衆議院

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第4号 令和元年11月6日(水曜日)

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令和元年十一月六日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 松本 剛明君

   理事 岩屋  毅君 理事 木原 誠二君

   理事 鈴木 憲和君 理事 中山 泰秀君

   理事 山田 賢司君 理事 下条 みつ君

   理事 山内 康一君 理事 竹内  譲君

      小野寺五典君    尾身 朝子君

      城内  実君    黄川田仁志君

      小寺 裕雄君    新藤 義孝君

      杉田 水脈君    鈴木 隼人君

      武井 俊輔君    中曽根康隆君

      中谷 真一君    中山 展宏君

      宮路 拓馬君    岡田 克也君

      岡本あき子君    川内 博史君

      玄葉光一郎君    後藤 祐一君

      櫻井  周君    高木錬太郎君

      堀越 啓仁君    森山 浩行君

      岡本 三成君    穀田 恵二君

      杉本 和巳君    井上 一徳君

    …………………………………

   外務大臣         茂木 敏充君

   経済産業副大臣      松本 洋平君

   防衛副大臣       山本ともひろ君

   外務大臣政務官      尾身 朝子君

   外務大臣政務官      中谷 真一君

   外務大臣政務官      中山 展宏君

   財務大臣政務官      井上 貴博君

   農林水産大臣政務官    藤木 眞也君

   政府参考人

   (内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官)  澁谷 和久君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 御巫 智洋君

   政府参考人

   (外務省経済局長)    山上 信吾君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 山名 規雄君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         浅川 京子君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房国際部長)          水野 政義君

   政府参考人

   (農林水産省生産局畜産部長)           渡邊  毅君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           渡邉 洋一君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 石川  武君

   参考人

   (独立行政法人農畜産業振興機構理事長)      佐藤 一雄君

   外務委員会専門員     小林 扶次君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月六日

 辞任         補欠選任

  鈴木 貴子君     宮路 拓馬君

  中谷 真一君     小寺 裕雄君

  阿久津幸彦君     岡本あき子君

  小熊 慎司君     後藤 祐一君

  森山 浩行君     川内 博史君

同日

 辞任         補欠選任

  小寺 裕雄君     中谷 真一君

  宮路 拓馬君     鈴木 貴子君

  岡本あき子君     堀越 啓仁君

  川内 博史君     森山 浩行君

  後藤 祐一君     小熊 慎司君

同日

 辞任         補欠選任

  堀越 啓仁君     櫻井  周君

同日

 辞任         補欠選任

  櫻井  周君     高木錬太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  高木錬太郎君     阿久津幸彦君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 連合審査会開会に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件(条約第一号)

 デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第二号)


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     ――――◇―――――

松本委員長 これより会議を開きます。

 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両件審査のため、本日、参考人として独立行政法人農畜産業振興機構理事長佐藤一雄君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として外務省大臣官房参事官御巫智洋君、経済局長山上信吾君、内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官澁谷和久君、財務省大臣官房審議官山名規雄君、農林水産省大臣官房総括審議官浅川京子君、大臣官房国際部長水野政義君、生産局畜産部長渡邊毅君、経済産業省大臣官房審議官渡邉洋一君、防衛省防衛政策局次長石川武君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松本委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。岡本三成君。

岡本(三)委員 皆様、おはようございます。公明党、岡本三成です。

 質疑の時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。

 本日、日米貿易協定について質問をさせていただきます。

 本日いただいた時間の中で、大きく、手段と目的という問題意識を持って質問をさせていただきたいと思います。なぜならば、この手の協定がよく議題に上がるときに、本来、目的は、その協定を活用して、企業であったり個人であったり、ビジネスがより拡大をする、前に進むということが目的であるにもかかわらず、手段が目的化をして、細かい、どうでもいいようなことばかり議論されていることがたまにあったりするような気がいたしますので、今回の貿易の協定の目的、この協定を活用しながら、日本でビジネスをしていらっしゃる方が世界に向けてどのように前進できるのかというところに問題意識を持ちながら、質問をさせていただきたいと思います。

 その上で、今回の最大の懸案は、対米に対して、輸出、この全体の三分の一を占めます自動車の輸入制限措置をどのようにしていくかということが一つと、もう一つは米の問題であったというふうに理解をしていますけれども、この自動車の輸入制限の措置が回避をされていること、そして、米の交渉が交渉の中から除外されたという点で大きな成果があったと私は思っています。

 その上で一つ目に質問させていただきたいんですが、今回の日米貿易協定というのは、いずれ、どのタイミングかはわかりませんけれども、アメリカをTPPの中にいま一度入ってもらうようなことを本気で諦めずに、その手段、一里塚として日米協定があったと私は信じておりますし、そういうふうに政府にも理解をいただいているというふうに思います。

 今回の貿易協定の中身が農産品や自動車など、その項目がいわゆるTPPの枠の中から外れていない。であるがゆえに、トランプ政権かその次の政権かわかりませんけれども、やはりマルチの中で日本が戦っていく方が日本の貿易環境が前進できると信じておりますので、今なお、笑い事でも何でもなくて、本気で米国をTPPに引き戻す決意の一里塚として今回の貿易協定を結ばれたということが、そういう私の認識が正しいかどうかをまず初めにお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣 この日米の貿易協定を振り返ってみますと、昨年の四月、マーラ・ラゴでの日米首脳会談におきまして、私とライトハイザー通商代表、この間で、当時はFFRと呼んでおりましたが、この議論を始めるということで、昨年の九月二十六日に、日米共同声明によりまして、今回の交渉、スタートをすることになったわけであります。

 さらには、本年の四月から本格的な交渉、これが行われまして、九月二十五日に最終合意、そして十月の七日に署名、こういうことに至っているわけでありますけれども、この間一貫して我が国として、米国にとっても、TPPに復帰する、このことが最善であるということは何度も米側の方に説明をしてきているところであります。

 その上で、今回の協定をごらんいただきますと、日本の農産品については、岡本委員の方から御指摘のありました米、これはこれまでさまざまな通商交渉で一番大きな焦点となってきた、この米については加工品も含めて全く譲許していない、完全に例外にしている。さらには、林産品、水産品、そしてTPPワイド関税割当て対象の三十三品目、多くの品目で全く譲許を行っていないわけであります。

 さらには、投資、サービス、ルール等につきましては、デジタル貿易ルール、これは日米デジタル貿易協定、こういった形で今回合意しておりますが、このデジタル貿易ルール以外は今回の合意には含まれていないわけであります。

 ということは、米国にとってみますと、TPP12の際に得られていた内容で本協定では得られないものが残っているわけでありまして、米国がTPPに戻るインセンティブ、これがなくなったとは言えない、このように考えております。

 TPPの、ハイスタンダードでバランスのとれた二十一世紀型の新たな共通ルールを世界に広めていく、これは国際経済社会の安定と繁栄に大きな意義があると考えております。

 そうした観点から、我が国としては、米国を含めできるだけ多くの国、地域がTPPに参加する、こういったことを期待したいと思っております。

岡本(三)委員 安心いたしました。

 米国から見るとまだTPPに参加するインセンティブが将来にわたってあるということをちゃんと認識された上で、マルチな世界をつくっていくということにコミットされているという答弁だと受けとめました。

 続きまして、自動車及びその他の部品の関税撤廃について、実はそれが先送りをされて、即時撤廃も示されなかったということを、一部のマスコミの皆さんや一部の議員の皆さんも批判されている声をたまに聞くことがあります。

 ただ、周りがどう言おうと、その当事者である自動車工業会の皆さんは今回の交渉を大変評価されています。そういうことを申し上げると、いやいや、オンでは評価しているけれども、本当は一つ一つの会社は大変残念に思っているんだという声も聞くので、それぞれの主要な会社の、社長ではありませんが、重役以上の方に私はお話を伺いましたけれども、大変に評価されています。

 なぜならば、ワーストシナリオ、最悪のシナリオ、やはり数量規制、又はこれに絡めて為替の規制まで手をつけられるリスクがあるのではないかと思っていたところ、今回、実際には今までどおりの条件で商売をしていいということを提示されたわけでありまして、個別の皆さんがオフでも大変評価されていた。であるがゆえに、一部の方がどう言おうと、当事者に関しては大変ハッピーであるということを確認をいたしました。

 その上で、今回のこの英文の文言、よくマスコミの方が、これは先送りをされて今後どうなるかわからない、もしかしたら関税も引き上げられるんじゃないか、逆方向へ行くんじゃないかというようなことを言われることがありますけれども、ちょっと英文の確認をしたいんですね。

 よくマスコミの方、一部の議員の方が言われる訳とは私は思えなくて、この英文、もちろん、議論があったときには、英文に協定は戻っていきます。英文の中には、「カスタムズ デューティーズ オン オートモービル アンド オート パーツ ウイル ビー サブジェクト ツー ファーザー ネゴシエーションズ ウイズ リスペクト ツー ザ エリミネーション オブ カスタムズ デューティーズ」、「ウイズ リスペクト ツー」と書いてあるんですね。

 もしこれがなければ、ウイズ リスペクト ツー ザ エリミネーションがなければ、将来どうなるかわからないけれども、とりあえずまた議論しましょうということなんだというふうに私の英語力では読めるんですが、ウイズ リスペクト ツー ザ エリミネーションというのは、将来関税撤廃するということについて議論しましょうねという英文だと思うんですけれども、これ、確認させてください。

澁谷政府参考人 おはようございます。

 先生御指摘になった条文は米国側の附属書に書いているところでございまして、日本語の訳としては、自動車及び自動車部品の関税については、関税の撤廃に関して更に交渉する、先生のおっしゃるとおりだと理解しております。

岡本(三)委員 たまにマスコミの方で誤訳をされている方がいますが、これは、一生何もやらないとか、また関税がふえるんじゃないかとかということじゃなくて、なくすことを議論していくということだということを確認させていただきました。

 次に、ちょっとトピックがかわりまして、今回の関税撤廃率、日本は、日本側八四%、米国側九二%とされていますけれども、今までそうは言いましたけれども、これは単なる将来の約束を自動車分で含めてしまっていて、実質的には米国側は六〇%ぐらいなんだと思うんですけれども、こういうところで将来の約束分も込み込みで言ってしまっているがゆえに、これだけ頑張っているのに、何か隠しているんじゃないかとか、本気でやっているのかと思われちゃうんだと思うんですね。

 これは、自動車部門を除くと本当は何%か。いやいや、それは将来なくなりますからみたいなふわふわした答えじゃなくて、本当は今の時点で何%なのか教えてください。

澁谷政府参考人 今回の協定では、自動車と自動車部品について、単なる交渉の継続ではなく、さらなる交渉による関税撤廃というのを明記したところでございます。

 合意内容そのものがそのようになっているところでございますので、自動車及び自動車部品を除くという形、これは合意内容に反するところでございますし、今後のアメリカとの交渉にも影響を与えますので、差し控えさせていただきたいと思います。

岡本(三)委員 言えないことはあると思うんですが、これだけ澁谷さんを始めとして頑張っていらっしゃるのに、残念ながら、そんな答えをするから残念に思われちゃうんですよ。もう皆さんの御尽力、御苦労、本当によくわかっているのに、これ、本当に……(発言する者あり)

松本委員長 御静粛に願います。

岡本(三)委員 政治の責任だと思うんです。大臣や政務の皆さんが澁谷さんに、もうちょっと言っていいよというふうにアドバイスしてあげないと、本当にかわいそうだと思うんですよ。

 よく言われているように、ガットの目標はもっと高いところにあります。現実、皆さんが発表されている日本側八四%、米国側九二%というのは、アズ・オブ・トゥデーの、今はまだ発効されていませんけれども、実際に始まったそのタイミングではないわけで、これはもうちょっとちゃんと事実を伝えられるような体制にぜひ今後はしていただきたいと思います。

 今後の交渉において、それでもこの今皆さんが公に発表されている日本側八四%、米国側九二%となるように撤廃を実現化されていくということを決意されていると思うんですけれども、この数字が将来うそじゃなかったというふうに言われるように、この撤廃について、実現に向ける決意をお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣 TPP12、TPP11を始め、さまざまな過去の経済連携協定におきまして、品目によってはかなり長いステージングで関税の撤廃、削減が行われている品目はあるわけであります。例えば、一時点をとって一年後に全部なくなっているかというと、そういうことではない、この点についてよく御理解いただいていると思うんですね。

 それで、今回の協定における自動車そして自動車部品の関税の削減のスキームがどうなっていくか、これは、協定の本文と、それから御指摘いただいている附属書、これを両方見ていただいて、正しく解釈していただくということが必要だと思っておりまして、まず、本協定におきましては、協定の本文の方の第五条の1におきまして、「各締約国は、」「附属書1又は附属書2の規定に従って、市場アクセスを改善する。」と、両締約国、ここでは日本とアメリカということになるわけですが、この両締約国の義務を規定した上で、それぞれの締約国の附属書において市場アクセスの具体的な改善の仕方を記載をする、こういう形態をとっております。

 では、そこの中で、具体的な規定の仕方がどうなっているかということでありますが、米国の附属書、これには、自動車・自動車部品について、関税の撤廃に関して更に交渉すると書かれているわけでありまして、これが、米国が第五条の1の規定に基づいて市場アクセスの改善を行う具体的なやり方となる、つまり、関税の撤廃に関して更に交渉する、関税の撤廃が前提となった交渉が行われるというのが米国のやり方ということになるわけであります。

 こういった形で、自動車・自動車部品については、関税撤廃がなされることを前提に、市場アクセスの改善策として、その具体的な撤廃の時期等について今後交渉が行われる。

 TPP12においても、自動車二十五年、トラック三十年、かなり長いステージングでありまして、今回はその短縮も含めてしっかり交渉していきたいと思っております。

岡本(三)委員 ありがとうございます。大臣のおっしゃったことは、よく理解いたします。

 その上で、それであれば、何年後にどう撤廃するというふうに決めているのもあるので、エクセル一つあればできますから、何年には撤廃率は何%、その次の年は何%、将来ゼロになるときがどこかわからないけれども、ゼロになったときには何%で、ちなみに今は、将来どこかで撤廃を約束していますけれども、今はそれが始まっていませんので、発効の一年目は何%と、やはりファクトを示すべきだと思います。それを見ながら、更に政府にどのような交渉をしたいかということを立法府として応援させていただきたいと思いますので、今後、そのような明示の仕方も真剣に御検討いただきたいと思います。

 ちょっと目線を変えまして、初めに申し上げたように、今回の協定を手段として、その目的である、協定を活用しながらさまざまな方のビジネスを後押ししたいということを質問させていただきたいと思います。

 全体でいうと、今回のこの協定が発効すれば実質GDPが〇・八%押し上げられるというふうに政府の試算があります。これ、今でいうと約四兆円です。二十八万人の雇用の創出効果もあると分析をされていますので、ぜひそれ以上の効果があるように取り組んでいただきたいんですが、これは別に自動車会社ばかりを応援しているわけではないんですね。自動車は大切です。一台つくるのに、大手の自動車メーカーでも下請を数百社つくっていますので、労働波及効果は大きいんですけれども、中小企業をどのように支援していくかということを、この手段を使ってその目的の実現を本気で考えていただきたいと思うんですね。

 これは別に今回の日米貿易協定だけではなくて、TPP11も日・EUのEPAも一緒なんですけれども、日本は、自動車が大きいですから、輸出の金額でいいますと、世界第四位です。これはGDPも大きいです。けれども、生産性と考えると、生産性はGDPパーキャピタ、一人頭ですので、輸出総額でいうと世界第四位の日本が一人頭の輸出金額でいうと第何位か、皆さん御存じでしょうか。第四十四位です。

 一部の自動車会社や大手の家電等が輸出しているので、その分で数字は大きいんですが、多くの方が輸出というのをビジネスの戦略の中に入れていらっしゃるかというと、決してそうではないんですね。日本に法人は四百二十万社ありますが、その法人の中で売上げに輸出が立っているのは、何と法人数のたったの三%です。多くの方は忙しいので、輸出ということが選択肢にあることさえも考える時間がないんですね。

 けれども、例えば、埼玉県のある古着屋さん、日本の中で古着の売上げ、大変苦労していたんですが、それをベトナムに持っていった瞬間に日本の古着にプレミアムがついて、同じ取扱量なのに、売上利益は物すごいふえています。栃木県のとちおとめをつくっているイチゴの農業生産法人、国内で販売するのと同じだけ、量は一切ふえていないのに、香港に輸出した途端に一つの売り値が上がって、利益が大きく拡大しています。

 要は、今まで、まさかうちの商売が輸出なんかできるわけないなと思っていたところがたくさんある中で、世界には、それを付加価値として認めて、より高い値段で買ってくれるようなところがたくさんあるんですね。米国にもその他の国にもTPP11の国にもヨーロッパにも、ぜひ進めていただきたいんです。

 その上で、これは経産省にぜひお伺いしたいんですけれども、大手の会社であれば、そんな輸出戦略は自分で立てます。政府が考えるよりもよっぽどいい政策を考えるんですが、中小企業の方はそうじゃないんです。だから、ジェトロという組織を使って後押しをしようとしていただいていて、土俵はつくっているんですが、私は、土俵をつくるだけでいいのかと思うんですよ。

 今月の十一月一日には、国内最後のジェトロのオフィスが埼玉県にオープンしていただきましたけれども、ジェトロはすごく頑張っています。外務省も在外公館は頑張っていますが、何となく、末が、はい、つくりました、資料もあります、皆さんよかったら活用してくださいみたいなことになっている感じがしていて、もしかしたら、ジェトロの方から企業訪問等もして、いやいや、おたくのこの商品、今回こういう貿易協定でこうなりましたので、日本国内だけで売っているなんてもったいないですよ、アメリカも行けるしヨーロッパも行けるし、もっと世界に行きましょうよというふうに営業をかけてもいいぐらいだと思っているんですけれども、基本的なジェトロの戦略、今後、この貿易協定等を活用して更に中小企業の輸出支援をどのようにしていくかということをお伺いしたいと思います。

松本副大臣 経済産業省といたしましては、我が国の中堅・中小企業が、グローバルに広がる市場の中で、今回御審議をいただいております日米貿易協定に加えまして、TPP11、また、日・EU・EPA等を活用してビジネスチャンスを獲得できるよう支援しているところであります。

 具体的には、新輸出大国コンソーシアムにおいて、事業計画策定から商談成立に至るまで専門家によるきめ細かなサービスの実施、また、国内外の見本市、展示会への出展や商談会の開催に対する支援、海外の主要ECサイトに設置をいたしましたジャパン・モールを利用した日本産品の販売支援などに取り組んでいるところであります。

 実際に今委員がお示しをいただいたように、こうした制度を活用をいたしまして新たに海外に販路を求めているような、そうした中小企業も出ているところでありまして、今後も、関係省庁やジェトロなどの支援機関と連携をして全力で取り組んでまいりたいと思いますが、今委員からも御指摘がございましたように、待ちの姿勢ではなくて、政府としても、こうした手段を中小企業に示すなど、いろいろな工夫をしながら、更にそうした制度の活用を通じて、海外への中小企業の進出の支援というものをぜひ行ってまいりたいと思っております。

岡本(三)委員 同じことを外務省にもお伺いしたいんですが、その前に、副大臣、せっかくおいでいただいたのでもう一声いただきたいんですけれども、私は議員にしていただいて丸七年たちます。当然、副大臣も私も、いろいろな企業の訪問に行きます。企業の訪問に行ったときに、さすがにこれは海外とは関係ないだろうと思いながらも、常に、最後に社長さんにどう思いますかと聞きますと、私の肌感覚だと、ジェトロって何ですかというところが半分以上。ジェトロというのを知っていても、そのジェトロの機能を、名前を知らない人が半分以上ですよ、知っていても、何をやっているところですかと。

 要は、支援が、政府の支援なので当然プッシュ型になりづらいのはわかります。けれども、ここまでいっぱい土俵をつくっておいて、結局、頑張って、もうかったのは自動車会社でした。やってほしいですけれども、それ以外のところに。

 だって、実際に、農産品や酒や自転車や眼鏡とか書いてあるのに、多分、眼鏡会社に、これ、行きませんかというふうにジェトロの人が訪問して、又は連絡をして、さまざまなセミナーをやっているなんて聞いたことがないんですよね。いろいろなことを言うんです、いろいろなパーツとか商品とか言うんですが、自動車以外のところに本気で取り組んでいる気が全くしないんですけれども。責めているわけではなくて、ちょっと責めているんですけれども。

 副大臣、今後、物すごいコンテンツを持っているんですよ、しかも、ジェトロの方も怠けているわけじゃなくて、いやいや、こういうこともやってください、皆さんの守備範囲なんです、このセグメント、このインダストリーに対してセミナーをやって、全部インビテーションをかけてがんがんやってください、これは皆さんの守備範囲ですからねという御指導をいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

松本副大臣 海外に市場を求めるという観点において、中小企業等が持っているポテンシャルをしっかりと伸ばしていくことが大変重要だと思いますが、そのためには、やはり当事者である企業に、自分たちが持っている可能性をしっかりと知っていただくということが大変重要だと思います。

 一方で、そういう企業は、とはいいながらも、なかなか海外の事情であったりとか、また、それを日本政府がどのような形で支援をしているのかという手段を知らないがためにその機会というものを失っているということがあれば、それは我が国全体にとっても大変な不利益だと思っております。

 どういう形でそうしたことをより当事者である企業に知ってもらえるかどうか、この点に関しましては、これからしっかりと検討を改めてさせていただきたいと思っておりますが、今の委員のお言葉というものもしっかりと受けとめて、我々としても、どのような方策をとれるのか、これから考えてまいりたいと思います。よろしくお願いします。

岡本(三)委員 ありがとうございます。

 何でそこまでしつこく申し上げたかというと、私、中小企業庁に問い合わせたことがあるんです、中小企業支援をもっとやってほしいと。けれども、目的はもうかって給料を上げてもらうことなので、もうかる、給料が上がる、生産性の高い中小企業と生産性の低い中小企業、生産性の高い中小企業に共通のことは何ですかと聞きました。そうしたら、そんな調査はしていませんと言われたんですね。

 OECDに調べてもらいました。OECDは調査しているんですよ。従業員二百人以下の中小企業で、もうかって給料をいっぱい払っている生産性の高い企業のいろいろなものを出しています。これは、相関係数〇・八四、めちゃくちゃ高いですが、それは輸出なんです。輸出している中小企業は、輸出していない中小企業よりも、相関係数〇・八五で、生産性が高くて給料が高い。なので、これはぜひやってください。お願いします。

 同じことを、外務省のさまざまな公館等も使って御尽力いただいているんですが、外務省からも一言いただけますでしょうか。

茂木国務大臣 御指摘のとおり、中小企業を含めて、海外展開を推し進める日本企業、日本産品等によります新たな市場開拓を促すことは極めて重要だと考えております。この点は、先月公表しました総合的なTPP等関連政策大綱改訂に係る基本方針にも盛り込まれております。

 こうした考え方のもと、外務省としても、関係省庁、団体と連携して、中堅・中小企業を始めとする多くの日本企業が、グローバル市場でTPP11や日・EU・EPAを始めとするEPAを活用してビジネスチャンスを獲得できるよう、支援しているところであります。

 具体的に申し上げますと、経済連携協定、署名をいたしますと、速やかにその内容を外務省のホームページに掲載をし、内容の周知に努めるとともに、ジェトロや各地域の商工会議所等とも連携をしながら、EPAのメリットや具体的活用法に関するセミナーを全国各地で開催をして、その利用促進に努めているところであります。

 さらには、各在外公館に設置をしております日本企業の支援窓口におきまして、中堅・中小企業を含みます現地に進出している企業、若しくは、現地に進出をしたい、そういう関心を持っている企業への情報提供であったりとか相談対応、さらには、相手国政府に対して、なかなか中小企業ですと、問合せをどこにしていいかわからない、誰にしていいかわからない、こういう問合せ等の支援も行っているところでありまして、今後とも、関係省庁、団体で緊密に連携しつつ、中堅・中小企業を始めとする日本企業によりますEPAの一層の利用促進に向けて、しっかりと取り組んでいきたい。

 工業品にしても農産品にしても、非常にポテンシャルは大きいと思っておりますし、せっかく栃木のとちおとめの話もしてもらいましたが、本当に今香港で売れているんですよ、すごく。やはりこういった、やってみるとできる、こういう事例をつくっていくということが極めて重要なんだと思っております。

岡本(三)委員 ありがとうございます。

 時間の関係で最後、通告させていただいた二つの質問をちょっと一つにまとめさせてください。デジタル貿易協定で一つ確認させてください。

 プロバイダー責任制限法、問題があるんじゃないかというふうにいろいろ言われています。私も問題があるんじゃないかなと思っています。日本の消費者の方々が、いざだまされたときにちゃんと訴えられるような仕組みにしていただきたいということをお願いした上で、更に問題なんじゃないかなと思っていることがありまして、この協定の締結に伴いまして、十月の七日に貿易交換公文を結んでいます。

 その公文の中でわざわざ、このプロバイダー制限法、このままいくけれども、このために日本の国内法改正の必要はないと合意しているんですね。私、これは英語で何と言っているのかと思ったんですよ。行政の皆さんが、立法府が本来判断を下すべきことを、その必要はないと合意していると書いてあるので、ウイ・アー・コンフィデントとかウイ・アー・シュアーと書いてあるかと思ったら、実は英語では、ウイですね、二つの国、ザ・パーティーズ・アグリー・ザット、アグリーしているんですよね。

 これは正直言って、越権行為じゃないかと私は思うんです。今までこんなふうにやっていたんでしょうか。本来、その協定について立法措置が必要、法改正が必要なのは国会が判断すべきなのに、行政府が平気でウイ・アグリーなんというのが本当に通るのかどうなのか、皆さんの見解を伺いたいと思います。

澁谷政府参考人 お答えいたします。

 日米デジタル貿易協定、御指摘、第十八条でございますが、コンピューターを利用した双方向サービスの提供者等の民事上の責任を一定の限度で制限することを定めております。

 御存じだと思いますが、この分野に関しましては日本の法制度とアメリカの法制度が微妙に違っているところでございます。日本の法制度は、過去十年以上かけて、官民でさまざまな話合いをして、調整をして、日本の制度というものをつくり上げてきたところでございますが、アメリカと制度が違うということがございます。

 私どもが協定の承認議案を国会に提出する際に、あわせていわゆる実施法を国会に提出するかどうか、これはまず、一元的に、私ども、政府の方で判断をする際において、アメリカとここは十分話し合った上で、協定の十八条、我が国のプロバイダー責任制限法の内容はこの十八条に反しない、この両国政府の認識を確認したということでございます。

 したがいまして、私どもとしては、その確認をしたということに基づいて、政府としては今回実施法を提出していないということで、政府の判断を行う上での確認を行った、そういうことでございます。

岡本(三)委員 時間が来ましたので、今の御答弁に最後、一言コメントさせてください。

 いいんです、もちろん、閣法が出てくるときにさまざまな御判断を行政府でされますけれども、英語の文章が常に言及されるのであれば、法整備が必要ないことをアグリーした、法修正を、アグリーしたと書いてあるので、そうであればこの文章は、ザ・パーティーズ・アー・コンフィデントとかシュアとかという形の文章にして、行政府が立法府を越権行為するようなことに、疑われることがないような交渉をお願いして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの後藤祐一でございます。

 まず、茂木大臣にお伺いしたいと思いますが、日米貿易協定はFTAでしょうか。

茂木国務大臣 これまで日本が結んできたFTA、これは、単に物品貿易だけではなくて、サービスであったりとかさまざまなルール、こういった分野も取り上げております。

 そういった意味におきましては、まさに、今回の日米貿易協定、これは物品貿易に関する協定である、このように考えております。

後藤(祐)委員 御質問にお答えいただきたいんですが、FTAでしょうか。

茂木国務大臣 きちんとお答えしたとおりです。

後藤(祐)委員 つまり、物品貿易協定であって、FTAではないということでしょうか。

茂木国務大臣 これまで日本として、FTA、さまざま結んできておりますが、これまで我が国が結んできたまず包括的なFTA、ここにおきましては、物品貿易に加えて、サービス全般の自由化を含むものを基本とし、さらに、知的財産、投資、競争など、幅広いルールを協定に盛り込むことを交渉を開始する段階から明確に目指してきたわけであります。

 日米貿易協定には全てのサービス分野の自由化であったりとか幅広いルールまで盛り込まれておらず、その意味で、これまで我が国が結んできた包括的なFTAとは異なるものであると考えております。

 また、FTAについて、国際的に確立した定義も、御案内のとおり、あるわけではありませんが、我が国では、これまで、特定の国や地域との間で物品貿易やサービス貿易全般の自由化を目的とする協定、そういった意味でFTAという語を用いてきたということであります。

 先ほどの答弁を若干長く言わせていただきますと、今のとおりです。

後藤(祐)委員 包括的なFTAではないという答弁ですが、包括的ではないFTAには該当するんでしょうか。

茂木国務大臣 もう一度言わせてもらいます。(後藤(祐)委員「いや、同じことだったら結構」と呼ぶ)いえ、きちんと理解してください、ぜひ。

 これまで我が国が結んできた包括的なFTA、これでは、物品貿易に加えて、まず一つ、サービス貿易全般の自由化を含む、このことを基本とし、さらに二つ目、知的財産、投資、競争など幅広いルールを協定に盛り込むこと、この二つを交渉を開始する段階から明確に目指してきたものであります。

 また、FTAにつきましては、国際的に確立した定義があるわけではありませんが、我が国では、これまで、特定の国や地域との間で物品貿易やサービス貿易全般の自由化を目的とする協定という意味でFTAという用語を用いてきたわけであります。日米貿易協定においては、全てのサービス分野の自由化、これを含んでいない、また、幅広いルールまで盛り込まれていない、そういった意味では、これまで我が国が結んできた包括的なFTAとは異なるということです。(後藤(祐)委員「お答えになっていないです」と呼ぶ)なっています。

松本委員長 後藤祐一君、質疑をお願いいたします。

後藤(祐)委員 包括的なFTAでないという答弁は今二回いただきましたけれども、包括的でないFTAに該当するかどうか、お答えになっておられません。

 物品貿易協定かもしれませんが、包括的ではないFTAに該当するかしないかについて答弁を拒否しておられますので、委員長、答弁するように促していただけますでしょうか。

松本委員長 後藤祐一君、質疑を続行してください。(発言する者あり)質疑を続行してください。(後藤(祐)委員「今、与野党協議になっていますから、時計をとめていただけますでしょうか」と呼ぶ)では、大臣、もう一度御答弁ください。

茂木国務大臣 FTA、フリー・トレード・アグリーメントについて、国際的に確立した定義があるわけではありません。

 我が国では、これまで、特定の国や地域との間で物品貿易やサービス貿易全般の自由化を目的とする協定との意味でFTAという用語を用いてきております。そして、今回の日米貿易協定、これはサービス分野を対象としておりません。物品に限った貿易協定である、このように考えております。

後藤(祐)委員 包括的ではないFTAに該当するかしないかは、包括的なFTAではないと自分で定義されているわけですから、包括的ではないFTAが何であるかというのは自分なりの御判断があるはずだと思いますので、包括的ではないFTAに該当するかしないかについて、文書でこの委員会に提出していただきますようお願いいたしたいと思います。理事会で協議してください。

松本委員長 理事会で御提起をいただきましたら、協議をいたしたいと思います。

後藤(祐)委員 包括的なFTAではないということですから、この日米貿易協定は経済連携協定ではないということなんでしょうか。

茂木国務大臣 包括的なFTAについて、こういった形でと、日本の定義については先ほども申し上げました。もう一度、必要であれば再度答弁をさせていただきます。

 さらには、FTAについても、国際的に決まった定義があるわけではない。また、経済連携協定というものについて、決まった定義があるわけではありません。そこの中で、後藤さんとして、これは何に当たるかというときに、決まった定義がないものに当たるか当たらないかということについて定義をしなさいというのはなかなか難しい問題でありまして、今回の日米貿易協定がどういう性格のものであるか、日米デジタル貿易協定がどういう性格のものであるかについてはきちんと答弁をさせていただきたいと思いますが、定義が決まっていないものをこの場で、確立されていないものについて定義を決めなさい、そういう質問に対してお答えすることは控えたいと思います。

後藤(祐)委員 経済連携協定は定義がありますよ。日本の制度上、定義がありますよ。日本の制度上の経済連携協定に当たるのかどうか、ぜひ御答弁ください。

松本委員長 内閣官房澁谷TPP等政府対策本部政策調整統括官。(後藤(祐)委員「茂木大臣ですよ、茂木大臣」と呼ぶ)委員長が指名いたしました。

澁谷政府参考人 物品貿易について、ガット二十四条に整合的な協定でございますので、経済連携協定だと認識しております。

後藤(祐)委員 茂木大臣、経済連携協定ですか、日米貿易協定は。

茂木国務大臣 ガット二十四条に整合的である協定である、そうでありますが、経済連携協定、それについて明確な定義がある、法律的にこう定義されているということがあったら、教えていただきましたら、きちんと勉強したいと思います。(後藤(祐)委員「部下が答弁しているじゃないですか」と呼ぶ)いや、違います、答えたのは。違います。

後藤(祐)委員 どっちなんですか。澁谷さんは明確に経済連携協定だと答弁しました。茂木大臣は、経済連携協定かどうかは答えられないんですか。答えてください、どっちか。

茂木国務大臣 経済連携協定とはどういうものかということでありましたので、そういうことについては確立した定義はない、ただ、今回の日米貿易協定については、ガット二十四条に整合的な貿易協定である、こういったことを申し上げております。

後藤(祐)委員 皆さん、明確な不一致ですよね。しかも、省が違うところの不一致じゃなくて、上司と部下の関係ですよ、過去は。

 これは、日米貿易協定が経済連携協定であるかどうかについて、澁谷さんが明確に言っているのに、そうじゃないとおっしゃるんですか。

松本委員長 まず、内閣官房澁谷TPP等政府対策本部政策調整統括官。(後藤(祐)委員「いや、澁谷さんに聞いていません。まだ質問していませんよ、委員長。ちょっと待って、私はまだ質問していないですよ」と呼ぶ)答弁、待ってください。戻ってください。どうぞ。

後藤(祐)委員 ちょっと委員長、まだ私が質問していないときに指名はしていただかないでいただきたいと思いますが、澁谷さんの答弁は明確だったんです。経済連携協定だと明確な答弁をしたんです。何の条件もつけないで、はっきり言ったんですよ。ですから、茂木大臣に確認までに聞いているんです、日米貿易協定が経済連携協定であるか。さっきと同じ答弁をするのであれば、これ以上質問できないですよ。明確に答弁するよう、委員長からお願いしていただけますか。

澁谷政府参考人 関税の関係法、国内法でございますけれども、関税暫定措置法の施行令におきまして経済連携協定という言葉が載っておりまして、経済連携協定で合意された関税率の適用に当たっては、協定が直接適用される、こういう規定でございます。

 私ども、TPP、日・EU・EPA、それから今回の日米貿易協定も含めて、この関税法に言うところの経済連携協定だという認識をしております。

 ただし、大臣がお話をされたとおり、国際法上は経済連携協定ということの定義が特にあるわけではございません。大臣はその旨をお話をされた、そういうことでございます。

茂木国務大臣 後藤先生、よく自分の御質問をかみしめていただくとありがたいと思うんですけれども、経済連携協定の定義を聞かれるから、私は例えば、確立されたものはないと言った上で、これはガット二十四条に整合的な協定でありますときちんとお答えをしていると思います。

後藤(祐)委員 結局、答えていないじゃないですか。定義なんか聞いていないし、ガット二十四条なんか聞いていません。法制度上の話だと私はさっき言ったじゃないですか。法制度上の話として、経済連携協定は定義があるはずですよ、ですからそこに該当するのかと聞いて、明確に今、皆さん聞いていたじゃないですか。関税の法律上、定義があるんですよ。それに該当するかどうか、これをお答えできないと、進められないですよ、これ以上。明確に答弁していただけないですか。(発言する者あり)いや、答えていないですよ、まだ、茂木大臣は。

 ちょっと委員長。経済連携協定に法制度上、日本の法制度上該当するかどうか。関税の法律には明確にあるんですから、関税暫定措置法なんかに定義があるんですから、該当するかお答えください。茂木大臣に聞きます。

茂木国務大臣 関税暫定措置法、そういう限定をつけた上で、その経済連携協定、これを解釈するということであれば、日米貿易協定は経済連携協定に該当するものであります。

後藤(祐)委員 最初からそう答えてくださいよ。逆に言うと、私は法制度上と聞いているんですから、知らなかっただけじゃないですか。

 でも、茂木大臣が日米貿易協定を経済連携協定であると答弁したことは大変重いと思います。経済連携協定だということはFTAだということじゃないですか。経済連携協定なのにFTAでないものというのは概念上あり得るんですか、茂木大臣。

茂木国務大臣 ですから、これが先ほどからの繰り返しになりますので、関税暫定措置法上の経済連携協定と限定をつけるか、単にFTA、これはフリー・トレード・アグリーメント、先ほどから申し上げているように、国際的な定義が固まっていない。そして、このFTAについては、我が国では、これまで、特定の国や地域との間で、物品貿易だけでなく、サービス貿易全般の自由化を目的とする協定という意味でFTAという語を用いてきたということであります。

後藤(祐)委員 委員長にお願いしますが、まず、日米貿易協定が経済連携協定に該当するのかどうか、そして、FTAに該当するのかどうかを文書で提出していただきますよう、茂木大臣に求めるとともに、理事会で扱っていただくようお願いいたします。

松本委員長 理事会で御提起いただいて、後刻、理事会で協議いたしたいと思います。

後藤(祐)委員 先ほど御議論を行われていた件ですが、配付資料で、これからの自動車関税についての扱いがどうなっているか、一ページ目に英語、先ほど岡本委員が読まれました。二ページ目に、当初は、「米国譲許表に「更なる交渉による関税撤廃」」、これは正式な概要のペーパーですけれども、こう書いてあったのが、三ページ目、十月十五日からは、これは、私が予算委員会で、あるいは玉木代表が予算委員会で指摘した直後ですが、十月十五日からは、「米国附属書に」、位置づけも変わっています、「関税の撤廃に関して更に交渉」と変わっています。しれっと、何の発表もなく、ひそかに変わっています。

 そして、先ほど、岡本議員に対する答弁の中で、茂木大臣は既に、関税の撤廃に関して更に交渉するという答弁をなされましたので、三ページ目の、今の段階での表現を使われたというふうに理解します。だとすると、二ページ目のような表現をしていた、つまり、さらなる交渉による関税撤廃という言葉は訂正をいただきたいんですが、茂木大臣は、九月二十五日のニューヨークでの記者会見で、今回の協定では、自動車及び自動車部品について、単なる交渉の継続ではなく、さらなる交渉による関税撤廃を明記いたしましたと発言しておられますが、この発言を撤回なり修正なりしていただけますでしょうか。

茂木国務大臣 御指摘の、この三ページ目になるんですか、関税撤廃に関して更に交渉する、これは、日米貿易協定に関する説明書におきまして、米国附属書の英文テキストの該当部分を日本語にしたものであります。

 一方、御指摘いただきました九月二十五日の日米首脳会談における最終合意に際して、私からこの合意の概要、この説明をいたしました。そのときは、附属書がどういう形になっているか、まだ決まっていない段階でした、細かい文言等につきましては。それで、私としては、さらなる交渉による関税撤廃、こういう説明をいたしました。

 私が九月二十五日に説明したのはさらなる交渉による関税撤廃、そして、説明書においては、関税の撤廃について更に交渉する。つまり、説明書は、何々します、何々するという述語で終わるという形でありまして、一方、私が九月二十五日に使ったのは体言どめにしたということで、その違いはありますが、内容的には同じものだと思います。

後藤(祐)委員 体言どめで内容は同じ。ほう。与党の皆さん、そう思いますか。全然思わないと。

 大臣、これは、九月二十五日の記者会見というのは、アメリカはおろか、日本では物すごく報道されているんですよ。さらなる交渉による関税撤廃を明記いたしましたと報道されちゃっているんですよ。これは修正していただかないと、世の中に誤解のまま広がっちゃっているんですよ。明確にスタンスを変えられたんですから、訂正をはっきり言っていただけないでしょうか。

 内容が同じとはこれは思えませんし、茂木大臣の頭の中で内容が同じとお考えになるのは御自由ですが、少なくとも世の中は表現された言葉でしか判断できないわけですから、今、正式に先ほども答弁されているんですから、現時点では、さらなる交渉による関税撤廃の明記ではなくて、この三ページ目にある、関税の撤廃に関して更に交渉というのが正しい訳である、前回の言い方は訂正いたしますという御発言をいただけないでしょうか、茂木大臣。

茂木国務大臣 内容的には私は違っているとは思っておりません。

 ただ、九月二十五日の記者会見につきましては、最終合意した内容の概要について説明をしたものであります。そして、十月につくりました説明書、これは、本文それから附属書含めて、それにつきまして日本語で簡潔に説明をしたものである、このように考えております。

 そして、いずれにいたしましても、自動車の関税をどう取り扱うか、これは先ほども岡本委員の質問にもお答えしましたが、本文の五条の1に、まずは市場アクセスの改善をお互いが行う、そして、改善の行い方については、それぞれの附属書1又は2、ここに明記をするということでありまして、米国の附属書には、自動車、自動車関税につきましては、英語の表現では御案内のとおり、それを日本語の説明書におきましては、関税の撤廃に関して更に交渉するということでありまして、これはまさに関税の撤廃を前提として、関税の撤廃の時期がどうなるかということ等について今後交渉するということでありますから、関税の撤廃に関して更に交渉するということと、全体の文脈の中で、本文それから附属書あわせた場合に、さらなる交渉による関税撤廃、内容的には私は違っていないと思っております。

後藤(祐)委員 撤回しない、あるいは修正しないというのは驚きですが、そうすると、関税撤廃は前提であると。うなずいておられますが。

 ところが、同じ九月二十五日、ライトハイザーさんはそういう言い方をしていませんよ。イッツ ノット パート オブ ディス アグリーメントと言っているんですよ。カーズ アー ノット、イット サートゥンリー イズ ザ ジャパニーズ アンビション ツー ハブ カー タリフズ ビー ディスカスト。要は、車、自動車部品の関税について議論されるかどうかは日本のアンビションだというふうにライトハイザーさんはおっしゃっていて、イッツ ノット パート オブ ディス アグリーメントと明確に言っているんですよ。

 だから、前提でも何でもないんですよ。これから交渉するかどうかは協議の中でやっていくことはあるかもしれませんが、前提でも何でもないんですよ。

 ライトハイザーさんの、このイッツ ノット パート オブ ディス アグリーメント、これは明確に記者会見で言っているんですが、本当に今の時点で自動車関税の撤廃は内容の一部になっているんですか、日米貿易協定の。それは、これから先、まさにさっきの日本語であるように、関税の撤廃に関して更に交渉するというのは内容になっていますよ。ですが、今の時点で関税撤廃することが前提になっているとしたら、ライトハイザーさんと認識が違いますが、内容として含まれているんですか、自動車関税の撤廃は。将来の話ではなくて、今の時点で。

茂木国務大臣 今回の日米貿易協定におきまして、自動車及び自動車部品につきましては、まず本文、五条の1におきまして、それぞれの市場アクセスの改善の方法、これを附属書に書くという形になっております。そして、米国の附属書につきましては、今申し上げたように、関税撤廃に関して更に交渉するということでありまして、これは、関税撤廃を行うという前提で、その時期等につきまして、いつになるかにつきましては今後交渉するということであります。

後藤(祐)委員 関税撤廃を行うことは米国と同意されていて、どのタイミングで関税が下がっていくかということについてはこれからの交渉だと。つまり、アメリカ側は関税撤廃することをイエスと言っているということですか、茂木大臣、既にこの時点で。

茂木国務大臣 今お答えしたとおりです。

後藤(祐)委員 いや、答えていないから、もう一度聞いています。

茂木国務大臣 ちょっとライトハイザー代表の英文を見ますと、ウエル、カーズ アー ノット。イット サートゥンリー イズ ザ ジャパニーズ アンビション ツー ハブ カーズ、カーズ タリフ ビー ディスカスト。バット アット ディス ポイント、イッツ ノット パート オブ ディス アグリーメントということで書いてありまして、つまり、この時点において、いつ関税撤廃がされるかということについては決まっていないということを言っています。

後藤(祐)委員 いやいや、いつとは言っていないですよ。そもそも関税撤廃することについてノットと言っているんですから。

茂木国務大臣 その後、読んでください。

後藤(祐)委員 答えていないです。

茂木国務大臣 わかっているでしょう、自分で文章は、その後の。

後藤(祐)委員 答えていないです。

 いつ関税が下がっていくかについてのこれからの交渉であって、関税撤廃をすることは既にアメリカも合意していると、とても思える表現ではないんですよ。

 本当にアメリカは、関税撤廃することはアメリカも納得をしていて、いつ関税が下がるかの交渉がこれからなんだという、アメリカがそういう認識だという理解ですか、茂木大臣。

茂木国務大臣 この協定におきましては、協定の五条の1におきまして、それぞれが市場アクセスの改善を行う、そのやり方につきまして附属書に明記をするという形になっております。

 そして、米側の附属書につきましては、関税撤廃に関して更に交渉と明記をされているわけでありまして、当然、交渉するのは関税について交渉するわけじゃありません、関税撤廃、これについて交渉を行いまして、その時期等について決められる、そのように理解をいたしております。

後藤(祐)委員 では、これは文書で提出していただきたいんですが、アメリカは、現時点において自動車及び自動車部品の関税を撤廃することを納得していて、そのいつ下げるかについてこれからの交渉である、茂木大臣の答弁はそういうことですが、とアメリカは理解しているのか、それとも、これから自動車の関税が完全に撤廃されるということは、アメリカは必ずしもまだ納得しているわけではないのかどうかを、明確に文書で提出していただきますようお願いいたします。委員長、お取り計らいを願います。

松本委員長 御提起をいただきまして、後刻、理事会で協議をいたしたいと思います。

後藤(祐)委員 何も答弁しないじゃないですか、さっきから。どれだけかかるんですか、この審議は。結局、何も答えないで同じ答弁の繰り返しですから。(発言する者あり)答弁しているじゃないって、答弁していると思いますか、皆さん、今の。同じことを聞いて、同じことを答えて、結局答えない。

 これはぜひ理事会でよく議論していただきたいと思いますし、採決まで行けませんよ、そんな答弁を繰り返すようでは。

 では、次に行きたいと思います。

 きょう、藤木農水政務官、お越しいただいておりますけれども、この日米貿易協定の経済効果についてお聞きしたいと思います。

 この日米貿易協定による農林水産物の生産額への影響についてというのは、配付資料でもお配りさせていただいておりますけれども、四ページ目ぐらいにまとめさせていただいたり、五ページ目は内閣ですね。この日米の場合で約六百億円から約千百億円生産減少額が発生するということですが、これは、今既にTPP11と日・EUが発効しているわけですけれども、これが発効していることは前提にしないで、何にもない状態で日米バイが起きたら、この六百から千百億生産減少が起きるという前提で計算しているという御説明を伺っております。

 でも、今我々が知りたいのは、TPP11と日・EUは既に発効しているわけですから、この発効している中で、これを前提に、日米貿易協定で追加的にどれだけ生産減少額が起きるかということについて試算していますでしょうか。試算しているのであれば、お答えいただけますでしょうか。

藤木大臣政務官 お答えいたします。

 今回の影響試算というのは、日米貿易協定の農林水産物への影響については、今回は日米貿易協定の審議であるため、TPP11や日・EU・EPAなど他の協定がない場合を想定した日米貿易協定単独の影響をお示ししたものでございます。

後藤(祐)委員 それは私、もう前提の上で申し上げました。一巡後になっちゃっているんですけれども。

 だからこそ、日・EUとTPP11が既に発効しているわけですから、これを前提に、日米で追加的にどれだけの農林水産品に対する生産減少額が起きるかという試算をしていらっしゃるでしょうか、しているのであれば額をお答えくださいと聞きました。藤木政務官。

藤木大臣政務官 今回は、その試算はしてございません。

後藤(祐)委員 信じがたいことだと思うんですよ。その数字を知りたいわけじゃないですか。日・EUとTPP11は発効しているんです。日米で更にどれだけの被害が出るんですかということが一番知りたいことじゃないですか。試算していないんですか、農水省、これは。信じられない。この数字は出していただかないと、議論しようがないじゃないですか。

 そこで、皆さんのお手元にある紙にも書いてありますが、これは簡単に試算する方法はあるんです。TPP11と日・EUと日米、三つ合計した場合の農林水産品への影響、これを試算して、TPP11プラス日・EU、これを二つを合計した影響額を試算して、その差分をとれば出るんですよ。

 これも、もう一週間前から両方の数字を出してくれと申し上げていますが、算出いたしましたでしょうか、藤木政務官。

藤木大臣政務官 お答えをいたします。

 影響試算については、各協定の審議の際に、それぞれの協定による影響を見る観点で、協定ごとに影響試算をお示ししてきているところでございます。

 ただし、今回は、日米貿易協定とTPP11を合わせた影響がTPP12を超えているのかといったこれまでの国会審議における御指摘に応えるため、日米貿易協定の影響試算及び日米とTPP11を合わせた影響試算をお示ししたところでございます。

後藤(祐)委員 要するに試算はしていないということなんですが、私、これは一週間前から言っていますからね。この試算が出てこないと、現実にもう発効しているわけですから、日・EUと11は。この日米で追加的にどれだけ農水産物に影響が出るか、そんな数字がないで、何でこれを審議できるんですか。

 その数字を出すように、これは委員長、理事会で御協議いただけますでしょうか。

松本委員長 理事会で御提起をいただいて、理事会で協議をしたいと思います。

後藤(祐)委員 もう一つ、これはGTAPモデルというのもございます。このGTAPモデルでは、配付資料の五ページ目ですけれども、トータルで日米貿易協定はGDPプラス〇・八%になると。そこの真ん中の表の、輸入でマイナス〇・二%、輸出でプラス〇・二%、これがとんとんだからウイン・ウインだということなんだと思います。

 先ほど岡本議員が御指摘していたように、まず、この輸出によるGDPプラス〇・二%には、つまり一兆円輸出がふえるんですが、アメリカにおける自動車関税撤廃の効果が入っていると理解しています。そして、輸入によるGDPのマイナス〇・二については、関税が下がったとしても国内生産量は変わらないという農水省の前提をそのまま使っていると伺っておりますが、澁谷統括官、これで間違いないでしょうか。

澁谷政府参考人 TPP12と、それからTPP11、日・EUの経済効果分析と同様でございまして、二〇一七年それから二〇一五年に行ったやり方と全く同じでございまして、農林水産品につきましては、農水省の試算結果、すなわち、国内対策を実施することにより国内の生産量は維持される、したがって、農林水産品の生産量は固定とした形でモデルを回している、そういうことでございます。

後藤(祐)委員 自動車はプラス〇・二の輸出に入っているんですね。

澁谷政府参考人 はい、含まれております。

後藤(祐)委員 どこがウイン・ウインなんですか。プラス〇・二%の輸出に自動車の将来実現するかどうかもわからない関税撤廃が含まれていて、輸入のマイナス〇・二というダメージについては、生産量は一キログラムも減らないという農水省の前提を置いて計算をしている。どこがウイン・ウインなんですか。どこがとんとんなんですか。これはもうちょっと真面目な計算をしましょうよ。大本営発表ですよ、これじゃ。

 実際、TPPのときはもうちょっと真面目に計算をしていて、六ページ目をごらんください。平成二十五年には、六ページ目から七ページ目にかけてなんですが、これは二〇一三年モデルと言われるやつなんですけれども、七ページ目の線が引いてあるところ、これは、一回、農業生産品については、そこに線が描いてあるように、「競合する国産品は、原則として安価な輸入品に置き換わる。」つまり、生産量が減る可能性を含めたモデルで計算しているんですよ。

 その結果どうなるかというと、五ページ目の注の九というところに御丁寧に書いてあって、この一番下のところですね、「二〇一三年の政府統一試算に準じた手法」「その場合のGDP押上げ率は、日米貿易協定について〇・一%」、つまり、〇・八と言っていたやつは〇・一になっちゃうんですよ。

 この〇・一%になる、すなわち七ページ目の前提を置いて計算した場合、これは計算しているということですよね、澁谷統括官。だとしたら、この二〇一三年政府統一試算に準じた手法で計算した場合の日米貿易協定のGDPに与える効果について、輸入、輸出、政府消費、投資、民間消費、それぞれのパーセンテージをお答えいただけますでしょうか。

澁谷政府参考人 二〇一三年の統一試算、これは関税撤廃の直接効果のみを見るということでございまして、二〇一五年試算以降用いております、生産性向上、労働供給増加といったメカニズムを見ていないというものでございます。

 その場合、済みません、きのう先生の方から御指摘いただいたのは輸入、輸出、民間消費ということでしたので、そこの数字を今持ってきておりますけれども、日米貿易協定、二〇一三年の統一試算に準じた手法でやりますと、GDPの押し上げ効果が〇・一になります。ちなみに、12が〇・三で、11が〇・二ということになります。

 その日米貿易協定の内訳ですが、輸入がマイナス〇・三%、輸出がプラス〇・二%、民間消費はプラス〇・二%という数字でございます。(後藤(祐)委員「〇・一、最後、民間消費は」と呼ぶ)民間消費、プラス〇・二でございます。

後藤(祐)委員 輸入はマイナス〇・三、輸出はプラス〇・二。輸入が少し変わったということなんですが、ここが実際どういう効果を及ぼすかというのは精緻に説明いただきたいんですよね。

 これについては前提を置いているのが農水省の方なものですから、これは、国内対策をしっかり講じるから生産量は変わらないという前提を置いて農水省のこの影響額というのは計算されているということなわけですけれども、この対策というのは、藤木政務官、今既に国会で認められた予算を前提にしたものでしょうか。それとも、これからそういう予算をお願いしますよというものなんでしょうか。どちらでしょうか。

藤木大臣政務官 お答えいたします。

 今行われている国内対策というのは、牛、豚のマルキンであったり畜産クラスター、また産地パワーアップと言われる対策事業でありまして、国の方で認められている事業でございます。

後藤(祐)委員 追加的な対策は含まない、今既に国会で認められた予算の範囲内の対策を講じることで、生産量減少はないということが実現するということなんでしょうか。

藤木大臣政務官 今後、国の方で大綱の見直しを行って、その対策を再度検討するということになってございます。

後藤(祐)委員 既に国会で認められた予算以外に、これから国会にかける予算も含めた対策でもって、ようやく生産量減少がゼロになるということでしょうか。

藤木大臣政務官 そのように考えております。

後藤(祐)委員 つまり、まだ国会で認められていない予算を前提に、それを将来出してきますから、その対策を講じると生産量減少はゼロになりますよと。それは予算を出してから言ってくださいよ。予算が出ていないんだから、まだ。予算が出る前に、その対策が講じられるから生産量減少はゼロと。もう与党の議員も笑っていますけれども。

 今の時点で条約をかけているんですから、今の時点までの予算は、それは入れていいですよ、場合によっては。これから先の予算を入れないで計算していただかないと、今の時点でこの条約を丸と言っていいかどうか、わからないじゃないですか。

 これから先の予算は含まれない形で、この日米経済協定が農林水産物の生産額にどれだけの影響があるかどうか、出していただけますか、藤木政務官。役所の方が手を挙げていますが、藤木政務官の答弁に対して聞いているわけですから、藤木政務官にお願いしたいと思います。

浅川政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の試算ですけれども、生産額の影響の算出方法については、早期に情報を提供するという視点から、これまでの合意内容を踏まえて、これまでの協定で行ってきた算出方法に直近の生産額や単価を当てはめ、暫定版として機械的に算出したものでございます。

後藤(祐)委員 妨害するのはやめてください。そんなことは聞いていませんよ。まだ出ていない予算なんか含めた試算なんて聞いていないですよ。

 今までの予算も入れるかどうかも微妙だと思いますが、少なくとも、その対策を全く含めないでどの程度の生産、政務官、ちょっと聞いてください。質問にちゃんとお答えられなかったから、さっき。その対策を講じない場合にどれだけ生産額の減少が起きるか。

 あるいは、せめて、ここまで講じた予算を入れて計算するというのは、もしかしたらそういう方法もあるかもしれない。だけれども、これからの予算を入れてはだめですよ。これからの予算は入れないでどれだけ生産額の減少が起きるかどうか、これについて、今数字がないようでございますから、きちんとこの委員会に提出していただけますでしょうか。

藤木大臣政務官 実際に、これまでの国内対策で生産性の向上などの効果が着実にあらわれているところであり、今後、万全の措置を講じることで、生産基盤を強化し、国内生産量の維持、拡大を図ってまいりたいと思ってございます。

後藤(祐)委員 全く答えておりませんので委員長にお願いしますが、対策を講じない場合に農林水産品それぞれがどの程度生産額が減少するのか、これについて資料を提出していただけますよう理事会で協議いただきたいと思います。

松本委員長 御提起をいただいて、理事会で協議をさせていただきます。

後藤(祐)委員 最後に、農産物の再交渉について伺いたいと思いますが、資料の八ページ目に、この協定の附属書の中で、「アメリカ合衆国は、将来の交渉において、農産品に関する特恵的な待遇を追求する。」というふうにされておりますが、この条約が仮に発効した場合、その発効後すぐ四カ月間、どういった交渉をするかについての協議に入るということになっていますが、この協議の中では、既に決まってしまった、今回で妥結した農産品の内容については一切交渉には応じないということをお約束いただけますでしょうか。これは茂木大臣にお願いします。

茂木国務大臣 まず、御指摘の、この八ページの「アメリカ合衆国は、」云々の部分でありますが、ここはTPP等においても一般的に農業等において置かれている規定でありまして、何ら新しいものではない、これは委員もよく御案内だと思います。

 そして、今回の共同声明では、今後どの分野を交渉するのか、その対象をまず協議することとしておりまして、今後の交渉の内容は、この協議、コンサルテーションですね、その中で決まっていくことになるわけであります。

 このうち関税に関する事項については、さらなる交渉による関税撤廃を協定に明記をしております自動車・自動車部品を想定しておりまして、農産品、その他工業品を含め、それ以外は想定をしてございません。

後藤(祐)委員 ほかの協定でも書いてあると言いますが、TPPは七年たったら再交渉なんですよ。七年間はフリーズなんですよ。

 七年なんて書いてないじゃないですか。すぐやるんですよ。全然違いますよ、今までのものと。ごまかしていますけれども。

 少なくとも、アメリカから何を求められようが、この条約が仮に発効した場合、その後の四カ月の中では農産品について今回妥結したことについて交渉は一切応じないということについて、今明確な答弁であったか、微妙です。心配していますよ、農家はみんな。将来、また米が来るんじゃないかと。おととい、「日曜討論」でも申し上げましたけれども。

 では、この四カ月ではなくてその先も含めて、今回妥結した農産品の内容、牛肉のセーフガードのプラスアルファでとれる部分については、これはやったらいいと思いますが、それ以外の今回妥結した内容については、将来にわたってアメリカからの交渉には応じないということを約束いただけますでしょうか、大臣。

茂木国務大臣 今後まず行います協議でありますが、これにつきましては、そこの中で今後の交渉の内容が決まっていくわけでありますが、日米双方が合意したもののみが交渉の対象になる、このように考えております。

後藤(祐)委員 約束できないということですね、今のお話は。自動車をとるためには、米も含めた農水産品をやれと求められる可能性は大いにあるじゃないですか、常識的に考えて。つまり、全体、パッケージで一発で握らないからこういうことになるんですよ。二段階でやるから先にとられちゃって、いいとこ取りされて、これから先の交渉、物すごい難しくなっちゃったじゃないですかということを指摘して、時間になったので終わります。

 きょう幾つか宿題がございますので、理事会でよく協議していただいて、全てお答えいただかないとその先の議論は難しいと考えておりますことを申し添えます。

 ありがとうございました。

松本委員長 委員会の運営については理事会で協議をいたしますので、委員の御指示は受けません。

 次に、玄葉光一郎君。

玄葉委員 共同会派の玄葉光一郎です。

 きょうは、日米貿易交渉について、特にWTOとの整合性、さらには今後の交渉等について議論をさせていただきたいというふうに思いますが、その前に、多くの人が関心を持っている事項なので、さわりだけ、我が国の海上自衛隊が中東に派遣をされる、その検討を始めたということがございますので、そのことについて冒頭数分使って、防衛副大臣に来ていただいているので、お話をいただきたいというふうに思います。

 この海上自衛隊の中東派遣の検討、この目的、根拠についてお話しいただけますか。

山本副大臣 おはようございます。

 玄葉委員の御指摘、御質問にお答えをさせていただきます。

 まず、この派遣の目的ですが、今般、国家安全保障会議等において安倍総理を含む関係閣僚間で行った議論を踏まえ、我が国として、中東における我が国に関係する船舶の安全確保のための独自の取組を行っていくとの考えのもと、政府方針として、情報収集態勢を強化するために自衛隊アセットの活用に関する具体的な検討を開始いたしました。

 政府としては、これまでも関係国と連携しながら情報収集を行ってきたところですが、こうした情報収集の取組を更に強化することを目的として、自衛隊アセットの活用を検討しているところでございます。

 今般の政府方針においては、我が国独自の取組として、外交努力や航行安全対策の徹底とあわせて自衛隊アセットの活用の検討も行うこととしており、これらの取組を通じ、中東地域の平和と安定及び我が国に関係する船舶の安全を確保していく考えでございます。

 根拠でございますが、自衛隊アセットを活用して実施することを検討する活動は情報収集でありまして、防衛省設置法第四条第一項第十八号に規定する「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究」として実施することを考えております。

玄葉委員 そうすると、中東地域における情報収集という目的と、我が国に関係する船舶の安全確保という目的だというふうに理解してよろしいですか。

山本副大臣 御指摘のとおりです。

玄葉委員 そうすると、防衛省設置法四条の何項ですか。十八項ですか。十八項ですね。防衛省設置法でこの情報収集の強化を行うということでありますが、我が国関係船舶を守るということは、日本の船を、タンカーなんかを守るということですから、この防衛省設置法で可能なんですか。

山本副大臣 可能と考えております。

石川政府参考人 お答え申し上げます。

 今副大臣が御答弁いたしました趣旨は、我が国の関係する船舶の安全確保のための情報収集を設置法四条の第一項第十八号に規定する調査及び研究として行うということでございます。

玄葉委員 ですから、山本副大臣、情報収集は可能だと思います、確かに。ただ、日本の船、タンカーを、ホルムズ海峡に行くかどうかは別として、中東の公海で守るという行為は可能ですか。

山本副大臣 玄葉委員にお答えをいたします。

 先ほど、確かに可能と私申し上げましたけれども、それは防衛省設置法の、先ほど申し上げた調査研究に対する設置法の第一項十八号のところで申し上げましたけれども、それをもって直ちに日本の船舶を防護するということではなく、防護する、そういう状況にあるかどうかということを調査研究してまいるという意味合いでございます。

玄葉委員 日本の船を守らなきゃいけない、あるいは海上輸送の安全を守る重要性というのは私も理解を十分しているところでありますけれども、とても日本のタンカーを防衛省設置法だけで守れるとは思えない。情報収集は可能かもしれませんけれども。

 本当に、例えば、日本のタンカーは、ちなみに六月に二隻攻撃を受けたわけでありますけれども、そういった事態で守れるとはとても思えないわけですが、防衛省の幹部はこのことについて、どこかの段階で状況次第で海上警備行動をとるということも検討したいということでありますが、それでよろしいですか。

山本副大臣 中東情勢に関しましては、現時点において直ちに自衛隊アセットにより我が国に関係する船舶の防護が必要とされる状況にはないと考えております。また、仮に自衛隊アセットを派遣したとしても、自衛隊に対する攻撃が想定されるような状況でもないと考えております。

 その上で、今般の検討において、情報収集態勢強化のための自衛隊アセット活用として想定している活動は、あくまでも情報収集でございます。

 いずれにしましても、今般の検討に当たって、隊員の安全確保についてもしっかりと考えてまいりたいと思いますし、御指摘の点も含めて検討を進めてまいりたいと思います。

玄葉委員 御指摘の点も含めてというのは、海上警備行動も含めて検討していく、こういうことでよろしいですね。

山本副大臣 お答えをいたします。

 海上警備行動の発令ということは、先ほども申し上げたとおり、現時点において直ちにという状況にはないと考えております。しかし、どういう情勢になるのか、しっかりとこの情報収集態勢を強化してまいりますので、玄葉委員の御下問、御指摘も含めてさまざま検討してまいりたいと思います。

玄葉委員 そこは、山本副大臣、別に副大臣が初めてじゃないので、いろいろな方がもうはっきり海上警備行動について検討すると言っていますので、はっきり言ってください、海上警備行動の検討も、その時と場合によってはというか、状況が変化した場合にはしていかなきゃいけないと。それは、だって、今から検討していかなきゃいけないわけですから、検討していきますとはっきり言ってください。

山本副大臣 お答えを申し上げます。

 若干繰り返しになるかもしれませんが、現時点において直ちに自衛隊アセットによる我が国に関係する船舶の防護を実施する状況にはないと考えておりますが、こうした状況が変化する場合には、我が国に関係する船舶の安全を確保するために必要な措置について検討することとしておりますので、この措置をとる場合には海上警備行動の発令が考えられます。

玄葉委員 武器の使用の問題がございます。それぞれ、これは隊員の安全を考えると大事な話なわけでありますけれども、防衛省設置法四条十八項で、調査研究で行える武器の使用、海上警備行動で行える武器の使用、海賊対処法で行える武器の使用、それぞれわかりやすく、その違いも含めて教えていただけますか。政府委員を呼んでいますから、副大臣じゃなくても結構です。

石川政府参考人 お答え申し上げます。

 いずれにしましても、今後具体的に検討していくこととしておりますけれども、一般論として申し上げますと、調査研究で派遣する場合には、自衛隊法九十五条の武器等防護の適用の可能性がございます。

 それから、海警行動の場合には、これは、自衛隊法九十三条第一項に基づきまして、警察官職務執行法第七条の規定が準用されまして、武器の使用が可能となります。

 具体的には、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当の理由のある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において武器を使用することができます。ただし、正当防衛、緊急避難の場合等を除いては、人に危害を与えてはならないということとされております。

 それから、最後に、海賊対処法におきましては、今申し上げました警職法七条による武器使用に加えて、海賊対処法第六条に基づき、他の船舶への著しい接近等の海賊行為を制止して停船させるため、他に手段がない場合においても武器を使用することができるというふうにされておりまして、この武器使用によって人に危害を与えたとしても許容されるということが要件でございます。

玄葉委員 ありがとうございました。

 私、心配しているのは、海上警備行動をとるような事態になったときに、警職法倣いということで今お話がありましたけれども、他方で、恐らく駆けつけ警護、PKOの駆けつけ警護みたいなことが起きかねないなというふうに思っていて、つまりは、ほぼ同じ地域に存在する外国船舶がやられたときに、恐らく海上警備行動の武器使用では対応できないということになるのではないかと思いますけれども、いかがですか。

石川政府参考人 お答え申し上げます。

 いずれにしましても、現時点で我が国に関係する船舶の防護を要する状況にはないというふうに考えております。

 今後情勢が変化した場合にどういう形の措置をとるのか、あるいは、そうした措置をとった場合にどういう場面が想定され、どういう武器使用が必要になるのかにつきまして、今後検討してまいる所存でございます。

玄葉委員 きょうは日米貿易交渉についてやりたいので、余り突っ込みませんが、一般論でいいので、海上警備行動で行動していて、近くの外国船舶をその警職法倣いの武器の使用で守れますか。

石川政府参考人 お答え申し上げます。

 あくまで、今後の検討課題でございますので、一般論として申し上げますと、自衛隊法八十二条に規定する海上警備行動は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合に、防衛大臣が内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊が海上において必要な行動をとることができるものでございます。

 海上警備行動の保護対象となる海上における人命若しくは財産は、基本的には日本国民の生命又は財産と解されておりまして、二〇〇九年に海賊対処を目的として海上警備行動命令を下令したことがございましたけれども、その際の解釈としては、保護対象となる船舶は、日本籍船、それから日本人が乗船する外国籍船、それから我が国の船舶運航事業者が運航する外国籍船又は我が国の積み荷を輸送する外国籍船であって、我が国国民の安定的な経済活動にとって重要な船舶という解釈をした、これが過去の実例ということでございます。

 今後とも、そうしたことも踏まえながら、具体的に検討してまいりたいと思います。

玄葉委員 おっしゃるとおりだと思います。

 結局、海警では、海警行動で近くにいる外国船舶は守れないということです。だから、その限界もはっきりさせた上で、私は、本来は目的をはっきりさせた上で新しく法律をつくる、恒久法か特別法かは別として、つくる方が本来かなというふうに実は思っているんです。防衛副大臣、いかがですか。

山本副大臣 玄葉委員のお考えとして拝聴をさせていただきました。

玄葉委員 外務大臣、いかがですか。

茂木国務大臣 委員の御指摘、一つの考え方であると思っております。

 いずれにしても、今の中東情勢は非常に緊張の度合いを高めておりまして、そういった中で、日本に関連する船舶の安全な航行、これは必要なことでありまして、まずは外交努力を行うということは重要だと思っております。

 さらには、船舶の運航会社であったりとか、さまざまな形で航行の安全のための政府との連携もとっていかなければならない、同時に、今後、そういった航行の安全が図れるかどうかといったことについて、まずはきちんと情報収集態勢をとっていく、そのことを基本にしながら今後のことについても検討してまいりたいと考えております。

玄葉委員 なかなか政府としても難しい判断だというのはよく理解をいたします。ただ、本来なら、新法、特別法というか、そちらに踏み込むような話なのかなというのが私の現時点での考え方だということは申し上げておきたいと思います。

 その上で、日米貿易交渉でありますけれども、本会議で私も質問させていただきまして、問題意識は申し上げたつもりであります。いろいろな角度からこの問題は議論できるのでありますけれども、一番自分が、本会議でも申し上げたんですけれども、残念だったなと思うのは、WTOとの整合性の問題なんですね。

 つまりは、WTO違反かどうかというのは少し検証が必要だと思うんですけれども、WTO違反かどうかはおいておいたとしても、少なくともそういう疑問の目が向けられているということ自体が、これはGDP一位の米国とGDP三位の日本による日米貿易交渉ですから、そのこと自体が世界全体の自由貿易に与える影響を自分は危惧しているわけであります。

 ですから、このことを今後のためにも、私はある意味このことを整理することは政府の、特に日本政府の第二段階の交渉の後押しにもなると思っていますので、きちっと整理をさせてもらいたいなと思っています。

 防衛副大臣、いいですよ、もう。

松本委員長 防衛副大臣、どうぞ。

 防衛省は。

玄葉委員 防衛省は結構です。

 それで、まず、これは外務大臣、当然といえば当然なんですけれども、この日米貿易交渉は、WTO上のいわゆる最恵国待遇、つまり、全ての加盟国に同じルールを適用するという最恵国待遇の例外として扱われる貿易協定という位置づけですか。このぐらいは外務大臣に聞きましょうか。

茂木国務大臣 それで結構です。

玄葉委員 それで、これはちなみに、山上さんが今手を挙げられましたけれども、平成三十年、去年の十一月十四日の段階で、当然、日米貿易交渉はWTO上の例外、要は、いわゆる最恵国待遇の例外ということで交渉しているんですよねというふうに申し上げたところ、政府参考人からは、できるものがガット二十四条八項に言う自由貿易地域に当たるかどうかということは、予断することはできない、日米間で合意する内容、これを最恵国待遇を適用する、他の国にも均てんするということであれば、この問題にはならないと。私は大変びっくりしたのでありますけれども、そんな部分的なことをやっているんじゃないだろう、当然ながら、最恵国待遇の例外として認められる協定を結んでいくんだろうということだと思っていたわけでありますけれども、山上さん、これはいいですね、こういうことで。

山上政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員御指摘の答弁は、当時、日米間で交渉中であったものですから、まだ結論がはっきりしない段階でいろいろなシナリオがあり得るということを申し上げた次第でございます。

 今回まとまりました日米貿易協定につきましては、先ほど茂木大臣から御答弁がございましたように、ガット二十四条八項に言う自由貿易地域ということで、最恵国待遇の例外ということで、WTO協定、ガットとの整合性が確保されているということでございます。

玄葉委員 これは政府委員で結構でありますけれども、ガット二十四条、私も今、手元にございますが、この自由貿易地域、FTA、つまり最恵国待遇の例外であるために求めているものは何だということなんでしょう。

山上政府参考人 お答えいたします。

 ガット二十四条八項(b)項がございます。委員御指摘の自由貿易地域とは、「関税その他の制限的通商規則がその構成地域の原産の産品の構成地域間における実質上のすべての貿易について廃止されている二以上の関税地域の集団をいう。」こういう規定がございます。

 そこで問題となるのは、実質上の全ての貿易ということは何ぞやということでございます。この点については、確立された具体的な基準というものはございません。ただ、我が国といたしましては、貿易額のおおむね九割の関税撤廃を一つの目安として対応してきたということでございます。

玄葉委員 おっしゃるように、ガット二十四条が求めているのは、実質上全て、サブスタンシャリーオールの貿易について関税を撤廃する、域外貿易はより制限的にならない、五項の(b)も含めてだと思いますけれども、そういうことを求めているわけであります。それで、おっしゃるように、実質上全てのの基準は明確でないけれども、大体九割を求めてきたというのが日本政府の立場だというふうに思います。

 それで、これも技術的なことなのでありますけれども、これは率直に、あれですよね、タリフラインではかるのか、貿易額ではかるのかもきっと明確じゃないのかもしれませんけれども、多分澁谷さんはわかると思うんですが、貿易額ではかった場合とタリフラインではかった場合、車関税を除いた部分で計算すると、それぞれどのくらいの自由化率になるでしょうか。

澁谷政府参考人 岡本先生の御質問にもお答えしたところでございますが、自動車及び自動車部品、関税撤廃を前提としておりますので、それを除いた場合の試算というのは合意内容に反する、また今後の交渉にも悪影響を与えるおそれがあるということから、試算をすることは差し控えたいと思いますが、自動車・自動車部品を含めた貿易額ベースでの関税撤廃率は、アメリカ側が九二%、日本側が八四%ということでございます。

玄葉委員 それはちょっと余りにも不誠実で、これは議論にならないですね。岡本委員からもお話がありましたけれども、影響試算もそうだし、こういった自由化率を出す、こんな極めて単純なものまで答えられないというのでは、本当に質問できない。

 ちょっと、よく政府で協議してください。(発言する者あり)

松本委員長 政府に対する質問ですか。(玄葉委員「いやいや、政府に協議してほしい」と呼ぶ)

澁谷政府参考人 先ほどお答えしたとおりでございます。(発言する者あり)

松本委員長 委員、政府に対する御質問ということでよろしいんでしょうか。(玄葉委員「そうです。答えてほしい」と呼ぶ)

茂木国務大臣 玄葉委員が、あらゆる経済協定を日本が今後結んでいく上でWTOとの関係について非常に重要である、この御指摘については全く一緒であります。

 自由貿易の旗手として、これまで、TPP11、日・EU・EPA、そして日米貿易協定と進めてまいりましたが、それはきちんとしたルールを国際的に共有していく、こういったことが自由貿易体制を守る意味からも重要だ、こういう観点から行ってまいりました。

 そして、今回日米貿易協定を進めるに当たりましても、当然、例えば農産物について日本の立場等々を守りつつ、WTO協定に整合的なものをつくろうといった形で工業品等々の交渉も行いまして、その結果として、自動車・自動車部品につきましては、先ほど来るる説明しておりますが、協定本文の五条の1で、まず市場アクセスの改善を行う、そしてそのやり方については附属書において規定をする、そして、米国の附属書におきましては関税撤廃について更に交渉する、こういった形で関税撤廃を前提とした今後の交渉が行われる。

 当然、この期間については、ある程度の期間ということが、TPP12を考えても、自動車の場合二十五年、トラックの場合三十年、長いステージングでありましたから、これをいかに縮めるか、こういう交渉は今後しっかりしていかなきゃなりませんが、この関税を撤廃するといった意味においては、きちんとWTOとの整合性、こういったものも考えて交渉は進めさせていただきました。

玄葉委員 これは日本側からしても大変な切り札だと思うんですよね、整合性をとれとアメリカに対して突きつけること自体は。

 ただ、残念ながら、そういう意味で、時期を明示、車関税についてできなかったということも言えるわけでありますけれども、このタリフラインと貿易額ではかった車関税を除いた自由化率については、やはり出すことが最終的に採決に応じていく、私は前提、当然だと思うんですけれどもね、このくらいは。

 これ、理事会できちっと協議していただけますか、委員長。

松本委員長 御提起をいただいて、しっかりと協議をさせていただき、理事会で協議をさせていただきます。

玄葉委員 これは外務大臣ももう非常にタフな交渉をずっとこの間されてきて、別に恥じるものがないなら、それはそれで別に出したらいいんですよ、客観的な数字なので。自分は必ず時期を次とりますと言えばいいんでね。それはそれできちっと、さっき岡本さんも言われていたけれども、出すのは出して、影響試算もそうなんですけれども、わかりやすく議論していかないと、むしろ誤解を与えると思いますよ、大臣。

茂木国務大臣 出せるさまざまな資料であったりとか分析結果、お出しをしたい、そのように思っておりますが、あくまで出すことが適切なものというのは、合意した内容に沿った分析であったりとか試算である必要がある。合意した内容と異なる仮定を置いて、仮に合意したことと違っていたらどんな数字になりますか、こういった数字を出すことは、かえって私は誤解を招くことになるのではないかなと思っております。

 先ほどの農業の問題につきましても、これまでの議論を振り返ってもらいますと、農業については、過去の経済連携協定の範囲内、TPPを超えないという形で交渉を進めてまいりました。

 それで、TPP11とそして今回の日米貿易協定、これを加えてTPP12を超えないのか、こういった議論は相当あったわけでありまして、それに沿って、農水省としては、この今回の交渉結果とそしてまたTPP11を合わせたものはTPP12の影響は超えていないという分析結果、これも出されておりまして、あらゆることについて、では、日本の経済連携といいますかFTA、日本とシンガポールから始まりましてさまざまなものがありまして、全部のケースについて想定をして試算を出せ、これはなかなか難しいのではないかなと。

 ただ、理事会におきまして合意されたことについては、できる限りしっかり対応したいと思っております。

玄葉委員 そういうことは聞いていないので、とにかく極めてシンプルなんです。車関税については、明確な確約はないわけですから、約束はないわけですから、時期も明示されていないんですから、そういう前提なんです。関税撤廃というのは日本政府の思いであって、あるいは日本政府の解釈であって、確実に時期は明示されていないわけですから、それを前提とした数字も出すことは、私は全ての議論の、あるいは採決の前提になるというふうに思います。

 そのことを改めて申し上げて、きちっと理事会で議論して、出してもらいたいというふうに思います。

 あわせて、これも技術的なので政府委員で結構なんですが、ガット二十四条柱書きには中間協定という規定があるんですね。中間協定、インテリムアグリーメントという規定があるのですけれども、この中間協定だったら、私が今申し上げたような自由化率九割とか、そういった必要はないということになっているわけでありますけれども、この日米貿易交渉というのは、このガット二十四条の柱書きに言う中間協定という位置づけを日本政府としてはしているのかどうか、お尋ねをしたいと思います。

山上政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のガット二十四条五項の中間協定でございます。これは、自由貿易地域を設定する際の過渡的な形態を指すものと解されております。

 他方で、その定義は明確に定まっておりませんで、WTO加盟国の間でも、確立した解釈が必ずしも存在しているわけではございません。

 そこで、日米はどうかと申しますと、この協定のもとでの関税撤廃率は、日米で、それぞれ貿易額ベースで約八四%それから九二%ということでございますので、本協定はWTO協定と整合的であると考えております。

玄葉委員 要は中間協定かどうか、そういう位置づけなのかどうか、聞いています。

山上政府参考人 今お答え申し上げましたとおり、現在の形においてWTO協定と整合的であるということでございまして、中間協定という概念を引用することなく整合性は確保されていると考えております。

玄葉委員 そういう整理だということですね。

 ただ、茂木大臣、私、やはり改めて思うんですけれども、これは冒頭申し上げたように、違反かどうかというのは、確かに明確に言えるかどうかというのはあるんです。明確に違反だと言う有識者とか学者も中にはいらっしゃいます。現実には、恐らく、加盟国が提訴するとかそういうことはほとんど可能性としては低いと思うんですけれども、ただ、WTOで自由化をある意味主導してきた日本が、少なくとも、こういう国会の中でも一つの大事な論点になるような形でWTO整合性について疑問の目が向けられているということ自体が私は大変残念だし、そうならないように米国を押し切って、本来、協定を結ぶべきだったというのが私の考えなんですけれども、大臣はいかがお考えですか。

茂木国務大臣 玄葉委員がおっしゃるWTOとの整合性であったりとか、きちんとした国際的な貿易のルールをつくっていく重要性、これをまさに日本が訴えかける必要があるのではないかな、全く賛同するところであります。

 その上で、今回の日米貿易協定、見てみたときに、海外からどう映っているか。

 今、例えば、アメリカがこれまで結んできた新しいNAFTA、USMCA、これには厳しい原産地規則がかかったり数量規制がかかるということでありまして、市場歪曲的な措置もある。これは新KORUSについても同じようなことが言われております。一方、アメリカ、中国との間で、今、残念ながらまだ通商交渉がまとまらない。EUとの間もまとまっていない。

 そういった中において、日米間で、世界のGDPの第一位と第三位の日米間でこういった貿易協定について合意がなされた、このことについては、私は、各国から大きく評価をされている。私もさまざまな国の関係大臣等ともお会いしておりますけれども、問題指摘というよりも、日本としてアメリカとの間でこれだけの貿易協定をよくまとめた、こういう評価をいただいているところであります。

 もちろん、委員の御指摘、こういったものも踏まえながら、今後のさまざまな交渉には臨んでまいりたいと考えております。

玄葉委員 疑問の目がWTO整合性について向けられているということ自体は遺憾だというぐらいは言ってください。

茂木国務大臣 WTO整合性との関係で疑問の目が向けられないように努力をしてまいりたいと考えております。

玄葉委員 時間がないんですけれども、今後の交渉、これは私は、当然ながら車関税の撤廃時期を明示させるということが最優先の交渉になるというふうに思いますけれども、そういうお考えでよろしいですか。

茂木国務大臣 関税の部分についてはそうなってまいります。

 ただ、御案内のとおり、九月二十五日の日米共同声明のパラグラフ三、それにはさまざまな分野が明記をされておりまして、どの分野を交渉するかということは、まず最初の協議、この協定が発効した後の協議の中で決められていくということでありまして、いずれにしても、次の段階の交渉が日米双方にとってウイン・ウインになるように日米協議の中で決めていきたいと思っておりますが、関税についてはおっしゃるとおりです。

玄葉委員 これは、私、農産物関税をアメリカ・トランプ大統領の関心に従って今回引き下げたということで、何をレバレッジにして車関税の時期を明示していくのかということを実は大変心配していますけれども、いかがですか。

茂木国務大臣 御心配ありがとうございます。

 交渉、さまざまな進め方がありますが、基本的には、いかに自分の側の情報というのを多く出さずに相手側の情報をたくさん獲得するか、これが交渉における優位に立つ、この秘訣であると考えておりまして、今後の交渉にかかわる問題でありますから、これ以上のコメントは控えさせていただきたいと思います。

玄葉委員 もう最後に、共同声明文書に「米国の自動車産業の製造及び雇用の増加」とありますけれども、これは追加関税のカードをアメリカは完全に手放したわけではないというふうに私自身は解釈しているんですけれども、そういったことを盾に、少なくとも直接投資を強く求めてくるんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。

茂木国務大臣 今引用されましたのは、ことしの共同声明ではなくて、昨年の共同声明に入っている部分でありまして、「インクリース プロダクション アンド ジョブズ」、そこの部分をおっしゃったんだ、そのように思っておりますけれども、これはアメリカの意向としてはこういう考えを持っている。

 さまざまな形で、貿易等が促進することによりまして、アメリカの自動車産業にかかわる生産であったりとか雇用がふえる、こういったことは起こってくるんだろうと思っております。

玄葉委員 終わりますけれども、私は、今回の日米貿易交渉はやはりトランプさんの方に取り分が多いなというふうに思いますし、何より、冒頭申し上げたように、WTOとの整合性で疑義を生じているということが大変残念だということを改めて申し上げ、最後に、これはぜひデータを出しましょう、簡単な、改めて、誰もがわかる。全部出せと言っているわけじゃないので、普通に、多くの人がこれは出してよというものは、客観的な議論のためにぜひ出してほしい、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、川内博史君。

川内委員 川内でございます。

 尊敬する委員長、並びに、尊敬する岩屋先生や下条先生以下、理事の先生方にお許しをいただいて、この外務委員会で発言する機会をいただきましたことに心から感謝を申し上げたいというふうに思います。

 まず、茂木大臣、よろしくお願いを申し上げます。今、玄葉先生の御議論の中で、引き続いてちょっと教えていただきたいことがございます。

 自動車及び自動車部品に関して、関税撤廃が国際約束として約束されているわけではないということに関して、玄葉先生の御発言に茂木大臣がううんとうなずいていらっしゃったんですけれども、改めて確認をさせていただきますが、国際約束として関税撤廃が約束をされているのかいないのかということに御教示をいただければというふうに思います。

茂木国務大臣 国際約束ということになりますと、国際のさまざまな国の間で合意をしていることが国際約束ということになると思うんですが、これは、御案内のとおり、日本とアメリカの二国間の協定でありますから、二国間の間の約束である、このように私は理解いたしております。

川内委員 アメリカとの間では関税撤廃が約束されているということでいいんでしょうか。

茂木国務大臣 何回もになるかもしれませんが、改めて、この自動車・自動車部品の関税について、協定全体の構成、これから説明をさせていただくのが一番わかりやすいんじゃないかなと思うんですが、この協定においては、まず、協定の本文の第五条の1におきまして、「各締約国は、」各締約国といいましても、日本とアメリカ、二国でありますけれども、「附属書1又は附属書2の規定に従って、市場アクセスを改善する。」市場アクセスを改善すると両締約国の義務を規定した上で、それぞれの締約国の附属書において市場アクセスの具体的な改善の仕方を記載しているわけであります。

 そして、では自動車はどうなっているかということは当然アメリカの方の附属書に書いてあるわけでありますが、米国の附属書には、自動車・自動車部品について、関税の撤廃に関して更に交渉する、そのように書かれておりまして、これが米国が第五条1の規定に基づいて市場アクセスの改善を行う具体的なやり方となるわけであります。

 このように、自動車・自動車部品につきましては、関税撤廃がなされる、このことを前提にして、市場アクセスの改善策としてのその具体的な撤廃時期等について今後交渉が行われることになる、これが協定全体での位置づけということになります。

川内委員 いろいろ御説明をいただいて、わからなくなったんですけれども。

 わかりやすく御説明を頂戴できればありがたかったんですが、関税撤廃が現時点で約束されているのか否かということについて、いろいろ御説明をいただかなければ説明できないということは、国民に対してわかりやすく説明をすることが政府の責任であるとするならば、わかりやすく説明できないというのは、どうも何か、関税撤廃が約束されていないのではないか。

 関税撤廃が約束されているとしても、その時期について約束をしていないために、時期というのは、一年後、二年後も時期ですし、百年後、二百年後も時期でございますので、結局約束していないのと同義であるという考え方もできるでしょうし、日本政府として関税撤廃が近々実現をするんだよという願望を述べていらっしゃるということであれば、それは日本政府の考え方として、私たちも、では頑張ってねということになるわけでございますけれども。

 日米間の二国間で今現時点においてどういうことなのかということについては、もっとわかりやすい説明を端的にされる必要があるというふうに思いますし、現時点においてそれが約束をされていないとすれば、試算についても、自動車・自動車部品を除いて試算を、国民の皆さんに、今現時点においてはこうだから、でも頑張るからねということをおっしゃるべきではないかというふうに申し上げておきたいと思います。

 私は、きょうはトウモロコシのことをやりたいものですから、トウモロコシのことについて聞かせていただきたいと思うんです。

 八月二十五日に、安倍総理大臣とトランプさんが異例の共同記者発表をされて、トウモロコシのことについて言及がなされた。そこに、農水省の審議官もこの日米首脳会談に随行されていて、首脳会談に入ったわけではないと思いますが、そのことをお聞きになられていらっしゃるということでございます。

 まず、茂木大臣からは日米交渉についての記者ブリーフが行われ、トウモロコシについては西村官房副長官から説明をさせるからねということで、官房副長官が記者ブリーフをしていらっしゃって、西村副長官としては、トウモロコシの備蓄を積み増すという中で、三カ月分前倒しをして購入するというものというふうに御発言になられ、さらに、記者さんから、トウモロコシの購入規模はと聞かれて、三カ月分ということなので、年間一千万トンなので、大体の規模感で、その四分の一程度というふうに御発言を記者さんたちにされている。

 こういう発言をまずしたのかしていないのかということについて、外務省に残っている西村副長官の会見記録を確認をさせていただきたいというふうに思います。

茂木国務大臣 事実関係から申し上げますと、日米首脳会談が終わった後に、私が先に会見を行っております。これは日米貿易交渉に関してでありますが、そこでトウモロコシの購入のことについて聞かれましたので、先に私の方からトウモロコシの購入についてお答えをしておりまして、どうお答えしたかということでありますが、安倍総理からトランプ大統領に対して、我が国では、ことしに入り、トウモロコシ等に寄生する害虫の被害対策の一環として、海外トウモロコシの前倒し購入を含む代替飼料の確保対策を実施することにしている、これは民間企業が購入するものであるが、飼料用トウモロコシの多くが米国から買われていることから、この対策の実施によって米国のトウモロコシが前倒しで購入されることが期待される、このような説明をさせていただいております。

 いずれにしても、私も、日米首脳会談、さらには記者会見の前の打合せも含めて同席をしているところでありますが、このトウモロコシの購入に関しまして、米国と約束又は合意ということを行った事実はございません。

川内委員 外務大臣、その御説明は私も何回も承らせていただいているところでございますが、私が今確認をしているのは、西村副長官の当時の、茂木大臣がトウモロコシのことについては西村さんから説明をさせるからねというふうにおっしゃられた後、西村副長官が記者さんたちに何と御説明をされたのかということのまず事実確認でございまして、そういう発言をしたのかしていないのかということを確認させていただいております。

 西村副長官が、トウモロコシ担当として、三カ月分前倒しをして購入するというもの、購入規模はと聞かれて、三カ月分ということなので、大体の規模感で、その四分の一程度というふうに記者さんたちにお答えになられたかということについて、これは外務省に副長官の会見録あるいはぶら下がりメモというものが残されているので、それを御確認くださいと、発言しましたか、していませんかということを聞いております。

茂木国務大臣 まず、その日の事実確認からさせていただきますと、会見は私が先にやっております。それで、私の会見で、トウモロコシについては先ほど言ったような答弁をしております。

 ただ、日米貿易交渉以外のことについては、この後、西村長官の方から会見があると思います、ということは、トウモロコシのことも含まれる可能性があるという趣旨でありまして、副長官によります事後のブリーフィングの記録については、通常、政府として対外的に記録を公表しているものではないことから、どのような対応ができるか検討したいと思いますが、私もニュースを見て、先生おっしゃっているような趣旨のことが出ていたな、それは記憶しております。

川内委員 いや、大臣、政府の官房副長官という高官が記者さんたちに向かって何と発言したのですかということを聞いて、外務大臣にそのような答弁書を差し出す外務省って一体何なんだろうというふうに私は思います。

 ちょっと済みません、ここで、私、委員長、理事に御協議いただいて、政府参考人として、今紙を差し出している外務省の人をここで今登録してもらえますか。会見録を確認するだけで済むわけですよ。私、その西村副長官の会見録を下さいと今言っていませんよね。公表していないけれども、それは読めばわかることですから、それを読んで、そう言いましたと言うのか言っていませんと言うのか、答えは二つに一つなんですよ。そこからじゃないと議論がスタートしないので。

 その真意は、茂木大臣が冒頭おっしゃられた、買うと思うよということを言ったんだということになるわけですが、とりあえず、トウモロコシ担当の西村副長官は買うと言ったかどうかをまず確認させてくださいということなんです。僕が言っていることはおかしいですかね。そこをまず確認するところからスタートさせてくださいということを申し上げているんですけれども。

茂木国務大臣 ちょっと、議事録といいますか、会見録が手元にありませんので、その正確な内容についてはわかりませんが、会談で総理とトランプ大統領の間で交わされた会話については、冒頭私が説明したとおりです。私は同席していますから。そこにいましたから。西村さんよりそばにいましたから、私の方が。よく聞いていますので。

 その上で、西村さんは、その会見の中で、私が言ったことに加えて、質問が出たので、どれぐらいですかということで、大体自分なりに数字はつかんでいて、三カ月分ぐらいかな、そして買う量が一千万トンだから、三カ月分ということは、一年間が十二カ月だから四分の一ぐらいが前倒しになるのかな、こういうお答えをされていた、そのように記憶をいたしている、事実関係としてそういうことだと私は記憶しております。

川内委員 私、きのう、質問のレクというか質問を御通告を申し上げさせていただくときに、あす、西村副長官が何と御発言をされたかをまず確認しますということを申し上げたんですね。

 だから、私、大変心から尊敬をする茂木大臣にこのようなことを申し上げるのは大変申しわけないんですけれども、まず、西村副長官が、発表については茂木大臣から既に説明があったが、念のために一点、トウモロコシの購入について説明します、これは民間企業が購入する飼料用のトウモロコシについて、国内で新たに害虫が見つかったので、今後、供給的に不安が懸念されることもあるので、来月からトウモロコシの備蓄を積み増すという中で三カ月分前倒して購入するというものと御説明になられ、トウモロコシの購入規模はというふうに記者さんに聞かれて、三カ月分ということなので、年間一千万トンなので、大体の規模感でその四分の一程度というふうに御発言になられていらっしゃいます。

 今、茂木大臣は、大体そんな説明をしたと思うよというふうに御答弁いただいたわけでございますが、その真意は冒頭茂木大臣が御説明をいただいたことでございますが、私が確認しているのは、こう発言をしていらっしゃいますねということを確認しているので、今、事務方はその会見録を持っていらっしゃるというふうに思いますので、その会見録を御確認いただいて、そう発言しているということをまず確定をさせていただけますでしょうか。お願いいたします。

茂木国務大臣 西村大臣、たしか私の後に会見をしておりまして、私、聞いておりましたけれども、そこでは、どれぐらいになるかということについて、三カ月分だから、年間一千万トンの規模だとするとその四分の一ぐらいか、このように発言していたと記憶をしておりまして、そんなに私の記憶は違っていることは少ないと思います。

川内委員 外務大臣はめちゃめちゃ頭のいい方だなといつも私は思っています。記憶力もすごいというふうに思います。だから、記憶をしているというふうに外務大臣が御答弁になられることと、ただ、記憶をしていると御答弁になられることと、そう発言をしたと確認しているというふうに御答弁になられることとでは政府の答弁として全然違うので、それを私はきのう、そこを確認しますから答えてくださいねというふうに申し上げてあるので、そこが一問目なんですよ、委員長。一問目をお答えいただくのにもう二十分ぐらいかけているんですけれども、これは事実確認なんですよ。

 私は、大臣が何とか川内の思いに応えたいと思っていただいているのはわかるんですけれども、ちょっとこれ以上大臣を困らせるわけにもいかないですから、ちゃんと会見録を見て、そう発言したのかどうかということを確定させてください、この委員会として。

茂木国務大臣 川内先生の質問の順番とか時間もあるでしょうから、それが事実であるということで質問を進めていただいて、もし事実でなければ、私がこの場で改めて、そのことが事実でなかったとしたら、訂正をさせていただきます。

川内委員 いや、すごい何か、ちょっと煙に巻かれたような、事実でなかったとしたら訂正する。じゃ、事実だと。事実、何ですかね、事実とお認めいただいたということでいいんですかね。

 委員長、ちょっと、どうなんですか、これは事実だと。

松本委員長 私は答弁を解釈する立場にありませんので、大臣がおっしゃったことは大臣がおっしゃった言葉そのままです。

川内委員 難しいですよね。

 茂木大臣、事実だと、では、川内の言うとおりだということでよろしいですね。

茂木国務大臣 そういう前提で進めていただいて結構です。

川内委員 では、そういう前提で質問を進めますが、私の質疑の最終局までに、外務省から、事務方から会見録を確認していただいて、最後に大臣にまた確認をしていただきたいというふうに思います。西村副長官の会見録はあるわけですから、それを確認するだけですからね。

 では、西村副長官が買うと言ったと。それを外務省は農水省にどのようにお伝えになられたかということを教えてください。

茂木国務大臣 質問の趣旨がわかっていない部分はあるのかもしれませんけれども、まず、総理が首脳会談等々で発言をされる、当然、外務省を含め関係省庁でさまざまな参考資料は用意いたします。ただ、最終的には、まさにその場の雰囲気の中で、総理が自分の責任でさまざまなことについては発言をする、こういうものだと思っております。

 一方、発言した内容につきましては、当然、各省間で共有をされる、関係省庁間で共有をされる、そういう性格のものだと思っております。

川内委員 そうすると、農水省としては、このトウモロコシの発言が出るかどうかということについて大変注目をしていたということですよね。農水省。

水野政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の点につきましては、海外のトウモロコシの前倒し購入を含む代替飼料の確保対策について、これは農水省は実施することとしておりまして、この件で、飼料用トウモロコシの輸入先の九五%がアメリカであるということから、日米間の議論で取り上げられる可能性があることは十分認識しておりました。

 他方で、日米首脳会談につきましては、議題設定を含めて外務省が担当しており、何が議論されるかについて農林水産省の認識をお答えすることは差し控えさせていただきたいと考えております。

川内委員 いや、だから、農林水産省としてトウモロコシの話が出るのかどうかということを注目していたことは、農林水産省としては、それはそうでしょう、認識として。

水野政府参考人 一般論と申し上げまして、日米間の議論でこの問題が取り上げられることについては認識しておりましたけれども、首脳会談についてのこの取上げについては、我々としてお答えは差し控えさせていただくということでございます。

川内委員 トウモロコシの、日米首脳会談でこの発言が出て、同行していた農水審議官らから農水本省に、発言が出たのでよろしくねという連絡は来たということでよろしいですか。

水野政府参考人 当地で行われましたG7サミットにおきましては農水省から出張者が出かけておりまして、その者からの報告によりまして、茂木大臣の記者会見や西村副長官によるブリーフィングの内容について連絡は受けております。そのほか、外務省からも連絡を受けているところでございます。

川内委員 それで、トウモロコシの話が出ているわけですから、対応してねということの連絡があったかということを聞いているんですけれども。

茂木国務大臣 多分、川内先生のおっしゃっていらっしゃるのと順番が逆なんだと思っておりまして、首脳会談においては、各省庁がさまざまな資料を用意する。恐らく、総理が、トウモロコシ等について害虫被害が出ているということは、総理御自身で調べて何かというよりも、当然、これは農水省の方からインプットがあって、そうすると前倒しの購入が必要になってくる、対策をとることになっている、こういう情報をもとに総理としては発言をしているということでありますから、その発言をして、それによって農水省が急遽対策をとるというよりも、農水省の対策があって発言があって、それが、発言があったことが農水省の方にも共有された、こういう順番だと理解しております。

川内委員 対策があって発言があってということなわけですけれども、では、この米国産の濃厚飼料たるトウモロコシを害虫被害に遭っている青刈りトウモロコシの代替飼料として使うことの支援策というこの事業、この事業の名前は飼料穀物備蓄緊急対策事業というそうですけれども、農水省の中で飼料穀物備蓄緊急対策事業が起案されたのはいつか、決裁されたのはいつかということを決裁文書でお答えいただきたいと思います。

渡邊(毅)政府参考人 お答えをいたします。

 本件の事業につきましては、大臣からも御説明がありましたけれども、非常に強い食害性と伝播力を持つ害虫であるツマジロクサヨトウというのが、日本で初めて本年七月三日に発生が確認をされたということでございます。

 この害虫被害によりまして、飼料用トウモロコシに被害が広がることが懸念をされましたので、農水省の方で事業を検討し、本年の八月八日に事業実施を決定し、公表したんですけれども、決裁は、八月二十八日に決裁を……(川内委員「起案は。起案もと言ったじゃないですか」と呼ぶ)起案は八月の二十六日だったと思います。

 以上でございます。

川内委員 八月二十五日に総理の発言があり、農水省の中で起案されたのは八月二十六、決裁が八月二十八日ということで、総理の発言が出てから正式に書類を回したというのがこのトウモロコシの事業ですね。

 今まで農水省の中で、粗飼料の不足を濃厚飼料で賄うという事業を行った事例が本件以外にありますか。

渡邊(毅)政府参考人 お答えをいたします。

 飼料用トウモロコシの前倒し購入についての支援というのは、これが初めてでございます。

川内委員 いや、飼料用のトウモロコシの前倒し購入は初めてだという、それはわかっているんですよ。

 粗飼料不足を濃厚飼料で補う支援事業を今までやったことがありますかということを聞いているんです。粗飼料不足を濃厚飼料で補う事業をやったことがあるんですかということを聞いているんです。

渡邊(毅)政府参考人 お答えをいたします。

 今まではございません。

川内委員 このツマジロクサヨトウの害虫被害、今、発生はどのくらいですか。被害額はどのくらいですか。

渡邊(毅)政府参考人 お答えをいたします。

 先ほど御答弁申し上げましたように、今回の害虫であるツマジロクサヨトウは、本年七月に初めて我が国で発生が確認をされまして、十一月五日現在で、九州・沖縄から東北までの二十府県、百十市町村に発生地域が拡大しているということでございます。

 今、その防除ですとか蔓延防止対策に全力を挙げている段階でございますので、その総被害額、量については、見通すことは困難という状況でございます。

川内委員 何か、いかにもすごい被害が広がっているかのごとくに御答弁されたわけですが、業界団体、あるいは農家、酪農家、畜産家、そういう方たちから、これは大変だ、何とかしてくださいよ、粗飼料不足を濃厚飼料で代替するから支援事業をつくってくださいよという要望書が出ていますか。

渡邊(毅)政府参考人 お答えをいたします。

 私の知る限りでは、紙の形では出てございませんが、本件を八月八日に決定をしてから、現場で御説明をさせていただいたときに、粗飼料が足らなくなるんじゃないかということで、対策はできないのかというお声が現場であったというふうに聞いております。

川内委員 粗飼料の不足はあくまでも粗飼料で対応すべきものであって、濃厚飼料では代替できないんですよ。

 ツマジロの発生が確認された自治体から、予算の時期でもありますけれども、ツマジロ対策で、粗飼料不足を濃厚飼料で賄うための事業をやってくれという要望書が出ていますか。

渡邊(毅)政府参考人 お答えをいたします。

 そのようなものは出ていないんじゃないかと思いますが、粗飼料については定義の問題だと思いますけれども、一般的に粗飼料は乾燥牧草でございますけれども、今回問題になっておりますのは青刈りトウモロコシということで、草の部分にトウモロコシの実の部分が未熟のままくっついているやつを、サイレージ、要は漬物のような格好にして牛に給与するというものですから、整理上は粗飼料なんですけれども、栄養価としては、草の部分の栄養価と実の部分の栄養価がございまして、普通の牧草よりは栄養価が高い品物でございます。

 それが手に入らなくなったので、牧草だけでは栄養を賄えないので、その不足分については濃厚飼料で手当てをしていただこうという趣旨で、この事業を検討したということでございます。

川内委員 今、畜産部長は、うかつに大変な答弁をされたんですけれども、粗飼料が手に入らなくなったのでという、粗飼料不足を事実としておっしゃられたが、粗飼料不足が全国で起きているという事実がありますか。

渡邊(毅)政府参考人 お答えをいたします。

 済みません、答弁を訂正させていただければと思いますけれども、現在、被害額については、青刈りトウモロコシについては、一期作、二期作ございまして、まだ収穫が終わっていないところもございまして、正確な収穫量が把握できないものですから被害量がわからないということですが、この事業を検討した段階においては、まだ夏の段階でございましたので、被害量が全くわからないという状況ですから、その時点で被害量がわかっていたということではございません。

 以上でございます。

川内委員 それで、申請は、この事業についての申請はありましたか、現段階において。

渡邊(毅)政府参考人 お答えをいたします。

 本事業は、配合飼料メーカーが濃厚飼料を前倒し購入をする際に支援をするというものでございますので、申請は配合飼料メーカーから上がってくるという仕組みになってございますが、これまで、本事業につきましては、農林水産省として関係団体に速やかに説明を行ってきたところでございますけれども、現時点では申請は上がってきていません。ただ、現在、事業の実施に向けて検討している事業者がいるとお聞きしている次第でございます。

川内委員 被害もわからないし、被害額もわからない。ほとんど被害はないと思いますけれども。

 畜産部長、酪農家は、ツマジロはいい、農薬で何とかなる、それよりイノシシだと言っているんですから。知っているでしょう。イノシシの被害がすごいんですから、今、全国的に。イノシシ対策をしなきゃだめなんですよ。ここは農水委員会じゃないので、こんなことを言っても。でも、茂木大臣も多分御存じだと思うんですよ、イノシシが全国で大変な被害を出しているということは。

 やはり、とんちんかんな、粗飼料の代替は濃厚飼料はできないんですから。大体、粗飼料の代替で濃厚飼料を与えたら、牛は体調を崩すんですよ。言えば、外務大臣、頭が痛いというときに、頭痛薬を飲まずに抗生物質を飲むようなものですからね、ちょっと例えが適当かどうかはわかりませんけれども。

 要するに、全く違う食べ物だということなんですよ、全く違う食べ物だということなんです。それを、牛というのはデリケートなので、食べなれていないものを食べると体調を壊します。そうすると、お乳の出が悪くなるとか体重が減っちゃうとかさまざまな影響が出てくるので、粗飼料の代替に濃厚飼料を与えるなんということは、だから今までやったことがないわけですよね。

 今回、万全の策を講じるという名目で、総理発言の後、八月二十六日に起案して、八月二十八日に決裁はされているわけですけれども、私は大変疑問だと思いますよ、こういう事業というのは。被害があるのかないのか、わからないけれども。

 最後にお聞きしたいと思いますが、外務省、西村副長官は買うと発言した、発言してしまっていたということは、事実として確定させていただいてよろしいでしょうか。

茂木国務大臣 ちょっと読ませていただきますね。

 日米の共同記者発表の形で行われたものについて補足説明をする、このことについては茂木内閣府特命担当大臣から既に説明があったと思うが、念のために一点、トウモロコシの購入について私の方から説明する、これは、民間企業が購入する飼料用トウモロコシについて、国内で新たな害虫が確認されたことから、今後、供給に不安が生じる事態も懸念されるため、来月からトウモロコシの備蓄を積み増すということで、三カ月分前倒しして購入を行うもの、御案内のとおり、トウモロコシの九五%はアメリカ産であるため、結果的にアメリカのトウモロコシの購入につながるということ、このように発言しております。

川内委員 事実確認ができましたが、西村長官は買うと言っているということだけ、私の発言の最後に確認ができたということで、外務大臣に御礼を申し上げて、終わらせていただきたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

松本委員長 次に、杉本和巳君。

杉本委員 維新の杉本和巳です。

 十五分と短いんですけれども、建設的な議論にさせていただきたいと思います。

 ちょっとわかりやすくというか、例えで言って、先日終わったばかりのラグビーワールドカップがありましたけれども、日本はワンチームということで、むしろアメリカとゲームというか試合をしているというような理解を私はするべきかなというふうに思っています。

 そんな中で、大臣は、今のキャプテンで、リーチ・マイケルのような立場で、大変御活躍というか、大変な交渉をしてこられて、タフネゴシエーターの、日本の中では屈指の人物であると、別にお世辞ではなくて、拝察するし、透察してはおりますけれども、一方で、政府の言い方が、ウイン・ウインだという言い方をされるんですけれども、見方によってはそういうこともあるかもしれませんけれども、ちょっと希望的観測というかウイッシュフルシンキングということで、今、ラグビーでいって、試合が終わっていなくて、ノーサイドにはまだ至っていなくて、まさしくハーフタイムになったのかなというふうに思います。

 それで、後藤さんなんかも指摘されていましたけれども、ファーザーネゴシエーションズという複数、ないし、複数は二じゃなくて三か四かわかりませんので、今後更にハーフタイムが何度かあるというような中で、キャプテンが今度はリーチ・マイケルから誰に、姫野さんになるのかわからないですが、西村さんにかわったということの中で、日本がワンチームとして向こうの、今回の場合はアメリカですけれども、交渉相手の、キックの攻撃なのかわかりませんし、試合前の口撃というのが、ディールという言葉でトランプ大統領がいろいろおっしゃったりするので、我々はそれに惑わされることなく、今回の質疑でもいい提起がなされていると思いますので、先ほど玄葉元大臣からは時期をとるべきではないかという御指摘があり、茂木外務大臣も、関税についてはおっしゃるとおりだという答弁もされておられるので、今後また交渉があるということで、今回は厳しい交渉の中で米を守ったとかいう部分もあり、評価できる部分もあると思いますけれども、やはり議論となっている自動車の部分が気にならないとは言い切れないということだと思っています。

 そんな中で、直近のニュースで、これは、ブルームバーグのインタビューでロス商務長官が発言されていることについて質問をさせていただきたいと思います。

 アメリカは、自動車に高関税の上乗せをする輸入制限措置、これを今月の中旬、日にちはよくわかりませんけれども、判断する方針ということで、特に米国、EUの間で航空機、農産物の関税をめぐって対立があって、そっちに対する発動の可能性も否定できないというかあり得るという状況の中で、ロス商務長官が十一月三日のブルームバーグのインタビューで、アメリカへの工場の投資計画をめぐって個別の交渉が進んでいるため発動の必要はないかもしれない、こう述べたということなので、このコメントがEUを念頭に言っているような感じもいたしますけれども、この発言を理解すると、今次、日米貿易協定及びデジタル貿易協定が承認され、履行されれば、協定の履行中は日本車への追加関税は発動しないとした首脳間の合意が交わされていますので、もちろん日本にも発動を見送るというような意味合いを込めて言ったのかなという理解をしたいと思っておりますけれども、この発言に対する理解というか、大臣の解釈を改めて確認をさせていただければと思います。

茂木国務大臣 今回の日米の貿易交渉、ハーフタイムというよりも、一試合が終わりました。

 ただ、この後また、当然、相手方のチームと試合をすることはあり得るだろう。どんな試合をするかということについては今後協議をするということでありますが、最終的に決めるのはトランプ大統領ということになると思いますが、安倍総理とトランプ大統領、九月に共同声明を発表しておりまして、その共同声明の中で、両国は、協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動はとらない旨を明記をしております。

 そして、これが日本の自動車・自動車部品に対して追加関税を課さないという趣旨であることは、首脳会談の場で安倍総理からトランプ大統領に明確に確認をしております。私も同席をしておりました。

 そして、日本として、この協定、承認をいただき、そして発効しましたら、誠実に履行していく。当然のことだと思っておりまして、誠実に履行していくからこの二三二の発動はない、このように考えております。

杉本委員 共同声明の第四項について今言及をいただいたという理解をしています。

 それで、今、交渉の発効についてお話があったんですけれども、元外務官僚で元国会議員の方がちょっと指摘していることを念のため、これは政府委員の澁谷さんに答弁いただくことになるかと思いますけれども、発効条件が、効力発生一月一日を目指しているということですが、条件として、来年の三月三十一日、アメリカ側はちょっと日本の選挙を意識したのかもしれないんですけれども、三月三十一日より後に発効したときでも日本の関税削減スタートは来年の三月三十一日発効とみなして進めるとなっているという文言があるのかもしれないですね。その延長で、結果的に、来年四月一日からは一年目の削減が終わった後の発効二年目の削減が適用となる。四月一日からは二年目の削減適用になってしまう。一方で、米国側はそのような規定はなくて、二年目の発効は一年後からというようになっている。このようになってしまうのではないかというような指摘がなされているんですけれども。

 また、この指摘は、不均衡なお約束になるのではないかということを指摘している方がいらっしゃって、私もこの点、懸念される。

 何ですか、魂は細部に宿ると言われますので、そういった部分の、むしろ事務方の皆さん方のとり漏れというかがあってはならないという点で、この点について、どういう御認識かを確認させていただきたいと思います。

澁谷政府参考人 お答えいたします。

 我が国が近年締結した協定、関税率表に定める関税の引下げ、我が国については毎年四月一日ということでなっておりまして、他の締約国、一月一日なりあるいは発効日ということが多いんですけれども、引下げ時期がまず異なっていること自体は、日米協定も他の協定と同じでございます。

 今回の日米貿易協定、日米ともに早期発効を目指すということで一致をしておりまして、なるべく早く発効させる。そういたしますと、例えば来年の一月一日に発効するとすると、初年度、一年目というのは、日本にとっては二〇一九年度ということになるわけでございます。

 ただ、交渉をする過程において、日本は四月からですので、二〇二〇年の四月以降の適用税率をベースにずっと議論してきまして、日本の関税率表においても具体的な数字が書いてあるところでございます。したがいまして、発効時期にかかわらず、合意された関税率が適用されるように規定をしたというところでございます。

 ちなみに、牛肉のセーフガード二十四万二千トン、これは初年度という言い方をしておりますが、本来ならば二〇一九年度なんですけれども、その初年度適用される数字二十四万二千トンも二〇二〇年の四月から、したがって、二〇二〇年四月を実際上のスタートというふうに整理したところでございます。

杉本委員 ちょっと、理解ができたようでできていないのかもしれないですが、フィスカルイヤー、年度と暦のイヤーが違うというか、アメリカ側と日本側は読み方が、これは日米だけに限らず、こういう形をとってきているという理解でよろしいかどうか、御答弁、もう一度お願いできますでしょうか。

澁谷政府参考人 御指摘いただいた点は、要は、年度の始まりをどう見るかということの違いに起因するものでございます。

杉本委員 ありがとうございます。わかりました。

 次に、川内委員から指摘があって、大臣が西村さんの発言についても方向感を示され、その上での発言を御答弁されているのですけれども、一応、念のため、トウモロコシの輸入についても確認をさせていただきたいと思いますが、フランスのビアリッツ、ビアリッツでいいんですか、G7の際に、日米首脳会談を経て、トウモロコシ輸入。

 かつて、半導体協議で、アメリカ産のシェア二〇%となることを期待するというような発言を当時の交渉をされた方が言われ、その後、日本側がどんなに数値目標はないというふうな主張をしても、この半導体協議においてはアメリカ側は数値目標化してきたという歴史があるというふうに聞いていますけれども、まず、この半導体協議にこういった歴史があったという認識をお持ちかどうか、確認させていただければと思います。

山上政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘の日米半導体協議でございますが、これは一九八〇年代から九〇年代にかけて行われまして、協定が二回締結されております。八六年に第一次協定、それから九一年に第二次協定でございます。いずれにつきましても、日本政府として、数値目標を設定したとか、あるいは結果にコミットしたというものではございません。

 ただし、八六年に締結されました第一次の半導体協定におきましては、当時の日本側駐米大使とアメリカ側通商代表とのサイドレターが交わされております。この書簡におきまして、日本政府が、日本市場における外国系半導体メーカーの販売シェアが今後五年間で少なくとも二〇%以上になる、こういったアメリカの半導体業界の期待を認識しているという記載があった次第でございます。

杉本委員 トウモロコシのケースと半導体協議のケースをちょっと重ねさせていただいたんですけれども、やはり、交渉事は相手があることであり、言った言わないじゃないんですけれども、理解も、こっちの理解と先方の理解というのは、あらゆる人間関係に存在するということであると思いますので。

 大臣が、合意していないよ、合意した事実はないというふうに先ほど答弁されていらっしゃるので、大臣から答弁はいただきませんけれども、こういったトウモロコシのお話についても、きちっと日本側の主張を言って、いや、アメリカは買ってくれると言ったじゃないか、いや、民間でと言ったんですよということを我々は言い続けるのかもしれないんですけれども、そういった部分で過去のやはり交渉を十分参考に今後の交渉を、まさしく自動車も含めて当たっていただく必要があるというふうに思っております。

 では、次の質問をさせていただきますけれども、今回のこの貿易協定、デジタル貿易協定でございますけれども、日本側は、こうやって国会で審議をして、それで、WTOのルールに抵触するのかしないのか、数字を出した方がいいのではないのかという議論も先ほどあって、そうかなというふうに私も感じさせていただきましたけれども、今回、アメリカ側は、議会を通さずに大統領権限で協定を発効させるという特例措置を講じています。

 日本側は申し上げたとおりということなんですけれども、それほどアメリカの大統領の権限というのは強大なのか。そうではなくて、むしろこの交渉は、私は本会議でちょっと指摘させていただいた、いわゆるアーリーハーベスト的な理解をアメリカ側がしていて、そう重く受けとめてくれていないのではないかという気も個人的にはしなくはないんですけれども、確認のために、アメリカとその他の国との貿易協定でこういった特例措置が講じられているものを挙げていただきたいし、できれば直近のものを挙げていただきたいなというお願いで、問合せをさせていただきたいと思います。

山上政府参考人 お答えいたします。

 まず、御質問にお答えする前に、日米貿易協定と日米双方の国内手続との関係について一言申し述べさせていただきますと、この共同声明、ことし九月の共同声明のパラグラフ第一、第一項の中に国内手続に言及した規定がございまして、「それぞれの国内手続が完了した後、早期に発効させることを共に望む。」こういう規定がございます。

 そこで、国内手続がどうなっているかということですが、現在、早期の発効に向けて、日米それぞれの責任のもとで国内手続を進めていくことになっているわけでございまして、現時点におきまして、アメリカがどうなっているのか、国内手続を了したという話は聞いておりません。

 そこで、では、アメリカの国内手続上、大統領と議会との関係はどうなっているかというお尋ねでございますが、この点は、いかんせん他国の法制に係る内容でございまして、私ども日本政府として、外務省として網羅的に把握する立場にはなく、責任を持ってお答えする立場にないということはお断りさせていただいた上で、承知している点を申し上げると、議会の承認を経ずにアメリカ政府が関税を引き下げた事例として、最近のものであれば二〇一五年がございまして、これはAPECの文脈のもとで行われました環境物品リスト、このリストに基づく関税率の変更があったと承知しております。

杉本委員 ありがとうございます。トランプ政権の前の段階でそういうことがあったという確認をさせていただきました。

 残余の質問は、また次の機会にさせていただきます。ありがとうございました。

松本委員長 次に、井上一徳君。

井上(一)委員 井上一徳です。

 この日米貿易協定、これについては、日米関係全体の重要性、そういう観点も踏まえて判断することは非常に大事だというふうには思っているんですけれども、他方で、十月二十九日に嘉手納飛行場でパラシュートの訓練、これは米軍が強行したというのがありました。もう河野防衛大臣は明確にこれはSACO合意違反だから中止すべきだと言ったにもかかわらず、米軍が強行する。最近の記事では、戦闘機を操縦中に自撮りをやっていたというような記事も出ています。

 やはり、米軍に対して、これは外務省、外務大臣からも強く言わないと、日米の信頼関係を損なうことになると思うんですけれども、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 御指摘の河野大臣の発言は、嘉手納飛行場で訓練を実施しなくてはならない理由を米軍がしっかりと説明しない限り、今回の訓練が例外的な場合に該当すると判断するのは困難である、こういった趣旨で述べられたものだと承知をいたしております。

 いずれにしても、引き続き、米側に対して、パラシュート降下訓練については、SACO最終報告に沿って、伊江島飛行場において実施するよう求めていきたいと思っております。

 私も先週、来日しておりましたデービッドソン米インド太平洋軍司令官に対しまして、安全な訓練の実施、このことが極めて重要な前提条件になる、こういうお話は申入れをさせていただいております。

井上(一)委員 引き続き、外務大臣からも強く言っていただきたいと思います。

 次に、日米貿易協定の中で、先ほどから、自動車・自動車部品について、現時点ではこれは確約はとれていないわけなので、現時点で確約をとれたものでやはり試算すべきだというのは私もそのとおりだと思っていまして、私も、先ほど申し上げたとおり、やはり日米関係の重要性を踏まえると、この日米貿易協定も前に進めるべきだというふうには思っているんですが、やはり説得力のある数字でもって言っていただかないと、そういう私でさえも、この協定は本当に大丈夫かなというふうに思ってしまうわけです。

 資料で示しております、日米貿易協定の我が国からの輸出に係る関税支払い減少額それから関税収入減少額、これを見てみますと、関税収入減少額の方は、初年度では四百六十億収入が減り、最終年度では一千三十億減る、これは政府の試算ですから。関税支払いの減少額、これは向こうに払うものですけれども、工業製品について言えば、初年が二百十二億、最終年が二千百二十六億となっております。

 これだけ見ると、最終年だけで見ると日本側の支払い額が一千億減るというように単純計算すればなるんですが、では、実際に自動車・自動車部品、これはとれていないわけですから、これについてどうなるのかと聞くと、これについては試算できませんということなんですけれども、やはりまだ試算できないということでしょうか。

澁谷政府参考人 先ほどからお答えしているとおり、そうした試算を行うことは差し控えさせていただきたいと思っております。

井上(一)委員 これは、試算がまずできるのかできないのか、できるけれども出せないのか、その辺はどうでしょうか。

澁谷政府参考人 TPP12の国会審議のときも議論になったところでございますけれども、例えば自動車部品というものにつきまして、財務省の貿易統計上の自動車部品という概念はありますけれども、私どもが自動車部品として交渉対象としているものは、もっと広い概念でございます。

 したがいまして、機械的ということでありますけれども、今後、電動化、自動走行化などの動向も踏まえて、我が国として、どういう自動車部品についてアメリカと交渉していくのかということも含めて、今後の交渉ということでございますので、現時点で機械的な計算を行うこと自身がなかなか難しいということでございます。

井上(一)委員 私は、本当にそこが、やはりもうちょっと誠実に言った方が、この協定に賛成しようと思っている人を説得させる材料になるのではないかと思うんですけれども。

 ここで、参考のところに「仮に通商拡大法二百三十二条に基づき自動車及び自動車部品に二五%の追加関税が賦課される場合」ということで、仮にをやっておられるわけです。今まで大臣も、仮に計算するのはよくないみたいなことをおっしゃっていましたけれども、ここで仮にされているわけです。

 そうすると、関税支払い額が約一兆九千四百二十一億円増加するとなっていますけれども、この場合の自動車及び自動車部品、それぞれ、大体どのぐらいになるんでしょうか。

澁谷政府参考人 先ほどお答えしたとおり、ちょっとその内訳を申し上げるのも差し控えさせていただきたいと思います。

井上(一)委員 これで、資料三のところを見ていただきたいんですけれども、「地域別輸出額の推移」ということで、二〇一八年、米国には自動車が四・五二兆円、自動車の部分品が〇・九三兆円、こういう数字が出ているわけです。けれども、同じように、自動車及び自動車部品について、この数字も言えないということですか。

澁谷政府参考人 TPP12のときも、自動車部品、どういった範囲かということが御議論になったところでございますが、貿易統計上のいわゆる自動車の部分品以外にも、私ども、自動車部品として交渉しているところでございますので、具体的にどういう範囲かというところは、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

井上(一)委員 いや、これは本当に単純計算で、一兆九千四百二十一億円増加するですから、二五%の追加関税分がこれになるわけですね。これを割り戻せば七兆七千六百八十四億円になるわけです。そうすると、単純に言うと、日本側で出している数字と全然違うわけですね、七兆七千六百八十四億円になるわけですから。

 恐らく、アメリカの自動車部品の範囲ということで計算したんじゃないかと思うんですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。

澁谷政府参考人 るるお答えしているとおり、どういう範囲かということは差し控えさせていただきたいと思います。

井上(一)委員 私は自分で単純計算してみました、機械的に。七兆七千六百八十四億円とすると、仮に、やはり自動車部品は関税はいろいろ違うと思うんですが、単純に二・五%とすると、千九百四十億円になるわけです。そうしたら、最終年で二千百二十六億円、支払い減少額というところは、極端に多分少なくなるんです。

 そうすると、単純に最終年を見ると、この表だけだと、日本側が一千億、何かプラスのような印象を与えるんですが、そういう計算をすると、日本側が大幅なマイナスみたいになるわけです。

 だから、そういうような印象を与えないためにも、やはり政府として正確な資料、数字で出して、それで説得をするという姿勢の方が私は大事じゃないかと思っているんです。ぜひ、この点については試算額を資料として提出していただきたいと思います。

松本委員長 後刻、理事会で協議をさせていただきたいと思います。

井上(一)委員 では、理事会でぜひ協議していただきたいと思います。

 では、最後の質問ということで、これから、自動車それから自動車部品については協議をしていくということですが、茂木大臣の記者会見の中で、自動車については、今後、電動化、自動走行によります大変革期にありまして、さまざまな部品構成であったりとかその重要度も今後当然変わってくるわけであります、こういう状況を見きわめて引き続き協議を行っていくと。

 こういうふうに言われると、自動車の大変革期というものがずっと続いていくのではないかというふうに思うんですが、どういうような交渉スケジュールを念頭に置いておられますでしょうか。

茂木国務大臣 交渉スケジュールも含めて、今後どう交渉するかをまさに今後の協議においてまずは決めるということでありますけれども、ことしの東京モーターショーをごらんいただいても、いかに今自動車そして自動車部品が大変革期にあるか、このことは御案内だと思います。

 これから自動走行そして電動化というものが進んでいく、そうなりますと、まず電動源、これがエンジンからモーターに変わっていくわけですね。そうなりますと、今の車、普通でいいますと、大体部品点数で三万点ぐらいですよ、これが電気自動車ですと二万点になっちゃうわけですから、基本的には部品の構成そのものも変わるし、それぞれの重要性も変わっていく、この過渡期にある。

 そういったものを見ながらと思っておりますけれども、決してこれは、それによって交渉をおくらせようということではなくて、私としても、この関税撤廃、これは一日も早くかち取りたい、こういった思いで、TPP12のときも、自動車については二十五年という長いステージングでした、これを少しでも短くできるような交渉を努めてまいりたい、そのように考えております。

 同時に、さまざまな形で、この委員会の審議に資するような資料、これは政府としてもできる限りの対応をしたいと思っておりますが、合意したことと全く違う内容のことについて試算をしなさいといいましても、それはかえってミスリーディングなことになるのではないかな、こういう思いを持っているということをつけ加えさせていただきます。

井上(一)委員 終わります。

松本委員長 それでは、茂木外務大臣はどうぞ御退席ください。

    ―――――――――――――

松本委員長 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。

 ただいま本委員会において審査中の日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件に対し、農林水産委員会及び経済産業委員会から連合審査会開会の申入れがありました。これを受諾するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 また、連合審査会において、政府参考人及び参考人から説明又は意見を聴取する必要が生じました場合には、出席を求め、説明等を聴取することとし、その取扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、連合審査会は、明七日木曜日午後三時三十分から開会いたしますので、御了承願います。

 次回は、来る八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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