衆議院

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第4号 平成28年1月13日(水曜日)

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平成二十八年一月十三日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 竹下  亘君

   理事 石田 真敏君 理事 金田 勝年君

   理事 菅原 一秀君 理事 鈴木 馨祐君

   理事 関  芳弘君 理事 平沢 勝栄君

   理事 柿沢 未途君 理事 山井 和則君

   理事 赤羽 一嘉君

      赤枝 恒雄君    秋元  司君

      井上 貴博君    石原 宏高君

      岩屋  毅君    衛藤征士郎君

      小倉 將信君    小田原 潔君

      越智 隆雄君    奥野 信亮君

      門  博文君    小池百合子君

      小林 鷹之君    佐田玄一郎君

      佐藤ゆかり君    坂本 哲志君

      鈴木 俊一君    長尾  敬君

      長坂 康正君    根本  匠君

      原田 義昭君    古田 圭一君

      古屋 圭司君    堀内 詔子君

      前田 一男君    務台 俊介君

      保岡 興治君    山下 貴司君

      山本 幸三君    山本 有二君

      井坂 信彦君    井出 庸生君

      緒方林太郎君    大串 博志君

      大西 健介君    階   猛君

      玉木雄一郎君    長妻  昭君

      西村智奈美君    福島 伸享君

      水戸 将史君    山尾志桜里君

      中川 康洋君    濱村  進君

      吉田 宣弘君    斉藤 和子君

      高橋千鶴子君    畠山 和也君

      宮本  徹君    足立 康史君

      河野 正美君    松浪 健太君

      重徳 和彦君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣         高市 早苗君

   法務大臣         岩城 光英君

   外務大臣         岸田 文雄君

   文部科学大臣       馳   浩君

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   農林水産大臣       森山  裕君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      林  幹雄君

   国土交通大臣       石井 啓一君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    丸川 珠代君

   防衛大臣         中谷  元君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (復興大臣)       高木  毅君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (消費者及び食品安全担当)

   (規制改革担当)

   (防災担当)       河野 太郎君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)     島尻安伊子君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (経済財政政策担当)   甘利  明君

   国務大臣

   (一億総活躍担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   加藤 勝信君

   国務大臣

   (地方創生担当)

   (国家戦略特別区域担当) 石破  茂君

   国務大臣         遠藤 利明君

   財務副大臣        坂井  学君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      一宮なほみ君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            古屋 浩明君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   前川  守君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   田和  宏君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 日下部 聡君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    豊永 厚志君

   参考人

   (日本放送協会会長)   籾井 勝人君

   予算委員会専門員     柏  尚志君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月十三日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     坂本 哲志君

  衛藤征士郎君     前田 一男君

  越智 隆雄君     長尾  敬君

  門  博文君     古田 圭一君

  長坂 康正君     堀内 詔子君

  野田  毅君     赤枝 恒雄君

  西村智奈美君     山尾志桜里君

  福島 伸享君     長妻  昭君

  松野 頼久君     井坂 信彦君

  浮島 智子君     中川 康洋君

  赤嶺 政賢君     畠山 和也君

  高橋千鶴子君     斉藤 和子君

  松浪 健太君     河野 正美君

同日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     野田  毅君

  坂本 哲志君     井上 貴博君

  長尾  敬君     越智 隆雄君

  古田 圭一君     門  博文君

  堀内 詔子君     務台 俊介君

  前田 一男君     衛藤征士郎君

  井坂 信彦君     水戸 将史君

  長妻  昭君     福島 伸享君

  山尾志桜里君     西村智奈美君

  中川 康洋君     浮島 智子君

  斉藤 和子君     高橋千鶴子君

  畠山 和也君     宮本  徹君

  河野 正美君     松浪 健太君

同日

 辞任         補欠選任

  務台 俊介君     長坂 康正君

  水戸 将史君     井出 庸生君

  宮本  徹君     赤嶺 政賢君

同日

 辞任         補欠選任

  井出 庸生君     松野 頼久君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十七年度一般会計補正予算(第1号)

 平成二十七年度特別会計補正予算(特第1号)


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     ――――◇―――――

竹下委員長 これより会議を開きます。

 平成二十七年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十七年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局給与局長古屋浩明君、内閣府政策統括官前川守君、内閣府政策統括官田和宏君、資源エネルギー庁長官日下部聡君、中小企業庁長官豊永厚志君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

竹下委員長 本日の午前中は、経済・外交等についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂本哲志君。

坂本(哲)委員 おはようございます。自由民主党の坂本哲志でございます。

 早速質問に入らせていただきます。

 本日は、地方の経済の現状と今後の対応という観点から質問をさせていただきたいと思います。

 我々の目下の課題はデフレからの脱却であります。安倍政権になりまして、デフレからの脱却は力強く進んでいるというふうに私は思っております。よく総理が言われることでありますけれども、昨年十一月の有効求人倍率一・二五、あるいは完全失業率三・三%、そして倒産件数も九千件台という非常に低い数値であります。これは地方の方も一緒でありまして、私たちの九州も、それから四国も、あるいは北海道も同様な傾向でございます。

 しかし一方、地域に、地方に足を踏み入れますと、なかなかこの数字のとおりにはいっていないというのが実感でございます。やはり地方の産業は、何といいましても農業を中心とする第一次産業、さらには建設業を中心とする建設関連産業、そして中小の小規模事業者ということであります。そういうところが、どうしても所得が伸びないというような傾向にあります。

 それからもう一つ、やはり消費力が地方で弱まっていることというのが挙げられるかと思っております。平成二十二年と二十六年のこの四年間を比べました場合に、人口が集中します関東圏では、消費支出というのが大体二千四百円ほどふえておりますけれども、逆に九州や北海道では、七千円から八千円減少、縮小をいたしております。

 厳しい状態も続いておりますし、非常に微妙な段階であると私自身は思っておりますけれども、総理におかれましては、この数字の示すものとは別に、地方の経済の現状、実情、これをどのように御認識されているのか、まずお伺いをいたしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 確かに、坂本委員が御指摘になった状況なんだろうと思います。

 地方においても、有効求人倍率、熊本県も含めまして、七つの県で過去最高にはなっております。過去最高ということは、あの高度経済成長期も、あるいはバブル期よりも上回っているということであります。特にバブル期は、最高となった七県は、どちらかというと全国の平均とは相当差があったのでありますが、それが相当縮まってきたのは事実でありますし、また、地方税収においても六兆円ふえているわけでございますし、熊本県におきましても、道府県税で一二%、地方法人二税で二五%、税収がふえております。

 しかし、同時に、今委員が御指摘になられたように、個人消費の動向を見ますと、百貨店売り上げの回復が大都市圏で先行するなど、地域間でばらつきがあるわけでありまして、こうした背景には、少子高齢化や人口減少といった構造変化も影響し、地方によっては経済環境に厳しさがあるのも事実であります。大幅な賃上げや最低賃金引き上げが全国に進むように環境整備を行っていく必要がある、地方をくまなく、細かく見ていく必要があるんだろう、このように思います。

 平成二十八年度予算においては、地方の自主的かつ先駆的な取り組みを支援する新型交付金を創設し、地方創生を本格的に展開していきます。さらに、今般の補正予算や平成二十八年度予算での希望出生率一・八や介護離職ゼロに向けた緊急対応によって、少子高齢化という国、地方の双方にとって重要な構造的課題に対しても真正面から立ち向かっていきたいと考えておりますし、また、国において成功いたしました政労使の対話を、地方において、地方版でしっかりと進めていくことによって、下請を中心とした中小零細企業にも十分恩恵が広がっていくように努力を重ねてまいりたい、このように思っております。

坂本(哲)委員 政労使の地方版、ぜひよろしくお願いをいたしたいと思っております。

 さっき言いました地方の主産業、農業は後で別途述べるといたしまして、やはり何といいましても、公共事業の果たす役割というものは大きいものがあります。

 雇用を公共事業は生み出します。そして所得を確保いたします。さらには、インフラを整備してそれがそのまま生活環境の向上につながるというこの地方の公共事業による好循環というのは、これは時代がどんなに変わっても、変わるものではないというふうに思っております。

 しかし、この公共事業、なかなか伸びがないというのも事実でございますし、そして、大企業に恩恵があるような公共事業というよりも、やはり地域の中小企業、中小の建設関連産業、こういったものに恩恵が及ぶような、そういうきめ細かな対策が必要であると思っております。

 今回の補正予算三兆五千三十億円のうち、公共事業関連は五千八百十億円であります。今回は、特に災害復旧、災害対策が大きなウエートを占めましたけれども、それだけではなくて、国土交通関連、農業関連予算、あるいは教育施設予算、そして環境関連予算、地方のインフラに欠かせないさまざまな予算が並んでおります。

 今回だけではなくて、今後、地方の経済安定化、経済成長に資するような公共事業の発注及び公共事業のあり方、こういったものを具体的にどういうふうに進めていかれるおつもりなのか、地方の経済確立をしていくための対応策を具体的にお伺いいたしたいと思っております。

安倍内閣総理大臣 社会資本の整備は、これはまさに未来への投資なんだろう、このように思っております。地域の人たちの生活を向上させていく、あるいは、地域に仕事をつくる意味においても、地域に働く場所、企業を誘致していく意味においても、交通インフラを含めて社会資本が整備されていなければならないわけであります。

 もちろん無駄な投資は厳に慎まなければならないわけでありますが、そうしたものをしっかりと見きわめていきながら、未来への投資によって、次の世代に引き渡すしっかりとした資産を形成するのが社会資本の整備だろうと思います。これまでも、地方を含めて我が国の経済成長を支えていたと考えています。

 今回の補正予算においても、災害復旧や防災・減災対策に必要な公共事業を盛り込んでおり、地域の経済成長の支えとなる、災害に強い基盤整備を推進してまいります。

 社会資本の整備については、既存施設やソフト施設の最大限の活用を図りつつ、国際競争力の強化、国土強靱化、防災・減災対策、コンパクト・プラス・ネットワーク、老朽化対策などの分野について、選択と集中のもと、効果が最大限発揮されるよう重点化した取り組みを進めていきます。

 また、必要な公共事業が適切に進められるよう、公共事業の施行時期の平準化についても積極的に取り組んでいきたいと思います。

 また、地域の中小企業、小規模事業者については、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金による新商品開発等の支援や海外を含む新たな販路開拓などあらゆる施策を総動員し、その活用を最大限発揮していただきたいと思いますし、今委員が御指摘になったように、そうした社会資本を整備するときに、地元の企業がしっかりとそうした恩恵を受けるように、地元の企業にもしっかりと活躍の場が与えられるように、きめ細かな対応をしていくことが大切であろう、このように思います。

 五年前には、例えば九州新幹線の鹿児島ルートが全線で開業いたしました。また、九州地方各地を結ぶ高速鉄道のネットワークも着実に整備を進めておりまして、これらの交通インフラが九州地方の経済成長を推し進めていくものと期待をしておりますが、これは九州だけに限るものではなくて、九州と本州のネットワークがしっかりとしていくことによって、大きな経済効果を日本全体に及ぼしていくのではないかと期待をしております。

坂本(哲)委員 何とぞ、きめ細かな対応策をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 そして、もう一つの柱であります農業であります。この農業政策につきまして、私は、地元、地域の自主性、裁量性、こういったものを非常に重視するという視点で今後政策を進めていただきたいという点で質問をいたしたいと思います。

 TPPの大筋合意というのが昨年十月発表をされました。今後、署名、そして国会審議を経まして、批准への判断というふうに進むであろうと思います。私たちは、同志の皆さん方と今回の合意内容をもう一度精査をいたしました上で、そして、今回の国内対策、さらに今後の対応策も含めてこれからの判断をしてまいりたいと思っているところであります。

 しかし、このTPPにかかわらず、今後我が国の農林業をどのような方向に導いていくかということは、今回のTPPで農産品の動きがこれほど国際化が現実化してきたということを考えますと、やはり、農業者、農業団体だけではなくて、私たち消費者、もう全てが、今、これからの農業のあり方について考えなければならないときであるというふうに思っております。

 この中で最も重視しなければならないのが、やはり地域の自主性、地域での取り組みということであろうと思っております。

 まことに恐縮ですが、私の地元の例を引き出しますと、私の生まれ育って今住んでいるところが熊本の大津町、菊陽町というところでございます。阿蘇の麓でございまして、阿蘇からの吹きおろしの風が、年間を通して強い風が吹いてまいります。ですから、施設園芸作物はできません。どうしても地中に潜る作物になりますので、カライモあるいはニンジン、こういったものが特産品というふうになっております。阿蘇の近くで火山灰でありますので、非常に浸透性がある土壌であります。乾田とも言われており、ざる田とも言われております。そういうことで、米以外に大豆あるいは麦が主要作物となっております。

 同じように、日本各地では、このように地域の気象条件や地形に根差した形での農業が行われていると思っておりますけれども、徐々に徐々に、高齢化あるいは後継者不足も含めて農業がピンチになっております。

 しかし、まだ今なら間に合うんです。今ならば、まだ地域にモチベーションを持った人たちもいるし、リーダーもいるし、そして、以前のことを知った高齢者の方も元気でいらっしゃいますので、ここでどうするかというのが一番農政にとって大切なところであろうというふうに思います。

 私のところの例をとりますと、平成二十五年に大津町で、十二の集落が集まりまして、ネットワーク大津という集落営農の株式会社を設立いたしました。委員の皆様には資料としてお配りをしているところでございます。

 資本金五千七百十五万円、そして百九十三株で、集落の持ち株制となっております。構成員は二百八十七人、平均年齢が六十六歳。作業していただくのは、補助員として登録していただいておる百七十人、将来の担い手となるべく専従社員五人、そのうち三人は二十代でございますけれども、専従社員を五人雇用いたしております。

 作業をする方々の賃金規程は、配付資料の四に掲載をされています。補助的な作業で時間給の千円、トラクターを運転して時間給の千五百円ということでありますので、悪くはない賃金だろうというふうに私は思います。

 経営規模は三百二十二ヘクタールであります。出資者には、大津町そしてJAも参加をいたしております。大豆、米を中心に、さまざまな展開をしております。

 二十六年度の決算で、総収入が五億三千三百万円、そして人件費も含めた総支出が五億一千三百万円でありますので、差し引き二千万円の黒字となっております。

 これらは、長年かけて地域の人たちと地域のリーダーがそれぞれ説得して、話し合いをして、そしてやっとここまで築き上げた、そういう組織であります。このような組織が全国各地にできること、これが農業の再生につながっていくと思っております。地域を一番よく知ったリーダーあるいは古老の方々、こういった方々がみずから自主的につくり上げる組織、経営体に対して国が背中を押してあげる、バックアップする、いわゆるオーダーメード式の農政というものがこれからは必要になってくると思っております。

 今回の補正予算では、畜産クラスター関連で六百十億円、そして産地パワーアップ事業で五百五億円など、これまでにない意欲的な予算が組まれておりますし、そして、それは基金化して非常に柔軟性を持たせるというような知恵も絞られております。

 これからの農業にかける思いとして、やはり、地域で一生懸命話し合いながらやっている、こういう方々に裁量権を移すこと、権限も移すこと、一定程度の主体性を渡すこと、これが農業の自立につながっていくというふうに思いますが、農林水産大臣、どのようにお考えでございますか。今後の農政の展開も含めて、よろしく御答弁をお願いいたしたいと思います。

森山国務大臣 坂本委員にお答えを申し上げます。

 委員御承知のとおり、我が国は、北は北海道から南は沖縄まで、平地から中山間地まで、さまざまな環境のもとで水田、畑作、畜産等が営まれているところでありますが、地域の特性に応じたさまざまな農業が営まれてきたという歴史が日本の農業にとって一番すばらしい歴史なのだろうと私は思います。

 先日、私は、奈良県の五條市の柿や愛媛県の八幡浜市の真穴のミカンの現場を見せていただきましたけれども、一般的にはまさに生産条件の不利な中山間地でありますけれども、ちょうど四十年前から、地域の皆さんがまとまって、生産性を高める農地整備やかんがい施設の整備を契機として、高く市場で評価をされる柿をつくるようになり、ミカンができるようになりました。農家の所得もかなりのものであり、地域の雇用にも貢献をしておられます。

 また、鳥取では、中山間地の耕作放棄地で、通年放牧で牛の生産を頑張っておられる農家もあります。餌代が大体半分ぐらいになったと言われておりますし、また、非常に健康な子牛の生産に励んでおられます。

 条件不利地域であっても、発想を変えることによっていろいろなやり方があるんだなということを改めて認識いたしましたが、これもまさに地域の自主性あるいは地域の皆さんの努力によってのみ達成できることであろうというふうに思っております。

 また、先ほど御紹介のありました株式会社のネットワーク大津、また、九州最大の面積で頑張っておられる農事組合法人のかしま広域農場等々、広域的な集落営農の組織化に熊本県は特に積極的に取り組んでおられますし、このような事例のように、また委員御指摘のように、現場の自主性を積極的に後押ししていくことが我が国の農林水産業全体の底上げにつながっていくものと考えておりますし、今までも人・農地プランの策定を推進してまいりましたし、地域の自主性を尊重した農政を展開していくということは大事なことだと思っています。

 また、今回のTPP対策におきましても、地域が一丸となって収益力強化に計画的に取り組む産地を支援するという意味で、産地パワーアップ事業や畜産クラスター事業等の施策を予算化させていただきましたので、地域の自主的な取り組みを今後もしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

坂本(哲)委員 ありがとうございました。

 ネットワーク大津が中心となって、発端となりまして、熊本県では、その後、二十三の農業法人ができました。その中には、四百五十ヘクタールの先ほどの集落営農もあります。国があれをやりなさい、これをやりなさいと言うよりも、やはり地域で、隣接地でいろいろなものができると、それを学習して、それをさらに上回ろうとする農業経営体が出てくるということが一番大事なことであると思っております。

 自主性を尊重した今後の農政、よろしくお願いを申し上げまして、質問を終了いたします。

 ありがとうございました。

竹下委員長 これにて坂本君の質疑は終了いたしました。

 次に、濱村進君。

濱村委員 公明党の濱村進でございます。

 本日は、経済対策と消費税軽減税率の関係についてお伺いをいたします。

 まず、冒頭申し上げたいのは、消費税の軽減税率というのは世界的に広く採用されている制度であるということでございます。

 パネル一を見ていただきたいというふうに思いますけれども、OECDでは、日本とチリ以外の全ての国で軽減税率が導入されておりますし、そしてまた、EUでは、二十八カ国全ての国が軽減税率を導入しているわけでございます。これは、世界に行けば普通のことなんです。その上で、今なぜ軽減税率を導入するのか、経済対策とのかかわりの中でしっかりと明らかにしていきたいというふうに思うわけでございます。

 総理は、政権発足以降、ずっとデフレ脱却のために奔走されてこられました。経済にとってデフレこそが諸悪の根源でございますし、デフレから脱することこそが、政治が真っ先に取り組まなければいけないことでございます。

 長いデフレの間、企業は、万が一に備えて手元に資金を残して、コスト削減の取り組みに重きを置き、そしてまた、リスクをとれず、新規事業拡大や事業の開拓に踏み出すことはできなかった。それが今、改善しつつあるわけでございますが、生産力拡大のため、あるいは、設備投資を行う、事業拡大のための研究開発投資、そして企業買収のための株式の購入であったりとか、非常に前向きになっているわけでございます。

 この企業の意欲は、リスクをとる、そういう積極的な意識に変わりつつあるというふうに思うわけでございますが、一方で、消費者の消費意欲はどうでございましょうか。デフレ脱却に向けて、消費者の意欲がどうあるべきであるのか、そしてまた、現状はどうであるのか、安倍総理の御認識をお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 デフレ脱却を掲げて、この三年間、名目GDPは二十八兆円ふえ、就業者数は百十万人ふえたわけであります。そして、賃上げは十七年ぶりの高水準になっておりまして、経済の好循環は確実に生まれていると確信をしています。

 こうした中で、消費者マインドについては、足元では、食料品など身の回りの物価上昇などを受けて足踏みが見られているものの、二〇一五年以降は持ち直し傾向にある、このように思います。

 個人消費については、十七年ぶりの高い賃上げ率などを背景に、持ち直しに向かうことが期待されますし、本年の賃上げ、そして最低賃金の引き上げに向けた環境整備を進めていくことによって、消費をしっかりと拡大していきたい、こう思うわけであります。

 私が、デフレではないという状況をつくり出すことができたと申し上げましたのは、三本の矢の政策によって、生鮮食品やエネルギーを除いた物価の基調が政権後にマイナスからプラスへと転じた、そして、実質GDPの伸びが名目GDPの伸びよりも大きいという逆転現象を、不正常な現象でありますが、これは解消することが、名実逆転したものを正常化することができたと思います。そして、名目GDPや賃上げも上昇しておりまして、そういった経済のさまざまな状況を踏まえてそのように申し上げたわけでございます。

 デフレから脱却したかどうかということについては、再びデフレに後戻りをしないという状況になったかどうかを総合的に考慮し、慎重に判断する必要がありますが、まだそこまでには至っていない、こう考えているところでございます。

濱村委員 今、もはやデフレではないと言えるぐらいの状況には来ているけれども、再びデフレに陥らせるようなことがあってはならないということ、本当にそのとおりだなというふうに思っております。そのためには、消費者の消費意欲を決して冷やすようなことがあってはいけないというふうに思うわけでございます。

 ここでパネル二をごらんになっていただきたいというふうに思いますが、これは、財務省の軽減税率による負担軽減額という資料をもとに、軽減税率による負担軽減額の家計における割合というものを資料をつくってみました。すると、所得が多くない層において、家計における負担軽減の割合が高いということがわかるわけでございます。収入の多い人の五千円と収入の少ない人の五千円、それは心理的に意味合いが変わってくるということで、これは当たり前の話だと思うんですね。まさに、軽減税率こそが心の景気対策に非常に役立つのではないかというふうに思うわけでございます。

 軽減税率の導入は、特に、収入の多くない皆さんへの痛税感の緩和、これは心理的効果が高いというふうに思うわけでございますが、消費に対する意欲をそがないという点で効果があるというふうに思うわけでございます。安倍総理の御見解をお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 濱村委員御指摘のとおりだろう、こう思います。

 酒類そして外食を除く食料品について、消費支出に占める割合を見たとき、年収千五百万円以上の世帯では一五%程度、一方、年収二百万円未満の世帯では三〇%程度となっております。倍違うということであります。軽減税率制度の導入による消費税負担の軽減の効果が所得の低い方により大きく及ぶことは、今の数字で御理解いただけるのではないかと思います。

 また、消費税の逆進性については、消費税負担の絶対額ではなくて、まさに今おっしゃったように、収入に占める消費税負担の割合によってはかることが適当だろう、これは常識だろう、このように思います。

 御指摘の資料にもあるとおり、酒類、外食を除く飲食料品等に係る消費税負担の収入に対する割合は、所得の低い方の方が高所得者よりも高くなっています。したがって、軽減税率制度の導入によって、所得の低い方の方が消費税負担の軽減度合いが大きくなり、まさに消費税の逆進性の緩和につながるもの、このように考えております。

濱村委員 総理、大変ありがとうございます。

 消費をしっかりと支えていくというのは、この日本経済において非常に大事なわけでございます。GDPの六割を占めるのは個人消費というわけでございますので、そういう意味においても、大切なのは、社会全体で消費意欲を高めていくというわけでございますが、そのためにも不安の解消をしていかなければいけない、このように思うわけでございます。

 これは、社会保障を削減しない、社会保障の充実をするということも外せないというふうに思うわけでございますが、ここで確認したいのは、軽減税率を導入するからといって、あたかも社会保障費が削られるかのような、そういう因果関係があるかのような指摘をするような方がおりますが、これは全くの事実誤認であるというふうに私は思うわけでございます。社会保障費の効率化は行うんだけれども、それは軽減税率導入によって財源に穴があくからという因果関係は全くないというふうに思うわけでございます。

 この点、連日の話でございますので大変恐縮ではございますが、総理に御認識をお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 これまで何回も申し上げてきていることでございますが、まさに、軽減税率のための一兆円につきましてはしっかりと財源を手当てしていく、その際、我々は、消費税を八%から一〇%に引き上げていく中において、社会保障の充実二・八兆円については、この二・八兆円から削減をすることはないということはもう既に申し上げているとおりでございまして、最初から私の言うことを信じたくないと思っている人にはなかなか通じないところがあるわけでございますが、これは明確に申し上げておきたいと思います。いわば、この一兆円について、この二・八兆円から削っていく、あるいは必要な社会保障費を削っていくということはないということは明確に申し上げておきたいと思います。

濱村委員 総理の力強い御決意をいただきましたが、与党としては、責任を持って財源を確保していく、これはやっていかなければいけませんし、当たり前のことなんです。

 そしてまた、事業者の事務負担についても軽減をしていかなければいけない、これも同様に与党としてやっていかなければいけないことだというふうに思うわけでございますが、このたびの補正予算においては、軽減税率導入のための事業者支援対策として、補正予算では百七十億円、予備費で九百九十六億円計上されているわけでございます。

 これで事務負担を軽減しようというわけでございますけれども、ここでパネル三をごらんになっていただきたいというふうに思いますが、世界銀行がプライスウォーターハウスクーパースと毎年共同で調査しているものでございます。ペイイングタクシーズというものでございます。これは、典型的企業が納税する際に年間でどれだけ時間を費やしているのかということを示しております。

 消費税の納税に費やす時間について、見ていただきますと、EU諸国で複数税率を導入してインボイス方式をとる国々においても、現在の日本の簡素な方式と比較してみても実は意外と手間がかかっていないということがわかっていただけるかというふうに思うわけでございます。イギリスあるいはフランスとかと比較していただいても、今の日本と同等の水準、あるいはそれよりも時間が少なくて納税事務が行えるというわけでございます。

 これは、インボイスが手間がかからないというわけではなくて、EUにおいて、イギリスとかでやられているように、インボイス、統一化をしました。あるいは電子発行に取り組んできた。こういった長い間の工夫の積み重ねによってこういう状況が生み出されているというわけでございます。そういう意味では、工夫が非常に大事なんです、工夫が。

 今回、POSレジ、レジの改修であったり受発注システムについて予備費等をつけていただきましたが、これから導入するのが日本なわけでございますので、しっかりと工夫して導入する必要があるというふうに思うわけですね。

 POSレジと受発注システムをつなぐインターフェースを統一化していくとか、あるいは、そこからつなげる経理システムを、納税しやすいようなものをつくってクラウドで配布していくとか、そういったことを考えていかなければいけないというのが今の日本の課題なのではないかというふうに思うところでございますが、林経産大臣の御所見をお伺いいたします。

林国務大臣 インボイス制度につきましては、事業者の事務負担を配慮して、その導入時期は平成三十三年四月としております。

 事業者がインボイス制度に係る事務に対応するに当たっては、濱村委員御指摘のように、商品管理や受発注、経理などの事務を含めてITシステムをうまく活用する、それが効率化していく工夫を講じていくことが重要であるというふうには考えております。

 平成二十九年四月の軽減税率制度の円滑な導入のためには、中小の小売事業者が複数税率に対応するために必要なレジの導入、システム改修等につきまして支援を実施していくことにしております。この支援策も、インボイス導入への準備に資するものというふうに認識をしているところでございます。

 御指摘のような事業者のITシステムの活用あるいは経営の高度化は重要でありますが、その推進に当たっては、まず、レジやシステムを導入していない小規模な事業者がIT化するために必要なコストや知識の問題、あるいはまた、レジやシステムを導入済みの事業者についてですが、事業者ごとに仕組みがばらばらでありまして、改修が効率的に進まないという業界の構造があります。また、システム化を行う事業者のインボイス等の税務上の帳簿類の保存のあり方等々、さまざまな課題があるというふうに考えられます。

 このため、今後、中小・小規模事業者の事務負担の実態あるいは準備の状況などについてさらに十分に調査、意見聴取を行うということが必要だと思うし、委員御指摘のような工夫も含めて、三十三年四月のインボイス導入に当たっての課題、またその解決策を検討しつつ、必要な措置を講じていきたいと考えております。

濱村委員 ありがとうございました。

 時間が来ましたので終わりますが、与党といたしまして、軽減税率を導入して、心の景気対策でデフレ脱却を確実なものにして、そしてまた事業者の納税事務の負担軽減にもしっかりと積極的に携わっていくということをお約束して、質問を終わります。

 ありがとうございました。

竹下委員長 これにて濱村君の質疑は終了いたしました。

 次に、長妻昭君。

長妻委員 おはようございます。民主党の長妻昭でございます。

 まず申し上げたいのが、昨年の暑い夏、まさにこの委員会室で、私も安保特の理事をやっておりましたけれども、総理から、安保法制、国民の理解が進んでいないというふうにおっしゃった、その二時間後に強行採決がなされた。本当にこれはとんでもないことで、答弁もしどろもどろで、百回も委員会がとまった。百回。こういう異常なような採決をして、本当にこれは厳重に抗議をいたします。

 そして、きのう、この補正予算の採決も職権で決めてしまった。せっかく我々がここで質疑をしたものがその後の採決等々に反映をされる、あるいはもう少し時間をかけて議論をする、あるいはここでの提言を取り入れる、こういうことは一切ない、きょうの質疑が非常に無意味になってしまいかねないようなものを昨日決めるということについて、強く抗議をいたします。

 といいますのも、先ほどもちょっと議論がありましたけれども、軽減税率の財源について非常に答弁が、閣内不一致という声もありましたけれども、曖昧になっているので、昨日、我が党からも要求をいたしまして、財源をどうするんだ、一兆円、これの統一見解ということを求めましたら、統一見解が出たということでございますので、総理に統一見解を正確におっしゃっていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 御指摘の政府の統一見解は、これまでの軽減税率の制度の財源のあり方についての政府の答弁を整理したものであります。今後、与党及び政府の税制改正大綱やこの政府の統一見解を踏まえ、与党とも相談しつつ、歳入歳出両面にわたってしっかりと検討してまいりたいと思います。

 なお、軽減税率制度の検討の経緯に係る政府答弁についても整理をさせていただいたところでございます。(発言する者あり)

 では、統一見解について読めということでございますので、読ませていただきたいと思います。

 与党及び政府の税制改正大綱において、消費税の軽減税率制度の導入に必要な財源については、財政健全化目標を堅持するとともに、社会保障と税の一体改革の原点に立って安定的な恒久財源を確保するとの観点から、平成二十八年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずるとされています。

 この点に関し、税収の上振れについては、経済状況によっては下振れすることもあり、基本的には安定的な恒久財源とは言えないと考えられる。

 アベノミクスによる経済の底上げによる税収増をどう考えていくかについては、経済財政諮問会議において議論していく。

 いずれにしても、現時点では具体的な措置内容が念頭にあるわけではないが、与党とも相談しつつ、歳入歳出両面にわたってしっかりと検討してまいりたい。

 なお、軽減税率制度の導入に当たって安定的な恒久財源を確保することにより、社会保障と税の一体改革における二・八兆円程度の社会保障の充実に必要な財源は確保する考えであります。

 よろしいでしょうか。

長妻委員 これは昨日の総理の答弁とは異なり、今の統一見解では、税収の……(発言する者あり)ちょっと静かに聞いてくださいよ。税収の上振れ分は安定的な恒久財源とは言えないと。つまり、アベノミクスによる税収増というのは安定的な恒久財源とは言えないということが明確に今回言われているわけでありまして、ということは、六千億、あと足りない部分の安定的な財源、上振れでない、税収増でない財源を見つけるということになるわけでありまして、これはいろいろな臆測が流れております。

 社会保障の目玉である年金の問題とかあるいは医療の問題、それが削られるんじゃないのかというような心配をされている方もいらっしゃるし、私も心配をしておりますので、この六千億円については、一体どこから安定的財源、上振れでない形で出すのか、めどぐらいおっしゃれませんか。

安倍内閣総理大臣 今の統一見解を普通に聞いていただければ、まさに私が申し上げたこと、また麻生副総理が財務大臣として申し上げたことを整理したものであると理解できるはずでありますが、最初から理解したくないというのであれば、これはなかなかしようがないところで、力の及ぶところではないのでございます。

 上振れと下振れについて、いわば振れということについてはまさに財務大臣がおっしゃったとおりでありますが、一方、経済が私たちの経済政策によってどこまで実は底上げされているか、底になっているか、土台になっているかということについては、これはまさに経済財政諮問会議において専門的な見地から議論をするのは当たり前なことじゃありませんか。それをちゃんとやっていくというのはきのう私が申し上げたとおりでありまして、決して矛盾することではないということでございます。

 そこで、いずれにいたしましても、現時点では具体的な措置内容が念頭にあるわけではありませんが、与党とも相談しつつ、歳入歳出両面にわたってしっかりと検討してまいりたい、このように思うわけでありますが、我々は責任与党として、消費税の引き上げそして軽減税率の導入に当たって適切に対応していく考えでございます。

長妻委員 何で拍手が出るのか不思議なんですが。

 総理、当たり前ですけれども、国会というのは日本語で議論しているんですよ。安定的な恒久財源は税収の上振れは含まれないというふうに統一見解が出ているわけですから、これはきのうの答弁と違うということなんですよ。ですから、それを私は言っているわけで。

 であれば、ぜひ、参議院選挙の前までには、この安定的な恒久財源、これをきちっとめどを出すというようなことを強くお願いしたいと思います。この後からまた同僚議員が質問いたしますけれども、ぜひ、選挙の後に社会保障を削ると突然言われても困るわけで、参議院選挙の前にきちっとめどをお示しいただきたいということをまず申し上げます。

 そして、もう一点であります。

 これは塩崎大臣に事実関係をお伺いするんですが、私もいろいろ選挙応援で全国を回っておりましたら、特に若い方から、長妻さん、私は株式会社で正社員で勤めているんだけれども、あるいはフルタイムで働いているんだけれども、うちの社長の方針で、うちは国民年金なんです、本当に困るんです、こういうようなお問い合わせというのは何度もいただいたんですね。

 株式会社に勤めていて、フルタイムあるいは週三十時間以上働いていれば、これは厚生年金じゃないとおかしいんですよ。法律違反なんですね。

 それについてサンプル調査をしてくださいということをずっと政府に申し上げておりましたら、やっとしていただいて、昨年の十二月の二十五日に公表になったわけで、二万二千人の方から回答を得たわけであります。それぞれ個別に働き方を聞いて、法律違反の問題について調査結果が出ました。約二百万人という数字が出ましたが、塩崎大臣、端的にこの二百万人の意味を教えていただければ。

塩崎国務大臣 今先生からお話がございましたように、昨年の十二月に、平成二十六年国民年金被保険者実態調査結果の概要という形でお示しをいたしたサンプル調査でございますけれども、この二百万人程度という推計値は、今のこの国民年金被保険者実態調査において、国民年金第一号被保険者約一千八百五万人のうち、一定のサンプル、六万二千人ぐらいのサンプルを抽出いたしまして、就業状況等を調査するということをやりました。

 国民年金保険の適用の可能性があるにもかかわらず国民年金第一号被保険者になっている者の数を、サンプルの中で有効回答が二万二千ありました、そこで出てきた割合を当てはめて機械的にやってみると、全体の千八百万人ぐらいから見れば、二百万人ぐらいの方々が本来厚生年金に入らなきゃいけないのに国民年金になっているのではないだろうかという数字が出てきたということでございます。

長妻委員 これはそのとおりなんですね。この二百万人というのは、国民年金の一号被保険者。三号というのは大体専業主婦の方でありますから、基本的には、国民年金に入っておられる方のうち二百万人もの人が、本来は厚生年金に入れるのに、法律では入れるのに、経営者が何らかの考えを持ってそれを入れていないというようなことだろうと思います。これは大変な問題なんですね。

 なぜかといいますと、御存じのように、厚生年金でなければこれは医療の方も連動をして国保になっちゃうわけですね、企業の社保ではなくて。とすると、事業主負担が、年金でも保険料の事業主負担は出ないし、全額国民年金は自分が自腹で払うわけですね。厚生年金は事業主負担が半額出るわけであります、保険料は。医療の方も、国保は全額自分で払う。企業の社保の方は事業主負担が半額出るということで、保険料の支払いの重みも相当重くなるわけですね、自営業じゃないわけですから。

 それで、二百万人の人が不当な形で国保になっている。四十歳未満の方でいうと、百二十四万人もいらっしゃる。二百万人のうちの六割を占める。国民年金被保険者一号のうち約一割が、本来は厚生年金に入ることができるということなんです。

 ですから、このテレビ、ラジオをごらんの皆様方に申し上げたいのは、自分が国民年金です、しかし会社で私は働いている、でも国民年金になっているという方は厚生年金に入る可能性が非常に高いので、お近くの年金事務所にぜひ相談に行ってください。その方がそういうことを相談したというのは、会社にばれないような形で年金事務所は対応すると言っておりますので。

 多くの方が不当に苦しんでおられる可能性があるということなんです。ぜひ緊急対策を宣言して、注意喚起とともに、相当の人、物、金をかけて一気にこの二百万人の方を入れてさしあげるということをしなければならないと思います。

 といいますのも、例えば生活保護をちょっと見ますと、このパネルでございますけれども、今、六十歳以上の方の生活保護が急増しておりまして、半分を超えました。このブルーのところですね。やはり、老後の年金が無年金、低年金になる、そういう方が相当ふえている。この二百万人の問題もそれに連なる問題でありますし、先ほど申し上げた論点からして、ぜひ緊急対策を宣言して、注意喚起とともに、一気に人、物、金をかけて取り組んでほしいということですが、いかがでございますか。

塩崎国務大臣 おっしゃるように、本来厚生年金に入らなきゃいけない、あるいは入れるのに国民年金であるということが事実な場合には、やはりそれは大変な問題であります。

 対策をちゃんと打て、国民に注意喚起を行うとともに緊急的に対策をとるべきじゃないかということでございますが、それはそのとおりでございまして、私どもとしては、年金機構を通じてしっかりと、今、大体七十九万事業所に対してまず日本年金機構から、厚生年金適用の可能性があるということを調査票を添えて全てに送付しようというふうに考えております。

 さらに、機構が、労働時間が厚生年金適用の要件に合致するかどうかなど、厚生年金の加入要件に合っているのかどうか、これを個別に調査しなければなりません。これは、今お話しのように、厚生年金が本来適用されるべきじゃないかと思われても、例えば五人未満の事業所の場合とか労働時間が少ないとか、そういう場合には外れてくるわけでありますので、そういった調査をしっかりとやる。それには一定の時間はかかりますけれども、そのような調査をやっていきたいと思います。

 それから、入るべきだということが判明した場合には、当然、加入指導を重点的にやっていかないといけないというふうに思いますので、計画的に適用促進を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

長妻委員 しかし、その答弁は従来どおりの話なんじゃないですか。

 従来どおりのスピードでいうと、確かに年間四万事業所は新規に皆さんの努力で適用拡大になっていると聞いておりますけれども、この二百万人を全部適用するには、今のペースでいうと十七年もかかっちゃうんですよ、十七年間。こんなに長くかけて、果たして国民の期待に応えられるのかどうかということなんですね。

 そして、もう一つ問題がありますのが国保の差し押さえなんですけれども、国保の保険料が払えなくて差し押さえをされている方が二〇〇〇年から六倍もふえている。年間二十五万件あるんです。

 御存じのように、国保は、お子さんがふえればふえるほど保険料が高くなります。ところが、企業の社保に入っていれば、お子さんの人数に関係なく保険料は一定なんですね。ですから、負担が全然違う。重いわけです。

 ですから、私は、この二十五万人の差し押さえの中に実は企業の社保や厚生年金に入るべき方がいらっしゃって、重みに耐えられなくて差し押さえされている方が相当多いんじゃないかと。ある自治体に聞いても、実感として結構多いんじゃないかと思っているというようなお話もありましたので、これはぜひ、差し押さえの中で何人が本来そういう方なのか至急調査していただきたいんですが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 厚生年金と同様、健康保険について制度が適用されて保険料を納めるべき事務所がその責任を果たさないという状況を放置していくことは問題であると認識をしています。

 自治体がチェックする体制を構築すべきとの意見がありますが、健康保険の事務を扱っていない自治体がその適用の判断を行うことは難しいわけでありまして、しかしながら、市町村で国保の保険料滞納者などに対して就労状況を確認し、その状況を年金事務所に連絡するなど工夫ができないか、厚生労働大臣に検討させたいと思います。

 また、国民年金についても、年金事務所で就労状況の確認を行わせるよう、厚生労働大臣に検討させます。

 また、国保の保険料未納により差し押さえを行う者のうち、どの程度が健康保険未加入の者であるかの調査についても、あわせて厚生労働大臣において検討させます。

長妻委員 これはぜひしっかりやっていただきたいと思うんです。

 先ほどの繰り返しですけれども、このままのペースでいくと十七年かかりますからね、二百万人の方をきちっと手当てするには。これは人、物、金をかけてやっていただきたい。

 そしてもう一つは、救済法が必要かどうかという検討も必要だと思うんですね。法律、時効撤廃。つまり、もし厚生年金や企業の社保に入れるのにそうでない状況になった場合、過去二年間まではさかのぼって、安い保険料になって差額が戻ってくる、こういう救済策があるんですね。ただ、過去二年なんです。

 ですから、今回いろいろ皆さんが、ことしも去年もずっと、微々たるものではありますけれども新たに適用された方々を調査して、二年を超えて、そういう形で放置された方が一体どの程度いらっしゃるのか。これも政府は調べないと頑張っておりますから、過去二年以上放置をされている方がどのぐらいいるのか、その方が相当多ければ時効撤廃法のような法律の手当てをしなきゃいけないと思うんです。

 過去二年以上放置をされている方がどの程度いらっしゃるのか、この調査を、総理、ぜひしていただきたいと思うんですが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 長妻委員も厚生労働大臣を務めておられましたから、その実態についてはよく御承知だろうと思いますし、こうした把握についての難しさも御承知のとおりだろうと思いますよ。

 その中で、御指摘のような方について、二年間を超える遡及適用は行われていないことから、現段階で日本年金機構において把握はしていないわけであります。しかし、厚生労働省において、今後どのような実態把握が可能なのかについて検討させることにしたいと思います。

長妻委員 一件一件当たれば確認できるんですね。ですから、ぜひこれを確認していただいて。

 そして、最も重要なのは、十七年もかけないで、本当に速やかに、数年というか、相当短い期間で人、物、金をかけて徹底的にやるということを、ちょっと最後、総理から。人、物、金をかけてやるというようなこと。

 つまり、今までの巡航速度でいくと相当な年限がかかっちゃうわけですね。そういう意味では、いろいろな財源があると私は思うんですよ、この補正予算でも。結局、軽減税率でいっても、あの一兆円の財源、玉木議員の調査では、年収一千万円以上の人に一千億円以上の財源を使うわけですよね。あるいは、三万円、一回ぽっきりの高齢者に対するばらまき。いろいろな予算があるわけですから、若者に対して不当なものを解決するための人、物、金の緊急対策をするというふうに、総理がやはり宣言をしていただくということが大変重要だと思います。

 ぜひお願いします、総理。

塩崎国務大臣 長妻先生を含めて、民主党政権時代にも加入指導によって事業所について適用としていったことを努力していただいているわけでありまして、二十六年度は三万九千七百件ほどやっております。それに対して民主党政権時代は大体四千八百、六千六百、八千ということで、結構やはり手間がかかるということがあることは覚えておいていただければと思いまして、だからこそ、先ほど申し上げたように、七十九万に対して、手紙を出して注意喚起をまずしていくということと同時に、日本年金機構から出向いていくということもやっていくということを今考えているわけでございます。

長妻委員 今、年間四万事業所を仮に新規に適用したとしても、計算すれば十七年間かかっちゃうということなんですよ、遅々として。

 ですから、総理、最後、人、物、金をかけて今までの巡航速度ではない形で緊急対策を実施するということは、ぜひ総理がやはり先頭に立って明言をしていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。

 いやいや、ちょっと待ってください。総理。

塩崎国務大臣 一言だけ。さっき申し上げたように……(発言する者あり)委員長に指名をいただいたので、まずお答えをいたします。

 先ほど申し上げたように、この七十九万事業所が全て厚生年金の適用になるべき場合であるかどうかは、まずケース・バイ・ケースで見てみないとわからないわけです。ですから、さっき言ったように、五人未満であればそうじゃないし、それから、働いている時間も少なければ適用になりません。

 したがって、最初にまず七十九万に送って、回答を得て、どういう状況なのかなということを踏まえた上で、でも、気持ちの上では、先生がおっしゃるように、これを早く解消してあげないといけないということは同じ認識でありますから、そこは徹底的にやっていきたいというふうに思います。

安倍内閣総理大臣 この問題はずっとあったわけでございまして、この問題の調査等また把握の難しさは、長妻大臣も大臣としてこの問題にかかわっておられたわけでありますから、しかしそれはそう簡単には解決しないということもよく御承知のとおりだろうと思いますよ。

 そこで申し上げれば、ただいま厚労大臣からも答弁をさせていただいたように、事業を行っているかどうか、雇用され給与が支払われる雇用者がいるかどうか、あるいは労働時間が厚生年金適用の要件に合致するかどうか等を調査する必要がありまして、そのためには一定の期間を要します。しかし、計画的かつ確実に行うように、厚生労働大臣に指示をしたいと思います。

長妻委員 これは、今回、二百万人という方の数字が確定したわけですね、初めて。ですから私は聞いているわけでありまして、これは別に私が総理を追及する話じゃないんですよ。これは与野党関係なくきちっと緊急対策で、二百万人の本当に不当な形に追いやられている若い人が中心にいらっしゃるわけですから、別に追及する話じゃないんですよ。総理がやっていただく、これは本当に大変な話だ、人、物、金をかけてやると言えばそれで済む話ですが、きょうおっしゃらないので、私はこれは引き続きやっていきたいというふうに思います。これは追及せざるを得なくなっちゃうんですね。

 最後に質問をいたしますが、格差についてであります。もう時間もなくなりました。

 総理は、日本の今の格差について現状をどういうふうに認識されているのか、お教え願えればと思います。

安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、先ほどの二百万人の件についてはやるということを、確実にやるように厚労大臣に指示すると申し上げたとおりであります。

 そこで、格差については、固定化されず、人々の許容の範囲を超えたものではないことが大切だろう、重要だろうと思っております。

 格差の状況については、例えばジニ係数の動向を見ると、我が国の場合、当初の所得に比較して、税や社会保障による再分配後の所得の格差はおおむね横ばいで推移していると思います。また、相対的貧困率については、長期的な傾向としてはおおむね緩やかに上昇しています。この背景には高齢者の増加等が影響していると考えられるところでありまして、こうした状況にはしっかりと目配りをして必要な対応を行っていく必要があると考えています。

 格差については、例えば、生活の程度に関する質問があるわけでありますが、中の中と自分を認識しているという答えをした人の割合でございますが、平成十三年の調査では五五・七%でございます。そして、安倍政権においては五六・五%、余り変わりはない。民主党政権の三年間を平均しますと五五・一%でありまして、これも現在の五六・五と比べて余り変わりない。一・四%、少し中流と考えている人がむしろふえている、こういうことでございますが、基本的には横ばいであろう、こう思っております。

長妻委員 基本的に横ばいというのは、私はちょっと実感と違うんじゃないかなと思うんですね。

 例えば、朝日新聞の昨年五月の世論調査、所得の格差が広がってきているのか、七六%がそう思うと。あるいは、産経、FNNの昨年二月の調査、日本の格差は広がっていると思うという方が七八%。共同通信、昨年二月、日本社会の貧富の差が広がっていると思うという方が七七%。毎日新聞、昨年一月、日本社会の格差は広がっていると感じるか、感じるという方が七〇%ということで。

 我々、共生社会創造本部というのをつくりまして、民主党が目指すべき社会の姿というのを掲げて、綱領も我々は持っております。目指す社会は共生社会。これはどういう社会かといいますと、一人一人がかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ互いに支え合い、全ての人に居場所と出番がある社会ということであります。

 その共生社会を目指す上で大きな壁になっているのが、このパネルにもありますけれども、能力の発揮を阻む格差の壁。私は、この格差の壁が経済成長も阻んでいるんじゃないか、こういう問題意識を持っているわけで、大きくは三つの壁がある、格差の壁があると思っております。これを手当てしなければならないんですね。格差が横ばいだなんという認識では、この壁は乗り越えられない。格差の壁が厚く、高くなっているわけであります。希望を奪っております。

 教育格差の壁。今、年収四百万円以下の御家庭だと大学進学率は三割しかない。県別の所得と大学進学率がリンクをしている。どこの県に生まれたかで大学に行く行かないが決まってしまうような状況になりつつある。

 お子さんの六人に一人が今、貧困状態。貧困状態といいますのは、生活保護世帯並みの収入ということであります。貧困の連鎖も起こっております。生活保護を受けているお子さんのうち、四人に一人が大人になってもそこから抜けられない。教育の機会も相当損なわれているわけで、やはり能力と意欲があれば誰でも大学に行くことのできる社会をつくらなきゃいけないということで、我々もマニフェストに個別政策を入れてまいります。

 ちなみに、この教育格差の壁でいいますと、日本は世界一教育の自己負担が高い国です。人材が本当に生かせていないんじゃないのか。

 就労格差の壁。これは、御存じのように、正社員と非正規の壁、非正規雇用が四割を超えた。あるいは男女の格差。あるいは労働時間、これも正社員が年間二千時間を超えている、世界一の長時間労働の国であります。同一労働同一賃金をきちっと入れる。あるいは、非正規雇用がふえることで労働生産性が下がって、稼ぐ力が先進国、OECDの中で二十位まで下がってしまう、こういうことも起こっております。

 年金格差の壁。年金の受給額を十分位に分けますと、一番もらっているグループともらっていないグループで七倍も格差がある。女性のひとり暮らしの四五%が貧困状態、つまり約半分が生活保護世帯並みの収入でお暮らしになっている、女性の高齢者のひとり暮らしであります。老後破産ということも今言われております。

 やはり、格差拡大を放置して、子供や若者を潰して、どうして経済成長できるんだ、我々はこういう問題意識を持っているわけで、公正な分配による人への投資なくして持続的な経済成長はないというのが我々の考え方でございます。

 ぜひ、参議院選挙で、総理からもいろいろな経済政策が出ると思います、我々もこの考え方に基づく個別の政策をきちっと打ち出して堂々と国民の皆さんの審判を受けていきたいと思いますので、いずれにしても、先ほど二百万人の話も申し上げました、格差の壁の話も申し上げました、もう少し格差や若者について深刻にお考えいただきたいということを申し上げまして、私の質問といたします。

 どうもありがとうございました。

竹下委員長 この際、山尾志桜里君から関連質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山尾志桜里君。

山尾委員 民主・維新・無所属クラブの山尾志桜里です。

 きょうは、安倍総理に、御自身の言葉でこれまで語ってこられたことや、子育て支援に関する基本的な事柄をお尋ねしたいと思っています。

 まず、一月八日のこの予算委員会の中で、山井議員との議論の中で、総理は、夫五十万、妻二十五万という例え話を出されました。この妻二十五万という御発言が、これはパートの実態をわかっていないんじゃないか、女性が働いている環境を御存じないんじゃないか、相当感覚がずれているんじゃないかという声が国内で広がっています。

 そんな中で、きのう西村議員がこの点を追及しましたけれども、総理は、妻がパートで二十五万とは言っていない、こうおっしゃったので、まず答弁をしっかり確認してみたいと思います。

 このフリップです。

 前段で、総理は、景気が回復し雇用が増加する過程において、パートで働く人がふえていくとはっきり言っています。その後、間髪入れずに続けて、こうした一人当たりの平均賃金が低く出ることにはなるわけでありましてと話しています。

 ということは、まず前段で、総理は、景気が回復し雇用が増加する過程において、パートで働く人がふえていくと一人当たりの平均賃金が低く出ることになるというふうに、総理なりの実質賃金が低下している理屈をお話しになっているわけです。

 それを受けて、後段、わかりやすくするための例え話として、ここに書いてあります、私が五十万で妻が二十五万であったとしたら七十五万にふえるわけでございます、二人が働くことによって、これを二で割りますから、平均は、全体で下がっていくということになるわけでございます。

 まさに、前段の理論、パートで働く人がふえていくと一人当たりの平均賃金が低く出るということを具体例で説明しているとしか。私も繰り返し読みました、この予算委員会の質疑も繰り返し見ましたが、これはどう見ても、この妻二十五万、パートが前提としか読めないんです。この文脈の中で、妻パート二十五万としか読めないんです。

 きのう総理は、妻がパートで二十五万と言っていないと弁解されていますけれども、きょうこのフリップを全国民がテレビを通じて見ていらっしゃいます。率直にきょうはお認めになったらいかがですか。

安倍内閣総理大臣 まさに本質を見ない、枝葉末節な議論でして、本質は何かということを見なければ経済はよくなりませんよ。

 私は、まさにマクロ分析について、どう経済の指標を見ていくかということをわかりやすく話したわけでありまして、そこで、総雇用者所得と平均の賃金との考え方の違い、どちらがどういう指標であるかということを説明する。あるいはまた、現在、平均の実質賃金が上がっていないという御指摘がございましたので、それは、景気回復局面においては、例えばパートの方が新たに働き始めるということを説明させていただいたわけでございます。

 と同時に、それは、ゼロの人が十万円になったり、二十万円になったり、三十万円、四十万円ということになってくるわけでございます。そして、そういう人を全部入れた平均にするから、当然、高所得者だけであれば、例えば働いていない人が多くても平均賃金は高く見えるけれども、社会全体では、実は足していけばそうではないよということを証明しようとしたわけでございます。

 そこで私は妻の例を出したわけでありますが、私が五十万円で、例えば妻を十万円と言った方が、五十足すと六十で、三十ですぐに割りやすかったわけでありますが、妻の十万というのも、妻にとっても、何だ、あなたの半分以下だ、こう言われるわけでありますから、これは、実際に妻も今仕事もしておりますから、五十万円と二十五万円という例を出したわけでありますが、しかし、これは説明とはまた別でありますから。私は、パートということであれば、妻がパートで働き始めたらと言ってはいないじゃないですか。それはもう明らかであって。

 でも、どちらにしろ、そんな議論は枝葉末節な議論であって、こんな大切なテレビ入りの委員会でこうしたことばかりやっているようでは、民主党も支持率は上がらないのではないかと心配になってくるわけであります。

山尾委員 総理に支持率のことは心配してもらわなくて結構です。

 実は、総理、平成二十六年の二月二十四日にも、山井議員から賃金低下を懸念した質問をされているんです。そこでも同じ理屈を言っていらっしゃいます。「景気回復局面においては、短時間のパートから始めようという人がどっとふえてくるんですね。短時間のパートから始めていますから、一年間にすれば、これはどうしても賃金が下がるんですよ。そうしたものを平均するから、今委員がおっしゃっていたような状況になっているわけであります。」パートがふえるから賃金が下がるという一貫した説明をしています。

 平成二十六年十月三十日にも、別の委員からやはり実質賃金の低下を指摘されています。そこでもこう言っています。「だんだん景気がよくなったので、パートから始めてみようかという人が出てきますから、それは短時間でありますから、どうしても、短時間の方々がこの労働者の中に、賃金をもらう人たちの中に入りますと、平均は下がるということになるわけであります。」パートがふえるから賃金が下がるという一貫した説明です。

 一月八日もそうですね。パートで働く人がふえていく、こうした一人当たりの平均賃金が低く出ると。一貫した説明です。

 総理、少なくとも平成二十六年二月から二年間、総理は一貫して同じ説明をしているじゃないですか、パートがふえるから平均賃金が下がると。

 では何で、例えるときだけ、この妻はパートじゃなくなるんですか。

安倍内閣総理大臣 これは余り本質的な議論ではないと思いますよ。パートがふえているというのは事実でありますから、経済実態について説明をしているのと、いわば平均賃金と総雇用者所得との違いについてはわかりやすいからそう説明をしているわけであります。例えば、たまたま私はそのとき二十五万という表現を使ったわけであります。これは別に十万と言ったってよかったわけでありまして、私が十万と言っていればよくて、二十五万と言っていれば本質が違うという話では全然ないわけであります。

 大切なことは、こんな枝葉末節なことで揚げ足をとり合っているよりも、パートの時間給を上げることですよ。我々はまさにパートの時間給を上げているじゃないですか。この伸び率は、まさに今まで統計をとっている最も高い水準で上がりつつあるわけですよ。

 大切なことはそうであって、そして、ちゃんと仕事をつくっていくことですよ。仕事を私たちはつくっています。百十万人つくっているという現実を見た方がいいですよ。倒産件数は皆さんの時代よりも二割も減っているんですよ。二割倒産件数が減って、その翌年はそこからさらに一〇%も倒産件数が減っている。一万件を切ったというのは二十四年ぶりのことですよ。

 そういうことが私たち政治家には求められていて、そうするためにはどういう指標を見ていかなければいけないかということを私はただ単にわかりやすく説明しただけでありまして、それをこの大切な予算委員会の場で延々とこうやって議論しているようでは、これはどうだろうかと国民の皆様も心配になるのではないかと思います。

山尾委員 総理のは、わかりやすい説明ではなくて、ずれている説明なんです。

 そして、今この日本の社会の中でパートで働いている女性、これがどれぐらいの賃金をもらっているかと総理が認識しているかということは、決してささいなことではありません。それは私だけが思っていることではなくて、本当にこの議論を聞いている多くの一般の庶民や女性が思っていることだと思いますし、これは海外でも同じように受けとめられています。

 これは、一月十一日、フランスのル・モンド紙です。少しお話しさせていただきます。

 安倍首相、SNSでお叱りを受ける。

 フランスの指導者はフランスパンの値段や地下鉄の値段の話に難を抱えているとするなら、日本の安倍晋三首相は日本人の収入についての話が苦手である。

 一月九日の衆院予算委員会で安倍首相は野党から、二〇一二年の政権復帰以後の実質賃金の低下の理由について問われた。答弁として、首相は、経済の立て直しと有効求人数の増大に言及して、その文脈で、より多くの人がパートタイムでの雇用に従事するようになった、その結果として平均賃金の低下をもたらしたと説明した。例え話として、彼は架空の安倍家を持ち出し、その夫はサラリーマンで月収五十万、その妻はパートで働いていて、その妻はパートで働いていて月収二十五万円、この場合、平均としては給与の低下となると首相は説明した。

 彼の説明は説得的なものではなかった。特に、彼が挙げた数字が現実からかけ離れていたからである。厚労省によれば、従業員五人以上の会社におけるパートタイム労働者の平均賃金は月額九万六千六百三十八円、フルタイムで働くサラリーマンの平均給与は三十五万二千九十四円である。

 首相の発言に対する反応はすぐにネット上にあらわれた。パートタイムで月収二十五万円、不可能。私は週六日休暇なしで働いて、残業して十五万円。パートの平均時給千円で働いたとして、二十五万円に到達するためには月に三十二日働かなくてはいけない。

 これは、外務省でフランス語に堪能でお働きになっていた同期の緒方議員に訳してもらいました。

 私が言いたいのは、海外の記者も、八日の総理の答弁については、パートのことだと受けとめたということなんです。そして、それが海外で発信されているわけです。この発信は、真実であるからこそ大変恥ずかしいと思います。国内でも海外に対しても説明が破綻しているので、認めるべきだと私は思います。

 もう一つ、気になっている発言を指摘しますね。

 この真ん中、景気はそろそろ本格的によくなっていくから働こうかと思ったらというところです。

 景気がよくなったから、今まで働いていなかったけれども、そろそろ本格的に働こうかなと思った主婦は、私の周りで見たことはありません。景気が悪かったり、生活が苦しいから……。今、安倍総理、いっぱいいるよとおっしゃいましたか。いっぱいいるよと今おっしゃいましたね。いっぱいいるよとおっしゃって、今うなずきましたね。

 多くのパートの主婦は、本当に生活が大変だったり、家計をやはり支えなきゃいけないから働くんです。景気がいいから、あら、そろそろ働こうかしら、お得だわなんという主婦は少ないんです。

 今総理は、いっぱいいるよとおっしゃいました。総理、総理の頭の中のパートの主婦というのは、景気がよくなったから、お得だからそろそろ働こうか、こういう主婦なんですか。どうですか。どうぞ。

安倍内閣総理大臣 景気が悪いときは、働きたくてもなかなか職がないんですよ。その認識がなければ経済は語れないと思いますよ。つまり、職が供給されてきた、いわば、有効求人倍率という数字がありますよね。一人の求職者に対して一人分の職があるかどうか、一になるかどうか、これはとても大切なんですよ。

 民主党政権時代よりも安倍政権になってはるかに、全県で有効求人倍率は改善しているんですよ。そういうところをしっかりと見て、なぜそうなったかということをよく分析しなければ、将来、いつになるかわかりませんが、民主党が政権をとったとしても、また、もとのもくあみになるだけですよ。それが大切なところなんですよ。

 ですから、私が今申し上げましたように、まさに景気が回復局面になれば職が出てくるわけでありまして、そういう中において、当然これは、そういうチャンスがあれば働こうかということになるわけであります。チャンスが出てくるわけでありますから。

 同時に、景気が悪いときには、一緒に、働いていても給与も安いということに残念ながらなってしまうわけであります。もちろんそこで頑張っている人もいるわけでありますが。しかし、大変低い給料で働くかどうかということを考える方もおられる。

 先ほど申し上げましたように、今、パートの時給は最も高くなっています。であれば……(発言する者あり)いや、低いといえば、今、低いというやじが飛びましたが、民主党政権のときはもっと低いんですから。だって、統計をとって、時給は今までで最も高いところに来ているわけでございますから。そこは大切なところであって、その中で働いていく人がふえた。

 ですから、実際、例えば、これはパートだけではもちろんありませんが、女性も九十万人仕事をする人がふえているという現実を見る、全体で百十万人働き始めているという現実を見る必要があるわけでありまして、働こうと思っても働けない、これが一番よくないわけであります。

 繰り返しになりますが、当時は倒産件数が今よりも二割多かったわけでありますから。この二割を私たちは減少させて、働く場をしっかりとつくり、そして雇用をつくって、有効求人倍率もよくなり、全県においてそういう状況を私たちはつくり始めているという状況をしっかりと見なければいけませんよ。

山尾委員 総理は、景気がよくなったから働こうという主婦は私は会ったことがないと言ったら、その席から、これはやじというのかわかりませんけれども、いっぱいいるよとおっしゃいましたよね。今の説明でも、低い給与だと働かない、高い給与なら働こうかしら、こういう人もいるんだよと。一部いると思いますよ。でも、いっぱいいるよというのは、総理、大きな認識のずれです。

 パートタイム白書というのがあります。主婦パートの働く目的の内訳があります。働いているパートの主婦の方が何で働いているのかと。これは、八割は生活維持と家計補助のために働いています。二割が生活向上です。

 つまり、八割は、働かないと暮らしていけない、働かないと家計が回らない、必要があるから働いているんですよ。生活向上で、つまり、趣味とか旅行とか、もう少しさらにゆとりを楽しもうというために働く主婦、こういう人だったら、まあそれは、景気がよくて給料がよければ働こうかしら、余り低い給料だったらちょっとねとなると思うけれども、八割の人は、給料が低かったら働くのをやめたなんという状況で働いていないんですよ。

 総理、この感覚のずれを率直に受けとめて修正をしていただかないと、女性活躍や希望出生率一・八実現なんということは、私はできないと思います。

 そこで、希望出生率一・八、この実現に向けて待機児童ゼロを確実に実施する、これは総理が繰り返し語っておられますよね。この待機児童ゼロについては相当強い決意を持っておられるようなので、総理に基本的なことをお尋ねします。

 待機児童の数は、二〇一〇年から一四年まで連続して減っていました。そのとおりです。去年、二〇一五年はふえちゃったんです。二万千三百七十一人から二万三千百六十七人です。待機児童ゼロに強い決意を持つ総理は、なぜ去年待機児童が増加になってしまったかという原因について当然お考えがあると思うんですけれども、これはお話を今いただくと長くなると思ったので、去年の十一月、総理が読売国際経済懇話会でこれを説明しているので、話します。

 こういうふうにおっしゃっています。ことし、待機児童は前年よりふえてしまったとおっしゃっています。安倍政権発足以来、女性の就業者が九十万人以上ふえたから無理もないことでありますと。女性の就業者が九十万人以上ふえたから待機児童は前年よりふえてしまった、こういう分析をされているんですけれども、この認識にお変わりはないですか。

安倍内閣総理大臣 御指摘の待機児童については、待機児童解消加速化プランに基づいて、保育の受け皿整備を従来の二倍以上のペースで進めています。これはしっかりと認識をしていただきたいと思います。

 しかし、女性の就業率の上昇などを背景に、先ほど申し上げましたように、まさに女性が活躍できる環境が整いつつあるということと、景気が回復をしていることによって働く場がふえていくわけであります。

 先ほど私は、パートの給与が安いからやめるというようなことは一言も言っていないわけでありますから、正確に私の発言は紹介をしていただきたい、こう思います。

 おっしゃったように、もちろん、生活を支えるためにパートをしている、それは大変だと思いますよ。でも、そういう状況を、いわば生活を支えられるような仕事の場をつくっていくことが大変大切なことなんだろう、こういう意味で私は申し上げているわけであります。

 そこで、待機児童数は、前年と比較して増加をしています。このため、待機児童解消を確実にするため、保育サービスの整備量を四十万人から五十万人に上積みし、保育の人材の確保を強力に進めていく考えでありますし、また、若者の雇用の安定と待遇の改善、結婚、妊娠から子育ての各段階の負担、不安を解消するための支援の充実を行っていくこととしており、今回の補正予算及び来年度予算に必要な措置を盛り込んだところであります。

山尾委員 違う、違う。私は、それを解決するためにどうするかという手段を聞いたんじゃありません。原因は、総理が、女性の就業者が九十万人以上ふえたから無理もないと去年語っておられるので、その認識に変わりはないですかと聞きました。どうぞ。

安倍内閣総理大臣 今、前段でお答えをしているとおり、女性の就業率の上昇などを背景に、こういうふうにお答えをしているわけでありますが、当然、それに対してどのような対策を打っているかということについても申し上げたところでございます。

山尾委員 違う、違う。私が申し上げたのは、女性の就業者が九十万人以上ふえたからと。総理は就業率とおっしゃっているので。去年は、女性の就業者が九十万人以上ふえたから無理もないことであります、総理はこう言っているんです。そこに変わりないですか。今、率と何かちょっと変えておっしゃったけれども、去年は、就業者が九十万人以上ふえたから無理もないことだ、待機児がふえたのは、こう言っているので、ここは変わりないですか。変わったんですか。

安倍内閣総理大臣 それは、就業者がふえていくことによって就業率もふえていった、こういうことでございます。

山尾委員 総理はよく、人数と比率、これは全然違うんだというお話をされるので、ちょっと確認をしたかったんですけれども。

 しかし、総理、二十五歳から四十四歳の働く女性の数の推移を見ると、二〇一〇年から二〇一五年にかけて、この六年間ほぼ横ばいなんです。しかも、二〇一四年から二〇一五年にかけては減っているんです。二〇一四年は千百四十一万。二〇一五年は千百三十一万。この六年で、下が千百二十九万人、上が千百四十一万人、大体この間でずっと横ばい状態なんです。

 私も、五歳の子供を預けている身なので、周りにママ友がいますからわかりますけれども、二十五歳から四十四歳というのは、大体、子供を保育園に預けているママの年齢層なんです。そこは、女性の就業者数はほとんど増減がないんです。横ばいなんです。だから、待機児童の数の増減とは、どう考えても原因と結果の関係にならないんです。総理、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 そこのところで事前の質問通告が、正確な数について御指摘がないので今直ちには答えられませんが、それは調べてお答えをさせていただきたいと思います。

 私が九十万人ふえたと言うのは、女性の就業者の数が全体としてふえたということでございますが、年齢分布については、また今御指摘がございましたので、調査をしてみたいと思います。

山尾委員 やはり、この待機児童問題とか女性が抱えている問題について本当に真摯に捉えていたら、全体の女性の就業数がアベノミクスで景気がよくなってふえたから、待機児童がふえたのも無理もないことでありますと。今おっしゃったのは、全体の数はふえたけれども、年齢分布は見ていなかったと。年齢分布を見ないで、まさに保育園に子供を預けているお母さんの年齢層の分布を見ないで、何でこんなことが言えるんですか。余りにも、ちょっと総理として軽率な物の言い方ではありませんか。

 それで、この懇話会で総理は何と言っているかというと、ことし、待機児童は前年よりふえてしまった、安倍政権発足以来、女性の就業者が九十万人以上ふえたから無理もないことでありますと。これに続けて、その意味で、うれしい悲鳴ではあるのですが、待機児童ゼロは必ず成し遂げなければなりませんと。

 今総理は、どこが悪いんだと思ったかもしれません。私は、すごく気になりましたよ。待機児童がふえて、無理もない、うれしい悲鳴だと。

 また揚げ足取りをするなと、もしかしたらおっしゃるのかもしれない。でも、これは本当に、私も五歳の息子を預けながら働いている母親です。でも、私よりももっともっと大変な状況で働いて子供を育てているお母さんはいっぱいいます。子供が保育園に入れないというのは、本当に子育て世帯とか働く母親にとって心の底からの悲鳴なんです。うれしい悲鳴なんかじゃないんですよ。

 本当に感覚がずれているので、しっかりこのずれを改めていただいて、責任のある子育て政策を実行していただきたいし、責任のある子育て政策を実行するために、まずは年齢分布、しっかりもう一回、総理、認識していただきたいと思います。

 待機児童がふえたという問題の一つの背景は、総理は今、受け皿をつくる、二倍だとおっしゃっていますけれども、受け皿、施設よりも、やはり人なんですよ。保育士さんが足りていないんですよ。

 保育士さんの不足を補うために、まあ、総理も何にもやっていないとは言いません。資格試験を年に二回にするとか、保育士を目指す学生に奨学金制度をつくるとか、再就職準備金をつくるとか、効果がないとは言いません。でも、保育士さんが足りていない最大の理由は、お金がないから保育士になれないとか、お金がないから再就職できないとかじゃなくて、保育士さんになっても給料が安過ぎるから続けられないということなんです。

 だから、私たちは、保育士さんの継続的な処遇改善、平たく言えば給与をアップすることがどうしても必要だと。今、保育士の平均給与は月額二十万九千八百円、全産業平均は二十九万九千六百円。九万円違うんですよね。(発言する者あり)上げてやろうよと、こちらの皆さんからも声が出ています。

 総理、保育士さんの継続的な処遇改善に真摯に正面から取り組むお考えはありますか。

安倍内閣総理大臣 既に、この補正予算また本予算等において、今御紹介をいただきましたが、保育士の処遇改善、勤務環境の改善等を行っているわけであります。また、離職した保育士の再就職支援などを行っております。そしてまた、資料作成等の事務を簡略化して保育士が専門性の高いサービスに専念できるように、ICTの活用による業務の効率化を推進していき、そうした対応をしながら、また同様に、実際に待遇の改善も行っているところでございまして、今後も、十分財源を確保しつつ、保育士の待遇の改善については検討していきたいと思います。

山尾委員 財源を確保しつつというところがとても心配です。

 これまでの予算委員会の議論で、軽減税率一兆円、財源が決まっていない六千億、これについては、総理は、一〇%に上げるときの社会保障の充実二・八兆円には手をつけないとおっしゃった。でも、この保育士さんの処遇改善というのは、多少、この二・八兆円のうちの七千億にちょっと入っているんだけれども、本当に根っこの解決をするためには、その枠外の三千億なんですよ。

 総理、この枠外の社会保障については、削るかもしれないと言っているじゃないですか。総理、軽減税率で、枠外で処遇改善しようと思っていたこの計画は削られる可能性があるんじゃないですか。

安倍内閣総理大臣 我々は、消費税を引き上げたときに改善を行っておりますし、また、人勧の勧告に従って、保育士の待遇の改善を行っているわけでございます。今後とも、しっかりと財源を確保しつつ、我々も待遇の改善を検討していく考えであります。

 そしてまた、先ほど申し上げました、従来から答弁をしておりますが、軽減税率の関係について言えば、軽減税率の財源については先ほど答弁したとおりでございまして、二・八兆円から削る、あるいは必要な社会保障費から削るということは、もちろん考えていないところでございます。

山尾委員 私も、ここに統一見解がありますよ。二・八兆円は削らないと。

 申し上げているじゃないですか。保育士の給与アップは、この枠外で予定されている部分がたくさんあるんですよ。ここは削る可能性があるんじゃないですか。だってここに書いてあるもの。現時点では具体的な措置内容が念頭にあるわけではない、わからないと書いてあるじゃないですか。

 もし、保育士の処遇改善、ちゃんとその枠外も含めて、予定している分は全部やると言うんだったら、今言ってくださいよ。言えないんだったら、それはちゃんと、可能性があると子育て世代に向かって言ってください。そうしたら、多分、子育て中の方は、この軽減税率はやはりまずいなと思うと思いますよ。

 やはりいずれにしても、参議院選挙の前に、財源をはっきりさせて、国民の皆さんにしっかりと判断する材料を提供する義務が総理にはあると思う。総理、どうですか。参議院選挙の前にちゃんと財源をはっきりしませんか。

安倍内閣総理大臣 子育てについては、我々は一年半、消費税の引き上げを延期いたしましたが、子育てに関するものは、まさに消費税を引き上げる前に全て実施をしているわけでありまして、いわば低年金の生活者支援は延期をしたのでありますが、子育ては全てやっているということでございます。

 そして、先ほど答弁をしておりますように、いわば必要な社会保障費を削るということは全く考えていないわけでありまして、我々は子育て支援を重視している中において判断をしていきたい、こう考えております。

山尾委員 子育て、子育てと言うけれども、今回、年金、一回限り三万円、三千六百億やって、子育て世帯臨時給付金はやめるじゃないですか、六百億。こういう姿勢も含めて、私はやはり総理に問いただしたいんですよ。

 総理、ちょっと蒸し返して申しわけないけれども、きょうの冒頭から、主婦パート二十五万発言とか、景気がよくなったから働こうという発言とか、働く女性がふえて待機児童もふえてうれしい悲鳴だという御発言とか、やはり、一般の女性とか主婦とか子育て世代の感覚と本当にずれまくっていると正直思います。

 ただ、人はいろいろ生まれ育ち、環境があるので、いろいろな人がいますから。でも、私が一番問題だと思うのは、ずれたことを認めないということだと思うんです。やはり、ずれを認めないで前のめりになって言い逃れを続けていると正直見苦しいと思いますし、国民の皆さんの政治不信も高まると思いますし、一番大事なのは、そのずれを修正できないと必要な政策の軌道修正ができなくて、この国にとってよくないからです。

 そろそろ時間ですので。総理、きょうの質問で、やはり、希望出生率一・八実現、なかなか国民の皆さんに、ああ、これなら大丈夫と安心していただけていない、理解していただけていないと思うんですけれども、私、総理に一つ聞きたいです。

 総理、外交報告で、十一月中旬にG20、APEC、ASEAN、こういうところに行って、この三本の矢について詳しく説明し各国首脳の理解と支持を得ましたと言っています。新たな考えを打ち出すときには、海外より国内の理解を得ることを先行させてほしいんです。やはりしっかり臨時国会を開いて、海外で子育て支援とか三本の矢の理解をいただく前に、国民の理解を得る努力をしていただきたいんです。

 そういう意味においても、臨時国会を開かなかったということは、憲法を無視し、国民を軽視し、本当に致命的なことだったと思うんですけれども、総理、最後に、この点、お考えをお聞かせいただけませんか。

安倍内閣総理大臣 最初から、ずれているとおっしゃっているんですが、私の発言を強引にすりかえているわけであります。パートの問題もそうでありまして、妻がパートだということは言ったことはありませんし、ではパートの給与は幾らかと聞かれたときに、私、八万円ぐらいと答えたじゃありませんか。ですから、それは全然違う話であって、大切な本質は、しっかりと仕事をつくることではないでしょうか。

 そして、景気がよくなったから働こうかというのは、まさにこれは職が出てきたから、職が出てチャンスが出たから働こうか、働きたくても働けない状況から働ける状況になったということを表現したわけでありまして、先ほどのうれしい悲鳴というのは、これはまさに、女性が働けるようになったという状況について申し上げたわけでございます。

 まさに枝葉末節な議論はもうやめた方がいいんだろう、私はこう思うわけであります。そして、大切なことは、しっかりと充実した議論をすることではないでしょうか。

 子育てについては、我々、しっかりと七千億円、当初プラス二十八年度予算で充てているわけでありまして、やるべきことを私たちは責任を持ってやっていくということを申し上げておきたいと思います。

山尾委員 だから、枠外なんですよ。枠外については削る可能性があるということを総理自身がおっしゃっているじゃないですか。

 総理、やはり女性、子育て世帯、こういう実情を知っているかどうかというのは、決して枝葉末節の議論じゃないということを私ははっきりと申し上げて、きょうの質問を終わりたいと思います。

竹下委員長 この際、水戸将史君から関連質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。水戸将史君。

水戸委員 横浜から来ました維新の党の水戸将史でございます。

 風邪をこじらせていますので、お聞き苦しいところは御容赦いただいて、早速質疑に入りたいと思います。

 まず、本質的な議論に入る前に、どうしてもこれは看過できない、そうした問題がにわかに浮上してまいりましたので、きょうは、あえてNHKの問題について冒頭取り上げたいと思います。きょうは、籾井会長にもお越しになっていただいていますので、その点について、何点か籾井会長を中心としてお話をさせてください。

 まず、昨年の十二月、NHKの子会社、NHKアイテックの本社と千葉事業所の社員二人が、架空発注等によりおよそ二億円もの巨額の着服をしていたことが明らかになりました。

 さらに、その後、この社員二人は、総務省の補助金で運営されている一般社団法人デジタル放送推進協会から、難視対策の委託費およそ四千八百万円を不正に引き出し、このうちおよそ四百三十万円を着服していたことがわかりました。

 また、同じNHKアイテックの九州支社の五十代の男性副部長は、下請会社にやはり業務の架空発注等を行い、計約五百万円を着服していたといいます。

 また、それに加えて、ことしに入りまして、NHK本体のアナウンサーが、事もあろうに、危険ドラッグの所持で逮捕され、NHKの渋谷の放送センターのアナウンス室には、厚労省麻薬取締部の家宅捜査まで入っております。昨日のテレビ報道を見ると、異常事態として極めて大きなニュースになっております。

 籾井会長、あなたはNHKの責任者として、このガバナンスは一体どうなっているんですか。不祥事のオンパレードじゃありませんか。これについてどのような御認識ですか。まずお答えください。

籾井参考人 NHKの信頼を損ねる事態が起きておりまして、視聴者、関係者の皆様に多大な御迷惑をおかけしていることを深くおわび申し上げます。これにつきましては、本当に何回も重ねておわび申し上げたいと思います。

 子会社のアイテックの社員による不祥事につきましては、これはまた許しがたい犯罪的な不正であり、極めて遺憾に思っております。着服を六年間続けてきたことであり、NHKとしましても、指導監督機能を発揮し、徹底的に調査した上で厳正に対処したいというふうに思っております。

 不祥事が起きないように、我々としましても過去二年、随分とガバナンスの内容を見直してやってきました。しかし、まだまだ実行が伴っていないようでございまして、私としましても、再発防止策をきちんと実行していくことが何よりも重要である、万全を期してまいりたいというふうに思っております。

水戸委員 私も、昨年一年間、総務委員会で、委員としても籾井会長が何度も委員会にお越しになったことを覚えておりますけれども、再発防止、再発防止という話を今されました。本当に何かの一つ覚えでございまして、籾井会長自身、就任当初から、NHKのボルトとナットを締め直すということを言っていたはずです。

 でも、昨日は、あのような形で総務大臣に陳謝をして、そして、コンプライアンスを徹底し、公共放送の使命と責任をしっかりと果たしていくのでよろしくお願いしますとしおらしいことを言っていましたね。

 要は、ボルトとナットの締め直しが全然できていないんじゃないですか。

 籾井会長、今回の事案につきましても、みずからの責任をどう考えていらっしゃるか、もう一度明確にお答えください。

籾井参考人 NHK本体を含めましてグループ全体で、再発防止に向け、取り組みをきちんと実行していくことが重要であるというふうに思っております。

 関連団体については、NHK本体の指導監督機能を発揮して、グループ経営を抜本的に見直す改革に強い気持ちで取り組んでまいります。

 なれ合いを排除したグループ会社の規律ある経営の確立、グループ会社に必須の機能の再精査、コンプライアンス、不正防止策の徹底、こういうことを実務的に、この方針に沿って可及的速やかに改革施策を策定して、順次実行していく所存でございます。

水戸委員 非常に発言がむなしく響いているんですけれども。

 では、籾井会長、先ほど再発防止の話もされましたが、これは一昨年のときも、子会社のNHKビジネスクリエイト、またNHK出版における多額の不正が明るみに出た際に、約五千六百万円も投じて、そしてNHK関連団体ガバナンス調査委員会というものをつくって、そして関連子会社の内部統制の問題点をまとめているんですよ。

 そのときにも、会長は、今言った二つの子会社の不正がわかっている以上にはないということがはっきりとしましたと言っていました。

 しかし、今回のアイテックの着服疑惑はずっとそのときも続いていた話でありまして、結局、これをずっと見逃してきたことになっているんですよ。

 だから、再発防止に何もなっていないんですけれども、これについてはどう思っていらっしゃるんですか。

籾井参考人 当時の調査は、NHKの関連団体十七団体に対し、網羅的に緊急に行いました。

 この調査で、共通する内部統制上の問題、各社固有の内部統制上の不備など、構造的な問題について、ガバナンス調査委員会から具体的な御指摘をいただきました。そのときの調査の過程で今回の事案について見抜くまでには至らなかったことはそのとおりでありまして、これは大変に残念に思います。

 当時の調査で見抜けなかった点を十分に踏まえつつ、現在、根本原因の究明を進めているところであり、しっかりとした再発防止につなげていきたいと思っております。

水戸委員 今の残念に思うというのは、非常に人ごとに聞こえるんですよね。

 結局、五千六百万円というのは、原資は何ですか。国民の方からの受信料じゃありませんか。五千六百万円もかけて、そしてこのガバナンス調査委員会を立ち上げて、そのときも、もう不正はこれ以上ないという話をされたにもかかわらず、結局、それを見逃して、それは申しわけない、これはまた再発防止に努めると。

 そんなことばかり言って、それが説得力を持ちますか。もう一度お答えください。

籾井参考人 当時の調査は今回の税務調査とは狙いや手法が異なっていたと思いますが、いずれにしても、見抜けなかったことは残念であります。

水戸委員 非常に、本当に他人事のように、無責任に響くんですよね、その話が。残念に思うなんて、あなた自身の話じゃないですか。

 もう一つ言いますけれども、結局、会長は、つい最近、子会社を都合よく使って、経営委員会を通さずに渋谷区内の土地三千平方メートルを三百五十億円で購入する取引をやろうとして、経営委員会、監査委員会に見つかってストップをかけられて、そしてこの土地の購入を取りやめられたと報じられているわけでありますけれども、これはどうなんですか。この経過は事実でありますか。まずそれをお答えください。

籾井参考人 土地の件につきましては、関連団体の将来のありようや業務の効率性などの観点から関連団体の社屋を集約することが望ましいとして、以前から検討をしておりました。

 放送センターの近隣に、去年、有効な土地が見つかり、ほかに適当な土地がない中、子会社が取得の意思を示す申し込みを行いました。そして、十一月十九日、子会社が優先交渉権を得ました。その後、十二月八日の経営委員会に報告しましたが、この日の朝、間違った新聞報道がなされ、誤解を与えたこともあり、賛意を得られず、このまま進めてもうまくいかないということを総合的に判断いたしまして、これ以上の具体的な手続に入ることはやめました。

 こうしたことは、あくまで具体的な手続の前の段階で終わっております。つまり、もう一度言いますが、具体的な手続に入る前の段階で終わっております。監査委員会が、十二月二十二日、経営委員会に行った報告でも、買い受け申込書を提出し、優先交渉権の内定を得たことは、放送法及び関連団体運営基準に違反するとは認められない、こういうふうに公表しております。

水戸委員 やはりNHKの運営責任者として、やろうとしていたことを経営委員会や監査委員会にストップをかけられるというのは、これはあるまじきことだと思うんですよね。それで、一部の報道が何かミステークでそういう誤解を与えてしまったとかいういろいろな言いわけをつくりながら、結局、この土地の購入は取りやめたんでしょう。

 結局、自分のやっていることは、都合のいいときは子会社をうまく使って、一体であると言いながら、また都合が悪くなると、子会社は別物で、これを正さなきゃいけないと、本当に人ごとに言っているんですけれども、もう一度、籾井会長、経営者のトップとして、このようなあり方が本当に好ましいんですか。もう一度、自分のことを見ながら、お答えいただきたいと思います。

籾井参考人 今も説明いたしましたけれども、あくまで土地購入を検討するためのNBCの優先交渉権が内定した段階で、まだ各関連団体の契約に向けた具体的な手続にさえ入っておりません。具体的な計画を検討する前の段階であり、特に問題はないと考えております。

 今も、先ほども申しましたが、監査委員会からも、放送法及び関連団体運営基準に違背するということは、認められております。

 繰り返しますが、本件については、手続に入る前の段階で、経営委員会にノーと言われたから撤退したということではなくて、その時点で先に進まなかったということをもう一回繰り返しておきたいと思います。

水戸委員 本当に、ああ言えばこう言う、こう言えばああ言うで、なかなか自分の運営方針が定まっていないのかなということが非常に透けて見えるんですね。

 総理、今までの一連のこのやりとりをお聞きになって、公共放送を取り扱う責任者としての、このやり方は本当にいいのかどうかということを、一言、総理はどうお感じになっていらっしゃいますか。

安倍内閣総理大臣 言論機関であるNHKの経営方針について、私からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、公平公正に国民の、視聴者の期待に応えていただきたい、このように思います。

水戸委員 総理、そうはいうものの、やはり総理は、もちろんNHKの経営責任者は会長でありますけれども、その会長を選任するのは経営委員会なんですよ、御案内のとおり。この経営委員会は、経営委員が構成するメンバーでありますけれども、やはりこれは国会の同意人事で総理みずからが任命するんですよね。決して、こうした運営上の問題に関して、総理が全くおっしゃらない、ナンセンスだという話じゃなくて、結局、陰に陽に総理自身も影響力を持っているということは自分自身も自覚されていると思いますけれども、もう一度、今回のことについてまた忌憚のない御意見をお寄せください。よろしくお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 まさに今、水戸委員が御紹介をいただいたように、我々は経営委員を国会にお諮りするわけでございますが、その後は、経営委員の皆様がそれぞれの見識において会長を指名されるわけでございます。そのもとにおいて適切にNHKが経営されることを期待しているところでございます。

水戸委員 NHKの問題につきましてはこの辺にして、またこれから総務委員会等々もありますものですから、もっともっときめ細かくこの問題については追及していきたいと思いますので、籾井会長、お疲れさまでした、この辺でよろしいです。お帰りください。

 それでは、本質的な話をさせていただきます。本日は、地方経済の再生策について伺います。

 まず、東京一極集中の現状ですけれども、これは総務省が発表した、一昨年、二〇一四年の一年間の人口の移動報告なんですね。皆さんのお手元にも資料はお配りしております。

 これは、各都道府県別におきまして転出入のベストファイブをそれぞれ挙げているんです。東京を筆頭にしたものと、あと、こちらの北海道が一番の転出元なんですけれども、こういう形で、押しなべて四十の道府県が転出超過になっているんですね。転入超過は、東京を初めとした首都圏を含めてわずか七都県だけなんですね。だから、東京周辺の人口集中が一段と進んでいることはこれで一目瞭然でございまして、そして、とりわけ東京圏、東京都を初め神奈川県、千葉県、埼玉県の転入者がこのときは十万九千四百八人に達しまして、その中でもとりわけ東京都は、このグラフでもごらんのとおり、七万三千二百八十人と突出しているんですよ。

 総理は、政権復帰してからこの三年間におきましても、事あるごとに、東京への人口一極集中に歯どめをかけなくてはならないということを言われておりますけれども、現時点においてもなかなかこれは歯どめがかかっていないというふうに言わざるを得ませんけれども、総理の御認識はいかがですか。

安倍内閣総理大臣 東京においても、できれば地方に住みたいという方々はたくさんいらっしゃるわけでありまして、若い人たちもそうなんですが、若者が地方へ移住を希望していても、そこに仕事がなければ移住を思いとどまりかねないわけでありまして、また、見知らぬ土地への移住には生活面でも不安がつきまとうわけであります。

 今年度より、企業の東京からの移転を税制措置によって促進するとともに、移住先の生活に関する情報をワンストップで提供する窓口である移住・情報ガーデンを開設いたしました。昨年末には、まち・ひと・しごと創生総合戦略を改定して、新型交付金や企業版のふるさと納税制度などの財政支援、情報支援、人的支援等を盛り込んだわけでございまして、これらの政策メニューを総動員いたしまして、若い人の地方移住の希望をかなえ、東京一極集中を是正していく考えであります。

水戸委員 今総理がいみじくもおっしゃったとおり、地方に仕事がないから都市部に出なきゃいけないんですよ。

 結局、この東京への人口流出というのは何を意味しているかというと、これにつきましては、一月八日、我が党の柿沢委員も、経済の実感について、都市部でも厳しいのだから、地方はもっと厳しいんじゃないかというような問題提起をいたしました。それに対しまして総理はどう答えたかと申しますと、あえて七つの県まで挙げて、そして、地方は有効求人倍率が非常に高くなるなど、高度成長期やバブル期をも超える雇用情勢である、こう胸を張ってお答えになっているんですね。

 しかし、私は、これを聞いて非常に違和感を覚えましたよ。確かに、求人倍率や失業率のデータを表面的に見れば、地方の雇用情勢は改善されているように見えますよ。しかし、総理は本当に地方の実態を正確に把握されているんでしょうかということは疑いたくなりますよ。

 というのは、総理はやはり重要な指標を見落としているんじゃないですか。それは人口動態ですよ。先ほどパネルを使って御説明したとおり、地方では多くの県が人口が流出しているんですよ。この結果、労働力人口も求職者も減っているんです。有効求人倍率が上がるのは当たり前じゃありませんか。

 例えば、総理が柿沢委員に答弁で挙げていた青森県。青森県には大変申しわけないけれども、パネルがありますが、これはあえて掲示をさせてください。この青森県の有効求人倍率は、昨年秋、確かにこの三年間で最高の〇・九七倍にまで達しております。これは、確かに、大手コンビニの県内進出もありまして求人数は伸びていますけれども、しかし、求職者もそれ以上に減っているんですよ。少子高齢化とか人口流出で、労働市場のパイ全体が縮小しているんですよ。

 だから、有効求人倍率は、あえて申し上げると、これは分母に求職者がきて、分子に求人数がくるんですよ。しかし、まずこの分母がますます減っているんですから、有効求人倍率はおのずと上がるに決まっているんですよ。これについてどう思いますか。

安倍内閣総理大臣 有効求人倍率は、お話をしたとおりでありまして、高度経済成長期よりも、バブル期よりも、例えば七県、ずっと上がらなかった七県においては上がってきている、過去最高になっているということは申し上げたとおりであります。

 そこで、人口が減っているからそうなったのではないかということでありますが、では、働いている人の就業者数、絶対値を見れば、二〇〇九年の七―九、これは最新の数字でありますから七―九を使うわけでありますが、二〇〇九年の七―九から二〇一二年の十―十二を見るとこれは三万人減っているのが、二〇一二年の十―十二から二〇一五年の七―九、これは直近であります、これを見れば、百十七万人、就業者の数はふえているんですね。これは、就業者の数がふえていなくて有効求人倍率が上がっているのであれば、今、水戸さんがおっしゃった理論のとおりでありますが、働いている人の絶対数がふえているんですから、これは当然、いわば求職がふえた結果、有効求人倍率が高くなっているということではないか、このように思います。

水戸委員 この話は何も青森県だけじゃないんですよ。総理がいみじくもさきの答弁でも言われていた高知県でも徳島県でも熊本県でも、この七つの県に押しなべて共通して見られる傾向なんですよ。

 このように、有効求人倍率上昇の原因を分析すれば、地域経済が拡大して労働需要に波及をしているということじゃなくて、先ほど言ったように、人口減少や高齢化に伴い労働力人口が減少していることが寄与している、むしろ地域経済が縮小していることのあらわれじゃありませんか。ですから、このような原因で有効求人倍率が上がっても、雇用情勢が改善したとは到底言えないですよ。

 実際、青森の地方紙の報道によると、やはり青森の労働局に、アベノミクスの効果が届いていないとの声も寄せられておりまして、総理、これがアベノミクスの成果として挙げた地方の実態じゃありませんか。こういうような深刻な状況を総理はどうお考えなんでしょうか。

 よもや総理が、有効求人倍率のいわば見せかけの数字を軽率に信じてしまって、そして、先ほど総理がおっしゃったように、やはり本質を見なきゃいけないんですよ。確かに、都市部の方はいいですよ。今言ったように、全国の中で四十の道府県が人口減少して、非常に地方経済が疲弊していることのその本質を、どうあなたはわきまえているんですか。

安倍内閣総理大臣 この有効求人倍率を負の数値として紹介をしていただいたので私は大変驚いたんですが、絶対値でもしっかりと就業者の数はふえている、百十七万人ふえているのは、これは数字が示しているんですから事実であります。

 そして、では、ずっとパイが縮小しているのであれば、例えば地方の税収がふえるわけないじゃないですか。六兆円、地方税収はふえましたよ。これは事実ですね。それぞれの県、高知県だってそうですよ、島根県だって山口県だって、地方税収、これはふえているんです。つまりそれは、まさに法人税も所得税もそうです、そういう状況になっているから。

 なぜそうなっているか。所得税が上がっていくということは、これはやはり労働市場がよくなっているから。給料を上げなければ人が来ない、よって、待遇もよくなった結果、収入が上がっている。それは何といっても、地方においても企業が最高の収益を上げているからであります。

 山口県においては、例えば、正社員の有効求人倍率は〇・九で、これは過去最高になっています。全国平均よりも高いんですがね。山口県においては、山陰地方だってあります。

 これは、安倍政権の三年間で急速に人口が減ったわけではないです。残念ながら減っておりますが、ずっとこれは民主党政権のときも含めて減っているわけでありますが、有効求人倍率がこの三年間で急速によくなっているのは事実でありますから、そうした数値をしっかりと分析しながら経済政策を考えていかなければならない、このように思っております。

水戸委員 だから申し上げているんですよ。

 結局、総理は事あるごとに、有効求人倍率がよくなったから、上がったからよくなった、よくなったという話をされるから、有効求人倍率だけを一つとってみて、何か手柄であるみたいなことを言っちゃいけない。

 確かに、いろいろな要因がありますよ。しかし、今、有効求人倍率が上がる要因の中でも、こういう実態的な経済の疲弊があるということもよく認識をしていただきたいです。それをあえて私は申し上げたいんですよ。

 そして、このような厳しい状況の中、政府は以前から地域活性化策というのを打ち出してきたんです。これは、二〇〇三年の経済諮問会議におきましての、当時の小泉総理からスタートしたものでありますよ。これは、地域再生計画というのをつくりながら、そして、地域の特性を踏まえた、自治体が提案した町おこし施策を各省庁が補助金や規制緩和などで支援する仕組みなんですね。

 これにつきましては、この十年間、二〇〇五年度から今に至るまで、二〇一四年度までの十年間につきましては、昨年の十月に会計検査院が検査の結果を発表したんですね。この十年間の地域再生計画がうまくいっているかどうなのかということなんです。

 それについて会計検査院はどのような結果報告をしたかというと、この十年間で国が支援措置を講じた計画中の三千四百二十八目標のうち、目的を達成したのはわずか五一%なんですね。達成していないのが三五%、達成したかどうかわからないのが一四%。つまり、終了した計画の数値目標のおよそ半数が、達成されていないか達成状況が不明である、そうした結果報告なんですね。

 これについて、政策の実効性が上がっていないと断ぜざるを得ないと思うんですけれども、この結果についてどのような御認識ですか。

石破国務大臣 会計検査院の指摘は、真摯に、謙虚に受けとめなければいけないと思っております。

 地域再生計画というものの使い勝手がいいか、それぞれの自治体によく周知徹底しているかというと、まだまだ不十分なところがあろうというふうに私自身は認識をいたしております。

 それぞれの自治体にとって使いやすいような、例えば、小さな拠点だとするならば、どのように地域再生計画が使われるかということを自治体の担当者にわかりやすく示していかなければなりません。

 会計検査院の指摘を謙虚に受けとめて、これが実効を伴うようにさらに努力をいたします。

水戸委員 今までの十年間の過去の経過、このようなていたらくというか、半分ぐらいしか達成ができていないということなんですよ。

 私が申し上げたいのは、いわゆる地方創生という名をかりて、今担当大臣はいみじくもおっしゃったけれども、我々自身は、やはり地方分権という分権改革を最も進めるべきである、そういう主張をずっとしているんですね。結局、地方創生という聞こえのいい言葉にすりかえてしまって、中央集権体制のままに人口減少対策を進めるという、単なる地域活性化策にすぎないんじゃないかということを私は危惧しているんです。

 今回の補正予算を見ましても、地方創生加速化交付金一千億円を計上しているんですけれども、これも、またぞろ同じような上から目線から焼き直しというか、地方がいろいろなことで好きなことをやりたいということに対して、やはり国がお墨つきを与えなければ、何も一歩も進むことができない。

 そういう形だからこそ、この十年前の地域再生計画も、達成率がこんなような状況だと思うんですけれども、これについてはどう思いますか。

石破国務大臣 これは、私どもの説明の仕方をもっと工夫しなければいけないと思いますが、結局、国の補助金のメニューにないもの、しかし自治体がやりたいものというのがあります。そういうものに対しまして自由に使える、そういう交付金を用意させていただきました。

 そうすると、上から目線とか国のメニューの中から選ぶということではございません。今までは、私の鳥取県もそうですが、人口がふえた一時期はありました。それは、公共事業と企業誘致によるものです。そこに創意工夫というものがどれだけあったかといえば、それは十分あったとは言えないでしょう。

 私どもとして、自由に使える、国のメニューにないもの、それを出してくださいというお願いをしておって、これが地方分権でなくて何なんだというお話でございます。

 千七百十八市町村ありますが、それぞれの市町村で、委員の選挙区もそうだと思います、こんな考え方は今まで国の考え方になかったというものがたくさん出てきております。そういうような地方の創意工夫というものは、これから先、より多く発現するもので、国は余計なことをしないで、それをどれだけ応援するかということに徹するのが地方分権だと私は思います。

水戸委員 また、安倍内閣は、地方創生という名のもとにおきまして、政府機関の地方移転を進めようとしています。しかし、これも、中央にある役所を地方に、いわゆる地理的な条件が変わるだけでありまして、結局、権限も財源もまるっきりまた中央省庁が握っている、集中している構図は変わりないんですよ。

 しかも、確かに消費者庁は移転対象になりましたけれども、しかし、いろいろな、移転候補で挙がっているような観光庁とか文化庁、こういうような政府機関からは猛反発を受けておりまして、持ち越しとなっているじゃありませんか。全く不十分な改革ですら中央省庁の反発でできていないという状況なんですよ。

 総理、確かに、これに対しましては、昨年の十二月の十八日の段階で、きょうは国交大臣は来ておりませんが、石井国交大臣が、所管する観光庁の移転に対しましては、国会や首相官邸との対面業務は必須だ、移転すると機能維持は困難だというような否定的な見解を述べられておりますが、そうですよね、総理。これはまるっきり、総理がやろうとしている、そういうことに関して閣内不一致じゃありませんか。

 これについて総理はどのような御認識でしょうか。総理が。

石破国務大臣 要は、どっちが国のためになるかというお話でございます。

 省庁間の調整も大事でしょう。国会議員の先生への根回しも大事でしょう。しかし、何よりも大事なのは、現場に近い感覚を行政が持つということではないでしょうか。それができるかできないかは、まさしく野党の先生方も、ぜひ御支持をいただきたいと思っています。どっちが国のためになるかであって、政府のためとか野党のためとか、そんなつまらないことを申し上げているのではありません。どっちが国のためになるか、その一点に尽きます。

水戸委員 当たり前の話なんです、そんなことは。

 結局、どっちが国のためになるか。だから、それは、総理がやろうとしていることに関して担当大臣とか所管庁が反対をしているということが、これは不一致じゃありませんかという話をしているんですよ。結局、やろうと思ってもなかなか進まない、そういうような状況に今陥っているんじゃないですか。

 だから、我々自身も、これに関しまして、上から目線のそうした改革じゃなくて、やはりもっともっと地方分権というものを、安倍総理も、第一次安倍内閣のときは、非常に道州制の話にも踏み込んでおりまして、その後、麻生内閣も引き継ぎましたけれども、いろいろな形で地方にもっともっと権限とか財源とか人を移していこうということをやろうとしていたじゃありませんか。そういうような意欲が非常に安倍政権が復帰をしてからトーンダウンをしてしまっているんじゃないですか。私はそれを非常に危惧していますよ。

 だから、もう一度原点に戻っていただいて、やはりこうした地方分権、地域主権というものを、もっともっと総理がリーダーシップをぜひとっていただいて、そして率先垂範して進めてもらいたいんですよ。

 だから、もうこれは自民党さんも、ずっと今までも重点施策にも掲げているじゃありませんか。国から地方への権限、財源等の移譲を促進する、地方分権改革を進めるなんという言葉が、これは自民党さんみずからのそうした重点施策にも、これはもういろいろな形で躍っているんですよ。しかし、ただこれは躍っているだけで、結局は実効性が乏しいということを、我々自身は非常にこれは残念に思っているんです。

 だから、我々自身は、維新の党といたしましても、やはり、我々が目指すような、権限と財源と人を大胆に移して、また道州制を軸とした、自立と分権の国家像をつくるという大きな大きなイノベーション、これを目指すべきなんです。こういうことを、ぜひ総理が率先垂範をして、そして国の形を変えていこうじゃありませんか、その改革に取り組んでいこうじゃありませんか。

 そういうことも含めて、総理、ぜひ忌憚のない、また総理の心から湧き出る、そうした御答弁をよろしくお願い申し上げます。

安倍内閣総理大臣 地方分権改革についても今後ともしっかりと力強く進めていきたいと思います。

 例えば、既に、長年要望が強くて、なかなかできなかったハローワークの地方移管については、全国知事会からの要望に沿った対応方針を決定したことを初め、地域に密着した課題の七割以上を解消することとしておりまして、全国知事会からも「地方分権改革の力強い前進が図られたことに感謝する。」との評価をいただいたところでございまして、今国会において、必要な法案を提出し御審議をしていただくことになります。

 今後とも、現場そして地域の声をしっかりと受けとめながら地方分権改革を進めていきたいと思います。

水戸委員 総理、しっかりやってください。

 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

竹下委員長 これにて長妻君、山尾君、水戸君の質疑は終了いたしました。

 次に、畠山和也君。

畠山委員 日本共産党の畠山和也です。

 TPPが日本に何をもたらすかについて質問いたします。

 政府はTPPが決まったかのように補正予算や対策などなどをこの間述べてきていますが、まだ最終文書もサインされていませんし、国会での批准もまだまだです。アメリカでも、次期大統領候補からは反対や慎重の声が相次いでいます。

 日本共産党は、全国各地で農家や農業関係者との懇談や調査を行ってきました。どこでも共通していたのは、TPPへの不安とともに、安倍政権の農政に対する不満です。

 資料をごらんください。

 ことし一月四日の日本農業新聞によれば、JA組合長へのアンケート結果で、TPPの国会決議が守られていないと答えた組合長は九二%に及んでいます。多くの農家も同じ気持ちでしょう。

 そこで、まず総理に伺います。

 これだけ農業関係者から、国会決議が守られていない、このように突きつけられて、総理はどう答えますか。

    〔委員長退席、平沢委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 このアンケートについては、我々がまとめました総合的なTPP関連政策大綱をお示しする大分前からアンケートをとり始めていたわけでございまして、十分に反映されていない、こう考えております。

 我々はしっかりと農業者の皆様に御説明をし、再生産が十分に可能である、安心して再生産に取り組むことができるように、我々もしっかりと説明を全国で展開していきたい、こう考えているところでございます。

畠山委員 政策大綱、対策や補正予算をまとめれば決議を守れたというふうに言うんでしょうか。つまり、対策や予算がなければ守れていないということの告白じゃないですか。

 もう一つ、資料をごらんください。

 農産物の関税撤廃ですが、全体で八割にとどめたと言いますが、八割、千八百八十五品目に及びます。米、麦など重要五品目は決議で引き続き再生産可能となるよう除外または再協議の対象とすることとしていたにもかかわらず、うち約三割もの品目は関税撤廃です。トマト、カボチャ、キャベツなどは即時撤廃、タマネギ、サツマイモなどは最大で十一年かけて、全ての野菜が関税ゼロとなります。果実、果汁も同様です。

 その上、協定の第二章第四条には、関税撤廃の品目について前倒しして議論すると定められています。米国や豪州など五カ国とは七年目の再協議も規定されています。どんどん輸入がふえるのは明らかではないでしょうか。

 そこで、きょう私がまず問いたいのは、食料自給率がどうなるかです。これまでも、農産物の輸入の増加に合わせて食料自給率は下がってきました。

 総理、確認しますが、今の日本の食料自給率は御存じですね。

安倍内閣総理大臣 我が国の食料自給率は、平成二十六年度において、カロリーベースで三九%、金額ベースで六四%となっております。

畠山委員 今答弁がありましたように、三九%です。つまり、約六割は外国に食料を依存しているというのが日本の現実です。その結果、日本の農産物輸入がどのような状況に置かれているか、総理は知っているでしょうか。

 世界人口比の一・八%である日本が、小麦でいえば全世界の輸入量の三・七%、トウモロコシでは一二・六%を輸入しています。配付資料にまとめています。その結果、サウジアラビアやエジプトなどのアフリカ諸国や、人口が最も多い中国を抑えて、日本は穀物輸入量で堂々の世界一です。これこそ爆買いです。

 総理、これは異常な状況だと思いませんか。総理の認識。

森山国務大臣 お答えをいたします。

 委員御承知のとおり、穀物輸入の中で一番多いのはトウモロコシでございます。これが千百四十万トンでございます。飼料の関係がありますので、飼料としての穀物の輸入が多いということが典型的ではないかと思っております。あと、もう少し小麦の輸入ももちろんありますので、これについても、今後もしっかりした対応をしていくということは大事なことだと思っております。

畠山委員 この状況を異常と思わないかと、私は総理の認識を聞いたんです。TPPでさまざまな経済効果については誇らしげにいつも言うけれども、この自給率の状況を異常だと思わないか。TPPでその悪化がさらに進むと懸念されているのに、総理から聞いたことは私はないんですよ。

 食料自給率のこの状況、現状を異常だと思いませんか。

安倍内閣総理大臣 私は、食料自給率、食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは、国民に対する国家の最も基本的な責務であり、国内農業生産の増大を図って食料自給率を向上させていくことが重要であると考えています。

 このため、安倍内閣では、昨年三月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画において、農業の成長産業化を実現するための多様な施策を講じることによって食料自給率を引き上げ、平成三十七年度において、カロリーベースでは四五%、金額ベースでは七三%とする目標を設定したところであります。

 なお、今般の基本計画においては、食料安全保障の議論を深める観点から、国内の農地を最大限活用した場合にどこまで供給できるかをあらわす食料自給力指標を新たに示しております。この指標は、食用とならない花やカロリーの少ない野菜のかわりに米や芋類を作付した場合に得られる供給可能なカロリーを、栄養バランスも考慮した複数のパターンに分けて示しています。この数値の方が、食料の安全保障という観点からは、より正しい実態を示す数値になるのではないかと思います。

 これは、一定の仮定を置いて試算したものであることから自給率のように目標とすることにはなじみませんが、我が国の食料の潜在生産能力を示すものとして、食料自給率とあわせてその向上を図っていくことが重要であると考えております。

畠山委員 今、私は、食料自給力の話は聞いていないんですよ。TPPとなれば、食料輸入がさらに進んで自給率が下がることになるんじゃないかという不安が全国各地から聞かれているわけです。

 これまで日本がFTA、EPAを結んだ国々のうち、二〇一二年の日本の農林水産物輸入額上位五カ国を調べました。配付資料にあります。フィリピンもチリもマレーシアも、フィリピンでいえば二倍、チリでいえば二・五倍、マレーシアでいえば三・九倍も日本は輸入額がふえています。それ以外の国々も調べましたけれども、同じ傾向にあります。

 今回は、TPPで、豪州、ニュージーランド、そしてアメリカなどの農業大国が加わるわけです。これまで以上に農産物輸入がふえるのは火を見るより明らかではありませんか。

 それでも総理は、先ほど言った自給率目標四五%を上げられると胸を張って言えるんですか。本気で食料自給率を上げるんだったら、このような歯どめなき農産物輸入の拡大を見直すべきではないんですか。どうやって上げるというんですか。答弁してください。

森山国務大臣 お答えいたします。

 先生のお示しいただいている資料でございますけれども、この数字の中には、酒、たばこのような農林水産省所管物以外である貿易額の多いものも含まれております。そしてまた、林産物が除かれているといった問題がございます。

 加えて、輸入額を二〇〇二年と二〇一二年で比較していただいているわけでありますけれども、たしか二〇〇二年は対ドルの為替のところは百二十五円ぐらいだったのではないかと思います。二〇一二年はたしか七十九円台だったのではないかと思いますので、為替のこともこれには影響しているというふうに考えておりまして、過去に締結したEPAの国内農林水産業への影響について、EPA締結後、輸入額の変化は増減さまざまでありますけれども、輸出国の関係や為替レートの関係も考えられることから、現段階で確たる評価を行うということは困難ではないかというふうに理解をしております。

畠山委員 そんな逃げの答弁でいいんですか。だって、貿易の自由化がFTAそしてこのTPPでしょう、輸入額がふえるのは当たり前じゃないですか。ウルグアイ・ラウンドの後の四年間でも食料自給率は六%下がった、その事実を何と説明するんですか。

 ウルグアイ・ラウンドの対策大綱をもう一度読みましたよ。担い手への農地利用の集積とか、農産物の付加価値向上とか、スケールメリットを生かした畑作経営の展開とか、今と同じじゃないですか。これらの対策を講じても食料自給率が下がった事実を正面から受けとめるべきです。

 対策をとるから大丈夫というのであるならば、それはそもそもTPPでは食料自給率が下がるということの証明じゃないですか。しかも、今回は、過去に例のないほどの関税撤廃と削減です。自給率を上げるというなら、日本共産党はこの間TPPからの撤退を求めてきましたが、引き続き要求していきたいと思います。

 話を次に進めます。

 TPP対策として政府が掲げているのは農業の成長産業化です。攻めの農業です。政策大綱では、農家の体質強化対策をとって外国にも売れるようにする、そうすれば農家も所得がふえるかのように言って、今、農林水産物、食品の輸出額一兆円を目標にしていますが、前倒しをするとしています。しかし、その中身はよく見る必要があると思います。

 農水省が農林水産物・食品の国別・品目別輸出戦略において目標一兆円を掲げていますが、そのうち多い方、上位三項目は何で、金額は何か。農水大臣、御答弁ください。

森山国務大臣 平成二十五年度に策定をいたしました国別・品目別輸出戦略、これは二〇二〇年に輸出額一兆円を目標にしているわけでありますけれども、水産物を除く上位三項目はそれぞれ加工食品であります。一番は、みそ、しょうゆ等の調味料であります。二番は、飲料水、菓子類であります。三番は、健康食品、レトルト食品、その他加工品でございます。それが一番から三番まででございます。

畠山委員 今述べたように、清涼飲料水とか健康食品とか、加工品ばかりですよね。菓子類も、中身を見たら、煎餅じゃなくてチョコレートとかキャンディーですよ。みそやしょうゆといっても、今、日本の大豆の自給率は何%ですか。七%でしょう。一体どこに日本の農産物を用いて海外に輸出して、利益を上げるというふうになるか。それなのに、政府は、昨年は輸出七千億円まで到達しそうだと誇っています。

 では、聞きます。

 それでは、今度は、純然たる農産物と言えるような米とか牛肉とか青果物、お茶などなどでは、どれくらいの金額が実績なんですか。

森山国務大臣 重点品目のうち、平成二十七年の一月から十一月までの累計で、多い順に申し上げますと、青果物が百八十六億円でございまして、前年同期比四一・六%の増加でございます。次が、米、米加工品が百八十一億円でございます。あと牛肉が九十六億円でございます。緑茶が九十億円でございます。花卉が六十八億円の順番になっております。

 先生のお地元であります十勝の川西農協を中心にやっておられます長芋の輸出も随分伸びてきておりまして、二十二億円ぐらいになっていると思います。

畠山委員 川西長芋のことを宣伝されて結構ですけれども、そのことは聞いていないんです。

 それで、今言われたものとか全部足しますと、六百二十一億円なんですね。六千六百九十億円まで来ていると言っているうちの、わずか九・二八%です。一割にも満たない。

 輸出一兆円といって、国産農産物を使った食品で占めるんだったらまだ話はわかりますよ。だけれども、今言ったように、純然たる日本の農産物では結局一割にも満たないというのがこの間の実績じゃないですか。輸出一兆円ということで、それで全ての農家の所得がふえるかのようなことは幻想じゃないですか。

 所得を上げるというんだったら、私たちはずっと言ってきましたよ、生産費を補うような補償をするのが一番です。今、農家が何に苦しんでいるんですか。これまでの農政のもとで、安い農産物の輸入が拡大して、国産農産物の価格も下がり、生産費も賄えなくなったことでしょう。またTPPで同じことを繰り返すんですか。

 これは、政府が発表した経済効果分析でもこう書いています。関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少が生じると認めているじゃないですか。その結果、過小評価だと私は思うけれども、農林水産物は約一千三百億円から二千百億円の減少ときちんと書いていますよ。

 それで、さっきの輸出目標一兆円のうち純然たる国内農産物にかかわっては、結局、一割なら一兆円でも一千億円ですよ。一千三百億から二千百億円減少が出るというのと比較したら、生産額の減少分さえ輸出で賄えないじゃないですか。どういうことですか、これ。

森山国務大臣 先生、加工食品につきましても、データを見ますと、大体原料の七割ぐらいが国産品を使っておりますので、それが全て違うという理屈にはならないのだろうというふうに思っております。

 また、加工食品で六次加工をするということは地域の雇用にも影響することでございますから、これはさらに進めさせていただかなければいけないなというふうに思っております。

 今後も、政策大綱に示してありますように、体質強化対策を集中的に講じさせていただきまして、生産コストの低減や品質向上を図るということによって、輸入品との差別化をしっかり図って、収益性の向上を図る等々の政策をしっかり進めさせていただくことが大事だと思っております。

 一兆円の目標についても、それはいろいろ考え方はあると思いますけれども、先日、実はシンガポールに国会のお許しをいただきまして出張させていただきましたが、そこの百貨店では、鹿児島県のサツマイモを原料とした煎餅とか、そういうものも売られておりまして、いろいろな分野で輸出食品というのは広がっているんだなというふうに思いますので、目標達成に向かって努力をするということが大事だと思っています。

    〔平沢委員長代理退席、委員長着席〕

畠山委員 加工の七割は国産とか言いますけれども、私は全部の品目を調べましたよ、清涼飲料水とか菓子類とか。さっき言ったじゃないですか。先ほど言ったように、生産額の千三百億円から二千百億円の減少が出る、それでも純然たる国内農産物で賄えないというのは数字が示しています。

 そして、減少額自体も、私は見込み自体が過小評価だと思いますよ。その過小評価でさえ、減少分は輸出で賄えないと。TPPで輸出で稼いで農家に生き残れというようなことを言ってきて、でも本当に生き残れるかと、農家はみんなそれを言っているわけじゃないですか。

 総理、今私が数字で示した政府の試算からも、そんなことは言えないじゃないか、農家はそう言っているわけですよ。どう答えますか。

安倍内閣総理大臣 TPPにつきましては、農林水産品について、国会決議を後ろ盾といたしまして各国と厳しく交渉した結果、重要五品目を中心に、国家貿易制度の堅持、既存の関税割り当て品目の枠外税率の維持、そして関税割り当てやセーフガードの創設、関税削減期間を長期とするなどの有効な措置を認めさせたわけでございます。

 また、先ほど申し上げましたように、総合的なTPP関連政策大綱をお示ししているわけでありまして、しっかりと農業の再生産に取り組んでいきたい、こう思っているわけでございます。

 また、輸出の一兆円につきましては、いわばこの三年間、連続で過去最高を記録して七千億円まで到達したわけでありまして、一兆円は前倒して達成できそうな状況であります。

 確かに、中身について今いろいろ御指摘がございました。しかし、その中におきましても、いわばこの分野においても徐々に成果は出てきているわけでありまして、しっかりとしたルール、ルートをまたつくっていく、そしてみんなが意欲を持っていけば、これが大きくふえていくという可能性も十分にあるんだろう。

 今、まだその意欲が高まり始めたばかりでございますし、実際にこのTPPが動いて新しい経済圏の中で日本の作物がさまざまな関税障壁がなくなって輸出できるという状況にはなっていないわけでありますから、そういう中においてしっかりとそうしたものもさらに成果を上げていきたい、こう考えているところでございます。

畠山委員 そういう話をすればするほど農家の不安が広がっていると今言ったばかりじゃないですか。価格の低下でどれだけ農家が不安に思っているか、わからないんですか。

 全国一の生乳生産量を誇る北海道別海町へ調査に行きました。酪農が基幹産業の町で、人口の四割が第一次産業に従事している町です。大規模農家や法人経営もありますけれども、主体は数十頭規模の家族経営です。町も、町営の研修牧場を持っているわけです。

 こうした努力で年間三、四戸が就農しても、年間二十戸の離農のペースに追いつかず、六十頭を飼育している農家は、現在の乳価の水準なら夫婦二人の暮らしが成り立つが、五円下がれば生活費がそっくり失われると話して、そして町からも、いつ離農かと待機している農家が百戸いる、離農が波を打って押し寄せると話しています。

 このような、現実に全く向き合わないTPP推進の姿勢を改めて強く批判して、私の質問を終わります。

竹下委員長 これにて畠山君の質疑は終了いたしました。

 次に、足立康史君。

足立委員 おおさか維新の会の足立康史でございます。

 きょうは集中審議ということでございますが、先日来の基本的質疑を拝見しておりまして、総理が、秋に臨時国会を開くことなく、大事なTPPや韓国との交渉、さまざまな外交案件、一つ一つ成果を上げられたことに敬意を表したいと思いますし、臨時国会を開かなかったことについても、そのお気持ちがきょうは改めてよくわかった次第でございます。

 民主党は何か、臨時国会を開かなかったことをもってして憲法違反だと言っていますが、私はそう思いません。憲法違反は質問時間をコントロールしてきた民主党である、このように申し上げておきたいと思います。

 総理、昨年の通常国会で、厚生労働委員会で、私たちは総理と、プラカードを掲げたり暴力を振るったりする、そういう野党のあり方というのは五五年体制の亡霊である、早くとどめを刺していく必要がある、このようにお訴えをしました。

 改めて総理から、一言で結構です。そういう古い政治、五五年体制の亡霊のような古い政治を早く払拭して、政策と政策でしっかりと論戦をする新しい政治を我々おおさか維新の会と与党でつくっていく、私はそういう思いでございます。総理も一言お願いします。

安倍内閣総理大臣 大変建設的な御意見をいただいたと思っております。

 やはり大切なことは、国会の場は、議論を闘わせるわけでありまして、そこでプラカードを出したり、あるいは暴力的に妨害をしたりする場ではないんだろう。お互いに政策を示し合い、国民の前で議論し、切磋琢磨していくことが大切ではないか、このように思います。

足立委員 ありがとうございます。

 まず、消費税の軽減税率でございます。

 そもそも私は、民主党さんがこの軽減税率についてがたがたとおっしゃることについて違和感があります。彼らはそもそも三党合意で、何度も政府からの答弁もあったように、軽減税率のみならず、給付つき税額控除や総合合算制度、そういったものを検討の俎上に上げることについて合意をしていた。それを、国民が選んだ政権がその三つを精査して決めたんだから、従うのが当たり前じゃないですか。

 そして、もともと、きょう、きのう、そして先週の金曜日と民主党がぐだぐだと挙げている軽減税率のデメリット、そんなものはよくわかっています。政府・与党はそういうことをよくわかった上で決めたんですよ。

 しかし、私は一つだけ最も懸念しているのは、この表を見てください。

 石井大臣は、大臣としてというよりは公明党の閣僚としてということでございますが、この軽減税率を主導されてこられたと承知をしています。これを見てください。日本は、五%、八%、さて一〇%かということで議論していますが、まさに先ほど公明党の濱村委員がおっしゃったように、軽減税率というのは世界で極めてポピュラーで普通です。多くのヨーロッパの国々で入っています。しかし、見てください、ヨーロッパの国は高税率なんです。

 石井大臣、今回、たったと言ったら怒られますね、これを見てくださいね、八%から一〇%、消費税を二%上げるに当たって必死になってこの軽減税率を上げてきた。これは、軽減税率を上げて、今後、一〇%以上に、日本を高負担、高税率の国にする、その布石ではないですか。石井大臣、お願いします。

石井国務大臣 税制につきましては、与党の税制協議会で議論、決定されたものでございますので、国土交通大臣としてはお答えする立場にはございません。

 その上であえて申し上げれば、消費税率一〇%への引き上げと、一〇%時の低所得者対策としての軽減税率の導入につきましては、これは自民、公明、民主の三党合意に基づくものでございます。それ以上の引き上げは何ら議論されていないものと承知をしております。

足立委員 きょうは極めて限られた時間でございますので、私の方からは、今回の軽減税率、おおさか維新の会は断固反対であり、その最大の理由は、この軽減税率が、今後、高税率への扉を開く、そういう制度になるのではないかという懸念を申し上げて、次のテーマに参ります。

 ここにあるのは、大阪で身を切る改革……(発言する者あり)ちょっと静かにしてもらえますか。我々の座席は民主党さんの向こうで、ふだん、本当に安倍総理の大事な御発言が聞こえないんですよね。これから予算委員会では静かにお願いします。

 さて、これは、大阪府で議員定数二割削減、議員報酬三割削減、職員の人件費も九%削減してきた実績をここにお示ししております。それから、今こうして大阪府は増税できません。増税なき財政再建をやってきた大阪府の八年間の、橋下知事、松井知事がとり行ってきた大阪府の財政再建のグラフでございます。

 十一月の極めて大事な大阪ダブル選挙で、自民党大阪府連と共産党は手をつないで、この緑の部分、臨財債の部分だけを取り上げて、この部分だけを取り上げて、たくさんのビラを大阪府下にまいて、橋下、松井が大阪の財政を悪化させた、こう言いました。我々は違う、緑の部分は違うんだ、この緑以外の部分を見てくれということを言いましたが、なかなかかき消される中で、何とかこの選挙、賢明なる大阪府民、大阪市民の皆様のおかげで大勝利をすることができました。

 総務大臣、一つだけ確認でございます。この緑、大阪府の将来負担比率を初めとする財政再建と関係ないですね。大阪府の責任じゃないですね。ないということだけお願いします。

高市国務大臣 臨財債も地方債である以上、地方債残高には含まれるものでございます。ただ、後年、償還のときにやはり国の方からしっかりと措置をいたします。

 ただ、臨財債に余り頼り過ぎるというのは健全な姿ではないですから、しっかりと力強い財政体質をつくっていただきたいと考えます。

足立委員 不十分ですね。臨財債というのは、その量は国が決めているんです。だから、大阪府の判断じゃないんです。それだけは申し上げておきたいと思います。

 それから、給与法。

 きょう、野党の皆さんいらっしゃいますが……(発言する者あり)私も野党ですね。済みません。民主党と維新の党がまさか給与法に賛成するということはないですよね、柿沢先生。維新は、仮にも維新という二文字、身を切る改革というモットーを掲げられて選挙を戦うのであれば、給与法に賛成するわけがない、こう確信をしております。

 この人事院の給与の民間準拠、民間の皆様の事業所の一番上位一%の事業所だけを取り上げて、その中でサンプリング調査をした比較なんです。

 我々おおさか維新の会は、これは認めません。これから地方公務員も含めた財政再建に取り組んでまいりたいと思いますが、今回の給与法、どういう意味か皆さんわかっていますか。二千億円を超える税金を使って、公務員にだけ二千億円の税金を使って年末ボーナスを配るんですよ。

 国民の皆さんに消費増税をお願いし、そして社会保険料率がどんどん上がっていく、年金がマクロスライドで目減りをしていく。国民の皆様に厳しい生活をお願いしているときに、何で公務員にだけ二千億の年末ボーナスを配るのか。私は、民主党、特に維新の党には当然反対をしていただくものと期待を申し上げて、最後のテーマに移りたいと思います。最後に原発ですね。

 せっかくだから、人事院総裁においでいただいていますね。今、給与法のベースになっているこの人事院のサンプリングの母集団、これは事業所ベースで上位五十人以上の巨大な事業所、一%相当の事業所だけが母集団である。間違っていたら教えてください。間違っていなければそのままで。

一宮政府特別補佐人 人事院では、御指摘のとおり、現在、企業規模五十人以上、事業所規模五十人以上の事業所を調査対象としておりますが、これは職種、職責等を同じくする同種同等の者同士を比較することを前提に行う調査であることを踏まえております。(足立委員「一%がイエスかノーか。大体でいいですよ。事業所ベースで」と呼ぶ)事業所ベース、民間調査、母集団事業所の総数は五万四千八百六十所となっておりますけれども、これで正社員の六割を超える人数をカバーするというふうに……(足立委員「一%かどうかと聞いているんです、事業所ベースで。もう時間がないのでいいです。答えられますか」と呼ぶ)はい。一%ということです。

足立委員 人事院総裁が一%をお認めになりました。

 もう時間がないので、原発をやる時間がないが、一つだけ。

 経産大臣においでいただいています。

 私には不思議なんですよ。関西で、これから今月中にも高浜原発が再稼働になる見込みと承知をしておりますが、これは地元同意が法定されていません。特に、川内原発は三十キロ圏に入っている都道府県は鹿児島。一方、高浜原発は滋賀も京都も関係します。

 我々は、維新の党の時代に原発再稼働責任法案という数百ページにわたる膨大な法案を提出しております。まさにその地元同意を法定しようという提案をしているんです。

 経産大臣、何で法定しないんですか。

林国務大臣 地元自治体の同意は、法令上、原発再稼働の要件ではありません。ただし、再稼働に当たっては、地元の理解を得られるよう、丁寧に取り組んできておるところでございます。

 高浜原発の再稼働に当たりましては、周辺自治体における住民説明会でありますけれども、周辺の舞鶴市、綾部市、宮津市など、京都府内の七市町における住民説明会にも関係省庁から担当者が赴いて丁寧に説明をしているところでございまして、国の方針やら対応などについても説明をしておりますし、各市の実情や要望にきめ細かく対応して、丁寧に理解活動を行ってきているところでございます。

足立委員 もう終わりますが、総理、きょうの御答弁で責任与党とおっしゃいました。与党にも責任与党と無責任与党があると思います。どの政権とは言いませんが。野党にも責任野党と無責任野党があると思います。我々は、ぜひ、責任与党と責任野党の筆頭たるおおさか維新の会、しっかりとまた論戦を続けさせていただきたいとお願いを申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

竹下委員長 これにて足立君の質疑は終了いたしました。

 次に、重徳和彦君。

重徳委員 きのうに引き続き質疑に立たせていただきます。改革結集の会、重徳和彦です。

 六分しかお時間をいただいておりませんので、簡潔に質問していきたいと思っております。

 軽減税率についてです。消費税の軽減税率は問題が非常に多いということが国会審議の中でも明らかとなっておりますが、私からは二点指摘をさせていただきます。

 一つ目は、経済活動のゆがみという問題です。

 加工食品が軽減対象となる一方で、外食が対象外となります。ですから、外食産業が、本業ではない持ち帰りの商品、テークアウト商品に力を入れるようになることでしょう。

 よく言われるように、ファストフード店で、店内で食べずテークアウトする人がふえると思われます。家族で外出をした際にファストフード店に立ち寄る、これは今までどおりだと思いますが、お店に入ることなくドライブスルーで買っていく。そうなると、店内のテーブルで一家団らんという時間をなくして、車の中で顔を向かい合わせにせずに食べるようになる、こういうことになると思います。

 それから、おすし屋さんも、出前の方が好まれるという傾向が出るでしょうから、店内で握るというだけじゃなくて、配達する店員さんが必要になってくるかもしれない。あるいは、お店のカウンターで食べるのが好きなお客さんも、毎回毎回一〇%だよということで、心理的な負担が何となしにかかってくるということもあるでしょう。それから、回転ずしも外食でありますが、今ははやっていますけれども、回転ずしよりもテークアウト、出前という方向に少しシフトしていく可能性があるというようなことになっていきます。本当に、大将とおしゃべりをしながらおすしを楽しむということが今まで以上にぜいたくなことに見られてくる、こんなようなことになるわけですね。

 こうした軽減税率導入に伴う消費行動への影響、経済活動への影響、自由競争、これは相当なゆがみが出てくると思うんですが、いいんでしょうか。財務大臣のお考えをお聞きします。

麻生国務大臣 今御指摘のありました、いわゆる飲食料品を対象とする一方、外食というものを外すということによってのゆがみということを言っておられるんだと存じますが、これにつきましては、消費税の負担が逆進的であるということにつきましては先ほどずっといろいろな方が述べておられたとおりなのであえて申し上げませんが、外食につきましてその消費税負担が逆進的とは言えないという点におきましては、両者は異なっていると思っております。

 諸外国におきましても同様に、外食を軽減税率の対象外としております事例が多いのは御存じのとおりなので、そういったことを考えますときに、今般の一〇%への引き上げに伴います低所得者への配慮という点に関しまして、そういった観点を踏まえ、総合勘案した結果と御理解いただければと存じます。

重徳委員 いろいろな御説明はあると思うんですが、やはり世の中、何か変な社会になってきたなという感じが出てくると思うんですね。

 もう一点、線引きをどのようにしていくのかという課題もあります。これは本当に、一般国民にとって身近なところで非常にグレーな事例が続出すると思うんですね。

 例えば、ショッピングセンターのフードコート。これは基本的に外食扱いとなるようですけれども、広々としたフードコートですから、テーブルで食べるのが基本なのかもしれませんが、もちろん持ち帰ることもできる。ここで食べない、持ち帰るんだから八%じゃなきゃおかしいじゃないかと言いたくなるような場面も出てくると思うんですね。

 それから、屋外の、観光地でおだんごとかソフトクリームとかを売店で売っていますけれども、すぐ外にはテーブルがあって、休憩しながら食べる、こういう場合もある。これは持ち帰り扱いということだと思います。しかし、そこへ調理した、何でもいいですけれども、例えばラーメンをお店の人がその座っているテーブルに運んでくるということだって、合わせわざであるかもしれない。この場合は外食サービスが混在するようなことにもなります。

 こういう場面があちこちで出てきて、得するお店、損するお店、得するお客さん、損するお客さん、いろいろな場面が出てくると思うんです。税が結果的に不公平じゃないか、こういう話になってくると思うんですが、では、実際どう線引きをしていくのか。判定の仕組み。このあたり、どのようにお考えなんでしょうか。

麻生国務大臣 これは、重徳先生御指摘のありましたとおり、導入するまた運用するに当たりましては混乱が生じないようにということを考えて準備をせねばならぬということは当然のことだと思っておりますので、非常にいろいろ今から具体的例が出てくるので、後ろに座っておられる井上先生のところのあの博多の長浜ラーメンは、あれだけ立派なものが屋台かというと、屋台の定義というのはなかなか難しいという意味で、そういったようなものが多分いっぱい出てくると私どもは思っております。

 いずれにいたしましても、食品表示法や酒税法というものを援用したり、また、外食につきましても、テーブルとか椅子等々の飲食設備がある場所において、飲食させるサービスという場所において、そういった場所は違うんですということを明確に定義したいと考えております。

 いずれにいたしましても、いろいろ法令をやってまいります場合に当たりましては、具体的な設備や販売場面におけるサービスというものにつきまして、対応がいろいろあるんだと思いますけれども、これは個別に判断をしていくべきものだと考えております。

重徳委員 大臣、個別に判断されるということでありますが、ビジネスをやる側からすれば本当に恒久的な判定になってくるわけですから、死活的な判断、重要な判断が役所において行われるということだと思いますし、権力側の裁量が非常に大きくなる部分だとも思います。

 また、これは政治と金とか、業界との癒着とか、いろいろな問題を呼び得る話だと思いますので、このあたりについてもしっかりとチェック、ウオッチをしていきたいと思っております。

 以上です。

竹下委員長 これにて重徳君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

竹下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 これより締めくくり質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石田真敏君。

石田(真)委員 自由民主党の石田真敏でございます。よろしくお願い申し上げます。

 予算委員会では、去る一月七日、趣旨説明、そして、八日、十二日の二日間は、朝九時から十七時までのそれぞれ七時間、合計十四時間、基本的質疑を行いました。そして、けさは三時間の集中審議が、それぞれテレビ入りで行われたところでございます。

 これからは、残念ですけれども、テレビ放送もございませんが、締めくくり質疑をさせていただきたいと思います。確認も含めて総括的に質問させていただきますので、端的にお答えをいただきたいと思います。

 まず、安倍内閣の政策の大きな柱でございます一億総活躍社会と地方創生についてお伺いをさせていただきます。

 一億総活躍と地方創生とはどう違うのか。総理は前にもここで御答弁いただいておりますけれども、わかりやすく、もう一度お聞かせをいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 地方創生は、各地域の市町村の魅力を発揮して伸びていけるように、今までの発想にとらわれないで地域の未来を描いていただき、国が縦割りを排して応援をしていくという仕組みであります。今まで、中央省庁がつくったプログラムあるいはプランに地方が合わせていくということではなくて、まさに地方みずからが地域のよさを考え、そしてそれを阻むものを国が排除し、そして応援をしていく、そういう取り組みであります。

 そして、少子高齢化やそれに伴う過疎化等の問題は地方において深刻さを増しており、一億総活躍社会と地方創生には重なり合うものもありますが、それぞれが役割を果たすことで相乗効果が生まれると期待をしています。

 その中で、地方創生担当大臣は、主に、地域ごとの特性に応じた自治体の主体的な取り組みを支援する役割を担っている。これに対して一億総活躍担当大臣は、主に、一億総活躍社会の三つの具体的目標に向け、国民共通の課題となっている制度上の制約を取り除く役割を担っているわけでありまして、地方創生、一億総活躍、双方の取り組みが最大限効果的に推進されるよう、両大臣には密接に連携していただいているところであります。

石田(真)委員 ありがとうございました。

 それぞれの大臣は今の御趣旨を踏まえて十分御活躍いただけるように、心からお願いを申し上げたいと思います。

 さて、加藤大臣にお伺いをさせていただきますけれども、質疑の中で、低所得の年金受給者を支援する臨時福祉給付金を実施するが、それは選挙目当てのばらまきだとする一方で、従来の子育て世帯臨時特例給付金を廃止しようとしているという指摘がございました。私はそんなことはないというふうに思っておりますので、誤解のないよう、お伺いをさせていただきたいと思います。

 まず、なぜ低所得の年金受給者支援給付金を実施するのか。そしてまた一方で、希望出生率一・八を目指している、それを実現するための子育て世帯への支援の充実については具体的にどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

加藤国務大臣 お答えさせていただきます。

 GDP六百兆の実現に向けて、特にことし前半にかけての個人消費の下支えを行い、そして経済の下振れリスクに対応していくことが必要だというふうに考えております。

 そういう中で、現役世代について見ますと、賃金引き上げの恩恵が及びやすい。一方で、恩恵が及びにくいのは高齢者の方々であります。また、一般的に高齢者の方々は、他の年齢層に比べて消費性向、いわゆる消費に回す率が非常に高いということでございます。

 こうしたことを踏まえて、アベノミクスの果実で生まれてきました税収増、こういったものを活用して、低所得の高齢者に対して一人三万円の給付金を支給するということにさせていただいております。

 なお、平成二十九年四月からは、社会保障と税の一体改革の一環といたしまして、年金生活者支援給付金が支給されることになっておりますので、その前倒し的な性格、位置づけにもなるというふうに考えております。

 そして、御指摘のありました若い世代、特に希望出生率一・八の実現に向けてでありますけれども、若い世代の支援というのは大変重要であるというふうに思っております。まず、若い方々あるいは現役世代の経済的な基盤をしっかりするという意味において、賃金の引き上げあるいは最低賃金の引き上げをさらに進めていきたいと思っております。

 加えて、平成二十七年度の補正予算や、あるいは二十八年度、これから提出させていただきます当初予算において、保育の受け皿整備の量の上積み等の保育サービス、これを充実していく、いわゆる待機児童の解消を進めていく。また、児童扶養手当の多子加算、これを倍増していく。あるいは、幼児教育の無償化において、これまでより多くの多子世帯にそうした恩恵が及ぶようにしていくなど、低所得の一人親家庭の多子世帯に対する支援など公費ベースで七千億円の子育て支援の拡充を行っていきたい、こういうふうに考えております。

石田(真)委員 よくわかりました。

 一部を捉えて批判される、そういうことにならないように、しっかり施策の展開をお願いしたいというふうに思います。

 次に、地方創生について石破大臣にお伺いさせていただきたいと思います。

 この地方創生は、私は、地方にとって本当に最後のチャンスと言ってもいいような、非常に重要な課題だというふうに考えております。地方版の総合戦略、いよいよこれから実施の段階を迎えているわけでございまして、しっかり取り組んでいただきたいなというふうに思います。

 一方で、自民党内で、実は地方居住推進議員連盟というものを立ち上げました。そして、有識者とか我々自身の中での議論も積み重ねて、実は四十四項目の提言を、石破大臣にもまた党幹部にも申し入れさせていただいたんですが、その中の一つについて大臣のお考えをお願いしたいと思います。

 まず、地方勤務をされている女性の方が出生数が多いとの有識者の指摘、これは有名な指摘ですけれども、ございます。あるいは、地方では待機児童というのはほとんど問題になっておりません。そしてまた、将来、退職者が大都市にとどまった場合、高齢者介護問題を引き起こす可能性がある、こういう指摘もなされているわけでございます。

 そうなってくると、それぞれの分野で、本当に公共的なインフラ整備、これは財源的に大変なものが要ってくるわけですから、私は、財政再建という観点からいっても、企業などに、地方への機能分散、そういうことについて本当に真剣に考えていただきたいということをお願いしていただけないかなと思うんです。

 そしてまた、もう一方の観点があるんです。

 それは、近い将来、首都直下型地震、南海トラフの地震あるいは火山の噴火、こういうものの発生が予想されていまして、実は、今の日本は大地震や噴火の続いた九世紀とこの日本列島が酷似している、そういうことを指摘する学者も一人ではなくおられるわけなんですね。

 そういうことを考えると、一旦そういうことがもし起こった場合、すぐ起こるということではないと思いますけれども、起こった場合に、人口集積地域の大混乱、こういうものを考えると、私は、危機管理の面からも、やはり企業に機能の分散について十分御検討いただかなければならないのではないかなというふうに思うんです。財政再建の面からも、あるいは危機管理の面からも、企業にお願いしたい。

 その場合、もう一つ、政府関係機関がございますね。これは国からも各地方に対して要望を取りまとめました、私の出身の和歌山県は統計局にぜひ和歌山に来ていただきたいというお願いをしているわけですけれども。

 今申し上げた面からも、あるいは地方の活性化という意味からも、私は政府関係機関が率先して地方移転というものを考えていただきたいと思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

石破国務大臣 石田委員には、自由民主党の中で地方居住推進議員連盟の会長を務めていただいて、昨年貴重な御提言をいただきました。それぞれ全面的に共感するものばかりで、政府として、その実現のために努力をいたしたいと思っております。

 民間企業の地方移転について、先ほど例にお挙げになりました、個名を挙げて恐縮ですが、ブルドーザーのコマツというのが溜池に本社があります。坂根さんという立派な経営者が、東京になくてもいいものは発祥の地、小松でやるべきだということで、随分と機能を移転しました。そうすると、同じ女性のコマツの正社員さんで、出生率と婚姻率を掛けると五倍違うんだということであります。

 これがなぜ続かないのかということは、虚心坦懐に経団連初め企業にお願いをして、なぜなのだろうか、優遇税制が足りないのか、それともほかに理由があるのか、このことはさらに、与党とも御相談をし、野党の皆様方の御意見も聞きながら進めてまいりたいと思っております。

 富士山がいつ爆発してもおかしくないねとか、あした首都直下型地震が来てもおかしくないね、それもおどかして言っているわけではなくて、東京をより安全な町にするという努力をしていくとともに、やはりリスクの分散というのはしていかねばならないことなのだろうということで、企業にもそういう分散をお願いしていきたいし、それが地方の雇用というものを高めることになるに違いないと思っております。これは、政府として民間企業に心からお願いをしておるところでありまして、また委員の皆様方のお知恵、お力もかりたいところであります。

 政府機関の地方移転は、総理のリーダーシップのもとにこれを強力に進めていかねばならないと思っております。

 今、中央省庁のいろいろな機能の移転について、三月までに結論を得るべく作業を進めておるところでありますが、巷間言われるように、中央省庁は反対だという話が結構言われるわけですね。

 何で反対なのと聞くと、午前中の答弁でも申し上げましたが、国会議員の先生方への根回しが必要であるとか、あるいは省庁間の調整が必要であると。でも、行政というのは誰を相手に仕事をしているんだろうか。それは、現場だろう、民間の方々だろう、地方だろう。どっちを向いて仕事をするのだということが大事であって、そうすると、これだけ交通が発達する、通信手段が発達する、だとするならば、本当に東京になきゃいけない理由は何なのかということだと思っております。

 ここは官庁のいろいろな思惑もありましょうが、やはり我々が立法府の人間として、政府と一緒になって、これを、どっちが国民のためになるのだということをまさしく政治主導によって行うことが必要で、さらに石田委員のお力を賜りたいと心からお願いする次第でございます。

石田(真)委員 どうもありがとうございました。

 ぜひ安倍総理にも、政労使ですか、政労官ですか、協議の場とか、そういうところでしっかりとリーダーシップを発揮していただけたらありがたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 次に、復興大臣にお伺いしたいんですけれども、あと二カ月ほどで東日本大震災から五年がたつわけでございます。復興は着実に進展しているようですが、特に福島の復興など、まだまだ政府がやらなければならないことはたくさんあるんだろうというふうに思います。

 平成二十七年度の補正予算を含め、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。

高木国務大臣 お答え申し上げます。

 間もなく、東日本大震災から丸五年経過するわけでございます。避難生活を送っていらっしゃる方は、当初四十七万人いらっしゃいました。今は十八万人まで減りはいたしましたけれども、いまだ多くの方々が不自由な生活を余儀なくされている、このことをまず私、大臣として強く肝に銘じなきゃならないというふうに思っております。

 まず、残り三カ月となりました前期五年の集中復興期間、いよいよその集大成として、まずはさらにこの三カ月間、復興を加速化していく必要があると思います。

 そして、あわせて、四月からいよいよ始まります後期五カ年、復興・創生期間でございますけれども、住宅再建をしっかりと進めるとともに、被災地のなりわいの再生、あるいはまた被災者の心身のケアに着実に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。

 また、復興が進むにつれまして、新たな課題も出てきます。これらに対応するため、昨年末には、平成二十七年度補正予算等を踏まえつつ、被災者支援総合交付金の創設や防災集団移転元地等の利活用あるいは観光復興など五つの柱から成る「復興・創生期間に向けた新たな課題への対応」を打ち出したところでございます。

 また、福島では、十年以内の復興完了は難しい状況ではございますけれども、一部では避難指示が解除されるなど、復興に向けた動きは着実に進展しているところだというふうに考えておりますが、引き続き国が前面に立って取り組まなければならないと認識をいたしております。

 私は、就任以来、現場主義というのを徹底させていただいておりまして、既に被災地を二十回近くにわたって訪問させていただきました。被災地の方々と意見交換を行ってきたわけでございますけれども、今後とも、被災地の方々からの声にしっかりと耳を傾けてそれらを受けとめ、被災地の方々に寄り添う形で復興に取り組んでいきたい、そのように考えているところでございます。

石田(真)委員 ぜひしっかり頑張っていただきたい、そして、一日も早く復興がなし遂げられますようによろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。

 復興、防災、減災ということになってくるわけですけれども、近年、ゲリラ豪雨が頻発して大水害が発生しています。よく言われます、しかし、私は異常気象ではもうないんだろうと思いますね。温暖化に伴う気象の変化だというふうに思っておるわけでございます。そうしますと、今後もスーパー台風とかゲリラの集中豪雨というのが日常的に発生する、そういうふうにしっかり認識をしておかなければならないのではないか。

 そうなってくると、従来の排水対策あるいは河川の堤防、そういうもので対応していけるのかということにもなってくるわけでございまして、国土交通大臣に、こういう思いについてどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。

石井国務大臣 地球温暖化に伴う気候変動によりまして、水災害の頻発化、激甚化が懸念をされております。

 そのような中、昨年九月の関東・東北豪雨では、記録的な大雨により鬼怒川の堤防が決壊をいたしました。この災害を踏まえまして、施設では守り切れない大洪水は必ず発生するという考え方に立ちまして、社会全体で洪水に備える水防災意識社会を再構築する必要がある、このように考えました。

 具体的には、ソフト対策につきましては、スマートフォン等による洪水予報の提供など、より実効性のある住民目線のものへ転換をいたしまして、ハード対策につきましては、従来の洪水を河川内で安全に流す対策に加えまして、越水等が発生した場合でも決壊までの時間を少しでも引き延ばす堤防構造の工夫等、危機管理型のハード対策を組み合わせて講じていきたいと思います。

 これらの取り組みを水防災意識社会再構築ビジョンといたしまして、全ての国管理河川とその沿川市町村において、おおむね五年間で実施をいたします。

 平成二十七年度補正予算にも、このような自然災害リスクを踏まえた緊急防災対策を進めるための予算を計上しております。

 スピード感を持って、洪水に備えるハード、ソフト対策を推進してまいりたいと存じます。

石田(真)委員 ありがとうございます。

 やはり、こういう状況になっているということを国民の共通の認識にしていかないと、大丈夫なんだと思っている、そういう状況の中からは決していい結果は出ないというふうに思いますので、そういう面での活動もしっかりお願いしたいなと思います。

 次に、TPPについてお伺いいたします。

 甘利大臣は本当に長い間、大変難しい交渉、御苦労さまでございました。大臣として、今回の合意が今後の日本にとってどういう影響を与えるのか、また、今後課題としてどういうことに取り組んでいかなければならないのか、そのあたり、簡潔によろしくお願い申し上げます。

甘利国務大臣 時間が迫っているようですから、簡潔にお話をいたします。

 要すれば、世界経済の約四割の地域、その地域の中においては自由化が圧倒的に進んでいるわけですね。関税がなくなるか低くなるかで物や情報やサービスが自由に飛び交うことができる、あるいはルールも、共通ルールで透明なルールをつくっていく。よく、どこかの国に投資したら、投資して足が抜けなくなったころ過大な要求が来て、断ったら優遇措置を切られたみたいなことが間々あると聞いていますけれども、そういうのはないですから、予見性が図れるわけですね。

 そういう透明なルール、それから自由化は、その枠内にある国や者だけがそれを享受することができる。つまり、その外側との差ができるわけですね。そうしますと、この間でいろいろな情報が飛び交い、物が飛び交い、人が移動する中で、全体にイノベーションが起きて、競争力もそこの地域は上がってくるというメリットがあるわけです。

 それから、今後の課題としては、いろいろな不安もあります。政策大綱で三つの柱を掲げています。

 新輸出大国になる。日本が、日本から輸出していくのに対して輸出先のハードルがなくなるか下がるわけですから、有利になってくるわけですね。中小企業も地域から、いろいろな電子手続を通じてもその恩恵にあずかることができる、大企業だけじゃなくて中堅、中小も浴する。そして、地域の農産品が、守るだけじゃなくて攻めていく、いろいろなツールが与えられるということですね。新輸出大国。

 それから、グローバルハブ。日本からいろいろなことをやっていく際には、関税上も有利だし、ルール上も有利だし、それから研究開発上も日本がそういう手だてをいろいろやってくるから有利になってくる。グローバルハブになっていく。

 そして、農政の新時代。守る農業、これも大事ですけれども、攻める農業に転換していく。そのためのいろいろな手だてを講じていく。これからの課題として、攻めていく部分そして不安な部分の解消等々にしっかりとした方針を立てていくことだというふうに思っております。

石田(真)委員 ありがとうございます。

 これからも、課題は多いと思いますけれども、しっかり頑張っていただきたいなと思います。

 森山大臣にTPPについてお伺いいたします。

 今回、TPP対策予算、たくさんついておりますけれども、大臣御自身の御評価と今後の課題ということについてお答えいただけたらと思います。

森山国務大臣 石田議員にお答えをいたします。

 TPP対策につきましては、大筋合意をめぐります生産現場の懸念と不安をまず払拭するということが大事なことだと思っております。そうすることによって、次世代を担う生産者が、あすの農林水産業に、夢と希望を持って経営の発展に積極果敢に取り組んでいくということにつながるんだろうと思います。

 今、農水省挙げて、今回の政策大綱そしてそれに基づきます補正予算、どういう事業をするかということを、丁寧な説明に努めております。

 また先日は、全国の農協長さんに対しましても、農林水産省から資料を送付させていただいて、現場の御理解をいただく努力をしているところであります。

 今回の補正予算では、政策大綱を踏まえまして、攻めの農林水産業への転換に必要な経費を計上させていただきましたし、生産者の投資意欲を後押しする体質強化対策を集中的に講じることとしております。

 予算の評価でございますが、政策大綱の中で、今後のTPP対策予算についても政府全体で責任を持つという枠組みになっておりますので、補正を含めて現場の皆さんに御安心をいただける対策あるいは大綱になっているのではないかと理解をいたしております。

 以上であります。

石田(真)委員 ありがとうございました。

 現場が不安を抱かないように、これからもよろしくお願い申し上げます。

 最後の質問ですけれども、慰安婦の問題でございます。

 年末でしたけれども、やはり非常に明るいニュースであったなというふうに思っておりまして、韓国というのは、我々、永遠の隣国でございますから、安倍総理の決断に心から敬意を表しますし、また、岸田大臣の御尽力に心から感謝を申し上げたいと思います。

 もう時間が参りましたので、これから、いろいろこの委員会でも懸念がございました、そういうものを払拭していただいて、将来に向かって明るい日韓関係を築いていただけるよう、よろしくお願い申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

竹下委員長 これにて石田君の質疑は終了いたしました。

 次に、大串博志君。

大串(博)委員 民主党の大串博志です。

 早速質疑に入らせていただきます。

 冒頭、委員長の方から、締めくくり総括の質疑という話がありましたけれども、私は大変違和感があります。

 なぜなら、秋の国会、あれだけ憲法上の要請をしたにもかかわらず開かれなかった。安保国会が強行採決で閉じた後、いろいろ議論しなきゃならないことが残りました。TPPの合意というものも十月五日にありました。そういった中で、秋に議論しなければならなかったことがたくさんあったのに開かれなかった。その後に、一月四日にやっと開かれた国会ですから、議論しなきゃならないこと、そもそもたくさんあります。

 かてて加えて、今回、補正予算三・五兆の事業費、一億総活躍、TPP、こういうふうに言われておりますが、その内容、私もここで議論しましたけれども、まだまだはっきりしないこと、判然としないこと、多々ございます。特に、軽減税率との関連で、これら補正予算のあり方は一体どうなのかという大きな連関性のある問題も見えてきている中なんです。

 こういった中で、きょうの午後の質疑をもって締めくくり総括として補正予算の審議を終わるというのは、私は到底あり得ないことじゃないかなというふうに思いますので、そのことをまず申し上げ、そして、その点も含めた質疑に入らせていただきたいと思います。

 まず、この補正予算を考える上で、私たちがどうしてもやはり気になる、大きな関連性を持つものとして気になるのが、軽減税率の財源です。

 資料を配らせていただいております。

 一枚目、軽減税率一兆円の安定財源が必要だ、こういうふうに言われています。四千億円は、総合合算制度を取りやめたから財源がある、こういうふうな総理の答弁でございました。六千億、残りをどうしていくのかという論点が残っています。

 この六千億の中、普通に考えれば、法律に書かれているように、歳出のカットか歳入の増、増税ですね、そういったものをやっていかなければならない、そういうところに、税収の上振れ分という議論もありました。

 そもそも、この歳出カットがどうなるかというところは、非常に大きな問題として私たちは考えています。社会保障を切るのか切らないのか、この辺は議論させていただきたいと思いますが、そもそも、社会保障のことでいえば、四千億円の総合合算制度を取りやめたことですら、これは既に社会保障を削減していることなんですよ。

 これは、七ページ目を見ていただきますと、社会保障・税一体改革で、充実と重点化・効率化ということで、もともと企図されていた、考えられていた案ですよ。この左側の「充実」のところを見ていただくと、真ん中からちょっと下、dと小文字で書かれているところ、その他、総合合算制度、〇・四兆円程度として、「充実」の中身に入っているんですよ。社会保障を強くするという中に入っているんです。これをやめるということは、当然、社会保障を削減していることに、やはり国民の側からするとつながっているわけですよ。

 まして、いわんや軽減税率は、きのう玉木委員が指摘されたように、一兆円の財源のうちの六割以上、五百万円以上の方々が使うという制度ですよ。五百万円以上の収入の方々が年間六〇%の財源を使いながら、この四割、四千億円、総合合算制度という社会保障制度を切るということになっているんですね。

 これを踏まえた上で、では、さらに六千億をどうするかという、ここだけ確認させていただきたいんです。歳出カット、これを考えていかなきゃならぬということになっているんでしょう。この点で、総理の答弁、私、確認させていただきたいと思います。

 きのう、社会保障に関して、ここにも書いていますけれども、二・八兆円の約束している充実分は財源を確保してやります、こういうふうに言われました。この点に関しても後で聞かせていただきますけれども、では、二・八兆円の社会保障・税一体改革で約束されている分以外の社会保障予算、これは三十兆円ありますよ。三十兆円の社会保障予算をこの歳出の見直しの対象とするんですね。

 きのうは、総理は、毎年五千億円に社会保障の自然増を抑えること、こういったことがあるので聖域なく見直すんだ、こういうふうにおっしゃいました。これは当然です。というのは、総理自身が、三年間の目安として五千億円の自然増に社会保障を抑えるというふうに、もう前に決めていらっしゃいますから、これはもうあるんです。その上に降って湧いた軽減税率の六千億なんです。

 だから、五千億円に抑えるのに、追加的に、この六千億円の財源を探すために社会保障の財源を切るということがあるのかどうか、それを排除するのかしないのか、これは明確にお答えください。

安倍内閣総理大臣 これは、先般も答弁をさせていただいたように、五千億円ずつ切っていくというのは、三年間で一兆五千億円以内、一兆五千億円に伸びを抑えるということは申し上げたわけでありまして、その中で効率化を図っていく、聖域化せずに努力をしていくということは申し上げているわけでございます。

 そして、軽減税率の一兆円のうちの四千億円というのは、これは総合合算制度において、これは取りやめるということが決まっておりますから、残りの六千億円については、安定的な財源によって手当てをしていくということを決定しているわけでございまして、必要な社会保障費を切るということはしないということは再三申し上げているとおりでございます。

大串(博)委員 きちっと答えてください。もしこれが本当に締めくくり総括なんだったら、答えをもらわないと判断なんかできないですよ。

 聞きたいのは、歳出をカットするとこの資料にあります。社会保障費のうち、二・八兆円という約束されたものじゃない、二・八兆円以外の普通の社会保障の財源を、五千億に、自然増分に抑えるという以外にさらに踏み込んで削るということを排除しないんですね、排除してくれるんですかと。私は排除してほしいんですよ。だって、社会保障を削られるのはやはり心配です。ですから排除してほしいんです。排除していただけるんですねということをお尋ねしているんです。端的にお答えください。

安倍内閣総理大臣 毎年伸びを五千億円以内に抑えていくという努力をこれからもしていきます。

 その上において、いわば伸びを抑えていく中において、この財源を捻出するためにさらにその伸びを抑えていくということは行わない、こういうことでございまして、基本的には、我々は、安定的な財源をしっかりと確保して、残りの六千億円は確保していくということでございます。

大串(博)委員 言葉がはっきりしなかったものですから、わかったような、わからない……。

 もう一回確認させてください。今の答弁であれば、自然増による社会保障の伸びを五千億円に抑えるというめど、この数年間のめどよりさらに踏み込んで社会保障費を切る、六千億円の財源を得るために、これはないということでよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 これは、例えば、では五千億ではなくて七千億、八千億にしていくということは考えてはいないわけでありまして、伸びを五千億に抑えるという努力はしていくわけでございますが、他方、六千億の安定的な財源はしっかりと確保していくということであります。

大串(博)委員 もう一回確認します。もう一回確認します。端的でいいんです。私の質問も端的なので、端的でいいんです。

 五千億に自然増の伸びを抑えていくという毎年のキャップ以上、さらに深掘りして社会保障財源を六千億円の財源調達のために切るということは排除するということでよろしゅうございますね。

安倍内閣総理大臣 今私が申し上げているのは、五千億にこれを抑えていくということも大変なことでありまして、これはなかなかそう簡単にはできないことを我々はしっかりと今実行しているわけであります。これはしっかりと我々はやっていかなければならない、このように思っているわけでございますが、これをさらにここから深掘りしていくということを行って財源を捻出していくということは考えていないわけであります。

 いずれにせよ、現時点では具体的な措置内容が念頭にあるわけではありませんが、与党とも相談しつつ、歳入歳出両面にわたってしっかりと検討してまいりたい、このように思っております。

 なお、軽減税率制度の導入に当たって、安定的な恒久財源を確保することによって、社会保障と税の一体改革における二・八兆円程度の社会保障の充実に必要な財源は確保していくということでございます。

大串(博)委員 先ほどの答弁の中で、今のところ、自然増を五千億円以内に抑えるということ以上の深掘りは考えていない、今のところという頭の言葉をつけられました。これは、今のところということであれば、一年三カ月後には違った結論があるというふうに思えてしまいます。

 今のところなんでしょうか。それとも、一年三カ月後にも、五千億円に自然増の伸びを抑えるということ以上の削減は六千億円の財源調達のためにはしないという約束でよろしいでしょうか。

安倍内閣総理大臣 医療費あるいは介護の伸びについては毎年毎年しっかりと見ていく必要があるわけでありまして、その中で、効率化がどれくらいできるか、あるいはまた無駄をどれぐらい排除できるか、していく必要はあるわけでございます。その努力は毎年していく中において、その中での努力をしていく。

 そして、我々は、五千億円は少なくともそういう努力をしていく。しかし、その中で、例えばこれはもっと効率化が図れるなということであれば、当然それは、さらにそこに食い込んでいくということはできるわけであります。

 例えばジェネリック品の普及が大きく広がっていく、また例えば呉市でやっているようないいモデルを横展開しながら、それが広がっていくということになれば、さらにこれは削り込んでいく、効率化を図っていくことはできるわけでございます。これはサービスの低下ではなくて、医療費あるいは介護の効率化を行っていく。その効率化を行っていくことを、今既にここで将来の努力を全て放棄する必要はないんだろう、私はこう思うわけであります。

 その中におきまして、今申し上げましたように、六千億の捻出のために、その中でさらに掘り込んでいくということは今考えてはいない、こういうことでございます。

大串(博)委員 五千億に抑えるという目標よりもさらに食い込むことは今は考えていないけれども、さらに効率化していくことはあり得ると。例えばジェネリック等々、例えばをつけられました。さらに効率化していくことはあり得る、将来の努力を今放棄することはないというこの発言からすると、五千億円に自然増の伸びを抑えるということよりさらに深掘りして社会保障財源が削られるということはあり得るということですか。確認させてください。

安倍内閣総理大臣 これは、効率化を図るということで、例えば呉市で行っている試みというのは、それぞれ市民の方々に、今どれぐらいあなたは医療費を使っていて自己負担はどれぐらいになっている、これを例えばジェネリックに変えるとどれぐらい医療費が軽減されますよという通知をすることによって、医療費の負担軽減につながっている、こういうことを、しかし、まだ残念ながらこれは広がっていません。

 今、医師会にも御協力をいただいて、これを広げていくということになれば、今よりももっと切り込んでいくことは十分に可能であります。最初から、目標があるので、これ以上効率化できるのに今それをやめてしまおうというのはおかしな話であって、そういうことであれば、これはサービスの低減ではないということは申し上げておきたいと思います。

 無駄をなくしていく、効率化を図っていくという努力をこれからもしていくことは当然ではないか、こう思うわけでありまして、同時に、先ほど申し上げましたように、六千億を捻出するためにこれをさらに深掘りするということは考えていないわけでありますが、しかし同時に、常に努力をしていく必要はあるんだろうということでございます。

大串(博)委員 今の答弁からすると、今のところは自然増を五千億円に抑えるということ以上のことをすることは考えていないけれども、しかし、効率化に向けてさらに結果が出ることは、さらに結果が深く出ることはあるので、それは今のうちから排除するものじゃないというふうに私は理解しました。

 すなわち、五千億円に抑えるという以上に社会保障財源が削られるという言葉になります、私たちになると。抑えられるという結果になるというふうに私は理解しましたが、よろしいですね。

安倍内閣総理大臣 今私が申し上げましたように、サービスと質の低下は行わない。しかし、他方、無駄はあるわけでありますから、しっかりと予防に力を入れていく、その結果、医療費、介護費の軽減につながるということは十分にあり得るわけであります。

 今、ジェネリックの例も出しました。例えば、市民みんながそれを認識することによって適切な対応をしていくことによって医療費は軽減したという実例があるわけでありますから、こういうものをもっと横展開していく。なぜなかなか横展開をしていなかったというところに注目をしつつ、我々は、医師会とも協力をしながら、そういうことは進めていくのは当然のことであろうと。これを今から、では、その努力をしなくていいのということにはならないのは当たり前のことではないか、こう思うわけでございます。

 そして、この六千億につきましては、先ほども申し上げましたように、しっかりとした安定財源を求めるという観点から、与党において議論を進めていくことになるわけでございます。

大串(博)委員 よくわかりました。五千億に自然増の伸びを抑える、さらにそれ以上の努力もやはりやるということだということの答弁でありました。

 なぜ私がこんなにこれにこだわっているかというと、今回の補正予算、一億総活躍予算じゃないですか。内容を見ると、少子化、子育て対策、大変いいことですよ。あるいは、介護による離職をゼロ、いいことですよ。これらを一生懸命やっていただくのは私たちも応援します。しかし、その後の社会保障予算がどうなるかが見えなかったら、この補正予算がどう整合していくのか、私、正直言って、悩んでいるんです。

 将来の社会保障予算も、今言われたように、さらに削られていくこともありますよということであると、一体この補正予算の位置づけは何なんだろうという疑問が湧くわけです。だから、これをこれだけ聞いているわけですね。その不安は、私たち、拭えません。

 さらに申し上げると、ちょっと総理に一つお尋ねしたいんですけれども、お約束している二・八兆円の社会保障充実分、これは財源を見つけて実行します、こういうふうにおっしゃいました。二・八兆円の社会保障の充実、何を、どれだけの金額、いつまでに行われるんですか。(発言する者あり)

竹下委員長 今、答弁の準備をしていますから。

 厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 御指名でございますので。

 今、二・八兆の、言ってみれば平年度ベースで充実をするということの内訳については、これは、当然のことながら、今後の予算編成過程で検討するということであって、今すぐその中身を一つ一つお答えすることは難しいということでございます。

安倍内閣総理大臣 それでは、ちょっと詳しくお答えをさせていただきたいと思います。

 子ども・子育て支援の充実、待機児童の解消などの量的拡充と質の向上、子ども・子育て支援新制度の実施による、幼児教育、保育と地域の子ども・子育て支援の総合的推進、充実、待機児童解消加速化プランの実施、新制度への円滑な移行を図るための保育緊急確保事業、社会的養護の充実など、これは〇・七兆円程度であります。

 そして、医療、介護についてでありますが、医療・介護サービスの提供体制の改革であります。(大串(博)委員「資料をつけていますから、資料をつけていますから」と呼ぶ)これは多岐にわたっておりますから、それを説明しろと言っているので説明しているわけであります。中身について質問をしたんじゃないんですか。

 病床の機能分化、連携、在宅医療の推進等であります。そして、地域包括ケアシステムの構築。そしてまた、医療・介護保険制度の改革でありますが、医療保険制度の財政基盤の安定化、保険料に係る国民の負担に関する公平の確保……(大串(博)委員「資料をつけているのを読み上げるのはやめてくださいよ」と呼び、その他発言する者あり)今、二・八兆円の中身について質問したじゃないですか。

 保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等、そして介護給付の重点化、効率化、介護保険の一号保険料の低所得者軽減強化の一・五兆円程度であります。

 そして、年金が〇・六兆円ということでありまして、まさに質問をされたわけでありますからお答えをしているわけでありまして、これを答える必要がないのであれば、そもそも質問しなければいいじゃないですか。

大串(博)委員 今総理が読まれたのは、私、六ページに資料をつけているんですね。それはわかっています。わかった上で、長々と読まれるのは質問の時間を奪われているようなものです。やめてください。

 今、厚労大臣は、二・八兆円の中身は予算編成過程で検討することとしており、現時点でお答えをすることは困難であると言われたんです。これは政府の答弁として私ももらっているんです。

 では、総理、これを読まれましたけれども、時間を上げます、一個一個全部、何兆円、いつまでにやるか、何千億円、何百億円、いつまでにやるか、全部言ってください。時間を上げます、全部言ってください。

塩崎国務大臣 きょう先生からお配りをいただいている紙に二種類、重点化、効率化の同時実施でこれがありますね。ここにありますように、民主党の皆さん方が最初に、この一体改革の前に御提案されたときには、一つ一つについて金額が入っておりました。

 きょう先生からお配りをいただいた二・八兆の内訳、つまり、少子化に〇・七、それから医療、介護に一・五、さらに年金で〇・六、合計で二・八という、私ども、民主党も含めて三党合意で得られた結論については金額が入ってございません。それを私は申し上げているのであって、この中身については年度ごとに、これは平年度ベースで二・八兆ですから、それを毎年度、予算編成の中で大枠は決まってはおりますが、中身については予算編成過程で決めていくということを申し上げているのであって、それ以上でも以下でもないのであります。予算編成の中で徹底的に議論をしていただくということでございます。

大串(博)委員 そういうことですね。すなわち、今厚労大臣が言われたように、この一つ一つの項目に関しては、何をいつから、何千億円、何百億円、何十億円やるか、これからしか決まらないんですよ。

 総理は、二・八兆円、お約束したものは必ずやりますとおっしゃっている。でも、一つ一つが、何千億円、何百億円、何十億円、いつからやられるのか、それが今の段階ではっきりしていなかったら、後で、本当にそれを今考えられているようにやられたのか、僕らは検証のしようがないじゃないですか、確認のしようがないじゃないですか。

 二・八兆円やりました、やりましたと言われても、社会保障予算一つ一つの項目は毎年予算で上下しているんです。それが、後からこれだった、あれだったと言われてもわからない、だから言っているんです。

 こういうふうな極めて曖昧なところが残っているから、私たち、補正予算との関係でもどうなるんだろうなと。先ほど山尾さんが言われた子ども・子育て三千億円、ちゃんと用意してくれるのか、わからないから今の補正予算との関係が見えないということを言っているんです。

 もう少しこの財源に関して議論させていただきますと、税収の上振れ分の話です。これは私、本当にこの答弁でいいのかなと。

 政府答弁をここにおつけしております。税収の上振れについてはということで、二枚目につけておりますけれども、マル一のところで、安定的な恒久財源を確保するとの観点から法制上の措置をとる、歳出歳入、こう書かれている。

 マル二のところが肝ですね。この点に関し、税収の上振れについては、経済状況によっては下振れすることもあり、基本的には安定的な恒久財源とは言えないと考えられている。これはよくわかります。これが答えだなと私は思ったんです。だから、これは非常に私たちは納得がいきます。

 ところが、その下の段落、アベノミクスによる経済の底上げによる税収増をどう考えていくかについては、経済財政諮問会議において議論していく。これは何のことかわからないんです。

 これは、総理、私は一段落目で説明は尽きていると思います。麻生大臣がきのうおっしゃったのとぴったし。私はよくわかります。

 この下二行目はよくわからないんです。上の三行で尽きていると思うので、この下二行は削除してもらえませんか。

甘利国務大臣 消費税を引き上げます。それが満年度になりますと、先ほど申し上げた総額から二・八兆が充当されるということになります。

 一方で、先ほど来総理も申し上げていますけれども、税収増というのは、消費税分とそれからアベノミクスによる経済押し上げ効果があります。消費税は安定的な恒久財源ですので、その向かう先は社会保障と決まっております。

 一方で、アベノミクスによる上振れが消費税の増収以上にあるわけですね。それをどういう位置づけにするかというのは、やはり諮問会議で今議論が出ているわけであります。

 というのは、上振れしたのは、例えば半分は財政健全化に充てるとすると、経済自身を成長させていって税収をふやすというのが財政再建の基本にありますから、では、経済をさらに上振れさせていくために、そのアベノミクスによる税収の一部を使うべきではないか、それをどういうふうに使うかというのは、一時的に補正予算として使うか、あるいはもうちょっと長期にわたって使うかの議論があるわけです。その議論を諮問会議でしていこうということであります。

大串(博)委員 諮問会議の議論、私もよくわかりました。議事録も見させていただいておりますので、よく了知しております。

 麻生大臣にお尋ねしますけれども、今諮問会議で議論されていると今言われました。税収の上振れ分、消費税より上回った税収の上振れ分を、安定財源としてこの六千億円の財源の穴埋めに使うことはあり得ますか。

麻生国務大臣 たびたび申し上げておりますように、上振れ分というものは、下振れする可能性もありますので、安定財源とは言いにくいのではないか、釈迦に説法みたいなことを申し上げて恐縮ですけれども、たびたび聞かれますので申し上げます。

 その分をどう使うかにつきましては、先ほど甘利大臣から御答弁がありましたように、財政諮問会議で、その増収分、我々が思っていた以上にふえた分につきましては、これは成果ですから、それをどうやって使うかにつきましては、いわゆる財政諮問会議において検討させていただくというのがお答えだと存じます。

大串(博)委員 では、もう一回確認させていただきますけれども、麻生大臣、経済財政諮問会議の方で議論されているアベノミクスの税収増、消費税増税による分を除く上回った分に関しては、この六千億円を賄うための安定財源とはしないという理解でよろしいですね。

安倍内閣総理大臣 これは、まさにもう統一見解でお示しをしているとおりでありまして、上振れ、下振れについてお示しをしているとおりでございます。

 と同時に、先ほど甘利大臣からもお話をさせていただきましたが、我々、ずっと連続で、いわばかなり巨額の上振れが出ているわけでございます。その結果、我々、民主党政権から比べて、国、地方合わせて二十一兆円ふえている。これは、八兆円以外は、いわば、消費税ではなくて……(発言する者あり)済みません、ちょっと静かにしてください。八兆円以外は、まさにこれはアベノミクスの果実であろう、こう考えているわけでございます。

 この中で、我々、しっかりと財政健全化のためにも借金返しをしているわけでございますが、同時に、どのように使っていくかということについては、性格も含めて諮問会議で議論をしているところであります。ワンショットだけではなくて、ある程度中長期的にも使っていく、そしてまた、それがさらに成長を生んでいくということになれば、名目GDPが上がっていくことによって税収もさらにふえていくわけでありまして、そうした税収をどう考えていくかということも含めてしっかりと議論をしていくことになるわけでございます。

大串(博)委員 麻生大臣、お答えください。

 経済財政諮問会議で議論されている消費税の増税分を超える税収の上振れをどう使うかという議論の中において議論されているものに関しては、六千億円を埋めるための税収の安定的な財源としては採用しないということでよろしゅうございますでしょうか。

麻生国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたように、その点をどう使うかについては財政諮問会議で検討する、先ほどお答えいたしたとおりです。

大串(博)委員 もう一度お尋ねしますけれども、安定財源として、六千億円の穴埋めとして使うことも含めて経済財政諮問会議で議論されているというふうに理解するということでよろしいでしょうか。

麻生国務大臣 頭のいい方にたびたび説明するのも、こっちの方が気恥ずかしくなるんですけれども。

 私どもといたしましては、六千億円というものをどうやってやるかにつきましては、検討するということになっております。今から一年ぐらいありますので、その中においていろいろ検討させていただくことになろうと存じます。

 したがいまして、まだ一年以上先の話ですから、今の段階で、ぱっとこれが答えですというようなことはあろうはずもありませんし、今から時間をかけて検討させていただく、財政諮問会議はその中においての大きなツールになる、私どもはそう思っております。

大串(博)委員 再度確認させていただきますけれども、経済財政諮問会議で議論されている消費税増税分以上の税収上振れに関しても、六千億円の穴埋め財源として、安定的な財源として使うことも含めて検討することを排除しないというふうにおっしゃったという理解でよろしいですね。

麻生国務大臣 たびたびたびたび説明させていただくようで恐縮ですけれども、先ほども申し上げましたとおりでして、いろいろ場外発言が続いておりますのでお聞きにくいところもあろうかと存じますが、もう一回お答えさせていただきたいと存じます。(大串(博)委員「端的にお願いします、よく聞こえています」と呼ぶ)端的に申し上げたら同じ質問をされますから、しつこく長く説明しますから聞いてください。

 今の話というものは、私どもは、増収したということになった場合、上振れとかいろいろな表現がありますけれども、その上振れした内容もよく検討してみなければできません。一括的に入ってきたものもあるかもしれませんし、そうじゃないものもあるかもしれない。これはなかなか内容によって今の段階で説明が理解できない方も筆頭におられますので、大変苦労しておられるんだとは思いますよ、私どもも御同情申し上げますけれども。

 私どもとしては、基本的には、今の話の内容についてはいろいろなことが考えられるということを申し上げられるので、今の段階でこれとかあれとかいうことを断定的に申し上げることはできませんと申し上げております。

大串(博)委員 私もいろいろな財務大臣に仕えてきましたけれども、税収の上振れ分を安定財源を確保するために使う可能性を排除しなかった財務大臣は私初めてなんです。驚きの答弁でした、正直申し上げて。

 しかも、やゆするような発言をされましたけれども、やゆするような内容ですか、これ。六千億円、社会保障を切るかもしれない財源ですよ。それをどう埋めるかに関して、税収の上振れ分を使うかもしれないという前代未聞の可能性を今示唆されたわけですよ。それを、やゆしながら話すような問題ですか。深刻な問題ですよ。

 何度も言いますけれども、玉木さんが言われたように、一兆円の軽減税率の財源のうち、六割は五百万円の収入以上の方々に行くんですよ。それで社会保障が削られる可能性があるような財源の話なんです。さっき総理は削る可能性を言われました。その中で、それを埋めるものとして税収の上振れ分まで使うと。

 私は、これは本当に、若い世代の皆さんの将来像も考えたときに、責任のある政権の態度とはとても思えません。私は、先ほど来言われたように、税収分、税収の上振れ分なんて使うんじゃなくて、財源を参議院選前までにきちんと示してもらわないと、国民の皆さんがどういう政権かというのをきちんと見た上でないと判断できないと思いますよ。

 この問題点を示しながら、さらにもうちょっと詰めさせていただきたい。(発言する者あり)まだありますよ、いろいろな問題があります。

 総合合算制度で四千億円、やめたので財源はもうありますというふうに言われました。

 資料を見ていただきますと、四ページを見ていただきますと、今回、資料をまとめていただいて、総合合算制度四千億円の財源はどこにあるんですかというのを政府に聞いたんです。そうしたらこの紙が出てきました。

 こういうふうに、社会保障改革プログラム法、すなわち、社会保障・税一体改革の後つくられた法律、これによる重点化、効率化によって、こういう項目をやり始めました、よって、これだけの金額、開始年度はこれだけ、平年度はこれだけの金額が、重点化、効率化、つまり社会保障予算が削減されることで出てきます。これは足すと四千億にちょうどなります。

 その次のページに、いつからどれだけの金額が出ていくかということが、順々にこの金額は生み出されてきますから、ここに書かれています。

 私、計算したんですよ、これ。そうしたら、二十七年度において既にこの中から一千百億円の金額が、財源がもう生み出されているんです。二十八年度予算の中で二千四百億円を超える財源がもうこれで生み出されているんです。二十八年度予算の中にそれは当然盛り込まれています。

 すなわち、総合合算制度をやめたから四千億円の財源をもう確保した、残りは六千億円だ、こう言われます。違うじゃないですか。もう既に、重点化、効率化で二千四百億円の財源は生み出されていて、二十八年度予算で使われている。もう社会保障予算にはまっているじゃないですか。だから、残りは千六百億円しかないんですよ。千六百億円しか今財源を確保していない。残りは八千四百億円なんですよ。六千億円じゃないんですよ。

 こんな点も整理されないままに議論は来ているんですよ。だから、早くこれはきちんと議論して、先ほど申しましたように、補正予算と大きく連動する話だから、この点も早くきちんと議論した上で結論を出さないと、補正予算、議論できないですよと言っているんです。

 八千四百億円が残っている。このことに関して、もし絶対に違うという論点がありましたら、言ってください。

塩崎国務大臣 これは、先ほど先生お配りをいただいた「社会保障改革プログラム法に基づく重点化・効率化について」というタイトルがございますように、軽減税率をやるための四千億のために使っているわけではないということをまず明確にしていただかなきゃいけない。

 もともと三党合意で、一体改革の中での合理化をする充実分のためにやるというのは二・八兆プラスアルファということになっていたわけで、そのアルファの部分、つまり、それが重点化、効率化でありますけれども、そこが四千億になったということであって、たまたまこの四千億が、総合合算制度のもともと財源として必要なのが四千億というのと一致をしているだけの話であって、それは、今先生がおっしゃったように軽減税率四千億円のための中身ということでお配りをしたというのは、少し趣旨が違うということを明確にしていただかなきゃいけない。

 そうすれば、今先生がおっしゃったような、もう既に使っているじゃないかというような発想は出てこない、こういうことだと思います。

大串(博)委員 厚労大臣が言われていることもそうで、確かに、この七ページにありますように、社会保障・税一体改革の中に盛り込まれていたんですよ。盛り込まれていたんです、総合合算制度。この財源をどこかから生み出してこなきゃならなかったんですよ。四千億円、総合合算制度をやらないから財源ができましたというふうに言われるから、一体どこから財源をつくられたのかなと私は非常に不可思議に思っていたんです。

 しかも、総理は最近、二・八兆円の中では総合合算制度はありませんとおっしゃいましたから、これは消費税財源でやる頭ではいらっしゃらなかったんだなというのもわかりました。

 そこで、一体四千億円の財源はどこから出てきているんですかという問いを政府に投げたところ、四千億円の財源はこういう財源でございますということで、こうやって出てきたのが四ページ、五ページの資料なんですよ。

 この四ページ、五ページの資料に明らかに書かれているように、二十七年度、二十八年度予算から既に、先ほど申しましたように、二十七年度予算は一千百億円、二十八年度予算においては二千四百億円、この予算はもう使われているんです。生み出されているんですよ。これは、もう生み出されている以上、四千億円は財源になり得ないんですよ。既に使われて、残りは一千六百億円しかないんです。このことはきちんと認めてもらわないと、いかに否定しても否定し得ない事実なんです。

 この辺もきちんと認めてもらわないと、この話は進みませんよ。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 確かに御指摘のように、重点化、効率化によって千四百億円、これは出しています。しかし、それは簡素な給付措置に使った。確かに使ったのでありますが、これは一回限りであります。次はやめるわけでありますから、当然それは次に、先ほども申し上げましたように、四千億円として確保することができるんだろう、こういうことでございます。

大串(博)委員 簡素な給付措置と。

 では、差し引くとどういうことになりますか、総理。今おっしゃいましたけれども、ちょっと説明してください。わからなかった、今の。

安倍内閣総理大臣 これは、二十七年度の中の充実フレームの中で、財源と使途でございますが、簡素な給付措置を千三百億円使っているわけでありまして、財源としては千四百億円出ているものを大体こちらに充当しているということでございますが、そして、これは一回限りでやめておりますから次はこれは使えるということを先ほど説明したのでございます。

大串(博)委員 わかりました。その説明を受け入れるとすると、千三百億円の簡素な給付措置の分だけは、一〇%になるとそれはなくなるので、その分は浮きますということでありました。

 にしても足りません。にしても足りませんね。あと千三百億円足りませんね。やはり、四千億円じゃなくて、千三百億円は削られているんですよ。

 こういった点もきちんとしていただきたい。六千億円じゃないんですよ。さらに大きな金額なんです。千三百億円と言いましたが、七千三百億円です。こんな大きな論点を、このまま、はっきりしないままに過ごすわけにはいかないということを言っているんです。

 さらに、もう一つあります。

 先ほどの税収の上振れ分に戻りますと、総理は最近、税収の上振れは安倍政権になって二十一兆円、こういうふうに言われます。二十一兆円、これは一体どこから出てきた数字ですか。

安倍内閣総理大臣 国、地方を合わせてでございますが、国が十五兆円、そして地方が六兆円、合わせて二十一兆円ということになっております。

大串(博)委員 いつからいつまでの数字ですか、それは。

安倍内閣総理大臣 これは、安倍内閣ができて今日に至るまでということでございます。

大串(博)委員 もうちょっと詳しく教えてください。いつからいつまでですか。

安倍内閣総理大臣 二十四年度当初から二十八年度当初との比較でございます。

大串(博)委員 これはちょっと不思議ですね。

 二十四年度当初予算をつくったのは民主党政権なんですね。民主党政権ができて、一年間私たちは政権運営をしたんですよ。民主党政権のときにつくった当初予算は、税収を七十八・七兆円と国、地方で見込んでおりました。

 しかし、民主党政権は、最後の一年間で税収の上振れをしまして、二十四年度当初予算が実際にはどれだけの税収を上げたかというと、先ほどの七十八・七兆円に比べて二兆円税収が上振れしまして、八十・七兆円になっているんですよ。これが民主党政権の成果なんです。わかりますか。しっかり考えてくださいね。

 民主党政権のときに当初予算でつくった税収は七十八・七兆円ですよ。しかし、それから一年間政権運営をして税収を上げたんですよ。八十・七兆円まで、民主党政権のときには、二十四年度に税収は上がったんです。ですから、安倍政権でネットで上振れした額を計算するとすると、二十八年度の当初、九十九・五兆円の税収から、二十四年度の決算、すなわち八十・七、十九兆円なんです。二兆円違うんです。二十一と十九と、大きいか小さいかとありますけれども、安倍総理、いいですか、一兆円、二兆円の議論をしている中なんです。二十一兆円、二十一兆円とおっしゃいますけれども、十九兆なんです。

 私が言いたいのは、このぐらい、税収の上振れというのは、ある意味、いいかげんという言葉はあれですけれども、ソフトな、捉えどころのない概念なんですよ。こんなものを歳入、安定的な財源にするというのは、私は受け入れられませんよ。どうですか。

安倍内閣総理大臣 二十四年度におきましても、これは、大きく成長したというのは、まさに我々が政権を奪還した二十四年度の十二月から一月、二月、三月でございまして、我々が政権奪還する前はマイナス成長でございますから、当然、マイナス成長下では税収がふえるとは思えないわけでございます。

 そして、安倍政権発足前の二〇一二年の当初予算が四十二・三兆円であり、二〇一六年度の当初予算は五十七・六兆円である、まさに国は十五兆円。そして地方は、三十六・四兆円だったものが四十一・九兆円で、六兆で、合わせて二十一兆円でありまして、まさに、安倍政権が誕生してから、これは間違いないではないですか。

 しかし、我々は、この経済の好循環をしっかりと回していくことによって税収をさらにふやしていきたい、こう考えているわけでございます。

 法人税収そして所得税収も上がっていく、あるいはまた景気の回復。まずデフレから脱却をしなければ、デフレ下においては税収は当然伸びていかないわけでありますから、デフレから脱却すること。その中において、もはやデフレではないという状況をつくり出すことができたことによって、税収増、いわば上振れが大きく出ているわけでございます。

 そうしたものも、どのような中身になっているかということについてしっかりと中身を分析していくことが大切であろうと思います。その中において、さらに成長のためにどう投資をしていくかということの中においてどう使っていくかということになっていくんだろう、こう考えているところでございます。

大串(博)委員 極めて、ある意味不確かな、いいかげんな検討状況であることがよくわかりました。

 自然増収にしたって、今言ったようないろいろな不確かな要素、議論があり得るんですよ。そんなものを安定財源に使うことはあり得ない。社会保障の予算もやはりカットする可能性がある。そのために、一兆円の六割以上が年収五百万以上の方々に使われてしまう、それを前提にこの補正予算が組まれている。こんな、ある意味ツケを先送って目の前だけを飾ったような補正予算、あるいは政権運営、とても受け入れられない。このことを申し上げて、私からの質疑を終わらせていただきます。

竹下委員長 これにて大串君の質疑は終了いたしました。

 次に、井出庸生君。

井出委員 維新の党、信州長野の井出庸生です。本年もよろしくお願いをいたします。

 先ほど自民党の石田先生が復興のことに少し触れられておりましたが、私も、ここまでの補正予算の審議また本会議を通じて少しこのことを伺いたいと思いましたので、質問をいたします。

 まず、総理に伺います。

 ことしの元日の読売新聞の一面に次のような記事が出ました。「仮設住宅 二〇年までに解消 岩手・宮城 政府 復興方針改定へ」、こういう見出しの記事が元日の読売新聞に出まして、私、元日の紙面ですので、明るいニュースの一つなのかなと、第一印象はそういう印象を持ちました。

 その中で、事実関係として教えていただきたいところがあります。

 記事の冒頭の部分を読み上げますが、「政府は、東日本大震災で被災した岩手、宮城両県の計約七万人が避難生活を送る仮設住宅全約三万戸について、東京五輪・パラリンピックが開催される二〇二〇年までに解消を図る方針を固めた。」この方針を固めたということの事実関係を総理に伺います。

高木国務大臣 事実関係もございますので、私の方から答弁をさせていただきます。

 御指摘の新聞記事のように、仮設住宅を二〇二〇年までに解消を図る方針を固めたとの報道があったことは承知いたしております。そのような事実はございませんけれども、被災者の方々に安心できる住まいにお移りいただくには、その受け皿となる恒久住宅の整備を進めることが必要と考えております。

 平成二十七年十二月一日現在、約六万八千戸の仮設住宅等が存在する一方、転居先となる公的な住宅宅地については、意向調査に基づく計画戸数約五万戸のうち既に約二万戸が完成しており、さらに今後、平成三十年度までには約三万戸が供給される見込みとなっております。今後も、県、市町村の計画どおりに事業が進むように、復興庁としてきめ細かく支援を行ってまいりたいと思います。

 また、円滑な住宅移転や生活再建のため、平成二十八年度予算において、被災者支援総合交付金のメニューを追加させていただきました。住宅・生活再建支援の相談活動に取り組む自治体への支援を行うなど、安心できる生活を一日でも早く確保できるよう全力で取り組んでまいる所存でございます。

井出委員 もう一つ、事実関係を総理に伺います。

 政府の復興推進会議、これは議長は安倍総理ですが、「政府の復興推進会議は、一六年三月十一日で震災五年を迎えるのを機に「東日本大震災からの復興の基本方針」を改定し、仮設住宅の解消を目標の一つに掲げる。」この部分は、総理、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 先ほど既に大臣から答弁したことと重複はするわけでありますが、我々は一日も早く被災者の方々の希望に沿うように住まいの建設を進めているところでございまして、公的な住宅宅地は平成三十年度にはおおむね完成する見込みでありまして、県、市町村の計画どおりに事業が進むようにきめ細かく支援を行っていきます。

 そして、仮設住宅にお住まいの方の中には、みずから住宅を確保される方や、同時に、お年寄りの中には意向が未定の方もおられるわけでもございます。その中において、きっちりと期限を切って全員の恒久住宅への移転完了時期を示すことは現時点では難しいわけでございますが、住民の皆さんが希望に沿って安心できる住まいを一日でも早く確保できるよう、全力で取り組んでいきたいと考えております。

井出委員 今、期限を切ってやることは難しいというお話がありました。

 復興大臣に申し上げたいのですが、きのう質問を通告する段階で、きょうは総理にお伺いをしたいと。それは、復興大臣に答弁されると、私の頭の中も、また皆さんの頭の中も、震災以外の話題が頭に出てきますので、きょうは総理とやらせていただきたいと思います。それを事前に申し上げてありますし、それでも答弁に立たれたいという何か御意思があれば、今発言してください。

高木国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、新聞記事の確認ということでございましたので、まず、その点について私の方から答弁をさせていただいたということでございます。

井出委員 先ほどの自民党の先生と復興大臣のやりとりの中で、自分は現場主義だというお話がありましたが、ぜひ、これまでの大臣にかかわるさまざまな報道、またお金の問題、そういうものが国民の頭から払拭されるように、しっかりと現場で汗をかいていただきたい。そのことをお願いしたいと思いますし、現場主義とおっしゃられていますけれども、そうした大臣就任後についた悪いイメージというものは全く払拭をされていないと思いますので、先ほどみずから御発言された現場主義というところを、しっかりと汗をかいていただきたいとお願いをいたします。

 済みません。話を戻します。

 先ほど、期限を区切るのは難しいという話がございました。

 私は、二〇二〇年までに解消するということは元日の紙面ということもあって明るいニュースだと思う一方で、ただしかし、仮設住宅というものは原則二年、それを毎年一年ずつ延長してきているわけです。そういう意味では、二〇二〇年というものは長期戦だと思いますし、そもそも復興計画は十年ということで復興期間を定めてやってまいりましたので、それも二〇二一年でございます。一年しか変わりありません。

 そういう意味では、仮設住宅の解消というものが長期戦になる、そういうお覚悟をお持ちかどうか、総理に伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、住まいの復興に力を入れておりまして、その結果、高台移転、また災害公営住宅等につきましても順調に着工は進んでいるわけでございます。

 しかし、その中におきまして、今申し上げましたように、既に仮設に住んでおられる方々の中においては、新たな生活、大きく生活環境がまた変わるわけでございます、そういう準備についてもしっかりと我々も心のケアも含めて協力をしていく必要があるんだろう、このように思うわけでございます。

 そこで、先ほど、現時点で時期を示すことは難しいというふうに申し上げましたのは、今お住まいの高齢者の方々もおられまして、そういう皆様方の御納得、あるいはまたしっかりとさまざまな準備が整うということも大切だろうということでございまして、今いつまでにということを言うことによって、かえって不安をあおってはいけないんだろう、こう思っております。

 しかし、大切なことは、移りたいという希望を持っている方々についてはしっかりと、移れる体制はちゃんと整えていくということでございまして、先ほど申し上げましたように、平成二十七年十二月一日現在では六万七千五百八十三戸の仮設住宅等が存在しておりますが、転居先となる災害公営住宅等公的な住宅宅地は意識調査に基づき今後三万四百四十二戸が供給される予定でありまして、公的な住宅宅地は福島県の避難指示等の対象である十二市町村を除くと平成三十年度にはおおむね完成する見込みである、こういうことでございます。

井出委員 もう一つ読売新聞の記事を紹介させていただきたいんですが、これは一月の十一日の記事でございます。

 震災から五年、仮設住居一万四千戸超という見出しなんですが、読売新聞が岩手、宮城、福島、被災三県四十六市町村に調査をした。

 仮設住宅の中でも県設仮設住宅、民間の仮設住宅ではなくて県設のプレハブ仮設住宅というものが昨年の十一月の段階で三万二百九十三だった。それが震災後五年までに、もう間もなくなんですが、幾ら解消されるかというところを、読売新聞が各自治体に回答を求めた。回答があっただけでも、一万四千戸はまだ残りますと。そして、特に仮設住宅の多い宮城県の石巻市などはちょっと見通しについては未回答だ。そういうところもありますので、一万四千を、「実数がさらに膨らむのは確実だ。」と記事には書いております。

 この記事は、震災五年というのは阪神大震災の仮設住宅がゼロになったときでもありまして、その節目というところでこういう調査をされたと思うんですが、この数字を見ている限り、私も、仮設住宅の解消というものは、五年ということでもう既に長期戦になっているんですけれども、六年目以降も時間がかかっていくのではないかなと思います。

 これまでの災害の中で仮設住宅が五年を超えたケースというものは、きのう復興庁の方にお尋ねをしたところないと。仮設住宅が五年以上のスパンに入っていくのは今回が初めてである。これは、町の復興、高台をつくったりしなければいけない、そういうこともありますので、長期戦にならざるを得ない決定的な幾つかの要因があります。ですから、私も長期戦はやむを得ないと思うんです。

 そうしたときに、仮設住宅というものはもともと二年だ、それを毎年一年ずつ期間を更新してきて、一年間そこで安全に仮設住宅で暮らせるように補修の予算措置をする。それが毎年、きのう調べていただいたところ、ここ数年は当初予算の方で四十億円程度やってきているようなんです。

 この新聞記事にもあるのですが、この新聞記事でインタビューに応じている釜石市の女性のコメントも出ているんですが、「二年程度だろうと思っていた仮設暮らしが、こんなに長引くなんて……」と。壁が薄く、寒く、トタン屋根で夏は暑い。こうしたところは常に問題になっておりまして、大震災のあった二十三年は補正予算で、窓のサッシを二重にしたりですとか、お風呂の追いだき機能を追加したりですとか、一般的な仮設住宅にプラスの機能を備えていただいた、そういうことを伺っているんですが、今、復興期間のちょうど真ん中なんですね。これからまだ仮設住宅は長期戦になる。

 私は、一年更新という法律の枠組みも理解はしているんですけれども、かなりの確率で長期戦が前提となっているのであれば、そうした仮設住宅の環境というものを改めて見直して予算をつけていく、そういうことが総理がおっしゃる心のケアですとかそういうところにも直結してくると思いますので、そういうことを提案させていただきたいんですが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 東日本大震災で建設した仮設住宅については、本年三月十一日以降、六年目に入るところであります。確かに、委員がおっしゃったように非常に長い期間になっているわけでございます。

 我々が政権を担当したときはもう既に発災から二年がたとうとしていたのでございますが、高台移転については計画すら全くなかったのでございます。そこからのスタートであったのでございます。

 現在は、高台移転、災害公営住宅等は九五%が着手しているわけでございまして、しっかりと住まいの対応はしていきたいと思っておりますが、その中で、なお延長が必要な仮設住宅については、これまでも、一年ごとの延長を行う際には、劣化、腐食等に対する補修、補強等のハード面について、地元自治体と連携しながら、必要な経費を確保した上でしっかりと対応しているところであります。

 今後とも、被災者の方々の生活に支障がないよう、政府として万全を尽くしていく考えでございます。

井出委員 今、一年ごとにハードを整備してきているということで、恐らく平成二十八年度の当初予算も、ここ数年と同じぐらいの規模の補修の予算というものが予算案でこれから出てくるのかな、そういうふうに想像はしているんですが、私が申し上げたいのは、仮設住宅というものはすぐにつくらなければいけないので、どうしても耐久性とかで問題がある。阪神大震災を上回る、過去に例のない長期戦になっている。そうしたときに、今、復興期間十年のうちのちょうど五年で、この問題にやはりここできちっと向き合う必要があるのではないか。

 総理は、この間、六日の本会議のときに、これはよくおっしゃっていることなんですが、東北の復興なくして日本の再生なし、安倍内閣においては、閣僚全員が復興大臣であるとの意識を共有し、被災者の方々に寄り添い、この後なんですけれども、従来の発想にとらわれることなく、スピード感を持って、復興のために全力を尽くすと。

 従来の発想にとらわれず、この問題。ちょうど今五年で、三県とも、仮設住宅のメンテナンス、一斉チェックをしているとも聞いております。これはこれからも国費で住宅の面を見ていくと思いますが、ここに国として視点を向けるということは非常に大事なことであると思います。高台移転、公営住宅ができましたという明るいニュースも大事なんですけれども、そこに移るまでに困難な生活をしている人たちにする手当てというものは非常に大事だと思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、仮設住宅の補修等についてはしっかりと国として支出をしていくわけでありますが、同時に、長くなったことによって、精神面、健康面においてさまざまな困難も抱えておられるだろうと思います。そうした面、心のケアも含めてしっかりとサポートしていきたいと考えております。

井出委員 きょうこういう質問をしておりますのは、実は、総理の年頭の所感ですとか年頭の記者会見、また昨年十月の第三次安倍内閣発足の記者会見を聞いていたときに、平成二十四年末に総理に就任されたころと比べて、国会で質問すればきちっと答えていただいているんですが、復興に対する御自身の発言が少なくなってきている。少なくなってきているんですよ、私は読みましたけれども。そういうことに気づいておられるかどうかわかりませんけれども。

 私は、総理の中で、復興、政府が最優先事項だといつも言っている最優先事項が総理の口から出ることが少なくなってきていることは、大変心配をしております。その点についてコメントをいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 最優先事項でございますし、その中において、先ほど申し上げましたように、復興は着実に今進んでいるのも事実であろうと思います。住まいにおいても、なりわいにおいても、農業においても、漁業においても、また他の産業においても着実に復興は進んでいるわけでありまして、これをしっかりとさらに加速化していきたい、こう思っております。

 私も、大体月に一回ぐらいのペースで被災地を訪問しておりまして、このペースは今までと余り変わりがないんだろうと思っておりますが、これからもしっかりと被災者の方々に寄り添いながら復興を進めていきたい、こう考えております。

井出委員 昨年の十二月にも、たしか岩手の方に行かれているかと思います。総理がたびたび被災地に入られておることはわかっておるんですが、総理は就任されたときはまず最初に福島に行った、そのことをいろいろな場所でお話をされていて、私はそのことに対する熱意というものを非常に感じたんです。

 復興も、最近は、公営住宅ができました、営業を再開したおしょうゆ屋さんを岩手で見てきたというような話もありました。大分明るい話題がふえてきております。しかし、きょう仮設住宅を取り上げさせていただいたのは、その中でも困難な暮らしをまだ続けているという現実も、当然ごらんになっていると思いますけれども、それをしっかり発信していただきたいですし、まだことしは総理の所信というものを伺っておりませんが、ぜひ総理の所信の冒頭に、この復興の問題、五年ですので、ちょうど真ん中ですので、触れていただきたいということをお願いしますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 きょうのこの御質問、また井出委員の御意見もしっかりと受けとめながら、被災地の皆様の思いを受けとめながら、我々政府として責任を持って復興を進めていきたいと考えておりますし、当然、施政方針演説の中においては復興に対する考え方を述べさせていただきたい、こう考えております。

井出委員 終わります。どうもありがとうございました。

竹下委員長 これにて井出君の質疑は終了いたしました。

 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 きょうは締めくくり質疑ということで、この後、委員長職権で採決が決められておりますが、審議は到底尽くされていないというふうに思います。およそ採決すべき段階ではないということを強く申し述べて、質問に入ります。

 きょうは、消費税について質問します。

 軽減、軽減というふうに軽減税率のことを言うわけですが、飲食料品の税率を八%に据え置くだけで、来年四月は大半のものが一〇%に増税になるということになります。

 麻生大臣に伺いますが、飲食料品と新聞以外のものが消費税一〇%に引き上げられた場合、現行の八%と比べてどれだけ増税になるのか。一世帯当たりの増税額、一人当たりの増税額についてお答えください。

麻生国務大臣 仮に軽減税率を全く導入しないで消費税率を一〇%に引き上げた場合のいわゆる総世帯消費税負担額は、一定の仮定のもとで機械的に試算をいたしますと、一世帯当たり四万六千円程度、一人当たり一万九千円程度増加することとなりますが、酒類及び外食を除く飲食料品及び一定の新聞の定期購読料を対象として軽減税率を導入することによって、この増加額が一世帯当たり三万五千円程度、一人当たり一万四千円程度に抑えられることになろう。これは機械的な計算ですけれども、そうなります。

宮本(徹)委員 今も答弁がありましたけれども、財務省の試算でも、八%に比べての増税額というのが一世帯当たり三・五万円、一人当たりでいえば、赤ちゃんからお年寄りまで一人当たり一・四万円の新たな負担増ということになります。ですから、軽減どころか、来年四月は文字どおりの庶民大増税ということになります。

 一昨年、消費税を八%に引き上げて、それ以来個人消費はずっと落ち込んでいるわけですよ。家計調査でも、足元三カ月は連続して個人消費はマイナスということになっております。そして、内閣府自身が年末に発表したミニ経済白書でも、支出の改善におくれと書かざるを得ない状況なわけです。こんな中でこれだけの負担増を行ったら、暮らしにも日本経済にも深刻な打撃になるのは火を見るよりも明らかだと思います。

 しかも、消費税には、低所得者ほど負担が重い逆進性という問題があります。

 麻生大臣に伺いますが、飲食料品と新聞以外の税率を一〇%に引き上げた場合、収入に占める税負担率は現行の八%と比べてどれだけふえるのか。収入が二百から二百五十万円世帯のケースと、一千五百万円以上のケースについてお答えください。

麻生国務大臣 これも一定の機械的な計算になろうかと存じますが、二人以上の世帯の年間収入に占めます消費税の負担割合ということで、年収二百万円以上二百五十万円未満の世帯につきましては、現行の負担割合が六・四%、軽減税率を導入せずに消費税率を一〇%に引き上げた場合の負担割合は七・九%になります。軽減税率の導入によって、この負担割合が〇・五%低い七・四%になろうと存じます。

 また、対照的に、年収千五百万円以上の世帯につきましては、現行の負担割合は二%になりますが、軽減税率を導入せずに消費税率を一〇%に引き上げた場合の負担割合は二・五%、軽減税率の導入によりまして、この負担割合が〇・一%低い二・四%になると考えております。

宮本(徹)委員 つまり、収入二百万円程度の世帯では、新たな増税で収入の約一%分が消えるということになるわけですよ。痛税感の緩和ということを言われますけれども、一%新たに収入が消えるというのは、低所得者の方にとっていえば激痛そのものだということを言っておきたいと思います。

 一方、収入が二千万円ぐらいの世帯では、新たな増税は収入の〇・四%分です。ですから、収入に占める負担率ということで見れば、収入が少ない人の方が二・五倍も負担がふえるというのが、軽減税率を導入しても、今度の増税だということです。

 収入階層ごとの負担率がどうなるのかということで、きょうは財務省から出していただいた資料をグラフにしましたけれども、三%、五%、八%、そして軽減つきの一〇%ということで、消費税の増税に伴って税の逆進性がどんどん強まっているわけですよね。これは、このグラフの傾きが、どんどんどんどん傾斜がきつくなっていることを見てもはっきりしているというふうに思います。

 総理は軽減税率による逆進性の緩和というのを強調されるわけですが、軽減税率を導入しても低所得者ほど負担は重くなる、これが消費税なんですよ。

 総理に伺いますが、食料品と新聞の税率を八%に据え置いても、ほかのものを一〇%に引き上げれば現行の八%よりも税の逆進性を一層強める、こういう認識はお持ちですか。

安倍内閣総理大臣 そもそも、消費税の一〇%への引き上げは、我々の大切な社会保障制度を次の世代に引き渡していくためのものでありまして、税と社会保障の一体改革の一環として行われるわけでございます。その増収分は全額社会保障の充実、安定化に充てることにしているところでございます。

 その上で、さらに、消費税一〇%への引き上げに当たっては、御指摘のように、消費税における、所得が低い方ほど収入に占める消費税負担の割合が高いといういわゆる逆進性があります。この逆進性を緩和する観点から、ほぼ全ての人が毎日購入している酒類及び外食を除く飲食料品等を対象に軽減税率制度を導入することを決定したところであります。

宮本(徹)委員 逆進性が強まるということは総理もお認めになったわけでありますけれども、とにかく消費税というのは、どれだけ軽減対象をふやそうとも、それは消費性向は収入が少ない人ほど高いわけですから、税率を引き上げればどんどんどんどん逆進性が強まっていく、低所得者ほど負担が重くなる欠陥税制だと私たちは考えております。消費税頼みではない道に転換すべきだということを強く主張しておきたいと思います。

 その上で、きょうは、軽減税率を決めた与党合意の文書についてお伺いしたいと思います。

 配付資料の裏面に資料を載せておきましたけれども、こういう一文があります。財政健全化目標との関係や一八年度の経済・財政再生計画の中間評価を踏まえつつ、消費税制度を含む税制の構造改革や、いろいろについての検討を加え、必要な措置を講ずる。わざわざ消費税の名前を挙げて書き込まれたわけですね。そして、この文言は法律にも、これから国会に出てくる法案にも盛り込むというふうにされております。

 総理に伺いますけれども、財政健全化目標との関係で、消費税制度を含む税制の構造改革について検討を加えというのは、どういう検討を加えるんですか。

麻生国務大臣 今、宮本先生から御指摘のありました文ですが、これは、与党と政府の税制改正の大綱におきまして、消費税の軽減税率制度の導入に必要な財源について、御存じのように、財政健全化目標を堅持するとともに、社会保障と税の一体改革の原点に立って安定的な恒久財源を確保するとの観点から、平成二十八年度末までに歳入及び歳出におけます法制上の措置を講ずる、財政健全化目標との関係や平成三十年度の経済・財政再生計画の中間評価を踏まえつつ、消費税制度を含む税制の構造改革や社会保障制度改革などの歳入及び歳出のあり方について検討を加え、必要な措置を講ずるとされております。

 御指摘の箇所につきましては、消費税制度を含むとされておる点を問題視されているんだと思いますが、いわゆる経済・財政再生計画に基づきます二〇一八年の中間報告の際に、消費税の軽減税率制度の導入という新たに生じる状況を考えましたときに、財政健全化目標や社会保障と税の一体改革の実現というものを損なうことになるようなことになってはいないかといった観点から検討を行う旨が、必要ではないかと、これはいろいろ議論をされたところであります。

 いずれにしても、こうした検討に基づいて、具体的な措置の内容につきましては、何らかの措置を講ずるか否かを含めまして、現時点において決まっているものではないということであろうかと存じます。

宮本(徹)委員 総理は、一年前の国会の答弁で、プライマリーバランスの黒字化について問われてこう答えているわけですね。「一〇%まで消費税を引き上げてまいりますが、それ以上の例えば消費税の引き上げにおいて税収をふやすということは考えておりません。」昨年三月十三日、答えておられます。

 しかし、今度は、その同じプライマリーバランスの黒字化、財政健全化目標、二〇二〇年ですよ、その関係で、消費税を含む税制の構造改革と書いたわけですよね。これは昨年の答弁から変わったということですか。消費税を上げないんだったら、こんな文句を入れる必要はないわけですよ。わざわざ消費税制度を含む構造改革と書いたのは、どういう意味ですか。

安倍内閣総理大臣 これはまさに、二〇二〇年を目標にプライマリーバランスの黒字化を図っていくということについてお示しをしているわけでございまして、他方、私がお答えをいたしましたのは、いわば私の任期といたしましては、次の任期は二〇一八年までということでございまして、その二〇一八年までの安倍政権においては消費税を引き上げることはないという、いわば安倍政権との関連で申し上げているわけでございまして、ここに書いておりますのは、二〇二〇年の目標について書かれているものでございます。

宮本(徹)委員 つまり、二〇一八年度以降は安倍政権じゃないけれども、消費税を含む税制の構造改革をやるんだというレールを今敷いちゃうということですか。そういうことですか。だって、わざわざ消費税を含むという言葉は今まで入っていなかったわけですよ、いろいろな政府の文書を見ましたけれども。夏の経済・財政再生計画の中にも消費税の文言はないですよ。今回新たに入っているわけですよ。なぜ入れたんですか。

 安倍政権では二〇一八年にはやらないと言うけれども、次の政権にはやってもらうためにわざわざこの文言を入れたということですか。お答えください。

麻生国務大臣 極めて先の話でもあろうかと思いますので、うかつなことはということだと思いますが、先ほども申し上げたとおりなのであって、新たに入れます軽減税率ということによってどういったことになるかというのは全く今からわかりませんので、そういった意味ではいろいろなことに慎重に対応せねばならぬという点を含めまして、軽減税率を入れることによって将来の消費税のあり方というものについては検討せねばならぬというのがあのときの議論だったと記憶しております。

安倍内閣総理大臣 与党及び政府の税制改正大綱において消費税制度を含むとされたのは、中間評価の際に、消費税の軽減税率制度の導入という新たに生じる状況等を織り込みつつ、財政健全化目標や社会保障と税の一体改革の実現を損なうこととなっていないかといった観点からの検討を行う旨を明らかにしたものであります。

宮本(徹)委員 つまり、消費税制度を含む税制の構造改革ですよ、軽減税率の影響がどう出ているかというのを見て消費税を上げるということなんじゃないんですか。

 では、二〇一八年度以降の消費税の増税の選択肢がこの中には含まれていないんだったら、含まれていないと断言してください。選択肢として含まれていないんだったら、含まれていないと言ってください。

安倍内閣総理大臣 これはまさに含むと書いてあるわけでありまして、含むと書いてありますから含むわけでありますが、とされたのは、しかし、その含むという意味について、これは必ず消費税を上げるんだということではないということでございまして、中間評価の際に、消費税の軽減税率制度の導入という新たに生じる状況等を織り込みつつ、財政健全化目標や社会保障と税の一体改革の実現を損なうことになっていないかといった観点からの検討を行うという旨を明らかにしたものであります。

宮本(徹)委員 含むというふうに答弁されました。極めて重大ですよ。選択肢としては含むと。必ず上げるというものではないけれども、上げるかもしれないということを今お認めになったということだと思います。

 消費税大増税の路線の撤回を求めて、時間になりましたので、質問を終わります。

竹下委員長 これにて宮本君の質疑は終了いたしました。

 次に、足立康史君。

足立委員 おおさか維新の会の足立康史でございます。

 午前中の集中審議では、給与法や消費税の軽減税率、あるいは原発の再稼働について質問をさせていただきました。その際にお配りしております、そのときと同じ資料で恐縮でございますが、資料四に、給与法について関連の事実を書かせていただいております。

 これは、人勧について、人事院による民間給与実態調査の問題点ということで、国の財政事情を考慮すべきではないか、失業リスクが公務員にはないことが考慮されていないのではないか、非正規を含んだ準拠というか比較ができていないのではないか、さらには事業所規模が五十人未満の事業所が含まれていないのではないかといった、これは別に新しい指摘ではありません、長年指摘されてきたテーマについて書かせていただいた上で、人事院総裁にお越しをいただいて、人事院が民間の給料を調べるときに、調べるその母集団ですよ、サンプルじゃないんですよ、母集団がそもそも、五百万、六百万と言われている事業所の中で、五十人以上の大きな事業所、規模からいうと大きい方から一%の事業所がそもそも母集団になっているということを指摘しました。人事院総裁も、一%ということについて、そのとおりであるということをお認めになったわけであります。

 私は、きょう総理初め閣僚の皆様がいらっしゃいますが、自民党、公明党の政権、安倍政権が本件についてこれを是とし、これを政府として提案されてきている、これは全く違和感ありません。自民党、公明党さんという自公政権の一つの方針として、別に想定の範囲内です。そうだろうなと。

 しかし、集中審議で私は、私も野党ですが、野党席の方を向かせていただいて、維新の党がこの給与法に賛成をすることはまさかないよねということを申し上げて午前中の集中審議の質問を締めくくらせていただいたわけでありますが、何と何と驚いたことに、この昼休み、枝野幹事長と今井幹事長の連名で、給与法の取り扱いについてという紙が、記者会見されたのかな、されましたか。(発言する者あり)皆さん、関係の党の方は知らないということでありますが、紙が出ています。マスコミにも全部まかれています。この紙で、民主党のみならず、維新の党もこの給与法には賛成をする方向で手続を進めるという発表をされています。

 いや、びっくりしました。野党同士なので質問をすることはできませんが、これは締め総ですから、本当は閣僚の皆様に御質問をせないかぬのですが、柿沢委員はそこに座って目を合わされませんが。

 もし本当に、繰り返しになります、政府・与党がこのような立場で公務員制度を運用されていること、これは全然想定の範囲内です。しかし、仮にも維新という二文字、あるいは身を切る改革というものを掲げておられる維新の党が、きょう申し上げたような上位一%、ちょっときょうはもうパネルはありませんが、まさにこの集中審議、あるいは基本的質疑で井坂委員が、国は赤字企業だと。井坂先生がおっしゃいました、日本という国は赤字企業だと。だから、黒字企業を対象にした調査に基づいた給与はだめなんだ、国の財政事情を考慮すべきなんだと、まさに維新の党がおっしゃった。失業リスクがないことも考慮すべきだ。そして、維新の党自身が、事業所規模五十人未満の事業所、中小企業、零細企業もカウントすべきだとおっしゃった。

 これに民主党のみならず維新の党が賛成するということであれば、いろいろ党対党で分党するときの経緯があるかもしれませんが、きょうをもって、維新の二文字、ここで私がお願いするのもなんですが、会派の名前から外していただいて、二度と選挙で身を切る改革というキャッチフレーズを使わないでいただきたい。繰り返しになりますが、きょう総理がいらっしゃる場で、集中審議で私の方から、大阪でどれほどの思いで身を切る改革を推進してきたかということを御紹介申し上げたのでもう繰り返しませんが、ぜひこの点、お願いをいたしたいと思います。

 質問しないで終わるとちょっと怒られるかもしれませんが、総理、今、共産党からも議論がありました消費税の軽減税率。

 私は、集中審議で、軽減税率がヨーロッパ型の一五%、二〇%といった高税率への扉を開く制度であるという懸念を申し上げました。戻りましたら、共産党の先生方が、足立先生、考え方が同じですということで何か共産党の皆さんから握手を求められてしまいましたが、決しておおさか維新の会は共産党と同じ政策ではありません。

 本会議の代表質問で、民主党と維新の党は政策提案ゼロ。我々おおさか維新の会は、馬場幹事長から八つの政策を本会議場でも冒頭の代表質問で申し上げました。その中の一つが消費税の地方税化なんです。

 私が申し上げたいことは、我々はしっかりとしたそうした、抜本的過ぎるから、なかなかこれは政権の枠組みが変わることなくして自公政権にお受け入れをいただくことはできないと思いますが、しかし、これから国民の皆様にある程度の御負担をお願いしていかなあかん。そうですね。税のみならず、保険料もそうです。国民の皆様にさまざまな御負担を仰いでいかないといけないときに、税はできるだけ納税者の身近なところで徴収した方がいいんです。負担と給付の対応関係がわかりやすいんですね。ヨーロッパを見ても、北欧諸国を見ても、高税率の国は地方税で高税率にしているんです。地方がやっているんです。

 したがって、総理に急にこういうことを申し上げてもあれですが、きょうは総務大臣に、こういう消費税の地方税化について我々は考えていますが、納税者の身近なところで税を取っていく、地方団体も要望されています、もし御見識があられましたら御答弁いただきたいと思います。

高市国務大臣 確かに、地方分権というものを力強く進めていこうと思うと、地方の独自財源、ここに重きを置いた方がいいという考え方もございます。

 ただ、消費税に関しましては、地方税分を除きまして全額社会保障に使うことになっています。全部を地方税化してしまった場合に、地方の社会保障の負担というのは非常に重くなって、そしてまた、消費税といいましても、やはり地域によってかなり偏在性というのはあります。そうなると、やはり地域によって受けられる社会保障のサービスに差が出てくる、こういったことも考えられると思います。

足立委員 ありがとうございます。

竹下委員長 時間です。

足立委員 もう終わりますが、きょう午後にもまた総務委員会で高市大臣と相まみえますので、また質問させていただきたいと思います。

 いずれにせよ、おおさか維新の会は、維新の二文字と、身を切る改革の……

竹下委員長 時間を過ぎておりますので、簡潔にお願いします。

足立委員 この政策を掲げて国会で活動する政治グループはおおさか維新の会だけであると宣言をして、私の質問を終わります。

 ありがとうございます。

竹下委員長 これにて足立君の質疑は終了いたしました。

 次に、重徳和彦君。

重徳委員 改革結集の会の重徳和彦です。

 午前中に引き続きまして、軽減税率についての質問をさせていただきます。

 政策の合理性の観点からすると、どう考えても私は、給付つき税額控除の方が合理的だと思うんですね。一定の所得水準を下回る者に限定できますし、給付額も所得水準に応じて決められるし、手続もごちゃごちゃしないし、午前中、麻生大臣に御指摘申し上げました、経済活動、消費行動にゆがみをもたらさないし、それから、対象品目かどうかといった線引き判定の問題も生じない。どう考えても、給付つき税額控除の方が合理的だと思います。

 それなのに、政府の見解を見ますと、給付つき税額控除については、実際の買い物のタイミングや購入額と関係なく、年一回確定申告の際に所得水準等に応じて決まった額を給付されるものであり、消費税そのものの軽減ではないと。当たり前なんですけれども、消費税そのものの軽減ではない、だから消費者の痛税感の緩和の実感につながらない、こういうふうに述べられているんですが、これは、言い方は悪いですけれども、何かだまされているような感じがするんですね。客観的に見れば、給付つき税額控除の方が正しいですよ。

 この痛税感というのはまさに感覚の問題でありまして、なれの問題だと思うんですね。三%、五%の導入、八%が導入されても、最初は痛税感がありました。だけれども、みんななれてくるわけなんです。

 そこで、総理に質問したいんですが、この問題の多い軽減税率の導入の理由は、痛税感の緩和以外に何があるんですか。特に、給付つき税額控除よりも何がすぐれていると考えておられるんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 痛税感の緩和についてはもう既に委員から御紹介いただきましたが、また、所得や資産の把握が難しいといった問題もあるわけであります。また、制度の前提となるマイナンバー制度が稼働したばかりであるということもあると思います。

 そうした中で、これは委員がおっしゃったことと重なるところもあるわけでありますが、軽減税率制度は給付つき税額控除とは異なって、日々の生活において幅広い消費者が消費、利活用している商品の消費税の負担を直接軽減することによって、買い物の都度、痛税感の緩和を実感できるとの利点がある、この点が特に重要であるとの判断のもと、導入を決定したところでございます。

重徳委員 要するに、感覚的な問題だけなんだと思うんですよね。

 それで、逆進性の緩和というのも一定程度あるというふうな御説明もありますけれども、要するに、貧しい世帯へは八千円、お金持ち世帯には一万五千円の恩恵があるけれども、貧しい人に対しては、貧しいんだから八千円でもありがたく思え、こんなようなことだと思うんですよ。まして、お金持ち世帯に一万五千円を出すために財政が厳しくなる、一生懸命財源を探さなきゃいけないということですから、全くこれは、本質的な説明を重ねれば重ねるほど納得感が少なくなるのは間違いないと私は思いますよ。

 痛税感というのは、時がたてばたつほどなれることはあるでしょう。それに、給付つき税額控除でカバーすれば客観的にも納得感が出ると思いますが、軽減税率制度は時がたてばたつほどその不合理さが際立ってくると思います。

 総理に最後に質問します。

 時がたてばたつほど痛税感は薄れると思いますが、納得感も薄れてくると思います。逆に不公平感が高まっていくことは間違いないと思うんですけれども、そのあたり、総理、いいんでしょうか、この制度を導入しちゃって。

安倍内閣総理大臣 この軽減税率の恩恵をどれぐらいの方々が受けるかということでありますが、恩恵の六割が年収五百万円以下の世帯に及ぶために、低所得者対策として非効率であるとの指摘がありました。民主党からあったのでありますが。

 しかし、これをよく見ていく必要があるんですが、平均的な世帯収入は六百十一万円でありまして、これを含まなければおかしいわけでありまして、六百五十万円未満の世帯の消費税負担軽減額は全体の六割を占めていると思うわけであります。年収の多い世帯は世帯人員が多い傾向があって、一人当たりではなく、世帯全体の負担軽減額が大きく出る傾向にあることも勘案しなければならない。

 そんなことを踏まえれば、今般の軽減税率制度は、高所得者の方々に過大な恩恵が及ぶといったことは全く当たらない、指摘は当たらないわけでありまして、低所得者対策として十分なものであろうと思います。

 さらには、消費支出に占める割合を見たときには、年収千五百万円以上の世帯では一五%程度、年収二百万円未満の世帯では三〇%程度になっているわけでありまして、ほぼ倍の比率である。二百万円以下の方々は、ほぼ千五百万円以上の方々の倍以上の割合を占めている、こういうことではないかと思います。

竹下委員長 重徳君、時間が参っております。

重徳委員 時間が足りませんので、これ以上議論できませんが、少なくとも、安倍総理、全く当たらないということはないと思いますし、一分の理はあるかもしれませんが、それを超える不公平感というものが非常にあると思います。まして、高所得者、高所得世帯に対する恩恵によって財政が厳しくなる、そういうことについては本当に重く受けとめなきゃいけないと私は考えております。

 以上で終わります。

竹下委員長 これにて重徳君の質疑は終了いたしました。

 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして平成二十七年度補正予算両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

竹下委員長 ただいままでに、民主・維新・無所属クラブ緒方林太郎君外一名から、平成二十七年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。

 この際、本動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。緒方林太郎君。

    ―――――――――――――

 平成二十七年度一般会計補正予算、平成二十七年度特別会計補正予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

緒方委員 私は、民主・維新・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提案の平成二十七年度補正予算二案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明いたします。

 まずは、編成替えを求める理由を申し述べます。

 民主党としても、現在の我が国の厳しい経済情勢、国民生活を踏まえれば、経済対策、災害復旧復興等のための一定規模の補正予算は必要であると考えますが、問題はその中身であります。

 このたびの補正予算は、既に皆様御承知のとおり、露骨な選挙目当て、党利党略のばらまきと目されるものに巨費を投じています。我が国は、長年の自民党政権による放漫な財政運営により大量の借金を抱えており、そんなばらまきを行っている余裕はありません。

 しかも、アベノミクスは、日本銀行による事実上の財政ファイナンスに依存しております。異次元緩和が行き詰まりを見せる中、一度市場が逆回転を始めれば、たちまち我が国財政は破綻に向かいます。そうした中で、財政運営は慎重に行うべきであり、税収の上振れ分については、最大限、国債発行の削減に充てるべきです。

 次に、編成替えの概要を御説明いたします。

 第一に、年金生活者等支援臨時福祉給付金は皆減いたします。投票率の高い高齢者に限った一回きりの措置であり、選挙目当てのばらまきにすぎません。一方で、二十八年度予算案において、子育て世帯のための給付金廃止など、将来世代への支出を削減することとしています。国の将来を全く無視した支出のあり方は言語道断です。

 第二に、TPP関連政策大綱実現に向けた施策は削減いたします。TPP関連条約を国会で承認どころか議論もしていないのに予算計上するなど、国会軽視、国民無視の所業が許されていいはずがありません。

 第三に、保育、介護等の施設整備等に係る基金を皆減いたします。具体的なニーズの把握もないまま、数年先の施設整備費等を基金に一挙に積む必然性はありません。そもそも、保育も介護も人材確保に向けた処遇改善が最大の課題なのに、なぜ箱物造成にのみ巨費を投じるのでしょうか。これも選挙目当てと言わざるを得ません。

 第四に、婚活や同居のあり方にまで行政が口と金を出すなど、価値観の押しつけが好きな安倍政権らしい予算ではありますが、婚活支援、三世代同居関係の支出を削減いたします。

 よって、今申し上げた歳出については、補正予算に計上する八千八億円を削減し、不要となる国債の発行額を同額削減いたします。

 以上が、民主・維新・無所属クラブの組み替え案の概要であります。

 何とぞ私どもの動議に委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、提案理由説明といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

竹下委員長 これにて本動議の趣旨弁明は終了いたしました。

    ―――――――――――――

竹下委員長 これより討論に入ります。

 平成二十七年度補正予算両案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議を一括して討論に付します。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。菅原一秀君。

菅原委員 自由民主党の菅原一秀です。

 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となっております政府提出の平成二十七年度補正予算二案に対し、賛成の立場から討論を行います。

 安倍内閣は、この三年間の成果の上に、新たに一億総活躍社会の実現という大きな目標を掲げ、GDP六百兆円に向け、少子高齢化という構造的課題に真正面から取り組み、その第一歩として提出されたのがこの補正予算であります。

 以下、賛成する主な理由を申し述べます。

 第一に、この補正予算は、一億総活躍社会の実現に向け、早急に必要な施策が盛り込まれております。保育の受け皿については四十万人増から五十万人増に、介護の受け皿については三十八万人増から五十万人増にふやすという新たな方針のもとで、自治体による計画的な整備の支援とともに、人材育成に向け、返還が免除される奨学金制度拡充等に取り組んでおります。

 第二に、強い経済の実現に向け、地方の先駆的な取り組み拡充のため、地方創生加速化交付金などを措置しております。また、賃金引き上げの恩恵が及びにくい高齢者を対象とした臨時福祉給付金を実施することといたしております。

 第三に、TPPの大筋合意を受けて、畜産クラスターや産地パワーアップ事業など、攻めの農業に転換していくための政策を早急に実施することといたしております。

 第四に、昨年秋の関東・東北豪雨による水害等に対し速やかな災害復旧を行い、また、災害リスクを低減させるための防災・減災対策並びに国土強靱化の予算を講じております。さらに、被災地の復旧復興に向け、除染の加速化、被災者自立支援なども実施することといたしております。

 最後に、プライマリーバランス赤字半減目標を堅持するとともに、新規国債発行額を二年連続で減少させるなど、必要な施策の実施と財政健全化を両立しております。

 以上、本補正予算政府案に賛成する理由を申し述べました。

 議員各位の御賛同を賜りますことを強くお願い申し上げます。

 なお、民主・維新・無所属クラブ提出の編成替え動議につきましては、見解を異にするため反対することを申し上げまして、私の賛成の討論とさせていただきます。

 以上です。(拍手)

竹下委員長 次に、福島伸享君。

福島委員 民主・維新・無所属クラブの福島伸享です。

 私は、民主・維新・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出の平成二十七年度政府関係補正予算二案に対し反対、民主・維新・無所属クラブ提出の組み替え動議に賛成の立場から討論を行います。

 安倍総理は、経済は好循環を続けていると強弁をしておりますが、この三年弱の実質成長率は年率わずか〇・八%にすぎません。デフレからの脱却とはいうものの、もはやデフレではないという状況をつくり出すことができたと、国民にとってはよくわからない微妙な表現をせざるを得ない状況です。アベノミクスによる過度な円安、悪い物価上昇、実質賃金の低下が庶民の財布を直撃している現状を踏まえれば、当然の数字です。唯一と言っていいほどの実績であった株価も、日銀やGPIFの下支えにもかかわらず、史上初めて年始から六日連続値下がりし、先行きは不透明です。

 だからこそ、今回の補正予算は身近な国民生活に直結するものでなければならないところでありますが、経済失策を認めないまま、参議院選挙前の選挙目当てとも思えるばらまき、ばらまき、ばらまきのオンパレードです。

 また、軽減税率なる食料品への据え置き税率の導入に当たって必要となる財源が六千億なのか七千三百億なのか、きょうになって議論になるほど曖昧な状況であります。しかも、それは社会保障財源を削って捻出するのかどうなのか、参議院選挙前の対策なのか、最後まで逃げて逃げて逃げて、答弁を避け続けております。

 例えば、パートで働く奥さんの月収を二十五万と言うなど、これまでの答弁で、安倍総理は庶民感覚、現場感覚からおよそかけ離れていると言わざるを得ません。

 以下、本補正予算の問題点を具体的に申し述べます。

 第一に、税収見込みからの上振れ分の大半を歳出に回している点です。アベノミクスは日本銀行による事実上の財政ファイナンスに依存しており、財政リスクや将来世代の負担を生むものであります。

 第二に、参議院選挙前に、低年金の高齢者に限り一回だけ三万円を配るとするなど、露骨な選挙目当てのばらまきが目立ち過ぎる点です。

 第三に、TPP対策予算を、TPP協定の国会の承認どころか議論もしていないのに予算計上している点であります。農林水産業への影響や経済効果の試算もまことに怪しげであります。

 第四に、保育、介護等について、最大の課題は人材確保であるにもかかわらず、施設整備にのみ巨費を投じている点です。

 第五に、三世代同居を進めるといいながら、三世代同居を要件としない豪邸建設補助金など、政策目的も手段も的外れな予算が多く計上されております。

 我々の提出した動議は、こうした問題のある歳出を削減し、将来世代のために国債発行の減額に充てようとするものです。

 政府・与党におかれましては、いま一度予算のあり方について御再考いただくことを求め、私の反対討論といたします。

 以上です。(拍手)

竹下委員長 次に、吉田宣弘君。

吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘です。

 私は、公明党を代表して、平成二十七年度補正予算案に対し、賛成の立場から討論いたします。

 以下、本補正予算案に賛成する主な理由を申し上げます。

 第一に、安心と希望の社会保障を進める予算となっている点です。

 まず、待機児童の解消を加速化させるため、保育サービスの受け皿を五十万人分まで拡大する施策が盛り込まれています。

 また、就職に有利な資格取得を目指す一人親家庭への支援や不妊治療の助成拡充については、子供を産み育てることが困難な家庭支援として重要な施策となっています。

 介護の分野においては、約十万人分の在宅・施設サービスの整備を支援することで、特養の待機者の解消等が期待されます。

 第二に、経済の活性化、本格的な地方創生の展開につながる予算となっている点です。

 本補正予算案では、公明党の主張が多く反映された総合的なTPP関連政策大綱の実現に向けた予算が盛り込まれています。

 日本が得意とするコンテンツ分野での輸出を促進する施策、中小企業が海外で活躍するための環境整備が加速されます。

 農林水産分野については、地域ぐるみで収益向上を目指す畜産クラスターの拡充や高収益な作物への転換など、意欲ある農業者を支援し、生産基盤の強化や農業の国際競争力の強化につながります。

 一方、地方創生の本格展開に向けて、各地域の先駆的な取り組みを後押しするための交付金が創設されたことも高く評価するものです。

 第三に、復興の加速化、災害復旧、防災、減災を推進する予算となっている点です。

 東日本大震災から五年を迎える本年、いよいよ四月から復興・創生期間が始まります。引き続き被災地の声をしっかり受けとめ、一日も早い生活再建、心の復興、人間の復興をなし遂げなければなりません。

 本補正予算案では、被災された事業者の自立を促進するため、事業再開や生活再建を支援する予算が盛り込まれており、本格復興を一段と加速することが期待されます。

 さらに、学校施設等の耐震化、老朽化対策、火山観測の体制強化など、重要な施策となっています。

 最後に、本補正予算案では、過去最高の企業利益による税収の増収、前年度剰余金の活用で必要財源を賄った上で、約四千四百億円を新規国債発行額の減額に充てるなど、経済再生と財政再建化の両方の取り組みを進めている点も指摘をしておきたいと思います。

 以上、賛成する主な理由を述べました。

 なお、民主・維新・無所属クラブ提出の組み替え動議については、認識を異にするため、反対いたします。

 以上で討論を終わります。(拍手)

竹下委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出補正予算二案、民主・維新・無所属クラブ提出の組み替え動議の両案に反対の討論を行います。

 国民の所得と消費は、実質で見れば、三年前を下回ったままで回復していません。国民の消費は冷え込んだままです。

 総理は、本補正案を、成長と分配の好循環の形成に向けた緊急に実施すべき対策とします。しかし、本補正案は、国民消費を冷やす原因に全く手をつけていません。逆に、軍事費増、TPP推進、原発等のインフラ輸出を狙う財界と大企業優遇をさらに強めるものとなっています。

 まず、軍事費ですが、本補正千九百六十六億円により五兆一千七百十八億円となり、過去最高額となります。中期防衛力整備計画をも大きく上回る大軍拡予算となっています。

 F35戦闘機百二億、P1対潜哨戒機八十三億、「そうりゅう」型潜水艦七十四億、護衛艦六十九億など、兵器の後年度負担分を今年度に繰り上げて支払うものが四百三十七億円。空母艦載機の岩国飛行場移転に伴う施設三百九十一億円、これも後年度負担分の繰り上げです。今から数年先に完成する潜水艦や護衛艦の後年度負担の繰り上げ払いの一体どこが、何ゆえに緊急に必要な対策なんですか。

 今回の予算は、国民多数の反対を押し切り強行した安保法制を本予算と一体となって財政面から支えるものとなっており、我が党は到底認めることはできません。

 次に、TPPです。

 総理は、TPP条文の日本語訳をやっと公開しました。しかし、関税や非関税の条件を記載する肝心の附属書の訳はまだありません。しかも、総理は、今日まで、日本国民が一番知りたいTPPの具体的交渉経過や国民生活やなりわいに与える悪影響について、例えば食の安全、米、医療など、説明を拒む姿勢を貫いております。こういうもとでTPP批准対策予算を提出したことは、到底認めることはできません。

 我が党は、TPP交渉経過の詳細の公開を求めます。そして、二月予定とされる総理のTPP署名は断固反対であり、TPPからの撤退を求めます。

 さらに、社会保障です。

 安倍政権の三年間で一・二兆円の年金給付が削減されました。年金生活者支援を言うのならば、年金給付額が年々減額しないように、マクロ経済スライド制度を撤回し、最低保障年金制度を目指して底上げこそすべきです。また、GPIFで、国民が支払う保険料の運用により八兆円毀損する問題は重大であり、株式に偏る投機的運用を即刻やめるべきです。

 特養ホームや保育園整備において、都市部では用地の確保が大きな課題となっています。にもかかわらず、なぜ国有地の減額貸し付けの対象からあえて保育園を外したのか。少子化対策にあらゆる政策手段を総動員したとはおよそ言えません。

 民主・維新・無所属クラブの組み替え動議については、突出している軍事費などについて触れておらず、見解を異にします。

 以上を指摘して、反対討論とします。

竹下委員長 次に、足立康史君。

足立委員 おおさか維新の会の足立康史でございます。

 私は、おおさか維新の会を代表して、平成二十七年度補正予算案に反対し、民主・維新・無所属クラブの編成替え動議にも反対の立場から討論いたします。

 冒頭で、予算委員会の質疑時間の配分につき、民主党・維新の党・無所属クラブが、憲政の常道として守られてきた衆議院の先例を無視して我が党から実質的な討論の機会を奪った暴挙につき、改めて厳重に抗議をいたします。

 以下、補正予算案についての意見を述べます。

 我が党は、財政運営においては、増税は最後の手段として、身を切る改革と公務員人件費削減を最優先させるべきと考えています。

 しかるに、政府は、人事院勧告の完全実施を決定し、今回の補正予算案では、本予算の不用額を含む約六百四十億円でその財源を措置しています。地方公務員を含めれば、国と地方の負担の総額は約二千億円と試算されています。来年四月に消費税増税を予定しながら、公務員には平均して五万九千円の、いわば年度末ボーナスを与える結果となっており、断じて賛成することはできません。そもそも、不用となった予算は国民に還元するべきであります。

 また、麻生財務大臣は、一月六日の本会議で、我が党の馬場幹事長による代表質問への答弁で、今回の補正予算案は、緊急に実施すべき施策を行うことが主眼であり、景気対策による需要追加が目的ではないと述べられました。そして、この補正予算案は歳出項目ごとにその経済効果を見積もるような性格のものではないとして、年金生活者等支援の臨時福祉給付金の効果について答弁されませんでした。

 かつての地域振興券や定額給付金については、内閣府による経済効果の試算が公表されています。にもかかわらず、今回の三千六百億円を超える給付金について経済効果を見積もる必要さえ認めない姿勢では、国民の理解は到底得られません。

 しかも、緊急に必要とされる今回の補正予算案には、毎年同じ規模で実施されている項目が見られます。例えば、経済産業省のものづくり・商業・サービス革新事業は、平成二十四年度から四年連続で、補正予算で一千億円程度の措置がされています。こうした補助金は既得権と化していないでしょうか。

 また、緊急に実施すべき補正予算であるにもかかわらず、またしても基金への支出が行われていることも問題です。農林水産省のTPP対策では、総額三千百億円のうち千七百億円以上が新規の基金事業です。一昨年十月の補助金等適正化法政令の改正等による基金支出の厳格化の趣旨が反映されておりません。

 以上のように、今年度補正予算案は、身を切る改革どころか公務員人件費をふやし、経済効果の見積もりなしに巨額の歳出を盛り込み、緊急対策と言いつつ、例年どおりの硬直した支出や基金制度の濫用を続けています。

 このため、我が党は、平成二十七年度補正予算案に反対をいたします。

 以上です。

竹下委員長 次に、重徳和彦君。

重徳委員 私は、改革結集の会を代表して、平成二十七年度補正予算案に対して、反対討論を行います。

 初めに、この補正予算審議に当たり、民主・維新・無所属クラブがみずから野党分断を主導し、我が会派の質疑時間を大幅に削減した暴挙に対し、強く抗議を申し上げます。一日も早く、私たちが奪われた質疑時間の返還を求めます。

 私たちは、現在の自民党一強多弱の国会情勢の中で、与党、とりわけ官邸の意向のみで重要な物事が決まっていく、世の中の、草の根の声なき声が全く政治に届かない、この極めて不健全な日本政治の状況を変えるため、改革勢力を結集して、自民党に対抗できる政治勢力をつくり上げることを第一義として結党いたしました。

 特に、これから数十年後を見通して、我が国最大の構造的課題である人口問題に思いをいたし、少子化の大きな原因の一つである若い世代の将来への不安を解消し、子供がふえる社会、増子化社会の構築を目指すのが将来への責任ある政治であると考えています。

 その観点から、今回の補正予算案において、三千六百億円を支出して、千百万人もの高齢者を低所得者と位置づけ、一人三万円ずつ給付する、年金生活者等支援臨時福祉給付金には大きな問題があると考えます。

 現在、六十五歳以上の高齢者は三千三百万人。このうち三人に一人に当たる一千百万人もの人たちを低所得者として給付の対象としています。この給付金は、支給対象六百万人の年金生活者支援給付金の前倒しと位置づけながら、事務的な理由、一度限りだからという理由で、支給対象者を二倍近く、五百万人もふやすのは、まさにばらまき、選挙対策とのそしりを免れません。

 今回の補正予算から、アベノミクスについて、その果実の活用、均てんという言葉が頻繁に登場し、税収をそのまま個人に配る経済政策が登場しました。

 本来、税収の再配分は、社会保障など、所得格差の是正や福祉、教育など公共部門の本来の役割に活用すべきであります。

 これまでアベノミクスは、金融緩和、財政出動、規制改革の三本の矢による経済の好循環、トリクルダウン、民間の間でお金が回ることを目指してきたはずです。

 今回の給付金のように、GDP六百兆円の実現、個人消費の下支え、経済の下振れリスクへの対応としてばらまく政策は、その政策効果もはっきりせず、これをやり出したら切りがない、際限のない経済政策です。

 こうした政策が登場するのは、アベノミクスで消費活動が思うようにふえていないことの裏返しとさえ考えられます。

 今回の給付金はアベノミクスの果実の活用と説明されていますが、これは、まさに将来世代に対して無責任な政治そのものであって、禁断の果実に手をつけることにほかならず、認めるわけにはいきません。

 また、今、消費税を増税して国民に重い負担を課さざるを得ない、世界でも類を見ない厳しい財政局面において、国会議員はもちろん、国家公務員など公的部門に所属し、国民の皆様の税金から給料をいただいている者が、いち早くみずからの給与を引き上げる姿勢は、決して国民からの理解が得られるものではなく、給与法改正には反対します。

 なお、民主・維新・無所属クラブ提出の補正予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議についても、身を切る改革の内容が盛り込まれていないことから、反対いたします。

 厳しいときこそ、公務部門につく者がまず身を切ること。この身を切る改革は、日本維新の会、維新の党から一貫して主張していることであります。

 改革結集の会は、今後も、改革勢力を結集して、自民党政治には絶対できない地方分権、道州制を初めとした統治機構改革など、しがらみのない改革を実現していきたいと考えます。

 以上で反対討論を終わります。

竹下委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

竹下委員長 これより採決に入ります。

 まず、緒方林太郎君外一名提出の平成二十七年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

竹下委員長 起立少数。よって、緒方林太郎君外一名提出の動議は否決されました。

 次に、平成二十七年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十七年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して採決いたします。

 両案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

竹下委員長 起立多数。よって、平成二十七年度補正予算両案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました平成二十七年度補正予算両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

竹下委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十分散会


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