩し的にやるものではなくて、本当に必要があるのかどうか、慎重に検討しなくちゃいけないと思うんですけれども、先にこの民法の話が進むことによってなし崩しになってしまう、それを危惧するんですね。

 まず、理論的な話として、論理必然的にこれは引下げになるんでしょうか。

辻政府参考人 少年法における少年の上限年齢についてでございますけれども、これにつきましては、刑事司法全般におきまして、成長過程にある若年者をどのように取り扱うか、また、その改善更生、再犯防止をどのように図っていくかという問題にかかわるものでございまして、民法の成年年齢が引き下げられた場合であっても、論理必然的に少年法における少年の上限年齢を引き下げなければならないということになるものではないというふうに考えてございます。

 いずれにしましても、ただいま御指摘いただいたとおり、少年法における少年の上限年齢を十八歳未満に引き下げること及び犯罪者に対する処遇を一層充実させるための刑事法の整備のあり方につきましては、法務大臣から法制審議会に諮問をいたしまして、現在、法制審議会において調査審議をいただいているところでございますので、民法の成年年齢との関係も含めまして、今後御議論を更に続けていただけるものと考えてございます。

階委員 もう一つ、なし崩しになる危険があるとすれば、少年法についての世論の動向なんですね。実は、成年年齢の方については、先ほど言ったように引下げに反対する方が多いという中で、少年法については逆に引下げに賛成する方が圧倒的に多いんですね。

 それはなぜかというと、世の中的には、少年犯罪の凶悪化が進んでいる、あるいは多発しているんじゃないかという理解があるようでして、それが背景になって世論の動向につながっているということのようなんですね。

 これについても、世論も必ずしも明確な、客観的なデータに基づいて凶悪化と認識しているわけでもないようなんですね。統計を見ますと、必ずしもそういう傾向はうかがえないということなので、私は、成年年齢を引き下げた後、もともとの世論であるとか、あるいは成年も引き下げられたんだからいいのではないかということで、国民が感情的に、ファクトとかを度外視して少年法適用年齢を引き下げるべしということで、これを維持するのが困難になるのではないかということも危惧しているんですけれども、この点についてはどのように捉えていらっしゃいますか。

辻政府参考人 先ほども申し上げたとおりでございまして、少年法における少年の上限年齢につきましては、現在、法制審議会におきまして、御指摘の成年年齢との関係も含めまして調査審議をしていただいているところでございますので、現時点において、法務省において、当局としてお答えすることはなかなか難しいということは御理解いただきたいと考えております。

 その上で一点申し上げますと、法務省で行いました、先ほど言及いただきました若年者に対する刑事法制の在り方に関する勉強会の取りまとめ報告書について申し上げますと、民法の成年年齢との関係におきましても、連動して引き下げるのが適当ではないかという意見と、必ずしも連動する必要はない、さまざまな御意見があったということを記載してございます。

 その中には、民法の成年年齢が十八歳に引き下げられた場合には、少年法における少年の上限年齢も十八歳未満に引き下げるべきであるという考え方の一つの理由といたしまして、例えばでございますが、犯罪被害者の方々あるいはその関係の方々から、公職選挙法の選挙権年齢や民法の成年年齢が変わるのであれば、責任ある行動がとれると国によって認定された十八歳、十九歳の者が重大な罪を犯した場合に、少年法が適用されて刑が減免されるというようなことは許されないのではないかという意見があったというようなことが挙げられているところではございます。

階委員 最後の方に被害者側の意見というのもありましたけれども、やはり民法の成年年齢の引下げが何らかの影響があるということも今の答弁で示されたと思います。

 こうした少年法改正論議等への影響も考慮して民法改正は慎重に進めるべきではないかということを大臣に申し上げたいんですが、この点について、最後、大臣の見解を伺いたいと思います。

上川国務大臣 民法の成年年齢の引下げにつきましては、社会経済生活上非常に大きな影響を及ぼす、そうした議論につながるものというふうに考えております。ゆえに、国会におきましても政治的な御議論を尽くしていくということが大変重要であるというふうに思っております。

 この少年法の件につきましては、特に、今刑事局長答弁のとおりでございまして、今、法制審議会において調査審議をしていただいているところでございます。

 さまざまな御意見があろうかと思いますが、しっかりとその問題につきましても審議をして、民法改正の問題とはまた別の観点からも、少年法の上限年齢の引下げにつきましても審議をしていただきたいというふうに思っております。

階委員 単に民法だけにとどまらない、広い波及効果があるということをぜひ御理解いただきたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

平口委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 国民民主党の柚木道義でございます。きょうもよろしくお願いいたします。

 通告しております法案審議通告の前に、一つ、これも通告させていただいておりますが、先に、きょう警察庁、文科省にお越しいただいているので、この項目を終わらせてから質問を法案審議の通告どおり参りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 皆さん御承知のように、資料の十三ページ目以降につけておりますが、新潟県、小学校二年生の殺害事件の件において、まさに前回も、広島の件での捜査手法のさまざまな反省、検証、見直し、提案をさせていただいたわけですが、この件、実は、小二というと私も同じ学年の子を持つ親でもございまして、本当にこの事件、まだ犯人が検挙、現段階で多分されていない。

 全国の登下校に重大な影響を及ぼしておることはもとより、もちろん、お亡くなりになってしまった大桃珠生ちゃんの御冥福と、そして一日も早い犯人検挙をお願いするということを大前提に、文科省、警察庁に具体的な再発防止のための取組を幾つか提案をさせていただきたいと思っています。

 十三ページ目の資料にはきのうの産経新聞の朝刊をつけておりますが、「「児童一人にしない」万全対策困難」という見出しなんですね。ポイントは、集団登下校、あるいは見守り隊、そしてまた防犯教育。今回の珠生ちゃんの場合は、珠生ちゃんも含めて、そういう防犯ブザーを鳴らすとかを含めたさまざまな教育も行われていたにもかかわらず防げなかったんですね。

 次のページにつけておりますが、子供の略取誘拐は全く減っておりません。昨年も年間七十二件、警察庁の分析でございまして、私の地元でも、最終的には保護されたんですが、小学校の女の子が誘拐をされて、本当に、連日報道もされて、まだその傷も癒えない、そういう地域の状況もあるわけでございます。

 順番からいうと、先に文科省の方に伺いますが、次のページ以降、これは東広島市の大変先進的な取組、東志和小学校というんですかね、次の十六ページ目に、通学路一人区間マップをもとにさまざまな対策を講じていて、すばらしい先進事例もあります。

 私もいろいろ調べると、ほかにも同様の、一人になった後に一人にさせないための取組。例えば埼玉県の深谷市なんかでも小学校においてそういう取組があるとか、もちろん、「いかのおすし」といって、行かない、乗らない、大声で叫ぶ、すぐに逃げる、知らせるなどのいろいろな防犯教育がされていてもなかなか実際には略取誘拐が減っていない中で、まず文科省に、このような先進事例を、ぜひ本当に、全国展開を、各自治体とも連携をして取り組んでいただきたいと思いますが、御答弁をお願い申し上げます。

下間政府参考人 まず、今回の痛ましい事件につきまして、亡くなられた女子児童に対して心から哀悼の意を表したいと存じます。

 お尋ねの登下校時の防犯対策につきましては、児童生徒等を極力一人にしないという観点から、安全な登下校方策の策定実施、児童生徒等の登下校を地域全体で見守る体制の整備が重要でございます。

 こうした観点から、全国の学校、地域、教育委員会におきまして、下校時刻に合わせた見守り活動、ボランティアのバトンリレーのように、担当区間を引き継いで見守る活動、それから、ただいま御紹介のありました、登下校時に児童が一人になる区間を示した通学路一人区間マップの策定とそれに基づいたパトロールなど、さまざまな取組がなされているところでございます。

 文部科学省といたしましては、児童生徒等が登下校時に犯罪被害に遭わないために、こうした事例を発信いたしますとともに、児童生徒等が危険を予測回避し安全な行動をとる力を育むための教材を作成いたしまして、毎年小学校の新一年生の全員に配付をいたしておりますし、学校における防犯教室の講師となる教職員を対象とした講習会の実施の支援、それから学校の危機管理マニュアル作成の手引等の参考資料の作成、配付、登下校時の児童生徒の見守り活動や警察、家庭、地域等の連携体制づくりに対する支援など、さまざま取り組んでいるところでございますが、御指摘のございました、事例の周知につきましても、引き続き、警察庁と関係省とも連携をしながら、登下校時の児童生徒の安全確保のための学校、地域、教育委員会における取組を促してまいりたいと存じます。

柚木委員 まさに、促していく中で、来年度以降も予算化もしっかり財務当局ともやっていただいて、関係省庁とも連携をして、ぜひ本当に、これはなかなか、横ばいなんですよね、こういう事案が。この実態も重く受けとめて、文科省におけるお取組をお願いします。

 連携をいただく警察庁においても、前のページにつけておきましたけれども、十四ページ目ですね。一番下のパラグラフを見ていただくと、今年度中に、市街地や郊外で子供や女性にとって犯罪リスクが高い場所を割り出して分析をして、防犯対策に生かす調査を実施する方針を示す、そして、モデル地区を抽出して、声がけやつきまといといった怖い目に遭った場所を調べて検証することで被害防止につなげるとしているということであります。

 詳細にきのうもちょっとやりとりさせていただいておりますので、ぜひ警察庁において、これは実際に、略取誘拐における件数、六十から百件の間で増減を繰り返して、はっきり言って、なかなか、施策の取組、成果は上がっていないわけですから、このモデル地区抽出のまず調査事業を、これはもう本当に、今五月ですけれども、この国会が終わるぐらいまでにはその事業をまず始めていただいて、そして、これは来年度以降本格実施ということに予算化されればなるのかもしれませんが、そのための調査事業をぜひ一日も早く始めていただいて、場合によっては、補正で前倒しで年度中にでも実際の事業を始めていただきたいんですよ。

 警察庁、ぜひ前向きな御答弁をお願いいたします。

小田部政府参考人 お答えいたします。

 警察におきましては、子供の犯罪被害の防止のために、学校や通学路における見守り活動等に加えまして、防犯教育、防犯環境の整備等の取組を推進しているところでございます。

 具体的には、学校や通学路の安全対策といたしまして、通学路や通学時間帯に重点を置いた制服警察官による見せる警戒活動のほか、退職した警察官等のスクールサポーターとしての学校への派遣、また、自治体、学校、防犯ボランティア団体等と連携した見守り活動等を実施しているところでございます。

 また、子供への防犯教育として、子供に身の危険を察知する能力を身につけさせるための防犯教室でありますとか地域安全マップづくり、また、子ども一一〇番の家の設置場所及び利用方法の周知等々を実施しているところでございます。

 さらに、自治体、自治会、事業者等と連携して、通学路等における街路灯や防犯カメラの設置促進等の防犯環境の整備も図っているところでございます。

 このほか、警察庁におきましては、議員御指摘のございました調査研究につきまして、今年度中の取りまとめを念頭に、子供や女性の防犯対策に関する調査を行うこととしております。

 今後とも、関係機関等と緊密に連携しながら、子供の犯罪被害を防止するための取組を一層推進してまいりたいと考えております。

柚木委員 今年度中の取りまとめを行うための調査事業を一日も早く行わないと、取りまとめに至らないわけですから。

 今はまだ犯人は検挙されていないんですよ。私の娘の小学校も含めて、全国の登下校の保護者、学校現場、見守り隊、地域、重大な影響を及ぼしているんですよ。来月にもやると何で言えないんですか。実際、そういう準備をしているんでしょう。今年度中に取りまとめを行う、そのための調査事業を来月にも行う、それぐらいのことはここで答弁して、学校現場、保護者、子供たちを安心させてくださいよ。よろしくお願いします。

小田部政府参考人 お尋ねの調査研究につきましては、昨今の子供や女性を対象とした犯罪被害等の状況を踏まえまして、実施を予定しているところでございますが、内容につきましては、過去に発生した子供や女性を対象とした犯罪等についての実地調査、また、子供や女性へのアンケート調査等を通じまして、場所に着目した犯罪リスクに関する分析を行うこととしておりまして、今年度中に取りまとめを行って、今後の対策に生かしていきたいと考えているところでございます。

 ただ、実地調査、アンケート調査等の実施でありますとか調査研究の分析にはやはり所要の期間を必要とすることから、調査の前倒しは困難でございますけれども、しっかりとした調査を実施してまいりたいと思っております。

柚木委員 ちょっと国民の皆さんはよくわからないと思いますので、今の答弁を解説すると、要は、早ければ来月にもその調査事業をスタートするんですよ。それを踏まえて、来年度には本格実施につなげる。

 そのための分析に時間がかかるから、実際の前倒しというのは困難だけれども、その本格実施のための調査事業自体、これは早ければ六月にもやると言っていたじゃないですか。そういう理解で私はいますよ。それを一言だけ、それで理解は間違っていませんね、答弁ください。

小田部政府参考人 可能な限り早期に実施してまいりたいと思っております。

柚木委員 早期というのは六月というふうに聞いていますので。

 本当に、全国の子供たち、親御さん、重大な、心身ともに影響、物理的な生活も影響を及ぼしていますから、そういう取組を一日も早く行う、六月で行うということでありますから、そして、その検証を踏まえて全国実施していく。

 先ほどの文科省との連携も含めて、集団登下校、見守り隊、あるいは防犯教育、その先進事例の全国展開、そして、まさに一人区間、こういった部分をなくすためのさまざまな危険なエリア、これは小学校の女の子にかかわらずいろんな被害がありますから、それを行っていくという警察庁の答弁ですから、ぜひそこをしっかりお願いして、法案質疑に入りたいと思います。

 ありがとうございました。退室いただいて結構です。

 法案審議に入ります。

 資料の最初のページ以降、皆さんごらんください。

 十八歳成年の民法改正、それぞれ議論されておりますが、これは本当にさまざまな影響が起こるということで、私も非常に懸念する部分が多々ございます。二ページ目、三ページ目以降、民法改正に対する消費者被害拡大の懸念、そして次のページ以降も、若者を狙う悪質商法懸念、親の同意が不要で判断力も問われるというようなことで、さまざまございます。

 これは消費者契約法との絡み、きょうも質疑をされておりますが、私も、消費者特でも、実はきょう以降、本会議から審議がスタートしていくんですが、消費者契約法改正案との矛盾というものが指摘をされていて、例えば、つけ込み型勧誘による消費者契約を取消しできる例、これは、社会生活上での経験が乏しいことを理由として取消しできるなどの改正案が本日の本会議から審議入りするということでございますが、民法改正案では、これとは逆に、十八歳を成人として、契約行為をみずからできるようにするという、ちょっと立法趣旨とは逆行をそれぞれしているような流れがあります。

 そこで、野党提出予定の修正案では、民法改正案と消費者契約法のはざまでそういうギャップが生ずることを防ぐために、消費者の年齢、生活状況、財産状況を考慮すること、そして、社会生活経験が乏しくなくても、これは高齢者のオレオレ詐欺とかもそうですけれども、つけ込み型勧誘による消費者契約を取消しできること、そして、検討事項として、つけ込み型勧誘などについて検討措置を設けているわけでございまして、こういった修正案などの指摘も踏まえて、これは、ちょっと消費者庁に聞いた上で、法務大臣に伺います。

 消費者庁としても、この民法の改正案の審議をしっかりと横目で見ながら、そして、ある意味では、この民法の改正案の法案審議が、よりさまざまな論点、懸念の解消に資するような形で、まさに与野党のさまざまな議論も踏まえて、御対応をお願いしたいと思いますが、答弁の方をお願いいたします。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者庁といたしましては、消費者契約法改正案につきまして、しっかりと御審議に対応して、御理解をいただくように進めてまいろうと考えております。よろしくお願いいたします。

柚木委員 具体的内容は、立場からなかなか言えないのはわかりますので、今私が申し上げたことを踏まえてというふうに今御答弁いただいたと思いますので、ぜひその点をお願いいたします。

 それで、法務大臣も、きょう、五ページ目、六ページ目に、日弁連からの民法改正案に関するさまざまな論点。その中に、資料六ページ目を見ていただくと、疑問四のところにも、消費者契約法の改正との関連を書かせていただいております。消費者契約法の改正案では不十分、いや、むしろ、民法が改正されるとそのリスクがふえかねない、そして、そのふえるリスクに対する対応が不十分。

 ですから、これは、お互い、若年青年のさまざまな犯罪リスクを軽減するための取組なくしては、立法趣旨にもかなわないということになりかねませんので、その観点からも、ぜひ、消費者契約法改正案あるいは修正案の審議等の状況も踏まえて、法務大臣におかれましても、この民法改正案のまさに審議やあるいはその後の対応、運用についても御留意いただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。

上川国務大臣 今国会に提出されております消費者契約法の一部を改正する法律案につきましては、社会生活上の経験不足に着目をいたしまして、不安をあおる告知等に係る取消権を追加するものでございます。ゆえに、これまで未成年者であった年齢層以外の者も含めて、消費者被害の防止のための制度的な対応を行うものであるというふうに承知をしております。

 本法律案は民法の成年年齢を十八歳に引き下げるものでございますが、これは、十八歳、十九歳の者がした契約等の法律行為全般につきまして、その年齢のみを理由として一律に取消権を付与することはしないという、こうした政策判断に基づくものでございます。

 したがいまして、若年者が被害に遭いやすい特定の行為類型、具体的には、社会生活上の経験が不足する消費者に対する不安をあおる告知等の行為によりまして若年者が被害を受けることを防止するということにつきましては、先ほどの政策判断と矛盾をするものではないというふうに考えております。

 むしろ、今般の消費者契約法の改正は、若年者を中心に発生する悪質な消費者被害事案への対応を図るものでございますし、消費者教育の充実等と相まって、消費者被害の発生、拡大を防止する方策の一つとなるものでございます。成年年齢の引下げのための環境整備となり得るものであると考えております。

柚木委員 おっしゃりたいことはわかるんですけれども、九ページ目以降の資料をごらんください。そんなに甘くないですよ、実情は。

 消費者センターへの相談件数を見ていただくと、十八歳、十九歳の相談件数と二十から二十二の平均値、一・五倍ぐらい多い部分が、今後、次、こういう内訳ですよ。十八歳、十九歳、男女ともに、いわゆる風俗関係のサービスにかかわるさまざまな相談事案、そして、それが下の二十から二十二にいくと、この後伺いますが、フリーローンやサラ金、男性ですね。女性はさまざまな美容関係、これは逆に、上の男性のさまざまなローンとかの関係とも絡んできます。そういったものが十八歳、十九歳の方々が被害が拡大されるのではないかという懸念。

 資料の六ページ目にも日弁連の問題点をつけています。これまでは防波堤の中にいた十八歳、十九歳の若者がいきなり丸腰で外に出されるようなことになりかねない。実際の消費者相談件数、これを前後で比較すると、マルチ商法の相談は十二・三倍です。十八歳、十九歳と二十から二十二歳を比べて。ローン、サラ金の相談は十一・三倍ですよ。この状況が十八歳、十九歳にもおりてくる。

 その次のページ以降をごらんください。インターネット調査ですよ。

 これも、きょうは実は時間がどこまであるかわかりませんけれども、内閣府にアダルトビデオの出演強制の問題についても触れさせていただいておりまして、もう最後、まとめて答えていただきますが、実際、九人に一人、そういう勧誘をされて、実際に応じた方々が半数、被害相談したのが六割、もちろんこれはアダルトビデオ出演強制だけということではなくて、さまざまな、そういうことも含めて、相談がこれだけ来ている。SNS自体が、要は、そういった犯罪のツールと化している。こういう実態もあって、今大臣が述べられたような施策も全部聞いていますけれども、到底追いつくような状況ではないんです。

 したがって、まず、クレジットカード、ローンに対するさまざまな取組、本当に経産省、金融庁も、割賦販売法あるいは貸金業者に対するさまざまな規制で対応していますけれども、今の大臣が言われるだけの対策では不十分でございますから、具体的な対策をまず法務大臣に伺って、きょう、せっかく内閣府にも来ていただいていますから、こういった性風俗犯罪に対する対応、十八歳が成人であることを理由としてAV出演契約の無効取消しはできない、AV撮影業者がこういう主張をするおそれがあるわけですから、具体的な対策をそれぞれまとめて答弁をお願いいたします。

 大臣からお願いいたします。

上川国務大臣 今委員御指摘のとおりでございまして、クレジットカード契約、また、消費者ローン契約につきましては、過剰な貸付けや過剰な与信を防止し、若年者が多重債務に陥ることを防止するということは非常に重要であるというふうに思っております。

 貸金業法や割賦販売法上の制度的な対応に加えまして、業界団体による自主的な取組、あるいは啓発活動等が行われているところでございます。

 政府といたしましても、若年者が過大な債務を負うような事態が生じないような制度的な対応に加えまして、関係団体、業界団体としっかりと連携をしながら、自主的な取組の状況も把握しながら、これを推進していく必要があるというふうに思っております。

 今後とも、成年年齢引下げを見据えました環境整備に関する関係府省庁連絡会議におきまして、若年者の与信審査に関する取組につきましても、進捗管理を実質的に図ってまいりたいというふうに思っております。

柚木委員 ありがとうございます。

 内閣府、せっかく来ていただいているので。

渡邉政府参考人 今回の成年年齢の引下げによりまして、十八歳、十九歳の若い女性に対する被害が拡大しないように、さまざまな周知活動をしていきたいと思っております。

 環境が変わります四月を被害防止月間と位置づけて、一大キャンペーンを広げましたし、また、相談窓口の体制づくりなどを進めてまいります。

 また、出演契約に関連して、違約金の支払い義務について、請求が棄却された、そういう地裁の裁判例もございますので、こういったこともあわせて、何とか被害に遭わないような取組、周知を進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

柚木委員 終わります。

 ぜひ、こういうAV出演強要のようなことも含めてさまざまな影響が実際想定されますから、審議を通じて十分な対策をお願いして、質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

平口委員長 次に、黒岩宇洋君。

黒岩委員 無所属の会の黒岩宇洋でございます。

 冒頭、大臣にちょっと申し上げておきたいんですけれども、せんだっての一般質疑で、私、再犯防止の件で議論したんですけれども、特に最終盤において、法務省とのやりとりで、再犯者数を減らすということ自体は第四のゲートですよと私あえて申し上げました。

 そのときに法務省は、要は、その先の、第五ゲートと言ってもいいですしゴールと言ってもいいんですけれども、犯罪者数全体を減らすことに意義があるんだから、再犯者数が減少するかどうか自体がある意味大きな命題ではないような、そういう答弁だったので、私はあえてこう言ったわけですよね。その第四ゲートについては、これは再犯防止について矯正局、保護局は関与できるんだから、しっかりと矯正、保護行政の中で再犯者数を減らすことに取り組んでくださいと。

 この後が付言なんですけれども、これは裏を返せば、その第五ゲート、いわゆる犯罪者を減らす、防犯と言ってもいいんですけれども、これは一義的に、実質的には警察の領域なんですよね。だから、逆に言うと、法務省が直接的にはそれほど関与できない分野なんですよ。だから、警察庁の職責、このフィールドで防犯を行うわけですから、この部分については任せて、逆に言うと、第四ゲートまでの一義的な責任を法務省、特に、刑事局も入れて刑事、矯正、保護の刑事三局が担うわけですから、ここにしっかりと力を入れてほしいという趣旨なんですね。

 だから、他領域のゴールがよかったからといって、第四ゲートまでのことはある意味そこに重点を置かなくてもみたいなことはやめていただきたい。

 その心は、もとに戻りますけれども、矯正、保護というのは、正直言って、社会的にも多くの国民からもなかなかわかりづらいところであって、言葉は悪いけれども、地味な存在ですよ。法務省内においても、やはり刑事局は花形ですよ。でも、それに比べて、矯正、保護というのは地道に頑張っている。加えて、保護局の保護司制度まで含めれば、私は、更生のプログラムを担っているこの法務行政、特に矯正、保護というのは世界に冠たるシステム、制度であるし、機能性が高いと思っているので、私はあえて上川大臣に、この矯正、保護の皆さんに対して、今までの頑張りに対してたたえていただきたいですし、また、今後、機能性を高めるために督励をしていただきたい、このことを冒頭お願いさせていただきます。

 さて、民法改正に入ります。

 これは、条文、法的に言えば、成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げる、加えて婚姻年齢を女子を十六歳から十八歳に上げるという非常にシンプルなものですので、きょうは消費者庁が来ているので、消費者契約法はかなり条文改正事項が多いですから、これは逐条審査もしますし、私は消費者特でもあるので文言審査もみっちりやりますけれども、ただ、民法においては、今申し上げたように条文はシンプルですから、むしろ、国民の意識や社会的、経済的情勢の変化等を非常に重要視しながら、これはあえて事務方ではなく基本的には法務大臣と議論を、質疑をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、最初にお聞きしますけれども、この成年年齢引下げに関してさまざまな意見がございます。特にまた専門家からの指摘もあるんですけれども、精神医学の世界では、若者が成熟する年齢は三十歳であるとか三十五歳から四十歳くらい、こういう意見もあるわけですよ。

 そこで、上川大臣にお聞きしたいのは、大臣の認識、見解として、現在の十八歳、十九歳の若者の精神的また社会的な成熟度をどのように考えているんでしょうか。この未成熟であるとする意見に対してどのような所見をお持ちなのか、冒頭お聞きをさせていただきます。

上川国務大臣 民法の改正の、大変シンプルな改正事項ではございますが、そこに含められます影響につきましては大変大きなものがあるという意味で、いろいろな角度からの議論というのが大変重要であるというふうに思っております。

 先生からの、今、精神医学的な観点からという御指摘がございましたけれども、十八歳、十九歳の若年者、この精神的な成熟度はいかにということにつきましては、これは定量的にはかるものでは必ずしもございません。

 しかし、その意味では、一概に、その年齢は成熟度が高い低いということを言い切るということについてはなかなか難しいところではございますが、全体的な傾向として、社会に対してのかかわり方ということにつきまして、モラトリアムと言ってもよろしいのでしょうか、そうした傾向が強くなっている、またこうした御指摘があるということも感じているところでございます。

 この点について、若い世代の、この先、日本をしょって立つ世代の皆様のさまざまな形での社会参画を促していくためにも、さまざまな環境整備を整えながら、一人一人の自立した巣立ちということを支えていく必要があるというふうに思っております。

黒岩委員 そうですね、定量的には判断し切れないこともわかります。ある意味、一人一人の主観によって違うということもわかります。

 ただ、今、大臣の御見解ですと、ストレートに、成熟度が上がっているのか、精神的、社会的に達しているのかとか、若い世代が、成年年齢が十八歳なら十八歳で引き下がるときに、その年齢に合致しているのかというお答えは、正直、明確には示されなかったと思います。それは、今言ったことで、定量的、また主観的な要素がありますので、いたし方ないことかとは思うんですけれども。

 ただ、さはさりながら、役所としても、これは成年年齢ではありませんけれども、若者と言ったときに、では、どういった年齢層を想定しているか、こういったことも私は大きな判断材料になると思います。そして、こういった見解や判断というものが時代とともに物すごく移ってきているということを私は指摘します。

 きょう、内閣府に来ていただいています。質問の順番だと十一番ぐらいですけれども、あえて聞きますよ。

 平成二十七年に内閣府が、自立困難を抱える若年者、ニートや引きこもり等の若年者の現況について、若者の生活に関する調査というものを行っていますね。この若年者ですよ。

 では、この若者とは何歳から何歳までの方を対象にしたのか、教えてください。

福田政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘の調査におきましては、十五歳から三十九歳までの方を対象に調査を実施してございます。

黒岩委員 大臣、率直にどう思われましたか。行政府の調査で、若者の定義が十五歳から三十九歳という対象年齢でした。

 私は、これを内閣府に聞いたときに、十五歳からと来たときに、次は二十五歳かな、二十九歳かなと頭で予想したら、三十九歳といって、正直、椅子から滑り落ちそうになったんですよ、おおっと。ただ、逆に考え直して、いや、今の時代、そうかもね、三十代ぐらいはまだまだ若者かもねと。この行政府が示している認識というのはすごく重要ですよ。

 ちょっと余談めきますけれども、どのくらい社会が変わってきているのかというと、私、大学一年生、十八歳のときに久米宏さんのニュースステーションが始まりまして、そのときに街角インタビューをやっていたのをよく覚えているんですよ。こういうインタビューでした。今は余り使われなくなりましたけれども、中年とは何歳からですかと。圧倒的に多かったのが三十五歳からでした。当時十八歳の私からすれば、至極当然だなと思って見ていました。

 ちなみに、老人、あのころは高齢者というよりは老人という言葉を使っていて、老人は何歳からですかと。これも圧倒的に多かったのが六十歳でしたよ。でも、今、特に六十歳代なんて、仕事もしているし、本当に健康ですし、それを老人という認識は、あれから三十数年たって、かなり変わっていると思いますね。

 今申し上げたとおり、中年なんて言葉はもうないし、今、六十歳で老人って、大臣は私は幾つか知りませんし、女性に年齢は聞きませんけれども、やはり言われた側だって、違うだろうと思っていますよ。三十五だって、では中年か、今そういう認識もなくなっている。

 ちなみに、ちなみにまで言いますけれども、大臣、これ覚えていますかね。昭和四十七年に「太陽にほえろ!」というテレビドラマが始まって、そのときに石原裕次郎さんが七曲署の課長さんをやっていたんですね。大きなカフスボタンをつけて、貫禄がすごかったですよ。あのときにお幾つか御存じですか。答弁は求めません。三十七歳ですよ。昭和四十年代、三十七歳であの貫禄を出して、多分、御自身もそういう自覚もあった。

 私は、やはりこの成人年齢、成年年齢というもの自体も含めて、社会的な背景というものは、徐々に徐々に、よくも悪くも移ろってきている。進んできている。そこに私は法的なものは合わせていくべきだと思います。国民の意識も、今言った社会情勢や社会的な認識に合わせていかなければいけないと思っています。これが私のまず大きな問題提起として、この後各論に、といってもこれは総論で終わるな、徐々に入っていきたいんですけれども。

 そこで、先ほど、十八歳、十九歳の若者の精神的、社会的な成熟度というのは、これはある意味、社会的に見た観点でいかがですかとお聞きしましたけれども、今度は、十八歳、十九歳の若者の主観的な見方として、こういう見方があります。そのほか、十八歳、十九歳に限らないけれども。

 要は、成年年齢、今二十ですけれども、その成年年齢と、実際に御自身、ないしは自分の子供たちでもいいんですけれども、精神的な成熟年齢が今はもう乖離しているのではないか。だから、若年者が法律上の成年年齢を迎えても、すなわち二十になっても、では、逆に二十になったよと言われても、どうせ二十になったからといって、自分は大人になれていないやと。

 前は、二十になったら大人だよ、法的にも大人だよと言われて、成年だよと言われて、自分も、二十になったら、ああ大人なんだという、ここに乖離が少なかったと思うんですね。でも、今はその乖離が広がっているという御意見を私はたくさんいただいている。

 これが、逆にまた成年年齢が十八歳ということになれば、更にその乖離が広がって、多分、高校三年生、十八歳で大人ですよと言われても全然自覚がないとなれば、ああ、成年年齢に達しても、成人になっても大人じゃないんだ、こういう感覚だとすると、成年の有する意義自体が失われていくんじゃないかと私自身も懸念しておりますし、そういった懸念の声も上がっております。

 この点について、大臣も、そうじゃないならそうじゃない、それについてはこういう対策だ、こういった総論的な御所見を、御見解をお聞かせください。

上川国務大臣 先ほど、御質問の初めのところで、内閣府の調査につきましての対象年齢について、十五歳から三十九歳ですか、こういう幅の広さということに驚かれたというお話がございました。

 この年齢の区分というのは、確かに、法的な年齢と、そして社会的、あるいは意識の面での年齢というのに、必ずしも絶対的な関係ではなくて相対的な関係にあるなということは常々私も問題を共有しているところでございます。

 社会全体も年齢が、かつては四十代が平均年齢の時代から今は八十五とか八十七とかという時代に変わってきておりますので、社会全体の構成員の中で自分がどこの層に占めるのか、そういう全体の、ある意味では、人口構成の全体像が非常に広がっているという意味で、今、百年時代と言われているわけであります。百歳の人から見れば三十代も若者というふうに思われるでありましょうし、また、若者の方も、百歳の方を見て自分自身はまだ若いという意識を持って社会の中が動いていくものと思います。

 その意味では、社会全体の潮流がどのようになっていくのか、つまり、国のあり方そのものとも非常にかかわるという意味で、この年齢について、法的な制度をしっかりとしていくということについては大いなる議論をしていくべきであるし、また同時に、青年とかあるいは若年と言われている方たちも、自分自身の今の立ち位置ということについてもしっかりとした自覚と意識を持って取り組んでいく必要があるなというふうに思います。

 学びの現場につきましても、途上国の事例を挙げるわけではございませんが、教育を受けることができない多くの子供たちがいるということを相対的に考えてみると、日本の中でしっかりとした学び、教育をしていくことができる、こうした環境が整えられているということについてみずから問うてみる、こういったことも大事ではないかと思うわけでありますので、私たちの物の考え方が、社会全体が非常に、年齢層も、いろいろな経済社会的なあり方も変わり、また、世界的な動きについても、これからは、国内のみならず、世界の中で一人一人がしっかりと立ち位置を持って取り組んで生きていく、こういうことも必要な時代に入っております。

 私の小さなころは、そういったことはもう全く想像ができないくらい、憧れ的なところはありましたが、海外に行ってなんということについてはほとんど考えることができないような状況でもございましたので、そういう意味では、いろいろな視点からこの問題についてしっかりと考え、また、法的なものにつきましても、今回の民法改正についての議論についても大切に議論していきたいというふうに思っております。

黒岩委員 最後に申し上げると、私は大臣とは今の点については意識は共有できたと思っています。社会的、経済的な背景、また国民の意識がある程度の移ろいがある中で、やはり法改正もここに整合性を持たせていかなければならない、この視点は同じく持てましたから、これからも議論していきたいと思います。

 付言すると、私は今回、十五分の質問です。火曜日で私ども無所属の会が十人になって、第五会派としての時間なんですね。その後、十二人になって第四会派に水曜日の時点で上がりまして、木曜日の時点で十三人になって、今、第三会派になりましたので、次回以降は、野党第三会派としての質問時間で、みっちりやらせていただきますので、このことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

平口委員長 次に、藤野保史君。

藤野委員 日本共産党の藤野保史です。

 本法案は、一八七六年の太政官布告以来、約百四十年維持されてきた二十歳という成年年齢を十八歳に引き下げるものであります。成年年齢をどうするかというのは、若者のみならず、日本社会のありように深くかかわる大問題だと思います。

 大臣にまずお聞きしたいんですが、本法案やあるいは消費者契約法のみならず、成年年齢にかかわる法律というのは数百本に達すると。必要な施策や担当する省庁も多岐にわたります。つまり、この成年年齢引下げというのは、国民一人一人の人生、そして日本社会の未来にもかかわってくる。

 そこで、やはり、そもそも成年年齢とは何なのかとか、それを引き下げることの影響について、国民的な議論や理解あるいは納得というのが必要だと思うんですが、大臣はいかがお考えでしょうか。

上川国務大臣 委員御指摘のとおり、民法の成年年齢の引下げにつきましては、明治九年、太政官布告におきまして二十歳、二十と定められたところから数えますと約百四十年、この百四十年ぶりの改正になるわけでございます。

 また、御指摘のとおり、民法が成年年齢としております年齢、二十歳、二十につきましては、民法以外の多数の法令におきまして各種の基準年齢とされているところでございます。国民生活に大きな影響を及ぼすものであるということでございますので、その意味でも、引下げに当たりましてはさまざまな議論、国民的な議論が必要であるものと認識をしております。

藤野委員 この間も法制審などで議論されてはおります。

 そこで、法務省にお聞きしたいんですが、この成年年齢の引下げについて議論した二〇〇九年の法制審の最終報告、この最終報告は、法整備に関してどのようなことが必要だと言っているでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘の法制審の意見書でございますけれども、成年年齢の引下げに伴いましては、未成年取消権がなくなるということで、消費者被害の拡大のおそれがあるのではないか、また、自立が困難な若者たちがいる、そういう問題を抱えた若者たちについて、より自立を促す施策が必要ではないか、そういったような環境整備、こういったものが必要だというような御指摘をいただいているところでございます。

藤野委員 もうちょっと正確に、文言に沿って言っていただきたいんですが、今おっしゃられた施策と、ほかに、その施策の効果が十分に発揮されること、そしてその効果が国民の意識としてあらわれること、こうしたことも求められているんじゃないですか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘いただきましたとおり、このような自立を促すような施策、あるいは被害者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現されることが必要である、このようにした上で、さらに、民法の成年年齢の引下げの法整備は、これらの施策の効果が十分に発揮され、それが国民の意識としてあらわれた段階において速やかに行うのが相当である、このようにされているところでございます。

藤野委員 今答弁いただいたとおりであります。

 つまり、まず若者の自立を促すような施策、消費者被害の拡大のおそれを解決する施策が実現すること、そしてその施策の効果が十分に発揮されること、効果が発揮される、そしてその効果が国民の意識としてあらわれることを法整備の前提として求めているということであります。

 法務大臣にお聞きしたいんですが、これは法制審の指摘ということで大変重いというふうに思うんですが、民法を先に改正して、つまり成年年齢を引き下げてから、その後慌てて何か施策をやったりその効果を検証するという順番ではなくて、やはり、こうしたことをやって、それが最終的に国民の意識としてあらわれてからやるべきだ、こういう順番だ、大臣もそういう認識でよろしいですか。

上川国務大臣 今御指摘の、さまざまな世論調査等のこともございますけれども、成年年齢の引下げが議論されていることを聞いたことがないとか、あるいは議論の存在を聞いたことがあるが内容は知らないといった回答が、これは平成二十五年の時点ということでありますが、七五%前後となっていたところでございます。

 成年年齢の引下げに関する議論につきましては、これに向けた環境整備の施策の充実、さらに、その周知の徹底ということが十分行われるということを前提に今までも取組を鋭意進めてきたところでありますが、周知がまだまだ十分でないという原因があろうかというふうに思うところでございます。

 成年年齢の引下げに反対する意見も過半数を占めているということでございますが、その理由として、経済的に自立していない人が多い、あるいは大人としての自覚を持つと思えないから等が多かったものというふうに思っております。

 したがいまして、一定の環境が整備されれば成年年齢の引下げを容認するという意見の方が相当程度含まれていたということも、こうした調査からもうかがわれるのではないかというふうに思っております。

 消費者被害の拡大防止、さまざまな懸念、不安、こうしたことにつきまして、環境整備の施策につきましてはさまざまな取組を更に進めて、その周知に努めてまいることによりまして、国民の理解、それに対しての十分な理解が図られるように更に努めてまいりたいと思っております。

藤野委員 いや、法制審の立場は違うと思うんです。これは重大な問題ですから、まさに一人一人の人生を左右することにもなりますし、もし被害を今よりも若い世代で、年代で受けてしまったら、立ち直りの打撃というのは、財産的だけでなく、精神的にも大変な重荷になるわけですね。そのことが、翻って日本社会全体にもかかわってくる。だから、こういう施策を実現するし、効果を検証するし、発揮するし、それが意識にも反映する、こういうことを法制審は求めていると思うんです。

 日弁連の言い方で言うと、これは三つのハードルと言っているんですが、ハードルというのは越えてからゴールすべきものであって、ゴールしてから後からやるというのではやはりだめだというふうに思います。

 世論調査というのも、施策の効果が世論にあらわれているかという文脈で法制審は位置づけているわけで、やはりそうした、これから何か変わっていくということではなくて、変わったことを確認して法整備をすべきだということだというふうに思います。

 ですから、今までの答弁ですと、この百四十年ぶりの民法改正ということのインパクトといいますか重みというもの、これを本当に踏まえているのか疑問を持たざるを得ないというふうに思います。

 具体例でちょっと聞いていきたいんですが、先ほども幾つか出ましたが、例えば若者の自立に向けた施策という場合に、教育の問題が出されておりました。

 消費者庁は、若年者向けの消費者教育として「社会への扉」という冊子をつくっていらっしゃいますが、消費者庁にお聞きしますが、この冊子を使った授業はどの県でやられているんでしょうか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 成年年齢の引下げに向けた環境整備として、若年者の消費者被害を防止するための実践的な消費者教育の推進が特に重要と認識しておりまして……(藤野委員「どの県で」と呼ぶ)徳島県で現在行っております。

藤野委員 つまり、消費者庁が置かれている徳島県だけで行われているわけで、中身は非常に、冊子も拝見しましたけれども、一般的な学習指導要領に更に消費者教育を落とし込んでいる中身だとは認識しております。しかし、まだ始まったばかりなんですね。これの効果も検証されていない、これからだと。そういう段階だということなんですね。

 もう一つお聞きしたいのが、消費者庁さんがやられている事業といいますか研究として、若者の消費者被害はなぜ起きるかという場合の要因の一つとして、合理的な判断ができない状態に陥る心理的要因というのを挙げられている、この心理的要因を研究しようじゃないかという検討会が始まっているとお聞きしているんですが、これは今、どういう検証を経て、今後、報告書はいつごろ出される予定なんでしょうか。

福岡政府参考人 お答え申します。

 御指摘の検討会でございますが、消費者庁においては、従来、必ずしも十分な分析を行ってきていなかった心理的要因に特に着目した調査、分析を行う基礎的研究だと認識しておりまして、若者が消費者被害に遭うかについて消費者の心理面から検討するものでございます。

 その検討でございますが、まさに検討中でございまして、その検討を進めて、その結果を本年夏を目途に公表してまいりたいというふうに考えてございます。(藤野委員「いつごろ、報告書」と呼ぶ)本年夏を目途に。

藤野委員 今御答弁いただいたように、これは従来不十分だった分野なんですね。

 若者というのが、やはり社会経験等の関係でなかなか合理的判断ができない、それにつけ込んで契約を押しつけていくということが言われていたんだけれども、なぜ合理的判断ができないのかという一つとして、心理的要因というのにスポットライトを当てている。これはこれで非常に重要なことだと認識をしております。

 ただ、これも、今おっしゃられたように、始まったばかりと。二十九年度から検討会が始まって、ことしの夏をめどにまとめるということなんですね。ですから、それがまとまって、それが施策に落とし込まれていくのは更にその後ということになっていくわけで、まさに十八歳、若者が消費者被害に遭う要因の一つとしての心理的要因の分析がまだ始まったばかり、これから、まだまとめの段階にも至っていないという状況だということなんですね。

 文科省にお聞きしたいんですけれども、文科省は文科省として、この間、消費者教育というのを学習指導要領には盛り込んできていると思います。こうした消費者教育の効果についてはどのように認識されているんでしょうか。

下間政府参考人 お答え申し上げます。

 文部科学省におきましては、平成十六年に制定された消費者基本法や平成十七年に決定された消費者基本計画を踏まえまして、平成二十、二十一年度の現行の学習指導要領の改訂の際に、消費者教育に関する内容を充実いたしました。

 御指摘のとおり、その内容といたしまして、小学校の社会科や家庭科におきまして、地域の社会生活を営む上で大切な法や決まりについて扱うこと、物や金銭の大切さに気づき、計画的な使い方を考えること……(藤野委員「効果。中身はいいです」と呼ぶ)失礼いたしました。

 こうしたことなどを指導しているところでございますけれども、こうした学習指導要領の充実によりまして、教科書における消費者教育に関する記述内容や教材等の充実もなされておりまして、学校における消費者教育が一定の進展が図られているものと考えてございます。

 そうした中で、消費者教育の効果について定量的な検証等ということは行ってございませんけれども、法務省や消費者庁を始め関係府省と連携協力しながら、学校における消費者教育の一層の推進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

藤野委員 文科省からは、消費者教育にかかわる学習指導要領もわざわざ抜き出していただきまして、私も読ませていただきました。そういった意味で、意思決定の問題やそこら辺に配慮して学習指導要領に書かれているということは私も大事なことだというふうに思っているんです。それが一定の期間やられてきているということであります。しかし、問題は、その効果について把握していないという今の答弁でありました。

 これは文科省がやるべきことかどうかというのは議論があると思いますし、どこがやるかというのは別なんですが、やられてきている教育というものがどういう効果を発揮しているのか。今データで出ているのは被害だけなんですね。被害だけを見ると、その教育をやられている期間中も、被害としては余り変わっていない、改善されていないということで、これとの関連も含めて、やはり法制審が求めている、効果が十分に発揮されることというこの法制審の観点からいけば、今のように、各省庁がやっているというのはわかるんですが、それは実際どうなのか。

 内閣府の世論調査、二〇一五年の世論調査ではこういう項目があります。消費者教育の機会が確保されることについて、守られていると感じるかという質問項目があるんです。教育で守られているか。それについて、感じない、どちらかといえば感じない、こう答えている方が六八%。ですから、内閣府の調査でも、やはり教育の面でも多数がまだそうした段階に至っていない。

 先日、私、公益財団法人の消費者教育支援センターの専門員の方からお話を聞いたんですが、こうおっしゃっておりました。学校教育における消費者教育は一定行われている、しかし、教育の中に要素が、その消費者教育という要素が点在をしていて、消費者の自立という視点から体系化されていない、そういう指摘だったんですね。具体的には、教員によっては消費者教育を理解していないとか、あるいは教科によっては十分な時間が確保できていないという実態を教えていただきました。

 ですから、そういう意味で、確かに学習指導要領には落とし込まれているんですが、やるのは現場ですから。現場となると、いろいろなばらつきがあるもとで、消費者の自立という観点からの体系化がないままに任されているという現状があって、先ほど言った内閣府の世論調査にも反映されているんだと思うんです。守られていないと。

 もう一点、これは先ほども出ましたけれども、消費者被害の問題であります。

 日弁連の資料によりますと、やはり成年かどうかということによって消費者被害の非常に大きな変化が生まれております。

 日弁連の資料によりますと、マルチ商法に関する相談件数を比較しますと、二十歳から二十二歳は十八歳から十九歳の十二・三倍、ローン、サラ金の相談件数、これも二十歳から二十二歳と十八歳、十九歳を比較すると、二十歳から二十二歳の方が十一・三倍多いわけですね。つまり、成年が狙い撃ちをされている。逆に言えば、未成年者は守られているといいますか、狙い撃ちされていないわけですね。

 これは、未成年者であれば、取引当時、未成年であるということだけを立証すれば、はっきり言って、未成年者取消権が本当にきくわけですね。

 悪徳業者というのは非常に知恵も働きますし、あの手この手で来るわけですけれども、しかし、まさに、あの手この手の悪徳業者でも、取引時点で未成年だということが立証の最大のポイントですから、裁判に持ち込んでも、ほぼ負けるわけですね、業者の方が。だから、業者は、負けるのはわかっているということですから、初めから未成年者には近づかない。それで成年者をターゲットにする。まさに、未成年者取消権というのは鉄壁の防波堤の役割を果たしているというふうに思うんです。

 大臣にお聞きしたいんですが、この未成年者取消権が、そういう業者との関係で、若者たちが意識しているかどうかは別としましても、本当に防波堤の役割を果たしている、こういうふうに思うんですが、大臣はどのように認識されていますか。

上川国務大臣 御指摘のとおり、近年の消費者被害事案におきましては、成年に達した直後を狙われたものが多く見られる実態にございます。

 先ほど来の御議論の中で、政府としての見解ということでありますが、消費者教育などの、消費者被害の拡大防止のための環境整備につきましては、この施策に全力で取り組んできているところでございます。

 それで、今回の国会におきましては、若年者を中心に発生している消費者被害に対応するための取消権の創設等を内容とする消費者契約法の一部を改正する法律案が提出されているところでございますので、若年者が成年に達した直後に発生する消費者被害の拡大を防止するということにつきましては、これが可能であるというふうに考えております。

藤野委員 ちょっとお答えがなかったので。今、消費者契約法のことをおっしゃいました。私が聞きましたのは、民法第五条、現状の未成年者取消権が現時点で未成年者についての鉄壁の防波堤になっているんじゃないか、こういう質問なんです。もう一回お願いします。

上川国務大臣 端的に御質問いただきまして、大変失礼いたしましたが、民法第五条が規定する未成年者取消権、未成年者が法定代理人の同意なく行った法律行為につきましては、原則としてこれを取り消すことができるとするものでございます。未成年者の保護を図るためのものでございまして、未成年である者の消費者被害を防ぐ役割を果たしてきたものというふうに考えております。

藤野委員 本当に大きな、防ぐ役割を果たしてきた。

 法制審の答申は、表現は違うんですけれども、防波堤とは言っていないんですが、未成年者を契約の対象としないという大きな抑止力となっているという表現を法制審の報告書ではしております。ですから、そういう防波堤、抑止力というものを今回、十八歳、十九歳から外していくということなんですね。

 大臣、この防波堤が失われることの重大さというのは、大臣自身はどのように認識されているんでしょうか。

上川国務大臣 御指摘のとおり、民法の成年年齢を引き下げた場合におきましては、十八歳、十九歳の者が未成年であるということを理由として、締結した契約を取り消すことができなくなるというところでございます。

 政府といたしまして、これまでも、消費者教育の充実など消費者被害の拡大を防止するための環境整備の施策につきましては、精力的に取り組んできたものでございます。

 また、先ほど来の御質問にあった消費者教育の重要性ということでございますが、平成三十二年度までを集中強化期間といたしまして、さらなる充実強化を図る取組が進められているというふうに承知をしております。

 その意味で、こうしたことにつきましても、消費者契約法の一部を改正する法律案におきまして、民法の成年年齢が引き下げられた場合におきましても、消費者教育の充実等と相まって、新たに成人となる者の消費者被害の拡大を防止するための環境整備、この一つとして極めて重要であるというふうに考えております。

藤野委員 いや、私が聞いたのは、現行民法は年齢さえ証明すればいいんです。非常に鉄壁なんですね。

 ところが、いろいろ言われて、先ほどは消費者契約法を出されましたけれども、今回もいろいろな要件が加わっておりまして、過大な不安とか人間関係の濫用とか、それを証明しなきゃいけない。今まで年齢だけでよかったものが、非常に重たい立証をしなければならない。こういうことでいいのかということが私の質問であります。

 先日、公益社団法人の日本消費生活アドバイザーの専門員の方からお話をお聞きする機会がありまして、こうおっしゃっていたんですね。今、貧困と格差が広がる中で、経済的に大学進学等を諦めざるを得ない生徒もいる、そういう若者にとって、楽してもうかるとか簡単に借りられるというのは、これはやはり魔力のように感じるとおっしゃるんですよ。魅力的に聞こえてしまうと。

 普通の、我々が聞くのと違って、魔力のように、楽してもうかるとか簡単という言葉が聞こえてしまうという若者がふえているという状況のもとで、こうした未成年者取消権という、もし間違って、うっかりも含めてですけれども、そういう契約を結んでしまっても、年齢だけで取り消すことができる、そういうものが今あるにもかかわらず、それが使えなくなってしまうというふうになるわけです。

 法務省にお聞きしたいんですが、こうした使えなくなることの影響、これはどの程度の影響なのかという調査や分析、研究等というのはやられているんでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 民法上の未成年取消権の行使につきましては、これは、例えば相手方の方に意思表示をすれば足りるということでございますので、なかなか政府として、この未成年者取消権の行使についての具体的なデータを持っているということではございません。

藤野委員 ですから、そうした防波堤が失われることの研究も調査もやっていないもとでこういうことが行われようとしている。

 最後に一点だけ大臣にお聞きしたいんですが、参議院の法務委員会での我が党の質問に対して、二〇〇九年の法制審のときには日弁連とか消費者団体に聞く機会が設けられていた、しかし、今回はこうした会議は開催していないというふうに大臣は答弁されているんですが、これはやはり、今回、今からでもこうした場を設けるべきじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

上川国務大臣 成年年齢の引下げの環境整備につきましての諸施策につきましては、今後も引き続きしっかりと取り組む必要があるというふうに考えておりまして、いずれにしても、その内容の周知等も含めまして大変大事であるというふうに思っております。

 今後、消費者関連団体あるいは日弁連などからの意見聴取や意見交換の機会を設けるかどうかにつきましては未定ということでございますが、今後の環境整備に向けた諸施策、周知を効果的なものとするために、さまざまな団体からの意見の聴取につきましても積極的に取り組んでまいりたいと思います。

藤野委員 こうしたことを積極的に取り組んでいただくことを求めまして、質問を終わります。

平口委員長 次に、串田誠一君。

串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。

 きょうの最後の質疑ということになりまして、八人の委員の方からいろいろな角度からの質問がありました。そういう中で、私の通告をしている部分もかなり重なっておりますので、重ならない部分で質問させていただこうと思いますので、若干通告していない部分もあるかと思いますが、そのときには答えられない方がむしろ当然でございますので、その点は私の方も了解させていただいております。

 まず、養育費に関しまして、藤原委員とあと山尾委員から質問がありましたが、成人になった子、あるいは子でもいいんですけれども、親が養育費を払う法的根拠は何条でしょうか。

小野瀬政府参考人 成人になった子についてということでございますか。成人になった子の養育費の根拠につきましては、さまざまな考え方があろうかと思っております。

 一つは、扶養といったような規定を根拠にするということもあろうかと思いますし、また、未成年の者から引き続いて成年の子供の方に養育費を払っていくというような場合ですと、子の監護に関する処分、こういったような規定を類推適用していく、こういったような考え方もたしかあったやに考えております。

串田委員 通告なくお答えいただいたということはさすがだなと思いましたけれども、考えられるのは、八百二十条と八百七十七条。

 八百二十条は、親権を行う者が、未成年の子、親権を行うわけですから未成年に決まっているわけですけれども、監護する義務があるということでございます。離婚に伴う養育費に関しては、成人の場合も、今、二十二歳というところまで決めることもあるわけでございますので、八百二十条というのはちょっと合わないのかなと。

 そういう意味からすると、今度、八百七十七条の扶養ということになるわけでございます。扶養するときの子供というものの定義でございますけれども、身体的、精神的、経済的に成熟の過程にあって就労の機会を期待することができないので扶養が必要である子というように定義をされているわけでございます。

 そういう点からしますと、先ほど山尾委員から、養育費の申立書があるわけでございますけれども、やはり未成年者という言葉というのは適切ではないのかなということで、子供という提案がありました。

 ただ、子供というと、再婚したときの子供が、かなり大人になって、大きくなって、三十歳とかそういうような場合もあるわけで、そこをずらずらっと書くのもいかがなものかなという意味で、ここは正確に、未成熟子、あるいは、ちょっとかたいのであれば未成熟の子というような変更というのがかなり適切ではないかなと思うんですが、隣にいる山尾委員が納得するかどうかわかりませんけれども、そんなような提案をさせていただこうと思います。

 次に、今度、離婚に伴った家裁の調停調書において成年までと書いてあったときにどうするかというのが藤原委員からの質問でありましたが、仮に当事者間で意見が合わなかったときにどうなっていくのかという先のところをちょっとお聞きしたいんです。

 いろいろな解釈があるというのは私もそうだと思いますし、大臣からもそういう答弁をいただいたことがあるんですが、ただ、そういうことになると、当事者が離婚した後に、あれはこうだった、これはこうだったという争いがまた始まるというのもいかがなものかということだと思うんです。

 これは男女、もちろん入れかわることもあるんですけれども、一般的に女性が子供を養育するということがケースとしては多いと思うんですが、元夫の方、父親が、あれは成人ということだから、十八歳になったんだから十八歳までだよ、それに対してお母さんの方は、いやいや、あれは二十だというふうに思っていたよというような話になったときに、父親が払わなくなってしまった後、母親はどういうような法律上の手続をしていけばよろしいでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 恐縮でございます、今の御質問は、合意が調停ですとか審判とかで決められていたという場合でございますか。(串田委員「調停調書で」と呼ぶ)調書ということになりますと、確定判決と同一の効力を有するということになりますれば、それに基づいて強制執行の申立てをしていくというふうに一般論としてはなろうかと思います。

串田委員 そこで、元夫の方が執行異議というのを出してくるのかなと思うんですが、執行異議を出したときには、それを判断するところはどこになるでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 執行異議に関する判断ということになりますので、それは執行裁判所ということになろうかと思います。

串田委員 執行裁判所がまたそれを審理をするという、非常に時間もかかるし、お金もかかるしというようなことが行われることが非常に高く想定されるわけでございます。

 私は、これは一つの提案なんですけれども、そのときに、家裁の調停調書をつくった時点で成人までと書いてある以上は、そのときには明らかに二十歳までなわけでございますので、二十歳まで養育費を払うということ、これは子供が受ける権利なわけであって、父親と母親がどういう判断をしたのかというのは、これは実は子供の抗弁というのは全く加味されないことになるわけですから、その時点で子供がかち取った二十歳という養育費は、後の法律でそれを奪い取るということはおかしなことだと思っているんです。

 ですから、この法律案が施行されるまでの間につくられた家裁の調停調書におきましては二十までというような附則を私は入れるべきであると思うんですが、いかがでしょうか。

小野瀬政府参考人 私どもといたしましては、今委員の御指摘に関しましては、その合意、あるいは調停につきましても、それはその調停の場面における当事者の合意ということになりますので、やはりそこはその当事者の意思の解釈によって、最終的には裁判所の個々具体的なケースにおける判断に委ねられるべきものかなとは思っております。

 ただ、委員御指摘のとおり、当時のその合意をした状況に鑑みますれば、一般的には、成年に達する日が属する月までというような合意でありますれば、それは二十歳まで養育費を支払うものであったという場合が多いものと考えております。

 したがいまして、そういったような考え方が多いと思われる、こういったことをどういった形で広報、周知していくのかといったようなことかなというふうに思っております。

串田委員 恐らく、それだと双方の言い分が毎回毎回出てくると思うんです。

 ですから、二十歳までということではなかったとすれば、例えば、原則として二十歳までとして、反証責任を片方に負わせるというような、そういうようなことも考えていいのかなと思います。

 これは御検討いただければと思いますが、将来、非常にそういう意味でのトラブルがふえてきたときに、執行異議だとか執行裁判所で決断をするというような、せっかく家裁の調停で成立をしたのに、それが今度は裁判になってしまうというのは非常に私は残念なことだと思いますので、ちょっとそこら辺は検討していただきたいということを申し述べておきたいと思います。

 次に、ギャンブルについてお伺いをしたいと思うんですが、この中にパチンコというのは入っていないわけでございます。

 パチンコというのは、一応、遊技という形でされておりますので、かねてから十八歳から入れる、そういうようなことなんですが、今は、パチンコも以前と違いまして、かなりそのギャンブル性が強いというような気がするので、これを分離しているというのはいかがなものかな、何となく国民感情的にはちょっと合わないのかな、どちらかを上げるか、どちらかを下げるかというようなことも思うんです。

 それともう一つは、ギャンブルというと、すぐに競馬、競輪、オートレースだけが挙げられるんですが、現在では、仮想通貨の取引だとかあるいはFXだとか、上がるか下がるかだけという非常にそういうギャンブル性の強い部分がインターネットですぐに取引ができるという意味で、そういう部分ということで莫大な損害をこうむっている若者というのもすごく多いわけですよ。

 ですから、ギャンブルということで競馬、競輪、オートレースというのは、非常にそういう意味では陳腐な分類になってしまうのかな、もっときめ細やかな分類の仕方というのが必要ではないかなと私は思うんですが、いかがでしょうか。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 今回、公営競技につきましては二十歳を維持するといったような、関係法律につきましての整備の考え方がございます。

 委員御指摘の仮想通貨等の問題につきましては、恐らく民事上の取引の関係になろうかと思いますので、そういう意味では、今、民事の成年年齢、取引年齢が下がるということについてどう考えるかという問題かと思います。

 そういう点につきましては、そういったようないわば投機的な取引といいますか、そういうものにつきましては、いわゆる金融取引に関する教育ですとか、広い意味でのそういうような教育、消費者教育、こういったようなことも通じてそういったような被害の拡大を防いでいくということになるのではないかなというふうに思っております。

串田委員 ちょっと質問をかえまして、高校時代に成人になるという子供もいるわけでございまして、そういう中で、いかがわしい仕事に誘われるとか、いかがわしい何かに誘われるというときに、十八歳になってしまった場合には両親がそれをとめることができないのかどうか。また、何か問題が高校で起きたときに、十八歳になった子供が問題を起こした場合は学校としては親に連絡をすることをしなくなるのかどうか。

 というのは、いろいろなヒアリングの中で、十八歳というのはいいけれども、高校生の場合には高校を卒業するまでは成人にしない方がいいんじゃないかという意見もあったと聞いておるんですけれども、そういう意味では、学校内においていろいろな、同じ高校生なのに早生まれと遅生まれとかいろいろあるでしょうし、そこら辺の部分で、学校教育上そういったところの配慮というのは今後どのように考えていくんでしょうか。

下間政府参考人 お答え申し上げます。

 学校における生徒指導の効果を高めるためには、学校における取組を充実させるとともに、学校と家庭が一致協力した体制を築いて連携して進めるということが必要でございますので、在学中にさまざまな問題のある生徒につきましては、当該生徒が成年年齢に達したか否かにかかわらず、父母等の理解と協力を求めて、その意見を十分に聞きながら行うことが重要でございますので、十八歳になった高校生が問題が発生したときに学校から親に連絡することがなくなるのかというお尋ねにつきましては、各学校において父母等と適切に連絡をとりながら当該生徒に必要な指導を行うべきものと考えてございます。

串田委員 まだ高校生というような部分もあるので、そこら辺は余り機械的に年齢で分けるというようなことがないようにというようなことも配慮はしていただく必要があるかなと思います。

 次に、喫煙、たばこの件についてお聞きしたいと思うんですが、そういう意味では、私としては改正のときに非常にいい機会が与えられる部分があるのではないかなと思うんですけれども、たばこを喫する、喫するという言葉の定義というか、どういったものが喫するになるんでしょうか。

小田部政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねにつきましては、未成年者喫煙禁止法第一条の「煙草ヲ喫スル」ということであろうと思いますが、同条のたばことは、たばこ事業法第二条第三号に規定する製造たばこと同義でありまして、「葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供し得る状態に製造されたものをいう。」と解しているところでございます。そして、同条の喫するとは、喫煙用のたばこを吸い、かみ用のたばこをかみ、又は嗅ぎ用のたばこを嗅ぐということと解しておるところでございます。

串田委員 国語辞典的には、喫するというのは口を通して喉に入れる、そんなような表現がなされているわけで、私が何を言いたいかというと、受動喫煙、要するに、直接的ではなかったとしても受動喫煙での健康被害があるわけでございます。ですから、今回、十八歳に下げたとしても喫煙年齢を二十歳にしたというのは、これは健康のことを考えてだと思うので、これは受動喫煙も全く変わらないわけですね。

 今回、オリパラの問題で、諸外国がオリンピックを開催するときには受動喫煙も大変配慮しているという部分があるわけでございますので、今回のたばこ法の改正の部分に関しましても、受動喫煙を私は入れて、まだ二十にならないような子供が従業員としている場合には、面積にかかわることなく喫煙は禁止する店舗にしなければいけない、そういうような方向で検討していただきたいと思います。

 時間です。終わります。ありがとうございました。

平口委員長 次回は、来る十五日火曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十四分散会


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