衆議院

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第13号 平成26年2月24日(月曜日)

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平成二十六年二月二十四日(月曜日)

    午前八時五十八分開議

 出席委員

   委員長 二階 俊博君

   理事 上杉 光弘君 理事 金田 勝年君

   理事 塩崎 恭久君 理事 萩生田光一君

   理事 林  幹雄君 理事 松本  純君

   理事 長妻  昭君 理事 山田  宏君

   理事 石田 祝稔君

      あかま二郎君    赤枝 恒雄君

      秋元  司君    秋本 真利君

      安藤  裕君    井野 俊郎君

      井林 辰憲君    伊藤 達也君

      石川 昭政君    今村 雅弘君

      岩田 和親君   うえの賢一郎君

      衛藤征士郎君    小田原 潔君

      越智 隆雄君    大島 理森君

      大西 英男君    大野敬太郎君

      大見  正君    鬼木  誠君

      勝沼 栄明君    勝俣 孝明君

      門山 宏哲君    金子 一義君

      金子 恵美君    菅家 一郎君

      黄川田仁志君    熊田 裕通君

      佐田玄一郎君    白石  徹君

      末吉 光徳君    菅原 一秀君

      関  芳弘君    薗浦健太郎君

      高橋ひなこ君    野田  毅君

      原田 義昭君    福井  照君

      福山  守君    宮崎 謙介君

      武藤 貴也君    務台 俊介君

      八木 哲也君    保岡 興治君

      簗  和生君    山田 美樹君

      山本 幸三君    山本 有二君

      大串 博志君    岡田 克也君

      奥野総一郎君    黄川田 徹君

      篠原  孝君    古川 元久君

      山井 和則君    柚木 道義君

      遠藤  敬君    小熊 慎司君

      小沢 鋭仁君    河野 正美君

      坂本祐之輔君    重徳 和彦君

      杉田 水脈君    谷畑  孝君

      中山 成彬君    西野 弘一君

      三木 圭恵君    宮沢 隆仁君

      伊佐 進一君    高木美智代君

      浜地 雅一君    柏倉 祐司君

      佐藤 正夫君    柿沢 未途君

      椎名  毅君    高橋千鶴子君

      宮本 岳志君    小宮山泰子君

      畑  浩治君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣         新藤 義孝君

   法務大臣         谷垣 禎一君

   国務大臣         下村 博文君

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   農林水産大臣       林  芳正君

   経済産業大臣       茂木 敏充君

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   環境大臣         石原 伸晃君

   防衛大臣         小野寺五典君

   国務大臣

   (復興大臣)       根本  匠君

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       古屋 圭司君

   国務大臣

   (海洋政策・領土問題担当)            山本 一太君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            森 まさこ君

   国務大臣

   (行政改革担当)     稲田 朋美君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   財務副大臣        古川 禎久君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  北崎 秀一君

   政府参考人

   (内閣官房行政改革推進本部事務局長)       宮島 守男君

   政府参考人

   (文部科学省生涯学習政策局長)          清木 孝悦君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       石井 淳子君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房長) 日下部 聡君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           村上 博之君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監)    糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      高橋 泰三君

   政府参考人

   (気象庁長官)      羽鳥 光彦君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            小林 正明君

   参考人

   (年金積立金管理運用独立行政法人理事長)     三谷 隆博君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十一日

 辞任         補欠選任

  秋元  司君     中谷 真一君

  うえの賢一郎君    湯川 一行君

  越智 隆雄君     菅家 一郎君

  関  芳弘君     高橋ひなこ君

  薗浦健太郎君     大岡 敏孝君

  佐藤 正夫君     中島 克仁君

同日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     薗浦健太郎君

  菅家 一郎君     越智 隆雄君

  高橋ひなこ君     関  芳弘君

  中谷 真一君     秋元  司君

  湯川 一行君     うえの賢一郎君

  中島 克仁君     佐藤 正夫君

同月二十四日

 辞任         補欠選任

  岩屋  毅君     白石  徹君

  大島 理森君     熊田 裕通君

  金子 一義君     石川 昭政君

  小池百合子君     山田 美樹君

  菅原 一秀君     宮崎 謙介君

  関  芳弘君     勝沼 栄明君

  薗浦健太郎君     福井  照君

  中山 泰秀君     務台 俊介君

  西川 公也君     簗  和生君

  野田  毅君     赤枝 恒雄君

  船田  元君     黄川田仁志君

  宮路 和明君     菅家 一郎君

  森山  裕君     松本  純君

  山本 幸三君     末吉 光徳君

  山本 有二君     福山  守君

  大串 博志君     山井 和則君

  篠原  孝君     柚木 道義君

  玉木雄一郎君     黄川田 徹君

  坂本祐之輔君     小熊 慎司君

  重徳 和彦君     遠藤  敬君

  杉田 水脈君     小沢 鋭仁君

  中山 成彬君     宮沢 隆仁君

  西野 弘一君     三木 圭恵君

  中野 洋昌君     伊佐 進一君

  佐藤 正夫君     柏倉 祐司君

  柿沢 未途君     椎名  毅君

  宮本 岳志君     高橋千鶴子君

  畑  浩治君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     野田  毅君

  石川 昭政君     金子 一義君

  勝沼 栄明君     関  芳弘君

  菅家 一郎君     大西 英男君

  黄川田仁志君     安藤  裕君

  熊田 裕通君     高橋ひなこ君

  白石  徹君     武藤 貴也君

  末吉 光徳君     門山 宏哲君

  福井  照君     薗浦健太郎君

  福山  守君     山本 有二君

  宮崎 謙介君     菅原 一秀君

  務台 俊介君     井野 俊郎君

  簗  和生君     井林 辰憲君

  山田 美樹君     秋本 真利君

  黄川田 徹君     奥野総一郎君

  山井 和則君     大串 博志君

  柚木 道義君     篠原  孝君

  遠藤  敬君     重徳 和彦君

  小熊 慎司君     河野 正美君

  小沢 鋭仁君     杉田 水脈君

  三木 圭恵君     西野 弘一君

  宮沢 隆仁君     谷畑  孝君

  伊佐 進一君     高木美智代君

  柏倉 祐司君     佐藤 正夫君

  椎名  毅君     柿沢 未途君

  高橋千鶴子君     宮本 岳志君

  小宮山泰子君     畑  浩治君

同日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     小池百合子君

  安藤  裕君     大野敬太郎君

  井野 俊郎君     岩田 和親君

  井林 辰憲君     小田原 潔君

  大西 英男君     金子 恵美君

  門山 宏哲君     山本 幸三君

  高橋ひなこ君     大島 理森君

  武藤 貴也君     大見  正君

  奥野総一郎君     玉木雄一郎君

  河野 正美君     坂本祐之輔君

  谷畑  孝君     中山 成彬君

  高木美智代君     伊佐 進一君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     鬼木  誠君

  小田原 潔君     勝俣 孝明君

  大野敬太郎君     八木 哲也君

  大見  正君     岩屋  毅君

  金子 恵美君     宮路 和明君

同日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     中山 泰秀君

  勝俣 孝明君     西川 公也君

  八木 哲也君     船田  元君

同日

 理事森山裕君同日委員辞任につき、その補欠として松本純君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 分科会設置に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 分科会における会計検査院当局者出頭要求に関する件

 分科会における政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十六年度一般会計予算

 平成二十六年度特別会計予算

 平成二十六年度政府関係機関予算

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

二階委員長 これより会議を開きます。

 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二階委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に松本純君を指名いたします。

     ――――◇―――――

二階委員長 平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算、平成二十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官北崎秀一君、内閣官房行政改革推進本部事務局長宮島守男君、文部科学省生涯学習政策局長清木孝悦君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長石井淳子君、経済産業省大臣官房長日下部聡君、経済産業省大臣官房審議官村上博之君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長高橋泰三君、資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監糟谷敏秀君、気象庁長官羽鳥光彦君、環境省水・大気環境局長小林正明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

二階委員長 本日は、復興・災害・行革等についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福井照君。

福井委員 おはようございます。自由民主党の福井照でございます。

 本日は、国土強靱化につきまして御質問をさせていただきたいと思います。

 まずは、国土強靱化とは一体何かということでございます。パネルと資料にお示しをさせていただいております。

 基本法、これは実は二階先生が提案者で、昨年の国会で成立をいたしました。いわば二階法案でございます。二階予算委員長みずから質問できませんので、かわりまして私が質問をさせていただきたいと思います。

 字ばかりなんですけれども、二つございます。基本法、組織論と計画論なんですね。

 計画論は、これは実は日本政府が始まって以来の計画論でございまして、今まで霞が関は、答えのない、答えができない事態というのは想定してこなかったんです。私も建設省に二十三年おりましたから、よくわかるんです。これとこれとこんな場合が起こりますよ、ではどうするんだと聞かれて答えられないような事態というのは、今まで想定してこなかったわけでございます。しかし、実際、東日本で起こりました。一万年に一回の噴火が起こるかもしれません。

 そういう答えがない事態を想定したというのが、本邦初公開でございまして、それを脆弱性評価ということで計画論に組み込んで、そして国土強靱化基本計画というのを国が立てるんだ、そしてその基本計画を、全省庁のありとあらゆる関連する計画は基本としなければならないということを、まさに日本が始まって以来の計画として法律に書き込んだわけでございます。

 もう一つは、組織論。

 この写真を見ていただければおわかりのように、昨年の十二月十七日、首相官邸で、安倍総理が国土強靱化推進本部長として全大臣に命令をしていただきました。全大臣にしたというところがみそでございます。国土強靱化というのは、公共事業だけじゃありません。もちろん国交大臣も農水大臣も出席はされておりますけれども、写真にありますように、外務大臣も田村厚生労働大臣も出席。もちろん全大臣、こっちの写真にありませんけれども、出席をされております。

 そこで、第一回の推進本部で安倍総理が、これから国が国民の命を一人残らず救うんだ、国が救うんだということをおっしゃっていただきました。そして、全大臣に命令を下していただきました。そして、全省庁が責任を持って横串の施策を実行しなさいと。それは当たり前です、命ですから。全人格、全人格ということは全省庁が関連する、全省庁が横串で頑張りなさいということをおっしゃっていただきました。

 さて、こういう枠組みの中で、一昨年の十二月から初代の国土強靱化担当大臣として、後々後藤新平と並び称されるであろう大政治家、古屋圭司国土強靱化大臣として、初代のミニスター・オブ・ナショナル・レジリエンスとして、来し方行く末、現状と課題、そして現在のベーシックポリシー、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

古屋国務大臣 国土強靱化は、今委員長を務めておられます二階先生が、国土強靱化総合調査会の会長として、既に六十八回の会議を経て、三回の出版をして、そして取り組んできた、いわば、この自由民主党の国土強靱化調査会が、この考え方、理念の生みの親である。そして、その調査会の中で事務総長を福井委員は務められて、二十三年間の建設省での経験も生かしながら取り組んできた、よく承知をいたしております。

 それで、これは、おっしゃるとおり、新しい試みでございまして、私も、初代の大臣として、新しいキャンバスに今までの発想とは違う絵を描いていこう、こういうことで、実は、政府と与党が一体になってきて取り組んできた、ここが一番、私、重要なところだというふうに思っています。強靱化基本法が成立をしたのが昨年の十二月の四日ですけれども、実は、もう春先から、国土強靱化推進室をつくったり、あるいは有識者会議をつくったり、全省庁の局長クラスを集めた連絡協議会をつくったりして、常に与党とすり合わせをしながら新しいものをつくってきたということであります。

 そして、その具体的な手法も、まず脆弱性の評価をして、では、それに対してどういう対応をしなきゃいけないのかというプログラムをつくって、それも優先順位をつけて取り組んでいく。それは一回決めたものを硬直的にやるのではなくて、技術革新等々で変わってきたら、PDCAサイクルをしっかり回して取り組んでいく、ソフト、ハード両面を組み合わせてやっていく、まさしく国家百年の計をしっかりこの中で考えていきましょうと。それで、国土強靱化の大綱をつくり上げて、昨年の十二月の十七日に発表させていただきました。二十五ページから成る大作でございますが、これも与党としっかりすり合わせの上、取り組む。いわばバイブルですよね。

 今後は、国土強靱化基本計画、ことしの五月の中旬ぐらいにはつくり上げたいと思いますが、これはアンブレラ計画でございまして、全ての、例えば国土形成計画とか社会資本の整備の計画、もう幾つも基本計画はありますけれども、その一番上位に来るアンブレラ計画でありますので、しっかりオール・ジャパンで取り組む。この国土強靱化本部が、全ての閣僚が入って取り組んでいる、その、ある意味であかしでもあると思います。

 これからも、そういう基本的な考え方にのっとって、どんな災害があっても致命傷を負わない、人の命を守る、速やかに復旧する、被害を最小限に食いとめる、この基本的な考え方に立って、引き続き与党とも連携をしながら取り組んでいきたい、こんな覚悟でございます。

福井委員 ありがとうございました。

 まさに、東日本大震災を経験いたしまして、我々は、いかに日本が脆弱であるかということを思い知らされたわけでございます。

 一方、同じ古屋大臣が、防災担当大臣として、首都直下の地震が起こったら約百兆円の被害が起きるだろう、南海トラフの巨大地震、大津波が来たら二百二十兆円の被害が起きるであろうということを政府として予測しているという状況でございます。

 我々人類は、あの世界一の国だったポルトガルが、リスボン大地震というたった一撃の地震で、世界一だった国が崩壊した、GDPの半分が失われるという被害があって、それで国が転落をした、崩壊をしたという経験を持っているわけでございます。五百兆ほどのGDP、二百二十兆の被害、これをわかっていて何もしないということは、我々としてはできない。

 しかも、アメリカでもイギリスでも脆弱性調査というのは始まっている。全てのセクターにわたっていかに国を強靱化していくかという動きは、まさにグローバルスタンダードでございます。それを捉えて、まさに二階調査会として二階先生が基本法をおつくりになって、そしてこの推進本部を、政府をして設立せしめたということだと思いますので、これからも与党・政府一丸となって頑張っていきたいというふうに思っております。

 さて、地方でございます。

 ことしの課題は、安倍総理みずからおっしゃっておられますように、アベノミクスの地方への展開をいかに図るかということでございます。国土強靱化、これはツールとして最適なわけです、フローとしても、そしてストックとしても。ストックというのは、企業立地、そしてIターンのインセンティブを与えるという意味でも、この国土強靱化を地方にいかに展開するかによって、アベノミクスの果実を地方の我々国民がいかに享受できるか、かかっていると思います。

 地方への展開について、古屋大臣から御紹介をいただきたいと思います。

古屋国務大臣 地方への展開という御質問でございますが、ことし、総理も、ダボス会議に出席をされましてアベノミクスについて世界に発信されましたけれども、実は、昨年は、このダボス会議、レジリエンスダイナミクスがテーマだった。要するに、国土強靱化というのはもうグローバルスタンダードになって、世界が競争を始めている。そして、日本は、国際競争力はあるけれども残念ながらレジリエンス性というのは余り高くないというのが一般的な評価です。逆に言えば、もしレジリエンスを高くしていけば、世界有数の競争力がつく。

 そして、この法律も、やはり地方に対しても当然、オール・ジャパンですから含まれているわけであって、国土強靱化基本計画を五月につくりますと、それに伴いまして強靱化の地域計画をつくっていただくことになります。これは、我々、ガイドラインをしっかりお示しして、地域の皆さんがいかにこの国土強靱化の地域計画に取り組んでいかれるか、これは、知事を初め地方公共団体の真価が問われると言っても私は過言ではないというふうに思っております。

 そういう中にあって、やはり、エネルギーとか交通とか物流とか金融とか、あらゆる分野が全部入ってきますので、当然、地方にもそういう流れがございます。そういった取り組みをしっかり反映していっていただくことが大切です。

 やはり、日本は確かに災害が多い国ですよ。しかし、その災害に対してあらかじめ万全の準備をしておくことによって、結果的に地方にも競争力がつきます、投資が入ります。結果として成長戦略につながる、これは国であっても地方であっても同じだと思います。

 そういう視点に立って、ぜひ地方におかれましても意欲的な取り組みをしていただきたいと思いますし、そういう意欲的な取り組みに対しては、国も挙げて連携をして支援していく、こういう考えでおります。

福井委員 ありがとうございました。

 今、パネルと資料にお示しをしておりますように、三枚目でございますけれども、今大臣が御紹介いただきました。

 国は、まずこの基本計画をつくるんだ、そして来年度、この四月以降の年度で、モデル的に、県の強靱化計画、市町村の強靱化計画というのを立てていただいて、全国あまねく、国が、そして地方公共団体が国民の命を一人残らず救うんだという体制を整えていただくということでございますので、これも与党・政府一体となって頑張らせていただきたいというふうに思っております。

 そして、もう一つの側面は民間セクターでございます。

 今大臣がおっしゃっていただきました、電力、ガスなどのエネルギーの分野、金融の分野、通信の分野、物流の分野、そして高速道路、鉄道も、やはり民間セクターという部分が多いわけでございます。この民間セクターをいかに引っ張っていくか、民間セクターとの連携をどうしていくかについて、非常に重要な観点でございますので、大臣からもう一度御紹介いただきたいと思います。

古屋国務大臣 今度の、昨年末に発表しました国土強靱化大綱の中にも、民間の活力を引き出す、それはPPP、PFIに限らず取り組んでいくということがしっかり記されました。

 そして一方では、有識者懇談会、これは、藤井聡京大教授を座長にして、もう十回以上にわたって相当精力的な議論をいただいておりますが、この中でも、いわゆる民間の資金の活用、あるいはノウハウの活用等々について、集中的な議論をしていただこうというふうに思っております。そして、新しい民間活力の取り組みのあり方をしっかりお示ししていただこう、そして、その考え方に対して有意義なアドバイスもいただこうと思っております。

 これがポイントでございまして、こういう取り組みをぜひしていきたい、国、地方公共団体、民間が有機的に横串の連携をしていく、これが国土強靱化の重要なファクターの一つであるというふうに認識しております。

福井委員 ありがとうございました。

 そこで、麻生大臣、我々野党のときに、二階先生を筆頭に、国土強靱化、いわゆる国民運動を始めようと思って、活動を始めました。そして、安倍総裁が二〇一二年の衆議院選挙の公約にしていただきました。そのときからの議論の底流に、では、財源はどうするんだ、お金がいっぱい要りそうだけれども財源はどうするんだということで、これは一昨年から、財源は経済成長でやるというように勝手に申し上げておったわけです。

 最近は、安倍総理もいろいろなところで財源は経済成長だというふうにおっしゃっていただいておりますけれども、財政の基本原則として、この国土強靱化にどういうふうに取り組んでいただいているのか、今後の見通しも含めて、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

麻生国務大臣 この問題については、例えば消費税の引き上げが充てられるのではないかというような話がよく新聞やら何やら、どれくらい読んでおられるのか知りませんけれども、いろいろ書かれていますけれども、これは全額社会保障費に充てるということが法律で決まっておりますので、これが充てられることはありません。

 また、おっしゃるように、国土の強靱化については優先順位をつけないかぬということが一つと、それから、ハードとソフトと両方組み合わせをやらなきゃいかぬとかいうので、いろいろな間の組み合わせを考えねばいかぬ等々、いろいろあの中にも御指摘が出ております。

 いずれにいたしましても、こういったものは、経済成長によりまして、おかげさまで来年度の税収も五十兆を超えるというところまで、経済が成長したおかげで久々に五十兆を超えるところまで租税が上がってきております。そういったものも有効に利用させていただいて、効率的、効果的にこれを進めて、もって強靱化に充てたいというように考えております。

福井委員 大臣、ありがとうございました。

 まさに国土強靱化という名前の公共事業をふやすことに消費税が使われるのではないかという誤った意見もまだあるのでございまして、きょうはテレビで麻生大臣におっしゃっていただいてよかったというふうに思います。

 そして、やや専門的でありますけれども、私どもとしては心のよりどころがございまして、税法の附則十八条第二項に、成長戦略と防災、減災の分野については重点的に資金を配分すると。税法で、附則ではありますけれども、成長戦略と防災、減災の分野には資金を重点的に配分するというふうに書いていただいたことについて、非常に心強く思っております。

 その位置づけがこの四月以降の年度からスタートすると思いますので、今から太田大臣に、少なくとも公共事業の予算はどうなっているのかということは伺いますけれども、先ほどから申し上げているように、全省庁が関連する国土強靱化関連予算、防災、減災に資する分野には重点的に資金を配分していただかなければ困りますので、これが日本のポリシーでございますので、今後ともよろしく御指導賜りますようにお願い申し上げたいと思います。

 そこで、ちょっとパネルと資料を変えまして、高速でパネルが回転しますけれども、八百兆円、公的な資本がございます。GDPは五百兆円だけれども、ストックは八百兆円。その中身はどうなっているのかということを見ますと、平成四十四年の三月には道路橋の三分の二が五十年以上たってぼろぼろになる、平成四十四年三月のトンネル、半分がぼろぼろになる、水門などの河川管理施設の三分の二がやはりぼろぼろになるという現状がございます。

 一方、先ほど麻生大臣の方からも、重点的に配分するということをおっしゃっていただきました、重要視するというふうにもおっしゃっていただきました。そこで、やはり国土強靱化は公共事業のみだ、ばらまきだというふうにやゆする同じ文脈で、H二十五からH二十六にかけて公共事業がすごくふえているじゃないかというふうにおっしゃる方がいらっしゃいます。

 しかし、よく見ていただきたいと思うわけでございます。平成二十五年度のこの左側にあるのは、特別会計に計上していたその全く同じ額、六千百億円がやはり平成二十六年度も計上されているんですけれども、この分母と分子の関係ですね、分母から取り除いて分子に入れているので、それで一六・一%も伸びているように見えますけれども、これは同じものが同じ額だけ計上されているだけ、一般会計と特別会計が違うだけでございますので、これは意味が違います。

 そこで、では、二・三%ふえているじゃないかということですけれども、この公共事業四兆五千億の事業費を執行するに当たって、消費税の増分を払わなければなりません。それが、三%ですと四兆掛ける三パーで、四兆としても千二百億円あるわけですから、千二百億円ぐらいふえていないと、同じ事業費が、同じ道路が、同じ堤防ができないということになりますけれども、たった一千億しかふえていないわけですね。そうすると、めり込むわけです。では、太田大臣の管轄の公共事業費というのはひょっとして減っているんですか、そんな状況なんですかということを、予算書を見ると思わざるを得ないわけでございます。

 きょうは、太田大臣の、平成二十五年度、平成二十六年度の国交省の公共事業費の概要、正確に数字を教えていただきたいと思います。

太田国務大臣 公共事業が大盤振る舞いであるというような記事を見て、びっくりするところでありますが、まずは、公共事業イコール無駄遣いであるとか、公共事業イコール悪であるというような、単純なレッテル張りからは本当に脱却しなくちゃいかぬというふうに強く思っています。

 問題は、私は危機感であろうというふうに思います。

 大雪がこの二週間、大変な問題になり、そして竜巻があり、フィリピンでは九十メートルの風速があって、スーパータイフーンというのが日本に訪れる可能性がある。しかも、首都直下地震や南海トラフの地震というのは、先生の高知でいいますと、三十四メートルというのが来る。そして、豪雨はある。まさに、局地化、集中化、激甚化している。これは、本当に守っていくということがなければ、その上に営む経済や生活というのは成り立たないということをもっと認識しなくてはいけないということを強く思っています。

 今先生御指摘のように、財政制約があります。その中でこれをどうするかということは、今、私たちの一番の課題であるというふうに思います。

 一般会計において国土交通省の来年度の公共事業関係費は約七千二百億円の増加ということに見かけはなっていますが、実際は、御指摘のように、行革のために社会資本整備事業特別会計を廃止いたしましたものですから、そこでやっていたものが見かけ的に一般会計に入っているという形になっています。その上に、今御指摘がありました消費税が四月から三%上がるというこの増分の、それより少し少ない分しか予算は計上されておりませんが、そうしたことを考えますと、国土交通省の公共事業関係費は、ほぼ横ばいの水準というのが現状でございます。

 この財政制約の中で、先ほども申し上げたことをどうするか、その中でも、防災、減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、ここのところに重点的に中身を置かなくてはいけないということで、前年度、一般会計からいきますと、その分が五三%になっているというのが来年度予算の骨格でございます。

福井委員 横ばいとお伺いして、安心いたしました。

 太田大臣にあらせられましては、メンテナンス元年ということで国交省を率いていただきました。インフラは長寿命化しなければならないということで、関連する全省庁にも業務命令を出していただいております。本当にありがとうございます。

 次に、お待たせしました、茂木経産大臣にお伺いをいたします。

 ERIAの活用でございます。

 このERIA、まさに二階予算委員長が経産大臣のときにつくられた東アジア・ASEAN経済研究センターでございます。サプライチェーンもあります。しかし、文化的にも一体ということで、インドネシアでも津波を経験いたしましたので、このERIAを使って、経済、文化、そしてこういう防災の分野でも協力をし、これから同じように発展をしていかなければならないというふうに考えますけれども、経産大臣の御見解を伺わせていただきたいと思います。

茂木国務大臣 福井委員から御指摘いただきましたERIAでありますが、まさに、二階委員長が経済産業大臣時代に提言をされて、そしてその提言に基づき二〇〇八年に設立された機関であります。

 昨年は、例えば日・ASEANの閣僚会合であったりとかASEANプラス6の閣僚会合等々におきましても、ERIAの役割、極めて高く評価されている、そういったことを私も直接感じ取ったところであります。

 アジア地域の成長を我が国に取り込むためには、我が国企業にとって、この地域における原材料の調達から始まりまして、生産、物流といった一連のサプライチェーンを維持、確保することが極めて重要であります。災害が多い東アジア地域におきまして、このサプライチェーンが分断をされ、企業の経済活動が機能不全に陥らないように、官民一体となって、交通網であったりとかエネルギーを初めとするインフラの強靱化に向けて取り組むことが必要でありまして、アジア地域の国々にとっても、このような取り組みは地域の発展の基盤になるものである、このように考えております。

 そこで、東アジアの経済発展、統合に関する政策研究、提言を行っている国際的な研究機関でありますERIAですが、これまでも、国境を越えた交通網であったりとかエネルギーインフラ等、東アジアの連結性強化に向けた政策研究や提言を実施いたしております。昨年あたり、この連結性、コネクティビティーという言葉があらゆる国から語られるという状況でありまして、そういった提言を行ったのもERIAだと思っております。

 さらに、災害に強いインフラ及びサプライチェーンの整備に向けた政策研究そして政策提言のために、日本政府としても、平成二十五年度の補正予算及び二十六年度予算におきまして二億円を手当てしたところであります。

 今後、ERIAがこれらの研究を通じて東アジア地域の国土強靱化に貢献していくことを期待するとともに、我が国としても、ERIAの研究を引き続き支援をしてまいりたい。日本における国土強靱化、極めて重要でありますが、アジア全域に日本のノウハウを広げていく、こういったことも同時に重要だ、そう思って取り組んでまいりたいと思っております。

福井委員 ありがとうございました。

 最後に、安倍総理から御決意を承りたいと思いますけれども、実は、安倍総理、国土強靱化運動も戦後レジームからの脱却なんですね。どうしてかというと、昭和二十二年、GHQが日本をして廃止せしめたもの、財閥と内務省、そして町内会。町内会を、わざわざ文書をもってGHQが日本政府をして廃止せしめた。それぐらい日本のガバナンスの本質、紐帯の本質が町内会にあったというふうに認識できるわけです。

 防災隣組もしなければならない、防災訓練もしなければならない、もう一度、あれぐらいしっかりとした、そしてお互いの命を助け合う町内会のあり方について、私たちは、国土強靱化を国民運動として捉えることによって復活をしようと思っております。

 そんな意味も含めて、国土強靱化に対する、推進本部長としての、そして総理大臣としての御決意を承って、質問を終わらせていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 この国土強靱化についての福井委員の今回の質問によって、国民の皆様の、我々が進めている国土強靱化に対する理解は進んだのではないかと思います。

 我々は、何といっても、三・一一、東日本大震災を経験いたしました。そして、今後、首都直下地震、南海トラフ地震が懸念されている中において、国民の命そして生活を守るために国土強靱化を進めていく、これはまさに焦眉の急なんだろうと思います。

 本質は、先ほどパネルで示しておられたように、人命の保護を最大限図られるべきである、そして重要な機能が致命的な障害を受けないようにしていく。これはまさに、人を助ける、あるいはその後、人々が生活をしていく上において、重要なライフラインを確保していかなければいけない。さらには、そのための被害の最小化、そして早急な復旧を図っていく。こうしたことを確保していくための、まさに国土強靱化なんだろう。

 これはソフト、ハード両面でやっていかなければならないわけでありまして、政府としては、内閣発足以来、重点的に対策を講ずべき分野を明らかにするなどの取り組みを行ってまいりました。

 また、さきの国会における基本法の成立を受けて、昨年十二月には、全閣僚で構成される国土強靱化推進本部を立ち上げたところであります。今後、基本法に基づきまして、この五月を目途に、国土強靱化の推進に向けた指針となる、国土強靱化基本計画を策定する予定であります。引き続き、必要性や効果の高いものに重点化して取り組みを進め、災害に強い国づくりを計画的に進めていきたい。

 先ほどおっしゃったように、町内会、例えば、木造密集地においては、地域でどのように延焼を防ぎ、そして、みんなで命を守るために協力して活動する、こういう協力が常日ごろから行われていることも重要であります。こうしたこともあわせ、国土強靱化を進めていきたい、このように決意をしております。

福井委員 終わります。ありがとうございました。

二階委員長 これにて福井君の質疑は終了いたしました。

 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 私は、災害対策そしてまた復興につきまして、質問をさせていただきます。

 二月上旬からの記録的な豪雪によりましてお亡くなりになられた方々に、哀悼の意を表しますとともに、被害を受けた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。

 また、今、除雪や復旧作業に当たってくださっている自衛隊初め多くの関係者の皆様に、衷心より御礼を申し上げます。

 昨日の十五時現在ですが、今回の豪雪による死者は九県で二十四人、重軽傷者は全国で九百二十六人に上り、孤立した方は、十日目でなお、一都三県で二百三十一人。交通、物流、企業への影響など、各地に甚大な被害をもたらしました。帰宅困難者、また空港や駅などの交通機関で長時間足どめされた方も多くいらっしゃいました。また、今は雪崩の危険性が懸念されております。

 今回、特に首都圏を中心に、ふだん降らないところに大雪が降ったということが大きな災害につながったと考えております。今なお孤立している集落、そしてまた被害を受けている農家や企業の早期復旧を、政府を挙げて全力で推進していただきたいと要望いたします。

 とともに、今回の雪害も、状況を検証しまして、今後の気候変動や地震災害などの事態に備えなければならないと考えます。警報の出し方、道路管理のあり方、鉄道の運行のあり方など、総合的に検討を進めるべきと思います。まず総理のお考えを伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今回の雪害につきましては、政府としては、降雪前から、古屋防災担当大臣の陣頭指揮のもと、関係省庁一体となって対応に当たってきたところであります。

 孤立集落の解消も相当程度、現在進んできているところでございますが、今回の大雪では、被害の全貌は明らかになっていませんが、特に農業について、ビニールハウスや畜舎の損壊等、甚大な被害が発生をしております。

 政府としては、被災した農業者が今後も営農を継続していけるよう、資金面において、新たに、農業用ハウス等の再建について、撤去の経費助成を含めて補助事業を実施するほか、セーフティーネット資金など災害関連資金の貸し付け当初五年間の無利子化を図ることなどを決定いたしました。さらに、今後、詳細な被害状況を把握いたしまして、現場のニーズを踏まえて追加対策を検討していくなど、支援に万全を期していく考えであります。

 また、地方公共団体における除雪経費についても、特別交付税の繰り上げ交付の措置等を含め、しっかりと支援をしていく考えであります。

 そして、今後の対応でございますが、災害対応については、当然、不断の見直しを行い、改善をしていく必要があると考えております。まずは、今般の大雪について、具体的な支障の内容や考えられる対応方策などについて、その詳細を分析、検証して、今後の見直し、改善に生かしていきたいと考えています。

 現在でもまだ不自由な生活を送っておられる方々がいる中、引き続き最大限の支援に取り組むとともに、今後予測される雪崩、屋根からの落雪、融雪に伴う土砂災害等による被害の防止に取り組んでまいります。

高木(美)委員 今、総理から大変前向きな御答弁をいただきまして、感謝申し上げます。

 まず、私は、復旧を急ぐべきということで、今、総理からも、セーフティーネット貸し付けであるとか、また農業に関する補助金であるとか、お話がございました。政府にも、また我が党にも、山梨県初め多数の自治体から、農業被害等に対する国庫補助をしてもらいたい、また、災害対応に伴う地方特別交付金など財政支援措置についての要請が届いていたところでございます。いち早くそのような御決定をいただきまして、もう少し詳細にお伺いしたいという思いでございます。

 また、あわせて、今後、激甚災害指定はされないのかどうか。例えば市町村単位の局地指定でもいいのではないかと思います。雪解けを待って被害の総額が把握できてからでは遅いのではないかと思います。柔軟に検討し、速やかに手当てすることが、復旧への力強いメッセージとなります。

 まず最初に林大臣に、昨日、山梨に入られたと聞いております。基幹産業のブドウのビニールハウスの八割が倒壊をしております。特に農業被害について、林大臣はどのような支援策を講じられるのか。ただいまの総理の答弁とあわせまして、農水省として、被害に苦しんでいらっしゃる農家の方たちにわかりやすいメッセージで、御答弁をお願いいたします。

林国務大臣 今回の降雪でございますが、私もきのう、今お話ししていただきましたように、山梨を見てまいりましたけれども、通常は余り雪の降らない地域でございます。それで、こういうところは、雪が降らないことに加えて、ハウスがたくさんあって、非常に甚大な被害がもたらされておりまして、ハウスの倒壊だけ見ても、各県からの報告が一万四千五百三件ということで、既に平成二十四年の被害の一万件を上回っておるところでございます。

 担い手が各地で多大な被害を受けておりまして、私もきのう見てまいりましたけれども、雪が降ってすぐのときはもうやめようかと思ったけれども、今、何とか再建したいと思っている、ぜひサポートしてくださいというお声をいただきましたので、万全の対策を講じていきたいと思っております。

 今お話があったように、全容を把握してから、それからということでは、この気持ちを持続させていただけないこともあると思いましたので、もう実はきょう本部を開きまして、決定をして対策を講じたい、こういうふうに思っておりますが、概要、以下のことをやろうと思っております。

 災害関連資金、これは農林漁業セーフティーネット資金でございますが、貸付利子を貸し付け当初五年間無利子化しようと思っております。それから、現場でも言われましたけれども、農業用のハウス、それから棚等の再建、修繕、それと、再建の前提となる、まず倒壊したハウスを撤去しなきゃいかぬ、この撤去に要する経費、これらの経費を助成する被災農業者向けの経営体育成支援事業、これを発動しようというふうに思っております。

 それから、雪害を受けた産地に対しまして、強い農業づくり交付金に別枠を設けまして、果樹の共選所など共同利用施設の整備を優先的に支援する。きのうも行きましたが、選果場のところの屋根がへこんで、その下に機械なども置いてあるということでございまして、こういうところを早く、集荷時期に間に合うようにサポートしていきたい、こういうふうに思っております。

 それから、被害果樹の植えかえと、これに伴う果樹棚の設置に必要な資材導入に要する経費、それからこれにより生ずる未収益期間に要する経費、こういうものを支援したいと思っております。よく桃栗三年柿八年、こういいますが、植えてから三年は何もならないわけでございますので、こういった未収益期間、これに対する経費をしっかりと支援したい、こういうふうに思っております。

 それから、農業法人等の雇用の維持のために、被災をされて当面お仕事がない、しかし法人の雇用されている方はいらっしゃる、こういう場合に、施設の復旧までの間は従業員の方をほかの農業法人等に研修目的ということで派遣していただき、こういう場合の必要な経費を支援する、こういうことも行っていきたいと思っております。

 当面こういうことをきょう決定したいと思っておりますが、詳細な被害状況を把握しまして、現場のニーズを伺いながら、さらに追加対策も検討していきたい、こういうふうに思っております。

高木(美)委員 大変力強いメッセージをありがとうございました。

 古屋大臣、何か補足されること、特別交付金のこととか、何かあられましたら、簡潔にお願いいたします。

古屋国務大臣 今、激甚災害の指定のことについてお問い合わせがございましたけれども、今調査中でございまして、できるだけ早く、対象になるかどうか、これは急ぎたいと思っております。

 一方、農業被害の方は、御承知のように、対象となりませんので、今農林大臣がお答えをしたとおりでございます。

 一点だけ。私ども、二月十四日から、全省庁から成る災害対策会議、これは内閣府設置法四条に基づいて、私が長で全省庁の連携をしていました。総理からの指示によりまして、二月十八日にそれをバージョンアップして、これは災害対策法二十四条によって、非常災害対策本部に格上げをしました。

 何が違うか。これは実は、防災大臣が、いわゆる内閣府設置法四条ですと、いわば勧告したりとかアドバイスをする。しかし、この二十四条では、知事には指示ができ、あるいは各省庁に指揮監督権がある。実質的にはほとんど変わりません。十四日からずっとやっている。

 それからもう一点。孤立集落はもう本当に減りました。その中に、実は、自主的に避難を辞退される御家族の方がいらっしゃるんですね。ただ、ちょっとプライバシーの問題があってこれは公表しておりませんが、実態の孤立集落の数よりもかなり少ないという御認識はいただければありがたいと思います。

 こういった災害から学ぶ教訓でしっかり検証して、バージョンアップをしていきたいというふうに思います。

高木(美)委員 ありがとうございました。

 先ほどお話がありました地方特別交付金のことですが、除排雪費用につきましては三月に特別交付金で措置をする、また、災害救助法の適用を受けている自治体については、要望を受けて特別交付金の一部を前倒しして三月に交付する、このような方向で検討されていると承知をいたしております。そのように総務省から伺いました。

 さて、検証につきましては、今回、交通渋滞を引き起こした原因に、スリップして動けなくなった車両がありました。場合によりましては、災害対策基本法を見直しまして、孤立した車両、これはバイク、自転車も含みます、緊急時にそれを撤去することができるかどうかを検討し、今後の対応策を練り上げるべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。

古屋国務大臣 今回の豪雪でも、放置車両が、速やかな除雪に大きな障害になりました。今委員から御指摘のように、雪害だけではなくて、地震のときにはもっと深刻な問題になるということが予測されます。

 昨年の災害対策基本法の改正のときにも、この放置車問題を検討しました。また、十二月の首都直下地震の検討ワーキンググループの中でも問題意識はありましたが、残念ながらその改定まで至りませんでしたけれども、過日、官房長官も、やはりこの放置車対策については、法改正をも含めて速やかな検討が必要だと。私も実は同じ認識でおりまして、もう既にその検討を関係省庁に指示をさせていただきました。

 瓦れきは自由に取り除けますけれども、放置された自動車がやはり撤去できない。一定のルール、じゃ、どういう要件なら撤去できるのかというようなことを、これは私有物を撤去するということになるわけですけれども、そういった取り組みはしっかり、委員の御指摘のとおり、対応していきたいというふうに思っています。

高木(美)委員 それでは、早急の対応策をお願いいたします。

 我が党も今、豪雪対策本部を立ち上げておりまして、順次、こうした御要望を承りながら、今まとめているところでございます。緊急性を要するものにつきましては、場合によっては、また政府に、総理のもとに要望をさせていただきたいと考えております。

 また、気象庁の特別警報の発表のあり方について改善すべきとの意見がありまして、気象庁長官が見直すという見解を述べていらっしゃいます。

 問題は、その情報をもとに国民がどう行動を変化していただけるか、その行動を促すために何が必要かということも検証されなければならないと思います。大雪警報が出れば車での外出は控えるというのは豪雪地域では当たり前のことですが、残念ながら、首都圏、私自身も余り存じ上げておりませんでした。

 気象庁のこうした発出情報をもとに、時には総理、官房長官が緊急に記者会見を行い、国民に注意を促すことがあっていいのではないかと考えます。総理、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今委員が指摘をされた点、問題意識のとおりでありまして、災害対応においては、住民等への危機感を迅速に、かつわかりやすく伝えることは、政府の重要な務めであると考えております。

 同時に、自然災害から身を守るためには、特別警報の発表を待って避難や対策を行うのではなくて、それ以前の警報等も活用して、自治体や国民一人一人が避難やその準備などを早目早目に進めていくことも重要であります。

 いずれにいたしましても、注意報、警報、特別警報を含む一連の防災気象情報の提供のあり方や政府の記者会見のあり方については、国民の生命財産を守るため、より効果的かつ迅速に行われるよう、不断の見直しに努めてまいりたいと思います。

高木(美)委員 また、自衛隊の出動要請につきましては、今回、市が十五日に要請したにもかかわらず、県が断り、結局、要請したのは二日たった十七日だったということがありました。

 この出動要請の権限は都道府県にあって、ひとえに都道府県知事にかかっているわけでございます。果たして一人の首長の判断でいいのか。首長がさまざまな理由で深刻な事態が把握できず、要請がおくれたために大災害になったことは、これまでも多くの事例があるところでございます。

 現在、既に、市区町村長が地元の自衛隊の部隊に直接連携をとるというシステムはありますけれども、例えば、県知事がノーと言っても、市町村が、死者が出るおそれのある緊急事態だと判断をしたような場合は、例えば国を通してとか、またさまざまなことで要請することができるという複数のルートがあっていいのではないかと思います。総理、その点も御検討いただけますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今回の豪雪災害に当たっては、自衛隊として千人規模で派遣をいたしまして、人命救助、食料、燃料の輸送、そして除雪に当たってまいりました。大規模な災害に際しましては、自衛隊を適時適切に派遣いたしまして、国民の安全を確保することが極めて重要であります。

 自衛隊の災害派遣に当たりましては、原則として都道府県知事が要請を行うこととなっている、これは今委員の御指摘のとおりでありますが、これは、知事が地域における災害対策の総合調整を行う責務を有しておりまして、被害状況を全般的に把握し得るのは都道府県であるということであります。同時に、地域の消防、警察等の災害救助能力も掌握をしているのは都道府県、そして知事になるわけであります。

 その観点から、全般的な状況を踏まえ、自衛隊の派遣が必要か否かを適切に判断ができるとの考えによって、都道府県知事にそうした権限が与えられているということであります。

 また、自衛隊の派遣を必要とするような災害の場合には、被害が複数の市町村にまたがることが大変多いわけでございまして、市町村長は他の市町村を含めた全般的な被災状況を把握することはできない場合の方が多いのではないかということが類推されるわけでありますが、複数の市町村長による派遣要請が錯綜する場合には、かえって自衛隊の派遣について的確な判断が困難になるおそれもあるというふうに考えられます。

 一方、必ずしも原則どおり運用できない場合もあることから、現行法上も、知事と連絡がつかないような場合には市町村長が自衛隊と直接コンタクトする仕組みや、特に緊急を要し、知事の要請を待ついとまがない場合には、自衛隊側の判断だけで派遣する仕組みも設けられておりまして、基本的には、都道府県知事だけではなくて、市町村長、あるいはまた緊急を要する場合には自衛隊側の判断だけでも出せるということであります。例えば、東日本大震災の際の初動対応は、自主派遣でありました。

 このような災害派遣の仕組みがいざというときに十分に機能し得る、これが一番大切でありますが、常日ごろから、市町村のレベルにおいても自衛隊と防災訓練を行うなど、緊密な連携体制を構築しておくことが重要と考えております。

 もちろん、今後、今回のことも踏まえまして不断の見直しを行っていきたい、このように考えております。

高木(美)委員 大変丁寧な御答弁、ありがとうございました。

 小野寺大臣、できれば、今回、そういうことを市区町村長が果たしてちゃんと掌握しているかどうか、御存じかどうか、その点をぜひ少しお調べいただきまして、その上で、余り御存じない方が多いようでしたら、実はこういうルートもあるということを、再度徹底をお願いしたいと思います。よろしいですか。済みません、その場で。時間がなくなりまして。(小野寺国務大臣「しっかりやります」と呼ぶ)はい、ありがとうございます。その場から御答弁いただきまして恐縮でございます。

 それでは、恐縮でございます、災害につきましては質問は以上でございますので、小野寺大臣、また林大臣、古屋大臣、大変にありがとうございました。以上で御退席くださって結構でございます。ありがとうございます。

 続きまして、復興につきまして、時間が迫ってまいりましたが、質問させていただきます。

 まず、太田大臣にお伺いをいたします。

 先般、津波により被災したある市から公明党に要請がありました。これは、十二月の衆議院の復興特別委員会視察の際にも同様の要請を受けました。これは、土地区画整理事業によりまして、土地のかさ上げをして市街地の再建を計画している。通常の手続とは異なって、地権者に代替地を決定する、これがルールなんですが、仮換地処分というふうに言うようですが、その前に、地権者の同意を得てかさ上げ工事を始めるということとなっております。

 そこで、これまで市の職員が手分けをして全国の地権者のところに足を運び、約半数の同意はとれたけれども、限界であると。これ以上時間をかけられない。このまま全体でかさ上げができなければ、その地権者のところだけへこんだ土地となって、市街地、住宅の復興ができなくなるということで、早急に工事に着手できるよう土地区画法の特例が認められないだろうかという御要望でございました。

 この件は、昨年秋、我が党の遠山議員に相談が寄せられまして、若松議員と一緒に、また私も途中から加えていただきまして、政府と何度も相談をしてまいりました。

 その結果、政府でできないんだったら議員立法をつくるしかないじゃないか、こういうことで検討を始めた次第でございます。その打ち合わせのたびに、市長や担当課長が遠いところから駆けつけて、必死でいらっしゃるという姿を見ております。

 太田大臣、この件につきまして、明快な御答弁をお願いいたします。

太田国務大臣 結論的に申し上げますと、地元の真剣な要望に応えたいというふうに思っておりまして、遠山さん初めとして同僚議員に、心から尽力に感謝をしたいというふうに思います。

 被災地の土地区画整理事業につきまして、被災者の居住の安定を一日でも早く確保するために、かさ上げというのは非常に大事なことになります。

 このため、委員御指摘の経過も踏まえまして、速やかな工事着手が可能となるよう、今般、工事のための仮換地に関するガイドラインを出しました。二段階に分けて仮換地を指定するという新たな手法をつくり上げたところでございます。

 具体的には、まず、かさ上げ等の工事を行う土地について、通常の仮換地に先立って、仮仮換地ともいうべき仮換地を指定して、地権者による土地利用を制限して、かさ上げ等の工事着手を可能にします。その後、工事が進んで換地設計に向けた検討調整が進んだ段階で、地権者に対しまして移転先地を示して、通常の仮換地を指定するということとしています。

 御指摘の市の事業につきましては、今月中にも岩手県知事による事業認可が予定されていると聞いておりまして、今般発出したガイドラインを踏まえて、今後本格的に市によって事業が進められるということを承知しています。

 国交省としまして、被災自治体と緊密に連携をして、各事業段階における具体的な要請に真摯に応えながら、被災地における土地区画整理事業の円滑な執行、運営というものの推進を図っていきたい、このように考えております。

高木(美)委員 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

 太田大臣への質問は以上でございますので、御退席くださって結構でございます。ありがとうございました。

 続きまして、福島の、また震災関連死ということで質問をさせていただきたいと思います。

 これをごらんいただきたいと思いますが、震災関連死が、福島では、直接死の千六百七人を抜きまして、千六百六十四人となりました。他の二県では関連死はもう既に少なくなっておりますが、福島は違っております。中でも、ここにはありませんが、南相馬市四百四十七人、浪江町三百十七人、富岡町二百二十五人など、警戒区域に係る地域が多いことが見てとれます。関連死の原因につきまして、調査では、たび重なる避難と、また避難所等における生活の肉体的、精神的負担が最も多いとなっております。

 高齢者が多い中、関連死を防止するにはどうしたらいいかということなんですが、今までもさまざまな、災害公営住宅の本格着手とか、また心のケアであるとか見守りであるとか、こうした政策を述べられておりますが、私は、生きがいをどうつくるかということではないかと思います。働くこと、仕事をつくること、そしてその方たちに復興の主体者になっていただくこと。この地域の方たちは、本当に御高齢になられても働いてきた方たちですから、農地を借りて収穫、販売、ボランティアなど、むしろ私はそこに予算をふやすべきではないかと考えております。

 根本大臣の御答弁を求めます。

根本国務大臣 震災後に震災に関連してお亡くなりになられる方がおられる、本当に私も心が痛みます。

 先生お話しのように、復興庁はこれまで、東日本大震災の災害関連死の死者数及び現状、原因の把握、対応策の検討を行ってまいりました。そして、まさに要因は、避難所等における生活の肉体、精神的疲労、あるいは移動中の精神、肉体的疲労、あるいは病院の機能停止による初期治療のおくれ、これが主な原因であります。

 委員御指摘のように、やはり何よりも早く仮設住宅から恒久的な住宅に移っていただけるように、復興公営住宅、住宅再建、まちづくり、この加速化に取り組む。さらに、もうお話もありましたが、それまでの間についても、適切に、健康面、生活面での総合的な対策を講ずることが必要だと思います。

 今までも被災者の見守り活動、孤立防止や心のケアに取り組んでまいりました。さらに、昨年の秋に、被災者に対する健康・生活に関するタスクフォース、これを立ち上げて、そして総合的な対策をパッケージでまとめました。

 その中でも一番大きな柱は、仮設住宅入居者などの避難者に対する健康支援、保健師による巡回指導、あるいは心のケア、サポート拠点の整備、こういうものを大きな柱として打ち立てました。

 今委員がお話しのように、やはり私も生きがいづくりだと思います。仮設住宅の中でも、確かに、農業をやっておられる方は、やはり農業が生きがいですから、仮設住宅の近くで農業をやって、そして頑張っておられる方、そういう方々もおられます。やはり、心のケアも大事ですが、もう少し包括的な、委員の御提言のような総合的な対応、私も必要だと思っております。

高木(美)委員 ありがとうございます。私どもも、しっかりと政府・与党として働いてまいりたいと思います。

 これからまた、福島は新たな局面を迎えてまいります。これから生活をどこでどのようにしていくのか、そこをお考えいただくということで、私たちも、人間の復興と掲げてまいりましたので、しっかりと相談支援体制等々、政府にさらに求めながら頑張ってまいりたいと思います。

 最後に、サービスつき高齢者住宅につきまして、恐れ入ります、田村大臣、お待たせをいたしました、一言だけ御答弁をいただきたいと思います。

 今回、このサービスつき高齢者住宅、これは高齢者の、今後の、地域でどのように暮らしていくか、介護と医療を求めていくという、そのような大事な政策と承知しております。

 しかしながら、今回、四月一日から実施される診療報酬改定では、同じ建物内の患者を診療する際の診療報酬を四分の一に引き下げるとしております。突然の大幅の引き下げに、事業者は戸惑っております。大臣の今後の対応策、ぜひともお願いをしたいと思います。答弁を求めます。

二階委員長 田村厚生労働大臣、もう時間が来ておりますので、短くお願いします。

田村国務大臣 御指摘の点でございますけれども、高齢者の方々が多数住む住宅等、例えば養護老人ホームの一部でありますとか、軽費老人ホーム、サービスつき高齢者向け住宅、有料老人ホーム、こういうものでありますけれども、こういう中において、紹介を医者に対していたしまして、その医療機関が過剰に訪問診療をやって、その上で手数料のようなものを支払うというような問題が、これは新聞等々でも報道されたわけでありまして、今回、同一施設で複数人の訪問診療に対して低減をさせていただくということで、中医協で御議論をいただきました。

 いずれにいたしましても、在宅での訪問診療、これは大変重要でございます。これに関しましては、例えば、在支診、在支病、さらには後方支援病院、また高度な機能を持つ訪問看護ステーション、こういうものを評価をしっかりする。また、主治医機能で外来も強める、こういうことをしてまいりたいと考えておりますが、今般に関しましては、しっかり検証をさせていただきまして、関係者とも御議論をさせていただきたいというふうに思っております。

高木(美)委員 ありがとうございました。以上で終わります。

二階委員長 これにて高木君の質疑は終了いたしました。

 次に、黄川田徹君。

黄川田(徹)委員 民主党の黄川田徹であります。

 今般は、震災復興について、通告に従い順次質問していきたい、こう思います。

 間もなく、東日本大震災発災から三年となります。政府にあっては、来る三月十一日に国立劇場で三周年の追悼式典を挙行するということでございます。被災地の各自治体も、それぞれ追悼式を予定しておるわけであります。

 先ほど高木委員さんからお話しのとおり、震災関連死の方々も大勢おられます。そしてまた、行方不明者もおられます。しっかりと哀悼の誠をささげなきゃならない、こう思っております。

 そしてまた、発災直後から、本当に大勢の皆さんに被災地はお世話になりました。義援金、国内だけでなく海外からも、そしてまた、復旧復興のために汗を流すということで、大勢のボランティアの皆さんにもお越しいただきました。さらには、皇室の方々、たびたび被災地を訪問していただき、本当に被災者の一人としてもありがたい、こう思っておるわけであります。

 また一方、震災から三年ということは、当時の小学校の六年生は高校受験、当時の中学三年生は大学入試と、本当に子供たちにとっては、この三年、大きな月日の流れだ、こう思っております。

 そしてまた、みなし仮設、あるいはまた応急仮設に入居の方々も、私もそうなんですけれども、当初、三年たてば相当自分自身の生活も変わってくる、こう思っておったわけでありますけれども、もちろん、この震災復旧復興に、誰もサボっている者はないし、みんな一生懸命やっておるのでありますけれども、しかしながら道半ばであるということは、これは現実だと思っております。

 そしてまた、岩手、宮城等の津波災害のところも、来年度は本格的な工事ということで、目に見えて社会資本の整備は実感できることと思いますけれども、それに伴って、それぞれの人生設計といいますか、例えば、体力のある方々はもう自主再建しております。グループ化補助金で自立できた会社もあります。しかしながら、住宅に住んでいる方々の中には、当初は住宅再建と思ったけれども、災害公営住宅の入居であるとか、それから、入居をすると家賃がどうなるんであるとか、あるいはまた、入居しながら仮設の店舗で頑張って仕事をしているんだけれども、本設ができるんだろうか、震災の後の人口減少の中で本当にやっていけるのだろうかという、さまざまなみずからの決断もしていかなきゃならないということであります。

 福島については、本当に、復興はスタートラインにつくということだと思っております。長期の避難によって、精神的にも肉体的にも大変な状況でありますので、現実的な対応、しっかりと決断と実行をやっていかなきゃならないということだ、こう思っております。

 私も、五年の仮設住宅生活ですか、しっかりと先を見据えて頑張っていきたい、こう思っております。

 そこで、集中復興五年ということであります。もう折り返し地点も過ぎました。そこで、政府のこれまでの復興に対する取り組み、それから、新たな課題等々、総理の認識を伺います。

安倍内閣総理大臣 黄川田委員におかれましては、委員御自身が被災されまして、最愛の御家族そして秘書の方を失われました。改めてお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 復興は、安倍内閣におきまして最重要課題の一つでありまして、私自身も幾度となく被災地に足を運びまして、被災地の方々の声を伺ってまいりました。現場で最も望まれていることは、住宅再建・復興まちづくりの加速、そして産業、なりわいの再生と福島の復興再生であります。

 地震、津波被害からの復興につきましては、被災者の方々に住まいの見通しを持っていただくために、住まいの復興工程表を発表いたしたところでございます。現在、高台移転や災害公営住宅の建設は、計画の約七割以上で事業が始まっておりまして、計画策定の段階からいよいよ工事の段階に移っているところであります。

 また、産業そしてなりわいの再生につきましては、中小企業グループ補助金による施設の復旧や、仮設店舗、工場の整備を支援することなどによって、鉱工業生産は震災前の水準に戻ってきております。

 さらに、原発事故災害からの福島の再生に当たっては、昨年八月に避難指示区域の見直しを完了いたしました。これを踏まえまして、住民の早期帰還に必要な環境整備のため、復興再生事業の工程表の策定や、長期避難者のコミュニティー確保に向けて復興公営住宅の整備、そして、中通りなどの定住対策として子供の運動機会確保のための施設の設置などを行っているところでございます。

 これまでの三年間で一定の成果は出ておりますが、なお二十七万人の方々が避難生活を強いられているわけでございまして、まさに道半ばであります。被災地の復興なくして日本の再生はなし、この基本的な考え方のもと、現場主義のもと、関係者の皆様の御協力をいただきながら、復興の加速化に向けて全力を尽くしてまいります。

    〔委員長退席、金田委員長代理着席〕

黄川田(徹)委員 瓦れきの処理については、この三月で岩手、宮城に関してはほぼ完了するということでございますけれども、また、まちづくりあるいはまた商店街の振興となれば、身近な、例えばクリーニング屋さんであるとか床屋さんであるとか洋品店であるとか、そういう方々もしっかりと復活させていかなきゃならないというところもあると思いますし、そしてまた、集中五年の中ではやり切れないところ、まだまだやらなきゃいけないところがあるということでございます。

 鉄道の復旧については、これは政府の仕事というよりもJRとの関係がありますけれども、例えば、岩手にあっては第三セクターの三陸鉄道北リアス線、南リアス線、これが四月には全面復旧いたします。

 そしてまた、岩手の宮古と岩手の釜石区間を結ぶ山田線なんでありますけれども、JRから、こういう形で復旧したいという提案も出ております。これについては、その点を今、県、市町村、それぞれ協議中であります。

 加えて、同じ岩手にあって、JRの大船渡線、岩手の大船渡市盛と宮城の気仙沼を結ぶ線であります。それから、宮城の気仙沼線、宮城の柳津と気仙沼を結ぶ路線でありますけれども、それぞれ、JRからは復旧復興のために、大船渡線は四百億、あるいは気仙沼線は七百億というふうな数字も出ておるわけであります。

 まちづくりと一緒になったこの鉄路の復旧でありますけれども、人口減少が本当に加速化する時代、そしてまた足の確保、公共交通体系の維持、こういうものをしっかりと見据えていかなきゃならない、こう思っております。

 そこで、まだまだやることがあるということは明確なんでありますけれども、震災復興五年を過ぎた後の取り組みもまた重要だと思っております。五年を過ぎた後の事業規模であるとか、あるいはまた財源の枠組みであるとか、さまざま議論しなきゃいけない、こう思っておりますが、総理のお考え方はどうでしょうか。

 では、根本大臣からお願いします。

根本国務大臣 委員、被災地の議員として、本当に現場を回っていただいて、そして意見を吸い上げて、御尽力いただいております。

 ただいまの御質問ですが、もう既に委員御案内のように、集中復興期間、この五年間、財源手当てを十九兆円から二十五兆円に拡大して、今、この五年間、投資が集中する期間、そこをしっかり財源的にも支えようということで鋭意取り組んでおります。

 お話の、その後どうなるかということでありますが、これはこれから全体の財源の問題を含めて検討していくことになりますが、いずれにしても、必要な事業はしっかりやらなければいけません。その時点その時点で必要な財源はしっかり確保して復興をなし遂げていくということで、これからしっかりと取り組んでいきたいと思います。

黄川田(徹)委員 総理からの答弁と思ったのでありますけれども、大臣から答弁いただきました。

 それでは、大臣も就任から一年ということで、さまざま、各省庁の一段高い中で司令塔として頑張るという決意のもとに昨年私も答弁いただきましたけれども、この一年間の自己評価、採点をどうぞ国民の皆さんにお示しください。

根本国務大臣 自分で採点というとおこがましいので、これは歴史が評価するだろうと思います。

 私も復興大臣に就任して以来心がけてきたこと、一つは、現場主義。今、委員も、いろいろ岩手県の状況もお話がありました。それぞれ、市町村によっても地域によっても、問題、抱える課題が異なりますから、やはり現場主義。

 そして、現場に何が問題、課題が起こっているか、それをしっかりと吸い上げて、司令塔機能の強化。要は、復興は政府全体の省庁にまたがりますから、この司令塔機能の強化、各省庁しっかりと一緒になって取り組んでいく。その司令塔が私ということですので、しっかりと司令塔機能を果たしていく。

 もう一つは、時間軸。やはり復興が進んでいくにつれて、だんだん問題、課題も、新たな課題が生じてまいります。仮設住宅の他の、例えばUターン者への提供ができないか。あるいは、仮設店舗から、いよいよ商業まちづくりも本設店舗に移っていく。

 新たな課題が出てまいりますので、大事なのは、一つ一つの具体的な課題をいかに解決していくか。その意味では、例えば住宅再建、まちづくり、さまざまな課題がありますから、私のもとに関係省庁の局長を集めて、具体的な制度の深掘りをやっていく。私が陣頭指揮をとって各省庁としっかりやっていく。安倍内閣は全ての閣僚が復興大臣のつもりで共有してやってほしいということが総理の指示ですから、その三点を信条に取り組んでまいりました。

 住宅再建、まちづくり等々さまざまな課題がありますが、私は、やはり省庁挙げて政府一丸となって取り組んでいく、その体制づくりと復興加速、一意専心、この復興に一点に集中して取り組んできたつもりであります。

黄川田(徹)委員 その熱意はわかりましたけれども、実は、昨年の通常国会では復興特別委員会がたびたび開催されました。一般質疑あるいはまた参考人質疑、それから委員派遣等々、岩手、宮城、福島と現場を見てまいりました。残念なことに、昨年の臨時国会、もちろん会期は短いわけでありますけれども、野党、与党もなく私は復興はあるべきだと思っておりますし、野党からも委員会の開催ということでさまざま要望したのでありますけれども、一度だけの開催となってしまったわけであります。

 大臣も、先頭を切ってやっているということであれば、やはり国民、被災者の皆さんに説明する機会もたくさん持たなきゃいけない、こう思います。であるならば、国会あるいは委員会を通じて、政府の今取り組んでいることを、当然、全てではないと思いますが、与野党からも、足らざるところ、さまざま意見が出ると思うので、ですから、今通常国会、まだ予算委員会でありますけれども、しっかりと委員会を動かしていくといいますか、もちろん委員会の理事の皆さんの力をかりて動かしていくわけなんでありますけれども、どうぞ、積極的に政府も委員会に出て順次復興の進みぐあいを説明する責任があると思いますので、よろしくお願いいたします。

 では、ちょっと質問の順序を変えまして、先ほど仮設住宅の話をされましたので、仮設住宅の入居、住宅再建された方などなど、あるいはまた、まだ公営住宅は十二分にできておらないのでありますけれども、何とか抜け出せた方々があって、空き部屋というものが出てきております。

 もちろん、この仮設住宅入居の要件は、何といっても、災害救助法、その要件に基づいた形の中で入居されなきゃならないのでありますけれども、例えば、応援に駆けつけている職員の方々が入れないか、あるいはまた、ボランティアで復興のために汗をかいている人たちが入れないかということで、順次、空き部屋の入居の要件が拡大されてきたところがあります。

 そのほか、まちづくりのためにUターンをしたいという方々も出てきております。たしか、そういう取り組みについても、国が基本的な方針をつくり、そして県の基準でもって柔軟な対応ということの流れになっていたと思っておりますが、その辺を確認したいと思います。

 もちろん、解体撤去、これも順次やっていかなきゃいけないし、それから、速やかに、学校の校庭など、子供たちに土地を返していかなきゃいけないというところもあるのでありますけれども、今後大きく動いていきますので、仮設住宅の取り組みについて改めてお尋ねいたします。

根本国務大臣 仮設住宅については、例えば大槌町から、あいている仮設住宅にUターン希望者、新規就労者などが入居できるようにできないか、こういう御指摘もありました。委員も熱心に取り組んでいただきました。

 今回、仮設住宅については、災害救助法に基づいて、そもそも仮設住宅は、避難された方への住宅という法的な位置づけがあるものですから、そこを何とか工夫できないか。その意味で、仮設住宅は市町村の行政財産でありますから、行政財産の目的外使用という規定、これが地方自治法にありますので、この規定を運用して、ただ、それぞれの市町村でいろいろな状況が異なりますので、目的外使用も可能であるという対応をさせていただきました。

 私も、なるほど、さまざまな課題がそれぞれの段階で出てくるんだなと改めて思いましたが、この方針についても、地域によって状況が違いますから、委員御案内のように、例えば公共用地に仮設住宅がある、これは、実は集約、撤去をしたいという自治体もおられますし、そこは自治体の事情によってさまざまな対応が必要になってくるんだろうと思います。

 その意味では、Uターン者や新規就業者について、例えば自治体の判断で検討、協議をしていただいて、入居できるような道を開いたということであります。

黄川田(徹)委員 次に、先ほど高木委員さんからお話があった、高台移転あるいはまた土地のかさ上げに関して、さまざまな土地の取得、処分の実務をやっていかなきゃならないということで、そこがこの事業の進みぐあいの隘路になっているんじゃないのかということで、さまざま被災地の市町村から提言がございます。

 提言といっても、岩手、宮城、宮城の方では復興庁も第一弾、第二弾、第三弾、第四弾と加速化の運用方針なんかを発表しておりますけれども、その運用の中で何とかやり切れるのかなという宮城の考え方なのかなと思っておりますが、少なくとも岩手に関しては、何千人との用地交渉、さまざまな問題があるということは、もう既に大臣御認識のことと思います。

 そういう中で、何が最もふさわしいのか、運用で本当にできるのか、あるいはまた立法措置をしなきゃいけないのか、そういうところをやはり復興委員会を通じて議論して、今まさにここが最も課題となっているんだというところをやっていかなきゃならない、私はこう思うわけであります。そうでなければ、人海戦術でこれをやり切ろうとするのかとか、そういうふうにやゆされる場合があるわけなんであります。

 それから、先ほど国交大臣から御答弁いただきましたけれども、ああいうものについても、むしろ復興委員会の中で、そういうやり方、それがどれだけ効果を発揮するのか、いろいろな議論をしていかなきゃならないと思うのであります。

 私は、この大震災、そしてまた、最初の質問者の福井さん、国土強靱化のことでもお話しされましたけれども、ハード面だけじゃなくて、震災復興でのソフト面、制度設計、これは本当に、南海トラフ地震の大災害あるいはまた首都圏の大災害になったときに、今の制度設計で本当に土地取得、処分ができるのかという大変な心配があるわけなんですよ。

 その教訓のためにも大いに議論しなきゃいけないと思っておりますけれども、さまざま言いましたけれども、大臣、どう思いますか。

根本国務大臣 私が復興大臣に就任してから、今までの災害復旧復興、これはやはり予算が大事なんですね。予算を、例えば十九兆円を二十五兆円にふやしました、しかし、それで動くわけではない。具体的な課題、問題点が出てくる。これをいかにして克服していくか。

 その意味で、用地取得、あるいは住宅再建・まちづくりタスクフォースをつくって、第四弾にわたって、具体的な加速化措置、これを講じてまいりました。その結果、例えば、住まいの見通しを持っていただく、あるいは、防災集団移転事業、高台移転の計画は約九割で着工に至る、そして災害公営住宅でも七割の着工に至るという結果があらわれてきております。

 用地取得問題については、要は、今回、用地取得の抜本対策をまとめました。私は必要な法律はつくればいいと思いますが、ただ、私権制限にかかわるようなテーマになってくるので、今の現行法体系でどこまで深掘りできるか。これは、新しい法律をつくったと同じぐらいの対策、対応をさせていただいたつもりです。

 これはいろいろな議論がありました。

 例えば防災集団移転事業では、これは収用対象事業ではありません、所有者不明の土地が出てくる、これをどうするか。財産管理制度がある、しかし、財産管理人がいない。これも、財産管理人は、今、被災三県で五百六十人用意してもらいました。あるいは、財産管理人が裁判所の許可を得て処分する、全体の財産管理制度、今までは六カ月ぐらいかかっておりました。これを、今回の新たな取り組みによって、書類が整っていれば三週間でやれる。

 あるいは、土地収用手続も、事業認定手続を、三カ月を二カ月に短縮する。具体的なモデル事例では、用地取得手続を三年、鵜住居の例では、三年を短縮することが可能になりました。

 やはり大事なのは、今まで収用法あるいは財産管理制度がありましたが、この運用については、新しい法律をつくったぐらいの加速化措置を、まさに政府を挙げて深掘りをしてやってまいりましたので、委員お話しのように、具体的に委員会でも議論すべきだと思いますが、少くとも我々も、委員の思いを受けて、この問題は最重要課題だと思って、具体的な加速化措置に取り組んでまいりました。

 関係省庁も、例えば、法務省が裁判所に呼びかけて、裁判所がQアンドAをつくってくれる、裁判所が書記官を二十五名増員してくれる、ここまでやった事例はないのではないかと思いますが、我々、少なくとも、本当に加速しなければいけないという思いは委員と共通しておりますので、制度を前に進めるということで具体的にやってまいりましたので、また委員とは御意見を交わさせていただければと思います。

黄川田(徹)委員 残り時間も少なくなってまいりましたので、やはり、福島の復興なくして東北の再生はなし、日本の再生はなしだと思っておりますので、福島県の最重要課題であります全員帰還に関しては、方針の転換ということで大きく変わってきておりますけれども、その方針転換の思いを、初めに総理にお尋ねいたしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 福島第一原発の事故発生から三年近くが経過してきた中において、被災者の方々の中には、戻りたいと考えておられる方々、そして、戻らないと考えておられる方々、また、判断に迷っておられる方々がいらっしゃるわけでありまして、さまざまな考え方の方々がおられるというふうに承知をしております。

 このため、政府では、昨年末、さまざまな住民の声に応えるために、帰還支援と新生活支援の両面の支援策を打ち出しました。

 すなわち、早期の帰還を進める地域については、安全、安心対策の具体化や農業、商工業再開の環境整備、長期にわたり避難を余儀なくされる地域については、町外コミュニティーの整備、そして新しい生活を選ぶ方には、必要十分な賠償や町内外の復興拠点の整備等を進めることとしています。

 政府としては、こうした取り組みによって、地元とも当然十分に協議を進めながら、被災者の方々のそれぞれの判断に応じて丁寧に支援をしていく考えであります。

黄川田(徹)委員 全員帰還ということで、さまざまな政策に取り組んで頑張ってきたわけでありますけれども、しかしながら、復興の足元の現実も見詰めていかなければならないということでありまして、まさに三年という節目の中で、津波被災地もそれぞれ決断していかなきゃならない、そしてまた長期避難の福島の方々も、戻る、あるいはまた戻らない、戻らないというよりも戻れない、さまざまあると思います、さまざまな選択をしていかなきゃならないということだと思っております。

 ただ、いつかは戻りたいという方々もあると思います。ですから、その将来的な環境整備、それも責任を持って取り組んでいかなきゃならない、私はこう思っております。不本意な移住ではなくて、やはり、生まれ育ち、骨を埋めるところというのは皆あるわけでありますので、そこのところは肝に銘じてやっていただきたい、こう思うわけであります。

 そこで、時間もなくなってまいりましたので、ちょっと汚染水の対応といいますか、たしか、汚染水を貯蔵しておくタンクも一千基を超しておるかと思います。いろいろな、除去する、多核種除去装置というんですか、ALPSですか、そういうものを動かしながらしっかりと対応すると。

 それから、この汚染水は、たしか、来年三月、一四年度末までには処理を終えるということになっておりますけれども、大変心配なところを私は持っております。

 経産大臣、その状況はどうですか、汚染水対策の関係は。

茂木国務大臣 福島の復興を進める上で、廃炉・汚染水対策をしっかり進めることは極めて重要だと考えておりまして、安倍政権としては、これを東電任せにしない、国も前面に立ってさまざまな対応をしていきたいということで、昨年の九月に、汚染源に地下水を近づけない、汚染源そのものを取り除く、さらには、汚染水を海に流さない、こういう基本方針をまとめまして、九月の十日に、この方針のもとでのアクションプランをつくりました。

 また、御案内のとおり、年末には、そういったアクションプランが、一つ一つ検証する中で、十分に機能しない場合の重層的な対策、さらには将来的なリスクに備えての予防的な対策、この取りまとめを行ったところでありまして、現在、しっかりと進捗を管理しております。

 タンクの増設の問題、そこの中で、個々の汚染水漏れ等々が起こっていることについては極めて遺憾であり、現場の体制の強化であったりとか、さまざまな取り組みをこれからも充実してまいりたいと思っておるところであります。

 それから一点、先ほど国土強靱化について、ハード中心というお話だったんですけれども、本当は二階委員長が答えたいぐらいだと思うんですけれども、今いらっしゃらないので。

 ちょうど党の方で国土強靱化総合調査会をつくったときの政調会長は私で、二階先生に会長をお願いしたわけでありますけれども、我が党としては、この国土強靱化、ハードだけではなくて、むしろソフトの施策を充実させる、法案をごらんいただいてもそのような形になっておりまして、ハードとソフトをしっかりと組み合わせて国民の安心、安全を守る、こういったことを進めてまいりたいと考えております。

黄川田(徹)委員 福島の再生のためには、中間貯蔵施設の問題、それから汚染水の問題、これは全面的に国が前に出なければいけない、こう思っておりますし、逆に言うと、経産大臣も、それから復興大臣も、組織の中でみんながやれるところはみんなに任せて、そこのところは俺は腹をくくってやるんだというところが福島の皆さんに見えてこないと、期待が外れてしまうというところがあるかもしれません。

 前復興大臣は岩手の平野達男でありましたけれども、今般は福島の根本さんであります。大いに期待するところはあると思います。

 国は、予算をつけ、仕組みをつくっていくわけでありますけれども、やはり復旧復興の現場は自治体であります。

 それから、汚染水対策も、私も現場に行ってきましたけれども、仕組み、組織はそれでいいのでありますけれども、現場の作業は大変な状況にあります。一日で終わる仕事ではありません。

 ですから、やはり委員会を開いて、ここまで復興が来たんだというところを、せっかく示す場所、復興特別委員会というのがあるのでありますので、むしろ政府の皆様方から、開催せよ、これぐらいの意気込みが私は欲しいと思っております。

 時間であります。終わります。

金田委員長代理 この際、大串博志君から関連質疑の申し出があります。黄川田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大串博志君。

大串(博)委員 おはようございます。民主党の大串博志でございます。

 早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。

 まず、質問の順番を変えまして、今、交渉もオンゴーイングで続いておりますTPPの課題から始めさせていただければというふうに思います。

 報道等でもありますように、今、TPP、土曜日からシンガポールで閣僚間の交渉が行われております。行方はいかにというような注目を集めている状況でございますけれども、ちょっとこのパネルを見ていただきたいんですが、これは、一昨年の夏に、アメリカから自動車分野についての米側関心事項として示されたものでございます。

 当時、私、TPP担当の政務官をしておりましたけれども、ここにあるように、いろいろな日本の規制制度改革に関する要求、要望、関心事項が並べられています。

 透明性、流通、これはディーラー制度ですよね。あるいは技術基準、これらに関して、日本の技術基準をこうしてほしい、ああしてほしい。あるいは認証手続もしかりです。あるいはグリーンテクノロジーに関しても、こういったものができないか、こういうふうにアメリカは言ってきている。税、これは税とだけしかここに書いていませんけれども、今回、税に関しては、軽自動車の税率を上げるという方向で、結果としてこれに沿った形、米側関心事項に沿った形になっている、こういう状況があります。

 アメリカはこういうふうに一年半前に言ってきたわけでありますけれども、私の理解では、これはアメリカにとっては本丸ではありません。アメリカが本当に守りたい本丸は、日本がアメリカに自動車を輸出する際にかけられている関税二・五%、これを絶対に撤廃したくない、日本の車にアメリカに入ってきてほしくないというのが本丸であって、いわば、日本に対してこういうことをしてくれといういろいろな規制制度改革要求に関しては、その本丸を守るための防波堤だというふうに思っています。すなわち、本丸を守るために防波堤を高く築いて、すごく遠い防波堤のところでまだ日本はせめぎ合いを余儀なくされている、こういう状況ではないかというふうに思います。

 こういう中で、十二月のシンガポール交渉、私、行ってまいりました。そのときの雰囲気はこんな感じだったと思います。すなわち、アメリカと日本のスタンスがこんなに離れていた。そういう中で、日本側としても、もし本当にアメリカが年内にまとめたいのであれば、早急にまとめたいのであれば、アメリカ側からおりてくれる、譲歩してくるべきではないかという態度だったと思います。私、それは正しかったと思うんです。

 結果として、アメリカは譲歩することなく、十二月会合は結論を得ることなく終わりました。私は、それは正しかったと思います。すなわち、本当にまとめたい、この時期までに交渉を取りまとめたいというふうに思うところがあれば、それなりの譲歩をしてくるべきだというふうに思います。

 その十二月の日本の交渉態度からして、私、ちょっと不安に、かつ、不思議に思ったのが、先般の甘利大臣の訪米でございます。

 甘利大臣は、先般訪米されまして、フロマン米国通商代表と議論をされました。日本側から行っている。私も国際交渉をたくさんやりましたけれども、日本が行くということは、やはり、日本がお願いをする、まとめようという方向に踏み出す、とすると、向こう側は当然、では日本は何ができるの、こういうふうに譲歩を向こう側から迫ってくる、こういう形にならないかということを非常に心配したわけでございます。

 ですから、今般、本当に甘利大臣はアメリカにこちら側から行った方がよかったのかどうか、この辺に関して、それを許可された総理の御見識をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今、大串委員が質問されているのは、現在シンガポールで閣僚級の交渉が続けられているわけでありますが、これに先立ちまして、甘利大臣が訪米をいたしまして、フロマン通商代表との間で日米の協議をしてきたところでございます。

 そこで、TPP交渉をまとめていく上において、日米間の懸案事項を解決していくことが極めて重要であろう。まさに日米でTPP交渉をしっかりと引っ張っていく。TPPを構成する国々の中においては、米国と日本が圧倒的に経済規模が大きいわけでございますので、この二国間において協議を進めていくことによってTPP妥結に向けての原動力にしていこう、この考え方においては日米が共通しているところなんだろう、こう思うわけでございます。

 その上において、事務レベルの折衝だけでは進まない中において、権限ある閣僚同士で協議を行った方がよいという判断をしたところでございます。

 確かに、大串委員がおっしゃったように、どっちの国に行くのか。俺の国に来い。いわば、その国に行ったら、ややアウエーになるわけであります。

 そこで、ではこちらが一方的に行ったのかといえば、そうではなくて、昨年の八月と十二月にはフロマン代表が日本に来ておりますので、今回はこちらが米国に行ったということでございまして、こちら側だけが一方的に呼びつけられているということではなくて、昨年は二回向こう側が来たので今回はこちら側が行こう、こういうことでございまして、そういう中において、閣僚レベルにおいてしっかりと交渉してもらいたいと私は判断したところでございます。

大串(博)委員 前回フロマン氏が来たので今回行ったということでございましたけれども、閣僚会合が今回大筋合意に至るかどうかという極めてセンシティブなところでの訪米、しかも突然の訪米でございました。やはりこちらが行くということに関しては、何がしかのお土産みたいなものを持っていかざるを得なくなるんじゃないかという思いを持った国民の皆さんは多かったと思います。

 しかも、結果として、今、ボードに示しているのは、甘利大臣がフロマン通商代表と先週面会をした後、フロマン氏がUSTRのホームページに出した声明文です。

 これは、この中で三つほどお互い合意したという部分があります。一つ目、括弧一とありますけれども、これは何を言っているかというと、一番上は、今度のシンガポール会合が成功に至るように協力しようということを合意した、これは当然。二番目が、農業を初めとする市場アクセスの分野についてお互い立場を縮めていこうということを合意したということが書かれています。これは繰り返し甘利大臣もその後言っています、農業を初めとして、市場アクセスについてお互いの立場を縮めていこうと。これを踏まえて、甘利大臣はその後、こちら側がカードを切るといったこともおっしゃっています。三番目、これは何を言っているかというと、日本が攻め込むべき自動車に関して。自動車に関しては立場の違いが大きいということをお互い留意したということが書かれている。

 すなわち、日本が守るべき農業等々については、これから立場を縮めていきましょう。すなわち、甘利大臣はその後、カードを切るということもおっしゃっています。一方で、日本が攻めていくべき、つまりアメリカに譲歩してもらうべき自動車に関しては、立場の違いが大きいということをお互いがまだノートしている。

 すなわち、攻める部分は攻められない、しかし、譲る部分は譲るということをもう既にこちら側は言っている。繰り返しになりますけれども、帰国後、甘利大臣は、こちら側がカードを切らなきゃならないということもおっしゃっているし、例えば、農業の重要五品目、五百八十六タリフライン全てが現状から変わらないと思っている人はいないんじゃないかということも大臣御自身で既におっしゃっています。

 一方で、では、アメリカの方から、アメリカは自動車に関してはこれだけ譲るという発言が公言されているかということを思い返すと、そういう発言があるとはとても、私は知りません。

 さらには、この土曜日、交渉に入った後ですけれども、甘利大臣はこうおっしゃっています。こちら側は柔軟性を示しているつもりなんだけれども、先方の主張は余り変わらない。すなわち、こちら側は譲歩を示しているんだけれども、先方は言ってこない。いまだにこういう状況です。

 すなわち、向こうは全然譲歩してこないのにこちらだけ譲っている、これは交渉として極めて拙い状況になっているのではないかというふうな気がし、結果として、今回の閣僚交渉がどうなるか、私わかりませんけれども、どういう結果になるにせよ、極めて拙い交渉の手法の結果、とれるものはとれず、譲らされるものだけ譲らされる、こういう結果にならないかということを極めて心配するわけでございます。

 この交渉のあり方について、総理、御所見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今現在もシンガポールで交渉を行っている最中でございますから、我々のこの交渉に当たっての考え方等について、ここでつまびらかにお話をすることは控えさせていただきたいと思いますが、基本的には、私たち、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めて、国益をしっかりと最大限確保するために全力を尽くして交渉に当たっているところでありまして、そのさなかにおいて甘利大臣がさまざまな機会に発言をしておりますが、こうした発言は、例えば米国との間においては米国に向けて発せられるメッセージでもあると同時に、これは他の国々も参加をしているわけでございますから、そうした国々に対してのメッセージでもあるわけでございます。

 いずれにせよ、今現在、まさに国益をかけてぎりぎりの交渉をしている最中でございますが、全力を尽くして私たちの守るべきものを守っていきたい、同時に、攻めるべきものはしっかりと攻めていきたい、こう考えているところでございます。

大串(博)委員 繰り返し、攻めるべきは攻め、守るべきは守るとおっしゃっていますけれども、守るべきものに関してどんどんどんどん、先方がその譲歩を明らかにしない中で、こちらだけ譲歩を示しているというのが現状じゃないかと思います。

 実際、今回の交渉が大枠合意になるのかどうか、私はわかりません。しかし、一旦公に日本が、例えば五百八十六タリフライン全部守れると思っている人はいないんじゃないでしょうかと担当大臣が話していること、これは、農水委員会の決議との関係で、やはり譲歩している発言を既にこちら側から先にしているというふうに言わざるを得ないのではないかというふうに思われます。

 今回交渉がまとまらなかったとしても、既に日本が公に発した譲歩の言葉は、もうその後は取り消すことができない。このことは行く行く大きな私は禍根を残すんじゃないかというふうに思います。

 この点は、今回の結論がどうなるかまだはっきりいたしませんけれども、ひょっとしたらまた続くのかもしれない。最終的に、攻めるところは攻め切れない、守るところだけ譲歩させられた、こういう結果にならないように、ぜひ強くこの点は、国会としても、総理の、あるいは政府全体の、結果をしっかり出していただくということはお願いを申し上げておきたいというふうに思います。

 次に参らせていただきたいと思います。

 行政改革について議論をさせていただきたいというふうに思います。

 行政改革について、総理は、所信表明でも、行政改革をしっかり行っていくというふうに発言をされました。しかし、私、安倍総理、安倍政権が取り組んでいる行政改革の一つ一つの具体的な中身を見ていると、とてもそのような、具体的な結果が出てくるようなものになっていないのではないかという気がしてなりません。

 例えば、行政全般を見直していく行政事業レビュー、これは民主党政権のときに始めました。全ての事業、五千事業、政府の事業に関して事業レビューシートというのをつくって、これを公開し、税金の無駄遣いをなくしていこうというものでございます。

 私が思うに、行政改革の一番の大切なところは、第三者性と公開性だと思うんです。

 すなわち、第三者の目が入る、第三者の目が入ることをもってして、これは役所の世界にやはり緊張感が走るわけですね。非常に緊張感が走ります。どこでどういうふうにきちっと目を当てられるかわからない、この緊張感が走るということが大切。

 それと、もう一つは、公開性。広く国民の皆さんに、レビューシートにしてもあるいは公開プロセスにしても、開かれることで、国民の皆さんの目にさらされるということは、これまた役所の中には緊張感が走ります。この二つが非常に霞が関対策としては大切なんだと思うんです。

 ところが、今回、安倍政権で行われた行政事業レビューは、その第三者性、公開性において、大きく劣るところが、具体的にねじが緩む形で出てきているんじゃないかという気がしてなりません。

 例えば、この二番目のところを見ていただきますと、全五千の行政事業レビューに対して、私たち民主党政権においては、外部有識者が全部これをチェックできる形にしておりました。しかし、安倍政権になってからは、仕組みとして、これは五年に一度、すなわち年間千件を外部有識者の皆さんがチェックする、こういう形になっています。この点でも、すなわち、役所にしてみると五年に一度だというふうな油断が生じる可能性がある。私たちのときには全五千を有識者が見るということになっていたので、見られるという緊張感があったというふうに思います。

 なぜ五千ではなく千にしてしまったのか、この点に関して稲田大臣の御見識をお伺いしたいと思います。

稲田国務大臣 まず、無駄の撲滅は前自民党政権から取り組んでおりましたけれども、民主党政権になってから、今委員御指摘のように、行政事業レビューという形で、レビューシート、五千全てをシートに落として見直すということをされて、私は、民主党政権でおやりになったことでもいいことはきちんと引き継ぐというふうな方針で、行政事業レビューは引き続き現政権でも行っているところでございます。

 そして、今、行政事業レビューの意義について、外部性、公開性というお話がありました。まさしく、外部から見られる、それから、五千事業全てをインターネットで公開して国民の皆さんからの意見もできる。そして、私はもう一つあると思うのは、PDCAサイクルをきちんと自律的に回すということも……(大串(博)委員「なぜ千にしたか」と呼ぶ)はい。私が言いたかったのは、PDCAサイクルもきちんと回すということが重要であろうかというふうに思っております。

 なぜ外部有識者の数を千にしたのかということでありますけれども、外部有識者から構成される予算監視・効率化チームが事業を一律全てチェックするということになっていたんですが、それが、どちらかというと、コメント等を見ましても形骸化されていたという例が見られました。また、行政事業レビューシートの中に外部有識者のコメントを書く欄がなかったわけでありますけれども、そこを、外部有識者がどのようなチェックをしたかということもきちんとレビューシートに落とし込むようにすることにいたしました。

 このため、外部有識者によるチェックがより効果的、効率的に行われるよう、指摘をレビューシートに明確にする一方、その対象を重点化して、そして、前年度に新規に開始した事業ですとか最終年度に当たるものを重点的に、そしてきちんと明確化して、レビューの結果を反映できるようにしたわけであります。

 そして、外部有識者による点検対象事業が恣意的に選定されたのではないかという指摘についても、きちんとそれを秋のレビューで検証できる仕組みにもしているところでございます。

大串(博)委員 今、答えられましたので、それに関してもう少し突っ込んで議論させていただきたいというふうに思います。

 今、五千事業に関して形骸化していた部分があるんじゃないかというふうにおっしゃいました。私が申し上げたのは、先ほどの第三者性ということで申し上げたかったのは、すなわち、役所にとって何が一番怖いか、緊張感があるか。下手すると外部の目が入る可能性があるという、そこなんです。

 すなわち、実際には一律五千見るのは大変な労力がかかります。しかし、大変な労力がかかるけれども、私たちは、この実施要領というところにきちんと書き込んで、実施要領の部分においてもきちんと、五千事業をちゃんと見れるようにしてくださいねというのを各省に通達で出したんです。これがあるがゆえに、各省としては、下手すると自分たちのところも突っ込まれるかもしれないという緊張感があるのが大切なんです。

 ところが、五年に一度、千事業でいいとしてしまうと、ことしは俺のところはもう来ない、私のところはもう来ないとなると緊張感が緩む、その差なんです。その差を申し上げているんです。形骸的になっているとかそういうことではなくて、その緊張感が役所の中にあるかどうかが非常に大切なんです。

 かつ、この点に関して言うと、稲田大臣はこの点を認めていらっしゃるようにも私は思います。昨年四月八日の予算委員会で、我が党の奥野議員からこの点に関して同じように質問をされまして、それに対して、原則、各府省で千事業を選びますけれども、外部有識者会合というものがございますので、その意見も聞きながら選ぶということも考えられるのではないかというふうに思いますというふうに、一定程度これを認められています。

 しかし、私、質問なんですけれども、実際、外部有識者の皆さんに、五千事業、どれを選びますかということを意見を聞いて選んだ役所はあったんでしょうか。

    〔金田委員長代理退席、委員長着席〕

稲田国務大臣 今、委員、私の予算委員会での発言を引用されました。

 私は、基本的に、本当にこの行政事業レビューというのはいい取り組みなので、よりよく改善していきたいんです。そして、今委員が御指摘になったような点を含めて、いろいろな意見が寄せられています。そして、今、次の、春の行政事業レビューに向けて、今私たちがやっているところの改善点も検討して、それを改善した形でやっていこうというふうに思っております。

 今先生が御指摘の、外部有識者会合の意見を入れてやった例があるのかという御指摘であります。

 質問通告がなかったので、何例あったかということについては把握はしておりませんけれども、外部有識者の意見をもとに各省が判断をして、そういったものも入れているものというふうに承知しております。

大串(博)委員 この点、何度も何度も役所の皆さんとも議論をした上で質問しております。

 さらに、これは大臣が今お答えになったことだから、外部有識者の目線が形骸化していたからよくなかったと。しかし、私は、外部有識者の目が入り得るということが大切だということを申し上げた。実際、大臣も四月八日に、外部有識者の目が入り得る、そういう取り組みも考えられるとおっしゃったから、では、それがあったんですかということをお尋ねしているんです。

 本当にあったんですか。何例あったんですか。何役所やっていたんですか。

稲田国務大臣 農水省において、外部有識者の意見を聞いて事業を選定したというふうに承知をいたしております。

大串(博)委員 農水省だけですか。

稲田国務大臣 現時点で把握いたしておりますのは農水省でございます。

大串(博)委員 これは、去年、四月八日にも問題になったように、外部有識者がきちんと五千事業を見ているかという点で論点になったんです。しかも、大臣は、その点に関して一定程度私たちの発言に理解をしてもらって、外部有識者の意見を聞きながら選ぶということも考えられるのではないかというふうに自分でおっしゃったんです。ところが、結果として見た今、把握しているのは今の段階では農水省だけでございますと。この辺が、いわゆる行政改革に対する具体的な取り組みのねじが緩んでいるんじゃないですかということのあらわれだと私は思うんです。

 もう一つお尋ねします。

 公開プロセスというものがございます。公開プロセスの中で、何十事業というものを取り上げて、本当に公開の中でこの事業をどうするのかというのを議論します。

 この進行役が問題なんです。進行役、私たちのときには行政刷新会議が指名をした人がやってくれていました。ところが、今回は、この進行役が役所のトップ、官房長になっているんです。

 なぜ、この一番大事な進行役、公開プロセスの進行役を役所のトップたる官房長にしたんですか。稲田大臣、お願いします。

稲田国務大臣 私は、この行政事業レビューは、外部性、公開性に加えて、やはり役所自身がみずからのPDCAを回す、そういう役所の文化をつくっていくということが非常に重要だというふうに思っております。行政事業レビューは、各府省の自律的な取り組みなんです。そうしていかないと、いつまでたってもモグラたたきのようになってしまって、自分たちが見直すという取り組みにしていくべきだというふうに思っています。

 ですから、公開プロセスについても、各府省みずからが、無駄の排除の観点、より効果の高い事業に見直すという観点から、厳格に点検、議論が行われるべきだというふうに考えております。そのため、各府省において行政事業レビューを推進する責任者である官房長等が、公開プロセスの対象となる事業の課題そして論点を十分に認識した上で進行役をやるということが適当であろうというふうに判断したわけであります。

 私も、公開プロセスを見ておりました。そして、その中で、仮に進行に問題があるときには、きちんと外部有識者の方から指摘をされて、それを直すという場面もありました。

 ですから、私は、やはり自律的な取り組み、そして、一番その事業をわかっている官房長が進行役をするということが必要であろうということでこのようにしたわけでございます。

大串(博)委員 本末転倒ではないですか。今おっしゃいました、進行に問題があった場合には、評価を行う側に回っている外部有識者の皆さんから、今の進行はおかしいじゃないかと指摘を受けて、進行役が指摘を受けるというのは、これは全く主客転倒、本末転倒ではないですか。

 この進行役というのは、公開プロセスにおいて極めて大切な存在なんです。中立でなきゃいかぬし、最終的にはやはり、いかに厳しく霞が関を律していくかですから、極めて大事な存在であるにもかかわらず、進行役自体が、レビューの主体たる外部有識者から、あなた、進行役としてこの辺がおかしいんじゃないと言われているということは、極めておかしな状況ではないですか。この点の問題が一つ。

 さらには、選択肢。私たちのときには、廃止、抜本的改善、一部改善、現状どおりとしていました。ところが、安倍政権になってから、廃止という文言が抜けています。なくなっちゃっている。

 さらに、私たちのときには、取りまとめの方法として、多数決ということで、多数決で廃止が多ければ、その場で廃止としていたんです。ところが、今回は、多数決を基本とするけれども、票数の分布を書くことも可とする、こういうふうになっています。

 しかも、取りまとめの判定をするのは、私たちのときには、その場できちんと政務が、政治的な判断ができるように副大臣や政務官が取りまとめはこうですというふうにしていました。ところが、今回、安倍政権においては、取りまとめ役は外部有識者なんです。外部有識者の方々が、では、この事業をこうしましょう、ああしましょうというふうに、その場で責任を持って言えるか。とても言えないと思います。

 このようなねじの緩みが見られるというのが今回の行政改革に関する取り組みだと思うんですけれども、この選択肢の廃止をなくしたこと、これで本当によかったと思いますか。稲田大臣、お願いします。

稲田国務大臣 先ほど、官房長の進行に対して外部有識者が指摘することが本末転倒だという御意見でしたけれども、私は、やはりこれは自律的な取り組みとして、そうやっておかしな進行というか、ちょっと問題があれば、きちんと指摘をされて、それによってまた自分自身が自律的に取り組むということがすごく重要だと思っています。外部性、公開性と同時に、PDCAサイクルを自分たちで回すことによって、モグラたたきでない行政事業レビューというのが実現するというふうに思っております。

 その上で、なぜ廃止をなくしたか。これについてもいろいろな議論があったんですけれども、廃止とすることによって、廃止だけが注目をされて、そしてそれがひとり歩きするということになります。そうじゃなくて、抜本的改革の中に、もちろん廃止を含めた抜本的改革ということを投げることによって、それを各府省みずからが改善して、そしてやっていくということが重要だというふうに思っております。

 そして、各府省の公表資料によれば、公開プロセスの指摘を踏まえて、ゼロベースで見直しを行った上で、新たな事業として再構築をしたものも含め、廃止とされたものは十五事業あります。そうやって、私は各府省の自律的な取り組みが重要だと思います。

 その上で、今委員がおっしゃったような意見をおっしゃる方もいらっしゃいますし、さまざまな意見をもとに、次の春の行政事業レビューに向けて、改善についてもきちんと図ってまいりたいというふうに思っております。

大串(博)委員 今るる説明されましたけれども、役所が自律的に改革をする、これでうまくいかなかったのがこれまでの流れじゃないですか。PDCAサイクルともう長年言っていましたよ。役所に自律的にやってもらう、これができなかったから、事業仕分けを入れ、行政レビューを入れ、公開性、外部性のもとでやってきたわけじゃないですか。やはり、自律性に対して相対峙する言葉は、外部性、第三者性。自律性と言えば言うほど、外部性、第三者性は緩まるんです。

 この行政事業レビュー結果を見ていただくと、民主党政権のときに廃止と言われたものはほとんど廃止になって、三例しか廃止にならなかった例はないんです。この三例も、当時、岡田行革担当大臣、私、行革担当の政務官でしたけれども、なぜ廃止にならないのかとぎりぎり問われて、きちんと記者会見で廃止にならない理由を言った上で、でも、残り十六は全部廃止になっているんです。

 先ほど、大臣、抜本的改善、安倍政権における二十八の中にも廃止もあるんだということをおっしゃいました。これは役所に任されています。役所に任されているから、確かに、二十八のうち、この事業の全体的抜本改善という中にも廃止というふうにしたものはあります。十五ありました。今おっしゃいました。

 しかし、この十五という中身を見てみると、きちんと今年度で終わりというふうにこの事業結果の中で書かれているものは三つしかないんです。残りの十二は、廃止するけれども来年以降はこういうふうにする、形を変えて存続しているんですよ。私たちの場合の十六は、形を変えて存続したものは三つだけです。

 この事業結果、行政事業レビューの中で、十六に関しては、この年度で廃止する、あるいは遅くとも翌年度で廃止する、こういうふうになっているんです。この違いですよ。外部性、自律性とおっしゃるけれども、自律性だけに頼っていると、この結果ですよ。だから、私たちは、外部性をより強めてやっていくべきだというふうに申し上げているんです。

 時間がないので、総理にお尋ねします。

 消費税の引き上げを決断されました。私たちの政権のときには、消費税を引き上げるのであれば、行政改革は絶対にやっていかなきゃならないということで、こういう具体的なところもボルトを締めてやってまいりました。

 しかし、私は、行政改革に対する取り組みは緩んでいると思います。このことに関して、総理、国民への説明責任、あるいは消費税を引き上げるという関係上からも、やはり行政改革の道のりは、もっと具体的にねじを締めてやっていくべきだと思いますが、総理の御所見をお聞かせいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 ただいま稲田大臣から答弁させていただきましたように、私たちの行革は、外見かあるいは実質か、私たちは実質をとっているんですよ。

 つまり、皆さんは五千と言っていたけれども、それは形骸化している。形骸化しているのであれば、しっかりと千に集中をしていく、そして結果を出していく、しっかりとねじを締めていくということであります。

 そして、廃止をすればいいか、ただ廃止だけに注目をしていればいいのかということではなくて、その事業の目標自体が、目的自体が間違っていれば、それは廃止ですよ。でも、目標、目的はいいけれどもやり方が間違っているのであれば、それはやみくもに廃止をすればいいというものではないわけであります。

 そして同時に、自律性というのもやはり大切であって、ただ、自律性を持つ今過渡期でありますから、公開性の中において、先ほど官房長が進行役をするのは間違っているという話がありましたが、しかし、基本的には、まさに省庁においては官房長がそういう考え方を持って、自律性を持ってPDCAサイクルを回していく責任者でなければならない。でも、まだそれは過渡期にあるから、公開性の中において外部有識者がちゃんと指摘をしているという、いわば、結果を出す、実質を私たちは今とっている、こういうことでございます。

大串(博)委員 私に言わせると、過渡期ではなく逆戻り期になったということを申し上げさせていただいて、私の質疑を終わります。

二階委員長 この際、長妻昭君から関連質疑の申し出があります。黄川田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 年金の執行に関して、消えた年金問題というのも大きな問題になりましたけれども、さらに残っている問題で最大の問題の一つが、厚生年金の未加入の問題ではないかというふうに思います。

 これは、ルール上、厚生年金に加入させなければならない方々が、加入していない。これは、会社にとっては事業主負担が免れるということもあると思いますし、悪質ではなくて忘れている会社もひょっとしたらあるのかもしれませんけれども、ルール上、加入をしなければならない、会社で働いているから厚生年金に入れなきゃいけない、そういう対象者が入れてもらえていない、国民年金に追いやられているというものが非常に数が多いのではないのか、深刻な問題ではないか、これが残された最大級の問題の一つだと思っております。

 これについて、田村大臣の方から、あらあらの推計値ということで、三百五十万人から四百万人ぐらいいらっしゃるのではないのか、こういうような話があって、これは予算委員会で答弁されたんですが、配付資料の一番最後にございますけれども、その後、厚生労働委員会では、いや、これはあらあらの数字なんだというようなこともおっしゃって、実態がなかなかわからない。

 そしてもう一つは、法人登記等情報の活用、これは、法務省から情報をいただくということが我々の政権のときに議論をされて、これが最近実施をされて、法務省のその統計から既に適用されている事業所などを差し引くと、残りが二百四十万事業所。当然、これの全部が問題だということではなくて、休眠のものもこの中にあるということで、最大の数字だと思いますけれども、いずれにしても、実態ははっきりとわからない。

 これはぜひ、私はかなり大きな数字ではないかと思いますので、先進国、ほかの国を調べましたけれども、これほどの漏れがある国は恐らくないのではないのかというふうに思っておりますので、ぜひ田村大臣、これはサンプル調査をして、国民年金に入っている方で会社に勤めている、こういう方を調査していただいて、どれだけが違法な形で厚生年金に入れてもらえていないのか、この規模をはっきりさせるということが人、物、金に集中して取り組むきっかけになると思いますが、ぜひ調査していただきたいと思うんですが、いかがですか。

田村国務大臣 まず、三百五十万件の件でありますが、あれはもう何度も申し上げておりますとおり、みんなの党さんの試算において一千万件という話がございましたので、みんなの党さんの試算の仕方において、今我が省がつかんでおる数字、それに当てはめるとそういう数字が出るわけでありまして、そもそも、それは、みんなの党さんと議論が深まるためにやった話であります。その手法自体、我々は絶対的に正しいと思っているわけではございませんから、そういう意味では、あの数字は、厚生労働省が認めた数字ではありません。

 あわせて、二百四十万件に関しましては、これは、四百四十万件余り法人登記簿情報をいただきました。その中から、百六十五万件ほどが要するに加入事業所ということで、あと対象調査事業所、加入対象の調査をしておる事業所があります、これが三十九万件ほどありますから、差し引くと大体あらあら二百四十万件。これも、そんなには、半分だとか倍だとかというような差はないと思います。大体そういうものであろうということで、五年間かけてこれをやろうということで、予算を来年度に五年間計画で計上させていただいております。

 サンプル調査の話もあるんですが、実際問題、会社を廃業されたり、また開設されたりとかが常時起こっておりますので、サンプル調査というよりかは実態を我々は進めていった方がいいと思いますが、今委員がおっしゃられました国民年金の被保険者の実態調査、これは定期的にやっておりますので、この中におきまして委員の言われたような項目を導入するような形で実態を把握していく、こういうことはやらせていただきたい、このように思っております。

長妻委員 今おっしゃった国民年金の調査は三年に一度やられているもので、スケジュールを見ると来年の十二月に結果が出るというスケジュールですので、これはすごく遅いわけでございまして、私のところにもいろいろ相談が来ております。国民年金で会社で働いていて、ルール上入れる、会社に言うと、厚生年金に入りたいのなら、あなたのお給料から事業主負担分を引くから、それでいいのなら入れてやるというような、かなり問題の発言を受けたとか、本来は入れるはずなのに、みんな国民年金になっているとか、非常に深刻で、国民年金の未納の問題をつぶさに見ると、今、国民年金の加入者のうち自営業者はたった二割なんですね、国民年金は自営業の年金で始まったのに。

 未納が多いのは、本当の自営業者よりも、非正規とか正社員、会社で働いているけれども国民年金に入っていない方の未納が非常に大きいわけでございまして、厚生年金になれば国民年金よりも老後の受給額は上乗せで上がるわけでありますし、保険料も、お給料が低い方にとっては、固定の一万五千円の国民年金の保険料よりも自己負担の部分の保険料は安くなるわけですので、こんなに大きい数字というのは尋常じゃないですね、これがもしこういう規模であれば。

 ぜひこれは、サンプルで調査をしないと結局前に進まないんですよ。消えた年金問題も、五千万件が出たからこれは前に進んだわけで、そういう問題も前から言われていたわけです、年金が消えている、消えている、徐々にやればいいんじゃないですかということだったんです。

 ぜひこれは、若い方を含めて、働いている方が本当にお気の毒で、先進国でこれほどの規模というのはないと思いますので、田村大臣、もう一度、サンプル調査をして、一定の規模を調査すれば統計上全体の正しい統計になるわけでありますので、それほど手間がかからないと思いますから、ぜひお願いしたいんですが、いかがですか。

田村国務大臣 法務省からいただいた法人登記簿情報以外に、今、財務省に稼働法人の情報をいただこうと思っています。これは休眠法人以外もありますので、これがいただければ、加速度的に、五年の適用への勧奨というものがさらに早く進むというふうに思います。

 今委員がおっしゃられました国民年金の被保険者の実態調査、これは、我々も今言われたような項目を入れようと思っています。

 遅いじゃないかというお話がございました。調査をことしの秋ぐらいからやると、来年の年末。これは、民主党政権のときも、やはり、二十三年の十一月に調査をやって、二十四年末にこれが出てきているんですね。

 しかし、我々はもうちょっと早めたいなというふうに思っておりますので、しっかりと、早目にそのような結果が出るように努力してまいりたいと思っております。

長妻委員 これは総理にお尋ねしたいんですけれども、既存の調査に質問をちょっと追加してやるということではなくて、これ用のサンプル調査をして、やはり年金の執行の問題はいろいろありますから、もうここで、これも最大級の問題の残されたものだと思いますので、総理から、サンプル調査をぜひやるべきだ、こういう御発言をぜひいただきたいと思うんですが。

安倍内閣総理大臣 本来は厚生年金に入っていなければならないにもかかわらず、入っていない事業所がどれくらいあるかについてサンプル調査をすべきだという委員の御意見でございますが、事業所の改廃等によって常に変動が大変大きくあるわけでありまして、サンプル調査ではなくて、実際に事業所の調査を行って初めて把握できるのではないか、こう考えております。

 日本年金機構においては、こうした観点から、今後、集中的に加入指導等に取り組むこととしておりまして、厚生労働大臣に、積極的に厚生年金の適用促進に取り組むように指示をしたいと思います。

長妻委員 ちょっとお役所答弁をお読みになって残念でございまして、この程度のサンプル調査といったら、それほど予算もかからずに、総理が一声言っていただければできるわけでありますので、執行の問題はもういろいろありましたから、これをぜひやっていただきたい。最大の問題、残されたものだと思いますので、ぜひ総理、御検討を本当にいただきたいというふうに思います。

 これは、今後ともずっと質問を続けていきたいと思います。

 次に、また年金の行革の観点からなんですが、配付資料の一ページ目です。総理がダボス会議でこういう演説をおっしゃられました。

 年金の積立金、国民年金そして厚生年金の保険料を積み立てたお金が百二十兆円、今、日本国にはありまして、これを安全運用しているわけでございますが、それについて総理はダボス会議で、日本の資産運用も大きく変わるでしょう、一兆二千億ドルの運用資産を持つGPIFについては、そのポートフォリオの見直しを初め、フォワードルッキングな改革を行います、成長への投資に貢献することとなるでしょう。

 こういう答弁をされているんですが、真意はどんなところにあるんですか。

安倍内閣総理大臣 年金積立金の運用は専ら被保険者の利益のために行われるものであるということは、これはもう委員の御承知のとおりでありますが、そうした運用が、結果的に、成長への投資、ひいては日本経済に貢献をし、経済の好循環にもつながると考えているわけでございまして、ダボス会議で私が申し上げたフォワードルッキングな改革とは、日本経済全体がデフレから脱却しつつある中において、年金積立金の運用についても、今後の賃金、物価の上昇を視野に入れた改革を行うということであります。

 長い間、日本経済はデフレ経済の中にあったわけでございまして、そのときにおける運用と、これからまさに、昨年、黒田日銀総裁が誕生して、大きく異次元の金融政策を行い、そして二%の物価安定目標というものをつくったわけでありまして、そしてそれに向けて成果を上げつつある中においては、そのことを念頭に考えていくべきだ、こういうことであります。

 こうした観点から、GPIFのポートフォリオの見直しについては、機動的に対応していくとともに、分散投資を進めるために、運用対象の多様化についても検討をしていく必要があると考えているわけでありまして、こうした運用の見直しに応じて、GPIFのリスク管理体制も強化していく必要が当然あるわけでありまして、これは大切な皆様の年金の原資でありますから、まずは専門性の高い人材の確保策について早急に検討を進めていく考えであります。

 さらに、昨年取りまとめられました有識者会議の報告書においては、GPIFの運用方針を決める運用委員会について、専門性を高める観点からの見直しを行うことや、あるいはまたガバナンス体制のあり方について、理事長が単独で意思決定を行う現行の方式から、合議による意思決定への見直しなども指摘されておりまして、こうした課題についても、今後検討を進めていきたいと思います。

長妻委員 いつも気になるのは、安倍総理が、例えば年金の積立金の運用で、自分が総理になってからこれだけ利益が出たということをおっしゃるんですが、それはそれでいいことではあると思いますが、年金というのは、百年間の利回りを財政再検証でやるので、百年でどれだけ利益が出るか。今も、デフレを脱却して、物価を勘案して、それを変えていく、そして成長への投資だということがございましたが、今の経済環境はおっしゃるようにそういう環境かもしれませんが、百年間で本当にどうするのかということ。

 非常に私も気になるのは、その流れでこういうことも出てきたんだと思いますが、これは、内閣府がこういう決定をされたんですね。百二十兆円の厚生年金、国民年金の運用対象を広げていきましょう。今まではやっていない不動産投資もやる、検討しなさい。インフラ投資もやりなさい。ベンチャーキャピタル投資も。プライベートエクイティーというのは、これは未公開株の投資ですね。非常にリスクが高いんじゃないかと思う。コモディティー投資というのは商品先物取引でございまして、これを追加することを検討すべきであるということを決定して、今、百二十兆円の年金を持っているGPIFという独立行政法人で検討なされていると思います。

 商品先物取引というものまで入っているというのは、これは確かに証券会社は喜ぶかもしれませんけれども、未来への投資といっても、国民から投資をするためにお金を集めているのなら百歩譲っていいですけれども、誰も、国民年金、厚生年金を払っている方は、投資してこういうものでハイリスク・ハイリターンでやってほしいなんと思っている方は一人もいないと私は思うわけでございます。

 この商品先物取引のホームページを見てみました。東京商品取引所というところのホームページですけれども、こういうふうに書いてあるんですね。「商品先物取引は元本が保証された取引ではありません。投資にあてるのはあくまで余裕資金に限り、用途が決まっている資金や生活費などを取引資金にあてることは絶対に止めましょう。」

 これは絶対にやめましょうよ。こういう大変なリスクなんですよ。

 きょう、GPIFの三谷理事長も来ておられますけれども、コモディティーを含めて、ハイリスク・ハイリターンはやめていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。

三谷参考人 お答え申し上げます。

 昨年十一月に取りまとめられました有識者会議の報告書では、公的、準公的資金の運用やリスク管理等に関してさまざまな提言をいただいておりまして、当法人としても、重く受けとめ、現在、具体的な検討を進めているところでございます。

 運用対象の多様化につきましても、当法人内に設置されております運用委員会でもこれまで検討を行ってきておりまして、基本的には、分散投資は進めていく方向、そういった方向性は当法人としても共有しているところでございます。

 御指摘の商品先物、コモディティーの話でございますが、これは、御指摘もありましたように、金属とか原油だとか穀物などの商品、その指数の先物取引でありまして、商品の特性に応じて大きな価格変動を示すといった特徴を有しておるものでございます。

 こういったような特徴を踏まえまして、運用委員会の専門家の御意見も伺いながら、年金積立金の運用は被保険者の利益のために行うという厚生年金保険法の規定に照らして、新たな運用対象とすることが妥当であるか否かについて、十分検討して判断してまいりたいと思っております。

長妻委員 これは、理事長も、リスクが物すごく高いということで、コモディティーについてはインタビューでも否定的なことをおっしゃられているわけで、例えばベンチャーキャピタルというのは、経産省がやっている産業革新機構への投資も含まれるというふうに事務方はおっしゃっているんですね。これは国がやっているものでありまして、今、官製ファンドが乱立しているところに、またそこにお金を入れる可能性が出てくるのかどうか。

 そして、インフラ投資とかについては、聞きますと、国内の公共事業も含まれるということでございますし、不動産投資は、言っちゃ悪いですけれども、前科があるんですね、年金積立金。グリーンピアということで、どんどんどんどん不動産に投資をして、福利厚生の意味合いもありましたけれども、それでめちゃくちゃになっちゃったじゃないですか。これだけ焦げついて、全然金は返ってきませんよ、これは。二束三文で売って、ほとんどの差額、消えちゃったじゃないですか。

 こういうような、公的年金のお金を成長への投資という発想で投資をしていくということではなくて、やはり安全第一にしていただきたい。

 気になるのが、国家公務員の積立金なんですね。

 これで歴然とするんですが、左の方が国民の皆さんの年金の運用で、これは、答申にも出ているのは、株の運用比率ももっと上げなさいというような指摘も今回政府から出てきているんですけれども、実際に、その検討の座長がテレビ出演で、国内株式や外国株式をそれぞれ二〇%ぐらいにするのがいいんじゃないのかとおっしゃっておられて、ただ、これは、国民の皆さんの百二十兆円の国内株式の比率は一四・五七%。しかし、国家公務員の、自分たちの積立金は六・八五%。低いんですね、比率が。国民の皆さんの積立金は、外国株式が一二・三五%。国家公務員の年金の積立金の運用は、外国株式五・三四。

 私、官僚の方に聞いたんですよ。何でこれは差があって、国家公務員のは株式比率が低いんですかと聞いたらば、いやいや、成熟度が違う、つまり、国家公務員は高齢の方が多いので、だから安全第一に運用しているんです、こうおっしゃるので、いや、こっちの方も安全第一でやってくださいと、国民・厚生年金の積立金も。

 過去、消えた年金問題もありましたけれども、国民年金、厚生年金の記録は消えていましたけれども、国家公務員の記録はほとんど消えていないですよ。グリーンピアでめちゃくちゃされましたけれども、国家公務員の積立金は無駄な使い方はされていませんよ。減っていないですよ。

 こういう差があるから、もしこういうリスク資産に投資をするのであれば、初めに国家公務員の年金でやってもらって、五、六年、それで様子を見てから国民の年金でやっていただく、こういうふうに私が聞きましたら、いやいや、国家公務員の方は後ろ向きですとおっしゃりましたよ、財務省が。

 これは、麻生大臣、初めに国家公務員でやってくださいよ。どうですか。

麻生国務大臣 財務省で、私の記憶ですけれども、KKRという例の国家公務員共済組合連合会の方、先ほどGPIFと言われたのに対して、これはKKRと通称言うんですが、これにおいて、昨年の比率でいきますと、五%ぐらいの国内株式の比率、基本ポートフォリオの中に占める比率ですね、それが五%だったものが八%にふえています。(長妻委員「リスク資産をやるかどうか、国家公務員」と呼ぶ)公務員の国内株式もリスク資産になっているんですよ、それでいくと。

 それから、外国株式の比率も同じく五%から八%にふえてきているという形になっておりまして、私どもとしては、先ほど言われたように成熟度が比較的高く推移してきたこと等々、いろいろ言われたので、重ねて申し上げる必要はないと思いますけれども、内外株式へのリスクというものをある程度とる運用というものをここ一年行ってきたと思っております。

 いずれにいたしましても、株式などの運用割合だけをもって単純に運用リスクの高低を判断することはできないのではないかと考えております。

長妻委員 全然お答えになっていただいていないんですね。

 国家公務員の年金は安全第一で、国民の年金はそうでないということは絶対やめていただきたい。安倍総理、それを宣言していただきたい。

安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、ずっと日本は十五年間ぐらいデフレ経済が続いていたわけでございまして、その中で、年金の運用においては、デフレ経済下においては、基本的にこれを国債等に中心的に投資が振り向けられていたわけでございますが、そこで、状況は、まさに安倍政権ができて、三本の矢によって大きく変わったわけでございまして、日本銀行も金融政策を変えたわけでありまして、そしてその中で、物価安定目標をつくってデフレから脱却をする、そして事実、しつつあるわけであります。

 大きく金融政策が変わったわけでありますから、その中において、GPIFの運用の仕方においても、先を見ながら、過去を見ながら変えるんではなく先を見ながら変えていくのは、これはむしろ、年金加入者にとっても利益につながるわけでありますから当然のことではないか、こう思うわけであります。

 今、まるで何か危ない橋を渡っていくかのごときのイメージをつくろうとしておられますが、それは間違いですね。むしろ、そうではなくて、しっかりと、財政基盤を確かなものにするため、賢い運用をすべきだ、こう考えているわけでございます。

長妻委員 私は過去のことがあるから言っているんですよ、国民の年金の積立金がいろいろおかしなことに使われて。

 アメリカの公的年金、二百兆円ありますけれども、全額国債で運営されていますよ。

 そして、これはぜひ、おっしゃるんであれば、国家公務員の年金積立金も同じような運営をしてくださいよ。何で国民の年金だけやるんですか。国家公務員の年金積立金も、では、そういう運用をしてくださいよ。官僚の皆さん、抵抗すると思いますよ、リスクがあるから。

 それじゃ困るわけですから、ぜひこれはウオッチをしていただいて、そして、短期的じゃないですから、百年ですから、本当に禍根を残す可能性があると私は思います。

 そしてもう一つ、派遣の問題に入りますと、私、気になるのは、製造業の全体の労働者の方と派遣労働者で、労災の事故率、死亡事故も含めた事故率を調べてみると、驚きました。派遣の方の事故率がどんどん上がっているんですね。そもそも、倍近く高いんですね、全体の労働者の方々に比べて。

 なぜこんなに事故が多いのか。いろいろお話を聞くと、やはり経験が短い方も多いというのと、あと、危険な業務に自分のところの社員よりも派遣の方が従事をされている比率が高いのではないかとおっしゃる方もいらっしゃいます。

 そこで、安全基準の法令を調べてみました。

 派遣というのは、ずっと雇用が確保されて、一生派遣だからいいというものじゃないわけです。派遣というのは雇用主と使用者が異なる働き方でありまして、雇用主の責任と使用者の責任がいろいろ分かれていて、それぞれがお見合いして、そのすき間に派遣労働者が落ちて、そして安全がないがしろにされているという例が、私のところにもいろいろ相談例、いただきました。

 例えばこれでありますが、派遣元が責任を負う事項で、例えば安全衛生教育というのがあるんですね。ところが、派遣先が責任を負う事項でも安全衛生教育というのがある。これも同じことがあったり、あるいは中高年齢者等についての配慮、これは、年齢が高い方はかなり反射神経も劣ってくるので安全を注意しなさいということが、派遣先にもそういう責任があるというようなことで、これは、派遣先から見ると、派遣元でそういう教育をやっていたと思った、派遣元から見ると、いや、派遣先がそういう安全教育をやってくれていたと思ったというようなことで、派遣の方々から、うちのところでは、派遣先では安全教育はない、危険な作業だから自分の身は自分で守るように言われたというような方とか、あるいは、派遣会社に相談すると、労災にしたら次の仕事を紹介できなくなるというようなことを言われたとか、本当にたくさんのいろいろ相談事もございます。

 総理に、最後、時間もなくなりましたので、これは、山井議員の質問で、今度、派遣法の改正で派遣をふやすべきだとは全く考えていないとおっしゃりましたが、確かに、今までの厚生労働省の哲学は、派遣というのは、派遣労働は臨時的、一時的なものに限る、これが日本国の原則だったわけですが、今度の派遣法は、人あるいは部署をかえれば永久に派遣が続きかねない、そういう改正になっております。労働組合の意見を聞くというのもありますが、合意までは求めておりません。同じ仕事でも、人をかえればずっと続けられる。そして、部署をかえれば、同じ人でもずっと一生派遣で受け入れることができる。

 部署をかえるというのはどういうことだと聞いたら、例えば、営業マンで、品川営業所と池袋営業所と移ればいいんだということなんですよ、役所に聞くと。部署をかえるというのは、同じ営業マンでも、ただ支店をかえれば部署をかえたことになる、こんなような話でございまして、以前は業務が限られていたわけですね、それが続くのは。業務が限定されていたのを、今度、全部の業務でそういうふうになっているわけでございます。

 そして、派遣労働は臨時的、一時的なものに限るというその文言が、今度の派遣法の要綱には書いていないというようなことも聞いております。これをぜひ入れていただきたい。そういう検討を今されていて、過渡期なんでしょうけれども。

 総理、二点お伺いするのは、派遣というのはあくまでも臨時的、一時的なもの、こういうふうに今もお考えになっていらっしゃるのか。そして、安全の教育を抜本的に見直す、こういう必要があると思うんですが、その二点について、総理にちょっと御見解をお尋ねしたいと思います。

田村国務大臣 詳しく説明すると時間が過ぎちゃいますので、申し上げますが、まず、委員、認識を間違っている部分がたくさんございますので、またそれは厚生労働委員会でいろいろと御議論をさせていただきたいと思います。

 それと、一時的、臨時的な、そのような雇用である、これはそのままの認識のもとで今回の派遣法の改正をさせていただきたいと思います。

 安全衛生に関しましては、それぞれ派遣先と派遣元で役割分担をしっかりしております。今委員がおっしゃられたように、派遣の方が事故率が高いというのは、これは、実は死亡事故だけ見ますと、派遣の方が低いんですよ、全体の事業で見ると。ですから、その認識を間違えられておられますし、経験年数が短いということでございますので、これは派遣であろうがそうでなかろうが、経験年数が短ければ当然事故が多いので、ここはマニュアルをつくって、しっかりと指導をさせていただきます。

長妻委員 では、最後に、総理、この派遣労働はあくまでも臨時的、一時的なものに限るということは、そういう認識かどうかだけお答えください。

安倍内閣総理大臣 今大臣から既に答弁しておりますように、そのとおりであります。

長妻委員 これで終わりますけれども、死亡事故が少ないからいいと。これは全体の労災の事故率を言っているわけですから、都合のいい数字だけ出さないでいただきたいということで、質問を終わります。

 ありがとうございました。

二階委員長 この際、山井和則君から関連質疑の申し出があります。黄川田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山井和則君。

山井委員 限られた時間、豪雪対策、そして景気回復、賃金引き上げ等、被災地のことも含めて質問をさせていただきたいと思っております。

 まず、今回の豪雪災害によって被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 今回の大雪は、一週間前の二月上旬にも、関東甲信越地方はかつてない大雪に見舞われ、交通網にも大きな影響が出ておりました。そして、今回についても、気象庁からはさらなる大雪の可能性が報じられていたにもかかわらず被害が拡大してしまった、そういう初動のおくれというものもあったのではないかと思っております。

 そこで、今後に向けて安倍総理にお伺いしたいと思いますが、今回の件については、除雪のおくれ、孤立集落の問題、交通規制のあり方、ドライバーへの情報提供、緊急車両輸送ルートの確保など多くの教訓があったと思いますが、復旧を一日も早く急ぐとともに、農業を初めとして、大きな被害が出ておりますので、最大限の対策、補償をお願いしたいと思います。安倍総理、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 まずは、今回の大雪で亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。

 政府としては、関東地方で雪が降り始める前の十四日に、関係省庁災害警戒会議を開催いたしまして、古屋防災担当大臣から国民への呼びかけを行うとともに、降雪後は、警察や消防による救出、救助活動に加えまして、各県からの要請に応じまして自衛隊の災害派遣を速やかに行うなどの対応を行ってきたところでございます。

 また、政府調査団を山梨県に速やかに派遣いたしまして、状況把握に努めるとともに、災害対策会議を累次開催しまして、救助、除雪及び物資の供給等を推進してきたところでございます。

 集落の孤立が三日を超えまして、長期化する事態を受けまして、関係省庁による会議を、災害対策基本法に基づく豪雪非常災害対策本部へと格上げを行いまして、派遣する自衛隊員を大幅に増員するなどして、政府一体の対応をさらに加速させたところであります。

 このように、今回の大雪への対策については、雪が降り始める前から災害発生後にかけて迅速かつ適切に行われたと考えておりますが、災害対応については、不断の見直し、そして改善が必要と考えておりまして、さまざまな御指摘には真摯に耳を傾けながら今後の教訓としていきたい、このように思うところでございますし、また、野党の皆様からの御指摘についても対応していきたいと考えております。

 そして、農業被害対策でありますが、今回の大雪では、特に農業について、ビニールハウスや畜舎の損壊等甚大な被害が発生をしています。政府としては、被災した農業者が今後も営農を継続していけるように、資金面において、新たに、まず、農業用ハウス等の再建について、撤去の経費助成を含めて補助事業を実施するほか、また、セーフティーネット資金など災害関連資金の貸し付け当初五年間の無利子化を行うなどを決定いたしました。

 さらに、今後、詳細な被害状況を把握いたしまして、現場のニーズを踏まえまして、追加的な対策が必要であれば検討していきたい、このように考えております。

山井委員 ぜひとも迅速な対応をお願いしたいと思います。

 次に、ちょっと質問の順番を変えまして、先週の続きでもあります、被災地も含めた景気回復、そして賃金引き上げについてお伺いをしたいと思います。

 まず、フリップをお願いいたします。

 今、景気が回復しているという報道もありますが、一方では、例えばこの読売新聞でも見ていただきますと、七七%の方が景気回復を実感していない、実感しているというのは一八%にすぎないわけであります。なぜなのかということを考えてみたときに、これは、賃金が結局下がっているということなのであります。

 先週の質疑で安倍総理は、正規の労働者に関しては賃金は上がっているということをおっしゃっていたんですが、その後、最終的な、非正規も含めた結果が答弁の翌日に発表になりまして、読売新聞、給与下げどまらず、二〇一三年、過去最低に、また、朝日新聞でも、月々の平均給与、三年連続減ということになりまして、もちろん、安倍総理は正規に限ったことを上がっているとおっしゃったわけですが、今は残念ながら非正規雇用の方がふえているわけですから、トータルすると、こういうふうに、賃金は、一昨年に比べて平均給与は下がってしまったわけであります。

 このことについては、政府からも資料で公表されておりまして、ここに書いてありますように、平成二十五年の現金給与総額は、平成二十四年の現金給与総額に比べて七十三円下回った、もう微々たるものでありますけれども、残念ながら下がっていったわけですね。おまけに、これより深刻なのは、下がった上に物価が今大幅に上がっているわけですから、先ほどの世論調査のように、七七%の方が景気回復を実感できない、そういうことになってしまうのではないかと思います。

 そこで、安倍総理にお伺いしたいんですが、今言いましたように、安倍総理は先週、正規雇用に関しては賃金が上がっている面もあるということでしたが、正式発表では、非正規を含めれば平均給与は下がっている、こういう認識でよろしいですね。

安倍内閣総理大臣 二月十七日の予算委員会で、私が、実質賃金は上がっている、賃金が上がっていると申し上げたのは、パート以外の一般労働者の平成二十五年の年間を通じた賃金についてであります。

 また、同日の委員会では、平成二十五年の後半において、一般労働者とパート労働者の両方を含む勤労者全体の賃金の動向についても申し上げたところでございますが、具体的には、二月五日に公表された速報値に基づきまして、一般労働者一人当たりの賃金は増加傾向にありますが、他方、相対的に賃金の低いパート労働者の割合が上昇しているということでありまして、そのために、勤労者一人当たりの平均賃金は若干のプラスにとどまっている、このようにお答えをしたわけでございますが、二月の十八日に公表された確報値においても傾向は同じでございます。

 パートの方々については、時給そのものは上がっているわけでありますが、しかし、短時間のパートの方々がふえた結果、年収としてはパートの収入が減っている。そして、パート労働者の数自体がふえましたから、景気回復局面においてはまずパートの労働者がふえていく、今そういう局面にある中において、このパートの方々といわば一般労働者を平均すれば今申し上げたような状況になっているということでございます。

山井委員 これは全国民の方々も聞いておられるわけですから、丁寧に答弁をしていただきたいんですが、おっしゃったように、パートの方や非正規の方を含めると、残念ながら、昨年は一昨年よりも賃金が下がっていたということを今お認めいただけたわけであります。

 残念ながら、GDP、国内総生産の昨年十月から十二月の実質の成長率も、民間の予測、二%というものを下回って、一%の伸びにとどまっている、こういうことで、本当に景気回復、大丈夫なのかという不安も高まっているわけであります。

 そこで、今、安倍総理、実質賃金は上がっているとおっしゃいましたが、実質賃金は大幅に下がっております。

 物価高のフリップをお願いします。

 なぜならば、これはもう、ガソリンから食料品から野菜まで上がっているように、今、このグラフにありますように、消費者物価は過去四年間で一番上がっているんですね。安倍総理も認められたように、パート、非正規も含めた賃金は下がっている上に物価が四年間で一番上がっているわけですから、実質賃金は下がっているに決まっているわけであります。

 確かに、一年間でならせば上がっているという計算にもなりますが、一番直近の、ここにもありますように、二〇一三年の下半期を計算してみますと、マイナス一・三%。

 これは当たり前の話ですが、国民にとって一番重要なのは、賃金が上がったかどうかも重要ですけれども、物価高との差し引きですね。賃金が少し下がって、おまけに物価が過去四年間で一番上がっているということで、昨年の下半期はマイナス一・三%、実質賃金は大幅に下がっているんです。まあ、通年では上がっているという意見もあるかもしれませんが。

 そこで、安倍総理、確認したいんですが、今も実質賃金は上がっているとおっしゃいましたが、非正規も含めて、実質賃金、昨年の下半期は過去四年間で一番下がっている、この認識は安倍総理もお認めになりますね。

安倍内閣総理大臣 私が申し上げましたのは、一般勤労者について実質賃金が上がっている、賃金が上がっていると申し上げたのは、パート以外の一般労働者の二十五年の年間を通じた賃金についてでございまして、今委員が御指摘になったのは後半についてでありますね。(山井委員「はい、そうです」と呼ぶ)後半については先般お答えをさせていただいたとおりであります。

 しかし、先ほど申し上げましたように、二十五年については、まずは、公務員の給与が引き下がっているということは、地方公務員の給与については引き下げたという、この影響については申し上げなければいけない。であるにもかかわらず、一般労働者の賃金は、先ほど申し上げましたように、上がっているということであります。その中において、パートの賃金が、いわばパートの従業員の数がふえているという中において、先ほど申し上げたとおりであろう、こういうことでございます。

 そこで、通年について言えば、まさに平成二十五年の年間を通じて見ますと、一般労働者一人当たりの平均賃金はプラス〇・七%でありまして、パート労働者の時給についてもプラス〇・七%と増加をしているわけでありますが、先ほど申し上げましたように、短いパート労働者が増加したことから、パート労働者一人当たりの平均賃金はマイナス〇・六%と減少したわけでございまして、このことに加えまして、賃金水準の低いパート労働者の割合が上昇したこともあって、勤労者全体の一人当たりの平均賃金は、ほぼ横ばいとなったところでございます。

山井委員 だから、少し気になりますのは、今はこれだけ非正規雇用やパートの方、派遣の方もふえているわけですから、そこを除いて賃金が上がった上がったと言っても、それは国民の生活実感に合わないわけです。

 今の下半期の実質賃金のグラフをもう一回見てもらいますと、国民がなぜ景気回復を実感できないのかというと、物価高の方が賃上げ率よりも高いからなんですね。

 そこで、安倍総理にお伺いしたいんですが、安倍総理は、昨年十二月十九日、日本アカデメイアの講演の中で、大企業の業績回復が中小企業に行き渡るように、中小企業の従業員の方々の賃金が引き上がるようにならないとアベノミクスは失敗だということを講演でもおっしゃっておられました。

 今、国民の方々の不安は、このグラフにあるように、賃上げは十分ではないのに物価だけが上がっている。この四月には消費税増税が行われる。電車、郵便、ガス、水道、マーガリン、牛乳、どんどんどんどん四月以降上がっていく。ということは、四月以降は、物価高と実質賃金を比較したときに、物価だけ上がって賃金が十分に上がらなかったら、国民生活はもっと苦しくなるんじゃないか。

 安倍総理がおっしゃるように、物価が上がった、一テンポおくれて賃金が上がる、それは私もそうだなというふうに思います。ただ、国民が知りたいと思っているのは、中小企業の方や非正規雇用の方も含めて、では、物価高を上回る賃金引き上げは、安倍総理としては、ことし中に目指しておられるのか、来年を目指しておられるのか、いつまでその痛みに耐えればいいのか。このままいくと、物価は上がる、賃金は十分上がらない、痛みだけが来るのではないか、その不安がやはりあるわけなんですね。

 そこで、安倍総理にお伺いしたいと思いますが、物価高を超えて賃金が上がらないと国民生活は豊かにならないわけですが、安倍総理としては、この物価高を上回る賃金上昇、いつまでに実現したいと目指しておられますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 まず、十五年間ずっとデフレが続いていたわけでありまして、デフレが続く間においては、物価も下がっていくんですが、物価以上に賃金が下がっていく。そして、経済が縮小していくわけでありますから、これはまさに日本の存在感自体も低下をしていく。これを変えなければいけないという中において、デフレから脱却をしていく、そのための三本の矢の政策であります。

 先ほど来、景気、実感をしている方のパーセンテージが低い。確かに、私たちもしっかりそこに着目をしながら、全国津々浦々にこの景気の回復の実感を広げていこう、こう考えておりますが、我々が政権をとる前は、そもそも、景気回復していますかという質問すらなかったんですから、そこは大きく変わっているということは申し上げたいと思うわけでございます。

 そこで、給与が上がっていく上においては、まずは企業の収益を回復していく必要があります。企業が収益を回復する、やっとそういう状況になってきました。企業は収益を回復している。中小・小規模事業者におきましても、業況判断において、非製造業においても二十一年と十カ月ぶりにプラスに転じたわけであります。

 だから、ここからが私たちは正念場だ、こう申し上げているわけでありまして、このデフレマインドを払拭させて、特に経営者がそうでありますが、なかなか経営者の皆さんが、デフレマインドがまだあって、投資あるいは設備投資や、そして大切な従業員の賃金の上昇に踏み込めないでいる中において、だからこそ、私たちは、昨年、政労使の会議を行って、経営者の皆さんに呼びかけをして、そして、初めて、いわば政労使において、賃金を上昇させていく、景気の好循環をつくっていくためのこの重要性について認識を一致させたところでございまして、この四月から、多くの企業において、中小企業も含めて、できるだけ多くの企業で賃金の上昇に結びつけていただけるように期待をしたい、このように思います。

 そこで、四月からまず消費税の三%が引き上がっていきます。これは、三%がそのまま全て物価上昇にはつながりませんが、しかし、三%のうち二・数%は物価に乗っていく。しかし、この二%については、これは、伸びていく社会保障費に対応するために、みんなでそれを分かち合おうということで、まさに民主党の皆さんと一緒に我々は合意をしたわけでございます。残念ながら、この二%の分がすぐに賃金の上昇にはつながりません。これはもうみんなで分かち合おうということであります。

 一方、私たちが進めている三本の矢の政策に伴う物価上昇については、我々は、収入がそれに追いつくように全力を挙げていきたい。普通であればしばらく時間がかかるところを、例えば浜田教授は、二年ぐらいかかる、こうおっしゃっておられますが、それではなかなか、痛みが長続きしていきますし、長い間続いてきましたから、デフレから脱却できるかもしれないという気持ちがなえてしまう危険性もありますから、我々は、そこで政労使の会議を行ってお願いをしているところでございます。

 同時に、しっかりと三本の矢の政策を進めることによって、さらに日本の景気を上昇させ、経済を成長させていきたい。そのためにも、四月からどうしても反動減が来ますが、その反動減を緩和するために、五・五兆円の経済対策と、そして税制対策を行いました。

 七月から何とか成長軌道に戻るという中において、さらにデフレから脱却をしていく中において、賃金上昇がしっかりと物価の上昇に追いついていく状況をつくっていきたい、こう考えているところでございます。

山井委員 今の答弁を聞いていると、浜田参与が二年とおっしゃっているけれども、二年では長過ぎるということを安倍総理はおっしゃいました。

 確かに、消費税増税に関しては私たちも決断したことでありますが、それに加えて、アベノミクスで異次元の金融緩和、さらに円安誘導によってさらに物価を押し上げておられる部分があると思います。そして、賃上げの要請というのは本来異例のことでありまして、賃金は労使で決まることでありますが、しかし、アベノミクスでわざと物価高に誘導しているということで、安倍総理も賃上げを要請されていると思うんですね。

 では、安倍総理としては、物価高を上回る賃上げ、二年間で長過ぎるということは、今年中にやはりそれを目指しておられるのか、安倍総理の決意、思いをお聞きしたいと思います。なぜならば、昨年の十二月十九日の講演でも、大企業の業績回復が中小企業の賃上げに行き渡らなかったらアベノミクスは失敗だということまでおっしゃっておられるわけですから、物価高を上回る賃上げ、いつをめどに考えておられるのか、お答えください。

安倍内閣総理大臣 これは、私が従来から申し上げておりますように、デフレから脱却をして経済を成長させていくにはこの道しかないんですよ。賃金を上げていくにはこの道しかないんですよ。その道程においては、さまざまなことが起こります。

 そして、基本的には、まさに賃金が上がっていく、これは、企業が収益を改善し、そして経営者が判断をして賃金を上昇させていく、それを私たちはしっかりと後押ししていきたい、こう考えているところでありますし、私たちは、そのための三本の矢の政策をこれからもしっかりと前に進めていきたい、こう考えているところでございます。

山井委員 もちろん、大企業、輸出産業では、ベースアップ、賃金が上がっていくところも出てくるでしょう。しかし、一方では、非正規雇用の方々、中小企業、そして地方の方々、そのような方々にとっては、なかなか景気回復の実感というのがまだまだ得られないんですね。

 ですから、安倍総理の先ほどおっしゃった、浜田参与の二年が長過ぎるというのであれば、安倍総理としては、アベノミクスで物価だけが上がって賃金が上がらなかったら、生活はますます厳しくなります。やはり政治においては、大企業よりは中小企業、正社員よりは低賃金の非正規雇用、東京よりは、本当に、地方や被災地、そういう弱い立場の方々の声をより反映するのが政治の原則だと私は思います。

 その意味でも、二年が長過ぎるというのであれば、このような非正規や中小企業の方々も含めて、物価高を上回る賃上げというのは、いつごろ安倍総理として目指しておられるんですか。

安倍内閣総理大臣 先ほど実質賃金についてお話をされましたが、民主党政権時代には賃金そのものは下がったじゃないですか。ですから、そういう状況を変えていかなければならないということでありまして、その中において、直ちに予測できることもありますが、でも、この賃金については、まさにこれは労使の交渉によって最終的に決まっていくわけであります。紙に書いてそうなるといえば、こんな楽なことはないわけでありまして、そこを私たちは、まさにそういう経済の状況をつくりつつあるわけでありまして、それがなかったわけでありますが、それがやっとできつつあるわけであります。

 先ほど申し上げました、十二月の日銀の短観によりますと、大企業だけではなくて、中小企業、小規模事業者全て、これは業況判断がプラスに転じたんですよ。そして、非製造業においては、これは二十一年と十カ月ぶりのことなんですよ。それがなければ、いわば中小企業、非製造業において賃上げなんて、これはもう遠い夢の夢なんですよ。

 まずこういう状況をつくって後に、しっかりとそれが賃金に反映されるような状況がつくられるように私たちも全力で頑張っていきたい、こういうことでございます。

山井委員 事実誤認があると思うんですが、このグラフにもありますように、過去半年間では、実質賃金、今の政権が一番下がっているんです。下がっているわけです。下がっている中で、これからの消費税増税も入ってくるんです。

 そこで、最後に一問お伺いをしたいと思いますが、この下がっている一つの問題は、非正規雇用や派遣がふえているからなんですね。それで、先ほど長妻議員からも質問がありましたが、今回の派遣法改正において、安倍総理、一生派遣で働く人がふえるのではないかという心配、そうするとますます賃金が下がっていくんですが、一生派遣で働く人がふえる、そのようなことは今回の改正ではないですか。

安倍内閣総理大臣 パートの時給は上がっているんですよ、安倍政権になって。その中において、景気回復局面においては、短時間のパートから始めようという人がどっとふえてくるんですね。短時間のパートから始めていますから、一年間にすれば、これはどうしても賃金が下がるんですよ。そうしたものを平均するから、今委員がおっしゃっていたような状況になっているわけであります。これからまさに賃金が上がっていこうということであります。

 そして、一生派遣のままということについては、派遣についての考え方については先ほど長妻委員の質問に対してお答えをさせていただいたとおりでありまして、我々は、派遣労働については、まさに派遣という形態を好んでおられる方がおられるのも事実であります。しかし、その中において、キャリアアップを図っていきたいという方々についてはしっかりとその道が示されるような、そういう社会をつくっていきたい、こう考えているところでございます。

山井委員 答えていない。一生派遣の人がふえるんですかという質問をしたんですが、答えてください。

安倍内閣総理大臣 よく質問の趣旨が私はわからないんですがね。(山井委員「一生派遣の人がふえるんじゃないか」と呼ぶ)それがよく趣旨がわからないわけでありますが、先ほども申し上げましたように、先般も申し上げましたように、派遣の方がふえればいいと思っているとは考えていないというふうに答弁をさせていただいたとおりでありまして、派遣については、今お話をさせていただいたとおりの考え方であります。

山井委員 終わります。

二階委員長 これにて、黄川田君、大串君、長妻君、山井君の質疑は終了いたしました。

 各大臣は御退席いただいて結構でございます。

    ―――――――――――――

二階委員長 この際、三案審査のため、去る二十一日、第一班山梨県、第二班鹿児島県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員からそれぞれ報告を聴取いたします。第一班林幹雄君。

林(幹)委員 山梨県に派遣された委員を代表いたしまして、団長にかわり私からその概要を御報告申し上げます。

 派遣委員は、二階俊博委員長を団長として、理事金田勝年君、長妻昭君、山田宏君、石田祝稔君、委員あかま二郎君、大岡敏孝君、菅家一郎君、中谷真一君、湯川一行君、古川元久君、坂本祐之輔君、中島克仁君、柿沢未途君、私、林幹雄の十五名であります。

 このほか、現地参加議員として長崎幸太郎君が出席されました。

 去る二十一日、山梨県に向かう車中において、国土交通省及び中日本道路株式会社より、中央自動車道笹子トンネル天井板の落下事故及び道路の老朽化対策等の説明を聴取いたしました。

 次いで、現地において、ワインの振興状況並びにブドウ栽培の状況及び雪害状況を視察し、事業者等から説明を聴取いたしました。

 続いて、甲府市内において会議を開催いたしました。

 会議におきましては、山梨県知事横内正明君、公立大学法人山梨県立大学理事波木井昇君、山梨学院大学法学部教授中井道夫君及び萌木の村株式会社代表取締役社長舩木上次君の四名から意見を聴取いたしました。

 まず、横内君からは、雪害の被害状況及び国の支援の必要性、地域を接続する交通インフラ整備の必要性などの意見が、

 次に、波木井君からは、地域づくりに資する人材育成及び地方の雇用環境の整備、中山間地域に対する国の支援などの意見が、

 次に、中井君からは、雪害を中心とした山梨県の課題、中部横断自動車道整備を推進する必要性などの意見が、

 最後に、舩木君からは、全国画一的な基準を見直し、地方の魅力を引き出す方策、人間的な豊かさに重点を置いた地域振興策

などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から意見陳述人に対し、国土強靱化及び老朽化対策において国が重点化すべき点、人口減少高齢化への対策及び国が講じるべき措置、地方の自立と地域づくりの原動力、高等教育における奨学金制度のあり方、国と地方の予算配分と規制改革のあり方、山梨のブランド力を高める取り組みの成果などについて質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議の開催につきましては、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、御報告申し上げます。

二階委員長 ありがとうございました。

 次に、第二班塩崎恭久君。

塩崎委員 鹿児島県に派遣された委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。

 派遣委員は、私、塩崎恭久を団長として、理事上杉光弘君、森山裕君、委員今村雅弘君、岩屋毅君、高橋ひなこ君、宮路和明君、保岡興治君、玉木雄一郎君、杉田水脈君、中山成彬君、浜地雅一君、宮本岳志君、畑浩治君の十四名であります。

 去る二十一日、南さつま市において、農家から説明を聴取し、農地の視察を行った後、鹿児島市において会議を開催いたしました。

 会議におきましては、鹿児島県知事伊藤祐一郎君、株式会社カクイックスウィング顧問西園靖彦君、一般社団法人鹿児島県建設業協会会長川畑俊彦君及び鹿児島国際大学短期大学部准教授八木正君の四名から意見を聴取いたしました。

 まず、伊藤君からは、平成二十六年度鹿児島県予算と財政構造、社会資本整備のための公共事業の必要性などの意見が、

 次に、西園君からは、介護保険制度の地方移管の妥当性、産業振興への取り組みの必要性などの意見が、

 次に、川畑君からは、事業継続のための計画的な公共事業の見通しの必要性、雇用と防災に寄与する建設業の社会的使命などの意見が、

 最後に、八木君からは、TPP交渉からの即時脱退の必要性、ドイツにおける脱原発の取り組み

などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から意見陳述人に対し、離島振興のあり方、TPPにおける畜産分野への影響、地方分権と農政のあり方、地域に根差した介護ケアの必要性、川内原発の安全対策、公共建築における木材利用などについて質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議の開催につきましては、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、御報告申し上げます。

二階委員長 ありがとうございました。

 以上で派遣委員からの報告は終わりました。

 お諮りいたします。

 ただいま報告のありました第一班及び第二班の現地における会議の記録は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕

    ―――――――――――――

二階委員長 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。

 平成二十六年度総予算審査のため、八個の分科会を設置することとし、分科会の区分は

 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、防衛省所管及び他の分科会の所管以外の事項

 第二分科会は、総務省所管

 第三分科会は、法務省、外務省、財務省所管

 第四分科会は、文部科学省所管

 第五分科会は、厚生労働省所管

 第六分科会は、農林水産省、環境省所管

 第七分科会は、経済産業省所管

 第八分科会は、国土交通省所管

以上のとおりとし、来る二月二十六日分科会審査を行いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

二階委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

 次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

二階委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

 次いで、お諮りいたします。

 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

二階委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

 次に、分科会審査の際、政府参考人及び会計検査院当局の出席を求める必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

二階委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

二階委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。小熊慎司君。

小熊委員 日本維新の会の小熊慎司です。

 復興をテーマに、とりわけ東京電力福島第一原子力発電所の原子力事故災害について主に質問をさせていただきます。

 昨年、私の地元福島県の会津では、総理初め閣僚の皆さんも見ていただいていたというふうに思いますけれども、NHKの大河ドラマ「八重の桜」で大変にぎわい、総理、ごらんになっていただいていなければ……(安倍内閣総理大臣「いいえ、見ていますよ」と呼ぶ)ありがとうございます。盛り上がりましたけれども、風評被害の払拭、観光客の入れ込みについては、まだまだこれから努力をしていかなければならないところであります。NHKの中継があるからNHKの宣伝をするわけではありませんけれども、この「八重の桜」も、海外でもことしはさまざまな国で放映され、福島県の元気を情報発信することとなっているところであります。

 そうしたさなか、二〇二〇年の東京オリンピックに向けての取り組み、これは、過日の、二月十三日のこの予算委員会でも、民主党の細野議員が質問をされました。また、私も、昨年の予算委員会でも、とりわけ福島県に対する取り組みについてお伺いをしたところであります。

 そこで、まず初めに質問させていただきますけれども、復興の加速化のために、東京オリンピックまたパラリンピックの関連事業を被災地で開催することは大変意義のあることであり、総理も、過日の答弁では、これに積極的に取り組んでいくことをおっしゃっていただきました。

 今、福島県におきましては、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック関連事業推進本部というのも設置されたところであります。さまざまな地域の提案もこれから受け入れるということで総理の答弁がありましたけれども、実際、もう福島県ではこうした本部が立ち上がっているところであります。

 そこで、担当大臣の下村大臣にお聞きいたしますけれども、こうした関連事業の取り組みについて、まずお伺いをいたします。

下村国務大臣 福島県で対策をされるということは大変すばらしいことでありますし、それに対して、しっかりと国の方も応援をしていきたいと思います。

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックそのものは、これは東京都の主催ですから、競技はやはり東京ということでありますが、ぜひ、事前合宿とか、それから四十七都道府県が各国のそれぞれ受け皿になっていただいて、オール・ジャパン体制でやるような形をとりたいと思います。

 特に、被災地は、おっしゃるとおり、この二〇二〇年をきっかけに加速、推進をさせて、そして、世界じゅうの方々に、福島を中心に達成できたんだという姿をぜひ見せていただくということは非常に望ましいことだと思いますし、また、政府もそのために力を入れていかなければならないというふうに思います。

 いろいろな御要望をしっかり受けとめながら、オール・ジャパンで、そして、福島においても、聖火ランナーのコースにするとかいうことも含めて、さらにいろいろな形で、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて、福島を中心とした復旧復興が達成できるような、そういう計画をしてまいりたいというふうに思います。

小熊委員 オール・ジャパンで取り組むということは、もちろん当然のことだというふうには思います。しかし、過日の総理の答弁でもありましたとおり、福島県というこの地域の背景を考えれば、やはりしっかりとその対策をとっていかなければなりませんし、日本の安全性、海外でも風評被害が広がっているところもあります。

 そうした、一点突破、全面展開ではありませんけれども、福島県の安全性を訴えれば、これは日本全体の安全性にもつながる。総理が、総合的に原子力災害はコントロールされているというお言葉もあったことをしっかりと具体的に示すことにもなるのではないかというふうに思います。

 オール・ジャパンの取り組みをしていくこともさることながら、もう既に福島県からは三十二の事業の提案が出されているところであります。日本全体を均一化した形、平均化した形での取り組み、そういうことも必要ではあると思いますけれども、特化してやることによって、ひいては日本全体の安全性につながってくるというふうに思います。

 そうした観点から、再度、下村大臣の答弁を求めたいと思います。

下村国務大臣 おっしゃることは当然だというふうに思います。

 ですから、先ほど申し上げたのは、東京だけの一極集中が加速されることなく、日本全体が元気になるような二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの取り組み、さらには、東北地区、被災地、そして当然福島においても、地元の御要望をしっかりと踏まえて、二〇二〇年に向けて今からできることをやっていきながら、世界じゅうの方々が安心して福島や被災地を訪れることができるような復興復旧の促進に向けて努力していきたいと思いますし、また、福島県等、福島県内いろいろな自治体から御要望があるのは、今、内閣府のオリンピック・パラリンピック推進室の方でしっかり受けとめて、できるだけ地域の方々の御要望に沿った形で促進をされるように、全力で福島のためにも努力をしていきたいと思います。

小熊委員 ぜひこれをしっかりと、今答弁のあったとおり進めていただきたいと思います。

 また、外野の方から、これは県議会の質問かなんということが出ていますけれども、福島の問題は、福島県議会だけの問題でも、福島県だけの問題でもないんですよ。日本全体の問題としてどう捉えるかということが我々に問われているわけであります。

 私自身も、日本全体として盛り上げていくということは何も否定はしませんよ。福島県を特化してやることが、ひいては日本全体の風評被害の払拭になるという観点で、日本の国益全体を考えて言っているんですから、ぜひ大臣、そこはしっかり真摯に受けとめていただいて、もう既にこうした具体的な提案、そして福島県においても組織が立ち上がっていますから、しっかり担当大臣として今後連携をとっていただいて、オリンピックの成功につなげていただきたいというふうに思いますし、おもてなしの心というものをしっかりと福島県からも情報発信、そして受け入れ体制もしっかりしていきたいというふうに思います。

 私の党の先輩の藤井孝男さんが、小熊君、やはり政治もおもてなしだよ、しっかりとそういうことをやらなきゃいけない、ただ、一つの側面として、政治は、おもてなしが違うことになるときもあるというふうに言いました。表なし、表がない、裏ばかり。そういう裏ばかりの政治ではなくて、しっかりと真っすぐな政治をやっていくためにも、本当のおもてなしの心でやっていただきたいというふうに思います。

 さらに質問を続けさせていただきます。

 原発事故災害に起因する風評被害対策、これは政府の方でも取り組んでいただいているところであります。先ほど、冒頭申し上げましたとおり、「八重の桜」で一部には観光客が増加した地域もありますけれども、押しなべて全体を見れば、まだまだ観光客の入れ込み数が戻っていない地域も多数見受けられますし、また、教育旅行、修学旅行に関しては、半分も回復をしていないという状況にもあります。

 そこで、改めて、風評被害対策について復興大臣にお伺いをいたします。

根本国務大臣 委員のお話のように、震災から三年を経過してもなお、農林水産業あるいは観光業、幅広い産業分野で風評被害が続いております。

 このような状況を克服するために、昨年四月に、私が中心となって、関係各省の政策を取りまとめました風評被害対策をパッケージとして取りまとめました。そして、昨年の秋に、原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース、これを開催して、各省庁の上半期の取り組み状況の進捗管理とともに、課題の洗い出し、議論を行って、フォローアップをやりました。

 具体的に、次のようなことをしてまいりました。

 一つは、放射性物質の検査や放射線量の把握、これをしっかりと把握して公表する。特に、日本の食品は、今流通している食品は、世界一厳しい基準をクリアした食品ですから、そういうものをきちんとアピールしていく。

 そしてもう一つは、風評被害を受けた産業への支援。例えば、タレントを起用した福島県農産物のPRや、あるいは民間企業における被災地産品の販売促進の要請。

 さらに、私から、そのフォローアップの段階で、次のようなことを指示いたしました。

 放射線モニタリングの継続と、何よりも消費者へのわかりやすい情報提供、そして政府が主体的に被災地産品の消費促進を図る「食べて応援しよう!」、この継続、強化、あるいは民間企業においても、社内の食堂、社内マルシェ等での対応、その働きかけの強化、あるいは外国輸入規制の緩和、撤廃に向けた粘り強い働きかけの継続、こういうものを、フォローアップの段階で、私からも指示いたしました。

 これからもしっかりと風評被害対策の推進に取り組んでいきたいと思います。

小熊委員 政府としても取り組んでいるということは今の大臣の御答弁のとおりでありますし、地元としても、福島県のアンテナショップが四月には日本橋にオープンをされます。また、各市町村単位ででも、先週の土曜日には、葛飾区の皆さんにお世話になって、私の地元の湯川村、会津坂下町のアンテナショップも開設をされました。

 しかし、直近のさまざまな消費者団体の意識調査、また県の商工会連合会の意識調査を見れば、首都圏においても、福島県産品を買わない、そういう消費者、そういう意識を持っている方が三割近くいて、これが昨年から改善をしていない、その水準が変わっていないという状況であります。

 努力はされているんですけれども、なかなかこれは根深い問題でもありますし、科学的知見をしっかりと示している、調査もしている、全袋検査もしている、全量検査もしている、しっかりと安全性を発信しているにもかかわらず、誤解が理解に変わっていかない。やはり新たな取り組みが必要だというふうに思います。

 そうした中で、私も地元でさまざまなお話をしていますけれども、福島県はより厳しくやっています、他県よりも厳しくやっています。そういう中で、もうここまで来てしまえば、海外のものも含めて、福島の絶対的な安全性を訴えるだけではやはり事足りない、これは、私も含めて、専門的な知識が一般の人であるわけでもありません。そうすれば、絶対的な安全性を訴えるだけではなくて、やはり他県のもの、海外のものとその数値を比べる、相対的な比較をもって、そして消費者の方々にそれを見ていただくことによって正しい判断、誤解を理解に変えていくきっかけになるというふうに思いますけれども、そうした観点において、この相対的な評価、比較、そうした情報発信をして風評被害を払拭することについて、森大臣にお答えいただきたいと思います。

森国務大臣 お答えいたします。

 小熊委員のおっしゃるとおりでございまして、昨年も同様の御質問をいただきました。私からは、全国の食品の放射線値が検索できるようにしてありますというふうに答弁をしたところでございますが、その数値を理解していただくこと、リスクコミュニケーションが大事だというふうに思っております。

 昨年に比べまして、現在では、二十五年の十一月から、さらに詳細な全国の食品の放射性物質検索ができるようになっております。国立の保健医療科学院が運営管理をしておりますこのサイトは、消費者庁からも飛べますし、厚労省からも飛べるんですけれども、全国の食品の放射性物質データがそのまま載っているだけではなく、検索の仕方が、産地から探す、品目から探す、詳細検索、出荷制限情報など、さまざまな検索ができるようになっております。

 さらに、こういった情報を出すだけでなく、消費者の皆様に、福島県産品も含め、現在流通している全ての食品が基準値以下である、流通しているものは基準値以下でありますよ、安全ですよということを御理解いただくことが最も重要だと思っておりまして、食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーションを積極的に展開しているところでございます。

 私も、きのうは、会津の昭和村、金山町まで行ってきましたけれども、そこもやはり、観光だけでなく食品の方も風評被害がまだまだある、生き地獄だよ、森さんというお声も伺ってまいりました。援助の意味での食品の注文、購入、応援もいただいているんですが、やはり原発事故前の顧客が離れてしまっている、特に西の方のお客様がまだまだ戻らないんだというお話がありました。

 消費者庁では、消費地の方の理解をいただくために、西日本の方も含めて、全国にリスクコミュニケーターの養成を今年度予算で実施してまいりまして、二千人を目標にしておりましたけれども、二千五百名程度、今まで研修を受けてリスクコミュニケーターになっていただきました。学校給食関係者、県職員、消費生活アドバイザーの皆さんなどが研修を受けていただいて、放射性物質の基準値の意味をしっかり理解して消費者に伝えていただくように努力してまいりたいと思います。

小熊委員 おっしゃるとおりで、基準値以内ではあるんですけれども、同じ基準値以内のものでも、福島県産品とほかのものと比べると、やはりどうしても避けられてしまうという側面がありますし、ある意味、基準値以内で、百ベクレル以下ということで、例えば二十ぐらいだったといっても、ゼロではない。ゼロのものはこの全世界どこにもないというふうに私も理解をしていますけれども、なかなかそういう理解が得られない。

 例えば、福島県のある産物が六十です、他県のものはゼロだという認識をしている消費者も数多くいるわけです。逆に、福島のものが六十で他県のものが八十のものも、基準値以内ですから、あるかもしれない。逆に、そういうことを公表し過ぎると他県の風評被害につながるかもしれませんけれども、世界じゅうを見渡したって、ゼロなんということはあり得ませんし、日本の基準以上に高い基準で食品の基準を設けている国もあります。

 実際、国で決めた基準ではなくて各教育委員会ごとで給食の独自の基準を持っているところがあります。私の地元にもありますけれども、より厳しい基準でやってしまっているので、逆に福島県外のものも使えない、海外のものも使えていない、こういう非常に混乱した状況にあります。

 低線量に関しては、専門家も含めて国民の皆さんもさまざまな意見を持っているところでもありますけれども、やはり、この科学的知見、そして今の実際の現状といったものを出しているとおっしゃいましたけれども、まだまだこうした風評被害がおさまらないということは、そうした、福島県のものも他県のものも海外のものも変わりがないんだ、下手すれば産品によれば他県のものより全然低いんだ、外国のものよりもっと低いんだというようなことがちゃんと伝わっていないというふうに私は思っています。

 ですから、今のこの方向性、比較評価している、公表もしていますということがありますけれども、よりその情報発信に関してもっと努力しなければいけないんじゃないんでしょうか。再度答弁をお願いします。

森国務大臣 私、食品の風評被害払拭担当大臣でございますので、さらに消費者の皆様の御理解を得るように努力をしてまいります。

 ちなみに、風評被害に関する消費者意識の実態調査を私が担当になってから実施してきておりまして、一回目よりも二回目の方が、福島県だからとか、そういった理由で購入をためらう割合は減ってきております。減ってきておりますが、まだそういった方が一部いらっしゃるということを踏まえまして、さらに消費者の理解を進めてまいりたいと思います。

 先ほどのリスクコミュニケーターの取り組みと同時に、全国でミニ集会などを消費者の皆様を相手に行っておりまして、これまでに九十五回、各地域で実施をしております。その中で消費者庁が作成したQアンドAの冊子を配りまして、今おっしゃったような、基準値以下であれば基準値の小さな差は関係ないんだということをしっかり理解していただく取り組みをさらに続けてまいりたいと思います。

小熊委員 これは、党派関係なく、与党、野党関係なくやっていかなければいけない問題だと思いますし、過日の、汚染水のさまざまな不祥事が起きるたびに福島県が福島県がということで、そのたびにやはり消費行動にも、また観光客の入れ込みにも大きく影響するところでありますし、原発災害の完全収束までは何十年もかかるというふうに今推測をされているところです。長い取り組みになりますので、しっかり私も一緒になって頑張っていきたいというふうに思いますし、努力は買いますけれども、これはしっかりと数字としてあらわれなければならないというふうに思います。

 今、福島県のものを買ってもらっている、来ていただいている皆様の応援の気持ち、これも大変ありがたいんですけれども、本当に福島県のものはおいしいんだ、福島県がいいんだということで、正当な評価で福島県に目を向けていただく、そうしたことが達成されるその日まで努力を続けていかなければならないと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。

 次の質問に移ります。

 昨年暮れに、復興庁の方では、「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」というものを発表されました。こういう民主党政権時代から自民党政権になってからの大きな転換がありました。これは、帰還を第一にして、帰還のみを前提にした政策のたてつけではなくて、いわゆる新しい避難地域での移住といった点について、そうした選択肢をお示ししたことは、一定の評価をするところでもあります。

 こうした帰還第一主義、何年かかっても必ず帰すんだ、これは大事なことではありますけれども、やはり一人一人の生活、人生を考えれば、その人間の復興を考えれば、新しい地域での生活のスタート、そうしたことを支援していくという、そうした概念、政策を出されたことは評価するところであります。

 この加速化に向けてについて、復興大臣の御所見をお伺いいたします。

根本国務大臣 福島の復興に向けては、私が復興大臣に就任して以来、現場の福島再生総局体制の強化、いわゆる福島、東京、二本社制。そして、福島に特有の問題に対する施策が薄かった。ですから、福島復活プロジェクト、例えば、子供の体力低下に伴って、伸び伸びと運動できる環境整備、遊具の更新、あるいは屋内、屋外運動場の整備、あるいは、長期避難者のための復興公営住宅の整備、福島に特有の課題に対応する施策、これを打ち出してきました。

 そして、昨年の八月には区域の再編見直しが行われた。

 昨年の十二月には、政府全体としての新たな指針を示しました。それは、復興の大前提となるしっかりとした賠償、そして廃炉・汚染水対策、さらにリスクコミュニケーション等々の施策の全体を政府として取りまとめたのが、この今の福島再生加速化に向けてということであります。

 そして、我々としては、帰りたいという方も、あるいは迷っておられる方も、ほかの地域で生活を再建したいという方々にもひとしく支援をする。そして、福島のあの基本方針では、帰りたいと思う方には帰っていただくというのが福島の基本方針ですから、その意味で、全体の道具立てをそろえて、そして福島の再生加速をことし強力に推し進めていって、ことしは福島が大きく動く一年にしたいと思っております。

小熊委員 区域の見直しも今言及されました。これは、除染や空間線量の状況に応じた一つの判断基準がありますけれども、一方で、完全収束していない原発施設の周辺地域に帰すということは、私は、それは避けなければならないというふうに思っています。安全に廃炉に向けた作業が行われていればいいんですけれども、まさかという、いざ何か起きたときに、その周辺地域に住まわせてしまっていることによって、さらに大きな災害を生むことにもなりかねません。

 そうした観点から、区域の見直し、収束していない原発施設の危険性を勘案した区域の設定という考え方が必要だと思いますけれども、経産大臣、お願いいたします。

茂木国務大臣 きょうはテレビも入っておりますので、まず、おもてなし。言葉として、持ってなし遂げる、もてなし、この言葉に丁寧な「お」がついてということでありまして、表なしではない。テレビで誤解があるといけませんので、その点ははっきりさせていただきたいと思います。

 そして、原発事故の周辺地域につきましては、事故後の平成二十三年の四月に、住民が一度に大量の放射線を被曝するリスクを回避することを目的として、半径二十キロメートル圏内を一律に立入禁止とした警戒区域を設定いたしました。しかし、平成二十三年の十二月に、前政権のもとで、福島第一原発の原子炉の冷温停止状態が確認をされまして、発電所の安全性が確認されたことから、この警戒区域は昨年の五月までに全て解除をされました。

 福島第一原発、現在でも冷温停止状態にありまして、現状では、以前の警戒区域に相当するような、福島第一原発からの距離に応じた一律の立入禁止区域を設定する必要はない、そのように考えております。

 現在は、放射線量に応じまして、避難指示区域を三つの区域、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域に再編をいたしまして、放射線量に応じた立ち入り規制を行いまして、最も線量の高い帰還困難区域につきましては、御案内のとおり、原則立ち入りが制限をされているわけであります。

 もちろん、廃炉の着実な実施によりますリスクのさらなる低減、これは極めて重要でありまして、福島第一原発の廃炉に向けた措置について、東京電力から提出をされました実施計画において、設備の信頼性向上、事故発生時の拡大防止や影響評価が行われておりまして、全体としてリスクの低減が図られていること、これは昨年の八月に原子力規制委員会が確認をしているところであります。

小熊委員 実際、まだ、原子力事故が、一号機から三号機は本当の状況はわからないわけですよ。それで大丈夫だというようなことは言い切れないというふうに思います。この点については今後の委員会の中でも議論を続けたいと思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 原子力の再稼働についてはさまざまなことがありますけれども、我々日本維新の会としても、これは過日、結いの党と政策協議でも合意しましたけれども、市場メカニズムを通じた原発フェードアウト、脱原発依存を目指すというふうになっております。

 また一方で、我が党の参議院のマニフェストにも載せさせていただきましたけれども、これと福島県内の原発は切り離して、自民党の福島県連ではそれを書き切っていますけれども、県内の全基廃炉をうたっています。我が党もそれをうたいました、参議院の中で。これは党本部の公約でうたいました。

 過日、昨年の九月の経済産業委員会の中で茂木大臣も、それぞれの手続、スキームに従って再稼働に関しては判断するところであるけれども、福島県はやはり別物だろう、そういう答弁もいただいたところであります。

 総理にお伺いをいたします。この福島県の東京電力の第二原発の廃炉について御見解をお伺いいたします。

    〔委員長退席、萩生田委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 福島県内の原発の取り扱いについては、県民の方々からさまざまな声が出ていることは承知をしております。

 福島第二原発については、今後のエネルギー政策全体の検討や新規制基準への対応、そして地元のさまざまな御意見等も総合的に勘案しながら、事業者が判断を行うものと考えているところでございます。

小熊委員 今の答弁を九月の経済産業委員会でも茂木大臣から聞いたんですけれども、茂木大臣はその先も言っていただいたんですよね。福島は別物だということを言っていただいたんですけれども、総理はどう思いますか。

安倍内閣総理大臣 今申し上げましたように、福島の県民の方々からさまざまな声をいただいているわけでございまして、そうした声を当然我々は重く受けとめながら検討していきたい、こう思っているところでございます。

小熊委員 これは、地元の声といっても、県も県議会も全て、県民を代表する機関として、廃炉というふうに言っているわけでありますから、もう県の意思というのは示されていますので、総理の決断、事業者の判断ということもありますけれども、第一原発の第五、第六に関しては廃炉という、総理が現場に行かれたときに言ったことは、大変、その後の流れの中で大きな影響を与えましたし、いい判断だったと思います。第二原発についてもそうした判断を早急にしていただくことを求めて、次の質問に移ります。

 いわゆる指定廃棄物の中間貯蔵施設について、今、その設置については、環境大臣初め政府が取り組んでいただいているところでもあります。

 しかし、一方で、再三こうした話題を委員会でもさせていただいてまいりましたけれども、この中間貯蔵施設が結局は指定廃棄物の最終処分場になってしまうのではないかという疑い、懸念を県民が持っているのも事実であります。

 そうしたものを払拭するためにも、これを法制化してほしいということを地元としては求めているところであり、皆さんにはお配りをしていますけれども、福島県の要望書として、「中間貯蔵施設計画案・管理型処分場活用計画案の見直しについて」の第一の第二番の中でも、「三十年以内県外最終処分について、法制化に向けた具体的な方針を明確にすること。」というふうに要望を出しているところです。

 国のこの最終処分の考え方は、環境省で出している「除去土壌等の中間貯蔵施設の案について」の最後のページに掲げていますけれども、二番目の、このような方針をさらに明確化すべく、これは最終処分の方針ですよね、中間貯蔵施設を受け入れていただけるような環境が整えば、法制化を図りますとなっているんですね。あたかもバーターするような、中間貯蔵をつくらなければ最終処分場も取り組まないよ、うがった見方をすればそのようにも受けとめられかねない。

 これは、国が前面に立つと言っているんですから、今、仮置き場とか、さまざま除染作業が進んでいないところを考えれば、まず早急に中間貯蔵をつくることも重要なことでありますけれども、それはそれとして、最終処分場をしっかりつくる、そういう言い方に変えなければいけないんじゃないですか。環境大臣、どうですか。

石原国務大臣 最終処分については、非常に重要な問題であると私ども認識しております。

 また、総理も当委員会等々で昨年来御答弁されておりますとおり、まず、中間貯蔵施設、仮置き場等々に山積した、除染によって出たものを保管していただくところをつくっていただく。私ども、決して上から目線というようなこともございませんし、ともかく、時系列を持って、物には一つ一つ順番を持って取り組ませていただく。

 それも、地元の皆さん方に御説明をさせていただく機会を得て、議会で、あるいは住民の方に説明をさせていただいて、御納得がいかない限りそちらに中間貯蔵施設というものはできないわけでございますので、ともかく、中間貯蔵施設を、どこが大丈夫であるのか、また、知事からはさまざまな御提言、二月になりましていただいておりますので、これもしっかりと受けとめて、できる限り早く御回答を示した上で、一つ一つ丁寧にこの問題に取り組ませていただきたいというのが政権の考え方でございます。

小熊委員 最終処分場の法制化については、これは中間貯蔵が決まらなければできないんですか。切り分けては法制化できないんですか。

石原国務大臣 冒頭、先ほどの御答弁でお話をさせていただきましたとおり、最終処分場の問題というのは非常に大切な問題でございます。切り分けるとか切り分けないとか、そういう問題ではなくて、私どもが上から押しつければ中間貯蔵施設をできる場所が決まります。しかし、これはあくまで理解をいただかない限り、中間貯蔵施設はできてまいりません。そのことをまず一番に御説明をさせていただきたい、議会でもお話をさせていただきたい。

 そういう機会を得た後、しっかりと取り組ませていただきたいと考えております。

小熊委員 切り分けるという表現は私もよくありませんでしたけれども、並行して法制化はできませんか、大臣。

石原国務大臣 中間貯蔵施設がまだどこにできるか決まっておりません。決まっていない以上は、最終処分場の問題は大切な問題でありますけれども、最終処分場の場所も決まっておりません。

 やはり、こういう問題は一つ一つ、総理の御答弁の中にありますとおり、今直面している課題にしっかりと応えられるように説明をさせていただきたい、議会でも説明をさせていただきたい、これは御県の知事にも申させていただいているところでございます。

小熊委員 これは、先ほど言ったとおり、この進め方でいうと、中間貯蔵がやはり最終処分場になってしまうんじゃないかという懸念は払拭されないんです。昨年の予算委員会でも言いましたけれども、それで三十年後に決まっているのかどうか、その不安が非常にあるわけですよ。それで帰るか帰らないか決められない県民も、被災者も多くいるんですよ。

 時間をかけてしっかりと取り組む復興もありますけれども、もう三年です。もう三年になるときに、先日も私、被災者の方々としゃべりましたけれども、もう新しいところでしっかりと生活を始めたい、自立のために。何も支援をずっと受けたいとか、そういうことじゃないんですよ、我々も。誇り高き福島県民として、しっかり自立の道を歩んでいきたい。

 人はそれぞれ、その人生の岐路に立ちますけれども、そのときに、あえて困難な道を行こうとして、そして未来ある、将来ある福島県をつくって、そして原発事故をしっかりと乗り切っていこう、そういう意欲のある被災者が数多くいます。

 そうした中においては、その中途半端な、何も決めない、そういうことではなくて、時間軸を考えれば、一定程度の国有化もしくは長期借り上げをして、そして移住をしっかりと進めていく。そして、その中で、三十年このままであれば、最終処分場なんて県外にできるなんということを本当に信じている人なんて福島県にほとんどいませんよ。

 であるならば、あえて背負わなければいけないのであれば、しっかりとした管理ができる指定廃棄物の最終処分場も福島県内に国が責任を持ってつくって、そして、しっかりと管理をして、その周辺地域を国有化して移住を進めていく。本当に断腸の思いでそうした政策を進めることこそが、それぞれ被災者の自立に向けた人生の復興につながっていく、そのように私は考えています。そして、こうした意見にも数多くの共感を呼んでいるところであります。

 これまでの延長線上ではなくて、しっかりと、厳しい道でも、正直に真実の政治を続けて、そして福島の復興を果たしていく、そうした意欲を態度で示していく、政策をしっかり打ち立ててやっていくことが政府には求められているんです。それでなければ、本当の決める政治ではありません。

 今の状況では、人生選択をできない被災者が数多くいるんです。間をとれる政策もありません。帰るか帰らないか、しっかり決めなければ、その間をとる政策というのはないんですよ。

 これは、帰ると言っている人には大変申しわけないけれども、時間がかかり過ぎる。そうであるならば、人生を無駄にしないためにも、自立の道の、復興のために、一定程度の国有化、そして、処分場のあり方もしっかりと数年内に決めてしまう。そうした本当の復興政策を政府に求めて、私も、そうした政策をしっかりと実行していくことを政府に求めて闘っていくことを宣言いたしまして、質問を終わります。

萩生田委員長代理 この際、谷畑孝君から関連質疑の申し出があります。小熊君の持ち時間の範囲内でこれを許します。谷畑孝君。

谷畑委員 日本維新の会の谷畑孝でございます。

 私は、自由民主党の衆議院議員として、五期も選挙を当選させていただきました。もちろん、公明党の皆さんにもお世話になって、新しい舞台で初心に返って頑張っていきたいな、こういうふうなことを思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 さて、安倍総理、顔色もいいし、気迫もいっぱいだし、また、日本を代表して、外遊、本当にたくさんの国を回ってまいられました。そしてまた、閉塞したこの二十年、経済成長はしないわ、一体日本はどうなっておるんだろう、そういうような状況の中で、アベノミクスという、デフレから脱却するんだと、こういうようで頑張っておられること、私は強く強く敬意を表して、また期待をするものであります。

 さて、新年会で、私もたくさん回ってまいりました。また、この間、地域もたくさん回ってまいりました。地元の皆さんも、何とか景気をよくしてほしい、アベノミクスを成功してほしい、こういうような期待でいっぱいであります。

 もう一度、安倍総理から、大丈夫だ、しっかりとアベノミクスを推し進めて、この閉塞した社会を打破していくんだ、経済成長していくこの日本をつくり上げるんだ、こういう強い決意をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 私たちが進めておりますこの三本の矢の政策によって、だんだん成果も出てきておりまして、政権発足後一年余りで、四四半期連続でプラス成長をいたしました。

 安倍内閣発足後の一年間である二〇一二年十―十二月期と二〇一三年十―十二月のGDPの水準を比べますと、二・七%の成長を遂げているところでございまして、そして、名目GDPもやっと五百兆円が視野に入ってきたわけであります。これは、もともと五百兆円あったものが、だんだん縮んできた。デフレ経済の中において、経済も成長しない、デフレが進んでいく中において縮んできたわけでありますが、また再び成長軌道に乗って、名目五百兆円、回復も視野に入ってきたところでございます。

 谷畑委員とは自民党でも同じグループでともに研さんさせていただきましたが、よく谷畑議員は、大切なのは、やはりそれぞれ人に着目しなければいけない、こうおっしゃっておられましたが、リーマン・ショック後に〇・四二倍まで落ち込んでいました有効求人倍率も、一人の求職者に対して一人の職以上となる一・〇三倍まで上昇したわけでございます。

 そして、ここからが大切でございまして、やはり、賃金が上がっていく、企業の収益を賃金の上昇につなげていくことが一番大切であろう。そのために政労使の会議を昨年開催いたしまして、企業の収益改善が賃金上昇につながり、そしてそれが消費の拡大につながっていくという景気の好循環を生み出していくことが重要であるという共通の認識を得ることにつながったわけでございまして、今後、さらにしっかりと経済政策パッケージを実行することによって、成長軌道を着実に歩んでいきたい、このように思っているところでございます。

谷畑委員 力強い決意、ありがとうございました。

 さて、三本の矢の一つである成長戦略、歴代の内閣も成長戦略というのをたくさん述べてこられました。しかし、この成長戦略というのは、言葉では易しいんだけれども、これを力強く成長していく、そういうことに仕上げていくということは並大抵ではないのではないか、こういうふうに実は思っておるわけであります。

 そういう中で、とりわけ、国家戦略特区ということで、従来とまた違った、さらに、いわゆる規制緩和をしたりあるいは税制優遇をしたり、こういうことを全国で幾つか指定をしてやっていくんだ、こういうふうに言っているわけでありますけれども、これも成長戦略の中における一つの非常に大事なことだと思います。

 しかし、そう言いながらも、戦略特区というのは何となしにぼやっとしていて、もちろん都道府県それぞれが、申請するところがしっかりと戦略特区というものに乗って方向を出していかなきゃならないんですけれども、そこで、担当大臣、全国でどれぐらいの規模を指定をして、しかも、従来の特区と違って、今までたくさん特区があったわけですけれども、戦略特区ということでありますから、これだけ目玉があって、地域の活性化にもプラスになるんだ、そういう点を少しわかりやすく説明していただいたらありがたいと思います。

新藤国務大臣 谷畑委員とは衆議院の当選同期でありますから、このように御質問を受けるということは大変光栄だというふうに思っております。そしてまた、非常にこの国家戦略特区に対して御期待をいただき、ありがたいと思います。

 私たちは、とにかくあらゆる手だてを使って、日本をもう一度、強い経済そして優しい社会を取り戻すんだ、これを安倍総裁のもとで我々は選挙で皆さんにお訴えをしました。そして、必要なことは、今委員がお話ありましたように、実践をすることであります。かつ、それはスピード感を持って実現していかなくてはならない、こういうことだと思います。

 そして、この国家戦略特区は、これまでにない大胆な規制緩和や税制、そういったものを講じながら日本経済の新しい扉を開く起爆剤にしたい、このような考えで、世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくる中でその地域における経済成長を実現しようではないか、こういう試みであります。

 これまでの特区と最大違うところは、これまでの特区は、各自治体からの御提案を受けて、それにいわばマル・バツといいますか、申請したものをどれを選ぶか、それに対していろいろな特典を与えて仕事をしていただく、国が協力、支援をする、こういう関係でありました。

 今度の国家戦略特区は、もちろん、地域からの御提案、企業からの御提案もいただきます。でも、それに合わせて国も一緒になって事業主体になっていこうと。ですから、マル・バツではないんです。御提案はいただきますが、一緒にパートナーとなって、国と地域とそして民間企業が力を合わせて、この国の新しい扉を開こうではないかと。それをまずは特区でやってみて、そこでどれだけの成果が上がるのか、結果によってはその試みは全国に展開してもいいというふうに思います。

 大切なことは、目標設定をして、何をそこで成果として得るのか、こういう設定をきちんとしたいと思います。それに対して、PDCAと申しますけれども、それぞれがどういう効果が出ているのか、それをきちんと管理しながら、成果の出るものを伸ばしていく。そして、成果の出ないものは、場合によると、その特区の指定を打ち切る、こういったこともあってもいい、こういう構想になっております。もちろんそんなことをしたくはありませんが、そういうふうに柔軟に、そして仕事をまずやってみて、その成果を得ながら、さらに拡大させていこう、こういうことです。

 そして、私たち日本の経済は世界に打って出るんだ、かつまた、世界の経済の動きを日本に取り込もう、そのためのいろいろな規制を緩和したいということであります。

 総理が既にもう宣言をしておりまして、三月中にはまず第一弾の地域を指定しようということであります。それはしかし、厳選された数となる見込みであります。第一弾です。これは、一回決めて終わりではなくて、まずはやってみて、そしてそれに参加する方を募っていく。それから、必要に応じてまた次の、第二、第三の矢を放ちながらやっていこう、こういうことで、実践そしてスピーディー、それ以降、今までにない大胆な仕組みで進めていこう、こういうことでございます。

谷畑委員 大臣、いずれにしても、大胆な規制緩和と税制優遇という、この二つを重ねていかないと、戦略特区といったって魅力がないと思うので、そこらは相当抵抗があると思いますし、そこらをぜひひとつ気合いを入れて旗を振っていただきたいな、こう思います。

 それと、安倍総理に、余り会うこともないし、質問することもありませんので、もう一つ、この成長戦略についてちょっとお聞きしたいんです。

 いずれにしても、消費税が上がっていきますよね。橋本大臣のときに、消費税が上がって腰折れという苦い経験もある。それと、中国、インドを含めて、いわゆる経済成長をずっと担ってきた国も減速をしていくということが言われておる。それと、アメリカの金融緩和というものが見直しという形でどうなっていくのか。それと、日本自身が貿易立国と言われながら、貿易が構造的にもう赤字というのか、あるいは原油等を含めての一時的なものなのか、そこらも少し議論のあるところなんだけれども。

 そのような状況の中で、ほんまに景気ようなるんだろうか、成長できるんだろうかという一抹の不安というのか、そういうのを町の声としても聞くわけですけれども、その点について、総理、どうお考えなのかをお聞きしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今後、日本が経済を成長させていく上においてさまざまなリスクがあるのは事実でございまして、まず第一は、四月から消費税が引き上げられるわけでございます。かつて、委員も御記憶でありますが、橋本政権において消費税を三%から五%に引き上げたわけでございます。そして、あのときには社会保険料も引き上げを行いました。一方、それまで行っていた減税措置もやめたということがございました。ただ、あのときは増減税一体で、レベニュー・ニュートラルであったわけでございますが、今回は純粋な増税になるわけであります。

 この目的というのは今まで御説明してきたとおりなんですが、そこで私たちは、この消費税の引き上げによって、せっかく回復してきている景気が腰折れにならないように、そしてまた同時に、今のこの勢いを七月からは取り戻すことができるようにしなければならないということで、五・五兆円の経済対策と一兆円の税制対策を行っているところでございます。

 そしてまた、海外の状況は確かにさまざまなリスクがあるわけでございます。そうしたリスクに対しては私たちは機動的に対応していかなければならない、こう考えておりますし、また同時に、日本銀行の黒田総裁も、そういう状況が出てくればちゅうちょなく対応していくということであります。まさに財政そして金融においてしっかりと機動的に対応しながら、経済成長、景気回復を図っていきたいと考えております。

谷畑委員 どうもありがとうございました。

 きょうのこの委員会は行革ということになっておりますので、行政改革のことで一つだけちょっとお聞きをしたいと思います。

 今から振り返ってみましたら、中曽根内閣のときに土光臨調ということで、私どもも、土光さんが目刺しを食べている映像を見ながら、すごい人だな、そう思ったわけでありますけれども、この土光さんの臨調で、いわゆる国鉄、電電、専売というものが民営化したというのは、これは大変な改革であったと実は思います。

 それと、私どもも衆議院議員にならせてもらった駆け出しのころに、橋本内閣で一府二十二省を一府十一省にするという行政改革をされました。これも、朝から晩まで我々も議論に参加をさせてもらったわけであります。そういう中で、もう十年経過をしてきました。

 そこで、振り返ってみますと、一つ、私は厚生労働委員会も長いので、厚生労働も、年金、医療、介護、労働も含めて、物すごい巨大省庁になってしまって、毎年、法案がたくさんあって大変な状況だと思うんですね。そういう意味では、まとめればいいというだけの発想じゃなくて、やはり慎重な審議とか含めれば、厚生労働省だって二つに割っても、もっと親密な議論ができるんじゃないかと思ってみたり、特に年金の記録問題とか大変な問題が実はありましたので、余計そういうように思うわけであります。

 それと同時に、内閣府、これは八人の大臣がおり、しかも、ちょっと見ただけで、防災があり、原子力政策があり、少子化があり、科学技術があり、地方分権があり、もう巨大中の巨大になってしまっている。

 こういうことですので、行政改革の視点の中で、十年がたってきたわけですから、そこらの点の見直しというのか、一回、どういうものがいいのかということについて、お伺いをいたします。

稲田国務大臣 今委員お話しになった橋本行革、橋本総理みずから、橋本総理の変革と創造の六大改革の中核にこの行政改革というものを置かれて、そして、この国の形を定めて、この国の形のための再構築という大きな試みの中で行革がなされたわけでありまして、私もその思いをしっかりと引き継いで、安倍総理がおっしゃる新しい国、その国の形を決めて、そのための行政改革という大きな改革に取り組んでいきたいと思っております。

 その上で、橋本行革から十年たって、そしてその当時の内閣府は、内閣官房が戦略の場、内閣府は知恵の場ということで、内閣機能の強化ということでなされたわけですけれども、省庁再編当時に比べて、今委員が御指摘になったように、非常に業務が膨大化し、また複雑化もしております。また、能率的な業務遂行の観点や省庁再編時の理念に照らして、業務の見直しということはやっていかなければならない重要なことだというふうに考えております。

 一方で、内閣府、内閣官房のあり方というのは、本当に統治機構の根本にかかわるものでありますので、丁寧な議論もやらなければならないし、まず私のところで、独立行政法人改革、また、橋本行革の中で積み残しのあった公務員制度改革も、しっかり今国会で成立をさせてまいりたいと思っております。

谷畑委員 引き続いて、国家公務員の制度の改革ということで、いわゆる国家公務員の幹部職員の人事の一元化ということなんです。

 私自身、やはり省庁の壁、それから、省庁が国家と、例えば農林省であれば農林省の政策そのものに職員は皆帰属し、そして国家戦略ということで大きくTPPとかいろいろな形になると、時には対立をしたり、そういう状況から見ると、やはり国家というのは、国家戦略に基づいて、公務員である限りはそこに集中をしていく、どこの省庁におっても頭の中は、国家をどうしていくんだ、国民をどう幸せにするんだ、こうでなけりゃならないと思うんですね。

 だから、そういう意味で、私は一元化というのは非常にいいことだと思うんだけれども、しかし、しょせん我々議員も解散があり、内閣も、特に安倍総理は長期政権可能だけれども、いずれにしても内閣もそんなに長くない。そういう中で、人を適所適材で見ていく、これも非常に地道で、しっかりとそれを見ていく担保というのか、公平をどう担保していくのかとか、そこらの点は多少議論されてきたと思いますけれども、どういうふうにそれを確保して、担保されていくのか。

 そこだけ少し心配だと思いますので、答弁をお願いしたいと思います。

稲田国務大臣 複雑化する世の中において、国際大競争社会において、やはり省庁の縦割りの弊害を排して国益という立場から政策を実行していくためには、私は、幹部人事の一元化というのは必要ですし、幹部人事を一元化することによって、戦略的な人材配置というのを内閣においてきちんとできるということが必要であると思います。

 そのため、さきの臨時国会において、平成二十年の改革基本法を基本として、今、国家公務員制度改革の法案を提出しているところでありまして、今国会において成立をさせていただきたいというふうに思っております。

谷畑委員 人事というのは難しくて、大阪市も、区長を民間からということで、鳴り物入りでこれをやったわけですけれども、さまざまの不祥事があったりいろいろして、もう何人か更迭をしたりですね。

 だから、人事というのは本当に難しい、人を見詰めていくというのは。そういうものだろうと思いますので、ここは、一元化するものは、私は省庁を超えていく意味で非常に大事なことだと思いますけれども、そこらの点が今後とも議論されて、公平性を担保していくことが大事じゃないかな、そういうように思います。

 さて、次は農林大臣に質問したいんですけれども、過日のあの大雪というのは本当に大変なことで、私も、その日、地元に帰るのが、飛行機が全部キャンセルになってしまって、欠航になってしまったわけです。

 私ども大阪は、ブドウの被害は山梨県だけやと思っておりましたら、私の地元も、実は柏原、羽曳野というところは、日本全国で七番目のブドウの出荷量を持っておるんですね。山梨が、もう全部そこへ皆さん、マスコミも向いておるんですけれども、私のところも出荷が七番目ですから。

 そういうことで、七十五カ所のビニールハウスが雪で倒れて、しかも、ブドウの木が折れてしまう、そういう被害を出しました。四億七千六百万円という被害を出したわけです。七十五件もの被害を出しました。

 それで、皆さんは、ブドウをもう一度つくり直そうとすれば五年かかるということでありますし、今一生懸命にこのビニールを撤去したりやっておりますけれども、過日、大臣は山梨県へ何か視察へ行かれたと聞いておりますし、これは早いのが一番大事だと思いますので、この農業被害に対してどのような支援策ということを考えておられるのか、その点ぜひ、私の地元だけやなくて、もちろん山梨を含めて日本全国がそうだと思いますけれども、力強い、テレビで皆聞いておると思いますので、答えというのか、方向性を答えていただきたいと思います。

林国務大臣 お答えいたします。

 十四日から十五日にかけての雪害、大阪府も雪害が出ております。

 現時点で大阪府からいただいた御報告によりますと、ビニールハウスの損壊が十三ヘクタール、それから農作物等の損傷一ヘクタールということで、こういう報告を受けております。

 今お話がありましたように、全国ベースでも、ふだん雪の降らない、雪の降らないというか雪が少ない地域を中心に甚大な被害が出ております。全体では、農業用ハウスの倒壊だけを見ても、各県からの報告、一万四千五百三件ということで、平成二十四年の被害、一万四百三件をもう既に上回っております。

 ハウスを建てられる方というのは、創意工夫で経営を発展させて、露地でやるよりもいかに付加価値をつけるかということで投資をされておられる担い手の方でございますが、こういう方が各地で被害を受けておるということで、こういう方にぜひ今後も意欲を持って続けていただけるように、万全の対策を講じていく考えでございます。

 したがって、融資、農業共済での対応、これに加えまして、次の対策を実施することにいたしました。

 災害関連資金、これは農林漁業セーフティーネット資金等でございますが、この貸付利子を貸し付け当初五年間無利子化するということでございます。それから、ハウス、棚も再建しなければいけませんし、修繕も必要になってまいります。それから、倒壊したハウス等の撤去に要する経費、これは随分山梨でも御要請がありました。こういうものを助成する被災農業者向け経営体育成支援事業、これを発動しようと思っております。

 それから、雪害を受けた産地に対しまして、強い農業づくり交付金というのがございますが、この中に別枠を設けまして、果樹の共選所など共同利用施設の整備を優先的に支援しようということでございます。

 それから、被害果樹、ブドウにしても桃にしても、植えかえなければなりませんし、果樹棚の設置に必要な資材を導入しなければいけません。この経費もかかります。それから、どうしても、植えても、桃栗三年柿八年といいますが、三年ぐらい生えないわけですね。したがって、その間の未収益期間に要する経費を支援する。

 それから、被災農業法人等、これは法人の方にかかわりますが、雇用の維持のための支援として、施設が直るまでの間は、その従業員の方をほかの農業法人等に研修目的ということで派遣していただきまして、その場合に必要な経費を支援する、こういうことをやりたい、こういうふうに思っております。

 全体の被害状況を全て詳細に把握する前に、こういう決定をいたしました。ぜひ営農継続をしていただこうと思いますし、さらに詳細な被害状況を把握して、現場のニーズを伺った上で、追加対策を検討していきたい、こういうふうに思っております。

谷畑委員 どうもありがとうございました。

 次に、厚生労働大臣と少しやりとりをしたいなと思います。

 いわゆる障害者問題について、特に精神障害者の問題についてお話ししたいと思います。

 その前に、私は、十三年前、私が五十四歳のときに、いわゆる進行胃がんというものになりまして、医者に宣告されたとき、私はびっくりしました。進行胃がんというのは、これは生と死というのは五分五分みたいなものでした。胃を三分の二切りまして、ちょうどそのころ桜が咲いておりまして、桜は来年見られるかな、そう思いながら一日一日、日が過ぎて、五年たったときに、谷畑さん、あなたはこの問題はもう解決しましたと言われて、本当にうれし涙というのか、うれしかったことを思います。

 そういうことも通じて、私はやはり、医者、ようやっていただきましたし、入院していますと、看護師の皆さん、医者の皆さん、ほんまによく働くというのか、夜勤もされるし、大変な仕事だと。私自身も、医者、看護師さんについても本当に尊敬もします。だから、私も、せっかくいただいた命ですので、しっかりと命と向かい合っていくということ、そして、いつもそういうことで苦労している人たちのやはり応援団として頑張っていきたいというように、日々、自分にむちを打っているわけなんです。

 そういう中で、身体障害者問題も、これは御存じのように、身体、それから知的、それから精神、そういうことであります。もともとは、皆、隠そうということで、座敷牢というのか、世間に言わない、隠す。そういうことの中から、何だということで告発的な運動が起こったりいろいろして、そして、ノーマライゼーションという状況でずっと進歩してきました。特に、身体でも、最近では、全ての駅にエレベーターができたり、幅広い歩道ができたり、町の中でも車椅子はよく見かけますし、そういうふうに出てきました。

 しかし、その中で、私は、この精神障害の問題というのは、これは大変な問題だと思っています。今、この間、年間三万人の自殺者でしょう。それと、四十人に一人が精神疾患を受けている。いわゆる三百二十万人ですよね。統合失調症、躁うつ、認知症、それから、もちろん薬物依存、アルコール依存、どんどんこれは幅が広くて、そういう状況になっていると思うんですね。だから、私は、これは非常に大きな課題だと思います。

 そういう中で、精神病床が、いわゆる精神科特例ということの中で、一般の病院に比較すると医師、看護師の配置基準が低いんですよね。それでいいということになっているんですよ。これは、田村大臣、なぜそうなっているのか、その背景をひとつお聞きしたいと思います。

田村国務大臣 委員も、がんであられたということを私は初めてお聞きしました。ともに自民党で仕事したころ、そういう大変な中において激務をこなされておられたということでありまして、改めて、その後、経過がよくなられたということ、これは幸いでございます。これからも御活躍をお祈り申し上げます。

 今の精神病床の話でありますが、私もちょっと調べてみました。昭和二十九年ごろだったというふうに思いますが、病床調査、つまり、どれぐらいの方々が入院が必要かということを調査して、三十五万人分ぐらい必要だということで、民間病院中心に、それから病床の整備に入った。

 ところが、やはりスタッフがなかなか見つからない。それはそうですよね、いきなり病床をつくったって、医師も看護師もなかなか手当てできないわけであります。

 ということでありまして、そういう中において、人員配置を緩和といいますか、新しい基準をつくったということでありまして、一般病床十六対一、それに対して、これは医師でありますけれども、四十八対一。看護師が六対一というような形で、これは一般が当時四対一だったんですかね、三分の二というような形で、そのような基準をつくられた。

 これはやはり、人が足らないというのと、比較的、当時は精神疾患が慢性疾患だという認識があったものでありますから、その中においてそういう対応をしたというふうに聞いております。

谷畑委員 こういう特例があるがために、医者不足、看護師不足になるわけなんですよね。

 そして、ある政治家の先生が発言をされているわけですけれども、精神科医の役割は、患者さんの病状を理解するために、患者さんが話すことに耳を傾けて、患者さんからの相談を親身に受けて、そして患者さんに合った薬を処方していく、これもなかなか、人によっていろいろと病状が違うものですから、手間暇かかる。表現がこれはいいかどうかは別にしてですよ。結構、その患者さんの気持ちに立つ、家族の気持ちに立つ。薬というのはなかなか合わないんですよね。だから、そういうことでしていく。

 そういうことでありますから、私は、こういう医師の立場から考えても、この特例を廃止して、やはりもっとしっかり予算をつけてやっていくことが非常に大事だ、こう思うんですが、大臣、ちょっと答弁しにくいかもわかりませんけれども、よろしくお願いします。

田村国務大臣 現行は、医師は変わっていないんですが、看護師は一般病床三対一に対して精神病床は四対一というふうになっておるわけであります。

 全体として、今般の改正精神保健福祉法において、今指針をつくっておる最中なんですけれども、やはり精神病床の機能の分化、さらには、救急時に対する対応、急性期に対する対応、こういうものに対して強化する必要があろうというふうな、そういう文言を入れていくというような中において、今でもスーパー救急、これは本当に、非常に救急の中でも緊急性が高いような救急に対しては、一般病床並みの人員配置にいたして評価をしておるわけであります。

 この指針にのっとって、今般、急性期に関しては一般病床並みの配置を目指すということでありまして、二十六年度の診療報酬改定におきましても、急性期であって、さらには、在宅医療に早期に移行するというような幾つかの条件にかなったものに対してはそのような人員配置の評価をしていこうというようなことを盛り込んでおるわけでございますので、方向性としては、委員がおっしゃられたように、やはり特に急性期というものに関してはそのような対応が必要であるのではないかという方向性のもとで施策を今動かしておるというような状況であります。

谷畑委員 大臣も御存じのように、精神疾患の場合は、もちろん医者、先ほど言いましたように、しっかりと患者の立場に立って、薬の調合、処方、これが非常に大事だ。しかし、この精神疾患の場合はそれだけではなくて、いわゆる心理社会療法というのか、退院をする、精神的なソーシャルワーカーだとかあるいは作業療法だとか、あるいはデイケアに行くとか、もちろん家族の支え、こういうものが重なって、そういうチームワークの中でこれが回復をしていくというようなことだと思うんですね。

 だから、そういうことで、今大臣もおっしゃったように急性疾患が非常に大事だ。特に二十代の若い人たちの疾患というのは多いわけで、早期発見で、そして正しい治療をしていくことによって社会に復帰をしていく。これがおくれてしまうと、もうずっと慢性化してしまう。ここが大事なので、今大臣も言いましたように、この急性疾患を手当てする、こういうことだと思いますので、そこらをしっかりしていただけたらありがたい、こういうふうに実は思っております。

 時間がもうあとわずかということになってまいりましたので、最後の、次の質問にしていきたいと思います。せっかく大臣がおりますので、ちょっと急いで質問をさせていただいております。

 次の問題は、いわゆる貧困の連鎖。

 これは今、大きくマスコミも取り上げられて、大事になってきています。いわゆる家族観、家族という捉え方の変化、あるいは雇用の、終身雇用からパートを含めて非正規とか、さまざまなそういう状況も影響していると思うんですけれども、いずれにしても、六人中およそ一人の子供が貧困層、年間百十二万円の所得の中であるということなんですね。

 そういうことで、議員立法として、子どもの貧困対策の推進に関する法律ということができたと思うんですね。子供には親を選ぶ権利はないし、いわゆる保険が無保険であったり、教育の環境もできないとか、そういうことがあろうかと思いますので、大臣、ぜひこの問題について、どう認識されて、どう捉えておられるのか、見解をお願いいたします。

森国務大臣 子供の貧困対策担当大臣として御答弁申し上げます。

 私自身も、中学を出てから、働きながら進学してまいりまして、大学では学生寮におりましたけれども、経済的に困難な、親の収入で切られますので、ほとんどが一人親家庭の同級生、または両親ともいない先輩、後輩もいた中で四年間、大学生活をしてきたんですけれども、私たち、月曜日から日曜日まで毎日アルバイトしながら学校に行っていますが、続かなくなって大学をやめた方もいました。子供の将来がその生まれ育った環境で左右されることがないように、必要な環境整備そして教育の機会均等を図っていく子供の貧困対策、大変重要だと思っております。

 その中で、さきの通常国会で、子どもの貧困対策の推進に関する法律が議員立法で成立をいたしました。内閣総理大臣を会長とする子どもの貧困対策会議において、子どもの貧困対策に関する大綱の案を作成し、その案について閣議決定することとなっております。

 現在、法律の内容に沿って、その内容について文部科学省や厚生労働省とも協力して、最終調整に入っておりますので、迅速に進めてまいりたいと思います。

谷畑委員 もう時間が来ましたので、一言だけ申し上げて。

 精神障害の問題もそうですけれども、一九九九年にブレア首相が、これは三大疾患の一つだということで旗を振られて予算をつけて、飛躍的に発展したことがありますので、もともと安倍総理は社会保障問題からスタートをされて、非常に政策も詳しい、こう聞いておりますので、ぜひひとつ、また旗を振って取り組んでいただいたらありがたい、こう思っています。

 終わります。ありがとうございました。

萩生田委員長代理 この際、西野弘一君から関連質疑の申し出があります。小熊君の持ち時間の範囲内でこれを許します。西野弘一君。

西野委員 日本維新の会の西野弘一でございます。

 きょうは基本的には行革の質問をする時間だというふうに認識しておりますので、行革の話をさせていただきたいんですが、まず冒頭、この近年というか、行革といえば、何か公務員イコール悪で、公務員の人数を減らしたりとか公務員の給料を下げたり、それだけが何か行革のように言われていますが、私はそれは違うというふうに思っています。

 もちろん、公務員の仕事の量とか仕事の責任に応じて人数なりその給与体系が改めて適正化されていくということは大変大事なことだというふうに思っておりますが、それだけが行政改革ではないというふうに思っております。

 参考までに、ちょっとグラフを見ていただきたいんですが、これは人口と公務員の数をあらわしたグラフ、表でありますけれども、ピークの昭和四十年代には、国家公務員は九十万人ぐらいいらっしゃいました。それが昭和五十年から徐々に減ってきまして、特に郵政民営化と独法化でかなり減りまして、今ではその約三分の一ぐらいの数になっています。地方も、赤のグラフで表示しておりますけれども、百十七万人から九十二万人と、かなり公務員の数は減っています。

 国際的に比較しましても、ドイツの三分の二、アメリカの七分の四、イギリスの約半分という数になっています。これは人口当たりということでございますが、人口当たりで比べても、このように国際比較しても、かなり日本の公務員の数というのは少ないと言えるというふうに思っております。

 繰り返しますけれども、だからというわけではないですが、もちろん、その国によっても状況も事情も違いますから一言で言うことはできないかもわかりませんが、やはり常に適正化をするということを考えていかなければいけませんが、ただ単に公務員の数を削る、公務員の給料を下げるということだけが行政改革ではないということをまず冒頭申し上げたいなというふうに思っております。

 まず、大事なことは私、二つあると思っておりますが、一つ目に大事なことは、公務員の制度自体を変えていくということでありまして、我々は自民党が野党時代に提案した案を、一言一句変わらない案をみんなの党さんと一緒に提案をしております。自民党が与党に戻って国会のねじれは解消したというふうによく言われておりますが、実はこの部分は、僕はねじれが逆に生じているのと違うかなというふうに思っています。

 自民党さんが野党のときに出した案を我々が今そのまま出していて、天下りのあっせんの部分であったりとかまた幹部職員の特別職化については、我々から言わせれば大分後退した案を今自民党が出されているということでありまして、いわば何か国会の中でねじれているんではないかなというふうに思っております。

 この点については、我が党の松田議員であったりとか重徳議員がいろいろな委員会で議論をされているところでありまして、御答弁もいただいているところでありますので、きょうはこの点については質問をさせていただきません、何せ私の持ち時間も十五分しかありませんので。

 ただ、ぜひ安倍総理にも認識を共有いただきたいなというふうに思っておりますが、特別職の部分と天下りのあっせんの部分は、我々から言わせれば後退したように思います。ただ、とにかく、まず幹部候補の人材育成というものもきちんとやはり整備をしていかなければいけない。また、あわせて、重要な政策課題が出てきたときに、それに戦略的に人を配置していくということもやらなければいけない、内閣人事局のことだというふうに思いますが。究極的には、公務員の方が誇りを持ってその仕事についていただかねばならない。この三点については共有をいただきたいというふうに思っておりますが、後ほどぜひ御答弁をいただきたいなというふうに思っております。

 それともう一つ大事なことは、よく、霞が関には怪物がいて、その怪物たちが自分たちの既得権益また省益を広げていくために日々奔走しているというような、いわば霞が関役人モンスター論とでもいいましょうか、そういうことを言う方がおいでです。きょうも役所の方が何人かいらっしゃいますけれども、かたい顔はされていますけれどもそんな怖い顔はされていないというふうに思います。我々議員の方がよっぽど怖い顔をした人がたくさんいらっしゃるんじゃないかと思いますが。

 それはさておき、そういうモンスター論でいえば、とにかく、役所がどんどんどんどん自分の仕事を自己増殖していって権益を広げていくんだということでありますが、私は、そうではなくて、基本的に、公務員の方というのはおせっかいというか、自分たちはやはり勉強もできてすぐれておられるので、そういう自負からくるのかもわかりませんが、国家国民のためにあれもしてあげないかぬのとちゃうか、これもしてあげなあかんのと違うかというところの中で、その仕事をどうしてもふやしてしまう傾向にあるというふうに思うんです。

 それが霞が関は自己増殖するということに見られるのかもわかりませんが、決して悪意を持ってやっているのではなくて、役人の性質というか、役所に勤めておられる方の本来持っておられる善意が結果的に違った方にあらわれている場合もあるんじゃないかなと思っています。

 ですから、公の関与がどんどんどんどん大きくなっていって、国民のいわば選択肢というものが公によって決められていくというのは、これをやはり防いでいくというのは、まさに我々政治の仕事ではないかなというふうに考えております。

 公の関与をできるだけ小さくするためには、私は、一番大事なことは何かというと、今ほとんどの政策というのは、行政サービスを供給する側にお金を入れて、それで公がメニューを決めて、それを国民の皆さんが、その公が決めたメニューに従って選択をしているわけでありますけれども、それを供給側に入れるのではなくて、サービスを受ける側に税というか公費を直接入れることで、むしろサービスを受ける側、国民の皆さんが自分たちでメニューを決めて選択をしていく。そうすれば、そのサービスがおのずと適正化されていって、結果的に公の仕事が少なくなっていくのではないかなというふうに考えております。

 これまでのことをちょっと具体的にお話をさせていただきますが、私は国会に来る前は大阪の府議会議員を三期務めておりまして、そのときに、当時の橋下大阪府知事といろいろと議論をして、私立の高校の無償化という制度をつくりました。

 どういうことかというと、公立の生徒当たり、このグラフで見ていただいたらわかるんですけれども、今は公立の学校が無償化されていますので、公費で百六万、大体一人当たり年間かかっています。一方、私学は、公の負担が三十万で保護者負担が六十万の年間約九十万で運営をされています。ここを、生徒が自由に、中学校三年生のときに、親の経済状況にかかわらずに選択をできるようにということで、当初は、いわゆる教育だけにしか使えないようなクーポンをつくって、いわゆる教育バウチャーみたいなものをつくりたいなというふうに橋下さんとも議論していたんですけれども、それはなかなか難しい、ハードルが高い。であるならば、府が親の負担の分を補助できれば、私学と公立、子供たちにとって両方、家庭の環境にかかわらず選択できるのではないかなということで始めました。

 結果、実は大阪府では当時、公立と私立で生徒たちの割合を七対三にしようということが決められていたんですが、これを始めたときに、この協定がなくなりました、当然。結果、公立から私立に生徒が一万人移りました。もともと五万人と二万二千人だった生徒数が、四万人と約三万二千人ぐらいになったということでありまして、一万人変わったわけであります。

 こうやって、子供たちに選択肢をいわば渡すことで、かなりそういったサービスの内容、選択が変わってくる。つまり、公の関与がかなり変わってくるということであります。

 これは、国単位でやりましたら、例えば教育バウチャーというものをつくって、その使い道を、もちろん高校に通うもよし、もしくは、留学したいという生徒であれば留学に使うもよし。もしくは、今、私の地域は東大阪市ということで、物づくりの町、中小企業の町なんですが、物づくりの経営者に言わせれば、工業高校を出てきても、実際にもう一遍、仕事は一から教えなあかんねんということをよく言われます。であるならば、そういう教育バウチャーを職業訓練に使ってもいいと思うんです。

 そういったことで、できるだけ、公の関与から生徒の皆さんに、バウチャーという形で選択権を渡していくということがあれば、かなりその内容というものが変わってくるというふうに思っております。

 あと五分ですので、もう一つ、具体の例を挙げさせていただきます。

 これもよく言われていることでありまして、せんだっても我が党の坂本議員が質問されておりましたけれども、今、保育所ですが、ゼロ歳児には約十五万円、公費が入っています。十五万円の公費を、補助を受けて、親御さんたちは働きに行って、家計が苦しいからといって、保育所に預けます。でも、保育所に預けられた子供には公費が十五万かかっています。お母さん方が働きに行って、控除の範囲内でと、大体八万五千円の給料をもらってこられます。これはやはりちょっと矛盾しているのと違うかなというふうに思うんです。

 恐らく、きょうNHKのテレビを見ておられるお母さん方がいらっしゃったら、まあ働きに行かれていたら見られないと思いますが、ああそうか、私が八万五千円もらうために子供を預けて、その子供には十五万円かかっているのか、これはちょっと矛盾しているなというふうに思われると思うんです。ですから、こういったことも、本来はそのお母さんに、例えば育児バウチャーのようにすれば、私はまた選択は変わってくるのかなと思っています。

 ちなみに、民間保育園、公立保育園、安心こども基金、児童手当、幼稚園、これは、補助金を全部合わせると、公費は約四兆円かかっています。単純にゼロ歳児から五歳児までの子供さん一人当たりにすれば、年額六十万円、毎月五万円支給することができるんです。

 ですから、こういったこともぜひ念頭に入れてこれからの政策というものをぜひ組み立てていただきたいなというふうに思うんですが、安倍総理の御所見はいかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 三点、御質問をいただいたと思います。

 最初の公務員制度についてでありますが、公務員制度については、今回の法案は、国家公務員制度改革基本法の条文に即しまして、近年の公務員をめぐる環境変化も踏まえて立案したものでありまして、戦略的人材配置、責任と自覚を持って、誇りを持ちつつ職務を遂行できる体制を実現していくという改革の目的を適切に具体化したものだ、こう考えております。

 そして、教育バウチャーについてでありますが、国民の行政サービスに対する選択肢をふやしていくという観点から御提言をいただきましたバウチャーについては、傾聴に値する御意見だというふうに思っています。

 教育を受けたいという子供の立場に立って、保護者の所得にかかわらず、公立学校か私立学校かを選択できるようにしていくという観点、視点は、私は大変重要だと思っています。

 本年四月には、高校無償化制度について、所得制限の導入とともに、公立高校等に通う低所得世帯の生徒への支援金を上乗せするなど、教育費負担の軽減を行うこととしております。

 またもう一点、保育でございますが、保育分野におけるバウチャーの議論は、保育所以外の多様なサービスを利用者が選択して利用できるようにする等の観点から行われてきたものだというふうに承知をしておりますが、平成二十七年度から施行予定の子ども・子育て支援新制度においては、小規模保育や、さっきおっしゃっておられた家庭的保育など多様な保育サービスを整備して、その中から利用者が選択をして、その費用について給付を行う仕組みを新たに導入することとしているわけでございまして、基本的には、西野委員が示された方向性に向かって我々も努力を重ねているところでございます。

 今後、これらの施策等を通じて、国民の皆様において、それぞれのニーズに必要な行政サービスを選択できるということも視野に入れながら取り組んでいきたい、このように思っております。

西野委員 時間が参りました。

 基本的には同じ方向性だという御答弁もいただきましたので、いわゆる大きな政府、小さな政府というのは、人数の問題ではなくて、どちらに選択権を持たせるのかという問題でありまして、ぜひ国民の側に選択肢を与えて、国民が自由に政策を選択することで、結果的にはその政策、行政サービスが適正にされていくんだ、その方向で運営をいただきたいということをお願いして、その観点でこれからも引き続き議論をさせていただきますことをお誓い申し上げまして、西野弘一、質問にかえさせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

萩生田委員長代理 この際、小沢鋭仁君から関連質疑の申し出があります。小熊君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小沢鋭仁君。

小沢(鋭)委員 日本維新の会の小沢鋭仁でございます。

 きょうは、復興、災害、あるいはまた行革に対する集中審議ということでございます。

 一般論から入らせていただきたいと思って通告をさせていただいておりましたが、先般来の大雪、雪害が大変深刻でございます。私の地元であります山梨は、連日、テレビ報道を初めとして報道がなされているとおりでございます。ここにこうやって写真を持ってまいりましたけれども、お手元には資料をお配りさせていただいておりますが、まさにハウスの倒壊、本当に今深刻な状態でございます。

 きょうは、朝からもう既に安倍総理も御答弁をいただき、林農水大臣にも御答弁をいただいたところでございますが、私からも、一点、話を詰めさせていただきたいと思うものですから、この問題から入らせていただきたいと思います。

 これはきょうの新聞であります。林大臣、山梨に入っていただいてありがとうございます。山梨の新聞なのでまだお手元には届いていないかもしれませんが、「ハウス再建「国が頼み」 農相視察に涙の訴え」、こういう見出しで出ているわけであります。

 今回の雪害、いろいろな局面がありますけれども、農業被害に関しては、私は、三点、極めて重要だと思っています。一つはスピード、一つは費用、一つは人手、この三点だ、こう思っていて、スピードに関して言いますと、今、要は、ブドウの木、桃の木、全部生き物ですから、できるだけ早く対応しなければいけないんですね。

 ということの中で、きょうは林大臣からも農水省の格別な対策をプレス発表していただきました。私も地元として大変感謝を申し上げるところでございますけれども、要するに、金曜日に私お話をさせていただいたんですね、地元に帰るに当たって。そのときはまだ、要は、樹体の植えかえに関しては予算がつきます、しかし、ハウスの撤去に関しては、予算というかそういう政策はありません、こういう話でした。何とかならないのか、こういう話をお願いして、けさのいわゆる対応策になった。政治のリーダーシップが本当に大事だ、こう思うところでありますが、加えて、私、もう一つお願いです。

 先ほど申し上げましたように、スピードが大事であります。要は、ある意味では、予算を使うときは、査定をして、想定される収入額から幾らぐらい減って、それに対して何割補助みたいな話になるわけじゃないですか。だけれども、今回のこのハウスは、もう即座にやらなければ木がだめになっちゃいます。でありますので、そういう意味では、もう即座に、いろいろな業者を使って、あらゆる人手を使ってハウスの撤去をやってもらって大丈夫ですよという話を大臣の口からぜひ一言言ってもらいたい。

 今、まだ七割の人が、営農を続けられるかどうか迷っています。三割の人はもう諦めました。代議士、もうやっちゃいられぬだよ、こういう話が来るんですね。大臣、ここを一言お願いします。

    〔萩生田委員長代理退席、委員長着席〕

林国務大臣 昨日、私も御地元の山梨県に入らせていただきまして、実際に、今お写真も出していただいているようなところを見させていただきました。まさに、ふだん雪が余り降らないところでこれだけの大雪が降ったということで、ハウスも、ふだんからあれだけの雪が時々降るようなことであれば、こういう建て方は多分しなかっただろうなと。そういうところに雪が積もって倒壊をしたということが非常によくわかったわけでございます。

 私も、回ったところで農家の方とお話をする機会がありまして、俺たちも立ち上がるから何とか国も後押ししてくれよ、こういうふうに訴えをいただいたわけでございまして、農家の方の目線で見ると、まずやはりこれを撤去しなきゃいけない。そこからまず始まるということでありまして、これは何とかならないかということで、今御披露いただきましたように、被災農業者向け経営体育成支援事業がございますので、これを発動いたしまして、農業用ハウス、棚等の再建、修繕及び再建の前提となる倒壊したハウス等の撤去に要する経費を助成する、こういうことにいたしたところでございます。

小沢(鋭)委員 ありがとうございます。

 まだ七割の人たちが、どうするか、こう悩んでいるところに、今の大臣の発言は大変ありがたい発言として伝わった、こう思うところでございます。

 せっかくですから、これは一言、もう一つ申し上げておきたいんですが、金曜日の時点で、ハウスの撤去になかなか金が回らない、そういう政策項目がない、こういう話でありましたので、たまたま私、環境をやっておりましたので、環境の方は災害等廃棄物処理事業費補助金というのがあって、これは雪害も入っているんですね。こういった話も大いに使っていただいて考えていただきたいと思うんですが、防災大臣、いかがでしょうか。

古屋国務大臣 これは、第一義的には環境大臣の方が御答弁をされるものだというふうには認識はいたしておりますが、過日も、小沢議員初め超党派で、二月の十七日でしたか、皆さんお越しいただいて、切実な訴えを聞かせていただきました。

 その中には、やはり、農業の再建支援、そして撤去のためにあらゆる手段を講じてほしい、こういった趣旨の御提案がありましたので、私も、それをしっかり受けとめさせていただいて、林農林水産大臣にも速やかな対応をお願いし、また、環境省でも、そういうシステムで、制度で、可能性があるものについてはしっかり対応してほしい、こういうような要請を、全体会議、あるいは災害対策の本部の会議、あるいは最初に立ち上げました、十四日から立ち上げました省庁の連絡会議、こういったところでも私からも皆さんに、関係省庁に指示をさせていただきました。

 小沢委員あるいは県選出の議員の意向を踏まえて、あるいは地域の皆さんの実情をしっかり捉まえながら、できるだけの対応はしたいと思っています。

小沢(鋭)委員 あともう一点、費用の面で御質問をさせていただきたいと思います。

 今、農水相からもお話をいただきました。あるいはまた古屋防災担当大臣、あるいはまた環境省のそういった項目も、御答弁もいただきました。最後は、新藤大臣で、やはりこれは特別交付税ですよね。いろいろな予算の項目がありますけれども、災害対策、災害に対するいわゆる地方への交付金という意味では、我々、特交、特交といつも呼んでいますけれども、この特交ですよね。

 それで、これは山梨だけではなくて、先ほど大阪の例もありましたけれども、山梨のことで、私がわかっていることですから申し上げると、ブドウ、桃、これは本当に、さっき言ったように、営農中止になると、やはり壊滅的な打撃になります。

 農業問題は、ある意味では、もともといわゆる高齢化の構造問題というのがあるわけじゃないですか。その高齢化問題と今回の雪害がまさにセットになって、一言で言うと、さっきからずっと、朝からの話にもありましたが、桃栗三年ですか、林大臣がおっしゃっていただきました。もう六十過ぎると、大体一千万円ぐらいハウス一つ当たりかかりますから、そうすると返せないんですよね。だから、六十ぐらいになると、もうやっちゃいられぬだよ、こういう話ですよ。七十の皆さんたちはもう全部諦めですね。そういう皆さんたちが、今、恐らく、もうやれないという人が三割なんだろうと思うんです。

 ですから、そういった意味でも、ここは、融資を含めて、相当、地域できめ細かな対策をしなきゃいけない。どういう事業が必要かというのは、各地域で、市町村で、都道府県でそれぞれやらなきゃいけない。それをバックアップするのが特交ですから、そういった意味では、新藤大臣、ここはばんと予算をきちっと配分してもらいたい。なおかつ、記者会見でもおっしゃっていただいておりますが、前倒しで考える、こういうことも言っていただいていますが、どうぞ大臣から一言お願い申し上げます。

新藤国務大臣 今回のこういった自然現象による災害、これは、政府を挙げて、あらゆる手段を使って御支援をさせていただきたい、そしてまた、私たち総務省としても役割を果たしてまいりたい、このように思っております。

 特に、雪の除排雪に関しましては、これは普通交付税でまず算定をしております。そして、それを超えるものについては特別交付税でやるという段取りになっているわけでありますが、今回のように、さらに局所的に大きな雪が降った、それから災害救助法の適用を受ける、こういった団体については、さらにそこに加えて、三月分の特交を前倒ししようということで、近々に発表させていただきますが、現在精査中であります。

 そして、そのほかの問題につきましても、これは地方自治体がいろいろな手だてを講じていただいております。それに対して、この財政運営に支障が出ないように、私どもとしてもしっかりと御支援をさせていただきたいと思います。

 ちなみに、山梨県については、先ほど、知事からも私直接お話を受けておりますし、また、委員からもこういった御指摘をいただいておりますから、しっかり対応してまいりたい、このように思います。

小沢(鋭)委員 ぜひとも、今の答弁のようにお願いをいたしたいと思います。

 次は、人手です。人の問題であります。

 これは、防災に関する法律の体系というのをお手元にも配らせていただいていると思います。本来はこれに沿って質問しようと思っていたんですけれども、災害に対しては、災害予防、災害応急対応、災害復旧復興、こう大きく分けてステージが三段階になりますね。

 そして、災害の応急対応、今回の雪の除去、こういったところでは、消防あるいはまた警察、自衛隊、こういう人手がある意味では有効だったわけであります。今回も自衛隊の発動を山梨ではいただきました。大変感謝をしているところでございます。

 ただ、問題は、自衛隊の発動というのは、私の記憶だと、平成七年、阪神・淡路のときになかなか最初はそういう要請ができなかった、それ以降、法律改正をして、防衛大臣の判断で発動もできるようになった、こういう話もありまして、三・一一では、大変活躍をして、国民からも感謝の言葉が集まった、こういう話になっているんですが、まだ、私、改革の余地があると思っているんです。

 それはどういうことかというと、警察、消防はいわゆる指揮権が一元化されているわけですね。でも、自衛隊に関してはその指揮権の中に入らない。今回も、地元の話を聞くと、自衛隊の皆さんが、若干機材がなかったりするから、一緒にやろう、こういって話をしても、なかなか、いやいや、それはちょっと違うんですよみたいな話があったやに聞いています。

 ここのところの、もっと一元化をしていくことに関して工夫はないのか。さらに言えば、大災害のときはこれはやはり一元化じゃないとだめなんじゃないかという専門家の指摘もあります。いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 まず、先生の御地元、今回の山梨の大雪の災害におきましては、実は、二月十五日、知事の方から真っ先に防衛省に要請もございました。直ちに、国交省とともに国道や富士五湖の道路の除雪をするなど、孤立した人々の救助、救援物資の輸送、山梨だけで、最大八百人規模、ヘリコプター八十二機を投入して活動させていただきました。

 実は、その際、山梨県には空港がないということですので、ヘリコプターの輸送拠点ということで、先生御地元の甲斐市の日本航空学園に御協力いただきまして、学園の滑走路を使わせていただきました。この場をかりて、改めて感謝を申し上げたいと思っております。

 さて、御質問がありました、防衛省・自衛隊におきましての災害派遣であります。

 これは、自衛隊が一義的にその区域内における災害対応を担う責務があるということは先生の御指摘でありますが、その能力を超えて、例えば人命または財産の保護が必要な場合、このときには、自衛隊による応急的な緊急活動が必要であるということで、私ども、出動をさせていただきます。

 このような前提のもとで、大規模災害に際しては、自衛隊は、災害の規模や自衛隊が行う活動の内容に応じまして、都道府県の枠を超えて部隊を派遣し、活動を行います。そして、現時点では、防衛省において、私の指揮のもとで一元化して効率的な部隊運用を図るということが必要だと思っております。

 加えて、自衛隊の主たる任務は我が国の防衛であるということでありますので、自衛隊が災害派遣を行うことに際しましては、このような任務とのバランスをとりながら災害対応を行うべきだというふうに考えております。

 そういう中で、いずれにしても、やはり部隊にとって一番問題は二重指揮ということになります。これが混乱の要因になりますので、私どもとしては、内閣総理大臣の指示のもと、防衛大臣の指揮下で一元的に運用するということでありますが、委員がおっしゃったように、自治体とさらに緊密な連携をとりまして、なるべく災害対策の場では共通の認識の中でともに行動がとれるような運用改善にも努めてまいりたいと思っております。

小沢(鋭)委員 前向きな答弁というか、今の法律の範囲の中で、こういう中で前向きな答弁をいただいたということだろうと思います。

 問題は、例えば首都直下型とか東海大地震とかいう話が起こったときに、そういったいわゆる二元体制でいいんだろうか、こういう話もやはり我々は深刻に考えなきゃいけないんじゃないか、こう思います。

 そこで、総理が御出席でございますので、総理に御見解を伺いたいんですが、我が国は、憲法にいわゆる緊急事態条項がないですね。諸外国を見ますと、憲法に緊急事態条項があって、そして災害基本法があって、そしてそれぞれの個々の、ここにあるような法律がある、こういう体系が普通なんだと思います。

 そういう意味では、総理、ここは、我が国もそういった整備を、まさに憲法からしっかりと法体系を総合的につくっていくということは必要なんじゃないでしょうか。御見解をお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 国家の緊急事態への対処に当たっては、国民の生命財産を守るため、政府全体として総合力を発揮することが重要であると考えております。

 このため、さまざまな緊急事態に対処するための制度及び体制の整備、充実に努めているところでございますが、政府としては、まずは、さまざまな緊急事態に迅速かつ的確に対応するために設けられた既存の法律の規定を最大限活用して、できることは全てやっていきたいと考えています。

 また、憲法改正に関する委員の御提案でございますが、ちなみに、自民党案においては、一昨年、谷垣当時の総裁のもとでつくられた自民党案によれば、第九章、一章を割きまして、自民党案の九十八条において、緊急事態の宣言を行うという項目があります。そして、九十九条において、緊急事態の宣言の効果について書き込まれているわけでありまして、自民党としては、憲法を改正した際には、しっかりと緊急事態について章を割くべきだという考えを持っているわけでございます。

 大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため、国家そして国民みずからがどのような役割を果たすべきかを憲法にどのように位置づけていくかについて、自民党はそのように案を提示しておりますが、大切な課題でございます。国民的な議論が深まる中において、危機管理のための制度についてしっかりと考えていかなければならない、このように思っております。

小沢(鋭)委員 まさに総理おっしゃっていただいたように、緊急事態になれば、財産権とかそういった部分の私権の制限もある意味では必要になってくることもあり得ると思います。我が党も近々御提案を申し上げますので、そういった緊急事態の総合的な法体系をぜひとも組み立てて、国民の安心のために頑張らせていただきたいと思います。

 それから、あと、今回の雪害の中で、まだ孤立化している皆さんたちもいらっしゃいます。ただ、そういう中で、一番まず大事だったのは通信であります。連絡がとれるかどうか。あるいは、車が立ち往生の事故もございました。やはりつながっていれば、まだいかようにも対応のしようがあり得る、こういうことでありますが、ここが停電になっちゃったんですね。

 停電になりますと、雪害ですから寒いし、それはもう暖もとれなくて大変、これもあります。通信が、いわゆる基地局がだめになっちゃう。何で停電になるかと調べましたら、電線に木が倒れたりして、それで停電になるんですね。今どき、電線が上に張ってあって、木が倒れて停電になるなんという話はもうなくした方がいいんじゃないかと思うんですが、どなたか。経産大臣ですか。

茂木国務大臣 今回の雪害、停電によります人命への影響は出ていない、このように報告を受けておりますけれども、山梨県など広範囲にわたりまして停電が発生して、南部町を初め一部の地域におきましては、停電が一週間程度となりまして、生活にも大きな影響が出た、このように考えております。

 このような停電、委員おっしゃるように、電線に木が倒れる、これによって発生するケースが多いわけでありまして、電線の地中化といった抜本的な対策、それから停電発生時の復旧、若干おくれたところもあります、これの迅速化、さらには停電地域住民へのポータブル発電機の貸し出し等々も含めて、さまざまな対策を講じることが重要であると考えておりまして、経済産業省としても、こういった対策について早急に検討するように、事業者に対して指示を既に行ったところであります。

小沢(鋭)委員 よろしくお願いします。世界に冠たる日本で停電になっちゃう、こういうような話は決して我々が想定する姿ではないと思いますので。

 通信の話は、済みません、では大臣、時間がないので、これで結構です。ぜひ、停電にあわせて、通信もしっかりとやっていただきたいということでお願いします。

 最後に、順序が逆になっちゃったんですが、この防災に関する法律の体系で最初に出てくるのは、災害予防なんですね。特別警報の問題であります。朝も少しそういう議論があったようであります。

 特別警報の発動要件というような話はもう既に何度も伺っておりますが、結果として、今回は、正直言って、余り警報は役に立たなかった。最初、気象庁の予報は積雪五十センチ、それが山梨の場合は一メートルを超える積雪になった、こういう話です。どうもこの警報のあり方、これは警報がしっかりしていれば、要は雪害でみんな立ち往生になることもないし、それから備蓄もちゃんとするし、こういう話だと思うんです。

 この警報のあり方を、特別警報を出さなかったから悪いとか云々ではなくて、もっと有効な警報のあり方、あるいは周知の仕方を考えたらどうなんでしょうか。いかがでしょうか。

古屋国務大臣 注意喚起には、注意報、警報、特別警報、三つありますね。昨年八月三十日からこの特別警報を始めた。

 気象学的には、これは正しいんですよ。だけれども、実際に国民の皆さんがこれを正しく御理解されて、そしてまた、地方公共団体の首長さんも適切な対応をしているかというと、どうしてもそこに乖離があるんですね。

 ですから、できるだけ私も、たびたび言っていることは、もう警報が出たら、皆さんに外出を控えるとか、あるいは避難勧告、避難指示を、仮に空振りになったとしても、それは幸いだったということで、住民の皆さんもそういう気持ちになってやってくださいということをたびたび言っておりますが、残念ながら、今度のこの注意報、警報、特別警報のあり方については、我々も気象庁を初め関係者に、さらに不断の見直しをして、どういうことになれば一番住民の皆さんによく御理解をいただいて、認識いただいて対応できるかということで、今、その見直しも含めて、早急な検討をさせていただいております。

 これも、こういういろいろな例、教訓から、絶えず見直しをしていく一環でございます。

小沢(鋭)委員 ありがとうございます。

 私も頑張ります。総理初め、閣僚の皆さんにどうぞよろしくお願い申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

二階委員長 これにて小熊君、谷畑君、西野君、小沢君の質疑は終了いたしました。

 次に、柏倉祐司君。

柏倉委員 みんなの党の柏倉でございます。

 きょうは、災害ということで、私、震災、その後の災害の医療を中心に、危機管理、危機情報管理についてメーンに伺わせていただきたいと思います。

 その質問の前に、我が栃木県でも、山梨に次いで、かなり大きな被害をこうむっております。このフリップにもありますとおり、農業被害七十億円、畜産一・四億円、林業に一億円近い損害が出ております。これは、規模からいうと、確かに我が県より、栃木県より大きいところがあるかもしれません。

 しかし、我が栃木県は、三年前の原発事故で、風評被害も含めて大きな被害をこうむっているところでございます。この被害が加重をして、地元の農業関係者、林業関係者、畜産関係者を苦しめております。やっとこれから原発被害から立ち直ろう、そういうやさきに、この雪害。これは非常に我々の復興の腰を折るものであったと思います。ぜひ政府においては、迅速な財政出動をお願いしたいと思います。

 我が栃木県は、イチゴ、トマト、ブドウ、ニラ等々の、パイプハウスでの農業が盛んでございます。そういったところが完全に崩壊をしている状況を、我が渡辺喜美党代表も視察をして、確認をしてまいりました。そして、党としても、防災大臣にも要望をさせていただきました。特別交付金等を有効に使っていただいて、ぜひぜひ地元栃木県を救っていただきたいと思います。

 あと一点、地場の特殊な産業がございます。私、鹿沼市というところを地元にさせていただいておりますが、鹿沼土というものがございます。園芸用土でございますけれども、この鹿沼土の領域は、なかなか補償、保険というものがききにくい領域でございます。

 今回、ぜひここのところにも日を当てていただいて、どのようにしのぐか、これから根本的に、抜本的に方策を相談させていただきたいと思うんですが、融資を受けて急場をしのがざるを得ないという現実もあって、ぜひ信用保証の問題、信用を担保していただいて、それをバックアップするような国の施策を打っていただいて、この園芸用土業界の方々が急場をしのげるような手当てを、ぜひぜひ迅速かつ前向きに進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、防災、医療を中心に聞かせていただきます。

 まず最初なんですが、国家の危機管理及び地域の共助体制、防災コミュニティーに関して伺います。

 来月十一日で、大震災から三年の月日がたちます。私も、援助物資を持って、直後に被災地に入りましたが、本当に筆舌に尽くしがたい光景であったということを今でも鮮明に覚えております。

 そんな過酷な状況の中で災害医療に献身された一人に、東北大学病院の石井正教授がおられます。この石井正教授が御経験をもとにまとめられた本に、「東日本大震災 石巻災害医療の全記録」という本がございます。長岡赤十字病院の内藤先生が解説をされておられるんですけれども、二年前に初版が出されておりますけれども、非常に示唆に富む内容で、二年たった今でも多くの教訓を我々に与えてくれる、そのような出版物でございます。

 では、具体的な話に入らせていただきますけれども、東日本大震災においては、物すごく震災の規模が大きかったために、最前線の行政の組織というものがてんてこ舞いになってしまった、オーバーワークになってしまって前に進められない、こういう状況になってしまったわけでございます。

 地域の行政処理能力を当然はるかに超えてしまって、どういう医療体制を提供したらいいか、どういうインフラの整備をどういう時系列で、緊急度でやっていったらいいのか、この意思統一がまず図れないような状況になっていたということでございます。平時の行政システムというのは、確実に決められたことを行うためのシステムでございますので、緊急の災害に対してはなかなか対応し切れないということは、ある意味、当然かもしれません。しかし、それを当然であるというままに看過していてはいけないことも、また当然でございます。

 そこで、大災害のときに、先ほども小沢鋭仁議員から質問が出ました、危機管理を一元的に所轄しておく危機管理庁、こういったもの、アメリカでいえばFEMA、連邦緊急事態管理庁というものがございます。主にハリケーンで出動が多いということでございますが、原子力災害でもこのFEMAは働くということを聞いております。非常に、日本でも、こういった行政の垣根をまたいで活動できる、強力な政策実行権限を持った危機管理の行政機関、そして地元においては調整機関になると思います。これは有事法制の一環だと思います。

 日本とアメリカとでは非常に法制が大きく異なることは承知しておりますが、このような災害に関する総合、一元的な行政の管理、危機管理庁の創設に関する総理の御見解を伺いたいと思います。

古屋国務大臣 今、委員は、アメリカ版のFEMAを日本に適用することができないのか、そういう趣旨の御質問だと思います。

 まず、今回の豪雪災害も含めて、日本には三つのフェーズがありまして、まず一つ目は、いわゆる、今回、十四日から立ち上げました関係省庁災害対策会議。これは内閣府設置法四条に基づいてやる。これは防災大臣が長でありますから、防災大臣が関係省庁と連携して一元的にやる。

 総理の指示もありまして、十八日からそれをバージョンアップしまして、今度は災害対策基本法二十四条に基づきまして、非常災害対策本部の設置をしました。これも、私、防災担当大臣が長でありまして、では何が違うかというと、実は、省庁対策会議と本部では、防災大臣が知事に指示権があったり、各省庁の指揮監督権がある。それがバージョンアップなんですね。

 三つ目が、内閣総理大臣が長になる緊急災害対策本部。これは全閣僚が入りまして、想定をしているのは首都直下型地震のような、この三つのフェーズがあります。それぞれが全部連携をしております。

 確かに、例えば内閣府は執行官庁ではありませんので、FEMAと比べると、数千人の規模と比べると少ないですけれども、一方では、全ての省庁に対してそういった指示権がありますので、そういった執行官庁と一元的な連絡、あるいは知事に対してもそういう連絡が、ある意味ではそういう指揮系統は実質的には一元化をされているということだと思います。

 ただ、やはりFEMAの考え方というのは、我々、参考にすべきこともたくさんございますので、去年の国会が終わった直後に副大臣をアメリカに派遣しまして、このFEMAのあり方、そしてどういう運営をしているかということを、相当詳細な調査をしました。

 我々も、今、関係者がその調査をして、では、FEMAのよきところ、どういうところが日本で採用できるだろうか。確かに、日本は統治機構はアメリカとは基本的に違いますので、全てを採用するということはできませんけれども、よきところ、あるいは参考にすべきところはしっかり参考にしながら、常にそういうバージョンアップをしていくという必要があろうかというふうに思っています。

柏倉委員 ありがとうございます。

 現場で救助活動、医療活動に当たっている人たちは、とにかくトップダウンで、自分がやりたいこと、現場で本当に必要なことをすぐにやりたいという思いで、とにかく上から効果的な指示が欲しい、そういう気持ちで現場で時間を過ごしているということでございます。

 ぜひ、その辺、今後も役立てていただいて、今おっしゃったような、知事、そして最終的には総理直轄の危機管理というものも前向きに模索をしていただければと思います。

 次は、地域コミュニティーの構築について伺いたいと思います。

 大災害のとき、組織的な救助というものが、動き出すのがどうしても二十四時間前後はかかってしまうということ、これはやはり大きな問題だと思います。

 しかし、これは組織ですからいたし方のない部分もある。やはり、災害そのものが迫ってきたときに、自分の体を助けるのはまず自分であるということは、これは疑いもない事実でございます。しかし、お年寄りや体の悪い方、子供などはなかなかそうもいかない。とすれば、やはり、地域の防災コミュニティー、こういうときになったら、誰々さんが誰々さんを助けて一緒に避難所に行くんだ、こういう地域の防災コミュニティーをしっかりと構築しておく必要があると思います。

 東大地震研究所は、この四年間で首都直下型の起こる可能性が七〇%というふうに試算もしておるわけです。この首都直下型、大都会もあります、私の地元のように地方もあります。どこにどれだけ損害が、被害が及ぶかわかりません。いろいろな地域性も加味して、都市型、そして地方型のそういう地域コミュニティーの構築というものをやはりきめ細かくつくっていただきたいと思います。

 そこで、防災担当大臣にお伺いしますが、地域性も加味した災害時の共助体制、この構築に関して、今後の国の方針と工程をお伺いいたします。

古屋国務大臣 今委員御指摘のように、公助だけではなくて、自助、共助、これによって地域のコミュニティーを有機的な連携をさせる、極めて重要ですね。

 二月九日に、内閣府でアンケートをしまして、その結果を公表しました。平成十四年のときと比べて、公助に頼る割合が三分の一なんです。やはり、自助、共助、公助のバランスが大切だということを、みんな国民の皆様が認識し始めているんですね。

 その視点で、昨年、私ども、災害対策基本法を改正いたしましたけれども、そこにも、居住者による防災訓練とか、物資の備蓄とか、災害時の居住者等の助け合い等の、いわばコミュニティーレベルでの防災活動の促進というものがしっかり位置づけられて、そして地区の防災計画をつくりましょう、こういうような位置づけをさせていただきましたので、今後とも、そういった取り組みを推進するためのガイドラインの作成、それからモデル地区の設定、こういったものに取り組んでいきたいというふうに思います。

 やはり、自助と共助というのが非常に重要である。そのためには、委員御指摘の地域のコミュニティーの共同というものが極めて重要であるということを改めて私どもも認識して取り組んでいきたいと思っています。

柏倉委員 ぜひ、その自助、共助の必要性、これをやはりきめ細かく、啓蒙も含めて、日本全国に行き渡らせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、次は、災害医療のネットワークに関して質問させていただきます。

 冒頭、紹介させていただきました東北大学の石井教授が、こういった今フリップで示しておりますような地域のコミュニティー、災害があったときに機能させなきゃいけない地域のコミュニティー、これが全ての理想型だとは言いません、ただ、これがある意味一つの理想であるということで書いておられます。

 まず、地元の警察、消防、自衛隊、海上保安庁、そして医療機関というものがつくる災害医療ネットワークの中のネットワーク協議会、こういったものをまずコアにつくっていって確立させなきゃいけないということを言っております。

 これが、本来であれば、行政が主導して、おのずとその地域に自生的にできていくものなのかもしれません。しかし、実際にはそうではなくて、この石井先生が自分から、みずからの足を運んで関係各庁に要請をしてやっと立ち上がったというのが現状のようでございます。やはり、各地域各地域でも、濃淡はあっても、そう簡単に、かけ声をかけたから協議会、ネットワークがつくられるというものじゃないと思うんです。

 そこで、お伺いいたします。

 これから、平素の災害医療、救護全般の地元のネットワークづくり、どのように国は進めていくのか、防災大臣の御所見をお願いいたします。

古屋国務大臣 まず、平時からどういう仕組みを、医療あるいは救護等々連携をしていくか、これが非常に重要だ、そういう御指摘だと思います。

 まさしく私どももそれを考えておりまして、特に、民間団体等さまざまな組織が連携をして対応していく、これが極めて重要です。そういった災害対応に係る各種の業務の標準化、デファクトをつくっていく、これが極めて重要ですので、そういうことを進めていきたいというふうに思っています。

 また、実際に現場で活動する実動部隊の皆さん、これも関係省庁としっかり連携をして、例えば通信手段だとか地図だとか、それから災害現場がいかに対応していくかというようなことをしっかり、実動部隊間の連携、あるいはその手段についても取り組んでいきたいというふうに思っております。

 それから、もう一つ、各機関が連携をした訓練、これを平時からやるということが極めて大切ですね。これによって、訓練をすればするほど、いざ災害が起きたときに的確な行動ができます。これは実際、三・一一の教訓等々でもはっきり実証されていますので、そんな取り組みをしてまいりたいと思います。

 ちなみに、九月一日は、昨年は、総理も出席をされて全省庁で会議をやった上で、千葉県にも赴きまして、そういう訓練をさせていただきましたし、また、最近では、十一月五日というのが津波防災の日なんです。委員長の御地元の和歌山の「稲むらの火」というので有名なんですけれども、実はこの日をほとんど知らないんですね、国民の皆さん。

 平成二十五年度の補正と二十六年度の本予算で合計で二億円計上しまして、この津波の日にそういった啓蒙活動を全国展開していく。こういう取り組みによって、あの釜石の奇跡と言われるような、四階まで学校が全部津波でつかりましたけれども、一人の犠牲者も出さなかった、こういうようなことを全国で認識していくんだ、そんな取り組みもぜひしていきたい。当然、そういう中には医療という行為も入っているということは申し上げるまでもないことであります。

柏倉委員 ありがとうございます。

 今大臣おっしゃった防災訓練、これは私も非常に大事だと思います。

 宮城県では、震災の九カ月前に大変大規模な訓練を行ったというふうに聞いております。これは、自衛隊、警察、海上保安庁のヘリ、そして、他県、岩手県や山形県の災害拠点病院も参加して大訓練を行ったというふうに聞いております。こういった県境を越えた広範囲な、そして所轄省庁を超えた広範囲な、大規模な避難訓練というのをぜひぜひ組織的、定期的に行っていただきたいと思います。

 それでは次に、災害コーディネーターに関してです。

 災害コーディネーターというのは、もう皆さんもおわかりだと思いますが、いろいろな医療救護班が現場に入ってこられるわけでございます。もちろん、皆さん善意で来られるわけなんですが、どうしても、組織立って、系統立って地区地区の避難所をきっちりマネジメントすることが難しいというのが現状です。

 幸いにして、石巻では、石井先生が災害コーディネーターであったということで、そのノウハウを皆さんに伝授してきっちりとできたということなんですが、ただ、全国的には、この災害コーディネーターの設置はまだまだ不十分なんじゃないかなというふうにも思います。

 そこで、厚生労働大臣にお伺いしますが、この災害コーディネーター等の制度、全国都道府県にどれぐらい設置をしていて、国はどれぐらいの緊急度を持って今後設置をされていくのか、よろしくお願いいたします。

田村国務大臣 東日本大震災におきましても、多くの医療チームが初動からたくさん入っていただいて、大変な活躍をしていただきました。

 ただ、幾つかの課題も見えてきたわけでありまして、今委員がおっしゃられましたとおり、受け入れでありますとか派遣調整に時間がかかったり、さらには、引き継ぎ等々にもいろいろな課題があったわけであります。

 そこで、このような災害が起こったときのコーディネート、これが大変重要であるということでありまして、災害医療コーディネーター、これは各自治体で現在任命いただいておるわけでありますが、言われるとおり、まだ各県全てにあるわけではございませんでして、設置済みが十七、準備中が二十二、予定なしは今八というふうな状況になっております。

 二十六年度予算におきまして、このような災害医療コーディネーター研修事業というものを予算化、これを準備いたしておるわけであります。

 一方、避難所等々で、やはり健康管理ということになりますと、これは保健師の皆さんが中心になられるわけでありまして、そのような意味で、引き継ぎ、これは、救急時といいますか急性期における医療チームからの引き継ぎでありますが、それと同時に、やはり医療資源も含めて地域の資源活用ということも大変重要であるわけでありまして、こういう意味でのコーディネートというところも必要であるわけであります。

 厚生労働省には国立保健医療科学院というのがございまして、ここで、保健所長さんたちを中心に、今言いましたコーディネート、こういうものに対して、あわせてですけれども、健康緊急管理といいますか緊急時の健康管理、こういうことも含めて、災害時に対してどのような対応が必要かということを研修いたしております。

 このような取り組みを含めて、そのような災害時に対する適切な対応ができるような、そんな準備がしていければ、このように思っております。

柏倉委員 ありがとうございます。

 緊急時はDMATがかなり活躍をするということで、DMATと保険医との連携、それはもう既に厚生労働省の方でされていると聞きます。そういったところでも積極的にDMATとの連携等々を図っていただいて、このコーディネーターの設置を全国的に進めていただければと思います。ありがとうございます。

 次は、災害時の情報管理について伺いたいと思います。

 災害時に最も重要なものの一つに、どうやって情報を集めていくか、的確に、適切に、迅速にどうやって情報を集めていくかということがあると思います。特に、避難所の情報をしっかりと集めていく、これがかなり大事になってくる。

 東日本大震災のとき、石巻では、石井先生が三百カ所の避難所を、この医療チームがローラーをした、そして情報を集めてきた、そういったところの生活、衛生、医療、疾病情報、それをきっちり管理して適切な支援をしていたということでございます。

 ただ、毎回毎回、石井先生のような方が各現場現場におられるわけじゃありません。やはり、これは国が戦略を持って、しかるべき人をしっかりと認定して、そしてどんな情報をとるかもしっかりと標準化して対応しなければいけないというふうに私は考えております。

 そこで、防災大臣に伺いますけれども、どういった避難所の情報を集めていくのか、そして誰が中心になって情報を集めるのか、これに関して御答弁をお願いいたします。

古屋国務大臣 昨年六月に災対法を改正いたしまして、ここに新たに、避難所等における生活環境の整備等に取り組むように努力義務が記されたところでございまして、その取り組みを進めるための指針として、内閣府、昨年八月ですけれども、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針というものをつくりました。

 委員御指摘のとおり、実際、発災のときには被災市町村の職員だけでは現実に対応できませんので、いかにして連携をするか、この取り組み指針をしっかり参考にしていただきたいと思います。

 特に、具体的には、都道府県と連携をして、避難所の運営に当たる職員等の支援の要請をする、あるいはボランティアと積極的に連携をする、あるいは保健、医療等のさまざまなニーズを把握して、必要に応じて保健師等専門職による支援を支援するとか、あるいは外部医療機関へつなげる医療関係者等の人的スキームをつくり上げておくとか、こういった被災市町村の行政職員の方々の、協力を得るためのルールづくり、体制づくりというものをしっかりつくり上げていくということが大切だというふうに思っております。

 いずれにしても、平時からそういったことを想定して準備しておくことが大切でありまして、国としても、引き続き、先進的な取り組みをしている地方公共団体や、あるいは民間セクターも含め、そういったものを積極的に紹介して、周知徹底、この準備を各地域においても進めていけるように、我々としても全面的に御支援を申し上げたいというふうに思っております。

柏倉委員 答弁、ありがとうございます。

 どうしても、行政の方が中心に、そういった避難所の情報を集めていくということにならざるを得ないのかもしれません。ただ、行政の方だけではなくて、例えば消防や、ほかの、保健なんかの皆さんの、そういう専門色豊かなチームをぜひ検討していただいて、一回行けばほとんどの必要な情報は取得することができるというようなチーム編成なんかも考えていただけるとありがたいと思います。ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。

 最後になりますけれども、現在、避難をするときに支援をした方がいいだろうという方の情報、要援護者の台帳が各地区地区でつくられているというふうに聞きます。ただ、これは絶対的に必要な台帳なんですけれども、やはり地域で濃淡がある、まだまだデジタル化されていないところもあるように聞きます。

 そして、なおかつ、避難に必要な情報というのは、要支援者の情報だけではなくて、例えばその地域に住む人の投薬の情報、そういったものを、もし、震災支援、避難に資する情報としてきっちりと行政側が、当然、守秘義務、個人情報保護法の壁があるのは承知しております。そういったところを超えて取得する、そして、一朝事あったときは、その人が確認できれば、どんな病気があってどんなフォローが必要なのかとすぐわかるような、そういった情報同士の連携も必要なんじゃないかと思います。

 また、しかるべき現場のスタッフがいろいろな地域地域の情報にアクセスできる、例えば、ある人は県の情報にはアクセスできるけれども市の情報にはアクセスできないというようなことも、災害時、現実には起こっております。こういったことをまずなくしていただきたい。そして、データというものをせっかくつくっても、そのデータそのものがある地方の省庁が被災してしまっては、パンクしてしまいます。いわゆる遠隔のバックアップのシステム、これもしっかり考えていただきたいと思います。

 そこで、防災大臣に伺いますが、災害医療情報化のガイドラインを作成したり、標準的なシステムを復旧させることに関する今後の国の取り組みを伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

古屋国務大臣 委員御指摘のように、個人情報保護の壁と言ったら語弊があるかもしれない、なかなかそういった個人の情報を事前にしっかり集約することができていなかったということはあります。ただ、平成二十五年六月の災対基本法の改正において、避難行動要支援者名簿の作成とその実施に当たり、真に個人情報の利用による利益が具体的に認められるものに限って、個人情報保護の特例規定が設けられたわけでございます。

 実は、このルールができた結果、地方公共団体の皆様方、特に知事や市町村長とも、話を聞いていますと、このルールができたおかげで、要支援者、要援護者に対する名簿、そして誰がそういう人たちを支援するかという計画が非常につくりやすくなったというようなお話をいただいております。ある意味では、個人情報保護の壁を越えてこういうルールづくりができた一つの成果だと思います。

 ただ、問題は、要するに、特例以外で、平常時から情報集約とか活用が有効なものもあるとは考えられますので、そうしたものについては、個人情報保護法制との関係にもしっかり留意しながら、関係省庁と連携をして、今後、必要な対策は十分に講じていくための検討を進めるべきだというふうに考えております。

柏倉委員 ありがとうございます。

 マイナンバーなんかとの関連性も今後、検討していると聞きます。その辺もシンプルに、そしてベストを求めて、一体情報管理システムをぜひ追求していただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

二階委員長 これにて柏倉君の質疑は終了いたしました。

 次に、椎名毅君。

椎名委員 結いの党の、私、椎名毅でございます。

 まず、一番最初にですけれども、結いの党が単独会派として院内で活動することができるようになった、至るまでに、院内のさまざまな方々にお世話になりましたことを、まずもって、私からも、冒頭、御礼を申し上げたいというふうに思います。

 本日、復興、災害、行革というテーマ、集中審議で、予算委員会、三十分質疑をいただきました。本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。

 私からは、福島の復興の大きな前提でございます福島第一原発の事故収束、これに関連いたしまして、事故収束の最大の阻害要因であります汚染水の問題について質疑を行ってまいります。

 時間もありませんので、早速質疑に入りたいというふうに思います。

 その前に、済みません、一点だけ伺いたいと思います。

 先週の土曜日、二月の二十二日ですけれども、竹島の日というふうに島根県が条例に基づいて定めております。ちょうど竹島を正式に領土に組み入れた明治三十八年、すなわち一九〇五年ですけれども、これから百年後の今から九年前、二〇〇五年から島根県が記念式典を行っております。ことしで九回目ということでございます。私自身も、松江まで伺いまして記念式典に参加をし、そして、結いの党を代表して御挨拶を申し上げてまいりました。

 竹島と北方領土、我が国としては、我が国の立場としてはですけれども、我が国固有の領土が不法に隣国に占拠されているという意味で、状況としては変わらないんだというふうに思います。

 来年は、竹島が我が国の領土に正式に組み入れられてからちょうど百十年目でございます。ぜひ、二月二十二日、政府主催で記念式典を開いたらいかがかというふうに思いますけれども、海洋政策・領土問題担当大臣の御所見を伺いたいと思います。

山本国務大臣 島根県主催の竹島の日の式典には、今おっしゃったとおり、椎名議員も御党を代表して御出席になったと承知しております。

 安倍内閣全体として、諸般の情勢を総合的に判断した結果、政府から領土担当の亀岡内閣府大臣政務官が出席することになりました。

 政府は、島根県による竹島の日に関する条例の制定や、あるいは式典の開催等、これまでの種々の取り組みに対して敬意を表しております。

 竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ、国際法上も、明らかに我が国固有の領土です。政府としては、竹島の領有権の問題に関する我が国の立場を主張し、問題の平和的解決を図る上で有効な方策について不断に検討してまいりました。

 北方領土問題、竹島問題等々についての政府の取り組みについては、それぞれ領土問題をめぐる経緯及び状況等が異なるということで、これらを単純に比較することはちょっと難しいと思っておりますが、いずれにせよ、今委員のお尋ねの竹島の日の制定や、あるいは式典の開催等々については、安倍内閣全体として、諸般の情勢を踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 日本にとって韓国が非常に重要な隣国であり、そして、非常に重要な価値を共有していくことのできる非常に重要な関係であることは言うまでもないと思います。しかし、未来志向で日韓関係を築いていくためにも、竹島の問題を解決していかなければならないというふうに思います。

 自由民主党の総裁でもあります総理に伺いたいんですが、一昨年の総選挙で使われたJ―ファイルと昨年の参議院選で使われたJ―ファイル、竹島の日に関する言及が若干トーンダウンしていると思いますけれども、竹島の日、これを政府主催でやっていくことについて、総理のお気持ち、御決意等々を伺えれば、よろしくお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 竹島は歴史的にも国際法的にも我が国の固有の領土であることは間違いない、このように思っております。

 その上で、先ほど山本大臣から答弁をいたしましたように、諸般の事情、さまざまな状況を、事情を勘案しながら、我々は、今委員が御指摘されたような竹島の日制定等々について、適切に対応していきたいと考えております。

椎名委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 島根県の地元の皆様方のお気持ちを酌んだ上で、私たちが、与野党を問わず、それから官民を問わず、国民が一致団結して、この領土権回復のために動いていかなければならないというふうに思っております。

 私自身も微力ながら協力してまいりたいと思いますので、ぜひ総理にも、御決意のほど、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。

 本題に入りたいというふうに思います。

 パネル一、既に出されておりますけれども、汚染水の問題について伺いたいというふうに思います。

 先週ですけれども、本年の二月の十九日、汚染水百十トン程度が、H6タンクエリアと呼ばれる汚染水を保管しておくタンクエリアから、このタンクから漏れるということがございました。百十トンというのは結構な量でございまして、昨年の八月に三百トンの汚染水が漏れ、そして、これがINESの基準に沿ってレベル3という評価をするという決断がなされたかと思いますけれども、これに次ぐ大量の汚染水の漏えいでございます。この漏れ出た汚染水というのは、RO濃縮塩水というふうに言いますけれども、セシウム等を除去された後に、ALPSと呼ばれる多核種除去装置、これを通過する前の、主にベータ核種がたくさんまざっている、結構高濃度の危ない水です。

 この漏えいのメカニズムについては、今こちら、パネルに出させていただきましたが、三つの配管の弁が開きっ放しになっていて、既に満杯になっていたタンクに水が流れ込み、天井から満杯になった水があふれ出たということで、さらには、雨どいを伝って堰の外に汚染水が漏れ出たということで、堰を閉めて汚染水が土壌に漏えいしないようにという対策をとっていたにもかかわらず、堰の外に汚染水が結局漏えいする結末になってしまった。その過程の中で、水位が高まるということで警報も出ておったわけですけれども、一度パトロールの上、最終的に、計器異常という判断をして、適切な対応ができなかったということでございます。

 昨年八月の大量の汚染水漏れは、今回漏れ出たのと同じタイプのフランジ型のタンクというものですが、これの底部にすき間ができたということが原因であり、かつ、これによって、堰があいていた結果、土壌まで汚染されるに至ったわけでして、これに対する対策というものをとったはずだったというふうに思います。タンクの巡回点検をふやすとか、堰はちゃんと閉めておくとか、さまざまな対策を打つということでなされたかと思いますが、結局、今回こういった事態になって、再び、百十トンの高濃度のベータ核種が入っている汚染水、これが漏れてしまったということでございます。

 前回の時点で、こういった異なる漏れ方なんかを想定して多面的に検討をしたのかということは、やはりちょっと疑問に思わざるを得ないなというふうに思います。あくまでも、場当たり的なびほう策のみが検討されてきたように思います。

 しかも、パトロールをふやしたにもかかわらず、パトロールした方が一回見落として機器トラブルと片づけてしまったというところに結構悲劇を感じますが、今後、こういった事態が生じないために、政府として、それから東京電力に対してどのように指導していくのかというところを含めて、茂木大臣に御所見を伺いたいと思います。

茂木国務大臣 まず、この国会から、結いの党の本格的な国会での活動、まことにおめでとうございます。

 それから、テレビもありますので正確なところで申し上げますと、多核種除去装置そのものがALPSではありません。そこの中の一種類がALPSであるということであります。

 その上でお答えをいたしますと、今回の漏れ、フランジ型と強調されましたけれども、結局、一番上部でありますから、何型ということとは直接は関係ない。しかし、こういった漏えいが起こったことについてはまことに遺憾であり、改めて、廃炉・汚染水対策に気を引き締めて対応することが必要だと考えております。

 東電には、翌日二十日に、原子力規制庁の指示も踏まえつつ、汚染された水、そして土壌の回収を急ぐこと、水位上昇時等の警報への対応の改善、さらには弁の開閉の確認方法の改善に適切に取り組むよう、既に指導したところであります。

 昨年十二月に、政府の原子力災害対策本部で廃炉・汚染水問題に対する追加対策の決定をいたしました。

 御案内のとおり、九月三日にまずは三つの基本方針を示しまして、九月十日にアクションプランというのをつくりました。そこの中で、例えば陸側の凍土方式の遮水壁であったりとか、さまざまな対策を打ち出しているわけでありますけれども、それがうまく機能しなかった場合にどうするのか、そういう重層的な対策、もしくは潜在的なリスクに対してどうするのか、そういった予防的な対策も、これは国際的な知見も得まして、いわゆる技術公募も七百八十件寄せていただいて、相当な検討をしてまいりまして、決して我々は、場当たり的にやっているとは思っておりません。

 ただ、こういったトラブルが起こっていることは事実でありますから、トラブルを未然に防ぐ、そういったことができるようにさらにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

    〔委員長退席、林(幹)委員長代理着席〕

椎名委員 ありがとうございます。

 場当たり的ではないとおっしゃっていただきましたが、もしかしたら、対策自体は場当たり的ではなくてヒューマンエラーというところなのかもしれません。

 しかし、前回はH4タンクエリアでしたが、今回はH6タンクエリアということで、同じ型の同じタンクで、要は、タンクに対する汚染された水の送り込み方式等が全て共通している部分で総合的な対策ということを考えていただけていなかったんじゃないかという疑念は、やはりちょっと残るような気がいたします。

 そして、今回のタンクに関しても、引き続きこういった問題が起きないように対応していただきたいなというふうに私自身も思って、お願いを申し上げたいというふうに思います。

 次の質問に行きたいというふうに思います。

 この汚染水の問題ですけれども、今後の解決の見通しというところについて、一番重要な問題の一つが、海側の最も汚染されたエリアというところだというふうに思います。

 今出させていただいたこの地図ですけれども、これは福島第一原発の一号機から二号機の前の海側の地図でございます。

 汚染水の対策指針の中で、三つの方針ということを先ほど茂木大臣がおっしゃっていただきましたが、そのうちの一つ、漏らさないというところ、これが一番重要なことの一つですけれども、海に汚染水を漏らさない、サイト内に汚染物質をとどめておくということ、これも非常に重要なことの一つだというふうに思います。

 そんな中で、一、二号機タービン建屋の前にトレンチと呼ばれるいわゆる配管を通すための地下トンネルが張りめぐらされていて、循環注水冷却を行った結果生まれた高濃度の汚染水、セシウム等が除去されていない、本当に、非常に高濃度の汚染水がこのトレンチの中にたまっているというふうに言われています。

 この地図上、上部に平成二十三年四月二日漏えい確認箇所と書かれている場所がございますけれども、この場所を含め、二号機の前のトレンチというのが、汚染水がたびたび漏れる非常に重要な場所だというふうに思います。

 平成二十三年、事故直後ですけれども、事故直後から止水対応をしたというふうに言われておりましたが、実際、それ以上ずっと放置され続けて、昨年の七月にもう一回この付近で汚染された水が観測されているということで、それ以降、たびたび観測井戸から高濃度の汚染水が観測されています。

 ことしの二月の九日、先々週ですけれども、二号機の近くの、このトレンチの近くですけれども、ここに書かれていないんですけれども、観測孔一の十三という穴から、一リットル当たりセシウム合計十三万ベクレルの非常に高濃度の汚染水が観測されたという報道がなされました。

 今までの最高観測値が、この平成二十三年四月二日漏えい箇所と呼ばれている箇所のすぐ下にある観測孔一の二というところ、ここでリットル当たり三万三千ベクレルということで、それと比べても四倍近くかなというふうに思いますが、こんなに高いセシウム濃度の地下水が観測されたということも今まではなくて、巷間では、これを見て、二号機がメルトアウトしたんじゃないかという不安の声が一部聞こえたりします。

 溶けた燃料が建屋を経て地中に流れてしまったのではないか、そういう懸念ですけれども、私自身はそれは違うのではないかなというふうに思っておりますが、今の現状を含めて、今後の手当てについて茂木大臣に伺えればというふうに思います。

茂木国務大臣 今、椎名委員の方から御指摘いただきました第一原発の一号機、二号機の間の護岸付近に新設された井戸でありますが、これは、事故当時の漏えいが疑われていたトレンチの周辺、この場所は既に海から遮断した分岐トレンチの近傍でありますが、この状況を確認するために掘ったものであります。ですから、このエリアにおきましては、既に我々がとっております対策、漏らさない、このための水ガラスによる地盤改良をほぼ完了しております。

 さらに、地下水のくみ上げも実施しておりまして、海洋流出を防ぐ対策は既に講じられております。加えて、水ガラスの外側の地下水、これは法令限度濃度を下回る状況になっておりまして、高い放射性セシウムの値の検出そのものが直ちに周辺環境に影響を与えるものではない、このように判断をいたしております。

 昨年の九月の三日に決定をいたしました基本方針で、汚染源を取り除く対策の一つとして、トレンチ内の高濃度の汚染水を除去することにしたわけでありまして、高濃度の汚染水が残っております二号機の建屋、それから三号機の建屋に接続いたします主トレンチ、これにつきましては、まず、内部の汚染水の移動を防ぐために、建屋やほかのトレンチから主トレンチを物理的に分離をする。同時に、内部にあります汚染水を浄化、移送する。さらに、トレンチ内部にコンクリート等を充填することによりまして、トレンチを封鎖する。こういう工程を経る予定であります。

 このうち、既に主トレンチと分岐トレンチの遮断は完了しておりまして、現在、主トレンチと建屋の接続部についても、その止水に向けまして、凍結工法の工事を行っております。加えて、主トレンチ内の汚染水の浄化も開始をしておりまして、東電は来年度中に全ての工程を完了させることを目指しております。

 当省といたしましても、これらトレンチ内の高濃度汚染水の除去、これは極めて重要な作業でありまして、着実に行われるよう東電をしっかりと指導してまいりたいと考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 私自身も、昨年、年末にかけてですけれども、九月、十月、十一月と三回、福島第一原発を視察してまいりました。やはり、先ほどのタンクの話も含めて、今回のトレンチの止水を含めて、何となく状況の変化というのが遅いのではないかという懸念も私自身は少し覚えた次第でございますので、大臣からも引き続き、東京電力のお尻をたたくというか、やっていただきたいとともに、適正な情報の開示ということもお願いできればというふうに思います。

 今回、まさに、今し方大臣から御指摘いただきましたが、トレンチから漏れている水の状況を確認するために掘った井戸から非常に高濃度の水が出たということですけれども、そのコミュニケーションが比較的うまくいっていないというか、それにもかかわらず、先ほど私から指摘しましたように、過度に恐れるような声も出てきてしまうので、できれば、その意味合いを含めて、きちんとコミュニケーションをしていくことというのが、難しいとは思いますけれども、ぜひよろしくお願いできればというふうに思います。

 その次の質問に行きます。

 ちょっと順序が逆になっちゃったんですけれども、パネルの四枚目をお出しいただきたいというふうに思います。

 先ほど大臣から、技術公募のお話、七百八十件というのをコメントいただきました。私自身も内容を、七百八十件、おおむね、ざっとですけれども、拝見させていただきました。

 廃炉に向けての新技術の適用、それからバックアッププランというところについて伺いたいと思います。

 汚染水の問題については、先ほど大臣からおっしゃっていただいた三つの指針、そのうちの一つである、汚染源に水を近づけないというところ、これがすごく重要だというふうに思います。日量四百トンとも言われている流入地下水のコントロールというのが物すごく重要だというふうに思います。

 これに対しては、既に御承知のとおりだと思いますけれども、凍結工法という鹿島建設のつくった方法によって、一、二号機を囲むように凍らせて、一・四キロメートルにも及ぶ凍土壁をつくって流入地下水をコントロールしようということが決定されて、予算も既について、実施に向かっているんだというふうに思います。

 しかし、この凍土壁というものの長期的なサステーナビリティーというのは、結構、私自身は疑問を持って考えております。

 すなわち、凍土壁というのはもともとトンネルを工事するときなんかに使われるというふうに聞いておりますけれども、十年以上もかけて、長期にわたって使ってきたことがあるというふうには聞いたことがまずないというのが一点目。

 それから、凍土壁をつくるに当たって、電極管というか、電気を使って、地中に埋めて、凍土壁をつくるというふうに聞いていますけれども、こういった冷凍機を長期間運転し続けるコストというのがどのくらいかかるのかというのも、いまいちわからないというのが正直なところだというふうに思います。

 そんな観点から、やはり、凍土壁をつくれば完全に安心というわけではないというふうに私自身は思っています。一つの工法にこだわるべきではないと思っていて、先ほど大臣が御指摘いただいた技術研究組合国際廃炉研究開発機構、いわゆるIRIDを通じて行っている技術公募、七百八十件というところですけれども、ざっと拝見した限り、結構いい代替案とかバックアッププランというのがあるのではないかというふうに思います。

 このパネルの左側の絵が、地下ダムによって地下水の流入そのものを変えることをあらわしています。地下にダムをつくって流入を変えるということ。さらにほかには、大きなこととしては、最終的には、お堀をつくって、一号機から四号機をいわゆる島のように独立させてしまうこと、こういったことについて、検討に値するんじゃないかなというふうに思っています。

 さらには、汚染水を発生させないというところも含めて、そもそも循環注水冷却によって原子炉を冷却し続けていること、これも非常に問題だというふうに思っていて、今現状、既に原子炉が二十度から三十度前後で低位安定していることから、中長期的に空冷で原子炉を冷却する。右側にそのサンプルの図を出しておきましたけれども、空冷にて冷却することによって、そもそも汚染水を発生させないということができるのではないかというふうに思います。

 こういったところについて、御所見を賜れればと思います。

茂木国務大臣 これからも、さまざまな御提案をいただきながらよい提案を取り入れていきたい、そんなふうに思っております。

 若干専門的で、テレビをごらんの皆様も、今の説明を聞いて、まず、地下ダムの方はテレビの皆さんから見ると右側ですから、左側ではなくて右側になっておりまして、冷却方式の方が左側ということであります。

 いわゆる凍土方式によります遮水壁、これを我々は未来永劫使うということではなくて、当然その後に、フェーシングであったりとか、さまざまなプロセスを経て、建屋の近くを最終的には乾かしていくということが必要なんだと思っております。

 委員御指摘のように、国際廃炉研究開発機構、IRIDを通じました技術公募、七百八十件の提案をいただいたところでありますが、そこの中では、さらなる地下水の流入抑制の対策として、トンネルや堀をつくるということによって地下水を逃がす、それから敷地の表面を覆うフェーシング、こういったさまざまな御提案をいただいたところであります。

 この提案内容も踏まえまして、汚染水処理の委員会におきまして、特に建屋への地下水流入の抑制策については、その効果をシミュレーションして、昨年の十二月の十日になりますが、予防的、重層的な対策として取りまとめ、そして、政府の原子力災害対策本部におきまして、十二月二十日に追加対策を決定したところであります。

 トンネル、堀と、どの部分にどうつくるか、なかなかわかりにくいところもあるんですが、一つ問題としては、福島第一原発の建屋に流入している地下水、毎日四百トンと言われておりますが、これは主に雨水由来のものである、こういう研究結果も出ておりまして、トンネルとか堀を構築することによって、建屋への、雨ですから中に降っちゃっているわけでありますから、地下水の流入を抑制する効果というのは限定的ではないか、こういう見方も強いんだと考えております。

 いずれにしても、追加対策の中では、凍土方式によります陸側遮水壁に係る重層的な対策として、雨が降っても大丈夫なように広域的なフェーシングを行う、または追加的な遮水とその内側のフェーシング、こういった対策もとるということでありまして、今後、施工性であったりとか費用対効果を踏まえて、具体的な実施方法を検討していきたいと思っております。

 同時に、もう一点御指摘をいただきました、今後の廃炉作業を進めるためにいかに原子炉を冷却していくかということでありますが、現在、燃料デブリの正確な位置を把握する必要がありまして、格納容器内部の調査に必要な装置の研究開発を行っているところであります。

 仮に格納容器を空冷式で冷却できる、そうなりますと、御指摘のように、確かに汚染水の量は減らすことはできるわけでありますが、燃料デブリに直接大量の風というものを吹きつけるやり方等、課題があるのも確かでありまして、空冷式については、建屋からくみ上げる汚染水の発生を減らすための選択肢の一つである、そのように考えておりますが、今後、廃炉そして汚染水対策を進めていく中で、そういった進捗も踏まえながら検討を行うべきである、こんなふうに考えております。

椎名委員 どうもありがとうございます。

 時間もないんですが、手短に最後の一枚をやらせていただきます。

 最後の一点目、時間もないので手短にいきますが、企業が大きな債務を負ったときに第一義的に責任を負うのは必ず株主であり、そしてその次に債権者です。東電に仕事を任せ続けているということ、それに対して資金的な援助を我が国が行い続けるということには、やはり責任の明確化という意味で不十分な点もあるかというふうに思います。

 そこで、端的に考えた方がいいと思います。最後のパネルですけれども、会社法上の人的分割ということを考えてみたらいかがかというふうに思います。

林(幹)委員長代理 申し合わせの時間が過ぎておりますので、手短にお願いします。

椎名委員 はい。

 会社法七百六十三条十二号で人的分割を行った上で、片方、要するに、廃炉専門会社についてのみ法的処理をしたらいかがかというふうに思っております。そういったところについて御所見をぜひ伺いたいなというふうに思います。

 これのメリットは……(発言する者あり)はい。ぜひよろしくお願いします。

林(幹)委員長代理 茂木経産大臣、簡潔にお願いします。

茂木国務大臣 会社法上、御案内のとおり、善管注意義務の観点の問題であったりとか、いろいろ債権者との調整の問題がありますので、なかなか難しい課題であると考えております。

椎名委員 引き続き御検討いただければというふうに思います。

 どうもありがとうございます。

林(幹)委員長代理 これにて椎名君の質疑は終了いたしました。

 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 二月十四日からの関東甲信地方を中心とした大雪で、九県二十四名の方が犠牲になりました。また、それ以前の今冬の大雪という点では、秋田十四人を初め、全国十三都道県で四十九名が犠牲になられております。

 この場をおかりしまして、心から哀悼の意を表明するとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

 今なお、一都三県十三市町村、九十二世帯二百三十一人、これは昨日の数字ですので変わっているかもしれませんが、孤立状態にあると聞いております。どうか一刻も早く解消されるようお願い申し上げます。

 我が党も、志位委員長を先頭に対策本部を立ち上げ、政府申し入れや各地の調査に取り組んでまいりました。

 きょうは、総理に、基本的な政府の対応について、提案を込めて質問したいと思います。

 まず、資料の一枚目ですけれども、これは読売新聞の北海道版です。見出しに大きく、「暴風雪 早期の通行止め有効」とあります。昨年三月の暴風雪被害を教訓に、今冬から予防的措置で通行規制をかける区間を拡充しており、大規模な車両の立ち往生は確認されていない、このように書き出しをされております。

 ちょうど二月二十日、この記事が出された日に私は北海道庁にいまして、資料をいただいてまいりました、このようなものなんです。

 昨年三月、北海道は、暴風雪で、母子四人が立ち往生した車内で一酸化炭素中毒で亡くなる、こうした九名が亡くなる事態になり、また、四十八市町村において、九百二十九台、一千十八名が立ち往生するという甚大な被害がありました。

 これを受けて、昨年十月に、道路管理に関する検討会報告書を発表して、高橋はるみ道知事に提言書を提出しているわけであります。提出した意見書については二枚目の資料につけております。この中で、朝から議論されていたことに共通するものでありますけれども、情報伝達の迅速化、そして、伝わったかどうかを確認するシステム、気象情報と道路の実際の状況を利用者や関係機関にリアルタイムに伝える取り組みなどを提言しております。

 貴重な経験を政府全体で共有し、大雪被害の予防対策に生かすべきだと思いますけれども、総理のお考えを伺います。

安倍内閣総理大臣 北海道では、今御指摘のように、昨年三月の大雪被害の反省を踏まえまして、暴風雪時に早目に通行どめなどを行うため、通行規制のあり方の見直しや通行規制の情報を迅速に共有するための取り組みが行われているというふうに承知をしております。

 災害で得られた教訓を関係者で共有をして次の災害に備えることは重要であり、政府としても、災害対策について不断の見直しを行い、危機管理のための制度及び体制のさらなる充実に努めてまいりたいと思います。

高橋(千)委員 そこで、防災大臣に具体の話をしたいと思うんです。

 非常に大部な報告書ですけれども、私が非常にその中で興味深く読んだ部分をパネルにさせていただきました。資料の三枚目にもついてございます。これは、立ち往生したドライバーに対する調査なんです。

 それで、ドライバーの皆さんが、八四%、実は立ち往生した最中も携帯電話を持っていて、通話ができていた、そういうふうに答えているんですね。そして、車の中でスマホを見たり、テレビあるいはラジオのニュースを聞いて、何とか情報を得ようとしていた、そういうことがわかっております。

 これは別のページにあるんですけれども、実は、情報があっても、外の天気がさほどでなければ、まあ大丈夫かなと出ちゃうんですね。それで、ある程度雪が降ってきたとなると、やはり情報も出ているし、これは控えようかなと、わかりやすいですけれども、そういう行動をしていたということがあったんです。ですから、情報を得ようという努力をしているんですから、的確な情報が出されれば、外出を控えるとか、そういうことができるということなんですね。

 それで、資料の四枚目にもう一つ、これは、行政の方からどのような情報を出したか、そしてそれをどういうふうに受けとめたかということで、改善なんですけれども、実は、アイファクスで一斉送信をするんですね。だけれども、一斉といっても順番なんです。北海道は大変自治体が多いですし、さっき言ったように、立ち往生した路線だけでも四十八市町村と言いましたよね。そこに順番にファクスが行くので、時差がすごくて、三十分以上の時差がある。これでは、とてもじゃないが、もらったときではもう遅過ぎる。そういうことがあって、発信する側を分散してちゃんとやっていって、そして確認までちゃんとやるということが言われているわけです。

 大島の災害のときも、情報のことを随分やりました。そういうことをきちんと検証したものが出ているんですから、自治体への情報の伝達方法の改善、それによって速やかな道路規制、解除によって除雪や物流も進む、あるいは、避難所もきめ細かく確保していく、そういうことが今回にも生かせたのかなというふうに思っているんです。

 そういうことを踏まえて、防災大臣のお考えを。

古屋国務大臣 委員御指摘のように、昨年は北海道で、突然の大雪によって多くの方が亡くなりました。御冥福をお祈りしたいと思います。

 政務官も派遣しました。そうしたら、家からほんの数メーターしか離れていないところで、埋もれてお亡くなりになったというようなケースもありました。北海道は雪国ですよね。それでも想像を絶するような状況だったということだというふうに思います。

 北海道が道路管理に関する検討会を設けて、昨年の十月の二十九日に報告書を出されましたね。私、知事からも受け取りました。中身をよく読ませていただきました。

 要するに、冬で吹雪により視界が閉ざされる可能性のあるときは、早目に通行規制を行う特殊通行規制区間の大幅な拡大であるとか、今御指摘があった、いわゆる入力をする端末を複数化していく、これはやはりネットの、ある意味で弱点を補完するもの、そういった取り組み。このような取り組みをした結果、ことしの雪では余り大きな災害がなかったということ。

 実は今回も、SNS、山梨県でも相当活用しました。現実に地域選出の国会議員の方々からもリアルタイムでいただきまして、ちょうど内閣府で災害対策本部をやっていたので、そこを全部通知して、関係省庁やJRに通知した結果、数時間後には速やかに対策ができたということで、こういうインタラクティブな通信というのは非常に効果があるなということを私も実感しました。

 今後は、やはり立ち往生を防ぐためには、早い段階での通行どめとか、集中的、効率的な除雪の徹底を図るということと、それからもう一つは、やはり国民の皆さんも、こういう雪が降ってきたときは不要不急の外出は絶対避けていただくということが大切だと思います。そういったことが、結果として放置自動車の問題も解決をしていくことにつながりますし、また、命を守るという視点も大切だ。

 いずれにしても、災害で得られた教訓を関係者でしっかり共有をして、次の災害が起きたときに備える、不断の見直しをしていくということが非常に重要だと考えておりまして、北海道の教訓に加えまして、今回の大雪の教訓もしっかり踏まえまして、今後の対応に生かしてまいりたいというふうに考えています。

高橋(千)委員 ぜひ生かしていただきたいと思います。

 昨年、この北海道の調査を踏まえて、災害対策特別委員会の理事懇の場で、やはり、出た人がちょっと不用意だったのではないかみたいな意見が政府から出たんですよ。私はそのことが非常にあるものですから、改めて、こういう痛切な教訓を踏まえてまとめたことを真摯に受けとめるべきだということで、紹介させていただきました。

 そこで、財政支援についてですけれども、午前の部からも既に、ハウスなどの農業被害に対して支援をするということの答弁がございました。

 豪雪地帯でも、毎年毎年マックスの予算を確保しているわけではありません。屋根の雪おろしの事故も非常に多いです。そういう意味で、特別な除雪費用の速やかな支援が必要だということと、また、例えば、雪が今回は大変湿ってしまっている。それで、なかなか除雪が間に合わない。この間聞いたのは、宮城県の丸森町が言っていたんですけれども、グレーダーという押す形の除雪機ですと、湿っちゃって歯が立たない。なので、ロータリー、こういう形の除雪機で何とかやったんだけれども、そんなのはそうそうあるわけではなくて、県から順番が回ってくるのを待っていなきゃいけなかった、そういうことなんです。

 小さな自治体や、あるいはめったに雪が降らない自治体があらゆる場面に備えて機械を常備しておくということは、現実、不可能なわけなんですね。海辺でもあり、なかなか雪が降らない石巻などは、仮設住宅が雪で大変埋もれました。それが、通常予算は四千万円なんですね。これを今、三億円の専決予算を組んだ、こういう実態です。

 ですから、こうした事情を踏まえて、特別な、なかなか降らないところも踏まえて、機動的に除雪ができるような財政支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

古屋国務大臣 今回のような豪雪の対策については、まず、災害救助法による措置がございますし、また、総務大臣からも御答弁をされている特交の措置とか、あるいは、国土交通省においても措置があります。また、農水省の被害については、農林水産大臣の方から支援の徹底をお約束されたところでございます。

 一方、今委員が御指摘ありました、余り雪が降らぬ、特に今回は山梨県、そういうようなところで、では機材とか人をそろえておくということになりますと、めったに使わないわけですから、そういう意味からすると、地元の財政負担のことを考えると、ちょっと厳しいのかなと。

 むしろ、例えば、豪雪地帯というのは、日本海側、あるいは東北三県、たくさんございますので、あらかじめ複数のそういう豪雪地帯と協定を結んで、万が一そういう余り降らないところで起きた場合には、人とかそういう機材、特別な除雪機もありますので、そういったことを融通し合う。そして、実際にそこの派遣した方に対して支援をしていくというような形、それは委託方式でやるのか、あるいは出した方に支援をするのか、これは検討の余地があろう。こういったことを、実は豪雪地帯の知事からも具体的な提案をいただいているんですよ。

 我々としても、そういうよい考え方についてはしっかり対応して、ぜひ、余り雪が降らなくても今回のような対応に万全を期すことができるような対策を講じていきたいというふうに思います。

高橋(千)委員 よろしくお願いします。

 また、要望しておりました小型の除雪機など、やはり集落で備えていくということは、これまでもずっと、私も青森の出身ですので、要望してきたことで、拡充もしてきたんですけれども、今回改めて、こういう地域にも備えておくということはやはり考えていただければありがたいかなと思って、要望にしたいと思います。

 次に、復興問題で話を進めたいと思うんですけれども、間もなく三年目を迎える東日本大震災、あるいは原発事故からの再建、復興について。

 二〇二〇年東京オリンピックが決まりました。総理が世界に向けて汚染水は完全にブロックされていると宣言したときは、正直言って、被災地が切り捨てられたのでは、そういう気持ちになりました。

 ソチ・オリンピックは、メダルの数以上の感動をいただきました。だからこそ、被災地が置き去りにされないこと、言葉だけではない原発事故の完全収束が、東京オリンピックの成功のためにも不可欠だと思います。

 そこで、被災地では、今、復興事業に資材も人手も集まらないと悲鳴が上がっており、オリンピックの影響が強く指摘をされています。陸前高田市の市長の言葉をかりて言いますと、東京オリンピックが始まるまでに被災地の復興を最優先に取り組むことを宣言してほしい、そして、工程表を含め、明確にそれを形にしてほしいと言っておりますけれども、総理、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 汚染水の影響については、私が東京オリンピック招致において述べたことについて、先般、IAEAから派遣された方々が、記者会見において、ブロックされているという趣旨の発言をしておられるということは、ちょっと申し添えておきたいと思います。

 東京オリンピック・パラリンピックは、スポーツの力によって被災地に夢や希望を与え、復興を後押しするとともに、世界各国からの大震災への支援に感謝し、そして、力強く復興している我が国の姿を世界に発信する絶好の機会であると考えています。

 被災地の復興を加速化して、そしてオリンピック、パラリンピックの円滑な準備にもつながるよう、政府として、これまで、復興大臣のもとにタスクフォースを設置いたしまして、被災地において人材や資材の不足に対応するため、発注規模の大型化や生コンクリートプラントの増設などを行ったほか、実勢価格を適切に反映するため、労務単価の引き上げや間接工事費を引き上げるなど、加速化策を打ち出してきているところでございます。

 東日本大震災からの早期復興がオリンピック、パラリンピックの成功にもつながるよう、復興の加速化に全力で当たってまいります。

    〔林(幹)委員長代理退席、委員長着席〕

高橋(千)委員 絶好の機会ということが、発信に力が入って被災地が後景に追いやられるようなことがないように、重ねてお願いをしたいと思います。

 そこで、復興事業において、午前の部でも少し、委員から複数指摘があったわけですけれども、土地収用の手続に時間がかかる、例えば陸前高田市では、二千件の権利者確認のために全国を駆け回っているという実態がございます。

 これは岩手県から特例制度を求める声が上がっていますが、ポイントは二つです。一つは、復興の新たな町をつくるという公益性をきちんと認めるということ。もう一つは、相手がわからないからと一方的に取り上げろなんということを言っているわけではなくて、第三者、例えば土地収用委員会などが考えられるんですけれども、こうしたところに補償額を預託して、権利を残して工事着工を可能とする、こういう具体的な案が出ているわけであります。

 そもそも、復興特区法には、認定地方公共団体が新たな規制の特例措置その他の措置について国会に復興特別意見書を提出できる、必要があると認めるときは国会は所要の法制上の措置を講ずる規定、十一条、これは修正によって盛り込まれました。午前に質問された高木委員初め、当時の野党、今の与党の皆さんが熱心に提案されたものであります。

 ですから、こういう特別意見書という枠組みもありますので、この具体的な提案に応えるべきだと思いますが、大臣、どうでしょうか。

根本国務大臣 復興事業の加速化のためには、用地取得の迅速化、私は最重要課題だと思います。そのために、私が陣頭指揮をとって各省庁の局長を集めて、そして、第四弾にわたって加速化措置を先行的に取りまとめてまいりました。

 用地取得の問題、その迅速化が問題であって、どれだけ迅速化できるか、これが重要な論点なんですね。新しい法律が必要かどうかというよりも、むしろ、具体的な制度をどう問題として、課題として捉えて解決していくか、本質はそこにあると私は思います。

 その意味では、昨年の十月に、用地取得手続を飛躍的に短縮する用地取得加速化プログラムを、これは抜本改革しました、用地取得について。

 そして、今、収用法の話がありましたけれども、収用法については、任意買収手続と並行してやる、あるいは事業認定手続は三カ月を二カ月でやる、事業の説明と収用法の説明会を同一にやる、設計、測量を一緒にやる、これによって確実に迅速化いたします。例えば、鵜住居のモデル事業、予定よりも二年から三年早く用地取得ができるようになりました。

 その意味で、私はやはり、岩手県の提案もありますけれども、岩手県の提案のポイント、これは、相続人などの調査に時間を要するので、公告をして工事に着工し、用地を取得した後に相続人などを調査して補償金を支払うという規定をつくりたい、こういうことなんですね。

 今、収用委員会のお話がありましたけれども、収用委員会が直接やるような、客観的な価格を決定するのは収用委員会で、第三者性を担保していますが、そこがみずからやるような話なのかなと。つまり、これは憲法上の要請を満たしているのかどうかという点において、私は慎重な検討が必要な論点があると考えております。その旨を岩手県知事にも直接お伝えいたしました。

 それから、岩手県の場合は、用地取得業務を担うマンパワーの確保が困難であって、用地取得に長期間を要する、こういうことで新たな特例制度を要望されていると聞いております。

 この点についても、例えば、用地交渉業務、これを補償コンサルタントに委託する、あるいは相続人の調査は司法書士に委託するということによって迅速化が図られると思います。

 私も、法律が必要ではないと頭から決めつけているわけではありません。要は、大事なのは、憲法上の論点を含む法制度上の課題や外部委託の活用などの実務上の課題、これについては、現在、岩手県とも打ち合わせを行って、具体の事情や県の考え方を丁寧に聞かせていただいております。

 特別意見書など、復興特区法の制度に基づくか否かにかかわらず、我々、日ごろより現地にも赴いて幅広く意見を聞いているところであって、その中で新たな課題が出てくれば、しっかりと対応してまいります。

高橋(千)委員 だから、特区法の意見書措置というのを今提案したんです。

 なぜ同じ答弁をされるのか。また、くどくどと制度の説明をしなくても、もういいです、時間が大分食われてしまいましたので。そういうことを全部踏まえた上で議論をしています。

 迅速化のために人の配置ということを言ってくださいました。だけれども、民間人だけで行くわけにはいかないんです。これは、個人の財産で非常に個人情報にかかわるので、当然、職員が一緒に複数で行かなければならない、そういうハンディキャップがあります。

 また、きのう、宮城県ですけれども、南三陸町の町長さんにお会いしました。こう言っていました。小泉復興政務官にも言ったせりふだと言っていましたけれども、何と江戸時代、文久、これは百五十年前ですよ、さかのぼって、そこまでして権利者を見つけるという苦労をしているんです、現場は。だけれども、やっと登記するというときに、法務局の体制がなくて、三カ月以上待っている、こういう実態だそうです。

 ですから、本当に立法化も含め、また人の配置も含めて議論していただきたいということを重ねて指摘したいと思います。

 少し質問を、時間がないので飛ばして、ここからは、福島県の避難指示区域の地図を見ながら質問を進めたいと思います。

 これは、一つの自治体が、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域、そしてそれ以外というふうに分けられているわけですね。この線引きが、色分けしましたけれども、賠償や支援策にリンクするために、同じ町の住民がさまざまに分断され、苦しんでおります。

 政府は、昨年十二月二十日に福島復興指針を発表し、早期帰還支援と新生活支援の両面で福島を支えると発表しました。

 また、十二月二十六日には、原子力損害賠償紛争審査会が中間指針第四次追補を発表しました。簡単に言えば、避難指示解除後一年以内に帰還する住民には一人当たり九十万円を払うということ、一方、東電からの精神的損害についての賠償は、帰る帰らないにかかわらず、避難解除すれば、そこから一年間で打ち切り、こういうことが言われたわけです。

 そこで、質問は、旧緊急時避難準備区域、これは、南の方を見ていただいて、川内とか広野のところ、二〇一一年九月に既に区域が解除されて、翌年八月に賠償が打ち切られました。しかし、除染やインフラ整備、生活関連サービスなどがおくれているために、広野町や川内村では、相当期間、つまり、解除をしてから賠償が必要な時間を一年と見るのは整合性がとれないじゃないか、実態を見てくれと訴えているんですね。

 五割が戻ったと言っているんですけれども、本当に地域が帰還、再建に歩み出すためにも、これから解除する地域と同等の支援をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

根本国務大臣 答弁する前に、先ほど、しつこいようですが、法務局で三カ月待たされるという話がありました。私も復興大臣として、そういう事実があるのであれば、見逃すわけにいきません。用地加速化支援隊を創設しました。これは、復興庁と法務省、関係省庁が集まって地元に応援しておりますので、しっかりとその事実を確認させていただいて対応したいと思います。

 それから、今の御質問ですが、多少長くなるかもしれませんが、御容赦をいただきたいと思います。

 賠償の指針については文部科学省の担当でありますが、原子力損害賠償紛争審査会における専門的かつ中立公正な議論の上で、委員の話のあった中間指針第四次追補において、避難指示解除後の相当期間について、次のように定められました。四点あります。

 一つは、避難生活が長期にわたり、帰還するには相応の準備期間が必要であること、二つ目には、学校の新学期など生活の節目となる時期に帰還できることが合理的であること、三点目は、避難指示の解除は、原子力災害対策本部の決定に基づき、日常生活に必要なインフラや生活関連サービスがおおむね復旧し、子供の生活環境を中心とする除染作業の十分な進捗を考慮し、被災自治体及び住民と十分な協議を踏まえた上で行われること、このような住民との協議によって、住民としても解除時期を予想して、避難指示解除前からある程度帰還のための準備を行うことが可能であることなどが考慮されて、一年間を当面の目安にしたと聞いております。

 また、この一年間という期間は、避難指示解除が検討されている区域の現状を踏まえて、当面の目安として示すものであって、今後、避難指示解除の状況が異なるなど、状況に変更が生じた場合は、実際の状況を勘案して柔軟に判断していくのが適当であるとされております。

高橋(千)委員 実際の状況を勘案してというお言葉、しっかり受けとめたい。現実にやっていただきたいと思うんですね。いち早く帰村宣言をした川内村、これは、やはり帰村宣言をすることによって除染などが進むだろうという思いがあったわけですね。それが、現実はなかなか追いついていないんだという思いを込めて要望を出しておりますので、踏まえていただきたいと思います。

 今、この二十キロ圏内、旧警戒区域で初めて田村市が、田村市の都路地区の一部ですけれども、四月に解除するということを市長が発表されております。この住民の皆さんともこの間、懇談をする機会があったんですけれども、仮設住宅に二つの行政区がまとまって暮らしてきました、いろいろな人それぞれの事情があるんだけれども、帰るときは一緒なんだと話していたことが大変心に残りました。水や土壌の恒常的なモニタリングや再除染、抜本対策を求めています。

 確かに、放射線量はむしろ県央地区に比べて高いとは言えないんですね。だけれども、若い人が戻れる環境づくりのためには絶対必要なことなんです。なぜかというと、ここが警戒区域の解除の最初なんですね。つまり、ここをきっかけにして、原子力規制委員会が言っているように、個人線量計を提げて、年間二十ミリ以下で、もう自己責任で戻りなさいということになりかねないんです。それはもう到底受け入れられないというのが福島全体の声なんですね。

 ですから、私が、この間、福島県内外で避難している方たちとお会いして、いろいろな方たちとお会いして強く実感していること、それは、実は、帰る人も、今は帰れないと考えている人も、高齢者も、若い人も、つまり、一つの家族なんです。一つの家族が別れているんです。大臣にはその認識があるでしょうか。七十、八十になって、自分たちはいつ帰ってもいいんだ、でも、若い人たちが帰れなければ未来がないんだ、こう訴えています。

 この声にしっかり応えて、改めて全ての原発被害者に賠償支援を行うべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。

根本国務大臣 委員のお話のように、やはり若い人が戻ってもらわないと、その地域の活性化は生まれないと思います。

 今、原発被害に対する賠償についてお話がありました。文部科学省及び経済産業省の担当でありますが、損害賠償については、相当因果関係のある原発被害に対して、被害の程度に応じた賠償が行われるものと承知をしております。

 いずれにしても、被害者に対する賠償が着実に行われるとともに、関係省庁一体となって、被災地域の復旧復興にしっかり頑張って取り組んでいきたいと思います。

高橋(千)委員 あとは要望にします。

 先ほど紹介した、大雪の調査で行った宮城県の丸森町というところは、北の方で、外周の八割が実は福島県に接しているわけですね。その筆甫地区というところは、高線量で大変話題になった地域であります。ここで本当に、最初は毎時一マイクロシーベルトの線量を記録いたしました。それでも、まだ支援地域とはされていない、子ども・被災者支援法の対象にもなっていない。そういうことが言われて、本当に、自分のせいではないのにすごく責められている。この声に本当に応えて、余りにも不条理な実態なわけです、やはり原発は再稼働すべきではない、一言言って、終わりたいと思います。

二階委員長 これにて高橋君の質疑は終了いたしました。

 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。

 本日最後の質疑者となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、東日本大震災、福島第一原発事故、昨年の大島など大規模自然災害、そして先日の関東甲信地方を中心とした大雪被害に遭われた皆様方に、心からお見舞いとお悔やみを申し上げさせていただきたいと思います。早期の復興復旧の実現に向け、本日、質問させていただきたいと思います。

 まず、その前になりますけれども、きのう、ソチでのオリンピック、閉会式がとり行われました。被災地から出ました羽生選手は、男子フィギュアスケートで初めてのゴールドメダリストという快挙をなし遂げられ、また、被災地の方も多く勇気をいただいたかと思います。

 そして、東京も、二〇二〇年に向けてオリンピック招致をされた際には、東日本大震災の被災地の出身でもあります、パラリンピアン、佐藤真海選手がすばらしいスピーチをされたこと、これは記憶に新しいことであり、スポーツが持つ大きさ、力強さ、そして、障害があってもなくても希望を持つこと、被災地であっても、さまざまな環境であっても夢が持てるという、そのすばらしさを教えてもらったスピーチだったと思います。

 そこで、ぜひまずお伺いしたいんですけれども、過去の例を見ましても、残念ながら、パラリンピックに対して内閣からの出席というのはなかなか前例がございません。長野の冬季、このときには厚労大臣が出られておりますが、総理の出席というのは、開会式には出られていなかったようであります。

 それを考えますと、今後であります、もう間もなくであります、ソチのオリンピックには、各党、総理の日程に大変御協力をさせていただいたとともに、また、北方領土の日の式典も出られた後に本当に急いで出られ、到着が開会式の十分前とも伺っておりますけれども、大変な熱意で開会式に行かれたのであります。ぜひ、パラリンピックにおきましても同じように出席していただきたい。

 それが、昨今、この数年間の間で、障害を持った方々に対しその支援をやってきた議員また各議連の思いでもあり、そして多くのスポーツを志す方々に対しての思いだと思いますし、また、昨今では、やっとここで、文科省そして厚労省という縦割りだったものの壁が外れ、一緒にスポーツの祭典というものを祝おう、そして参加をしようという機運が流れているんだと思っております。

 その点におきまして、ぜひ、総理、パラリンピックもオリンピックと同じようにしっかりと開会式に出ていただく、そのおつもりがあるのか、お聞かせいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 今回のソチ・オリンピックにおいて、被災地出身の選手を初め多くの日本選手の活躍は、被災地を初め日本人に夢や希望や勇気を与えてくれたと思っています。

 パラリンピック競技大会は、スポーツを通じて障害者の方々の自立や社会参加を促すとともに、さまざまな障害への理解を深めるものであり、大変大きな意義があると考えています。

 二月五日に行われましたソチ・パラリンピック日本代表選手団の壮行会には私も出席をいたしまして、パラリンピック日本代表選手の方々に激励の御挨拶をさせていただいたところでございます。

 ソチ・パラリンピックの開会式は三月の七日と承知をしております。十日間の競技期間中、私も含め、日本じゅうから声援を送りたいと思います。

 国会の会期中でございますが、開会式への出席につきましては、政府としてどのような対応が可能か、検討していきたいと思っております。

小宮山委員 ぜひ検討していただきたいと思いますし、また、同じように扱っていただければと思っております。

 昨年は、本当に長いことかかりましたけれども、障害者の権利条約の批准という大きな節目が障害者政策の中でもあったところでもございます。これは、与野党を超えて本当に関係の皆様方の努力、そして日本にとっても大変前進でもあると思っておりますので、この点につきましては引き続きぜひ御協議いただければというふうに思います。

 それでは、今般の大雪被害に関しまして、生活の党では、二月十七日、党豪雪対策本部を設置いたしまして、十九日に、豪雪被害に対する緊急対策に関する要請書を古屋防災担当大臣を通じて総理へ提出したところでもございます。この中には、建設業団体、そのほか各種団体との連携協力体制の整備を支援することなど、さまざまな提言をさせていただいております。

 今回の雪では、体育館など公共施設の屋根が崩落したり破損する事例、また家庭用のカーポート等の破損例が数多く見られました。単なる降雪だけでなく、雨で重くなった、また季節的にだんだん重い雪になってきたということもあります。

 この被害に対応してどのようなことをされていくのか。国交省におきましては、構造基準の見直しなど、そういったことも今後対応として必要かと思っております。この点に関しまして、大臣の所見をお伺いいたします。

太田国務大臣 御指摘のように、今般の大雪によりまして、体育館とかカーポート等の建築物の屋根が崩落して多くの被害が生じたところでございます。

 現在、特定行政庁を通じまして具体的な被害状況の調査を行うとともに、特に被害が大きかった建物につきまして、国交省の職員を現地に派遣しまして調査分析を行っているところです。

 今回被害があった地域は、積雪が通常では余り多くない地域だと思いますが、これまでにない積雪が観測されて、このため、現行の建築基準法ということからいきますと、何センチ、それに安全率をどれだけ掛けてというような設計基準になっているというふうに思いますけれども、この構造設計や施工との関係、維持管理の状況がどうだったかなど、さまざまな視点から調査を行っているところです。

 この調査結果を踏まえまして、できるだけ早期に、現行の基準の見直しが必要かどうか、そこを見きわめて検討したいというふうに思っているところです。

小宮山委員 ぜひお願いいたします。

 私の選挙区にあります富士見市の市民総合体育館のメーンアリーナの天井が突然崩落した事故もございました。

 私も現場を見てまいりましたけれども、本当に、雪の、自然の力、鉄骨がぐにゃりと曲がるのを見ておりまして、特に、豪雪ということを想定していなかった地区が今回被害に遭っているということを考えますと、さまざまな、国交省にも当然現地に入っていただいてもおりますし、また、関係の市町村も、それぞれ対策本部を設置して、本格的な調査、原因究明をされているところだと思いますが、ぜひ、今後のこともございます、しっかりと調べていただき、また、対応をしていただきたいということを要望させていただきます。

 さて、東日本大震災から間もなく三年がたとうとしております。被災地からよく聞こえてくるのは、忘れないでほしい、忘れられたのではないかという、関東に出てくると、テレビを見てもそういった話題が少ない、大変悲痛な思いをしております。

 その中で、最近、大変気になる記事が多く見受けられます。それは、東日本大震災の仮設住宅でございます。

 あのプレハブの中で住むということの環境というのは大変厳しいものがあるかと思います。ましてや、日本は四季があり、湿度があり、雪がありということを考えますと、現状の住まい方というのは、安全上、防火上、また健康上支障がないのかということを心配せざるを得ません。なかなか、結露も出てきて非常に、カビとともにいたり、また、隣の音が聞こえる、息を潜めて暮らさなければいけない、子育てをしなければいけない。

 そういったことを考えますと、現在でも、発生直後に四十七万人の避難者が約二十七万人となって、そのほとんどが仮設住宅に入居されたという復興庁の資料から考えてみても、やはり、この環境というものは、人が人らしく文化的な生活ができるという環境を改めて確保しなければならないのではないかと考えております。

 この点に関しまして、御見解をお聞かせいただければと思います。

古屋国務大臣 災害救助法に基づく応急仮設住宅の提供期間は原則として二年でございますけれども、東日本大震災で設置したものについては、特定非常災害特別措置法に基づき、地域の実情も踏まえて一律に三年の延長を行って、また、岩手県、宮城県、福島県、茨城県については四年の延長を行いました。

 延長に際して、設置主体である都道府県において、現状をしっかり確認の上、安全上とか防災上とか衛生上必要な措置を行うということになっておりまして、その補修に要する費用については、災害救助法に基づく国庫補助の対象として予算措置を行わせていただいております。具体的には、壁とか屋根とかくい等の基礎部分の補修とか補強等々でございます。

 一方、復興庁においても、入居者の方々の健康面、生活面での対応を適切に講ずるために、各省庁の既存施策を横断的に点検し直して、平成二十六年度の予算措置や今後の運用の改善の方向性などを、被災者に対する健康・生活支援に関するパッケージ、こういうような中身で取りまとめをされたところでございます。

 今後とも、被災者の方々の応急仮設住宅の生活については、やはりハード面だけではなくてソフト面も含めて支障が生じないよう、関係省庁が連携をして取り組んでいくことが極めて大切だという認識でございます。

小宮山委員 基本的には延長して使い続けるという方向なのかというふうに伺いました。

 ただ、このように長期にわたり仮設住宅に残らざるを得ない方々というのは、阪神・淡路の場合でも高齢者となり、そのときでも最長五年間にわたってお住まいになり続けたと聞いております。

 このような状態というのは放置できるものでもございませんし、また、今回のような、東日本大震災のような大規模災害においては、三年でおさまらないということは当初から想定ができたということ、長期にわたる避難というものが余儀なくされるということであるならば、仮設住宅の仕様というものを、当初からプレハブ以外の、一般的なアパートとして建てられるような住宅に準じる内容のものも活用するとか、また、民間の空き家、空きアパート等、借り上げをより積極的に行うようにするなど、仮設住宅のあり方自体についても見直しが必要なのではないかと考えているところであります。また、この点は見直しをするべきであるという思いもございますので、この点は御提案をさせていただきます。

 もしくはまた、長期にわたる供与となる場合、再建築することもあってもいいのではないか、三年、三年というような発想があってもいいのではないかというふうに考えておるところであります。この点は御提言をさせていただき、時間の関係もございますので、次の質問に行かせていただきます。

 では、引き続きまして、子ども・被災者支援法に則した政府の対応についてお伺いしたいと思います。

 これは、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議において、ヒアリング対象として数名を一回限り招くのではなく、正委員として追加を、しっかりと議論に参加させるべきであるということを、先般、子ども・被災者支援議員連盟の荒井会長を筆頭に、私ども、環境省の方をお訪ねさせていただきました。

 この中には、もう一点は、福島県内外の被災地における健康管理と、医療費減免に関して行う医療に関する施策のあり方の検討に当たっては、専門家会議だけで方針をまとめるのではなく、母親を含む被災者の声が反映されるような構成員から成る親会議も設置していただきたいという要望を入れたところでございます。

 この点に関しまして、本当に、わからないということ、さまざまな点がこの事故からはあるかと思います。そして何よりも、専門家だけではなく、その当事者というものが入ってこそ、お互いに理解をし合い、そして安心した環境というものが得られるんだと思っております。

 この点に関しまして、今後どのような対応をされていくのか、お聞かせいただければと思います。

石原国務大臣 先般、小宮山委員が副会長を務められます子ども・被災者支援議連の皆様が我が環境省の井上副大臣のところをお訪ねいただきまして、さまざまな御提言をいただいたということは御報告を受けております。

 この専門家の会議なのでございますが、もう既に二回、専門家の先生方の話を取りまとめておるところでございまして、意見集約に入っておりますので、今回新たに常設の委員を設置するということは難しいという話はそのときさせていただいたと思います。

 しかし、その一方で、今委員御指摘になりましたように、さまざまな方からさまざまな意見を聞くということは私も重要だと認識しております。常設の委員ではなくても複数回ヒアリングに御参加いただくなど、これからはやはり、専門家以外の方々の御意見も委員の御指摘のとおり丁寧に伺っていくということは、私は大切なことだと考えております。

小宮山委員 大臣、ありがとうございます。ぜひ専門家以外、また当事者の方の声というものを取り入れていただきますよう、これからも、遠からず、ぜひよろしくお願いいたします。

 さて、このときに話題になったんですけれども、やはり健康被害というもの、その不安感、わからないことに対する不安感というのは大変大きなものがございます。特に、福島の原発事故の前にやっていなかった調査をきちっと、そういう意味では、この三年間、していただいているとは思いますけれども、以前のデータがないということで、比較するものがない中でこのデータが出てきても、なかなか、比較をして、自分が今どういう状態なのかというのもわかるものでもないかと推測されます。

 そういうことを考えますと、この健康調査というものは、福島県に限ることではなく、やはり全国の子供たちに対してあわせてやるということが、何よりも今後の安心感や、また事故の前と後どのように変化があるかないかということも比較できるわけですし、福島だけに負わせるものではないと考えております。

 健康に関しましては、恐らく内閣の中で一番同じ思いを共有ができるのではないかということも考えまして、総理、未来の日本を担う子供たちのことであります、この健康調査に関しまして、全国的にやれるのかどうか、そして本当はやった方がいいのか、そういった思いが共有されるのか、ぜひお聞かせいただければと思っております。

安倍内閣総理大臣 福島第一原発事故による放射線から住民の健康を守るために、福島県では、国が拠出した交付金を活用して、県民健康管理調査を平成二十三年六月から実施をしています。

 その中で、事故時に十八歳以下であった全ての子供を対象にした甲状腺検査を行っているわけでありますが、福島県外に避難された、あるいは転居された全ての子供に関しても、福島県内の方と同様に甲状腺検査を行っているところであります。

 今後とも、福島県外に避難、転居された全ての子供たちが、避難先、転居先で円滑に検査が受けられるように、国としても、甲状腺検査が受診できる医療機関の拡大を支援していく考えであります。

小宮山委員 さまざまなホットスポットの問題であったり、不安を抱えているのは福島だけではありません。そういったことを鑑みますと、この検査というものは全国的に行われる方がよろしいかと考えておりますし、それを望んでいるところでもございます。

 この点に関しましてどのような御見解があるか、ぜひお聞かせいただければと思います。

石原国務大臣 ただいま総理が御答弁をさせていただきましたように、当時福島にいらっしゃって県外にいらっしゃった方については、十分な手当てというものがなされております。

 その一方で、今委員が御指摘されました件につきましては、これは私も、専門家と言われる方々、あるいは国連科学委員会の方々のお話、またWHO、厚労大臣等々からお話を伺っておりますけれども、がんなどの健康被害の増加が他府県で発生する可能性については、現段階の評価では大変低いと。その分の手当てをするお金があるならば、福島県に関与するところでぜひ使わせてくれというのも福島医大の専門家の先生方から伺っておりますので、今後のあり方についてはまた検討をさせていただければと考えております。

小宮山委員 もちろん、福島の避難された方々、被災された方々に対しては手厚くしていただきたいと思います。しかし、それだけではなく、子供たちのという意味においては、被害がなければないでよかったと言えるんだと思いますが、今の現状では、その現実、ファクトというものがわからないことが続いてしまうんだと思っております。ぜひ、この点に関しましては引き続き御検討いただければというふうに思います。

 さて、被災地におきまして、震災復興においての人件費の高騰、入札の不成立などの問題が各地で起こっております。入札の不成立は、直接の被災地のみならず、広く全国で生じているところでもございます。

 昨年四月、公共工事設計労務単価は一五・一%増の改定がなされておりますが、昨年に引き続き、設計労務単価変更の大幅改定が行われましたが、こうした改定の背景についてお聞かせいただければと思います。

太田国務大臣 設計労務単価を去年の四月に全国平均一五%、これは実に十六年ぶりでございました。できるだけきめ細かく実勢を反映しようということで、今まで一年ぐらいの単位だったんですが、三カ月単位でやってきまして、そして、この二月一日に、全国平均で七・一%、被災三県で八・四%、再引き上げを行わせていただいたところです。

 大事なことは、労務単価の改定が実勢に合うようにということが一番大事でありますので、さらに、これが賃金に反映するように建設業界にまた要請をしたいと強く思っておるところでありますけれども、この賃金とともに、社会保険加入の徹底をしっかり図っていきたいと思っています。

小宮山委員 昨年来、景気対策ということで多額の公共事業を実施されようとしておりますけれども、設計労務単価の改定というのは、今大臣がおっしゃったとおり、末端の建設技能者の賃金上昇、待遇改善につながるべきものであり、それを望んでいるものでもあると思います。

 しかし、建設、建築の現場で働く技能者の皆さんの生の声を扱ったアンケートや調査結果、これは全建総連さんや建設埼玉さんからの資料を拝見させていただくと、昨年の改定の恩恵はなかなか実感できる数値が出てきているものではございません。

 今後、やはりこの賃金の上昇というものが景気にも影響してくるわけですから、しっかりとまた見ていかなければならないところではありますが、実際にどれだけ上げたところで、これが反映されなければならないということを考えますと、設計労務単価の改定だけでなく、公契約法などを成立させるなど、より踏み込んだ対策というのが日本でも必要ではないかという意見が多くございます。この点に関しての御所見をお聞かせください。

田村国務大臣 東日本大震災以降は、今も太田大臣からお話がありましたように、設計労務単価は改定して上がり基調でありますが、それ以前は長期的に低落傾向であったということは私も認識をいたしておるわけであります。そのような中で、公契約条例ということで各自治体で取り組んでおられるということは、私も認識をいたしております。

 公契約法、どういうことを念頭に置かれてお考えになられるのか、ちょっと私もそこまではよく理解させていただいていないわけでありますけれども、基本的に、公契約法なるもので一定の賃金水準、設計労務単価の水準が示されたとしましても、実際問題の賃金は労使の合意のもとに決められるわけでありまして、そのような意味からいたしますと、なかなかこれは、公契約法と労働基準法、最賃法、こういうものの関係をどう考えるかというような課題があることは事実であります。

 いずれにいたしましても、各自治体での条例、これを詳細に我々も情報収集、分析はさせていただいて、検討させていただきたいというふうに思います。

 今、建設業において人材が不足しておるということでございますので、厚生労働省といたしましては、例えば、事業主の方々が建設労働者の方々の能力開発という意味で、建設労働者確保育成助成金というのがございます、こういうものを使ったりでありますとか、また建設人材、この人材に関しての確保プロジェクトというものを現在進めておりまして、このような形の中において今対応させていただいておるような次第であります。

小宮山委員 ぜひ、この分野ももう少し研究をしていただきたいと思います。四月からは、消費税増税、さまざまな負担増がやってまいります。現場がやはりしっかりと賃金が上がらなければ、景気にもつながりませんし、さまざまなところに問題が出てくるんだと思っております。ぜひこの点に関しましてもごらんいただくことを総理にはお願いをしておきます。

 さて、最後になりますけれども、どんどん地域が復興するということ、被災地の復興のためにも、地図情報というものの整備は大変重要かと考えております。

 平成二十六年の予算では、地図作成事業予算の規模は拡大したということは評価をしておりますけれども、地図作成事業は二年間にわたる事業で、各年度の予算は前年度の面積と当該年度の面積の合計に対して予算案となって、単純計算すると、何か平米当たり減ってしまったり、そういったことも見受けられます。

 昨年、南海トラフ、首都直下地震対策の法案、二階委員長も頑張っていただきましたけれども、私も頑張りましたが、そういう意味においては、地図混乱地域の早期解消というものは今後の災害対策に大変重要な点かと思っております。

 このスピードアップが急務と考えますと、地図整備事業への取り組み、予算規模、本予算の内容ではまだまだ不十分なような気もいたします。この点に関しまして、法務大臣よりお聞かせいただければと思います。

谷垣国務大臣 小宮山委員には昨年の予算委員会でもこの問題を取り上げていただいておりまして、重要性を深く認識していただいて、常に問題提起をしていただいていること、大変ありがたいと思っております。

 それで、今、もっと力を入れて取り組むべきではないかということでございましたが、平成二十一年度から二十八年度までの八カ年計画でやっておりまして、約百三十平方キロメートルの地域について地図を整備するということでやっているわけでございます。

 それで、平成二十六年度においては、計画に沿って約十七平方キロメートルの地図を整備することを予定しておりまして、これに要する経費として、平成二十六年度予算政府案においては、十九億八千四百万円計上されているところでございます。

 それで、これは二十八年度でおしまいということではなくて、今後とも力を入れて取り組まなければならないと思っております。

 もう昨年も申し上げましたので、質問していただきましたついでに宣伝をさせていただきますと、やはり境界確定というものができておりませんと、仮に復興でいろいろな公共事業が起こるといっても、なかなかその話が進んでいかない。また、何か事業をされるにしても、例えば担保に供するについても、なかなか担保権の設定も難しいということで、経済関係にも支障がございます。

 また御支援をいただきまして、ぜひ力を入れて取り組んでまいりたい、このように思っております。

小宮山委員 ぜひお願いいたします。

 特に、都市部であったり、地図混乱のところは大きいです。また、山間部なども、高齢化したり、また、さまざまな方が人口移動という中において、所有権がわからないということもございます。

 また、実際には、諸島の問題、国交省も力を入れておりますけれども、こういったところもまず登記等をしっかりとしていただくことによって、日本の領土というものも確定されるんだというふうに考えております。

 そして何よりも、今回、復興、災害、行革ということで、本日、集中審議でございましたけれども、私たち国会も、東日本大震災初めさまざまな自然災害に対し、そして被災を受けた方々の思いに寄り添う形で今後とも歩ませていただくことをお伝えさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

二階委員長 これにて小宮山君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十五日午前九時から公聴会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三分散会

     ――――◇―――――

  〔本号(その一)参照〕

    ―――――――――――――

   派遣委員の山梨県における意見聴取に関する記録

一、期日

   平成二十六年二月二十一日(金)

二、場所

   甲府富士屋ホテル

三、意見を聴取した問題

   平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算及び平成二十六年度政府関係機関予算について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 二階 俊博君

       あかま二郎君   大岡 敏孝君

       金田 勝年君   菅家 一郎君

       中谷 真一君   林  幹雄君

       湯川 一行君   長妻  昭君

       古川 元久君   坂本祐之輔君

       山田  宏君   石田 祝稔君

       中島 克仁君   柿沢 未途君

 (2) 現地参加議員

       長崎幸太郎君

 (3) 意見陳述者

    山梨県知事       横内 正明君

    公立大学法人山梨県立大学理事         波木井 昇君

    山梨学院大学法学部教授 中井 道夫君

    萌木の村株式会社代表取締役社長        舩木 上次君

 (4) その他の出席者

    予算委員会専門員    石崎 貴俊君

    財務省主計局主計官   有泉  秀君

     ――――◇―――――

    午後二時二分開議

二階座長 これより会議を開きます。

 本日は、大変御多用の中、皆様にお集いをいただきまして、ありがとうございます。

 私は、衆議院予算委員会派遣委員団団長の二階俊博でございます。

 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。

 議事に入る前に、派遣団を代表しまして一言申し上げます。

 今月十四日からの大雪により、多くの方々が被害に遭われております。被害でお亡くなりになられた方々、その御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表するものであります。被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 先ほど、こちらに到着する以前に災害地の現場を見せていただきましたが、本当に、写真や新聞、テレビ等での拝見する状態と比べて、現場の状況は極めて厳しいものがあります。先ほど山梨県知事にもお願いをいたしましたが、私どもも全力を尽くして、この災害の現場に立ち会った者として、何としても、私ども予算委員会挙げて、与野党挙げてこの復興に御協力を申し上げたいと思っております。どうか御出席のそれぞれのお立場の皆さんから忌憚のない御意見を頂戴して、今後の予算審議の参考にさせていただきたい。そして、一日も早く山梨がもとどおり元気な山梨に復興されますことを、予算委員会一同、心からお祈りを申し上げるものであります。

 皆さん御承知のとおり、当委員会は、平成二十六年度の一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算及び平成二十六年度政府関係機関予算の審査を行っているところであります。

 本日は、三案の審査に当たり、国民各界各層の皆様方から御意見を頂戴したい、そう思って、当甲府市におきましてこのような会議を催しているところであります。

 御意見をお述べいただく皆様方におかれましては、御多用中にもかかわりませず、また災害でお忙しいところを御出席いただき、本当にありがとうございます。どうか忌憚のない御意見、県民の声を御反映いただきまして、よろしく、この委員会の審議が充実しますように、御一緒に御協力をお願いしたいと思います。

 以上をもって御挨拶を終わり、早速議事に入らせていただきたいと思います。

 まず、会議の運営につきまして御説明を申し上げます。

 会議の議事は、全て衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いします。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質問はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述者の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、自由民主党の林幹雄君、金田勝年君、あかま二郎君、大岡敏孝君、菅家一郎君、中谷真一君、湯川一行君、民主党・無所属クラブの長妻昭君、古川元久君、日本維新の会の山田宏君、坂本祐之輔君、公明党の石田祝稔君、みんなの党の中島克仁君、結いの党の柿沢未途君、以上でございます。

 なお、現地参加議員といたしまして、無所属の長崎幸太郎君が出席されております。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。

 山梨県知事横内正明君、公立大学法人山梨県立大学理事波木井昇君、山梨学院大学法学部教授中井道夫君、萌木の村株式会社代表取締役社長舩木上次君、以上四名の方々でございます。

 それでは、まず山梨県知事横内正明君に御意見をお述べいただきたいと存じます。

横内正明君 本日は、二階委員長さんを初めといたしまして、予算委員会の先生方には、この地方公聴会のために本県にお越しをいただきまして、まことにありがとうございました。

 去る二月十四日、十五日、本県は観測史上最大の記録的な大雪に見舞われまして、現在、その復旧途上にあるわけでございますが、そのような折、先生方をお迎えすることはまことにありがたいことであり、一日も早い復旧に向けまして、予算委員会の先生方の御支援を賜りますように、よろしくお願いを申し上げます。

 一時期は本県は陸の孤島となりまして、県民生活に大きな影響が生じておりましたけれども、ここ二、三日、事態は急速に改善をしてきております。道路の除雪につきましては、八百名を超える自衛隊員が投入をされ、加えて、国土交通省の緊急災害対策派遣隊、いわゆるTEC―FORCE、新潟県、長野県、静岡県等の支援をいただきまして迅速に進んでおりますし、本県と県外を結ぶ命綱である中央自動車道、JR中央線、身延線も復旧をいたしております。孤立集落も、一時は十五市町村で二千百世帯以上に上りましたけれども、本日九時現在では百三十四世帯にまで減少いたしまして、しかも、個々の世帯の安否もほぼ確認をされております。

 今回の豪雪に対しまして、政府には手厚い対応をしていただきまして、感謝にたえないところでございます。

 十六日日曜日の時点で、古屋防災担当大臣から、テレビ会議システムを通じまして本県に支援表明がございました。翌十七日月曜日には、亀岡内閣府大臣政務官を団長とする調査団が派遣をされて、おいでになりました。翌十八日には、豪雪非常災害対策本部の設置とあわせまして、本県に政府の現地対策本部が設けられまして、二十四名の政府関係職員が山梨県庁に常駐をし、県、市町村の各種の要望に対しまして、即断即決、迅速に対応をしていただきました。東日本大震災等の経験を経て、政府の災害即応能力が著しく高まっているということを痛感いたしまして、心強く思ったところでございます。

 今後の課題といたしまして最も大きいのは、農業被害の復旧でございます。

 先生方にもごらんをいただきましたけれども、今次の豪雪によりまして、ブドウなどの果物のビニールハウスが七、八割方損壊いたしましたことを初めとして、本日九時現在、把握している段階では、百七十ヘクタール、一千八十戸以上の農業被害が確認をされております。

 ハウス農家は、一般に高い営農意欲と営農技術を持ついわゆる篤農家でございまして、本県の農業の宝と言ってもいい存在でございますけれども、このたびの被災によりまして、すっかり農業継続の意欲を失っている人が多いと聞いているところでありまして、県としては、農業技術の継承という観点からも、ぜひとも、国、県、市町村が連携して手厚い支援を行うことによりまして、彼らの農業を何としても再建させたいと考えておりますので、よろしく御支援をお願い申し上げます。

 なお、あすあたりから暖かくなりますものですから、雪崩という二次災害の危険性が高まってまいりますので、これについては十分注意しながら今後の作業を進めてまいりたいと思っております。

 次に、山梨県政の当面の課題につきまして幾つか申し上げさせていただきます。

 第一は、企業の撤退とそれに伴う雇用問題でございます。

 本県の雇用情勢は大変に厳しく、直近の有効求人倍率は〇・八八、全国四十七都道府県のうち第三十二番目と低い状態でございまして、このため、人口の流出をもたらしているわけであります。これは、本県には機械電子産業が多数立地しておりますが、近年、中国、韓国などの新興国企業の追い上げによりまして、多くの県内立地企業が苦境に陥り、工場の閉鎖、縮小が行われたことによるものでございます。最近でも、九百名の従業員を擁するルネサスエレクトロニクス甲府工場の閉鎖が決定をされまして、地域社会に衝撃と不安を与えております。

 県としては、新たに雇用を創出した企業に常用雇用者一人当たり六十万円から百万円を交付するという全国でもトップクラスの支援内容を持っていると自負しておりますが、雇用創出奨励金制度というものを県の単独事業で創設して実施をしているほか、成長産業の育成強化などにより企業誘致と雇用創出に努めておりますけれども、県レベルの対応では限界があるというところでございます。

 グローバル化と新興国の追い上げによりまして立地企業が閉鎖または撤退する事例は、本県のみならず、全国で見られるところであり、地方の悩みの種となっております。

 ついては、地方における中小企業と雇用を守るために、企業撤退によって生じた空き工場を取得して活用する企業等に対して、国の補助または法人税等の減税措置を講ずるなど、思い切った地方活性化対策をとっていただきたいと要望申し上げたいと思います。

 第二は、富士山の保全、整備についてでございます。

 富士山の世界遺産登録が実現をし、本県としては、世界の宝となった富士山をしっかり保全するとともに、富士山を活用して、国際的にグレードの高い観光保養地を形成していきたいと考えております。

 一方、登録決定の際にユネスコからは、富士山の保全対策の強化、例えば、登山者の抑制だとか、開発のコントロールだとか、景観の改善といったことを勧告されておりまして、これらに関して、二年後に保全状況報告書というものを提出せよというふうに求められております。

 現在、静岡県及び地元市町村と保全対策を鋭意検討中でありますが、富士山の保全のためには、自然保護行政を所管する環境省、文化財行政を所管する文化庁、景観行政を所管する国土交通省など、国の積極的な支援が不可欠でございます。

 また、富士山噴火対策につきましては、静岡、神奈川、山梨三県と市町村に国の機関も加わりまして、災害対策山静神連絡会議というものを設置して避難対策等の検討を行っておりますが、これに関しましても国の積極的な関与をお願いいたします。

 第三は、リニア中央新幹線についてでございます。

 JR東海は、十四年後の平成三十九年度に東京―名古屋間を開業させることを目標としておりまして、ことし夏ごろまでに国へ工事実施計画の認可を申請し、認可後は速やかに事業を着手するとしております。

 本県は、用地取得を要する地上区間が他の沿線都県に比べて圧倒的に長いことから、用地取得担当の組織、人員を大幅に拡充し、円滑な用地確保を進めることとしております。

 言うまでもなく、リニア中央新幹線は東京―大阪間を直結することでその機能が十分発揮されるものであり、また、東京―大阪間のデュアルモード化による、災害に強い国土づくりへの貢献も期待されるものであります。

 JR東海は、名古屋―大阪間はこれから三十一年後の平成五十七年開業を目指しておりますけれども、国土強靱化という観点からも、国の支援により速やかな開業を期待するものでございます。

 また、リニア中央新幹線は、本県を初め沿線地域に何十年、何百年に一回というような大きな変化をもたらすものだと思います。リニアの山梨新駅は甲府市南部に設置をされますが、リニア開通後は、人の流れや県内の土地利用といった県土と国民生活のあり方が、リニア駅を中心として変化し展開をしていくだろうと思っております。

 このため、県といたしましては、県下各地からリニア駅までのアクセス道路の整備とか、リニア駅周辺の新しいまちづくりを進めていかなければなりませんが、これには本県の財政能力をはるかに上回る多額の資金を要するものでありますので、国の社会資本整備総合交付金等による重点的な支援をお願い申し上げたいと思います。

 なお、都留市にございますリニア実験線につきましては、国民及び海外のリニアに対する理解、関心を高めるため、一般人の試乗をできるだけ多く実施するようお願いを申し上げます。

 第四は、高速道路の整備についてでございます。

 お手元に図面がございますけれども、本県は、周りを山に囲まれている閉鎖的な地形の県でございますので、県民生活そして経済を円滑に運営していく上で、県内と県外とを結ぶ高規格道路が不可欠でございます。

 今次の大雪におきましても、中央自動車道が途絶をしたためにスーパーの店頭から二日、三日で生鮮食料品等が消え、これが開通すると、一日を待たずにもとに戻りました。また、自衛隊の支援部隊は、中央自動車道が途絶している間は機材、人員の本県内への搬入に極めて難渋したとのことでありまして、このようなことから見ても、中央自動車道は本県にとってまさに命綱、生命線でございます。

 しかし、中央自動車道の東京、神奈川の都県境にあります小仏トンネル付近では、関東地方の高速道路では最悪と言われる深刻な渋滞が発生をしております。この区間の渋滞は、本県はもちろんでありますけれども、長野県の諏訪とか飯田とか松本といった中信、南信地方、岐阜県の東濃地方の人々の生活、産業活動に大きなマイナスとなっておりまして、この区間の改築事業の早期の着手をぜひともお願いしたいと切望しているところでございます。

 また、中部横断自動車道は、東海道地域と中国、韓国の発展で重要性が高まってきている日本海地域とを結び、全国的な高速交通ネットワークとして重要な道路でありますし、また、切迫性が指摘されております東海地震が発生した際に、静岡都市圏に、北の方、北陸とか東北から支援の手を差し伸べる緊急輸送路でございます。

 この道路の南部区間、山梨県富士川町から静岡市に至る区間でありますが、これの早期完成と、北部区間、中央自動車道長坂ジャンクションから長野県の佐久に至る区間でありますが、これのルート決定と整備計画区間への格上げをお願いしたいと思います。

 このほか、富士山の裾野を走る東富士五湖道路の新東名高速道路への接続の早期完成や、地域高規格道路であって、山梨県内の各地からリニア新駅へのアクセスに必要不可欠な新山梨環状道路の早期整備等を要望させていただきます。

 以上、いろいろなことを申し上げたわけでありますが、先生方には、本県の事情を御賢察いただいた上で御支援を賜りますようお願い申し上げまして、私の陳述とさせていただきます。

二階座長 ありがとうございました。

 次に、波木井昇君にお願いいたします。

波木井昇君 ただいま御紹介をいただきました山梨県立大学の波木井でございます。

 本日は、このような席で意見を申し上げる機会を頂戴いたしまして、大変光栄に存じます。地方の大学に勤務する立場から、地域振興に関しまして私見を申し上げたいと存じます。お手元の私のレジュメも御参照いただきながら、お聞きをいただきたいと思います。

 まず最初に、簡単ですけれども、山梨県立大学の概要について申し上げます。

 平成十七年四月に、当時の県立女子短期大学と県立看護大学が統合して開学をいたしました。それから、五年後の二十二年に公立大学法人が設置されまして、その下で大学が運営される形態になっておりまして、より自由度の高い大学運営が可能になっております。

 国際政策学部、人間福祉学部、看護学部、それから大学院看護学研究科の三学部一研究科がございまして、在学生は約千二百名、教員が百十名と小規模な大学ではございますが、次に申し上げるような三つの特色を自負しております。

 一つ目は、高い就職率でございます。二十四年度の実績でございますが、卒業希望者のうちの九八・四%が就職をしております。それから二つ目が、きめ細かな教育、実践的な少人数教育を実施しております。教員一名に対しまして学生の数が十一名ということで、学生の数が低い数字になっております。それから三番目が、授業内あるいは授業外で地域に根差したフィールドワークというものを実践しておりまして、このために、学生の地域活動で得たいろいろな知識あるいは実行力が、高い就職実績の一因にもなっているものと考えております。

 ちなみに、山梨県内の高校から入ってくる入学者の比率が約五八%、県内に就職していく者の比率が約四四%でございます。

 次ですけれども、こうした中で、山梨県立大学は次の役割を二つほど持ってやっております。

 一つは、地域を支える人材の育成でございます。この人材には二つございまして、一つは、地域振興やまちづくり、産業振興、あるいは地域企業の国際化といったことを支えていく人材。それからもう一つは、専門職でございますが、看護師、保健師、福祉士、あるいは小学校、幼稚園、保育園等の子供の教育の教員の養成、そういった専門職の養成もやっております。そういったことのほかにもう一つ、山梨県立大学では、教員に対して、地域の課題に対して、それをテーマに積極的に研究するように奨励しております。そういう教員の地域課題への研究プラス、学生も教員と一緒になって地域課題について取り組んでおりまして、そのことに本学としては力を入れております。

 そういった実績を踏まえまして、昨年度、国の、文部科学省の予算を頂戴いたしまして、大学COC事業を今現在実施中でございます。昨年、平成二十五年度、今年度から五年間の予定で採択をしていただきましたが、これは非常に倍率が厳しくて、約六倍の大学の申請の倍率がございまして、その中で約五十大学が平成二十五年度に採択をされております。山梨県立大学は、山梨県内では唯一採択をされております。地(知)の拠点整備事業とも言っておりますが、大学は、もともとから、地域の活性化や再生の中核として、いろいろな活動を資源を使って発揮していくことが期待されておりますけれども、この文科省のCOCの事業では、大学が地域とより密接に連携をしまして、全学的に地域を志向した教育や研究を進める大学を支援することで、地域の課題に資するような人材の育成とか、あるいはそういった人材や情報、技術が集まる地域コミュニティーの中核的な存在としての大学の機能をさらに強化していくということを目的にしているわけでございます。

 そういう中で、山梨県立大学のCOCとして、この概要を簡単に御説明申し上げます。

 平成二十五年度から五年間の予定でございますが、一つの特徴は、連携する自治体、例えば山梨県とか甲府市さんと連携をしておりますが、そういう連携自治体と大学との対話の場というものを非常に整備していこうとしております。例えば、知事様と甲府市長さんと大学のトップというような、トップ同士のいろいろな対話。その対話というのは、地域の課題とニーズと大学の資源をマッチングして活動していくわけでございますけれども、そういうトップ同士の対話に加えまして、例えば、ある分野の専門の大学の教員とその分野に対応した自治体の担当者の方の対話だとか、あるいは、学生とNPO、住民と大学、あるいは自治体との対話、あるいは、ある自治体とうまくいった事業を全県的に広めていくために、広く県民と大学との対話とか、そういった対話の場を今整備しようとしておりまして、そういう大学のシーズと地域のニーズのマッチングも努めております。

 もう一つの特徴でございますが、例えば観光振興、例えば甲府市の観光振興とか、あるいは地場産業振興といった具体的なプロジェクトをこのCOC事業の中でやっておりますが、そういう個別の連携事業は、RPDCサイクルと申しまして、調査研究、計画、実践、評価といった四つのフェーズを明確に区切って、例えば期間としては一年半から二年ぐらいでやっておりまして、そういうサイクルの中に学生も取り込んで、教育のカリキュラムも行っております。

 こういう形でもって、文科省の意向としては、地域の課題解決に資する人材の育成と同時に、大学の改革も図っていくということが文科省の目的でございますが、そういう大学の改革もあわせてやっております。そうすることによって、少子化とか高齢化、国際化、あるいは地域づくり等の地域課題に対する実践力のある人材の育成ができると期待をして、今やっているところでございます。

 次に、国への要望を三点ほど申し上げたいと思います。

 まず第一点目でございますが、そういう地域の活性化等に資する人材の育成というものに力を入れてやっておりますが、特に今年度からは国のお金もいただいてやっておりますが、そういう大学COCの事業のようなことを、地域づくりに資する人材の育成については、ぜひ引き続き御支援を頂戴したいと思います。多分、平成二十六年度の予算の中にもこの大学COC事業が入っておりますけれども、引き続きこの面での御支援をお願いしたいと存じます。

 それから二つ目でございますが、そうはいっても、地域で、大学で育成した地域活性化に資する人材が、地域に残って企業なりに入って何か力を発揮するという場がそう多くはない現状であります。地方の大学で教育した学生が、地域に自分の希望する職場がないということで、東京の方、首都圏に就職していく現状がございます。地方の大学としては、せっかく教育して、地域のためになってくれると思ってやっても、中には、やはり東京、憧れというものもあるかもしれませんが、東京に行ってしまうという現実がございます。

 山梨県立大学は、県外では静岡とかあるいは長野県の出身者が比較的多いんですけれども、例えば、静岡の方が県立大学で勉強して、そういう人がやはり東京に就職していくようなパターンも見られます。そういう人を、ぜひ、静岡に帰る、あるいは山梨に帰るとか、地域で頑張ってもらうような、なるべく雇用の場というものが地域でふえるように、それは、国としてそういう政策をぜひやっていただければと思います。

 それは、東京一極集中、人材の中央への吸い上げというものがあると思いますけれども、そういう東京一極集中の是正ということになるかもしれません。

 三番目でございますが、中山間地域への国としての手厚い気遣いというものを、ぜひ引き続きお願いしたいと存じます。

 中山間地域、これは、平野の周辺部から山間部あたりを言っているわけでございますけれども、例えば、山梨県は県土の七八%が森林です。森林と中山間地域は全く同じではありませんが、例えば、森林の面積で見ますと、山梨県は七八%が森林、日本平均では六七%でございますので、山梨県はそれだけ森林が多い、それだけ中山間地域も多いということが言えるかと思いますが、この中山間地域はやはり特別な多機能の機能を果たしております。

 例えば、農林業が行われていますけれども、水源の涵養をしていたり、洪水や土砂の防止といった国土の保全とか、農業を通じて安心、安全な食の提供をしている、あるいは都市住民への癒やしの空間の提供にもなっています。例えば、自然環境あるいは景観に引かれて都市住民がやってきます。あるいは、伝統芸能を見に来たり、その地域地域の食事を楽しみに来ている、そういう形でもって癒やしの空間の提供にもなっております。

 そういう上流、下流の関係でいいますと、下流部の都市部住民を含めて、多くの国民の財産とか豊かな暮らしを守っているというのが中山間地域だと思いますが、だんだんと人口減少になっておりまして、そういった機能を維持していくことがなかなか難しくなっているように思います。

 都市部は中山間地域に支えられているということが言えると思いますので、そういう中山間地域に手厚い御支援というものも国の政策としてぜひお願いしたいと思います。

 大体時間でございますので、陳述は終わらせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。

二階座長 ありがとうございました。

 次に、中井道夫君にお願いいたします。

中井道夫君 山梨県にございます山梨学院大学の法学部政治行政学科というのがございますが、そこで教員をやっております中井道夫と申します。

 横内知事が山梨の問題ということで今回の雪の害の問題について詳しく述べられましたが、私は、今回の雪の害を中心とした山梨県の現況と課題ということで述べさせていただきます。

 プリントの二から始めたいと思っておりますが、現況としまして、今回、中央自動車道という高速道路が寸断されましたために物流が途絶えた、そのために生鮮食料品がスーパーからなくなってしまったという現況が一つあります。これは物流の問題ですね。

 もう一つは、この中央道の寸断のみならず、JRの中央本線がとまってしまったために、物流及び人、旅客の問題です、これが大きな被害を受けたということ、これが二つ目です。

 もう一つは、県内にあります準幹線道路とか生活道路が大雪で埋まってしまったために、学校とか職場、さらに病院といったところへ通勤通学ができなくなった、また病院に行けなくなったという問題が生じたわけです。

 さらに、富士河口湖、早川町などの山間部がございますが、そういうところでは、電気、ガス、水道といったライフラインが寸断されてしまったということ。

 また、知事も力説されていましたが、農業被害。ハウスの崩壊等で、農業被害、大きな被害が起こった。

 こういうようなことが現況として挙げられると思います。

 それをもとにしまして、課題がございます。

 一つは、道路・交通システムが非常に弱いということが明らかになりました。

 山梨県は車交通に頼っているモータリゼーションの県でございますけれども、統計的に見ましても、一世帯当たり一・五四台のマイカーを保有しているという統計が出ております。これは、四十七都道府県中で十番目でございます。

 JR及びバス等の公共交通については、非常に未整備、未発達でございます。

 さらに、ブルドーザーを中心とした除雪車が非常に不足をして、多くの車が路上で停止をしてしまったという現況がございます。これが大きな課題です。

 さらに、東京と結ぶ自動車専用道路が中央道だけであって、ここが麻痺をすることによって物流がとまるということで、これが一つの大きな課題となっております。

 つまり、車交通だけに頼る度合いが強いものですから、このモータリゼーションの問題が雪の害に対応できないという現象が起こっているのだろうと思います。

 幹線道路の整備が必要だということはここで明らかなわけですが、幹線道路ということを考えますと、自転車道、自転車の専用道路というのが最近整備される県も出てきたり、また東京でも大きな話題になっておりますが、山梨県では、幹線道路が少ないということと同時に、道全体が狭いものですから、自転車の通るスペースがほとんどありません。

 したがって、この自転車専用道路を整備しなければいけないというのが一つの課題でありますし、また、市街地の内部に散歩できる都市公園が少ないということも大きな課題の一つだろうと思います。

 三番目に、限界集落という、六十五歳以上の高齢者の人口が全人口の五〇%以上の集落、これが山梨県の場合は非常に多く出現をしてきております。

 四つ目に、今回の雪に関して、除雪作業に関して、地域コミュニティーの崩壊の問題が大きな問題となったと思います。地域で除雪作業ができているところは、地域コミュニティーがあって、お互い助け合いながら除雪作業をしていますが、コミュニティーがないところはなかなか除雪作業が進まないという現況があったと思います。

 五番目に、農業ですけれども、耕作放棄地が多くて、農業経営者の高齢化と後継者不足、こういうものが進んでいるという課題があります。

 六番目に、県内の自治体に関しても、コミュニティーバスというのを自治体経営で動かすところがふえてきましたけれども、これをよく見ますと、このコミュニティーバスは行政区域の範囲だけでしか走っていないわけで、区域を越えた病院等には行かない、こういう課題がございます。

 七番目に、雪の害に対する危機管理というのが不十分で、除雪車などの重機の準備が不十分だったということが露呈をされたかと思います。

 このような課題を受けまして、今後の対応及び将来構想に関して提案をさせていただきます。

 一つ目は、中央道だけではなしに、静岡方面との専用自動車道、山梨では中部横断道と申しますけれども、こういうものが代替的にあれば、東京と結ばれている中央自動車道がもし不通になっても、もう一つ生命線ができるのではないかということで、現在建設中ではございますが、中部横断自動車道、これの早期開通が大きく望まれるわけです。

 二つ目に、新交通システムの問題です。

 今回の雪害のもう一つの大きな原因は、マイカーに依存をしていた、依存が非常に大きかったもので、一台の車がとまりますと道路自体が不通になってしまうという現象があったわけです。そういう意味で、マイカーだけに過度に依存をするのをやめて、雪の害とか洪水、そういう災害に強い新たな公共交通システムを開発するのが大きな課題、方向性だろうと思います。

 例えば、軌道のある、レールとタイヤの両方を有している低床の公共交通システムなども検討すべきではないかと思います。また、高齢者や学生生徒に関してはマイカーを運転できないわけですから、こういう今後の高齢化にも対応できる公共交通システムの整備に力を注ぐべきではないかと思います。

 三点目に、広域のコミュニティー交通システムの整備です。

 行政区域を越えて走る広域的な公共コミュニティー交通システムが必要になってきている。ですから、これを整備するということが今後の大きな課題ではないかと思います。

 四点目は、今回の雪の害と若干ずれますけれども、健康都市構想の問題です。

 幹線道路を整備するわけですが、その整備とあわせて自転車専用のレーンを整備することによって、健康都市というものが一つ実現できるのではないか。また、中心市街地に、都市の居住者が気軽に運動や散歩できるような小規模の公園を整備する、これも健康都市構想の一環だろうと思います。

 五つ目に、地域コミュニティーの再生でございます。

 今回の除雪作業で再確認されました地域コミュニティーの重要性。人口減少や高齢化が進む現在にあって、地域コミュニティーが崩壊しつつあって、冠婚葬祭の事業が村でできない、集落でできないということがあります。ですから、ますますこの地域コミュニティーを再生して、今後、地震とか雪害、洪水、そういうさまざまな自然災害がやってきたときに、そういう災害に強いまちづくりを精力的に行う生命線が、一つ、コミュニティーの再生であると思います。

 以上で、私の報告とかえさせていただきます。ありがとうございました。

二階座長 ありがとうございました。

 次に、舩木上次君にお願いいたします。

舩木上次君 きょうは、このような機会を下さいまして、ありがとうございます。

 議員の先生には質問をしてはいけないというふうに言われましたけれども、自問自答してください。皆さんは政治家ですか、政治屋ですか。

 私は、最近いろいろ考えます。弱者ですか、怠け者ですか。あるいは、病気を治す医者でしょうか、病気を食い物にする医者なんでしょうか。そのどちらも、今言ったそれ以外にもたくさんあります。たくさんありますけれども、本質でない人たちの方が力を持ってしまって、そこが決定権を持っているのではないかというふうに非常に思います。

 例えば、私は、東北の震災が起きた後、何回か東北に行っております。皆さんも御存じのとおりに、いわきに行きますと一万軒の仮設住宅がございます。人口は三万人ふえたと聞いております。しかし、その三万人の人たちが仕事をしておりません。中には弱者の方もいます。そこは手を差し伸べなければいけないと思いますけれども、仕事をしてしまいますと補償が出なくなる。そのために、毎日パチンコ屋に行かなければならない。そして、そのパチンコ屋からどこへ資金が流れるんでしょうか。

 もちろん、弱者の方々がいますから、そういう人たちを私はないがしろにしろというふうに言っているわけではございませんけれども、その辺の区別ができない。その辺の区別をしっかりしなければならないのが、私は、リーダーではないかというふうに思っております。

 それから、都会と田舎、ここに問題がたくさんあるというふうに思っています。なぜ都会のルールを田舎に押しつけるのでしょうか。建築基準法、食品衛生法、消防法等々々。なぜ東京のルールを、あるいは大都市のルールを田舎に持ってくるんでしょうか。

 あるいは、今回、早川町が非常に、雪で覆われ、大変なことになりました。私のおやじのふるさとは丹波山でございます、奥多摩湖の上の方でございます。しかし、あそこの道路は見事なくらい整備されています。二車線の弾丸道路が走っております。早川町にも私は行きます。二車線の道路が走っております。人口は千数百人ですけれども、常駐しているのは千人を切っております。そこになぜ二車線の道路が必要なんでしょうか。

 二車線の道路をつくるということは、一車線の道路をつくる二・五倍から三倍の経費がかかります。一車線が二車線になったから、二倍になるということではございません。山梨のような中山間では、崖を切り開かなければなりません。土の移動量は、二車線にした場合、四倍になってしまいます。そこに交通量が頻繁にあるわけではございません。それならば、一車線でもいいのではないでしょうか。待避所があればいいのではないでしょうか。しかし、どういうわけか、国のルールの中で道路整備をすると、地方で必要ないといっても、それだけのものが必要になってしまいます。

 私の隣の長野県の南牧村は、今回の雪害のとき、あっという間に、一家に一台トラクターがありますから、雪の除雪は一日で済んでしまいました。しかし、南牧の人たちが、今、私の清里まで来て、そして雪の除雪を手伝ってくれていますが、その人ときのう私は話しました。

 南牧というところは、今、畑の中に農道整備をいっぱいしております。U字溝を入れて舗装をかけております。なぜ畑の中の農道に、トラクターが走るところに、U字溝をつけて舗装道路が必要なんでしょうか。あなた方は本当に必要なのかと言うと、必要ないに決まっている、トラクターで十分だ、こう言う。それならば、早川町でも、小菅村でもそうなんですけれども、私は、道路を整備するならば、ウニモグという、ドイツにある、十輪の、どんなところでも入っていく車がございます、そういうものを置いておく方がはるかに効率はいいのではないでしょうか。

 私は、人間それぞれの、先生方も私たちも、持っている発想というものは、親からいただいたDNAで真っ白のハードのコンピューターを手に入れているというふうに思います。そして、出会った人、出会った時代、出会った場所というものがソフトに入ってまいります。そして、そのソフトから発想が生まれてまいります。

 私は、国のリーダーになる人たちは、未来を予測する、そういうものを今までに蓄えて、そして創造性と感性を持った、そこで決定していくというふうな能力が求められているのではないかというふうに思うんです。ところが、今そういう人がいない。現場の、目先の対応能力はあるかもしれないけれども、私は、現場の、目先の対応能力は地方に任せてくれればいいと思っている。我々の方がはるかにノウハウを持っている。

 例えば、山梨県のような中山間の道路を見てください。今回、雪が降って、私どものところでは、小海線も、あるいは市道も、それから県道も、大きな木が倒れました。

 なぜ倒れたかというと、平らのところと、私たちの中山間では、斜面があるところでは、道路をとったときに必ずのり面というのができてしまいます。のり面は、最初は、道路をつくって芝をふきつけて、そして土の流れを抑えます。芝が生えてきますと、木が種をそこにまき散らします。そうすると、木が育ち始めます。

 普通のところでは、腐葉層と表土というのがあって、ゴボウ根というのが生えていますから、木はしっかり定着しております。

 しかし、山梨県の山の道路はほとんど、斜面とそれから埋め立てたところでございます。そこのところの木は、小さいうちはいいんですけれども、道路をつくって何年かたちますと、そこに木が生え、そして大きな木になってきます。そうすると、雪が降ったときに耐えられなくなります。それが倒れてきます。そんなことはお構いなしだ。今、我々のところでは、そういう危険が山のようにあります。

 それから、東北へ行っても私は非常に感じます。なぜ東北で、多分、同じような地震は、百年かからないとエネルギーがたまらないのではないですか。しかし、セメントの工事は、百年でセメントは劣化いたします。そこに、百年後の津波のために、百年後に劣化して耐久力のない防波堤をなぜつくらなければいけないんですか。

 私は、雲仙・普賢岳に昔行ったことがございます。あそこのところには、土石流を防ぐためのダムがずうっとつくられておりました。そして、土石流をこれで防げるんだという話を聞きました。普賢岳が爆発した後、行きました。それは全て消えてなくなっておりました。

 よく考えてみれば、富士山だって同じです。駿河湾にあった富士山が今あそこまで押し寄せられているわけです。

 人間が自然をコントロールするなどということは、私はおこがましいというふうに思っています。それならば、自然とどう共生するかということだと思います。

 私が東北へ行ったときに、東北の人たちはみんな言いました。百年前、江戸時代、明治、津波が来たら逃げろ、逃げる道だけ確保しておけば、そうすれば救われると。

 しかし、巨大な公共工事で、そして災害を防げると。災害を防げるのは、小さな災害だけでございます。想定外というのは、皆さん、私たちも、今までは想定外というふうなことで逃げてまいりましたけれども、災害は、想定外などというものはございません。それならば、やはりもう少し人間は謙虚になるべきではないかというふうに思います。

 それから、先ほど言いましたように、私は、建築基準法や食品衛生法やそれから消防法や、いろいろそういうふうなもので、地元で新しい発想をしようと思っても、その壁に、いつも法律の壁に私たちは打ちのめされてしまいます。

 この間、隣の村に行きました。耐震工事をやりました。そこのところで、新しくするために、非常口の看板がいっぱいついておりました。そこの村会議員の人に言いました。おまえたちと役場の職員と村の人しかここは利用しないじゃないか、そこになぜああいうふうな非常口の看板をつけなきゃいけないんだ、そして、それをつけて、一年に一回はチェックして、こんなことは東京で不特定多数の人たちが利用するところに必要なのであって、こういうところには要らないだろうと。

 あるいは、私の隣には牧場がございます。なぜ朝搾ったおいしい牛乳を我々は飲んではいけないんでしょうか。世界もそうなんでしょうか。

 食品衛生法という法律があって、牧場で、隣のうちですよ、搾った牛乳を私たちは飲むことができません。それは、東京に持っていって安全、安心ということは必要なのかもしれませんけれども、私たちが田舎で生まれ、田舎で育っている、田舎で最大にメリットがあることは、新鮮なものを飲んだり食べたり、そしてそれをお客様にもてなしとして使うというふうなことではないのかと思うんです。

 そういうふうな意味では、私は、都会のルールと田舎のルールを変えてもらいたい、そしてそれをすることによって田舎の魅力を高めてもらいたいんです。

 それから、山梨県の場合には、地場産業は、宝飾、ワイン、そして甲斐絹というふうに言われています。ワイン一つとっても、フランスには絶対勝てません。それ以外の国にも勝てないかもしれません。それはなぜかというと、二十過ぎてからでなければワインを飲むことができないからです。フランスのワインをつくっている方々は、小学校、中学校から飲んでいますよ。

 基本的に、もう我々は、まるでエレファントシンドロームかゆでガエルのように、常識というものに縛られております。そして、国民は、そんなものに縛られて、みずからが新しい創造をしようとしておりません。そして、このような会議をすると、多くの人たちは国に何かを求めるだけです。

 私は、何かを求めている人たちに与えても無駄だというふうに思っています。私は、自立した人たちに援助する、自立した人たちに力を差し伸べるということが必要なのではないかというふうに思っております。

 この山梨県は、全国で全く異質な場所でございます。海抜が百メートルぐらいから富士の頂上までの高低差を持っております。水は、八ケ岳、南アルプス、富士山、秩父と、それぞれ違う水質の水を持っています。そういうふうなものから、私たちは、新しい価値を生み出すということをこれからしていきたいというふうに思っております。そのためには、今までの私たちが持っている価値観を根本から変えて、新しい創造をするということだというふうに思っております。

 そして、経済的な発展を求めることがいいのか。

 私の町は清里というところです。開拓で入って、苦しい中で観光地になり、そして豊かになりました。その後、衰退の一途をたどりました。私の仲間はほとんど失いました。

 経済的に豊かになっていく場合、経済的な豊かさと文化度の豊かさが求められております。中国の方々を見てください。経済的には私たち以上に豊かになってきたというふうに思います。しかし、あの生き方がすてきなのでしょうか。私は、そうは思いません。

 やはり、経済的な豊かさとともに人間的な豊かさを求める、そういうふるさとをつくりたい。そういうふるさとをつくるために、皆さんに、皆さんが何ができるかということを考えていただきたいというふうに思います。

 それから、きょうここに、この会をやるために一体幾らの経費をかけているんでしょうか。私は、十分のために何百万もの予算を使うことが本当に正しいのか正しくないのか、もう一度考えてもらいたいというふうに思います。

 それから、このようなセレモニーで、繰り返し繰り返し、本音の、深い、奥深い議論がされないことがとてももったいないというふうに思います。もし時間があるならば、私のところへ来てください。そして、夜を徹して、皆さんとともに地方のことを、あるいは地方の悩みを聞いていただきたいというふうに思います。

 以上です。

二階座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述者からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

二階座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林幹雄君。

林(幹)委員 自民党の林幹雄でございます。

 質疑に入る前に、今般の大雪によりまして、山梨県を初めとする各地で観測史上最も深い積雪となりました。全国でも多くの方々が亡くなられました。亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に対しても心からお見舞いを申し上げます。

 私は、特に横内知事にいろいろ御意見をお伺いしたいと思います。ちなみに、横内知事とは、平成五年衆議院初当選、同期でございまして、言ってみれば同期の桜、久しぶりにお目にかかったわけでございます。よろしくお願いいたします。

 先ほど委員長からも触れられましたけれども、我々、この地方公聴会に来る途中、雪害を視察してまいりました。甲州市の勝沼のブドウハウスの崩壊現場を見てきたところでございます。

 そこで、いろいろ知事からも話がありましたけれども、山梨県における豪雪被害に係る政府の対応についてどう思われておるか、先ほどもちょっと触れましたけれども、と同時に、農業への影響が非常に大きい、現実、我々も目の当たりにしたわけでありますけれども、その被害状況とともに、今後必要な支援等につきまして、御意見をお聞かせいただければというふうに思います。

横内正明君 林委員からの御質問は二点ございます。

 一点目は政府の対応ということでありますけれども、先ほども陳述で申し上げさせていただきましたけれども、これは決してお世辞じゃなくて、本当に手厚い、また迅速な支援をしていただいたと感謝をしております。これはもう県民共通の思いではないかというふうに思うわけであります。

 とりわけ大きかったのは、やはり、自衛隊を集中的に、少しずつということではなくて、一挙に八百人からの自衛隊を投入して、全県に展開をして一挙に除雪をしていただいた。これはもちろんほかの機関もやったわけですけれども、自衛隊の人の力は極めて大きいものがございました。

 それから、いわゆる集落の孤立世帯、みんな高齢者ですから、これへの対応というのは、やはり自衛隊がヘリコプターあるいは直接に出かけていって救済しなきゃいかぬ場合も非常に多いわけでありますが、そういうことをやっていただいたのも、やはり一挙に相当な量の人員を投入していただいたということは非常に大きかったと思います。

 それからもう一つは、政府の現地対策本部というものを山梨県庁に設置していただいて、内閣府政務官が長になって、二十四人からの、各省庁の出身の方々が集まって一つの部屋に全部詰めていただいた、きょうで四日間になるわけでありますけれども。そして、いろいろな要望に対しまして、ほとんどワンストップで、ああわかった、では、これはこの省庁だからおまえがすぐやれ、こうやってワンストップで対応していただいている。これが極めて迅速だったというふうに思いまして、この政府の現地対策本部という仕組みは極めて有効に機能するものではないかと思ったところであります。

 そういう意味で、私どもとしては、今回の政府の対応に対しては不満はございませんで、大変に手厚い対応をしていただいたというふうに思っているところです。

 それから、農業被害についてでございますけれども、恐らく山梨のハウス全体の六割ぐらいが被害を受けているという状況でございます。

 特に、ブドウ、桃のハウスが非常に大きいわけでありまして、先ほど申しましたけれども、やはりハウスをやる農家というのは、本当に一生懸命農業をやっている、また、その技術が非常に高い、質のよい、かなり高価な果物をつくっている農家であります。果物の栽培技術については非常にすばらしいものを持っておりまして、この技術というものを残していかないと、若い人がこれから農業に入ってくるときにその技術を伝承してやらないかぬものですから、私どもとしては、ぜひそういう農家が再度ハウス農業をやってくれるように支援をしたいというように思っております。政府が御支援をできるだけいただいて、その上に我々としては県、市町村で上乗せ的な支援をしても、ハウスをこれからぜひひとつ残していきたいというふうに思っているところです。

 何といっても、やはり再建には一つのハウスで一千万円ぐらいかかりますし、それから、もう一回全部植え直さなきゃいかぬものですから、四年か五年はブドウはとれませんから、その間どうやって生きていくかということもありますし、いろいろな支援が必要だと思います。

 いずれにしても、我々としては、政府の御支援を最大限いただいて、その上に県、市町村で上乗せ的な支援をしても、ぜひ、本県のハウス農業、そしてその技術というものを残したいというふうに思っております。

林(幹)委員 今、この車中で、委員長から農水省に要請をして、しかるべき人を派遣してほしい、派遣しろという話をいたしまして、早速、日曜日に林大臣が山梨入りをしていろいろ視察をするということでありますから、元気が出るような構えで折衝していただければというふうに思います。

 次に、国土強靱化についてお尋ねをしたいと存じます。

 私、自民党の国土強靱化総合調査会、会長は二階委員長が務めているんですけれども、そのもとで会長代理を務めて、二年半にわたって取り組んでまいりました。

 昨年の臨時国会で基本法が成立したわけでありますけれども、議員立法でありまして、公明党さんと共同提出をいたしまして、生活の党には賛成いただいたんですけれども、ほかの野党は残念ながら反対でありましたけれども、それでも何とか成立をいたしました。あわせて、首都直下地震対策特措法あるいはまた南海トラフ地震対策特措法、これも成立を見ることができました。

 昨年末に強靱化基本法が政府において施行されたわけでありまして、法に基づく基本計画の策定に向けた検討が始まっているところでございまして、国土強靱化に向けた動きが本格化しつつあるところでございます。

 きょう、ここに来る途中、笹子トンネルの崩落現場も、車中からでありますけれども視察しました。私どもは、昨年の一月に、この調査会として、現地におりて作業を見守ったりいろいろお聞きしたりして、視察をしたところであります。

 やはり、そういう進める中において、山梨県は、重点化あるいはまた優先順位づけが行われていくわけですけれども、そういうことを、老朽化対策を含めて、国や地方自治体がどのような施策に重点化していくことが望ましいとお考えかをお聞かせいただければというふうに思います。

横内正明君 私どもとしては、国土強靱化計画には大変に期待をしているところでございます。

 先ほど申しましたように、山梨のように非常に閉鎖的な地形ではやはり外との交通のパイプというのが非常に大事でございまして、とりわけ、一旦災害などが起こってそれが途絶したときには、もちろん県民生活もそうでありますし、人命にもかかわるような被害が生ずる可能性が高いものですから、やはり外との交通のパイプというのをしっかり確保するというのがこういった閉鎖的な地形においては基本だというふうに思っております。

 しかし、遺憾ながら、中央道はありますけれども、これ一本しかない。中央道の小仏トンネルで非常に渋滞が起こっているということもありますから、やはり、デュアルモードあるいは三重化、外とのパイプというのを、中部横断道とかそれから東富士五湖道路というようなものでありますけれども、強化をしたい、これをお願いしたい。これはもう本当に切実な願いでございます。

 それから、強靱化ということでいいますと、やはり、今回の経験を踏まえて、自衛隊とか国土交通省のTEC―FORCEとかあるいは各県の支援部隊、こういうものが被災地にどっと来てくれるということは、これは非常に大きな力になる。それは、地元の人間というのは、災害が起こって非常に混乱して、どうしたらいいかわからぬような状態になるわけですが、そういうときに、どっと来て、冷静に、いろいろなアドバイスをしながら、しかも迅速にてきぱきと物事を処理していただく。それで地元の人間も落ちつき、地元としてもフルに能力を発揮できるということがありまして、こうした広域的な支援体制みたいなものはぜひこれからも充実をしていただきたいというふうに思っております。

 それから、老朽化の関係は、本県も、笹子トンネルの事故がございましたので、公共施設の老朽化には力を入れているところであります。長寿命化計画をつくりまして、十年なら十年、十五年に一回補修をいたしますと金がかかるものですから、三年、五年ぐらいずつに、少しずつではありますけれども常に補修を続ける、それによって割と安く長もちができるということでありまして、そういうことをやっているところであります。

 その際に、長くなりますから詳細なことは申しませんが、防災・安全交付金というのが今、国にございますけれども、ぜひこれの使い勝手を、いろいろな条件をつけるというのじゃなくて、この防災・安全交付金の使い勝手をよくしてもらいたいということが一点。

 それからもう一つは、劣化のいろいろな調査とか、そういうものについての技術開発、それから技術者の充足をしていただきたい。

 端的に言うと、例えばコンクリートの劣化は、打音検査なんかでああいうようなのをやっているのは極めて原始的なものでありまして、もっと科学的な検査の仕方があるのではないか。また、そういうものを検査する技術者が割とまだ足りないものですから、そういうものの育成というものをぜひやってもらいたいなという感じがしております。

 以上でございます。

林(幹)委員 次に、鳥獣被害対策についてお伺いをしたいと存じます。

 今、日本全国、鹿やらイノシシやらが農作物を荒らし回っておる。今では、農作物に飽き足らず、人にまで危害が加わるようになってきて、大変な話になっているわけであります。

 私ども、自民党の鳥獣捕獲対策議員連盟でこれに取り組んできておりまして、一昨年ですけれども、特措法を一部改正いたしまして、退治するのを加速しようということで進めました。我々野党だったものですからなかなか思うようにいかなかったんですが、本県の輿石参議院現副議長にも大変お力添えをいただきまして、全党でこれを成立させたんですけれども、とてもとてもこれでは追いつかないということで、今回、この国会でまた新たに法改正をすべく、今準備に入っているところでございます。

 そういう中で、山梨県もやはり、県土の七八%が森林であって、耕作放棄地率が大体、全国のワーストツーとかというふうに聞いておりまして、この被害も甚大なんだろうというふうに推測するわけであります。

 そこで、この鳥獣被害対策につきまして、我々は、被害を防止する鳥獣の捕獲目標をまず設定して、そして捕獲の強化を図ることが重要だということで、今、環境省にも提言しているところなのでありますけれども、そういう中で、山梨県における野生鳥獣の被害状況、捕獲活動、あるいはまた国に対する支援など要望がありましたら、お聞かせ願いたいというふうに思います。

横内正明君 鳥獣被害についてでございますけれども、御指摘のように、本県にとっては大きな課題の一つでございます。

 委員おっしゃるように、目標を設定して進めていく必要があるというのはそのとおりでありまして、本県の場合には、例えば鹿について申しますと、毎年一万二千頭捕獲をしようという計画を立てております。

 これはどういうあれかといいますと、鹿の頭数は今大体四万頭ぐらいいるわけでありますが、全県下で四万頭いるわけでありますが、適正な鹿の頭数というのは四千七百頭であります。したがって、言ってみれば八分の一ぐらいに減らさなきゃいかぬ。そのために、計算をしていきますと、やはり毎年一万二千頭ぐらいは捕獲をしないととてもとても適正生息頭数には追いつかないということで、一万二千頭捕獲を目標にしてやっておりますけれども、しかし、やはりまだ一万頭ぐらいしかどうしても捕獲できない。県としても相当な金をつぎ込んでおりますけれども、それでも捕獲ができないということであります。

 それは、ほかの県もそうですけれども、やはり猟友会が高齢化をしてその能力が低下をしているということが一番大きいところでありまして、捕獲者、捕獲技術者の育成というのが大きな課題になっております。

 山梨県では、猟友会の中に幸い青年部組織というのがあって、これが結構、非常に若くて意欲を持った人々がかなりいるものですから、その青年部を言ってみれば一つの中核的な部隊にこれから育て上げたいというふうに思っておりまして、来年度からはその青年部に対して直接捕獲を委託するということもやっております。本県の場合には、そういうことで、猟友会青年部というものをしっかりした捕獲部隊に仕立て上げていきたいというふうに思っております。

 ほかの県は、場合によっては、例えば民間のそういう捕獲企業みたいなものを育成しようというような動きもあったりいたしますが、いろいろな方法があるにせよ、いずれにしても、捕獲の技術と能力を持った力のある捕獲事業主体というものを、国としてぜひつくり上げていくことに力を注いでいただきたいとお願い申し上げたいと思います。

林(幹)委員 時間が少なくなりまして、ちょっと、先ほどワインの話が出ましたけれども、山梨県はワインにも相当力を入れているというふうに聞いておりますし、輸出を相当促進を図るべく取り組んでいる。知事もその中心のロンドンにはよくPRを兼ねて出向いているというふうにお聞きしているんですけれども、今後、山梨県としてはどのような輸出促進のための取り組みをしようとしているのか、ちょっと教えていただければというふうに思います。

横内正明君 山梨県はワインの産地でございますけれども、最近、山梨に限らず全国のワイン、日本ワイン、日本のブドウでつくった日本で醸造したワイン、日本ワインが非常に質がよくなってきておりまして、これはどこの県のものもそうですが、外国の良質なワインと全く遜色ないような質のものがたくさん出てまいりました。

 本県の場合には、ワインの中で、特に甲州ワインというものを一生懸命販売努力をしているところであります。甲州ワインというのは、甲州でできれば赤ワインも甲州ワインだと思っている方がおりますが、そうじゃなくて、甲州ブドウという山梨で千年昔から栽培されたブドウがありますが、そのブドウを使ってつくられた白ワインが甲州ワインなんですけれども、これが、やはり山梨産、日本産のワインなものですから和食に非常に合うということで、そういう専門家からも確かに和食に合うと評価をいただいておるものですから、和食が世界的にブームになっておりますので、それを手がかりにして、和食に合うワインということで、大いに、国内はもちろん、世界にも売り出したいと努力をしているところです。

 五年前に、二階先生が経済産業大臣のときに地域ブランド推進事業というのがございまして、その補助金をもらって、ロンドン、ロンドンはワインでは世界の中心でございまして、世界のワイン情報の七割がロンドンから発せられる、それだけワインジャーナリストがあそこに多く集まっているところでございますから、ワインの世界では、ロンドンを制すれば世界を制すると言われております。したがって、その後、毎年、ブランド事業という国の助成を使いまして、ロンドンに行ってロンドンの専門家等にPRをしてきているところであります。

 私は、特に先生方に知っていただきたいのは、ロンドン大使館が非常に熱心に、そういう日本の、国産のものの売り出しというようなことについては、いいよ、大使館を使ってくれといって、使ってやっていただけますし、大使自身が一生懸命売り出しの手伝いをしていただけるというようなことがありまして、ありがたいと思っているわけですが、そうすることによって、ヨーロッパもだんだんワインが売れるように、甲州ワインが売れるようになってまいりました。

 ヨーロッパで売れるようになりますと、日本人というのは、また日本国内でも売れるようになるということでして、そんなことで、ワインのPRにこれからも力を入れていきたいというふうに思っているところです。

林(幹)委員 山梨県は、どちらかというと果物王国と言われて、ブドウだけじゃなくて桃もやはり生産日本一だというふうに聞いておりまして、この方も輸出拡大についてお聞きしたかったんですけれども、時間の催促が来たものですから、残念ながら、後でまたお伺いしたいと思います。

 ありがとうございました。

二階座長 次に、古川元久君。

古川(元)委員 民主党の古川元久でございます。

 本日は、意見陳述人の皆様方には、大変貴重な御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございました。

 ちょっとお伺いする前に、まずは、先日の大雪で犠牲になられた皆様方に心から哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様方に心からお見舞いを申し上げます。

 きょうは、私も、委員長初め皆さんと一緒に、午前中も、被害を受けたビニールハウスなども見せていただきました。この山梨県においても大変な大きな被害が出ております。先ほど知事のお話にもございましたように、一日も早く復旧して、皆さん方がまた明るい気持ちを持って生活できるような状況をつくっていくために、私、民主党も全力を挙げてまいりたいということをまず最初に申し上げさせていただきたいと思います。

 まず最初に、四人の陳述人の皆様方にお伺いしたいと思うんですが、私は、今、日本の抱える最大の、大きな構造的な問題は、急速に人口が減少し始める中で高齢者の割合がふえていく、そういう人類史上ほかのどの国も経験したことのない社会に突入している。

 先ほど来、陳述人の皆様方のお話の中にも少しございましたけれども、特にこの人口減少と高齢化のスピードや影響というのは、やはり都市部よりもそうじゃないところの地域の方が、深刻に、また速いスピードで起きてくる。そういった意味では、この山梨においてもそうした影響が既に出ているところも、先ほども限界集落がふえているというお話がございましたけれども、あるんじゃないかと思います。

 それで、ぜひそういう問題に現場で直面している皆様方にお伺いしたいと思うんですが、こういう問題について、どのような問題意識を持っておられて、どのような対応をしておられるか。また、国はどういうふうに対策をすべきというふうに考えておられるか。ぜひ四人の陳述人の皆様方の御意見をお伺いさせていただければと思います。

横内正明君 人口減少、高齢化対策というのは、地方の県にとっては大変重要な、大きな課題でございます。

 本県もいろいろなことをやっているわけでありますけれども、一つは、本県は東京に近いだけに、もちろん自然減はどんどん大きくなっていくわけでありますが、社会減もかなり大きいものですから、これを何とか抑えたい。そういうことで、先ほども地域活性化のための施策をお願いしたわけでありますけれども、社会減が少なくともそんなに大きくならないように、何とか就業機会を確保して地域の活性化を図っていきたいというふうに思っているところであります。

 何といっても、やはり雇用機会が、質のいい雇用機会がない、しかもそれが減っているという状況なものですから、そういった地域活性化のための国の施策をぜひお願いして、今、もう先生も御案内のとおりですけれども、東京一極集中がまた非常に激しくなっているものですから、何とかこの東京一極という状況がもう少し地方に均てんするように、国の施策をお願いしたいというふうに思うわけであります。

 高齢化施策につきましては、本県も、これは市町村が、いろいろな、介護施設その他については主体になってきますけれども、実施をしているわけであります。県としては、それをバックアップしておりまして、力を入れているところであります。

 それから、もう一回また人口減に戻りますけれども、やはり、自然減も加速をしている中で、出生率を少しでも高めたい。これは、都道府県の合計特殊出生率を見ておりますと、やはり県で努力したところは最近上がっているわけですね。特に九州地方なんかは、非常に少子化対策を一生懸命やって、出生率が上がってきている。広島県なんかも上がってきているということでありますから、この際やはり本県も出生率を上げるための努力をしようということで、女性に対するいろいろな施策を打っております。例えば、産前産後の女性に対する手厚い支援措置とか、そんなようなものを市町村と一緒に実施しているところであります。

 具体的な施策についてまでは申し上げませんけれども、県政の最大の課題の一つでございます。

波木井昇君 人口減少についてでございますけれども、大学関係の立場からは、私の陳述でも申し上げましたけれども、県内の出身の学生が東京の方に就職することも、もちろん県内に就職する人もいますけれども、例えば、出版社とか、あるいは地域振興に関心があるんだけれども、そういうことをやっているシンクタンクとかあるいはイベントをやっている会社があれば、出版だとかそういう業界というのはなかなか地方にはなくてやはり東京にありますので、そういう特定の業界に関心のあるような学生はやはりどうしても東京に行く傾向がございます。

 そうすると、大学の若い人が、やはり職場が思うようなところがないので、それは東京だからという、仕事場もあって東京に行く面と、もう一つは、例えば、知事もおっしゃっていましたけれども、山梨県は機械電子産業が非常に発達しておりまして、その下請を負う会社も結構たくさん多くて、結構技術を持っているんですけれども、そういうところがやはり、大手が事業整理をしますので、工場が閉鎖されてほかの県に行ったり、あるいは外国に行くと、その下請さんの仕事がなくなってくるんですね。

 そうすると、例えば、私どもの大学は文科系の国際政策学部というのを持っていますけれども、そういう、なるべく県内の製造業にも大学としても頑張ってほしいという気持ちを持っているので、例えば、学生を、地元の中小企業なり、あるいは大手企業の県内にある事業所にも入ってもらいたいと思っているんですけれども、やはりなかなか製造業が厳しい状態にあります。

 そうすると、製造業が元気になるような政策というのは、多分、山梨県がするよりは国の政策じゃないかとは思いますけれども、今は円安がありますから少し息をつける状態かもしれませんけれども、製造業が元気になってきますと、技術系の採用がふえて、例えば二十名の技術系に対して文科系の人を一名ぐらい、多分採用がふえてくるんですね。

 今はだんだんそういう機会が減っているんですけれども、やはり製造業が元気になってくれば、文科系の地方の大学の学生も、地方の大学を出てその地域の会社に入るようになってくるんじゃないかと思うんです。そうすると、やはり、製造業が元気になるような何か政策というものを国にはやっていただきたいということは感じます。

 あとは、中山間地のお話を申し上げましたが、例えば、東京との間にある小菅村とか丹波山村とか、あるいは神奈川県との間にある道志村等とも、大学としても、いろいろな学生の活動等でたまに大学も行くことがありますけれども、そういうところはやはりだんだん人口が減ってきていまして、例えば十年、十五年たっていくと、結構、だんだんといろいろなことが維持できなくなってくるんじゃないかと思うんです。

 見ていますと、そういうところは、やはり、いろいろ国の補助金もあって、いろいろな農水省等の補助金をうまく活用できて、何かいろいろなことをやって何か職場をつくって若い人が入ってくるような事例も見たりするんですけれども、中には、役場の人もなかなか仕事が手いっぱいで、新しい国からの補助金の事業にも挑戦したいんだけれどもなかなかできないような状況もあって、県内を見ていますと、結構そういう、周辺部にあるんですけれども国の補助金も活用しながら頑張っているところと、そうでないところがあります。

 だから、やはりそうでないところにも何か国からいろいろ光が当たって、少ない人数で役場は頑張っているんですけれども、そういうところにも何かうまく光が当たるようなことができるといいかなとは考えております。

 以上でございます。

中井道夫君 人口減少、高齢化が進んで地域ではどういう問題が起こっているかというお尋ねです。

 私も県内の過疎地を幾つか調査をしていたんですけれども、非常に高齢化は進んでおります。

 例えば、先ほどの早川町では、平成二十四年で四九・二%の高齢化です。早川町全体でそうですから、早川町の奈良田とか周辺部へ行くと、きっともう六割を超えた高齢化率、六十五歳以上の全人口に対する割合が六割を超えているのではないかというような状況が出ております。

 それは、そのほか、丹波山ですとか小菅などにも出ておりますし、甲府の北の、上の方の集落でも、もう六割を超えて高齢化が進んでいるという地域もあります。

 人口減少の原因、もう一つは、知事も言われたように、出生率の低下といいますか、少子化が進んでいるというのが大きな原因で、そういう限界集落のところでは、もう小学校が成り立たないとか、一年から六年生までが一つのクラスで合同授業をしているというようなところがふえてきているんだろうと思います。

 そういうのをどうするかというと、若い人がそういう山間過疎地に来てもらうような施策というと、まず仕事がないということですから、何とかしないといけないんですけれども、私の大学の私が属している政治行政学科というのは地方の町村から来ている学生が比較的多いんですが、やはり卒業した後地元に戻りたいということで、戻るためには、町役場、村役場及び警察官そして消防、こういった公務員もしくは準公務員の職場があって、そういう職場を中心に若い人が戻ってくるわけですから、公務員の数をむやみやたらと減らすのはどうかということを考えております。

 以上です。

舩木上次君 先ほど、その前に林先生の御質問がありまして、鹿がふえているというふうな話がございましたけれども、今回の大雪が二度続いたために、八ケ岳の鹿は大分減りそうでございます。そういう意味では、本当に、自然と我々のかかわり方というのはそのときそのときで変わるのではないかというふうに思っております。

 それから、地方に住むお年寄りはどういうふうにしたら元気でというふうなことだと思います。それから、お年寄りが元気な町だったらば子供も育つと思うんですけれども、基本的に、人間は欲望なんですね。皆さんみたいなのは権利欲、権力欲が強い人たちですね。若い人たちは性欲が強かったり、こういうことですね、食欲が強かったり。この欲望が生きる力でございますから、お年寄りにどういう欲望を持たせるかということだと思います。それは、普通に食って、息してでは欲望にはならぬのですよ。強い感動とか、あるいは出会いとか、そういうものが必要だというふうに思うんです。

 私は、二十四年前から野外でバレエの公演をやっております。最近、車椅子に乗るような、本当に腰が曲がったおじいちゃんやおばあちゃんたちが来ます。その人たちが何と言うかというと、来年は何やるで、こういうふうに質問するわけですね。来年まで俺は頑張るからね、こう言うわけですよ。そういうものが地方にあれば、それは生きる力になるのではないかというふうに思います。

 それから、住んでいるところに誇りを持たせなきゃだめなんですね。残念ながら、山梨県でどんなにいいワインだといっても、二万五千円が最高の値段でございます。なぜフランスの五大シャトーのワインは数十万とか数百万するんでしょうか。技術が同じであっても、同じものをつくれても、残念ながら、まだ私たちの、この山梨県でつくったものにはそこまでの付加価値がつきません。

 私は、やはり、若い人たちが地方でというのは、付加価値がついて、自分がやっていることに誇りが持てるような政策が大事だというふうに思います。そのためには、環境が美しく、文化度が高く、人間性が高いというふうなものを。

 偶然、山梨県は大都会の中の唯一の田舎です。四千万近い東京を中心とした人口の中に、たった八十万弱の、八十万前後ですね、そのくらいの、これからちょっとずつ減っていきますけれども、それだけしか人が住んでいないんです。都会の中の小さなオアシスです。

 そして、なおかつ、今回の災害では大変な不便があったかもしれませんけれども、動線は、東京は、丹波山線と奥多摩線と二十号線しかありません。静岡は、五十二号と御殿場線しかございません。長野県は、二十号線と百四十一しかありません。これだけ閉鎖すれば、我々はザ・山梨というブランドをつくれるんですよ。

 この小さいこと、そして個々特殊な能力を生かして、そして若い人たちが夢が持てる産業を育成するということが私は大事ではないか、そういうものに支援していただく皆さんがいてほしいというふうに思います。

古川(元)委員 ありがとうございます。

 今のお話ともちょっと絡むかもしれないんですが、私は、雇用機会とかいうことでいうと、この山梨県など、山梨に限らず日本の地方は、特に観光資源、観光というものをもう少し大きな産業としてもいいんじゃないかと。特に海外の人、今まで、今、舩木さんからのお話、首都圏の人たち、都会の中のオアシスというのがあったかもしれませんが、そういう面で、日本の中でもそうですけれども、それだけじゃなくて、やはりもっと世界の人たちが来ていただく。

 そういった意味で、世界から人を呼び込むというようなこととか、そして、観光で人が来ると、私は、これは若い人たちの雇用の機会にもつながっていくんじゃないか。

 特に、雪というのは大変なことでもありますけれども、一方で、例えば私の地元の隣の岐阜県の高山あたりは、冬になるとむしろアジアの観光客がふえる。なぜかというと、東南アジアのお金持ちの人たちが、やはり見たことがない雪を見たいといって、夏でなくて、わざわざ、日本人は余り、スキーでもやらないと冬の高山なんか行かないんですけれども、外国の人はむしろ冬の高山がいいと行くような。

 そういった意味では、やはり海外の観光客を呼び込むというのは、これは雇用機会とかそういった意味でも非常に大事なことだと思うんです。

 この辺について、時間は限られておりますけれども、横内知事と、あと舩木社長はもう既にそういうことを率先してやっておられると思いますけれども、特に海外の人を引きつけるという点で、御意見とかあるいはアイデア、また国に対してこういうことというのがあれば、ぜひ御意見を伺わせていただければと思います。

横内正明君 これからの山梨県の活性化の一環として観光産業を振興すべきではないかという御指摘は、全くそのとおりでございます。

 先ほどもお話をしましたけれども、機械電子産業という、製造業のある部門に非常に過度に依存をしてきているわけなんですけれども、なかなかそれだけではやはり山梨の雇用はもち切らぬような状態でありまして、やはりもうちょっと産業構造を多様化していかなければならない。

 その一つとして、観光があり、また農業があり、それから、いわゆる地場産業でも、最近はワインだとかジュエリーとか、そういうものが非常によくなってきております。そういった地場産業みたいなものがあり、そういういろいろな多様な産業をもっと育て上げていかなければならない。その中でも、観光産業というのは中心的なものだというふうに思っております。

 幸い、富士山が世界遺産になったということもあって国際的な知名度は非常に高まってきておりますので、我々としては、富士山というものをしっかりと保全しながら、その周辺を、景観的にも美しい、富士山にふさわしいような地域に整備をして、世界じゅうの人々が集まってくるようなグレードの高い国際的な観光保養地にしていきたい。これは、富士山の麓だけではなくて、石和温泉だとか、山梨県全体を含めてそういう地域にしていきたいという願いを持って、目標を持ってやっていきたいというふうに思っております。

 これについては、みんな一致して、そういう方向で努力しようと。とりわけ、観光施設の整備ということももちろんでありますけれども、今よく言われるおもてなしという言葉ですか、山梨県の場合にも、オリンピックで滝川クリステルさんでおもてなしが有名になる三年前におもてなしのやまなし振興条例という条例をつくりまして、おもてなし、おもてなしということを、いろいろな観光事業者には、それがまず第一だよ、人が外から来て、もう一度行ってみたいと思う一番の理由というのはやはりその地域の人々との温かい触れ合いなんだ、そのためにはやはりおもてなしという心で迎えていかなきゃいかぬということを一生懸命言っているところなんですけれども、おっしゃるとおりに、観光産業の振興というのは非常に大きな柱だというふうに思っております。

舩木上次君 私は、他と違うということがそこの最大の武器だというふうに思っております。他と違うものに劣等感を持つのではなくて、そこに、私たちはローカルの他と違うものをグローバルにするという能力が求められていると思っております。

 地球というのは、十九のプレートの上に乗っているんですね。ところが、この山梨だけは四つのプレートがクロスしているんです。これは世界でこの地だけでございます。四つのプレートがクロスしているために、富士山、南アルプス、八ケ岳、秩父と、水を掘りますと、温泉を掘りますと、全部泉質が違います。別府や草津のように湯量が多いわけではございません。ただし、小さな山に囲まれたこの地は、泉質が違う四つの種類の温泉とか水があるということです。

 そのことによって、水がとてもきれいなんですね。そのために、サントリーの白州の蒸留所のようなものがございます。あの白州の蒸留所は、今、世界一になりました。質、規模、環境。そして、ワインも水です、日本酒もあります、ビールもあります。そういう意味では、他と違うこの環境を我々がもう一回共通認識するというようなことが大事だと思います。

 それから、今、山梨県の課題は、遠景は最高に美しい、近景が汚い、それは山梨県の民度の問題です。そして、汚いことになれてしまいました。私は、中央線を通っても、あるいは高速道路を通っても、その周辺から見える景色が美しくなければ、幾ら頑張っても付加価値は上がらないというふうに思っています。

 そういうところを、私は、何かをやる、何かをやる、何かをやるではなくて、ある意味では、凡事を徹底するということが大事だと思います。それは、美しい近景をつくる。そして、美しい近景をつくれば、神がつくった景色があるわけでございますから。人間ができることは人間がきれいにすればいい、そして自然と共生していくということが大事だというふうに思っています。

古川(元)委員 ありがとうございました。

二階座長 次に、坂本祐之輔君。

坂本(祐)委員 日本維新の会の坂本祐之輔です。よろしくお願いいたします。

 陳述人の皆様には、大変御多用の中御出席をいただき、まことにありがとうございます。

 まず初めに、さきの大雪の被害でお亡くなりになられた方々に哀悼の誠をささげるものでございます。また、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。

 私が住んでいる埼玉県も、そしてまた隣接の群馬県も、同じような大雪の災害に遭いました。ビニールハウスが多く潰れ、あるいは車をしまってある車庫等も潰れた、こういった経験は、私も今まで見たことがありません。さきの予算委員会の質問におきましても、その冒頭に、国がしっかりと、政府がしっかりとその状況を把握して早い対応をお願いいたしますというふうに指摘をさせていただいたところでございます。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず、横内陳述人と中井陳述人、お二人にお伺いをいたします。

 私は、埼玉県東松山市の市長を十六年間務めておりました。二十年ほど前に地方分権という言葉が聞こえてまいりまして、在職中は、地方の時代あるいは地域主義、主権がどちらにあるかという話ではなく、地域主義というような言葉、地域主権というような言葉も出たほどでございました。

 しかしながら、今考えてみますと、一向にそのことが進んでいない。どこまで進んでいるのかといったら、まだまだ地域、地方に力がないのではないか。国の予算を見ても、国庫支出金あるいは地方交付税あるいは臨時財政対策費等、国の支援があって地方の財政が成り立っているというようなところがあります。

 日本維新の会では、まず個人の自立、あるいは地方の自立、そして国家の自立ということを大きな柱に挙げておりますけれども、そのためには、権限、財源、人間といった要素をしっかりと地方に移していくことが必要だと思います。

 まさにこれから、そこに住んでいらっしゃる方々に一番近いところの自治を担当されている横内知事に、まず地方の自立に対して、みずからのお考えと、国に対する御要望等あれば、お伺いいたしたいと存じます。

横内正明君 おっしゃるように、地方分権あるいは地域主権というようなことで、従来、党派にかかわらず、国におかれてはそれに努力をしていただいているわけでありますが、実際進んでいるかというと、おっしゃるように、余り進んでいないという状況だと思います。

 基本的には、もっと自由に使える自主財源というようなものが充足をすることが一番基本だというふうに思うわけでありますが、何のかんの言っても、やはり非常に財政事情が厳しい中でありますので、国に補助金その他で頼らざるを得ない、交付税で頼らざるを得ない。

 そういう中で、国においては、例えば社会資本整備総合交付金にしても何にしても、従来の補助制度をできるだけ使い勝手がいいような形で随分変えていただいて、そういう意味においては、まちづくり交付金なんかも非常に使い勝手がよくなってはおりますけれども、まだしかし、補助金としての縛りがあるわけであります。端的に言うと、国の手のひらの中でまだ泳がざるを得ないという状況であります。しかし反面、考えて、果たして、国から独立して余り好き勝手にやるのもどうかなという感じもいたします。

 それから、今回の災害の事例を見ましても、例えば、全国知事会は、国の機関の移譲ということで、国交省の地元機関を地方に移譲せよ、河川国道事務所というようなものを移譲せよ、こう言っております。しかし、それはいいんですけれども、余り移譲を受けるよりも、広域的な運用というか、まさにTEC―FORCEがそうでありますけれども、やはり国が広域的にストックしておいて、いざというときに重点的に出してくる、そういうふうなことは、またこれは重要だろうというふうに思います。

 その辺のところは私自身も結論が出ていないことですが、いずれにしても、地方財源の充実というのは、これはぜひお願いをしたいということであります。

中井道夫君 地方分権ということで、大きな流れとしてはそうなっていると思います。

 ただ、合併をしてできた自治体、山梨の場合も、小さな自治体が合併をして都市自治体というふうになって、五万以上になったところも随分ふえてきております。そういうところでは、都市整備とか都市計画の問題が大きな問題になってきて、私も委員で都市計画審議会にかかわってくれとかという話があるんですけれども、そういう中で、人材不足といいますか、調査をして都市計画のプランニングができる人材が少ないということで、県庁の都市計画課あたりから派遣をされ、出向というんでしょうか、来てはいるんですけれども、いかんせん、人材不足というか、少ないという状況にあります。

 先ほど申し上げましたけれども、高齢化が進んで、地域の病院ですとか医院ですとか老人憩いの家とか、そういうところに行きたいというニーズがふえてきているので、自治体もコミュニティーバスのようなものをつくって出すわけですけれども、やはり広域連携がほとんどできないので、自分の行政の区域内でしか行けない。隣と広域連携を組んでやったらどうですかというんですけれども、タクシー業界の反対とかいろいろな問題もあって、ほとんど調整ができない。

 そういう意味で、地方分権が来てはいるんでしょうけれども、人材不足で、新しい広域連携の施策がなかなかできていない、企画力不足もあるんでしょうけれども、調整し、新しい政策をつくっていくだけの政策力が欠けているのかなというふうに思うきょうこのごろです。

坂本(祐)委員 ありがとうございます。

 県の運営という視点と、また、まちづくりに学術的に携わっている御意見をお伺いいたしましたけれども、まず、地域が活性化するということに対しては、やはりそれなりの人材の確保が必要、そしてまた、リーダーシップを持って地域を興していく力が必要だと思います。

 舩木陳述人にお伺いをいたしますけれども、先ほどもすばらしい御意見をいただきました。仲間の皆さんとともに、持てる今の現状の環境を生かして、自然と共生しながら町おこしをしていく、地域づくりを行っていくという、その原動力はどこにあるかをお聞かせいただきたいんですが。

舩木上次君 私は、昭和二十四年の生まれで、開拓時代を知っています。その時代、開拓しているおやじや先輩たちの後ろ姿を見ていて、今、私はたまたまオルゴールの博物館をやっているんですね。オルゴール、自動演奏楽器なんですけれども、多分、日本のコレクターでは、日本で一番多いコレクションです。世界じゅうのお金持ちとつき合いました。アメリカだと、ギネスとか、ニューヨークにいるゼネラル・モーターズのデュポンとかそれからヨーロッパの貴族とか、貧乏人から金持ちまで会っている人間ではないかと思います。

 だけれども、金持ちの人たちを見ていて、誰が一番幸せだ、最近こういうふうに思うんですよ。開拓者が一番幸せでした、開拓者が。ライバルであり、仲間なんですよ。お互いにみんな真っ裸なんですよ。相手がどのぐらい金持っているか金持っていないか、どのぐらい頑張っているか、みんな見えるわけですね。地域というのは、信頼できるライバルですね、そういう関係で結ばれるのが非常にいいと思います。

 そして、人間は楽な生き方というのは、多分、隠し事がないということでございます。だから、皆さんは、小さな隠し事でやたらと悩んで自殺する国会議員まで出てしまうわけですよ。オープンにすればいいわけですよ。そうすれば、そんなに大したことない。

 基本的に地域というのは、それぞれがみんな透明感があって、そして、お互いにライバルでありながら時々助け合って、開拓のときには、大きな巨木が、あるいは大きな石が出てくれば、みんなで取り除かなければ畑はできません。そして、その作業が終わった後、汗をかいた後、みんなで酒を飲んでいる先輩たちを見ていて、私は、地域が、一番、そういうふうな発展をしていく中で、自分が汗がかけて未来に何かを残せるというものがあったとしたならば、最高におもしろいというふうに思っています。そんなことが、やっと六十五になってわかってきました。だけれども、もう時間がないのが、これが一番の悩みですね。

坂本(祐)委員 ありがとうございます。

 まさに、地域力を高めていく、ですから舩木さんのようなエネルギーがある方が代々続いていけばいい、それが持続可能な町おこしにつながっていくのかなと思います。

 全国でそういった町おこしをしていきたい、あるいは商店会の活性化をしていきたいと思うのは常でありまして、しかし、なかなか、商店会で行うイベントやお祭りや、今の時代にふさわしい新しいイベントを考案しても、それが単発的に終わってしまう。そこにはやはり舩木さんのようなエネルギッシュな方がいらっしゃらないのかもしれません。

 そう考えると、今おっしゃっておられた、このエネルギーをさらに継続していくための大切な要素というのは何でしょうか。

舩木上次君 これは私は、必然だと思いますよ。取ってつけたようなものはだめなんですね。偶然もだめです。それが一番マッチしている、それしかないということだと思うんですね。

 例えば、長野県の小布施というところがございますね。あそこのところは、市村さんを初めとしてまちづくりをやっておりました。だけれども、そこに新しい良識が入りました。それはセーラというお嬢様ですね。そして、そのセーラというお嬢様がやっていることを、木下豊という、文屋という情報を発信する人がいます。

 基本的に、まちづくりというのは、一人のばかと、あるいは一人の若者と、そして、今までの価値観から新しい価値観が創造されるわけですから、それを守る人と、そしてそれを発信していく人が必要なんですね。そういうチームができたところだけ、例えば九州の湯布院なんかも同じだと思います、そういうふうなものが生まれてくるんじゃないかと。

 多くのコンサルタントというのは、日本じゅうを研究してきて、その事例を持ってまいります。しかし、持ってきても、コンサルというのは、銭が去ると書いてコンサルでございます。

 私に言わせると、そこの土地にいる人材が自立しない限り、まちづくりはできません。まちづくりというのは本来は、十人が十人集まってもまちづくりはできないんですね。そこにいる人材が、十人の中で誰が一番感性が豊かで創造性が高くて、そして、将来を見ているかというのを見つけることなんですよ。そして、その人に託すということができるかできないかです。

 山梨県の場合には、若干、出るくいをみんなが打ちますから、なかなか山梨県の中では芽が吹くということは少ないのではないかというふうに思います。

坂本(祐)委員 ありがとうございました。

 まさにその人材の確保、人材の育成というところにもお力を入れていらっしゃるんだと思います。力を入れるよりは、むしろ、自分の背中を見てほしい、自分の背中を見ろということで、若い人たちが清里の発展に、愛する郷土の発展に尽くしていくのかなというお考えが伝わってまいります。

 私も、実家が百五十年ほど続いた商家、日本料理店でございますので、生まれ育ったときからずっとお客様と接することによって育ってまいりました。

 地方分権が推進をされて地域の時代が来る、それと並行に、やはり商業の発展なくして地域の発展はないと私は考えているんです。もちろん農業が主体の町であれば農業かもしれませんけれども、私は、生まれ育った環境の中で、やはり商業が活性化されている町は、多くの方がお越しになって、それぞれ輝く店があればあるほどそれだけ地域のエネルギーが増していくのではないか。それはもちろん農業も同じだと思いますけれども。

 そういった点では、若い人たちというのは、これから自分が住むために、エネルギーを起こすためにも、イベントを行ったりするアイデアも豊富です。

 もう一つ、さっきおっしゃった中で大切な点は、そこに住んでいらっしゃったお年寄りをどう活用するか、お年寄りのお力をどうかりていくかということも物すごく大切だと思うんですね。確かに、皆さんが今までの培った経験を生かして選挙に出てくれば、もっともっと倍率も高くなって、そこで当選する方が、よりすぐれた方が当選されることによって、市議会やあるいは県議会やというように、政治家がまた活性化をすることができるんだと思います。

 そこで、お伺いしたいんですけれども、清里にはポール・ラッシュ博士という偉大な方がいらっしゃった。その遺志を舩木さんはお酌みになって、地域おこしを、何回も大きな壁にぶつかってもそれを乗り越えてこられたというようなお話をお伺いいたしました。

 私も、実は、家内と伺ったこともあって、その昔、高校生のときに八ケ岳に登ったときに訪れた清里と変わらないその美しさに改めて感動したわけでございますけれども、その博士がおっしゃった、最善を尽くせ、そして一流であれというお言葉を残されたようでございますけれども、そのお考えについて一言いただきたいんですが。

舩木上次君 ポール・ラッシュという人は、能力差を比較した人でございます。能力差は、できる、できない。人間は生まれてきたときからもう能力の差がございます。その能力差は比較するんですけれども、ポール・ラッシュは能力差で人を差別しなかった人です。そして、全ての人が自分のポジションがある、自分のそのポジションで力を発揮しろと。

 彼は、当時、全国中学野球、今の高校野球です、あれを戦後復活させました。それから、アメリカンフットボールを日本へ紹介しました。そして、アメリカンフットボールとかあるいは野球とかというのは、それぞれ、ピッチャーの役割あるいはキャッチャーの役割、ファーストの役割。ですから、組織の長をやる知事の場合には、どう適材適所に配置するかということが、僕はトップの仕事だと思います。方向を示すことがトップの仕事だと思います。

 そういう意味では、ポール・ラッシュというのは、能力がないというふうには言わなかったんですね。能力がないのではなくて、ある物差しではかると能力がないだけであって、ほかに役割がある。

 私は、たまたま、山梨県の知的発達障害のスペシャルオリンピックスというところの会長をやっております。皆さんにもぜひお願いしたいんですけれども、パラリンピックとオリンピックは東京で決まりましたけれども、スペシャルオリンピックスの二〇一九年の夏の世界大会がどこで行われるか、まだ決まっておりません。我々は、スペシャルオリンピックス日本という、そこで、二〇一九年の世界大会を東京に持ってきたいというふうに思っております。

 知的発達障害の子供たちも、実は、知的発達障害という、頭の偏差値の部分で低いだけで、それ以外は、色とか音とか、そういうものに対する突出した能力を持っているんですよ。そういう能力をそれぞれ生かすような地域づくりが求められているというふうに思っています。

 私は、それぞれ、あて職、自分の一番合っているポジションの生き方をしている人間が人生の勝利者だというふうに思っております。ポール・ラッシュはそういうことをみんなに教えようとした人だと思っています。

坂本(祐)委員 ありがとうございました。

 お話をお伺いすると、やはり、衰退をしてしまった地域、それは、地方自治体も、財政が厳しくなる、サービスだけが過剰に多くなってくる、自分の財政を考えていない。それは、知恵を絞らないからだというふうに私は思いますし、そのためには、その町にいる有能な人材を確保することができないからだというふうに今教えていただいたような気がいたします。

 そう考えると、商業の発展なくしてその町の発展はないと考えている私は、地域の発展なくして国家の繁栄はないとも考えています。市町村が着実に発展をするからこそ、国家の繁栄はあるのだというふうに考えております。

 すなわち、あの町だからできる、あの資源があるからあそこはできるんだということではなくて、我が町も、我が町にある特異なもの、人と、あるいは町と比較したときに、ここの点を生かせば独特なまちづくりができるんだということを全国の首長が考えていただく、議員の皆さんが考えていただく。そして、商店会も同じだと思うんですね。

 そういった連鎖が広がっていくことによって、きっと地域から豊かな発展の芽が芽生えていくのだな、国政の場にあって、このことをよくかみしめてこれからの仕事をしてまいりたいと考えています。

 ありがとうございました。終わります。

二階座長 次に、石田祝稔君。

石田(祝)委員 公明党の石田祝稔です。

 きょうは、四人の意見陳述人の皆様、貴重な御意見を大変にありがとうございました。

 これから何点かお話をお伺いさせていただきたいと思いますが、その前に、今回の豪雪でお亡くなりになられたり、また被害を受けられた方々に、心から哀悼の誠をささげ、お見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 きょうは、私は、まず冒頭、大学教育の御関係の方に二人来ていただいておりますので、教育、特に奨学金のことについてお伺いをいたしたいというふうに思います。

 実は私も、高校、大学と、当時の日本育英会で奨学金をいただいて学校を済ませることができました。また、当時、私は昭和四十五年に国立大学に入ったんですが、そのときは、授業料が国立大学で一カ月千円、今から考えたらそういう信じられないような時代だったんですが、その後、授業料も大変高くなっている。

 奨学金についても、それに比してどんどん上げてはきておりますけれども、今は、奨学金をもらったらそれが借金になってしまう、こういう大学生のお声も聞こえてまいります。

 それぞれお二人の方から、大学教育、高等教育における奨学金のあり方、これについて御意見があれば、今後の予算のためにもぜひお聞かせをいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

波木井昇君 日本の経済状態がこういう状態ですので、私どもは公立の大学で比較的授業料が安い大学ですので、そういうことで、近県からも学生が来ているのが現状です。

 そういう中でも、やはり最近を見ておりますと、御父兄の経済状況が悪化している話もよく聞きまして、そうすると、ますます学業を続けるかどうかというような選択にも迫られるような状況もあるんですけれども、そういう中で、奨学金をいただいて何とか学業を続けるということは、そういう学生もおりますので、そういう面では、奨学金の果たしている役割というのは非常に大きいと思います。

 したがって、こういう経済状況もあって、ますます奨学金の制度というものは厚くしていただくことが、やはり、経済的な状況ゆえに学業を断念せざるを得ない学生を少しでも防ぐという点では、ぜひそういう方向でお願いをしたいと思います。

 以上でございます。

中井道夫君 私のところは私立大学ですので、年間の授業料が百万以上するわけですが、教授会で、毎年三月ごろになりますと、誰々君が授業料が払えないので、何月何日までに払わないと除籍扱いになるけれども、これでいいかとかいうような、そういう話題が出てきます。大体三人から五人ぐらい、各学年でそういう議題にかかるわけです。ほとんどの学生が、アルバイトをし、かつ奨学金をもらえるんだったらもらうということで、奨学金がなければほとんどの学生は学業が維持できないのではないかというような状況にあると思えます。

 そういう意味では、特にすぐれた成績を出さなくても、中ぐらいならば奨学金がもらえるというような、若干ハードルを低くしたような奨学金制度が望ましいのではないかな、でないと、多くの普通の学生は学業が維持できないだろうと。アルバイトで月に十万ぐらいもらう学生がたまにいますけれども、そういう学生はほとんど授業に出てこなくて、一年後ぐらいには退学するかどうかというようなことにかかったりもしています。

 そういう意味でも、再三申し上げますけれども、中ぐらいの成績でも奨学金がもらえるような、ある程度ハードルを低くしていただければと思います。

 それと、外国人の留学生です。

 最近は若干少なくなったと言われていますけれども、アジア、特に中国から来る学生の場合は、奨学金がないと、日本でアルバイトはなかなかしづらい、しても大した金が入らないという状況にありますから、中国や韓国と仲よくするならば、彼らに手厚い奨学金を渡して、日本に対するファンになって帰ってもらうというやり方を政策的にもっともっととっていいのではないかということで、中国や韓国、ベトナムもいますけれども、そういうアジア系の留学生に対する奨学金制度をさらに手厚く出すようにしていただければというふうに思います。

 以上です。

波木井昇君 追加で、日本人の学生でも、今、グローバル化といいますか、例えば外国に留学をするとか、あるいは語学留学に行くということも、やはり大学としては奨励しております。そういう留学生向けの財政的な援助というものも大学も持っておりますし、あるいは、国のそういうところからも借りたりできるんですけれども、やはり、もう少し経済的なことが何かあれば外国に行って勉強できてくるというような、経済的に恵まれませんけれども頑張っている学生もおりますので、直接奨学金制度というものと結びつかないかもしれませんけれども、留学、日本人の学生で外国で勉強してくる、特に経済的に恵まれないそういう人たちに対して何か支援ができるようなことも、個々の大学では財源はいろいろ探そうとしております。

 ぜひ国としてもそういうような支援もしていただけると、今の流れの中で、やはりグローバル化人材ということを育成する一つにつながっていくのではないかということも考えております。

 以上でございます。

石田(祝)委員 ありがとうございました。

 それで、あと、横内さんと中井さんにお伺いしたいんですが、お二人とも、くしくも高速道路の整備のことをおっしゃっていらっしゃったと思いますが、この知事さんからお出しいただきました資料で、これを見ると本当によくわかりますね。中央道が東西に一本通っておりまして、これが基幹道だ、そして、南北に佐久小諸から東名、新東名にずっとつながるような計画が出ている。これは、計画区間がまだ残っておりますので、時間を見ると大分まだかかると思いますけれども。

 それで、私も高知県で非常に道路整備を一生懸命やっているんですが、道路整備をすると、いわゆるストロー効果といって、逆に人が出ていってしまう。来る人もいるとは思いますけれども、便利なゆえに出ていってしまう、そういう二律背反のような話もあるんですが、これについて、知事さんとして、これができたらどういうふうに山梨の発展につなげていくようなお考えなのか、また、中井さんは、地域社会という観点からこの道路についてどういうお考えなのか、それぞれお聞かせいただきたいと思います。

横内正明君 高速道路のマイナス効果というお話でございますが、少なくとも、現在ある中央道の神奈川県と東京都の県境にある小仏トンネルという非常に渋滞が著しい区間、ここは本当に、まさに言葉どおりボトルネックで、首根っこが狭いんですね。これは本県だけではなくて、長野県の南の方の地域も含めて非常にボディーブローできいているものですから、例えば、よく東京なんかでいろいろな人に会っていると、山梨もいいけれども、帰りが大渋滞になっていてひどい目に遭うから、ゴルフに一回行ったけれどもひどい目に遭ったとか、そういう話がありまして、これはやはり、非常に、山梨のいろいろな意味での活性化というか産業振興その他の面で、観光も含めまして、ボディーブローできいているわけなんです。

 これはマイナスということではないので、ぜひこれは促進を……(石田(祝)委員「いや、知事さん、マイナスじゃないです、ストロー効果という」と呼ぶ)ストロー効果ですね。(石田(祝)委員「吸い出されるという」と呼ぶ)引っ張られちゃうということですよね。

 それから、中部横断道なんですけれども、私も余りストロー効果というのは心配をしていないんです。リニアのような鉄道については、確かに、駅ができますと、甲府なら甲府にある支店なんかはもう必要なくなってきますから、そうすると、そういう支店なんかみんななくなっちゃうんじゃないかとか、あるいは商店なんかについても、みんな東京へ買い物に行っちゃうんじゃないかとか、そういうことはあるんですが、高速道路については、ストロー効果というのは、私どもは余り心配をしていない。むしろ、この中部横断道ができることによって静岡都市圏が近くなり、静岡都市圏からのいろいろな波及効果が出てくる。

 また、山梨の場合には、最近は、例えば企業立地なんかは余り活発ではないんですけれども、企業に聞くと、やはり東アジアとの交流が非常に活発ですので、港が近いかどうかというのが企業が出ていくときの非常に大きなポイントになるんですけれども、山梨の場合には非常に港が遠いというようなことも言われる。そういう中で、この中部横断道ができれば、清水港という港が非常に近くなってくるというようなことがあります。

 そういうこともありますので、ストロー効果については、私どもは、高速道路については余り心配していないということであります。

中井道夫君 高速道路の必要性というのは、現在、環境問題、自然環境破壊につながるんじゃないかということで、高速道路は必要ない、そういう反対意見の方も少なからずいることは承知をしております。

 しかし、知事が言われたように、山梨のような閉じられた世界といいますか、そういうところでは、鉄道のみならず高速道路で他の地域、他の大都市地域とつながることによって、流通も、また観光客も呼べるし、またストロー効果という形では、山梨の産業や人が出ていってしまって、ますます人口や経済水準が落ちるのではないかということですけれども、やはりそれは、山梨に対する郷土愛みたいなものがあって、山梨から離れたくないという人がかなりおりますので、余り考える必要はないのかなとこのごろ思います。

 特に、中央道の問題もそうですけれども、静岡と結びつく中部横断道路の開通というのは、山岳地帯を行きますので、自然破壊になるという反対もあるわけですけれども、これが災害に強い高速道路としてできれば、産業のみならず観光でもどんどん入ってこられる。

 つまり、現在のところ、富士川街道という形であるわけですけれども、沼津、静岡まで二時間半ぐらい車でかかります。山梨から静岡、沼津まで遊びに行きたい、すしでも食いに行きたいと思って私も車を飛ばすことがあるんですけれども、三時間近くかかって非常に大変である。それが、高速道路ができて一時間以内で行けるようになると、これは便利だな、すてきだなという気持ちが一消費者としても出てくるわけですし、また、スーパーなどの営業をやる人は、安い生鮮食料品が東京以外からも、静岡からもどんどん入ってくるとなると、物価も下がりますし、非常に山梨の経済にとってもいいのではないかというふうに思います。

 そういう意味では、地域社会と高速道路というのは、自然破壊になるというマイナス面ではなしに、やはり経済の活性化につながるんじゃないかという観点から必要だろう。自然破壊に気をつけながら高速道路をつくる、自動車専用道路をつくるというのは、最低限においては必要ではないかというふうに考えます。

 ただ、今回の災害の問題もありますから、風雪害に強い構造を考えていただきたいというのと、車交通だけではなしに、新しい公共交通のシステムもぜひ研究開発を忘れないで続けていただきたいということはお願いしたいと思っております。

 以上です。

石田(祝)委員 どうもありがとうございました。

 高速道路は、マイナス、ストロー効果等も特に心配なさっていないということで、よくわかりました。リニアについては心配な点があると。これは、私の隣の古川さんも、今は言いませんでしたけれども、名古屋支店がなくなるんじゃないか、そういうお話もちょっとお昼にしていたところなんですが。

 舩木陳述人にお伺いしたいんですが、最初の陳述のときに、山梨のワインは絶対フランスに追いつけない、それは酒を、二十までワインが飲めないからだみたいなことをたしかおっしゃったと思います。

 これは、法律の問題があって、未成年の飲酒ということになるんですけれども、私たちも午前中に、甲州ワインで一生懸命頑張っていらっしゃるところもちょっと見てきたんです。一生懸命頑張っているなと思いつつ、舩木さんからこれは絶対追いつけないんだと言われたら、何となく、ああそうかなと思ったりもするんですが。

 そうすると、甲州ワインを一生懸命つくろうとなさっていると思うんですけれども、法律の問題でこれは無理だということになるのか、その辺はどうでしょうか。

舩木上次君 少なくともフランスなんかの場合には、もう十歳過ぎたころから醸造家の娘でも息子でもワインを飲んでいますよね、そして親しんでいますよね。

 ですから、例えば、本当に山梨県をワインで特区にして、そしてワインで売り出そうとしたならば、世界と同じようなレベルにしなければ、日本の常識では、今のルールではそういう人たちを育てることは難しいですよね。二十過ぎなければ酒を飲んじゃいけないわけですから。向こうはもう十年も前に飲み始めている人間がやるわけですから。

 ですから、常識なんというのは場所によって極端に変わるわけですから、我々も、日本の常識が、それがいいのか悪いのかは別ですよ、もしそういうふうな方策を、方針をとらなければ、ワインはフランスに負ける、勝てない、最初からそう思わなきゃいけないし、勝とうと思うならば制度を変えなければならない部分が、極端に言えばあるんじゃないのかというふうに私は思うんです。

石田(祝)委員 ありがとうございました。

 そうしたら、知事さん、例えば、特区の申請でそういう人たちはもう十歳から飲んでいいとか、まあこれは極論ですからそれ以上は申し上げませんが。

 ちょっと最後に、これは大きな話、山梨特有の話じゃないかもしれませんが、今度、地方自治法を改正して、今までは、たくさん市町村があって、公共施設がたくさんあって、それが合併をして同じようなものが周りにたくさんあるとか、また耐震で問題があるとかいうのは、今回改正をして、今までだめだったんですけれども、いわゆる解体、撤去に地方債を発行していい、しかし、充当率は七五%だよ、そのかわりお金の応援はしないよ、発行だけ認めるというのをどうも総務省が今度やるようですけれども、これなんかについては、知事さんの行政のトップとしての立場でどういうふうに評価なさっているか、それだけ最後にお聞きしたいと思います。

横内正明君 山梨県の市町村、大分合併もしまして、六十四市町村あったものが今二十八ですか、人口五万とか七万ぐらいの市がありますけれども、四つ五つの市町村がみんな合併してできているわけですよね。みんなそれぞれの市町村の段階でつくった施設というのがたくさんあって、やはり、市長さんの非常に頭の痛いところというのは、それをいかにして集約をしていくか。

 やはり、全部維持をし続けるというのはとても財政的に無理なので、どこかは切って集約をしていこうというふうに考えている市長さんが非常に多いんだろうと思うんですね。山梨県下のどこの市も、大体そういうことをみんな悩みとして考えている。そうしないと、財政的になかなかもたないというところが多いんです。

 したがって、今の地方自治法のそういう改正というのは我々としては大変ウエルカムでして、少なくとも、国がそういう方針を立てて、そういうものはできるだけ集約しなさいよ、それは支援をしますよという旗を立ててくれるだけで自治体の首長としてはやりやすいという面もありますから、それは山梨県下の市町村長は喜ぶのではないかなというふうに思います。

 実際使うかどうかはともかくといたしまして、国がバックアップするという姿勢を示していただくことが大変大事だというふうに思っております。

石田(祝)委員 どうもありがとうございました。終わります。

二階座長 次に、中島克仁君。

中島委員 みんなの党の中島克仁です。

 陳述人の皆さんには、お忙しい中御出席をいただきまして、本当にありがとうございます。

 そして、先日は、この山梨県も豪雪に見舞われまして、犠牲になられました方々の御冥福をお祈りするとともに、今なお御被害に遭っている方、心からお見舞い申し上げたいと思います。

 私も山梨県が出身ということで、このような豪雪、私も記憶にございません。そのぐらいの記録的な豪雪だったということで、県内は大変なパニック状態になった、そのように聞いておる。

 そういう言い方をするのは、私は、実は先週末、山梨には帰ってこられずに、そして、地元の山梨の皆さんからいろいろなお電話をいただきながら情報を収集した。そんな経緯の中で、先ほど、横内知事、政府の対応には大変満足しておられる、そのような御意見がある。そのこと自体は、私も東京に残っておって政府との対応をしながら、日曜日には災害対策会議を開かれたり、そのようなことの中で、自衛隊の派遣等も含めて、対応は知事の意見でよろしいかなというふうなことも思いますが、一方では、現実に三日間孤立してしまった方々が出てしまった。今回、幸い、停電ということはなかったわけですが、孤立世帯、そして取り残された方々が三日三晩車の中に閉じ込められてしまったり。そして、これも幸いだったのが、天気予報では、昨日、一昨日、もしかしたらまた雪になるかもしれなかった。

 そのような現状を考えていきますと、さまざまな委員の方から、今後の農業被害対策ということはもちろん大前提ではあるわけですが、やはり、今回の災害、数日間、人命の第一優先ということを考えたときに、先ほど言った、政府の対応には大変満足なさっている、そのことはおいておいたとしても、一方では、例えば、気象庁に対して、なぜ特別警報が出なかったのか、そして報道のあり方、地元の方々は非常に緊迫感があった中で、全国の放送が、オリンピックがいいとか悪いとかではないんですが、そのギャップが非常に強かった、そのような御意見もたくさんいただいております。政府に対するということではなくても、今回、人命救助、そういったことの中でやはり何か課題があるとすればどうなのかなと。

 改めて、知事には先ほどから政府の対応には満足といただいておるんですが、政府でなくても、全体的なことで、やはりこれは課題ではないかなということがございましたらお聞かせ願いたいということ。

 恐らく、他の陳述人の方も山梨にお住まいだったと思います。特に、舩木さんは清里というところで数時間完全に孤立されておったと聞いておりますし、その現状の中で、政府に対してどうということではなく、先ほど言った、なぜ特別警報に至らなかったのかとか、報道はどうしてああいう報道になってしまったのか、そのようなことの中で、もしございましたらお聞かせ願いたいと思います。

 横内知事と舩木上次さんにお願いいたします。

横内正明君 今回の大雪については、確かに、気象庁の予報が少し狂った面はあるんですよね。それが多少その対策をおくらせたという面は、決して批判するつもりはないんですけれども、あります。

 たしか、十四日の夕方ぐらいの段階、相当降っていましたけれども、これからは余り降らないと。たしか、その時点で山梨県は五十センチかそのぐらい積もっておりましたが、これからずっとあしたにかけて二十センチぐらい積もるだろう、場合によっては雨になるかもしれぬというような話だったと記憶しております。

 ところが、その後さらに六十センチぐらい積もって、全体として一メーター十数センチになったということでありまして、気象庁の予報が、十四日の時点で結果的に甘かったということは確かにあります。しかし、これは予報ですからいたし方ないことで、我々がそういうことも想定した上で事前準備をしっかりやるべきだったということはあるんだろうと思っております。

 県として、最初の段階で、十五日大雪になったという段階で一番心配したのは、先生がおっしゃった車の立ち往生が、全県調べてみると、千台を超える車が立ち往生の状態になって、その中にみんなドライバーが閉じ込められているという状態で、このままいくと本当に亡くなる方が非常にふえてくるのではないか、その点を非常に心配いたしました。

 したがって、十五日、十六日というところは、我々としては、やはりまずそこを何とか防がないかぬということが第一の課題でございまして、地元の市町村と連絡をとりながら、立ち往生の車が多いところの近くには避難所をつくってもらって、車の中にいる人はみんなそっちへ誘導して、避難所に入ってもらうということをまずやったということとか、そういうことで、幸い、車の中に閉じ込められて結果的に亡くなったという方は最小限で済んだというふうに今思っているところです。

 その次の段階は、今度はそれを撤去して除雪をしていかなきゃならないわけなんですけれども、その除雪の段階で、千台から立ち往生している車が非常に邪魔になって、なかなか除雪がスムーズに進まなかったということがありました。

 これについては既に国の方で検討しておられると聞いておりますけれども、そういう除雪車について、一つ一つ所有者に連絡をとって、動かしていいですかとかなんとか連絡をせないかぬものですから、これは非常に手間がかかる話でありまして、やはり災害対策としては、そういう立ち往生的な車というのは、所有者の了解をとらずに動かすということができるような措置をとっていただくことは大変大事かなというふうに今思っております。

 とりあえず、そんなことを思います。

    〔座長退席、林(幹)座長代理着席〕

舩木上次君 私も六十年間こんな大雪を経験したことがないから、実は、あの大雪の日、自分のホテルへ行って仲間と話をしていました。降り出して、そして一時ごろになってみんなと別れて帰ったんですけれども、たかが五十メートルぐらいのところを三十分かかって歩きました。やはり信じられなかったですね。信じられない。ただ、信じられないというのと同時に、ここ二、三年、夏に大雨が降ったり、今までと全く違う現象が起きているというのは感じております。

 それから、皆さんみたいに東京にいる方は自然の変化というのは余り感じないと思いますけれども、田舎にいますと、生態系が全く変わってしまいました。山野草なんか全く別のものになってしまいました。我々が子供のころあったものは、もうほとんどありません。

 そういう意味では、四十五億年の地球の生きてきた中で、ここ数十年、極端に変化が始まっているんじゃないか。結局、それは、中国を初めとして世界が開発して、異常気象が起きてきて、これが慢性化するのではないか。やはり、これが百年に一度の大雪だというふうに思ったら大きな間違いで、来年からまたこういうふうなことが起きる可能性があるんじゃないか。

 ですから、考え方を、根本的からみんな考えてほしいと思っているんですよ。時々時々、各論として何かが起きるとその対策という目先のことばかり考えるけれども、そうじゃなくて、大きなところで変わり始めてきているというふうなことを予測しなければいけない時代に入ってきているのではないかというふうに、自然の中で住んでいるとそう思います。

 八ケ岳には、仙人小屋という、山から食材をとってレストランをやっている人がいるんですけれども、その人の話を聞けば、もう本当に環境が変わっているそうです。その人からちょっと下の私ですら、そう感じます。でも、だんだん都会に行くに従って、その感じ方は弱くなっているのではないかと思います。相当地球はというか、人間にとって地球は住みにくくなってきているのではないかと思います。

中島委員 ありがとうございます。

 先ほども言ったように、今回のケース、気象庁の基準には当てはまっていないわけですが、やはりこれは夜間にかけて急激に、雨でいえばゲリラ豪雨と同じようなゲリラ豪雪的な豪雪だったわけですね。ですから、全て後手後手。これは、もし特別警報が出ていたならば、県民の方の意識も多少違ったのではないか。そういったことから、これは決して、誰がよくて誰が違った、誰のせいだということではなくて、しっかりと今後検証していく必要があるんじゃないかなという意味で、知事の立場と、あと、実際に孤立されてしまった方、舩木さんのお話をちょっと聞かせていただいたところです。

 今、異常気象ということが言われていましたけれども、中井先生にちょっとお尋ねしたいと思います。

 地球環境問題にも取り組まれて、いろいろ授業もやっていらっしゃった、研究なさっておったということで、この山梨県、昨年の夏は、日本一の最高気温にこそなりませんでしたが、平均気温でいったら恐らくやはり一番暑い地域、平均気温が高かったんじゃないかな。一方で、この冬は、日本一、豪雪に見舞われてしまった、被害が出てしまった地域。

 これは、一般的には地球温暖化とその悪影響からくる気候変動というふうに言われておるわけですが、この山梨県においては、国のエネルギー政策がまだ煮詰まらない今の段階で、かなりCO2の削減値は高い設定をしておるわけです。

 ただ、これは山梨県だけが設定をしていても何の意味もないことで、これは、そもそものCO2削減を低減させる、緩和ということになると思いますが、一方で、幾ら緩和をしていっても、その適応という部分、例えば、夏でいけばお年寄りの熱中症対策、今回の冬であれば、まさかこんな豪雪になるとは思わない、だからこそ災害になってしまうということで、山梨県、特にこの気候変動、そういったものに対して今後どうあるべきか、ぜひお聞かせ願いたいと思います。

中井道夫君 おっしゃるとおり、地球環境の激変の時期を迎えているわけで、学者によっては、地球温暖化が起こっているのではなしに、地球の寒冷化が起こっているんだということを言う学者もいますよね。そういうことで、経験的には、夏が非常に暑い夏を迎えると、その冬は物すごく寒くなるというようなことが言われていて、寒冷化対策も同時に考えなきゃいけない。

 夏の四十度に近くなる気温の中で外に出て歩くとなると、おかしくなるのは当たり前ですよね。自分の体温よりも高い空気中を三十分、一時間歩くとどうなるかということは、当然わかるわけですよね。ですから、まさに、クーラーをがんがんにかけて部屋から出ないか、クーラーをかけて車で早く建物の中に入るとか、そういうふうにしなければいけないわけです。

 寒冷化ということで、雪国に変わってしまうというのは今回が初めてだろうと思うんですけれども、山梨の場合、夏の暑さは尋常じゃございませんよね、三十八度、三十九度、四十度なんというのは。そういう意味では、単に、この甲府なんかは、異常気象、地球温暖化の影響はもちろんあるわけだけれども、それだけではないんじゃないか、いわゆるヒートアイランド現象が起こっているんじゃないかというふうに思うわけです。コンクリートが多くて、市街地の中は緑が少なくなってきていますし、みんなクーラーですし。私が山梨に来た二十五年前は、クーラーがない家もあって、風の通りさえうまくやっておけば夏は過ごせるという家庭も多かったというふうに聞いていますが、私なども家にクーラーを五台つけまして、がんがんに冷やさないともう生きていけないというような状況になっております。

 そういう意味では、山梨も、甲府を中心として、甲府盆地の中では例えば水路を意図的につくるとか緑をもっとふやすとか、そういうようなヒートアイランド現象対策の何かをやる必要があるのではないか。それは同時に東京だって言えるわけで、例えば韓国の清渓川でしたか、韓国の有名な、高速道路の下にあった河川を復活させた、そういう事例がありますけれども、東京でも、高速道路で埋めてしまった河川をもう一回復活させるとか、ビルの形状を変えるとか、そういうヒートアイランド現象を積極的にやるべきであるし、また、甲府なんかでもやるべきであるということで、そういう大都市の、大都市でなくても都市部でヒートアイランド対策をする場合の補助金を手厚くするとか、そういうことも日本政府は考え出してもいいのではないかというふうに思います。

 以上です。

    〔林(幹)座長代理退席、座長着席〕

中島委員 ありがとうございました。

 要するに、暑さ対策、寒さ対策、なかなか予算の部分でも難しい対応だなということが言えるのではないかと思います。

 本日は、予算委員会の公聴会ということで、私はこの山梨県出身でもございます。先ほどの坂本委員とか、舩木さんの地域のルールづくりということと付随することなんですが、要するに、地方と国と、その予算配分、その関係、あり方というもの、ことしの四月から消費税も増税されることが決まっております。そして、今回の補正や当初予算でも、景気の腰折れを防ぐためにある意味で大盤振る舞い、このような状況になっているんですが、やはりこの山梨県のように、人口も少なく、そして中小企業が多い、そういう地域の中で、なかなか予算をかけても実効性あるものに結びつかないことも、私、医者でもございますから、例えば地域医療再生基金を積んで医師確保をしたくても、なかなか医師が集まらない。

 それよりもむしろ、規制改革、規制緩和をして、地域の少ない資源を最大限生かしていく、そして国は、最大限、少ない予算で実効性ある、そういう結果が出たものに対してしっかりと評価する、そのようなシステムづくり、その中で予算配分というものがなされなければ、この先、少子高齢化の中でどんどん膨れ上がってしまうんじゃないか、そのように私も考えておるわけです。

 これは実は全員の方に御意見を聞きたかったんですけれども、ちょっと時間の都合で、横内知事と舩木上次さんに一言ずつお話しいただければと思います。

横内正明君 確かに、国もいろいろな施策を打って、効果がないからまた補助率が上がってきて、最近は一〇〇%補助なんという制度もできたり、それはそれで一時的にはありがたいということで飛びつくんですけれども、果たしてそれでいいのかということは、我々、それを使っている側にも常にあることはあります。

 しかし、先生がおっしゃるように、やはり地方の自主財源の充実が前提なんですけれども、そういうものがまずあって、あとはもう地方に任せる、ある一定の目標なら目標を国は与えて、そして地方に任せ、それを達成した自治体に対して何らかのメリットを与えるというようなやり方の方がいいんじゃないかという議論は、これは確かにあるんだろうと思います。今のように補助率が上がるのは非常にありがたいですけれども、とりあえずのやはり災害対策なんかはぜひひとつ高い補助率で、こう思うわけですが、そういうものを長期的に続けていっていいのかという議論は、確かに私どもも感じます。

舩木上次君 私は、経済対策という必要悪という無駄遣いはないというふうに思っています。無駄遣いは基本的に無駄遣いです。それを経済対策だという理由をつけること自体、ナンセンスだと思います。それは、予算があり余るほどあるならともかく、半分しか税収がないのにこれだけ使い切って、そんなことは誰だってわかっていることだろう、将来にツケを残すことなんかわかっているのに、それをやり続けるというのは無責任過ぎると思います。

 私は、最近思うんです。日本のリーダーの人たちは、日本と海外に軸足があるんじゃないかというふうに思うんです。

 皆さんの御子息も、大学を海外に行かせたり、あるいは子供が海外で生活していたり、将来の仕事は海外でという人がいるんじゃないでしょうか。本当に日本が大変だと思っているのは、地方の人間と弱者ですよ。そして、日本のリーダー層の人たちは、軸足が日本と海外にあって、日本がだめになっても海外で生きていくからいいやみたいな価値観がないのかと。

 昔の田中先生とか金丸先生とかというのは、少なくとも海外には軸足がなかったですよ。田舎と、自分のふるさとと国に軸足があったかもしれません。そして、自分のところに利権も持ってきたかもしれません。

 しかし、今の日本のリーダーの人たちは、日本の地方がだめになっても構わない、自分たちは海外との軸足で、世界人として生きていけるみたいな考え方はないでしょうかというふうに最近思うんです。やはり私は、私たちは、地元と日本と、そして最後に世界の中の日本人であるという軸足を持たなければいけないのに、どうも上のリーダー層の人たちは地方を捨てているような気がします。

 それから、もう一つお願いがあるんですけれども、こういうことは考えられないでしょうか。日本が少子化になっても、東京あるいは大都会は当分大丈夫じゃないでしょうか。

 それは、地方で生まれた人たちが、親がさんざん苦労して育てて、優秀なやつは東京の大学へ行って、でき上がったら東京で、みんなそこで吸収してしまって、そして、そこで利用して、利用できなくなったらまた田舎に戻している。ですから、地方出身の人が都会に行くときには、その都会で、地方にかかった、その人がかかった養育費なり教育費なりを地方に戻すようなことをしていただけないものか。おいしいところだけを東京に持っていかれる、あるいは都会に持っていかれるのは、田舎にいては甚だ不満でございます。

 そして、東京に優秀な人材を持っていかれるんです。田舎にはちょっと劣る人間が残るんです。それで村づくりをやれといったって、なかなかできません。優秀な人材をこっちへ戻してもらいたいと私は思います。

中島委員 時間ですので、全ての陳述人の方に御質問できずに、大変申しわけございません。

 とにかく、今回の災害に対しては、国として全力で、そして地域は一刻も早い再生をということと、あともう一つは、やはり地域の頑張った人たちがしっかり評価されるような、そういったものを国としてもシステムとして必要かなというふうに思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 本日はありがとうございました。

二階座長 次に、柿沢未途君。

柿沢委員 結いの党の柿沢未途でございます。

 四人の意見陳述人の皆さん、大変長い時間、お手洗いにも行かずに、本当にお疲れさまでございます。

 また、大雪被害があったわけであります。本当に被害に遭われた皆さんにはお見舞い、また亡くなられた皆さんにはお悔やみを申し上げたいと思います。その一方で、除雪の作業等に不眠不休で当たられている皆さん、そうした皆さんの御苦労にも心からねぎらいを申し上げたい、こういうふうに思います。

 横内知事、御当選をされてすぐに、私の父、柿沢弘治を特別顧問として起用していただきまして、県政全般に携わらせていただきました。八ケ岳の山麓の長坂に家を持って、山梨県、そしてその自然に恵まれた環境をこよなく愛していたと思います。

 父が県政の特別顧問として携わらせていただいた、さまざまな会議体を立ち上げたと思うんですけれども、その中に山梨ブランド戦略会議というのがあったと思います。山梨は、先ほど名前が出たブドウや桃あるいはワイン、こうしたすばらしいものがあるにもかかわらず、例えば隣の信州に比べると、そのブランドづくりというか、そうした点でおくれをとっているんじゃないか、こんな問題意識があったのではないかと思います。

 先ほど、甲州ワインとフランスのシャトーでつくる最高級の何十万、何百万で売れるワインとのブランド力の差、こういう話がありました。付加価値という言葉もありましたけれども、まさにGDPというのは財とサービスの付加価値の合計で割り出されるものでありますから、そういう意味では、このブランド力を上げ、そして、同じものをつくっても、山梨県産、山梨ブランドであると付加価値がつく、こういうことがやはり経済の成長にもつながっていくということだと思います。

 その意味で、ブランドという言葉をお使いになられたところで、これまでの県政で、山梨ブランドづくりというもので、どのぐらいの成果が上がって、どのぐらいの課題があるのかということをまずお伺いしたい。

 地場の産業でそういうことをやられているのが舩木さんのお仕事だと思いますので、あわせて、この山梨ブランド、こうした点についてどうお考えになるか、そのブランド力の本質とは何かということをお伺いしたいと思います。

 まず、横内知事からお願いいたします。

横内正明君 柿沢弘治先生とは、もう本当に、国会議員のころというよりも、もっとずっと前、私が公務員のころから存じ上げていて、特に都市政策なんかは、まだ余り国会の場で取り上げられないころから非常に熱心に取り組んでおられまして、尊敬をしている方でありました。

 知事になって、そういう方が長坂に住んでおられるということを聞きまして、これはほっておく手はないといって、早速お会いしてお話を伺ったところが、やはり、外務大臣までお務めになった、非常に世界的な視野をお持ちになり、そういう目から山梨を非常に愛されて、山梨の物産なんかについてもそういう目から見ていただいているものですから、そういう中で先生がおっしゃっているのは、君らがつくっているものでいいものはたくさんあって、それはしかし、十分世界に通用するすばらしいものなのに、それがそういうふうになっていない、やはりブランド力というものを高めて、付加価値を高めていくことが大事だということを盛んにおっしゃっておりました。

 そういうことで、先生に委員会の委員長をやっていただいて、従来の地場産業というものを地域ブランド産業として育て上げていこうじゃないかということで始めたわけであります。

 ワインのロンドンでのプロモーションなんというのもその一環でありますし、例えば、今生きておりますのは、山梨というのは結構いい地場産業がある。ワインはもちろんであります。それから、ジュエリー、宝飾類ですね、これなんかも非常にすばらしいものを、技術としてはすばらしい。それから、繊維、織物、テキスタイルなんですけれども、これも、例えば国産のネクタイの四割は山梨の郡内地方でつくられているわけであります。

 しかし、いずれもみんな、大手の商社とかそういうところから発注されて、技術でそれをつくって、そしてそれで出している。これは、農業もやはり、桃なんかも同じであります。結局、その付加価値みたいなものは、みんな都会の中間卸売業者とかあるいは小売店にとられているということなんです。

 それじゃいけないということで、まずブランド力を高め、そして、技術ももちろんですけれども、デザインをもっともっと考えなきゃいけない、その上で、みずから売り出していく努力をしていかなきゃいけないということを盛んにおっしゃっておりました。

 現実にはそういうもので幾つも実っているものがありまして、例えば、繊維関係なんかでも、ネクタイはもうクールビズでだめですから、それにかえて、ショールとかストールとか、そういう類いのものは、郡内の業者さんたちが、例えば東京造形大学のデザイン学科とか、そういうところと提携をして、みずからデザインを開発して、製品をつくって、それで、みずから立川とか横浜とかそういうところへ持っていって、自分たちの力で売っている。BツーCとよく言いますけれども、そういうことをやり出しまして、若い人たちが今非常に熱心にそれをやっております。

 その結果として、例えば、ニューヨーク近代美術館、MoMAという有名な美術館がありますが、そこのショップの中に山梨のそういうストールが取り上げられて販売されているとか、そういうふうにだんだん地域ブランド産業として育ってくるようになってまいりました。

 柿沢先生のそういうアイデアあるいは示唆から、地場産業が新しいブランド産業に生まれ変わりつつある、そういう感じを非常に強くしておりまして、ワインなんかもずっと低下して、ワイン産業としては落ちてきたんですけれども、最近ちょっと上がってきております。それから、ジュエリーなんかは、もうずっと落ちて、底まで落ちて、またちょっと上がってきているという感じですし、繊維はまだ上がるまでは至っていませんけれども、そういう新しい地元の雇用を生み出す産業に生まれ変わりつつあるなという感じがしております。

舩木上次君 例えば、山梨県の、私の町の北杜には、白州というサントリーの蒸留所がございます。

 サントリーというところは、白州という酒、ウイスキーを七百ミリリットルで八種類つくっています。三千円ぐらいから、一番高いのは十万五千円でございます。白州の十万五千円というのは、二十五年物でございます。十八年が二万円ぐらいです。その下が一万八千円ぐらい、八千円、六千円、三千円ぐらいです。

 白州の二十五年というウイスキーは、白州で二十五年寝かせたたる、二十五年以上昔のたるがブレンドされたものです。それでつくった白州の二十五年物のウイスキーが山梨県で売られていないんです。これはブランドにはなりません。私は、地元でつくった最高のものを地元が一番先に売る、ここで売る、そしてここに買いに来させるということが大事なんですね。それをするためには、そこでつくられたものを使いこなす民度が必要なんです。

 例えば、ジュエリーでも同じなんです。山梨県でジュエリーをつくっているけれども、山梨県の高額なジュエリーを買う人が伊勢丹に行って、高島屋に行って、和光で買っていたのでは、意味がないんです。山梨県に買いに来て、ここで買うことに価値があることをしなければだめなんですよ。

 例えば、ルイ・ヴィトンのバッグをフランスのパリで買うのと東京で買うのでは、ヴィトンの利益がどのくらい違うかわかりますか。ルイ・ヴィトンは、フランスから出るときには三〇%です。そして、中間業者がまた三割取ります。日本で一〇になります。ヴィトンは、日本に売った場合、元が三〇か四〇ですから、二〇%しかもうからないんです。でも、ルイ・ヴィトンに日本の女性が買いに行きますと、定価で売れますから、八〇%もうかるんです。同じものを売って、四倍キャッシュフローが残るんですよ。

 地産地消とかというのは、自分のところにキャッシュフローが幾ら残るかです。そして、キャッシュフローを幾ら残させるかというのが、それがそこの土地の文化度なんですね。そういう戦略をつくらない限り勝てないと僕は思っています。

柿沢委員 この話になると、お二人とも大変饒舌でいらっしゃって、私も非常に感銘を受けるところであります。

 舩木さん、きょうもトレードマークのスーパーマンのTシャツで来られて、また、陳述等々も聞いていると、聞きようによっては問題発言のオンパレードで、本当にいろいろ考えさせられるところがあるんですけれども、ここに来させるというお話がありました。白州のウイスキーあるいはジュエリーのお話。ここに来て、そしていわば最高級のものが、しかし中間利益というものがない中で割安で手に入ったり、あるいはその場の雰囲気を味わうことができたり、こういうことがやはりここに来させる一つの大きな誘因になるんじゃないか、それが生かせていないんじゃないかというお話でした。

 リニアの話があって、東京から近くなる、ストロー現象、逆に、近くなるから来る人がいるんじゃないか、こういう話があるんですけれども、高山が、先ほど古川先生からお話がありましたけれども、私は東京から高山に年に一回必ず行くんですけれども、東京から見ると大変不便なところで、車でもあるいは電車でも四時間、五時間かかるところです。しかし、そういうところに日本じゅうから、あるいは世界からお客様が来る。

 つまり、時間、距離が近くて便利に行けるということがそこに人を来させるポイントではなくて、やはりそこの魅力だということなのではないかと思います。

 舩木さんはそこを非常に大事にして地域づくりに取り組まれてきたと思いますので、そうした、便利になることが大事なのか、あるいはそうではないのかということについて、お考えを聞かせてください。

舩木上次君 僕は、世界のリゾートを見て、便利になってリゾートが発展したというのを聞いたことがないし、見たこともございません。スイスへ行ったって山岳鉄道があるし、そこに高速道路を走らせようとか高速電車を走らせようという話を聞いたことがございません。フランスとイギリスがコンコルドを走らせていましたけれども、あの速い、マッハ二の旅客機を走らせていましたけれども、あれもやめました。

 旅行は、時間を消費することでございます。より時間をかけて、その時間の中に充実した内容があるかどうかです。

 例えば、今回、九州の「ななつ星」、あれにしても同じことが言えます。もし山梨県で今「ななつ星」を走らせたとして、それだけの価値をつけられる宿なり飲食店があるかというと、残念ながらございません。「ななつ星」の場合には、天空の森という、一泊三十万以上する宿、四組しか泊まれません、そこにあの電車は着けます。由布院に着けます。

 ブランドというのは、必ず、物と、その後ろに人がいます。山梨県の場合に、ブランドはあります、ブランドというか、物はあります。しかし、その後ろの人がブランド力にまだなっていないんです、残念ながら。

 それをつくって、そして、だから、例えば、平松知事が二階堂を売り出しました。あのときに、大分には百を超える焼酎屋がございます、その中で売り出したのは二階堂だけです。それを大分の象徴にしたわけです。そして、二階堂のおやじさんを表にどんどん出したんです。

 私は、山梨県でもブランドをつくるというならば、宝飾にしてもワインにしても、必ずその後ろに山梨県のスターをつくるべきだと思います。山梨県のデザイナーではこの人が一番と。もちろん、差はほとんどない状態です。だけれども、売っていくためにはスターが必要なんです。そういうことをしていく必要が僕はある。

 ただ、山梨県の場合には、何だ、俺のところだってもっといいのをつくっているとか、俺のところにはもういいデザイナーがいるとか、そういう話になって組織をつくれないところに山梨県がブランド力が弱くなる原因があると思います。

 ワインは長野県に負けました。小布施ワインが一遍に有名になりました。長野の田中知事がみのもんたの番組へ持っていきました、ワインを。小布施のワインを持っていきました。これが日本で一番うまいとテレビでやりました。長野にはほかにもワインをつくっているところがございます。だけれども、知事が一つの商品を持って、これが一番だと言ったんです。

 私は、横内知事にお願いしたいんです。山梨県で知事が一番おいしいと思うワインを、これが山梨県の代表的なワインだと売ってもらいたいんです。

柿沢委員 元気の出る話をありがとうございました。

 ちょっと時間がなくなってきましたので、まとめてお伺いをしたいと思います。なお、中井陳述人には、残念ながら御質問ができないことをお許しください。

 私、国会で、超党派の議員連盟で、山の日というものを国民の祝日としてつくるということをやっております。また、今、国民協議会、ある意味では国民運動をしていこうという母体もできまして、八月十一日というのを一つの候補日として、国民の祝日として、山の日、山に親しむ日、山のことを考える日、こういうものをつくろうということをやっております。

 山梨県も、富士山があり、私の父が愛した八ケ岳があり、山という点では本当に大きなかかわりを持っている、そうした県だと思います。これはすばらしいことのように感じるんですが、もうこれ以上祝日をつくられると製造業の工場では回らないよという話も、実はあるんですね。

 知事にこの山の日の制定の意義をお伺いすると同時に、波木井先生、どうも製造業、地場産業に関して御造詣が大変深いようでありますので、そうした立場でもこれが許容されるかどうか、今お聞きになられてどうお感じになられるか、お伺いをしたいと思います。

 最後に、舩木さん、この中で農業者というのは、実は舩木さんだけなんですよね、トラクターを動かせるのは。今、TPPが間もなく、恐らく一つの決着を見ると思います。TPPが日本の農業に甚大なマイナスの影響を与えるということが言われるわけですけれども、私はこの間、TPPに関して、舩木さんの、農業地域の、農業者の一人として考えるところをいろいろ聞いてきましたので、お考えがあったら最後に伺わせていただいて、終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。

横内正明君 山の日についてですけれども、山梨県も山の日というのを独自に制定しておりまして、八月の八日だったと思うんですけれども。知事がだったと思うんですけれどもと言うぐらいですから、そんなに活発にやっているわけではないんです。八月八日というのは余り理由もなくて、ただその二つが何かいかにも山の形をしているから八月八日にしたというようなぐらいのものなんです。

 しかし、長野県もそうなんですけれども、ぜひ一緒に山の日をつくろうじゃないかということは前から知事とよく言っていまして、今回、国会においてそうやってまとめていただけるというのは、これは私どもとして大変ありがたいことだというふうに思っております。

 何といったって非常に山が多いところでありますし、特に南アルプスなんというのは、トレッキングにはすばらしいところなんですけれども、まだまだ知られていないものですから、そういう山の日の制定をきっかけとして、これを大いに我々としてはPRしていきたいと思っております。

波木井昇君 八月の十一日が候補日だとおっしゃいましたけれども、製造業とか企業の人たちは、八月の十日前後というのは旧盆の週でもございますので、もしこの日が具体的な候補として結構強いのであれば、多分、この前後というのはある程度まとまった休暇をとる企業が多いように思いますので、もしこの辺であればそんなに、製造とかサービスの提供とかというのに余り影響はないように思います。

 それからあと、この地域のいろいろな中小企業も国際展開をやっていまして、それで、山梨県の地元の、例えば、中小企業でも、県内の工場さんというのはマザー工場のような機能を持っていまして、海外にある工場のいろいろな指導をしたり、工場の立ち上げまでのいろいろな準備を本社の工場でやっているような感じがあるんですけれども、そういう面では、そんなに、何かそうやってロイヤリティー収入を現地からもらうとか、生産一点張りということでもだんだんなくなってきていますので、ちょっと変な言い方かもしれませんけれども、一日ぐらいはそういう日があっても、休日がふえてもそんなに影響はないのかなという気もちょっといたします。

 以上でございます。

舩木上次君 お百姓の仲間はたくさん持っているんですけれども、北海道から九州で、僕の仲間で百姓をやっている人間で、TPPに反対している人間は誰もいません。反対しているのは農協だけです。農協と八〇%の小規模農家です。よくわからない。

 だけれども、よく考えてみろと。TPPに関して農業ほど有利な日本はないというふうに、僕も、それから仲間も思っております。

 ほとんどの今の日本の農業は、S、L、Mで分けられます。内容は関係ないですね。市場に行って、S、L、Mだけです。でも、今分けなければならないのは中身の品質です。品質で分けなきゃなりません。

 日本の野菜にしても、山梨県がつくる果実にしても、特に山梨県の果実については、質のレベルでは世界一でございます。なぜこの世界一のレベルのものが価格競争に巻き込まれるんですか。土俵が違うはずですよ。今まで、向こうのチェリーを解禁して、サクランボ農家が潰れると言った。山形の寒河江にしたって、山梨県の南アルプスにしたって、サクランボ農家が潰れましたか。オレンジが解禁すれば、愛媛のミカンが潰れると言った。潰れたことはございませんね。

 私は、今から、中国やインドやこれから経済力を持つところ、日本は大量生産するところではございません、アメリカのように量をつくるところはともかく、日本のような小規模農業で少量生産で高品質のものを、高所得がある近隣の国があるわけですから、そこに質の戦略を打っていけば、幾らでも活路はあると僕は思います。

 そして、僕の仲間でTPPに反対している人間に会ったことがございません。だけれども、その人たちは、ほとんど農協とはかかわっておりません。勝手に騒いでいればいいよ、俺たちは俺たちの道で行くというふうに言われているんじゃないでしょうか。ある意味で、農業改革は農協改革ではないかというふうに思っています。

柿沢委員 ありがとうございました。終わります。

二階座長 以上で委員からの質疑は終了いたしました。

 この際、一言お礼の御挨拶を申し上げます。

 意見陳述者の皆様におかれましては、大変御多忙の中、長時間にわたり貴重な御意見を頂戴しまして、まことにありがとうございました。

 頂戴しました御意見は、我々、それぞれの議員がしっかりと受けとめて、今後の審議の参考にさせていただきたいと思います。

 皆さんから頂戴しました御意見は、我々、貴重なものとして、今後においてもこのことをよく国政の場に反映させていきたいと思っております。

 また、この会議開催のために、当会場内はもとより、会場の外におきましても随分御協力をいただいている方々が多くいらっしゃいまして、心から感謝を申し上げる次第であります。ありがとうございました。

 これにてこの公聴会を終了させていただきますが、本日お集まりの全員の皆様に心から御礼を申し上げて、この会議を散会させていただきます。

    午後五時七分散会

    ―――――――――――――

   派遣委員の鹿児島県における意見聴取に関する記録

一、期日

   平成二十六年二月二十一日(金)

二、場所

   鹿児島市民文化ホール

三、意見を聴取した問題

   平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算及び平成二十六年度政府関係機関予算について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 塩崎 恭久君

       今村 雅弘君   岩屋  毅君

       上杉 光弘君   高橋ひなこ君

       宮路 和明君   森山  裕君

       保岡 興治君   玉木雄一郎君

       杉田 水脈君   中山 成彬君

       浜地 雅一君   宮本 岳志君

       畑  浩治君

 (2) 意見陳述者

    鹿児島県知事      伊藤祐一郎君

    株式会社カクイックスウィング顧問       西園 靖彦君

    一般社団法人鹿児島県建設業協会会長      川畑 俊彦君

    鹿児島国際大学短期大学部准教授        八木  正君

 (3) その他の出席者

    財務省主計局主計官   土谷 晃浩君

     ――――◇―――――

    午後二時四分開議

塩崎座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院予算委員会派遣委員団団長の塩崎恭久でございます。

 本日は、私がこの会議の座長を務めさせていただくので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 この際、派遣委員団を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げたいと思います。

 皆様御案内のように、私ども衆議院予算委員会では、平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算、そして平成二十六年度政府関係機関予算の審査を行っているところでございます。

 本日は、三案の審査に当たりまして、国民各界各層の皆様方から御意見を賜るため、当鹿児島市におきましてこのような会議を催させていただいているところでございます。

 御意見をお述べいただく皆様方におかれましては、大変御多用中にもかかわりませず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。どうか忌憚のない、この鹿児島からの発信をしていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。

 それでは、まず、この会議の運営につきまして御説明を申し上げます。

 会議の議事は、全て衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いをいたします。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと思います。

 次に、議事の順序について申し上げたいと思います。

 最初に、まず意見陳述者の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、委員の方からの質疑に対してお答えを願えればと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 まず、派遣委員を御紹介申し上げますと、自由民主党の上杉光弘君、森山裕君、今村雅弘君、岩屋毅君、高橋ひなこ君、宮路和明君、保岡興治君、民主党・無所属クラブの玉木雄一郎君、日本維新の会の杉田水脈君、中山成彬君、公明党の浜地雅一君、日本共産党の宮本岳志君、生活の党の畑浩治君、以上でございます。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介申し上げます。

 鹿児島県知事伊藤祐一郎君、株式会社カクイックスウィング顧問西園靖彦君、一般社団法人鹿児島県建設業協会会長川畑俊彦君、鹿児島国際大学短期大学部准教授八木正君、以上四名の方々にお願いを申し上げたいと思います。

 それでは、まず伊藤祐一郎君に御意見をお述べいただきたいと存じます。

伊藤祐一郎君 それでは、私の方から意見を申し述べさせていただきたいと思います。

 衆議院予算委員会の委員の皆様方、大変御苦労さまであります。

 平成二十六年度予算に関しまして意見を述べさせていただく機会をいただきましたことに、まず御礼を申し上げます。

 また、この会議に先立ちまして、南さつま市の金峰町を訪問されたようであります。本県農業の実情を御視察いただきましたことに、重ねて感謝を申し上げたいと思います。

 私の方からは、鹿児島県の財政構造ないしその若干のテーマについてのお話をさせていただきたいと思いますが、予算と絡みますので、当初予算の要点というのをお手元に差し上げていると思います。鹿児島県の平成二十六年度の当初予算の要点ということでございますが、鹿児島県の財政構造について簡単にお話をさせていただきたいと思います。

 この冊子、鹿児島県当初予算案の要点、お手元に差し上げているようでありますが、まず、おめくりいただきますと、その二ページ目に、予算の概要についての数字が並んでおります。

 七千八百八十二億円の予算ということになりました。ここ六年間はプラス予算ということでございますが、皆さん方におわかりいただきたいのは、その歳入構造であります。実は、七千八百八十二億円の予算を打ちながら、県税はわずか千二百五十九億という数字がお認めいただけるのではないかと思いますが、県税がなかなか確保できない、そういう地域でもあります。その分を、地方交付税、実質的な地方交付税、臨財債を含めまして三千二百八億という数字がございますが、それでカバーしながら、厳しい財政運営をしている、そういう状況でございます。

 右の方に目を移していただきますならば、右の方の下の表をごらんいただきたいと思いますが、私は、今、知事に就任して十年目であります。私が就任しました平成十六年、財源不足額の上の方の数字、四百五十一億円の財源不足がございました。それを必死になって財源不足を解消しながら、今、予算運営をやっているところでありまして、幸いなことに、国の方の地方財政対策も十分に配慮していただきましたので、平成二十三年度からは収支バランスのとれた予算を打てるようになっております。大変厳しい財政状況の中で、歳出歳入両面にわたりまして徹底的な対応をずっとさせていただきました。多分、全国の知事の中で一番、ミスターコストカッターにふさわしい知事ではないかと私は自任をいたしております。

 次のページをおあけいただきますと、五ページ目であります。それでは、歳出面でどういう形で構造変化をさせたかということであります。

 平成十六年と平成二十六年、その棒グラフで見ますと、例えば人件費、二千四十一億の人件費が、今現在では千七百五十三億まで縮まりました。人数にして千三百人程度の職員の削減を図っております。これで二百八十八億のマイナスであります。

 ただ、一方、予期せぬ増がございました。扶助費もそんなに伸びないのではないかと思っていたのでありますが、四百七十七億が七百三十八億ということになりまして、プラス二百六十一億であります。

 一方、普通建設事業、公共事業を中心とした経費は、一般財源ベースの数字でありますが、四百七十四億が、ずっと減ってまいりまして、マイナス二百八十四億の、百九十億という予算であります。これは独自に縮めたというよりも、国の方が公共事業等々を急速に収縮させてまいりましたので、それに対応した数字にほとんどなっていると思います。

 それから、一般政策経費も縮めて、六百九億が四百四十四億、百六十五億のマイナスであります。

 そういうことで、人件費の減の分はほとんど扶助費が食ってしまった、一方、普通建設事業と一般政策経費をずっと縮めながら四百五十一億円の財源不足を解消した、これが鹿児島県の財政構造の推移でありますし、よその県も多分同じような対応をされているのではないかと思います。

 一番最後に、四十四ページで一言だけ御説明をさせていただきたいと思います。

 四十四ページの円グラフをごらんいただきたいと思いますが、一般会計の予算が円グラフで示してあります。何を説明したいかというと、ピンクのところ、自主財源、依存財源、自主財源がわずか三割しかありません、二九・九%。そして、県税が、赤いところであります、見にくいのでありますが、千二百五十九億という数字であります。

 下の方に目を落としていただきますと、歳出、目的別経費の一つだけで御説明いたしますが、教育費、千八百三十四億。自主財源、県税だけでは教育費も賄い切れない、そういう構造であります。ただ、この教育費の中にはいろいろなものがございますが、人件費だけでも千四百七十七億あります。したがって、人件費だけでも県税では賄い切れない。もとより、県費負担教職員制度がありますので、一般財源ベースで見ると大体千二百億程度でありますから、これもやっと一般財源ベースの金額を賄うか賄えないかぐらいの規模であります。

 そういうことで、鹿児島県は、財政構造について極めて弱い状況の中で、今、県政運営をやらせていただいているところであります。南北六百キロ、二十八の有人離島を含めて、やはりいろいろな形での災害もございますし、経費が増嵩する中での厳しい財政運営をせざるを得ないというところであります。

 以下、本県の二十六年度予算に関連いたしまして、景気の動向等々、若干お話をさせていただきたいと思います。

 私どもも、今のアベノミクスによりまして景気が回復すること、大いに期待しているところであります。そして、県内経済についてでありますが、観光客が前年を上回って推移、公共投資が堅調に推移するなど、地方として景気は緩やかに回復ということではないかと思いますが、もう一つの鹿児島の経済の特徴が、有効求人倍率が低いことであります。〇・六八、全国で下から二番目、一番低いのは沖縄でありますので、何とか頑張っているのでありますが、有効求人倍率はなかなか上がってまいりません。それがやはりいろいろな制約要件になっている、雇用機会が少ないということではないかと思います。

 アベノミクス、順調に景気回復はしていただきたいと思うのでありますが、若干時間を要するのかなとも思っています。

 ただ、鹿児島の場合には、年金生活者の方が多いし、非正規職員が多いので、波及効果がずれますと、やはりどうしても、その三%の増、それから物価水準が若干上がってまいりますと、その分相対的に所得が少なくなりますから、その方々がどういう形で生活を順調にやっていただくのかどうか、その点はいささかの心配がございます。

 ことしの予算で、特筆してまず皆様方にお願いないしは感謝申し上げなければいけないのは、実は奄美の予算であります。

 奄美群島振興交付金というのを二十一億三千万円確保していただきました。奄美は、非常に鹿児島から遠く離れて条件不利性というのがどうしてもあるわけでありますが、農産物の輸送のコスト軽減、航空運賃等の低減、そういう自由な裁量のお金として、日本復帰六十周年記念を迎えた奄美群島に対しまして一定の配慮をしていただきました。ここにいらっしゃいます先生にも大変お願いしたわけでありますが、そういうようなお金をいただいたこと、奄美は奄美でこれから自立的に一生懸命頑張りたいと思いますが、この場をかりて厚く御礼を申し上げたいと思います。

 それから、鹿児島県の施策の展開の中で一つお話をさせていただきたいのは、アベノミクスもございますので、ことしの予算は、成長と安心と改革という形で、表題を出していただきました。成長、安心、改革の予算であります。従来、単に活力と言っていたのでありますが、やはり日本経済、この低迷から脱却して、成長していただきたいということもありまして、成長ということを表題に置いております。

 そのために、産業振興方策ないし公共事業の予算等々について、経済対策、雇用対策として、補正と合わせますと約一千億程度、九百七十五億円の予算を計上させていただいている、そういう状況にございます。

 それから、鹿児島県といたしまして、もう一つ、先ほどの経済の状況に関連して申し上げますと、国におきましては、中期財政計画に基づきましていろいろな政策をこれから講じられると思います。そして、またその中で、地方財政対策についても一定の御配慮をいただけるのではないかと思いますが、私どもの関心がありますのは、特に地方交付税の歳出特別枠の話であります。ことしは、一兆五千億のうち三千億が減額されましたが、一方、振りかえることによってほぼ同じぐらいの金額をいただきました。

 なぜそういうことを申し上げているかといいますと、地方財政計画というのがございまして、歳出の特別枠をいかに確保するかによって、鹿児島県の実は交付税の額が見事に変わってまいります。大体、地方財政計画に一兆円計上すると、鹿児島県の交付税が百億増加いたします。

 したがいまして、この一兆五千億程度積んでいただきましたから、大体、交付税の増が百三十から百四十億ぐらいではないでしょうか。それを原資にして、先ほど申し上げましたような四百五十一の財源不足の解消ないしはいろいろな経済政策をやっているわけでありますので、時流に応じて流れを見ながら整備するにしろ、地方の財政構造はそういう形になっていること、鹿児島はぎりぎりにおいて歳入歳出を合わせていますが、それは歳出特別枠があって初めて交付税を百億ないし百五十億確保できて、それで財政運営をしているということは、ぜひとも御理解いただければありがたいと思います。

 そうしませんと、同じような県が大体二、三十ぐらいあると思いますが、鹿児島は地方財政がもちませんので、国、地方の財政構造の中で、やはり地方に対しましては大変厳しいところが多うございますので、そういう意味で、今後とも御配慮をお願いしたいと思います。

 それから、もう一点だけお話をさせていただきますが、鹿児島県は、ここにきょうも公共事業関係、建設業関係の方も来ておられますが、社会資本の整備はいまだに大変おくれておりますので、必死になっていろいろな事業をやっているところであります。

 よその府県と比べますと、この公共事業、公的資本形成の割合がどうしても本県は高うございます。東京等、大都市では、公共事業を絞ってもそんなに経済に波及効果はございませんが、公的資本形成が高い本県において、公共投資は依然として大きな経済効果が見込まれます。

 就任したときには、平成十六年は、大体、GDP、県内総生産において七%程度、就業の数においても一〇%程度ではなかったかと思いますが、今はもう見事に、多分、従事者数で八%ぐらいまで落ちているでしょうか。それから、県内経済計算においても、県民所得においても、非常に効果がマイナスの方向に動いていますので、もうそろそろ限界ではないかということであります。

 公的資本形成をこれ以上縮めますと、必要な社会資本の整備ができない、維持補修ができないということもございまして、そういう意味で、ぜひとも今後、公共事業について、ヨーロッパ諸国の公的資本形成の対GDP比率も、大体、日本の方が低くなっていますので、もう一度その点を精査していただいて、必要な事業は必要な形でやる。

 特に、いろいろやり残した事業に余りにも時間がかかります。ミッシングリンクなんかは全体で六兆ぐらいでしょうか。それでも、鹿児島県の例えば西回りの高速自動車道、今の水準でいきますと、あと十二年ぐらいかかります。あと十二年ほど同じぐらいの公共投資ができるかというと、甚だ心配でもありますので、ぜひ何らかの機会に、そういうミッシングリンク等々、必要な社会資本の整備は一括してもうぱっと整備するような、そういう施策を講じていただければと思います。そうしないと、一気にそこまで解決できないと思うものですから。主要な高速道路等々がいつまでもつながらないというのはもうそろそろ限界かなということで、その点もよろしくお願いしたいと思います。

 私のもらっている時間が大体もう来ているようでもありますので、私からの陳述は、この程度にさせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。(拍手)

塩崎座長 ありがとうございました。

 それでは次に、西園靖彦君からお願いをいたします。

西園靖彦君 西園でございます。

 私は七十歳、現役を過ぎた者でございます。そういう者がこういう地方公聴会に参加させていただきまして、本人は非常に上がっております。ただ、急に引き受けざるを得ない状況だったことを御理解いただければと思います。自説、思いつき、自分の経験、申しわけありませんが、メモを見ながらお話しさせていただきます。

 四月から改正されます介護保険制度では、要支援の軽度者が介護保険本体から切り離され、地方市町村に移管されることになりました。予算はそのまま国から地方についてくるとの話ですが、地方分権のはしりとしては意味はあるかもしれません。しかし、過去の傾向を見ると、どうも、先々、軽度者は対象者から切り捨てられるのじゃないかという心配をしております。一千兆円もの赤字ではサービス給付の線切りもやむを得ないのかなとは思いますが、介護保険制度の大きな目標でございます自立への推進を外さないような行政をお願いしたいと思います。

 私も七十歳を超えてわかりますが、年々体力が落ち、病気も非常に身近なものになってきております。ところが、日本人の男性平均寿命は七十九・九歳となっていますけれども、健康寿命は七十・四歳というデータなんですね。十歳、差があるんです。そして、女性は八十六・四歳といいますけれども、健康寿命は七十三・六歳、十三歳も差があるわけです。ということは、私が七十歳ということは、私の同年代の半分は健康じゃない者という状態にあるわけでございます。そういうのを支えるのが介護保険だと思います。

 厚労省の掲げられる目標でございます健康21では、メタボ対策よりもロコモ対策が今後の課題だと言われていますが、人間は、そのとおり、無駄な脂肪を取り除くだけでは健康の維持は期待できません。人間教育も同じで、見てくれだけじゃなくて、肝心な骨格や筋肉を鍛えないと、健康寿命を延ばすことはできません。その面からも、介護予防は、重度の介護にならないための非常に重要な防波堤として、必要な制度だと思います。

 ほとんどの市町村は、非常にこまめに、丁寧に、親身になって高齢者に対応されています。しかし、地方に管理が移管された場合、一部の市町村公務員の中には、財政不足を口実に、予算がないからと、だんだんと予算を削減していくのではと心配しております。

 私の関係した介護保険の福祉用具利用でも、市町村では、福祉の担当者よりも、財政を握っています総務や財政担当者の発言が強いこともありまして、他地区では介護保険対象で利用できるような自助具的用具も使用制限が出た例が結構ございます。私たちが担当者に他地区での使用事例を話しても、用具に頼り過ぎれば、かえって体力低下につながると私は考えるから、用具に頼らない生活をするべきだとの個人的判断が優先される例が結構ございます。

 ある程度の筋力回復のトレーニングは重要でございますが、それはリハビリとして訓練すべきであって、高齢者に日常生活の中で筋トレを強要すると、生活自体の引きこもりにつながり、結局、運動や外出機会を減らすことになり、介護度を悪化させる事例を結構見てきました。霞が関の厚労省担当者に確認すれば、規則上は大丈夫ですよと言われるんですが、地方ではなかなか、市町村の担当者は国にまで確認をする迫力に少々欠けるところがあるのはいたし方ないことじゃないかなと思います。

 とにかく、若いお役人さんの中に、生活の手段の中にリハビリを押しつけるような大きな勘違いをされている事例がございますので、市町村へ移管されましても、国民の健康寿命を延ばす方向での指導力は残してほしいと思います。

 地方に住んでいる私たちからは考えも及ばないような、お泊まりデイサービスとか貧困ビジネスで、都会では法の裏をくぐるあくどい事業者もいると聞いています。国家財政や国民が負担している保険金の悪用を見逃さないような対策を十分立てていただいて、悪を許さない制度をおつくりいただきたいと思います。

 地方の産業振興問題では、農林水産業と観光の充実が大切と考えています。農業振興だけはよく議論されますが、水産業も食の重要分野で、世界遺産に取り上げられた和食文化では、肉よりも魚料理の方が日本食の代表になっているのは御存じのとおりでございます。健康寿命を延ばすためには、野菜と魚をしっかり食べる食育指導をお願いしたいと思います。

 また、日本の国土面積の七割を占める林業振興も重要でございます。民主党の方にはちょっと失礼な言い方になるかもしれませんけれども、民主党時代につくっていただいた公共建築物木造五〇%達成、これは非常にすばらしい制度だったと思います。けれども、現実は、鹿児島県でも、全国のどこの市町村でも、ほとんど達成されていません。法律は、つくるだけじゃなくて、ぜひそれを実行していただくような財政的な支援とか行政指導をお願いいたしたいと思います。特に林業は、植林してからできるまで五十年、百年を要する産業でございますし、日本の緑と環境を守るためにも、二酸化炭素削減からも、重要な産業でございます。木材利用ポイント制度の継続なども続けていただいて、木材利用促進の充実を期待しております。

 農業問題では、TPP交渉参加への反対論が強いですが、私は、ちょっと考え方が違いまして、本当に現状のままで十年先延ばししてもいいんだろうかと。今まだ基礎力があるうちにしっかり強い農業をつくっていただいて、その上でTPP交渉の条件は考えていただく。強い農業をつくっていただきたい、そのための強力な御指導をお願いしたいなというふうに考えております。

 地方の零細農家への一種の生活保護的な支援、失礼な言い方ですが、それと、これから十年、二十年先まで立派な国際競争力のある農業強化策、この辺の両立をお願いしたいなと思います。

 また、地方の今後の期待産業であります観光面では、単なる物見遊山的な観光から、観光振興は地方振興や農業育成とも密接につながる産業へと幅を広げてほしいと思っております。

 グローバル化した現在では、国内工業が海外流出し続け、地方にそのしわ寄せがほとんど来ております。第三次産業化が進めば進むほど、ネット産業が進化すればするほど、地方は不利な状況に置かれています。

 もう一度地方に工業再配置や復活進出は難しいと思いますので、そこで、地方産業を痛めつけている結果となっているネット産業には、利用額の一部に地方振興税を課税してもらい、都市部と地方の平準化を考えていただければありがたいなというふうに思っております。

 最近の観光は、日本食文化や世界遺産などの観光体験旅行や、スポーツ合宿、グリーンツーリズム、地方での生活体験学習、高度医療や健康を求めての旅行など、形態も幅広くなってきています。ということは、地域産業の総合的なリーダーとも言えるわけです。人口減少では、交流人口をふやすことで、地方の幅広い産業振興の残された星的産業と考えますし、東京に一極集中させない対策として、観光振興にぜひとも本気で取り組んでいただければと思います。

 その中で、国では観光庁、鹿児島県では観光局が数年前から設置されていますが、本気でやるんだったら、国では観光省、鹿児島県では観光部というものを新しく設置されて産業振興をしていただければと思います。

 それと、産業振興は、生産の改善対策だけでは、やはり限界があると思います。もっと需要促進の具体的な施策に取り組んでいただく必要があると思います。

 お米は、生産調整よりも、いかにお米をおいしく食べる方法を教育するか。林業でも、木材利用や木造住宅の普及も大切でございますが、木造住宅の耐用年数が極端に短いんです。これは、戦後のバラック建てのころの数字がまだ残っているんじゃないか。現実は、耐用年数の三倍以上の建物がしっかり建てられる技術が確立しています。その辺をお考えいただければ、木造住宅ももっと安心してみんなが取り組んでくれるんじゃないかなと。

 そこで、子供のころから、地域産業興しへの利用促進運動がふるさと振興の一番重要な課題であるということを、体験を通して子供に教えていただければと思います。

 教育問題では、権利と義務をしっかり教育すべきだと思います。

 鹿児島には、郷中教育という、大人に頼らず地域の先輩後輩がともに生活し鍛え合う制度がございました。教えの基本には、弱い者をいじめるな、うそをつくなということと同時に、負けるな、体を鍛えろということを大切にして、詮議という徹底的な議論の場がございました。

 最近の教育を見ていますと、弱い者に優しくするや権利が優先されているような気がいたします。負けるなや体を鍛えろもぜひとも同列に、マルチにたくましい教育指導もお願いいたします。

 鹿児島市にあります私立高校の寮が昨年末新しく改修され、見学しました。中学生は、八人部屋に一年生から三年生がそれぞれ三、三、二の割合で、共同生活が継続されています。薩摩藩の郷中教育の人間関係の育成とコミュニケーション力を大切にする考えが引き継がれていると思いますので、ぜひとも御参考にしていただければと思います。

 もう時間でございますので、もうちょっと言いたいことがございましたけれども、どうも失礼いたしました。

 ありがとうございました。(拍手)

塩崎座長 ありがとうございました。

 引き続きまして、川畑俊彦君にお願いをいたします。

川畑俊彦君 鹿児島県建設業協会会長の川畑でございます。

 今回、平成二十六年度の政府予算について、衆議院予算委員会の皆様に意見陳述する機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 当協会は、業種が多岐にわたる建設産業の中で、主に土木建築業を営む企業の団体であり、会員数が七百七十社、擁する従業員数は約一万四千人となっております。県内の建設業従事者が約五万四千人となっておりますので、全体に占める割合は二六%になります。

 それでは、まず、建設産業の現状と課題について御説明を申し上げます。

 皆様御承知のように、我が国の公共投資は、平成九年度の九兆七千億円をピークに、長きにわたり減少が続いてまいりました。同時に、建設業者数、就業者数も減少が続き、平成九年の六百八十五万人をピークに、現在は五百万人に減少いたしております。

 鹿児島県におきましても、国全体と同じ経過をたどっており、ピーク時と比較いたしますと、建設投資については五割、就業者数も六割の水準と、大幅に減少いたしました。

 こうした建設投資の減少に伴いまして、受注競争が激化し、企業の経営状況の悪化や、従業員や給与の削減、さらには、建設機械など財産の処分等も余儀なくされ、各企業では事業の継続や災害への対応等に不安が高まってまいりました。

 鹿児島県の県内企業の決算の推移を見ますと、本業の損益をあらわす営業利益率は、平成十九年度以降、マイナスが続いております。一方、担い手である技術者や技能者につきましても、ダンピング受注や下請へのしわ寄せ等に伴う技能労働者の賃金の下落等で労働環境が悪化し、若年の入職者が減少するとともに、高齢化が急速に進行し、将来の担い手の確保や、技術、技能の承継にも懸念が高まってまいってきております。

 これは全国のデータでございますが、技能労働者の賃金水準では、全産業の平均と比較して、建設業は二割以上収入が低く、就業者の高齢化に関しては、三十歳未満の建設就業者は一割、五十五歳以上が三割以上を占めているような状況となっております。

 また、ここに来まして、型枠工、鉄筋工など技能労働者や資機材の不足の問題、入札の不調、不落問題も顕在化しており、受注者である建設業界といたしましても大変苦慮している状況でございます。

 鹿児島県におきましても、特に建築業においてこの傾向が顕著でございますが、不調、不落につきましては、県発注件数に占める不調、不落の割合は、九州各県と比較いたしますとかなり低い水準にありますが、それでも二・五%となってきております。

 このような中、平成二十四年度後半から、デフレからの脱却や経済再生のためのいわゆるアベノミクスがスタートし、公共事業関係につきましては、平成二十四年度大型補正予算の編成を皮切りに、前年度を大幅に上回る二十五年度当初予算の編成、そして、今国会では、先般、二十五年度補正予算が成立をいたしました。

 あわせて、公共事業設計労務単価が大幅に引き上げられ、昨年四月とことしの二月、合わせて二割引き上げていただきました。また、低入札調査基準価格や最低制限価格につきましても順次引き上げが実施されており、近年の適正な利益が確保できない中で、建設業の経営環境や労働環境の改善に大きく寄与するものと考えております。

 建設業界といたしましても、適正な賃金の確保、支払い、社会保険未加入対策の推進に努めるなど、景気対策の先陣を切ってその責務を果たしていく必要があると考えております。

 また、現在、品確法の改正等を視野に入れた入札契約制度の改善について論議が進んでおりますが、地域社会を支えてきた建設業が活力を回復し、国民経済と地域社会に不可欠な役割を継続的に果たすためには、企業の安定した経営の維持に必要な適正利益の確保は不可欠であり、入札契約制度の改善は極めて重要なことであります。

 先ほど申し上げましたように、若年者の入職が減少するなど、建設産業を支える担い手不足が指摘されており、次世代を担う人材の確保、育成は喫緊の課題であり、この観点からも、制度の改善等をてこにした経営の安定化は急務となっております。

 地域の建設業は、インフラの建設や維持管理を通じて、地域の雇用や経済発展に寄与するとともに、災害時の応急活動など、地域防災の担い手として、これまでもその使命、役割を果たしてまいりました。

 特殊土壌の鹿児島県は、全国でも有数の土砂災害多発地帯でございますが、平成五年の八・六豪雨災害、平成十八年の鹿児島県北部豪雨災害、平成二十二年の奄美豪雨災害を初め、数多くの災害が発生をし、県民生活や産業経済活動に大きな影響を及ぼすとともに、県民の生命財産にも甚大な被害を及ぼしております。

 このような中、昨年十二月四日、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法が臨時国会で成立をいたしました。今後想定される激甚災害や地域基盤の急速な老朽化の進行等を見据え、災害に強い強靱な国土を構築するためには、広く国民の理解を求めつつ、中長期的に安定した財源を確保する必要があると考えております。

 地域の防災や減災を担う企業の事業継続や担い手の確保のためにも、将来が見通せる計画的、安定的な公共事業の見通しを示していただくことも極めて重要であります。

 今回の政府当初予算案は、経済再生、デフレ脱却と、財政健全化を目指すこととされておりますが、その中で、公共事業関係予算につきましては、インフラ老朽化対策や事前防災対策の強化、経済再生に向けた競争力の強化などを基本にして、前年度並みの予算が確保されており、今後の公共事業予算の安定的、持続的な確保に向けた第一歩と評価をさせていただいております。

 建設業界といたしましても、国及び地方自治体と緊密に連携をし、適正な賃金の確保や社会保険未加入対策の推進に努めつつ、公共事業の円滑な施工を確保し、デフレ脱却、景気対策の先兵となって責務を果たしてまいりたいと考えております。

 塩崎団長を初め、委員各位におかれましては、建設業の実情を御賢察いただき、平成二十六年度当初予算の御審議をいただければ深甚に思います。

 これで終わります。ありがとうございました。(拍手)

塩崎座長 ありがとうございました。

 次に、八木正君にお願いをいたします。

八木正君 予算委員会の地方公聴会で意見陳述をする機会をいただき、ありがとうございます。

 私、大学の方で、地方財政論あるいは環境経済論を教えております。経済政策全般に関心を持っておりますので、本日は、TPP、それから消費税、そして原発、再生可能エネルギーの問題について意見を陳述したいと思います。

 まず、TPPですけれども、鹿児島県は農業県だということで、とりわけ大きな影響を受けると思います。そもそも、この間のグローバリゼーションの中で、日本においても世界においても、ごく少数の富裕層と、それから非常に多くの貧困な人たちの両極分解が起こっております。

 その一つに、やはり、フリートレード、自由貿易という形で、弱肉強食が進んできたという問題があると思います。

 このTPPは、自由貿易という概念を極限まで推し進めて、関税を原則一〇〇%撤廃する、ゼロにしてしまう、そして、非関税措置についても次々と撤廃をしていくという形で進むということで、被害というか、日本の農民だけではなくて、非常に多くの人たちに被害を与えるものだということで、即時脱退をしていただきたいというふうに思っております。フリートレードじゃなくて、日本や世界の人たちの幸福、幸せということを考えると、フェアトレード、公正貿易というのを推し進めるというのが正しい方向かと思います。

 特に日本では、食料自給率が四〇%を切るという状況のもとでこのTPPが実施されると、もう二十数%になることは確実ということで、これまで食料自給率を少しでも上げようということで努力をしてきたはずだと思いますけれども、それが壊滅的な状態になるということはもう明らかなわけです。

 したがって、それによって、地域経済が破壊され、雇用も減り、内需に対しても非常に大きな影響を及ぼす。それからまた、アメリカ型のルールが押しつけられる。日本国内の事情で非関税措置がとられているものに対して、アメリカのルールを押しつけてくるということで、そして、ISD条項に基づいて企業からの損失補償が提起されるということが、これまでのカナダやメキシコ、あるいは韓国のFTAなど、もう明らかですので、そうしたものを、TPPをまず脱退するということしか逃れる道はないというふうに思っております。

 それから、環境ということで、モンサントの、アメリカの大企業による遺伝子組み換え作物が日本にどんどん流入してくる。あるいは、遺伝子組み換え食品の区分も表示されないということになるだろうというふうに思います。農家に対する補助金等では決して解決し得ない、根本的な問題点を抱えているということだと思います。

 それから、消費税については、やはり、この間、アベノミクスという形で言われていますけれども、大企業については、内部留保、利益剰余金が空前の規模に達していますけれども、我々国民というか、私自身も給与所得者なんですが、給料そのものが非常に減っております。それから、私の学校を卒業していく学生も、そもそも正規雇用が減っております。非正規雇用、契約社員やアルバイト、パートでしかそうした就職の先がないというようなことにもなっています。

 国民の所得が減少し、そして低所得者が非常にふえているという状況のもとで消費税を増税するということは、非常に大きな経済への影響がある。歴史的にも、これまで、消費税を設定し、あるいは三%から五%に上げたときに、景気が落ち込んで、決して増収にはならなかった。同時に、法人税の引き下げなどが行われて、むしろ財政赤字が拡大をしてきたということがあるわけです。

 したがって、消費税増税によって財政赤字が少しでもよくなるということにはならない、さらに財政赤字がひどい状態になるというふうに思っております。

 また、大企業にとって、輸出戻し税という形で、消費税が大企業の益税という形になっております。そちらの問題も解決をしていただきたいというふうに思っています。

 法人税の引き下げについては、実効税率を数字だけ並べると、国際水準で高いように見えますけれども、社会保障負担はヨーロッパでは相当なものになっております。それから、環境税もほとんどの国で実施されております。そして、日本独自の租税特別措置などを考えると、決して企業負担は高くない、むしろ低いくらいになっておりますので、そうしたことをきちんと考慮していただきたいというふうに思います。

 そして、三番目に、鹿児島には川内原発がありますけれども、その再稼働ということが取り沙汰されております。ぜひともこの原発再稼働はやめていただきたい。

 そして、私、みんなのでんきという形で、市民による、自然エネルギー、再生可能エネルギーを普及する、そういう組織というか、そういうものを立ち上げて、ぜひともこれから普及をしていきたいと思いますけれども、再生可能エネルギーをふやしていくことでエネルギーシフトを実現していくということをぜひ国のレベルでも支援していただきたいというふうに思っています。

 福島原発事故は、物すごい汚染水が放出されているということが明らかになって、収束が見えない状態なわけですね。この原発が全く収束ができないという状況のもとで、再稼働ということを考えるというのはあり得ない。とにかく、福島原発事故を収束させることに全力を尽くしていただきたいと思います。なぜその事故が起こったかということも、津波の前に既に異常が発生をしていた、地震でもって壊れたということで、今やられている安全対策は地震で壊れるということを想定すると、全く意味のないものということになります。

 また、鹿児島では、桜島が噴火して、ちょうど大正大噴火百年目ということになりますが、そうした火山の大噴火の影響も心配されているということになります。

 南大隅町には、高レベル放射性廃棄物の最終処分場を持ってこようという動きもありましたが、この地震国日本で、十万年、安全が確保されなければ意味がないようなものが、その安全が全く保証されないでつくられるということは決してあってはいけないというふうに思っております。

 再処理の問題も、使用済み核燃料の再処理、そして高速増殖炉「もんじゅ」、こういうものが全く稼働しない中で、イギリスやフランスに持っていって、プルトニウムは多くなっているわけですけれども、アメリカから返還を要求されるなど、プルトニウムの使用法も、プルサーマルという形、それを稼働するしかないというような状況のもと、どんどん矛盾を深めているわけですね。

 むしろ、そういう、原発をこれから動かしていくという方向ではなくて、資料として、ドイツの原発及び再生可能エネルギーの状況を図表にしたものを配付しておりますので、そちらを見ていただいてその説明をして終わりたいと思います。

 いろいろ誤解があって、ドイツでは、脱原発を決めても、フランスから電力を輸入しているんじゃないかというふうに言われています。フランスからは全体として輸入が多いんですけれども、ドイツ全体の電力輸出入は、二〇〇〇年のころから完全に輸出が輸入を上回っている、電力輸出国だということです。この間、特に原発を減らして、そして再生可能エネルギーをふやしていますけれども、もう完全に政策が成功しているということになります。フランスやデンマーク、チェコなどから輸入をしておりますけれども、それ以上にオランダ、オーストリア、スイスあるいはルクセンブルクなどに輸出をしているという実態をきちんと見ないといけないと思います。

 それから、二〇〇五年の時点では日本が太陽光発電で世界一だったわけですけれども、ドイツなどに完全に置き去りにされて、ドイツでは、原子力が一五%に対して、再生可能エネルギーが二五%近くになっているということで、もう着々と脱原発、もう二〇一七年には原発を全てなくしても十分やっていけるということをドイツの環境省が言っております。

 それから二枚目に、家庭用電力。ドイツは脱原発をして、電力価格が上がっているじゃないかという話もありますけれども、そこは、結局、もう時間がないので結論だけ言いますけれども、四ページのところのグラフ、日本とドイツを比較しておりますけれども、電力価格そのものは日本の半分程度になっております。再エネの買い取りの制度、それから消費税その他のところで、日本と余り変わらないような全体の電力料金になっておりますけれども、再生可能エネルギーをふやして、むしろ電力そのものにかかるコストは減少しているということになります。

 それから、再生可能エネルギーがふえていって、経済がどうなるのかということですけれども、五ページのところに、ちょっとグラフの色が薄いので見にくいですけれども、GDPとちょうど並行して、再生可能エネルギーがふえているということになります。それはなぜかというと、再生可能エネルギーで非常に多くの雇用が生まれているということです。

 時間がないので、最後、四枚目のところだけ説明をしますけれども、原発をやるかやらないかはっきりしないよりは、むしろ廃炉にするということを明確にして、そうすると、廃炉のために、やはり十年間程度、今の原発の定検などと同じぐらいの人数が必要になります。したがって、廃炉を決めたからといって、すぐに雇用が減るということではありません。それ以上に、再生可能エネルギーの場合には、非常に人員が必要な、そういう産業ですので、雇用が大変ふえるということになります。

 最後の、四ページ、一番下のところにありますけれども、電力関連雇用数というのを見ていただくと、原子力と一桁違う規模で自然エネの雇用数がふえているということで、脱原発、再生可能エネルギーをふやすことこそ、雇用をふやし、経済を再生する道だということを述べて、私の陳述とします。

 どうもありがとうございました。(拍手)

塩崎座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述者からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

塩崎座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。まず、森山裕君。

森山委員 自由民主党の森山裕でございます。

 きょうは、伊藤知事を初め、皆様方には、大変御多忙の中、貴重な時間を割いていただきまして、貴重な意見を陳述していただきましたこと、まず心から感謝を申し上げます。

 承りました御意見については、予算委員会の審議を通じまして国政に反映をさせてまいりたいというふうに思うところでございます。

 まず、伊藤知事の方に、私の方からお尋ねをさせていただきたいと思います。

 知事、今、鹿児島県統計協会がつくっていただいております資料を見せていただいておりますが、鹿児島県は、肉用牛の産出額も日本一であり、豚の産出額も日本一であり、カンショの収穫量も日本一であり等々、日本一がたくさんあって、大変すばらしいことだなと思うんです。TPPの閣僚交渉が二十二日からシンガポールで始まるところでありますけれども、この行方がどうなるのかというのは国民の皆さんの関心の非常に高いところでもあります。

 我々自民党は、昨年の七月の参議院選挙におきまして、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求していくということを公約として掲げ、選挙を戦いました。ゆえに、我々はこのことをしっかりと守っていかなければならないというふうに思っているところでございます。

 まず、伊藤知事のTPPに対する受けとめ方、見解をお聞かせいただければと思います。

伊藤祐一郎君 TPPにつきまして、皆様方、大変苦労しておられまして、その推移を固唾をのんで見守っている、そういう状況であります。

 将来の日本の大きな産業構造等々を考えます際に、TPPというのも一つの検討の対象ではないかとは思いますが、鹿児島県の産業構造を考えますときに、今の段階で、TPPが、言われているように、関税の一括撤廃、削減ということになりますと、鹿児島にとってはとても耐えられるような状況にはないと私は思っています。

 といいますのも、鹿児島は農業県であります。農業産出額が大体四千五十四億、四番目の農業県でありますし、実質的には、本当に農業によって生計を立てているのは北海道と鹿児島ではないかと思います。そういう意味で、農業関係の基盤整備等々を含めて、一生懸命農業の振興策を講じてまいりました。

 今御指摘がありましたように、全国第一位の農業生産物は結構ございます。そこで、例えば肉用牛でありますとか、豚でありますとか、カンショでありますとか、これは厳しい関税のスクリーニングによって初めて成立いたしておりますので、これで関税が撤廃ということになりますと、この産業が一気に壊滅的な影響を受けることは避けられないと私は思っております。

 特に、肉用牛等、例えば枝肉等々について、豚もそうでありますが、一般的な部位においてはとても価格競争力を持ち得ませんので、そういう意味で、鹿児島県の一番の基幹産業たる農業が壊滅することはぜひとも避けたいと思っています。

 鹿児島県の試算でありますが、TPPでここの関税がゼロになった場合、農業生産額で千三百億であります、そして、関連産業は千四百億、地域経済が千五百億、合計で四千四百億円の鹿児島県の経済規模が縮小することが見込まれるわけでもあります。鹿児島県としては、その点をぜひ御考慮いただきたいと思っておりまして、衆参の農林委員会等で皆様方が決議された方向に沿って今後の交渉をやっていただければ、継続していただければありがたいというのが偽らざる心境でもあります。

 以上です。

森山委員 知事、ありがとうございました。

 鹿児島県の場合には、農業、水産業という第一次産業が主な産業でありますし、また、そこに雇用が集積しているわけでありますから、大きな影響があるということはよく理解をいたします。TPPの交渉は大変厳しい交渉になっておりますが、我々も衆参両院の農林水産委員会の決議をしっかり守り抜く交渉でなければならないというふうに思っておりますので、その点はぜひ御理解をいただいておきたいと思います。

 それと、地方財政のことについて、知事が先ほど詳しく述べていただきました。特に、鹿児島県の場合は離島を抱えておられますから、いろいろな面で、財政的な面でもさらに厳しいものがあるんだろうというふうに思っております。

 ただ、奄美のことにつきましては、少し前進した予算を今計上しているところでありますが、このような政策を今後も具体的に進めていくことが大事ではないかなというふうに思っております。

 今、沖縄と奄美の格差が財政的な面で余り広がり過ぎますと、厄介な問題が起きてまいります。沖縄のことはしっかりやらなきゃいけませんし、それに負けないように隣接する奄美のこともしっかりやっていくことが大事だと思いますけれども、そうすると、種子島、屋久島という一般離島はどうなるのかねということが出てまいります。ここも同じような課題を抱えているものですから、離島の振興のあり方について、知事の考え方を少しお聞かせいただければありがたいと思います。

伊藤祐一郎君 先ほどの発言の中でお話ししましたように、ことしは、奄美大島、奄美の群島等につきまして、一括交付金二十一・三億というお金をいただきました。これも、実は、法律改正等々もありまして、復帰後六十年ということでありますので、長い交渉でもありました。ここにいらっしゃる先生方にも大変お世話になりました。

 そのときの主張は二つありました。沖縄に去年一括交付金が六百億出ていますので、その隣の奄美が全くないというのは平衡上とても耐えられない。少なくとも、二十分の一でいいから、五%というのは三十億でありますが、三十億ぐらいはぜひお願いしたいというのが一つ。

 それから、消費税が五%上がったときに、奄美において増嵩する消費税の額がちょうど六十億ぐらいと想定されます。計算しますとその程度になりますので、そうだとすると、その半分は奄美に落としてほしいということであります。といいますのは、奄美はもともと生活関連物資が非常に高い、ガソリンが高い。そういう状況でもありますので、その高いところに同じ率の税率で消費税をかけるのはいささか問題ではないかということもありまして、やり方としては二つあります。

 歳入論でいくとすると、奄美の消費税の軽減税率の話になります。ただ、軽減税率は少々重たいので、今の段階ではなかなか難しいということもあって、では、歳出論でやろうということで、その三十億をぜひ奄美に一括交付金をお願いいたしまして、先ほど申し上げておりますように、二十一・三億、今回は予算においてお認めいただきました。

 農産物の輸送経費ないしは島に住む方々が島外に出るときの航空運賃の軽減等に使いたいと思います。現在、大体二十数%の軽減になっているかと思いますが、それに多分三〇%ぐらいは乗せられるかと思いますので、交流が盛んになるのではないかと思っています。

 そこで、次の問題は、実は一般離島であります。

 一般離島とこの特別のところとどう理解するかという問題があります。そして、私どもは実はいろいろ戦略的に考えていまして、例えば、離島の中でも国境線を形成するところは、国境離島として特別の手当てをお願いできないか。やはり日ごろ国防の観点からいろいろな御苦労も多いわけだし、そういうところについては何らかの具体的な措置があっていいだろうというのが一つであります。

 それから、例えば、先ほどの一括交付金は、離島全体で二百島ぐらいあると思いますが、大分伸びたのでありますが、一括交付金はせいぜい十一億でありました。奄美が二十一億、沖縄が六百億というのはいかにもバランスが壊れているので、もう少しそこは、何らかの具体的なメルクマールをつくった上で、そのバランスの解消に入らざるを得ないのではないかと思います。

 鹿児島は、先ほど申し上げましたように、二十八の有人離島があって、その島々は、特に南西諸島の島々は、緊張関係が今非常に高まりつつある東シナ海に一番近いところにあります。これから極めて重要な役割、国防上の役割を含めてでありますが、そういう役割が高まってくるかと思いますので、そこらの点について財政的にも何らかの手当てをそろそろすべき、そういう時期にあるのではないかということであります。

 これは冗談として聞いていただきたいのでありますが、例えばトカラ列島、十の島があるわけでありますが、無人島があります。その無人島をある国が全部買いに来たら、おまえたち、どうするんだと言って、国の財政当局の皆さんを少々おどしているのでありますが、それが全く考えられないという状況ではなくなりつつありますので、我が国の領土、しかも、我が国の国境を形成するそういう離島群に対してもう少し何らかの手当てをすべき、そういう時期に来ていると私は考えております。

 したがって、今後は、それをより具体化するために、どういうメルクマールで、どういう基準で、はたまたそのロットをどの程度にするかというのが次の課題になっていくんだろうと私は思います。

 以上です。

森山委員 離島について貴重な御意見をお聞かせいただいて、ありがとうございました。

 引き続き、伊藤知事に伺ってまいります。

 今回、我々は、農業、農村十カ年の所得倍増計画という目標を定めまして、農業政策を大きく変えていこうとしています。

 一つは、産業政策をどう拡充していくかということであります。もう一つは、中山間地等、地域政策として農業問題にどう取り組んでいくかという課題であります。

 この中で、どうしても県にお願いをして頑張っていただかなければいけないのは、農地の中間管理機構という制度をどううまく動かしていくかということが大変大事な課題ではないかと思っております。

 鹿児島県においては、かなり農地が集積をされた地域もありますし、きょう見せていただいた金峰町なんかはその先進的な地域なのだろうと思います。

 ただ、そういう地域ばかりではありませんので、どうしても、やる気のある農業者に農地がしっかりと行き渡る仕組みというものが大事だと思います。また、不耕作地を少なくしていくという意味からも、今回始めようとしております農地中間管理機構制度というのは成功させなければならないと思っているところであります。

 このことについての鹿児島県の考え方あるいは取り組みがもしあるとすれば、お聞かせをいただきたいと思います。

伊藤祐一郎君 本県の担い手への農地集積についてでありますけれども、鹿児島県は、中間地域、条件不利地域が多いということもありまして、平成二十四年度で三七%であります。全国は五〇%ですので、相当低い状況であります。いろいろ努力しているんだけれどもなかなかうまく話し合いがつかないというのが、私どもも実感としてありました。

 今回、今、森山先生お話しのような新しい十カ年計画の中で、農業の競争力を高める、生産性を高めるという観点から、この農地中間管理機構のお話が出てまいりました。

 鹿児島は、大きな夢を農業に持っています。といいますのは、安心・安全・新食料供給基地かごしまというのでありますが、これからどう展開するにしろ、高品質の農産物に対する要請が高まること、そしてまた、やがてそれがアジアに向かっての武器になる、輸出の対象になり得るということも考えております。

 そういう意味で、農地集約を図り、生産性を高める努力を今後しなきゃいけないというところでもありましたから、今回の農地中間管理機構の話は、我々にとりまして大変ありがたい話であります。

 現に、特に大隅地域等々において、いろいろな商社の方々、例えば二百ヘクタールの単位で土地がないかとか、そういう話を現実にたくさん聞いています。土地が集約されたところには、二百数十ヘクタールの茶畑を展開しておられる農家もあります。生産性の非常に高い農業が展開されつつありますので、今回、これは県が中心的役割を担わなきゃいけないかと思いますが、この中間管理機構に集約する形において、もう一回、できる限りの農地の集約を図りたいと考えております。

 そのためには、いろいろな計画を策定したり業務を組織するために、どういう形で全体の仕組みをつくるのか、また、その仕組みが公平であるかというのをどう評価するか等々、いろいろな問題があろうかと思いますが、ある程度のお金のお世話といいますか、基金等々についての国の方の配慮もなされるようでもありますので、ぜひとも今回、いろいろな今までの経験を踏まえて、改めて、この中間管理機構における農地の集約を、鹿児島県全体の次の農業の、付加価値型の強い、採算性の強い農業を展開するために、なるべく早く展開したいと思っています。

 TPPの話に限りませんが、日本の農業がいつまでも保護的な産業であり得ないというのは、もう皆さん方が理解されつつありますので、自立する農業、しかも、最終的には各地域で競争力を持ち得るぐらいの農業、それから、若い皆さん方が夫婦で実際に農業に従事することを目指すような、そういう産業としての育成等々をにらんで、この農地中間管理機構に限りませんが、一生懸命、鹿児島県としては重点的な対応をしてまいりたい、そのように考えております。

森山委員 知事、ありがとうございました。

 知事がアジアを見据えていろいろな努力をしておられることは日ごろから敬意を表しているところでありますが、ぜひ、日本の農産物、鹿児島県の農産物、水産物等がアジアへしっかり輸出をしていける仕組みを夢見て、頑張っていただきたいなというふうに思います。

 あと、西園さんと川畑さんに一点ずつ伺いたいと思います。

 西園さんは、福祉の分野における木材の利用ということについて今までもいろいろな意見を発表していただき、木材を使うことによって、介護等々、非常にプラスになるという意見を述べていただいたやに思っているところでありますが、そのことを少しお聞かせいただきたいなというふうに思います。

 川畑さんには、アベノミクスを成功させるためには、どうしても、建設業に従事しておられる方々にどうたくさん給料を払っていただくかということが非常に大事な課題としてあるわけですけれども、現実として、今の状況で少し給料を上げる余裕が出てきたというふうに見ていいのでしょうか、まだそこまではいかないよということなのでしょうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

西園靖彦君 介護は、お年寄りに余りお金をかけ過ぎて、若い者にお金が行かないじゃないかというようなお話もございます。ただ、私どもが捉えている数字から見ると、高齢者率が約二五%ですけれども、今のアベノミクスにも絡んで、消費を年齢別に見てみると、二五%の人たちが三〇%ぐらい使っている、今の景気回復を引っ張っているのは、高齢者がかなり頑張っているところもあるという数字を聞いております。

 ですから、有効にお金を使わなきゃいけない、余り払えないよとおっしゃいますけれども、今消費を引っ張っている高齢者を、介護保険のサービスが低くなることによって高齢者が元気をなくしちゃ困る、芽を潰しちゃ困るというようなことをお願いしたい。

 それと、どちらかというと、介護サービスの中で、人間の手が優しいというふうに日本人は思い込んでいる人たちが結構多いんですね。私は福祉用具を扱っている会社でございますから、手前みそに聞こえるかもしれませんけれども、人間の手は、最悪の場合に人間の手を使うのであって、介護の目的は自立なんですよね。自立とは、人の手をかりずに自分でやる、そのためには道具なんだと。ただ、その道具も、御理解のやや浅い方々が結構いらして、一番先に福祉用具が削られて、自立促進と相反するんじゃないのかなと。その辺を厚労省もかなり気を使っていただいております。それが一つ。

 あと、木材でぜひお願いしたいのは、先ほどの公共工事五〇%。これは、私が話している人たちはごくわずかでございますけれども、どうもそこまで認識されていない行政の方が多い。それは業界の宣伝不足もございますけれども、特に民主党さんは、せっかく決めていただいた法律でございますので、ぜひこれをフォローしていただいて、そのためには木材をどんなふうに提供すればいいのかということは業界の方はかなり準備ができてございますので、やっていただきたい。

 それから、最後は、やはり建築の設計屋さんたちがもうちょっとこの辺をわかっていただく。だから、その辺を、設計屋さん、使いなさいよと。都会はともかくとして、地域は、林業を何とかしないともう地域が成り立たないのでございますから、さっき、教育と地域振興、そこをしっかり教えてほしいと申し上げましたのはそういうことでございます。

 それと、先ほども申し上げました。ぜひ一遍、木造住宅の償却年数を何とか、あれはもう現実と全然違っているんですね。バラックを建てた戦後の二十年代、三十年代はおっしゃるとおりでございました。だけれども、今、国の政策の中でいろいろな対策を打ってもらって、高品質のものをつくりなさい、百年住宅をつくりなさいとか、引っ張っていってもらっていますよね。それに近いものになっているわけでございますから。

 いろいろ話をしていまして、木造はもたぬからねということ、耐久、銀行からお金を借りるときにもその辺でひっかかっているようなところがございますから、あそこをちょっといじっていただくと、ぱっと需要が出てくるんじゃないのかなという思いはしております。

川畑俊彦君 今、私どもの技能労働者の年収が、建設業は大体三百九十二万円、全産業の平均は五百三十万というような結果が出ております。

 私どもも、事あるたびに会員に、給料を上げなさい、給料を上げてくれというお願いをしておるところでございます。しかしながら、やはり会社がまだもうかる体質になっていないものですから、会長、もうかったらという感じで、いわゆるボーナス的な上げ方が今現在出ているんじゃないかなと思っております。

 いわゆる労務単価も上げてもらいました。それから、最低制限価格も上げてもらいました。というようなことで、あとは随時、やはり企業がもうかるような体質になって、先ほど言いましたように、アベノミクスの経済効果の先兵となるように我々は頑張っていきたいと思っております。

森山委員 ありがとうございました。

塩崎座長 次に、玉木雄一郎君、お願いいたします。

玉木委員 民主党の玉木雄一郎です。きょうは皆さんありがとうございます。

 まず最初に、先ほど森山先生からもありましたけれども、TPPについて知事にお伺いしたいと思うんです。

 いただいた資料を見せていただくと、県内の農業生産額も、むしろ畜産業の方が六割ぐらいを占めておりまして、米を見ても、この資料だと六・一%ということで、やはり畜産業は農業の中でも大変重要な役割を占めていると思っております。

 今、衆参の農林水産委員会で決議をした中に、重要五項目というものを守るという中で、牛肉・豚肉というのが入っておりまして、米、麦等々とあわせて牛肉・豚肉が大変重要な項目ということになっておるんです。もちろん、五項目全部重要なんですけれども、今報道を見ますと、むしろ牛肉や豚肉が譲歩の対象になっているんではないかというような報道もあります。

 この畜産業、特に牛、豚に関して、TPPについての考え、懸念される影響といったことを改めて教えていただきたいなというふうに思います。

伊藤祐一郎君 御指摘のとおりでありまして、鹿児島の場合には、四千億強のうち六割が畜産業によるところの生産額であります。米はシェアとしてはそんなに高くないという状況であります。したがって、鹿児島のTPP関連を考えますと、やはり一番大きな影響が生じるおそれがあるのがこの畜産、牛、豚の関連であります。

 そしてまた、この牛、豚は、鹿児島を象徴する、先ほどパンフレットを差し上げましたが、黒毛和牛でありますとか黒豚でありますとか、何といっても全国一位の産出力を誇る鹿児島の農業の最も大きな基盤でありますので、ここのところが壊滅的な影響をこうむるというのは、いささか、耐えられる状況にはないわけであります。

 したがって、牛は牛で、豚は豚で、生産工程から、生産から最終的に出荷するまでいろいろな問題を抱えておりますが、そこに、もともとそれが成立しなくなるような関税の一括引き下げ等々が起こると、もう産業として成立しなくなるというのを皆さん方は恐れておられます。

 例えば、黒毛和牛等々については、非常にグレードの高い、A4ないしA5、A5の八以上の、五つありまして、サブディビジョンが一から十二まであるんですが、極めて高いレベルのものはそんなに市場価値が落ちるとは思いません。ただ、何といってもロットの、グレードの三ぐらいのところのものは、アメリカから大量に入ってくると、ともかく肉であればというレベルの戦いは、とてもではないけれども、鹿児島の、ないしは日本の生産構造から考えると、どうしてもコストが高くなるので、そこの面においてもう戦えなくなると思うんですね。

 したがって、今までもいろいろな仕組みをつくっていただいて、守っていただいていますが、それを一括して急激に軽減するというのは、まだまだ時期が早いし、もう少しいろいろな政策をあわせ講じてやらなきゃいけないとき。だから、TPPというのは、余りにも突然の、要するに晴天に雷が鳴るような話になりますから、とても持続可能性がなくなると思っていまして、そういう意味で、特に畜産を重要視する鹿児島県としては、TPPについては反対。

 しかも、それが、最後になって、今報道等において、牛、豚の話が急激に浮上しつつあるような報道がなされました。農水省に聞きますと、違うとおっしゃるんですよね。明快にそういうことは言っていません、たまたまどこかの言葉の端でそうなりましたということで、まだ農水省としては全くそういうことはありませんということで確約していただいているんですけれども、やはり、今回まとめるとすると、日にちが二、三日しかないので、もう最終段階まで来ていますから、はたまた、その衆参の農水委員会の決議、これと反するようなことがないように、本当にぜひともお願いしたいと思っています。

玉木委員 私、森山先生ともども農林水産委員でございまして、実は森山委員長のときに、初めて委員会で決議をしたらどうかと提案したのは私でございまして、これはぜひ守っていきたいというふうに思っております。

 それに関して言うと、農政に関して続いて質問したいんですが、農政の大きな改革、政権交代も伴って、今後行うんですけれども、飼料用米、餌米に対する支援を拡充して、今まで反当たり八万円だったところを、最大、収量を上げれば十万五千円まで拡充するということで、餌米に重点を置くことによって逆に主食用米を引き締めて、ある意味での需給のバランスをとっていこうという政策なんです。

 先ほどの、TPPで畜産がどうなるかということにも実は非常にかかわるんですけれども、これがあるなしはちょっと今の時点ではわかりませんのでおいておいて、飼料用米に対して支援を拡充していく、私はこの方向は間違っていないと思うんですが、一方で、主食用米についてはその分支援を減らしていくということになっておるんですけれども、こういう政策が実際うまくいくのかどうか。

 これは、価格への影響がどうなるのかということもよく見定めなければいけないと思うんですけれども、こういった飼料用米を中心とした作物へ重点的な支援を移していくということについて、知事のお考えをお伺いできればと思います。

伊藤祐一郎君 十分承知いたしておりませんが、米政策は大きく変換しつつあるのではないかなと思います。

 今おっしゃいますように、餌米等について一定の上積みを認める。これは、もともと米の水田活用の直接支払い、米の直接支払いですね、十アール当たり一・五万円が二十六年度は七千五百円等々大きく変化する中で、総額は確保していただいておりますが、その中で、どういう形で新しい資源配分を図るかという観点からの対応ではなかったかと思います。飼料についても、鹿児島は畜産県でありますから、稲わらでありますとか、いろいろなところに出かけていって飼料を確保していますので、餌米等が充実することにより、一定の価格で提供されると、鹿児島の畜産業としてもありがたいことでもありますから、そういう意味では、餌米等の生産について加速していただくことは大変ありがたいと思うんですよね。

 鹿児島は、もともと水田を主体とする農業構造になっていないので、どちらかといったら畑作、畜産でもありますから、水田はそんなに大きな影響を受けないのでありますが、ただ、日本全国を見ると、豊葦原の瑞穂の国というのはやはり水田が中心かと思いますので、米の仕組みだけは全国的にはきちっと守らなければいけないと私は思っていまして、そういう意味で、先ほど言いましたように、米の直接支払いについては若干お金を落とすけれども、飼料米でありますとか、はたまたこうじ用米、焼酎こうじ用米というのもありましたでしょうか、そういうものについては一定の加算をすることによって水田の経営に大きな変化がないような対応をするというのは、私は必然的にとらざるを得ない政策ではないかと思っています。

 私の理解が不十分かもしれませんが、そういう意味で、餌米等々について配慮していただいたこと、それがやがては大きく、米の生産体系についても、我が国全体の面において、協調ある形で制度として入っていくこと、それはありがたいことだと考えています。

玉木委員 知事にもう一点だけ、円安、円高の影響について一言だけお伺いしたいんです。

 これは、全国で聞きますとまだら模様でありまして、やはり円安で得する産業、得する地域と、逆に、農業でいうと、例えば配合飼料が高くなるとか、そういうこともある。

 鹿児島県全体で見ると、為替が安くなっていることについて、いい面、悪い面、両方あると思いますけれども、総合的な評価として、特に県内経済に対して、今現在どういう評価をされておられるのか。

伊藤祐一郎君 これもいろいろな評価ができるのではないかと思います。

 おっしゃいますように、農業については、国内は別として、飼料価格等が非常に高騰いたしますので、必ずしもプラスでないかと思いますが、一方では、鹿児島県は、もう一つは観光で成り立っていますから、円安というのは観光客が一気に鹿児島に来る契機をつくっていきますので、大体、定住人口が一人減っても、七人の外国人の観光客が宿泊をしてくれれば年間の需要はそれで補えるというのが国の指標でもありますから、そういう意味で、そこにインセンティブが入ると大変ありがたいことでもあります。

 ただ、少々心配していますのは、先ほども少々申し上げましたが、それ以上に、そういう産業に関係なく、年金生活者とか云々、そういう方々は、円安になって、当然のように、物価が必然的に上がってまいりますし、円安は、やはり相対的に国民の所得を低下させるというか、国民経済計算上は全くそうですよね、それは国民がある程度貧乏になるわけだから、それがどの程度までなら耐えられて、それを契機にして日本経済が再生するのかなというぎりぎりの選択があるんだろうと思うんですよね。

 だから、そこは十分に全体のマクロの数字をごらんになった上で見詰めながら、単なる円安がいいわけではないので、大体私の感覚で、今ぐらいの水準以上に安くなると、今度はマイナス面が一気に出てしまうのではないかと思っていますが、百五円以上は安くならないようにしてほしいなというのが私の実感でもありまして、そういう意味で、これも非常に、政策当局は固唾をのんでその数字を追っかけているかと思いますので、本当によろしく御配慮をお願いしたいと思います。

玉木委員 明確なお答えをいただきまして、ありがとうございました。

 続きまして、川畑会長にちょっとお伺いしたいんです。

 先ほど少しお話がありましたけれども、全国的に今起きている問題で、いわゆる不調、不落の問題、この点についてもう一度御説明をいただきたいのと、あと、これも全国的な問題なんですが、人材確保が大変難しくなっているということがあると思います。これに関して言うと、外国人労働者をもうそろそろ入れないとなかなか間に合わないんじゃないのかというような話もありますけれども、この不調、不落についての現状と、人材確保、とりわけ外国人を今後入れるべきなのか、それは少し差し控えた方がいいのか、そうはいっても人が足りないぞといった、この人材の件について、二点ちょっと教えていただければと思います。

川畑俊彦君 不調、不落につきましては、一応、鹿児島県内では七十九件となっております。九州でいいますと、もう一番低いわけで、二・五%になっております。

 よく私どもも国交省といろいろ話をするんですが、やはり、発注時期とか発注ロット、そういうものを一緒になって考えてやっていけば、不調、不落の問題も大分落ちつくんじゃないかということを私ども鹿児島では考えております。

 実際に、また鹿児島県の方でも、県の方とよく話をして、不調、不落の問題については、そういう形の中で、発注時期を考える、発注ロットを考えるというようなことをやっております。

 ただ、今先生がおっしゃいましたように、外国人労働者につきましては、今のところ鹿児島ではそういう必要はないとは思うんですが、東日本大震災、それから東京オリンピックの工事が始まりますと、どうしても鉄筋工、型枠工、そういう人たちが全部引っ張られていく、また、技能者、技術員、そういう者も引っ張られていくということが実際に起きてくるんじゃないかということを大変危惧して、これは、我々建設業、全国の建設業協会の中でも、この問題については随時、もうちょっと考えていかなきゃいけない。人間はどうしても足りなくなるということなんですよね。

 足りなくなる一つの要因が、やはり賃金が安かったということなんですよね。先ほども話をしましたように、全産業の中で一番安い賃金体系だということで、どうしても入職者が、三十以下が一割しかいないという現状の中では、やはり、三十過ぎたら自分の家を建てたいなとか、そういうことができるような賃金を払いたいということを我々は目標にしているところでございます。

玉木委員 ありがとうございました。

 そうしたら、最後に西園さんにお伺いしたいと思うんです。

 公共建築物の木造化の法律について言及いただいて、ありがとうございました。あれは民主党政権下で、全党一致で農林水産委員会でも通した法律でありまして、その意味では、政権はかわりましたけれども、みんなでしっかりと推していこうというところは変わっていません。しっかりと進めていきたいと思います。

 ただ、あの当時も、いろいろ話をしたら、やはり一級建築士の人でも、木造の建築物は図面が描けない、学校で教えてもらったこともないというような人もふえていまして、実は、いろいろな支援をしても、最初の設計がなかなかうまくいかないというような話もありましたので、先ほど、最後の方で言及されましたけれども、そういった人材育成も含めてやっていかないとなかなか広がっていかないのかな。

 ただ、例えば、木造で学校をつくったり、介護施設にしても、つくるといろいろな、子供にしても、精神的ないい効果が出るとか、あるいは感染症を予防できるとか、さまざまな効果も指摘をされておりますので、その意味でも、そういったことはぜひ与野党を超えて進めていきたいなというふうに思っております。

 その上で、本職のお話をちょっとお聞きしたいんですが、先ほど、要支援一、二を介護保険から外して地方に移管すると。今の政府の説明は、必ずしも介護保険制度からは外さないということにはなっておるんですけれども、ただ、地方に移管していく、そのときに、受ける側の地方の財政力とか、あるいはそれをこなす人材とか、そういう受け皿がどうあるのかということで、地域によってサービスに少しばらつきが出てくるのではないかとか、あるいは質においても少しいろいろなところで差が出てくるのではないかと懸念が示されているのも確かであります。

 その意味で、今お話をお伺いしたいのは、むしろ、財政というよりも、いろいろな、地方の人がやるより、国がある種、一律の基準というか一つの観点でしっかりそこは見た方が、正しいサービス、適切なサービスが行われるということの理解でよかったのか、その辺、少し御説明をいただければと思います。

西園靖彦君 大部分の鹿児島県、宮崎県内の介護の行政の方々、非常によくやってもらっているんですが、ごく一部、やはり介護の、福祉の担当の方々が決めようとしても、財政的な問題で減らせとかいうようなことがあるんじゃないかと思うんですね、実態はつかめませんけれども。だから、その辺で、やはり地方の財政をしっかり皆さんが支援していただかないと、結局はお年寄りの介護サービスに影響するんじゃないかと。

 影響している割合は、まだほんの知れたものですけれども、そういう、今まででも問題が時々あったんだから、おっしゃったように、今後は格差が相当出てくるんじゃないのかなということは、やや心配しております。

 ということでよろしゅうございますか。

玉木委員 はい。

 なかなか国は認めないんですけれども、正直言うと、やはり一定の財政削減効果というのは当然期待してやっていく話になると思うんですね。ですから、もちろんサービスを下げようとは思わないんですが、より少ないお金で同じサービスあるいはそれ以上のサービスを民間も含めてさまざまな工夫の中でやってほしいというのが趣旨なんですが、ただ、なかなか現実はそういうふうにならないところも出てくるかもしれないので、そういうことがないように、ここはしっかりとまた国会の場でも議論していきたいと思いますし、今いただいた御意見をまた予算や制度に反映させていきたいと思っております。

 ありがとうございました。

塩崎座長 次に、中山成彬君。

中山(成)委員 こんにちは。日本維新の会の中山成彬でございます。

 ちょっと自己紹介じみますけれども、私は隣の宮崎県の小林市、旧薩摩藩でございまして、高校がここ鹿児島だったものですから、きょうは伊藤知事、そして西園陳述人、後ろの方に宮路先輩とか岩屋先生とか、同じ高校の出身者がいっぱいいますので、何か身内で話すような気がしてしようがないんです。

 それと、やはり、宮崎と鹿児島というのは、非常に似通っているところもあるし、また、似通っていないところもあるんですね。だから、陳述人の皆さん方がいろいろ話されたことは、まさに私と同じような問題意識があるわけでございますけれども、ちょっと違うのは、高速道路、新幹線、西の方はもう既に通りまして、残念ながら宮崎の方はまだ高速道路もできていないということで、ちょっと寂しいんですが。

 逆に言いますと、伊藤知事も言われましたけれども、鹿児島というのは、北から南まで非常に範囲が広いし、その地域も多様でございます。また、有人離島が二十八あると言われました。そういった中で、いろいろな行政需要があるんだろう、こう考えていまして、苦労されておりながら、先ほど話がありましたが、平成十六年に四百五十一億の財源不足だったのが平成二十三年にはゼロと、七年でゼロにしたというのはさすがに地方財政のプロだなと尊敬するわけです。

 やはり、中央で、自治省、総務省で経験されたことと地方の知事になって考えることは、ちょっと違うのかな、同じような感覚でいらっしゃるのかなと思っているんですけれども、地方分権ということについてお話をお伺いしたい、こう思っているんです。

 先ほどから農業についてもいろいろな話がありましたが、北海道に行きますと、広い畑が広がっていまして、酪農とか野菜とか、いろいろなものをつくっています。東北の方に行きますと、それこそどこで減反しているのかなというほど、ちょうど選挙の応援に行ったものですから、本当に水田が広がっている。宮崎に行きますと、半分近く減反で、ハウス農家とか畜産が盛ん。鹿児島も同じような感じで、水田も少ない、畜産が盛んということで、それぞれ違うんですね。

 そういった中で、私は、特に農政というのは、全国一律の農政というのはなかなかぴたっとこないので、まさに農政こそが、地方分権、地方に権限と予算を与えて、それぞれの地域がその地域に一番合った農政を展開する、そういう分野じゃないかな、こう思うんですけれども、伊藤知事がどのように考えていらっしゃるかを最初にお聞きしたいと思います。

伊藤祐一郎君 特に地方自治ないしは地方分権と農政との関係についてのお尋ねということで、私の考え方を若干申し述べさせていただきます。

 まさに、申し上げますように、日本全国いろいろな地域があります。そして、それぞれの地域で、そこに根づいたいろいろな産業の一つとして農業があるわけでありますから、北から南まで、農業はまさに多様であります。そしてまた、多様な品種のものを多様に生産しているということであります。

 ただ、その農政を国の政策として展開する場合に、どういう形でその指令を出すのかという問題があると思います。

 結論から申し上げますと、農水省は、もともと地方にいろいろな出先、農政事務所を持っていますので、そういう意味で、地方の声を吸い上げてそれを行政に展開することに、やはり農水省はなかなかの蓄積があるなというのがいつもの実感であります。

 この十年間、いろいろな問題がありまして、農政だけに限りませんが、例えば例をとりますと、口蹄疫があったときでありますとか、それから、海においていろいろな不祥事が生じたようなときに、農水省の場合には、一緒にこちらの方に来ていただいて同時に対応していただきますので、私は、基本的には農政は今のままでいいのかなという感じを今強めています。

 ただ、一つ、二つ申し上げると、農政というのは、全国ベースでやらなきゃいけないんだけれども、例えば、土地利用の問題、端的には農地法の、転換の問題になるんですが、農地転換等々については、各地域において判断基準が違うように思うんですね。九州農政局は厳しいけれども、例えば関東農政局は甘いとか、逆かもしれませんが、そういうようなことがあるので、そこのばらつきをどうするかという問題はあるんだろうと思うんです。そこはそれとして、そこを踏まえながらいろいろな各地域に合った農政を展開していただければいい。

 そしてまた、全国で一律的に号令をかけているように見えますが、実際には非常に幅の広い形になっていますので、最近になりますと、特に選択型といいますか、それぞれの地域の実情に応じて農政をできるような形で展開していただいていますので、基本的に、この十年間で、農政の一番基本的なことにおいて、農水省とその政策がぶつかるようなことはありませんでした。

 だから、そういう意味で、もともと鹿児島県は農業が中心ということを理解していただいていますので、むしろ、我々の方の情報をいろいろ農水省はお聞きになった上で、それを全国に当てはめるかどうかという判断をなさる。鹿児島なりの特性があれば、例えば畜産なんかについて、畜産についてのいろいろな価格の決定の際も、鹿児島の事情を十分踏まえて対応していただく。これは先生方のお力も強いんですけれども、そういう形で大変円滑にやらせていただいているのではないかと思います。

 たまたま鹿児島県出身の国会の先生方が、森山先生を初め農水関係の要所にいらっしゃいますから、そういう意味では、今のところ行政的には私どもとしては非常にやりやすい状況になっていますから、今の段階において、特に地方分権と国の方の農政がぶつかるということは、鹿児島県においては余り感じておりません。

中山(成)委員 ありがとうございました。

 例の口蹄疫が発生したとき、宮崎が御迷惑をかけたんですけれども、鹿児島の県境をぴたっと見事に封鎖されまして、鹿児島には一歩も、一歩もといいますか、一頭も出なかったというのは、さすがだなと感嘆したんですけれども、そういう意味では、山中貞則先生を初め、鹿児島には農政関係の実力者がいらっしゃって本当に恵まれているなとうらやましくも思います。宮崎もたくさんいらっしゃったんですけれども。

 ところで、私は、時々鹿児島に行きまして、種子島、屋久島、それから、去年は口永良部というんですか、あそこに行ったんですよ。人口百四十人のところで、ここでも小学校、中学校が一緒のがありまして、生徒数が十一人いたのに先生が十二人ということで、ああ、やはり金がかかるなと。また、そこで教わった子供たちがみんな出ていかないといかぬというようなこと。

 この前、沖縄の南大東島に行ってきました。去年は台風が何度も来ましたし、しかもTPPの関係で、今聖域とされていますが、畜産とサトウキビ、こういったものが、もし関税がなくなるとか下げられるとなったときに、そこの地域に住む人は一体どういうふうな生活をしていけばいいのかな、そういう問題意識を持って行ったんです。

 南大東島へ行きましたら、畜産はゼロになっていましたね。これは聞いたら、安愚楽牧場が出ていたんですけれども、倒産ということで、今や、まさにサトウキビばかり。あと、連作障害の関係もあってちょっとカボチャをつくっているということでしたけれども、島からよそに持っていくには、野菜とかそういうものじゃないわけで、やはりサトウキビということですけれども、先ほど話にありましたカンショとかサトウキビ、これを何とか守らないといかぬなと、TPPの行方、きょう、あした、交渉をまさにしているわけですけれども、そういうことを本当に深刻に考えています。

 そのとき、南大東島の真ん中には製糖工場があるんですけれども、その煙突に、サトウキビは島を守り、島は日本を守る、こう書いてあった。まさに知事が先ほどおっしゃいましたけれども、国境の離島といいますか、こういったところは、やはり安全保障、安保の観点からもとても大事なところだ。そこに人が住むということが安全保障の第一条件だ。尖閣列島も、残念ながら、戦前は人が住んでいたんですけれども、今や住んでいないということが大きな問題なんです。

 そのとき島で、サトウキビは一トン当たりの収穫が五千円だ、しかし、それに一万五千円の補助金が出るものだから、サトウキビ農家がやっていけるんだ、こういうふうな話を聞きまして、なるほどそうだなと。やはり、もしTPPが進展したとしても、国なり県なり、そういったところの補助といいますか、これはもう本当に経済原則を超えた補助をしなきゃいかぬなと思っています。

 国は一生懸命やると思いますけれども、県として何かそういったことを考えていらっしゃるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

伊藤祐一郎君 離島における農業をどういう形で展開するかということであります。

 特に鹿児島離島は、大体、産出額が二百九十七億、三百億ぐらいなんですよね。そのうちのサトウキビが百億、畜産で五十億、そして野菜等々で七十七億ぐらいの数字でしょうか。そういうことで、何といっても産業がない。島において農業というのは生産基盤であり生活基盤そのものですので、やはり一番力を入れなきゃいけない、そういう産業だと思うんです。

 そして、今一生懸命やっているのは、特に島の農業というのは、従来、水がないことによって理想な展開ができませんでした。今、一生懸命、徳之島でダムをつくり、永良部で地下ダムをつくり、喜界の地下ダムは完全に完成していますが、これは大成功だったと思います。生産が一気に上がり、新しいトマトでありますとか、それから花卉類、ソリダコとか、一千万農家が非常にたくさん発生いたしましたから。

 そういう意味で、やはりまだ島の農業は基盤整備が大変大切ではないのかなと思っていまして、一生懸命その展開をしています。一時期、農業基盤の財源が非常に不足しましたので進捗がおくれたのでありますが、またもとに戻りつつありますから、とりあえず、島の農業はその生産基盤、特に水の管理を先にやらせてもらいたいと思います。

 ただ、国のダムができましても、なかなか県の末端給水が、末端の管の方の整備がおくれますので、なるべくそういうことにならないように今後努力したいと思います。

 先生今おっしゃいましたように、確かに公定価格でありますから、サトウキビは今は制度によって守られていて、そのための非常に複雑な制度もあります。ただ、何といっても、TPP等で一気にそこらあたりが、もともとの基準が崩れますと、全体のスキームが成り立たない。

 やはり、島にはサトウキビしかないと思うんですよね。それは生産性の問題もありますけれども、台風に強いし、台風の常襲地帯でもありますから。それとまた、サトウキビとともに島の経済が成り立ってきたという経緯があるので、南大東島にかかわらず、奄美の島々もほとんどそういう形に置かれています。

 御案内のような病害虫の発生があって、鹿児島のサツマイモというわけにいきませんので、そういう意味でも、今後ともこのサトウキビというのは島の経済を守るための基幹産業だと思うし、そのための重点化なり、いろいろな生産性の拡大につながること、糖度を上げるための仕組み等々について、いろいろ努力をしなきゃいけないと思います。最近はメイ虫でありますとか、非常に病害虫が発生したり、生産が三年にわたって台風で非常に大きな損害があったり、サトウキビ農家も、公定価格の中にとはいいながら、非常に今苦労していますので、そこらあたりを行政がどういう形で支援していくかというのは、今後の課題ではないかと思います。

中山(成)委員 ありがとうございました。

 私もダムを見ましたけれども、南大東島に行ったときも、すごく畑地が、かんがいが進んでいました。ですから、若い後継者もなかなか元気があってよかったということでございますので、国としても力を入れていかなきゃいけませんが、県の方もよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、西園先生にお願いしたいんです。

 介護道具といいますか、パラリンピックでもそうですけれども、ちょっとした補助器具があるとすごい記録が出るわけですけれども、先ほどお話がありましたように、いかに健康でいるかと。健康年齢を引き上げるためには、私は、介護ロボットだとかいろいろとそれこれが出てくると思うんですけれども、まさに、いわゆる介護といいますか高齢化の先進県でもありますから、ぜひ頑張っていただきたいと思うんです。

 先ほどお話がありましたけれども、地域振興ということがいろいろありましたが、この前、私、川内から水俣までおれんじ鉄道の食堂車に乗ったんですけれども、何とよく頑張っているんだというような感銘を受けたんです。やはり、何かそういったことで、鹿児島も一生懸命頑張っているなと思いましたけれども、せっかく皆さん来ていらっしゃいますから、そのおれんじ鉄道を含めたPRをひとつしていただきたいと思うんです。

西園靖彦君 おれんじ鉄道の一番の株主は鹿児島県でございますから、経営のことは別にしまして、私は川内出身ですが、川内は、原発がとまったことによって、原発の火が消えたというのは街の灯が消えるんですね。それと、川内もちょっと問題があったんです。農業、観光に関して、こう言うと怒られるけれども、鹿児島県内では一番、それまでは余り気にとめなくても済んでいたところで、原発の火がとまってから、慌てて観光、農業を一生懸命やった。いいものを持っていたんですけれども、やはり人間、関心がないとだめなんです。

 それと、川内でいいますと、甑島というのはすごい魅力ある場所なんですね。これを産業に生かさなきゃいけない。

 それで、先ほどのおれんじ鉄道は、新幹線建設のかわりにJRから切り離されたんですけれども、これも考えようによっては、鹿児島からの人間を運ぶのは、新幹線というのはさほどあれなんですが、大阪とか広島とか、最近は広島あたりの方が、新幹線ができる前からすると相当ふえているんですね。ボリュームは少なくても、倍率からいったらすごいんです。そういう人たちをいかにおれんじ鉄道に乗せるか。新幹線とおれんじ鉄道とセットにして、おれんじ鉄道の途中の列車は、夕日が落ちるのがすごくきれいです、皆さんもぜひ見てください。特に東京、大阪の方々は、夕日の落ちるのをほとんど御存じないですから、あそこを見ると感動されます。本当にそれだけで感動されるぐらいのすばらしいところでございます。それが川内に着いたら、では後どうするかといったら、その甑島までつなぐということで、この三つがつながってきています。

 ですから、おれんじ鉄道は、その後の、川内から甑島まで行く船が四月から就航しますけれども、これがまた同じデザイナーがやって、すごく立派なものができつつあります。そうしたら、鹿児島県内でも新しい魅力のある離島観光ができるんじゃないかなと。

 先ほど離島の話が出ましたけれども、すばらしい甑島も離島でございますし、あそこは国防のための自衛隊の基地もしっかりやっていますので、ぜひ関心を持ってお出かけいただきたい。

中山(成)委員 ありがとうございました。

 あれは宮路先生の選挙区でありますから、ぜひ皆さん来ていただきたいと思います。

 それで、最後にちょっといじめのことで、実は、私は、きのう、おととい、予算委員会で座っていましたら、配られた資料で、いじめの認知件数が鹿児島が飛び抜けて多いんですよね。どうしたことだと思ってびっくりしたんですけれども、千人当たりの認知件数が、鹿児島は百五十六人、それが例えば同じ九州でも、佐賀県は二人とか、福岡県は二人とか、おかしいなと思うんです。また、全国的にも去年が急にふえているんです。

 先ほど西園陳述人が言われましたけれども、鹿児島というのは昔から、負けるな、うそをつくな、弱い者いじめをするな、私はもう道徳はこれだけでいいと思うぐらいなんですけれども、その鹿児島、郷中教育で先祖代々そういうことをやってきたはずなのに、何でこんなにいじめが多いんですかね。何かこれは統計のとり方が間違っているか、私は全国の皆さん方に誤解を受けていると思うので、ちょっとその辺は、伊藤知事、どういうことですかね。

伊藤祐一郎君 実は、東京に参りますと、おお、いじめの帝王が来たと言われます。それぐらいに件数が鹿児島県が突出した数字で出てまいりますし、特に、引かれました佐賀県あたりは、ほとんどないデータしか出てこないんです。

 どうしてこういうことになったか聞きましたところ、ともかく子供たちに調査をして、心象風景みたいなものなんですよね、いじめられたと思ったのは全部いじめでカウントです。ほかのものは、いじめられたと思ったところで、何かに物理的な変化がないと、ないしは現象的な変化がないと取り上げないと思いますが、鹿児島のいじめは、子供たちが心の風景としていじめられたと思った瞬間に一件として上がっています。

 したがって、多分それが、何というんでしょうか、一番、限界のいじめの数字がその数字になるんだろうと思います。そして、その中で本当に問題が発生するのはごくごく少数ということで私は理解していまして、今、教育委員会には、ともかく減らしてくれというのを強く申し上げています。

中山(成)委員 鹿児島は、例の学校栄養教諭も先駆けてふやしたんですよね。私は、本当にそういう意味ではうらやましいなと思っていたので、教育を一生懸命やっていらっしゃるのになぜいじめだと思ってちょっと聞きましたけれども、もうひとつ名誉挽回のいい機会になればよかったな、こう思っています。

 時間が来たのですけれども、最後に、川畑陳述人に。

 何も聞くことはありません、同じ考えなんですけれども、やはり、高速道路がまだできていませんよね。早く、宮崎から志布志を通ってずっと、鹿屋、鹿児島を通るような南九州の環状高速道路というのをどうしてもつくりたい、知事も言われましたが、一挙に何かやらないかぬな、そういうふうなことを私も考えているので、ぜひ一緒にやりたいと思っています。

 業界も、今、鉄筋工とか型枠大工だとか、本当にいなくて大変なんですけれども、後進の育成といいますか、もちろん我々としても、公共事業をふやしたり減らしたりとかじゃなくて安定して予算はつけていくということ、特にこれから更新とかいろいろありますからやりますので、ぜひそういった面でも業界として頑張っていただきたいなということを最後にお願いいたしまして、終わります。

 ありがとうございました。

塩崎座長 次に、浜地雅一君。

浜地委員 公明党の浜地雅一でございます。私もちょっと自己紹介をさせていただきたいと思います。

 九州・沖縄の比例ブロックの選出の議員でございます。一昨年初当選でございますので、皆様方、お会いした方もいらっしゃいますが、初めての方もいらっしゃるかと思います。きょうは、鹿児島県選出の大先輩の先生方と、また、九州の大先輩の先生方に囲まれまして、若干緊張はしておりますけれども、しっかり皆様に御意見を聞きたいと思っております。

 まず、伊藤知事の方にお聞かせいただきたいんです。

 奄美の奄振についてなんですが、実は、公明党、奄美のティダ委員会というのがございまして、奄美の各首長さんと定期的に意見交換をする会がございまして、私もことしからその事務局長に就任をさせていただきました。それで、候補者時代にも奄美群島を全て回らせていただいた経験はあるんですが、先ほど、これから奄美、特に沖縄との差を縮めたい、特に違いという面で、しっかりメルクマールをというお話を頂戴しました。

 今回、奄振については、奄振が改正した後に、また交付金として二十一・三億円のお金がおりてくるわけでございますが、どうしても、特にこの二十八ページを見ておりますと、やはり、人や物の輸送コストの問題、ここにほとんどの費用が使われてしまっているんじゃないかという懸念がございます。

 奄美に行きますときは、鹿児島までは安いんですけれども、そこから行くときに、結構飛行機代も高く、そのことを実際自分も移動して痛感をしている次第でございますが、そうなってきますと、やはり、物流コスト以外のところで、例えば奄美の中で、先ほど、農業ではサトウキビというお話がありましたが、観光という面であるとか、または、しっかりと奄美の振興のために、県としてどういった施策が具体的におありなのか。

 特に、東京に行きますと、小笠原とやはり比べられます。小笠原は、東京からの疎開の人も多く、どんどん人が戻られているというふうにも聞きますし、また、観光客もふえておりまして、小笠原は人口がふえていると。国交省の雰囲気を聞きますと、小笠原は、自立的に地域の特性を生かしながらやっていく雰囲気があるんですけれども、奄美の方は、やはりそのところをもう少し強く強調してほしいという意見もあるんですが、そのことについて聞かせてください。

    〔座長退席、上杉座長代理着席〕

伊藤祐一郎君 奄美をどういう形で振興するかというのが、県としても今後の非常に大きなテーマのうちの一つであります。特に、公明党の先生方には、本当に奄美に何回も入っていただきましたし、また、今の国土大臣も公明党の御出身で、今回の二十一・三億についても大変御協力をいただきました。そしてまた、奄美の復帰の六十周年の記念式典には、お忙しい中現地まで来ていただきまして、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。

 奄美は、いろいろな産業形態としては、やはり農業が主体であります。そして、従来は大島つむぎという伝統産業がありましたが、かつて三百億程度産出していた産業が、今ではその十分の一程度まで縮小してしまいまして、なかなかきちっとした産業が今見つからないという状況でもありますが、ただ、次の段階では、やはり観光が一つの大きな目玉になると私は思っています。

 奄美の立ち位置を考えますと、環黄海経済圏の一番いいところにありますので、もし直接飛ぶとしたら、多分、上海から一時間ぐらいで飛んでこられる、そういうところにありますから、この沿岸部に急速に発展する中間層が動き始めると、沖縄はいろいろな問題があるとすると、南西諸島のあの青い海と緑の山を持った島としては奄美が一番かなと思っていまして、そういう意味で、将来は海外からの観光客が特に期待できるところではないかと思います。

 奄美のいろいろな島々がありますので、もともと与論は、皆様方御案内のように、百合ケ浜という、海の中に砂浜が浮かび上がるような、そういうところもありましたが、奄美群島全体は、海もきれいだし、それから沈む夕日もあかね色できれいですし、まだまだ一般に汚されていない風景が、景観が広がりますので、大きな魅力だと思います。

 そして、今、力を入れているうちの一つが、実は沖縄、奄美の世界自然遺産登録の話です。

 これは、今のところ平成二十八年が予定されていますが、そうしますと、鹿児島に屋久島という世界自然遺産、琉球、奄美という世界自然遺産、船のクルーズでありますとか、それから世界遺産を訪ねる旅とか、世界遺産にしますと非常にグレードが上がりますので、そのグレードが上がった自然の島を、どういう形で、先ほど言った、アジアで急速に発展する中間所得層の方々に来ていただいて自然と親しんでいただくかというのが一つの大きなターゲットになると思うんですね。上海にいても香港にいても、ほとんど自然と親しむ機会はないと思いますので、奄美に来ていただいて、本当に大地の中でいろいろな景観を楽しみながらおいしいものを食べる、そういう観光産業の成長にこれから大いに力を入れたいと思っています。

 奄美の皆様方は、大体、自立に向けての動きを着実に進められているように思いますので、やはり新しいアジアの時代を迎えて、その持つ意味が、持つ価値が全く違ってきたというぐらいに、大きな変化がこれから十年以内に私は来ると思っていますので、そういう意味で、奄美の観光振興にはこれから特に力を入れたいと思います。

浜地委員 ありがとうございます。

 同じように、島があって、対馬というところには韓国の方がかなり来られています。私も九州の比例ですから、対馬も行くんですが、正直言いまして、余りここで言うとおかしいんですけれども、鹿児島にいるから言うわけじゃないんですけれども、やはり対馬の島よりは奄美大島の方が、マングローブがあったり、特筆すべきものもございますし、先ほども奄美の里で鶏飯をいただいてきましたけれども、御説明では、食べさせたい料理、全国ナンバーツーだったそうでございます。

 そういった形で、食もございますし、自然という部分でもやはり魅力的だと思いますので、しっかり取り組んでいきたいと思います。

 沖縄は数次ビザがございますね、ビザの点で、その点の御要望というのはやはり県としてもされたりしているんでしょうか。

    〔上杉座長代理退席、座長着席〕

伊藤祐一郎君 もちろん、数次ビザは大変な魅力でもありまして、特に、海外から来られる、中国から来られる方々にとっては大変な魅力でもありますので、私どもも強く要請はいたしております。

 国全体の地域振興の話と絡みますので、必ずしもその動きはよくないんですけれども、奄美についても、ぜひとも数次ビザを認めていただきたいと思います。

浜地委員 沖縄と合わせての世界遺産になってくるとまた現実味もあるでしょうから、また御意見を聞かせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 建設業界の川畑会長にお聞きしたいと思います。きょうは本当にありがとうございます。

 実は、私も建設業の父を持っておりまして、うちの祖父は大工でございまして、建設業とのつながりは深いんですが、やはり公共工事の重要性ということを先ほど知事の方からもお伺いしましたし、また、会長の方からもお伺いさせていただきました。

 ただ、やはり回っておりますと、単価といいますか、公共工事の予定価格が、どうしても適正化が図られていないんじゃないか、工事は多いんですけれども金額は安いという声をお聞きいたします。

 私の方の問題意識としては、主に県や各市町村では、よく予定価格の事前公表を公共工事ではされております。国の事業では、基本的には、予定価格の事前公表はせずに、低入札調査価格も公表せずに入札をさせるということですので、どちらかというと、国の直轄の事業の方が落札の金額が、割合が高いというふうに、国交省の方から聞いております。

 実際、鹿児島でありますと、もともと公共工事の予定価格を発表し、もしくは最低入札金額の発表というのは、実際の工事では行われている状況でしょうか。

川畑俊彦君 鹿児島県は、いわゆる五千万以上の工事に関しては公表はされておりません。五千万以下について公表しておる。また、最低制限価格は一応公表になっております。

 しかしながら、競争が激しいものですから、やはり最低のところで皆さん来て、同札抽せんとか、そういうものも結構出ている状況でございますが、先ほど来お話ししましたように、単価を上げてもらったり、それから最低制限価格を上げてもらったりしているものですから、大体、県でいいますと、八八%ぐらいの最低制限価格になった。八八から八九。

 今、国交大臣の方にお願いしておるのは、いわゆる会計法の、七〇から九〇の予決令のところを、今、保岡先生あたりに一生懸命私どもはお願いをして、九〇を取っ払ってくれというようなお願いをしておるところでございます。

 そういう意味で、先ほど言いましたように、予定価格イコールそれが、予定価格でとったら、何か悪みたいな感じに言われるのは我々も解せないんですけれども、実際に原価はそれだけかかっていますよということをどうか御承知おきしてもらいたいと思っておるところでございます。

浜地委員 会計令でいきますと、鹿児島のように五千万以下で発表されておれば、予定価格がわかると最低入札価格も自動的に大体計算できるわけで、皆さん最低で入れて、今はちょっと資材が上がっていますので若干上昇はしておりますけれども、以前はそれが市中の単価になり、市場が下がり、またその金額をもって予定価格が決まり、いわゆる公共工事のデフレのスパイラルみたいなものが起きておったんじゃないかなというふうに認識しておりまして、それが、逆に、今度は円安等によって資材が上がってしまって、それに追いつかないということがあるんです。

 実は、二月の七日付の文書で、総務省と国交省が連名で、公共工事の事業に関しては、いわゆる円安等で、要は、見積もったときよりも実際に入札したときは急に金額が上がるという現象や、また、工事ができたときには金額がやはりどうしても追いつかないということで、スライド制というものが導入をされているんですが、そのあたりは業者の方に認識は徹底されていますでしょうか。

川畑俊彦君 ありがとうございます。

 スライド制におきましても、国交省が発表されたのに倣って、即、鹿児島県も導入してもらいました。本当にありがたいことだと思います。

 しかしながら、一方では、市町村レベルで、どうしてもまだそこが徹底していない。というのは、それをできるマンパワーが、技術者がいないというのが現状なんですよね。だから、県あたりから派遣をしてもらってやっておるというのが現状でありまして、とにかく、各市町村に本当にそういう積算ができる技術者がまだいない、マンパワーがかなり不足しておるのも現状でございます。

浜地委員 ありがとうございます。

 最後にちょっと、もう一点、川畑会長にお聞きしたいんですが、川畑会長、先ほど、社会保険の加入対策ということをおっしゃいましたが、実際、私も、福岡あたりで聞いていると、若者を入れるためには、社会保険の整備をして、例えば、業界等でも、大手が社会保険に加入していない下請は使っちゃいけないというような通達を出したりしているというふうに聞いておりますが、実際は、しかし、その社会保険に入らなきゃいけないのが壁になって、人件費としてなかなかいい金額を出せない。

 ですので、中には、実は、この国の方針、方向とは逆行して、特に一人親方等を保護するためには、社会保険の加入じゃないといけないというような指針はやめた方がいいんじゃないかという声もあるんですが、実際、鹿児島の建設業の皆様の声として、どういったことが強いでしょうか。

川畑俊彦君 今先生がおっしゃられましたように、私どもの会員企業にすれば、五名以上いる企業については、いわゆる三点セットにもちろん入っておるわけですね。

 しかしながら、先ほど言われましたように、一人親方とかいうところに加入を勧めなきゃいけないということで、国交省の方からも、いわゆる社会保険の加入業者じゃないと認めないよとか、ペナルティーを起こすよというようなことが出てきておりますから、鹿児島においては、私は、余り、社会保険に未加入の業者というものはほとんどいないんじゃないかという認識をいたしております。

浜地委員 ありがとうございます。大変参考になりました。

 そうしましたら、西園顧問にちょっとお聞きします。

 先ほど、地域包括ケアというお話がありまして、うちの党も地域包括ケア推進本部というのをつくって、各都道府県を回りながら、地域の実情に合った介護、ケアができるかどうかを今研究している最中でございます。

 先ほど、懸念にありましたとおり、特に要介護、また要支援が、いわゆる介護事業から切り離しではないんですが、市町村の独自のメニューによって行っていくということになりますと、これまでは、いわゆる介護保険料を、代行して、その人個人に合わせた金額を業者の方が計算をしていただけばよかったんですが、今後は、市町村におりてくる予算の中で、業者に対して市町村が委託をしていく。

 そうなってくると、金額が、予算がないところは、安くやってくれないかということになりますと、どうしても、大手のそういった介護事業者は体力的に余裕があるんですが、小規模の、地域に根差した介護事業者というのが、やはり委託費が安くなりはしないか、それでやはり経営が成り立たないんじゃないかという声を地域包括ケア推進本部としては懸念をしているところでございます。

 そういった意見に対して、実際、鹿児島としては、これからの話ですから予測の範囲内ですが、どういったことが起きそうなのか、お話を聞かせていただければと思っています。

西園靖彦君 地域包括ケアは、結局、サービスをバランスよく使いましょうというのが目的だと思います。

 今のところ、さほど問題は起きていませんけれども、おっしゃるとおり、これから、介護保険でお金がおりてくる間は全国ほぼ一律でございますけれども、やはり地方に任されると、予算が足りないところは、おっしゃるような懸念が出てくるんじゃないかという心配はしております。

 ただ、まだ現実のものになっていませんので何とも言えないのでございますけれども、心配はかなりされています。

浜地委員 我が党としても、地元に根差した小規模の介護事業者等々がやはり活躍できないと地域包括ケアにならないと思っていますので、そこはお互いにまたしっかりと研究をしていきたいと思っています。

 わかりました。ありがとうございます。

 最後に、八木先生に一つ、まだ時間がございますので、聞かせていただきたいと思います。

 ドイツの電力輸出入のデータをいただきまして、大変に参考になりました。ありがとうございます。ただ、ドイツは基本的には原子力の比重を非常に下げておりまして、原発ゼロを明言した国でございますが、私の中であるのが、再生可能エネルギーというのは、どうしても自然のエネルギーを使ってまいりますので、電力のいわゆる供給という部分の安定性について、料金の問題もあるんですが、それ以上に、しっかりと供給できるかという、供給の安定性というところにやはり懸念を持つわけでございます。

 ですので、先生の資料で、ドイツは、実は、フランスから原発による電力を買っているだけじゃなくて、輸出もしているんだというお話もございましたけれども、輸出ができるぐらい電力があるのであれば、輸入もしなくていいんじゃないかというふうに思ったんですが、ここにあるのは、もしかすると、電力の安定性という部分でドイツは懸念をしているんじゃないかと。

 やはり、いわゆる安定的な電力はフランスから買いながら、または火力発電等は自分たちでつくるんですが、どうしても再生可能エネルギーの比率が高いですから、輸入をして、再生可能エネルギーで国内需要を賄った分はある程度輸出をしているんじゃないかというふうに若干私は想像するわけでございますが、そういったことがあるのかということと、電力供給の安定性という点での御意見を聞かせていただければと思います。

八木正君 ヨーロッパの場合には、EUの協定によって、電力融通を積極的にするということになっているわけですね。だから、EUというか、スイスとかノルウェーはEUに入っていませんので、EUだけじゃなくてヨーロッパ全体で、電力が余っているところから足りないところへという形で流れています。

 再生可能エネルギーも、ドイツからほかのところへということだけではなくて、ドイツに、例えばスウェーデンやノルウェーからたくさん水力やバイオマスの電力が流れてきていますので、電力自由化、発送電分離も含めて、それでこうした大きな電力融通が起こっているということです。

 確かに、風力や太陽光というのは気候で非常に変動するわけですけれども、ただ、供給が一定であればずっと安定しているというわけではなくて、需要に合わせて、原発があったとしても、結局需要が刻々と変化するわけですから、やはり火力や水力でそれを調整しているわけですよね。

 だから、スマートグリッドがもう相当技術的に開発をされて、数時間後の気象データに基づいて風力や太陽光の供給量も把握できているわけですから、どれだけ足りないかというようなことを、電力融通がヨーロッパの場合にはあるんですけれども、日本の場合どうするかというふうに考えると、揚水発電というのがあります。

 揚水発電は、原発で余った夜間の電力を揚水発電によって昼間に回すという意味がこれまであったと思うんですけれども、ただ、再生可能エネルギーを、風力や太陽光が余ったときにどうするかというときに、今の技術でいうと、揚水発電に回すことによって十分対応ができるというふうに思うんですね。さらにまた先には、リチウムやマグネシウムや、そうしたもので蓄電池が非常に発達してくるんだろうと思うんですけれども、今の段階でも、揚水発電を利用すれば、そうしたバッファーのところを十分賄っていけるというふうに私は思っております。

浜地委員 ありがとうございます。

塩崎座長 次に、宮本岳志君。

宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。

 きょうは、四人の公述人の皆さん方、本当にありがとうございます。

 早速、まず、伊藤知事にお伺いしたいと思います。

 私が参議院議員時代に恐らく知事は総務省の大臣官房審議官で、私が御質問申し上げて御答弁いただいたこともあろうかと思っておりますけれども、先ほどの冒頭の予算の説明でも、知事は、地方交付税を御説明のときに、実質的な地方交付税ということで、臨時財政対策債、これは実質的に地方交付税であるという極めて正当な御説明をいただいたと思っております。

 国会におりますと、今ごろになって、この臨財債というのはよろしくないんじゃないか、早くこれをなくせみたいな議論が聞こえてまいります。私は、当時総務省と、最初これが入るときに、こんなのは地方財政にしわ寄せする、けしからぬやり方だと言ったら、いやいや、これは地方交付税とまさに同じものなんだ、こう言ってこれを押しつけてきたわけでありますから、今ごろになってこれを非難するというのは非常にひどいやり方だなと思うんですけれども、まず、当時から存じ上げている知事の、臨財債、そして地方財政の保障についてのお考えを聞かせていただきたいと思っております。

伊藤祐一郎君 臨財債についてのお尋ねがございましたが、要は、国と地方で財源不足をどういう形で収束させるかということに尽きるんだろうと思います。

 国の方は、少々量が減ったとはいえ、四十一兆でしょうかの国債を発行、地方は地方で、赤字公債、この臨財債を含めて相当大きな地方債を発行して財政運営をやっているということであります。

 先ほどお話ししましたかしら、十・六兆、地方財政は財源不足をいたしております。その財源不足をどういう形で埋めるかというときに、本来的にはいろいろなやり方があります。例えば、ドイツあたりは、地方には財政不足は全く発生させず、全部国が面倒を見るんですよね。国が全部面倒を見る見方もありますが、日本の場合には、国と地方でシェアしながら、いろいろな形で、複雑な仕組みをつくりながら国と地方で財政運営をやっているというのが現実のところではないかと思います。

 そして、現実的に、それでは、この臨財債部分を別の形で埋められるかということになったときに、実は、もう今これしかないものだからこれを使っているというのが現実のところだろうと思います。

 地方債の公債残高に臨財債は入りますから、これを全部交付税で見るというときに、何でそんなに地方債残高に入るんだと、どんどこどんどこ公債残高がふえるんですから。県民の皆様方には、ことしは鹿児島県も若干、三十億ぐらいマイナスになっているんだけれども、財源不足が広がると、この臨財債が広がることによってどんどこどんどこ公債残高が表上ふえるんですよね。

 一方では、県単独のものは四百億単位で落としているんです。にもかかわらず、ふえるというのは、いかにも事業、仕事をしっかりとしていないように見えるものですから、何とかしてほしいなと思うのであります。

 ただ、国、地方の全体の財政バランスとか、国、地方のこういう極めて大きな財源不足が生じる中での運営とすると、実はほかに選択の手段がないというのが現実のところではなかろうかと思います。

宮本委員 ありがとうございます。

 次に、川畑公述人にお伺いしたいんです。

 実は、私どもも公共事業というのを全否定するつもりはさらさらありませんで、逆に、維持管理、更新など、公共インフラの老朽化というのは極めて深刻で、先日も予算委員会で、今後五十年間で少なくとも二百十兆円を超える更新、維持管理のための費用が必要になると。ところが、実際上は、公共インフラの八割を管理している市町村では、修繕実施率というのはわずか四・七%にとどまっていて、先ほど会長がおっしゃったように、町や村というところへ行きますと、技術系の職員がゼロで、なかなかこれがおぼつかない。だから、公共事業という点ではこういうところへもっと重点を移すべきであるという主張もさせていただいたところなんです。

 それについてどうお考えかということが一点。

 もう一点は、TPP。きょうも議論になっておりますが、TPPには非関税障壁の撤廃ということがありまして、非関税障壁撤廃という議論が建設業に及んでいきますと、地元に発注するということをやっておりますと、これは非関税障壁だというようなことになってきて、結局、できるだけ地元の建設業に受注していただくことができなくなる。こういうことになると、非常にぐあいの悪いことがあると思うんですね。

 その点についての会長のお考えをぜひお聞かせいただきたい。二点です。

川畑俊彦君 先ほども申しましたように、先生がおっしゃいましたように、市町村のマンパワーが足りないというのが確かに現状でございます。町発注の工事については、本当に積算ができておるんだろうか、いわゆる国からの、県の通達、それから県からの通達はうまくいっていないというのが本当に現状なんですよ。

 だから、そういう面を含めて、市町村のそういう技術者を集めての講習会を鹿児島県は一応やっておる状況でございますが、とにかく、一つ災害が起こりますと、それの査定、それから後始末の管理、そういうものまで今のところは業者でやってやらなきゃいけないというのが現状で、そういうところがたくさんあるんですよね。やはりマンパワー不足というのがしみじみとあふれていると思います。

 それと、あと一つ、TPPで、地元発注ということは、今のところ、実際に災害が起こったときに、そこの地域に建設業がいなきゃいけないというのは、これは鉄則じゃないかと思っております。

 今回、豪雪が出た時点で、あれは自衛隊ばかりが映っていますけれども、その前に建設業者が行って道を開いているんですよ。東北の大震災においても、救急隊員と自衛隊ばかりが映っていますけれども、その前に道路を開いているのは、そこにいる地元の業者なんですよね。だけれども、その地元の業者がとにかく力がなくなってきたというのも現状でございます。

 先ほど先生が言われましたように、公共事業を継続的に仕事をさせてもらうことは、やはり一番大事なことじゃないかなと考えております。

 TPPのことは、ちょっとまだ私どもは理解しておりません。

宮本委員 ありがとうございます。

 新聞報道などを見ましても、外国から参入してくるというよりも、それこそ全国から参入してくるんじゃないかということが建設業界でも不安になっていると報じられておりますので、地元で建設業がしっかり仕事を継続的に進められるように、しかも、インフラの維持管理、補修、こういうところを滞りなく進められるように、私たちも力を尽くしていきたいというふうに思っております。

 それで、次に八木先生にお伺いします。

 私、実は予算委員会でも、学生たちの今置かれている状況を、この間、質問で取り上げました。

 大体、日本の大学の学費が高い。国際人権規約の漸進的な無償教育の導入という条項を留保撤回して受け入れたとはいうものの、私学などは、実は、学費値上げの計画が続々と今発表されている。

 そういう高学費のもとで、奨学金を借りる学生がふえているわけですけれども、低所得層が借りるだけじゃなくて、中所得層まで、約半分の学生が日本学生支援機構の奨学金を借りているんですが、これが全て貸与制、借金なんですね。日本には給付制の奨学金というのは一円もない。そういう中で、学業を途中で断念しなければならないとか、奨学金が返せなくなって自己破産するとか、こういう非常に悲惨な状況も生まれています。

 大学で教鞭をとっておられて、学生を取り巻く経済的貧困、この問題についてぜひお聞かせいただきたいと思います。

八木正君 今、学生は、ほとんどアルバイトをしています。家計を助けるために、授業を休んでというか、夜じゅう働いても、とても授業に出られないということで、欠席する学生だとか、います。

 奨学金も、一種の方は無利子ですけれども、二種の希望何とかというのは有利子です。だから、言ってみれば、教育ローンと変わらない形で奨学金があるということです。

 学費も、私学の場合、どうしても高くなって、うちの大学でも、残念ながら、学費が払えないで除籍という学生もたくさん出てきているんです。だから、学費をきちんと保障するだとか、奨学金も貸与制じゃなくて給付制にするような、国なり、都道府県もそうですけれども、そうした制度をぜひつくっていただきたいと思います。

 それから、私学の経営というのは、学生の学費だけで賄うとどうしても足りなくなってしまうので、ぜひ私学助成も、そうした教育の権利を確保するためにお願いしたいというふうに思っています。

宮本委員 一九八〇年に私学助成というのは経費の約三割出ていたんですが、そのころ私学助成法では、一日も早く半分まで私学助成を引き上げようと国会の附帯決議で決めたんですけれども、その後、下がりっ放しでして、現在、一割、三分の一にまで下がってしまったというので、この前、もっと引き上げるべきだという議論をやったんですね。

 それで、後でもう一度、先生には原発の問題をお話しいただくとして、西園さんにお伺いしたいんです。

 先日、川内原発の避難計画について、我が党の笠井亮が取り上げました。それで、避難計画ができて訓練もやられたということでありますけれども、その中身がまだまだおぼつかない。質疑の中で明らかになったのは、要するに、要援護者の避難計画というのは入っていないんですね。だから、今、できたとはいっても、健常な方の避難計画ができただけで、要援護者の避難計画をどうするかというのは、まだ国においても検討中で、できていない。私たちは、そういう状況のもとで再稼働なんて論外だ、こう思うんです。

 とりわけ、そういう業界にかかわってこられて、こういう方々が避難計画においてもまだ置き去りにされている、この点についてどのようにお考えになるでしょうか。

西園靖彦君 ちょっとそこのところは、私も、ほとんど詳しくないものですから。

 私が知っているところは、どうせ田舎のことでございますので、皆さん、従業員の方々が地域の事情に明るいので、計画がないからといって何にもできないわけじゃないんだというような言い方で、あとは、行政の指導を待ちながら、それに対応していこう。やや受け身ではありますけれども、その辺は、こう言っていいかわかりませんけれども、川内原発も見学させてもらいましたけれども、本当に、二重、三重か、四重、五重ぐらいの安全対策をしっかりやっていらっしゃるのを見学させてもらいました。

 ですから、そこのところは、最悪の想定はしなきゃいけないんでしょうけれども、かなり厳重なことを川内ではやっていらっしゃる。ほかのところは私はわかりませんけれども、川内では本当によくやっていらっしゃるなというふうには感じております。

宮本委員 川内では大変厳格にやっているというお話がございました。

 私の持ち時間は四十八分までございますので、八木先生、まさに鹿児島でいうと川内原発というのは具体的に焦点になってこようかと思いますけれども、先生の御意見をお伺いしたいと思うので、ぜひお話しください。

八木正君 川内原発、事故が起こらなくても、一つは、私の知り合いが調査をしていますけれども、取水のときにも微生物がやられます。そして、周辺の海水温よりも七度から八度高い温排水が出て、放射能も微量ながら含まれています。それで、ウミガメだとか、エイ、ダツ、イルカ、鯨、サメだとか、そういう大型の海水動物が死んで打ち上がる死亡漂着が非常に多いんですね、寄田海岸という。だから、事故が起こらなければいいということではなくて、そうした周辺の生態系を非常に揺るがすというか、そういうものだということになります。

 それから、川内で地震が起こらないかというと、北薩地震というのが十二年ほど前に起こりましたけれども、そのときには、結局、通常運転のままで、データがきちんと公表されないという問題がありました。震度は、新潟だとかこの前の東日本大震災に比べれば小さかったといえば小さかったわけですけれども、ただ、それでもう大地震が起こらないかということになると、やはり全く確証はできないですね。

 過去の事例から見ると、鹿児島というのは、物すごく大きなカルデラを抱えていて、何千年、何万年というレベルでいえば大災害が起こっている地域でもあるわけですから、全くそうした心配がないということではない。今すぐに稼働しなきゃいけないかということを考えると、そうではなくて、先ほど言ったように、廃炉なら廃炉ということを明確にしてやれば、定期点検などと同じぐらいの人数が少なくとも十年ぐらいは必要になってくる。

 だから、そうしたことをまず始めた上で、再生可能エネルギー、川内は火力発電もあるし、太陽光だとかそういうものも、川内だけではなくて、鹿児島県は、再生可能エネルギー、全国的にも第四位ぐらいのを持っています。地熱も有望ですし、風力その他。ですから、そうしたものに転換をすることがエネルギー問題でも最良の道だというふうに思っております。

宮本委員 ありがとうございます。

 きのう、きょうのニュースでも、福島第一原発でまた新たに四億数千万ベクレルというような恐るべき数値が出てきております。今、福島第一原発の事故すら収束させられていない、また、次々とより深刻な事態が、明らかになっていないもとでの再稼働というのは論外だ、断じて許されない、私どもはこういう立場です。

 四人の公述人の皆さん方、きょうは本当にありがとうございました。以上で終わらせていただきます。

塩崎座長 次に、畑浩治君。

畑委員 生活の党の畑浩治でございます。

 皆様、本当に長時間大変お疲れさまでございます。

 早速質問に入らせていただきます。

 本日、公共事業、公共投資が地域を支えていること、そして公共事業の見通しを持って予算措置を進めてほしいというお話が出ました。

 そこで、まず、伊藤知事と川畑建設業協会会長に、公共投資についてはどう見通しを持ってやっていくかという御意見を伺いたいわけです。

 これまで公共投資が年々減らされてきて、そして、この災害ということもあって、ここ最近ごんと積まれて、ただ、この積まれた額がこのまま行くとは思えないということもまたあるんだろうと思います。

 実は、公共事業、来年度予算はふえたように見えているんですが、これは、調べてみると、補正予算と来年度予算を足すと、前回ベースと比べれば、それでも一兆三千億円ぐらい減っているんですね、補正ベースを入れると。

 私は、公共事業が一兆円以上ごろごろごろと年度によって変動するのはちょっと望ましくないと思っています。人を急にふやしたり減らしたりできませんので、これは余り経済対策の具にすることなく、国土政策の観点から、一定の水準で中長期で行くことが必要だと思っています。例えば、極端に言うと、十兆ついて喜んでも翌年五兆になるようではしようがないので、七兆ぐらいで十年、二十年行った方がそれよりはいいと思っております。

 そういう観点からいくと、かつては五計というのがあったんです、各公共事業関係の五計。これで投資水準があらあら、五年間の額が出てきた。だから見通しが立った。あるいは、経済計画というのが経済企画庁でございました。こういうもので、あらあらの投資水準を決める中長期の計画があった。こういうものがない中で、場当たり的と見えるんですけれども、そうじゃないんですが、年度ごとでごろごろ、予算編成で単年度で考えて積んでいるように見えることが、結局、見通しを著しく悪くしているように思っております。

 それで、公共事業はしっかりと必要なものを確保して進めていく、これは大前提で、私は大賛成です。

 実は、ちょっと余談になりますが、会長が国土強靱化法をおっしゃっていただきましたが、私、野党なんですが、自民、公明と生活の党が国土強靱化法を共同提案しました。というのは、自公さんの提案に対して、私が実は野党側で、意見を申し上げて書いていただいたんです、持続性の観点を入れてくれと。つまり、公共投資は財政規律を優先にしてはまずいと思うんです。しかし、必要なものは何かというきっちりした手続、基準を入れて、それを持続的にやっていくという観点が絶対必要で、そこの持続性というものを入れてほしいとこだわりまして、持続性というものを入れていただいて、修文いただいたので共同提案に乗ったわけです。

 これから見通しをしっかり示すためには、こういう社会資本系の投資水準を入れたような計画がやはり必要なのか、あるいは、そうではなくて、むしろ予算編成の仕方を変えるべきか。

 つまり、当初予算をやって、それはシーリングがかかっていますから、その穴抜けという形になりますが、年度途中で補正を組んで、がんと積め、多分、これでは見通しが立たないので、最初五兆、結果的には補正と当初を入れて八兆ぐらいだとすれば、当初予算で七兆なり八兆組んでくれればいいわけですよね。そこはちゃんと理屈をつけて、ちゃんとした全体の中長期の計画のもとで、そういうシステムをつくるべきじゃないかということ。

 要は、当初予算で必要なものを積む、あるいは、中長期の投資水準を決めたような計画がやはり必要か。この二点の問題意識というか、それが解決策だなと思っているんですが、まず知事から、行政のトップとしてその辺の感覚と、そして、川畑会長は実際の事業をやられている立場として御意見を伺いたいんです。

伊藤祐一郎君 それでは、まず私の方からお答えさせていただきたいと思います。

 鹿児島県につきましては、先ほど申し上げましたように、いずれにしろ、公的資本形成は、産業上、極めて重要な産業のうちの一つであります。したがって、それが安定的に、きちっとして毎年継続的に措置できること、これが一番大切なのではないかと思います。

 ただ、私が就任しまして十六年、先ほど言いましたように公共事業も、国の補助事業が落ちているのであれだけ落ちるのでありますが、相当落ちてまいりました。よその県は、実は財政再建のときに徹底的に公共事業を削ったところが、鹿児島の近辺にもそういうところはあります。そして、それが非常にバランスを壊してしまったというのも事実であります。

 それと同時に、ずっとシーリングに縛られてしまいまして、国土交通省は一時期、非常に大きく公共事業を削減される大臣が出現しまして、削減されました。そして、それがもとに復活するかといったら、それがベースになってシーリングがかかりますので、一向に伸びてまいりません。

 ということもあって、今のような状況、ことしの国の予算では五兆九千億ですね、いろいろなやりとりがありますので、表上は伸びているように見えるんですけれども、大体、対前年度一・何%ぐらいの増にしかならないのではないかと思います。

 だから、御指摘ありましたように、今、もし、年間七兆を十年、十カ年計画でもいいんですけれども、それぐらい確保していただければ、いろいろな諸事業が一気に進むと私は思うんですよね。今までより以上に、実質二兆円ぐらい一気に公共がのっかりますと、先ほど言った南九州西回り自動車道等のミッシングリンクが、あるいは、全体、日本全国のミッシングリンクは六兆でおさまるわけですから、そういう意味で、一気に解決する大きな方策になるんだろうと思います。

 そういうミッシングリンクとか、どうしてもやらなきゃいけないのに時間がかかり過ぎるものをどういうような手順で、どういう財源でやればいいのかというのも、必死に我々も考えているのでありますが、皆様方の方が最終的な決定権者であられますので、少々財務当局とは戦わなきゃいけないけれども、もしそういうような形でやっていただければ、地方は非常にありがたいと思うし、一気に日本の国土が整序ある形で整備が進むんだろうと思うんですね。

 したがって、建設業の方々を見ていて非常に申しわけないのは、営業の基本路線を築けないんですね。ことし、鹿児島県は一生懸命出します。ただ、ぼそぼそと、だけれども、来年続くかはわからぬのが今の状況なので、安定的に継続的に公共事業のロットを確保できる方策をもうそろそろ考えないと。

 今、例えば大雪、一向に道があきません。なぜかというのを考えれば、私はそこにたどり着くんだろうと思うんですよね。地元の産業さえもなくなっちゃっているわけだから、生活道路があくはずがないんですよね。先ほどおっしゃいましたように、まずは地元の土木業者が道をあけて、初めて警察、自衛隊ですから、そこをもう少し考えるべきなのかなと。

 日本の国土が、これだけ異常気象で、非常に今いろいろな問題が起こっているときに、なるべく早く決断をすべきだというのが、我々、現場にいての感覚でもあります。

 以上です。

川畑俊彦君 先生がおっしゃいましたように、我々も、当初予算で積んでもらえば、やはり、ことしは仕事があるんだなというような計画の中で、人も入れられるし、計画も立てられる。今、補正でぽっと積まれてもなかなか対応できないというのが現状でございまして、やはり今、人材確保、若年入職者、それを考えれば、ちゃんとした予算を組んで積んでもらえれば我々も計画的にやっていける、経営ができるということに尽きるんじゃないかと思っております。

 知事が言われましたように、鹿児島県は地元業者の発注率が九七%ぐらいでございます。そういう意味では、地元にあって、地元の人たちが一生懸命になって、デフレ脱却の先兵となるように頑張りますから、どうか補正予算じゃなくて本予算で積んでもらいたいと思っております。お願いいたします。

畑委員 ありがとうございました。

 次は、ちょっと話題をかえまして、やはりTPPですね。きょう、これも何回も出ましたので、私も知事にちょっと確認というかお伺いしたい点があります。

 きょうの話、知事なり西園顧問からTPPの話があって、要は、強い農林水産業をつくる。そして、知事は、今関税撤廃、削減すると、とても耐えられる状況にないという話をされました。

 今出ているニュースも、私もニュースレベルでしか、深いことは知りませんが、牛、豚肉についてカードを切る対象にするんじゃないかという報道がある中で、今、牛、豚の関税撤廃は、さすがに日本も頑張って交渉して、やらないだろうと思いますし、やっては困るんですが、あるいは、今の段階での関税引き下げということまでもいかないと、では、どういう落としどころがあるかというと、私が危惧して、内心深読みし過ぎているのは、将来の関税引き下げ。撤廃までは言わないとしても、関税引き下げにコミットメントするような、こっちのカードの切り方があるのではないかなと。これは農林水産委員会決議に明白に違反なんですけれども。

 仮にそうした場合、将来だから、十年、二十年、三十年先と年数を議論してやったとして、そこに至るまでに、酪農、畜産、農業を強くするために時間があるじゃないか、だから、ちょっと時間を置いてのコミットメントならばいいんじゃないかという議論が出るのを私は危惧します。それでもやはり支障が出ると私は言いたいし、そうだと思うんです。

 今耐えられる状況ではないですが、そういう落としどころについては、まさに酪農、畜産県の鹿児島県の知事として、どうお考えになりますでしょうか。

伊藤祐一郎君 外国との交渉事項で、いろいろなカードの切り方、それはあるんだろうと思いますが、先ほどから言っていますように、今回は明確に衆参の農林委員会で決議して、それを一つの聖域としてやっているはずですので、それ以外の選択はないと思うんですよね。

 私は、各政党間の公約の問題もありますが、そこまでいって、現在のこの交渉に乗った以上は、それを崩すということになると、よほど大きな地盤変化、地鳴りがしてくるんだろうと思うんですね、大きく言えば。だから、そういう意味で、そこは本当に慎重に政府において対応していただきたいというのが正直なところですね。

畑委員 明確なお答え、ありがとうございました。まさにそのとおりだと思って、私も農水委員をやって、あの決議を共同提案でやりましたので、しっかりと後押しをしたいと思っております。

 次に、八木先生にお伺いしたいんです。

 本日、エネルギーの問題、原発の問題ということをおっしゃっていただきました。私も、あるいは我が党の立場も、私も岩手出身の被災地の議員ですから、こういう福島第一原発事故があった経験を踏まえた中で、経済的原則はまた後ほど述べますが、原発再稼働、原発に頼るというのはやはりちょっとよくないと思っております。

 そういう中で、原発というのはコストに見合わない、経済的にも見合わないという議論がありまして、これは我が党じゃなくても、野党だと、維新とか結いとかみんなの党、ああいう党も、原発というのはフェードアウトしていくものだ、価値判断とは別に、原発はお金がかかるので、電力自由化をしていく中で、やはり原発は経済的にもフェードアウトすべきものだという話をしております。

 調べると、アメリカのデータでも、やはり原発というのは全てのいろいろな電源の中で二番目ぐらいに高いんだそうですね、地震国じゃないアメリカでさえも。一番高いのは、これから発展途上の太陽光エネルギーが高いわけですが、それに続く二番目ぐらいで、一番安いのが高効率火力発電、コンバインドサイクル発電で、ここから比べれば、原発というのは、立地交付金とかああいう災害補償費を入れなくたって大体五割増しぐらいの高さになる、だから経済的に見合わないわけですが、そういうことから考えても、原発というのはどうかなという思いを持っています。

 ただ、そういう場合に、やはりよく聞かれる反論が、では代替エネルギーをどうするんだと。結局、今原発は動いていなくて、しのいでいるという価値判断はあるので、できるじゃないかということを言う人もいるんですが、これはこれで乱暴だという議論もあります。代替エネルギーの議論をするとすれば、代替エネルギーは、すぐに再生可能エネルギーに持っていくことは現実的ではないし、難しいだろう。当然、今の原発の割合を代替することは難しいだろうと思います。

 そこをどうやって賄うかというと、私は、天然ガスコンバインドサイクルなり高効率火力発電。これは、今の火力発電の四割のエネルギー効率に比べれば六割ぐらい、やはり五割増しになりますから、今の原発を高効率の火力発電に置きかえれば電力的にはかなり賄えるし、CO2の排出も、コンバインドサイクルですからそんなに高まらないという話がある。

 そしてもう一つは、地産地消のエネルギーのシステムをつくって電力改革をしていけば、今、何百キロも送電線で運んでいるわけですね、そこで何十キロ以上になると四〇%のエネルギーが失われる。だから結局、どどんと発電をしても無駄になっているわけですよ。

 消費地に近いところで、地産地消で、電源分散化をして発電をする。

 そういう中で、発電網の距離を短くして、そして、高効率火力発電で当面しのぎながら再生可能エネルギーもまた進めていく、あるいは省エネ技術も開発していく。同時並行でやればいいと思っています。

 代替エネルギーについては夢物語でもないし、決して荒唐無稽な脱原発のことを言っているつもりもないんですが、そういう代替エネルギーに対するお考えも含めて、ちょっと御意見を伺いたいと思います。

八木正君 先生と全く同意見なんですけれども、GTCC、ガスタービンコンバインドサイクル発電というのは非常に高効率で、そもそも建設が非常に短期にできるということがあります。

 天然ガス、本当はアメリカから相当高く買わされているので、一時期はアメリカの十倍ぐらいの値段がついていたこともあります、今も四倍ぐらいなんですが、それをもう少し下げればコスト的にももっと安くなりますし、ほとんどが大消費地に近いところで建設もされています。

 だから、そういう意味では、地域できちんとエネルギーを賄うという点でも、原発がなくなったらどうするのかという場合に、すぐに建設もできるし、実際にそういうふうにされているわけですから、当面はそれでやっていけるということが言えると思うんですね。

 その上で、太陽光も、一番高いということだったんですけれども、この数年で十円ぐらい安くなっていますし、さらにあと十年、二十年というふうにすれば、既存のほかの発電とほとんど変わらなくなるというふうに思っています。

 ほかの再生可能エネルギーも、陸上風力も限界があるんですけれども、洋上風力が非常に有望だと私は思っています。浮体工法でやっていくと相当効率のいい発電ができますので、そうしたものを合わせていけば、十年、二十年すれば本当に、ドイツと同じように一〇%、二〇%、三〇%の発電を賄うことができる。

 だから、とにかく原発でなくてはという発想を捨てて、ほかのものでどれだけ賄えるかということを考えれば、原発は、先ほど言ったように、コストが、モデルケースで計算をしていたというのもありますし、それから、特にバックエンドの費用がほとんど見通しが立たないので計算から外されていたという部分があるわけですね。事故の処理費用も、本当は、今度の福島原発事故で避難をした、あるいは家業ができなくなったということを全部ちゃんと補償する、あるいは保険に掛けて補償するということになると、何十兆円、何百兆円必要になってきて、それができないから今被災地の人たちが困っているわけなので、それさえ払えないよというコストなわけですね。

 その上、これから生じるだろう放射性廃棄物の最終処分の問題等々、あるいは廃炉の問題を考えると、やはりコストは本当にばか高いものだというふうに思っていますので、そこから離れて、当面は、できるだけ効率のいい火力発電、その間に再生可能エネルギーを飛躍的に伸ばしていくということでエネルギー問題はやっていけるというふうに思っています。

畑委員 ありがとうございました。

 それでは、最後の質問をさせていただきます。

 西園顧問にお伺いしたいんですが、本業じゃなくて、きょう、木材の活用についてちょっとお話しされていましたが、木材の活用の上で、需要対策が必要だと私は思っていまして、公共建築を木造でつくりましょうというのはいいんですが、民間の需要が高まらなければいけない、住宅ですね。

 先ほど、木造住宅の償却年数とかという規制部分のいろいろな御意見がありましたが、それも含めて、そういう民間の住宅建設を含めた需要対策というのはどういうものが考えられるのか、御意見をお伺いしたいと思います。

西園靖彦君 個人住宅の部分でいいますと、鹿児島県内の個人住宅建設業者が一番困っているのは、高いお金を払ってくれる、そういう採算性のいい建物を大手の、都市からのハウスメーカーという方々にほとんど持っていかれているんですね。

 では、そこを地方の中小の建設業者がどうするか。こうなると、やはり今までみたいな一人親方だけではもう対抗できないんですね。大手は、全国で一万棟とか、そういうのをつくるノウハウを、それぞれの営業所に全国の情報を全部、鹿児島の営業所といえどもその情報を生かしながらやりますと、普通のお客様は、地場のものをつくらなきゃいけないと思うんだけれども、結局、彼らのそういう上手な宣伝力でとられていっているんですね。

 私が冗談で言うのは、安いものしか地元に残らずに、鹿児島県内のせっかく発注するものが、ほとんどが県外の資本に持っていかれている、このための、地元の業者をある程度組織化しないと、やはり一人親方では勝てないんじゃないですかというようなことを言っています。

 ですから、できたら、そういう中小の一人親方さんたちが、ある程度組織化できるようなものを考えていかないと、これからは、一人ではもう勝てない時代になるのかな。例えば、大手のスーパーと中小のお店が幾ら戦っても、大手には勝てないんですね。それと同じことが木造建設業界でもあると僕は思うんです。

 唯一救われるのが、最近、大型の建築物が、木造の使用量がかなりふえてきています。例えば、東京のど真ん中でも五階建ての木造が許可になるとか、そういうことで、ああ、都会のど真ん中でもなるんだ、では、鹿児島も木造というものをもっと見直すことができるんじゃないのかなということなどになると思います。

 それから、先ほど話が出ましたけれども、建築、建設業界の設計士さん、本当に詳しい木造設計をやってくださる方もいますけれども、かなりの部分は、見た目はやっていらっしゃるように見えるけれども、実際はそういう専門の詳しい人に集中していっている。

 だから、これは、大学教育とかそういうものもぜひ。木造というのは難しいんですね。コンクリートとか鉄というのは非常に計算どおりいくんだそうでございますが、木造は非常にアローアンスが広いものですから、その辺が難しい。だから、みんな逃げちゃっているんです。ですから、ぜひ、学校教育の中で木材を使うような教育をしっかり、学校を出るまでの間に経験させておかないと、やはり社会人になってからはなかなかそういうことを勉強する暇はございませんので、そういうことなども含めてやっていただけたらなというふうに思います。

 よろしいですか。

畑委員 ありがとうございました。

塩崎座長 以上で委員からの質疑は終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げたいと思います。

 意見陳述人の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、そしてまた大幅に予定時間を超えてまで、長時間にわたって貴重な御意見をいただきましたこと、改めて感謝申し上げたいと思います。

 本日拝聴いたしました御意見につきましては、当予算委員会の審査に資するところ極めて大なるものがたくさんあったというふうに思っております。ここに改めて厚く御礼を申し上げたいと思います。

 また、この会議開催のために格段の御協力をいただきました関係各位の皆様方に対しても、心から感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、これにて散会をいたしたいと思います。

    午後五時十二分散会


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