衆議院

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第18号 平成26年7月14日(月曜日)

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平成二十六年七月十四日(月曜日)

    午前八時五十八分開議

 出席委員

   委員長 二階 俊博君

   理事 上杉 光弘君 理事 金田 勝年君

   理事 塩崎 恭久君 理事 萩生田光一君

   理事 林  幹雄君 理事 長妻  昭君

   理事 石田 祝稔君 理事 山田  宏君

      あかま二郎君    井上 貴博君

      今村 雅弘君    岩屋  毅君

      衛藤征士郎君    小田原 潔君

      越智 隆雄君    大岡 敏孝君

      大串 正樹君    大野敬太郎君

      金子 一義君    神山 佐市君

      菅家 一郎君    熊田 裕通君

      小池百合子君    小林 鷹之君

      高村 正彦君    佐田玄一郎君

      笹川 博義君    新谷 正義君

      助田 重義君    関  芳弘君

      薗浦健太郎君    平  将明君

      高橋ひなこ君    武部  新君

      津島  淳君    中川 俊直君

      中谷 真一君    中山 泰秀君

      野田  毅君    原田 義昭君

      船田  元君    星野 剛士君

      細田 健一君    牧島かれん君

      宮内 秀樹君    宮路 和明君

      務台 俊介君    村井 英樹君

      保岡 興治君    山下 貴司君

      山本 幸三君    湯川 一行君

      大串 博志君    岡田 克也君

      海江田万里君    篠原  孝君

      玉木雄一郎君    古川 元久君

      今井 雅人君    柿沢 未途君

      河野 正美君    坂本祐之輔君

      清水鴻一郎君    重徳 和彦君

      松野 頼久君    伊佐 進一君

      北側 一雄君    浜地 雅一君

      桜内 文城君    浅尾慶一郎君

      佐藤 正夫君    笠井  亮君

      宮本 岳志君    村上 史好君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣         麻生 太郎君

   外務大臣         岸田 文雄君

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   防衛大臣         小野寺五典君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   財務副大臣        古川 禎久君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  武藤 義哉君

   政府参考人

   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          小川 秀樹君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  徳地 秀士君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月九日

 辞任         補欠選任

  杉田 水脈君     清水鴻一郎君

  中山 成彬君     今井 雅人君

  畑  浩治君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  小宮山泰子君     畑  浩治君

同月十四日

 辞任         補欠選任

  秋元  司君     中谷 真一君

  伊藤 達也君     山下 貴司君

  うえの賢一郎君    神山 佐市君

  大島 理森君     高橋ひなこ君

  菅原 一秀君     井上 貴博君

  薗浦健太郎君     高村 正彦君

  西川 公也君     新谷 正義君

  宮路 和明君     菅家 一郎君

  山本 有二君     大串 正樹君

  大串 博志君     海江田万里君

  今井 雅人君     河野 正美君

  坂本祐之輔君     松野 頼久君

  浜地 雅一君     北側 一雄君

  西野 弘一君     桜内 文城君

  佐藤 正夫君     浅尾慶一郎君

  志位 和夫君     宮本 岳志君

  畑  浩治君     村上 史好君

同日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     平  将明君

  大串 正樹君     笹川 博義君

  神山 佐市君     大野敬太郎君

  菅家 一郎君     宮路 和明君

  高村 正彦君     小田原 潔君

  新谷 正義君     務台 俊介君

  高橋ひなこ君     熊田 裕通君

  中谷 真一君     小林 鷹之君

  山下 貴司君     細田 健一君

  海江田万里君     大串 博志君

  河野 正美君     今井 雅人君

  松野 頼久君     坂本祐之輔君

  北側 一雄君     浜地 雅一君

  桜内 文城君     西野 弘一君

  浅尾慶一郎君     佐藤 正夫君

  宮本 岳志君     笠井  亮君

  村上 史好君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  小田原 潔君     薗浦健太郎君

  大野敬太郎君     湯川 一行君

  熊田 裕通君     星野 剛士君

  小林 鷹之君     秋元  司君

  笹川 博義君     山本 有二君

  平  将明君     菅原 一秀君

  細田 健一君     村井 英樹君

  務台 俊介君     津島  淳君

  笠井  亮君     志位 和夫君

  小宮山泰子君     畑  浩治君

同日

 辞任         補欠選任

  津島  淳君     牧島かれん君

  星野 剛士君     宮内 秀樹君

  村井 英樹君     武部  新君

  湯川 一行君     うえの賢一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  武部  新君     伊藤 達也君

  牧島かれん君     中川 俊直君

  宮内 秀樹君     大島 理森君

同日

 辞任         補欠選任

  中川 俊直君     助田 重義君

同日

 辞任         補欠選任

  助田 重義君     大岡 敏孝君

同日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     西川 公也君

同日

 山田宏君が理事を辞任した。

    ―――――――――――――

六月二十日

 一、予算の実施状況に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任

 政府参考人出頭要求に関する件

 予算の実施状況に関する件(外交・安全保障政策について)


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     ――――◇―――――

二階委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事山田宏君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

二階委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。

 本日は、外交・安全保障政策についての集中審議を行います。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君、内閣法制局長官横畠裕介君、法務省大臣官房司法法制部長小川秀樹君、防衛省防衛政策局長徳地秀士君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

二階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

二階委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高村正彦君。

高村委員 質問に入ります前に、このたびの台風八号でお亡くなりになった方に心から哀悼の意を表しますとともに、被害を受けられた方たちに心からお見舞いを申し上げるものでございます。

 それでは、質問に入ります。

 国家の存立を守り、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備に関する閣議決定がなされたわけでありますが、このうち、国民の関心の高い集団的自衛権に関する部分に限って、時間の制約もありますので、質問をさせていただきたいと思います。

 よく一般の方から言われるんですが、閣議決定だけで集団的自衛権が行使できるようになってしまうのはおかしいではないかと言われるんですが、閣議決定だけで集団的自衛権が行使できるようになるというのは大変な誤解でありまして、これは、法律をちゃんと国会で審議し、法律が通って初めて集団的自衛権が行使できるようになるんですよ、こう説明してあげると、初めて聞きましたと言う人もいますが、さらに、そうであれば、最初から国会に出して国会で審議すればいいじゃないか、何で閣議決定を最初にやるんですか、こう質問してくる方もおられます。

 総理に、何で最初に閣議決定しなければいけないのか、それをわかりやすく説明していただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今回の閣議決定は、国民の命と平和な暮らしを守るために、まさにすき間のない体制をつくっていかなければならないわけであります。国民の命と平和な暮らしを守ることこそ、まさに私たちの責務である、このように思います。その中において、切れ目のない対応を可能とする国内法制を速やかに整備をし、これによって争いを未然に防ぐ力、つまり抑止力を高めていくことが必要であると考えます。

 一方、このために必要となる法整備を行うに当たっては、今、確かに、高村委員が指摘されたように、最初から法律を出して審議をすればいいではないかという思いの方もおられるだろうと思いますが、これまでの憲法解釈のままでは、国民の命と平和な暮らしを守り抜く上で、必ずしも十分な対応ができないおそれがあるわけでありまして、そして、政府としては、今までの解釈と違ったものを、法律をいきなり出すわけにはいかないわけでありまして、今までの解釈で不十分なものは、解釈をこのように適切に当てはめ変更していくという見解を国民の前に政府の意思の決定として閣議決定を行い、その後に法律を整備していく。

 そして、その法律を整備していく中においては、当然自衛隊が行動していくための法律になるわけでありますが、国会の承認も必要になっていくということ等も当然その法律の中に入れ込んでいくということになるんだろうと思いますが、その法律をつくる上においては、国会で御議論をいただき、そして国会の決議をいただいて初めてそれが可能になっていくということであります。

 まさにその意味において、我々は今回閣議決定を行ったということでございます。

高村委員 政府の人間には憲法遵守義務があるわけでありますから、今までの解釈をそのままにしておいたら法案の作成準備にもかかれない、こういうことだと思うんですね。だから、まず閣議決定して、政府の解釈はこういうことですよということで、新しい解釈に基づいて法案の整備にかかれる、これは当然のことだろう、こう思います。

 政府が物事を決定する中で、一番重い決定の仕方、慎重な決定の仕方が閣議決定である。全ての大臣が一致しなければいけないわけでありますから、一人でも反対したら閣議決定はできない。そういう意味で重い決定の仕方であるわけでありますが、その重い決定の仕方の中で、少なくとも、私は、今度の閣議決定ほど慎重に、時間においても中身においても慎重に検討して閣議決定したという記憶はないんですが、総理、どうでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今回の閣議決定は、まさに委員がおっしゃったように、国民の命と平和な暮らしを守るために何をすべきかという課題についてしっかりと議論を行ったわけでありますが、その中で、今までの憲法の解釈のままでは十分な対応ができないというものについては、まずは閣議決定において、それは、閣議決定は今御指摘があったように政府が意思決定する方法の中で最も重い決め方であります。この重い決め方で決める。そして、その後に初めて政府は法整備について立法作業あるいは法の改正作業にその閣議決定に基づいて入っていくことができる。内閣の意思を統一して、それをお示しして初めて作業に入っていくことができる。作業が行われた後に、その法律ができれば、法律を提出させていただくということになるわけでございますが、一つの閣議決定を行うためにこれだけ慎重に議論を重ねてきた例を私は承知しておりません。

 安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会が、第一次安倍内閣のときを含め足かけ七年、二年半にわたる検討の結果として、国民の命と平和な暮らしを守るため、安全保障の法的基盤に関してどのように考えるべきかについて提言をいただいたのは五月であります。提言を受けて、私が検討の方向性を示して以降、高村副総裁に座長、北側副代表に座長代理を務めていただいた与党協議の場において十一回会合を重ね、濃密な御議論をいただいたわけであります。また、国会では、五月中旬以降だけでも延べ約七十名の議員から質問があり、政府としても丁寧に説明を行ってきたところであります。その上で、去る七月の一日に与党協議の結果に基づいて閣議決定を行い、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な法整備の基本方針をお示ししたところであります。

 そして、憲法は自衛隊について明記をしていません。これまでの自衛権をめぐる解釈は、昭和四十七年の政府見解、この政府見解は閣議決定をしておりません。閣議決定を経ずに、もちろん与党の協議も行っていません。これは単に内閣法制局を中心に政府の考え方を示し、これは参考資料として出してきたわけでございまして、これが基本的な考え方となっているわけであります。そのような形で、多くは国会答弁によって形成をされてきたということでございます。

 もとより、この閣議決定に基づいて直ちに自衛隊が活動できるわけではなくて、今後、法律を作成し、提出をし、またさらに御議論をいただくということになるわけでございます。

高村委員 総理は、閣議決定に当たって、与党協議が始まる前に、初めに期限ありきではない、こうおっしゃいました。これは、与党の協議なしに見切り発車はしない、こういう意味だったと思いますが、最初から六月中ぐらいには決める必要があったと私は思っておりましたし、総理も恐らくそう思っておられたと思うんですが、何で六月中に決める必要があったんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 もちろん、これは期限ありきではなくて、再三申し上げてきたところでありますが、しっかりとした徹底的な御議論をいただいた上において与党として結論を出していただきたい、このように副総裁にもお願いをいただき、十一回にわたって御議論をいただいて、そして、責任与党として決めるときには決めるという決意のもとに、判断のもとに、結論を出していただき、七月の一日、閣議決定を行うに至ったわけでございます。

 そしてまた同時に、日米防衛協力のための指針の見直し作業を本年末までに行う、本年末までという日米で合意されたスケジュールがあるわけでございまして、このスケジュールのもとで進めていく上においても、それに十分に間に合うように基本的な方針が固まっていることが私は望ましい、このように考えていたところでございますし、また国会においてもそのようにお答えをさせていただいたところでございます。

高村委員 日米ガイドライン、九月ごろからは本格折衝に入らなければならない、その前に、全体の切れ目ない法制、大体のところは整備した上でかからなければいけない、こういうことだと思いますが、この関連法案の国会提出はいつになるんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 この関連法案につきましては、準備ができ次第、国会に法案を提出して、国会において御議論をいただくことになるわけであります。

 準備に当たりましては、グレーゾーンから武力の行使に関するものまで、幅広い法整備を一括して行っていく方針であります。具体的な進め方については今後よく検討してまいりますが、膨大な作業になるため、少し時間がかかる可能性はあります。

 これは、まさに、かつて武力攻撃事態法の議論のときに、全体像を示せと、当時、野党からよく、民主党からもそういう御要求もいただきました。今回は、ですから、切れ目のない対応をこのようにやっていくということを、グレーゾーンから武力の行使に至るまで、一応、一括で国会に、そして国民の皆様にもお示しをした方がいいだろう、こう考えておりますが、膨大な作業になるわけでありまして、少し時間がかかる。

 しかし、法案作成チームについては、早速立ち上げまして、作業を開始したところでございます。関係省庁と連携をして、精力的に進めていきたいと考えております。

高村委員 切れ目のない安保法制の整備でありますから、私も、全体像が国民によくわかるように、一括して出した方がいいと思います。

 それから、十七年前に日米ガイドラインをやったときも、そのガイドラインができてからその翌々年、九九年に、その関連法案を国会で、特別委員会をつくって、大変な議論をして成立させたことがある。そういう例から見ても、ガイドラインができた後に一括して出す方が望ましいのではないかなと私もそのように思っております。

 それで、今度、集団的自衛権の一部が許容されるような政府解釈をしたわけでありますが、これは、国連憲章で認められている、世界各国が行使を許されている、近隣諸国でいえば中国も韓国も北朝鮮も行使を許されている集団的自衛権と同じ程度のものが許容されるということでしょうか、そうでないのでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今回の閣議決定により憲法上許容されると判断するに至ったものは、新三要件を満たす場合に限定されており、あくまでも、我が国の存立を全うし、国民を守るためのやむを得ない自衛の措置に限られているわけであります。

 新三要件とは、我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと、そして必要最小限度の実力行使にとどまるべきこととあります。

 新三要件に照らせば、今私が挙げました新三要件を聞いていただいた方には御理解いただけると思いますが、我が国がとり得る措置には当然おのずから限界があり、国連憲章において各国に行使が認められているのと同様の集団的自衛権の行使が憲法上許容されるわけではありません。

高村委員 そうすると、近隣諸国である中国あるいは韓国、北朝鮮が許容されている集団的自衛権の行使と同じような行使を我が国が許される、こういうふうにするとすれば憲法改正が必要になる、そういうふうに考えていいですか。

安倍内閣総理大臣 今般の閣議決定においては、政府は、新三要件を満たす場合には、我が国に対する武力攻撃がなくても、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な必要最小限度の自衛の措置として武力の行使が憲法上許容されると判断するに至ったわけでございます。

 そこで、先ほど挙げた三要件があるわけでございます。これは、我が国を取り巻く安全保障環境が客観的に大きく変化をし、一層厳しさを増しているという現実を踏まえて、従来の憲法解釈との法理的整合性と法的安定性を維持し、従来の政府見解、これは昭和四十七年の政府見解、先ほど紹介をいたしました政府見解でありますが、における憲法第九条の解釈の基本的な論理を何ら変更することなく、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために合理的な当てはめの結果として導き出されたものであります。

 世界各国と同様の集団的自衛権の行使を認めるなど、憲法第九条の解釈に関する従来の政府見解の基本的な論理を超えて武力の行使が認められるとするような解釈を現憲法のもとで採用することはこれは困難であり、その場合には憲法改正が必要になると考えております。

高村委員 日米同盟についてお伺いしたいんですが、かつては、アメリカが世界の警察官、日本もアメリカに全て日本の安全を任せておけばいい、こういう感じであったわけでありますが、今の状況において、アメリカに全て任せておいていい、こういうような状況なんでしょうか。

岸田国務大臣 国際社会における各国の相対的影響力、これは絶えず変化はしておりますが、米国の場合、その軍事力、経済力に加えて、民主主義、資本主義といった基本的な価値観、さらには文化、芸術等のソフトパワー、そういったものも考えますときに、依然、世界最大の総合的な国力を持つ国であると認識をしております。

 しかし、その米国であっても、宇宙ですとかサイバーですとか、容易に国境を越える脅威が登場している現状においては、一国のみでは平和は守れない。今や、一国のみでは国際社会の平和や安定やそして繁栄を守ることができない、これが国際社会の共通認識になっていると考えております。

 ことし四月の日米首脳会談におきましても、地域の平和と安定のために日米はしっかり協力をしていく、この点を確認いたしました。我が国の積極的平和主義という政策、そして米国のリバランス政策、この意義を確認し、今後とも日米が地域の平和と安定のために協力していく、これを確認した次第です。

 そして、我が国の平和と安定を守るという観点においては、我が国自身の防衛力をしっかり維持していくこと、これも大事でありますが、あわせて、日米同盟の抑止力をしっかりと向上していかなければならないと認識をしております。

 今後とも、日米ガイドラインの見直し等、日米安保体制の抑止力、対処力向上に努めなければならないと認識をしています。

高村委員 日本の平和と安全を守るため、そのためにも、日米同盟の中で日本がもっとやるべきことがあるというふうに言われた、こういうふうに理解をいたします。

 それで、アジア太平洋地域における安全保障の変化ということがこの閣議決定の中にも書いてあるんですが、具体的に教えてください。

岸田国務大臣 憲法の施行から六十七年たっていますが、その間、我が国を取り巻く安全保障環境は根本的に変容し、そして近年一層厳しさを増していると認識をしております。

 例えば、大量破壊兵器あるいは弾道ミサイル等の軍事技術の高度化、拡散のもとで、アジアにおいては、北朝鮮が日本の大部分をノドンミサイルの射程内に入れています。また、最近も弾道ミサイルの発射を繰り返しています。また、核開発も続けています。

 さらには、アジアにおきましても、中国、インド等の新興国の台頭によりまして、グローバルなパワーバランスが変化をしています。また、国際テロの脅威も高まっておりますし、海洋、宇宙、サイバー、こういったものへのアクセスを妨げるリスクも深刻化しております。

 こういったことですので、先ほど申し上げましたように、どの国も一国のみで平和を守ることができない。我が国としましても、抑止力の向上、そして国際社会に対する貢献、こういったものにつきまして一層努力をしていかなければならない、このように認識をしております。

高村委員 北朝鮮は核やミサイルを開発している、ノドンは日本列島の全てを射程に入れている、推定によれば二百発か三百発かある、こういうような状況だと思うんですが、抑止力というのは、相手がしっかりこちらの抑止力を理解してもらわないと抑止力にならないですね。もし日本を攻撃したらアメリカが相手をたたき潰すぞ、こういうことをはっきり理解してこそ抑止力なんです。日本が攻撃を受けて、その後でたたき潰してくれても、これは、二弾目、三弾目の攻撃を受けないという意味ではそれなりの抑止力はあるかもしれないけれども、全面的な意味での抑止力にならない。相手によく、日米同盟は緊密であるぞと発信をしなきゃいけないわけであります。

 そういう意味で、これからさらに、日米同盟が緊密である、こういう状況をつくっていかなければいけない、こういうふうに思うわけでありますが、例えば中国という国、大変軍事力を増強しております。能力からいえば大変な能力になっている。ただ、必ずしも日本を攻撃する意図があるということはないんだろうと思うんですね。

 一般的に、脅威というのは、日本を攻撃する能力があって、そして意図がある場合にそれが脅威だ、こういうふうに言うわけでありますが、今、安倍総理が中国との間で戦略的互恵関係を再構築したいと願っているのと同様に、習近平主席も戦略的互恵関係を再構築したいと考えているに違いないと私は思っているわけでありますが、その意図というのは変わり得るので、これから中国がそういう意図を持って日本の脅威にならないように、脅威だから抑止力というんじゃなくて、脅威にならないように一定の抑止力を持つとともに、さらに平和外交努力も必要だと思うんですが、中国との間の外交努力について総理のお考えをお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 日本と中国の関係を考えれば、まず、日中関係というのは最も大切な二国間関係の一つであります。

 日本は、中国に多くのものを輸出し、利益を上げておりますし、また投資をして利益も上げています。一方、中国側から見れば、日本にしかできない資本財、中間財を輸入して、それを加工して欧米に輸出をして大きな利益を上げている。また、日本の投資によって大きな雇用を生み出しています。いわば切っても切れない関係と言えます。

 この切っても切れない関係であることをお互いに認識をしながら、一つの、隣国であれば必ず何か問題が起こってくる、だからこそ、そうした問題が起こったとしても、そうした関係を認識しながら、全体をコントロールしながら関係を維持していく、これが戦略的互恵関係の原則と言ってもいいんだろう、このように思うわけでありまして、この戦略的互恵関係の中において、現在でも日本から多くの経済人の方々が中国を訪問し、投資を行い、また観光客も中国を訪れ、また多くの観光客が日本を訪問していただいております。ことしに入ってきて、昨年よりも数割、中国からの観光客がふえているという状況であります。これは日本の地域にとってもいいことであろう、このように思います。

 この中で、首脳会談を行えていないことは大変残念なことでありますが、私が今申し上げましたような戦略的互恵関係の原点に立ち戻って両国関係を改善させていきたい、こう考えている中において、十一月の北京APECの際に首脳会談を行いたいと考えています。私の対話のドアは常にオープンであります。中国側にもぜひ同じ対応をとっていただきたいと考えています。

高村委員 相手があることですから大変だと思いますが、私も必要であればお手伝いしますので、日中関係がよくなるようにこちらもさらなる努力をしていただきたい、こういうふうに思います。

 近隣有事、例えば朝鮮半島の有事のような場合、ほっておけば日本に火の粉が飛んでくる、そういう状況の中でアメリカが日米安保条約に従って活動しているときに、日本がそのアメリカを全く助けなかったとしたら、アメリカは世論の国ですから、アメリカの世論は、その後、日本が侵略された後にアメリカが日本を助ける、アメリカの青年の血を流して日本を助けるということを許さないということは十二分に考えられることでありますが、総理はその点、もう少し具体的に私よりうまく説明できると思いますので、説明していただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 もちろん、我が国は日米安保条約のもとでの米国のコミットメントを全面的に信頼をしておりますし、四月にオバマ大統領が来日をされた際にも、尖閣を含め、我が国の施政下にある地域について、安保条約の第五条、これはまさにアメリカが防衛義務を負っているものでありますが、適用対象にするということを明言していただきました。

 同時に、しかし、同盟関係というのは、今、高村さんがおっしゃったようにお互いの信頼のきずな、そしてその信頼のきずなを支えるのは、民主主義国家でありますから、国民と言ってもいいんだろう、こう思うわけでありますが、先ほど申し上げましたように、信頼しているということを前提で申し上げれば、日本有事の際に米国の兵士が日本を守るために命を危険にさらす、このコミットメントは非常に大きなことであります。

 国民の支持が必要だと言ったのは、こうしたアメリカの若い兵士たちにも愛する人たちがいるわけでありまして、大切な家族があるでしょう。そういう皆さんが、自分にとっては大切な人が日本のために命をさらすということについて理解がなければ、それはこの日米の同盟関係が有効に能力を発揮するかどうかということについて、しっかりと我々の側も考えていく必要があるんだろう、このように思うわけであります。この若い兵士が命を危険にさらすコミットメントは非常に大きなことである。義務を果たすことは同盟の信頼にとって重要であります。

 また、その中において、日本がその能力があるのに相手を助けなくていいのか、しかも、その事態は日本に及んでくる事態であり、そのために展開をしている米国の艦船を、日本は能力があるのに守らなくて、果たして、今言ったような、お互いがしっかりと協力をして地域の平和とそして日本の安全を守っていくという義務を果たしていく上においてそれは問題がないのかということを、我々は常に考える必要があるんだろうと思うわけであります。

 信頼関係を不断に強化していくことは、これは日米同盟の強化になるわけでありますし、はたから見ている国々にとっても、この同盟関係は強化されているなということになれば、こういう国には手を出すことはできないなという、いわばそれこそが抑止力につながっていくんだろう、私はこう思うわけであります。

 つまり、一切のすきを与えない抑止力を構築していく、これはきずなにおいてもそうでありますが、むしろきずなは大変大切なものであると思いますが、その抑止力を構築していくことによって、地域も日本もより平和になっていく、安定を、日本人の命と平和な暮らしをしっかりと守り抜いていくことにつながっていくと私は確信をしております。

高村委員 総理が前に、日米安保条約に従って周辺事態のときにアメリカの船が警戒行動をしているときに、どこかの国が攻撃をしかけてきた、日本が守れるのに守れなくてその船が沈んじゃった、日米同盟はそれで終わりだと。とてもわかりやすく聞いたので、そのことを言ってもらおうと思ったんですが、大体同じようなことを言っていただいて、ありがとうございました。

 シーレーンの機雷掃海に関しまして、これはやるんですかと私は聞かれて、いや、視野に入っていますよと言いました。北側さんが、機雷が敷設されたら直ちに機雷掃海ができるわけではない、こういうことを言った。二人の言っていることが矛盾している、矛盾していると一部のメディアが騒ぎ立てましたが、全然矛盾していないですよね。それは、国の存立を危うくし、国民の権利を根底から覆す明白な危険があるような場合には機雷掃海できるし、そこに至らない場合は機雷掃海できない。ある場合にはできるということを私が言って、北側さんは、ない場合はできないよ、こういうことを言ったので、全く矛盾していないわけであります。

 総理に、では具体的にどういうところまでいったらできるか、あるいは、こんなところだったらできないね、典型的な例を話していただけますか。

安倍内閣総理大臣 いかなる事態が、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に当たるのか。これは、個別具体的な状況に即して、総合的に見ながら判断していくものであって、一概にこれだということをお答えするのはなかなか困難ではありますが、その上で、一般論として申し上げると、海洋国家である我が国にとって、国民生活に不可欠な資源や食料等を輸送する船舶の安全確保は極めて重要であります。

 例えば、ホルムズ海峡は、幅が最も狭いところで約三十三キロメートルでありますが、我が国の輸入する原油の八割は、そして天然ガスの二割強がこの海峡を通過して日本にやってくるわけであります。ホルムズ海峡は、我が国のエネルギー安全保障の観点から、極めて重要な輸送経路となっていると言えます。

 仮に、この海峡の地域で紛争が発生し、機雷が敷設された場合、我が国の石油備蓄はもちろん約半年分あるわけでありますが、しかし、その段階で、相当のこれは経済危機が発生したと言えるでしょう、エネルギー危機が発生したと言える。我々はそれを何回も今まで経験してきました。

 そして、その機雷が除去されなければ、そこに危機として存在し続けるわけであります。誰かがその機雷を除去しなければ、日本に向かってやってくる原油の八割がそこを通るんですが、八割はそこを通るにもかかわらず、誰かがやらなければ危険はなくならないわけでありまして、同海峡を経由した石油供給が回復しなければ、世界的な石油の供給不足が生じて、我が国の国民生活に死活的な影響が生じ、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されることとなる事態は生じ得ると考えます。

 逆に、ホルムズ海峡の地域で武力攻撃が発生したとしても、それだけでは要件を満たすものではもちろんありません。それにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があると判断される状況に至らなければ、新三要件を満たすとは言えないわけであります。

 また、海峡に機雷が存在しても、それが遺棄されたものと認められれば、これは新三要件を満たすものではなく、危険物の除去として処理することができるという考え方を我々はとっております。

高村委員 よくわかりました。

 集団安全保障について、内閣法制局長官にお聞きをいたします。

 日本政府は、従来から、日本有事の場合に個別的自衛権を日本が行使していた、そのときに国連の安保理決議が出た、そうすると、法理的、法の理屈の上では集団安全保障の世界に入るわけでありますが、そのとき、今までやっていた武力行使はそのまま続けていい、そういう解釈をずっととってきた、こう思います。

 今度、法律がしっかりできて、そして、集団的自衛権を行使しているときに新たに国連決議が出た、そのときも全く同じ法の理屈、法理が通用する、そういうふうに思いますが、それでいいですか。

横畠政府参考人 お答えいたします。

 新三要件のもと、憲法上一定の武力行使が容認されるわけでございますが、その根拠は、これまでどおり、昭和四十七年の政府見解で示された基本的な考え方を踏襲したものであり、国際法上合法であるという理由によるものではございません。すなわち、憲法上武力の行使が許容される根拠は、その行使の際に必要な国際法上の違法性阻却事由とは別の事柄であります。

 したがって、我が国が、新三要件を満たす武力の行使であって、国際法上個別的自衛権あるいは集団的自衛権の行使として違法性が阻却されるものを行っている場合に、国際法上のその根拠が国連安保理決議となったとしても、法理上は、我が国が新三要件を満たす武力の行使をやめなければならないということにはならないと考えられます。

高村委員 今、自衛隊とか日米安全保障条約、国民の大多数が支持してくださっているわけでありますが、これは最初からそうだったわけじゃなくて、国論を二分していたわけであります。そして、一方の人間は抑止力が大切だと言い、一方の人間は、そうではない、かえって危険になると不安をあおった。どちらが歴史の審判にたえ得たかといえば、抑止力が大切だと言った側が歴史の審判にたえ得たのは間違いないと思うので、自信を持って、これからも日本の国民を守るために頑張っていただきたい。

 お願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

二階委員長 これにて高村君の質疑は終了いたしました。

 次に、北側一雄君。

北側委員 公明党の北側一雄でございます。

 総理、オセアニアの歴訪、大変御苦労さまでございました。お疲れさまでございました。

 早速質疑の方に入らせていただきたいと思います。

 今、安全保障の問題が議論になっているわけでございますが、国民の皆さんからごらんになられると、なぜ今安全保障なのというふうにお思いの方が多くいらっしゃると思うんですね。それは、先ほど来総理も御答弁されています、我が国をめぐる安全保障の環境が大きく変化してきているんだということが背景にあると思うんですね。

 今回の閣議決定の中にも、このように言われております。「我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的、規模、態様等によっては、我が国の存立を脅かすことも現実に起こり得る。」このように閣議決定で記されているわけでございますが、ここで言う、安全保障環境が根本的に変容している、こういう認識をしているわけですね、総理のここのところの御認識をまずお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今回の閣議決定における基本的な認識は、我が国を取り巻く安全保障環境が大きく変わっている、厳しさを増しているということであります。

 例えば、大量破壊兵器や弾道ミサイル等の軍事技術が高度化をしている、そして拡散をしているという中において、例えば北朝鮮はミサイルの技術を高め、先般も、昨日もミサイルを発射したということになるわけでありまして、ノドンミサイルの射程は日本を全て範囲の中に入れているということでありまして、また核開発も行っている。

 さらに、グローバルなパワーバランスの変化があります。国際テロの脅威など、海洋、宇宙、サイバー空間へのアクセスを妨げるリスクも深刻化をしているわけであります。

 例えば、米軍と自衛隊の関係を見ても、一九四五年、日本が敗戦、進駐軍を受け入れた段階において、米軍の総数は千二百万人で、進駐軍の米軍は四十万人、自衛隊はもちろんゼロであります。そして、自衛隊が創設された段階、一九五二年、日本が独立を取り戻した段階で、米軍は総数は三百三十万人、そして駐留の米軍が二十六万人いて、自衛隊は十一万人だったわけでありますが、二〇一二年は、米軍三百三十万人だったものが百三十七万人になっています、在日米軍二十六万人だったものが五万になっている、そして自衛隊は一方、十一万八千人から二十四・七万人になっているということであります。

 その中において、自衛隊がしっかりと自衛隊の役割を果たしながら、米軍と一足す一を、足して二にすることによって抑止力はより強化されていくわけでありまして、一足す一が、足して二になっていないのではないか、そういう考え方を他の国に与えることによって、これは抑止力としての効果は下がってくる危険性もあるわけであります。

 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたサイバー攻撃にもさらされているわけでございまして、こうしたものは瞬時に国境を越えていく中において、もはやどの国も一国のみで自国を守ることができないという中におきまして、私たちは、我が国の国民の命と幸せな暮らしを守り抜くその責任の中におきまして、切れ目のない対応を可能とする法整備は急務である、このように判断をしたところでございます。抑止力の向上と地域及び国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献をしていくことを通じて、我が国の平和と安全を一層確かなものにしていきたい、その観点から、与党で御議論をいただき、閣議決定を行ったところでございます。

北側委員 我が国の防衛というのは、我が国の自衛隊と、そして日米安保条約に基づいて我が国に駐留します米軍、この二つの実力組織によって我が国防衛を果たしていく、これが基本の考えですよね。

 今総理のおっしゃった、安全保障環境が大きく変化する中で、我が国防衛のための日米防衛協力体制をより実効性のあるものに、また信頼性のあるものにしていくことが私は今一番大事なことなんだろうというふうに思っております。

 この問題につきましては、後で具体的に安全保障上の必要性についてぜひ論議をさせていただきたいと思いますので、その中でまた改めて総理と議論をさせていただきたいというふうに思っております。

 そこで、今回のこの問題というのは、安全保障上の必要性がどこにあるのかという問題と、もう一方で、憲法九条に関するこれまでの政府解釈があります、それとの整合性がちゃんと図られているのかという問題と、この二つの問題があるんですね。

 そこで、きょうは内閣法制局長官に来ていただいておりますので、私は、その辺の整合性の問題について、憲法の番人でございます内閣法制局長官の答弁をぜひいただきたいというふうに思っているところでございます。

 憲法九条のもとで、一体、自衛の措置というのはどこまで認められるんだということなんですけれども、これは憲法九条には書いてないんですね、自衛の措置がどこまでできるんだというのは書いてないんです。一項で戦争の放棄、二項で戦力の不保持を定めております。自衛の措置がどこまでできるかというのは何にも書いていないわけでございます。

 九条のもとで自衛のための武力の行使がどのような要件のもとで許されるのかということを、この憲法九条解釈について緻密な論議をしてきたのはまさしくこの場なんですね。この国会、そして政府側との長年の間のやりとりの中で、この九条の解釈というのはつくられてまいりました。最高裁判所も、残念ながら、この問題については直接判断をしておりません。

 よく出されます昭和三十四年の砂川判決なんですけれども、砂川判決で言っておりますのは、「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のこと」と少しは触れてはいるんですが、どこまで許されるのかという肝心なことについては言っていないんですね。

 長年の数多くの政府の答弁、この第一委員室でされたと思うんですね。政府の答弁があります、当時の総理、当時の内閣法制局長官、外務大臣、防衛大臣等々がずっと答弁をしてきているわけでございますけれども、この中で極めて論理的に答弁をしている最初の政府見解というのが、先ほども話題に出ておりました、一九七二年、昭和四十七年十月に参議院決算委員会に提出された、内閣法制局作成の「集団的自衛権と憲法との関係」という資料でございます。もう四十年以上前に国会に提出されたものでございます。

 委員の皆様には、お手元にこの七二年見解について配っておりますが、二枚の非常に簡潔な資料でございまして、これは、二枚なんですが、三つの段落そして六つの文から構成をされております。

 第一段落の冒頭では、いわゆる集団的自衛権とは何かということについて記述をしておるわけでございまして、冒頭言っておりますのは、「国際法上、国家は、いわゆる集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにかかわらず、実力をもつて阻止することが正当化されるという地位を有している」と集団的自衛権の定義をまず冒頭でしております。

 そして第三段落、ここが一番ポイントなんですが、その末尾のところで結論を書いておりまして、その結論というのは、「いわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」、こう言っているわけでございます。

 この七二年見解のポイントは第三段落の部分にあります。第三段落は三つの文章から構成されているんですが、パネルで少し用意をさせていただきました。

 この七二年見解のポイントを、まず長官、お話をしていただきたいと思います。

横畠政府参考人 この昭和四十七年の政府見解は、憲法第九条のもとにおいて例外的に許容される武力の行使についての考え方を詳細に述べたものであり、その後の政府の説明も、ここで示された考え方に基づくものでございます。

 そこで、この昭和四十七年の政府見解でございますけれども、お示しのパネルのとおりでございまして、まず一つ目として、憲法は、第九条において、同条にいわゆる戦争を放棄し、いわゆる戦力の保持を禁止しているが、前文において、全世界の国民が、平和のうちに生存する権利を有することを確認し、また、第十三条において、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、国政の上で、最大の尊重を必要とする旨定めていることからも、我が国がみずからの存立を全うし国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らかであって、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されないとしております。

 この部分は、御指摘のありました砂川事件の最高裁判決の、「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のことといわなければならない。」という判示と軌を一にするものと理解されます。

 次に、二番目でございますが、しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右に言う自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて許容されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためにとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものであるとして、このような極限的な場合に限って例外的に自衛のための武力の行使は許されるという基本となる論理を示しております。

 三つ目でございますが、その上で、結論として、そうだとすれば、我が憲法のもとで武力の行使を行うことが許されるのは、我が国に対する急迫不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないと言わざるを得ないとして、さきの基本論理に当てはまる極限的な場合としては、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるという見解が述べられているものと理解されます。

北側委員 数ある政府見解、九条に関する政府見解の中の、この四十七年、一九七二年見解というのは、ベースになるものだというふうに私は理解をしております。

 問題は、当然、我々国会にいる者は、これまでの政府見解というものを尊重しなければなりません。具体的に、これまでの政府見解のベースになっております、今長官からお話しいただいた七二年見解と整合性を図っていかないといけないというふうに思うわけでございます。

 そこで、今回の閣議決定の中の自衛権行使の三要件、新しい三要件について閣議決定の中には記されております。憲法九条のもとで許容される自衛の措置として、左側の方が、従来というか、現在の三要件でございます。そして、右の方が、今回の閣議決定で示された新しい三要件になるわけでございます。

 どこが違うのかということをまず御説明したいと思うんですが、第一要件のところが、従来は、「我が国に対する急迫不正の侵害があること」というだけだったんですが、今回、新しい三要件では、この赤い字でございますけれども、それだけに限らず、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」というのが第一要件に新たに入ってまいりました。

 さらに、第二要件も少し違っておりまして、第二要件は、従来は、「これを排除するために他の適当な手段がないこと」としか言っていなかったんですが、間に、「我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないとき」というふうに入っておるわけです。

 第三要件は同じでございます。

 先ほど説明していただいたこれまでの政府見解のベースであります七二年見解とこの新しい三要件、閣議決定で決められた新しい三要件との間に論理的な整合性がちゃんとあるのか、確保されているのか、それについて長官の御答弁をお願いしたいと思います。

横畠政府参考人 今般の閣議決定は、憲法第九条のもとでも例外的に自衛のための武力の行使が許される場合があるという昭和四十七年の政府見解の基本論理を維持し、その考え方を前提として、これに当てはまる極限的な場合は我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるとしてきたこれまでの認識を改め、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合もこれに当たるとしたものであり、その限りにおいて、結論の一部が変わるものでございますが、昭和四十七年の政府見解の基本論理と整合するものであると考えております。

北側委員 この新しい三要件というのは、総理、今回の閣議決定の中の、九条のもとで許される自衛の措置の中の、一番肝要な部分がこの新三要件になるわけでございます。

 これは、当然のこととして、我が国が例外的に憲法九条のもとで武力の行使が許されるその要件を定めているわけでございますので、今後検討されてくる法案、法整備の中で、きっちりこの新三要件というのは、条項を条文の中に書き込まれるものだと私は認識をしております。長官、いかがですか。

横畠政府参考人 今般の閣議決定を受けて、具体的にどのような法整備を行うかについては、内閣官房を中心に検討が開始されたところであると承知しております。

 具体的な法整備の検討はこれからでございますが、新三要件は、御指摘のとおり、憲法上許容される武力の行使の要件そのものでございますので、実際の自衛隊の行動の法的根拠となる自衛隊法等の中にその趣旨を過不足なく規定すべきものと考えております。

北側委員 それでは、もう少し各論の話をさせてもらいたいんですが、この新三要件で一つポイントのところは、他国に対する武力攻撃が発生して、これにより、この後ですね、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合、ここを定めているわけです。単に、密接な他国に武力攻撃があったというだけじゃだめなんですね。これによって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由や幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合でなければ、自衛の措置は許されないわけでございます。

 そこで、ここが非常に大事なところだと思うんですが、この根底から覆される、国民のこれらの権利が根底から覆されるとは、どんな状況をいうのか。また、明白な危険があると言っています。防衛法制の中には、この明白な危険というのが六カ所で使われているんですけれども、この明白な危険があるという言葉がどういう事態を指しているのか、どんな要素からそれが判断されるのか、そこを長官に、ぜひこれはきっちり答弁してもらわないといけないと思っています。

 よく、要件が曖昧で時の政府が恣意的に判断するのではないか、そういう御批判もあるわけでございまして、ここは長官、しっかり明確な答弁をぜひお願いしたいと思います。

横畠政府参考人 先ほどもお答えしたとおり、新三要件は、昭和四十七年の政府見解における基本論理を維持し、その考え方を前提としたものであり、御指摘の「他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」という部分は、昭和四十七年の政府見解の「外国の武力攻撃によつて国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態」に対応するものでございます。

 これまで、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみが、昭和四十七年の政府見解に言う「外国の武力攻撃によつて国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態」に当たると解してきたということを踏まえると、第一要件の「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」とは、他国に対する武力攻撃が発生した場合において、そのままでは、すなわち、その状況のもと、国家としてのまさに究極の手段である武力を用いた対処をしなければ、国民に、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であるということをいうものと解されます。

 いかなる事態がこれに該当するかは、個別具体的な状況に即して判断すべきものであり、あらかじめ定型的、類型的にお答えすることは困難でありますが、いずれにせよ、この要件に該当するかどうかについては、実際に他国に対する武力攻撃が発生した場合において、事態の個別具体的な状況に即して、主に攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることとなる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断することになります。

 なお、明白な危険というのは、その危険が明白であること、すなわち、単なる主観的な判断や推測等ではなく、客観的かつ合理的に疑いなく認められるというものであることと解されます。

北側委員 今の御答弁、非常に大事な御答弁になると思います。

 今長官は口頭でしゃべられたので、なかなかさっと意味を理解するのは難しいかもしれないんですが、今おっしゃったのは、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様の深刻、重大な被害が及ぶことが明らかとおっしゃっているんですね。また、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることとなる犠牲の深刻性、重大性などを客観的に判断していくんだというふうにおっしゃって、今の御答弁は、政府の恣意的な判断が入る余地はないということですね。そういうことで理解をしたいというふうに思っております。

 次に、この第二要件なんです。この第二要件も、新たに「我が国の存立を全うし、国民を守るために」という言葉が入りました。なぜ、今の三要件と比べてこのような要件が入ったのか。これを私は重い意味があると思っているんです。

 同じ閣議決定の中でこういうところがございます。「この「武力の行使」には、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とするものが含まれるが、憲法上は、あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るため、」この第二要件の言葉をそのまま言っているんですが、「すなわち、我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容される」と。

 ここは何を言っているかというと、専ら他国の防衛を目的とした自衛の措置はできませんよ、あくまで自国の防衛のための、そういう目的を持った自衛の措置に限られますよ、それもやむを得ない場合に限られますよということを言っている要件だと私は理解をしますが、長官、いかがですか。

横畠政府参考人 第二要件におきましては、このたび、第一要件で他国に対する武力攻撃の発生を契機とするものが加わったことから、これまでの、単に、これを排除するために他の適当な手段がないこととしていたのを改め、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこととし、他国に対する武力攻撃の発生を契機とする武力の行使についても、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置に限られ、当該他国に対する武力攻撃の排除それ自体を目的とするものではないということを明らかにしているものと考えております。

北側委員 他国に対する武力攻撃の排除それ自体を目的とするものは入らないんだという今御答弁でございました。そうしたことは許されないという御答弁でございました。

 次に、この新しい三要件というのは、先ほどの四十七年見解、七二年見解がございますね、この七二年見解は、集団的自衛権という言葉が四回使われていまして、そのうち三回までは、いわゆる集団的自衛権と言っているんです。もう一回が右の集団的自衛権と言っていまして、全て形容詞がついているんです、いわゆる集団的自衛権。

 この三つの、先ほどの新しい三要件は、四十七年見解に言っている、いわゆる集団的自衛権の行使を認めたものかどうか。ここはいかがですか、長官。

横畠政府参考人 昭和四十七年見解における、御指摘のいわゆる集団的自衛権は、まさに集団的自衛権全般を指しているものと考えます。その意味で、丸ごとの集団的自衛権を認めたものではないという点においては今回も変わっておりません。

 今般の閣議決定は、国際法上、集団的自衛権の行使が認められる場合の全てについてその行使を認めるものではなく、新三要件のもと、あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として、一部限定された場合において、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とする武力の行使を認めるにとどまるものでございます。

 このような、我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置としての武力の行使は、閣議決定にございますとおり、「国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。」ということでございます。

 しかしながら、それ以外の、自国防衛と重ならない、他国防衛のために武力を行使することができる権利として観念される、いわゆるというのが先ほどの七二年見解とぴったり同じであるかどうかはあれですが、そのように観念される、いわゆる集団的自衛権の行使を認めるものではございません。

北側委員 先ほど高村副総裁もおっしゃっておられましたが、国連憲章五十一条に言う集団的自衛権、フルサイズの集団的自衛権の行使を認めたものではありません。他国防衛のみを目的としたそのような自衛の措置をとることは、憲法九条から、これは禁止をされているわけでございまして、それは今も変わりはないということと理解をしております。

 さらに、今回の閣議決定の中でこういうところがあるんですね。四十七年見解、七二年見解をずっと示した後に、この基本的な論理は、憲法九条のもとでは今後とも維持されなければならない。この基本的な論理、一九七二年の基本的な論理というものは、憲法九条のもとでは今後とも維持されなければならないというふうに言っておるわけでございます。

 今回の閣議決定は、憲法の解釈の一部の見直しではございますが、そもそもこの憲法九条の規範、歯どめと言ってもいいかもしれない、憲法九条の規範は維持されているんですかね、この新しい三要件のもとで。今回の閣議決定というのは、憲法九条のこれまでの規範というものを維持しているのかどうか。

 また、先ほど申し上げた閣議決定で、この基本的論理は、憲法九条のもとでは今後とも維持されねばならないと言っているとおり、憲法九条のもとで例外的に許される自衛の措置の限界というものを今回明らかにしたものでございまして、いわゆる集団的自衛権の行使を容認することは、これは解釈ではできない、憲法の改正でしかできないというふうに言っている部分だと思いますけれども、長官、いかがですか。

横畠政府参考人 今般の閣議決定は、平和主義を具体化した規定でございます憲法第九条のもとでも、極限的な場合に限っては例外的に自衛のための武力の行使が許されるという、先ほど御紹介もございました昭和四十七年の政府見解の基本論理を維持し、その考え方を前提としたものでございます。

 その意味で、これまでの憲法第九条をめぐる議論と整合する合理的な解釈の範囲内のものであり、憲法の基本原則である平和主義をいささかも変更するものではないと考えております。

 その意味で、昭和四十七年の政府見解の基本論理を維持し、今回の閣議決定に至ったわけでございますけれども、そこで示されました新三要件を超える、それに該当しないような武力の行使につきましては、現行の憲法第九条の解釈によってはこれを行使するということを認めることは困難であると考えておりまして、そこに及ぶ場合には憲法改正が必要であろうと考えております。

北側委員 憲法解釈の話で、なかなかテレビをごらんになられている国民の皆様からはわかりにくいところもあったと思いますが、きょうの長官の御答弁は、今後、法整備をしていくに当たりまして基本となる答弁をしていただいているわけでございまして、私は、非常に重要な意味を持っているというふうに思っております。

 そこで、総理、安全保障上の具体的な必要性について、もう少し立ち入って議論をさせていただきたいと思います。

 我が国の防衛のために現に行動している米艦の防護、この例を通して議論をさせていただきたいと思うんですね。

 日本の周辺で日本の防衛のために現に活動している米国の船、米艦を日本の自衛隊が防護できるのかという議論があるんですね。これは、実を言いますと、国会でこれまで何度も議論されてきた経過がございます。

 ちょっとパネルを用意させていただきましたが、私のつくったこの絵は、平素、平時ですね、平時から周辺事態。近隣有事。近隣有事というのは、周辺事態の中の近隣で武力紛争が起こった場合という意味で、この近隣有事。そして、我が国有事というのは、我が国に対する武力攻撃が開始された場合ですね。我が国有事。事態の深刻性が変化していく、その程度に応じて少し議論をさせていただきたいと思うんです。

 この絵の中で、これまでの国会の論議の中ではっきりしているのが二つあるんです。それは5。5というのは、我が国に対する武力攻撃の開始があった、その場合に、例えば公海上にいる米艦、これは当然守れますよ、これは個別的自衛権の範囲内として守れますよと言っていますし……(発言する者あり)いやいや、下の場合なんですね。我が国に対する武力攻撃が発生、我が国防衛のために行動する公海上の米艦であっても、日本海上にいる近海の米艦であっても、それは個別的自衛権で対処できる。さらに、我が国の領海にいる米艦への攻撃は、そのものが我が国への武力攻撃の着手ということで、個別的自衛権で対処できる。5は、従来、国会で答弁されているんですね。

 それから、一番上、これは平時の場合ですが、自衛隊の武器等防護。自衛隊法九十五条に、自衛隊の保有している武器等を守るために、限定的に武器の使用ができるよという規定が今あります。例えば、自衛隊の船と米艦船が並走している、こんな場合は、仮にそこに実力の行使、何らかの攻撃があった場合には、この九十五条を適用して、反射的効果で米艦を守れますよと、これも答弁できっちり言っているんです。

 ところが、ほかのところは、法律がないか、未整備か、もしくは不明確なんですね。どういう判断なのかというのが不明確なところなんです。

 例えば、平時から周辺事態にわたる部分、事態の状況のときに、また、我が国に対しては武力攻撃がありません、その場合に、自衛隊と連携して我が国防衛に資する活動を現に行っている米艦船の防護をできないのかどうか、これは今法律がないんですね。

 自衛隊法九十五条というのは、自衛隊の保有する武器を守るためにしか武器の使用はできませんので、こういう、我が国のために、まさしく防衛に資する活動を現に行っている米艦について、何らかの、武力攻撃に至らない、そういう実力行使があった場合に、自衛隊は守ることができる状況であったとして、その場合に守れないということになっているんです。

 今回の閣議決定では、この武力攻撃に至らない事態、いわゆるグレーゾーンの部分のところで、ここについて、自衛隊法九十五条と同様の規定を検討しようじゃないか、整備しようじゃないかということで、これからまさしく政府部内で検討されていくんですが、そのような場合には、極めて受動的かつ限定的な必要最小限の武器使用を自衛隊に認めていこう、これは新しい法制が必要なんです、これをやっていこうということを決めたわけでございます。ここは、あくまで広い意味での警察権の範囲内の問題ですから、自衛の措置の問題ではありませんが、そういうことをやっていこうということを決めました。ここで一つ法整備をやる。

 問題は、ここの部分なんですけれども、我が国に対しては武力攻撃の開始がまだない、でも、一方で、日本近海、日本海で我が国防衛のために自衛隊と連携しながら、例えば警戒監視活動をしている、そういうアメリカの艦船に対して武力攻撃があった場合、先ほどのは武力攻撃に至らない事態ですが、武力攻撃があった場合に、これはどうなんだという議論が、国会で何度も議論されているんです。

 何度も議論されていて、どういう答弁をされているかというと、これは4のところですね、個別具体の事実関係によっては、公海上にある米艦への攻撃が我が国への攻撃の着手と認められる。公海上の米艦への攻撃が、それを捉えて我が国に対する武力の攻撃の着手になる場合も、個別具体の事実関係によってはあるよという答弁が何度かされています。たしか福田官房長官の答弁にもそういう答弁があったと思うんですけれども。

 ただ、この個別具体の事実関係というのはどんな場合なのかということについては、必ずしも明らかじゃないんです。

 確かに、その攻撃を捉えて、攻撃国の意思とか能力がきちんと明示されていまして、意思なんかが明示されていて、もうこれが、米艦に対する攻撃がまさしく我が国に対する攻撃だというふうに明らかに見られる場合もあるでしょう。また、その攻撃時点というのは、情報が全てあるわけじゃないですね。後々になってみて、あのときの米艦への攻撃というのは、振り返ってみれば、情報を総合すると、やはり我が国に対する攻撃の開始だったねと評価される場合もあるでしょう。ただ、場合によっては、その辺の判断がなかなか容易ではない場合もあるかもしれないわけです。

 しかし、問題は、自衛隊と一緒になって我が国防衛のための活動をしている米艦船に対して武力攻撃があった場合に、自衛隊が守れるというのが前提ですけれども、自衛隊が守れるにもかかわらず守れないというのは、これはやはり日米防衛協力体制の基礎を大きく損なってしまうんじゃないのかという意味で、ここはやはり安全保障上の必要性はあるのではないかというふうに私は考えたんです。

 総理、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 北側委員に大変わかりやすく説明をしていただいたと思います。

 まず、そもそも、日本を守るために平時において協力している米艦の艦船に対する攻撃を我々がとめることができなければ、これは日米の同盟関係、いわばきずな、信頼に大きな影響力、場合によっては致命的な影響力を及ぼすかもしれないわけであります。だからこそ、今委員が示されたような切れ目のない対応をとれるようにしなければならない。

 もう既に個別的自衛権として区分されているもの、かつ、もう法整備ができているもの。そして、警察権の対応として、いわばグレーゾーンとしての対応において、既に九十五条としてあるもの。あるいは、憲法上は今までこれはできると解釈していたけれども、まだ法律ができていない、ですから、まさに今回の閣議決定によってこれをちゃんと埋めていこうとするもの。

 そして、この真ん中のすき間として示していただいたところについては、これは三要件がかかわるわけでありますが、三要件を満たす中において、この中において、米艦をいわば防護するということをやることによって一切すき間がなくなってくるわけでございます。いわば平時においても、平時といってもいろいろな段階があるわけでありまして、だんだんこれは日本に対する攻撃が起こるかもしれないという中における平時、武力攻撃は起こっていないけれどもという中において、日本の近海で日本を守るために活動している米艦と、日本の、一緒に活動している自衛隊の船が、そこで初めて共同で日本をしっかりと守ることになる、いわば一足す一は二、あるいは二以上の効果をもたらすことになっていくんだろう、このように思います。

 そして、先ほどおっしゃったように、この5の中において、事実上の着手と認められるというのは、これはなかなか、もちろん法制局がそう答弁をしております、そういう状況はあるかもしれませんが、それは非常に限られるでしょうし、例えば、既に接続水域に入っていて領海に相当近いとか、そういう条件が、恐らく、客観的には重なっていかないと、この事態、この4のところには入れ込むことができないかもしれない。

 どちらにしろ、そうすぐに、いつも起こるわけではありませんが、何十年に一回かもしれないけれども、起こるものにしっかりと備えていくことによって、日米のきずなはより強くなり、そうした事態を結果として防ぐことにつながっていく、このように思います。

北側委員 冒頭申し上げましたように、我が国の防衛というのは、我が国自衛隊と、そして日米安保条約に基づいて我が国に駐留する米軍、この二つの実力組織によって我が国の安全を確保していくのが基本でございます。その米軍が我が国の防衛のために行動していて、そこで何らかの攻撃を受けた場合に、やはり自衛隊が排除する必要性、これはあると思います。ただし、今、総理がおっしゃっていただいたとおり、新三要件のもとという、憲法の枠内でしかできませんから、新しい三つの要件のもとでできる場合はしっかり果たしていく。

 こういう法整備をすることによって、今も総理がお答えになりました、平時から有事に至るまでの切れ目のない法整備ができるわけでございまして、こんなことは起こらない方がいいに決まっているんですが、国民を守るための万全の備えをしていくということがやはり大切であるんだと思います。

 また、冒頭申し上げたとおり、一番大事なことは、我が国防衛のための日米協力の実効性、信頼性、これを一層確保するとともに、平素からこれで日米間の緊密な連携ができるようになると思うんですね。そのことの方が私は非常に大事だと思うんですが、そのことによって、まさしく我が国を守る抑止力が向上してくるんだというふうに私は理解しております。

 いかがでしょう。

安倍内閣総理大臣 もちろん、今、北側委員が指摘されたように、こんなことは起こらない方がいいわけでありまして、こういうことを考えるのは、こういうことを起こすためではなくて、こうした事態を防ぐためにこそ我々は閣議決定を行い、備えをし、そして、結果としてそういうことを起こさないということであります。

 このように切れ目ない日米の協力体制ができ上がるということは、米国側の日本に対する、いわば現場においてもそうなんですが、信頼関係はより強固になるわけでありまして、事前にさまざまな活動を行っていく上においても、日本側に前もってしっかりと情報を提供しながら、この地域あるいは日本を守るためにさまざまな活動をしていこうという、いわばよりそういう機運は高まっていくことは間違いないだろう、このように思いますし、米側からも、今回の閣議決定によってより日米関係は強化されていくことになる、こういうコメントをいただいているところでございます。

北側委員 今回の閣議決定の後、さまざまな御批判をいただいております。たくさんあるんですけれども、例えば、これまで日本が守ってきた専守防衛というものが維持されていないんじゃないのか、海外での武力行使をしないと言っていたのが、そういう国是、平和主義の国是ですけれども、これを変えたんじゃないのか、海外派兵は許されてしまうのではないか、このような御批判が出ております。

 総理、これについていかがお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今回の閣議決定においても、憲法第九条のもとで許容されるものは、あくまでも国民の命と平和な暮らしを守るため、必要最小限度の自衛の措置としての武力行使のみであります。したがって、我が国または我が国と密接な関係にある他国への武力攻撃の発生がまず大前提であります。また、他国を防衛すること自体を目的とするものではありません。

 このように、引き続き、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢であることに変わりはないわけでありまして、政府として、我が国の防衛の基本的な方針として、専守防衛を維持していくことに変わりはありません。

 また、海外派兵は一般に許されないという従来からの原則も全く変わりはありません。自衛隊が武力行使を目的として、かつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してないということは断言しておきたいと思います。

北側委員 少し話はかわりますが、やはり紛争が起こらないように未然に防止していくような取り組みというのは大事だと思うんです。

 例えば、今、尖閣周辺で日本の海上保安庁の皆さんは本当に頑張ってくれています。海保の皆さんと中国の公船とが対峙をしているわけですね。こういうときに、それがエスカレートしないということがとても大事なことで、だから、警察機関同士だから、私は、それは非常に、そこでエスカレートしないという一つの役割を果たしてくれていると思うんですが、例えば、海上保安庁と中国の公船との間で、やはり一定の信頼関係を、ルールといいますかそういうものがあるというのがとても大事、そういう信頼を醸成していくようなシステムというのをつくっていくことがとても大事だと思うんですね。私は中国側も問題意識を持ってくれていると思います。

 また、平和的解決のための外交的努力というのもとても大事で、冒頭から話があるとおり、安全保障環境が厳しくなっている。厳しくなっているから、先ほどのような、すき間のない体制をしていこう、万全の体制をしていこうということなんですが、一方で、安全保障環境を改善していくという外交努力はやはり不可欠だと思うんですね。

 先ほど高村副総裁が質問に立たれましたが、この五月の連休は、日中友好議連で、高村会長を筆頭に、私も参加をさせていただいて中国を訪問させていただきました。岡田さんも御一緒でございましたけれども、超党派で行かせていただいて、中国側の首脳の方々とも会談もさせていただきました。また、さまざまな懇談をさせていただきました。

 私は、こういう政治対話というのがとても大事だと思うんですね。二国間というのは重い課題があるのは当然だと思うんです。それは、歴史的にもずっと昔から隣同士ですから、これは重い課題があるのは当然。重い課題はあっても、お互い主張することは主張し合っても、しかし、こういう対話によって、うまく二国間の関係をやっているというふうにすることが、これは結果として東アジア全体の安定にもつながってくる。やはり日中関係というのは極めて大事だと思うんですね。総理も全く同じ御認識だと思うんです。

 ぜひとも、さまざま、そんな簡単なことではないと思いますが、中国側にも努力もしていただき、そしてまた我々もしっかり努力します、汗をかかせていただきますし、総理御自身も御努力をいただいて、日中間の首脳会談、トップ会談というのをこの秋のAPECのときに実現できるように、ぜひ総理、取り組んでいただきたい。総理の姿勢といいますか、その辺をお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。

安倍内閣総理大臣 確かに北側委員がおっしゃったように、世界じゅうを見てみますと、国境を接する国、海上においてもそうなんですが、どの国もいろいろお互いに課題を抱えていることが多いわけでありますが、課題を抱えているからこそ、お互いに偶発的な衝突が起こらないように連絡のメカニズムをつくっていく、あるいは話し合いのパイプをしっかりとつくっていく、そういう努力をしています。時にはその中においてお互いが国益をぶつけ合うということもあるでしょう。

 その意味において、首脳会談が日中間でできていないということは大変残念なことであります。また、偶発的な事故が起こらないように、海上連絡メカニズムについて、第一次安倍政権の際に中国側に申し入れ、話し合いが進み、一時合意をしたんですが、残念ながら、今、中国側が実行していないという状況ではありますが、これからも、この海上連絡メカニズムだけではなくて、空においてもそうでしょう、そうしたものをしっかりとつくっていく。何よりも、秋に行われる北京のAPECにおいて首脳会談を行いたい、このように考えている次第でございます。

北側委員 二階委員長も、中国の要人の方々とは本当に太いパイプを持っています。そういう方が国会にもいらっしゃいますし、ぜひ、そういう人たちの力も合わせてこの日中関係が改善できるような環境を、私どももつくれるように頑張っていきたいと思いますし、総理の御努力を心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

二階委員長 これにて北側君の質疑は終了いたしました。

 次に、海江田万里君。

海江田委員 まず、さきの台風八号によって被害に遭われた方々に対するお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになった方々の御家族に謹んで哀悼の意を表したいと思います。

 さて、昨日、滋賀県の県知事の選挙がございました。ここで、自民党と公明党、与党が応援をした候補が敗れて、そして、チームしがという形で無所属で戦った三日月大造候補が当選をしました。

 もちろん、三日月候補の大変な頑張り、それからチームしがの大変なチームワークのよさ、こういうことがあって勝利に結びついたと思いますが、ただ、私どももいろいろな世論調査をしておりまして、その中で、七月一日、これは総理がまさに集団的自衛権の行使について記者会見をしたその日でありますが、その日以降、流れがやはり変わったんですね、これは。

 これは恐らく、自民党でもいろいろな世論調査をやっているから、それと同じ結果が出ているだろうというふうに思いますが、私は、今度の滋賀県知事の選挙を受けて、総理はどういうお考えをお持ちであるか、まずそれをお聞かせいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今回の滋賀県の知事は、滋賀県民の将来を、滋賀県の将来を誰に託すかという観点から県民の皆さんが判断をされたんだろう、このように思います。その中において、我が党、また与党として支援をした候補者、立派な候補者であると我々も自信を持って支援をしたところでございますが、残念ながら勝利を得ることができなかった、惜敗をしたことは残念であった、このように思うわけであります。

 そして、今海江田代表が指摘されたように、その中ではもちろん、国政における議論が、集団的自衛権の議論もそうかもしれない、影響があったという声も確かにあるわけでございます。しかし同時に、基本的には滋賀の将来について誰に託すかという選挙であったんだろう、こう思うわけであります。

 当選された三日月大造新知事にはしっかりと滋賀県のために頑張っていただきたいと思うわけでありますし、我々も、新しい知事には国政の場から政府としても協力をしていきたい、こう思っているところでございます。

海江田委員 滋賀県知事の選挙の結果に、七月一日の集団的自衛権行使の記者会見、これが影響があったということは否定はされないわけですね。

安倍内閣総理大臣 今申し上げましたように、選挙というのはさまざまな出来事が影響するわけでありますから、この集団的自衛権の議論が影響していないということを申し上げるつもりは毛頭ございません。

 しかし、全体としては、もちろん、滋賀県の皆さんは滋賀県の未来を誰に託すかという観点から判断をされたんだろう、このように考えているところでございます。

海江田委員 この七月一日の集団的自衛権の行使についての閣議決定ですけれども、私ども民主党は、まず、国民の声を無視している、国民の声を聞いていない、そして、国会での議論もほとんどしていないということ、そして、これは憲法の解釈をこれまでのものと百八十度、大きく変えるおそれがある、そういうことをこの七月一日の閣議決定で、国民の議論を無視して決めてしまっていいのかということについては、大いにこれは疑義がある、疑義があるというより、こういうやり方には反対であるということを既に表明しているところであります。

 そして、この七月一日の閣議決定、そして安倍総理による記者会見、これについては国民の間でもやはり理解が進んでいないのが現状であります。

 読売新聞であります。総理のお好きな読売新聞でありますが、この世論調査におきましても、五一%が、これは限定つきの集団的自衛権の行使ということを丁寧に書いているわけでありますけれども、その限定つきの集団的自衛権の行使についても、これは評価できないという声が五一%、評価できるという数字は三六%、そして、もっと大切なことは、やはり圧倒的に、説明が不足をしているというのが八一%もあるんですよ。

 このことに対して、総理はどうお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今回の閣議決定は、日本国民の命を守り、そして、日本国民の平和な生活を守るために何をすべきかという大きな課題について、私たち与党が正面から向き合って出した結論であります。その中において、今までの憲法の解釈について、新たな当てはめを行い、変更を行ったところでございますが、今回の閣議決定は、武力行使にかかわることからグレーゾーンまで幅広く、幅広く今まで行われてこなかったものをしっかりともう一度見直しをし、切れ目のない体制をつくっていくためのものであります。

 そして、今、議論がほとんどなされていないのではないかという御指摘でございますが、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会をつくったのは第一次安倍政権のときでありまして、足かけ七年、そして二年半にわたって議論を行いました。そして、提言をいただいたのは五月でございますが、提言を受けて検討の方向性を示して以降、与党において、十一回、濃密な議論を重ねてきたわけであります。

 また、国会においては、五月中旬以降だけでも七十名の議員から質問がありました。集中審議も行いましたね。そしてまた、もうことしの五月の前の三月の予算委員会から既にこうした議論は繰り返してきた、私はこのように思うわけでありまして、大分同じような質問も繰り返されてきた、こう思うわけであります。

 そして、閣議決定そのものが拙速であったという指摘は、私は、全く当たらない、このように思っておりますし、先ほどの質問でもお答えをしたように、安全保障にかかわる解釈についての政府の考え方については、閣議決定を行わず、答弁で答えるケースも大変多かったわけでありますし、昭和四十七年のあの政府の見解におきましても、あれは参考資料として出したわけでありまして、閣議決定も行っておりませんし、もちろん与党における議論も行っていない、こういうことでありまして、そういう意味におきましては、この委員会におきましても相当の議論を重ねてきた結果であろう、このように思うわけであります。

 いずれにいたしましても、この閣議決定をもとに法案を作成し、その法案をさらに国会で御議論いただくことになるんだろう、このように思っております。

海江田委員 国民は、説明不足であるということを、八割の人たちがそう考えているんですよ。ですから、そのことについてどう思うかということをお尋ねしたんですから、不足の説明があるのならしっかりと説明をしましょう、そういう答えがどうして言えないんですか。

安倍内閣総理大臣 今私が説明をいたしましたのは、今までの経緯について説明をさせていただいたところでありまして、まだこの集団的自衛権という概念は抽象概念であるものでありますから、なかなかこの理解が難しいんだろう、このように思います。そういう中において、我々も、これからさらに努力をしながら、わかりやすく説明していくように努力をしなければいけない。

 この抽象概念と申しますのも、いわば憲法との関係があり、そしてまた国際法との関係があり、さらに安全保障政策としての考え方があるわけでありまして、これを切り分けながらも、さらにその関係の中で私たちが議論してきたこと等の積み上げも含めて説明をしていくことが必要になるわけであります。

 ただ、そういう非常に複雑な構造の中において、私たちとしては、わかりやすく事例として挙げさせていただいたわけでありまして、事例として挙げさせていただいたものの中には、日本のいわば近隣諸国で起こった紛争地域から逃れようとする日本の邦人を輸送している米艦を警護するということについては六割近くの支持をいただいている、このように思うところでございます。

海江田委員 それは、まさにこれから議論をするところであります。

 私、具体的に提案しますけれども、総理は、これからこの集団的自衛権の行使にかかわる安全保障の担当の大臣も決めようということですから、これは国会に特別委員会を設置して、そしてそこでしっかり議論をするということ、これは国会の問題だから国会で決めてくださいということではなしに、安倍総理は与党の自由民主党の総裁ですから、特別委員会を設置して、そこでしっかり、わかりにくい問題だから、それは国民に理解してもらうように議論しようじゃないかと言ってください。そうおっしゃってください。

安倍内閣総理大臣 まず、担当大臣を決めることができるのは、私は行政の長として決めることができます。これは大きな法整備になりますから、安保政策に精通した方に担当大臣を務めていただいて、しっかりと国会で説明してもらいたいと考えております。

 他方、国会においては、特別委員会をつくる。これは、ここに立っているのは、まさに私は総理大臣という立場でありますから、ですから、当然それは国会でお決めをいただきたい。国会でお決めをいただければ、当然我々は従っていく。したがって、政府にどの場で議論をせよというのは、国会でお決めをいただく、その決めていただいた場所でしっかりと我々は御説明をしていきたい、議論をしていきたいと考えております。

海江田委員 きょうは七月の十四日ということで、総理が閣議決定をやって、記者会見をやってから、まさにもう二週間たっているわけですよ。そこで、さっき話をしたように、国民の間に理解が進んでいない。しかも、それは容認できないという声の方が多いということですから、ここは当然、正々堂々と、幾らでも機会をつくってください、私がそこへ出ていってちゃんと話をしますということがどうして言えないのか。

 ただ、これを聞いても、総理はいつまでもこれはお答えしませんから、中身に入っていきます。しっかりお答えください。

 一枚目のあれを出してください。

 これが新三要件と言われるものでありまして、これはもう何度もここでも議論されましたけれども、「我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」ということがまず最初に条件としてあります。

 「我が国に対する武力攻撃が発生したこと」ということと、「これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」ということは、これはつながります。はっきりつながります。

 そして、問題は、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、」ということと、「これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」という点で、ここがどうつながるのかということについて、先ほど横畠内閣法制局長官が北側委員の質問に対して大変重要な発言をいたしました。これは、つまり、他国に対する武力攻撃が発生をした場合でも、我が国が攻撃を受けたと同様の深刻な犠牲が出たときに、まさにそこでこの集団的自衛権が発動されるんだという答弁がありました。

 まず、これを総理はお認めになるのかどうなのか、その点をお尋ねします。

安倍内閣総理大臣 あくまでも、基本的に、この三要件に適して我々は考える、新三要件に適して考えるわけであります。その中において、我々は、武力の行使を行うかどうかということを行うわけでありますが、その中におきまして、いかなる事態が、まず、昭和四十七年の政府見解に言う、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に該当するかは、現実に発生した事態の個別的、具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断する必要があります。

 このため、一概にお答えすることは困難ではありますが、あえて申し上げれば、我が国近隣で武力攻撃が発生し、その規模や態様、攻撃国の言動などから、武力攻撃を早急にとめなければ我が国にも武力攻撃が行われかねない状況が想定される例が一例でありますが、いずれにしても、個別具体的に判断する必要があります。

 このような判断に当たっては、事態の個別具体的な状況に即して、主に、攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮して、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることとなる犠牲の深刻性、重大性などから判断することになるということであります。

海江田委員 私がお尋ねをしているのは、先ほど安倍総理もこの委員会の席にいたわけですから、そして、横畠長官がはっきりと北側委員に対して、他国に対する攻撃というのは、我が国が攻撃を受けたときと同様の深刻な被害あるいは犠牲という言葉を使って答えたわけですよ。それによって、公明党は得心がいって、そして、この閣議決定に太田大臣もサインをしたわけですよ。ここは非常に重要なポイント。それは、北側委員も先ほど、大変重要な答弁がありましたというお話をしました。

 これを安倍総理は認めるのか認めないのか、簡潔にお答えください。

安倍内閣総理大臣 先ほど法制局長官が答弁したのは、国民に、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であるということを述べたということでございます。ですから、私が今述べたことと基本的には変わりはないということであります。

海江田委員 では、これは、内閣法制局長官の先ほどの見解をきちっと踏襲する、守るということでありますね。いいですね、これは。総理、答えてください。

安倍内閣総理大臣 長官の言ったことを守るのではなくて、長官が答えているのは、閣議決定を行った政府の、憲法との解釈における見解を述べたことでありますから、我々が守る、どうかではなくて、これが政府の考え方であるということでございます。

海江田委員 それでは、ここは大事なところですからしっかりお答えいただきたいんですけれども、先ほどの北側委員の質疑の中で北側委員は、まさに今度の決定というのは解釈による限界である、これは高村座長もおっしゃっているということです、これ以外は憲法改正によらざるを得ないということをおっしゃっていますが、この点については、安倍総理はお認めになりますか。

安倍内閣総理大臣 先ほど来答弁をさせていただいておりますが、いわば、これは、集団的自衛権にかかわること、あるいは集団安全保障にかかわること、両方に言えることでございますが、我々は、この中において、新三要件の範囲においては、今までの憲法の規範性、そして法的安定性の中において、そして整合性の中において、これは可能である、こう考えたわけでございまして、いわば武力行使についてでありますが。それを超えるものについては、これは当然、憲法改正が必要になる。このことについては、先ほど答弁させていただいたとおりであります。

海江田委員 そうなりますと、やはり、今回、この新三要件によって、限定的にであれ、集団的自衛権の行使に踏み切るというその中身が非常に重要になってくるわけですよね、これは。

 総理は、参議院での外交防衛委員会だと思いますけれども、最初は油の話をしていましたけれども、油だけじゃなくて、食料であるですとか、それから鉱物、資源についても、これは日本が守らなければいけない大事な問題であるから、その場合は、それが途絶えたときは集団的自衛権の行使につながるという答弁をしていますが、これはそのとおりですか。

安倍内閣総理大臣 政府の見解としては、いわば新三要件に戻るわけでありますが、まさにこの新三要件の中においてどう判断するかということでありまして、個別具体的な事態が起こった段階において、この新三要件において、客観的に明白な危険、いわば国民の権利ですね、生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険、これは、客観的な危険がある、また、そもそも国の存立が脅かされる中においてそういうことになっていくわけでありますが、という状況を判断するわけであります。

 そして、同時に、今後法制をしていくわけでありますが、閣議決定の中にも書いてありますが、自衛隊が武力行使をするに際しては国会の承認を必要とするということに既になっているわけでありまして、法制も、そういう方向で法制が進んでいくわけであります。

 つまり、政府がこの三要件の中において判断し、かつ、国会がこの三要件に合っているかどうかということを判断し、初めて自衛隊が行動することが可能になっていくということで御理解をいただきたい、このように思います。

海江田委員 そこのことは閣議決定のところに、記者会見ではおっしゃっていますけれども、書き込んでいませんよね。

 それからあと、国会での承認ということをお話ししますけれども、これは必ずしも事前承認ということではなしに、事後承認ということも当然あり得る。それは、国会での承認というのは、まさに法律を決めて、その法律ができてからの話ですからね。それで、事後承認ということもあり得ます。

 それからあと、もう一つ大事なのは、特定秘密保護法との関係ですよね。特定秘密保護法によって、まさに国の存亡にかかわる秘密だからこれは国会での議論に供することができないという可能性もあるわけですね。全くないわけじゃないですね、これは。

安倍内閣総理大臣 ちょっと、先ほど私が、国会で承認を求めると。これは、今委員がおっしゃったように、記者会見でも申し上げておりますが、閣議決定の中でも、最後のページでありますから最後まで読まないとわからないのでありますが、最後のページに、現行法令に規定する防衛出動に関する手続と同様、原則として事前に国会の承認を求めることを法律に明記することとすると、閣議決定の中にもしっかりと書いてあるということは申し上げておきたい、このように思います。

 そして、当然、国会において御議論をいただく。これは、これからまさに法案をつくっていくわけでありますが、武力攻撃事態においてもそうでございます。それをまさに客観的に判断して、武力攻撃事態ということで判断をしていくわけであります。そして、その判断において、自衛隊を動かしていく場合においては、これは政府で判断し、さらには国会でも御判断をいただく、それと同じことになっていくということでありまして、そこで、その御判断をいただく上において、当然、政府は、客観的な明白な危険ということについてそれを立証できる、できなければならないのは当然のことであろう、このように考えているところでございます。

海江田委員 ただ、これは、先ほどからずっと答弁を聞いていますけれども、個別具体的な例であって、最終的には、それは政府が総合的に判断をするということですね。そうすると、まさにこれは歯どめにならないんですよ。まさに政府が判断をして、そして大事な部分は特定秘密の保護法が働くからそれは説明できないということになれば、これは何でも決められちゃうことになるじゃないですか。その点のおそれはやはりあるんですよ、これは。

 やはり具体的な例で、先ほどお話がありました、例えば、米国に向けて我が国上空を横切る弾道ミサイルの迎撃という話だって、これも具体的には集団的自衛権の行使の中の一つに入るでしょうけれども、だけれども、それは同時に、最終的にはいろいろな情報を勘案して政府が決める、こういうことになるわけですね。あの八から十五までの八つの事例についても、これはおのおの、最終的には政府が総合的に判断をして決めるということになるわけですね。

安倍内閣総理大臣 まず、歯どめとしては、我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること。これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと。必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。これが三つ、要件として決まっているわけであります。

 これはまさに、集団的自衛権を行使する要件としては、世界で最も厳しいと言ってもいいと思いますよ。そういう要件の中において、いわばこれから法律、個別法をつくっていくわけでありますが、そこで国会にも出して御承認をいただくわけであります。当然、その中において、国会においても御議論、御判断をいただくことになるわけでありますから、このいわば歯どめはきっちりとした歯どめである、このように考えています。

 同時に、なぜこれをやっているかということでありますが、それは、私たちが事を起こすのではなくて、事が起こらないようにするためのものでありまして、万が一起こったとしても、我々はそれに対応するしっかりとした選択肢を持っていなければならないわけであります。ですから、シームレスな、しっかりとした、国民の命を守る、安全な、幸福な、幸せを守る、そうした体制をつくっていく責任、その責任から目をそらしてはならない、私はこのように思います。

海江田委員 これはわかりやすく言えば、まだ戦争状態がその国と始まっていないにもかかわらず、密接な関係にある国に対して武力攻撃が始まった時点で日本がその国に対して攻撃をしかけることですから、これは先制攻撃ですよ、その国と日本との関係においては。ですから、そういう問題もありますから、ここは慎重の上にも慎重にしなければいけないということが一つ。

 それからもう一つは、安倍総理は、先ほどからお話を伺っていますと、この集団的自衛権の行使によって抑止力が増すことになるんだ、抑止力が増すことによって、そして平和が保たれるんだ、こういう理論ですけれども、やはりこれは、抑止力が増す、増すということを言って、そして安倍総理は、わざわざこのニュースの中で、抑止力は平和な日本を守ります、自衛隊の発足や日米安保条約改定で抑止力を高めた際にも同様の批判がありました、しかし、日本が戦争に巻き込まれた事実はなく、歴史が証明していますと言いますけれども、これはまさに憲法九条の枠の中でこれまで日本が自衛権を使ってきたからなんですよ。その枠があって初めて平和な日本であり続けたわけですよ。

 これは歴史が証明していますと言いますけれども、もう少し歴史を前にしてみると、かつて、一九四〇年代、日独伊の三国同盟というのができましたね。あのときどういう論理が、どういう議論が国内で行われていたかということを調べてみると、これはまさに安倍総理が言っていた抑止力という話と同じなんですよ。ドイツとイタリア、とりわけドイツと組むことによって日本の安全が増すことになる、アメリカがそうたやすく攻め込むことができなくなる、あるいはソ連がたやすく日本に攻め込むことができなくなる、こういう論理でもって日本はあの戦争に突き進んでいったわけですよ。

 安倍総理は、抑止力万能主義というか、抑止力を高めればどんどん平和が保たれる、本当にそうお考えですか。安全保障のジレンマという考え方もあります。これについての考え方はどうですか。

安倍内閣総理大臣 一九三〇年代、四〇年代の世界と現在の世界を、また、日米同盟と日独伊三国同盟を同列に扱うというのは間違っていると思いますよ、まず、はっきりと申し上げまして。野党第一党の党首なんですから、私は、それで本当にいいのかな、このように思います。

 そして、抑止力万能主義と私を決めつけますが、それでは、では、全く、抑止力をほとんど認めていないような、さすが民主党というふうに私は感じましたよ、それは。

 そこで、申し上げますと、抑止力、日米安保条約のときに言われたのは、いわば五二年の日米安保条約を改正するということについて議論があったのは、戦争に巻き込まれるという大きな議論でありました。あのときも、今と状況は違いますよ。しかし、当時は米ソの冷戦構造の状況でありました。いわば、ソビエト連邦が強大な軍事力を持つ中において我が国を守らなければいけないという中において、日米の同盟が新たに改定されたわけでございまして、ここで米国は安保条約の五条において日本を守る防衛義務を新たに負ったわけでありまして、それによって抑止力が高まったわけでございます。

 そして、先般オバマ大統領が来日をされた際には、そこでオバマ大統領が、尖閣を含む施政下にある日本の地域については第五条の対象になるということを明確にしたわけでございまして、それこそがまさに抑止力でありまして、この抑止力を維持していく上においては、お互いの努力が当然必要になるわけでございます。

 その中において、先ほど北側委員と行っていた議論でありますが、平時であってもだんだん状況が、安全保障環境が厳しくなる中において、例えば日本にミサイルが発射されるかもしれないという状況において、日本を守るために警備に当たっている米艦そして日本の自衛艦が共同して遊よくしている際に、米艦が攻撃をされた際に守れなくていいのかと。それは、守れる場合もあればそうでない場合もあるということを大変わかりやすく北側委員から説明をしていただいたわけでございますが、ここでシームレスにしっかりとお互いが力を合わせていくということにおいて初めて一足す一は二になって、そしてそれは機能していくということを申し上げておきたいと思います。

海江田委員 まず、私どもは、抑止力を否定しているわけじゃないですよ。抑止力は必要だというふうに言っていますよ。ですから、私はわざわざ抑止力万能主義ではだめですよということを申し上げたんです。

 民主党に対して、民主党は抑止力を認めないのかと。大変失礼な、だから民主党だというような言い方、これはやはり取り消してもらわなきゃいけませんよ。これは取り消しを要求します。どうぞ、お諮りください。

二階委員長 後刻、理事会で検討をいたします。

 質問を続行してください。

海江田委員 私が質問をしましたのは、安全保障のジレンマということについては考えたことはないんですかということですよ。

 安全保障のジレンマということを御存じですか、そもそも。

安倍内閣総理大臣 いわば、安全保障のジレンマというのは、相手の国が防衛力を増強することによって、それに対する抑止力を強化しようとしてこちらが防衛力を強めていくことによって、相手に不安感を与え、さらに相手の防衛力が増強されるという議論であります。

 しかし、大切なことは、まずは外交努力によってそうした危険を除去していくということは当然のことであろうと。ですから、シャングリラ会合におきましても、私が申し上げたように、まずは国際法にのっとって発言すべきこと、そして、武力による威嚇や、あるいは武力を背景、力を背景とした現状変更の試みをしてはなりません、そして、もし問題が起こったら平和的に国際法にのっとって解決をしていくことという三原則について、アジア、世界に向かって日本の考えとして発信をさせていただき、高い評価をいただいた、このように思います。

 その上において、当然、抑止力があるのは、これは抑止力を認めておられるのは事実である。しかし、認めておられるんだけれども、先ほどはほとんど認めておられないような発言をしたから、それは、私は、ある種の評価として、その上において評価をさせていただいたところでございます。

 抑止力を求めたから戦争になった、そういう御議論であったと思いますが、まず私が申し上げましたのは、戦前と、一九三〇年代、四〇年代と今は全く違いますよということを申し上げた上において、抑止力の意味についてお話をさせていただいたわけであります。

 ジレンマについてはこういうことでございますが、その上において、やはり抑止力というのは基本であろうと思うわけでございまして、抑止力を否定していないんであれば、どのように抑止力を、相手にレッテルを、私がレッテルを張ったんだったら私も謝りますが、海江田さんもレッテルを張ったんだったら、それはやはり取り消していただきたいと思いますよ。

 それは、お互いにレッテルを張り合うという不毛な、海江田さんがまずレッテルを張ったから、では、私もレッテルを張らせていただいたわけでありまして、それはお互いに、レッテル張りの議論ではなくて、レッテルではなくて中身の議論をするべきなんだろうな、私はこのように思うわけでありまして、まさに抑止力を強めていく上においては、これは、ただ単に武器を、装備品を充実していくということも大切ですよ。でも、装備品を充実していくということだけではなくて、いわば日米の同盟関係をより強化していくということが大切であろう。

 そして、ヘーゲル長官も、今回の閣議決定において、この方向において日本の同盟関係はより強化され、そして、地域の平和と繁栄については、よりそれは貢献していくことになるであろうという趣旨のコメントを述べられているわけでありますが、私も、そのとおりだろう、このように思うところでございます。

海江田委員 それは、アメリカはそうだろうと思いますよ。それで、もちろん、アメリカと私たちは同盟関係を強めていかなければいけないというのはそのとおりでありますけれども、それと同時に、やはり中国や韓国、とりわけ韓国との関係というのは大事ですよ。だから、韓国に対してきちっと説明をする、今度のこの集団的自衛権の行使について。こういうことをほとんどやっていないんじゃないんですか。あるいは、聞く耳を持たれていないんじゃないんですか。そのことが大事。

 それから、あともう一つ。これは近隣諸国でいうと、台湾だって、最近になって、やはりこの安倍総理の考え方はおかしい、危ないということを言う人たちがふえているんですよ、これは知日派の中にも。ですから、一番肝心の韓国や、あるいは台湾でありますとか、それからもちろん中国とも非常に大事でありますよ。

 そういう努力を重ねていって、そして、そのバランスにおいてやはり平和を守っていく、とりわけ極東の平和を守っていくということが大事でありまして、そこのところは、抑止力万能主義になるとどんどんどんどんエスカレートしていきますから、ますます軍拡競争になってしまうわけですよ。そんなことは日本がとるべき対応ではないということを申し上げているわけであります。

 私は、安倍総理にそういうレッテルを張ったということではありませんで、安倍総理の話を聞いていると、それはますます、そういう抑止力さえあれば何とかなるんだということに傾いているということを申し上げているんです、これは。どうですか。

岸田国務大臣 我が国は、外交あるいは安全保障政策について、韓国を初め近隣諸国あるいは地域に対しましてしっかりと説明をし、理解を得るということ、これは当然重要なことであります。

 ですので、今回、七月一日に閣議決定する以前から、我が国における安全保障の法的基盤に関する議論が行われている、こうした内容につきましては、さまざまな国際会議あるいは二国間会議等を通じまして丁寧に説明を続けてきました。そして、今回の閣議決定につきましても、当然のことながら、韓国を初め近隣諸国あるいは地域に対しまして丁寧に説明をしているところであります。ぜひ、今後とも、こうした丁寧な努力は続けていき、多くの国々の理解を得ていきたいと存じます。

 そして、事実、さまざまな国から我が国の取り組みに対しまして歓迎や支持が得られている、こういったこともしっかりと指摘をしていきたいと存じます。

安倍内閣総理大臣 今委員が指摘をされた国々に対しても丁寧に説明をしているわけであります。そしてまた、台湾に対しても、古い友人でありますから、しっかりと説明をしていきたい、説明をしていけば必ず理解をしていただける、私はこのように思っております。

 私も、三十八カ国か九カ国ぐらい回ってまいりましたが、その全ての国において、しっかりと私たちの考えについて説明をしております。紙については、それぞれの国の言葉に訳し、お渡しをして、そして、ほとんど全ての国で支持をいただいていると思いますし、先週まで訪問をしておりました豪州、ニュージーランド、そしてパプアニューギニアからも支持をいただいたわけでありますし、オーストラリアからは、まさに七十年前の日本で見るべきではなくて、今の、現在の日本を見るべきだ、日本こそ地域の平和と繁栄に貢献をしていく資格を持っているという趣旨のお話を首相からもいただいたところでございます。

 そして、誤解を与えてはいけないので訂正をさせていただきますと、まるで今回のこの閣議決定が軍拡につながるというような御趣旨のお話をされましたが、決してそんなことはないわけでありまして、我々は、既に中期防において、五年間、〇・八%ずつふやしていくということは決めています。しかし、五年間、〇・八%ふやしても、二〇〇二年の水準に戻るだけであります。

 ですから、その中で今このアジアの情勢がどう変わっているかということも勘案をしながら常識的に考えていただければ、決して軍拡ではないということは御理解いただけるんだろう、このように思うところでございます。

海江田委員 これは、やはり自衛隊の装備、正面装備をふやさなきゃだめなんです。対応できないんですよ。新たな任務が……(発言する者あり)いや、総理のやるような、総理のこの、集団的自衛権を行使するということになれば当然でしょう、これは。それはそうでしょう。それは当然のことじゃないですか。

 ただ、今、日本の国にそんな財政的な猶予があるのかとか、それからいろいろなやらなきゃいけない国内的な課題もあります。もちろん安全保障は一番大切でありますけれども、ただ、やはり、このままどんどんどんどん競争をしていけば、これもやらなきゃいけない、あれもやらなきゃいけないということになれば、当然それは軍拡競争になるじゃないですか。

 それから、先ほど安倍総理は……(発言する者あり)いや、そうでしょう。では、これから、もうふやしていかないということですか。そうじゃないでしょう。当然でしょう、これは。

小野寺国務大臣 防衛力整備について御評価をいただきまして、大変ありがとうございます。

 ただ、ぜひ御理解をいただきたいのは、私ども、例えば今回の中期防等でさまざまな防衛力整備をするときは、これは中国にも韓国にも周辺国にも同盟国にも、適切に、透明性を持って説明をさせていただいております。決して、私どもが何かそういうエスカレーションを招くようなことをしていることは一切ないということであります。

 そして、大切なことは、私ども、やはり必要な装備、これは日本の領土、領海、領空を守るということもありますし、災害対策で十分対応できることも必要だと思っております。

 また、今回、今新しく政府の方針が出まして、集団的自衛権を含むさまざまな法整備をこれから進めることになると思いますが、基本的には、私ども、現在のさまざまな装備の中でしっかり対応できるように努力をしていきたいと思っております。

安倍内閣総理大臣 今、小野寺大臣から御説明をしたように、先ほど既に私が答弁しておりますが、中期防で、五年間、毎年〇・八%ずつふやしていくということを既に決めているわけでありまして、そして、それは今回の閣議決定で変更することはないということは申し上げておきたい。

 つまり、日本の場合は、このように透明性が高い、透明性を持ってお示しをしているという点が一点、そして専守防衛であるという点が一点、そのことをしっかりと説明しているわけでありますが、まるで軍拡をするかのごとき論調があることによって誤解をしている人たちもいるのは事実でありまして、海外にもおられます、そういう誤解を私たちはむしろ解いていく努力をしなければならないのではないか、このように思います。

海江田委員 これは、ただ、防衛費がふえていくということは確かなわけですよ。だから、それをもって、その場合の透明性だとか、それから、やはり国民に対するしっかりとした説明もしなければいけない。日本の財政的な問題もありますから、そういうことは考えなければいけない。

 それから、本当に、今度の集団的自衛権の行使によって、どれだけ正面装備なんかをふやさなきゃいけないかということは、当然これは議論しなきゃいけないんですよ、国会の中で。そういうことはやはりやらなきゃいけない。ただこれまでどおりで、決めた話の中で入っていくなんということはあり得ない話ですからね、これは。その話はまず一つ申し上げておきます。

 それからもう一つ、先ほど総理はオバマ大統領の話をしましたけれども、オバマ大統領は、この集団的自衛権について、もちろんウエルカムだという話ですけれども、同時に、オバマ大統領は、四月に日本に来たとき、やはり安倍総理に注文をつけているじゃないですか。対話や信頼醸成がないまま事態をエスカレートさせるのは深刻な誤りだということをおっしゃっていますよ。

 どういうふうに受けとめられたんですか、そのオバマ大統領の言葉を。

安倍内閣総理大臣 これは日本に対して言ったことではありません。いわば一般論として言いながら、対話なしにエスカレートさせてはいけないということでありますが、そうしますと、例えば、では、尖閣の事態においては、海江田委員は日本がエスカレートさせているというふうにお考えなんでしょうか。私は、そのことをまずお伺いしたい、このように思うわけであります。その上でないと私は答えようがないわけでありますが、どうしてもお答えができないというのであればお答えをされなくてもいいと思いますが、それはまず聞いておきたいと思うわけであります。(発言する者あり)

二階委員長 発言中は静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 我々は、決してエスカレートさせているとは思いません。

 尖閣の海域を守っている、これは当然のことであります。そして、あそこに我々は海保の船を置いている、これも当然のことであろうと思うわけでありまして、もし私がとっている行動で何かエスカレートさせているということがあるのであれば、具体的にそれを指摘していただきたいと思うわけであります。

 その上において、まさに、対話を途絶させて物事をエスカレートさせてはいけませんから、我々は常に対話を求めておりますし、そして、海上において偶発的な出来事が起こってはなりませんから、我々はまず、第一次安倍政権のときに、先方に対して、海上連絡メカニズムをつくるように中国側に申し入れを行ったわけでありますが、そして合意に至ったんですが、残念ながら、それはできていないわけであります。それは、民主党政権の間もできていないんですよ。

 それは残念でならないわけでありますから、今回はそれを今強く先方に申し入れを行っているところでありまして、私どもは、そうした意味で、事態をエスカレートさせないための努力、とり得べき努力は全て行っているということでございます。

海江田委員 総理の質問に、総理が質問するんじゃない、私が質問するわけですから、お答えをする必要はありませんが、ただ、民主党はちゃんと領域の警備法をつくりましょうということを言っていますから、これでおわかりいただけるだろうというふうに思います。

 ただ、総理の考え方の中では、例えば靖国の問題もあるわけですよ、これは。まさに海上の信頼醸成の問題がどうしても前に進んでいかないということは、やはりそういう問題もあるんですよ。

 私は、尖閣はしっかり守らなきゃいけないと思っていますけれども、言ってみると、そういう中国の側に口実を与えるような行動はやはりとらないでもらいたいということなんです。これはみんな、中国とは、お互い法と秩序を守って、そして仲よくしていかなければいけないということは、共通の思いなわけですから。そこに、過去の問題、こういう問題が出てくる必要はないわけですよ。何でわざわざそういうことに総理はこだわっているのか。そして、そのことによって日中関係がぎくしゃくしているということは紛れもない事実でありますから。

 そういうことに対して、まさにオバマ大統領も、対話や信頼醸成ということがやはり必要だ、それがなしに事態をエスカレートさせることは、これは一番避けなければいけないということを言っているんですよ。

 オバマ大統領の言っていることは安倍総理に対する一つのサジェスチョンでもあるわけですから。そうは思っていないんですか、中国にだけ言っていることだと思っているんですか。それじゃだめですよ。

安倍内閣総理大臣 海上連絡メカニズムについては、先ほど申し上げました、安倍政権のときに先方に申し入れをして、合意をその後いただいていますが、民主党政権時代にもこれは実施されていませんよ。されていないんですよ、七年間。そのことは申し上げておきたい、このように思うわけでございます。

 いずれにいたしましても、国境を接している国でありますから、さまざまな出来事は起こるわけでありますし、歴史の中でもそうであります。

 私も、歴史に対しては謙虚でなければならない、こう考えておりますが、しかし、日本側は常に対話のドアはオープンにしているということを申し上げているわけでありますし、やはり前提条件をつけずに対話をするということが大切であるわけでございます。

 そして、尖閣についても、まさに我々は冷静に対応しているわけでございますし、海保の諸君も連日大変ですよ、領海侵犯をされる中において、忍耐力を持ってしっかりと、きちっと対応していただいていると思うわけであります。

 大切なことは、この問題等についても、先ほど申し上げましたように、国際法に、法に基づいて自分の主張をすべきであるという点と、そして力による現状変更はだめですよということですね。何か問題があるのであれば、これはしっかりと平和的に、国際法にのっとって解決をしていく。この三原則について、これは、南シナ海、東シナ海、あるいはアジア太平洋においても、これが貫徹されていくことによって地域はより平和で繁栄した海になっていく、私はこう確信をしているところでございます。

海江田委員 安倍さんはそういうふうにお思いかもしれませんけれども、それは明らかに、東アジアの諸国に対する、本当に賢明な外交関係をもう一回構築し直そう、何とか話し合いの機会をつくっていこうという、そうした真摯な姿勢というものに欠けて、ないということは確かなことでありますよ。これはやはりもう少し、そこは安倍総理も真摯に、アジアとの連携関係ということを認める努力を、さらに目に見える形で努力を払っていかなければいけないというふうに私は思っております。

 それから、もうあと五分になりましたけれども、イラクの戦争に自衛隊が、これは後方支援という形で行きましたけれども、そして、本当にこれは幸いなことに、死者が一人も出なかった、それから、相手の国民も誰も殺さなかったということでありますけれども、ちょっとさっきの、最後のパネルがありますから、イラクの。

 これは、イギリスでは百七十九人、イタリアでは三十三人と、米国に協力をして、そしてイラク戦争に巻き込まれる。スペインなんかは後方支援ということで限定をしていたわけですけれども、それでも十一人の人たちが巻き込まれたということがあるわけですよ。

 ですから、こういうことがありますから、この後岡田委員が詳しく質問をしますけれども、海外での自衛隊員の活動ということについてはやはり慎重が上にも慎重にならなければいけないし、それから、実際、戦死をした人というのはいなかったわけでありますが、帰ってきてから、やはりいろいろな意味で後遺症と申しますか、心因性のストレスですね、これに陥って、そして自殺した人が二十八人と。これは直接の因果関係というものははっきりしないわけですけれども、それでも事実として、およそ延べ一万人ぐらいの自衛隊員がイラクに行って、そして帰ってきてから自殺をした人が二十八人という、これは決して少ない数じゃないんですよ。

 だから、そういう海外の紛争に出ていくということは、大変なストレスを自衛隊員にかけるだけじゃなくて、まさにイギリスはそれによってロンドンのテロがありましたし、それから、さっき言った心因性のストレス、これは今、アメリカの社会問題になっているわけですよ。帰還兵の、ベトナム戦争のときもそうでしたけれども、今度は湾岸戦争、あるいはこのイラクの戦争、アフガンの戦争、帰ってきた人たちが大変な心因性のストレスを持って、そして社会が非常にそういう影を引っ張っていくわけですよ。

 だから、そういうことにも思いをいたさなければいけないわけであって、特に海外での武力の行使ということについては慎重が上にも慎重にならなければいけない。そして、どういう形でそれが先ほど言った新三要件に結びつくのかということをやはりきちっと説明しなきゃいけない。

 私は、先ほど来聞いておりまして、安倍総理のこの説明では甚だ不十分ですし、全くこれは歯どめになっていないというふうに思いますが、いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 一言だけ。

 恐らく議事録に載っていますので、正確に御認識をもう一度いただいた方がいいと思いますが、自衛隊が、イラクにおいては、これはイラク戦争の後方支援をしたのではなくて、もう委員御存じのとおり、復興支援という形をしたので、多分そういう意図でおっしゃられたと思いますが、復興支援という形で参加をさせていただきました。

安倍内閣総理大臣 今防衛大臣からお話をさせていただいたように、イラク戦争においては、戦争自体ではなくて、復興に参加をしたということでございますから、そのように御認識をいただきたいと思います。

 そして、今回の法改正に向けての閣議決定において、閣議決定を行った際、あるいはまた、これは安保法制懇の報告を受けた後も述べさせていただいたわけでございますが、例えば集団安全保障措置においても、我々は武力行使を目的とする戦闘には参加をしないということでございます。

 そして、集団的自衛権においてもそうなんですが、海外に対するいわば派兵については、これは一般的に憲法で禁止されている、この考え方は変わりがないわけでございまして、イラク戦争や、あるいはアフガン戦争、湾岸戦争等に、これからも参加をするということはないということは申し上げておきたいと思います。

海江田委員 では、これで終わります。どうもありがとうございました。

二階委員長 この際、岡田克也君から関連質疑の申し出があります。海江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡田克也君。

岡田委員 岡田克也です。

 総理、ちょっと通告した順番を変えて、まず、武力行使との一体化について少し議論したいというふうに思っています。

 今回の閣議決定の中で、この武力行使との一体化、余りここでも議論されていないものですから取り上げるんですけれども、従来は、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施されている活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる、そういう地域に限って支援活動ができる、基本的にそういう考え方でやってまいりました。今回は、現に戦闘行為を行っている現場ではない場所では支援活動ができる、こういう中身であります。

 そこで、法制局長官にお聞きしたいと思いますが、従来「地域」と言っていたのが、今回は「現場」ということになっています。私は、現場というのは、かなり狭い概念かなと、地域と比べると相当狭い印象を受けるんですが、ここはいかがでしょうか。

横畠政府参考人 一般的な用語の意味内容として、現場よりも地域の方が広いものを指しているというふうに理解はしております。

岡田委員 私は、かなり狭いという印象を受けるわけですが、もう一つ、「現に」というのが最初に来ますね。この「現に」というのはどういう意味かということであります。

 例えば、ゲリラ的な攻撃が予想されているそういう場所とか、あるいは断続的に戦闘行為が行われているそういう場所も、現に戦闘行為が行われていなければ、その間を縫って支援活動をすることが可能である、そういうふうにも考えられますが、法制局長官、そういう解釈でいいんでしょうか。

横畠政府参考人 この一体化の考え方でございますけれども、ちょっと前提を御説明させていただきたいと思います。

 いわゆる、他国の武力の行使との一体化の考え方は、我が国が行う他国の軍隊に対する補給、輸送等、それ自体は直接武力の行使を行う活動ではないが、他の者が行う武力の行使への関与の密接性などから、我が国も武力の行使をしたとの法的評価を受ける場合があり得るというものであり、そのような武力の行使と評価される活動を我が国が行うことは憲法第九条により許されないという考え方でありますが、これはいわば憲法上の判断に関する当然の事理を述べたものであると考えております。

 今般の閣議決定は、そのような考え方を変えるものではございません。その前提を維持した上で、これまでは、自衛隊が活動する範囲を、およそ一体化の問題が生じない地域に一律に区切るという枠組みを採用していたわけですけれども、この点を見直しまして、我が国の支援活動の対象となる他国軍隊が現に戦闘行為を行っている現場、別の言い方、一般的に申し上げれば戦場と言っていいのかもしれませんけれども、もちろん、断続的、継続的、一時休止みたいなものがあるかもしれませんけれども、これは常識的な意味におきまして、現に戦闘行為を行っている現場では支援活動は実施しない。これによって、一体化の問題は基本的に回避できるであろうと。

 仮に、状況変化によって、我が国が支援活動を実施している場所が現に戦闘行為を行っている現場となる場合には、直ちにそこで実施している支援活動を休止または中断する、そういう考え方によっても、まさに他国の武力の行使との一体化の問題は回避することができるという整理をいたしまして、その考え方に従って法整備を進めるというものであると理解しております。

岡田委員 支援活動をやっていて、そこが戦闘行為が行われる現場になったら急に支援活動をやめるというのは、現実的に可能なのかどうかですね。むしろ、それぐらいなら最初からやってもらわない方がいいというぐらいの話ではないかというふうにも思いますが、いずれにしても、現に戦闘行為を行っている現場ということで、かなり範囲を狭められたということですから、それだけ行動する自衛隊員に対するリスクは高まったということは言えると思うんですね。

 先ほど来の海江田代表の話ではありませんが、幸いにして、今まで、こういった形で自衛隊の皆さんが命を落とすということはなかった。しかし、今後そのリスクは高まるということは言えると思うんですね。それがないとは絶対言えないというふうに思うんです。

 そこのところ、総理、どういうふうにお考えですか。当然そのリスクは高まるというふうにお考えだと思いますが、いかがですか。総理のお考えを聞きたいと思います。

小野寺国務大臣 自衛隊の件でございます。

 当然、今後さまざまな任務を付与されるということになると思いますが、私どもとしては、自衛隊の任務遂行に当たりまして、当該任務に従事する、任務をきちっと遂行するということは、例えば輸送業務やあるいはさまざまな補給業務に合わせて、その任務に当たる自衛官の安全を考慮するということも当然重要だと思っております。

 私どもとしては、各幕僚の監部の軍事的見地からの補佐を含めて、全体的にしっかりとした任務が遂行できるかどうか、常にそのことを総合的に判断して対応していくことはもちろんのことだと思っております。

岡田委員 そのことは当然だし、必要なことだと私も考えております。

 ただ、総理の今までのさまざまな国会での答弁やあるいは記者会見での答弁で、自衛隊員に対するリスクが高まるということに対して、一度もお答えになっていないんですね、まともに。一度もお答えになっていないんですよ。違う答弁に常にすりかえておられるわけです。だから、私は、一度総理の覚悟を聞いておきたいんですよ、ここで。やはり、このことは自衛隊の皆さんに対して当然その生命のリスクを高めることであるということはきちっと認めた上で必要性について議論していかないと、そこを総理が答弁でいつも逃げられるのは、私は非常に残念に思っているわけです。総理、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 今回の非戦闘地域と現場という議論については法制局長官から答弁をさせていただいたところでございますが、一体化論の中で、いわば一体化するかしないかというのは、これは憲法との関係において自衛隊の活動を縛る議論でございまして、他方、自衛隊員の安全を確保した上において自衛隊員を送るというのは、これは別の観点の問題であります。

 今、私たちは、既にさまざまなPKO活動等々を経験してきた結果、もう一度これは再整理、およそ一体化をしないという範囲を大きくとっていたわけでありますが、これはもう少し小さくしていっても憲法との関係における一体化においてはそれはいいのだろうという解釈をしたわけであります。

 一方、今、岡田委員がしておられるのは、自衛隊員に対する危険性ということなんだろう、このように思うわけであります。

 自衛隊員においては、まさにPKO活動というのは、これは常に、PKO活動あるいは集団安全保障措置における後方支援の活動において活動する場合ですね。これはPKOではなくて、集団安全保障措置の中における後方支援の活動の中においてですね。これは当然、その中において、かつての非戦闘地域においても、これも全く危険がないというわけではないわけでありますが、今回の現場と今までの非戦闘地域の違いは、基本的には、現に戦闘が行われていないということでは同じでありますが、その活動期間中ずっと行われているかどうかということについては違うわけであります。

 しかし、今までの議論の中で、その予測が果たして本当に可能かということについては相当議論があったのは事実であろう、このように思うわけでありまして、我々はむしろその中で活動をしてきたわけでございますが、今回、もう一度それを現状に合わせて、今までの経験、あるいはまた国会での議論を踏まえた上で整理をした、こういうことでございまして、いかなる場所で活動する場合であっても、これまでと同様、自衛隊部隊の安全を確保しつつ行うことは言うまでもない、このように思うわけでありまして、これは憲法論議とは別の議論であるということは申し上げておきたい、このように思うわけであります。

 そしてまた、もしそうでないという状況になって、すぐに帰れるかどうかという御議論でございますが、これはPKO法においても、それはそういう状況ではなくなればすぐに引き揚げるということになっているということを申し添えておきたいと思います。

岡田委員 今、憲法論議と分けて言われたんですが、これは実質的には表裏一体だと思うんですね。

 ですから、例えば、イラクの例でいえば、イラク特措法のもとで自衛隊はサマワに出ました。しかし、この考え方、新しい考え方に基づけば、場合によっては、戦闘行為が行われていなければ、ファルージャにだってバグダッドにだって、その町中にだって行くということですよね。ですから当然リスクは高まるんですよ。そのリスクが高まるということを総理がきちっとお認めにならないと、いろいろ今言われましたけれども、関係ないことばかりじゃないですか。

 やはり、自衛隊の皆さんに対して、そういうリスクがあるけれども、だけれどもこういうことで必要なんだという説明を総理みずからがすべきだということを言っているわけですよ。それなしに、ごまかして、何か変わらないような言い方をされるのが私は非常に気になるんですね。

 私だって、今までは少し安全を見過ぎている、そういう考え方はありますよ。だから、一体化について見直すことについて反対しているわけじゃありませんよ。だけれども、こんなに狭めてしまって本当に大丈夫なのか。私は心配ですし、それは心配ないというのなら、総理からそのことをきちっと説明してくださいよ。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 まず、サマワでの活動は、これは後方支援ではなくて復興支援であるということは改めて申し上げておきたい、このように思います。その中において、安全確保がなされているということで、サマワに行ったわけであります。

 今この解釈を変更したとしても、あのときのファルージャは現に戦闘行為を行っていたわけでありますから、ファルージャに行くということは当然考えられないわけでありまして、あそこではまさに米軍の戦闘部隊が戦闘行為を繰り返していたわけでありますから、そこに行くということはないわけであります。

 どちらにしろ、水、食料の補給をするというのは、戦場にそのまま持っていくということは基本的には考えられないわけでございまして、いわば後方地域にそれは持っていくわけでございます。つまり、戦闘活動に一緒に行動するオペレーションそのものに入っているわけではなくて、まさに、補給等々を、医療活動を担当するわけでございます。例えば、医療においてはそれは顕著だろう、このように思うわけでございまして、その中において憲法との関係を整理させていただいた、こういうことでございます。

岡田委員 私は、自衛隊の皆さんのリスクが高まるということをきちんと認めた上で、その必要性について総理みずからが国民の前で説明すべきだということを何度も聞いているわけですが、総理はお答えにならないわけですね。

 私、もう一回午後に聞きますが、これはやはり、かなりのことをやろうとしているんですよ。現に戦闘行為を行っている現場以外はいいということは、先ほど言ったみたいに、断続的に戦闘行為が行われているところにも、読み方によっては出せるということですからね。そういうことについて、やはりきちんと説明しなきゃいけないということを申し上げているわけです。

安倍内閣総理大臣 まず、今議論をしていることは、これは集団的自衛権の議論とは違うということはまず申し上げておかないと、世の中で誤解されるということがあってはならないと思います。これは、集団的自衛権の議論ではなくて、集団安全保障における後方支援の概念として、一体化論の中で、今まで非戦闘地域という概念を持っていたものを、戦闘現場という概念に変えたということであります。

 それは今まで、我々、PKO活動でありますから多少形は違いますが、そうしたものへの経験の中において、一体化論、今までは少し広くとり過ぎていたという問題が一点と、そして、これはまさに、どこが広いかといえば、期間において、今現在ではなくて、先に対しても、それは戦闘地域にならないということが、現在の中では果たしてそれが本当にあるのかどうかということはさんざん議論されてきたところであろうと思うわけでありまして、そこで、むしろ憲法の概念としての整理、憲法との関係における整理をして、総理として整理をして、これをいわば、将来にわたっての地域ではなくて、現に戦闘が行われているところには行かないということでありますから、今、岡田委員が指摘をされたように、現在戦闘行動をしているところに行くという危険というのは、これはないのは明確であろう、こういうことを申し上げておきたいと思います。

岡田委員 いや、現に戦闘行為を行っているところに行くなんて私は言っていませんよ。そういうふうには書いていないじゃないですか。

 それからもう一つ、総理、多分勘違いしておられますが、この武力行使との一体化というのは集団安全保障だけじゃないです。例えば、周辺事態法でも当然そういう議論をしましたよね。ですから、集団安全保障の話だけじゃないということは申し上げておきたいと思います。

 そこで、それではその集団安全保障について、まず法制局長官にお聞きしたいと思いますが、先ほどの新三条件、これを満たした場合の国連の集団安全保障活動に自衛隊が参加をすることは、これは現行憲法上は可能であるというふうにお考えなんだろうと思うんですが、その点の確認であります。

横畠政府参考人 今回の新三要件のもとで、憲法上一定の武力の行使を認められるということになるわけでございますけれども、その根拠は、先ほどもお答えしたとおり、国際法上の正当事由といいますか根拠があるということによるものではなく、憲法自身の考え方によるものでございます。

 その意味で、新三要件のもとで許される武力の行使につきまして、国際法上の違法性阻却事由がいずれであるかということは直接は関係がないということでございまして、仮に、途中で国際法上の根拠が切りかわったような場合におきましても、それによって憲法上の根拠が失われる、すなわち、新三要件のもとで許される武力の行使を中断しなければならないということにはならないというふうに解しております。

岡田委員 もうちょっと端的にお答えいただきたいんですよ。

 ですから、国際法上あるいは国連憲章上、違法性が阻却されている安保理決議に基づく国連の例えば多国籍軍への派遣とかあるいは国連軍への派遣、こういうことがあった場合に、今までは日本は、それに参加をして武力行使をするということは、これは認めてこなかったということでありますけれども、それは憲法九条の制約があるということだったわけですけれども、今回、新三条件を満たせば、それは憲法九条の制約はなくなって、日本はそれに参加をすることが新三条件を満たす限りは可能である、そういう考え方でいいですねということを聞いているわけです。

横畠政府参考人 法理上の整理は先ほどお答えしたとおりでございますが、御指摘の、国連安保理決議に基づきまして、例えば一定の制裁措置のような武力の行使を伴う活動が許容されるといたしましても、我が国がそれに参加できるということになるわけではございませんで、あくまでも、この新三要件を満たす限りにおきまして自衛の措置としての武力の行使が許される、そういう関係にございますので、御指摘のような、安保理決議に基づく武力の行使を伴う活動にそのまま参加できるということになるという関係ではないと理解しております。

岡田委員 私の聞いたことにちゃんと答えていないんですね。

 ですから、新三条件を満たす場合の話を私はしているわけです。そのときに憲法上の制約はないということになりますねということを言っているわけです。

 これは当然のことだと思いますが、どうなんですか。

横畠政府参考人 失礼いたしました。法理上は、そのとおりでございます。

岡田委員 ここは太田大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、山口代表は、記者会見の中で、集団安全保障措置について、憲法に合致したものは憲法に基づいて行うというのが政府の基本方針だ、今法制局長官が言われたようなことだと思うんですが、基本方針だとした上で、これを重視して今後も議論していきたいということで、はっきりとは記者会見で述べられなかったんですが、太田大臣は、ここはいかがなんでしょうか。

 今の法制局長官と同じような考え方、つまり、憲法上は、新三要件を満たせば、武力行使も含めて、正当なる、国連憲章に基づく、何といいますか、国連決議がある行為について、法理上は、それは参加することが可能である、そういう考え方でよろしいんでしょうか。

太田国務大臣 あくまで新三要件ということを厳密に判断してということだと思います。

安倍内閣総理大臣 先ほど来答弁させていただいておりますが、例えば、個別的自衛権を行使していて、そして国連決議があって、それが集団安全保障措置と変わった場合において、今まで個別的自衛権として武力行使を行っていますが、そうなったら武力行使をやめるということは当然これはないわけでございまして、この場合は、当然、武力行使は続いていく。いわば、これは我が国事態の場合ですね。これは新三要件においても、それは当てはまっていくんだろう、こういうことでございます。

 しかし、他方、イラク戦争とか、先ほど来申し上げておりますように、湾岸戦争等々のケースにおいて、武力行使を目的とした戦闘に参加することは、これは三要件からいって、それは当てはまらないと我々は考えているところでございます。

岡田委員 ですから、私は、抽象的に、新三要件を満たす場合にはということで議論していて、そこは総理も否定はされていないというふうに思うわけですね。

 ただ、最初は、総理は、懇談会の結論、そもそも憲法の制約はないんだと、集団安全保障については。それを退けられた。それだけ見ていると、何か集団的自衛権に参加することはおよそ否定されているように私は思ったわけですけれども……(発言する者あり)集団安全保障ですね、集団安全保障に参加することはおよそ否定されているように思ったんですが、どうもいろいろな議論をしていく中で、最初に、集団的自衛権や個別的自衛権、あった場合に、国連決議があったりしたときに説明できなくなるということも多分あったんだと思いますけれども、新三要件を満たす限りは正当なる集団安全保障には参加できる、そういうふうに変わったんだと思うんですね。そこは確認ですけれども。

安倍内閣総理大臣 そこのところについては、基本的に私が申し上げてきておりますのは、武力行使を目的として戦闘に参加することはないということでございますが、例えば、これは、空爆をしたり軍隊を送って戦闘行為を行うということはないわけでございます。

 しかし、例として、例えば機雷を敷設された場合の掃海、これは国際法上は武力の行使に当たるわけでございますが、このように、受動的、限定的なものについては、これはいわば三要件の中に当てはまる可能性がある、こう考えているわけでございますが、いわば武力行使を目的として戦闘行為そのものに参加をするということについては、これは当然行うことはできないと考えているところでございます。

岡田委員 総理、機雷を除去することも戦闘行為の一部ですよ、これは。武力行使ですからね。

 ですから、総理、たびたび、きょうもおっしゃったんだけれども、イラク戦争や湾岸戦争、参加するようなことは、戦闘行為に参加することはありませんと何度も何度も言っておられるんだけれども、しかし、法理上はそれは可能だということじゃないですか。そこは非常にまた誤解を招いているんですよ、国民の。それはやはり、機雷除去という、そういう限られた行動だと総理はおっしゃるかもしれないけれども、法律上はもっと広く可能だ、しかし三条件は満たしていなければいけない、こういうふうに正確に言うべきじゃないですか。何か、そういったイラク戦争や湾岸戦争には参加しません、戦闘行為には参加しませんというふうに言い切っているのは、私は非常に誤解を招いていると思いますよ。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 重ねて説明させていただきますと、基本的にこの三要件によって判断をするわけであります。

 この三要件の中において、当てはまるものもあれば当てはまらないものもあるわけでありますが、その中において、当てはまらないものとして、いわば武力行使を目的として戦闘に参加することはないという中において、湾岸戦争やイラク戦争、あるいはそうしたアフガンでの戦い等々、これは集団安全保障措置もあれば集団的自衛権もまじっておりますが、この中において、いわば部隊を送って、基地を攻撃するとか、戦闘行為をそのままするとかいうことはないわけでございます。

 他方、機雷敷設につきましては、これについてはいわば受動的、そして限定的なものであり、いわば機雷敷設から戦闘行為に発展したということは事実上ないわけでございまして、実際に機雷が敷設され、そしてそれを除去していく上においては、それが遺棄機雷となれば、これは危険物の除去になるわけでございますが、しかし、どこかの国がやらなければ、例えば、ホルムズ海峡を八割の原油が通って日本にやってくるわけでありますから、これを掃海することができないわけでありますが、しかし、実際に、この掃海をする船自体は、木でできていたり、あるいは強化プラスチックでできているものでありまして、戦闘そのものを目的としているわけではありませんから、当然、そうした船が、掃海艇が活動できることはかなり限られるわけではございますが、そういう中においても、しかし、この体制としてはシームレスなものにしていく必要があるだろうということで、我々は今議論をしているところでございます。

岡田委員 かつて湾岸戦争のとき、これは遺棄機雷だったんですけれども、掃海艇を出したことがありましたが、そのとき、掃海艇だけ出したんですか。当然、護衛艦を出していますよね。

 ですから、先ほどのペルシャ湾の話ですけれども、そういった集団安全保障の中で掃海艇を出して、そしてどこかの国が意図を持って設置した機雷を除去する、これも戦闘行為ですね、お互いに。したがって、それに対して妨害をする、そんな除去されてはたまらないということで妨害をする、あるいは攻撃をするということは起こり得る。当然、自衛隊の護衛艦も、それをほっておいたら攻撃を受けるわけですから、それに対して一定の範囲で応戦もしなきゃいけない。つまり、戦闘行為になる可能性というのは、それは絶対ないとは言えないんじゃないですか。

 ですから、機雷の掃海だけ捉えて、いや、こういうことだからこれは別だと、いわば戦闘行為を二つに分けて、勝手に分けて、こっちはいいけれどもこっちはだめだみたいな話というのは、私はよくわからないんですよ。

小野寺国務大臣 事実関係のみ。掃海艇は出しておりますが、護衛艦は出しておりません。

安倍内閣総理大臣 つまり、遺棄機雷の除去でありますから、今答弁させていただきましたように、掃海母艦と給油艦のみを出して行っているということであります。

 そして、実際、そこで戦闘、あるいは攻撃を受けるような可能性があるところにおいては、掃海活動というのはほとんどできないわけでございまして、私の地元、下関の吉見というところに掃海艇の基地があるわけでありまして、その訓練等も見たわけでございます。これは非常に繊細な作業を行うわけでございます。

 つまり、しかし法的には戦闘状況が続いている中に、あるいは法的にはいわば戦闘状況が完全に終わっていないという中において、遺棄機雷とこれは言えないという状況があるかもしれないわけでありまして、そこで安全が確保された際には掃海を行う。

 しかし、これは国際法上は武力行使になるわけでありますが、これは極めて受動的なものであり、そしてこれは限定的なものとなるわけでありまして、そこで、まさにそこに攻撃が行われるという状況の中においては、掃海というのは、そもそも、なかなかこれを現在は行えないというふうに我々は考えているところでございます。

岡田委員 午前はここで終わりますけれども、たびたび総理は、ですから、イラク戦争や湾岸戦争のような、そういうところに行って戦闘行為をするようなことはしないとおっしゃるが、しかし、今総理御自身もお認めになったように、機雷の掃海、そういう武力行使はやる、あり得るということですから、そこは非常に、ここも国民に対してちゃんと説明していないと私は思いますよ。

 そのことだけ御指摘申し上げて、あとは午後にしたいと思います。

二階委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

二階委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。岡田克也君。

岡田委員 まず、質問を再開する前に、午前中の先ほどのやりとりで、国連の集団安全保障措置に対する、新三要件を満たす場合の我が国の対応、参加について非常に重要な御答弁をいただいたと思います。

 武力行使というものを、集団安全保障措置については、我が国は、集団的自衛権だけではなくて集団安全保障のときの武力行使も認めてこなかったわけですが、これが、新三要件を満たす場合にはあり得る、こういう答弁だったと私は理解するんですが、これは、明確にするために、考え方を文書で政府に出していただきたいということをまずお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

二階委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

岡田委員 いろいろ答弁をされていますけれども、整合性をとって、きちんとした見解を出していただきたい。これは、この前の閣議決定の中にも出てこない話でありますので、新しい話であります。そうであれば、きちんとした見解を出していただきたいというふうに思います。

 その上で、新三要件について少し議論を進めたいと思いますが、先ほど来何度も、午前中議論されているこの三つの要件であります。

 ここで、総理は、一番下に書いておきましたが、「今回、新三要件としたところでありますが、基本的な考え方はほとんど変わっていない、表現もほとんど変わっていないと言ってもいいと思います。」こういうふうに記者会見でお述べになっているんですね。

 私は、これは全然違うんじゃないかと思うんですね、今までの三要件と。今までは、個別的自衛権について認めたもの、つまり、我が国に対する急迫不正の侵害があったとき、ここには、我が国に対する武力攻撃が発生した場合ということですが、これにプラスして、その下にいろいろ書いてあることについて、集団的自衛権の行使、限定した行使という言い方もできますが、こういうものが新たにつけ加わったわけですから、ほとんど変わっていないというのは、明らかに非常に誤解を招く表現。

 それから、表現が変わっていないというのは、表現は全然変わっているわけですから、ここは、やはりかなり変わったんだと。基本的な考え方は、総理は変えていないというふうに御答弁になると思いますが、そのことはそのことでまた議論するとして、しかし、今までの個別的自衛権以外のところを認めるという意味では、やはり変わっているんだということを、まずお認めいただけませんか。

安倍内閣総理大臣 これは、私の発言としては、「新三要件としたところでありますが、基本的な考え方はほとんど変わっていない、」こう答えているわけであります。

 この三要件の中で、三番目の、必要最小限度の実力行使にとどまるべき、これは全く同じであります、先ほど北側委員との議論の中でも紹介されたところでございますが。そして、真ん中の、「これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るため」、「我が国の存立を全うし、国民を守るため」をつけ加えてはおりますが、他に適当な手段がないということにおいては、これは基本的に変わっていないということでよろしいのではないか、こう思うわけであります。

 その上において、当然、私は、この答えをする前に、と同時に、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したということは、もちろんこれは違うけれども、歯どめとして、個別的自衛権の発動の際のいわば三要件としての歯どめの機能と、今回の集団的自衛権に対する歯どめの機能としての考え方としては基本的に変わっていない、こういうことを申し上げたわけでございます。

岡田委員 総理は、北海道新聞の記者の質問に答えて、ここに書いたようなことを言っておられるんですよ。表現もほとんど変わっていないと言っていいと思いますと。表現は全然違いますからね。やはりそれは、国民に対して非常に誤解を招く表現だというふうに申し上げておきたいと思います。

 そこで、国民が何を心配しているかというと、我が国に対する武力攻撃があったとき、これは客観的にかなり明らかであります、日本自身が攻撃を受けるということですから。しかし、次の、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これ以下、我が国の存立が脅かされ、生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険、ここのところが非常に抽象的で、かなりいろいろな解釈ができるんじゃないかということを、私もそうですし、国民の中に、つまりどんどんこれが広がってしまうんじゃないかという心配がある、こういうことなんですね。

 午前中の議論の中でも、法制局の長官は、我が国が武力攻撃を受けた場合と同等の深刻な影響がある場合と。総理も、同等な深刻な被害がある場合という表現をされたんじゃないかと思うんですが、そういうふうに言われました。つまり、武力攻撃が発生した場合と同等だということなんですね。

 では、その同等ということは一体何なのかということで、先ほど午前中も議論になりました、ペルシャ湾に機雷が設置されたときに、石油が日本に入ってこない、これは我が国が直接攻撃を受けたときと同等な被害なんでしょうか。私はかなり違うというふうに思うんですが、いかがですか、総理。

安倍内閣総理大臣 新三要件について少し補足をさせていただきますと、いわば旧三要件は、四十七年の政府見解の中にも出て、この四十七年の政府見解から引いているわけでありますが、ここに、「外国の武力攻撃によつて国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態」ということについて、これを、この新しい新三要件の中に書いてある、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、これが、新三要件の中ではこういう表現となっているわけでありますから、そういう意味においては、基本的な考え方と表現ぶりにおいては、それほど私は変わらないんだろうというふうに申し上げたところでございます。

 それに加えて、いわば、我が国に対する、これはその状況が起こった段階において、実際に三要件に当てはまるかどうか、そして法制局長官から、この三要件においてはどういう状況であるかということについて説明をさせていただいたところでございますが、それはまさに、ホルムズ海峡が機雷封鎖をされる中において、この中における、そのときにおける国際経済状況等、あるいは原油価格の状況、あるいは原油の供給状況、ガスの状況もそうですが、供給状況がどうなっているかということも勘案をする必要があるんだろう、このように思います。

 そうした状況が起こったとしても、これは、いわば我が国に対する供給が、もちろん備蓄はありますが、その後の状況、国際的な供給状況がそれほど大きな打撃を受けていないということであれば、もちろんこの三要件にはかかわりがないということなんだろう、このように思うわけでございます。

 いわば、そのときの経済状況と、日本の経済に与える打撃、経済に与える打撃によって、これは結果としては、例えば、多くの中小企業等々も相当の被害を受けるということになってくる、いわば、多くの倒産も起こっていき、そして多くの人たちが職を失うという状況にもつながるかもしれないということもあるわけでありますから、そういうものを勘案しながら総合的に判断をしていくということになるんだろうと。

 今の段階で個別的にそれを特定することはできないわけでありますが、いずれにいたしましても、この三要件がかかっているというのは、厳しい要件がかかっているのは事実でありますから、これはあくまでも、この要件との関係において判断をしていくということになるんだろうと思います。

岡田委員 経済的な打撃と、それから我が国に対する直接的な武力攻撃、つまり日本人の命が失われたりするわけですね、これを同列にするということは、私には理解できないんですね。

 太田大臣に所管でもありますからお聞きしますが、今言った、日本自身が武力攻撃を受けた場合に匹敵する事態というのは、ホルムズ海峡に機雷がまかれたような場合でどういう場合がそれに匹敵するというふうにお考えですか。そういう場合はあるというふうにお考えですか。

太田国務大臣 私の直接の所管ではないんですけれども、そこは、その状況の具体的なものというのは相当幅があろうというふうに思いますので、新三要件というものの、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある、こうされている、そこからどう判断するかということだと思います。

岡田委員 要するに、これは日本自身が武力行使するかどうかの判断の基準なんですね。(発言する者あり)いやいや、三要件を満たしていれば日本自身が集団的自衛権の限定行使ができるということですから。その判断を全部内閣に委ねて、今言ったような経済的な影響を受けるような場合も含み得るんだ、それはそのときの判断ですよというのは、私は非常に問題があると思うんですよ、法治国家として。

 やはり、日本自身が攻撃を受けたというなら話はわかりやすいですよ。そうじゃなくて、ここに、表現はなかなか厳しいですよ、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険。だけれども、それは、聞いたら、いや、油がとまって経済的に甚大な影響を受けるような場合も入るんだ、それはそのときの内閣の判断だと。

 これは、私は、やはり事が、日本自身が限定的とはいえ集団的自衛権の行使をする、その基準の問題ですから、そういう曖昧なものは絶対許されないと思うんですが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 今委員は武力行使という表現を使っておりますが、確かに武力行使ではありますが、しかし、それは、軍隊を送って戦闘行為をする、戦闘を行う、イラク戦争や湾岸戦争のようなああいう戦争を、戦闘を行う、あるいはまた海上部隊を行って砲撃をする、空爆をするという行為ではなくて、あくまでも、封鎖をしてはいけない海峡を機雷で封鎖した、それを取り除く行為、いわば合法的な行為をする、危険を除去する、これはあくまでも、受動的かつ限定的な、機雷を除去するという行為でありまして、午前中の議論でも申し上げたとおり、ここからいわば大規模な戦闘行為に発展したということは今までないわけでございますし、そういうところにおいては、当然、機雷の掃海というのはそもそもできないということについては、先ほど私がお話をさせていただいたとおりでございます。国際法的な概念においては、これは武力の行使と戦闘行為ということになるわけでありますが、しかし、性格はまず大きく違うということは申し上げておきたいと思います。それは大きく違うわけですよ。

 その上において申し上げれば、機雷が敷設をされれば、先ほど申し上げましたように、我が国の輸入する原油の八割でありますし、そして天然ガスの二割強がこの海峡を通過しております。そして、この海峡が封鎖されること自体が、世界のエネルギー状況に大きな影響、これは相当大きな影響を及ぼすのは間違いがないわけでありまして、基本的には、ガス価格も含めて相当の高騰が見込まれるわけであります。

 ただ、もちろんそれだけではなくて、その中においてどういうエネルギー状況があるかということも勘案する必要があるんだろう、こういうことになるわけでありまして、そうしますと、やはりエネルギーの供給がとまるというのは、国としても、これは相当いわば経済の打撃は大きくなっていくということも当然私は考えなければならない、このように思います。

岡田委員 今の答弁も非常に気になるんですね、世界のエネルギー状況に非常に影響があると。

 そもそも、この新三要件というのは日本自身の自衛のためだったんじゃないんですか。世界のエネルギー状況のために自衛隊を出すんですか。それは全然違うと思うんですよね。そういうふうに受け取れますよ。

 では、総理、逆に聞きますが、今まで、戦後日本がいろいろ直面してきた事態の中で、新三要件を満たすような事態というのは、例えばどういうものがあるんですか。

安倍内閣総理大臣 先ほど私は、世界のそうしたエネルギー状況に影響があるからやるということではなくて、影響があるということは、それはひいては日本に大きな影響がある、つまり、世界のエネルギー需給状況に影響がありますから、このホルムズ海峡を通るもの以外の供給を得ようとしても高騰しますから、それは当然御理解をいただけるんだろうなと思って話していたわけであります。いわば、どれぐらい影響があるかどうかということを……(発言する者あり)済みません、ちょっと、真剣に話しているんですから聞いてくださいよ。よろしいですか。

 そこで、つまり、この状況というのは、いわば経済的な問題として大きな打撃があるというのは、日本でもかつて石油ショックで経験したわけでありますが、あれを上回るショックになる可能性というのは当然あるわけでございます。あのときはいわば原発は動いているという状況であったわけでありますから、それを上回る状況で経済的な影響があれば、これは多くの製造業についても死活的な影響になっていくということも考えられるわけでありますから、それはしかし、常に自動的にやるということではなくて、選択肢として考えておく必要があるだろうということを申し上げているわけでございます。

 もちろん、通常、蓋然性としては、遺棄機雷となった後に掃海をするということが当然考えられるわけでございますが、しかし、法的な状況においては、完全に停戦がなされているという状況になっていない中において、外形的、国際法的には武力行使に当たる機雷の掃海をするということはあり得るわけでありますから、そのことを私は今お話をしているわけでございます。

岡田委員 油の価格が上がる、例えばOPECが示し合わせて上げたとか、いろいろな経験を我が国はしてきていますけれども、油の価格が上がるとか、あるいは供給が一時的に途絶するというだけで、ここに言う、我が国の存立が脅かされる、権利が根底から覆される、そういうことで武力行使を行うというのは、私は全く理解できないことなんですね。こういう限定をしても、限定になっていないじゃないですか。

 では、もう一つお聞きしますけれども、よく、アメリカの若者が血を流しているときに日本は何もしないことが許されるのかと、総理もそういう趣旨のことを時々言われるわけですけれども、例えば、日本が限定した集団的自衛権を行使しないことで日米同盟が深刻な影響を受ける、こういう場合にはこの三要件に該当するんですか。

安倍内閣総理大臣 私が申し上げているのは、つまり、同盟の信頼関係というのは常に強化をしていく必要があって、その中において同盟は有効に機能をしていくわけでありますし、外の国から見ても、機能している同盟に対してはなかなかそう簡単に挑戦しようとはしなくなるわけでありまして、チャレンジされる可能性は低下をしていく、つまり抑止力が高まっていくということになるわけでありますが、そこで、あくまでも基本的にはこの三要件でありまして、三要件に当てはまるかどうかということになるんだろう、このように思うわけであります。

岡田委員 質問にお答えいただいていないんですが、その同盟に大きな影響、深刻な影響が及ぶような事態というのは、ここで言う新三要件、つまり、我が国の存立が脅かされ、そして権利が根底から覆される明白な危険というのに該当する場合があるんですかということを聞いているわけです。

岸田国務大臣 日米同盟に基づく米国の存在、そしてその活動は、我が国の平和そして安定を維持する上で死活的に重要である、こういったことを前提とした場合に、このような米軍に対する武力攻撃、これは、それ以外の国に対する武力攻撃の場合に比較しても、この新三原則に当てはまる可能性は高いと考えなければならないと思っています。

岡田委員 これは非常に重大な答弁だったと思うんですね。つまり、日本自身の自衛のためだというふうに言いながら、日米同盟が毀損するような場合には新三要件に当たりますよというのが今の御答弁でしょう。そんなことを言ったら、日米同盟が危なくなる場合には常に日本はできるということになりますよ。何のためにこの新三要件をつくったんですか。そのことは全く意味がなくなるじゃありませんか。

 総理、いかがなんですか。今の答弁で本当にいいんですか。総理、どうなんですか。

岸田国務大臣 我が国がこのたび安全保障の法的基盤の基本方針につきまして閣議決定をしたわけですが、この目的は、あくまでも我が国の国民の命とそして平和な暮らしを守る、このために我が国としてどう対応するべきなのか、こういった問題意識に基づいて議論をし、そして、集団的自衛権も含めて、グレーゾーンあるいはPKO等、さまざまな課題について我が国の基本方針を定めたということであります。

 ですから、この新三原則に該当するということ、これも、あくまでも我が国の国民の命そして平和な暮らしを守るためにどう対応するか、これが基本的なところにあります。

 ですから、今申し上げました日米同盟、我が国の平和と安全を維持する上で死活的に重要である、これは我が国の国民の命やそして平和な暮らしを守るために重要であるということであり、そして、米国との関係において、ほかの国との比較においても三原則に該当する、この可能性は高い、このように答弁させていただいた次第です。

岡田委員 この答弁を取り消されないと、私は相当これは響くと思いますよ。

 つまり、日米同盟というのは非常に大事だから、それが毀損するような、そういう場合であればこの新三要件の第一条件にそのものが当たってしまうという論理を展開すれば、これは日米同盟が大事だからということで、常に日本としては集団的自衛権の行使ができる、あるいはするということにつながってくるわけですよ。すごく広がっちゃうわけですよ。

 だから、それは、あくまでも新三要件は日本の自衛のためのものだということで、私の質問に対してはノーという答え、そのことは直接関係ありませんというお答えがなければ、私はおかしいと思いますよ。いかがですか。

岸田国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、新三原則に該当する事案、これはあくまでも我が国の国民の命とそして平和な暮らしを守るための対応であります。ですから、今申し上げました日米同盟との関係においても、我が国の国民の命あるいは暮らしにかかわる部分、この部分についてしっかりと対応する、そのために三原則を設けて、それに該当するかを判断する、これは当然のことであると考えています。

岡田委員 この新三要件、言葉は非常に、一見厳しいけれども、そういう経済的な苦境のときもこれで場合によっては読み得る、同盟関係がおかしくなるのはここで読み得るということになると、結局、何の限定もしていないというに等しいと私は思うんですよね。しかも、それは内閣が判断するということになると、白紙で内閣に委任するような話。

 これはやはり、何回も言いますが、武力行使を我が国としてするということの要件を決めているわけですから、それを内閣にかなりの程度授権してしまうというのは、私は、国会としても、それは許しがたいことだと思いますよ。

 だから、もう一回、新三要件、見直してくださいよ。やり直してくださいよ。きちんとやらないと、絶対のむわけに私はいかないですよ、こんなことでは。そのことを申し上げておきたいと思いますが、総理、何か答弁ありますか。

安倍内閣総理大臣 先ほどの機雷の除去の話についても、あるいは日米同盟の関係についても、そういう事態が起こったときにそれがそれぞれ自動的にこの三要件に当てはまるということを私は申し上げているのではなくて、機雷の除去についても、機雷の除去というのは先ほど申し上げておりますように国際法的には武力行使に該当するわけでありますが、これは受動的なあるいは非常に限定的な行為であり、実際それを行う場合は、戦闘行為が事実上ほとんどその場所では行われていない場合に行うわけであります。

 そこで、三要件との関係においても、これは相当の死活的な影響が、経済に打撃が与えられるというのは、国の存立のもとがまさに経済でもあるわけでありますから、それは全体的な中で判断をしていくということになるんだろう、このように思いますが、それは当然、この三要件の中で判断をしていくということになるわけであります。

 そして、加えて申し上げますと、日米同盟との関係におきましては、いわば日米同盟は死活的に重要でありますから、日米同盟の関係において起こり得る事態についてはこの要件に当てはまる可能性は高いわけでありますけれども、自動的にこれは当てはまるわけではなくて、その状況、例えば、いつも挙げておりますように、近隣諸国で紛争が起こって、そこから逃れようとする邦人を輸送している米艦を自衛艦が防衛する、これは当然三要件に入ってくるというのは、近隣国である関係に鑑みて、これは我が国に対して発展していく可能性が、我が国の事態に発展していく可能性というのは高いわけでありますから、そうしたものを国際的な状況等を判断しながら決めていく。

 しかし、これは行政だけの判断ではなくて、法律をつくっても、閣議決定にあるように、当然これは国会の承認がなければできませんから、政府だけの判断ではできない。政府が判断した後に国会の判断をいただいて初めて、自衛隊は行動できるということでございます。

岡田委員 基準としては極めて曖昧、そして裁量の余地の大きい、そういうものだということを改めて申し上げておきたいというふうに思います。

 終わります。

二階委員長 これにて海江田君、岡田君の質疑は終了いたしました。

 次に、松野頼久君。

松野(頼)委員 日本維新の会の松野頼久でございます。

 今の質疑を聞いていまして、ちょっと驚くような答弁がございました。岸田外務大臣、今、先ほどの自衛権発動の三要件に、アメリカとの関係が悪化することが含まれる、当たるというような答弁をされましたが、もう一回御答弁いただけますでしょうか。

岸田国務大臣 先ほど、私は、日米同盟に基づく米軍の存在及び活動、これが我が国の平和と安全を維持する上で死活的に重要である、まずそれを申し上げました。そして、その米国に対する武力攻撃は、これは当然、我が国の国民の命や暮らしを守るための活動に対する攻撃になるわけですので、これは三原則に当てはまる可能性が高い、そういった趣旨の発言をさせていただきました。

松野(頼)委員 今の答弁ですと、まさに集団的自衛権なんじゃないですか。自国に攻撃をされていないにもかかわらず、他国に対しての武力攻撃が行われた場合、これに当たるんじゃないですか。どうぞ。

安倍内閣総理大臣 まさにこれは、集団的自衛権について今我々は議論をしているんだろう、このように思います。

松野(頼)委員 ということは、集団的自衛権の行使を憲法上認めるということでよろしいんですか。

安倍内閣総理大臣 集団的自衛権についても、他国を守ることを目的に武力を行使することはできないという議論はずっと行ってまいりました。

 この閣議決定にあるように、四十七年の見解の中において、今までの憲法との整合性あるいは規範を変えずに、そして安定性の中において、いわば国際法上は集団的自衛権の行使と定義されるものもあるということを申し上げているわけでありまして、例えば、先ほど例として申し上げましたように、近隣の国において紛争が発生し、そこから逃れようとする邦人が乗っている船を自衛艦が守る場合も、これは集団的自衛権の行使と、我々は、法制局としては解してきたわけでございます。

 しかし、大きく時代が変化をしている中において、憲法の前文にあります国家としての平和的生存権、そして、十三条にある国民の命や自由やあるいは幸福を追求する権利を守るために自衛の措置をとることができるという中において、集団的自衛権も個別的自衛権も自衛権の範疇にあるわけでありますから、ここから全ての集団的自衛権が排除されているということではなくて、その中に入り得るものがあるというのが今回の判断であります。

 その中においてこの三要件が設けられていて、三要件に該当するものにおいては、集団的自衛権においてもこれは武力の行使ができるというのが今回の閣議決定の趣旨であります。

松野(頼)委員 要は、そこがよくわからないんですよ。

 集団的自衛権の行使であれば、国際法上は、これはニカラグア事件の国際司法裁判所の判決でも出ているんですけれども、本来であれば、集団的自衛権を発動するならば、この三要件にプラスをして、相手国からの要請というのがなきゃいけないんじゃないですか、もし国際的な集団的自衛権として発動するなら。そうじゃなく、この三要件の中には相手国からの要請というのが抜け落ちて、いかにも国の自衛権の発動のように国内では説明をしているから、非常にわかりづらい。

 では、集団的自衛権の発動に関して、これは法制局長官に伺いたいんですが、国際法上、ニカラグア事件の国際司法裁判所の判決において、相手国からの要請、またもう一つは、被害国からの、被害が起こった、武力行使が起こったという宣言、この二要件は当然必要になりますよね。いかがですか。

岸田国務大臣 国際法の関係ですので、外務省から答えさせていただきます。

 まず、国際法上、集団的自衛権の行使に当たって、武力行使を受けた国の要請または同意が必要であるということ、これはもう当然のことであります。

 そして、今回の閣議決定の中にも、「我が国による「武力の行使」が国際法を遵守して行われることは当然である」、これをまずしっかり明記しています。その上でこの閣議決定がつくられているわけですから、我が国が集団的自衛権を限定的に行使するに当たっても、これは国際法上、武力攻撃を受けた国の要請または同意が必要だということ、これはもう当然の前提であるという議論の中でこの閣議決定が行われています。

松野(頼)委員 ここを極めてわかりづらくしているのは、国際的な集団的自衛権の行使を認めたわけではないというふうに国会では説明をしている、だから専守防衛は守ります、そして海外派兵はしませんと言っているんです。武力行使を目的とした海外派兵をしませんと言いながら、要は集団的自衛権で、例えば機雷掃海だって、機雷を掃海するということは、これは武力攻撃ですよ、武力攻撃を海外でする。これは後で聞きますけれども、要は集団的自衛権を認める。

 過去の閣議決定、集団的自衛権、すなわち、自国と密接に関係のある外国に対処する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を有するものとされる、そして、憲法九条のもとにおいて許容されている自衛権の範囲は、我が国を防衛するために必要最小限の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないものである、これが今までの、従来政府がとってきた集団的自衛権の解釈と憲法との関係の文ですよ。

 これを、では、変えるのか変えないのかというのをまず伺いたいんです。どうぞ。

安倍内閣総理大臣 まず申し上げておかなければならないのは、昭和四十七年の政府見解の基本的な理論、法理は変えていないということであります。

 この中で、憲法は、第九条において、同条にいわゆる戦争を放棄している、いわゆる戦力の保持を禁止しているが、前文において、全世界の国民が、ずっとありまして、平和のうちに生存する権利を有することを確認し、また、十三条において、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、国政の上で、最大の尊重を必要とする旨を定めていることからも、我が国みずからの存立を全うし国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らかであって、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解せないということであります。

 それを言った上で、それは三つの論理に分かれているわけでありますが、二つ目には、しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右に言う自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである、こう書いてあります。

 その次の、三つ目のところで、第三段目におきまして、そうだとすれば、我が国憲法のもとで武力行使を行うことが許されるのは、我が国に対する急迫不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないと言わざるを得ない、こう書いてあります。

 この外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態について、我々はそれを、その事態というものの中に、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、これを当てはめているわけで、変更し、当てはめているわけでございます。

 ですから、我々は、基本的な論理を変えずに、当てはめを行っているということでございます。

松野(頼)委員 七二年の政府提出資料を今お読みになったと思うんですが、この結論は、現行憲法上、集団的自衛権は認められないという結論なんですよ。途中だけ持ってきて、これを当てはめたんだということではなくて、ですから、さっき申し上げた、集団的自衛権の過去の政府答弁、解釈、要は、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えている、この答弁の今までの見解を変えるのか変えないのかということを伺いたいんですよ。

安倍内閣総理大臣 今申し上げたように、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態というのは、これは我が国に対する武力攻撃と、プラス、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることになっているわけでありまして、いわばここのところは変更しているわけであります。

 同時に、三段落目のところでありますが、そうだとすれば、我が憲法のもとで武力行使を行うことが許されるのは、我が国に対する急迫不正の侵害に対処する場合に限られるというものを、先ほど説明した新三要件のところに、これは変更し、結論を当てはめたということになるわけであります。

松野(頼)委員 では、今の説明だと全くわかりませんので、少し事例に落として質問をさせていただきます。

 きょうも幾つか出ていました機雷の掃海、これは事例集に出ていますけれども、機雷の掃海は今後日本はできるようになるのかできないのかをお答えください。

小野寺国務大臣 まず、通常の遺棄機雷という形であれば、これは現在も対応することができます。また、そのほかの機雷のことにつきましては、新しい三要件の中で判断されるものだというふうに考えております。

松野(頼)委員 いやいや、この事例ではちゃんと出ているじゃないですか。戦闘地域において、我が国船舶が多数航行する重要な海峡に機雷が敷設され、危険に遭う可能性が高い中、各国が協力して機雷掃海を行っているにもかかわらず、その能力に秀でる我が国が機雷掃海をできなくてよいのかと。

 できるんですか、できないんですか。やるんですか、やらないんですか、これから。

小野寺国務大臣 まず、委員が今御指摘になりました、十五の事例の中のお一つをお挙げだと思うんですが、これは、与党協議に資するために政府が提出した一つの事例というふうに私ども承知をしております。

 いずれにしても、通常の遺棄機雷であれば現在も対応することができますが、今後、例えば新三要件に当たるかどうかの中で判断されるものだと思っております。

松野(頼)委員 要は、午前中の総理の答弁では、海洋国家である我が国にとって、国民生活に不可欠な資源や食料等を輸送する船舶の安全確保は極めて重要であります、また、原油の八割がそこを通るんですが、八割はそこを通るにもかかわらず、誰かがやらなければならないわけでありまして、同海峡を経由した石油供給が回復しなければ、世界的な石油の供給不足が生じて、我が国の国民生活に死活的な影響が生じ、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されることとなるという事態は生じ得ると考えますというふうに、けさ、高村先生の質問に対して総理がお答えになっているんですよ。

 これをやるのか、やらないのか。もう一回お答えください、大臣。

小野寺国務大臣 今委員が明確にお示しいただきましたそのような事態にあった場合に、私ども、その三要件の中の状況に照らし合わせて、総合的に判断するということになるんだと思います。

松野(頼)委員 これはちょっと法制局に伺いますが、もし機雷の掃海に出動するとして、相手国の要請がなしに、いわゆる国際法上の集団的自衛権の発動要件を満たさない状況で機雷掃海に出ることは可能なんですか。

横畠政府参考人 憲法上は、あくまでも新三要件を満たすか否か、満たす場合であれば憲法上一定の武力の行使ができる、満たさない場合にはできないということでございます。

 その場合、国際法上の要件を満たしているかどうかというのは、これは国際法上の問題でございますので、私からお答えすることは差し控えます。

松野(頼)委員 では、外務大臣、お願いします。

岸田国務大臣 我が国の行動、対応につきましては、国際法の範囲内で行動する、これは当然のことであります。

松野(頼)委員 これは、ニカラグア事件の判決では、第三国による集団的自衛権の行使の要件として、必要性と均衡性に加え、犠牲国の武力攻撃を受けたという宣言、これが一番目。二番目は、正式な援助の要請を上げたこと。援助の要請が来て初めてそこで機雷の掃海という武力行使ができるんですよ。

 何でその三要件にいわゆる相手国からの要請というのが抜けているかというと、要は、国内的に集団的自衛権の行使容認を認めたと言いたくないから、これは公明党に気を使っているのかもしれません、世論の反発に気を使っているのかもしれません。集団的自衛権の行使を容認する、憲法解釈を変更したと言わないで、国際的には集団的自衛権と同じことをやろうとしているという状況に今政府は陥っているんじゃないですか。お答えください。

安倍内閣総理大臣 新三要件は、あくまでも憲法との関係、整理において書いております。

 そして、国際法的には、当然、それは遵守するのは当たり前の前提でありますから、新三要件の中には、憲法の関係において我々が武力を行使する条件として書いているものでありますから、そこには書いていないということでありますが、閣議決定の中にも当然、「国際法を遵守して」というのが書いてあるわけでありますから、それが大前提であるということは申し上げておきたい。

 そもそも、今、外務大臣が申し上げたとおり、松野委員が指摘された点は、これは国際法の常識としてあるわけでありますから、それは守るのは当然のことであろう、このように思います。

松野(頼)委員 もう一つ、この機雷の掃海ですけれども、資料をつけさせていただいていますが、これは当然、武力行使ですよね。お願いします。資料の十ページにつけてあります。

小野寺国務大臣 機雷のお話でありますので。

 これは、遺棄機雷でなければ、機雷の掃海をするというのは、国際法上は武力行使に当たるということであります。

松野(頼)委員 国内的にも、当然、武力行使であるというふうな答弁が過去になされています。

 ということは、これは海外における武力行使じゃないですか。さっきは海外派兵はしませんというふうに言っていますけれども、まさに海外における武力行使イコール海外派兵なんじゃないですか。お答えください。

岸田国務大臣 これまで政府は、自衛のための必要最小限度を超えて、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領域へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に憲法上許されないと解してまいりました。この従来からの政府の立場を維持することには変わりはありません。

 その上で、海洋国家である我が国にとって、国民生活に不可欠な資源や食料等を輸送する船舶の安全確保は極めて重要であります。我が国の存立を全うし、国民を守るために、武力行使に当たるものであっても、シーレーンにおける機雷掃海が必要不可欠な場合はあり得ると考えています。

 そして、今回のその機雷の掃海ですが、この活動の実態というものは、戦闘の当事者にならない我が国あるいは他の国の民間の船舶、こういったものを機雷や外部からの攻撃の脅威から防護し、安全な航行を確保する目的で行う受動的かつ限定的な行為です。これは先ほど来総理から説明させていただいております。

 先ほどの三要件、新三要件を満たす場合には、他国の領海内における武力行使に当たる機雷掃海であっても許容されるというふうに判断をしております。

松野(頼)委員 要は、自国が攻撃されていないにもかかわらず他国で機雷掃海という武力行使をするということは、いわゆる集団的自衛権なんですよ。相手国からの要請がなければそれはできない。

 だけれども、日本の中では、新三要件といって、いかにも個別的自衛権の発動であるような説明をしているわけです。(発言する者あり)いやいや、そうですよ。

 では、集団的自衛権の行使を憲法上認めるということでいいんですね。

安倍内閣総理大臣 この機雷の掃海についても、確かに、議論の中においては、私はしたことはありませんが、議論の中においては、いわば個別的自衛権で機雷の掃海をできるのではないかという議論がありました。

 しかし、国際法上はそれはやはり集団的自衛権に当たるだろうということでありますから、我々の整理は、集団的自衛権の行使に当たる、そして三要件を満たせばそれができるというのは、従来から一貫して申し上げているとおりでありまして、それを個別的自衛権ということを言ったことは一度もありませんよ。もしどこかで言ったのであれば、それはお示しをいただきたいと思いますが、それは全くないということは、まず申し上げておきたいと思います。

 その上において、海外派兵については、一般にこれは必要最小限度を超えるということを政府は従来から申し上げてきておりますが、これは個別的自衛権においてもそうです。個別的自衛権においてもそうでありますが、しかし、一般にと言っているのは、なぜ一般にと言ったかといえば、例えば個別的自衛権でも、策源地からミサイルを飛ばした、その策源地をたたくことは、座して死を待つべきではないという答弁がございますが、これは例外的に考えられているわけであります。

 そして、集団的自衛権の中においては、この機雷掃海というのは、これは限定的、受動的な対応であって、例えば軍隊を派遣してどこかの国の軍隊と交戦する、あるいはまたイラク戦争や湾岸戦争のような戦闘を武力行使を目的として行うということはしないということ、空爆をしたりとか、そういうことはしないということでありまして、おのずからこれは性格は違うということは申し上げておきたい、このように思います。

松野(頼)委員 いかにも機雷掃海が武力行使でないかのように今お答えになっていますけれども、過去の政府の答弁でも、武器の使用を伴わない武力行使に当たるというふうに機雷掃海は言っているんですよ。

 要は、一つの目的を持って機雷を置いている、それを掃海するということは、機雷を置いた国に対する武力攻撃である。それは、海外での武力攻撃であるわけだから、海外派兵はしないというロジックと全然違うんじゃないですか。海外派兵はしない、専守防衛に徹すると言いながら、相手国がまいた機雷を除去する、いわゆる武力行使をすると言っているわけですから、非常にここの議論がわかりづらくなっている。このことを指摘させていただきたいと思います。

 おおむね時間ですか。もし最後に御答弁があれば。

安倍内閣総理大臣 従来から、私は、機雷を掃海する行為は、これは武力行使に当たる、戦闘行為であるということは申し上げているとおりであります。

 その中において、一般に海外派兵は禁止されていて、これは必要最小限度を上回るものであって、これは今後も変わらない。一般にということを申し上げているのは、そういう中で、例えば個別的自衛権においても、その例外として、策源地を攻撃するということは許されるということは、今までの政府の一貫した主張であります。

 そして、集団的自衛権に分類される行為についても、機雷の除去というのは、派兵といっても、これはまさに受動的、いわば限定的な行為であるのみならず、これは午前の議論でも申し上げましたが、掃海艇自体が木でできていたり、あるいは強化プラスチックでできているものであって、全く攻撃的なものではなくて、脆弱なものでありますから、事実上、そこで戦闘行為がまさに行われている状況のところに派遣して掃海を行うということは我々も考えていないわけでございまして、性格は随分違う、受動的、限定的なものであるということは重ねて申し上げたい、このように思うところでございます。

松野(頼)委員 最後に、海外での武力行使は派兵であり、専守防衛ではないということを一言申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

二階委員長 この際、柿沢未途君から関連質疑の申し出があります。松野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。柿沢未途君。

柿沢委員 日本維新の会・結いの党の柿沢未途です。統一会派になりまして初質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。

 私たちは、自衛権の行使の範囲の適正化、こういう立場をとっております。つまり、我が国を防衛するために、自衛隊はやるべきことをやればいい。しかし、今まで積み重ねられてきた憲法解釈を簡単に踏み越えていいというものでもない。

 集団的自衛権の行使として行われた過去の代表的事例をパネルにしてお出しさせていただきましたけれども、この過去の事例を見れば、集団的自衛権の行使とされるのは、これは、過去は、大国による小国への軍事介入、場合によっては侵略と呼ばれるようなもの、こうしたものを正当化する論理としてこの集団的自衛権というのは使われてきた経過があるからです。こうしたところに、過去の憲法改正をやすやす踏み越えて入っていくというのは、やはりこれは一種の暴走、こういうふうに言われかねないものだと思います。

 この目で今回の閣議決定を見ると、逆に、あれっというふうに思うんですよね。

 これは、タイトルは、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」、こう書いてあって、集団的自衛権のシュウの字もタイトルにはありません。あれっと思って読み進んでいくと、これは、本文に集団的自衛権の文字がやはり全然出てこないんです。読み進んで読み進んで、最後の七ページ目に、最後の最後のところにたった一カ所、しかも、「国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。」えらい遠慮がちな表現でぽっと出てくるんです。

 その上で、安倍総理の記者会見があったわけですけれども、そこで安倍総理が何とおっしゃったかというと、まず冒頭から、集団的自衛権が現行憲法のもとで認められるのか、そうした抽象的、観念的な議論ではありませんと。集団的自衛権がどうだとかこうだとか、そういう話じゃないんだというふうにのっけから宣言しておられるわけです。では、この閣議決定というのは一体何なんですかね。

 では、国際法上、集団的自衛権が一体何かということでありますけれども、パネルを出していただければわかりますが、これは、一般的にはこういうふうに整理されています。きょうの質疑でも出てきていますけれども、自国を守るための権利が個別的自衛権、そして他国を守るための権利が集団的自衛権、極めてシンプルです。

 実は、公明新聞の六月二日に書いてあるんですけれども、「自衛権は国家の権利で、国家が「自国を守る」ための権利を個別的自衛権、「他国を守る」ための権利を集団的自衛権という。」こういうふうにはっきり書いてあります。

 けれども、これも、安倍総理は記者会見で、「外国の防衛それ自体を目的とする武力行使は今後とも行いません。」はっきり言明されているんですよね。外国の防衛を目的とする武力行使は行わない。ならば、今回の閣議決定は、他国を守る集団的自衛権の行使容認ではなくなってしまうのではないですか。お尋ねします。

安倍内閣総理大臣 私たちが行っている議論は、憲法との関係の議論、そして国際法上の議論、そして安全保障上の議論があります。

 まず、安全保障上の議論というのは、まさに我々は、国民の命と平和な暮らしを守らなければいけない、その中において、切れ目のない防衛体制、国民を守る体制をつくっていかなければならないということであります。その議論も、当然、国会議員ですから、これは深めていかなければいけないと思います。

 しかし、同時に、日本は憲法九条がありますから、その中において、憲法との整合性があります。加えて、国際法の世界があるということになります。

 そこで、集団的自衛権と個別的自衛権、これは国際法の世界の切り分けになっておりますが、四十七年の見解におきましては、その国際法上の概念である集団的自衛権、いわゆる集団的自衛権が、丸ごと全てこれはできないと解釈されているわけでございますが、私たちは、その中で、大きく安全保障環境が変わり、一国のみでその国を守り得る国はもうないという状況の中で、果たして、それで憲法十三条あるいは憲法の前文にある国の平和生存権、あるいは幸福追求権、生命、自由の追求権を守ることができるかどうかという中において、例えば、近隣国において紛争が生じて、そこから逃れようとする邦人を輸送している米国の船を自衛隊の船が守ることができない、これは集団的自衛権になるというのが今までの政府の考え方でありますし、これは国際法上もそうでありますが、それを本当にできないのか。憲法の趣旨と四十七年の見解からあわせて、しかし、それはやはりそうではないだろうということの中において、我々は、いわば当てはめを変えたわけでありまして、そういう意味において、憲法の解釈を変えたわけであります。

 そこで、外国を守ることを目的とするのではなくて、あくまでも日本の存立や国民の権利を守るために、外形的、国際法上の集団的自衛権の行使を行い得る、このように考えているわけでありますが、その中におきましても、あくまでもこの三要件が大切であります。この三要件には、まさに、これは我が国の事態に相当近い事態と読む人たちもいるわけでありますが、この三要件に合致するもの、集団的自衛権については、我々は行使できる、このように考えているわけでありまして、単純に他国を守るということとは違うわけでありますし、他国を守ることは目的としていないということは明確。それを手段としているのと目的というのはこれまた大分違うわけでありますが、それを目的とはしていないということは明確と言ってもいいのではないかと思います。

柿沢委員 先ほどの質疑でも出ましたけれども、昭和四十七年の政府見解において、「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」、この憲法解釈は今も変わらない、こういうお話で、一方で集団的自衛権の行使を認めるということでありますから、この昭和四十七年見解に書いてあるいわゆる集団的自衛権というものと、今回提起されている集団的自衛権というのは別のものだということになるのかもしれません。後ほど議論を深めていきたいと思います。

 憲法は、我が国がその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されない。だから、専守防衛のための実力組織として自衛隊を持つのも許容されるわけです。一方、だからといって、他国を防衛するために武力行使をするというのは、これは専守防衛を超えてしまう、だから集団的自衛権は行使できない、これが昭和四十七年の政府見解に代表される政府のこれまでの見解なわけです。

 次のパネルを見ていただきますと、先ほど、国際法上どうかという話がありました。主に三つの学説があります。個別的自衛権共同行使説というものと、他国防衛説というもの、そして死活的利益防衛説というものであります。

 今回の閣議決定を見ますと、一番下に書いておきましたけれども、他国への武力攻撃が発生をし、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合と書いてあるわけですから、我が国は、我が国自身への明白な危険の除去のために武力行使をするのであって、これは学説的には自国の死活的利益を守る死活的利益防衛説というのを採用しているように思われます。

 一方、国際的な判例となっている国際司法裁判所のニカラグア判決では他国防衛説をとっている。つまり、他国の武力攻撃に対する反撃、他国が武力攻撃を受けているときに反撃をしている、その反撃をしている被攻撃国の武力が不十分、十分でないから、被攻撃国に加勢することによってそれを補完する、これが集団的自衛権だということが国際判例としては言われてきたわけです。

 日本は三番をとっている、そして、国際的な判例でいえば二番を学説の根拠としている、こういうふうに見えるわけであります。

 先日、NHKの日曜討論で公明党の井上幹事長と御一緒させていただきましたが、御発言を聞いていますと、今回の閣議決定で認められたのは、あくまで自国防衛のための武力行使で、専守防衛だ、だから今までの憲法解釈の範囲内なんだ、こういうふうに言っておられるわけです。

 先ほど安倍総理もおっしゃられてきたように、今までの政府の見解でも、また、これまでの国際法上の学説でも、基本的に集団的自衛権というのは他国を守る権利というふうに言われてきたわけです。その整理でいくと、今回の閣議決定は、自国を守る権利ですから、二枚目のパネルに即して言えば、個別的自衛権の範疇に入ってしまうものになるのではないでしょうか。

 公明党の一員であられます太田国土交通大臣、今回の閣議決定は集団的自衛権の行使容認だ、こういう思いで閣議決定に署名をされたということでいいのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

太田国務大臣 今も総理からも、また午前中から、法制局長官からもありました。今回の閣議決定により憲法上許容されると判断するに至りました集団的自衛権の行使は、あくまで新三要件を満たす場合に限定をされているものだということです。これは、あくまで我が国の存立を全うし、国民を守るためのやむを得ない自衛の措置として必要最小限の武力行使を認めるというものです。

 今お話のありましたように、他国の防衛それ自体を目的とするいわゆる集団的自衛権の行使を認めるものではない、このように承知しています。

柿沢委員 二枚目のパネルをもう一回出していただきたいんですけれども、ちょっと意地の悪い引用になりますけれども、これは公明新聞の六月二日に書いてある記事の引用です。自国を守る権利が個別的自衛権で、他国を守る権利が集団的自衛権だ、こういうふうに書いてある。これは公明党のホームページにもアップをされているもの、公開をされているものであります。

 これに照らして太田大臣は、閣議決定文にサインをする際に、この閣議決定というのは集団的自衛権の行使容認だと思ってサインをされているんですか。お伺いします。

太田国務大臣 公明新聞がそのように書いているということでありますけれども、あくまで、法制局長官、そして総理からもお話があったように、また、ただいま私が話をしたように、他国の防衛それ自体を目的とするいわゆる集団的自衛権の行使を認めるものではないというのが、新三要件の書かれていることだと思います。

柿沢委員 しつこいようですけれども、先ほど、昭和四十七年政府見解で、まさに他国の防衛を目的とするいわゆる集団的自衛権は憲法上認められない、こういうこと、いわゆる集団的自衛権は認められないけれども、今回、集団的自衛権として、国際法上は集団的自衛権が根拠であるという、ここの部分の集団的自衛権については、行使容認ということで、閣議決定をそうした思いでサインをされたという理解でよろしいですね。

太田国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、また、指摘がここでされておりますように、四十七年の政府の見解というものの、三つに分かれるということが、何回もきょうはここで出しておりますが、二番目の論理というものを踏まえて、その当てはめということの中で、これが、新三要件というものが出ているということでございます。

柿沢委員 ここにおいて、集団的自衛権について二つの別のものがあらわれてきているというふうに思うんです。

 先ほど来、政府見解として、昭和四十七年の見解に示されている、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とする、つまり他国を守る権利としての集団的自衛権、これは憲法上許されない、これは変わらないと。それで、今回閣議決定で認められるものは、国際法上、集団的自衛権が根拠となる場合がある、この集団的自衛権については認めると。

 いわゆる集団的自衛権というのがあって、今回の集団的自衛権というのがあって、こっちはだめでこっちはいい、こういう話ですか。わかりにくいと思うんですけれども。

安倍内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、憲法の解釈との関係、あるいは国際法との関係、そしてまた、それとは別に、防衛政策としての議論があります。今行っているのは、防衛政策としての議論ではなくて、憲法との関係の議論と国際法との関係の議論だろう、このように思うわけでありますが、憲法との関係においては、いわば四十七年の見解において述べられている、「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されない。」「その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最少限度の範囲にとどまるべきものである。」というのが政府の四十七年見解の基本的な論理でありますが、引き続きこれは維持をしているわけでありまして、これを維持し、新三要件の中に書き込まれているわけであります。

 その中において、国際法上、いわば、この「必要最少限度の範囲にとどまるべきものである。」という中において集団的自衛権の行使と解されるものがあるというのが今回の閣議決定であるわけであります。

 同時に、我々は、国民の命を守り、そして幸せな生活を守るという当然の責務があるわけでありまして、その中において、当然、安全保障政策を深めていく中において、今回、正面からこの問題と向き合い、議論を重ねてきた結果、今回の閣議決定に至ったわけでございますが、これをもって直ちに自衛隊が行動をとることはできないわけでありまして、その根拠となる法律をつくる、あるいは法改正をするために、法律をつくり、そして国会に提出をさせていただき、議員の皆様に御議論をいただきたい、このように思うところでございます。

柿沢委員 要は、この閣議決定、正面から議論をしたと言うけれども、しかし、集団的自衛権という言葉は、七ページの閣議決定本文の最後に、「国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。」こう書いてあるだけですね。これを正面から議論した結果だということでありますが、いずれにしても、いわゆる集団的自衛権の行使容認なんですかと聞けば、安倍総理はノーだと答える。そして、今回は集団的自衛権の行使容認なんですかと伺えば、それはイエスだということになる。この二つの集団的自衛権という六文字が、違う定義で今浮遊しちゃっている、こういう状況になってしまっていると言わざるを得ないと思います。

 また、今回の閣議決定では、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合、我が国は攻撃されていなくても、自衛権の行使として、武力の行使が認められると書いてあるわけです。

 一方で、現行の自衛隊法七十六条の防衛出動の要件を見ると、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態だけでなくて、武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態とも書いてある。つまり、我が国への攻撃が発生していなくとも、明白な危険が切迫していれば、武力の行使は今でも認められているわけです。

 先ほど、事実上、我が国が攻撃され、侵害されたのと同じとみなせる場合というようなお話も御答弁としてあったと思います。今までの憲法解釈を変えていない、その枠内だということになるとすると、この三要件にある要件と、今御紹介した自衛隊法七十六条の明白な危険が切迫している場合というのは、基本的に同じものだというふうにみなさざるを得なくなると思うんですが、御見解を防衛大臣にお尋ねしたいと思います。

小野寺国務大臣 御指摘があります現行の自衛隊法第七十六条一項の武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態とは、防衛出動、いわゆるおそれ出動と私ども呼んでおりますが、その下令に関する要件であります。防衛出動を命ずるに当たっては、武力攻撃事態対処法第九条に基づき、原則として事前の国会の承認を求めるということになっております。

 一方、今御指摘があります新三要件の第一要件にあります、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合というのは、他国に対して発生した武力攻撃により生じる結果に着目をして、我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置としての武力の行使に関する要件ということで、別物だというふうに理解をしていただければと思います。

柿沢委員 そうすると、先ほどの、我が国に対する武力攻撃というか侵害が直接的に発生をしたのと同じとみなせるということとはどういう関係性になるのかなと、これはちょっと議論を深めていきたいところもございます。

 次に参りまして、事例集の十五事例ですが、この検討を我々もしてきましたけれども、集団的自衛権に当たると言われる八事例については、私たちは、いずれも個別的自衛権で対応可能であるんじゃないかというのが結論です。

 例えば、下の事例九にあるような、我が国近隣での有事で、アメリカの艦船が武力攻撃を受けている事態というのは、そのすぐ近くにある、アメリカの同盟国で在日米軍基地を有している我が国に対する直接の武力攻撃にいつ発展したっておかしくない事態だと思います。そのようなときに米艦防護をするというのは、これはいつ次の瞬間に在日米軍基地にミサイルが飛んでくるかわからないわけですから、我が国への直接の武力攻撃の切迫した危険を排除する、個別的自衛権の行使というふうに考えられるのではないかというふうに思います。

 少なくとも、過去の政府見解や答弁を山のように書いてきた柳沢元官房副長官補はそのように考えておられるようですけれども、なぜそれではいけないのかということをぜひお尋ねをさせていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 先ほども述べておりますように、憲法との関係あるいは国際法との関係で整理をしなければならないわけでありまして、憲法との整理においては、我々は、新三要件というものを新たにつくったわけであります。それを四十七年見解に当てはめたわけでありまして、規範性は変えていないわけでございます。

 他方、今、柿沢議員が議論しておられるのは国際法上の位置づけであろう、このように思うわけでございます。

 日本の領海ではない海において、公海において米艦が攻撃を、近海であれば攻撃をされればそれは我が国事態だというのは、それはまさに公海も領海だというようなものでありまして、これは非常に、むしろ私は乱暴な議論になるんだろう、このように思うわけでございます。

 これは、国際法上の切り分けとしては、公海上、我が国の領海ではなくて公海において行われている。しかし、もちろん、今、柿沢議員がおっしゃったように、それが発展して我が国事態になるという可能性は非常に高いと思いますよ。であるからこそ、これは新三要件に当てはまってくるという可能性は大変高いと思うわけでありますが、国際法上は、これは我が国事態ではなくて、あくまでも米国の船に対する攻撃であり、そして要請があれば、これは集団的自衛権の、国際法的には解釈となる、そして法制局もずっと、これは集団的自衛権に当たり、できない、こう答えてきたところであります。

柿沢委員 先ほど、昭和四十七年見解について、いわゆる集団的自衛権という話を何度もさせていただきましたけれども、まさに先ほどの国際法の学説上でいえば、他国防衛説に立って他国を防衛する、そのことが集団的自衛権だという理解のもとで、今まで集団的自衛権の行使はできない、こういう話をしてきたわけです。このハードルを今回下げて、集団的自衛権の世界に入っていこうとしている。我々は、日本を守る、我が国の安全を守るための活動だということでいえば、まさに個別的自衛権の範疇として解すことができるではないかという考えを持っています。

 事例八をよくパネルで出されますけれども、事例九と事例八というのは、よくよく見ると、どこに違いがあるかというと、日本人のお母さんや子供たちが乗っているか乗っていないかの違いでしかないんですよね。結局、日本近隣の有事で、アメリカ、同盟国の艦船が武力攻撃を受けているときに日本が助けていいかいけないかというカテゴリーでは、何ら変わらないんです。これを二つ並列して並べて、しかも八番の方だけを強調するということ自体も、何か、集団的自衛権という世界に踏み込んでいくためのものではないかというふうに見えてしまう部分があります。

 安倍総理が記者会見で言っておられる事例、十五事例として政府が示した事例について、私は、自衛隊がこういう活動をやることについて本質的に異論があるわけではないんです。しかし、それを、私たちが言っているように、自衛権の行使の範囲の適正化、そして極力個別的自衛権の範囲ということにおさめることが、私は考えるべきことなのではないかというふうに思います。

 次のパネルを出していただきたいんですけれども、これまで安倍総理もおっしゃってきたように、今まで、憲法解釈で憲法九条やあるいは自衛権についての政府の見解を修正してきたというのは、今回が初めてなわけではありません。例えば、かつては、米軍基地の提供ということだって国際法上は集団的自衛権に当たる、こういう政府の答弁があった。まさに岸総理がそのように答弁をされているわけです。これを、いわば時代に合わせて明文改正、憲法の改正を行わないまま変更してきたということをこれまでやってきたわけですね。

 では、今回、一方で、なぜこんなに歴代内閣法制局長官が口をそろえて、こんなことはできませんと言っているのかということなんです。パネルで出させていただいたとおり、一人を除いて、過去四代の内閣法制局長官、小松長官、直近の方は安倍総理が御指名された方ですから、とりあえず外すとして、阪田さん、宮崎さん、山本さん、この三人とも、本当に、表に出て、こんな解釈変更は憲法上認められない、こういうことを口をそろえて言っておられるわけです。

 これまでの解釈変更と今回のものと、なぜこんなにも違うのか、こういう反応を引き出してしまうのか、安倍総理はどうお考えになられていますか。

安倍内閣総理大臣 歴代の長官の御発言について、私は論評するつもりは全くございません。

 私たちがやるべきことは、国民の命を守り、国民の幸せな生活を守るために何をなすべきかという議論をすべきだ、このように思っています。

 そして、国際情勢は随分変わってきました。先ほど申し上げましたように、憲法との議論があり、そして国際法との議論があり、そして大切な安全保障政策があります。この中でどう整合性をつけながら、国民の命を守り、そして幸せな生活を守り、切れ目のない防衛体制をつくっていくかということが私たちに課せられた使命であろう、このように思うわけであります。

 いわば、法制局においては、専らこれは憲法との関係において議論をしているんだろうと思うわけでありますが、その中で、私たちは、憲法の規範を変えずに、整合性そして法的安定性をしっかりと担保した上において今回の閣議決定を行ったところでございます。

 午前の議論において北側委員が大変わかりやすくパネルで説明をしていただいた、このように思います。米艦防護においても、個別的自衛権でできるものもあります。そして、これはもう事実上我が国事態への着手に近いという形で米艦を防護できる、公海上においても、我が国事態になっていなくてもという事態も確かにあるでしょう。しかし、それはもう本当に、接続水域の中で、我が国の領海に近くて、さまざまな要件が重ならなければできませんねということであります。

 切れ目のないものにしていくために、我々は、その中にはやはり当然できないところもあるわけであって、これをそのまま放置すればまさに三要件に当てはまるという世界もある、こう考えたわけであります。

 それはもちろん、そうしょっちゅうあるわけではありません。事実、私たちの個別的自衛権だって、これは自衛隊ができてから六十年間行使をしていないわけであります。しかし、だからといって、なくていいのかということではなくて、自衛隊が存在することによって抑止力がある、これは日米同盟も同じであります。

 そこで、今委員がおっしゃっているように、国際法的にはどう見えるかということにおいて、いわば、憲法との関係、今までの議論にだけこだわって国際法上非常識なことをするのか、あるいはまた、そこにすき間があってもそれは放っておくのかということを我々は考えたわけでありまして、そうするべきではないということで、今回は、すき間のない、そして国際法上も十分に議論にたえ得るものをつくっていこう、こういうことでございます。

柿沢委員 この歴代内閣法制局長官のコメントを、いわば、憲法を守って国際法上非常識なことを言う、こういうふうに論評されたかのようにも聞こえたわけですけれども、彼らも法の番人として、まさに内閣法制局長官として、憲法解釈を、有権解釈をしてきた、そうした立場の方々で、その職務に関しては一定の経験も、またプライドもお持ちなんであろうと思います。

 そういう意味では、これから、きょうはちょっと時間が足りませんでしたけれども、ぜひ、こうした皆さんも参考人としてお招きをして、御意見をお伺いしながら、正しいとるべき道とは何なのかということの議論を深めていきたいというふうに思います。

 委員長、お取り計らいをお願い申し上げます。

二階委員長 理事会に後刻お諮りします。

柿沢委員 では、次回の質疑もぜひよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

二階委員長 この際、今井雅人君から関連質疑の申し出があります。松野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。今井雅人君。

今井委員 日本維新の会・結いの党の今井雅人でございます。会派三番目のバッターということで、よろしくお願いします。

 私は、今、国際情勢が非常に変化しておりまして、それに日本も対応する必要があるということはもう十分承知しておりますし、それはぜひやるべきだというふうに考えておりますけれども、先ほど、午前中、海江田代表、民主党の代表のお話にもありましたけれども、やはり、国民が、何だかよくわからない、何となく気持ち悪い、こういうのが非常に今広がっているということだと思います。

 世論調査にも出ますけれども、地元に帰って、今週も、国政報告会をやっておりますと、やはり女性の方の慎重な意見が非常に多いのと、もう一つ驚きますのは、戦争を経験しておられる方、こういう方の反対が非常に強いです。このことを我々は本当に重く受けとめなきゃいけないと思っているんですね。私たちは戦争を経験していない世代ですから、戦争を経験した人たちのあの慎重な意見、態度、このことをないがしろにしては決していけないというふうに思っております。

 そこで、我々がやるべきことは、まず、今回のことについてよく国民に理解していただく、その努力をする、その時間を十分とる、これが一つと、もう一つは、やはり、これが戦争にいってしまうんじゃないか、歯どめがしっかりきいているのか、このことを大変皆さんが心配しておられるわけですね。そういうことはないんですということをきちっと、歯どめをかけていく、あるいは歯どめをかけられていることを確認する、このことが大事だと思いますので、この観点で質問をしたいんですけれども、先ほどからの答弁を聞いていると、この件に関して非常に不安になっています。

 二点ありまして、一つは、やり方の、手続の問題です。それからもう一つは、内容なんですけれども、先ほど岸田外務大臣が、日米同盟の信頼が毀損されるようなことがあったら、これは三要件に入ると。非常に危険な発言だなと私は思いました。

 そこで、ちょっと思い出したんですけれども、先週、安倍総理がオーストラリアに行かれまして、国会で、議会ですか、発言をされていますが、そのときにこういうふうにおっしゃっています。

 今まで安全保障に関しては日本は長く内向きだった、それから、地域と世界の平和を増すための貢献をこれから行う、なるべくたくさんのことを諸外国と共同してできるように法整備していきます、こういうことをおっしゃっておられて、まあ、外国だから仕方がないとはいえ、自衛のためだという言葉はどこにも入っておりません。

 この文章だけ見ると安全保障のことのように私は読めてしまうんですけれども、まず、海外でここまで踏み込んだ発言をされると大変誤解を受けるんじゃないかなと思いますけれども、この点についてどうお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 豪州とは、安保協力を進めていきます。事実、私が参りまして、防衛装備品、技術協力協定を結びました。この協定があって初めて前に進んでいきます。これがなかった、今まで。こういうことも含めて、豪州において私は演説を行ったわけであります。

 こうしたものがしっかりと進んでいくことによって、日豪でさまざまな協力ができます。これは情報の共有もそうです、インテリジェンスの協力もそうです。こうしたものが、まさに日豪において飛躍的に進んでいく。こうしたことも含めてお話をしている。これはまさに安全保障ですよ。こういうことをちゃんとやっていこうということになるわけであります。

 また、今回、例えばPKOについても、いわば我が国の派遣されたPKOで活動している自衛隊の皆さんが、一緒に汗を流している部隊の方々が危険に陥ったときに駆けつけて警護できるかどうか、あるいはNGOの人たちを守ることができるかどうか。それを守ることができるようにしようというのは、まさに安全保障上、いわば国際貢献において今までとは違うことをやっていこうということになるわけでありまして、そのことについても我々は前に進めていこうということにしたわけであります。

 そして、豪州側にはもう丁寧に説明もしておりますし、先般、日本に来日をされた際にも、二晩、食をともにし、また首脳会談もしまして、今回は、三日連続食事をともにして、五時間、二人で飛行機にずっと乗っていたわけですから、十分にこの説明もしているわけでありまして、日本ができないことについてもお話をさせていただいているわけでございます。

 そういう中において、豪州からも、日本がしっかりと世界の中で貢献もしていくし、抑止力も高めていくことによって、それはすなわち地域の平和と安定にもつながっていくということについて、称賛され、高く評価をされている、このように思います。

岸田国務大臣 先ほどの私の発言について御指摘がありました。

 先ほどのやりとりですが、要は、新三要件の適用の問題について議論が行われる中で発言をさせていただいたわけですが、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合に、いかなる事態が、この原則の中にあります、「これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」に該当するか。

 これにつきましては、現実に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して、客観的、合理的に判断することになると認識をしておりますが、その中にあって、先ほど申し上げました、日米同盟に基づく米国の存在及び活動は我が国の平和と安全を維持する上で死活的に重要であることを前提にすれば、このような米軍に対する武力攻撃は、それ以外の国に対する武力攻撃の場合に比較して、この「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」につながる可能性が高いと考えられる、こういった趣旨で申し上げたわけであります。

 いずれにしましても、その具体的な判断に当たりましては、事態の具体的な状況、攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、また、規模、態様、推移など、要素を総合的に考慮して、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることになる犠牲の深刻性あるいは重大性、こういったことから新三要件を満たすかどうかを判断する、これが基本的な考え方だと承知をしています。

今井委員 長く説明していただきましたけれども、これは個別の話をしないと、多分、きょう聞いている皆さんもよくわからないと思いますので、また後で少し、ちょっと質問したいと思います。

 総理、今回もちょっと私は少し違和感があったのは、きょう実は予算委員会で、丁寧な議論をこれからしていくということなんですけれども、やはり、それより前にオーストラリアの議会へ行ってこういうことをこうやって発言されると、これは国会軽視しているのかというふうに私は感じます。皆さんどう感じているかわかりませんけれども、やはり、こちらでしっかりと審議をして、国会の場で議論して、それで海外にそういうことを宣言してくるというのが順番であって、海外で先に言ってきて、では、後で国会で審議をしましょうと、この順番は私は少しやはり乱暴だと思うんですね。

 先ほど、まだ十分皆さんが納得していないという話があったときに、いや、集中審議もやりましたと。一回ですね、一回。そのほかのところでも、いろいろな場所でこうやって転々と議論をしているだけで、まとめてこれだけの基本的な大きな変換に対しての集中的な議論をしっかりやったことがないんですよ。

 ですから、今から、私は、今までのことはいいですけれども、でも、総理、ここまでやっても今まだみんながわかっていない、よくわからないという国民の声がある以上、十分じゃないということなんです。それはそうですよ。

 ですから、これから、私は、うちの小沢委員もいつも申し上げていますけれども、ぜひこういうのは、本来であれば特別委員会をつくるのがいいんだと思いますけれども、個別の……(発言する者あり)ちょっと待ってください。個別の法律がない場合は、やはり憲法審査会で次の臨時国会もしっかり議論していただきたいんです。そうしないと、その次に恐らくまとめて個別法案がどおんと出てくるわけでしょう。先ほどの、その個別法案のところで議論すればいいとおっしゃっていましたけれども、そもそもの基本法ですよ。基本の部分のところをしっかり議論して、それから個別法のところの議論をしていかないと、最初のところがすっ飛んでしまうと、またわからなくなる。

 ですから、先ほどもお話ありましたけれども、総理でありながら、もう一つは与党の総裁でありますから、政府・与党一体でありますので、ぜひ、次の臨時国会でも、憲法審査会で結構です、しっかりこの議論をしていただきたいということを御指示していただきたいんです。よろしくお願いします。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 行政府として、政府が日々の権限の行使を行うに当たり、その前提として、憲法を適正に解釈していくことは当然必要なことであります。このような行政府としての憲法の解釈については、最終的には、行政権の帰属主体である内閣がその責任において行うべきものであります。これは、憲法六十五条によって、「行政権は、内閣に属する。」こう書かれているところでございます。

 集団的自衛権を初めとする安保法制に関する問題については、国会において、五月中旬以降だけでも延べ七十名の議員の方から質問がありました。きょうもさまざまな議論をいただいておりますが、重複するものも随分あったのではないか、このように思うわけでありますが、政府としても、丁寧に説明を行うとともに、こうした議論も踏まえながら検討を行ってきたところであります。

 政府としては、今回の閣議決定を踏まえ、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法案については、十分な検討を行い、準備ができ次第、国会に法案を提出し、国会において御議論をいただきたい。つまり、具体的な法律にし、そしてまた、これはグレーゾーンから武力の行使に至るものまで幅広いものになりますが、この全体像をお示しする、具体的に。

 今、閣議決定においては閣議決定として行いましたが、閣議決定の御議論について、今回、きょうとあすにおいて集中審議を行います。また、集団的自衛権に関しては、既に集中審議も行われましたし、事実上、予算委員会から随分議論も行ってきたわけでございますが、具体的には、まさに個別の法律をしっかりとつくって、個別といっても、これは全体像をお示しする形で法律を一括にお示ししたい。そして御議論をいただくことになりますが、憲法審査会のような場で議論を行うかは、これは国会でお決めをいただきたい、このように思います。

今井委員 与党の皆様は、もう十分やったろう、そういう御意見、わかりますけれども、ただ、国民がよくわからないと言っているのは事実ですから。これは紛れもない事実でありますので、そのことはやはり真摯に受けとめていただきたい。だから、そこはやはり、わかったというところまでしっかり進んでいただきたいというふうに思います。

 次に、先ほどから集団的自衛権の話が出ておりますので、ちょっとその話をお伺いしたいと思います。

 七月一日の閣議決定の後に、会見で、安倍総理は、今回は、集団的自衛権が現行憲法のもとで認められるかどうか、そういう観念的あるいは抽象的な議論ではなくて、それぞれの個別の事象についての議論であるというふうにおっしゃっておられましたけれども、今まで、七二年には一つ解釈がある、そして八一年の解釈のつながりの中で、集団的自衛権は保有しているけれども、保持しているけれども行使できないという、つまり、憲法が集団的自衛権の行使を認めているか認めていないか、この議論をずっと積み上げてきたわけですね。

 ですから、憲法下で認められるか認められないか、そういう観念的な議論ではないというのは、私はちょっと意味がわからないんですけれども。今までそういう解釈がどうだということを積み上げてきたわけですよね、それを何かほごにするような言い方に聞こえなくはないんですが、真意を教えていただきたい。

安倍内閣総理大臣 国民にわかりやすい議論をということをおっしゃいましたね。国民にわかりやすく御説明するというのは、いわば解釈の積み上げにおいてこれをわかりやすく説明していくというのは結構大変なことなんですね、これは抽象概念ですから。抽象概念で、これは、抽象概念の積み重ねが、残念ながら、実際の防衛政策とは少し違う議論になっているということは委員もお認めをいただけるのではないかと思います。

 これは、国際法の世界があります、そして憲法解釈の世界があって、実際はその中において防衛政策があるわけでございますが、日本は憲法九条があります。かつまた、自衛隊について憲法には書き込まれていないわけでありますし、自衛権についてもシビリアンコントロールについても、これは書き込まれていないわけでありますし、自衛隊の存在も書き込まれていない中において、解釈の積み上げでやってきたわけでございます。その中において、我々は閣議決定も行いましたし、新三要件、これは憲法との関係においてしっかりと我々は議論してきていると思います。

 しかし、国民の皆様にそれは何を意味するのかということについて御説明するときには、やはり個別の事案において、何を私たちはやろうとしているのか、それによって何をやろうとしているのかということでありまして、抽象的な世界を突破することを目的、概念の世界を突破することを目的としているのではなくて、国民の命と平和な暮らしを守るためにやらなければいけないという中において、それは、憲法十三条あるいは前文との関係において、国の平和生存権、あるいは国民の命、自由、そして幸福追求権を守るという中において、許されるものの中に入るのではないかという中において、事例として説明をしたわけでありまして、それを、当たり前でありますが、全部否定しているわけではもちろんありませんが、国民の皆様に説明する際に、私たちが何を意図しているのかということについて強調したところでございます。

今井委員 であれば、もう十分しかありませんけれども、今までの議論を少し整理したいと思うんです。

 かつて、これまでの解釈というのは、個別的自衛権と集団的自衛権というところに線を引いて、ここが分かれていますというふうに今までは解釈、運用してきた。今回は、個別的自衛権と集団的自衛権の線のところを、集団的自衛権の方にひゅっと軸を一本ずらして、集団的自衛権の中、これは国際法上は一つなんだと思いますが、この中を二つに区切って、こちら側の場合は憲法上認められます、こちら側は憲法上認められません、こういう議論をしておられると思うんですね。

 先ほど、後ろで公明党の議員さんが、いわゆる集団的自衛権としきりに、七二年のときのいわゆるというのをおっしゃっておられましたけれども、法制局長官にお伺いしたいんですが、集団的自衛権というものといわゆる集団的自衛権というもの、いわゆる集団的じゃない自衛権、つまり、集団的自衛権の中には、いわゆるといわゆるじゃないというもの、二種類ある、そういう解釈をしていらっしゃるということですか。

横畠政府参考人 まず、前提としてお話ししなければならないのが、個別的自衛権あるいは集団的自衛権という概念は国際法上の概念でございまして、区別するメルクマールとしては、自国に対する武力攻撃が発生しているか、そうでない場合かというところで分けているという整理でございます。目的が自国防衛であるか他国防衛であるかという目的で分けているものではないと承知しております。

 その上で、憲法上でございますけれども、憲法上は自衛権という言葉すら書き込まれていないということでございまして、憲法上は、国際法上の概念といいますか、国際法上どのような根拠でそのような武力の行使が許されるかということを根拠として、憲法上一定の行為が許されるという考え方ではございませんで、憲法自身、一見するとあらゆる武力行使を禁じているように見えますけれども、さすがの憲法も、自国の存立が脅かされ、国民が犠牲になるという場合において、そういう究極の場合において必要最小限の武力を行使することができる、それが四十七年政府見解の基本的な考え方でございまして、その考え方の中にどういう事態が当てはまるかということにつきまして、繰り返しになりますけれども、これまでは我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるという認識だったわけでございますけれども、それに加えて、今回の三要件を満たす場合、そのようなものも、同じような状況といいますか、我が国が憲法のもとで武力の行使を許される場合に当たり得る、そういう整理をしたところでございます。

今井委員 さすがの憲法の解釈をしていただきましたけれども、ちょっとまだよく、わかったような、わからないような説明でした。

 私が何を申し上げたかったかというと、先ほど、どこに歯どめがかかっているかということが一番これは大事だというふうに申し上げたんですけれども、ちょっと私の理解が間違っていたのかもしれませんが、今ここで、閣議決定されたこと以外はやはり憲法九条に抵触するので、これは憲法を改正する必要がある、そういう御説明が先ほどありましたし、高村副総裁も記者会見でそうおっしゃっておられましたし、内閣法制局長官もそのような発言があったんですけれども、その歯どめになっている部分が一体何かというところが曖昧になってしまうと、結局、右でも左でも軸がずれてしまうという、このことが一番心配なんじゃないかな、国民は何となくそこが一番心配なんじゃないかなと私は思うんですね。

 先ほどからの質疑を聞いている中で、これまでの委員の皆さんから御指摘がありましたけれども、新三要件にとにかく適合していれば集団的自衛権も行使できるし、あるいは集団安全保障にも参加できるしというような御答弁があったと思うんですけれども、もう一度確認しますけれども、例えば多国籍軍への武力参加、これは場合によっては現行憲法下でもできるということなんでしょうか。その三要件を満たしていればできるということなんでしょうか。ここを明確にしていただきたいんです。

安倍内閣総理大臣 多国籍軍、例えばこれは湾岸戦争のようなケースを想定しておられるんだろう、このように思います。

 そこで、新三要件には、我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、こう書いてあるわけでありまして、まさにこれで判断するわけでありますが、いわば、今まで申し上げているように、武力行使を目的としてイラク戦争あるいは湾岸戦争のような戦闘に参加することはない、これはこれからもないということは明確であります。それは、そもそも、この第三の要件、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことを超えているということになるわけであります。

 そして、その中において、海外派兵についても一般には行わない、こう申し上げておりましたが、しかし、例えば機雷の掃海については、これはその可能性について先ほど議論の中で申し上げてきたところでございますが、まさに地上に上がっていって都市を攻撃したり占領したり、他国の軍隊と交戦をしたりあるいは空爆を行ったりということは、当然それはしないということは明確であるということは申し上げておきたい。それは新三要件には反するということでございます。

今井委員 大変大事なことをおっしゃったと思いますけれども、いかなる状況になっても、これは必要最小限を超えているので多国籍軍への武力参加はしないと今付言されましたけれども、もう一度確認します、それでよろしいですね。

安倍内閣総理大臣 今申し上げましたように、機雷の掃海あるいは艦船の保護ということはありますが、しかし、一般には海外派兵はしないということを申し上げているわけでございます。

 機雷の掃海は、機雷の掃海というのは非常に明示的な例でありますが、これは受動的そして限定的な行為になるわけでございますが、いわば他国の軍隊と共同のオペレーションで、一つの作戦でどこかの都市を攻撃したりその国の軍隊と戦うということは、これはないということは申し上げておきたい。しかし、機雷の除去においては、国際法的には武力の行使、戦闘行為に分類されますが、それは極めて受動的であり限定的なものである、こういうことでございます。

今井委員 受動的であろうと限定的であろうと、武力行使は武力行使でありまして、受動的というのは、きょう、ちょっと私初めてそういう言葉を聞いたんですけれども。

 今、機雷掃海は受動的とおっしゃっていましたが、では、今後も、これは受動的だから許される、そういうものが出てくるんでしょうか、機雷掃海以外にも。そういうケースというのは想定されるんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 この三要件に当てはまる、相当これはハードルの高い三要件でありますから、さらに機雷掃海においても、この三要件に当てはまらなければ掃海はできません。

 そして、いわば一般に武力行使は行わないという中に当てはまらないものについて今私が思いつくものは、いわば機雷の除去と船舶を守るということなんだろう、このように思います。

今井委員 ちょっと納得できないんですけれども、では、また新しいケースをお伺いしたいと思います。もう時間がありませんので、最後に岸田大臣に、ちょっと先ほどのケースをもう一回お伺いしたいんです。

 ちょっと飛躍した議論をするかもしれませんけれども、日米同盟を、要するに信頼を毀損するという場合、例えば、ほかの国に攻撃するときに、アメリカが日本に参加してくれということをお願いして、日本は、いや、それはできませんということを言った、そういう拒否をしたことで、結局、そのことによって日米の同盟関係に、信頼に傷がついて、それをめぐりめぐると日本の国益を害する、そういうケースだってひょっとしたらあるかもしれませんよね。でも、それは、直接日本は攻撃を受けているという認定はできないわけですけれども、そういうケースにおいては決して日本はアメリカの要請を受けない、こういうことでよろしいですか。

岸田国務大臣 おっしゃるように、このたびの閣議決定、我が国の対応につきましては、我が国の国民の命、そして暮らしを守る、このために我が国政府としてどう対応するべきなのか、こういった問題意識で議論を行っています。そして、そのために新三要件という要件を定めた次第です。これに該当しない行動について、我が国が対応することはあり得ません。

 それ以外の行動に対しましては、政府の責任においてしっかりと断る、我が国の考え方を示す、これは大事なことだと思っています。

今井委員 時間になりましたから終わりますけれども、やはり、まだ国民は、本当にこれで歯どめがきいているのかということは十分じゃないと私は思いますので、ぜひ予算委員会もまた開いていただきたいですし、その後も十分審議をしていただきたい、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

二階委員長 これにて松野君、柿沢君、今井君の質疑は終了いたしました。

 次に、山田宏君。

山田(宏)委員 次世代の党の山田宏でございます。

 きょうが次世代の党にとりましては最初のデビューということになりますので、よろしくお願いを申し上げます。(パネルを示す)

 さて、日本維新の会が分割され、私たちは、今掲げる三つの理念を大事にする政党をつくろうということで、自立、新保守、次世代ということで、次世代の党の名前は、英語で言った方が早いんですけれども、ザ・パーティー・フォー・フューチャー・ジェネレーションズ、将来の世代のための政党ということであります。

 我々、この三つの理念はどう関連しているかというと、やはり、日本再生の道は、福沢諭吉が言うように、一身独立、一国独立だ、この精神を大事にした国づくりをしようということで、自立というものを掲げています。個人が自立すること、地域も自立していくこと、国家としても自立していくこと、そういう国づくりを目指していこうということであります。

 しかし、自立、自立といっても、そう簡単ではありません。私たちはやはり、まず日本の国柄、伝統、文化、長い歴史に培われたこういったものを大事にする、または過去に感謝をすることから始めなければいけない、こう思っております。過去に感謝をすることを通じて、過去に感謝ができれば、将来への責任感が湧いてきます。ああ、昔の人がこうしてくれたから今があるんだな、そうしたら将来はこうしていこう、こういう将来への責任感が湧いてくる。将来への責任感が湧いてくる、これを次世代のためにと言うんですが、そして、将来への責任感が湧けば、今度は今の時代ですね、今の時代の我々に力がみなぎってくる、こういう形になっているわけです。

 過去への感謝があり、将来への責任感が生まれ、そして現在の我々の世代が力を発揮できる、これが私は人間社会というものだと思うんです。これらを大事にした国をつくっていこうということであります。

 ですから、国としても、過去への感謝というものが生まれやすいような国づくりをしないと、どうせこんな国に生まれたんだということになれば、唾は吐くし、落書きはするし、治安は悪くなるわけです。

 そういった意味では、自国の歴史の負の部分を殊さら強調して、正の部分というものを過小評価して、日本をおとしめるような歴史を子供たちに伝えてはならないと思うんですね。

 ましてや、時の権力者が、事実ではないこと、事実と確認されていないことを、当時の外交状況の中で我が国のうその歴史をつくり上げていくということについては、断固として我々は反対であります。

 そういった中で、河野談話の問題について、まず取り上げたいと思います。

 河野談話につきましては、私が二月の二十日に石原信雄官房副長官へ御質問をさせていただき、政府として、この作成過程についての検証結果を報告するということで、約束を果たしていただきました。ありがとうございました。

 そして、報告書を読ませていただきました。

 この報告書によると、この報告書が出た後、当の河野元官房長官はいろいろなところで、テレビにお出になり、新聞のインタビューにも答え、そして、安倍総理の地元でもある山口市にも行って講演をなさいました。その中で、政権が談話を継承する以上、それ以外の発言は不規則発言だと総理がはっきり言わなければいけないと。不規則発言、私も不規則発言なんだ。やじなんだ、これは。

 冗談じゃないですよ。本当のことを言ってやじ呼ばわりされたらとんでもない、こう思うんですけれども、この発言、総理はどう受けとめられますか。

安倍内閣総理大臣 私自身、河野元総裁の発言を確認しているわけではございませんが、今回、山田委員が石原信雄元官房副長官に質疑をされたものを受けて我々は検証したわけでございまして、河野前総裁は、あの検証について足すものも引くものもない、このように述べられたということは承知をしております。

山田(宏)委員 その検証報告書の中で、一番これは、私は、この報告書を正しいと河野さんがおっしゃっておられるならば、やはり断固として解明しなきゃいけない問題があります。

 それは、この検証報告書の中では、この河野談話ができる過程の中においては、政府は、官憲による全般的な強制性、または強制連行などというものはなかった、確認できなかったということを前提に、ぎりぎりの交渉をしていたんですよ。私はあの河野談話を認めませんけれども、しかし、ぎりぎりの交渉の中でできた妥協の産物なんですね。

 ところが、強制連行を認めないというふうなスタンスで徹底的に事務局が頑張ってああいう形になったわけですけれども、そのことについて、発表した一九九三年の八月四日、河野談話の発表の日に、河野官房長官は、これはこの検証報告書に書いてありますから質問しますけれども、「同日行われた記者会見に際し、今回の調査結果について、強制連行の事実があったという認識なのかと問われ、「そういう事実があったと。結構です」と述べている。」これは、河野さんも述べたということを後で確認しています。

 これまでの談話は、強制連行はなかった、確認できなかったということを前提に、それなりにつくられたわけですけれども、それを、発表の当日、その当の本人が、強制連行はあったと。なかったとしていたものを、何で本人の意思で、あったなどということが言えるのか。これは絶対に本人に聞かなきゃわからないことなんですよ。そうですよね。

 なぜ河野さんが、なかったものをあったというような発言をされたと思いますか、官房長官。

菅国務大臣 私の立場で答えることは、これはできないというふうに思います。

 現に、山田委員がこの予算委員会の中で質問されて、石原当時の事務方の責任者が、強制的に募集することを裏づける資料はなかった、あるいは、その十六人の慰安婦の方、証言の事実関係を確認した裏づけ調査というものもなかった、さらに、日韓の間で何らかのすり合わせがあったんじゃないかという話もされました。

 そして、最終的にこの談話によって一応決着をして、少なくとも韓国政府はこの問題を再び提起することはなかった。当時はよかったんでしょう。しかし、時間がたって、またこういう問題が提起されることについて、本人は、日本の善意というものが生かされていないということを非常に残念に思っている、表現はこうであったわけですね。

 それを踏まえて、山田委員から、当時の談話を検証するようにということで、政府として検証させていただいたんです。

 そして、今回の検証の中で……(山田(宏)委員「もっと短くお願いします」と呼ぶ)ぜひこれは聞いていただきたいんですけれども、今言われましたように、強制連行は確認できないという認識に立ち、それまでの調査で判明した事実関係をゆがめることのない範囲で交渉した、そこも確認をされている。

 そして、私たち、第一次安倍政権の際に、政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった。ここはもう既に閣議決定をしていることでありますから、政府としてはなかったということを、河野発言が、会見の中でそういう発言をしていますけれども、政府としては、閣議決定の中で、強制連行はなかったということを既にもう閣議決定をしているということの事実が全てだと思います。

山田(宏)委員 河野談話がただ一つの、二十万人のアジアの少女たちを強制連行して日本軍の性の奴隷にしたという根拠なんです。これが根拠なんです。これが根拠で今ずっと言われているわけです、世界じゅうで。しかし、河野談話の中には強制のキョの字の文句もないんです。それを発表した本人が強制連行ということはありましたということを言っちゃって、それがスタートとなって今のこの状況になったんじゃないですか。

 幾ら政府がそうやって後から否定したって、今の状況は、河野さんがなぜありもしない強制連行があったと発言したのかというのを聞かないと、この言葉が原点になって、河野談話の解釈が韓国側からされて、そして、性奴隷になっているんですよ。ここが問題なんです。これを何とか、私は、河野さんに伺っていかなきゃいけない、こういうふうに考えているんです。

 今日の性奴隷の全ての原点は、この重大な河野官房長官の一九九三年八月四日の発言にあるということは、今回のこの検証結果の報告書でも明らかじゃないですか。

 この点についての総理の御見解を求めます。

菅国務大臣 いずれにしろ、河野元官房長官を国会に招致するかどうかということは、ぜひそれは国会で決めていただく話だというふうに思います。

山田(宏)委員 国会に呼んでほしいと言っているんじゃないですよ。官房長官が出した、政府が出したこの検証報告書の中に矛盾する内容が書かれていて、それが根本となって、今日の日本の不名誉になり、海外にいる日本人が、または日本の子供たちが肩身の狭い思いをして、毎日のようにそのことを恐れながら、時には泣いたりしているんじゃないですか。

 官房長官の検証報告書は、これは本当にすばらしい一歩だと思いますが、その中で、この河野さんの発言によって今日の性奴隷発言につながっているんだから。

 河野談話そのものは強制のキョの字も書いていなかったんです。その解釈を明確にしたのは河野さんの発言なんです。現在のこの問題で安倍内閣がすごく苦労されているのは、河野さんが原点じゃないですか。

 このことについてどうお考えなんですか。検証レポートを出した政府としてお答えください。

安倍内閣総理大臣 検証については、まさに今、山田委員が指摘をされたとおりでありますが、石原元官房副長官との議論を踏まえ、我々は政府として検証をまとめさせていただきまして、当委員会に提出をさせていただきました。この中で、河野官房長官が記者会見において今御指摘のような発言をされたということであるわけでございます。

 いわば、その中において、政府のチームが、河野談話を作成してきたチームの認識とはやや異なるという印象を当時チームとして作成してきた人たちも持った、河野さんの発言に持ったようでございますが、どのような認識で河野当時の官房長官がそうしたお答えをされたかということについては、私は承知をしておりません。

山田(宏)委員 私は、安倍総理も私も同じ気持ちだと思うんです、こういったことに対しての憤りは。ですから、安倍総理を追及するテーマではないのです。これは、御本人がここへ来てもらって御説明してもらわないとわからないことなんですよ、このことだけは。

 私は、今回、この衆議院予算委員会にかかわって、この河野洋平元官房長官の参考人の招致を要求いたしました。しかし、自民党側から、このことについては前例がないのでだめだという回答を受け取りました。

 しかし、前例、前例と言っていたら何も変わらないわけです。河野さんは、実際、さまざまな新聞、さまざまなテレビ、さまざまな会場に行ってこの問題について御発言なさっているんですね。本来は、やはり御本人が、国会に出て話させてくれ、または、もしかするとお話しになりたいかもしれないんですよ。それを、自民党側の判断だけで河野さんを呼ばない、こういうような判断というのは、私は承服しかねます。

 自民党は日本を取り戻すと言って選挙をしたんじゃないですか。これも取り戻してくださいよ、日本人の名誉のために。

 私は、そういった意味で、今回の検証の取りまとめ、これは大変評価をしています。この点で、特に今の点ですね、河野さんが勝手にひとりで強制連行を認めてしまったという、この点を初めて明らかにしたのがこの検証報告書です。これはもう本当に正しいことだったと思います。

 そして、その検証報告書を出した責任を果たすために、総理は、河野さんが何らかの形で国会に来てそういった御説明を果たすべきだと政治家としてお考えになりませんか。普通だったら、この検証報告書を見たら、やはり私は、時の総理としては、じくじたる思いだと思うんですよ。このじくじたる思いというものを私は共有していると思うんですけれども、どうお考えでしょう。

安倍内閣総理大臣 河野当時の官房長官がどういうお考えで記者会見で発言されたかは私も承知をしておりませんが、委員会において参考人として河野元官房長官が出席をするか否かについては、これは、私は自民党の総裁ではありますが、ここに立っておりますのは総理大臣として立って、行政の長として立っているわけでございますので、それはまさに当委員会において、国会においてお決めいただきたい、このように思います。

山田(宏)委員 それはわかっているんですね。政治家として、じくじたる思いはないですか。

安倍内閣総理大臣 政治家というのは日々、総理大臣でありますから、行政を行う中においては、これは思いどおりにならないものの連続でありますが、その中で最良の結果を出していくために何をすればいいかということをいつも考えているところでございます。

山田(宏)委員 この思いどおりにならない点は放置しておいたらだめだと思いますね。

 この問題は、御本人しか説明できないんです。御本人にもし何かのことがあったり、誰でも人間はどこかで生命を、有限ですから、そうしたら、誰もこの問題について発言できないまま、河野談話というものはいわゆる強制連行を認めたものだ、本人も言ってきたじゃないか、政府もその検証報告を出したではないか、そして何も言わなかったではないか、何もしなかったではないか、検証してそれが明らかになったのに何も手を打たなかったではないかと。こうなってしまったら、いつこの事態が起こるか、私は非常に心配なんですよ。

 その前に何とかしなきゃと言っているときに、私は今総理大臣ですから、私は立場上とか。それは確かに国会で決めることです。しかし、私は、やはりこの歴史の中に生きる一人の政治家として、安倍さんに期待しているんですよ。安倍さんしかできないんですよ、これは。多分、かわったら無理ですよ。

 ぜひ、安倍総理の間に前進をさせてほしい、この検証問題が、検証結果が安倍総理のときに放置されたということのないようにお願いしたいと思うんですが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 今回のこの報告書については、まさに山田委員と石原参考人との間で議論がなされ、そして、どういう状況において交渉がなされていたのか、あるいは強制連行との関係においてはどうだったのか、そして日韓関係を将来どのようにしようと考えていたのかということについて議論が行われたわけでございますが、そこで、実際に日韓であらかじめ打ち合わせはしていなかったのかどうかということも含めて、今回、検証をさせていただき、提出をさせていただきました。

 このように、さまざまな課題についてはしっかりと国民の皆様に、どういう経緯であったかということについても、今まで秘密とされてきたものについてもお示しをしていくことは、必要とあればお示しをしていくことは私たちの責務であろう、このように考えているところでございます。

山田(宏)委員 これはテレビで放映されていますから、河野さんもお聞きになっていると思いますが、言論の府の最高責任者を一番長くお務めになられました。桐花大綬章という立派な勲章もお受けになりました。

 私は、ぜひ、ここまで、自民党の中にもいろいろな意見があると私は承知しておりますが、ここはやはり、河野さん御本人が、言論の府の責任者をやった責任者としても、国会という最高の府で、みずからが長をおさめたこの府で、きちっとしたお話をしていただきたい。そして、その内容を、どんな内容でも、それは河野さんが経験されたことをきちっとここで証言なさってほしい。ずっとこの問題が続かないように、国会議長を務めたという自負を持って国会に出てきていただきたいと心からお呼びかけを申し上げます。

 それでは、集団的自衛権について移ります。

 今回、この集団的自衛権の問題は、我が次世代の党は、今回の政府の閣議決定を、これはいい閣議決定をされたというふうに、日本の平和と安全にとっても、それから地域の平和と安全にとっても、立派な御決断をされたというふうに我々は考えております。

 これは、日本維新の会が四月十六日に、政府に先立ち、日本維新の会の考え方をまとめております。(パネルを示す)

 これはちょっと字が小さくて申しわけないんですが、次世代の党と書いてあるものは、四月十六日、日本維新の会として発表したものですが、この内容、「「わが国と密接な関係にある国に対する急迫不正の侵害」があること」、そして「それが「わが国の平和と安全に重大な影響を与える」事態であること」、「侵害を排除するために他の適当な手段がないこと」、「合理的に必要な範囲の実力行使であること」、そして「1の要件を満たした国」、つまり同盟国ですね、「満たした国からの支援の要請があること」、先ほど国際法の説明がありました、「原則として国会の事前承認を要すること」。

 お隣が政府の考え方ですが、ほとんど一緒です。我々は四月十六日に発表しました。

 私は、今回の、日本を取り巻く周辺の環境を見たときに、どの国も、自分の国を自分で守れません。かつては、例えば例を出すと、地域の安全は警察官がいっぱいいて守ってくれたから、鍵だけ閉めていればよかったんですよ。ところが、警察官の数が減っていって、そしてだんだん危なくなってきた。そこで、近所同士が力を合わせて守っていこう、平和を維持していこう、こういうことをやっていく時代になったということです。これは集団的自衛権、これは自衛権ですから、みんなで一緒に守りましょうということは当然のことであります。

 その中で、憲法九条がどこまで、これは、九条、憲法のもとでやらなきゃいけませんから、どこまで認められるのかという最小限の条件として出された、これが新三要件です。先ほどから御説明になっていますから、私は、その点についてはよかった、こういうふうに率直に評価はいたします。

 しかし、何か政府の閣議決定を読んでいると、難しくてわからないんです。やはり、非常に読みにくい、わかりにくい内容だ、こう思っておりまして、もっと簡潔に、一枚にしてほしい、こう思います。

 しかし、私が幾つか心配になることがあります。

 一つは、これは憲法九条の解釈にかかわる閣議決定ですよね、集団的自衛権。解釈は変更したんですか、それとも変更していないんですか。二つに一つ、どちらでしょう。

安倍内閣総理大臣 今回の閣議決定における憲法解釈は、我が国を取り巻く安全保障環境が客観的に大きく変化しているという現実を踏まえて、従来の憲法解釈との論理的整合性と法的安定性に十分留意をし、従来の政府見解、これは昭和四十七年の政府見解でありますが、この見解における憲法第九条の解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための合理的な当てはめの帰結を導いたものでありまして、これは、従来の憲法解釈の再整理という意味で憲法解釈の一部変更でありますが、憲法の規範を変更したものではないわけであります。

山田(宏)委員 要するに、憲法解釈の変更、一部であろうが。何でも一部ですから、全面的というのはなかなかないんですね。憲法解釈の変更を行ったということでございますね。

安倍内閣総理大臣 そうであります。

山田(宏)委員 そこで、法制局にお聞きをしたいと思うんですが、法制局がこれまで憲法解釈を変更する場合の要件を言ってこられました。

 憲法解釈は変えてはならないというものではない、国際情勢やさまざまな諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮して検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であると認められると。

 至当という言葉もすごいですよね。やはり、もうこれがばっちり、そのとおりでなきゃいけないという、一〇〇%という意味ですね。

 至当であるという結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないものではない、こういうふうに言っているわけです。

 法制局にお聞きしますけれども、今回の憲法解釈の変更というものに当たって、法制局としては、何か、いろいろな政府との交渉の中で、注意点とか留意点とか、こういうことをお話しになったことはあるんでしょうか。

横畠政府参考人 今般の閣議決定は、去る五月十五日に安倍総理が示された基本的方向性に基づく与党協議の結果を受けて取りまとめられたものであり、昭和四十七年の政府見解を基礎とし、その基本論理を変えないということで、これまでの憲法第九条をめぐる議論との整合性を十分考慮したものであって、憲法の基本原則である平和主義をいささかも変更するものではなく、解釈の変更として可能な範囲内のものであるというふうに理解しております。

山田(宏)委員 今回、解釈を変更したという、その事由に当たるというふうに判断した、これまで答弁されてきたように、従前の解釈を変更することが至当であるという結論に法制局が達した根拠をお伝えください。

横畠政府参考人 もとより、この考え方につきましては、今後さらに国会における御議論を経て評価されることになると存じますが、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたが、昭和四十七年の政府見解で示された基本論理の枠内におさまっている、すなわち整合性が保たれている、そういう意味で、解釈によって可能なものであるというふうに考えております。

山田(宏)委員 全然答えていないんですよ。そう考えた根拠をお知らせくださいと申し上げている。根拠。短く。

横畠政府参考人 それは、まさに新三要件で、その要件が明確に示されているということでございます。

山田(宏)委員 違うんですよ。私は法制局をいじめようと思って言っているんじゃなくて、法制局は、国際情勢、安全保障環境など諸情勢の変化とか、それらの要請、さまざまな新しい状況を考慮して、解釈の変更が至当と認めるときは解釈変更を認める、こう言ってきたんですよ。そうでしょう。その諸情勢をどう法制局として、どういうふうに考えたら至当だと認められたのかということを聞いているんです。

 もっと言えば、ちょっと時間がないのでお話を聞いておきたいのは、やはり私は、法制局が諸情勢なんか判断できるわけがないと。そんな情報なんかないんだから。それは政府が一番できるんですよ。総理なんですよ、それは。でも、こうやって憲法解釈は変更できますよと一応形を格好よくつけているだけで、中は空っぽなの。

 判断できないでしょう。解釈変更の前提となる諸情勢を法制局が判断できるんですか。その点どうでしょう。

横畠政府参考人 このたびの閣議決定は、憲法第九条のもとでも例外的に自衛のための武力の行使が許される場合があるという昭和四十七年の政府見解の基本論理を維持し、この考え方を前提として、これに当てはまる極限的な場合は我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるとしてきたこれまでの認識を改め、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合もこれに当たるとしたものであり、そのような場合があり得るということを前提にするならば、その意味で合理的な解釈であるというふうに認められるということでございます。

山田(宏)委員 まあいいや。多分、国民の皆さんはこれはわからないですよ、今ばあっとお話しになったが。

 一点だけちょっとお聞きしておきます。集団的自衛権の八事例、これはクリアできるんですよね、今回の解釈変更で。

 それからもう一つ、台湾有事、この場合についても、状況によったら集団的自衛権の行使はあり得るわけですね。この点だけ確認させてください。

安倍内閣総理大臣 集団的自衛権の行使については、これはあくまでも三要件に当てはまるかどうかということでありまして、この三要件に当てはまれば武力行使ができるということになるわけでありまして、個別的自衛権に対する三要件がやはりかかっていたわけでございますが、個別的自衛権においても、かつての三要件、古い三要件に当てはまるかどうかということで武力行使ができるかどうかということであったわけでありますが、今回は、集団的自衛権も含めて武力の行使は三要件ということになるわけでございます。(山田(宏)委員「台湾」と呼ぶ)

 個別の事態について今つまびらかにお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、あくまでも三要件ということでございます。

山田(宏)委員 私からは終わります。

二階委員長 この際、桜内文城君から関連質疑の申し出があります。山田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。桜内文城君。

桜内委員 次世代の党の桜内文城です。

 きょうから会派が分かれまして、次世代の党として質疑をさせていただきます。

 今ほど山田委員からもお話がありましたとおり、我が党は、日本維新の会の当時、四月十六日に集団的自衛権に関する見解を取りまとめて、その結論及び内容そしてそこに至るロジックはほぼ政府の七月一日の閣議決定と共通するものであったという意味で、このたびの集団的自衛権に関する大変重要な議論について、我々も一定の貢献ができたのではないかなというふうに若干自負しておるところでございます。

 その意味で、我が党としては、今回の政府の閣議決定について高く評価したいと思いますし、そして、足らざるをこの国会の審議等を通じて我々も指摘して、よりよいものにしていきたいというふうに考えておるところでございます。

 まず最初にお尋ねしたいと申しますか、なぜこれだけ、今、集団的自衛権の行使の是非について国会で大変大きな議論になっているのかというその原因について考えてみますと、先ほども法制局の長官からもお話ありましたとおり、我が日本国憲法の中には、自衛権あるいは自衛のための軍隊に関する規定が全く置かれていないということにあるかと思います。

 ですから、憲法の解釈によって、自衛隊の設置の是非、あるいは、自衛隊が今、合憲と認められているとして、その自衛権の範囲といいますか、個別的自衛権の行使は可能であって、一方で、集団的自衛権についてはこれまでは行使が認められてこなかった。これは解釈で決するほかないんですね。

 ですので、我々、先ほど山田委員からも、次世代の党というのは、我々の子供や孫の世代、あるいは、まだ生まれぬ将来世代の視点に立って、今本当に真っ先に取り組まなくてはいけないことに取り組んでいこうということで、今の憲法のあり方、国民の生命財産を守っていく上で、自衛権なり自衛隊に関する規定が置かれていないというのは大変大きな欠陥ではないかとも考えております。

 したがいまして、我が党は、国民の手で新しい憲法をつくっていく、自主憲法の制定も一つの党是として掲げておるところでございます。

 一つ総理にお伺いしたいのが、この議論の中で、集団的自衛権の行使に反対する方々からは、解釈改憲だですとか、あるいは、解釈によって憲法を改正するのはけしからぬ、これは立憲主義に反するという、いわばレッテル張りのようなことも言われておるんですけれども、先ほど申しましたように、今回の集団的自衛権に関する行使を認めるか否かというのは、とにかく憲法のどこにも自衛権なり書いていないわけですから、解釈によって決するほかないんですね。

 そういった意味で、私は、今回は解釈改憲ではなくて、憲法解釈の、先ほど総理が御答弁されました一部変更であって、そういった解釈改憲あるいは立憲主義違反というのは当たらないというふうに考えております。

 その点について、総理の御見解をお願いいたします。

    〔委員長退席、上杉委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 まさに日本国憲法には、実力組織である自衛隊についての条文が、記述がないわけでありまして、同時に、自衛権についても書いていない。ですから、まさに解釈によって我々は我が国の防衛政策を形づくってきたと言ってもいいと思います。

 六十年前の昭和二十九年に自衛隊が設立をされました。この自衛隊、十万人を超える実力組織についても、これは海外では多くの国々は憲法に書き込まれているわけでありますが、書き込まれていないものをかつては吉田総理は、自衛のための武力行使もこれは禁じられているととれる答弁を憲法ができたときにされたわけでございます。しかし、その後、解釈で、まさに六十年前に自衛隊が誕生し、今日に至ったわけでございます。

 ですから、当然、安全保障政策は解釈によって積み重ねられてきたわけであります。多くは国会答弁で行われたわけでありますが、今回は閣議決定を経たところでございます。

 立憲主義とは、主権者たる国民が、その意思に基づいて、憲法において国家権力の行使のあり方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという近代憲法の基本的な考え方であります。今回の閣議決定は、憲法の規範性を何ら変更するものではございません。これまでの政府見解の基本的な論理の枠内における合理的な当てはめの結果でありまして、したがって、委員御指摘のとおり、今回の閣議決定は何ら立憲主義に反するものではないということは申し上げておきたいと思います。

桜内委員 力強い御答弁、ありがとうございました。

 私どもは、今回の集団的自衛権に関する閣議決定、先ほども申しましたように、高く評価しております。

 少し内容に踏み込んでまいります。

 三要件、新三要件と呼ばれておりますが、そのうちの一つに、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合、これも昭和四十七年の政府見解に基づいて、相当与党内での協議も御苦労されてきたともお伺いしておりますけれども、これは、今後法律に落とし込んでいくというのを考えたときに、例えば、根底から覆されるという表現ですとか、やや文学的と申しますか、言いたいことはわかるんですけれども、少し御苦労をされ過ぎたのかなというふうに感じております。

 きょう何度も話が出ておりますが、例えば、その昭和四十七年の政府見解の中では、いわゆる集団的自衛権、恐らくこれは、きょうの議論を聞いておりますと、国際法上の集団的自衛権、他国を防衛する権利のことを言っておるんだと思いますけれども、そのうちの一部を、この新三要件に合致するものについては行使していくというふうに理解したわけですが、これで解釈はよろしいですか、法制局長官。

横畠政府参考人 基本的に、御指摘のとおりだと思います。

桜内委員 ありがとうございます。

 ここは割に大事なところだと思っておりまして、といいますのが、今回の閣議決定の中では触れられていないんですけれども、五月に出された安保法制懇の報告書の中で、こういった一節があります。「個別的自衛権や警察権を我が国独自の考え方で「拡張」して説明することは、国際法違反のおそれがある。」とのくだりがあります。今回の閣議決定にはこの部分が含まれておりません。

 ただ、今ほど法制局の長官から御答弁ありましたように、国際法上のいわゆる集団的自衛権について、正面から、集団的自衛権としてその新三要件に合致するものは認めていくという理解でよろしいとのことでした。ですので、今言った部分について、新三要件に合致する部分を個別的自衛権の拡張だなんていうことは、僕はこれはよくないと思うんですけれども、ここの点についても、法制局長官、よろしくお願いします。

横畠政府参考人 個別的自衛権と集団的自衛権の区別は、いずれも国際法上の概念でございますが、メルクマールとしては、自国に対する武力攻撃が発生した場合の対応を個別的自衛権と呼び、自国と密接な関係がある他国に対する武力攻撃が発生した場合の対応を集団的自衛権というふうに整理をしております。

 その前提のもと、今般の閣議決定は、国際法上、集団的自衛権の行使が認められる場合の全てについてその行使を認めるものではなく、新三要件のもと、あくまでも我が国の存立を全うし、自国を守るため、すなわち、我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として一部限定された場合において、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とする武力の行使を認めるにとどまるものでございます。

 このような我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置としての武力の行使は、閣議決定にございますとおり、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合があるということでございます。

桜内委員 明快な御答弁ありがとうございます。

 そこで、総理に一つ提案がございます。

 といいますのは、我が党は、四月十六日に、集団的自衛権に関する見解を取りまとめました。もちろん、政府として、閣議決定でまずお決めになって、それから自衛隊法ですとか個別法の改正に取りかかっていく、この手順自体はそのとおりだろうと思うんですけれども、しかし、きょうも午前中から議論を聞いておりますと、やはり国民の間でなかなか理解が進んでいないという指摘が多々なされております。

 その意味で、私どもは、国家安全保障基本法案なるものを今準備中でございまして、例えば、今の自衛隊法でももちろんいいんですけれども、自衛隊設置法となぜなっていないかというと、自衛隊の組織法といわゆる作用法とが今一緒になった法律が自衛隊法でありまして、その作用法に関する部分については、やはり憲法の附属法規として、例えば、憲法の五章でありますと内閣法というのが別途法律で落とし込まれております。また、第七章であれば財政法というのがあったりしますし、第八章であれば地方自治法というのがあります。

 その意味で、憲法第二章に附属する基本法として、国家安全保障基本法案なるものを国会に提出した上で、国民の代表者の集まるこの国会で、しっかりと国民が見守る中で、この集団的自衛権の行使の要件についても議論をすべきじゃないかと考えますけれども、この点について、総理はどのようにお考えになりますか。

安倍内閣総理大臣 今回の閣議決定を受けて、これから法整備を進めなければいけないわけでありますが、基本方針にのっとって、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法案について、政府として十分な検討を行い、準備ができ次第、国会に法案を提出し、御審議をいただくことになるわけであります。

 お尋ねの安全保障基本法についてでございますが、御党で今そうした基本法を考えておられるということでございますし、我が党でも野党時代に基本法をつくっていたわけでございますが、切れ目のない、守り抜くための対応を可能とする法案について、その要否等についてしかるべく検討をされることになる、このように考えております。

桜内委員 ありがとうございます。

 少し新三要件に関して、防衛大臣に一点、ちょっと細かいんですが、お尋ねしたいところがあります。

 今の自衛隊法七十六条が、恐らく、この集団的自衛権の行使の際にも、防衛出動に関する規定ですので、その整備といいますか、改正なりがなされていかなくちゃいけないと思うんですけれども、今の条文ですと、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険といった文言があります。これは個別的自衛権に関する防衛出動の要件ということになっておりますけれども、この「明白な危険」というのは、今回も、閣議決定の中でも、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」という、同じ「明白な危険」という文言が使われております。

 この「明白な危険」というものの解釈ですけれども、例えば、個別的自衛権の事例ではありますが、昨年の、中国軍の船からのレーダー照射というものがありました。レーダー照射というのはいわゆるロックオンということでもありまして、明白かつ現在の危険に該当するとも思われます。

 国際法上は、国連憲章の武力の行使には当たらないまでも、武力による威嚇に当たるとされるそうですけれども、防衛出動の要件として、そこまで、ロックオンまでされたときにどう対応するかというのは、これはなかなか現場でも難しいと思うんですけれども、この辺、ちょっとざっくりした質問で恐縮なんですけれども、防衛大臣として、今後、自衛隊法七十六条、その「明白な危険」というものについてどのようにお考えになるのか、お聞かせください。

小野寺国務大臣 この中継を見て、さまざま、周辺国もみんな、どういう答弁をするんだろうと思って聞いていると思いますが、基本的には、個別の事案に私どもとしてお答えするのは難しいことだと思っております。ただ、我が国として、これは、最終的には、閣議をし、国会での御承認ということになりますので、それなりのやはり問題だというふうに承知をしております。

 ただ、一つ、今、昨年のレーダー照射の事案がございましたので、そこをちょっとお話ししますと、確かに火器管制用のレーダー照射はございました。ただ、それと同時に、砲の指向、いわゆる大砲がそちらを向くとかというところまで来ておりませんので、前回の事案についてはそのようなところまではいかないということは、きょうお答えはできると思っております。

桜内委員 ありがとうございます。

 とはいえ、想定外をなくしていくことが恐らく防衛大臣の責務でもあろうと思いますので、しっかりと対応をお願いしたいと思っております。

 時間も余りありませんので、最後に一点だけお尋ねをいたします。いわゆる武力行使との一体化論についてお尋ねをしたいと思っております。

 五月に出ました安保法制懇の中では、この武力行使との一体化論について大変否定的な書きぶりをされております。

 実定法上の根拠もなく、最高裁判所の司法判断もないということで、その中で、これまでは、戦闘地域と非戦闘地域の区分がどうだったのか、非現実的だったんじゃないかとか、そういう反省もあったかと思います。「いわゆる「武力の行使との一体化」論はその役割を終えたものであり、このような考えはもはやとらず、政策的妥当性の問題として位置付けるべきである。」と、結構強目に否定的なニュアンスが出ておるわけです。

 一方で、今回の七月一日の閣議決定を見ますと、「「武力の行使との一体化」論それ自体は前提とした上で、」云々ということで、文言を非戦闘地域といった地域に区切るわけではなくて、この文言で言いますと、現に戦闘行為を行っている現場以外ならいいというふうな書きぶりとなっております。

 ここのところ、私自身は、一体化論はとるべきでないという意見を持っております。

 第一次大戦以降の世の戦争のあり方というのを見てみますと、日本軍が負けたのは、やはり兵たんといいますか、ロジスティクスがうまくいかなかったということが指摘されておる中で、正面の、まさに戦闘の現場、戦場ももちろん大変なものなんですけれども、やはりロジスティクスといいますか、後方支援というものもそれに劣らず重要だという観点からすると、この一体化論自体を維持するというふうに明確に述べられた点は少し首をかしげざるを得ないんですけれども、その点、総理、どのようにお考えになりますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 この一体化論については、安保法制懇においては、一体化論はもうとるべきではないという趣旨の御議論がございました。確かに、国際的に一体化論をとっている国はないわけでありますが、憲法との関係において、我々は、一体化しないということは、この論理は残すべき、こう判断したわけでございます。

 しかし、今までのような非戦闘地域という概念は、現に戦闘が行われておらず、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域でありまして、これは、この一体化しないということを担保する上において相当広くとっているわけでございますが、今まで既に自衛隊はPKO等でいろいろな経験を積んでいるわけでありまして、その積んだ経験の中において、ここまで広くとらなくても、これは一体化はしないという中において、現場という考え方、それは戦闘現場ではない場所ということで、この非戦闘地域とどこが違うかといえば、現に戦闘行為が行われていない地域または場所であるという点においては共通はしておりますが、非戦闘地域は、それに加えて、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域ということになっているわけでございます。

 これについては、果たしてそんなことが予見できるのかという議論も随分ございました。ミサイルも飛んでくる時代にそれが果たして可能かということもあったわけでございますが、我々は、実際に安全保障政策としての観点からも議論を詰めていった結果、一体化論は残し、憲法との論理的ないわば整合性はしっかりと確保しつつ、しかし、実際に要求があるのは、実際に戦闘している現場にいろいろな、補給をしろというニーズは事実上ほとんどないわけでありまして、つまり、戦闘行為に同じオペレーションをしない部隊が行っても、かえってこれはうまくいかないということに、足手まといになってしまうわけでありますから、後方地域と言われる地域、いわば戦闘現場ではない地域に補給していくということになるわけであります。

 そういう意味におきまして、今回も、実際にそうした後方支援ということは十分に可能性としてはあるのではないか、このように考えているところでございます。

桜内委員 ありがとうございました。終わります。

上杉委員長代理 これにて山田君、桜内君の質疑は終了いたしました。

 次に、浅尾慶一郎君。

浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。

 私どもも、我が国の周辺の安全保障環境が変化しているということについてはよく認識をしているところであります。そしてまた、本日の議論の中で、集団的自衛権の行使が抑止力の向上につながるということについての議論が幾つか行われているわけでありますけれども、そのことについて、幾つか総理並びに関係の閣僚に伺ってまいりたいというふうに考えております。

 つまりは、抑止力の向上につながることが、結果として戦争につながらないということの説明をしっかりと政府にはしていただきたいというふうに考えているわけでありますけれども、その一つのポイントとして、今回の新三要件の中に、我が国と密接な関係にある国ということがあります。これは、現時点で密接な関係がある国として想定できるのは米国ということになるわけでありますけれども、米国以外のものも含まれるという解釈でよろしいでしょうか。

安倍内閣総理大臣 新三要件の第一要件に言う我が国と密接な関係にある他国については、一般に、外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、そして我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国を指すものと考えています。

 具体的にどのような国がこれに当たるかについては、あらかじめ特定されているものではなく、武力攻撃が発生した段階において、個別具体的な状況に即して判断されるべきものでありますが、もちろん、我が国の平和と安全を維持する上で、日米同盟の存在及びこれに基づく米軍の活動は死活的に重要であり、同盟国である米国は基本的にこれに当たるであろうと考えております。実際、これまで政府が示してきたいずれの事例でも、米国をその具体例として示してきたところでございます。

 もちろん、これは第一要件でありますから、直ちにこの第一要件になれば武力行使ということではなくて、三要件全部に当てはまらなければならないわけでございますが、他方、米国以外の外国がこれに該当する可能性は、現実には相当限定されると考えていますが、いずれにせよ、個別具体的な状況に即して判断されることになります。

 いずれにせよ、憲法上、武力の行使が許容されるか否かは、これは繰り返しになりますが、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したことによってのみ判断されるものではなくて、新三要件を満たすか否かによるものであるということでございます。

浅尾委員 少し過去の歴史も振り返って考えてみたいと思いますけれども、これまで我が国は、第二次世界大戦のみならず、累次の戦争に従事をしたことがあるわけでありますが、国策として、例えば日露戦争の場合はイギリスという同盟国がありました。第二次世界大戦の場合は日独伊三国枢軸ということでありますけれども、その過去の例を考えますと、明確に価値観を共有できるところと同盟関係のあるときは国策を誤らなかったと言ってもいいのではないかなというふうに思うわけであります。

 そんな観点で、米国ということを今聞かせていただいたわけでありますけれども、仮に、米国以外の国も密接なということで判断をする場合に、現時点でということで結構でありますけれども、その場合は米国も集団的自衛権を行使している状況だというふうに考えていいのかどうか、伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 第三国については、先ほど答弁をさせていただきましたように、これは相当限られるわけでございまして、そして、そのときの状況で判断をしなければならないわけであります。

 今委員が御指摘になったような、その国が米国と同盟関係にあって、いわば共同対処しているという状況かどうかということも、もちろん、そうしたことも全体がさまざまな検討要因の一つになるかもしれませんが、それがもちろん、それによって直ちに密接な関係にあるということではない、このように思います。

浅尾委員 午前中ないしは午後の議論でありました、例えば機雷を除去するといったようなときに、実際に攻撃されている、ホルムズ海峡が例に出されていましたけれども、攻撃を受けている国は基本的には米国ではなくて、どこか違う国が攻撃を受けた結果、機雷がまかれているということで、そこに対して米国が集団的自衛権を行使している、その攻撃されている国の自衛のためにあるいは防衛のために行使をする、そして、そのときに、我が国にとっても石油というようなものが大変重要な経済資源でありますから集団的自衛権を行使する可能性もあるというのが、多分、午前中の答弁だったと思いますが、その場合のケースでいうと、攻撃されているのは米国以外の国という理解でよろしいでしょうか。

安倍内閣総理大臣 どういう経緯をたどってホルムズ海峡に機雷を敷設するかどうかということでありますが、これはさまざまなケースに属するだろうと思います。また、この機雷自体がどの国を目がけて敷設されたかどうかということもあると思いますし、また、単に、国際社会に対する挑戦としてここに機雷を敷設していわば国際的な混乱を引き起こすという目的かもしれないわけでございまして、その状況状況で判断をしなければならないわけでございます。

 例えば、日本に入ってくるタンカーが触雷する場合は、そのタンカーが運んでいるものは日本向けであったとしても、そのタンカーが所属する国は別の国であり、いわば触雷することによって、その国が事実上攻撃を受けた、こう考える場合もあるかもしれません。

 この機雷の掃海については、そうしたさまざまなケースの中において、遺棄機雷であればこれは危険物除去でできるわけでございますが、国際法的にこれはもう停戦がなされている、武力の行使として機雷を敷設したという行為が事実上継続をしているという中においてどう判断するかということについては、米国との関係でそれが発生するかもしれません、それはほかの国との関係で発生するかもしれない、または、輸送しているタンカーとの関係かもしれない。そのところは、今明確には申し上げることはできません。

浅尾委員 次の質問に移らせていただきたいと思いますが、新三要件の、これにより我が国の存立が脅かされるということについて、その具体的な事例に当たるかどうかということで伺ってまいりたいと思います。

 割と最近の事例で申し上げますと、九・一一の事例がございます。このときには、我が国の国民も、世界貿易センタービルの中に閉じ込められて亡くなっております。こういったような事例というのは、九・一一の場合は新三要件に当たるのかどうか。

 このことをなぜ伺うかというと、結果として、アメリカは個別的自衛権を発動して、テロリストの巣窟であると言われておりましたアフガニスタンを攻撃したわけでありまして、そしてまた、NATOあるいはオーストラリアといったようなところは、そのアメリカの個別的自衛権の発動に対応して、集団的自衛権を発動してアフガニスタンに行った。その際に、我が国は、インド洋での給油ということで、いわゆる非戦闘地域での活動をしたわけでありますが、少なくとも、考え方としては、国際社会が対応する、テロリストに対する、いわゆるテロとの闘いに参加をした。

 このインド洋の海上自衛隊の派遣承認については、多くの政党が賛成をして国会を通過したわけでありますけれども、今回の解釈の変更によって、九・一一のようなものは、我が国の存立が脅かされる事例になるのかどうか。つまりは、テロリスト活動が累次にわたって行われるということは、我が国にも影響を与えるのかどうか。そこはどういうふうに考えておられるか、伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 いわば九・一一でワールド・トレード・センターが破壊されたわけでございますが、こういった行為に対して我が国が集団的自衛権を行使して武力を行使するか否かということについては、これは新三要件には当てはまらないと考えます。

 他方、かつて行った給油活動については、これは武力の行使ではない。いわば、一体化しない中においての給油活動を行っていたということでありますから、これは三要件とはかかわりがない行為になるわけであります。

浅尾委員 このことを伺ったのは、私は、九・一一の後のインド洋での給油というのも、ある種、日米同盟を強化するという側面があったのではないか、すなわち、抑止力の向上という側面が結果としてあったのではないかというふうに思いますが、今回、いわゆる憲法解釈を一部変更するに当たって、対応の仕方が、しかし、変更したけれども変わらない、我が国の対応の型が変わらないということであるとすると、抑止力の向上にそれ以上の効果は持たないという理解でいいのかどうかを伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今回、まさに我が国と密接な関係にある、これは米国が当たる可能性が高いということについては先ほど申し上げました。

 ただ、直ちにそれが、集団的自衛権の武力行使を行う三要件に合致するかどうかというのは別の話でありますが、しかし、新三要件になれば集団的自衛権を行使できることになるわけでありまして、例えば、近隣諸国の有事における、邦人のみならず難民の、邦人も含め難民の避難において、そのオペレーションにおいて、日本が三要件に合致をして協力をできるようになるということは、当然これは日米で共同して、日本人、米国人も含め、地域の人々の安全を守る行為を我々も一緒にやる。

 そして、もちろん、それをほっておけば、我が国行為に発展する中において三要件に合致をするということでございますが、当然、そうしたことを一緒にやっていくということは、まさにそういう姿を見せていく、またあるいは、そのために、平時から日本と米国が、米軍と自衛隊が共同訓練あるいは共同演習等々を進めていくことになりますから、当然これは同盟関係のきずなが強くなり、抑止力は向上する、このように考えております。

浅尾委員 今回の閣議決定の中には、先ほども議論がありました、武力行使との一体化ということについて、現に戦闘が行われていない現場ということが議論の中で出てまいりましたけれども、九・一一の後の我が国の活動に加えて、私の理解では、米国側から、CH47、日本が持っているヘリを現地に派遣して、負傷した兵隊の輸送をしてほしいという依頼があったというふうに聞いております。

 現に戦闘行為が行われていないところで負傷した他国の兵士を運ぶというのは、これは新三要件とは直接は関係ありませんが、そういったことを、新しい法制をつくった場合には対応ができるという理解でいいのかどうか、伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今の御指摘の件は、まさにこれは、個別法をつくっていく中において、これは憲法との関係もありますが、実際にそうしたオペレーションを自衛隊がするかどうか、できるかどうかということも含めて、個別法をつくっていく段階で検討していきたい、このように考えております。

浅尾委員 そうすると、確認ですが、現段階のこの閣議決定における憲法解釈においては、明示的に、今申し上げたことについては、どちらとも言えないということでしょうか、それとも言えるということですか。

安倍内閣総理大臣 後方支援につきましては、水とか弾薬とかあるいは医療の提供、供給とか医療の提供ですね、医薬品の提供ということはできるわけでございますが、その場所を、今まで非戦闘地域だったわけでありますが、戦闘現場ではない場所ということでありまして、そういう整理としたところでございます。

 その中で、具体的にどういうことを、どういうところにあるということは、まず法律ができて、そしてその中においてまた判断がなされるということではないかと思います。

 また、自衛隊員の安全の確保ができるかどうかという観点も重要な観点ではないかと思います。

浅尾委員 先ほど申し上げましたけれども、私は、インド洋での給油ということについては、基本的にはこれは日米同盟の強化につながったというふうに思っておりますが、現に、人道的な理由で負傷した兵士を運ぶということも、これは医療という観点から、特に、現に戦闘が行われていないというところであればそれはできるというふうに、今まではできなかったわけでありますが、できるというふうに解釈をすることが結果として日米同盟の強化になり、抑止力の向上になるということだと思いますので、その点について、もう一度総理のお考えを伺えればと思います。

安倍内閣総理大臣 現に戦闘行為が行われていない、現場となっていない場所、現に戦闘行為が行われている現場ではない場所であれば一体化はしない、よって憲法上これは許される後方支援であるという、今回整理したところでございますが、個別にどういうオペレーションを行っていくかということについては、先ほど申し上げましたように、まさに能力とニーズ等々も含めて、個別法の議論においてしっかりと検討していきたいと思います。

浅尾委員 次の質問に移らせていただきますが、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」というふうに新三要件の中に書いてあります。午前中及び午後の議論の中でもありましたが、ホルムズ海峡が封鎖される事例というのが幸福追求の権利が根底から覆される事例というふうに多分御説明をされたのではないかなというふうに思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。

安倍内閣総理大臣 いかなる事態が、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」に当たるかは、個別具体的状況に即して判断すべきものであって、一概には言えないわけでありますが、ホルムズ海峡において、もし機雷で封鎖されれば、日本向けの原油八割、そして天然ガスの二割強が同海峡を通過してまいりますから、これは入ってこないのみならず、世界経済にまず大きなインパクトを与える、そしてエネルギーの供給体制が大きくこれは脅かされるわけでございます。ひいては、日本は全てのエネルギーを輸入しているわけでありますから、日本経済は甚大な打撃をこうむるということであります。

 これはまさに、国の存立の基盤は経済でありまして、この基盤自体が脅かされるかどうかという判断をする対象にはなるだろうと。直ちに三要件にはまるかどうかというのは、その事態の状況あるいは国際的な状況等も勘案して決めていくことになるんだろう、このように思います。

浅尾委員 今御答弁いただきましたけれども、石油の八割ですかということでありますけれども、この石油依存度が中東地域から多様化して下がっていった場合には当てはまらなくなるというふうに考えていいのかどうか、伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 まさに、今浅尾委員が指摘された観点から多角化を図ろうとしているわけであります。シェール革命もあります。米国から、米国でもさまざまな地域から、あるいはロシアから、そういうルート、また、今回私はパプアニューギニアに行ってまいりましたが、パプアニューギニアから先月初めてLNGが日本に入ってくることとなりました。

 これを確固たるものにしていくために、パプアニューギニアに参りまして、首脳としっかりとした関係を構築してきたところでございますが、今言ったように、死活的な利益となるかどうか、打撃を与えるかどうかということについては、そこに負っている、これは当然、エネルギーのそこを通る比率は大きな要素になってくるんだろう、こう考えるところであります。

浅尾委員 では、次の質問に移らせていただきますけれども、必要最小限度の実力行使というのも、非常に、何をもって必要最小限度かというふうに、解釈するのが難しいところだと思いますが、これは具体的に言うとどういうことになるのか、お答えいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 新三要件に言う必要最小限度とは、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される原因をつくり出している、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るための必要最小限度を意味するわけであります。

 なお、国際法の用語で言えば、武力の行使の態様が相手の武力攻撃の態様と均衡がとれたものでなければならないという、均衡性を意味するものであります。

 その具体的な限度は、武力攻撃の規模、態様等に応じて判断すべきものであると思います。

浅尾委員 したがって、相手の武力攻撃の度合いが大きければ必要最小限度の度合いも大きくなるという理解でよろしいでしょうか。

安倍内閣総理大臣 これはもちろん、我が国の防衛力の限界というものもあるわけでありますが、この均衡性ということの中において必要最小限度を判断していくということになるんだろう、このように思います。

浅尾委員 では、次の質問に移らせていただきたいと思いますが、冒頭申し上げました、我が国をめぐる安全保障環境は変化しているということは、私どもも認識いたしております。

 その中において、今回、限定的な集団的自衛権の行使が容認されるということが抑止力の向上に寄与するということでありますけれども、これは具体的に言うとどういう形で抑止力の向上に寄与するのか。冒頭私が申し上げましたように、日米同盟の機能が強化されることによってそうした事態にならないということをもって強化されるというふうに理解すればいいのかどうかを伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 今回、このような安全保障法制の、今後検討する中で、例えば、今、日米同盟の言及がございましたが、日米の防衛協力のガイドラインということにつきましては、ことしじゅうに一応策定するということになっております。その中で今回の新しい考え方を織り込んでいくということは、より日米同盟の強化になるということ、これは、例えば、先日訪問しました米国におきましてもヘーゲル国防長官から明確にそのようなお話がありました。

 私どもとしては、日米同盟を含めたさまざまな強化をすることによって、それが抑止力につながり、結果として、この東アジアを含めた地域の安定が重要だと思っております。

浅尾委員 我が党も日米同盟が外交の基軸だという立場に立っておりますけれども、同時に、日本の外交は、国連というものを大変重要視しております。

 そういう観点でいいますと、国連の安保理の決議のあります集団安全保障は、これは当然、集団的自衛権とは別の活動になるわけでありますけれども、午前中もお答えいただいたのでそこは大丈夫だと思いますけれども、集団的自衛権である活動をした後に、その活動が安保理の決議があって集団安全保障に移行するというような場合もあり得るだろうと思います。

 私自身は、安保理決議があるということは、これは常任理事国が拒否権を発動していないということが前提でありますから、より国際社会全体における共感が得られる活動だというふうに思いますので、そういう意味では、集団的自衛権の行使をした後、集団安全保障にその同じ内容の活動が移行した場合には、全てその活動に参加をするという理解でいいのかどうかを伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 この新三要件は、我が国の憲法との関係において武力行使が可能かどうかを判断するものであります。

 その中で、集団的自衛権の行使、三要件に適した行使を行っている中において、国連決議がなされて、そして集団安全保障という行為に移っていく中において、それはそこでやめるのかといえば、行使を続けるかどうかは、これはあくまでも新三要件との関係で判断するということでございまして、そこで、この新三要件に状況としてそぐわなくなればこれはやめるわけでありますが、新三要件に合う状況であれば、これは当然、集団的自衛権が集団安全保障の措置に変わったとしてもそれは続いていくということになるわけであります。

 これは、我が国が攻撃をされて個別的自衛権を発動している中において、国際連合がこれはひどいじゃないかということで安保理決議をして、これが集団安全保障措置に変わったら、自衛隊はもうやめなければいけないのかというのは極めてばかげた議論になるのは当然のことでありまして、それと同じということでございます。

浅尾委員 私が今この集団安全保障の話をしておりますのは、私の理解では、現在の米国の政権は、国連を、その前の政権との比較でいうと、安保理ということについて比較的重要視しているのではないかというふうに思います。

 そういう意味で、もし日米同盟の抑止力を強化するということからすると、集団安全保障のもとでの活動について、従来と多少違うことをするというふうにおっしゃった方が日米同盟の強化につながるのではないかというふうに私自身は理解しておりますが、その点についてどのようにお考えになりますか。

安倍内閣総理大臣 集団安全保障におきましては、いわゆる後方支援については、先ほど申し上げましたように、今までの範囲を変えるわけでございます。そしてまた、これは武力行使ではありませんが、武力行使を伴わないものでございますが、いわば国際協力としてのPKO活動において、今回の閣議決定におきまして、今までは、これは武力の行使ではなく武器の使用でありますが、警察権の行使として、いわばPKOに出ている部隊が一緒に活動している部隊あるいはそこにいて活動しているNGOの人々を警護することが可能になるということでありますから、これは国連が行っているPKO活動において、より我々は貢献することが可能になってくるのではないかというふうに思います。

浅尾委員 今回の閣議決定によって、従来では実現できなかったことで我が国の抑止力向上になるような事例というのが一つでもあれば、挙げていただければと思います。

安倍内閣総理大臣 全体として、一つの事例というよりも、すきのない備えをつくっていくわけであります。米国との関係においては、特にガイドラインの見直しとこれは相まって、日米安保体制の実効性を一層高めることができる、このように考えているわけでありまして、日米でともに力を出し合い、協力し合っている姿を見せることについて、いわば一体となっている日米関係、同盟としてのきずなを強めているこの日米関係に対しては、チャレンジする国はより少なくなっていくだろう、このように思います。

浅尾委員 終わります。

上杉委員長代理 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 総理は、七月一日の閣議決定によって、自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してないと繰り返し説明をされております。

 その戦闘というのはどういうことか。総理は、この間の国会答弁で、戦闘、すなわち敵を撃破するために大規模な空爆や攻撃を加えたり敵地に攻め込んでいくというような行為、あるいは爆撃を行ったり陸上部隊を上陸させて戦闘するという行為だと言われておりますが、そういうことでしょうか。

安倍内閣総理大臣 まさに必要最小限度を超える行為ということで、今、笠井委員が挙げられた行為を例として挙げたものであります。

 いずれにいたしましても、イラク戦争や湾岸戦争、アフガンのような武力行使を目的とした戦闘、ああした戦闘に参加することはないということでございます。

笠井委員 総理は、あくまで我が国の存立、自衛の措置だけ、そして必要最小限度と言われるわけですが、午前中来の答弁でも、事態の具体的な状況に即して総合的に判断、そして必要最小限度ということを繰り返されています。

 そこで、実際にイラク戦争の際はどうだったか。憲法九条がありながら、陸海とともに航空自衛隊も派兵をされて、多国籍軍支援の空輸活動をやりました。延べで約三千六百人が派兵をされて、C130輸送機三機、隊員約二百人の体制で、自衛隊や多国籍軍の兵員、物資を輸送したわけであります。

 パネルをごらんいただきたいんですけれども、ここにありますように、防衛省が提出した資料をまとめましたが、これによりますと、イラクにおける航空自衛隊による空輸人員実績については、二段階に分かれていますが、航空自衛隊の空輸開始から陸自の撤退までの期間が合計一万八千四百二十二人、そして陸上自衛隊の撤退後から航空自衛隊撤退までが二万八千五十七人ということで、総合計で四万六千四百七十九人に上ります。

 うち、空輸を開始した二〇〇四年三月三日から陸上自衛隊が撤退する二〇〇六年七月十七日までは、米兵など多国籍軍関係者六千六百七十九人を運んだわけですけれども、陸自の撤退後はバグダッドに航空自衛隊の輸送機が乗り入れして、そして米兵などの多国籍軍関係者が二万三千五百五十六人というふうに、輸送した人員が格段にふえて、全体の八四%に達したわけですが、そういう活動を航空自衛隊がやったというのは事実ですね。

小野寺国務大臣 航空自衛隊の派遣部隊でありますが、平成十六年三月から平成二十年十二月までの間、クウェートのアリ・アルサレム飛行場を拠点としまして、イラク国内のアリ飛行場、バグダッド飛行場、エルビル飛行場との間で、C130H輸送機により、運送延べ八百二十一回、人員延べ四万六千四百七十九名、貨物延べ六百七十二・五トンを輸送いたしました。

 なお、輸送した米兵については、イラク国内において復興支援または治安維持のいずれかの活動に従事していたと認識をしております。

笠井委員 いろいろ言いますけれども、戦場に向かう重火器を携行した武装米兵などを含むそういう人員を輸送する活動を行ったというのは事実であります。などですから、それも入っています。

 この活動について、米中央空軍のノース司令官は、我々の連合軍には韓国空軍、日本の航空自衛隊、さらに多くの国が含まれる、十カ国の空軍がイラクでのこの戦闘を可能にしているとして、特に航空自衛隊の活動を、素早く戦闘に向かわせ、戦闘任務の用意を整えさせる、そういうことで高く称賛をし、決定的役割を果たしたと米空軍が述べていたわけであります。

 そこで、総理に伺いますが、これまで政府は、自衛隊が行くのは、現に戦闘行為が行われておらず、活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがない地域、すなわち、自衛隊がいる場所が非戦闘地域だから攻撃されることは想定されない、こう言ってまいりました。それでも、航空自衛隊の空輸活動は攻撃の危険にさらされて、C130輸送機が非戦闘地域と当時されたバグダッド空港に駐機中に、四発の迫撃砲弾が頭上を飛び越えて空港敷地内に撃ち込まれたりした。二〇〇七年六月には、危険情報に基づく飛行中止回数が月間最多十回に達して、戦場と紙一重の状況がありました。

 今回の閣議決定で、そういう、戦闘地域には行かないなどとしてきた、さっきも総理が言われました担保を取り払うわけですから、そして、自衛隊の活動をさらに拡大する、従来、戦闘地域と言ってきた場所にも行くことがある。そうなれば、戦場で真っ先に狙われるのは、戦闘部隊を支援する兵たん活動、後方支援、まずそれをたたくのが軍事の常識と言われています。

 戦闘中の米軍などを支援している自衛隊がまず標的になって攻撃の対象になる、そういう危険があるということになりますね、総理。いかがですか。総理に伺います。

小野寺国務大臣 事実関係を。

 航空自衛隊のイラクにおける空輸活動は、バクダッド飛行場を初め、イラク特措法の実施要領におきまして実施区域として指定された場所は非戦闘地域の要件を満たし、米軍人を含めた多国籍軍の兵士等のC130機による輸送はイラク特措法上の人道復興支援活動あるいは安全確保支援活動として行われたものであり、イラク特措法に基づく物品の輸送については、実施要領におきまして、弾薬を含む武器の輸送を行わないとされておりましたが、輸送対象となる人員が武器を携行することについては、それが常識的な範囲の携行武器であれば、それは排除されるものではない。

 例えば、小銃や拳銃については、これは自衛隊もそうですが、みずからの生命身体を防護するために通常携行するものであります。そういうものを持って輸送する場合については、これは今回、問題ないということとして対応させていただきました。憲法の範囲内で、イラク人道復興支援特措法及び自衛隊法に基づく適切なものだと考えております。

 なお、今委員の方で、航空自衛隊の輸送機がバグダッド空港で攻撃された、そういう事例は承知をしておりません。

笠井委員 私の質問では攻撃されたなんて言っていないんですよ。攻撃にさらされたという話をしているんだ。そういう可能性があったと言ったわけでしょう。紙一重の話があったと言ったわけですよ。私は総理に伺ったんです。

 今までのそういう戦闘地域、非戦闘地域の枠を取り払うということになって、そして今度はそういうところにも行って活動するというふうになったら、真っ先に狙われるんじゃないですか、攻撃の危険があるんじゃないですか、このことを聞いたんですよ、総理に。総理、答えてください。

安倍内閣総理大臣 今回行った閣議決定においては、これは憲法との整理の関係におきまして一体化という考え方はとるわけでございますが、今後我が国が行う支援活動については、現に戦闘行為を行っている現場では実施しないことで武力行使の一体化の問題は生じない、こう考えております。

 仮に状況の変化によって我が国が支援活動を実施している場所が現に戦闘を行っている現場となる場合には、直ちに中止、中断するといった考え方を基本として法整備を進めていく考えであります。

 なお、これまで非戦闘地域や後方地域での活動に限定されていたのは、あくまでも憲法との関係で慎重を期していたものであり、自衛隊の安全確保の観点から設けられた制度ではないわけでありまして、いかなる場所で活動する場合であっても、これまでと同様、自衛隊員の安全を確保しつつ行うことは言うまでもない、このように考えるわけでありまして、これは、安全確保と憲法論とは別次元の問題であると考えております。

    〔上杉委員長代理退席、委員長着席〕

笠井委員 支援活動をそこでやめるか、休止するか、あるいは続けるかという問題を私は聞いているんじゃなくて、これからは、自衛隊が、現に戦闘行為を行っている現場では、今総理が言われたみたいに支援活動をやらない、たとえ状況が変わって、変化しても、支援活動をやっている場所が戦闘現場になれば支援活動を休止または中断するというふうに言われるわけですよね。

 つまり、従来は戦闘が行われる場所には行かないというふうに言っていたんだけれども、今度は、自衛隊が支援活動でいる場所が、現に戦闘行為を行っている現場、戦場になる場合があり得ると。だから、休止、中止とか中断とか言うんでしょう。そういう場にいることがあり得るということですね。そこはちょっと確認です。

安倍内閣総理大臣 今まで非戦闘地域ということを指定していた、あるいは、今度は戦闘現場ではない地域ということにしたわけでありますが、これは、あくまでも憲法との関係において、一体化するかしないかの判断の中において、今回はこうした整理を行ったわけでございます。

 なぜこういう整理を行ったかといえば、今までの海外での自衛隊のさまざまな活動経験等からして一体化には当たらない、こう考えたわけで、いわば一体化するという範囲が広過ぎた、このような形で考えたとしてもそれは一体化には当たらない、こう判断をしたところでございまして、自衛隊を出す上においては、当然、安全確保の上から慎重を期さなければならない、このように考えております。

笠井委員 憲法との関係で議論されている、それが許されるという話ですよね。

 だから、確認したいんですが、閣議決定に、これまでの自衛隊の活動の実経験等を勘案して、地域を一律に区切る枠組みをやめて、政府自身が現に戦闘行為を行っている現場を想定しているわけですね。これからは、だから、そういうことが排除できないということになる。つまり、自衛隊がいる場所が、支援活動は実施しない、もしくは支援活動を休止または中断するような、現に戦闘行為を行っている現場になることがある。憲法上はそういうことは許される、あるんだ、だから閣議決定で決めたということですね、その点については。そこは確認できますね。

安倍内閣総理大臣 前の非戦闘地域というところの概念においては、活動を行っている期間を通じてそこが戦闘地域になることはないという考え方でありましたが、今回はそういう考え方ではなくて、これについては、今まで果たしてそれが本当に担保できるかどうかということも含めて議論がなされていたところでございますが、今回は、現に戦闘の現場となっていないという概念に変えたわけでありまして、ですから、もし戦闘の現場となれば直ちに中止をするということになるわけでございます。

笠井委員 中止をするんだけれども、そこにいるわけです、戦闘の現場になればと今総理は言われました。そういう場所に自衛隊が居合わせて、中止はします、中断しますが、相手から攻撃されて、今度はどうするんですか。

小野寺国務大臣 少なくとも、私どもとして、輸送その他の任務を与えているわけですが、今お話ししたように、そこが例えば戦闘を行うような地域になってしまって、そこで十分な活動ができない場合には、これは速やかに引き揚げるということが通常考えられることではないでしょうか。

笠井委員 速やかに引き揚げると。政府が言う現に戦闘行為を行っている現場では、自衛隊が退避する、速やかに引き揚げると言われました。

 速やかに引き揚げたり、抵抗しない、あるいは反撃してこないとなれば、相手は敵でしょう、余計、集中的に攻撃されることになるじゃないですか。結局、応戦して戦闘に参加することになるんじゃないですか。そうなったら、どうするんですか、それは否定しますか。

小野寺国務大臣 私どもとしては、任務というのは、あくまでも輸送その他の支援ということになります。それができないということであれば、速やかに、できない状況に合わせて対応をとるということでありまして、今委員がお話しされるようなさまざまな想定というのは、少し考え過ぎではないかなと思っております。

笠井委員 閣議決定であなた方が想定しているんですよ。戦闘行為が行われる現場というのをあなた方が想定しているんですよ、閣議決定で。

 そこで、自衛隊がそういうところに居合わせるかもしれない。行ったときに、そういうときに状況が変化してなるかもしれない。そこにいたときに、戦闘行為が行われているんですよ、米軍を支援しているんですよ、あるいは多国籍軍を支援しているんですよ。そういうときに、そういう後方支援をしている部隊が狙われる、それで退避するというんだったら、余計向こうが追っかけてきてやるじゃないかとなって、どうするのか、そういう話になるんじゃないですか。

 想定しているのは、私が極端なことを言っているんじゃなくて、閣議決定が、戦闘行為が行われる現場に自衛隊が居合わせると認めたように、あなた方はいることを想定しているんでしょう、総理。

安倍内閣総理大臣 そういう可能性、いわばそこが戦闘行為の現場になる可能性はあるわけでありますから、だから、そのときには中止、中断をして引き揚げる。例えばPKOにおいても、その場所で戦闘行為が行われれば、中止して、中断して引き揚げるということが決まっているわけでありまして、そういう中においてPKO活動を行っているということでありまして、そことはこの考え方は同じであります。

 それと同時に、いわばあくまでも補給等の後方支援をするわけでありますが、補給等の後方支援を行う場所は、相手は戦闘行為を行っている部隊ではなくて、まさにそれは後方で物資を集結する場所に持っていくということで考えていただければいいのではないか、こう思うわけでございます。

笠井委員 今総理は、とにかく戦闘現場にいる可能性があるということを認められた。そして、そのときには引き揚げると言われたけれども、戦闘行為が行われていたら、そう簡単に引き揚げられるかどうかという問題になっていくんですよ。それで、やられたら応戦するという話になっていくんですよ。まさに、そういうことで認められるんだったら、結果として日本も殺し殺される戦闘に参加することになるじゃないかと。

 イラク戦争では、米軍が撤退した二〇一一年末までに、主な直接戦闘国、米、英、スペイン以外の二十カ国が、後方支援が中心だったけれども戦闘に巻き込まれて、百二十八人の兵士が犠牲になったんです。そういう道を開くという重大な問題だということを申し上げたいと思います。

 もう一つ、角度を変えて伺います。

 総理は、敵を撃破するための大規模な空爆、敵地に攻め込んでいく行為に参加することはこれからも決してないというふうに言われたわけですが、既に航空自衛隊は米軍などとともにそういう想定で共同演習、訓練を実施しているんじゃないですか。

小野寺国務大臣 あくまでも自衛隊は我が国の領土、領海、領空、国民の生命財産を守るための活動をしておりますので、訓練も当然そのような内容の訓練ということになると思います。

笠井委員 航空自衛隊は、毎年、米軍主導のレッドフラッグ・アラスカと言われるアラスカ州での演習に参加をして、米軍はもとより、オーストラリア、ニュージーランド、韓国などと多国籍軍の軍事訓練を行っている。ことしは六月十七日から二十八日まで実施されて、日本からは、F15戦闘機など四機種、三百十名の隊員が参加しています。今、やっていないというふうに言われましたけれども、実際には、航空自衛隊が米国などとともに、敵地に攻め込んで敵の航空戦力を破壊、撃滅する訓練に参加している。

 ここに、「飛行と安全」という、航空安全管理隊が編集をし航空幕僚監部が発行する航空自衛隊の部内月刊誌の二〇一二年七月号のコピーがございます。この米軍主導のレッドフラッグ・アラスカに参加した石川県の小松基地所属のF15部隊の一等空尉が、訓練の模様をリアルに書いた体験記を載せております。

 この体験記には次のように書かれています。

 航空自衛隊のF15編隊は、B52の援護戦闘機として果敢に先陣を切って経路を啓開し、粘り強く戦闘を継続してB52を援護し続けているつもりでした。しかし、気がつくとB52は、とうの昔に任務を達成して他の編隊とともに帰投してしまっていました。残された航空自衛隊編隊は、退却時に他の編隊から支援を受けることができず、不必要な被撃墜を受けてしまいました。こうはっきり書いているんですね。

 航空自衛隊のF15部隊が、米アラスカ州で実施された演習で、米軍のB52戦略爆撃機を先陣を切ってエスコートして援護して、敵地に一体になって進攻して、敵の航空戦力を破壊する訓練を行っている。事実じゃないですか、これは。

小野寺国務大臣 委員には、誤解を受けないように正確に、そういう発言をしていただきたいんですが、私どもとしましては、アラスカで行われますレッドフラッグ・アラスカというのは、実は航空機の訓練というのは、大変広い空域と、それから大変広い、例えば地上が必要になります。日本国内ではそのような場所がありません。ということで、同じような環境を持つ国がアメリカに行って訓練をするということであります。

 航空自衛隊だけではなくて、例えば我が国の防衛をするミサイル防衛のさまざまな部隊も、実は、日本国内で発射する、そういう広いレンジがありません。それをアメリカのところで活用させていただく、そういうことがございます。

 また、それぞれ各国航空機が各訓練をする場合には、それぞれの戦技の、技術の向上のために行うということであります。

 そういう前提で全て私ども訓練が行われているということを承知していただければと思います。

笠井委員 B52をF15が援護してやっている訓練ですよ。

 この問題は、私、五月三十日の外務委員会でただした際に、防衛省の若宮政務官は二つのことを認めております。

 一つは、この体験記が、二〇〇九年十月のレッドフラッグ・アラスカに参加したときのものであること。また、航空自衛隊員の実体験に基づくものであること。さらには、航空自衛隊のF15戦闘機と米軍のB52爆撃機が一つの空域内で訓練を実施したのは事実だということであります。

 もう一つは、この「飛行と安全」という部内誌は、航空自衛隊員の安全意識の高揚と安全知識の向上を図り、事故を未然に防止することを大きな目的としており、航空安全管理隊が編集し、航空幕僚監部が発行しているものだということであります。

 そういう部内誌に、一等空尉という幹部自衛官の立場にある者が、ありもしないことを実体験として書いたとでも言うんですか。それを発行したと言うんですか、自衛隊は。それこそあり得ないじゃないですか。

小野寺国務大臣 繰り返しになりますが、訓練環境がいいアラスカにおきまして毎年のように訓練を行っておりますし、また、その際、技量の向上ということで、さまざまな航空機と一緒になって行動して訓練をするということ、これは必要なことだと思っております。

 そして、前提は、何かそういう他国への攻撃のための想定ではなく、あくまでも自国の防衛のための技量の向上ということを、私ども、常日ごろ対応させていただいております。

笠井委員 防衛大臣は重大なことをやったことをわかっていないですよ、総理。

 さまざまな航空機と一緒に訓練をやっていると言うけれども、この米軍のB52爆撃機というのは、歴代の日本政府自身がこう言っているんですよ。性能上専ら他国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられる兵器、こう防衛庁の歴代長官は答弁してきているんだ。大変なものですよ。そういうものを、性能上他国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられるものと一緒に、エスコートして、自衛隊のF15がやっていて、何がさまざまな航空機と一緒ですか。

 体験記には、こう当時の訓練について書いています。

 B52の爆撃が成功した時点で各編隊が一斉退却する計画を正しく理解できていなかったことと、爆撃成功、退却のミッションコマンダーのボイス、声を聞き取れず、帰投開始の時期を失してしまったから、取り残されて撃たれてしまったという訓練になったんだと。F15戦闘機がB52爆撃機と一体になって敵地空爆をする様子が生々しく書かれております。

 それだけじゃないんですよ、総理。

 ここに、航空幕僚監部が二〇一一年の三月末に作成した航空自衛隊基本ドクトリンというのがあります。部内向けの文書でありますけれども、これは、隊員が任務を遂行するに際して、準拠すべき事項や考え方を共有するための航空自衛隊の基本文書と位置づけられている。

 その中に、レッドフラッグ・アラスカで、訓練で、B52爆撃機と一体に実施された攻勢対航空というやり方について、「敵の航空戦力をその根拠地周辺で撃破する」というふうに書いてあるんです。はっきり書いてあるんです。既に、全隊員が準拠すべき事項に、「敵の航空戦力をその根拠地周辺で撃破する」、敵地空爆を位置づけているというわけであります、航空自衛隊。

 総理、目をつぶっていらっしゃいますが、自衛隊の最高指揮監督権を持つ総理は、こういう文書があることを御承知になっているでしょうか。

小野寺国務大臣 やはり、それは、私も実は、今委員からお話を受けましたが、基本的に、多分、中の限られた文書であると思いますので、よくそういうところまでしっかり見ていただいているなと思っておりますが。

 少なくとも、私どもは憲法をしっかり守って、そして、私ども自衛隊は、常に日本の領土、領海、領空、日本人の生命財産を守るのが役目であります。そのための技量の向上を常日ごろしているということであります。

笠井委員 野党議員、私自身も、こういうのを読んで、ちゃんとしっかりやっていますよ。研究して、調べていますよ。勉強していますよ。防衛大臣が知らないなんて驚くべき話で、それで集団自衛権の議論をやるのかと。総理は、御存じですかということについても、知らぬ顔されている。こんなことで、これからの日本の進路、あり方、重大なことを決めようか、やっていこうという閣議決定をやったと思ったら、本当に背筋が寒くなりますよ。

 ヘーゲル米国防長官は、七月十一日の記者会見で、日本の集団自衛権の決定とガイドラインの見直しは、日本がより能動的に、戦略ミサイル防衛、拡散対抗、対海賊作戦、平和維持とともに、広範囲に及ぶ軍事演習に参加することを可能にするだろう、こう強い期待を表明しました。

 既にアラスカで実施している米空軍との共同訓練も、今度は時の政権が、新三要件を満たしていると判断すれば、集団自衛権の行使として大っぴらに実戦に移せる、そういう訓練をやっている、そういうことになるじゃないですか。

 今、とにかく九条でできないとしてきたことをできるとして、殺し殺される戦争で血を流す、実際に戦地に送られるのは若者であります。こんな海外で戦争する国への大転換を一内閣の憲法解釈で強行するなんというのは絶対に許されない、このことを強く言いたいと思います。

 閣議決定の撤回を強く求めて、質問を終わります。

二階委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、村上史好君。

村上(史)委員 生活の党の村上史好でございます。

 早速ではございますけれども、質問に移らせていただきたいと思います。

 私も、国会が終わりまして、地元に帰って座談会あるいは街頭演説で集団的自衛権のお話をさせていただいておりますが、そのときの市民、国民の反応は、総理の決定に対する支持もあります、強硬に反対する立場の方もいらっしゃいます。しかし、押しなべて、よくわからないというのが国民の偽らざる気持ちのように私は感じています。そういう面で、これからもっともっとこの議論を深めていく必要性があるなと。それは、私だけではなくて、多くの方々がお感じになっていることだと思います。

 その中で、一つ、総理に聞いていただきたいお話がございます。

 私が街頭演説をしているときに戦争体験者の方が来られまして、私に対して、あなたたち政治家はほとんどが戦後生まれだ、戦争を知らない世代だ、総理の話や委員会での議論を聞いていると、戦争の悲惨さや残酷さを知らないで議論しているようで非常に怖さを感じる、戦争を知っている我々の世代はもちろん、将来血を流すかもしれない若者にももっと意見を聞くべきではないか、どうしてそんなに急いで決めるのか、そういうことを私におっしゃいました。その戦争体験者の方から見れば、言葉が上滑りしているのではないか、また、リアリティーがない、本当の悲惨さを知らないで言葉だけで議論をしているのではないかという危惧だと思います。

 今まで総理は集団的自衛権行使のプラスについてはよく強調をされていますが、しかし、総理の言葉として集団的自衛権の行使によるリスクを語ってこそ、この問題、議論に初めてリアリティーが生まれて、議論の出発点とすべきだと思います。

 総理はどのようにお考えか。この点については質疑通告をしておりませんので、感想でも結構でございます、総理のお考えをお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 先般、大洋州を訪問した際、パプアニューギニアに参りました。パプアニューギニアにおいては、ポートモレスビーからウエワクに参りまして、あのパプアニューギニアの地域においては十二万人以上の日本兵が命を落とされたわけでございます。多くは飢えやあるいは疫病によって命を落とされた。そうした方々、日本のためにとうとい命を犠牲にされた方々のために、手を合わせ、御冥福をお祈りしたところでございます。

 その際、その現場におられた方々何人かとも、ともに慰霊に参加したわけでございますが、その方々は、やはり政府は国民の命と平和な暮らしを守るために責任を果たすべきであろう、このようにおっしゃっておられ、このたびの閣議決定については高い評価をしていただいたところでございます。

 そこで、今回の閣議決定は、まさに、国民の命と平和な暮らしを守るために私たちは何をすべきか、そしてその中で何をしなければならないのか、そしてそれは今までの憲法解釈の中でできるのかどうかということについて、真摯な議論を重ねてきたわけでございます。そして、このわかりにくいというのは、どうしても、憲法解釈についてでありますから、これは、憲法自体に自衛隊の存在が書いてあるわけではないですし、また、自衛権について書いてあるわけでもなくて、それは長年の解釈の積み重ねの中においてなされてきたところでございます。

 そこで、我々は、四十七年の政府の見解があるわけでございます。それは、憲法十三条と憲法の前文から引いて、その中において、我々は、国としての平和的生存権と、そして国民の命、あるいは自由、そして幸福追求の権利を守ることができるという中において必要最小限度の自衛権は認められているという考え方であります。

 この基本的な考え方は維持をしているわけでありまして、基本的な法理、そして憲法の規範は維持をしながら、そして同時に、近隣国において紛争が起こって、そこから逃れようとする日本人を輸送している米艦を守ることができなくていいのかどうか、こういう課題に我々は当然正面から向き合わなければいけないわけでありまして、私は、国民の命を守る、幸せな生活を祈ってつくられた憲法がそれをどうしても禁じているとは考えられなかったわけでございますが、今回、政府の閣議決定をする上において、与党で議論がなされ、先般閣議決定をしたところでございまして、ただ、可能になるためには、これから具体的な法律を御審議いただくことになるのではないか、こう思うわけであります。

 そこで、自衛隊の諸君は、今現在においてもソマリア沖において海賊対処の活動を行っているわけでありまして、これは危険が伴う活動であります。ほかの部隊とともに活動を行っているわけでありますが、相手が国及び国に準ずる組織ではないことによって、いわゆるこれは自衛権の発動でもありませんし、武力の行使ではなくて、いわば警察権の行使でありますが、だからといって彼らが安全な場で安全なことを行っているわけではないという認識は常に私たちは持たなければならない、このように思うわけでありますが、そういう活動があってこそ平和な暮らしは守られているんだという認識は必要ではないか。

 そういう中におきまして、我々は、今回、閣議決定を行い、切れ目のない、すき間のない安全な体制を構築していくための閣議決定であった、そして、その上において法整備を行っていきたいと考えているところでございます。

村上(史)委員 今の首相の御答弁をお聞きしても、今ソマリアの例を出されましたけれども、これは、いわゆる海賊対策、警察的な要素を持った活動でありますけれども、集団的自衛権行使をしたときのリスクというものをお聞きしたかったんです。後ほど質問をさせていただきますけれども、今も、その点については、はぐらかされたと私は思います。少し残念に思います。

 そこで、もう一点、何度もお答えでありますけれども、今回の閣議決定を急いだ理由、もう一度、簡潔に、そして国民にわかりやすく御説明ください。

安倍内閣総理大臣 例えば海賊であったとしても、これは相当の銃器で武装をしておりますし、ロケット砲を持っている可能性だってあるわけですね。そして、それで船を沈められるわけですよ、それと対応する場合。

 それと、例えば、国際法上の概念において国及び国に準ずるかどうかということにおいて、それは、憲法上の概念においては今まで対応はできなかったわけでございますが、今まで行っているものが安全で、全く別の世界ということではないということは申し上げておきたいと思うわけでございます。

 そして、先ほど申し上げましたように、まさに逃れようとする邦人を助けることができないという中において、それをそのまま放置していいとは恐らく委員も思っておられないんだろうと思います。そうであるならば、今まではそれは国際法的には集団的自衛権の行使と解釈されるわけですから、これは憲法の解釈をその部分においては変えざるを得ない。そして、その中において、四十七年の、いわば論理の基本を変えなくても、当てはめにおいて変えることは可能である、我々はこう結論をつけたところであります。

 しかし、同時に、新しい三要件があって、これが歯どめとなっているわけでございます。その中において、国の存立が脅かされ、国民のいわば命、あるいは自由、幸福追求の権利、これを根底から覆される明白な危険があるという中において、何にもしなくていいのかということであります。その中においては、まさにそのために自衛隊の諸君は日々訓練をし、覚悟を持ってそれに備えているわけである。そして、それをしっかりと対応していくということによって、いわば抑止力は高まっていくことにもつながっていくわけであります。

 こうした議論は、まさに一九六〇年の安保改定のときにもさんざん行われていたわけでありまして、あのときも、巻き込まれる、こういうことが言われていたわけであります。日米安保の改定、あのときも相当の非難がありました。しかし、今はまさに、五十年以上を経て、多くの国民の皆様の理解を得るに至ったということではないか。

 PKOにおいても、これは多くの方々が反対をされたわけですね。また、国会においても、社会党の人たちも反対をしました。これは相当の反対であったわけでありますが、今はPKO活動自体が評価をされている、このように思います。PKO法ができたとき、これは送られた国々が侵略と受け取るかもしれないということを書いた社説があるわけでありますが、全くそんなことはないわけでありまして、最初のPKO活動を行ったカンボジアは、まさに日本の活動を高く評価しているわけでありまして、私たちの行った判断は十分に歴史の審判にたえ得る、このように考えておるところでございます。

村上(史)委員 全く私がお聞きしたこととは違うことをおしゃべりになりました。

 まず、それでは、具体的にそのリスクの話をさせていただきたいと思います。

 その前に、ソマリアで活動されている自衛隊の方々の危険性がゼロだということを私は申し上げているのではなくて、全く質が違うでしょう、集団的自衛権の行使によるリスクと今活動されているリスクは根本的に違うという認識だけは持っていただきたいと思います。

 その上において、お尋ねをします。

 総理は、七月一日の閣議決定後の記者会見の質問で、自衛隊の活動について、隊員が戦争に巻き込まれて血を流す可能性がこれまで以上に高まるのではないかという問いに、また、今回の決定は日本の国防政策の大きな転換で、平和を守るためには犠牲を伴うかもしれないという可能性がある、そこで、国民がどのような覚悟を持つ必要があるのかという問いに対して、真正面からお答えにはならなかったと思います。

 この点について、改めて伺います。

 集団的自衛権行使によるリスクと、それに対する国民の覚悟について、総理はどのようにお考えか、お尋ねします。

安倍内閣総理大臣 その覚悟というのは私はよくわからないんですが、先ほど申し上げましたように、近隣国で紛争が起こって、そこから逃れようとする邦人を守ることができないという状況に対してこそ覚悟を持たなければいけなくなってくるわけであります。そのために、いわば能力を持っている自衛隊が警護することによって、多くの邦人が安全に帰ってくることができるんです。そのことを当然考えなければならないんだろうと思います。

 そして、三要件の中にあるように、国の存立が脅かされているわけです。そして、国民の権利が根底から覆されるということになって、ほっておかれることについて覚悟しなければいけないということになるかもしれませんよ。そうではなくて、それは未然に防がなければいけないということになるわけであります。

 つまり、今回は、もうこれは私たちが、やらない、例えば武力行使を目的としたイラク戦争とかあるいは湾岸戦争、ああした戦闘には参加をしないということは、当然、もう既に申し上げているとおりであります。しかし、それでもなおかつ、まるで我々はそれに参加するかのごとくの議論がなされているのは、大変残念なことであります。

 さらに、例えば、安倍政権は徴兵制を行うということを真顔で多くの方々が議論されていて、その上で、反対、こういうことを言っている人たちが随分、これは随分いるわけでございます。

 今、徴兵という言葉が出て、その中において、国民みんなが、もしかしたら私の子供もという気持ちになるかもしれませんが、徴兵制については、これは憲法違反であるということは、既に私はこの委員会において明確に述べてきているとおりでございます。徴兵ということは、全くこれは考えられないわけでございます。

 ですから、そうした全く根拠のない批判ではなくて、私たちが何をやろうかということについてのしっかりとした議論を深めていくべきであろう。その上においても、我々はこれから個別法を出していくわけでございますので、その個別法に即して具体的な議論が深まっていくことを期待したいと思っているところでございます。

村上(史)委員 全く私が聞いていないことをおしゃべりになっても、充実した審議にはならないと思うんです。

 私が特に申し上げているのは、集団的自衛権の行使によって、今まで専守防衛の中で日本を守るために頑張ってきた自衛隊員の方が、その行使をすることによって海外に行く、そして、集団的自衛権の行使ですから、既に戦闘状態にあるところに行くわけです。そういうところに自衛隊員を送り出していく、その危険性というものは、今までのいわゆる専守防衛で活動されている自衛隊員の方々の危険性よりも高くなるのではないか、それは当然のことではないか。それに対する御認識はいかがですか。

 総理にお伺いします。

小野寺国務大臣 まず、先ほど来の議論の中で、前提は、我が国の国民が、これはその生命財産が脅かされるということが前提であります。そのために、自衛隊員は常に訓練をしております。そして、私どももそうですが、宣誓書を常に持っており、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえること」を誓う、これを言っております。

 これだけ士気高く訓練している自衛隊員でありますが、私は自衛隊員の指揮をとる立場の一人でもあります。そのことでいえば、自衛隊員の任務遂行というのは、これは当該任務に従事する自衛隊員の安全を考慮することも当然であります。ですから、日ごろの訓練、さまざまな装備、そして実際、各幕僚の軍事的、専門的見地、こういうことをしっかりと私ども踏まえた上で、今後、新しい任務を踏まえれば、そのことが完遂できるように、そして隊員の安全も確保できるように努力をしてまいりたいと思います。

村上(史)委員 我が国の論理が紛争地域でそのまま当てはまるということではないと思います。

 相手国から見れば、日本が支援に行く、協力に行く、その行為そのものが戦闘行為だとみなされても仕方がないのが現状ではないでしょうか。相手国から見れば一体であるはずです。当然、攻撃対象になるはずです。そのことを、その危険性のリスクを問うているわけです。事実をおっしゃってください。

小野寺国務大臣 基本的に、我が国にこのまま放置すれば大変重大な危機が来るということが明白になって、その中で、現在しっかり対応することがむしろ我が国の防衛に役立つということで、むしろその方がより安全保障面でプラスになるということ、これを明確にするということ、そして何より、今回このような形でしっかりとした体制ができることによって抑止力につながる、そういう意味で大切なことだと思っております。

 防衛大臣の役割は、もとより国民の生命財産を守ることでありますが、問題を起こさない、紛争を起こさない、そのための抑止力をしっかり整備する、これも大切な仕事だと思っております。

村上(史)委員 そういう解説は何度もお聞きしています。

 今申し上げたのは、こちらの意図にかかわらず巻き込まれる、そして自衛隊員が犠牲になる危険性はないのですかということをお聞きしています。それで、万が一そのときに、不幸にも犠牲が出たときに、一体誰が責任をとるんですか、持つんですか。現場の指揮官ですか、防衛大臣ですか、それとも総理大臣ですか。その点について伺います。

安倍内閣総理大臣 もちろん、自衛隊の最高指揮官である私が自衛隊員の安全について最終的な責任を負っているのは、言うまでもないところであります。

 自衛隊員の諸君は、先ほど防衛大臣からお話をさせていただいたように、宣誓をするわけであります。事に臨んでは危険を顧みず、身をもって任務を完遂するように努め、もって国民の負託に応えていくという、この宣誓を行う公務員であるわけであります。この宣誓は、大変重い宣誓を私も受けているわけであります。その中での判断になるわけであります。これは個別的自衛権においてもそうです。個別的自衛権においても、自衛隊の諸君は、国民の命、そして国土、領海を守るために命をかけるわけで、危険に身をさらすわけであります。

 そこで、今回の三要件についてもう一度申し上げますが、我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険の中において、そこで初めて自衛隊は武力を行使するわけであります。そのことをしっかりと御認識いただきたい。そして、もちろん、そうならないように外交的な手段を尽くしていくことは言うまでもないことであろう、このように思うわけであります。

 これは自衛隊が創設された昭和二十九年、六十年前でありますが、あのときも、そんなものをつくれば自衛隊の命は危険にさらされる、日本の若い人たちは危険にさらされる、こう批判をされたわけでありますが、まさにあの創設によって日本の国民の命は守られ、領土、領海、私たちの権利が守られてきたという、その認識を持つべきではないか、このように思うところでございます。

村上(史)委員 その三要件ですら、きょうの午前中からの質疑でもあるように、明確な基準がないので、そのときそのときに判断をするという答弁ではなかったですか。だからこそ、国民も不安を覚えるし、リスクもあるのではないか、そういう気持ちになるのは当然だと思います。

 それでは、時間も参りましたので、最後に質問させていただきたいと思います。

 総理は、戦後レジームからの脱却ということを常々おっしゃっています。日本の戦後体制を大きく変えていこうという思いがあることは承知をいたしております。

 今回の集団的自衛権の行使容認については、戦後の安全保障政策の大転換であります。国防政策の大転換であります。当然、国民にその信を問うべき内容ではないかなと私は思うんですが、総理は、この集団的自衛権行使の是非について、国民に信を問うおつもりはありますか。

安倍内閣総理大臣 私は、自民党の総裁選挙に出たときから、この行使について、解釈の変更について訴えてきたところであります。全員、候補者は賛成をしていた、このように記憶をしているわけでございますし、また、衆議院選挙あるいは参議院選挙においても、J―ファイルに書き込んでいるところでございます。その上において、私たちは、衆議院、参議院で勝利を得て、政権を維持しているところでございます。

 現段階では、解散は考えているわけではございません。

 ちなみに、御党の小沢党首は、集団安全保障においては、全てこれは認められるという考え方をかつてお示しになっておられるというふうに記憶をしているわけでございまして、集団安全保障は全てよくても集団的自衛権がだめだという議論は、私はなかなか理解できないところでございます。

村上(史)委員 我が党の小沢代表が言われている、今総理が言われたことは、国連決議に基づいてという前提です。そして、日本国憲法は国際連合の理念にも合うという前提の中でそういう議論はされていると思いますけれども、即軍事的なことを現憲法下でやるということは一切言っておりませんので、誤解のないようにお願いをしたいと思います。

 時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

二階委員長 これにて村上君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本日の集中審議は終了いたしました。

 なお、理事の皆さんに申し上げますが、この後、理事会を再開したいと思いますので、所定の場所に御参集ください。

 以上です。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後五時六分散会


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