衆議院

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第12号 平成26年2月20日(木曜日)

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平成二十六年二月二十日(木曜日)

    午前八時五十八分開議

 出席委員

   委員長 二階 俊博君

   理事 上杉 光弘君 理事 金田 勝年君

   理事 塩崎 恭久君 理事 萩生田光一君

   理事 林  幹雄君 理事 森山  裕君

   理事 長妻  昭君 理事 山田  宏君

   理事 石田 祝稔君

      あかま二郎君    青山 周平君

      秋元  司君    伊藤 達也君

      今村 雅弘君    岩田 和親君

      岩屋  毅君    うえの賢一郎君

      衛藤征士郎君    越智 隆雄君

      大島 理森君    大西 英男君

      金子 一義君    熊田 裕通君

      小池百合子君    國場幸之助君

      佐田玄一郎君    桜井  宏君

      菅原 一秀君    瀬戸 隆一君

      関  芳弘君    薗浦健太郎君

      高橋ひなこ君    武井 俊輔君

      武村 展英君    辻  清人君

      冨樫 博之君    中谷 真一君

      中山 泰秀君    野田  毅君

      野中  厚君    原田 義昭君

      比嘉奈津美君    福田 達夫君

      藤原  崇君    船田  元君

      星野 剛士君    細田 健一君

      堀井  学君    堀内 詔子君

      前田 一男君    宮内 秀樹君

      宮崎 謙介君    宮路 和明君

      武藤 容治君    保岡 興治君

      山下 貴司君    山田 美樹君

      山本 幸三君    山本 有二君

      大串 博志君    岡田 克也君

      奥野総一郎君    後藤 祐一君

      篠原  孝君    玉木雄一郎君

      原口 一博君    古川 元久君

      石関 貴史君    坂本祐之輔君

      椎木  保君    重徳 和彦君

      杉田 水脈君    中山 成彬君

      西野 弘一君    遠山 清彦君

      中野 洋昌君    浜地 雅一君

      佐藤 正夫君    三谷 英弘君

      柿沢 未途君    赤嶺 政賢君

      宮本 岳志君    畑  浩治君

      村上 史好君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣         新藤 義孝君

   法務大臣         谷垣 禎一君

   外務大臣         岸田 文雄君

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   防衛大臣         小野寺五典君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   財務副大臣        古川 禎久君

   総務大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    伊藤 忠彦君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  武藤 義哉君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  佐々木裕介君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  北村 博文君

   政府参考人

   (内閣法制局長官事務代理)

   (内閣法制次長)     横畠 裕介君

   政府参考人

   (内閣法制局第一部長)  近藤 正春君

   政府参考人

   (内閣府国際平和協力本部事務局長)        高橋礼一郎君

   参考人

   (日本放送協会会長)   籾井 勝人君

   参考人

   (日本放送協会経営委員会委員長)         浜田健一郎君

   参考人

   (元内閣官房副長官)   石原 信雄君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十日

 辞任         補欠選任

  あかま二郎君     湯川 一行君

  秋元  司君     藤原  崇君

  伊藤 達也君     山下 貴司君

  今村 雅弘君     岩田 和親君

  岩屋  毅君     武藤 容治君

  うえの賢一郎君    前田 一男君

  衛藤征士郎君     大西 英男君

  越智 隆雄君     細田 健一君

  大島 理森君     熊田 裕通君

  薗浦健太郎君     瀬戸 隆一君

  中山 泰秀君     武村 展英君

  西川 公也君     高橋ひなこ君

  船田  元君     福田 達夫君

  山本 有二君     冨樫 博之君

  篠原  孝君     原口 一博君

  古川 元久君     奥野総一郎君

  重徳 和彦君     椎木  保君

  西野 弘一君     石関 貴史君

  中野 洋昌君     遠山 清彦君

  佐藤 正夫君     三谷 英弘君

  宮本 岳志君     赤嶺 政賢君

  畑  浩治君     村上 史好君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     武井 俊輔君

  大西 英男君     衛藤征士郎君

  熊田 裕通君     星野 剛士君

  瀬戸 隆一君     中谷 真一君

  高橋ひなこ君     辻  清人君

  武村 展英君     青山 周平君

  冨樫 博之君     山本 有二君

  福田 達夫君     宮崎 謙介君

  藤原  崇君     桜井  宏君

  細田 健一君     山田 美樹君

  前田 一男君     うえの賢一郎君

  武藤 容治君     岩屋  毅君

  山下 貴司君     伊藤 達也君

  湯川 一行君     あかま二郎君

  奥野総一郎君     後藤 祐一君

  原口 一博君     篠原  孝君

  石関 貴史君     西野 弘一君

  椎木  保君     重徳 和彦君

  遠山 清彦君     中野 洋昌君

  三谷 英弘君     佐藤 正夫君

  赤嶺 政賢君     宮本 岳志君

  村上 史好君     畑  浩治君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     中山 泰秀君

  桜井  宏君     秋元  司君

  武井 俊輔君     國場幸之助君

  辻  清人君     野中  厚君

  中谷 真一君     薗浦健太郎君

  星野 剛士君     宮内 秀樹君

  宮崎 謙介君     船田  元君

  山田 美樹君     越智 隆雄君

  後藤 祐一君     古川 元久君

同日

 辞任         補欠選任

  國場幸之助君     今村 雅弘君

  野中  厚君     比嘉奈津美君

  宮内 秀樹君     大島 理森君

同日

 辞任         補欠選任

  比嘉奈津美君     堀内 詔子君

同日

 辞任         補欠選任

  堀内 詔子君     堀井  学君

同日

 辞任         補欠選任

  堀井  学君     西川 公也君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成二十六年度一般会計予算

 平成二十六年度特別会計予算

 平成二十六年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

二階委員長 これより会議を開きます。

 平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算、平成二十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、参考人として元内閣官房副長官石原信雄君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君、内閣官房内閣参事官佐々木裕介君、内閣官房内閣審議官北村博文君、内閣法制局長官事務代理・内閣法制次長横畠裕介君、内閣法制局第一部長近藤正春君、内閣府国際平和協力本部事務局長高橋礼一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

二階委員長 本日は、外交安保・歴史認識・公共放送等についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩屋毅君。

岩屋委員 おはようございます。自民党の岩屋毅です。

 質問に入ります前に、さきの雪害によって亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げ、また、被災をされた方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 党としても対策に全力を尽くしてまいりますが、政府におかれても万全を期していただくように、まずお願いをさせていただきたいと思います。

 きょうは外交安保をテーマとした集中審議でございますので、私は主に安全保障の問題について質問をさせていただきたいと思います。

 私ども、一昨年、日本を取り戻すということを言って、政権に復帰をさせていただきました。日本を取り戻すというのは、我が国の総合的な国力を回復するということにほかならないと思います。そして、その柱は、今総理が進めておられるアベノミクスによって経済をまず再生させる、一方で、安全保障体制を再構築するというのが、私は車の両輪だというふうに思っております。

 ともすれば、一部、誤解に基づいて、安倍政権は右傾化しているのではないか、軍事を偏重しているのではないかなどという論調が一部にあることは事実でございますが、私は、経済の再生と安保の再構築というのは正の相関関係にあると思うんですね。

 二十年間、日本の経済は低迷してきた、総合的な国力が落ちてきた、安全保障上もいろいろな圧力を受けるようになってきた、やはりその悪循環を断ち切っていかなくちゃいけない。経済力を回復させ、そのことが安保環境を改善することにつながっていく、安保環境が改善すれば、また経済の裾野が広がっていくということではないかな、こう思うんです。

 なぜ今、安倍政権が安全保障体制の再構築に取り組んでいるのか、このことを総理からわかりやすく、国民の皆さんにお話をしていただければありがたいと思います。

安倍内閣総理大臣 安全保障の再構築についてでありますが、まずは、なぜ再構築をする必要があるかといえば、それは、日本を取り巻く環境が大きく変わったわけであります。安全保障というのは日本の中だけで完結するものではないわけでありまして、まさに、日本を取り巻く環境が変わっていく状況に対して対応していかなければ、私たちは、国民の生命と財産、そして国益を守ることはできないということになるわけであります。

 かつては、米ソ冷戦構造下の中にあっては、日本は西側に属し、そしてその中において、基本的には、いわば日本は、米国が主導的に決めていくことにおいて、つき従っていけばいいという状況に近かったと言ってもいいんだろう、このように思うわけであります。

 しかし、米ソ冷戦構造が終わりました。その中において、新たな脅威が出てきたわけであります。それは例えばテロであったり、あるいはサイバー攻撃は容易に国境を越えていくということになります。そして、今の状況においては、一国のみでその国の平和と安全を守ることはできないという状況になってきた。

 そこで、今、私たちは、一国のみで日本を守ることができない中において、国際社会においてより大きな貢献をしていくことによって、地域や世界の平和と安定を維持していく、もって日本の平和と安定、そして国民の生命と財産を守っていくということになっていくわけであります。

 多くの日本人は海外で活躍をしています。そういう人たちの命も、私たちは守っていかなければならない。それは私たちの国だけでできることではなくて、その地域やその当該国の人々と協力をしていく必要があるんだ。その中において、今のままでいいのかということにおいて、我々は現在、憲法との関係、法解釈との関係、あるいは新たな法整備が必要なもの等について、安保法制懇において検討を進めているわけでございます。

 昨年におきましては、国家安全保障会議をつくり、そしてまた、安全保障については、防衛大綱、中期防を作成したところでございます。

岩屋委員 その総理のお考えに基づいて、今も総理からお話がありましたが、昨年一年間かけて、安保再構築のための作業を精力的に私どもは進めてまいりました。私も、党の安保調査会長として、同僚の皆さんと一緒に微力をいたさせていただいたところでございますけれども、今総理が言われたように、まず日米同盟の信頼関係を回復し、それから国家安全保障会議をつくり、そこで戦略をつくり、そのもとに防衛計画の大綱をつくり、そして中期防衛力整備計画をつくり、防衛予算をつくった。ここまで一気に作業を進めてきたわけであります。

 特に、私は、国家安全保障会議という安全保障の司令塔が我が国に初めてできて、戦略という指針ができたということは非常に画期的なことだったというふうに思うんですけれども、これまでの一連の流れ、特にNSCの意義などについて、総理からお話しいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 日本には、国家安全保障会議がなかったわけでございます。

 そこで、何が問題であったかといえば、日本を守るためには、国民の生命と財産を守るためには、いわばそれを守るための総合的な情報収集と分析、そして政策の立案、そして立案した選択肢を正しく選んでいくという機能が必要であります。その機能は当然官邸になければならないわけでありますが、そこにはなかったわけでありまして、外交は外務省、防衛は防衛省、そして治安的なことについては警察庁であったりあるいは海上保安庁が担う。また、それぞれの情報についての分析を総合的に行うということにもなっていなかったわけでございます。そして、それがないがために、海外のNSCとの意見交換あるいは政策協議ができなかったという問題があります。

 そこで、私たちは、それに対応するための国家安全保障会議をつくったところでございます。そして、この国家安全保障会議をつくり、ことしに入って国家安全保障局をつくったわけでございます。事務局機能でありまして、そこに情報部門がとってきた情報あるいは海外から入ってきた情報を集め、分析が施されている場合もありますし、また、その分析をさらに分析をしていきながら、我々も政策的な発注をし、その発注に彼らは応えていく、あるいは、そこでの政策立案を行い、選択肢を私たちに示していくということが可能になったわけであります。

 そうしたものを進めていく上において、また、私が外交を展開していく上において、どういう戦略でやっていくか、その戦略をつくったわけでありまして、国家安全保障会議において国家安全保障戦略を策定いたしました。特徴としては、透明性を持って私たちの外交・安全保障政策を示す、戦略を示すものでありまして、透明性を持って、日本はこのように考えて外交を展開していきますよ、海外に対して、平和と安定のためにこのように貢献していきますよということを世界にお示ししたわけでございます。

 その中において、先ほど申し上げましたように、当然、秘密を伴う情報について、日本は海外において情報をとるための海外情報機関というものはないわけでございますから、そうしたものについては、海外から入ってくる、外国からの提供に頼る部分も多いわけでございます。そういう情報交換については、しっかりと我々は、今の状況においては、海外から情報を、特定秘密保護法の制定によって取得しやすくなった。当然、日本が取得した情報がしっかりと保全されるという前提のもとでなければ情報をとることができない。米国の情報の責任者であるクラッパー氏が、この法律によって、いわば日本とのそうした情報交換は格段にこれは向上していくだろうという趣旨のことを述べているわけでございます。

 そういう意味において、日本の安全保障体制はより強固になりつつある、このように思います。

岩屋委員 その特定秘密保護法なんですけれども、これはちょっと、国民の皆さんに随分御心配をいただいたことも事実だと思います。

 私は、審議の現場にいさせていただきました。現場では、実は非常に民主的な議論が与野党間で交わされていたと思います。それが四党合意ということに結実をいたしましたが、マスコミ報道等は、何かあたかも戦前回帰するような、あしたから戦争が始まるかのような、非常に誤解に基づく報道もありましたので、随分御心配をおかけしたんじゃないかなと思います。総理自身も、法律が制定された後、私自身がもうちょっとよく丁寧に説明すればよかったということもおっしゃっておられました。

 今にして思うと、特定秘密という名称がちょっとぐあいが悪かったのかなと。この法律の本質は特定安全保障情報保護法なんですね、そういうふうに銘打っておけば、随分また御理解が早く深まったのかなと思うんです。

 いずれにしても、国民の皆さんの懸念を払拭するような仕組みをしっかりつくっていかなくちゃいけない、その努力はこれからもしていかなくちゃいけないというふうに思いますが、いま一度、法制定の意義と、特に今後の取り組みについて、総理からお話しいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 この特定秘密保護法について、国会においては担当の森大臣がしっかりと、緻密な専門的な議論をされておられました。しかし、さまざまな報道がある中において、我々政府としてもっと強い発信力を持ってわかりやすく説明すべきだったのではないかという反省点から、私もあのように述べさせていただいたところでございます。

 先ほど申し上げましたように、この法律が制定されたことによって、クラッパー国家情報長官が上院の情報委員会において、日本は特定秘密保護法を成立させ、我々とさらに情報を共有することが可能となった、日本は情報分野のすぐれたパートナーになってきている、このように高い評価、そして、これから日本にもっと情報が提供できるようになりましたよということを示唆しているわけでございます。

 この法律が対象とするところは、例えばテロリスト、あるいは工作員、スパイなんですね。こういう人々からいわば国民の命を守るための、私たちの国益を守るための情報を守るものであって、これはもう一般の国民とか、あるいは報道機関の人々を対象としたものでは本来ないんですね。まさにこれはスパイとか工作員を対象としている、そういう世界の話であるということははっきりと申し上げておきたいと思います。

 そこで、指摘をされているのは、特定秘密保護法について、恣意的な秘密指定が行われる、あるいは知る権利が損なわれるといった懸念があるわけであります。

 今までも、特別管理秘密があり、外務省には外交秘密があり、そして日米の協定による秘密もあります、そして防衛秘密がありました。それぞれがそれぞれのルールによって運用されてきましたが、そこに共通のルールを決めました。また、指定によっても、共通のルールがないところに、新たにルールをむしろつくったんですね。秘密がないところに秘密をつくったのではないんですよ。むしろ、そこにルールがない、ルールがない世界から、まさにルールを決めて、その指定をする、あるいは開示をどういうふうにしていく、いわばこのルールがはっきりと決められたわけでありまして、そして、重層的に、客観的に、チェックを受けるようになりました。

 例えば総理大臣も、今までは、そういう秘密がどこでどのように決められていたということを一々把握はできなかった。例えば特別管理秘密について、これは九〇%が衛星情報だったということは、私も含めて今までの歴代総理大臣は知らなかったですよ。今度、この法律をつくるということになって初めて、ああ、そうだったのかということがわかって、ここでその説明をして、国民の皆様もそれを理解していただいたわけですね。

 つまり、今後は、毎年毎年、私は、この特定秘密について、どのようなものがなっているか、どのような形で指定されているかということについて把握をし、情報保全諮問会議にそれを報告しなければいけない、そして、それをもって国会に報告がなされる。つまり、相当のチェックがむしろ今までよりもちゃんときくようになった、誰が責任者かということもはっきりとわかるようになったということは申し上げておきたいと思います。

 再三申し上げているように、一般の国民の皆様の生活に悪い影響を及ぼすことはありませんし、ましてや、一般の国民の皆さんが罪に問われることもありませんし、知る権利が侵害されることもありませんし、報道の自由が侵されることもないということは、総理大臣として明確にお約束をしておきたいと思います。

岩屋委員 そうですね。この表を見ていただきたいんです。

 第三者機関にチェックさせようという意見が強くあったんですけれども、事柄の性質上、この種のものを純然たる第三者に見せるなどという国は、世界のどこにもないわけです。したがって、行政内部にいかに多層的、重層的なチェックの仕組みをつくるかということが大切なんですね。

 それからもう一つ、国会にどうつなぐかということですが、これはまさに国会側のテーマです。先般、中谷委員を代表とする国会の視察団が、ほとんどの政党が参加して視察をしていただいておりますが、どこの国の国会も、特定秘密の指定の是非を一々国会がチェックしているなどという国もないわけですね。ただ、情報機関全体のパフォーマンスを国会がチェックするということは必要だと思うので、これは政府側のテーマじゃなくて国会側のテーマですから、そういう基本認識、共通認識に立って、これから各党間でしっかり議論をさせていただきたいと思います。

 ことしに残る安全保障再構築上の課題は、戦略や大綱にも書いておりますように、まず、武器輸出三原則を見直していく。それから、今、安全保障の法的基盤に関する懇談会で議論をしていただいている、法的基盤をどうしていくかを決めていく。これは、わかりやすく言うと、これからの日本の自衛権というのはどういうところまで許されるのかということについて判断をしていくということですね。それからさらに、それに基づいて日米のガイドラインを改定していく。さらには、普天間を含む米軍再編を着実に進めていく。こういうところが安全保障上の重要課題ではないかなと思います。

 時間の関係で、まず、武器輸出三原則についてお伺いしたいと思います。

 国民の皆さんも御承知のように、最初は、三原則というのは、国連が武器輸出を禁止している国はだめですよ、紛争当事国もだめですよ、それから共産圏もだめですよということでスタートし、後に、ほぼ全面的に禁止することになりました。

 その後、主に同盟国、米国との関係、米国への技術供与などを中心に、官房長官談話という形で、この図にありますように、穴をあけてきているわけですね。今までで大体もう二十一個ぐらい穴があいていると思うんですが、私は、こういうやり方というのは、今後は余りふさわしくないんじゃないか、もっとルールはやはり明確にすべきだと。

 民主党政権時代に、そこをちょっと整理していただきました。平和貢献のための武器供与は許されますよ、国際共同開発、生産にも道を開いていただきました。これは非常に意義のある見直しだったと思って、私は評価させていただきたいと思いますが、これをさらにルールを明確にしていくことが必要なんじゃないかなと。何も日本が武器の商人になろう、死の商人になろうなどという話ではなくて、武器輸出三原則の精神、これは堅持をしながら、ルールをもっと明確にしていく。

 せっかくNSCなんかができたわけですから、こういうものをきちんとかませていただいて、国民にも諸外国にも日本の方針がしっかり伝わる、それから、防衛産業にとってもルールが明確になって対処しやすくなる、そういう方向で今見直しの議論を政府もしていただいていると思いますし、近々与党でも議論を開始したいと思っているんですけれども、この見直しの必要性と方向性について、総理からちょっとお話をいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 武器輸出三原則におきましては、今、岩屋委員が説明をされたとおり、もともとは三つ、まさに三原則だったわけでありますが、これも佐藤総理の国会答弁であったわけでありますが、その後、三木総理の答弁によって、これは全面的になってきた。

 その後、官房長官談話等、官房長官談話でない場合もあるんですが、個別に二十一件の例外化措置がとられてきたわけでありまして、これに対しましては、昨年十二月に策定した国家安全保障戦略において、与党間の議論も踏まえまして、岩屋議員からも御意見をいただき、国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、武器等の海外移転に関し、新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定めることといたしました。

 新たな原則については、現在まだ検討中でございますが、その策定に当たっては、武器輸出三原則等がこれまで果たしてきた役割にも十分配意をしていく必要があるだろうと我々は考えておりまして、武器の移転を認める場合を適切な形で限定し、また、移転を認め得る場合であっても、移転先の適切性や安全保障上の懸念等を厳格に審査し、さらに、目的外使用や第三国移転についても適正に管理していく考えであります。

 また、これまでの例外化の経緯についても適切に整理をしながら十分な検討、調整を行い、新たな原則を具体的に定めていく方針でありますが、いずれにせよ、国連憲章を遵守するという平和国家としての基本理念は維持をして、国連憲章を遵守する、これを柱、この柱のもとに検討を進めていきたい、このように思っております。

岩屋委員 その方針でしっかりと政府の案をつくっていただきたいと思います。与党も、それを受けて議論をして、よりよい方向に見直していきたいと思います。

 次に、安全保障の法的基盤の整備。この中に、集団的自衛権の問題等も含まれているわけでございます。

 さきの予算委員会、民主党の大串委員、岡田委員、非常に興味深いやりとりをしていただきましたので、時に引用しながら質問させていただきたいと思います。

 大串さんと総理とのやりとりの中で総理が発言された、私が最高責任者なんだという発言が、ちょっと波紋を呼んでいるということでございますが、私は、正しい認識を述べられたにすぎないというふうに感じているんです。

 まず、内閣法制局に聞きたいと思いますけれども、行政府としての憲法解釈の最終的な権限というのはどこにありますか。端的にお答えいただきたいと思います。

横畠政府参考人 憲法の解釈を最終的に確定する権能を有する国家機関は、憲法第八十一条により、いわゆる違憲立法審査権を与えられている最高裁判所でございます。

 その上で、行政府におきましても、いわゆる立憲主義の原則を初め、憲法第九十九条が公務員の憲法尊重擁護義務を定めていることなどを踏まえ、その権限を行使するに当たって憲法を適正に解釈していくことは当然のことであり、このような行政府としての憲法の解釈、適正、適切な解釈につきましては、当局も必要に応じて意見を申し上げますが、第一次的には法律の執行の任に当たる行政機関が行い、最終的には、憲法第六十五条において「行政権は、内閣に属する。」と規定されているとおり、行政権の帰属主体である内閣の責任に帰せられるものでございます。

岩屋委員 だから、最高責任者は総理なんですよ。

 内閣法制局というのは、もちろん、内閣に意見具申をするということが設置法で定められているわけですけれども、最終的な責任は内閣にあり、その責任者は内閣総理大臣であるという、これは正しい認識を述べられたということだと思います。

 それから、これまで集団的自衛権についてはどういうふうに法制局は考えてきたかという御質問が大串さんからあって、島聡さんに対する答弁書を引用して答弁をされておられます。

 そこで何を言っているかといえば、平たく、わかりやすく言えば、内閣が好き勝手にというか、自由に憲法解釈というのを変えていいというものではそれはない、これまでの議論の積み重ねというのは大切にしなきゃいけないと言った上で、「このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではない」というのがこの間の答弁でしたが、この立場を確認したいということと、さらに大串さんが、いや、一般論として聞いているんじゃないんだ、集団的自衛権の話を聞いているんだというのに答えて、集団的自衛権の問題は一つの要素であります、その問題についてはその問題として具体的に検討する必要はあると存じますけれども、一般論の射程内でございますというふうにおっしゃいました。

 だから、憲法解釈を内閣が見直すことはあり得る、そして集団的自衛権の問題もその射程内ですよ、こういうお立場に変わりはありませんね。

横畠政府参考人 お答えいたします。

 法令の解釈は、もとより個別的かつ具体的に検討されなければならないものでございます。その上で、一般論として、憲法を初めとする法令の解釈についての考え方は、繰り返しになりますが、平成十六年六月十八日の島聡衆議院議員に対する政府答弁書でお答えしているとおり、

  憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えている。仮に、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられる。

  このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではない

ということでございます。

岩屋委員 今のやりとりを聞いていただいて、だから、内閣が集団的自衛権について憲法解釈を見直す余地はあるということが確認をされたというふうに思います。

 これは、安倍総理一人の問題意識ではなくて、自民党も長らく議論をしてきました。やはり、憲法九条は、日本の自衛権に制約を課しているわけですね。それが象徴されているのが自衛権発動の三要件だと思うんですけれども、防衛大臣、簡単にこの三要件を説明していただけますか。

小野寺国務大臣 簡単に、三要件でございますが、我が国に対する急迫不正の侵害があること、これを排除するために他の適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことの三要件でございます。

岩屋委員 そうなんですね。今のが、憲法九条が自衛権に課している制約だと思います。

 自民党の問題意識は、我が国に対する急迫不正の侵害に匹敵する、密接な国に対する攻撃というのはあり得るのではないかと。その場合に、憲法が許す必要最小限の自衛権の行使の中に、類型としては集団的自衛権という形をとっていても許されるものがあるのではないかという問題意識でずっと議論をしてまいりまして、それを、当時、国家安全保障基本法というものにまとめさせていただいたところでございます。

 だから、集団的自衛権をオールマイティーに何でもかんでも行使しよう、地球の裏側まで行って同盟国とドンパチやろうなどということを考えているわけでは全くなくて、あくまでも我が国の安全に密接にかかわる事態に限って限定的に集団的自衛権というものを行使するということはあっていいのではないかという問題意識で、ずっと議論をしてきたところでございます。

 それで、先般、岡田委員と総理のやりとりの中で、岡田委員もそういうことをしっかり言っておられて、「もし議論の必要があるのであれば、集団的自衛権と今分類されているものの中で、具体的にこういうことについてどうなのかという、そういう問題の立て方をしていくべきだと思うんです。」と。ですから、全般について認めるものではないということを総理がはっきり言われれば、私はより生産的な議論をすることができるということをおっしゃっています。非常に私は心強い御発言だったと思うわけです。

 それに答えて、総理は、「全体的に認めますということはないということは申し上げておきたいと思います。」ということで、答弁を締められました。

 だから、まだ法制懇が議論していますから、この段階で総理から予断を持ってこうするんだということを言うわけにはいかないと思いますが、方向性として、オールマイティーに何か集団的自衛権を認めていこうというのではなくて、あくまでも限定的に考えて言っているんだということで、総理、よろしいですね。

安倍内閣総理大臣 いわば自衛権自体に憲法九条による制約がかかっている、その中で、我々が、今の解釈においては、個別的自衛権を行使する、行使できるという立場でありますが、その個別的自衛権においても制約がかかっているわけでありますから、今、安保法制懇の中においては、当然、その中において集団的自衛権についてもかかっているのではないかという議論が、いわば主流的な議論としてなされております。

 そして、先般、私の考え方としても申し上げたわけでありますが、まさに今、専門家の皆様に安保法制懇で議論をしていただいておりますので、最終的に私がこうだということを明確に申し上げるのは控えさせていただきたいとは思いますが、しかし、今、安保法制懇の中においてそうした議論が主たる議論としてなされているということは申し上げておきたい、このように思うところでございます。

岩屋委員 具体的な事例で考えてみたいと思うんですね。

 今、日本は、ミサイル防衛体制というのをとっています。昔は、近隣国からミサイルがばんばん飛んでくるかもしれない、しかし、それを撃ち落とすなんという、そんな装備もなかったし、考えられなかったんですけれども、今日はそういう状況にも立ち至っているわけですね。

 防衛大臣にお伺いしますが、ミサイル防衛体制、我が国のシステムも一応自己完結はできるようになっているとは思うんですけれども、一番大事なのは早期警戒情報ですね。これは米国に依存をしているという状況だと思います。だから、今、ミサイル防衛システムのオペレーションというのは、実はもう日米共同対処になっていると私は理解しているんです。

 そして、今までも幾つかミサイル発射事案はありましたけれども、そのときは、細かいオペレーションの内容はいいですから、米艦船もやはり展開をしていたということだと思うんですけれども、それでよろしいですか。

小野寺国務大臣 委員が大変御存じだと思いますが、まず、例えばミサイル攻撃がある場合、さまざまな情報で私どもも収集しますが、米側が提供する早期警戒衛星情報、これは大変重要なものだと思っております。

 また、日本国内にもさまざまレーダーサイトがありますが、例えば車力にあります、これから京丹後にも設置する予定でありますTPY2レーダー、これは大変重要なレーダーで、米側が運用しますが、日本にリンクをし、情報が提供されるということになります。

 また、今後もしさまざまな事態が発生して、例えば破壊措置命令を出す場合、これは日本だけではなくて、日米でさまざまリンクをしながら態勢をとる、もちろんイージス体制についても日米で共同をとるということが通常必要なことだと思っております。

岩屋委員 それがもう実態になっているわけですね。だから、総理がよく例に引かれる、日本の安全のために公海上に展開している米艦船が攻撃された場合に、近くに自衛艦がいて、これを果たして助けなくてよいのかというのは、実はリアリティーを持った課題なんですね。

 それから、もう一つ、サイバー攻撃については法解釈がまだ定まっておりませんけれども、これも日米共同対処になると思うんですね。そういうことも念頭に置いて、私はやはりこの問題は真摯に向き合っていかざるを得ない、そういう課題だと思います。

 それから、もう一つ大事な視点があると思っていますのは、地域集団安全保障ですね。

 外務大臣にお伺いしますが、例えばNATO、北大西洋条約機構なんというのは、各国が集団的自衛権を持ち寄ってつくられている枠組みだというふうに理解してよろしいですか。

岸田国務大臣 御質問の点につきましては、北大西洋条約第五条に、締約国は、ヨーロッパまたは北アメリカにおける締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなすことに同意し、そのような武力攻撃が行われたときは、国連憲章第五十一条の規定によって認められている個別的または集団的自衛権を行使して、攻撃を受けた締約国を援助することに同意する、こういった旨を規定しております。

 よって、NATOにおきましては、集団的自衛権に基づいて、武力攻撃に対する相互援助を約束する、集団的防衛のための機構であるというふうに理解できます。

岩屋委員 私は、そういう、これからは、総理、中長期的な視点も持たなきゃいけないと思うんですね。今はちょっと、その話をすれば、迂遠な話に聞こえるかもしれませんが、将来は、このアジア太平洋に、どの国も排除しない安全保障の屋根をかけていくということを、やはり日本は考えていくべきだと。

 では、そのとき、我が国が集団的自衛権を使えないから、日本は参加しないのか。私は、やはりそういう事態も出てくると思うし、そこを目指していくべきだと思うので、そういうことについても、安保法制懇においても、政府においても、ぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今委員が指摘されたように、NATOのようなものをこのアジアにおいても、まあ、NATOが形成された経緯は、委員も御承知のとおり、ソビエト連邦がいて、ソビエト連邦にはワルシャワ条約機構軍がいて、それに対抗する形で、ヨーロッパ全体の安全を米国とともに守っていこうというものだったんだろうと思います。しかし、全体的に言えば、国連が必ずしも十分にそのための機能を発揮しない中においてNATOができてきたという経緯もあると思います。

 しかし、国連とともに、このアジアにおいても、そうした形で集団安全保障的機能を、つまり、これは、みんなで入って、みんなでルールを決めて、何か問題があったらそれはみんなでちゃんと解決をしましょうということなんだろうと思います。そこでは、いわば、武力行使というよりも、警察権的なものをみんなで行使していきましょうということだろう、このように思うわけでございます。

 中長期的視点から、例えばそういう構想についても、これはある意味、一つの大きな、先の、今委員がおっしゃったように、なかなか先の目標ではありますが、しかしそれは一つの理想でありますから、その理想にどうやって近づいていこうかということを、例えば国家安全保障会議のようなところでも、その部局において検討を進めていくということも大切ではないか、このように思います。

岩屋委員 ぜひ、そういう視点も加えて検討していただきたいと思います。

 そこで、最後に、そういう一連の作業を進めていくに当たりましては、やはり、安倍政権の持っている基本姿勢というものが、国民の皆様にも、国際社会にも正しく伝わって、理解をされていくということが必要だと思うんですね。やはり、できるだけ穏やかな環境の中で冷静にこういう議論は進めていかなきゃいけないと思います。

 総理は、精力的な首脳外交等を通じてそういう努力はしていただいていると思いますけれども、いよいよもってその努力をしていただきたいと思うんですね。日本は過去をしっかり見詰めているんだ、日本の平和主義は揺らがないんだというメッセージをやはり強く発していく必要があると思います。

 そういう意味でいうと、一々取り上げませんけれども、過去の政権が一たび我が国のメッセージとして外に発したものについては、これはやはりしっかり継承をしていくということが私は必要だというふうに思っております。やがて、戦後七十周年、それから日韓条約の五十周年ですか、そういう大事な節目のときも迎えるわけでありまして、ぜひ、これまでの政府のメッセージを継承し、さらにそれを進化、発展させるメッセージを出していただきたいと思っております。

 中国、韓国とも、いろいろ難しい問題はありますけれども、総理が言っておられるように、ドアはいつもオープンにしておられると思いますが、なかなか出てきてくれないので、ドアを今度ノックしに行くというぐらいの取り組みをぜひやっていただきたいと思いますが、最後にそのことをお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 委員から御指摘があったように、私の不徳のいたすところではあるんですが、さまざまな誤解があるのも事実であります。

 そうした誤解を解いていく上においても、先般発表いたしました国家安全保障戦略、あるいは、積極的平和主義については何か、特に積極的平和主義については、基本的な考え方はさまざまな国の言葉に訳しまして、首脳会談のたびに数ページの簡単なものを、三ページのものをお渡しするようにしております。きのうも、サウジアラビアの皇太子に、アラビア語で書いたものをお渡ししてきたところでございます。

 歴史認識においては、累次の機会に申し上げてきたとおり、我が国は、かつて多くの国々、とりわけアジア諸国の国々に対して、多大の損害と苦痛を与えてまいりました。その認識においては、安倍内閣としても同じであり、これまでの歴代内閣の立場を引き継ぐ考えであります。

 そして、戦後、我が国は、その深刻な反省の上に立って、自由で民主的で、そして基本的人権や法の支配をたっとぶ国をつくってきたわけでございまして、今後ともその歩みが変わることはないということは、改めてはっきりと申し上げておきたいと思います。

 そして、中国、韓国についても、それぞれ大切な国でありますから、何とか対話の機会を持ちたいと思っております。今、岩屋委員から御指摘がございました、私はいつも対話のドアは開いている、このドアから出ていって、相手のところまで行ってノックしろということでございます。ノックした際には、ぜひドアをあけていただきたい、前提条件なしにドアをあけていただきたい、こう思うわけでございますが、さまざまな努力もしております。韓国との関係においては、局長級の対話を行う予定でございます。

 いずれにいたしましても、委員の御指摘を踏まえてしっかりと対応していきたい、このように思っております。

岩屋委員 終わります。

二階委員長 これにて岩屋君の質疑は終了いたしました。

 次に、遠山清彦君。

遠山委員 おはようございます。公明党の遠山清彦でございます。

 私の持ち時間は二十分でございますので、簡潔に御答弁いただければと思いますが、私は現在、公明党の国際局長という立場で、山口代表の外交活動の補佐をさせていただいております。また、たった今質疑を終えられました自民党の岩屋委員が座長を務める与党安保PTのメンバーとして、昨年末にも、防衛大綱、中期防、あるいは国家安全保障戦略、NSSの策定にかかわらせていただきました。その立場から、きょうは、総理並びに岸田外務大臣、また内閣法制局に何点かお伺いをしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 まず、NSS、国家安全保障戦略の中に、「軍縮・不拡散に係る国際努力の主導」という一項目を入れ、そこで明確に、日本が「「核兵器のない世界」の実現に向けて引き続き積極的に取り組む。」という記述がなされました。

 この内容は、昨年末、与党に内示された当初案にはなかった項目でございまして、私は当時、NSC設置法案の本会議の代表質問で、公明党を代表いたしまして総理と外務大臣に強く求めていたものでありまして、まず率直に評価をさせていただきたいと思っております。

 本年四月には広島で、非核保有国の軍縮・不拡散イニシアチブ、NPDIが開催をされます。さらに、来年は、先ほどもありましたとおり、戦後七十周年、つまり被爆七十周年の節目でございまして、私は、国連軍縮会議などさらに上位の国際会議を日本に誘致するべく、総理を先頭に努力すべきだと考えますが、安倍総理の決意を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 来年、二〇一五年は、終戦から七十年であると同時に、広島と長崎における原爆投下の惨禍から七十年目を迎えるわけであります。核兵器の悲惨さを最もよく知る唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界に向けて国際社会をリードしていくことが我が国の世界における道義的責務である、こう考えております。

 また、岸田大臣は、広島県の出身でもあるわけでありますが、この観点から、本年四月に広島で開催される軍縮・不拡散イニシアチブ外相会合では、二〇一五年のNPT運用検討会議に向けて有益な提案を行う考えであります。

 また、今委員が御指摘のように、もっと積極的に日本は世界に向けてこの考えを発信していくべきだという御指摘もございました。来年の被爆七十周年の節目には、広島において、国連及び広島市の協力のもとに、国連軍縮会議を開催することを現在検討中でございます。

 こうした取り組みを通じて、我が国として引き続き、この分野における国際社会の取り組みを主導していく考えであります。

遠山委員 総理、ぜひよろしくお願いいたします。

 一点、私、九州比例ブロックの選出の議員として申し上げると、原爆というと長崎も同様に七十周年を迎えるわけでございまして、来年、もしそういう上位の国連軍縮会議等を、今広島とおっしゃいましたけれども、誘致される際には、長崎県、長崎市でも関連の公式行事を組んでいただくなど、配慮していただきたいということを要望申し上げたいと思います。

 続きまして、岸田外務大臣にまずお伺いをしたいと思いますが、総理、最近、あえていわゆるとつけさせていただきます、いわゆるマイナー自衛権という言葉が国会審議やマスコミ報道で使われ出しております。しかし、これは一般国民には、私はほとんど理解をされていないと思います。

 マイナーという言葉を使う以上、それに対してメジャーというのが普通あるんですね。アメリカの大リーグ、これはメジャーリーグがあるからマイナーリーグがあるわけです。そうすると、マイナー自衛権の話をするということは、こういう表現はほとんどないわけですけれども、メジャー自衛権というか、メーンの自衛権の話があって初めて、マイナー自衛権という言葉があるはずでございまして、この辺が国民から見ると非常にわかりにくい。

 ということで、岸田外務大臣、私調べましたら、昨年の国会答弁でマイナー自衛権という言葉をお使いになっています。総理は余り使われていないんですね。

 そこで、あえて、既に国会答弁でマイナー自衛権という言葉を使われている岸田外務大臣に、何がメジャー自衛権で何がマイナー自衛権なのか、国民にわかりやすく簡潔に御説明ください。

岸田国務大臣 まず、国連憲章第五十一条において、自衛権が認められるのは武力攻撃が発生した場合、このように規定をされています。政府は、従来から、武力攻撃に至らない侵害に対して自衛権の行使として実力を行使することは一般国際法上認められており、このことを国連憲章が排除しているものではない、このように解しております。

 いわゆるマイナー自衛権という言葉ですが、マイナー自衛権とは、このような武力攻撃に至らない侵害に対する自衛権の行使、これを一般的に指すと考えています。

 そして、集団的自衛権等について安保法制懇で議論が行われているわけですが、この点についても議論が行われているという状況にありまして、その議論の中で、例えば、国際法上、外国潜水艦は、他国の領海内では海面に浮上して国旗を掲げて航行しなければならない、このように国際法上定められているわけですが、例えば、我が国の領海内において、外国潜水艦が水中に潜ったまま航行し、退去の要求に応じず、徘回を継続した場合、こういった場合にどのような実力の行使が可能か、こういった検討をする必要がある、こういった問題意識が指摘をされております。

 こういった点を指しましてマイナー自衛権という言葉を使ったわけでありますが、ぜひこの点につきましてもしっかり議論を深めていきたいと考えております。

遠山委員 そうすると、外務大臣の今の御答弁をわかりやすく言うと、国連憲章は、総理も御存じのとおり、基本的に武力行使を違法化しているわけですね、第二条において。だけれども、もし武力攻撃を国連加盟国が受けた際に自衛権を認めて、それを憲章五十一条で書かれている。

 ですから、先ほど私が言ったメジャー自衛権というのは、国連憲章の第七章で想定されている武力攻撃のことをいうわけです。マイナー自衛権というのは、今の外務大臣の御答弁の中にありましたけれども、武力攻撃に至らない侵害のことをいう、こういう整理になるというふうに思いますが、実は、安倍総理も、ことしの二月四日の安保法制懇の第六回の会合において、総理御自身、御出席をされて、安保法制懇の皆さんに対する諮問事項として、こういうことをおっしゃっているんですね。

 我が国に対する武力攻撃に至らない侵害が発生した場合に、自衛隊が十分な権限でタイムリーに対応できるかどうか、その点で既存の法体系にすき間がないか検討してほしいということを、総理御自身おっしゃっています。ですから、総理御自身はマイナー自衛権という言葉は使っていませんが、事実上そのことを議論するように諮問したというふうになるわけでございます。

 確かに、総理が挙げられた例、あるいは先ほど外務大臣が挙げられた例、総理が挙げられた例というのは、本土から数百キロ離れた離島や海域で、警察や海上保安庁だけでは速やかに対応することが困難な侵害等にどう対処するかということをおっしゃったわけでございます。確かに、これは、今の法体系だと、武力攻撃に至らない侵害の場合は、自衛権の発動に基づく防衛出動というものを発令することはなかなか困難である。しかしながら、現行法上でも、警察権に基づく海上警備行動あるいは治安出動等で自衛隊を動かすことは可能なわけです。

 ただ、恐らく政府内には、この治安出動とか海上警備行動、警察権に基づいて自衛隊が出動した場合には、武器使用について、警察官職務執行法第七条に準拠するわけですから、相手によっては対処できないんじゃないか、こういう懸念があって議論になっているのかと思います。

 ただ、ここで法制局にちょっと伺いたいと思いますけれども、岸田外務大臣が昨年の十月二十九日に、マイナー自衛権についてこういう御答弁をしております。そのまま読みます。政府は、従来から、武力攻撃に至らない侵害に対し自衛権の行使として実力を行使することは一般国際法上認められている、こう明確におっしゃっているわけでございます。

 つまり、武力攻撃に対してだけしか実力をもって反撃してはいけないと国連憲章でなっているはずなのに、外務大臣のこの答弁は、武力攻撃に至らない侵害に対しても自衛権の行使として実力を行使することは一般国際法上認められている、こういう答弁をされております。

 そうしますと、この答弁を読むと、印象としては、別に安保法制懇で議論して新たな出動類型をつくり出さなくても、例えば、治安出動で自衛隊が対処している現場において、相手方の襲撃の武器の強度が非常に想像以上に高い場合に、警職法第七条を超えた武器を現場で自衛隊員が使用してもいいのではないか。つまり、一般国際法上認められていると外務大臣はおっしゃるわけですから、そう解釈もできるのではないかと私は思ったわけですけれども、内閣法制局の見解を聞きたいと思います。

 要するに、警職法第七条を超えて、武力攻撃に至らない侵害の現場において自衛隊員が武器使用することができるかどうか。答えてください。

横畠政府参考人 国際法上の議論についてはコメントいたしませんが、政府は、従来から、憲法第九条のもとで武力の行使が認められるのはいわゆる自衛権発動の三要件を満たす場合に限られると解してきております。

 お尋ねのような、不正な侵害を受けた現場に限定した防御的、受動的な実力による対応ということでありますれば、御指摘の警察権もございましょうし、現行法のもとにおきましては、自衛隊法第九十五条の武器等防護のための武器使用、さらに、いわゆる自己保存のための武器使用と呼ばれているものがございます。

 このような対応措置につきましては、実力を用いることが含まれておるわけでございますけれども、国内法上の議論としては、これらについて、自衛権あるいは武力の行使という概念では説明してきておりません。

 すなわち……(遠山委員「質問に答えてください、質問に。警職法第七条を超えてどうなのかと聞いているんです」と呼ぶ)そのような防御的、受動的な実力による対応につきましては、当然、警察比例の原則というものが働きますので、その意味で、武力の行使の場合とは異なるということでございます。

遠山委員 今の答弁は、すごくわかりにくい。

 警職法第七条を超えた武器使用を、警察権に基づいて出動した自衛隊員が現場で使うことはできるんですか、できないんですか、その解釈。(発言する者あり)いやいや、武器使用できるのは、私はそこを問うているんじゃなくて、警職法第七条を超える、強度の高い武器を使うことは、許されるんですか、許されないんですか。どうぞ。

横畠政府参考人 警職法に定められておりますのは、まさに比例の原則でございまして、そのような対応につきましては、厳密な意味の警察比例の原則を超える武器使用はできません。

遠山委員 ですから、できないわけですね。武器使用はできますけれども、警職法第七条を超えた範囲の武器使用は、実はできないわけでございます。

 もう一点、この議論の関連で法制局に伺いたいんですが、総理、今の、武力攻撃に至らない侵害への対処の問題においても、あるいは将来我々が議論するであろう集団的自衛権の問題においても、実は共通の概念上の課題があります。それは、国際法上保有している権利と憲法上の制約が相矛盾して相克した場合、行政権を執行する政府としてどちらを優先するか。

 先ほどの外務大臣の答弁は、一般国際法上は、武力攻撃に至らない侵害の場合でも実力行使できると外務大臣が答弁しているわけです。だから、これは、一般国際法の世界で認められている自然権的な自衛権の話をされているんだろうと思いますけれども、一方で、今までの政府の解釈は、憲法上も、第九条の制約によって、自衛権発動以外において武力の行使というのはなかなかできない、こういうふうに言っているわけですね。

 このように、二つの、国際法上保有している権利と憲法上の制約が相克、矛盾した場合は、政府はどちらを優先して行政権の執行をするのか、内閣法制局の見解を伺いたいと思います。

横畠政府参考人 政府が国際法を遵守しなければならないのは当然であり、また、国の最高法規である憲法を尊重しなければならないこと、これまた当然でございます。

 その上で、国際法上の義務ではなく権利ということでございますれば、これを行使するか否かは各国の判断に委ねられていると考えられるところであり、憲法その他の国内法による制限がある場合にはそれに従うことになると考えております。

遠山委員 つまり、一言で言うと、憲法上の制約が優先されるという法制局の見解だと思います。

 私は、こういう点を踏まえて、国民の前で、ちょっと、きょうも法制局の次長の答弁が一番国民にとってわかりにくかったと思いますけれども、総理、わかりやすい議論をして、これらの問題に結論を出していかないといけないということだけ申し上げておきたいと思います。

 時間がもう三分ぐらいしか残っていないので、最後になりますが、総理にお伺いをします。(発言する者あり)わかりました、なるべく簡潔にいたします。

 総理、日中の問題につきましては、私自身は八年前に第三次小泉内閣の外務大臣政務官をやっておりまして、当時の外務大臣は麻生現副総理でございますが、鮮烈な思い出がございます。

 小泉内閣の時代に日中関係が大変厳しい局面になりました。それを安倍総理が、総理に就任されて真っ先に中国に訪問されまして、難局を打開された。そして歴史的な戦略的互恵関係の日中共同プレス発表をされたわけでございますけれども、私は、ぜひ総理に、八年前のこの立場に戻っていただいて、日中関係の改善に動いていただきたいと思っております。

 総理、一番大事な点は、同盟国である米国や基本的価値を共有する韓国とともに連携をして、この中国の急速な台頭という新たな東アジアの状況を平和的に管理する体制というものをつくるために日本は積極的に動くべきだと思いますが、総理の御決意を簡潔に聞いて、終えたいと思います。

安倍内閣総理大臣 まさに遠山委員が言われた問題意識は共有しているところでございまして、最も大切な隣国の一つである韓国との関係を改善していく、そして、委員がおっしゃったように、自由と民主主義、そして基本的人権、価値を共有する国である韓国とともに、アジアの平和と安定に向けて協力をしていくことが重要だろう。日韓そして米国、この三カ国でしっかりとこの地域に対して責任を負っていく、この姿勢のために日韓関係をより改善していきたい、このように考えているところでございます。

遠山委員 終わります。

二階委員長 これにて遠山君の質疑は終了いたしました。

 次に、岡田克也君。

岡田委員 民主党の岡田克也です。

 まず、集団安全保障と憲法との関係について、総理の見解をお聞きしたいと思います。

 集団安全保障については、この場でも余り議論されておりませんが、国連決議がある場合の多国籍軍への自衛隊の参加の問題であります。

 従来の政府の憲法解釈は、国連決議があったとしても、多国籍軍への参加は各国の判断に委ねられており、その意味で我が国の行為である、したがって、国権の発動たる武力の行使に該当し、日本の自衛隊が多国籍軍で武力行使することは憲法九条に反する、これが従来の政府解釈であります。

 そもそも、国連決議に基づく集団安全保障については憲法九条による国権の発動ではない、したがって、憲法九条の問題ではない、そういう議論もあるわけでありますが、政府は、それは日本の判断が加わっている以上、九条の問題であるというふうに考えてまいりました。

 この基本的考え方について、何か変更を加える、そういうふうに総理はお考えなんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今委員が御指摘になったような点について、安保法制懇で議論をしているところでございまして、政府としては、この安保法制懇の議論の結果を待ちたい、こう思うところでございます。

 この懇談会の中での議論については、一部をちょっと御紹介させていただきますと、例えば、国連の集団安全保障系統の活動については、これまでのように憲法九条に絡めて議論するのを改めないと解決ができないのではないか、国連の集団安全保障に関係する活動は憲法九条とは次元が違うということを明確にした方がよいという御意見や、あるいは、国連のやることであれば何でもよいとすると違和感を感じる国民も多い、国連の集団的安全保障措置であっても、憲法上の制約があるのか、主権国家としての自然権としての制約があるのか等については検討していく必要がある、そしてまた、国連の集団安全保障措置への参加については、基本的には我が国が当事国である国際紛争を解決する手段としての武力行使には当たらず、憲法上、禁止されていないと解すべきであるというような議論があるわけでございまして、いわば、いわゆる自衛権の発動ではなくて、国連の判断による、決議によるものであれば、いわば集団安全保障の中における警察権の行使に類似するものではないか、そうした議論もあるわけであります。

 いずれにいたしましても、今委員が御指摘になった点も含めて、この安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会、いわゆる安保法制懇において議論をしているところでございまして、この結論を待ちたい、このように思っているところでございます。

岡田委員 今の御紹介された意見を聞きますと、憲法九条の問題でないというのが多数であるというふうに思うわけでありますが、またそういうふうに私も聞いておりますが、これまた憲法九条の解釈の抜本的な変更であります。

 もちろん、そういう考え方は前からありました。これは自民党の小沢調査会の意見がまさしくこういうことで、その考え方に今自民党が立たれるというのは、私、やや奇異な感じもするわけですが、もしそういうことであるとすると、これまたどこまで憲法解釈の変更が一内閣でできるのかという問題になると思います。

 参加について我が国が決める以上、我が国の行為である、したがって、国権の発動たる武力の行使に該当するというその考え方を変えるのであれば、それはそれできちんとした論理がなければなりませんし、今までの積み重ねとの関係で、そう簡単にできることではないということは申し上げておきたいと思います。

 そこで、集団的自衛権についてお聞きをしていきたいと思います。

 総理の先般の御発言、先ほど岩屋委員も紹介されましたが、最高責任者は私であって、選挙で国民の審判を受けるのも私である、そういうふうに集団的自衛権の憲法解釈に関して言われました。

 私は、これは、あたかも総理がお一人で集団的自衛権をめぐる憲法解釈を変えられるような印象を与え、非常に傲慢な、そういう印象を与えたと思うんですが、総理は一人で憲法解釈の変更はできるというふうにお考えなんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 先般もこの委員会におられたら御理解いただけると思いますが、御指摘の私の答弁は、議事録を読んでいただければ御理解いただけると思いますが、行政府における憲法の解釈については内閣が責任を持って行うものである、これは当然のことであろうと思いますし、先ほど法制局次長から答弁をさせていただいたとおりであります。

 あのときは、いわば、基本的には、我々安倍政権の基本方針としては、こうした国会の場において、内閣としての憲法解釈等について、また法解釈について、法制局長官をもって答弁に充てております。いわば、それは、専門的知識のもとにおける事実関係についての答弁でありますから法制局長官が行うわけでございますが、これは、民主党政権のときには法制局長官を答弁させていなかったということがあると記憶しておりまして、担当大臣というものがいたと記憶しておりますが、我が党では、そうではなくて、いわば法的専門知識を持っている法制局長官によって答弁をさせます。

 しかし、それを政府として決める、行政府における憲法解釈については、これは法制局長官が決めることではないわけでありまして、もちろん法制局もその検討に当たって大きな役割を担っていくわけでありますから、内閣が責任を持って決めていく、そして内閣において最終的な責任を私が負っているわけでありまして、そうした解釈。

 もちろん、また憲法解釈については、三権分立、いわば私と法制局は同じ行政府でありますから、その責任者は私であるということを明確にしなければならない。あのとき何回も何回も、あれについては大きな方針であるので私が答えようとしたけれども、法制局次長に答弁を求めたので、いや、これは私が答弁すると言っているんだから私が答弁しますよと言ったわけでありまして、もちろん、私が常に答弁するということではなくて、従来からのように、多くの御質問に対しては、今後も法制局長官が答弁に当たることの方が多いと思いますよ、この分野においても。

 しかし、この最終的な課題について私がどういう方針で今進めているかという説明でありますから、私が答弁すべきだということで答弁をさせていただいたわけでございます。私が内閣総理大臣として内閣を代表して責任を持って答弁をしている、これは当然のことを述べたわけでございます。

 そして、集団的自衛権の問題については、私がたった一人で決めていいということは今まで言ったことがないわけでありまして、これは、今までの積み上げもあって、国民の理解も大切であります。だからこそ、これは、今まさに安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において検討を行い、そして、この検討を受けて、内閣としてどう解釈をしていくかということを詰めてまいります。

 当然、法制局を中心にその議論も行っていくわけでありますが、また、与党とも協議をしながら、そして最終的には、その上において閣議決定をしていくという方向になっていくんだろう、こう思うわけであります。

 その上において、実際に自衛隊が活動していくためには、その根拠法が必要であります。その根拠法をつくって、その上において、自衛隊が新しい解釈において行動できるということになっていく。しかし、それが必要かどうかということも含めて、今、法制局で議論をしているわけであります。

岡田委員 総理、なるべく答弁は簡潔にお願いしたいと思います。

 ただ、今の答弁に関して、私、まず申し上げたいことは、法制局長官はおられませんよね。検査入院ということで、非常に長い検査入院、そういう検査が果たしてあるのかというふうにも思います。法制局長官がないままこの予算委員会で審議が行われているわけで、私は、早く国会に戻ってきていただいて、そして、この予算委員会でしっかりと法制局長官から答弁を聞きたいと思っておりますので、そこはぜひ、長官に早く戻っていただくということと、長官が戻った上でこの予算委員会できちんと議論するということについて確認しておきたいと思います。

 その上で、総理がいろいろ言われましたが、憲法解釈の変更は内閣で行うということですが、しかし、集団的自衛権の問題は、歴代内閣が、集団的自衛権の行使は憲法九条は許容していないということを言ってこられたわけです。その解釈を変えるということですから、それは安倍内閣、一つの内閣で簡単に変えられるものではない。

 だからこそ総理はいろいろ手続をしておられると今言いましたけれども、これは内閣もそうだし、国会もそうですよ。国会で、内閣のさまざまな、特に集団的自衛権の行使は憲法で許容されていないという解釈を国会の多数は受け入れて、その前提でさまざまな議論をしているわけですから、これはやはり国会でもきちんとした議論がなければ、内閣が集団的自衛権の行使の解釈を変えます、憲法解釈を変えます、それで済む話ではない。にもかかわらず、総理が、私が決めますというような答弁をしたことが、私は非常に傲慢な印象を与えたんだというふうに考えております。

 これはまた後ほど申しますけれども、国会におけるしっかりとした議論ということを申し上げておきたいと思います。

 そこで、今総理は、スケジュール的なことも言われました。先般の海江田代表に対しても、こういうふうにお答えになりました。まず、安保法制懇の結論を得たところで、与党においてしっかり議論をする、必要があれば、解釈をどう判断するかということについて、政府一体となって、法制局を中心に判断する、その上で、自衛隊をどう動かしていくかについて、根拠となる法改正が必要となるので国会で審議していただく、こういうふうに言われました。

 その総理の答弁をもとに、予想されるスケジュールというものをつくってみました。この一、二、三、四が、今私が読み上げたもので、総理が先ほどお話しになったことであります。

 四月に安保法制懇において結論が出るというふうにされています。与党において議論をする。そして、必要があれば法制局を中心に判断をして、これは私の想像でありますが、その後、憲法解釈変更の閣議決定をされるのではないか。これは与党の調整がどのぐらいかかるかにもよりますけれども、初夏ぐらいにはそういうふうになるのかな。そして、具体的に根拠となる自衛隊法なり個別法の改正あるいは法制定について国会で審議をする。これは、秋になるのか、あるいは、最後にあります日米防衛協力のガイドラインの見直しが年内ということになっていますから、その後でそういう法案が出てくるのか。

 こういうふうに想像するわけですが、大体こういう流れで総理はお考えですか。

安倍内閣総理大臣 四月とか夏とか、これはわかりません。まさに、いつということではなくて、安保法制懇において深く広い議論をしていただきたい、こう思っておりますので、時期、期限ありきではなくて、今議論が行われているわけであります。しかし、中身としてどういう進め方をしていくかということについては、安保法制懇において結論を出していただく。

 ただ、今、先ほど岩屋議員との間で議論になっておりました、武力攻撃に至らない段階における自衛隊の武器の使用等の課題についての議論もしておりました。

 シームレスにしなければいけないという観点から、さまざまな議論もしておりますので、多少時間がかかるかもしれませんが、この結論を得た上において、先般も答弁をいたしましたように、法制局を中心として、政府としてどう解釈を変えていくか、あるいは変えていく必要があるのかということについて議論を行いながら、当然、その間、与党とも協議をし、そして、基本的にはやはり閣議決定ということになっていくんだろうと思います。そして、その上において、必要があれば自衛隊法等の改正を始めていくということになるのであろう、このように思います。

岡田委員 大体私が予想するようなスケジュールをお考えだということですが、ここで最大の問題は、国会でいつ議論するのかということです。

 総理は、従来の答弁では、具体的な自衛隊法の改正なり個別の法律が出てきたところで国会で審議をいただくというふうに言われていますが、そのときにはもう既に憲法解釈変更の閣議決定がなされた後、場合によってはそれから半年以上時間もあくかもしれない、既成事実は積み重なっている。それで本当に国会としての責任を果たしたことになるんでしょうか。

 集団的自衛権の問題は、戦後ずっとこの国会でもさまざまな深い議論がなされてきました。したがって、それを、憲法解釈を変えるということであれば、当然国会においてしっかりとした審議をする、あるいは、国民に対し、例えば公聴会などもやり、国民の皆さんに理解していただくためのちゃんとした議論がなされなければ、それは政府が勝手に走っているだけということになります。

 これは与党の皆さんも同じだと思うんですよ、やはり同時に国会議員であるわけですから。政府が勝手に、与党が合意して政府が閣議決定すれば済むという話ではなくて、やはり国会できちんと議論した上で閣議決定しなければならないと思うんですね。

 ところが、これを見ると、私が特に気になるのは、与党における議論が長引けば、もう国会は終わってしまいますよ。国会が終わったところで閣議決定をやられたら、国民に対してきちんと理解していただく、そういう審議ができないわけですね。

 したがって、私は、この国会でしっかりと集団的自衛権をめぐる憲法解釈について議論すべきだ、あるいは、それをきちんとやった上で閣議決定を必要ならする、そういうことにすべきだというふうに考えますが、総理、お約束いただけませんか。

安倍内閣総理大臣 もう既にこの国会の場においてずっと議論をしていることでもありますし、例えば、自民党については、ずっとこの議論を行ってまいりました。岩屋議員が指摘をしたように、基本法をそのためにつくるということになったわけでございまして、自民党的には、この課題については、J―ファイルにも書いてありますように、集団的自衛権の解釈変更について検討を進めていくということを明確にしているわけでございます。

 その上において、国会での議論、国会での議論というのは、これはまさにいつでもできるわけでございまして、国会についてはいつでも……(発言する者あり)ですから、案は今の段階では示すことはできないということでありまして、今まさに、このスケジュールに沿ってしっかりと議論をしていくことが大切だろう、このように思うわけでありますが、いずれかの段階においては、もちろん国民の皆様にお示しをするわけでございますし、当然国会でも議論が行われるということになるわけであります。

 また、いわば案が完全に固まるのは、閣議決定において固まるわけでありまして、結論が出た後も、閣議決定に至るまでは議論がまだ続いていくわけでございまして、ここで完全に固まるわけではないわけであります。

 まさに、政府としての最終的な解釈については、法制局を中心に議論を進めていく中において、そしてまた、与党との調整を終えて、その上において、閣議決定が出されて初めてここで完全に案は確定し、そして、その案でもって国会において御議論をいただくということになる、このように思うところでございます。

岡田委員 与党での議論も、恐らく相当な議論が必要になると想像しますけれども、先ほど言いましたように、やはり閣議決定する、これはもう国として決めてしまうわけですから、それまでにきちんと国会で議論をする、そのことをお約束いただかないと、これはやはり国民から見たら、政府が勝手に決めたということになってしまいますよ。

 先ほどの総理の御答弁から見ても、そういう疑念を抱くわけで、きちんと国会で議論をする、そういう場をつくる、そういうチャンスをつくるということについて、もう一回明確にお約束いただけませんか。閣議決定までにそういう機会をつくる、個別法が出てくるということじゃなくて、その前に、閣議決定の前にそういう機会をつくるということをお約束ください。

安倍内閣総理大臣 スケジュールとしても、まず安保法制懇で議論をして、その結論が出ます。それはいわば有識者の懇談会としての安保法制懇の結論であって、これはまだ政府の結論ではありません。ですから、政府の結論はその段階では決まっていないということであります。

 そして、安保法制懇の結論を得て、得た上において、政府としての検討が始まります。これは今、どれぐらいで決められるかということについては、私はここで申し上げることはできませんが、政府としての検討を進めながら、同時並行的に与党でも調整をしていただく、自民党、公明党において検討をしていただくことになります。

 その上において、最終的なものが決まり、方針が決まり、案も決まり、それを閣議決定するわけでありますから、閣議決定をしなければ、もちろん、閣議決定をしていく段階において、国会が開かれていれば、その段階で御議論をいただけますよ。でも、その段階では、私たちの考えはこれですということは、まだ申し上げる途上であるということは、あらかじめ申し上げておかなければいけないと思います。

 その上において、閣議決定して案が決まったら、その閣議決定したものについて、これはまさに案が決まったわけであります、考え方が決まったわけでありますから、御議論をいただく。しかし、そうなったとしても、いわばそれに沿って自衛隊が活動する根拠法はないわけでありますから、自衛隊法を改正しなければならないわけでありまして、その自衛隊法については、国会で多数を得なければ、それはいわば成立をしないというものであるわけでございます。

 政府の解釈について言えば、まさに行政府としての解釈に内閣として責任を負うわけでありますから、先ほど申し上げましたようなスケジュールにおいて、閣議決定が必要であれば閣議決定という方向に向かっていくということであります。

岡田委員 総理、はっきり言っていただきたいんですが、閣議決定の案をつくる、その段階で国会でちゃんと議論すべきではありませんか。

 今総理が言われたのは、案をつくって閣議決定する、その上で、そういう趣旨でおっしゃったと私は理解しました。閣議決定する前であっても、政府としてこれでいきたいという案をつくった段階でやはり国民的な議論をすべきじゃありませんか。

 それなしで勝手に閣議決定する、場合によっては、日米防衛協力のガイドラインなどもその閣議決定に基づいて進めていく、いろいろなことがどんどん進んだ上で初めて個別の法案が出てきて国会で審議される、しかし、そのときにはもう全部決まっている。こういうことになったら、これは本当に後に大きな悔いを残しますよ。だって、問題は、これはずっとこの国会で、あるいは戦後日本が海外で武力行使しないという方針を大転換する話なんですから。

 その大転換することについて、国会での事実上の審議なしで、今は、総理、まだ決まっていないと言って中身の議論をされませんよね。そして、その大転換を国会の議論なくしてやってしまうということで本当に、総理、いいんですか、それで。(発言する者あり)

二階委員長 お静かに願います。

安倍内閣総理大臣 海外で武力行使をしないという議論についても、日本がミサイル攻撃をされた場合、その策源地に対しての攻撃はできるということは、これはもう答弁が出されているわけでございます。いわば、今までもそれはまさに答弁で出されたわけでありまして、これは政府としての立場をそこで表明したと言っても、これは船田当時の防衛庁長官が国会で答弁をした、政治家の判断としての答弁をしたわけでありまして、そして、そのことによって、いわば、ある意味、これも海外における武力行使であることは間違いないわけでありますが、その中で許されるものについての判断を示したと言ってもいいんだろう、こう私は思うわけでございます。

 そこで、我々は、国会で議論しないとかそういうことではなくて、手順については、いわば政府として責任を持って、行政府として責任を持って閣議決定を行うものであります。それについて国会で御議論をいただくということではないかと思うわけでございます。

岡田委員 総理が今言われた個別の事案については、個別的自衛権の解釈の問題でそういう場合があるということを言っただけで、それは今の法律の枠の中でできますよという話で、憲法の話じゃないんです。憲法解釈を大転換する話じゃないんですよ。

 総理、この前もお聞きしましたが、集団的自衛権の行使を認めるということは、海外において自衛隊が同盟国とともに武力行使をする、突き詰めればそういうことであって、当然、その結果として、自衛隊員の中に命を落としたり傷つく者も出てくる、あるいは、他の国に対して殺傷するということも当然起こり得る、こういうことですけれども、そこは当然お認めになりますね。

安倍内閣総理大臣 安全保障の議論をするというのは、まさに国民の生命と財産を守るわけであります。それに対して自衛隊のいわば出動を求める上においては、彼らはまさに身をもって国民の生命と財産を守るわけでありますから、その重い重いいわば命令を下す立場に我々はあるわけであります。ですから、そう簡単なことではないのは我々も十分に認識した上において、しかし、今私たちが例として挙げている事態について、では、今までのままでいいのかということであります。

 むしろ、自衛隊の諸君が、彼らが判断をしなければならない事態に追い込まれるかもしれない、それで立法府として責任を果たしていると言えるのかどうかということを、私たちは正面から向き合って議論をしてきたわけであります。(発言する者あり)

二階委員長 静かに。

安倍内閣総理大臣 ですから、その中において、私たちが政府として責任を持って判断をし、そして国会において御議論をいただきたい、こう思っているところでございます。

岡田委員 総理、今言われた、つまり、日本国が侵略を受け、日本国民の生命財産、権利を守る、それは当然国としてやらなければいけないことだし、自衛隊の皆さんにはそのときにはまさしく命をかけて戦ってもらわなきゃなりません。これは個別的自衛権の話です。しかし、今議論しているのは集団的自衛権の話で、日本自身が侵略を受けているのではないという状態において武力行使をするということですから、そこに大きな飛躍があるのではないか。

 国民の皆さん、多くはわかっていないですから、そのことをちゃんと総理は御説明になって、その上でこの集団的自衛権の必要性をきちんと言われないと、非常に軽く感じてしまうんですね、総理の議論は。それで国会の議論もしない、いや閣議決定すればいい、俺が決めるんだ。そういう問題ではない、もっと重い問題だということをぜひ総理にも認識を持っていただきたいというふうに思います。

安倍内閣総理大臣 私は、軽い議論にしているつもりは全くありませんし、これはそんな簡単な議論ではないことを私たちは十分承知しながら、長い議論を真面目に、正面から自由民主党はやってきたんですよ。

 その上において、さきの選挙においてもちゃんとJ―ファイルの中に書き込んでいるんですよ。皆さんは、民主党は、申しわけないけれども、全く書いてないじゃないですか、どういう姿勢を持っているのか。その立場すら決まっていない皆さんと、もちろん議論をしていきますよ、議論はしますが、そこにおける、いわば飛躍とおっしゃったけれども、だから、今まで四分類とかそういう分類について我々は丁寧に説明をしてまいりました。

 その中でも、例えば、先ほど岩屋議員からも指摘がありました、北朝鮮が先般、これはしばらく前でありますが、ミサイル発射するということになったら、その段階でもう既に、オペレーションの中身については詳細なことは申し上げられませんが、事実上、それに対して対応するのは、日本と米国がこのミサイルに対しては、情報は共有をしながら対応をするわけであります。

 日本近傍には日米の艦船も配備をされているというのは当然のことであり、情報の共有もしているわけでありまして、その中で、例えば、グアムに向かっていくミサイルを落とさなくてもいいのかという議論もしておりますが、同時に、イージス機能を発揮して、米国のイージス艦が上空にイージス機能を向けていた場合は周辺はおろそかになる中において、日米で共同していれば、日本のイージス艦が、近傍にいなくてもかなりカバーできて、そして、飛んでくるミサイルについて落とす、そのイージス艦を狙ってくるミサイルを落とす機能を日本のイージス艦は持っているというときに、それを落とさなくていいのかということについての、そもそもそれで果たして日米同盟はもつのかという議論もあります。

 そして、これはまた集団的自衛権ではなくて海外での武器使用でありますが……(岡田委員「もういいですから、その話は」と呼ぶ)いや、これは大切な、だって、国民の皆さんにわかりやすくと言ったから今わかりやすく説明させていただいているわけでありまして……(岡田委員「今は集団的自衛権の議論をしているんですから」と呼ぶ)例えば、集団的自衛権……(岡田委員「時間がなくなるのをわかっていて言っているでしょう」と呼ぶ)違いますよ。だったらもっとやったっていいじゃないですか。

 集団的自衛権だけではないんですよ。海外における武器の使用もかかっているということであれば、集団安全保障における我が国の行動もかかっているから申し上げているわけでありまして、余り単純化しないでしっかりとした議論をしていく必要があるわけでありますし、私一人で決められるんだ、俺が決めればいいというような、そういうイメージづけをするというのは岡田さんらしくないと私は思いますけれども。(発言する者あり)その中において、だからこそ今まさに深い議論をしているわけでありますし、今、徹底してやろうという不規則発言がありましたが、徹底してやるのは当然じゃありませんか。

 しかし、閣議決定については、政府として責任を与党とともに負って行っていくということでありまして、その上においてしっかりと御議論をいただきたい、このように思います。

岡田委員 総理が最後に言われた、閣議決定した上で国会で議論しようというのは、議会人として絶対納得できません。(発言する者あり)

二階委員長 静かに。

岡田委員 この点は引き続き議論していきたいと思います。

 総理、いろいろおっしゃいますけれども、私は、総理を見ていて非常にちぐはぐだと思うんですよ。

 集団的自衛権に関して、北朝鮮に言及されました。確かに北の今の状況は非常に危険な状態、若い指導者が出てきて、親族まで粛清する、何が起こるかわからない、そういう厳しい状況の中で集団的自衛権の議論をしている、そういうふうに総理はおっしゃりたいんだと思いますけれども、では、どうして、そういうことがわかっていて年末に靖国に行くんですか。まさしく当事国韓国との議論が全くできなくなってしまっているじゃないですか。

 本当に大事だと思うなら、そういうことは抑えてでも、日本国民の安全を守るための、そういうところを議論すべきじゃないですか。私は、総理を見ていて、本気になってこの国の安全の問題について考えているとはとても思えないんですよ。

 終わります。

二階委員長 この際、大串博志君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大串博志君。

大串(博)委員 おはようございます。民主党の大串博志でございます。

 きょうは、NHK会長及び経営委員の皆さんの発言問題を中心に、前回に続いて議論をさせていただきたいというふうに思います。

 NHK会長及び経営委員の皆さんの話、まずは会長の話ですけれども、私は、もちろん、一月二十五日の就任記者会見における発言、これも大きな論争を呼び、物議を醸し、大きな問題を抱えるものだったというふうに思います。しかし、さらに私が問題だと思うのは、その後の会長としての対応、すなわち、説明が非常に二転三転している、説明責任を果たした形になっていない。

 すなわち、籾井会長の個人的意見だから取り消した、あとは放送法を中心に頑張っていくということに関する発言は、まずは、会見のときには従軍慰安婦部分を取り消したという形になっています。しかし、それが、一月三十一日の当予算委員会における原口委員からの質問に対し、籾井会長は、全てを取り消したかのごとく、よくわからないような不明な発言もありました。右左がよくなければ赤と白と言いかえて、こういう意味不明な発言もございました。それが、約一週間たって、参議院における又市議員への質疑の際に、個人的意見を述べたところは全部取り消した、具体的にはこの五項目だという発言がありました。

 このように、発言が常にぶれている。このことがその後の事態の収束をおくらせている、信頼の回復を難しくしているのではないかというふうに思います。

 そういった中で、会長の会長たる職責を果たす能力、資質に関しての議論をさせていただきたいというふうに思いますが、去る二月の十二日、経営委員会が開かれ、ここでこの会長の発言の問題、あるいは経営委員の発言のことも問題になっているというふうに聞いております。議事録も間もなく開示されるというふうに聞いております。

 その中で、先日報道がございました。会長、先ほど申し上げたように、個人的発言をしてしまったので、これは陳謝し取り消す、放送法を守ってやっていくというふうに言っていらっしゃる中で、この二月十二日の経営委員会において、発言のどこが悪いのかという発言をされているという報道がありました。

 籾井会長にお尋ねします。二月十二日の経営委員会において、自分の発言のどこがおかしいのかと、開き直りともとれるこの発言をされましたか。

籾井参考人 お答えいたします。

 私の経営委員会での発言につきましては、この場でその一部だけを申し述べた場合、内容が不正確になるおそれがありますので、私がその内容について申し上げることは差し控えたいと思います。

大串(博)委員 先ほど申し上げたように、一月二十五日の記者会見での発言が物議を醸し、その後、説明をしていかなければならないという重い責任を負った会長です。それが、個人的発言だから取り消しますという発言をここで繰り返しおっしゃっていた。それが、二月十二日の経営委員会において、その発言のどこが悪いのかということを発言された。しかも、経営委員会の議事録は、法律に基づいて公表されることになっております。通例でいうと、あと一週間のうちにいずれにしても発表されることになっています。それが、当予算委員会、公共放送のことを議論する集中質疑、二月十二日に経営委員会が行われてもう一週間以上たっています。発言できないわけは、私はないと思います。御自分が発言された内容を私はここでお聞きしております。

 御自分として、この経営委員会で、自分の一月二十五日の発言がどこがおかしかったのかと述べたのか、会長として説明責任を果たし、NHKの信頼を取り戻したいということであれば、ここでお答えください。

籾井参考人 お答えいたします。

 まだ経営委員会の議事録は公表されておりませんので、この場でその一部だけを申し上げた場合に内容が不正確になるおそれがある、こういうことでございます。

大串(博)委員 今、理由は、発言が不正確になる可能性があるということでしたので、籾井会長に発言をお願いします。二月十二日の経営委員会で述べた内容を正確にここでお述べください。

籾井参考人 お答えいたします。

 議事録はまだ公表されておりません、先ほど言いましたように。したがいまして、私が発言したことについては、この場で申し上げた場合、一部を申し上げた場合には不正確になるおそれがありますので、この場では申し上げることを差し控えたいと思います。(大串(博)委員「委員長、答えさせてくださいよ」と呼ぶ)

二階委員長 大串君……(大串(博)委員「答えていないじゃないですか。自分の発言なんだから。自分の発言を正確に答えられない人がいますか」と呼ぶ)だから、もう一度発言してください。どうぞ。

大串(博)委員 きょうは、公共放送等に関しての集中質疑です。まさにこの問題を取り上げるためにきょうは開かれたと私は理解しています。そのために、会長にも来ていただきました。

 経営委員会が開かれたのは一週間以上も前です。議事録がどうとかという問題ではございません。御自分がその場で発言した内容はどういう内容でしたかということを私は聞いているんです。議事録にそれが正確に反映されているかということを聞いているわけではないんです。御自分がそのときに言われた内容を正確にここで言ってくださいということを言っているだけなんです。これも答えられないのであれば、この予算委員会は何ですか。私がこの場で質問しているのは何ですか。この委員会は委員会になりません。

 委員長、ぜひ、二月十二日の経営委員会で籾井会長が自分で述べたことをこの場でもう一回言ってくださいと答弁させてください。

二階委員長 日本放送協会会長籾井勝人君、正確に御答弁をお願いします。

籾井参考人 お答えいたします。

 何度も申し上げておりますが、この件につきましては、経営委員会のマターでございます。したがいまして、私ではなくて、私の手を既に離れておりますので、経営委員会にお聞きいただきたいと思います。(大串(博)委員「委員長、だめだよ。正確に答えてくださいと委員長が言ったんだから。委員長の指示にも従っていないですよ。速記をとめてくださいよ」と呼ぶ)

二階委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

二階委員長 それでは、速記を起こしてください。

 日本放送協会会長籾井勝人君に申し上げます。

 一字一句詳細に答弁を願っているわけではありません。そのときの模様を正確にお伝えください。そういうことを言っているわけですから、会議の趣旨を十分理解して御答弁を願います。

 籾井勝人君。

籾井参考人 お答えいたします。

 先ほどから何度も申し上げておりますように、このことについては、私の手を離れております。ですから、ぜひ経営委員会の方にお聞きいただきたいと思います。(大串(博)委員「委員長、委員長は一言一句じゃなくてもいいと言ったじゃないですか。自分の発言を答えてと。自分の発言を聞いているんですから、自分の発言なんだから、自分でしゃべらせてくださいよ」と呼ぶ)

二階委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

二階委員長 速記を起こしてください。

 議事進行上、この際、経営委員長浜田君の説明を求めます。

浜田参考人 お答えいたします。

 二月十二日の経営委員会の議事録は、現在確認作業を行っている最中で、次回の経営委員会で出席者の確認を経た後、来週末をめどに公表する予定でございます。(発言する者あり)

二階委員長 静かに、静かに。

 もう一度速記をとめてください。

    〔速記中止〕

二階委員長 それでは、速記を起こしてください。

 日本放送協会会長籾井勝人君に重ねて申し上げます。

 この議場の状況は、ごらんのとおりであります。議事進行にも御協力を願いたい。

 そういう意味で、今、質問者の趣旨に対して、自分の話せる範囲においてお答えを願います。

籾井参考人 委員長のお言葉もありましたけれども、私が経営委員会で言ったことは私の手を離れておりますので、しかも、一週間後に、先ほど委員長から説明がありましたように、正式な議事録が出てきますので、ぜひそれを読んでいただきたい。それが正式のことになりますので。(大串(博)委員「委員長、委員長の趣旨を踏まえていないじゃないですか」と呼ぶ)

二階委員長 静かに。

 大串博志君、質問を続行してください。

大串(博)委員 経営委員会で発言した発言は自分の手を離れているので、ここで自分の発言とはいえども答えることができませんというふうにおっしゃいました。それはNHKのルールなのかもしれません。しかし、NHKの会長として、国民の皆さんに自分の考えを説明し、信頼を回復するという責任があるはずです。そして、今回の集中質疑はその場であるはずです。

 かつ、事実として申し上げますと、経営委員会における各委員の発言に関しては、議事録が出る前にも、経営委員長がブリーフィングを経営委員会の直後に行う際に、誰々委員からこういう発言がありましたということは申し述べているケースもあります。実際に、二月十二日の際にも、百田委員がこういうふうに言った等々のことを、議事録を確認する前に経営委員長がしゃべっているケースもあります。

 ですから、必ずしも議事録が……(発言する者あり)それは、経営委員会委員長の記者ブリーフィングというもので公表もされています。

 そういう中でありますので、自分がしゃべった内容が議事録ができるまでに外に出るわけにはいかないというルールには、NHKにおいてはなっていません。

 そういう中ですから、御自分が発言した内容をもう一度ここで言ってください。NHKの信頼の回復をしたいとおっしゃるのであれば、どの発言にどう問題であったのかということを述べて、どこが悪かったのかということを言ったこの発言を、この場でどうだったのかときちんと説明してくださいということを、NHK会長の資質に訴え、私は申し上げているんです。

 ぜひ、籾井会長に申し上げます。当時、どういうふうな発言をされたのか。NHKの信頼を回復したいというふうに思われるのであれば、議事録の公開ということで言わないで、自分で責任を持って、自分の発言として、どこが悪いのかと言ったかどうか、この場でお答えいただきたいと思います。

籾井参考人 お答えいたします。

 何度も同じことを言って申しわけございませんけれども、NHKの組織を考えていただきますと、経営委員会と執行の部分というのはきれいに分かれております。経営委員会で申し上げたことは、既に経営委員長の責任のもとになっておりまして、先ほど委員長がお答えになりましたように、今度の経営委員会で経営委員全員が合意して議事録ができることになっております。私の立場からこれを申し上げられないことをぜひ御理解いただきたいと思います。

大串(博)委員 では、経営委員長にもお尋ねしたいと思います。

 経営委員長も大変重い責任をこの期において持っていらっしゃいます。籾井会長が前回の経営委員会で自分の発言がどこが悪かったのかというふうな発言をされたかどうか、NHKの信頼を回復できるかどうかにおいては極めて重要、そのことを判断する経営委員長の責任も極めて重いものがあるというふうに思っています。

 議事録を作成するまで本当に籾井会長の発言をここで言うわけにはいかないのか。NHKの信頼回復に責任の一端を持つ経営委員長として御判断をいただき、この場で述べていただきたいと思います。

浜田参考人 先ほど委員からもお話がありましたけれども、ブリーフィングで議論の概要は説明しております。ただし、その場合には、事前に各委員に、こういう中身で公表しますという話をして公表しております。

 今般の事例につきましては、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、今、速記録を起こしておりまして、それを各委員に回しまして、それで、速記録に間違いがないかどうかの確認作業を行っている最中でございますので、もうしばしお待ちいただければ、きちっとした形で公表できるというふうに思います。

大串(博)委員 私は、このことをお尋ねするというのを、きのうのうちからNHKの方にお伝えしております。委員の方に確認をする必要があるのでという経営委員長の発言でしたので、そういうことかなと思って、必要とあれば籾井会長に確認をとった上で、きょう御両名から説明できるようにしてくださいということを、きのうから申し上げてもおりました。

 それでも、きょう御説明がないということは、NHK自体として、今回の一月二十五日発言に対して説明責任をしっかり果たそうとする内容が全くないということが非常に疑問点として思われます。

 もう一つ、それでは、籾井会長にお尋ね申し上げます。

 先週木曜日の定例記者会見において、この一月二十五日の就任記者会見の発言の問題はもう済んだことだというふうに発言をされています。

 これはもう済んだこと、会長、どういう意味ですか。

籾井参考人 お答えいたします。

 この前は、初めての定例の公式記者会見でございました。したがいまして、私の記者会見の目的は、その日までのNHKのアクティビティーというかについて記者の皆さんに説明するというのが主要たる趣旨でございました。

 したがいまして、私がもう過ぎたことと言ったことは、全てが終わったことなどという意味ではなくて、また、私が申し上げた意味は、今回は公式の就任記者会見ではございませんので、定例の公式記者会見ですから、そのときのことはもう余り尋ねていただきたくないということを申し上げました。

大串(博)委員 こうおっしゃっていますね。きょうは定例記者会見ですから、もう就任会見のことは余り聞かないでいただきたいと思います。さらに、就任会見についてはもう聞かないでくださいと言った、それはどうしてかと聞かれて、済んだことだからですと言われています。済んだことなんでしょうか。

 一月三十一日、原口委員からの国会質問の中で、NHK問題に対する集中質疑が求められておりました。この点、籾井会長はこの場にいらっしゃいましたから、そのような問題が、あるいは対応がまだ必要だ、つまりオンゴーイングの問題であったということは御存じのはずです。にもかかわらず、就任会見についてはもう済んだことだというふうにおっしゃっていらっしゃる。説明責任をほとんど果たしていらっしゃらない中で、この問題は済んだことだというふうにおっしゃっている。

 今NHKに必要なことは、私はこういうことだと思っています。すなわち、自分の一月二十五日の発言が何であったかという正しい理解をし、それに対して十全なる説明責任を果たす、何度聞かれても何度聞かれてもきちんと説明をしていく、そしてそれを信頼回復につなげる。これがNHK会長として必要なことなんだろうというふうに思います。

 ところが、一月二十五日以降の籾井会長の発言は、個人的な発言ですから取り消させていただきたいということのみであって、十分な説明責任を果たしているとはとても思えない。しかも、先ほど、自分が経営委員会で述べたことすら、議事録という形を盾に答えない。これで本当に、会長の職を務める、職責を担う能力、識見を持っているのかというふうなこと、疑問と言わざるを得ません。

 この点を述べさせていただいて、私の質疑を終わらせていただきます。

二階委員長 この際、玉木雄一郎君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。玉木雄一郎君。

玉木委員 民主党の玉木雄一郎です。

 引き続き、NHKの問題をやらせていただきたいと思います。

 国益に資する建設的な議論をしていきたいと思います。場内騒然としておりましたけれども、私が取り上げたいテーマは、NHKの会長及び経営委員の皆さんの一連の発言が、外交への影響、とりわけ日米関係に悪影響を与えているのではないのかという観点から、前向きな議論をしていきたいと思います。

 先ほど総理がおっしゃったように、一国で我が国を守れないような、北東アジアの安全保障環境が急速に変わっている、そのとおりだと思います。そして、その意味では、最大の同盟国であるアメリカとの関係をいかに強固にしていくのか、これが国益にかなう方策だと思っています。

 その意味で、NHKの会長そして経営委員の発言が、この揺るぎないものでなければいけない日米関係に悪影響を与えることは絶対あってはならないという視点から質問をいたします。

 その前に、資料の一に書いていますけれども、きのう、突如、撤回という言葉が出たので、少し総理にお伺いしたいんです。

 衛藤総理補佐官が、総理の靖国参拝に対してアメリカが失望したという声明を出されたことに対して、我々の方が失望するということで発言をされ、ある意味、総理補佐官でありますから、総理のある種の意向を反映されているんだと思います。ただ、それをきのうになって撤回されたということであります。

 この補佐官の御発言について、また、それを撤回されたことについて、総理のお考えをお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 衛藤補佐官は、個人の、参議院議員の衛藤晟一として発言をしたということでございました。私は衛藤議員がそういう趣旨のことを述べたということは承知をしていなかったんですが、報道で知ったわけでございます。

 そこで、衛藤補佐官は、誤解を与える可能性があるので撤回をした、こういうことだったと思います。

玉木委員 総理が日米関係を強化していく、さまざまな法制上の措置をとられていることも含め、それを私は評価しておりますし、私も同感であります。

 しかし、例えば、ここ、パネルにありますけれども、このユーチューブの動画、今は削除されていますが、内閣総理大臣補佐官というクレジットの中でこういった発言をされているわけですね。そして当初、何が問題なのかわからないというふうに記者に答え、その後、報道によりますと、官房長官にたしなめられて撤回をしたということだと思います。

 私は、総理が進めようとされている日米の同盟の強化や深化、こういったことに、総理の周辺におられるような方々の軽々しい発言でそういったことがむしろ損なわれてしまうということについては、安倍内閣にとっても、そして我が国にとってもマイナスになるのではないのかというふうに思います。

 そして、先ほど大串委員からもありましたけれども、何か困ったことを言えば撤回すれば済むという話ではないと私は思います。

 ここで、籾井会長に伺いたいと思います。

 会長そして経営委員の一連の発言、それぞれの思想、信条はあるでしょう。それぞれそうです。ただし、公的な立場についた者がとるべき行動や発言は、おのずと一定の規律の中におさまるべきであります。

 私がきょう問題にしたいのは、会長や経営委員の発言によって、外交問題、とりわけ日米の関係に対していささかもマイナスがあってはいけないと思いますけれども、既にその実害が生じているのではないか、このことを問題にしたいと思います。

 一つ例を挙げます。

 報道によりますと、先般大変な人気の中で迎えられ就任されたキャロライン・ケネディ駐日大使、あのアメリカ大統領の御令嬢でありますけれども、このキャロライン・ケネディさんに、かねてよりNHKはインタビューを申し込んでいたというふうに言われています。しかし、それが、二月になって、会長や一部経営委員の発言でインタビューは困難になった、これは大使本人とワシントンの意向だということで、取材が拒否されたという報道がありますけれども、会長、これは事実ですか。

籾井参考人 新聞報道についてのコメントは私はする立場にございませんので、控えさせていただきます。

 同時に、NHKの取材、制作については、これは申しかねます。控えさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

玉木委員 会長、会長は、二月十三日の定例会見において、大使館への取材が断られていることはないんですかということを聞かれた際に、これは二回聞かれていますが、いずれも、ないと思いますというふうに明確に答えておられます。

 ここは国会の場です。もう一度同じ質問をしますけれども、大使館への取材依頼、これが拒否されたということ、二月十三日は明確に、ないと思いますと答えておられますけれども、同じ答弁がなぜできないんですか。もう一度お答えください。

籾井参考人 お答えいたします。

 二月十三日の時点におきまして、私は実態を知りませんでしたので、ないと思います、こういうふうにお答えいたしました。

玉木委員 質問は、大使館への取材が断られているんですかと聞かれて、ないと答えているんですよ。よくわからなかったから、これは、では、答弁を変えるんですか、会長。

籾井参考人 お答えいたします。

 御指摘のあったみずからの発言は承知しておりますが、先ほども申しましたように、取材、制作についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

玉木委員 会長、なぜ二月十三日と同じように答えることができないんですか。では、ないと思いますと答えられませんか、今。有無です。

 つまり、私が聞いているのは、最大の同盟国であるアメリカの大使館、新任大使、国民も関心がある、どういう思いを日本に持っているのか、どういうビジョンを持っているのか、その人となりも含めて国民は知りたいんですよ。公共放送として取材をして、そしてそのことが拒否されたとしたら、これは大きな問題ですよ。

 だから、その事実があるのかないのかを答えてほしい。しかも、二月十三日に同じ質問を聞かれて、ないと明確に一度答えているわけですから、もう一度お答えください。

籾井参考人 何回も申しておりますが、きょうだけではなくて、取材、制作にかかわることについてはずっとお答えを差し控えております。

 十三日の記者会見での私の発言が新聞に報道されたことは承知しておりますが、それ以上、取材、制作にかかわることなので、お答えできません。

玉木委員 会長、十三日には、取材拒否がありましたかと聞かれたときに、ないと答えているんです。

 もし、ないなら、ないとこの場でお答えください。

籾井参考人 発言自体は承知しておりますが、何回も申しますが、申しわけございませんが、取材、制作にかかわることについてはお答えを差し控えたいと思います。

玉木委員 答えていただいていません。(発言する者あり)

二階委員長 玉木君、もう一度御発言ください。

玉木委員 私、難しい質問をしておりません。

 我が国の最大の同盟国であるアメリカの新任大使の取材を公共放送たるNHKが申し込んだときに、それが拒否されたのではないのかという話がある中で、二月十三日、こういうことを、同じ質問を聞かれたときには、ないと答えているんです。

 この国会の場において、取材拒否があったのかないのか、なぜ答えられないんですか。

 では、二月十三日の答弁は撤回されるということですか。

籾井参考人 お答えいたします。

 みずからの発言については承知しておりますが、我々の仕事上、取材、制作についての問題は、かかわることはお答えできないということでございます。

玉木委員 全く答えていただいていません。

 では、なぜ二月十三日は答えているんですか。取材のことに関して答えないというのが今の答えでありますけれども、では、なぜ二月十三日は答えているんですか。軽はずみな発言だったということですか、二月十三日は。

籾井参考人 十三日におきます私の発言については承知しております。(発言する者あり)

二階委員長 玉木君。(玉木委員「とめてください」と呼ぶ)質問を続行して、質問の中で明らかにしてくださいよ。(玉木委員「全く答えてくれていません」と呼ぶ)だから、もう一度発言してください。

 玉木君、発言を続行してください。

玉木委員 では、ちょっと質問を変えます。

 私がなぜこういう質問をしているかといいますと、今NHKをごらんの全国の視聴者の皆様にもぜひわかっていただきたいんですが、受信料を払っておられますね、皆さん、受信料。そして、その受信料をもとにNHKは取材活動をし、さまざまな情報を得て、それを国民にお伝えしているわけです。

 会長やあるいは経営委員の発言が理由で、我が国の最大の同盟国であるアメリカ、しかも新任大使の、国民も知りたいなと思う情報がとれなくなって、こういう問題がなければ本来知り得た情報が国民に伝わらない。でも、同じだけの受信料を払わなきゃいけない。国民からしたら、大きな問題ではないんですか。

 だから、少なくとも、取材拒否があったのかなかったのか、そのことについては、もちろん、取材源の秘匿やいろいろなことについてはわかります。ただ、公共放送としての、国民の皆さんに受信料をいただいているという責任の中から、最低限の説明責任を果たす義務があるのではないのか、そういう観点から質問させていただいているんです。

 しかも、もし取材ができなくなったということがあるとしたら、これはNHKにとっても極めて大きな問題ですよ。だって、事業があるものができなくなる。本来なら、これまでできていた仕事ができなくなる部分が出てくるということは、NHKの業務やあるいは収益にとっても大きな影響があるんです。

 そこで、質問します。

 放送法五十一条四項を見てください。会長、副会長及び理事は、協会に著しい損害を及ぼす事実を発見したときには、監査委員に報告しなければならないとなっています。

 今、取材拒否の有無についてはお答えをいただけませんでしたけれども、その報道があるということについては承知しているという答弁がありました。であれば、そういった、現場で、あるいは自分の発言によって現場の記者さんが取材を拒否されている、これは大きな自分の組織の問題だと思って、この五十一条に基づいて、これは少し調べてもらわなければいけない、あるいはチェックをしなければいけないということで、五十一条に基づき、会長は監査委員に報告しなければならないんじゃないんですか。

 あわせて、四十四条、隣に書いていますが、それを受けた監査委員は、その役職員に対して、報告を求めたり、調査をすることができるとなっています。

 この取材拒否の報道に接したときに、この放送法に基づく五十一条、会長、監査委員に対して何らかの報告をしましたか。放送法の義務です。

籾井参考人 監査委員にはまだ報告しておりません。

玉木委員 またこれは重大な問題だと思いますよ。

 では、監査委員にお聞きをしますが、それ以外の、副会長、理事からの報告は受けていますか。(発言する者あり)

 監査委員が来ていらっしゃらないのは残念です。

 私は要求をしたんですが、法律に基づいて、法律に監査委員と出てくるので、監査委員を要求したんですが、残念ながら、自民党からそれを拒否されました。私は、法律に基づいて、法律のまさに条文に出てくる監査委員に来てほしい。きのうの参議院の総務委員会ではちゃんと来ていただいていましたけれども、なぜ、この予算委員会では監査委員が来ていただけないんですか。(発言する者あり)

 では、正確に申し上げます。自民党を含む……(発言する者あり)一部の理事の皆様から反対が出て、きょう呼んでいただけないんです。

 では、かわりに、経営委員長、今の質問にお答えください。

浜田参考人 報告は聞いておりません。受けておりません。

玉木委員 私は、今問われているのは、NHKという組織の自浄作用だと思います。公共放送機関として、国民・視聴者に対して、法律、さまざまなそういった法令で求められているしっかりとした責務を本当にNHKは果たしてくれるのか、今、国民はそんな不安を持って新しい籾井会長体制のNHKを見ているわけです。

 こうしたNHK、きょうは中継が入っていますけれども、こういった予算委員会の場で、その信頼回復の、まさにこういう方向で見直していきますと明確にお答えになったらどうですか。

 それが、今聞いたら、放送法に基づくこういった監査についても機能していないし、誰も、会長も副会長も理事も、こういった取材拒否の問題が生じている、ではその原因は一体何なのか、本当にその事実があったのかどうか、調べようともしていない。こういうことで本当にNHKはしっかりとした……(発言する者あり)今、報告を受けていないと言っていましたから。少なくとも法令に基づく調査、報告は機能していないと思いますよ。本当に、この放送を見ていて、国民の皆さん、籾井会長のもとでNHKはしっかりと正しい放送ができるのか、心配になっていると思いますよ。

 そして、先ほども申し上げたように、アメリカから仮にそういった懸念が示されている、例えば資料の二を見てください。これは意訳をしていますけれども、下側に書いていますが、非常識だ、これはプリポスタラスという言葉を訳していますけれども、日本でもどの国でも、責任ある立場の人は地域の緊張を高めるようなコメントを避けることを望む、これはアメリカ政府の統一見解として出されているとも言われています。

 こういうことを言われるようなNHKであって本当にいいのか、このことについて、私は十分な説明を今いただいたとは思いません。

 では、もう一つ聞きます。

 今、ソチ・オリンピックが行われております。選手の活動については本当に感動いたします。しかし、質問したいのは、先般来の豪雪被害に対する放送であります。

 資料の五を見ていただきたいんですけれども、十四日の金曜日から雪が降り始めて、そして大変な被害が、亡くなられた方もいらっしゃいます。こういったことに対して、私は政府の初動が遅かったと思いますが、NHKもまた対応が私は不十分だったんだと思います。

 資料の七を見てください。実は、放送法のもとで、百八条でありますけれども、放送事業者には、災害が発生し、あるいは発生するおそれがあるときには、その発生を予防し、被害を軽減するために役立つ放送をしなければいけない。また、NHKの番組基準では、進んで情報を提供し、人命を守り、災害の予防と拡大防止に寄与するように努めるということが求められております。

 NHKが今回の週末、ソチ・オリンピックの報道がされています、このことについては本当に勇気を与えていただくし、放送していただいて国民も大変これはうれしく思っていると思います。

 ただ、私が聞きたいのは、今回の豪雪被害を受けて、オリンピックの通常放送の枠を変更してこの豪雪被害のニュースを流した、それは何時間、どれだけそういった特別な放送を、オリンピックの放送を変更して行いましたか。お答えください。

籾井参考人 お答えいたします。

 二月十四日金曜日から十五日土曜日にかけて日本列島に接近した低気圧による記録的な大雪、暴風に関する報道では、前日の十三日木曜日から、繰り返し大雪への警戒を呼びかけました。

 十四日以降も、大雪関連の特設ニュースを全国放送で八回、首都圏放送で二回放送いたしました。また、首都圏の放送で三十時間以上、山梨県では五十時間以上、大雪の被害や交通情報などをスーパーで伝え続けるなど、ローカル放送できめ細かく伝えました。

 さらに、十七日から十九日まで、首都圏放送の一部で、オリンピック関連の放送を中止し、大雪関連のニュース番組を放送いたしました。

 山梨県では、二十日、二十一日も、一部のオリンピック関連の放送を中止し、大雪関連のニュース番組を放送する予定でございます。

 NHKは、今後も、国民の安全、安心を守るため、正確で迅速な災害報道に最大限努めていく覚悟でございます。

玉木委員 私の質問に答えてくれていません。オリンピックの通常放送の枠を変更して流したそのニュースがどれだけありますかということを聞いたんです。お答えになっていただいていません。(発言する者あり)お答えいただいていません。

 事務方に聞いたら、その時間はゼロなんですね。ただ、後半でお答えになったのは、一部放送を変更してやったものがあるんですが、それはローカルの、ここで聞いたのは、甲府であるとか、関東の一部のローカルの放送においてはオリンピックの番組を変更してやったんですが、それも実は十七日月曜日以降なんです。今回の雪害で最も死者が出ているのは、十五日の土曜日なんです。

 そこで、本来、変更せずにそのままオリンピックを流していたということについては、編集権を持つ最高責任者である会長として、私は、放送法百八条の義務を十分に果たしたとは言えないと思っています。

 時間なのでやめますけれども、冒頭に申し上げた外交関係、とりわけ日米関係に大きな影響を与え、また、国内においても、人命に対して、守る、そのための法律の義務をしっかり果たせない、そういう会長には、NHKのトップとして、何がおかしいんですか、笑うところですか。十分な役割を果たすことができないのではないか。

 そんな大きな疑義が生じる、そのことを申し上げ、みずから出処進退を判断することも踏まえて、御自身のありようを考えられることが国益にかなうと私は思いますけれども、そのことを申し上げ、質問を終わりたいと思います。

二階委員長 この際、原口一博君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 きょうは、外交、安全保障、歴史認識問題、それから公共放送ということで、少し大きな構造の方から伺いたいと思います。まず、外務大臣、それから総理、元総理の麻生副総理。

 私たちは、人権あるいは自由という共通の価値観を持って、そして、立憲主義に基づき、民主主義を育み、平和を築いてきました。その中で、外交の世界で、国民の皆さんには耳なれない言葉かもわかりませんが、私どもが、他国と、特に同盟国と議論をするときに最も気をつけなければいけないこと、その一つに、歴史の修正主義に加担をしているというふうに誤解をされることは、これは決してあってはならないことだというふうに思います。

 外務大臣に、この歴史の修正主義というものが何を意味し、そして、これは往々にして同盟国間の亀裂を、日本はまた昔に戻るんだとか軍国主義だとか、わけのわからないレッテル張りにも使われかねないこの問題について、私たちはどのように慎重に対応してきたかも含めてお答えください。

岸田国務大臣 今、国際社会においては、さまざまな議論が行われ、その中に、御指摘のように、歴史修正主義といった、全く誤解に基づくこの議論が行われている。こういった議論があるということは事実であります。

 しかしながら、安倍内閣におきましても、さまざまな場面でたびたび申し上げておりますように、まず、この内閣としまして、歴代内閣が積み重ねてきた歴史認識、これは全てしっかりと引き継いでおります。そして、その上で、さきの大戦等に対する痛切な反省のもとに、戦後六十八年の長きにわたって、自由、民主主義、法の支配、こうした価値観を大事にし、そして、地域、国際社会の平和と繁栄に努力をし、貢献をしてきたと自負しております。

 こうした平和国家としての歩み、これはこれからも変わるものではありませんし、こういった実際をしっかりと説明し、そうした誤解を解くべく努力を続けておりますし、これからも一層そういった努力は続けていかなければならない、そのように認識をしております。

原口委員 ありがとうございます。

 お手元の資料の中に、日本にとっても大変大事な友人であるマイケル・グリーンさん。総理、マイケル・グリーンさんは、十年前、政権にあって、総理のことを非常に評価されていました。彼の懸念事項というのを挙げています。それがまさに、我が国が、本当の意味での自由という価値を、民主主義という価値をこれまで追求してきた国だと。そこにいささかの揺るぎもないということを総理から宣言いただきたいというふうに思います。

安倍内閣総理大臣 日本の戦後の歩み、来年、敗戦後七十年を迎えるわけでございますが、日本はさきの大戦の結果に対して痛切な反省をしたわけでございまして、この痛切な反省の中において戦後の歩みがあるわけであります。

 自由で民主的な国をつくってきた、そして、法をたっとび、基本的人権を守ってきた国であることに私たちは誇りを持つわけでございます。そして、まだ日本が貧しい時代から国際社会に対して大きな貢献をしてきたことも事実でありますし、この歩みは今後も変わりはないということは、もう再々申し上げてきたとおりであります。

原口委員 その中で、ここに書いております立憲主義。この間、総理の答弁で、立憲主義というのは、中世のマグナカルタ時代の権力を縛るものだ、私たちはこれから理想というものを書き込むんだと。理想を書き込むという憲法観というのは正しいと思います。

 しかし一方で、立憲主義が予定している憲法とは国民が権力を縛るものだ、幾ら民主的に選ばれた政権であろうが間違えることがある、だから、憲法によって一定の国民主権のもとで歯どめをかけるんだ、この立憲主義は否定されてはならないと私は思います。

 現実に、今の政党の前身となった立憲改進党や立憲政友会についても、上に立憲という言葉がついていますね。総理のおじい様の安倍寛さんでしょうか、その方も立憲政党に属されておりました。

 この立憲主義は、総理は否定するものではないということは御明言いただけますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今まで、私は一度も立憲主義を否定したことはもちろんないわけでありまして、立憲主義のもとにおいて、行政府が主権者たる国民に対して責任を持って政治、行政を行っていくわけであります。

 立憲主義とは、主権者たる国民が、その意思に基づき、憲法において国家権力の行使のあり方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという近代憲法の基本となる考え方であり、日本国憲法も同様の考え方に立って制定されたものと考えているわけでありまして、この立憲主義に基づいて、先ほど申し上げましたように、行政を行っていくことは当然のことであります。

 そして、憲法についての議論の中で出てきたことでありますが、その中において、憲法というのは行政の権力を縛るものだということであります。

 もちろん、その一面を私は否定したことは一度もないわけでありますが、それだけではなくて、つまり、かつて王政時代に王権を縛るというもともとの淵源はあるわけでありますが、自由と民主主義、そして基本的人権が定着してきた今日においては、それのみならず、いわば、国のあり方、理想についても、それは憲法に、新しい憲法をつくっていく上においては込めていくものであろう。

 事実、日本国憲法においても前文があるわけでありまして、例えば、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼をして、我が国の生存と安全を保持しようと決意したということが書いてあるわけでございますが、別にこれは権力を縛るためのものではないわけでありますし、また、我らは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う、こう書いてあるわけであります。

 これはまさに国のあり方を、これについては議論があるところでありますよ、しかし、これは、いわば国がどうあるべきかということをここに書き込んでいるわけでありまして、ずらずらずっと、ひたすら国家あるいは政府の権限の行使について縛りをかけているものだけではないということは申し上げておきたいと思います。

 まさに今、戦後七十年たって、自由、民主主義、そして基本的な人権、これがしっかりと定着した中において、二十一世紀、日本はどうあるべきかという考え方のもとにおいて、憲法を変えていくという考え方もあってもいいのではないか。それはしかし、立憲主義をもちろん否定するものではない中において、それも加味されるものではないかということを申し上げてきたわけでございます。

原口委員 権力の最高位にある人がこの立憲主義を否定してしまえば、もう誰もとめるものがなくなるわけで、今回の公共放送の問題は、まさにここの、国民の知る権利であるとか、NHKの独立性、自律性について、そこが問われている問題だと思います。

 そこで、三十一日の質疑のときから少し時間がたちまして、委員長、いろいろな委員会で御議論がありました。しかし、その委員会ごとに会長の御答弁が変わっておりまして、どこを撤回するかということについても、私のこの三十一日のときには、事前のレクで、従軍慰安婦については個人的な見解ということで取り消すということで、私はこの質疑に臨みました。その間、総理、私たちは四時間、内閣の人も含めて、その質問をもとに待っていたわけです。

 ところが、今はどうなっているかというと、衆議院の総務委員会では、委員長が、どこを取り消すかお答えくださいと促されたにもかかわらず、総務大臣、お答えになりませんでしたね。そして、参議院では、ほかの四項目も全部、個人的な発言だったということで取り消されるということでございました。

 籾井会長、それでよろしいですか。

籾井参考人 お答えいたします。

 最初に御質問いただいた衆議院予算委員会は、私にとって初めての国会答弁であり、当初は、こうした公的な場で、NHK会長という公人の立場で再び個人的な見解に触れるのは不適切と考え、具体的な項目には一切言及しませんでした。

 しかし、その後、議員の皆様から同様の御質問を重ねて受ける中で、取り消す部分を具体的にお示しすることが必要であると考えるようになり、五項目について取り消すことにいたしました。具体的には、慰安婦の問題と、特定秘密保護法、靖国参拝、番組編集権、国際放送の五項目であります。

 誠実に対応しようとした結果であることをぜひ御理解いただきたいと思います。

原口委員 経営委員長。NHKに対していろいろな意見があって、そして、具体的な業務にも支障が出ていると思います。

 総務大臣。もともと、これぐらいの時期に電監審の意見、電監審が開かれて、もう私たちは、与党も野党も、次のNHK予算の骨格や総務大臣意見について検討をし始める時期です。しかし、それさえできていません。

 経営委員長にお尋ねをしますが、この籾井会長の発言あるいは経営委員の発言によって、今どういうことになっているのか。きのうは、本来の業務に集中できないという趣旨の御答弁をされているようですが、現状をお答えください。

浜田参考人 お答えいたします。

 籾井会長の就任会見での発言は、公共放送のトップとしての立場を軽んじた行為であり、会長に対しては厳しく自覚を促し、不偏不党、公平公正の理念を改めて認識し、放送法の趣旨にのっとり業務を遂行していただくよう、強く要請をいたしました。(原口委員「その影響は」と呼ぶ)

 それで、昨今の状況を見れば、私は容易ならざる事態と申し上げましたけれども、これは、本来であれば、経営委員会と執行部が車の両輪となってNHK経営に邁進すべきところ、国会を含めた諸対応に追われて、NHKのかじ取りになかなか専念できない状況であるというふうに申し上げました。

原口委員 それは、やはりみずからが招いたものであって、国会の責任にされるのは甚だ迷惑だと思います。

 先ほど、これは全部個人的な意見ということで否定をされましたが、経営委員長に伺います。

 NHKは倫理・行動憲章を持っています。その中で、「コンプライアンスを徹底します。」としています。その二条に何と書いてありますか。

浜田参考人 「公共放送の使命を貫きます。」「視聴者のみなさまの信頼を大切にします。」「受信料の重みを認識して業務を行います。」「コンプライアンスを徹底します。」「活力あるより良い職場環境を追求します。」

原口委員 かなり細かくやったんですが、コンプライアンスの項目の二項はそれではなくて、「公私の区別を徹底し誠実に職務を遂行します。私生活でも公共放送の信用を損なう行為をしません。」とあるわけです。

 公私の区別を徹底する、籾井会長、これがあなた方のコンプライアンスの一番最初に来るんです。就任会見で個人的な意見をたくさんおっしゃって、そして、それが取り返しがつかないような影響を与えている。もうこれだけで、私は、あなたの会長としての資格が問われるんだと思います。

 さらに伺います。

 この国会でも私に御答弁いただきましたが、放送法の趣旨を徹底するんだ、そして、ボルトとナットでしっかりと締め直すんだ、そういうお答えでした。それは正しいと思います。

 それではお聞きします。

 あなたが遵守しようという放送法に照らし合わせて、あなたが私的な発言とおっしゃったことが放送法に反するかどうか、そのことについてお答えください。

籾井参考人 お答えいたします。

 私としましては、放送法を遵守し、放送法の趣旨に沿った経営を行うことがNHKに課された任務であるということを十分肝に銘じております。

原口委員 私は、あなたがおっしゃった、そして国会でも答弁されたものについて、あなたが守るとされている放送法に照らし合わせてどうかと聞いているんです。

 なぜならば、あなたは、この放送法に基づいて、一万人を超えるNHKの職員さんがこれに反すれば、それはやめてもらわなきゃいけない、あるいは処分をしなきゃいけない人だからです。

 そのあなたが、御自身の発言が放送法に沿って適法なものかどうかも言えない、そうおっしゃるわけですか。もしそうだとするのであれば、私たちはきょう何をやっているか。

 もうちょっと危機意識を持っていただきたいのは、NHKの予算は、総務大臣経験者二人おられますけれども、日切れ扱いですよね。もう三月ぐらいまでにはしっかりと成立をさせて、そして国民に届けなきゃいけないんです。今、私たちは、あなたのもとで、NHKをあなたに託す、その資格があるかどうかを聞いているんです。

 先ほどの二人の同僚議員に対しても、議事録ができていないとか。では、議事録ができていなければ、私たちはそれまで審議を待ちますよ。その分、私たちは党内手続もおくれますよ。国民の皆さんにNHK予算を届けるのがおくれるんです。

 はっきりお答えください。あなたの御発言は放送法に照らして適法だったか、そうでないか。それができないのであれば、あなたはこの職を辞するべきだと思います。どうぞ。

籾井参考人 再三申し上げておりますけれども、就任会見では、ふなれだったこともありまして、記者の質問に対して、会長としての発言と個人的見解を整理し切れないまま発言してしまいました。このことにより、視聴者の皆様初め各方面に迷惑をかけてしまい、大変申しわけなく思っております。

 今後は、これまで以上に信頼される公共放送NHKとなるよう、私としましては、全身全霊を尽くしてまいる所存でございます。

原口委員 私は、放送法の御趣旨を、あるいは精神を、会長が御存じかどうかというのを非常に危惧したわけです。

 前回、お答えも渡していました。例えば放送法六十五条については、ここで、あれは義務ですか、努力義務規定ですかと二択で答えていただいたんです。それなのに、あなたは義務だとおっしゃった。あれも取り消すんですか。ここでの答弁も取り消すんですか。そんなことはできませんよ。

 私は、あなたを、本当に、同じ九州の出身で、頑張ってほしいと思ってあのときここに立ちました。だから、答えも渡しました。

 しかし、きょうは、その自分の御発言の法的な解釈もできないんですか。それはしてくださいよ。

 放送法の四条、この間も出しました。まあ、一応通っちゃったんでですね、もう言ってもしようがないのではないかと思うんですよと。この発言は取り消されているわけですけれども、それが放送法に対して適法かどうかだけお答えください。あなたの御判断を聞いています。

籾井参考人 お答えします。

 放送法には、放送の役割や、NHKの設立の目的、業務内容などが記されており、NHK存立のよりどころとなるものでありまして、放送法全体を守るのは当然の責務と考えております。

 この放送法によりまして、表現の自由を確保し、不偏不党、公平公正などの原則を守って放送をしてまいります。

原口委員 委員長、ぜひ誠実に答えさせてください。

 私は、法について、しかも、誰かほかの人が、百田委員がおっしゃったとか長谷川委員がおっしゃったとか、そんなことを聞いているんじゃないんですよ。御自身がおっしゃったことについて法的な理解を聞いているわけですから、これが答えられないというのであれば、質疑ができません。

籾井参考人 お答えします。

 先ほども申し上げましたけれども、私は、いわゆる就任記者会見におきまして、全く私の不徳のいたすところで、個人的な見解を申し上げてしまいました。

 取り消すと申し上げましたのは、慰安婦の問題と、特定秘密保護法、靖国参拝、番組編集権、国際放送の五項目でございます。いずれも、NHK会長という公人としての自覚が十分でないまま個人的意見を述べてしまったものであり、取り消させていただいたわけでございます。

原口委員 私は、こういう予算委員会、十七年間おらせていただいて初めてです。

 NHKは、プロ意識と高度の自律性で世界から本当に尊敬される私たちの公共放送です。それだと、あなたは、自分自身さえ、自分が発言したことさえ法的にどうかを言えなくて、どうやって職員を統率するんですか。どうやって職員はあなたに従うんですか。そんなことはできませんよ。

 放送法の精神をおわかりかどうか。精神をわかっていれば、この発言は来ないんです。そこを問題にしているんです。

 安倍総理、今の御答弁を聞かれて、どうですか。総理は、公共放送を考える議員の会をつくられて、NHKの報道についても、過去の曲がった歴史認識で、そして自虐史観で、殊さらにそこを強調する、そういうものがおかしい、それを変えなきゃいけない、だから、御自身で、正しい歴史認識を持った経営委員を送り、そして正しい歴史認識を持った会長を送られたんじゃないんですか。

 しかし、御自身がおっしゃったことも法律の解釈さえされないというのは、どうでしょうか。総理の御所見を伺います。

安倍内閣総理大臣 私としては、総理大臣としては、特定の放送事業者に対して、そのトップの発言に対してコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、放送法をしっかりと遵守していくというのは当然のことであろう、このように思います。

 その上で、今、この議論において、恐らく、この答弁の趣旨として、当然、会長でありますから、会長としての発言と個人としての発言は峻別すべきだろう、このように思うわけでございまして、その上において発言を取り消されたということではないか、こう思うわけでございますが、いずれにせよ、しっかりと、公共放送であり、そして放送法にのっとって仕事をするという立場から、その責務を全うしていただきたい、このように思うところでございます。

原口委員 総理が御答弁されたように、放送法についての御理解がいかほどかということを聞いているわけです。

 NHKにかかわらず、放送法というのは何もNHKだけを縛っている法律じゃないんですね。ほかに、いわゆる紙媒体、新聞と放送が決定的に違う理由というのは何か。放送法の精神とは何か。それは、電波という限られた資源を使いますから、そこには認可というものが入ります。どうしても政府あるいは権力側からのさまざまな圧力を受けやすい、だから、幾重にもそれをはね返すことができるというその精神と全く違うことを、たまたまこの場合は安倍総理がおっしゃるようなこと、あるいは今の政権がやっているようなことをそのままやりますよ、そういうことをあなたがここで、放送法に私たちは完璧に違反していると思うんです。

 あなたが個人的な意見をここでおっしゃったことは、サッカーでいうとイエローカードでしょう。しかし、放送法に反しているということをこれだけたくさんおっしゃったというのは、もうレッドですよ。少なくともその解釈をしてください。なぜしないんですか。

 あなたの部下がこういうことを言ったときに、あなたは処罰する権限はありますか。あなたに従えますか。お答えください。NHKの職員がこんなことを言ったら首になるんじゃないですか。

籾井参考人 お答えいたします。

 先ほども申しましたけれども、個人的な発言は既に取り消させていただいております。個人的な見解を、当然、番組に反映させることはございません。

 放送法に基づきまして、公平公正、不偏不党、表現の自由を確保して、適切に放送を行ってまいります。

原口委員 もう極めて不誠実千万です。

 自分が言ったことを法律に照らしてどうかさえ言わない。これでどうやってNHK予算の審議ができますか。NHKの信頼回復ができますか。これは党派は関係ないでしょう。

 会長に改めて聞きますが、そうすると、あなたは、国際放送についても取り消したとおっしゃっていますが、私にここで答弁をされましたね、右か左かと言うから誤解を受けるけれども、赤か白かと。私、意味が全くわからなかったけれども、あれも取り消されるんですね。それから、義務だとおっしゃったのも取り消されるわけですか。

 ちょっと、本当に、後ろから一々言われなきゃいけないようなことを聞いているんじゃないんですから、どうぞお答えください。

 法的なことについてもお答えください。お願いをしているんですけれども、どうしてお答えいただけませんか。お答えいただけない理由も教えてください。

籾井参考人 何回も申し上げておりますが、個人的な発言は既に取り消させていただいております。また、個人的な見解を番組に反映させることはございません。

 放送法に基づきまして、公平公正、不偏不党、表現の自由を確保して、適切に放送をしてまいります。

 私は、放送法を遵守してまいるということは最初から申し上げております。

原口委員 委員長にお願いをいたします。

 もうお聞きのとおりです。私が質問をしたことを、一片たりともお答えになっていません。しかも、個人的な発言で取り消すとおっしゃったのは、あなたは、記者会見でしょう。この場で言ったことについても取り消すのかということもお答えになっていないし、法的にどうかということを言わない理由もお答えになっていません。

 もうこれ以上質問できません。

二階委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

二階委員長 それでは、速記を起こしてください。

 日本放送協会会長籾井勝人君に答弁を求めます。

籾井参考人 お答えいたします。

 国際放送について、右左を赤白に言いかえたこともありますが、要するに、それはちょっと余り適切ではありませんでした。私としては、もう少し具体的に私の真意を御理解いただくために例えた表現であります。

 しかしながら、これも既に取り消しております。私としては、NHK会長の発言の重みを改めて受けとめ、誤解を招かれないようにいたしたいと思います。

 放送法六十五条では、総務大臣は、要請をする場合に、NHKの放送番組の編集の自由に配慮しなければならないと定めてあります。NHKは、総務大臣から要請があったときは、これに応じるように努めるものとすると規定されております。

 要請については、具体的な内容をよく確認した上で、その要請に応じるかどうかしっかり検討して、判断していく所存でございます。

原口委員 予算委員会を余りにも軽んじておられませんか。あなたは、今の今まで、国会の議事録を取り消すなんということは一言も申し出ておられません。今、この中で、あれも取り消すとおっしゃったわけですか。

 議事録修正一つも出ておらず、そして法的なことも言えない。私は初めてです、こういう質疑は。余りにも不誠実じゃないですか。あなた、国会での答弁もずっと変えておられるんですよ。法的に、御自身がおっしゃったことがどうか。

 経営委員長。経営委員会も、これはNHKのチェックをするところだと考えます。籾井会長は理事の辞表を預かっておられるんじゃないんですか。自分の経営方針に違う人間は去ってほしい、そんなことを言わんばかりのボルトとナットという話をされているんじゃないですか。

 経営委員長。会長に聞いてももうらちが明かない。国会軽視も甚だしい。私は、総務委員会でも、これでNHK予算の審議を受けるわけにいきません。経営委員長に伺います。この発言は、放送法に基づいて、適法であったか否か、それを伺います。

浜田参考人 お答えいたします。

 議論が複数ある事項について個人的な見解を述べたことについては不適切と判断しており、個々の発言の適法性についての議論は行っておりません。

 会長からは、反省の言葉と、業務執行に当たっては放送法を遵守するとの明言を得ております。経営委員会としては、今後の執行部による業務執行を注視してまいりたいというふうに思います。

原口委員 そうすると、これは三十一日の時点と全く同じ答弁じゃないですか。

 監査委員会で、これが適法であったかどうか、放送法を遵守するというのであれば、その精神に沿った会長なのかどうかを審議するのは当たり前じゃないですか。もしそれもやっていないというのであれば、誰が放送法を統括するんですか。法はあってなきがごとしものになるんじゃないですか。経営委員長、それはあなた方の職務じゃないんですか。

浜田参考人 繰り返しになりますけれども、会長からは、反省の言葉と、業務執行に当たっては放送法を遵守するとの明言を得ており、経営委員会としては、今後の執行部による業務執行を注視してまいりたいと思います。

原口委員 これほど大きなことを、私的な発言をしただけで、個人的な発言をこれだけやっただけで、私はもう資格がないと思うにもかかわらず、そのことの適法性さえ議論をしていない、そういう経営委員会はそれそのものが不適だというふうに思います。

 会長、放送法の精神、それは何ですか。そして、放送法の、あなたが遵守すべきとおっしゃっている、それを守るスキーム、これはどうなっていますか。後ろの人に言われなくても、これは一丁目一番地ですから、お答えください。

籾井参考人 お答えします。

 放送法につきまして、第一条で放送法の目的というのが書いてあります。この法律は、左に掲げる原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。一、放送が国民に最大限普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。二、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。三、放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。

 一条でこのように放送法の目的が言われております。

原口委員 それを担保するスキームはどうなっているかということを聞いているわけです。

 あなたは、なぜ私たちが問題にしているかも、恐らく御理解をされていないんじゃないかと思うんです。総務大臣に最後に伺いますが、放送法の精神とそれを担保する枠組み。あなたがこういうことを個人的にしろ言って、なぜ問題になっているかというと、戦後長い間私たちが積み上げてきた公共放送そのもののあり方を会長御自身が揺るがす発言をしているからなんですよ。その御理解は全くないということがわかりました。

 最後に総務大臣、放送法の精神とそれを担保する枠組みについて、時間が迫りましたので、恐縮ですが簡潔にお答えください。

新藤国務大臣 もう委員も、総務大臣経験者として、おわかりの上でお尋ねをいただいていると思います。

 ですから、この第一条の目的規定によって、不偏不党、真実及び自律を保障する、そしてそれは放送による表現の自由を確保することであります。それをさらに三条において、何人からも干渉されず、または規律されることがない、このように定めて担保している。そして、それを四条において、放送事業者が遵守すべき事項を定めるということであります。

 そして、先ほどから御議論いただいておりますが、私どもも放送法を所管する立場といたしまして、この放送法に違反する行為、これがあったことは見逃すことはできません。今問題になっているのは、この放送法の精神に照らしてこれが適切な発言であったかどうか、このことについて委員の皆様から御指摘をいただいていること、これは重く受けとめなければいけないと思いますし、今回のこの混乱が生じていることはまことに残念だと思っております。

 しかし一方で、会長が、最初の会見であって自分の整理がうまくいかなかった、不適切であった、そして、そこは謝罪の上で撤回をするということであります。会長がみずからの編集権を行使して、NHKの番組またはNHKの運営自体が何か変わったわけではないわけであります。

 ただ、NHKのトップたる者が、その精神をきちんと遵守できるかということについて皆様からの御意見を賜っていること、これは重く受けとめ、また、NHKはそれをもって、自主自律のもとでしっかりとした運営をしていただきたい。もとより、NHKが、会長以下全職員一丸となって、本来の、すばらしい、持っている能力を生かして、国民の信頼を取り戻せるように、これから番組と運営によってそれを私は証明してもらいたい、このように願っているわけでございます。

原口委員 もうこれで終わりにしますが、総理、これはやはり、経営委員を任命した責任。私たちは放送法の改正案を今準備しています。十二人のうち一定の数が拒否権を持ってしまう、あるいは、一定の数が同一政党であれば、そこで大きく左右されるからです。情報公開規程についても、あるいは監査、指名委員会の規定についてもさらに詰めたいと思っています。

 総理は、御自身の任命をされた方々、それからその方々が選ばれた会長の今の状況について、やはりもっと真正面から向き合っていただきたい。そのことをお願いし、質問を終えたいと思います。

 何か御所見があれば、最後にお願いします。

二階委員長 これにて岡田君、大串君、玉木君、原口君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

二階委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山田宏君。

山田(宏)委員 日本維新の会の山田宏でございます。

 きょうの集中審議のテーマは、外交安保、そして歴史認識、公共放送等ということでございまして、きょう私は、一時間の持ち時間の中で、歴史認識として河野談話の問題、そして公共放送NHKの姿勢について、そして集団的自衛権、こういった昨今の一番関心の高い問題について御質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、河野談話についてお尋ねをしてまいります。

 これはもう御存じのように、一九九三年、平成五年の八月四日に、当時の宮沢内閣の河野官房長官が発表した、いわゆる従軍慰安婦についての談話でございました。この談話がスタートとなって、現在、世界じゅうでさまざまなことが起きておりまして、この談話についてやはりきちっとお聞きをしておかなきゃいけない、こう考えておりまして、きょうは本当に貴重な機会をいただきました。

 まず最初に、これをごらんいただきたいと思います。

 これは、アメリカのカリフォルニア州グレンデール市における慰安婦像です。報道されておりました。この慰安婦像、在米の韓国人系のアメリカ人の方々または韓国人の方々が中心となって運動をされ、グレンデール市の公園に設置をされたものです。

 いわゆるこの慰安婦像に碑文がございまして、ここにこういうふうなことが書かれております。「韓国、中国、台湾、日本、フィリピン、タイ、ベトナム、マレーシア、東チモールとインドネシアの自宅から連れ去られ、一九三二年から一九四五年の間日本の帝国軍に性奴隷状態を強制された二十万人以上のアジア及びオランダ女性を追憶して」云々、こう出ているわけです。

 こんなこと、あったんですかね。自宅から二十万人以上の女性が連れ去られて、日本軍が性奴隷にしたということが掲げられたわけであります。

 私は、この慰安婦の問題については、真実であればきちっと謝罪をすべき課題だ、こう思っております。しかし、仮に、事実でない、または歪曲された事実、または捏造された事実ということであれば、こういったものに対して、きちっと国の名誉をかけて、または先人たちの名誉のためにも、そしてこれから、皆さんのところで育っている子供たち、お孫さんたち、そしてそのまた子供、孫、子々孫々にわたって、こういった碑文の前で、我々日本人がひざまずき、こうべを垂れ、そして卑屈さの中にさいなまれてしまうということは、私は、我々の代でやめてもらわなければならない、こう思っておりまして、きょうは、そういった趣旨で御質問させていただきたいと思っております。

 さて、こういう慰安婦像の話ですけれども、こういった像は、昨今いろいろなところで建てられております。ニュージャージー州のパリセイズパーク、ハッケンサック市、ニューヨーク州のウェストバリー、そしてこのカリフォルニア州のグレンデール、こういった似たような碑が建てられている、または像が建てられている。

 さらに、各国でもさまざまな、いわゆる従軍慰安婦にかかわる決議が行われております。(パネルを示す)

 一番上はアメリカの下院の決議ですけれども、二〇〇七年七月三十日、全部読んでいると時間がなくなりますから赤線を引いたところだけ読みますと、「日本帝国主義軍が強制的に若い女性たちを「慰安婦」と言われる性の奴隷にした」と断言しているわけです。

 下のオランダ下院決議では、これも二〇〇七年十一月八日、「強制性奴隷制度」、こういう文言ですね。

 カナダ下院決議では、「日本帝国軍のための「慰安婦」の性奴隷化や人身売買」「日本帝国軍が強制売春制度に関与した」。

 さらに、欧州議会決議では、「若い女性たちを帝国軍の性奴隷にするためだけの目的で公務として徴用し、“慰安婦”制度は輪姦、強制堕胎、屈辱及び性暴力を含み、障害、死や自殺を結果した、二十世紀の人身売買の最も大きなケースのひとつ…、」とまで言われています。

 こういったことについて、これが事実ならば、これは謝罪しなきゃいけませんよ。しかし、これは事実ですか。

 事実かどうか、まず外務大臣にお聞きをしておきたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘のように、グレンデール市におけるこの慰安婦像、さらにはこの碑文、こうしたものが設置され、また、各国において慰安婦問題に関する決議が採択をされております。そして、その中には、我が国の認識とは相入れないものが存在いたします。

 こうした点につきまして、引き続き我が国の立場、また考え方、これはしっかり説明しなければいけないと思いますし、また、こうした問題は、決して外交問題化、政治問題化させてはならないと考えています。

山田(宏)委員 私は、事実であれば謝罪すべきだと思う。だけれども、捏造された事実であれば、これは断固、国の名誉をかけて反論しなきゃいけない。

 もう一度お聞きしますけれども、官房長官、この線を引いたところ、これは事実ですか。

菅国務大臣 日本政府の立場、そうしたものや、これまでの取り組み等について、そうした日本政府の立場と異なることについてはしっかり国際社会に理解をしてもらうべく、外務省と連携をしながら、対外的に、広報活動を通じて、正すべきは正していくというのが基本姿勢であります。

山田(宏)委員 これは正すべき内容なんですよ。

 これだけじゃありません。これは国の話ですけれども、さらに、アメリカのいろいろな州においていろいろな決議が上げられておりまして、ニューヨーク州の上院、ニュージャージー州の下院、イリノイ州の下院、こういったところで同じような決議が上げられております。

 また、二〇一三年五月三十一日には、国連の拷問禁止委員会では、軍による性的奴隷の被害者と称して最終的な見解が、このいわゆる従軍慰安婦について述べられております。

 さらに、昨今では、フランスにおいて、いわゆるカンヌ映画祭の漫画版とも言われるアングレーム国際漫画祭において韓国が出した展示、もう完全に日本のこのいわゆる慰安婦の問題を、日本軍が強制的に韓国の少女たちを強制連行してレイプをし、性奴隷にした、こういった内容の漫画まで提示される始末であります。

 私は、先ほどもこの質問の趣旨に申し上げたとおり、これが事実ならば、これは謝罪しなきゃいけませんよ。事実じゃなければ断固として反論しなきゃいけないんですね。これは、私たちの国の名誉の問題です。私たちのお父さんや、祖父や祖母や、そのまたひいおじいさんや、兄や弟、おじさん、おばさん、お母さん、おばあさん、その人たちの名誉の問題なんですよ。

 さて、こういったことを、特にアメリカで中心に行われているということに対して、外務省はどういう対応をなさってこられたんでしょうか。

岸田国務大臣 まず、先ほど来御指摘いただいております碑文ですとか決議についてですが、慰安婦問題に関する我が国の立場、考え方、これは累次、さまざまな場で説明してきたとおりであります。

 そして、御指摘の碑文等におきましては、我が国の認識と比較して、政府として確認し得ないこと、あるいは異なる内容、これが含まれていると承知をしております。こういった点につきまして、我が国の立場、考え方をしっかり説明していかなければならない、これは当然のことだと認識をしております。

 今日まで、こうした動きに対しまして、まずは関係者に対しまして、在外公館、大使等を通じまして、我が国の考え方、立場を説明する。また、現地の有識者、世論に大きな影響力を持つ有識者等に対してこうした問題について説明をしていくなど、この説明努力を続けてまいりました。

 ぜひ、こうした努力は引き続き続けていかなければならないと思っていますし、また、何よりも、こうした問題を政治問題化あるいは外交問題化させる、こういったことはあってはならないと考えています。

山田(宏)委員 政治問題化、外交問題化させないというのはわかりますけれども、させているのは相手の国じゃないですか。我々じゃないですよ、これは。

 今、説明と言っていましたけれども、一体どういう説明を外務省、また在外公館はしているんですか。説明、説明って、内容を教えてください。

岸田国務大臣 まず、この問題に対する我が国の今日までの経緯ですとか考え方、これは当然説明しなければなりません。

 また、御指摘の中に地方議会での動きもありましたが、地方議会においてこうした問題を取り上げるということ、米国におきましても、その地方においてさまざまな民族の方々がともに生きようとしておられる、こうした地方自治体のありようを考えた際に、こうした問題を取り上げることはふさわしくないのではないか、こういった説明等、さまざまな視点から、角度から、この問題について我が国の考え方を説明させていただいている、こうした状況でございます。

山田(宏)委員 だめなんですよ、それでは。こういう内容は事実でないと説明しなければいけないのに、ここで取り上げる問題ではないとか、外交問題化すべきでないとか、そんなことをやっているから、どんどんどんどんこの内容が広がっていくんじゃないですか。

 外務省の今までの説明、私もアメリカへ行ったときにこの問題をアメリカの議員に抗議をしたとき、いや、この問題については、日本の大使館や領事館の方からは、この問題はもはや謝罪済みだ、見舞金も出している、だからもう終わっているんだ、日本はやるべきことはやってきたんだ、こういう説明をしたと言っているんじゃないですか。

 これは違う事実ですよ、事実とは違いますよという説明じゃなくて、謝った、見舞金を出した、お金も出した、こういう説明だったら、やったということを認めているということじゃないですか。

 どういう説明をしているんですか。反論しているんですか。事実ではないと言っているんですか。その辺をちょっとお聞きしておきたい。

岸田国務大臣 この説明に関しましては、この問題に関する我が国の基本的な立場とあわせて、今日までの経緯、これも当然説明しなければなりませんし、そして、それとあわせて、御指摘の内容についても、我が国の認識、これは政府として、さまざまな場でこれまでも累次説明してきたとおりであります。

 これが我が国の考え方であり、こういった点につきましてしっかり説明をし、理解を得る、こういった努力も当然行ってきております。

山田(宏)委員 きょうは、テレビを見ている方々がいらっしゃるんですよ。今の答弁では、一体何を説明しているのか、説明したばかり言っているけれども、一体どういう説明をしたのかとお聞きしているんですね、どういう説明をしたのか。

 だって、日本軍がかつて二十万人の韓国の方を中心とした少女たちを強制連行して、レイプして、そして性奴隷にしたと言われているんですよ。どういう説明をしているんですか。それは事実じゃないと説明したんですか、一回でも。

岸田国務大臣 当然のことながら、こうしたさまざまな碑文等において、我が国の認識とは異なる点、確認できていない点、これが存在するということ、これは当然のことながら説明をしてきております。

山田(宏)委員 いや、説明できていないから、どんどん広がっているんですよ。

 先日、地方議員の方々を中心として、杉並区議会の松浦芳子議員を中心として、何人もの地方議会の方々がカリフォルニア州のグレンデール市に行って、いろいろな方のお話を聞いたと聞きました。その中で、日系の人たちの話を聞くと、自分たちの子供が学校で非常にいじめられているというお話を聞いたというんですね。

 例えば、いろいろあるんですけれども、クラスメートの韓国人でいつも日本のことを悪く言う人がいて、事あるごとに議論を吹っかけられる、反論できずに日本の子供はじっと黙っているしかない、日本の大使館や領事館が日本を代表してしっかり反論してくれればいいのにという言葉や、また、日本の子供たちに対して、韓国人の子供が数人やってきて、独島は、竹島ですね、韓国の領土だと叫んで逃げていく、日本人の子供たちはただ茫然と見ているだけ。韓国系の多い学校に子供を通わせていたとき、ランチで日本のおにぎりを持っていったら、汚い、うんこみたいだ等のことを平然と言われた、韓国人の祖父母が常に孫たちにそう言っているようだ、そのようなことを言われ続けた結果、我が子が、僕には汚い日本人の血が流れていると言って、机に頭をたたきつけていたと。

 今、こういった碑が建てられている場所で日本人がどんなに肩身の狭い思いをしているか、わかりますか。日本の子供たちがどんなに傷ついているか、わかりますか。子供からは、学校に行って日本名で呼ばないでとお母さんも言われているんですよ、日本名で呼ばれたら日本人だとわかるから。

 こんな肩身の狭い思いをさせておいて、きちっと説明しているんですか。外務省は日本人を守るためにあるんでしょう。どこの国を守っているんですか。

 さて、このことについては、もともと、ここまで日本軍が強制連行したと言われる原因になったのは、河野談話であります。

 河野談話は、一九九三年八月四日に、河野洋平当時の官房長官が出した従軍慰安婦にかかわる談話です。翌日、八月五日に宮沢政権が退陣しまして、細川政権にかわっていきました。ちょうど変わり目、自民党政権の最後です。そのときにこういった河野談話を発表し、それが強制連行を認めたという原因になっています。

 河野談話のポイントを掲げます。河野談話はちょっと長いので、強制性の根拠になっているところだけ抜粋をいたしました。

 「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。」「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。」「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。」「当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。」

 これが、強制性の根拠となっている河野談話の主要な部分です。

 これに対して、安倍総理は、第一次安倍内閣のときに、二〇〇七年、平成十九年に、辻元清美議員の文書質問に対して答弁書を出しています。その答弁によりますと、この河野談話の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった、こうはっきり述べています。

 この見解は、今でも変わりませんよね。

菅国務大臣 今の委員の発言は、第一次安倍内閣において閣議決定をされた内容でありますけれども、その中で、今述べられたように、調査結果の発表までに政府が発見をした資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったこと、こうしたことが閣議決定されておりますけれども、その認識は変わっておりません。

山田(宏)委員 そうです。閣議決定をされていますから、これは今の日本国の示している意思であります。そういった事実は発見されなかった、強制連行を示す証拠はなかったということでありました。

 そこで、きょうは大変御無理を申し上げまして、与党、また同僚の野党の議員の皆さんにも御了解をいただき、当時の河野談話の作成時に、その作成の責任を負われました石原信雄元官房副長官においでをいただいております。きょうは本当にありがとうございます。

 私は、当時の方々を非難するというつもりで今回立っているわけではありません。何としても日本に課せられたいわれのない汚辱を晴らしたい、こういう思いで、きょうは質問に立たせていただいております。なので、この河野談話が一体どういう経緯でどのようにできたのかということについて簡単にお話をいただければありがたいな、こう思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 まず、石原元官房副長官は、この河野談話の策定においてどういう役割を果たされたか、お尋ねをさせていただきます。

石原参考人 河野談話が発出される経緯について申し上げます。

 実は、この問題が起こりました発端は、一九九三年、二年でしたか、東京地方裁判所に従軍慰安婦と称する人たちが、自分たちへの侵害に対して日本国政府の謝罪と損害賠償を要求するという訴えを起こされたわけです。

 その訴訟に関連いたしまして、当時、宮沢内閣発足直後でしたけれども、日本国政府としては、一九六五年の日韓国交正常化条約によりまして、戦中の、戦前のいろいろな問題は全て最終的かつ完全に決着しているということが明らかでありましたので、加藤官房長官から、日本国政府としてこれに対応する余地はないという趣旨の談話を発表いたしました。

 これに対して韓国内ではいろいろな反発があったようでありますが、その翌年、盧泰愚大統領になってからですが、宮沢総理と盧泰愚大統領の首脳会談がソウルで行われまして、これからは過去の問題にこだわらずに未来志向で両国関係を発展させましょうという趣旨でこの会談が持たれたわけですが、実は、その会談の場に従軍慰安婦と称する人たちが押しかけまして、会談が静かな雰囲気でできる状況でなくなってしまったわけです。

 それで、そのときに、この従軍慰安婦問題について、実態はどうだったのかということを日本政府として調査してほしいという韓国側からの要請がありまして、政府として検討した結果、では事実関係を調べてみましょうということで、初めは、これは戦中の、戦後処理の問題は主として厚生省の援護局が担当しておったんですが、援護局に話したところ、そのような資料はなかなかないと。もう戦時中の資料でありましたので、非常に散逸しておりまして、なかなか集まらないということであったんです。

 しかし、何としても事実関係を明らかにする必要があるというので、当時の厚生省だけでなくて、労働省や、あるいは警察庁や、外務省、防衛省、非常に幅広く関係が広がっておりましたので、最終的に官邸の方で、官邸の外政審議室が中心になりまして、各省に資料の調査の要請を行いました。

 その過程で、私は各省に対して、できるだけ努力して、戦時中の資料であるけれども、努力してその種のものを集めるようにという要請を行いました。再三再四、これは協力要請をしたわけですが、その結果を加藤官房長官から発表になりました。

 それは確かに、慰安所の設置だとか、あるいはそれに従事する慰安婦と称する人たちの輸送とか、あるいは衛生管理とか、そういう慰安所の存在を前提とするような通達とか連絡とかというのは文書で明らかになりました。しかし、女性たちを強制的に従事させるという種のものは発見できなかったわけであります。

 それで、その段階でそういう事実関係を加藤談話として発表いたしましたが、その後、やはり関係者が、自分たちは自分の意に反して強制されたんだということを非常に強く言っておりまして、韓国側が加藤談話ではもうおさまらないということで、引き続き、ではさらに調査しようということで、官房長官が河野さんにかわられたわけですが、河野さんにかわってからも引き続き調査を行いました。

 しかし、アメリカの図書館まで行って調べたんですけれども、女性たちを強制的に集めるというふうなことを裏づける客観的なデータは見つからなかったわけです。

 それで、当方としてはそういうことだと言ったんですけれども、韓国側が、やはり彼女たちは自分の意に反して強制されたということを強く訴えているので、何としても彼女たちの話を聞いてもらいたいと。

 そこで、話を聞くか聞かないかということで政府としても種々協議いたしましたが、最終的に、日韓両国の将来のために、彼女たちの話を聞くことが事態の打開になるのであればということで、最終的には、十六人の慰安婦とされた方々からその当時の状況をいわば客観的に公正に話していただくということで、調査官を派遣してヒアリングを行った。

 そして、そのヒアリングの結果、どうも募集業者の中には、かなり強引な手段で募集した、あるいはだまして連れてきた、それから、その募集の過程で当時の官憲がこれにかかわった、かなりおどしのような形で応募させられたということを証言する慰安婦の人がいまして、それらの証言内容を全部とってまいりまして、それを総合的に、我々聞きまして、調査官から話を聞いて、それをもとにして、最終的な河野談話としてまとめたものであります。

 したがいまして、当方の資料として直接、日本政府あるいは日本軍が強制的に募集するといったものを裏づける資料はなかったわけですけれども、彼女たちの証言から、どうも募集業者の中にその種のものがあったことは否定できない、そして、その業者に官憲等がかかわったこともまた否定できないということで、河野談話のような表現に落ちついたところでございます。

山田(宏)委員 ありがとうございました。

 今のお話をお聞きしますと、いわゆる官憲、または日本軍が強制連行をして性奴隷にしたなんという証拠は、安倍内閣の答弁書のとおり、一切ない。しかし、強制性を認めたような談話になったのは、十六人の元慰安婦の韓国人の方々のお話を聞いて、こういう文章になったんだということであります。

 そこで、聞き取り調査が決め手になったと考えていいと思うんですけれども、さて、この聞き取り調査なんですけれども、先月の「正論」という雑誌に、その聞き取り調査報告書の内容、これはまだ政府からはオープンになっていませんが、この雑誌で報道されております。

 これを読みますと、かなりその聞き取り調査の内容もずさんである。氏名も生年月日も出身地もまともに記されていないようなもの、または、連れていかれた場所が、軍の慰安所がない熊本とか台湾とか下関とか大阪とか、こういったところには軍の慰安所はありませんから、そういう軍の慰安所でないところで働かされたという証言もあったりして、かなりずさんだったと思うんです。

 このずさんというふうに指摘されている調査内容を、証言をそのまま受け取って、そして河野談話に反映させたというふうに考えておりますけれども、やはりこの証言について裏づけをとるべきだったと思うんですね。裁判でもやはり、証人で証言する人はいますよ、しかし、その証言の裏づけを必ずとっていきます。証言だけで有罪にされるということはありません。

 この証言の裏づけというものをおとりになったんでしょうか。簡単にお答えいただけたらと思います。

石原参考人 十六人の方の証言を日本側の担当官が聞いて、それを記録して帰ってきたわけでありますが、その後それを、証言の事実関係を確認するための裏づけ調査というものは行われておりません。

山田(宏)委員 ありがとうございます。

 つまり、証言の裏づけをとらないで河野談話がつくられたということであります。

 では、証言の裏づけをとらないで、なぜ、強制性と言われる、強制連行まで今言われていますが、という内容になったのかというと、私は、ここにいろいろな政治配慮があったのではないか、こう考えているわけです。

 それは、ことしの一月一日に、ちょっとコピーで恐縮なんですが、産経新聞の一面に「河野談話 日韓で「合作」」という、こういった報道がされております。

 この内容は、河野談話をつくるに当たって、一九九三年の七月二十六日から七月三十日まで、十六人の方々の証言をソウルでおとりになって、そして発表されたのが翌月の八月四日です。その間に、政府は、原案の段階、つまり、河野談話の原案の段階から、韓国側にその内容を提示し、韓国側、特に韓国大使館を通じて、その指摘に沿って修正するなど、事実上、日韓の合作だったのではないか、こう言われています。

 これは、当時の政府関係者、私は外電等でも確認しているというふうに聞いておりますけれども、談話自体の作成を、どういう言葉にしたらいいのかと。つまり、最初、日本は、軍の意向を受けた業者がと言っていたのを、韓国側は、いや、意向ではだめだ、もっと強制性が明らかな指示にしろと。いや、指示では、そういう証拠はない、では要望がぎりぎりだと言うと、要望ではだめだ、強く請い求め、必要とすることを意味する要請に変えてくださいというような、具体的なこういうやりとりがあって河野談話がつくられていったという報道になっていますけれども、この内容はおおむね真実なんでしょうか。

石原参考人 私は、この談話の原案を、ヒアリングの結果を踏まえて、外政審議室を中心に文案を作成してまいりまして、その文案を最終的には官房長官のところで推敲して最終談話になったわけでありますけれども、その過程で韓国側とどのようなやりとりがあったのか、私は承知しておりません。

山田(宏)委員 石原元官房副長官は承知をされていない、実際やられたのは、外政審議室というところを中心に行われていたと。

 当時の外政審議室長は、私たち日本維新の会が参考人としてこの方もお呼びいただきたいと申し上げている谷野作太郎氏でございます。谷野作太郎氏にお聞きしないと、どういったやりとりがあったかということはわからないだろうというふうに私は受けとめております。

 また、今、河野洋平当時の官房長官がいろいろな指示のもとに、こういうものが作成されていたというお話がございました。その河野洋平当時の官房長官のどんな指示が、この作成に当たってあったのでしょうか。

石原参考人 私は、最終に、河野談話を発表する直前の段階ですけれども、それまで各省の協力要請などを私はやっておりましたので、最終調整のところで、その打ち合わせに入りました。したがいまして、字句で、どこの部分を官房長官がどうしたというようなことは、記憶しておりません。

山田(宏)委員 ここはすごく大事なところであります。

 つまり、証言だけで、しかも裏づけもとらないで、それをもとに、もっと言えば心証で、この談話がつくられ、そしてその文言についても、韓国側と綿密な調整が行われたのではないか、こういう疑惑を持たれています。

 こういうようなやりとりが全くなかったというふうに言い切れますか。それとも、多少そういうようなやりとりがあったのではないかと推測されると。官房副長官のところですから、韓国側がこう言っていますよ、ああ言っていますよということが多分あったのではないか、こういうふうに思うんですけれども、その点、大事なところなので、そういうような事前の打ち合わせがあったかどうか、やりとりがあったかどうか、それをお聞きになったかどうか、明確にお答えください。

石原参考人 もちろん、このヒアリングの結果を踏まえて文章を起草し、それを談話にまとめたわけでありますが、その過程で、どの段階でどの程度韓国側との接触があったのか、私は承知しておりません。

 いずれにしても、それを踏まえて原案が上がってまいりました段階で、官房長官の最終的な御決裁をいただく前の段階で私も拝見し、議論に加わりました。したがって、その前の段階で韓国側とどのような接触があったかということは、私は承知しておりません。

 ただ、この種のものをまとめる段階で、何らかの連絡というか事務的なすり合わせというのはあったのかもしれませんが、私自身は確認しておりませんので、その点はお答えを控えさせていただきます。

山田(宏)委員 石原元官房副長官は知らないけれども、こういったものをつくるに当たってはあり得る話だというふうに、私は今のお話を受けとめました。

 普通、国の考え方を定めるのに、一方的な証言だけでそれを形にしていくということは非常に私は問題だ、こういうふうに思っております。

 恐らく、大きな政治的な判断があって、多分、韓国側から当時、こういった強制性というものを認めれば、韓国側は納得して、日韓関係もこれから未来志向でよくなるんじゃないか、そういったような話が相手からもあって、また何らかの示唆があって、こういった文章がまとめられたんじゃないかというふうに考えておりますけれども、そういったようなお話は、当時これを策定するに当たって、内閣官房の中であったんでしょうか。

石原参考人 韓国側が終始、彼女たちの中にはその意に反して慰安婦とされた者がいるんだ、そのことをぜひ認めてもらいたいということは再三言っておりました。それを、証言の結果として、その心証をもとに河野談話は作成されたわけでありますが、御案内のように、あの談話が出された後、韓国側は、これで過去の問題は一応決着したという姿勢でありまして、韓国政府がこの問題を再び提起することは、しばらくありませんでした。私が在職中は全くありませんでした。

 したがって、そういうような効果は持ったと思うんですけれども、作成過程で意見のすり合わせというものは、当然、行われたということは推定されますけれども、私自身はそのことにタッチしておりませんので、確認できません。

山田(宏)委員 いろいろな配慮が、当時、私は善意だったと思いますよ、善意の部分が多かったと思う。これをある程度妥協すれば日韓関係はよくなってくれるんじゃないかと。

 ところが、これだけの、先ほど皆さんに御紹介しました、さまざまな、強制連行または性奴隷、こういった言葉が世界じゅうに輸出され、それが碑文となって永遠に残る結果になりました。これだけ韓国側に配慮した結果、この河野談話は結果的に韓国側に利用されまして、こんな事態に現在なっていると私は言えると思います。

 先ほどのこういった事態を、今、石原元官房副長官としてはどのように、当事者として受けとめておられるでしょうか。

石原参考人 私は、当時、政府としては、この河野談話の発出に当たりましては、いわば苦渋の選択として、慰安婦とされた人たちのヒアリングを行ったわけであります。

 その際に、我々は韓国側に対して、客観的に過去の事実を話せる人を選んでくださいということで、責任を持ってそういう人を選びますというので、十六人の方が選ばれて、そのヒアリングを行い、その結果を踏まえてあの談話になったわけでありますから、その十六人の方々にどういう問題があったかというのは、我々は韓国側の善意を信頼してこの全体の作業が行われたわけでありまして、その前提にいろいろ問題があるというような報道もなされておりますが、私どもはその点は全くそういう想定はしておりませんだったことを申し上げたいと思います。

 それから、河野談話によって過去の問題は一応決着して、これから日韓関係は未来志向でいきましょうという話でこれは取りまとめが行われたわけですから、そしてまた、当時は、それによって、一応、少なくとも韓国政府側はこの問題を再び提起することはなかったわけであります。しかし、最近に至って、韓国政府自身がこれを再び提起する、そういう状況を見ておりまして、私は、当時の日本政府の善意というものが生かされていないということで、非常に残念に思っております。

山田(宏)委員 相手の善意を信じてここまで妥協し、苦労したのに、苦渋の選択をしたのに、結果としてそれが裏切られてしまったというお話でございました。

 私は、もう一度、石原元官房副長官に確認をしておきたいと思うんですが、この河野談話は、いわゆる民間業者がだましたり、強圧的に少女たちにいろいろな行為をしたり、言動をして連れてきたということは証言として言われたかもしれないけれども、しかし、軍、日本の軍隊や、または日本の官憲、政府が、今言われているように、少女たちを強制連行して性奴隷にしたということを認めたものではないですよね、河野談話は。

石原参考人 談話の文言にもありますように、主として募集は業者が行っておって、その業者の募集の過程で官憲とか軍がかかわった可能性があるという表現になっておりまして、日本政府あるいは日本軍の直接的な指示で募集したということを認めたわけではありません。

山田(宏)委員 明確にお話をいただきました。

 日本軍や官憲が直接強制連行に加わって少女たちを性奴隷にしたなどというものを、この河野談話は認めたものではなかった。しかし、現在、それを一方的に曲解し、そして自分たちの主張に合わせて、この河野談話が使われることになりました。

 私はやはり、その全ての原因は、この河野談話の曖昧さにあったと思うんです。何を強制したのか、誰が強制したのかはっきりしない。韓国側はこう受け取る、日本側はこう受け取る、そういった玉虫色的な妥協の産物であった。まさに事実を確認したものではなくて、政治文書であった、こういうふうに思っております。特に、この談話自体は、確たる証拠もなく、一方的な証言で、しかもその証言内容も、昨今の調査の明らかになったものによると、かなりいいかげんなものだということがわかってまいりました。

 私は、こういった事態に今陥っている中で、この質問の趣旨で申し上げましたとおり、日本国の名誉を守り、そして日本国の我々の先人、祖父母またはおじさん、おばさん、こういった方々の名誉、尊厳を守り、そして未来永劫にわたって日本の子供たちが、こういった世界じゅうにつくられる、いわれもなき、こういう言い方によって、そこに行って頭を下げなきゃいけない、丸くならなきゃいけない、日本人であることが胸を張れない、こういった状況を何としてもやはり改善をしてもらわなきゃいけない。これは政治家の役割なんですよ。

 どうですか、石原元官房副長官、最後に、私は、もう一度、この聞き取り調査が全てこの河野談話の強制性の原点になっているわけですけれども、この聞き取り調査の再検証というか、裏づけ調査というか、こういったものは行われていなかったというお話でございますが、やはりこれはきちっと行っておくべきだった、または、これからでもやはりきちっと行う必要があるのではないかというお考えをお持ちかどうか、最後にお聞きをしておきたいと思います。

石原参考人 当時は、慰安婦とされた人たちの中で客観的な状況を話せる人を選んでいただきたい、その要請に応えて、そういう人を選びますということで韓国側が十六人の候補者を出したわけですから、当時の状況としては、それの裏づけをとるというか、そういうことができるような雰囲気ではなかったと思っております。

 一般論としては、この種のものについては裏づけをとるということはあるんでしょうけれども、あの当時の状況としては、そういうことをこちらが要求するような雰囲気ではなかったと思っております。

山田(宏)委員 ありがとうございます。

 本当は裏づけ調査をとるべきような話だけれども、当時はそんな雰囲気になかった、それができなかったというお話でございました。

 本来これで全部収束するはずだったこの問題が、今やモンスターのように世界じゅうを駆けめぐっています。そして、今や子供たちが、自分が日本人であるということをこういった場所で胸を張れないという状況に置かれています。

 私は、現内閣においても、少なくともこの聞き取り調査、報告の内容について、これからでも構わないので、ぜひできる限りこの裏づけ調査をして再検証していくべきだ、とりあえず、この十六人の慰安婦の方々の発言内容について、当時とるべき裏づけ調査がなされていなかったのだから、やはりこれからきちっと資料を確認し、そしてまた、これは日本政府だけでやれば、日本の自分たちの思いだけだろう、こういうふうに言われますから、第三国の研究者、中立的な研究者も入っていただいて、この河野談話の再検証をお願いしておきたい、こう思いますけれども、官房長官、これは官房長官談話でしたから、官房長官にお尋ねいたします。

菅国務大臣 まず、安倍内閣の基本的な考え方でありますけれども、これまでの歴史の中で多くの戦争があって、その中で女性の人権が侵害されてきた、二十一世紀こそ人権侵害のない平和な国にしたい、さらに、慰安婦問題についても、総理が国会でたびたび答弁しておりますように、筆舌に尽くしがたい、つらい思いをされた方のことを思い、非常に心が痛む思いであるということを総理は答弁をさせていただいています。この点については、歴代内閣においても同様の思いを持ってきているというふうに理解をしています。

 そして、内閣としては、この問題を政治問題、外交問題にはさせるべきでないという考え方を持っています。ただ、その中で、先ほども申し上げましたけれども、前回の第一次安倍政権のときに、強制性について閣議決定をされたということを私、申し上げました。

 こうした経緯も踏まえまして、内外の歴史学者だとか有識者、そうした皆さんの手によって、今、さまざまな研究も実は行われているということも事実であります。この問題についても、学術的観点からさらなる検討が重ねられていくことが望ましいというふうに思います。

山田(宏)委員 この問題についても、さらなる学術的な研究がなされるべきだというお話でございました。

 そのためには、この調査報告書がオープンにならないと研究できないんですよ。これはオープンにしていただけないですかね。

菅国務大臣 当時、聞き取りについては非公開というものを条件に行ったということもありますので、そうした相手との問題、そういう前提のもとにこの調査が行われたということがありますので、そこはもう一度、当時のことを検証してみたいと思います。

山田(宏)委員 オープンにしない約束で聞いたんだからオープンにできないということを聞いておりますが、それだったらどうやって検証するんですかね。

 歴史的な検証をしていかなきゃいけないということであれば、オープンにして、いろいろな人たちからきちっと客観的な、いろいろな立場の人たちから研究対象にするか、それとも政府がやはりきちっとチームをつくって、しかし、自分たちの都合のいい学者だけじゃない第三国の学者、研究者も入れて、この調査報告書とそれに伴う河野談話について、やはり検証するしかないじゃないですか。どうやって歴史家が検証するんですか、オープンになっていないものを。

菅国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、当時は非公開を前提として行ったということでありますし、名前も伏せて行っているということも事実であります。

 そういう中で、私、先ほど申し上げましたけれども、この問題については、歴史学者や有識者の手によってさまざまな問題が今行われておるわけでありますので、学術的観点からさらなる検討というものを重ねていく必要があるというふうに政府も認識をしております。

山田(宏)委員 何度も申し上げるようですけれども、これは、確かにその方々が、大変、尊厳や、また非常につらい思いをされたということは私も同情いたします。しかし、今や、この河野談話がもとで、日本人の海外にいる子供たちがまた恥ずかしい思いをしているんです。

 ですから、そういった意味で、先ほどの石原元官房副長官のお話にもありましたように、やはり、この証言がもとでこの河野談話がつくられて、強制性を認めたというふうに言われているわけですから、この証言内容をオープンにできないのであれば、オープンにすべきだと思いますよ、であれば、チームをつくって、きちっとその内容、裏づけ調査も含めて、検証しなきゃおかしいですよ、これは。やってください、お願いします。

菅国務大臣 今の委員の発言につきましては、今まで石原前官房副長官がいろいろ申し上げていました。そうしたものについて、秘密扱いということであれば、そこも含めて、これは検討させていただきたいと思います。

山田(宏)委員 やられますか、調査をちゃんと。ちょっとわからなかったんですが。

菅国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、やはり当時、非公開を前提にこれはやっているわけですから、そういうことというのはやはり政府としても配慮すべきだというふうに、そこは私は思います。

 ただ、この問題について、今、石原官房副長官の話にもありました。その提出方法については、全くこの機密の扱いの中でどうできるかということは検討したいと思います。

山田(宏)委員 秘密であるということを前提に検証するということですね。(発言する者あり)提出ですか。

 いや、提出も大事だけれども、政府の中のチームをつくって、そして専門家による検証というものを行うということも含めて、御答弁ください。

菅国務大臣 先ほど来、私、申し上げていますけれども、歴史学者や有識者の人たちが研究をしているということも、これは今、現実的にあるわけですよね。そうした中で、今、官房副長官からの発言もありました。そういう中で、今委員から要請もありましたけれども、機密ということを保持する中で、そこは検討もしてまいりたいと思います。

山田(宏)委員 よろしくお願いします。また、報告をお願いします。そして、その内容によっては、新たな官房長官談話も考えていくべきだということは申し添えておきます。

 さて、先日、アメリカの下院外交委員長のロイス議員が総理をお訪ねになられました。総理も会談をされました。この方は、実はこのグレンデールの慰安婦の像の前でひざまずいて線香を上げた人ですよ。こんな事実がないのにそういったことをやった方にお会いになった。

 いろいろな外交上の配慮でお会いになることはもちろんあり得るだろうと思いますが、私は、まず、総理が、こういうことをこの方がやられた人だということは御存じだったのか、そしてまた、御存じであるならば、本来は、いや、このことについてはということで、この慰安婦像の問題について、また、ここで述べられていることについて、きちっと日本国を代表してその方にお話をすべきだったというふうに思うんですけれども、その点いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 私は先般、ロイス米下院外交委員長を初め七名の超党派、委員長を入れると八名なんですが、下院議員一行の皆様とお目にかかったところでございます。

 ロイス委員長自体が、いわゆる慰安婦の碑に行かれたという事実は承知をしておりましたが、いわば、外交委員長を初め、アジア太平洋地域の安全保障状況あるいは日米同盟の重要性について理解をしている方々、議会の方々とお目にかかって、意見交換を進めていくことは、日米同盟を強化していく上において、相互理解を進めていく上で重要である、こう判断をしてお目にかかったところでございます。

 また、ロイス委員長は、今回の訪問中に拉致被害者家族とも懇談を行っていたわけでございますが、私も面会をする際に、古屋拉致問題担当大臣にも同席をしてもらったわけでございます。

 その会談の中においては、先方から慰安婦問題についての議論はなかったわけでございますが、これは、ロイス委員長だけではなくて、極めて日本のことをよく知っているシャーボット下院外交委員会のアジア太平洋小委員長もおられて、さまざまな議員の方がおられますので、必ずしもそのことについて、こちら側からあえてお話はいたしませんでしたけれども、日本の基本的な外交方針、積極的平和主義等々についてはお話をさせていただいたところでございます。

山田(宏)委員 お話の仕方はいろいろあるかもしれませんが、やはり私は、我々はそういったことについて強い関心を持っているということぐらいは言っていただきたかったなというふうに思います。

 そういった中で、この後、石関議員が質問なんですけれども、ちょっと五分だけ、済みません。同じ党なので、また今度返しますので、いただいて、あと五分、お話を。

 石原元官房副長官、きょうは本当にありがとうございました。大変貴重な御証言をいただきました。

 委員長、いいでしょうか。私の方は、もう質問はございません。

二階委員長 結構です。

 石原副長官、御苦労さまでございました。ありがとうございました。

山田(宏)委員 先ほど、籾井会長に対していろいろな質疑がありました。この放送法第四条というのは、番組の編成内容について介入した場合のことを言っているんですね。ですから、介入はされていないわけですから、放送法なんか違反していませんよ。しかし、やはり御発言はこれからよくお気をつけになられないといけない、こう思っております。

 それよりも、この慰安婦の問題で問題なのは、NHKワールドという国際放送が二月の十二日に英語で放送しているんですよ、世界に対して。サウス コリア ウオンツ ユネスコ ツー レジスター コンフォート ウイメンと書いてあるわけです。これを放送していました。つまり、韓国は、ユネスコに対して、慰安婦のいろいろな資料を、無形資料というのか世界遺産というのか、そういったものに登録するようにやっていこうという、こういう報道です。(発言する者あり)記憶遺産か。

 この放映の内容で、こういう文言があるんですね。メニー オブ ジ ウイメン ワー フォースト インツー プロスティテューション ツー サーブ ジャパニーズ ソルジャーズ デュアリング ワールド ウオー ツーとある。つまり、第二次世界大戦中に、多くの女性たちは、日本兵に対して売春婦として奉仕するために強制されたと。フォーストですから、強制されたんですよ。

 これは事実じゃないんじゃないですか、今の発言でも。だめですよ、これこそ放送法違反じゃないですか。こういうことをちゃんと見るのがNHK会長ですよ。

 これまで、女性何とか国際法廷とかいって、これは安倍総理も一時いろいろなことでありましたけれどもね。ここで、日本の天皇陛下が、この日本軍のやったことに対して、レイプだとか何とかということで、有罪だなんということを放映した、一方的な、本当に反日きわまりない、そういった報道をNHK自身が番組でやりました。こういうのが問題なんですよ。これはいろいろな意見があるじゃないですか。一方的な報道はだめですよ。

 それから、今回の二月十二日の国際放送、これは許しがたいと思っていまして、もう決めつけているじゃないですか、NHKが。多くの女性たちが強制されて、売春婦にさせられて、日本軍に、兵隊に奉仕させたという。

 これはどうお考えですか、こういう報道は。こういう報道こそ、NHK会長として、きちっと現場へただすべきじゃないですか。放送法違反ですよ、これは。どうですか。

籾井参考人 NHKは、放送内容が国内番組基準や国際番組基準に沿っているかどうかのチェックを、企画段階から取材、制作、放送に至るまで、さまざまな過程で、複数の者より多角的に行っております。また、放送現場とは異なる立場から、放送が番組基準に従っているかについて評価、検討を行うため、独立した考査部門を設けております。

 こうした仕組みを機能させることで、公共放送にふさわしい、質の高い番組を放送する体制を整えております。

山田(宏)委員 そういう答弁をしていい相手と答弁していけない相手があるんですよ。これは具体的な話をしているんですからね。だめですよ、それは。(発言する者あり)そういうことを言っているんじゃないんですけれども。

 私の時間がもう切れました。本当は、谷垣法務大臣にもおいでいただいたし、太田国土交通大臣にもおいでいただいたり、そして小野寺防衛大臣にもおいでいただいたり、本当は集団的自衛権の問題もやりたかったです。しかし、きょうは本当に、石原元官房副長官も御高齢で、しかし、この問題について、委員会の要請に基づいて来ていただいたということもあり、せっかくお忙しいお時間をいただいて、ここで答弁いただこうと思ったんですが、そういう機会がなくて申しわけございませんでした。

 次の石関委員にバトンタッチをして、私からのきょうの質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。

二階委員長 この際、石関貴史君から関連質疑の申し出があります。山田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。石関貴史君。

石関委員 日本維新の会の石関貴史です。

 一時間の持ち時間、山田議員に少し譲りましたけれども、約一時間、よろしくお願いいたします。

 先ほど参考人としておいでになられた石原元官房副長官、私のふるさとの群馬、地元の大先輩でございます。大変、この委員会の場で、貴重な証言をいただけたというふうに思っております。山田議員からもお話がありましたけれども、検証できるような形をぜひ考えていただきたいと思います。私からもお願いを申し上げます。

 外交、安全保障、歴史認識そして公共放送、きょうの集中のテーマでございますが、そこに入る前に、総理に、先週末の大雪の被害、この現状をぜひ御承知おきいただきたいと思いまして、それをやらせていただきたいと思います。

 パネルをお願いします。

 これは、私の選挙区の地元の様子です。群馬に限らず、埼玉、山梨、近県、大変な被害だったと承知をしております。ずっと大雪が降るような地域の皆さんも大変だと思いますが、群馬県、特に私の地元というのは、関東平野の一番北のあたりにあって、雪はほとんど降りません。年に一回降るかどうかというところで、これだけの大雪が降ってこういう被害ということでございます。

 きのうのこの予算委員会の一般質疑の中で、林農林水産大臣そして古屋防災大臣にもこの旨お話をしました。これまでにない大変な損害だ、被害だということを、特に林農林大臣がおっしゃってくれまして、全般の対策を考える、こういうお言葉をいただいておりますが、直接、総理にもこの被害の状況を知っていただきたいと思って、御紹介を申し上げます。

 これは、みどり市笠懸地区というところのビニールハウスの倒壊の状況です。これは、伊勢崎市の境地区のホウレンソウのやはりビニールハウスです。雪の重みでこれだけ潰れてしまって、もうこれは使えません、当然ですが。

 地元の皆さんからたくさんのお電話ですとか、またファクス、こういった写真もいただいております。一つ御紹介を申し上げたいと思います。

 年間を通じてハウスでホウレンソウを栽培しています。今回、その地域、ハウスの約八〇%が倒壊をしました。既に借金をしてこのハウスを建ててやっているんです。再建のためには、ハウス一棟で、平均、設置費用そして撤去の費用を入れると、大体百二十万円、こういう金額が見込まれます。既に借金をしている中で、さらにこれを借金してやっていくというのは大変なことです。栽培中のホウレンソウの被害ももちろんあります。小さい農家では六棟から七棟ぐらいこれを持っている。

 このファクスにはそのように書いてあります。

 最も大規模なところでは四百棟ほどの保有。きょう現在で、復旧、再建のめどは全く立っておりません。国やJAによる支援策を待ち望んでいる状態であります。これらハウスに対する災害保険への加入は、こちらの皆さんは全くありません。保険会社が、対応するような保険商品を販売していない、こういう実情もあるんです。

 ぜひ、激甚災害の指定をお願いしたい。また、無利子融資の特別枠の設定ですとか、とにかくあらゆる手段で御支援をお願いしたい。そうでないと、既に離農や廃業の意思表示をしている農家も近所で出始めている。高齢化が進む農家、ブドウやトマト、こういった園芸のものも同じような被害を受けているということであります。

 とにかく、総理に、農家ももちろんなんですが、普通の生活をしている方も、これはカーポートです。このように、雪で潰れてしまっている、中に入っている車まで被害に遭っているということです。自治体によっては見舞金を幾らか出してくれているところもありますが、これだけではとても足りません。特に農家においては今申し上げたような強い要望がありますので、ぜひ、総理からも、中心でまたいろいろな策をお考えいただきたいと強くお願い申し上げます。

 どんなにひどかったかということを申し上げると、群馬の県庁所在地の前橋市、ここの降雪というのは今回七十三センチになりました。一八九六年から観測が始まりましたが、それ以来の最高値の二倍以上という大変な雪だったということでございます。

 ほかにもいろいろ、被害額とかるるございますけれども、きのう、担当大臣の皆さんにはお話をしてあります。対応策、ぜひよろしくお願いします。一言いただけないでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今御指摘になったように、農業関係の被害についても、ビニールハウスの損壊など大きな被害が出ております。

 農業関係については、今委員が御紹介になったように、昨日、林大臣からお答えをしておりますが、農業共済や災害融資の迅速な対応について、共済に加入している農業者に対しては、迅速な損害評価と共済金の早期支払い、そして、日本政策金融公庫の長期、低利の融資を二月十七日に関係団体に通知いたしました。そしてまた、二月十八日に、農林水産省に緊急災害対策本部を設置いたしまして、被災した農業者が今後も営農を継続していけるように、支援に全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。

 今後とも、農業者の皆様に対しましては、農水省と、群馬県であれば群馬県庁、そして、実際に被害に遭われた方々のお話も伺いながら、連携もとりながら対応していきたい、このように思っております。

石関委員 力強いお言葉をありがとうございました。

 総理、大変激務の中ですので、私だけでなく同僚の議員の皆さんからもいろいろな現状の御報告が行くと思います。ぜひ万全のバックアップ体制をお願いしたいと思います。

 それでは、歴史認識、その後に公共放送をやっていきたいと思います。

 まず、第二次の安倍内閣、これまでのところ順調な運営をされているのかな、日々いろいろなことが起こりますけれども、全般的に大変順調な運営をされているのかなというふうに私は考えております。

 そこで、安倍総理の、第一次内閣とそして今回の第二次内閣、大きな違い、もしあれば、どんなものだと御認識をされているか。

安倍内閣総理大臣 第一次内閣と第二次内閣の違い、いわば基本的な考え方、理念についてはもちろん同じでございますが、政権運営におきましては、第二次政権におきましては、まさに経済を立て直すということを前面に打ち出し、そしてそこに集中しているわけでございますが、この点については、まさに国民のニーズ、国民が求めているものと一致したということ、そこが大変大きな点ではないか、こう思うところでございます。

 第一次政権のときには、さまざまな課題について、一気に全部早く進めていこう、こういう点に少し無理があったのではないかという反省のもとに、優先順位をつけながら、しっかりと国民のニーズに合わせながら政権運営を行っていきたい、こう考えているところでございます。

石関委員 率直な御感想、御認識をいただきまして、ありがとうございました。

 私も、私が見ている限り、第一次安倍内閣そして第二次の大きな違いというのは、今おっしゃるように、まさにアベノミクス、まず経済対策、景気対策、このことを力強く打ち出された、このことが特徴の一つだと思います。

 他方、今おっしゃったように、考え方、理念というのは変わっておりませんけれども、第一次内閣で多用された戦後レジームからの脱却、レジームというのはフランス語ですか、戦後体制からの脱却ということだと思いますが、この言葉は今ほとんど使われていないんだろうと思います。当然、所信表明等からも、その中には見られないということでございます。ここの部分は、お考えは変わっていないけれども、かなり抑制的に打ち出し方を変えていらっしゃるのかなというふうに思います。

 ただ、私自身は、この戦後レジームというか戦後体制からの脱却、まさに総理と同じ方向で、敗戦後の日本、何か大切なものを取り返す必要がある、こういう考えは総理と同じ方向だというふうに思っていますが、総理の言葉で言えば戦後レジームからの脱却ということですが、具体的には、これはどんなことを意味されていて、今使っておられませんけれども、心の中にはこのことはいまだにあるんだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 日本が敗戦を迎えてから来年で七十年を迎えるわけでございますが、この戦後の歩み、自由で民主的な国をつくり、そして、法をたっとび、基本的人権をしっかりと守ってきた、さらには国際社会に大きな貢献をしてきた、この歩みは変えてはならないと思いますし、この歩みは私たちの誇りとするところであります。

 そして一方、戦後、日本は七年間、占領時代があったわけでございますが、この七年間の占領時代に、例えば憲法がつくられ、あるいは教育基本法がつくられたわけでございます。その中において、やはりもう時代に合わない仕組みもあります。それはむしろ私たち自身の手によって、それはそれぞれ変えてはならない不磨の大典ではなくて、私たち自身の問題としてしっかりと正面から向き合いながら考え、そして私たち自身の手で変えていく、新しいものをつくり上げていく、それこそが戦後体制からの脱却になるのではないか、このように思っております。

石関委員 経済はもちろんですが、そこのところもまさに変わらず総理がやり遂げたいと思っておるお仕事だと思うんですが、ただ、戦後レジームからの脱却、先ほども申し上げましたけれども、所信を初め、最近使われていないですよね。これは何か心境の御変化があったんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 これは、私が使わなくても、いろいろな報道機関等は必ず枕言葉のように使っていただいておりますので、あえて今使っていないわけでありますが、これは、捨てたとかそういうことではなくて、その点においては第一次政権とは変わらないわけでございます。

 まさに、例えば教育基本法についても、これは占領時代につくられたものでありますが、だからこそ、かえってそれは指一本触れられないのではないかという認識のもとにずっと、例えば自民党は単独で衆参ともに過半数をとっていた時代もあるにもかかわらず、それには手を触れようとしてこなかったわけでございまして、そうしたいわばマインドコントロールから抜け出して、必要なものはしっかりと子供たちのために書き変えていく必要があるだろうという考え方のもとに、第一次政権下においては新しい教育基本法をつくったわけでございますが、今、その中身につきましても、教育委員会制度等々について改革をしていく方向において、法改正について議論を進めているところでございます。

 いずれにいたしましても、憲法もそうでありますが、私が掲げている旗をおろしたわけではないということは、この際、申し上げておきたいと思います。

石関委員 今おっしゃられたこと、まさに戦後体制を脱却して、不磨の大典と思われているもの、これも今の時代に合わせて、また、変えるべきは変えるということだと思います。

 第一次内閣でも、私は、実は、よく見ると、総理は一番御承知だと思いますが、大変な功績を上げられていると思います。教育基本法の改正、それから防衛庁から防衛省への昇格、これも大変大きなことだと思います。日本国憲法の改正手続に関する法律、これも成立をさせられました。私は、大変な功績だと。特に国内政治や内政の部分、こういったこと、いろいろな困難はあったと思いますけれども、実は、詳細に見ると、これだけの功績は上げられているということだと思います。

 これからがポイントになります。

 方向性としては、総理のやりたいこと、そして私が所属する日本維新の会が目指しているものとそんなに違わない、おおむねですね、というふうに思っておりますが、ただ、私がやはり心配だなと思うところは、この戦後レジームというか、日本語では戦後体制ということだと思いますが、これがいつできたかといえば、一つのきっかけというか大きな節目というのは、やはり一九五一年のサンフランシスコの平和条約、これに調印し、そのことによって日本が国際社会に復帰ができた。これから戦後レジームというものが、総理の認識はこういうものなのか、後でまたお答えいただければいいと思うんですが。

 ただ、このサンフランシスコの平和条約に調印して国際社会に復帰をするために、日本がやはり我慢しなければいけなかったもの、受け入れなければいけなかったものが当然あります。それは、戦前の行為について日本が反省をいたします、戦勝国、戦争に勝った国々に恭順の意を示します、東京裁判、この結果も受け入れます、こういったものを受け入れた上で国際社会に復帰ということになったというのが、このサンフランシスコ平和条約、日本の国際復帰の意味ではないかなというふうに思います。

 言葉尻を捉えるつもりはありません、考え方は似通っていると思います。ただ、戦後レジームからの脱却、こういうことを言うと、日本は残念ながら敗戦国ですから、国内的な改革はやはりどんどんやるべきだし、ここには、国内の抵抗勢力はもちろんありますが、総理も相当の馬力でやってこられたと思います。ただ、同じこの枠組みを国際的に広げていったときには、国際的な、当時の戦勝国、いまだに連合国、この方々に対する挑戦、こういう受けとめ方をされてしまうのではないかという私は心配があります。承知でやるんだということかもしれませんし、そこは気をつけながらやっているんだということかもしれません。そのお考えは後ほど伺いたいと思います。

 サンフランシスコ平和条約の中で、特に十一条ですね。これは、日本は東京裁判を受諾したということになっております。今申し上げたように、総理が、戦後レジームからの脱却、言葉は使われないけれども考え方は変わらないということでありましたので、この十一条、条項をどのように総理は位置づけられていらっしゃるのか。

 第一次内閣のときには、衆院の本会議において、「サンフランシスコ平和条約第十一条により極東国際軍事裁判所の裁判を受諾しており、国と国との関係において、この裁判について異議を述べる立場にはない」、このように述べられておりますし、これは、総理の御著書「新しい国へ」。古いものも、この新しい方も読ませていただきました。この中にも、この第十一条について、「ジャッジメンツ、つまり諸判決を受け入れたのであって、東京裁判そのものを受け入れたわけではない、という議論もあるが、わたしは、判決と定められた刑については受諾して、今後日本は国際的に異議申し立てはしない、という意味に解釈している。」「いいかえれば、日本は講和とひきかえに、服役中の国民を自国の判断で釈放できるという国際法上慣例となっている権利を放棄することによって、国際社会に復帰したのだ、といってよいのではないだろうか。」このようにおっしゃっておられます。

 この十一条、総理の中でどういう整理をされているか、教えてください。

安倍内閣総理大臣 まず、サンフランシスコ条約は、この十一条もありますが、戦後秩序の基本的枠組みを提供するものでありました。このもとでの日本の位置づけを変えていくことは、当然、ありません。一部に誤解があるようでありますが、そのことは改めてこの機会にはっきりと申し上げておきたいと思います。

 そこで、十一条については、これは、英文ではジャッジメンツになっておりまして、政府としては裁判ということになっておりますが、この裁判を受け入れたということでありまして、それによってまさにこのサンフランシスコ平和条約が成立をし、日本は国際社会に復帰をしたのであります。

 その際、東京裁判によって戦犯とされた方々においては、これは東京裁判だけではなくて各地域において判決を受けたBC級の方々もおられますが、その方々が服役をしているわけでございます。平和条約を結んだ段階において、当時の解釈においては未来に向かって効力を失うわけでありますが、この十一条によって連合国の了承を得なければ釈放できないということになったわけでございまして、その後、国会決議等々も受けながら、連合国に働きかけを行い、それぞれ、A級、そしてBC級という形で釈放されていったということでございます。

 いずれにせよ、そうした中において、日本はこの十一条を受け入れ、そして、サンフランシスコ平和条約によって国際社会に復帰をしたということでございます。

石関委員 総理のお考えはよくわかりました。とはいえ、誤解を解きたいという発言もございました。

 例えば、総理は、第一次内閣のときにインドを御訪問されました、最近も行かれておられますけれども。東京裁判で日本無罪論を主張されたパール判事の御遺族でしょうか、御家族、御遺族にお目にかかったというふうに聞いています。こういった行動からも、総理の考えというのはこういうものだろうなというのは拝察をされるところです。

 ただ、先ほど私が示した懸念、心配、戦後レジームからの脱却、挑戦ということになると、やはり戦勝国の側から、特にアメリカにとってどういうふうに感ぜられるかというのが私は心配だということを申し上げていて、どうも最近、きょうの午前中から午後の質疑でもありましたけれども、アメリカ政府からの、安倍内閣あるいは内閣の構成員、身近な方々に対するいろいろな言葉というのは、極めて批判的だというふうに思います。

 アメリカ側が私のような心配として受けとめている、こういう御認識はございますか。

安倍内閣総理大臣 日米関係においては、まさにサンフランシスコ講和条約を結ぶことによって日本は独立を回復するわけでありますが、同時に、日米安保条約を結び、駐留軍がそのまま同盟軍として日本に駐留を続けることになったわけでございますが、その後、やはりこれは、極めて日本にとっては、ある意味日本の権利等々が抑制される条約でありまして、より対等な条約にするために六〇年に安保条約を改定したわけでございます。

 そのもとに、現在、いわば日本が侵略された際は日米共同対処するわけでありますが、かけがえのない同盟として日本は外交・安全保障政策の基本に据えているわけでございまして、もちろんさまざまな出来事もあるわけでございますが、現在、日米間における同盟上の最大の懸案は、何といってもこれは普天間基地の移設問題でありまして、ここが今進み始めたという中においては、同盟ということにおいては揺るぎない同盟ではないか、このように思うわけであります。

 同時に、やはり同盟関係というのは、お互いが気を使い合う、日本も米国の立場をよく理解をしながら対応していくという姿勢も大切だろう、このように思っているところでございます。

石関委員 そう伺った上で、なおお尋ねをいたしますが、気を使うというお言葉もありました。もちろん、普天間の問題、これは日米間の大きな懸案でございます。私も、沖縄を訪問し、こういった現状ということも研究をしております。

 それでもなお、やはりこれはきょうの質疑の中で一番大事なポイントだと思うんですが、日米同盟は大事だ、そして日米同盟を深化していくことも大事だ、これはもう、自民党中心の政権だけでなく、民主党政権も同じことを目指されていたというふうに私は思います。その結末はいろいろあるかもしれません。ただ、このことと、やはり、戦後レジームからの脱却、国際社会も含めて戦後体制からの脱却を目指すというのは、果たして両立をするものなのかどうか。

 もう一度お伺いいたします。大変難しいことで、私自身も答えがあるわけではありません。ただやはり、今の段階でどのようにしていくか、この手法についてはよほど考えてやらなければいけない、まだこの時期かなと。私の認識はそういうものでありますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 六十九年前に日本は敗戦をしたわけでございます。そして、その敗戦の中から今日の豊かな日本をつくり上げたわけでございますが、その過程においては、まず初めに米国の占領時代があって、そしてその上において、サンフランシスコ講和条約によって日本は独立を回復したのであります。同時に、先ほど申し上げましたように、日米同盟が成立をし、安保条約ができて、在日米軍という存在を日本は受け入れた、駐留軍から、同盟軍としての駐留軍を受け入れたわけでございますが、しかし、その後も対等なパートナーとしての関係を構築すべく努力をしてきたわけでありまして、今もその過程にいるんだろう、このように思います。

 最初の安保条約というのは一条から五条までしかなくて、占領軍は日本にいてあげましょう、そして、この軍隊を使うこともできますよということであって、日本に対する防衛義務はなかったわけでございますし、もちろん地位協定なんかもないという中において、努力を重ねながら、今、対等な関係になろうと。

 そして、今まさに、日本の力もアジア太平洋地域の平和と安定のために必要とされているわけでございます。米国にとっても必要とされている中において、姿を変えている。いわば、戦後の段階から日本の立場は大きく変わっている中において、日本の今変わりつつある立場の中の役割も担っていくことによって、地域をより平和で安定した地域に変えていくことができるのではないか、私はこう考えているわけでございます。

 そこで、話は戻るわけでありますが、これは決して、いわばそこで決まった戦後秩序そのものに挑戦するというものではなくて、むしろ、戦後の七年間にできた国内体制に縛られているのでは、よりよい地域、社会、そして世界をつくっていく上においては、さまざまな課題があるのではないか、その課題に挑戦していくべきだというのが私の考え方でございます。

石関委員 総理おっしゃるように、課題に挑戦する、これも、最初から申し上げていますけれども、私も同じような心づもりでおります。

 ただ、やはり手法や技術とか、そういったものはよくよく考えないと、まだ、先人たち、先輩たちのおかげで、今総理がおっしゃったように、いろいろな片務的なものや何かというのは改善をされてきた。しかし、今やはり、戦後レジームからの脱却、総理は声高におっしゃらないけれども、そういう挑戦をされている、続けているというふうに思います。それを、旧戦勝国、特にアメリカがどう見ているかということについては、日米同盟が必要な日本ですから、よくよく考えなければいけないというふうに思います。

 どんな例えがいいかわかりませんけれども、本当に欲しいものがあります。余り力がないときに、大声であれが欲しいと言うと、獲物が逆に手に入らないということもあるかもしれません。力がないのにやたら刀を振り回すということも、逆にマイナスのことがあるかもしれない。私自身もいろいろ悩むところでありますけれども、刀をさやにおさめたまま、何とか覚悟は伝えるようにできないものかなとか、私もそんなところは考えながらこの仕事をさせていただいております。

 私自身の認識では、まだなかなかそこまでの力、いろいろな意味で日本が持っているか。これは単に防衛力、経済力、それだけのものではないと思います。ソフトパワー、大きなものを含めて考えていかなきゃいけない、まだそういう段階かな。まだ、我慢をしながら匍匐前進をして、総理が目指すようなもの、私も同じ方向でありますが、これを獲得していかなければいけない、こういう段階ではないかなというふうに考えております。

 次に、靖国神社の問題に移らせていただきます。

 昨年末に、総理、総理就任後初めて靖国神社に参拝をされました。

 私自身も、折に触れて靖国神社には参拝をさせていただいております。これは、みんなで参拝する会、私もメンバーでありますし、みんなで参拝したこともありますが、自分の性分で、みんなで参拝をするというよりは、私は一人で参拝をするということの方が非常に多いです。行けばいろいろな思いにとらわれるというところであります。

 改めて、総理が靖国神社を参拝される、この意義についてどうお考えか、教えてください。

安倍内閣総理大臣 靖国神社に参拝をした際にも申し上げたのでございますが、私は靖国神社を参拝いたしまして、国のために戦って、とうとい命を犠牲にされた方々に対して、尊崇の念を表し、そしてみたま安かれなれと御冥福をお祈りいたしました。これは国のリーダーとして当然のことであり、世界の共通のリーダーの姿勢ではないかと思います。

 また同時に、戦争で亡くなられ、靖国神社に合祀をされていない国内、そして国外、諸外国の人々を慰霊する鎮霊社にも参拝をいたしまして、二度と人々が戦争の惨禍に苦しむことのない時代をつくっていくという決意のもとに、不戦の誓いをしたところでございます。

 戦後、我が国は、自由で民主的で、基本的人権や法の支配をたっとぶ国をつくり、六十八年間、ひたすら平和国家としての道を歩んできたわけでございますし、また、この道、この歩みを変えることは決してないわけであります。

 そして、私の気持ちにつきましては、「安倍内閣総理大臣の談話 恒久平和への誓い」として明らかにし、この談話は英語、中国語など八カ国の言葉に翻訳をして、官邸のホームページに掲載するなどしております。

 今後も、各国に対しては、謙虚に、そして礼儀正しく、誠意を持って説明を続けていきたい、このように思っております。

石関委員 参拝の意義、よくわかります。私も同じような気持ちで靖国神社に参拝をしております。

 私ごとでありますけれども、私を育ててくれた祖父、親が早くに離婚しましたから祖父が育ててくれましたが、この祖父が大正八年生まれで、応召で軍隊に入り、中国戦線から、その後、ニューギニアに送られました。ニューギニアは、総理も御承知だと思いますけれども、当時、十八万人日本兵が投入をされて、生きて帰ってきたのは一万八千人、大体一割ぐらいということでありました。

 祖父は、よほど大変な思いをしたんだと思います。私はずっと子供のころから祖父に育ててもらいましたが、戦争の話をほとんど自分からすることはありませんでした。私が大きくなってからは、ぽつぽつ、いろいろな物の本を読んだり、尋ねると答えてくれることはありました。

 その祖父は、靖国神社の話は一度もしたことはありません。私が知っている限りで、本人が靖国神社に参拝をしたということは全く記憶にありません。それでも、育ててくれた祖父、祖父を通じた戦争体験、私の中に何かを祖父が植えつけてくれて、私も靖国神社には昔からお参りをするということであります。

 そして、この靖国神社に参るというのは、総理も含めて、私もそうですが、何も外国から何だかんだと言われる筋合いのものでは本来はないというふうに思います。基本的に、そういうものではないし、心の問題であり、総理がそういうお気持ちで行かれるということは結構なことだと思います。ただ、総理が最後におっしゃったように、丁寧な説明が必要だ、丁寧に外国に説明をしていく必要がある、このこともまた必要なことであります、総理の立場から。

 そこで、今回、昨年参拝をされたときには、報道によると、菅官房長官がこれを反対をされてとめようとされたという報道がありましたが、菅官房長官、事実関係はいかがでしょうか。

菅国務大臣 そうしたことは全くありませんでした。

石関委員 そうですか。私は、逆に、非常に情熱があって、勇み足にも、こういう言い方も失礼かもしれませんが、それをパートナーである官房長官が、ちょっとやめた方がいいですよと、これぐらいの関係がちょうどいいのかなと思って今お尋ねをしたところなんですが、全くとめたことはないというお答えでございました。

 話は戻りますが、参拝のスタイル、靖国に限らず、それぞれの気持ちの問題、いろいろなものがあると思います。先ほど申し上げた、みんなで参拝する国会議員の会というのがあり、私もメンバーです。

 ただ、私の性分としては、さっき申し上げたように、一人で静かに参拝をするという気持ちが非常に強くて、行けば自然にこうべが垂れますし、いろいろ考えるところもある。「英霊の言の葉」という、亡くなられた兵士の皆さんの遺書、この遺書集も、私も随分、何冊も買いためました。こういったものを、一人で参拝をしながらいろいろ考えるところがあります。

 どちらかというと、繰り返しになりますけれども、私自身は、靖国に一人で参拝する会とか、こういうものを一人でつくろうかなと思っているような感じがあり、何を言わんとするかというと、いろいろなスタイルがありますねと。

 保守政治家を標榜する者として、こういう態度もあっていいのかなというふうに思いますが、総理の姿勢は私は買いますけれども、その説明、諸外国に対する姿勢というものはやはり十二分にお気をつけてやっていただきたいとお願いを申し上げます。

 菅官房長官にもう一回戻りますけれども、私がとめようとしたという答えをちょっと期待していたんですが、なかったということなので。

 過去の総理と官房長官の関係で、私が記憶にあるものであると、中曽根内閣の時代に、イラン・イラク戦争が終わりになりますという段階で、海上自衛隊の掃海艇をペルシャ湾に派遣するかどうか、これが大変な問題になりました。ベテランの委員長はよく覚えていらっしゃるかもしれません。私は国会にもおりませんでしたが、記憶にございます。このときに、当時の後藤田官房長官が、辞任も辞さない、こういう強い態度で中曽根総理の突出というか決断をとめた、こういうお話がございます。

 先ほどの質問もそうですが、安倍総理はやりたいことがたくさんありますから、時には勇み足ということもあるかもしれません。ぜひ、私は菅官房長官にはその役割を期待しているところなんですが、いかがでしょうか。

菅国務大臣 ちなみに、私も官房長官になる前は靖国に参拝をしましたけれども、一人で静かに、委員と同じような形で参拝をいたしておりました。

 総理と官房長官の関係でありますけれども、私ども、第一次政権の座からおりて、不遇の時代がありました。そうしたときにも、折に触れて、総理とは会談をいたしておりましたので、大体考える方向というのは、ほぼ同じような方向であります。

 ただ、その目的を達するための戦略というか戦法的には、そこは考え方が違うこともありますけれども、そういう中でも、総理と必ず連携をとりながら一つの目的に向かって進めていく、そういう関係だというふうに思います。

石関委員 よくわかりました。ありがとうございます。

 続いて、ストーリーは変わりませんけれども、大きなテーマとして公共放送に移りたいと思います。NHKですね。

 余りお好きなテーマでないかもしれませんけれども、作家の百田さん、NHKの経営委員をやられています。国会の同意人事にかかった上で、今、作家の百田さんが経営委員をやられている。

 この百田さん、安倍総理も尊敬をされている方だと思いますし、私はそのように見ています。まさに安倍カラーの経営委員の方かなと。お友達委員というか、余りお好きな言葉でないかもしれませんけれども、世間が見ればそう見える経営委員のお一人という感じがしております。

 私、百田さんの作品というのは大好きで、映画も二回見ました。「永遠のゼロ」。周りの方にも随分薦めましたし、著作も自分で買って、何人かの方には薦めて、これを差し上げました。それぐらい作品は好きです。

 ただ、今回の、経営委員になってから、なる前も実はツイッターとかでいろいろな発言をされていますけれども、ちょっと私は残念だなという気持ち、ちょっとではないですね、随分残念だな、こういう気持ちがしています。

 これは何度も予算委員会でも質問が出ておりますけれども、東京都の知事選挙において、ある候補者の応援演説で、ほかの候補者を人間のくず、このように述べたと言われています。総理は、自分で聞いていないからコメントできない、こういう答弁だったと思いますが。

 残念だなと思っていたところ、これはけさの朝日新聞のデジタル版ですが、これを読みましたら、「人間のくず「言い過ぎた」 百田尚樹氏インタビュー」、こういう記事が出ていました。この中に、今申し上げました、都知事選に立候補した方の応援演説で、ほかの候補を人間のくずみたいなものと発言をした、それについては言葉の表現としての反省はある、言い過ぎだったなと釈明をしたと。釈明してもらって私はよかったなという気持ちです。

 総理は、先日のこの予算委員会、委員の質問に対して、同種の質問ですが、総理、どう思いますかということについて、私は気にしません、ある夕刊紙は毎日私を人間のくず扱いしている、でも、私は気にしませんよ、こういう答弁をされました。私も聞いていました。やはり総理はさすがだなと思いましたよ。私だったら、やはりくずと言われたら、なかなか我慢できないですよ。

 麻生財務大臣だったらどうですか。にこにこしていられないでしょう。私はとてもにこにこしていられないし、ここにいらっしゃる委員の皆さんも、くず、くずと言われてにこにこできるほど立派だ、こう言っては悪いですね、ただ、それだけ腹がある人がいるかというと、なかなか普通の人ではそうはいかない。総理はすごいなと思って聞いておりました。

 そこで、百田さんの話、また後ほども申し上げようと思いますけれども、先ほど、午前中だったかな、同種の質問が他党の委員から出ていたと思いますが、今度はNHKの会長さんにお尋ねをいたします。

 NHKがケネディ駐日大使にインタビュー取材を申し入れたところ、この百田氏の発言と籾井会長御自身の発言を理由にアメリカ大使館側から難色を示されていた、この報道がありました。これには既に御答弁されていると思いますが、私がお尋ねしますので、答えていただきたいことが一つ。

 あわせて、これは民主党の大串議員の発言にありました。私も大使館にきちんと確認を、私の事務所を通じてしました、コメントをアメリカ政府が出しています、これらの発言は極めてばかげている、責任ある立場にある人については地域の緊張感を高めるようなコメントは慎むべきである、これはアメリカ政府自身がこういうふうに言っていると。これは大串議員のこちらでの発言でありますが、あわせて、NHK会長、どう思っていますか。

籾井参考人 経営委員の御発言につきましては、私はNHKの会長ですから、お答えする立場にないというふうに考えておりますし、そういうふうに御返事をしてきております。

 さらに、ケネディ大使のインタビューにつきましては、これにつきましては、けさほども御説明しましたけれども、取材と制作にかかわることにつきましては、全般的にコメントをすることは控えさせていただいております。

    〔委員長退席、金田委員長代理着席〕

石関委員 ほかの委員に対するのと同じ、味もそっけもない、御答弁にならないような答えでありました。残念だなというふうに思います。

 次に、菅官房長官にまたお尋ねをいたします。

 いろいろやってくれるなと思っているんですけれども、きょうの報道、きのうからですね、衛藤晟一首相補佐官、彼の言動について、動画サイトのユーチューブに投稿した国政報告で、先ほど申し上げた、昨年十二月の安倍総理の靖国参拝後に失望の声明を発表したアメリカについて、むしろ我々が失望だ、こういう批判をしていたと伝えられております。手元の読売新聞四面のコピーにも同じ記事が出ています。

 想像するに、おつき合いがある方ではありませんけれども、衛藤補佐官、多分、自分の気持ちに非常に純粋で正直な方なのかなというふうには、衛藤さんのことはそう想像いたしますけれども、やはり首相補佐官という方がこういう発言をするというのは、大変な問題を起こすということだと思います。

 そこで、また官房長官の出番なんですけれども、報道を見ていると、菅官房長官が、素早く政府見解ではないと否定して、おさまったかどうかはわかりません、そういう行動をされたし、衛藤さん自身にも御連絡をして、抑えろ、こういう発言をし、衛藤さんがそれを受け入れたやの報道がされておりますが、事実ですか。

菅国務大臣 事実はそのとおりであります。

 ただ、つけ加えさせていただきますと、先ほど、総理から靖国参拝についてのここでの発言がありましたけれども、まさに総理自身が、参拝については、謙虚に、礼儀正しく、誠意を持って、諸外国に対して粘り強く理解を求めて説明をしていく、そういう姿勢であったものでありますから、総理の姿勢と違っていたということで、私が補佐官に真意をただした。今言われたとおりのことであります。

石関委員 これは、報道によると、この衛藤補佐官、昨年十一月に訪米をして、ラッセル国務次官補らに、首相はいずれ参拝をする、ぜひ理解をお願いしたいと申し入れたがという経緯を紹介、慎重にやってくださいというのが全体的な空気だったと振り返ったと。

 記事にあるんですけれども、空気というのは非常に日本人的な感覚で、総理もお読みになったことがあるかもしれませんが、山本七平の「「空気」の研究」とか、戦艦大和が出るときに空気が支配していたと。極めてこれは日本人的な表現なんですけれども、こういったことも含めて、発言の内容を確認したいので、ぜひ、衛藤補佐官をこの委員会に呼んでいただきたいと思います。お願いいたします。

金田委員長代理 後刻、理事会で協議をさせていただきます。

石関委員 協議をして、ぜひ呼んでいただきたいと思います。真意を確認させていただきたいと思っています。

 また百田さんに戻ります。

 百田さんのツイッターも含めての発言の中に、東京大空襲で日本も大虐殺された、こういうことをおっしゃっています。事実として、確かに我が国も、空爆そして原爆、こういったもので多くの非戦闘員、市民の方がお亡くなりになっています。支那事変以降の戦没者数は三百十万人、このうちの八十万人が民間人の犠牲者というふうに言われています。東京大空襲の犠牲者は十万人。

 私の祖母、さっき祖父の話をしましたが、祖母は、大正十一年生まれ、東京の深川で生まれて育っています。東京大空襲で焼け出されて群馬県の伊勢崎に引っ越して、向こうで祖父と結婚をしました。この祖母に私もまた育ててもらったということですが、子供のころに同級生とか同窓会という話をしましたら、私にはそういう者はいない、誰もいない、町内全滅で、彼女の家族しか生き残らなかった、こういう話をされまして、このことをよく覚えています。

 この日本の本土に対する、海外でもそうですが、非戦闘員の殺りく、これについては、いわゆる戦時国際法、ジュネーブの条約ですとかハーグの陸戦条約、こういったもので、非戦闘員に対する攻撃、これは禁止をされていて、非戦闘員は保護対象である、これを行うということはまさに戦争犯罪である、こういう理解でよろしいでしょうか。

菅国務大臣 東京大空襲に関する政府の見解でありますけれども、八万人とも言われる多くの犠牲者をもたらしたものであります。このように多くの人命を奪った東京大空襲は、人道主義に合致しないものだったというふうに考えている、これが政府の見解です。

石関委員 政府の考え方はわかりました。

 ただ、これは、事実として非戦闘員にこれだけの犠牲者が出た、こういうことが行われたということですが、こういったものを我慢して、サンフランシスコの平和条約を結んで国際復帰をしたのが日本です。そこの重みというのは十分御承知だと思いますが、そこをよくよく心得た上でこの次の手を考えていくということをやはりしないといけないなと思っています。

 百田さんも公人です。ただの作家ではなくて、NHKの経営委員。やはり、特に政治家、外交というのはそういうものだと思いますけれども、ああ、すっきりしたなということでは済まない、それなりの地位にある人が言えば。このことは、ぜひお友達としても百田委員に機会があればお伝えをいただきたいと思います。

 次に、時間が限られてきましたので、手早く質問いたします。

 もう百田さんのはこれぐらいにしておきましょう、残念だという話もしましたし、反省をされているようですので。

 次に、NHKの経営委員長にお尋ねをいたします。

 そもそも、今の籾井会長、どういう経緯で会長になられたのか、教えてください。新しい会長には籾井さんがふさわしいねというふうに誰かが言い始めて会長候補にいつの間にかなったのか。そもそも、NHKの会長というのはどうやって決まるんですか。籾井さんはどういう経緯で会長になられたか、教えてください。

浜田参考人 経営委員会にとって会長選任は重大な職責の一つでありますので、約半年前に指名部会を立ち上げました。続いて、その手続を進めるための内規を定めました。内規にのっとりまして、各委員から推薦をいただき、指名部会で何度かの検討を踏まえ、結果として、籾井現会長を選任いたしました。

石関委員 ということで選任された籾井会長ですが、籾井会長が力を入れたいとおっしゃっていた外国向けの国際放送ですね、日本の領土問題ですとか日本の立場、これを外国にも知ってもらうと。これに力を入れるのは私もぜひお願いをしたいところですが、残念ながら、このことを述べられた同じ記者会見の中で、籾井会長は、外国に大変、誤解というか、反発を招くような発言をされました。

 期せずして、この記者会見というのが、国際放送を頑張りますと言いながら、逆の国際放送になっちゃったと思うんですけれども、どうですか。

籾井参考人 先ほど山田委員からもその点の御指摘がございましたけれども、やはり、今、この世の中で、国際放送というものが非常に重要だと認識いたしております。

 そういう意味におきまして、ますます、国際放送につきましても、日本の物の考え方、はっきり決まっているものは、そのように我々は国際放送を通じてお伝えしたいと思いますし、それ以外のことについては、日本の世論についても、いろいろ加味しながら、一緒にいろいろな意見があるということを報告していくつもりでございます。

 いずれにしましても、国際放送については、文化面も含めまして、いろいろ力を入れていく所存でございます。よろしくお願いします。

石関委員 次に、佐村河内さん、聴力を失った現代のベートーベンともてはやされましたけれども、違う方が曲をつくっていた、この方の話です。

 これは、昨年三月にNHKで放送されたNHKスペシャル「魂の旋律 音を失った作曲家」、これですごく一般にも知られるようになったということなんですけれども、制作者がこのうそを知っていたんではないか、こういう報道がされているということがあります。これが事実かどうか、私はわかりませんけれども。あとは、この番組をつくったディレクターは外部のフリーランスの方で、いわゆる契約のディレクターだったということは、事前にNHKに伺って承知をしております。

 契約ディレクターと生え抜きのディレクターの方々の比率はどれくらいなのか。あわせて、フリーランス、契約ディレクター、これは、外部の方を雇ってやるというのは、やはり番組が安くできる、こういうことがあるのかなと思いますが、こういった体制が、このうその美談、これをつくることにつながったのではないかと思いますが、いかがですか。端的に答えてください。

籾井参考人 お答えいたします。

 佐村河内問題の、この番組のディレクターは、契約ディレクターでございます。

 今もう御指摘のとおりでございますが……(石関委員「短く答えてください」と呼ぶ)はい。契約の形態や期間もいろいろありまして、なかなか人数について申し上げることは難しいんですが、契約ディレクターでも、個々の番組の内容や演出によって一年であったり数カ月であったりもしますが、それでも、職員と同じ、NHKの中のプロセスを踏んで制作をいたします。

 比率というふうに聞かれましたが、ちょっと人数がわかりませんけれども、プロパーは大体二千五百名前後です。

石関委員 そのままいてくれていいですよ、もう一問質問しますから。

 NHKスペシャルの一回の制作予算というのはどれぐらいですか。

 聞くところによると、三千万から四千万ぐらいではないかというのがマスコミの中で言われています。民放のドキュメンタリーだと大体一千五百万ぐらいというのを聞いておりますが、いかがですか。教えてください。

籾井参考人 大体、NHKスペシャルやクローズアップ現代は、番組一本当たりの制作費の目安は、八十万から三千八百万円ぐらいでございます。

石関委員 国民の皆さん、今のあれもそうですけれども、NHKの仕組み、皆さんが受信料を払っていながら、どういう仕組みかよくわからないという方が多いんだと思います。

 ここに示したのがNHKの仕組みです。なかなかわかりづらい。

 今の制作費、それから会長の給料、NHKの職員の皆さんの給料、これは受信料の負担でできています。

 受信料はどういうものか。その性質は、ここに書いてあるとおり、受信料という名の特殊な負担金と解すべきだ、一種の国民的な負担として受信料を捉えている、これが公式な受信料の捉え方です。

 払わないとどうなるか。受信料をめぐる争いというのもたくさんありますが、ここに書いてあるとおり、これだけの争いがあって、NHKは裁判で全部勝っています。どんなことを言っても、受信機を持っていれば受信料を取られる、こういう仕組み。

 国民の皆さんの負担でNHKが成り立っている。だからこそ、会長も、発言、それから放送の内容、こういったものには、国民の皆さんが監視をしながら、十分気をつけてもらわなければ困るということ。

 最後にもう一つ。

 総理、全然違う話になってしまうようですが……(発言する者あり)済みません、すぐ終わります。

 安倍総理の皇室典範の改正についての御意見、最後にぜひ承りたいと思います。

 総理は、女系天皇には反対だと聞いておりますけれども……

金田委員長代理 時間が参りましたから、議論をまとめてください。

石関委員 済みません。すぐ終わります。

 皇位継承を前提としない女性宮家、内親王家の創設、こういった考え方についてはどのようにお考えか、教えてください。

安倍内閣総理大臣 安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本にかかわる極めて重要な問題であります。この問題については慎重かつ丁寧に対応する必要があると認識をしており、男系継承が、古来、例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえつつ、今後、安定的な皇位継承の維持や、将来の天皇陛下をどのようにお支えしていくかについて考えてまいりたいと思います。

金田委員長代理 時間が参りました。

石関委員 はい。

 私も皇室の繁栄を心から願っております。

 ありがとうございました。

金田委員長代理 これにて山田君、石関君の質疑は終了いたしました。

 次に、三谷英弘君。

三谷委員 みんなの党の三谷英弘です。

 二月十四日から十五日にかけて降り続いた今回の大雪に関して、甚大な被害が出ています。今回の大雪にて亡くなられた方に心からお悔やみ申し上げるとともに、被害を受けられた全ての方にお見舞いを申し上げます。

 現在、政府で全力で対応されていること、また、山梨の一部では本日も降雪が予想されているというところではありますけれども、警察、消防に加え自衛隊の皆様が全力で活動されていることについては、心から敬意を表したいというふうに思います。

 さて、現時点はよいのですが、今回の政府の初動は余りにもお粗末だったのではないかと言わざるを得ません。別に、首相が会食でてんぷらを食べていたとか、そういったことはどうでもいいわけです。

 そうではなく、こちらのフリップを見ていただきたいと思います。二月十三日には降雪予想がされております。二月十四日から降雪が始まり、翌十五日には本格的に積雪が観測されていた。既に午前中から、東名高速道路では四十キロを超える立ち往生の車の列、関東甲信越地方全体で道路や鉄道がとまり、孤立した集落が生まれ、亡くなった方も、手元調べでは、十五日の段階では十一名以上ということになるわけでございます。

 しかしながら、実際に政府の関係者が集まって被害対策会議を開催されたのが二月十六日の午後一時過ぎ、SNSを含めて情報発信がなされたのはその一時間後ということで、十三日から丸二日以上、全くもって政府からの情報の発信というものがなされなかったということがあるわけでございます。

 もちろん、一部、県からの要請に応じて自衛隊が災害派遣されている等の事実も認識はしておりますけれども、しかしながら、自衛隊がもう出動しているんだというようなことが表に出ていなければ、雪の中で、あるいは立ち往生している車の中で不安な時間を過ごしている方々からすれば、安心などできるはずもありません。

 私の地元は、目黒区、世田谷区、東名高速道路の用賀インター、その起点を含む場所ですけれども、こちらの方にも、私の方にも、立ち往生の車の列にいるんだけれども助けてほしいとか、どういう情報があるかわからないかというような問い合わせが幾つか入りました。そういう意味で、実際、情報をとろうとしたんですが、担当者が不在だったのか、省庁にもろもろ電話をいたしましたけれどもなかなか電話がつながらないということで、無力感を感じていたというのが本当のところです。

 東日本大震災でも明らかであったように、被災者にとっては情報こそが命であるわけです。今どういう状況なんだ、今後何があるのか、そして、どこに行けば何がもらえる、今後何時間ぐらい待てば助けてもらえる、そういう情報をしっかりと提供していただかなければいけない。

 地震や大雪だけではありません。例えば今後は、今まで余り予期されていない災害という意味では、富士山の噴火というようなこともあるかもしれません。そういったときに、被災者に向けてしっかりと適宜に情報発信を行うことを徹底していただきたいというふうに思いますけれども、この点、総理の御見解はいかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 まず、今回の大雪によって亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。そしてまた、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。

 政府としては、関東地方で雪が降り始める前の先週十四日、関係省庁災害警戒会議を開催いたしまして、古屋防災担当大臣から国民への呼びかけを行うとともに、十五日以降に、警察や消防による救出救助活動に加えて、各県からの、自衛隊は各県からの要請が必要でありますが、各県からの要請に応じて、自衛隊の災害派遣を速やかに行うなどの対応を行ってまいりました。

 そして、防災担当大臣による国民への呼びかけや、そして気象庁による随時の防災気象情報の発表に加えまして、十六日に開催した関係省庁災害対策会議以降、政府全体の対応状況についても、さまざまな媒体を活用して情報発信を行っているところでございます。

 もちろん、我々も、今回こうした情報発信の仕方について、今後、もっと工夫の仕方があるのではないかという観点から検討していきたい、こう思うわけでございます。

 我々が古屋大臣のもとにそれを発表しても、これは、例えば、テレビが情報としてこれを放送していけば、かなり速やかにこれは伝わっていくわけでございますが、そうしたことがないと、やはり、政府のいわばインターネット等々だけでは相当の限界があるのも事実でございますが、今後、そうしたことも含めてよく議論をしていきたいと思います。

 さまざまな今回御指摘をいただきました。真摯に耳を傾けながら、今回の対応を分析して、国民の安心につながる情報提供について今後も速やかに行うよう努めてまいる考えであります。

 野党の皆様からも改善すべき点について具体的な御提案をいただき、今後の対応に生かしていきたい、このように考えております。

三谷委員 ありがとうございました。今回の件を教訓に、ぜひとも次へつなげていただきたいというふうにお願いを申し上げます。

 続きまして、本日のテーマでございます公共放送について伺っていきたいというふうに思います。

 先日、映画の「永遠のゼロ」を私も拝見いたしました。この映画を見て、当時の日本の姿というものが非常によく描写されていたように思います。自分自身、父親が海上自衛官ということもありますし、私の尊敬しております祖父も、軍人として日本のために尽力をされたというような過去もございます。その意味で、一方的に当時の日本軍が残虐非道だというような類いの論調には共鳴することができません。

 しかしながら、我々みんなの党は、いわゆる歴史修正主義には立たないということでございます。サンフランシスコ講和条約を締結し、確立された国際社会の中で、自由や人権を尊重する自由主義国家の一員であるというこの価値観を共有しているんだという、この認識を否定するかのような誤ったメッセージを国際社会に伝えないようにする、そういうふうに配慮するということは、日本の国益にとって不可欠のことだというふうに考えております。

 さて、NHK経営委員長に伺いたいと思います。

 経営委員の百田尚樹氏が、先日、何らの留保なくという言い方をしますけれども、南京大虐殺や東京裁判を否定するかのような発言をされていた件に関して、もちろん、個人の思想としてそういうことを考えられるということはもちろん自由ではございます。よいと思います。

 ただ、政府見解と異なるという意味で、この発言がNHKの経営委員としてなされたということであれば、問題が出てくるかと思います。

 そこでまず、これらの発言がNHKとしての公式な見解なのか、それとも違うのか。また、違うということなら、誤解だということでしっかりと打ち消していただきたいというふうに思いますけれども、経営委員長の認識を伺いたいと思います。

浜田参考人 お答えいたします。

 個人の意見として御発言されたというふうに認識しております。

三谷委員 そういう意味では、個人の意見なんだからNHKの見解とは違うんだというような明確な答えをいただいたんだろうというふうに考えております。

 一方で、NHKの経営委員としての任命責任、これは放送法三十一条に基づくものですけれども、この任命責任を負う総理といたしまして、経営委員の発言がNHKの公式見解ではないということについて、改めてしっかりと確認させていただきたいと思いますけれども、総理、お願いいたします。

安倍内閣総理大臣 経営委員が個人的に行った発言については、政府としてコメントする立場にないと認識をしております。

 なお、放送法においては、個々の経営委員の考えが個別の放送番組の編集に反映されることがないよう担保されているところでありまして、また、経営委員は両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命することとなっておりまして、現在の経営委員の方々はそのような手続に従って適切に選任されたものと認識しております。

三谷委員 ありがとうございます。

 総理におかれても、そうやって明確に違うんだというようなことを説明されたということで、NHKとしては従来の政府見解というものに基づいている、それを理解しているんだというようなことだと認識をいたしております。

 それでは次に、籾井会長に対してもろもろの質問をさせていただきたいというふうに思います。

 先日の記者会見の場等々で行った発言に関しては、さまざまな場所でもう既に取り上げられておりますし、それに対して、さまざまな場所で釈明をされたりとか、現在調査中であるというようなことではございますので、これ以上この点について私は追及するつもりはございません。

 ただ、一点、お手元の資料を見ていただきたいんですけれども、配付資料でございますが、この資料によれば、NHKの偏向報道についてということなんですが、テレビの報道はみんなおかしいというような発言をされていたというようなことが、この週刊文春の記事に出ているわけでございます。この真意というものはどういうものかということについて、若干確認させていただければと思います。

籾井参考人 お答えいたします。

 週刊誌の報道とか、あるいは、そうじゃなくてもいろいろな意見の中でNHKの偏向報道ということが言われているということは、よく承知しております。

 NHKには、考査制度というのがあります。本当にこれをきちんとやっていけば、いわゆる偏向放送と言われないような放送、ここは誤解してほしくないんですけれども、そういうふうな放送、また、そういう批判も随分と減っていくものというふうに思っております。

三谷委員 ありがとうございます。

 偏向報道だというふうに断定してしまうと、では、全ての報道は今の放送法に反するのかというような話になってきてしまいますので、そうではなく、そういったことに心がけていただきたいというような言い方をぜひともしていただきたかったというふうには思うんですけれども、この点に関して言うと、籾井会長は本当にこれから重要な立場になるというわけですから、どうか、その意味では、軽々しいというふうに思われるような発言はぜひとも慎んでいただきたいというふうに思います。

 とはいえ、真意を的確に伝えられないといいますか、いわゆる失言の類いは、きのうからの例ではありませんけれども、与野党を問わずあるというふうに私も認識をしております。その意味では、言葉狩りをしても始まりませんので、続いて、前向きな話を伺いたいというふうに思います。

 国際放送についてなんですけれども、籾井会長は商社の出身でございます。ビジネスの最前線にいらっしゃったわけですから、そういう感覚に基づいてNHKの経営の方を頑張っていただきたい、まずはエールを送らせていただきます。

 近時、文化の力を外交に生かしていく文化外交、いわゆるパブリックディプロマシーの価値が脚光を浴びております。特に、従軍慰安婦の像が各地、世界的に建立されたりとか、日本海の呼称に疑義が唱えられたり、そういった話が世界で続いておりますけれども、それに対して、日本の立場を声高に反論するということだけではなく、しっかりと上手に主張をしていくということが不可欠なんだろうというふうに考えております。その文化外交というものを進めていく上で、NHKの国際放送というのは非常に重要なツールとなるだろうというふうに考えております。

 さて、このフリップを見てください。

 皆様も、BBCとかCNNというような番組、それから中国のCCTVとかアラブのアルジャジーラ、そういったものを御存じの方は多いと思いますけれども、NHKワールドTVを見てください。この視聴可能世帯数というのは、実は、BBCとかCNNというものとほとんど差がないというのが伺っているところなんですね。

 これは本当かなと私も何度かNHKの担当者の方に伺ったんですけれども、それはそうだと言うわけですから、それを前提に聞いていくわけですけれども。

 これだけ視聴可能世帯数がある中で、世界的には残念ながらまだまだ知られていないですし、このNHKワールドTVが世界で活用されているというような話も聞かないわけです。

 籾井会長には、NHKの国際放送を使った上での文化外交における国際放送の役割の重要性、そして、この国際放送というアセットを積極的に活用していくための秘策というものが何かあるのか、民間出身ということですから、ぜひともその点をお答えいただきたいというふうに思います。

籾井参考人 お答えします。

 今、委員御指摘のとおり、NHKの国際放送では、約二万七千世帯が受信可能ということになっているんです。(三谷委員「二億七千万」と呼ぶ)これは、おっしゃるとおり、BBCだとかCNNと余り変わらないんですね。

 そういう中で、余り活用しているという話を聞かないということで、これについては全くそのとおりで、我々が今からこれを世界じゅうの皆さんに見てもらうにはどうしたらいいかということで、今みんなで協議しているんですが、いわゆる文化面、日本の文化といいますと、音楽だとか、もちろん自然の問題とか文化等々、いろいろございます。アニメというのもあるんだと思うんですが、そういうことも含めていろいろ検討させていただきたいと思いますし、できるだけ早く実行させていただきたいと思っております。

三谷委員 ありがとうございます。

 どうか、せっかく使われている国際放送でございます。聞くところによると、一時間の枠を、三十分をニュース、三十分を広報番組というような形で分類して放送しているんだと。その広報番組の中身は、なかなかどうして、おもしろくないと言ったら失礼ですけれども、そういう意味では、アトラクティブなもの、魅力的なものとは言いがたいものが並んでいるというのがまだまだ現状だとは思います。

 ぜひとも、しっかりとエンターテインメントというものを、その価値を理解していただいて、これはクール・ジャパンにもつながる話だろうというふうに思いますけれども、日本はこうなんだとか、これはおかしいんだということだけではなく、日本の魅力というものをしっかりともっと使っていくというようなことを心がけていただきたいというふうにお願いを申し上げます。ぜひともお願いをしたいと思います。

 それでは、続きまして、積極的平和主義に関しての質問をさせていただきたいというふうに思います。

 昨年末閣議決定されました国家安全保障戦略においては、国際協調主義に基づく積極的平和主義を重視するというふうにされております。この考え方に基づきまして、国際社会の平和と安定及び繁栄の実現に我が国が一層積極的な役割を果たすということでありますけれども、その観点から、国際連合平和維持活動、いわゆるPKOを初めとする自衛隊の海外での貢献の意義というのは、今まで以上に重要となります。

 フリップを見ていただきたいと思います。もう既に、これだけの国において自衛隊がさまざまな活動を行っているわけでございます。

 そこで、この積極的平和主義における自衛隊の国際平和協力活動の意義と役割のこれからの重要性について、総理の見解を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 我が国は、二十年以上にわたって、国際平和協力のため、さまざまな地域に自衛隊を初めとする要員を派遣いたしまして、その実績は内外から高い評価を得ているところであります。

 今後、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国に対する国際社会からの評価や期待を踏まえまして、PKO等への要員派遣等を積極的に実施していきたいと考えています。

 まさに、国際協調主義のもとにおいて日本がこれまで以上に世界に貢献をしていく積極的平和主義においては、PKOは大変重要な手段であると思います。このような考え方は、昨年末に策定した国家安全保障戦略においても明記をしております。我が国の基本方針を内外に明らかにしたところでございます。

 我が国は、国際連合南スーダン・ミッションに現在も派遣をしているところでございますが、今後とも、PKO活動にしっかりと我々も貢献をしていきたい、このように思います。

三谷委員 ありがとうございます。

 そういう意味では、本当にこのPKO活動というものが今まで以上にその役割を大きくしていくというところになろうというふうに思います。

 PKOとして、もちろん自衛隊が、丸腰で行くわけではありません、しっかりと武装をして現地に派遣されていくというわけですから、これは何を意味しているかといいますと、やはり自衛隊を派遣する政府の側も、これを確認している国民の側も、国際貢献という崇高な目的で自衛隊は危険な地域へ派遣されているんだというその覚悟というものを改めて持っていかなければならないんだろうというふうに考えております。

 私も、先ほど述べましたとおり、自衛官の息子として育ったということもありますけれども、自衛隊の役割やそういうような使命というものを理解しているつもりではございますけれども、一方で、何か有事が起きた際には真っ先に家族を失うという立場にございましたので、もちろん、世界の平和のみならず、誤った議論に過剰な配慮をするということではなく、有事の際の自衛隊の安全確保というものも十分に図っていただきたいということを考えております。

 余り知られておりませんけれども、今、自衛隊は、先ほど首相がおっしゃいましたけれども、南スーダンにおいてPKO活動に従事をされております。

 南スーダンは、御存じのない方もいらっしゃるかと思いますが、平成二十三年七月、北部スーダンから分離独立した新興国でございます。これに基づいて、自衛隊は平成二十三年十一月から順次PKO活動を行っているというところでございます。

 このフリップを見てください。

 とはいえ、ちょうど、十九日、昨日ですけれども、一昨日から大規模な戦闘が発生したばかりでございます。南スーダンは、昨年末以来、治安状況がよいとは言えないということで、先日も、韓国軍の要請に基づいて、人道的見地から弾薬の提供というものを行ったばかりでございます。今なおこの件に関して韓国政府から感謝の意が表明されないというのは全くもって理解できないところではございますけれども。それはともかく、現にPKO活動は、現在、宿営地内のみに活動が制約されている、そういう状況にあるというのも事実だと思います。

 この南スーダンに関して、直ちに撤退をする状況にあるということではないと理解しておりますけれども、どうしても、その安全確保というものがなされているかということを考えてしまうわけでございます。情勢の変化に合わせて撤収を行ったゴラン高原のような例もあります。

 その意味で、具体的にどのような状況が起きた場合に自衛隊の撤収を行うというような、具体的な検討というものは行われているのか。これは官房長官にお答えいただきたいと思います。

小野寺国務大臣 自衛隊の活動について御評価をいただきまして、ありがとうございます。

 また、陸上自衛隊だけではなくて、海上自衛隊はソマリア沖・アデン湾におきまして海賊対処行動を今とっております。

 御指摘がありました、例えば南スーダンにおいての国際平和協力活動の実施に際して、状況が隊員の生命あるいは身体に危害を及ぼす可能性があり、安全の確保のために必要であると判断され、かつ防衛大臣の指示を受けるなどの暇、すなわち時間がない場合については、隊長の判断で業務を一時休止するということができることになっております。

 また、今御指摘がありましたが、いざというときのために、私どもとしましては、事態発生時の情報伝達要領を明確化しております。この緊急退避要領等を実は事前につくっておりまして、そのための訓練も行っておりますので、何か問題がありましたら速やかに対応できるようにということで考えております。

 なお、現地のジュバにつきましては、現地派遣隊の井川隊長と数次にわたり私もテレビ会談等をしておりまして、安全を確認しておりますし、おととい、ちょうどその発生が起きました十八日でありますが、南スーダンの赤松大使が防衛省においでになりまして、そこでも現地の状況を確認しております。

 一点つけ加えさせていただきますと、もともと南スーダンの部隊というのは施設で、道路等の整備で行っておりましたが、今回の状況の変化に伴いまして、実は自衛隊の宿営地のそばに大量の避難民が来ております。現在は、この避難民に対しての給水活動、あるいは避難民のためのキャンプ地の造成ということで、国連の要請を受けまして今全力でこのことに対応させていただいているということを御報告させていただきたいと思います。

三谷委員 ありがとうございます。

 先ほども申し上げたとおり、そもそもPKOというのは、例えば、なかなかJICAですとか一般的なNGOというものが丸腰では行けないというようなところにあえてしっかりと平和維持そして国際貢献のために行くというわけですから、当然危険はつきものだということが前提になるんだろうというふうに思います。

 先日、防衛省の担当者の方に伺ったところによれば、現地の自衛隊というものは、PKOの部隊として安全を確保するに足りるだけの装備を現在有しているということではございましたけれども、今々は首都のジュバというところで物すごい戦乱が起きているということではありません、ないというふうには聞いておりますけれども、いつ何どきそういったことが起きるかわからないという意味で、いわゆるPKO参加の五原則を満たさなくなるということも出てくる可能性もなきにしもあらずというふうに考えております。

 その場合には、現状のPKO参加の五原則が守られているもとでの身を守るための装備という意味ではこれは十分なのかもしれませんけれども、戦乱が急激に悪化したときに、よし、PKOから撤退しようと仮に思ったときに、そういう事態が起きてから撤退するまでのタイムラグというものがどうしても発生いたします。その場合に、何かあってはいけないという意味ですから、そういう意味での、通常の装備ではなく、プラスアルファのものをリスクマネジメントとしてしっかりと装備するということも検討されてはいかがかと思いますけれども、その点、いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 委員が御指摘になりましたPKOの五原則という中に、これは武器の使用ですが、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られるということがございます。私どもとしては、PKOの派遣については安全を最優先に考えておりますが、やはりこういうところでありますので、何か事態の急変ということもございます。そのときにも備えて、しっかりとした装備、訓練はしていると思います。

 なお、五原則を満たさない、例えば、停戦の合意が成立したとしても、現地の状況が、ちょっとこれはどうかなというときには、例えばゴラン高原で行ったように、総合的な判断で、これは防衛省として一時帰還をさせるということも当然ありますが、現在の南スーダンの状況はそういう事態ではないので、今は、自衛隊の宿営地に多数押し寄せている、二万人とも言われていますが、その避難民の皆さんの給水活動を含め、医療支援を懸命にしておるところでございます。

三谷委員 ありがとうございます。

 いろいろなシミュレーションをしっかりと重ねていただきまして、本日最初に申し上げております政府の危機対応、災害対応というところともこれは絡んでくるとは思いますけれども、いろいろなことを想定して、早目早目の対応というのをぜひともお願いしたいというふうに考えております。

 南スーダンに関して、これは一般的な話になりますけれども、先ほど申し上げたPKO参加の五原則ということがありますけれども、これは、今までの伝統的なPKOという意味では、二当事国の停戦合意というものが前提になっている。

 ただ、今回に関しては、新しい国をつくっていく、混乱から脱却させていくという意味では、必ずしもこの五原則がそのままうまく適用されるということでもないように思いますし、それだけではありません、これからの積極的な平和主義というもとで、日本が今まで以上にしっかりとした対応をしていくということを進めていかれるということであれば、今のPKO参加の五原則ということの見直しというのもしっかりと進めていかなければならないのではないかというふうに考えておりますけれども、その点、総理の見解はどうでしょうか。

安倍内閣総理大臣 PKOへの自衛隊の武器の携行については、初めてPKOとしてカンボジアに自衛隊が出ていった際に、あのときは、例えば、部隊について、機関銃が一丁とか三丁とか、今から思えば非常にばかばかしい議論がなされていたわけであります。丸腰で行けという議論もあったわけでありまして、そこの場に行く自衛隊員に対しては非常に失礼な議論だったのではないかと私は思うわけでございます。

 その中において、今後、さまざまなPKO活動について、どう五原則について考えていくべきかということでございますが、PKO参加等に関する問題についても、今現在、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において検討が行われておりまして、どう考えるかということについての議論が行われております。この検討結果を待ちたい、こう思っているところでございます。

金田委員長代理 三谷君、時間が参りましたから、もう間もなく、議論をまとめてください。

三谷委員 はい。

 ありがとうございます。

 それで、最後になりますけれども、あさって、竹島の日を迎えます。日本固有の領土でございます竹島の問題を解決するべく、国全体で努力を行っていくべきだというふうに考えておりますけれども、安倍首相におかれては、昨年から政務官を竹島の日記念式典に派遣されておりますが、ことしは無理でも、ぜひとも今後、機会があったら、竹島の日記念式典の方に御出席をいただきたいというふうに考えておりますけれども、竹島問題というものの解決に向けての首相の御認識を伺いたいと思います。

金田委員長代理 安倍内閣総理大臣、時間ですので簡単にお願いします。

安倍内閣総理大臣 竹島については、歴史的にも、これは国際法的にも、日本固有の領土であります。粘り強く韓国側と交渉していきたい、このように思っております。

三谷委員 以上です。終わります。

金田委員長代理 これにて三谷君の質疑は終了いたしました。

 次に、柿沢未途君。

柿沢委員 結いの党の柿沢未途でございます。

 まず、集団的自衛権の問題です。

 私たちも党内で外交安保部会というのを立ち上げまして、この問題について議論を行っております。安保法制懇の議論も進んでおりますけれども、これまでの確立した憲法解釈を変更しようということですから、これは慎重な議論が必要とされるのは、誰もが一致をできるところなんだと思います。

 その一方で、アジアの安保環境も激変をしている。日本を取り巻く地政学的なリスクも高まっている。こういう状況を考えると、安閑としていられないのも、これまた事実だと思います。

 そこで、まず、原則論を確認させていただきたいと思うんですが、憲法九条の条文をどう考えるか、これはともかくとして、日本のあるべき国家像というのは、実はこの点において、誰もが余り大きく変わるものではないんではないかと思うんです。日米同盟を基盤として、極力軽武装で、そして抑制的な実力組織を維持して、同時に、国連の平和維持活動等を通じて国際社会の平和と安定に寄与する、これがやはり日本のこの分野における基本線ではないかと思います。

 安倍総理はこの点についてどのようにお考えになられておりますか、まず、お伺いします。

安倍内閣総理大臣 日本の基本線とは何かといえば、まず、戦後六十九年の歩みでありますが、日本は敗戦後、自由で民主的な国をつくってきたわけであります。自由と民主主義をしっかりと守り、法をたっとび、そして基本的人権を守る、さらには国際社会に対して貢献をしてきた国であります。平和国家としての道をひたすら歩み、その歩みは今後とも変わらないわけでございます。

 そこにおいて、いわば安全保障においては、日米同盟を基軸としつつ、これは外交、安全保障の基盤でありますが、同時に、日本としても、日本の国民の生命と財産と領土、領海、領空を守るべく努力を重ねていくということではないかと思うところでございます。

柿沢委員 まさしくそのとおりだと思います。

 このことを敷衍してお尋ねをさせていただきたいと思います。

 安倍総理は、先日の予算委員会の元外務大臣岡田克也委員の御質問に対して、以下のような答弁をされておられます。

 個別的な事例について安保法制懇において議論をしている、変更によって何でもできていくというような、例えば、米国が集団的自衛権の行使として行うようなことを日本がやるのかといえば、それは全くそんなことはない、何といっても九条があり、二項があるわけで、その中で集団的自衛権の行使の可能性、つまり、これは相当限定的に議論がなされている、こういう御認識を披露されておられました。

 集団的自衛権、解釈改憲というと、何か大変危険な選択をするかのように思われがちなんですけれども、先ほどの御答弁をお聞きして、また、このパネルで示されている岡田克也委員に対する御答弁を拝見している限り、非常に限定的で、抑制的なことを安倍総理もお考えであるというふうに私は推察をいたします。

 もう一個のパネルをお願いします。

 第一次安倍政権の安保法制懇のころから議論をしてきた、いわゆる四類型がこれですね。例えば、PKOにおける駆けつけ警護、先ほども南スーダンの話がありましたけれども、私たちの立場でも、こういうことはやっていいことなのではないかと思っています。

 これらを集団的な自衛権の行使と位置づけるのか、あるいは個別的自衛権の範疇と考えるのかという点ではいろいろ議論はあるんですけれども、しかし、このパネルの四類型のようなこれらの行為を、これは憲法制約に基づいてやってはいけないというふうに私たちも考えているわけではないんです。そういう意味では、とやかく言われる割には、安倍総理とも、例えばお隣の維新さんとも、私たちが考えていることにはそう大きな開きがあるわけではないのではないかというふうに思っています。

 ただ、集団的自衛権の行使を前提なしで認めるということになれば、これは、自国が攻撃されていないのに戦闘行為に加わる、こういう話でありますから、場合によっては、そのときの政権の判断次第で恣意的に拡大解釈をされる、これは相当危険なことにもなり得る話だと思います。

 パネルをかえてください。

 これは集団的自衛権に関する過去の事例であります。アメリカのベトナム戦争、あるいはプラハの春におけるソ連初めワルシャワ条約機構軍のチェコに対する侵攻、またソ連のアフガニスタン侵攻、アメリカによるニカラグアの反政府ゲリラに対する支援、これは国際司法裁判所で後々になって集団的自衛権の要件を満たしていないといわば敗訴をした案件でありますけれども、しかし、こうした案件が、まさに集団的自衛権という名のもとに行われた武力行使の例であります。

 以上を見ると、大国による軍事干渉、これを正当化する論理としてこの集団的自衛権というのがいわば拡大解釈されてきた歴史的な経過は、これは否めないのではないかと思います。

 アフガニスタンにおける対テロ戦争、不朽の自由作戦、これは九・一一を受けたアメリカの自衛権行使として行われて、NATO加盟国は、NATO条約五条に基づく集団的自衛権として、このアフガンにおける武力行使の活動に参加をしたわけであります。このとき日本に集団的自衛権の行使が認められていたのであれば、例えば日米安保条約に基づいて、アメリカの要請に応じて、自衛隊の派遣が可能だったかもしれません。端的に言って、あのときできたとしたら、ではアフガンに自衛隊を派遣しただろうか、こういう問いになってくるわけであります。

 同盟または密接な関係にある自国以外の国が自衛権の発動として軍事行動を行う、こういうときに、そのときそのときの参加の可否を日本政府としてどう判断するのか。先ほど、限定的な議論、こういう御答弁があったことを踏まえて、安倍総理の御見解をお尋ねしたいというふうに思います。

安倍内閣総理大臣 集団的自衛権の行使についての解釈についての議論でございますが、これは、今委員が示していただいたように、この四類型について、これは全てが集団的自衛権の行使ではございませんが、議論を重ねてきているところでございます。

 そこで、先ほども別の委員との議論の中で御紹介をさせていただきましたが、基本的には安保法制懇の議論の結果を待ちたいと思いますが、この安保法制懇の議論の中においては、そもそも、日本の個別的自衛権の行使においては九条によって制約がかかっているということでありまして、これは必要最小限ということになっているわけでございます。そこで、そうした制約については、個別的自衛権に対してかかっているわけでありますから、それが集団的自衛権の行使にかかっていないということではないだろうという議論が当然あるわけでございます。

 ここで今委員が例として挙げられた伝統的な形の集団的自衛権の行使でございますが、今この四類型にあるような集団的自衛権の行使を、権利は持っているけれども行使できないということによる、さまざまな事象に対する対応ができないということについては、果たしてどうなのか。国際社会の情勢の変化の中において、一つの国で自国を守ることは不可能になってきているこの状況の中において、自国のみで守ることができないという中において、自国の安全を守るためには、自国と密接な関係がある国との関係、あるいは地域の安全と平和が決定的に必要であるという観点からの対応等々について、こうしたことについて議論をしているということでございます。

柿沢委員 総理の御答弁の、今おっしゃられた限りにおいては、私たちも全くそうだと思うんです。

 ただ、集団的自衛権そのものを前提なしに容認する、保有する国家固有の権利として行使を認めるということになった場合、その先には、今パネルで出しているようなこうしたケースにおいても日本が参加をすることには道が開けてしまう、こういうことを申し上げているわけであります。

 この集団的自衛権をめぐるさまざまな議論の背景には、かつて湾岸戦争において、例えば、百三十億ドルの資金支援をしたのに、人的貢献がなかったということで感謝広告から日本の名が外されてしまった、あるいは、イラク戦争において、ブーツ・オン・ザ・グラウンド、そういう話があった、こういう過去のいろいろな経験があって、やはり日本もこうした場合において人的な貢献を可能な限り行えることが必要ではないか、こんな議論があったというふうに思うんです。

 これら、例えば湾岸戦争、イラク戦争というのは、集団的自衛権というよりも、国連決議に基づく集団安全保障として武力行使が行われたケースであります。

 イラク戦争でいえば、アメリカが開戦した根拠というのは、湾岸戦争の停戦を根拠づけた国連安保理決議六八七、これに対する違反で、軍縮の義務を果たしていない、大量兵器があるじゃないか、こういうことが開戦の理由になったわけです。これについても、大量兵器はあったのか、なかったのか、開戦の根拠は本当にあったのかということについて、相当疑義を持った議論が今もなお続いているという状況にあります。

 これら集団安全保障としての武力行使についても、これは安保法制懇で安倍総理も問題提起をされておられて、憲法前文で国際協調主義を掲げて、九十八条で国際法遵守義務を掲げる日本が、国連の集団安全保障措置への参加に消極的な姿勢でいいんでしょうか、こういうふうにおっしゃられています。

 これも、場合によっては、かなりグレーなところで戦端を開くということがあり得る分野だと思います。こうしたものに道を開いていくとすれば、日本政府はどのようなときに、どのような原理原則に基づいてかかわり方をするということになるのか、今段階でのお考えをぜひお伺いさせてください。

安倍内閣総理大臣 今委員が指摘をされました、集団安全保障の中において国連の決議があって、いわば各国が警察行動としての行動をとったときでありますが、その検討におきましても、日本は何ができるかということについては、これも安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において検討を進めているところでありまして、この検討の結果を待ちたいと思います。

 この懇談会でどんな議論が行われているかということを一部紹介させていただきますと、今委員が御指摘になったような、イラクのクウェート侵攻のような事態に際しまして、これはイラク戦争の前の湾岸戦争でございますが、国連憲章第七章のもとで、国際の平和と安全を回復するために、加盟国に対してあらゆる必要な手段をとる権限を与える安保理決議が採択された場合でも、我が国は、攻撃された国を救援する国々のために武器や弾薬を運んだり、これらの国々の海軍の艦船を守ったりすることができないが、それでよいのかという議論であります。

 いわば、今行っていることは、武力行使と一体化するかどうかという議論でありまして、戦闘そのものに参加をするという議論ではなくて、いわば一体化論について主に議論を行っているということであります。

 この一体化につきましても、かつては、医療行為をするということについても一体化という議論があったわけでございます。今は幸いそういう議論は行われなくなってきたわけでございますが、かつては、医療行為をして、その兵士が元気になってまた戦闘に出ていく可能性があるから、これも武力行使と一体化するのではないか、こんな議論がありまして、そうなれば、ナイチンゲールがしている行為も武力行使になってしまうではないかという議論もあったことを私は記憶をしているわけでございますが、今申し上げたようなことを安保法制懇において議論をしているわけであります。

 いずれにいたしましても、懇談会におきましてはどのような議論が行われていて、何が課題であり、何を達成しようとしているのかを、個別具体的な事例に即してわかりやすく今後説明をして、国民的理解が一層進むように努力をしてまいりたい、このように思います。

柿沢委員 戦闘行為には参加をする、そういう議論を行っているわけではない、いわば、日本ができる範囲でどのようなかかわり方が可能か、そうしたことをいわば抑制的な立場で議論を行っているということなんだろうと思います。

 最初の、この御答弁のところに立ち戻っていくと、九条があり、二項がある、だから、これは相当限定的な議論なんだと。その上に書いてあるとおり、アメリカが集団的自衛権の行使として行うようなことを日本がやるのかといえば、全くそんなことはない、こういうことをおっしゃられているわけで、この、アメリカが集団的自衛権の行使として行っているようなことを日本がやるわけではないということの真意を、いま一度改めてお伺いさせていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 これは、今、安保法制懇でさまざまな議論が行われておりますが、私も出席をしている中において、先ほど申し上げましたように、そもそも、現行の憲法の九条、特に二項によって個別的自衛権の行使に対しても制限がなされているわけでありまして、当然それは集団的自衛権の行使に対してもかかるであろうという議論が主流であると言ってもいい、このように思います。

 その上において、安保法制懇の議論がなされ、そして結論が出てくるわけでございますが、そして、それを受けて、先ほど来申し上げておりますように、法制局を中心に政府として検討を進め、与党とも調整をした上で閣議決定をするわけでございますが、そこですぐに自衛隊がその新しい閣議決定にのっとって行動ができるわけではありません。

 自衛隊が行動する上においては、自衛隊法によって担保しなければならないわけでありますが、今の自衛隊法は、そもそも、集団的自衛権の行使については、これはいわば行使できないという中において自衛隊法ができているわけでございますし、また、海外における、先ほどのPKOの五原則もそうでありますが、武器の使用の権限についても、これは相当抑制的になっているわけでございます。

 また、あるいは駆けつけ警護についてもそうでありますが、そうしたもの等々も踏まえまして自衛隊法の改正を行っていくということになるわけでありまして、この改正を行っていく中においても、これはさまざま、シビリアンコントロールをしっかりときかせていく、あるいはまたその中で限定的な縛りもさまざまかかっていくということも議論の中においてはあり得るわけでございますから、そういうことにおいて初めて自衛隊はさまざまな、必要な行動をとることができるということになっていくのではないか、このように思います。

柿沢委員 こういう御答弁をいただくわけですけれども、しからば、これをどういうふうに担保ができるのか。安倍総理はこういう御答弁をされておられますから、私は変なことはしませんということで、それはそれで理解をしたいと思うんですけれども、しかし、では、次の総理、次の次の総理が本当にそうした判断を行うか。

 原発事故のときに、混乱をもたらしたとされる総理大臣の名前を挙げて、こういう人がいると誰々リスクが起こるとか、こういう話がありましたけれども、そのときそのときの政権の恣意的な判断でどこまでも拡大解釈されていってしまう、こういうことが起きてしまえば、結局、今どういう御答弁をいただいても、これは担保にならないということなんだろうと思うんです。そういう意味では、何を認めて何を認めないのかという原理原則、プリンシプル、そして国会の議決といった適正な手続、こういうデュープロセスも必要だと思います。

 例えば、十二月に閣議決定された国家安全保障戦略を見ますと、シーレーンの安全確保ということで、ペルシャ湾、ホルムズ海峡、紅海、アデン湾、こういうところまでシーレーンの安全確保に日本が貢献をする、こういうふうに読めるような文言が書いてあるわけです。しかし、ここを守るためにアメリカと護衛艦を出そうということになると、これは、日米安保条約の適用範囲が日本の施政権下の領域となっているのを大きく超えてしまいます。

 地理的にも、態様、あり方的にも必要かつ最小限度と認められる要件を明示して、自衛権行使のあり方について明確化する、こういう立法措置がやはり必要になってくるのではないかと思います。恣意的な解釈によって、集団的自衛権の法理を使って必要以上の武力行使に将来道を開くことがないように、我が国の自衛権のあり方について厳格な外枠を示す。

 ここのところ、安全保障基本法の制定というのを見送るかのような報道、観測が出ていますけれども、こうした立法措置によってこのことを担保していく必要があると思いますけれども、御見解をお伺いします。

    〔金田委員長代理退席、森山委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 まず、国家安全保障会議をつくって、我が国の外交防衛政策において、これは透明性を持って国家安全保障戦略をつくって、海外に示しているわけであります。つまり、我が国の外交・安全保障政策は透明性を持っているということをまず申し上げておきたい。そして、防衛力においても透明性を持っているということははっきりと申し上げておきたいと思います。

 その上において、これはまさにデュープロセスなんですよ。一点の曇りもないデュープロセスですよね。

 これについては、我々はそもそも、自民党としては長い間、集団的自衛権の行使について議論を行ってきました。今、例として挙げられた国家安全保障基本法について、これはつくっていく。その中においては、集団的自衛権の行使についての解釈を変えていく必要が当然それはあるわけでございますが、それを我々はJ―ファイルにおいてお示しした上で選挙戦を戦っているわけであります。我々は我々の姿勢をお示しして選挙戦を戦っている、これははっきりと申し上げておきたいと思います。

 その上に立って、私たちは、安保法制懇をつくって、有識者の皆さんに議論をしていただいている。この議論において結論を得た上において、法制局を中心に、これはいわば閣議決定に向けての中身について詰めていくわけでありますが、与党と当然調整をした上で、これは閣議決定をしなければ方針が決まらないんですから、その上において決まった閣議決定においては当然国会で議論をしていただくことになりますが、法的担保が必要、まさに法的担保が必要ですから、自衛隊法等々をその上に立って改正していかなければならないのは当然のことであります。

 自衛隊法がなければ、自衛隊法の根拠がなければ自衛隊は活動できない。(発言する者あり)済みません、ちょっと静かにしていただけますか。この二人で議論しているんですから。うるさいとちょっと答弁をやめざるを得ないんですけれども。よろしいですか。

 その上でお話をいたしますと、つまり、自衛隊法を変えて、自衛隊法の担保がなければ自衛隊は活動できないわけですよ。

 その中で、例えば、自衛隊法を改正して、海外で邦人の輸送ができるようになりましたね。安全を確保して邦人を救出に行きます。安全を確保した上で邦人を救出に行きますが、そういう状況になった国でありますから、いつ状況が変わるかもしれない中において、まさに邦人を救出する寸前に、この邦人がテロリストによって襲われた段階においては、彼らを助けることが今はできないんですよ。完全武装であったとしても助けることができない。そして、そういう状況になった国の、貧弱な体制かもしれない警察にお願いをするかもしれない間に、お子さんの生命に危機が訪れるかもしれないわけですよ。果たしてそれでいいのかということなんですね。

 しかし、そこは、法的担保がなければ、それはできませんよ。ですから、そういう法的担保もしっかりとつくっておこうということでございます。

 つまり、今申し上げましたように、自衛隊は、法的担保がなければ行動もできませんし、武器の使用についてもそこで初めて可能になってくるわけでありまして、つまり、勝手に、恣意的に、ただ解釈を変更した中において何でもできるというわけでは全くないということははっきりと申し上げておきたい、このように思います。

柿沢委員 自民党さんは、まさに安全保障基本法ということで、その法的担保を大枠として明確化し、そして、それにのっとって法体系を整備する、こういう考え方だったんじゃないんですか。

 つまり、そうした皆さんの政策にも掲げられた、また、たしか法案、議員立法案そのものも既に用意されておられたと思います。そうしたものは、このたび、この集団的自衛権の問題、閣議決定を行うに当たって、法的な措置としては講じない、こういうことですか。

安倍内閣総理大臣 安全保障基本法の中において、安全保障基本法は、まさに我が党が野党時代にこの法案を出して、そしてしっかりと御審議を願おう、こう考えたわけであります。その中における問題意識として、集団的自衛権の行使については、基本的に、これは行使について解釈の変更を迫るものであります。

 しかし、政府として提出する場合は、これは、解釈として変更しなければそもそも憲法違反の法律を出すことになってしまうわけでありますから、当然、順番としては、まず、憲法解釈についての議論を深めて、変更する場合は変更し、そして、それを閣議決定した上でなければ法律を新たに出すことはできないのは当たり前のことでありまして、そうでなければ、当然、これは違憲立法をしようとしていることになっているわけであります。

 ですから、その当たり前のことをデュープロセスにのっとって我々はやろうとしていることであります。

柿沢委員 いずれにしても、解釈変更をやった上で法制度の整備をやるということはわかるんですけれども、今まで掲げてきた安全保障における基本的な枠組みを示す立法措置というのを明言はされないということで、どういう変化があったのかなというふうにも感じるわけであります。

 最後の質問で、NHKさんにちょっと来ていただいていますので、会長にお尋ねします。

 籾井会長は、緩んだボルトを締め直すと就任会見でおっしゃられました。その上で、慰安婦の問題とか、あるいは政府が右と言うものを左とは言えないとか、こういう一連の発言について全て取り消されているわけです。緩んだボルトを締め直すというからには、ほかの部分は取り消されているわけですから、これは綱紀粛正とかガバナンスの問題を指しているのかなと思うんです。

 NHKというのは、これはもう天下り天国みたいなところで、このパネルを見ていただきたいんですけれども、NHKの子会社を見ていると、主要なものを見てください、常勤役員は全部天下り。そして、役員の平均報酬、平均で一千五百万。そして、NHKの本体から七〇%、八〇%の受注をしていて、剰余金は全部合わせて九百六十五億円もため込んでいる。これは全部、皆さんが払った受信料から賄われているものですよ。

 こういう天下りの問題を正そうと思って、関連団体の指針というものが改正をされました、平成二十三年に。そして、子会社、関連団体の役員に天下り、再就職をする人の年齢上限というのは、これは再任だったとしても六十四歳まで、こういうことになっています。

 籾井会長が就任をされてから、二月九日付で、NHKの副会長さんが、NHKエンタープライズ、この天下り会社の一番上のところに書いてありますが、この会社の特別主幹という職に再就職をされておられます。

 この方、今お幾つですか。

籾井参考人 お答えします。

 六十六歳です。

柿沢委員 関連団体への役員の天下りは、六十四歳が再任でも上限だというんですよ。それを、何で六十六歳の人を就任早々いきなり天下りさせているんですか。組織内のガバナンスの問題も含めて、籾井会長、全然目が届いていないということなんじゃないですか。

 こういう状況を、皆さん、指摘をさせていただきましたけれども、籾井会長、これで、緩んだボルトを締め直すという役割を籾井会長はできるんですか。お尋ねします。

籾井参考人 御承知と思いますけれども、この副会長は、前、エンタープライズの社長をやっておりました。そして、このたび副会長を退任されたわけですが、その経験を生かして、そういうことでエンタープライズに、エンタープライズの要請により特別経営主幹として入られたということでございます。

柿沢委員 こんな理屈で認めるのでは話にならない、こういうことを申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

森山委員長代理 これにて柿沢君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 きょうは、米軍普天間基地問題について総理に質問をいたします。

 今月四日の当委員会でも、名護市長選挙で示された民意の問題を取り上げました。政府は、名護市民の意思と全く関係なく、辺野古への新基地建設を推し進めようとしております。

 きょうは、今政府が進めようとしている計画がどういうものなのか、まず、自然環境の面から取り上げてみたいと思います。

 改めて確認をしたいと思いますが、建設予定地である辺野古とその東側に広がる大浦湾は、国際的にも非常に貴重な自然環境が残されているところであります。

 まず、委員の皆さんには資料を配ってありますが、パネルをごらんになっていただきたいと思います。

 これは、絶滅危惧種のジュゴンとウミガメ、これがこの海域を一緒に泳いでいるところであります。ジュゴンは、かつては琉球諸島のどこにでも見られました。しかし、今では沖縄本島北部の周辺にわずか残るのみで、絶滅の危機に瀕しております。ジュゴンの餌場である海草藻場が広がっているのが実は辺野古の沿岸部で、ここを埋め立てて米軍の飛行場をつくるというのが政府の計画であります。ウミガメも、辺野古の砂浜にたびたび上陸をして産卵しているのが確認をされております。これがジュゴンとウミガメが一緒に泳いでいる写真であります。

 次に、もう一枚のパネルを見ていただきたいと思います。

 これは、アオサンゴという種類のサンゴです。二〇〇七年に、大浦湾内の、地元でチリビシと呼ばれている場所で発見をされました。アオサンゴの群集としては石垣島の白保が有名ですが、沖縄本島で非常に規模の大きな群集が見つかったということで、大変大きな注目を集めました。

 また、大浦川などの河口の付近にはマングローブが生い茂って、干潟には、トカゲハゼを初め、さまざまな希少種が生息をしています。アジサシという渡り鳥もやってまいります。

 あそこの自然の特徴というのは、山と川と海が一体となって絶妙なバランスを保ちながら、非常に高い生物多様性が保たれていることにあります。

 総理に認識を伺いますが、辺野古、大浦湾がこうした貴重な自然環境が残された場所だということは御存じですか。

小野寺国務大臣 辺野古、大浦湾だけではなくて、沖縄には大変自然環境豊かな生物種がいるということは承知をしております。

 今回の普天間飛行場代替施設建設事業に係りますこのような問題については、環境影響評価書に対して沖縄県からの意見を勘案しまして、自然環境及び生活環境の有識者で構成いたします研究会の提言を踏まえて、環境影響評価書の補正を行い、補正後の環境影響評価書を、平成二十四年十二月に沖縄県知事に提出をしたところであります。

 また、本事業に係ります公有水面の埋め立てに当たりましては、公有水面埋立承認願書に、環境保全に関して講じる措置を記載した図面として、補正後の環境影響評価書を添えて添付しており、この内容を踏まえ、昨年十二月に沖縄県知事から埋立承認を得たということであります。

 なお、この埋立承認に当たりまして、沖縄県知事は、専門家、有識者から構成される環境監視委員会の設立など、工事中及び供用後の環境保全対策等について留意事項を付しておりますので、私どもも最大限努力をしてまいりたいと思います。

 なお、環境影響評価書におきましては、同研究会からの提言も踏まえまして、例えば、サンゴ類に関しては、埋め立てにより消失するサンゴ類を適切な場所に移植をするということ、ジュゴンに関しては、工事に伴うジュゴンへの影響を避けるため、ジュゴン監視・警戒システムの構築などによりジュゴンの生息位置を確認するということ、ウミガメ類に関しましては、埋め立てによるウミガメ類が産卵する海浜の一部が消失することから、他の海浜でウミガメ類の上陸、産卵に適した環境を整備するということであります。

 御指摘のサンゴ、ジュゴン、ウミガメに関して、このような環境保全措置をとっていきたいと思っております。

赤嶺委員 防衛大臣、どんな手続をとったかというのは、これから聞いていくんです。たっぷり答えてください。しかし、手短に答えてください。聞かれてもいないようなことを延々と、首相をかばうようにしてきて。

 私は首相に、大浦湾と辺野古がこんな貴重な自然であることを認識しておられますかという認識を聞いたんですよ。

 首相、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 私も、当然、認識をしております。

 その上において、さまざまな配慮あるいはしっかりとした調査を行いながら対応していくことを、我々は今検討しているところでございます。

赤嶺委員 それでは、防衛大臣、その環境アセスにおける検討について聞いていきたいんです。

 環境アセスメントを、皆さん、基地の建設に当たって実行いたしました。その結果を添付して、昨年の三月、沖縄県に対して埋立申請書を提出いたしました。そこでは、基地建設がジュゴンの餌場である海草藻場について、これは先ほどお答えになりませんでした、海草藻場に与える影響について、このように記載をされております。「過去には辺野古地先の海草藻場において食跡が確認されていますが、事業実施区域周辺で確認される現在のジュゴンの行動範囲や餌場の利用状況からみて、辺野古地先の海草藻場へ移動し採食する可能性は小さいと考えられます。」このように書かれているわけです。

 ジュゴンが建設予定地である辺野古の沿岸にやってきて海草を食べる可能性は小さいということですが、防衛大臣、そういう見解ですね。短く答えてくださいよ。

小野寺国務大臣 委員がどこまでジュゴンの生態を知っていらっしゃるかわかりませんが、私がジュゴンの生態で報告を受けましたのは、むしろ、沖縄本島におきましては、東シナ海側の方に通常多く生息をし、そして、この辺野古沖でありますが、太平洋の方に来るのはほとんどごくまれだということを承知しております。

 また、海草を食べた跡、はみ跡ということでございますが、その確認も、これは確かに見られておりますが、少なくても、このはみ跡というのは、例えば、平成二十四年冬季までの調査においては、平成二十一年六月、平成二十四年四月から六月にかけて、計四回、このはみ跡は確認しているということであります。

 このように、時折この海域に来るということは私どもも確認をしておりますので、工事に当たっては、ジュゴンにこの海域で、工事の中で危害が与えられないような、そういう対応をしっかりとっていきたいと思っております。

赤嶺委員 はみ跡は辺野古の中でも確認をされていると。四回と言いましたが、何カ所ですか。

小野寺国務大臣 御存じのとおり、ジュゴンが藻場を食べる、はみ跡をする場というのは……(赤嶺委員「何カ所ですかと聞いているんですよ」と呼ぶ)委員、食べるというのは面を食べるわけですから、ここでぱくっと一カ所、ここでぱくっと二カ所という、そういう数え方はできないので、済みません、あくまでも回数ということで、計四回というふうに御理解をいただければと思います。

赤嶺委員 防衛大臣、自分たちが出した報告書ぐらいはちゃんと見てくださいよ。防衛省は報告書を出しているんですよ。沖縄防衛局の調査報告書で、ジュゴンが辺野古の沿岸にやってきている、これも確認されています。二〇一二年四月から六月にかけてとおっしゃったのも、そのとおりです。

 私は、数えてみました。皆さんが出した資料で、写真にちゃんとこう点々が打ってありますから、ぱくっと食べてわからないという状態じゃないですよ。皆さんが出した資料を見たら、十二カ所、はみ跡がきちんと、印、マークがついているんですよ。答弁するなら、自分たちが出した報告書ぐらいきちんと確認して、後ろから何か紙を出されて答弁して、時間稼ぎはやめていただきたいと思うんです。

 ただ、辺野古に来ていることは間違いないわけですね。しかも、この資料というのは、皆さんがみずから明らかにしたのではなくて、共同通信社が情報公開の請求でやったものであります。そうなると、辺野古地先の海草藻場を採食する可能性は小さいという埋立申請書の評価は間違いだったということ、これはお認めになりますか。

小野寺国務大臣 ジュゴンのはみ跡の数ということでありますが、私は、実際、調査を行いますジュゴンの研究者からこの経過について報告を受け、今委員が御指摘になったように、確かにジュゴンが回遊する場合はありますが、主たる生息域は、この太平洋側、キャンプ・シュワブ沖ではないというふうに報告は受けております。

赤嶺委員 辺野古にやってくる可能性は小さいということを言いながら、実際には辺野古に来ているわけです。埋立申請書の評価が間違っていたということは明らかであります。調査の最中に四回ということですからね。調査が複数年、このように調査していくと、大体、ジュゴンの生活史やジュゴンの動きというのはわからないわけですから。

 ただ、もう一点聞きますが、政府は、はみ跡の多くは、辺野古地先ではなく嘉陽地区だ、このように報告しております。

 嘉陽地区というのは、建設予定地から北東方向へわずかしか離れていないところであります。そこでは、埋め立てに使う海砂が採取される計画になっています。ところが、それが海草藻場に与える影響については、評価が行われていません。その場所で海砂を採取することは、埋立申請書の段階になって我々も初めてわかったこと、明らかにされたことであります。

 防衛大臣に引き続き伺いますが、嘉陽地区での海砂の採取、これは、ジュゴンに与える影響は評価されていない、皆さんのアセスの中ではされていない、その点は確認できますね。

小野寺国務大臣 ジュゴンの問題だけではなくて、今の海砂の採取の問題だけではなくて、今回、埋立承認に当たりまして、沖縄県知事からは、専門家、有識者から構成されます環境監視等の委員会の設立をして、そして、工事中及び供用後の環境保全対策についてしっかり対応していただきたいということがございます。

 今委員の御指摘のことについても、沖縄県知事から要請があった内容について、私どもとしてしっかり対応させていただきたいと思っております。

赤嶺委員 ジュゴンが海草を一番食べている地域は嘉陽の海岸であります。その海草藻場が生えているそばで業者が海砂を採取する。すると、そこの海草藻場は破壊されてしまうわけですね。破壊されてしまうかどうかについても、防衛省はアセスの中で評価しておりません。適切な評価があったとは思えないわけです。

 総理にもう一度、認識を伺います。

 ジュゴンのはみ跡が確認されている場所、ここを埋め立てるのが政府の計画です。海草の移植を検討するとかとよく言いますが、これが成功する保証もありません。ジュゴンのはみ跡が最も多く確認されている嘉陽地区も、海砂採取の影響は調査されておりません。ジュゴンの生息環境が守られる保証はないということではありませんか。

 総理、お願いします。もう防衛大臣はいいです。総理。

小野寺国務大臣 委員に承知をしていただきたいのは、私どもとして、沖縄の自然環境がすばらしいということは重々わかっております。ですが、この話の根本は、普天間の危険性除去をいかに早く進めるかというところ、そこから話を進めさせていただいております。

 ぜひ御理解いただきたいのは、私どもも環境に最大限気を使って、配慮しながら今回の工事を進めさせていただきます。そして、一日も早く普天間の危険性の除去、このために御協力をいただきたいと思います。

赤嶺委員 普天間を辺野古に移したいから環境アセスの手続は省きました、環境アセスの手続は十分にやっていません、こんなのが法治国家で通りますか。乱暴な環境アセスというのははっきりしているんです。自然環境についてそういう経過がありました。環境アセスの法の手続を踏まえないで今日まで来ている。

 次は、生活環境の問題について伺っていきたいと思います。

 政府は、これまで米軍機の運用に伴う騒音については、滑走路をV字形に配置し、飛行ルートを海側に設定するから影響は低減できると説明をしてきました。しかし、現在でもオスプレイは、学校や病院の上空を含めて、沖縄本島全域を自由勝手に飛び回っています。

 海上に設置した飛行ルートが守られる保証、これはどこにあるのですか。

小野寺国務大臣 現在の普天間飛行場は市街地の中にあるということはもう委員も御存じだと思います。ですから、このところから北部の訓練場に行く場合には、どうしても市街地の上空を通る。私どもとしては、これをできるだけ軽減したいということで、今回の、キャンプ・シュワブ沖に滑走路をつくり、そこに移設をする。そうすれば、基本的に、市街地を通らず、人家の上を通らず、北部の訓練場に行ける。それで騒音の軽減を行いたい、あるいは危険性の除去を行いたい。それで、今回の案をつくらせていただきました。

 環境面については重々配慮して対応してまいりますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。

赤嶺委員 防衛省は、あるいは政府は、繰り返し、今の防衛大臣のような答弁をやってまいりました。

 それに対して、沖縄県の環境生活部が昨年十一月、埋立申請の可否を検討する過程で、部の意見をまとめた文書があります。そこにはこのように書かれております。

 既存の米軍基地の運用に照らすと、当該代替施設が供用された後に、米軍に周知するあるいは要請するとしている環境保全措置などが適切かつ確実に実施されるとは考えられない。平成八年に嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音規制措置が日米合同委員会において合意された後も、航空機騒音に係る環境基準を達成できない状況が続いており、航空機騒音問題は、依然として米軍基地から派生する最も大きな環境問題の一つとなっている。このようなことから、事業者である国は、米国政府と環境特別協定を締結するなどの実効性のある方法により、米軍基地から派生する環境問題の未然防止と米軍基地周辺の生活環境及び自然環境の保全に万全を期すべきである。

 このように言っております。

 つまり、皆さんが繰り返し答弁してきたことは実効性があるものとは認められない。これは、沖縄の米軍基地を知っている人、体験している人なら誰でもわかりますよ。そんな言い分が通るわけないです。ルールを守らないのが米軍であります。それで、沖縄県は……(発言する者あり)そうですよ、ルールを守らないのが米軍ですよ。守っていると言うなら、根拠を挙げてください。

 それで、沖縄県は、環境生活部は、環境補足協定を締結してでもルールを守らすべきだと言いました。その環境補足協定は、航空機騒音の問題、これは協議の対象になっていますか。

岸田国務大臣 昨年十二月、安倍総理と仲井真知事との会談が行われまして、その際に、仲井真知事の方から沖縄の負担軽減に関しまして要望が示されております。政府としましては、やれることはすべてやる、こうした方針のもとに、こうした知事の要望に応えていかなければならないと考えています。

 そして、その中に、御指摘の日米地位協定の環境補足協定の作成の課題があります。これにつきましても、できるだけ早く、そしてしっかりとした結論を出すために努力をしていきたいということで、さきの、二月七日に行われました日米外相会談等においても、米側の協力を要請し、米側からも、ぜひ協力していく、こうした発言を受けたところであります。

 そして、二月十一日、第一回目の交渉が行われました。その際に、おっしゃるように、今後の議論の進め方、そして対象となる協力の分野について議論を行ったところであります。これからまた議論が行われるところであります。内容については、予断を、この段階で申し上げることは難しいですが、ぜひ、地元のこういった御意向もしっかり受けながら、できるだけ早く結果を出すべく努力をしていきたいと思っております。

赤嶺委員 今協議しているものの成否も非常に曖昧だということですが、私が聞いたのは、騒音の問題もこの環境の協定の対象になっているんですかと、騒音の問題を聞いたわけです。

岸田国務大臣 今回の環境補足協定の議論においては、騒音は対象には上がっていないと承知しております。

赤嶺委員 騒音は対象になっていないんですよね。大体、海側を飛ぶから騒音なんて起こらないんだというこんな話は、米軍基地を知らない人たちの話であります。騒音も対象になっていない。

 それから、もう一つは、米軍基地の返還跡地から、米軍が遺棄したPCBを初めとするさまざまな有害物質がこれまで発見されてきました。沖縄県が求めてきたのが、米軍の活動に起因する環境汚染については、米側の責任において回復措置がとられるようにすべきだということです。

 日米地位協定は、米軍に対する原状回復義務を免除しております。環境汚染を引き起こした当事者が責任をとるのは当然であります。今回の環境補足協定では、その点をどうするのですか。米側に、回復義務、これを課すのですか。

岸田国務大臣 御指摘の点について、地元からさまざまな御意見、要望があることは承知をしております。ただ、この日米地位協定の環境補足協定の作成につきましては、議論第一回目が始まったばかりであります。

 結果、予断をすることは差し控えたいとは存じますが、ぜひ早く、よい結果が出るよう全力で取り組んでいきたいと考えています。

赤嶺委員 この結果は見通せないということであります。

 結果が見通せないばかりか、今回の補足協定は、問題の根本に手を触れずに、環境措置をとるためとして、思いやり予算やそれ以外の枠組みをつくって、日本政府が財政負担を担うことに言及をしております。

 何を負担するのですか。

    〔森山委員長代理退席、委員長着席〕

岸田国務大臣 二月十一日、第一回目の交渉を開始しました。

 先ほども申し上げたように、協力の対象分野ですとか、今後の議論の進め方を議論したという段階であります。

 負担の問題等、具体的なものにつきましては、交渉相手もあることであります。これからしっかり議論をしていきたいと考えています。

赤嶺委員 財政負担をすることには合意をしているわけです。何を負担するかはこれからなどという説明は通りません。話し合われていることがあるはずであります。

 例えば、米軍自身の予算で行う基地整備に伴って、有害物質が見つかったり赤土による汚染を引き起こした場合、日本政府の負担で対処する、こういうことも入ってくるのですか。

岸田国務大臣 昨年の十二月の二十五日、発表されました共同発表の中におきまして、「日米地位協定第二十四条に関連する追加的な例外を構成する新たな枠組みの下で在日米軍施設・区域内におけるその他の環境措置のための費用を負担すること。」こうしたことが明記されております。

赤嶺委員 曖昧でありますけれども。

 次に、普天間基地の五年以内の運用停止の問題について伺います。

 今週の火曜日に、政府と沖縄県知事、そして宜野湾市長で負担軽減推進会議がつくられました。ところが、ここにはアメリカ側の代表が入っていません。なぜ入っていないんですか。

小野寺国務大臣 この会議につきましては、これは沖縄側からの要請もあり設置されたということでありますので、沖縄関係の私ども閣僚と沖縄県知事及び宜野湾市長が構成員となるということになったと思います。

赤嶺委員 五年以内の運用停止といいながら、運用しているアメリカは入れないで、日本政府と沖縄県の間で何か話し合って、それがまとまって実現に移されるというようなことは、かつて例を知りません。

 今回の辺野古新基地建設はやめて、普天間基地は即時閉鎖、撤去することを求めて、質問を終わります。

二階委員長 これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。

 次に、村上史好君。

村上(史)委員 生活の党の村上史好でございます。

 長時間でございますが、最後でございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 質問に入ります前に、このたびの雪害で亡くなられました方々に心から御冥福をお祈り申し上げ、そして、被害に遭われた皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。

 我が党は、昨日、古屋担当大臣を通じまして、安倍総理宛てに、豪雪災害に対する緊急対策に関する要請書というものを提出させていただきました。政府におかれましては、万全の体制で対策をとっていただきますように要望させていただきたいと思います。

 それでは、まず安倍総理にお伺いをいたします。

 憲法観でございます。先日、我が党の畑委員が、憲法とはどういう性格のものかという質問に対して、総理は、我々としては納得できない答弁でございましたので、もう一度確認をさせていただきたいと思います。

 正確を期すために、議事録を読み上げます。総理は、「いわば国家権力を縛るものだという考え方はありますが、しかし、それはかつて王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方であって、今まさに憲法というのは、日本という国の形、そして理想と未来を語るものではないか、」そのように発言をされました。いわば、憲法は権力を縛るというのは、もうかつての時代のものなんだととられるような内容でございます。

 しかし、歴史的に見れば、絶対君主制のもとで、圧制から民衆を解放するために民衆が立ち上がって、例えば清教徒革命やまたフランス革命などを通じて、民衆が蜂起して、自由と民主主義、そして基本的人権をかち取った、それを擁護する形で、国が憲法を定めて国民の権利を擁護するということが常識となっています。

 そういう面で、現代国家においては、憲法は権力を縛るものであるというのが常識的となっております。ですから、行政府も、国会も、また司法も、法のもとの支配にあるということは当然でございます。

 そういうことも踏まえて、もう一度、安倍総理の、憲法とはどういう性質のものなのか、それをお答えいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 この委員会におきましても再々答弁をさせていただいているとおりでございますが、まず、立憲主義とは、主権者たる国民が、その意思に基づき、憲法において国家権力の行使のあり方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという近代憲法の基本となる考え方でありまして、日本国憲法も同様の考え方に立って制定されたものである、これは私もそのように考えているところでありまして、私の考え方も立憲主義から外れるものではないと思うわけであります。

 憲法というのは、いわば国家権力を縛るものだという考え方もありますが、現在、自由、民主主義、そして基本的な人権が定着している今日、いわば、この憲法ができてくる近代国家において、淵源としては、絶対君主に対するそれを縛るという淵源があったのは事実でありますが、そして、憲法というのは権力行使に対して制約をかける、これは当然そういう性格があるわけでありますが、では、縛るためのものだけであるかといえば、そうではなくて、自由、民主主義、そして基本的な人権が定着している今日においては、一つの国の理想や形を示すものでもある、こう考えるわけでございます。

 例えば、先ほども申し上げたわけでありますが、現行憲法にも前文があるわけでありまして、この前文には、特に、その国においての国の考え方が示されるものであります。

 よく議論になるものにおいては、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意した、このように書いてあるわけでありまして、さらには、我らは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭をこの地上から永遠に除去しようとしている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思うと。これは別に権力を縛るものではなくて、自分たちの考え方を示したものである。ですから、私が言っていることは全く間違ってはいないということではないか、こう思うわけであります。

 その中において、いわば自由民主党においては自由民主党としての考え方をお示ししているところでございます。

村上(史)委員 もちろん、憲法の前文というのは、これからの日本の形、また理想というものを明確にしている、そのことは総理と同じ考え方であります。

 ただ、私が申し上げたいのは、いわゆる権力は暴走するという言葉があります。これは、意図するかどうかは別にしまして、そういう傾向にあるという中で、やはり、ルールがあって、憲法があってそこで制約をする、権力に対する抑制がかかるという意味においては、この憲法というのは権力を縛ると言っても過言ではないと思います。

 そういう形で集団的自衛権の問題もちょっと考えてみたいと思うんですけれども、総理は、集団的自衛権の行使を憲法解釈で容認しようとする立場でいらっしゃると思います。我が党は、集団的自衛権は、もちろん、保有はするけれども、憲法第九条第二項によってそれは行使できないものだ、いわゆる従来の内閣法制局の答弁と同じでございます。

 ただ、憲法解釈でそれを行使させるのかどうかというところで大きな意見の違いがあると思いますけれども、立憲主義の立場に立つならば、憲法解釈で自衛権の行使を容認するというよりも、憲法を改正して集団的自衛権の行使を認めるというのが筋ではないか、私はそのように思うんですけれども、総理の御見解はいかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 現行憲法においても、御承知のように、自衛隊については全く明記がなされていないわけであります。そして、個別的自衛権の行使についても明記がなされていないわけであります。その中において、いわゆる砂川裁判において最高裁の判決として、いわば我々の生存権を憲法は否定するものではないということにおいて、書いていないんですから、明文化がないわけでありますから、解釈によって、個別的自衛権については我々は行使できる、いわば自衛隊が合憲になったわけであります。明文規定がないんですから。自衛隊について明文規定はないんですよ。個別的自衛権についても明文規定はないんですよ。まさに、その中において砂川判決があって、最高裁で最終的に判断が決定をしているわけでございます。

 そこで、今まで、最高裁判決ではありませんが、法制局の政府としての答弁の積み重ねによって、集団的自衛権の行使については、国際法上は権利は有するけれども憲法上行使できないという立場をとってきたわけでございます。

 しかし、この法制局の答弁についても、これは、長い歴史の中で積み上げられてきたわけでありまして、今の答弁が最初から決定していたわけではないんですよ。ずっと、その時々の法制局の答弁の積み上げによって今日に至ったということであるわけでありまして、例えば、自衛隊が文民であるかどうかということについても、法制局は途中で解釈を変えているというのは御承知のとおりでございます。

 そこで、安全保障環境が大きく変わりました。いわばテロという新しい脅威もできました。そして、サイバー攻撃は簡単に国境を越えていくという時代の中において、伝統的な脅威以外のさまざまな脅威も存在する中において、一国のみにおいてその国の国民の生命財産、領土、領海を、あるいは国益を守ることができない時代になっている中において、自分の国民の生命と財産を守るためには他国の協力が必要であったり、その地域全体の安定と平和を、自分の国も参加することによってそれを安定させることによって自分の国の平和と安定と国民の命を守っていくという時代になっている中において、今までの解釈のままでいいのかということであります。

 その中においても、例えば、同盟関係にあるアメリカとの関係において、ミサイル防衛によって日本に落ちてくるミサイルを落とすけれども、もし落とす能力があったとしても、グアムに飛んでいくミサイルについては、落とせてもこれはパスしていいのかどうかという問題であります。

 または、これは集団的自衛権の行使ではありませんが、海外での武器使用について、PKO活動をしていて、他国の部隊と一緒に活動しているときに、他国がもし襲われて日本が救助を頼まれたときに救助できない現状のままでいいのかどうかということについても議論をしているわけでございます。

 では、それを、憲法の要請において果たして本当に認められないのかということであります。それについては、先ほど申し上げましたように、いわば個別的自衛権の行使についても、憲法に明文として書かれているわけではなくて、憲法はそれを要請しているわけではないだろうということではないか、こう思うところでございます。

村上(史)委員 長々と御答弁いただいたんですけれども、私が申し上げているのは、集団的自衛権行使をするために、憲法解釈でやるのか、それとも憲法の改正でやるのかという、その入り口の話をさせていただいているわけです。

 ここでちょっと角度を変えたいと思いますけれども、例えば、集団的自衛権、憲法解釈で行使をしようということが決定されたとします。ただ、例えば安倍総理がそういう決定をされるとしましても、政権交代が起こったときに、またその内閣が憲法解釈を変えるということも十分あり得るわけです。

 ということは、日本の安全、外交の方針が政権交代によってころころ変わってしまうという問題に突き当たるのではないか。その点、総理はどのようにお考えですか。

安倍内閣総理大臣 それはそう簡単にころころ変わるわけではなくて、この議論についてもずっとやっているんですよ、我が党においても。例えば、自民党においては、恐らく、私が国会議員になってからずっとやっていますから、二十年間はやっているわけですね。その前からやっていると言ってもいいと思います。ずっとこういう議論を積み重ねながら、しかし、自民党においては、だんだんこれは収れんされてきたのであります。

 さきの総選挙においては、いわば、これは安全保障基本法という形において、この解釈の変更について、これはJ―ファイルでありますが、この検討について明記しているわけでございます。

 そして、それはもちろんそんな簡単なことではなくて、だから、これは、第一次安倍政権のときにつくった、七年越しのいわば安保法制懇と言ってもいいと思います。七年越しの議論をずっと積み重ねてきていて、そして、私が総理大臣になってからもう一年を経過して、一年以上ずっとこれは議論を積み重ねていて、精緻な議論をしているわけでございます。

 その上に立って、これは、先ほど私の考え方を述べたわけでありますが、基本的には、安保法制懇において、私が先ほど申し上げました課題、問題意識についても議論をしていただいているところでございますが、その上において、この安保法制懇において結論が出て、そして出た結論について法制局を中心にしっかりと議論をし、そして、自民党、公明党、与党とも調整をしながら、それを受けて最終的に閣議決定をするわけでございます。

 閣議決定した上においては、例えば、その閣議決定をすれば全てが完結をして自衛隊がすぐそのとおり行動できるわけではなくて、自衛隊の活動、行動には、自衛隊法を改正しなければ、それは、それぞれ活動ができない、さまざまなケースにおいても活動できないのは御承知のとおりでありまして、そして、そうしたものができていって初めて、実際に活動、行動できていくということになるわけでございまして、それはそう簡単にころころ変わるということには全くならない、このように確信をしております。

村上(史)委員 総理が、あるいは自民党がいろいろと議論を積み重ねてきた結果こうなったということなんでしょうけれども、しかし、必ずしも憲法解釈でいいという立場の人ばかりではありません。野党の中にもそういう方もたくさんいらっしゃいます。

 そういう方々が、政権交代をしたときに、やはりこれはまずいんじゃないかという判断もあり得るではないかということにおいて、やはり憲法解釈で決着をつけるということは、今後の日本の外交・安保政策においてぶれる可能性も十分あり得ますから、ここは国会で十分な審議をして、集団的自衛権の行使はどうあるべきか、それは憲法改正に基づいて決着を図るべきだ、私はそのように主張して、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 時間も大分経過をいたしましたので、NHKの問題について質問をさせていただきたいと思います。

 今回の集中審議で、公共放送のあり方について議論をされているわけであります。本来、なかなかNHKの問題が集中審議で取り上げられるというのは少ないんですけれども、特に、籾井会長、また百田経営委員、長谷川経営委員の発言や行動が大きな問題となって今回集中審議をしているわけでありますけれども、この一連の問題について内閣としてはどのようにお考えなのか、お尋ねをしたいと思います。

新藤国務大臣 まず、このような混乱が生じていること、これは非常に残念だ、このように思っております。ですから、一刻も早くNHKが、本来の能力を生かして国民に対してよりよい放送をあまねく全国に普及すること、これを通して国民からの信頼をまず得るということが重要だというふうに思っています。それは、会長と職員が一丸となって信頼回復に努めるべきである、このように思うわけであります。

 会長の個人的な見解を述べたことに関して、私どもとすれば、放送機関のトップが行った発言は政府がコメントすべきではない、このように思います。

 それは、何よりも、委員もよく御承知だと思いますけれども、放送法は、その一条において、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保し、健全な民主主義の発達に資するようにする、このように放送法があえて決めているわけです。その中で、三条において、放送番組は、何人からも干渉され、また規律されることがない、このようになっているわけであります。

 ですから、会長の個人的な発言は、既に本人が謝罪をし、反省をし、全て撤回をしております。そして、今、会長は、その個人的見解をもってNHKの番組の編集や、さらにNHKの運営に何か影響を及ぼしているわけではないし、それはやらないと明言しているわけであります。

 ですから、私とすれば、国会の方で、放送法の疑義がある、このことについてはしっかりと御議論いただくし、私どももこれは、所管する省として、この違反があるかどうかは厳しく見ていきたいというふうに思いますが、現状においては、この言動に問題があったことは謝罪をし、撤回をしている、だから、あとはきちっとNHKで私は行動で示してもらいたい、このように思うわけであります。

 それから、経営委員につきましては、これもまた、個人的な発言について私どもはコメントいたしませんが、それにしても、放送法上、経営委員が、経営委員会の中の職務以外の言動を制限する規定はないわけであります。そして、経営委員会は、その職務の執行を個々の委員には委託できないんです。経営委員は、合議体をもって、経営委員会の中で方針を決めていくということに、これはルールになっているわけですから、その中で、私とすれば、経営委員会が、真摯な議論を通じて放送法の精神にのっとった運営がNHKができるように、そういったことを期待しておりますし、その意味においても、経営委員会もしっかりとそこを自覚して活動していただくことを期待しているわけでございます。

村上(史)委員 政府としては発言についてはコメントができないということなんですけれども、そこで、NHKの会長にお尋ねをしたいと思います。

 例えば、解説委員あるいはニュースキャスターなどNHKの職員が、ツイッターやブログなどで外に向かって自身の政治的な意見あるいは見解を自由に発信することは認められているんでしょうか。また、個人の資格で、街頭演説など選挙応援も認められているんでしょうか。(発言する者あり)職員です。NHKの職員として、どうなんでしょうか。

籾井参考人 お答えいたします。

 私的な利用は、個人の責任においてツイッターであるとかブログであるとかを行うものでありまして、たとえ個人の見解であっても、NHKの不偏不党、公平公正などに疑問を持たれてはならない。ツイッターやブログの私的な利用につきましては、たとえ私的な利用でも、こうした疑念が持たれないように、就業規則、服務準則、情報管理規程など、NHKのルールを遵守しなければならないとする指針をつくり、全職員に周知しております。

村上(史)委員 いわゆる職員に対しては、自主規制という形で公正を、不偏不党を守ってもらうということでよろしいんですね。

 それでは、経営委員会の委員、この方々の報酬はNHKから支払われております。ということは、一般国民の受信料によってその報酬が支払われているわけでありますから、当然、公共放送としての不偏不党、公正公平を遵守していただかなければならないと思います。ましてや、選挙応援などもってのほかだと思うんですけれども、NHK職員には自主規制、会長や経営委員は自由に、個人的な意見だから発言はオーケー、これは公共放送にかかわる者としておかしいのではありませんか。

浜田参考人 お答えいたします。

 経営委員は、放送法上、兼職は認められており、経営委員としての職務以外の場において、みずからの思想、信条に基づいて行動すること自体は妨げられるものではないと認識をしております。

 しかし、公共放送であるNHKにとって重要な使命である不偏不党、公平公正について厳しい御批判があることも承知しており、二月十二日の経営委員会で、経営委員一人一人が、服務準則にのっとり、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚するとともに、一定の節度を持って行動していくことを改めて申し合わせました。

 経営委員長としましては、申し合わせの趣旨が徹底されるよう努力してまいります。

二階委員長 新藤総務大臣。(村上(史)委員「いや、結構です、時間がないですから。内閣に聞く話じゃないんです」と呼ぶ)最後だから。

新藤国務大臣 法律上の、放送法上の解釈でございます。

 ですから、これは、経営委員の言動を制限する規定というのは、経営委員としての職務以外の場において、みずからの思想、信条に基づいてする行動は妨げることができない、このようになっているわけであります。これは万人誰もが認められている権利であります。

 その上で、経営委員会は、その職務の執行を個々の委員に委託することができない。ですから、経営委員は、合議体をもって経営委員会としてのいろいろな決定をしていくということであります。

 それから、放送法の三十二条では、経営委員は個別の放送番組の編集等にかかわることができない、こういうことも規定をされているわけであります。ですから、放送の不偏不党、真実及び自律の保障、こういう原則に従ってNHKがきちんと動いているかを経営委員は見ていただくということであります。

 しかし、その上で、そうはいっても、やはり、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚する、そして一定の節度を持って行動していく、これは当然わきまえるべきことだと思いますし、改めて申し合わせをしていただいている、このように私たちは承知をしております。

村上(史)委員 答弁は全く求めておりません。こういうときに内閣が口を出すというのはどうかなと思います。あくまでもNHK並びに経営委員会での議論でございますので、両参考人にお尋ねをしたいと思います。

 時間の方も迫ってまいりました。お聞きしたい件がたくさんあるんですけれども、一番私が問題にしたいのは、NHK会長が就任会見で、政府が右と言うものを左とは言えないんだ、こういう発言をされました。その後取り消しをされましたけれども、この言葉というのは、いわゆる報道姿勢そのものであって、ジャーナリズムの立場からすれば、言ってはいけないことだと思います。そして、公共放送の信頼、それと公共放送のあり方そのものの根幹を揺るがす発言だと思っているんです。歴史認識の問題とはまた質が違う発言だと思っています。

 これは、籾井会長がNHKの会長にふさわしいかどうかという、そこが問われる重大な発言だと思います。そういう認識をお持ちでしょうか。もしなければ、みずから職を辞するべきだ、そのことをお伝えしたいと思います。

籾井参考人 お答えいたします。

 まず、委員が言われましたように、私の個人的な見解を公的な場所で述べましたことについては、改めておわびを申し上げたいと思いますし、視聴者の皆様及び国民の皆様に、この場をかりまして深く陳謝をしたいと思います。

 さはさりながら、NHKの国際放送等、先ほど御指摘がありましたけれども、いわゆるNHKの国際番組基準でございますが、「内外のニュースを迅速かつ客観的に報道するとともに、わが国の重要な政策および国際問題にたいする公的見解ならびにわが国の世論の動向を正しく伝える。」こういうことを定めております。したがいまして、と伝えておりますので、この原則に乗りまして国際放送についてはやっていきたいと思います。

 同時に、国内放送全般につきましても、私は繰り返し申しておりますけれども、放送法の原則にのっとり、不偏不党、公平公正、表現の自由、こういうことを守りながらやっていきたいと思っております。

村上(史)委員 全くお答えになっておりません。

 しかし、残念ながら、時間が参りました。

 NHK会長の言動あるいは就任会見後の行動については、国民がきっちり見ているということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

二階委員長 これにて村上君の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る二十四日午前八時五十五分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二分散会


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