衆議院

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第8号 平成20年2月14日(木曜日)

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平成二十年二月十四日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 逢沢 一郎君

   理事 遠藤 利明君 理事 田野瀬良太郎君

   理事 中山 成彬君 理事 増原 義剛君

   理事 森  英介君 理事 山本 幸三君

   理事 岡田 克也君 理事 前原 誠司君

   理事 富田 茂之君

      安次富 修君    阿部 俊子君

      新井 悦二君    井上 喜一君

      井脇ノブ子君    伊藤 公介君

      飯島 夕雁君    岩永 峯一君

      浮島 敏男君    臼井日出男君

      尾身 幸次君    近江屋信広君

      大島 理森君    大野 功統君

      金子 一義君    亀岡 偉民君

      川条 志嘉君    河村 建夫君

      木原 誠二君    倉田 雅年君

      小池百合子君    小坂 憲次君

      佐藤 剛男君    斉藤斗志二君

      菅原 一秀君    杉浦 正健君

      園田 博之君    中馬 弘毅君

      中森ふくよ君    長島 忠美君

      長勢 甚遠君    野田  毅君

      原田 憲治君    広津 素子君

      深谷 隆司君    藤井 勇治君

      三ッ矢憲生君    三原 朝彦君

      小川 淳也君    岡本 充功君

      菊田真紀子君    後藤  斎君

      笹木 竜三君    鈴木 克昌君

      田名部匡代君    田村 謙治君

      武正 公一君    中川 正春君

      長妻  昭君    西村智奈美君

      原口 一博君    古本伸一郎君

      細野 豪志君    馬淵 澄夫君

      松木 謙公君    松本 剛明君

      三谷 光男君    森本 哲生君

      山井 和則君    笠  浩史君

      渡部 恒三君    赤松 正雄君

      江田 康幸君    高木美智代君

      笠井  亮君    吉井 英勝君

      阿部 知子君    保坂 展人君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   総務大臣         増田 寛也君

   法務大臣         鳩山 邦夫君

   外務大臣         高村 正彦君

   財務大臣         額賀福志郎君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   環境大臣         鴨下 一郎君

   防衛大臣         石破  茂君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     町村 信孝君

   国務大臣

   (金融担当)

   (行政改革担当)     渡辺 喜美君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   大田 弘子君

   内閣府副大臣       木村  勉君

   法務副大臣        河井 克行君

   外務副大臣        小野寺五典君

   財務副大臣        森山  裕君

   厚生労働副大臣      西川 京子君

   国土交通副大臣      平井たくや君

   内閣府大臣政務官     加藤 勝信君

   法務大臣政務官      古川 禎久君

   文部科学大臣政務官    保坂  武君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   経済産業大臣政務官    山本 香苗君

   環境大臣政務官      並木 正芳君

   防衛大臣政務官      寺田  稔君

   会計検査院長職務代行検査官          伏屋 和彦君

   会計検査院事務総局第三局長            真島 審一君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  木坂 愼一君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  関  有一君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    梶木  壽君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 伊原 純一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 羽田 浩二君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    谷崎 泰明君

   政府参考人

   (国税庁次長)      佐々木豊成君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            太田 俊明君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    中村 吉夫君

   政府参考人

   (社会保険庁長官)    坂野 泰治君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 宿利 正史君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (防衛省防衛参事官)   小川 秀樹君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   中江 公人君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  徳地 秀士君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十四日

 辞任         補欠選任

  井上 喜一君     井脇ノブ子君

  岩永 峯一君     藤井 勇治君

  佐藤 剛男君     安次富 修君

  坂本 剛二君     中森ふくよ君

  菅原 一秀君     近江屋信広君

  園田 博之君     新井 悦二君

  西銘恒三郎君     原田 憲治君

  深谷 隆司君     川条 志嘉君

  三ッ矢憲生君     飯島 夕雁君

  笹木 竜三君     三谷 光男君

  中川 正春君     鈴木 克昌君

  原口 一博君     松木 謙公君

  馬淵 澄夫君     西村智奈美君

  山井 和則君     菊田真紀子君

  笠  浩史君     長妻  昭君

  赤松 正雄君     高木美智代君

  笠井  亮君     吉井 英勝君

  阿部 知子君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  安次富 修君     長島 忠美君

  新井 悦二君     園田 博之君

  井脇ノブ子君     井上 喜一君

  飯島 夕雁君     三ッ矢憲生君

  近江屋信広君     菅原 一秀君

  川条 志嘉君     深谷 隆司君

  中森ふくよ君     広津 素子君

  原田 憲治君     阿部 俊子君

  藤井 勇治君     岩永 峯一君

  菊田真紀子君     岡本 充功君

  鈴木 克昌君     中川 正春君

  長妻  昭君     笠  浩史君

  西村智奈美君     田名部匡代君

  松木 謙公君     原口 一博君

  三谷 光男君     田村 謙治君

  高木美智代君     赤松 正雄君

  吉井 英勝君     笠井  亮君

  保坂 展人君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  阿部 俊子君     浮島 敏男君

  長島 忠美君     佐藤 剛男君

  広津 素子君     坂本 剛二君

  岡本 充功君     山井 和則君

  田名部匡代君     古本伸一郎君

  田村 謙治君     森本 哲生君

同日

 辞任         補欠選任

  浮島 敏男君     亀岡 偉民君

  古本伸一郎君     小川 淳也君

  森本 哲生君     笹木 竜三君

同日

 辞任         補欠選任

  亀岡 偉民君     木原 誠二君

  小川 淳也君     後藤  斎君

同日

 辞任         補欠選任

  木原 誠二君     西銘恒三郎君

  後藤  斎君     馬淵 澄夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十年度一般会計予算

 平成二十年度特別会計予算

 平成二十年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

逢沢委員長 これより会議を開きます。

 平成二十年度一般会計予算、平成二十年度特別会計予算、平成二十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官木坂愼一君、総務省行政評価局長関有一君、法務省矯正局長梶木壽君、外務省大臣官房参事官伊原純一君、外務省領事局長谷崎泰明君、国税庁次長佐々木豊成君、厚生労働省職業安定局長太田俊明君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長中村吉夫君、社会保険庁長官坂野泰治君、国土交通省大臣官房長宿利正史君、国土交通省道路局長宮田年耕君、防衛省防衛参事官小川秀樹君、防衛省大臣官房長中江公人君、防衛省運用企画局長徳地秀士君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第三局長真島審一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長勢甚遠君。

長勢委員 おはようございます。長勢甚遠でございます。

 今、政府の方では、生活を重視していく、消費者を重視する、また地方を重視していくという視点に立って、いろいろな各案の政策を考えておられるということに対して、ぜひそれが実効の上がるように頑張っていただきたいと期待をいたしております。

 そして、その中で、そのもととなる経済を立て直さなければならない、新たな成長戦略を考えておられる、検討されておられるというふうに伺っておりまして、そのことにも期待をしておりますが、ただ、成長戦略の取りまとめに当たっては、ぜひ成長の果実が国民に広く行き渡るようなものに、そのことに十分な配慮をしたものにしていただきたいと思っております。企業がもうかればいいとか、一部の企業が、もうけることが一番美徳だ、それだけが目的だというような雰囲気になってはよろしくないのではないか、このように思っております。

 そこででございますが、総理の施政方針演説でも労働分配率の向上ということが取り上げられておるわけでありますけれども、きょうは、その点から御議論をさせていただきたいと考えております。

 労働分配率は、言うまでもなく、企業の付加価値に占める人件費の割合ということになっておるわけでございますので、このために、景気が回復をする時期においては労働分配率というのは低下をする傾向にある、また、後退期においては上昇するという傾向が従来から見られるわけでございます。しかし、そうはいいながら、今の現状を見ますと、〇二年の景気回復に伴って大企業を中心に利益率が拡大をする一方で、労働分配率というのは、〇一年では七五・一%が〇六年には六九・三%、五年間で五・八%低下をしておるということになっております。

 これはどういうふうに評価を、認識をすればいいのかということでございますが、企業の競争力強化ということが重要で、それを一生懸命やってきて、その成果も上がったということも言えるわけでございますが、同時に、そのしわ寄せが働く方々に偏った形で現在起きておるのではないかというふうにも考えられます。

 これについて、大田大臣の御認識を伺いたいと思います。

大田国務大臣 今回の景気回復の過程で労働分配率は、先生御指摘のように下がっております。

 これは、三つの過剰と言われる雇用の過剰、三つの過剰のうちの一つが雇用の過剰です、それを解消する過程で今回の景気回復が達成されておりますので、企業は人件費を切り下げていく、そして体質を強化していくということで今回の景気回復が成り立っておりますので、それを反映して労働分配率が下がってきたというふうに見ております。

長勢委員 その分が、景気が回復をすれば当然収益は上がるわけですから、仮に雇用なり賃金が一定であれば当然下がるというのはそうなんですが、ちょっと下げ方が大き過ぎるというのは、これから直していかなきゃならないことではないのかという点についてはいかがでしょうか。

大田国務大臣 確かに、バブル期の過剰な雇用を縮小する過程で景気回復がなされましたので下がってまいりましたけれども、二〇〇五年ぐらいから徐々に下げどまってきております。

 御質問の、労働分配率の水準がどれぐらいが適正かというのは、なかなか一概には申し上げられません。成長率と人件費の伸び率と両方の要素がございますので、どの水準が適切ということはなかなか申し上げられませんが、やはり、賃金の伸びがどうなっているのかということ、それから、人件費の中身で正規と非正規の格差があるのではないか、また、大企業と中小企業で格差があるのではないかというところを丁寧に見ていかねばならないと考えております。

長勢委員 理屈としてはそのとおりだろうと思っております。

 今現在、春闘が始まりつつあるわけでございますが、私、またあるいは大臣からもお話があったようなことを踏まえて、労働側は賃上げを要求しておりますし、経営側もそれにこたえるという方向にあるかのように聞いております。

 しかし、春闘というのは、ある種、連合あるいは大企業が中心でございまして、問題は大企業同士にあるのではなくて中小企業にあるのではないかという視点を忘れてはならないのではないかと思います。

 かつては、春闘相場というのが、大企業の相場が決まる、それに沿って中小企業も引きずられるというか、沿って上がっていくという傾向が見られたわけでございますけれども、最近はどうもそういうことになっているんだろうか。春闘の位置づけがどうかということは議論しなきゃならぬことでありますが、どうもそうではないのではないか。

 そして、労働分配率について申し上げますと、現実に、大企業は利益率がどんどん上がっている。労働分配率はお話しのように低下をしておる。しかし、一方で中小企業が利益が全然上がらない。景気回復にあるとはいいながら、片一方で、逆に労働分配率というのは、〇四年では八一・六%だったものが〇六年には八五・八%と上昇しておる。これが、地方あるいは働く方々にとって、景気回復というのはどこの話だという気分になっておる原因の一つだろうと私は思っております。

 現実に、企業水準の格差も、大企業、中小企業は、どんどん、どんどんというか拡大をしてきておりますし、パート労働、派遣というもの、いわゆる非正規雇用というものも、中小企業でただでさえ多かったのがさらに増大をしておるということが、こういう現象のもとになっておるんだろうと思っております。

 我々、地方にいますと、中小企業の経営者の方々は、何とか働いている人たち、雇っている人たちを守ってやりたい、こういう必死の思いでやっておるんです。ですから、今起きている事象は、中小企業の経営者に問題があるというよりも、それができなくなっている、その結果こういうことになってきておって、これはもうだんだん限界に来ているんですね。

 こういうふうになっておるのは、全部とは言いませんけれども、相当部分、大手の方が、みずからの利益を上げるために、下請、取引先に対して、一般に言われる、厳密な言葉ではありませんが、下請たたきとでも言われるような厳しい取引というものを要求しておるということが大きな原因ではないかというふうに思います。

 最近耳にしたんですけれども、今いろいろなことが値上がりをしておるんですけれども、小麦も三割も四割も上がってきているわけですね。小麦を原料にしておるめん類業者とかこういう関係の方々は、今までの価格で買われたのでは商売にならないので赤字になる。しかし、それを買うのはだれかというと、大手のスーパーなんですね。スーパーは、価格凍結宣言とかと称して、絶対に引き上げない。そうすると、中小零細の方々はどうするか。大手が上げないと中小のスーパーも上げないということになる。言葉が正確じゃないんですが、大手にいじめられているという事象は山ほどあるわけでございます。

 こういうふうに、今地方は大変元気がないわけでございますが、米の代金は下がる、働いている人も今のような状況で、経営者がどれだけ頑張ろうにも頑張りようがないということであれば、地方の消費というのが冷え込んでくるのは当然でございます。

 それで、みんな非常に落ち込んでおるところへ持ってきて、大企業はどうしているかというと、利益が上がって分配率は下がっていますが、では、そのもうけはどこへ行ったんだといいますと、ほとんど配当、つまり、株主に対する配当と役員報酬などが大幅に上がってきていると思うんです。

 そのこと自体は別に悪いとは言いませんけれども、しかし一方で、それが中小企業をたたいたことによった利益をそういうふうに分配しているのだとすれば、やはり社会全体としては、あるいは地方にとっては特に、さらには日本の経済にとってもいい現象ではない。企業がもう少し中小企業に働く方々のことに配慮した利益の分配というものを考える必要があるのではないかというふうに思います。まあ中小企業の働く方々からすれば、春闘といって大企業の方々が賃上げされるのであれば、その分をおれらに回してくれというのが私は本音だろうと思いますよ、はっきり言って。

 こういう問題が起きておるということを御認識いただいていると思いますが、そういうことが起きたのは、やはり一つには、企業の競争力を高めなきゃならないということは大事なことですけれども、それを強調するときに、最初に申しましたように、企業さえもうければいい、競争力が高くなればいい、あとはどうなってもいいと言わんばかりの経済政策についての雰囲気が漂っておる。これは、政府もそういうことについてのメッセージが不十分であったのではないか。

 こういう、今申しました大企業の状況についてどうお考えか、ぜひ大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

大田国務大臣 賃金が伸びないというのは、今の日本経済の本当に最大の問題です。それが消費を弱くしてもおりますので、私もことしの春闘は大変注目しております。中でも中小企業の賃金が伸び悩んでおりまして、三十人未満の企業では賃金が下がっております。この点は大変懸念しながら見ております。

 御質問のように、大企業の収益は改善しながら、それは、配当、役員賞与、内部留保は高まっておりますけれども、なかなか賃金には向けられない。中小企業は、さらに、仕入れ価格の上昇を転嫁できないために収益が圧迫されているという、この状況は起こっております。

 大企業のこの配分をどう考えるかという御質問だったと思いますけれども、大企業の多くは、グローバル化が進む中で、資本市場の厳しい評価にさらされているということもございます。その中で、配当性向を高めていく、あるいは役員賞与を業績連動型にするといったようなことをしておりまして、それが背景にあるということをまた考えておかなくてはいけない。したがって、グローバル化が進む中でどう利益を確保し、どう配分するのかという問題なんだろうと思います。この点は考慮しておかなくてはいけないと考えます。

 ただ、先生御指摘になりましたように、下請取引の適正化、これは大変重要なことです。これは昨年来、経済産業省でも業種別のガイドラインをつくって取り組んでおります。それから、原油価格の高騰につきましても、昨年末に取りまとめて、これを着実に実施していきたいと思います。それから、事業承継の円滑化、こういったことも進めてまいります。

 あと、冒頭にお話のありました成長戦略の中でも、中小企業の生産性を上げていくという取り組みに、昨年から業種別のプログラムをつくって取り組み始めておりますので、生産性を上げることで賃金も上げていくという、こちらの試みも十分に努力していきたいと思います。

長勢委員 おっしゃっていることは、理屈というか理論として理解できないわけではありませんけれども、どうもそういうふうにはなっていないですね。今、生産性を上げるお話をされましたけれども、中小企業は生産性を上げるどころの騒ぎではないわけですよ。今、人をどうやってやめさせるか、パートに追い込むか、削減に追い込むかという苦労をしているくらいで、どうかして生産性を上げるための投資をしようにもそこまでいっていないわけで、そういうことを前提にして、ところが片一方は株主の配当をふやす、役員報酬をふやす、そうしないとグローバル化に対応できないという部分があることは理解できますけれども、どうもちょっとバランスがおかしいんじゃないか。

 今、大臣はそういうことも考えなきゃならないとおっしゃいましたけれども、今までのメッセージは、逆にそれだけが大事だと言わんばかりの話のようにみんな聞こえている。そのことが大企業をそういう方向に向かわせて、しかも、下請をどれだけたたいておっても、これは当然のことだ、お国のためだと言わんばかりの態度でおることが昨今の状況を生んでおるというふうに、そうだと決めつけませんが、そういうことになっておるんではないかというぐらいは少し考えてもらわなきゃならぬと思いますが、いかがですか。

大田国務大臣 昨年の春に、中小企業と人材がまさに成長を支える基盤だということで、底上げ戦略というものを始めました。その中で、下請取引の適正化といったことは大きな柱に据えて、甘利大臣も迅速に経済界にその要望を出し、業種別のガイドライン、この業種もだんだんふやしてきております。

 したがいまして、政府としては、今先生のおっしゃった問題意識は十分に持っております。そのことをもう少しメッセージとしても出していく努力をしたいと考えますし、今進めている取り組みにつきましても、足元の原材料価格の高騰あるいは住宅投資の落ち込みでさらに中小企業の状況は厳しくなっておりますので、取り組みも加速してまいりたいと考えます。

長勢委員 現実に、大企業には今言ったようなことでたたかれ、それから、県、市町村とも、何でも安ければいいというので、どんどこどんどこ価格は抑えられる。

 仮に一つの例を言いますけれども、例えば最賃を上げたとしても、最賃を前提にして、それを基準にして決められた発注価格がいつになったら上げられるか。上げられないんですよ。その分全部、中小企業が、下請企業がかぶらなきゃならない。こういうことに何の配慮もない。こういうことをひとつ、ぜひ実効が上がるような形にしないと国民の皆さんは納得できないと私は強く思っております。

 今大臣から、下請取引等について政府でも強く取り組んでおられるということでございますが、もうおっしゃるまでもなく、労働者のほとんどは中小企業ですから、この方々が元気がなくなる、人材が失われる、あるいは技術のノウハウが失われるということになれば、日本経済全体にとってもゆゆしき問題ですし、少子化は全然加速されることになる、こういう大事な問題ですから、これは、中小企業の経営者を労働行政が厳しく厳しく取り締まっても、そのもとができないものはどうしようもない。そういう意味で、下請取引の改善というのは大変大事だと思います。

 経済産業省でお取り組みと伺っておりますが、大臣、ひとつ、具体的にどんなことをなさっておられるのか、実効が上がるようになるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

甘利国務大臣 全従業員の七割は中小企業でありますから、日本の経済を地に足のついたものにするためには、消費を拡大することが課題。ということは、中小企業を元気にしないと、従業員の七割は中小企業ですから、消費が拡大しないということになります。大企業はいいけれども中小企業は大変、これは、大企業の成長の果実を中小企業にどう均てんさせていくかということが課題になるわけであります。

 そこで、私は去年の三月に、経団連と日商の大きな会合に出席をして、下請適正取引の推進ということを直接要請してきました。その際に、業種ごとにガイドラインをつくって、ベストプラクティスを共有するようにしてほしいと。それを具体的に今、実行しているわけであります。これは少しずつ成果が上がってきております。

 例えば、鋳物の取引なんというのは目方取引で、技術が何にも加味されていない、高度なものをつくっても、軽くなったら安く買いたたかれる、こういうのはやめていこう。それから、金型を元請の要請に従って十年も十五年も下請の経費でずっと、いつ使うかわからないものを保管していかなきゃならない。これも、ちゃんと話し合いをして、いつまででいい、それについて負担を強いるのならば元請も何らかの関与をしていくということとか、あるいは、汎用部品として納めていた部品が、本体がモデルチェンジ等をして補給部品でしかなくなった、そのときにも、コストはかかるのに汎用品と同じ程度の金額しか見てくれない、それを変えていこう、そういう話し合いがどんどん進んできております。

 これは、この業種でこういうことをやっていますよ、あの元請、下請でこういういい例が出ましたよということを、やっていないところもどんどん突きつけていって共有してもらうという作業をしているわけであります。このガイドラインの業種もふやしていっております。建設から運輸から、製造の範囲を超えて今ふやしているところでありまして、それらを通じて、大企業の果実というものを、それを支えていく下請中小企業にも均てんしていくような施策として、いい事例がどんどん共有されていくことを願っているわけであります。

 加えて、中小企業を支援するための地域連携拠点を全国に二百とか三百つくるとか、あるいは、地域の一次産業と中小企業とを連携させる、いわゆる農商工連携で新しい商品、サービスを開発し、販路を開いていくというような取り組みも精力的に取り組んでいるところであります。

長勢委員 いろいろお取り組みをいただいて成果も上がっているというお話でございまして、それは大変ありがたいというか、結構なことだと思いますが、こういう問題はずっと過去からあるわけでありますけれども、どうしても、力関係に優劣がもともとあるわけですから、優位に立つ方が、先ほど来申し上げておりますように、企業は株主だけのものであるとか、企業がもうかればいいんだという雰囲気が強まれば強まるだけ、今まで以上に日本のかつてあったような雰囲気とは違った感じになってきておって、今大臣の御苦労は評価をさせていただきますけれども、本当に実効が上がるのかというと、そういうことにはなかなかならないというのが今までのことだったんじゃないかなというふうに思います。

 これは、中小企業の経営対策ではなくて、もちろんそういうことを通じてではありますけれども、中小企業に働いている方々のことを考えなければ、地方も元気が出ませんし、大臣もおっしゃっているように消費も上がらないということでありますから、ぜひさらに一層の御努力をお願いいたしたいと思います。

 こういう問題は、具体的に新聞種になるのは、パートがふえた、派遣がふえた、あるいはどこかの会社で大変ひどい扱いを労働者に対してしておるということになって、そういう問題は、今度は労働監督署だとか安定所だとかが、その中小企業を監督する、監視をするということになるわけであります。

 しかし、もちろん、そういうことはあってはならないことですから法律は守ってもらわなきゃなりませんが、どうも、自分がしかられなきゃならぬのかという思いが恐らく中小企業の方々はたくさんあると思うんです。

 ですから、私は、労働行政の窓口ではそういうことをめぐるいさかいというかトラブルも相当出ておるんじゃないかと。中小企業、零細企業は労使一体となってひどい目に遭っておるわけで、しかし、これは労働行政の問題のように見えますけれども、もう言うまでもなく労働政策はある種従属的な政策でありますから、厚生労働大臣が監督署なり安定所に頑張らせるのも大事ですけれども、一方で、そういうことの原因が生じないように、今、甘利大臣、大田大臣もおられますけれども、経済政策にそういう観点からの政策を強力に進めるように積極的に発言をしていかなきゃならぬ。それが私は厚生労働大臣の一つの役割ではないかと思いますが、ぜひひとつ御決意をお伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 今委員が御指摘になったように、やはり中小企業にパート労働者が集中する、それはもうどうしても賃金抑制という状況の中ででございます。それで、統計を見ましても、中小企業の方々の賃金がそこまで一般的に大企業に比べて低い水準にあるわけですから。

 ただ、今おっしゃいましたように、厚生労働省、厚生労働大臣としては、労働法をきちんと、労働環境を守っていただく、そして他の省庁とも連携しながら働く人をもっと大切にするようにという政策をやってまいっております。

 それで、具体的には、三十五万人の雇用のフリーターを常用雇用化するプランをやったり、パートタイム労働法とか、さきの最賃法、その他日雇い派遣の見直しなどをやっていますけれども、今のそういう政策を超えて、委員の問題意識というのは、全体の日本の経済政策のかじ取りに労働問題を担当する者としてもう少し影響力を持てということだと思いますので、私はやはり、全体の成長が上がっていく、そして、ワーク・ライフ・バランスなんという話もしていますけれども、これだけ経済大国になりながら豊かさの実感がないという問題意識はあると思いますので、全体の、例えば官邸で行われる会議なんかにおきましても、そういう立場で、経済のかじ取り、そして社会政策のかじ取りの中で、今委員が御指摘になった視点を強く主張してまいりたいと思います。

長勢委員 ちょっと質問書には書いておかなかったんですが、もう一つ気になるのは、今、役人の天下り、公益法人だとかなんとかというのは大変やかましいんですけれども、大企業ではどうなっているかというと、一部の部門を子会社化していく。子会社のところへ行くと、みんなパートだ、派遣だになっている。ここがおかしなことになる一つの原因になっていると思うんですね。ぜひ、そういうことにも目を向けて労働行政をきちんとやるようにしていただきたいと思いますし、言葉じりをとらえて恐縮ですが、関係省庁と連携をしてというのは、大体うまくいったためしがないんです、私の経験では。そのことをひとつ心しておいていただきたいと思います。

 今の問題、私どもは大変大事だと思っておりますので、自民党においても、この中小企業の労働者の問題、これから取り組んでいきたいと思っておりますので、ぜひ、政府におかれましても、積極的な、大胆な対応をされますように心から御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて長勢君の質疑は終了いたしました。

 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。朝早くから大変にありがとうございます。

 私は、障害者自立支援法の抜本見直しにつきまして、先般、与党におきまして報告書を取りまとめさせていただきました。それに基づきまして質問をさせていただきたいと思います。

 障害者自立支援法につきましては、障害を個性と認め、地域で普通に暮らせる社会づくりを目指しまして、一昨年十月に本格施行されて以来、さまざまな御指摘、御意見をいただいてまいりました。私も、公明党の障害者福祉委員会委員長としてその一つ一つを受けとめ、福島議員中心に円滑施行のために取り組みを進めてまいりました。

 一昨年の暮れ、公明党は自民党と協力しまして、補正予算千二百億で特別対策を実施し、利用者負担のさらなる軽減や事業者に対する激変緩和措置を行ったところでございます。その措置も来年度で終わることから、その後はどうなるのかとのお問い合わせ、また不安の声が寄せられております。また、障害児を持つ世帯におきましては、課税世帯が約八割であることから、その効果が行き届いていないという世帯が多く、負担感が依然として強いとの御指摘もありました。

 昨年九月、連立政権合意におきまして、公明党が主張し、「障害者自立支援法について抜本的な見直しを検討するとともに、障害者福祉基盤の充実を図る。」と盛り込まれたことを受けまして、与党PTが十月にスタートし、自民党の木村義雄座長を中心に十二月七日に与党としての報告書を取りまとめ、十二日に政府に対し官房長官に申し入れをさせていただき、具体化を求めたところでございます。既に来年度予算と税制改正に反映されており、その成立が待たれております。障害団体等関係者の皆様から、一安心という言葉があるけれども二安心しました、また、よくやってくれたと評価の声をいただいているところでございます。

 私も、多くの方の御意見をこれまで伺ってきながら、政治は障害者に対してどのような将来図を描いてくれているのか、その政治のメッセージが見えない、私たちのことを受けとめてくれていないのではないか、こういった心情を常に感じてまいりました。

 そこで、このプロジェクトに臨むに当たりまして、法施行三年後の見直しも見据えながら、今後の道筋を描けるものにさせていただきたい、問題点を明確に受けとめながら、必要な緊急措置は実施させていただこう、また、介護保険との統合を前提としていたのでは複雑な制度となり、障害者にどうしてもわかりにくくなってしまう、まず障害者の方にとってわかりやすい制度にさせていただきたい、こうしたことのために政治の力を存分に使わせていただこう、この決意で議論に臨ませていただきました。難しい論点もございましたが、我が党はその都度持ち帰り、党内論議を重ねまして、その多くが反映されていると思っております。緊急措置、そしてまた法施行三年後の見直し等々、整理をさせてもいただきました。

 今回、報告書にまとめましたその大きなポイントにつきましては、一つは、特別対策による利用者負担の軽減は継続し、その上で、さらに障害者、障害児について負担を大きく軽減させていただく、また、障害福祉サービスの負担上限額を区分する所得は世帯単位から個人単位とする、また、事業者のさらなる経営基盤の強化を図る、また、将来の所得保障を検討する、こうした内容とさせていただいております。

 この内容を踏まえまして、政府に御対応いただいた内容の確認と、今後の法改正に向けた課題につきまして、財務大臣、厚生労働大臣に御質問をさせていただきたいと思います。

 まず、厚生労働大臣にお伺いいたしますが、今回のこの報告書をどのように評価し、受けとめておられるのか、お伺いをいたします。

舛添国務大臣 まず、高木委員が公明党の障害者の担当の委員長として大変御尽力なさいまして、今回そのプロジェクトチームの案をおまとめいただいたこと、本当に尊敬申し上げます。

 その上で、私のところにも、私が大臣に就任する前から、私のところは障害者を抱えてこういうふうに困っているんですよと、本当に町に買い物に出ていても、近くのお母さんたちがぱっと私の顔を見て、大臣になる前ですよ、既にそのころからそういう問題を指摘していました。これは何とかしないといけない。やはり今委員がおっしゃったように政治の力でやるんだと。

 それで、今一部おっしゃってくださった九つの基本的な課題をきちんと提示させていただきましたので、一つ一つこれをやっていきたいというように思います。

 それから、昨年四月から、その前の補正予算で千二百億円の特別対策を組みました。これは非常にやはり感謝をされていまして、今回また、昨年の十二月にこの案をおまとめいただきましたので、それに加えてさらにきめの細かい手当てをやる。私は、障害者というのは百人いれば百人その態様が違う、だから一律にきちんと決められないと思うので、やはり政治の力で、きめの細かい、それはそれぞれの国民の代表である国会議員が地元に戻って要望を聞いてくる、そのことによって吸い上げられる要求だと思いますので、まさにここに政治が機能しているというように思います。

 そういう意味で、この貴重な御提言を賜りましたので、これをもとにして、抜本的な見直しということの検討に入っております。

高木(美)委員 それでは、具体的に、まず利用者負担の軽減につきまして御質問いたします。

 与党からは、障害者に関するサービス料の引き下げ、また所得の認定につきましては、先ほども申し上げましたが、世帯単位から個人単位を基本として見直し、本人と配偶者のみとする、また、それは税制と健康保険上の扶養者であってもよいとするという画期的な内容を提案させていただきました。

 これは、現行でも世帯分離は可能なのですが、それは、こうした税制、健康保険上、被扶養者でないということが条件となっております。そのために、一部の方たちからは、まるで子供を捨てるようなつらさを伴うのだ、このような厳しい御指摘もいただいてまいりました。

 そうしますと、この世帯単位から個人単位に移行いたしますと、多くの方が低所得一、二という範囲に入りますのでサービス料も下がる、また、このような形でもう一段階大幅な負担の軽減にもつながる。二重にわたって軽減できると考えたものでございます。

 また、もう一つ、障害児を持つ世帯におきましては、やはりサービス料の引き下げとともに、負担軽減措置の対象となる課税世帯の範囲を、現行、年収六百万まででございましたが、それを八百九十万程度まで拡大をする。それによりまして、障害児を抱える世帯の八割以上を軽減措置の対象とすることができる。

 このような内容でございますが、これらの申し入れに対しまして、どのようにお取り組みいただいたか、伺わせていただきます。

舛添国務大臣 まず、障害者自立支援法は、もともと公費で九割以上を負担する、最大一割までだと。しかし、それでも重いということで、昨年の特別対策でやりましたが、これで、所得に応じた一月当たりの負担額の上限を決める。それに軽減措置を加えています。

 今般の緊急措置で、来年度予算においてどういう措置をとったか。今委員がおっしゃったように、低所得者世帯を中心にして、負担の上限額を、これまでのまず半分程度に変えました。それから、障害児を抱える世帯について、軽減対象となる範囲を、年収六百万円だったのを八百九十万円まで拡大をいたしました。それから、今おっしゃったように、本人上限額について、世帯全体ではなくて、本人及び配偶者のみの所得で計算する、こういうことでございます。

 それで、これらの対策によりまして、負担率は全体で大体三%程度ということに抑えられることになります。

高木(美)委員 ありがとうございます。感謝いたします。

 私がこの紙を用意するのもなんでございましたが、この方がわかりやすいかと思いまして、これは厚生労働省がおつくりくださった資料でございます。利用者負担がどのように軽減されているか、参考一、参考二という表裏の紙となっております。

 例えば、通所サービスの障害者の方ですが、ごらんいただきますと、現行、例えば低所得二、一ともにそうですが、サービス料三千七百五十円が千五百円まで軽減をされております。また、裏の参考二のところの障害児の方ですが、ただいま大臣からも御答弁いただきました、年収が六百万世帯から八百九十万世帯まで上げられますと、現行九千三百円のサービス料が四千六百円、また、低所得におきましては、三千七百五十円が約半分弱の千五百円となるという、このような大幅な負担減となっております。

 また、詳細はごらんいただきたいと思います。

 続きまして、事業者の経営基盤の安定につきましてですが、大変経営が苦しいというお声を伺っております。こうした新たな法制定という急激な変化に対しまして、政治が支えながら新たな体系への移行へと事業者を促していく、この両面が必要であると思っております。

 特別対策で従前収入の九割を保障していただいておりますが、今回の緊急措置でさらに上回りますように、例えば通所サービスについて定員枠を拡充するとか、また空床保障など、このような対応を政府に求めたところでございます。

 経営基盤の安定を図るために具体的にどのような内容を盛り込まれたのか、また、中でも、その執行に当たりましては、都道府県に基金が造成をされております、それが当事者や事業者になかなか行き渡っていない、当然、市町村が多繁であるとか、また周知徹底がおくれているとか、さまざまなことが考えられるわけですが、そうしたことがスムーズに実施されるべきと思っております。

 特に、もう来年度が最終年度になってしまうことから、特に懸念されております就労継続、また、重度障害者への対応、児童デイサービス、相談支援事業等々、またさらに諸物価の高騰等への措置につきましても、緊急に行う必要があると思っております。その対応のためにも、基金の使途の見直しもすべきと盛り込ませていただきましたが、こうした点につきまして、どのようにお進めいただくのか、大臣に伺わせていただきます。

舛添国務大臣 今委員がおっしゃったのは、事業をやっている経営者の方々、こういう方々からも私のところにも、経営が苦しいんだ、何とかしてくれないかと。そういう声にこたえまして、今般の緊急措置では、通所サービスにつきまして報酬単価を約四%引き上げる、それから、定員を超えてはならない、今までは一一〇%まで認めていたのを、これも一二五%まで過去三カ月平均で認める、非常に柔軟かつ弾力的に定員を超えた受け入れも認める。

 それから、今おっしゃいました、この前の補正予算で組みました特別対策について基金がございますので、これは都道府県に委員御指摘のようにあります。これを使いまして、重度障害者への対応、具体的に、ケアホームに重度障害者を受け入れた場合に、その基金を使って助成をする。それから、今児童のデイサービスが非常にやるところが少なくて困っているんですね。こういうことに積極的なところに支援するということで、この基金も活用しながら、経営基盤の安定化を図るように努力をしております。

高木(美)委員 続きまして、報酬単価、いわゆる障害福祉サービス費用の額でございますが、この改定につきまして、これはサービスの質の向上であるとか、経営が大変苦しいことから常勤の職員を非常勤にせざるを得ない等々の状況があるわけですが、福祉人材を確保することが大事であるとも思っております。また、そうした確保、事業者の経営基盤の安定のために、これは利用者とそしてまた事業者、両方の視点を踏まえて、平成二十一年四月に実施すべきと考えております。

 そのために、事業者の経営実態など基礎的なデータの収集、分析が不可欠でありまして、公平公正な経営実態調査に早急に着手するなど、手続を始めていただきたいところでございます。初めての改定でもありますし、いつから、どのように調査検討を進め、どのようなスケジュールで結論を出されるのか、お伺いをいたします。

舛添国務大臣 この問題は介護職員の場合も同じでありまして、今本当に人材が集まらない。処遇の問題もあります。特に、だんだん景気が上向いてくると、こういう福祉、介護、そういうところに来てくださる若い人も少なくなってくる。ですから、これは全面的に取り組まないといけない重要な課題だと思います。

 そこで、今おっしゃいましたように、来年、二十一年四月に福祉サービス費用の額の改定ということをやりたい、それできちんと処遇をしたいと思います。そのためにはやはり経営実態をちゃんとつかまないといけないということですから、今委員に御指摘をいただきましたので、直ちに、できるだけ早く、早急に全国の事業所を対象とした調査の開始を指示いたします。そして、平成二十一年四月の報酬改定に向けてしっかりと経営実態を把握したい、そういうふうに思っております。

高木(美)委員 恐縮ですが、大体どのくらいのスケジュールで、いつごろまでに、この調査のスタンスですね、何カ月ぐらいかけてとか、そうしためどがございましたら、重ねて教えていただきたいと思います。

舛添国務大臣 今、私の方で大体持っていますスケジュールは、この三月までに専門の方々のお力をおかりして調査票を作成します。そして、三月末までにこの調査票を発送したいと思っています。そして、六月から九月にかけてこの結果を集積し、分析して、それで年末の十二月にはこういう改定をするという内容のセットをして、その過程で高木委員初め多くの方々の御意見も賜ってさらにいい案を得て、そして平成二十一年四月の報酬改定に持っていきたい、そういうスケジュールを今立てているところでございます。

    〔委員長退席、増原委員長代理着席〕

高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

 また、重ねまして、障害程度区分認定のあり方です。

 これは大変多くの議論をいただいてきたところでございます。この区分認定が、その後、障害者の方にとって、どのようなサービスを受けることができるのか、いわばここが一番のかなめであると思っております。

 特に御要望がありますのは、知的、精神障害者の方たち、これは外見からは判断できない特性でございまして、介護保険ベースの百六項目がまず査定をされる、その上で、二次判定で審査会におきまして特性を反映する、このようにされてきたところでございます。

 ぜひともこうした、先ほど大臣も、百人が百人とも、障害者の方たちの状況は異なるとお話がございましたが、やはりそのような特性を判断できる、反映できる仕組み、応用できる判断軸をつくっていただきたい。特に、精神の方たちは、天候により行動が左右されるとか、また強度行動障害の方は、パニックになるとそのような症状があらわれる、ふだんはそういうこともない方もいらっしゃいます。こうしたことから、タイムウオッチで計量するだけではなくて、実態に合った区分認定にしてもらいたい、こういう声が圧倒的でございます。

 この程度区分認定の見直しにつきまして、今後どのようにお取り組みになられるのか、答弁をお願いいたします。

舛添国務大臣 今、委員御指摘の障害程度区分ですけれども、本当に、知的、精神的な障害の場合は外見からそう判断できません。私が認知症の母親を介護したときも、そのときの言葉でまだらぼけなんという名前があって、検査したときは非常に調子いい、しかし、うちに連れて帰ったらもう大変だ、こういうことが、同じように知的、精神の障害者の方にはあり得ると思います。

 一つは、ケアの時間という、時間の量でというのも一つのスケールですけれども、しかし、なかなかそれだけでは十分じゃないと思いますので、これは、専門家の先生方のお知恵も拝借して、何かこの障害者の区分をもっと明確にできる手法がないか、これは開発を今検討させておりますので、そういう成果を得た上で、今おっしゃっている問題意識を私も持っていますので、何とかこの区分を公平公正にというか、できる手だてを考えたいと思っております。開発を検討いたします。

    〔増原委員長代理退席、委員長着席〕

高木(美)委員 これは大変、まさに議論のあるところで、例えば、精神障害の方がこの介護保険ベース百六項目を渡されまして、歯は磨けますか、それは気分がよければ磨けるわけですね。それを、最初からこの介護保険ベース百六項目ありきというところから、わかってもらえていないんじゃないか、本当に、二次判定、自分のそういう苦しい状況を受けてくれているのかという、どうしてもそうした心情面につながってしまうという懸念があると思います。

 また、ぜひとも、私どもも検討させていただきたいと思いますけれども、この見直しにつきまして、適正に行われますように重ねて要望をいたします。

 さて、この法の精神でもございます、理念でございます、障害を持つ方が地域で普通に暮らすことを目指すためには、地域で相談支援体制をどのように構築していくかが不可欠であると思います。例えば、その地域におきまして、相談支援センターをどこに置いていくのか、また自立支援協議会の位置づけと役割の明確化もさらに図られなければいけないと思っております。受け皿となるグループホーム、ケアホームなど、地域の基盤整備の強化も急務でございます。

 こうした、地域で普通に暮らす、このための必要な相談支援体制、またその基盤強化につきまして、大臣の御見解を伺います。

舛添国務大臣 北欧諸国では、ノーマライゼーション、つまり、障害を持った方々も健常者と同じように生活すべきである、そういう方針で長いこと福祉政策をやっている。私は、我が国もそうであるべきだという方針で行っております。

 そこで、今おっしゃった、地域での支援体制、基盤整備ですけれども、まず市町村に相談支援事業の窓口の一元化をやる、そのための強化を図るために措置をとっております。

 それから、グループホームなどを計画的に整備するということで、平成十七年では、グループホーム、ケアホームの障害者による利用者は三・四万人、三万四千人ですけれども、二十三年には八万人に持っていこう、そういうふうに考えております。

 それから、特別対策においても、地域における相談支援体制の整備に向けた支援をいたしますけれども、今回、この与党プロジェクトチームの御提言を受けまして、平成二十年度予算におきまして、新たにグループホームを整備する場合に費用について補助する、こういうことをやりました。

 一つずつ着実に、ノーマライゼーションのために努力をしてまいりたいと思います。

高木(美)委員 その際に、今、施設の関係者から、また既に入所されている方からお問い合わせがありますのは、これから障害程度区分四以上でなければ入所できない、このような内容となっております。そのために、今施設に入っている方はそのまま利用できるのかとの問い合わせが多く来ております。希望すれば継続して利用できるように対応すべきだと報告書ではまとめさせていただきました。

 地域移行を進める一方で、施設への入所が必要な方については、例えば程度区分が若干軽くても入れる配慮も必要だと思っております。このような施設の役割をどのように考えていらっしゃるのか。地域移行そしてまた施設、私は両方のバランスも今の段階では必要ではないかと思っておりますが、この施設の役割につきましてどのようにお考えか、答弁を求めます。

舛添国務大臣 これは、委員、介護の場合も全く同じで、在宅か施設か。これも同じで、ノーマライゼーションを進めるというのは、それは地域に戻るということで、在宅でやれるかと。ただ、これはいろいろな負担もあります。そして、そこまで地域が、例えばバリアフリーを含めて整備されていないということがある。そういうことを考えますと、やはり施設の重要性というのも看過できません。

 したがいまして、今の御指摘でありますけれども、例えば、現に五年間入所されている施設を引き続き使用したいという方に関しては、私は柔軟に、そのままいられるような経過措置をとろうと思っておりますので、そういうきめの細かいニーズに対しての配慮をやっていきたいと思います。

高木(美)委員 今大臣が、五年以上入所されている場合はという条件をおっしゃいました。そのほかにそうした条件をどのようにお考えか、提示をしていただければと思います。

舛添国務大臣 今五年間ということを言いましたけれども、ただこれは、細かい条件をつけて、こうだからあなたを追い出すということではなくて、一般的に、今施設に入っている方が、いわゆる追い出されてしまう、そういうことはないようにいたします。

高木(美)委員 大変力強い答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 私は、施設につきましては、バックアップ機能があり、また地域におきます拠点機能があり、また人材育成の機能というものもあると思っております。

 私の地元の東京都では、都外施設を持っております。北は青森から、また中京地域に至るまで点在をしております。例えば、その方にとっての地域はどこかというふうになりますと、いきなり地域で暮らす、では親元なのか、親御さんはもう亡くなっておられる、兄弟は見られるのか、見ることはできない。こうしたさまざまな状況がございます。そうしたことから、私は、もう少しそこは柔軟に、先ほど申し上げた相談支援体制、やはりここで、その方の施設に入る必要度をきちんと見きわめる仕組みというものもつくっていくべきではないかと考えております。そうした点も、今後ぜひ検討をお願いしたいところでございます。

 最後の質問になるかと思いますが、法の附則の中にも、就労の支援を含めた障害者等の所得保障のあり方について検討を加えというふうにございます。今回の報告書で反響をいただきましたのは、与党として初めて所得保障を検討すると明確に書いたところでございます。就労の支援を含め、幅広い観点から検討を行う。その際、社会保障制度全般の一体的見直しに関する議論との整合性や財源の確保を図った上で、障害基礎年金の引き上げ、例えば、二級の今の六万六千円を八万三千円にとか、また一級の金額八万三千円は十万円程度に等々、案を持っておりますが、このような引き上げ、また住宅手当の創設についても検討を行う、このように書かせていただきました。これが可能になりますと、自立して、まさに地域で施設、在宅関係なく生活することも可能になると思っております。

 今、我が党の坂口副代表も推進してくださっておりますが、年金の加算制度等を含めまして、現在政府また与党で行われております社会保障制度全般の一体的見直しに関する議論の俎上に、年金、介護、医療そしてまた子育て支援プラス障害者という、ここをはっきりとのせていただきまして、御検討をいただきたいと思っております。

 またさらに、住宅費の問題でございますが、施設入所の方には今手元に二万五千円残る仕組みがございます。しかし、グループホーム、ケアホーム、地域で暮らすと言っていながら、住宅、光熱、食費が払えなければ生活保護に行かざるを得ないという状況がございます。この施設、在宅のバランスを確保するためにも、住宅手当の創設も必要ではないか、検討すべきではないかと書かせていただいたところでございます。

 こうした所得保障に関する厚生労働大臣の御見解を伺いたいと思います。

舛添国務大臣 ノーマライゼーションの最終的な理想は、税金が払えるように仕事をして所得を得るということですけれども、なかなかそこまでいきません。個々人の態様も違います。

 したがいまして、今おっしゃいました障害基礎年金の引き上げ、住宅手当の創設、こういうことについても今後検討してまいりたいと思います。当面は、一般就労への移行措置、それから工賃倍増五カ年計画、こういうことも含めて、全力でこの問題にも取り組みたいと思います。

高木(美)委員 財務大臣に同じ質問をさせていただきたいのですが、このような与党報告を踏まえまして、今後、社会保障費の中に障害者支援を位置づけていただき、必要な財源確保につきまして取り組んでいただきたいことをお願いするものでございます。

 財務大臣のお考えをお伺いさせていただきます。

額賀国務大臣 高木先生から、与党の提言を踏まえて、思いを込めたお話を聞いておりまして、国は、もう御存じのように、大変な財政難の中で、財政再建の旗を掲げていろいろな施策を講じているところでありますけれども、必要なものは講じていかなければならないと思っております。

 障害者に対する福祉サービスというのは、ここ数年は一〇%ぐらいずつ伸ばしてきているわけでございまして、今後とも、先生の思いをよく大事にしながら対応していきたいというふうに思っております。

高木(美)委員 それでは最後に、恐縮でございますが、厚生労働大臣の今後の障害者施策に取り組まれる御決意をお伺いいたしまして、質問を終了させていただきたいと思います。

舛添国務大臣 私は、障害者が生き生きとこの日本で生活していける、つまりノーマライゼーションの理想が達成できる、それが本当の意味で日本が先進国だと言えるというふうな思いでおります。

 したがいまして、今委員が御指摘になりました、そして、与党のプロジェクトチームが出されました御提言を踏まえまして、さらにこの障害者自立支援法に基づく制度の抜本的改革も含めて、全力を挙げてこの問題に取り組みたいと思います。

高木(美)委員 これからいよいよ法改正に向けまして、その内容が大変重要であり、正念場であると思っております。また、大臣には力強い答弁をいただき感謝いたします。

 また今後とも、ぜひとも、ノーマライゼーション、またユニバーサル社会を目指しまして進めていただきたいことをお願いいたしまして、質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて高木君の質疑は終了いたしました。

 次に、岡田克也君。

岡田委員 民主党の岡田克也です。

 きょうは、今まで余り取り上げられておりませんが、核軍縮、不拡散の問題について、まず外務大臣にお聞きしたいと思います。

 この核の問題ですけれども、例えば最近、一月の十五日のウォールストリート・ジャーナルで、キッシンジャー、シュルツ、ペリー、ナン、四名連名で、核兵器のない世界を目指して、そういった投稿がなされまして、これは昨年に引き続いてのものなんですけれども、核の問題というのは、世界が直面している、貧困の問題、温暖化の問題と並ぶ三大脅威だというふうに私は思うわけです。

 従来、我が国は、核の不拡散あるいは核の軍縮ということに対して、広島、長崎の経験といいますか、そういったことも踏まえながら世界の中でしっかりと発言をしてきたというふうに思うわけですけれども、まず、外務大臣のこの核不拡散、核軍縮に対する基本的な現時点におけるお考えを聞かせていただきたいと思います。

高村国務大臣 核軍縮、核不拡散というのは極めて大事なことでありまして、日本は唯一の被爆国でありますから、この点については、今までもそうでありましたように、これからも日本として国際社会で主張し続けていかなければいけない問題だ、こういうふうに考えております。

 NPT体制あるいはCTBT、そういったことをきちっとやっていく。それは、非核兵器国が核を持たないようにすることはもちろんでありますが、核兵器国にも核軍縮をするということをきっちりやっていかないと、なかなか公平な、NPTというのは不公平ではないかというような意見もあるわけでありますから、核兵器国には核軍縮をきっちりやってもらう、そして非核兵器国には絶対に核を持たないようにしてもらう、そして核兵器国には包括的に核実験をやめてもらう、そういったことを日本としてリードしていきたい、こう思っています。

岡田委員 私は、私自身も先ほど申し上げましたように、広島、長崎の被爆経験ということは我が国にとって非常に大きなことですが、同時に、それにとどまらずに、世界の中で核のない世界を目指していくということは日本外交の大きな柱であるべきで、核を持たない大国としての日本、そこにおける外交政策の大きな柱であるべきだというふうに思っております。

 そういう観点で見ますと、北朝鮮もあり、最近のイランもあり、さまざまな拡散の危機が言われておりますが、そういう中で、私は、ちょっとインドの問題をきょうは取り上げて、少し大臣のお考えを聞きたいと思います。

 インドは、言うまでもなく、日本にとって経済的にも政治的にも重要なパートナーであるというふうに思います。今や日本の経済協力の最大の供与国がインドであるということでありますが、他方で、一九九八年にインド、パキスタンの核実験というのがありました。そのときには、我が国はそれに対して強く抗議をし、経済制裁も実施をしたわけですね。しかし、今やそれが最大の援助供与国になっているということです。安倍総理が総理としてインドに行かれた折にも、さらなる経済協力の拡大ということも約束をされたわけであります。

 核実験をしたときには非常に厳しく対処しながら、いつの間にかインドに対する考え方が変わってしまったのか、変わっていないのか。そこのところ、まず外務大臣の御見解を聞きたいと思います。

高村国務大臣 インドについては、大変悩ましい問題で、今委員がおっしゃったように、戦略的に我が国にとって大変重要な国である。

 そういう中で、NPT体制に入っていないにもかかわらず、現実に核を持っている、核実験をした、そういうことで、経済協力等を一時とめていたわけでありますが、インドの重要性がますます高まっていると同時に、一方で核実験のモラトリアムを宣言した、そういうところを総合的に評価をして、今、経済協力等はしている、こういう状況でございます。

岡田委員 インドにどういったスタンスで対応していくべきかというのは非常に難しい問題であるということは、私も認識を共有するわけです。

 ただ、今までは、そういう中で具体的な政策の転換なく、いつの間にか気がついたら最大の援助供与国になっていたということで、私は、やはり少し考え方を整理しなきゃいけないのじゃないか、簡単ではありませんけれども、ずるずるといってしまうということは決して好ましくないというふうに思うわけです。

 そこで、具体的に今問題になっているアメリカとインドの米印原子力協力協定、これは、アメリカの政権がかわりますとどうなるかは不透明な部分がありますけれども、この米印原子力協力協定については、インドの中でもさまざまな議論があります。私も一月にインドに行って各党の代表者とこの問題で意見交換をしてまいりましたけれども、彼らからすると、アメリカとこの協定を結ぶことは自分たちの核開発の自由度を制約するものである、そういう意見が非常に強いわけですね。これは、与党、野党を問わず、そういう意見を聞いてまいりました。

 しかし、一方で、この米印原子力協力協定が締結されますと、具体的なカバーする範囲は、インドの核施設二十二基のうちの十四基しか保障措置の対象としていないということであります。十四基についてはIAEAの保障措置の対象にするということでありますが、逆に言いますと残る八つの施設につきましては対象外となるということで、そこで核兵器用の濃縮ウランを引き続き製造していく可能性が高いというふうに言われているわけですね。そうなりますと、インドは近い将来核大国になるだろうと、今でもかなりの核兵器を持っているというふうにされていますが、アメリカ、ロシア、中国に続く核大国になりかねないということが懸念されているわけであります。

 ここのところ、米印協定にはインドがそういった核大国になる可能性があるということについて、大臣はどうお考えでしょうか。

高村国務大臣 核大国にはなってほしくないというのが、これは当たり前の話でありますが、そういうことでありますし、IAEAとの保障措置協定がどうなるかというのを、これをきっちり見守っていく必要がある、こういうふうに考えております。

 いずれにしても、核実験のモラトリアムを今やっていますので、核実験をやらないままに核大国とまでなるというのはなかなかできないことだ、技術的にもできないことだと思いますが、単なるモラトリアムでなくて、CTBT等に署名、批准してもらうように、私たちとしてインドに対して慫慂しているところでございます。

岡田委員 今、IAEAの保障措置協定の話をされましたが、これは、ですから、二十二基のうちの十四基についてどういう中身にするかということを議論しているのであって、残る八基については放置されているといいますか、そこはもう前提として入っていないわけですね。ですから、IAEAの保障措置について注目しているというふうに言われましたが、IAEAの保障措置がかかったからそれで問題の根本的な解決になるわけでは必ずしもない。

 その後、日本としても、このことについてどうするかということを求められますよね。ずっと安倍さんのときも、今様子を見ている、注視しているということで判断を先送りしているわけですよ。何のメッセージの発信もないわけですよ。そこについてどうお考えですか。

高村国務大臣 少なくとも、日本は二国間でインドに対してはメッセージを発している、こういうふうに思っています。

 まさに、IAEAの保障措置というのは、要するに、原子力供給グループ、いろいろな国からそういうものが、行ったものが核兵器の方に使われないという保証がきっちりなされなければそれはできないわけでありますから、そういうところについてはIAEAがどういう判断をするかということは重要な問題で、これについては注目していますし、その後で、原子力供給グループの中でいろいろ議論をしていきますが、日本としても積極的にその議論に参加していきたい、こういうふうに思っています。

岡田委員 先ほど言いましたように、米印の原子力協力協定はすべてカバーしているわけではありませんので、IAEAの保障措置がかからないものがその中にあるという前提なんですね。

 ですから、そのIAEAの保障措置の交渉の後は、おっしゃったように、原子力供給国グループで議論するということになっていますが、ここは今まで慣例的には全会一致だということですから、ある意味では日本は拒否権を持っているわけです。そこで日本がどうするのか。

 例えば、IAEAですべて保障措置の対象にしろという言い方も、インドがそれを納得するかどうかは別にして、チョイスとしてはあるんですね。あるいは、今の米印原子力協力協定で言う二十二基のうちの十四基しか対象にしないということを是認するのか、しないのか。それを是認するということになると大変な穴をあけてしまうということになるわけですが、そこは日本政府としてはどうなんですか。

高村国務大臣 いずれにしても、日本としては、インドが核大国になることがないように、そういうことに万全を尽くして、供給グループの中で主張すべきことを主張していく、こういうことでございます。

岡田委員 主張すべきことを主張するというなら、別に今だって主張できるわけですよね。保障措置協定、その交渉が終わる以前だって日本のスタンスというのは明らかにできるわけです。とにかく先送りしているとしか見えないんですね。

 問題の難しさはわかります。私も大臣のお立場だったら相当悩むと思います。日本とインドの関係も当然あります。それから、いろいろ厳しくやって、では、インドがそれでわかりましたということになるか、そういう現実的な判断ということも必要でしょう。

 ただ、アメリカを見ていまして、やはり自分の味方なら甘く、そうでなければ厳しくという、かつて、例えばイラクに対しても、大量破壊兵器について、アメリカは当初は技術を供与したのではないかと言われていますよね。それから、アフガニスタンだって、もともとはタリバンに対してアメリカは支持をしてきた。

 要するに、自分の味方に対しては非常に甘く、しかし、いつの間にか気がついたらそれが敵に回ったりする。そういうことを歴史が教えているわけですけれども、インドは民主主義国家であってそういうことはないと私は思いますが、何か余り便宜的にそこを考えてしまうと、これからインドの次の話のときに、私はにっちもさっちもいかなくなるんじゃないかと思います。

 現に、例えば、パキスタンをどうするのか。インドについて米印原子力協定を認めたときに、ではパキスタンの扱いをどうするのか。あるいは、イランは、核兵器の開発はしないと彼らは言っていますけれども、非常に疑われている状況の中で、ではイランの問題を、インドに対して認めながら、イランはどうするのか。あるいは、もっと言えば、今、核はあるということは公然の事実とされているイスラエルについてどう考えるのか。もう少し大きな議論を今しなきゃいけない時期に来ていると私は思うわけですね。

 もちろん、北朝鮮やイランといった、これから核を持つ可能性のある国についてはきちんと遮断しながら、しかし、持ってしまった国があるわけですから、北朝鮮も持ってしまったといえば持ってしまったわけですけれども、インド、パキスタン、イスラエル、そういった国について、例えばNPTに入っていない、これをどう考えていくのか。それから、CTBTの扱いをどうするのか。今までは五つの国しか核を持っていないという前提、仮定の上に立って今の体制ができていますけれども、もう現実に持ってしまっている国、そして認めざるを得ない国が出てきた現状で、これも非常に難しいんです、それを正式のものとして認めてしまうと、また次が出てくるかもしれません。そこを遮断しながら、しかし、全体のNPT、CTBTの枠組みを変えるという議論も現実には必要なんですね。

 そこを、私も答えがあって言っているわけじゃないんですが、大きな構想を持って何か発信していく、そういう役割が日本にあるんじゃないか、あるいは日本がまさしく果たすべき役割じゃないかというふうに私は思うわけですけれども、いかがでしょうか。

高村国務大臣 NPT体制を守ることは大切ですし、それから、包括的核実験禁止条約、CTBT、これに一つでも多くの国が署名、批准してもらうことが大切だ。そういう努力をするとともに、包括的核実験、非拡散についての、核廃絶に向けての決議を国連に毎年提出し、そしてその賛成国もふえている、こういうことでリーダーシップをとっているつもりでありますが、まさに貴委員がおっしゃるように、広い範囲でいろいろな国について考えていくということは必要であります。

 ただ、インドについては、貴委員も認めておられるように、非常にいろいろな観点からのバランスというものがありますので、これについては、今、先送りとおっしゃいますけれども、先送りというのは、タイムリミットが来ているにもかかわらず決断しないで、それを延ばしちゃうのを先送りというんだろうと思うんです。何も先走って何かを、全体的なバランス、そしてその中で、国際的な議論の進展を見ないで、何でも先に決めることをしないのを先送りというんじゃないんだろうと思うんですよ。

 私は、このことについて、まだ、タイムリミットが来て今決断しなければいけない話ではなくて、全体のバランスを見ながら考えていく時期だ、こういうふうに思っております。

岡田委員 タイムリミットが来てから何か決断をするということでは、それはリーダーシップということとは全く無縁の進め方だと私は思うんですね。

 インドについては、一方で、原子力の平和利用についてのいろいろな売り込みとか、最近、フランス・サルコジ大統領なんかを見ていましてもそういう感じがしないわけではないし、そういう目先の利益に各国が走って、これは日本も含めて、結局、核の不拡散ということが事実上ないがしろにされるということは、私は、やはり政治の責任として避けるべきだと。現実にインドが核を持っているということは、私は認めるという前提で、しかし、その影響を最小限に食いとめるような大きな構想が求められている、そういうふうに思うわけです。ぜひ、そこは外務大臣も問題意識を持って検討していただければ大変ありがたいことだと思います。

 もう一つだけ。

 インドが新たに核実験をするということになったらどうなるんでしょうか。そのことをインドは必ずしも否定しておりません。インドが核実験をしたときには、日本は経済協力をとめるということになるんでしょうか、ならないんでしょうか。いかがでしょうか。

高村国務大臣 現時点で、モラトリアムを宣言して核実験をとめているわけであります。日本は、それを慫慂していると同時に、CTBTに署名、批准してくれるように迫っているわけで、今の体制からいえば、核実験をするというのは、日本の立場から見れば悪いことでありますから、悪いことをしたらどうだということを、今、友好国に対して公のところで言うのが適当かどうかという話はありますが、少なくとも一般論で言えば、核実験をするような国には日本は原子力協力はできませんねと、それは言えると思うんですね。

 ただ、核実験をしたからすべての経済協力をやめるかやめないか、そういうことを、今、モラトリアムを宣言している国に、二国間でひそかに言うのならともかく、公に、したらどうしますよ、そういうことを仮定の論議として言うことは外交上適当でない、私はそう考えております。

岡田委員 今、大臣も言われましたように、原子力協力というものをどうするかというのがもう一つあるわけですね、経済協力全般以外の問題として。

 アメリカの米印原子力協力協定の中では、これは議会の方が条件をつけて、そして米印平和原子力協力法の中で、インドが核実験を行った場合には原子力における協力をアメリカは停止する、そしてインドが使用済み核燃料の再処理を行うことも規制するということが書き込まれているわけであります。そういう意味では、アメリカも野方図にやっているのではなくて、そういう条件をつけている。それに対してインドがまた反発しているという部分はあるんですけれども。

 日本も、まだそういう原子力の協力をするという話も具体的になっていない段階ではありますけれども、やはり少し、インドの現状に対して警告といいますか、核実験をやった場合には日印関係というのは基本的に簡単なものじゃなくなるということは公式に表明しておくべきではないかというふうに私は思うんですが、いかがですか。

高村国務大臣 アメリカの場合は、原子力協力をしますよ、そのかわり、核実験をやった場合はこうしますよという話で、日本は原子力協力も今していませんし、これからしますよという約束もしているわけじゃない。そういう中で、少なくとも現時点でインドは核実験のモラトリアムを宣言している。その中で、二国間の話し合いの中でいろいろ言うということはあり得るわけで、私は、インドが核実験をやった場合に、過去の例からいっても、日本の立場はインドに対していろいろ厳しくなるということぐらいはインドは十分承知していると思いますし、それを公の立場で、これをやったらこれだぞ、こういうことを言うことは外交上必ずしも適切でない、こういう考えであるということを申し上げているんです。

岡田委員 この問題はもうこれでやめたいと思いますけれども、私は、やはり核不拡散、核軍縮ということに対する日本のスタンス、先ほど言いましたように、重要な外交の柱だと思うわけですね。ところが、国連には決議を毎年出しておられるということですが、それがもうお題目になりつつあるのではないかというふうに思うわけですね。

 それから、最初に申し上げましたが、キッシンジャー、シュルツも、私たちは今危うい核のがけっ縁に立たされているというふうに言っているわけですが、その危機感を共有するのであれば、もっとしっかりと核の問題に対して、日本として、単に決議案を出すだけではなくて、具体的なアクションとして、あるいは構想を示す、そういう形の中で主導権を、リーダーシップを発揮していくべきだ、そのことを申し上げておきたいと思います。

 それでは、外務大臣はもうこれで結構です。

 次に、経済財政の中期見通しについて、ちょっと基本的なことをきょうはお聞きしておきたいというふうに思います。

 お手元に資料も配付をさせていただいていますが、政府の資料を要約したものです。私は、平成二十年版の「進路と戦略」を見まして、ちょっとよく理解できないところがあるんですが、まず、経済成長についてどういうふうに考えているかということであります。

 お手元の資料の一ページの「経済成長」のところ、二十年版のところをごらんいただくと、ここに引用がしてあるわけですが、今後十年間に実現を目指す姿として三つの目標を掲げながら「実質二%以上の経済成長が視野に入ることが期待される。」こういう言い方をしていますね。そして別のところでは、これは四年間という意味だと思いますが、「対象期間のうちに二%程度あるいはそれをかなり上回る実質成長率が視野に入る」。十年間については「実質二%以上の経済成長が視野に入ることが期待される。」と言いながら、四年間については、かなりそれを上回る成長率が視野に入ることが期待されると。ここは、ちょっと私は言い方が一貫していないじゃないかというふうに思うわけですが、いかがですか。

大田国務大臣 まず、実質成長率につきましては、二〇一一年度に向けて成長戦略を講じていく。そして、そのときの実質成長率の経路につきましては、昨年と同じ書きぶりになっております。

 一方で、この「経済成長」のところは、今、成長戦略をつくっております。このときに、十年先のあるべき経済社会の姿、目指す姿を共有しようということで、成長については、これから人口が減る中にあっても、現在程度の成長率を達成できるような経済社会を目指していこうということで書いております。

 この「二%程度」というのは、十八年度に政府・与党で決定されました経済成長戦略大綱、その中には、十年間で実質二・二%程度の実質成長を視野に入れると書かれているものも意識されております。

 いずれにしましても、この十年間につきましては、目指すべき姿を共有するという意味で書いております。

岡田委員 これを素直に読みますと、最初の四年間は二%あるいはそれをかなり上回る、その後の残りの後半六年は少しそれが落ちつくのかなというような印象を受けるんですが、そういう理解でいいですか。

大田国務大臣 これは、出してくださっているシナリオは成長シナリオの方ですので、ここまでは成長戦略をしっかりとって上げていくということを念頭に置いております。足元低くて上がっていきますので、成長率は上がっていく、上昇度が高い、そして、その後はなだらかになっていくという経路です。

岡田委員 文章を素直に読めばそういう理解だと私も思うんですね。

 そこで、十九年版はどう書いてあったかということなんですが、この「経済成長」のところをごらんいただきますと、「日本経済を中長期的に新たな成長のステージへと引き上げ、今後五年間で「新成長経済」への移行を目指す。こうした努力により、今後五年間のうちに二%程度あるいはそれをかなり上回る実質成長率が視野に入る」、こういう言い方ですね。

 ここでの私のイメージは、五年間は二%あるいはそれをかなり上回る、そこは一緒なんですが、その後、後半の五年でさらに上がる、新成長経済へ移行することによってさらに上がっていくというイメージを持つわけですけれども、違いますか。

大田国務大臣 今先生が読んでくださった前段のところで、新成長経済への移行を目指す、こうした努力によって、五年間のうちに成長率が上がっていく、そして、五年間のうちに二%程度あるいはそれをかなり上回る実質成長率が視野に入ることが期待されると、上がっていく姿です。

 したがって、新成長経済の後、さらに上がるということではございません。

岡田委員 この文章を読む限りわかりにくいんですけれども。

 済みません、経産大臣と環境大臣、多分行けないと思いますから、お帰りください。申しわけないです。そこまで回らないだろうと思いますので。

 そこで、もう一つは、物価の伸び、それから長期金利の見方のところについて質問したいと思うわけですけれども、二枚目の紙を見ていただきますと、ここで十九年版と二十年版で比較してありますが、名目成長の伸びは、二〇一一年度で見ますと、二十年版では三・三%、十九年版では三・九%でした。名目成長がかなり下がるなということですね。まず、これはなぜ下がるのかということと、それから、名目長期金利で見ますと、二十年版は二・九%、十九年版では四%、これもかなり低い水準になっています。

 ここはどういう論理でそうなっているのかというのをちょっとお聞かせいただけますか。

大田国務大臣 名目成長率は、実質成長率と物価上昇率で決まってまいります。物価上昇率が、足元で伸び率が鈍化しております。物価上昇率の経路が下に下がりました、足元で落ちておりますので、それを受けて下がりました。一方で、実質成長率については、想定に沿ったとおりの経路で進んでおります。したがいまして、物価上昇率が下がった分、名目成長率も下がっている、下方修正されているということでございます。

 それから、長期金利ですけれども、モデルの中で、四つの要因で決まってきます。短期金利、物価上昇率、それからアメリカの長期金利、それから債務残高、これは財政のリスクプレミアムを示しております。

 物価上昇率が下方修正され、これを受けて短期金利が下方修正されています。それから、経済の減速を受けてアメリカの長期金利も下方修正されております。これを受けて長期金利が下がっているということです。

岡田委員 ここでよくわからないのが、名目成長率は、三・九だったのが三・三というふうにマイナス〇・六ポイント、下方修正されたわけですね。長期金利の方は、二〇一一年度四%だったんですよ、十九年版見通しは。それが二・九。レベルとして一・一ポイント下がっているわけですね。

 どうしてこんなに長期金利が下がっちゃうんですか。名目成長率が下がるより、はるかに下がっているわけですね。

大田国務大臣 名目成長率と名目金利を規定する要因として、物価上昇率はひとしく入っております。これは両方とも下方修正されておりますけれども、長期金利の場合、さらに短期金利、アメリカの長期金利という動向を入れておりますので、その分下げ率が大きくなっております。

岡田委員 そこはモデルか何かでやっておられるんだと思いますが、その結果どうなっているかといいますと、次のページをごらんいただきますと、国債費というのが、二〇一一年度で、十九年版では二十八・九兆円、それが二十四・一兆円ということで、四・八兆円減っているんですね。税収の方は二兆円減っているだけ。

 ですから、もちろん名目成長率が下がれば税収の伸びが減るのはわかりますけれども、二兆円だけ減っている中で、国債費が四・八兆も減って、結果的にプライマリーバランスは国、地方合わせて〇・一兆円の赤字、こういうことになっているわけですね。

 私は、これだけ税収に対して国債費のレベルが下がっているというのも、それは金利が変われば変わってくるといえばそのとおりですけれども、本当はこんなに下がらない、国債費は減らないんじゃないかというふうに思えてならないんですね。

 もし減らないとすると、結局、プライマリーバランスの赤字も、実はもっとふえるということなんですね。〇・一兆円じゃなくて、例えば同じように二兆円しか国債費が減らないとすると、プラス二・八兆乗っかってくるわけですから。

 ですから、二十年版の姿として、プライマリーバランスが若干、〇・一兆の赤字になってしまう、従来の予想ですと〇・二兆の黒字だったのが赤字見通しになるということがかなりセンセーショナルに報じられましたが、私は、実はもっと厳しいというのが現実ではないかというふうに思うんですが、私の見方は間違っていますか。

大田国務大臣 名目成長率と名目金利は、モデルの中で先ほどの想定で進んでまいりますので、何ら恣意的に金利を下げているということはございません。

 さらに、内訳を申し上げますと、名目金利を計算する場合の短期金利は、二〇一一年で〇・四%の下方修正幅になっております。それから、アメリカの長期金利の下方修正の幅が二〇一一年度で〇・〇五%程度とモデルの中で試算しております。その分、長期金利の下方修正幅の方が大きかったということでございます。

岡田委員 そこで、もう一つちょっと確認をしたいんですが、私は、安倍内閣のときの新経済成長戦略、日本は高目の成長を目指していくということ自身に異論があるわけではありません。ただ、非常に違和感を感じたのは、その高目の成長を目指すということを、財政の収支の中にそのまま反映して、高目の成長を目指すんだから税収はふえる、しかし金利は抑え込む、そういう中で財政の黒字化を達成していく、これは一種のトリックだったんじゃないかというふうに私は思うんですが、今もその考え方というのは維持されているんですか、それとも、そこは福田内閣にかわって基本的に変わったということですか。

大田国務大臣 成長戦略は引き続き重視して講じてまいります。ただ、経済動向につきましては当然不確実性がございます。それによって税収も異なってまいりますので、財政健全化を考えるに当たっては、その不確実性を十分考慮するというのは当然のことだと考えております。

 したがいまして、安倍内閣のときから、成長戦略が効果を発揮したときの成長シナリオと、発揮せずに、さらに経済の外的、海外の動向もリスクが出た場合のリスクシナリオという二つのシナリオを示しております。したがって、この二つのシナリオというのを前提に置きながら、今後も、高目の成長を目指す努力とあわせて、この二つの不確実性を見ながら、歳出歳入両面の改革を行っていきたいと考えております。

岡田委員 大田大臣は安倍さんのときも大臣をやっておられたわけですから、考え方ががらっと変わりましたというのはなかなか言えないだろうと思いますが。

 やはり私は、財政の収支の見通しについては堅実に、そして経済成長はもちろん高目を目指していく、この二つはやはりきちんと分けて考えないと、それを一緒にしてしまうといろいろな弊害が出てくると思うんですね。財政の収支を名目上黒字化するためにわざと高い成長を掲げるとか、逆にそういうことも起こってくるし、この二つはきちんと分けておくべきだというふうに思うんですが、それがきちんと分けられていなかったところに安倍内閣時代の大きな問題があるというふうに私は考えるんですね。

 もっと言えば、ですから、高い成長を目指すか目指さないかという経済成長における路線の問題と、それから財政収支について、増税なりさらなる歳出カットを必要とするか、あるいはそういったものなしでも黒字化を目指せるとするかという路線の違い、これは一対一にリンクするものじゃなくて、次元の違う話であるというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。

大田国務大臣 二つのシナリオを示しながら歳出歳入両面の財政運営というのは考えていかなくてはいけない、これは当然だと思っております。あわせて、経路に乗っているかどうか、二〇一一年にプライマリーバランスを均衡させるのに今どういう経路にあるかは、年に二回計算をして、逐一そのときの状況を把握しながら進めております。

 したがいまして、楽観的な成長に依存して財政を考えるとか、そういうことは全くしておりません。

岡田委員 全くしていないというのは、今していないのか、安倍内閣でどうだったのか、わかりませんが、経済財政諮問会議では随分議論も、激論も交わされたわけですから、そう簡単な話じゃないというふうに思うんですけれども、あるいは自民党の中でもさまざまな議論があることも承知をしておりますが、やはりそこはきちんと分けて考えていくということだけはしっかりと肝に銘じていただきたいというふうに思います。

 それでは、もう結構です。

 冬柴大臣、道路財源について、きょうは国幹会議について少し、残された時間の中で確認をしたいと思うんですが、大臣は、この予算委員会の中でも、民主党の議員も入られている国幹会議の議を経ておりますということを何度か言われました。

 それでは、その国幹会議というのは一体どういうものなのかということでありますが、国土開発幹線自動車道建設会議、略称国幹会議。大臣は、この国幹会議について、きちんとした議論が行われているというふうに認識しておられるんですか。

冬柴国務大臣 今委員がおっしゃいましたのは、法律に基づきまして国幹会議、これは平成十三年一月ですか、省庁再編のときに会議ということになりました。自来、平成十三年の現行国幹会議になりましてから、今まで三回開かれております。

 第三回国幹会議は十二月に開催されまして、私も一部出席をさせていただきました。ここでは、東京の外郭環状道路、特に関越―東名の基本計画の策定などの議事に対しまして、議案はこれ一本だったんですね、相当詳細な御意見の開陳がなされて、私もその前で聞かせていただきました。

 私としては、大変活発な御議論の中で議事を民主的に決するなど、十分御審議をいただいたと。私は、不十分だとか形式的だということは、そういうことは言えない。その実質を私も見せてもらいまして、これは十分だったと思います。民主党からも四人の方が出ておられまして、それぞれいろいろな御発言もしていただきまして、そういう会議でございました。

岡田委員 テーマが少なければ、ある程度議論は活発になるかと思うんですが、例えば第一回や第二回、それぞれどうだったんですか。

 例えば第一回の会議では、何が議論されて、そして状況はどうだったんでしょうか。

冬柴国務大臣 第一回は平成十五年十二月二十五日、一時間半。発言者は二十名のうち十一名、うち民主党国会議員三名であったと記録されております。第二回国幹会議は、十八年二月七日、会議開催時間も一時間半。発言者は出席委員十七名のうち十三名、うち民主党国会議員三名ということで、御発言がそれぞれあったと聞いております。

 何を議論したかということについては、今ちょっと手元に、済みません。

岡田委員 第一回は、今大臣おっしゃったように、九十分という時間を使いまして、平成十五年十二月ですけれども、新直轄に一部切りかえるということの議論を中心にしているわけですね。そこで有料道路に適しない六百九十九キロメートルについて、二十七区間ですけれども、事業費でいうと二・四兆円相当を有料道路から新直轄に移すということについての議論をしている。それからもう一つは、三・八兆円のコスト削減、これを具体的に七十区間について計上した。もう一つは、ジャンクション、インターチェンジの追加というのがあったんです。

 これだけの、事業費二・四兆円を新直轄に移すという、それは有料道路では採算がとれないということで新直轄に移すという判断、あるいは三・八兆円のコスト削減、全体七十区間にわたって計上している、そのことの適否、これだけのことを九十分、九十分といっても、議事録を見る限り半分ぐらいは説明に充てておられますから、実質的には四十五分、これだけの審議できちんとした議論ができるというふうに大臣はお考えですか。

冬柴国務大臣 その会議を開くに当たりまして、この十五年については私はつまびらかにしませんけれども、政治家の先生はとても忙しいところもありまして、経済界あるいは学者の先生方とは懇談会も開かれたりしたようにも承っておりますが、その会議の前に、各議員には職員がすべての資料を持参して詳細に説明をし、そして会議に臨んでいただくというような準備はしているというふうに、今回もそうでございますが、そのように聞いております。

岡田委員 政府の審議会で、一定の役所がつくった結論をオーソライズするための審議会というのもよくあるわけですけれども、そういう審議会ではなくて、きちんと中身が議論されて、その中身が反映される、そういう意味での国幹会議であるというふうに大臣は認識しておられますか。それとも、単に役所のつくったものを追認するだけの、そういう審議会だというふうにお考えですか。

冬柴国務大臣 いや、それはそうじゃなしに、実質的な会議です。会長の主宰のもとに議論をされて、そういう単なる追認というものではなしに、大変重い審議会だというふうに思います。出ていられる国会議員の先生方も大変、当選回数も古くて、著名な方でございますし、そういう追認の道具に使われるような人ではない、私はそのように確信をいたします。

岡田委員 例えば、先ほど言いましたように、二十七区間、六百九十九キロメートルを有料道路に適していないということで、第一回の話をしているんですが、これを新直轄に持っていくということになれば、それぞれの区間についてBバイC分析をして、こういうことだから有料道路に適さないんだ、新直轄にしなけりゃいけない、こういうことになると思うんですね。そして、新直轄ということでは必要なんだという判断もしなきゃいけません。有料道路ではないけれども新直轄ではやらなきゃいけないんだ、そういうことをこの二十七区間について一つ一つやっている形跡はもちろんないわけです。これで実質的に審議したというふうに言えますか。

冬柴国務大臣 出席された委員から今のような御発言はなかったと思います。出席された議員の中から、こんな膨大なものをここで決めるわけにいかぬじゃないかという発言はなかったと思うんですが、それには、事前に職員がそういうふうにした資料等を持って御説明に上がって、そして十分そのような準備を、心準備をして会議に臨んでいただいたというふうに思うわけでございます。

岡田委員 事前説明は大事だとしても、事前説明があるからといって、実質四十五分できちんとした議論ができるとは思えないわけですね。

 大臣おっしゃいましたが、現実に、例えば第一回の議事録に書かれた中でも、例えば井田由美さん、日本テレビ、二・四兆円を一時間半の会議で決めることは疑問だ。それから我が党の岩國議員、二十兆円を決めるときに、二十人がわずか四十五分というのは余りにも形式的だ。あるいは北城さん、経済同友会の当時の代表幹事ですが、新直轄を決めるときに、民営化会社ということをとったんだから、民営化会社がまず決めるべきだ、国が新直轄と有料道路で整備する部分を分けるんじゃなくて、まず民営化会社がそれを決めるべきだということとか、あるいは、地方の利便性を中央の会議で一律に決めることには、それは非常に困難が伴うんじゃないかというような発言もされているわけですよ。

 それだけの発言がありながら、最後は了承を取りつけて、四十五分で終わってしまっている。これが本当に機能している会議だと思われますか、大臣は。

冬柴国務大臣 国幹会議の運営方法は、国幹会議の会長が会議に諮って決めるということになっております。具体の運営方法に関しまして、改善すべき点があるということであれば、一義的には国幹会議の委員の方々で御議論いただくことが必要であると思います。

 きょう、岡田議員からそのような御指摘も具体的にありましたので、国幹会議の会長が会議に諮って、どうされるかということ、今後のことですね、これは御審議をいただくのではないかというふうに思います。

岡田委員 御審議といっても、国幹会議というのは平成十三年から三回しか開いていないわけでしょう。だから、何か役所が案をつくったときに、あるいは政府が案をつくったときに、それをオーソライズするためにやっている。

 私は、これは国会議員十人と民間十人でやっている会議ですけれども、国会議員が入っているということが、何かそういう言いわけに使われるために利用されているとしか思えないんですよ。本当に国会の意見を聞きたいというんなら、国会で議論したらどうですか。

 この予算委員会でもさまざまな、BバイC分析についても、その前提とするデータについても、疑問が出されていますよね。具体的な、こういう路線のBバイC分析あるいはその前提となることなどについてもきちんと国会で議論して、国幹会議、民間でやっていただくのはそれは自由だと思いますが、国会の中にもそういう検討機関をつくって、そして、具体的な高速道路の必要性、そういったものについて専門的に議論する、そういう場が必要だと私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 高速自動車国道につきましては、先ほど、冒頭岡田委員からおっしゃいましたように、国土開発幹線自動車道建設法というものの中で決められているわけですね。そのときに当然議論されている、国会で議論されて可決されたわけであります。それが今残っているわけでございます。

 個々具体的には、都道府県等の関与も大変たくさんあるわけでございまして、例えば、基本計画の決定がありましたら、利害関係者として都道府県知事はそれに対して意見を述べられます、機会が与えられていますし、都市計画決定とか環境影響評価というのが非常に重要な要素を占めていますけれども、そういうものは地方団体がこれをやっていただくということになっています。

 それを受けて、それがまとまったときには地方団体から国土交通省の方にその道路の整備についての意見が具申されてくるわけでございまして、そして国幹会議に諮られるんですが、もちろんその前には、何回も言います、BバイCをとるとか、それはいろいろな手続を経てここへ持ってくるわけで、整備計画が決定されるということになります。その国幹会議には、不十分だとおっしゃいますけれども、その委員も議員が十名入っているという非常に重い会議だと私は思います。

 そして、それに対して具体的な整備決定ができるかといいますと、毎年度の予算査定ということがまず財務省によって行われるわけですし、そしてまた予算の審議ということで国会が関与をされるわけですから、今の国会審議、国会の関与というものは、高速自動車国道の整備に関して非常に慎重な手続がとられていると私は思っております。

岡田委員 私は、国会で徹底的に議論する、そういう場をつくるべきだというふうに申し上げておきたいと思います。

 きのう、国土審議会で了承された次期の国土形成計画、四全総というのは盛んに議論になりましたが、その次の次ですね、これは。これは年度内に閣議決定されるというふうにも聞いていますが、その中でも、実はこの一万四千キロというのがそのまま残っているわけですね。これなども、私も指摘したように、四全総のときの二十年前とはいろいろな条件が変わってきた、そういうことはいろいろ書いてありますよ、人口が減っていくということも書いてある。にもかかわらず、一万四千は残すと。

 こういうことで、私は、そこの一万四千キロを本当にどうすべきかということもきちんとまず国会で議論をして、その上でこういう政府のものをつくってもらいたい、こういうふうに思うわけでございます。そういったこともこれからしっかりと議論していきたいと思います。

 最後に、大臣、いろいろな議論の中で、BバイCで一・二以上確保して、そこが一つのアローアンスになっている、いろいろな前提が変わっても一・二だからということを何回か言われましたよね。しかし、今のこの道路の中期計画でも、一・〇以上のものでもつくるということになっていますよね。グループ一、二、三に分けて、グループ三というのは完成二車線でつくるということですが、そのときのBバイCは一から一・二の間ですよね。

 ですから、一・二以下のものでも一以上であればつくるというのが、それは点検した中の一六%かもしれませんけれども、今の道路の中期計画の前提じゃないですか。だから、一・二以上だって大臣がおっしゃっていることは、論理としてはおかしいんじゃないかと思いますが、いかがですか。

冬柴国務大臣 今、中期計画の百二十六ページのグループ三のことをおっしゃったんだろうと思います。

 ここでは、完成二車線で全線つくった場合には、一・二から一・〇、いわゆる一・一以上一・二以下、一・二を超える場合ですけれども、一・〇もあるじゃないかという御指摘だと思うんですが、それを、現道を使うことによって一・二以上にするわけでございます。

 後ろの別表をずっと見ていただければわかりますけれども、そういうふうにこの完成二車線計画で全部やった場合には、全線ですよ、全区間やった場合には、一・〇ということも、出てきた部分については現道を利用させていただくということでございます。

 したがいまして、それはもちろん一・二以上になるわけでございますし、外部効果が相対的に高いというものも選択肢に入ってまいります。

岡田委員 具体的に確認したいんですが、そういう既存のものも使えば一・二以上になるというのはどこに書いてあるんですか。

冬柴国務大臣 先ほど書いていますと言ったのは、失礼しました、訂正させてください。この中には書いていないようでございます。

 しかしながら、一・〇以上でつくるということはいたしませんので、現道を利用するということで一・二以上になるようにしてここはつくるということです。しかも、それは、やはり相当、地元の状況、もちろん混雑とかあるいは狭隘とかそういうようなこともあって、ぜひここはつくりたいという強い要請があるところでございますし、そういう問題については、一・二以上のものにしなければつくりません。

岡田委員 ここに明文では書いていないけれどもそういうふうにしているんだということであれば、資料を全部出してください。

 結論は、二千九百キロの点検対象区間すべてが、結局何らかの形で道路をつくるという結果になったということですよね。今おっしゃったように、それが一・〇じゃなくて一・二以上なんだということであれば、それを説明する資料を出していただきたいというふうに思います。

冬柴国務大臣 グループ三というものは全部出します、これについてですね。グループ三、ありましたね、そこで。それについて、BバイCが一・二を超える、現道利用の、それを資料を出させていただきます。

岡田委員 それでは、それはぜひ資料を出していただいて、すべてグループ三が一・二を超えているということを明らかにする、そういう資料を出していただきたいと思います。

 いずれにしても、ここは、二千九百キロについて、今までさまざま議論されてきたような不十分な前提を置いて計算して一・二以上ということになっているわけですが、そういう前提をきちんと最新のものにしてやり直すべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。それから、二千九百キロに限らず、それ以前に点検を行ったものも、それからかなり時間もたっておりますので、そういった、つまり既に新直轄とかそういうことに位置づけられているもの、そういうものも含めて全部、全体を新しいデータでもう一回やり直すべきだということを最後に申し上げておきたいと思います。

 以上です。

逢沢委員長 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。

 次に、武正公一君。

武正委員 民主党の武正公一でございます。質問を行わせていただきます。

 まず国交大臣に、先週の金曜日、資料の御提出をお願いいたしまして、二月八日でしたね、連休明けの十二日にはお出しをいただくということでございました。

 中期計画五十九兆円の根拠となる平成十五年から十八年、お手元の一ページ目の資料、これをいただいておりますので、それのもとになる十五年から十八年の実績、事業名をお出しいただきたい。

 国交大臣、よろしいですか。既にこれをお出しいただいたわけであります。これは二月八日以前であります。きのう出てきたのがこの資料でございまして、お手元二ページ目にありますような、五つの分野に関しては十五年から十八年の全事業を出したということでございました。

 一ページ目にお戻りいただきますと全部で十六項目がありますので、残り十一の十五年から十八年の事業、これを速やかにお出しいただきたいというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか、いつお出しいただけますか。

冬柴国務大臣 できるだけ早く出させていただきます。きょうの理事会でもお話をされたようでございますので、我々も今鋭意作業をやっておりますので、誠心誠意対応させていただきます。

武正委員 先週、来週中に、今週中にということも最初言われたわけでありますが、そこを何としてもということで、火曜日にというお願いをした経緯で、きのうようやく五項目出てきたということもありますので、速やかに、この十一項目、今週中ということでお出しをいただきたいというふうに思います。

 お手元をごらんいただきたいんですけれども、二ページ目、生活幹線道路ネットワーク以下五項目、十五年から十八年の実績、これをもとにいたしますと、生活幹線道路ネットワークは、一ページ目の政府の目標が十年間で二千三百カ所。これを四年で割りますと、千区間、二百五十一区間ですから、二千五百十区間ということでこれは上回る。

 そして三番目、耐震対策。二番目のあかずの踏切を飛ばしまして、耐震対策については、一ページ目、政府の目標一万橋。これについて、年間九百七十平均です。四千橋というのは、三千八百八十ですから、九千七百ということでほぼ同じ。

 防災・防雪対策は、これは一般道路とそれから有料道路を合わせますと四千三百六十区間ということで、年間千九十。十年間で一万九百ですから、一ページ目の目標の六千を上回る。

 無電柱化は、これは九百六十七キロですから、年間にしますと二百四十二キロ。十年間で二千四百二十キロ、一ページ目の目標の三千七百キロには及ばないということであります。

 特に、あかずの踏切等を除却する対策は、出していただいた資料でも四十カ所ということで、これは年間十カ所、十年間で百カ所。一ページ目をごらんいただきますと千四百カ所、緊急は六百カ所ということですが、これはやはりはるかに及ばないということがきのうお出しいただいた資料で明らかでございます。

 特に、あかずの踏切対策ということを中期計画の、ある面、目玉として、国交大臣もあるいは総理も関係閣僚も口にされておりますので、改めて、四年間で一年間平均十カ所、あかずの踏切、除却できなかった、これで十年間で千四百カ所、緊急六百カ所できるんでしょうか。いかがですか。

冬柴国務大臣 今、お渡しした資料だけで見れば、武正委員がおっしゃるような推定が出ると思います。

 あかずの踏切を除却する対策につきましては、平成十五年から十七年、実績は年間四カ所でありますが、平成十八年、十九年度の二年間は踏切除却ペースは二倍以上にスピードアップをすることができておりまして、年間十八カ所の除却を実質見込んで着工いたしております。

 今後も、連立事業施行者の拡充、施工方法の工夫による工期短縮等により除却ペースのさらなるスピードアップを図りまして、十年間で四百カ所の除却は何としても行いたいというふうに考えているところでございます。事実、平成二十年度は全国六十三カ所、うち新規着工箇所は三カ所で連続立体交差事業を実施することにいたしておりますが、これによって消滅することになるあかずの踏切あるいは交通集中踏切は二百二十七カ所に及ぶわけでございます。

 ただ、一年間でできませんよ。着工して、相当な時間がかかります。けれども、そのようなペースでどうしても我々は目標を達成しなければならない、こういうことでございます。ただ、お渡しした資料からは、おっしゃるような推定が出ることは事実でございますが、そういうことでございます。

武正委員 これから十年間で五十九兆円の事業、一人当たり五十万円国民負担、そしてそれは法律にも明記をされている、また租特も十年間暫定税率維持、こういうようなことをこの通常国会で決めていくということで政府は法案をお出しになっておりますので、やはりその十年間の事業計画を規定する。総理や大臣は、いや、毎年予算は国会で議論するんだよと言いますが、この間、二月八日も申し上げましたように、この後触れますように、特に国交省は、道路特定財源、年間三兆六千億円の支出の四分の一、九千億円が国庫債務負担行為である、こういったことで、後年度の負担を決めていってしまう。こういった国交省の特性からいっても、やはりこの委員会の審議に付する十分な資料をお出しいただかなければならないというふうに思います。

 ましてや、今ようやくお出しいただいた資料からは、そのように読み取られるかもしれませんが、ということでありますと、ではこの委員会の審議は何なんだということになってしまいますので、きちっと資料に基づいた議論が本委員会でできるようにお願いをしたいというふうに思います。

 次、ページをめくっていただきますと三ページ、ごらんをいただきたいと思います。

 これまで一万四千キロにつきましていろいろと議論がありました。また、本委員会でも、二月七日、岡田克也委員から、前々総理は九三四二以外は白紙にすると言いましたよ、こういうようなやりとりをしたんですが、福田総理からは、白紙にすると言ったことは承知しているけれども、一万四千キロについては、すべての区間を整備すると決定したものではありませんが、整備するか否かは、事業着手に先立って行う事業評価の結果により判断するということになっている、改めて客観的かつ厳格な事業評価を行うとともに、今お話があった、国幹会議の議を経て決定するものでございます、こういうことであります。

 では、その一万四千キロ、やるのかやらないのかということでありますが、お手元の資料をごらんいただきたいんです。私もこの資料でちょっとわからないところがあるんですけれども、「注一、高速自動車国道の〈 〉内は、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路である」ということでありまして、この七百十二キロを足して、今、高規格幹線道路は九三三二進捗をしているということでこの表からは読めるんですけれども、この高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路というのはどういう道路なのか、御説明をいただきたいというのが一つ。

 それから、「注二、一般国道自動車専用道路の供用延長には、」一番下が一般国道自動車専用道路ですね、総延長二千四百八十キロ、十九年度末で供用延長は千六十七キロ、この供用延長には、「一般国道のバイパス等を活用する区間が含まれる」と。

 これまた、一般国道自動車専用道路じゃないんだけれども、一般国道のバイパス等を活用する区間が含まれる、これもその千六十七キロに含んでいるということなんですけれども、このそれぞれの御説明、これは、要は両方とも高規格幹線道路という位置づけでいいのかどうか、そして、これについての整備をどのように今進めているのか、お答えをいただけますか。

冬柴国務大臣 「一般国道自動車専用道路の供用延長には、一般国道のバイパス等を活用する区間が含まれる」というふうに書かれてあります。

 これは、自動車専用道路についてはたくさんのものがありますが、どれから整備に着手していくかということにつきましては、いつも出ますけれども、例えば、それだけではありませんよ、ありませんけれども、BバイCとか、あるいは財務省の査定とかいうものがあります。そういうことから、おのずから順序が決まってきます。

 そうしますと、その中に入らないところが当然出てくるわけですね、後回しになるところが。ところが、そのところの一般国道、並行して走っている一般国道、例えば、鳥取県の方に申しわけないんですけれども、山陰自動車国道はちゃんと整備することになっておりますが、ただ、それが着手されません。そうすると、あそこに国道九号線というのが一本だけあります。そこで、山陰自動車道には着手する順番が回ってこないけれども、一般国道九号線は片側一車線で二車線でございますので、例えば青谷あたりでは大変たくさんの交通事故が起こるわけです。それを何とかせいということで、そこに対するバイパスをつくろう、九号線に対するバイパスですね、混雑回避のための道をつくろうということになるわけでございます。これは一般国道でつくろうということになります。

 それは、あちらこちらであるわけですけれども、そのときに、一般国道を並行してつくる。しかし、そこには山陰自動車道というものをつくるということは、六十二年の法改正で法の別表にきちっと残っているわけですね。しかしながら、その順番が回ってこない。そうすれば、その青谷のところだけでも、鳥取市から青谷のあたりまでバイパスをつくって、そちらに事故回避のために道をつくろうということになります。県からも、そのようにしてもらいたい、もちろんそれに対しては県の負担金も負担していいからやってほしいということになります。

 どんな道路をつくったらいいか。そこで、将来そこには山陰自動車道、高速自動車道をつくる予定になっていますから、その時期が来たときにまたつくるということは、二重になり、非常に不経済でございます。したがって、そのバイパスを、将来この高速自動車道に転用できるような構造のバイパスをつくろう、国道でつくろうということになるわけでございます。そういうふうにして、しているのが、一般国道に並行する国道でございます。したがって、そのバイパスについては、性質はどこかと言われれば、これは一般国道でございます。

武正委員 後回しになるところが出てきて、そこからつくってくださいよというふうに言われる、しかも県は負担金も出す。将来転用できるんだということでありまして、今御説明いただいたのは、この表の一番の下の、一般国道自動車専用道路二千四百八十キロで、一般国道のバイパス等を活用する区間が含まれる注二について今お話をいただいたというふうに理解をいたします。

 要は、この二千四百八十キロも、今のお話だと、つくり続けるんだよというお話であります。

 最初聞いたのが、注一の「高速自動車国道の〈 〉内」七百十二キロは、「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路である」ということなんですよ。

 これも、高速自動車国道に並行して一般国道自動車専用道路というのをつくっているわけですね。一万一千五百二十キロの内数ですよ。これは先ほど御説明いただかなかったんですけれども、これについては大臣どうですか。

平井副大臣 済みません。先ほど委員が御質問になって大臣がお答えしたのは注一の方だと思います。

 それで、注二に関して言いますと、「一般国道のバイパス等」とは、一般国道自動車専用道路ではない三路線のことをいいまして、一般国道二〇二号の二丈浜玉道路の七キロ、福岡市道の福岡都市高速五号線十三キロ、石川県道の能登半島縦貫有料道路の二十七キロ、これがさっきの注二でございます。

武正委員 注一の方が中心であるということでありますが、注二もあって、要は、一万四千キロについて、今大臣がいみじくもおっしゃられたように将来転用できるというようなことで、着々と整備を進めておられるということでございます。

 そこで、高規格幹線道路に関する点検というのを平成十九年の十一月にやっているんですけれども、この点検の前提が、道路ネットワークについて読みますと、「高規格幹線道路については、延長約一万四千キロメートルのうち、評価区間以外が全て供用したネットワークを設定する。」ということなんですね。

 つまり、評価をしている、BバイCだというふうにおっしゃるんですけれども、このネットワークが一万四千キロを供用しているということを前提にBバイCを算出しているというのがこの高規格幹線道路に関する点検というふうに理解をするんですけれども、大臣、それでよろしいですか。

冬柴国務大臣 道路公団の民営化の議論のときに、十五年末だと思いますが、その時点で整備命令、整備を既にするという、着手しているところとか、あるいは、これからするにしても物理的着手だけであって法的には全部整っているというのが、一万一千五百二十のうちの九千三百四十二キロであったわけでございます。それは、もう既に整備命令が出て、でき上がっているもの、でき上がっていないものがあるわけです。でき上がっているものはどれだけあったかというと、七千三百四十三キロでき上がって、既にもう使われているわけです。料金もいただいているわけですね。

 残りは千九百九十九キロになります。それについてすべてBバイCをかけて、そしてそれだけではなしに、十六項目にわたる数字であらわれない社会的な便益、例えば、それができた場合に最寄りの高次の医療機関に行くのに時間が短縮される、そういうようなものが十六項目、いろいろ挙がっています。そういうようなものを勘案して、この千九百九十九キロを道路公団から民営化される三社に全部有料道路としてつくらせていいのかどうか、また、つくらせる場合にしても、その構造は四車線できちっとした高速道路としてつくる必要があるのかどうかというような議論が行われたと私は理解しています。

 したがって、それは、結論的には千九百九十九キロのうち千百七十七キロは有料道路としてつくる、そしてその費用は、いろいろ始末した結果、十兆五千億。それまでは二十兆と言っていましたけれども、十兆五千億にする。そして、あと八百二十二キロは、これは料金をいただくということじゃなしに、国の直轄事業として行うということを決めたわけでございます。

武正委員 聞いたことに答えていただきたいんですが、「高規格幹線道路に関する点検について」という平成十九年の十一月のこれを見ると、道路ネットワークは、「高規格幹線道路については、延長約一万四千キロメートルのうち、評価区間以外が全て供用したネットワークを設定する。」と、一万四千キロ供用されていることを前提にこの点検をしているということでありますねということを私は聞いたわけです。

 あわせて、費用便益分析マニュアルを見ますと、道路網の範囲、ネットワークの設定については、「対象とする道路整備プロジェクトの有無により配分交通量に相当の差があるようなリンクは全て含むように、道路網を設定する。」つまり、ネットワークが完成していることを前提に点検についてとか費用便益分析マニュアルをやっているというのは、BバイCの出し方にこれは無理があるのではないのかというふうに考えるわけですね。

 これについてはどうですか、大臣。大臣に聞いているんですよ、大臣。

平井副大臣 無理はないと思っております。

武正委員 いや、無理はないといって、つまり、一万四千キロをやるということで点検もし、それから評価の分析もしているんですよ。

 これについて、大臣はどうですか。大臣ですよ、大臣。一万四千キロが前提になっているということですよ、点検も、評価も。

冬柴国務大臣 そこに書かれているとおりだと思いますよ。

 私どもは、一万四千キロというもののネットワークは、法律で、あるいは閣議決定で、あるいは四全総で決められて、取り消しされていない事態でこれを議論しているんですよ。しかし、議論の内容は、私が先ほど、ちょっと長い、違うと言われましたけれども、そこがしんでありまして、残りの千九百九十九についてはBバイCをきちっととっているわけでございまして、その前提としては、あなたがそこに読み上げられたように、その時点では当然そうだと思いますよ。

武正委員 つまり、福田内閣も、あるいは安倍内閣も小泉内閣も、一万四千キロをつくるという前提で、これは四全総あるいは平成十年のグランドデザインですか、そういうような決定で、もうすべてそれが前提で来ているんだということが今改めて確認をされたということだと思います。

 そこで、お手元の資料ではその次のページに書いてあるんですけれども、道路開発振興センターというところが、特定大規模道路用地等取得事業貸し付けというのをやっております。ここに書いてあるのは、都道府県の土地開発公社等の一覧とその箇所の内訳でありますが、この中に、先ほど冒頭触れました三ページ目の高規格幹線道路の供用延長で、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路というものが幾つかあります。この中でいいますと、例えば三重県の道路も並行しているものでありますし、静岡、奈良、兵庫、飯田、大竹、これはいずれも一般国道の自動車専用道路ということであります。

 こうした道路開発資金、特定大規模道路用地等取得事業貸付金の対象道路ということで、土地の先行取得を、財団法人がそのお金を貸与している。これもやはり、一万四千キロありきで進んでいるということの一つの証左でございます。

 そこで、一つ飛ばしますが、地方道路整備臨時貸付制度の対象道路、これは国交大臣にお答えをいただきたいと思います。

 今回、道路整備費の財源等の特例に関する法律改正案第六条で、先ほど、地方に負担金も出してもらっているんだ、地方は負担金を出すんですよというお話でしたが、今回の法律では、負担金を無利子で貸し付ける、二十年。本来であれば、道路法の五十条第一項では、国道は、新設するときには国が三分の二、三分の一が地方。これが、三分の一の地方負担金。その三分の一の地方負担金について、五千億、これを無利子で二十年貸し付けるというのが入っているわけですが、この対象道路をお答えいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 対象道路は、国が管理する一般国道及び地方公共団体が管理する一般国道、都道府県道、市町村道でございます。

武正委員 ということは、先ほどの資料の三ページ目の注の一、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路は含まれるということでよろしいですか。

平井副大臣 含まれるということでございます。

武正委員 あるいは、先ほど、ちょっと戻りますが、道路開発資金、特定大規模道路用地等取得事業貸付金の対象道路にも、この並行する一般国道自動車専用道路は含まれるということでよろしいですね。これは大臣、どうですか。

冬柴国務大臣 含まれます。

武正委員 ということで、一万四千キロの整備は着々と、さまざまな事業費をもって、あるいは財団法人の貸付金をもって先行用地取得が進んでいるということでございます。

 そこで、先ほどの一ページ目をごらんいただきたいんですけれども、一ページ目、今回まだお出しをいただけていないこの四年間の事業の第一番目が、基幹ネットワークの整備でございます。中期計画では二十三兆円かかると。その平成十九年度の実績二・三三兆円、この中に、今指摘をいたしました注の一、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路はこの二・三三兆円に含まれるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

平井副大臣 含まれております。

武正委員 ということは、一般国道自動車専用道路も含めて、一万四千キロ、この二十三兆円の中には、あるいは五十九兆円の中には、その予算も見積もっているということでございます。

 ということで、一万四千キロは何が何でもつくるんだ、しかも、それについては、事業を精査するというお話が総理からもありましたが、事業の精査の前提条件は、BバイC、一万四千キロがネットワークされている、されることを前提にBバイCもはじいている、こうした根拠も甚だ怪しいということを改めて指摘したいというふうに思います。

 そこで、五ページ目をおあけいただきたいと思いますが、平成十七年度の道路交通センサスの調査単位区間数、それを平成十一年度と比べてみました。下が平成十一年度でございます。上が平成十七年度でございます。こう比べますと、全体数は約一千、区間数をふやしました。その内訳で突出しているのが、高速自動車国道と政令市の一般市道の伸びであります。

 この間も総務大臣にも指摘をいたしましたし、お答えもいただきましたが、私は、政府あるいは政府に準ずる機関がとる統計というものは、その真実性、公平性、公正性、これがしっかりと守られていないと、その統計の資料が思わぬ政策のゆがみをもたらすということで、統計法、あるいは統計委員会、そしてその人選、そして統計委員会がつくる基本計画、大変重要だということを指摘させていただきました。

 例えば、こうした交通センサスの調査単位区間数が、なぜ高速自動車国道がとりわけこれだけの伸びを見せているのか、甚だ疑問でありますが、これについて、なぜ他と比較して伸びが多いのか、大臣、お答えをいただけますか。

平井副大臣 事実関係でございますので、私の方でお話をさせていただきたいと思います。

 平成十七年センサスにおいて調査区間が一千百三十六区間ふえているのは、平成十一年センサス以降供用された区間や車線数の変化のあった区間等について、新たに調査区間として設定したからであります。

 高速自動車国道において調査区間が百八十九区間増加したのは、平成十一年センサス以降、約一四%路線延長が増加したからであります。

 また、指定都市の一般市道において平成十一年度交通センサスと比べて大幅に区間数が増加しているその理由は、静岡市が新たに指定市に追加されたことによって路線延長が一八%増加したからであります。

武正委員 政令市はよくわかりますね、静岡市が入ったからふえたんだというのは。でも、あとの伸びと比べて、何で高速道路だけ伸びが大きいのでしょうか。一般国道とか一般国道(直轄以外)とか、主要地方道とか一般都道府県道とか、みんな路線延長しているでしょう。高速道路だけ伸びているからセンサスの調査単位区間数をふやしたということでよろしいですか。

平井副大臣 先ほどお話をさせていただきましたとおり、十一年度センサス以降、約一四%路線延長が増加したこと等によるものであります。

武正委員 だから、高速自動車国道は一四%伸びたからふやしたと言うんだったら、そのほかの伸びはどうなのかと聞いているんですよ。ほかも一四%あるいはそれ以上伸びていたら、それも区間数をふやすのが当然でしょう。当然、この六年間の間に、だれが考えたって一般国道や一般国道(直轄以外)、主要地方道、一般都道府県道、同じようにふえているんじゃないですか。区間数、何で高速だけふやすんですか。

平井副大臣 これは、高速自動車道だけではなくて、都市高速道路、一般国道、主要地方道等々も全部ふえております。

武正委員 だったらおかしいじゃないですか。全部ふえているんだったら、全部同じようにふやすのが当然なのに、なぜ高速自動車国道だけ一二四%、二四%も区間数をふやすんですか。ちゃんと説明をしてください。

 このような作為的な、恣意的な区間数の選択があったとすれば、当然、その結果はゆがんでくるわけなんです。お答えをいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 区間の延長だけではなしに、車線数の増加ということも考慮されております。

 一般交通量調査においては、交通量及び道路条件の著しい変化のない区間を一つの調査区間として設定し、交通量観測を実施しておりまして、恣意的に調査区間を増加させるというようなことはできませんし、そんなことをすれば、いろいろな、こういうような調査の連続性というものを欠くことになるわけでございまして、一つの視点から見て、恣意的ではない、客観的なものを用いてこれをやっているわけでございます。ですから、延長線が延びた、あるいは車線がふえた等々、また、道路条件とかそういうものが配慮されて、客観的にそのようになっているわけでございます。

武正委員 やはり、今の説明だと納得できないんですね。

 この三万六千カ所、三万五千カ所、そもそもこれはだれが決めているか、お答えいただけますか。だれがこの区間数、区間を決めているのか、御説明いただけますか。

平井副大臣 国土交通省が有識者の方の御意見を踏まえて決めているということであります。

 それで、先ほど、高速道路のことについてでありますが、高速道路の場合はインターごとに交通量が大幅に変わってくるという面があると考えます。

武正委員 本当に有識者が決めたということでいいですか。私、事前の説明では、それぞれの地方整備局がその区間を決めるんだ、あるいは都道府県とかそれぞれが決めるんだということで、国交省はどこをどう決めろということは言っていないと。有識者の話も聞いていませんが、いかがですか。

平井副大臣 有識者の御意見を伺いながら、最終的には国土交通省が決めるということであります。

武正委員 国土交通省本省が決めるということですか、地方整備局と一緒に本省が決めるということですか、それとも地方整備局が決めるということですか。お答えいただきたいと思います。

平井副大臣 道路管理者が決める、ですから、県道の場合は県だということになります。

武正委員 私は国道のことを聞いているんで、国交省について聞いているんです。国交省本省、地方整備局、どちらが決めるのか、一緒に決めるのか、お答えをいただきたいと思います。

平井副大臣 国道に関しましては、国土交通省地方整備局ということになります。

武正委員 つまり、先ほど大臣が言われたように、客観性というものがないんですよ、この承認統計については。指定統計と違って承認統計というのは、ある面、国の統計としては非常に緩い、五十五の国の基幹統計に今度なる国勢調査などの指定統計よりも緩い、そうした総務大臣の承認の統計になっているわけでありまして、今のようにこの三万六千カ所、なぜ高速道路が一二四%も対象区間がふえているのか。こういったところも、やはりきちっとした説明が客観性ということでできないということを改めて指摘をさせていただきたいと思います。

 そこで、次は随意契約について移らせていただきます。

 お手元資料をごらんいただきたいと思います。六ページ目、これは、全省庁、中央省庁発注の全契約、五百万円以上、これを出していただきました、平成十七年度、十八年度。十六年度と比べますと、確かに随意契約の率、これも、急いでやっておりますので、指名が若干入っていたり、それから、企画競争といって、随意契約として明示がなかったものは入れていなかったりというのはあります。若干でこぼこはありますが、相変わらず六割以上の発注が、全省庁、中央省庁発注五百万円以上、随意契約であるということがまたここでも改めて指摘ができるわけでございます。

 そこで財務大臣、この間、私の質問で、相見積もりをとっていますよということでお答えをいただいて、その後、亀井委員の答弁のところで、いや、実は相見積もりはとっていません、五百万円以上のものはとる必要がないんです、基本的に考えておられませんというふうに言っておりましたが、私は、この間もお話ししたように、一般社会、いわゆる企業、団体でも、やはり五百万円以上の契約は、ここ一社だけですよと言ったら社内なり団体の稟議が通らないわけですよ。ちゃんと相みつをとってこい、こういうような話になるわけでして、やはりここから変えていかないと、この随意契約の見直しというものが進まないんじゃないのかというふうに思うんです。

 では、財務省からいきましょう。これを見ますと、財務省の随意契約率は六三・七%であります。五百万円以上、中央省庁発注の全契約のうち、平成十八年度。相見積もりを一件もとっていないということですよね。改めてそのことを確認したいのと、なぜとらないんですか、なぜとる必要がないんですか。お答えをいただきたいと思います、財務大臣。

額賀国務大臣 相見積もりについては、なぜとっていないかということでございますけれども、随意契約によろうとするときは、なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない、いわゆる相見積もりとされているわけでありますけれども、契約の性質または目的が競争を許さない場合、通常、契約相手方となるべき者が事実上一人である場合、一人であり、複数の者から相見積もりをとることができないと考えられることから、その一人だけから見積書を徴することで足りるというふうに考えているわけでございます。

 それで、五百万円以上の少額でない契約につきましては、価格による競争が期待できるものは一般入札をするわけであります。これは、この方が公平で透明性があるわけでございます。

 それ以外の競争性のないもの、これは、契約の性質とか目的が競争を許さない随意契約となることから、五百万円以上の随意契約において相見積もりをとるということは基本的に考えていないということであります。平成十七年度、十八年度においてもそのような契約はなかったわけでございまして、したがって、五百万円以上の随意契約のうち、相見積もりをとっていないものは一〇〇%でございます。

 このように、五百万円以上の随意契約については、相見積もりをとることは通常想定されていないということでございます。これも、会計法令上問題はないというふうに聞いております。

武正委員 聞いておりますって、担当大臣じゃないですか、会計法あるいは予決令。予決令九十九条の六、見積書の徴取、「契約担当官等は、随意契約によろうとするときは、なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない。」こう書いてあるじゃないですか。五百万円以上は要らないとこの予決令の担当大臣が言うんですか。今、聞いていますなんて言っていましたけれども、どうなんですか。

額賀国務大臣 ですから、五百万円以上の場合は、原則的には競争入札をして透明性を図るということが原則であります。

武正委員 五百万円以上というか、さっきの少額随契は別として、少額随契でなくても随意契約によるものがあるんだと。ただ、その随意契約の比率を下げなきゃいけないということを政府を挙げてやっておられるんですよ。

 それで、その五百万円以上で、資料は出してもらっていますが、これだけ随意契約が多いんだから、この九十九条の六に書いてあるように見積書をとるべきじゃないですかと言っているのに、いや、五百万円以上はとる必要はないんだと。全部競争入札が原則だからとる必要はないんだとのたまわれましたが、お手元の資料のように、財務省も、六三・七%、相変わらず十八年度の随契があるんですよ、五百万円以上で。六割以上あるんですよ、財務省。競争入札にするんだ、するんだと言ったって、相変わらずこうじゃないですか。

 だから、九十九条の六に書いてあるのだから、随意契約で見積書をとるべきでしょうと言っているのに、とる必要はないと予決令の担当大臣としてあくまでも言われるわけですか。いかがですか。

 一件でもとっていくべきじゃないですか。それが政府としての姿勢じゃないですか、予決令の、会計法の担当大臣として。どうですか。

額賀国務大臣 ですから、五百万円以上の場合は競争入札をしておりまして、そして、特命随意契約といいますか、その性格上、それ以外にないというような場合に限ってそういうことが行われているわけでございます。例えば、財務省の場合でいいますと、造幣局だとかあるいは国会のこういう予算書の印刷だとか、夜中に印刷をお願いするとか、そういうところに限って特命随意契約というのが行われているわけでありまして、あとは入札で競争性を保っていくことに全力を注いでいるということでございます。

武正委員 法令担当の大臣として本当に情けないですよ。全省庁で随意契約を見直そうと旗を振って、法令は財務大臣の担当ですよ。この九十九条の六に相みつをとることと書いてあるのに、それはとらなくてもいいなんて担当大臣が言っていたら、随意契約の見直しは進みませんよ。

 国交大臣、お手元、この間も資料を出しました、十ページ目、十一ページ、特命随意契約の見直し、アンダーラインを引きました。道路開発振興センター、国土技術研究センター、道路新産業開発機構、そして道路保全技術センター、道路空間高度化機構、そして次のページに行きますと、国際建設技術協会、そして交通センサス、需要推計を担当している計量計画研究所、いずれもアンダーラインで、随契を見直ししたら全部同じところですよ。特命随契の見直しをやっても、八割近くをまた一社が受注しているんですよ。

 だから、随意契約の見直しは、それぞれの省庁の担当大臣が契約担当者だから、そこに横ぐしを入れたり、全省庁、縦割りを取っ払って政府、内閣としてやらなきゃいけない。見直してもこうだからですよ。

 それなのに、関係法令のその担当大臣が、いや、五百万円以上は相みつ要らないんですなんて言っていたら、いつまでたっても随意契約の見直しはできませんよ。どうですか、もう一度。九十九条の六に基づいて、まず財務省から、隗より始めよじゃないですか、相みつをとってみたらどうですか。どうですか、財務大臣。

額賀国務大臣 私どもは、これまで随意契約の見直しにつきましては、十八年六月に随意契約見直し計画を策定し、見直しを進めてきたわけでございます。

 その中で、御承知のとおり、見直しが十分でないということを踏まえまして、昨年十一月に、随意契約の適正化に向けたこれまでの取り組みをより徹底するために、各府省が策定した随意契約見直し計画を適切に点検して競争性の高いものにしていこうという措置を講じたわけであります。その上で、全府省に第三者委員会をつくり、さらに総務省にも第三者委員会をつくって、一元的、横断的に厳しく監視をしていこうということにしているわけでありまして、随意契約の適正化それから透明化に努めていこうとしているわけであります。

 財務省も、この前もお話し申し上げましたけれども、主計局に予算執行調査室を設けまして、きっちりとこの契約分野については対応させていただきたいというふうに思っております。

 これまでに、随意契約見直し計画の達成後において、随意契約は、平成十七年度実績ベースで三千五百五十三件、一千三百三億円からおおむね七割減少しまして、一千八十三件、四百十五億円になるという形で、それは我々の努力の成果があらわれつつあるということも御理解をいただきたいというふうに思います。

武正委員 御理解得られません。

 六ページを見ていただいても、六割強ですよ。全省庁発注の随意契約、十八年度、五百万円以上、六割強随契ですよ。それから、特命随契、昨年の四月から七月末までの四カ月間、見直してもやはり八割弱また一社受注ですよ。法令担当大臣が、財務省がやはりみずから範を示さないと。財務省は将に将たる省じゃなかったんでしょうか。私はそのように期待をしておりますので、改めて、この随意契約の見直しのまず範を示すようにお願いをしたいと求めておきます。

 そこで、国交大臣、八ページをごらんいただきますと、平成二十年度国庫債務負担行為、これは道路特別会計の支出でありますので、道路整備特別会計三兆六千億の支出のうち、九千二百億、国庫債務負担行為です。何で国庫債務負担行為が特にここのところふえているんでしょうか。十七年度の六千三百億、十八年度六千七百億、十九年度八千六百億、二十年度の予算九千二百億。その理由をお答えいただきたいと思います。大臣、大臣お願いします。大臣答えてください。

冬柴国務大臣 国土交通省所管の国庫債務負担行為の限度額の総額は一兆四千六百八十五億円、対前年度で一千八十三億円の増加となっております。しかしながら、国庫債務負担行為は、各事業の性質や毎年度の事業の必要性等勘案して所要の額を設定しているものでありまして、単純に毎年増加しているわけではございません。

 例えば、平成十六年度の国庫債務負担行為の限度額は一兆八千六百八億円にも設定されましたけれども、これは羽田D滑走路の着工等に基づくものでございまして、平成二十年度はこれよりも低い額になっております。二十年度は、本体工事に着手するダム建設事業などの大規模な工事があること等により増加するものでございます。

 今後とも、必要に応じて国庫債務負担行為を適切に活用すること等により、事業の効率的な実施に努めてまいりたい、このように思っております。

武正委員 私は今道路のことを聞いているんです。道路の三兆六千億のうち九千億強が国庫債務負担行為であるということを言ったんです。

 済みません、時間がないので、大臣とのやりとりにさせてください。

 そこで、私、ちょっと、国交省とやりとりしたら、こんなことを聞きました。官房長官もぜひお聞きをいただきたいと思いますが、つまり、二年、三年にまたがる、私、この間、二年度にまたがるもので、半年以内の工事が二年度の国庫債務負担行為を使っている率が、特に国交省、防衛省は高いということを指摘しました。

 やりとりの中で、いや、繰越明許、翌年度の繰り越しとかいうものはできるだけ減らすように、事業ができなくて翌年度に繰り越すということはやっちゃいけないと財務省から指摘を受けていますと。もう一つ、翌年度に繰り越すようだったら国庫債務負担行為を使いなさい、こういうような指摘も受けていると。あるいはまた、国交省から言わせますと、翌年度もまたやるとすると、またそこで契約を結ばなきゃいけないと随意契約になってしまう、前年度やったからまた二年度目ということで。随意契約の率を下げるために国庫債務負担行為を使っているんだというような話も出ているんですよ。

 こんなことがもしまかり通っていると本末転倒であって、しかも、今、もともと国会の予算審議は単年度主義でありますから、単年度の予算をきちっと審議していく、道路の予算が十年計画であろうと、それは単年度で予算の審議をしていくんだという、総理も言っていることなんですね。そうしたことからも反するようなことが今行われているとするとゆゆしきことだということ、これは指摘にとどめさせていただきます。

 そこで、次をごらんいただきたいんですが、九ページ目、これは総務省からお出しをいただきました、総務大臣お見えでございますが。これは、公益法人、出身官庁が三分の一を超える法人は幾つですかということでありましたが、よく調べてみたら、公益法人の白書にもう出ていたんですね。それをもとに表にいたしました。

 総務大臣、きょうはお見えいただいておりまして、ありがとうございます。ちょっと、本当はお答えいただきたかったんですが、時間がなくて恐縮でございます。

 これを分析いたしますと、全部で三百七十の法人が所管官庁出身理事が三分の一を超えております、三百七十。その所管官庁出身理事数は二千三百六人、全理事数は四千九百九十人ですので、割合は四六・二%。三百七十の法人は、三分の一以上、所管官庁の出身理事がいるということでありますが、これは指導監督基準でいくと違反をしていると。ただ、それについては罰則はないと総務大臣は言っておられます、前回の質疑のときに。

 官房長官もお見えでありますので、これを見てどうですか。出身官庁の理事が公益法人で三分の一を超えちゃいけないよ、このように公益法人の設立指導基準で明記をしている、でも、総務大臣が言われるように、罰則はないんだと。今、三百七十の公益法人、特に国交省は百二十二ですよ。この間、道路開発振興センター、四人に三人、もうその日にすぐ改めると国交大臣は言いましたね。後でちょっと聞きますけれども、改めたのでしょうか。

 さて、官房長官、この指導基準、罰則がないからこのままでいいんでしょうか。三分の一以上を超える法人が三百七十もあって、これはそのままでいいんですか。内閣を所管する官房長官として、そのかなめとして、お答えをいただきたいと思います。

町村国務大臣 今、委員がお示しした数字とちょっと、何かいろいろな数字がごたごたとあるんですけれども、平成十八年十月一日現在で、国が所管している法人六千七百七十六法人のうち、この三分の一という基準に適合していないのが三百三十九法人あると。その後、一応、理事の任期は二年というのが多いものですから、二年以内に、今度交代交代でやっていくときにはそれをやってくださいねということで、それから一年半ぐらい経過して、現在精査中でございますが、約百九十法人ぐらいが改善をされて、現在、まだ百五十法人ぐらいが、出入りがあったり共管のものがあったりするので、ちょっと数の出入りがありますが、あと百五十ぐらいがどうも残っているというか、三分の一を超えているということのようでございます。

 これにつきましては、閣議決定の趣旨にのっとりまして、ことしの八月十五日で一応その二年の期限が来るわけでございまして、これまでには全法人がこの基準に適合されますように強く指導をしていきたい、かように考えているところでございます。

武正委員 私は、総務省に出していただいたデータでつくっておりますので、ぜひ最新のデータをお出しいただきたいとお願いをしたいと思います。

 そこで、国交大臣、道路開発振興センター、四人に三人が国交省出身なので、その日にもう見直しをします、このように言明されました。ちなみに、この道路開発振興センター、理事長、副理事長の月給は百十二万二千九百円でありますが、平成十三年十二月の時点では百七十二万五百十円、平成十二年十二月時点でも百五十六万二千四百三十円と大変高給であります。今は百十二万円となっているわけですが、四人に三人の国交省出身、三分の一以上ゆえに即刻改めさせますと二月の八日時点で言明をされましたが、その後、いかがでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 武正委員よりそのように御指摘がありまして、私は即刻やりますと。そのとき八月十五日までということを知らなかったんですけれども即刻やりますと言いました。即刻やりまして、二名を二月九日付で離職、今登記手続中でございますので、でき上がったらお持ちします。

武正委員 辞職されてその後にまた国交省から来られたら何のことはないわけでありまして、そういったことはもうないということでありますし、また、先ほど読み上げた財団、ほとんどがやはり三分の一以上なんです。ぜひ、今の道路開発振興センターを速やかに直されたように、今総務省からいただいた資料では、国交省の三分の一以上役員を占める割合の財団、社団、公益法人は百二十二となっておりますので、まさにこの道路特別会計、そのお金の使い方がこの公益法人に流れて、そこには当然、天下り、再就職とセットでお金が流れているということを我々は指摘しておりますので、そうしたことがないということをまずみずから範を示されて、百二十二が速やかにゼロになるようにお取り組みをお願い申し上げまして、私の質問にかえさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

逢沢委員長 これにて武正君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

逢沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 政府参考人として外務省大臣官房参事官羽田浩二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢沢委員長 質疑を続行いたします。原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 まず冒頭、先ほど沖縄県議会におきまして、米兵による婦女暴行事件に対して、在日米軍への抗議決議、そして日本政府への意見書が全会一致で可決されたということでございます。

 本当に、こんなけしからぬことがいつまで起こるんだ。米軍関係者による沖縄での主な犯罪を挙げてみますと、一九九五年九月以降でも、本当にこれだけか、まだやるのかというぐらいあります。

 九五年の九月、小学生女児を車で連れ去って乱暴したとして、海兵隊員ら三人を婦女暴行容疑などで書類送検。小学生ですよ、相手は小学生です。二〇〇〇年一月、ディスコで声をかけた三十歳代の女性を押し倒して乱暴しようとしたとして、上等兵を婦女暴行未遂容疑で逮捕。二〇〇一年七月、二十歳代の女性に乱暴した疑いで二等軍曹を逮捕。つらつらいけば、数え上げるのに苦労するぐらいであります。そのほとんどが、女性、小さい人たち、弱い立場の人たちであります。

 そこで、外務大臣と、それから公明党を代表して国務大臣としての冬柴大臣に伺いたいと思うんです。

 もう日米地位協定を、運用の改善ということを言っている時代は過ぎたのではないか、具体的に行動を起こして、地位協定そのものも見直さなければいけないのではないか、このように考えますが、まず、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。

高村国務大臣 今度の事件については、貴委員と怒りを共有しているところでございます。

 今度の事件限りで言えば、身柄は既に日本の警察が押さえ、検察に送致されたということでありますから、地位協定の問題は、今回の事件限りのことでは生じてきていないわけでありますが、こういう事件が多発する中でどういうふうにするかということであります。

 九五年に事件が起こったときに、運用の改善ということで対処して、そして、起訴前であっても、凶悪事件で日本政府が日本に身柄を持つことが適当と考えるときはそれを要求する、こういうことになってきたわけであります。ですから、今まで、起訴前においてもアメリカ側からこの種の事件で四回身柄が引き渡されている、こういうことがあるわけであります。

 日本の捜査当局からすれば、当然のことながら、必ず、地位協定を変えて、それは我が方に身柄があった方がやりやすい、こういうことはあるわけでありますが、これも、米軍が世界に駐留している中で、運用上にしても、身柄が起訴前に引き渡される国というのは日本だけでありまして、そういう意味では、地位協定の運用は日本が一番進んでいるということは客観的な事実である。

 我が国の主権というのはもちろんありますが、ほかの主権国家に基地を置いて米兵についての地位をどう守るかという国の立場との間で、世界的に、グローバルな、それぞれの国との関係で、おおむね地位協定自身は、NATOとアメリカの地位協定と日本とアメリカの地位協定はほとんど同じだと承知をしております。

 運用については日本が一番進んでいる、イギリスやドイツやあるいは韓国、そういった国よりも日本の方が有利になっている、そういうふうに承知している中で、日本にとって、さらに運用を改善することによって対処する以外ないのではないか。

 では、この事件の発生と地位協定との因果関係があるかといったら、それは、それよりも、教育プログラムだとか再発防止策だとか、そういったこととの因果関係があるのではないか、こういうふうに考えております。

原口委員 私もペンタゴンへ行って、当時はラムズフェルド国防長官でしたけれども、どうしてこういうことが起きるのかと直接申し上げました。

 そして、あれは二〇〇〇年の初頭でしたが、民主党として、よく対案を出せと言われますが、地位協定の改定案、これは沖縄出身の上原康助先生と一緒につくらせていただいて、環境条項や、今大臣がおっしゃった身柄の条項や、今これを全部読んでもいいんですけれども、その中でたった四回しか身柄はこちらへ来てないんですね。そして被害者は、女性、弱い人たち。

 たしか、公明党の幹事長は私と同じことを記者会見なのかどこかで昨日おっしゃったというふうに思います。もうここに至っては地位協定の改定も検討すべきだという趣旨の御発言ではなかったかと思いますが、平和の政党ということをうたわれている公明党の大臣である冬柴大臣に御見解を伺いたいと思います。

冬柴国務大臣 私は、政党は公明党でありまして、公明党の立党の精神は深く心に刻んでいるところであります。

 しかし、私、今、閣僚でございます。閣僚は内閣と同一体の原則、内閣は国会に対し連帯してその責任を負うと規定されております。したがいまして、所管の外務大臣が今申されたことが内閣の意思であり、私の意思でもございます。

原口委員 私は、これから二大政党制に向かう中で、いろいろな連立の組み合わせができてくると思います。その中で、各党が自分自身の立党の精神を政策に反映させるというのは当たり前だと思います。党が違うから閣内不一致なんだというようなことを私は言う気はありません。

 石破防衛大臣、日米安保というのは、やはり、私たちの安全、安心を守る基軸だというふうに思います。

 もともと、海兵隊という、トレーニーが沖縄へそのまま来るということについてもさまざまな議論がありました。そして、改善だ、教育だ、訓練だということを、同じことを繰り返してきたんです。政府として、そこから一歩踏み出して、米政府に対して何か言うことはないのか。私は、一つは地位協定の改定に踏み込むという大きな決断であり、やはり本当の意味で、我が国が独立国家として国民の平和と安全を守る、そういう強い意思だと思うんです。

 石破大臣に二つ伺います。

 この事件を受けて、石破大臣は、どのようにアメリカ側にお伝えになりますか、あるいはなりましたか。そして二つ目、例のテロ特措法の議論で、さまざまな議論をさせていただきましたが、その中で一番私が危惧したのは、文民統制がきいているかということでありました。聞くところによりますと、石破大臣はさまざまな機構改革についても一つのプランをお出しになっているという話も聞きますが、それはどんなプランなのか。二点伺いたいと思います。

石破国務大臣 合衆国に対しまして、私から直接申し上げていることはございませんが、担当の部局、すなわち地方協力局等々を通じまして、このことについて、再発の防止、教育の徹底を申し入れ、そのことについて、私自身、機会があれば早急に申し上げたいと思っております。

 委員御指摘のように、日米同盟は極めて重要なものである。地位協定をもう一度、どの部分をどう見直すべきなのか。そして、これは我が国だけでできるお話ではございません。合衆国において議会がそれを認めなければ地位協定の改善というものはできない。どの部分なのか、そして、そこに至るプロセスはどのようなものがあるのか、これは、身柄の引き渡しだけではなくて、委員御承知のように、環境の問題、多くの問題を含んでおります。もう一度議会において御論議をいただき、私どもとしてもそれに真摯に向き合っていかねばならない。

 現行のところ、私もいろいろ考えてみましたが、今外務大臣から御答弁がありましたように、日本の運用の状況というのは世界でもトップレベルにあるというのは、私は公平に見てそうだと思っております。そのあたり、また委員と議論する機会をいただければ幸いであります。

 二番目の方は、文民統制の徹底ということでございますが、要は、文民統制の統制する側はだれなのかといえば、国民に対して責任を持つ、選挙において責任を持つ、それは我々政治家が統制の主体である、あくまでそうだと思っております。官僚たちではございません。そうしますと、我々使う側にとってこの組織は使いやすいものなのかどうなのかという視点から私は議論されるべきではないかと思っています。

 防衛省・自衛隊の役割というのは、大きく分ければ、防衛力をどのように整備するかという役割、そしてそれをどのようにして運用するかという役割、それをどうやって国民に、国会に御説明するかという役割、大別すればこの三つなのだろうというふうに思っております。それをどのようにして、今の組織、これが最適なのか、そうではないのか、この三つの機能をどのようにして編成していくのがよろしいのかという議論は、私は白紙的にしていかねばならぬのだと思います。

 それぞれの、軍種という言葉をかぎ括弧つきで使いますと、陸上自衛隊、航空自衛隊、海上自衛隊、その中で最適化がなされておって、自衛隊全体としての最適化がなされているのだろうか。そして、UとCが、責任があるものが権限を持つ、権限を持つものは責任を負うという、それが一致をしているのだろうか。UとCとの間に、本当に一体的に大臣を支えるという仕組みになっているだろうか。そういうことをもう一度白紙的に検討していきませんと、委員御指摘のように、補給量の取り違え事案というのは確かに一つの事案で、起こったのは何かというと、単なる入力ミスなんです。しかし、それがずっと、統幕議長、防衛庁長官、そして官房長官、それが誤った答弁をしたのがそのままになっていたというのは、これはやはり組織的、構造的な問題があるというふうに思っております。

 多くの観点から議論したいと思いますが、国会も文民統制の主体の一つでございます。国会として、この組織はどう統制すべきかということについてのお知恵、御議論もまた委員から賜れれば幸いでございます。

原口委員 テロ対策特別委員会でも、当時、筆頭理事同士でしたから、いろいろな議論をフリーにやらせていただきました。

 今大臣がお話しになった三番目の機能あるいは三番目の責任というのは、ほとんど果たされていないと思います。今回、新たにテロ特措法が通って、そして、発注の仕方も競争入札に変えたということを聞きます。商社が入っているのか入っていないのかわかりませんが、結局、前のテロ特措法の運用については、ここにパネルを持ってきましたが、懐かしい、去年、ことしとさんざんやったことが今となってはもう昔のように思えるんですが、実は何もわかっていないんですよ。アメリカ軍から油をどこでどう買ったのか、あるいは商社は何だったのか。共産党さんの機関紙に二社確認があったわけですけれども、それもここでは実名を出しません。あえて出しません。しかし、なぜそんなことが行われていたかというのは、いまだにわからないんです。

 一年たてば、また同じ議論をします。その中でしっかりとした説明責任を果たせるような組織をつくっていただきたいということを申し上げます。

 さて、もう一点外務大臣に伺いたいのは、キルギスにおける邦人の誘拐事件についてでございます。

 報道されたところによれば、我が国が支払ったとされる約三百万ドルを治安当局者が山分けしたと解放交渉を担当していた人物がキルギスの国会において証言をしたということであります。私は、これがもし事実であれば、日本の安全にとって非常に危ういと思います。私たちが邦人を誘拐されたときに身の代金を払うんだということをよその国の国会で堂々と証言をしているということが事実であれば、我が国の邦人が海外に行ったときに身の代金目当てで誘拐をされる、そういう危険性のある事案だというふうに思います。

 そこで外務大臣に伺いますが、実際、事実はどうなのか、三百万ドルを支払ったのか。そして、支払っていないとすれば、その国において、こういう発言があったと確認したのか、していないのか。確認していれば、抗議をしているのか、していないのか。三点、伺いたいと思います。

高村国務大臣 身の代金を支払ったという事実はありません。

 今、そういう発言があったと伝えられているけれども、どういう場所で、だれがどういう機会において発言したのか、あるいはしないのか、そういうことを調べろという指示をしているところでございます。

原口委員 これは、報道によると、あくまで報道によるとですけれども、しかし、これは随分時間がたっていますよ。調べろと言っても、キルギスの国会に聞けば済むわけで、それが、なければないで私たちは一安心なわけですけれども、もしあった場合には、違うことをおっしゃっているのであれば、やはりそれは抗議をしなければいけない、このように思いますが、いかがですか。

高村国務大臣 今委員がおっしゃったと全く同じことをきょうの午前中、早く調べろ、もう時間がたっているではないかと言ったところでございますけれども、いずれにしても、私がここでないと言っているんですから、ないんです。問題ないと思います。

原口委員 ここに、これが報じられた新聞の記事を持ってまいりましたけれども、事件当時に解放交渉を担当していた人物が、一月三十一日、中央アジア、キルギスの国会で証言したとあるわけで、きょうはもう二月の十四日でございますから、やはりこの確認の遅さというのは一つただしておかなきゃいかぬと思います。

 早急に調査をして本委員会に御報告をいただきたい。委員長、よろしくお取り計らいのほど、お願い申し上げます。

逢沢委員長 理事会で適切に対応いたします。

原口委員 ありがとうございます。

 さて、もう一つ外務大臣に伺いたいと思いますが、近く、韓国において新しい大統領が御就任なさいます。大変親日派で、私たちは大きな期待をしておるところでございます。

 今後、日本の韓国に対する外交方針、これまで以上にウイン・ウインの関係でしっかりとした善隣の外交、友好外交を続けていくべきだ、私はそのように思います。

 そこで、一点だけ伺いますが、二月の二十五日ですか、新しい大統領が就任される就任式は、韓国の新しい政権から日本に対して何らかの要求事項は来ているのか。特に、その中に在日韓国人への地方参政権付与の問題は含まれているのか。事実関係だけお答えください。

高村国務大臣 次期大統領の特使として李相得国会副議長が、次期大統領のお兄さんでありますが、日本に来られたときに、私もお会いしました。その際に、日韓関係を一層発展し、新しい未来をつくっていきたい、こういうことをおっしゃったと同時に、在日韓国人に深い関心を持ってほしいという要請がありました。

 私も、在日韓国人に友人もいますし、深い関心を持っているし、日本の政治家は当然、ここに住んでおられる在日韓国人に深い関心を持っております、こういうことを申し上げた。その関係で、今の外国人地方参政権について言及がありました。

 ただ、私は、それは具体的な要求とか要請とかいうふうにはとりませんでした。

原口委員 言及があったということがわかりました。しかし、それは具体的な要求とか要望ではないと大臣はおとりになったということでございます。

 ここも、国務大臣としての冬柴大臣に伺っておきたいと思います。永住外国人の地方参政権について、公明党さんは従来から大変熱心なお考えをお持ちのようでございますが、今回そういう言及があったことを受けて、どのような見解を持っていらっしゃるのか、冬柴大臣。それから、これはやはり内閣全体の話でございますので、官房長官、あわせてお話を伺っておきたいというふうに思います。

冬柴国務大臣 永住外国人に対する地方選挙権付与の法案は、冬柴鐵三が代表提案人となってこれまで五回提案をいたしました。その中では、民主党と共同して提案したものもございました。それから、私がほとんど起案したものですけれども、大体同文でございます。そういう経緯をたどりましたけれども、今日なお成立していないということは、まことに残念でございます。

 平成十一年の十月四日、自由民主党と自由党、それから公明党、三党で政権政策合意というものを取りまとめ、各代表が署名しました。その中に、この永住外国人に対する地方選挙権付与の法律は三党で成立させると明記されたわけでございますから、私は、時期が来れば、これは議員提案になるんだろうと思いますから、それぞれの判断で、これは、これまでにももう十時間を超える審議に私も答弁者として立ち会った事案でございますが、そういうものを踏まえて、この内閣でもどういうふうにするのか、これは、新しい韓国の大統領の方からの要請とかどうとかいうことは別としても、どうするのかということは考えていかなきゃならない重要な政治課題であるとは思っております。

原口委員 今、冬柴大臣からお話を伺ったところで、自自公の合意もこれありということでございますが、官房長官に、改めてこの内閣としての姿勢を伺っておきたいと思います。

町村国務大臣 この問題は、私も日韓議員連盟の末席を汚している者の一人として、かねてより大変に大きな課題であり、日韓議員同士でも随分議論をしてきたテーマでもございます。また、新大統領が大変関心を持っておられるということも承知をいたしております。

 選挙の権利という、これは大変に重要なテーマでもありますし、また、率直に言って、我が党内でもいろいろな議論があることは原口議員も御承知のとおりでございましょう。今、党でこの問題について率直な話し合いをし、また各党間でもお話し合いをされる、そうした様子を政府としてはしっかり見きわめてまいりたい、かように考えております。

原口委員 ありがとうございます。

 もう一つ官房長官に伺っておきたいのは、内閣情報室の中にいた人間が他国に情報を漏えいしていたという疑いで処分をされたということを承知しています。しかし、告発もされなければ、その人がどういうトレーニングを受けていたのか、もっと言えば、名前も出ていない。こんなことで本当にいいんでしょうか。

 内閣の中枢に情報が集まってくると思いますが、戦略やさまざまな秘密事項をどこまで漏らしたのか知りませんけれども、こういう対応で本当にいいんだろうか、私は大いなる疑問を持つわけであります。その人が、名前もわからなければ逮捕もされていない、あしたまた素知らぬ顔をしてだれかの秘書になっているかもわからぬ、まあこれはあくまで可能性ですけれども。

 やはり、内閣を支える中枢のところは、それなりのトレーニングを積んだ人を置くべきじゃないでしょうか。私は警察庁からすべて任用すべきだということを言っているんじゃありませんが、少なくともアンタイ・インテリジェンスの訓練を積んだ人間でなければ、私たち自身も、与野党協力して、本当は、オーバーな言い方をすると、墓場まで持っていかなきゃいけないようなことも時にはやらなきゃいけない。それは違法なことではないですよ。そういうものさえ内閣の中から筒抜けになるというのであれば、国家は成り立ちませんね。

 このことについて、どのような所感をお持ちなのか、また、どのような処分をされたのか、官房長官から伺いたいと思います。

町村国務大臣 内閣情報調査室所属の内閣事務官が、数年前から最近に至るまで、在日ロシア大使館員と不適切な交際を続け、金銭を受け取り、内部の情報を提供していたということでございます。

 委員の御指摘のとおり、まことに遺憾なことでありますし、事件の重要性にかんがみまして、一月十七日に当該職員を国家公務員倫理法違反等によりまして懲戒免職処分をいたしました。また、一月二十四日には、管理監督者についても懲戒処分等所要の措置を講じたところでございます。私自身のことにつきましても、給与の自主的な返納という形で襟を正したつもりでございます。なお、警視庁におきましては、一月二十四日に東京地検に事件を送致したということでございます。

 いずれにいたしましても、今、インテリジェンス機能の重要性、これは私もかねてより政治家として取り組んできたテーマでもあるし、国全体としても大変これは重要なことであるにもかかわらず、内閣情報調査室というまさに国の中枢にいる人間がこういうことを犯したということで、本当に遺憾だと。

 政府は、昨年八月九日にカウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針というのを取りまとめたところでございます。取りまとめたやさきにこういうことが発覚するというんだから、全く何をか言わんやという思いもいたしますが、新規採用者や出向、派遣職員等を対象とする研修をしっかり今までもやってまいりましたが、改めてこれを強化する。また、日常業務管理を通じて、オン・ザ・ジョブで秘密保全に関する指導を行ってきたところでありますが、今回の事案にかんがみまして、さらに詳細な分析を行い、そこから得た教訓を取りまとめて、そうしたことも参考にしながら研修を全職員に対して実施することとしているところでございます。

 まことにこれは国会の議員の皆様方にも大変な御心配を与え、また、国民に対してもこうした事件を起こしたことについて心からおわびを申し上げつつ、二度とこういうことが起きないようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

原口委員 そのためには、この方がどういうトレーニングを受けてきたかということも検証されなきゃいかぬというふうに思います。どういう部門から来て、そして何をしていたのかということも、これは全部をオープンにすることはできないでしょうけれども、国会の中でさらに精緻に検証していきたい、このように思います。

 さて、財務大臣それから総務大臣、予算精査に関連した項目について少し伺います。

 今私たちは、項目だけではなくて、その下の目、細目に至るまで、皆さんが出されてきた予算案を精査させていただいています。

 お手元に配付をさせていただいた十ページ目をごらんください。これは総務省がこの国会に出しておられる平成二十年度の要求額であります。

 一つ一つを見ていきますと、全体で四十三回会議を予定しています。しかし、実績を見てみると、昨年度、この四十三回のうち四回だけしか開かれていない。

 私は、予算の積算に当たっては、少なくとも前年実績を踏まえた積算をすべきではないか。旅費についても大幅に膨らまされているし、要求側の総務省、それから査定側の財務省、果たして項だけを見ているんじゃないか、目や細目については全くチェックしていないんじゃないかというふうに思うんですが、まず御答弁をお願いいたします。

増田国務大臣 まず、私の方から御答弁を申し上げたいと思います。

 予算につきましては、まず基本的には、無駄を徹底して排除すべく、施策の必要性それから所要額の積算根拠を精査して、そしてさらに、従来の実績も踏まえて、真に必要なものに限って計上するということが必要だと思います。私どもも、そういう意味で、積算の内訳を明らかにして、そして計上させていただいているというところでございます。そして私も、委員の方からそういう個別具体の御指摘があるというお話がございましたので、その担当のところにもいろいろと話を聞いたところでございます。

 いろいろ御指摘もいただいたようでございますが、事細かにここでということではございませんけれども、いずれにしても、複数年度で行っていくべき事業について、各地域で行いますシンポジウムなりなんなりの実績は、まだ初年度は少なくて、二年目に、全国展開していろいろとそうしたものを行っていくものですとか、それから、会議の日数などについてもそういったことを踏まえて実施する、そうした説明をいろいろと受けました。

 こうしたことについて、やはり一つ一つ細かな内訳までチェックをするということは必要でございますので、担当部局に、こうしたことを一つ一つ積み上げる際のもとのところがきちんと今の説明ができるような形になっているのかどうか、常にそこを意識して予算を積み上げていき、そして財政当局にきちんと御説明するように、こういうことを指示したところでございます。

原口委員 いや、意識していないから聞いているんですよ。二年度でやるから、初年度が少なかった。ゼロじゃないですか。

 では、もう一個聞きましょう。

 ここに、私たちの総務担当の議員がすべて手分けをして、二人ずつ国会議員をつけて精査させていただいています。例えば、パソコン間のファイル共有ソフト、いわゆるウィニー対策として、情報漏えいの被害を最小化する技術の開発に〇七年度に約十億円、本年度予算案でもほぼ同額を計上している。ネットワークに対するセキュリティー脅威への対処等二十・二億円というものが計上されています。

 これはおかしくありませんか。ウィニーというのは、安倍総理のときに、行政はそもそも情報が漏えいする危険があるから使わないということをはっきりおっしゃったはずです。なぜこんな予算がついているんですか。こんな話をすると、民間が情報漏えいで困っているからという答えを原課の人間はしましたよ。何で民間の情報漏えいを二十億円もかけて私たちがやらなきゃいけないんですか。お尋ねします。

増田国務大臣 今御指摘いただきましたウィニーの情報漏えいの関係でございますけれども、これについては、漏えい情報の無制限な拡散をとめて被害の最小化を図る技術開発が必要なわけでありますけれども、こうした技術開発といいますのは、先進性が高く、要は、技術的に非常に高度な技術が必要になるということと、相当なリスクを伴うということがございます。そして、被害が無制限に拡散していくということで、真の被害者は漏えいされた個人、国民ということでございます。

 そうしたことがございまして、これは民間で、この技術開発についてビジネスモデルとしてやりづらい、流れた情報を削除するというのはビジネスとしてもなかなか成り立たないものですから、総務省でこの技術を開発するということでないとこの問題の対策に出ていけない、こういうことでございます。

 もちろん、私ども十九年度から三カ年の計画で取り組んでおりますが、そこで得られましたこの対策、知見というものについては、民間の方に提供して、そしてそれに備えていただく、こういうふうになるわけでございます。

 総務省として、御案内のとおり、インターネットが安心して利用できる環境の整備というのは総務省の大事な仕事でございますので、そういう総務省の役割の一環としてこういう予算を三カ年計画ということで計上させていただいた、こういうことでございます。

原口委員 いや、本当に苦しいですよね。民間でやれることは民間でやるんじゃないですか。そう言っていたじゃないですか。二〇〇四年五月にウィニーの開発者が著作権法違反幇助容疑で逮捕されていて、ファイル交換ソフトとその使用自体の合法性が問われている、私はそのように認識していますが、それとの整合性もとれないじゃないですか。

 委員長、こうやって一つ一つ、予算がついている理由と額を精査していくと本当に驚きますよ。政治資金適正化委員会関係諸費、パンチャー雇用費に一人月額五十六万円計上していますね。これは事実ですか。

増田国務大臣 予算要求書の記載内容を見ますと、雑役務費、パンチャー雇用ということで、二人月、それで単価は五十六万四千八百円ということで記載されております。これについては、私も、その単価が本当に実勢に合っているのかどうかということで確認をいたしました。

 それで、御案内のとおり、この仕事は四月から発足するわけで、その内容についてここでは申し上げませんけれども、その業務に必要な予算額については、業務量もおおむね大体五百時間分、それから時間単価については、実勢等も参考に、おおむね時間単価二千円強ということで見込み積算をした、そして、予算要求に当たって、月三十日換算で二人分という形で要求をしたという報告を受けました。

 これは、予算書の積算の内訳のところに、一月で全部やり遂げるという積算になっておりますので、それを見ると、こういう高い単価を払って一月で全部完成させてしまう、こういう受け取られ方がされないような、そういう形になっておりますが、積算根拠を聞きましたところ、今申し上げましたような形で積算をしている、こういうことでありました。

 これを見ますと、さらに、そういうことであれば、なぜそういう積算に沿った要求をしなかったのか、こういうことがありまして、所要予算の内容は今申し上げましたようなことでございますが、この要求書の記載の仕方については、委員から今御指摘をいただきましたけれども、そういった御指摘をいただいていたし方ないような、そういう記載内容になっているというふうに思っております。

 こういった点について、積算自体、それから予算については、その業務の内容から見て私は適切だというふうに思っておりますけれども、この記載の内容についていろいろ御意見もあるということは重く受けとめたい、このように考えております。

原口委員 いつもはもっと何か明快に答えられる増田大臣がごにょごにょおっしゃっていて、何をおっしゃっているかよくわかりません。要するに、記載の仕方がまずかったけれども額は適当であるということをおっしゃりたいわけですか。適当でないですよ。

 それから、全予算を見ますと、諸謝金というのが出てくるんですよ、諸謝金。皆さんのお手元のページにも、十にも、一番上のアのところにありますね。諸謝金、これは何ですか。役人の方がどこか講演に行くのに諸謝金を払っているじゃないですか。私たちは、こういう一つ一つを精査して、いいですか大臣、納税者の、税を納めていただいたその御苦労にこたえなきゃいかぬというふうに思います。

 一方で、年金記録の信頼回復について、地方第三者委員会の調査不足はもう火を見るより明らかです。私は、消えた年金担当として、第三者委員会のうち、事務局に、七十七人、七十八人ですか、社会保険庁の方が入っているんじゃないですか。これで第三者委員会と言えるんですか。大臣、お答えください。

増田国務大臣 第三者委員会の中に、確かに、委員ではございませんが、事務局員として社会保険庁のOBを七十七名採用しております。これは、社会保険庁の年金行政に携わった人の専門的な知識を生かして申し立て事案の個別審査を担当していただきたい、こういう趣旨でありまして、この事務職員が担当するのは、さまざまな事実関係等を整理して、委員の皆さん方の合議制の機関である委員会に事案を上げていく、そういうことでございます。

 そういうことでございますので、あくまでも判断は、まず一つは、委員会の委員が合議制の委員会の中でやっていくということであると同時に、やはり、こうしたことについて、大量の事務局職員の皆さん方に全国各地域で活動していただかなければならない。

 確かに、今日のこの年金問題を招来したその大きな原因が、社保庁、そしてそこに働いている職員の皆さん方にいろいろあるということの御批判もございますが、それが、全員が全部不適格ということではなくて、いろいろ知識もお持ちでございます。採用に当たって、そうしたことを十分踏まえて、一人一人確認をして採用しているところでございまして、むしろ、そういった事務の内容等にある程度精通している人間でないとこうした問題を迅速に解決することができませんので、そうした年金行政に携わった方の専門的な知識も一方で生かしながら、全体で公正中立な判断をしていく、そしてそれをスピード感を持ってやっていかなければならない、このように考えているわけであります。

原口委員 それだけ専門的な知識を持った人がまともにやっていたら、こんなことは起きないんですよ。だったら、第三者委員会と言うのをやめてくださいよ。社保庁事務局委員会じゃないですか。それで公正な判断ができますか。

 私たちがこの部分についてはもう増員増員をずっとお願いしていたにもかかわらず、予算は五十人じゃないですか。本当に皆さん、国会を少し軽視されているんじゃないか、私はそう言わざるを得ません。

 そこで、もっとすごい事案、国土交通省の各建設弘済会。弘済会という組織があるんですけれども、これは何ですか。莫大なお金が国土交通省から発注をされています。

 東北の建設協会、これは弘済会の名前を変えたものでしょうけれども、百八億八千九百万円、関東建設弘済会百十五億千九百万円、中部建設協会百七億四千八百万円。実に六百七十七億もの発注がここにされているんですが、建設弘済会というものは、どうやってできた組織ですか、そして、これは何をやっているんですか。

平井副大臣 お答えいたします。

 建設弘済会は、各地方整備局に対応して八法人あり、公共事業の円滑な推進に資し、国土開発の発展に寄与することを目的として、昭和四十年前後に相次いで設立された公益法人、社団法人であります。

 定員削減に伴いまして、各地方整備局において業務のスリム化、効率化が求められている中、限られた職員により円滑に業務を遂行するため、社会資本整備や関係法令等の専門的な知識や豊富な現場経験を持っている建設弘済会等に河川、道路等の工事の発注の支援や監督、検査、施設管理の補助等を委託してきております。

原口委員 昨年の十月に我が党の前原委員がこの弘済会の指摘をして、そして、総理から、ほとんど随意契約をやっている、この随意契約を変えるんだ、適正化するんだという指示を自分は出すんだというお話でありました。

 どのように適正化されましたか。

冬柴国務大臣 たしか前原議員だったと思いますが、取り上げていただきまして、総理も私も、これはやらなきゃいけないということで、随意契約については改めようということで、十二月二十六日付で、すべてを随意契約にしようということでやりました。(発言する者あり)いや、ごめんなさい。実は特命の契約、随意の契約というものを改めて、企画競争にしようと。企画競争の場合には、競争条件が問題だったわけですね。それで、その競争条件も、民間の人が積極的に入ってこれるようなものに改めようということで、その日にも幹部に集まっていただいて、十二月二十六日だったと思いますが、そのようにすることにいたしました。

 競争入札、いわゆる総合評価方式とか、そういうものがとることができない事案というのはたくさんありますけれども、できるだけそういう競争性を高めるように、要件をそれに合うように、できれば十人ぐらいの方が参加できるようにということで今改めつつあるところでございます。

原口委員 少し混乱しましたが、改めつつあるということでございますが、現実に契約件数は、皆さんのお手元の資料に差し上げているように、ほとんど随意契約というのは減っていないということでございます。

 なぜか。例えば、今どんな契約の仕方をしているんですか、資料を持ってきてくださいということを求めました。ここに、ある弘済会のいわゆる参加意思確認書の提出を求める公示というものがありますけれども、こう書いてあります。「本業務については、四国地方整備局の行政行為の補助に係る公共性の高い業務であるため、道路及び河川に係る調査・計画・工事・管理等の豊富な行政経験を有する技術者を多数確保しているとともに、公平・中立的な業務遂行に対処できる厳格な服務規則が確保をしている必要があることから、(社)四国建設弘済会を契約の相手方とする契約手続を行う予定としていますが、当該公益法人以外の者で、下記の応募要件を満たし、本業務の実施を希望する者の有無を確認する目的で、参加意思確認書の提出を招請する公募を実施するものである。」

 最初からここにやりたいと思っているんだけれども、だれか手を挙げたければ挙げてくださいと。これで挙げられますか。しかも、基本的な要件をいっぱい付しているんですよ。

 私は、もうこういう組織を、やはり大臣、一回畳もうと。畳んで、そして公正、公平、中立な本当の意味での入札をやろう、そういう決断を大臣だったらなされるんじゃないかと思っているんです。昔、一緒に独立行政法人、特殊法人の調査をしましたね。まさに、母屋ではおかゆですか、そして離れではすき焼き。すき焼き食べ放題じゃないですか、これは。こういうことをやっているから、国民は、納税を、本当に自分たちの税金が自分たちのために使われているんだろうか、こういう疑いを持つわけであります。

 私たちがもう一つ申し上げたいものがございます。これは、この間も行ってまいりましたいわゆる駐車場整備機構です。村井議員と一緒に先日行ってまいりましたが、九百九十五億円もこういうものにかけているわけです。今もこの駐車場整備機構には多額のお金が入っています。一年間で二十四億八千万円もの道路特定財源ですか、国からお金が入っているということであります。では、一体何をやっているのか。周りに駐車場は幾らでもあるんですよ。そして、採算を出してくださいと言ったら、採算も出さない。

 これは事務方で結構ですから、少し事実だけを聞いていきたいというふうに思います。

 建設費九百九十五億円、全体で。日本で十四カ所につくっているんですね。そのうち四十二億円を財団法人が支出していますが、この原資は何ですか。事務方で結構です。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 建設費四十二億円の原資は、一つは道路開発資金としての国の貸付金十六・四億円、民間資金十六・四億円、加えまして、市中銀行から五・七億円、自己資金として三・五億円、そういう構成でございます。

原口委員 私は、ほとんど自前の財産のない財団にどうしてこういう資金が借りられるのか、それが不思議でたまらないんです。

 それでは、駐車場は、十四カ所でいいですけれども、いつ、どのような採算計算を行っていますか。総理も、効率性あるいは採算性、国民への説明ということを再三再四おっしゃいました。いつやりましたか。

冬柴国務大臣 これは、平成十五年に比較的新しくされたものですけれども、全国、もちろん東京もそうですけれども、主要都市に十四カ所、合計で二千五百台収容のものがつくられてありまして、年間二百万台を超える駐車がされておりまして、周辺の混雑の緩和とか、そういうものに資しているものでございます。

 九百九十五億を何かそこへ投入したように聞こえるような、前回あったものですから、私はこのことを本当に申し上げたかったわけです。しかしながら、二百万台を収容して、そして中心市街地、雑踏するところに裨益してきたことは事実でございます。

 収支は、その財団が投入する資金というのは、我々の方で、これは、土地の整備そのものを、道路の地下につくるわけでございますが、それに対しては、換気装置とか、あるいはもちろん駐車スペースをつくるとかいう、そういう投資が要るわけで、それに四十二億円をその法人が借金をして、そしてやっているわけでございます。したがいまして、それをするかどうかということは、その財団が収支計算をして、そして収支が合うということでやっているわけで、多くの銀行もここには貸し付けをやっておりますが、その計算は、検証して成り立つという判断のもとにやっているわけでございますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

原口委員 大臣、そのようにレクを受けましたか。大臣はまじめな方だから。私、この間、六十二億と言って、九百九十五億というのは全体ですから、そこはここでもはっきり言っておきますが、採算性の資料を出してくださいと言ったら、出てきませんでしたよ。このパーキングについてですよ。これは十五年にできているんです。いつ、だれが、どのような採算性の計算を行ったんですか。

 実際に行ってみたら、朝の六時から夜中の十二時まで百六十台しか来ていない。十二名の方がそこに張りついておられる。周りの駐車場は全部、青空駐車場や屋根のある駐車場も無人でしたよ、同じ料金でね。何で官がこういうことをやる必要があるんだろうか。

 その採算性が、このパーキングについて計算があったら出してくださいと言ったら、出てこないんですよ。大臣、ごらんになりましたか。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 財団は、新たに駐車場を新設する際には、当然ながら、新規駐車場の使用見込みと既設駐車場の使用実績等を考慮しまして、既設駐車場を含めた駐車場全体の収支バランス、そういうもので採算計算をやってございます。他方、道理管理者が設置する駐車場の目的というのは、路上駐車を減少することにより交通渋滞の緩和及び安全な交通を確保することにあります。したがいまして、利用者から料金を徴収して採算をそこで道路管理者の方がとるということではないんだろう、事業効果の問題だろうと思います。

 もう一つ申し上げますと、駐車場推進機構に融資をする際に、その融資する先はちゃんと銀行担保とかをとってやっておりますので、そちらの方もそういったことのチェックをしていると思います。

原口委員 あなたの、していると思いますという答弁を私は求めていないんです。

 今大臣がおっしゃった、採算性を考慮してつくりましたと。これは、六百円とかそんな駐車場ではないですよ。六十二億ですよ。六十二億でつくったものだったら、その採算性の積算書を出してください。出すんですか、出さないんですか。大臣にお伝えしているんですか、していないんですか。二つ、イエスかノーだけで答えてください。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますが、道路管理者、それが駐車場を設置するその当該部分については、先ほど申し上げましたように、これは路上駐車を減少させるということでつくっております。無料でやりますと周辺の民間駐車場を圧迫しますので、課金が要ると思います、駐車場料金をかけるということが要ると思います。

 その双方の理由で駐車場整備機構が附帯部分をつくりまして、そこで料金を取って採算をとっていく、そういう構図になっております。

原口委員 私は、口で、そんな話を聞くんじゃないんです、局長。つくるときの数値があるでしょう、これ。

 この駐車場整備推進機構に対する出捐法人、団体。これは、銀行、民間企業を入れて八十五社なんですよ。損保十社、機械四社、電気二十一社、コンサル三十一社、その他十社。そして、実名は言いませんが、Oコンサルタンツと、それからM、O、T建設企業体が受けているわけですよ。この人たちがここに出捐していないという保証はありますか。自分たちでお金を出して、そして自分たちで受注しているという可能性もあるんじゃないですか。

 もっと言うと、なぜその数値を出さないんですか。六十二億をつくった、その根拠となる数字を出してくださいと言っているんです。言葉を出してくれと言っているんじゃないんです。

 局長、もう一回答弁、お願いします。

冬柴国務大臣 この財団法人駐車場整備推進機構が、今のは八王子ですか、それをつくるときに、当然に国からも、あるいは民間資金とはいえ開発振興センターからも協調融資しているわけですから、それには当時の財務諸表とか、あるいは想定される損益、いわゆるPLですね、こういうものは出ているはずですから、これは出させます。国土交通省がやっているわけじゃない。この財団がやっている財団のPLなりバランスシートは出します。

原口委員 大臣、財団のPLとかバランスシートは持っているんです。私が伺いたいのは、これをつくったときの採算計算なんです。

 いや、混雑を緩和するために、ある意味で民業圧迫になっちゃ困るから、採算も度外視して六十二億の駐車場をつくりましたと言うんだったら、またそれも一つの考え方なんですよ。これをつくるときの政策判断材料を出してくださいということを言っているわけです。どうぞ。

宮田政府参考人 何回も答弁申し上げますが、駐車場整備機構が投資をしたものは料金で回収をします。ここには採算性という概念が入ります。そこについて採算性計算をしております。それについては出せると思います。

原口委員 全大臣に聞いてほしいんですけれども、渡辺大臣、金融のときだって、自分のところの資本がどれぐらいあるか、借り入れをどうするか、採算をどうするかというのを必ずやりますよね。今、この十分もやって初めて。これ、ないと言っていたんですよ、ずっと。そんなものはありませんということを言い続けてきたんですよ。ちゃんと出しなさいよ。

 委員長、ぜひお願いいたします。はっきり、この八王子のパーキングをつくったときの採算基準、積算基準、これを本委員会に提示を約束させてください。

 もう一回、それでいいですね。

冬柴国務大臣 六十二億、このパーキングの原価のもとになるものじゃないんですよ。道路整備のためですよ、この下の、地下の。ですから、それを償却するなんといったら、それは大変なことになってしまいますよ。

 ですから、つくったものを、今度、後、管理する会社との間で契約をして、そこが空調施設とかパーキングの施設とかをつくるわけであって、そこがこの財団としては原価になるんじゃありませんか。

 六十二億を原価にして、それを収益還元でやるといったら、それはもう、とんでもないことになります。そうじゃないんですよ。

原口委員 大臣、私はそんなことを言っていませんよ。六十二億という巨費を投じるのであれば、その投じた理由が知りたい。投じるときの根拠になった積算書を出してください、それだけ言っているんです。どうぞ。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 六十二億の積算、トータルどういうふうにしたかは出せます。

 採算計算は、何回も申し上げておりますように、バランスシート、バランスは、整備機構が整備するもの、それを料金で賄って回収をしていく。道路管理者は、もともとそこの路上駐車を解消するという道路事業でやったものでございますので、そこを含めて出すということはないと思います。

原口委員 だから、政策目的でそういうふうにやっているというんだったら、はっきり言えばいいんです。

 何でかと言えば、この駐車場整備推進機構、この間、この委員会でもやらせていただきましたが、専務理事、平成十九年度で百八万円以内と書いてあります。常務理事、百三万円以内。これはだれのお金ですか。わざわざこういう財団をつくって運営する必要があるんですか。私は、さっきの弘済会も含めてリセットを考えるべきだということを申し上げたいんです。

 コストとベネフィット、財団の駐車場設備資金の借り入れを見ると、国の道路開発資金、借り入れで十六・四億円、それから財団法人、またここに国交省関連の財団法人が出てくるんです、道路開発振興センター、これも十六・四億円。ほとんど国から借り入れているんですよ。市中銀行が五・七億円、自己資金は三・五億円、合わせて四十二億円。

 だったら、利益が出たものは国に返さなきゃいけないんじゃないですか。なぜ返さないんですか。国民の税金でしょう。返してくださいよ。道路ユーザーが納得をするように、返してくださいよ。

宮田政府参考人 駐車場整備機構は、先ほどから申し上げておりますように、附帯施設について投資をしております。そこの投資の有利子資金がまだ三十一億残っておりますので、上がった利益はそこの返済に充てる、現在はそういう状況でございます。(発言する者あり)

原口委員 ここにも本当に、今前原さんおっしゃるように、埋蔵金があるわけですよ。

 それで、しかも、月収はこうだとか言うけれども、この四人の方々の年収、幾らですか。これは全員、国交省の天下りじゃないですか。天下りを食べさせるために財団をつくっているとしか思えないじゃないですか。幾らですか、年収。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 個々の、個人の給料というのは差し控えたいと思いますが、前回、原口委員からの御質問で、ちょっと記憶で申しわけありませんが、専務理事は月額百八万円、理事長が定める範囲内、そういうことだと思います。

原口委員 この間も言いました。局長、わざわざ、大臣でなくて政府委員は正確性を期すために呼んでいるんですから、時間稼ぎしないでください。年収、幾らですか。

宮田政府参考人 申しわけありませんが、個人の給料にかかわりますので、差し控えさせていただきたいと思います。

原口委員 では、私たちの歳費も公開されていませんか。公益性があるじゃないですか。国民の税金じゃないですか。それが、どこが個人のプライバシーですか。私、名前を言っていますか。役職名で結構です、年収をおっしゃってください。

宮田政府参考人 申しわけありません。

 私、財団法人から、個人の給料は聞いておりません。

原口委員 では、調べて聞いてください。約束いただけますか。

冬柴国務大臣 財団法人駐車場整備推進機構というのは、これは独立の人間なんですよ。それで、それに対して国の貸付金は十六・四億入っていますけれども、これは半年ごとにきちっと返してもらうことになっていますよ。利息もいただくことになっています。

 それから、またここも国土交通だとおっしゃいました。そのとおりです、開発振興センター。しかし、では、そこの資金はどうかといったら、民間から資金を仰いでいますよ、ここは。そうですよ。それで、十六億四千万ずつ協調融資をしているわけです。十六億四千万ずつ貸しています。

 それで、これはどういうことからかといいますと、道路開発資金制度というのは、道路本体整備に直接資する道路用地の先行取得等の事業や、駐車場や駐輪場の整備のように道路に関連する民間事業を支援することにより、国民のニーズに対応した豊かな道路空間の創造とその高度利用の促進等を図るため、昭和六十年に創設された長期かつ低利な融資制度なんだ。融資制度なんだ。補助じゃないんです、融資なんです。

 それで、貸し付け条件は、五年据え置きで二十年元金均等の半年年賦償還。国の貸付金は固定ですが、民間は五年ごとの見直しということになっています。

 したがって、特定財源を入れているんだからそこの報酬を全部明らかにせよとかずっとおっしゃいますけれども、これは独立した人格があるわけです。そしてしかも、八王子だけではなしに、十四の駐車場を経営しているわけです。二百万台の駐車をやって、独立して、その借金も返済しつつあるんだ、まだ三十一億ほど残りがあるようですけれども、そういう会社に、独立している人に対して、国から何でもオールマイティーで全部出せとか言うわけにはいきません。

 私が約束したのは、駐車場をつくるときに十六億四千万ずつの協調融資を求める以上は、その採算とかそのときのBSとかPLとかが当然来ているはずだから、私は、それを捜してあなたに提出をしよう、こういうことを言っているわけでございます。

原口委員 とても残念な答弁です。納得はできませんし、BSも発注書もない。民間の健全な事業に資するというふうに今お読みになりましたけれども、私には民間の事業を差配しているとしか思えないから聞いているわけです。

 それが証拠に、ほとんど随意契約じゃないですか。それが証拠に、会計検査院も来ていただいています、十七年、十八年の指摘事項、皆さんのお手元に十六年と十八年を挙げさせていただきました。主な不当事項、処置済み事項、本当にたくさんあります。

 もう時間が限られていますから、最後に一つだけ伺います。

 一ページ目をごらんください。馬淵委員が議論をしました将来交通需要推計の流れであります。これは、一月三十一日に国土交通省から馬淵委員に提出をされています。将来の交通需要推計の流れの空白のところ。前回は、平成十一年九月から十一月までセンサスをやって、十三年一月に調査結果を取りまとめ、そして十三年三月にOD調査結果の取りまとめ、そして将来値の推計が十四年六月になっています。

 なぜここで空白なんですか。工程表があるでしょう。毎回毎回やっているんだったら、どのような工程でやるかということがあるはずです。十六年にやると決めたものを十七年に延ばしたのであれば、その報告書もあるはずです。場合によっては稟議書もあるかもわからない。提出をお願いいたします。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 既にどういうことをやったかという事実関係についてはお示しできると思いますし、その過程で発注等をやっておりましたら、所要の書類は提出できると思います。

原口委員 工程表、もう少し詳細なのが一月三十一日に同じく馬淵委員に提示をされています。しかし、ここでも、この秋に最終取りまとめをするなどという文章はどこにもないでしょう。皆さんごらんになってください、白紙のところ。何も書いてないですよ。つまり、私たちには、この秋が最終取りまとめなどということは、一月中には何一つ言っていないんです。

 いつ決めたんですか、秋に取りまとめるなどというのを。教えてください。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 今、確定して、いつごろということで決まっているわけではありませんが、作業のいろいろな実態を見まして、前回のたどった時間数、今の作業の工程等を考えて、大体秋ぐらいになろうと。できるだけ急いでやっていきたいと思っております。

原口委員 いや、秋ぐらいといつ決めたんですか。ちょっと、本当に、局長、私の質問をまじめに聞いてください。

 あいているじゃないですか。私たちには秋にするなんて全然報告していないですよ。あなた方の作業の工程表があるでしょう。工程表を示してください。

 十六年にやるべきものを、やると決めたものを十七年に移すと大臣は答弁されましたね。十七年にと答弁したときのその根拠を示してください。

 二つ、出せますね。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 現在まで取りまとめている状況、それから、これからかかるだろう作業の内容、それに対してどういう時間がかかるかというのはお示しできると思います。

原口委員 いいかげんにしてほしい。本当にいいかげんにしてほしい。

 そのときの、十六年から十七年に変えたときの、決断する資料があるでしょう。本当だったら十六年にする予定だったんでしょう。そのときの資料と工程表。十六年から何年、何年、何年とやる予定の工程表を見せてください。それは見せられるでしょう。過去のものを出してくださいと言っているんですよ。どうぞ。

宮田政府参考人 十六年から十七年に実査を変えたという理由は申し上げました。

 そこからどういうふうに作業するかということについて、どの時点で十七年にやったかということは今つまびらかではありませんし、それから、十七年のときに工程を持っていたというよりも、三年間目指してやっていくということであろうかと思います。

原口委員 大事なんですよ、委員長。だって、この中期計画のもととなる推計でしょう。それを、つまびらかに今できませんと。では、勝手にあなた方は数字が悪そうだったら延ばせるわけですか。私も昔やられましたよ、諫早湾干拓のときに。調査報告は出ているのに、いつまでたってもそれは中間報告だと言うわけですよ。

 その稟議書があるでしょう。報告書があるでしょう。十六年当時に十七年にすると決めたのがあるでしょう。文書は五年以内じゃないですか。どうぞ。

平井副大臣 委員お尋ねの、平成十七年度に道路交通センサスを実施いたしたことについては、その意思決定に至る経緯等が示された文書があるかどうかということですが、文書はございません。

 それで、これが、国勢調査と実施年度を一致させることがより効果的であった、そして国土交通省内のほかの調査と実施年度を一致させることがより効果的であった等の理由です。また、道路交通センサスにおいては、統計報告調整法に基づく承認統計であり、その実施に当たっては、総務大臣に大臣から申請を行って、承認をいただいております。

原口委員 とんでもないことですね。だって、今読んでいるところを決断した文書がなきゃおかしいじゃないですか。二言目には道路ユーザーの納得と言い、二言目には国民に丁寧に説明すると言い、文書一つ出さない。これで私たちが伝えられますか。その文書はないそうです、なかったそうですよ。だけれども、何だか知らないけれども、一年延ばされて、推計は十年前の推計を使っているんですよ。私たちはそう国民に伝えなきゃいけないんだ。本当に今の政府を信頼しようとしている人たちさえも裏切る姿勢だと思います。

 最後に、渡辺大臣、外資規制について一つだけ伺っておきたいと思います。後づけの外資規制、これは日本の市場にどのような影響を与えるのか。そして、今まで四十七兆円のお金を大手銀行に入れました。大手銀行に入れたけれども、中小企業貸し出し、これは本当に伸びていますか。中小企業は今本当に厳しい状況です。この二点について伺って、質問を終えたいと思います。

渡辺国務大臣 金融担当大臣としては、日本が鎖国的、閉鎖的なイメージを持たれることは非常によくないと考えております。日本は、オープン、開国の姿勢で投資促進に取り組んでいくことが必要であると考えます。

 また、中小企業金融の動向につきましては、景気の下振れリスクが非常に顕著になりつつあるところから、私としても大変心配をしているところであります。年度末を迎えて、どのような方策ができるか、今鋭意検討中でございます。

原口委員 終わります。

逢沢委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。

 次に、長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 本日は、質問の機会を賜りまして、ありがとうございます。

 端的に御答弁をいただきたいと思います。

 まず、質疑に入る前に抗議を申し上げたいのは、先月、私が昨年衆議院厚生労働委員会で発言した内容を、自民党の茂木敏充厚生労働委員長により一方的に発言を削除されました。理事会の合意ももちろんございません。

 その発言は何かというと、与党というのは一度でも不祥事を追及したことがあるんですか、政府の、こういう発言でございました。

 こういうやり方については断固抗議をして、削除の撤回を改めて求めます。

 そして、この道路の問題でございますけれども、本当に国民の皆様方に、参議院に選挙で民主党にお力をいただいて、多数を野党が占めることができたというこの現状が、戦後、営々と築かれた道路利権に初めて本格的にメスが入った、この論戦を実現したんだということで、本当に国民の皆様に感謝して、我々は、今国会で道路利権を解体する、こういう決死の覚悟で今質疑席に立っているところでございまして、一般財源化と暫定税率廃止、こういうようなことをぜひ実現していただきたいということでございます。

 冬柴国交大臣にお尋ねいたしますけれども、まず、国道事務所でアロマセラピーを道路特定財源で購入していた、こういうものでございますけれども、これはいかがでございますか。詳細と評価をお願いします。

冬柴国務大臣 国民に疑念を持たれることがないように、今後、こういうような購入は厳に禁止をしようというふうに思っています。

 ただ、アロマ器具というのは、空気清浄化や加湿、心身リフレッシュを図ろうとするものでございまして、職員の職務環境を整えるために購入したと聞いておりますが、これは十六年に購入したものでございます。

 しかしながら、我々は、前回も申しましたように、これはレクリエーションとかそういうようなものについては、一切これをもうやめるということを私が言明をしているわけでございまして、今後はそういうものは購入されないと思います。そこに二台出ていますが、合わせて四万六千三百九十円ということでございますが、これをもし国民が不快だとおっしゃるのであれば、私はおわびを申し上げなきゃならないと思います。

 ただ、一つは一万六千五百九十円、一つは二万九千八百円というものですが、空気清浄機とか加湿器というような、社会通念に照らしたら、それと比べればちょっとどうかなという感じがしますので、今後そういうものは絶対に購入させないように徹底をいたします。

長妻委員 こういうものも、情報を得て調査をしてやっと表に出てきたほんの一部で、我々のところには、もっと驚くべきものも道路特別会計で購入されている、こういう情報が寄せられていますが、国交省が認めないというものもたくさんございまして、これは氷山の一角です。これがすべてじゃありません。

 執務環境の改善だということで、中部地方整備局の名四国道事務所が道路整備特別会計で平成十六年に購入していたということでございますけれども、これは社会通念上、そういう道路に使うお金がこういうものにいいのか。確かにこれは職員に、リラックスするというのはあるかもしれませんが、それを税金で、道路特定財源でいいのかという常識の問題だと思います。

 そしてもう一つは、私も驚いたんですけれども、地下鉄に道路特定財源が投入をされているということでございます。東京メトロ副都心線でございますけれども、ここに四百七十億円が、道路特別会計、特定財源が投入をされるということでございます。

 ちょっとわからないのは、先月に我が党の菅直人委員の質問で、総理は受益と負担という御答弁をされた。「道路特定財源というのは、道路に関する受益と負担、そういう関係が明確であるということから、これまでもおおむね五年ごとに検討して、そして納税者である自動車ユーザーの理解を得ながら、また国会においても必要という議決をいただいて今日まで継続されてきたものでございます。この制度の活用によって、着実に道路整備水準の向上は図られてきておるところでございます。」ということで、道路で使うということで納得を納税者にいただいているんだということですけれども、この地下鉄に使うというのはどんな理屈でございますか。

冬柴国務大臣 その地下鉄の敷地は、全部見てもらったらわかりますけれども、道路の直上、直下のものでございます。渋滞緩和効果等が見込まれるものについて道路特定財源を活用しているわけでございまして、例えば沖縄県のゆいレールというところで、モノレール駅に近い交差点では、渋滞長、渋滞の長さが二百五十メートル以上減少した交差点があるなど、交通環境が改善することに効果が出ております。したがいまして、そういう部分についての支出であります。

長妻委員 これはそうすると、道路の真下を通らない地下鉄は入れられないと。あるいは、渋滞緩和という今のお話でございましたけれども、私も、地下鉄が必要であればこれはつくる必要があると思いますが、そうであれば、一般財源で、なぜ投入してつくらないのか。

 これは、国交省のお役人の方に聞きますと、この地下鉄に関しては、平成十五年度から使途拡大が国の方針で始まったので地下鉄に投入したと。当初は運輸部門から、国は一般会計からこの地下鉄に金を出していたんですけれども、不足したので道路特会から応援をいただくことになりました、こういうようなことでございますが、これは、危惧いたしますのは、道路特定財源というのが、今の理屈だと交通特定財源に今後なって、どんどんどんどん役割が拡大解釈して、そして、まだ足りない、まだ足りないということで永久にこの仕組みが続いてしまうんではないか。

 この理屈でいえば、渋滞緩和でいえば、例えば飛行場を整備して、飛行機で混雑するところを移動すれば緩和になるとか、あるいは新幹線とか鉄道をどんどんつくればそれは緩和になるとか、交通は全部緩和になるというふうに思うのでございます。

 しかも、今回ちょっと私も首をかしげますのは、この中期計画の資料をいただきましたけれども、今後十年、あのお金の中で、道路財源で地下鉄をつくることもあるんですか、そうしたら、ありますと。では、その地下鉄の見積もりはどこの部分に入っているんですかと聞きましたら、慢性的な渋滞への対策、ここに入るんですというわけです。では、地下鉄の積算は何路線で幾らだというのはどこに書いてあるんですかというと、それはなくて、見積もりはこの慢性的な渋滞への対策で、あかずの踏切を除くと、十年間で二十一・六兆円、この中で地下鉄もつくります。その積算根拠は、渋滞対策箇所が三千カ所ある、だから、一カ所が大体七十二億円かかるんだ、渋滞緩和に。七十二億円掛ける三千カ所で二十一・六兆円だ。この中で地下鉄もつくる。

 何で三千カ所と地下鉄が関係あるのかと思うわけでございますけれども、非常にあいまいな形で、しかも、この費目を見ますと、どういう費目かというと、この地下鉄の現に今支出されている費目は、項でいうと道路交通安全対策事業費なんですね。これは交通安全にどういうふうにつながるのか。あるいは、目が交通連携推進事業費補助、こういうようなことになっているわけでございます。

 しかし、ちょっと表に出ない資料を入手いたしました。財務省に国土交通省が概算要求のときに説明する概算要求説明資料、これは通常、世間には出ない資料。この資料にははっきりと公共交通支援ということで書いてあるわけで、何で国会に出す資料には道路交通安全だと書いて、財務省に要求する資料には、内々の資料には、公共交通支援と書くのか。

 こういう特定財源がおかしな形で、不明朗な形で、国会のチェックなしに支出されるというのはいかがかと思うんですが、これは改善はお考えになりませんか。

冬柴国務大臣 地下鉄、新交通システム等の事業が渋滞対策の事業費に含まれてはいます。しかし、投入されている道路予算というものは極めて限定的でありますから、単価を算出するに当たっては算出していません。例えば、他のバイパス系事業とか、あるいは立体交差系事業とか、交差点改良系事業というのは、大変大きな金額でございます。

 この地下鉄、当然ながら、整備するのを全額出しているわけじゃなしに、その本当に一部を出しているわけでございますから、今の長妻さんの質問に対しては、そういう意味で、これには入っていませんけれども、しかし、渋滞対策として、道路の上あるいは下というところで、そこの道路の渋滞の解消とかあるいは交通安全というのは、もちろん平面道路を走っている場合には事故等が起こります。しかし、それを上に上げることによって事故が減ることも事実でございます。そういう意味で御了解をいただきたいと思います。

長妻委員 これは道路交通安全、渋滞の緩和で事故が減る、地下鉄が交通安全だという、私はへ理屈だと思いますけれども。そして、やはりこの地下鉄の会社、東京地下鉄株式会社にも国交省のOBが八人天下っておられる。役員三人、職員五人でございますけれども。

 今の説明というのはどこかで聞いたなと思うのは、社会保険庁の説明に似ているんです。つまり、集まる金は何兆円単位で膨大だから、何十億、何百億、何千億ぐらいは、ちっちゃいんだから、そのぐらいごちゃごちゃ言うな、そういうふうに聞こえるわけでございまして、そこからどんどん、アリの一穴で、当初の目的と違うような使われ方が広がるんじゃないかということでございますので、答弁に納得しておりませんが、チェックをぜひしていただきたいと思います。

 そして、もう一点。道路特別会計が流れ込んでいる天下り団体で、数多くあります、これはもうなくした方がいいというのを厳選すると、この二ページ目の資料以降に書いてあるもの、十四団体。これはもうなくていい、即刻解散を求めるぐらいに御決断いただきたい団体じゃないかというふうに考える団体をピックアップしました。

 これはどういうふうに調べていただいたかといいますと、平成十八年度の支出で、この天下り団体に、道路特会との契約がすべて競争性のない随意契約、一〇〇%競争性のない随意契約で全額が流れる、国との契約で。これが十四団体、合計で二百八十八億円、国交省からだけの天下り、計算すると五百二十八人おられるということで、トップファイブが、社団法人中部建設協会七十三億円、九十一人国交省出身天下り、二位が社団法人関東建設弘済会六十八億円、百三十一人、三位が社団法人東北建設協会五十億円、七十九人、四位が社団法人四国建設弘済会二十九億円、四十三人、五位が社団法人北陸建設弘済会二十九億円、五十四人と続きます。

 これは、多分御答弁では、改善、これからするんです、例えば十九年度見てくださいとか二十年度見てくださいという御答弁があるかもしれませんが、この改善もインチキなんですね。この委員会でも明らかになったように、公募の企画競争だといいながら、もうあらかじめ受注するところが名前が出ているとか。

 ですから、この期に及んで、この以前からずっと指摘されても十八年度直っていないわけですから、もうここは思い切って、こういう税金が大変なときですから、解散する、こういう決断をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。

冬柴国務大臣 昨年の総理指示を踏まえまして契約の総点検を行いまして、昨年末、十二月二十六日でございますが、随意契約の見直し措置を行ったところでございます。随意契約の減少度合いについて具体的な数値で示すことは今困難ではありますが、これは、これからあるわけでございますので、明らかになると思います。

 これまで行っていた競争性の低い契約方式は、相当の部分はより競争性の高い契約方式に移行してまいります。

 また、御指摘の職員の再就職については、今後は、官民人材交流センターへのあっせん等の一元化等の再就職に関する規制の導入を含んだ改正国家公務員法の趣旨を踏まえて、的確に対応してまいりたいと思います。

長妻委員 そうであれば、天下りが一元化するというのも変な話ですが、そうなったときに、この天下りの人数というのは確実に減るということですね、大臣。

冬柴国務大臣 それは、この官民人材交流センターへのあっせん等の一元化等の再就職に関する規制というもの、そういうものの内容を見て、そして判断をする……(長妻委員「人数は減るんですか」と呼ぶ)それは減るかどうか、それによって判断されると思います。減る方向だと思います、当然。

長妻委員 一元化しても、天下りは天下りなんですね。

 この委員会でも申し上げましたけれども、ほかの先進国を調べると、国が天下り先をあっせんする、そういうことをしている先進国はどこにもない。七カ国ですけれども、G7、確認をいたしました。本当に毎度毎度この質問というのは、国会で何十回、何百回出ているんじゃないでしょうか、これまでも。そして全然直らない。民間でもできる仕事ばかりやられているんですね、こういう団体では。ですから、なぜ決断できないのか。

 そして、公益法人でいうと、これは閣議決定違反の疑いのある法人もあるわけです。二十四ページでございますけれども、平成八年九月二十日の閣議決定では、内部留保金というのが全体の事業費等の合計額の三〇%程度以下が望ましい、こういう指針があるわけでありますが、二十五ページでございますけれども、道路特定財源による支出を受けている財団、社団法人のうち、この六団体が内部留保が三〇%を超えております。財団法人公共用地補償機構、財団法人道路環境研究所、財団法人道路経済研究所、社団法人国際建設技術協会、社団法人関東建設弘済会、社団法人九州地方計画協会。そして、三〇パーを超えている金額がトータル幾らかというと十三億円でございますので、これはせめて、このぐらいのお金はもう即刻、あしたにも取り戻してくる、こういう御決断をいただきたいと思うんですが、いかがですか。

平井副大臣 個別の公益法人の適正な内部留保の水準は当該法人の事業内容や財務状況等によって異なるものであって、また、道路特別会計からの支出に係る予算の適正な執行と公益法人の内部留保の多寡に直接の関係はありません。内部留保の水準の超過分を特別会計に返還すべきとは考えておりません。

 しかしながら、御指摘のような批判があることも踏まえまして、内部留保の水準が過大な法人については、積極的に公益事業が行われるよう適切に指導監督してまいります。

長妻委員 もう本当に、何でお役人の答弁を丸のみ、丸読みするんでしょうか。これはどう考えても閣議決定違反ですよ、十三億円、三〇パーを超えているんですから、道路特会の金が入っているんですから。このぐらいは返す、こんな小さい決断もできないんですか。本当にゼロ回答ですね。この委員会でやるのは、やはり我々、こういうのは改善したらいいんでしょうかと提案をしているわけで、すべてゼロ回答、全部理由があるから全部はねつける。そうしたら、国会というのはどういう意味があるんですか。これは本当に政権交代しないと直らないですね、鈍感な政府は。

 そして、もう一点。二十七ページでございますけれども、こういう資料を調べていただきました。平成十四年次から六年間、十九年次までで、国交省でいまだ公表されていない法令違反等による不適切な会計処理、これが隠されております、三十四件。この三十四件の法令違反等による不適切な会計処理について発表いただけないですか。

冬柴国務大臣 会計検査院の照会文書というものは、会計検査事務の過程において、検査を受けるものの説明を求めるために発せられる質問であります。会計検査院の正式な見解や意見の表明ではないと聞いております。

 会計検査院では、意思決定の中立性や厳正、公正な検査の実施を確保するため、照会文書の内容は一切公表しないこととしていると承知をいたしております。その内容が今のものでございます。

 国土交通省で不適切と認められ改善した指摘三十四件につきましては、会計検査院からの照会に基づいて行ったものでありますので、独立した地位にある会計検査院の判断を尊重し、照会文書の内容、さらにはその内容に関してとられた措置を公表することは差し控えさせていただいているわけでございます。

 しかしながら、そこに書かれたものは、すべて改善されたからそれは公表されなかったのではないかと。改善されていない部分については、我々は、それについてきちっと処理もしていますし、会計検査院にも説明をいたしています。

 私の記憶によれば、使い込みがあった、それに対して取れていない金があるではないかという指摘についてはそのとおりでありました。しかしながら、それについては、民事裁判を起こし、確定判決に基づいて強制執行して、なお取れなかった部分がその金額でありまして、できるだけのことをやっているわけでございます。

 そういう意味で、何か国土交通省は非常に悪いことをして、それを全部隠しているような印象を私受けましたので、そうではないということを御理解いただくために、ちょっと説明をさせていただきました。

長妻委員 これは私はかなりひどい話だと思いますのは、お配りしたものの二十七ページに、会計検査院から照会文書を送られた六十一件があった。国土交通省は、そのうち三十四件は悪うございましたということで、これは法令違反等による不適切な会計処理だということを認めた。しかし、会計検査院は公表しないし、国土交通省も表に出さない、三十四件。では、資料を要求したらば、照会文書を受けた六十一件全部を出してきて、このうちの三十四件が不適切な処理なんですと。これはクイズみたいなものですね。六十一件は出したけれども、このうちの三十四件は、どれが不適切かは言えませんと。

 国民のお金を不適切な会計処理をして、国土交通省も不適切だと認定しているのに、これは道路局案件もたくさんありますよ、業務の実施の問題とか、直轄、補助事業の実施で、会計上の不適切な処理というのが。

 なぜ公表しないんですか、会計検査院も国土交通省も。不適切というふうに確定認識しているわけですよね。確定でしょう。三十四件は、ここに書いてありますよ、一番下に。国交省が書いたんですよ。「上記六十一件中三十四件については、法令違反等による不適切なものと考え改善を行った。」と。不適切なものと考えたわけですから、国民の皆さんに明らかにしてください。幾ら不適切があったのかも含めて、金額も。なぜですか。

平井副大臣 これは会計検査院ですから、やはり意思決定の中立性とか、そういうのは必要ですよね。

 三十四件に関しては改善をしたということで、このことを会計検査院と相談いたしまして、照会文書の内容まで推測できるものではないという結論を得て、資料提出をさせていただいています。

長妻委員 だから、三十四件は不適切だと認めて改善したということですよね。では、それを見せてください、本当に改善したのか。だって、不適切なものなんだから。

 では、三十四件はこの表のどれですか。これは六十一件、ごっちゃになっているんですよ。三十四件はどれですか。何件か読み上げてください。

平井副大臣 これは繰り返しになりますが、要するに、会計検査院では、意思決定の中立性や厳正、公正な検査を実施するため、照会文書の内容を公表しないこととしていることを……(長妻委員「照会文書が欲しいなんて言っていない」と呼ぶ)我々は、独立した会計検査院の判断を尊重させていただいております。

長妻委員 これは非常に不可思議な話ですよ。別に私は会計検査院のカの字も言っていないですよ、質問で。つまり、不適切な会計処理が発覚したきっかけが、自分たちで、自分で見つけたのならば公表する。ところが、会計検査院から照会文書、裏で指摘をされた、非公表の指摘を受けたもの、これがきっかけで不適切だと国交省が認識したものは、きっかけが会計検査院だと一切公表しない。これは逆に会計検査院に指摘してもらったら便利ですね。公表しないでいいじゃないですか。

 この六十一件の中で三十四件は、会計検査院とは関係なしに国交省が「法令違反等による不適切なもの」と考えたわけです。下に書いてありますよね、国交省が。ですから、三十四件はこの中でどれで、幾らぐらいの金額なのか、これは国民の皆さんは知る権利があると思いますよ。大臣、これは不思議ですよ。

冬柴国務大臣 会計検査院の御注意ということが契機となって改善をすべてしたわけですから、それはしなくてもよろしい、会計検査院もそういうことは指摘したことも言いませんし、ということになっているんです。

 だから、改善をいたしまして、その結果についても、会計検査院もそれは認められまして、その上で、残りについてできていない分、先ほど私は一件だけ頭に残ったものを言いましたけれども、それ以外は正常に、きちっと適法、適正に処理されたという判断をいただいたものでございます。

長妻委員 それはあれですか、不適切な会計処理があって、改善したら公表しないでいいと。それは便利ですね。隠しておいて改善すれば、これは公表しないでいいじゃないですか。(発言する者あり)いや、だって隠されていますよ、これ。では、どれですか、三十四件の不祥事。これはおかしいですよ、大臣。大臣の判断で、三十四件はどれなのか。

 では、もっと具体的に言いましょう。

 クイズみたいなことを国交省の方に言われたんですが、十九年次は八件ありますね、照会文書を出されたのが八件。この八件のうち四件は不適切だと国交省も認識したというのですよ、十九年次。では、これはどれですか。不適切なのは直轄事業の実施の三件のうち何件ですか、そして金額は幾らですか。八件のうちどれなのか、事業と、どの局なのか、それぐらい教えてください。

平井副大臣 我々は会計検査院の照会に対して協力をしているということであります。そういうことですので、会計検査院の職域まで我々侵すことはできません。

長妻委員 そうすると、もう一回聞きますよ。この表の六十一件のうち、「三十四件については、法令違反等による不適切なものと考え改善を行った。」と一番下に書いてありますから、これはそのとおりだと思いますけれども、この記述というのは間違いないですね、この資料の一番下の記述。

平井副大臣 はい、記述のとおりでございます。

長妻委員 そうであれば、きっかけはどこか知りませんよ、会計検査院もあるわけですけれども、三十四件については、国交省が自分の頭で考えて、国民の皆さんの金を不適切な会計処理をしてしまったわけですから、それは金額も含めて公表してくださいよ。これはなぜなんですか。異常ですよ。

冬柴国務大臣 国土交通省ばかりじゃありません。それは会計検査院、国全般をやっているわけですよ。だから、これは、法令違反による不適切なものとその担当者が考えて、改善したんですよ、全部。それでよろしいということなんですよ。だから指摘されないんですよ。

 ただお金をごまかしたとか、そういうところばかりじゃないんですよ。記帳が間違っているとか、仕分けがおかしいとか、そういう話ですよ。いいじゃないですか、それで。(発言する者あり)いや、教えないというのが、今までずっと答弁を聞いていただいたらわかりますけれども、そういう問題については会計検査院からも公表はしないということになっておりますので、そういうことでお願いします。

平井副大臣 申しわけないんですが、会計検査院では、意思決定の中立性や厳正、公正な検査の実施を確保するため、照会文書の内容を公表しないとなっているんですよ。(発言する者あり)そうですよ。だから、そのとおりにしているだけです。

長妻委員 私は、照会文書を公表しろなんて一言も言っていませんよ。そんな文書を我々要求していませんよ。だから、「法令違反等による不適切なもの」と考える三十四件はどれですか、道路関係はあるんですか、幾らですか、それだけ聞いているんですよ。

平井副大臣 これは以前総理も御答弁なさっていると思いますが、このとおりでございます。

 これは、長妻委員の十月三日の本会議の質問に対して、内閣総理大臣の方から、会計検査院の照会文書は、会計検査事務の過程において検査を受けるものの説明を求めるために発せられる発言であって、会計検査院の正式な見解や意見の表明ではないと承知している、そして……(発言する者あり)いや、答弁があったかどうかということに関して確認をさせていただいています。そして、会計検査院では、意思決定の中立性や厳正、公正な検査の実施を確保するため、照会文書の内容を公表しないこととしていることと承知しており、政府といたしましては、内閣に対し独立した地位にある会計検査院の判断を尊重し、決算検査報告に記載されていない照会文書の内容、さらにはその内容に関してとられた措置を明らかにすることは差し控えたいと思います、このように答弁しております。

町村国務大臣 福田総理の答弁の中でも、今副大臣が言われたように、個々の検査院からの照会文書等は明らかにしないということでございますので、今委員が御指摘のように、何件、そしてグロスで幾らというのが、件数はわかったわけですね、件数は三十四件、したがってそれがトータルで幾らの金額になるか。例えば、十九年の、八件ありますね、このうち何件で幾らですということはグロスにしてお答えをするようにいたしますので、ひとつ御理解をいただきたい。これは、今ちょっと作業には多少時間がかかるかもしれないので、御理解をいただきたいと思います。

長妻委員 そうすると、この表のうち三十四件についてはどの部局で、そして金額が幾らで、どういう不適切な処理なのか、法令違反はどういう法令違反なのか、それぞれ個々に三十四件いただける、こういうことですね。

町村国務大臣 ここはちょっと独立の機関である検査院とも相談をしないと、今私の一存ですべてを申し上げるわけにはいきませんが、最低限、今私は委員の御指摘を聞きながら、グロスの件数と金額ぐらいはお答えしてもいい、件数はここにありますから、それをトータルの金額で……(長妻委員「いや、だめですよ。法令違反の中身は」と呼ぶ)そこのどこまで言えるのかは、それはまさに照会文書とかかわりがあるので、どこまで言えるのかどうか、これはちょっと検査院とも相談の上、改めて皆様方にお答えをしたいと思います。

長妻委員 ちょっとこれは、グロスの数字が出てもしようがないんですよね。ある意味では、法令違反が幾ら、どこであったのか、道路財源がどうなっているのか、こういうことを聞きたいわけですけれども、では、きょうは会計検査院も来ておられるので、独自に国交省が公表するというのはいいんでしょう、これは。だめなんですか。

伏屋検査官 お答えいたします。

 この問題、二つありまして、先生もわかっていると言っていただいたんですが、まず、私どもの照会文書そのものは、これはもう不開示文書でございます。したがって、これは開示できません。

 問題は、今いろいろ議論されている話で、私どもの照会文書の内容が、これが類推されるようなことがあっては困りますということを私どもは申し上げているということでございます。

 今、私どもの文書が、不開示文書が公開できないとわかっていると言っていただいたんですが、やはり、私どもの意思決定の中立性、それから、今後同じようなことが他省庁にもあるのではないかとか、今後の検査への影響、そういうこともございます。

 したがって、情報公開審査会ではこれは不開示情報と決定されていますし、最高裁の判決も出ているわけでございますので、したがって、まず照会文書は開示できない、それを類推できるようなことは私どもは差し控えていただきたいということでございます。

長妻委員 ちょっと今、トリッキーな答弁ですね。最高裁は、照会文書そのものですよね、不開示は。私は、だから、それを聞いているんじゃなくて、国交省がみずから不適切と判断した三十四件を聞いている。

 だから、これは、先ほど申し上げましたけれども、こういうことになりますよ。会計検査院から指摘されれば、例えば不祥事が起こって、会計検査院にさっと指摘してもらう、そうしたら公表しないでいいじゃないですか、会計検査院が公表するまでは。会計検査院はこれを公表しないというふうにしているわけですから、掲記されていないわけですから。

 この問題、時間も限られていますので次のテーマに行きますけれども、絶対これもあきらめません。これはおかしいです、どう考えても。ほかの国は、前回もG7を調べました、会計検査院、公表基準がきちっと定められています。会計検査院、日本は、どれを公表するのかしないのか、全部恣意的に会計検査院と省庁の話し合いで決まる。こういう不透明な形を何としても変えるために、これは徹底的にまたやります。

 次に参りますけれども、国土交通省のもう一個の問題ですが、二十六ページでございますけれども、国交省の天下りを受け入れている九団体が、かなり昔から国土交通省の国有財産の建物の中で売店などを全部無料でずっとやっていたということが明らかになったんです。

 例えば、社団法人九州建設弘済会、四十三人天下りがいますが、九カ所の国道事務所などの売店を無料で、一番古くからは昭和四十一年からずっと無料で借りて、大分河川国道事務所では売店をされている。あるいは、建栄サービス株式会社は国土交通省の本庁でたばこの販売店をやられているんですが、これもずっと無料で昭和五十五年から借りている。この建栄サービスの創業者は建設省の住宅局長さんだったと。

 こういうことはよろしいんですか、ただで貸して。お金を取れば国庫に少しでも入ったんじゃないでしょうか。

冬柴国務大臣 国土交通省では、国から、国土交通省共済組合が、国家公務員共済組合法の規定に基づき、国有財産である庁舎の無償使用の許可を受け、共済組合が、職員への福利厚生の観点から、食堂、売店等の運営を業者に委託する契約を結んでいます。

 共済組合では、御指摘の国土交通省出身者が在籍している九法人が運営している施設二十一カ所を含め、全国二百四十四カ所、これは十九年三月三十一日時点でございますが、食堂、売店等のためのスペースとして庁舎の一部を、委託契約の履行上、無償で貸与いたしております。当該九法人の無償使用につきましては、開始時期が古いことなどもあっておのおのの詳しい経緯は不明ではありますが、生活必需物資や食事の供給などのために、これまで必要に応じ使用させてきたところであります。

 今般、食堂、売店について、有償による使用の検討が求められるようになりました。そういうことから、定期的に委託業者の見直しを行うこととなったことを踏まえ、無償使用の見直しを進めており、平成二十年度末までに、広く民間を含めた募集を行うなど適切な対応をしてまいりたい、このように考えております。

長妻委員 本当にきちっと公募をしていただきたい。これまでのけじめは全部ほっかむりで、有償で、あとはおとがめなしということではこれは困るわけですので、きちっとやっていただきたいと思います。

 次に、年金の問題に参ります前に、参考人招致で、我が党の渡部恒三議員からも、小泉元総理の参考人招致の要求がこの委員会でございました。

 といいますのも、平成十八年三月二日の予算委員会で、小泉元総理は、当時総理ですけれども、こういう答弁をされました。「まず、一万一千五百二十キロ、これはもう白紙でしょう。」こういうふうに言われた。岡田克也議員のこういう質問、「九千三百四十二キロの整備計画以外はすべて白紙、そういうことで確認させていただいてよろしいですね。」と言ったらば、小泉総理は当時、「白紙であります。大きいでしょう。こういうのは道路公団民営化をやったから言えることなんですよ。」と。そして、二〇〇五年十二月の政府・与党合意、一般財源化を図ることを前提に納税者の理解を得つつ具体案を得る、これも小泉総理時代でございますので、小泉元総理の参考人要求をいたします、委員長。

逢沢委員長 この案件につきましては、引き続き委員会で適切に対応してまいりたいと存じます。(発言する者あり)理事会で対応してまいります。

長妻委員 そして、年金の問題ですけれども、この年金でも、また今度は年金担当、社会保険担当の伊藤達也首相補佐官という方が任命されたということで、これは舛添大臣との関係は一体どうなるのか。総務省に第三者委員会があって、これはもう我々、分散して、お役所が、いや、これは総務省です、これは厚生労働省です、これは首相補佐官ですと。こういう、何か非常に船頭多くなっているような状況で、きょう、伊藤達也首相補佐官、任命早々、参考人でお呼びしたんですが、来ておられますですか。

逢沢委員長 総理補佐官の委員会対応につきましても、引き続き理事会で協議中でございます。

長妻委員 見えないところで、国会と違うところでどんどん責任者が移動していくということは、これは許されないことではないかというふうに思うわけでございます。

 そして、この三月末の公約というのが、来月、消えた年金問題でやってまいりますが、現時点での進捗状況を確認したいんですけれども、五千万件未統合の記録の中で、今時点で五千万件中何件ぐらいが統合できましたですか。

舛添国務大臣 いわゆるコンピューター内の突き合わせというのは千百万件、八百五十万人ですけれども、いわゆる統合は、三百十万件に、その後特別便を送り始めて七十五万件ふえましたので、総計三百八十五万件、そういうふうに思います。

長妻委員 そうすると、三百八十五万件は、五千万件の記録のうち統合済みと、もう年金が戻ったと理解してよろしいんですね、きょうの時点で。

舛添国務大臣 委員御承知のように、具体的に統合できる、そして再裁定をきちんとやる、そして、それで統合できる、そういうことですから、これは本年一月三十日までに三百八十五万件が統合されたということであります。

長妻委員 これは、この資料にも添付しておりますけれども、二十九ページですが、五千万件中三百十万件が統合されたと。その差額というのは、その後間違いなく本当に統合されたんですか。事務方の説明と違いますけれども、本当に間違いないですか。

舛添国務大臣 先ほど申し上げましたように、特別便を送りましてから七十五万件ふえていますから、三百十万件プラス七十五万件で、三百八十五万件であります。それは間違いありません。(長妻委員「再裁定もしているんですか」と呼ぶ)そうです。

長妻委員 三百八十五万件が、きょうの時点で、年金の記録がくっついたと。これは国会の答弁ですから。

 ただ、そうだとしても、三月末までにこの五千万件のうち、きょう時点で三百八十五万件というのは、これはもう十分の一にも満たない。しかも、その照合すら、さっきも御答弁あったように、五千万件の中で千百万件。

 三月末までにどういう状況になるのか非常に不透明な中で、我々注目するのは、この二十九ページ、「未統合記録の全体像」という資料が出まして、その中で、五千万件中、「今後解明を進める記録等」というのが一千九百七十五万件あります。つまり、三月末までには間に合わないだろうという記録です。

 しかし、我々が申し上げたように、紙台帳との照合をすれば、これはコンピューターの中だけですけれども、照合すれば、この中のかなりの部分は照合できる可能性のある記録もあるんじゃないか。事実、ここにも社保庁も認めてコメントとしても書いてありますけれども、そういう意味でも、なぜ、我々が前から言っている紙台帳の全八億五千万枚とコンピューターデータの照合を同時並行で始めないのか。

 これが致命傷になるんじゃないですか、三月末。これが、紙台帳との照合を我々が申し上げた一年前から始めていれば、照合がかなりできたと思うんですが、まだ頑張るんですか、紙台帳の照合をやらないということで。

舛添国務大臣 ずっと私は何度も御説明申し上げていますように、やり方の優先順位を考える。それは、財源と人材が無尽蔵にあれば同時にできますけれども、先ほど言ったコンピューター内からやって、それで、例えば、今皆さんのもとに長妻委員がお配りした二十九ページでございますけれども、その千九百七十五万件のことを今おっしゃっています。

 これにつきましては、例えば二番目の「漢字カナ変換を使用した記録のうち、正しく変換されていないと考えられる記録」、こういうことについて一つ一つ今着手をしていく。それから、例えばこの二月と三月に特別キャンペーンを国民の皆さんに張りまして、婚姻なさった方で、旧姓と新しい姓との、変わった方に対して、もう一遍御確認くださいませんかということを今からやろうというふうにしております。そして、そういう御協力を賜って、一歩一歩確実にこれはやっていきたいというふうに思っています。

 そして、そういう優先順位をつけてやっていく中で、今の委員の御指摘がありますけれども、やはりそういう順番の方が、限られた資源の中でやるには解決策としては早いのではないかと。ここは少し委員と手法が違いますけれども、私はそういう方針でやっております。

長妻委員 ですから、オール・ジャパンで国家プロジェクトとして、全省庁、民間にも守秘義務をかけてやってくださいと言うのにやらないから、ある意味では社保庁があっぷあっぷで、一つの仕事しかできないという状況で、こういうていたらくになっている。

 我々も、追及もしておりますけれども、提言をしているんですね。二年以内に、社保庁を解体するまでに紙台帳を照合しないとこれはどうしようもなくなりますよ、解決できないからお願いしますというふうに我々も要請をしているわけでして、ぜひ前向きに。このままだと、来年度、八億五千万枚のたった四%、三千三百万枚だけ、これでふたをされるんじゃないかと。そうしたらば、これは二年で絶対終わらないですよ。

 そして、もう一点。これまで余り国会で議論されていない問題としては、この年金記録問題の検証委員会というのがあった。つまり、数百億円の税金を投入する消えた年金問題の解決にもかかわらず、だれ一人責任をとっていないし、その原因も全く国会で解明がゼロである、これはおかしいということで、検証委員会という総務省の委員会が、ここが徹底追及します、こういう鳴り物入りでできたのが、もう昨年十月末、解散しました。

 それで、ヒアリングした元長官経験者は何人だと聞きましたら、三人ヒアリングしたと。佐々木さん、真野さん、村瀬さん、元社保庁長官。この三人を呼んだ議事録やメモ、これを公表していただけますか。

関政府参考人 お答え申し上げます。

 年金記録問題検証委員会は、第一回目の会合におきまして、運営方針を定めました。そこでは、議事要旨を公表する、議事録は公表しないとされたところでございます。委員会は、毎回議事要旨を公表することといたしまして、また、委員会終了後の座長記者会見におきまして、議論の内容についても説明をしていくということを決めたところでございます。

 これまでの運用、そのようにやられてきているところでございますので、議事の公表は……(発言する者あり)

長妻委員 もう一回お伺いしますけれども、私が聞いたのは、社会保険庁長官経験者、佐々木さん、真野さん、村瀬さんを呼んだ、かなり突っ込んだ話があったといううわさを聞いておりますが、二時間ずつ呼んだ、かなり核心の話を。しかし、その議事録が一切出ていない。

 では、この三人をお呼びした議事録要旨は出るんですね、要旨は。三人の、二時間ヒアリングした。

関政府参考人 委員会におきまして三名の社会保険庁経験者からヒアリングを行ったということではございませんで、委員の方々が、手分けをいたしまして三人の方々からヒアリングを行いました。その際に、議事録それからテープはとっておりません。

長妻委員 いや、ですから、この三人の方の二時間ずつのヒアリングの議事要旨、それを出してください。

関政府参考人 委員会におきましては、先ほど申し上げましたように、議事要旨をつくって公表するということでございますけれども、これは委員会という形で行われたものではございませんで、委員が手分けをして……(長妻委員「メモは」と呼ぶ)いえ、ございません。メモはございません。(発言する者あり)

長妻委員 与党の皆さん、別にこれは対決しているわけじゃないですから、余り変なやじを、これで本当に納得するんですか。納得とうなずいていますけれども、増原さん、そんなに寛容でいいんですか、これ。

 三人を呼んで、メモもとっていないんですか。では、プライベートで呼んだんですか、委員が。公務じゃないんですか、これ。何で委員会で呼ばないの。

関政府参考人 歴代社会保険庁長官に対しますヒアリングは、ヒアリングの場を設定して、座長を含む委員が分担して行ったものでございまして、これは公務でございます。委員に対して謝金は支払われております。

長妻委員 では、メモを見せてください。

関政府参考人 何度も御答弁申し上げまして恐縮でございますけれども、分担をしてヒアリングを行いましたけれども、そのメモというものは作成されておりません。

長妻委員 これは異常ですよ。だって、これだけ大きい問題で、歴代社保庁長官の責任を追及する、こういう鳴り物入りでこれは発足した。しかも、聞いたら、三人だけしか呼んでいない、ほかには声をかけていない。紙台帳廃棄命令を出したのは、この資料の一番後ろにも名前を載せておりますけれども、正木元長官ですよ。何で正木さんは呼ばないんでしょうか。

 しかも、メモも全くとっていないと。もしそれが本当であれば、もう一回やり直してください、歴代長官のヒアリング、議事録。

 これはちょっと、もう政府委員は結構ですので、官房長官、どうですか。

町村国務大臣 つまびらかに私もその辺の事情を聞いておりませんが、今の委員と局長のやりとりを聞いておりまして、少なくとも、委員の方々が、三人ですか、社保庁長官の話を聞かれたわけでしょう。どういうようなヒアリングの内容であったかというのは、多分ヒアリングをされた方々が委員会に報告をしておられると思うんです。その報告内容は議事概要に当然載っているはずでございますから、どういうような発言をされたか、一言一句は別として、概要はその議事録を見ればおわかりになるだろうし、その議事概要は公表していると今局長が申し上げておりますから、そこから相当程度は、どういうヒアリングであったかということがわかるのではなかろうか、私は、今の答弁、やりとりを聞いて、そう思いました。

長妻委員 私は、これはおかしいと思いますよ。だって、三人の方に二時間聞いて、何でその議事録が、これは税金で聞いているわけですよ、人件費は税金ですから。これは、責任追及の検証委員会というのは責任隠ぺい委員会じゃないですか。何で、議事録、メモもない。

 では、委員会にこの三人の発言が、佐々木さんがこう言った、真野さんがこう言った、村瀬さんがこう言った、そういう議事録があるんですか、委員会の発言で。

関政府参考人 委員が手分けをしてヒアリングを行いました。その結果につきましては、委員がお集まりになったところで御報告がなされたわけでございます。(長妻委員「発言は何とか、名前ごとにあるんですか、発言が」と呼ぶ)その報告がありましたのは、正式の委員会でありましたか、あるいは委員の懇談会でありましたか、ちょっとつまびらかにしませんけれども、委員の懇談会でありましたならば、議事要旨は公表されておりません。

逢沢委員長 委員長として行政評価局に確認をいたしますが、正式な報告会であったか、あるいは懇談会であったか、直ちに調査をして報告を下さい。

長妻委員 では、そうしましたら、それぞれ、佐々木さんの発言はこうこうこう、真野さんの発言はこうこうこう、村瀬さんの発言はこうこうこうという紙を、私は全文をいただきたいと思うんですが、まずは、官房長官言われたように、その要旨を提出していただきたいというふうに思います。

 そしてもう一点、この検証委員会では現役の社保庁の職員も呼んだと聞いておるんですが、それはテープはとりましたか、現役は。

関政府参考人 現役の社保庁の職員からいろいろな御説明をたびたび受けたわけでございますけれども、そのときには、テープをとり、議事概要もつくっておるということでございます。

長妻委員 説明を受けるというか、本当は追及する側なんですね。

 そうしましたら、それの議事録の全文、公表いただけないですか、現役の方の発言の全文を。

関政府参考人 たびたびの答弁で恐縮でございますけれども、一番最初に申し上げましたように、委員会におきます議事につきましては、議事概要を公表する、それから議事録は公表しないということで取り決められているところでございます。

長妻委員 ですから、私は何度でも言いますけれども、これは責任隠ぺい委員会なんじゃないですか。結局、報告書を見ても、固有名詞が全く出てこない、みんな悪かった、これで終わっている。つまり、個人の発言や個人のヒアリング内容を特定しないように、ほんわかほんわか、トータルの内容を集約して、ここが悪い、あれが悪い、こういう形で終わって、これが終わってしまったら責任追及はもうなしということで、結局だれも責任追及されないで、数百億円の税金だけは国民の皆様にちょうだい。こんなことは許されないと思いますので、我々が独自に民主党としていろいろな場面で責任を追及せざるを得ませんので、徹底的にやっていきたいと思います。

 最後に官房長官に、この正木元長官をそうしたら政府として呼んでヒアリングをして、もう一回議事録をつくっていただきたいんです、紙台帳を廃棄した、命令を出した元長官ですから。それはいかがですか、官房長官。

舛添国務大臣 長妻委員には、前回もこの場でお答えいたしましたけれども、委員の、三十三ページで枠がかかった三名について、私が報告を受けたところでは、マイクロフィルム化したときに、三度みんなでチェックをした、それで間違いなかった、そういうことで、これはもう破棄しようということを決めたという報告を受けておりますので、私はその点でそういうふうに納得をいたしました。

 したがって、これは基本的に、そういう意味で、マイクロフィルム化されたことによって、紙台帳と同じものが現存している、しかも、三度チェックしたということでありますから、その点については私は一応問題は決着している、そういうふうに理解をしております。

長妻委員 いや、驚くべき発言ですね。紙台帳をコンピューターに入れて、チェックしたから捨てていい、これは納得しましたと。これは、辛うじて残っている紙台帳からデータの入力ミスがいっぱい発見されているんですよ。検証できないじゃないですか。しかも、共済年金では一枚も捨てられていない。マイクロフィルムで撮影されたものも、原本も必ず持っている。これが常識だというんですよ、国家公務員共済年金は。納得という発言は、これは見過ごせませんよ。厚生労働大臣がこういう姿勢であれば、だから、私は、前回この委員会で、紙台帳廃棄命令を出した三人、住所も名前も特定されている三人をお呼びしていただきたいということで、呼んでいただけるんですか。委員長、どうですか、これは。

逢沢委員長 そのことにつきましても、理事会扱いとなっております。引き続き理事会で協議をいたしたいと思います。

長妻委員 自民党は反対しているというふうに聞いていますけれども、なぜ反対するんですか。(発言する者あり)森さん、森さんに聞いているんです。いや、何で反対するんですか。だから、何で自民党は反対するんですか、この三人の参考人招致を。政府も責任追及しない、国会も責任追及しない、厚生労働省も責任追及しない。では、どこで責任追及するんですか。何で自民党はこれを呼ばないんですか。ここに呼んでください。

 ちょっと、これは、この消えた年金問題の責任はどうするんですか。(発言する者あり)消えちゃいないよと、いまだに与党の増原さんは言っているんですか。消えた年金は政府も認めているんですよ、あると。この期に及んで自民党は、消えていないと言っているんですか。では、そういう姿勢だったら、三人を呼ばないのもうなずけますよ、それは自民党は。この問題は表面化というか、もうしているのに、消えない、消えないと。とんでもないよ、自民党は。(発言する者あり)いや、そういうやじを言うからですよ。

 もう一点、では聞きます。

 今回、大きな問題は、やはり、国家公務員の皆さんが、これは政治家も悪いですよ、国家公務員の皆さんが隠ぺい工作をしたときに、何にも追及されない、そして給料も下がらない。消えた年金問題を隠ぺい工作した国家公務員の人はいっぱいいますよ、社会保険庁に、キャリア。全然責任追及されないで、自民党が参議院選挙で負けても何のそのですよ。いいんですか、皆さん。出世している人もいますよ、栄転している人、中核にいた人で。

 前例が一点あるんです、法務省に。隠ぺい工作で懲戒処分をした人。これはちょっと、法務省、事例を言ってください。

梶木政府参考人 お尋ねの懲戒処分の概要を御説明いたします。

 平成十四年十月でございましたが、国会議員の先生から、過去の刑事施設の保護室における被収容者の死亡事例を明らかにするよう資料要求がございました。当時の矯正局長は、法務大臣及び法務省大臣官房に対しまして、死亡した被収容者を検索するための、当時死亡帳と呼んでおりましたが、その資料が存在することを説明しないまま、被収容者すべての身分帳を個別に検討しなければ被収容者の死亡事案を検索することができないので膨大な作業量を必要とする旨の説明に終始をいたしました。その結果、法務大臣及び法務省大臣官房長をして国会議員にその旨の誤った説明をさせるなどして国会対応を誤らせ、平成十五年三月二十四日付で、当時の矯正局長が減給二カ月百分の十、当時の事務次官が監督責任として戒告の懲戒処分を受けたという事案でございました。

長妻委員 これは資料の三十ページに概要がありますけれども、つまり、これは偶然いろいろな情報で発覚してこういう処分が下ったわけですが、この事例を見ると、何か私も、こういうような仕打ちというか、社保庁から何度もされたような気もするのでございますけれども、例えば、これはもう具体論でやらないと、官僚の方は何のそのですよ、これだけ大問題を起こしても。これはぜひ舛添大臣の決断で懲戒処分を検討していただきたいんです、今回。

 例えば一つの事例としては、私も今までは官僚の方の個別の名前を配慮しておりましたけれども、もうきちっと出します。青柳運営部長、平成十九年の五月九日の厚生労働委員会での発言です。五千万件という記録を説明する中で、五千万件には二つある、一つは統合の必要のないもの、もう一つは年金裁定時、五十八歳通知、こういったことに基づいて記録確認が行われて統合が行われていくような記録、この二つ。つまり、問題ないという認識です。これが昨年の五月九日。

 これは、私は、この時点で社保庁はかなり問題を把握していたというふうに思うわけでございまして、国会で、もしおかしな、事実と異なるような答弁があるとすれば、それ以外も、テレビ発言も入れると、官僚の方、数々、私もその発言録を持っておりますけれども、ぜひ精査をして、舛添大臣、懲戒処分をきちっと下す、こういうことがあったら大変なことになるんだ、隠さないで、まずい情報はきちっと上げる、こういうルール、秩序を回復していただきたいと思うんですが、懲戒処分、検討していただきたいと思うんです。

舛添国務大臣 個々のちょっと具体的なケースはおくとして、今法務省から御説明ありました。そして、これは国家公務員法第八十二条該当ということで懲戒の処分が行われました。そういうことを、きちんと法律に基づいて処分をする、これはちゃんとやっていきたいというふうに思います。

 そして、今の青柳前社会保険庁運営部長の件、これは、委員からの御指摘の、私も国会の議事録を精査してみました。完璧にその状況を運営部長がその段階で把握をしていたのかどうなのか。これは見ますと、例えば、これは平成十九年六月五日の議事録でございますけれども、こういうふうに言っています。「私も、五千万件という数字につきましては、大変申し訳ないことではございますけれども、今年の二月に至るまで承知をしておりませんでした。」ということで、先ほどの死亡した方がいる云々ということがあるので、例えばそれは、故意に、情報を知っているのに隠ぺいをして、国会の政治家の答弁を誤らせるということではなかったな、そこまでの厳しいものではなかったのかなと。これは私の、要するに議事録を精査した限りの、国家公務員法第八十二条の解釈について言うと、議事録から見るとそういうことでございます。

 しかし、今委員が御指摘のように、きちんとこういうことは精査をして、必要があれば法律に基づいてきちんと処分をしたいと思います。

長妻委員 これは、舛添大臣、調査はしていただけないですか、懲戒の是非。

舛添国務大臣 今のこの八十二条との絡みにおいては、今我々が使える証拠として残っているのは議事録であります。

 それで、もちろんこの状況がどうであったかということについて、実を言いますと、総務大臣のもとに先ほどの監視の委員会を求められたのは、大変恥ずかしいことでございますが、厚生労働省や社会保険庁は信用ならぬ、外の機関がきっちりとチェックをしてその検査をすべきであるということでありますから、そういう意味で外に置かれたものであります。

 したがって、私自身、必要な調査は行います。これは行います。しかし、本来的に言えば、まさに被告席にあり、まないたの上のコイの立場でありますから、私は、本来は、そういう経緯からいうと、総務省のもとに置かれた機関できっちりと精査をしてもらった方がはるかに公平性、私が仕事をしないということではなくて、公平性の観点から、要請からは適当である、そういうふうに思っておりますし、そういう意味で総務省のもとに例の委員会が置かれたわけであります。

長妻委員 非常に期待が持てない答弁で、納得はできません。

 そして、三十一ページに、年金の記録が戻って、時効以前のお金で一千万円以上取り戻した八十一人の方のリストがございますが、やはりこれを見て驚きますのは、例えば四百三十カ月抜けていて戻った八十六歳の女性の方がいる。でも、四百三十カ月というのは三十五年です。つまり、この方は、もし記録が見つからなければ多分無年金だった。二十五年ルールがありますから、一円も受給できない可能性もあったのではないか。そういう方もたくさんいるんじゃないか、もらえるかもらえないか。

 しかも、私も驚いたのは、この中で十九人の方が亡くなった方で、偶然遺族の方などが気づいて、そして亡くなった方の記録が取り戻されて遺族にお金が払われたということで、よく気になるのは、国会答弁でも、この五千万件は、これは死んだ人の記録ですから、こういう答弁を不用意にする方々がおられるんですが、死んだ方もこれだけ取り戻しておられる方も、一千万円以上取り戻した方が十九人もおられるわけで、亡くなった方も、遺族の方に通知などをきちっとするということが今なされていませんので、やっていただきたい。

 そして最後に、私もどうしても天下りの件で納得できませんのがたくさん政府の施策ではあるんですが、一つ端的なものは、官房長官をトップとして、今度、官民人材交流センター、天下りバンクと私どもは呼んでいますけれども、ここに閣議決定で「積極的な求人開拓営業」をすると書いてあるんですよ。

 ところが、今現在、政府の公式見解では、押しつけ型天下りはなくて、向こうから言われたものだけを紹介しています、これが公式見解なんです。全くこれはパラダイムが変わるわけですね。これができると、今後はこっちから、政府から押しつけて売り込んでいく。つまり、売り込みを受けたらば、補助金をもらっている財団法人とか受注している企業が本当に断れるかどうか。私は断れないと思う。実質的な押しつけ型天下りがどんどんふえる温床になると思います。

 これを実は昨年予算委員会で福田総理にお話ししましたら、こういう答弁が返ってきました。「この人材交流センターにつきましても、その弊害があるのか、もしくは、何か障害」「断り切れるかどうかというようなことについても検討してもらったらどうなんでしょうか。」「ただ、全体を」「閣議決定だって、必要なときには閣議決定を直すことはできるんですから、それはそのときの状況で判断すればいいというように私は思います。」と福田総理は言われておられる。

 つまり、「積極的な求人開拓営業」、これは削除する。最後、官房長官、お答えいただきたいと思います。

町村国務大臣 そこまで総理が言っておるとは私は思いません。

 また、十月十七日、これは長妻委員の後、参議院の直嶋議員の質疑に対して総理は、閣議決定というのは重いものです、ですから、そう簡単に変えるというのは、それはできないと思っていますよ、今全体の流れを検討している最中であって云々、閣議決定を変えますということを前提にしたお話ではないということでございますということを直嶋議員には答弁しております。

 いずれにいたしましても、この官民人材交流、官と民が今まではややもすれば一方通行であった、これを、お互いにそれぞれの能力をブラッシュアップしたり、あるいは発揮できるようにするために本人の能力とか経験を生かして交流を進めていこうということでありまして、今委員は、何か求人開拓は即押しつけであるという前提でおっしゃったようでございますが、決してそういうことではない。

 第一、民間企業は、センターに求人を行うかどうかというのは自由な判断ができるわけでありますから、今どきの厳しい経営の状況のもとで、要らない人をとにかく下さい、下さいと言いに行くはずがないわけでありまして、したがって、押しつけ的な、天下り的なそういうあっせんをするというふうには考えられないわけでございます。

長妻委員 これで質問を終わりますけれども、先進国ではどこも、国が天下りをあっせんしている国は先進七カ国ありません。日本も政治を先進国並みにぜひしてください。我々も、徹底的に追及して提言をしてまいります。

 ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて長妻君の質疑は終了いたしました。

 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 きょうは、まず道路の問題をやっていきたいと思います。

 冬柴大臣、昭和二十五年に、当時の建設省が「ユートピア・ソング」というのをつくったようなんですね。これは質問じゃありません。歌詞が、

  風がそよぐよ ドライブウエイ

  軽いリズムで どこまでも

  歌は流れる リボンはゆれる

  山も谷間も アスファルト

  ランラン ランラン

  ランラランラン ランラン

  素敵な ユートピア

これは建設省制定の歌なんですね。

 さて、それから大分時間がたちました。国土交通省は、道路事業の宣伝のために、これまで広告やイベントをこれでもかというぐらい、インターネットで見ると、とても見切れないぐらいに密度濃く展開をしております。

 先日、道路事業の宣伝のために、ふるさときゃらばんという劇団がミュージカルを、「カントリーチャレンジャー」というものを展開されているということがわかりました。時間がなかったのですが、早速いろいろ調べてみますと、これは近畿と中部だけだと思いますが、平成十五年だけとってみても、八月二十七日から十月八日までの四十二日間で、約二十二カ所でこの劇団の公演をやっております。

 劇団の公演に先立って、道づくりシンポジウムとかそういうものも組み合わせてやっているようですが、さて、幾らぐらいかかるんでしょうかということで、冬柴大臣、契約書を取り寄せてみたんですね。そうしましたら、これは京都の契約書ですけれども、五百五十六万五千円、そして九十二万四千円増額、こういう金額の契約書が出てまいりました。これは劇団側の契約書に印紙や判こはあるんですけれども、契約はだれがやっているのかなと思ったら、近畿地方整備局の京都国道事務所所長がやっていて、この判こはないんですね。

 これは契約書として本来は成立していないものですが、この五百万円、契約書をいただいたものだけで見ると、その前後に、十一月十六日に奈良国道事務所、五百四十万七千五百円、これは橿原で公演をやっている。それから、十一月十七日が先ほど言った京都ですね。二十一日には兵庫国道事務所、これは四百八十八万。仮に五百万で計算すると、四十二日間で一億一千万円になろうかと思いますね。かなりの額ですよ。これは道路特別会計から出ているんですか。大臣、今大臣に聞いているんですよ。

宮田政府参考人 特定財源でございます。

保坂(展)委員 大臣、では、もうちょっと聞きますね、事務的に。

 これ、近畿だけなんですね、インターネットでとったのは。近畿だけでも、ごく一握りの期間に二十二カ所ですよ。近畿、中部ですか、それから北海道あるいは沖縄でも、これはやっているわけですね。

 では、道路局長に聞きますが、平成十五年以降、このミュージカル「みちぶしん」という道路事業の宣伝ミュージカル、何カ所で行って、幾ら支出されたんですか、道路特会から。

宮田政府参考人 お答えいたします。

 平成十五年度が三十一回でございまして、二億でございます。それから、平成十六年度が三十六回公演をしておりまして、二億二千六百万でございます。それから、平成十七年度が十八件で一億でございます。

保坂(展)委員 そうすると、冬柴大臣、このミュージカルだけで五億円以上支出しているんですね。これは全額国交省が払っているんですね。入場無料、ポスター張って、どうぞおいでくださいといって。これは、位置づけは、どうも国交省の事務方の話を聞くと、未知普請という国民的なムーブメントだと。国民、住民が参加するムーブメント。ですから、連絡先は実行委員会、こうなっているところもあるんですね。まさか市民がカンパしてこのミュージカルを呼んだとも思えないわけですよね。

 これは、どうですか、冬柴大臣。この五億円を使って、そのミュージカルはよかったという感想もあるんですよ、それは。歌や踊り、子供たちもそういう機会が余りない。だけれども、内容が、どうも道路族の手先みたいな、何か道路はいいんだ、いいんだとこういう内容で、違和感を持ったという感想もあるんですよ。どう思いますか。適当ですか、これは。道路特会での支出で、やはり無駄もあったんじゃないですか。

冬柴国務大臣 評価は後でちょっと私いたしますけれども、「みちぶしん」の公演につきましては、道路事業を円滑に進めることを目的とした普及啓発活動としての取り組みであります。

 しかしながら、この広報活動とかそういうものについては、道路に対して国民の関心は非常に強いわけでございますから、その進捗状況を国民に、住民に周知したり御理解を得ることによって事業を円滑に進める、多くの地権者がいらっしゃるわけですから、そういう啓発活動は必要であるというふうに考えています。

 また、広報活動の事例としまして、手続上必要な広告もあります。事業認定手続、説明会への告示、それから開通、通行どめ、料金引き下げ等の利用者、パブリックインボルブメントなど、そういうものも要るわけですよ。

 したがいまして、この「みちぶしん」というものが、三年間にわたって多くの方々に見ていただいた。そういう、地権者に対する御理解等も得るためにやったということでございます。しかし、これが余り過大だという評価であれば、私はもうこういうことはやめさせます、これは。今後こういうことはしないということで御理解をいただきたいと思います。

保坂(展)委員 冬柴大臣、道路は道路でミュージカルがあるんですよ。河川は河川で河川局版のミュージカルがあるんですね。例えば、トンネル通せとか、ダムつくろうとかいうのがあるんですよ。

 我々、八ツ場ダム、こんなに長引いていて、これはとめるべきだと思っていますが、しかし、そういうところにそういうミュージカルをみんな持っていって、子供のときから、ああ、ダムは必要だ、トンネルは必要だ、道路もどんどんつくろう、こういうやり方というのは非常におかしい。しかも、これは国民動員型ですよ、企画書を見ると。国民の意識を自発的な参加へと、道路行政に参加させていくということで、これからやらないと言ったけれども、見直しをしてくださいよ。そして、何をこれまでやっていたのか、ことし何をやろうとしているのかもちゃんと報告してください。

冬柴国務大臣 今年度どういうものをやるか調査いたしますし、過大だ、また国民にこのような事態で不快感を与えるのではないか、いや、すべてのものがそうだとは思いませんけれども、そういうものを調査した上で、そう判断されるものについては取りやめをさせたいと思います。

保坂(展)委員 それで、ミュージカルだけが道路特会を使った道路事業宣伝ではないわけであって、どういうものがありますかといったら、皆さんのところに資料でお配りした、例えば、みちフェスタ横浜というものがございました。これは、エム・シー・アンド・ピーという会社と随意契約で八百四十万で一日のイベントを契約したようですが、中を見てみると、横浜国道紙芝居、道路をまもる!ラジコン体験ゲーム、こういうことをやっているんですね。

 ほかにもらいましたところ、仙台では、六百十四万二千円をかけて、河北アドセンターというところと整備局単位で契約しているんですね。やっていることは、人力車体験乗車、歌や踊りのステージがあって、何か子供たちを集めるという趣旨のようです。あるいは、酒田でも、鶴岡とあわせて、山形アドビューロという会社と七百九十六万六千円で随意契約。セグウェイの試乗会、ワンワン大サーカス。どこが道路とどう関係があるのかなと思いますけれども。

 そして、冬柴大臣、新聞広告をいっぱい出しているんですよ。先ほどそこでの答弁をお読みになっちゃったんですね。確かに新聞広告も、道路が開通しましたとか、インターができました、それは必要ですよ。ただ、一般的な啓発広告とか、こういったイベントの案内とかもあるわけですね。

 では、道路特会から出ている宣伝費、それぞれの整備局で出している、幾らあったんですかというと、把握できませんと言うんですよ。全部道路の事業費にビルトインされています、こういうことでは国民の納得は得られないと思いますよ。

 どうですか、わかりますか。局長、答弁できる。できなければ、大臣、しっかりそういうのを出すように約束してください。

冬柴国務大臣 今後、区分経理をするように進めさせます、進めます。

保坂(展)委員 道路局長、細かいことですから、今審議中の予算、来年度の予算には、それぞれの事業の中で事業宣伝費として支出が予定されているものは把握できるんですか。全くわからないの。各整備局に一々電話して聞かないと集計できない。どっちですか。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 申しわけありませんが、各整備局単位の集計をしないと把握できません。

保坂(展)委員 冬柴大臣、関東地方整備局だけで、二年九カ月で、新聞広告だけで十四億使っているんですよ。そういうことも情報公開をかけた人がたまたま報告しているからわかるんであって、実に不透明ですよ。これはしっかり出していただきたい。予算審議中にお願いします。よろしいですか。

冬柴国務大臣 今までの分は、今答弁したように、事業費の中に入ってわかりにくい、わからないと言っているわけですから、私は、二十年度からは区分経理をきちっとして、そして、今御指摘のような宣伝、その中にはパブリックインボルブメントもありまして、ですから、どういうふうに区別するかは別として、国民の目線から見てこれはどうなのだろうというものについては別に、特別に区分経理をするように指示をしたいというふうに思います。それで御勘弁いただきたいと思います。

保坂(展)委員 これは、この前の答弁の方がよかったんですね、出しますということで。今は、今度のものからやりますということであって、今までにどう使ってきたのかわからないというのが実態ですから。そういう段階で、この道路特会の実情、わからないわけですから、それはしっかり出していただきたいということを委員長にも要望しておきます。

遠藤(利)委員長代理 理事会で検討いたします。

保坂(展)委員 はい。

 次に、舛添大臣、よろしいですか、雇用促進住宅について聞きたいと思います。

 ワーキングプア、格差の問題というのは大変な社会問題であって、我々、何とかしなければいけないというのは多分、舛添大臣も同じだと思いますね。仕事がなくて貧困に陥っていくというのではなくて、働きながら、その給料が安いがために、また不安定であるがために、アパートから追い出されてしまう。場合によっては、NHKの「ワーキングプア」にあったように、路上で過ごさざるを得ない、こういう人が、一人や二人、例外というふうに言えない状態ではないか、特に地方においてもひどいぞということが言われています。

 そういうことでいうと、先日のグッドウィルで事業停止がありました。日雇い派遣という形で働いている人たちは、日雇い労働者手帳はもらえないんですね。かといって、日雇いなので、継続的な雇用とみなされずに休業手当もなかなかもらえないんですね。

 とすれば、雇用促進住宅というのは、御存じのように、今それこそ規制改革の対象で、早く売れ、早く売れ、余っているから早く売りなさいと民間に売却をやっていますけれども、よく考えてみれば、これは社会資本として、炭鉱離職者の人たちを日本社会が国策、エネルギー転換で受け入れて、そして建ててきたもので、老朽化も甚だしいところもあると思いますが、まだまだ住めるところもあるわけです。

 とすれば、ハローワーク、職安所長が権限者ですから、今失業中だったり、あるいは言われるところの日雇い派遣だったり、そういう人が入れるようにしたらどうですか。実際には少し緩和しているそうなんですけれども、窓口に行ってみると、まず知られていない。それから、そうやって申し込む人が非常に少ないということで、四人も五人も担当者がかわってよくわからない対応だ、こう言われていますので、大臣の答弁をお願いします。

舛添国務大臣 今委員は、雇用促進住宅、せっかく空き家があるんだから、そこにインターネットカフェなどで寝泊まりするような人、それから路上ということもおっしゃいました、そういう方を収容というか、そこを活用したらどうかと。それも一つの考えなんですが、ただ、全体に、この雇用促進住宅については平成三十三年までに譲渡、廃止をする、これはこれで一つの方針を貫きたいというふうに思っています。

 一方、ワーキングプア対策とか格差対策、それからホームレスも含めて、これは、要するに、どういう形で住居の支援をするかということとまた別建てでやりたいというふうに思っていまして、御承知のように、ホームレス自立支援法、皆さんの御尽力でできておりますので、ホームレス自立支援センター、これを各自治体が設置してございますし、それから、ホームレス緊急一時宿泊施設、いわゆるシェルターですね、こういうところで宿泊や食事の提供を行っていただく、これを支援する。

 それから、ハローワークも、相談窓口をNPOと組んでやる。それで、なかなか相談に行きたがらない、来たがらないということもあるので、NPOの方々の力を使って、特にインターネットカフェにおられる方なんかでやっていく。

 それから、やはりアパートに入るときに、敷金とかいろいろな初期の費用がかかりますから、こういうもののために貯蓄指導その他を行うということで、きめの細かい対応をとって住居手当て、住居のための支援をやりたい。

 ですから、ちょっとこの二つは切り離してやりたい、そういう方針でございます。

保坂(展)委員 私は、ホームレスの皆さんへの対策以前の、そこに陥る以前のところでやはりセーフティーネットを張っていくべきだと。

 今、大臣、入れるようなんですよ、失業中の人でも。ただ、宣伝をしていない。整理統合の売却の対象なので、今ちょうど企画競争をやっていますよ、雇用促進住宅。

 きょうは時間がないのでこれ以上入りませんけれども、これはちょっともう一回考え直していいんじゃないか。例えば、フランスでも、ホームレスをなくそうということで、やはり公共の社会資本として、では雨露をしのぐところをまず確保ということですから、二万円、三万円という家賃で、家は古くても、そこに入れるならということで次の生活設計ができる人もいますので、もう一回位置づけていただきたいと要望します。

 もう一点だけ、年金記録問題で。

 お配りをした資料で、前回の委員会でお答えをいただいたところなんですが、これは、社保庁長官、短くお願いしますけれども、大変、旧台帳、きょうも午前中から審議がありましたけれども、十月、十一月、十二月を二千五百四十五件捜してみて、あったのはわずか千七十六だった、こういうことですけれども、その理由はいいですから、平成十八年と十九年の十二月までというその期間で、トータル何件捜して、結局何件あったのか、それについてまとめて答弁していただけますか。短くお願いします。

坂野政府参考人 お尋ねの、平成十八年四月から平成十九年十二月までの旧台帳の引き抜きの依頼件数は五千二百九十一件でございます。そのうち、索出不能であったものは二千八百四十二件でございます。

保坂(展)委員 舛添大臣にぜひお願いしたいんですが、順列を並べかえるというのは賛成なんですけれども、ただ、私は、これは混乱があったと思うんですね、かなり以前からの。混乱があったときには、恐らく舛添大臣はおわかりだと思いますが、一番の原則は、混乱した現状を、またそれをばらばらにする前にしっかり確認しておく、何が原因で混乱していたのかと。本当は私はぜひ見たいと思っているんですね。どういう種類の台帳が、どんなふうに分かれて番号が飛んじゃったのか。これを資料請求を何回しても、これはもう鉄の扉のごとくだめなんですね。これは大臣も、ぜひきちっと指示をして、情報開示しますと前回言ったんですけれども。

 その倉庫の実態、なぜこれが混乱していたのかと私も細かく聞いていますけれども、ただ、現状をそのまま確認しないで並べかえを始めてはいけないというふうに思っておりますので、この点についてしっかり協力をしてほしい。というより、これはここまで、この旧台帳の問題というのは、問題は存在しているんだということを、私たちは何も情報がない中で一つ一つ手繰りながら追及してきたんですね。そこの点を踏まえてお願いします、大臣。

舛添国務大臣 今の御指摘の旧台帳の保管状況ですけれども、昭和三十四年に地方庁から全部本庁に持ってきた。そのときに、使用する頻度などを考慮して、現存台帳、再取得台帳、喪失台帳と分けていたわけです。ただ、私が今やろうとしているのは、全部順番ごとに並べて、それで検索する。

 一つ例を申し上げますと、私は大学の先生でしたから、蔵書の管理というのを、昔図書カードがありましたね、図書カードで著者名ごとにやる、書名ごとにやる、コンテンツごとにやる、それで検索していたんです、コンピューターがないときに。私も今、全部システムをコンピューターへ変えました。そうすると、もうその紙は捨てる。そして、どの項目で検索をかけても、今のパソコンだと検索がききます。

 ですから、今何が必要かというのは、昔の分類はコンピューターがないときのやり方で、私の判断はこれよりも、順番どおりに並べて捜しに行ったときに、何番というところにあるかないかわからない。順番どおりじゃなくて、一遍見たものをほかの箱に入れているわけですから。これが六万個ぐらい。これを全部もとに直す。戻して、ざっと順番。

 だから、少なくとも、ワンビシに行って、これはありますかと捜したときにきちっとやっていく。コンピューターに全部入っているんです。コンピューターに既に入っているんです。入っているわけですからそういうことを申し上げているので、オンライン化されたわけですから、便宜的な古い分類の仕方はもはや必要ない。その判断で今やっています。

保坂(展)委員 これは、そうやってコンピューターに読み込ませることは私も提案したぐらいですから、そうやった方がいいと思いますよ。

 ただ、これは今幾つあるかわからないんですよ、実際に。箱を数えたことさえないんですよ、実は。だから、余計にあるかもしれないし、うんとないかもしれないんですよ。

 だから、これは、どういう種類の台帳がどんなぐあいにこんがらかったのかというのを、まず原因を確かめて、見ればわかりますよ、そういうことに対してしっかり協力をしないようでは、これはやはり、この年金記録問題、政府を挙げて取り組むと言えないですよということを指摘して、鳩山大臣に来ていただいていますので、じゃ、冬柴さんと舛添さん、これで結構です。

 法務大臣が、きのう、検察長官会同で、その言葉だけとれば、志布志事件、冤罪というふうに呼ぶのは、氷見事件の方は人違いですから冤罪でしょう、志布志事件は冤罪と呼ぶべきではないと発言をされた。それは恐らく、大臣のその前後の言動の中でも何回かそういうことを言われていたんじゃないかなと思います。

 ただし、これは裁判で無罪が出た。富山の方は、裁判で有罪が出て、それが覆ったから冤罪と言えて、裁判で無罪だから冤罪とは言えないんだという話かと思いますけれども、これはもう本当に無神経な発言だというふうに私は思うんです。

 事実、きょう、私の事務所の方に続々と、この志布志事件の当事者の皆さんからファクスが来ました。

 例えば、国賠訴訟の原告団長の藤山忠さんからは、不愉快な発言です、何を根拠にこんな発言ができるのか、その真意、意図が知りたい、一言で言うなら、身に覚えがないことで四年間余り裁判を闘って全員無罪になって、現在国賠で闘っている原告団長として抗議をしたい、こういうお話です。

 それから、永山トメ子さんからは、ひどい発言です、冤罪でなければ何ですか、警察のつくり上げた犯罪だと私は怒っています、こんな発言で世間を騒がせるのか、立場をわきまえてほしい、大臣ですから一般社会常識に通用する発言をしてほしいと。

 そして、踏み字の川畑幸夫さんからは、法務大臣たるものが軽々し過ぎる発言、そのようなことを言う前に、この事件の発生した現地、志布志の地区、集落に足を運ぶべきだ、こういう声が届いて、その後に抗議文も来ました。

 私は、鳩山大臣は自然を愛し、特にチョウを大変愛好されているというふうに聞いていますけれども、やはり、ひどい目に遭った、百日以上、二百日以上、長い人は三百九十五日、つまり、やってもいないことを組織的につくられて、おまえがやったんだと恫喝をされて、いわば公選法違反事件というものをでっち上げられて、そして、ようやくのこと判決で無罪を確定させて、これは大変な、捜査の可視化の議論の契機にもなっているし、そういう事件です。

 これらの人たちは、獄中につながれていた間、刑事補償一万二千幾らですか、もらったとはいえ、名誉は十分に回復されていませんよ。亡くなった方もいます。この当事者の人たちがいるんだということをしっかり意識して発言をされているのかどうか。私は、そこは極めて配慮が欠けていると思います。

 つまりは、辞書で無実と引くと、広辞苑ですか、最後に「冤罪」と出てくるんですね。一般常識でいえば、これは冤罪じゃないと言ったら、じゃ、どうだったの、法務大臣、何を考えているんだ、こうなるわけでありまして、そのことを踏まえて、しっかり、この発言、撤回、そしてまた、志布志事件の方々に対して謝罪してほしい。

鳩山国務大臣 冤罪という言葉は、さまざまな意味に使われて、人によって使用方法がかなり違うだろうかと思います。私も、本来、冤罪という言葉は、単語として、自分の立場を考えれば使うべきではないのかもしれません。

 そして、今先生御指摘のとおり、この発言は衆参の法務委員会では何度となくさせていただいた事柄でございまして、それは、私の当時の頭の整理では、いわゆる氷見事件のように、全く人違いであって有罪判決を受けて収監されて服役までして、そこから真犯人が見つかった、全くの人違いであった、あるいは有罪が確定しないまでも、裁判中に、誤認逮捕というんでしょうか、全く別の真犯人があらわれてきた、そういうようなケースの場合は、これは冤罪というふうに私はとらえておりました。そして、いわゆる普通に裁判になって、判決上無罪が確定をした場合は、判決による無罪だというふうに考えておったわけでございます。ですから、衆参の法務委員会でそういう質問を受けた場合には、氷見事件は完全な冤罪ということでありましょうが、志布志事件の場合は冤罪と呼ぶようなものでしょうかということは何度もお答えをしてきたんです。

 ところが、私も寝ないで一晩考えて、きょう午前中も考えまして、実は、やはり反省しなければならないなと思う点に思い当たりました。

 というのは、広辞苑を引きました。「ぬれぎぬ」と出てきます。このぬれぎぬというのは、まさに私が考えている人違いみたいなケースなんですが、やはり「無実の罪」と出てくるんですね。冤罪は無実の罪であると。この解釈も難しいけれども、「実の」を取ると「無罪」ということになりますね。

 そういうふうなことを考えますと、私が頭の中で冤罪の分類をしてきた、しかし、志布志事件の被告の方にしてみれば、無罪になったときに、我々は冤罪だったんだ、冤罪が晴れたんだ、冤罪を晴らすことができたと皆さんがおっしゃったとして、私はそれを否定する何の根拠も持っていない。そういうことに思い当たったものでありますから、この全く意味の不確定な冤罪という言葉、委員会では、冤罪と思うかという質問もよくされることがあるものですから、どうしても使ってしまいましたが、今後、公式の場では冤罪という言葉は一切使うまい、そのように考えるようになりました。

 そして、昨日の発言について、志布志の被告であられた方々が不愉快な思いをされたとすれば、これはおわびをしなければならないと思っております。

保坂(展)委員 冤罪という言葉が悪いんじゃなくて、鳩山大臣がやはり悪いんですよ。人権ということをどこまで深く配慮しているのかという問題です。

 実は私、この衆議院予算委員会で、これは火曜日、十二日の質疑で、大臣の答弁を聞いていて、思わずびっくりしたことがあるんですね。

 これは自由民主党の委員の質問に答えて、捜査の可視化について述べられている部分なんですが、こんなことを言われているんですね。要するに、ビデオ録画とかされていると、パフォーマンスするやつもいろいろ出てくるからまずいでしょうというようなことを言われた後で、あるいは組織犯罪だったら供述をためらう場合があると。それで、私が問題だと思った箇所は、「供述調書というのは当然承諾を得てつくるわけですが、調書には書かないから真実を、事実を言ってごらん、そういう取り調べは当然あると思うんですね。ところが、一種の取引じゃありませんが、そういうことも全部録音、録画されたら、これはしゃべらなくなる。」だからだめだと。

 私、法務大臣がこんな発言をしたことをかつて知りません。志布志事件のお話をその後されたので、これはあべこべじゃないかと。要するに、捜査の密室性ですよ。密室で、一種の取引ですよね、司法取引。あなた、知っていることを言ってごらん、もう放免してやる、こういうことを大臣が奨励するかのごとく答弁をしている。

 であれば、先ほどの冤罪ではないと思うという発言がくっつけば、これは恐ろしいことを鳩山大臣は考えているんじゃないか。むしろ、志布志事件で意気消沈している検察官をもっと元気にやれというふうに変に激励しているんじゃないか、こう私は思ってしまいました。

 この発言は、これでいいんですか。

鳩山国務大臣 志布志事件、氷見事件ともに、とりわけ志布志事件では、捜査あるいは取り調べ、踏み字等、大変不当なやり方をした、正しくないやり方をした、人権を踏みにじるようなやり方をしたことについては極めて深刻に反省をしなければいけないし、私は、すべてそのような形で指導をしてきているつもりでございます。

 可視化につきましては、全部、端から端まで録音、録画ということになりますと、やはり、この間申し上げたようなことが起こり得るということを申し上げているわけでございます。

保坂(展)委員 志布志についても、これはもっと真意をただしていかなきゃいけないと思います。

 先ほど読み上げた火曜日の議事録、つまり、これは書かないから言ってごらん、供述調書に書かないよと言って、「一種の取引じゃありませんが、」とおっしゃっているんですが、これは、捜査現場で、調べの現場で、一種の司法取引というのは実態としてあるんだ、そういうのもあるでしょう、だから、それでずっとビデオを回されたらやれないでしょう、こういう意味ですか。はっきり答えてください。

鳩山国務大臣 私が申し上げたとおりの、そのものであるかどうかはわかりませんが……(保坂(展)委員「そのものです」と呼ぶ)いやいや、それはそのものです。実際、取り調べの中で、お互い琴線に触れるようなやりとりの中で、そういうようなやりとりが全くなかったとは思いません。

保坂(展)委員 時間が来ましたけれども、私どもは、この志布志発言、そして今の発言、司法取引を法務大臣が容認するかのごとき発言について、法務大臣の職にあるべきじゃないというふうに思います。はっきり身を処していただきたい。

 委員長、これは志布志事件の方々と私ども議員連盟からの文書なんですね。これを渡して終わりたいと思うんですけれども、よろしいですか。

遠藤(利)委員長代理 はい。

 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。

 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。

 私は、初めに、随意契約については、福田総理も今国会で所信表明で述べられたりして大きな問題になっておりますから、このことから伺いたいと思うんです。

 実は昨年の秋の国会で、歴代防衛庁長官指示による随意契約、防衛大臣指示による随意契約となるもの、その随意契約で防衛装備品の調達が行われているものが六年間で二百四十七件、六千億円に上ることを指摘して、実態の解明と是正をするべきだ、こういうことを求めました。

 もちろん、天下りと結びついた談合や随契などは論外だということを指摘したわけですが、ことし、福田総理は所信表明と代表質問への答弁の中で、随意契約の適正化を徹底するとされたわけですが、この問題については経済財政諮問会議でも議論になっていますね。

 二〇〇六年十一月十日に公共事業改革の集中審議が行われて、日本経団連会長の御手洗冨士夫議員から、国、地方ともに一般競争入札の適用範囲の大幅な拡大など入札談合廃絶に向けた改革を断行し、競争性、実効性、透明性を飛躍的に高めるべきであるという発言があり、そして、昨年五月八日の経済財政諮問会議では、御手洗氏など民間四議員の方から「入札談合の根絶に向けて」というペーパーを配っておりますが、この中で「罰則の強化」というところでは、「談合等不正行為を行った場合の罰則(営業停止処分、入札参加資格の停止等)については、不正行為が後を絶たない現状にかんがみ、例えば、資格停止期間の延長など、十分な抑止力を持つよう強化すべきである」と提案していると思いますが、これはそれに間違いありませんね。

大田国務大臣 間違いございません。

吉井委員 同じ五月八日の会議では、菅総務大臣が出した「公共投資・地方公共団体の入札契約制度改革について」というペーパーがあり、菅さんの説明の発言がありました。談合不正行為者に対する罰則強化の地方自治法施行令を改正するとされておりました。

 これを受けて、六月十九日の閣議で基本方針二〇〇七を決定し、その中で、「入札談合の廃絶」、「入札談合を廃絶し、」「一般競争入札が原則との原点に立って、国、地方を通じ、その適用範囲を計画的に拡大していく。また、入札談合等不正行為を行った場合のペナルティーについては、十分な抑止力を持つよう強化する。さらに、予定価格・落札内容に関する情報を、より詳細かつ分かりやすく公表する。」と決定したのではなかったかと思うのですが、この点も確認しておきたいと思います。

大田国務大臣 間違いございません。

吉井委員 しかしこれは、実はなかなか現場には徹底していないということがあります。

 これは総務大臣の方に伺っておきますけれども、堺市の臨海部に進出するシャープ液晶工場の周囲の道路整備工事八億六千万円と同工場への水道本管敷設工事一億一千七百万円は、昨年十二月の契約なんですが、ですから閣議決定後なんですけれども、いずれも指名停止処分中の清水建設と堺市が随意契約で入札行為を行っておるんですね。これはもう入札談合以前の話です。

 菅さんの時代であったにしても、総務大臣が罰則強化だと強調されたわけですが、そもそも一年間指名停止中の業者と随意契約を結ぶのですから、閣議決定も無意味なものになってきてしまうと思うんです。

 そこで、増田大臣に伺いますが、総務大臣が提案しようが、閣議決定がどうあれ、こういう事態がまかり通っているという問題、私は、これは本当にゆゆしきことだと思うんですが、総務大臣のお考えを伺っておきたいと思います。

増田国務大臣 今御指摘の堺市の問題がございました。

 この堺市の問題につきましては、指名停止処分を受けている者を随意契約の相手方とした、こういう今の委員のお話でございました。そういう形になっているわけでございますが、地方自治法それから地方自治法施行令上は、そうした者を相手方とすることについて特段の規定がない、今こういうことでございます。したがって、随意契約を行うことができる場合に該当するかどうか、これは個別具体の事案に即して堺市の方で判断をする、そういうことになるわけでございます。

 堺市の方でこうした指名停止等に関する要綱とか、それから随意契約のガイドラインを持っていますが、したがって、私が申し上げることは、今、妥当かどうかの問題は生ずると思いますけれども、違法かどうかの問題は生じない、こういうことを申し上げるものでございます。

吉井委員 いや、話を聞いておって笑えてきますね。

 閣議決定がどうであれ、経済財政諮問会議で総務大臣が何を言っても、現場の実態が違っておっても、余りそれを何とも感じていらっしゃらないようなお話なんですが、菅総務大臣のペーパーでは、入札契約適正化について、警察等関係機関との連携による不良不適格業者の排除の徹底というのが挙げられていました。清水建設が下請業者に暴力団系企業を入れていることが堺市で今大問題になっているんですね。暴力団系企業を下請業者に使うような指名停止中の業者というのは、これは不良不適格に該当するんじゃありませんか、総務大臣。

増田国務大臣 こういった問題について、堺市の方でいろいろ御判断はあると思います。今申し上げましたけれども、堺市の方の御判断はあると思いますけれども、私どもは、この法律、それに基づく政令等を運用しているわけでございますが、そこには触れないということでございます。あとは、現場の公安委員会等の判断はまた別途あると思います。

吉井委員 大体、閣議決定が何であれ、前の総務大臣が経済財政諮問会議でどういうことを言われても、ペナルティーについてまで言われたんですが、不良不適格業者の排除だという話までしておられるんですが、それを今のような答弁では、失礼ながら、これは不良不適格な大臣と言われてもしようがないんじゃないかと思いますよ。私は、そこはもっときちんとされるべきだということを申し上げておきたいと思います。

 このシャープの工場建設の請負契約者が清水建設だったからということで、工場外の周辺道路、引き込み水道本管を堺市が整備工事するのも清水建設にしたというのは、そういうことになっているんですけれども、筋は通らないと思うんです。堺市のこの問題というのは、これは今、多くの自治体の企業誘致合戦の中で、進出企業言いなりに随意契約を行い、自治体の税財政の破綻とモラルの崩壊が生まれてきている、そこへ誘導している国の政策はあるということを私はきちんと指摘しておかなきゃならぬと思うものであります。

 そこで、その観点から少し話を進めて見ていきますが、大分県が進めてきた工業団地造成というのは、六〇年代から九〇年代まで、新産業都市工業整備特別措置法とか、工業再配置法、テクノポリス法、頭脳立地法など、このような国の法律も使って整備され、それ以降は、企業立地法で大企業誘致に国が制度を整え、産業道路整備には道路特定財源も投入し、工業用水には大分県の分だけ見たって国費四十億円を投入するなど、巨額の国費を投じて地域整備公団が工業団地を造成、販売してきたという大きな流れがあります。

 地域整備公団のこの用地買収には、県の土地開発公社が働いて、国としても大きな財政支出を行って進めてきたものですが、今、法律も変わりましたから、工業用水への国の財政支援を受けたところで県の公社が用地買収と造成工事を行い、企業にその工場用地を売却しているということになってきております。

 さて、この二〇〇二年までの平松県政の時代には、レディーメード方式と言われてきたんですが、公社が造成工事業者を入札で決める、それが、二〇〇三年の広瀬知事の時代から、オーダーメード方式といって、進出企業の求める仕様に基づいて造成するという方式が入ってきました。

 広瀬知事はもちろん経済産業省出身の知事ですが、県商工部立地推進室長としてキヤノンの進出に働いたのも経産省出向の職員です。広瀬知事になってから、キヤノングループの企業用地だけはすべて随意契約で造成工事が行われています。通常は、大分県の契約規則どおり、一件当たり二百五十万円以上の契約というのは一般競争入札でやっているんですが、キヤノンに売却する用地の造成工事だけは随意契約になりました。

 そこで、経産大臣に伺っておきますが、企業立地促進政策の推進に当たる場合は、そういう政策推進に当たっては、随意契約による企業立地が望ましい、あるいは随意契約もやむを得ないという考えでおられるのかどうか、伺います。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

甘利国務大臣 どういう契約方式で企業誘致をされるか、それは誘致をされる自治体の御判断だと思います。いろいろ戦略上のことも含めて自治体が御判断をされることについて、私どもの方で、こうでなければならないということについては、意見を差し挟まないでいたいと思っております。

吉井委員 国が法律を整え、誘致の段取りをして、財政も投入してやっているものなんです。

 最初にお配りいたしました表の一ページ目、ごらんいただきたいんですが、広瀬知事になってからの大分県の規定による二百五十万円以上の随意契約を大分県に聞いてまとめてある表ですが、そうすると、この随意契約八件の中で、別保橋河川グランド整備工事というのは、これは災害復旧で急を要するとして行った例はあるんですが、他の七件はすべてキヤノンの工場用地造成のものなんです。

 工業用水の配分に責任を持っているのはもちろん経産省ですから、これまでの工業団地造成をやってきたわけですから、当然知っていることと思いますが、キヤノンと契約、売却した用地の造成以外では、新日本製鉄に売った土地も、住友化学や九州石油に売った土地も、造成工事を行うときは、整備公団なり県の土地開発公社が一般競争か指名競争入札にかけて業者を選定しているんですね。

 大分県でキヤノン以外にオーダーメード方式と言われる造成はないと思うんですが、甘利大臣は産業立地政策を担当しているわけですから、また、今も言いました、工業用水には経産省が直接かかわって、財政的にもかかわってきたわけですから、よく御存じだと思いますので伺っておきますが、大分県の随意契約による工業用地造成として造成と売却したものの中で、キヤノンのほかにオーダーメード方式と言われるものがあるならば、お聞かせいただきたいと思います。

甘利国務大臣 我が省で、個別の企業立地について、どういう造成方法を行ったとか、あるいはどういう契約形態で契約をしたかということについては、省として網羅的に知る立場にはありませんので、そうした詳細な情報を把握はしておりません。

吉井委員 それは、経産省から出向でといいますか、行かれた方はまた省へ戻っているわけですから、私、あらかじめ伝えてありましたから、調べればすぐわかる話なんです。あずかり知らぬで済む話じゃありません。

 次のページの表をごらんいただきながらお話ししたいと思うんですけれども、二〇〇三年十二月十五日に結ばれた造成工事請負の随意契約に先立って、二〇〇三年十一月二十一日付でキヤノン常務取締役総務本部長諸江昭彦氏から大分県土地開発公社理事長相良浩氏あてに、キヤノン工場建設用地の造成に取り組む業者選定に当たって、「是非とも今回の造成工事については、鹿島建設株式会社を選定していただきたく、誠に勝手なお願いではございますが、何卒特段の御配慮、御英断を賜りますようよろしくお願い申し上げます。」と、随意契約で鹿島と契約してほしいという文書を送っています。

 次に、次のページの資料をごらんいただきたいんですが、二〇〇五年七月十一日の公社の用地造成工事請負の随意契約に先立っては、十日前の二〇〇五年七月一日付で、キヤノン常務取締役、やはり諸江昭彦氏から大分県土地開発公社理事長矢野孝徳氏に、ほとんど同文なんですが、「今回の造成工事において、施工業者として鹿島建設株式会社を選定いただきますよう、特段のご配慮をお願い申し上げます。」と、随意契約で鹿島と契約することを求めているのがこの資料です。

 これは、経済産業省で調べればすぐわかることなんです。

 キヤノンのように、こういう仕様で土地をつくって工場建設するから、それに合わせて鹿島を工事業者にしてほしいというような随意契約を地方自治体に求めている例はほとんどありません。もしキヤノンが鹿島建設にこだわるのだったら、大分県土地開発公社から、用地買収して公社が仮に取りまとめた土地を購入して、造成工事も工場建屋建設もキヤノンが契約するならば、まだこういう問題は出てこないんですね。オーダーメード方式を考え出して、キヤノンの将来の土地利用や工場建設のときのレイアウトから基礎工事までを見通した上で鹿島建設と公社が随意契約を結ぶことを求めたことには、やはり理由があるんですね。

 それは、キヤノンマテリアルの方の建設の分だけ調べてみても、もしキヤノンが造成なしの土地三十七万一千二百十九平方メートルを購入しますと、用地費が約十四億円なんです。キヤノンにはさらに造成費五十六億八千五百二十五万円かかって、約七十億円必要となります。ところが、キヤノンが県土地開発公社から造成済みの土地として購入した費用は五十億円だったんです。つまり、キヤノンはそれだけで約二十億円の利益を上げ、このほかに公共道路やへた地となる不要な部分のコストを全部大分県に持たせることで、実質的には二十億円をはるかに超える利益を上げたことになります。この約二十億円がほぼ、大分県が県の土地開発公社に出した補助金十八億五千三百六十三万円ということになってくるんです。

 つまり、大分県は、キヤノン誘致で約五十三億円直接補助したわけですが、県が県土地開発公社に補助金として出して用地造成費に潜り込ませることにより、約十九億円の補助金を上積みするということができたんですよ。これがオーダーメード方式をやった根底にあります。

 そこで、増田大臣、もう一遍聞いておきますけれども、こういう異常がまかり通ると、随意契約の適正化を徹底するというのが政府の方針でしょう、総理も皆言っておられるんですね、ところが、そういう政府の言葉がうつろに聞こえてきますね。このような企業の都合による随意契約というのは認められないということを私は総務大臣としてはっきり言うべきじゃないかと思うんです。どうですか。

増田国務大臣 御指摘の案件は、これは大分県の土地開発公社の契約案件でございますが、この土地開発公社の場合には、いわゆる公有地の拡大の推進に関する法律、公拡法の手続にのっとって行われるということでございます。この公拡法に基づく公社の定款とか規程によってこうした契約手続が行われる場合に、これは随意契約についてもそこの理由に該当するものについては、公社の定款、規程等に合っていればそれは適正なものになる、こういうことでございますので、この問題についても、今御指摘いただきましたような点についてそれぞれの、先ほどの堺もそうなんですが、議会等で議論していただく、そして説明責任を果たしていただくということが筋であろうというふうに思います。

吉井委員 私、もうあきれ果てますね。これは政府で方針を出したんでしょう、随意契約というのはもうやめるんだと。これは、県の公社というのも要するに県なんですよ。そこがやっている造成工事に当たって、企業の側が鹿島建設を随意契約で入れてくださいという文書を出しているんですよ。それが、何かもう全然知らぬ話みたいなことを言うというのは、これは本当に私は大臣として不良不適格と言われても仕方がないんじゃないかと。それは政府の方の文書に出てくる言葉ですから、私はあえて使うんですが。私は、そんな解釈なんかやっているのはとんでもない話だと思いますよ。これでは随意契約なんかなくなりませんよ。一体どういう見識をお持ちの大臣なのかということを、本当に改めて思います。

 それで、四ページ目をごらんいただきたいんですが、この四ページ目の図にあるように、実は、キヤノンと大分県や大分の土地開発公社、そして、その間にコンサルタントと言われている大賀グループというのがあって、鹿島建設という、この関係なんですが、これは、県はキヤノンに五十三億円の誘致補助金を出す。そして県は、知事が応援してもらったことがあるにしても、キヤノン進出に向けて、キヤノン工場用の用地造成約八十億円、あと契約変更分を入れたら八十八億円ぐらいになるんですが、随意契約で発注しているんですね、鹿島に。そして、大賀グループと言われている、大光と言われる会社ですが、ここが購入する用地の造成にも約一億四千万円、随意契約で使っておるんですよ。こうして、どう見ても異常な関係というものができております。

 さらに、昨年十二月十七日に、大分県土地開発公社湯口理事長が、あるいは米田さんという県の商工部長も同様に説明しておられるのを私は見ました。

 東京国税局は、鹿島建設と大光等が大分市及び川崎市等のキヤノン用地造成工事、建設工事に絡む脱税に関する調査を行っております、当公社が発注いたしましたキヤノン用地造成工事関係の契約につきまして任意の調査が入りましてと、調査が入っていることを県の関係者が認めているんです。それから、東京国税局の調査では、特に随意契約の理由を求められましたとされております。

 国税庁の方に伺いますが、大分キヤノン造成工事などをめぐって鹿島建設が六億円の所得隠しを行っていたこと、それから、伝えられていることでは、この随意契約にかかわって、大光グループというのは、大賀グループと言われる大賀さんという方は、御手洗さんと特に親しくて、御手洗さんの自宅の用地買収から建設からその他行ったり、深いおつき合いのある、同じ大分の方なんですが、この大光グループに鹿島から三十億円がコンサル料で渡ったとか、その三十億円の申告漏れの問題などで国税庁は摘発したということが、既に大分の方では、公社の理事長などの説明の中でも出てきておりますが、国税庁の方、摘発してどういうことをしておられるのか、詳しく御説明いただきたいと思います。

佐々木政府参考人 御指摘のような点が報道などにありましたことは承知いたしておりますけれども、個別にわたる事柄でございますので、守秘義務との関係もございます、お答えすることを差し控えさせていただきたいと存じます。

 一般論として申し上げますと、国税当局としては、常に適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じて課税上有効な資料情報の収集に努め、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなど、適正な課税の実現に努めているところでございます。

吉井委員 キヤノンの要請で随意契約が行われた。契約した鹿島建設の裏金づくりの問題、また、鹿島建設から大賀さんという方の大光グループへの環流の問題、そして脱税とか所得隠しとか、こういう問題が次々と出てきているわけでありますが、これ自身、私は大変なことだと思っているんです。

 冒頭に大田大臣にも確認しておきました経済財政諮問会議で、入札の透明化について、日本経団連会長の御手洗議員は、談合の一掃、罰則強化を提案しているんですね。その御手洗さんのキヤノンが、キヤノンとキヤノンマテリアル分合わせてですが、総額八十八億円の造成工事を随意契約で鹿島に契約させてほしいと県に要請文書を出していたことなど、これは、とてもじゃないが許される話じゃないと私は思うんですよ。

 国の政治経済を動かす事実上の司令塔の役割でしょう。これは内閣府設置法で、経済財政諮問会議というのはどういうものかというのがうたわれていますね。

 それで、私、町村官房長官に伺っておきたいんですが、国の事実上の司令塔の役割を果たしてきた経済財政諮問会議の議員が、諮問会議では、契約の透明化だとか随意契約の一掃とか、そういったことを言いながら、みずからは、地方へ行ったら、地方自治体に対して、総額八十八億円に上るんですが、随意契約をやってください、鹿島建設お願いしますと。それは私は、二枚舌を使ったというか、およそ経済財政諮問会議の議員として許されることではないんじゃないかと思うんですが、町村官房長官は、こういうことが経済財政諮問会議の議員としてふさわしいこととお考えなのかどうか、伺います。

町村国務大臣 諮問会議は、内閣総理大臣の諮問に応じて民間の方々の知見を生かしながら調査審議を行うということで、有識者議員は、いわば総理のブレーンとしてすぐれた識見を有する方々の中からふさわしい方を総理が任命されているわけでございます。

 御手洗議員は、個人として、その経済財政政策に関するすぐれた識見、また国際的な御経験、視野も大変富んでおられる方で、そういうことで任命をされたわけでございまして、一企業でありますキヤノンの役員として議員に任命されたわけではございませんので、私は、経済財政諮問会議の議員として十分資格のある立派な方である、このように理解をいたしております。

吉井委員 私、選んだときの話を聞いているんじゃないんですよ。今、こういう事実が出てきたわけですね。その中で、諮問会議では、要するに、随意契約の一掃とか、競争入札の透明性を持った契約をしろとかいう発言をみずからやっていながら、しかし自分は、その会社の進出に当たっては、自治体に対して、鹿島建設を随意契約で入れてください、これを発言するという、このことは、私は、およそ経済財政諮問会議議員としてふさわしいということは言えない。これをふさわしいと考えるとすれば、考えるのはおかしいと思うんですが、もう一度、官房長官に伺います。

町村国務大臣 時間の節約のために、同じことを申し上げるつもりはございません。私はふさわしい方だと思っております。

吉井委員 これはとんでもない話だと思います。

 それで、私、予算委員長に、既に昨年から、キヤノンの偽装請負問題などについて、御手洗氏に対する国会の参考人招致が求められておりますし、せんだっても志位委員長からも改めて参考人招致を求めましたが、いまだ実現されていないわけですから、この随意契約要請問題などについても、このほかにも、大分キヤノンの保養所や従業員寮建設の問題など、大光の大賀社長や鹿島建設との問題で一層究明を要するものがあります。ぜひ、御手洗冨士夫氏を参考人として予算委員会に招致されるよう取り計らっていただきたいと思います。

逢沢委員長 理事会で取り扱いを協議いたします。

吉井委員 経団連代表としてじゃなくて、キヤノンの人として経済財政諮問会議に有識者議員として出ているわけですから、果たしてそれが、随意契約の一掃を主張しながら、やることが識見豊かな方なのかどうか、これは常識で考えるべきことでありますから、このことを改めて官房長官にも言っておきたいと思います。

 それで、次に、私は、原油価格高騰と投機資金の問題について聞きたいと思います。

 長崎県五島列島の方から聞いてびっくりしたんですよね。離島では、ガソリン一リッター当たり百九十円台、二百円になったときもあるというんですね。隣には、上五島には石油備蓄基地があります。日本で今一番安い原油が備蓄されているわけですね、昔買っていますから。その隣に住んでいる五島列島の住民の方たちは、日本で一番高いガソリンを売りつけられている。

 政府の原油高騰対策に離島対策も挙げられているんですが、しかし、既に去年の秋から一・五倍に上がった東京のガソリン価格に比べてもさらに一・三倍も高くて、東京並みに下がっているわけでもないわけです。ですから、政府は対策を口にしたけれども、実効性のある対策にはほど遠いわけです。

 今、安い原油が横にあるんだから放出して価格を下げてほしいというこの国民の要望については、経産省は、今の高騰は供給不足によるものではない、だから放出できない、需給関係での供給不足による高騰ではないという見解を示しております。それは、需給関係による高騰ではない、私もそう思っているんです。

 甘利大臣に伺いますが、昨年の十二月二十一日の経産委員会で大臣に伺ったときに、主要原因はカントリーリスク、それに基づく先物へのヘッジファンドの投機投入にあると、投機資金が原油価格高騰の主要因だと答えられました。これはこのとおりですね。

甘利国務大臣 幾つかの要因があります。そのうちの一つであることは間違いありません。

吉井委員 投機資金の規制をしないと、結局、原油価格が上がっていったら、どんな対策をとってもこれからのあれは、全部、今とっている対策は死んでしまうわけですからね。ですから、この点では、投機資金の規制をしないと原油価格高騰に伴う国民生活の窮状を打開することはできないということをまず言わなきゃいけないと思うし、これは認識は共通だと思うんですよ。

 問題は、昨年のその十二月二十一日の経産委員会で、財務省審議官より、昨年のハイリゲンダム・サミットで議長国のドイツ政府は投機規制を提案し、フランスは賛成したが、日本政府は直接規制していくということには余り賛成できないという立場をとりましたと答弁がありました。

 額賀財務大臣に伺いますが、先日のG7、財務大臣・中央銀行総裁会議で、額賀大臣は、日本として投機資金規制を主張し、具体的に国際的協調で規制していこうということを提案されたのかどうか、これを伺います。

額賀国務大臣 先日のG7会議におきましては、原油高騰の問題が話題になりました。

 原油高騰は、我が国にとっても世界経済にとっても、これは下振れリスクの要因であることは間違いがないわけでございまして、私からは、これが本当に、実需に基づかないで、金融取引で上がっている要因があるというふうに指摘されている、これをきちっとしておく必要があるのではないか。だから、IMFにおいて、この実需それから金融取引、その要因、それから世界経済に対してどういう影響を与えるか、よく調査をしようということになったところであります。

吉井委員 専門家も、実需に基づくものであれば今一バレル五十ドルぐらいなものだろうというお話もありますが、それが百ドル近いわけですから、異常な事態です。

 それで、今調査をしようというお話、それをやったということでしたが、もう一度額賀大臣に伺っておくんですが、日本政府として、投機資金の規制をやろう、このことを主張されたのかどうか。これは、原油価格高騰問題、いろいろ議論はしたけれども、投機資金の規制をやろうという主張はしなかったということなのか、そこを伺います。

額賀国務大臣 これは、ヘッジファンドとか投機資金については、実際的には、国際市場の中で、やはり経済を支えている、あるいは活性化している要因もあるわけでございます。したがって、そういう要因を我々がふたをするわけにはいかない。

 ただし、そういうヘッジファンドの行動が、本当によりベターな金融行動をしているのか。そういうことについては、最良の慣行をつくるように、G7においても、今調査をし、研究をし、そして結論を得るようにということで勉強をしている、そして、その結果を出そうということに準備をしているということは間違いありません。

吉井委員 経済活性化どころか、国民生活は本当にどの分野でも深刻なんですよ。現実を踏まえて経済財政運営をしていかなきゃいけないのに、活性化などという気楽なことを言っているというのは、本当にこれもまた私は驚きました。

 町村官房長官には、昨年十二月に、日本共産党として、原油高騰問題に関する申し入れを行いました。このときに、国際的な投機マネーを規制する国際的協調を実現するためあらゆる方策を検討されるようにと、政府に申し入れをいたしました。

 甘利大臣もおっしゃったように、やはり今、原油価格高騰の主要因は投機マネーなんですよ。それは日本だけでできる話じゃないですから、国際的協調ということが大変大事だということは、これは当然の話であります。だから、そのことを申し入れを行ったわけです。

 この国際的協調を呼びかける上で非常にいいチャンスといいますか機会だった一つは、最近で言えばG7もそうですし、それから、ダボスの会議で、総理が直接どういうメッセージを発するかということにあったと思うんです。

 官房長官に伺いますが、ダボス会議で福田総理は、原油価格高騰問題で、国際的に協調して投機資金規制を行おう、こういうことを演説されたのかどうか、伺います。

町村国務大臣 福田総理は、ダボス会議において、主として三点の主張をされました。一点は世界経済の現在そして今後、二番目は気候変動問題、そして三番目は開発及びアフリカ問題、健康とか保健とか衛生の問題、こうしたことを触れられたわけでございます。

 世界経済につきましては、委員御指摘の、原油価格のこうした記録的な高騰を背景にして、世界全体の経済が、下方リスクがあり、それが強まっているのではないかということを指摘した上で、これからの世界の経済あるいは金融市場のあり方についてよく議論をしていく必要があるであろうということを指摘をし、特に投機資金を規制すべきであるというところまで踏み込んだ発言はいたしておりません。

吉井委員 昨年のドイツのハイリゲンダム・サミットでは、議長国のドイツが、国際的に、国際社会が協調して投機規制を行おうという提案を行っておりますが、ことしの洞爺湖サミットで、議長国の日本政府として、昨年のドイツ政府が行ったように投機資金規制を提案しようというお考えを持っておられるのか、また、その準備を進めておられるのかどうか、これは官房長官に伺います。

町村国務大臣 これから七月に向けての世界経済の動向、原油価格の動向、金融市場の動向、そういったものを総合的に見ながら考えていかなければならないであろうと思います。

 ただ、世界経済のことは、当然のことでありますが、サミットの一つの議題になってくる、これもまた多分間違いのないところであろうかな、こう思います。そこで、今委員御指摘のような、投機資金のあり方ということについて触れるかどうかは、まだ今の時点で決めているわけではございません。

 ただ、なかなか、これは一言で規制規制と言いましても、それぞれのいろいろな形の資金を持っておられる、例えば国際的な生命保険会社でありますとか、いろいろな主体があるわけですね。何をもって投機資金とそもそも言うか、それも難しいですし、それが果たして有効なコントロール策があるのだろうかというようなことも、まさに金融の専門家の方々であるG7等の場で大いにまた議論されていくということも重要なことなのかな、このように考えております。

吉井委員 私は、経済を云々するならば、今は、やはり原油価格高騰の主要因となっている投機資金の規制の問題については、日本政府として、とにかく日本の国民は非常に深刻な打撃を受けているときですから、これは訴えなきゃならぬと思います。

 この投機資金というのは、原油高騰だけじゃないんですね。これがエネルギー作物への投機にも回って、特に穀物からエネルギー作物へと作付面積の急激な変更等により、穀物や飼料価格の高騰につながってきております。それから、伝えられておりますように、森林破壊してまでエネルギー作物ということで、地球環境の破壊につながっている問題も出てきております。その原因の投機資金規制に真っ正面から取り組まないということは、私は、これは本当に、怠慢という言葉でとても表現できない、許せないことだと思うんです。アメリカが投機資金規制に反対だから日本も追随するというのは、まことに情けない政治だと思います。

 最後に、ダボス会議に出席したジョージ・ソロスさん、彼はどう言っているか。金融市場には新しい保安官が必要だ。これは、メキシコの日刊紙ホルナダが一月二十五日付で紹介しております。それから、韓国の中央日報の電子版では、同じジョージ・ソロスさんが、金融市場が自律的によく働いていると思うこと自体が誤った認識だ、こういうふうに発言しております。また、NGOのコープウオッチのホームページ、一月三十一日付では、金融工学を駆使したヘッジファンドなどがもてはやされ、アメリカが主導で市場任せの経済グローバル化が称賛されてきたダボスの伝統は不愉快な終えんを迎えたと論評しています。

 投資でなく、金融投機に走る投機資金を規制しないことには、世界経済も国民生活も大きな打撃を受ける。どんな原油高騰対策を政府がとっても、投機資金の規制を国際協調で実現しないと、政府のとる対策自身が実効性のある生きたものにはなってこない。このことを指摘いたしまして、時間が参りましたから、質問を終わります。

逢沢委員長 これにて吉井君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十五日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三分散会


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