衆議院

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第3号 平成22年1月22日(金曜日)

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平成二十二年一月二十二日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 鹿野 道彦君

   理事 池田 元久君 理事 岡島 一正君

   理事 海江田万里君 理事 伴野  豊君

   理事 松原  仁君 理事 山口  壯君

   理事 加藤 紘一君 理事 町村 信孝君

   理事 富田 茂之君

      糸川 正晃君    打越あかし君

      小野塚勝俊君    緒方林太郎君

      岡本 充功君    奥野総一郎君

      梶原 康弘君    河上みつえ君

      城井  崇君    沓掛 哲男君

      黒田  雄君    小泉 俊明君

      古賀 一成君    田中 康夫君

      高野  守君    津島 恭一君

      道休誠一郎君    豊田潤多郎君

      中林美恵子君    長島 一由君

      橋本  勉君    畑  浩治君

      平岡 秀夫君    福島 伸享君

      三谷 光男君    水野 智彦君

      森本 和義君    山尾志桜里君

      山田 良司君    吉田 公一君

      若泉 征三君    渡部 恒三君

      伊東 良孝君    小里 泰弘君

      金子 一義君    北村 茂男君

      小池百合子君    小泉進次郎君

      近藤三津枝君    坂本 哲志君

      下村 博文君    菅  義偉君

      菅原 一秀君    田村 憲久君

      竹下  亘君    谷畑  孝君

      野田  毅君    松浪 健太君

      茂木 敏充君    山本 幸三君

      井上 義久君    大口 善徳君

      赤嶺 政賢君    笠井  亮君

      阿部 知子君    柿澤 未途君

      渡辺 喜美君    下地 幹郎君

    …………………………………

   内閣総理大臣       鳩山由紀夫君

   財務大臣

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   菅  直人君

   総務大臣

   国務大臣

   (地域主権推進担当)   原口 一博君

   法務大臣         千葉 景子君

   外務大臣         岡田 克也君

   文部科学大臣

   国務大臣

   (科学技術政策担当)   川端 達夫君

   厚生労働大臣       長妻  昭君

   農林水産大臣       赤松 広隆君

   経済産業大臣       直嶋 正行君

   国土交通大臣

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 前原 誠司君

   環境大臣         小沢 鋭仁君

   防衛大臣         北澤 俊美君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     平野 博文君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)       中井  洽君

   国務大臣

   (金融担当)

   (郵政改革担当)     亀井 静香君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   福島みずほ君

   国務大臣

   (行政刷新担当)

   (公務員制度改革担当)

   (国家戦略担当)     仙谷 由人君

   内閣官房副長官      松野 頼久君

   内閣官房副長官      松井 孝治君

   内閣府副大臣       大島  敦君

   内閣府副大臣       大塚 耕平君

   総務副大臣        渡辺  周君

   総務副大臣        内藤 正光君

   外務副大臣        武正 公一君

   財務副大臣        野田 佳彦君

   財務副大臣        峰崎 直樹君

   文部科学副大臣      中川 正春君

   厚生労働副大臣      長浜 博行君

   国土交通副大臣      辻元 清美君

   環境副大臣        田島 一成君

   防衛副大臣        榛葉賀津也君

   総務大臣政務官      長谷川憲正君

   外務大臣政務官      西村智奈美君

   財務大臣政務官      大串 博志君

   財務大臣政務官      古本伸一郎君

   文部科学大臣政務官    高井 美穂君

   厚生労働大臣政務官    山井 和則君

   厚生労働大臣政務官    足立 信也君

   環境大臣政務官      大谷 信盛君

   参考人

   (日本銀行総裁)     白川 方明君

   予算委員会専門員     杉若 吉彦君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十二日

 辞任         補欠選任

  岡本 充功君     山尾志桜里君

  小泉 俊明君     福島 伸享君

  古賀 一成君     橋本  勉君

  平岡 秀夫君     道休誠一郎君

  渡部 恒三君     河上みつえ君

  小里 泰弘君     茂木 敏充君

  菅  義偉君     菅原 一秀君

  谷川 弥一君     坂本 哲志君

  谷畑  孝君     小泉進次郎君

  山本 幸三君     竹下  亘君

  大口 善徳君     井上 義久君

  笠井  亮君     赤嶺 政賢君

  柿澤 未途君     渡辺 喜美君

同日

 辞任         補欠選任

  河上みつえ君     渡部 恒三君

  道休誠一郎君     平岡 秀夫君

  橋本  勉君     古賀 一成君

  福島 伸享君     水野 智彦君

  山尾志桜里君     岡本 充功君

  小泉進次郎君     伊東 良孝君

  坂本 哲志君     北村 茂男君

  菅原 一秀君     菅  義偉君

  竹下  亘君     松浪 健太君

  茂木 敏充君     小里 泰弘君

  井上 義久君     大口 善徳君

  赤嶺 政賢君     笠井  亮君

  渡辺 喜美君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  水野 智彦君     高野  守君

  伊東 良孝君     谷畑  孝君

  北村 茂男君     近藤三津枝君

  松浪 健太君     山本 幸三君

同日

 辞任         補欠選任

  高野  守君     小泉 俊明君

  近藤三津枝君     谷川 弥一君

    ―――――――――――――

一月二十二日

 平成二十二年度一般会計予算

 平成二十二年度特別会計予算

 平成二十二年度政府関係機関予算

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十一年度一般会計補正予算(第2号)

 平成二十一年度特別会計補正予算(特第2号)


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     ――――◇―――――

鹿野委員長 これより会議を開きます。

 平成二十一年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十一年度特別会計補正予算(特第2号)の両案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。

 昨日の谷垣禎一君の質疑に関連し、茂木敏充君から質疑の申し出があります。谷垣君の持ち時間の範囲内でこれを許します。茂木敏充君。

茂木委員 おはようございます。自民党の茂木敏充です。

 平成二十一年度の第二次補正に関連しまして、昨日に引き続きまして、総理そして関係大臣の方に質問をさせていただきます。

 鳩山総理、やはり鳩山総理の金銭感覚、我々とは随分違うな、こういうことを感じます。お母さんの方から毎月一千五百万円、恐らくサラリーマンの年収をはるかに超えるような資金提供を毎月受けて、合計で十二億六千万円、いわば子ども手当を受け取っていた、総理は全くそれを御存じなかったと。恐らく、国民のだれもが、信じられない金銭感覚だな、このように感じていらっしゃると思います。

 その一方で、総理は常に、国民目線、国民生活、こういうことを強調されておられます。本当に総理がそういった国民感覚を持っていらっしゃるんだろうかと、多くの国民の皆さんが疑問に感じていると思います。

 そこで、まず、国民生活に密着した税と年金の問題について、基本的なことを二点、総理に確認させていただきたいと思います。基本的なことですから、後ろの官僚の方に頼らずにお答えいただきたいと思うんです。

 まず、税についてでありますけれども、これから国がお願いをする確定申告。確定申告の受け付けは、いつからいつまででしょうか。それから、国民にお支払いいただいている国民年金の保険料。国民年金の保険料、これは現在幾らでしょうか。お答えください。

鳩山内閣総理大臣 茂木議員にお答えをさせていただきます。

 今、私が母から贈与を受けていたということに関して、大変に国民感覚とずれていたのではないか、そのことを知らなかったはずはないと、きのうも多くの委員の皆さんからそのような御指摘を受けました。事実は事実として申し上げなければならないと思っておりますが、そのことに関して、しかしながら、国民感覚は決して忘れずに努力をしてまいりたいと思っております。

 確定申告の時期は、私も正確な月日を覚えてはおりませんが、二月の中旬から三月の中旬ではないか、そのように考えております。正確な日にちに関しては必ずしも理解しておりませんが、恐縮です。

 それから、国民年金ですか。国民年金の保険料は一万四千円程度ではなかったか、そのように理解をしております。

茂木委員 最近、総理はツイッターを始めたようでありますが、今も海江田さんのツイッター、つぶやきでお答えいただいているようですけれども。二月の十四日という話でありましたけれども、確定申告、二月の十六日から三月の十五日。総理がお願いをする立場だと思います。それから、国民年金の保険料、一万四千六百六十円だと思います。ぜひメモしておいていただきたい、こんなふうに思います。

 なかなか、贈与税もお支払いになっていらっしゃらないから、こういった確定申告の時期についても正確な答えが出ないということになるのかもしれませんし、さらには、国民生活が第一、こんなふうにおっしゃりながら、年金の基本中の基本であります国民年金の保険料すら知らない。

 私は、やはりこういった言葉とは裏腹に、鳩山内閣は大きな問題点、そして欠陥が四つある、こんなふうに考えております。

 その一つは、現状認識の甘さ、そして危機感のなさということだと思います。そして二つ目に、言行不一致。選挙まで、これまで言ってきたことと、実際に政権をとってやられていること、これが全く違うということです。そして三つ目に、多くから指摘をされておりますが、残念ながら、総理のリーダーシップが見えない、発言がぶれる、基本方針があいまい、そして司令塔がないまま、その場しのぎの対応、場当たりの対応が行われる、こういうことであります。

 発言がぶれるということでいいますと、昨日も総理は捜査について、この国会では、公正中立、こういうことをおっしゃっていましたが、その一方、その後、石川議員につきまして、起訴されないことを望むと行政の長として発言をされています。行政の長として私は異例の発言だ、こんなふうに思っております。中立公正な捜査をと言いながら、その一方で、行政の長が起訴されないことを望むと。総理、明らかに矛盾されているじゃないですか。

鳩山内閣総理大臣 私は一貫して、捜査に対しては、公正である、そのことを冷静に見守る必要があるということを申し続けておったところでございます。

 御案内のとおり、多くの国民の皆様方の支持をいただいて当選をさせていただいた、政権交代を果たさせていただいた、その一議員が逮捕されるということは大変遺憾なことだ、そのように私も思っております。したがって、取り調べの結果、起訴されるなどというようなことになれば大変申しわけない、そう思っておりまして、私自身は、その意味で、予断を持たずに申し上げれば、捜査によって無実が証明されればよいがな、そういう思いで申し上げたつもりでございまして、捜査に関して、すなわち検察に対して私が介入するなどという意図は毛頭持っておらないことは、どうか御理解を願いたいと存じます。

茂木委員 総理、そうであったらば、起訴されないことを望む、この発言は何なんですか。

鳩山内閣総理大臣 まさに仮定の話を記者が聞かれたものですから、仮定なことはない方がよいがという思いで申し上げましたけれども、その趣旨は今申し上げたとおりでございます。

茂木委員 そうすると、起訴されないことを望むという発言は撤回されますか。

鳩山内閣総理大臣 今、もしそのような誤解を与えてしまうということであれば、撤回を申し上げたいと思っております。

茂木委員 やはり総理の発言は、今、野党の党首ではありません、国のトップ、行政の長なんです。そういった責任感に欠けていらっしゃる点があるんじゃないかな、こういうふうに今感じます。

 責任感ということで申し上げると、現政権の予算、そして政策を見ても、例えば未来への投資という視点、それから将来への責任感、こういった点が欠けているんじゃないかなと。

 今申し上げたように、現状認識の甘さ、そして言行不一致、さらに総理のリーダーシップが見えない、そしてまた未来への責任感がない、こういった点に関連して、この後、補正予算につきまして質問させていただきたい、こんなふうに思います。

 まず、一次補正の凍結と二次補正の関係についてお聞きをしたいと思っております。

 鳩山内閣が発足をいたしまして、我々が四月に緊急の経済対策、十五兆円をまとめました。リーマン・ショック以降の世界的な経済の落ち込み、日本の経済の落ち込みの中で策定をして、速やかに進めてきたこの一次補正でありますが、十月に凍結と。来年度の予算の財源を確保する、三兆円だと思います、この財源の確保のために十月に凍結をいたしましたが、十二月になりますと一転して、この財源、二兆九千億も使って、全体で七兆二千億の補正の策定、こういうことになったわけであります。

 それでは、どのような理由でどのような事業をとめられたんでしょうか。また、二カ月後になぜ補正予算の編成となったんでしょうか、お聞かせください。

菅国務大臣 第一次補正予算の執行停止というのは、もちろん全部を執行停止したわけではありません。その中で、例えば箱物、中には漫画何とか館というのもありましたが、そういう箱物などを中心に、もともとのコンクリートから人へという考えの中で、これは必要がない、あるいは不要不急である、そういうものについて執行を停止したんです。単に財源を出すための執行停止ではなくて、財源配分を根本から変えることがこの政権のまさに一丁目一番地の仕事だということで、総理の指導のもとにやったわけであります。

 そういった意味で、約三兆円の執行停止をいたしましたが、二次補正において、それを含めて七兆二千億、事業規模で二十四兆円の補正予算を組みました。まさに今御審議をいただいているわけであります。これによって、一年程度の間に、GDPでいうと〇・七%程度の上昇、そして雇用でいえば、八十万人の雇用が下支えされ、二十万人の新たな雇用が生まれる。もちろん一次補正の停止によって、三年にわたって計算すると〇・四%程度のマイナス効果が出ますから、合算するとプラス〇・三%程度のGDPの上昇と、今申し上げました、雇用において百万人の下支え及び創出効果がある。

 これが、この二次補正のまさに提出をいたした趣旨であります。

茂木委員 今、菅大臣の方から、不要不急の事業をとめられた、こういう話がございました。

 昨年の一次補正の審議の中で、民主党の皆さんは基金の問題をいろいろ指摘されていました。基金に対してはどのようにお考えですか。

菅国務大臣 たしか基金の中でも幾つかのものについては戻していただいたと思っております。

 例えば、人材育成などについては、私たちも野党の時代からトランポリン法などを出して、そういうことが必要だということは言っていましたが、三年間にわたる基金であったことで、それは、将来は恒久制度にするということも含めて、たしかある時期から先の分については凍結をし、一たん返却をお願いいたしました。

茂木委員 総理、朝三暮四という言葉を御存じでしょうか。もし御存じでしたら、お答えください。朝三暮四です。

鳩山内閣総理大臣 朝三暮四ですか、それはよく知っています。朝三暮四という言葉は知っております。朝三つ、夜四つという話で、朝決めたことと夜決めたことがすぐ変わるという意味で、すぐに物事が変わっていく、あっさり変えてしまうということだと理解をしています。

茂木委員 今総理がおっしゃったのは、多分、朝令暮改だと思うんですが、別に四文字熟語の知識を試しているわけじゃないので、私の方から申し上げます。

 これは、中国の宋の狙公が飼っている猿にトチの実を与える、それで、朝に三つ、そして夜に四つ与える、こういうふうに言いましたら、猿が少ないと怒りましたので、朝に四つ、そして夕に、暮れに三つ、こういうふうに申し上げたら大いに喜んだ、こういう話でありまして、一日の数は七つで一緒なんですね。ところが、朝と夕方の数を変える、こういうことでごまかすということなんです。

 今、政府がやっていることは、まさにこの朝三暮四。昨年の十月に一次補正を凍結しておきながら、来年度の予算を見てみますと、事業で七十六の事業、そして三千七百六十八億円を堂々と復活しているわけであります。それだけではなくて、くくりを変えた事業の内数として入っているもの、また、再検証中となっているもの、これが三千五百億ぐらいございます。トータルをしますと、とめた、執行停止になった二兆九千億の四分の一が来年度の予算で復活をする、こういうことになるわけであります。

 それならば、なぜ執行停止をしたのか。この二次補正には、一次補正の執行停止分の減額も入っているんですね。本当に必要な事業だったらとめなければよかったじゃないですか。そして、必要のない事業だったら来年度の予算に計上しなければよかったじゃないですか。いかがでしょうか、総理。

菅国務大臣 どうも茂木議員は、中身をよく精査されて言われているのか、ごく一部を取り上げて言われているのか、よくわかりませんが、先ほど私が申し上げたように、例えば人材育成の、当初皆さんの一次補正で七千億積まれたものについてかなり凍結いたしました。しかし、それはなぜ凍結したかといえば、初年度あるいは二年度分ぐらいまでは十分賄えるという見通しの中で、三年度分かもうちょっとか、細かい数字が必要であればどこかで聞きますが、それは凍結をして、そして次の段階で最終的にはそれを使った恒久制度につなげていこうということであります。

 そういう意味で、政策的に不要不急という意味でとめたものと、内容的に必要がないからといってとめたものと、両方あるわけでありまして、不要不急に関しては、本予算では、時間がたつわけですから、去年の段階、一次補正では必要がないけれども、来年度の予算では時期的に必要になるものについては、それを復活させるというのは当然のことではないですか。

茂木委員 大臣、もう少しそれぞれの事業を見て、同じ事業が単に半年だけずれてたくさん残っています、そういったことについてよくごらんになったんですか。全部の事業を見ました。きちんと見た上で発言をさせていただいております。

 それから、一次補正について、民主党は、衆議院の本会議は残念ながら欠席という形でありましたが、参議院の本会議で反対。反対討論に立たれている代表の方は、反対の第一の理由として、基金の問題を取り上げまして、こんなふうにおっしゃっています。このような巨額の予算を公益法人等の基金に繰り入れ、多年度にわたって支出することは憲法の趣旨にももとる。この考えに変わりはありませんか。

菅国務大臣 つまり、今のお話は、基本的には予算というのは単年度主義というのがこれまでの原則でありますから、極端に言えば、十年後までを基金に積んで、それが十年後までこういうふうにやるなどというやり方をとるとすれば、それはその精神に反しているわけでありますから、そういう趣旨で、現実に三年程度を積まれたもの、私は中にはそういうやり方の方がいいものも一般的にはあると思いますが、適切でないものもあるし、これまでの考え方からして、これまでの解釈からして、そういった扱いについては問題があるという指摘をしたんだと考えております。

茂木委員 もう一回申し上げます。

 公益法人等の基金に繰り入れ、多年度にわたって支出することは憲法の趣旨にももとると参議院の本会議でおっしゃられています。小林議員です。この考えに変わりありませんか。確認をさせていただきます。

菅国務大臣 今申し上げましたように、私は、国家戦略室で検討していただいておりますけれども、複数年度予算という考え方が望ましいと思っておりますし、そういうことは考え方として可能であろうと思っております。

 ですから、参議院のその質疑の中でどういう趣旨で言われたのか、今私はそのことを聞いておりませんので、それはやはり、質問した方の趣旨が、正確に私はまだ聞いておりませんので、それがいい悪いというところまで申し上げる立場にはありません。

茂木委員 菅大臣、私は、一議員のどこかでの発言をとらえて言っているんじゃないんです。参議院の本会議で、採決に当たって、党を代表される方が反対の第一の理由として基金の問題を取り上げられたということでお聞きをしているんです。その基金の問題、どうお考えですか。

仙谷国務大臣 今回の補正予算の見直しに当たりましては、私が主としてこの作業を行ったものですから、お答えをさせていただきます。

 憲法上の原則で、単年度予算主義あるいは財政法定主義、もう少しもとへ返れば……(発言する者あり)町村さん、せっかく物を言っているんですから、一々言われると言いたいことを忘れますので、ちょっとお静かに願いたいと思います。

 代表なければ課税なしの原則で、国会あるいは議会というものがあるために、多年度予算よりもさらにこれを拡張して公益法人の基金に三年分をほうり込むというふうなことは、憲法原則からして望ましいことではない、つまり趣旨に反する、そういうことを小林議員が言ったとすれば、それは原則的に正しいと私は思います。

 ただ、それと多年度予算主義を法律で決めるということとはまた次元が違う、こういうふうに考えております。

茂木委員 基本的には基金で多年度の支出をすることはよくない、こういうことに受け取れるわけでありますが、ただ、この二次補正を見てみますと、やはり言っていることとやっていることが全く違うんですね。今回の二次補正でも、新たに六つの基金を新政権はつくっていらっしゃいます。そして、既存の八つの基金の予算の積み増しで、全体で一兆七千億円の基金の積み増しを行っているわけであります。

 例えば、省エネカーの補助それからエコポイントの予算、これは三月までのものは一次補正で確保をされています。ですから、それで環境対応車普及促進基金、それからグリーン家電普及促進基金というのを創設して、四月以降のものを積んでいるわけであります。基本方針と実際に二次補正でやられていることが全く違うじゃないですか。

菅国務大臣 今、仙谷大臣の方からも答弁がありましたし、私が言っていることも同じなんですけれども、基本的に基金に積むものが適切であるかどうかという議論が確かにあります。

 私も、例えば研究開発のようなものは単年度よりも少し長い方がいいと思いますから、そういうものは二年、三年の基金で積むこともありますし、しかし、そういう意味で、その原則に立って、こういうものは適切だけれども、こういうものは適切でないという意見があることは承知しています。

 今話をされたエコポイント等については、どこまで続けるのかということそのものが景気というものに影響するということもありまして、これからも継続するということも含めて積み増した、私はこのように理解しております。

茂木委員 基本的に来年度の基金はよくない、こういうお話をされながら、基金を十四も積む、一兆七千億円、補正の中に入れると。

 しかし、例えばエコポイントもそうです、それから省エネカーも、三月までは予算があるんですから、四月からの予算、本予算で間に合うわけです。基金の事業をやめて、堂々と本予算、それに積まれればいいじゃないですか、来年度だけの分なんですから。そちらが正しいんじゃないですか。

菅国務大臣 そうすると、四月一日から確実に施行を、野党の皆さんも約束してくださるんですか。

 つまりは、今申し上げましたように、エコポイントについては継続をするということを国民の皆さんに理解していただくことが、製造する側にとっても、いろいろなものを供給する側にとっても意味があるわけでありまして、そういう景気対策を最も強く主張されたのが自民党じゃないんですか。

 ですから、私たちはそういう景気対策を考えて、四月一日から必ず切れ目なくやれるためには補正予算で組むことが適切だろうという判断のもとに組ませていただきました。

茂木委員 それはきちんと本予算の中に組み込めば、国民に対してはメッセージになります。そして、多年度にわたる事業だったらば堂々と基金でやられる、我々はその方が正しいと申し上げてきたんですから、私はそうされるべきだ、そんなふうに思っております。

 今の議論だけでも、やはり鳩山内閣のやられていることは言行不一致が目立つな、こんなふうに考えておるわけです。

 マニフェストの財源、これにつきましても、何度も申し上げてありますので質問はしませんけれども、総理は明らかに、各地の選挙の演説でも、財源はあるんですとマイクを握ってあらゆるところでおっしゃったと思います。七兆一千億、そして最終年度は十六兆八千億の財源をきちんと無駄の排除と予算の組み替えで出される、こういう話でありましたけれども、結局出されたのは二兆三千億じゃないですか。初年度でも三分の一も出されない、今こういった状態であります。

 実は、この言行不一致の問題、二次補正にも明らかに見てとれます。ちょっと図の一、これをごらんいただきたい。配付資料、配ってございます。図の一は、一次補正と二次補正の主要項目、比較をさせていただいております。

 左側が麻生内閣の当時つくりました四月の一次補正予算、そして右側が現内閣の二次補正予算であります。主要項目を見てみると、全く一緒なんですね。雇用対策、そして金融対策としての緊急保証、セーフティーネット貸し付け、それから低炭素革命としましての家電のエコポイント、さらに省エネカーの補助金、そして健康の分野での新型インフルエンザ対策、最後にあります地方への交付金。全く項目が一緒であります。

 我々の一次補正のコピー、そして、一次補正に民主党は大反対をしてきたのに、自分たちが政権をとったらどうして同じことをやられるのですか。総理、お答えください。

菅国務大臣 先ほども申し上げましたように、麻生内閣のもとでつくられました一次補正の中には、私たちから見ると、いろいろな施設整備費等箱物のもの、あるいは不要不急のもの、そういうものがいろいろ含まれておりましたので、それでまさに反対したわけであります。そして、政権交代になりましたから、そうした部分については凍結をする。

 しかし、先ほど来言っていますように、例えば人材育成基金等については、考え方は、私たち野党時代から法案まで出してやってほしいということを言ってきたことでありますから、そういうところについてはもちろん踏襲したものもたくさんあります。さらには、より力を入れたものもあります。

 ですから、項目がよく似ているから、それで何かおかしかったと言われるのは、項目が似ているというのは、状況認識は共通であっても、中身が、さっきも言いましたように、相変わらず施設とかそういうコンクリートのものに重点を置くのか、そうでないとかということで歳出の中身が変わっているわけですから、変わったものを出したのは当然のことです。

茂木委員 菅大臣、よく内容をごらんになって答弁していただきたいと思うんですけれども、この二次補正、出ている項目……(発言する者あり)ちょっと大臣が聞こえませんから静かにしてください。

 出ている項目で大体三兆円になります。これ以外に、交付金の減少額の補てんが三兆円あります。全体で七兆二千億ですね。七兆二千億のうち、交付税の補てんで三兆円、そしてこの項目は三兆円ですから、基本的にはこれが大半なんですよ。大半の項目で全くコピーじゃないですか。ですから申し上げているんですよ。言っていることが違うじゃないですか。大臣、大臣。

菅国務大臣 いや、ですから、項目が似ているからおかしいと言われるのは私には全く理解できないんですよ。

 たしか五千億円ほど施設費等は削減したはずですよ。そういう削減を含めて新たな方向に、いろいろ地方の交付税等も含めて七兆二千億を支出したわけでありますから、もちろん地方の部分は若干性格が違いますけれども、少なくとも中身については、端的に言えばコンクリートの部分を五千億切ってほかのものに振り向けているんですから、全く違っているじゃないですか。

茂木委員 大臣、よくお聞きください。総理もよくお聞きください。

 申し上げているのは、七兆二千億のうち三兆円、この地方交付税の減額部分は抜きましょう。そうすると四兆二千億になりますね。この四兆二千億のうち、ここにある項目で大体三兆円いきます。内容も一緒です。四分の三が一緒ということは、大半が一緒ということになるじゃないですか。先ほどの菅大臣の答弁と違うじゃないですか。

菅国務大臣 ちょっと私は茂木議員の言われることがよくわからないんですよ。

 例えば、文化予算といっても……(茂木委員「項目を見てください」と呼ぶ)ですから、例えば同じ文化予算といっても、これは一つの例ですよ、そういう文化的な活動を、例えばアニメをつくったり……(茂木委員「そんな話はしていない」と呼ぶ)ちゃんと聞いてください。そういうものに、人を育てるために使う場合の費用もあれば、アニメ館のように建物のコンクリートの塊をつくるものもあれば、項目が同じだからといって中身が同じではないんですよ。まさに中身を変えることが、歳出の中身を変えることがこの政権の一丁目一番地で、それをスタートしたのがこの凍結なんですよ。

茂木委員 菅大臣、具体的にいきましょう。

 では、わかりやすい点で申し上げます。二番目の金融、景気対策。

 景気対応緊急保証、緊急保証制度、セーフティーネット貸し付けの延長、そしてエコポイント、それから環境対応車への買いかえ、大きな項目です、それぞれに。違う項目だとおっしゃるんですか。

直嶋国務大臣 個別の話が出ましたので、私の方からちょっとお答えさせていただきます。

 まず、この金額ですが、三兆円とおっしゃっているんですが、例えば今お触れになった保証等は資金的な枠ですので、必ずしも同等の比較対象にならないということを申し上げたいと思います。

 それから、今おっしゃったことでいうと、緊急保証と景気対応緊急保証でございますが、これは今の緊急保証制度を内容を改めまして、業種を全業種拡大させていただくということであります。

 それから、セーフティーネット貸し付けについても、内容的には拡充をしているということでありまして、例えば、さっきお話しした景気対応緊急保証制度で申し上げますと、業種を全業種に拡大するということで、例えば医療や介護の法人、これは今まで対象になっていませんでした。いろいろ議論があったところでありますが、今回我々はここも対象に拡大をするということで決めさせていただいています。

 それから、低炭素革命と、我々が言っている環境ということでエコポイント、エコカーの話もありますが、このエコポイント、エコカーは、茂木議員も御存じだと思うんですが、我々が野党時代もこの制度はやるべきだということを景気対策に織り込ませていただきました。

 私、きのう申し上げたように、エコカー制度もエコポイント制度も経済対策として非常に大きな効果を上げていると思うんです。これは当時の与野党も、やるべきだということで意見が一致した部分でありまして、やはりだれが考えても必要な政策というのは効果があるなということを改めて思った次第でございます。

 それから、エコポイントの方は、今回、加えて住宅を対象にさせていただきました。これは、将来、住宅というのはやはり環境対策として非常に重要な視点であります。ややもすると、従来の住宅対策というのは新規住宅に偏りがちなんですが、今回我々は、リフォーム、断熱材とか窓の二重窓化、そういうものも対象にさせていただきました。

 それから、ちょっとここに挙がっていませんが、低炭素革命に必要な、いわゆる技術開発の部分についてもできるだけ織り込ませていただいたということで、内容的にはそういう面で異なるということを申し上げます。

茂木委員 住宅版エコポイントという話が出たんですけれども、予算額と住宅一戸当たりの補助額は幾らになりますか。

前原国務大臣 予算額は一千億円でございまして、事業費規模は大体三兆四千億円になる。そして、一番マックスのポイントとしては三十万ポイントということでございます。また、リフォームについては、窓の断熱などについては一万八千ポイントを予定しているところでございます。

茂木委員 一千億円、そしてマックスで三十万ポイントということは、一ポイント一円ですから三十万円、こういうことになると思うんです。

 私は、住宅版エコポイントが悪いと申し上げるつもりはありません。ただ、家電と住宅は値段が二けた違います。車とも一けた違うわけでありまして、本当にマックス三十万、これでインセンティブになるんだろうか、こういう思いも持っております。やるのならもっと大胆な対策、住宅についても必要だと私は思うし、さらに申し上げると、今、住宅以上に落ち込んでいるのは設備投資なんですよ。例えば、省エネ設備について何らかの形で対策をとる、こういったことも必要なんじゃないかなと思っています。

 先ほど経産大臣の方から、バージョンアップ、こういう話がございました。恐らく、雇用調整助成金、これにつきましても要件の緩和等々されております。ただ、大切なことは、この部分で三千五百億積んでいますね。間違いないですか、大臣。

長妻国務大臣 今、雇用調整助成金の話が出ましたので、お答えを申し上げます。

 これについては、要件緩和を実施いたしまして、それは、中小企業のみならず大企業についても要件緩和ということで、これまでは、基本的に前年に比べて売り上げ等が落ち込むということでありましたが、前年というのは、これはリーマン・ショックでもう既に落ち込んでいますので、それより落ち込むというのはなかなかないわけでありますので、前々年に要件を緩和して、それによって新たに、新たにというか、これまで要件緩和しなければ外れてしまうだろう八十万人の方が下支えになるというようなことが一点でございます。

 そして、三千五百億円という数字は、恐らく雇用特別会計に第二次補正で積み増すお金のお話だと思いますけれども、これにつきましても、御存じのように、昨今の厳しい雇用情勢について、それにかんがみて、このお金を予備的に緊急に積み増しをするということであります。

 今の段階で四兆円程度の積立金がございますが、過去も四兆円あった時代がありましたけれども、失業率が上がってそれが急速に減る、こういう過去の事例もございますので、緊急的にそういう意味では積み増しをして、国民の皆様にも安心をしていただく、こういうメッセージを送りたいと思います。

茂木委員 雇用調整助成金、私は、要件緩和は結構だ、こんなふうに思っておりますが、三千五百億円積み増しする必要はありません。今、恐らく官僚の皆さんからの答弁書をそのまま読まれたんじゃないかな、こんなふうに思いますけれども、余剰が明らかに、特会の積立金、四千四百億あるんですよ。四千四百億余剰が出ますから、三千五百億積む必要は、今年度、二十一年度については全くありません。

 さらに、要件緩和で本当に年度内に必要になる予算、これはたった七十八億なんですよ。何で三千五百億も積まなくちゃならないのか。もっとしっかり個々の事業について各大臣が検討していただきたい、総理、私はそんなふうに思います。

 別に小沢さんの言葉じゃないんですけれども、ちっとも政治主導になっていないんじゃないかと私は思います。それぞれが、言われたことを、ペーパーを渡されてそのまま答弁する、こういうことではやはり困るな、こんなふうに思います。一々、一つ一つの項目について時間の関係で説明できませんから、ぜひ総理、内閣にもう一度各事業をきちんと検証してもらうようにお願いをしたいと思います。

 それで、次に図の二の方に移らせていただきたい、こんなふうに思います。

 図の二をごらんください。補正の経済効果ということで、二ページ目です、書いてございます。

 左側が、今回の二次補正のベースになりました明日の安心と成長のための緊急経済対策、雇用から始まりまして環境、景気等々、全体で七兆二千億、こういう形でありまして、ある程度の額を積んでいるようには見えるんですね。ところが、右側、これが私が試算をした方でありますけれども、当面の需要創出から見た二次補正の仕分けということでありまして、一つは、右側にありますように当面の需要創出につながりにくい対策、それから二つ目が、エコポイント等々大半が来年四月以降となる事業、そして一番右側が、年度内の実施が可能な対策。

 例えば、左の方の当面の需要創出につながりにくい対策、環境のところでこれが〇・〇七、七百十一億円でありますが、これはアジア・アフリカ向けの環境分野の支援です。これは国内の需要にはつながりません。それから、一番下にあります三兆近くのもの、これは単に交付税の減少額を補てんするだけでありますから、当然、当面の需要創出には関係ない。

 そして、真ん中、大半が来年四月以降となる事業、これを見てみますと、雇用の関係、先ほど申し上げましたように、雇用調整助成金、積立金が余っています。それから、エコポイントや省エネカーの補助、これも一次補正で三月までの予算は確保してございますから、四月以降の対策のための予算ということになります。それから、この後、もしあれでしたら詳しく説明をいたしますが、セーフティーネット貸し付け、緊急保証制度の枠、これも十分余っているところであります。

 そうしますと、年度内の実施が可能な事業、ここは、仮定として、例えば二月の初めから始めて、半年ですべての事業が完了する、そういった場合に年度内の部分を繰り入れる、こういった形でやっておりますけれども、年度内の実施が可能な対策、これはわずか四千億しかない。そして、これは皆さんがお出しになった内閣府の二次補正の経済効果の試算とも一致をいたします。

 総理、これでは、七兆二千億といいながら、張り子のトラ、偽装補正と言われてもしようがないんじゃないですか。

菅国務大臣 まず、どうも私、茂木委員の議論のベースがもう一つよくわからないんです。

 皆さん方が出された第一次補正は三兆じゃないんですよね。十四兆でしょう、第一次補正は。私たちが凍結したのは、そのうちの約三兆ですよ。(茂木委員「二兆九千億」と呼ぶ)そうでしょう。約三兆と言ったじゃないですか。つまり、十四兆のうち十一兆は、皆さんが出されて成立した補正予算は執行されているんですよ。何か一次補正が全部凍結されたかのように、もしかしたら誤解をされて伝わっては困りますので。

 ですから、私たちは、十四兆の中で特に、先ほど申し上げたように、中には必要がないのではないか、中には……(発言する者あり)今質問に答えているじゃない。

 中には不要不急のものがあるので、それらについて見直しをしようということで、先ほど来、仙谷大臣からもあったように、そういうことをやったわけです。

 その中で、先ほど、いろいろ重なりますから言いませんけれども、少なくとも、それは見解の若干の差はあるかもしれないけれども、例えばエコポイントにしても、三月末で切れるのか四月一日から続くのかはっきりしないといろいろな生産の計画も立てにくいとか、いろいろな可能性もあるものですから、私たちとしては、これは補正で積んだ方がいいだろう。

 先ほど雇用調整金のことも言われましたけれども、それはもとがあることは先ほど長妻大臣も認められました。しかし、急激に減っている中では、ここにも積み増しておいた方がいいだろう、安心感としてはいいだろう、長期的な見通しが立つだろう、そういうことを言ってきているわけでありまして、何かこの中で、私はそういった景気の効果、経済に対する効果は、全体としては十分にこの第二次補正が意味を持っているし、だからこそ一日も早く成立をさせてもらいたいと申し上げているのです。

茂木委員 なかなか菅大臣、真っ当にまじめな質問にお答えいただけないようであります。

 私が申し上げているのは、当面の景気効果、四千億しかないではないか、どうなんですかということを申し上げています。

 それだったらば、もっとはっきり申し上げましょう。一次補正の凍結と執行停止まで、四カ月以上おくれる二次補正の追加、一次補正の一部の凍結で結構です。では、当面の景気にどんな影響があるか。政府の試算が出されております。

 今年度、この三月まで、まさに一番景気が厳しいこの年度末を迎える三月までの状況でどうなるかということでありますけれども、政府の試算で、実質GDPベースでマイナスの〇・一%、名目実額ベースで五千億円のマイナス。政府がそういうふうに出しているんですよ。

 つまり、年度末に向けてこの一番厳しい時期に、今の政府は景気についてマイナスになる対応をしてしまったんですよ。そういうことでしょう。

菅国務大臣 数字を今、茂木委員が言われましたけれども、数字は確かに、現在の緊急経済対策の今年度に与えるプラス効果は〇・一%、来年度を含めていえば全体で〇・七%です。一次補正の見直しで今年度に与える影響はマイナスの〇・二%ですから、おっしゃるとおり、今年度に与える影響だけを考えれば、この部分だけいえばマイナスの〇・一%であるということは、その数字そのものを別に否定するつもりはありません。

 しかし、先ほど来申し上げていますように、例えば、前原大臣を中心に、根本的にコンクリートから人へということを補正予算の見直しから含めて始めたことは、大きな意味の日本の景気、経済にとっては、これから変わるんだなという、私は国民に大きなメッセージを与えたと思うんですよ。

 つまり、これまでのままのやり方で、これまでのままの公共事業偏重のやり方で経済がうまくいっていたのなら、これまでどおりやりましょうで結構ですよ。しかし、もう二十年近く、多少の上下はありますけれども、成長がとまっているんですよ。その成長がとまった最大の原因は、投資効果もない九十七にも至るような飛行場をたくさんつくったり、釣り堀にしかできないようなそういう港湾をつくったり、そういうことを変えていく第一歩がこの補正予算の見直しであったわけですから、私は大きな意味の経済効果は間違いなくあった、このように考えています。

茂木委員 随分興奮をされて強弁をされているようなんですけれども、景気の現場、経済の現場は本当に大変なんですよ、この年度末を迎えて。

 そういった中で、今、鳩山内閣が、少なくともこの年度末までにとられた対策、一次補正の二兆九千億の執行停止、そして二次補正、これは当面の景気対策については、政府の数字だけじゃないです、実際にそうなんです、マイナスが出ている。そこがまさに鳩山政権の現状認識に対する甘さ、そして危機感のなさ、そしてそれがまさに鳩山不況、こういうふうに言われるところじゃないか。

 二次補正を早く出してくださいと言っているのに出さずに、今ごろになって二次補正を出して、一日も早い二次補正の成立が景気対策だと言うこと自体が、経済の現場から見ればピント外れだ、こういうことに私はなるんだ、そんなふうに思っているところであります。

 もう一点、先ほどの中小企業の金融に関します緊急保証制度とセーフティーネットの関係について見てみたいと思います。図の三をごらんください。

 図の三、左側に「セーフティーネット貸付」、そして右側に「緊急保証制度」と書いてございます。二つのラインがありますが、上の方のラインが貸し付けの枠です。そして下の折れ線の方が貸し付けの実績、そして保証の実績、こういう形になります。

 御案内のとおり、一次補正で、セーフティーネットでいきますと枠を十六兆六千億まで拡大いたしました。そして、昨年の四月段階で二兆三千億だった貸し出しが、ことしの一月、これは十八日の数字ですけれども、八兆六千億まで伸びてきておりますが、消化したのは六兆三千億。まだ未消化分が余っております、八兆近く。また、緊急保証制度でいいましても、一次補正で枠を三十兆円に拡大いたしまして、消化したのが昨年の四月から七兆円分。そして十三兆円分がまだ残っている。つまり、枠は十分余っているんです。

 今回、セーフティーネット貸し付けについて四兆三千億であったりとか、緊急保証について六兆、総枠を拡大することは私は余り意味がないんじゃないかな、こんなふうに思っております。

 では、今必要なのは何かということでありますと、二点あります。例えば緊急保証制度でいいますと、一社当たりの枠なんですよ。総枠で二十兆、三十兆じゃなくて、一社当たりの枠が今は八千万円ですから、これを二億円まで広げる。それからもう一つは、保証の条件緩和。なかなか今、中小企業の皆さんから見ても、実際に保証協会に行っても保証が受けにくい、恐らくこういう話をたくさん与党の皆さんも聞かれていると思います。この条件緩和をする。

 政府サイドでは何をするか。これは、事故率を今一二%で想定していると思いますが、この一二%を思い切って事故率二〇%ぐらいまで上げる。

 こういう、総枠の拡大ではなくて、中小企業の資金繰りを改善するためには、各社当たりの枠の拡大、これが必要なんじゃないかなと思いますけれども、亀井大臣、どうですか。

亀井国務大臣 茂木議員が中小零細企業に対しての現在の厳しい状況を踏まえての熱い思いを野党という立場でお話しいただいたことに対しては敬意を表する次第でありますけれども、政府としては、私ども金融庁の金融行政の立場だけではなくて、経済産業省と一体となってこの今の窮状を打開するための諸施策を講じておるわけでありますが、議員御指摘の信用保証協会の役割というのが極めて重大でありますので、それについて政府としてやはり万全の立場をとっておるということを予算の上においても明確にしていくことは極めて実際の運用面においても大事である、このように考えています。

茂木委員 亀井大臣、残念です。大臣だったら、茂木さん、やろうじゃないか、与野党を超えてこういう中小企業の資金繰り対策のための条件緩和をやろうじゃないか、こういうお話をいただけるんじゃないかな、そんなふうに……。

 総理、鳩山総理、これは鳩山総理が決断をすれば決められます。中小企業の資金繰り緩和のために、今申し上げたように、一社当たりの枠を八千万円から二億円に拡大する、総理が決めればできることです。中小企業は助かります。総理、いかがですか。

直嶋国務大臣 今、亀井大臣からもございましたが、この表、確かに、茂木さんおっしゃるように、この枠でやれないかというのを実は我々も検討しました。しかし、きのうもちょっと御答弁で申し上げたように、一万五千以上の倒産が、こういう状況ですから……(茂木委員「一社当たりの話をしているんです、そっちに答えてください」と呼ぶ)

 それで、一社当たりだとか、その条件については我々も不断に研究はしたいと思っています。ただ、これまでも一社当たりの枠でありますとかについても拡大をしてきたという経緯がありますので、そういうことも含めて、さまざまな状況を勘案して不断に研究はしたい、このように思っています。

鳩山内閣総理大臣 私も、昨年の末、大田区の中小企業の方々とお会いをしてまいりました。こういう厳しいときにむしろ設備投資をやりたい、しかしどうも使い勝手が悪いな、額もという話も伺っております。運転資金もいろいろ必要なときがあろうかと思います。

 したがって、今まさに亀井大臣も答弁されましたけれども、こういうときに、せっかく枠がかなり広がっている中で、中小企業の皆様方、年末年始大変苦しい操業をされておられる方がたくさんおられる、アジアを市場にしてこれからさらにと意欲を持たれている方もかなりおられる、そういう方々のために、私どもとして、今、茂木委員がせっかくお尋ねされたものですから、その提案を真剣に検討したい、そのように思います。

茂木委員 実際に今、八千万円の枠、柔軟には運用しております。

 ただ、これを広げることは可能なんです。これをきちんと、やはり総理が明言をしていただく、国民に向けて、本当に年末厳しい資金繰りをされている中小企業の皆さんに向けて、今この場で、枠は、一社当たりの枠は拡大します。総理だったら決断できるんですからしてくださいよ。

鳩山内閣総理大臣 すべて私一人で何事もできるという話ではありません。したがって、今の茂木委員の大変な御提示を、私は中小企業の皆様方の切実な思いを理解いたしておりますから、十分に検討させていただくことをお約束いたします。

茂木委員 そこの部分ではっきりおっしゃっていただけない、その部分が、国民の皆さんから見ても、残念ながら世論調査でも出ておりますけれども、リーダーシップがない、こういうところに出てくるんではないかな、こんなふうに私は感じております。

 そこで、鳩山内閣の政権運営の問題点、こっちに入りたいと思うんですけれども、外交面でも、この後質問がありますけれども、安全保障政策をどうするか、こういう基本がないままに、個別の基地問題について迷走して、日米関係も深刻化をする。予算編成でも全く同じだ、私はこんなふうに思っております。

 本来、予算編成の前に今後の成長戦略であったりとか財政の中期展望が示されて、成長戦略や財政の中期展望も含めて国会で本当に充実した予算審議が行われるべきだ、そんなふうに思っております。今後の成長戦略であったりとか財政の中期展望が示されないこと自体、鳩山内閣が経済財政の基本方針を持っていないんじゃないか、こう言われても私は仕方ないのではないかなと思います。

 確かに、年末、十二月の三十日に駆け込みで成長戦略の基本方針が発表されたわけでありますけれども、これを見てみますと、十年後の単なる数値目標だけなんですね。工程表がない、そして具体策がない、税財政の見通しがない。とても戦略とは呼べない、欠陥商品と言わざるを得ないんだと思います。

 それも、この成長戦略の担当、これも菅副総理なのか、それとも仙谷大臣なのかもわかりません。どちらが担当するかも含めてお答えください。

菅国務大臣 まず、成長戦略を先に出して、あるいは中期財政フレームを先に出して予算編成に当たるべきではなかったかという御指摘ですが、昨年の選挙が年の早いうちにあれば、それも当然そうすべきだったと私も思っております。

 しかし、結果として、解散をされ選挙が行われたのが八月の三十日。翌日が概算要求の締め切りという日程に少なくとも麻生内閣ではなっておりました。その時点で、私たちとしては、年内編成こそが、やはりこの経済の状況を見たときにはどうしてもそれは必要なことだと考えましたので、そうしますと、実際に特別国会を召集されたのは麻生総理ですから、九月の十六日に首班指名、組閣になったわけであります。

 年内に、三カ月半という中で例えば成長戦略を立て、中期展望を立てれば、とても年内編成ということには、常識的に考えても間に合わないわけですから、そういう意味で、まさに並行して作業を進める中で、年内編成をまず、十二月十五日にきちんと閣議決定ができたということは、私は、国民の皆さんには評価をいただいている、このように思っております。

 それに加えて、ここに新成長戦略の基本方針という概略のもの、あるいはお手元にもあるかもしれません、確かに、総理の方から指示を受けてこれをまとめるまで直接的にかかった時間は二週間余りでありました。しかし、実は、直嶋大臣あるいは前原大臣あるいは原口大臣、各大臣とも早い段階から各省内において成長戦略を検討するいろいろな会議を開いておられまして、そういうものを一挙にまとめるということで、当時私が責任を持っておりました国家戦略室がいわば取りまとめの窓口になって取りまとめたものであります。

 中身がどうかという評価はいろいろありますけれども、私は、例えば、日本が得意とする環境・エネルギーという分野、そして健康という分野、それぞれグリーンイノベーション、ライフイノベーションと位置づけました。また、フロンティアの分野として、アジアの成長、そして観光とか地域の活性化、さらにそれを支えるための科学・技術、さらには雇用・人材、私は、余り手前褒めをしても仕方ありませんけれども、比較的短期間の中では、各大臣があらかじめ用意されたこともあって、相当中身の濃いものになった、このように思っております。

 その上で、一番大きな問題は何かというと、これまで政権が、この十年で出されたこういう政策は十本以上を超えています。骨太方針とかいろいろなものがありました。全部精査をいたしました。一つとして達成されたものはありません。なぜ達成されていないかということを分析しました。一言で言えば、政治的なリーダーシップに欠けていたからです。

 今笑っておられる皆さんが胸に手を当ててみてください。多分、小泉さんは若いからおわかりだと思いますが、つまりは、縦割り構造の中で、茂木さんも知っているでしょう、例えばコンピューターと通信を一緒にしようとして一緒にできなかった橋本政権における省庁再編だって、結局のところは縦割り構造の中で超えられなかったんですよ。

 ですから、縦割り構造と族議員のこれまでの政権では、幾ら中身が、文章上は私たちと同じようなものを以前出されたとしても、実行できなかった最大の理由は、私は、霞が関の縦割りとそれにつながる族議員、その構造、そういう意味で政治的なリーダーシップがなかったと言っているんですよ。

 この政権交代はそういうものを壊していく力を持っている、そういう意味で鳩山総理のもとでこれを実行することができるという自信を持ってお示しをしたところであります。

茂木委員 過去の成長戦略が余りうまくいかなかったという指摘で、内容についても精査をされたということですけれども、組織論は別にしまして、政策の内容については過去のものはよかったんですか、悪かったんですか。

菅国務大臣 過去のものの中でも共通なものはかなりありました。もちろん、環境の問題とか、ウエートの出し方は違いますが、ありました。しかし、今申し上げたように、過去において出されたものもたくさんいいものはありましたが、結果としては実現しておりません。

 茂木さんが、もしそれが別の理由があると言うんだったら、逆に、私はそこに問題があったんじゃないか。中身が、たとえ文章上よくても、できるかできないかが一番問題なんですから。通信と情報の一元化だってできませんでした。あるいは、幼保一元化だってできませんでした。いろいろなことができていないんですよ。それは茂木さんが一番、日本新党におられたころからよくわかっているはずじゃないですか。

茂木委員 政策の中身から入っていきます。図の四をごらんください。中身が、ほぼじゃなくて、全く一緒なんですよ。

 図の四をごらんください。左側が我々がつくった未来開拓戦略です、昨年の四月。そして右側に新成長戦略、今回のものであります。これを比べていただきますと、低炭素革命、これが環境・エネルギーになっている。そして、健康長寿(医療・介護、少子化対策)が、新成長戦略では健康(医療・介護)になっております。アジアそしてまた人材、項目は一緒じゃないですか。違いは、中身が半分になったぐらいですよ。それから、後世への遺産、こういう項目だけなくなっています。恐らく、民主党の政策を進めると後世への遺産じゃなくて後世への負担になる、こういうことで書けなかったのかもしれませんけれども、結局一緒じゃないですか。全く内容は一緒じゃないですか。

 内容について申し上げているので、お答えください。

菅国務大臣 例えば一番大きな項目で申し上げると、麻生総理がCO2二五%削減を言われましたか。確かに低炭素とは書いてありますよ。しかし、鳩山総理は二五%削減という大きな目標を掲げられたんですよ。

 ですから、低炭素革命と書いてあれば、民主党が言う新成長戦略の環境・エネルギーと同じだと言ったって、中身は全然違うんですよ。先ほどの議論もそうでしたけれども、見出しが同じだからといって、必ずしも同じではないんです。確かに部分的には共通のものがあることは認めました。しかし、そういうことに対してある方向性を出して、それを引っ張っていくことができなかった結果がこの二十年間の低迷を招いた責任は、皆さん方に主にあるんじゃないですか。

茂木委員 見出しは一緒だけれども中身は違うんだ、中身をよくごらんください、こういう話がございました。

 ここに我々がつくった未来開拓戦略、それから新成長戦略、これがございます。全部は比較できません。ちょっと、今申し上げた低炭素革命というか環境の分野で申し上げます。

 パッケージの中身を見てみますと、例えば環境・エネルギーの分野、我々の未来開拓戦略では五ページに低炭素革命としてこう書いてあります。「こうした一連のプロジェクトにより、低炭素革命の先導者となり、世界の範となる環境大国日本を実現する。」こういう形で結んでございます。

 その一方、現政権の新成長戦略ではグリーンイノベーションとして六ページに、したがって、グリーンイノベーションの促進や総合的なパッケージによって、我が国のトップレベルの環境技術を普及促進し、世界ナンバーワンの環境・エネルギー大国を目指す、こういうふうに書いてあるんですよ。

 プロジェクトがパッケージになり、低炭素革命がグリーンイノベーションになり、先導者が世界ナンバーワンになり、環境大国日本が環境・エネルギー大国になっただけで、内容も全く一緒じゃないですか。官僚任せでつくるからこういうことになるんじゃないですか。

仙谷国務大臣 菅副総理とともにこの成長戦略をこれからつくり、そして実施をしなければならない立場として、茂木先生にお願いもしたいと思うんです。つまり、二〇〇〇年以降の、なぜこんなていたらくになったのか。

 文字面はすばらしかったかもわからない、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二、日本二十一世紀ビジョン、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇五、新経済成長戦略、経済成長戦略大綱改定、経済成長戦略、未来開拓戦略、すべて立派なものをお出しになっているんですね。それなりに文字面はできが悪いとは私も思いません。

 ただ、名目成長率で申し上げても、名目GDPの実額でいっても、この二〇〇九年の七―九までということは、計算してみますと、これは、麻生内閣が担当したところまでの名目のGDPが四百七十兆まで落ち込んでいるじゃないですか。これは二〇〇〇年から考えても、この十年間の経済財政運営の責任は、もちろん自民党さんと公明党さんの連立政権の経済財政運営の結果、こんな立派な戦略を文字面書いたのになぜ四百七十兆まで名目GDPが落ちてきたのか、このことを私どもは皆さん方と一緒に本当に真摯に反省しなければいけないと思うんですよ。ということは、戦略設定も非常に大事なんだけれども、この執行がより重要だ、こういうことだと私は思うんですね。

 私が行政刷新会議という担当の大臣に立たせていただいて、やはりこれはなぜできなかったのかと。つまり、戦略として書かれているようなことの個別の項目も全体も、知識経済化にふさわしいような産業構造にふさわしい政策展開がなぜできなかったのかということをやはり真摯に反省してみる。

 そして、なぜなのかということを、例えば規制改革会議あるいは市場化テスト何とか委員とひざを接してお話を聞きますと、仙谷さん、やはり一年ごとに総理がかわり、そして総理がかわるたびにエネルギーが落ちるんです、政治のエネルギーが落ちて、族議員が出てきて、選挙があるとおっしゃって、結局はできなかったんですというふうな話が大変多うございます。

 つまり、縦割り、補助金、天下りの構造を俯瞰的な立場からどんとなくす、そういう実行力がなければならない、こういうことだと私は思います。

茂木委員 いろいろ立派なことをおっしゃっているようにも聞こえるんですが、例えば現政権が盛んに強調されているディマンドサイドの家計への直接支援、この新成長戦略を見てみますと、この新成長戦略は全体で二十九ページございます。ところが、家計への直接支援、この問題は、後ろの方に本当につけ足し程度で四行しか出てこないんですよ。ディマンドサイドなんだ、サプライサイドからディマンドサイドへ変わる、新しいことをやる、こういうふうに言いながら、たった四行しか出てこない。本当に総理を初め政治家の皆さんが手を入れてつくられた新成長戦略なのか、こういうことに疑問を持つから私は質問させていただいている。

 これは、新成長戦略、どの国民も、やはり今成長しなければ、こういう大きな期待を持っているわけですから、しっかりこの後つくっていただきたい、こんなふうに思うわけであります。

 ディマンドサイドというわけでありますけれども、実態を見ると、これは残念ながら分配の話であります。しかし、実際には分配の前に、技術革新であったりとか生産性の向上、そして投資の拡大などによります経済のパイの拡大がなければならない。経済のパイの拡大、これが雇用や所得の増加につながるという経済の成長、これが本当のディマンドも生んでいくんだ、ぜひこのことを理解していただきたいと思うんですよ。今の経済を前提にした分配ではなくて、イノベーションであったりとか産業構造の高度化によってこそサプライサイドもディマンドサイドも変わる、こういう発想が私は必要なんだと思います。

 さらに申し上げると、需要創出効果ということを言えば、例えば百万円の支出をするとします。話をわかりやすくするために乗数効果は一緒、こういうことにしますと、この百万円の支出は、政府がしても、それから民間がしても経済効果は一緒ということになります。ところが、家計への直接給付を行った場合、もし半分が貯蓄に回ったら、経済効果は半減してしまうわけです。単純な話なんですよ。

 やはり鳩山政権は、予算について、支出の経済効果ということよりも、言ってみると支出の短期的な国民受け、さらに言うと選挙効果、こういうふうに優先順位が間違っているんじゃないかな、こんなふうに私は思うわけであります。この優先順位の間違いというのが次の世代に大きな未来ではなくていかに大きな負担をもたらすか、こういう議論をしっかりこの予算委員会の中でもしていかなきゃいけない。

 これに関連してお聞きしたいんですけれども、国債の発行額、上限を四十四兆円ということでありますけれども、この根拠は、総理、何なんでしょうか。

菅国務大臣 今、茂木さんが言われたことは、この成長戦略というものの理解がかなり間違っていると思いますので、若干説明を申し上げます。

 つまり、なるべく短い時間で言いますが……(茂木委員「もう時間がないんですけれども」と呼ぶ)ですから、なるべく短い時間で言いますが、まずは、八〇年代以降の公共事業が投資効果が薄かったということは多分認められると思います。(茂木委員「乗数効果は減っている」と呼ぶ)ですから、投資効果が低かったから、都市と農村の格差の是正にはつながったけれども、残念ながらそれが大きな成長にはつながらなかったわけです。

 そして、二〇〇〇年代のいわゆる小泉・竹中路線というのは、どちらかといえば、デフレ状態の中で、企業の生産性を高めれば全部うまくいくと言ったんですが、一企業にとってはそれが正しい戦略だけれども、日本全体からすると、ある企業は効率化するけれども、リストラされて失業者がどんどんふえたのでは、マクロ的に見たらプラスにならないという第二の道の失敗を指摘したんです。

 そこで、私たちは、需要というものを中心に、いかにして需要を拡大するか。私は、需要を拡大すれば今の日本の企業は十分に供給する能力があると思っています。

 需要を拡大する道として、大きく言えば二つあります。新しいものをつくる。例えば、携帯電話は二十年前はありませんでした。そういう意味で、新しい供給が新しい需要をつくる分野もあります。しかし同時に、介護とか医療のように、潜在的需要はあるんだけれども、ちゃんとした人がつけていない、負担の問題がある。あるいは観光のように、潜在的には需要があるんだけれども、休みが固定しているからできていない。

 こういうことについて柱に立てて言っているのであって、決して、配分の政策だけがここに書いてあるなんというのは、まさにさっき言われたように、配分の政策が少な過ぎると直前に言ったんじゃないですか。ですから支離滅裂なんです、言っていることが。

 そういう中で、四十四兆円の国債についてのお尋ねがありました。

 これもよく茂木さんはおわかりのように、今年度の当初予算で三十三兆円、一次補正で四十四兆円なんです。しかし、それに加えて九兆円の財政の、つまり税収の見積もりが、この見積もりは麻生内閣の見積もりですよ、見積もりが九兆円下がったんです。それを穴埋めすることによって、実質上、今年度の五十三兆の国債が発行されるわけです。

 ですから、私たちとしては、来年度の予算を考えるときに、マーケットの信認と同時に景気に対してのプラス的な効果も、ぎりぎりその狭い道を考えた中で、マーケットの信認という点では約四十四兆という線がぎりぎりではないかということで、それを守った予算案をつくったということがこの実際の姿であるということを申し上げておきます。

茂木委員 当初予算の国債の発行枠ということでいえば、当然、平成二十一年度の当初予算の発行枠と比べるのが私は自然な姿だと、三十三兆円ということになります。しかし、リーマン・ショック以降の大きな景気の落ち込みの中で、十一兆円分は加えたわけであります。そして、税収の落ち込みということでいいますと九兆円ですから、十一兆円にはなってきません。なかなか四十四兆円の確たる根拠はないのではないかな、私はこんなふうに思うんです。

 ただ、そこのところは時間の関係で押し問答になりますので、総理に一点確認したいと思うんですけれども、来年度の事業実施に伴う国債の発行額の上限。つまり、補正があるかどうかはわかりません、その話はしません、今の段階で考えている国債発行の上限は四十四兆三千億ということでよろしいんですか、総理。

鳩山内閣総理大臣 そのとおりでありまして、私ども、今、菅副総理から、財務大臣からお話がありましたように、四十四兆三千億、決してこれは小さい額ではありません。しかし、御案内のとおりのリーマン以降の経済の状況を見定める、それとともに財政の規律というものも考えていかなきゃならない、その中で結論を出した数字でありまして、それを守るように最大限努力いたします。

茂木委員 総理、もう一度確認をさせていただきます。

 私が申し上げたのは、来年度の事業の実施に伴う国債の発行額、これは四十四兆三千億円でよろしいか、丁寧に、もう一回確認させてもらいます。

菅国務大臣 ちょっと、国債発行が四十四兆円を超えないかという御質問なんですね。そういう……(茂木委員「違う違う。今の質問に答えてください。ちゃんと答えてください、今二回も質問したんだから。だったら答弁なんか立たないでくださいよ」と呼ぶ)だから、四十四兆円の趣旨については、総理も言われたし、私からも言いました。ですから、その四十四兆円という答えではまずいんですか。

茂木委員 私が申し上げたのは、来年度の事業の実施に伴う国債発行額、これは四十四兆三千億を超えるんじゃないですかという話です。

 二次補正の財源として、御案内のとおり九兆三千億円の国債が発行されるわけであります。そして、この質問の冒頭にも指摘をさせていただいたように、ここの中で、基金だけでも一兆七千億円、事業でいいますと大体三兆円分の事業は来年度の事業のための国債の前倒し発行なんですよ。前倒し発行なんです、一兆七千億、それから三兆。そうなると、結局、今の段階でも、来年度の事業をやるための国債、これは四十四兆じゃなくて四十六兆、四十七兆になるじゃないですか。これがまさに朝三暮四じゃないですか。

菅国務大臣 やっと質問の意味がわかりました。

 確かに、ある種の予備費という形、あるいはある種の枠を、さらにプラス一兆円とっていることは事実であります。ですから、そういう意味では、来年度、これはだから補正予算じゃありません、来年度の予算の数字に加えてもう一兆円の、いわゆる後年度負担といいましょうか、そういうものが準備されている。つまり、そこまでは使える仕組みになっているということはそのとおりです。

茂木委員 私の趣旨はわかっていらっしゃらないと思います。少なくとも、国債の発行額については四十四兆三千億は守れない、こういうふうに受け取らざるを得ない。

 本当に、将来に対する責任感、こういったものが残念ながら感じられません。来年度の国、地方を合わせた長期の債務残高、八百六十二兆円になっていく。日本のGDPの一八一%に達する。公債の利払いだけでも年九兆八千億円、一日にして二百六十七億円、これだけの利払いをしていかなきゃならない。

 こういった中で、赤字国債、これは収束のシナリオではなくて発散のシナリオに向かっていくんじゃないかな。長期金利も上昇する、そうなれば、当然利払いの負担もふえます。それから、多くの国民の皆さんにとっては、住宅ローンの支払い、これもふえていくわけであります。

 一日も早く、ぜひ、いつになったらプライマリーバランスを黒字化するのか、そして財政再建のシナリオを出せるのか、こういうことをはっきりさせていただきたい、私はこんなふうに思っているところであります。

 経済界では、今、政権交代が景気後退につながっている、こんな話もあるわけであります。きょうの議論を聞いても、多くの皆さんが、鳩山政権では残念ながら景気回復は期待できないのではないかな、こう思われた方が多いのではないかなと思っております。

 本日の質疑を通じて、冒頭申し上げた鳩山政権の四つの問題点、欠陥、私は、すべてがパーフェクトと言うつもりはありませんが、明らかになってきたと思います。現状認識が甘い、そして危機意識がない。さらには言行不一致、まさに朝三暮四のごまかし、こういうことになっている。そして総理のリーダーシップ、これが、きょうの答弁を見ても、総理と言ってもなかなかお答えいただけない、中小企業のために総理が決断できるんだからと言ってもなかなか決断をしていただけない、こういう形になっております。そして、一時のばらまきばかりで、将来へどう投資していくのか、将来の世代に対してどういう責任を持っていくのか、こういう責任感、こういったものが感じられません。

 今後の予算審議を通じまして、問題点をさらに私は掘り下げさせていただいて、我々としても、抜本的な見直し、こういったことを求めていきたい、こんなふうに思っております。

 以上、質問を終わらせていただきます。

鹿野委員長 この際、小池百合子君から関連質疑の申し出があります。谷垣君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小池百合子君。

小池委員 おはようございます。

 自民党、小池百合子でございます。

 ことしは、ちょうど日米安全保障条約改定から五十年という節目の年でございます。その皮切りにおけるこの予算委員会で、外交、安全保障に関しての質問をさせていただく機会をちょうだいいたしました。まことにありがとうございます。

 五十年前、ちょうど米ソの冷戦構造の真っただ中にあったわけでございまして、また、日本の当時の風景と申しますと、多分、「ALWAYS 三丁目の夕日」、あの時代だったのかもしれません。

 ここで、鳩山政権の皆様方、閣僚の座におられる方々、五十年前というと、前原大臣はまだ生まれていなかったですね。原口大臣も生まれていなかった。(原口国務大臣「辛うじて生まれていました」と呼ぶ)では、ちょうど安保の子みたいなところがあるのかもしれません。それから、藤井大臣はおやめになりましたので、この中で最年長は亀井大臣になるわけですが、五十年前というと、多分、お巡りさんの訓練中だったのかもしれませんね。修行中ということかもしれません。

 その後、六〇年安保、七〇年安保、ヘルメットにゲバ棒姿というのが当時のある意味で世相でございました。この中にも、安保反対ということを叫んでおられた方もおられると思います。

 日経新聞に、今ちょうど五十年という節目ということで、その特集記事がずっと連載をされております。きのうはたまたま江田五月参議院議長の、「私にとっての日米安保」というところで、安保闘争で自民党の党本部に入られて逮捕されたという記事が出ておりました。大変興味深く読ませていただいた。後に処分保留で釈放されておられます。その後、六〇年安保、七〇年安保と節目節目があるわけでございますけれども、きょうの記事には、町村議員の当時の思い出なども書かれているわけでございます。

 学生運動というのは、その時代の流れにおいて非常に活発になったり低調になったりということもございますけれども、大変活動をされておられた方もこの中には何人もおられますが、例えば、仙谷大臣はいらっしゃいますか。(発言する者あり)お手洗い、後で伺いましょう。

 赤松大臣、どんな学生運動の闘士でいらっしゃったですか。

    〔委員長退席、海江田委員長代理着席〕

赤松国務大臣 光栄にも御指名をいただきまして、ありがとうございました。

 私は、早稲田の、大学じゃなくて附属の高校から行っておりまして、そのころ自治会の会長、今でいう生徒会長をやっておりまして、当時、ストライキを全学でやろうかやるまいかと生徒総会をやろうとしたら、定足数に足りませんで、ストライキには入りませんでした。

 高校を卒業しまして、ちょうど高校から大学に変わるときが、大学は政経学部に行きましたが、ちょうどあの有名になりました第一次早稲田の学費闘争がございまして、学費が、たしか覚えでは年間五万円から八万円に上がると。八万円に上がったら早稲田にはもう金持ちしか来られなくなってしまうのではないか、そんな危機感もあって、その第一次の授業料闘争にはかかわった覚えがあります。当時、純粋な気持ちで大学を思い、これからの日本を思い、学生運動に参加をしたということでございます。

 ただ、ちなみに、平和的にやっておりましたので、逮捕とか拘束とかいうことは一切受けておりません。

小池委員 今の御質問を聞いていらっしゃったですか、お手洗いで。今、学生運動のころのお話を伺っているわけでございまして、それぞれ、授業料の値上げという観点、安保反対、そして米帝の打破といったような言葉があの当時は躍っていたわけですが、仙谷大臣はどんな学生運動をされたんですか。

仙谷国務大臣 それほど専門的にやっていたわけではございませんが、入学のときには、多分、日韓基本条約反対のデモに参加した記憶がございます。それから、横須賀に原子力潜水艦が入ってくるので、これの反対のデモに横須賀に行った記憶もございます。それから、東大闘争のときには、先般も新聞で報道されましたけれども、ほとんど司法試験の勉強をしておりましたので、試験に合格した後に、安田講堂あるいはその前のラグビー場の事件というのがあって逮捕者が出ましたので、この救援対策に奔走いたしましたし、ベトナム反戦のデモには相当多く出かけていったような記憶があります。

 そんなところでございます。

小池委員 鳩山総理、当時は六〇年安保、七〇年安保といったところで、学生時代はどういう活動をされておられたんでしょうか。まさか安保反対運動をされていたんでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 六〇年安保のころはまだ若かったものですから、ほとんど何も行動もしておりませんし、七〇年のときも別に、日米安保に対して行動を起こした、何もそのことを反対運動などした覚えはありません。

 むしろ、私の大学時代のことを若干申し上げれば、ちょうどそのころが学生運動が最も激しかったころであります。家に帰るとおやじが機動隊を導入しろと言うものですから、それは無理だ、学生の自治を、大学の自治を守るべきだ、そう言いながら、しかし大学では逆に、全共闘あたりが大いに行動してくることに対しては、むしろそれを守らなきゃならぬじゃないかと、自分たちの研究室には、まだ当時は極めて貴重だったのがコンピューターでありまして、その大きな、しかし今から見ればほとんど何もできないようなコンピューターを後生大事に守ろうというようなことをやっていた覚えがございます。

    〔海江田委員長代理退席、委員長着席〕

小池委員 ありがとうございます。

 いろいろな思い出を聞かせていただいたわけでございますが、そういった若いころの心象風景というのがやはりその後の政治の行動につながってくるものであると思っております。鳩山内閣、特に安全保障、外交面で、はっきり申し上げて大変迷走が続いているとしか思えないわけでございます。そういった今後の流れを見るにつけて、やはり、学生時代、若いころの心象風景のところから読み解いていくというのも必要なことかと思い、伺わせていただいたわけでございます。

 それでは、ちょっと具体的に直近の話で伺わせていただきます。

 こちらをごらんください。ハイチの救援活動について伺わせていただきます。

 日本時間の一月十三日の早朝、現地では十二日の十六時五十三分に発生したわけでございますけれども、それぞれ各国の対応を時系列に並べてみました。近いアメリカがすぐに駆けつけた、また、かつての宗主国であるフランスなど、ここには書いてはいませんけれども、対応が早かったと言われております。一方で、この表をごらんいただきますように、地震国日本の対応は、私は一言で言うと遅いと言わざるを得ないと思うわけでございます。また、昨日の岡田外務大臣も御答弁の中に、そんなニュアンスもしくはそういう声があったということを御紹介されていたわけでございます。

 なぜおくれたのかということでございますが、現地の治安状態がどうなっていたか情報が足りない、空港の受け入れなどの情報が足りないといったことが外務省からの報告にもあったわけでございますが、しかしながら、それはどの国でも同じことでございます。混乱する中でどうやって情報をとるのかという最初の部分では、情報の確保ということでは各国は苦労するわけでございます。

 そして、残念ながら、日本の対応はツーリトル・ツーレートと言わざるを得ないと思うわけでございまして、これは阪神大震災の折に、兵庫で、選挙区としておりました私とすれば、その真っただ中にいた。あのときは、スイスの救助犬よりも遅いじゃないかということが批判をされたわけでございまして、そのことについても皆様方の記憶に新しいところではないだろうかと思うわけでございます。

 また、昨日の岡田外務大臣の答弁にも、最初から緊急支援隊を送るべきではなかったかな、そんな言葉も漏れておりましたが、確かにそうなんですよね。災害救助の要諦というのは、やはり一分一秒、スピードであります。そもそも、日本とハイチの距離、これは遠いものがございます。しかし、それに対応して地震国日本が救援隊を即送るということは、これは一分一秒でも早いことが望まれるわけでございます。

 そこで、必要があろうがなかろうが、そしてまた、救援隊が日本から飛んでいる間にそれらの情報を確保する、そして、もしその必要がなければ、そのまま空振りで帰ってきたっていいわけでございまして、これこそが危機の管理、危機管理の対応の仕方ではないかと思うわけでございます。

 例えば、そうやって救援隊が行きましたけれども、空振りで帰ってきましたというようなことになりますと、これまでの政権では、その後、野党から厳しく追及を受けるわけであります。情報もないのに行って、何しに行ったんだと。これまでの野党ね。そこで追及を受けるわけですね。そんな無駄金を使ってどうしたこうしたというような、そういった追及を受けるおそれもあったということから、結局、外務省にしろ防衛省にしろ、そういった追及を恐れて二の足を踏むのではないだろうかといったような、萎縮するところが私はあったと思うんです。一種のトラウマがあったと思うんです。

 しかしながら、それは、私ども自民党の場合は、国益を優先して、必要なことでそういう対応をしたのであるならば、それはそれだということをしっかりと考えるわけでございますから、本来、国家に対しての国益、そしてまた、総理のおっしゃっている友愛外交の観点で資するものであるならば、時間を優先していただいていい。

 もちろん、いろいろな法律がございます。自衛隊を出す場合には、もうこれまでも多くの新法をつくり、特措法をつくりということでやってまいったわけでございますけれども、しかしながら、今回のように地震であるとか津波であるとか、明らかな自然災害のときには、まさに救援隊を即送り込むということをやっていいと思うんですね。

 そこで、ネックになってくるのが要請主義ということでございます。私は、阪神大震災のときにつくづく思いました。本当に被害を受けているところは、要請を出す人でさえ、その声も出せない状態になるということなんですね。

 であるならば、この要請主義、特に自然災害に対しての対応についての要請主義を見直したらどうだろうか、そしてまた、これらの自然災害の救援活動を容易にするような法的整備を進めたらどうだろうか、私は建設的にこのことを申し上げたいと思うんですが、総理の御感想はいかがでしょうか。

岡田国務大臣 まず、委員が、早く出した結果、空振りになったとしても、それに対する批判はすべきでない、こうおっしゃったことは評価をしたいと思います。

 今回の案件について、きのう私が答弁をいたしましたが、その中でまず申し上げたことは、現在のハイチの状況の特殊性ということがあったということは申し上げなければなりません。つまり、国連のPKO部隊が首都に展開をしているという治安状況ですね。PKO部隊がないと治安が維持できない。地震によってそのPKO部隊もかなり影響を受けましたし、あるいは、刑務所が崩壊をして囚人が逃げたとか、もちろん、災害になれば、いろいろな略奪その他、治安状況が悪くなることも事実。そういう極めて厳しい中に人を送るということについて一定の慎重さというのが求められたことは、委員も御理解いただけると思います。

 ここで、米国とか中国が早く出したということはありますが、これはいずれもPKO部隊を送り込んでいる国でありまして、そして、現地にはPKO部隊もいるわけですから、守ることもできますし、相対的に情報も集積しています。

 日本の場合には、大使館はありますが、大使はドミニカの大使が兼轄をしておりまして、そして、大使館の人員も十分ではありません。大使館の住居も壊れ、みんな車の中で寝泊まりしながら、邦人の安全確保のために走り回った。そういう状況にあったということは、ぜひ国民の皆様にも理解をしていただきたいと思います。そういう中で、大使館員は必死で頑張ったというふうに私は思っております。

 ただ、私自身、ちょっときのう申し上げましたのは、一連の流れを見ていて、もし早くすることができるとすれば、十四日に緊急調査チームを派遣し、現地の状況を把握し、そのことをある程度受けて十六日に国際緊急援助隊医療チーム二十四名が出発したわけですが、委員おっしゃるように、これを同時に出すということは可能だったかもしれない。そして、例えばマイアミで待機をさせて、マイアミからはすぐですから、C130の自衛隊の飛行機もありましたし、アクセスの手段はありましたので、マイアミで待機させて調査結果が出次第、つまり、大丈夫だという見込みがつき次第直ちに出せば、この二日間のタイムラグというのはもう少し短縮できたかもしれない、そういうふうに今私は思っております。

 そういったことについては、今回のこの派遣についてもう少し早くする余地がなかったかどうか、しっかり政府の中で検証したい、そういうふうに思っているところであります。

小池委員 検証も大事でございますが、今起こっていることに対してどうするのかということは、いつもタイムリーに決断をしていただかなければならない。密約の問題もそうでありますが、検証ばかりしていては、本当に今の大きな流れの中についていけなくなってしまうのではないか。その点のスピード感を申し上げているわけでございます。

 それから、昨日、北澤防衛大臣が、たまたまC130がアメリカにあったということでおっしゃいました。それで今のマイアミの話にもつながってくるかと思うわけですが、ほかにKC767という足の長い飛行機もございますけれども、使える状況にまだなっていないということです。

 C130もそうでございますけれども、クウェートのアリ・アルサレム基地へ送るため、小牧を出て沖縄に寄り、そしてまたタイに行き、そして飛ぶ。要は、足が短いわけでございます。別にだれのことを言っているわけではございません。その航続距離が短いということは……(発言する者あり)ようやくわかっていただいたですか。ありがとうございます。

 航続距離が短いというのは、わざわざそうしているわけですね。日本の専守防衛ということと、それから、近隣の諸国をそれによって刺激しないということをこれまでやってきた。

 しかしながら、国際的な支援というのがまさに地球規模で各地で起こっていて、まさに日本のいろいろな救援技術が必要なとき、特に自然災害でありますけれども、かえってそうやって自縄自縛でやってきたことが日本の支援のおくれにつながっているということでありまして、ここはもう一度改めて、そういう支援をするためのツール、法律的なものもございますが、今申し上げました極めて具体的な話で、もう少し足の長いものをもっと自衛隊も活用したらどうだと思うんですが、防衛大臣、最近、武器輸出三原則でも正論を述べておられる。このことについても、せっかくお立ちになったのでお答えいただければと思います。

北澤国務大臣 お答えいたします。

 その前に、我々の野党時代に反対をしたというようなお話がありましたが、私は自民党を出てから十七年野党暮らしをしておりましたけれども、小池議員も御一緒に野党をやったり、細川政権で与党をやったり、また自民党へ行って、さまざまなバリエーションで研さんを積んでおられるのでよくおわかりかというふうに思いますが、足の長い話は、これは防衛上の話とはまた別でして、今回のハイチの空港は、誘導路が非常に狭くて短い。そのために、我々も、政府専用機を使ってまず行こうかというふうに思いましたけれども、向こうの受け入れ体制がない、こういうことでありましたので、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。

小池委員 私は、今回のハイチの話だけをやっているわけではないんですね。今後の支援体制を考えるにおいて、少し足の長い輸送機の確保ということを防衛省としてやられたらどうですかということ。

 それと、同じように、武器輸出三原則がありますけれども、禁輸の三原則でありますけれども、これについて防衛大臣、御発言なさっていますね。認めるべきであるということをおっしゃったんですが、それは撤回されたのでしょうか。

北澤国務大臣 お答えいたします。

 私は、閣僚になって一番最初の衆議院での委員会で、武器三原則は、これを守っていくという発言をいたしております。そういう中で、防衛産業の生産基盤それから技術基盤、こういうものを継続していく。

 特に最近は、自民党政権の中で七年間にわたって防衛予算が削られてきて、しかも定数も削られてきた、そういう中で主要な企業が撤退をせざるを得ない。防衛装備を担当してくれる企業というのは、ほとんどがビッグ企業でありまして、そこの中の防衛に関するシェアというのは平均すると約四%。ですから、彼らからすると、リスクを負ってこれにつき合っていくのは限界がある、こういうお話をたびたび聞いております。

 私は、武器三原則はしっかり守りながら、ただ、武器三原則は、小池議員も御存じだと思いますが、佐藤内閣のときにスタートして、三木内閣で大きく広げまして、その間、官房長官談話とかそういうことで個別の対応をしてきたというようなこと全体を含めて、この際いろいろ検討する余地はあるのではないかと。

 報道は、あのとき私もびっくりしたんですけれども、私があいさつをしておりましたら、左側に報道がみんなおりまして、私があの問題を少し発言し始めた途端にみんないなくなったんですね。なぜかというと、夕刊に間に合うから。したがって、私の後段の話は聞かずに出た。こういう経緯がありますので、御承知おきいただきたい。

小池委員 しかし、これは日本の技術という観点からも、製造業、物づくりという観点からも、見直しについては真剣に検討されるべきだ、その価値はあると私は思っておりますので、防衛大臣、ここは後段の今の部分も含めて真剣に御検討をいただきたい、こう思っております。

 それから、先ほど来、PKOに中国がハイチの方に出していたということが、その後の兵たんにもいろいろスピード感を持たせた。中国ではハイチへのPKOに出しているわけでありますが、その中で八人の犠牲者も出たということで、自国民を救助するという意味もあったのでありましょう。しかし、最近の中国を見ておりますと、非常に支援が早いんですよ。もしくは、国際的な課題についての対応のスピード感たるや、本当に目をみはるような変化がございます。

 例えば、前の国会で大きなテーマがございましたのが、ソマリア沖におけます、またアデン湾における海賊の対処でございましたけれども、中国の場合は、一昨年の十二月二十二日に海軍を派遣するということを決めてから四日後に出ている。中国共産党という支配の中において、そこでの海軍の動きですから、これは全く日本と政治状況が違うということでありますが、事実として、すさまじく早く、そしてまた、実際に出航してからのスピードも、本当にいだてんで駆けつけたということになっているわけでございます。

 我が国は、もちろん、行け行けどんどんでいくわけではございませんから、きっちりと法律的に、法治国家として整えていくということでありまして、最初は海上警備行動を発令してまず現場に行ったということでございますが、その後、海賊対処法を成立させるということで、約十カ月かかるんですね。きっちりと整備するということであります。

 そこで、こういったことにつきましても、より一般的な法律として、いつも特措法であるとか特別な法律をつくらなければならないという状況において、先ほども、要請主義を改めたらどうなのか、それから、災害やこういった国際的な支援に対しての法律をもっと整備すべきではないか、そのことを私は強く感じているんですが、鳩山総理のお考えを聞かせてください。総理のお考えです。

鳩山内閣総理大臣 今まさに、さまざま、災害などの救援にもっと迅速に対処をするということなどを含めて、自衛隊の派遣を、特措法などという時間がかかる話ではなくて、もっと迅速にできるためには一般法をつくっておいた方がよいのではないかというお尋ねがありました。

 ある意味で、私どもも、このような災害対策という意味で行動をする場合に限って言えば、あるいはそういう議論というものもあるかもしれません。しかし、必ずしもそのような判断がなされないこともあるものですから、私どもとしては、まずは特措法という状況の中で対応することにしておるところでございます。

 大事なことは、このような災害が起きたときに、迅速に日本としても政府としても対応できるような環境をもっと整備すればよいのではないかというお話があり、さらにその中で、足の長い飛行機を用意したらどうかという話もありました。

 これもやや、ある意味で専守防衛という枠から見てどうかという判断もあるものですから、現在までのところ、なかなか決断ができないという状況でございます。

 私は、その中で一つ提案を申し上げておるのは、いわゆる救助のための、新しく友愛ボートという考え方、これはパシフィック・パートナーシップという、アメリカでは米軍が既に行っているわけでありますが、災害のときに、自衛隊の船が常に用意をされていて、そこに、国を超えても結構だと思いますし、また自衛隊員だけではなくていろいろな方、例えばNGOなどでもう既にいろいろな医療活動などをなさっておられる方を、むしろ多くの方に乗っていただいて、そして何か災害が起きたというときに、すぐにそういうところに、船でありますから飛んでいけるという話にはなりません、若干時間がかかると思いますが、アジア太平洋を中心に、何らか災害が起きたときにはすぐ対応できるような、そういう友愛ボートの構想を今考えているところでございまして、そういうものを含めてこれから検討してまいりたいと思います。

小池委員 友愛ボートの構想、新聞で知りました。ピースボートかなと思ったわけでございますけれども。

 さて次に、インド洋での給油活動の点についてただしておきたいと思います。

 新テロ特措法に基づきます海上自衛隊のインド洋での給油活動、一月十五日をもって撤収、そして現在は帰国の途にあるわけでございます。まず、過酷な任務を果たしてきた隊員には私からも御苦労さまと言いたい。そしてまた、日本としてできる最も効果ある活動をしてくれたと私は心から敬意を表し、感謝をしたいところでございます。

 ところが、総理はこの活動について、政策的な意義でいえば、近年、必ずしも十分な意味を持っていなかったのではないか、給油活動の実績が示しているというふうに指摘されている。これは報道で伝えられているところでございます。十分な意味がないというのはどういう意味なのか、そしてまた、意味はなかったけれども心から感謝をするというのはどういうことなのでしょうか。

 それから、そもそも民主党は、新テロ対策特措法、これは憲法違反だとおっしゃってきたようなんですけれども、今もその認識は変わらないのでしょうか。

岡田国務大臣 まず、先ほどの御質問について一言、議論を整理しておいた方がいいと思いますが、緊急事態において日本が緊急隊をすぐに出せないということにはなっておりません。対応は十分にできます。

 委員がおっしゃったのは、一般法と言われましたが、どういう趣旨で一般法とおっしゃったのか。緊急支援ではなくて、米軍の後方支援的な意味での一般法というのはよく議論されます。それと緊急支援とは違う話ですから、それは分けてきちんと議論した方がいいというふうに思います。

 その中間にあるのが海賊でありまして、海賊も現在では個別法でやっている。そこを一般法という議論は新たにあるのかもしれませんが、いずれにしても、災害時の話と海賊の話と米軍の後方支援、これは違う話ですから、一緒に議論しちゃうと非常に混乱するということを申し上げておきたいと思います。

 その上で、今のお話でありますが、まず私も、委員御指摘のように、自衛隊の皆さんがこの間、非常に長い期間にわたりましたけれども、非常に過酷な環境の中で本当に一生懸命頑張っていただいた、そのことに対しては心から敬意を表するものでございます。

 その上で、今まで、この補給活動でありますけれども、アフガニスタン国内のテロリストの移動、あるいは物資及び資金の調達を含む行動の自由を制限することに一定の成果があったことは事実だというふうに思っております。

 ただ、近年、給油の実績もかなり減ってまいりました。しかも、その給油先がパキスタンの船舶にかなりシフトしてまいりまして、数も減ってきた、量も減ってきたということで、補給支援活動の意味合いが小さくなってきた、そういうふうに考えているところでございます。そういった判断のもとで、補給支援活動を終了することといたしました。

 それから、憲法違反なのかどうかということについては、私、以前から国会答弁しておりますが、憲法違反であるということを党として申し上げたことはございません。

小池委員 たしかそれは小沢さんがおっしゃっておられたと思いますが、その点については否定をされるわけでございますね。確認をさせていただきました。

 今、給油量も減っている、パキスタンの艦船への給油に今シフトしてきている、そしてその意味合いが減ってきているというお話でございましたけれども、例えば私は、そこで、判断材料として、給油量だけで見ることはいかがなものかと思うわけでございます。給油量という、見えるもの、数字だけで判断をしているということは、外交や安全保障にとって、それだけが目安ではないということを指摘したい。

 つまり、給油活動を通じて各国との共同作戦に参加をするということで、そこで実は目に見えない機微な情報の共有ということがあるわけでございます。そして信頼を醸成するということになるわけでございまして、これは金額であるとか、何リットルといったような給油量には換算できないものであります。

 これは日米関係でも同じでございまして、相手、日本が信頼に足る政府なのかどうかということによって、この情報というものの共有がいろいろなランクがあるわけでございまして、そのあたりで最近は問題があるのではないかと私は大変不安に思っているところでございます。

 例えば、これからのMD、ミサイルディフェンスであるとか、その中のPAC3であるとか、いろいろな装備を、これからまた本予算の方で議論させていただきますけれども、防衛の装備をする、ハードは整える。しかし、一番重要なのはむしろ情報の共有という観点でありまして、ここのところを軽視すると、結局、買い物はしました、しかし動かせません、そして国は守れませんということになると、これは最も安全保障上危ない話になってくる、結果として危ないということを私は申し上げているわけでございます。

 総理、この観点でいかがでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 私がまず申し上げたいのは、政策判断とそれからその結論によって行動される自衛隊の方々、それは分けて考えなきゃいけないということで、もう岡田外務大臣から申されましたけれども、政策判断に関して、必ずしも補給活動が、最近は減ってきたから現実にこの政策はやめて結構ではないかということを我々としては結論を出した。しかし、当然のことながら、その政策判断のもとで行動されてこられた自衛隊の方々には深く感謝を申し上げる、そのことは決して矛盾することではないということを改めて申し上げておきます。

 それから、まさに補給支援活動がなくなったから、だから情報が閉ざされるとか信頼関係が失われるということには私は決してならないし、なってはいけない、してはいけない話だと思います。日米の間では、情報の交流というものを極めて頻繁に行わせていただいて、そのもとに信頼関係というものは十分構築をされている、新政権のもとでもそのように思っておりますので、小池委員おっしゃるとおり、確かに、情報というものをしっかりと入手して共有するということの重要性というものは、当然のことながら、新政権においても理解をいたして行動しているところでございます。

小池委員 私は、ここの情報の共有というのは、私どもの政府のときと今の政府と同じ人がやっているわけではございませんので、その辺の比較ができないわけでございます。

 しかしながら、昨今のいろいろな、それこそ情報を考えますと、情報の共有、信頼という言葉にかえてもいいかもしれません、ここの部分で揺らぎがある、私はこのことを大変心配しているわけでございまして、今大変自信たっぷりにおっしゃいましたけれども、そうではない、私どもは大変な危機を抱いているということを強調して申し上げておかなければなりません。

 さて、インド洋での給油活動のかわりにと言っていいんでしょうか、アフガニスタンの民生分野で五年間で五十億ドルの支援を表明されておられますね。日本円にすると、今のレートでいうと約四千五百億円ということで、毎年に換算しますと九百億円という数字になる。

 これまで、日本政府としても、アフガニスタン国内における支援はさまざまやってまいりました。例えば日本のDDR、武装解除、動員解除、社会復帰支援、これなども効果をあらわしてきた部分が多々ございます。それからリングロード、環状線の建設ということでございますけれども、非常に危険な地域にかかっているということもあり、特にカンダハル、ヘラート地域というところでありますけれども、ここは本当に厳しい危険な状況で、環状線ですから、これは丸くちゃんとつながってより効果を出すんですけれども、そこの途中がまだ十分できていないということでございます。これらを重ねますと約二十億ドルという実績があるわけですね。

 さて、今度は一気に五十億ドルということですけれども、その中身は一体何なんですか、岡田外務大臣。

岡田国務大臣 今、委員御指摘の五十億ドル、これは五年間で最大五十億ドルということでありますが、昨年の十一月に新たに決定したものでございます。

 大きな柱は三つであります。

 第一に、治安能力の向上であります。これには、現在も既に行っておりますけれども、アフガニスタン警察官の給与の一部補てんというものを引き続き行っていくということが含まれます。

 第二は、これは新しい話ですが、元タリバンの末端兵士の再統合であります。我々は、もちろん一定の武力をもってタリバンの勢力を抑えていくということの必要性を否定するものではありませんが、しかし、それだけでは十分でないということは、これはアメリカも含めて国際社会の今や共通の認識になりつつあるというふうに考えております。

 つまり、タリバンの、そのコアの部分は別にして、多くのタリバン兵士、末端のタリバン兵士は、みずからの例えば貧しさゆえに、家族を養うためにタリバンに入って、そしてそこで給与を支払われる、あるいは、さまざまな、家族が空爆等で傷ついたあるいは殺されたということをきっかけにタリバンに合流している、そういう例が多々ございます。そういった末端兵士にきちんと職業の機会を与えて、そしてもう一回引き戻すということが非常に重要である、そういう認識に立って、そのための政策を推進していくということでございます。

 既に、これは非常に残念なことではありますが、二十八日にロンドンで、こういった問題について議論をするための国際会議がございます、イギリスの首相それから各国外相が出席ということで、私もでき得れば出させていただきたいと思いますが、現実にはなかなか難しい。この場で、議論の中心は治安の改善とタリバン統合支援ということであって、このタリバン統合については、実は、国際社会の中ではイギリスと日本が中心になってさまざまな議論を今展開しているということでございます。ここで決まれば、直ちにこういったお金を使っていきたいというふうに考えております。

 三番目は、持続的、自立的発展のための支援であります。これは先ほど委員も言われた、例えば危険な地域で道路を完成させるために今まで頑張ってまいりましたが、そのほかにも、農業支援でありますとか、あるいは学校の先生をつくる。特に女性の先生が非常に少ない。これは、タリバン政権のもとでは女性は教育の機会すら与えられていなかった、したがって女性の教師がほとんどおりませんので、教師がいなければ、女子と男子は別ですから、女子に教える人がいない、こういうことになるわけで、そういったことを今までもやってまいりました。それをさらに加速させてやるという、これが三本目の柱。

 以上、この三本柱で現在行っているところでございます。

小池委員 要は、我々これまでもいろいろとやってきたことであります。そこに金額がふえてきているという。幾つかの新しい観点もございましょう。しかし、これまでアフガニスタンでこれらの事業をするにおいて、やはり、ここはもう鶏と卵になるわけでございますが、現実はそう簡単ではないんですよ。それがうまくいっているならば、もうこれまでも我々やってきているわけでございまして、そのところで急にまたお金を積み増しした。これまでの政府が二十億ドルだったらその倍ぐらいはどうだ、いやいや五十億ドル、先に数字がありきだったのではありませんか。また、そういった形であるならば、これは私どもだったら事業仕分け、その対象に真っ先にさせていただくべき項目である、このことを申し上げさせていただきます。

 もう一度、インド洋での給油活動の話に戻ります。

 日本が抜けた、必要性がだんだん減ってきているのではないかという鳩山総理のお話もございましたけれども、しかし、非常に海軍の能力を上げてきている中国が、日本が抜けた後、そこを埋めるのではないかという報道がございます。そしてその後、中国軍の方で、いや、それはないよということで否定はいたしております。しかしながら、中国の海軍はその力を大変大きく増して、これからは空母の建造に入っているというような状況。

 それから、給油活動でも、これまでは艦船がこのように縦列で給油活動をしていたのが、それが機能が高くなって、そして今、こういう状況で並んで給油活動ができるというところまで中国の力も大分上がってきたということでございまして、その意思を持てばインド洋の給油活動にも中国軍は参加できる状況にあるという、その認識を持っておかなければならないと思います。

 一方で、先ほど申し上げましたように、海賊の対処ということで、中国海軍はいだてんで現地に今展開をしている。一方で、これからのインド洋、大変興味も示しているところだと私は思います。さらに、あのドバイ・ショックのドバイでございますが、ドバイとそれから中国とが軍事のMOUを結んだ、交わしたという話がございます。

 私は、非常に、今回のハイチもそうでございますけれども、中国は、国際支援であるとか国際テロ対策、そういったことを活用してと言っていいんでしょうか、これからどんどんと展開をしていく。特に日本にとって、日本のシーレーンの防衛ということを中国頼みにするというようなことがあってはならないと思うんですが、総理のお考えはいかがでしょうか。総理に伺います。

鳩山内閣総理大臣 私は、今まず、中国が必ずしも日本の後続としてインド洋の補給活動に加わるという話は承知はしておりません。

 ただ、いずれにしても、中国の海軍の軍事力が近年かなりのスピードで増強しているということは注視をしておかなければいけないことだと思っております。基本的に、軍事力が毎年二けた以上の伸びを持っているということ自体が、やはり、それがすべて透明であればある意味で我々に安心感を与えるのでありましょうけれども、必ずしもそうではない、そのように思っておりまして、したがって、中国政府に対しては、戦略的な互恵関係というものは保っていきたいと思っておりますが、一方で、中国に対する、さまざま軍事的な行動に対しては、より透明性を高めるようにこちら側からは、日本としては求めていきたい。その中での中国との間の信頼関係というものも構築をしていきたいと思っています。

小池委員 私は、中国の軍拡というのは、もう二十年間、二けた成長といいましょうか二けた拡大を続けているというのは、我が国にとりましてもやはり注視をしていかなければならない。おっしゃるとおり、脅威という段階にならないように、私どもはしっかりと見ていかなければなりませんし、まさに説明責任ということを中国には求めていく必要があろうかと思います。

 そして、その中国でございますが、きのうも、私どもの谷垣総裁の方から、例の天皇陛下の特例会見の話が出ました。

 政府の方として、法律上の、憲法上の整理もされるということでございますが、それはそちらにお任せをしておきまして、話題は、十二月十五日に実際に行われました天皇陛下と中国の副主席のいわゆる特例会見でございますが、ちょうど、折しも小沢幹事長が率いる大訪問団の時期と前後したということもあって、これは朝貢外交だというような話がうわさされました。そしてまた、それに絡んで天皇陛下を政治利用したのではないか、ちょうど時系列的にもそう多くの国民は受け取ったわけでございます。このことは日中関係にとって私は不幸だと思いますし、そもそも天皇陛下に対しましては失礼な話である、こう思うわけであります。

 問題は、報道では、平野官房長官が宮内庁に申し入れをされたとするのが十二月七日、そして、その後、十二月十日にだめ押しをされたんですか。どんな会話をされたんですか。(発言する者あり)

平野国務大臣 正確に述べようと思いますと、事前にこの点についてとお教えいただければ、もっと時系列で正確に述べられると思いますが、突然の御質問でございますが、だめ押しというよりも、天皇陛下の健康が許される中でお会いできることはできないのでしょうかということをお願いした、こういうことでございます。

小池委員 報道によりますと、平野官房長官が宮内庁長官に電話して、君の言うのもわかるけれども、日中関係は重要だから、これは政府、官邸としてのお願いだというふうに報道をされておりますので、私どもは、こういうことを言うんだなと思って、ショックを受けたわけでございます。

 総理自身は宮内庁の方に電話をするなどされませんでしたか。

鳩山内閣総理大臣 私はいたしておりません。

小池委員 これはもう一つポイントがございまして、中国の外交部長が訪日時に内報があり、外務省から内々宮内庁に打診、これが十一月十九日。ずっと時系列にまとめて見ているわけでございますが、そもそも、前にも副主席として天皇陛下との会見があったわけでございますが、私は、中国の外交部がこの一カ月ルールというのを知らないはずがないと思うんですね。

 であるならば、もともと一カ月ルールを知りながら直前になって言ってきたのではないか。一カ月ルールに挑戦したのは実は中国ではないだろうかということを考えるんですが、鳩山総理、いかがでしょうか。

岡田国務大臣 まず、一カ月ルールというのは、中国側は承知していたと私は思います。

 それ以上のことは、今委員がおっしゃったことは憶測ですから、特にコメントはいたしません。

小池委員 これは、どの時点でどうするというのは、中国というのは大変戦略的な国でありますから、こうやってだんだんと前例を破っていく、突破していくということが、ずるずると日本の政治の判断をゆがめてしまうことにならないか。それだけに、今回、政治利用などと言われているわけでございますから、きっちりと守るべきところは守るという原則を変えてはいけないんだ、私はこう思うわけでございます。

 一方で、同じく中国絡みでございますが、中国はことしの三月一日から海島保護法という法律を施行することになっています。これは、離島の環境保護を行うということでございまして、環境保護をうたいながら、無人島の所有権は国家に属するんだ、建築物の建設制限や、領海の基点となる標識の破壊などは処罰するということなんですが、これについて御存じなのかどうか。

 それからもう一点、日本では逆に沖ノ鳥島を保護する法案が今国会にも提出されると聞いていますけれども、中国の新法というのは、先ほど申し上げた海島保護法というのをずっと延長して考えますと、これまで領土問題にもなっていない尖閣諸島への影響というのが私は懸念されるのではないかと思うわけなんです。

 岡田外務大臣、三点目の話ですが、一方で東シナ海のガス田問題がございます。そこでしかるべき対抗手段について触れておられるようでございますが、どのような対抗手段を考えておられるのか。

 沖ノ鳥島の問題、ガス田の問題、そして先ほど申し上げました海島保護法という中国の新しい動きについて、岡田外務大臣の答弁を求めます。

岡田国務大臣 まず、中国の新しい立法の動きは承知をしております。

 そして、沖ノ鳥島の問題でありますが、十九日の中国外交部の定例記者会見で、記者の質問に対して沖ノ鳥島に対する応答があったということを承知しております。

 我が国は、一九三一年七月の内務省告示以来現在に至るまで、沖ノ鳥島を島として有効に支配してきており、周辺海域に排他的経済水域等を設定してきており、このような権限及び同島の島としての地位は既に確立したものと考えております。したがって、我が国としては、歴史的に島としての地位を確立してきた沖ノ鳥島は、国連海洋法条約に従って排他的経済水域及び大陸棚を有すると考えております。

 国会答弁として正式に今申し上げさせていただきました。

 そして、ガス田の話は、先般、中国のヨウケツチ外務大臣が日本にお見えになったときに議論が出ました。私が申し上げたことは、これは首脳レベルで一定の合意ができているものであります。その中の特に白樺に関して、これは白樺については出資ということが決められた、合意されたわけであります。共同開発ではなくて出資ですね、日本側の。そのことについての手続が、これは共同開発も含めてなんですが、首脳間の合意を実施するための手続が進んでいない、早くその手続を進めるべきであるということを主張いたしました。

 その点について、レベルも上げてきちんとやるべきだ、協議すべきだと申し上げましたが、なかなかそこのところの折り合いがつかなかった。そういう中で、仮にそういった手続を押し問答している間に開発ということになれば、それはこちらとしては重大な決意をせざるを得ない、さまざまな対抗手段も講じなければならなくなるということを申し上げたところであります。

 中身については、これは交渉でありますので、今ここで手のうちを明らかにするつもりはございません。

小池委員 先ほどから、一カ月ルールの話、沖ノ鳥島の話、ガス田の話、ずっと続けさせていただきました。

 私は、やはり領土、主権というものは、一ミリ譲ると言った後はずるずるずるずると不利な立場に置かれてしまうことのないように、鳩山政権にそのところをしっかりと覚悟して対応していただきたいということを申し上げているわけでございます。

 さて、その島の問題でございますけれども、こちらをごらんください。これは、国境、台湾がもう見えるところにあります沖縄県の与那国町の町会議員、村会議員、対馬市の議員選挙の状況でございます。

 それぞれ人口が少ないといったところで、議員の定数も六人、十人、二十二人とすごく少ないわけでございますけれども、これを考えますと、例えば与那国の町議選を見ますと、当選者の最低得票数というのは百三十九票なんですね。もともと、台湾と特区構想というのをずっと持っておりました。そして、この与那国でありますけれども、意図を持った集団が大量にそこに移住すれば、議席の確保というのは容易になるんですね。

 そもそも、与那国は自衛隊の招聘にも熱心だったんです、これまでも。浜田防衛大臣のときにこれをさらに実現しようという流れになっておりましたけれども、北澤大臣は、近隣諸国を刺激するということでその必要性を否定されておられますが、その否定をした段階でそのまま変わっておられないんでしょうか。北澤大臣に伺います。ちなみに、与那国の上空の三分の二は台湾の防空識別圏の中に入っているということも含めてお答えできれば、ありがたく思います。

北澤国務大臣 私が、与那国への自衛隊の配備について、記者会見のときに質問を受けてお答えをいたしました。(小池委員「何日」と呼ぶ)それは九月二十五日だったかな、大臣になって間もなくのことでありまして、慎重に検討をするということで、鳩山政権が発足していきなりそういう軍事配備をするということが近隣諸国にどういう影響を与えるかという、慎重な対応をしたわけでありますが、私は、そのこと自体を否定したわけではなくて、その後、防衛省の所要のところに、本当に必要があるのかどうかを真剣に検討してくれということで下命をしておきました。間もなくまとまったペーパーが私の手元へ届くというような報告を受けておりますので、しっかり慎重に努めたい、こういうふうに思っております。

 それから、先ほど総理が情報共有のことで答弁をされましたけれども、共通の認識をお持ちでありまして大変ありがたいことなんですが、コアリション司令部に二名行って情報収集をしておりましたけれども、今回の撤退の中で一名は残して引き続き情報を収集する、こういうことで対応させていただいております。

小池委員 与那国の自衛隊については、これは私は真剣に考えていただきたいと思います。

 それから、今、コアリションの方に一名連絡要員を残したということでありますけれども、やはり共同で活動するというところからくる信頼感、それをベースにした情報ということを申し上げているのでありまして、ただ一人係官を置いていますよというのでは不十分である、私はこのことを申し上げさせていただき、そして、インド洋での給油活動という、ある意味で納税者にとっても最もプラスのこの活動をやめられて、そして、見せ金のような五十億ドルというもので、実行がなかなか難しいところでやっていますよというのは誠実な外交ではない、私はこのように申し上げておきます。

 さて、今の与那国の町議選でもおわかりいただけるんですが、そこで、外国人参政権問題について伺います。

 ごらんいただきますのが、この一月十六日に実施されました大学センター試験の現代社会の問題でございます。最高裁が外国人参政権をあたかも憲法上問題ではないと容認する立場であるかのように判断させる記述となっております。

 上の四問の中から間違っているものは何かという質問でございまして、最初の、参政権が満二十歳以上の国民、それから、被選挙権は衆院が二十五、参議院は満三十以上の国民、これはどちらもマル、マルでございます。一つ飛びまして、衆議院選挙においては、小選挙区で立候補した者が比例代表区で重複して立候補することは禁止されていると書いてありますが、禁止されておりません。したがって、これがバツということになって、三番目の「最高裁判所は、外国人のうちの永住者等に対して、地方選挙の選挙権を法律で付与することは、憲法上禁止されていないとしている。」ということで、消去法からいくとこれが正解ということになるわけでございます。

 しかしながら、平成七年の二月に大阪での永住資格を持つ在日韓国人らが選挙権を求めて起こした訴訟の……(発言する者あり)だから、バツなんです。(発言する者あり)だから、三番は適当だと言っているわけですよね。(発言する者あり)そういうことです。

 これは、平成七年の二月に大阪で永住資格を持つ在日韓国人らが選挙権を求めて起こした訴訟の最高裁判決を踏まえたものと見られるわけでございまして、判決では、参政権は国民主権に由来をし、憲法上、日本国籍を有する国民に限られるとする従来の判決、判例を維持したもので、上告は棄却をされております。そして、原告側の敗訴が確定をしたということでありまして、ここの設問のところは、いわゆる判例として拘束力のない傍論が書かれているわけでございまして、つぶやきの部分ということになるわけでございます。それで、憲法十五条が定める選挙権について、我が国に在留する外国人には及ばないという判断がございます。

 ということで、今この問題というのは極めて微妙な問題なわけでございますので、このように決めつけをし、受験生そのものを洗脳するかのような設問自体が不適切ではないか。そもそも四問目が間違いとするのは問題であって、三問目にこの設問をしているということ自体が、この問題をそもそもセンター入試に入れたということからして不適切だと私は思うんですが、文科大臣、いかがでしょうか。

川端国務大臣 お答えいたします。

 論点は二つあると思います。

 傍論がどういう位置づけであるのかということが一つだというふうに思いますが、大学入試センターの試験問題は、大学入試センターにおいて、その責任において、基本的な考え方といたしましては、高等学校の学習内容を踏まえ、専門委員会から成る問題作成を経まして、専門的見地から作成をしているものであります。よって、その内容が文部科学省の学習指導要領に準拠し教科書を基礎としているものである限り、文部科学省としては、その専門的判断を尊重すべきものと考えておりまして、特段問題があるとは認識をしておりません。

 なお、傍論の部分であるからという御指摘でございます。

 平成七年二月二十八日の最高裁第三小法廷判決で、今先生が引用されたような判決文の傍論部分は、当該事件との関係において直接結論を導く部分ではありませんが、一切の法律が憲法に適合するかしないかを決定する終審裁判所である最高裁判所が示した考え方であると認識をしております。

 以上です。

小池委員 先ほどからボウロン、ボウロンというのは、そのまま言葉で聞くと、むちゃくちゃな論というふうにとられがちでございますけれども、主文の次に続く、傍らという字を書いて傍論という字でございます。

 しかし、ここで設問のところにこれをいきなり持ってくるということ自体に私は作為的なものを感じるわけでございまして、お隣の松原仁先生も先ほどから深くうなずいておられるところでございます。

 そして、この外国人参政権について、民主党のマニフェストには参政権の付与は記されていないわけでございますね。党内でのいろいろな議論があるからまだ書けないんだというようなことをおっしゃっていた。

 ところが、赤松農水大臣、もう一度お答えいただきましょう。十二日の民団の新年のパーティーで、永住外国人への地方参政権の法案の成立は民団への公約だとおっしゃったそうでございますね。日本の有権者には約束をしていないのに、民団の方には約束をする。一体、民主党はどこの国の政党なのでありましょうか。ほかに裏マニフェスト、ほかにもあるのでしょうか。これは私は、日本国民、有権者に対する欺きではないか、このように思うんですが、農水大臣、お答えください。

赤松国務大臣 お答え申し上げたいと思います。

 当日は、党の代表としては、山岡国対委員長が党代表の立場でごあいさつをされました。

 私は、多分長年の友人の一人ということで、当日、国会議員は民主党の議員だけでも百名以上だったかな、正確な数はちょっとあれですが、かなりの方たちがお見えになっておられまして、私が大臣ということもあったんでしょう、別に進んでやったわけじゃなくて、十何人ぐらいごあいさつされた最後に御指名をいただきましたので、私自身はこの問題に熱心に長い間取り組んできた一人だと思っておりますので、私の意見を申し上げたということでございます。

小池委員 では、公約というのは何なんですか。永住外国人への地方参政権の法案の成立は民団への公約だとおっしゃったと報道されております。

赤松国務大臣 ちょっと控えを持っておりませんし、突然の御質問だったので正確な文面はあれですが、私は、意識としては、私自身の政治家としての信念であり約束であると。個人としてですね。そういう思いだったことは事実だと思います。

小池委員 マニフェストも随分変わってきているわけでございますけれども、ここへ突然こうやって、公約だ、それも対外的な公約であるということが出てきているのは、口約束だったら何でもいいというんですか、そうしたら。おかしいじゃないですか。

 きのうも、全国知事会で皆様方のお仲間でもありました松沢知事が、この問題については非常に慎重に対応してもらわなければ困るといった、そのようなくぎを刺しておられますし、また、都道府県の議長会でも同じように、反対といいましょうか、慎重な対応をすべきであるという決議が行われたところでございます。

 この問題は多くの課題、つまり、日本国はだれのものであって、だれによって決めるのかという一番基本のところですよ。ここのところが今十分な議論もされずに、ましてや、これから閣法で出そうというじゃありませんか。

 ここのお隣、松原先生も、閣法で出たときどうしますか。閣議でこれはサインが必要になるんですが、亀井大臣どうされますか。お答えください。

亀井国務大臣 提出をされておりませんので仮定の問題について答えるわけにはまいりませんが、私の所属しております国民新党は付与することについては反対でありますし、私としても反対であります。

小池委員 その御判断、しっかり守っていただきたい、このように思います。公約を守られる国民新党でいらっしゃいますから。

 さて、大きな課題でございまして、これから日本の国がどこに向かうのかという中で、乗組員がだれなのか、そういう大きな課題でございます。

 次に参りたいと思いますが、日米安保条約の深化の問題でございますが、その中で、深化、深めていくと言いつつ、一番入り口なのか出口なのかわかりませんが、普天間の移設の問題でさえ、この内閣はどこへ向かっているのか。人によって言うことがばらばら、そしてまた、いつまでに何をするかもばらばら。一体こういう中において日米同盟の深化というのがあり得るのかどうかというのは、これは私はその時点でもはや無理だと思うわけでございます。

 沖縄の基地問題に関しましての政府の動向をまとめながら、私はくらくらしてしまいました。目まいを感じてしまいました。いつまでに何をというのが、これはその日によって違うんです。トラスト・ミーと言ったかと思うと、オバマ大統領の気持ちとすれば日米合意が前提と思いたいだろうが、もし日米合意が前提というならば作業部会をつくる必要がないとかですね。これは首脳会談のすぐ直後、次の日の話でございまして、先ほどは経済の問題で変わるという話がありましたけれども、これは相手のある話でございまして、日米同盟というまさに基軸の部分の話で、私はこれは、トラスト・ミーと言われて、アブソルートリー・ウイ・ドント・トラスト・ユーですよ、これであるならば。

 さて、私はここでもう一つ辺野古の問題について伺いたいんですが、普天間の移設の問題、期限の問題ですね。

 きのうの国会の答弁で総理は、五月の末までにアメリカとの合意も得て決めるんだとおっしゃった、このように記憶をいたしております。ところが、昨日のその後でしょうか、官房長官の記者会見では、五月までにはアメリカ国内もしくは三党の中で決めるんだといったようなニュアンスをおっしゃっておられるんじゃないでしょうか。これはまさに内閣不一致以外の何物でもございません。

 今の小沢問題がなければ、トップニュースは常にこれですよ、内閣の不一致ですよ。言動が違い過ぎる。私は、それでもって日米同盟の深化などというのは遠い話だと思うわけでございますが、一体五月末までに何を決めるんですか。それは、相手はだれとの間なんですか。その辺を明確にしていただきたい。

鳩山内閣総理大臣 今、改めて私の発言を読み返しておりました。私は、ある意味で、この普天間の移設問題、自分なりにこの思いでずっと来たな、そう思っております。すなわち、昨年の末までにもし結論を出していたらどうなっていたかということを考えたときに、私は、やはり五月末までという形にして今はよかったな、そう思っております。

 そこで、五月末までに何をやるかということでありますが、これも一つにまとまっております。すなわち、政府として、今、平野官房長官を中心として沖縄基地問題検討委員会というものをつくって、鋭意普天間の移設先を検討してもらっております。連立与党三党でございます。そこで当然政府としての結論を出す。政府としての結論を出して、アメリカにこれが冗談じゃないと言われたら、政府の案として出せる話でもありません。すなわち、それまでの間にアメリカとの間のすり合わせを行って、そして最終的な政府の案として結論を出すということでございます。

小池委員 つまり、日米で納得をできる、つまりアメリカ側も十分米軍再編、米軍再編というのは、単にA地点からB地点に移せばいいという話ではなくて、それが抑止力として実際に機能するかどうかの話でありますから、基本的に相手のある話。ですから、ここの部分のところを外して、ただどこかで受け入れてくれるからそれでオーケーかといったら、それはまた抑止力の観点から、また米軍の展開の部分から防衛上の問題として考えていかなければならない。

 ですから、これまで十三年間かかった、確かに長いですよ。しかしながら、一方で、ではことしの五月までにアメリカとも合意をするような案ができる、よほどの魔法を使わなければ私は難しいと思うわけでございますが、本当に五月末までにできなければどうされるんですか。

鳩山内閣総理大臣 言うまでもありませんが、五月末までに必ず結論をしっかりと出します。それがすべてでございます。

小池委員 できない場合は、本当に日米同盟は厳しい局面、ましてや、ことしが安保改定の五十周年という節目の年でございます。このことを考えると、深化ではなくて、間に刻むという字を入れて深刻化につながってしまう、このように思うわけでございます。

 それから、そもそもこの結論は、八ツ場ダムの工事の停止ということは、私は、むしろ流域の住民の皆さんの意見をきっちりと聞く必要があると思うんですね。マニフェストに書きましたからということで、住民の意見を聞かずして中止ということは、私は、これこそ暴論だと思うわけでございます。

 安全保障というのは、これはまさに中央政府の決断でございまして、もちろん、それは住民の意思など関係ない、そんなこと言っていないですよ。しかしながら、最終結論というのは、御存じのように政府が決めるわけでございます。ですから、そこは政府の最大の役目であるということで、五月末までに日米が合意する移設先を見つける、それを決定する、このスケジュールと中身ということで理解をさせていただきました。

 確かに、五月まで延ばすということについては、政権交代があったのだからと、いろいろとお話がこれまでもございました。しかしながら、米軍の再編問題は、これまで野党だったから情報が余りなかったから、そのためにも判断する時間が必要だというお話がございましたが、一方で、温室効果ガスのマイナス二五%というのは、これは国家として決めるだけの話ではございますけれども、しかしながら、これはえいやで決めておられるわけでございます。情報も幾つか、これまでの各国の交渉の話など、これなどもほぼ外にも出ておりますし、また、かといって、この米軍再編の話も、沖縄の新聞をごらんになっていたら、ありとあらゆることが書いてありますよ。つまり、この米軍再編のことは後に置いておいて、そして興味のあられるところに熱心に取り組んでこられたのではないか、このような疑念を持たざるを得ないということでございます。

 さて、次の件に参らせていただきます。

 北朝鮮の問題について一つだけ。これは、私は、国家の安全保障上、余り語られてこなかった、しかしながら、日本の安全を守るためにはどうしても必要なことなので、この次のテーマをしっかり政府として取り組んでいただきたく、質問として取り上げさせていただいております。

 これは、北朝鮮の核開発のことがいつも注目されるわけでございますけれども、EMP爆弾というものがございます。これは電磁パルスというものでございまして、テポドン、ノドンなどの弾頭のところにつけるだけなんですね。非常に簡単につくれてしまい、そして、この電磁パルスが例えば日本を襲ったときにはどうなるかというと、金融機関であるとか交通、ありとあらゆる社会的なシステムが停止をしてしまうんです。一方で、これは人間を殺傷するわけではない。であるならば、自衛権としてどこまで何をするのかという法的な整備も必要になってまいります。

 既にアメリカや韓国ではそれぞれ、国防委員会、軍事委員会などにおきまして取り上げられているテーマでございますけれども、これは日本におきましてはこれまで余り注視されていなかった。そして、韓国につきましては、国防中期計画で、北朝鮮が核攻撃を行った際に発生する電磁パルス、EMP対策としての保護システムに一千億ウォン、大体八十億円に相当いたしますけれども、計上をいたしております。これなどはまさに防衛の要点でございまして、しっかり対応してもらわなければならないわけでございます。

 もしこのEMPが日本に撃ち込まれた場合といいましょうか、日本じゃないですね、宇宙空間ですね、そこで電磁波によりましてシステムを壊してしまうわけでございますけれども、これについての研究、そしてまた、どれぐらいの被害を想定し、どのような法律が必要で、いつまでに政府としてどこが中心になって何をやるのか、これについての今の対応を伺わせていただきたい。

 ちなみに、これは北朝鮮が持つ兵器とすれば、彼らはほとんど金融システムなどオンラインをやっていませんので、彼らはほぼ傷つくことはないんですね。日本のような、金融システムをかなりオンラインで結んでいるところは大変バルネラブルになるわけでございまして、日本としても十分に備えをしておかなければならない。

 これについて、防衛大臣いかがですか。

北澤国務大臣 お答えいたします。

 極めて深刻な脅威であるという認識はいたしております。ただ、全容がなかなかはっきりしないという一面もあります。

 したがって、防衛省としましては、二十二年度予算において、統合幕僚監部にサイバー企画調整官、仮称でありますけれども、これを新設し、さらに、サイバー防護分析装置の換装に必要なシステム設計を計上いたしております。さらにまた、米国とも緊密な連携をとりながら研究を進めていきたい。

 ただ、この場合、大気圏外の話でありますので、今度は、日本と北朝鮮あるいは中国というような近接のところでどういう攻撃装置になるのかということもしっかり研究しなきゃいかぬ、こういうように思っています。

小池委員 この問題は、今後、日本としてしっかりと取り組んでいただかなければならないテーマでございまして、このように目に見えないものがいかに重要か。

 先ほどからずっと私申し上げてきているのは、いかにしてこの情報の部分をしっかりと確保するか。これは、同盟国との情報の共有であり、また外交による情報の強化ということもございます。そしてまた、今度は、情報の部分で、破壊をされる部分についてもしっかり目配りをしていただかなければ、この日本の国を預けるのは心もとないということを申し上げているわけでございまして、しっかりと取り組みをされることを期待いたしておきます。

 ちなみに、北朝鮮の問題でございますけれども、訪朝のことについてしばしば総理は触れておられますが、どういう機会にいらっしゃって、何をされることを想定されておられますか。

 まず、訪朝の可能性について伺います。

鳩山内閣総理大臣 小池委員にお答えをいたします。

 今まさにEMP爆弾の話を先にされておられましたけれども、それだからこそ一番大事なことは外交努力だと私は思います。

 確かに、さまざまなこういった兵器、新しい兵器に対する備えというものも万全を期していかなければなりません。前政権から引き継いで四カ月余りでありますから、そこに関しては、前政権でおやりにならなかったことが必ずしもこちらですぐにできるという状況ではないかもしれません。時間が必要だとは思っておりますが、そこは積極的に行ってまいりたいと思います。

 しかし、一番大事なことは、やはり、すべての国に対しても、ある意味で外交努力で問題の解決を行っていくということでございます。

 今、北朝鮮にいつ参るのかという話がありました。

 私は、特に日本においては拉致問題、当然、核とミサイルの問題も大変な脅威だとは思っておりますが、一方で、日本は拉致問題を抱えております。その拉致問題というものをしっかりと解決していきたいという意気込みの中で訪朝のことも触れたことがございますが、現実にそのタイミングが熟しているというようなことを感じているわけではありませんし、具体的にいつ訪朝するという日程を考えているわけではありません。

小池委員 まあ、意欲を持っておられるということでありましょう。

 最後に、環境のことについて一言伺わせていただきたいと思います。

 九〇年比でマイナス二五%と野心的な数字をお出しになった。一月三十一日に、今回のこのコペンハーゲンの合意、テークノートという形になっているわけですけれども、別表に書き込みをすることになっております。

 各国は二〇二〇年の国内炭素排出削減目標を発表するということでございますけれども、そのまま二五%、前提つきだとは伺っておりますけれども、前提のところを、例えば〇五年比でマイナス一五%とか、もっと現実的なことにしなければ、日本はこの排出量取引という新しいゲームの中において大量に買い込むであろう顧客として、そしてまた国民の皆様方の税金がこれは使われることになるわけでございまして、その辺のところの費用の部分が十分伝わっていないのではないだろうか。

 例えば、九〇年から比べて一〇%分を排出量取引のマーケットから買ってきた場合、これは値段は動きますけれども、ピンキリですが、例えば一〇%部分を買ってきたといたしますと、年間にして大体四千億から五千億、税金としてまた毎年出ていく計算が考えられるんですね。もちろん、相場ですから動きます。

 このことについて、国民にまだ十分周知がされていない。ましてや、二五%という数字に踏み切っておられるわけですから、この辺のところの周知徹底なしに、後で、そんな話だったのかということになりかねない、このように思うわけでございます。

 この数字をどのように書き込まれるのか。そして、国内的には私は、マイナス二五で頑張っていくことが新しいイノベーションを生んでいくということも、プラス材料としてはあると思っております。産業界は大変でございます。そして一方で、現実的な数字ということをまさに一緒に、前提を書くのであるならば、それぐらい書くべきだと私は思っているんですが、環境大臣、いかがですか。

小沢国務大臣 お答えをいたします。

 二五%の目標を支持していただいたことに、まず感謝を申し上げたいと思います。

 その上で、本当に実際にどういうふうな形で実現をしていくのかということに関しましては、三月の上旬をめどに温暖化対策基本法を出させていただいて、それに合わせて、ロードマップ、あるいはまた、いわゆる真水の議論、逆に言うと、今度は排出権を買い取る、こういう話がその裏にあるわけでありますけれども、そういったところも政府全体として出させていただきたい、こう思っているところであります。

 現時点で、環境省として既にもう議論を深めておりまして、しかし、これは政府全体で決めなければいけない話でありますので、環境省としての案は前倒しで、あとちょっとで出したいな、こうは思っておるんですが、いずれにしましても、閣僚委員会でしっかりと議論を詰めさせていただいて、出させていただきます。

 それから、冒頭、小池委員からお話がありました、いわゆる条約事務局に提出するその書き方でございますけれども、これも、いわゆる前提条件つきで二五%、こういう書き方にしたいと思っております。

 基準年を二〇〇五年にするか一九九〇年にするかに関しては、二〇二〇年までに排出する量に関しては変わりませんので、表現ぶりに関しては柔軟にやってまいりたい、こうは思っております。

小池委員 基準年は、全体の量は変わらないといっても、やはり、ヨーロッパのゲームに乗るのか、それとも新しいゲームを始めましょうかという一つのシグナルなんですね。そういったことをうまく活用していかなければならないという観点、このことについて私は申し上げているのでございます。いろいろな工夫をすべきだと思います。

 最後に、地球温暖化対策に対して原子力が改めて見直されているところでございますが、原子力発電について、福島大臣、どのようにお考えになっているんですか。地球温暖化対策といいましょうか、原子力発電についての考え方を改めて伺います。

福島国務大臣 私は消費者担当ですから、このテーマについて大臣として発言する領域ではないと思います。ですから、私は、社民党として発言をいたします。

 社民党としては、脱原子力の立場です。そして、この内閣において、これは原子力発電所に賛成の人も反対の人も原子力発電所の安全性をきちっと確保すること、日本は地震の国ですから耐震設計の基準をきちっとやっていくこと、あるいは、監視をする部門と事業をやっている部門を例えばきちっと分離して安全性を高めること、あるいは、超党派でも取り組んできましたが、自然エネルギーの促進などはきっちりやっていける、合意ができることだと考えております。

 社民党としての脱原子力の立場、それからこの内閣においてきちっと取り組んでいくこと、それをきちっとやっていきたいと考えております。

小池委員 連立政権はいろいろ御苦労があろうかと思いますが、私どもは日本丸に今乗っているわけでございますので、しっかりとした羅針盤で、そして二十一世紀の日本を正しい方向に導いていただかなければ、船酔いをして私どもは困るということが一点。

 それから、先ほどの温暖化対策でございますが、電気自動車、プラグインなどが随分出てきておりますが、実は、この国会の施設はほとんどその対応ができておりません。このことを、隗より始めよで国会全体としてその対応をしていただくことを要請申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

鹿野委員長 これにて谷垣君、柴山君、小里君、茂木君、小池君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。井上義久君。

井上(義)委員 公明党の井上義久でございます。

 私は、きょうは、地域経済、雇用、介護、あるいは貧困対策等について総理の見解をお伺いしたい、このように思っております。

 その前に、政治と金の問題という不祥事が後を絶たない、同じ政治の仕事に携わる者にとってはまことに残念なことでございます。しかも、事もあろうに、政府の最高責任者である鳩山総理と、それから小沢幹事長という与党の最高責任者、この二人の政治資金にかかわる疑惑で、その関係者が逮捕、起訴されている。もう異常事態と言うしかない、このように思います。

 特に、政治はやはり国民の信頼があってこそ成り立つものですから、一国のリーダーである総理の元秘書が偽装献金疑惑で起訴をされる。前代未聞でございまして、その責任は極めて重い、このように思いますけれども、まず総理、どのようにお考えでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 井上委員にお答えをいたします。

 まさにおっしゃるとおりでありまして、政治家は国民の皆さんの信なくば立たず、信頼がすべてだと思っております。信頼があればこそ、国民にとっての厳しいものであっても、わかったと理解をしていただけるような新たな政治をつくることができる、そのようにも思います。

 その意味において、私にかかわる政治資金の問題で秘書が二人起訴をされたということに関しては、大変国民の皆さんに申しわけない、責任も当然感じなければならないことだということで、おわびを申し上げたところでございます。

 この件に関しては、私自身、六月に一度、それから十二月のまさに暮れになりましたけれども、一応捜査が終了した、処分が決定をされたという時点において、二度にわたって記者会見をいたしました。国民の皆さんになかなか真実が御理解いただけないというところが難しいところだとは思っておりますが、事実は事実として、私なりにすべて申し上げておるところでございまして、十分にその思いで責任を感じながら、だからこそ、国民の皆様方の御期待にもっともっとこたえる、そんな政治を行っていかなきゃいけない、身を粉にして働かせていただきたい、そのように思っています。

井上(義)委員 総理にお伺いしますけれども、総理はかつて、「政治家は金銭が絡む疑惑事件が発生すると、しばしば「あれは秘書のやったこと」とうそぶいて、自らの責任を逃れようとしますが、とんでもないことです。 秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきなのです」このようにおっしゃったことがあるというふうに思いますけれども、総理、このとおりおっしゃった、これは間違いありませんか。どうでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 これは私自身もそう思っておりますし、その思いを述べたことも書いたこともあろうかと思います。まさに、秘書がやったことだと言ってうそぶいて、みずからの責任を逃れようとしてはいけない、その思いはそのとおりだと思っております。

 ただ、これはきのうも申し上げたところではございますけれども、いわゆる私腹を肥やすようなことを行ったという覚えはありません。その意味において、私としても、そうではあってもやはり責任は当然感じておるものでありますので、その責任を果たしてまいりたい、そのように先ほど申し上げたところであります。

井上(義)委員 総理は、虚偽記載について、知らなかった、秘書に任せていた、このように一貫して言われているわけですけれども、ここにありますように、秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきである、あるいはほかにも、例えば、秘書の罪は国会議員の罪であるということもおっしゃいました。あるいは、秘書が法を犯した場合、国会議員のバッジを外す、このようにおっしゃったこともあって、その結果、事実バッジを外した人もいるんですね。

 そのように総理はこれまでおっしゃってきたわけですから、偽装献金問題で総理の元秘書が起訴された、総理自身もその起訴事実を認めていらっしゃる、いわゆる罪を認めていらっしゃるわけですから、総理は、過去の発言に照らして、責任を感じているんじゃなくて、どう責任をとるのかということについてもう一度明確におっしゃっていただきたい、こう思います。

鳩山内閣総理大臣 それぞれの事例において、当然、行ったことが違うというのは言うまでもありません。

 その意味においては、当然私も、秘書がやったことだからといってうそぶいて、自分は何も罪はないなどというふうに言うつもりはないんです。やはり、当然のことながら、秘書は私のために働いてくれていたことは事実です。ただ、私もそのことを知らなかったというのは大変残念なことであることも間違いありません。それで、私もその責めは当然負わなければならないと思っております。

 その責めを負いながら、しかし、国民の皆様方からさまざまな負託を賜って政権交代を果たしたその思い、新しい政治を起こせよというこのことも、国民の皆様方の大きな御期待を背負わせていただいているという任も大きい、そう思っておりますので、私自身もその責任も感じながら、しかしそれだけにさらに大きな、国民のために仕事をさせていただくという責めを果たしていきたい、そう申し上げているところであります。

井上(義)委員 私は、秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきである、罰を受けるというふうに総理がおっしゃったので、では、どのように具体的に責任をとるかということをお聞きしたかったわけです。

 次に行きますけれども、先ほど総理は、私腹を肥やしたわけじゃない、こういうふうにおっしゃいました。確かに、十分に私腹のある方ですから、これ以上私腹を肥やす必要もないのかもしれませんけれども。

 それでは総理、今回の虚偽記載のもとになった政治資金規正法の立法趣旨ということについて総理はどのように認識ですか。これを聞きたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 政治資金規正法には、政治家として、国民の皆様方のために、国家のために働くという重い責務を、仕事というものを行っていくに当たって、当然のことながら、政治家に必要な資金に関してはクリーンでなければいけないから、それを国民の皆様方にわかるような形でその収支報告というものを出さなければならない、そしてそれを国民の皆さんに見ていただくということを行いながら、政治家自身が大きな役割を果たすことができるようにするべきではないか、その趣旨であろうかと思います。

井上(義)委員 若干抽象的なんでもうちょっとはっきり言いますけれども、政治資金規正法の規正というのは、制限するというふうに書くんじゃなくて、規正と書くんですね。これはどういう意味かといいますと、要するに、政治資金の透明性を確保する、金の流れを透明にして政治腐敗を排除する、これがこの政治資金規正法の一番の立法趣旨です。

 したがって、収支報告書に虚偽記載をする、いわゆるうその報告をするというのは、政治資金規正法では立法趣旨の根幹を揺るがす最も重大な犯罪。したがって、虚偽記載というのは政治資金規正法の中でも最も重い罪。すなわち、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金というふうになっているんですね。

 この五年以下の禁錮というのは、刑法のほかの犯罪でいいますと、横領罪とか背任罪とか、それから業務上過失致死罪とか、あるいは収賄罪と同じなんですね。非常に重い罪なんですよ。

 したがって、この虚偽記載というのは極めて重大な犯罪だ、そういう認識は総理はおありですか。

鳩山内閣総理大臣 政治家として務めを果たすために当然守らなければならない、それを犯すということは大変重いことだということは理解をしております。

井上(義)委員 それともう一点。実は、この政治資金規正法のもう一つの柱は、量的制限を設けているということなんですね。量的制限というのは、たとえ個人献金であっても、ある特定の個人から多額の献金をもらうことによって政治がゆがめられてはいけない、こういう趣旨から量的制限を設けて、一つの政治団体に対して年間百五十万までしか寄附しちゃいけませんよ、こういう仕組みになっているわけです。

 ところが、今回の鳩山総理をめぐる問題というのは、ある多額の献金を分散する、しかも五万円以下の匿名献金に分散をして、だれから献金を受けたかわからないようになっている。これは、この政治資金規正法でいうと、もう一本の大きな柱、すなわち量的制限にも違反している。極めて悪質な事例なんですよ。そのことを総理はわかっていますか。

鳩山内閣総理大臣 量的制限ということに関しては、今お話がありましたけれども、まさに虚偽記載を行ったということは、私ども、昨年の暮れ、検察の処分が出たところでよく理解をいたしたところであります。

 量的ということになれば、結果として、私のお金、さらに母から贈与を受けた私のお金がそこの虚偽記載のところの埋め合わせに使われているということであって、それを法的には貸し付けという形にさせていただいたということでございまして、量的な制限を超えたという話にはならないと理解をしております。

井上(義)委員 貸し付けというふうにおっしゃいましたけれども、借用書もない、返済計画もない。これはとても借用、借りたという概念というのは全く当たらないというふうに私は思います。結果として、いずれにしても、総理自身の政治資金の収支報告書、いずれも虚偽記載という重大な犯罪が明白になっているわけです。これは総理も認めていらっしゃるわけです。

 これは、公判が終了して、この元秘書の方が有罪になる。そうすると、当然、先ほど言いましたように、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金ですから、公民権停止ということになるわけです。総理の元秘書は公民権停止になる。

 そうすると、総理は先ほど政治家が罰を受けるべきと。秘書の罪は政治家が罰を受けるべきとおっしゃったんですから、総理がもし罰を受けるということになると、当然公民権停止。公民権停止というのは、バッジを外すということになるんですよ。そういう重い罪なんですよ。そのことについて、総理、どうなんですか。

鳩山内閣総理大臣 私は、今、井上委員がお話をされましたけれども、まさに秘書がそのような処分を受けたと、まだ最終的な公判が終わっておりませんから、その結論を今ここで申し上げることはないかと思っておりますが、そのときに、秘書と私が同じ罰を受けるという意味で申し上げたつもりではありません。

 当然のことながら、その責任というものは当然感じて、その罪に対する責めを負わなければならないという趣旨で申し上げたわけでありまして、秘書と政治家が同罪であるということをそこで論理的に申し上げたつもりはありません。

 しかし、いずれにしても、政治家がいなければ秘書はそのようなことを犯していないわけでありますから、当然のことながら、秘書が行ったことに関しては政治家が何らかの責任を感じるのは当然だ、そのように思っております。

井上(義)委員 いずれ公判でこの元秘書の方の罪がはっきりする、そのときに総理がどのような責任をおとりになるか。私は、政治家が罰を受けるべきだとおっしゃっていますから、過去の発言に照らして明確に責任をとるべきであるというふうに思いますし、もしそういうことでないならばこれは撤回するべきだ、私はそう思います。

 その次に、総理のお母様から十二億円を超える贈与があったという問題がございます。月に一千五百万、年間一億八千万、これは一日に換算しますと五十万円ということになるんですね。月一千五百万というのは、私は仙台に住んでいますけれども、仙台では八十平米程度の中古のマンションですと千五百万もあれば十分に買える、極めて多額のお金です。それを毎月もらいながら知らなかったというのは、これはもう国民の常識からいってもあり得ない、だれも国民は信じていない、こういうふうに思いますけれども、総理、どうなんでしょうかね。

鳩山内閣総理大臣 確かに、井上委員おっしゃるように、国民の皆さんの常識からすれば、けた外れな話だと思います。そのことは、結果として私も理解をしております。ただ、知らなかったことは本当に知らなかったとしか申し上げられないのでありまして、それ以上のことでもありません。

 しかし、知らなかったとはいっても、結果として母からそのような資金の提供を受けたということでありますので、贈与を賜ったということでありますので、贈与税を当然のことながら、人間の義務として払わせていただいたということでございます。

 私が今申し上げたように、きのうも申し上げましたように、知らなかったというのが事実であります。真実は一つしかありませんので、まことに国民の皆様方にはおかしいなと思われるかもしれませんが、それが事実でありますので、そのことを改めて申し上げたところでございます。

井上(義)委員 知らなかったと総理がおっしゃっておりますから、知らなかったということにしておきましょう、私はとても信じられませんけれども。

 今、総理が答弁ございましたように、これを贈与だというふうに認めて税の申告をされたと。これはそういうことですね。よろしいですね。税の申告をされたと。

 これは国民から見ますと、ともかく一生懸命税を納めている、ある人に言わせると、税を納めるために働いているようなものだ、こういうふうにおっしゃっている方が大勢います、そういう感覚からいうと、これはもう脱税そのもの。

 例えば、過去五年間に告発された脱税の一件当たりの平均額というのは、実は一億六千万なんですね、一億六千万。今回、総理が申告された額は六億円に及ぶというふうにおっしゃっておりますけれども、平均脱税額の四倍、多額の税金逃れです。

 もしこういうことが許されるなら、例えば一般の人が、生前贈与を受ける、実は私は知らなかったんだと。だけれども、まあ、わかっちゃったので、しようがないからさかのぼって納めますと。刑事告発もされなければ、もしかすると、これから税務当局が調べて刑事告発があるかもしれませんし、重加算があるかもしれませんけれども、現状では刑事告発もない、重加算もない、後で納めればいい。こういうことになったら、これは日本の国民の納税意識に極めて重大な影響を与えるというふうに思いませんか、総理。どうでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 国民の皆様方の意識にそのような発想が出ないように望むばかりであります。

 ただ、この件に関しては、まさに事実は一つでございまして、知らなかったものを知っていたなどというふうに申すわけにはいかないのでございまして、私としては、大変恐縮ですが、そして額も大きいので、国民の皆様方が、冗談じゃないよ、そんな思いを持っておられるかもしれませんが、事実は事実でございますので、そのことをくどいようですが申し上げるしかないんです。

 国民の皆様方が、しかし、このように知らなかったみたいなことで同じようなことが繰り返されないような仕組みを、ある意味では政治家がつくることも必要かもしれませんが、私として現実の事実を申し上げるしかないので、このことはどうぞ御理解を賜りたい。

井上(義)委員 ある方がおっしゃっておりました。もし今回のような総理のケースが認められるなら、国民だれでもが、いや、生前贈与を受けました、私は知りませんでしたと。後でわかったら税金を納めればいいですよ、安心してくださいよ、刑事訴追しませんよ、重加算もしませんよ、こういう通達を、総理、国税庁長官に言って全国民に通達を出したらどうですか、安心して贈与を受けてくださいと。こういうことになりますよ。では、それをどうやって防ぐんですか、総理。言ってくださいよ。

鳩山内閣総理大臣 今回の私に対する母からの贈与に関して、今、井上議員から盛んにそのようなお話をいただきますが、現実問題の真実は、御案内のとおり、私が申し上げたとおりでございますので、ただ、だからといって、ではほかの方々にどのように影響を与えるのかということになると、できればそのようなことは当然ないようにしなきゃなりませんし、今回の場合、私自身が当然母から直接受け取ったわけでも何でもないことで、何でもないことはないんですけれども、私が直接受け取ったお金ではなかったものでありますので、まさに知らなかった、意図がそこにどこにも存在をしていないことはどうか御理解をいただきたいんです。

井上(義)委員 要するに、そういう、自分は直接受け取っていないからいいと。では、要するに、だれかほかの人が受け取って私は知らなかったと言い張ればこれでオーケーだ、こういうことになりかねないんですよ。

 だから、総理のやはり総理としての自覚が私は足りないというふうにはっきり申し上げておきたいと思います。

 では、次に行きますけれども、総理は毎年一億八千万という、合計すると十二億六千万、巨額のお金を受け取っていらっしゃった、直接ではないにしても関係者が受け取っていた、年間一億八千万。その巨額のお金を何に一体使ったのかというのが国民一般の素朴な疑問です。

 これは余り申し上げたくないんですけれども、報道では、例えば総理が党の代表選挙のときに使ったんじゃないかとか、あるいは所属議員に配ったんじゃないかとか、あるいは、こんなことは余り言いたくないんだけれども、総理の今日の地位というのは金で買ったんじゃないかというような批判まで飛び出しているんですよ。

 そういう指摘が違うというふうにおっしゃるなら、その使途を国民の前に明らかにするということが私は必要じゃないかと思いますけれども、総理、どうでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 どうぞ所属議員のどなたに聞いていただいても結構ですが、そのようなことを私が行った覚えは全くありません。

 それはそれとして、母から提供を受けました資金は、まさに今申し上げておりますように、結果として私への贈与ということになります。したがって、結果として、贈与として申告をして贈与税を納付したわけでございますが、そのことに関して、では使い道は何なんだというお話でございます。

 その件に関して、これは検察の方々が……(発言する者あり)いや、検察が私の資料すべてを今持っておるものですから、そしてそれを整理していく中で、私は現実、支出に関しては疑いがなかったというふうに理解をしております。

 したがいまして、この政治資金の部分に関しては当然報告書に記載をされているところでございまして、ただ、そうであっても、額が、全体がでかいではないか、ほかにどこに使われているんだという部分に関して疑いがあるという話ではありませんが、これは、すべて公判が終わってすべての資料、書類が戻ってきたときに、弁護士に対して、ここに対しても、私自身のプライベートな問題ではある、あるいは個人の政治活動という話でありますので、必ずしも皆さん方にすべてを公表するという義務はまるでない話だ、そのようには思っておりますが、どのように使われていくかということに対して弁護士に依頼をしているところでございます。

井上(義)委員 そういたしますと、公判が終わってこの資料が戻ったら精査をして、それを公表するというふうに理解してよろしいんでしょうか。

 それとあわせて、資料が戻ってこない、こうおっしゃるんですけれども、現実にどなたが受け取ってどういうふうに使われたのかわかりませんけれども、関係者の方がいらっしゃるんですから、聞けばわかると思いますよ。その範囲でぜひ使途を明らかにしたらどうでしょうか。それが国民に対する私は説明責任だと思いますが、総理、どうでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 関係者ということでわかる話ではないと私は思っておりますが、すなわち、すべての書類を今検察が所有しております。それが返ってきた段階において、それをどのような形で皆様方に見ていただくかということは、まさに議員のプライバシーの部分も当然、個人としてのプライバシーの部分も入ることは言うまでもありませんが、すなわち、すべてをいわゆる政治資金として活動に使ったという話ではありません。

 それだけに、政治資金規正法にのっとって、収支報告に記載されている部分に関しては当然のことながらお示しすることはできると思っておりますが、それ以外のことに関しては、プライバシーの部分も含まれるということを御理解いただく中で、しかし、そうであっても、例えば事務所費にどのぐらいかかっているかというようなことは皆さん方にお伝えすることはできるか、そのように思っています。

井上(義)委員 いずれにしても、では、その書類が戻った段階で精査をして、それを公表するというふうに理解をしていいということですね。もう一回ちょっとそこだけ確認しておきます。

鳩山内閣総理大臣 私としてそれを、今、井上委員からお尋ねがありましたから、努力はいたします。しかし、それに対するプライバシーの部分も当然あることも御理解をいただきながら、お示しできるところは示してまいりたい、そのように思います。

井上(義)委員 プライバシーに十分配慮していただいて、国民に対する説明責任をきちっと果たしていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。

 次に、小沢幹事長の資金管理団体をめぐる土地取引の問題につきまして、政治資金規正法違反の疑いで、元秘書だった民主党所属の現職の国会議員である石川衆議院議員ら三名が逮捕されるという事件にまで発展しております。この土地取引、四億円の原資の一部にはゼネコンからの献金があったのではないかという疑惑も浮上しているわけです。

 現職の国会議員の逮捕というのはまことに遺憾で、平成十七年の十一月に、これも民主党所属の国会議員であったわけですけれども、西村真悟氏が逮捕されて以来ということで、これは国民の信頼を失墜させる極めてゆゆしい事態であるというふうに思います。

 この問題については、小沢幹事長がこの不記載を事前に了承していたというような報道もありますし、検察の取り調べが今行われて、事情聴取にも応ずるという報道もなされておりますので、ぜひ捜査に協力をすべきだというふうに思います。

 それはそれとして、やはり政治倫理綱領にあるように、国会議員が疑惑を持たれたら、みずからその疑惑を解明して、そして国民に説明責任を明らかにするというのが国会議員の責務だと思います。やはり小沢幹事長本人が説明責任をまずは尽くすということが大事だと私は思います。

 総理はこういう点について、では、説明責任は十分果たしているというふうに認識されているのか。あるいはまた、あらゆる機会を通じて、みずからの疑惑を解明し、国民への説明責任を果たすべきだということを党の代表として小沢幹事長に積極的に進言すべきである、こう思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 この件に関しましては、当然、政治家個人の資金管理団体の問題でありますので、小沢幹事長御本人がよく考えられて説明をされるべきだ、そのように思います。

 そして、今まさに井上委員がお話をされましたように、検察に赴いて説明をするというふうに申していると仄聞をしております。したがいまして、今、説明責任が果たされているかどうかということよりも、まず説明をする意向でありますので、そのことがスタートではないでしょうか。そこで私は小沢幹事長の潔白が証明されるということを強く望んでいるところであります。

井上(義)委員 総理は、先般の党大会でも、小沢幹事長を信ずる、そういうふうにおっしゃって、幹事長の留任を容認されたわけでございます。では、総理が小沢幹事長を信ずるというふうに思われたその根拠は何なのか、それをぜひ御説明いただきたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 私は、今日まで小沢幹事長を、政治家として大変見事なリーダーシップも発揮されてこられた、そして、この国を大きく変えなきゃならないというその思いを我々は共有しておりまして、その思いというものは、人間として、政治家として信じるにあたうべき行動である、そのように感じております。

 特に今回、御自身が、潔白である、だから闘うんだというふうに話しておる以上、代表と幹事長という立場の中で信じるのが当然ではないか、そんなふうに感じております。

井上(義)委員 総理、私も全くそのとおりだと思うんですよ。要するに、同志として信じるというのは基本です。我々も同志を信じています。

 ただ、同志として信じるのは基本、それはもう人間としてそのとおりだと思うし、そうあるべきだと思いますけれども、国民に対する説明になっていないんですよ。要するに、総理が小沢幹事長を信ずる、幹事長の留任を認めるということは、今度はもう総理自身にこの問題に関する説明責任が生じている、説明責任があるということなんですよ。だから、私はあえて、その信じている根拠は何ですかと聞いているんです。要するに、国民に説明してくださいということを言っているわけですよ。それを明確にしてください。

鳩山内閣総理大臣 これは、小沢幹事長の個人の問題であります。そして、その小沢幹事長を信じるというのは当然だとおっしゃった。でも、そこで、ならば、私が小沢幹事長の個人的な政治資金の問題をすべて存じ上げているわけではありません。そこに説明責任が生じるとは私は思ってはおりません。

井上(義)委員 それでは、民主党所属の国会議員が、石川議員が逮捕されました。逮捕されたんですから、当然、やはり党としての自浄作用というのは私は非常に大事だと思うんですよ。

 ですから、もし冤罪だとおっしゃるなら、今そういう声がありましたけれども、要するに……(発言する者あり)推定無罪はよくわかっているんですよ。

 だから、要するに、まず民主党自身が自浄能力を発揮する。したがって、党内でもきちっと調査をする。党内でもきちっと調査をして、その調査結果を発表する。これはこれまで民主党の皆さんが一貫しておっしゃってきたことじゃないですか。

 党内で調査をするということはお考えなんですか。それを公表しなきゃいけないんですか。どうでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 まずは、今、検察が調べている最中であります。冷静に私たちはそれを見守りたいと思っているわけです。そこに小沢幹事長自身も赴いて、自分の潔白というものを証明したい、そのように述べているわけであります。

 したがって、私は、一番正確であるべきなのは、そして、あるはずなのが検察における捜査でありますから、そこを冷静に見守りたい、そう思っているところであります。

井上(義)委員 総理は、十六日に、党大会のときだと思うんですけれども、検察当局との対決を主張する小沢幹事長に、どうぞ闘ってくださいというふうに述べたということを明らかにされました。検察に圧力をかける意図はないというふうにおっしゃっていますけれども、総理はやはり行政のトップで、政府の組織である検察と闘う、こういう言い方は極めて不見識だと思いますし、軽率だというふうに指摘をせざるを得ないと思います。捜査の現場の士気に影響を与えるというふうに受け取られかねない。

 しかも、きのう、さらに、石川議員の件について、起訴されないことを望みたいというふうにおっしゃいました。これもやはり同じように、政府のトップの立場として、そういう意図はないというふうに先ほどの答弁でおっしゃったようですけれども、そういう意図がないということであれば、この発言というのは私は取り消すべきだと思いますけれども、どうでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 私は、その十六日の日に小沢幹事長と会いまして、そこで、ある意味で党代表と幹事長という立場で会ったわけであります。自分は潔白である、したがって闘う、その強い意思を示された。

 私は、どうぞという意味で申し上げたわけでございまして、そこに、そのことを了とした。今日までの小沢幹事長の、国民の皆さんのために、日本をよくするために闘ってこられた、その意味も含めて、どうぞという意味で了としたわけでございまして、その意味をどうぞ理解を願いたい、そのように思っておりまして、検察に対して、そこで何らかの意図的なことを、批判をするとかあるいは介入をする、そういう思いで申したことでは全くないと御理解をお願いいたします。

井上(義)委員 それともう一点、原口総務大臣にお聞きしますけれども、原口総務大臣、十九日の閣議後の会見で、今回のこの一連の報道について、関係者という報道は、検察の関係者なのか被疑者の関係者なのか、少なくともそこは明確にしなければ電波という公共のものを使ってやるにしては不適だというふうに批判されました。いわゆる報道規制とも受けとめられかねない発言で、極めて私は不適切だ、こう思います。

 やはり、報道に携わる者は、確かに、安易にあいまいな表現をしないようみずから厳しく律しなければならないというふうに思いますけれども、それはあくまでもやはり報道機関が独自に決めることだというふうに思います。

 それを規制するかのような発言を放送局に免許を与える権限を持つ総務大臣がするというのは、まあ放送内容に介入する気はないというふうに釈明されていますけれども、本当にそういう、放送内容に介入する気はないということであれば、この発言は撤回された方が私は明確だと思いますけれども、どうでしょうか。

原口国務大臣 井上議員にお答えいたします。

 記者会見での私の発言でございますが、質問はそういう趣旨では全くありません。私は、報道のとりで、表現のとりで、それをつくろうと今やっているわけです。その中で、質問はこういうものでした。クロスオーナーシップといって、一つの資本が、新聞も持ちテレビも持ちラジオも持ち、全部持って、そしてそれが、一方的な検察のリークによって、人権も無視し、推定無罪も無視し、そして一人一人の国民の知る権利も無視したら、それはどうなのかという質問なわけです。

 私はそれに対して、私たちは閣議決定して、検察がリークをするなんということはないけれども、一般論として、不確かな情報によって、どこの出所かわからないものによって、巨大な資本が一色でそうやって人を追い詰めてはならないということを申し上げたので、御理解をよろしくお願いいたしたいと思います。

井上(義)委員 報道関係者の受けとめは全く違います。先ほど申し上げたように、いわゆる総務大臣という、放送局に免許を与えるような権限を持つ総務大臣がこういう発言をしたということについて極めて危惧を持っています。

 もし、そういうことが全くない、そういう意図はないんだとおっしゃるなら、この発言は私は撤回された方がいいんじゃないかと申し上げているわけです。

原口国務大臣 井上議員には、昔から一緒に、自由や言論ということで御指導をいただいてきましたから、私の真意がどこにあるかというのは御理解くださっていると思いますけれども。記者会見での質問の答えですから、これは、取材源を明らかにしなさいとか、報道の内容に入るなんということは一切考えていないわけです。

 逆に、ここに民放の報道指針というのを持ってきていますけれども、「情報の発信源は明示することが基本である。」と書いてあるわけです。それから、よその国についても、これはアメリカですけれども、匿名性を保持する明白かつ差し迫った必要性がない限り情報源は明らかにされるべきと書いてありますね。それから、韓国やドイツでも、言論や報道の自由を規制する意図なんというのは全くなくて、実際にどこの内部情報なのか、あるいは、匿名報道の場合であっても少なくとも所属を明らかにしなさい、これが原則なんです。

 私は、総務大臣として、放送、報道の自由を守るとともに、国民の知る権利と、放送や、そういうリークといったことによって、あり得ないですよ、あり得ないことについてどうかと思われるから、あり得ないことについて起こった報道被害はあってはならないと言っているわけですから。

 これは、井上議員にぜひ御理解をいただきたいのは、昔こういうことがあった、つまり、関係者という言葉を使わないとその人には取材をさせない、意に沿わない者は、いわゆる出禁というらしいんですけれども、出入り禁止をする公的な機関が昔あったというような証言をいただいたんですけれども、そんなことをやったら、一人一人のジャーナリズムは、あるいはジャーナリストは、知らせる、国民に真実を知ってもらう、そういう権利がなくなるということを申し上げているので、ぜひ、記者会見の全文をお渡ししますので御理解ください。

井上(義)委員 取材源を守るというのも、これは報道機関の重要な責務の一つですから、それを明らかにするかどうかというのは最終的には報道機関がやるべきなのであって、それについてはやはり誤解を与えるようなことを言うのは、私は極めておかしいと思います。

 次の問題に移ります。

 政治と金をめぐる問題について、私どもはやはり再発防止策が大事だ、こう思います。実は私ども、さきの国会に、秘書などの会計責任者が虚偽記載などの違法行為を行った場合、その監督責任のある政治家も公民権を停止させる政治資金規正法改正案を十一月に提出をいたしました。

 現行法では、選任及び監督の両方について過失があったとき、これは二十五条二項ですけれども、政治家に罰金、したがって公民権停止、失職ということになるわけですけれども、選任について瑕疵を証明するというのは極めて難しい。最初からこの人は虚偽記載をやりそうな人だと思って選任するわけじゃありませんから、事実上、この法律はざる法になっているわけです。

 したがって、私どもは、やはり選任及び監督ではなくて、選任または監督、いわゆる監督だけでも過失があれば責任を問える、政治家に罰金、したがって公民権が停止、議員を失職する、こういう法律改正をすべきだということで、昨国会に出しました。

 総理も、昨年の衆議院選直前の日本記者クラブの党首討論でも、この件について「前向きに民主党としても対処すべきではないか。」こういうふうに明言されました。総理、この考えは変わっていませんでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 この公明党の改正案の、その一言一句をすべて理解をしてお答えをしたわけではありませんが、私は、やはり政治家たるもの、特に今回もこのような問題を生じたということもあって、前向きに検討すべきだと思います。

 ただ、こういった政治家の身分に関する話でありますから、政党同士でよく議論をして、そして結論を出していただきたい、そのように思っています。

井上(義)委員 政治家同士、また、よく各党各会派で御議論いただきたい、そうおっしゃるんですけれども、総理、民主党はどうなんですか。民主党はどうかということを聞いているんです。いや、総理に聞いているんです。総理に聞いているんです。民主党はどうなんですか。

鳩山内閣総理大臣 民主党は今、チームをつくって検討中だ、そういうふうに伺っています。

井上(義)委員 ぜひ総理、主導権を発揮していただきたい。そうすれば、間違いなく法律は成立いたしますから。そうすると、今回のようなケースがあった場合にきちっと監督責任を問えるという仕組みができますので、これはぜひ前向きに検討していただきたい。

 私は、この問題は、それぞれの政党の再発防止に対する本気度をはかるリトマス試験紙だ、こう思っていますから、ぜひ実現していただきたいと思います。

 それと、もう一点。公明党は、これまでも政治と金の問題に徹底してメスを入れて、政治改革に取り組んできました。二〇〇〇年の一月には、政治家個人への企業・団体献金の禁止を実現しました。それから、二〇〇七年には、一円以上の支出に対する領収書公開の法改正を実現いたしました。昨年の衆議院選挙のマニフェストに、我が党も企業・団体献金の完全禁止を掲げております。

 民主党も、昨年六月一日に、当時の政治改革本部長だった岡田さん、あるいは原口さん、いずれも閣僚でいらっしゃいますけれども、この企業・団体献金を禁止する法案を提出されて、早期成立を訴えられました。

 岡田さん、原口さんに聞きますけれども、この考えは今も変わっていませんね。簡単に答えてください。

岡田国務大臣 お答えします。

 まず、昨年六月の我が党の出した政治資金規正法の改正案、私は政治改革本部長として取りまとめましたが、今委員御指摘の会計責任者の選任、監督に関する規定は含まれておりません。

 その上で申し上げたいと思いますが、我が党の法律案は幾つかの中身で成っておりまして、一つは、資金面での世襲の制限、つまり、国会議員関係政治団体の代表者を三親等以内の親族に引き継ぐことを禁止するというのが第一点。第二は、御指摘の企業・団体献金の三年以内の禁止、そして、それに伴う措置として個人の寄附の普及促進、こういった内容でございます。

 私は現在でも考え方は変えておりませんが、あとは、今、民主党の中で政治改革本部、私の後任者のもとに議論をしているところでございまして、各党各会派でよく御議論いただきたいというふうに考えているところでございます。

原口国務大臣 井上議員にお答えいたします。

 私の立場からすると、各党各会派で御議論くださいというのが立場でございますが、一政治家で言えば、全く変わっておりません。一刻も早く政治資金の透明化。

 それからもう一つ、ちょっとお時間をいただくと、非常にわかりにくくなっています。例えば、大口議員が井上議員にお金をお渡しになって、井上議員が私に献金をされたとすると……(発言する者あり)例えが悪い。いや、例えばですよ。例えば、そうすると、ではそれはだれを政治資金収支報告書に書いていいかというのはケース・バイ・ケースになっているわけです。

 法の予見性を高めて、政治活動の基本は自由であります、その自由をしっかり保障すべく私たちも議論してまいりたいと思いますので、御指導よろしくお願いします。

井上(義)委員 それでは、最後に総理に聞きますけれども、総理、この問題について、実現をすると。もしそうでなければ、あの法律は何だったのか、単なる選挙目当てなのか、選挙に勝ったらもうこれはほごなのかということになってしまいます。先ほど、今、政治改革本部で民主党は検討されているとおっしゃっていますけれども、十分検討した上で法律案を出したんですから、その法律案をそのままお出しになれば結構じゃないですか。我々は賛成しますよ。ぜひ出してください。

鳩山内閣総理大臣 ぜひ、まず各党で頑張っていただきたいと思っていますが、民主党として、言うまでもありません、党として選挙の前に、今、岡田大臣、原口大臣から話がされたように、つくったわけです。当然のことながら、そのことに重きを置きながら下敷きにして議論を進めているわけでありますので、それができ次第、特に民間の方々にも御意見を聞いてということをやって、さらに、ある意味での高める努力なども民間人の声を聞いて努力をしているところだ、そのように理解をしておりますので、できる限り努力をしてまいりたいと存じます。

井上(義)委員 どうも何か、いろいろ言いわけにしか聞こえないんですけれども、選挙前にあれほど明確におっしゃったわけですから、この国会にぜひ、今、民主党が多数を占めているわけですから、民主党が法案を出せばこれはもう成立するわけですから、ぜひ実現をしていただきたい、こう思います。

 次に、景気、経済、雇用の問題について質問をしたいと思います。

 初めに、私は、景気・経済対策を実行する上で、大きく二つの視点を持って整合的に進めていく必要があるというふうに思います。

 一つは、中長期的なビジョンに基づいた経済社会の構造をどのように変革していくか、こういう視点が必要だと思います。それから二つ目は、やはり足元の経済状況を踏まえて、今の状況でいいますと、経済が極めて厳しい状況にあって二番底のおそれがある、これに対してどう対策を実行していくのか。こういう二つの視点があるんだろうというふうに思います。

 二つ目の視点については、これはまさに景気・経済対策の問題ですから後ほど議論したいと思いますけれども、まずは一番目の、日本のあり方、社会の仕組みをどうするのか、そのために政府としてどのような枠組みをつくっていくのかという基本的議論をさせていただきたい、こう思います。

 私は、中長期的な日本経済のあり方を考える上で三つの視点が必要なのではないか、こう思っています。

 一つは、格差の是正ということでございます。日本の富をどのように配分していくのかという視点。

 グローバル化の進展や社会経済構造の変化あるいは雇用形態の多様化などによって格差が広がってきています。この格差を是正するために、税制あるいは社会保障を通じた所得再配分機能を強化する必要があります。例えば、私どもが主張しております給付つきの税額控除、こういうことも必要ではないかと思います。

 また、関連して、貧困問題をどのように解消していくのか。政府として真っ正面から貧困問題に取り組み、より弱い立場の人たちに資源を重点化していく必要がある。この点については後ほどまた触れたいと思います。

 また、生活保護に至る前に何とか第二のセーフティーネットというものをつくる必要があるんじゃないか。この点についても後ほど議論したいというふうに思っていますので、よろしくお願いします。

 それから、二つ目は、パイを拡大していくという視点が必要だと思います。

 先ほど申し上げたように、格差の是正とか配分の見直しというのは重要なんですけれども、その配分するパイがふえなければ、単なるパイの奪い合いということになってしまう。したがって、このパイをふやすための成長戦略というのが極めて重要です。特に、資源小国であります日本としては、人口減少社会にあっても豊かさを維持していくために、日本が持つ魅力とか、あるいは技術、力、そういうものを結集して、成長戦略というものが求められる。特に環境というのは一つのその大きな柱だということは、言うまでもありません。

 また、中国の台頭を初め、アジアなど世界経済の変化を踏まえて、アジア全体を市場と見て、アジアの中の日本という視点をより強く持って、戦略的に進めていく必要があるというふうに思います。

 それから、三つ目の視点は、国の形を変えるという視点です。

 これからは、地方の個性を生かした国づくりということが非常に重要で、地方分権は欠かせない課題だというふうに思います。税源をどうするかとか権限をどうするか、国を変えるような大きな枠組みの議論が重要であると思います。

 我が党は、地域主権型の道州制の実現というものを最終目標に置いておりますけれども、その前提として、国の役割を見直し、効率的な政府に向けた行政改革を進めていく、さらには、地域のコミュニティーを再生する、また、NPOなど地域の方々の力をおかりして社会を活性化していく、そういう仕組みをつくる必要があるんじゃないか、このように思っているわけでございます。

 課題はいろいろありますけれども、制度、仕組みを根本から変えていく、そういう大きな転換点に来ているのではないかというふうに私どもは認識をしております。

 申し上げましたような中長期的な経済のあるべき姿ということについて、総理、どのような認識をお持ちか、まずお伺いしたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 井上委員から、日本のこれからのあり方という大変重要な御指摘がありました。まさにこういう議論をこれから大いにやってまいりたいと思っております。

 私も、まさに、基本的に、井上委員がお話しされたことは我々が望むべき方向であることは間違いない、そのように思っております。

 今までの私たちの政治のあり方がどうであったか。ややもすると、経済を重視して、経済のための人間というふうにこき使われて、結局、経済の歯車の中で人間がくたびれてしまった、そういう現実があったのではないかと思います。

 そうではなくて、これからは私たちは発想を逆にして、人間のための経済がどうあるべきかという発想の中で仕組みを変えていくということになります。

 その意味で申し上げれば、その結果、生じるのが格差の是正という方向になる。現実の姿だとそうなっていくと思っておりまして、やはり、今、今までの政治の中で格差がかなり広がってしまった。特に小泉改革以降、急ピッチで格差が、地域間の格差から労働の格差、さらに教育の格差、大いに広がってしまった。それを、格差を是正するために最大限の努力を傾注していかなきゃならない、そのように思っておりまして、今委員御指摘の、ここに書いてありますような問題を含めて、早急に進めていく必要があろうかと思います。

 ただ、そうはいっても、この国がこれまで生きてきた、これからも世界の中で生きざまを見出していかなければならない。それはやはりアジア重視だ。日米の同盟関係の重視は言うまでもありませんが、これから経済ということを中心に考えていけば、あるいは文化ということを考えていく中でも、アジアにおける日本の役割、あるいは、アジアというもの全体を一つの、ある意味で内需というぐらいに感じるような形で、日本がその役割を果たしていくということが大事ではないか、そこに成長戦略というものを編み出してまいりたい、その思いはまさに共有するところがあります。

 そして、これは先ほども議論があった話でありますが、成長戦略というものも、我々も新しい成長戦略として構築をしていきたい。短くしますが、先ほど申し上げたように、今まで、経済のための人間であった、すなわち、供給サイドという発想の中から考えられていたものを、これからは需要、どういうものが求められているのかという、人間本位の需要というものから成長というものをつくり出していくという発想が必要だ、そのように考えております。

 国の形に関しては言うまでもありませんし、我々、道州制に関してはさまざまな意見があることは事実でありますが、地域主権、地域のことは地域で基本的に発想して結論を出せる、そして地域の皆さん方が地域で、ある意味で自立できていけるような方向性を示していくための、地域主権型の日本というものに大きく生まれ変わらせることが必要だと思っておりまして、ここは今までの、旧来型の発想を大転換しなければ、すなわち、中央官僚が中心で中央集権的な発想の中からは決して望むことができない大変大きな国の形の大改革だ、そのように考えています。

井上(義)委員 時間も余りありませんので、できるだけ簡潔に御答弁いただきたいと思います。

 総理のお話を伺っておりましても、方向性について共有するものがあるというふうに私も思っております。しかし、鳩山政権の経済財政運営を見ていますと、どうも目先のマニフェスト実現ということが至上命題になって、中長期的に見て本当に整合性がとれているのか、どうもわからない、ちぐはぐだという面が非常にあります。

 例えば税制改正、今般の税制改正を見ても、控除から手当という視点というのは私たちもこれまでずっと主張してきました。しかし、控除の見直しも、とりあえずは批判が出にくいところからつまみ食い的に実施したんじゃないか。例えば、今後、配偶者控除の見直しも予定されているけれども、これをどうするのかとか、また、ガソリンの暫定税率の決め方についても、税調の議論を飛び越えて突然実質的に暫定税率を維持する、その決め方も理屈もよくわからない。

 いずれにしても、税制というのは、消費税も含めて税制全体の中で整合性を持って進めるべきであるというふうに思っていますけれども、民主党政権がどういう税制体系を目指しているのか、これがよくわからないという面もあります。場当たり的な税制改正になっているんじゃないか、特に社会保障の安定的な財源をどう確保していくのかというようなことははっきりしていないというふうに思います。

 それから、成長戦略について今お話がありましたけれども、成長戦略も、基本的にまとめられたことは評価しますけれども、それも予算編成が終わってから取りまとめる。そもそも民主党は、衆議院選挙のときに、マニフェストにおいても、最初は成長戦略がなかった、いろいろな指摘があって最後の最後でつけ加えたということを見ても、どうも成長戦略に対する重要性をどこまで認識しているのか極めて疑問だ。

 また、中身においても、需要からの成長ということで、名目三%、実質二%を上回る成長というふうにしていますけれども、一つの目標としては理解しますけれども、では、どのように具体的な方策を持ってすればそうなるのかということがよくわからない。

 私が現場をずっと歩いておりましても、国民の皆さんも、どうも民主党政権の将来の絵姿がはっきりしない、マニフェストはどうも簡単に変更されちゃう、結局は将来にツケが回って、もしかすると大変なことになってしまうんじゃないかという不安というか、まだ余り表には出ていませんけれども、徐々にそういう国民の間に漠然とした不安が広がってきているんではないかというふうに私は感じています。

 総理は、こういう指摘に対して、国民の不安をどう払拭するのか。例えば、成長戦略が具体的にどういう道筋に沿えばその目標に達するかとか、それから財政健全化の道筋ということについても、国債の増発は今後とも続いてしまうのかとか、マニフェストに掲げた施策の安定財源、特に子ども手当とか年金の国庫負担の二分の一を含めた社会保障の財源をどうするのかというようなことについて、やはり具体的な絵姿を示すべきじゃないか、このように思いますけれども、このことについてすべて答えるということはできないと思いますけれども、こういう国民の不安に対して総理はどのように認識をされているか。

鹿野委員長 菅経済担当大臣。(井上(義)委員「総理に聞いているんですから。菅さん、いいですよ」と呼ぶ)

 井上議員に申し上げます。菅財務大臣の後に総理が答えるようにいたします。

菅国務大臣 まず、私も、今、井上委員が言われたこのパネルはかなりの部分共通なんですが、これは私たちの問題意識でもありますからあえて言えば、なぜできなかったのかということが最大の問題なんです。私たちは、今度の成長戦略を含めて、これまでできなかったその原因をなくして、変えていこうとしているんです。ですから、皆さんは将来に対する不安が民主党にあると言われましたが、現在に対する不安が自公政権にあったからかわったんですから。

 そういう意味で、まずやったことは、御存じのように、財政配分の中身を変えたんです。ですから、それがコンクリートから人へという大きなコンセプトで変えていく第一歩なんです。ですから、こういうものを実現するためには、従来のような財政配分の固定化、縦割りの構造、族議員の構造では仕組みが変わらないんです。それは井上さんもわかると思うんです。

 あえてもう一、二点だけ、具体的なことを聞かれましたから言いますけれども、税制については、これまでは、少なくとも自民党中心の政権の中では二つの税調があったことはもちろん御存じのとおりであります。つまりは、政府税調と党税調で何をやっているのか。つまり、党税調というのは族議員の最も活躍の場所だったわけですよ。マクロ的な考えよりも個別的な利益の調整で終わっていたから、これまでの税制がそれこそどういう方向かわからなかったわけです。

 私たちは、まだまだスタートをしたばかりではありますけれども、税調を一本化した中で、基本的な、まさに民主党が目指す日本の国の形をつくっていくための税制を考えていますし、また財政健全化の問題も、この五月、六月には中期経済フレームと成長戦略の肉づけとを並行的に推し進めてお示しをすることにいたしております。

鳩山内閣総理大臣 今、井上議員のお話の中で菅大臣から答弁がありましたが、私からは、それではマニフェストの部分を申し上げれば、マニフェストに関して、私たちは、やはり選挙のときに国民の皆さんにお約束をしたものでありますから、それは約束として大変大事に考えております。

 一方で、国民の皆様方がこれからの世の中をどう考えていくか。例えば暫定税率に関しては、今はガソリン税は割と安くなっているね、マニフェストでうたっているけれどもそれほど気にすることはないよ、それよりも、税金が今足りない、あるいは財政が厳しいという状況であるならば、むしろもっと大事なところに使っていいよ、そのように国民の皆さんからお話があった。そこで苦渋の決断を我々としてはいたしたということでございます。

 国民の皆様方の意思としてのマニフェスト、これは連立与党でありますから余りマニフェストの話ばかり申し上げるべきではありませんが、それを、国民の皆さんの世論というものも伺いながら、それなりに、ある意味でその意見も受け入れながら、マニフェストの実現を図っていきたい。

 そして、税制に関して、あるいは成長の戦略に関しては、大臣からお話がありましたように、ことしの半ばにそのことをしっかりと工程表も含めて成長戦略は決めさせていただきますので、国民の皆さんに将来の不安がなきように全力を尽くしてまいりたいと思います。

井上(義)委員 具体論について、一つ一つのことについて、本予算の中でしっかりと議論をしていきたい、こう思っております。要するに、絵姿が見えない、具体的にどういう方向を向いているのかよく見えないという国民の不安というものについてはよく認識をしてもらいたいというふうに思います。

 その次に、第二次の補正予算について申し上げたいというふうに思います。

 これまでの経緯を振り返ってみますと、まず、政権交代で鳩山内閣は、第一次の補正予算について、昨年十月に二兆九千億円の執行停止を決められました。

 当初、民主党は、この財源を平成二十二年度予算に回してマニフェストの財源にするという発想だったのではないかというふうに記憶しています。要するに、少なくともこの時点の政府の判断としては、追加的な経済対策という発想はなかったんじゃないか、むしろ、第一次補正予算から二兆九千億円を削減しても経済対策上問題がなかったという認識じゃなかったかというふうに思います。結果的には、マニフェスト財源確保のために、あえて政権の判断として経済対策の空白をつくったと言わざるを得ないと私は思います。

 そして、実質的に具体的な経済対策の手が打たれずに時間が過ぎて、第一次補正予算による経済対策の効果で景気もようやく上向きかけてきたところに、執行停止されたことも影響して、結局、景気、経済の状況が非常に厳しくなってきた。二番底のおそれが出てきた。私たちは鳩山不況というふうに御指摘申し上げました。

 そこで、まずは凍結解除をやったらどうだ、凍結解除をすればお金が使えるじゃないかということを主張しました。それから、昨年の臨時国会でも、もしそれができないなら、第二次の補正予算を臨時国会に出したらどうだ、早期に出すべきだということを主張したんですけれども、これもおやりにならなかった。結局、今回、鳩山内閣が第二次補正予算を編成し、提出されている。本来マニフェストの財源として確保された二兆九千億円のうちの二兆七千億円を活用するということになったわけです。

 私は、この経緯を見ますと、やはり経済対策の軸がぶれていたんじゃないか、鳩山内閣の経済情勢に対する認識、判断の甘さがあったんじゃないか、結果的に経済政策を打つ手がおくれてしまったんじゃないかというふうに思うわけでございまして、この経済対策をおくらせたという批判について、率直に反省されるべきではないかというふうに私は思います。

 この点について、総理の認識をお伺いいたしたいと思います。

菅国務大臣 私は、今の井上議員の指摘は全く当たらないと思っています。

 まず、麻生内閣時代からいろいろな残骸がありました。そして、十四兆円の大型の一次補正を組まれました。当時の議論を覚えておられると思いますが、私もその席で言いました。景気対策をやることに当時の私たちは反対したわけではありません。中身が余りにも、例えばコンクリートの塊のようなものに、隔たり過ぎているということで、中身を批判しました。

 そこで、十四兆円の一次補正の中の約三兆円についてはそれを凍結しました。その中には、公共事業、災害対策を除く五千億も入っております。つまり、ここから改革が始まったんです、スタートが。この改革が始まったというところを見ないで、単にそこで三兆円を一時凍結したからこれが景気対策にマイナスだマイナスだと言われますが、財政の中身を変えないで本格的な改革ができるはずがないじゃないですか。

 そういった意味で、中身についてはおっしゃるように、ほかの方にも答えましたけれども、単年度で見れば、確かに〇・一のプラスに〇・二のマイナスがありましたからマイナス〇・一ではありますけれども、この数年間を見れば、全体が〇・七%プラスとマイナス〇・四%で、合わせて〇・三%のGDPを押し上げる効果、プラス八十万人の雇用の維持と二十万人の新規の雇用創出をする、合わせて百万人の雇用の維持と創出がこの二次補正の中身でありますので、それを理解していただければ、ぜひ一日も早く成立させてください。

井上(義)委員 要するに、これまでの経済対策の経緯を言っているわけですよ。もし本当にそうだったら、昨年の末の臨時国会でこの補正予算を出せばよかったんですよ。そうすれば、今ごろ執行できていたんですよ。そのことを言っているんですよ。まあ、いいですよ。そういうことを言っているんですよ。それで……(菅国務大臣「できるわけないじゃない、そんなこと」と呼ぶ)そんなことないですよ。あなた方だって……(菅国務大臣「選挙をぎりぎりにやっておいて、できるわけないじゃないか」と呼ぶ)そんなことないですよ。

 それで、さはさりながら、今、足元の景気状況は極めて厳しい。したがって、今回、おくればせながらこの二次補正をお出しになったということは、私は評価しています。

 そこで、補正の中身について少し触れておきたい。

 先ほどもお話があったように、中身については、例えば、雇用対策の拡充とか、あるいは我々もやってきたエコポイントの継続とか、あるいはエコカー補助金の継続とか、あるいは今回新たに住宅エコポイントの需要創出とか、あるいは中小企業などへの資金繰り対策など、我が党が従来主張してきたものが盛り込まれている、そういう面では一定の評価をします。

 特に、エコポイントとかエコカーの補助金、減税というのは、かなりの景気下支え効果があったことも事実でありますし、今後の環境配慮やエコの観点からも、こうした買いかえを促進していくということは極めて有効であると考えています。また、住宅エコポイントも、新しい発想として、住宅の省エネを促すものとして重要です。我が党としても、この施策を評価するとともに、経済対策として効果を上げるためには、我々のこれまでの経験で、遡及適用すべきだということを政府に申し上げました。それはそのようになったので、これも評価しています。

 そこで、このエコポイントとかエコカー補助金・減税、私どもが進めてきたものですけれども、これがどれだけ経済効果があったのか。それから二つ目に、この補正予算に盛り込まれているエコポイントとかエコカー補助金・減税、あるいは住宅のエコポイントについての経済効果をどの程度見込んでいるのか。それから三つ目には、エコポイントというのは二十二年の十二月三十一日まで、それからエコカー補助金というのは二十二年の九月三十日までになっているんですね。必要に応じてこれを延長する必要があるんじゃないかというふうに思います。この三点についてお答えいただきたいと思います。

直嶋国務大臣 エコカー補助金、エコポイントについてでございますが、御評価いただいて大変ありがたいというふうに思います。

 私は、これについては、やはり政策の切れ目なく実行するという意味で、この補正予算で入れさせていただいた意味はあるというふうに思っております。

 それから、マクロ的な経済効果については後ほど御説明があるかもしれませんが、けさ申し上げましたように、例えばエコカー。新車販売について申し上げますと、昨年の九月以降、前年同月を上回る水準になりまして、十二月は前年同月比で二〇%を上回るところまで国内販売が回復をいたしております。それから、あわせまして、その中でのエコカーの販売比率でございますが、例えば昨年の四月段階では四割でございましたが、十二月の実績では七割を超えるレベルに至っております。

 エコポイントについても同様でございまして、対象のテレビ、エアコン及び冷蔵庫の三品目を平均いたしますと、前年と比べて売上額が二割程度増加をいたしております。

 したがいまして、先ほど申し上げたとおり、住宅のエコポイントもあわせて、継続実施を決めさせていただいたということでございます。

 今後どうするという御質問でございますが、まず、この補正予算を上げていただいて、それを実行させていただく中で、経済全体の状況を見ながら判断をしていきたいというふうに思っています。

 その際、判断ポイントは二つあると思っています。一つは、井上議員も指摘があったように、やはり今後の環境対策という視点でどうするかということが一点あると思います。しかし、もう一つは、やはり経済の中で、こういう制度を続けることが我が国経済の活力にとってどうかという視点も重要だと思っています。例えば、エコカーなどは補助金を出して車を売っているわけでございますから、こういうビジネスというのは、本来、民間のビジネスではあることはよくない制度だというふうに思っていまして、これが余り長く続くとむしろ今後の我が国の経済にとってマイナス要因になるということもございますので、経済の状況をよく見きわめていきたい。

 当面は、予定どおり九月、十二月でそれぞれ終わらせていただくということを申し上げておきたいというふうに思います。

井上(義)委員 現場を回ってみますと、総理、やはりこの政治と金の問題、これは徹底的に究明すべきだという声も非常に強いし、と同時に、やはり仕事がない、何とか仕事が欲しい、早く厳しい経済状況を打開してほしい、こういう声も非常に強いわけです。具体的な経済対策の速やかな実行を求める声が非常に大きいわけで、私もやはりそれにこたえる必要がある、こう思っています。

 先ほども申し上げましたように、そういう意味では、今回の補正予算、私どもは、遅きに失した、こう思っていますけれども、国民生活への影響も考えて、早期に結論を出して、ともかく早期にこれが執行されるようにするということは、私は必要だというふうに思っています。

 だからこそ、やはり政治と金ということについても、例えば集中審議等を含めてしっかり取り組む、こういうことがなければいけない、私はこう思いますが、総理、いかがでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 今、雇用、経済の話をされていると思いましたら、政治と金の話になりました。

 国民の皆様方も、当然、政治に対する信頼を回復させなきゃいかぬ、政治に対する期待はそこにあろうかと思っております。ぜひそのことに関しては、私は政府の立場でありますから、これは、いわゆる国会の中で議論していただいてお決めを願えればと思います。

井上(義)委員 委員長、ぜひ、集中審議を含めてしっかりやるようにお願いしたいと思います。

 次に、介護の問題を取り上げたい、こう思います。

 介護は、だれもが避けて通ることのできない問題です。一生のうちには避けて通ることはできない。本人はもちろんですけれども、例えば、両親の介護をどうするかとか、あるいは配偶者の介護をどうするかとか。介護保険制度が施行されてから十年を迎えるわけですけれども、介護現場では深刻な問題が山積しています。

 例えば、特養ホームの待機者問題、あるいは、高齢者の妻が高齢者の夫を介護する中で、介護者のうつや、介護者が倒れてしまうという老老介護の問題、あるいは、両親の介護のために転職、離職を繰り返して、収入面の不安を抱え、先行きの見えないまま両親の介護に踏ん張っている、こういう実態がございます。

 公明党では、今回、この介護問題が極めて重要ということで、代表や私も含めて全国三千人を超える議員が一丸となって、昨年十一月から十二月にかけて、全国四十七都道府県で介護総点検というものを一斉に実施いたしました。

 総点検では、一つは街角のアンケート、それから二つ目は要介護認定者とか家族に対する調査、それから三つ目は介護事業者、それから四つ目が介護従事者、いわゆる介護の現場で働いている人ですね、それから五つ目が自治体担当者、この五分野に分けて実態調査を行いました。十万件を超える介護現場の貴重な声を聞き取ることができたわけで、御協力をいただいた関係の皆様にこの場をかりて心から御礼を申し上げたい、こう思います。

 現在、こうした現場の声をもとに介護総点検の詳細分析を進めておりまして、二月中には公明党独自の新介護プランを取りまとめたいというふうに思っていますけれども、きょうは、緊急提言ということで、三点についてお尋ねしたいというふうに思います。

 まず第一点目は、介護総点検を通じて浮き彫りになったことは、介護の施設が圧倒的に不足をしているということです。幾つかの声を紹介、たくさんの声がこういうふうにたくさん集まっておりまして、必要があればまた総理にもお見せしたいと思いますけれども。

 例えば、福岡県で母親の介護を三年半行ったというある女性の声ですけれども、八年前に母親がクモ膜下出血で倒れ、自宅で介護をしてきた。仕事をやめて母親の介護に専念できる経済状況ではなくて、仕事をやりながらやったけれども、自分もぎっくり腰を患い、それから毎晩のトイレの誘導で御主人も本人も限界を超えてしまった。最終的には母親は有料の介護施設に入ったけれども、月々の支払いは十五万円を超える、母親の年金だけでは支払いができない、子供を抱えた自分たち夫婦の家計に重くのしかかった。特養ホームに申し込んでも二百人以上待ちと言われて、自分たちが高齢者になったときにどうなるか不安だ、公共の介護施設が圧倒的に足りないというふうにおっしゃっておりました。

 それから、東京に高齢の両親を残して茨城県に単身赴任している男性ですけれども、父親は八十三歳、母親は八十一歳、本人は仕事の関係で茨城に単身赴任をしている。両親の介護のことで悩んでいらっしゃる。両親には特養ホームに入ってもらいたいけれども、もう何年も待たされている。母親は一年前に認知症になった。老健施設に入ることができたけれども、費用は月二十五万円かかる。ところが、最近、父親も自宅で倒れて介護が必要な状態になったけれども、同じ施設に入れたくても、二人で五十万では負担が大きい。非常に悩みが深刻だと。

 こういう例がたくさん届けられておりまして、介護施設の整備拡大というのは緊急の課題だというふうに思っています。

 そこで、公明党が行った介護総点検の中で、どこで介護を受けたいか、こういうアンケート調査をやりました。そういたしますと、これは私どもは意外だったんですけれども、自宅が圧倒的に多いんじゃないか、こう思っていたんですけれども、入所系の介護施設が四五・八%、それから、自宅は四二・三%、大体ほぼ同じくらいなんですね。これは結局、自宅に住み続けたいけれども家族の負担を考えると施設を希望するしかないという方もあるし、あるいは、施設の入所自体に余り抵抗感がなくなってきたという実態もあるんじゃないか、このように考えられるわけです。

 しかし一方、介護を受けている場所というのは、実は七割が実際は自宅で介護を受けているということで、自宅が圧倒的なんです。

 ところが、その在宅介護の人たちの調査をしますと、では、介護で困っていることは何ですかというふうに聞きますと、介護する家族の負担が大きい、それから、本人や家族のぐあいが悪くなったときに一時入所できる施設がないというのが上位を占めているわけで、こういうことを考えると、潜在的に施設入所希望者が非常に多いというのが私は実態じゃないかというふうに思うわけです。

 現実、今、全国の特養老に入所している高齢者というのは約四十二万人、ところが入所待機者も四十二万人いるわけで、認知症高齢者の急増に対しても圧倒的に施設が足りないのが実情でございます。

 そこで、私どもとしては、六十五歳以上の高齢人口がピークを迎える二五年までのこの十五年間でこの特養とか老健施設などの介護三施設を倍増させるべきだ、また、足りないグループホームなどは三倍程度までにふやす整備に着手すべきである、こういうことを自治体とも連携をとりながら計画的にやらなければいけないんじゃないか、このように思っておるわけでございますけれども、この点についての総理のお考えをお伺いしたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 今、井上委員の方から、介護のあるべき姿、介護の総点検を公明党さんがなさって、いろいろと実態調査をされた。そのことに関して心から敬意を表したいと思いますし、大変大事な調査をなさったな、そのように思っております。ぜひ、その最終的な調査結果が出ました折には、それを拝見させていただければ大変ありがたいと思っております。

 やはり、私も二人の母が八十後半から九十ということで、介護の問題というものが、多くの、特に私どもがまず団塊の世代、井上議員も私も団塊の世代、この団塊の世代のまだ両親が頑張っておられる方々もたくさんおられる。そういった方々が、今度は自分自身が介護が必要になる、団塊の世代が介護が必要になる時期が来る、いずれ来るわけでございまして、そのときまでに介護をさらに充実させていかなきゃならない、基盤を整えていかなきゃならないということは、まさにそのとおりだと思います。自宅における介護がやはり負担とか、あるいは子供さんがなかなかうまく介護ができないときには大変困るというようなことで、在宅の介護の難しさというお話もされました。

 したがいまして、今お話がありましたように、介護の三施設を倍増する、あるいはグループホームなどの三倍増というものを二五年までに実現するべきだというお話がありました。私ども政府としても、介護基盤の整備に関して、平成十八年から二十年度までの整備量に比べて去年から来年までの三年間で二倍増、いわゆる十六万床分を目標に整備をしたい、そのようには考えているところでございます。

 その方向でさらに加速度的にふやしていかなければいけないという思いもございますので、全力を挙げてまいりたいと思っておりますが、ぜひ実態調査のさまざまな結果をまた御指導いただければ大変ありがたいと思います。

井上(義)委員 いわゆる政府の社会保障国民会議の最終報告のシミュレーションでも、同程度の介護施設の必要性も訴えております。二〇〇八年の十二月に、前政権ですけれども、社会保障の機能強化の工程表と、それから税財政改革の全体像を示した中期プログラムを閣議決定しています。この中で介護の計画的な強化策を示して取り組み始めたところでございまして、私は、ぜひ引き続き現政権でも、見直しはあると思いますけれども、しっかりやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 次に、在宅介護の支援強化ということについてお伺いしたいと思います。

 先ほどの公明党の介護総点検で、高齢者が介護を受けている場所の七割強が自宅という結果が出ているということは、先ほど申し上げたとおりです。さらに、潜在的には、病院とか介護施設に入っている人も、できれば住みなれた我が家で介護を受けたいと願っている高齢者も多いのではないかと思います。

 しかしながら、先ほどの実態調査でも、介護する家族も限界に達してしまい、残念なことに、高齢者への暴力とか、あるいは介護放棄などの高齢者虐待というのがふえているわけです。しかも、自宅で介護する家族の四分の一に介護うつが疑われるということで、七十代の人を介護する家族の半分以上が七十代以上という老老介護というのも深刻になっています。

 そこで、介護する家族に休息をとってもらうために、例えばショートステイとかデイケアによる、一時的に施設に預かってもらうこととか、あるいは短期間病院で預かってもらうレスパイト事業、これは休息事業ですね、一時的に病院に預かってもらって介護家族が休息をする、そういう大幅な拡大が必要であるというふうに思いますけれども、この点について総理の考えをお伺いしたいと思います。

長妻国務大臣 まずは、貴重な調査をしていただいて敬意を表するものでございます。

 やはり、介護の一つのあるべき姿としては、介護を受ける方あるいは家族が、施設で受けるのか御自宅で受けるのか、そういう希望がかなえられるような、そういう介護の体制というのが重要で、今御指摘いただきましたように、自宅で介護を受ける体制、御家族をサポートする体制というのも重点項目として我々考えております。

 ショートステイ、あるいは見守り、配ぜん、緊急時対応というようなサービスを、今、市町村に地域包括支援センターというのがありますのでここに予算をつけまして、ここが地域の事情を一番よく御存じでございますので、そこを強化していく。

 そしてもう一つは、この介護事業の立て直しという意味では、今、介護の分野というのは有効求人倍率が一・三ということで、いまだに人手不足の分野でございます。

 そういう意味では、今、失業者の方が多くおられるので、そのミスマッチが起こっておるので、そういう方々にスムーズに介護事業に移っていただいて、それは介護事業の立て直しと失業者対策ということで一石二鳥なわけでございます。

 その大きなネックとなっておりますのが、介護のお給料、介護で働く方々のお給料が低いという問題であります。今やっている事業は、月平均一・五万円お給料を上げるということで、今八〇%の事業者の方々が申請いただいておりますけれども、最終的には、介護職員、月平均四万円程度お給料を上げていってこれを充実していくということで、実は厚生労働省としても、昨年、介護就職デーというのを一週間、全国のハローワークでマッチングをいたしまして、九千人超の方が来られまして、一割の九百五十六人が就職が決定したということでございまして、今後とも、介護の立て直しに注力をしてまいります。

 そして、あと最後一点、今取り組んでおりますのが事務負担の軽減ということでございます。介護保険制度はいろいろな制度改正が多いものでございまして、申請する書類が大変だという、事業者の方から使い勝手の面で御指摘をいただいておりますので、これについては、多くの皆様の御意見をホームページ等で寄せていただいて、ことし中盤以降にその事務手続もわかりやすく簡略化するということで、全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。

井上(義)委員 今、長妻厚生労働大臣からも指摘がありましたけれども、もう一点は、やはり介護職員の処遇改善なんですね。

 公明党の総点検でも、介護職の人は仕事にやりがいを感じている、働ける限り介護職を続けたいというふうに答えている人が七割に上っているんですね。ところが、心身の負担が大きい、あるいは業務内容に対して収入が低いというふうに答えた人が八割以上で、制度の課題として、やはり介護職員の待遇改善ということは重く受けとめなければいけないんじゃないかというふうに思います。

 ある女性の介護職員の方からお手紙をいただいたんですけれども、四十歳から介護の仕事に携わっている、老健施設だそうですけれども、非常勤の職員として十七年間働いている。一生懸命働いてきて介護福祉士の資格も取った。正職員と同じ仕事をしてきた。ところが、昨年末にボーナスが出て、正規の職員は平均五十万円のボーナスが出たけれども、非正規の彼女は、同じ仕事をしてきたんだけれども、一時金の三万円だけだった。せっかく専門の資格を取って同じ仕事をしてきたのに、正規、非正規というだけで大きな格差がある。ぜひとも同一労働同一賃金の社会を実現してほしい、こういうお訴えがございました。

 それから、埼玉県で介護施設の職員として働いている二十五歳の男性なんですけれども、奥さんと子供二人の四人家族だ。介護科のある高校を卒業して、希望を胸に介護施設に就職したんだけれども、夢との落差に驚いた。仕事もハードな中で介護福祉士の資格を取ったけれども、給料の手取りが安くて、夫婦共働きでないと二人の子供を養うことができない。アパートの家賃も高く、生活が大変だ。仕事量に見合うだけの給料でないと職場をかえざるを得なくなるのではないかというふうに心配している。ぜひとも介護職員の処遇改善に取り組んでほしい、こういう声でございました。

 今、厚生労働大臣からもお話がありましたけれども、私どもは、二十一年度の補正予算で処遇改善交付金を導入したんですけれども、これは介護職員だけが対象になっているものですから、医療系や事務系職員の職種拡大など、改善を求める声が非常に大きい。そのことと、それから、ぜひ交付金制度、この事業の恒久化を図る必要があるんじゃないか。それから、介護職員の大幅な給与アップにつながるような介護報酬の引き上げについても、これは次期の介護報酬改定がございますので、そこでもしっかり取り組むべきではないか、こう思っておりますけれども、この点について、総理、御見解がありましたら、よろしくお願いします。

長妻国務大臣 今、御指摘をいただきました介護職員の処遇の改善というのは、これは非常に大きなポイントでございます。

 人手不足なのに、しかもやりがいのある職場であるのに、人がなかなか来ていただけないということで、今の体制の中でも一生懸命頑張っておられる方が多いわけでございますけれども、御指摘のとおり、今は一時的な基金ということで賃金を、平均ですが一カ月一・五万円上乗せする、こういう措置がなされております。私どもといたしましては、この鳩山政権、一期四年の中で恒久化措置をして、これは民主党のマニフェストにもございますが、月四万円程度、報酬を確保していきたいという措置を考えているところであります。

 あるいは、介護の職場の中で、職場の改善ということで、例えば、お年を召した方を抱きかかえるというようなことに対して体の御負担が大きい、こういうこともございますので、介護補助機器あるいは介護ロボットのようなものの導入等々、職場の改善をきちっとしていきたいというふうに考えているところでございます。

 そして、もう一つ御指摘をいただきました、介護職員以外の職員についてもその報酬という御指摘がございまして、これも御要望いただいているところでございますが、財政的な制約もございまして、非常に激しい職務でそれに見合う報酬ということで、まずは介護職員を重点的にというふうに考えているところでございます。

井上(義)委員 いずれにしても、介護の充実は待ったなしでございますので、私どもも積極的に実態を踏まえて提言していきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 次に、貧困と格差の問題についてお伺いしたいと思います。

 貧困、格差の実態をきちんと認識をして具体的に解決していくということは、今日の政治に課せられた最重要課題だというふうに私どもは認識しております。

 現場を歩いてみますと、生活が大変だという深刻な声がたくさんございます。少ない年金で生活費を切り詰めながら暮らしている高齢者、あるいは、重い慢性の疾患を抱えて毎月の高額な医療費負担に苦しんでいる方々、さらには失業で仕事も住まいも失ってしまった方など、大変深刻な状況です。生活保護こそ受けていないけれども、もうぎりぎりのところで頑張っている、そういう人が非常に多いわけで、こういう皆さんに対する即効性ある対策を打つことが私は今大事だというふうに思います。

 ここに、セーフティーネットと今後の対応策というイメージ図をお示しいたしました。

 我が国が直面する課題として、長引く不況の影響で、労働者の賃金は伸び悩んでいます。それから、非正規雇用が拡大しておりまして、生活を支える生活基盤が非常に弱くなっているというのが現状だというふうに思います。これに加えて、少子高齢化の進展に伴う社会保険料などの負担増も重なって、これまで以上に生活が厳しくなっているという状況がございます。

 現在のセーフティーネットとしては、老後の社会保障として年金がある。病気や介護が必要になったときに医療・介護保険制度がございます。仕事を失ったときには雇用保険というのがございます。それから、これは社会保障制度ではありませんけれども、公営住宅などのセーフティーネットがあります。最後、どうにもならなくなったときに生活保護という制度があるわけでございます。

 しかしながら、次に指摘するような問題について、現行のセーフティーネットだけでは十分に救済ができないという問題があります。すなわち、高齢者は無年金、低年金の方が相当いらっしゃる、こういう問題があります。また、医療費についても、例えば慢性疾患の患者なんかで非常に高額な療養費の負担を強いられているという方々がいらっしゃいます。さらには、非正規雇用が拡大をして、雇用保険に加入できないために失業手当などを受けられないという方の問題というのもございます。

 そこで、現行制度ではやはり救済できない、あとは生活保護に頼らざるを得ない、こういうことではなくて、現行制度と生活保護をつなぐ新たなセーフティーネットを構築することが必要ではないか。それぞれの制度の機能を強化する、あるいは足りないところを新しい制度をつくるというふうにして、私は第二のセーフティーネットと呼んでいますけれども、そういうセーフティーネット機能を強化する必要があるのではないかというふうに思います。

 そこで、具体的な提案をしたいと思いますけれども、まず第一に、年金制度による安全網をもう一重強化する必要があるのではないか。厚生労働省の推計によりますと、このままいくと、無年金者は百十八万人、うち六十五歳以上が四十二万人に上るわけですけれども、こうした人たちに対する具体的な救済策がなかなか見えてこない。

 この問題を解決するために、公明党はこれまで具体的な提案を行ってきました。

 このパネルにもありますように、「年金制度の機能強化「無年金・低年金対策」」ということで、一つは、現行二年という年金保険料の事後納付制度を五年に延長する、あるいは、次に、年金の受給資格を得る二十五年という期間を十年に短縮する、こういうことについてこれまで何回も国会で主張してきました。

 昨年の臨時国会で我が党の山口代表が総理に質問したんですけれども、その際、総理は、「無年金あるいは低年金対策を含む現行制度の改革について、新制度の具体的な制度設計と並行をして検討を進めてまいります。そして、必要なものから逐次進めて実現をしてまいることもお約束をしておきます。」というふうに答弁されているんですね。

 必要なものから順次進めていく、こうおっしゃっているんですけれども、例えば事後納付期間の延長とかあるいは受給資格期間の短縮を求める意見は非常に強い。これは私は直ちに行うべきではないかというふうに思いますけれども、この点についてどうでしょうか。

長妻国務大臣 今、前段でおっしゃられた第二のセーフティーネットというのは全く同感でございまして、日本社会の一つの大きな欠陥とでも言っていいんでしょうか。

 つまり、失業されたときに、雇用保険が切れてしまった、あるいは自営業の方は初めから雇用保険に入っておられない。そういう方々が、では、次、仕事が見つからない場合どうしたらいいのかというときに、生活保護という非常に重い形で支えなければならない、その中間に何もないというのがこれまででございましたけれども、これは与党の御協力あるいは当時の我々野党の指摘などもあり、今、一定の住宅手当、つまり、家がなければ仕事を探すといっても探すことすらできない、しかし、生活保護の要件も満たしていない、雇用保険も切れているという方々に対して住宅手当というのを支給して、これは非常に手続が煩雑だという御指摘をいただきましたので、それを簡略化して、今までは六カ月住宅手当をお支払いしていたんですが、実は今御審議いただいているこの補正予算の中に四百億円予算を組みまして、それを六カ月じゃなくて九カ月、九カ月御自宅の手当をいただいて、その間に仕事を探していただこう、こういうことも措置をしているところでございます。

 そして、もう一つは求職者支援ということで、無料で職業訓練を受けて、そして生活費を一カ月十万円支給する、こういうことも第二のセーフティーネットでさらに充実をさせていこうと考えております。

 そして、今、無年金対応についてお話がございまして、実は私どもとしては、今、法案の提出を考えているものがございます。今、国民年金の納付というのは、過去二年よりもさかのぼって納付はできない、二年で時効だ、こういうような制度になっているわけでございます。その意味は、過去ずっとさかのぼって払えるようにしてしまうと、では先に払えばいいんだということで逆に未納が上がるという当時の発想でしたけれども、これは今は逆に、未納が上がって、その対策、対応をとる、無年金者の方を減らすというためにも、その時効期間を十年に延ばしていこうということで、まずは、過去十年までさかのぼって過去の納めておられなかった国民年金の保険料を払えるようにしよう、こういう措置をとってまいります。

 そして、本丸は、今の制度を維持して小手先の対応を繰り返すパッチワークのような形ではなくて、抜本的な年金制度の改革、これが必要であるということで、我々としては、鳩山政権一期四年後に法案を提出するということで、無理なく若い人も払える持続可能性のある制度、そしてどんな職業についても変わらない一つの年金制度、そして最低保障機能がある、こういうような新しい年金制度の中でその期待にこたえていきたいというふうに考えております。

井上(義)委員 事後納付期間の短縮を検討しているということは、それは結構だと思います。一方、支払い能力がある人はいいんだけれども、そうでない人は非常に難しい。また、受給資格を得たとしても、依然として低年金の方は残るわけですよ。

 このパネルにもあるように、私どもは、こうした低所得者に対して年金額を二五%加算する年金加算制度をつくることを提案しています。これによりますと、例えば、現在満額で六万六千円の国民年金が八万三千円になる。こういう取り組みを行うことによって、保険料の納付意欲も高まるし、結果として低年金とか無年金を抑制することにもなるわけで、この年金加算制度の創設についてもぜひ実行していただきたいというふうに思います。

 今、二〇一四年以降新年金制度スタート、制度設計については二〇一二年以降というふうにおっしゃっていましたけれども、現実、そういう低年金で苦しんでいる、生活ができない、ぎりぎりのところで頑張っている人がいるわけですから、私は、先行してでも二五%の上乗せをする加算制度はぜひ実現をするべきである、このように思いますけれども、これはぜひ総理に答えてもらいたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 年金制度を強化するということは、一人一人の老後を確かなものにするために極めて重要な考え方だと思っております。

 井上委員の調査による幾つかの御提案、確かに一つ一つ、ある意味でのお金がかかる話ではありますけれども、大変重要な御指摘だ、そのように考えております。特に受給資格期間を短縮するということも私は重要な発想だと思っておりまして、二十五年というのはやはり長過ぎるなという思いは現実に持ちます。ここもぜひ検討いたしたいと思っております。

 低所得者に対する基礎年金を上乗せする。特に低所得でお暮らしの方々のお暮らしを援助するということは私も発想として大事なことだと思っております。今御提案をいただきましたので、長妻さんと相談をさせていただきたいと思いますが、大事なことは、抜本的な年金制度改革というものをこの間にぜひ案としてお示ししたい、四年間の間にやりたいと思っておりますので、そういう意味でも、公明党さんの案もさらに御検討いただきたい、心からそのこともお願い申し上げます。

井上(義)委員 抜本改革は抜本改革でしっかり議論していきたいと思いますけれども、今私が申し上げているように、今現在、低年金で生活ができない、大変だ、そういう新たなセーフティーネットをつくるという意味で、これだけは先行してやるべきだということを改めて強調しておきたいと思います。

 それから、二つ目の高額療養費制度の見直しなんですけれども、がんとか慢性疾患で高額な医療費に苦しんでいる方はたくさんいらっしゃるわけです。医療費が高額になった場合に一定の上限額まで払えば済むという高額療養費制度というのがありまして、私も、実は一昨年、腰のヘルニアの手術をしてこの恩恵にあずかった一人なんです。ところが、この上限額でも負担が重いという方とか、あるいは要件に該当しないというために制度の恩恵を受けられない方がいるんですね。何とか見直してほしいという声がございます。

 具体的に言いますと、高額療養費制度の自己負担限度額というのは、収入に応じて大体三区分されています。七十歳未満の場合に、上位所得者、これはサラリーマンですとおおむね月収が五十三万円以上、それから低所得者、これは市町村民税の非課税の方、それ以外は一般という区分になっているんです。確かに、低所得者の一カ月当たりの限度額が原則月三万五千円に抑えられているんですけれども、それからちょっと外れると一般の区分になって、八万円強払わなければいけない。慢性疾患の場合、これは毎月なんですね。二倍以上の負担になってしまう。

 この一般区分に該当する方の収入というのはかなり幅があって、低所得者に近い方にとっては非常に負担が重いので、一般の区分をさらに二つに分けて、収入の少ない方の自己限度額を少し引き下げてはどうか、こういうことを私どもは提案して、先般、本会議でも取り上げて、総理から前向きな答弁をいただいているわけです。

 これについてはぜひ検討していただきたいと思います。総理、どうでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 これは先般も井上議員からお尋ねがありまして、そこに、私としても重要な課題だと認識をいたしておりますと申し上げたところであります。

 重い病気にかかってもなかなか安心して医療を受けられない、それではいけない。安心して医療機関で医療を受けられるようにしていくために、人の命を大切にする、国民の生活を守る政治というものを行うのは私ども現政権にとっても大変重要なテーマだ、そのように認識をしております。

 したがいまして、高額療養費制度に関して、治療が長期間にわたるというような方を初め、あるいは医療費の負担が重い患者さんの負担軽減のために、ぜひ、どのような対応が可能であるか、今、井上委員からもいろいろと御指摘がありましたので十分に検討してまいりたいと思っておりまして、その検討に当たっては、患者負担の現状というものを十分に把握して、また医療保険財政へどのぐらい影響を与えるかということを勘案して結論を出してまいりたい、そのように考えております。

井上(義)委員 この問題は、昨年、自公政権のときに、制度の見直しのための議論を開始したんですね。その後、政権交代で民主党中心の連立政権にかわりましたから、ぜひこの問題は現政権でも進めていただきたいということを改めてお願いしておきたいと思います。

 それからもう一点、先ほど厚生労働大臣からもお触れになりましたけれども、最後の、いわゆる訓練・生活支援給付金の拡充ということについてお伺いしたいと思います。

 公明党は、非正規雇用で雇用保険の対象外となってしまう方や失業給付が切れた方などの救済のために、いわゆる緊急人材育成事業をつくり、雇用セーフティーネットの強化に取り組んできました。その一環として、職業訓練中の住宅費用の生活費を保障する訓練・生活支援給付、これを二十一年度補正でつくったわけです。これは、パネルの図にあるとおり、従来の雇用セーフティーネットや住宅セーフティーネットだけでは救済されない、生活保護に陥ってしまうというような方を救済するのに極めて重要な役割を果たしているわけです。

 新政権になってもこれは引き続き実施されているわけで、一月五日現在、緊急人材育成事業による職業訓練の受講者、予定を含みますけれども、四万八十二人、それから訓練期間中の生活費の支給については受給資格認定者が一万五千九百九人、利用者はさらにふえ続けるというふうに伺っています。

 しかし、現下の厳しい雇用情勢からすると、まだまだ利用者が少ないんじゃないか。一方で生活保護受給者がどんどんふえている傾向にあるわけですから、この受け皿についてしっかり拡大をすべきだ。生活保護を受けなくても再チャレンジできる、こういうトランポリン型のセーフティーネットが大事だということは多くの方も指摘されているとおりです。

 しかし、まだまだこの制度を知らない方も多いですし、さらに多くの方が利用できるように周知徹底、あるいは手続を簡素化する、あるいは再就職に結びつくような訓練メニューの質を向上する、あるいは支給要件を緩和する、そういう制度の改善、拡充というものを行うべきだと思いますし、また、この制度については、二十一年度補正予算の一部執行停止で、二十二年度まで実施されるようになっているんですけれども、ぜひ恒久化すべきだ、こういうふうに思います。この点についてお伺いしたいと思います。

長妻国務大臣 これはさきに御指摘いただきました第二のセーフティーネットの一つでございまして、今まさにおっしゃられたように、平成二十二年度は一時的でありますが、私どもとしては、平成二十三年度から恒久的な措置としてこれを実行していきたい、こういうふうに考えているところでございます。

 これはぜひ、今おっしゃられたように、国民の皆様でまだ御存じない方がおられますので、この機会に申し上げますと、雇用保険が切れてしまった、そして本当に就職を探して、生活も苦しいという方はぜひハローワークに行っていただいて、ハローワークで、無料で職業訓練を受けながら、生活費を月十万円あるいは扶養者がいる方は月十二万円支給して職業訓練を受けていただく、そしてその間仕事を探していただく、今こういう制度がございますので、ぜひ利用していただきたい。

鹿野委員長 大臣、時間の関係がありますから簡潔にお答えをいただきます。

長妻国務大臣 はい。そして、受け皿でございますけれども、平成二十二年の三月末には講座の定員を十万人にしていこうということを考えているところであります。

井上(義)委員 では、以上で終わります。

 どうもありがとうございました。

鹿野委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 きょうは、まず初めに、政治と金の問題について質問します。

 政治資金とはそもそもどうあるべきか。政治資金規正法は、政治活動の実態を公開し、国民の不断の監視と批判のもとに置き、政治活動の公正を確保する、政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、公明正大に行わなければならないとしております。

 これが基本だと思いますが、総理、いかがですか。

鳩山内閣総理大臣 赤嶺委員にお答えいたします。

 まさにそのとおりでありまして、政治家たるべきもの、政治と金の問題に関してはクリーンであらなければならない、そのためには、政治資金規正法、その趣旨にのっとって行動あるべきだ、そのように思います。

赤嶺委員 政治資金をめぐる疑惑、不信、これは議会制民主政治そのものに対する不信にもつながりかねません。その点で、総理自身の資金管理団体の偽装献金問題が発覚したことは、私は大変重大だと思います。

 母親からの贈与十二億六千万円、鳩山総理の個人資産三億二千万円、合わせて十五億八千万円、その中から資金管理団体の虚偽記載分四億円が充てられたと説明されております。では、残りの十一億八千万円はどう使われたか。総理は、政治家個人としての政治活動、プライベートに係る経費に使ったと言いながら、その内容は明らかにされていません。

 総理は、昨日の予算委員会の答弁で、資料がすべて検察に渡っており、公判が終わったら弁護士に調べるように言っており、できる限り説明できればと考えている、このように言われました。つまり、書類が返還されたらすべて国会に明らかにするということで、それでよろしいですね。

鳩山内閣総理大臣 赤嶺委員にお答えをいたします。

 今お尋ねがありましたが、資金の使い道に関して、これは検察が使い道の部分とそれから収入の部分、それぞれチェックをしたわけでございまして、基本的に、収入の部分にいわゆる献金、おかしなものがあったじゃないかというところは判明をいたしましたが、支出に関しては不正があったという指摘は一切ありませんでした。しかしながら、本来ならば支出内容について明らかにせよという話でありますが、まず、基本的に不正な部分は支出はなかったものだという理解を私はいたしております。

 しかしながら、やはり額が大きい、どこに行っているんだというお尋ねもあろうというふうに思っておりますので、今東京地検にすべての資料が行っております、私のもとにはありません、それが戻ってきた折に、すなわち公判が終了した暁になるわけでありますが、弁護士の調査チームにこのことに関して分析、検証しろということを依頼したところでございます。

 それがそこの弁護士チームの判断によってどのような分析がされるかということでありますが、極力皆様方にそうかと理解いただけるように努力をしてまいりたい、そのように思います。

赤嶺委員 残りの十一億八千万円の部分、これは、総理もお認めのように、まだ説明できておりません。ぜひ国民の前に明らかにしていただきたいと思います。

 総理みずからの資金管理団体で偽装献金という違法が明らかになり、秘書二人が起訴をされました。にもかかわらず、自分は一切知らなかったではやはり済まないと思います。

 総理は、みずからの政治的道義的責任、どう感じていらっしゃいますか。

鳩山内閣総理大臣 赤嶺委員にお答えをいたします。

 政治的道義的責任が一切なかった、すべて秘書がやったことだなどというふうにうそぶくつもりは毛頭ありません。私は、事実は事実として申し上げて……(発言する者あり)町村委員、そうおっしゃいますが、そんなことはありません。私は、事実を事実として申し上げているわけでありまして、極力私の知り得るところを皆様方に御説明を申し上げてきたつもりでございまして、そのことは誠心誠意これからも行ってまいりたい、そしてそのことによって自分の責めというものを果たしてまいりたい、そのように考えております。

赤嶺委員 政治的道義的責任も明白で、国民はなお説明を求めているということを総理自身もきちんと認識していただきたいと思います。

 それで、次は小沢幹事長の問題であります。

 小沢幹事長の資金管理団体陸山会の土地購入疑惑に関連し、東京地検特捜部は、陸山会の金庫番を務めた小沢氏の現、元秘書三氏を逮捕いたしました。

 総理は十六日に総理官邸で幹事長とお会いしておりますが、小沢氏からどのような説明を受けたのでしょうか。そして、信じるという確信を得た理由は何ですか。

鳩山内閣総理大臣 確かに十六日の日に小沢幹事長と会いました。そこで小沢幹事長から、私には全くわからない、このことは自分自身として身の潔白というものを証明していきたい、そのように私に話されました。

 そのときに私は、今日まで小沢幹事長と、ある意味で政権交代、同じ思いのもとでそれを実現を果たしてまいりました同志でありますので、そのことを信じたい、そのように思って、私は、だからこそ、小沢幹事長がそのときに、身は潔白である、だから闘うという思いを了といたしたということでございます。

赤嶺委員 信じたい、こういうことなんでしょうけれども、この問題の核心は、四億円の土地購入資金がどこから出たのかという問題、そして原資の一部がゼネコンからのやみ献金だったのではないかと疑われていることです。もしそうなら、公共事業の受注を通じて国民の税金が還流していたことになります。

 我が党のしんぶん赤旗の調査でも、公共事業を受注した中堅ゼネコン水谷建設の幹部が小沢氏の元秘書で先日逮捕された石川知裕衆議院議員らに計一億円を手渡したことについて、極めてリアルな証言を得ています。

 総理は、小沢幹事長に対して、一連の疑惑について説明を求め、みずから解明に乗り出すべきではありませんか。小沢幹事長には何の政治的道義的責任もない、このように言われるんですか。いかがですか。

鳩山内閣総理大臣 私は、小沢幹事長という方は、いわゆる政治資金のディスクロージャーに関しては極めて明確にいつも述べておられて、いわゆる事務所費や不動産の問題が指摘されたときも率先して領収書などのすべてを報道機関に公表してまいった、これも事実でございます。今まさに、だからこそ私は、今回、小沢幹事長に対して、本人が自分は潔白だということを申したものですから、そのことを信じたい、そういうふうに考えているところでございます。

 したがいまして、私は、今まさに検察が捜査をしている最中でありますから、しかも、小沢幹事長みずからが、仄聞するところによると事情をしっかりと説明して潔白を示してくると。そのように私も思っておるものですから、まずは、国民の皆さんとともに、事情聴取に応じる小沢幹事長を冷静に見守るべきではないか、そのように感じております。

赤嶺委員 総理、小沢氏が検察の聴取に応ずるのは、これは当然ですよ。

 しかし、検察の捜査は刑事責任の追及です。国会は、政治資金をめぐる国民の疑惑について刑事責任の有無とは別に疑惑を解明し、その政治的道義的責任を明らかにしていかなければなりません。これはロッキード事件のときに、五政党党首の合意として、国会は政治的道義的責任の有無について調査する、このようにあります。刑事責任を究明する司法と、政治的道義的責任を究明する国会と、車の両輪となって真相究明が進んだ歴史的な教訓であります。しかも、九割の国民が、小沢氏は説明責任を果たしていない、このように思っているんです。

 委員長、この際、小沢幹事長を当委員会に参考人招致することを求めたいと思います。

鹿野委員長 後刻、理事会におきまして協議をいたします。

赤嶺委員 私、この問題の最後に、政治資金疑惑が繰り返される一番の根っこの問題、これは、自民党政治のもとでロッキード事件、金丸金脈、ゼネコン汚職などを引き起こしながら企業・団体献金が温存されてきた、そこに元凶があると思います。

 政治改革と称して、一九九五年、政党助成金を導入するかわりに企業・団体献金は禁止する、このようにしながら、いまだに企業献金をもらい続け、政党助成金も受け取る。二重取りです。二重取りをやっています。こんなおかしな話は本当にない、このように思います。そもそも、政治資金は国民の政治参加の重要な手段であり、参政権を持たず営利を目的とする企業の金で政治を動かすことは許されないことであります。

 今こそ、企業・団体献金の禁止に踏み出すべきです。そして、政党助成金もそのあり方を見直し廃止すべきであります。このことを強く主張しておきたいと思います。

 次に、私は、きょうは普天間基地の問題について聞いていきます。

 普天間基地は、沖縄県宜野湾市にあるアメリカ海兵隊の航空基地です。市のど真ん中に位置し、市民はその周辺を取り囲むようにして生活することを余儀なくされております。米軍ヘリや空中給油機、戦闘機が日常的にその上空を旋回し訓練を行っており、危険きわまりない基地であります。

 日米両政府は、一九九五年に起きた米兵による少女暴行事件、これに抗議して開かれた沖縄県民大会を契機に、普天間基地の返還に合意をしました。ところが、普天間基地にかわる新たな基地を沖縄県内に建設することが条件とされました。十三年以上が経過した今なお返還は実現しておりません。普天間基地の危険性は放置され、二〇〇四年には、普天間基地所属の大型のヘリが沖縄国際大学に墜落、炎上いたしました。

 こうしたもとで、鳩山政権が昨年九月、発足いたしました。この間、普天間基地の嘉手納基地への統合を初め、さまざまな移転先が取りざたされてきましたが、解決の見通しは立っていません。アメリカは現行計画どおり名護市辺野古への移設を強く求めており、袋小路に陥っております。私は、今、普天間基地問題の原点に立ち返るべきだと思います。

 総理に伺いますが、そもそも、普天間基地を初め沖縄の米軍基地はどのように形成されたという認識をお持ちでしょうか。

北澤国務大臣 お答えいたします。経過を私の方から御説明させていただきます。

 赤嶺委員も既に国会で何度かこの件について御発言をされておられます。

 おっしゃるとおり、昭和二十年の四月に米軍が上陸してきて、北上する部隊と南下する部隊がありまして、南下する部隊が来て、宜野湾市のところへ本土空襲のための飛行場を建設したという経過でありますが、私どもは、この問題を一日も早く解決するということで、官房長官がヘッドになってただいま真剣に討議をして、きょうの午前中の質疑でも総理からお話のありましたように、五月をめどに解決をしていきたい、このように思っておる次第であります。

 ちなみに、赤嶺委員が主張されているように、戦後つくられたということではなくて戦争中につくられたということは、どうも間違いのないことのようであります。

 現在のところ、地権者は三千百人ほどでありまして、地代は六十六億をお支払いしておりまして、このうち、宜野湾市の市民の皆さん方の地主率は七〇%、そして県内全域では九五%、こういう中で日本政府がこの地代をお支払いをしている。

 しかし、このことは日米双方で協議をした上で、これを日本に返還して、その代替地を辺野古沖につくりたいということで合意をしましたが、さきの衆議院選挙で沖縄の皆さん方の民意が高まって、現在、先ほど申し上げたような経過になっておる、こういうことであります。

赤嶺委員 総理、全くお答えになっていないですから、ちょっと私の方からも経過を説明して、さらに総理の認識も伺いたいと思いますけれども、沖縄の米軍基地は、まず、住民の理解を得てつくったものではないということであります。住民の土地を強奪してつくったものです。

 沖縄は、さきの大戦で、国内で唯一住民を巻き込んだ地上戦を体験いたしました。米軍が上陸をしたら、住民が収容所に強制的に収容されているときに、戦争もまだ終わらないうちですよ、その間に軍用地、民有地を問わず接収して、米軍基地を建設いたしました。住民が収容所から帰ってきたら、鉄条網が張られ、自分たちの土地が基地に変えられていたわけであります。

 普天間基地がつくられた場所には、民家も役所も郵便局も墓地も、そして沖縄で言うサーターヤー、サトウキビを搾って黒糖をつくる製造所、そういうのも普天間基地の中にありました。米軍占領のもとで、そういうすべてのものを奪ってつくったのが米軍基地であります。

 それだけではありません。その後、広大な土地を戦争が終わらないうちに強奪した上に、サンフランシスコ条約が締結された一九五一年以降、米軍は、銃剣とブルドーザーによって抵抗する住民を強制的に排除して、基地をさらに拡張いたしました。

 私は、那覇の飛行場の近くの小禄の生まれです。そこに具志という地域があります。その具志地域では、サンフランシスコ講和条約が発効したかしなかったかという時期に、米軍が、水道タンクをつくってやるという理由で八千坪の土地を奪いました。実際に設置されたのは水道タンクではなく、米軍のガソリンタンクでした。土がかぶせられ、芝が植えられ、こんもりした緑の丘に見せかけたそのガソリンタンクの丘に抱かれるように私は成長いたしました。少年時代を過ごしました。

 住民をだまし討ちにしてガソリンタンクをつくった後に、米軍は大勢の武装米兵、そして装甲車、トラックで押し寄せて、土地取り上げに反対して座り込む住民を銃剣で殴り、軍靴でけり、頭から毛布をかぶせて片っ端から追放していきました。こういう土地強奪によって米軍基地は拡張されたわけです。一カ所ではありません。宜野湾市の伊佐浜や、伊江島や、県下各地で銃剣とブルドーザーによる基地の拡張が強行されました。

 私は、沖縄の米軍基地はこうした不法、不当な土地の取り上げによってつくられた、このように認識しておりますが、総理の認識はいかがですか。

鳩山内閣総理大臣 今、赤嶺委員がお話をされましたように、特に普天間の基地に関して申し上げれば、先ほども北澤大臣からお話がありましたけれども、昭和二十年、まだ戦争が終わらないうちに、民有地を含めて米軍が接収をして、そしてその上につくったものだ、そのように理解をしております。それだけに、沖縄の県民の皆様方にとって、普天間の基地、いろいろな事件もあったわけでありますし、事故もあったわけでありますが、この経緯というものもありますだけに、普天間の基地は早く取り返してもらいたいという思いを強く持っておられるんだと思います。

 そのことを前提にしながら、そして、戦後というか、また普天間を移設する先が沖縄の中かという思いも多くの県民の皆様方に共有するお気持ちではないか、だからこそこれだけ長い時間がかかってしまっているということも理解をしていく中で、普天間の基地の移設先というものを、我々としても五月の末までに、時間をかけますけれども、最終的にしっかりと沖縄県民の皆さんの御理解もいただく中で決めてまいりたい、そのように考えておるところでございます。

赤嶺委員 こういう土地の強奪というのは、当時の国際法にも違反する行為であります。戦争においても最低限守るべき基準を定めたハーグ陸戦法規は、占領下における略奪や私有財産の没収を禁止しております。

 ですから、普天間基地は、今総理の認識も説明を受けましたが、生まれながらにして国際法違反の基地であります。こうしてつくられた米軍基地によって、戦後六十五年間、県民は耐えがたい苦しみを背負わされてきました。戦闘機の墜落、爆音、演習による原野火災、流弾、米兵による殺人、暴行、基地あるがゆえに起こるさまざまの被害や、そして、沖縄に生まれ育った者にとっては生涯忘れることのできない多くの悲劇を経験してきました。

 私が小学校に入学したその年には、由美子ちゃん事件という、六歳の少女が米兵に拉致され、嘉手納基地内で暴行されたあげくに殺され、米軍のごみ捨て場に捨てられるという痛ましい事件が起こりました。

 さらに小学校六年のときには、当時の石川市宮森小学校に嘉手納基地の戦闘機が墜落しました。パイロットは脱出装置で逃げる一方、機体は学校に突っ込んで、児童を含む十七名が死亡し、多数の負傷者を出しました。

 高校の入学の前には、青信号のときに横断歩道を渡っていた中学生の国場君、今でも名前を忘れることはできません、その国場君が米兵の車両にひき殺されながら、犯人の米兵は軍法会議で無罪になり、何のとがめも受けずに本国に帰りました。

 大学に入学したら、ベトナム戦争に出撃のため飛び立ったB52爆撃機が嘉手納基地の滑走路の端に墜落をいたしました。

 米軍による直接占領下で事件、事故は繰り返され、県民は虫けらのように扱われてきました。

 総理、普天間基地だけが例外的に無法に取り上げられて基地を形成したわけじゃないんです。こういうやり方で沖縄全体の米軍基地がつくり上げられてきた、こういう事件が繰り返されてきた、そして県民は共通のそういう忘れられない悲劇を今胸に秘めながら基地問題を考えている、このことについて総理はどのように認識されますか。

鳩山内閣総理大臣 今、赤嶺委員から、切々とした沖縄県民の思い、余りにも多くの悲劇が米軍の基地によって起きてしまっているという現実のお話を伺いました。大変、それぞれ、赤嶺委員のみならず沖縄の多くの県民の皆様方が感じておられることだ、そのように思っております。

 したがって、このようなことが決して繰り返されないような状況をつくっていかなければならない。一方で、日本も、いわゆる安全保障という立場、状況を踏まえて考えたときに、米軍の存在というものを現在必要としているという状況の中で、どのような解決策があるかということを知恵を絞らなければならないことは言うまでもありませんが、そういう中で、今、赤嶺委員からお話があったさまざまな悲劇が繰り返されないような、そんな環境をできる限りつくり上げていくのが政府の使命だ、そのように考えております。

赤嶺委員 そういう米軍の圧制下のもとに、米軍は、当時の小学生、中学生に、米軍の統治、民政がいかに県民に役立つものであるか、こういう「守礼の光」という雑誌を出しておりますが、この中には、極東の平和と安全保障を考えるのであれば、沖縄県民は日本に復帰することなど考えてはいけない、このように書いてあるんですよ。こういう雑誌が、祖国に返ることさえ、安全保障の名前で我々は抑えつけられてきたんです。

 そして、一九七二年、沖縄県が祖国に復帰をいたしました。祖国復帰にかけた県民の思いはどういうものであったか。

 きょう、私は、当時、学生時代に私自身が使っていたパスポートを持ってまいりました。資料としてお手元に配付しております。

 このパスポートの中に訳文とありまして、正文は、米国民政府、「琉球住民赤嶺政賢は、日本へ旅行するものであることを証明する。 琉球列島高等弁務官」、このように書いております。それで、私が大学の授業が始まって本土に戻ってきたときには、「日本国への帰国を証する。」日本国への帰国だったんです、ふるさと沖縄から東京に戻るときは。それから、東京からふるさとに戻るときは、「日本国からの出国を証する。」つまり、沖縄は外国だったんですね、米国の施政下にありますから。

 私にパスポートを発行した琉球列島高等弁務官というのはどういう立場の人かといいますと、琉球列島米国民政府の最高責任者で、絶大な権力を持って県民の上に君臨をしておりました。当時、琉球立法院、県議会のようなものが、民選の議会がありました。琉球立法院。定例日の開会日にだけ正面玄関があくんです。何のために。この高等弁務官が沖縄県民にメッセージを送るために。そして、沖縄県民から選ばれた琉球立法院の議員は、その高等弁務官のメッセージを聞かなければいけない。その神聖な県民の代表である立法院で米軍の高等弁務官のメッセージの行動をやめさせるために、沖縄県民は激しい闘いをやりました。県民の上に君臨するなという闘いでありました。

 すべては軍事が優先されていたんです。高等弁務官は現役の軍人から、アメリカ本国の国防総省から任命をされていたんです。だから、県民は軍事優先の無権利状態でした。

 平和憲法がある日本に復帰を果たしたら、当然米軍基地はなくなる、少なくとも米軍基地は縮小される、このように思っていました。ところが、基地の島、沖縄の現実は何も変わらなかったわけです。憲法の上に安保があったからです。

 ですから、あの米軍の直接占領統治下に起きたようなことが今でも繰り返されている。九五年に、総理もよく御存じの米兵による少女の暴行事件が起きました。そのときに、沖縄県民はあの由美子ちゃん事件をみんな思い出していたんです。二〇〇四年に沖縄国際大学にヘリが墜落しました。そのときに、沖縄県民はあの宮森小学校へのジェット機墜落事件を思い起こしていました。こんな不条理なことが復帰後の今でも繰り返されている。

 復帰のときに、政府は沖縄県民に、いや、今からは沖縄の米軍基地も安保条約のもとに置かれますから、日本の防衛のために使われるんですから、アメリカの勝手な基地の使い方は改善されると思います、当然基地も整理縮小しますといって、一九七一年の沖縄国会では沖縄の基地の整理縮小決議も上げたんですよ。そういう期待も持っていたわけです。ところが、日米安保優先のそういう自公政権のもとで、県民の声は押しつぶされてまいりました。県民の声にこたえる政治はありませんでした。

 政権は交代したんです。そして、政権がかわった今だからこそ、政府の当初の約束どおり、沖縄の米軍基地の縮小、撤去、ここに取り組むべきではありませんか。

鳩山内閣総理大臣 赤嶺委員にお答えいたします。

 今、るる沖縄の県民の思い、そして歴史的な変遷、その中での米軍の基地のあり方のお話をいただきました。そして、パスポートまで見せていただきました。そのような思いの中で、日本に、本土に、復帰をされた沖縄の県民の皆様方の思いを感じるときに、当然のことながら、米軍の存在のあり方というものを非常に真剣に考えなければいけないことは言うまでもないことだと思っております。そして、その文脈の中で今普天間の移設先が求められているということも事実だと思っております。

 私は、したがって、だからこそ、今赤嶺議員のお話などにも耳を傾けさせていただいているところでございますが、沖縄の県民の皆様方の大変な今日までのつらさ、思いというものをしんしゃくしていく中で、米軍の基地のあり方、縮小という話もありました、将来的にどのような米軍の再編、日米の安保のあり方というものを考えるべきかというお尋ねの中での結論を見出してまいりたいと思っておりまして、その意味でも、どうぞ、私どもの新政権が五月までに普天間の移設先を必ず決めてまいりたい、その中で、沖縄の県民の思いというものも理解する中での結論を出してまいりたい、そのように思っておりますので、御理解を願えればと思います。

赤嶺委員 総理、私、県民の思いを今歴史的に述べたつもりです。五月までに普天間の移設先を決めていきたいというお話がありましたが、県民の思いを受けとめる立場に立てば、沖縄の米軍基地問題は縮小、撤去に取り組むべきだ、そういうことを申し上げたわけです。

 それで、少し具体的に今の問題について質問していきたいと思います。

 鳩山内閣は、辺野古にかわる新たな移転先、五月までという検討を進めてきておるわけですが、岡田外相は、普天間基地の嘉手納基地への統合を検証対象に挙げられました。外務大臣は、沖縄を訪問し、嘉手納町長や北谷町長や沖縄市長らとこの問題で会談をしてきましたが、地元の首長さんは何と言っていらっしゃいましたか。

岡田国務大臣 お答えします。

 私は、昨年十一月、十二月、二度沖縄を訪問いたしました。嘉手納飛行場、それから嘉手納町の役所を訪問いたしまして、そこで、町長あるいは市長とお会いをさせていただきました。二人の町長そして沖縄市長が言われたことは、騒音の問題の厳しさ、そういう中で、嘉手納への移転は反対であるということを言われたわけであります。

 私が申し上げたことは、もちろん、今のような騒音、それをさらにふやすような解決策はない、したがって、嘉手納統合ということであれば、それは今よりも騒音が減るような、つまり、嘉手納の機能の一部を他へ移転するということがセットでないとそれは答えにならないということを申し上げたところであります。

赤嶺委員 嘉手納の機能を一部他に移転して負担の軽減の見通しはつく、そういうお話が嘉手納町長からありましたか。

岡田国務大臣 嘉手納統合の話というのは、当時、その可能性について検証を行ったところですが、今、改めて官房長官のもとで検討委員会が設けられ、そこでゼロベースで議論しているところでありますので、余り嘉手納統合の話を今ここで詳しく述べるのは必ずしも適切でないというふうに思います。

 ただ、事実関係ですから申し上げますが、嘉手納町長からは、機能を移転するということは現実的でない、そういう見通しを聞かされました。

赤嶺委員 機能移転を考える方が、これは沖縄の米軍基地問題の事の本質を認識していないことのあらわれだと私は思うんですよ。

 嘉手納基地の訓練は移転しても、なお騒音はふえているわけです。嘉手納町長のお話ですと、この嘉手納基地の周辺に広大な訓練空域があり、訓練海域があり、実弾の射爆撃場がある、使い勝手のよい米軍基地のインフラがこれだけ整っているところで、一部訓練を移転しても、あいているなら使わせてくれと言ってどんどんやってくる、こんな使い勝手のいい米軍基地で、一部の訓練機能を移転したからといって負担が減るわけはない、こうおっしゃっていたんです。私は、嘉手納町長にもお会いしましたし、嘉手納の嘉手納基地統合案反対の町民大会にも参加をしてきました。普天間基地が嘉手納に統合して負担が軽減するのは妄言だ、このようにおっしゃっておりました。

 鳩山総理は、嘉手納統合案についてはどんな認識をお持ちでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 先ほど岡田外務大臣が話されましたように、今、この普天間の移設先を決めるに当たって、官房長官を長とする委員会をつくっておりまして、その中でゼロベースで検討するということにいたしております。

 今、私の口からどこがいいとかどこが悪いとかいう具体的なことを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、いずれにしても、沖縄の県民の皆様方にとってトータルとして負担が軽減されたなと思うような形でなければ解決はあり得ないものだ、そのように考えております。

赤嶺委員 私、これまで、嘉手納統合案について外務大臣とも何度か論戦を交わしてきましたが、そのときも率直に私の意見を申し上げましたけれども、嘉手納統合案を出してきた瞬間、ああ、鳩山内閣は沖縄の基地問題の深刻さを理解していないな、そういう不信の感情が広がりました。これは、沖縄、地元に行って岡田外務大臣もひしひしと感じられたことだと思います。

 ところが、今、官房長官は席を立たれてしまいましたが、官房長官を責任者とする検討委員会、その後も県内移設が取りざたされているわけです。宮古島市の下地島あるいは伊江島、これらが選択肢に挙げられ、沖縄を訪問した平野官房長官が上空から視察をしたわけです。

 下地島は、民間航空機のパイロットを養成するための飛行場がある場所です。本土復帰を前にした一九七一年に、当時の琉球政府の屋良主席と政府との間で覚書が交わされ、軍事利用はしないことに合意している場所です。

 私、パイロットを退職した方から直接伺ったことがあるんですが、海外から飛行するときに、下地島の上空に来たときに本当に安心するというんですね。下地島の上空なら、自分がパイロットの最初のころに訓練を受けた飛行場だから、どんなことが起きても対応できる、こういう安心感を与える場所だ、こう話しておられました。だから、軍事利用反対という、きょうは屋良主席との覚書も持ってまいりましたけれども、そういう場所なんです。

 伊江島の米軍飛行場は、パラシュート降下訓練や物資投下訓練が行われ、たびたび米兵や物資が基地の外に過って落ちてくる。あるいは、向こうの米軍の滑走路は砂利敷きなんです、舗装されていないんです、野戦用ですから。ですから、米軍の戦闘機の離発着のときには物すごい石つぶてが畑に飛んでいく、伊江島の重要な産業である葉たばこの葉っぱがこの砂利から大きな被害を受けている、こういう場所なんですね。今でも基地被害は大変なところ。

 下地島も伊江島も、普天間基地の移設に反対する議会の抗議決議も皆さんの行動の直後に採択をされました。結局、県内のどこにも新たな基地をつくる場所などない、こういうことじゃありませんでしょうか。

 こういう沖縄の現実を総理は直視すべきではありませんか。何かゼロベースというと、これは沖縄も対象になっているという話になりますから、やはり沖縄の現実を直視すべきだ、このように思いますけれども、いかがですか。

鳩山内閣総理大臣 当然、沖縄の県民の皆様方の思い、現実というものを大切にしていきたいと思います。

 五月末ということでありますから、あと四カ月ということになります。その間に、沖縄の県民の皆さんにも理解のある解決をしなければならないということでありますので、当然、県民の皆様方の思いというものを大事にさせていただく中で結論を見出してまいりたいと思います。

赤嶺委員 新たな移転先を探そうとしても、あの狭い島に新たな基地をつくる場所はないんです。結局、辺野古に戻ってくるんではないかというのが県民の不安であります。

 鳩山総理自身が十二月上旬に、年内決着を先送りする、このように述べた際に、記者団から新基地建設は白紙に戻ったのかと問われたのに対して、当然生きている、このように述べられました。

 辺野古は、ジュゴンがすみ、そのえさである海草、藻場が広がり、そして世界最大規模のサンゴ群落や貴重な動植物の発見が相次ぐなど、沖縄の自然環境保全条例でもランク1に位置づけられた地域であり、ちゅら海であります。

 移転先探しは必ず行き詰まる、私はこのように考えています。また、私だけでなく、だから十三年間普天間は動かなかったということが言えます。この問題を解決するためには、移設条件つきではなくて普天間基地の無条件撤去しかない、そうではありませんか。

岡田国務大臣 この問題、議論のスタートは、現在の普天間基地の危険な状況を除去しなければならない、ここから始まっているわけであります。除去するために、普天間の機能をどこかに移さなければならない。

 私は、沖縄を訪れまして、確かに基地が非常に多いということは実感をいたしました。しかし同時に、米軍基地があって、その抑止力によって日本の安全が保たれているということもそのときに感じたわけでございます。

 今回、この見直し作業、官房長官のもとで行われております。これはゼロベースで行うということでありますので、もちろん県内、県外いずれも可能性を今さまざま検討しているところでございます。すべて日本からなくしてしまうという前提に立ちますと、米軍基地の果たしている日本の安全を確保するための抑止力というものが失われてしまうということになりますので、そこはやや前提が委員とは違う。米軍基地が日本からないことが望ましい、そういう前提に恐らく立っておられると思いますが、我々はそういう前提には立っていないということは申し上げなければならないと思っております。

赤嶺委員 私の意見を言っているんじゃないですよ。十一月八日の県民大会のときにも、県内移設に反対し、即時無条件返還を普天間基地については求める。これは別に基地問題の認識の違いではないですよ。

 大体、沖縄におりて、広大な米軍基地を見て、ああ、これが日本を守っている抑止力か、こんなふうに考える方がおかしいじゃありませんか。この米軍基地のもとで虫けらのように扱われた沖縄県民の歴史に思いをはせるべきではありませんか。何で抑止力ですか。今度の、抑止力、抑止力と言って、これが沖縄県民に六十五年間米軍基地を押しつけてきた、米軍基地がちっとも減らない論理だ。

 そして、地元の沖縄タイムス、琉球新報も書きました。一月一日の琉球新報では、軍の論理よりも民の尊厳を、こういうことなんですよ。今、普天間基地の即時無条件撤去を求めているのは、あの米兵の犠牲になった少女の事件を契機に、県民が共通に要求していることですよ。

 私は、安保を廃棄して日本の米軍基地は全部撤去すべきだ、そういう考えは持っています。しかし、今沖縄県民が要求しているのはそのことではありません。やはり民の尊厳が、人間の尊厳が余りにも米軍基地によって、軍事優先の論理によって抑えつけられてきた、この事態を、今、民主党政権になったんだから、米軍再編の見直しも言っているんだから、それを、自公にはできなかったことだからやるべきじゃないか。

 総理は、野党時代の二〇〇五年七月、沖縄等米軍基地問題議員懇談会の会長として沖縄を訪問されました。辺野古の海、嘉手納基地、普天間基地、そして金武町伊芸区の都市型戦闘訓練施設などを調査いたしました。私も御一緒させていただきました。

 伊芸区では、調査現場で住民との懇談も行われました。そのとき、お年寄りの皆さんが鳩山代表の足元にひざまずいて、実弾射撃訓練の中止を強く訴えました。そのときのことを覚えていらっしゃると思うんですが、覚えていらっしゃいますか。

鳩山内閣総理大臣 赤嶺委員方とともに、沖縄の米軍基地等の問題を研究する勉強会で、確かに、あれは二〇〇五年でしたか、実弾射撃場のところまで参ったことはよく覚えております。

赤嶺委員 その後、総理は当時、沖縄から戻ってこられまして、本会議で、県民の声を十分聞いて、直ちに実弾射撃訓練を中止するよう政府に求めておられました。そして、この普天間基地問題については、代替施設なき返還をアメリカに求めるべきだと当時の小泉首相に迫っておりました。

 政権についた今こそ、この主張を実行に移すべきではありませんか。

鳩山内閣総理大臣 私もかつて、そのような思いを持ったと思います。

 ただ、御案内のとおり、やはり現実の中で、この米軍の存在、これは、先ほど岡田外務大臣が抑止力と申したのは、抑止力のために米軍基地が沖縄に存在しなきゃならぬということを申したわけでは必ずしもありません。しかし、日本のどこかにおいて米軍が存在をするということの必要性は我々も感じているところでありまして、そういう中で、したがって、今普天間基地の移設先をやはり真剣に考えていかなければならないという発想の中で政府として行動いたしております。

赤嶺委員 抑止力は、後で申し上げますけれども、普天間基地の代替施設なき返還を野党時代に求めていたということはお認めになったわけですが、あのときも、沖縄県民には自公政権が盛んに抑止力だ、抑止力だ、このようにおっしゃっていましたよ。そういう中で、鳩山総理はこの質問の中で、小泉総理に向かって、あなた方は抑止力の維持強化で沖縄の基地を強化しようとしているんじゃないかと厳しい追及を行っているんですよ。やはり沖縄の立場に立てば代替施設なき返還を求めなきゃいけないと、当時の小泉首相に迫っているんですよ。

 あのときと今と何が違うんですか。国際情勢の変化があるんですか。何が違うから代替施設なき返還を求める立場から離れていくんですか。今こそあの立場で頑張るべきじゃないですか。

鳩山内閣総理大臣 私は今、まさに現実の中で、それこそ一日も早く普天間基地が返還されることを期待しているわけでありまして、その中で、現実的にそれをどうすれば一日でも早く実現できるか、それを考えているところでございます。

 代替の基地がなくてできるかという思いもありましたが、米軍との交渉をかんがみたときに、それは現実的に不可能だ、だとすれば、どのようにすれば現実に普天間の基地ができるだけ早く返還されるかということを求めるべきではないか、そのように思っておりまして、その中で解決策を講じてまいりたい、そのように感じています。

赤嶺委員 総理、きょうの議論の始まりのときから、沖縄県民の思いについて受けとめておられるか、このように考えておりましたが、やはり肝心かなめの、問題の核心に近づくにつれ、アメリカとの日米合意を持ち出してくる。

 沖縄県民の気持ちも大事、日米合意も大事、そういう総理の言い方について、私の周辺では、主権国家日本の総理であれば、アメリカと沖縄のどちらをとるかと言われたら、両立できないわけですから、これは沖縄県民、日本国民の立場に立って、そして野党時代に求めていた代替施設なき返還、これをちゃんと求めたらどうですか。

鳩山内閣総理大臣 だからこそ、私どもは今、平野官房長官のもとで、連立与党三党が協力をしていきながら、一日も早く普天間の基地の移設が認められるように、そして、トータルとして沖縄の県民に対して負担が軽減される道を模索して、解決策をつくり出そうと努力しているところでありまして、赤嶺委員にも御協力をむしろ願いたい、そう思います。

赤嶺委員 私の最大の協力は、アメリカに無条件撤去を求める、そういう立場に総理が立てば大いに後押ししていく、沖縄県民と一緒にそれを頑張っていくという立場であります。

 嘉手納から訓練移転をしても、本土の自衛隊五つの基地に嘉手納の戦闘機の訓練が移転したけれども、嘉手納基地は結局ほかのところから訓練機がやってきて騒音はふえた。

 総理と私が御一緒した金武町伊芸区も大変深刻な実態があの当時あったと思います。でも、一九九六年、七年、SACO合意のころに、海兵隊の実弾砲撃訓練、あれが本土の方に移転したんです。では、沖縄県民の負担は軽減されたか。総理と私が行って深刻な基地の被害の実情を見たように、変わらないんです。結局、アメリカの軍事力優先に立てば基地問題は解決しないんです。

 大体、私たち日本共産党は、海外の遠征部隊として横須賀や三沢や沖縄に米軍基地が置かれていると考えておりますが、沖縄の海兵隊は殴り込み部隊じゃないですか。イラク戦争やアフガン戦争に出動している部隊じゃないですか。あの沖縄国際大学にヘリが墜落したときも、あのヘリはイラク戦争の準備のために展開中の事故じゃないですか。日本防衛のための事故じゃないですよ。日本防衛の任務を持っていないということをアメリカの政府高官はアメリカの議会で何度も言っているんですよ。抑止力という言葉で、沖縄に軍事優先という立場を押しつけてほしくない、このように思います。

 沖縄の基地問題、これは、いかにして米軍基地の縮小、撤去を進めるかという問題です。ところが、九六年のSACO合意以降、移設先探しの問題にすりかえられてきました。

 九五年の県民大会で、当時普天間高校三年生だった仲村清子さんは、このように訴えております。

 今、このような痛ましい事件が起こったことで、沖縄は全国に訴えかけています。決してあきらめてはいけないと思います。私たちがここであきらめてしまうことは、次の悲しい出来事を生み出してしまうからです。

 いつまでも米兵におびえ、事故におびえ、危険にさらされながら生活を続けていくのは私は嫌です。未来の自分の子供たちにもこんな生活はさせたくありません。私たち子供、女性に犠牲を強いるのはもうやめてください。

 若い世代に新しい沖縄のスタートをさせてほしい。沖縄を本当の意味で平和な島にしてほしいと願います。そのために、私も一歩一歩行動していきたい。私たちに静かな沖縄を返してください。軍隊のない、悲劇のない、平和な島を返してください。

 これは、九五年の少女暴行事件で抗議して八万五千人の県民大会が立ち上がった会場での、当時の高校生仲村清子さんの訴えです。

 原点は、基地のない静かな沖縄を返してほしい、そこから普天間基地問題が大きな世論になっていったんです。ところが、移設条件つきだから、十三年たっても危険は放置され、いつまでも解決しない。移設条件つきを外して普天間基地の撤去を求めれば、これはたちまち解決をするわけです。この仲村清子さんの思い、この思いに対して総理の認識を聞かせていただきたいと思います。

岡田国務大臣 沖縄の皆さんが大変な負担のもとにその重圧に苦しんでこられたこと、そのことは我々政治家として十分にわきまえて、踏まえていかなければいけないというふうに思っております。

 委員は嘉手納の現状について言及されましたが、嘉手納の基地の騒音が決していい状態にない、解消していないということは我々も認識をしておりまして、その騒音の負担の軽減のために、これは日米間でしっかりと話し合いをしたい、そういうふうに考えているところでございます。

 委員が沖縄か米軍かと言われましたが、ここのところは、私はそういう選択肢ではないというふうに思います。沖縄の負担をいかに減らしながら、しかし日本全体としては、やはり日本の安全を米軍の抑止力のもとで維持していくということは重要でありますので、その問題、どうやって日本の安全を確保していくか、沖縄の負担を軽減しながら確保していくか、そういう問題であって、沖縄か米軍か、そういう選択肢の問題ではないというふうに考えております。

赤嶺委員 沖縄は復帰のときに、基地を減らしますということを日本政府は約束したんです。復帰後も減っていなくて、こういう事件が繰り返されているんです。返還をしますと言ったら、移設先を探さなければいけないと言って、さらにこの十三年間、沖縄の負担は何も軽減していないんです。今までの自公政権がやってきた同じ失敗を民主党政権も繰り返すんですか。それよりは、鳩山総理が野党のころに、沖縄の基地の現状を一緒にごらんになってきて、その結論として本会議場で、代替施設なき返還、これを求めていくと。そういう立場に立つことを繰り返し私は訴えたい、このように思います。

 九七年の名護市民投票以来、県民は一貫して新基地建設に反対をしてきました。普天間基地の即時閉鎖、撤去、辺野古への新基地建設と県内移設反対が県民の総意であります。十一月八日にも二万一千人が参加して県民大会が開かれ、そしてそのことを改めて示しました。総理は、県民の総意を正面から受けとめて、県内たらい回しをやめ、本腰を入れて普天間基地撤去の対米交渉を始めるべきであります。

 今、沖縄で起こっていることは対等な日米関係ではありません。およそ世界に大国と自任するアメリカであれば絶対にやってはいけない非人道的な蛮行、犯罪、これを繰り返しております。そういう中で、アメリカも大事、沖縄も大事、こういう立場に立ったら問題は解決しない。主権国家の総理として、県民の立場、国民の立場に立ってこの問題の解決に当たるよう強く求めて、私の質問を終わりたいと思います。

鹿野委員長 これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。

 次に、渡辺喜美君。

渡辺(喜)委員 みんなの党代表、渡辺喜美でございます。

 みんなの党は、みんなで坂本竜馬をやっております。自民党脱藩組、民主党脱藩組、脱藩官僚、そして、民主党からさんざん誘われたのでありますが、その独裁体質が嫌だと言ってみんなの党に入党してこられた川田龍平さんのような人もいます。

 みんなの党は、例えば霞が関改革法案、こういうものをワンパッケージで出しております。皆様のお手元の表紙の部分、こういうワンパッケージの政策を、制度改革をやることによって平成維新は起こるものであると考えております。

 我々のねらいは、覚悟を持って薩長連合、政界再編をやることであります。我々のねらいは、維新開国、これはかつて前原大臣が言っていた言葉をちょっとパクらせていただいておりますが、維新開国によって、衰退過程に入った日本をもう一度隆盛国家にすることであります。

 なぜ明治維新が起きたのか。堺屋太一さんによれば、士農工商という身分制はおかしいと庶民が気がついたんですよ。お侍さんって大したことないよね、その瞬間から明治維新は起きたんです。維新によって版籍奉還を行い、武士の身分制を廃止いたしました。今風に言えば脱官僚、地域主権、これをやったから維新が起きたんですよ。

 政権交代というのは、こうした歴史的偉業のはずでありました。でも、鳩山内閣の迷走が始まり、今や政権は後ろに退く政権後退状態になっているじゃありませんか。まず真っ先にやるべきは、自民党の幕藩体制を支えた官僚制度の改革をやるべきだったんです。これが先送りされて、また、私が大臣のときに手がけた地域主権型道州制は今や影も形もないじゃありませんか。江口克彦座長のもとに懇談会をつくり、ことしの三月までに基本計画を出す予定だった。それが全く消滅させられてしまったのであります。

 鳩山政権は、維新政府の首相ではなく、第十五代将軍徳川慶喜公に似ているという話もございます。改革マインドはあるんだけれども、幕藩体制最後の将軍だ、こういう位置づけなんですね。慶喜公には篤姫という偉大な母親がいらっしゃいました。鳩山総理の場合にはどなたかは存じませんけれども、よく似ているものだなと思いますよ。

 今我々の目の前に広がっているのは、古い古い自民党の時代のデジャビュですよ。いつか見た光景。金銭スキャンダルに見舞われ、そして、官邸のあるじよりも党の方に最高実力者がいる。自民党時代そのものじゃありませんか。無血の平成維新は一体どうなっちゃったんですか、総理。

    〔委員長退席、海江田委員長代理着席〕

鳩山内閣総理大臣 渡辺喜美委員にいろいろと御指導をいただきました。特に政治主導、官から民だという思い。私もその思いで、多くの同志の皆さんとともに、今こそ政治主導の世の中をつくらなきゃならぬ、その思いでまさに政権交代の旗を掲げて、それを実現したところでございます。

 今、いろいろと何か意識の中で、党の方がより力があるみたいな話がありました。そうではありません。私どもは、政策はすべてこの新たな政府の中で、内閣でつくり上げていくということにいたしました。そして現実に、ある意味で、事務次官会議などというものをなくすなどを行いながら、官から民、政治主導の内閣をつくり上げてまいりました。

 ただ、御案内のとおり、渡辺委員お話しのとおり、まだ政権発足して四カ月であります。そこにすべてを期待されても、必ずしも渡辺委員が御満足いただけない部分もあるいはあろうかと思います。

 しかし、渡辺委員が今お話しされたような、まず脱官僚、それからいわゆる地域主権、これは道州制の部分というものに対しては、むしろもっとダイレクトな方がよいのではないかという思いがありますので、さらにそれを強烈なものにしていくために変えようとしておりますが、地域主権国家づくりに邁進していきたいと思っておりますので、決して我々は、渡辺委員と違う夢を描いているという思いはありません。むしろ、思いは極めて近いのではないか、そう思っております。

 渡辺委員が大臣時代のときに思っておられたことがなかなかうまくいかなかった、だからこそ新しい政治をつくろう、そして行動された、その行動やよしだと思います。その渡辺委員の意思を我々にもしっかりと見定めさせていただく中で、共通する部分、大いに一緒に行動できれば、そのように考えているところであります。

渡辺(喜)委員 総理の思いがわからないでもありませんが、行動が伴っていないと政治家はいけません。順番が狂ったんじゃだめなんですね。最初にやるべきこと、これをしっかりやることが大事だと申し上げたいと思います。

 そういう中で、これまた自民党時代の金のスキャンダルそっくりじゃありませんか。総理の場合には、自民党の方には弟さんを除いてはそういうお金持ちはいらっしゃいませんけれども、ずっと答弁を聞いていて、何かちょっと腑に落ちないんですね。政治資金規正法違反がなければ何に使ってもいいのか。違反はないとさっきから答弁されておられます。違反がないから使い道の説明はしなくていいんだというふうに聞こえますよ。

 さっきの御答弁では、プライベートに使った分もある、しかし私腹を肥やしたわけではないと、たしかおっしゃったと記憶いたしました。どういう意味なんでしょうか。たまっている分がないという意味なんでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 私の今回の政治資金の問題、いわゆる虚偽記載の問題で二人の秘書が御案内のとおり起訴をされたということでございまして、そのことに関しては国民の皆さんにおわびを申し上げてきたところでございます。

 そして、そのことで、秘書が行った行為に関して、私はいろいろと過去も確かに発言をしたということも認めているところでありますが、しかし、そういった行為そのもの一つ一つが、私腹を肥やすような後ろめたいことを行ったという思いではないということを申し上げたかったのでございまして、その意味で申し上げて、先ほど使い道の部分もお尋ねがありましたけれども、使い道に関しては、検察が調べ上げて、収入も支出も調べて、その中で支出の部分には問題はなかったというふうに私は認識をしているということを申し上げたところでございます。

渡辺(喜)委員 月々千五百万円もらっていたという御認識はないと何度も聞かされましたが、多額のお金を使っているという御認識はおありだったでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 多分、普通の御家庭の方々に比べれば、我が家の支出は多いのではないか、そのように認識はしております。

渡辺(喜)委員 それは千五百万円ぐらい使っているという御認識だったでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 そのような認識は持ち合わせておりません。

渡辺(喜)委員 もし巨大なお金がなかりせば、今日の政治家鳩山由紀夫はあったとお思いでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 この母からのいわゆる贈与に関しては、全く存じ上げなかったことではあります。したがいまして、知らなかった話でありますだけに、それが、仮定の話で、もしなかったときにどうなるかということは、私には全くはかりかねます。

 ただ、政治家になりたいという思いは、そのお金がなくとも果たすことはできたとは思っておりますが、その後の行動に関して、自分自身として今判断を求めろと言われてもはかりかねるところでございます。

渡辺(喜)委員 先ほどから出ている質問なんですが、秘書の罪は政治家が罰を受けるべきだとの御発言であります。今回、秘書の刑事責任が政治家の政治的責任に及ばない理由を改めて正確に教えてください。我々は地球人でございますので、地球人にわかるようなわかりやすさをもってお願いをいたします。

鳩山内閣総理大臣 それは、検察によってある意味で最終的な処分がなされた、その責めは当然その者が負うべきであります。

 ただ、同時に、その者が、私が政治家になっていなければ当然別の世界にいた人間でありましょうから、そのような罪は犯さなかったと思っておりまして、その意味で、同じ罪だというふうには認識はしておりませんが、政治家として、その秘書が犯したことに対しては責任はあるべきだ、そのような思いは持ち合わせております。

渡辺(喜)委員 もし、お母様からのお手当ではなくて、原資がゼネコンのやみ献金あるいは解散された政党の政党助成金の使い残しだったとしたら、いかがでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 そのような仮定の話にはお答えする必要もないかと思っておりますが、そういうところから来なかったというところがむしろ秘書の悩みであったのかな、そのように思っております。

渡辺(喜)委員 つまり、そういったゼネコンのお金とか、そういう汚い金ではない、これは個人の財産、いわばきれいなお金を使ったという区別なんでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 何だからきれいだとか汚いだとか、そういう区別はするべきものではないと思います。

渡辺(喜)委員 やみ献金をきれいなお金と言う人はいらっしゃらないと思うんですね。そういうお金が流れ込んで、もし秘書が罪に問われた場合、政治家本人の責任はどうなるでしょうか。

    〔海江田委員長代理退席、委員長着席〕

鳩山内閣総理大臣 そのようないろいろな仮定のお話をされますが、私は、今の立場から、仮定の話にお答えするものではありません。

渡辺(喜)委員 これは個別の話ではなくて、一般論を聞いているんですよ。一般論として、ゼネコンのやみ献金や政党助成金の不正蓄財があって、秘書が罪を問われた場合に、政治家の本人はどうなるんですかというお尋ねをしているんです。

鳩山内閣総理大臣 私の秘書の犯した罪はそのような話ではない、そう理解をしておりますので、一般論だとしても、私が答えるべきではないと思います。

渡辺(喜)委員 国会というのは検察じゃありませんので、これはまさに、先ほどから議論が出ているように、政治的責任、こういうものをきちんと明確にする場なんですよ。したがって、こういう当たり前の質問に答えられないというのは、何かやましさを感じてしまいます。

 政治主導というのは官邸主導、内閣主導のことであります。官邸が中空構造だったら真の政治主導は成り立ち得ません。政権をとったら、政権党は何でも思いどおりになるのか。例えば天皇陛下の公的行為も検察の捜査も全部思いどおりになるのか。一党独裁国家ではそういうこともあり得るでしょう。しかし、我々のような自由社会ではそういう考え方は間違っています。自由社会の一番大切な倫理というものは、力の強い人がやりたい放題やっちゃいけませんということなんですよ。これは、政権党にも権力を行使する機関にも、どちらにも当てはまることであります。

 さきの民主党大会で小沢幹事長が、断固検察と闘うと宣言をされました。鳩山総理も、同志として信じていると再三御発言をされておられます。そうすると、これは一蓮託生、運命共同体宣言をされたのに等しいのであります。

 小沢幹事長が万一罪を問われるようなことがあったらどうなさいますか。

鳩山内閣総理大臣 今まさに、小沢幹事長が事情をしっかりと説明に行くという状況でありますから、捜査は冷静に判断をされるべきだと思います。

 そして、信じることと一蓮託生という話は、これは別であります。同志として、代表とそして幹事長という立場で、お互いに協力をしながら政権交代を実現してきた、そのことはそのこととして大変大きな話だ、そのように思って、小沢幹事長を信じているのは、我々みんな、すべてそうであります。そのことと一蓮託生という話とは、これはいささか趣が別だ、そのように思います。

渡辺(喜)委員 いずれにしても、国会に出てきて話す義務のない方が一番影響力を政権に対して行使しておられる、これをガバナンスのゆがみというんですよ。こういう状態があるがゆえに、まさに政治の閉塞状況が晴れないということを申し上げます。

    〔委員長退席、海江田委員長代理着席〕

 本来、この国会は、こうしたお金のスキャンダルの話ではなくて、いかにデフレギャップを解消するか、これを議論する場だったはずであります。

 今、日本のデフレギャップ、四十兆円、内閣府が認めておられるだけでも三十五兆円あると言われています。デフレギャップをほうっておけば失業率は高くなります。日本の場合、今のデフレギャップで大体失業率が二、三%程度上に行きます。そして、失業者数でいくと百三十万人から二百万人程度ふえます。労働者の正規、非正規でいったら、非正規の方にしわ寄せが来ます。もっとしわ寄せが来るのは新卒者の方ですよ。来年春に卒業して、職のない高校生がどれだけいることか。こういうデフレギャップを放置しておけば、雇用対策を延々とやらざるを得なくなる。言ってみれば、対症療法ではだめなんです。根本療法をやる必要があります。

 リーマン・ショック以降、各国では財政出動と同時に金融政策を発動いたしました。今回の補正によって、菅副総理のお話は大体〇・七%程度ぐらいですか。到底これではマイナス七%のデフレギャップを解消するには至りませんね。そうすると、各国ではどんなぐあいにこのデフレギャップを解消していったか。

 お手元の四ページ目に、カラープリントで行っているかと思いますが、例えばリーマン・ショックの後、アメリカではマイナス百四十兆円のデフレギャップ、ドイツはマイナス三十兆円、日本がマイナス四十五兆円。財政政策を発動した後は、アメリカでは半分になっています。日本では、残念ながら三十五兆円まだ残っているんですね。金融政策を発動した後、アメリカ、イギリスではデフレギャップは解消をしているんです。日本では相変わらず三十五兆円。

 次のページを見ますと、各国中央銀行のバランスシートが書いてあります。例えばFRB、急激にバランスシートを膨らませております。ECB、ヨーロッパ中銀も同じようにバランスシートを膨らませています。日本はどうか。バランスシートをしぼませたまま。これが日本の金融政策の現状なんですよ。

 では、日本の金融政策、六ページ目をお開きいただきますと、どうなっているのか。消費者物価指数、生鮮食品を除く、あるいはコアコアと言われるエネルギーも除く、赤い方ですね、どういうぐあいに消費者物価指数は推移をしてきたか。これを見れば明らかなように、ゼロ%からマイナス一%のゾーンにどんぴしゃりはまっているんです。いかに日本銀行がデフレターゲットとさえ言ってもおかしくないような金融政策をやってきたかが、これによってはっきりわかります。ゼロを超えると金融引き締めをやる、マイナス一を下回ると金融緩和をやる、こういう金融政策をやってきた結果、日本はデフレギャップから脱却できずに延々と格差が広がり続けているんです。

 総裁、いかがでしょうか。

    〔海江田委員長代理退席、委員長着席〕

白川参考人 お答えいたします。

 まず、日本銀行の基本的な政策運営のスタンスでありますけれども、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的な経済成長経路に復帰することが極めて重要であるというふうに認識しております。

 先月開催しました決定会合でも、日本銀行は、消費者物価の、前年比で見てゼロ%以下のマイナスの値は許容しないということ、政策委員の大勢は一%程度を中心として考えているということを示し、デフレ克服への決意を明確にしております。こうした考え方のもとで金融緩和措置をさらに決定いたしました。

 今、先生が御質問になりました需給ギャップ、デフレギャップとの関係で申し上げます。

 まず、デフレギャップの数字これ自体は、これは計算の仕方で随分変わりますので、ギャップの数字それ自体については多少幅はございますけれども、しかし、今、経済の問題として、この需給ギャップを解消する必要があること、需要を創出する必要があるということについては全く認識は同じでございます。

 その上で、金融政策でございますけれども、先生のお配りになりました表の中で、金融政策の果たした役割の数字についてどういう根拠で計算されたのか必ずしも定かではございませんので答えにくいんですけれども、ただ、先生が御指摘になった中央銀行のバランスシートという点について、一言だけ私の考え方を述べさせていただきます。

 先生御案内のとおり、アメリカの場合は、銀行借り入れではなくて、CP、社債、証券化商品といった資本市場での調達が全体の八〇%を占めております。一昨年秋のリーマン破綻によって、アメリカの資本市場は大変に実は壊れてしまいました。もう発行ができないという状況になりまして、その結果、FRBは、不幸にして中央銀行がそこを肩がわりするしかないという状況になってしまいました。

 この点、日本の金融システムは、これは渡辺先生が御努力された九〇年代後半以降の金融危機対策も含めて、日本はさんざんいろいろな努力をやってまいりました。その結果、今回、日本の金融システムは、もちろん世界の影響は受けましたけれども、しかし、欧米に比べて、金融システムは相対的には安定性を保ち得ました。その結果、FRBで起きた、不幸にしてFRBがそこまで中央銀行のバランスシートを拡大しないといけないという状態には、日本はならずに済んだということでございます。

 そのかわり、日本銀行は、金利を今世界で一番低い金利にして、金融緩和を続けるという覚悟を示しております。それから、流動性につきましても、日本銀行は、必要な流動性はしっかり供給するという体制を組んでおります。

 最後に、中央銀行のバランスシートの大きさでございますけれども、これはもちろん経済規模の差を勘案する必要がございます。アメリカあるいは欧州は大体日本の三倍弱ございますので、GDPの比率で見てみますと、日本銀行は二六・〇%、FRBは一六・〇%、ECBは二〇・六%でございまして、大きさという面で見れば、もちろん大きさが大きければいいというわけではございませんけれども、日本銀行は世界で一番大きな中央銀行になっております。

渡辺(喜)委員 相変わらず昔の理屈を述べ立てておられるばかりでございますが、結局、世界の金融政策の標準と言われるテーラー・ルールをもってしても、今の日銀の資金供給は非常に少ない、マイナス三%ぐらいの水準になっているんですね。したがって、デフレ脱却のためには、何といってもGDPギャップを埋める必要がある。これには財政政策だけでは到底無理。となったら、日本銀行が、あと三十兆円ぐらいは国債を買ったり、あるいは、我々の主張している信用緩和政策を打ち出したりする必要があるんですよ。

 みんなの党は、昨年の臨時国会において日銀法改正案を準備いたしました。まず、政府と日銀が協定を結ぶ。アコードですね。その上で、政府が日本銀行に、例えば、中小企業のローン債権を二十兆円買い取ってほしい、お手元の資料の七ページ目に出ておりますが、こういうことを要請することができる。日銀は独立性がありますから、断ることもできる。一方、日銀が政府の要請に応じて二十兆円のローン債権を引き取って損を出した場合、政府が補てんをする。日銀と政府の財布はつながっていますので、そういうところのやりくりで補てんをするということになるでしょうね。

 そういうことをやれば、二十兆円のお金が金融機関に出回る。金融機関は、新たな貸し出しあるいは資本提供金融、そういうものに回すことが可能になるんです。財政政策を使わずして二十兆円の有効需要をつくることができるようになるじゃありませんか。なぜこういう財政金融一体政策をとらないんですか。

 菅副総理、菅副総理はスーパー大蔵大臣ですよ。財務大臣兼経済財政担当大臣。日銀の金融政策、来週二十五、二十六と二日間あります。そこへ行って、財政金融一体政策をやるべきだ、そういうことをおっしゃられたらいかがですか。

菅国務大臣 デフレギャップ、デフレ状態について、私も昨年、ある段階で、日本の状況がデフレ状況にあるということを宣言いたしました。また、それ以降、日銀の方でも、今、白川総裁からもお話がありましたように、〇・一%の三カ月という長期の金利政策を含めて、幾つかの手を打っていただきました。そういう意味では、現在、政府と日銀、もちろん独立性とかコミュニケーションをよくするとかいろいろありますけれども、基本的には連携をしながら対応している、このように思っております。

 今、渡辺議員の方から、日本銀行にいろいろな債権買い取り等を言ったらどうかと。これは、私の認識では、大きい方向としては、日銀、政府、方向性は同じ方向を向いていると思いますが、そこでどういう政策を金融政策として打っていくのか、具体的なあり方まで政府がこうしろ、ああしろと言うのはやや行き過ぎではないか。そういう意味では、方向性を共通にしながら、それぞれ政策手法、日銀は金融政策として、そして政府は財政政策を中心にして考えていく、こういう考え方で進めているところであります。

渡辺(喜)委員 結局、日本だけが二番底懸念、ほかの先進国は出口戦略というのを考えているわけですね。そうすると、ではまたしても四月以降補正を組まなきゃいけないということになるんじゃありませんか。だったら、今のうちから財政金融一体政策をきちんと政府と日銀で話し合って決めておくべきなんですよ。

 結局、日銀の肩を持たれる方は自民党政権時代もいらっしゃった。日銀が量的緩和をおくれおくれにしてしまった、そして引き締めをやるべきでないときに引き締めをやってしまった、だから日本がデフレから脱却できずに、延々とデフレが続き、そしてリーマン・ショック以降の需要が消えてなくなっていく中で世界一デフレギャップが出てきてしまったんです。

 ぜひ、これは鳩山内閣として真剣に取り組んでいただきたい。我々は野党ではありますが、こういう前向きの提案はどんどんさせていただきます。

 総裁、もう結構ですから、帰ってお仕事やってください。

 次に、成長戦略についてお聞きをします。

 まず、何といっても成長戦略の基本は、強力な財政金融一体政策を進めた延長線上にあるということを申し上げたいと思います。

 経済の成長というのは、ばらまきで所得をふやせば、カンフル注射で成長が達成できるという代物ではありません。結局、なぜ自民党時代の成長戦略が、毎年つくられては効果を発揮してこなかったのか。我々は、まさにそれは脱官僚、地域主権がなかったからだと申し上げております。要するに官僚統制なんですよ。産業を官僚が統制し、そして産業を育てると称して規制をかけ、補助金を出し、そんなことをやってきたから全体の経済が競争力がまるで失われてしまった。そういう産業政策に乗らなかった産業、例えば自動車のようなものは世界一の競争力を確保したんです。

 まさに成長戦略を実効あらしめるためには、脱官僚、地域主権。産業の振興というのは中央政府の仕事じゃないんですよ、地方政府の仕事なんです。例えば、菅副総理もよく出されておられる農林業、こういうものは地方政府に任せたらいい話なんですよ。そういうことが全然できていない、だから失敗をしてきたんです。

 では、今度の新成長戦略の中で本当にそういう脱官僚、地域主権の発想があるんでしょうか。例えば、ここにも書いてあるように、羽田の二十四時間ハブ空港、オープンスカイ構想を推進する、こういうことをやるためには官僚統制をなくさないといけないんです。その官僚統制のなれの果てが日本航空じゃありませんか。

 日本航空は、営業利益が赤字、バケツで水をくもうと思っても、バケツの底からどんどん水が漏れてしまう、そういう会社だった。何度も危機を迎えてきた。結局、そういう会社をそのたび救ってきたのはだれですか。まさに官僚統制の政策だったじゃありませんか。

 例えば政策投資銀行、まさに天下りポストですよ。政策投資銀行がメーンバンクでいかに湯水のごとくJALにお金をつぎ込んできたか、こういうことをまずリセットする、そういう態度が必要じゃありませんか。

菅国務大臣 まさに大変な応援の演説をいただいているような気がいたします。

 先ほど来、渡辺議員は聞かれていたかどうかわかりませんが、野党の皆さんが、この新成長戦略について、中身は似たようなものをたくさん既に出していたと言われたので、まさにできるかできないかが問題なんであって、それができなかった最大の理由は、今、渡辺議員が言われたように、縦割りを中心とした今の官僚組織、さらにそれに族議員という体質がつながって、今、JALのことも話をされました。これは前原国交大臣がよく言われているように、一つの県に平均して二つずつ飛行場があるというのが本当に日本にとって適正なのか、そういったことを含めて、すべては、そういう従来型の縦割りあるいは天下り的なもの、さらには族議員的なものがあったために、やるべき改革が進まなかった。

 そういう意味で、私たちは、まずこの改革を進めるには、それこそ政治のリーダーシップがきちんとしていなきゃいけない、少なくとも四年間の鳩山政権の中でそれを確実に進めていきたいというのがこの中身でありまして、もしこの中身について何か御説明が必要だったら、幾らでもさせていただきます。

渡辺(喜)委員 やはり、こういうパラダイムの転換というのは、霞が関の中で一番司令塔になっている財務省とどう向き合うのかというところが実は最大のポイントなんです。

 松井副長官がどこかの週刊誌で、菅副総理は財務省と闘うんだというお話を披瀝されておられましたが、そのとおりですか。

菅国務大臣 私が財務省に入りましたら、菅官戦争勃発を期待されたマスコミの方もたくさんおられたようであります。

 私は、そのときも、かつて厚生大臣になったときと同じことを官僚の幹部の皆さんに申し上げました。私は、財務省の代表ではないんだ、国民が選んだ、財務省に送り込んだ国民の代表なんだ、その立場で、財務省が国民的にも本当に意味のある仕事をしてくれるように、そういう国民の代表という立場で仕事をしていく、そのことは明確に申し上げたところであります。

渡辺(喜)委員 何となく決意がトーンダウンしているような印象を受けるのは私だけでしょうか。

 日本の国家財政の最大のゆがみは何か。それは、グロスの借金も大きいけれども、反対側の資産がやたらどでかいということなんです。

 お手元の資料の八ページ目を見ていただきますと、左側の「資産の部」、七百兆円あります。ダムとか道路が多いんだろうと思ったら、そうではありません。有形固定資産は土地も含めて百八十兆円。一番大きい資産は何か、金融資産ですよ。例えば貸付金百九十兆円、出資金、有価証券もありますね。こういうものがまさに特別会計、天下りネットワーク、そういうところに流れ込んでいるんです。グロスの借金ばかり強調すると、まさに増税しかありませんということになるんです。

 こういう大きく膨れ上がった資産を圧縮するというお考えはありますか。

    〔委員長退席、海江田委員長代理着席〕

菅国務大臣 一月、早い段階の閣議の後、二時間余りの閣僚懇談会を開いていただきました。その席で、総理あるいは私や仙谷さんの方からも、特別会計さらには独法、公益法人等、それぞれの省庁にかかわるそういった制度について抜本的な見直しを、今から作業を始めてほしい、そういうことを申し上げました。

 率直に申し上げて、昨年九月十六日に政権が発足して、年内予算編成ということで、なかなかその部分に十分な切り込みができなかったという反省がありまして、今、渡辺議員の言われた分野についても、ことしが正念場だという気持ちで取り組んでいきたいと思っています。

渡辺(喜)委員 こういう大きく膨れ上がった資産を圧縮する、我々は小さな政府をつくると呼んでおります。ぜひ、こういう精神は大きな政府路線の民主党においてもしっかりと考えていただきたいと思います。

 埋蔵金についてお尋ねいたします。

 それだけ決意を持って財務省に乗り込んだ菅副総理でありますから、埋蔵金はもっと発掘できると考えてよろしいですね。

    〔海江田委員長代理退席、委員長着席〕

菅国務大臣 御承知だと思いますけれども、来年度の予算の中では過去最大の税外収入、この多くはいわゆる埋蔵金でありますが、十・六兆を確保したところであります。

 そういった意味で、埋蔵金にも、御存じのように、もともとたまっているものと、毎年毎年ある程度生まれてくるものとがありますから、生まれてくるものはある程度見通しがつきます。しかし、さらにたまっているもののどの部分を取り崩すことが適切かどうか、これについては、先ほど申し上げたように、特別会計等、制度の問題、組織の問題に、その改廃も含めて取り組んでいきたい、このように考えています。

渡辺(喜)委員 埋蔵金はまだまだたくさんあります。もしわからなかったら来てください。幾らでもお教えいたします。

 やはり、平成維新を起こすには、内閣に人、政策、お金を集める。内閣人事局、内閣国家戦略局、そして内閣予算局であります。

 まず内閣人事局。この法案がこの通常国会で出てくると聞いていますが、前の麻生政権において出された政府案では、内閣人事局の機能として、例えば、人事院の級別定数管理、総務省行政管理局の定員管理、財務省給与課の給与額の管理、そのほか総務省人事局の退職金制度、各省人事課の個別人事、こういった機能が内閣人事局に来るという器の形態になっていましたが、今度はどうなりますか。

仙谷国務大臣 この国会で国家公務員法等の一部を改正する法律案を提出して御審議をいただきたいと思っております。

 その際に、人事管理機能の強化を図るために内閣官房に内閣人事局を設置する。それから、公務員関係では、国家公務員の退職管理の一層の適正化を図るために、官民人材交流センター及び再就職等監視委員会を廃止いたしまして、再就職等規制違反行為の監視を行う新たな組織を整備したいというふうに考えております。

 内閣人事局でありますが、もう少し具体的に申し上げますと、これは、幹部職員の人事の一元管理に係るものについて、先行して具体化をして実施をするというものでございます。

 その他の、懸案になっております、先ほどおっしゃった級別定数等々の問題などにつきましては、労働基本権の見直しを含む公務員制度の抜本的改革の一環として、でき上がりましたこの内閣人事局で引き続き検討をしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

渡辺(喜)委員 結局、今、仙谷大臣が言われた内閣人事局は、麻生内閣のときの案よりもはるかに後退している。実にしょぼいものですよ。あの麻生内閣ですらしっかりとした器をつくったんですよ。それが、何ですか。級別定数管理は移さない、定員管理も移さない、財務省の給与課も移さない。実に小ぢんまりとした、しょぼいものをつくろう、そういうお話ですよ。

 私が大臣のときに労働基本権の問題はもう決着をつけたはずだ。要するに、スト権まで含めて全面解禁をしたらいいじゃないかと言った。そうしたら、スト権までやるとこれは大変なことになるから、では協約締結権までにしましょうというので、協約締結権まで拡大をするという案で決まったんですよ。

 それを延々と、エンドレスの議論をやり続ける。結局、基本権をてこにして公務員制度改革をやらせない。まさに、組合と官僚がなれ合いで改革を阻んでいる構図じゃありませんか。

仙谷国務大臣 これだけはお言葉を返すようでありますが、渡辺大臣が、麻生内閣になって、つまり公務員制度改革担当を外されて以降の公務員制度改革本部の事務局がどうなって、そして人事院のある種の反乱に遭ってぐちゃぐちゃになってしまったということは、あなたが一番よく知っているじゃないですか。

 いいですか。私が着任したときの事務局の状態は、仕事になるような、そういう構成じゃなかったじゃないですか。ここから公務員制度の改革を進める体制を再構築する以外に、こんなものが進むはずないじゃないですか。そうでしょう。よくわかっていらっしゃるじゃないですか、本当のことは。

渡辺(喜)委員 ことしの一月一日、元旦の毎日新聞にそのあたりの経緯が実に詳しく書かれていますよ。

 私が大臣のときの推進事務局は改革派もいたんです、各省人事もあったけれども。その改革派がつくった人事局の器、実に見事な器でしたよ。結局、麻生内閣ですらつくった器を、鳩山内閣になったら実にしょぼい、しょぼい器にしてしまっている。これが問題なんです。せっかく政権交代、平成維新と言っているのに、何なんですか、これは。一体、本気で公務員制度を改革する気があるのか、私は疑ってしまいます。

 また、民主党のマニフェストには、国会議員百人を政府の中に入れると言っていた。入れようじゃありませんか。大いに結構ですよ。大賛成ですよ。国会法の三十九条、これを変えないといけない。それを今度やるんでしょう、政治主導何とか法案というもので。

 でも、何なんですか。何か新聞報道を見ると、百人どころか、十五人しか入れない、八十九人までしか入れないと。何てしょぼい話なんですか。一体どうなっちゃっているんですか。

平野国務大臣 渡辺議員にお答えをいたします。

 今言われまして、百人を政府に配置する、こうマニフェストに書いておりました。この実現のために、政府・与党が一致協力して今国会に法案を提出しまして、現在に比べ、まず十五人増の八十八人を政府に国会議員を送る、こういうことでございます。

 また、大臣、副大臣及び大臣政務官を補佐する、渡辺さんが主張しておられた部分を含めて、これからの政務補佐官構想、これについては今後順次検討していく、こういうことでございますので、即できるということではありません。これはやはり党と政府のバランスの問題も十分に考えてやっていきたい、このように思っております。

渡辺(喜)委員 残念ながら、鳩山内閣は維新政権ではありません。みんなの党が政界再編、真の維新政権を樹立させていただきます。

 ありがとうございました。

鹿野委員長 これにて渡辺君の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時一分散会


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