衆議院

メインへスキップ



第16号 平成27年3月12日(木曜日)

会議録本文へ
平成二十七年三月九日(月曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。

 第一分科会(皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁及び防衛省所管並びに他の分科会の所管以外の事項)

   主査 平沢 勝栄君

      岩屋  毅君    衛藤征士郎君

      小田原 潔君    辻元 清美君

      赤嶺 政賢君

 第二分科会(総務省所管)

   主査 土井  亨君

      金子めぐみ君    田所 嘉徳君

      森山  裕君    小川 淳也君

      松浪 健太君

 第三分科会(法務省、外務省及び財務省所管)

   主査 金田 勝年君

      小林 鷹之君    野田  毅君

      保岡 興治君    前原 誠司君

      井坂 信彦君    樋口 尚也君

 第四分科会(文部科学省所管)

   主査 萩生田光一君

      大島 理森君    古屋 圭司君

      山下 貴司君    後藤 祐一君

      今井 雅人君

 第五分科会(厚生労働省所管)

   主査 原田 義昭君

      熊田 裕通君    根本  匠君

      星野 剛士君    山井 和則君

      岡本 三成君

 第六分科会(農林水産省及び環境省所管)

   主査 石原 宏高君

      小倉 將信君    小池百合子君

      鈴木 俊一君    階   猛君

      重徳 和彦君    中野 洋昌君

 第七分科会(経済産業省所管)

   主査 平口  洋君

      秋元  司君    宮崎 謙介君

      山本 幸三君    岸本 周平君

      高橋千鶴子君

 第八分科会(国土交通省所管)

   主査 上田  勇君

      金子 一義君    長坂 康正君

      山本 有二君    馬淵 澄夫君

      松木けんこう君

平成二十七年三月十二日(木曜日)

    午前八時五十分開議

 出席委員

   委員長 大島 理森君

   理事 金田 勝年君 理事 萩生田光一君

   理事 原田 義昭君 理事 平口  洋君

   理事 平沢 勝栄君 理事 森山  裕君

   理事 前原 誠司君 理事 山井 和則君

   理事 今井 雅人君 理事 上田  勇君

      青山 周平君    秋元  司君

      石原 宏高君    岩屋  毅君

      衛藤征士郎君    小倉 將信君

      小田原 潔君    金子 一義君

      金子めぐみ君    熊田 裕通君

      小池百合子君    小林 鷹之君

      小松  裕君    白石  徹君

      鈴木 俊一君    田所 嘉徳君

      田村 憲久君    土井  亨君

      長坂 康正君    根本  匠君

      野田  毅君    福田 達夫君

      古屋 圭司君    星野 剛士君

      細田 健一君    前川  恵君

      宮崎 謙介君    村井 英樹君

      保岡 興治君    山下 貴司君

      山本 幸三君    山本 有二君

      渡辺 孝一君    泉  健太君

      小川 淳也君    大串 博志君

      大西 健介君    岡本 充功君

      岸本 周平君    後藤 祐一君

      階   猛君    鈴木 貴子君

      辻元 清美君    中島 克仁君

      長妻  昭君    細野 豪志君

      馬淵 澄夫君    本村賢太郎君

      山尾志桜里君    井坂 信彦君

      江田 憲司君    太田 和美君

      木内 孝胤君    重徳 和彦君

      篠原  豪君   松木けんこう君

      松浪 健太君    岡本 三成君

      中野 洋昌君    樋口 尚也君

      古屋 範子君    赤嶺 政賢君

      穀田 恵二君    清水 忠史君

      高橋千鶴子君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣         高市 早苗君

   文部科学大臣

   国務大臣         下村 博文君

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   農林水産大臣       林  芳正君

   経済産業大臣       宮沢 洋一君

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   防衛大臣

   国務大臣

   (安全保障法制担当)   中谷  元君

   国務大臣

   (復興大臣)       竹下  亘君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   甘利  明君

   国務大臣         有村 治子君

   国務大臣         石破  茂君

   総務副大臣        二之湯 智君

   財務副大臣        菅原 一秀君

   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君

   農林水産大臣政務官    中川 郁子君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君

   会計検査院長       河戸 光彦君

   政府参考人

   (宮内庁次長)      山本信一郎君

   政府参考人

   (財務省大臣官房総括審議官)           迫田 英典君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 上田 隆之君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    北川 慎介君

   参考人

   (年金積立金管理運用独立行政法人理事長)     三谷 隆博君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十日

 辞任         補欠選任

  秋元  司君     石川 昭政君

  金子 一義君     津島  淳君

  金子めぐみ君     大西 英男君

  小池百合子君     岩田 和親君

  野田  毅君     山田 賢司君

  古屋 圭司君     八木 哲也君

  岩屋  毅君     宮崎 政久君

  鈴木 俊一君     渡辺 孝一君

  根本  匠君     務台 俊介君

  八木 哲也君     古田 圭一君

  山本 有二君     加藤 鮎子君

  小川 淳也君     神山 洋介君

  中野 洋昌君     輿水 恵一君

  岩田 和親君     藤井比早之君

  津島  淳君     斎藤 洋明君

  星野 剛士君     山田 美樹君

  神山 洋介君     緒方林太郎君

  岸本 周平君     鷲尾英一郎君

  後藤 祐一君     荒井  聰君

  辻元 清美君     阿部 知子君

  前原 誠司君     岡本 充功君

  宮崎 政久君     大野敬太郎君

  渡辺 孝一君     前田 一男君

  阿部 知子君     寺田  学君

  馬淵 澄夫君     武正 公一君

  松浪 健太君     落合 貴之君

  樋口 尚也君     濱村  進君

  高橋千鶴子君     宮本 岳志君

  衛藤征士郎君     井上 貴博君

  藤井比早之君     池田 道孝君

  古田 圭一君     大串 正樹君

  緒方林太郎君     玉木雄一郎君

  武正 公一君     馬淵 澄夫君

  井坂 信彦君     吉田 豊史君

  重徳 和彦君     丸山 穂高君

  松木けんこう君    河野 正美君

  前田 一男君     加藤 寛治君

  寺田  学君     小山 展弘君

  落合 貴之君     木内 孝胤君

  河野 正美君     足立 康史君

  吉田 豊史君     木下 智彦君

  濱村  進君     高木美智代君

  赤嶺 政賢君     真島 省三君

  宮本 岳志君     畠山 和也君

  井上 貴博君     田畑 裕明君

  荒井  聰君     逢坂 誠二君

  馬淵 澄夫君     武正 公一君

  足立 康史君     小熊 慎司君

  木内 孝胤君     篠原  豪君

  高木美智代君     濱村  進君

  逢坂 誠二君     宮崎 岳志君

  玉木雄一郎君     緒方林太郎君

  小熊 慎司君     水戸 将史君

  篠原  豪君     松田 直久君

  丸山 穂高君     吉村 洋文君

  真島 省三君     宮本  徹君

  石川 昭政君     笹川 博義君

  大西 英男君     簗  和生君

  山田 賢司君     武藤 貴也君

  階   猛君     福田 昭夫君

  宮崎 岳志君     柚木 道義君

  岡本 三成君     吉田 宣弘君

  輿水 恵一君     大口 善徳君

  武正 公一君     田島 一成君

  福田 昭夫君     中根 康浩君

  鷲尾英一郎君     小宮山泰子君

  木下 智彦君     下地 幹郎君

  濱村  進君     中川 康洋君

  宮本  徹君     梅村さえこ君

  岡本 充功君     泉  健太君

  小宮山泰子君     大西 健介君

  田島 一成君     中島 克仁君

  松田 直久君     篠原  豪君

  水戸 将史君     足立 康史君

  吉村 洋文君     井出 庸生君

  大口 善徳君     中野 洋昌君

  梅村さえこ君     赤嶺 政賢君

  緒方林太郎君     奥野総一郎君

  小山 展弘君     長島 昭久君

  足立 康史君     河野 正美君

  井出 庸生君     太田 和美君

  中川 康洋君     國重  徹君

  吉田 宣弘君     伊佐 進一君

  赤嶺 政賢君     畑野 君枝君

  畠山 和也君     堀内 照文君

  池田 道孝君     牧島かれん君

  武藤 貴也君     宮川 典子君

  務台 俊介君     堀内 詔子君

  簗  和生君     大西 宏幸君

  長島 昭久君     寺田  学君

  柚木 道義君     笠  浩史君

  河野 正美君     伊東 信久君

  堀内 照文君     島津 幸広君

  田畑 裕明君     黄川田仁志君

  寺田  学君     阿部 知子君

  中根 康浩君     菊田真紀子君

  伊東 信久君     上西小百合君

  篠原  豪君     落合 貴之君

  下地 幹郎君     初鹿 明博君

  畑野 君枝君     斉藤 和子君

  阿部 知子君     金子 恵美君

  泉  健太君     中川 正春君

  大西 健介君     菅  直人君

  中島 克仁君     大島  敦君

  笠  浩史君     後藤 祐一君

  伊佐 進一君     赤羽 一嘉君

  島津 幸広君     清水 忠史君

  大串 正樹君     武井 俊輔君

  山本 幸三君     中谷 真一君

  大島  敦君     福島 伸享君

  菅  直人君     鷲尾英一郎君

  赤羽 一嘉君     真山 祐一君

  國重  徹君     濱村  進君

  斉藤 和子君     本村 伸子君

  加藤 鮎子君     島田 佳和君

  笹川 博義君     佐々木 紀君

  宮川 典子君     若狭  勝君

  太田 和美君     鈴木 義弘君

  落合 貴之君     高井 崇志君

  真山 祐一君     赤羽 一嘉君

  大野敬太郎君     比嘉奈津美君

  中谷 真一君     武村 展英君

  堀内 詔子君     赤枝 恒雄君

  金子 恵美君     本村賢太郎君

  中川 正春君     鈴木 貴子君

  鈴木 義弘君     井出 庸生君

  濱村  進君     高木美智代君

  本村 伸子君     塩川 鉄也君

  佐々木 紀君     秋本 真利君

  武井 俊輔君     安藤  裕君

  保岡 興治君     神田 憲次君

  山田 美樹君     白須賀貴樹君

  鷲尾英一郎君     大西 健介君

  赤羽 一嘉君     真山 祐一君

  中野 洋昌君     斉藤 鉄夫君

  清水 忠史君     田村 貴昭君

  安藤  裕君     尾身 朝子君

  大西 宏幸君     鈴木 憲和君

  神田 憲次君     藤丸  敏君

  黄川田仁志君     宮澤 博行君

  斎藤 洋明君     石崎  徹君

  島田 佳和君     今枝宗一郎君

  若狭  勝君     村井 英樹君

  菊田真紀子君     中根 康浩君

  後藤 祐一君     宮崎 岳志君

  井出 庸生君     横山 博幸君

  斉藤 鉄夫君     稲津  久君

  高木美智代君     角田 秀穂君

  真山 祐一君     浜地 雅一君

  塩川 鉄也君     宮本  徹君

  赤枝 恒雄君     谷川 とむ君

  石崎  徹君     鬼木  誠君

  尾身 朝子君     神山 佐市君

  初鹿 明博君     青柳陽一郎君

  田村 貴昭君     藤野 保史君

  青柳陽一郎君     吉田 豊史君

  秋本 真利君     秋元  司君

  今枝宗一郎君     山本 有二君

  鬼木  誠君     金子 一義君

  加藤 寛治君     鈴木 俊一君

  神山 佐市君     古屋 圭司君

  白須賀貴樹君     星野 剛士君

  鈴木 憲和君     金子めぐみ君

  武村 展英君     山本 幸三君

  谷川 とむ君     根本  匠君

  比嘉奈津美君     岩屋  毅君

  藤丸  敏君     保岡 興治君

  牧島かれん君     小池百合子君

  宮澤 博行君     衛藤征士郎君

  村井 英樹君     野田  毅君

  大西 健介君     岸本 周平君

  奥野総一郎君     小川 淳也君

  鈴木 貴子君     前原 誠司君

  中根 康浩君     階   猛君

  福島 伸享君     馬淵 澄夫君

  宮崎 岳志君     後藤 祐一君

  本村賢太郎君     辻元 清美君

  上西小百合君     松木けんこう君

  高井 崇志君     松浪 健太君

  横山 博幸君     重徳 和彦君

  吉田 豊史君     井坂 信彦君

  稲津  久君     中野 洋昌君

  角田 秀穂君     樋口 尚也君

  浜地 雅一君     岡本 三成君

  藤野 保史君     高橋千鶴子君

  宮本  徹君     赤嶺 政賢君

同月十二日

 辞任         補欠選任

  秋元  司君     前川  恵君

  岩屋  毅君     白石  徹君

  金子めぐみ君     青山 周平君

  熊田 裕通君     田村 憲久君

  小林 鷹之君     福田 達夫君

  根本  匠君     渡辺 孝一君

  小川 淳也君     大串 博志君

  岸本 周平君     細野 豪志君

  後藤 祐一君     中島 克仁君

  辻元 清美君     長妻  昭君

  馬淵 澄夫君     大西 健介君

  山井 和則君     泉  健太君

  井坂 信彦君     木内 孝胤君

  重徳 和彦君     篠原  豪君

  松木けんこう君    太田 和美君

  松浪 健太君     江田 憲司君

  岡本 三成君     古屋 範子君

  赤嶺 政賢君     穀田 恵二君

  高橋千鶴子君     清水 忠史君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     小松  裕君

  白石  徹君     岩屋  毅君

  田村 憲久君     熊田 裕通君

  福田 達夫君     村井 英樹君

  前川  恵君     細田 健一君

  渡辺 孝一君     根本  匠君

  泉  健太君     山井 和則君

  大串 博志君     小川 淳也君

  大西 健介君     鈴木 貴子君

  中島 克仁君     後藤 祐一君

  長妻  昭君     辻元 清美君

  細野 豪志君     山尾志桜里君

  江田 憲司君     松浪 健太君

  太田 和美君     松木けんこう君

  木内 孝胤君     井坂 信彦君

  篠原  豪君     重徳 和彦君

  古屋 範子君     岡本 三成君

  穀田 恵二君     赤嶺 政賢君

  清水 忠史君     高橋千鶴子君

同日

 辞任         補欠選任

  小松  裕君     金子めぐみ君

  細田 健一君     秋元  司君

  村井 英樹君     小林 鷹之君

  鈴木 貴子君     本村賢太郎君

  山尾志桜里君     岡本 充功君

同日

 辞任         補欠選任

  岡本 充功君     岸本 周平君

  本村賢太郎君     馬淵 澄夫君

同日

 理事山井和則君同日理事辞任につき、その補欠として前原誠司君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十七年度一般会計予算

 平成二十七年度特別会計予算

 平成二十七年度政府関係機関予算

 主査からの報告聴取


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

大島委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事山井和則君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴い、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に前原誠司君を指名いたします。

     ――――◇―――――

大島委員長 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、各分科会主査から、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。

 第一分科会主査平沢勝栄君。

平沢委員 第一分科会につきまして御報告申し上げます。

 その詳細につきましては会議録に譲ることとしまして、ここでは主な質疑事項につきまして申し上げます。

 まず、内閣所管につきましては、我が国の大陸棚延長に向けた取り組み、子育て支援のあり方など、

 次に、内閣府所管につきましては、地方創生の推進、国家戦略特区のあり方、犯罪被害者への支援策、乳幼児医療負担のあり方など、

 次に、復興庁所管につきましては、福島の復興に向けた具体的取り組みなど、

 次に、防衛省所管につきましては、防衛省設置法改正案の目的、防衛装備品のあり方などでありました。

 以上、御報告申し上げます。

大島委員長 第二分科会主査土井亨君。

土井委員 第二分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、総務省所管につきまして審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、地方創生のあり方、地域おこし協力隊の推進の必要性、消防団の充実強化対策、郵政民営化の今後の動向、公共放送としてのNHKのあり方、臨時・非常勤職員及び任期つき職員の任用のあり方等々でございます。

 以上、御報告申し上げます。

大島委員長 第三分科会主査金田勝年君。

金田委員 第三分科会について御報告を申し上げます。

 本分科会は、法務省、外務省及び財務省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、成年年齢引き下げへの対応、離婚後等の子供との面会交流のあり方、日中、日韓間における課題、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題、財政健全化に向けた取り組み、中古住宅市場の活性化策等々であります。

 以上、御報告を申し上げます。

大島委員長 第四分科会主査萩生田光一君。

萩生田委員 第四分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、文部科学省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、特別支援教育への取り組み状況、ロボット研究開発の推進の方向性、学校図書館における司書配置の充実、川崎市における中学一年生殺人事件を受けての対応策、地方創生の切り札としてのオリンピック・パラリンピック東京大会の活用、公設民営学校の問題点等々であります。

 以上、御報告申し上げます。

大島委員長 第五分科会主査原田義昭君。

原田(義)委員 第五分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、厚生労働省所管についての審査でございます。

 その主な質疑事項は、群馬大学病院における死亡事案を踏まえた再発防止策、医師の偏在解消への取り組み、医療における消費税のあり方、労働時間法制の見直し、介護の充実の必要性、生活保護制度のあり方等々でございます。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたします。

 以上、御報告申し上げます。

大島委員長 第六分科会主査石原宏高君。

石原(宏)委員 第六分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、農林水産省及び環境省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、農地中間管理機構による農地集積の推進、我が国の農林水産物の輸出拡大に向けた取り組み、農政改革の方針、TPP交渉における重要五品目の取り扱い、犬、猫の殺処分数の減少に向けた取り組み、不適正除染の根絶のための措置等々であります。

 以上、御報告申し上げます。

大島委員長 第七分科会主査平口洋君。

平口委員 第七分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、経済産業省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、中小下請企業等の支援策、地域経済活性化への取り組み、原子力行政の課題、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度見直しの方向性、企業の社会的責任を推進する国の役割、自動車税制のあり方等々であります。

 以上、御報告申し上げます。

大島委員長 第八分科会主査上田勇君。

上田委員 第八分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、国土交通省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、道路、鉄道、港湾、河川の整備の推進、地震、津波等の大規模災害対策、公共事業発注の適正化への取り組み、交通機関におけるバリアフリー化の推進、地方空港の活用策、観光立国の推進に向けた取り組み等々であります。

 以上、御報告申し上げます。

大島委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。

    ―――――――――――――

大島委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として宮内庁次長山本信一郎君、財務省大臣官房総括審議官迫田英典君、資源エネルギー庁長官上田隆之君、中小企業庁長官北川慎介君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大島委員長 これより一般的質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太でございます。

 私たち民主党は、やはり生活者の生活の現場に根差した質問をさせていただきたい、そう思っておりますので、きょうは特に、少子化対策、子育て支援、母子家庭支援等々について質問させていただきたいというふうに思います。

 まず、麻生大臣にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、少子化あるいは少子高齢化が言われております。社会保障は、かつては、老人を支えるという意味では胴上げ型だった。それが騎馬戦型となり、肩車型に移行しつつあるということ、大変負担感が増しているという状態がございます。

 これはなぜこのようになっているのか、今のこの少子化の原因というものをどのようにお考えでしょうか。

麻生国務大臣 これは、学説、諸説いろいろありますので、一概にこれというのがあるわけじゃないんだと存じますが、現在の出生率は、一・四三まで上がってきたのかな、一・二ぐらいまで下がっておりましたが、一・四三ぐらいになっておると思いますが、極めて危機的だと思っております。

 人口減少の克服は、これは日本が今後とも取り組んでいかなければならない大きな問題なので、日本より低い、例えばイタリアとかドイツとか、いろいろもっと低いところもあるのは確かですが、いずれにしても、若い世代の結婚、子育ての希望がなかなか実現しにくい点があるのではないかということで、やはり一・四三のものをせめて一・八ぐらいまでにはしたいということでいろいろやって、まず、若い世代の希望というか、安心して結婚して子供が産めるという社会の実現が必要と考えております。

 そのために、今よく言われる、非正規雇用の正規雇用化の支援をやるとか、待機児童の解消加速化プランを着実に実施するとか、保護がなくなるというか保育がなくなるというか、いわゆる小一の壁と言われるものの打破のために放課後の子供をどうするかという総合プランといったものを実施するなどを通じて、若い世代の経済的な安定、また、子ども・子育て支援の充実を図るというのは、減少の面から見たら大事なところかと思います。

 全体的なことを言ったらもっといろいろなことが言えるんだと思いますが、ちょっと時間も限られていると思いますので。

泉委員 大臣、私、気になったのは、昨年の十二月の七日ですか、札幌での演説で、子供を産まない方が問題だという御発言をされたということですね。

 その後、いろいろと弁解をされたということでありますが、これは、改めてその発言の真意をお聞かせください。

麻生国務大臣 御指摘の発言というのは、どこかで聞かれたことがありますけれども、あくまでも、子供を産みたいという人が安心して産めるような社会にすることが大事だという話をすると、戦争中は安心していたわけじゃないけれども子供をみんな産んだとか、我々の世代から見ればそう言われるものなんです、その定義は時代時代によって違いますけれども。そのため、政府が全力を尽くす必要があるということは、間違いなくそう申し上げた。

 労働力の減少とか人口の減少というのは、これは長期的には日本の社会にとって極めて大きな問題で、今、一億二千七百万人と言われますけれども、これが泉さんたちの世代の後半になってくると多分一億人を切るという話になってくるんだと思います。やはりこれは、産みたくてもとか、そういう希望があるにもかかわらず経済的な事情でとか社会的な事情で産めないというのは放置できないので、あらゆる手段を講じてやっていかなきゃいかぬということは確かなんだと思います。

 いわゆる産まないというのを、一人っ子だけでいい、別にこっちは一人っ子政策を推進したわけでも何でもありませんけれども、結果として一人っ子というのがえらくふえた世代、時代がありまして、そういったのは何か世の中の風潮として、経済環境を考えて二人産むと、その子のランドセルがどうとか、何か当時はいろいろな説が言われた時代があったんです。

 私たちの世代の感覚からいきますと、学習院にいましたけれども、学習院の制服を着ていない人が三分の一ぐらい、革のランドセルをしょっているのは全校で一人。学習院でもそんなものだった時代がありましたので、私どもはそういうところで育ってきましたから、何となく、貧しいから子供は産めないというのと少し違うんじゃないかなと。塾なんというものは我々の世代はありませんから。だから、できの余りよくないのは、みんなで教えてやったりなんかしたり、先生も補習授業をしてくれたりいろいろしていましたので、そういうところかなと。

 何が問題なのかと言われると、やはりもうちょっと産もうと思えば産めないことはないんじゃないのという話もありますよ。事実、地方に行くと、地方は子供の数が多いんだと思いますけれども、東京はやはり狭いから、子供をもう一人というのはなかなか難しいんだとか、いろいろな事情が複合的になっているんだとは思います。

 いずれにしても、やはり産もうと思わない限りはなかなか産まぬわけですから、やはり先の世代に希望がないとかいうことも産まない理由の一つなのかなというので、いろいろなことを思いながら言葉をちょっとはしょって申し上げたのがあの結果です。

泉委員 ちょっとその認識は、一番最後は特に、ある意味本音なのかもしれませんが、やはりこれは問題な発言だと私は思いますよ。

 生きている世代によって感覚が違うかもしれませんが、政治家は国力だとか労働力という面で人口問題を考えるかもしれませんが、そういうことで子供を産む若者はいませんね。さらに、今、何で産まないのかわからぬということでは、私はやはりこの国の閣僚としては、それは認識としてはいかがかというふうに思います。

 大臣もちらっとおっしゃいましたけれども、やはり産みたくても産めないわけですね。産みたくても産めない。よく、自民党の中には、家族を解体する主張はだめだとか、そういうことをおっしゃる方がありますが、ちょっとよく考えてみると、自民党政権の時代に随分と世帯収入が下がっているわけですよね。世帯収入が下がっていて、特に世帯主の収入も下がっている。

 これは、男女両方とも、ある意味、収入のバランスが以前よりかはとれてきて、そして、夫婦二人での所得ということの合算の傾向が強くなってきているとは思うんですけれども、それでも世帯収入は減っています。

 世帯収入が減っている中で子供を産もうと思ったら、女性は一度仕事を休職するか、あるいは中にはやめられるという方もある。そうすると、単純に言えば、半減しかねないような状態になるわけですね。

 昨年の年末ぐらいにある会社がアンケート調査をすると、世帯収入で四百万があれば結婚を考える、五百万あれば一人目の出産を考える、六百万があれば二人目の出産を考えるというような傾向がアンケートからは出ているということでありましたが、実際に、とはいえ、今政府のさまざまなデータを見ていると、世帯収入でいうと、百万から二百万というのが一三・二%、二百万から三百万が一三・三%、三百万から四百万が一三・二%ということで、ここだけで三分の一以上の方々なわけですね。

 やはり、世帯収入をどんどん減らしていっているという、ここを変えなければ絶対いけないんじゃないか。ですから、我々民主党はずっと、非正規雇用がふえる状況というのはよくないということで、労働法制についてもそういう見解を述べてきたわけですね。

 大臣、改めて、非正規雇用がどんどんふえている状況、これで世帯員の生活が守られるとお考えですか。

麻生国務大臣 非正規雇用がふえているという間に子供がふえないというのは、多分、もう既にしっかりした答えが出ているのは、九州トヨタの宮若工場という、今、生産効率世界一の工場がありますが、ここは非正規雇用から正規雇用に急激にふえていったときに、宮若の出生率が市では日本一になった例がありますので、調べられるとすぐ教えてくれると思いますが。

 そのときに、市長に、幼稚園をつくっておけと言っておかないとえらいことになるぞという話をした記憶がありますけれども、保育園やら幼稚園やらをきちんとやっておかないとという話をしたんですが、正規にして生活収入が安定するということは、結婚につながり、それが出産につながり、子育てにつながっていくというのも統計的にも実績的にもはっきりしていると思いますので、私どもとしても、正規や非正規というのは、最近景気がよくなってきて大分上がってきているとは思いますけれども、さらにそういった景気とか経済状況というのは非常に大きな影響を与える、私はそう思います。

泉委員 例えば、育児休業も、今、五〇%から六七%に所得保障の割合が上がりましたけれども、これも六カ月間だけなんですね。最初の六カ月間だけが六七%、それ以降はまた五〇%の保障ということで、生活費がやはり半減はしてしまうわけですよね。そういう意味では、やはり、育児休業もこれからもっともっと制度を充実させていかなければいけません。

 そういった意味では、雇用保険の中での国庫負担というのは今七%でありますけれども、これは本来は一二・五%ということになっております。もっともっとやはり国の方がしっかり負担をして、育休の所得保障の率も上げていく必要があるというふうに思っております。

 塩崎厚生労働大臣もきょう来られておりますので、ぜひ、その点は、育児休業給付のさらなる充実ということもお願いをさせていただきたいというふうに思います。

 さて、妊娠ということについて言うと、期せずしてというケースもあると思います。その一つが高校生の妊娠でありまして、これをどのように考えるかということであります。もちろん、望まない妊娠ということもさまざまな事情であるかもしれませんが、きょう、資料で一つ持ってまいりました。私の配付をしている資料の一番上であります。

 これは、ある県の県立高校の管理運営に関する規則というもので、懲戒に関する規程というのがあるんですね。懲戒の運用に関する基準、平成二十五年改訂、最近のものですね。

 ずっと処分の大体の基準が書いてあるわけですが、一番下の方、「性的問題行動」と書いてありまして、「不純異性交遊」「妊娠」、そして「性的暴行」と処分が書いてあるわけですね。物すごく違和感を感じたのが、妊娠が退学処分、そして性的暴行も退学処分、これは一緒かと。それは一緒とちゃうやろというふうに思うわけですね。

 犯罪を起こせば、それは退学の対象になろうというふうに思いますが、妊娠というのは受け手の側にもたらされる環境ですよね。さまざま、その経緯、過程に理由はあったにせよ、子供ができてしまったという事態に対して、子供の学業の継続ですとか支援をする立場の教育機関が、この妊娠ということを果たして懲戒の枠組みの中で考えるべきことなのかと。

 実際に丁寧に伺っていきますと、公立高校を中心に、実際に強制的に退学させるケースというのは、本当にほぼないんじゃないかという状況にまで来ているとは伺っていますが、ちまたには、私立の高校も含めて退学というケースも散見されますし、もっと言うと、数字に出てこない、いわゆる自主退学を迫られるというパターン、指導の先生に呼ばれて、どうするんだ、もう退学届を出せ、世間体もあるからみたいな話で、いまだにやはり退学を迫られるケースがあるということであります。

 そういった意味では、きょう文部科学大臣に来ていただいたのは、この資料は公立の、県立の高校の規程で、いまだにこれが残っているということをあえて皆さんにお伝えするために出させていただきました。やはり公立高校の規程からは、全て、妊娠によって懲戒をするという考え方、まずこれを一掃していただきたいというのが一つ。

 そして、皆さんの手が及ぶのは公立高校だけだというのではなくて、やはり私立の、全ての学校法人に対しても、懲罰的考え方ではなくて、いかにしてその子供たちを支援するのか、こういう考え方に立っていただきたいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

下村国務大臣 今、泉委員が言われたように、基本的には公立の高等学校における妊娠における懲戒基準はないというふうに聞いておりますが、しかし、この事例のように岩手県である。ただ、この中に、「内容による」ということでありますから、ケース・バイ・ケース、ここにおいてもそうなのかなというふうには思いますが。

 そもそも、高校生が妊娠した場合も含め、校則やそれに基づく対処は、基本的には個別の事案ごとに各学校において判断すべきものでありまして、文科省として一概に適否を述べることは困難であると思います。

 しかし、例えば、今御指摘のように、本人に学業継続の意思がある場合においては、これは関係者で十分話し合い、母体保護の観点等も含め、教育的な指導は行い、懲戒的な対処は行わないという対応は十分考えるべきことであるというふうに私も思います。

 また、学業を継続することとなった生徒に対しては、学校として、養護教諭やスクールカウンセラー等も含めた十分な支援を行うことも必要であるというふうに思います。仮に、妊娠中に休学をしたり中途退学せざるを得ないような場合におきましても、再び高等学校等で学び直したいと希望する者に対しては、高等学校等就学支援金等による支援の対象となっているところでもございます。

 今後とも、修学の意思ある高校生が、高校での学習を終えて卒業し、社会を支える一員となれるよう、適切な学習指導、生徒指導を推進してまいりたいと思います。

泉委員 改めて、きょう資料としてお出ししているのは、現にある公立の高校の事例でありますので、私はやはり、個別の事例で判断されるということではなく、まず、文部科学省の知り得る公立の世界からは、これは絶対一掃していただきたいと思います。そうでなければ、こういった懲戒の運用に関する基準というものを見て、ベースがどこにあるかということで学校の先生方は行動するわけですね。処分対象の中に入るんだというふうに認識をしてしまうことそのものが、私、問題だと思いますよ。

 勤労の世界でいえばマタハラという言葉がありますけれども、学業継続を望む、望まないというのは本人はなかなか混乱した状態でわからないかもしれない。そういう中で、処分が先に立つというのは、私、絶対あり得ちゃいけないと思いますね。まず、やはり子供を支援する。

 厚生労働省の事業でも、わざわざ、高等学校卒業程度認定試験合格支援事業というのを厚生労働省の方でもでき始めていて、高校を妊娠によって中退してしまった人たちの学び直しということが厚生労働省の事業なんですね。

 ということは、まさにそういう事例があるからこの事業をやらなきゃいけないということでありまして、やはり大臣、もう一度、公立はこういった基準をまず一掃する、そして、私立についても、文部科学省としてはやはり基本的には処分の対象ではないんだ、そういう見解を持つ、その視点に立っていただけませんか。

下村国務大臣 文部科学省の調べでは、この四十七都道府県の公立学校における懲戒基準について、妊娠についての基準が逆に明確にないというところが二十五件、そして、この基準があるというところは実際はゼロというふうに報告を受けておりますが、しかし、今委員が御指摘のように、実際岩手県であるじゃないかということでありますので、これは改めて調べてみたいと思います。

 私立学校については、私立学校中高協会等に問い合わせして、資料について求めてみたいと思います。

泉委員 ぜひ、よろしくお願いします。

 続いて、母子家庭の現状について議論したいというふうに思います。

 きょうお配りしている資料をおめくりいただくと、まず、母子家庭の現状1ということで、現在どうなっているかということであります。

 これは二〇一〇年の国勢調査のデータですけれども、全体で百八万世帯ですね、母子家庭、百万世帯を超えております。特徴的なのは、かつては離別が中心で、そしてその次が死別だったわけですが、これが今、死別を大きく上回りまして未婚、このケースがふえておりまして、現在一二%までいっております。恐らく、二〇一〇年の当時ですから、さらに未婚の割合は上がっているというふうに思われます。やはり、こういった未婚の母という時代が出てきているということであります。

 そして、おめくりいただきまして、母子家庭の現状2ということで、これは厚生労働省二〇一一年全国母子世帯等調査ですけれども、抜粋をいたしました。母子家庭の平均年収が二百二十三万、一番下に書いてある子持ち世帯平均年収は六百五十八万ですから、相当低いですね、母子家庭平均年収。

 これは先日の川崎の上村遼太君の事件でもそうですけれども、お母さんからのコメントが出ていまして、本当に、私が出勤をすることの方が早くて、遼太が学校に行くよりも前に私が出勤しなければならず、また、遅い時間に帰宅するので、遼太が日中何をしているのか、十分に把握することができていませんでしたというコメントが出ておりましたけれども、母子家庭、一人で子供を養い、一人で収入を得なければいけないということで、相当長い時間働かなければいけない。それが、子供の世話ができないような状態になってしまった、子供の日常の状態がわからないぐらい働かざるを得なかった、こういうことにつながっていったというふうにも言えます。いずれにせよ、母子家庭の平均年収が低いということですね。

 これは、養育費ですとかさまざまな資産収入も含めて二百二十三万であって、勤労の平均収入というのは百八十一万、そういった状況で、母子家庭の収入の二百万以下が三七・二%と大変多くなっております。

 それで、さらに次の資料をごらんいただきますと、寡婦控除という制度があります。この寡婦控除の制度がやはり今の時代に合っていないのではないかということを今回指摘したいと思うんです。

 先ほどお話をした未婚、非婚の母子、これが寡婦控除を受けられないんですね。寡婦控除、夫を亡くした、そして離婚をした、この場合には寡婦控除を受けられるわけなんですが、同じ母子家庭でも、結婚に至らない状態で子供を養っている方については控除が受けられないという状況になっております。

 事前にレクをいただきましたら、それは民法上親族であったことがなければだめだということを伺っておりますけれども、大臣にぜひ積極的に、前向きに考えていただきたいのは、与党の税制改正大綱にも、この寡婦控除については議論が必要だということが書かれてくるようになりました。きょう配っている、寡婦控除が受けられないという資料をごらんいただきますと、随分やはり差があるわけですね。所得税の控除でいえば、五百万円以上であれば二十七万円、五百万円以下であれば三十五万円の控除があり、さらに住民税では二十六万、三十万という形で控除がありますので、それの効果というのは大変大きいわけであります。

 これが、同じシングルマザーでも、結婚に至らなかったというだけで、それを中には個人の選択だからいいじゃないかと言う人がいるかもしれませんが、事情はそんな簡単な話ではありません。死別、これも突然でしょう。離別、これも突然だったかもしれない。そして、未婚ということについても、場合によっては突然というケースも当然あるわけですね。さまざまな事情の中で、みずから進んで、望んで選択したということでは一概にはないというふうに私は思います。それが、同じシングルマザーでありながら、これだけ控除が受けられないということでの差があるということ、これを御認識いただきたい。

 そして、さらにめくっていただきますと、寡婦控除の格差の事例ということで一つの例を持ってまいりました。給与年収約二百万円で、離婚と非婚では二十万円超の負担差があるというデータであります。

 例えば住民税、今お話をしたように、控除を受けられるかどうかによって、当然、税金のかかり方が変わってきますね。ですから、住民税非課税世帯になれば、例えば離婚のケースでいえば、住民税はゼロということになります。一方で、その控除が受けられなければ、一気に住民税がのしかかってくるというところで差が出てまいります。所得税も同様であります。離婚と非婚では差が出てまいります。そして、その控除を受けられるか、受けられないかによって連動するものとして、例えば保育料、こういったものも、住民税非課税世帯になれば保育料はゼロになるけれども、そうじゃなければ、一気に保育料がかかってくる。

 ですから、給与収入二百一万円の子供二歳という方の事例でいうと、保育料だけで十二万八千四百円も違う、例えばこういう形になってくるわけであります。もろもろの負担の違いということで、税による控除の差だけではなく、こういった保育料等々にも連動してくるということで、かなり負担の差が出てまいります。

 私は、母子寡婦福祉法という法律を改めて読ませていただきました。これは厚生労働省の世界ですけれども、母子寡婦福祉法では、「全て母子家庭等には、児童が、その置かれている環境にかかわらず、心身ともに健やかに育成されるために必要な諸条件と、その母子家庭の母及び父子家庭の父の健康で文化的な生活とが保障されるものとする。」と書いてあります。そして第三条には、「国及び地方公共団体は、母子家庭等及び寡婦の福祉を増進する責務を有する。」というふうになっております。そういった意味では、厚生労働省の世界では、ある意味、母子と寡婦、両方しっかり、同じ立場として見ておられるわけですね。

 麻生大臣、これは改めて、寡婦控除を例えば一人親控除あるいは母子寡婦控除という形に変えるというのは、私は時代の流れではないかと。それは冒頭、円グラフでお示しをしたように、やはり死別よりも未婚が上回ってきているという時代で、これはやはり子供たちに罪があるわけでは当然ありません。そういった意味では、親がどういう環境で一人親になったか、それによって子供の育ちに大きな影響があるというのは私はやはりおかしいというふうに思いますし、そして、先ほど話をしたように、非婚というのは必ずしも個人の自由な選択によるものではない、これは有村大臣もその辺はよく御存じではないかなというふうに思います。

 麻生大臣、このことについて御見解をいただきたいと思います。

麻生国務大臣 この寡婦控除は、もう御存じのように、夫との死別とか離婚などの理由で家族の生計の支えというものがなければならない者に対して税制上の配慮をするという、いわゆる未婚の母には適用されていないということが一番問題になっていることなんだと思いますが、この控除につきましては、昨年、平成二十七年度の与党の税制改正大綱において、夫との死別、離婚などの事情に基づく配慮という制度の趣旨を踏まえながら、家族のあり方にもかかわる事柄なので、他の控除、例えば配偶者控除とかそれから扶養控除との関係も考えながら、所得税のいろいろな諸控除のあり方を議論する中で検討を行うというところにされたところでもあります。これは、与党における検討も踏まえながら、必要な検討を今後行っていかねばならぬと思っております。

 寡婦のいわゆる適用納税者数というのが、平成二十一年度から、五十九万から今八十四万、八十五万ぐらいまでふえてきておりますので、いろいろな意味で。それは離婚が一方的にふえているという話ではなくて、高齢者になって死別されている例もいろいろありますので、一概にこれは、そんなに離婚がふえているかという話とは違います。

泉委員 塩崎大臣、有村大臣、この寡婦控除の問題、いかがお考えですか。

塩崎国務大臣 寡婦控除は、夫との死別、離別等の予期せぬ理由によって家族の生計を支えていかなければならない場合に対して税制上の配慮を行うということであると承知をしているわけであります。

 今もお話がございましたけれども、与党の税制改正大綱で、「寡婦控除については、家族のあり方にも関わる事柄であることや他の控除との関係にも留意しつつ、制度の趣旨も踏まえながら、所得税の諸控除のあり方の議論の中で検討を行う。」こういうことになっていて、いろいろなケースが先生御指摘のようにあることはよくわかっているわけでありますけれども、未婚の母、母子家庭に係る税制上の取り扱いについては、今申し上げたように、いろいろな考えのある中で議論を深めて、検討が必要であるというふうに理解をしているわけでありますので、今のような、この税制改正大綱にあるような論点を踏まえた上で議論を深めていただくということが大事かなと思います。

有村国務大臣 お答えいたします。

 一人親家庭のお母さんは、委員御指摘のとおり、生計の糧を得るための就労、子育てを単身で担わねばならないなど、物理的、時間的にも経済的にもなかなかに暮らしが安定しないという方々が多いのが現状でございます。

 税制については委員御案内のとおりかと思いますが、私の所管を超えておりますけれども、一人親家庭の現状にしっかりと目を向けて、さまざまな困難を抱える女性が安定した生活をできるようにすることは、極めて重要な価値だと私自身は痛感をしております。

 厚労省など関係省庁において、就業、生活支援、経済的支援などが行われていると承知しておりますが、私自身の所管におきましても、ことしじゅうをめどに第四次男女共同参画基本計画を策定する予定でございます。ここに一人親家庭の親子が安心して生活できる環境の整備について書き込めるよう、関係省庁と連携して十分に検討したいと考えております。

泉委員 ありがとうございます。

 しかし、与党のこの税制改正大綱、書かれているだけで、実際に本当に議論されているのかというぐらいに思います。今は政府に対してですから言ってもしようがないかもしれませんが、政府の中でも与党の中でも、この一人親控除ということについての検討をぜひ早急にしていただきたいというふうに思います。

 有村大臣、賛成していただけますか。

有村国務大臣 おっしゃるとおり政府でございますので、与党の中で検討されるもの、そう願いたいと存じます。

泉委員 それは政府でも検討できると思うんですよ。与党は与党ですよ。政府にだって税調もありますよ。

 有村大臣、やはりそれは推進をするべき立場じゃないですか。

有村国務大臣 先ほど御報告申し上げましたとおり、私の所管においてできることは心してやってまいります。

泉委員 一人親控除、ぜひ、やはりそういった担当の側からは要求をしていただきたいと思います。

 きょうは、教育資金の一括贈与制度についてもお話をさせていただきたいと思っておりました。時間の関係でできませんけれども、これも、教育資金、一千五百万贈与した場合は三百六十六万の税制優遇になるわけですね。これはかなり大きいです。ですから、人気も高くて資産移転も進んでおりますが、これは、ある意味、お金持ちの世帯の中での資産移転でありまして、これが子育て支援の分野にも今回広がろうとしている。それはそれでマクロではすばらしいかもしれませんが、いわゆる格差の是正にはこれはならぬですね。

 一千五百万の移転の場合に、贈与の場合に、三百六十六万払うものがゼロになるという大変大きな優遇制度だということを考えると、私は、これは本当に全て非課税ということでよいのか、逆に言えば、そのうちの一割ぐらいは、やはり格差の是正の中に使われていくような制度に変えていくということも考えていいんじゃないかということも提案をさせていただきたいというふうに思います。

 以上、御提案申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

大島委員長 これにて泉君の質疑は終了いたしました。

 次に、岸本周平君。

岸本委員 おはようございます。きょう、時間をいただきました。ありがとうございます。

 まず、きょうは、この前の基本的質疑で御質問いたしましたGPIFの運用問題、時間が足りませんでしたので、主としてガバナンス改革について、塩崎厚生労働大臣を応援する立場から質疑をさせていただければと思いますが、その前に、林農水大臣に来ていただいていますので、先に林大臣に質疑をさせていただいて、途中で退席をしていただきたいと存じますので、まず林大臣にお聞きしたいと思います。

 農協改革の件であります。農協改革については、これはもう農水委員会でしっかりと議論はさせていただきたいと思いますけれども、きょうは一点だけ、どうしてもこの予算委員会で申し上げたいことがありますので、お時間をいただきました。

 この農協改革、中央会を、組織をいじることで本当に農業の所得が上がるのかという論点について、私どももいろいろなヒアリングをしておりますけれども、どうもそこは確証が得られません。本当に論理的に、中央会のシステムをいじることで農業所得が上がっていくのか、そこの点はまた農水委員会で質疑をしたいと思いますが、論点として、協同組合であるということ、まさに農業協同組合が協同組合であること、株式会社ではない、出資をした組合員の利益のために存在するという協同組合、その考え方をかなりお変えになるようにお見受けをいたします。株式会社に単協もなれるわけでありますし。

 そういう中で、さらにもう一点申し上げると、協同組合のあり方も恐らく時代の流れに沿って変わっていかなければならないんだろうと思います。

 例えば、准組合員のあり方なんかにつきましても、先生方、それぞれ御地元でお感じになっていると思いますけれども、単位農協が地域の中で果たす役割、これは本当にユニバーサルなサービスがない地域ほどとても重要ですし、そうでなくても、私のような和歌山一区の都市部であっても、都市農業を中心に、JA、単位農協が、地域における役割、地域づくり、コミュニティーの中で果たす役割はとても大きいと思いますね。その中で、地域に住まわれる准組合員の方々が、いわゆる協同組合なんだけれども、そこで整理すると准組合員なんだけれども、むしろ、地域全体を考えたときの新しい協同組合のあり方というようなものも今後議論していくべきなのではないかという問題意識を持っております。

 そのことを申し上げて、今の点について、もし御所感があればお答えをいただきたいと存じます。

林国務大臣 大変本質的な御質問をいただいたというふうに思っております。

 今、岸本先生おっしゃったように、農協は農業者の協同組織、協同組合ということでございますから、正組合員である農業者のメリットを拡大する。これは実は、組合員の方の利益を、出資者の組合員の方をふやすということは黒字になってもいいということでございまして、株式会社のように黒字を配当に回すというところはないというところが違うということでございますから、ちょっとここが誤解をされてきたようなところもございますので、そこは、基本的な考え方は変えませんけれども、そういうことをやってもいいんですということはきちっとしておこうというのがまず一点でございます。

 それからまた、今まさにおっしゃっていただきましたように、今申し上げたように、正組合員である農業者のメリットを拡大すること、これが最優先でございますから、准組合員へのサービスに主眼を置いて正組合員である農業者へのサービスがおろそかになるということであってはいけないわけですが、一方で、過疎化、高齢化が進行する農村社会において、農協が実際上やはり地域のインフラとしての側面を持っているのも事実でございます。

 そういう考え方で、今まで准組合員の規制というのは行っておりませんでしたので、実態もまだきちんと把握できていないということもありまして、今回は、五年間きちっと利用実態を調査しよう、こういうことにしたわけでございます。

岸本委員 ありがとうございます。ぜひ引き続き農水委員会で御議論を建設的にしてまいりたいと思います。

 それで、農協がまさにそういう形の協同組合であるとした場合に、協同組合というのはいろいろな所管省庁があって、まさに、塩崎大臣が担当している生活協同組合もあります、厚労省所管の消費生活協同組合。あるいは、経済産業省所管の中小企業の協同組合、たくさんあります。

 他の省庁の所管の協同組合は、当然ですけれども、法律上、政治的中立性の条文がございます。組合は、特定の政党のために利用してはならないという条文がそれぞれに入っております。

 ところがであります。林農水大臣が所管をされている農業協同組合、水産業協同組合、森林組合、たばこ耕作組合などは、一切、政治的中立性の規定がありません。

 同じ協同組合でありながら、農業協同組合を初めとする林農水大臣所管の協同組合には、なぜ政治的中立性の規定がないんですか、大臣。

林国務大臣 御通告がなかったものですから、もう少しきちっと調べてまた御答弁したいと思いますが、基本的には、書いていないからといって政治的中立を保たなくていいということではないというふうに思っております。当然の原則でございますので、それは、この条文が明示的にあろうがなかろうが、そういうことでやっていく、こういうことだと思います。

岸本委員 いや、通告はしております、農協改革についてというちゃんとした通告をしておりますので。農協改革そのものじゃないですか。まさに農協改革をするということは、この政治的中立性の条文を入れるということをぜひお願いしたい。当然のことじゃないですか。

 一応、例の住専の問題があって、いろいろ大きな改革がありました。そのときに、貸し出し等の金融業務については、厳正な政治的中立性が確保されているかどうかということが、監督指針という形です、法律ではありませんけれどもこれはちゃんとやられているわけですから、条文にないからというわけにはまいりません。

 条文にないから、きょうは申し上げませんけれども、いろいろなことをこれまでなさってきたわけじゃありませんか。それが、もし、皆さん方自民党が不愉快だというのであれば、堂々と政治的中立性の条文をお入れになっていただきたいし、我々はそのような提案をしていきたいと思います。

 そのことを申し上げまして、大臣、お時間もあれでしょうから、これで御退席いただいて結構でございます。

 それでは、塩崎大臣に、先日の続きをさせていただきたいと思います。

 運用については少し意見が違いますけれども、ガバナンスについては、私は、あのような非常に大胆な変更をされる前にちゃんとしたガバナンス改革をすべきである、順序が逆だと思うんですね。

 きょうも理事長に来ていただいていますけれども、理事長お一人で百三十兆円の運用の全てを賄う、世界に例を見ないことでありまして、これはやはりちゃんとしたガバナンス、ガバナンスというのは、定義をしますと、外からの規律ですよね、外からの規律づけをどうするのかということについて、これはきちんとした上で、私は反対ですけれども、見直す。これはプロですから、つまりプロの集団に任せるということでありますから、そこから先は任せればいいわけですよ。

 しかしながら、前回も申し上げましたが、政治的な大変なプレッシャーをこのGPIFにおかけになっている。これはよくないですよね、プロの集団なわけですから。これは、政治家が、あるいはマスメディアもそうなんですけれども、日本株式をふやせとか何株式をふやせ、あるいは株式の運用をふやせと言っている人を運用委員長にするとか、あるいはそういう人を理事にするとか、そういうことを外野が言っちゃいけないと私は確信しております。

 ですから、安倍総理が昨年一月二十二日のダボス会議で、ダボス会議ですよ、わざわざ外国に出ていって、一兆二千億ドルの運用実績を持つGPIFについては、そのポートフォリオの見直しをするんだと。一国の総理大臣が、運用機関に対して、何で、運用のポートフォリオの見直しをするんだということを言ってプレッシャーをかけるのか。これは絶対に政治家がやってはいけないことだと私は思います。

 その上で申し上げたいと思うのは、もう一つ、あくまでもGPIFというのは法律に基づいて、それは国民年金法と厚生年金法に書いてありますけれども、年金の運用、これは、安全かつ効率的にやらなきゃいけないという法律に基づいて、プロとしてやるべきであって、成長戦略として年金の運用をしちゃいけないと思いますよね。

 理事長、どうですか、年金運用を成長戦略として使われては迷惑でしょう。

三谷参考人 お答えいたします。

 おっしゃるとおりです。我々は、別に成長戦略のために運用しているわけでは全くございません。

 最近の経済の変化、そういうものを踏まえた上で新しいポートフォリオをつくっているわけでありまして、おっしゃるように、安倍総理がダボスで何かおっしゃったということはもちろん私も承知はしておりますけれども、だからといって、それをプレッシャーと感じて、それに合わせて何かをするといったようなことは全く考えておりません。

岸本委員 理事長は御立派な方で、そうでしょうけれども、そういう問題じゃないんですよ。あなたが御立派であるということじゃなくて、政治家が年金のプロの皆さんの運用に対して外部から口を挟んじゃいけないということを申し上げているわけであります。

 そして、法律上は、今まさに理事長がおっしゃったように、積立金の運用は、専ら被保険者のために長期的な観点から安全かつ効率的に行うという法律に基づいて、GPIFはプロとしてやればいいわけです。専ら被保険者のためにやるのであります、これは。

 そういう意味でいいますと、塩崎大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、ここで、ガバナンスというのは規律を外からどうやってつけていくかということなんですが、GPIFという団体、これのお客様、いわゆるニュー・パブリック・マネジメント的発想をされていると思います、そこは同じ土俵に乗っていると思いますので。ニュー・パブリック・マネジメント的な発想で言うところのGPIFのお客様、クライアントは誰になりますか。

塩崎国務大臣 どういう意味でお客様とおっしゃっているかによるかと思うわけでありますけれども……(岸本委員「ニュー・パブリック・マネジメント」と呼ぶ)そのニュー・パブリック・マネジメントの定義もよく、いろいろ幅があるかというふうに思いますので、それが、お客様が誰かということについては、ちょっと今にわかに、何をおっしゃりたいのかというのがよくわからない。

 もう少し御質問をしていただくとありがたいと思います。

岸本委員 ですから、法律に書いてあるじゃないですか。専ら被保険者のためにですから、お客様は被保険者なんですよ。定義とおっしゃいますから、ニュー・パブリック・マネジメント的なクライアント、行政がサービスの対象とする方は被保険者であります。

 ところが、先生にはその後お答えいただきますが、被保険者なんですけれども、被保険者というのはたくさんいます。それで、一方で、GPIFは、悲しいことに独立行政法人という形式をとっております。このことも後で御質問しますけれども。

 その上で、現在、そのGPIFというのは、お客様は被保険者なんですが、被保険者の、国民年金と厚生年金に加入している国民全体なんですけれども、これをお預かりしているのは、まさに塩崎さんなんです。塩崎大臣が国民と厚生年金を国民から寄託されているんです。

 したがって、GPIFからすると、直接のお客様は、クライアント、あるいはサービスを提供すべき先は塩崎大臣になっちゃうんですね。そういうことですね。ところが、一方で独立行政法人ですから、塩崎大臣は監督官庁なんです。そういうことになりますね。

 お客様である一方で監督官庁である。これは物すごく大変な矛盾というか、矛盾と言うと変かもしれません。ただ、とてもやりにくい関係にあると思うんですね。その辺についての御所見を聞きたかったわけです。大臣、どうですか。

塩崎国務大臣 例えば、厚生年金法の第七十九条の二というところに、先ほど来先生おっしゃっている、「専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行う」と書いてありますが、今先生いみじくもおっしゃったように、この年金資金の運用自体の責任者も厚生労働大臣なんですね。GPIFの理事長では決してないわけであって、寄託は、今おっしゃいましたが、これは「積立金の運用」というところで、七十九条の三に「積立金の運用は、厚生労働大臣が、前条の目的に沿つた運用に基づく納付金の納付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、積立金を寄託することにより行う」と。寄託する主体は私、大臣であって、彼らは寄託を受けてそれを運用する、それは指示に基づいて行うということになっているわけでございます。

 したがって、お客様というのは、厚生労働大臣がGPIFのお客様とはなかなか、正確な定義としてはどうかなというふうに思います。むしろ、何しろ運用に関して全ての最終責任を負うのは厚生労働大臣で、寄託を受けて、彼らは、与えられた、例えば今回だったらば名目賃金プラス一・七以上の利回りで運用をしてくださいということに対して基本ポートフォリオを提示し、それは厚生労働大臣が認可をしているという格好になっています。

 独立行政法人でありますから、中期計画というのを定めてもらうということで、その計画をつくるわけですね。それを私どもが、厚生労働大臣が認めるという格好でやっていただくわけで、そういう意味では、監督官庁というのは確かにそうでありますが、かなりこれは独立をされていて、その計画の範囲内でお任せをする。その計画の中に基本ポートフォリオが入っていて、一・七%の実質利回りを確保しなければならないということが明確に書いてあるという格好だと思います。

岸本委員 済みません。ちょっと私の寄託という言葉遣いが誤解を招きましたけれども、これは法律用語で言うとそのとおりなんですが、まさに預かっている、国民年金と厚生年金を預かっておられて、これの運用の責任者なんですね。つまり、国民を代表して塩崎大臣はきちんとこれを運用しなきゃいけない。それを、ファンドですからね、英語で言っても、GPIFですから。ファンドにまさに寄託している。つまり、私個人が何とか証券の投資信託を買うのと同じなわけですよ、ある意味。つまり、お客様なんですよ、やはり。

 厚生労働大臣は、そういう国民の年金を背中にしょって、ちゃんと運用してくださいねという意味で、投資信託を買うあるいはヘッジファンドに投資をするお客様と、それに対して、運用を任されていてそれなりの運用成績を上げなければいけないGPIFというのは、ある意味、お客さん。

 一方で、独立行政法人ですから、これは独立行政法人並びで監督官庁ですからね。もちろん中期計画でやります。エージェンシーですから、それなりに弾力性を持たせるのはそうなんですけれども、そこは二つの顔があって、これがやはりかなり難しい問題をはらむのではないかという指摘をしたかったわけであります。

 もう一つ言うと、ここでGPIFが独立行政法人であって本当にいいのか。運用主体ですから。だけれども、独立行政法人というのは、まさに経費節減というのを常に言われるわけですよ。いろいろな交付金をもらっているわけですから、国から横並びで。GPIFは違いますから。運用交付金なんかもらっていないわけですよ。だけれども、横並びで経費節減を多分厳しく求められる。しかし、少しぐらい経費がかかったって運用利益が上回ればいいわけで、少し性格が違う。

 しかも、今、理事はお一人なんですよね。理事長一人、理事一人。これって独立行政法人だからそうなったんですよ、人件費を節減するために。つまり、それはやりにくいわけですよ。それは理事長もこの間おっしゃいましたよ。

 そういう意味で、独立行政法人という形が、これはもう虚心坦懐に塩崎さんの御意見を、独立行政法人である必要ないですよね。どうですか、組織のあり方を考え直したっていいんじゃないですか。

塩崎国務大臣 先生今お話しでございますけれども、事実を申し上げますと、独立行政法人の改革の推進のための法律案というのを今国会に私ども提案をしているわけでありまして、まずはその中で、運用担当理事、今一人とおっしゃいましたが、今度二人にするということにする。特に、運用担当理事ということで一人ふやすということにしているわけであります。

 一方で、ガバナンスがどうあるべきかということについては、いろいろな議論がございます。

 一つは、先生も御案内のように、平成二十五年、おととしの十一月に、公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議、伊藤隆敏先生が座長でございましたが、ここから提言が出ております。

 そこには、今先生がおっしゃったように、独立行政法人ではない、合議制機関である理事会に重要な方針の決定を行わせる、そのための法人形態を固有の根拠法に基づいて設立される法人に変更した上で、そうした方がいいんじゃないかという御提案がございます。

 それから今、ガバナンス体制のことについては、もともと改訂の再興戦略の中で、ガバナンス改革はポートフォリオの改革とともにやれ、こう書いてあります。法改正を含めて、これをしっかり加速してやれということになっていて、社会保障審議会の年金部会、これは、今回は財政検証があったものですから大変盛りだくさんなことをやっていただいていますけれども、ここで御議論をいただいておりまして、既に一月に、GPIFに係る、法人のガバナンスの在り方検討作業班というところから報告書が出ております。

 一月二十三日に年金部会で御議論をいただいておりまして、その報告書の中で、議論の要約ということで、基本ポートフォリオその他のGPIFの基本的な事項の決定は、複数の理事の合意によって決める合議制への移行が望ましいという御意見が作業班から出てきているのも事実でございますが、まだこの年金部会での議論は続いているところでございますので、改訂日本再興戦略で示されているように、今申し上げた、必要な施策の取り組みを加速しろということについて、加速をしていかなきゃいかぬなというふうに思っているところでございます。

岸本委員 塩崎大臣らしくない安全運転の御答弁でありますが、ぜひ積極的に。

 というのは、もう二〇〇九年にOECDからプロポーザルを受けているんですよ、我々、先進国であるにもかかわらず。GPIFのガバナンスに関してOECDのレポートが出ています。

 その中では、目標収益率やリスク許容度、資金運用方針を決定するために理事会を設置してください、今だとなかなか説明責任を果たしていないですよ、理事会を設置しろと。その際、外部委員としては、労使の代表とか、今は運用委員に入っていらっしゃいますけれども、利害関係者や金融業界とはつながりのない学者、中立的な学者などを含めてそういう理事会をつくってくれという提案が一つ。それから、年間事業計画、予算年次報告は国会承認にしなさいと。まさに国民の年金なんだ、国民の資産を預かっているんだから、国民の代表である国会承認にしなさいというようなことが提案されています。

 これは先進国の日本国としては大変恥ずべきことでありますけれども、まさに塩崎さんのおられた日本銀行のイメージが最も我々わかりやすいと思うんですけれども、理事会で決定していく、それで議事録は後で公表される、非常に一つのガバナンスの典型だと思います。

 さらには、OECDの言うように、まさに年金は国民の資産を厚生労働大臣が責任を持って預かっているわけですけれども、まさにこの間のポートフォリオの変更なんというのは、国民の資産に物すごい影響を与えるわけですから、国会の審議が全くなく、ぽんと勝手に、今の仕組みではできることがおかしいのではないかというふうに私は思います。

 国民の代表たる国会にやはり報告義務を課すべきではないかと思いますけれども、この点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。僕は、そのようにやるべきだというふうにお考えだと思うんですよ。大臣、いかがですか。

塩崎国務大臣 まず第一に、OECDからプロポーザルが出ているというお話でありますけれども、実は、より正確に言うと、実際にペーパーが出ていることはそのとおりで、OECDのマークがついています、ただし、これは個人の名前、お二人の名前で出ているものでありますが、しかし、そこで引用されているのは、OECDの年金運用機関のガバナンスのガイドラインというのがあって、それをリファーしながらそれを書いています。

 もちろん、このガイドライン自体は、私的年金を扱っている部会で出てきたものだと言われていますけれども、これは、どんな場合でも、さっき言ったように、預かったお金を受託者責任としてどう運用していくのか、そのときの組織体のガバナンスの問題ですから、それはもう何でも共通で、私的年金であろうと公的年金であろうと私は同じだと思っています。それに基づいて提案が出てきていることはよくわかっておりまして、そこに今先生御指摘のようなことが書いてあることも事実。

 一方で、先生おっしゃった、日銀の場合の、中央銀行の場合の独立性とGPIFの独立性は、若干やはり違うと思います。

 それは、最終責任は厚労大臣に運用についてもあるということと、日銀の金融政策の最終責任は総理にはないということが決定的に違うのであって、そこの、赤い糸でつながっていようとも、その糸の細さというのは、それはやはり全然違う種類のものだということは申し上げておかなきゃいけないと思います。

 ただ、先生おっしゃったように、透明性とか、あるいは、先ほどガバナンスの問題で、実は、外からのチェックというものだけではなくて、内部の統制のあり方というものも重要であって、だからこそ、基本ポートフォリオを発表した十月の末に、同時にGPIFは、一つは、内部統制の強化としてガバナンス会議を設けるとか、あるいは、投資原則というのは今までなかったものですから、これも設けるということで、もうそろそろ出てくるんじゃないかと思っていますが。行動規範も今までなかったけれども、これもやると。それから、コンプライアンスオフィサーもちゃんと設ける。こういう、内部統制として、内部のチェックがちゃんときくようにする。

 それと、リスク管理体制として、先生おっしゃるような、リスク管理をちゃんとやれるような体制を専門人材の強化を含めてやれということをやって、実際、今当面できることとして、ガバナンスの体制の強化をGPIFはやってくれています。

 今、そういうことで、どういう体制であるべきかということについての私の考えは、これは今、年金部会でまず議論をいただいておるわけでありますから、そこで、先ほど申し上げたように作業班から出てきた、それを受けて、まだいろいろな形で、その細い糸がどのくらい細いのか太いのか、そういうことを含めてさまざま、まだ議論がこれから続くんだろうと思うので、そういう中で、先生のおっしゃっていただいている問題提起を受けて恐らく御議論いただけるのではないかというふうに思っております。

岸本委員 いや、ですから、内部統制というのは内部統制なんですよ。だから、私は言いましたように、ガバナンスというのは外部からの規律づけだと定義して私は申し上げたわけです。

 そういう意味でいうと、理事会方式というのは非常に透明性が高いので、そういうことを普通は考えるべきではないかと思うんです。

 今ちょっと私と大臣のやりとりを聞いて、理事長としては、今の内部統制、一生懸命なさっているのは評価します。それとして、今、理事長と、何かCIOというのがおできになったようですけれども、そのCIOというのは、規定が割と最近につくられて、給与改定も去年つくられていますけれども、新しく一月五日に任命されたCIO、チーフ・インベストメント・オフィサーの方は初めて任命されたんですか、これまでもそういう立場の方はおられたんですか。そうだとすると、何で選ばれたのか、ちょっと御説明いただけますか。

三谷参考人 お答えいたします。

 先ほど話にございましたが、昨年十月三十一日に基本ポートフォリオの変更を行った際、運用委員会の方から、より専門人材の強化を図るよう、そういった建議を得たところでございます。

 そういった建議を受けまして、確かに、これまでCIOという形で理事を任命したことはございませんでしたけれども、やはりそういった専門人材を責任者として、理事として迎えるのがいいのではないかということで、資金運用業務を統括するという形での、CIO兼理事という形での任命を行ったところでございます。

岸本委員 先日も理事長はおっしゃいましたけれども、今は最終権限は全部理事長なんです。全て一人で決定をされ、形上は運用委員会というのはありますけれども、社外取締役会ほどの力もないような、実際は恐らく理事長は意見をきちんと聞いていますとこの前も答弁されていましたけれども、そういう運用委員会、非常に力の弱い運用委員会があって、理事長、そして理事が一人、CIO、そして今度理事が一人ふえる。その体制で十分な責任を果たせると理事長はお考えですか。

三谷参考人 お答えいたします。

 それだけでできるというわけではございませんで、一昨年の閣議決定におきまして、私どもの人材、より高度で専門的な人材を確保するよう、人数であるとか給与面での見直しをしたらどうかというのが決定されておりまして、今それに基づいていろいろ検討中というか、進めているところでございます。既に専門人材の一部については、この一月、二月にかけまして公募を開始し、これから選考にかかりたいと思っているところでございます。

 ただ、我々のところは、残念ながら今ほとんど過密状態な小さな事務所でありますので、それにあわせて事務所の移転であるとかそういったことも考えなくちゃいけないので、最終的な形にするためには、もちろんどんな方が応募されるかにもよりますけれども、ある程度の時間はかけざるを得ないかと思っておりますが、着々とリスク管理体制なり運用体制の強化には努めてまいる所存でございます。

岸本委員 時間が参りましたので締めくくりたいと思うんですけれども、本当に国民の虎の子の大事な百三十兆円であります。このお金を大事に運用していただく。それで、プロの集団になっていただきたいと思うんですけれども、これは塩崎大臣も御存じのとおり、運用の世界というのは大変難しくて、そんなに勝ち続けるファンドもなければ、プロといっても、これはなかなかそうもうまくいかないわけですね、実績上は。結局、ベンチマークとどうやって戦うかみたいなことになって、もちろん、パッシブな運用もあれば、いろいろな運用がありますけれども、結局、プロでも勝ち続けることは難しい。

 そういう中で、やはり説明責任、透明性というのは大事だと思いますので、大臣にぜひお願いしたいのは、一つはやはり、外からの規律づけのガバナンス、理事会形式。そして、やはり国民の年金ですから、OECDのレポートのとおり、いろいろな項目については、国会へのせめて報告、承認も欲しいですけれども、報告ぐらいのことはしていただかないと国民は納得しないと思うんですが、最後に一言だけ御答弁をお願いします。御決意をお願いいたします。

塩崎国務大臣 透明性を増すということは極めて大事であり、それから、先生おっしゃるように、外部からの統制ということだけではなくて、実は内部統制も実に大事であって、これは先生がおっしゃっていることに極めて通ずることでありますけれども、今回の、さっきの作業班の中でも、監督と執行の分離ということを実は有識者会議でも言われていまして、それがちゃんと守られるということが実に大事なことであります。

 しかし、おっしゃるように、国民に対する説明責任はどういう形にせよ果たしていくことは極めて大事です。

岸本委員 どうもありがとうございました。

大島委員長 これにて岸本君の質疑は終了いたしました。

 次に、大串博志君。

大串(博)委員 呼ばれましたので質問させていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。

 きょうは質問の機会をいただきましたので、まず、林農水大臣、急遽、ありがとうございます。中川農水大臣政務官の、不適切と御本人もおっしゃっているこの行動の件、政務官としていかに政府の中で行動すべきかという点について、国民の大きな疑念が生じていると私は思うんですね。この点に関して、急遽ではございましたけれども、御質問させていただきたいと思います。

 実は、きょう中川政務官にも、けさ、新たな報道もありましたものですから、ぜひこの場に来ていただいて、政務官としての職責を果たすお気持ちを聞かせていただきたいということでお願い申し上げたところ、きょうは朝、病院に行っているので来られないということでございました。

 先般来のこの報道が出て以降、診断書も見せていただいております。個人的な部分は黒塗りにした上で、二週間程度の加療、入院を必要とするということでございましたので、そういうことかなというふうに思っておりますけれども、八時半過ぎの段階で、急ではありましたけれども、こういういろいろな報道もございましたので、ぜひ、御釈明、御説明の機会をむしろ持っていただきたいという思いで、ここに来ていただきたいということをお願いしたんですけれども、病院ということでございました。

 林農水大臣、これは八時三十分過ぎに私はお願い申し上げたんですけれども、中川政務官は本当に病院に行かれているんでしょうか。

林国務大臣 そのように承知しております。

大串(博)委員 そういうふうな説明ですから、そういうふうに信じたいと思います。

 しかし、政務官として職責を行うというのが極めて重要なことです。ところが、先般、この問題が先週来報道等で明るみになって以降、本当に職務にたえるのかなということ、先ほどお話ししましたように、医師の診断書、入院加療が二週間ほど必要であるというのが出ているということでございます。

 しかし、本当にそうかなというふうな疑念もあるものですから、今あえて、八時三十分過ぎの段階で既に病院に行かれていたんですかということすら、私はどうかなと思ってお伺いしたわけでございます。

 なぜなら、けさ、また報道もいろいろありまして、先般の報道を受け、中川政務官は、療養、入院が必要だというふうに言われて入院されていたということらしいですけれども、しかし、けさ出た報道では、病院で巡回中の、たばこのにおいに気づいた病院職員は悲鳴のような叫び声を上げたという、病室のトイレでたばこをぷかりぷかり、冒頭のように職員が吸い殻を発見し、大問題となったのだ、院内で喫煙はかたく禁じられており、普通なら強制退院になってもおかしくない、現実逃避の隠れみのだったのだ、こういった報道があるぐらいなんですね。

 入院加療が必要だという医師の診断書も得られて、その間、国会での対応はなかなか難しいというお話も聞いたところでございます。にもかかわらず、実際、病院においては、もちろん喫煙が悪いとは申しません、喫煙されること自体は悪いと申し上げませんが、こういう状態で入院加療が必要であるというふうな状況の中で、病院の中でたばこをぷかりぷかり、病院の方々から問題視されている、このような状況を、大臣、問題だとは思いませんか。

林国務大臣 中川農林大臣政務官の喫煙についてでございますが、報道があったことは承知をしておりますけれども、まだ本人にそのことについては確認ができておりません。

 今回、中川農林水産大臣政務官の行動に関し、国民に不快な思いをさせるようなことがあったことは残念でございますが、今後は、より一層、公人としてみずからを律しつつ、職務に専念していただきたいと考えております。

大串(博)委員 中川政務官は本当に病気なんでしょうか。病気ではないのではないかという思いすらあるから聞いているんです。

 というのは、政務官の仕事、大変重い仕事だと私は思うんです。私も政務官を担当させていただきました。自分が政務官として仕事をしている間に大臣が突然交代されるということも、私は経験したことが実はあるんです。

 藤井財務大臣が菅大臣に短期間のうちにかわられました。あるいは、内閣府の政務官をしているときに、金融担当大臣の方が極めて残念なことでございましたけれども、命を落とされるということもございましたので、急遽大臣がかわるという経験を私は政務官としてしたんです。そのときの緊張感たるや、並じゃなかったです。

 大臣不在のときに何かあったらすぐ政務官は対応しなきゃならない、責任を負わなきゃならないことがあるという思いで、国会で答弁されたように、その間飲酒をしているとか、とても、そういうふうな状況ではなかったと私は思っているんです。ですから、この責任問題は非常に重いというふうに思っているんです。

 そういう中で、今、入院加療中であるからということでなかなか動きがとれないという時期があった、それはそれで受けとめるとして、本当に入院加療が必要な状況なのかということも説明責任として中川政務官には重く負っていただかなきゃならなくなるから、そこで、こういうふうな報道が出たから聞いているんです。

 大臣、ぜひ一度、しっかり入院加療されているのか、病気は治っているのか、どうなんだということを、この喫煙の問題も含めて確認をいただきたいと思う。それが、大臣として政務官を監督する監督責任のあり方だと思います。確認いただけますか。

林国務大臣 なるべく早いうちに確認をさせていただきたいと思います。

大串(博)委員 政務官という職責、繰り返しになりますが、国民の皆さんにとってみると、今特に、農政においては、農協改革や、あるいは、私たちは今、戸別所得補償政策に関して法制化すべきだという考えをもともと持っていましたから、農家の所得がきっちり上がるようにという対案も示しながら、国民の皆さんに、農政をどう守るかという議論を皆さんと一緒にしていきたいというふうに思っています。地方部であるとあらずとを問わず非常に大きな課題です。そういう中であるので、これだけ真剣な議論をさせていただきたいということでございますので、ぜひしっかり確認をいただきたいというふうに思います。

 林農水大臣、ありがとうございました。御退席いただいて結構です。

 それでは、続きの質疑に入らせていただきたいと思います。

 先般来、この委員会でも議論になっておりました自衛隊・防衛省の関係で、文官統制と文民統制という議論がございました。先般、この予算委員会においても、政府の統一見解を求めたいということで私は申し上げて、いわゆる統一見解なるものが出てきました。この件に関しまして、中谷大臣、議論させていただきたいというふうに思います。

 まずは、大臣、そもそも文民統制あるいはシビリアンコントロールというものはどういうものですか。

中谷国務大臣 文民統制というのは、民主主義国家における軍事に対する政治の優先を意味するものでありまして、我が国の文民統制は、国会における統制、国家安全保障会議を含む内閣における統制とともに、防衛省における統制がございます。そのうち、防衛省における統制は、文民である防衛大臣が自衛隊を管理運営し、統制をすることであるということでございます。

大串(博)委員 今答弁になったことは、統一見解として出されたものの一部ですね。それは理解しました。

 もう一つお尋ねしたいんですけれども、今おっしゃったシビリアンコントロール、文民統制というものは、我が国の場合、終戦までの経緯に対する反省もあり、旧憲法下の体制とは異なり、つくられたものだ、終戦までの経緯に対する反省もありつくられたものだ、これは実は、防衛省の防衛白書にも書かれているんですけれども、こういう理解でよろしいですか。

中谷国務大臣 はい。文民統制というのは、そのような戦前の反省から設けられたものであると認識しております。

大串(博)委員 さらにお尋ねしますけれども、ここで問題になってくるのが防衛省設置法第十二条でございます。

 資料をお届けしておりますので、委員の皆様にも見ていただければと思うんです。最初の二枚は理事会提出資料でありますけれども、三ページ目がいわゆる防衛省の設置法でございます。

 十二条、官房長、局長はと、いわゆる背広組の皆さんの役割に関して、「防衛大臣を補佐するものとする。」ということが十二条に書かれています。

 一、二、三とございまして、何を補佐するかというと、陸上自衛隊、海上自衛隊それぞれの、いわゆる制服組の皆さんに対する各般の方針とか基本的な実施計画の作成に関する防衛大臣の行う指示に対する補佐を背広組の方が行われる。あるいは、二番でいうと、防衛大臣が行う陸上自衛隊、海上自衛隊に対する基本的な実施計画等についての承認、これに対して、防衛大臣に対してこれを補佐する。あるいは、一般的な監督を防衛大臣が陸上自衛隊、海上自衛隊等に対して行う、これに対して背広組が補佐をする。こういう構造になっておる。

 これを文官統制というふうにいうかどうかは、これはいろいろな言葉の定義もありますから別として、このこと自体がいわゆる文民統制、シビリアンコントロールの一翼をなすということではないのですか。

中谷国務大臣 はい。

 政府の見解もお述べしましたけれども、防衛省における統制というのは、文民である防衛大臣が自衛隊を管理運営し、統制することであるが、防衛副大臣、防衛大臣政務官等の政治任用者の補佐のほか、内部部局の文官による補佐も、この防衛大臣による文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしております。

 文民統制における内部部局の文官の役割は防衛大臣を補佐することであり、内部部局の文官が部隊に対して指揮命令をするという関係にはございません。

 防衛省設置法十二条、これは文民統制そのものを定めたものではありませんが、文民統制を担う防衛大臣の補佐に係る規定であり、文民統制にとっても重要な規定でございます。

 なお、防衛省設置法第十二条については、従来から、官房長及び局長による政策的見地からの防衛大臣の補佐と、各幕僚長による軍事専門的見地からの防衛大臣の補佐を調整、吻合する規定であると説明をいたしております。

大串(博)委員 いま一度確認です。

 十二条は、シビリアンコントロール、文民統制そのものを規定しているものではないという理解でよろしいですね。

中谷国務大臣 内部部局の文官による補佐も、防衛大臣による文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしておりまして、文民統制における内部部局の文官の役割は防衛大臣を補佐することであり、内部部局の文官が部隊に対して指揮命令をするという関係にはなりませんが、この設置法の十二条、これは文民統制そのものを定めたものではありませんが、文民統制を担う防衛大臣の補佐に係る規定であり、文民統制にとっても重要な規定でございます。

大串(博)委員 文民統制そのものを定めたものではないという話でございましたけれども、私、これが非常におかしいんじゃないかと思う答弁なんです。

 といいますのは、資料の四ページ目を見ていただきますと、私も、古い資料も含めて、戦前の教訓に基づいてつくられたというのが文民統制だということでございましたので、戦前からの流れもいろいろ調べました。

 自衛隊ができる過程の中でまず警察予備隊というものができたわけですけれども、警察予備隊令、これも見ましたけれども、警察予備隊令は、これは法令の形じゃございませんでしたので、ここでは文民統制的なものを見つけることはできなかった。しかし、その後、昭和二十七年にいわゆる保安庁というものができたとき、この審議の過程を追ってみると、いろいろなことがわかってくるところがあるんですね。

 四ページの資料を見ていただきますと、当時、保安庁の審議をしたときの担当、大橋国務大臣の法案の内容に対する説明なんです。

 一番下のところを見ていただきますと、「幕僚監部が長官に対して専門的な立場から助言するに当りましては、」これは、先ほどおっしゃった、いわゆる武官の皆さんが専門的な立場から、いわゆる防衛大臣、当時、保安庁長官を助言するに当たっては、「官房、各局と必要な調整」、先ほど調整、吻合と言われました。まさに調整ということがここでも出ています。「調整を行わしめまして、いわゆる文官優位制」ともうここで言われているんです。「文官優位制と申しますか、シビリアン・コントロールをなすようにいたしたいと存じておるのでございます。」と。

 こういうふうに趣旨の説明を説明された上でできた法律が、六ページを見ていただきますと、保安庁法第二款第十条。これを見ていただきますと、「長官官房及び各局は、保安隊及び警備隊」、これがいわゆる制服組ですね、に対する長官、これは政務、長官の行う指示、あるいは、真ん中の方を見ていただくと、「実施計画について長官の行う承認」、あるいは、一番最後のところを見ていただきますと、「長官の行う一般的監督について、長官を補佐する。」と、全く同じ構造なんですよ。

 ちなみに、今の自衛隊法の九条、先ほど答弁でも言われましたけれども、九条に基づく、いわゆる制服組の皆さんは、「最高の専門的助言者として防衛大臣を補佐する。」というこの規定も、同じく十九条に、第一幕僚長等は、こう書かれていますけれども、「最高の専門的助言者として長官を補佐する。」と、一字一句同じ文言でこの構造ができ上がっているんです。

 先ほど、大橋国務大臣が、まさに、制服組の皆さんが専門的な立場から助言するに当たりまして、官房、各局と必要な調整とおっしゃいました。調整を行おうとすること、これ自体が、いわゆる文官優位制と申しますか、シビリアンコントロールをなすというふうに大臣自身が説明した上でこの規定をつくられているんです。これが、一字一句変わらず、構造も全く変わらず、今の防衛省設置法、自衛隊法になっているんです。

 ですので、過去の経緯、戦前の経緯を踏まえてこのシビリアンコントロールはできたとおっしゃった。であるとすると、この防衛省設置法十二条も、シビリアンコントロール、文民統制の一翼をなすものと位置づけられていなければおかしいんです。ところが、先ほど大臣は、文民統制の一翼ではありませんとおっしゃった。この答弁のそごはどう説明されるんですか。

中谷国務大臣 まず、保安庁法の第十条においては、長官官房及び各局は、保安庁長官の各幕僚長に対する指示及び承認並びに保安隊または警備隊の隊務に関して保安庁長官の行う一般的監督について、保安庁長官を補佐するとされております。また、保安庁法は、第十九条において、各幕僚長は隊務に関し、それぞれ最高の専門的助言者として保安庁長官を補佐するとされております。

 当時の立法者がまとめた解説、これは逐条保安庁法解説でございますが、それによりますと、長官官房及び各局と幕僚監部はいずれも長官の補佐機関である、それらは補佐の面と態様を異にしているとされており、保安庁の文官が部隊に対して指揮命令を行う関係になかったものと承知をいたしております。

 なお、当時の議論については、文民統制、シビリアンコントロールの考え方については、用語の使い方も含めて、必ずしも確定的な議論がされていなかったこともあると思いますが、いずれにしても、車の両輪として長官を補佐するという考え方は現在と変わらないものと考えます。

    〔委員長退席、金田委員長代理着席〕

大串(博)委員 文官が武官を指揮命令する関係にあるかどうかを問うているわけじゃないんです。いわゆる文民統制として十二条は当たっていたのではないか。しかも、国会での説明を見ると、まさにこの十二条が、シビリアンコントロールとしたいというふうに大臣がおっしゃってこの法律を提案されてできた法律ですよ、できた条文ですよ、できた法律上の構造ですよ。二十七年、それからずっと続いているわけですよ。しかも、大臣自身は、戦前の反省に基づいて文民統制はつくられたとおっしゃったわけですよ。

 ところが、先ほど大臣自身が、十二条は文民統制の内容をなすものではないとおっしゃったから、その内容がそごを来しているじゃないですかということで言っているんです。そのそごはどう説明するんですか、もう一度答弁してください。

中谷国務大臣 統制というのはどういうことなんでしょうか。これはまさに、指揮命令権があってコントロールするということでございますが、保安庁の文官が部隊に対して指揮命令を行う関係にはなかった。この意味について、私は、官房長と局長による政策的見地の補佐がありますよね。そして、軍事的、専門的見地からの大臣に対する補佐もございます。この十二条というのは、官房長と局長が……(発言する者あり)答えています。

 調整と吻合、これをする規定であると申しているわけでございます。

金田委員長代理 委員の方は静かにしてください。

大串(博)委員 調整と吻合をする規定であることはわかっているんです。なぜなら、当時の大橋国務大臣も、官房と各局が必要な調整を行わしめましてと、調整をする規定だということを認めているんですよ。調整をする規定であるということを認めた上で、その上で、それがまさに文官優位制、シビリアンコントロールだとおっしゃっているんですよ。いいんですよ、大臣、だから調整をする規定で。調整をする規定だからこそシビリアンコントロールだと、昭和二十七年に保安庁の法律をつくったときに、この法律をつくったときにおっしゃっているんですよ。

 ところが、大臣は文民統制の一翼ではないとおっしゃるから、かけ離れているじゃないですかと申し上げているんです。もう一度答弁してください。

中谷国務大臣 もう一度答弁を申し上げます。

 この設置法十二条は、文民統制そのものを定めたものではありませんが、文民統制を担う防衛大臣の補佐に係る規定であり、文民統制にとって重要な規定であると認識しております。

大串(博)委員 大臣、後ろからメモを入れられて読まれるのもわかります。よく自分の答弁を受けとめて答えてください。

 文民統制の一翼をなすものではない、一内容ではないとおっしゃった。ところが、法律をつくったときの立法意思が、立法趣旨が、この十二条はシビリアンコントロールだと言っているんですよ。このそごはどう説明するんですかということを問うているんです。そこを御答弁してください。

中谷国務大臣 もう一度申し上げますが、立法作業者がまとめた解説によれば、長官官房及び各局と幕僚監部はいずれも長官の補佐機関である、それらは補佐の面と態様を異にしているとされており、保安庁の文官が部隊に対して指揮命令を行う関係になかったということです。

 当時の議論について、シビリアンコントロールの考え方については、用語の使い方も含め、必ずしも確定的な議論がされなかったこともあると思いますが、いずれにせよ、車の両輪として長官を補佐するという考え方は現在と変わらないと思います。

大串(博)委員 大臣の今の説明が論理的になされるためには、当時、昭和二十七年の大橋大臣が使ったシビリアンコントロールという言葉と今大臣が使われているシビリアンコントロールという言葉が字義が違うということにならないと、論理的な説明になりません。そうなんですか。昭和二十七年と今のシビリアンコントロールという言葉は違うんですか。

中谷国務大臣 私が申し上げましたのは、シビリアンコントロールというのは、選挙で選ばれた政治家、いわゆる文民、これがきちんと自衛隊を指揮命令してコントロールすることでございます。これが私の言っているシビリアンコントロール、文民統制でございます。

 当時については、この文民統制の考え方については、用語の使い方も含めて、必ずしも確定的な議論がされなかったこともあると思いますが、いずれにしても、シビリアンコントロールというのは、私が申し上げました文民統制、政治家が部隊を指揮するという意味でございます。

大串(博)委員 もう一度明確にお答えをお願いします。

 当時の、昭和二十七年の大橋国務大臣がおっしゃった、十二条に当たる規定はシビリアンコントロールだというふうにおっしゃったときの、大橋大臣が当時、昭和二十七年におっしゃったときのシビリアンコントロールの意味と、今大臣が、私はこういうことがシビリアンコントロールだと思うと言われたシビリアンコントロールの内容、当時と今では、政府として、シビリアンコントロールの意味内容が違うんですか。

中谷国務大臣 同じであると思います。

大串(博)委員 同じであるならば、なぜ、当時の大橋大臣はこの十二条に当たる規定をシビリアンコントロールと言い、大臣はシビリアンコントロールではないというふうにおっしゃるんですか。理由を説明してください。

中谷国務大臣 シビリアンコントロールという言葉の問題でございますが、文民統制の考え方については、用語の使い方も含めて、必ず確定的な議論がされなかったことと思いますが……(大串(博)委員「いやいや、同じと言ったじゃないですか」と呼ぶ)ですから、私は、現在のシビリアンコントロールの考え方は述べましたし、一般的にシビリアンコントロールというのは、どこの国も、文民、政治家、これが軍隊、部隊をコントロールするという意味でございます。(大串(博)委員「いやいや、この答弁のことを聞いているんですよ」と呼ぶ)

 その答弁も、何か、何とかと申しますかとかいう形で、確定的なことを言っておられるような感じではございません。

大串(博)委員 なぜ過去の経緯をこれだけきちんと聞いているかというと、それだけ重要な規定だからですよ。シビリアンコントロールという考え方は、憲法の中にもその一端が見られる、国民にとって極めて重要なことだからですよ。しかも、それが戦前からの反省に基づいて埋め込まれてきているという、極めて重大なことだからですよ。

 にもかかわらず、今大臣がおっしゃるのは、シビリアンコントロールは当時と今と内容が違うというようなことをおっしゃったかと思うと、同じだとおっしゃる。一体どういう理解なんですか。もう一度整理して答えてみてくださいよ。(発言する者あり)

金田委員長代理 静粛に。

中谷国務大臣 実質的な意味は変わっていないと思います。

 現実的に、言葉の使い方、意味等につきましては、当時、シビリアンコントロールについていろいろな意味があったかもしれませんが、少なくとも、実質的な意味というのは変わっていないと思います。(発言する者あり)

金田委員長代理 静粛にお願いします。

大串(博)委員 委員長、今の大臣の話を聞いていると、三つ答弁されましたよ。

 シビリアンコントロールという言葉は、当時は言葉の使い方が違ったんだという答弁がありました。途中で、シビリアンコントロールに対する答えは、当時も今も同じですという答えもありました。今は、実質的には同じですと三つ答弁がありました。私はわかりませんよ、何のことをおっしゃっているのか。

 ちょっとそこを整理してください。

金田委員長代理 それでは、今の大串委員の指摘を踏まえて、中谷大臣、答弁をお願いします。

中谷国務大臣 申し上げます。

 防衛省設置法十二条の話ですよね。

 これは、文民統制そのものを定めたものではありませんが、文民統制を担う防衛大臣の補佐に係る規定であって、文民統制にとって重要な規定です。

 内部部局の文官というのは、防衛大臣の行う文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしておりますが、内部部局の文官も自衛隊の隊員であって、防衛省における文民統制の主体である防衛大臣の命に服する立場にあることは自衛官と変わりはないんです。

 また、内部部局の文官が、部隊に対し、指揮命令するという関係にもなりませんが、当時はこのことも言っております。(大串(博)委員「全く答えていないですよ。三つの意味を、三つの答弁を」と呼ぶ)

金田委員長代理 だから、それを指摘してください。大串委員、質問に立って、もう一度正確に質問してください。それで答弁をしてもらいます。(大串(博)委員「全然、聞いたことに答えないじゃないですか」と呼ぶ)もう一度ちゃんとしてください。だから、何度も答えている中で、違いを言ってください。(発言する者あり)大串博志君、わかりやすく、もう一度指摘してください。そして、わかりやすく答弁してください、大臣。(発言する者あり)

 それでは、三つの違いがどうなのかという質問であります。

中谷国務大臣 言います。

 実質的なシビリアンコントロールというのは変わっておりません。

 それから、用語の使い方も含めまして、必ずしも確定的な議論がされなかったこともあると思いますが、いずれにせよ、車の両輪として長官を補佐するという考え方は現在も変わらないと思っております。

大串(博)委員 今、二つになったような気もしました。二つの答弁になったような気もしました。

 実質的に変わっていない、しかし、当時は言葉の、用語の使い方も違ったようですと。実質的には内容は違わない、しかし、当時は言葉の使い方もいろいろあったようでございますと言われました。

 では、どっちなんですか。実質的に同じというのはどういうことなんですか。当時は違うというのはどういうことなんですか。そこをお答えください。

    〔金田委員長代理退席、委員長着席〕

中谷国務大臣 自衛隊の指揮命令は文官たる政治家が行うということです。そして、それを支える、補佐する政策的な補佐の文官と、そして、軍事的、専門的補佐をする幕僚、いわゆる制服、この二つがいるということでございまして、文官たる政策的に補佐をする内局、これは自衛隊を指揮命令する権限はなかったということでございます。

大串(博)委員 委員長、あれだけ答弁がしっかりしていなかったんだから、時間も少し猶予してもらわないと困りますよ。

 いいですか、大臣、私が聞いているのは、実質的には当時のシビリアンコントロールと今のシビリアンコントロールは違わないとおっしゃった、実質的には。しかし、もう一方の言葉で、当時は言葉の使い方もいろいろありましたと、今とは違うようなことをおっしゃっている。一体どっちなんですか。担当大臣なんですから、シビリアンコントロールという極めて大事な言葉の定義なんですから、どっちなんですか。実質的に同じなんですか。それとも、当時は言葉の使い方もあって違うんですか。お答えください。

中谷国務大臣 文民統制の考え方でしょう。(大串(博)委員「いやいや、二つ説明しているから、どっちかを答えてください」と呼ぶ)文民統制については、文民である防衛大臣が自衛隊を管理運営して統制することであるんですよ。(大串(博)委員「どっちかと聞いているんですよ」と呼ぶ)何を。

大島委員長 大串君、もう一度、中谷大臣にわかるように質問しなさい。

大串(博)委員 私も、実は、中谷大臣の答弁の内容がよくわからないものですからお尋ね申し上げているんです。

 シビリアンコントロールという言葉は、当時と今と、昭和二十七年と今と実質的には違わないというお言葉がありました。一方で、二十七年と今と、シビリアンコントロールという言葉に対する用語の使い方もいろいろ当時はあったようでと、あたかも今とは違う言葉であったかのような言葉もありました。

 極めて重要な言葉の定義です。どっちですかとお尋ねしているんです。

中谷国務大臣 現在、文官優勢という言葉は使っておりません。(大串(博)委員「シビリアンコントロールと言っていますよ、答弁の中で」と呼ぶ)先ほどは、これは説明したとおり、防衛大臣が行う文民統制のことでございます。

 保安庁法も防衛省設置法十二条の趣旨も、政策的見地からの大臣の補佐と軍事的見地からの大臣の補佐の調整、吻合を行うものであるということでございます。

大島委員長 大串さん、二分延ばしました。したがって、最後の質問にしてください。

大串(博)委員 委員長にぜひお願い申し上げたいと思います。

 全く今の答弁では、実質的に違わないという言葉と、当時はシビリアンコントロールに関していろいろな言葉の使い方がありましたという言葉のどちらが本当の答弁なのかよくわかりません。

 ぜひ、もう一度、シビリアンコントロールに対する統一見解を出していただくよう心からお願いして、私の質問を終わります。

大島委員長 承っておきます。

大串(博)委員 ありがとうございました。

大島委員長 これにて大串君の質疑は終了いたしました。

 次に、木内孝胤君。

木内(孝)委員 維新の党、木内孝胤でございます。

 本日は、GPIF、そして商工中金、政策投資銀行、政府系の金融機関について質問させていただきます。

 GPIFは、本日、岸本委員も先ほど質問いたしましたが、これは国民の関心が非常に高い事項でございます。

 塩崎大臣におきましては、GPIFにつきましては、相当長い間、高い問題意識を持っていろいろ取り組まれてきたと理解しております。こうした中で、さまざまな問題、例えば、ガバナンスの強化、あるいは内部統制、運用執行能力の強化、本当に問題があるということを理解した上で、さまざまな論点を整理して、こういうことを理解している方だと理解しておりました。

 しかしながら、一つ残念に思っておりますのは、大臣に就任されて以降、違和感のある事項がたびたび続いております。

 まず、昨年十月末にGPIFは基本ポートフォリオを変更しました。当然、大きな、年金におきまして、最も重要な意思決定といいますのは、この基本ポートフォリオの変更でございます。とりわけGPIFにおきましては、これは百三十兆円でございますけれども、ほかの似た公的年金も似たような投資行動をとりますので、大体二百兆円規模の影響力があるということです。

 単位が兆になりますとなかなかイメージが湧きにくいわけでございますけれども、これは、例えば四人家族としますと、一家族大体六百万円ぐらいなんですね。それくらい大きな単位のお金を、各家計に影響のある決断をされているということです。

 こうした中で、昨年の十月末、株式のポートフォリオ、これは二四%から五〇%という極めて大きな意思決定をGPIFはしました。

 多分、国民の方は御存じないかもしれないんですが、例えば理事長と理事、先ほど三谷理事長がいらしていましたし、大変御見識の高い方だとは思いますけれども、この理事長と理事、資産運用業務経験はどのくらいの経験があるか、大臣、お答えください。

塩崎国務大臣 三谷理事長のことだと思いますが、御案内のように、三谷理事長は日銀の御出身でございまして、マクロ経済を含め、いろいろ経験をされてきたというふうに理解をしておりまして、運用について、みずから御商売でやったということは私は聞いておりませんけれども、日銀の中において、さまざまな運用の場面について、日銀の、言ってみれば、アセットサイドも当然見ているわけでありますから、そういう経験は十分お持ちではないかというふうに思っております。

木内(孝)委員 私が聞きましたのは、日銀の理事としての仕事の経験ではなくて、資産運用業務経験なんです。

 百三十兆円のポートフォリオを運用するというのは極めて困難な仕事です。こうした中で、理事長と理事、十月末時点、私の理解では、資産運用業務経験が全くゼロな状態でこの百三十兆円の役員を二人で兼ねている。こうした問題については、塩崎大臣は非常に危機感を前から有しているというふうに理解しておりまして、これを放置した状態でこのポートフォリオの変更をしたというのは極めて乱暴であり、大臣としても無責任ではないか、私はそのように思っております。大臣の御所見をお聞かせください。

塩崎国務大臣 今回の基本ポートフォリオの見直しは、もう先生よく御存じのとおりでありまして、経済の前提が相当変わったわけでございます。

 それは、いわゆるアベノミクスで、言ってみれば、これからの成長の期待も、それから物価上昇に関する期待についても変わってきたということは、金利もこれから、長期金利は今までずっと低迷したままで来ていた中にあって、これからはそうではないかもわからないという前提も変わってきたわけであって、そういう大きな経済変化の中で、デフレから脱却をするという政策目標ももちろん持ちながら、実際、かなり、経済指標をいろいろ見てみますと、変わってきたわけであります。それを踏まえた上で、総理がこのポートフォリオの見直しを前倒しすべきだと。

 つまり、そもそも、これは、長妻厚労大臣のときに前回、財政検証があった。しかしながら、残念ながら、何らの数値的な指示もしないままに、言ってみれば、GPIFが決めていったものをそのまま追いかける形でポートフォリオができ上がっていた。そのままで本当にいいのかという中から、新しいポートフォリオをつくるということにしたわけであります。

 そこで、今、三谷さんが直接的に資産運用をしていない、経験を持っていないというお話でありますけれども、この組織のトップに立つ人がデーリーのアセットマネジメントをやったことがあるということが条件なのかというと、そんなことは決してないわけであって、やはりあらゆることを踏まえた上で総合的な判断ができるということが極めて大事でありまして、そういう意味で、三谷さんは、これは実は長妻厚労大臣が選んだ人事でありますが、先生も民主党におられましたが、そういう中で選ばれた方であります。

 そういうことで、私は、素質として兼ね備えるべき素養は十分おありで、では、マクロ経済がどうなるかもわからないでアセットマネジメントだけやっている人がトップとして年金の大事な資産を預かっていいのかというと、やはりちょっとそれは少し違うんじゃないかな。

 ですから、そこはいろいろ御判断ですから、誰がどう選ぶかというのはそのときの厚労大臣、最終的には、今は独法ですから、これは総理が認めるということでありますから、そういう総合的な判断の中で選ばれたというふうに私は理解をしておりますし、その下に、実際にアセットマネジメントをやった人はいるわけです。

大島委員長 厚労大臣、簡潔に、ひとつ答弁してください。

木内(孝)委員 今の説明で、リスク許容度を国民に説明もせずに二四%の株式ポートフォリオを五〇%にふやしたり、あるいは、資産運用業務経験が全くないトップ二人でこうした変更は行ってほしくないというのは、私は国民の意見だと思います。

 そして、もう一つお伺いしたいんですが、もう一つの問題は、安倍総理は、ダボス会議におきましてもGPIF改革を行うというふうな話をしました。そして、実際、十月末の前段階で、このポートフォリオの変更のニュースというのは、どこで情報がどのように漏れたのかわかりませんけれども、株式の割合をふやすというような報道もされました。

 情報管理についてでございますけれども、恐らく、株式ポートフォリオをふやすと、これは株価の上昇要因になります。結果として、政府が株価つり上げ材料として使っている、そのように誤解されてもおかしくない状況なんです。実際、これは本来、株式のポートフォリオをふやすのであれば粛々とふやせばいいのに、結果的に、株価をつり上げて、高値づかみでこれを買っているということになります。これは非常に国民から見て不利益につながっていると思うんですが、大臣、この情報管理と不利益について御意見をお聞かせください。

塩崎国務大臣 まず第一に、株価を、言ってみればPKOのようにみずからつり上げてというお言葉がございましたが、御案内のように、年金積立金の管理運用というのは、厚生年金保険法などに基づいて、専ら被保険者の利益のために、安全かつ効率的に行わなければならないというふうになっていて、株価操作とか株価維持とか、そういうような被保険者の利益以外の他事考慮をするということは法律上禁止をされているわけであります。

 今回の基本ポートフォリオの見直しは、デフレから脱却して、国内債券だけでは、かつて多かったわけですけれども、実質的な年金の給付、つまりお約束をした年金支払いができないということになる中で、そういう想定のもとで、被保険者の利益のために最適な運用について専門家に検討をしていただき策定されたものであって、その結果、これまでよりも国内債券の比率が下がり、株式比率が上がったものだというふうに思っております。

 GPIF法をごらんになっていただければ、年金積立金の運用が市場その他の民間活動に与える影響に留意をする旨が定められているわけで、新しい基本ポートフォリオへの移行についても、この法令の規定に基づいて、GPIFにおいて、市場への影響に留意をしつつ被保険者の利益となるようにリバランスが行われてきたということで、それが高値づかみになったという御指摘でありますけれども、そういうことではないというふうに思います。

木内(孝)委員 あれだけ情報が漏れて、先にニュースが出て、株価が上がり、国民の不利益になっているということは、私は謙虚に受けとめていただきたい、そのように思っております。

 そして、もう一つお伺いしたいんですが、二人しかいない理事長と理事、役員のうち、一月に新しい最高投資責任者が選ばれました。

 先ほど、岸本委員からの質問の中にも、ガバナンス、外部からの規律というような指摘がございましたけれども、今の文脈でいいますと、政府は、GPIFが株を買い増すから株価が上がる、これをずっとメッセージとして一貫して発信しているように聞こえております。少なくとも、市場はそういう受けとめ方をしている。これは、言い方をかえますと、まるでGPIFを打ち出の小づち、あるいは私物化、あるいは政治のおもちゃ、そのように見えてしまっているというのが現状でございます。

 例えば、では、新しい理事を選んだときに、どのような透明性、説明責任で選ばれているのか。そして、三月末にも三谷理事長の任期が来ます。ここの理事長をどういうふうに選任するのかということに関して、その人選の対外的な説明の責任、あるいは政治からの独立をどのように担保していくのか。

 私は、マーケットの人たちが打ち出の小づちとして私物化しているように見えている、こうした事実をもって、非常にこれは国民の不利益につながっていると思っているんです。そこの点につきまして、大臣の御所見をお伺いいたします。

塩崎国務大臣 今、理事の任命についてお話がございまして、それに関連して私の考えをということでありますけれども、理事は、独立行政法人通則法に基づいて、独立行政法人が行う事務及び事業に関して高度な知識及び経験を有する者などのうちから理事長が任命をするということになっております。これは理事長が任命をするんです。

 GPIFは、運用委員会の議を経て、昨年の十月三十一日に基本ポートフォリオの変更を行いましたけれども、その際、運用委員会からは、専門人材の強化等を図るような建議を受けたわけでありまして、このため、運用に係る専門人材を理事とするとともに、あわせて、資金運用業務の責任者であるCIOを兼務させて体制強化を図るということとし、本年一月の五日付をもって、コラーキャピタル社のパートナーでございました水野弘道さんを理事、CIOとして任命したものだというふうに承知をしております。

 水野さん自身は、欧米を含めて広く運用実務の第一線で豊富な経験を持つ専門的な人材でありまして、政府部内でも既に、内閣官房の健康・医療戦略参与とか、官民ファンドの活用推進に関する閣僚連絡幹事会の有識者委員など、さまざまな分野においてその知見を生かしていただいてきているところでございます。

 GPIFにおいて、水野さんのこのような知識経験を踏まえて、理事、CIOとして適任だという判断をした上で、理事長が任命をしたものだと承知をしております。

木内(孝)委員 プライベートエクイティーのプロでいらっしゃるということも、見識が高いということも理解はしておりますし、こういうオルタナティブ投資を進めるということに関しては、私は決してネガティブではないわけですけれども、やはり、マクロ運用とか、そういう実績もない方を選んだりと。私は、ですから、今回の理事長人事というのもどういうプロセスで選んでいくのか、なかなか、人事のことですので、透明性等もございますけれども、その点については十分にお気をつけて御判断いただきたいというふうに思っております。

 それと、お手元のお配りしています資料の三でございます。

 こちらに四つの公的年金基金の図が出ております。これは、厚生労働大臣所管のGPIF、そして財務大臣所管の国共済、総務大臣の地共済と文部科学大臣の私学共済、この四つの年金基金がございます。

 これは厚生労働省がつくった資料でございますけれども、基本的な運用のスタイルとか基本指針の作成、公表をするわけですから、同じ形の運用方針にあるわけですね。これを四つのまま分けておくということに、私は意味がないのではないかというふうに思います。これは統合するべきではないか、そのように思っておりますが、大臣もそのようなお考えはございますでしょうか。

塩崎国務大臣 これは、年金の一元化の議論の中でかなりいろいろと議論がなされたところでございます。

 それで、今先生御指摘のように、四つの共済あるいは年金の資金が存在をしているわけでありますけれども、やり方としては、今先生のお話にありましたように、またお手元にあるように、基本指針を作成して、そしてモデルポートフォリオもつくって、基本的にはそれに準じて皆やるということです。

 では、なぜ統合していないのかということでありますけれども、一体運用をしていないのかといいますと、それは、それぞれ医療の保険、健康保険をやっていらっしゃって、それの保険料の徴収とかあるいは支払いとか、そういうようなことがあるものですから、こういう形で当面行っていくというふうに結論づけられたと理解をしております。

 しかし、資金的には一緒でありますから、当然、お互いがお互いに影響し合うということがあるので、だからこそ、基本指針の作成とモデルポートフォリオに基づく運用がそれぞれに期待をされるということになっていると理解をしております。

木内(孝)委員 今の御答弁では、別々に管理運営する理由には全くならないと思いますので、ぜひこれは、四つ統合して管理することも御検討いただきたいと思います。

 時間もないので、今度は政策投資銀行について、麻生大臣にお伺いいたします。

 三月末で、政策投資銀行完全民営化、これを延期する、しばらく様子を見るというようなことでございますけれども、その延期している理由の一つは、リーマン・ショック、そして震災とございましたので、それの危機対応業務、これがあるから、しばらく残高も積み上がって、民営化を延期するというような話になっております。

 しかしながら、危機対応業務というのは、日本政策金融公庫におきましても緊急対応スキームはございますし、あと、今、平時におきましても、例えば普通の電機メーカー、あるいは電力会社、とても危機対応業務と思えないような業務と混在しながら業務を行っております。

 私は、これは明らかに、改革といいながら、さまざまなことの骨抜きをして、延期をしてというふうに見えるわけでございますけれども、この危機対応業務と民営化の矛盾のこと、そして、今後の民営化の見通しにつきまして、財務大臣にお伺いいたします。

麻生国務大臣 経歴を見たら三菱銀行におられたというので御記憶もあろうかと思いますが、二〇〇八年、リーマン・ブラザーズのとき、中小零細は商工中金等々でそこそこ、大企業というものはメガバンク等々、ちょっと抜き差しならないこともあったんだと思いますが、結構な対応はしたし、自分自身の財力もあった。問題は、その中間です。どんなざまになったかといえば、えらいことになりましたでしょうが。倒産ですよ。

 では、あれを倒産せずに救えた理由は何かといえば、それは間違いなく政府系金融機関が、そういった中堅企業の大きなところ、世間じゃ大企業ですよ。しかし、会社の形からいえば巨大会社の中間。この会社を救えたのは、全部投資銀行、政策、国策銀行だったと思いますね。これはほとんどできないはずだった。たった一本細い糸がつながっていましたもので、それをネタにして救えて、今日までになった。

 しかし、その後、今度は、もうちょっと別な意味で似たようなことになりましたのは東北の大震災のときだったんですが、このときも、対応は、みんなどっと引いた中にあって、目先、金が要りますから、そのところをきちんと対応していった。

 そういった危機管理の面からいきますと、これは、政府が言うことを言わない限りは、民間はやっていただけませんでしたから。

木内(孝)委員 危機対応業務を義務化させるというのであれば、それであれば、民営化というのは永遠にできないということにほかならないと思います。

 もしそういう方針でいくのであれば、完全民営化の旗はおろしていないという、こうした詭弁、矛盾というのは放置しない方がいいと思いますけれども、御所見をお願いいたします。

麻生国務大臣 基本的には、御趣旨は、多分、危機対応業務がなくなることはないということですね、前提として。これを義務づけた場合は政投銀を完全に民営化できるときなど来るはずはないじゃないかということ、そういう理屈にしたいんだと思われますけれども、政府としては、これは民間が十分な危機対応を確保されるということをしていただけるんだったら。少なくともここ二回してもらえませんでした。

 速やかに、政投銀における危機対応業務の義務づけを廃止する方針でありますから、したがって、危機対応業務の義務づけと完全民営化の方針維持というものは決して矛盾するものではないと考えております。

木内(孝)委員 私も、リーマン・ショックのとき、メリルリンチ証券というところにおりまして、リーマン・ショックの日に私の証券会社もバンク・オブ・アメリカに吸収されました。当時の状況を非常によく理解しているつもりです。

 そして、二〇一一年の三月、東京電力さん向けに、銀行団が、危機対応融資ということでまとまって大型のローンを出しました。そのときも政策投資銀行さんも参加しておりますし、その点は評価いたします。

 だからといって、政策投資銀行にこの危機対応業務を続けさせる必要が本当にあるのか。実際、今、東京電力向けに残高が残っておりますので、これが、返済が終わるのはまだまだ先でございます。

 さっきから申し上げているのは、民営化の旗をおろすということと、危機対応業務を続けるということは完全に矛盾している話なんです。だから、もし危機対応を続けるなら続けるで私は構いません。それだったら、きちんと完全民営化の旗をおろされたらよろしいんじゃないですか。

 それは商工中金にも全く同じことが言えるんですけれども、宮沢大臣にも、その点、お伺いしたいと思います。

宮沢国務大臣 委員が本当によく御承知だと思いますけれども、あのリーマン・ショックのときというのは、たしか直接金融市場が壊滅的になりまして、直接金融市場から調達していた大企業等々というのが間接金融にばあっと流れてきて、そして、最終的には中小企業なんか大変なことになったわけでありまして、商工中金の危機対応業務というのは大変効果があったということは確かであります。

 一方で、今のお話は、このままいったら未来永劫に恐らく民間の金融機関が危機対応業務をやらないんではないか、こういう御質問だと思います。

 それにつきましては、今回の法改正にあわせまして、現行の指定金融機関を活用した危機対応制度のもとで、民間金融機関が指定金融機関になるための申請手続の簡素化や、同機関の業務内容の一層の明確化などの運用改善を進めることとしております。こうした改善を行った上で、民間金融機関による参加があるかどうかという動きを見きわめていく必要があると思っております。

大島委員長 時間が参りました。

木内(孝)委員 はい。

 商工中金、政投銀の民営化延期というのは、本当に改革の骨抜きだというふうに思っております。ぜひ、この危機対応業務をきちんと終了させて、完全民営化を実行していただきたいと思います。

 質問は以上でございます。ありがとうございました。

大島委員長 これにて木内君の質疑は終了いたしました。

 次に、太田和美君。

太田(和)委員 維新の党の太田和美でございます。

 私は二年間浪人をしておりました。本日は、それから初めての予算委員会となります。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。

 本日、その冒頭の予算委員会に当たって、まず初めに、政治と金の問題について下村文部科学大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 非常に予算委員会でたくさん聞きたいことがある中で、このようなことを聞かなければいけないことを本当に残念に思います。しかし、多くの国民の皆さんが疑惑の目を持っております。しっかりと説明責任を果たしていくことが大切だと思いますので、どうか真摯にお答えをいただきたいと思います。

 一部の報道機関でございますけれども、下村文科大臣の一千二百万円の会費納入リスト公開というものが出されました。大臣もこれは本日見られているかというふうに思います。

 まず、事実関係について私確認をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、ここに報道されているような一千二百万円の会費の納入リストというものは存在するのでしょうか。

下村国務大臣 ここにというのは、きょうの週刊文春の記事だと思います。何をもってかということでありますが、まず、その一千二百万円というのは、これは寄附、献金でございます。東京十一選挙区支部に寄附として二〇一四年にいただいた献金総額が一千二百万円ということであります。

 ですから、言われているような、何か、会費を迂回して、偽装して、もらったとかいうことでは全くありません。

太田(和)委員 済みません、質問にしっかりとお答えをしていただきたいんです。

 ここの報道になされている年会費納入一覧表というものがあるんですけれども、八枚の文書があるというふうに報道がされているんですけれども、これがまずあるのかどうか、お答えください。

下村国務大臣 八枚の文書というのは、全国の博友会の幹事の方々がお集まりになったときにお配りした資料でございます。

 これは毎年、年に一度は地方の博友会にも講演に行っておりますので、年間の日程調整をする、それから、私の近況等をお話しするということで、毎年やっている会であります。

 ことしについては、昨年の暮れから写真週刊誌等に報道されて、それは、地方でやっている博友会があたかも政治資金、金集めで、それを何かごまかしているような報道記事があったということの中で、地方からこの問題についてどうすればいいんだというふうな話がありましたから、それについての整理ということで、いろいろな方々にお聞きして、今回八枚の書類にして提出を事務方がしたということであります。

太田(和)委員 ということは、八枚の文書があるということでよろしいですね。(下村国務大臣「はい」と呼ぶ)

 まず、この文書を提出していただきたいというふうに思います。どうですか。

下村国務大臣 それは理事会で諮っていただきたいと思います。

太田(和)委員 委員長に、提出をしていただくように理事会の方でお願いをしたいと思います。

大島委員長 理事会で協議いたします。

太田(和)委員 次に、もう一つ事実確認をさせていただきたいと思いますが、ここには、二月十三日、大臣控室で大臣出席のもと会議が開かれたということでございますけれども、この二月十三日に大臣控室でこのような会議を行ったという事実はあるのでしょうか。

下村国務大臣 大臣室に初めて来られる方もいらっしゃるということで、表敬訪問で十五分ぐらいお越しになりました。その後、別の場所で、今後の打ち合わせということで話し合いがありました。

 大臣室でそういう話し合いをしたわけではありません。

太田(和)委員 そのときにお配りされた八枚のリストもあるということでございますけれども、このリストの中に、講演料として報酬をもらう場合はあるというふうに書いてあるんですけれども、これは先日、我が党の今井議員が質問したときに、全国の博友会からは、講演をした際に、お車代も講演料も一切もらったことはないと下村大臣は答弁されています。虚偽答弁になりませんか。

下村国務大臣 今までも、何度もその質問が出ました。今までも、私は講演料をもらったことはないということを再三申し上げているわけであります。

 にもかかわらず、何で書いてあるのかという御質問だと思いますが、これは、地方の博友会に確認したところ、外部の講師に来ていただいて講演をしてもらうときは、外部講師が講演料をもらう場合もあるということを聞いたことから、私の事務方が記載したということを聞いております。

太田(和)委員 まず、大変苦しい答弁だというふうに思うんですけれども。

 そもそも、大臣はこのときに、講演料ももらっていない、さらにそのときに、下村事務所は一切この運営にタッチしていないということもおっしゃっていました。でも、先ほど大臣は、大臣室でその会議をやったというふうにおっしゃいましたよね。ということは、事務所としては関与していないというのはちょっと苦しいんじゃないでしょうか。

下村国務大臣 まず、二月の十三日でしたか、全国の博友会の代表の方々、これは先ほどから申し上げているように毎年やっております。それは、年間スケジュールを決めたり、それから私のいろいろな話をさせていただいたりということであります。

 今回について資料を出したというのは、昨年からそういうことがあったものですから、整理しましょうということで、いろいろな方々にお聞きして出したということであります。

 ですから、具体的に今まで私がずっと答弁申し上げているのは、任意の博友会というのが全国で六カ所あるんですけれども、その任意の博友会の中で、人事の問題とか会則とか会費とか、そういうことについて私の事務所も私もタッチしていない、ですから、任意の博友会から直接政治献金等を受けているということはないということを申し上げているわけでありまして、任意の博友会と別に、代表の方々が年に一度東京へ来てそういう日程調整をする、あるいはそういう情報交換をするということ、これは何の矛盾もないと思います。

太田(和)委員 大臣は任意任意というふうにおっしゃいますけれども、そもそも、このリストの中でも、先ほど大臣も答弁されたように、年間のスケジュールというものが書かれてあったというふうに思います。ということは、年間の講演スケジュールを計画しているということは、まさに東京の博友会と一緒で、これは政治団体であるというふうに思います。その証左であると思います。これは脱法行為だと言わざるを得ないというふうに思うんですね。

 本日はほかの質問もさせていただきたいので最後にさせていただきたいと思いますけれども、まず、政治家としては、やはり政治の流れをディスクロージャーしていくことが何よりも大切なんじゃないかなというふうに思うんです。もし大臣がおっしゃるように、これは任意だから任意だから、そんなので逃げられるのであれば、国民はこれは納得しないですよ。

 もしそうであるんだとしたら、これは法改正するなり制度改正していくべきだというふうに私は思います。その旗振り役を下村文科大臣がするべきではないでしょうか。最後の質問にさせていただきたいと思います。どうですか。

下村国務大臣 何が脱法行為なのか具体的に言っていただければ、事実でないということについては御説明できると思います。

 それから、任意の団体だから何かごまかしているみたいな言い方に聞こえましたが、これは一年に一度しかやらない後援会ということで、後援会組織、要するに政治資金団体として届け出るような後援会組織にする必要がないのではないかということを考えて、地方の博友会の方々はそういうふうな話を今まではしておりました。

 ただ、先ほどの御指摘がありました十三日ですね、集まったときに、そういうことは、実際は全く不正もしていませんし、それから偽装もしていませんけれども、そういうふうに書かれること自体が申しわけないし、私も、これは先ほどでいえば、国民に対する説明責任はきちっとあると思いますから、それについては今後整理しましょうということは話の中でありました。

 今後とも、何か問題があるというふうな疑義があれば、誠実にお答えすることによって、丁寧に、政治不信が起きないように対処してまいりたいと思います。

太田(和)委員 事実確認をしっかりと、記者会見などを開いて説明するべきであるというふうに思います。やはり、文部科学大臣というのは教育行政をつかさどる大臣です。子供たちに恥ずかしくないような説明責任をしっかりとしていただくことをお願い申し上げまして、次の質問に入らせていただきたいと思います。(下村国務大臣「答えますよ、委員長」と呼ぶ)

大島委員長 下村さんにちょっと答えさせて。

太田(和)委員 では、委員長が言うので、最後に。

大島委員長 質問者の御了承をいただきましたから。下村文科大臣。

下村国務大臣 何かあたかも記者会見を逃げているような言い方をされていますので。私は、きちっと週二回の定期記者会見もしておりますし。

 こういう質問があるのであれば、まずは国会が優先だと思っていますから、国会できちっと答弁したいと思います。その後で、もし記者から質問があれば、随時しています。ですから、今まで一度も記者会見等を、逃げているとか回避するということは一度もありません。これからもそういうつもりです。

太田(和)委員 ありがとうございます。

 ぜひとも、これからも真摯に説明責任を果たしていただきたい。そして、国会ではやはり、先ほど申し上げたように、虚偽答弁にならないようなことをお願い申し上げて、私の本来の、本日質問する予定でありました質問事項の方に移らせていただきたいと思います。

 さて、本日は、この予算委員会で、私は、FIT法、指定電気事業者制度の指定と解除について、経産大臣の方にお伺いをさせていただきたいと思います。既に、我が党の今井議員、高井議員が本予算委員会において指定電気事業者制度について取り上げておりますけれども、それに関連して質問させていただきたいと思います。

 固定価格買い取り制度は、大企業だけではなくて、小さな企業もきちんと事業計画を出して、その中で、金融機関から融資をしてもらって、資金調達をしてもらった上で事業が始められるようにする。一定期間、固定の価格で、発電した電気の全量を買い取るということを約束するという仕組みであろうかと思います。これによって、再エネ事業にとっての収益予測を容易にして、その事業のリスクを減らして、再エネ事業への投資を促す制度であるかと思います。

 しかし、それにもかかわらず、新たな指定電気事業者制度というものがありまして、無制限、無補償の出力抑制を再エネ事業者側に求めることを認める仕組みであり、それが、東京電力、中部電力、関西電力を除く七電力会社に対して、今回、広く導入されてしまったということでございます。そこで大きな問題が今生じています。

 そこで、お伺いをさせていただきたいのが、この指定電気事業者制度は、そもそも北海道電力を例外的に指定したものであって、当時のパブリックコメントへの回答でも、北海道のみで、しかもメガソーラーだけに限定したというふうに政府は回答しております。これは明らかに約束違反ではないかなというふうに思うんですけれども、なぜ、今回、ほかの六電力会社が含まれることになったのか、お答えをお願いしたいと思います。

宮沢国務大臣 固定価格買い取り制度でありますけれども、この制度は、まず、認定という行為が経済産業省によって行われます。これは極めて形式的な行為でありまして、その後、業者が接続を電力会社に求めて、そして、接続できる、できない、こういう話がありますが、実は、その接続のところで電力量の調整をするというのが法律上の建前であります。

 したがって、法律に基づいて省令を定めて、そして、まず北海道電力を指定電気事業者に告示で指定し、そしてさらに追加の指定をしたということであります。

 では、なぜ北海道電力だけでなくてほかもやったかといいますと、九州電力が一番典型でありますけれども、昨年度末、要するに、新年度になると価格が安くなる、そういう見通しのもとで、実は、低圧分割というかなり脱法的な方法の接続申請がたくさん参りました。

 低圧分割というのはどういうことかといいますと、五十キロワット未満の発電であれば、管理等々かなり規制が緩いわけでありますけれども、大きな発電、メガソーラーにもかかわらず、低圧分割のように、ちょっと間をあけるみたいなことで、全体としてはメガソーラーなんだけれども、一つ一つは五十キロワット未満というものが、実は九州電力の接続要望の大部分でありました。

 そういうような状況を経て、中三社と言っておりますけれども、東京、それから関西、中部を除くほかの電力について、いろいろな状況を調査したところ、やはり指定する必要があるということで、指定をさせていただきました。

太田(和)委員 それは緊急避難的なものというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。

 それと、再生可能エネルギーの最大限の導入というふうに政府はうたっておりますけれども、この最大限の導入という方針について変わりはないか、ちょっと時間がございませんので、端的にお願いをしたいと思います。

宮沢国務大臣 緊急的と申しますか、要するに、大変晴れていて風の強いというときには、太陽光及び風力が最大限発電をするというときで、最大限の発電量がある。それが需要の低いときに当たったときに、ある程度抑制をかけなければいけないということなわけですけれども、実は、それはある意味では短時間でありまして、それ以外の時間につきましては実は抑制をしなくていい。

 そういう意味で、この制度というのは、新たに参加する方をふやしてもらう。そして、一瞬のときには抑制はするけれども、それ以外のときの再生可能エネルギーの発電量というものは全体としてはかなり大きくなるということでありまして、ある意味ではワークシェアリング的な発想で、全体の量をふやしていくということでありますので、最大限導入するという方針には変わりがございません。

太田(和)委員 さきの予算委員会で、高井委員の質問に、大臣は、指定の解除について、論理的に解除はあるというふうに見解を示しています。現状の話ではなくて、指定の要件とか解除の要件を明確にしていくべきだというふうに思うんです。

 電力会社に対しては、一時的に指定電気事業者制度に指定されたとしても、継続的な送電網の増強とかの義務を課して、指定電気事業者の指定から解除されるように努力をさせるような制度にするべきだというふうに思うんです。

 どういった場合に解除となるのか、この解除の要件を明確にするべきと思いますけれども、いかがでしょうか。

宮沢国務大臣 先日の予算委員会におきまして、たしか今井委員からの御質問だったわけですが、お答えいたしまして、上限を超えて出力制御を行わなければ再生可能エネルギーの追加的な受け入れができなくなると見込まれるという指定の要件が解消されたと明らかに認められた場合には、論理的には指定の解除というものがあり得ると申し上げました。

 そして一方で、先日、分科会におきまして、同じく高井委員から御質問がありまして、具体的にそれはどういう場合かという御質問であったものですから、今後、接続可能量の定期的な見直しで接続可能量が仮に一定規模増加するとしても、現状の設備認定量、これは実は、認定して接続していないものが七千万キロワットという大変大きな数字でありますけれども、認定量や接続申し込み量の多さに鑑みると、当面、出力制御期間についての上限を超えて出力制御を行わなければ再生可能エネルギーの追加的な受け入れができなくなると見込まれる状況が解消するとは現実的には考えにくい、そういうことを申し上げました。

太田(和)委員 設備認定量が七千万キロワットあるので実質的には難しいという話。これは、一般論として、現状の話ではなくて、今後どのような場合になったら解除はあり得るのかということをお尋ねしたわけであります。

 例えば、北海道や東北地方で今後、仮にですけれども原発を再稼働した場合に、再エネ電気を出力抑制しなければならない状況が生じたとしても、その電気を東京に持ってくることができれば、出力抑制というのは減らすことができるはずです。

 つまり、十分な地域間を超えた電力融通が行われてもなお、どうしても電気が余ってしまうという場合に限って、再エネ電気の出力抑制は行われるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

宮沢国務大臣 もちろん出力抑制をする前に電力会社にはいろいろやっていただかなきゃいけないわけでありまして、例えば、取引所取引を使うとか、また、ほかの電力会社と話し合いをしてほかの電力会社に流すとか、そういう努力はしていただいた上で、どうしても必要な場合に出力抑制をする、こういうことになろうかと思います。

太田(和)委員 少し時間がなくなってきましたので、端的に大臣の方にもお答えをしていただきたいんですけれども、FIT法では、再生可能エネルギーによる電力について電気事業者に接続義務を設けていますが、優先接続するという義務にはなっていません。ドイツでは再生可能エネルギーの優先接続が制度的に明確になっていますが、再エネの最大限導入という政策方針から考えれば、FIT法の中で優先接続をはっきりさせるべきだというふうに考えています。

 それができなかったとしても、再エネの出力抑制の回避義務として、出力抑制を行う前に地域間連系線を十分に活用するということを明確に義務にするべきだというふうに思います。

 このFIT法規則の第六条三号に追加をして、地域間連系の義務ということを、大臣、明記できないでしょうか。

宮沢国務大臣 今申し上げましたように、平常時におきまして、取引所の活用とか、またいろいろな融通というようなことをいろいろやっていただいた上でということでございますが、一方で、それを義務にするということになりますと、実はいろいろな問題が生じてまいります。

 まさに義務にできるかどうかという法律的な問題もありますし、また、融通に伴いまして、太陽光を融通して受けた方の側というのは、それ自体の価格はもちろんFIT法で保証されるわけですけれども、その分、火力発電で調整をしなければいけないわけでありまして、火力発電の稼働率が下がるといったような問題もございまして、これをどこに、誰に負担してもらうのかというような問題等々、いろいろな問題がありまして、そう簡単なことではないと思っております。

太田(和)委員 地域間連系の活用について、なかなか明確に答弁をしてもらえないというふうに思います。

 というのも、地域間連系、北本連系線は六十万キロワットある。緊急時に、この間、三十万キロワットくらい使ったと思うんですけれども、まず、出力抑制をするべきルールを変更するだけで使えるはずなんです。別に北海道から九州に送れというふうに言っているわけではないんですね。

 この地域間連系の活用について、ことしの一月二十二日のFIT法施行規則改正に伴うパブリックコメントの指摘を踏まえた対応として、優先給電指令に関するルールについては早急に検討、広域的運営推進機関が策定する送配電等の業務に関するルールの中で位置づけるという回答をしています。

 また一方で、電力システム改革の第十二回制度設計ワーキンググループに、経産省資源エネルギー庁からこうした資料が出ています。本日お配りいたしましたけれども、それによれば、バイオマスの位置づけを新たにつくられたわけでありますが、問題は、自然変動電源の出力抑制と全国融通の活用の優先順位であります。地域間連系線の活用による全国融通は、自然変動電源の出力抑制よりも低い順位の対応とされてしまっています。

 これは、最大限の導入をするというここまでの答弁とは矛盾するのではないでしょうか。結局、全国融通を十分しないままに出力抑制をしてしまうということではないでしょうか。

宮沢国務大臣 この全国融通というのは、緊急時、極めての緊急時の話でありまして、優先給電ルールにおきまして、一般電気事業者に対して、可能な範囲で取引所を通じた取引の活用、また連系線を活用した取引といったものをまずやるという前提を置いております。そして、それでも大変なことになったときに、まさにおっしゃったような再生可能エネルギーの優先給電についての少しの制限を加え、そして、それでもまだだめだというときには、これは相当無理やり、どこかで、まさに価格などを無視して引き取ってもらうということをやらなければいけないわけですが、これを実は全国融通と言っております。

太田(和)委員 緊急時という御答弁でございましたけれども、大臣、緊急時は緊急時でルールをつくればいいんだと思います。平時は平時でルールをつくればいいだけの話だと思います。

 今ある送電網を平時から使うというルールをつくるべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

宮沢国務大臣 平時に相当程度まさに融通し合うということは、おっしゃるとおり、大事なことなんです。

 したがって、四月から広域運用機関が発足しまして、そういう中で、その辺についても、もちろん検討していただくことになろうかと思います。

太田(和)委員 一部で聞いたところでありますけれども、現在ある北本連系線の六十万キロワットのうち、平時、再生可能エネルギーは五万キロワットぐらいしか使わないというような話も、ちょっとまだ確認はしていないんですけれども、そんな話も聞きました。

 でも、これは、例えば十二本レーンがあったとして、一本しかレーンを使わないようなことなんだと思うんです。そこまで緊急時にとっておく必要はないというふうに私は思うんです。早急に、やはり平時のルール、緊急時のルール、これを区別した上でつくっていただきたいなというふうに思っております。

 出力抑制については、予測可能性を確保するために、やはり一定のルール、そして適切な金銭補償の上で行われる必要があります。しかし、それはあくまでも最後の手段であって、施政方針演説の言葉をかりれば、あらゆる施策を総動員して再エネの最大限の導入を図るために、地域間連系などの手段を全て尽くした上でやっていくべきではないかなというふうに思っております。

 緊急時は緊急時の出力抑制をすればいいだけの話であって、平時は現存する地域間連系を最大限活用することを考えるべきであって、どうしても緊急時のために大きな枠を残しておかなければならないというその根拠が、なかなか大臣の方からお答えいただけなかったのかなというふうに思っております。

 今の制度は、再生可能エネルギーをなるべく使いたくないというようなことがすごくじわじわと伝わってきてしまうんです。そういうことにならないように、本当に、最大限再生可能エネルギーを導入していくということについて真剣に考えていただきたいんです。

 東日本大震災から四年がたって、五年目がスタートしました。総理大臣も、昨日、新たな一歩を踏み出そう、そういうことをおっしゃっていました。やはりあれほどの大きな原子力事故を起こしたわけでありますから、エネルギー政策も新たな一歩を踏み出していけるように経済産業大臣としても御尽力いただくことをお願い申し上げて、時間となりましたので、私からの質問を終了とさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて太田君の質疑は終了いたしました。

 次に、清水忠史君。

清水委員 日本共産党の清水忠史です。

 私は、一昨日、三月十日の予算委員会第五分科会厚生労働所管の質疑におきまして、大阪市がモデル事業として始めようとしている生活保護費のプリペイドカード支給問題を取り上げさせていただきました。

 これは、生活保護費の一部、今回三万円なんですけれども、これを保護者に渡し、そのモデルを図るというものなんですが、もともと、生活扶助費というのは金銭給付が原則、つまり通貨とか貨幣ですね、これが原則となっておりまして、生活保護法上大変問題だと、日弁連、大阪弁護士会、いずれも会長声明で、明確に法律に違反していると、中止を求める声明も出ております。

 そこで、私は、その分科会で、金銭給付が原則であるにもかかわらず、プリペイドカードで保護費に充当させ、受給者に渡すということは、たとえモデル事業であったとしても許されるのか、その法的根拠についてお尋ねをいたしました。

 すると、厚生労働省は、生活保護法第三十一条の一項、金銭給付によるものではなく、ただし書きにある現物給付でございます、だから認められるわけでございます、こういうふうにお答えになられたんですね。

 私、この答弁を聞きまして、大変驚きました。なぜ驚いたかといいますと、そのような厚労省の見解をお伺いするのは、その場が初めてだったからでございます。

 そこで、お配りしている資料をごらんいただきたいと思います。これは、なぜあのような見解をしたのかというふうにただしたところ、翌日、私のところにこのようなファクスが送られてまいりました。読み上げたいと思います。

    大阪市のモデル事業について

  三月六日の厚生労働省から清水忠史議員への説明において、大阪市のモデル事業である生活扶助費のプリペイドカードによる支給についての法根拠について、民法四百八十二条の規定の適用があるとの説明を行いました。

  モデル事業に関する厚生労働省の議論の過程において、そのような議論もあったためこのような説明を行ったものでありますが、最終的な厚生労働省の見解は生活保護法第三十一条第一項ただし書を根拠とするものであり、事前レクでのご説明についてはお詫びします。

こういう文書が送られてきたんですね。

 これは私に謝って済む問題なのかというふうに思うわけです。重大だと思うんですね。

 続いて、資料の二ページ、ごらんいただけるでしょうか。これはホームページでも公表されております、大阪市の福祉局がVISAプリペイドカードによる生活扶助費支給の基本的な考え方ということで公表しているものです。そこに、波線を引いております。厚生労働省の見解として、こう記述されていますね。

  生活保護法では「生活扶助は、金銭給付によって行うものとする」とされているが、今回の生活扶助費を「プリペイドカード払い」で行うことは、生活保護法の金銭給付としてではなく、民法第四百八十二条による代物弁済として行うものである。

  このため、生活保護受給者の承諾を前提として、

云々、書いているわけですね。

 ですから、これは事前のレクで私に述べていた法根拠と同じものなんですね。それが質疑で突然、最終見解といって、生活保護法第三十一条一項を持ち出し、後におわびをする。

 私、塩崎大臣、厚労省としての見解と書いている以上、厚労省が大阪市に示したこの見解を資料として提出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 持ち帰って検討したいと思います。

清水委員 さらに言いますと、これは私だけの問題ではなくて、制度の根幹にかかわる法根拠の問題なんですね。ですから、大阪市民やこの問題に関心を寄せている全ての方々が重大な問題だと捉えているというふうに思うんです。

 それで、資料の三番を見ていただきたいんですね。これは当初から、私に対して、あるいは大阪市が厚労省の見解として、同時に、この問題に取りかかる方々への説明として持ち出していた民法第四百八十二条を抜き出しております。債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付にかえて他の給付をしたときは、弁済と同一の効力を有する。

 つまり、お金を貸したけれども、早く返してくれと。現金がないので、僕の腕時計でこらえてくれないかと申し出た場合、債権者が時計でもいいですよと。承諾を得ることによって、これは成り立つという意味での民法なんですね。

 生活保護法の第三十一条というのは、そういうことではありません。金銭給付を原則としております。しかも、これによってできない特別の事情については、厳格に判断しなければならないと定められているわけなんですね。

 そこで、この厚労省の最終見解なるものが、いつ、どのような過程で決まったのか、どういう過程で突然変わったのか、このことについてわかる資料を提出していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 この問題につきましては、実は私もけさ初めて聞きまして、先生の方にファクス一枚で送りつけるようなことは、どんなことがあっても許されることではないですし、言ったこととやったことと、最終的に、答弁が正式なものですから、国会で。それが最終結論でありながら、それと違うことを言った。

 これは、少し前に方針は決まっていながら、先生にコンタクトをとらせていただいた職員が、知らずにそれを、違う、かつての検討していた考え方を伝えてしまったという失態だったと私は思っていまして、けさ、厳しく、担当者、責任者には注意をして反省を促したところでございます。

 今の資料については、持ち帰って検討させていただければというふうに思います。

 改めて、このようなことが起きたことについて、先生に大変不快な思いをさせ、また、今先生御指摘のとおり、生活保護法の大事な論点の一つでもあるこの現金給付をどういう根拠でするのかしないのか、この問題にもかかわる問題でもありますので、こういうことについては、もっときちっとした対応をし、そして先生に考え方を示した上で御質問いただいて国会で議論するという、本来の民主主義の基本に立ち返らなければいけないというふうに思いますので、私から、心から先生に対しておわびを申し上げたいというふうに思います。

清水委員 真摯におわびをし、そして、持ち帰ってその資料についてはしっかりと出す、そういう努力を表明されたというふうに私は思いますので、これ以上は申し上げませんけれども、要するに、これは塩崎大臣自身の答弁にも実は混乱をもたらしておりまして、資料に添付しておりますけれども、承諾があればプリペイドカードで構わないんだ、ただし、先ほど私が紹介しましたように、その定義というのは民法上の定義でございまして、生活保護法とはまた別の話なんです。

 ですから、そうした統一した見解を、厚労省として法的根拠をしっかりと示していただいて、そして改めてこの問題の議論をしていきたいというふうに申し述べまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 次に、私は、中小企業あるいは小規模事業所における賃上げの問題について質疑をさせていただきたいと思うんですね。

 これは政府と対立するような問題ではなくて、いかに景気回復を実現させるかという上では、大企業における賃上げは当然のことながら、なかなか上げたくても上げることのできない中小企業、とりわけ製造業やサービス業における従業員二十人とか五人以下の小規模事業所でどうやって働いている人の賃金を上げるのか、これは真剣に考えなければならない課題だと私は考えております。

 そこで、昨年十月から十二月までのGDPの改定値につきましても、最新のデータを反映した結果、実質伸び率が下方修正されましたし、総務省発表のことし一月の家計調査によりましても前年同月比五・一%の減少。厚労省が出しました毎月勤労統計調査におきましても、働き手の実質賃金は十九カ月連続で減少をしている。非常に厳しい状況が続いているわけですね。それで、その上、昨年四月には消費税が八%に引き上げられました、この予算委員会でもかんかんがくがく行われているわけですが。

 宮沢大臣にお伺いしたいと思うんですね。

 この間、大臣自身は、八割方、調査によると消費税は転嫁ができている、転嫁Gメンの対策なども行われてきたということで、おおむねうまくいっているんじゃないかな、こういうふうに御答弁をこの間されているわけなんですね。これは、経産省が行っております消費税の転嫁状況に関する月次モニタリング調査の集計だと思うんです。

 私、聞きたいんですけれども、この間、地方創生だとか地方間格差是正というふうにおっしゃっておりますが、例えば大阪府に出した書面調査、大阪府の事業所には幾らこのモニタリング調査、アンケートを出して、幾ら返ってきたのか、把握されていますでしょうか。

宮沢国務大臣 消費税の転嫁につきましては、実は、転嫁対策の特別措置法を、私、自民党で中心になってつくりまして、相当幅広くいろいろな行為を規制いたしました。

 それはどうしてかといいますと、やはり前回の引き上げ、九七年のときに、大手の流通チェーンを中心に相当ひどいことがありまして、こんなことは絶対させちゃいけないということで、かなり幅広いものを規制し、それこそ消費税還元セールなんというものも禁止だといって、逆に言えば、スーパー等々が値段を下げることによって小さな商店等々が値段を上げられなくなるなんということをどうしても避けなきゃいけないということでやらせていただきました。

 そして、経産省の調査では、全て転嫁できていると回答した事業者が八五・一、一方で、全く転嫁できていないと回答した事業者が三・二ということで、十七年前に比べますと、転嫁といった意味では非常にうまくいっているんじゃないかというふうに思っております。

 そして、今の御質問でございますけれども、四万者に対して調査をしておりまして、大阪につきましては、二月は二千二百三十者ということであります。回答が、要するに、調査した者は二千二百三十ですけれども、回答については、実は都道府県ごとに集計しておりませんので、わかりません。

清水委員 今、大阪には二千二百三十者にモニタリング調査を行ったというふうに御答弁がございました。しかし、回収率、回収数についてはまだ把握をされていないということなんですね。

 大体この間の集計調査が二五%ぐらいで推移しておりますので、仮に当てはめるとすれば、二千数百者のうち、大阪府内の事業所の回答は大体五百から五百五十ぐらいの間で推移しているんじゃないかというふうに推測はできると思います。

 そこで、資料の五をごらんいただきたいと思います。

 これは、大阪商工団体連合会が昨年九月から十一月の間にかけて三千二百三十八者に対面調査をして聞き取りをした集計でございます。左端の円グラフにその集計を記載させていただいております。真ん中と右の方は今大臣がおっしゃった経産省の月次モニタリング調査で、消費税の転嫁はうまくいっているというふうな根拠とされている数字だと思うんですが、大阪、地元の方々が調査した中身を見ますと、転嫁できていると答えた方は二二・一%、半分ぐらいかなが九・五%、余りできていないが一五・四、全くできていないと答えている方が四三・五%、四割近く、転嫁は難しい、こういうふうに答えているわけなんですね。

 例えば、この三月というのは消費税の申告時期でもあります。地元で、大阪ですね、飲食店を営むAさん、昨年の消費税納税額は二十八万九千八百円だったものが、ことしの申告額は四十六万二千三百円、一・五九倍。同じくBさんも、昨年四十二万五百円だったが、ことしは一・五四倍の六十三万三百円になった。お二方とも商品を値上げして売り上げは伸びているんだが利益は減った、増収減益、これが実態だと思うんですね。

 大阪市の福島区というところでコンビニエンスストアを経営されている方もおっしゃっておられましたが、売り上げは確かに伸びている、消費税を転嫁して売るわけだからここは転嫁はできている、しかし、エネルギーコストだとか原材料等の高騰により利益は減ったと。つまり、大きく膨れ上がった消費税については身銭を切って払っているのが現状だと悔しさをにじませておられました。

 ですから、大臣、このモニタリング調査だけをもって転嫁がうまくいっているんだというふうに安易にお考えになるのではなく、実態はそうじゃないんだ、一件一件聞いていけば深刻な実態が残されているんだということを強く認識していただきたいと思うんです。

 それで、転嫁対策の強化よりは、いかに中小企業、小規模事業所の業績をよくするのか、売り上げを伸ばすのか、そこで働いている人たちの賃金を引き上げていくのか、こういう希望の持てるような政策について、大臣、簡潔に述べていただけないでしょうか。

宮沢国務大臣 私どもの調査はああいう数字でございましたけれども、例えば商工会議所とか商工会、それぞれ調査しておりまして、それぞれ対象が違うということもあって、転嫁できている方、できていない方の割合が違うということはよくわかっておりまして、やはり、ともかく転嫁できていない方は相当数いるということは事実だと思っております。

 そうした意味で、四百万の事業者の方に常に書面で、何か問題があればということで、それで何か出てきたものについては、その納入先の方を実際に調査するというようなことをやっております。

 それで、中小企業、小規模事業者にどうアベノミクスの成果を感じていただくというのは、まさに私は中小企業、小規模事業者という方が成長戦略の鍵だと思っておりまして、しっかり成長戦略をある意味では理解していただくことを徹底的にやって、例えば新たな事業に臨むとか、そういうことについてしっかり応援する体制というものを我々がつくっていかなければいけないと思って、そういう作業を今進めております。

清水委員 転嫁対策を強化することが必ずしも小規模事業所の成長につながるわけではないし、今大臣非常に重要な御答弁をされたのは、必ずしもうまくいっているところばかりではない、そういう現状をお認めになったというところは大きいというふうに思います。

 それで、よく聞きますと、経産省ではこの間、小規模事業者持続化補助金という制度をやっておられまして、これは、そんなに設備投資することができないという事業者があるんですけれども、例えば、初めてインターネットを使って店のホームページでアピールをするとか、あるいはもっとお客さんが来てくれるような広告をつくるとか、そんなにたくさん思い切ったことをやらなくても、新たな取り組みを行えば、上限五十万円、三分の二助成ということで、非常に使い勝手のいい持続化補助金というのがありまして、大人気なんですよ。

 ところが、この採択率を見ますと、全国平均四八・六%、例えば、大臣出身の広島では五七・八、愛媛五一・三、福岡四二・九ということになっておりますが、大阪はどうなっているかといいますと、何と、この持続化補助金の採択率二三・二%です。全国最低なんですね。高いところでいいますと、長野県の八割とか、山梨の九割とか。何でこれは全国でこんなに採択率のばらつきがあるのか。

 きょうは詳しくはやりませんけれども、やはり、申し込んだ人たちが、多くの方々が採択できる、こういう使い勝手のいい補助金をみんなが使えるようにする、そのために鋭意努力されるべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。簡潔に所見を述べていただけますか。大事なところです。

宮沢国務大臣 これは全国一律の審査基準でやっておりまして、最終的には全国商工会連合会また商工会議所の審査委員会で採択をしております。

 そういった意味では、これだけばらつきが出てくるのはどういうことなのかなと私も不思議に思っておりますが、一般的には大都市は割合低目だということも確かでありまして、その辺、そういうばらつきが少なくなるようなことは少し考えていかなければいけないのかなというふうな気がいたします。

清水委員 結局、本当はもっと採択すべきなんだが、予算が乏しい。二〇一五年度でいうと若干ふえますけれども、とても申し込んだ全ての方々に補助金を出すほどの予算がないというのが実態だというふうに思いますし、大阪府の商工連合会からも、もっと採択率を上げてほしいという声が出されております。

 私は、厚生労働大臣に一点だけお伺いしたいと思います。

 最低賃金を大幅に引き上げていくということが、全労働者の賃金を引き上げていくということで非常に重要だというふうに思うんです。この間、政労使の会議などでも、二〇二〇年までに全国平均、最賃千円、こういう目標を決め、この間政府も取り組んできたと思いますが、塩崎大臣としましても、最賃千円、二〇二〇年までに達成したい、こういう目標を今もお持ちでしょうか。

塩崎国務大臣 最賃につきましては、第一次安倍内閣のときも、十五円前後、二年続けて上げさせていただきました。そのとき、実は共産党の皆様方からも実に的確な御指摘をいただいて、それは中小企業の生産性向上とセットだよね、こういうことでお話をいただきました。

 今、安倍内閣として、日本再興戦略に基づいて企業の収益を向上させ、そして雇用の拡大、賃金の上昇という好循環をつくっていこうじゃないか、こういうことであらゆることに取り組んでいるわけでございます。そういうことで、最低賃金も実際に全国加重平均で、平成二十五年度は前年度に比べて十五円、そして二十六年度は十六円と、大幅に引き上げてまいりました。

 今先生御指摘の二〇二〇年までにというお話でございますけれども、これは、平成二十二年六月十八日に、当時の民主党政権の際に閣議決定されました新成長戦略の中に一行入っておったと私は記憶しております。

 その閣議決定の中に、平成二十二年に閣議決定されたものの目標の中に、最低で八百円、平均千円という文言が入っていて、それは、文言だけですので、どうやるのかとか何もはっきり明示はされておりませんでしたが、そういうものだというふうに理解をしておりまして、それは、前提として、政府、労働界、産業界で行った雇用戦略対話の合意というものがあったというふうに聞いております。

清水委員 二年で三十一円ということなんですけれども、二〇二〇年までに仮に千円にしようと思えば、あと六年余りで二百二十円引き上げなければならないということなんですね。

 経済成長を前提とするというふうにおっしゃるんですが、私は逆だと思うんですね。むしろ賃上げを図ることによって、消費購買力を引き上げ、GDPを高め、税収もふやし、経済が成長していく。どちらが先かといえば、まずは、小規模企業、中小業者で賃上げをするということが大事だというふうに思います。

 そこで、私は、昨年六月に成立いたしました小規模企業振興基本法、これは全会一致で採択をしました。小規模企業の持続的な経営をしっかりと応援するという中身です。

 この附帯決議五には、このように書かれておりまして、「法人事業所及び常時従業員五人以上の個人事業所に義務付けられる社会保険料が、小規模企業の経営に負担となっている現状があることに鑑み、小規模企業の事業の持続的発展を図るという観点に立ち、従業員の生活の安定も勘案しつつ、小規模企業の負担の軽減のためにより効果的な支援策の実現を図ること。」つまり、わかりやすく言いますと、社会保険料を何とかしてあげれば、そこで一生懸命頑張っている小規模事業所でも賃金を上げることができるよねという意味だと思うんですよね。

 ここで、私は麻生大臣に問いたい。

 これは、経産省だけとか厚労省だけとか、縦割り行政をやっていたのではどうしてもできない問題だと思うんですね。財務省、経産省、厚労省が、いかに賃上げを実現し、小規模事業の持続化を図りながら、そこで働いている人たちの生活を守っていくのか。財源措置が必要なんです。

 麻生大臣、この社会保険料の減免については安倍首相自身も一つの考えだと前向きな評価をされておりますので、麻生大臣の所見をお伺いさせてください。

麻生国務大臣 御存じのように、社会保険料というのは、医療とか年金などを含めまして、必要な給付との見合いで、報酬を基礎として労使が公平に払うということになっております、もう御存じのとおり。その水準については、必要とされます給付水準によって、自助、公助、共助の中で、自己負担と公費と保険というように分けられると思いますが、そういったもののバランスというもので、保険者の財政に影響するので、だから、これは幅広い視点を踏まえて考える必要があるんです。

 今先生の御提案というのは、賃上げを促すために事業主負担を軽減して、その分、公費の投入を増大させて肩がわりすべき、簡単に言えばそういうことを言っておられるんだと思うんですが、今後、高齢化社会というものは、少子高齢化ということになるので、我々の世代と違って、そちらの世代の方がよほど真剣に考えなきゃいかぬ話なのかもしれませんが、社会保険料給付のさらなる増加というのは、これは避けがたいですわな、少子になっていくんですから。

 既に公費負担の多くというのは将来世代へツケ回しと言われるようなことになっておりますので、これらを踏まえますと、これ以上公費を投入するということは、国民皆保険制度というものを今後維持していくとかいうようなことを考えると、これは当然ながら慎重にならざるを得ぬということなんだと思います。

 今御指摘のありました二月二十日の予算委員会で、これは、共産党の志位委員の御提案に対する総理の答弁で、一つの考え方であると思いますということを述べられた点を多分言っておられるんですが、あのときの答弁を私もそのとき隣で聞いていたんですが、たしかすぐ後に、一つの考え方だと思います、しかし同時に、財源を確保しなければならないという大きな課題もあるのは事実であるな、このように思ったところでございます、そう答えておられると思いますので、我々としては、これは、財源を確保しなければならぬなというところが一番大きな問題でして、非常に大きな問題提起なんだとは思いますが、その点が最も大事なところかなと思います。

清水委員 一言だけ。社会保険料の事業主負担の軽減を求めて、終わります。ありがとうございました。

大島委員長 これにて清水君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

大島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 本日の午後は、社会保障(いわゆる格差問題)等についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田村憲久君。

田村(憲)委員 総理また各大臣には、連日お疲れさまでございます。

 昨日は、東日本大震災四周年の追悼式がございました。全国で同じ時間に追悼式もあったわけであります。それぞれ国民の皆様方の願いは、東日本、被災地が一刻も早く復興することであるわけでありまして、我々自民党も、さらに加速化しながらこの復興支援というものを進めていく、そういうことに全力を尽くしていくということを、まずもって冒頭お誓いを申し上げたいというふうに思います。

 震災地、被災地の復興なくして日本の再生はないわけでありますが、一方で、やはり被災地の復興のためには日本の経済も強くなっていかなければならぬわけであります。そういう意味で、アベノミクス、スタートしてもう二年以上たってまいりました。もともと、これは野党のときに、山本幸三先生を中心に勉強会を立ち上げて、安倍総理、当時、会長になっていただいて、議員連盟を動かしたわけでございまして、私もその事務局長という形でこの仕事をさせていただいておりました。

 もともと私が大胆な金融緩和、これはまさに三本の矢の一本目でありますけれども、これが必要だと感じたのは社会保障の観点からでありまして、給料が下がっていきますと、保険料の料率を上げざるを得ないと。すると、給料は上がっていないわけなので、また可処分所得が減ってデフレになってしまう、こういう危機感を感じたからであります。

 消費税ということを考えても、やはり名目で経済が成長し賃金が上がり、もちろん実質でも賃金が上がる、こういう状況じゃないと消費税はなかなか上げづらい。四月から消費税を上げてという部分がありましたが、一時的に確かに消費が後退いたしました。大英断を総理はされたわけでありまして、一〇%へは延長ということでありますが、このアベノミクスをしっかりとこれから我々は成功させていかなきゃならないと思っております。

 そう考えていきますと、アベノミクスになってから、安倍政権になってから、幾つもいい数字が出てきております。

 例えば、二十四年ぶりというのが企業の倒産件数。これは一万件を切りました。それから、有効求人倍率は、よく言われておりますが、今一・一五でありますけれども、これも二十三年ぶり。さらには、完全失業率、三・四まで下がりましたが、十七年ぶりというような数字であります。また、春闘の賃上げ率を見ましても、十五年ぶりというような数字が出てきておりますし、また、冬のボーナス、これは二十四年ぶりと。

 こういうことを考えると、我々、失われた二十年を、今、一生懸命取り戻している最中だと思います。

 民主党政権のときにいろいろなことがあったと言われますが、民主党は三年でありますから、それ以前は自民党だったんですね。そのときにデフレというものを我々は根づかせてしまった。その責任を今、一生懸命我々は負って、このアベノミクスという政策でデフレ脱却。

 百万人雇用がふえたと総理はおっしゃられました。そのときには、選挙のときだったので、野党の方々からもいろいろな攻撃を受けました。百万人雇用はふえたけれども、正社員は減って非正規がふえたじゃないか。

 でも、私からいえば、非正規がふえるのは当たり前。定年退職でやめられた高齢者の方々、そして今まで家庭におられた主婦の方々、景気がよくなりつつある、雇用がふえる、だから仕事がふえていきますから、今まで働けなかった方が働けるようになる。これは、所得がふえますから、実は格差是正なんですね。

 一方で、正社員が減る。これも、今、定年退職されている方々、二百万人生まれた世代です。一方で、高校、大学を卒業される方々、百二十万人。考えれば、二百万人の固まりの方々が正社員から非正規に移って百二十万人の固まりが正規に来るんですから、減るのは見た目、当たり前で、これは人口構成の変化だと思いますね。

 ですから、そのときの批判というものは、私は当たらないんだろうと思います。

 そう考えると、正社員が去年の九月あたりから、そういうような、本来減っていくような人口構成なのにふえ出した。これは大きな変化だと思います。

 率直に、総理、アベノミクスはまさに雇用を通じてでも格差是正を進めている、そういう政策だということを、総理の口からはっきりと国民の皆様方におっしゃっていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 もう既に田村委員の方から、どういう変化を起こしているかという、わかりやすい御説明をいただいたと思います。

 かつて田村委員と一緒に勉強会をしているときに、我々はもっと名目GDPに着目をすべきだ、名目GDPをふやしていかなければ税収もふえていかないし、当然、社会保険料もふえていかない。その中において、結果としてどんどんデフレスパイラルの中に陥っていってしまう。ですから、まずデフレから脱却をしていくことによって、むしろ社会保障の財政的な基盤を強化していくためにも大切だ、このように考えたわけであります。

 三本の矢の政策によって、雇用者数もふえました、そして名目賃金も上昇してきた。いわば雇用においても、所得環境も間違いなく改善傾向にあると言ってもいいんだろうと思います。そして、労働市場が引き締まりました。

 そして、新たに雇用される人が増加をしていく中において、今既に委員が御説明されたように、非正規雇用労働者数も増加をしておりますが、これはまさに、一つは、高齢者がふえていく中において、六十五歳までの雇用確保措置が実施をされたわけでありまして、その中で高齢層で非正規雇用が増加をしている。それは、そういう結果であるという点。そして、景気回復に伴って、女性を中心に、パートで働き始めたということだろうと思います。これが大変大きな、この二つが中心的な要素と言ってもいいんだろうと思います。

 非正規雇用を取り巻く雇用環境については、五十五歳未満の正規、非正規間の移動で見ますと、八四半期連続で、非正規から正規に移動する方が正規から非正規になる方を上回っています。正規雇用への移行の動きも出始めているわけでありますし、正社員の有効求人倍率、正社員の新規求人倍率、ともに調査開始以来最高の水準になっています。

 そして、非正規雇用のうち、パート、アルバイトが約七割を占めています。何となく派遣がすごく多いような、そういう印象が与えられているんですが、実態としては、パート、アルバイトが七割を占めているということであります。

 その中で、不本意ながら非正規の職に就職している方々については、前年に比べて減少しているわけでありまして、着実に改善をしていると言っていいと思います。

 中期的に見ますと、正規雇用労働者は減っているものの、六十歳未満では、人口も減っており、人口に占める正規の割合はほぼ横ばいでありまして、正規が非正規に置きかわるのではなく、正規は横ばいで、非正規が増加をしている。増加の理由は先ほど申し上げたとおりであります。

 そして、その中で、二十七年度予算でも、正社員化を推進する措置を拡充することとしておりまして、これらを通じて、正社員になりたいという方については、その希望がかなえられる方向に向かっていくという、正社員化の流れを確実なものとしていきたい、このように考えております。

田村(憲)委員 ありがとうございます。

 まさに、労働者派遣法の改正も、非正規から正規に移す、その橋渡し役に派遣というものを使って進めていく。そこには、キャリアアップ助成金という、言うなれば、それを加速するための制度も今回拡充をしておるわけでありまして、我々といたしましては、こういう労働環境がタイトなときだからこそ、正社員に向かって、つまり、売り手市場なときだからこそ、正社員をふやしていく、いろいろな政策を進めていく、大変重要なことだと思っております。

 そうなってきますと、格差も是正に向かうんですが、なかなか、相対的貧困率という数字を見ると、日本は非常に高い数字が出てきております。相対的貧困率というのは、所得中央値の一定割合、五〇%と日本はなっておりますけれども、これを下回る所得しか持っておられない、こういう方々の割合でありますが、今一六・一%。ところが、日本は高いんですね。バブルのときでも一三%ぐらいあったんです。ヨーロッパと比べると、やはり日本はこの数字が昔から高目に出ているんですね。

 一方で、ジニ係数という数字、これは、日本の世帯の所得を少ない世帯から順番に積み上げていくことにより上位と下位の世帯の所得ごとの程度の格差があるかを計算したものという定義でありますが、これが一ですと全所得を一人でひとり占め、ゼロですと全員同じ所得というような数字です。ですから、ゼロに近い方がいいという数字でありますが、このジニ係数、再分配後、つまり現物給付、現金給付した後、これは格差は広がっていないんですね。若干縮まっているぐらいの数字。

 ですから、二つの格差を示す指標が違う方向に出てきている。もともと日本は相対的貧困率が高い。子供の貧困率も同じぐらいです、一六・三。ですから、六人に一人ぐらい貧困なお子さんがいるなんという話があるわけであります。

 これは、有村大臣、ちゃんと相対的貧困率というのはどういうものなのか調査をする必要があると思います。貧困がないとは言いません。あるんだと思います。しかし、ピンポイントで、よりかゆいところに手が届くような政策をするためには、この相対的貧困率、ほかにもいろいろな貧困を示す指標がありますから、それを調査した上で、どこがどうなんだ、なぜ日本は高いのか、本当に高いのかということも含めて、調査した上で対策を練っていく必要があろうと思いますが、いかがお考えでありましょうか。

有村国務大臣 お答えいたします。

 大事な御指摘だと思っております。子供の貧困対策については、従来の取り組みに加え、昨年策定いたしました子供の貧困対策に関する大綱に基づいた施策を来月、この四月から本格的に展開してまいります。

 その際、大綱に掲げました子供の貧困に関する二十五の指標の動向、推移を確認することになりますが、子供を取り巻く貧困の的確な実態を把握するためには、先ほど御指摘いただきました相対的な貧困率初め従来の二十五の指標のみならず、より信頼性のある指標にはどのようなものがあるのか、また、本当にその指標なり数値目標を改善した先に、本来の目的である貧困の改善がどれだけ図られているのかどうかということを精緻に研究する必要があると私自身も思っております。

 厚生労働省では、子供の貧困の実態と指標の構築に関する研究を今行われていらっしゃいますけれども、それに加えて、内閣府としても、子供の貧困に関する調査研究を進めるための経費を来年度予算に計上しております。

 同時に、この分野で実績、洞察力の高い田村先生からの御質問です。スクールソーシャルワーカーなど、子供の貧困に向き合う現場に精通された方々からの直接のヒアリングで知見を重ねるよう、私からは大臣政務官及び担当部局に対して明確な指示を出しておりまして、先月、その第一回目を実施いたしたところでございます。

 厚生労働省、文部科学省とともに、我が内閣府としても、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援の施策を総合的に推進し、その総合的な結果に、どうなるかという推進の知見を重ねて、子供たちの未来が家庭の事情によって閉ざされることのない社会の実現に対して加速化させていきたいと考えております。

田村(憲)委員 ありがとうございました。

 やはりしっかり調査することが大事だと思います。そういう対象の家庭を後追い調査するなりなんなりして、どういうところにどういうような問題があるのか、しっかり把握していただいた上で、この貧困対策、しっかりと打っていただきたいと思います。

 さて、社会保障、もう一つは、医療、介護、年金、いろいろあるわけでありますが、塩崎大臣にお聞きいたしますけれども、いつもここに座っておられると、野党の方々から、負担ばかりふえて、消費税上げたのに、こういうことを言われると思います。

 三%上がりました。中身は、そのうちの大体一%強ぐらいは、基礎年金の国庫負担二分の一、この引き上げに使わざるを得ない。これは、民主党政権でも同じ認識でありました。残りを充実と安定化。安定化というのは、今まで赤字国債で出していたものを税という形でこれを変えていくということですね。

 一方で、プライマリーバランスというものを守ろうということで、来年度はプライマリーバランスの赤字半減化という約束、これも、民主党政権のときも同じ約束をされておられた。

 つまり、今の状況と変わっていないんですよね。その中で、約束どおり、消費税部分、充実部分に関してはちゃんと充ててきているはずなんです。

 例えば高額療養費、一人の方が幾ら医療費を使っても、月の上限が決まっているという制度です。これは三人家庭でいきますと、今まで、二百十万から七百七十万までは八万百円、それに、かかった医療費から二十六万七千円を引いたものの一%、これを足した金額だったんです。

 しかし、全て同じというのは、二百十万から七百七十万というのは結構所得の差がありますからおかしいねというので、三百七十万に線を引いて、そして、五万七千六百円という上限をもう少し下げたということ。ただし、もっと収入のある方々に関しては上限を上げました。これがまさに負担能力に応じた公平な負担ということだと思います。

 ほかにもいろいろあるんですよね、本当は。もう去年の四月から始まっているもの、それからこれから始まるもの、いろいろあると思いますが、どれぐらいの対象者、それはどれぐらい費用をかけて、いつごろからそういう充実策というものが始まっているのか、またこれから始まる部分があるのかということを、明確に国民の皆さんにメッセージをお伝えいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 今お話ございましたとおり、社会保障の充実につきまして、二十六年度におきましては、六百十二億円を充てて、約五百万人の低所得者に対しまして、国民健康保険及び後期高齢者医療の保険料軽減措置を既に拡充しております。

 それから、平成二十七年一月より、今お話ありました高額療養費制度について、約四千六十万人の方の自己負担限度額を引き下げまして、平成二十七年度の予算案では二百四十八億円を充当している。

 それから、二十七年の一月から、難病そして小児慢性特定疾病で苦しむ方を対象に、新たな医療費助成を開始いたしました。平成二十七年度予算では、約百六十五万人が対象となって、二千四十八億円を充当しております。

 二十七年度においては、消費税の増収分などから約一・三六兆円を充てておりまして、例えば、平成二十七年四月より子ども・子育て支援新制度を施行していく。五千百二十七億円、これを充てて、社会的養護を含む子育て支援の量的拡充や質の向上を実施しておるとともに、二千十一億円を充てて、高齢者が住みなれた地域で医療や介護を受けられる地域包括ケアシステムの構築に向けたさらなる取り組みとか認知症対策を推進しておりますし、千六百六十四億円を充てて、国保保険料の軽減対象となる低所得者数に応じた国保への財政支援を拡充、そして、二十七年四月から、二百二十一億円を充てて、約六百五十万人の低所得者に対して介護保険の保険料軽減措置を強化している、こういったことをやっているところでございます。

田村(憲)委員 いつも負担が上がったところばかり宣伝をいろいろされるんですが、実は、低所得者にはしっかり負担を下げているという部分、保険料が下がった部分もある、将来的には介護保険料も下がる、こういうことです。四月から一部下がりますが。

 そういう意味からすると、ちゃんとした対応を我々はやってきておりますし、これは実は、民主党政権下、我々、いろいろ話し合う中において、ともに理解しながらいろいろな政策を進めてきておるということもあるわけでありまして、そこは信頼関係をしっかりつくりながら、これからも、ともにそのような形は進めてまいりたいというふうに思います。

 さて、もう一つ大きな改革、この三日に、医療保険制度改革が提出をされましたよね。この中で、国保改革が一つの大きな柱です。国民健康保険、今、自治体がそれぞれ運営しておりますが、これを財政運営の主体として都道府県にお願いをしようということを、この中で決めました。私も協議会の一員として議論をしてまいったわけであります。

 ただし、このときの条件で、今、各自治体が、一般会計から法定外繰り入れという形で、足らない部分、保険料の上昇を抑える部分としてお金を入れております。約三千五百億円と言われておりますが、都道府県にしてみれば、その部分をどうするんだという議論もありました。

 そこで、消費税や、いろいろと保険者等々の調整もありまして、三千四百億円、これは満年度ベースになればでありますけれども、入れる。来年度は千九百億円というところからスタートするわけでありますが。これを入れるということは、実は、各自治体の出している部分はかなり程度、そのままとは言いませんが、少なくなるんです。それはそのまま、それぞれの地域の財政再建やいろいろな施策に使えるということでありますが、これは地方創生の大きな原資にもなってくるんじゃないか、毎年三千四百億円近くですからね。

 これは基準財政需要額に入っていませんので、総務省の方にお聞きしたいのは、これは交付税の削減対象にならないということと、厚労大臣、これはまさに地方再生の原資として大変大きな部分でございますので、それに対して意気込みをぜひともよろしくお願いいたしたいと思います。

二之湯副大臣 御指摘いただきましたとおりに、国民健康保険制度の見直しに当たっては、今回、財政上の問題を解決するために、新たに一定の国費を導入されるということであります。この追加の財政支援は社会保障の充実の一環として行われるものでございまして、地方財政計画におきましても、その所要額を適切に歳出に計上しております。

 したがいまして、これらの歳出増加に伴って、他の歳出を削減するというものではございません。今回の財政支援の拡充を理由として、地方交付税総額が減額されるということはございません。

大島委員長 時間が来ておりますので、厚労大臣の答弁は後で聞いてください。

田村(憲)委員 はい。済みません。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて田村君の質疑は終了いたしました。

 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 本日は、認知症対策についてお伺いをしてまいります。十分ですので、早速質問に入らせていただきます。

 パネルにございますように、この二月、二〇一三年度の高齢者虐待件数が発表になりました。前年度よりも五百九十五件多い一万五千九百五十二件でございます。私は当選当初、高齢者虐待防止法を手がけ、二〇〇六年から、それに基づき行われている調査、二〇一三年度は調査開始以来三番目に多い数字となっております。

 この中で見逃せないのが、虐待を受けている高齢者、この多くがやはり認知症を抱えているという事実であります。長い間真面目に仕事をして、あるいは家庭のために、地域のために働いてきて、高齢になり認知症となって、その尊厳を傷つけられる、このようなことはあってはならない、このように思います。

 昨年五月なのですが、私は安倍総理に、認知症対策の国家戦略をつくるべきだということを申し上げました。世界の中で最先端の高齢社会を走る国として、認知症対策を国家戦略とすべきということを申し上げました。そのときは総理は、平成二十五年度からオレンジプランがあるので、それに基づきやっていくというような趣旨の御答弁でございました。

 しかし、この一月、総理は、認知症対策を国家課題として位置づけた認知症施策総合戦略というものを発表になりました。総理みずからリーダーシップをとって推進をしていく。日本としても、国家戦略として認知症対策に総合的に取り組む新オレンジプランというものが策定をされたわけでございます。

 初めに、この認知症国家戦略、総合戦略によりまして、いつまで、また何を目指していかれるのか。目的と意義について、そして、世界じゅうが注目をしているこの総合戦略でございます、改めて、世界の模範となる国家戦略について、総理にお伺いを申し上げます。

安倍内閣総理大臣 認知症については、もはや誰もがかかわる可能性のある身近な病気と言ってもいいんだろう。本人である場合、配偶者である場合、あるいは両親、かなりの確率でかかわることになるわけでありまして、最も速いスピードで高齢化が進んでいく我が国は、社会全体で世界のモデルとなる取り組みを進めていく必要があると思っております。

 そこで、本年一月に新たに策定した新オレンジプラン、総合戦略では、消費税増収分を活用しまして、初期集中支援チームを平成三十年度までに全市町村に設置するなど、できる限り早い段階から認知症の方を支援するとともに、根本治療薬、出現が本当に期待されているわけでありますが、根本治療薬について平成三十二年ごろまでの治験開始を目指すなど、予防や治療のための研究開発を推進し、認知症サポーターを平成二十九年度までに八百万人養成するなど、認知症の方や高齢者に優しい地域づくりを進めることとしております。

 こうした取り組みを通じまして、団塊の世代が七十五歳に達する平成三十七年を目指しまして、認知症の方ができる限り住みなれた地域で暮らすことができるよう、本人や家族の方々の意見を十分に聞きながら、政府一丸となって環境を整えてまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 今総理おっしゃいましたように、この新オレンジプランの基本的な考え方、それは、認知症の方々が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることのできる社会の実現を目指すというものでございます。十二省庁横断、そして、七つの柱によってつくられております。

 しかし、まだまだ認知症には偏見や誤解が多いというふうに思います。総理おっしゃいましたように、認知症サポーターの育成、あるいは認知症の初期集中支援チームの配置、また認知症カフェの全国展開など、これは着実に進めていく必要があると思います。私たち公明党も、全国約三千名の議員で、認知症対策を含め、地域包括ケアシステムの確立に今全力を挙げているところでございます。

 例えば、山間僻地、これは岩手県の一関市でございますけれども、旧藤沢町、この町長が医療と介護の連携という理念を掲げまして、地元にある国保藤沢病院、ここが核となって、医療、介護、また一人の人をどこまででも支える、途中で、入院からその先放り出してしまう、このことがないような、いわば地域包括ケアを既につくっているような地域もございます。

 また、都会、世田谷には、こころのホームクリニック世田谷というものがありまして、立ち上げて一年三カ月なんですが、既に百四十七名の方々が、ここは精神科医が訪問診療、アウトリーチをしてくれる医療機関なんですけれども、百四十七名の方がいらして、うち認知症が約六割であるということでございます。認知症の在宅へのニーズが非常に多いということがうかがい取れます。

 不安とか抑うつ、また妄想など心理・行動症状の出現また悪化をさせない、そのために、まだまだ足りない訪問型アウトリーチの医療サービス、この普及をさせるためにも、ここにインセンティブ、政策誘導をつけていくということも必要なのではないか、そのように思います。

 認知症を抱えた方々が、住みなれた地域で、また、家族もともに住み続けられるような地域包括ケアシステム、入院または入所を前提としない地域包括ケアモデルを実現すべきと考えます。厚労大臣のお考えをお伺いいたします。

塩崎国務大臣 地域包括ケアモデルを実現するために、今回まとめました新オレンジプランでは、認知症の方に早期に診断を受けていただいて、医療、介護等による支援の体制を整える、そして、住みなれた地域で暮らしていただく。

 それから、妄想、うつ、徘回等の行動・心理症状いわゆるBPSDや身体合併症が見られた場合の、医療機関や介護施設で必要な治療やリハビリを受けられるということ、そしてまた、医療機関や介護施設でも対応が固定化されないように、退院、退所後もそのときの容体に最もふさわしい場所で適切なサービスが提供される、いわゆる循環型の仕組みを展開していこうということでございます。

 認知症初期集中支援チームを平成三十年度までに全市町村に設置するとか、あるいは、今のBPSDには原則薬物を使わない対応を第一選択とすることを普及するとともに、身体合併症に対応する一般病院での認知症への対応力を高める、あるいは、退院支援、地域連携のクリティカルパスの作成によって、円滑な退院、退所や在宅復帰を支援することなど、幅広くやっていこうと思っております。

古屋(範)委員 最後の質問になります。

 こうした総合戦略、せっかくこれを掲げていただきましたので、その効果を見きわめるために、当事者また介護者の視点を入れた評価の仕組みを構築する必要があると思います。

 また、あわせまして、アメリカでは、認知症対策のための国家アルツハイマープロジェクト法という法律が二〇一一年につくられております。我が国においても、こうした府省を横断した認知症のための基本法をつくるべきではないかと考えます。いかがでございましょうか。

安倍内閣総理大臣 新たな戦略については、認知症の方を支える幅広い方策を着実に今推進していくために、具体的な数値目標を定めたものを中心に、定期的に進捗状況を把握していく。そして、それとともに、認知症や家族の方々の意見をよく伺いながら、随時点検を行い、それらの結果を踏まえて、PDCAサイクルに沿って不断の見直しを行っていくこととしております。

 そして、基本法制定についてでありますが、基本法の制定という御提案ではございますが、まずは、新たな戦略に基づきまして、認知症の方を社会全体で支えるための施策を総動員して、そして政府一丸となって推進をしていきたいと思います。

 いずれにいたしましても、認知症の方を単に支えられる側と考えるだけではなくて、先般も認知症の方々とお話をさせていただきました。もうずっと仕事もちゃんとやっておられる方々もおられます。そういう方々が、やはり尊厳を持って、生きがいを持って生きられる社会をつくっていくことも大切でしょうし、偏見をなくしていくということも大切だと思います。

 御本人に寄り添いながら、認知症とともに、よりよく生きていただけるように、政府と関係者が手を携えて環境整備を行ってまいります。これは、安倍内閣の目指す何度でもチャレンジできる社会であり、そして、認知症や高齢者の方に優しい地域づくりを通じて地域や社会を再生していきたいと考えております。

古屋(範)委員 ありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

大島委員長 これにて古屋君の質疑は終了いたしました。

 次に、長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。よろしくお願いをいたします。

 昨日は、東日本大震災、全国で追悼式典が開催をされました。我々も仮設住宅の方から、まさか四度目の冬も仮設で過ごすとはつゆ思わなかった、こういう深刻な声も聞いております。与野党を問わず、復興に全力で取り組んでいくということを邁進していきたいと思います。

 先ほど、田村元厚労大臣から数字の改善の話がありました。

 民主党政権のときも、例えば高校授業料を無償化にして、経済的理由での中退が半分に減る。あるいは、子ども手当を実施して、今も、名前は変わりましたけれども、中学生にも支給をして、出生率も若干上がり、そして、貧困も若干改善をいたしました。そして、民主党政権のときに法改正をして、非正規雇用の方、新たに二百万人に雇用保険、失業保険に入っていただくということもできました。医療崩壊と言われていたものを一定程度食いとめたという自負もございます。

 先ほども、失業率とか有効求人倍率の話がございました。これは民主党政権でも、始まりと最後を比べますと改善をしているわけでございまして、その流れが続いていると我々は理解をしているところであります。格差の話は後でやります。

 その前に、政治と金の問題について若干お尋ねするんですが、自民党の政治資金団体である国民政治協会、これについて、補助金を受けた企業からの献金があるのではないかと私が調査をして、そういう調査が出まして、ちょっと経済産業大臣にお伺いしたいんですが、経済産業省からは何社ぐらいございますか。

宮沢国務大臣 委員の事務所からいろいろ御連絡を受けて調査をいたしましたけれども、いただいた企業のリストと照合した結果、御指摘のとおり、二十一社に対して経済産業省から直接補助金を交付しております。

長妻委員 国交省からもあると思いますけれども、何社でございますか。

太田国務大臣 十七社でございます。

長妻委員 農水省からもあると思いますが、何社でございますか。

林国務大臣 国民政治協会の収支報告書に記載されております寄附をした会社につきまして、当省が補助金の交付決定した日付と寄附のあった日付を突合した結果、交付決定をした日から一年未満の間に同協会に対し寄附をした会社が七社あったことを確認したところでございます。

長妻委員 先ほど、今、農水大臣がおっしゃっていただいた基準でほかの大臣もお答えいただいたと思います。

 今お伺いした数字は、平成二十四年に国民政治協会に企業・団体献金があった会社のうち、平成二十三年に国から補助金交付決定のうち、一年以内のものということでお答えをいただいたと思います。

 総理、これは御存じだったんですか。

安倍内閣総理大臣 国民政治協会の活動については、内閣総理大臣としてはもとよりでありますが、自民党の総裁としても、これは別組織でございますから、直接お答えする立場にはないと思いますが、御指摘を受けましたので確認をいたしました。

 国の補助金を受け取った企業から、政治資金規正法第二十二条の三第一項に該当する寄附であることを知りながら寄附を受け取っていたという事実はないということでございました。

長妻委員 該当する寄附で知りながら、違反してされる寄附で知りながらということでありますので、ちょっとお伺いします。

 まず、経済産業省。

 確かにその補助金には、全部アウトということではなくて、政治資金規正法の中には、試験研究、調査にかかわるもの、そして、災害復旧にかかわるもの、そして、その他性質上利益を伴わないもの、こういうカテゴリーの補助金は別に除外している、適用除外だ、問題ないというふうに法律には書いてあるわけですが、では、経済産業大臣、二十一社というのは、この適用除外の補助金でございますか。

宮沢国務大臣 政治資金規正法についての解釈については、所管ではございませんので、コメントする立場にはございません。

長妻委員 そうすると、所管の大臣、お手を挙げていただいて、御答弁いただければ。

高市国務大臣 寄附が行われる前に十分な時間的余裕を持って、補助金を受けている法人や、あと、補助金を所管する各省から御相談が総務省に対してありました場合には、補助金の関係府省にも問い合わせた上で、この規正法第二十二条の三第一項の適用に係る総務省としての考え方をお示ししております。(長妻委員「今回の件、二十一社」と呼ぶ)

 今回の件は、相談を受けておりませんのでわかりません。

長妻委員 これは、そうすると、誰もさっぱりわからないということなのか。

 では、国交省はどうですか。御判断できますか。

太田国務大臣 当省は政治資金規正法を所管しておりませんので、同法の解釈と利益というようなことの内容についても、コメントする立場にはないと思います。

長妻委員 でも、担当の総務大臣が答えられないわけで、補助金を出したそのものの省庁ですから。

 では、農水省はいかがですか。

林国務大臣 いわゆる例外規定のどの事項に該当するかの判断につきましては、政治資金規正法の趣旨に照らして判断すべきことでありますので、当該制度を所管していない農林水産省が政治資金規正法の解釈についてコメントする立場にないということでございます。

長妻委員 これは、いいか悪いかというのは、総務省が所管で、先ほどの高市大臣の話だと、総務省も答えられないということですね。

高市国務大臣 先ほど答弁申し上げたのは、寄附が行われる前に一定の期間を置いてということです。

 今、恐らく長妻委員がおっしゃったのは、既に寄附が行われた後のものについてだと思います。

 仮に、寄附がこの法律に違反したような場合には、罰則が設けられておりますから、既に寄附がなされたものがこの規定に違反するか否かということは、これは司法の場で個別の事案ごとに具体の事実に照らして判断されるべきことでございます。

 あえて申し上げるなら、これは寄附者において、国から直接交付の決定を受けていないか、もしくは、補助金を受ける会社、その他の法人を利するような性質のものではないとして制限を受けるものではないという判断をされたんだろうと思うんですね。

 事前に時間をいただいて、個別具体のことについてお問い合わせがあった場合には、総務省はしっかりとお答えをいたしております。

長妻委員 だろうという話は、あくまで推定の話だと思います。

 総理にお伺いするんですが、これはどういうふうに結論を出されるんですか。

安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、国民政治協会というのは、自由民主党ではないわけでありまして、別組織であります。私は自民党の総裁でありますが、この国民政治協会の責任者ではございませんから、今ここで私が国民政治協会としてどうするということをつまびらかに申し上げる立場、また判断力ということは、今の段階では持っていないわけでございますから、今持っていないわけでございますから、それについては……(長妻委員「いずれは」と呼ぶ)いずれはということについても、これは国民政治協会側に聞いてみなければわからない話でございまして、それについて私はコメントをする立場にはないということは申し上げておきたいと思います。

長妻委員 そうすると、総裁として国民政治協会の件についての説明責任というのはあるのかないのか、どっちですか。

安倍内閣総理大臣 つまり、いわば献金との関係においては、これはあくまでも国民政治協会にその責任があるということだと思います。

長妻委員 先ほど総理は、ちょっと聞いてみたら国民政治協会は知らなかったようなお話をされました。

 仮にそれが事実だとしてそういうふうに認定されたとしても、献金した側は、これは受けた側が知っていようが知っていまいが罪に問われる可能性があるという法律の仕立てになっているわけで、これは、どういうふうに、曖昧なまま行ってしまうと、この献金が一体どういうことなのかさっぱり誰もわからない。

 この曖昧な法律というのは法改正すべきじゃないですか。

安倍内閣総理大臣 国民政治協会が法の制限する寄附であることを知りながら寄附を受け取ったという事実はないというふうに承知はしております。

 その上で、さらにこの協会において、こうしたことが起こることのないように、問擬されることのないように、現行法制のもとで何ができるのか、党において検討をさせたいということは以前にもお話をさせていただいているとおりでございまして、これは、政治家、内閣にあっても、あるいは与党であっても野党であっても、これは同じ課題、問題であります。また、政党の政治資金団体においても同じ課題でありますから、それは党において検討すべきもの、こう考えているところでございます。

長妻委員 今の御答弁は法律を変えるというより運用という趣旨と受けとめましたけれども、そういうことでいいのかどうか。

 これは、予算委員会の採決をするまでに、その前にやはり結論を出していただきたい。総理として、国民政治協会がどういうふうに対応するのかしないのか。あるいは、今の、こっちの内閣の問題としては、補助金の性格がわからないということで本当にいいのかどうかというようなことについての結論を採決の前までにいただきたい。

大島委員長 総理というより私に言うことではありませんか、それは。長妻さん。

 そういう問題は政党間で話をしなきゃなりませんので、理事会でちょっと協議してみたいと思います。

長妻委員 総理はいかがなんですか。自発的に。

安倍内閣総理大臣 今の御下問は、委員会の運営と密接にかかわっていることでございます。いわば採決の前にどうすべきかどうかということについては、これはまさに私が答えるべきことではない、このように思います。

長妻委員 そうしたら、今採決と言ったから、総理、そういうふうにおっしゃったのかと思いますが、では、いずれかの時期には結論を出していただくということなんですか。

安倍内閣総理大臣 これは党として検討しているわけでございます。そして、党として、これは委員会との関係ではございません。党においてこれは検討していることでありますから、党においてそれはまとまり次第発表することになるんだろう、このように思います。

長妻委員 いずれにしても、委員長に、先ほど御検討いただくということでありましたので、ぜひ御検討を採決の前までにということでお願いをいたします。

 やはり、これはそもそも、この非常に曖昧な補助金云々の話を全てクリアするには、企業・団体献金を法律で全面禁止する、そういうことが必要ではないかと思います。

 昨年九月、経団連は、中断していた会員企業への政治献金の呼びかけを再開する、こういうふうに発表されたわけで、そういう意味では、これからもっとこういうことが頻発するかどうかということもありますので、これはぜひ、企業・団体献金を法律で全面禁止をするということについて、総理の前向きな御答弁をいただければと。

安倍内閣総理大臣 このいわば補助金との関係においては、これは我が党だけではなくて御党にももちろん該当の議員が何人かおられる、何人かたくさんかわかりませんが、おられるわけでありまして、これはまさに、閣内あるいは与党、野党にかかわらず考えていく問題なんだろう、このように思います。

 そこで、法律改正が必要かどうか、これはまさに、議員の活動にかかわることでありますから、各党各会派において議論をしていただきたいと思いますが、まずは、我が党においては、さまざま先ほど申し上げましたような方向で議論を、検討をしているわけでございますが、現行法制のもとでこうした問題が生じないように何ができるのかということ、そしてその上で、規制そのもののあり方はどうあるべきかということについては各党各会派において御議論をいただくべき問題である、こう認識しております。

 では、何ができるかということでございますが、例えば、私の場合においては、かつては外国人の献金が大きな問題になりましたから、これは入会の規則の中において日本国籍を有する者、こう書き込んでいるわけであります。

 さらには、例えば私の地元においては、全て、法人あるいは団体が禁止されている寄附はこういうものですよというものを参考資料として紙でお渡しをしております。

 あるいはまた、東京の政治資金団体におきましては、東京においては、口頭で相手に伝えているわけでございますが、しかし、その上においてもこうしたことは起こるわけでございますが、同時に、先ほど長妻委員がおっしゃったように、これは、いろいろなことをおっしゃいますが、冷静な議論が必要なんですよ。(発言する者あり)場外からも今やじを飛ばしている方がおられましたが、せっかくの機会ですから、ここは冷静に議論をした方がいいんだろうと思いますので、こう申し上げたいと思うわけでございます。

 そこで、しかし、私どもとしては、今、長妻委員がおっしゃったように、企業・団体献金を全てこれは禁止するという考え方は我々自由民主党はとっていないわけでありまして、団体あるいは法人、個人のいかんにかかわらず、いわば政治資金を提供することによって政策をねじ曲げてはいけないというのは、当然のことであろうと思います。

 その上において、透明性をしっかりと確保しつつ、説明責任を果たしていくということが大切ではないか、このように思っているところであります。

長妻委員 そうしましたら、ちょっと一つ提案なんでございますけれども、あしたにでもできること、まずできることを提案させていただきたいと思います。

 ここの手元に大臣規範というのがあるんです。これは過去三回改正されているんですけれども、ここに二行ぐらいつけ加えていただきたい。

 というのは、大臣初め政務三役、総理も含めて、企業・団体献金は受けない、そして、パーティー券を企業・団体献金に買ってもらうことはしないということを二行ここにつけ加えるだけで、まずは大臣についてそれができると思います。これは閣議決定でありますので、あした、総理がやろうと言えば、閣議で決定すればこれはできるわけですから、これはぜひ意思を表明していただきたい。

安倍内閣総理大臣 今委員が質問された件と、そもそも、先ほど、国民政治協会とあるいは企業の献金、そしてその中にいわば補助金をもらっていた企業があった、そしてその補助金の中身が果たして質的にいいのか悪いのかという課題、そしてこちら側はその事実を知らなかった、相手側も知らなかったということとはかかわりのない、それを防ぐということとは、私は、基本的にそれを防ぐ努力とはまた別の、そもそも、企業・団体献金が間違っているという考え方と我々は同じ考え方ではないということは申し上げておきたい、こう思うわけであります。

 これは、企業・団体であろうと個人であろうと、先ほども申し上げたとおり、それによって、政治資金を出すことによって政策をねじ曲げてはならないわけでありますから、今委員がとったような考え方は、我々自由民主党としてはとっていないということは申し上げておきたい、このように思います。

長妻委員 ただ、先ほどの大臣の答弁だと、いい献金と悪い献金、わからないじゃないですか、今の答弁だと。

 それで、大臣というのはやはり権限も強大でありますし、やはりこれだけ問題が言われているわけですから、あしたにできる対策を本当にとっていただきたいとこれは強くもう総理にお願いを申し上げているんですが、全然そのお答えがないということで、これは大変残念でございます。

 私は、きょうの質問というのは、一つのテーマは格差というのもテーマだと思うんですが、私は、献金力による格差というのもあると思うんです、日本で。

 つまり、日本は少子高齢社会を克服する、例えば出生率を上げると言いながら、GDPの比率で先進国の中で子育て予算とか教育予算というのは非常に低いんですよ。やはり、献金がなかなかできにくいそういう個人や集団に対して、非常に政策やあるいは予算が薄くなっているんじゃないかという問題意識を私は持っているわけであります。

 そういう意味では、ここの機会にそういう問題意識も共有して、公共事業は先進国でGDP比で一位なんですね、ですから、そういうところの関連性があるのかどうかも検討して、抜本的な解決策、これを与野党で模索する必要があるというふうに私は強く思うんです。

 例えば、子育て支援を中心とする家族関係社会支出の対GDP比でいうと、フランスが二・八、英国が三・八、スウェーデン三・四パー。出生率も上がっているんです。日本は一・三三%で、先進国三十四カ国中十九カ国が二%を超えているわけでありますから、そういう意味では、ぜひ、そういう疑いも持たれないように抜本的な改革をお願いして、委員長には、先ほどの、協議をしていただくということをぜひ強力に委員長のリーダーシップで、委員長は本当にリーダーシップがあると聞いておりますので、ぜひよろしく本当にお願いをいたします。

大島委員長 リーダーシップはありませんが、理事会でちょっと協議します。

長妻委員 なきゃ困るので、よろしくお願いいたします。

 格差の問題に入りますけれども、総理は本会議場で、「税や社会保障による再分配後の所得の格差は、おおむね横ばいで推移しています。」つまり、格差は拡大していないような趣旨の御答弁をされました。

 そして、その根拠はと岡田代表にこの予算委員会で問われたら、ジニ係数が根拠なんですとおっしゃいました。そして、その後、甘利大臣が、相対的貧困率の話が出たときに、ジニ係数は拡大していない、しかし相対的貧困率が悪化している、これは何か不思議なことだ、まだ解明できていないという趣旨の御発言があったんですが、これじゃ困るわけで、解明はその後できましたですか。

甘利国務大臣 まず、議論の前提としてお話をしておきますけれども、今この予算委員会で議論されている数値というのは二〇一二年までです。つまり、安倍内閣になってからどう変化したかというのはまだデータがとれていません。安倍内閣になってからは……(長妻委員「第一次安倍内閣」と呼ぶ)今の、現安倍内閣になってからは、格差是正のための措置がとられていますよ。それがどう反映されているかはまだデータが上がってきていないということがまず前提でお話をいたします。

 ジニ係数は、委員御承知のとおり、再分配後の数字で見ると変わって変化していない。一方で、相対的貧困率は少しずつ、民主党政権の最後までの間に上がってきています。

 これは何かといいますと、まず、ジニ係数においては、デフレ下で全体の所得が下がりました。その中でも、高所得層がより一層下がっています。そういう結果でフラットなんだと思います。

 それから、両者の関係です。

 両者の関係は、これはOECDのデータ、十数カ国を精査してみますと、ジニ係数の変化と相対的貧困率の変化が同一じゃないんですね。片方は大きくなって片方が変化はない、逆になったりとか、そういうことがありますから、全く、このジニ係数と相対的貧困率のデータは、同一データを別な形で言いあらわしているわけではなくて、それぞれ分析するところが、中身が少し違うんじゃないかなというふうなことを現時点で把握しております。

長妻委員 まあ、徐々に解明されている、努力されているというのはいいことだと思います。

 今、甘利大臣がちょっと触れられたことを図にしてみました。これは厚労省の方でつくっていただいた図なんですが、このブルーの線と赤い線、この三日月の部分の面積、これがジニ係数と言われるもので、このものは、所得の低い方から、世帯から所得を積み上げていって棒グラフにして、その累積をどんどんどんどん積み上げていく曲線でありまして、お金持ち一人だけが富を独占していたら直角になりますから、三日月どころか三角形が一になる、面積が最大になるということなんですが、おっしゃったように、ジニ係数が変化しなくても、赤い線とブルーの線は、三日月の面積が同じでありますから、ジニ係数は同じ。しかし、ブルーから赤い線になりますと、貧困者がふえる、しかし大金持ちも減るということになると、こういうことになるんですね。

 ですから、ぜひ私がお願いしたいのは、ジニ係数にすごくこだわっておられます、私もそれを否定しません、ジニ係数は。ただ、相対的貧困率もあわせてよく見ていかないと、ジニが変化していないからいいんだというふうに、安倍総理、本会議場でおっしゃいましたけれども、総理自身もぜひそういう意識も持っていただきたいと思うんです。

 その上で、もう一つ、甘利大臣から、これもちょっと私は首をかしげる御発言があったんですね、岡田代表との質疑の中で。つまり、相対的貧困率は日本国には二つあると。総務省の相対的貧困率は一〇%だから大したことない、格差対策はあんまり必要ないんじゃないかと言わんばかりのお話があった。でも、厚生労働省が出している相対的貧困率は一六%、これはアメリカに次いで高い、そしてOECD平均よりもはるかに高いからこれは深刻、こういうことで、でも、OECDは厚労省の数字を採用しているわけですね。

 それで、ぜひ甘利大臣、これはちょっと私は暴言に近いと思うんですが、両方を足して二で割るのが一番近いみたいな非科学的な御答弁をされておられるんですが、これは政府として、現状認識が一番重要なんですね。私は別に数字の理論の議論をしているんじゃなくて、トップリーダーである総理が、今の日本の現状の格差は世界に比べてどのぐらいなんだろう、あるいは国内の深刻度はどのぐらいなんだろうということを、認識次第によっては、人、物、金のかけ方が全く違ってくるんですよ。すごく重要なんです。

 甘利大臣、これは、どっちか一つというか、あるいは、ほかのOECDが出しているバックデータも参考にして、ある程度一つに絞るというようなことを御検討いただけないですか。

甘利国務大臣 アキラという名前の議員は、与野党とも賢明な議員が多いですから、誤解のないようにしていただきたいんです。

 私は、何も片方のデータがOECD平均より低いからしなくてもいいと言った覚えはありません。現に、安倍内閣では、アベノミクス自身が全体の底上げを図る、あるいは最賃をうんと上げるとか、格差是正には従来の内閣にも増して取り組んでいるつもりであります。ですから、この数字をもって、格差が大したことはない、格差是正について政府として関心がないと言ったつもりは全くありません。

 そこで、その上で、厚労省のデータと総務省のデータは、その特性に違いがあって、真ん中をとれと言ったつもりはなくて、真理は両者の中間にあるのかなと。中間というのは平均値の真ん中という意味じゃなくて、両方の特性の意味を捉えて、その中庸に真理、正解があるのではないかというふうに申し上げた次第であります。

 両方の数字も、決して虚偽の数字ではないです。両方とも、数字も、ただ、回答対象が、いわゆる国勢調査に比べてここの部分が強く出るとか、もう一つの調査ではこっちの部分が強く出るということです。平均に、国勢調査と同じようなぐあいにトレースするような結果になっていない。だから、その両方の特性を踏まえた中庸な判断をするというのが真理ではないかというふうに申し上げた次第であります。

長妻委員 ちょっと余り意味がわからなかったんですが、余りに余りの答弁だと思いますよ、それは。(発言する者あり)いや、本当にそうです。

 これは重大なんですよね、一〇%と捉えるのか、一六%と捉えるのか、全然意味合いが違う。

 いろいろな有識者の、私が意見交換された方は、この論争は決着がついている、厚生労働省の数字ということがいいんだとおっしゃる方もおられるわけで、いろいろな論文が出ていますが、私はそちらの方が軍配が上がるのではないかと思いますので、これは全然対策が違います。一〇%であればOECD平均だ、一六パーだったらアメリカに次いで高い、こういうことであります。

 総務省の調査は、ちょっと聞いてみますと、単身世帯に非常に弱い。これは二人以上の世帯がメーンで始まった調査で、後から単身がつけ加わって、全体の中で単身世帯の比率は八%しかないということなんですね。ところが、国勢調査における単身世帯は、これは三二%あるわけで、非常に少ない。ただし、補正はしているというんですね、総務省は補正はしている。厚労省の調査では単身世帯が二六・五%。国勢調査では三二パーですから、はるかにこちらの方が単身世帯に近い。

 しかも、サンプル数が、これは奇妙なのが、総務省のサンプル数で見ると、全体を見ますと、これは配付資料がありますが、総務省は五万六千世帯、調査しているんです。厚労省は三万六千世帯、調査しているんです。サンプル数は、全体は厚労省は低いんだけれども、単身世帯だけに限ると、総務省のサンプル数は四千世帯から五千世帯、厚労省のサンプル数は九千世帯ということで、倍ぐらいなんですね。

 全体のサンプル数は厚労省の方が低いのに、さっき申し上げた関係で、単身世帯のサンプル数は厚労省の方が倍大きい。これは一般の国勢調査に連動しているわけで、そういうことも考えながら、ぜひ、甘利大臣、結論を出していただきたいと思うんですが、あるいは検討会を開いて、これは本当に重大なことなんです。我々にとっても本当に重大関心事でありますので、ぜひお願いしたいと思うんですが、いかがですか。

甘利国務大臣 例えば、総務省の調査と厚労省の調査、そしてそれを国勢調査と比較してみますと、この棒グラフで見ますと、かなり両者の特性が出ております。厚労省の調査については、七十歳代が相当多く調査対象に入っております。

 御指摘のように、総務省の調査については、そこのところは国勢調査と一緒。それ以外の年齢別のばらつきも特徴がありますけれども、全般的には、全体のばらつきでいえば、総務省の方がばらつきが少ないというデータもあります。

 でありますから、片方の調査だけで、これをもって日本の状態、というのは、これはOECDに報告するわけです。国としての真実の状況が国別のランキングに出るわけです。そこには、実態に極力近い数字にしていかないと、日本自身の威信がかかっているわけでありますから。

長妻委員 だから重要だと言っているんですよ。

 甘利大臣の御発言は、何か総務省の肩を持つような御発言に聞こえるのですが、もしそうであれば、これはOECDに抗議して、数字はこうだとちゃんといずれ言わなきゃいけないですよね。

 だから、総理、どうですか、これ。重大なので、相対的貧困率がどのぐらいかをきちっと調査する、調べる、どうですか。

安倍内閣総理大臣 先ほど、長妻委員の発言で、ちょっと誤解を生む発言があったので訂正させていただきたいのです。

 私は、相対的貧困率よりもジニ係数の方が好きだということは全くないわけでありまして、先般の質問で、岡田代表がジニ係数に触れられなかったので、国民の皆様にそれを補足する形で、相対的貧困率については岡田代表が紹介をされましたので、私はジニ係数についてお話をさせていただいたということでございます。

 そこで今、厚労省の統計とそして総務省の統計についてどうかということでございます。我々は別に、高い数字をとりたいという考え方では全くございません。事実これは、二〇一二年でございますから、これは民主党政権のときの話でありまして、安倍政権のときではない。しかし、実態を正しく我々は分析をしなければならないと考えております。それは、長妻委員と同じだろうと思います。

 その中において、現在も、先ほどお話をさせていただきましたように、甘利大臣のもとにおいて、どういう特性があるのかということをしっかりと分析をしていきたいし、そして同時に、そうした数字に対してどのような政策を打っていくかということも重要であろう、このように考えております。

長妻委員 いやいや、総理は初め、岡田代表が本会議場で質問して、格差は拡大していますかというときに、ジニ係数を根拠にした答弁しかされなかったので、私が今申し上げたところであります。

 ぜひ、これは重要なことでありますので、つまり、非常にここの空気と多分世間の空気が違うのは、時事通信の世論調査とか共同通信の世論調査とか各マスコミが最近、格差は拡大していると思いますかという調査をしたときに、七割とか、かなりの方が拡大しているというふうに答えておられるんですね。ですから、この国会の議論が世間とかけ離れないように、数字がきちっと現状を把握したようにぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 最後に一問だけ、これは総理にお伺いしたいんですが、配付資料の一枚目にいろいろ、日本の税による所得再分配機能が弱いという資料をつけさせていただいておりますが、安倍総理大臣は、この資料にかかわってもかかわらなくても、日本国の税による再分配機能はほかの先進国に比べて強い方なのか弱い方なのか、どういうふうにお考えですか。

安倍内閣総理大臣 私が従来からお話をさせていただいておりますように、格差の固定化はしてはならない。同時に、許容し得ない格差が生じない社会を構築していくことが重要、このように考えているわけであります。

 そして、再配分機能については、今委員がお話しされました税だけではなくて、例えば、社会保障などの給付、歳出面もあわせて見る必要がある、こう考えているわけでございまして、社会保障と税による再配分後の先ほど触れましたジニ係数についても、再配分後のジニ係数を見れば、日本はOECD平均と同水準にあるものと考えているわけでございます。

 これまでも、安倍内閣においては、税制について、再配分機能の回復を図るため、所得税の最高税率を引き上げ、給与所得控除の見直しを行い、そして金融所得課税の見直しを行い、相続税の見直し等を講じ、随時実施をしているところであります。

 いずれにいたしましても、再配分機能のあり方については、経済社会の構造変化も踏まえながら、税制を含めてよく考えていきたいと思いますが、大切なことは、給付において、例えば消費税を取るということについては、これは累進的な側面を持っていませんが、しかし、それは社会保障に行くわけでありまして、いわば再配分機能をこの給付の面でも行うことができる。これは両方とも考えていく必要があるんだろう、このように思います。

長妻委員 これは、やはり税と社会保障をあわせる議論も重要ですけれども、税だけで見ても、私は再分配機能は弱いと。社会保障というのは、社会保険料をいただくわけで、これは保険料の逆進性というのが非常に強く出て、格差が拡大する側面もあるんですね、税よりも。ですから、そういうようなことも御配慮いただいて、一緒でなくて、分離した議論もぜひいただきたい。

 格差が拡大をして、人間の能力を潰しておいて、発揮させないで何で成長できるんだという問題意識を我々は持っておりますので、これからもこの問題に取り組んでいきたい。これは日本がもっとよくなる道でありますので、ぜひ我々の意見も聞いていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

大島委員長 この際、細野豪志君から関連質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。細野豪志君。

細野委員 昨日は三月十一日でありました。総理も東京の方で追悼式典に出ておられましたけれども、私も、福島まで行ってまいりました。三年連続になるんですが、被災地の中でも、やはり福島というところに最も深くかかわってまいりましたし、また、福島の復興が一番これからさまざまな課題を抱えて、原発の廃炉の問題もあるし、除染も中間貯蔵もある、賠償の問題もありますし、苦しい状況になる方がたくさんおられるという、このことも踏まえて福島に行ってまいりました。

 ただ、恐らく総理も把握をされていると思うんですが、福島でも、新しい明るい動きも出ています。その一つが、私は、ふたば未来学園ではないかと思っているんです。

 私どもが担当していたときからずっと計画をしてきたことでありますけれども、ことしの四月の学期から新しい高校が福島県の浜通りの広野町にできる。広野町というのは、本当に、原発事故が起こったあの場所から二十キロから三十キロの場所であります。そこに新しい学校をつくるということに関しては、非常に子供が集まりにくいのではないか、厳しいのではないかという声もあった中で、やろうじゃないかということで計画をした経緯を私はよく承知をしております。百二十人の定員に対して、百五十名以上の子供が集まってスタートする。

 まず、総理にぜひお願いをしたいんですが、県立の学校です、ただ、私は、国として最も重要な学校の一つというか、それが最もこれから大事になってくるぐらい、福島の復興の光だと思うんですね。ぜひこの学校をしっかりとバックアップしていただきたい、このことをまず私の方からお願い申し上げますので、ぜひ一言御答弁いただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 福島の未来は、まさにそうした子供たちが担っているんだろうと思います。

 今御指摘の未来学園についてはしっかりと我々もバックアップしていきたい、このように思っております。

細野委員 文科省の方から副校長も派遣をして、そして、いろいろな特徴のある教育をやるというふうに聞いております。国のバックアップが不可欠ですので、ぜひお願いをしたいと思います。

 さて、きょうは、社会保障と格差の問題ということでありますが、まず、格差の前提となる経済の問題について少し話をしたいと思います。

 先ほどニュースが流れておりまして、日経平均が十五年ぶりに一万九千円を超えたというニュースが流れておりました。

 株が上がることは、これは悪いことではない、いいことでありますから、それ自体は私も本当に喜ぶところなんですが、ちょっと違和感がありますのは、経済の実態と株価に随分乖離が出ていないだろうか。

 例えば、GDPでいうならば、先日、十―十二月期のGDPが改定をされましたが、下方修正。二〇一四年は、暦年でマイナス成長。これは、消費税の引き上げ前の駆け込み需要も入っていますから、経済の実態が一年間を通じて相当厳しかったということをあらわしていますね。恐らく、二〇一四年度ということでいうならば、相当のマイナスになるであろうということも予測をされている。

 その中で、総理はいい数字をどんどこどんどこ言われるわけですが、私どもからすると、実質所得がもう十九カ月連続下落している、そういう状況の中で株が上がっているということに関して、正直、私はちょっと違和感を持ちます。

 そこで、では、どういう買い手がいて株が買われているのかというのをちょっと分析してみました。

 パネルをごらんいただきたいと思います。これは東証一部の投資部門別の売買の数字なんですが、総理、ちょっと表をごらんいただけますか。グラフです。それぞれの主体がどういう買い方をしたか、売り方をしたかというのを棒グラフで、合計を線グラフであらわしています。

 去年からずっと見てまいりますと、去年の一―三月は株が少し下がっていますが、売り越しですから下がっているんですが、そこから上がっていって、去年の十―十二月、そしてことしの一―二月と、黒いこの部分ですね、棒グラフのところで、非常に上に出ているという形になっています。

 主体別に、では、どこが買っているのかというのを見てみると、非常に興味深いことがわかるんですね。

 まず、個人投資家ですが、総理、これは青のものです。実は、去年の春から個人投資家は売り越しているんですね。売り越し額も半端な額じゃなくて、去年の十―十二月は二兆円も売り越しているんですね、個人だけで。ですから、ずっとこれは売り越し基調で来ている。

 もう一つ注目をされるのは、黄色の部分なんですが、海外。海外は、去年は買っていたんですね。四―六月、七―九月、十―十二月は買っていたんですが、黄色の部分が一―二月に関しては下に、相当これもマイナスにきいている。

 では、なぜ株が上がっているのかというのを見ると、これはもう明確なんですね。赤い部分、信託銀行が大幅に買い越していて、そしてそれが上に出ているものだから、合計でいうと株が上がっている、こういう状態なんです。

 信託銀行というのは、先に私なりの分析を申し上げますが、これはGPIFのお金、すなわち国民の厚生年金、国民年金のお金が相当行っています、実際にこれは公開をされていますから。信託銀行が売り買いしているもののほとんどはこれだというのは、マーケット関係者の分析です。

 そこで、仮にこのGPIFの部分がなければ株はどうなっていたのかというのを、ちょっとグラフを私がつくってみましたので、そちらをごらんいただきたいと思います。

 赤い部分がなくなります。ここの寄与が全てなくなって、仮に売買がフラットだというふうに仮定をすると、ずっともう去年から株は下がり続けているという状況なんですね。

 つまり、総理、どういうことかというと、確かに株は上がっている。株は上がっているけれども、個人も売っていて、海外も売っていて、今買っているのはGPIFという、年金で上がっているというこの状況、私は今の株の状況は相当不健全じゃないかというふうに思いますが、総理はどう分析されますか。

安倍内閣総理大臣 私は、一々の株の上がり下がりについてコメントする、ましてや、その中身についてコメントすることは不適切であろう、このように思うわけでございます。

 いずれにいたしましても、我々は三本の矢の政策によって確実にデフレから脱却をして力強い経済成長を目指していきたい、その中で国民の富をふやしていく、国民生活をより向上させていきたいと考えているわけでございますが、基本的にはその方向に向かって進んでいるわけでございます。

 ことし新卒を迎える方々の内定率については八割を超えて、大卒では六年ぶり、高卒では二十一年ぶりの高水準になっているわけでございますし、有効求人倍率についても一年以上、一を超えているという状況をつくり出しているわけでございます。

 その中で、株価については、基本的に、株が上がっていくということについては、まさにこれは経済に対してはプラスの影響であるということは言をまたないわけでございますし、GPIFそのものも一部は株で運用しているわけでございますから、いわば年金の給付をお約束していく上においても、財政基盤が確かなものとなっていくということは極めて重要なことではないか、このように考えております。

細野委員 総理、これが、例えば個人の投資家も株を買っていて、海外からも日本の経済が高く評価されていて株が買われていて上がっているなら、私は、誰も批判をする人はいないと思いますよ。

 私が今申し上げたのは、そういう主体は売っていて、GPIF、年金の基金だけで今、株が支えられているという状況をどう見ますかということを言っているんです。

 ちなみに、総理、去年の予算委員会の質疑、記憶されているかどうかわかりませんが、塩崎大臣と私とで、ちょっとここで激しい論争になったんですけれども、アメリカは年金の積立金を株で運用するということをやっていません。なぜなら、今の日本のマーケットがまさにそうであるように、そういう公的な資金が株式市場に過度の影響を及ぼすことはよくないというふうに考えているからです。そういう分析がある。日本の場合は逆に、それを利用して株を上げる、そういう状況になっているんじゃないかという疑いを強く持たれているわけですね。

 総理、改めて私、去年の年初のダボス会議の演説を拝見しましたけれども、経済の文脈でTPPがあり、そしてGPIFの話をされて、その後、法人税の減税の話をされている、演説の中で。まさに経済の文脈で話をされていて、この問題が年金の問題から出てきていないというところが不健全だと思うんですよ。

 ちょっとまたもう一つパネルをごらんいただきたいんですが、では、年金にとって本当に、特に国内の株に非常に多くの割合を投資するのがいいのかということは冷静に分析する必要がある。これはGPIFができてから去年の年末まで数字が出ていますので、全ての項目についての運用の成績をあらわしています。

 総理、ちなみに、去年の年末、GPIFは株で非常に成績がよかったんです。ですから、そこも全部入れました。ですから、直近のデータです。

 これで重要なのは、八年間という非常に長いレンジでとって、どこが成績がいいかと見ているのが重要なんですね。

 ごらんをいただくと、国内債券は非常に利益を上げている。外国株式も利益を上げている。しかし、非常に残念なことであるけれども、国内株式は二・三兆円の利益にとどまっているんですね。

 長いレンジで見たときに、こういう成績であるにもかかわらず、株に投資をするということが本当に年金にプラスになるというふうに総理は断言できますか。これは総理にお伺いします、株価の問題ですから。総理にお伺いします。

塩崎国務大臣 まず第一に、株価にGPIFが意図的に影響を与えるかのようなことを今おっしゃったように聞こえたんですが、そもそもGPIF法第二十条に、年金積立金の運用が市場その他の民間活動に与える影響に留意しつつ、安全かつ確実を基本とし、要するに運用しなきゃいけないと書いてありますから、当然のことながら、GPIFは、民間市場の株式市場に与える影響というのを十分考慮した上でやるということが第一であります。

 今、十八年から二十六年までで、特に最近の調子のいいときも入れてということでありましたが、そもそも、では、あと二年延ばして十年見てみると、また違う姿もあるわけであって。

 例えば、ここで言われておりますけれども、今の新ポートフォリオで、前も申し上げたと思いますけれども、リーマン・ショックが入っている十年で、十六年から二十五年まで見ると、ですから、今の一番いいときをとらないでも、これは長妻議員からの質問主意書があったわけでありますが、そこで二十六・二兆の損失が出るということでありますけれども、実は、リーマン・ショックを含む過去十年間を新ポートフォリオで運用した場合には収益率四・三%になる。そして、旧ポートフォリオの場合では三・二%で、一・一%高い利回りで、この十年を見ると回るんですね。

 したがって、それは先生おっしゃるように、年金というのは長いスパンで運用することを見て、一年一年の損が出たとかいうのは評価の損益の話でありまして、それを実現しているわけでは決してないわけですね。長い間で、ちゃんとお約束した年金を支払えるかどうかということが大事であるということが問題なので、それを絶えず見ながらGPIFには運用してもらわなきゃいかぬ。

 今先生御指摘のこれについては、例えばこのときの国内債券のウエートは六割から七割でした。一方で、国内の株式は一〇%台です。したがって、その割合がかなり小さいということもあり得るし、それから、十九年と二十年はそれぞれ、サブプライムローンの問題が起きていた十九年は五兆三千億の評価損をGPIFは出しています。それから、リーマンのあった二十年、このときは五兆円のマイナスが出ています。

 したがって、そういうものがどういうふうになるかというのをならして見なきゃいけないので、意図的にこういう時を区切ってみてどうかという姿だけ見ても、それは長い目で見た運用が必要な年金の運用にはならないというふうに思います。

安倍内閣総理大臣 もともと私も指名されておりましたから答弁させていただきたいと思いますが、確かに、長い期間をもって見るのは当然のことであろう、このように思います。

 そして、そもそも、安倍政権が誕生するまでの十五年間はデフレ経済下にあったわけでございます。その中でポートフォリオを構成するというのは当然のことであろう。そして、その中で債券に軸足が置かれていたということであります。

 そこで、我々の政策は極めて明確であって、それは、いわばデフレから脱却をして、その中で、日本銀行も金融緩和をして二%という物価安定目標を策定したということでございますから、その中で当然ポートフォリオを変えていくということになるのではないか、こう思うわけでございまして、安倍政権が誕生してからは約三十五・五兆円、運用益、これは全部実現しているというわけではありませんが、含みも合わせて、GPIFの運用収益が出ているということでございます。

細野委員 何か塩崎大臣は、勝手に私が期間を区切ったような、そんな話をされましたが、これは一番長くとっているんです。GPIFが誕生してからずっとトータルにとっているので、いい時期も悪い時期もあるんですね。それをトータルに見たときに結果が出ていないところに今回どんといったということが本当にいいのかどうかというのは、国民の皆さんにやはりしっかりと判断してもらう必要があると私は思います。

 ちなみに、ちょっと数字を御紹介しますけれども、この間ある数字を見て私はううんと思ったんですけれども、この国に一億円以上の財産を持っている人は百万世帯を超えるという調査が野村総研で出ている。それはアベノミクスによってふえているそうです。それは株が上がっているから。

 ただ、私が心配になるのは、年金をこれに投資して、年金そのものに穴があくことがあったら、年金生活している人たちは物すごく苦しいことになるわけですよね。この問題にきちっと安倍政権が向き合っているかどうかというところが正直気になります。

 まず、リスクの問題なんですが、私は極めて説明が不十分だというふうに思っています。

 このポートフォリオの変更は、内閣府の有識者会議のメンバーが大方針を決めている。これは二〇一三年の十一月ですから、一年少し前ですね。その方針に基づいて、厚生労働省の社会保障審議会年金部会、さらにはGPIFの運用委員会で十月の二十三日に実質的に去年方針が決まった。そして、十月の三十一日にポートフォリオの変更がなされて、株に投資をされましたね。

 塩崎大臣、そのときに、このポートフォリオの変更についてどれぐらいリスクがあるかということをなぜ説明しなかったんですか。

 というのは、その前にその話は出ているんですね。記録を確認すると、そのGPIFの運用委員会、十月の三日の運用委員会で、リーマン・ショックが起きた場合は三十兆円近い損失が発生をする可能性があることについて議論されている。そして、多くの委員から、そういうリスクについては説明すべきだという意見も出ているんですね。ところが、十月三十一日、ポートフォリオの変更が発表されたときには、そのリスクについて大臣は説明をされなかった。

 そして、明らかになったのが、年末に長妻議員が出した質問主意書、それに対する答弁で、リーマン・ショックが起こった場合は三十兆円近い損失が発生をするということが初めて発表された。

 これはいろいろな考え方があると思いますよ、我々は反対ですけれども。こういう考え方もあるでしょう。しかし、そのときは、きちっとリスクについて国民の皆さんに説明をして、納得をしていただいた上でやるべきで、こういうことを説明せずにやるということについては極めて不誠実だと思いますよ。これは厚生労働大臣、お答えください。

塩崎国務大臣 この新しいポートフォリオを発表した十月三十一日に、GPIFの方から、三谷理事長の方からるる説明をしていると思います。

 そのようなときに、例えば、経済再生ケースの場合と低成長ケースの場合ということで、新しいポートフォリオでいった場合にどのくらいの振れ幅の中で達成すべき利回りが入ってくるのかというもの、それから、仮に、先ほど先生がおっしゃった、全部を国債で回した場合のケース、その場合の振れ幅と、それから将来のリターンの振れ幅と、言ってみればその姿、そういうものをこういうような形でちゃんと示してございます。

 リスクにはいろいろなものがあるわけであって、将来の年金給付をしっかり確保するためには、先ほど総理からも申し上げましたけれども、年金財政上必要とされる積立金額を下回るリスクをできるだけ抑えるということが一番大事なのであって、今先生がおっしゃっているのは、二十六・二兆というのは……(発言する者あり)ちょっと聞いていただけますか。

 二十六・二兆の話は、単年度の振れ幅を計算してみるとこういうことになりますということを質問主意書の答弁書で書いたわけで、いわゆる標準偏差と呼ばれているものであって、それは大きくなったんですけれども、しかし、長期的に見て、これは二十五年先まで計算していますから、年金財政上必要な積立金を下回るリスク、つまり、名目賃金プラス一・七%を下回ってしまう、そのリスクがどうなっているかというと、これは、実は少なくなっているんですね。

 したがって、我々にとって大事なのは、むしろこちらのリスクでございますので、単年度の振れ幅が大きくなるよりも、長期で見て、年金財政上必要な、年金を受け取るために必要な利回りが確保できないリスクというものが小さくなるということが大事なので、それを評価して今回の新しいポートフォリオを決めたということであるので、説明はしているというふうに私は思っております。(発言する者あり)

大島委員長 お静かに。

細野委員 その後も、厚労省はほとんど説明らしい説明をしていませんね。

 社会保障審議会年金部会の十一月十九日、これはポートフォリオの変更が決まった後の議論ですが、その後も委員の方から説明を求められて、局長はこう言っているんですね。単年度の最大損失が幾らになるかというのは、例えれば、変な話ですけれども、東京に隕石が落ちれば日本の経済は崩壊しますのでというような話だと。

 これは、私はとんでもない発言だと思いますよ。だって、実際にリーマン・ショックは起こっているわけです、数年前に。そういうことがあった場合はどれぐらいの損失なのかという議論を隕石に例えるという。これは私はとんでもない話だと思います。

 総理、ぜひこれは考えていただきたいんですが、年金というのは保険料をお預かりしているものなんですね。国民のものなんです。国民の皆さんが納得していないような運用の仕方は、これはよくないんです。まずいんです。もちろん連合も反対をしていますね。退職者連合も反対しています。これは、それこそ労働者の権利とかいう話とは全く違って、保険者として反対しているんですよね。これは税金ともまたちょっと性質が違います。そういったことを考えたときに、やはり保険者の気持ちというのをしっかり踏まえて当然やるべきだと私は思いますので。総理、ちょっと一言、ここは御答弁ください。

安倍内閣総理大臣 大切なことは、確かに、今、細野委員が御指摘されたように、国民の皆様からお預かりをしているものであります。それを運用して、将来、年金を受け取る年齢になったときに、確実に給付を、お約束した給付を実現していかなければならないわけでございます。その上においては、しっかりとした利回りを確保していく必要があることは当然のことであろう、こう思うわけでございます。

 そこで、我々は、しっかりと、まずリスクとしては、ちゃんと給付を確実にお支払いできますよというお約束を果たしていく。同時にまた、リスクを分散していくということでございます。そして、それとともに、基本的に、先ほど申し上げましたが、デフレ局面からデフレ脱却局面に今入りつつあるわけでありますから、その中においては、当然、ポートフォリオの変更を行うべきだろう、こう思うわけでございます。

 先ほど全体の収益についてお示しになったわけでありますが、例えば、これはリーマン・ショック後という状況もあるでしょうけれども、民主党政権時代には三年間で運用収益は四兆円であったわけでありますが、我々は二年間で三十五兆円運用益を上げているわけであります。そうした運用益もあって、そして、さらに長く見た中において、しっかりとフォワードルッキングの運用をしていくというのが我々の基本的な考え方でございます。

細野委員 もう一回繰り返しておきますが、多くの保険者は心配していると思いますね。そこの部分について説明責任を果たしていないし、その理解なくしてこれをやっていくということに関しては、将来的に大問題になる可能性があると思いますよ。

 もう一つ指摘しなければならないのは、ガバナンス改革です。

 塩崎大臣はガバナンス改革に強い意欲を示しておられた。十月の三十日、実はポートフォリオの変更をした前の日に私は質問しているんですね。そのときに、こう答弁をされていますね。運用改革、すなわちポートフォリオの改革とガバナンス改革は、全く一体の話であって車の両輪なんですとまで言い切っておられる。

 法案は、これは諦めたんですか。ガバナンス改革はしないんですか。法案をいつ出すのか。今国会に出さないのであれば、ガバナンス改革をいつやるのか、そこを明確に御答弁いただきたいと思います。(発言する者あり)

大島委員長 山井さん、質問者はこっちですから、お静かに。

塩崎国務大臣 ガバナンス改革が大事であることは、これは日本再興戦略にもともと書いてあることでございまして、基本ポートフォリオの見直しとあわせてガバナンス改革をやるべしということを書いてあるわけであります。

 当然なこととして、ガバナンスの体制の強化はGPIFでも、例えば、今すぐできることということで、基本ポートフォリオを改定した日に、同時に、内部統制の強化と、それからリスクの管理体制の強化というものを数々具体的に提案し、なおかつ、ガバナンス会議などをもう既に設けているわけでございます。

 それで、まず、厚労省としては、今の独法は、おととしの十二月に改革に向けてのプログラムができていますから、まずそれに基づいて理事を一人ふやすということをやるとともに、セットで、ガバナンス体制を、運用の改革とともに……(発言する者あり)静かにしていただけますか。

 ガバナンス体制の見直しについては、今、社会保障審議会の年金部会、先生さっきちょっと取り上げていただきましたけれども、年金部会でもう既に一月の二十三日に作業班からの報告というのを受けて、けさほど何人かの先生の御質問にも答えましたが、大きな方向についてのおおむねの考え方というのが示されていますが、まだこれからいろいろな形の、どういう形にしていくのかということについて、これから議論が深められていくというふうに理解しておりますので、それを見守りながら、我々としてはガバナンス改革を強めていきたいというふうに考えております。

細野委員 大臣に就任される前の講演会で、これはブルームバーグの講演会ですが、みずからのボトムラインメッセージ、これは結論という意味でしょうけれども、ポートフォリオ前倒しの変更を行う秋のタイミングまでに、ポートフォリオを変えるまでにガバナンス改革の法案を出さないかぬということをおっしゃっているんですよね。私の質問に対しても、ポートフォリオの変更は決めていたんでしょうけれども、ガバナンス改革はすぐやりそうなことを言っているわけですよ。

 この後の講演の中身が非常に興味深いんですが、こう言っているんですね。基本ポートフォリオの大胆な変更を現体制で行えば、そのリスクは究極には独任制のもとで現理事長が全面的に負うことになるが、その任期は来年三月までということになれば、仮に来年四月以降、すなわちことしの四月以降ですね、株価が万が一暴落したときの責任は一体誰がとるのか。これは大臣自身の発言ですよ。

 ガバナンス改革をやらずに株価が暴落をして、そして国民の皆さんにツケを回すときに、責任はどうなるんですか。それを繰り返し繰り返しおっしゃったんでしょう。

 いつ出すんですか、では。暴落した場合、責任は誰がとるんですか、今の体制で。答えてください。

塩崎国務大臣 言うまでもなく、運用を含めて、年金についての最終責任は厚生労働大臣にあることは、もう先生御案内のとおりでございます。

 私の考えはもちろんもともとありましたけれども、それは自分の思うとおりに全てがなるなんということにならないのは、細野先生も政権を担った立場としてよくわかるわけで、いろいろな意見を今社会保障審議会年金部会でいただいているわけでありますから、ここで一つの、言ってみればまとめをしてもらわない限りは、なかなかそこから前には正式に進めないということでありますので、今そこで議論を賜っているということでありますし、それがどういうことになるかということに応じて、また与党の皆様方にも御議論をいただくということになるんだろうというふうに思いますので、まずは年金部会での議論を深めていただきたいというふうに思っております。

細野委員 今の大臣の御発言を、国民の皆さん、しっかり覚えておいていただきたいと思いますね。

 百三十兆円に上るこの年金の積立金を、今、半分株に投資しているわけですね。これは、国民的に言うと物すごく大きなリスクを冒しています。ところが、運用主体であるGPIFのガバナンス改革はできていなくて、責任体制が不明確である。その全て、運用の結果も含めて、大臣が全て認可したわけだから、責任があるという答弁は非常に重いと思いますよ。そのことは明確に指摘をしておきたいと思います。

 その上で、大臣、答弁も長いので、きょうはこれで結構です。次の質問に行きたいと思います。

 総理、憲法の問題に少し話を移していきたいんですが、具体的な話に入る前に、憲法の条文に入る前に、昨年の十一月十八日のNEWS23のあの御発言。これは解散を表明された日ですね。アベノミクスについていろいろな方がコメントしたのに対して、これ全然声が反映されていませんが、おかしいじゃないですかという発言をされた件、あれ、私、テレビを見ていて非常に気になりました。

 さらに気になったのが、それに対して大串議員が質問をしたことに対して、これおかしいじゃないですかとおっしゃった発言を、私の考えをそこで述べるということは、これはまさに言論の自由だと言い切った。正直言って、ちょっと衝撃を受けたんですね。

 こういう発言も、総理の言論の自由だという御発言は、これは変わりませんか。この思いは変わりませんか。

安倍内閣総理大臣 まず、私は、これは裏で言った話ではなくて、細野さんもごらんになることができるテレビの前で、いわば国民の声としてさまざまな町の声が紹介された。その中で、いわば、実体経済として、先ほど就職の内定率等お話をさせていただきました。そして、間違いなく名目賃金においてはよくなっているわけでございます。そういうことについて、これは反映されていないではないかということを言うのは当然のことなんだろうと思います。

 そして、相手側も、そうした私の指摘に対して、それはそんなことありませんよと反論すればいいだけの話じゃないですか。当然そうでしょう。反論できないわけじゃないですよ。

 もしかしたら、私の論調が、私に対して議論を挑むと論破されることを恐れたのかもしれない、こんなように思うわけでありますが、いわば、当然、そこで議論し合えばいいだけの話ですよ。わざわざここで、予算委員会で何か、そんな、表現の自由とか報道の自由とかいうところから議論をするような話ではなくて、そこはまさに、番組において、私はそう思いますよということを述べた。

 そして、そう述べる私も含めて、国民の皆様が判断できるわけですよ、選挙において。選挙の場においては、先般もその御質問をいただきました。その御質問をいただいたときのパネルの写真に私は文句をつけました。いわば、ああやってイメージをつけられたら、党としては、真面目に選挙運動をやっている人たちに、私はそれは失礼じゃないかとの思いから、こういうものはちゃんとやりましょうよと。

 いろいろな声はある。それは、当然、いろいろな声があることは私は承知をしておりますよ。まだまだ景気回復の実感が持てないという方がたくさんいらっしゃることは実感しておりますが、実際に、マクロの数値としてはよくなっていますし、中小企業においても六割の企業が賃上げを行っている中においては、そういう声は全く反映されていませんねということを言うのは当然じゃありませんか。

 そうではありませんよという反論を、テレビ番組において反論をする権利もあるんですから、そこで反論すればいいじゃないですか。そこで反論しなかったということは申し上げておきたい、このように思います。(発言する者あり)

大島委員長 御静粛にお願いします。

    ―――――――――――――

大島委員長 ただいま、議事の途中ではございますが、後方の傍聴席にジャスパー・ツァン香港立法会主席御一行がお見えになっております。この際、御紹介申し上げます。

    〔起立、拍手〕

    ―――――――――――――

大島委員長 細野豪志君。

 質問者と答弁者以外は、品位を持って、静かにしてください。

細野委員 総理、私は、あの発言を聞いて、特に言論の自由という発言を聞いて、ちょっと正直、耳を疑ったんですね。

 というのは、言論の自由というのはどうやって獲得をされてきたものなのかということを総理はわかっておられないのじゃないか。国民の中から権力者に対してきちっと批判もできて、自由に物が言える闘い、これが近代立憲主義であり、人権のこれまでの闘いなんですよ。それを総理が、テレビ番組に出て、コメントに対してクレームをつけることを言論の自由なんと言い出したら、この歴史そのものを否定することになりますよ。

 いいですか。今起こっていることは……(発言する者あり)

大島委員長 御静粛に。

細野委員 今起こっていることは、実際、私も報道関係者と話をしていますけれども、この話になると、みんな口を閉ざすんですよ。表現の自由とか言論の自由を常にいかなる状況にあってもしっかりと確保するだけの状況をつくるのが総理の仕事であって、報道機関に対してクレームをつけて、それを言論の自由なんと言われたら、それは人権そのものに対する大変な侵害なんですよ。

 少なくとも、総理、いろいろ意見を言いたいことはあるでしょう。それは言っていただいて結構。しかし、こういう、報道に対して意見を言うことを言論の自由と言うことは、これからやめていただきたい。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 全くそれは認識の間違いだと思います。

 いわば、選挙を前にしていて、報道は正しくしてもらいたいという考え方があります。真面目にやっていただきたい。その中で、例えば、私がその当該番組の関係者に電話して何かクレームをつけるというのとは違うんですから。その場に出ていて、国民の皆様の前で、私はこう考えますと述べている。それを圧力と考える人なんか、私は世の中にいないと思いますよ。それを、圧力とかそういう形で。

 そして、番組の人たちはそれぐらいで萎縮してしまう、そんな人たちなんですか。情けないですね、それは。極めて情けない。別にそれが、みんな萎縮しているわけではなくて、例えば夜、夕刊紙でも買ってくださいよ。何と書いてありますか。見事に、日本では言論の自由は守られているんですよ。

 海外からも今この傍聴席に来ておられますから、誤解を与えてはいけないと思いますよ。日本はちゃんと言論の自由は確保されているんですよ。そこで私は議論をして、私の考え方に反論があればそこで反論すればいいんですよ。

 その後も、私はテレビに出たときにあのときのことを例として挙げられて、私は当該テレビのアナウンサーから非難されましたよ。それは当然非難してもいいですよ。当然、報道の自由ですし、言論の自由。そういう議論を行えばいいのであって、それそのものが全くおかしいというのは、それ自体が、そういう考え方自体が、何かレッテル張りを一生懸命試みておられるな、こんなように感じた次第でございます。

細野委員 総理、現実に、報道機関の萎縮はかなり起こっています。私は、今の自民党のこのやじの状況が危機的だと思うんですよね。

 私はある自民党の重鎮の方にこの話を少し話しましたが……(発言する者あり)ちょっと聞いてください。静かにしてください。こういったことに関して、自民党の中から、総理、そんなことを言うべきでないと言う人が一人もいないということが非常に問題だと、その自民党のOBの方は言っていましたよ。

 そろそろ時間がなくなりましたので最後に聞きますが、こういう部分も含めて、報道の自由の憲法二十一条の規定も含めて、自民党の改憲案は相当問題があります。大いに問題がある。それについてもう聞く時間はありませんが、憲法の議論をこれからするわけですよね。

 総理、本当に憲法の改正をしたいというのであれば、この改憲案を撤回されて、これは決して立憲主義的なものとは言えません、撤回をした上でしっかり憲法の議論をする、そういう考えはありませんか。

安倍内閣総理大臣 先ほど自民党側から全く声が出ないというのは、私は、議論に値しないと皆さん思ったんだろう、いわば議論以前の問題だろうと。

 そして、憲法改正草案につきましては、これは自民党が野党時代に、谷垣執行部のもとで議論を重ね、でき上がったものであります。そうした、それぞれの党が憲法改正草案を出し合う中において、憲法審査会においてしっかりとした議論が行われるべきなんだろう。

 議論の場は、この予算委員会というよりも、憲法審査会があるんですから、そこで、今既に、これは我々は、この条文をやろう、議論しようということではなくて、ましてや政府が出しているわけではありません。ですから、まさに党としての考え方を示させていただいた。もし民主党にもそういう案があるのであれば出されたらいいし、批判は自由ですよ。それはまさに憲法審査会でしっかりと議論をしていただきたい、建設的な議論をしていただきたい、このように思います。

細野委員 こういう議論をしているときに、自民党のサイドから、全く、こういう言論の自由に対する何らかの危機的な状況に対する思いが出てこない、一切危機感を感じないということが、私は本当に危機的だと思いますね。我々野党がその分しっかりと問題点を指摘しなければならないと改めて感じたということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 この際、大西健介君から関連質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大西健介君。

大西(健)委員 民主党の大西健介でございます。

 予算委員会の質疑も大詰めを迎えてまいりましたけれども、しかし、これまで、補助金支給決定を受けた企業から献金をもらった閣僚についても何のけじめもついておりませんし、そしてまた下村大臣の博友会の問題、質疑を重ねるごとに疑問が深まっております。さらには、中川政務官の問題まで出てまいりました。

 きょうは中川農水政務官にお越しをいただいておりますので、まずお聞きをしたいと思います。

 お配りをしている資料の最後につけておきましたけれども、私の方からも宮内庁にちょっとお問い合わせをしてみました。林大臣の認証式は二月二十三日の十八時四十分ということなんですけれども、官邸がその打診をしてきたのはその日の十七時二十分過ぎ。一時間ちょっとぐらい前なんですね。官邸からも、何とか本日中にということであったので、それを受けて、急いでこの認証式というのがセットされた。

 しかしながら、そんなときに、政務官はお酒を飲んで、そして、酔った勢いで門代議士と不適切な行為に及んでいた、こういうことを分科会でも認められました。そのことは、私は、まさに政務官としての適格性を欠いているというふうに思います。

 政務官、もう無理をなされないで、早くみずから身を引かれて、地元に戻られて、そして地元の皆さんに御説明をされて、そして謝罪をして回られる方がいいんじゃないでしょうか。それをされないというならば、我々もこの問題を引き続き聞かなければならないと思いますけれども、みずから身をお引きになる、そういうつもりはございませんでしょうか。

大島委員長 大西さん、プライバシーにかかわりそうな発言については、どんなことでも、やはり気をつけながら質問してください。

中川大臣政務官 今回、酒席の後とはいえ、私の軽率な行動のために皆様をお騒がせしたことを深く反省しているところでございます。

 大臣政務官として任命していただいたことに鑑み、大臣をお支えし、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村の実現に向けて、大臣政務官としての職務に全力で取り組んでいくことが私の責務と考えているところでございます。

 農政は今、大改革の途上にございます。日本の農林水産業のため少しでもお役に立てるよう、まだまだ政治家として若輩者でございますが、精いっぱい頑張っていきたいと考えております。

大西(健)委員 総理、総理の盟友でもあった中川昭一先生、草葉の陰で今回のことをどう思っておられるんでしょうか。

 今回のことというのは、大臣が交代したという役所にとっての一大事のときに政務官が不在である、そして、宮内庁にも、あるいは関係者にもさまざま煩わせている、その片や一方で宴会に出ていた。これは、民間でいうと、社長交代の重大時のときに役員が宴会に行っていました、こういう話なんですよ。余りにも緊張感を欠いているんじゃないかというふうに私は思います。

 今政務官のお話にもあったように、今、TPPであったりとか農協改革であったりとか課題山積の中で、こんなことで農林水産行政を停滞させるわけにはいかないと私は思うんです。総理は、更迭をされるおつもりはないんですか。

安倍内閣総理大臣 まず、はっきりさせておきたいことは、農林水産行政は停滞しておりません。

 私たちはしっかりと前に進めておりますし、この二年数カ月でしっかりと我々は成果を上げている。今まで取り組むことのできなかった農協改革にも進んでいるわけであります。農林水産物の輸出においても、三六%ふやして、過去最高の六千億円を今超えているわけでございます。

 しっかりと我々は農政の大改革を進め、そして農村、農業の所得倍増をしっかりと進めていきたい。その上において、中川大臣政務官も、その役割を自覚し、しっかりと業務を遂行していただくことを期待しております。

大西(健)委員 二週間休まなきゃいけない、あるいは国会にも出てこれなかったことがあるわけです。これは停滞と言うに値するんじゃないでしょうか。今後も政務官としてしっかり職責を果たせるのか、私は疑問に思わざるを得ません。

 それでは次に、下村大臣の博友会の問題に移っていきたいというふうに思いますが、何が問題なのか、論点をフリップに整理しましたので、フリップをごらんいただきたいというふうに思います。

 まず、一点目ですけれども、博友会は任意団体なのか、それとも政治団体なのかということであります。

 政治資金規正法は、特定の候補者を推薦して、組織的、継続的活動を行う団体に、政治団体として届け出をして、政治資金収支報告書の提出をすることを義務づけています。これは、資金の流れがブラックボックス化しないように、政治資金の透明化を確保するという趣旨であります。博友会の活動がもし実質的に政治団体とみなされるようであれば、これは届け出義務に違反をしているということになります。

 ちなみに、大臣はこれまで、博友会の運営には事務所は一切タッチしていない、そして、自分の政治活動とは無縁であるということを繰り返し答弁されています。

 二番目の論点、これは会費なのか寄附なのかという話なんですけれども、少しわかりにくいので別のフリップにまとめてみました。こちらをごらんいただきたいというふうに思います。

 大臣は、博友会の会員を含む個人に対して、Aさん、Bさん、Cさんという個人に対してこれまで寄附のお願いをしてきた、そして、それに応えて寄附をしてくれた人に対して、先方の要望であったりとか、あるいは事務所のミスで、ただし書きに年会費と書いた、そういう領収書を発行したことがある、こういう説明をされています。

 しかし、我々がある博友会の会員の方に取材をしたところ、そうじゃないんだ、我々は会費を払ったんだ、そうすると、それがいつの間にか自由民主党東京都第十一選挙区支部の寄附に変わっていて、そして選挙区支部から領収書が発行されているんだけれども、そのただし書きには年会費と書いてあるんだというふうに言っているんです。

 これは何が問題かということなんですけれども、それは、政治資金規正法というのは会費と寄附というのを明確に区別しているんです。ですから、例えば、会費を下さいと言って集めておいて、それを勝手に寄附として処理をすれば、これは詐欺に当たる可能性がある。それから、寄附でない会費を勝手に寄附として処理をすれば、これは収支報告書の虚偽記載になる可能性があるというふうに思っています。

 またこちらに戻っていただきたいんですけれども、三点目の論点、これは講演料を受け取ったのか受け取っていないのかという話です。

 大臣は、一切いただいておりませんと言っていますけれども、実名で、渡したという証言が既に出ております。もしもらっていたらどうなるかというと、これは、申告漏れないしは政治資金規正法上の記載漏れというのに当たるというふうに思います。

 以上三点の論点に対して、違法になる可能性があるこの三つの論点に対して、これまでの大臣の説明と食い違うような新事実が出てまいりました。

 これはお手元に記事を配付させていただいておりますけれども……(発言する者あり)週刊誌と言われますけれども、後ほどお話もしますが、二月十三日の夕方、下村大臣と榮秘書官が同席のもとに、大臣室に博友会の幹部が集まったときに配付をされた八枚の文書というのがあります。表紙には、全国博友会幹事会討論項目と書かれていたということが書いてあります。

 このことについては、午前中の質疑の中で大臣は、文書の存在を認めて、文書は事務方が配ったものだというふうに答弁をされていますけれども、確認ですけれども、この事務方というのは、これは榮秘書官が作成されて配ったということでよろしいんでしょうか。簡潔にお願いします。

下村国務大臣 いや、簡潔といいますか、先ほど資料で三つの疑義があるというふうに言われましたから、これについてはきちっとお答えをさせて……(大西(健)委員「それは後ほど聞いていきますので」と呼ぶ)いや、だって、質問されていますから、疑義のままというわけにはいきません。(大西(健)委員「私が質問したのは、榮秘書官がつくったのかどうかです」と呼ぶ)では、必ず反論の機会をつくってください。(発言する者あり)

大島委員長 お静かに願います。

 大西質問者、やはり大臣は大臣としてきちっと説明したいところもあるわけです。質問は質問としてありますけれども、大臣の答弁の整合性のためにも、ある程度のことはやはりきちんと答えなきゃなりませんが、まずは下村大臣。

下村国務大臣 榮秘書官がつくったものであります。

大西(健)委員 週刊誌に基づいているわけじゃなくて、ここに文書があるんです、その文書というのが。表紙を含めて八ページの文書ですけれども、この文書、何が書いてあるか。

 まず、一ページ目には、全国博友会の協力内容というのが書いてあります。二ページ目は、博友会の現状、課題、改善案というのが記されている。四ページ目は二〇一四年の活動実績、五ページ目は二〇一五年の活動計画、六ページ目には各博友会の会費の納入額の一覧、そして最後のページは、まるでこれはノルマを課すかのように、各博友会の会費やパーティー券の協力実績というのが書いてあります。

 その中のまず六ページの部分なんですけれども、年会費の納入一覧二〇一四年実績というのがあるんですけれども、全国の博友会の年会費納入額の合計が一千百七十九万八千円となっているんですね。ここから、政治団体として登録をされている東京博友会、この東京博友会の会費五百八十万円と書いてあるんですけれども、これを引くと、五百九十九万八千円になるんです。何と、この額は、大臣が理事会に先日報告をされた、頼まれていないけれどもただし書きに会費と書いた八十一件の領収書の総額五百九十九万八千円とビンゴなんです。

 もう一度フリップをごらんいただきたいんですけれども、この額というのは偶然じゃないんです。

 つまり、先ほど言いましたように、下村大臣は、それぞれに寄附のお願いをして、それに対して寄附をと言っていますけれども、ここ、例えばCさんとかEさんみたいに、寄附のお願いをしたけれども寄附していない人がいるんです。そうすると一致しないはずなんですね。ところが、そうじゃないんです。会費の納めた額で、そして領収書に年会費として発行した八十一件の額が会費の額とどんぴしゃ、ぴったんこなわけですから、会費が寄附になっているんですよ、これは。

 会費が寄附になっているというこれは証拠であって、まさに、今まで大臣が、個人で自民党東京十一区支部に献金したという説明は、これはうそであって、私は会費がそっくりそのまま寄附になっている証拠だというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

大島委員長 下村大臣、丁寧に御説明してください。

下村国務大臣 はい、わかるように丁寧に御説明申し上げたいと思います。

 会費が寄附になっているんじゃなくて、寄附がもともと寄附なんです。それについて御説明申し上げたいと思います。

 先ほどの資料ということですが、ほかの方は御存じないと思いますので、きょうお配りの週刊誌がありますね、この週刊誌のここにたまたま表が出ていますが、ここに、年会費納入一覧表とありますね。このことをおっしゃっているわけですね。

 例えば、この東北博友会というのが、件数が十一件とあります。これは寄附なわけです。十一件、実際、ではこんなに数が少ないのかということでありますが、そもそも、この東北博友会の会員は三十二人いるんですね。これはなぜかというと、東北博友会でこれは別に運営費会費として取っている。運営費会費で納めている方が三十二人おられて、その方々に、東北博友会として、自民党東京第十一選挙区支部として寄附のお願いをしていいですよということで、三十二人に寄附のお願いをしたら、実際に寄附をしていただいた方が十一人いる、そういう意味なんです。

 同じように、群馬博友会は、三百九十四人の方にお願いして、寄附をいただいた方が九人なんです。中部博友会は、二十九人の方にお願いして、寄附をしていただいた方が十一人なんです。近畿博友会は、二十六人の方に寄附のお願いをして、実際に寄附していただいたのが十二人、そういう数字なんですね。中四国博友会は、三十二人の会員と言われる方々にお願いして、寄附をしていただいたのが十九人。同じように、九州博友会は、二十四人の会員の方々にお願いして、寄附をしていただいたのが十四人ということでございます。

 ですから、これは、全員が払っていただいたとかじゃなくて、会員の一部の方々が寄附をしていただいたということであります。

 そして、なおかつ、この振り込み先及び領収書の名義は、これは東京第十一選挙区支部で出しています。

 そして、それぞれの、ほとんどの、実際は任意の博友会、私も今回こういうことがあって初めて知ったんですが、別途事務費として会費を取っているということであります。

 では、なぜこれについて年会費と書いたのか、寄附は寄附として書けばいいじゃないかという疑問だというふうに思います。

 前回も申し上げましたが、これは、二〇一四年のみ新しく経理担当者がかわって、事務方が一度だけ、寄附の領収書のところに年会費とただし書きで書いてくれということがきっかけで、その年だけ年会費と書いてしまったという部分があります。

 しかし、それ以前は見当たりませんし、それ以後もありません。もちろん、これは寄附ですから、年会費と書くのはただし書きの中で好ましくないということで、それはやめているということでありまして、これは、あくまでも寄附というのは明確であります。

大西(健)委員 中川政務官、まだ体調がよろしくないようですから、ぜひお帰りになっていただいて結構でございます。

 この八枚のものの二ページ目には、現状とか課題とか改善案というのが書いてあるんですけれども、その現状のところには何と書いてあるかというと、そのため、そのためというのは、その前にありますけれども、収支報告書に各講演会の収支を載せていない、そのため会費等、博友会には入金が一切ない。つまり、会費は博友会に入るんじゃなくてそのまま十一区に入っているということを認めていることが書いてあるんですよ。

 それに対するマスコミからいろいろな問い合わせがあるのでどうしようこうしようというのが書いてあって、やはり政治団体として登録しなきゃまずいんじゃないかという紙が、この一緒の、八枚の中に入っているんですよ。

 先ほど大臣が説明されたようなことはどこにも書いていなくて、最後の、例えば協力の実績というところも、年会費、それから博友会のパーティー、清和研のパーティーとそれぞれ書いてありますけれども、そんな、会費をもらっている人は寄附の人よりも多いなんという数字はどこにも書いていないんですよ。

 むしろ、この紙に書いてあることは、先ほど言いましたように、会費等は博友会には入金が一切ないということなんです。つまり、会費として集めているものが全部十一区の寄附に変わっているということを認めているんじゃないですか。

下村国務大臣 誠実にお答えしますから、臆測だけで……(大西(健)委員「臆測じゃなくて、紙に書いてある」と呼ぶ)いやいや、誠実にちゃんと答えます。

 まず、なぜ今回こういうペーパーを出したのかというのは、毎年この時期に、つまり二月の時期に、全国の代表者の方々に集まっていただいています。別に今回だけじゃありません。なぜ集まっていただいているかというのは、これは、年間スケジュールを決めるということと、それから、私の方でいろいろな政治の、あるいは教育の話をさせていただくということでやります。それで、年間スケジュールを決めます。

 なぜ今回こういう資料をつくったか。初めてなんですけれども、それは、昨年の十二月から写真週刊誌等で、地方でやっている博友会があたかも政治資金集めのような形で、そこで物すごいお金を集めて、そして、何か表に出さないで下村に水面下で金を出しているような、臆測されるような記事が書かれたものですから、これについて何人かの方々から、また今回いろいろなメディアからの取材がありましたから、そのことについてどうしようという話があった中で、私の事務所として整理してまとめたものでございます。それが、今御指摘があった、各博友会後援会の位置づけと講演会開催についてということでございます。

 この中で、いろいろな方々がいろいろな提案をされてきた中で、私の方の榮が聞いて、現状は、今、各博友会後援会は、届け出団体である博友会の下部組織ではない、それぞれ任意団体としてある、しかし、その結果、課題として、マスコミからの問い合わせで、各博友会講演会の開催は博友会の主催だと誤解を受けるとか、あるいは、今言われていましたが、収支報告が記載されていないので、虚偽記載とか迂回献金等の疑いを受けるということがあるので、改善をする必要があるのではないかと。

 疑いがあるというのは、実際は事実ではないんですよね、疑いがあるから改善する必要があるんじゃないかと。その改善案として、一と二と三を、皆さんから出た中で榮秘書官がまとめたものであります。

 その改善一として、任意団体ではなくて、博友会、東京の博友会の下部組織に入れて、年に一回やる講演会もちゃんと収支報告書を博友会の方に下部組織の博友会として届け出る、そういう案に例えばしたらどうかとか、あるいは、そもそもそれぞれの任意の博友会を政治団体で届け出たらどうかとか、それからもう一つは、任意団体だから、私が行くときに、何々制作委員会のように、そのときだけの会として、大臣はそのときに呼ばれて、講師というような形にしたらいいかというような案を三つつくった中で、最終的には、先日の会合の中で、改善案一で、つまり、東京の博友会の下部組織のような形で、それぞれ年に一回やる講演会はちゃんと収支報告を届け出る、博友会といった中でですね。そういうふうなことにしましょうというのが大体決まりつつあったんですが、そのたたき台としてつくったものでございます。

 ですから、そういうふうな、先ほどの指摘は全く当たりません。

 もう一つだけ。全国博友会後援会の御協力内容、これについても御指摘されていましたから。

 各地で開催される博友会というのは、まさにこのピンクでやっているこのままなんですね。この下の年会費とか、博友会セミナー、これは東京の博友会セミナーです。それから清和政策研究会パーティー、これは私が所属している派閥グループです。これについては、色がなぜ違っているかというのは、それぞれの任意博友会に所属している方々が個人でそれぞれ御協力をしていただきたいということでの項目として、わざわざ分けているわけです。

 ですから、任意博友会は後援をしていただいている。それぞれについては、それぞれの任意博友会に所属している方々が個々に、御協力していただける方が御協力していただきたい。

 この中で年会費というのは寄附のことなんですが、今まで任意の博友会の方々が年会費という言い方をしていたものですから、とりあえずあれですけれども、これは寄附であります。

大西(健)委員 今の説明というのは何かもっともらしいんですけれども、まさに今、年会費は寄附だと御自身でお認めになっているし、それから、まさに政治団体として受け取られかねないということを認められているから、この対策をするためのペーパーを配っているわけですよね。

 この八枚の文書というのは、全部見ると、年間のスケジュールの調整を下村事務所が中心になってやっているんです。前、下村大臣が言われたとおりに、それぞれの博友会は、どこで何をやっているか、横はわからないわけですよ。榮秘書官だけがわかっていて、全体をコントロールしているわけです。

 それから、会費の徴収というのはまさに会の運営そのものでありますけれども、ここに下村事務所が深く関与していることを証明する、これは動かぬ証拠だというふうに思います。

 それから、全国博友会が、パーティー券購入等の資金集めを初めとして、一体となって下村大臣の活動を支援する組織的、継続的な活動を行っている団体、これは政治資金規正法上の政治団体にほかならないわけです。ですから、これはやはり届け出をしていなければ、届け出義務違反になるんです。だからこそ、先ほど大臣がお示しになったこの二ページ目の紙に、ここにまさに政治団体として届け出しなきゃいけないんじゃないかという改善案が書かれているわけです。

 何でこんなことを言うかというと、政治団体として届け出もしないで、収支報告書も出さなくていいということになれば、みんなそうしますよ。みんな任意団体でやれば、補助金を受けている企業からの献金だって、外国人献金だって、全部任意団体を通してやればいい、そういうことになっちゃうじゃないですか。

 そうしないために、政治資金規正法というのは、下村大臣を応援して組織的、継続的に活動している団体ならば、それは政治団体としてしっかり登録をしなさい、そして収支報告書をちゃんと提出してください、これが政治資金収支報告書が求めるところなんです。それをやっていなければ、これは届け出義務違反ということだというふうに思います。

 そして、政治団体にしないとまずいと言われるのをまずいとわかっていながら、確信犯でこれまでこの会を運営してきたというのは、大臣、私はこれは非常に悪質だというふうに思っております。

 もう一つ、午前中の質疑の中にもありましたけれども、先ほど大臣が示されたこの紙の中に、講演料としての報酬はもらう場合はあると書いてあるんですね。

 これは午前中の質疑でも指摘をされて、いや、これは外部講師を呼んだ場合に講演料を払う場合があるので、そのことを言っているんだと言われましたけれども、講演料として報酬を払う場合はあるならわかりますよ。もらう場合はあるというのは、これはもらうのは、主体は下村大臣じゃないんですか。ですから、私は、これはやはり下村大臣がもらうということを、これは下村大臣の秘書の榮秘書官が書いているわけですから、だから、払う場合があると書いてあるならわかるけれども、もらう場合はある。まさに、外部講師に払う場合はあるというのは、それは詭弁じゃないかというふうに思います。

 そもそも、この二ページには、まさに先ほど来申し上げているように、収支報告書には各講演会収支を載せていないとか、会費等、博友会には入金が一切ないという問題点が書かれてあって、課題として、マスコミから、収支報告が記載されていないので、虚偽記載じゃないかとか、迂回献金等の疑いを受けるというふうに言われるので、だから、どうしようといって対策を講じる紙なんですよ。だから、わかっていてやっているんじゃないんですか。確信犯で今までやってこられたんじゃないんですか。

下村国務大臣 そもそも、何か偽装報告とか、あるいは迂回献金があるかのような前提ですけれども、それは全くありません。ただ、ないのにもかかわらず書かれているので、これは任意の博友会の方々にも迷惑をかけることになりますし、また、そういう方々に取材も行っているようですから、整理をした方が結果的にはいいのではないかということで。

 別に、もともと、今申し上げた、偽装記載とか迂回献金をしているわけではないということはまず明確に申し上げたいと思うんですね。

 それから、委員がつくられたのも、これは明らかに間違いなんです、先ほどの資料ですね。

 これは、下村大臣の答弁として、博友会に所属しているA、B、C、D、E、Fさんに対して、先ほどのように、寄附をお願いしている、それで寄附をしていただいた。これは私が申し上げているとおりで、そのとおりの表ですね。これと同じなんですよ、こちらの方が。

 これは、博友会の会員はそうじゃないとおっしゃっているということを書かれたんでしょうけれども、それぞれの任意博友会から実際に東京第十一選挙区支部に寄附をもらったことは全くありません。これは調べてもらえばすぐわかります。(大西(健)委員「そういうことを聞いているんじゃないです」と呼ぶ)いやいや、そうじゃないですか、これは、表としては。(大西(健)委員「博友会に寄附したら、それがいつの間にか十一支部に行っている」と呼ぶ)いやいや、だから、博友会からそのまま寄附は、ありません。

大島委員長 質問者は委員長の許可を受けてから質問しなさい。

下村国務大臣 まだお答えしていません。

 それから、現状の中で、講師料の話がありました。

 これは、今までも申し上げておりますが、講師料はいただいておりません。ここに書いてあるのは、今後のことも含めてですが、講師料として、これは、任意の博友会が私以外を講師で呼んで開く場合があります。そういうふうに、外部の講師が報酬をもらう場合があるということでありまして、これは詭弁ではありません。

大西(健)委員 私は、ちょっと図が誤解を受けるかもしれませんが、博友会が十一支部に寄附するなんて言っていないんです。皆さんは博友会に会費を払ったつもりなのが、いつの間にかそれが寄附になっているのを描こうと思ったんですけれども、これがそう伝わっていないのだったらそれは謝りますけれども、そうなっているじゃないですか。

 先ほども、五百九十九万八千円ですか、これが一致しているという話について何にも説明ができていないと思いますし、それから、先ほどお話ししたように、払う場合があるならわかりますけれども、もらう場合があるというのも、これは全く説明になっていないというふうに思います。

 それから、そもそも、講演料については、何度も申し上げていますけれども、鈴木文代さんは実名で、渡したと言っているわけです。鈴木文代さんは別に何の利害もないわけですよ。何でそんなことを言わなきゃいけないのか。それに対して、大臣はこれまで、勘違いじゃないかというふうに言われた。

 あるいは、私への五日の答弁で、鈴木さんについては、中部博友会の会長をされていた方だけれども、会長としての資質等に問題があって交代してもらったと言っていますけれども、そもそも中部博友会の会長でも何でもないんです。だから、何か勘違いされていると思いますし、鈴木さんは長年大臣を応援してこられた方ですから、私は、資質がなくて交代してもらったとか、ひどい中傷で、これは撤回して謝った方がいいというふうに思っています。

 私は、次の三点において、下村大臣はこれ以上職にとどまるべきじゃないと思います。

 第一点は、今言ったように、私が三点示したもの全て、法律にこういう形で違反しますよ、今の八枚のペーパーというのは、私は、まさに法律に違反をしている可能性がある、大臣の資格がないというふうに思います。

 二点目は、これまで言ってきたことと食い違う答弁がいっぱい出てきているんですよ。虚偽の答弁が繰り返されるなら、我々は国会審議をこれ以上やっても意味がない。

 それから、うそを繰り返し言われる、そういう方が文科大臣として教育を語る資格はないというふうに私は思います。

 大臣は、大変御苦労の末に現在の地位を築かれました。そして、そういう大臣を多くの皆さんが本当に一生懸命応援をしてこられたというふうに思います。ですから、私は、そういう人たちをこれ以上裏切ることはもうやめた方がいいというふうに思います。潔く身を引かれる、そういう御覚悟はありませんか。そうでなければ、私たちは参議院に行ってもこの問題をやらなきゃいけなくなるというふうに思いますが、いかがでしょうか。

大島委員長 下村大臣、冷静に。時間が来ておりますので、きちっとお話しください。

下村国務大臣 大西さん、お答えしたいんですけれども、いいですか。ちゃんと聞いてください。

 私は、一つ一つ誠実にお答えしたいと思っています。ですから、疑問点があれば一つ一つ出していただきたい。今みたいに誹謗中傷で一方的に、うそをついているとか、二転三転しているとか、言いたい放題のことを言われるのは国会審議にふさわしくないと思うんですね。私はちゃんとお答えします。

 先ほどの約六百万の寄附も、それは重なって当然です。それは寄附としてちゃんと届け出ているわけですから。逆に、それが違っていたらおかしいわけですね。ちゃんとそれは説明しています。説明し切れていないとかおっしゃっていましたけれども、ちゃんと説明しているので、ちゃんとそれをお聞きになってください。

大島委員長 大臣、そろそろ。

下村国務大臣 はい。

 私は、文部科学の責任者として、これからも日本の教育をさらによくし、一人一人にチャンス、可能性が提供されるような日本になるように全力で頑張りたいと思います。

大島委員長 これにて長妻君、細野君、大西君の質疑は終了いたしました。

 次に、江田憲司君。

江田(憲)委員 維新の党の江田憲司でございます。

 昨日、あの大震災から四年目の日を迎えまして、犠牲者となられた方々の追悼式典も催されました。総理も出席をされて復興への決意を述べられておられましたし、私も党の代表として出席をさせていただきました。

 特に、被災三県の遺族の方の御挨拶には非常に心動かされるものがございまして、いろいろな思いが胸を去来したわけですけれども、総理も恐らく、被災地に何度も足を運ばれ、今、復興の責任者としていろいろな思いが去来されたと思いますので、その一端をお伺いできればと思います。

安倍内閣総理大臣 いまだにたくさんの方々が不自由な生活を強いられている状況でありますし、復興は道半ばだろう、このように思っております。

 その中でも、我々は住まいとなりわいに力を入れてきたところでございますが、住まいについては、高台移転で九割、そして公営住宅で八割、事業に着手することができました。

 また、おくれておりました福島においても、常磐自動車道が全線開通をしたわけでございますし、やっと中間貯蔵施設の建設場所が決まり、今週から搬入が始まるわけでございますので、しっかりと除染を加速させながら、福島の復興を確かなものとしていきたいと思います。

 同時に、その中で、新たな生活が始まる方々も含め、あるいはまた、なかなかまだまだ見通しのない方々もいらっしゃいますので、心のケア、心身のケアにもしっかりと力を入れていきたいと思っています。そういう皆さんが何とか未来に希望が持てるように、しっかりと復興を加速させていきたいと考えています。

江田(憲)委員 総理は非常に、復興大臣も頑張っておられると思いますけれども、しかし、医食住といいますか、医という意味は医療の医ですけれども、仮設住宅の生活が長い方々を中心に、心を患っておられる方も多く出てこられ、自殺者もふえているという中で、やはりそういったケアも必要でしょうし、それから住の面では、災害公営住宅の建設が非常に立ちおくれている。食の面では、やはり被災地の、あの地域の一翼を担ってきた水産業とか食品加工業とか観光業とかを中心に、まだまだ再生とはほど遠い状況だと思います。

 復興もまだ道遠し、しかも原発事故も収束していないという中で、私は改めて思ったのは、特にこの原発事故に思いをいたしたときに、やはり自然への畏怖というか、自然への畏敬の念を私は抱かざるを得ませんでした。

 それはいろいろな立場があると思います。原発再稼働、原発推進、イエス、ノー、いろいろな立場があって、いろいろな理屈もあると思うんですね。

 ただ、私はこの問題について、限ってとは言いませんけれども、思うことは、これだけ人類が文明を築き上げて、特に日本は技術立国、技術大国として今世界第三位の経済大国になり、ただ、技術を幾らきわめても、しかも幾ら規制やマニュアルをつくっても、やはりそれを扱うのは人間だということだと思います。

 そういう中で、また、東電の福島第一では、雨水が排水路を伝わって海洋に出ていたりというような、それを隠していたというような問題も起こっていますよね。

 そうしたときに、総理も、従来の答弁では、原発再稼働、規制委員会で合格できたものは動かしていくんだということを述べられておりますけれども、本当に今、ああいう場面、悲惨なあの状況を思い浮かべたときに、いや、本当にそれでいいんだろうか、総理はそういう思いはおありにならないんでしょうか。

    〔委員長退席、金田委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 我々は、福島第一原発、あの過酷事故を経験したわけでございまして、その中で、我々も安全神話の中で政策を進めてきた、この反省の上に立って我々は今後エネルギー政策を進めていかなければならない、このように思います。

 と同時に、福島においては、確かに、復興がなかなか進んでこなかったという現実がございます。

 そこで、私たちは、徹底した省エネルギー、そしてまた再生可能エネルギーを最大限導入していく中において、原発依存度を低減させていきたいと考えております。

 同時に、原発が全てとまっている、これに伴い、燃料輸入の増大による電力料金の上昇は、国民生活や、あるいはまた中小・小規模事業者の皆さんにとって負担になりつつあるわけでございます。また、温室効果ガスの排出量は震災前に比べて大幅に増加をしているのも事実でございまして、この中で、我々は、国民の生活を守っていく、そしてなりわいを守っていくためにも、中小・小規模事業者の皆さんのまさに仕事を守っていく必要もあります。

 その中で、我々は、責任あるエネルギー政策を推進していく責任がある。そういう多くの方々に対しまして低廉で安定的なエネルギーの供給を確かなものとしていく責任がある中において、直ちに原発ゼロというわけにはいかないわけでございます。

 もちろん、我々は、安全第一で考えていかなければならない、これが原則でございますし、安全神話に寄りかからないという中において、まさに再稼働については、独立した規制委員会が世界で最も厳しいレベルの規制基準に適合すると認めた原発について、地元の理解を得ながら再稼働を進めていく、こういう考え方でございます。

江田(憲)委員 そういうお立場からの理屈としては、それは理屈としてあるとは思いますよ。

 ただ、私があえて申し上げたかったのは、そういう理屈は我々にもあって、そういう理屈を闘わせる前に、例えば、メルケル首相が先般来日されて、講演で語られたことは、やはり、ドイツも原発推進だったけれども、二二年度をもって原発はゼロにする、それはもうあの福島の事故です、あれほど高度な技術水準を持っていた日本ですらこういうことが起こるんだ、現実としては考えられないようなリスクがあるんだということを悟った、その結果、これは政治決断だと。

 政治決断という意味は、私は、理屈はいろいろあって困難もあるけれども、しかし、さっき私が申し上げましたように、メルケルさんがそこまで考えておられるかどうかわかりませんけれども、自然への畏怖とか畏敬の念とか、やはりそれに対する人間のひ弱さがあるとか、技術を扱うそういう人間力の弱さであるとか、そういったものを兼ね合わせて政治決断をされたと思うんですね、総理大臣として。

 ですから、今、安倍総理がおっしゃったこと、私も昔、若いころは原発行政をやっていました、資源エネルギー庁で直接。ですから、私にも原発推進の責任はありますよ。それから、そういう理屈があることも当然私はよく理解できます。

 しかし、安倍総理、これだけ熱心に復興に取り組んでおられる総理として、例えば、また同じ答えが返ってきてもしようがないのであれですけれども、メルケル首相の政治判断というのは、ドイツと日本はいろいろな状況も違う、わかりますよ、それから立場もあるので。ああいう政治決断については、総理はどう思われますか。

安倍内閣総理大臣 メルケル首相の政治決断について私はコメントする立場にはございませんが、しかし、それはもう江田委員も重々承知の上質問しておられるんでしょうけれども、ドイツの置かれている状況と日本の置かれている状況は違うわけでございます。

 現実に今、ドイツも、一七、八%、いわば原発を実際に稼働していて、それに頼っていて、一方、日本はゼロということに、いきなりゼロになっているという状況がまずあるという前提の上に、ドイツにおいては、まさにEUで電力のネットワークがあるわけでございまして、ドイツは、もし不足するという状況があれば、ここからまさに買ってくることができるわけでありますが、日本は残念ながらそれはできないという状況があるということであります。

 同時に、我々は、中東に多くの石油、ガスを頼っているという状況、地政学的リスクを背負いながら、今、エネルギー政策を進めていかなければならないということでありますから、その判断を進めていく前提条件は違うということを考えなければいけない、このように思っております。

江田(憲)委員 確かに電気料金は、震災後、産業向けと一般国民向けと違いますけれども、二割、三割上がっていますけれども、どの世論調査をやってみても、国民の皆さんの過半数は原発再稼働反対なんですよ。反対なんですよ。

 私なりにそれを解釈すると、国民の皆さんは、多少の経済的負担は上がっていい、電気料金も上がっていいから、原発をゼロにしてくれ、こういう思いじゃないかと私は思うんですね。

 そういう中で、我々の立場からいうと、一番重大な問題は核のごみの処理ですよ。

 今、燃料貯蔵プール、あきを調べてみましても、原発がどんどん再稼働していくと、燃料貯蔵プールに使用済み核燃料を保存できる期間というのは、大体、もう十年を切って、数年ペースでいっぱい、満杯になるわけですよね。加えて、最終処分場は決まっていないわけですよ。ですから、トイレのないマンションといいますけれども。

 そういう中で、本当に目をつぶって、えいやとやっていいのか。使用済み核燃料があふれ返ることが容易に想定されるのに、本当に動かしていいのか。

 ましてや、こういった、まだ原発は全く収束されていない。廃炉の見通しも立っていないどころか、あのサイトの中にある核燃料の搬出もどんどん先送りされている。目標年度を二年、三年、四年延期しているような状況ですよ。デブリと言われている、もう溶けて固まった核燃料に至っては、十年以上先にやっと取り出せるかどうかみたいな状況でしょう。

 そうした中で、なぜ、国民の過半数が反対し、これだけ悲惨な経験をし、そして、やはり核のごみの問題、それから避難計画の問題。

 これはもう、技術はやはり一〇〇%安全じゃありません。どんなに手を尽くしても事故は起こり得る。その事故が起こったときに、減災というか避難もしっかりしていくというのが大事なのに、その避難計画ですら原子力規制委員会の審査対象に入っていない。避難計画は作成されたけれども、実際問題、避難計画に基づいてちゃんと訓練したんでしょうか。実際、ワーカブルなんでしょうか。そういったことをちゃんと検証もしていないじゃありませんか。

 そういう中でまた再稼働して、万々が一事故が起こったときに一体誰が責任を持つのか。それは、済みませんでしたと頭をかいては済まないわけですね。

 こういったことを全部総合的に考えて判断されるのが一国の総理大臣だと私は思いましたので、同じような答えが返ってくるのならもう要りませんけれども、何か総理、最後、一言あるのであればおっしゃってください。

    〔金田委員長代理退席、委員長着席〕

安倍内閣総理大臣 使用済み核燃料の問題については、確かにその問題はあります。

 しかし、現在も、いわば再稼働をやめたからといって使用済み核燃料は存在をするわけでありますから、その問題から逃れるわけにはいかないわけでありまして、まさにその問題に我々はチャレンジしたい、使用済み核燃料をどうするかという問題については、まさに日本の技術を結集していきたい、世界の知見を集めていきたい、こう考えているところでございます。

 また、避難計画につきましても、安倍政権になってから、国がしっかりと前面に出て避難計画をつくることとしました。もちろん、地域のことをよく知っている地方自治体がつくっていくということは当然なんですが、人員を派遣して、しっかりとつくっていくお手伝いをし、そして、基本的には、まさに私が議長を務める場所で責任を持って決めていくということにしました。

 そして、それをさらに緻密なものにしたわけでございまして、一体どこにどういう方々がおられるか、介護を必要としている方々はどこにいるのか、施設には何名ぐらいがおられて、どういう補助が必要なのかどうかということもしっかりと決めました。そして、移動する際の車両等の対応等についても、かなり緻密に決めてきた。

 もちろん、これがパーフェクト、避難計画がパーフェクトだと思うつもりは全くありません。常に、さらにもっといいものをつくっていくために努力を重ねていきたい、このように思っております。

江田(憲)委員 今、使用済み核燃料があるから、まだ出してもいいだろうという話には絶対私はならないと思いますね。

 畑村さんという元政府事故調・検証委員会の委員長の方も言っておられるように、当時の提言は全く実行されていない、検証も不十分だ、避難計画というのなら、避難のシミュレーションだけじゃなくて、実際避難訓練をしてみて、本当にワーカブルかどうか確認すべきだ。そのとおりだと思いますね。

 本当に、そういう中で、これ以上言っても、もう立場が違います。ですから、そういう意味での総理の御見識をお聞きしたかったんですが、残念ですが平行線です。

 我々は、いずれにせよ、省エネ、再エネは徹底的に促進をしていく。我々も、すぐ新エネがベースロードなんかになるとは思っていませんから、そこはつなぎ電源で、天然ガスやLNGのコンバインドサイクル、高効率な、そういったものにつないでいく。CO2の問題は当然ありますので、今、CCSと言われている、CO2を空気中に排出される前に捕まえて貯留するような技術を持ったものも、もうアメリカでは実証、実行されているわけです。

 そういったものを組み合わせて、そして一方では電力の自由化を進めていけば、どんどん原発というのは、私は安くもないと思っていますから、従来、入れていなかった廃炉費用とか損害賠償の費用とか、いろいろな本来入れるべき費用を入れていなくて安い安いと言ってきた歴史があるわけで、そういうものを入れていけば、もうどこまで広がるかわからない。これは除染費用だってまだわからないわけでしょう、損害賠償の全体の額だってまだわからない中で、原発のコストなんて計算できるはずがないんですよ。

 そういう中で、まだ原発は安いからどうしたこうしたなんて言ってずっとそれにすがっていても日本のエネルギーの将来は開けないと思いますから、そこはこれ以上はもう申し上げませんけれども、我々は、そういう形で、将来、原発はゼロにしていく、原発フェードアウトという言葉を使っているのも、電力自由化と兼ね合わせて、自然に市場はもう原発は選択しなくなるだろうという前提のもとに、しっかり原発促進施策はやめていくということでございます。

 さて、竹下復興大臣にお聞きしますが、先般、今後の復興のあり方について、全額国庫負担ではなくて、一部、被災自治体にも負担してもらうようなことも考えているという御発言をされましたけれども、その御真意をここで御説明いただきたいと思います。

竹下国務大臣 江田委員御承知のとおり、今、現時点での復興は、被災地の財政力ではとてもあの大規模な復興はできないということ、あるいは、広いエリアが被災したといったようなことを勘案して、異例中の異例の措置として、事実上全額国庫負担でやっておるということは御承知のとおりでございます。

 私どもは、この十日に、安倍総理から、今後の五年間、集中復興期間が終わった後の五年間を、いわば一固まりのものとして考えなさい、復興のあり方、あるいはその財源も含めて考えなさいという御指示をいただきまして、これからその作業に入ろうといたしておるところでございます。

 復興の大きな目的を言いますと、私は、自立であろう、こう思っておるわけであります。お一人お一人の被災者の人生でありますので、きちっと自立していただくために支援をするのが、被災者に対する復興支援であります。

 また、市町村についても、あるいは県についても、町の事情を一番よく知っている俺たちがちゃんとやるんだという気概みたいなものをしっかり示す、自立の思いを持って復興に立ち向かってもらうというのは非常に大事なことだ、こう考えておりますので、今後、地元の負担をどうするかといったようなことについても議論を進めようと思っております。

 ただ、復興の基幹的な事業、高台を切るとか家を建てるとか防潮堤をつくるとか、あるいは原子力災害に関するさまざまな事業については、これまでどおり、これは国が全額を見てやっていかなければならない課題だ、このように考えております。

江田(憲)委員 総理は、会見されたのは昨日ですか、おとといですね、集中復興期間の後の、今度、五年間の新しい計画ですか、そういうものを夏までに策定されるんだというふうにおっしゃいました。

 私は、それはそれでいいと思いますけれども、しかし、これまでの復旧復興対策について、やはりここで、その前に総括をすべきだと思うんですね。その辺の言及がなかったように思われるんですが、総理、当然のこととして、次の五年間の計画を立てる前にこれまでの総括というものをやられる、その総括の点についてはいかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 この総括については、既に竹下大臣からお話をさせていただいていると思いますが、来年の三月に最初の五年間の集中復興期間が終わるわけでございますが、次の五年間に向けて計画をつくっていく上において、当然、今までの復興についてしっかりと総括をしていく必要があるだろう、このように思います。

 次の五年間の新たな復興支援の枠組みを、平成二十八年度予算の概算要求に向けた作業に十分間に合うように、内閣の総力を結集して策定作業に当たることを一昨日指示したところでありますが、これに当たりまして、復興大臣を中心として、これまでの我々の取り組みの総括に取りかかってもらうこととしておりまして、その中で、さまざまな課題があるのは当然のことでありまして、しっかりと検証をしていきたい、このように考えております。

江田(憲)委員 それで、一つの視点として、これまで二十五兆円もの国費を投入してまいりましたよね。ただ、これは明らかになっていますけれども、その二十五兆円のうち、不用額が三兆円、繰越額が二兆円で、要は、二十五兆円中、五兆円は使われていないわけですよ。

 加えて、会計検査院長にきょう来ていただいていますが、その五兆円の不用、繰越額以外に、残った二十兆円の中でもさらに執行されていない部分があるという検査結果が出ているようでございますけれども、その結果について端的にお答えください。

河戸会計検査院長 会計検査院は、東日本大震災からの復興等に対する事業に関して、平成二十四年八月に参議院から国会法第百五条の規定による要請を受けて、検査を実施し、その結果について、二十四年十月に第一回目、二十五年十月に二回目、本年三月に三回目の報告を行っているところでございます。

 本年三月の報告では、二十三年度から二十五年度に計上された復興予算二十五・一兆円のうち、支出済み額が二十・一兆円であり、繰越額が一・九兆円、不用額が三兆円であったことを記述しております。

 そして、支出済み額二十・一兆円について見ますと、復興関連基金に係る分は三・四兆円であり、残額として一・八兆円が基金に保有されており、また、東北三県の地方公共団体に設置造成された復興交付金基金は一・九兆円であり、残額として一・四兆円が基金に保有されていたものでございます。

江田(憲)委員 したがいまして、二十五兆円のうち五兆円は繰越、不用額、二十兆円執行されたと言われているけれども、中身を見ると、今おっしゃったように、自治体関連の基金のところに一・八兆、復興交付金絡みで一・四兆、合わせて三・二兆円ものお金がまだ未執行だ。となると、二十五兆円のうち、八・二兆円もの、これは血税ですけれども、復興増税までして、郵政株も売却し、決算剰余金も使い、ありとあらゆる知恵、財源を絞ってやった貴重なお金のうち、八・二兆円がまだ使われていないんですよ。これはいろいろな事情があると思いますけれども。

 それで、復興大臣、復興大臣としてもう一つ答えていただきたいのは、加えて、いろいろなメディアで指摘されているように、執行されているけれども流用されている、被災地以外に流用されているということもあるわけですけれども、これも、復興庁が調査をされて結果を出されているというので、ちょっと報告をしていただけませんでしょうか。

竹下国務大臣 まず、流用の問題あるいは全国防災という形で使われた部分というのは、これまで、前政権のときと我々の政権になってからと二回、それをやめようという議論を煮詰めまして、これからはそういうことはやってはいけないと。

 基準は幾つかありますけれども、これは細かい話ですので省かせていただきますが、全国防災についてもやめよう。あるいは、既に支出して基金で積んでいる部分でも、もう一回精査をして、さらに返してもらうというような形で、二回にわたって、復興庁が使ってきた予算の中で見直しを行ってきたことは事実でございまして、今後このようなことは絶対起こしてはいけない、このように決意をいたしております。これが第一点。

 それからもう一つは、先ほどおっしゃいましたが、八・数兆円の使われていないお金があるということでございます。

 一つは繰越額の一兆九千億、ほぼ二兆円。会計検査院から指摘を受けておりますが、まさにこれは繰り越しで、二十五年度以降に今まさに使われておるお金でございます。それから不用額、これが三兆円。このうちの一番大きいのが、二兆二千億は、二十三年度の一般会計の不用額でございまして、そのまま復興特会の中で新たな財源として今は使用をされておる、使用されつつあるというものでございます。

 それから、基金の状況、これが多少ややこしい話になりますが、一つは交付金でございます。これは、事業の計画を各市町村、県に立てていただきまして、いわばその執行に支障がないように前渡しで、前もって前もってお渡しをして、その地方に基金として積んでいただいて事業の執行に充てていただいておるものでございまして、この検査の当時は相当執行率が低かったわけでありますが、今は、この交付金の部分については、七割ぐらいは既にもう事業計画が決まって、執行が確定をいたしておるものでございます。

 さらには、国が直接積んでおる基金といったようなものもございますが、これも事業の内容をほぼ決めて、そのために積んでおるものでございまして、これ以降、執行率はどんどん上がってきておることは事実でございます。まだ一〇〇%使い切っておるわけではございませんが、相当執行率は上がっております。

江田(憲)委員 ぜひちゃんと執行してほしいと思うんですけれども、ただ、そうはいっても、そういう二十五兆円というお金の、かなりの、兆円単位のものが使われずにいるということは、やはりこれは、総理、どうしてこういうことが起こったのか、しっかり検証していただいて、総括をしていただく。

 その前に、私は、このぐらいの巨額のお金がまだ未執行だ、繰り越しだ、不用だとなっているときに、自治体に一部財政負担してくれよみたいなことを今の段階でおっしゃるというのが、大体、僕は神経が信じられませんね。びっくりしたと思いますね、被災三県の皆さん。県レベルならいざ知らず、被災自治体には小さな市町村が多くて、震災前なら通常予算が年間数十億みたいなところが、もう一千億まで膨れ上がって、その一部負担だといって、例えば一割負担だといって百億だといったって、それだけでまたパンクするわけでしょう。

 これはお金の問題ですからね。やはりこういうことをしっかり検証して総括した上で物はおっしゃらないと、せっかく日々こうやって一生懸命頑張っておられる被災自治体や被災民の方にいたずらに不安を及ぼすというふうに僕は思います。

 さらに、ちょっと先ほどおっしゃらなかったけれども、執行されている中でも、もう既に明らかになっているものだけで、例えば二十四年には、会計検査院が復興関係の予算を洗ってみたら、三百二十六事業で一・三兆円もの流用があるわけですね。これは何だというと、霞が関の耐震工事だ、税務署の耐震工事だ、職業訓練だ、調査捕鯨だ、企業の立地補助金だと、本当にむちゃくちゃな使い方をしているわけですよ。

 二十五年、これはもう安倍政権になってからですよ。復興基金、これも一・二兆円ぐらい、やれ、どこかの被災地以外の林道整備だ、就職活動支援だ、そういうところに使われているわけですね。

 ですから、本当に申し上げたいことは、これははっきり申し上げますと、被災地のニーズに合っていないんですよ。それは、いろいろありますよ、その進捗率。例えば、災害公営住宅でいえば、地権者との関係もあるし、資材も高騰している、資材不足だ、人件費も高騰している。それは、私は、安倍政権になって公共事業をばらまいている一つの効果だと思いますけれどもね。

 そういう中でなかなか進捗しない事情もあるけれども、しかし、それ以外でもこれだけの巨額のお金が不適切に使われていたり、使われていなかったりするということは、安倍総理、これはもうしっかり総括されるとおっしゃいましたので、総括してください。ぜひ前向きな答弁をお願いします。

安倍内閣総理大臣 今、江田委員が御指摘になった点も含めて総括をしていきたいと考えております。

江田(憲)委員 ぜひ総理、そのときに、今度、次の五年間を策定するときに、こういうことが起こらないためには、やはり被災自治体にもっと自由な交付金を上げてください。自由な交付金をもらうと無駄遣いしませんよ。必死で考えてアイデアを出して、その被災地に独自のいろいろな再生策を考えますよ。そこに入れていく。もう一円たりとも無駄にしません。

 ですから、私は前の党にいたときから復興庁には反対で、被災自治体にどんどんどんどん権限、財源をおろせばいいじゃないか、復興庁を置くのなら被災地に置いて、そこで権限、財源を一括して計上してやればいいじゃないかと。もっと言えば、今度の五年間は、復興大臣、今、七百人ぐらいのうち四百人ぐらいが現地にいらっしゃるわけでしょう、支局で。その現地にいらっしゃる職員は、もう被災自治体の県庁だとか役場に入ってもらって、机を並べてもらって、それでやるぐらいのことをやらないと、これだけ血税を使って、また無駄遣いされる、流用される、使い残しになる、こういうことも考えられますから。

 これは、私は何も与党だ野党だ言っているわけじゃないので、ぜひこういったことも取り入れていただけませんか。よろしくお願いします、安倍総理。

安倍内閣総理大臣 確かにこの問題に与党も野党もないと思いますし、いいアイデアであれば我々はどんどん取り入れていきたい、このように思います。

 今おっしゃった、どのように総括していくかということでありますが、集中復興期間内に、復興への取り組みがどこまで進むかの把握や、これまでの支援のあり方をレビューする作業をした上で、集中復興期間以降にどのような課題が残されており、どのような事業を行っていくべきかをしっかりと整理していくわけであります。

 今御提案をいただいた新たな使い勝手のいい交付金についてでございますが、平成二十八年度以降の復興支援の枠組みを示すために、いずれにいたしましてもこれまでの総括をしっかり行うことが重要であるというふうに考えているわけでございまして、その中でさまざまな課題についてしっかりと検討していきたい、このように思います。

江田(憲)委員 そういう意味では与野党ございませんので、しっかり総括をした上で、やはり次の五年間の復興、真の意味での復興になる計画というものをぜひ立てていただきたいと思います。

 それでは、次に移ります。

 格差問題というか、社会保障の問題でもあるんですけれども、残念ながら、消費増税が先送りされた結果、安倍政権の判断として、このパネルに掲げている低所得者、低年金者への施策が先送りされてしまいました。これは、額にして、通年ベースでいうと、来年度予算、本来は増税していれば計上する予定だった与党の考え方というか政府の考え方でいくと、全部で二千二百億円ぐらいの予算額だった。これを通年にならしますと、一六年度は、七千三百億円ぐらいの財源があれば、ここに書いたような、低年金者への月五千円の給付金であるとか、年金保険料納付期間、御存じのように二十五年を十年に短縮する施策であるとか、これは一部、今回、二百二十一億円だけ、一部計上されましたけれども、本来は千四百億円ぐらいあれば低所得者の介護保険料の軽減もできたんですね、総理。

 アベノミクス、我々、基本的な方向は賛成だと代表質問でも私は申し上げましたけれども、やはり足りないのは、アベノミクスの成果を、果実を国民各界各層に均てんしていくというか、利益を及ぼしていくということが大事だと思うんですね。その意味が一つ。

 それから、やはり格差是正という観点からも、こうした低所得者、低年金者への支援策というのは最優先課題で、何はともあれ財源をひねり出してやるべきだったと私は思うんですね。

 それで、これも財源なしに言っていたら野党としても責任ありませんので、ちなみに例として挙げると、この財源として、先ほどもちょっと触れましたけれども、公共事業。これは年間、決算ベースで十兆円なんですよね。

 これは財務省の資料ですから、正確な資料でございます。

 要は、本予算だけじゃなくて、この数年間ずっと、これを見ると、本予算、補正予算、それから予備費の公共事業に充てる充当、そんなものをやってくると、二十三年度九・七兆、二十四年度十・一兆、二十五年度十・二、二十六年度はまだ年度途中ですから七・七、予算現額しかやっていませんけれども、これはごらんになっていただくとわかるように、繰り越しは三兆、三・八兆、一・九兆、不用額は〇・八、〇・六、〇・三、これを合わせると大体二兆を超えて四兆円ぐらいのお金が、毎年、公共事業で積んでいるのに、使われずに未消化でいるわけですよ。二十六年度も七・七で、これを前年度の繰越額に足すと九・六兆円になるんですよ。だから、大体十兆円規模で公共事業を。

 ですから、ここにこんなに、二兆も三兆も四兆もお金を残す余裕があるのなら、何で、さっき出していただいた七千三百億円、通年ベースでのお金が出ないのか。来年度に限って言えば二千二百億円あればよかったのに、こういう人たちにちゃんとアベノミクスの成果が均てんされるのに、何でやられないのか。

 追加して言うと、これはおびただしい基金が今ありますね、我が党の同僚議員も追及しましたけれども。これは政府の公式資料ですけれども、こういったおびただしい基金に、私はブタ積みと言っていて、要は、貴重な税金が積まれているだけで全く使われない状態を私はブタ積みとよく言うんですけれども、ブタ積みで、返納見込みだと。これは一五年度、来年度、三千億円もあるんですよ、三千億円も。これは政府の公式見解。

 それから、特別会計。

 これも労働保険だけとってみても、これは一般会計から繰り入れているんです、千四百五十億円も。繰り入れているんですけれども、この前、松野議員がやったように、労働保険特会を見てみると、これは積立金が十三・六兆円もあって、労災勘定はよしとしましょう、労災勘定もこれはいろいろ議論があるんですけれども、労災勘定じゃなくて雇用勘定だけ見ても、六兆円近い積立金がある。それから、労働保険特会の貸借対照表を見ると、資産・負債差額が七兆円以上に上っているんですよ。

 まず、これは基本的に保険の設計がなっていない。要は保険料率の設定が高過ぎる。保険数理が働いていないんです。

 雇用勘定というのは雇用保険なんですけれども、保険数理が、やっていないんですよ、ろくでもないやり方しかやっていない。生保や損保がやっているような民間のやり方をやっていない。

 その結果、こういういいかげんなやり方で、これだけ積み上がっていて、しかも、こんなに一般会計はきつきつでやっているのに、まさにおかゆをすすっている状態なのに、わざわざ、おかゆをすすっている人がすき焼きを食っている人に千四百五十億円上げているわけですね。これは一端です。

 ですから、総理、まさに総理がやられることは、予算編成の細かいことは財務大臣に任せて、財務省に任せて、まさに総理大臣が目配りするべきことは、こういった低所得者であるとか低年金者への思いやり、配慮、アベノミクスの成果を本当に及ぼさないかぬ。そういう思いは総理もお持ちだと思いますね。格差もなるべく小さい方がいいに決まっているわけですね。だから、そういう意味でのこの施策というのをどうして先送りされたのか、ちょっと総理の御見解をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 まず、基本的な考え方でありますが、ここは残念ながら維新とは考え方が違うところでございますが、我々自民党、そして当時政権にあった民主党と、公明党とともに、税と社会保障の一体改革を進めていこうということで合意をしたわけでございます。今御指摘になった年金関係の措置や低所得者の介護保険料の軽減等でありますが、いずれも、消費税率引き上げによる社会保障の充実の一環として行っていくということを決めたわけでございまして、社会保障制度については、給付と負担のバランスをとって持続可能なものとしていくというのが基本的な考え方であります。

 このため、平成二十七年度予算では、消費税増収分を活用した社会保障の充実について、施策の優先順位をつけたわけでございまして、しかし、その中にあっても、当初は消費税引き上げ時に行う予定でありました子ども・子育て支援新制度については、それは予定どおり、財源のめどをつけまして施行することにしたわけでありますし、地域包括ケアシステムの構築に向けたさらなる取り組みや認知症施策の推進、難病対策などを優先的に実施してきたわけでございます。

 一方、限られた財源の中においてこれらの対応を行うため、低年金生活者への福祉的給付や年金の受給資格期間の短縮について、法律の規定どおり、消費税率一〇%への引き上げ時に実施するということに加えまして、低所得者の介護保険料の軽減については二段階に分けて実施することとしておりまして、本年四月に特に所得の低い方々を対象に一部実施をしまして、消費税率一〇%引き上げ時に完全実施する、これは二段階方式にしたわけでございます。

 その中におきましても、もちろん、我々日本の社会保障制度は、自助を基本としながら共助と公助を適切に組み合わせていくというのが我々の基本的な考え方でありますが、政府としては、さらに子育て中の世帯や就労しようとする若者などへの支援も強化をしております。こうしたものを通じて、安定した生活を営むことができる環境づくりをさらに進めていくこととしていきたい、こう思っております。

 また、例えば高額療養費制度については、中低所得者の自己負担限度額の引き下げを行ったり、そういうことも行っているところでございます。

江田(憲)委員 安倍政権でやられていることはやられていると思います。それは否定しません。

 ただ、この程度の、まさに社会保障と税の一体改革とおっしゃるのであれば、まさにこの低所得者、低年金者というのは、一番底辺と言うのは失礼ですけれども、そういう人たちを本当に支援してあげないと、格差社会が、本当にどんどんどんどん格差が広がっていくわけですからね。まさに優先順位として、これはやはり、この程度の額ですから、なぜやられなかったと思います。

 それから、ここは維新の党と安倍総理とは見解が違いますけれども、安倍総理は、必ず一七年四月から、消費増税、一〇%に上げるとおっしゃっているわけですよ。そうすると、つなぎ財源を手当てすればいいだけの話なんです。だから、ここで言うように、一五年度は二千二百億円、一六年度は七千三百億円を工面してくれば、安倍総理は一七年四月から上げると言っているんだから、そこからつなげるわけですよ。

 ですから、もうこれ以上言いませんけれども、何でこの程度のことが、誰が反対したのか知りませんけれども、総理大臣のリーダーシップでできなかったのか、私は残念でなりません。

 時間もありますから次に行きますけれども、我々、正規、非正規の問題もいろいろ深刻な問題を抱えていると思います。ただ、非正規を望む方もいらっしゃるわけで、そういう中で、働き方の多様性を認めていくという方向性については賛成です。それから、雇用の流動性を図っていくということも賛成ですが、ただ、一点、条件があります。それは、働き方の多様性を認めるのなら、働く者の立場もしっかり守ってあげなければなりませんし、雇用の流動性を促進していくのであれば、しっかりセーフティーネットを張らないかぬ。これはもう表裏一体だと維新の党は考えております。

 そういう中で、非正規、正規の問題でいえば、よくこの場でも議論させていただきましたけれども、同一労働同一賃金の原則、正規であっても非正規であっても、同じ仕事をすれば同じ待遇を受けられる、賃金を中心に。こういったことがまだ実現されていない。また労働者派遣法の審議がされると思いますけれども、派遣労働者に対しては均衡待遇の配慮義務しかない。一方、パートであるとか有期雇用については、法律上、均等待遇、均衡待遇というのが義務づけられておりますよね。

 だから、そういう意味で、安倍総理は、こういった同一労働同一賃金の考え方自体は重要な考え方だという答弁をされておられます。塩崎大臣も、ただ、そこには克服すべき問題があるんだとおっしゃられております。それは我々も認識しています。やはり、日本の雇用慣行において、アメリカとか欧米のように、ジョブディスクリプションといって、職務の内容をきちっと雇用契約で書き込んでいるというのとはほど遠いような実態があるのはわかっていますから。

 ただ、それを、克服すべき問題があるんだでとまっていたら全く実態は改善されないので、我々維新の党が提案しているのは、基本法、理念法ぐらいは、総理、ぜひこの格差是正のためにも、非正規の方もしっかりとした生活が営めるような基本法、理念法。

 克服すべき課題があるのなら、それを列挙していただいて、それぞれについて、例えば、雇用慣行で、そういう職務内容をしっかり定義しろとか、雇用契約のときにはちゃんとそういうことを書き込めとか、そういったことを促していくということが重要だと思っていまして、そういう基本法、理念法というのを提案しているんですけれども、それでも皆さん方は反対なんでしょうか、総理。

安倍内閣総理大臣 既に紹介をしていただきましたように、同じ労働に対して同じ賃金が支払われるという仕組みをつくっていくことは、重要な考え方と我々も認識をしています。

 同時に、ある時点で仕事が同じであったとしても、さまざまな仕事を経験し、そして責任を負っている労働者と、経験の浅い労働者との間で賃金を同一にするということについては、直ちに広い理解を得ることは難しいものと考えているわけでございます。

 しかし、今御提案ございました、基本法をつくったらどうだということでございますが、我々は、今、重要であるということを申し上げている、いわば、同一労働に対して同一賃金が支払われるという仕組みをつくっていくことは重要な考え方ということは認識をしているわけでございまして、このため、均等待遇の原則が適用されている諸外国の制度や運用状況等に関して、まずは調査研究に取り組んでいきたい、このように思っております。

江田(憲)委員 パート労働者等は法律があるのに実態がなかなか進まないという現実があるわけですから、法律ぐらいつくらないと、なかなかこれは進みません。なかなか根の深い問題でもありますから。ぜひ、またこれは労働者派遣法のときにも議論させていただきたいと思います。

 さて、農政の問題に行く前に一点、これはもう先般、詳細にやりましたから、そんなにくどくどやるつもりはありませんけれども、我々維新の党は、身を切る改革四本柱というものを、今、法案を伴って提案をしております。

 一が、衆議院の定数三割カット法案。

 二が、給与三割カット法案。これは、もうなかなか各党各会派の御賛同が得られないので、この国会では、心ある議員が自主的に歳費を返納する場合は、それを適法な寄附とするような法案も出しております。

 三番目が、文書通信交通滞在費。これは、月々百万円、千二百万円ものお金が、使途も公開されず、領収書もなく使われているのは世間の常識に反しているということで、この公開法案も出させていただいておりますし、維新の党は先般、率先して、ホームページ上に領収書つきで公開をしているところでございます。

 四番目が、今いろいろ問題になっております補助金受給企業からの献金問題。我々は、この問題が起こったから企業・団体献金の全面禁止法案を出したわけではなくて、これはもう、二十年前の国民との約束を守りましょう、おくればせながら、当時、政党助成金三百億円超の税金を入れるかわりに、企業・団体献金、政治家個人は禁止しましょうという約束を守りましょうというだけの法案なんですけれども、これもなかなか御賛同いただけません。

 聞くところによりますと、自民、公明、与党の皆さんは、せいぜい、この補助金受給企業の献金問題で、法の趣旨を周知徹底しましょう程度でお茶を濁そうとされておられるようですけれども、そういうことではとても、また再発、これはもう目に見えております。ですから、もとから断つという意味で、全面禁止法案というものを出しております。

 これは、私も先々週しつこくやりましたけれども、総理もしつこく同じ答弁をされていたので、聞いても同じ答えでしょうから。ただ、一つだけ私は総理にお願いしたいのは、自民党に指示をしてください、それだけなんですよ。だから、議論はしましょうと。総理も、各党各派で議論してくださいとおっしゃっているわけですね。ぜひ、自民党総裁として指示をしてください、こう申し上げているわけです。

 それで、今国会で、例えば選挙制度改革、我が党の身を切る法案でいえば、一番目の定数カット、これも今、衆議院の第三者機関で検討を始められておりますよね。それについては、総理はこうおっしゃっているんですよ。

 二月十六日の本会議場で、岡田克也民主党代表の質問に答えて、これは、参議院についても、「私からも、党に対し、早期にしっかりと議論を進めるように指示をしております。」これは明確に議事録に残っていますし、我が松野頼久議員への予算委員会の答弁、これは一月三十日ですけれども、大幅な定数削減をしたらどうかという問いに対して、総理はこうお答えになっているんですね。「私が有識者による第三者機関の設置を提案いたしました。これはそれまでなかった提案でございますが、私が自民党の総裁として提案をしたのでございます。」こうおっしゃっているんです。

 ですから、総理、この問題も、各党各派で議論したらいいとおっしゃるのであれば、総裁として、自民党の幹部の皆さんに議論しろと指示していただけませんか。

安倍内閣総理大臣 四つ、それぞれもちろん別の事柄であるわけでありますが、まず、衆議院の定数の三割カットについては、まさに現在、有識者の皆様に御議論をいただいているということであります。

 そして次の、国会議員給与の三割カットということでございますが、歳費がどれぐらいの金額であるべきかということにつきましては、これはまさに、各党各会派で御議論をいただきたい、こう申し上げているとおりでございます。

 そして、文書通信交通費も、同じように、これもやはりしっかりと各党各会派で御議論をいただきたい。

 そして、四番目の企業・団体献金につきましては、まずは、補助金との関係につきましては、今、自民党において検討を進めるように指示をしているところでございます。これは、どう対応していくかということ。全面禁止法案についてではないですけれども、どのように対応していくかということについて指示をしているところであります。

江田(憲)委員 どうして項目によって指示したりしなかったりするんですか。

安倍内閣総理大臣 いや、これは、項目によってというか、一番目については有識者で議論するということが決まったわけでございますから、これはそういうことであって、二番、三番については……(江田(憲)委員「特に三と四」と呼ぶ)四については、これは、いわば補助金をもらっている企業からの献金について、これを防ぐためにはどうすればいいかということについては、これはやはり、まずは、それを防ぐために、今の法制の中でその方途があるかどうかということについて検討していくということであります。

 三番、二番につきましては、これはまさに国会議員の身分と民主主義のコストをどのように、これは四番にもかかわることでありますが、これはもう国会議員の身分にダイレクトにかかわってくることでございますので、皆様に各党各会派で御議論をいただきたい、このように思っております。

江田(憲)委員 文書通信交通滞在費は、絞って言うと、前も申し上げたとおり、これはもう衆議院の議長の諮問機関で公開せよという答申がもう十年以上前に出ておりますし、アメリカもイギリスもドイツも全部公開しておりますし、ドイツに至っては会計検査院まで入っておるということで、民間会社の例を挙げるまでもなく、世間の常識ですから、議論しろと言ったって、何を議論するんだいという話だったと思いますね。

 それで、おかげさまで、林議運委員長がこの前、衆議院の議運の場で正式に、予算でも終わったら議論しましょうと言っていただきました。それはもうぜひ総理からの指示で言ってもらいたかったんですよ、本当に。

 いいですね、だから、議運の委員長が議論しましょうとおっしゃっているんですから、総理も議論しましょうとおっしゃってください。

安倍内閣総理大臣 それはまさに議運の委員長でありますから、いわばこのハウスにおいてしっかりと議論をしていく、これはまさに議運の委員長の権限としてそういう見識を示されたんだろう。私が議運の委員長にそういう指示を、基本的には、自民党総裁ではありますが、行政府の長として、そういう立場ではないわけでありますから、まさにこれは林委員長の見識の中でそういう御判断をされたということではないかと思います。

江田(憲)委員 もうやめますけれども、では、選挙制度改革はなぜ指示したんだと、総理大臣として。全く理解に苦しむ。項目によっていろいろ使い分けをされているというのは、ちょっと残念です。

 いずれにせよ、これはもうしっかり、民主党さんの御協力も得て、これは野党第一党の民主党さんにもぜひ、特に文書通信交通滞在費の使途公開、さらには、きょうも長妻さんがやられていましたね、全く賛成ですよ、全面禁止していく、これをやりましょう。ぜひ、国会の責務としてやっていきたいと思います。

 さて、やっと林大臣、この前も空振って申しわけなかったんですが、ちょっと時間をとられちゃって、また時間がなくなっちゃって、きょうは序の口になると思いますけれども。ですから、総理と林大臣に一回ずつ答弁をしていただければ、きょうは終わりますから。続きはまた、重要広範法案なので、農林水産委員会に総理もいずれ出席されるでしょうから、そのとき私立ちますので、覚悟しておいてください。

 それで、要は、農協改革を総理は非常に御熱心にやってこられた、全中の監査権を廃止するだとか云々という話をされていますけれども、ただ、農業改革を言うのであれば、農協というものに対する基本的な認識から始めなきゃいかぬということです。

 御承知のように、農協というのは、一番目、これはあくまでも農業者の協同組織であって、零細な農家が集まって、お互い、相互扶助を目的としたことで設立されているわけですね。だからこそ優遇措置が与えられておりまして、独禁法は適用除外する、法人税はまけてあげる、それから、本来兼業ができない銀行や生保や損保の業務も兼業しているわけですね。

 しかし、これはもう釈迦に説法でございますけれども、今、農家である正組合員よりはるかに大きな准組合員という一般の市民、住民が、四百六十一万人に対して五百三十六万人にまで膨れ上がっている。本来、例外的なことで認めてきた准組合員制度なんかないわけですよ、ほかの協同組合には。それを農協だけに認めてきた、これは歴史的経緯があることもわかっていますけれども、それが五百三十六万人にもなっているということ自体が異常事態ですよ。

 それで、金融部門といえば、JAバンク、農林中金を初めとしたJAバンクに、預金というか資金量は九十兆円。九十兆円といえば、メガバンク、みずほだ、東京三菱だに並ぶバンクになっていて、JA共済、これはもう、五十兆円といえば、日本生命、生保、損保、メガ生保並みになっているわけですね。これが偽らざる実態です。

 まずこの基本認識からスタートしないと議論がかみ合わないんですけれども、まず、今のこの農協という実態が、制度の趣旨からして、法の趣旨を大きく逸脱している非正常な状態だということは認められますね、総理。

林国務大臣 早く答弁しないと時間がなくなると思いまして出てまいりましたが。

 今おっしゃられたように、数字は大分変わっておりますし、つけ加えたいのは、農協の数。これも、昭和三十五年には一万二千ありましたのが、今七百弱、こういうことで減ってきているという状況でございます。

 数はいろいろ変わっておりますが、基本的には、この協同組合の理念に沿ってそれぞれの活動はしていただいているもの、こういうふうに認識をしております。

安倍内閣総理大臣 基本的には、まさに組合法にのっとって活動しておられる、このように思います。

 しかし、同時に、例えば全中が誕生したのは昭和二十九年、私が生まれたのと同じ年でございまして、六十年もたっておりますから、ニーズ、状況、取り巻く環境が変わってきているのは事実であって、それに合わせてしっかりと改革をしていきたい、このように考えております。

江田(憲)委員 ぜひ総理、それはお願いしたいと思うんです。

 それで、結局、我々も農協を潰せと言っているんじゃないんですよ。農協は本来の農家支援をしっかりやってくれと言っているんですね。

 そのために、では、これがどういう弊害を持っているかというと、例えば職員数で見ても、今、二十一万人のうち、半分近くの十万人もの人が、バンク、金融に携わっているわけですよ。これは御存じのように、普通のサラリーマンです、会社員ですよ。農家とは縁のない職員ですね。

 こういうところにいそしんで、しかも、今、調べてみると、これは二〇一一年の統計ですけれども、JAバンク部門で二千三百億円の利益、損保、生保部門、共済で千五百億円の利益、そして、肝心かなめの農協の本来事業である経済事業は千五百億円の赤字なんですよ。これはもう明らかに、金融部門の黒字を経済事業に補填をしている。こういった甘えの構造になっています。それから、金融、あくせくやっていますからね、お金集めを。そうすると、どうしても農協が本来の農家支援をしようというマインドというか、意識も薄れていく、こういった弊害も僕はあると思いますよ。

 それから、もっと大きな問題としては、きょう金融庁も来てもらっていたんですけれども、麻生大臣ですが、要は、これは、金融庁的に、こんなにメガバンク、メガ生保、損保が兼業までしてこれだけ巨大になってくると、日本の金融市場の健全性というか、そういう観点から見て本当に不安定要素にならないのか、こういうことですね。

 昔、私も携わらせていただいたあの住専問題は、六千八百五十億円の税金投入で決着しましたけれども、あれは、もとをただせば、こういう農協系のバンクから住専に多額の貸し出しがあって、それが不良債権化した。近いところでは、サブプライムローンで、やはり海外でどんどんリスク資産に投資をしていって、それで、結局、JA傘下の団体から一兆数千億円の追加出資で生き長らえたということもあるわけですよ。

 ですから、こういった、続きは、きょうは時間がありませんから次やりますけれども、こういう巨大な金融機関を、しかも兼業で抱えているというリスク、これに対して、総理、もう時間がありませんから総理でいいんですが、認識をされている、その上で改革をしていくというふうにおっしゃっていただければいいんですけれども。

安倍内閣総理大臣 農協は、今御指摘になった信用事業と経済事業、あわせ行うことによって農業者を総合的に支援をしているところでございますが、信用事業を行う農協については、金融庁の監督下にもありますが、さらに今回は、他の金融機関と同様に公認会計士による監査を義務づけ、イコールフッティングのもと、安心して信用事業を続けられるようにしているところであります。

 また、農協の選択によって、農林中金または信連に信用事業を譲渡し、農協がその代理店として農業者への信用サービスを維持しつつ、経済事業に全力投球できるようにしております。

 確かに、経済事業が赤字で、それを信用事業で何とか埋めている、これはやはり、基本的におかしいわけでありまして、しっかりと経済事業においても利益が出るということに全力投球を可能にしていきたい、このように思っております。

江田(憲)委員 その認識で共通のスタートラインに立てましたので、これから具体策について検討させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて江田君の質疑は終了いたしました。

 次に、穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。

 きょうは、政治と金をめぐる問題について聞きます。

 この間、国からの補助金を受けている企業からの献金が問題になっており、私も二月二十五日にこの予算委員会で質問しました。西川大臣は辞任し、総理を初め他の閣僚も補助金受給企業から献金を受けていたことが取り沙汰されているが、この間、総理は、違法性があるか違法性がないかということを問題にしています。

 では、総理に聞きます。

 政治資金規正法第二十二条の三で、補助金、負担金、利子補給金その他の給付金の交付決定を受けた会社その他の法人は、政治活動に関する寄附をしてはならないと規定しています。また、第二十二条の三の二項には、国からの資本金、基本金その他これらに準ずるものの全部または一部の出資または拠出を受けている会社その他の法人は、政治活動に関する寄附をしてはならないと書いています。

 こうした規定が設けられたのは、いつなのか、どうしてなのか、お答えください。

高市国務大臣 この規定はどうしてなのかということなんですが、国からの補助金を受けていることにより、その法人は国と特別な関係に立っており、その特別な関係を維持、強固にすることを目的として不明朗な政治活動に関する寄附がなされるおそれがありますので、それを防止するという見地から設けられております。

穀田委員 一九七五年に設けられたものです。

 一九六二年から、公職選挙法において、国から補助金等の財政的援助を受けている企業からの選挙に関する寄附、これを禁止していました。しかし、政界の腐敗が明らかになった黒い霧事件を機に、七五年改定で政治資金規正法に入れ込み、政治活動に関する寄附全般を禁止したものであります。公職選挙法第百九十九条には、公共事業受注企業からの選挙寄附の禁止が規定されています。

 これらの規定は、国からの金が入っている企業は、今ありましたように、国と特別な関係にあって、その関係を維持、強固にすることを目的にして不明朗な献金がされるおそれがあるから、防止するために禁止している、こう言っているわけですね。政治をゆがめる危険があるから、そこはせめて禁止しようということであります。

 したがって、李下に冠を正さず、疑いを持たれてはならないということで、総理、よろしゅうございますね。

安倍内閣総理大臣 政治資金規正法の基本理念は、政治資金規正法第二条は同法の運用に当たっての基本理念を示したものでありますが、この法律は、政治資金の収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民に委ね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように適切に運用されなければならないこと、そして、政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならないことが定められていることでございます。

穀田委員 いやしくもとわざわざ書いていますように、そういうことやっちゃあかんでということになっているわけですよね。

 総理は、これまで、たびたび、違法かどうかの構成要件を述べていますけれども、違法でなければよいという話では決してありません。国の金と税金、すなわち、これは国民の血税であって、補助金であろうと出資であろうと公共事業であろうと、税金が入っている企業から献金をもらうというのは、税金の還流と見られるのは当然であります。

 だから、補助金の交付決定から一年と言っていますけれども、一年と一日たてば政治をゆがめる危険がないと言えるのか。同じように、国のお金を使って仕事をしている企業が、選挙に関しての寄附以外の献金なら問題はないと言えるのか。

 だから、交付決定から一年かどうかとか、補助金か公共事業かということが問題なのではなくて、規定を設けた趣旨からすれば、ずっと禁止をしなければならないものじゃないか。そう思いませんか、総理。

高市国務大臣 そもそも、企業、団体による献金、寄附というものに関しましては、最高裁判所大法廷判決、八幡製鉄事件のときのものでございますが、憲法三章に定める国民の権利及び義務の各条項は、性質上可能な限り、内国の法人にも適用されるものであるから、会社は、公共の福祉に反しない限り、政治的行為の自由の一環として、政党に対する政治資金の寄附の自由を有するとされております。

 この政治活動の献金のあり方は、長年の議論を経て、企業・団体献金は政党等に対するものに限定されるなどの種々の改革が行われてきました。個人であれ団体であれ、お金でもって行政をねじ曲げようという行為は断じて許してはなりませんけれども、企業、団体が政党等に献金すること自体が不適切なものとは考えておりませんし、政治資金規正法では、一年という期間を設けてきちっと規定をしているわけでございます。合法的な寄附であれば、これは企業の政治活動の権利を保障するものになるかと存じます。

穀田委員 私が聞いているのは、違うんですよ。そういう趣旨に反しないかと。一年と一日過ぎたら違法でない、選挙にかかわったら違法だけれども、違ったらええ、そういう話と違うやろうと言っているんですよ。だから、総理大臣に聞いたんです。あなた、いいです。

 それで、何かというと八幡製鉄、古い話をして、ようそんなもの出してくるなと思うんですけれども、八幡製鉄の判決というのは、会社のそういう政党への寄附は、国民個々の選挙権その他の参政権の行使そのものに直接影響を及ぼすものではないとしていながらも、企業献金をそうして容認したと見られているけれども、我々はこの立場を異にしていますよ。でも、判決は、企業は、国民の選挙権、参政権の行使に直接影響を及ぼすことをやってはならないということをわざわざやっているんですよ。それは後でやりますから、その前に話を持っていきたい、戻したいと思うんですね。

 総理大臣、では、私はこの予算委員会で総理と何度もやりとりしてきたわけですけれども、やはりここでも二十年前のいわゆる政治改革について振り返っておかなければなりません。

 リクルート事件に端を発し、ゼネコン汚職、金丸疑惑に至る自民党の金権腐敗政治に対して、国民の厳しい批判が寄せられました。そして、非自民連立政権の細川総理は、就任直後の所信表明で、「政治腐敗事件が起きるたびに問題となる企業・団体献金については、腐敗のおそれのない中立的な公費による助成を導入することなどにより廃止の方向に踏み切る」と述べるに至ったわけであります。

 政治腐敗の根源が企業・団体献金であり、これを禁止して政治腐敗を根絶しなければ、国民の信頼回復はない、この流れが国会の中でできたのであります。

 ところが、二つの抜け道をつくって、企業・団体献金を温存したのが二十年前の政治改革です。

 この当時一緒にいた者として総理大臣に聞きたいんですけれども、二つの抜け道がある、それが、繰り返し政治と金をめぐる問題の根源となっていると思いませんか。

安倍内閣総理大臣 確かに、二十年前に政治改革が実行されたわけでございますが、当時は、選挙制度を変えていくということが一点、そしてもう一つは、いわば政治資金規正法を変えていくということだった、このように思います。

 政治改革の議論の中で、政党助成、これは共産党は受け取っておられませんが、政党助成制度ができました。政策本位、政党本位の政治を目指す理念のもと、企業・団体献金を政党等に限定することにあわせて提案されたものだというふうに承知をしておりますが、その際、政党等に対する企業・団体献金のあり方についても見直し規定が置かれたわけでございますが、各党間で合意に至らないまま現在に至っているわけであります。

 でありますから、企業・団体献金を全て禁止することが合意されていたということではもちろんないわけでありますし、企業・団体の献金も認められてしかるべきだというのが自民党の考え方であったわけでございます。

 いずれにせよ、企業・団体献金のあり方は、民主主義の費用をどのように国民が負担していくかという観点ではないか、そういう観点から各党各会派において御議論をいただくべきものと考えております。

穀田委員 総理、各党が合意していないというのは、それは五年後にはやると約束して合意しているんですよ。それをやっていないだけの話であって、それはちょっと事実が違うということだけは言っておきたいと思うんですね。

 もう一度、二つの抜け道というのは何かということを言いたいと思うんです。

 抜け道の一つは、やはり政党支部への献金は認めるというものなんですよね。政治家個人に対する企業・団体献金は禁止しましたけれども、政党と党の財布である政治資金団体が金を集め、受け取るのは禁止しなかったんです。

 当時、政府は、企業・団体献金について、政党以外は直ちに全て禁止した、今までと違う大幅な改革だと答弁していました。それに対して我が党の東中光雄議員は、政党支部が抜け穴になっている、そして、政治家個人への献金は禁止と言いながら、政党支部の代表者になっていることによってトンネルになると批判をしたわけであります。ですから、まさにそのとおりになっているわけであります。

 そこで、端的に、数字だけで結構ですから、政界全体への企業・団体献金の総額は幾らになっているのか、総務大臣届け出分と都道府県選管届け出分の合計額の数字を示してください。

高市国務大臣 総務大臣届け出分及び都道府県選管届け出分の政治団体を合算した平成二十五年分政治資金収支報告における法人その他の団体からの寄附の合計額は、八十七億六千三百万円であります。

穀田委員 八十七億六千三百万円、本当にこれは巨額なんですね。企業・団体献金の禁止を打ち出したはずなのに、八十八億もの献金が政党支部、本部を通じて流れる。

 もう一つの抜け道が、政治資金パーティーです。

 一九九二年の緊急改革で、政治資金パーティーについて、収支報告の義務化やパーティー券購入の上限を示し、パーティー適正化を行いました。施行された九三年にパーティーを開催したのは三百二十五団体、六十億九千九百万円の収入でした。翌年の九四年には百四十億円を超える収入となっており、九五年の政治改革のもとでも温存されました。

 政治資金パーティーの収入総額は幾らになっているのか。もう額だけでいいです。

高市国務大臣 同じく平成二十五年分で百七十六億四千三百万円でございます。

穀田委員 百七十六億ですよ。まさに巨額、さらに巨額と言わなければならない。

 パーティー券は誰が購入しているのか。ほとんどが企業、団体が購入しているということで、総理、よろしゅうございますね。

高市国務大臣 済みません。ちょっと、内訳についてという通告がなかったので、今数字を持っておりません。申しわけございません。

穀田委員 個別の数字はないんですよ、それは。ただ、百七十六億円全てが企業、団体が購入しているとは言わないけれども、その大半が、企業、団体が購入しているのは常識ですよ、こんなこと。政治資金パーティー収入は、要するに形を変えた企業・団体献金にほかならない、ここがポイントなんですよ。

 大体、これだけの巨額の金が流れている、今、後ろからもありましたけれども、どうして、誰が購入しているのか明らかにならないのか。それは、献金の場合は、年五万円以上すると企業名が収支報告書に記載されるけれども、パーティー券購入であれば、二十万円以上でなければ記載されないからであります。これでは、企業が小口に分けて購入していても、国民の前には明らかにされない。

 総理は、口を開くたびに、こういう問題があると、政治資金で大切なことは透明化を図っていくことだと答弁しているけれども、百七十六億円もの巨額の金が動いている政治資金パーティーの透明化は図られていないんですね。

 さきの二十五日の質疑でも確認しましたけれども、政府は、二〇〇一年、国務大臣、副大臣及び政務官規範の閣議決定を行い、組閣が行われるたびに確認しています。この大臣規範には、(5)として「パーティーの開催自粛」とあるけれども、どういう内容で、なぜこのような規範を決めたのですか。お答えください。

安倍内閣総理大臣 大臣規範は、公職にある者としての清廉さを保持し、政治と行政への国民の信頼を確保する観点から定められたものであり、その中で、「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する。」旨規定をしております。

 政府としては、基準はないものの、国民の疑惑を招くようなものについては各人の良識の判断で控えるよう定めているところでございます。

穀田委員 ここでも国民の疑惑を招かないようにという意味が書かれているわけですね。これが大事なんです。

 政治資金パーティーの中でも、収入が一千万円以上のものを特定パーティーと政治資金規正法は規定しています。前回の質疑で、私は、主要大臣の政治資金パーティー収入の金額を明らかにしましたが、きょうは、現職の全閣僚のパーティー収入がどうなっているのかを調べました。

 一三年中に、十九人の閣僚の中で、十六人が国会議員関係政治団体で収入が一千万円以上の特定パーティーを行っています。ほとんど全員なんですね。その中でも、一三年中に五回も特定パーティーを開いているのが、安倍総理、林農林水産大臣、塩崎厚生労働大臣であります。

 総理の資金管理団体である晋和会は、五回のパーティーを開いて、七千五百九十五万円もの収入を得ています。費用は七百五万となっていますから、六千八百九十万円もの金が晋和会に入ったということであります。国民に疑惑を持たれることのないようにというみずからの規範さえ守れない、こういう実態をどのように国民に説明されますか。

安倍内閣総理大臣 私としては、ルールにのっとり、そうしたパーティーを行っているところでございまして、そういうパーティーの趣旨に従って浄財を集めることができたわけでございまして、適切に使用していきたい、このように考えております。

穀田委員 いつも法的に問題ない、適切に、適法に処理していると。自分たちが決めた規範というのは一体何なんだ。国民に疑惑を持たれないようにと、わざわざ全てのところでいろいろな問題を必ず言っているんですよ。

 規範を決めるときにも、清廉さ、そして疑惑を持たれないように、こう言っている。そして、このパーティーを決めたときも、その問題について、余りに企業に多額のそういう負担をさせて、頼むというようなことはないようにとまで、政治資金規正法で書いているわけですよね。お互いに知っていたはずじゃないですか。ですから、私はちょっといかにもひどいんじゃないかと。ルールにのっとるというんじゃなくて、みずから決めた規範には背いているということを言っておきたいと思うんです。

 ですから、四十年前も二十年前も今も同じことが繰り返されている。政治と金の問題が浮上するたびに、政治と金、国民に疑惑を持たれてはならない、先ほど言いましたけれども。さらに、多くの党も言い始めていますけれども、金権腐敗の大もとである企業・団体献金を禁止しなければならない。そういう議論が起こります。

 私は、今度こそ抜け穴を塞いだ全面的な禁止を実行するしかないということを申し上げておきたいと思います。

 もう一つ聞きたいのは政党助成金の問題です。

 政党助成制度は、一九九五年、政治改革の名のもとに、小選挙区比例代表並立制とともに、先ほど総理もありましたように、施行されました。この制度は、国民に一人当たり二百五十円を負担させ、毎年三百二十億円もの税金を各党に配分する仕組みで、この二十年間の政党助成金の総額は、何と六千三百十一億円にも上ります。

 この制度は、もともと、企業・団体献金を禁止するからという口実で導入されました。ところが、今はどうか。片っ方で企業・団体献金はもらうわ、片っ方で政党助成金はもらうわ、その意味で二重取り以外の何物でもありません。

 そして、政党助成金を受け取っている各党の本部収入に占める割合は、自民党が六四・六%、民主党が八二・五%です。今や、政党助成金を受け取っている多くの党が、運営資金の大半を税金に依存しているのが実態であります。

 また、五人以上の国会議員を集めれば政党助成金をもらえることから、理念も政策も抜きに、政党助成金目当てに、おびただしい数の新党の設立と解散が繰り返されてきました。

 政党助成金が税金頼みの政党を生み出している制度だとの認識は、総理、ございませんか。

安倍内閣総理大臣 約二十年前の政治改革においてはさまざまな議論があったわけでありますが、まさに、政治のコストをどのように分担をしていこうかという議論であったと思います。

 その中で、今委員が御紹介になったような形で、税金という形で国民の皆様に御負担も一部いただこうということと同時に、個人の献金あるいはまた企業・団体献金については、政党支部についてはその道は残しておく。さまざまな形におけるいわば政治のコストの分担をお願いしていこうということになったというふうに承知をしております。

穀田委員 この間の二月二十五日の予算委員会で、政党助成金をふやしていくということがあってもいいという発言がありました。その際に石破大臣は、「政党を運営するのが政党助成金に余りに過度に依存をするようになりますと、やはり政党というのは権力に対してある種インディペンデントでなければならない」、「政党の運営が余りに助成金に偏るというのは、私は決して好ましいことだとは思っておりません。」と述べられました。

 石破大臣、余りに過度に依存するとはどの程度のことを言うんでしょうか。半分以上も税金に依存しているという状態は、過度に依存しているということではないんでしょうか。どうですか。

石破国務大臣 それは何を過度と言うかというお話ですが、やはり、政治改革の議論をしておったときに、今からもう三十年近く前のことです、それぐらい前の話ですよ、リクルート事件に端を発しておりますので。

 あのときに、まず民主主義のコストって何なんだろうかという議論をいたしました。大切なものはただではないので、大切なものがただであるかのごとく言うのは、それは私は間違いだと思います。コストは一体何なんだと。遊興費とかそういうものではなくて、有権者のニーズをいかに正確に把握をするか、こちらの政策をいかにきちんと伝えるか、そういうものは私は民主主義のコストだと思っております。

 そして、それを誰が負担するかというときに、そこはやはり、公費と自己負担と企業・団体献金、それが三分の一、三分の一、三分の一ぐらいになるのが、それは望ましいだろうね。ただ、物理の実験をやっているわけじゃありませんので、三分の一がそれで正しいんだ、一円でも超えたらだめなんだとか、そういう議論ではないと思うんです。やはり、そういうふうにバランスのとれたものをやらねばならないし、過度に依存をするということは政党の独自性を損なうものだ、私はそのように思っています。

穀田委員 今、石破さんも言われたように、三分の一、三分の一、三分の一という議論があったことは、お互いに承知しているんだと思うんですね。

 だから、もっと原理的で、政党に税金を入れていいのかという問題もありました。そして、依存してはよくないという議論が行われ、当時の政治改革の細川総理と河野自民党総裁の合意では、各政党に対する政党助成の上限は前年収支実績の四割とされたわけですよね。これが合意だったんです。そうなんですね。

 ところが、成立した法案には、三分の二を上限とする。三分の一、三分の一、三分の一じゃないんですよ、もはや三分の二まで上限とすると後退し、そして制度導入一年目にその条項さえも削除し、今や、二十年間、上限なく各政党に配分し続けている。このやり方は、国民を愚弄するものであります。

 先ほど総理大臣がおっしゃったように、日本共産党は一貫して受け取っていない。もうこのような制度をやめるべきだと思います。

 総理に何度質問しても、廃止はおろか減額すら言ったことがない。これで国民の理解が得られるとお思いですか。

安倍内閣総理大臣 まさに、これは国民の皆様に政治のコストをどのように理解していただくかという中において議論を積み重ねてきた結果、政党助成金の導入が決定をしたわけでございますが、その中のあんばいについていろいろな議論がありました。

 石破大臣は三分の一程度だろうという御意見であるわけでございますが、そのとき、私は当時、余り、当初は税金を入れるということに私はどちらかというと反対であったわけでございました。しかし、議論を重ねていくうちに、これは、その中で、ある程度は税金という形でお願いするということも妥当かもしれない、個人と税金とそして企業・団体、このいわばある意味ベストミックスを構成していくということが重要ではないか、こんなように思うに至っているところでございます。

穀田委員 ベストミックスと言いますけれども、これほど最悪のミックスはないんですよ。企業・団体献金はもらうわ、パーティー券はもらうわ、政党助成金はもらうわと、そんなものはベストミックスなどであろうはずはないと言わなければならないんです。

 だって、民主主義にコストがかかると言うけれども、確かに選挙活動だとかポスターの掲示板だとか、それはかかるでしょう。だけれども、そんな話じゃないんですよ。

 政党というのは何なのか。やはり、政党は思想、信条に基づく自発的な結社であります。政党は何よりも、国民の中で活動し、国民の支持を得て、その活動資金をつくるということが基本であります。当時も、個人献金をふやすということまでみんなで確認をしたわけであります。

 政党が国民、有権者から浄財を集める努力をしないで税金頼みになっているから、金への感覚が麻痺し、腐敗政治をつくり出す一つの根源になっていると言わざるを得ません。改めて、政治資金とはどうあるべきか、考えなければなりません。

 総理、政治資金規正法の、先ほど少し述べられましたけれども、理念の第二条の方には、第一項には何と書いてありますか。

高市国務大臣 政治資金規正法第二条、政治資金の収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民に委ねて、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならないという基本理念を第二条に示しております。

穀田委員 また総務大臣は抜かしている。肝心なところを抜かしたらあきまへんで。そんなもの、一番大事なことを抜かしたらあきませんよ。健全な政治の発達を希求して拠出される国民の浄財であると言っているんですよ。国民の浄財というところを抜かして、どうしてそのことが成り立つんですか。

 ここに、あなた方が本当に国民の浄財なんかどうでもいいというようなことを言わんばかりの話になっているということを示しているじゃありませんか。いいですよ、あなたはもう。いや、今の話で言っているんですよ。私は前から法に規定してあると言っているんですから。

 つまり、総理は、個人にせよ、法人にせよ、団体にせよ、いわばお金を献金することによって自分の利益を得るということがあってはならない、そんなことは当たり前ですよ。問題は、個人と企業は決定的に違う問題があるということなんですよ。

 国民は、主権者であり、選挙権を持っています。個人献金は、主権者国民の政治参加の一つであり、権利であります。企業は、営利事業を行うことを目的とし、利益を求める存在で、主権者ではありません、選挙権を持っていません。その企業が政党や政治家に金を出して政治に影響を与え、自分の利益を図れば、主権者国民の基本的人権を侵害することになる、ここのところが大事だと私は思います。

 ちょっと最後に総理に聞きますけれども、国民の浄財という、その文章の中に、その国民という中に企業や団体は含まれますか、総理。

高市国務大臣 企業や団体も含まれます。内国民と同じ扱いを受けます。

穀田委員 そういう理解をしているからだめなんですよ。企業・団体献金と腐敗はなくならないということを申しておきたいと思います。

 憲法の中にはきちんと書いていまして、それは、十五条で参政権を国民固有の権利と言っています。これは自然人を指しており、会社は含まれていないというのは最高裁も認めているところであります。参政権は国民の基本的権利をなすもので、これを侵してはならないんです。ですから、そういう立場からいうと、私は本当にいかがなものかと思います。

 私どもは、政党本部、支部への献金、政治資金パーティー、両方を禁止する企業・団体献金の全面禁止の法案を提出します。日本共産党は既に、政党助成金は、この制度は思想、信条の自由や政党支持の自由という国民の権利を侵すもので、憲法違反の制度であると指摘し、その創設に反対するとともに、一貫して政党助成金の受け取りを拒否してきています。そして、今国会の冒頭には政党助成法の廃止法案を出しました。

 政治腐敗の根源である企業・団体献金の全面禁止と、そして政治と政党を堕落、劣化させる政党助成金の廃止、この二つを実現してこそ国民の金権腐敗をなくせという声に応えることができる、このことを改めて主張して、私の質問を終わります。

大島委員長 これにて穀田君の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.