衆議院

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第12号 平成17年7月13日(水曜日)

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平成十七年七月十三日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 赤松 広隆君

   理事 谷本 龍哉君 理事 中谷  元君

   理事 原田 義昭君 理事 渡辺 博道君

   理事 大谷 信盛君 理事 首藤 信彦君

   理事 増子 輝彦君 理事 丸谷 佳織君

      宇野  治君    植竹 繁雄君

      小野寺五典君    高村 正彦君

      鈴木 淳司君    田中 和徳君

      土屋 品子君    寺田  稔君

      西銘恒三郎君    平沢 勝栄君

      三ッ矢憲生君    宮下 一郎君

      田中眞紀子君    武正 公一君

      永田 寿康君    鳩山由紀夫君

      藤村  修君    古本伸一郎君

      松原  仁君    古屋 範子君

      赤嶺 政賢君    東門美津子君

    …………………………………

   外務大臣         町村 信孝君

   外務大臣政務官      小野寺五典君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    瀬川 勝久君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   政府参考人

   (外務省大臣官房外務報道官)           高島 肇久君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 遠藤 善久君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 齋木 昭隆君

   政府参考人

   (外務省大臣官房広報文化交流部長)        近藤 誠一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房国際社会協力部長)        神余 隆博君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    河相 周夫君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局アフリカ審議官)      河野 雅治君

   政府参考人

   (外務省経済局長)    石川  薫君

   政府参考人

   (外務省経済協力局長)  佐藤 重和君

   政府参考人

   (外務省国際情報統括官) 中村  滋君

   外務委員会専門員     原   聰君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月十三日

 辞任         補欠選任

  河井 克行君     寺田  稔君

  赤羽 一嘉君     古屋 範子君

同日

 辞任         補欠選任

  寺田  稔君     田中 和徳君

  古屋 範子君     赤羽 一嘉君

同日

 辞任         補欠選任

  田中 和徳君     河井 克行君

    ―――――――――――――

七月四日

 核兵器廃絶条約の早期締結に関する請願(宮澤洋一君紹介)(第三〇六九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 専門機関の特権及び免除に関する条約の附属書XVの締結について承認を求めるの件(条約第三号)(参議院送付)

 石綿の使用における安全に関する条約(第百六十二号)の締結について承認を求めるの件(条約第四号)(参議院送付)

 社会保障に関する日本国とベルギー王国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第八号)(参議院送付)

 社会保障に関する日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第九号)(参議院送付)

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 専門機関の特権及び免除に関する条約の附属書XVの締結について承認を求めるの件及び石綿の使用における安全に関する条約(第百六十二号)の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。

 両件に対する質疑は、去る一日に終局いたしております。

 ただいま議題となっております両件中、まず、専門機関の特権及び免除に関する条約の附属書XVの締結について承認を求めるの件について議事を進めます。

 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 専門機関の特権及び免除に関する条約の附属書XVの締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 次に、石綿の使用における安全に関する条約(第百六十二号)の締結について承認を求めるの件について議事を進めます。

 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。武正公一君。

武正委員 民主党・無所属クラブ、武正公一でございます。

 石綿の使用における安全に関する条約の締結について承認を求めるの件について、賛成の立場から討論を行います。

 統計のある一九九五年以来、厚生労働省の調べでは、六千人がアスベストを原因とする中皮腫で死亡し、うち二十八社三百八十二名が労災認定されています。潜伏期間が長いため認定が少ないと言われるゆえんです。さらに、被害の拡大は家族のみならず周辺住民に及び、被害は職場でとどまっていません。二〇四〇年までの中皮腫による死亡は十万人と言われております。

 昭和六十一年、一九八六年、ILO総会で本条約は採択されましたが、翌年政府は、労働安全衛生法そのほかの関係法令によりおおむね実施されているところであるが、なお若干の問題もあり、さらに検討を加えることといたしたいという報告書を添付し、衆参全国会議員に条約を配付しました。そして、ことし、十九年目にして国会承認を求めたのであります。

 適用範囲と定義、一般原則、保護予防措置、作業環境と労働者の健康の監督、情報と教育などから成る本条約は、当然批准すべきものであります。しかし、総会では日本等の反対もありアスベスト使用禁止の原則は盛り込まれなかった。アスベスト被害防止の最低基準であるにもかかわらず、批准が今日に至ったことは、遅きに失したと言わざるを得ません。

 採択後、ヨーロッパを中心に、ドイツ一九九三年批准など、相次いで批准をしております。なぜ十九年も批准に要したのかという問いに、政府は国内法の未整備、代替品未整備と答弁をされますが、それは言いわけにすぎないと言わざるを得ません。行政の不作為を指摘し、あわせて、条約配付にもかかわらずそれを放置してきた国会も、その責任を問われなければならないと思います。

 ようやく昨年十月一日から、労働安全衛生法施行令により、石綿含有製品の製造、使用などが禁止となっております。そして、厚生労働省は、二〇〇八年からアスベスト全面禁止を打ち出しました。

 しかし、一九七〇年から九〇年まで年間三十万トンの石綿輸入の八割以上が建材に使用されたため、二〇二〇年から二〇四〇年にアスベストが使われた古い建造物の解体がピークを迎え、石綿の粉じんが飛散するおそれがあります。また、現在、中皮腫の治療は、これといった治療法が見つかっておりません。

 まずは、実態調査による現状把握と情報公開によりその被害の実態を明らかにした上での、関係団体等はもちろんでありますが、広く国民各層への周知徹底が必要であります。また、労災認定の速やかな実施と、家族、周辺住民などへの認定の拡大、あわせて環境省初め関係各省庁の連携により、政府を挙げての徹底した総合的な対策を求めるものであります。

 また、改めて、本条約の審議は、条約と国会審議のあり方を問題提起しております。政府にとって都合の悪い条約はたなざらしにする。一方、二〇〇一年の国際組織犯罪防止条約による今国会で審議中の刑法等改正、共謀罪の創設などは積極的に対応する。このように、条約批准、国内法整備を政府の恣意的な裁量に任せることは、憲法七十三条二項及び三項、内閣の専権事項としての外交処理、条約締結の範囲を超えていると言わざるを得ないのであります。本条約の採決に当たって、附帯決議や条約に留保をつけることもできないことは、やはり見直すべきであります。

 加えて、昭和四十九年二月二十日、大平外務大臣の外務委員会答弁にあるように、年間約七百本の政府締結の行政取り決めは、国会とりわけ外務委員会に提出し、必要によっては当委員会で質疑できるようにすべきことも申し添えて、本条約に対する賛成討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

赤松委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 私は、日本共産党を代表して、石綿使用安全条約に関し、賛成の討論を行います。

 本条約は、石綿の作業に従事する労働者の保護を目的に、使用者に対する禁止措置等を定めたものであり、批准は当然であります。

 石綿を扱い、がんやじん肺で死亡した労働者は、この間、二十八社・団体で計三百八十二人に上ると報じられ、その被害は家族や周辺住民にも及んでいます。

 さらに、石綿が主な原因とされるがんの一種、中皮腫による死亡者は、政府が統計をとり始めた九五年以降六千人を超え、今後四十年間で十万人に上るとも言われています。事態は極めて深刻であります。

 こうした事態を招いた原因は、七〇年代、既に石綿使用の有害性が医学的に指摘され国際的にも明らかになっていたにもかかわらず、七五年に吹きつけ作業の原則禁止の措置をとっただけで、発がん性が特に強いとされるアモサイト、クロシドライトの製造も九五年まで放置し、主な石綿製品の使用の原則禁止措置がとられたのは昨年のことであります。

 安全対策も不十分なまま大量の石綿の製造と使用を続けてきた企業と、危険性を認識しながら長期にわたって使用を容認してきた政府の責任は重大です。

 本条約は、八六年のILO総会で採択されたものであります。二十年近くもの間、本条約の批准を放置してきた政府の責任は看過できません。

 この際、政府が、石綿を取り扱ったすべての労働者、退職者、家族、周辺住民の実態把握と健康診断を行い、健康管理手帳の交付などの救済と補償の措置をとるとともに、労災の認定基準を改善し医療機関への徹底を図るなど、緊急対策に取り組むことを求めます。

 以上、討論を終わります。

赤松委員長 これにて本件に対する討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 これより採決に入ります。

 石綿の使用における安全に関する条約(第百六十二号)の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

赤松委員長 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房外務報道官高島肇久君、外務省大臣官房審議官遠藤善久君、外務省大臣官房審議官齋木昭隆君、外務省大臣官房広報文化交流部長近藤誠一君、外務省大臣官房国際社会協力部長神余隆博君、外務省北米局長河相周夫君、外務省中東アフリカ局アフリカ審議官河野雅治君、外務省経済局長石川薫君、外務省経済協力局長佐藤重和君、外務省国際情報統括官中村滋君、警察庁警備局長瀬川勝久君、法務省刑事局長大林宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宇野治君。

宇野委員 おはようございます。自由民主党の宇野治でございます。

 町村大臣におかれましては、六日から八日までのサミット、またきのうまでのライス国務長官来日、また月末には安保理改革という形で、今月は大変多忙なところでありますけれども、その合間を縫ってこの委員会に出席いただきまして、まことにありがとうございました。少し私の方から、サミット関係、安保理関係、それから日米の関係と、大きく三つの項目について質問させていただきたいと思います。

 まず一つ、サミットでございますが、今回のサミットは当初からアフリカと気候変動ということの大きな命題を持って臨んでいただいたわけでありますけれども、私は、この気候変動については、テロの関係があったのかもわかりませんけれども、若干焦点が薄かったのかなという思いがしておるんですが、その辺について少し問いをさせていただきたいと思います。

 今回の気候変動の中の一番大きな項目としては、グレンイーグルズ行動計画というものを策定するということで承認をいただいたわけでありますけれども、この行動計画と、私は、京都議定書というのも一つあるわけですけれども、この辺の関係がどうなっているのかなということ、それから行動計画そのもののこれから拘束力というのはどの程度のものなのかというようなこと、この辺を少しお聞かせ願いたいなという思いでございます。よろしくお願いします。

町村国務大臣 今回のサミットにおいて、大きな二つのテーマということで、今委員御指摘の気候変動の問題とアフリカの問題、これはブレア首相がみずから問題設定をして、これを中心に今回議論をしようということで議論が展開をされた、こう聞いておるところでございます。

 今回のサミットで合意をされました、今委員御指摘のグレンイーグルズ行動計画でございますけれども、その内容は、御承知のとおり、エネルギー利用方法の転換、それから将来に向けたクリーンな電力の開発導入、研究開発の促進、クリーンエネルギーへの移行のための資金調達、気候変動の影響への対処、そして違法伐採対策といった項目が挙げられているところでございます。

 一般論でありますけれども、サミットで出される成果文書というものは、法的拘束力を有する、いわゆる条約といったようなものではないわけでございます。しかし、首脳間の重要な合意文書でございますから、これを具体的な一つの指針としていかに具体化していくのかということについては、日本政府全体でこれの実施に向けて取り組んでいくことは当然のことであろうし、またそれぞれの国が同じような認識で今回のグレンイーグルズ行動計画を受けとめているというふうに理解をしているところでございます。

 京都メカニズムに関して言うならば、いわば京都メカニズムの実施の強化発展にこれは資するものであろうということが言えるわけでございます。また、実は京都議定書以降の話というのが大変大きな課題になっていることは御承知のとおりでございます。

 京都議定書については、ロシアの加盟をもって正式に発効して、今それを各国が着実に実施しているということでございますけれども、それ以降については、まだ必ずしも国際的な合意ができていない状態。したがって、今回のこうした行動計画あるいはこうした議論を通じて、今後どうしていくのかということが真剣に議論をされ始めなければならないことは当然であろうと思います。

 特に、京都議定書は、例えば発展途上国に対して温室効果ガスの削減義務が課されていないといったような問題があるわけであります。また、アメリカも加盟をしていないという問題がございます。こうした大きく抜け落ちている国を今後どうしていくのかといったようなことは、これはサミットを初めとしていろいろな場で今後取り組まれなければならない、こう思っております。

 そういう意味で、今回、例えば、第二の排出国であります中国が、ある時間だけですけれども議論に参加をするというのもそういう意味合いがあったんだろう、あるいは、インド、ブラジル、こうした国々も議論に参加をしたというのはそうした意味合いもまたあったんだろう、こう思っております。

 いずれにいたしましても、今回のグレンイーグルズ行動計画、大変貴重な合意として、今後、これを一つの大きなガイドラインとして、政府全体でこの実施に向けて取り組んでいきたいと考えております。

宇野委員 今お話しいただいた中で、行動計画の中に気候変動のいろいろな部分が入っているわけですけれども、せっかくこのG8と呼ばれている大きなサミット、これは先進国の、世界の指導的な立場の国が集まっていろいろ話し合うんだというのがサミットだと私は思っております。

 そういう中で、今お話しになったように京都議定書をアメリカが批准していないというようなこと、この辺についてサミットの場で何か一つ発言があってもよかったのではないかなという思いがしておるんです。何かそういうことが具体的に、二国間の話もなかったんですけれども、アメリカ、何とかしろよというような話がなかったのかなということ。

 それから、中国は、今お話しいただいたように、G8で一部の話には入っているわけでありますけれども、中国は今回議定書の中には、責任がないということで、先進国ではないという扱いになっているようで、このカウントの中には入らないということになっているようでありますけれども、私は、それもおかしいな、ここまで来ている国であれば、やはり何らかのものを京都議定書の中でやってもらってもいいのではないかな、そういうのがこの場であったのではないかなという思いがしております。

 その辺のところで、アメリカに対して、京都議定書についてどう考えているのかというようなことがあったのかどうか、お聞かせください。

町村国務大臣 今回のサミットの場で直接日本からアメリカに対して申し入れをしたということはやっておりませんけれども、従来から、日米首脳会談の場あるいは日米外相会談の場でアメリカに参加を促すというようなことは今までもやってきているところでございます。

 G8諸国間の共通の認識という意味で、もちろんアメリカも含んでのことでございますけれども、温室効果ガスの削減でありますとか地球環境の向上、大気汚染の削減、こうした目的を共有する、そのために協力しよう、さらには国連気候変動枠組み条約の究極的な目的を再確認するという点については、アメリカも含めてこのG8の中で共通の認識が得られたということでございますから、そもそも、その存在あるいはその目的自体をアメリカが否定しているわけでは必ずしもないということなんだろうと思います。

 いずれにしても、アメリカも積極的にこの気候変動問題等にも前向きに対処するように、継続的に我が国としても働きかけをしていきたい、こう思っております。

 また、中国の問題でございますけれども、京都議定書について、中国は議定書そのものは締結をしているわけでございますけれども、議定書上は先進国として中国が整理をされていないために温室効果ガスの削減義務を課せられていないという構造になっているわけでございまして、これは、中国以外の発展途上国も皆同様でございます。

 しかし、実際にこの温暖化対策を実効あらしめるためには、中国を初めとして、発展途上国も相当量の排出ガスというものがあるわけでございますから、これらをいつまでも抜きにして先進国だけでの議論にとどめてはいけないというのは、委員の問題意識、そのとおりだ、こう思っております。

 そういったこともあるものですから、今回のサミットで、議長国たるイギリスが気候変動問題に関する対話に中国を含む新興経済国を招いたというのも、ある意味では当然の判断であったのかなと思いますし、このサミットに呼ぶということも含めて、今後いろいろな会議の場でこれらの国々の参加を求めながらやっていく。

 既に日本は、一昨年あたりからだったと記憶をしておりますけれども、中国、ブラジルあるいはインドといった主要な国々とも共通の場で、いわゆるポスト京都議定書といった問題の話し合いを日本が呼びかけて始めているところでございまして、今後そうした努力をしっかりと積み重ねていき、実効性のあるポスト議定書というものを作成する努力をしていかなければいけない、かように考えます。

宇野委員 アメリカ、中国に対しては積極的に対応していただくように、機会あるごとによろしくお願いしたいと思います。

 それで、もう一つ、違法伐採の件でありますけれども、この違法伐採について、これは日本側から積極的に提案をしてきたものだと私は理解をしております。それにもかかわらずと言っていいのかどうかわかりませんけれども、なかなかその文書を見ても、違法伐採のところについては余り力強い言い回しになっていないのではないかなということで、違法伐採についてどんな議論があって、これからどうしようかと。

 特にG8、サミットという立場であれば、これは消費国と私は理解をしています。一部生産国もあるわけですけれども、ほとんどは消費国という立場で対応しなければいけない。その消費国としての立場での議論にはどういうものがあったのか、お知らせください。

町村国務大臣 このG8首脳の中でこの違法伐採問題が取り上げられたのは、これはまさに日本の働きかけの成果であるというふうに考えております。

 ことしの三月にG8環境・開発大臣会合というものが開かれまして、そこで改めてこの違法伐採に関する結論というものを承認し、そこに記されましたいろいろな措置を推進していくということで今回合意を見たわけでございます。

 それぞれの国が最も貢献できる分野で取り組んでいこうということでございますけれども、日本としては、木材生産国への支援、違法伐採木材取引をとめるための自主的な取り組み、あるいは合法な木材だけを対象とする政府調達政策の導入といったようなものを検討しております。

 例えば、二国間のケースでいうならば、日本・インドネシア違法伐採対策協力といったようなものをつくり、先般、ユドヨノ大統領が訪日をした際にも、両国首脳が発した共同声明の中でこのことがうたわれております。

 また、地域間協力という意味では、アジア森林パートナーシップというものが、これは二〇〇二年のヨハネスブルク・サミットにおいて日本とASEAN諸国との間で合意ができてこれがスタートしている。さらには、多国間協力でも、国際熱帯木材機関を通じて貿易統計の分析やら森林経営の技術移転プロジェクトを支援するといったようなさまざまな取り組みも既に始まっているところでございます。

 また、G8としては、明年、森林専門家会合を開催して、各国の違法伐採対策の進捗状況の評価等を行うというようなことにしておりまして、決してお経が一行入ったということではなくて、より具体的なものとして今後この問題に日本政府がいわばイニシアチブをとって実行していきたい、かように考えております。

宇野委員 最後にお話しいただきました日本がイニシアチブをとって対応する、これはまさにそれを実行していただかなければいけないので、これからまたよろしく対応をお願いいたしたいと思います。

 次に、もう一つの大きな議題のアフリカ支援の関係です。

 日本から見てアフリカというと余りイメージがわかないんですけれども、まず今回のアフリカ支援、世界的に見ると確かにアフリカ支援というのは必要なんでしょうけれども、日本から見てのアフリカ支援の意義、その辺をお聞かせ願いたいんですが、今回の発言の中でアフリカの今のODAを倍増するというようなこともありました。

 その倍増、もともとが額が少ないですから倍増しても大した額ではないかなという思いなんですけれども、その倍増することが大きかったなということと、今度は全体で日本も百億ドルをこの五年間でやろうと。これは非常に各国の共感を得たというような話も聞いております。

 そういう中で、アフリカの倍増という部分のことなんですが、アフリカに支援をするということにどれだけ意義があるのかということと、もう一つは、経済的にいわばマーケットにはどうなのかということ。特に、日本は従来アジアに対して非常に大きな支援をしておりました。その支援をした結果、アジアのGDPが非常に上がってきた。かつてはアフリカの方が上だったのが、今アジアが断トツで上になってきた。完全に逆転をしている。

 これは私は、まさに日本のODAのあり方、やり方というのが非常にうまくいったんではないかなということです。一方、アフリカに対してはヨーロッパの諸国がいろいろと今までやってきたわけですけれども、何ら進展がないんではないか。GDPも全然じり貧だというような形。この辺の違いということで、日本は日本らしいODAのあり方、支援の仕方というのがあるかと思うんです。

 そういう中で、まず一つは、なぜアフリカに倍増ぐらいをしなければいけない理由があるのかということ。それから、マーケット、いわば向こうのマーケットとして何か魅力があるのかどうか、そういう答えの中の一つになるかと思います。

 それと、今、中国、韓国というのは非常に積極的にアフリカに入り込んでいるんではないかというふうに私は理解をしておるんです。特に中国の場合には非常に目に見えたODAの仕方、例えば建物を建てるというようなこと、日本は人的貢献的な教育の部分だとか保健の部分だとかというところでなかなか目に見えない、こういう違いがあるわけですけれども、アフリカに対する支援の仕方についてもお聞かせください。

町村国務大臣 アフリカになぜそうした支援あるいは援助をするのかという基本的なお尋ねでございます。

 確かに日本は今までアジア中心に支援をするということでやってまいりましたし、それぞれの国の自助努力もあって、アジアは今目覚ましい発展を遂げている、委員の御指摘のとおりだろうと思います。しかし、依然として日本の援助の大半、五割以上はアジアでございますし、ODA大綱でもアジア中心、重視ということがうたわれているわけでございまして、それがそう大きく変わるわけではございません。

 ただ、アフリカというものについて日本が着目をし始めたのは一九九〇年代に入ってからだろうと思います。御承知のTICADという、トーキョー・インターナショナル・コンファレンス・オン・アフリカン・ディベロプメント、アフリカ開発に関して日本も積極的に関与していくよという姿勢を示したそのTICADプロセスというものが九〇年代前半から始まりまして、自来、日本はアジアだけではなくてアフリカにも取り組んでいくという姿勢を示しているわけでございます。

 それはなぜかということでありますが、一つには、世界の均衡ある発展というものを考えたときに、やはりアフリカだけが取り残されているという実態を先進国の主要な一カ国である日本が放置しておいていいんだろうかというような問題意識がまずあったかな、こう思います。

 また、現実に、例えば国連のPKOでありますとか、あるいはHIV、エイズでありますとかマラリアでありますとかそうした保健衛生の問題、いろいろな問題についてもうアフリカ抜きにして考えられないどころか、やはりアフリカに非常にそういう問題の発生が現実に多いという実態もあるわけでございます。

 そういう面で日本も他の先進国同様アフリカに対してより大きな貢献をしていこうという判断をしたんだろうと思っておりますし、そのことが今でも続いている。今回、それをより具体にあらわすために、アフリカODAを倍増しようということを小泉総理が方針を新たに述べられたということであろうと思います。

 したがって、先ほど委員はマーケットとしてのアフリカというとらえ方をされました。確かに、今後大きな成長を遂げることが期待されているアフリカでございますから、そういう意味でのマーケットという位置づけもあろうかと思いますし、特に昨今はいろいろな資源の面で、例えば今まで発見をされなかったような石油あるいは天然ガスというものがアフリカ諸国から産出され始めているというような問題、あるいは希少資源、こういった意味で、アフリカの重要性というものは従前よりも増していくのではないかということが考えられるわけでございます。

 アフリカへの援助の仕方、これはアフリカのみならず、それぞれの国がそれぞれの考え方で支援というものをしておりますから、確かに日本は、余り目立たしい支援を全くやっていないわけではございません。しかし、どちらかというと、教育とか保健衛生であるとか、あるいは人を通ずる協力であるとか、結構そうした地味な分野の協力もやっております。

 私は、それが日本の援助の特色であって、一過性の、何か非常にモニュメント的なものだけやってあとは知らないということではない、息の長い、本当にその国に評価をされる、感謝される、そういう支援というものに光を当てながらやっていくという、私は日本らしさというものがそこにあっていいんだろうな、こう思っております。

 中国は中国なりのまた戦略的な意図を持っていろいろな支援をやっているんだろう、中国がやることに一々我々が意見を言う必要もまたないんだろうと思います。

 いずれにいたしましても、今後、日本はやはり日本なりの援助というものをアフリカに対してやっていく。例えば、対比でいうならば、ヨーロッパはどちらかというとかなりチャリティー的な意識で差し上げますというようなこと。日本は、もちろんそういう部分も必要だけれども、同時に、特に民間の力、貿易でありますとか、あるいは直接投資といったようなものを通じて、よりその国の潜在能力を引き出していくということに重点を置いた支援をアジアに対してもやってきておりますし、またアフリカに対しても同様であろう、こう思っております。

 そういう面で、TICADの場を通じて、アジア、アフリカの例えばビジネス、投資というものをもっと活発にできるような、そういうプログラムを実施していこうということで、昨年からそうした取り組みも始めているところでございます。

宇野委員 今もお話がありましたように、日本のやり方、アジアでやっていたやり方が結果として非常にアジアのGDPを上げたということはもう目に見えているわけで、今のやり方をそのままアフリカにやれば、またアフリカの方もよくなってくるのかなという思いがありますので、今お話しいただいたような方向でお進みいただきたいなという思いです。

 それから次に、安保理改革の話をさせていただきたいと思います。

 安保理改革、この七月の二十日ごろにはまず枠組みの採択があり、それから何か各国の投票があるという話を聞いておるわけですけれども、枠組みといっても、今、日本側から出している、G4が出している提案と、あとアフリカが出している提案と大きく二つに分かれるのかなということで、その大きな違いは、要は議決権があるかないかというようなことが主体なのかなと思っておりますけれども、いずれにしても、常任理事国がふえるということには間違いないと私は思っております。

 そういう常任理事国がふえる中で、今一生懸命票読みをしていただいていると思うんですが、その辺なかなか言いづらい部分があるかと思うんですけれども、日本の勝算ありきなのかということ。それから、その以前に、枠組みそのものが本当に採択されるのかどうかということもあるわけですけれども、その辺について、枠組みが採択されるのかということと、票読みについての雰囲気。

 それから、特に近隣国、中国、韓国、これは大変厳しい状況だという思いがしておるんですけれども、その辺の今の状況についてもお聞かせください。

町村国務大臣 昨年の九月の国連総会の折、このG4という形で運動を始めてまいりました。この結束があったからこそ今日ここまで進んできたんだろう、こう思っておりまして、そのG4の枠組み決議案の幅広い支持を得る努力を今なお続けている最中でございます。六日にこの枠組み決議案を国連事務局に提出いたしまして、十一日から国連総会で正式に上程をして審議が開始されたところという状況になっております。

 正確な数字はちょっと申し上げかねますし、また一つには、今委員御指摘のように、アフリカ連合、AUが独自の決議案を出すということで、十三日、きょうですか、総会に提出をするというふうに承知をいたしております。やはり五十三カ国もありますアフリカの動向というものが全体の票の流れには大変大きな影響があります。

 また、このAUの決議とG4の決議が今後どのように調整をされるのか。先週金曜日の夜にロンドンでG4の外相会談をやり、私も出席をいたしましたが、その後に、アフリカの代表という意味でガーナの外務大臣に参加をしてもらって、でき得れば共同提案といったような形になればいいなというような話までしたところでございます。この一週間、今週、来週かけてその調整をやっていくことにしておりまして、今度の日曜日に、改めてニューヨークでG4の外相会談をやろうということになっているところでございます。

 したがって、非常に大きな国の数がありますアフリカの動向によって、この票読みというのも実は大きく変わってくるという状況もございます。しかし、私は、今G4に対して全体としてはいい方向に進んでいるのではないか。例えば、カリブ諸国の首脳会議というのが七月上旬にございましたが、全会一致という姿にはならなかったけれども、カリブ諸国の大宗はG4の決議がいいのではないかという議論であった、こう承知をしているところでございます。

 そういう意味で、まことに、楽観論を言うつもりも全くありませんし、大変厳しい選挙であろうとは思っておりますけれども、しっかりと取り組んでいき、私どもとしては、今の時点では、二十日ごろの採択ということを前提にして議論をしている、また活動をしているという最中でございます。

 中国、韓国の御指摘がございました。中国も韓国も、安保理が改革をされるべきであるという総論においては一致をしている、こう考えておりますが、その具体論についてはなかなか一致する点が少のうございます。今まで何度となく、中国の外務大臣あるいは韓国の外務大臣とも話をして理解を得る努力をしてきておりますが、今までそういう意味では、はかばかしいお答えをいただいているわけではございませんが、引き続き、こうした外交努力を今でも続けているということでございます。

 特に中国は、何といっても現在の安保理の常任理事国で拒否権を持っているという大きな厳然たる事実があるわけでございますので、最終的に国連憲章というものが各国に持ち帰られたときに、そこで拒否権を発動されるということになれば、いかなる国連改革も実現をしない、すべてが現状維持のままということになってしまいますので、私は、よもや中国がそういう行動をとるとは思っておりません。しかし、彼らの理解も得なければ物事が変化しないということもまた事実でございますので、中国に対する働きかけも、また韓国に対する働きかけも変わらずやっていきたいと考えております。

宇野委員 大変ありがとうございました。もう時間がございませんので、今の安保理改革、ぜひ常任理事国入り、最後の最後まで最後のお願いを、我々は選挙でよくやっておりますけれども、最後の最後までよろしく対応していただくようにお願いします。

 ありがとうございました。

赤松委員長 次に、丸谷佳織君。

丸谷委員 おはようございます。公明党の丸谷佳織でございます。

 本日は、七月六日から八日までグレンイーグルズで行われましたG8サミットについてお話をお伺いさせていただきます。

 冒頭、七日の朝、ロンドン市内四カ所で起きました同時爆破テロで亡くなられた方々に心からの哀悼の意を表し、また、負傷された方々においては、一日も早く回復をされますようにお見舞いを申し上げます。

 さて、今回のサミット、今の質問の中にもありましたけれども、今回のテーマは大きく二つ、アフリカと気候変動、環境ということでございました。開催国がテロの標的になったということにも動じず、G8の首脳は粛々と議題をこなされ、十二の採択文書の合意に至って、成果を上げられたことというふうに思います。

 いろいろな評価をすることはできると思いますけれども、アフリカあるいは環境問題については一定の方向性を見出し、また将来に向けての問題提起もすることができた。しかしながら、WTOを含めて、石油の高騰の問題ですとか、世界経済においては一定の方向性というのはなかなか見出すのは難しいものなのかなと思いながら見ておりましたけれども、外務大臣の方から、今回のサミットの評価、成果について、まずお伺いをさせていただきたいと思います。

町村国務大臣 丸谷委員御指摘のとおり、ロンドンでの連続爆破事件というまことに不幸な、また、まことに糾弾されるべき事件という中で、これが始まったということでございました。しかし、そうしたテロにもかかわらず、テロと断固闘うということをまず参加者が一致をした、そこからスタートされたサミットだった、こう理解をしております。

 確かに、今委員御指摘のように、アフリカあるいは気候変動問題というのが二つの大きなテーマで始まったわけでございまして、それらについて大変有意義な議論が行われたし、またその他のテーマについても活発な議論が行われて、年に一回、もうこうしたものは形骸化しているとか意味がないとか、いろいろ批判はあるようでございますが、私は、そういうことはなくて、やはり率直な議論の場としてのサミットの有効性はまだまだある、このように思っております。

 まず、アフリカ問題につきましては、G8が力強く支援をしていこう、日本もその中で百億ドルODA事業を積み増していこうというようなこと、そしてそれぞれの国が、国によって異なりますけれども、例えばヨーロッパの国々は一定の時点までにGNI〇・七%目標を達成しよう等々、積極的にアフリカを中心として支援をやっていこうではないかということの合意を見たことは意味があったんだろうと思います。

 気候変動につきましては、さまざまなテーマが実際あるわけでございますけれども、京都議定書の着実な実施、あるいは、これは小泉総理から、三R、リデュース、リサイクル、リユースですか、この三つ、あるいはもったいないの精神、あるいは違法伐採問題、日本らしい主張もできたかな、こう思っております。

 また、世界経済については、そう大きく新しいことが取り上げられたわけではなくて、二〇〇六年末までにWTOドーハ・ラウンド交渉を成功させようということに加えまして、特にこれは日本の主張で、知的財産権の保護というものについては各国が具体的にアクションをとるべきであるということで、総理が強く求めて、それも成果文書の中に入ったということは、私はよかったんだろうと思っております。

 また、北朝鮮の核、ミサイル、拉致問題の包括的重要性というものを総理が訴えまして、こうしたことも議長総括の中で言及をされたというようなことで、多岐にわたったことではございますが、私は、それぞれのテーマにおいて意味のあるサミットではなかったのかな、このように理解をしているところであります。

丸谷委員 七日の朝のロンドンでのテロをテレビ画面で見たときに、本当に言葉を失ったというのが最も言い得ている表現かというふうに思うわけですけれども、二〇一二年ですか、オリンピックの開催地に決まって、イギリス国民の喜びの姿の後のまたああいったテロの映像でございましたので、特にショックは大きく、またいかなる理由であろうとも正当性を持たないテロという行為に対してG8が断固闘っていくという意思を示すことができたのも、大きな成果になっているものというふうに考えております。

 今回のテロ対策としても採択された文書がございますけれども、既に存在しているテロの脅威の削減ということと、新たにテロリストとなることを阻止する重要性というものも指摘をされています。新たにテロリストとなることを阻止する重要性ということからも、貧困の撲滅等というのは大きく貢献することというふうに思いますけれども、新たなテロリストの出現を防止するため、今後、国際的にどういった取り組みをしていくのか、この点については何かお考えがありますでしょうか。

町村国務大臣 今回のサミットで、委員御指摘のようなテロ対策に関して、これまでの成果それから今後の取り組みに関する合意という意味で、テロ対策に関するG8首脳声明というものが発出をされたわけでございます。

 今後の取り組みということで、途上国等に対するテロ対処能力向上支援を引き続き重視すること、それから包括テロ防止条約の交渉を早期に妥結することを国際社会に呼びかける、また交通機関の安全を確保すること等が盛り込まれているところでございます。

 特に、委員御指摘の、新たな世代のテロリストの出現の予防といったような項目もこの首脳声明の中に述べられておりまして、例えば、テロリストによる、インターネットを利用して新たに勧誘をするといったような問題もあるので、これが一体どういう実態なのか共同分析をしようとか、あるいは紛争の解決、予防、貧困削減、グッドガバナンス、社会的、政治的権利の促進、民主的な改革、文明間の相互理解の促進、こうしたことについて取り組んでいくということが、新たなテロ世代の出現ということの予防に資するのではないかというような位置づけになっております。

 まだまだこの辺はやや抽象的なことにとどまっておりますけれども、いずれにしても、例えば今委員御指摘のように、特に貧困がテロの温床であるという認識はかなり広がっていると私は思います。

 そういう意味で、例えばアフリカに対する支援強化、あるいはアフリカを含めた発展途上国に対する支援、これが直接的にテロ対策にどこまでどう関連するのかということを実証するのは難しいかもしれないけれども、それは大きないわば背景として存在することは多分否定できないんだろう、こう思われますものですから、世界全体がバランスよく発展を遂げられるような、そうしたことに向けての先進国の努力というものが必要であろうということは、日本もよく認識をしながら、今後努力をしていかなければならないと考えます。

丸谷委員 九・一一以降、我が国でも対テロ防止策というのは推進をされてまいりましたし、また、今回のロンドンでのテロを受けまして、国内のテロ対策強化も図られているものというふうに承知をしております。

 日本でテロを起こさないということに関して、一義的には、まずテロリストを水際で阻止するということが重要なのではないかというふうに考えております。

 昨年の十二月、テロの未然防止に関する行動計画というのを政府は策定されました。その中では、外務省関係では、在外公館を通じてテロ関連の情報収集の強化を行う、外務省は警察ですとか他省庁と連携をし、在外公館における対外情報の収集及び分析体制を強化するというふうになっております。

 この行動計画が策定されて、今、在外公館での情報収集の体制というのはどのように対応策をとってこられたのか、この点についてお伺いをいたします。

町村国務大臣 今委員御指摘のテロの未然防止に関する行動計画、昨年十二月に推進本部で決定をした上で、犯罪対策閣僚会議でそれの報告を受けて了承したということでございます。

 その中には、今委員御指摘のように、テロリストを入国させないための対策とか、あるいは自由に活動させないための対策、テロに使用されるおそれのある物質の管理強化、テロ資金を封じるための対策強化、重要施設の安全を高める対策の強化、テロリスト等に関する情報収集能力の強化、この最後の六番目のところで外務省の役割というものが期待をされているということでございます。

 この点について、外務省としては、在外公館の定員の強化でありますとか、本省や在外公館間の協議の密接化等、具体的な取り組みを進めておりますが、まだまだやらなければならないことはたくさんあると思います。

 特に、一般的な情報と違って、このテロに関する情報というのは非常に、当たり前のことなんですが入手する、把握するのが難しい情報でございますし、これについては、相当の専門性なり、また場合によっては相当お金がかかることもあるんだろう、こう思われます。そういう意味のいわゆるインテリジェンスの強化というものは、率直に言って、私かねがね申し上げておりますとおり、日本政府があるいは日本社会全体が取り組むことをかなり怠ってきた分野の仕事であろう、こう思っております。

 そんなこともあるものですから、この春から対外情報機能強化に関する懇談会というものを私、設置いたしまして、専門の方々にお集まりをいただいて、夏過ぎぐらいまでには有益な御提言をいただく。これは、外務省だけでできることもありましょうし、また政府全体で取り組まなければならないこともあろうかと思っております。こうした問題について、改めて意識を強めて、しっかりとした取り組みをやらなければいけない、かように考えております。

 急になかなか能力強化といっても、できること、できないこと、率直に言ってございます。しかし、そんなことを言っていられませんので、とにかく現在のできること、最大限に努力をしていかなければいけないと考えております。

丸谷委員 インテリジェンスの強化というのは、大臣のお考えの中で、外務委員会等でも幾度となくお話、お考えを聞かせていただいておりますし、今御答弁いただいたとおりだと思います。

 十二月にこの行動計画が策定されまして半年以上たっているんですけれども、そうそうなかなか外交官の方々が在外公館の中でテロリストに関する情報を集めてこいと言われても、それはかなりの無理があるでしょうし、警察と連携しながら等といったこともございますけれども、やはり抜本的にだれが何をどこまでできるのかということも含めて、また懇談会をつくられたということでございますので、対策をとっていただきたいというふうに思います。

 ちなみに、今回のこのロンドンで起きましたテロの危険性といいますか、これについて、大使館、在外公館の方では何か情報、危険性の察知というものはあったんでしょうか。

中村政府参考人 テロの活動一般につきまして、事前に察知する、特に直接的な脅威があるかどうかということを把握することは極めて困難な状況が一方にございますが、やはり、二〇〇一年九・一一以降におきまして、各テロ集団においてのテロ声明あるいは事前の声明等が出されてきております。そういう中で、我が国に言及された部分もございますので、常にテロの行動、活動といったものについては、きめ細かな検討あるいは調査を行ってきているところでございます。

 具体的にロンドンでの事件につきまして、これは、今後、現地ロンドンにおきましての警察当局の調査結果が待たれるところでございますが、我が国において、ロンドンに行われるといった蓋然性はそれなりに高いものということは思っておりました。ただ一方、このような形で行われるかどうかについての具体性あるいは直接的な脅威ということについては、直接、当地における状況においてはさほどの把握というものは難しかったものと思っております。

丸谷委員 ありがとうございました。

 情報収集等につきまして、今後、人的な問題があるのであれば、そういったことも含めてしっかりと政府の中でも対応していただきたいというふうに思います。

 では次に、アフリカについて質問をさせていただきます。二〇一〇年までに支援をアフリカに倍増し、途上国に対しては五百億ドルを拠出する中で、うち約二百五十億ドルをアフリカへというような流れになっております。このアフリカに対する支援のあり方については、欧州が目指す形あるいは日本が目指す形というのは若干違いがあるのかなというふうに思っておりますけれども、今回どのような議論を経て、どのような支援のあり方になったのか、この点についてお伺いをいたします。

町村国務大臣 今回のサミットで、G8としての支援策をまとめましたアフリカ文書というものが発出をされたわけでございますが、この文書の中では、平和、安全保障、よい統治、グッドガバナンスというんでしょうか、それから人々への投資、経済成長、こういった幅広い分野について今後重点を置いて取り組んでいくべき事項というものを取り上げておりますし、そのための資金手当てというものについて触れているわけでございます。

 どういう議論があったのか。確かに、それぞれの国の経験、また援助についての考え方、あるいはその国の発展というのはどういうことで実現ができるのか。いろいろな経験の違い、あるいは哲学的な物の考え方の違い、歴史的な経験の違い、いろいろあるんだろうと思います。

 さっき宇野委員の御質問にもお答えを申し上げましたけれども、日本は、それは資金も必要だけれども、それだけではやはりなかなか発展というのは実現できないのではないだろうか。例えば、人づくりの重要性であるとか、あるいは、日本が農業大国であったというような、今でも大国かもしれませんが、そうした農業を通じて社会を発展させていくという経験をより重視していこうとか、あるいは、やはり民間を通ずる協力、貿易・投資といったものを通ずる協力といったようなことを日本側としては重視して考えていってはどうだろうかということを主張して、それは相当反映されたと思っております。

 確かに、ヨーロッパの国々の中には、やはりお金が第一だ。それはお金も重要でありますけれども、そうしたことを強く主張する、特にイギリスなどは開発資金というものについて大変強調してきたという経緯もあるわけでございます。その辺、いろいろな国々の議論があったのは事実でございますが、それらをまとめて今回の合意に達したもの、そういう意味では結果的にはバランスのとれたいい声明に仕上がってきたのではないだろうか、このように評価をしているところでございます。

丸谷委員 ありがとうございます。

 一方で幾らお金を注いでも、他の国が、国際社会がアフリカに対して金額的に大きく援助をしても、やはり今大臣の御答弁の中にもグッドガバナンスというお言葉がありましたけれども、透明性とすぐれた統治がなければ、なかなか一人一人の国民に対する恩恵というのは行き渡らないでしょう。また、そういった意味で、採択された文書の中にも、民主制度とその手続の強化、あるいは汚職の撲滅、国連腐敗防止条約の早期批准への努力等々がうたわれております。

 実際に、国際社会がアフリカの国々に対して民主制度と手続を強化していく、あるいは透明性とすぐれた統治を高めていくために一体何ができるんだろうかというのは、本当に私自身今悩んでいるところでございます。一方で内政干渉はしてはならない、しかしながら、西洋的な価値観でいうところのと言う方もいらっしゃいますけれども、民主主義、自由な民主主義という概念に基づいてそこの国づくりを進めていくためには、日本として何が一体できるんでしょうか。

 この点について、ちょっと漠然とした質問で申しわけないんですけれども、お考えがあればお伺いをしたいと思います。一つは、直接的に政府が何をできるのか。また間接的に、例えば、アフリカで実際にガバナンスにかかわっていくことができるような国連職員における邦人の数をふやすことによって、日本人という顔でそこのグッドガバナンスづくりに対して貢献できる道もあるでしょうし、どういったお考えを今外務大臣は持っていらっしゃるのか、この点についてお伺いをいたします。

町村国務大臣 このグッドガバナンスは、私は非常に重要なことであろうと。短期的に、確かに援助資金が入ると、その限りにおいてはその国の景気はよくなるかもしれないけれども、長続きしないということがあろうと思います。

 たまたま、先日、小泉総理とインドネシアのユドヨノ大統領の会談に私は同席をいたしましたが、そういう言い方をするとインドネシアに失礼かもしれませんけれども、決してインドネシアの政府がグッドガバナンスであったと言えるかというと、それは多分、自他ともに認める、そうではない方の例によく挙げられるということでもあったわけであります。

 ユドヨノ大統領は大変な強い決意を持って、この国から汚職というものを排除しなければいけないということで、何か事件があると非常に厳しい、内部統制といいましょうか処分といいましょうか、これを今やっておられる最中でございますが、やはりそうした姿勢というものを日本政府が全面的にまず支援をする、ぜひそれで頑張ってくれということを申し上げるというのは、まず大変に重要なことだろうと思います。

 昨日のアメリカのライス長官との話の中でも、やはり援助に関してグッドガバナンスの話が出ておりますし、アメリカも、これは重要な点だ、こう言っておられました。

 また、昨日夜、ニカラグアの外務大臣との話の中でも、現在の大統領がこのグッドガバナンス、汚職の追放というのを最大のテーマに掲げてやっている、余り激しくやるものだから逆に民衆の支持率が落ちてきているというような悩みを述べておられましたが、それにもかかわらず、今の大統領はしっかりそれを進めていくんだという話をしておられました。

 それは厳しい仕事かもしれないが、ぜひ日本もそれは全面的に支えていきますよというようなことを申し上げ、そういう国々に対して、やはり日本が、例えば援助を提供する際に、そういうことに一生懸命取り組んでいる国により重点的に支援をしていくということもできるんだろうし、それで、そのことは現実にODA大綱の中にも明示されているところでありまして、そうした姿勢というものをまず支援していくというのがまず基本的に重要なことだろうと思います。

 それから、より具体的には、例えば日本としては、司法の分野とか財務管理の分野で、技術協力を通じてアフリカ諸国の統治能力の改善を支援していく。もうちょっと具体的に申し上げますと、いろいろな研修ですね、汚職防止刑事司法支援集団研修、例えばマダガスカル、ウガンダ、カメルーン、ボツワナ、こういうところを今年度研修を実施予定でございます。

 また、上級倫理研修、人事管理研修、こういったものをタンザニアに対してするとか、公務員能力強化計画プロジェクト、財務管理プロジェクトをガーナに対してやるといったようなこと、これも大変地味で目立たないことかもしれませんが、こうしたことをやることによって、アフリカ諸国のガバナンス能力というのを高めることのお手伝いをするということも大変大切だろうと思います。

 また、今委員御指摘の、国連を通ずる、国際機関を通ずるそうした協力というものも、彼らもいろいろな努力をしていると承知しておりますので、そうした国際機関の活動に日本も協力をしていくというのも大切なポイントだろうと思っております。

丸谷委員 ありがとうございました。

 ユニセフで働いている邦人の方からこの間お話を聞きまして、その邦人のユニセフ職員がアフリカに行って仕事をしていたところ、本当に日本ありがとう、ありがとうということを子供たちが言ってくれるというふうに言っていました。僕は日本人だけれどもユニセフの人なんだよというお話をしたんだけれども、日本人なので日本に対してありがとうという認識をすごく持っていただいているというお話をされていました。

 そういった意味で、国際機関の中で邦人の数をふやしていく、また重要なポストにつけていくというのは非常に重要な外交政策であるというふうに思いますので、この点についてもぜひお願いをしたいと思います。

 最後に、アフリカ支援の中でございましたけれども、国連腐敗防止条約の早期批准の努力というものがうたわれております。この点について、日本は、二〇〇三年の十二月に署名をされているというふうに存じておりますけれども、まだ締結はされておりません。これは日本として早期に締結していくべきだというふうに思います。恐らく、まだ国内法の制定が不十分だということなんだと思いますけれども、この点、外務省はいかがお考えでしょうか。

神余政府参考人 突然の御質問でございますけれども、確かに……

赤松委員長 そんな余分なことは言わなくていい。突然質問したっていいじゃないか。

神余政府参考人 訂正申し上げます。前言を取り消します。

 その条約につきましては現在まだ調整中でございまして、国内におきますさまざまな調整を経まして、今後、対応を考えていきたいというふうに考えております。御指摘の点は承っておきます。

 ありがとうございました。

丸谷委員 どうもありがとうございました。

 本当に突然の質問で申しわけないんですけれども、最後に大臣に、これも申しわけないんですが突然質問させていただきたいと思います。

 というのは、けさの新聞に、産経新聞の報道でございましたが、駐日ロシア公使が、一九四五年の旧ソ連軍による北方領土占領について、日本軍国主義の侵略行為の帰結であり、反省すべきは日本だとする内容の論文をロシアの外交誌「国際生活」の最新号で発表したという記事が載っておりました。

 一つ一つの報道に対してコメントをしないということはあるかと思うんですけれども、この論文を発表した公使というのはロシアの公的な立場にある人でありまして、その論文自体を私はまだ読んでおりませんが、非常にこの報道に触れて不快な気持ちになりました。大臣、ちょっとこの短い時間で恐縮でございますけれども、こういったロシア側のメッセージについて御感想があれば、ぜひお聞かせ願いたいと思います。

町村国務大臣 恐縮でございます。私もけさ新聞に十分目を通しておりませんので詳細はわかりませんが、今、日ロ間では、先般来この委員会でもお話をしておりますとおり、いつまでもこの領土問題で平行線という状態は決していいとは思わない、それぞれの努力によってかけ橋を何とかかけていきたいという基本的な姿勢を示した上で、今、両国間でいろいろな話し合いを行っている最中でございます。

 したがいまして、今その公使の見解がどういうものかわかりませんけれども、どういう見解があったとしても、現実に今両国間の懸案事項としてこの領土問題があるという事実は変わりがないわけでございます。まして、私どもの歴史認識、私どもの事実認識というものは、既に八月十五日、終戦が済んだ後に、さらに彼らは八月下旬から九月にかけて、千島、樺太方面にどんどん侵略をしてきたということであって、これはまことに国際法上も許しがたい行為であるということについて私どもはかねてより主張をしているところであります。

 したがって、今委員から伺った限りにおいても、その主張というのはまことに歴史的事実に反することを、半ば牽強付会的な解釈をやっているのかな、こう思われもいたします。いずれにしても、日ロ間、しっかりとこの領土問題を議論して、答えを出す最大限の努力をしていきたいと考えているところでございます。

丸谷委員 ぜひ日本政府としても、こういったロシアの公的な発言に対しては、毅然とした態度で臨んでいただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

赤松委員長 次に、首藤信彦君。

首藤委員 民主党の首藤信彦です。

 大臣、きょうは、グレンイーグルズ・サミットに関して、特にアフリカに関して、日本の債権放棄の問題を中心としてお聞きしようかと思ったんですね。

 ところが、きのう韓国で鄭東泳統一相が、世宗路で、韓国が今まで六者協議をつくるためにやってきた重大発言、重大提案というものに関して、その内容を初めて明らかにしたんですね。その内容はまさに重大提案でありまして、驚くべきものだと思うんですけれども、そのことを中心に、一体我が国は東アジアの安全そして目の前にある六カ国協議についてどういう対策で臨まれるのかということをまず最初にお聞きしたい、そういうふうに思います。

 さて、六カ国協議が今月末に、二十七日ですか、行われるというふうに報道されておりますけれども、今回のグレンイーグルズ・サミットでもそうなんですが、一体日本は何のために会議に行っているのかと大変疑問に思うことがあるんですよ。

 要するに、会議に行くというのは、ただ行ってみんなで話し合うわけじゃなくて、明らかに戦略的な目標を持って、この問題は確実に解答を出そう、我が国の平和と安全そして国益に確実にプラスになることを、さまざまな国際社会の譲歩とかあるいは改善を獲得しようということで協議に参加するわけですけれども、今回の六カ国協議では何をもって戦略目標となすか、最大の眼目、一つは何ですかということをまずお聞きしたいんですね。

 もちろん、いろいろな問題があります。さまざまな問題があると思いますが、今回の六カ国協議に関しては、一点、これだけは絶対何が何でも獲得しなければ会議に参加する意味がないというふうに考えている戦略目標を、町村大臣の口からはっきりとお示しいただきたいと思います。

町村国務大臣 六カ国協議が七月の下旬から一年一カ月ぶりぐらいに再開をされるという運びになったわけでございます。そのこと自体、私どもは歓迎をしているわけでございます。

 ただ、再開が自己目的化してはいけない、再開はただ単なる一つのステップにしかすぎないわけでありまして、そこで何を目標とするかといえば、これはまさに、北朝鮮は別かもしれません、まあ北朝鮮もあえてそれは否定していないわけでございますけれども、核の問題でございます。

 いろいろな表現はあろうと思いますが、核のない朝鮮半島というものを実現しようということでございまして、そのことが日本の安全保障あるいは北東アジアの安全保障環境といったようなもの、日本に対する直接の脅威というものを除去することが最も重要な目標であるということは私ははっきりしているのではなかろうか、かように考えております。

首藤委員 外務大臣がおっしゃるとおりだと思いますね。これは喫緊の課題であり、日本の安全あるいは東アジア全体の安全にとって、朝鮮半島の非核化というものが本当に重要であり、非常にまた緊急の課題である。これは絶対に譲ることができない、何が何でもこれは獲得して前進させなければ、我が国の安全、国益、すべてにとって大変な障害になると私も理解しております。

 しかし、それならば、なぜこんなに六カ国協議がおくれてきたかということですね。日本は今まで小泉首相が対話と圧力というような話をしていたんですが、昨年の末から、電話しても出てこない、対話どころか、対話のスケジュールを調整しようという、そこすら切れてしまっているということなんですね。

 それからまた、圧力というふうになりますけれども、圧力といっても、具体的に手段が余りなくなってきているわけですね。例えば日朝貿易というのはどんどん減っていまして、もう既に近隣諸国、中国とか韓国とかあるいはロシアとか、そういう国と比べても、日本の貿易量というのは多くない。最近の貿易統計によれば、ついにタイにも抜かれた。

 こういうような状況の中で圧力をかけるのは非常に難しいと思うんですが、さらに難しくさせているのは、ことし二月の北朝鮮の核保有宣言から、さまざまなことを韓国がいろいろ呼びかけています。そして、七月に鄭東泳統一相が金正日総書記と会っていろいろ協議をして、その結果、例えば米の五十万トンを支援ということになっていますね。

 それからさらに、南北が今まで分断されていた交通路という意味で、京義線、東海線の年内開通。さらに、京義線の先に何があるかというと、もちろん開城があるわけですよ。開城の工業団地というのも今非常に栄えているわけですが、そこに韓国は、開城だけではなくて、北朝鮮に衣類や靴などの生産に必要な原材料を提供することも合意しているということであります。

 そういうふうに考えると、もう圧力をかけるにも、そういう状況にはないということがわかるわけですが、さて、このような急展開、特に六者協議を導いた急展開というものに関しては一体何ができたかということであります。

 韓国が六月から猛烈な勢いで活発な外交を展開しています。さっき七月と言いましたけれども、六月ですね。六月十五日は南北会談五周年、その機会に鄭東泳統一相が北朝鮮に入っていろいろな相談をしたわけですが、そうしたことが果たしてどの程度日本に情報として伝えられているのか。これは、当然のことながら、朝鮮半島において韓国が勝手にやっていいということはございません。それはもちろん、韓国の主権の中でやるのは結構です。

 しかし、この問題に関しては各国が協力して朝鮮半島、特に北朝鮮の非核化を進めるということでありますから、当然のことながら日本に綿密な相談があってしかるべきだと思いますが、こうした六カ国協議へ導く、あるいは韓国が一方的に京義線、東海線を開通させるとか、肥料の援助をするとか、あるいは五十万トンの米の支援をするとか、そういった情報がどの程度日本に情報として伝えられていたのか、そこはいかがでしょうか、外務大臣。

町村国務大臣 外交上の一つ一つのやりとりについて、これがどうであったかということについて明らかにすることは、先方の事情もありますので、それは差し控えさせていただきますけれども、一般的に、日韓両国は従来から緊密な連携関係を保っておりまして、重要な情報を日本に流さないという事実はございません。いわゆる重大提案というものについても、韓国政府から事前に説明は受けていたということは、この際、明らかにしておきたいと思います。

 日米韓の結束ということを一つの基本としてやってまいりました。時としてそれが乱れているではないかというような御批判もあり、若干、三国の中に足並みがいささか乱れたというような時期も確かにあったわけでございますけれども、今、改めて、しっかりとやっていこうということで、あしたに、日米韓の六カ国協議に参加する、我が方でいえば佐々江アジア局長が韓国に赴きまして、韓国の代表者、そしてアメリカのヒル国務次官補が参加をして、ここでさらに具体の協議を十四日にやろうということになっているわけでございまして、もちろんこれは三カ国ばかりではなくて、中国もそうですしロシアもそうでありますが、しっかりと事前の打ち合わせをしながら、この六者協議が実りあるものとして始まるように努力をしていかなければならないと考えております。

首藤委員 外務大臣、それはやはり違うんじゃないですか。私も今までそういうふうに信じていましたよ、韓国は日本に対してきちっと情報を送ってくると。しかし、この問題に関しては、重大提案が一体何であるかということをいろいろ私も調査しました。外務省の方にも聞いたし、いろいろな、ジャーナリストの方にも聞いた。どこからも出てこないですよ。

 どこからも出てこないというのは、それは日本の守秘体制がきっちりして出てこないのではなくて、日本では、余りあっていいことではないんですが、どこからか漏れてしまうわけですよ。だから新聞にもたくさん出てくるわけですね。ところが、何も出てこないというのは、これは要するに伝えられていなかったんですよ。

 しかし、その結果というのは、これがまたきのう発表されたわけですが、その内容というのは、もう本当に驚天動地の世界としか言いようがないわけですよ。

 例えば、今まで伝えられているという話があります。私も北朝鮮あるいは韓国の問題に関していろいろ質問しましたよ。しかし、今回韓国が北朝鮮にしている提言というのは日本が関係することですよ。日本の費用負担あるいは日本が投資したものがなくなっていく、そういうことを含めて、日本がその意見をしっかり聞いて、情報が伝えられて、そして日本が対応しなければいけないことばかりじゃないですか。それがなぜ急に出ているかということですね。

 例えばどういうものがあるかというと、先ほどの京義線などに加えて、KEDOが中断されているわけですが、これの二百万キロワットの軽水炉、軽水炉二基ですけれども、それをもうやめるかわりに、放棄するかわりに、電力を韓国は供給する。では、それはどうするんだ、火力発電所はどうするんだ、送電線はどうするんだ、あるいは今までKEDOを、軽水炉二基をつくるために投資した日本の直接、間接の数億ドルから数十億ドルというお金はどうなっていくんだ、そういう話が当然出てくるわけですね。

 さらに、重大提案はこのほかに、東亜日報によれば、北朝鮮の食糧難を根本的に解決するために肥料工場を北朝鮮に建設する、ロシアの沿海州地域に大規模農園を造成して北朝鮮住民の農業移民を実施する案、その他さまざまな案が具体案をもって、もちろん経済特区の問題も含めて、かなり詳細な提案として出されているということですね。これはすべて日本が関係してくるものなんですよね。

 こういう費用負担あるいはKEDOの軽水炉建設を放棄することに関して、日本はどれだけ情報を伝えられ、一体、日本はこれによってどれだけ今まで投資したものを放棄する、そしてまた、これからどれだけ、送電線の建設、肥料工場の建設、その他日本はどの程度韓国に援助する可能性があるのか、この点に関して日本政府はどのようにお考えなのか、町村大臣の説明をいただきたいと思います。大変重要なことです。

町村国務大臣 私どもが理解している限りで、今韓国が提案をされた中身というのは、これはすべて韓国独自の力でなさることだ、日本政府にあるいは他国政府にこの資金負担を求めるということはない、そういうプロジェクトばかり、考え方であるというふうに私どもは理解をしております。

首藤委員 大臣、私の質問を理解していただいていないと思いますけれども、そんな問題じゃないでしょう。韓国だけでやるといったって、それはパーツだって日本から来るんだし、さまざまな援助は日本から韓国に間接的に行くわけですよ。それよりも何よりも、KEDOをもう放棄する、そして放棄した分に見合う電力を送る。送るということは、これはKEDOのその枠組みの中で行われていくわけですよね、ある意味で。

 そうすると、日朝合意、それから韓国と北朝鮮との合意、あるいは米朝合意、こういうものがすべて絡んで、何一つ日本が免責となるものはありません。韓国がそれをやっても、すべて日本に費用負担がかかってくるものであります。何よりも、KEDOの軽水炉二基の放棄によって、今まで投資した日本のお金は一体どういう形で国民にお返しになるんでしょうか。外務大臣、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、大谷委員長代理着席〕

町村国務大臣 KEDOについては今中断状態にあるわけでございまして、これを今後どうするのかということについてまだ、これは国際的な問題でありまして、日韓が主要ではありますけれども、多くの国々が関係をするわけでありまして、今後、KEDOについて、合意された枠組みが九四年にできて、その後、今中断をしている最中でございます。

 このKEDOの今後の扱いというものについて、中断されて以降、今後どうするのかということについては、これは今後国際的な場で議論をされるものということで、今回の韓国が電力を北朝鮮に直接送電をするという方式だ、こう聞いておりますけれども、これについての資金負担を国際機関、国際的な枠組みの中でやろうという話ではないということでございます。

 では、過去に投資した分はどうなるのかということについては、今後KEDOのフレームワークがまだあるわけでございますので、その場で今後議論をされるべき話であろう、こう考えております。

 ただ、この重大提案が本当にそのとおりになるかどうか。これは、問題は六者会合の場の中で北朝鮮が核廃棄に合意すれば、この廃棄の合意という中身ももっと厳密に詰めなければならないわけでございますけれども、どういう形の合意ができるかということによって、この電力計画というものもどう変わっていくのかという問題もあろうかと思います。その辺は、六者協議の場あるいはそれ以前のさらなる綿密なる打ち合わせの中で今後話し合われていくテーマであろうと考えております。

首藤委員 委員の皆さんも恐らく大体お気づきだと思いますけれども、町村大臣の今説明されたのは非常に鈍いですよね、切れ味がないですよ、日ごろの大臣の言質からいうと。それはなぜかというと、やはり研究していないんですよ。

 これは、六月の初めに、六月の十五日に南北会談の五周年が行われて、十七日に、金正日国防委員長と鄭東泳統一長官とが会っているわけですね。その後、六月三十日から七月一日にかけて、鄭東泳統一長官がみずからアメリカへ行って、これはディック・チェイニー副大統領とも会って説明しているんですよ。

 一体、では日本は、このときにも正確には日本には伝えられていなかったんじゃないんですか。だから、今のこの七月の半ばごろになって、どうするのか、明確な対応ができていないということじゃないですか。

 アメリカはこれに向けて、この七月一日のチェイニー会談から以降、六カ国協議は加速するわけですよ。ですから、明らかにこれは、アメリカは、鄭東泳長官が金正日国防長官との間でつくったこの提案、そして金正日国防長官がこれに対して検討すると言ったことを受けてこれが動き出したわけですよね。

 では、一体、日本のスタンスは何なんだ、日本はこれにどう関係しているんだということなんですけれども、例えばこの重大提案に対してアメリカはどう思っているのか。先ごろコンドリーサ・ライス国務長官が来られました。町村大臣とも親しげにいろいろな話をされているということはテレビで放映されましたけれども、では、この重大提案に対してコンドリーサ・ライス国務長官はどのような見解を日本側に示されたでしょうか。

町村国務大臣 公式な米政府の反応といいましょうか見解というものがどういうようなものであるか、今ちょっと私は手元に資料がないのでわかりませんけれども、一般的に言って、こうしたさまざまな各国がやる努力、それは水面下のものもあれば、水面上のものもあると思います。

 そうしたいろいろな外交努力の総和というものが、また北朝鮮は北朝鮮なりの事情、考え方があって今回復帰を決めてきたということであろうと思いますから、米政府が、今回の韓国政府によるいろいろな提案について、全体としてはそれは評価をすべきものであろうというふうに受けとめていると私は考えております。

首藤委員 大臣、これは韓国にとっても大変な問題ですよね。いろいろな報道がされています。報道に対しては一々コメントしないというお立場なんでしょうが。

 聯合通信によれば、ライス長官と潘基文外相との会談において、ライス国務長官は、この提案は非常に創意的であって、核問題を解決するのに有益であって、非常に肯定的な方策であるということを明言されているそうですよ。ですから、このすべての今回の六カ国協議は、何か急に少しずつ歩み寄って成ったのではなくて、その重大提案に北朝鮮が反応して、そしてその反応を見て急速に動き出した、そういうふうに客観的に解釈されるわけですけれども、それでは、一体日本は何なのか、この六カ国協議において。

 テレビなどを見ますと、北朝鮮は、日本が何も貢献しなかったといって非難している、そういうことを言うのはけしからぬというような報道があふれております。現実に、我が国の安全、国益を守るために、朝鮮半島の非核化、北朝鮮の非核化、そして脅威の削減ということは我が国の国益に最も重要なわけですけれども、そのために一体日本は何をやってきたのか、また、なぜそれができなかったのか。それに対して、外務大臣の御意見をお伺いしたい。

町村国務大臣 確かに、委員の御指摘のように、拉致の問題もこれあり、北朝鮮と水面上で直接的な交渉を行える状態には今ない、これは御承知のとおりでございます。

 しかし、それが日朝間のすべてではございません。また、日本と中国、日本と韓国、日本とアメリカ、あるいは日本とロシア、さまざまな外交ルート、さまざまなパイプを通じて、どうやって北朝鮮を六者協議の場に戻してくるか、そして同時に、戻してきた場合に一体どういうような、いわゆるロードマップとでもいうんでしょうか、を描いて、最終的なゴール、先ほど申し上げましたような核のない朝鮮半島というものを実現していくのかといったようなことについていろいろな作業をする、意見交換をする、そうした面での知的な貢献もするといったようなこともやっているわけでございまして、ただ黙って何もしないで見ていたというわけではもとよりございません。

 それはなぜかというと、委員御指摘のとおりでありまして、日本の安全保障にとって非常に重要な、ある意味では最も重要な課題であるがゆえに、日本として別途日朝間の、大きな制約というものはありつつも、その中で可能な限りの、最大限の外交努力をやっているということでございまして、何もしていなかったではないかという御批判は当たらない、私はこう思っております。

 また、北朝鮮が日本をそういう形で批判、非難をするというのは、それは別のまたいろいろな思惑があってやっていることであって、それにまた日本がとりたててあれこれ反応する性格のものでもないだろう、こう思っております。

    〔大谷委員長代理退席、委員長着席〕

首藤委員 いや、大臣、北朝鮮が何を言おうとそれはいいんですよ、そんなのは勝手に言わせておけばいい。問題は我が国ですよ。今の御説明を受けると、やはり切れ味鋭い、かみそりのような切れ味を持っている町村大臣が何にも実のあることを言い返せないわけですよ。ポケットには何もない、だから結局言い返せないんじゃないですか。だから、どうしてそういう状況で、本当にどういう戦略で六カ国協議に臨まれるのか、私は質問しているうちに非常に不安になってきました。

 昔、ラグビーとかサッカーをやっていましたけれども、バスがおくれて試合場に行くんですよ。そうしたら、相手はもう全部フォーメーションを組んで練習をして、汗も一回流して、そして準備している。我々は、バスからおりたままその試合場へ行って惨敗。同じようにジャージーは着ていますけれども、とても試合にならなかった。

 まさに今回の六カ国協議というのはそんな状況ではないですか。アメリカは七月の一日からもうそれに取りかかって、二週間ばっちりと準備している。北朝鮮も六月の十五日から準備している。韓国の場合は、ことしの二月からずっと営々と準備を積み上げてきた、一体韓国は何ができるかということでそれをぶつけてきた。

 では、日本は何ができるか、一体何があるのか、何をもってすれば北朝鮮の譲歩を引きずり出せるのか。具体的に何もないじゃないですか。それでどうやってこの六カ国協議が戦略的な、先ほど言われた北朝鮮の核、朝鮮半島の非核化というものに対して日本が何をもって貢献することができるか、私は大変疑問なことだと思います。

 ただ、こういうような状況に追い込まれたのは、大臣がおっしゃるように、それは拉致の問題があるからだと思いますね。しかし、拉致の問題だって、これは私も何度も質問させていただきましたけれども、昨年の十一月に横田めぐみさんの遺骨というものが送られてきて、いろいろ鑑定したけれども、警察でもちゃんとした結果が出なかった、ほかの大学でも出ない。

 ただ、帝京大学の一講師の方がネステッドPCRという方法で、横田めぐみさんの遺骨と称されたものから、DNAではなくて、細胞の中にあるミトコンドリアの中から、それを増幅して、そして恐らく他人のものではないかというミトコンドリアのDNAを発見されて、これで他人のものだと。

 それは一つの科学的な仮説なんですよね。それは結構ですよ。しかし、そういう不確かなものをもって、日本の命運、この日本列島に住む一億三千万の人間の生命に関係することをすべて危うくするようなそういう態度に出られたというのは、大変疑問になっているところですね。これは既に、イギリスのネイチャー誌、アメリカのいろいろな雑誌とか、それからヘラルド・トリビューン、国際的な新聞にも書かれているということであります。国際的には、日本があやふやな情報に基づいて外交をミスったというのがだんだんと定説となりつつあるわけですね。

 ですから、その根本にあった、当時帝京大学におられた吉井講師の一つの仮説を、外交上、ひょっとしたら大問題になってもおかしくないような、悲劇を生むかもしれないような、結果を生むかもしれない外交上の大問題に関して、すなわち、この遺骨と称されるものが横田めぐみさんのものではない、そして北朝鮮の態度がいかにも不誠実で日本を裏切っている、交渉はもうこれで切る、こういう態度に出る判断を一体だれがされたのか。外務大臣、いかがですか。

町村国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━私は、警察が真剣にしっかりと鑑定をしたその結果を踏まえて政府として判断をしたのでありまして、今あたかも国際的にあの鑑定がまことに不正確であったというような話をされますが、私は、だれよりもかれよりも日本の政府、警察の判断というものを尊重して、それに基づいていろいろな政策を決めていく、これは当然のことではないのかな、こう思っております。

 拉致問題に関する国際的な評価、日本政府の対応に対する評価というものについては、いろいろな国が、日本のこの拉致問題に対する対応について理解をする、支持をするという発言が相次いでいるわけでありまして、拉致問題について日本政府の対応がおかしいとか、そのような批判は、北朝鮮以外の国からそういう発言があったというのは、私は記憶にないところでございます。

 したがいまして、そもそも日本の警察を信用するのかしないのかというところからもし出発するならば、それを信用する、その彼らの判断に基づいてその後の外交政策を展開する、これは当然のことであると私は思っております。

首藤委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━私は、これはいろいろな可能性を言っているんですよ。あるときにはそれはアジアの人たちを代弁するかもしれない、あるときはNGOの意見を言うかもしれない、そういうのがこの国会の場じゃないですか。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━これは委員会に対する侮辱だと私は思いますよ。

 だから、これはやはり謝罪を求めます。委員長、いかがですか。

赤松委員長 ただいまの首藤委員からの申し出につきましては、委員長としては、議事録を精査いたしまして、不穏当な発言か否かについては理事会でお諮りをし、その後、処置を決めさせていただきたいというふうに思います。

首藤委員 だから、外務大臣、私は別に、どこの国のとかどこの特定の人のことを言っているのではないんですよ。客観的にありとあらゆる可能性をつぶしておかなければいけない。そして、これは六カ国協議でまた出てくるんですよ。だから、ありとあらゆる可能性をつぶして、一体これはだれが決めたと言ったら、お答えになりませんでしたよね。警察を信用しろと。それは信用していますよ。しかし、この問題を、一つの科学的な仮説を外交の手段にするまで、だれが決めたのかということなんですよ。お答えになれないんでしょう。だったら、それは結構ですよ。

 では、警察に聞きましょうか。

 警察は、これだけの批判が出てきているわけですけれども、前からこれは私は要求していますけれども、なぜこういう批判にたえるだけの再検査なり、あるいはきちっと国際的な評価にたえられる、例えばさまざまな法医学者の意見とか、あるいは国際社会での意見とか、専門家の意見とか、そうした国際的評価にたえられる再検査あるいは再反論をどうしてきちっとできないのか。いかがですか。

瀬川政府参考人 お答えいたします。

 今御質問にありました、横田めぐみさんの遺骨とされたものの帝京大学における鑑定の結果でございますけれども、これはあくまでも刑事訴訟法の定めに基づきまして科学的な鑑定を実施したものでありまして、その結果は、仮説というものではなくて、科学的な鑑定の結果の事実ということでございます。その結果につきまして、私どもは、外務省を初め、政府なり関係各機関に連絡をさせていただいたところでございます。

 今お尋ねの、どのようにして客観的、対外的にこれを説明し、納得をさせるのかということだろうと思いますけれども、これにつきましては、まず何よりも、北朝鮮側に対しまして、鑑定書の要旨それから客観的なデータというものを、外務省を通じてでございますが、しっかり提示させていただいております。

 その後、また北朝鮮から備忘録と称する当方の鑑定結果に対する反論が出されましたけれども、これにつきましても、逐一科学的根拠を示しまして、「北朝鮮側「備忘録」について」という文書を作成いたしまして、外務省を通じて北朝鮮側にこれも通告をいたしましたし、また外務省において広くこれは広報をしていただいているところということで、世間的にも具体的に明らかになっているところだというふうに思います。そしてさらに、外務省からは、北朝鮮側に対しまして、この鑑定結果について、実務者レベルで直接説明をする用意があるということを何度も伝達をしていただいているものと。

 しかしながら、先方からは、何らのこれに対する回答もないというふうに私どもは聞いておりまして、私どもといたしましても、そういった北朝鮮側の対応をこのまま注視をしている、こういう状況でございます。

 この鑑定結果につきましては、累次この委員会でも御説明をさせていただいているとおりの内容でございますが、国会の場におきましても国家公安委員長から報告をさせていただいております。そしてまた、法令の制限に反しない限りにおきまして、内外のマスコミ等からの質問に対しましても、私どもといたしまして文書により回答するなど、最大限、誤解が生じないように、しっかりと説明責任を果たしてきたつもりでございまして、今後とも、かかる態度でこの問題については臨んでまいりたいというふうに考えております。

 そういったものをぜひ御理解いただければ、極めて科学的な鑑定結果であるということにつきましてしっかり御理解をいただけるものというふうに考えております。

首藤委員 私は、この問題は、やはり日本の警察のためにクリアにしておかなければならない問題だと思います。

 警察に対する信頼が、警察を信用しないのかという話がありましたけれども、信用できないことばかりではないですか。いろいろな不祥事があるでしょう。だから、それがどういう問題かを一つ一つ明らかにしていかなければいけない。

 このDNA鑑定というのは、そんな一部の人によってやっていったら、今までの犯罪捜査、犯罪の裁判記録というのは全部覆ってきますよ。ですから、これは何度も精査しなければいけない。

 それで、科学的とおっしゃいました。科学は、繰り返して実証できるものが科学なんです。ですから、有名な、一番初期のことで問題になったのは、野口英世が梅毒のスピロヘータを発見した。しかし、同じ培養法でやったら、だれもできなかった。そこで、やはりそれが疑われて、それは後でいろいろな形で、最終的にはスピロヘータが確認されましたけれども。

 結局、科学というものは、別な人が何回やっても同じ結果にならなければ科学じゃないんですよ。ですから、それができなかったら科学的な結果ではないんですよ。だから、科学的な結果を再検査しなさいと、それを何度もお願いしているのに、できない。

 北朝鮮の態度が不誠実だ。それは不誠実ですよ、それは結構ですよ、それはもうみんな文句を言えばいいんですよ。しかし、我が方はしっかりしなければいけない。どんなことがあっても、我が方は一点の曇りもないことをしなければいけないのに、そういうことになっていない。

 このことが、結果的には、六カ国協議において、日本が出おくれてしまった。それがいい悪いは別ですよ。しかし、六カ国協議において、日本が本当に考えなければいけない朝鮮半島の非核化に関して日本が出おくれていて、要するに、本当に一周おくれでスタートラインに立つようなところに、窮地に追い込まれているわけですよ。そして一方では、韓国の大提案が行われていて、それに世界じゅうが実は乗りつつあって、みんな拍手している。では、我が国はどうするんだ、そこを外務大臣に聞いているんですよ。

 だから、そこのところを、一周おくれでもいいですよ。一周おくれだって、走って一周おくれを取り返すことはできるんだから。それを真摯に受けとめて、それはもう死に物狂いで六カ国協議までに準備していただきたい。それは切に切にお願いしたいと思いますね。

 さて、時間もだんだんとなくなってきましたけれども、米軍再編についてお聞きしたいんですね。

 この問題も同じなんですよね。何の情報も公開されていない。この米軍再編の問題に関しては、今基地をどうするかというものがあるんですけれども、この辺に関して、我々は、普天間基地の問題とか、どちらかというと、アメリカがもう基地が要らなくなってきて縮小していく、いわゆるブラックといいますけれども、基地再編の縮小、その中の運動の一つで、それだったら、普天間基地もどうのこうのという話だったと思っていたんですね。

 ところが、おっとどっこい、もう一つ大きな流れを我々は見逃していて、それは軍事革命ですね。これはRMAといいますけれども、例えば人工衛星を使ったり、今までの軍事とは全然違う、新しいエレクトロニクスなどを使った機材などでやっていくという軍事革命なんです。それはわかります。しかし一方、驚いたのは、それと同時に、組織をあるいは戦略そのものを革命的に変えなきゃいけない、これがこの軍事革命の第二段階でした。それが今どんどん進んでいっているわけですね。

 そこで、アメリカは戦略とか組織を根本的に変えて、今までのように、アメリカから何か行くとか、どこかに大きな基地を設けていてそこから飛んでいくというのではなくて、ちょうどインターネットのように、世界じゅうに小さな拠点を幾つか設けて、それを有機的に組み合わせて、どこで起こっても世界じゅうを動かしてやろうという、インターネット型の分散型の戦略に切りかえてきているわけですよ。その拠点を何と言うかというと、UEXというんですよ、UEX。そのUEXが、何と日本の座間に来ようとしているわけですよ。

 では、大臣、そのアメリカ軍が今行っている戦略組織上の大革命の中で、UEXというのはそもそもどういう機能をお持ちですか。

町村国務大臣 今委員がお話しになられた軍事革命あるいはUEX、米軍がいろいろな形で公表している資料もありますし、またそういうことが日米間でも、今回の再編に関して、さまざまな議論の中で出されていることも承知をしております。

 ただ、政府として詳細に米軍の組織なり運用なり役割ということについて申し上げる立場には必ずしもないけれども、現在アメリカ陸軍がトランスフォーメーションの一環として組織改編を実施している、その中でUEXというものは作戦及び戦術レベルの司令部を意味する概念である、このように理解をいたしております。

首藤委員 いや、米軍のやっていることを知らなかったというのは、外務大臣の言うせりふじゃないですよ。それは外部の大学院生か何かが言うことであって、すべてのことが日本に来ているんであって、それが入っていなかったとしたら、それは日米同盟もくそもへったくれもないじゃないですか。そういうごまかしを言われても困るんですよ。

 しかし、UEX、ともかくおっしゃいましたよね。そういう戦略拠点なんですよ。それは、対象は当然のことながら全世界であり、アメリカの単独行動であるわけですよ。それはとりもなおさず日米安保条約に抵触し、それは第六条の問題だけではなくて日米安保条約全体に抵触し、我が国憲法に抵触いたします。いかがですか、外務大臣。

町村国務大臣 今回の日米間のさまざまな再編協議というものについては、これは現在ある、もちろん憲法及び安保条約の、そしてその関連取り決めの枠内で行うということについて、日本側の基本姿勢としてアメリカ側に累次述べてきているところでありますし、アメリカ側もその点を理解した上で、さまざまな再編協議が現在行われているという状態でございます。

首藤委員 この問題は、ですから基地だけの問題ではなくて、本当に日本全体がこれに対してどう対応するかという問題ですよ。情報をまだお示しにならないわけですから、これはこれからの予定の中に組み込んでいっていただきたいと思いますけれども。

 このことに関しては、普天間基地の移動に関しては自治体の問題かもしれない。しかし、座間へのUEXの移転に関しては、これは座間市の問題でもなく、相模原市の問題でもなく、神奈川県の問題でもなく、日本全体の問題である。本当の岐路に立っている日本の問題であるということを理解していただき、理解するしないは別として、事実はそうでありますけれども、その問題に関してこれから議論を深めていきたいと思います。

 最後に、イギリスでテロが発生しました。やはりこういう時代に、テロリズムも、残念ながらどんどん進化を続けてきているということであります。これに対して我が国をどう守っていくかということだと思うんですね。

 一つの考え方は、日本は余りそれほどの、テロリストが積極的にねらって大規模に組織を展開するほどの魅力はないし、またそれを支援する体制もないから、ではないだろう、そういう考え方も一つはあると思うんですね。しかし、目を転じてみれば、日本に脅威を与えるやり方というのは世界じゅうにございます。特に、日本人というのは、もう延べ一千数百万が海外に行って、駐在だって何百万人が事実上いて、日本の航空会社があり、日本のエージェントがあり、日本の企業があり、日本の工場がある。こういうところで日本にテロの影響を与えるのは極めて容易であるというふうに私は断ぜざるを得ないんですね。

 ですから、町村大臣、この問題に対して、そうした全世界への脅威、日本以外への脅威に対して、外務省はどれほど真剣にこの問題に対して組織、人、物、金を動かし、検討し、実効ある形で邦人の生命財産を守っていこうとしているのか、そこのグランドデザインをこの事件を契機にお伝え願いたい。

 それから、警察にお願いしたいのは、私はそういう意味で、それほどテロリストが日本においてイギリスのシティー、アメリカのマンハッタンを襲うような価値を感じて攻撃するとは思いませんが、唯一、現時点で非常な価値を持っているのは愛知万博ですね。ですから、それはもちろん同時多発でやるということはやらなくても、よく御存じのとおり、日本にある、残存する爆薬、あるいは燃料系の爆薬、あるいは肥料系の爆薬、こういうものを使って爆破というのは可能なんですね。

 ですから、そういう日本において突出した脅威となっている、リスクのもととなっている愛知万博に対する防御はどうあるのか。お二方のこの質問に対する回答を求めて、私の質問を終わります。

町村国務大臣 国内であれ在外であれ、特に在外の場合は外務省の責任ということになるわけでありますが、邦人あるいは日系企業に対して可能な限り万全な備えをしていく、そのための努力をするということは当然の責務であろう、こう思っております。

 航空業界とか観光業界を含めて、海外に進出する企業については危機管理担当者という者を置くようにしていただいておりますけれども、こうした方々に対する危機管理セミナーを国内の主要都市、それから海外の主要都市でも開催しているところでございまして、外務省と企業との間、特に在外の場合は安全対策連絡協議会というものを開催して、密接な連絡あるいは情報共有に努める努力をいたしております。

 また、旅行する皆さん方に対しては、海外安全ホームページの情報を提供するなどやっておりますし、また大手旅行業者との間では外務省トラベルエージェンシー連絡会といったようなものを定期的に開催して、テロ情勢と対策の情報共有に努めております。

 また、エアラインの安全対策につきましては、これは国際民間航空機関、ICAOが策定をしておりますシカゴ条約附属書のテロ、ハイジャック関連国際標準を遵守して保安に努める、昨年の十二月にいわゆるスカイマーシャル制度というものの運用を開始しているところでございます。

 こうしたことで、さらにより根本的には必要なテロ情報というものをいかに外務省として正確に入手するか。先ほど丸谷議員からも御指摘ございましたけれども、必ずしも十分ではございませんけれども、可能な限りでそうした情報の入手を、できるだけ早く正確に入手するように努めた上で、こうしたものに対して可能な限り未然の防止ができるように努力をしていきたいと考えております。

瀬川政府参考人 お答えいたします。

 我が国を取り巻く国際テロ情勢、大変厳しいものがあるというのは御質問のとおりだろうと思います。

 警察庁といたしましても、昨年外事情報部を設置するなどして情報体制を強化するとともに、関係省庁と連携した水際対策あるいは各種重要施設の警戒警備等を強化して、未然防止を図っているところでございます。

 特に、お尋ねの愛知万博でございますが、我が国を含む百二十一カ国、四国際機関が参加をいたしておりまして、期間中、天皇、皇后両陛下、現在行幸啓中でございますが、両陛下を初めとする皇族方や多くの国内外の要人が訪れております。また、一般の方も多数来場しておりまして、国際テロ対策は極めて重要である、御質問のとおりだと考えております。

 まず、主催者であります博覧会協会においては、国際テロを未然防止するために協会警備隊というものを設置いたしまして、施設の警備、それから、特に、御質問にもありました爆弾対策という意味で、入場者などの手荷物のチェック、こういったものを徹底するということで、自主警備の強化を図っているところと承知をしております。

 警察といたしましても、警察庁に次長を長とする対策室を設置し、また愛知県警察におきましては警察本部長のもとに総合警備本部を設置いたしまして、博覧会会場内外に所要の部隊を常駐させまして、各ゲートやG8を初めとする主要なパビリオン、さらには関係駅などにおいて警戒を実施しておりますほか、情勢に応じまして警戒を強化し、未然防止を図っております。

 現時点では、愛知万博に対する具体的なテロ情報というものは把握をしておりませんけれども、ロンドンの事案に見るまでもなく、一たん発生すれば大変甚大な被害が生じるということでございます。引き続き、博覧会協会を初め関係省庁、関係団体と緊密に連携をいたしまして、愛知万博に対するテロの未然防止に万全を期してまいりたいと考えております。

首藤委員 質問を終わります。

赤松委員長 次に、松原仁君。

松原委員 民主党の松原仁であります。

 今、世界の環境というのは、テロを含めて、この間イギリスでテロがあったわけでありますが、大変に緊張感を増しているわけであります。

 日本の場合は、テロに関しては既に経験を積んでいるといいますか、例えばオウム真理教によります地下鉄サリン事件というものがもう十年近く前にあって、今回のイギリスの地下鉄の爆破のテロとはまた違った意味から、これは生物化学兵器を使ったテロということであります。

 また、私たちの国においては、例えば北朝鮮による国家テロというものが従来から拉致ということで行われてきたわけでありまして、こういったテロの問題というのは、本来、私たちはある意味では、随分とさまざまなテロに対してのそういう蓄積を持っているわけであります。

 やはりこれを生かして、日本もターゲットになるような可能性のある現状においては取り組んでいかなければいけないと思いますが、このことについて、簡単な大臣の御所見をお伺いいたします。

町村国務大臣 先般の七月七日のような連続爆破事件、テロ、これは世界じゅうのどこでも起こり得る事件であろう、そういう認識を日本としても持たなければいけない、あの事件の第一報を知ったとき、私はそういう率直な感想を持ったところであります。

 かねてより、今委員御指摘のように、既に日本も経験をしていることでもございます。また、そういう意味で、昨年の十二月にテロ対策、いかにこれを未然に防止するのかといったような観点からの対策も改めて総合的にまとめて発表し、その実施に努めているところでございます。

 しかし、では、日本が、本当にテロというものが実際に、ああした連続爆破事件的なものがどこかに仕掛けられる、新幹線であるかもしれない、地下鉄かもしれない、バスかもしれない、こういうものを本当に実行に移されたときに、それを未然に防止することができるだろうかどうだろうかということを率直に考えたときに、相当やはり不安があるわけでございます。

 さらなる対策の強化というものが、これはいろいろなレベルで講じていかなければいけないものだなということも痛切に感じているところでございまして、国民の生活の安心というものを確保することは、間違いなく政府の大きな役割でございますので、そういう意味で、今後さらに気を引き締めて一生懸命、このテロ対策、安全確保対策というものに取り組んでいかなければならないと考えております。

松原委員 国が何をするかという場合にしばしば言われることは、国は、そこに住む国民の生命財産を守るということでありますから、それは、例えば災害が起こった場合の対処、また、災害を未然にいかにして減災するかというその仕組みづくり、またこういった海外のテロリストによるテロに対して、きちっと、なるべくそれをさせない外交上の努力、またそれに対して、それを水際で食いとめる、機会をなくす努力、こういったものは大いに政府として取り組んでいただきたい。

 特に、外務省の場合は、外からのテロリズムに対して、いろいろな意味で施策を打って、水際で、こういったものとの議論を深める、議論というかテロを許さないということも含めて、テロを直視しながら、きちっとまた行政としての仕事をやっていただきたいと思うわけであります。

 同時に、今回、六カ国協議がいよいよ再開をされるというふうな見通しになりましたが、外務省のおさとして、この六カ国協議全般の中で日本の国は何を目指したいのか、町村大臣の大所高所からの考え方、六カ国協議に臨む外務大臣としての考え方をお話しいただきたい。

町村国務大臣 世界全体の文脈の中で考えるならば、やはり世界じゅうに核兵器あるいは生物化学兵器等々、大量破壊兵器というものが拡散をする、そのことが世界の国々、一人一人の国民にとっても、また国家にとっても、安全、安心というものを脅かされる大変大きな要素であるから、それを除去する努力をしていくということが国際的にも求められている。

 この北東アジアについて言うならば、新たに北朝鮮がそうした核保有国として出現しているというのか、しかかっているというのか、そういう状態を阻止した上で、北朝鮮あるいは朝鮮半島に核のない状態というものをつくり出していくということが、これは近隣の日本の要請であるのみならず、国際社会の要請であるというふうに受けとめております。したがって、そこに最も密接に関係する関係六カ国が集まって協議をするというところに意味があるわけでございます。したがって、この六者協議の最大の眼目というのは、やはり何といっても核の問題だというふうに考えております。

 しかし同時に、日本にとって考えると、あるいはこれは周辺国にとっても同じでございますが、核が実際に使われるというケースというのは、それはミサイルによって運ばれるということになるわけでございましょうから、やはりミサイルをつくらせない、あるいは配置させない、使わせない、実験もさせないというようなことも同等の価値を持って大切なことなんだろう、私はこう思っております。

 そういう意味で、私は、日本としては核とミサイルという問題を非常に重要な問題として取り上げていきたい。さらに、これは、ほかの人権問題、広く言えば人権問題というのが当然北朝鮮の中にあるわけで、これは国際社会に共通する問題でございますが、より現象的に言うならば、日本と北朝鮮の間には拉致の問題があるということでございます。

 拉致が直接的な六者協議のアジェンダ設定の中にどう組み込まれているかということは別にいたしまして、しかし、今までの六者協議の中で、この拉致の問題について日本政府は累次発言を行ってきておりますし、また、二国間の北朝鮮との間の話し合いの中でも、当然拉致の問題も取り上げております。

 したがって、今、拉致に関する日朝間の話し合いというのは、少なくとも表立っては事実上の公式の話し合いが行われていないという現状にあるわけでございますので、今回の六者協議の場を活用して、六者の集まりの中で、二者協議、複数間の協議というのは今後可能になってくるわけでございますし、今までもそうでありました。

 したがって、私は、今回の六者協議再開を通じて北朝鮮と実際に話し合いの場を持てる可能性は十分ある、こう考えますので、日本政府としては、この拉致の問題も、六者協議の中でのバイの場などを通じて取り上げていきたいし、また、六者協議全体会合の場でもきちんとした問題提起というものを改めてしていかなければいけない、かように考えております。

松原委員 バイの話し合いというのは当然当事国同士でありますが、今大臣おっしゃったように、拉致問題というのは、人権問題というふうにとらえるならば、これはあまねく大きな問題になってくるわけでありまして、六者協議に参加する国の中で、拉致問題を六者協議の全体の中で取り扱おうという機運は、今大臣がお考えになって、他の国からはこれに対してはどんなふうな考え方が寄せられているか、そういったものがあれば御紹介いただきたい。

町村国務大臣 今、拉致の問題を、拉致というか特に人権問題と置きかえた方がいいかもしれません、あるいは拉致でもいいんですが、他の四カ国からこれを積極的に取り上げようという動きがあるとは、私は必ずしも承知をしておりません。

 したがって、日本の拉致問題に対する政府の取り組みというものについての理解は十分ある、これまでの累次の関係者との話し合いで理解はある、こう私は受けとめておりますけれども、また、そういう発言もあったわけでございますけれども、この六者協議の場で拉致ということを一つの大きなテーマとして取り上げることに合意があるかといえば、率直に言って必ずしもそういう状態ではないと私は受けとめております。

松原委員 この拉致の問題、前にも話しましたように、時間がたつと、関係している方々もお亡くなりになる方もおられたり、再開ができない状況がどんどん生まれてくるわけであって、この問題はもう、日本が強く主張し、同時に他の国々を説得し、この土俵をつくっていかない限りにおいては、私は解決がなかなかできないというふうに思うわけであります。

 私は、実は昨年の暮れに、横田めぐみさんの遺骨が違うという議論になったときに、細田さんは、北朝鮮がこの問題に対して迅速かつ誠実な対応をしなければこれは重大な措置をとらなければいけない、こう言っていたというふうに記憶しておりますが、この辺を、ちょっとどなたかもう一回確認をしていただきたい。

齋木政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年の十二月の二十四日でございますけれども、日本政府が実務者協議の結果を踏まえて行ったさまざまな調査を踏まえて発表いたしましたその結果、この発表に際しての官房長官の記者会見での発言の中で、日本としてはこの問題について北朝鮮に対して迅速かつ誠意ある対応を求めていく、仮にそういうことがなければ日本としては厳しい対応をとらざるを得ないということを発言しておられます。

松原委員 この問題というのは、にせ遺骨問題で迅速かつ誠実な対応がなければ厳しい措置をとる、この厳しい措置というものの中身は、どういう中身でしょう。

齋木政府参考人 お答えいたします。

 厳しい措置、いろいろな措置というものを我々としてももちろん考えておりますけれども、その中には、いわゆる経済的な制裁といったことも含めて、我々として何を行うことが最も効果を上げるか、また、どういうタイミングで何をすることが拉致問題の解決を図っていく上で全体を前進させることに資するのかといったことを考えながら、いろいろと検討しておる状況でございます。

松原委員 それで、思うに、北はこのことに対して迅速かつ誠実な対応をしたという認識はお持ちでしょうか。

齋木政府参考人 遺憾ながら、全くそういうふうには思っておりません。

松原委員 この間、北の発言は、この問題、日本のでっち上げだという発言があったと記憶しておりますが、この辺をちょっと説明してください。

齋木政府参考人 先ほど申し上げましたように、昨年の十二月の二十四日に日本政府としての調査の結果を発表いたしまして、それを直ちに北朝鮮側に対して通報いたしました。

 その後、北朝鮮側からは、我々、バイのチャンネルも通じ、また、かつ彼らの公の放送、報道を通じまして、日本側がこの問題で、つまり横田めぐみさんのものとされる遺骨のDNA鑑定問題、これについては日本側が捏造した謀略であるという趣旨の反論を何度も繰り返し行っております。

松原委員 これは日本がやったでっち上げであり、関係者を処罰しろ、ここまで北朝鮮側は言っていたと記憶しておりますが、ここで問題なことは、そういう議論で、日本は、先ほど町村大臣おっしゃったように、日本の警察を信じ、まずみずからのところを信じて行動している、細田さんは迅速かつ誠実な対応がなければ経済制裁を含む重大な措置を講ずる用意がある。その後、北側の反応は、これはでっち上げである、こういう状況になってきて、半年経過をしたわけであります。

 半年経過をして、被害者家族会は六月の二十四日から三日間、この国会近くで座り込みをして、これ以上できないわけでありますが、横田御夫妻を初めとして、あの大変暑い日でしたから、もう命が縮まったのではないかと思うような中で、そういった座り込みを行ったわけであります。

 この座り込みをするまで家族を追い込んでしまったことについて、町村大臣、いかがお考えですか。

町村国務大臣 この拉致の問題、実際にそれが行為に移されてから、北朝鮮がその問題の所在を認め、金正日国防委員長が謝罪をし、そして五人の方々が帰り、家族の方々が帰ってくるまでに、既に相当長い時間がたってしまっているということであります。まことに遺憾なことであります。

 小泉内閣になってから、何も一切そういう問題がない、全否定であった国にそれを認めさせた、そして家族まで帰ってきた、そこまでは、私は大変に、小泉首相の英断によってこの北朝鮮外交が新たな局面を開くことができた、こう思っております。

 その後の展開が非常に問題であるわけでありまして、その後、先ほど来審議官が説明したような、あるいはもう先生御承知のような状況で今日まで来ております。

 したがって、私は、六月下旬に御家族の方々が大変炎天下の中でつらい思いをされながら、それでも、子供たちを返せ、家族を返せという思いでああした座り込みをされる、そのお気持ちを推しはかったときに、まことに胸に迫るものがあるわけでございまして、近日中に御家族の皆さん方とも、実は先週でしたか会う予定を立てていたんですが、急に外国へ行かなきゃならない等でちょっと日程が飛んでしまったので、大変申しわけないことをしたと思っておりまして、またさらに、ごく近いうちにまたお目にかかって直接お話も聞かなければいけない、こう思っているところであります。

 したがって、我々ができることは、一刻も早く結果を出すことだ、こう思っております。そのためにどういうことができるのかということになるわけでございますが、現在の状況で、率直に何ができるかということを今この場で明示的に申し上げることはできないわけでございますが、六者協議も再開のめどが立ってきたという中で、私は、また新しい局面がここから開けてくるのではないだろうか、また、開くための努力をしなければいけないだろう、かように考えているところであります。

松原委員 私は、やはり被害者家族があの炎天下で座り込みをするところまで彼らを追い込んでしまったことに対しては、町村大臣、非常にじくじたる思いを持っておられるだろうし、また、そういった思いがなければいけないと思っております。

 特に、細田さんが半年前に迅速、迅速といったら大体半年もたったら迅速の領域を超えているわけで、誠意ある対応どころか、日本はでっち上げを言ってきて、関係者を処罰すべきだというふうに彼らは言ってきているわけでありますから、私は、その中で、なぜ経済制裁をいまだに科さないのか、決断するのは小泉総理ですから、すべてこれは小泉さんの責任になるわけでありますが、なぜやらないのかと非常に不思議でしようがないわけであります。

 経済制裁が経済的効果というよりは政治的なメッセージであるということを、私はぜひとも町村大臣にも御認識をいただきたい。つまり、経済制裁をやることによって、もちろん経済効果も、日本と大分経済規模の違う北朝鮮でありますから深刻な影響があろうかと私は思いますが、日本が本気で怒っているメッセージというものが、世界に対して、また北に対しても、これでは伝わらない。

 もっと私が申し上げるならば、例えば北朝鮮は日本に対して、日本のでっち上げだ、横田さんのにせ遺骨問題は日本のでっち上げである、こういうふうなことを彼らは言ってきた。

 でっち上げであると言われ、そして我々はその前の段階で、迅速かつ誠意ある対応がなければ重大な措置、経済制裁を含む措置を講ずる、官房長官がそこまで言って、北朝鮮側がそれに対して、誠意ある対応ではない反論を繰り返してきて、しかも、そのとき、重大な決意と言った内容の、今齋木さんがおっしゃった経済制裁まで含むことをいまだにやっていないということは、国際社会から見れば、日本は自信がないんだ、日本は自分の議論に自信がないんだ、こういうふうに思われるのではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

町村国務大臣 それは私、松原委員とはちょっと意見が違います。

 例えば国連人権委員会の場、あるいは二国間の会議の場、あるいはG8外相会談の場、あるいはG8首脳会談、いろいろな場において、この拉致問題という問題を必ず提起し、人権委員会ではより強化された意見が採択をされるなどしておりまして、その点について、国際社会の理解は、北朝鮮に好意的な国というのはないというふうに私は理解をいたしております。

 では、なぜ制裁をしないんだ、こういう御指摘でございます。

 幾つかの国が、日本がこの制裁を、拉致問題に対して大変な怒り、また国民が苦しみを感じているということは理解しつつも、しかし、今六者協議がもうすぐ再開されるかもしれないという状況のもとで、その戦列を乱すようなことはこの際は少し控えてもらいたいというような話が二国間の会談の中で出たことは、それは事実でございます。

 したがいまして、私どもとしては、今国際社会全体の中で北朝鮮への足並みをそろえていかなければならない。そして、日本の国家の安全保障にとって、核という大変大きな問題がある。その六者協議というものを再開させるということと、この拉致の問題をいかに両立させて解決を図っていくのか、大変難しい選択であるわけでございます。現実にまた難しい選択であります。

 私は、七月下旬から六者協議が再開をされる、その場を通じて、また改めてこの拉致の問題も、二国間の会談も開くことが可能である、こう考えておりますので、例えばその場を通じて新たな話し合いというものがまた可能なのではないだろうか、かように考えているところであります。

松原委員 その見通しは、極めて甘い見通しである。私は、大臣も、この六カ国協議で今のようなスタンスで拉致が本当に解決されるというふうに御本人はお思いになっていないんじゃないかと思うけれども、極めてそれはこの拉致に関しては甘い見通しだ。

 もう一つ言うならば、重大な措置を講ずるというのは、G8とかそういったところで北朝鮮はけしからぬということを主張するレベルのものなのか。私は、にせ遺骨問題が明らかになった、あのときの細田官房長官の記者会見を見る限りにおいて、それは水準が違う話だろうというふうに思っております。

 私は、実は日本の外交において、この拉致問題は何としても解決するために、そうはいいながらも、大臣に全力で取り組んでいただきたいと思います。しかし、私は、日本の外交で、どうもそういった意味で、のど元過ぎれば熱さを忘れるという表現を使うのは適切かどうかわからないけれども、少なくともこの北朝鮮の対応に対しても、いまだに経済制裁を行っていない。では、経済制裁をどういう状況で行うのか。私は、経済制裁を行うべき怒りの頂点が、恐らく横田さんのあのにせ遺骨問題だったと思うんですよ。これでもしない。

 細田官房長官は、迅速かつ誠実な対応が行われなければ経済制裁を含む強い措置を講ずると言ったけれども、北朝鮮側からの反論もある中で、いまだに行わない。それは、町村さん、G8で言うとかいろいろなことをおっしゃるけれども、私は、やはり国際社会から見て、日本はこの点に関して弱腰であるという認識を必ず持たれると思っているんですよ。

 これは、実は、もう一つの質問である中国の先般行われた反日暴動、これについても同じだと思うんですよ。大使館の建物が破壊活動によって壊された、この大使館はその後どうなっているか、お答えいただきたい。

齋木政府参考人 お答え申し上げます。

 四月に起きた反日デモ、中国の北京それから上海等々の都市で行われた反日デモの結果、日本側の大使館あるいは総領事館、大使の公邸等々において、窓ガラスが割られる、壁に物がぶつけられる等々の被害があったことは、既に御案内のとおりでございます。

 私どもは、この点について、速やかな謝罪、それから原状回復、再発防止、そういうことを行った者の迅速なる処罰、こういったことを累次要求してきております。

 これは、外務大臣が先方の外交部長とお会いになられたときにもこの点は明確に要求しておりますし、また、外務大臣のレベルの下のレベルも含めて、我々は中国側と相対するときに、副大臣であれ局長であれ、迅速なる措置というものを累次要求して、対応を求めてきておるわけでございます。

 遺憾ながら、その陳謝ということにつきましては、まだ先方から明示的な形での対応があるわけじゃございません。この点については、引き続き先方に対して機会あるごとに求め続けていくことが必要であるというふうに思っております。

 他方、これは外務大臣同士の会談が行われましたときに、先方の外交部長が、この問題につきましては、中国としては、国内法、国際法、こういったものを尊重して、責任ある対応をしていくということを明確に述べたわけでございますし、また、一部の過激な行動に対しては自分たちも反対している、日本国民の重大な関心は十分に理解しているということを先方が発言したわけでございます。

 したがって、そういった先方の外交部長の発言を受けまして、中国政府の方からは、日本大使館あるいはその大使の公邸、先ほど申し上げたようないろいろな損害、被害を生じたわけでございますけれども、そういったものについての原状回復、修復についてしかるべく対応したいということの意向が我々の方に伝えられてきておりまして、今、どういう形でどういうふうにやっていくかということを先方との間で詳細を調整しているところでございます。

 また、再発防止の点につきましては、これも李肇星外交部長でございますけれども、許可されていないデモ活動については参加することのないようにということを明確に呼びかけておりまして、そういった呼びかけの行為を始めまして、中国政府としては党も挙げて累次その再発の防止のために努力をしている、そういう実態はあるわけでございます。したがって、そういったことも受けてだと思いますけれども、四月の十六日以降、このようなデモ活動というのは、少なくとも我々が知る限りは行われておらないというふうに理解しております。

 加害者の処罰でございますけれども、これは、中国の方からは、北京、上海、それから広東、それぞれの地域におけるデモ行為で犯罪行為を行った者については、容疑者は逮捕したということの連絡、通報がございました。そしてまた、その後どういうことになっているのかということについては、我々は中国政府の関係部分に対していろいろと照会を行って、対応を求めているところでございます。

 いずれにしましても、引き続き中国政府当局の責任ある対応といったものを我々としては今後とも強く求めていく、そういう所存でございます。

松原委員 すなわち、謝罪はしなくて、賠償と再発防止の議論が進んでいる、こういう理解でよろしいですか。

齋木政府参考人 今し方お答え申し上げましたとおり、陳謝要求については、遺憾ながら、先方から明示的な形での対応があったということにはまだなっておりません。この点については、引き続き我々はあらゆるレベルで先方に対して要求するということでございます。

松原委員 六月十六日の、劉建超報道官ですか、彼が、御指摘の謝罪の問題について、私は、このような問題は存在せず、本件問題は既に解決されたと考えるというふうに言っているわけですが、これは町村大臣、どういうふうにお考えでしょうか。

町村国務大臣 報道官はよくいろいろなことをしゃべっている人でありますから、またその一々に私は反応いたしませんけれども、少なくとも外務大臣同士の話で、先ほど審議官がお答えしたとおり、彼らは、簡単に言ってしまうと、日本が責任があるんだ、こういう言い方をしているわけであります。

 次回、日中外相会談、まだ日程はセットされておりませんが、先方外務大臣がお見えになれば、七月下旬にラオスでASEANプラス3の外相会談がございます。その折に個別にお目にかかるチャンスもあろうかと思いますので、その際に、あなた方は、もう解決した、そういう問題は存在しない、こう言っておられるかもしらぬが、我々はそうではありませんよということで、きちんと先方に対して陳謝を求めていく考えでございます。

松原委員 この報道官の発言はそんな程度の発言だ、こういう御認識。しかし、それであれば、これに対して、やはり同じレベルで、違うぞ、そんなことはおかしいじゃないかと、やはり日本の、それは齋木さんが報道官なのかどうかわからないけれども、しかるべき立場が言い返さなきゃいかぬと思うんだよね。

 こういうことを言って、それに対して深く、町村大臣は、まあ、報道官はそういう人だから、大臣同士は違う議論がある。しかし、これがこうやって国際社会に出る以上、これに対して反撃をしなきゃいかぬと思うんですが、どうでしょうね、これは。反撃するべきだと思うんだけれども、ちょっと答弁を。いいですよ、齋木さんで。

齋木政府参考人 中国側がそういう、その場を使っていろいろと自分たちの立場を表明してきていること、これはよく我々としても目にし耳にしていることでございますし、これに全く呼応する形で日本側としての意思表示をしているかというと、報道官ということではないにしても、例えばこういう国会の御質疑の場で日本政府としての見解を申し上げているということも、これは当然公になるわけでございますし、私どもとしては、こういう場も使いながら、日本政府としての立場、考え方は、きちっと先方に伝わるようにということをこれからも心がけてまいる予定でございます。

松原委員 だったら、まあ、これは立場はだれかわからないけれども、齋木さんでいいですよ、この報道官の発言は無責任だと言ってくださいよ。

齋木政府参考人 私、今手元にその報道官の発言の内容、子細に持っているわけじゃございませんけれども、いずれにしても、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、報道官のそういったステートメント、これについて、我々として、いろいろな立場の人間がいろいろなことを言っているというのは私もよくわかっておりますけれども、こちらは、外務大臣あるいは官房長官が累次いろいろな場で御答弁申し上げているということを非常に重みのある発言であると思いますし、認識について一致していないということはこれを見ても大変明らかであろうというふうに思っております。

松原委員 これは、きのういろいろな議論をして、質問レクの中でいただいた資料ですから、出どころはそちらですから、見ていない、そんなばかなこと言わないでくださいよ。これは知っているはずなんですよ。知っているはずで、これに対して国会の場で、やはりここは違うと言ったりしているんだと言うんだったら、ここで言ってほしいんですよ。大臣、ちょっと答えてください。一言これは違うよと、大臣の方から言ってもらわなきゃいかぬ。

町村国務大臣 その報道官の発言は、日本政府の認識とは全く異なります。

松原委員 認識と異なるというよりは、これは間違っている、おかしい、こう言ってほしいんですよ。

町村国務大臣 どういう表現をとっても結構でございますが、さっき申し上げたように、その報道官の認識は中国政府の認識かもしれませんが、その報道官の認識は日本政府の認識とは異なりますし、私は、引き続き次回の日中外相会談できちんとした陳謝を求めていくという考えに変わりはございません。

松原委員 だんだん時間がなくなってきたのでこれで余りひっかかりませんが、こういうときにやはりクイックに素早い反撃をしないとだめなんだと私は思うんですよ。それは、大臣、そういうことを素早い反撃をしないから日本の外交がどんどんとこうなってきてしまっていると私は思っている。

 中国側は責任が日本にあると言っていたとさっき大臣ちょっと触れたけれども、これはどういうことですか。

町村国務大臣 ちょっと正確な発言は、今、手元にございませんけれども、日本の政治指導者の誤った歴史認識に基づくいろいろなことがあるから、こうしたデモなり破壊活動が起きるんだ、責任は日本にあると、たしかそういうような発言が先方外務大臣からあったと私は記憶をしております。

松原委員 四月十七日に李肇星外交部長が、中国政府はこれまで日本国民に対して申しわけないことをしたことは一度もない。これはうそですよね。例えば原子力潜水艦が石垣島に入ったりしているわけですから、このちょっと前に。一度もしたことがない、現下の問題は、日本政府が台湾問題、歴史問題、一連の中国国民の感情を傷つけたということである、この根本原因を日本側がはっきりと認識されることを期待する。これは、何か悪いことをやったやつが居丈高に、おれは悪くない、おまえらが悪いんだと言っているのと同じだと思うんだけれども。

 日本国民に対して申しわけないことをしたことは一度もない、根本原因は日本側にある、こういうことを言わせて、これに対して、まあいいです、もう時間がないから。これに対しても、このとき恐らく町村さんは大臣間で、少なくとも向こうの外交部長とは激論したと思うけれども、それがやはりメッセージで外に出なければいかぬと私は思うんですよ。日本はこういうものに対して、どうも、言われるけれども、さっきの報道官のものもですよ、言われて、やはり切り返すという部分が私は余りにも乏しいような気がしてならないんですよ。

 それが乏しいだけではなくて、謝罪の問題も、下手をするとこのままずっと賠償と、それからあと再発防止、これも大事ですよ、しかし、それで終わってしまって謝罪なし。北朝鮮問題も、横田さんのにせ遺骨問題で重大な措置を講ずると言いながら、迅速かつ誠実に、それもずっとなし。

 こういうふうなことは、結局、では日本の国が主体的な意思を持つ国家として、何か自分の自己主張をする国なのかどうか。少なくとも、一般の国民の目には非常にそれが見えない。一般の国民の目に見えないということが、私は、特に北朝鮮の拉致問題に対する政府の対応、中国の反日暴動に対する日本の対応の非常に大きな原因、問題点だと思うんですよ。本当は、こういうことをやはり町村外交は乗り越えていかなければいけない、これをぜひ御期待申し上げたいわけであります。

町村国務大臣 中国外交部長とのやりとり、その一つ一つの言葉について私は今ここでは申し上げませんけれども、かつてない激しいやりとりをやったと記憶をいたしております。

 確かに、当初あの事件が起きたとき、国内は別として、欧米の、あるいはアジア諸国でもいいんですが、海外の論調は、最初はかなりどちらかというと中国寄りといいましょうか、デモを理解するというような論調が非常に多うございました。

 それに対して、やはり日本政府がいろいろな場面で発言をし、これは逆に日本国内から、日本政府は発言のし過ぎだというおとがめを受けるほど日本政府は発言をし、国際的にも発言をし、またいろいろなマスコミにも意見照会をし、抗議をし、いろいろな活動をやってきたこともこれありまして、ある時期、ちょっと正確には私は記憶がありませんが、五月に入ってからだと思うんですけれども、国際的な世論は、明らかにそれは中国がおかしいというふうに大きく変わってきた、こう思っております。

 それはやはり、その間、日本政府の発言、あるいはいろいろなマスメディアに対する働きかけ、日本政府の発表というものの効果というものがそうした国際世論の論調の中に明らかにあらわれてきた成果だ、こう思っております。

 今、松原議員は、日本政府は何も物を言わないじゃないかという御指摘がございましたけれども、それは事実に反するわけでありまして、私どもは、折に触れて極めて的確に、かつ、精力的にそうした日本政府からの発信というものはやっておるつもりであります。ただ、委員の言われるとおり、十分であるかどうかと言われれば、それは十分でない部分も折に触れてあったかもしれない。

 ただ、もう一つ言いたいことは、その一つ一つの発言に、すべて一々全部反応しなきゃならないのか、それもまた違うんだろうと私は思います。やはりポイントを得たタイミングでそういったことを発言していくということが必要でありまして、いつも、何かあれば常に必ず言い返すということをやるばかりが外交のポイントではない、私はかように思っております。

 ただ、先ほどの報道官ですか、中国側の報道官の発言にどう対応したかどうか、そこはもうちょっと冷静に検証してみなきゃいけないことであったかなと思います。

 しかし、いずれにしても、日本政府がこの問題について、中国政府に対してきちんと陳謝を求めていくということについては、あの事件発生以来一貫して変わっておりませんし、そのことを常に先方にも申し上げておりますし、マスコミその他にも常に日本政府の考え方ということで申し上げているところでございます。

松原委員 大臣のおっしゃるのは当然そうしなければいけないことですから、これからも続けていただきたい。

 今回の暴動は、ウィーン条約から考えても、大使館に対しての破壊活動は客観的事実で、中国が悪いのは明らかなんですよ、初めから。だから、もちろん政府の努力がゼロだったとは私は言えないけれども、客観的事実を国際社会が見れば、それは大臣の言うとおり、これは五月二十五日のアジアン・ウォールストリート・ジャーナルでも書いてありますよ。

 デモにより在中大使館などが被害を受けているのを許した中国は、明らかに悪い。しかし、中国政府が犯した罪はそれだけではない。先週、知名度の低い新聞サザンウィークエンドは、中国は普通の市民のふりをしたスパイ軍団を結成し、インターネット上の意見を先導したという事実が出た。反日行動の種をまいたのはだれなのかわからない。

 こういう記事まで出るぐらいに、国際社会は冷静にそれを見た部分があるけれども、結局、その中でも、私は、日本政府としてはもっともっと、これはもう毅然と、北朝鮮問題も含めて戦うべきだと思っております。

 歴史認識の問題でというのを李肇星さんが言ったということですが、時間がないので私の言いっ放しで終わるかもしれませんが、一番問題になっているのは、例えば俗に言う南京の虐殺事件、暴虐事件というものがあるわけであります。これに対して、私は、ぜひとも大臣も、既に御承知おきかもしれないけれども、このことはよく知っていただきたい。

 これは、どれぐらいの人数がこの南京の虐殺によって失われたかというと、極東軍事裁判では、日本軍が占領してから最初の六週間に、南京とその周辺で殺害された一般人及び捕虜の総数は二十万以上であることが示されている、これらの見積もりが誇張でないことは、埋葬隊その他の団体が埋葬した死骸が十五万五千人に及んだ事実によって証明されている、これは東京裁判の判決ですよ、一九四八年十一月十一日。

 この十五万五千人という数字が一つあって、それで二十万だ、もっと多いから、こういう話であります。

 しかし、ここで大事なことは、南京のこの事件の後に、ベイツという南京大学の教授で宣教師、当時、今の台湾政府である国民党の顧問をやっていたベイツが、四万人の虐殺があったということを初めてここで明らかにして、たしか白人記者に、アメリカの記者かだれかにこれを言ったというのが最初のスタートだというふうに私は認識しております。

 その後、ティンパーリ、有名なティンパーリでありますが、最近は、国民党からいろいろな意味でお金をもらっていたということも本の中で明らかにされたりしております、真実かどうかはまた検証が必要かもしれませんが。それが、昭和十三年七月に「戦争とは何か」という本を書いた中で、このベイツの数字を恐らく引用したんでしょう、ベイツから引用したとは書いていないけれども、四万人がそういった意味で犠牲になったということをティンパーリが書いているわけであります。それが昭和二十年過ぎの東京裁判でこの数字になる。

 いろいろと調査しますと、当時の南京の、死体がたくさん大変無惨な形にあった、それに対して、この数字のデータ、十五万五千というのは、崇善堂という団体が十一万人の埋葬をした、四万人の埋葬を紅卍字会というのがやった、こういう話なんであります。トータルが約十五万五千、こういうことであります。

 しかし、当時、この紅卍字会を指揮して中国の亡くなった方々の埋葬をやったのは特務機関にいた丸山進さんという方で、ことし亡くなったそうでありますが、これは、中国はなかなか地主のいない土地がなく、丸山氏が乗り出してようやく埋葬がどんどん進んでいった。彼が言うには、崇善堂は当時埋葬をやっていなかったということを彼が証言しているわけですよ、つい先ごろ亡くなったわけでありますが。

 そうすると、その崇善堂の十一万というのは、どうもこれは事実あったかどうか極めて怪しいということを我々は感じざるを得ない。紅卍字会の四万というのは、これは実際四万より少なかったけれども、埋葬者の人数によって、言ってみれば、費用が特務機関から出されたという経緯があるんでしょう、見積もりを上乗せして四万人にしたということをこの丸山さんが証言しているわけであります。

 ほかにもたくさん言いたいことはあるわけでありますが、私が申し上げたいのは、中国側はこれが三十万人というふうなことも言っているわけでありますが、これについての数値に対して、外務省が把握している数値をちょっと教えていただきたい。

齋木政府参考人 お答えいたします。

 南京のいわゆる虐殺問題に関連しまして、虐殺というか殺害、略奪行為があったのかどうかということからいいますと、これは累次国会等でも御説明申し上げていると思いますけれども、少なくとも日本軍が南京に入城した一九三七年、昭和十二年でございますけれども、南京入城後多くの非戦闘員が殺害あるいは略奪行為に遭ったということは否定できないというふうに我々として思っておりますが、具体的な人数につきましては、これはいろいろな説がございまして、数千人の規模であったという説もあれば、あるいは先ほど来松原委員がおっしゃったような三十万人、四十万人という数字を述べているものもございます。

 日本の南京事件を研究してこられた権威の一人であられます秦郁彦先生は、不法殺害の犠牲者としては三万八千ないし四万二千という数字を挙げていらっしゃいますし、また、陸軍のOBの親睦団体偕行社が出している出版物の中では、数字はもう少し少ない数、三千ないし六千、あるいは三千という数字といったものも出ております。

 いずれにしても、その辺の、実際に何人の非戦闘員が日本軍の南京入城後殺害されたのかということについては、正確な把握できる数字というものは残念ながらないというのが実態でございます。

松原委員 結局、我々の国の歴史にかかわる問題でありまして、余りあいまいな数値がひとり歩きされても困ると私は思っているわけであります。

 それは、例えば、この間も東中野さんの本をここに出して、齋木さんもそれは見たとおっしゃいましたが、あの中で、ほとんどの写真が違う、それに対してまたいろいろな疑義が出たりしていますが、明らかに違う写真というのもそこにたくさんあるわけですね。政府はこういったものに関して、全く無関係であるのか、それとも、やはり日本の歴史の中で、日本の名誉にかかわる問題ですから、きちっと間違ったものを正すという意思を持っているのか。

 それは、町村さんが、例えば教科書問題で、中国の教科書のおかしな部分とかいったものもひとつ指摘しようではないかということをこの間おっしゃいましたが、あわせて、そういったものは、やはりこれも風化をする前に、例えばさっき言った丸山さんが生きていれば生の話が聞けるわけですよ。国会に呼んで、どうだったんだと聞けば、それは、いや、実際は紅卍字会しかやっていませんでしたという話をするかもしれないわけですよ。そういったことも含めて、私は、やはり日本の国の先祖や子孫に対して責任ある立場として、我々はそういったことを政府も取り組むべきだと思うんですが、町村大臣、いかがでしょうか。

町村国務大臣 歴史のいろいろな事象について政府が何か有権的な解釈をしなければならない責任は、私は、一般的にあるとは思われません。

 もちろん、政府として、さはさりながら、例えば、教科書に正確な事実を書いてもらいたい、そのために検定を行う。検定をするに当たって、それではどこまでの表現が許容されるのかというようなことは、やはり、それは政府が肯定的な解釈を下すというよりは、いい教科書、正しい教科書をつくるという観点から、そういう作業が必要になるケースというものも私はあると思います。

 そういう意味で、私は、例えば今のいわゆる南京の事件についての人数の問題、これについて、仮に、だれがどう見てもおかしな数字が載っていれば、検定の段階でこの数字はどういう根拠ですかといって問い合わせて、その根拠が不明確な場合には他の表現に変えてもらうような検定意見を付すということはあると思います。

 ただ、それは抜きにして、では、南京事件において一体何万人の方が虐殺されたのか、殺されたのか、一般人は、軍人はということについて、政府が詳細な調査をやって、その結果を出さなければならない責務があるか。それは私は、率直に言って、どうかなと思います。

 いずれにしても、例えば日中間でこういう問題があることは事実でございましょうから、日中の歴史共同研究というようなものを立ち上げるということについて合意をしておりますので、その場を通じて、それぞれの専門の方々がいらっしゃるわけでございますので、そういう場で大いにデータを突き合わせ議論を闘わせていただいて、願わくは、もし一つの方向、結論というものが出れば、それはそれで大変有意義なことである、私はかように考えております。

松原委員 時間が来てしまったので、ほかにもいろいろと聞きたかったんですが終了いたしますが、どちらにしても、日本の今の外交に刺さった二つの問題である、中国の中国における大使館の破壊活動に対しての謝罪、これは粘り強く求めていただきたいし、北朝鮮の横田さんのにせ遺骨に見られるような、これに対しての反撃といいますか、経済制裁、政治メッセージとしてのこれも断固行っていただきたい。

 そういうことを申し上げて、残余の質問はまた別の機会にするとして、きょうの私の質問は終わります。

 以上です。ありがとうございました。

赤松委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。

 きょうは、沖縄で起きております都市型戦闘訓練施設を使っての実弾射撃訓練、そして少女わいせつ事件、これらについて外務大臣の認識を問うていきたいというぐあいに思います。

 最初に、都市型訓練でありますが、昨日の十二日午前から実弾射撃訓練を始めました。

 同訓練は、人命にかかわる危険性が繰り返し指摘されてきたわけです。伊芸区民を初め金武町、沖縄県こぞって反対をしてまいりました。いわば、今回の訓練の強行、開始というのは、県民の世論に対する問答無用の米軍の態度だと指摘せざるを得ません。さらに、その米軍に対して、政府は、県民の声に一切耳を傾けなかった。その意味では、きのう稲嶺知事は県知事として最大級の抗議の表明ということをしております。

 外務大臣にまず伺いますけれども、あなたは、米軍がとった安全対策、これまで繰り返し北米局長も私に説明をしてまいりました。そういう安全対策によって、伊芸区の住民が懸念している流弾事故、これらの事故は絶対に起こらない、こういう約束ができますか。

    〔委員長退席、増子委員長代理着席〕

町村国務大臣 現実の世界で絶対ということはないという一般論だけをまず申し上げます。

 その上で、そもそも、レンジ4の複合射撃訓練場について申し上げるならば、これについて、今まで米軍は十分安全に配慮して訓練をしていくということであったわけでございますが、地元についてさまざまな御懸念があるということなものですから、これは私は、日本とアメリカの間で、全く前例がなかったかどうかわかりませんが、近年においては極めてまれなことでございますけれども、ほぼ完成した施設はあるんだけれども、より奥の新しい場所にこれを移設するということを決めたわけでございます。これは何を意味するかというと、まさに地元の御懸念というものがあるから、それに対して日本政府が、その懸念を真っ正面から受けとめて、米側と話をして移設するということを決めた。まず、その点を御認識いただきたい。

 私どもが地元の皆様方のことを一顧だにしないという前提で赤嶺委員は常にお話をされるわけでございますが、それは事実に反するんだということをまず御認識を賜りたいのでございます。

 そういうことで、米軍からは、六月二十七日以降のレンジ4の陸軍複合射撃訓練場の使用を開始するという連絡を受けて、実際の訓練はしておらなかったわけでございますけれども、昨十二日から訓練が開始をされたということでございまして、その訓練については、安全、環境等に配慮した内容になっているということで、私どもはそう認識をしているわけでございます。

赤嶺委員 レンジ4から都市型訓練施設をレンジ16の奥に移したのは県民に対する配慮だと外務大臣はおっしゃいましたけれども、それは配慮と受けとめている世論はないですよ。あなた方の唯我独尊の言い分にすぎないんですよ。

 現に、住民の懸念に配慮した、それで移した、危険だということで、一〇〇%というのはあり得ないとおっしゃっている。しかし、地元の住民は、繰り返される流弾事故によって、流弾事故を体験して、そして危険だと思っている。あなた方の安全だという説明も、そして、配慮して奥に移すんだから暫定使用だけはさせてくれというのも、だれも納得していないんです。

 それで、自分たちは配慮したんだから暫定使用はやるぞといって強行したのがきのうの訓練です。例えば伊芸区では、復帰後に、キャンプ・ハンセンから流弾事故は十回起きておりますよ、十回。そのうち七回は伊芸区に対する流弾事故です。そのうち、まともにこの流弾事故の原因について政府が説明したことはたったの一回ですよ。流弾事故が起きた、原因については説明もしない、こういうことを繰り返していて、安全には万全な措置をとっている、こういう言い分が通ると思いますか。

 これまで伊芸区で起きてきた流弾事故の原因究明、これは、これまで外務省、どのように対処してきたか、本当にこれが原因でしたとはっきり示したものがあるかどうか、ちょっと答えてくれませんか。

河相政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、伊芸地区に対しては、復帰後、昭和六十三年までの間、沖縄県の資料等に基づけば十回の流弾が生じておる。片や施設庁が把握しているところでは、七件という件数が上がっておるわけでございます。

 ちょっと、個々の具体的なその理由等については、私現在ここに資料を持ち合わせておりませんけれども、施設庁の方でできる限りの努力をしてきているというふうに理解しておる次第でございます。

赤嶺委員 原因の究明を不十分ながら県民の前に説明したのは、たったの一回ですよ。そして、重なって流弾事故が起きながらも、開始するときは、原因は明らかにしないで、安全な対策は万全にとっておりますと言って始めていく。こういう説明のやり方というので本当に県民が納得できると思いますか。絶対に納得できないですよ。

 特に伊芸区というのは、田んぼに囲まれた人口九百人の小さな部落ですよ。田んぼがあって、この間行ったら稲刈りをしておりました。沖縄で、もう稲刈りも始まっております。しかし、その田んぼに囲まれながら、山の方は二千百四十四万八千平方メートルの広大なキャンプ・ハンセンですよ。部落全体がレンジに囲まれているんです。実弾射撃訓練のレンジに囲まれているんです。

 そういう中で、部落から、民家から三百メートルしか離れていないところで実弾射撃訓練をやって、レンジ4だけじゃないです、ほかの場所でもやっています。やって、安全だ、安全だというようなことしか言えないような政府の態度に対して、改めて、訓練の開始も含めて、怒り、そして抗議を表明しておきたいと思います。直ちに訓練の中止を求めるよう要求したいと思います。

 次に、少女のわいせつ事件に移りますが、七月三日の朝早く、ちょうど十歳の少女、自宅から近くの教会に行く途中、これは米軍嘉手納基地所属の空軍二等軍曹に襲われて、少女わいせつ事件が引き起こされました。

 本当に事件が起こるたびに綱紀粛正が繰り返されるわけですが、犯罪はなくなりません。基地がある限り米軍犯罪は繰り返されるというのが県民の実感であります。外務大臣、どのように考えますか。

    〔増子委員長代理退席、委員長着席〕

町村国務大臣 本件の事件、まことに遺憾なことでございます。政府としても、三日の午後に梅本北米局参事官よりラーセン在日米軍副司令官に対し、また、四日には宮本沖縄担当大使よりジュアス嘉手納飛行場司令官に対して、遺憾の意を表明するとともに、綱紀粛正、再発防止の徹底を申し入れたところであります。これに対して、アメリカ側からも遺憾の意が表明され、綱紀粛正と再発防止に取り組む旨の表明がされております。

 この事件を受けて、嘉手納飛行場では、同飛行場司令官より各部隊の司令官に対して、すべての兵士の規律の徹底を直接指導するよう指示がなされ、その後さらに、同飛行場所属の軍人等に対する夜間外出制限が実施されるなど、しかるべき対応がとられているものと承知をいたしております。

 今後の再発防止策につきましては、犯罪防止の対策については、まずアメリカ側の綱紀粛正及び犯罪防止のための具体的取り組み、これまでもさまざまに取り組んできているところでございますけれども、外務省としてもこれらをさらに一層努力を求めていきたいと考えているところでございます。

赤嶺委員 この事件について、念のために確認をしておきたいんですが、この犯人の身柄は現在日本側の警察に拘束されているのか、あるいは米軍の手中にあるのか、その辺、念のための確認です。

大林政府参考人 お尋ねの事件につきましては、七月三日に沖縄県警察において被疑者を強制わいせつの事実で逮捕し、同月四日に那覇地方検察庁に送致しており、現在捜査当局において捜査中であると承知しております。

 身柄の問題は、日本側にある、勾留中であるというふうに承知しております。

赤嶺委員 事件の直後に開かれた参議院の外交防衛委員会で、この問題で町村外務大臣がこのように答えております。米兵犯罪が繰り返されていることについて聞かれて、大臣の答弁は、「これは米軍兵士のみならず日本人による様々な事件も現実いろいろ起きております。それは沖縄のみならず日本国じゅうで起きている、」このように述べております。

 外務大臣は、米兵による犯罪が日本人の一般社会で起きている事件と同じだ、そういう考えなんですか。

町村国務大臣 ちょっとお尋ねの意味が私にはよくわからないのでありますけれども、この種の強制わいせつのような犯罪というのは、最近、日本国じゅう至るところに頻発しておりまして、まことにこれは遺憾なことであるという一般論をまず述べたところであります。しかし、それはそれとして、だからといって米兵が何をやってもいい、こういう犯罪を犯していい、それを正当化することで言っているわけではなくて、それは甚だ遺憾なことであるということもあわせて答弁で申し上げているつもりでございます。

赤嶺委員 それは一般論で言ったのであって、米兵の犯罪を許す気持ちはないというお答えなんですが、それでは別の角度から聞きます。

 事件の直後に、この委員会室におられる東門衆議院議員がアメリカの大使館に行かれて、いろいろやりとりが報道に出ておりました。

 それによりますと、駐日米大使館のケビン・メア安全保障課長が、米兵による強制わいせつ事件について、これは軍隊ではなく個人の問題だ、一般社会でも起こり得ると述べているわけですね。綱紀粛正に努めるべきアメリカ側が日本の社会でも一般的に起こっているんだろうというぐあいに述べているわけですが、こういう発言については、外務大臣、どのように考えますか。

 いやいや、外務大臣に聞いているんです、外務大臣の認識を。外務大臣が参議院の外交防衛委員会で答弁したものと類しているように思うものですから、外務大臣の答弁を求めているんです。

町村国務大臣 私は、東門議員にですか、アメリカの大使館の方が何と言ったか、報道されていることもよく知りませんし、どういう文脈で言われたかもわかりませんので、あれこれ申し上げるのは、その点については差し控えますけれども、いずれにしても、個人が犯した犯罪であったとしても、それは組織としてきちんと対応しなきゃいけないということは当然でありまして、だからこそ米軍としても、今般の事件について、先ほど申し上げましたような対応を含めて、認識もそのようにしているものだ、こう理解をしております。

赤嶺委員 米軍人の犯罪が起きたら、その犯罪に対して最も憂慮すべき立場にある外務大臣が、一般論として、日本人社会でも起こり得ることとして、まず述べる。アメリカの側も、こういう発言、この種の発言は繰り返されております、日本の社会でも起きているじゃないかと。

 しかし、沖縄では、米軍が沖縄に上陸した直後から米兵による婦女暴行事件が始まっています。一九四五年四月一日の直後からであります。そして、それによって本当に県民が、辱められ、軍隊によって苦しめられてきた。戦場に行く兵隊、戦場から帰ってきた兵隊、まさに血に飢えているわけです。血に飢えた兵隊による蛮行というのが沖縄の歴史の中では数多く繰り返されてきました。沖縄県民の人権の最大の重大問題なんです。

 それを外務大臣が一般論で言い、そしてアメリカの側が一般論で言う、こういうような姿勢では本当に事件はなくならないということを指摘して、もう一つ、ちょっと認識を確かめたいことがありますので伺います。

 今度は、先週、衆議院、参議院の野党の国会議員の皆さんでつくっている沖縄米軍基地等議員懇談会が沖縄の調査に行ってまいりました。代表は、民主党の鳩山議員が代表を務めていただきました。

 その中で、私たちが在沖米軍のトップのブラックマン四軍調整官に会ったときに、普天間飛行場について、サトウキビ畑とパイナップル畑で何もなかったところに飛行場を建設したら、その周りに人が集まってきた、このような発言をしたわけですね。

 普天間飛行場の形成過程、これについては外務大臣も同じ認識ですか。いや、外務大臣の認識を聞いているんですよ。

河相政府参考人 事実関係にも関連しますので、まず私の方から答弁をさせていただきたいと思います。

 まず一つ、報道で承知しておりますけれども、在沖縄米軍四軍調整官の発言というものにつきまして、その詳細、またいかなる文脈でなされたものかということは、政府としては承知していないので、直接的なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

 それから、沖縄における米軍施設・区域の形成過程ということでございますが、嘉手納飛行場それから読谷飛行場のようなケース、これは戦前日本軍の飛行場等があったもの、これを米軍が施設・区域として引き継いでいるという形のものと、それから、御指摘のように、普天間を含めまして、戦争が終わった後に民有地を含めた土地の接収が米軍によって行われてつくられた施設・区域というものがあって、普天間については、そういう戦後米軍によってつくられたものであるというのが私どもの事実認識でございます。

町村国務大臣 今局長が申し上げたようなものが歴史的な経緯なんだろうと理解を私もしております。

赤嶺委員 局長、外務大臣も、普天間飛行場というのは終戦後じゃないんですよ。一九四五年四月、米軍が上陸してすぐに着手したんです。終戦後じゃないですよ。いわゆる銃剣とブルドーザーによる土地の強奪とも違う前です。

 そこに部落の人は住んでいなかったか。製糖工場もありました。郵便局もありました。公民館もありました。まさに宜野湾市民が住んでいたところ、戦争で避難している間に、帰ってきてみたらフェンスが張られていた、帰ってきてみたら基地がつくられていた。あんな小さな沖縄に、何で普天間飛行場、嘉手納飛行場、二つの飛行場が必要なんだということを米軍の高官が嘆かざるを得ないようなやり方でむしり取ったのがあの普天間飛行場じゃないですか。

 四軍調整官は私の目の前で発言しましたよ。宜野湾にパイナップル畑なんかないですよ。キビ畑があったのは、そこは篤農家が多い地域だったからキビ畑があったんですよ。そういうような形成過程を認識していない。認識しないで、四軍調整官だけじゃなくて普天間の副司令官も、それから那覇の防衛施設局長でさえそれに近いような発言をしておりました。

 こういう認識があの都市型訓練施設を容認し、さらには少女わいせつ事件が繰り返されても米軍を弁護していく側に日本政府が立っている、対米追随はきわまれりということを沖縄の側からは言わざるを得ません。

 そのことを指摘して、質問を終わります。

赤松委員長 次に、東門美津子君。

東門委員 社会民主党の東門美津子です。

 赤嶺委員とほとんど重なる点ですが、しかし、私もとても気になっておりますので、質問をさせていただきます。

 米兵による強制わいせつ事件についてでございます。

 本当に、またもや、またもかと、大きな声で叫びたい、泣きたい、悔しい、そういう思いで今いっぱいでございます。

 七月の三日日曜日の午前八時二十分過ぎ、朝ですよ、八時二十分過ぎに、酒に酔った空軍嘉手納飛行場に所属する二等軍曹が民家の駐車場に少女を手招きして誘い込んだ上、ジェスチャーで上着をまくり上げるようしむけ、胸を触るなどのわいせつ行為をしたものです。被害に遭った少女は警察に対し、怖かった、殺されるかと思ったと話しているとのことであり、この少女が受けた心の傷はいかばかりか、はかり知れません。

 沖縄県内においては、十年前の一九九五年に、米海兵隊員ら三人が当時小学生であった少女を拉致し強姦するという事件が発生しました。この事件に対し沖縄県民の怒りは頂点に達し、沖縄の基地負担軽減のためSACOが設置されたことは、外務大臣も御承知のとおりです。そのSACOの最終報告に示された米軍基地の整理縮小も遅々として進んでいません。その間も、米軍人による女性に対する暴行事件もたびたび発生しています。

 一体いつになれば、沖縄の女性や子供たちが米軍人によるこのようなおぞましい卑劣な犯罪に巻き込まれることのない生活が送れるようになるのでしょうか。本当にそういう日が来るのかという思いですが、大臣、いかがでしょうか。そういう日は、沖縄県民にとって来ますか。お伺いします。

町村国務大臣 かかる事件、まことに遺憾なことであると私どもも理解をいたしております。

 先ほど赤嶺委員に申し上げましたように、こうした問題の再発防止等々について、さらに真剣に取り組んでいく必要があるんだろう、かように考えております。

東門委員 いや、もう少し大臣として踏み込んだ発言がいただけるかなと思っていたんですが、残念です。

 米軍もそうですが、日本政府もそうです。事件が起こるたびに、綱紀粛正と再発防止を徹底する、米軍はそれを約束するわけです。そして、リバティーカードシステム、あるいは夜間外出禁止令を出していきます。また、国と県、それに関係自治体、そして米軍等が連携して再発防止策を考える場として三者連絡協議会やワーキングチームがあり、それに、外務省が毎年行っている米軍幹部へのオリエンテーションプログラム等、いろいろな策が講じられていても、なお事件、事故が後を絶たない。

 それはなぜだとお考えですか、大臣。いろいろな策を講じているのはわかるんですよ。なぜでしょう。

町村国務大臣 それが徹底していないというのが一番大きな課題だろうと思います。

東門委員 何が徹底していないんでしょうか。

町村国務大臣 さまざまな対策が一人一人の兵士に徹底していないということであります。

東門委員 それは、徹底するのはやはり米軍の責任ということですかね。そうだとしておきましょう。

 今回の事件に対して、七月五日、私は我が党の福島党首や他の同僚議員とともに在日米大使館に抗議に参りました。先ほど赤嶺さんからもありましたけれども、米国大使館では安全保障課長が応対をして、冒頭、申しわけないと謝罪した上で、我々も努力していると言ったんですよ。だから、徹底しているという意味だと思うんですがね。有効な防止策があれば教えてほしいと逆に我々におっしゃっておられたんですが、私が、狭い県土に米軍基地が集中している、その沖縄の現状に問題がある、軍隊がそれだけあるからだということを指摘いたしましたところ、同課長は、軍隊の問題ではなく個人の問題だ、そうおっしゃいました、はっきりと。一般社会でもこの種の事件は起こり得ると反論をしておられたんです。それは、ちゃんとメモもとってありますから、間違いありません。私はその場におりました。

 大臣は、沖縄でたびたび発生する米兵による事件、事故は、その安全保障課長がおっしゃっているように、個人の問題であるのか、先ほど組織だとおっしゃったと思うんですが、いかがでしょうか。個人の問題であると思うのかどうか。

町村国務大臣 犯罪自体は個人が犯したことかもしれませんけれども、要は、それが属する組織としていかに適切に対応するのかということが重要でありまして、米軍として、今般の事件についてしっかりとした認識を持って、さらに今後しっかりとした対応をとっていくということが大切だと考えます。

東門委員 大臣、本当にストレートにお伺いします。

 基地があるということ、小さな県土にあれだけの多くの基地がある、そこに多くの米兵がいる。それは事件とは無関係ではない。これだけ毎年起こっているレイプ、強姦あるいは強制わいせつ事件、そういうことと決して無関係ではないと思うんです。軍隊を減らす、基地を減らすということが急がれると思うんですが、いかがでしょうか。

町村国務大臣 沖縄県民のさまざまな御負担を軽減したい、そういう思いで、抑止力の維持をしつつ負担の軽減ということで、今、再編協議を鋭意進めているところでございます。

東門委員 いつものような御答弁ですが、大臣、私は警察庁から資料を取り寄せました。平成十一年から十六年までの間に、特に強姦の事件、強制わいせつだけ、二点に限って調べてみました。

 これは、青森から、全都県の基地所在地のところですが、神奈川、長崎、山口、沖縄を含めて、この四県だけ見てみますと、平成十一年から十六年まで、毎年のようにレイプあるいは強制わいせつが起こっているのは沖縄だけです。総数で十七人、六年間で。神奈川で総数で七人、これは、レイプが三件、あとは強制わいせつということになります。長崎が、レイプが一件、そして強制わいせつが二件。山口が、強制わいせつはゼロで、レイプが一件。このような状況。

 この数字をお聞きになって、いかがでしょうか。基地の大きさと比例すると思いませんか。沖縄は、毎年起こっているんですよ。女性が、子供が犠牲になっているんですよ。今年も、この間、強制わいせつ事件が起きました。起きてほしくない、たまにはゼロの年もあってほしいと思いますが、よその県にはゼロもあるんですが、沖縄にはないんです。毎年起きている。

 この現実、どういうふうにそれをなくするということで、政府の、外務大臣として、アメリカ側とのいろいろ折衝に当たる大臣として、どのように対応されますか。

町村国務大臣 全体としてさまざまな御負担をおかけしているという事実に着目して、先ほど申し上げましたような再編協議に臨んでいるということもあります。それと同時に、先ほど申し上げました、一人一人の米兵に対する綱紀粛正、規律を守るということの徹底をさらに努力してもらうという両面からのアプローチが必要だろうと思います。

東門委員 ぜひ、今回の米軍再編は、私は、このような事件が一件もなくなる、そういうことを頭に置いてやっていただきたい。なぜ沖縄県民はいつまでも犠牲にならなきゃいけないんですか。なぜいつまでも被害者が出ないといけないんですか。

 手元に、先日、これは七月九日ですね、沖縄タイムスに寄せられた、レイプをされた女性からの、これは公開書簡として載せられていますから、それを持ってまいりました。

 とても苦しい胸のうちを彼女は明かしていますけれども、これは、皆さん、大臣もお読みになったと思います、ちゃんと新聞で出ていますから。

 これは、沖縄県知事、稲嶺恵一知事あての手紙ではありますが、読ませていただきます。この女性は、二十年前に米兵によってレイプをされた。高校二年生のときレイプを受けた女性です。途中から読んでいきます。

 あれから二十年以上の月日が流れた今でも、私は事件による心の傷に苦しんでいます。被害者にとって、時の長さは関係ありません。被害を受けたその瞬間から命の尽きるまで、まるで寄せ来る波のように苦しみが押し寄せてくるのです。それは穏やかな波のようなときもあれば、あらしのように荒れ狂うときもあります。しかし、心の傷がなくなることはないのです。

 今回被害に遭ったのは、まだ小学生です。被害に遭った女の子の気持ちを考えると、いても立ってもいられなくなります。どれほど恐ろしかったことでしょう。私は基地を押しつけようとするすべての人に言いたいのです、あなたのお子さんであったならどうされるのでしょうかと。

 こんなにも多くの被害が起こる原因は一体何でしょうか。私たち被害者が、ウチナーンチュ、沖縄人と書いてありますが、ウチナーンチュが一体何をしたというのでしょうか。基地があるというだけで、朝から子供を遊びに出すこともできないことが、私たちの望む沖縄の姿なのでしょうか。

 米兵たちはきょうも我が物顔で、私たちの島を何の制限もされずに歩いています。仕事として人殺しの術を学び、訓練している米兵たちが、です。稲嶺知事、一日も早く基地をなくしてください。それは、県民の八〇%以上が望んでいることなのです。基地の県内移設にノーと言ってください。ここならだめ、あそこならオーケーということはあり得ません。なぜなら、事件の多くは基地の外で起きているからです。沖縄はアメリカ・米軍のために存在しているのではありません。

 途中で終わりますけれども、このような手紙を寄せています。

 大臣、いかがでしょうか。もしですよ、絶対にあり得ないと思いますが、大臣が親の立場だったら、自分のお嬢さんがそういう目に遭わされたら、どのようにお感じになるでしょうか。

町村国務大臣 まことにそれは、被害に遭われた方々の心情、お気持ち、今でも大変つらいものがおありになる、率直に、今その方のお手紙を聞きながら、そのとおり受けとめなければならない、こう思っております。

 ただ、申しわけありませんが、ちょっと言葉が違っていたかもしれませんが、殺人を、人を殺すことを……(東門委員「人を殺す術」と呼ぶ)術をなりわいとする、職業とするというような表現がありましたけれども、私はやはり、軍隊というものの持つそれは一面ではあるかもしれませんけれども、同時に、その米軍あるいは日本の自衛隊があるからこそ、日本の平和と安全が保たれているんだ。その側面をすっぽりと抜け落ちて、その部分には一切触れずに、ただある一面だけをとらえて物事を決めることというのは、私は、やはりバランスのとれた考え方だとは思われません。

 やはり、日本がこうやって戦後一貫して平和と安全が保たれてきた、あるいはこのアジア地域において、まあ、ベトナム戦争等はそれはありましたけれども、平和が総体的に保たれてきているというのは、何といっても、在日米軍の存在あるいは日本の自衛隊のさまざまな努力によるところがある。それは、確かに軍隊というものはそういう性格のものであるとは思いますけれども、しかし、だからといって、では軍隊をなくせば世界から戦争がなくなるかというと、そういうことでもない、現実に、テロリストも何でもあるわけであります。

 やはり私どもは、そうした被害を受けた方々のお気持ちは、それはそれで本当に大切にしっかりと受けとめなければならないと思いますし、そのためにさまざまな手だてを最大限講じていく。その一環として、私どもは、先ほど申し上げたような、再編問題というのもそういう姿勢で取り組むわけでございますが、しかし、だからといって、やはり戦争を抑止する、そういう機能というものが現実にあるんだということもまたもう一つ御認識を賜れれば幸いかと思われます。

東門委員 今の大臣の御答弁をとても残念に思います。

 被害者の手紙ですよ、私が言っているんじゃないんですよ。被害者が、本当に心の底から苦しみを、その声の思いを伝えているんです。だから、政治家の皆さん、そこもやってくださいよ、稲嶺さん、あなたは県知事でしょうという思いがあるんですよ。だから、とても残念です。被害者の子に、あなた、そこも知りなさいよ、国を守るために軍隊は要るんだ、アメリカが守っているんだというようなお話の仕方は、とても残念ですね。

 それで、時間ですから、最後に申し上げます。

 稲嶺県知事は、今回は、本当にこれは県外に移すべきだと、沖縄の基地は。国外じゃないんです、県外に持っていってもらうと怒っておられます。知事として当然だと思います。

 私も、沖縄県民だけで七五%をいつまでも担ぐような、そういう状況の異常な状態を一刻も早く正してくださるよう大きな声でお願いをして、私の質問を終わります。

     ――――◇―――――

赤松委員長 次に、社会保障に関する日本国とベルギー王国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び社会保障に関する日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。

 政府から順次趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣町村信孝君。

    ―――――――――――――

 社会保障に関する日本国とベルギー王国との間の協定の締結について承認を求めるの件

 社会保障に関する日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

町村国務大臣 ただいま議題となりました社会保障に関する日本国とベルギー王国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。

 政府は、従来からベルギーとの間で人的交流に伴って生ずる年金制度及び医療保険制度等への二重加入等の問題に関する協議を行ってきましたが、この問題の解決を図ることを目的とする協定を締結することでベルギー側と一致し、平成十五年十月以来、両政府間で協定の締結交渉を行ってまいりました。その結果、本年二月二十三日にブリュッセルにおいて、我が方内藤特命全権大使と先方デ・フフト外務大臣との間でこの協定の署名が行われた次第であります。

 この協定は、日・ベルギー間で年金制度及び医療保険制度等の適用の調整を行い、具体的にはこれら制度等への加入に関し、就労が行われている国の法令のみを適用することを原則としつつ、一時的に相手国に派遣される被用者等の場合には、原則として五年までは自国の法令のみを適用する等の調整を行うこと並びに保険期間の通算による年金の受給権を確立すること等を定めるものであります。

 この協定の締結により、年金制度及び医療保険制度等への二重加入等の問題の解決が図られ、保険料負担が軽減されること等により、両国間の人的交流が円滑化され、ひいては経済交流を含む両国間の関係がより一層緊密化されることが期待されます。

 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。

 次に、社会保障に関する日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。

 政府は、従来からフランスとの間で人的交流に伴って生ずる年金制度及び医療保険制度等への二重加入等の問題に関する協議を行ってきましたが、この問題の解決を図ることを目的とする協定を締結することでフランス側と一致し、平成十四年九月以来、両政府間で協定の締結交渉を行ってまいりました。その結果、本年二月二十五日にパリにおいて、我が方平林特命全権大使と先方ラフォン外務次官との間でこの協定の署名が行われた次第であります。

 この協定は、日仏間で年金制度及び医療保険制度等の適用の調整を行い、具体的にはこれら制度等への加入に関し、就労が行われている国の法令のみを適用することを原則としつつ、一時的に相手国に派遣される被用者の場合には、原則として五年までは自国の法令のみを適用する等の調整を行うこと並びに保険期間の通算による年金の受給権を確立すること等を定めるものであります。

 この協定の締結により、年金制度及び医療保険制度等への二重加入等の問題の解決が図られ、保険料負担が軽減されること等により、両国間の人的交流が円滑化され、ひいては経済交流を含む両国間の関係がより一層緊密化されることが期待されます。

 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。

 以上二件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。

 どうぞよろしくお願いいたします。

赤松委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十五日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十八分散会


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