衆議院

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第14号 平成17年7月22日(金曜日)

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平成十七年七月二十二日(金曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 赤松 広隆君

   理事 谷本 龍哉君 理事 中谷  元君

   理事 渡辺 博道君 理事 大谷 信盛君

   理事 首藤 信彦君 理事 増子 輝彦君

   理事 丸谷 佳織君

      植竹 繁雄君    江藤  拓君

      岡本 芳郎君    高村 正彦君

      佐藤  錬君    菅原 一秀君

      鈴木 淳司君    田中 和徳君

      土屋 品子君    西村 明宏君

      平沢 勝栄君    三ッ矢憲生君

      宮下 一郎君    山下 貴史君

      田中眞紀子君    武正 公一君

      永田 寿康君    鳩山由紀夫君

      藤村  修君    古本伸一郎君

      松原  仁君    赤羽 一嘉君

      赤嶺 政賢君    東門美津子君

    …………………………………

   外務大臣         町村 信孝君

   内閣官房副長官      杉浦 正健君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  猪俣 弘司君

   政府参考人

   (外務省大臣官房長)   塩尻孝二郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 遠藤 善久君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 齋木 昭隆君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 西宮 伸一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 松富 重夫君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    河相 周夫君

   政府参考人

   (外務省欧州局長)    小松 一郎君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局アフリカ審議官)      河野 雅治君

   政府参考人

   (外務省経済協力局長)  佐藤 重和君

   政府参考人

   (外務省国際法局長)   林  景一君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    鹿取 克章君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 佐々木豊成君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   勝 栄二郎君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           桜井  俊君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        近藤 賢二君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  矢部  哲君

   外務委員会専門員     原   聰君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十二日

 辞任         補欠選任

  宇野  治君     山下 貴史君

  小野寺五典君     江藤  拓君

  河井 克行君     田中 和徳君

  西銘恒三郎君     岡本 芳郎君

同日

 辞任         補欠選任

  江藤  拓君     小野寺五典君

  岡本 芳郎君     菅原 一秀君

  田中 和徳君     河井 克行君

  山下 貴史君     宇野  治君

同日

 辞任         補欠選任

  菅原 一秀君     西村 明宏君

同日

 辞任         補欠選任

  西村 明宏君     佐藤  錬君

同日

 辞任         補欠選任

  佐藤  錬君     西銘恒三郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房長塩尻孝二郎君、外務省大臣官房審議官遠藤善久君、外務省大臣官房審議官齋木昭隆君、外務省大臣官房審議官西宮伸一君、外務省大臣官房参事官松富重夫君、外務省北米局長河相周夫君、外務省欧州局長小松一郎君、外務省中東アフリカ局アフリカ審議官河野雅治君、外務省経済協力局長佐藤重和君、外務省国際法局長林景一君、外務省領事局長鹿取克章君、内閣官房内閣参事官猪俣弘司君、財務省大臣官房審議官佐々木豊成君、財務省主計局次長勝栄二郎君、経済産業省大臣官房審議官桜井俊君、資源エネルギー庁資源・燃料部長近藤賢二君、国土交通省海事局長矢部哲君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平沢勝栄君。

平沢委員 自由民主党の平沢勝栄でございます。おはようございます。

 大臣、副大臣には、本当にお疲れさまでございます。時間が限られていますので、大変申しわけございませんけれども、答弁は簡潔にお願いしたいと思います。

 まず、ロンドンで二週間前に続いてまた同時爆弾テロらしきものが起こったわけでございますけれども、ゆゆしき事態でございまして、日本もまた、いつこういったテロに見舞われるかわからないわけでございます。まず、大臣の御所見をお伺いしたいと思うんですけれども、今度のロンドンの同時爆弾テロにつきまして大臣はどのようにお考えなのか、それについてちょっと御所見をお聞かせいただきたいと思います。

町村国務大臣 二十一日の昼過ぎ、ロンドンの地下鉄三駅及びバス一台の四カ所においてあったわけでございます。七日のものよりは小規模であったということで、現時点で負傷者の数等は必ずしも確認されていないようではございますが、報道によると一名の負傷者がいるという話もございます。邦人の被害があったという情報にはまだ接していないところでございます。また、七月七日の事件との関係であるとか、あるいはアルカイダ等との関係ということも必ずしもはっきりいたしておりません。

 いずれにいたしましても、こういう不穏な事件というのはまことに遺憾でありますし、また同時に、七日のときも同じことを考えましたが、こうしたものがいつ何どき日本においても起きないとは限らないということでございますので、万般の対策をしっかりと講じていかなければいけない、かように考えております。

平沢委員 ビンラディンは、二〇〇三年の十月十八日、七カ国を、イラクに軍隊を派遣した国については我々は報復する権利があるということを言っていまして、その中に日本がいわば名指しで言われているわけでございます。

 そのころ、同じころですけれども、アルカイダの関係者からロンドンのアラビア語の週刊紙に対しましてメッセージが送られまして、日本の中心部をねらうというようなことも言われたわけでございます。そして、おととしの暮れですか、ドイツで、フランス人ですけれどもアルカイダ系の関係者で国際手配されているテロリストが日本に偽造旅券で何回も入国していたという事実も明らかになったわけでございまして、日本も決して他山の石ではないと思います。

 日本の場合は、日本の国内の問題、それから海外の日本人学校あるいは日本の企業、大使館、領事館等を守るという問題、両方あると思いますけれども、こうした問題について外務省はどのように取り組んでいるのか、お聞かせいただけますか。

鹿取政府参考人 外務省の取り組みでございますが、我々が重視しているのは、一つはテロ関連情報の収集とその発信でございます。外務省のホームページには海外安全ホームページというものがございまして、その中で渡航情報を出しております。その渡航情報は、各国、地域におけるテロを含む治安関係情報を随時流しておるところでございます。また、ホームページに掲載するだけではなくて、在外においては民間企業の方あるいは在留邦人にメールで配信するということもやっております。

 また、本邦企業との連携というのを我々は非常に重視しておりまして、在外においても国内においても、危機管理担当者等を対象に、最新のテロ情勢あるいは危機管理対策を主な内容とする危機管理セミナーを開催しております。これは国内及び在外で開催しております。

 また、海外安全官民協力会合を国内で開催しているほか、在外では民間の方々と随時安全対策連絡協議会というのを開いておりますし、そのほか、あと旅行者の方々との関係で、旅行会社とも随時安全対策あるいはテロ情報を共有するということをやっております。

 我々としては、引き続き、こういう情報の収集、発信について努力を続けてまいりたいと考えております。

平沢委員 攻撃する側は、時間、場所、ターゲットを選ぶことができるわけですよね。こちらは常時、二十四時間あらゆるところを守らなきゃならないわけですから、こちら側にとっては極めて守りにくいということになるわけでございまして、そのためには情報収集が極めて大事になってくるわけでございますけれども、日本の情報収集体制というのは極めて弱いわけでございます。

 大臣の書かれました「保守の論理」という本、私もこれをずっと読ませていただいて大変にいい本だなと。今外務省の方にお聞きしましたら、まだ読んでいないそうでございますけれども、外務省の方がまだ読んでいないというのはおかしいんじゃないかなと。外務省の方は、まず真っ先に、大臣が書かれた本だから読むべきではないかなと思います。

 その中で、情報機関みたいなものを設置した方がいいんじゃないかということも書かれていまして、私自身も全くそのとおりだろうと思います。恐らく大臣は、イギリスのSISなどを参考にされてこうしたことを言われているんじゃないかなと思います。

 イギリスのSISというのは、私もロンドンの大使館にいましたときに週に一回は行きまして、いろいろ情報収集、交換をさせていただいたわけですけれども、向こうがなかなか情報を日本にくれないというのは、向こうとしては情報を命がけでとってくるわけですよね。その命がけでとってくる情報を日本にあげる。しかし、日本から与える情報、ギブ情報がなかなかないんですよね。情報というのはギブ・アンド・テークですから、日本が独自にまた情報をとらないとギブ・アンド・テークの関係は成り立たない。

 また日本は、情報を持ってきても、大臣がこの中で、情報は上がらず回らず漏れるということを書いていますけれども、全くそのとおりでございまして、私も警察のときに情報をとってきますけれども、これは上にはなかなか上げないんです。なぜかというと、上げると漏れてしまうからなんです。漏れたらもう相手方から二度と信用されなくなって、情報が来なくなってしまうんです。

 ですから、そういったことも含めて、これから日本も情報収集体制をしっかりつくらなければならないし、その機関もつくらなければならないと思いますけれども、法制度の整備も含めて、課題は山積しているのではないかなと思います。

 今外務省の方で、対外情報機能強化に関する懇談会というのをつくっていろいろ御検討されていると思いますけれども、大臣は外務省の情報収集体制強化についてどのようにお考えか、ちょっと御所見をお聞かせいただきます。

町村国務大臣 平沢委員から大変重要な御指摘をいただき、感謝をいたしております。

 戦後しばらくの間、かなり近い時点まで、余りこのインテリジェンスの話というのは国会でも議論をされなかったし、多分自民党でも余り議論をされていなかった。国内的にも、余りそういうことは議論しない方がいいというような雰囲気の中で今日まで来たんだと思います。

 しかし、昨今のテロあるいはいろいろな事件があるときに、政府の情報はどうなっているのかという話が必ず出るようになりました。委員御指摘のとおりの、今の日本の国内の情報に関する、まず意識の問題、それからその意識に基づく法整備等々の問題、あるいは運用の問題、いろいろな問題があると思います。

 ですから、急には変わらない。イギリスの仕組みあるいは人の養成というのは、やはり百年以上の歴史を持っている中での話であります。日本も腰を据えて本格的にこのインテリジェンスの問題に取り組んでいかなければいけない。これは、ひとり外務省だけでもとよりできることでもないと思いますので、とりあえず私ども外務省の中での懇談会をつくりましたが、これは全省にまたがる問題として、政府全体にもかかわる問題として、必要あらば官房長官等にも、あるいは総理にもお話をして、全省的に取り組んでいただけるように私としては努力をしてまいりたいと考えております。

平沢委員 ぜひその方向でお願いしたいと思います。

 ちなみに、イギリスのSISの場合は、日本では考えられないことですけれども、偽造旅券を与えたり、もちろん潜入とかおとりとか、あらゆる手段、方法を使って、まさに命がけで情報収集をしているわけでございまして、日本でこれができるとは思いませんけれども、しかし、最大限日本のできることを探るべきではないかなと私は思いまして、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 そこで、ちょっと外務省の官房でもいいんですけれども、お聞きしたいんです。

 私の大使館勤務の経験でいえば、大臣がこの本の中で、ヒューマンインテリジェンス、やはり人間が人間から情報収集するということをいろいろ書いてあります。外国に駐在している大使とか大使館員は、できるだけ現地の政府関係者、あるいは現地に滞在するほかの国の外交関係者、あるいはマスコミ、その他の方々と会っていろいろ情報収集するのが筋だろうと思いますけれども、私の経験でいえば、日本の現地の駐在している大使以下外交官は、日本から来るお客さんの接待で手いっぱいという感じがしないでもないんです。

 特に、大臣が行かれたというのはわかりますけれども、一般の国会議員だとかあるいは役人だとかそういった人たちの、アポイントメントをとるのはいいけれども、それ以外のアテンドというのはもうほとんどやめて、現地で情報収集に専念するという形に持っていった方がいいんじゃないかと思いますけれども、その辺は外務省はいかがお考えですか。

塩尻政府参考人 お答えいたします。

 今委員が言われたとおり、情報の収集は非常に大事ですし、それは常日ごろ、朝起きてから夜寝るまで、我々そういうことで専念しなければいけないというふうに思っております。

 他方、日本から来られる方あるいはほかの地域から来られる方に対する便宜供与等々も非常に大事な任務ですし、両方一生懸命やって国のために尽くすということであります。

平沢委員 私が申し上げたのは、日本から来る方の便宜供与はいいんですけれども、便宜供与というかアテンドというか旅行案内業というか、そちらの方に重点が行き過ぎてしまうのではないかと。ですから、そちらは最小限にして、やはり現地に駐在する大使とか外交官の方は、現地での情報収集あるいは現地での外交業務に専念できる体制をつくるべきではないかなということなので、そこはもう一回ちょっとお願いします。

塩尻政府参考人 情報収集そのほか外交を遂行する上で支障がない、それを尽くすということで引き続きやってまいりたいというふうに思っております。

平沢委員 日本から国会議員も含めて大勢のお客さんが行くと思いますけれども、そういった人たちに対する便宜供与のあり方については、ぜひ外務省は見直しをしていただきたいなと思います。

 次に、国連安保理の問題についてちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、大臣、副大臣、本当にお疲れさまでございました。

 G4の決議案が出されまして、それで二十日ごろ採決ということですけれども、AUとの調整などがあって延びているんだろうと思います。今は、AUとのいわば一本化に向けていろいろと作業を進めておられるんだろうと思いますけれども、今現状はどうなっているのか、そして今後このG4の決議案はどうなるのか、これについてちょっと見通しをお聞かせいただけませんか。

逢沢副大臣 後ほど、足らずを大臣の方からも補足いただきたいと思います。

 私自身も約一週間強、一昨日までニューヨークに参りまして、安保理改革の重要性、また日本の常任理事国入りの必要性、その大義等々、各国の代表部、また多くの各国の主要な方がニューヨークに集まっておられます。バイの会談を二十回以上こなしながら懸命の努力を重ねたわけでございます。

 今国連には、G4の枠組み決議案そしてAUからの枠組み決議案、二つの決議案が上程をされているわけでありますが、結論から申し上げますと、委員御指摘のように、G4とAUの決議案が共倒れをするようなことがあってはならない、そんな考え方のもと、きょう、二十二日でございますが、時差がございますけれども、二十二日金曜日をめどにG4とAUの決議案の共通のポジションをつくる、できることならば一本化を図ろう、こういうことで懸命の努力を続けているところでございます。

 それを受けて、来週の月曜日、まだ場所は確定いたしておらないわけでありますけれども、G4の外相並びにAUを代表していただく外相が再び会合を持ち、その後の段取りについて本当に詰めた、いわば最終的な方向を見出していこう、そんな日程も確定をいたしているわけでありますが、最も緊張感あふれる正念場を今まさに迎えつつあるわけでございます。

 平沢先生初め国会の先生方からも、かねてこの問題については強い関心をお持ちいただき、議会の立場から御支援をいただいてまいりましたけれども、最も大切な局面を迎えつつある今、どうぞ引き続きの御支援と御鞭撻を賜りますように心からお願い申し上げます。

平沢委員 今回の、これをAUと一本化するに当たって、どうしてもアメリカの後押しというのが必要ではないかと私は思うんですけれども、アメリカはこのG4の案にかなり消極的ということが報じられているわけです。

 アメリカをもっと積極的にこの面で味方につけることができないのかどうか。アメリカがそっぽを向いている中で、G4とAUの一本化というのはなかなか難しいのではないかという気もしないでもないんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

逢沢副大臣 平沢先生おっしゃられますように、アメリカは世界のスーパーパワーとして、国連場裏におきましても大変大きな影響力を持っているということは言うまでもないことでございます。

 しかし、一九四五年から六十年たった今、国際社会の状況は一変をしている。五十一カ国の加盟国でスタートした国連は今百九十一カ国になり、冷戦も終わり、新たな状況を迎えつつある今、国連加盟国の大半が、安保理の強化、そのためには常任、非常任双方の拡大が必要だという基本的な考えを持っているわけでございます。そういった大きな国際社会の考え方をベースにしながら、力強く私どもは今日まで準備を進めてまいりました。

 アメリカはアメリカの考え方があるわけでございますが、最大限私どもの立場をアメリカにも理解を求めつつ、基本的なG4の決議案を三分の二以上確保するためにはAUの力がどうしても必要でございます。引き続きの努力を重ねてまいりたいと存じます。

平沢委員 この前のグレンイーグルズ・サミットで、これはアフリカが一つのテーマだったということもありまして、日本は今後アフリカに対するODAを三年間で倍増する、それからODA全体は五年間で百億ドル積み増しするというようなことを言っているわけでございます。

 アフリカ向けODAを今後三年間で倍増するというのは、もちろんアフリカがテーマということもありますけれども、同時に、今までアフリカに対する力の入れ方が弱かった、今後、いわば国連安保理の問題もあって、もっともっと力を入れようということだろうと思いますけれども、もしやるなら、もうちょっと早くやっておくべきではなかったか、今一番大事なときに、これからふやしますよと言うのではなくて、もっと早くやるべきではなかったかなという感じがしないでもありませんけれども、この辺はどうお考えですか。

町村国務大臣 確かに、日本の援助は今まで中心はアジアということでありましたし、今でも半分以上はアジアということでございます。そういう中で、アフリカの位置づけ、率直に言って、八〇年代まではそこまで十分日本の外交が目を向けていなかったということもあろうかと思いますが、九〇年代に入りまして、日本はかなりアフリカというものに取り組み始めてきております。

 TICADという東京国際会議、アフリカ開発に関する国際会議というのを九三年に開いておりまして、それ以来、何年かに一回ずつ定期的に開いております。前回は二〇〇三年に開かれましたし、次回は二〇〇八年において開こうかということであります。

 アフリカ支援ということの重要性がもうずっと言われ続けてきておりますし、現実に、例えば安保理の議題等々を見ると、半分以上がアフリカの紛争とか内乱でありますとか、あるいは貧困の問題でありますとか、そういう問題が多うございます。

 そんなこともありまして、例えば、四月下旬にインドネシアで開かれましたアジア・アフリカ首脳会議の場で、小泉首相は既に、日本の援助を戦略的に拡充するという基本方針を述べた上で、さらにアフリカ向けには向こう三年間で倍増しようということを四月の時点で実は表明をいたしておりまして、それをグレンイーグルズ・サミットで改めて強調したということであります。

 安保理ということが全く念頭になかったかといえば、正直に言えばそれは多少のことはあります。しかし、基本的に、日本はやはりアフリカというものについてかなり重視をしてこれまでもやってきたし、今後もやっていこうということで取り組んでいるわけでございます。

 私は、アフリカの国の日本に対する評価というものは近年非常に高くなっているということを、私、個人的にも、個人的というか外相会談をアフリカの大臣とやると、本当に日本は遠くの国なのによくいろいろな面で支援してくれるということを必ず触れるようになってきている、こう思っておりますので、引き続き、アフリカ支援、しっかりと私どももやっていきたいと思います。

平沢委員 昨年の暮れ、民主党の原口一博さんあるいは渡辺周さんたちと一緒にアフリカのベナン共和国に行きまして驚いたのは、ベナンというのは貧しい国ですけれども、向こうは日本に大使館を置いているんです。日本は向こうに大使館を置いていないんです。

 向こうの大統領と会ったとき、向こうが盛んに言っていたのは、日本もぜひ置いてくれと。日本からすれば、在留邦人もいないし、そんなに貿易があるわけじゃないからいいだろうということなんだろうと思います。しかし、あの貧しい国が日本に大使館を置いて日本が置いていないというのは、大国としてどうかなという感じがしないでもないんです。

 そこで、外務省にお聞きしたいんですけれども、向こうの大使館は日本にあるけれども、日本が向こうに大使館を置いていないという国は幾つあるんですか。アフリカはそのうち幾つあるんですか。

塩尻政府参考人 お答えいたします。

 相手国の大使館が日本にあって、日本の大使館が相手国にないという国でございますけれども、これは二十カ国ございます。そのうち、アフリカに置いていないという国は十カ国でございます。

平沢委員 大臣、ODAももちろんいいんですけれども、もちろん、これは人員の問題とかいろいろ絡んできます。しかし、向こうが大使館を置いていて日本が置いていないというのは、ODAもいいけれども、やはり日本としてどうかなという感じがしないでもありません。

 ちなみに官房にもう一回お聞きしますけれども、今、日本の外国にある大使館というのは幾つあって、中国は幾つ置いていますか。

塩尻政府参考人 お答えいたします。

 日本の有しています在外公館すべてでございますけれども、在外公館、大使館、総領事館でございますけれども、百八十九でございます。(平沢委員「大使館は」と呼ぶ)大使館は百十六です。(平沢委員「中国は」と呼ぶ)中国は百五十七でございます。

平沢委員 日本が百十六なんです。中国は百五十七なんです。アフリカもベナンに、民主党の先生方と行ったとき、立派な大使館を置いているんです。日本は何もないんです。これはやはり、アフリカに幾らこれから働きかけるといっても、ちょっと余りにもプレゼンスが弱いのではないか、要するに向こうに対する発言力が弱いのではないか、今一生懸命国連安保理で賛成してくださいよと言ってもちょっと弱いのではないかという感じがしないでもありません。

 先ほどありましたように、二十カ国が、向こうが置いていて日本が置いていない。そのうちアフリカは十カ国ですか、これはやはりどうかなという感じがしないでもありません。これは、予算だとか人員だとかいろいろな問題が絡みますけれども、やはり私は待ったなしで急ぐべきではないかなと思います。外務大臣、御所見をお願いします。

町村国務大臣 平沢委員の御議論、まことにごもっともだと私も受けとめております。

 今の日本は五千人強の体制でやっているわけでございますけれども、その中で最大限効率を上げるような配置をするということでやっております。ただ、数年前まで、何とかイタリア並みの人員を確保しようということで、やっとイタリアを今超えたところでございます。

 これからまた、これは国会で先生方の御意見もいただきながら進めたいと思いますが、たしかドイツ、フランスが八千人程度なんでしょうか、全外交官の数ですね。私どもも、一遍にもちろんできるわけではございませんので、五年とか十年計画を立てて着実に定員をふやす。その中で、今のこの厳しい状況ですから、人がふえればある程度予算もふやしていただかざるを得ないわけでございますが、予算も、また人もある程度ふやす中で、そうしたアフリカ諸国の期待にこたえていくというようなことを心がけていかなければいけない、こう思っておりまして、一年、二年でできないかもしれませんが、何年かかけてしっかりとそうした面の充実を図ってまいりたいと考えております。

平沢委員 時間がないから、次に進ませていただきます。

 二十六日から六カ国協議が開かれるわけでございます。日本からすれば、当然核の問題もありますけれども、拉致も、ぜひこの問題を取り上げてもらわなければならないんです。まず、韓国も中国も極めてこの問題を取り上げることに消極的、そしてアメリカも一応建前の上では一生懸命やってくれるようなことを言っていますけれども、必ずしも、六カ国協議の場で取り上げることは消極的と聞いています。

 この拉致問題というのは、日本と北朝鮮の問題というふうなとらえ方をしていますけれども、人権問題という形でとらえれば、別に日本と北朝鮮の問題ではなくて、各国共通の問題ではないかという気がしないでもないんです。だとすれば、これは六カ国協議の場で取り上げるのが筋ではないか。それ以外の、場外で、二国間の、いわばバイの会談が持てるかどうかというのは全く見通しがわからないわけで、六カ国協議の場でしっかりと取り上げてもらうのが筋ではないかと思います。

 各国の反応も含めて、六カ国協議の場では取り上げられない、だとすればバイの会談で取り上げられる可能性があるのかどうか、この辺の見通しをちょっとお聞かせいただけますか。

齋木政府参考人 お答え申し上げます。

 来週の二十六日から行われる六カ国協議でございますけれども、一年一カ月ぶりに開かれるということで、ようやく六者一堂にまた会して、中心的な課題としては、当然、核の問題、北朝鮮による核計画の廃棄について、いかにそれを早く進めるか、それについての合意を目指すということでございます。

 今委員御指摘のような、それぞれの国がこの六者の機会を利用して、北朝鮮との間で抱えている幾つかの案件、懸案問題についても、当然それぞれの国としてはこれを提起するということは予想されているわけでございまして、私どもといたしましては、従来どおりの方針、これは一貫しておりまして、拉致問題またミサイル問題も北朝鮮との間では大きな懸案としてありますので、こういった問題については六者協議の場で改めて問題提起を行いたいというふうに考えております。

 それから、六者の機会に我々としては日朝間でも協議の機会を持ちたいと考えておりまして、この点については、先方に対して接触を求めて、現地で先方の代表者との間での会合、接触の機会を持つべく努力する所存でございます。

平沢委員 日本では、当然この六カ国協議で拉致の問題が取り上げられるだろうという期待値が高まっているわけですけれども、万々が一、これが取り上げられなかった場合の落胆というか失望感も大きいものがあるだろうと思うんです。

 万々が一、もし六カ国協議の場でそういう議題にならなければ、ぜひ、バイの話し合いで何としてでもこの問題を取り上げて前向きに進めてもらいたいと思いますけれども、もし取り上げられなかった場合には、当然、これは経済制裁も含めたいろいろな強硬的な立場をとらざるを得なくなるだろうと思います。これについての見通しを外務省、もう一回お聞かせいただけますか。

齋木政府参考人 お答えいたします。

 まず、二国間の日朝の接触の機会を持つべく、我々としては努力いたします。そしてまた、そういった接触の機会を持つことになれば、当然我々としては拉致問題について我々として先方に対して提起したい案件がたくさんございますので、その点については明確に提起する、そういう所存でございます。

平沢委員 最後に、領土問題についてちょっとお聞きしたいと思うんです。

 日本は今尖閣あるいは北方領土等の領土問題を抱えているわけですけれども、そういう中で、国会議員十数名が日本郵政公社に対しまして、竹島の記念切手を出したいということで昨年の三月に申し込んだわけでございます。これにつきまして郵政公社は外務省といろいろと相談したらしいんですけれども、なかなか返事が来なくて、つい最近返事が来まして、いずれにしましても、いろいろ政府と相談した結果、政府というのは外務省のことですけれども、今の時点ではこの記念切手を出すのはふさわしくないということで断られてしまったんです。

 竹島の記念切手を出すのがなぜ好ましくないのか、これについて外務省の見解を教えていただけますか。

齋木政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと経緯のある話でございますので、御説明申し上げたいと思いますけれども、この問題につきましては、去年の三月、日本郵政公社の生田総裁から、当時の外務大臣、川口大臣に対して書簡が参りまして、その中で、さっき委員が御指摘になりました竹島等を題材とした写真つきの切手を発行することの適否についてどう思うかということで、意見照会がございました。

 その際、生田総裁からのお手紙の中には、郵政公社としては、竹島等の外交上問題となるおそれのあるものを題材とした写真つき切手を作成することは万国郵便条約上の規定に照らして差し控えるべきと考えている、そういう郵政公社としての見解が掲載されておったわけでございます。

 これを受けまして外務省としては、当時の外交関係をいろいろと考えまして、慎重にも慎重な検討を加えた結果、日本が竹島切手の発行にもし踏み切れば、日韓の間あるいは万国郵便連合の場で、この切手の発行について日韓の間で非難の応酬をさらに続けていくことになりかねない、そういうことを招くのは非建設的だろうということで、望ましい対応とは言いがたいという判断をいたしましたので、竹島等を題材とした写真つき切手を発行することは差し控えるという郵政公社の結論は現時点では適当であるという判断をして、大臣からそういう内容の文書を郵政公社あてに送ったところでございます。

平沢委員 もっといろいろ聞きたいことがあるんですけれども、時間がありませんので、最後に、では北方領土の記念切手を出した場合どうなるんですか、対馬の記念切手を出した場合はどうなるのか、これを教えてください。

 それからもう一つ。この前、島根県が竹島の日というのを制定しましたけれども、もし国が竹島の日というのを制定した場合にはどうなるのか。というのはなぜかというと、北方領土の日というのはあるんですよね。二月七日が北方領土の日で、国がつくっているんですよ。それで、これは一生懸命運動をやっているんですよ、啓蒙活動をやっているんです。ですから、日本がもし竹島の日というのを国でつくった場合はどうなるのか、これをちょっと教えていただけますか。

 ですから、二つ。まず、北方領土の切手を出した場合はどうなるのか、それから竹島の日というのを国が制定した場合にはどうなるのか、これをちょっと教えてください。

小松政府参考人 御質問の二点のうちの北方領土の方についてお答えを申し上げます。

 先ほど同僚の政府参考人から答弁のございました郵政公社からの照会の文書でございますけれども、その中に、竹島、尖閣諸島及び北方領土を図柄とする写真つき切手の発行について、現時点では適当ではないと考えるがという照会がございまして、外務省といたしましても、さまざまな要素を総合して判断した結果、北方領土につきましても発行を差し控えるという日本郵政公社の結論は現時点において適当であると考えるという回答をしたわけでございます。

齋木政府参考人 お答えいたします。

 竹島の日、竹島は当然、御案内のように、法的にも歴史的にも日本の固有の領土でございまして、我が国としての主張については全く何の揺るぎもございません。国として竹島の日というものを定めることの適否については、まだ政府としてその点についての結論を出すに至っておりません。

平沢委員 記念切手は両方だめだと。竹島もだめ、北方領土もだめと。それで、北方領土の日はもう既にあるわけですよ。しかし、歴史的、国際的に見ても同じ日本の領土でありながら、何か竹島の日の制定については何となく及び腰のような感じがしないでもないんです。どうかなという感じがしないでもありませんけれども、これまた時間を見て御質問させていただきたいと思います。

 時間が来たから終わります。ありがとうございました。

赤松委員長 次に、丸谷佳織君。

丸谷委員 公明党の丸谷佳織でございます。前回の委員会の最後で質問させていただいた件を、きょうは冒頭にもう一度お伺いをさせていただきたいと思います。

 本日は、日ロ関係についてお伺いをさせていただきたいと思うわけでございますけれども、在京ロシア大使館の次席公使がロシアの外交誌「国際生活」に寄稿をいたしました論文、ロシア・日本、ゴールはまだ見えないという論文の概要でございますけれども、私も拝読をいたしました。

 全体としましては、ことしは日露修好百五十周年、また日露戦争終結百周年、第二次大戦終了六十周年に当たるということで、特に日ロ関係にとっては大変大事な年であるというふうにした上で、五六年の共同宣言、そして九三年の東京宣言及び二〇〇三年一月の日ロ行動計画を含む二カ国間の諸文書に従って、国境画定問題は平和条約の締結により解決されなければならず、平和条約においては、択捉、国後、色丹、歯舞諸島の帰属の問題の解決を見出していかなければいけない等、確かな認識もこの論文の中には掲載をされております。

 しかし、その一方で、今日の日本の立場には多くの点で冷戦時代の古いステレオタイプの痕跡が見られ、アジア太平洋における日本の軍国主義の侵略行為をうやむやにし、過去の戦争における日本のドイツ・ファシストとの同盟のアンチ・ソ連的傾向を過小評価し、一九四一年の日ソ中立条約を破った侵略者がソ連であり、日本は罪もない被害者であるかのように解釈しがちであるとの特徴があることを指摘すべきであるというような内容も掲載をされています。

 こういった文書、この在京ロシア大使館次席公使の考え方がここにつづられているわけでございますけれども、あたかも対日戦線は正義の戦いだったとする旧ソ連史観に逆戻りしたかのようなこういった発言というのは、日ロ関係の友好促進に決して資するものではないというふうに私は考えている次第でございます。

 改めて政府の見解をお伺いするとともに、公的な立場にある外交官としての立場からこういった寄稿をするのはいかがなものかといったような外交的なメッセージというのは送られているのかどうか、この点についてまずお伺いをさせていただきます。

町村国務大臣 ガルージン次席公使の論文、私も全部正確に読んだわけではございませんけれども、ある程度ぱっと目を通しました。

 今委員御指摘のとおりに、ポイントをついた指摘もありますし、日本とは事実認識が違うという部分もあります。特に、ヤルタ協定が日本にも拘束力を持つかのような主張が載っていたり、あるいは日ソ中立条約違反のソ連の対日参戦を正当化するような主張、これらについてはとても受け入れられるものではない、こういうふうに思っております。

 これにつきましては、確かに今までも、日ロ間で立場が相違する問題で一方的な意見表明等々がある場合もありますので、折に触れてきちんとロシア政府に申し入れておりますが、今回もこういう話があったものですから、二十日の日に、我が方大使館の方から先方外務省に対して申し入れを行って、適切ではない部分があるという点については先方にきちんと指摘を行ったところであります。

丸谷委員 申し入れを行っていただいたということでございますけれども、ロシア当局の方から何か返答といったものはあったんでしょうか。

小松政府参考人 大臣からただいま御答弁がありましたように、大使館の日本担当の部長に申し入れをしたわけでございますけれども、申し入れを踏まえて上司に伝えて、検討の上回答するという返事でございました。その回答を踏まえまして、私どもも適切に対応したいと思っております。

丸谷委員 局長、では確認なんですけれども、その回答は現時点ではまだ来ていないということでしょうか。

小松政府参考人 先ほどの大臣の答弁にもございましたように、ヤルタ協定の拘束力の問題であるとか、さきの大戦におけるソ連の行動に関する評価でございますけれども、ここは、今までも累次日本側から申し入れておりますけれども、そこは考え方がやはり違うわけでございます。その考え方の違うところについて改めて申し入れをいたしましたけれども、先方がわかったという返事をするという状況にはないわけでございますが、この申し入れを踏まえて改めてまた回答をしたいという返事であったわけでございます。

赤松委員長 政府委員に申し上げますが、質問者の趣旨は、回答が来ているのか来ていないのかということを聞いているのです。

小松政府参考人 申しわけございません。

 二十日の申し入れでございまして、その後の回答はございません。

丸谷委員 ありがとうございます。

 その回答を見ながら、今後また、大統領の訪日も控えているわけでございますけれども、日ロ関係、友好の促進に向けて、どうか外務省の方もしっかりとした対応をしていただきたいというふうに思います。

 この領土問題というのは、大統領の訪日が控えているということもあるのかというふうには思いますけれども、いろいろなところからいろいろなレベルで、本当にいろいろな発言が出てきているなというのが実感でございます。

 その一つに今回のこの公使の論文というものがあり、また最近、先月の三日でございますけれども、ロシュコフ駐日大使は、タス通信との会見の中で、領土問題の解決の一つとして、共同統治というものが仮説的には可能であるといった見解を示したということもございます。

 私自身も、この領土問題の解決に向かって、日本政府の方針はもちろん十分承知しておりますけれども、この共同統治というのが仮説的にでも可能であるのかどうか、考えてみた次第でございますけれども、共同統治そのもの自体のイメージがなかなかわかない。日本の国益に資するのか、あるいは旧島民の利益になるのか、この点を考えたときに、理解に苦しむところがあるわけでございます。

 まず、国際法局長にお伺いをいたします。この共同統治という概念を説明していただきたいと思います。

林政府参考人 国際法の概念として申し上げれば、国際法上、国家は自国の領域に対しまして、本来排他的な、つまり他の干渉を許さない、排他的な主権を有するものとされておりまして、通常、二以上、共同の形で国家が同時に同一の領域に対して主権を行使するということはないわけでございます。主権というのは排他的だということでございます。

 他方、特殊な歴史的な背景等の理由から、例外的に二以上の国家が合意により、条約でやることが普通でございますけれども、合意により同一地域及びその住民に対して共同して主権を行使する例というものが歴史的にはございます。こういう統治のあり方を共同統治と呼びます。

 もしお差し支えなければ、もう少し詳しい先例を申し上げますけれども、よろしいでしょうか。

 近年の典型例といたしまして国際法の教科書などに取り上げられますのは、今バヌアツとして独立しておりますニューヘブリデス諸島でございまして、これはイギリスとフランスの共同統治だということの例として挙げられております。

 内容は、一九〇六年の協定、一九一四年の改定議定書でさらに改定されておりますけれども、要は、両国が同諸島を共同で影響を行使する地域として共同で主権を行使することにしたということでございまして、中身的には、英仏がそれぞれ自国民、つまり英国民、フランス国民に対して、それぞれが管轄権を行使して施政を行うということ、それから第三国の国民は英仏いずれかの施政を選択する、さらに、こういう場所ですので、現地のいわゆる現地住民の方がおられるわけですが、その現地住民に対しては、英仏の高等弁務官、ハイコミッショナーが共同で施政を行う、そういった仕組みを条約によってつくっております。

 それから、もう一つの例としては、これは今キリバスとして独立しております国の一部を構成しておりますカントン島及びエンダベリー島というところがございまして、ここは米英の共同統治の例としてございます。

 これは、もともと米英それぞれの国民が利用しておったわけですけれども、一九三九年の米英間の合意によりまして、両島に対する主権の問題を棚上げしまして、これを国際航空路の中継基地として共同使用することにしております。これの中身は、それぞれの領有権を害することなく両島を共同で管理する、ジョイントコントロールを行う、それぞれが任命する行政官が施政を行う、施政権の行使の態様については必要に応じて両国政府で協議する。

 こういうものが国際法の教科書では典型例として挙がっているものでございます。

丸谷委員 今挙げていただきました二つの例ともに、結果的には、共同統治の後、独立をして一国をつくっているということになっております。北方領土というのはそもそも我が国の固有の領土であるということを考えたときに、今挙げていただいた、植民地であり将来的には独立をしていくという例とは同じものではないというふうに考えるわけでございます。

 一方で、こういったロシア側からの提案、この六十年間、領土問題というのは一向に前進を見なかったんだけれども、こういった仮説的であっても提案というものが出てくるということに関して、領土問題の糸口になるのではないかという見方もあるやに思いますけれども、この共同統治といった概念自体、問題解決の糸口になるというふうに政府はごらんになるのかどうか、この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。

小松政府参考人 御指摘のございましたロシュコフ大使の発言でございますけれども、これは報道で承知をしているわけでございます。

 その報道の中で、ロシュコフ大使自身、これは仮説的な可能性として述べておるものでございまして、ロシア政府としての見解を述べたものではなく、ロシュコフ大使の個人的見解を述べたものと私どもは理解しております。大使がそのようなものとしてプレスに示唆したと申しますか、言及したと申しますが、そのものにつきましては、その趣旨は不明でございまして、そういうものとして私どもは受けとめているというものでございます。

 いずれにいたしましても、我が国の固有の領土でございます四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという政府の方針は不変でございまして、今後ともこの方針に基づいて真剣に交渉を進めていきたいと考えております。

丸谷委員 G8の際に日本とロシアの両首脳会談が行われまして、プーチン大統領の訪日が十一月の二十日から二十二日ということが決定をされました。本当に、ことし初めの訪日がずっと延期になってきた分、ようやく日本に来ていただける日程が決まったということは非常に大きな成果だというふうに考えております。

 また、プーチン大統領自身が記者会見の中で、平和条約締結というのは最重要課題であるというふうにおっしゃっております。この大統領の意気込みにぜひ期待をしたいというふうに感じておりますけれども、最近のいろいろなロシアの外交筋から出てくるメッセージとしましては、五六年の日ソ共同宣言が法的に有効であって二島の返還となるんだというようなところが色濃く出てきておりまして、東京宣言というものは無視をされ、その発言というのは不誠実であるように私は考えております。

 日ごろ外交交渉に当たっている外務省としまして、こういったロシアの五六年の共同宣言が法的に有効であり二島の返還といった考え方というのは、今日でも変わっていないというふうに感じていらっしゃるのかどうか、この点についてお伺いをいたします。

小松政府参考人 五六年の日ソ共同宣言でございますけれども、これは両国の議会で承認をされまして、国会の御承認もいただいて締結をした条約でございますので、これが法的に有効であるということは当然のことでございまして、それをソ連時代になかなか明言をしなかったというところで、その義務を負っておるんだということを言ったこと自体は、当然のことではございますけれども、それは肯定的な要素であると思っております。

 ただ、五六年の共同宣言に基づく二島の引き渡しをもってこの領土問題の最終解決をするというロシア側の主張というのは、私どもとして受け入れられるものではございません。その立場というのは最近に至るまでロシア政府は繰り返しておりますけれども、粘り強く交渉をしたいと思っております。

丸谷委員 なかなか、交渉し続けていただいているわけでございますけれども、本当に領土問題というのは前進を見るのは難しいなというふうに実感をしております。

 しかしながら、非常に外務省の外交官の方が頑張られたんだなと最近思いました例が一つありますので、御紹介させていただきます。

 EUの議会の方で、極東におけるEU、中国、そして台湾との安全保障における決議というものの中に、北方領土返還をロシアに対して求める一文が入っております。これは、日本の領土である北方四島を、ソビエト連邦が第二次世界大戦後から支配をしているこの北方領土に対して今はロシアが占拠をしている、この四島を日本に返還せよといったような内容の決議になっているわけでございます。

 本当に、こういったEU議会の中で四島の返還決議をしていただくというのは、EU各国がこの四島問題、領土問題というのを正しく理解していただいて、そして国際法に基づいてロシアに対して返還を求めている、こういった理解をEUにまで広めた外交努力というのは非常に高く評価されるべきであろうと思います。

 EUのみならず、ぜひ、こういった国際社会に対する領土問題への理解と、また日本支援の輪というものを外交努力で広げていただきたいというふうに思う次第でございますので、どうかよろしくお願いいたします。

町村国務大臣 私ども、この北方領土問題というものが日ロ間のさまざまな活動、交流の円滑化の大きな妨げになっているんだ、そして歴史的にも北方領土が日本の領土であるということは明白であるというようなことをいろいろな機会にPRにこれ努めているところでございまして、その一つ一つを全部今ここで申し上げるあれはございませんけれども、そうした活動の成果というものが例えば今回の欧州議会の決議というものにあらわれているのかな、こう思っております。

 この議会の決議を見ると、北方領土の日本への返還、ザ・リターンという言葉が明確に使われていることは大変に立派な決議だな、こう私どもも受けとめております。

 ただ、その後を見ますと、ちょっといかがなものかと。独島、竹島問題について日本と韓国の間にディスピュートがある、ディスピュートというのは論議があると。これはまあ事実なんですが、その後に、尖閣についても日本と中国で議論があるというふうに、何かべたに並べて書いてありまして、私ども、尖閣については全く議論がない、こう理解をしておりますので、完全に、正確に欧州議会の皆さん方がこの辺の事情をよく理解しておられるのかということについては若干の留保がついてしまうわけでございます。

 しかし、この北方領土問題については、はっきりと、ザ・リターン、返還という表現があることは、大変にありがたい御指摘をいただいた、このように私どもも受けとめております。

丸谷委員 どうぞ、今後も外交努力を続けていただきたいと思います。

 私もこの決議というのを原文で読まさせていただいたわけでございますけれども、大臣がおっしゃったように、北方四島に関しては百点の決議文になっておりますけれども、その前後を見ると、日本の憲法改正等も含めて触れられたりしておりますし、大臣がおっしゃいました尖閣の問題については、日本と台湾の間で所有権をめぐった論争があるといったような記述がございます。四島に対する理解はしっかりとしていただいていますけれども、竹島あるいは尖閣に対するEUの理解が正確になるように、今後も外交努力を続けていただきたいというふうに考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

 それでは、東シベリアのパイプラインの問題について、経産省に来ていただいておりますので、お伺いをさせていただきます。

 この太平洋パイプラインプロジェクト、サハリン1、サハリン2プロジェクトに続く本格的な日ロエネルギー協力というふうに位置づけられておりまして、当然その目的というのは、我が国のエネルギーの安全保障、原油輸入の中東依存度を二〇〇三年の八八・五%から六八・一%へと引き下げていくといったことがあるというふうに考えておりますけれども、八日のプーチン大統領の御発言によりますと、パイプライン計画については実際には中国側への提供を優先したというように読み取れるわけでございますけれども、この点についてお伺いをさせていただきます。

 今後、第一段階としましては、タイシェットからスコボロジノに行って、そして最終的にはペレボズナヤ湾に向けたパイプラインをつくるということでございます。第一段階としてはタイシェットからスコボロジノということになっているわけでございますが、大慶に向けた支線をつくるのかどうか、ちょっと不明なところもございますけれども、この第一段階を二〇〇八年中に行うということになっておりまして、日本のエネルギー安全保障に資する面としては第二段階を待たなければいけないということになっているというふうに考えておりますが、この第二段階、スコボロジノからペレボズナヤ湾に向けての期限というものも明確にはされていないと思います。この点についてぜひ御説明をしていただきたいと思います。

近藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 今の御質問の件でございますが、太平洋パイプラインの建設に関しましては、ロシア政府がことしの四月二十六日に産業エネルギー相命令というものを発出しております。その産業エネルギー相命令の中では、具体的に太平洋パイプラインについて三点述べられております。

 まず第一点といたしまして、タイシェット、スコボロジノ、ペレボズナヤ湾というところを結ぶ石油パイプラインを建設するということが第一点でございます。第二点は、第一段階として、タイシェット―スコボロジノまでのパイプラインをつくる、そしてペレボズナヤ湾に石油の積み出しターミナルを建設する。第三点といたしまして、第二段階ではスコボロジノからペレボズナヤ間のパイプラインを建設する。こういうことが決められているわけでございます。

 中国向けのパイプライン建設については、その中では言及をされておりません。実際にスコボロジノから中国に一部の石油を供給するという構想があることは私どもも承知をしておるわけでございますが、これは鉄道によるものになるか、パイプラインになるのかといったことも含めて検討中であるというように私どもは認識をしているところでございます。

丸谷委員 この東シベリアパイプラインにおいては、第一段階、第二段階と段階を区切っていくといったことに対する理由の説明というのはあったんでしょうか。

近藤政府参考人 第一段階、第二段階について、第一段階と第二段階というのが、例えば、第一段階はいつまで、第二段階はいつまでということが書いてあるわけではなくて、まず第一段階としてこうする、そして実際に物事が動き始めて、そしてその上で第二段階に行く、こういうことなんですが、第一段階と第二段階がどういう時差になるのかとかいったことを含めて述べられておりませんので、ここら辺についても、実際にどういうタイミングでどう進めていくかというのは、今後の議論を引き続きやっていく必要があると私ども考えておるところでございます。

丸谷委員 そうしますと、実際には、新たに東シベリアの油田の開発というのが前提になる部分もございます。こういった開発に関して、あるいはパイプラインの建設に対して、日本は支出をしていくおつもりなのか、この点、お伺いします。

近藤政府参考人 まず、東シベリアの開発につきましては、少し数字を先に申し上げさせていただきますと、ロシア政府といたしましては、東シベリアの石油生産について、二〇二〇年ごろには、年間五千万トン、約百万バレル・パー・デーから、八千万トン、大体百六十万バレル・パー・デーぐらいでございますが、そのぐらいになるという見通しを発表しておるところでございます。

 少なくとも今そういう状況でございますので、西シベリアと東シベリアからの原油を合わせて太平洋パイプラインの建設に必要な通油量を確保して、このパイプラインを基礎として、東シベリアの開発をしようというような考え方だと理解をしております。

 その中で、ロシアとの関係で申し上げますと、私どももさまざまなレベルでその実現に向けた議論を進めておるところでございます。

 具体的に申し上げますと、日ロの専門家間での協議をやっておりまして、パイプラインの建設資金の融資、それから東シベリアの油田の探鉱開発、それからパイプラインの建設のための詳細なフィージビリティースタディーという三分野におきまして、太平洋パイプラインを実現するためにどういう協力が可能かということについて議論を行っているところでございます。

丸谷委員 いずれにしましても、十一月に大統領が訪日された際にも、こういったエネルギー安全保障の問題について議論がされると思います。早く、期限が明確になっていく中での、こういったエネルギーの安定的な供給が図られるように、ぜひ交渉の方もこの点頑張っていただきたいというふうに思います。

近藤政府参考人 ありがとうございます。

 私ども、シベリアの原油をロシアの太平洋岸まで輸送してくるということは、この太平洋パイプラインのプロジェクトというのは、ロシアの極東、シベリア地域開発の促進につながります。また同時に、我が国を含むアジア太平洋のエネルギー供給源を多様化するということで、我が国にとっても戦略的な意義を有するプロジェクトであると思っております。

 そういう意味で、日ロ間でのさまざまなレベルで、日ロ双方の利益にかなうような形で太平洋パイプラインの実現に向けて議論を着実に深めてまいりたい、このように考えておるところでございます。

丸谷委員 ありがとうございました。以上で質問を終わらせていただきます。

赤松委員長 次に、武正公一君。

武正委員 おはようございます。民主党の武正公一でございます。

 まず、大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、国連政策課から、「安保理改革に関するG4とアフリカ代表との外相会合等」ということでペーパーをいただいておりまして、二十二日、本日までに、いわゆるG4案とAU決議案、これをまとめることを目指すこととしというようなペーパーをいただいております。きょうがその取りまとめの期限ということでございますが、現状の見通しについてお伺いをしたいと思います。

町村国務大臣 今、ニューヨークの国連代表部の、基本的には各国の大使が、G4及びAUの国々、代表部同士での話し合いを精力的にこの一週間やっているというふうに思います。基本的に、向かっている方向はAUの考え方もG4の考え方も同じである、私はこういう認識に立っております。

 ただ、強いて言うと二点違いがありまして、一つは拒否権の表現の仕方という点で、アフリカの国々は、拒否権については、G4の案のように憲章改正後十五年間を経てまた考えるというのではなくて、もっと端的に、現在のP5と同じように持つべきだという主張。

 それから、もう一点は、アフリカに配分されるであろう非常任理事国の数が、G4の案ではたしか四つ。それがアフリカは、五つのいわば地域といいましょうか、中央アフリカと東西南北、五つあるのだから五つの非常任理事国が必要であるということで、トータルが、G4の二十五ではなくて、彼らは二十六という点、その点が違うわけであります。

 これを大きな違いと見るのか小さな違いと見るのか、その点をめぐって今まさに議論が行われているところでありますが、その議論を踏まえた上で、来週月曜日、G4とAUの外相レベルの会議をやりまして、そこで最終的な詰めを行いたい、それを受けて来週中には決議案の採択ということを念頭に置きながらさらに努力をしてまいりたい、かように考えているところであります。

武正委員 今協議中ということで、見通しについては言明ができないということだと思います。

 お手元に、これは北米第一課に作成いただきまして、理事会、委員長のお許しを得てお配りをさせていただいております資料、お目通しをいただきたいんですが、これは十二日の期日になっておりますが、最初の五枚が十四日の民主党の外務・防衛部門会議に配られた資料でございます。それから、右に手書きしておりますが、六ページから十ページまでの五枚が十九日の部門会議で配付された資料でございます。

 これについて以下御質問させていただきます。

 まず一ページでございますけれども、「国連改革」、今指摘をした安保理改革でありますが、ここで、首相とライス国務長官の会談、上から三行目でございますが、首相が「日米同盟と国際協調の両立を実現する観点からも」ということを触れておられます。このとき、部門会議で外務省の方からも御説明を受けたんですが、イラク自衛隊派遣のときに、私も今もしっかりと鮮明に覚えておりますが、総理は、イラクへの自衛隊派遣は日米同盟と国際協調の両立、こういった観点なんだ、こういったことを盛んに、当時の川口外務大臣もあわせて主張されました。

 外務省の方の御説明では、こういった表現というのはそれ以来という御説明をいただいたんですけれども、今回のこの安保理改革についての、なぜ必要なのかという日本の立場、こういった認識でよろしいのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

町村国務大臣 日米同盟と国際協調、これは小泉総理の発言をまつまでもなく、それ以前からも日本政府が日本の外交の基本を説明する際に使ってきた表現であると私は理解をいたしております。それをより具体に説明する際に、例えば所信表明で述べたり、あるいはイラクの問題についての説明の際に述べたり、いろいろな機会にこうしたことは述べておられると思います。

 先般の、十二日でしたか、ライス国務長官の総理表敬の会談の中でもそうしたことを述べ、国連改革、まさに国際協調そのものだ、こう思いますが、それをやはり日米で共同でなし遂げることが大切なのではないだろうかという表現をとり、米国の協力を求めたという文脈だったと理解をいたしております。

武正委員 今回、資料を二種類提出させていただいたのは、提出時期が異なるとともに、文言の変更があったものですから、お手元に二種類同じ表題の文書を出させていただいております。

 どこが違うのかというのを御確認いただきたいんですが、二ページ目、これはライス長官と小泉首相のやりとりでありますが、二ページ目の上から七行目になります。(ハ)というところですね。ライス長官の発言ということになるわけでありますが、六行目から読みますと、「日本と協議していく過程、特に小泉総理及び町村大臣等の閣僚との協議を通じ、沖縄を始めとする地元の負担の軽減と抑止力の維持・強化の二つの点が重要であることはよく認識している。」このアンダーラインは、私の方で引かせていただきました。

 それに対して、小泉総理が、これは(2)になりますが、同じくアンダーラインを引いておりますが、「これに対し、小泉総理より、沖縄を始めとする地元の負担軽減と抑止力の維持・強化は引き続き日本にとって非常に重要である、米国との協議を引き続き精力的に進めていくように自分としても努力したいと応えた。」

 こういう文書を、七月十四日の民主党の外務・安全保障の部門会議に外務省が提出をされ、北米第一課に説明をいただいたわけでございます。

 そのとき、部門会議で、民主党の議員から、沖縄の負担軽減と抑止力の維持というのは聞いたことがあるけれども、いつから強化ということを政府として明確に打ち出したのか、こういう質問が相次ぎまして、改めてペーパーが出されたのが六ページ以降になるわけでございます。

 どう変わった文書が七月十九日の部門会議に出されたかというのは七ページでございまして、同じところを読ませていただきますと、アンダーラインを引いております。ライス長官の発言は「抑止力の維持・強化」が「抑止力の維持」に変わった。一方、小泉総理の答えは「維持・強化」が「維持・確保」に変わっております。

 このような外務省の文書が変更されるというのも、寡聞にして余り聞いたことがないだけでなくて、やはり、これは維持・強化、強化ということをライス国務長官が発言をし、そしてそれに対して小泉総理がこたえたのではないかというふうに思われるんですけれども、なぜこうして文書が変更になったのか、その経緯、そして実際のところは抑止力の強化ということをライス長官も小泉首相も言明をしたのではないか、このように考えるんですが、以上二点、お答えをいただけますでしょうか。

町村国務大臣 私も、小泉総理とライス長官の会談の席に同席をしておりましたが、維持・強化と言ったか維持・確保と言ったか、一言一句正確に私も全部記憶しているわけではございません。抑止力というものと沖縄を初めとする地元の負担軽減ということは、ずっと2プラス2以来言い続けているところでございますが、その一言一言について、重要なポイントでございますから、念のためにこれは議事録をもう一度確認をしてみなければいけないと思います。

 その資料の違いがなぜ起きたかというのは、私もちょっとよくそれはわからないんですけれども、事務方は事務的なミスである、こう言っておりますから、そういうことなんだろうと思います。別に何か意図して、これを強化と言ったものを維持に置きかえたり確保と置きかえたりしているということではないと私は思っております。

武正委員 いみじくも重要なポイントと外務大臣もお認めでございますが、御案内のように、沖縄を初めとする地元の負担の軽減を、特に今回の米軍再編ではさまざまな基地を持つ自治体は期待をしてきているわけであります。当然、米軍の専用施設面積の七五%を有する沖縄の期待は大変大きいことはもう外務大臣御認識であるからこそ、重要なポイントと言われたというふうに思います。

 その重要なポイントについて正確に記憶をしていない、ましてアメリカの国務長官と首相との会談、こうしたことを外務大臣ともあろう方が触れるというのは、大変私は解せないわけであります。また、議事録の違いを精査、これはここのところずっと部門会議でもやりとりをしている案件でありますし、きょうもこの点を質問で取り上げるというふうに質問通告でお伝えをしているわけですので、今から精査しますでは私は納得がいかないわけでありまして、これは今即座にこの議事録の違いを精査していただかないと質問ができない、このように考えますが、委員長、お取り計らいをお願いします。

赤松委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤松委員長 速記を起こしてください。

 ただいま武正委員からの申し出につきましては、後日、理事会で協議をいたしますが、外務大臣等答弁者におかれましては、できるだけ誠意を持ってまたお答えもいただきますように希望いたしておきます。

 では、続行してください。町村外務大臣。

町村国務大臣 恐縮でございました。もう一度、私、改めて、速記が多分残っていると思いますから、どういう表現であったかということを確認して、理事会の方にきちんと御報告を申し上げます。

武正委員 そこで、外務大臣は言ったか言わないか正確に記憶していない、それから改めて速記録を見てみたいという話でありますが、例えば、この抑止力の強化という点、こういったやりとりというのは、これまで米国と日本との協議であったんでしょうか。これについては、外務大臣もこれまで多方面で、国務長官を初め、あるいは外務省もさまざまな協議をされておりますが、抑止力の強化といった発言というのは米国からあったのかどうか、これについてお伺いしたいと思います。

町村国務大臣 強化という言葉が一切使われていなかったかどうか、ちょっと私も正確にそれをすべて記憶しているわけではございませんが、2プラス2の共同文書でも述べられているように、抑止力というものは引き続きこの東アジア地域等々の環境の中で必要である、だからそれが維持なのか維持・強化なのかという今お尋ねですから、そこはちょっと厳密にもう一度議事録、過去の議事録も含めて調べてみたいと思います。

 要は、言いたかったことは、確かに基地の負担軽減というものは実現をしなければいけない。しかし、同時に、現下の安全保障環境を見たときに、抑止力というものもやはり考えなければならない要素であるということで、その二つの両立はなかなか難しいんだけれども、それを何とか実現していきたい、今回の日米再編協議の過程でということは累次申し上げました。ただ、維持であるのか維持・強化であるのかという点について、その強化の意味するところが一体何であるのかという厳密な議論もそうであれば必要でありましょう。

 しかし、今、私の記憶にある限りで、抑止力を何か強化するために何か新しい対応をするということ、これは確かに今回の再編そのものが米軍のいわば能力というものについてかなり重視をしながら全体の再編を進めていくという議論が、これはかねてより米側から、何も日本との関係のみならず、世界の中での米軍再編の中で能力重視ということは言われております。

 したがいまして、能力という場合には、いわば軍人の数という側面もあるでしょうし、また装備という観点もあるでしょうし、また装備と人とをさらに超えたまた新しい戦略的な発想であるとか戦略的な展開であるとか、そういう面もあるだろうと思います。

 したがって、維持というと、何というかイメージとしては横ばいみたいなものですね。強化というのは当然能力が非常に向上するという意味があるだろうと思います。ですから、今回の再編成が単純に横ばいという意味の維持なのか、局面によっては、人数は減るけれども、例えば装備が非常に強化された結果、あるいは近代化された結果その能力が全体としては向上するというケースだってそれはあるだろうと思います。

 その辺を今議論している最中でありまして、今後そうしたものをトータルとして取り上げてこの再編議論の答えを出していき、地元の御理解も得ながらそれを実施していくということでありまして、今この場で、維持というのはこういう意味であり、強化というのはこういう意味であるということを明確に定義することは、現状ではまだ難しいということを率直に申し上げなければならないと思います。

武正委員 強化というケースもあるということだと今理解をいたしました。

 さて、ここで維持・確保と、維持も強化も定義づけられないと今外務大臣はおっしゃいましたが、ここに確保という言葉が出てきたんですが、これは、外務省が維持・強化を直されて、首相の言葉ですからね、ライス国務長官に対しての首相の言葉。直されたのは、強化を省いた、ライス長官は維持と言ったと変えられているわけですよ、外務省は。

 前は維持・強化だったけれども、いや、これは間違いでした、ミスでしたと外務大臣はお認めになりましたが、そこで強化を削除しました。ライス長官は抑止力の維持、これに対して、日本の総理が日本語で維持・確保と言われているわけですね。この確保というのは、ではどういう意味なんですか。これは、日本語で総理が確保と言われたということでこの文書が出されているわけですから、その意味はどういうことなんでしょうか。お答えをいただけますか。

町村国務大臣 そうですね、維持・確保と維持・強化の違い、維持と確保というのはほとんど日本語でいうと同義ですね。私はごく自然に、今改めて先生からいただいたこの資料を拝見しながら、維持と確保はほとんど日本語的には同義ではないかと私は今そう受けとめております。

武正委員 私からいただいたんじゃなくて、外務省がつくられた文書でございます。ですから、ぜひそれは外務大臣にお聞きをしたかったわけですね、御省がつくられた文書ですので。

 ですから、ここで維持・強化が維持・確保になって、いや、維持も確保も同義だと外務大臣がお認めになられるものが二つ並ぶのも変ですよね。大変奇っ怪でございます。

町村国務大臣 これも、一言一言すべて正確に私も記憶しているわけではございませんので。ただ、総理が維持・確保と、そういう表現をとられたのであれば、それはまさにそこに書いてあるとおりなんだろう、こう思いますが、この点も、先ほど申し上げました、改めて報告をするという中で、総理がどういう言葉を使われたか、そのことについてはきちんと御報告をさせていただきたいと思います。

武正委員 こうした会談内容についてもやはり今のように速記録なりを起こしていただいて国会に報告をいただく、外務大臣、大変ありがたいお言葉をいただきました。これまでの外務委員会のやりとりでは、会談内容の詳細については差し控えたい、こういった答弁が多い外務大臣でございますが、ぜひ、国会に対しての説明責任を、諸外国、特に首脳間の会談内容については明らかにしていただきたいとお願いをいたしておきます。

 この外務部門会議で、外務省の方が、この維持・強化についてやりとりをしているとき、こんなことを言われたんですね。先ほどの、強化についてはそういうケースもあると外務大臣いみじくもおっしゃいましたが、決して強化しない立場ではない、びた一文とも抑止力を強化しないということではない、こういうような表現を外務省の方もされておりまして、今の外務大臣の、そういうケースもあるというところと符合するわけですが。

 先ほどの装備や、人員よりも装備だというお話でしたけれども、これは技術革命というんでしょうか、軍事力の技術革命によっての今回の米軍再編という中で、この強化はあり得ると。先ほどの、そういうケースもあるよと。そして、今の外務省の方のそうした発言といったことが、果たしてこれは、「沖縄を始めとする地元の負担の軽減」、特に沖縄の方にこうした説明を外務大臣としてする。

 これは首相を初め外務大臣も、とにかく沖縄の負担軽減、負担軽減と日米間の交渉で言っておられるはずなんですが、その沖縄の方に、いや今回の米軍再編では能力向上もある、ですから抑止力の強化ということが沖縄にもあるんだということを言えますか。先ほどはそういうケースもあるとお認めになりましたが、特にこれは沖縄を初めとする地元の負担軽減というふうに明文化されているんですが、沖縄の方にそういったことを外務大臣として発言できますか。お答えをいただきたいと思います。抑止力の強化もあるということをですね。

町村国務大臣 今まさに大詰めの協議を米側とやっている最中でございますから、この段階で余り仮定のことを述べるのもまたいたずらに混乱を呼ぶことになるんだろう、こう思いますので、より具体の再編の姿が日米間でまず一たん合意できることになると思います、そう遠くないうちに。当然、それをもって地元への御説明をするということになるわけでございますので、その段階で、必要な、そうした能力の問題等も含めて、できる限りの説明責任を果たしていく必要があるということは、これも累次申し上げているとおりでございます。

武正委員 私は別に個別基地名の話を今しているわけではなくて、日米の、アメリカ国務長官、そして首脳会談でこうしたことが出てきて、しかも今外務大臣は能力向上によって抑止力の強化、そういうケースもあるとお認めになられたから、私は率直に、沖縄の方にそういったことが言えるんですかという御質問をさせていただきました。

 それでは、ちょっと質問を変えますが、昨日、沖縄県の金武町の町長さんや議長さんと、外務大臣は、沖縄県議会の方々ともお会いになったようですが、お手元の資料でいうと一番最後のページにあるように、キャンプ・ハンセンの米陸軍複合射撃訓練場、都市型訓練施設とも言いますが、こちらの十二日から始まった実弾射撃訓練、これを即時やめさせて、しかもその閉鎖、こうした要望、要請があったわけです。

 まず、それについて外務大臣は、いや、これはやはり日米安全保障上あるいは日米地位協定上、今すぐ訓練をやめさせるということはできないんだ、このようにお答えになられたと、きょうも各紙報道しておりますが、この点について、そのように外務大臣としてお答えになられたのか、お答えをいただきたいと思います。

町村国務大臣 昨日、外務省におきまして、沖縄県議会の、五名であったでしょうか、各会派の代表の方々、それから金武町の町長さんあるいは金武町議会の方、さらには伊芸地区の区長さんを初め、関係者にお見えをいただきました。そこでお話も伺い、また私どもからの考え方を申し上げたわけでございます。

 まず、十九日の大規模な県民集会が開催をされたということにつき、私どもも、報道等を通じ、あるいは我が方大使も沖縄におりますので、そうした報告などを通じて開かれたことは承知をし、そのことは地元の皆さん方の懸念のあらわれ、強い懸念のあらわれであるということを、そのように受けとめているということを申し上げました。また、訓練中止という端的なお話もあったところでございます。

 これに対して、私どもの方からは、陸軍の複合射撃訓練場については安全環境等に配慮をした内容になっているという認識を述べた上で、しかし懸念があるということは私どももよく承知をしておりますから、そうしたことを踏まえて、これは昨年来から地元の知事さん等とも話をして、キャンプ・ハンセン内のレンジ16の奥に日本政府の予算で代替施設を建設し、レンジ4で予定されていた訓練を移転させるということをこの四月に公表したわけでございまして、これは地元の皆さん方の御懸念への政府として受けとめた対応であるというふうに御理解を賜りたいということを申し上げました。

 また同時に、御懸念があることは承知をしておりますけれども、移設が完了するまでの間、日米安保条約目的の達成のために米軍がレンジ4で必要不可欠な訓練を実施する必要性があるということは認識をしているということで、その趣旨を皆様方に申し上げたところでございます。

 いずれにしても、さっき申し上げましたレンジ16の奥の方に移設をする、あるいは安全面への最大の配慮をするというようなことを米側とも話をしておりまして、合意を見たところもあるわけでございますので、今後とも地元の皆さん方のお考え等には最大限の配慮を払っていきたい、こういう気持ちでいるわけであります。

武正委員 今の日米安保上というお話が出るわけでありますし、地元では、住宅から三百メートル、高速から二百メートルのところで実弾射撃訓練が行われる、今安全に配慮しと言いながらも住宅から三百メートルのところで実弾射撃訓練が行われて、これで一体どうやって安全に配慮するのか。こうした申し出に対して、壁の内側にラバーを張りますよという米軍の答えが返ってきているぐらいでありまして、とてもこんなことを容認できるわけがないということで、知事を初め一万人の方が集会をされているわけであります。

 さて、今、いつまでということでありましたが、もうちょうど時間も来ておりますので、いつできるんですか、そのレンジ16は。これを最後にお答えいただきたいのと、やはり今回の実弾射撃訓練など、これはもともとグアムで計画したものが、グアムで住宅が近いからだめだということで断念をしてこちらに来ているということもありまして、先ほど外務大臣が言われたように、抑止力の強化がこういったところでも見られるのではないかという大変懸念を覚えるわけであります。

 民主党も昨日、前原防衛庁長官、NC長官の名前で即時中止を求めた文書を出させていただいておりますが、いつできるのか。多分これは数年かかるということが出ておりますが、数年間も待てるはずがないということを重ねて申し上げて、最後にお答えをいただきたいと思います。

町村国務大臣 訓練をするということは、まさにその部隊の能力の維持というものに必要であって、これをやるから直ちに何か、能力といいましょうか、抑止力が強化されるということとイコールであるという御指摘は当たらない、私どもはこう思っております。

 いつかということでありますが、これは所要の環境アセスメントといったような手続もやはり法令にのっとってやらなければいけない。また、現地は、レンジ4と比べると相当奥になりますから、いろいろな工事に期間がかかるということで、今、いつ完成ということを申し上げられる状況にはないわけでございます。

 しかし、私どもとしては、一刻も早くこれを完成させる必要があるという基本的な考え方に立って、例えば環境アセスメントなどのやり方に工夫ができる余地があるのかないのか、この辺は県庁の御協力もいただかなければならない点もあろうかと思います。

 また、施設の場所についても、一部にはレンジ16の当初予定していた場所とまた違う方がいいのではないかというようなお話もあるやに聞いておりまして、まだ必ずしもかちっとしたプログラムが固まっている段階でもないんだろう、こう思います。

 いずれにいたしましても、時間をかけてゆっくりやる性格のものではございません。可能な限り期間を短縮して早期に移設を実現するということで、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

武正委員 国民の生命がかかっていることだけに、まずは、この実弾射撃訓練を即時中止するということを申し述べて、以上で質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

赤松委員長 次に、松原仁君。

松原委員 民主党の松原仁であります。

 幾つか質問項目があるわけでありますが、杉浦官房副長官もいらっしゃったわけで、一つは、六カ国協議がようやく行われることになった。きのう拉致特で質疑があって、私はやはりもう一回確認しておきたいわけですね。

 つまり、何を確認したいかといえば、北朝鮮に対して、拉致の問題の進展がない限り経済的なさまざまな支援はしません、やはりこれを、私は拉致の問題に関して専門家会議の座長である杉浦官房副長官には明言していただきたい。

 そして、もっと言うならば、仮に六カ国協議において核の進展があって、韓国は既にさまざまな援助を北朝鮮にするということを表明しておりますが、これに関して、アメリカから要請があっても、日本は拉致の問題においての進展がない限りはそういったキャッシュディスペンサーにはなりませんよ、これを、杉浦さん、答弁してください。

    〔委員長退席、大谷委員長代理着席〕

杉浦内閣官房副長官 昨日も御答弁申し上げましたとおり、核、ミサイル、拉致といった諸問題の包括的な解決なくして日朝国交の正常化はないというのが政府の基本方針でございます。正常化がなければ、日朝平壌宣言に記載してございます経済協力もないということでございます。

松原委員 日朝平壌宣言に盛られた経済協力はないということは、これはもうちょっと言いたいわけですが、例えば、六カ国協議で、アメリカも今回はもしかしたら、これで話し合いがまとまらなければ安保理決議というふうにするかもしれぬから、北朝鮮も譲歩する可能性があると私は思うんですよ。それはわからないです、やってみないと。

 しかし、その場合に、核だけの議論が進捗しても、我が国としては、アメリカが、韓国から言われてじゃない、私が言っているのは、アメリカが、この辺で日本さん、あなたの安全保障に一番かかわりのあるこの核の問題が、言ってみれば安全保障の保全に役立った以上は、これはやはり少し応援してよ。キャッシュディスペンサーというのは非常に自虐的な表現だから、そうじゃなくて、日本は金があるんだから、少しさまざまな意味であめを出しなさいよと言われたときに、いや、我々は、拉致、ミサイル、核、三位一体だと、拉致、ミサイル、核、三位一体だから、拉致の部分が進まなければ、ほかの部分だけじゃ国民世論もついてきませんよと言えるんですね。これをもう一回確認したい。

杉浦内閣官房副長官 先ほど御答弁申し上げましたとおり、拉致問題の解決というのは日朝国交正常化の重要な要素でございます。核、ミサイルとともに、その問題の解決がなければ国交正常化はありませんし、それに伴う経済協力というものもないということを重ねて申し上げる次第でございます。

松原委員 確認ですが、日朝平壌宣言に盛られていないような経済協力というのはあるんですか。

杉浦内閣官房副長官 先生がどういう趣旨で御質問されているか、ちょっとわからないところがありますが、あるとは承知しておりません。

松原委員 ということは、私は、今のは非常に重要なメッセージだと思うんですよ。きのうの拉致特で検討するという表現をおっしゃったから、ああいうふうな表現が北朝鮮に伝わると、向こうは、ああ、もう拉致は外して六カ国協議、バイも場合によったらいいかぐらいの話になるかもしれぬ。

 しかし、今官房副長官は、内閣を代表する立場として、少なくとも拉致問題に関してはヘッドクオーターですよ、拉致問題に関しては専門家会議の議長ですし、その立場で、核とミサイルの問題だけではなく、拉致問題も進展がない限り、日朝平壌宣言に含まれる経済協力はないし、それ以外の経済協力は承知しておりませんということは、ないという理解でよろしいですね。もう一回、最後確認したい。

杉浦内閣官房副長官 昨日検討すると申し上げましたのは、韓国が六カ国協議で重大な提案をするということで、条件つきではありますが、電力供給の計画を持っておられる。それを韓国政府は自分の費用でなさるというふうに私ども承知しておるわけですが、それに伴う例えば重油の供給であるとか、そういう仮定の問題ですね、仮定の前提での御質問があったわけでございます。

 それは、六カ国協議の全体の進展、拉致の問題も含む日朝関係のさまざまな進展が六カ国協議の中でどの程度進行するかというのは、まだ予測するのは難しい状況でございますから、現在は何の要請も受けておりませんが、仮に進展があった場合にはそのときの状況に応じて検討することがあるかもしれないという趣旨で申し上げたわけでございまして、その前提としては、核、ミサイル、拉致の問題全体を含めて六カ国協議の中で相当な前進があるという前提の上で、検討することはあり得ると申し上げたわけでございます。

 基本的には、先ほど申し上げましたように、日本政府の基本方針は一貫して変わりませんし、その解決がなければ経済協力はない、国交正常化もなし、経済協力もないというのが基本的な立場でございます。

松原委員 これを明確にしておくことは極めて重要でありまして、包括的な三つの三位一体だけれども、これは私はそういう解釈をさせていただきましたから。つまり、核の問題も拉致の問題もミサイルの問題も、少なくとも、核の問題でミサイルだけは進捗があったけれども、拉致の問題は進捗がない場合にはこれはだめなんだよ、こういう認識でよろしいですね。もう一回重ねて、くどいけれども、性格がくどいもので申しわけない、聞かせてください。

杉浦内閣官房副長官 重ねて申し上げますが、拉致の問題の解決は重要な要素でございまして、この問題の進展がない限り経済協力はないというふうにお考えいただいて結構でございます。

松原委員 これは、今回の六カ国協議に臨む日本政府の極めて重要な態度を、既に暗黙の了解で伝わっていた話かもしれぬけれども、あえてこの国会の外務委員会でおっしゃったということは重いということで、私は認識をさせていただきます。

 少なくとも、このことによって、六カ国協議で、日本にいやしくもさまざまな経済的な支援をさせるということを他の国々が考えるならば、拉致の問題を扱わざるを得ない、こういう認識を私は持ったわけですが、それは同じ認識ですよね。

杉浦内閣官房副長官 先生と同じ認識でございます。

松原委員 である以上は、これは現場で、佐々江さんが行かれるわけですね。佐々江さんはきょう来ているかな、呼んでいなかったか、それへ行かれるわけでありますが、佐々江さんはきちっとこの部分をやはり六カ国協議の中で主張してもらいたい、こう思うわけであります。

 続いて、幾つか全般的なことも聞いていきたいわけでありますが、今杉浦さんに聞いておりますので、その流れで参ります。

 東京都の石原知事が沖ノ鳥島を訪問した、そして、魚礁をつくろう、こういうふうな話をしたわけであります。この行動は、私個人は、あそこは日本のまさに岩ではなく島であるという認識の中で、当然必要なことである、実態としてそれが活用されているということは極めて重要だと思います。

 国として既にあそこにさまざまな島が埋没しないような仕組みをつくっている努力は認めておりますが、いわゆる実用性のある、灯台をつくるとか魚礁をつくるとか、東京都のこういったアイデアに対して応援するとか、本来、領土の問題、こういったものは地方自治体というよりは国が一番扱うべき問題でありますから、国としてこれに対してどういった取り組みをする思いがあるか、官房副長官、お答えをいただきたいと思います。

杉浦内閣官房副長官 沖ノ鳥島は、御承知のとおり東京都の行政区域に属しておりまして、このたび都知事が視察をされたわけでありますが、東京都として、沖ノ鳥島に関して、その利活用の可能性について検討しておられるというふうに承知しております。魚礁についても、これは水産庁の方で補助をしておりますが、現在調査しておるところでございます。

 また、国としても、政府部内に沖ノ鳥島の活用に関する作業部会を設置しておりまして、関係各省庁においてさまざまな取り組みが行われております。

 具体的には、文科省、経済産業省、国土交通省におきまして、直轄海岸の維持管理、島ですね、気象、海象等に関する監視観測、それからGPSを用いたフィリピン海プレートの調査でございますとか、あそこは熱帯でございますから、熱帯での暴露試験等による新素材の耐久性試験でございますとか、サンゴの育成調査等が行われております。

松原委員 そうしたら、少なくとも魚礁云々の部分では、水産庁が補助対象ということで沖ノ鳥島について今調査している、魚礁をつくる可能性に対してきちっと調査している、こういうことでよろしいですね。

杉浦内閣官房副長官 そのとおりでございます。

 具体的に申し上げますと、魚礁の設定条件調査ということで、水産庁の補助により都が実施しております。調査期間は平成十七年七月から平成十八年三月まで、総事業費二千四百二十万円、補助率二分の一でございます。

松原委員 次に、先ほど平沢勝栄氏の質問があって、竹島の問題がありましたが、竹島の領有権を主張することで、島根県は竹島の日というのをつくったわけであります、プリクラ切手を出そうよという企画はなかなか実現しないわけでありますが。

 この竹島の領有権、竹島は日本の領土ということで、当たり前でありますが認識はしているわけで、この主張をするために国としてはどういったことをやるつもりがあるのか。何もしないのか、何かやるのか、簡潔にお答えください。

杉浦内閣官房副長官 竹島問題につきましては、我が国の立場は、我が国の領土であるということで一貫しておりまして、これはもちろん、当然主張すべきは主張しながらも、韓国は自分の領土だと主張しておられるわけでありまして、お互いに立場は立場として、大局的見地から、日韓双方の国民感情をあおらないようにしながら、解決を図るべく、引き続き冷静に努力していく必要があると考えております。

松原委員 双方の国民感情を刺激しないようにと言いながら、日本はプリクラ切手もつくらせないし、韓国側は、ここは観光も行かせるとか切手もつくるとか歌までつくるとか、お互いに国民感情を刺激しないようにと言いながら、どうも、日本は刺激しないように配慮をする、気配りは大いにあるけれども、他国はそうでもない、そういうふうな気がしてならないわけでありまして、私は、ちょっとその辺は、官房副長官の御認識は、韓国は、多少それは手綱さばきはするかもしれないけれども、実際は違うんじゃないかというふうに申し上げたい。

 それから、尖閣の問題でありますが、尖閣に関しては、この領有権の主張というのは、昨年、中国人の不法侵入者が上陸をしたわけであります。現状において、中曽根内閣のときですか、あそこにヘリポートをつくりましたよね。あのヘリポートは常に使えるようにするぐらいのことは当然日本の領土であればやるべきだと思うんですが、これはどういう扱いになっていますでしょうか。

杉浦内閣官房副長官 尖閣諸島は我が国固有の領土であることは、もう歴史的にも国際法上も疑いのないところでございます。また現に、我が国は、竹島とは違いまして、これを有効に支配しておるところでございます。また現に、尖閣諸島には民間の所有者がおりまして、その所有者から国が賃借をしておるところでございます。また、本年二月には魚釣島に政治団体が設置していました灯台を国の所有といたしまして、現在、海上保安庁において保守管理しているところでございます。

 御指摘のヘリポート、これは中曽根内閣時代にできたものでございますが、整備につきましては、関係省庁ともよく調整いたしまして、その必要性を踏まえ、整備が必要かどうか検討したいというふうに思っておるところでございます。

松原委員 整備の必要性はあるに決まっているんですよ。日本の領土であって、そこに今ヘリコプターはとまれないんだ。かつてつくったわけですよ。それは資源調査ということでつくったかもしれないけれども、資源調査が終わって要らなくなったという議論では全然通用しないのであって、常にそれはつくるべきなんですよ。

 だから、関係省庁と相談してというのは、私流に言わせれば、それは中国の不法侵入者があった段階でヘリポートはきちっとやるべきですよね。どうもその辺が、そういったものが、追い込まれながらつくらない。つくらない理由は何かあるんですか。

    〔大谷委員長代理退席、委員長着席〕

杉浦内閣官房副長官 各省庁で、ヘリポートを整備しておく必要性があるかどうかについて、どうしても必要だという御意見の強い省庁がないというのが現実でございます。

 海上保安庁の方は、巡視船も増強して、警備をきちっとしております。あそこには、先生御案内と思いますが、接岸はできませんが、掘り割りがあって、海上保安庁が上陸して、担当者が灯台のメンテなんかもやれる状況に相なっておりますので、海上保安庁の方もそこまでする必要性があるというふうな判断に立ってはおりません。

松原委員 それを判断するのは内閣ですよ。杉浦さんのところがやらなきゃだめですよね。それは、海上保安庁、接岸は昔のものがあるとか、ヘリポートは中曽根総理のときのものがあって、今ちょっと改修しなきゃできないとか、この状況で、それは内閣が、日本の国家の意識として、ここは日本の領土なんだということを旗色鮮明にしてやろうとするならば、外務省もそれは言うかもしれないけれども、やはり一番言うべきは内閣ですよ。内閣の杉浦官房副長官の部分がつくろうという意思を表明しなかったら、ほかの省庁がつくろうなんて意思は簡単に表明しないですよ、この問題は。

 もうこれ以上議論してもなかなか名答弁は出てこないと思うから、このことはやめますけれども、ちょっとその辺で、僕はやはり、余りにも国益という意識が今の日本の内閣になさ過ぎる、率直に言って。

 例えば、竹島はどうなっているか。韓国はそれを占有し、最初占有したけれども、完全に常時占有しているのはそれからずっと後だ、昭和二十九年のずっと後だと聞いていますよ。岸壁はつくり、ヘリポートもあり、全部やっているわけですよ。領有するというのはそういうことですよ。

 領有する意思表示を日本はしていないと私は思うんですが、領有する意思表示をしているというふうに、官房副長官、お思いですか。

杉浦内閣官房副長官 先生御案内のとおり、現実には、島の所有者から国が賃借権を設定して占有しております。そして、灯台は民間団体から寄附を受けましたので、国のものでございます。その灯台の維持管理は国の責任においてやっております。そのために必要な作業は海上保安庁がやっておりますが、そのために必要な接岸の施設が、接岸といいますか、施設が今のところ曲がりなりにもございますし、警備艇も増強して、きちっと島を実効支配しているという現実がございます。

 国として、尖閣諸島を今後とも実効支配、有効に支配をして、支配を継続していくという意思に変わりはございません。

松原委員 これはやはり、ひっきょう、小泉総理大臣自身の国益意識の問題だと思うんですよ。こういうところのヘリポートをきちっと整備するというようなことは、これはやはりやってもらわないとしゃあないですな。こういうものをやらずに、ほかの物議を醸す問題に手を染める。それは本質的な国益とどうも直結しないような気がしてならない。

 私は、例えば、さまざまな、参拝問題についても、それは日本の思いの中でやっていいと思う。しかし、少なくとも、こういう部分をやらないで、というのは、私は、余りにも本質的な部分の国益の意識を小泉総理は持っていないんじゃないか、杉浦さんに言ってもしようがないんですが、そういう気がしてならない。何か答弁ありますか。

杉浦内閣官房副長官 御答弁が繰り返しになりますが、関係省庁とも調整の上、必要を検討したいというふうに答弁したつもりでございます。しないと申してはおりません。

松原委員 検討は、時間が随分かかるのではしようがないので、速やかにお願いしたい。

 先ほど公明党の丸谷委員からの質問もあった、ロシアのガルージン駐日公使の発言であります。

 外務大臣にお伺いしたいのでありますが、こういった発言が行われた、雑誌にもその論文が載ったということであります。この辺の事情について大臣に幾つかお伺いしたいのでありますが、ソビエトが、日ソ不可侵条約を破棄して、終戦、八月十五日の前に日本に侵攻したというのは、これは当然許されない国際法の違反である、こういう認識を、町村大臣、お持ちですよね。お伺いしたい。

町村国務大臣 ソ連が一九四五年八月九日、日本に対して宣戦布告を行ったわけでございますけれども、これは明らかに日ソ中立条約違反であるということはもう間違いのない事実でございます。

松原委員 つまり、ソビエトは、平たく言えば悪いことをした、こういうことでよろしいですね。外務大臣。

町村国務大臣 いい悪いという表現を今使われましたが、先ほど私が申し上げたとおりであります。

松原委員 幾つかのものの評価というものを、やはり我々ははっきりさせていかなきゃいけないものがあると思うんですよ。正邪の判断というのは難しいとおっしゃるけれども、国際法に違反し、中立条約があるのを違反したのは、それは悪い行為であります。それを悪いと言わないと、これは話が進まない。それは違反であるという客観的事実でありますが、日本の国もやはりそこに価値判断を入れるべきだと僕は思うんですよ。

 一つは、これもちょっとお伺いしたいんですが、例えば、歴史上、終戦の年にアメリカが日本の広島、長崎に原子爆弾を投下しました。この事柄について、この原子爆弾を投下したことは、これはもう大変に許されないことだというふうに思いますが、大臣、どうお考えですか。

町村国務大臣 原爆の使用、それによって、まさに戦闘員でない無辜の一般市民が大量に殺害をされたということでございますから、人道という立場から、これは許されるべきではないと私も考えております。

松原委員 人道上許されざる行為であるというのはまさにそのとおりで、これは悪い行為であります。この人道上許されざる行為を起こした人間やそれを行ったところというのは、今回、例えば拉致問題を起こした北朝鮮が許されざるのと同じように、基本的に、これをやった側というのは、それは極めて許されざるものである、こういう認識でよろしいですか。

町村国務大臣 ちょっと御質問の意味が必ずしもよく理解できないのですけれども、アメリカの行為が許されざる行為であったかというお尋ねであれば、それはそのとおりだと思います。

松原委員 アメリカの行為は許されざる行為であったと。そういうふうに、我々はやはり一つ一つの事柄をきちっと言っていかなきゃいけない、また、反論をするときは反論をしていかなければいけない、こういうふうに思うわけであります。

 質疑時間があと五分となってしまったわけでありますが、そうしたときに、例えば、中国が日本に対して歴史上のさまざまな問題、歴史カードともいうべき問題をさまざま言ってくるわけでありますが、彼らが南京の暴虐事件に関しての数値を挙げて言う。その数値がまさに、例えば三十万という数値を挙げたりすることに対して、前回の質疑の中で、私は、ベイツの言った数字、ティンパーリの挙げた数字、四万人であるということを申し上げました。

 しかも、あの段階で、実際に埋葬を指揮した丸山さんという人の話を含めて、紅卍字会が埋葬した人間は実は四万人足らずだったけれども、埋葬した人数においていわゆる実費を払うということだったんでしょう、少し上乗せして四万人以上の数を挙げてきた、それで四万人だった。しかし、別の、崇善堂会ですか、こちらの方の十一万というのは、実態としてはその場では見ていなかった、あり得ない、こういうふうな話があった。その四万という数字をベイツにしてもティンパーリにしても使ったのだろうと私は言っておいたわけであります。東京裁判においては、十五万五千というのはその両方の団体の合わせた数字でありますが、片っ方の十一万というのは極めてあいまいであるということを申し上げました。

 しかし、これに関しては、三十万という数字がひとり歩きしたり、二十万という数字がひとり歩きをしている。日本政府としては、これに対してきちっと、三十万という数字は、それは極めて現実的にあり得る数字かどうか疑問であるということを私は国として言うべきだということを申し上げましたが、そういったことは国はやらないでそれぞれの学者の方々がやることだ、こういうふうに町村さんはおっしゃったわけであります。

 ただし、私が申し上げたいのは、相手は国がそういったものを主張してきて、共産主義の国ですから自由な言論がないのかもしれませんが、国がそれを主張してきている。それに対して日本は、国は言い返さない、それぞれの研究者が言う。それでは国際社会におけるこういったものの議論でどんどんと押し込められてしまうんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょう。

町村国務大臣 一般論で申し上げるならば、先般私は、いろいろな歴史的事実、それは原爆を投下した、そしてそれによって非常に数多くの方々が命を落とされた、けがをされた、そういうことは非常に、ある意味では自明のこととして言えるんでしょうけれども、今の例えば南京の問題等々について、あるいはもっと小さな事件もいろいろあるかもしれない。そうしたことについて、一つ一つすべて政府が、これはこういう数字であるとか、これはこうであるということを解釈を下さなければならないというふうに私は思っておりません。

 しかるがゆえに、今回歴史共同研究というものを日中両方で立ち上げようではないかというようなことも、時間はかかるようでも、そうした客観的な学者の検討というものが行われるのであれば、そういったところから答えを導いていく方法が賢明なやり方ではないか、このように私は考えているからであります。

松原委員 こういった歴史的なさまざまな問題をそれぞれの歴史学者が研究をしている部分に関しては、私は、それはそうだろうと。しかし、国がまさにこういった歴史問題を外交上の問題、政治上の問題として言ってくる場合には、国は、きちっとそれなりに予算もつけ、研究もつけ、そして、この間言ったように、丸山さんは亡くなってしまったわけでありますが、まだ生きていらっしゃる間に確認をする。そういう作業をどんどんとやっていかなければ、外交上、国益に資すること小さい、こういうふうに思うわけでありますので、それは申し上げておきたいと思います。

 あと、これも非常に雑駁な議論になるかもしれませんが、中国の国防費、これが今大変に大きくなっている。日本の隣国にある中国の国防費がふえるということは、それは北朝鮮が核を持つのと同様にと言っていいかどうかわかりませんが、ある意味において同じような脅威の増大になるわけであります。この中国国防費が大変な額、三兆円を超えているとも言われておりますが、これに関して町村大臣はどんなふうにお考えか、これに対して何らかのメッセージを発する思いがあるのか、お伺いしたい。

町村国務大臣 中国の国防費につきましては、中国の第十期全国人民代表大会第三回会議で、財政報告の中で、前年比一二・六%増の二千四百四十六億五千六百万元、約三兆一千八百億円を計上したというふうに公表をされているわけでありまして、これは、予算ベースで見ると一五・六%増ということであります。

 日本としては、かねてから、こうした中国の軍関係予算については、発表された国防費以外にも不透明な部分がある、こういう認識を持っておりまして、例えば、私は四月に訪中をした折に、日中外相会談の中で李肇星外交部長に対して、国防予算を含めた中国の国防政策について、その透明性の向上が図られるべきであるという問題提起をしておりますし、そうした話は今後累次やっていかなければいけない、かように考えております。

 既に、日中間の外相会談でもこの問題を提起してあるということを申し上げておきます。

松原委員 やはりそのときに一定のバーゲニングパワーを持つ議論をぜひしてほしいと思っております。バーゲニングパワーというのはどういうことかというのは、それは、外務省の大臣であればさまざまな方法論があると思いますが、それをぜひ検討していただきたい。

 本当は、きょうは国連の問題も、どういうふうになっていくのか、中国がどういう部分で、日本の国連常任理事国入りを拒否しようとしたとき行動するか、そういった議論もしたかったわけでありますが、時間がありませんから、これは後の人に譲りたいと思います。

 最後に、この間議論したMMIAに関して、もう時間も終わっているので一言だけ申し上げたいんですが、先般の私の質疑の中において、MMIAのあのいわゆる北朝鮮籍船のPI保険に関して、これはロイズが再保険だから、すべて最後はロイズがいるから大丈夫という話でしたが、どうも違う、私も確認したら違うと。

 これは、MMIA・NZがだめになってしまったらばロイズの再保険は無効になってしまうんだ、こういうことだったと思うので、大分、答弁した海事局長もわかっていなくて答弁したんじゃないかと思うんですが、きちっと正確におっしゃってください。

矢部政府参考人 ただいまMMIAの再保険の詳細についてのお尋ねということで承りましたが、MMIAは、自社が引き受けた保険契約のうち、三十万ドルを超える保険金の支払いについて、ロイズ等へ上限二千五百万ドルまでの再保険を掛けております。したがって、事故等が発生いたしますと、加入している船主への保険金の支払いはMMIAが行いますけれども、再保険を掛けた部分の支払いについては、再保険会社からMMIAに対して保険金が支払われるということでございます。

 そして、今、もともとのMMIAが例えば倒産したような場合には払われないのではないかという御趣旨の質問がございましたけれども、一般的に、保険会社が倒産した場合には、その保険会社との契約に基づく保険金は支払われないこととなります。そして、再保険契約があるときも同様でございます。

 しかしながら、再保険契約により高額な保険支払いに対する措置を講じているということは、MMIAの保険金支払いにおける自己負担分が限定されることとなりますので、倒産の可能性が極めて低いと考えられます。

 もし、私の先日の御説明で、倒産をした場合においてもロイズが保険金の支払いをするというふうに理解をされたといたしますと、ちょっと私の説明は、先ほど申しましたように、倒産の可能性は少ないということで、倒産した場合のことは想定しないで発言をいたしましたので、若干説明不足の点があったのかと思います。

松原委員 質問を終わりますが、要するに、ポール・ランキンという人間の人物評もあるし、彼がやってきたこともある。ある会社を彼は倒産させたことがある。そのとき彼は、その一年前にやめていた。しかし、事故が起こったのはその三年前だと。ポール・ランキンというのはいろいろなうわさがある人物であります、率直に言って。

 その辺も本当は質疑したかったのでありますが、結局、これはMMIAがだめになったら払われない、そういった事態が起こった場合、当然責任は、行政だけじゃなくて、それはそのことを許可した政治においてもその責任があるということを申し上げて、きょうの質問は終わります。

 ありがとうございました。

赤松委員長 次に、古本伸一郎君。

古本委員 民主党の古本伸一郎でございます。

 大臣におかれましては、国連の改革のまさに大詰め、大一番を迎えている中で、またこのように当委員会に御対応いただいておりますことを、委員の一人としてもお礼を申し上げたいと思います。

 そしてまた、恐らく、今国会、私としては多分最後の出番をいただいたというふうに思っておりますので、理事の皆さんにも感謝を申し上げながら、まだ少し早いかもしれませんが、この通常国会を振り返りながらの質問にさせていただきたい、このように考えております。

 まず、少し棚卸し的なことを伺うわけでありますが、外務省の今年度の予算が全体である中で、現時点でどのくらいの予算の執行率であって、そして、プロジェクト的には条約の批准が何件あったとか、そういう定量的にはかれるものから、靖国参拝をどうするんだ、滑った、転んだという概念的な話、あるいは法理論の話、いろいろ絡んでいるんでしょうけれども、仮にだれかから、どのくらいことしの外務省の年初に掲げた課題が解決されているんでしょうか、こう問いかけがあったならば、どのようにお答えいただけるんでしょうか。事務方で結構であります。

塩尻政府参考人 お答えいたします。

 私ども、予算を編成するに当たって、まず、我が国の重点外交政策という重点項目、柱を立てて、そういう柱を策定するという作業をやっております。これに基づいためり張りのきいた予算要求をさせていただいている。同時に、それに基づいて効率的な執行に努めているということでございます。

 今、委員が御質問された点でございますけれども、そういう中で限られた予算を効果的、効率的に活用してやるということで、積極的に実施しているというのが現状でございます。

 他方、外交の性格上、なかなか政策の効果がすぐに表立って見えないというもの、あるいは外部に対してすべてを明らかにできないということがありますけれども、政策評価ということを当省もやっております。これは、政策評価というのは年度が終わった後でやっておりますけれども、そういったものを通じまして、国民に対して政策の意義や成果について御説明をさせていただく、御説明に努めるということをやっております。

古本委員 ありがとうございます。

 非常に守秘義務の高い領域ですとか、今交渉中の事案とかはなかなか評価はまだできないでしょうし、例えば国連改革一つとっても、どっちにどう転ぶかわからないこのタイミングで、進捗度合いが幾らかなんということを定量的にはかるということはなかなか難しいのかもしれませんが、少なくとも、先日、こういうアンケートが出ているんです。

 これは人事院がやっておられるアンケートでありますが、国家公務員に関するモニターアンケートの調査結果、平成十七年度、第一回というのが出ておりまして、要するに、一般国民の男女二十歳以上をサンプリングした結果であります。これでいきますと、やはり、国家公務員の評価できる点として、まじめで手がたく仕事をしてくださっているということを挙げておられるんですね。これは、私も異論はない部分であります。

 一方で、ぜひ見直してほしいと言っておられる課題の中に、幾つかあるわけでありますが、制度改革、公務員の制度の改革という意味でいうならば、国に奉仕する者としての一人一人の国家公務員としての自覚を上げてほしいとか、あるいは非効率的な組織や仕事の進め方、セクショナリズム、役所間ですね、等々を見直してほしい等々、いろいろ出ています。これはそれぞれ国民の声ですから、皆さんもこれは厳に受けとめていただきたいと思っているんです。

 こういう中で、私は、一方で、当委員会に適していることかどうかというのは少しちゅうちょはするわけでありますが、天下り批判ですとか、あるいは、いわゆる早期退職制度等々を指摘する声も国民の声として出ています。これは、何をか言わんや、今、世の中が非常に景気が、どう判断するかというのはまた別な議論があるかもしれませんが、総じてみんな苦しい中で、一般国民は働き、そして納税し、社会保険料を負担しという中で、やはり税金の使われ方ということに対しての目は非常に厳しいと思います。その意味で今冒頭の質問を申し上げたわけであります。

 外務省予算、たしかODA含めて七千億円ぐらいあるはずでありますが、例えばそれの予算の執行状況がどうか、こう問われたときに、リニアに数字が出ないまでも、これは事前に通告をしている話でありますから、大体四半期が済んでいるわけでありますので、こういう状況だということはぜひ聞かせていただきたかったです。

 その上で、決して嫌みを申し上げているわけじゃなくて、恐らく、人、物、金が足りていないんじゃないかなと私は思うんです。これは、この委員会の最初のときに、たしか大臣にも、そういう意味では、エールを送っていただいてありがとうございましたという、何か、自分ではまさにそういうつもりで質問しましたので、これは何らちゅうちょなく申し上げるんですが、やはり外交というのは水面下でいろいろなお金が動くでしょうし、駐在、在外公館での職員の数を増強する問題であったり、やっとイタリアレベルに至ったというようなこと等々を考えれば、問題を顕在化しないと国民にはアピールできないと思うんですね。

 これだけスタッフが頑張って、まさに夜なべして頑張っているにもかかわらず、今なぜ国連改革が、どっちになるかわかりませんが、先ほど自民の委員からも質問があったように、指摘があったように、中国より在外公館の数が少ないなんて聞くと、あれっと思ったりもするわけであります。

 したがって、何ができていて何ができていない、できていない部分についてはこういうことが原因でできていないんだということをぜひ今後は期待したいと思いますし、その部分に関しては国民は絶対に支持してくれると思います。

 そういうことをまず冒頭申し上げながら、では、できたことという意味で申し上げますと、私は、この四半期といいますか、通常会の中でほとんどの議論が入っていたんだと思いますが、条約の批准、これはできたと思いますね。それからあと、サミットに総理も出席されたということもあると思います。それから、私は、マイナーなようで実は本質的な問題だなと思ってこの委員会でもずっと申し上げてきたのは、IC旅券の導入の問題があると思うんですね。

 これは、それに絡んでといいますか、関連の問題で、ビザ免除の拡大の話もありました。

 現在、愛・地球博が開催されておりますが、これにつきましても、当局の御尽力で、あるいは議員立法もあって、韓国と台湾に関しては措置がなされていた中で、たしか過日、北側さんも現地に出向く中で、いろいろ協議をなさる中で、この二十五日から中国への拡大も決まった、始まるというようなことも報道で聞いております。

 したがって、私は、本質的に、中国とのいろいろな関係の中で、もちろん不法残留の問題等々もこの委員会で指摘したとおりです。懸念はあるでしょうけれども、やはりフェアに扱わなければ、向こうもおもしろくない。つまらぬことでつまらぬ禍根を残さない中での、お互いに言うべきことは言う、それが成熟した大国間の関係じゃないかなという思いがあるんです。

 そういう意味では、本会議でも指摘をさせていただいたこのテーマについて、そういう前進があったならば、こういうことであったよとか、そういうやりとり感が何かこの委員会にも欲しいなということを少し感じているわけであります。

 そこで、IC旅券の話でありますが、参議院の方で大変な御議論をいただいた結果、二〇〇六年の十月二十六日まで、例のアメリカ入国に際しての、従来の方式での旅券の場合にはビザが要りますよという、あの縛りが一年さらに延長になった。これは大臣初め当局の御尽力で、まさに虎ノ門のアメ大の前に列をつくらなくて済んだという意味では、日米両国間にとっても、またツーリストにとっても、皆よかったんだとこれは思います。

 ただし、解決できていない問題が一点あります。これは指摘し続けています効用分の問題であります。

 そこで質問をするわけなんですが、来年の、二〇〇六年の十月二十六日以降についての話を想定するわけですが、新規で旅券を受けた人については、これはビザは引き続き不要であるというふうに理解をしております。

 そしてさらに、二〇〇六年の三月末、つまり来年の春からは電子旅券が、IC旅券が導入されますから、これは、その人はもちろん大手を振ってアメリカに入国できますね。旧来の方式を持っておられる人については、一年延長されましたから、来年の十月二十六日以降も、新規に発行される旅券は、これすなわち全部IC旅券化されますので、日本国民は一人たりとも、電子旅券化されていないことを理由にアメ大にビザをもらいに行かなきゃいけないという問題からは解放されたという理解でよろしいでしょうか、これは、はいかいいえかだけで。

鹿取政府参考人 そのとおりでございます。

古本委員 ありがとうございます。

 そうしますと、ビザをとりに行かなきゃいけないという問題はクリアされた。一方で、効用分の問題になるわけですが、来年の春、例えば二〇〇六年の一月、二月、三月というのは、大学生の皆さんが卒業旅行シーズンを迎えると思います。今どきの時代ですから、既に持っておられるという方もあるかもしれませんが、依然として、海外に出ていくというのは、なかなか、機会がないと日本国民のそうそう、標準化された生活のスタイルじゃないと私は思っています。その意味では、多分卒業旅行なんていうのは大いなるきっかけになって、渡航なさると思うんですね。

 この間に、つまりIC旅券がまだ発給されていませんので、この間にパスポートを生まれて初めて手にしたという学生諸君が、皆さんが三月以降、IC旅券が発給されたということを、例えば就職なさった以降とか、知った。例えば商社マンになった。頻繁に使うという、そのときに、僕はIC旅券の方がいいという人がいたならば、その人はIC旅券に切りかえるときは、引き続きこれは効用分は取るんですか。これは質問です。

鹿取政府参考人 もしも邦人の方が来年の一月に今の通常の旅券をおとりになって、例えば来年の五月に新しくIC旅券をみずからの意思でとりたいということになれば、通常の料金をいただくことになります。

古本委員 そのときの判断を尋ねるわけですが、これはかつての委員会の質問でも局長からお答えいただいているんですが、まだ効果があるのにそれを個人の判断で切りかえるということについては、自己責任、自己負担をしてもらいたい、こういう判断の趣旨のことを再々答弁なさっていると思うんです。実は、効果があるということを認めているということは、その効用分なるものがまだ生きているということを認めているということだと思うんですよね。これ、違いますか。

鹿取政府参考人 効果があるということは、その旅券が引き続き効力を有するという意味で申し上げたところでございます。

古本委員 では、その旅券の原価を仕分けしたならば、今の、現行の十年旅券でいくと、三千円が紙代ですよ。あの赤いものの紙代です。一万円というのが、まさに邦人援助、救助や、あるいはパスポートの再発行業務を在外公館でしてさしあげる際の行政サービスの分を先取りでもらうというのが効用分の一万円ですよね。したがって、まだその効果に浴していない人の分の効果というのは、まだ生きているわけですよね。生きているのに、それをわざわざ切りかえるという論には当たらないと思うんです。

 なぜならば、わざわざ日本国政府、外務大臣町村信孝という、あのあれが入ったものを、出したのにまた出すんだという部分でいうならば、紙代の分は再度、実費弁償するというのはまだわかりますけれども、効果の分に、効用分というその部分についてはまだ使っていないんですから、それをまたもう一回もらうというのは、これ、全く合点がいかないんですね。

 そこで、きょう、財務省も、大変無理を言って、来ていただいていると思うんですが、外務省が今旅券の発給手数料を取っている、効用分でありますが、これは税ですか、手数料ですか、何なんでしょうか。

勝政府参考人 お答えいたします。

 手数料でございます。

古本委員 これは、一たん外務省に入る、特別会計のようなもので一たん入るんですか。それとも税外収入として財務省に直接入る収入ですか。

勝政府参考人 お答えいたします。

 税外収入といたしまして一般会計に入ります。

古本委員 そこで財務省にお尋ねをするわけですが、行政が取る手数料というのはどういう概念なんですか。もっと言えば、実費弁償が基本ではないんでしょうか。

勝政府参考人 手数料につきましては、もろもろの手数料がございます。手数料の中には、実費徴収のもの、また、政策的判断、また、応益的機能に着目しまして、実費以外にそういうものを勘案して決める手数料もございます。

古本委員 手数料には多分幾つかの考え方があると思うんですが、例えば、この旅券の発給手数料というもの、これを持っているから効果があって、その分をまさに効用分と称して先取りでもらいますという概念を続ける限り、今後さまざまな、例えばバイオメトリックス技術がさらに進んで、現在の顔認証から、例えば静脈だ虹彩だとさらに進化したときに、そういうことを切りかえる都度、この問題は引きずりますよ。

 ということは、まだ効き目があるんです、通路故障なく、この旅券を所持する者をお願いしますという、例のあれが書いていますね、まさにその効果の分として、国民から十年分先取りで取っているわけですよね。したがって、これは手数料として、見合いで、実費弁償で、多くの国民は手数料と聞けばそう思いますよ。まさに、何かお願いしたときの手間賃ですよ、手数の料ですから。何もしていない、まだ使っていないのにまた取りますとおっしゃっているんですよね。

 他方、私は、国の火の車の財政の中で、財源がただでさえ少ないというときに、やみくもに言っているわけじゃないんです。手数料として取るからこういうことになるわけでありまして、例えば、税として取るという概念はないんでしょうか。

鹿取政府参考人 手数料あるいは旅券について、考え方を御説明させていただきます。

 旅券につきましては、IC旅券、あるいは従来もそうでしたけれども、新しい旅券が出る場合に、これを早期に切りかえさせた方がいいのではないかとか、いろいろな議論がございましたことは事実でございます。

 ただ、一般論として、旅券というのは一度発給したら最後まで使うというのが一つの従来からの旅券秩序の考え方でございまして、したがって、今の旅券法の四条の二にも、旅券というのは最後まで使っていただきたい、ただ、限定的な場合には新しい旅券を発給する道はもちろん残してありますけれども、一応、最後まで使うと。

 それはどうしてかというと、やはり旅券というものは非常に重要な文書でございますので、一たん発給した後に、また何度も何度も短期間に所持者が新しい旅券をとるというのは旅券秩序の観点から好ましくないという観点と、そもそも、また行政的に、今我が国は年間三百万件程度の新しい旅券を出しておりますけれども、やはり余り短期的に集中して旅券発給というものは各国とも避けたいということで、簡潔に申し上げますと、一つの考え方は、やはり旅券というのは一たん出したら最後まで使っていただきたいという考え方が一つございます。

 したがいまして、例えば、十年旅券を出しましたら、やはりそれは原則としては十年使っていただく。そういう観点から、今度IC旅券が出ましても、今持っておられる旅券はそれが有効期間がある間は有効です、こういう合意が、こういう基本的考えが各国で共有されております。

 それから、今先生がおっしゃった効用分ですけれども、では、効用分については、そもそもどういうことで考えているかというと、手数料という場合にはもちろんその旅券を発給する実費というものがございます。ただ、旅券につきましては、それに加えて、政策的判断から、邦人保護の受益者に一定の効用分を、平均的なコストを負担していただくということで、一九五一年、昭和二十六年に、新しく戦後、旅券を出したときから考え方を整理して、その考え方において、今引き続き運営しているわけでございます。

 また、現在旅券を保持している方は約三千五百万人、国民の四人に一人ですけれども、そういうことを考えても、やはり受益者負担の考え方で、今のような仕組みがいいのではないかということで、我々、今運営しているところでございます。

古本委員 今、受益者負担と言われましたが、実は受益していないんですよ。だって、持っているだけでたんすの中に入っている人と、もう本当にヘビーユーザーで毎週成田に飛んでいますという人では受益の度合いが全然違いますね。

 そうなると、例えば、本当に、大使館に駆け込んで世話になった人ごとにバウチャーを切るかとか、そういう極論になるわけですよ。とはいえ、そうしますと、パトカーを呼んだ回数だけ何か税金がふえるとか、そういうおかしな話になってきますから、そんなことを申し上げているんじゃないんですよ。ただ、パスポートを持つことによってメリットがあるわけです。国家として保護してもらえる、邦人としてまさに在外公館でメリットがあるわけですよ。

 そのことを、これを手数料ととるか税ととるかというのは、これは物すごくこの議論の本質的な部分だと思っています。他の税目やいろいろな手数料、事細かく調べておりませんが、恐らく冒頭の、国家として、国民が、負担と給付、受益と負担ということが今後非常に厳しく見られるテーマになってきます。

 そういう中で、このことはまだ余り国民的に認知されていませんし、民主党的にもわいわい言っていませんから余り気づいていませんけれども、もう一度一万円取りますよという話になったときに、私は大変なことになると思います。

 その意味では、例えば代替案ですけれども、思い切って旅券税とか、私は建設的に提案しているつもりですから、例えば、登録免許税的概念とかとれないのかとこれは思うわけです。きょうのこの一般質問の短い時間でとてもできる議論ではありませんが、例えば、登録免許税は、使用収益できるそのメリットに応じて、各種の免許を登録する際に、固定資産の登録免許税もそうだと思いますが、それに対して、担税力に応じて持ってもらうわけですよね。

 だから、例えば、本当に商社マンなんかでヘビーユーザーの人と、とりあえず農協の旅行に一度行ったから旅券かえましたというおばあちゃま、後はもう仏壇のところにしまっていますという人と全く一緒、これはさっきのパトカー呼んだ人が負担の話になりますが、とはいえ、もう一遍取りますよという話になったら、ぎちぎち原価の話にこれは絶対なりますよ。

 その意味では、なるほど、昭和二十六年、そういうことで創設なさったということもよくわかりましたが、ぜひ、今後、引き続いての当委員会、大臣、何せ外務大臣町村信孝という名前の旅券を持つ人が、この大学生諸君が自民党支持層になるかどうか、瀬戸際ですよ。それで、また一万円取るなんて話を聞いた日には、これは少なくとも大学生諸君はこっちに逃げてくる可能性がありますね。

 最後、この問題、次の臨時国会もあるかどうかわかりませんが、引き続き私はテーマにしたいということを申し上げて、大臣、御感想を一言求めます。

町村国務大臣 選挙まで影響するというところは私は思いが至りませんでしたので、大変に鋭い御指摘だなと思って、感心をして聞いておりましたが、税と手数料、わかっているようで、確かに委員御指摘のとおり、いろいろな手数料的税も確かにあると思いますし、税金的手数料も、両方あるんだろうなとは思います。

 では、どこがどれだけうまく整理できているかというと、確かに委員御指摘のような問題もあるということを今御議論を聞きながら痛感をしていたところでございますが、商社マンとおばあちゃんと、これは税ならばその問題が解決できるかというと、また必ずしもそうでもないという問題もあるんだろうな、こう思いますので、よく考えさせていただきたい。ちょっといいかげんな答えですが、本当によく考えさせていただきたいと思います。

古本委員 最後に、きょう、大変無理を言って経済産業省にも来ていただいております。

 大臣、グッドニュースもあるんですね。新聞報道で見ましたが、この電子旅券の、まさに日本のハイテクの技術、これは問題は、静脈の、あの例のATMの認証もそうですけれども、やれ手あかがついていてリーダーが読まないとか、いろいろな問題がある中で、我が国のまさに産業技術のたまものである相互の互換性、各国の電子旅券を何せ成田で読み取らなきゃいけないわけです。あるいはニューヨークで読まなきゃいけない。そのためのそのハードなりソフトなりが大変すぐれて評価されているというようなことも聞きました。

 この点については、少し議論の検討状況、今後の展望について、ごくごく短くお願いをしたい。その後にちょっと大臣に聞きたいことがあるものですから、お願いいたします。

桜井政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、電子旅券の円滑な普及のためには、各国の電子旅券の相互読み取りを確実にするということが不可欠なわけでございます。

 このため、本年五月に、ICAO、国際民間航空機関の作業部会におきまして、相互運用性を検証するセンターの必要性について合意がなされております。それに先立つことしの三月に、経済産業省と外務省と連携いたしまして、二十三カ国の参加を得て、お互い、IC旅券、それから読み取り機の互換性、相互運用性を実証する、そういったテストを行っております。

 したがいまして、そういった実績に基づきまして、我が国としてこの相互互換性の検証を行うセンターを設立する用意があるという提案もしているところでございまして、現在、この具体的なセンターの運営方針の詳細な検討を行う等の準備を進めているところでございます。

 したがいまして、私ども、こういった我が国のICカードに関する技術と知見を生かした取り組みを通じまして、今後とも外務省と連携して、相互運用性の確保、あるいは電子旅券に関する技術の確立に向けて積極的に貢献してまいりたいというふうに考えております。

古本委員 昨日、ロンドンで日本時間の夜中にまた残念なテロがあったとの報道がありました。事実関係、まだ掌握しておりませんが、この技術は、まさにこれは時代の趨勢であり、まさにこれは要求だと思います。

 したがって、今後、町村大臣、今外務省とも連携してということを経産の方からもありましたが、ぜひ日本の技術が世界標準になるように、また、その世界標準になった暁には、そのことが資源のない我が国にとっては大きな外交カードになると私は思うんです。高く売ってほしいと思うんです。そのことに関しての御決意なり御感想をお聞かせ願いたいと思います。

町村国務大臣 この五月に、ICAOに対してそういったセンターの設立が必要ではないかということを指摘し、答弁にあったような詳細な提案を行う準備を進めているということであります。

 委員御指摘のように、まさにこういう分野は、日本がある意味では伝統的にというか、得意にしている分野だろうとも思われますので、ぜひ経産省初め関係省庁と連携をしながら、こうした国際的な動き、広い意味のテロ対策ということもあるわけでございますので、日本の国益にマッチしたものとして、今後しっかり取り組んでまいりたいと思います。

古本委員 ありがとうございました。終わります。

赤松委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。

 アメリカの陸軍の都市型戦闘訓練施設での実弾射撃に抗議する県民集会が、七月十九日に金武町で開かれました。

 基地問題で超党派による県民集会が開かれたのは、一九九五年の米兵による少女暴行事件、これに抗議をして宜野湾市で開かれた一〇・二一県民大会以来であります。

 それで、十年ぶりでありますが、今回の場合は、集会の開催が決まったのは先週の十五日です。わずか四日間の準備にもかかわらず、当初の予想を大きく上回る一万人の県民が参加をいたしました。

 一年余にわたって闘ってきた伊芸区の池原区長は、県民が自分の問題として共有してくれたことが本当にうれしい、このように語っています。伊芸区民だけでなく、県民共通の願いとして、都市型戦闘訓練施設の即時閉鎖、撤去、そして伊芸地域の基地の全面撤去、これらの意思が示された意味は本当に大きなものがあります。

 外務大臣は、県民集会で示された県民の総意、これをどのように受けとめますか。

町村国務大臣 先ほど御質問がありました。

 その集会の結果というものを、昨日、県会議員の皆さん方あるいは金武町の町長さんあるいは区長さん、また国会の先生方も同行しておられまして、そういう方々から、地元における御懸念があるということについてお話があり、また、即時閉鎖、今委員が言われたような決議が採択をされたという御報告もいただいたところでございまして、この問題について県民の皆さん方が大変心配をしておられるということのあらわれである、こういうふうに受けとめております。

赤嶺委員 この集会で、政府が説明してきたことに対する猛反発が出ておりました。それは決議文の中にありますけれども、「日米両政府が唱える安全対策を信用する者は誰一人としていない」、これは決議の中にある文言であります。

 米軍の言い分を、米軍が安全だと言った、そしてそれをオウム返しにして皆さんは安全を強調する、こういう政府の姿勢を、集会では弱腰外交、このように指摘をされました。集会参加者も声をそろえて、弱腰外交を見直せ、こういうことが繰り返し言われました。

 まさにこの集会は、知事を先頭に、日本政府の弱腰外交、これに対する抗議の集会にもなっていたわけですが、政府は、なぜ県民の立場に立って訓練施設の撤去を要求しないんですか。

町村国務大臣 昨年来から、私ども、そういうお話を地元の皆さん方からも聞いておりました。そういう意味で、昨年来から、知事あるいは県当局とも相談をし、アメリカ側とも相談をし、既に建設途上で、ほぼ完成が近かったわけでありますけれども、それはそれとして、県民の皆さん方の懸念にこたえようということで、私は多分前例がないことだと思いますけれども、米側とも話をして、そしてキャンプ・ハンセン内のレンジ16の奥に日本政府の予算で代替施設を建設する、そこでレンジ4で予定されていた訓練を移転させることにするということまで対策をとったわけでございまして、県民の皆さん方の懸念というものを受けとめてそういう対策をとったんだということについては、私ども、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

赤嶺委員 県民の要望というのは、代替施設の建設じゃないですよ。暫定使用の中止ですよ。レンジ4の撤去ですよ。県民大会の決議の中に、今外務大臣がおっしゃったようなことはどこにも書いてありませんよ。県民の意思の意識的な読み違えなのか、やはり耳をかしていないというぐあいに強く指摘せざるを得ないと思いますよ。

 女性の代表が県民集会で意見発表に立ったんです。伊波さんとおっしゃいますが、こうおっしゃっているんです。

  皆さんもそれぞれに忘れることのできない日があると思います。二〇〇五年七月十二日、私にとってその一つになりました。都市型戦闘訓練施設での実弾訓練が強行されたのです。その時の怒り悲しみは言葉ではとても言い尽くすことができません。

  どこの国で住宅地から三百メートルの近距離で実弾訓練が行われているのでしょうか。本格的に訓練が開始されると私たちはどこに生活の場を求めればよいのでしょうか。もうこれ以上は我慢できません。国の安全のためには私たちの小さな集落は安全に生活することすらできないのでしょうか。その権利を奪っていいのでしょうか。

  伊芸区の痛みは「基地の島」沖縄の痛みです。県民の皆さま、力を貸してください。小泉純一郎総理大臣、危険な訓練は即、中止させてください。

 これが県民の声ですよ。あなた方がやった代替施設云々というのは、県民は視野に入っていないんです。暫定使用の中止なんです。

 大臣、日本政府は、一度でいいですから、アメリカに対してレンジ4の都市型訓練施設の撤去、これを申し入れたことがありますか。

河相政府参考人 お答え申し上げます。

 本件陸軍複合射撃訓練場につきましては、従来から御説明しているとおり、政府としては、安全、環境等に配慮した内容になっているというのが基本的考え方でございます。

 その具体的根拠としては、今までも随時この委員会でも御説明してきたとおり、いろいろな措置が施されているということでございまして、具体的に申せば、射撃方向が住宅地域とは全く違う方向になされている、それから、必要に応じて高密度ゴムを張って跳弾等の起こることを防ぐ等々の措置をとっているという認識でございます。

赤嶺委員 何か、私、一度でいいから撤去を申し入れたことがありますかということを申し上げたんです。

 大臣、どうですか。米軍に対して一度でいいから撤去を申し入れたことはありますか。

河相政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げたように、政府としては、本件複合射撃訓練場については、安全、環境に配慮した内容となっているということが基本的考え方でございまして、我が方としては、先ほど大臣からも御説明したように、その中でも県民、地元の方々の御懸念というものを配慮して代替施設をつくるということ、ただ、同時に、代替施設が完成するまでの間、米軍の練度維持の必要性ということで、限られた必要最小限の使用はやむを得ないというのが基本的考え方でございます。

赤嶺委員 政府までアメリカと一緒になって都市型訓練施設をつくろうとしています。

 私、県民集会が報道されている新聞を持ってきました。ここに知事が写っております。大臣、よく見てください。こぶしを振り上げて、シュプレヒコールで呼応しております。シュプレヒコールは、戦闘訓練施設の撤去ですよ、そして弱腰外交を改めよですよ。

 あなた方日本政府は、沖縄県知事を先頭にしたそういう県民集会に対して、その声にさえ耳をかそうとしていない。弱腰外交、本当に何度言っても言い足りないぐらいの、そういうアメリカ言いなりの対米従属外交であると思います。

 私、稲嶺知事のその日の言葉をちょっと紹介したいと思います。

 私は、これは稲嶺知事のことです、昨年十月に監視塔から建設現場一帯を視察し、きょう、きょうというのは県民集会の日です、陸軍複合射撃訓練場を見て、改めてその危険性を認識するとともに、施設の一時使用にも反対の思いをさらに強くした。地元の方が訴えられた、私たちはイデオロギーではなく、子供や孫のために、命ということは非常に大事なんだ、それを守っていくために全力を尽くすんだ。訓練中止への本当の闘いはこれからであることを肝に銘じ、私たちもその方策をさらに探り、皆さんとともに力強く取り組んでいく決意を表明する、このように知事は言っています。

 知事は、訓練施設の撤去は、日本政府がいようと、この闘いはこれからなんだと知事が先頭に立って呼びかけたんです。そういう訴えにも耳をかさなければ、あなた方外務省はどこの国の外務省か、外務大臣はどこの国の外務大臣か、そういうことを厳しく指摘せざるを得ません。

 次に、残った時間で、外務大臣の少女わいせつ事件被害者に対する発言を取り上げます。

 七月の十三日の外務委員会で、米兵によってレイプされた被害女性に対する町村外務大臣の発言に厳しい批判が沖縄で起きています。町村外務大臣は、被害者の方に対して言ったものではない、政策論だと釈明しています。しかし、私は議事録を改めて読んでみました。町村大臣の発言が被害者に対して行われていることはごまかしようがないものです。

 このような発言をしたことは不適切であったとして発言を取り消し、そして外務大臣の発言によって深く傷ついた被害女性に対して謝罪すべきだと思いますが、いかがですか。

町村国務大臣 私は、この議論が行われた冒頭に申し上げましたけれども、被害を受けた方の、いかにつらい思いをされたか、また今でもその気持ちが続いているということについてはしっかり受けとめるということをまず冒頭申し上げておりますし、また、この種の犯罪防止のために一層の取り組みがなされなければならないということも申し上げているとおりでございます。

 ただ、その後の発言が被害者の方のお気持ちを大変損ねた、不快感を持たれたとしたならば、それは大変申しわけないし、その点については、被害者の方に、私も、不快感を持たれたわけでございますから、おわびを申し上げますということは、その後の七月十五日の東門議員に対する答弁でも既に申し上げたとおりでございます。

赤嶺委員 外務大臣に私たちが指摘をしているのは、軍隊が平和を守る、あるいは、軍隊は人殺しを仕事としている、訓練している、そういう考え方は一面的だ、このように被害者に対しておっしゃった。そのことについて明確に、それは、そう言うべきではなかったと謝罪する、撤回するということですね。

町村国務大臣 被害を受けた方に対するお気持ち、不快感を持たれたお気持ちに対して、私は、おわびは申し上げるということは申し上げました。

 ただ、それとは別に、軍隊の性格といいましょうか、役割といいましょうか、それについては政策論として、人を殺すのが職業云々と、ちょっと正確な表現は今ここにありませんけれども、そういうとり方はいかがなものであろうかということで、これは何も被害者の御本人にそういう考えを持ってくれと言ったわけではなくて、軍隊というものについてのとらえ方というのは、そういう面もあるかもしれぬけれども、他の、平和を維持するという面もあるんだということを申し上げたかったわけでありまして、別に被害者御本人にそうした考えを持ってくれと強要したり強いたりするつもりはございません。

 いずれにしても、十五日の答弁で私は申し上げましたけれども、不快感を持たれたということであるわけですから、その点については率直におわびを申し上げるということを、前回、国会答弁で申し上げたわけであります。

赤嶺委員 あなたは一般的に政策論を展開しているんじゃないんですよ。被害女性の発言に呼応してあのような発言をしたんです。これは議事録を見ても明らかです。

 例えば、参議院の議事録でいきますと、「また同時に、そのお手紙の中に、」そのお手紙というのは被害女性ですよ、「米兵の仕事は人殺しの術を学ぶことであると、そのために訓練しているというくだりがあったものですから、」ということであなたは続けているんですよ。手紙に対するあなたの反論じゃないですか。外務委員会で一般的な政策論をしたということとは違いますよ。この点、どうなんですか。

町村国務大臣 その方に対してそういう考えを持てというつもりで申し上げたわけではないということは、今申し上げたとおりであります。

赤嶺委員 外務大臣は、今の問題も引き続き追及いたしますけれども、マスコミも誘導的だった、このようにおっしゃいました。

 委員会が開かれたのは七月の十三日ですよ。十三日の夕刊には町村発言は載っておりません。七月十四日の朝刊から載り出しました。この朝刊には、あなたの発言全体が載っているんですよ、議会での答弁が。省略したところは一つもないですよ。全体が、町村外務大臣が被害女性に対する気持ち、思い、これも含めて軍隊論を載せているんです。

 どこかマスコミに誘導したところがあるんですか。具体的に指摘できますか。指摘してみてください。

赤松委員長 質疑時間を超えておりますので、答弁は簡明に願います。

町村国務大臣 今私は一々の新聞の記事を持っておりませんので、この場でお答えすることはできません。

赤嶺委員 具体的に指摘もできないのに、根拠もなく、誘導したとか、そういう県民の、被害者の気持ちを無視したような発言は、これも外務大臣としてはふさわしくないということを強く申し上げて、質問を終わります。

赤松委員長 次に、東門美津子君。

東門委員 社会民主党の東門です。

 私もやはり、引き続き、わいせつ事件に関する大臣の発言について二、三お尋ねして、次へ進みたいと思います。

 町村外務大臣は、七月十三日の本委員会での米兵による強姦の被害者である女性の手紙について「米軍あるいは日本の自衛隊があるからこそ、日本の平和と安全が保たれているんだ。その側面をすっぽりと抜け落ちて、その部分には一切触れずに、ただある一面だけをとらえて物事を決めることというのは、私は、やはりバランスのとれた考え方だとは思われません。」と話しておられました。

 大臣はそれを被害者である女性を批判したものではないとおっしゃいますが、今赤嶺委員からもありました、何度読み返してみても、私には、大臣の御発言は被害者の女性に向けられたものであるとしか思えません。

 一昨日、沖縄から社民党の女性議員団が上京して、米兵による性被害で苦しむ女性の傷口に塩を塗るかのような町村大臣の発言、撤回と謝罪を求めて外務省を訪れました。

 その手紙を書いた女性の伝言も携えての抗議、要請でしたので、大臣は、そのとき応対した北米局長から報告を受けておられると思いますが、何かコメントがあるのでしたらお伺いしたいと思います。報告を受けて、コメントがあればということです。

町村国務大臣 この件につきましては、今赤嶺委員にもお答えを申し上げましたわけでありますが、十五日ですかの当委員会における東門議員に対するお答えに申し上げましたけれども、その新聞を読まれた被害を受けた方が非常に不快感を持たれたということであれば、これは大変申しわけないし、そういうふうにとられてしまったのであれば、その被害を受けた方には私もおわびを申し上げたい、こういうふうに答弁をしているところでございます。

東門委員 大臣は、平和を守っている軍隊に一切触れないのはバランスのとれた考え方だとは思われないとおっしゃっていますが、バランスのとれた考え方をしていないのはだれでしょうか。手紙を書いた被害者の女性ですか、沖縄県民ですか、それとも質問をした私なんでしょうか。私から言わせれば、バランスがとれていないのは政府の安全保障政策だと思われるのですが、いかがですか。

町村国務大臣 軍隊という存在の役割についていろいろな見方があるということを私は申し上げたのであって、その女性の方にこういう考えを持てということを私は説教めかして言ったわけではございません。その点だけはぜひ誤解のないようにしていただきたいと思います。

東門委員 私は何度も読みました、バランスのとれた考え方だとは思われないというのは、私にあてたことなのか、被害者の女性に言ったことなのか、沖縄県民が基地の撤去あるいは整理縮小という形で求めてくるから、それのことをおっしゃっているのかなと随分悩んだんですよ。それで、そのような質問をしたんです。

 一般論としてそこで出てくるということがとても理解できない、それは強く指摘しておきたいと思います。私は、大臣はこれはいずれ撤回していかなければいけないと思うんですが、それは申し上げておきます。

 では、軍隊があるから平和が保たれているとおっしゃいますが、米軍の長期駐留下で、女性、子供が強姦、強制わいせつにおびえ、早朝、深夜を問わず航空機騒音に悩まされ、実弾射撃訓練からの流弾、被弾に不安を抱き、ヘリや戦闘機の墜落事故等に恐怖感を持って生活している現状で、沖縄は平和な状態であるとお考えでしょうか。

町村国務大臣 沖縄を含む日本国がいかなる他の国からも侵略をされていない、戦後六十年間、平和な国として日本が過ごすことができてきた。いろいろな要素があるけれども、日米安保条約というものの存在があり、それに基づいて米軍が日本におり、日本の自衛隊ももちろんしっかりとした訓練、整備を行うことによって、平和と安全が保たれているということは紛れもない事実であると私は考えます。

東門委員 大臣、バランスのとれた考え方でバランスのとれた安全保障政策をぜひやっていただきたい。沖縄だけにそれだけ集中させておいて、平和である、日本国全体が守られているんだというような御発言は、とても承服しかねます。ぜひ、安全保障政策、バランスがとれたのでお願いします。

町村国務大臣 委員のおっしゃられたことも、私もよく理解をしているつもりでございます。したがいまして、いろいろな面での、沖縄を初めとする地元の負担をできる限り軽減する、あわせて抑止力も維持しながらそれを進めていくということで、今再編成議論が行われているわけでございます。

 私ども、常に沖縄の皆さん方のお気持ち、また置かれた環境というものを考えながら、アメリカ側と真剣な議論を今積み重ねているということは申し上げておきたいと思います。

東門委員 大臣の今の御答弁、本当にそのとおりであったらなと思うんですが、しかし、これまでが余りにもひどかった。これからも余り展望が持てないのではないか。なぜなら、先ほど赤嶺委員からもございました七月十九日のあの県民大会を見たときに、本当にそう思われるんですね。

 七月十九日、キャンプ・ハンセン内レンジ4の都市型戦闘訓練施設での実弾訓練強行に対する県議会、金武町、金武町議会、金武町伊芸区主催の緊急抗議県民集会が開催されました。もう御存じのとおりです。

 この県民集会には、稲嶺知事を初め約一万人が参加するという、まさに超党派、県民挙げてのものとなり、陸軍複合射撃訓練場を即時閉鎖、撤去すること、及び二つ目に金武町伊芸地域の基地を全面撤去することを要求する緊急抗議県民集会宣言決議が採択されました。

 一九九五年の少女暴行事件に対する抗議のため開催されて以来、十年ぶりとなる超党派による県民集会が開催され、都市型戦闘訓練施設の即時閉鎖、撤去ばかりでなく、金武町伊芸地域の基地の全面撤去に踏み込んだ決議を採択するという行動を県民がとらざるを得なかった理由について、町村外務大臣、どのようにお考えでしょうか、伺います。

町村国務大臣 これも、先ほど来から数名の、赤嶺委員あるいはその前の委員のどなたかからもお話がありました。

 本件につきましては、皆さん方が地元において御懸念がある、そういうお考えに基づいて即時撤去等の御要請が出ているものということで、それは、まさにこの十九日の県民集会の意味というのはそういう地元の深い懸念のあらわれであるというふうに私どもも受けとめております。

 また、それにこたえるために、私どもとしては米側と話し合いをして、安全、環境等に十分配慮されたものになっているというふうな認識を持っておりますし、またさらに、その懸念に何とかこたえなければいけないということもあり、昨年来から米側とも話をし、政府としては日本政府の予算でキャンプ・ハンセン内のレンジ16の奥に、異例のことではございますけれども、代替施設を建設して、レンジ4で予定されていた訓練を移転させるということにしたわけでございます。

 ただ、そのレンジ16の奥に施設が完成するまでの間、練度の維持ということもまた必要であるという判断をして、暫定的な使用は日本政府としてやむを得ないという判断をして、今その訓練が開始された状態にあるということでございます。

東門委員 大臣の暫定使用容認は、きょうの朝刊にも出ておりますから、それについてはお伺いしませんが、これまで被害をこうむってきた地元住民を初め県民がこぞってこの施設の危険性を指摘しているにもかかわらず、何ゆえ政府は安全であると判断したのでしょうか。

 先ほども問いがありました。私の問いは少し違います。施設完成後、政府はどのような安全確認を行ったのか、政府独自の安全確認を行ったのか、お伺いいたします。

河相政府参考人 従来より当委員会でも御説明しているとおり、安全措置として、本件陸軍複合射撃訓練場、これを使っての訓練としては、四方八方射撃するような訓練を行うわけではないという中でとられている射撃用建物等々の措置、これは地元の方々の御懸念を受ける、政府としては、外務省、防衛施設庁の関係者が現地視察を行っているところでございます。

東門委員 現地視察を行う、失礼しました、途中で同じような答弁が返ってくるのだと思ったものですから、ぜひ発言したかったのですが、外務省、防衛施設庁、だれがそこへ行き、どのようなことをしっかりと確かめてきたのか、やはり伺います。

 絶対に大丈夫だと、もし万が一、事件、事故が発生した場合、その責任はだれがとることになるのかもあわせてお伺いします。

河相政府参考人 お答えいたします。

 沖縄における我が方の事務所それから那覇の施設局等々の関係者が現地を見ておりますけれども、これの中で安全措置はとられているという認識でございます。

 仮に事故が起こったときという御質問でございますけれども、万々、事故が起こることがないという前提で、仮定の質問にはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

東門委員 同施設での訓練は練度維持のために必要とこれまでおっしゃってこられました。何度も聞いておりますが、その訓練、練度維持のための訓練はレンジ4でなければいけないんですか。

 局長、御存じですか。それまで、レンジ4が建設されるまでどこでその訓練が行われていたかもあわせて伺います。

河相政府参考人 お答えいたします。

 レンジ4での訓練、これは何種類かの訓練がそこで実施される予定になっているわけでございます。個々の分解した形での訓練が具体的に基地のどこでというのは、私、今資料を持ち合わせておりませんけれども、今回、レンジ4の施設を使用した訓練によって、訓練がやはり効率的にできるということだというふうに理解をしております。

東門委員 最後の質問になります。

 局長、局長はそこへ行ってごらんになりましたでしょうか、その現場へ行って。それが一点。

 二点目。レンジ4に来る前はレンジ16で行われていたんですよ。それを無理してレンジ4、反対を押し切ってレンジ4に建設したんですね。これがもしレンジ16の奥の方に移設、代替施設が建設されることになれば、必ず撤去するべきだと思います、同じような目的の訓練場は二つは要らないわけですから。それはいかがですか。

 この二点、お伺いして終わります。

河相政府参考人 私が北米局長に就任しましたのが一月でございまして、一月に就任直後、沖縄を訪問させていただきました。その際に、レンジ4自身に立ち寄る時間は残念ながらありませんでしたが、沖縄の自動車道のところからは見させていただいた次第でございます。

 レンジ16につきましては、御指摘のとおり、過去において使っていたということはございますが、その施設がまさに老朽化したというところで、新しい施設が必要になっているということだと理解しております。

東門委員 また次、続けていきます。ありがとうございました。

赤松委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十三分散会


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