衆議院

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第21号 平成29年7月24日(月曜日)

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平成二十九年七月二十四日(月曜日)

    午前八時五十八分開議

 出席委員

   委員長 浜田 靖一君

   理事 石田 真敏君 理事 菅原 一秀君

   理事 西村 康稔君 理事 葉梨 康弘君

   理事 宮下 一郎君 理事 武藤 容治君

   理事 大西 健介君 理事 長妻  昭君

   理事 赤羽 一嘉君

      赤枝 恒雄君    井上 貴博君

      伊藤 達也君    石崎  徹君

      石破  茂君    岩田 和親君

      岩屋  毅君    江藤  拓君

      衛藤征士郎君    小倉 將信君

      小野寺五典君    奥野 信亮君

      鬼木  誠君    神山 佐市君

      神田 憲次君    黄川田仁志君

      國場幸之助君    佐田玄一郎君

      白須賀貴樹君    鈴木 俊一君

      武部  新君    中谷 真一君

      根本  匠君    野中  厚君

      原田 義昭君    平口  洋君

      星野 剛士君    保岡 興治君

      山下 貴司君    山田 美樹君

      渡辺 博道君    井坂 信彦君

      今井 雅人君    小川 淳也君

      緒方林太郎君    大串 博志君

      金子 恵美君    後藤 祐一君

      玉木雄一郎君    辻元 清美君

      福島 伸享君    前原 誠司君

      伊藤  渉君    上田  勇君

      國重  徹君    真山 祐一君

      笠井  亮君    高橋千鶴子君

      宮本  徹君    井上 英孝君

      浦野 靖人君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣         麻生 太郎君

   文部科学大臣       松野 博一君

   農林水産大臣       山本 有二君

   防衛大臣         稲田 朋美君

   国務大臣

   (地方創生担当)     山本 幸三君

   内閣官房副長官      萩生田光一君

   財務副大臣        木原  稔君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 籠宮 信雄君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   田和  宏君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局長)          河村 正人君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           大泉 淳一君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    林  眞琴君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 大鷹 正人君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            義本 博司君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         村田 善則君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           池田 一樹君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   豊田  硬君

   政府参考人

   (防衛省統合幕僚監部総括官)           辰己 昌良君

   参考人

   (前愛媛県知事)     加戸 守行君

   参考人

   (国家戦略特区諮問会議有識者議員)        八田 達夫君

   参考人

   (前内閣府地方創生推進事務局審議官)       藤原  豊君

   参考人

   (前文部科学事務次官)  前川 喜平君

   参考人

   (内閣総理大臣補佐官)  和泉 洋人君

   参考人

   (経済産業審議官)    柳瀬 唯夫君

   予算委員会専門員     石上  智君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十日

 辞任         補欠選任

  高橋千鶴子君     塩川 鉄也君

同日

 辞任         補欠選任

  塩川 鉄也君     高橋千鶴子君

同月二十四日

 辞任         補欠選任

  石崎  徹君     白須賀貴樹君

  石破  茂君     中谷 真一君

  衛藤征士郎君     神田 憲次君

  鬼木  誠君     小野寺五典君

  門  博文君     山田 美樹君

  鈴木 俊一君     井上 貴博君

  星野 剛士君     岩田 和親君

  井坂 信彦君     金子 恵美君

  後藤 祐一君     大串 博志君

  真山 祐一君     上田  勇君

  赤嶺 政賢君     宮本  徹君

  高橋千鶴子君     笠井  亮君

  伊東 信久君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     鈴木 俊一君

  岩田 和親君     星野 剛士君

  小野寺五典君     鬼木  誠君

  神田 憲次君     衛藤征士郎君

  白須賀貴樹君     石崎  徹君

  中谷 真一君     石破  茂君

  山田 美樹君     神山 佐市君

  大串 博志君     後藤 祐一君

  金子 恵美君     井坂 信彦君

  上田  勇君     真山 祐一君

  笠井  亮君     高橋千鶴子君

  宮本  徹君     赤嶺 政賢君

  浦野 靖人君     伊東 信久君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     赤枝 恒雄君

同日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     門  博文君

    ―――――――――――――

六月十六日

 一、予算の実施状況に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 予算の実施状況に関する件(安倍内閣の基本姿勢(国家戦略特区等))


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     ――――◇―――――

浜田委員長 これより会議を開きます。

 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。

 本日は、安倍内閣の基本姿勢(国家戦略特区等)についての集中審議を行います。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として内閣総理大臣補佐官和泉洋人君、国家戦略特区諮問会議有識者議員八田達夫君、前愛媛県知事加戸守行君、前内閣府地方創生推進事務局審議官藤原豊君、前文部科学事務次官前川喜平君、経済産業審議官柳瀬唯夫君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官籠宮信雄君、内閣府政策統括官田和宏君、内閣府地方創生推進事務局長河村正人君、総務省自治行政局選挙部長大泉淳一君、法務省刑事局長林眞琴君、外務省大臣官房審議官大鷹正人君、文部科学省高等教育局長義本博司君、文部科学省高等教育局私学部長村田善則君、農林水産省消費・安全局長池田一樹君、防衛省大臣官房長豊田硬君、防衛省統合幕僚監部総括官辰己昌良君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野寺五典君。

小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。

 まず冒頭、豪雨被害について一言述べたいと思います。

 この週末、秋田県を中心とする東北北部に大雨が降り、河川が決壊、今でも多くの避難者がおります。また、先日の九州北部豪雨においても、行方不明者捜索が続いております。政府としてしっかり対応をお願いしたいと思っております。

 それでは、質問に移りたいと思います。

 本日は、参考人もありがとうございます。

 今、愛媛県今治市の獣医学部新設をめぐってマスコミでさまざまな疑惑が指摘され、国民が大きな疑念を持って安倍政権を見詰めております。与党としても、問題があったのかなかったのか、しっかりと解明する責任があります。きょうは、国民の疑念を真っすぐにぶつけていきますので、安倍総理を初めとする政府の皆さん、参考人の皆様には、一つ一つ、誠心誠意お答えいただければと思っております。

 それでは、まず安倍総理に単刀直入にお伺いいたします。

 多くの国民が疑念を持っているのは、総理と加計学園の理事長である加計孝太郎さんとの関係です。総理は加計さんと長年の友人、そして今回、結果として加計学園が選ばれた、この背景には総理の意向があり、何らかの便宜を図ったんじゃないか、こう思っている国民は多いです。

 総理は、この獣医学部新設について、加計理事長から相談や依頼を受けたことはありますか。

安倍内閣総理大臣 まずは、豪雨災害について、私からも政府として一言申し上げます。

 豪雨災害においてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、全ての被災者の皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。政府としても、復旧復興、全力を傾けていきたい、このように考えております。

 御質問でございます。

 李下に冠を正さずという言葉があります。私の友人がかかわることでありますから、国民の皆様から疑念の目が向けられることはもっともなことであります。

 思い返しますと、私の今までの答弁においてその観点が欠けていた、足らざる点があったことは率直に認めなければならないと思います。常に国民目線に立ち、丁寧な上にも丁寧に説明を重ねる努力を続けていきたい、改めてその思いを胸に刻み、今この場に立っております。

 加計さんとは、政治家になるずっと前から、学生時代からの友人であります。しかし、彼が私に対して、私の地位や立場を利用して何かをなし遂げようとしたことはただの一度もございません。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 獣医学部新設について働きかけや依頼は全くなかったということをまず明確に申し上げたいと思います。

 その上で、事実に基づいて、しっかりと丁寧にお話をしていきたいと思います。

小野寺委員 総理からの御発言をいただきました。ただ、残念ながら、その総理の言葉だけでは信じられない多くの国民がいることも事実です。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

小野寺委員 きょうは、その疑念に対して問いただしていきたい、そう思っております。

 私は、この問題、大きく捉えて三つの視点で考えていきたいと思っています。

 一つは、そもそも獣医学部の新設は必要なのか、そしてそれが愛媛県今治市でいいのか、二つ目は、学部新設の対象として加計学園が運営する岡山理科大が選定されたことが適切なのか、三つ目は、この一連の認可の過程が公平に行われたのか、政治の不当な介入はなかったのか、このことについて、きょうは質問をしていきたいと思います。

 第一の疑問について。実は、この獣医学部が必要かどうかについては、今月十日の連合審査会、この国会において明らかになりました。

 獣医学部は全国十六の大学にありますが、そのほとんどが、定員に比べて入学者が多い。多いところは二割を超えて入学されています。教室も実習施設も教員も四十人を想定している学校なのに、実際の学生は二割増し、五十人以上、これで教育の質が保てるのか。本来なら、学部を新設するか、定員を引き上げるか。しかし、文部科学省は、五十年以上にわたってこれをしてきませんでした。

 また、獣医師さんになっても、ペットのお医者さんになる確率が高くて、必要な食肉検査の検査員やBSE、鳥インフルエンザ対策など、動物検疫にかかわる獣医師は不足をしています。十六の道府県では奨学金を出して獣医師さんを確保していますが、なかなかこの確保もできない状況にある。

 また、地域的な偏在もあります。BSEや鳥インフルエンザなどの対策にはブロックごとに獣医師があることが望ましいんですが、このパネルを見ていただいてわかるように、実は、全国のブロックの中で四国だけが空白区となっています。

 このように、獣医学部の定員の水増し対策や、鳥インフルエンザ、BSEといった防疫対策のためには、獣医学部を新設して、そしてそれを空白地区である四国につくること、これは私は自然の流れなんだと思います。ですから、第一の疑念については、前回の国会の中で、ある程度議論が進んだと思います。

 次に、第二の疑念。この実施主体が加計学園でいいのか、このことについて検証したいと思います。

 まず最初に、加戸委員に伺いたいと思います。

 加戸委員は元愛媛県知事でいらっしゃり、その前は、文部科学省で官房長を務められました。教育行政に明るい知事でいらっしゃいます。今治市における獣医学部新設について、国家戦略特区制度ができるはるか前から、熱意を持って取り組んでこられました。その経緯についてお伺いしたいと思います。

加戸参考人 お答え申し上げます。

 まず冒頭に、本委員会への参考人としてお呼びいただきましたことに心から感謝申し上げます。

 と申しますのも、私が十年前のこの問題に取り組んだ当事者でありまして、また、その結果、十年後、安倍総理にあらぬぬれぎぬがかけられておるのを眺めながら、何とか晴らすことのできるお役に立てればと思ったからでもございます。

 ちょっとお話をしますと非常に長くなりますが、簡単にかいつまみますと、今治で学園都市構想が古くからあり、それを実際に具体的に開発を進めて取り組んだのが私でございます。ただし、誘致に失敗して、空き地になっておりました。

 そして、同時並行で、私、鳥インフルエンザにめぐり会いまして、その後、狂牛病の問題、口蹄疫の問題が続きますが、いずれにいたしましても、四国への上陸は許さないという前提での取り組みをしながら、県庁の獣医師、大動物獣医師の不足に悲鳴を上げながら、みんなに頑張ってもらい、あるいは学者のお話も聞きながら、国際的にこの問題は大きくなるという中で、愛媛に獣医学部が欲しいと思いました。

 それは、研究機関としてと同時に、今治の学園都市、それと、愛媛県の公務員獣医師の不足も補うし、しかも、国際的に胸を張れる、アメリカに伍して先端的に勉強ができるような場を持って、今治を国際的な拠点都市にする、そんな夢でおりまして、ちょうど、県会議員と加計学園の事務局長がたまたまお友達という関係でつながった話ででき上がりましたから、飛びつきました、本当に。

 それは、正直申し上げて、今ここにお座りの、第一次安倍政権の時代でございまして、文部省に当たりましたけれども、先輩に対してけんもほろろ、ある意味では行政の筋は通したんでしょうけれども、枠が取り払われない。

 ということで、その後、小泉内閣時代からありました構造改革特区に申請をして、大手門から入っていけないのなら、せめてからめ手門からでも入れてもらおうという努力を重ねましたが、十年間全く、連戦連敗でありまして、絶望的な思いのときに国家戦略特区法が制定され、トップバッターじゃありませんけれども、今治が十何番目でやっと、おくれながら指定されて、動き始めて、そして今回に至ったということで喜んでおりましたところ、かような騒ぎになり、大変心を痛めているところでございます。

小野寺委員 ありがとうございます。

 もう一つ、加戸参考人にお伺いをしたいと思います。

 今のお話から聞きますと、この今治市の獣医学部の加計学園との関係というのは、今治の県会議員の方と加計学園の事務長がちょうど関係があって、その関係でお話があったというふうに伺っております。当然、学校を新設するに当たっては、いろいろな大学に声をかけて、なるべくいろいろなところに参加していただきたいというのが普通だと思うんですが、当時、加戸知事は、さまざまな学校に当たって、そして最終的にこの加計学園ということになったんでしょうか。

加戸参考人 今治新都市構想の学園都市につきましては、当初は地元の大学の学部を誘致いたしました。できかかった話が壊れまして、その当時は、言うなれば実践経営学部といったような構想でありましたが、いろいろなところに声をかけても話がない。

 そして、先ほど申し上げましたように、獣医の問題で悩み果てながら、獣医学部があるといいなという思いのときに、この県会議員と加計学園事務局長の話で、平成十七年の一月から話がスタートして、二年後に獣医学部をやってみましょうという話になってまいりましたので、それ以来は正直申し上げて加計一筋でありますけれども、その間、ほかのところにも当たりましたが、そんな四国のへんぴな田舎の中になんというような話で。

 ちょっと誤解がありますけれども、今治で今構想されている土地は、しまなみ海道の結節点の今治インターの出口のすぐそばです。中四国の交通の要衝です。そんな不便なところじゃないんです。でも、そういうイメージがありますよね。

 という形で、その後、獣医学部ということでいろいろなところへ当たってみましたけれども、反応はありません。

 それから、東京から乗り込んでこられた獣医師会の方々にいろいろ文句をつけられて、加計学園の悪口をぼろくそにおっしゃいますから、うちは加計学園なんかにこだわっているわけじゃありません、あなたのところでつくっていただけるなら、いつでも喜んでお受けしますよと申し上げましたら、それなら喜んでといって、リップサービスがその場でありました。ナシのつぶてでございまして、反応はありません。

 ということで、申し上げましたように、好き嫌いは別として、話に乗っていただいたのが加計学園でありますから、私どもにとって、今、正直な言葉を申し上げたら、言葉がいいかどうかわかりませんけれども、愛媛県にとって、今治市にとって、黒い猫でも白い猫でも、獣医学部をつくっていただく猫が一番いい猫でありまして、私どもは三毛猫だと思っていますけれども、皆さんはカケ猫とおっしゃいますが、でも、本当に私たちの純粋な気持ちだけはこの場で御理解いただきたいと思います。

小野寺委員 今、長年取り組まれた加戸知事からのお話、大変重いものがあります。そして、相当いろいろな学校に当たったけれども、結局、この話に応じてくれたのは加計学園のみだった、加計学園ありきじゃなくて加計学園のみだったというお話だとも思います。

 では、この政府からの提案というのがどのように扱われたかということを少し検証したいと思います。

 今、加戸前知事からお話がありました。今治市の提案というのは、福田政権、麻生政権と、これは自民党が政権を持っていた時代にはずっと対応不可として却下をされてきました。それが、民主党の鳩山政権になって、事業者は加計学園と明記された上で、提案が、速やかに検討と格上げされました。

 実は、この必要性というのは、加計学園が獣医学部を開設する、そのことについては民主党政権も理解をされていました。このときの担当大臣は枝野さんと伺っております。ですから、このことというのは、実は、決して不正な話ではなくて、民主党政権さんにおいても、やはり加計学園においてこの四国でやるということは恐らく理解があったんだと思います。

 そして、再び政権が自民党にかわりました。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

小野寺委員 自民党に政権がかわっても、この経緯はずっと引き継いできました。(発言する者あり)

浜田委員長 静かに。

小野寺委員 そして最終的に、今必要だという形で、今回申請になったんだというふうに思っております。

 このように、獣医学部を新設し、それを空白区の四国、今治市に設置するということは、そして、その学部を新設する大学として、長年準備を続け、愛媛県今治市の全面支援を受けている岡山理科大学が選定されることには、違和感はないと思います。

 ただ、なぜこの獣医学部新設にかかわる疑念がいまだに残るのか。それは、一連の報道で、獣医学部をつくる過程に政治的な圧力があり、総理の意向で公正な行政がゆがめられた、その疑惑がいまだに消えないからです。

 そこで、この問題について質問をしたいと思います。

 まず、総理に伺います。

 この今治市の提案に関して、総理は一度でも加計学園に便宜を図るように指示したことはありますか。

安倍内閣総理大臣 私がこの獣医学部新設について指示をしたことは全くございません。

小野寺委員 実は、今回の一連の経緯については、これは公正な第三者機関、国家戦略特区諮問会議、民間の方が入った形で最終的には決めております。きょうは、その諮問会議の民間委員であり、実際のワーキングチームの座長、責任者であります八田参考人に来ていただいております。

 八田参考人にお伺いしたいと思います。

 今回の選定に当たって、何か不正なことを感じましたか。また、総理の意向というのがあったとお感じでしょうか。さらにもう一つ、加計学園がいわゆる四条件を満たしていないとお考えでしょうか。お伺いしたいと思います。

八田参考人 お答えいたします。

 まず、総理の意向を感じたかということに関してですが、岩盤規制を打破すべきだという強い御意向は、諮問会議で総理はいつも申されておりました。したがって、このことについては認識しておりました。総理のリーダーシップなくして、岩盤規制を打破するということはできるわけがございません。

 一方で、特定の事業者を優遇してほしいといった意向は、この件に限らず、総理から示されたことは一切ございません。

 獣医学部に関しましては、もともと、平成二十六年から、当時、唯一新設申請をしておりました新潟市の提案を前提に、特区ワーキンググループを五回、文科省をお呼びして、力を入れて議論してまいりました。これは今治市についてやったのではありません。このこと一つとっても、総理の友人と全く関係なく議論をしてきたということは明らかだと思います。

 次に、不正があったかどうかという疑惑に関して、直接、疑念がおかしいということをお話ししたいと思うんです。

 国家戦略特区では、一つの特区で行われた改革は、追加的な議論なしに他の特区でも自動的に適用されるという仕組みです。例えば、公園内保育所の設置というのは荒川区の提案のもとで行われましたが、それが決まったら、今度は品川区でも、世田谷区でも、福岡でも、仙台でも実行されました。

 しかし、本年一月の獣医学部新設についての告示では、平成三十年度の新設は一校のみという限定がなされました。この限定は、政府は当初から今治市以外の新設を認めるつもりはなかったのではないかという臆測を生みました。すなわち、不正があったのではないかという臆測であります。

 しかし、この臆測は明確に事実に反します。獣医師会の会長自身がお認めになっておられるように、この限定は、複数の新設を危惧した獣医師会による政治家への働きかけによって実現したものです。総理やその周辺の提案による不正があったわけではございません。

 私たちは、もちろん、一校限定ではなく、最初から告示の規定廃止が最善だと考えておりました。また、それが難しい場合、少なくとも特区ではどこでも特例を認めるべきだと考えていました。しかし、強く反対されている方々もおられる中で、何もできないよりは一歩でも前進すべきだと考え、最終的には、当面一校限定を受け入れました。最初の突破口として受け入れたということです。

 私どもの決定のプロセスには一点の曇りもございません。諮問会議と特区ワーキンググループでは、全ての規制に関して、規制官庁がその規制の合理的な根拠を示せるか否かを基準にして議論してまいりました。その結果、福田内閣以来十五回も申請を繰り返して、最も準備の整っていた今治市が最初の一校目になりました。三十年以降開設の申請がここに続いてあれば、当然、全力を挙げて抵抗勢力と折衝を行うつもりでした。

 議論の経過は、議事を公開しております。一般の政策決定よりはるかに透明度の高いプロセスです。公開の場で議論をしていることが公平性の何よりのあかしだと考えております。

 最後に、四条件でございますが、この四条件については、これまでの特区ワーキンググループでの議論の中で、満たされていることは明らかになっています。

 まず、獣医師数が足りているという議論がありますが、これは先ほど小野寺先生も御指摘になりましたように、産業獣医師の偏在、それから、公務員医師が確保できていない、製薬業界での新たなニーズには対応できないというような問題が起きています。既存の大学、学部では対応できないために問題が生じておるわけで、今治市の提案は、これを解決するための具体的な提案でした。私たちの議論を踏まえて、最終的には、文科大臣、農水大臣も一緒に四条件を満たすことを確認されたと理解しております。

小野寺委員 ありがとうございます。

 一点の曇りもないということ、この過程は全て公開をされているということ、そして、四条件については満たされているというお話なんだと思っています。

 ここまでお話を伺うと、この過程には何か疑念を挟むようなものはない、そう思いますが、それでもやはり疑念が残るのは、この間さまざまな文書が文部科学省の内部から確認され、それに政治圧力と受け取れる内容が書かれているということになります。

 そこで、この文書を検証したいと思います。

 まず、獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項という文書です。ここでは、内閣府の藤原審議官か誰か、当時ですが、文科省に対して、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい、これは官邸の最高レベルが言っていること。

 また、大臣御確認事項に関する内閣府の回答という文書では、設置の時期については、今治市の区域指定時より最短距離で規制改革を前提としたプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理の意向だと聞いている。

 そしてもう一つ、十月二十一日萩生田副長官御発言概要という文書には、総理は平成三十年四月開学とお尻を切っていた、工期は二十四カ月でやる、ことし十一月には方針を決めたいとのことだったと書かれています。

 なぜこの平成三十年四月開校が重要かというと、この時期に間に合うのは今治提案の加計学園のみ。京都産業大学が断念したのは、この時期に間に合わないと判断したからということです。

 それでは、お伺いいたします。

 こうした開学時期について総理はどうお考えか。萩生田副長官や内閣府、さらには文部科学省に指示を出されたことはありますか。

安倍内閣総理大臣 私は、国家戦略特区諮問会議の議長として、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めていくよう常々指示をしてきたところであります。しかし、個別の案件について私が指示をするということは全くないわけでありまして、一度もそうした個別の案件についての指示を行ったことはございません。

小野寺委員 今、個別の指示をしたことはない、そういうお話だったと思います。

 それでは、逆に、今、指示を受けたと一部文書に書かれている方々にお伺いしたいと思います。

 萩生田副長官、総理から本件の獣医学部の新設について何らかの指示を受けたことはありますか。

萩生田内閣官房副長官 お尋ねの件につきまして、私が、総理から指示を受けたり、文部科学省に対して指示を出したりしたことはありません。ましてや工期や開学時期について発言したこともございません。

 昨年十月の文科省との面会について御説明しますと、そもそも私の方から呼び出したものではなく、いずれも文科省からの急の申し込みで設定されたものです。しかも、主要用件は給付型奨学金のことでございました。獣医学部の新設の件については、もともと問題意識のある課題ではなかったこともあり、説明を受け身で聞いておりましたが、獣医師の需給の見積もりについてなかなか農水省の協力が得られないという相談がありましたので、その旨を農水省に伝えることを約束しました。それ以外に本件について能動的に私がかかわったことはありません。

 私の発言概要とされるメモの内容については、文科省も認めているように、全体として著しく正確性に欠くものであり、総理からの指示を受けて私が文科省に対して説得、働きかけをしたというストーリーは全く事実に反します。そもそも文科省が本件に反対をしていたという認識は私はございませんし、文科省からこの特区について反対だという意思表示があったこともありませんので、説得する必要もないと思っております。

小野寺委員 総理からの指示もなければ働きかけもないということなんだと思います。

 それでは次に、実際このような働きかけがあった場合に、その実務を担うのが藤原前内閣府審議官ということになります。この実務を担任する藤原前内閣府審議官にお伺いしたいと思いますが、総理から、本件、獣医学部の新設について何か指示を受けたことがあるでしょうか。また、文科省に対して、官邸の最高レベルが言っているとか総理の御意向といった発言をした記憶はあるでしょうか。

藤原参考人 お答え申し上げます。

 獣医学部の新設につきまして、総理から個別の指示を受けたことは一切ございません。

 その上で昨年秋の状況を申し上げますと、九月九日の特区諮問会議で総理から、岩盤規制改革全般をスピーディーに検討すべき旨の発言がございまして、これを受けまして、その翌週のワーキンググループやその後の各省折衝の場でも私自身がこの発言を引用させていただきながら、規制改革を鋭意進めておりました。

 したがいまして、文科省との議論の場でもこの総理発言を引用させていただいた可能性はございますけれども、他方、私から官邸の最高レベルや総理の御意向とお伝えしたことはございません。

 いずれにせよ、仮に私の発言が当方の趣旨と異なる受けとめを文科省の方々に与えたとすれば、私自身、大変残念に感じている次第でございます。

小野寺委員 今のお話を伺っても、特にそのような指示はないし、あくまでも、総理が会議の中で発言した岩盤規制、このことを引用したということなんだと思います。

 それでは、この内閣府を担任いたします山本大臣にお伺いします。

 大臣は、安倍総理から獣医学部の新設について具体的な指示を受けたことはありますか。

山本(幸)国務大臣 この国家戦略特区の一連のプロセスは、特区の選定、規制改革事項の選定そして事業者の選定、全て法令に基づいたルールに従ってやっておりまして、先ほど八田先生がお話しされたように、一点の曇りもありません。これは特区担当の私が陣頭指揮をとって、全て判断し、決断しているわけであります。

 その意味で、総理との間については、私は、この点はまさに、加計学園も候補に挙がっているということでありましたから、これはしっかり、問題が起こらないようにしなきゃいけないと私自身もきちっと思っておりまして、この点について総理と個別に話をしたことも一切ありませんし、指示を受けたこともありません。その上で、しっかりと、民間議員の先生方、そして各省と折衝しながら、一点の曇りもない、ルールに従ってやってきたわけであります。

小野寺委員 関与はないし、一点の曇りもないということなんだと思います。

 それではまた、当事者になります文部科学大臣にお伺いいたします。

 文部科学大臣は、安倍総理から獣医学部の新設について何らかの指示を受けたことはありますか。

松野国務大臣 お答えをいたします。

 御指摘の点に関しまして、総理、官邸から私に指示があったことはございません。

小野寺委員 指示がここでもないということなんだと思います。

 それでは、前川参考人にお伺いをしたいと思います。

 前川さんは、在職中、これは次官というお立場にありますので、何度か総理と官邸でお会いをされる機会があるんだと思います。その際、この獣医学部の新設について、直接総理から何か指示やお話があったことはありましたでしょうか。

前川参考人 この今治市における加計学園の獣医学部の新設の問題につきましては、文部科学省は基本的には内閣府からさまざまな指示を受けていたということでございますので、その結果はペーパーに残っておりまして、その中に、官邸の最高レベルの言っていること、あるいは、総理の御意向と聞いている、こういう文言があることは御承知のとおりでございます。

 私は、これは事実であるというふうに思っておりますし、そのように恐らくは内閣府の藤原当時の審議官がおっしゃったのであろう。その先のことは、これはわかりません。藤原さんが誰からそれを聞いたのか、それはわかりません。

 私自身は、総理から直接伺ってはおりませんが、しかし、九月九日と記憶しておりますけれども、和泉総理補佐官から、国家戦略特区における獣医学部の新設について文部科学省の対応を早く進めろ、こういう指示をいただきまして、その際に、総理は自分の口からは言えないからかわって私が言うんだ、こういうお話がございました。これにつきましては、私は、総理は御自身では言えないのだというふうに思いましたので、そのことについて総理にお伺いするということは考えてもみなかったわけであります。

小野寺委員 今のお話を伺うと、前川参考人は、直接総理から何らかの指示を受けたことも話を聞いたこともない、ただ、さまざまな文書、出ている文書は私は真実だと思うし、その際、藤原審議官の話も実は正しいのではないかという印象を持っているというお話だと思います。

 実は、この一連の話を聞いていくと、この疑惑に関して、いわゆる総理の関与ということ、これが、先ほど来お話が出てくる、唯一発言されているのがきょう来ていただいている前川参考人の発言ということになります。先ほどの前川参考人のお話によりますと九月九日というお話でありましたが、和泉総理補佐官から呼ばれてというお話がございました。

 それでは、きょうは当事者であります和泉総理補佐官に来ていただいておりますので、ただいま前川参考人がお話しされたような、九月九日に、総理が自分の口からは言えないが私がかわって言うというような内容で、この獣医学部新設について手続を早くするように、そのようなお話はあったのでしょうか。

和泉参考人 いろいろ報道されてございますので、少し丁寧に御説明させていただきます。

 当時、前川さんと私が私の執務室で何度かお会いしたことは事実でございます。そして、記録も残っていないものですから、どういったやりとりがあったかについては確認できません。したがって、今までそういったことをお答えしています。

 しかしながら、今回、参考人として出るに当たって当時を振り返ってみますると、前川さんと当時の私が話す中身としては、この獣医学部の新設か明治日本の近代産業遺産のことだと思います。

 その際、私は、二〇一二年九月まで地域活性化統合事務局長をやっておりました。三年二カ月でございます。構造改革特区も担当してございました。したがって、当時から、この獣医学部新設の問題が岩盤規制の象徴であるということは認識しておりました。そのことが、今回国家戦略特区の中でやっと動き出すんだという感慨もございました。

 そこで、知らない仲ではない前川さんに来ていただいて状況をお聞きしたわけでございますが、当時、前川さんは余り承知していないようでございました。したがって、私は、事務次官としてしっかりフォローしてほしい、そういったことは申し上げたと思います。

 また、加えて、私は補佐官として特区諮問会議にも陪席し、総理が常々、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めるんだ、こういったことを聞いておりました。したがって、そういったことについては、前川さんに対して、スピード感を持ってということが大事だ、こういったことは申し上げたかもしれません。

 今おっしゃった、総理が自分の口から言えないから私がかわりに言う、こんな極端な話をすれば私も記憶が残っております。そういった記憶が全く残っておりません。したがって、言っておりません。(発言する者あり)言っておりません。

浜田委員長 静粛に願います。せっかくの質疑の時間でありますので、静粛に願います。

小野寺委員 もう一度、和泉補佐官にお伺いします。

 この獣医学部新設に係るプロセス、今、安倍総理が岩盤規制を打破してほしい、そういうことを前川参考人にお話をしたということでありますが、その際、例えば加計学園とか具体的なことを出したのか、そのことをお伺いしたいと思います。

和泉参考人 一般論として、スピード感を持って取り組むことが大事だと言ったわけでございまして、具体のことについて、加計学園等については一切触れてございません。

小野寺委員 和泉参考人にもう一つお伺いいたします。

 今、一切そういう話はしていないということですが、総理と加計学園の理事長が親しい関係にある、友人であるということは、その当時、知っていらっしゃいましたか。

和泉参考人 週刊誌の記事などでそういった話を見たかもしれませんが、加計学園の理事長と総理が友人であるということを明確に認識したのは、三月にこの問題が報道で報じられて以降でございます。

小野寺委員 三月に報道になってからというお話でありました。

 それでは、当事者の前川参考人にお伺いしたいと思います。

 先ほど、九月九日に和泉補佐官からのお話があったということですが、その際、具体的に、加計学園とかそのような具体例のお話はあったんでしょうか。

前川参考人 私は、九月九日、私の記憶では十時ごろでございますけれども、これは和泉補佐官に呼び出しを受けて参ったわけでございます。そのときに伺った話というのが、国家戦略特区での獣医学部の新設の手続を文科省として早く進めるようにと。そのときの総理云々の話は、先ほど申し上げたとおりでございますが。

 そのとき、既に私としては、総理と加計理事長とが御友人であるということは認識しておりました。また、加計学園が今治で獣医学部をつくりたいという希望を持っているということも、担当課から説明を受けて聞いておりましたので、知っておりました。

 したがいまして、私は、総理が自分の口からは言えないからというお言葉を聞いたときに、これは加計学園のことであると確信した次第でございます。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

小野寺委員 九月九日の時点で和泉補佐官から、今お話があったように、国家戦略特区を早く進めるように、獣医学部について進めるようにというお話をしたときに、加計という名前は出ていないけれども、前川参考人はこれはそのようなことであるというふうに受けとめたという今のお話だと思います。

 それでは、逆に、そのようなお話をした方の和泉補佐官からお伺いしますが、和泉補佐官が、特区を早く進めるように、獣医学部を早く進めるようにということの意図というのは、どのような意図だったんでしょうか。

和泉参考人 先ほども申し上げましたとおり、私は、二〇一二年の九月に地域活性化統合事務局長を三年二カ月務めておりました。その中で構造改革特区も担当してございました。その中で、典型的な岩盤規制の象徴がこの獣医学部の新設でございました。そういった中で、国家戦略特区の中でこの象徴的な岩盤規制が動くんだなということについて、非常に感慨深いものがございました。

 そういったことを含めて、前川さんにお越しいただいて状況を聞いたわけでございますが、したがって、言っていることは、総理が常々言っているように、岩盤規制改革については全体としてスピード感を持ってやることが必要なんだ、そういった意味で、前川さんにおいても事務次官としてしっかりとフォローしてほしい、そういった趣旨で申し上げたわけでございます。

小野寺委員 大体この構図がわかってきたのは、国家戦略特区で獣医学部を早く進めてほしい、そういうことを和泉補佐官は言った、これは特区として早く進めてほしいという言い方。そして、これを受けとめた前川次官は、これは獣医学部、特区ということであるから、自分は、総理と加計理事長との関係があるので、これは加計のことを言っているのではないか、そういうふうに受けとめた。今その二つの御意見がありました。そして、恐らくこれは最終的には、お互いの受けとめ方ですから、なかなか、どちらが正しいと白黒はつけにくいんだと思います。

 その中で一つ、前川さんにお伺いしたいと思います。

 前川さんは、今、和泉補佐官から指示があったというふうにお話しされましたが、この内容、獣医学部を早く進めること、そして加計がそのときに想定されたということに関して、上司であります松野文科大臣や、あるいは当時の自分の部下であります常盤前局長、あるいはほかの文科省の担当者にこの内容を伝えたり相談したりしたでしょうか。

前川参考人 先ほど、九月九日の話でございますけれども、私が和泉総理補佐官に呼ばれたのは、おおむね午後の三時ごろでございました。その日のうちに、私、午後の八時前後でございますけれども、高等教育局の担当課でございます専門教育課を呼びまして、和泉補佐官からこのような話があったということを伝えております。私が行いましたのはそこまででございます。

 私は、この話は、まず、粛々と、原則にのっとって、行政としてふさわしい形で高等教育局の担当課である専門教育課が進めるべき問題であるというふうに考えておりました。専門教育課もそのとおり考えておりまして、四条件を満たすことというようなことには非常に注意を払っておったわけでございます。その点で、担当課に任せて、これは大臣との間で相談していただければいいというふうに思っておりました。

 ただし、情報として、総理補佐官からこのような話があったということ自体は担当課が承知しておくべきであろうということで、担当課に話をするということにとどめたわけでございます。

小野寺委員 普通であれば、私も大臣をした経験がありますから、こういう場合は担当局長を呼んでお話をする、それを通じて課長に行くということが基本だと思うんですが、その際、専門課の担当にお話をするときに、これは総理の意向である、獣医学部を早く特区として進めろというふうにお話をしたのか、あるいは、その際、想定された加計学園、これが総理の意向であると伝えたのか、どちらでしょうか。

前川参考人 私は、和泉補佐官から聞いたとおりのことをそのまま伝えたというふうに記憶しておりますが、私の意識といたしましては、これは今治市における加計学園の獣医学部のことである、こういう認識は持っておりましたし、その時点において獣医学部をつくりたいという意向を持っていた学校法人は加計学園のみでございましたので、これは加計学園しかないということは共通の理解として私ども文部科学省の中でも持っておったところでございます。

小野寺委員 済みません、ちょっと事実確認なんですが、今、九月九日というお話をしました。その時点ではもう既に、加計学園は確かに希望されましたが、京都産業大学も検討されていたのではないかと思うんですが、それは事実と違うでしょうか。

前川参考人 京都産業大学が意向があるということは確かにございましたけれども、具体化したようなものではなかった。むしろ、その時点で具体的な計画として意識しておりましたのは、やはり今治市の加計学園しかなかったわけであります。

小野寺委員 ということは、済みません、これはちょっと言葉をやったとったかもしれませんが、前川さんも実は、獣医学部をつくる、その成熟した計画があるのは加計学園の岡山理科大しかなくて、京産大もある面ではまだそこまでいっていない、そういう認識だったということでしょうか。

前川参考人 実際に京産大がどの程度の具体化した計画を持っていたかということは、その時点で私は承知しておりませんでした。

小野寺委員 前川さん、済みません、もう一度お伺いします。

 そのときに、担当の高等教育課でしょうか、そこに前川さんがお話をしたときには、それは加計学園が自分の想定している、そういうことを具体的にわかるような形で伝えたということでしょうか。それとも、やはり、官僚としての矜持でありますから、あくまでも和泉補佐官が言ったとおり、総理が早くこれを進めてほしい、あくまでもこれは国家戦略特区の問題であるというふうにお伝えしたんでしょうか。

前川参考人 私自身は、八月二十六日に、当時の内閣官房参与であり加計学園理事であった木曽功さんの訪問を受けておりまして、その時点で既に、加計学園の獣医学部について手続を早く進めてほしい、こういう働きかけを受けておりました。その際に木曽理事が何とおっしゃったかというと、国家戦略特区諮問会議で決定したことを文部科学省はそれに従ってやればいい、こういう手続の進め方についても御示唆があったわけであります。

 これは内閣官房なり内閣府と打ち合わせた上でなければ出てこない発言でございまして、そういう前提がございました。ということで、木曽さんからは私自身がそういった話を承っていたということもございます。

 また、その前後に、専門教育課から、担当課でございますけれども、説明を受けた際にも、現実に手を挙げているというところは加計学園しかない、その時点では、具体化した計画を京産大が説明しているということはございませんでしたので。したがって、国家戦略特区における獣医学部の新設という話になれば、これはとりもなおさず加計学園のことである、こういう認識は持っておったわけであります。

 したがいまして、獣医学部の話だということは、ニアリーイコールこれは加計学園のことである、そういう認識を持っていたのは事実であります。

小野寺委員 前川参考人、何度も恐縮ですが、今のお話では、前川参考人はすごく疑念、疑惑を持っていたというお話でありました。であれば、普通であれば、そのことを、例えば、これは大臣、行政の中立性が曲げられてしまいますよということで、松野文科大臣にそのようなお話をするとか、あるいは、局長を集めて、こういうことがあるけれども、これは文部科学省としてはしっかり正さなきゃいけないとか、そういうふうな官僚としての正しいあるべき姿が普通はあるんだと思うんですが、そのような行動はとられたでしょうか。

前川参考人 この時点で、私自身は、平成三十年四月に開設しろというところまでは承った記憶がございません。

 平成三十年四月という話は、私が知る限り、九月二十六日に内閣府から呼び出されて、文部科学省の専門教育課の課長以下が承った、その際のメモというのは残っております。平成三十年四月開学を大前提に最短のスケジュールをつくれ、これは官邸の最高レベルが言っていることである、こういう御指示が内閣府からあったと。そのあたりから、非常に内閣府が性急に事を進める、こういう意識が私どもの中に生じたわけでございますけれども、私が和泉補佐官に呼び出された時点では、そこまで無理をするというふうには思っておりませんでした。

小野寺委員 今のお話を聞くと、そこまで強い要請ではない、だから無理をするという話ではないというのが和泉補佐官の意向であり、前川さんは、自分は木曽さんからいろいろ言われて、そういうことがあるかもしれないと思っていたけれども、でも、それを例えば文科省の教育局に直接強く伝えたわけでもない。ということは、恐らく、前川さんの中でこれはずっと思っていたけれども、それを何らかの作用で、文部科学大臣に働きかけたり部下に強く後押しをしたりしたということはないということなんだと思います。

 こう考えると、実際、一体、今回この問題というのは、何か行政を曲げるような不当なことが行われたのか。あくまでも文書の中で出てきている登場人物がたくさんいて、でも、きょうそれを一つ一つ聞いていると、みんな違う、違う、違うというお話。当事者の前川さんに聞いたら、和泉さんから言われたのは、特区を早くしてくれと。和泉さんは、これはあくまでも特区の話で、全体の話なんだ。受けとめた前川さんは、それは、いや、今までの経緯から見ると、私の心の中では加計学園の問題なんだ、でも、これは文部科学大臣にも言っていないし、部下にも強く働きかけていない。ということは、何もこれは動いていないわけです。

 とすれば、あくまでもこれはこの議論の中であって、全体のことを考えてみたら、獣医師さんが足りない、空白区の四国につくる、そして、長年これをずっとやってきた加計学園しかなかったので、ここが最終的に手を挙げて受けた。そして、この過程は、実は一番初めに評価してくれたのは民主党政権だった、それを受け継いで自民党政権もやってきた、そして最終的にこの判断は、公正中立であります審議会で、専門家の委員で決められる。

 改めて最後に、八田委員にお伺いします。

 今回の一連の経緯を聞いて、今回の獣医学部新設に当たって政治の不当な介入があったり公正な行政がねじ曲げられた、そのようにお感じになられるでしょうか。

八田参考人 公正な行政がねじ曲げられたかという御質問でございますが、不公平な行政が正されたと考えております。

 多くの特定業界が参入規制から得る権益は、政官業の癒着の財源であります。業界団体は関係議員に参入規制を陳情し、関係議員はその業界の監督官庁に圧力をかけて、規制を手に入れます。意欲的な新規業者が規制緩和を官庁に要望しても、普通は係長が対応して、門前払いをいたします。

 国家戦略特区は、こうした現状を打破する制度です。そのための最大の武器は、規制の根拠の説明責任を規制官庁に全面的に負わせることです。

 まず、事業者から規制緩和の申請があった際、監督官庁の課長に現在の規制が必要な理由を説明してもらいます。説明が合理的でないと判断された場合には、審議官、局長をお呼びし、担当者の格を上げていきます。それでも折り合いがつかない場合には、最終的には規制担当省庁の大臣が、月一回開かれる特区諮問会議で、総理の前で規制を弁護しなければならないという仕組みになっています。このため、規制官庁は不合理な説明では耐えられないわけです。

 獣医学部の新設制限は、参入制限、参入規制の典型であります。新設される学部の質は、文科省に設置された大学設置審で審査します。経済学部などは、設置審さえ通れば、需給状況を行政が事前に判断することなく新設できます。これによって、競争を通じた新陳代謝が起きます。しかし、文科省は、獣医学部に関しては、どのようにすぐれた新設計画であろうと、設置審の審査を受けることすら認めていません。これは利権と密接にかかわっています。

 獣医学部の新設制限は、日本全体の成長を阻害しています。鳥インフルエンザなどの感染症対策、製薬やバイオなどの重要な成長分野です。日本経済を再活性化させるには、こうした分野で世界的に勝負できる獣医学研究者の育成は欠かせません。五十年間新設がなかった獣医学部が新設されることで、ゆがんでいた規制を正すための第一歩が記されたと思っております。

 次に、ちょっと今出た議論に関して一言申し上げたいんですが、総理の意向を、内閣府の担当幹部からあったかどうかという議論がございました。

 国家戦略特区は、和泉参考人も藤原参考人も言われましたように、岩盤規制を打破するという総理の強いリーダーシップのもとに運営されています。岩盤規制の打破という意味で、総理の方針の言及があったとしても何らおかしいことではありません。むしろ、そうした発言を特定の事業者を優遇すべきだ、意向だと受けとめたとしたら、それは、自身が既得権を優遇してきた人でなければ思いつかない論理ではないかと思います。

小野寺委員 専門家として、公平中立な立場からのお話だと思います。

 実は、獣医学部の競争倍率は、高いところでは二十倍を超えるところもあります。獣医師さんになりたい、ペットのお医者さんになりたい、そういう人たちがたくさんいる中で、今まで五十年以上、実はその門を閉ざしてきた、そういうこともあるんだと思います。ぜひ、岩盤規制、これは大切なことだと思います。

 さて、その中で、最後に安倍総理にお願いがございます。

 実は、まだ岡山理科大の獣医学部新設は認可されておりません。この最終的な認可というのは、八月末に大学設置・学校法人審議会で決定するということになります。ですが、これまで一連のこの議論の中で、実は、この獣医学部の新設はかなり傷ついた印象を持ちます。もう一度立て直すためには、しっかりとした、国民がなるほどと納得するための設立認可のためには、この八月末の最終的な認可、大学設置・学校法人審議会、これは第三者の方が入ってやる審議会であります。この過程をしっかりやる。そして、公正中立、透明性を持って第三者にもう一度判断をしていただく、これを公開する、議事を公開する。これで初めて、なるほど、これは第三者の目から見て適正な今回の設置なんだ、これがわかるんだと思います。

 ぜひ、この過程をしっかりするように、そして、政治が絶対にここには関与しないということを改めてお願いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 昭和四十一年を最後として、獣医学部の設置は一つも認められてきませんでした。それから半世紀がたったわけでありますが、加戸前知事がおっしゃったように、口蹄疫、鳥インフルエンザ、動物から動物、そして動物から人にうつる伝染病が大きな課題となっている。その課題に対応するためには、専門家を養成していく、また公務員獣医師を確保していくことは喫緊の課題であります。

 そして同時に、それを認めない、あるいは時代のニーズに対応できない、時代の変化に対応できない規制があるとすれば、それ自体、その制度がゆがんでいると言えると思います。時代のニーズに合わせて規制を改革していくことは、決して行政をゆがめることではなくて、ゆがんだ行政を正すことであろうと思います。これからも岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めていく、この意思は、今もこれからも、総理大臣としての私の意思であります。

 同時に、今、小野寺委員が指摘されたように、そのプロセスは適切なものでなければなりません。ですから、国家戦略特区は、民間議員が、民間委員が入った諮問会議、そして専門家を交えたワーキンググループにおいてオープンな議論が展開されます。そしてまた、そこに文部科学省を初め関係省庁も出ていって、主張すべき点はしっかりと主張できる、そういう仕組みになっています。また、告示を出す際にも関係省庁が合意をして進めていくわけでありまして、今回の改革もそのプロセスにのっとって進められたわけでありまして、八田委員がおっしゃっているように、一点の曇りもないと思います。

 しかし、まさに李下に冠を正さずであります。私の友人がかかわることについて疑惑の目が向けられている、これはもっともなことであるということは先ほど申し上げたとおりでございまして、果たしてどういうプロセスを経れば国民の皆様から納得していただけるかという観点についても我々はしっかりと考えていかなければならない、このように思います。

 まさに一つは、このプロセスについては、諮問会議あるいはワーキンググループ、さらには事業者を選定していく分科会、これはもう透明に行われている、フェアな議論が行われています。分科会、事業者選定においては、これは文部科学省の推薦した専門家も入って議論して進められてきたものでありますし、議事録も公開されている。しかし、省庁間の交渉においては、これは当事者しか知らない。第三者が入っていないものでありますから、いわば言った言わないの議論になっている。そこをどうするか。この運用のプロセスについて強化していくということについては考えていかなければならない、このように考えております。

小野寺委員 実は、この議論は、国会ではさまざま、あるいは報道ではいろいろなされていますが、一番公平中立でいる当事者、例えばワーキングチームの座長の八田さんから先ほどお話がありましたが、一点の曇りもないというお話がありました。

 そしてもう一つ、例えば加計学園と競合した京都産業大学、この方々が記者会見で何と言っているかというと、不透明な決定だとは思わない、納得できない部分も特にない。そしてまた、京都府の知事も、きちっと委員会で判断されたと言って、その上で、京都府がこれまで取り組んだのは昨年が初めて、加戸さんの愛媛県に比べると、我々としては努力が足りなかった、結局、思いの問題だ、どれだけ熱心に獣医学部の必要性を訴えてきたかという話になる、加戸さんは本当に必死になってやってこられた、そして、競争に敗れたことについて恨み言を言う気は全くございませんと。

 実は、当事者間、第三者、皆さんは、一点の曇りもないし、競争相手の方もこれは適正な形だと言っている。なぜかここで、国会の中の議論で、そして、なぜか役所の中からいろいろな文書が出てくる。私は、これが一番の実はこの問題の本質だと思っています。

 ぜひ皆さんに知っていただきたいのは、この国が今までずっと経済成長をしてしっかりやってこられたのは、優秀な官僚組織と、それをうまく使いこなした政治があったからなんです。この両方が相まって、うまくいきました。ところが、今回、文部科学次官を経験された前川さんがこういうことを言うということは、逆に言えば、松野大臣、申しわけないんですが、大臣と次官の信頼関係、これがもっと密であれば、もっと直接、こういう話があったんだけれども、大臣どうでしょうか、こういう話があれば、こういう問題にいかなかったかもしれない。

 あるいは、恐縮です、きょう質問の時間はなかったんですが、稲田大臣、今のお話、日報の問題も、やはりガバナンスの問題、しっかり役所を管理する、こういうことについては、私ども、責任があります。そして、何より、内閣全体でのガバナンスは総理に責任があります。これから野党の厳しい質問が続くと思います。ぜひ誠心誠意お答えをいただいて、国民の皆さんに再び信頼していただくことを心から御祈念申し上げまして、本日の質問といたします。

 ありがとうございました。

浜田委員長 これにて小野寺君の質疑は終了いたしました。

 次に、上田勇君。

上田委員 おはようございます。公明党の上田勇でございます。

 本日は、この委員会で質問に立たせていただきますが、この審議におきまして、参考人の皆様にも、大変お忙しい中、御出席をいただきましたこと、まず御礼を申し上げたいというふうに思います。

 冒頭、今月五日から六日にかけまして発生した九州北部豪雨によりまして、福岡、大分県を中心として甚大な被害が発生をいたしました。犠牲となられた方々の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 政府として、激甚災害指定の方向を決定したというふうにも聞いておりますけれども、被災者への支援、そして復旧に全力を尽くすことを強く要望いたします。

 また、昨日来、東北地方でも水害が発生をしておりますが、万全の対応をお願いしたいというふうにお願いを申し上げます。

 次に、質問に入らせていただきますけれども、残念ながら、今、多くの国民が、安倍内閣への信頼が大きく揺らいできております。総理と親しいと不当に優遇されるのではないかとか、あるいは何か得をしているのではないか、そうした疑念が国民の中に広がっているのが事実であります。

 いわゆる加計学園問題について、これまでの国会審議等で、法律とかルールに反するような行為はなかったというような心証を持っておりますけれども、しかし、やはり信なくば立たずであります。総理に対する国民の信頼がなければ、必要な政策の実行もままならなくなってしまいます。

 総理には、国民の信頼を回復するためにも、本日の委員会、こうして閉会中審査の委員会を開いておりますけれども、ここではもちろんのことでありますけれども、今後とも誠意を持って丁寧に説明責任を果たしていただくことを期待するものであります。

 一方で、今日、政権にとって最優先課題であります経済の再生あるいは外交、安全保障など、重要な課題が山積をしております。特に、国際情勢の不安定性、不透明性が増しており、国の平和と安全、日本の経済にとって最大のリスク要因ともなっています。内閣、与党が一致協力をして経済、外交などの優先課題に全力で取り組み、結果を残して国民の期待にお応えしていくことが、最も責任を果たす道ではないかというふうにも思っております。

 総理には一層のリーダーシップを発揮していただきたい、そのように期待をいたしますが、今申し上げましたことに対する総理の御所見を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 常に国民目線に立って、事実に基づいて、丁寧な上にも丁寧に説明を積み重ねていく、その努力を続けていく、それをしっかりと胸に刻まなければならない、改めてそう決意をしているところでございます。国民の皆様の信頼を回復するためには、しっかりと一つずつ誠実に仕事を進め、結果を出していくことではないかと思います。

 その意味におきましては、我々は、自公政権において、この政権がスタートした際、経済最優先で取り組んできた、それはつまり、国民を豊かにしていくということであり、仕事をつくり、そして賃金を上げていくことであります。百八十五万人の雇用を生み出すことができました。そしてまた、格差の問題につきましても、調査をとって以来、総務省の調査においては初めて相対的貧困率が改善し、また、特に子供の相対的貧困率は大きく改善をしたわけでございます。

 これからもしっかりと努力を重ねていく中におきまして、皆さんが、景気がだんだんよくなったな、こう実感していただけるような、経済の好循環を回していくことによって、結果を出していくことによって国民の皆様の信頼を回復していきたい。

 また、外交におきましても、アジア太平洋地域の安全保障環境は厳しくなっております。こうした厳しい状況の中で、しっかりと地球儀を俯瞰する外交を進めながら、自由や民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々と力を合わせながら、日本の平和と安全、そして地域の繁栄を確保していきたい、このように考えている次第でございます。

上田委員 今答弁にあったとおり、政府として取り組んでいかなければいけない課題、重要な課題というのは山積みであります。しかし、やはりその前提となるのは総理、内閣に対する国民の信頼でありますので、その信頼をしっかりと回復できるように、これからも誠意を持った取り組みをぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。

 きょう、限られた時間でありますけれども、いわゆる加計学園問題について取り上げさせていただきます。

 この問題について、私は、基本的な論点というのは二つあるんじゃないかというふうに思います。一つは、愛媛県今治市に獣医学部を新設するとした政策判断、これが妥当であったのかどうかということであります。二つ目には、今回、国家戦略特区という制度を使ったわけでありますけれども、その手続が公正なものであったのかということであります。先日の新聞記事の中でも、大阪大学教授の北村亘先生が、この問題が政治問題化したことで規制緩和の本来の意味が見えにくくなったという指摘もありまして、全くそのとおりな面が多いというふうに考えております。こうした点を踏まえて質問していきますので、どうかよろしくお願いをいたします。

 まず、ここに至るまでの経緯について、加戸参考人それから山本大臣に確認をしたいというふうに思います。

 大まかな経緯をまとめさせていただきました。

 今治市では以前から、地域活性化、そういう観点から、高等教育機関、大学を誘致したいということで、先ほど加戸参考人から学園都市構想というお話がございましたけれども、用地の取得をするための資金の手当てに一九八三年の時点で着手をしております。しかし、大学の新設というのはなかなかそう順調には進まないということで、先ほど、長く放置されたままになっていたというお話があったとおりであります。

 そこで、獣医学部の話が出てきた。産業動物、いわゆる家畜の獣医師が、家畜伝染病対策だとかそういったことに対応するためには非常に不足をしているという事実がある。また、獣医養成大学が東京を含む東日本に偏在をしていて、特に四国にはないということがあった。それなら新設の可能性があるのではないかというふうに考えられたのではないかというふうに思います。そうした経緯を受けて、先ほどの話にありましたとおり、文部科学省の方に新設の申請を行ったけれども、却下をされた。

 新しい構造改革特区という制度ができたので、これを活用してはどうかというアイデアを得て、二〇〇七年、今度は今治市と愛媛県共同でこの構造改革特区制度の申請を行ったということであります。以降、十年間、十五回にわたって、獣医学部新設について熱心に構造改革特区の提案をしてきました。そのあたりの経緯については、先ほどの質疑で明らかになりましたので省略をいたしますが、結局はずっとたなざらし状態だったわけであります。

 この間、加戸参考人は、実は教育再生実行会議の委員も務められておりまして、その議事録を見ますと、二〇一三年のときに二回、BSEとか口蹄疫、鳥インフルエンザなどに対応するための獣医師の確保が難しい、新設を求めるというような発言を行ってきました。また、二〇一五年にもそういった趣旨に言及をしているというふうに承知しております。

 国家戦略特区制度が創設されて、二〇一五年六月に今治市が再度申請をして、ワーキンググループでの検討を経て、十二月に特区に指定をされました。そして、翌二〇一六年十一月には、内閣府、文部科学省共同で告示を制定し、公募を開始したところ、加計学園が応募、国家戦略特区諮問会議で区域設定が決定をされ、同三月に加計学園から文部科学省に認可申請が行われたわけであります。ようやく、十年間以上にわたります働きかけが実現する方向で動き出したということであります。

 今かいつまんで御説明をいたしましたこうした経緯に間違いないでしょうか。加戸参考人、よろしくお願いいたします。

加戸参考人 お答えします。

 おおむね上田委員のおっしゃったとおりでございますけれども、もっと厳密に申し上げれば、先ほどの小野寺委員への答弁で申し上げましたが、構造改革特区申請以前に、第一次安倍内閣の時代に、私は文部省の方に設置のお願いに参りました。私の後輩で、高等教育局長ですから、便宜を計らってもらおうかと思ったら、先輩に敬意は表しつつも、冷たくされました。内容は、どうしても農水省がうんと言わない、獣医師会の問題がある云々等があって、とてもとても文部省では対応できないということを踏まえて、その年の秋、福田内閣になりまして、構造改革特区の申請をさせてチャレンジをしたということでございます。

 そして、民主党政権下になって、非常ににわかに状況がよくなったので喜んでおりましたが、また自民党政権になって、安倍内閣になりました。当時、私はもう愛媛県知事を引いておりましたけれども、たまたま教育再生実行会議がありましたので、獣医学部は大手門からは入れてもらえない、医学部もそうですけれども、からめ手門からは特別、特区制度をもって入れられる。ところが、それも難しそうな状況ですから、私は、通用門から入れないかなと思って、関係のない教育再生実行会議ではございましたが、愛媛県は教育の問題でこんな問題を抱えていますよということで、大変不謹慎ではありましたけれども、大学入試改革のテーマのもとに、本題とは外れているんですが、附録でこういうことを考えてもらえませんかということを申し上げました。

 というのは、実は、若干私にも意図がありまして、安倍総理の斜め前で発言しますので、安倍総理にこの話を聞いていただくのはいいなと思いました、何しろ構造改革特区本部長ですから。でも、発言した後、またはね返され、またその次も、全て、安倍内閣の時代には五回、構造改革特区は冷たくされたという結果もございまして、そして今回の国家戦略特区になりました。

 これは今治市なんです。実は、愛媛県と今治市が構造改革特区に挑戦しまして、十五戦全敗でした。大相撲でいえば、もう引退勧告で、愛媛県は引退して親方になって、今、今治市だけが単独で国家戦略特区に挑戦しているのを指導している状況にあります。

 その中で、今回、先ほど八田委員の説明がありましたけれども、ああいう形で、内閣府の職員の頑張りと、国家戦略特区諮問会議有識者の皆様方の英明なる判断とで、やっとこの道にたどり着いたというのが現状でありまして、そういった道行きを今懐かしく思い返しているところでございます。

上田委員 山本大臣、いかがでしょうか。

山本(幸)国務大臣 まず申し上げたいのは、今回の獣医学部の新設は、長年全く実現できなかった改革を、慎重派の御意見にも十分配慮しながら、まずは一校で成功させるべく今治市を選定したものでございます。

 歴史を振り返りますと、この獣医学部新設は、先ほども若干経緯のお話がありましたけれども、平成十九年から八年近く、今治市が唯一の提案者として提案を続けてこられました。この間、これに応えた鳩山政権が対応不可から実現に向け検討に格上げし、安倍政権がさらに前進させ、昨年十一月の規制改革の決定、ことし一月の共同告示の制定にこぎつけたわけであります。そして、今治市がこれをいち早く事業化すべく、即座に構成員を公募いたしまして、区域計画に位置づけて、ことしの一月二十日の計画認定に至ったところでございます。

 獣医学部新設には、十年間に及ぶ多くの主体の多くの判断、多くの議論、多くの合意が積み重なってきております。また、地域活性化や国際競争力強化のための提案を続けた四国の一地方都市、今治市の熱意が最大の原動力となったと考えております。このことは、先日、京都産業大学獣医学部の取り下げに関し、京都府知事もお認めになったところだと考えております。

上田委員 加戸参考人にお伺いしたいというふうに思います。

 今御発言にあったとおり、若干筋違いかもしれないけれども教育再生会議の場でもこの問題も何回も取り上げ、熱心に主張されてきたわけであります。その場には、先ほど、安倍総理も御出席だったということでございますし、また、当然のことながら文部科学省の幹部の方々も同席をされていたんじゃないかというふうに思います。

 当然、そういう意味で、文部科学省においては、地元が非常に強い熱意を持っているんだということは承知していたと思います。しかし、加戸参考人の主張は提言の中には盛り込まれませんでした。これは、テーマがありますから、ある意味やむを得ないという部分もあるのかもしれません。しかし、結局はその後も一顧だにされなかったということであります。

 なぜ、これほどずっと熱心に取り組んでこられたのに、こういう対応がとられたというふうにお考えなのか、そしてまた、これほどまでずっと続けて訴えられてきたのに、ここまで全然動いてこなかった、そのときは大変無念に思われたんじゃないかというふうに思いますけれども、御所感を伺いたいというふうに思います。

加戸参考人 私も旧文部省で三十数年、仕事をしておりますから、役人流のやり方はわかってもおります。大変、過去の経緯あるいは手続、いろいろなことについて議論の正確性を期する官庁でありますから、それなりに高等教育局長が先輩の私にいろいろ話したことは形式的にはわかるんですけれども、私ももうOBでしたからあえて申し上げさせていただいたのは、理屈はいい、でも考えてみてくれ、愛媛はこんなに困っている、アメリカはもう既に感染症、ライフサイエンスの重要性を認識して、獣医学部の大幅増員と新設に踏み切ってもいる、私はそのときは愛媛県知事として道州制推進論者でしたから、仮に四国州ができて、もう日本じゃ見込みがないといったら、アメリカの第五十一州に入れてもらって、ブランク区だと言ってすぐ獣医学部をつくってもらうよ、恥ずかしくないのかというような答えまでしました。でも、それは、私のは、情に訴えた話であると同時に、世界を見てくれ、日本がこれでいいのか、形式でと。

 でも、とにかく感じましたのは、十年間の間、既得権益擁護団体の強い働きかけ、それによって金縛りに遭い、岩盤がかたく固められ、それを役所の力では崩せない、しかも農水省も非協力的だったということは私もよくわかります。

 ただ、やはり大切なことは、今、国民がどんなことに困っているのか、国策として何をやるべきか、四国で感染症封じ込め対策に取り組むときに獣医学部は必要ないのか、そういった観点から、今、国が求めているもの、世界が求めているものを考えるのは、もうちょっと大きくなってほしいなという意味で苦言を呈しました。

 私も時々、後輩ですから、強い言葉を使います。これは私だからいいんだ、大阪府の橋下知事だったら文科省解体論を必ず唱えるぞ、そこまで言いましたけれども、事柄が成らなかった十年間、苦悩の悩みを、先ほど申し上げたように、八田委員を初めとする本当に戦略特区諮問会議の英明なる判断に今感謝しているところであります。

上田委員 次に、山本大臣にお伺いをいたしますが、獣医師会が作成したと言われている大臣との面談記録のことについてであります。

 このメモには、大臣が二〇一六年十一月十七日に獣医師会会長、同政治連盟委員長らと会談した折に、加計学園の名前を挙げて、それを前提として話をしたというふうに記載されております。

 一方、大臣は、先日会見をして違う発言をされておりまして、ここは食い違いがあるということであります。

 報道を見ますと、大臣がこう言ったんだと言っていることについて、獣医師会の会長もそれに近いというようなことをおっしゃっているようでありますし、さらに、その後、獣医師会側からも一校に絞ってくれというふうにその場で求めたと言っております。

 これらは、その後の政治連盟等の文書とも整合性がとれているんじゃないかというふうに思うんですが、改めて山本大臣に、この面談並びにその前後の経緯についての事実確認をお願いいたします。

山本(幸)国務大臣 私も、獣医師会の皆さん方等の理解を得ることは非常に大事なことだと思っておりまして、その意味で、十一月十七日に獣医師会会長の皆さん方と面談をさせていただきました。

 そのときの主な目的は、十一月九日に国家戦略特区諮問会議でいよいよ獣医学部の新設ということが決まったものですから、そのことについての御報告を申し上げて、そして、翌日から共同告示のためのパブリックコメントを開始することになりましたと、その報告を申し上げさせていただきまして、その点について、これまでの獣医師会の反対意見に対しては沿えないというところで、申しわけないことでありますけれども御理解願いたいというふうに発言したところであります。

 私は、そのときの目的は、獣医師会側のいろいろな御意見を賜るということが趣旨でありますので、基本的には、ずっと獣医師会の皆さん方から言われることをお聞きして、獣医師会の考え方をできるだけ理解しようというふうに努めて、私の方からはほとんど発言をしないで聞いておりました。

 ただ、その中で、獣医師会側の説明は、説明といいますか、いろいろな御意見は、四国の今治ということとの言いぶりでずっと対応されておりました。その意味で、この獣医師会側の対応ぶりと、私が最初に申し上げた特区諮問会議のことの報告とを若干混同したのではないかなというふうに思っているところであります。

 そして、そのときに、余りに今治、今治というようなことでありましたので、私からは、京都も手を挙げておりますので京都もあり得ますよと述べたところ、獣医師会側からは、進めるのであれば今治市だけにしてほしいというような発言もあったと記憶しているところでございます。

    〔委員長退席、葉梨委員長代理着席〕

上田委員 ありがとうございます。

 ちょっと時間も過ぎてまいりましたので少し省略をさせていただきますが、もう一度、ちょっと加戸参考人に御所見を伺いたいというふうに思います。

 今までここをずっとフォローしてきますと、今度のこの獣医学部の新設の問題というのは、地方自治体も特に四国における獣医師不足が深刻であるというふうに認識を持っていた。そして、地元の今治市もその誘致に非常に熱心に取り組んできた。学校法人も、いろいろな経緯を経て、積極的に取り組もうということで長年一緒に努力をしてきた。

 そして、実は、先ほどもお話が出たんですが、獣医学部というのは非常に人気があって、入学の希望者も高い。ある大学受験関係の出版社の資料によると、昨年は十五倍を超えている、これは国公立、私立を全部含めてですけれども、というようなことであります。

 そうなると、当事者は全てこの新設に前向き、賛成なのに、文部科学省が反対だとずっと進まない、こうした行政のあり方というのは余りにも独善的過ぎるんじゃないのかなという感じを受けます。

 先ほど加戸参考人も、解体論なんというような話まで出ましたけれども、まあ、そこまでは言わないまでも、文部科学省の幹部も経験をされ、そして県知事という地方自治のトップも経験をされまして、今こういう規制に対する行政のあり方というのはどうなのか、これでいいのか、その辺の御所見を伺いたいというふうに思います。

加戸参考人 この十年間で感じましたことは、いかに厳しい行政規制というのが、五十年たっても変わらない不合理さというものはある程度感じていても、そこから解き放たれないだけのいろいろな各省間の思惑、既得権益擁護団体の強いプレッシャー、あるいは政治的な圧力等々を考えながらやはり仕事を処理するということがこうなるのかなというのは正直見ておりました。その枠を超えて、役人が、国際潮流がどうだ、愛媛が、地域がどうだと言われても、ペーパーの上で仕事をしていると感じないことになってくるのかなと。

 そういう意味では、やはり役人も自分で自問自答しなきゃならないことじゃないかと思います。例えて言えば、今アメリカでは、リンカーン記念大学がテネシー州で、そしてミッドウエスタン州立大学がテキサス州で、そして間もなくアリゾナ州立大学がアリゾナ州で、獣医学部が空白地域にどんどんとできていっている。アメリカだからできるけれども、日本だってできなくはない。それは岩盤規制があるからできないだけじゃないのか。そういうもっと大きな見地から、希望を持ってチャレンジする後輩が出てきてほしいなと思うのがこの十年間の私の体験でありました。

 役人という縛りがありながら、しかし、あえてやはり国民に目を向け、世界の潮流に目を向ける勇敢な役人が、むしろ大臣に食ってかかって、直しましょうよと言うぐらいの気概を持ってほしいかなと思っておりますし、何かその逆の傾向というのはいかがなものかというのが正直な感想でございます。

上田委員 大変にありがとうございました。

 ここで、当初、八田参考人に特区ワーキンググループでの議論を確認したいというふうに考えていたんですけれども、先ほど詳細に御答弁をいただきましたので省略をさせていただきまして、最後に総理にお伺いしたいというふうに思います。

 今ずっとお話があったとおり、直接の関係者、地方自治体も学校法人も全て賛成をしている、そしてその必要性も認めている、しかし、所管する国の行政機関だけが、ワーキンググループで求められても明確な理由も説明せず、非常に慎重な立場をずっとやって規制改革がなかなか進まない。これほど所管省に絶対的な権限を与えるというのが本当に民主的な統治機構の中においてふさわしいのかどうか、私は大変疑問に思っております。

 そういう意味で、ぜひ、今回、この規制改革についても、そういった規制というのは、やはりつくられたときにはいろいろな経緯があります。それなりの背景があった。賛否両論も当然あります。しかし、それをずっとこまねいていては規制の改革は進まない、新しいチャンスは生まれてこないわけでありますので、こういった規制改革のあり方、それから日本の行政機関のあり方を、最後、総理に御所感を求めます。

    〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕

安倍内閣総理大臣 かたい岩盤、つまり既得権益というこの厚い壁に覆われた岩盤規制を改革していく上においては、規制を管理する省庁では大胆な改革はできないわけでございますので、民間人が入ったワーキンググループと内閣府がリーダーシップを持って改革を進めていくというのが、この国家戦略特区の仕組みでございます。

 先ほど加戸前知事からも御紹介がございましたが、いわば霞が関の常識が世界の非常識あるいは世間における非常識となってはならないわけでありますから、その意味において、外部の目を入れていく、外部の常識を入れていく、それがいわば、ワーキンググループ、民間有識者、専門家によってできているこのワーキンググループが、まさに、規制を所管している関係省庁としっかりと議論を進めながら、今回の改革においても公正なプロセスを踏んで行ってきたわけでございます。

 今後とも、こうしたオープンな議論を行っていく、そして適切なプロセスを踏んで進めていく、外部の目をしっかりと入れていく、こういう改革を前に進めていきたい、また、それでなければ改革は前に進んでいかないのではないか、このように考えております。

上田委員 以上で終わります。

浜田委員長 これにて上田君の質疑は終了いたしました。

 次に、大串博志君。

大串(博)委員 おはようございます。民進党の大串博志でございます。

 早速質問に入らせていただきたいと思います。

 まず冒頭に、先般の九州北部豪雨、大変な被害でございます。お悔やみとお見舞いを申し上げるとともに、全力での救助、救難、そして復興を果たしていかなければならないという思いの中で、我が党としても、先週木曜日の日に、我が党の災害対策本部の方から、総理官邸、官房長官に対して、災害対応、対策に関して万全を期してほしいという旨の提言書を出させていただきました。ぜひ政府におかれましては一刻も早く十全な対応をとっていただきたいということを、改めて申し上げさせていただきたいと思います。

 加えまして、先般来、東北、秋田等々におきましても、大変な豪雨災害が生じてございます。被害がこれから明らかになってくる、これに対しましても迅速に被害からの復旧復興を図っていただきたいと同時に、きょうは新潟から福島にかけても大雨ということでございますので、臨機応変、万全な対応をぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。

 これを申し上げた上で、さて、まずは加計学園等々の問題に関して議論させていただきたいと思います。

 きょうは、参考人の皆様にも多く来ていただき、ありがとうございます。

 一つ一つ事実関係を確認させていただきたいというふうに思いますが、まず、前川参考人に確認させていただきたいというふうに思います。

 先ほど来お話もありました、あるいは前回の連合審査のときにもお話がありました。背後に官邸がある、背後に官邸というものの存在があったということの関係の中で、和泉総理補佐官のことに対する言及がありました。

 ちょっと整理して、先ほど、新しい情報として、前川参考人が和泉総理補佐官から呼ばれたというのは九月九日であったという日にちの新しい言及もございましたので、先ほど時間帯に関する言及もございましたので、この辺に関してもう一度整理してお話しいただくのと、あともう一つは、十月の半ばにこれも和泉総理補佐官から呼ばれていらっしゃるということなので、これも日付等々も新しく情報としてわかるものがあれば、これは事実を解明していく上で極めて重要でございますので、前川参考人に御答弁いただきたいと思います。

前川参考人 お答え申し上げます。

 昨年の九月から十月にかけて、私、和泉補佐官のもとを数回訪れているわけでございます。その際に、国家戦略特区における獣医学部新設の件についてのお話がございましたし、また、同時並行的に別の問題も御注文がございまして、明治日本の産業革命遺産の、朝鮮半島出身者の強制的に労働させられたという経緯につきまして、情報センターをどこにつくるかという問題で、六本木の新美術館につくれないか、こういう打診がございまして、これもかなり厄介な話でございましたけれども、そういう話も同時進行しておりました。

 私の記録と記憶に基づきまして申し上げますと、獣医学部の新設の問題について、最初に和泉補佐官から呼び出しを受けましたのが昨年九月九日でございまして、和泉補佐官の官邸四階の執務室を訪ねましたのが九月九日のおおむね十五時ごろでございます。

 その際に、国家戦略特区における獣医学部の新設について、文部科学省の手続を早く進めよというお話がございまして、これについて、私は、これは今治の加計学園のことであるというふうに承知いたしました。その際に、和泉補佐官からは、このことは総理が自分の口からは言えないから自分がかわって言うのである、こういうお話がございました。私は、これは加計学園と総理との関係があれば確かにそういうことなのだろうと、総理が御自分の口からは言えないという事情はそこで納得したわけであります。

 この件につきまして、私は、その日のうちに、担当課である高等教育局専門教育課にこういった事実関係、事実を伝えておいたということでございまして、ただ、このことが大臣の意思決定に影響を与えるということは必ずしも好ましくないと私は思いまして、私自身からは大臣には御報告はしておりません。これをどう処理するかは担当局、担当課に任せたということでございます。

 また、同じ九月でございますけれども、九月二十九日の午後二時ごろ、十四時ごろ、これは私の方からアポイントをとって和泉補佐官のところを訪ねた記憶がございます。

 この日と申しますのは、九月二十六日に文部科学省の専門教育課の者が内閣府に呼び出されまして、平成三十年四月開学を大前提にして最短のスケジュールをつくれ、これは官邸の最高レベルが言っていることであるというような、いわば申し渡しを受けてきた後の話でございますけれども、私がこの話を担当課から説明を受けましたのは二十八日のことでございまして、その際に大臣の感触なども伺っておりました。大臣は非常に慎重でございましたし、なぜ三十年四月でなければならないのか、あるいは、党の手続にかけなくていいのか、こういったことについて大臣は大変御懸念があったということは、私、その時点で承知しておりました。

 そういったことを踏まえた上で、二十九日に、九日の日に私は和泉補佐官からいわば宿題を投げられた形でございましたので、宿題は一応は返さなければならないということで、二十九日の午後二時ごろでございますけれども、和泉補佐官のもとをお訪ねいたしまして、獣医学部の件につきましてはなかなか難しいです、引き続き検討します、こういったようなことを申し上げた記憶がございますし、あわせまして、先ほど、同時並行で抱えておりました、いわゆる徴用工、朝鮮半島出身者で、文化遺産の構成資産のもとで、例えば軍艦島といったところで働かされた朝鮮半島出身者についての情報センターをどこにつくるか、この問題につきましても、なかなかこれは新美術館につくるというのは難しい話でございましたので、なかなか難しいですということを申し上げた記憶がございます。

 さらに、十月になりまして、十月の十七日に、これは和泉補佐官から呼び出しを受けまして、おおむね午後の四時前後でございますけれども、和泉補佐官のやはり官邸四階の執務室をお訪ねいたしております。

 その際にも、和泉補佐官からは、国家戦略特区における獣医学部の件、早く進めてほしいというお話がございましたけれども、この時点においてもなお、文部科学省としては、はっきりとした方針は立てておりませんでした。

 と申しますのは、やはり、この加計学園の獣医学部、この時点では加計学園と決まっていたわけではございません、表向きはですね。しかし、暗黙の共通理解として、これは加計学園のことであるということは、文部科学省も内閣府ももう十分承知していた話でございまして、今治市からの具体的提案、これは、とりもなおさず加計学園の具体的提案でございますけれども、今治市からの具体的提案というものが九月二十一日の今治市分科会でも示されてはいたわけでございます。

 しかし、それが本当に国際水準のものであるのか、国家戦略特区が求めているような国際競争力の強化であるとか、あるいは国際拠点の形成といったことに資するものであるのか、さらには、「日本再興戦略」改訂二〇一五で示された四条件を本当に満たしているのか、従来の獣医師養成にはない構想が具体化していると言えるのか、あと、ライフサイエンスなど新しい分野での具体的需要があると言えるのか、さらに、既存の大学、学部では対応が困難だと言えるのか。そういった点について、文部科学省としては到底その確信を持てない、そういう状態でございましたし、その時点では、強力なライバルである京都府、京都産業大学が具体的な構想を持っているということも承知しておりましたので、これはなかなか結論は出せないという状況でございました。

 そういった状況を踏まえまして、十月十七日の時点では、やはり引き続き検討中ですという以上の答えはできなかったわけでございまして、和泉補佐官にはそのようなことを申し上げた記憶がございます。

 和泉補佐官と私との間で、昨年の九月から十月にかけましてやりとりがあったのは、以上のようなものでございます。

大串(博)委員 前川参考人、もう一つお尋ねしたいと思うんですけれども、この和泉補佐官との九月から十月における話がある前に、八月の下旬に、木曽内閣官房参与から訪問を受けられまして、この獣医学部の新設の件よろしくというふうに言われたということを先般答弁されました。

 そのときに、木曽内閣官房参与が八月の末に来られた、そして、時をあけずして、九月の頭に和泉総理補佐官からそういう話があった。これに関して、前川参考人は、何か連関性があるとか、何がしかの動きを感じるとか、あるいは加計学園に関する動きがあるとか、どういう印象をお持ちになったか、お聞かせいただきたいと思います。

前川参考人 木曽内閣官房参与であり、かつ加計学園理事、千葉科学大学学長、その三つの肩書をお持ちだったわけでございますけれども、その方の訪問を受けましたのが八月二十六日の十五時ごろでございます。

 これは、私は、文部科学省の事務次官室でお受けしたわけでございますけれども、その際に、いろいろなお話をされた中で、三十分ぐらいはいらっしゃいましたけれども、その中で、今治の獣医学部の新設についての手続を文部科学省として早く進めてほしいというお話がございまして、これは、御自身が、内閣官房参与ではありましたけれども、加計学園の理事でございますから、加計学園の獣医学部を早くつくってほしいという趣旨だというふうに受けとめました。

 その際に、木曽理事は、その進め方についても御示唆があったわけでありまして、文部科学省としては国家戦略特区諮問会議の決定に従えばいいのだ、文部科学省がどうのこうのと自分のところで判断して考えるという、責任を負うのではなくて、国家戦略特区諮問会議が決めたのだからそれに従うという形をとれば文部科学省の責任問題にはならない、こういった御示唆があったわけでございまして、国家戦略特区で、いわばトップダウンで決めればいい、こういう進め方についても御示唆があったということは、木曽理事は、事前に内閣官房ないしは内閣府との間で進め方についての御相談をしてきているのだろうというふうに私は思ったわけであります。

大串(博)委員 一連そういうふうな動きがあっての中での八月の末、そして九月の頭なんですけれども。

 ここで、和泉総理補佐官にお尋ねしますけれども、先ほど前川参考人から話のあった九月九日十五時における会合の内容、特に、総理の口からは言えないから自分から言うと言って、手続を早く進めるようにとおっしゃったこと、そして、九月二十九日ですかに、現状なかなか難しいという報告を前川参考人から受けられたこと、そして、十月十七日、再度、和泉さんが前川さんを呼び出して、再び、早くするべし、こういうことを言ったということ、これに関する事実関係に相違がないかどうか、和泉総理補佐官、お答えください。

和泉参考人 お答えします。

 先ほどの御答弁でも申し上げましたとおり、九月から十月にかけて、前川さんが私の部屋に来られたことは何度かあったと記憶しております。その上で、記録が残っていないものですから、どんな具体的なやりとりをしたかについては正直言って残っておりませんが、今回、参考人として出席するに当たり、当時のことを思い返してみますると、当時、私と前川さんがお話しするとしたら、獣医学部の新設の件か、今、前川さんもお触れになりましたが、明治日本の近代産業遺産の情報センターの設置の話だろう、こう思っています。

 先ほども言いましたとおり、私、二〇一二年九月まで、役人として地域活性化統合事務局長を務め、構造改革特区を担当しておりました。ちなみに、この場でも出ておりますけれども、細川政権で、この獣医学部の新設について、従来の自民党政権の対応不可が、速やかに検討に変わったときの事務局長でもございます。そういった意味において、なかなか岩盤規制の象徴であったこの問題が新しいスキームのもとで日の目を見るのかと、非常に感慨深い気持ちでございました。

 そこで、前川さん、知らない仲じゃございませんので、状況はどうですかということをお聞きしたことは事実でございます。日時はわからないんですけれども、九月に来ていただいたとき、十分前川さんはその中身を承知しておらなかったような感じだったので、これは先ほども言いましたように、次官として全体をフォローしていただきたいということをお願いしたと思います。

 加えて言うと、私は、補佐官として特区諮問会議に陪席しています。総理が常々、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持ってやるべしだ、こういったことをおっしゃっておりましたので、前川さんに対して、スピード感を持って取り組んでほしい、こういったことを言いました。ただ、これは、不当な圧力をかけるものでも、いわんや、行政を曲げて事を進めてほしいといった趣旨ではございません。

 その上で、先ほど前川さんおっしゃった、総理が自分の口から言えないからかわって私が言う、こういった表現は、仮にそういう極端な表現をしていれば私にも記憶がございますが、全く記憶がございませんし、したがって、言ってございません。そういったことでございます。

 その上で……(発言する者あり)よろしいですか。その上で、九月に来られたというのは、多分、前川さんも今おっしゃっていましたけれども、二番目の話題の明治日本の近代産業遺産の情報センター、これは決して徴用工問題だけじゃございません、八県十一市にまたがる二十を超える産業遺産、これに関する情報センターをつくるという話でございまして、当時、いろいろな場所の候補を検討しました。その中の一つの候補として、いわゆる新国立美術館の分館というのがございます。これは、新国立美術館そのものじゃなくて……(大串(博)委員「余り関係なければいいですよ」と呼ぶ)はい、わかりました。

 そういったものについてなかなか難しいと報告を受けましたが、その段階でも検討中、そしてまた、十月に来られたときにも検討中でございましたので、それで終わって、それ以降、前川さんとこの問題についてお話しすることもございませんでしたし、前川さんも、私のところに訪ねてくることもございませんでした。

 以上でございます。

大串(博)委員 いま一度、和泉総理補佐官に確認したいと思います。

 総理の口から言えないから自分が言うといった、そのものの発言じゃなくても、相手方がそうとるだろうと思われるような発言を九月九日の午後に前川参考人に対してしなかったのか、記憶がないのか、どちらなのか、はっきりしていただきたいと思います。

和泉参考人 しなかったと思っております。

大串(博)委員 これはそんなに遠い前の話じゃないんです。昨年九月です。一年より近い範囲の話なんですね。いろいろなことも今おっしゃろうとされましたけれども、もう一度お尋ねします。

 言わなかったんですか、それとも言った記憶がないんですか、明確にお答えください。

和泉参考人 記録に残っていないので、私の記憶に従って答えるしかないわけでございますが、言わなかったと思っています。

大串(博)委員 両者の言い分が相当違うんですね。

 先般、私、この連合審査のときに前川参考人に聞きましたときに、このような非常に重大な発言ですから、やはり軽々にされているんじゃないと私は思ったんです。ですから、仮に、真実を明らかにするために証人喚問という場で要請を受けたときには受けますかということを前川参考人にお尋ねしたとき、前川参考人は、要請があれば受けますというふうにおっしゃいました。これは国会の場ではっきりおっしゃいました。

 和泉総理補佐官にもお尋ねしたいと思います。

 今、両者の言い分が異なっております。ここはしかし、この加計学園問題に関して、総理そして官邸の関与がどの程度あったのか、どういうふうにあったのかを示す極めて重要な、コアをなすところでございます。絶対に明らかにしなければならない点であるので、ここで両者の言い分が食い違っているということは、説明責任を果たすことにはなりません。

 和泉総理補佐官におかれては、国会から証人喚問の要請があればこれを受けられるか。ぜひ受けてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

和泉参考人 これは国会が決めることでございますので、私はコメントしませんが、国会の決定には従います。

大串(博)委員 総理、総理にお尋ねしたいと思いますけれども、この問題、ずっとこの五月来、この二つの論点が、両者で発言が食い違っているがゆえに、このコアの部分が解決されていません。前川参考人と和泉参考人の発言が食い違う、そこで国民のもやもや感が残っている、こういう状況です。

 総理は先般来、繰り返し、国民に丁寧に説明をするということをおっしゃっていらっしゃいます。であれば、今、両者が、参考人招致じゃなくて証人喚問を受ける、つまり、偽証をすれば罪になるという場においてもその旨の発言をきちんとするというふうにおっしゃっています。(発言する者あり)ちょっと済みません、菅原先生、ちょっとやじをとめてもらえますか、申しわけないですけれども。

 両者が発言が食い違うことを証人喚問の場できちんと問いただしていく、これは絶対に必要だと思うんです。

 総理に、ぜひ自民党総裁としてこの証人喚問を認めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 国会の運営でございますから、まさにこれは国会がお決めになることであります。

 その上で申し上げれば、まさに公平公正であるべき行政がゆがめられたかどうかということを今議論をしているわけでございます。そして、委員会から御要請があった中において、松野大臣も山本大臣もそして私も出席をし、そして、和泉総理補佐官も藤原審議官も出席をさせていただいているところでございまして、誠意を持って真実を述べているわけでございます。

 そして、ただいま和泉補佐官も、この国会、予算委員会の参考人として、重要な、いわば責任を果たさなければならないとの思いで、証言、ここで自分の、今までの前川委員との関係においてもるる述べられたもの、こう思う次第でございます。

 いずれにせよ、我々は、国会から要請があれば誠意を持って丁寧に説明をさせていただきたい、このように思っております。

大串(博)委員 いや、私は、自民党総裁としてということをお尋ねしたんです。

 国会から要請があればということは、これまでも繰り返し、逃げ口上のようにこの場でおっしゃってこられましたけれども、先般、七月十三日の日、総理は、総裁としての立場として、この予算委員会、それまで自民党の国対委員長さんがこれは受けられないとおっしゃっていたものを、総理御自身が、恐らく自民党総裁としておっしゃったんだと思います、総理御自身がこの予算委員会を開く、出るというふうにおっしゃったから、これは開かれているんですよ。国対委員長の判断をちゃんと自民党総裁として覆して、自分の判断で国会運営をなされているじゃないですか。そういう前例もある、そういう立場にいらっしゃる、だから申し上げているんです。

 ここまで核心のお二人の答弁が食い違う、だから真実が明らかにならない。総理は繰り返し、説明責任を果たすとおっしゃっている。であれば、これまで国会のあり方を、この委員会を開くということを決められたのも総理なんだから、証人喚問を行うべしということを決断いただきたい、それが国民の皆さんに対して丁寧に説明する責任の果たし方だと思いますが、総理、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 今回のこの閉会中審査が開催される、そして私も出席をする、松野大臣も出席をする、また山本大臣も出席をして、そして和泉補佐官あるいは藤原審議官も出席をして開催するということにおいては、まさにこれは国会が、そして予算委員会においてお決めになったことでありますから、我々は政府として責任を果たしているところでございます。

大串(博)委員 いろいろな参考人が出られることは、ある意味、私は当然だと思います、いろいろな意見があるんだから。

 しかし、この議論を積み重ねてきた結果、議論を積み重ねてきたからこそ、まさに肝心のお二人の答弁が肝心のポイントで食い違っているという、まさに事実を解明する鍵はここだというところになっているわけですよ。だから、虚偽の答弁ができない証人喚問という場で行うべきだと申し上げているんです。

 そして、それを総理は決められる立場にあるわけです。総理は、証人喚問を行うということを決められる立場にあるわけですよ。かつ、自民党総裁として、これまで説明責任を果たすと総理としてもおっしゃってきた。だから申し上げているんです。

 ぜひ、総理、この場で、証人喚問を開くと自分の権限で言えるわけだから、ぜひ、この場で証人喚問を受けていただきたい。いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今、大串委員から、私の立場で、証人喚問の委員会を開くということを私の権限でできるという御指摘でございますが、お言葉でございますが、私は総理大臣、いわば行政府の長でございまして、委員会の運営については委員会において自主的に判断されるということは御承知のとおりであろうと思います。ですから、まさに国会においてお決めいただきたい、こう思うところでございます。

 もう一点申し上げれば、規制改革については、プロセスが適正でなければならないという意味において、民間人が入った諮問会議、あるいは専門家が入ったワーキンググループにおいて議論を重ねてきたところでありますが、しかし、省庁間の交渉においては、第三者が入っていないということにおいてこの食い違いが出ているということについては、反省点として考えていかなければならない、このように考えております。

大串(博)委員 聞いていない質問に答えないでください。

 そして、聞いている質問、閉会中審査で論点が出てきた、論点が出てきて、まさにここがポイントであるという両者の食い違いがある、そこを証人喚問する。恐らく、今、国民の皆さん、ここで決着してくれと皆さん思っていらっしゃいますよ。それをできるのは総理なんですよ。

 実際、総理は、この予算委員会を開くという決断を総理がしたんだから、だから、証人喚問をきちんとするということをぜひ決めていただきたい。これを決めない、今までと同じような逃げの答弁をされるというのは、説明責任を果たすという総理の言葉が余りに口だけだということを明らかにしていると私は思います。(発言する者あり)菅原さん、済みませんが、ちょっと静かにしていただけませんでしょうか。よろしくお願いします。

浜田委員長 一言申し上げます。ちょっと待ってください。質問をお待ちください。

 あくまでも委員会の決定は委員会の理事会において決定するわけでありますので、言い方を間違えないようにしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

大串(博)委員 言い方は間違えないようにしますが、この予算委員会に出るというふうに言って事が進み出したのはまさに総理のイニシアチブがあったからだと、私は感謝しているんです。だから、証人喚問に関しても、ぜひ総理のイニシアチブで前に動かしていただきたい。きょうそれをお約束されなかったのは極めて残念、極めて残念です。そのことは申し上げておきたいと思います。

 次に、加計学園の……(発言する者あり)はい。

 委員長、ぜひ、この証人喚問、お取り計らいをいただくようにお願いしますが、いかがでしょうか。

浜田委員長 理事会で協議をさせていただきます。

大串(博)委員 加計学園の問題に関して、これだけ大きな、いろいろなルートがあることを先般御説明しました。

 この中で、やはりもととなるのは、総理と加計学園、加計理事長との関係が疑念になっています。やはりみんなが疑念を持つのは、加計学園が五十年ぶりの獣医学部を新設できるという流れになるに至って、安倍総理と特別な関係にあったんじゃないかということなんです。

 第二次安倍政権になって、安倍総理と加計理事長、これだけ接触されています。これは、公になっているところからだけ引いているだけでも、これだけあります。十四回、食事、ゴルフです。二〇一三年が一回、二〇一四年が三回、二〇一五年が三回。そして去年、まさにこの加計学園問題の、獣医学部新設の問題が大きく動き出した去年においては七回。去年が圧倒的に多いんですよ。

 しかも、見てみますと、多いのは去年の七月以降。七月以降が六回と、まさにこの加計学園問題、先ほど、木曽内閣官房参与が前川さんのところに来られたのが八月の末です。そして、加計学園の加計理事長が松野大臣や山本大臣のところを訪ねられたのが九月の頭です。そして、和泉総理補佐官が発言をしたと言われるのが九月の頭。そして、官邸の最高レベルが言っているという文書が出たのが九月の末。まさに、夏から秋にかけて、国家戦略特区における獣医学部の新設の話がどっと進んだんですね。そこでこれだけの接触を、加計理事長と総理、やられているわけです。

 改めてお尋ねしますけれども、これらの話の中で一度も、一度も加計理事長との間で、先ほどは頼まれていないとおっしゃいましたけれども、加計理事長がこの獣医学部新設を願い出ていらっしゃるということが話題にも上らなかったんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 先ほど御答弁いたしましたように、加計さんとは政治家になるずっと前からの友人関係であります。しかし、彼が私の地位や立場を利用して何かをなし遂げようとすることは一度もなかったわけであります。

 彼はチャレンジ精神を持った人物であり、時代のニーズに合わせて新しい学部や学科の新設に挑戦していきたいという趣旨のお話は聞いたことがございます。しかし、今まで彼もさまざまな学部・学科をつくってきたわけでございますが、そういうことも含めて具体的に、何かを今つくろうとしている、ですから、今回でいえば、獣医学部をつくりたい、さらには今治市にといった話は一切ございませんでした。

大串(博)委員 加計理事長は一度も獣医学部をつくりたいということを、申請しているということを安倍総理に言わなかったということを今言われましたけれども、では総理は、この加計理事長、構造改革特区にも十数回、ずっとこの獣医学部新設の申請をされています。あるいは、二年前からは国家戦略特区に移行して申請をされています。

 総理は、加計理事長がこの獣医学部新設に対して、特区において申請をされているというふうに知られたのはいつですか。

安倍内閣総理大臣 構造改革特区について加計理事長は申請をしていたわけでございます。安倍政権においても四回申請をされ、民主党政権の最後に申請され、そしてその判断をしたのは、安倍政権であったものを入れると五回でございますが、五回とも我々は事実上認めていないわけでございます。

 そこで、この構造改革特区については説明がございますが、いわば事実上、十数通の申請がございますが、認めていないものでございますので、私はそのときに説明は受けていないものでございます。

 ですから、この加計学園の申請が正式に認められた国家戦略特区諮問会議において、私が知るところに至ったわけでございます。

大串(博)委員 正確にお答えください。いつですか。

安倍内閣総理大臣 これは、一月二十日に加計学園の申請が正式に決定したわけでございます。

大串(博)委員 もう一度お尋ねします。

 加計学園が申請しているということを、ことしの一月に、認められたときに初めて知ったということですか。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、私は知り得る立場にはあったわけでございますが、しかし、そのことについての具体的な説明は私にはなかったわけでございまして、知った時期については今申し上げたとおりでございます。

大串(博)委員 総理、本当に、加計理事長が獣医学部新設を申請していたということ自体を知ったのが一月の末だとおっしゃるんですか。私、ちょっとにわかには信じられないんですよ。

 といいますのは、去年の秋以降、国家戦略特別諮問会議、二十三回、二十四回、二十五回、これは総理が出席している会議ですよ。総理が出席している。その間にワーキンググループも開かれて、そこで各関係人からヒアリングもしているんですね。その結果も含めて、諮問会議で、総理も出たところで議論をされているんです。にわかに信じがたい。

 もう一度お答えください。いつ総理は、加計学園の理事長が申請しているかということを総理の頭の中で認知されたんですか。

安倍内閣総理大臣 先ほど答弁をさせていただいたところでございますが、いわば今回の申請は今治市ということでの議論になって、国家戦略特区はその議論でございまして、そこで、事業者はその段階で決まっていないわけでございます。その観点から、いわば先ほど申し上げましたとおりでございます。

大串(博)委員 申請を知ったのはいつですか、答えてください。

浜田委員長 山本担当大臣。(大串(博)委員「ちょっと待ってください。関係ない。総理の頭の中でいつ知ったかですから関係ないですよ」と呼ぶ)

山本(幸)国務大臣 申請は、自治体であります今治市が行っているわけであります。これは、国家戦略特区が始まって、それ以来、今治市がずっと申請をしております。そして、その上で、一月の四日に今治市で公募をしてもよろしいと、公募をするということを決めました。そして、公募をやって初めて加計学園がそれに応じてくるということで、そして最終的に、加計学園というのは、決まるのは一月二十日であります。(発言する者あり)

大串(博)委員 総理がいつ、加計さんが獣医師学部の新設を申請しているかを知ったか、総理の頭の中を聞いているわけですから、ぜひ総理、きちんと答えてください。

安倍内閣総理大臣 それは、いつ申請したのかというお伺いだと思って、今、山本大臣から、担当大臣からお答えをさせていただいたところでございますが、いわば申請を知ったということにつきましては、先ほど申し上げましたように、この一月の二十日の特区諮問会議でございます。

大串(博)委員 総理、極めて今のは真実じゃない答弁をされていると私は思いますよ。私は思います。

 なぜなら、先ほど申しましたように、昨年の九月から秋にかけて、国家戦略特区諮問会議、総理が議長ですよ、その場にいらっしゃるわけです。そこでいろいろな議論が行われているんです。例えば、九月十六日金曜日なんかは、事務方から、国家戦略特区を進めていく、獣医師学部の新設を進めていくという中で、総理からもそういった提案課題について検討を深めようというお話がある、こう書かれているんですよ。

 それまで、二つの申請主体があることはみんな知っているんです。総理だけが知らないなんてあり得ないですよ。真正の答弁をお願いします。

安倍内閣総理大臣 この国家戦略特区諮問会議においては、まさに国家戦略特区制度については、自治体がこれを申請するわけであります。

 そして、私がいつもそこで指示するのは、全体において、個々の自治体の申請ではなくて、個別の件ではなくて、全体において指示を常にするわけでございまして、そこがこのいわば国家戦略特区諮問会議及びワーキンググループの一つの特徴でございまして、国家戦略特区諮問会議においては、民間委員が入ってオープンな議論を行っていく。

 そして、ワーキンググループについては、民間の専門家によってこれは構成されているわけでございまして、そこの中身について私に報告がなされることは、これはないわけでありまして、私のところにかかわってくるのは、国家戦略特区諮問会議においてかかることについてのみ説明があるわけでございます。

大串(博)委員 当時の国家戦略特区諮問会議においても、例えば、先ほど申しましたように、総理からしっかりやるべきという話があったり、あるいは九月九日には、有識者メンバーから、残された課題として獣医学部の新設などと明らかに明確になっているんですよね。当時、申請しているのは二主体しかないわけですよ。それを全く総理が知らずに事を進めていたというのはちょっと考えづらいんです。

 このことはさらに検証させていただきたいと思いますが、なぜこれを私は疑っているかというと、これを見ていただきますように、去年の夏以降、七月以降、極端に加計理事長とのコンタクトがふえているんですよ。七月二十一日、これは山梨県の焼き肉屋ですね。二十二日がゴルフ場ですね。八月十日が、これが河口湖の居酒屋ですね。八月十一日は山中湖のゴルフ場ですね。十月二日は渋谷の焼き肉屋ですね。十二月二十四日は、まさに、写真でも出しました、悪巧みと言われた、フェイスブックに載っていたこの写真ですね。

 こういった、まさに去年の秋に加計学園問題が認定に向けて動いているところで総理がこれだけ会食をされているがゆえに、やはり何がしかのことがあるだろう、あっただろう、みんながそう思っているわけです。そこで、一月二十日まで全く知りませんでしたという答弁はあり得ないですよ。あり得ない。

 まさか、総理、これらの食事あるいはゴルフの料金は、総理がちゃんと持っていらっしゃるんでしょうね。お答えください。

安倍内閣総理大臣 私のプレー代は全て私が払っております。

大串(博)委員 食事代もそうですね。

安倍内閣総理大臣 食事代については、私がごちそうすることもありますし、先方が持つ場合もございます。しかし、それは、私が持つ場合も、これは当然あるわけでございます。

大串(博)委員 加計理事長から払われたということもあるわけですね。

安倍内閣総理大臣 今、にわかにはお答えできませんが、基本的に、大体、これは友人関係でありますから、割り勘で行っているときもありますし、私がごちそうすることも多々あるわけでございます。

大串(博)委員 きちんとお答えください。加計理事長から供応されたことも、お金を出されたこともあるんですね。

安倍内閣総理大臣 いわば、そこで何か頼まれてごちそうされたということは、これは一切ないわけであります。気の置けない友人関係でありますから、こちらがごちそうすることもあるし、先方もごちそうすることがあるというのは、今申し上げたとおりでございます。

大串(博)委員 今、支払いを受けたこともある旨の発言、発言といいますか、それも含めた発言がありましたけれども、国家公務員は、私も公務員をやっていましたけれども、権力関係にある方と食事とかしちゃいけないことになっているんですよ。国家公務員倫理規程というのがありまして、飯を食ってもいけないんです。

 総理は国家戦略特区の諮問会議の議長さんです。まさに、内閣府に、これを国家戦略特区として認めるかどうかの決定権限者なんですよ。そういう方々が、まさに申請をしている方々と一緒に食事をし、かつ、公務員だったら食事をしてもいけないんですよ、ゴルフしてもいけないんです。それを、食事はするわ、ゴルフはするわ、しかも多数回、しかも、まさにその案件がまさに動いているときにそういうことをし、かつ、お金も支払ってもらっていたとなると、これは大問題ですよ。だから、先ほど、一月二十日まで知らなかったとおっしゃっているんではないかと私は思っているわけです。

 これは極めて大きなことなので、私は、ぜひまたこの真相も解明させていただきたいと思いますが、この辺は加計孝太郎さんにも聞いてみたいと思うんです。加計さんは本当に総理に、私はこれを申請しているんですというふうに言っていらっしゃらないのか、聞いてみたいと思うんですね。

 なぜなら、加計さんは、去年の秋の時点で、この国家戦略特区の認定がおりるかどうか全くわからない中で、外目から見るとですよ、もう既に今治においてボーリング調査を始められていらっしゃいますね。そんなことができるのかということなんです。

 京都産業大学の皆さんが記者会見を先般されました。その中で、京都産業大学の皆さんは、三月末、三十年四月というのがどうしても日程的に合わなかった、それはなぜかというと、これは国家戦略特区と学校認可という二つのハードルがあるから、国家戦略特区に認められるかどうかのところまでわからないと、これはなかなか一歩進めることができないから、時間的に間に合わなかったと明らかにおっしゃっています。

 ところが、加計理事長はそれを軽々と乗り越えて、去年の十月にはボーリング調査を始め、いろいろな準備も始めていらっしゃいますね。山本大臣はオウンリスクとおっしゃっていましたけれども、加計理事長がなぜこのようなオウンリスクを負うことができたのか。どのようなリスクだったのか、どのような判断だったのか、財務的に、あるいは学校の運営的にどういうふうな判断だったのか、ぜひその点を明らかにしていただきたいと思うんです。

 総理、この点が、総理は説明責任を絶対に果たすというふうにおっしゃいました。この観点からすると、加計理事長にこの場に来ていただいてきちんと語ってもらうことが大事だと思われませんか。

安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げたことでありますが、国会の運営につきましては、国会で、委員会でお決めになることであります。

 同時に、その上で申し上げますと、今まさに問題になっておりますのは、私が行政に対して指示や働きかけを行ったかどうかということについては、私は正直にここでお話をさせていただいているとおりでございます。

 そして、公平公正でなければいけない行政の中において、行政がゆがめられたのかという問題でございますから、政府において、山本大臣も松野大臣も私も出席をさせていただき、そして和泉補佐官も、また藤原審議官も出席をさせていただき、正直に答弁させていただいているところでございます。

 先ほども和泉補佐官と前川前次官の証人喚問をということでございますが、まさに今この場に出席をさせていただいておりますので、当然この国会の場においては正直に答弁をするわけでございますから、ここで質疑も深めていただきたいと思うところでございます。

 それで、まさに今御質問のあった加計氏の証人喚問でございますか、証人喚問につきましては、これは国会でお決めいただきたい、このように思います。

大串(博)委員 その逃げ腰は一体何なんでしょうか。

 総理は、自分であれだけ国民に丁寧に説明すると、記者会見なり国会なりでおっしゃっているわけですよ。かつ、この国会、予算委員会を開くということを主導されたのも総理なんです。その立場にあられるにもかかわらず、加計学園の理事長にここに来てもらう、そして、先ほど話があったように、去年の秋にどうして、ボーリング調査も含めて、認定がおりるかどうかもわからないのに始められたか、ここを説明してもらうことは、今回の、国民の皆さんがぶわっと思っていらっしゃる疑惑の念を晴らすのに一番大切な点だと思うんですよ。

 そこをはっきりおっしゃらないというのは、いかにも説明責任を果たそうという言葉が逃げの一手であるということ、私は疑わざるを得ないというふうに思います。加計隠しそのものだというふうに思います。

 委員長、ぜひ、加計理事長のこの場への参考人招致、そして、私はできれば証人喚問ですらお願いしたいと思いますが、ぜひ理事会での取り扱いをお願いします。

浜田委員長 理事会で協議させていただきます。

大串(博)委員 総理、自分で指示したことはないとおっしゃっていますけれども、総理の補佐官、先ほど、関与のことが今疑問として上っています。あるいは、総理の秘書官などの動きも私は非常に懸念しているんです。

 といいますのは、一昨年四月に今治市が官邸を訪れた、これは記録が残っていないと言われていますけれども、一部の報道では、これに対応したのは当時の柳瀬総理大臣秘書官であったという報道がなされています。

 きょう柳瀬秘書官に来ていただいていますかね。柳瀬秘書官、当時どういう話だったのか、極めて重要な局面だったと思いますけれども、会議があったのか、どういう話だったのか、御答弁いただけたらと思います。

柳瀬参考人 今治市の、今先生御質問の点については、お会いした記憶は全くございません。

大串(博)委員 記憶がないということ、これが本当に説明責任を果たすことになるのか私は疑問です。

 といいますのは、これは今治にも愛知にも公文書として残っている、ただ、相手方があるからということで黒塗りにされているだけの話であって、これは公の利益のことを考えれば、どこかでこの情報は明らかにならなきゃならないんじゃないかというふうに思います。この点はぜひ明らかにしていただきたいと指摘させていただきたいというふうに思います。

 最後に、稲田防衛大臣の件に関して一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。

 私は、この件は大問題だと思います。稲田防衛大臣がしっかり防衛省をグリップしていないことのあらわれじゃないかというふうに思います。ましていわんや、私は、これだけ報道が出る以上、稲田防衛大臣が、二月の時点で陸自の中に資料が残っていたということはもう疑いのない事実であろうというふうに思うんです。特別監察を今受けてもらったところで、もともと特別防衛監察は大臣を対象とするものではありません。これは全く効果を発揮しないと思います。

 要は、私は、総理だと思うんです。総理が稲田大臣からしっかりとした事実聴取をされて、その上で、事実に基づいて、ここまで問題が大きくなっている以上、私は即刻罷免すべきだと思います。まさか、八月三日とも言われる内閣改造までこの問題を引っ張って、そして、何事もなかったかのように、内閣改造においてほかの方々と一緒に交代させて問題にふたをする、そんなことがあってはとてもならない。

 今、日本をめぐる安全保障の状況も大きく動いています。中国が領海に侵入してくる、こういったことも見られる中で、総理、この稲田防衛大臣に対して即刻これは罷免をする、このことをぜひお願いしたいのと、特別防衛監察が出た暁には安保委員会での閉会中審査を、筆頭理事間ではもう合意していますので、理事懇で合意していますから、ぜひそれを行っていただくよう、二点お願い申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 南スーダンの日報の情報公開をめぐる問題については、国民の皆様の疑念を解消するため、元高検検事長をトップに現役の検事も所属する防衛監察本部において、特別防衛監察を行っているところであります。独立性の高い立場から厳正かつ公正に徹底的な調査を行うことにより、早期に事実関係の全容解明を行い、説明責任を果たしていく考えであります。

 稲田大臣に対するさまざまな厳しい御指摘については、稲田大臣自身が、国会や記者会見の場において、説明責任を果たすべく努力をしてきたものと考えています。稲田大臣には、引き続き、日報問題について徹底的な調査を行い、改めるべき点があれば大臣の責任において徹底的に改善し、再発防止を図ることにより、その責任を果たしてもらいたいと考えております。

 もとより、閣僚の任命責任は、全て総理大臣たる私にあります。閣僚に対する厳しい御指摘については、私自身、真摯に受けとめなければならないと考えております。

 そして、国会の運営については、まさにこれは国会においてお決めいただければ、政府としては誠意を持って対応してまいるところでございます。

大串(博)委員 国会のことは国会で決めるとだけの答弁、極めて私は、疑惑は残り、深まるばかりということを申し上げさせていただいて、質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

浜田委員長 この際、今井雅人君から関連質疑の申し出があります。大串君の持ち時間の範囲内でこれを許します。今井雅人君。

今井委員 民進党の今井雅人でございます。

 通常国会が終わってから一カ月余りがたつんですけれども、この間に国会の外で安倍総理が驚くべき発言を幾つかされておりますので、まずそれをお伺いしたいと思いますが、まずは、七月の一日、都議選の最終日の秋葉原の発言です。

 いろいろおっしゃっていますが、みずからの演説をしているところに、もちろん賛成の人もいらっしゃる、そして安倍総理に批判的な方もいらっしゃる、この批判的な方の方に向かって、こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかないと。結果は負けちゃったわけですけれども。

 こんな人たち、こういう言い方は、総理は、国民全員を向いて政治をしなきゃいけない立場でありながら、こんな人たちと言って名指しをして批判するということは、これは今でも適切だったと思っていらっしゃいますか。

安倍内閣総理大臣 総理大臣として全ての国民に向かって政治を進めていくべきだという御指摘は、まさにそのとおりだと思っております。

 このときの状況をちょっと御説明させていただきますと、都議会議員選挙の最終日に、たくさんの方々が街頭に集まっていただいたわけであります。多くの方々は、私たちの演説に耳を傾けていただいたと思います。しかし、もちろん私に批判的な方々がおられるのは当然のことであろうと思います。

 ただ、その中で、大きなやじを、声を合わせてやじる方々がおられたことによって私の声が届かない、いわば選挙演説を妨害するような、こうしたことに対して負けるわけにはいかないということを述べたわけでございますが、これはしかし、私のこの発言は、私を批判する人たちを排除したり、そういう人たちに対して政治を行わない、そういう人たちに対しては一切私は目を向けないということではないわけでありますが、そうとられたのであれば、私の不徳のいたすところでございますし、大変残念でございます。

 今後も、政治家として真摯に私の考え方を伝えていく努力を重ねていきたいと思いますし、なるべく多くの方々に耳を傾けていただけるよう、そして多くの方々に賛同いただけるよう努力を重ねていきたい、そして、もちろん批判にも耳を傾けながら政治を行っていきたい、建設的な議論を行っていきたい、このように考えているところでございます。

今井委員 今、大きな声、やじが飛んで聞こえなかったとかとおっしゃっていますが、であれば、少し静かにしてくださいと言えばいいだけの話で、こんな人たちに負けるわけにはいかないという言い方は、やはり総理としては私は適切ではないと思いますよ。

 国民目線でと先ほどもおっしゃいました。ですから、ちょっと言い方はやはり適切ではなかったと私は思いますけれども、もう一度お願いしたいと思います。

 おっしゃっていることはよくわかりました。しかし、やはりこういう表現は私は総理として適切ではないと思います。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 その場におきましては、その場におられた方々は理解をしていただいている方が多いのではないかと思いますが、本当にたくさんの方々が集まっていただいたわけでありまして、多くの方々は本当に熱心に私たちの演説に耳を傾けていただいておりました。しかし、何人かの方々がシュプレヒコールをする。

 いわば選挙演説というのは、それぞれの主張を展開する、その主張を聞いた上で判断するものではないか、こう思うわけでございまして、私もそこで述べたように、私たちはこういうことはしませんよ、誰か人の演説会に乗り込んでいって、そこでみんなで大きな声でシュプレヒコールをしたり、やじを飛ばして演説をかき消すようなことはしないということを申し上げたわけでありまして、そういう思いで申し上げたわけでありまして、しかし……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願えませんか。

安倍内閣総理大臣 先ほどのように、一部の批判的な国民の方々には一切耳を傾けない、あるいは排除するかのように、そう受け取られたのであれば本当に私の不徳のいたすところだ、このように思っておりますし、しっかりとこれからも、批判に耳を傾けながら、建設的な議論を行い、より多くの方々に賛成していただけるように努力を重ねていきたい、このように思っております。

今井委員 私自身も、街頭演説をやっていて、物すごいやじを飛ばしたりされることはあります。しかし、こういう言い方をしたことはありません。うちの代表、うちの皆さんも恐らく、いろいろなところで批判されていると思いますけれども、そんな言い方はしていないと思いますよ。

 ですから、一国の総理なんですから、やはり言葉遣いはしっかり丁寧にやっていただきたい。今そういう御表明をされましたので、今後こういうことがないようにぜひしていただきたいと思います。

 次に、加計学園についてのことなんですけれども、六月二十四日の神戸市の講演で総理はこういうふうにおっしゃいました、中途半端な妥協が国民的な疑念を招く一因となった、速やかに全国展開を目指したい、地域に関係なく、二校でも三校でもどんどん獣医学部の新設を認めていく。

 まず、一番問題点は、総理は今まで、この国家戦略特区は、私は議長だけれども、私の意向というのはどこにも入りようがない、仕組みにも意向が入りようがないとおっしゃっています。六月五日の決算行政監視委員会、ここでこういうふうにおっしゃっていますね。この仕組みは、まさに私の意向というのは入りようがない、私がそこで勝手にいろいろなことを決められるんだったら、そもそも諮問会議の意味がないではないか、そうおっしゃっています。

 しかし、自分で、どういう内容、どういうところを選ぶか、どういう制度、仕組みにするか、それは決めるということにおいては同じですから、二校でも三校でもどんどん新設を認めていくというのは、そんなところを今までに協議されていないのに、総理が突然おっしゃったわけです。

 つまり、総理は、こういうことを議長としてやっていけるということをここで宣言していらっしゃるんじゃないんですか。自分で意向をこの国家戦略特区会議の中に入れることができるということをおっしゃっているんじゃないんですか。

安倍内閣総理大臣 特区で得た規制の特例措置について全国展開を目指すことは、閣議決定文書である特区基本方針において国家戦略特区の成果を全国に広げていくことが必要と定められておりまして、特区制度の本来的な仕組みであります。

 また、特区基本方針では、何らかの提案を受ければその実現に向け積極的に取り組んでいくと定められておりまして、意欲ある提案が出てくれば二校目、三校目も検討することは特区制度が本来予定していることでございまして、私の判断で二校目、三校目を認めていくということを述べたわけではございませんで、まさにこれは特区制度が本来予定しているところであります。

 実際に、特区ワーキンググループの民間有識者も、一校目でやればそれでいいなどとは全く考えておらず、当然二校目、三校目はすぐにやるべきだと最初からワーキンググループでは考えていたと述べているわけであります。

 私の神戸での発言はこうした特区制度の本来的な仕組みについて言及したものでありまして、具体的な検討は個別の提案が行われた段階で民間議員も参加する特区諮問会議やワーキンググループで行われるものでございますから、私の意向は入らないということであります。

 なお、特区の趣旨に照らして二校目、三校目を検討するとの考え方は、神戸で初めて申し上げたものではありません。去る六月五日の衆議院決算行政委員会で既に答弁しているなど、国会でも繰り返し申し上げてきたところでございます。

今井委員 この制度は、一校まず認めて、効果を検証して、その効果を検証した上で広げていくという話じゃないですか。今そういうことをおっしゃっていなくて、中途半端な妥協をしちゃったから、これから全部展開すればよかったということをおっしゃっているわけでしょう。意味が違いますよ。まず、国家戦略特区というのは、効果を検証して、その上で広げていくんじゃないですか。これは、そういうことも言わずに、妥協を最初にしてしまったから、もっと全部やればよかったということをおっしゃっているわけでしょう。(発言する者あり)いや、今後じゃないですよ。今回の話じゃないですか。

 やはり検証した上でやらなきゃいけないというのが、それがこの制度なんじゃないんですか。違うんですか。

安倍内閣総理大臣 ただいま申し上げましたとおり、この制度については、これは特区基本方針に書いてあるわけでありますが、何らかの提案を受ければその実現に向け積極的に取り組んでいく、こう定められているわけでありまして、意欲ある提案が出てくれば二校目、三校目も検討することは特区制度が本来予定しているところでございます。

今井委員 だから、効果を検証してということですね。それでよろしいですね。そういうことですか。

安倍内閣総理大臣 全国展開につきましてはその結果を見てということでありますが、一方、特区基本方針については、何らかの提案を受ければその実現に向け積極的に取り組んでいくということが書いてあるわけでございまして、全国展開ということとは別でございまして、提案があればいわば二校目、三校目について検討していくということになるわけであります。

今井委員 ですから、まず一校やって、効果を検証して、その後二校、三校ということは結構ですけれども、今回妥協してしまったので、もっとたくさんやればよかったとおっしゃっているから、それは自分でそういうふうに、もっと二校、三校とできたわけじゃないですか。

 だから、総理の議長の立場としてそういうふうに指示ができるということであれば、それは加計学園にしてくださいということを指示できないことはないわけで、制度的に入り込む余地がないというのは、これはおかしいですよ。私は、ここの時点で既にもう総理の、制度的に加計というふうに私が持っていけるはずがないという論拠は壊れている、崩れていると思いますよ。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 この特区について、あるいは改革項目の追加、事業者の選定につきましては、これはまさに、民間人の入った諮問会議、あるいは専門家が入っているワーキンググループにおいて検討がなされていくわけでございますし、そして事業者の選定におきましては、分科会において、山本大臣だけではなくて自治体の長、また文科省初め関係省庁や、あるいは文部科学省が推薦した専門家が入って議論をしていくわけでありまして、まさにオープンなプロセスの中で、私の指示は入りようがないわけであります。

 今私が述べましたのは、特区本来の姿として、今申し上げましたように特区基本方針では、何らか提案を受ければその実現に向け積極的に取り組んでいくと定められているわけでありまして、当然、意欲ある提案が出てくれば二校目、三校目も検討することは特区制度が本来予定しているところでございますし、特区制度本来の仕組みについては、先ほど申し上げましたように、六月の五日の衆議院決算行政委員会でも既に答弁している、そのことを神戸においてもう一度申し上げたところでございます。

今井委員 この日本語を見ていただければ、中途半端な妥協が国民的な疑念を招く一因となったと。つまり、今回、今治市、加計学園だけに認めたことが疑念の一因になったので、それをちょっと覆い隠すようにほかのところも認めればよかったね、そういうふうにしか読めませんよ、これは。そういうふうにしか読めませんよ。だって、中途半端な妥協を今回しちゃったと言っているんですから。

 中途半端な妥協って何ですか、そうしたら。

安倍内閣総理大臣 国家戦略特区の制度は、閣議決定をした特区基本方針の中で、国家戦略特区の成果を全国に広げていくことが必要、また提案があればその実現に向け積極的に取り組んでいくと定めておりまして、全国展開を目指すことや、数を限定することなく、意欲ある提案の実現に向けた検討を行うことを本来的に予定しているところであります。

 実際、特区ワーキンググループの民間有識者も、一校でやればそれでいいなどとは考えておらず、当然二校目、三校目はすぐにやるべきだと最初からワーキンググループでは考えていましたと述べています。

 そうした中において、特区制度全体の趣旨に照らせば、一校に限定することは中途半端な妥協ととられてもやむを得ないと考えたわけであります。その点を述べたところでございますが、しかしながら、今回の獣医学部新設は、強い慎重論がある中で、半世紀以上守られてきたかたい岩盤規制に風穴をあけることを優先し、まず一校に限り認めることとなったものであります。この判断は、改革が全く行われないよりも、改革を一歩でも前に進めるための改革の突破口であり、その意味では評価をしているところでございます。

今井委員 結局、成果の検証をやらずに、先ほどの答弁とどうつながっているか、よくわからなくなってしまいましたが。

 今回、一校だけにしたのが中途半端な妥協で、二校でも三校でも認めればよかったと今おっしゃったんですよ。ということは、総理は、二校でも三校でも認めるということを自分ができたということをおっしゃっているわけで、この中に自分の意向を入れることができたということをおっしゃっているわけですから、だから、この制度の中で総理の意向が入る余地はないということは、それはこの話からはおかしいということを申し上げておきたいと思います。

 ちなみに、この話は質問しませんけれども、京都産業大学がなぜ諦めたかということの一つの中に、教員なんですよ。今、獣医学部の教員は全国で六百数十人しかいない。七十二人、今回必要だと。一校それをやってしまったら、もう二校、三校なんて、教員が集められませんから、全国展開なんかできませんよ。教員が集まらないんですから。そういう実態をわからずにこういうことをおっしゃっているでしょう。どうやって全国展開するんですか、教員がいないのに。できるわけがないんですよ。

 総理、その認識はありましたか、このことを発言されたとき。

安倍内閣総理大臣 今私が申し上げましたのは、まさに特区制度本来の趣旨について、本来の仕組みについて申し上げたところでありまして、個別具体的にはそれぞれまさに諮問会議あるいはワーキンググループで議論していくことになるんだろうと思っております。

今井委員 個別だとおっしゃったので、つまり総理は、獣医学部の件というのは本来国家戦略特区にはなじまないということをおっしゃっているんですよ。だって、全国展開できないものがあるとおっしゃっているじゃないですか。

 そもそも国家戦略特区というのは、一回実証実験をやって、それを全国展開していくという制度でしょう。でも、獣医学部というのは、教員の制約もあって、それができないわけです。であれば、なぜ国家戦略特区でやるんですか。全国展開できないじゃないですか。

 それはそうでしょう。だって、全国展開できないものをわかっていて、どうしてこの制度の中に入れるのか私は全く理解ができませんが、まあいいです。次に行きます。

 先ほど柳瀬産業審議官、いらっしゃっていただいていますね、もう一回ちょっとお伺いしたいんですけれども、今回のこの加計問題を私はずっと座長で調査させてもらっていますが、前川前事務次官もおっしゃっているとおり、岩盤規制を破るか破らないかという問題ではなくて、選定のプロセスに恣意的なものがないかどうかということがポイントであるということでありますから、きょう、その観点についてこれから質問させていただきたいと思います。

 先ほど大串さんがちょっと触れましたけれども、これが今治市が提出している公開の資料です。中身は真っ黒なのでまだわからない部分もありますけれども、四月の二日に官邸の方に、今治市の企画課長と課長補佐が首相官邸を訪れています。

 課長クラスが首相官邸を訪問するというのは私は本当に余り聞いたことがないんですけれども、普通は内閣府の担当者に会わせてもらう程度で、わざわざ官邸に行くというのは本当にあり得ないと思うんですけれども、そのときの関係者が証言をしています。

 このとき面会をしたのは経産省出身の柳瀬唯夫首相秘書官、当時。柳瀬氏は今治市の担当者に、希望に沿えるような方向で進んでいますという趣旨の話をしています。おととしの四月ですね、この話をしているのは。面会の後、今治市では、ついにやったとお祝いムード、普通、陳情など、担当者レベルに会えればいい方、それが官邸に来てくれと言われ、安倍首相の名代である秘書官に会えた、びっくりですよ、絶対に誘致できる、さすが加計さんだ、総理にも話ができるんだと盛り上がったというふうに証言をしておられます。

 これは、黒塗りのものが取られればどなたに会ったかというのもはっきりするわけですけれども、もう一度お伺いします。

 この四月二日、柳瀬当時の首相秘書官は、今治市の課長と課長補佐にお会いになられましたか、そしてどんな話をされましたか。

柳瀬参考人 お会いした記憶はございません。

今井委員 では、会った可能性はあるということでよろしいですか。

柳瀬参考人 お会いした記憶はございません。

今井委員 もう一度確認します。私の質問に答えてください。

 記憶にないということは、会ったか会っていないか断定ができないということですね。

柳瀬参考人 記憶に本当にございません。

今井委員 では、もう一回お伺いします。

 記憶にないということは、会ったか会っていないかが定かではないということでよろしいですか。だから、会っている可能性は否定できないということですね。それでよろしいですか。

柳瀬参考人 覚えておりませんので、ちょっとこれ以上のことは申し上げようがございません。

今井委員 これは大事な部分なんですね。

 ちょっと後で紹介しようと思っていましたけれども、今回は、いろいろな証言とか文書とか、いろいろ出てきているんですね。私がさっと数えただけで十幾つあります。十個以上ありますよ。それに対して政府側は、記憶にないとか、そういう事実はないと。では、それに対してどういう文書があるんですか、ありませんと。そればかりですよ。

 片やちゃんと文書がきっちり残っていて、その真偽を聞いているのに、それは覚えていないとか、あるいは内容が正しいとは思えないとか、そういう発言しかないんですね。ファクトが大事なんですよ。ですから、国民の皆さんもよくわからないなとなるわけです。だって、いろいろな文書が出てきていますよね。それに対して、いやいや、違います、こういうことなんです、ここの、この文書を見てください、違うじゃないですかという説明を私は一度も受けたことがありません。

 もう一度お伺いします。

 お会いになった可能性はありますね。会っていないと断言はできないということですね。

柳瀬参考人 覚えてございませんので、ちょっと何とも言いようが。申しわけございません。(発言する者あり)

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 それでは、柳瀬参考人、もう一度答弁願います。

柳瀬参考人 お答え申し上げます。

 私、当時、秘書官、おととしの、二十五年の前半までやっておりましたけれども、当時、TPP、地球環境、成長戦略、研究開発、相当広範なところを担当しておりまして、相当多くの方々とお会いをしていたと思います。その中で、ちょっと、具体的にこの方とお会いしたかどうかの記憶が定かでないということでございます。

今井委員 丁寧に説明を。記憶にないというのが一番よくないんですよ。

 私も、政治家になる前に、政治家の人って記憶にないとか、役所の人も記憶にないとよくおっしゃるなと思っていたから、ここをはっきりしないとやはり国民の疑念が消えないので申し上げているんです。

 これはいずれ公開されるかもしれませんので伺っているんです、ここに書いてあるかもしれないから。

 ですから、会っている可能性も否定できないですねということ、そこだけ確認してください。言えない話じゃないでしょう。こんなところでとまると思わなかった。

柳瀬参考人 覚えてございませんので、会っていたとも会っていないとも申し上げようがございません。

今井委員 そうしたら、午後までに当日の官邸の入館記録を提出していただきたいと委員長にお願いしたいと思います、平成二十七年の四月二日の官邸の入館記録。

浜田委員長 理事会で協議します。

今井委員 あわせて、恐らく御自分で手帳、面会記録とかつけておられると思いますから、それも確認していただきたいと思いますので、お願いしたいと思います。よろしくお願いします。

浜田委員長 理事会で協議いたします。

今井委員 では、午後、そこはまた確認をさせていただきたいと思います。

 きょう、前川元事務次官がいらっしゃっているので、ちょっとお伺いしたいと思うんです。

 先日、京都産業大学が七月十五日に会見をされました。私学助成をもらっているところですから、なかなか言い方が微妙で、苦しそうだなと思って聞いていましたが、中でところどころ本音が漏れたと私は思っていまして、その幾つかを御紹介したいと思います。

 ことし一月四日の告示で平成三十年四月の設置になり、それに向けては準備が足らなかった、実験動物と感染症を中心に創薬に強いライフサイエンス系の獣医学部をつくる構想は自負していたが、開設の時期が私たちには十分じゃなかった、今回の平成三十年の開設は、本学にとっては予期していない期日で難しかった、昨年十月十七日にヒアリングがあり、それ以降、内閣府からの連絡はない、提案主体は京都府なのでそこに伝わる形だが、そういう動きも、京都府からも聞いていない、こういうことなんですね。

 つまり、平成三十年の四月になったことがネックになったというふうに言っているんですけれども、一方で、さまざまな、例えばいろいろなものがあります。

 これは文科省のファイルの中で確認されたんですけれども、今治市に向けて、今後のスケジュールというのがあって、こういう感じで進んでいきますよ、最後、平成三十年の四月が開学ですよ、こういうペーパーが出ています。そのほか、資料にもありますけれども、今治市の方で、想定スケジュールといって平成三十年四月というのもありますし、さまざまなところで今治市の方には、あるいは加計学園の方には平成三十年四月開学でいくというのが伝わっているというものが出てきています。しかし、京都産業大学にはことしの一月四日になるまで全く知らされていなかったというふうに京都産業大学はおっしゃっています。

 こういう両方とも、希望しているところに開学の時期というのは一番重要なわけです。そこを、片方には内々教え、片方には伝えてもいない。十七日に申請を出してから、それからコンタクトもしていない。こういう状況は、行政のあり方としてどうお考えになりますか。

前川参考人 今から考えれば、極めて不公平であったと思います。

 ただ、当時、九月二十六日の時点で、内閣府から文部科学省は、平成三十年四月開設を大前提に最短のスケジュールをつくれ、こういう指示をいただいていたわけでございます。それは官邸最高レベルの言っていることだ、こういうことも言われている。

 今御指摘のあったスケジュールはそのような求めに応じて文部科学省でつくったというものでございまして、この中にも今治市分科会についての記述がございますように、当然これは今治市における獣医学部の新設の問題であるということを前提につくったものでございまして、この時点で私どもとしては、この具体的なスケジュールをつくれと言われている中身は今治市の案件であるという認識を持っていたわけでございます。

今井委員 今、やはり不公平であったというふうにおっしゃっていました。

 それで、先ほどもちょっとお話ししましたが、少し表に出ているものを整理したんですけれども、まず、今治市長が、二〇一六年二月以降、後援会の関係者、市議会の関係者に、総理が動いてくれていると楽しそうにお話しされたそうです。私も一名の方に伺ってきました。

 それから、先ほど見ました今治市のスケジュール表、平成三十年四月開学、それと同時に、今治市から開示されているもので平成三十年のスケジュール表が出ているものが皆様のお手元に資料で渡してあります。

 それから、平成二十八年九月二十六日、これは国家戦略特別委員会ですけれども、このときに今治市の方は、内閣府においてもスピード感を持って進めようということをされております、内閣府主導でやっています、私どもとしては、最速で平成三十年の開学を目指して、内閣府におくれないようにスピード感を持って臨んでまいりたいということが書かれています。

 そして、九月二十六日、藤原内閣府審議官との打ち合わせという先ほど紹介があったものですけれども、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを共有していただきたい、これは官邸の最高レベルが言っていること。

 十月七日、萩生田副長官御発言概要、これは存在を認めてもらっていませんが、恐らくあるんだと思いますが、加計学園が誰も文句が言えないようなよい提案をできるかどうかだな、構想をブラッシュアップしなきゃいけない。萩生田副長官の御発言概要です。

 それから、平成二十八年十月二十一日、萩生田副長官の御発言概要、これは存在を確認していますが、総理は平成三十年四月開校とお尻を切っていた、何が問題か書き出してほしい、その上で、渡邊加計学園事務長を浅野課長のところに行かせる、加計学園にちゃんと説明をしてもらうようにするということが、さまざま出てきているんですね。

 こういうことを我が党の同志もずっと各委員会で、これはどうなんですか、これはどうなんですかということを質問してきました。そのたびに、いや、こういう事実はないとか内容が間違っているとか、いろいろなことを言われまして、では、それを示すもの、何か文書を見せていただきたいということを再三再四申し上げていますが、一つも出てきません、一つも。ただの一つも出てきません。

 こういう文書が出てきている中で、いや、私はそんなことは言っていないとか、そんなものがあったかどうか知らないとかと言って、それが反証になりますか、ちゃんと。国民の皆さんは信用しますかね。だから、この問題は何か怪しいというふうに思われているわけですよ。

 総理、やはりこれをきちっと、ある文書なり何が出てきているんですから、それを打ち消すものをきちっと出さないと、総理が関与していなかったということの証明はできませんよ。今の段階では、総理が関与してなかったと私は断言できないと思います。むしろ、出てきているいろいろなもろもろを読む限りは、これは総理が関与をしていたな、一定の関与をしていたなというふうに思わざるを得ません。いろいろなところに書いてある、総理の御意向ですとか書いてあるんですから。そういうふうに証言している人もいらっしゃるわけです。

 総理は、三月十三日に、もし働きかけて決めているのであれば責任をとるというふうに発言されています。

 このいろいろもろもろ出てきているものと政府の説明を聞いている限りは、私は、総理の関与というのはここでもうなかったというふうに断定はできない、むしろ疑惑は深まっているというふうに言わざるを得ないと思っているんですね。そのことは総理に説明責任があると私は思います。

 これは、きちっと説明できないのであれば、やはり総理は、自分もそうやっておっしゃったんですから、きちっと責任をとられるべきだと思いますよ。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 きょうは、まさに行政がゆがめられたかどうかということで、私も山本大臣も松野大臣も、そして和泉補佐官もまた藤原審議官も出席をさせていただいて説明させていただいているところでございますが、私から指示を受けていないということは、また私から働きかけを受けていないということも含めて、それぞれ、前川参考人も含めて、皆さんそれは否定しておられるわけであります。今の段階で、私から具体的に指示を受けたという方はいないわけであります。それは既に皆さん答弁をされているわけでございます。

 そして、この共同告示案によって平成三十年度開設するという文言が追加されたわけでありますが、共同告示案につきましては、これは国家戦略特区諮問会議にかかるものではございませんので、事前に私には説明はございませんでした。ですから、当然、私は何らの指示も働きかけも行っておりません。

 その上で申し上げれば、国家戦略特区は、閣議決定した文書である特区基本方針に定めるとおり、スピードを重視し、機動的運営を行っていくことを運用の原則としておりますし、私は、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めていくよう常々指示しております。この共同告示案は、この大方針に基づいて、山本大臣のリーダーシップのもとに、文部科学省と合意した上で作成されたものと考えておりますし、京都産業大学も先般の記者会見において、告示案が京産大外しの意図があったとは考えていない、また納得できない部分は特にないと述べているものと承知をしておりますし、また京都府知事の山田知事も、いわば愛媛県の加戸前知事のお話を伺っていれば、まさに情熱の違いという趣旨のことを述べられたもの、こう承知をしております。

今井委員 私が申し上げているのは、扱いの違いなんですよ。内閣府の方はわざわざメールも何度もやりとりして、これぐらいになりそうですとかいろいろなことを今治市と加計学園には話をしているんですね。正式に京都産業大学が申請したのは十月の十七日ですけれども、それ以降、内閣府さんから何も連絡がないと言っているんです。余りに冷たくないですか。

 片方にはとても丁寧に、スケジュール感はこうしましょうと相談していて、片方には連絡もしていないというんですよ。その違いは一体何なんでしょう。

浜田委員長 山本大臣、時間が来ておりますので、手短に願います。

山本(幸)国務大臣 私どもは京都府と随時連絡をとり合っております。

今井委員 いやいや、済みません、京都は記者会見で、十七日以降、内閣府からは何も連絡がないと言っていました。これは京都産業大学がうそをついているということでよろしいですか、会見でそうおっしゃっていますので。

山本(幸)国務大臣 京都産業大学がどういうふうに言っているか知りませんが、私どもは京都府と適宜連絡をとって、京都府の知事さんとか副知事さんとかそういう方とも話をしたりしております。

今井委員 時間が来ましたので午前中はこれで終わりますけれども、聞いていただいたように、今でも関係者の人の意見が全然違うわけですから、はっきり言って、この予算委員会で終わるわけにはいかないですよ。まだまだやらなきゃいけないことはありますから、二回でも三回でも六回でも十回でも開いていただきたいということを申し上げて、午前中は終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

浜田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。今井雅人君。

今井委員 民進党の今井雅人でございます。

 午前中に続いて質問させていただきますが、十二分しかありませんので、まだいろいろ聞きたいことがあるんですが、ちょっと今、私がもう一つ注目しているというか、これは問題なんじゃないかなということをここで問題提起させていただきたいと思います。それは、今回加計学園が建てる学校の建設費なんです。

 これを見ていただくと、この青のところは建設費なんですけれども、総額百九十五億円でありますが、これは坪単価で計算をすると、坪百五十万円ということです。私、専門家の方に伺いましたけれども、鉄骨づくりでこんな金額にはならないとおっしゃるんですね。

 ちなみに、国際医療福祉大学、こちらがやはり特区で医学部をつくるんですが、それがどれぐらいでできているかというのは、これは国際医療福祉大学に直接私が電話をして聞き取りをしました数字です、総額がそれぞれ、医学部と看護学部がありますけれども、単価のところを見ていただいたらわかるんですね。医学部の方でも一坪当たり八十七万円です。それから、看護学部の方でも七十九万円。約半額です。

 これほどのものに本当にお金がかかるかという問題なんですね。

 ちなみに、私、文科省に、設置審で当然これが議論されるんでしょうねと伺ったら、何と、衝撃だったんですけれども、下限は決まっているが上限はありませんと。ちなみに、これぐらいの規模のものですと三十四億一千万円ぐらいが大体下限、それより高い分には、幾ら高くても設置審では問題としませんという回答が返ってきました。

 ちなみに、この百九十五億円というのは、下限と言われているものの六倍です。

 それで、果たしてそんなにお金がかかるんだろうかと、いろいろこういう設計図みたいなものを見たんですが、ちょっとびっくりしたんですけれども、これは見えないと思いますが、これだけの校舎の中に研究室はこれだけしかないんです。研究と言われている施設が物すごく小さいんですね。果たして、この四条件を果たせるような研究所かすらも怪しい。しかも、それ以外のところは普通のつくりです。

 実は、これには今治市が半額、上限で九十六億円、公費を投じます。私学助成金という国費もいずれ入るわけです。これは実はとても大きな問題で、ひょっとしたら、これだけ高いというのは、何らかの水増しがあるかどうかということもやはりしっかりチェックをしなきゃいけないと思うんですね。

 ちなみに、この設計をしているのは、SID創研という加計グループのグループ会社です。つまり身内が設計しています。幾らやってもいいということなんですけれども。

 ちなみに、このSID創研というのは、そこも実はこども園を運営しています、ESG倉敷こども園。ここにまたなぜか昭恵さんが出てきておられまして、ここに来ても講演をされております。もちろん安倍昭恵さんは、御影インターナショナルこども園、加計学園の名誉園長さんでもあります。ここにもまたあらわれたかと、私は安倍昭恵さんのフェイスブックを見てちょっとびっくりしたんですが。

 さらに申し上げると、これの施工を受けているのはアイサワ工業というところと大本組です。アイサワ工業さんというのは、御存じだと思いますが、自民党の逢沢議員の親族会社ですね。いろいろな人が絡んでいるんです。

 今、今治市の方でも、この金額の妥当性について、住民にきちっと説明があったのかどうだろうかということが問題になりつつあります。

 これは下手をすれば森友学園と同じような状況になりかねないということを私は今危惧しておりまして、この金額の妥当性についてはしっかりとチェックをして、どこにも不正がないのかということを明らかにするべきだということを今強く感じております。

 このことを今どなたに聞いてもわかりません。このことをわかる方は加計孝太郎理事長しかおりません。加計さんはもちろんこの金額のことは、御自分の経営ですから御存じだと思いますので、ですから、きょう私は加計理事長にこの件についてお伺いしたいということで参考人で要求しましたが、いらしていただけませんでした。与党の反対で、いらしていただけませんでした。

 でも、これは本当に私は重要なことだと思います。正しければ正しいでいいんですが、しかし、これだけの客観的なものを見ると、どうしてこんなに高いんだろうと思わざるを得ません。

 ですから、委員長、ぜひこの問題もしっかり明らかにした方が、公費が入る問題ですから、加計理事長に国会に来ていただいて、この件についてもしっかり説明していただく機会をつくっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

浜田委員長 理事会で協議いたします。

今井委員 安倍昭恵さんの問題が出ましたので、ちょっと森友学園の問題にも少し触れさせていただきたいと思うんですね。

 今、籠池理事長は、さまざまな告訴を受けたりとかいう状況になっております。もちろん籠池理事長にもいろいろ非があるんだと思うんですけれども、籠池理事長はここに証人喚問でいらしていただいて、自分で、偽証罪になることも覚悟で、いろいろ説明をされました。

 その中で、安倍昭恵さんから百万円をもらったとかありましたね。それから、谷夫人付職員を通じていろいろなファクスのやりとりをしていて、昭恵夫人もこのことは御存じだったと言っていますが、もうあれから五、六カ月たっています。安倍昭恵さんは、一向にこの問題について説明をしていただいておりません。

 まだこの真相は解明されていないんですよ。先ほどの加計もそうですし、この森友学園の件も、なぜか安倍昭恵夫人が絡んでおられます。疑惑のあるところに安倍昭恵夫人ありと。(発言する者あり)いやいや、でも、実際そこにいらっしゃるわけで、こういうふうに森友学園のときも名誉園長をやっておられましたね。加計の方でも名誉園長をやったり、講演しておられたりしております。

 非常に親しい関係でおられますから、この問題を明らかにするためには、安倍昭恵さんもやはりこの場に来て、何が真実かわかりませんので、きちっと説明をしていただきたいと思うんですね。

 もちろん国会のことは国会が決めますので、総理、国会の方で安倍昭恵さんを参考人で呼んでお話を伺いたいということで合意しましたら、仮にした場合は、総理の方からも夫人の方に、しっかりそのことは説明するようにということで、ぜひお伝えをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 まさにこれは国会でお決めになることだと思います。国会でお決めいただければ当然誠意ある対応をとらなければならない、こう思っております。

 また、この件につきましては、しかし、夫人付のメールの件におきましても、妻のことも含めまして、私が国会で再三答弁させていただき、説明させていただいているとおりでございます。

 ただ、今井委員が今御指摘になったように、妻が名誉学長を一時期務めていたのは事実でありますので、国民の皆様から疑いの目が向けられることはもっともであろう、その観点が私の答弁においても至らない点があったということについては私も率直に認めなければならない、こう思っております。

 ただ、私も、妻のことについては国会の場において誠意を持って何回も説明させていただいているとおりでございます。

 いずれにせよ、国会でお決めになられたら従うことは当然のことであろうと思っております。

今井委員 では、委員長、この場で委員長の方に安倍昭恵夫人の証人喚問を要求したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

浜田委員長 理事会で協議させていただきます。

今井委員 あと三分ですので、最後、実は、きょう獣医師会の皆さんにいらしていただいて、お話をお伺いしようと思っておりました。直前まで出ていただけるということでありましたが、突然、出られないということで、山本大臣との会話のことをいろいろお伺いしようとしましたが、できませんので、ぜひまた次の機会をつくっていただいて、獣医師会の皆さんが都合がいいときに会を開いていただきたいということをお願いしながら、一点だけお伺いしたいと思います、大臣。

 ここに、今治のことをいろいろ説明してきたというのがありますが、その後、山本大臣は京都の話もしてきたということでありましたが、獣医師会の北村さんの話を伺うと、確かに、後で調べたら京都のことも書いてあると。そこにどう書いてあるかというと、ほっておくと京都などが続いてくる、そうならないようにするということを山本大臣から伺ったというふうに書いてあるそうです。ほっておくと京都などがついてくる、そうならないようにするから今治だけは認めろ、そういうふうにしか聞こえません、私は。

 ですから、確かに京都の話もあり得るということをお話しされていますけれども、これが事実だとすれば、今治を認めないんだったら京都とかそういうところも続いちゃうよということを言って、今治のことを何とか認めてくれと大臣がおっしゃっているように私には聞こえますが、いかがですか。

山本(幸)国務大臣 獣医師会に伺ったときは、私は、十一月九日の諮問会議の結果について説明をし、そしてパブリックコメントをやりますという御報告を申し上げました。それに対して獣医師会からいろいろな獣医師会側の考えを詳しくお話しされて、私はずっとじっと聞いていたというところであります。そして、それには、この資料が、お渡しさせていただいておりますけれども、ずっと今治の話ばかりでありましたので、そこで私は最後に、それが終わった後に、京都も手を挙げているので京都もあり得ますよというように申し上げたところであります。

 その言い回しがそんなふうな言い回しだったというふうには私は思いませんが、詳細に今記憶していないので何とも言えないところはありますが、ただ、十月十七日に京都から特区提案という事実を踏まえて、対象としては京都もあり得るということをはっきり申し上げたわけでありまして、獣医師会の関係者も、今治以外もあり得るということを明確に認識されたからこそ、その後、一校に限ることについての要請活動を行ったのではないかと考えております。

今井委員 時間が参りましたので玉木委員にバトンをタッチしたいと思いますけれども、きょういろいろ質疑させていただきましたが、わからないこともたくさんあるし、食い違っていることもたくさんあるし、記憶にないというのもたくさんあります。まだまだやはり追及しなきゃいけないことはたくさんありますので、閉会中ではございますが、しっかりと委員会を開いて真相の究明をさせていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

浜田委員長 この際、玉木雄一郎君から関連質疑の申し出があります。大串君の持ち時間の範囲内でこれを許します。玉木雄一郎君。

玉木委員 民進党の玉木雄一郎です。

 総理、内閣支持率が低下をしていますが、これはなぜ低下をしていると総理はお考えになりますか。

安倍内閣総理大臣 内閣支持率が低下していることについては、国民の声であると真摯に受けとめたい、このように思います。これはまさに、今ここで議論をしております獣医学部の新設の問題等についての私の答弁、説明の姿勢についての御批判もあるであろう、このように考えているところでございまして、率直にそれは認めなければならない、このように考えているところでございます。

玉木委員 答弁の姿勢ということでありました。

 私は、地元に帰っても、また、全国を回っていろいろな人の声を聞くと、総理、二つですよ。えこひいきと全省庁挙げた隠蔽体質、私、この二つではないかなと思うんですね。

 きょうは、総理が真摯に説明をするということで、各種選挙、都議会議員選挙、そして昨日の仙台市長選挙、こういったことも踏まえてきょう答弁にお立ちになっているんだと思いますけれども、午前中聞いていて、余り変わらないな、これまでと説明の丁寧さが変わらないなというのが正直な印象であります。そんなことはないというやじを与党席から飛ばさないでください。こういうこと自体が私は信頼を失っている大きな原因の一つになっているんだと思いますよ。

 ですから、先ほども今井議員からもありましたけれども、こんな人たちと言って、あんな人たちとこんな人たち、要は、こっち側とあっち側を分けて対立をあおっていくようなやり方自体、あるいは規制を所管する省庁を抵抗勢力だと名づけてとにかくそれを攻撃する、これは安倍政権だけではなくて、この間、私たちも含めて反省すべきところはあると思うんですが、そういった政治のありよう、体質、こういったことについてもやはり真摯に、私は見直すべきところは見直すべきだと思います。

 そこで、午前中の質問に関して幾つかよくわからないところがありましたので、まず一点、確認したいと思います。

 一番私が驚いたというか納得できないなと思ったのは、総理が加計学園の加計理事長と何度も何度も食事やゴルフをしているという話の中で、ことしの一月二十日になるまで申請していたことを知らなかったという話がありました。本当かなと思いますが、獣医学部をつくりたいという意思を加計学園が持っていたことは、もうずっとこれは総理も御存じだったと思うんですが、本当にことしの一月二十日になるまで、加計学園が、加計理事長が特区で獣医学部をつくりたいという意図を持っていたことも知らなかったということでよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 それはそのとおりでございます。

玉木委員 総理、午前中に小野寺議員から、構造改革特区でありますけれども、十五回、ずっとこれは構造改革特区で獣医学部の新設を加計学園が求めてきたと。全部これははねられたわけですね、構造改革特区では、民主党政権も含めて。第二次安倍政権になってからも、数え方にもよりますが、十五回のうち五回は実は第二次安倍政権ができてから構造改革特区で加計学園が獣医学部の新設を申請してきているんですよ。

 それでも総理、ことしの一月二十日になるまで、獣医学部をつくりたいという思いがあること自体も全く知らなかったということでよろしいんですか。もう一度。

安倍内閣総理大臣 これは午前中も答弁をさせていただいたところでございますが、構造改革特区につきましては、安倍政権になりまして五回、そのうち一回は野田政権で申請されて安倍政権で結論を出しているわけでございますが、この五回とも認めていないわけでありまして、いわば、数十の構造改革特区があるわけでございまして、多くの特区が認められていないわけでありまして、そのうちの一つでございますので、この件については説明を受けていないということでございます。

玉木委員 説明を受けていない。

 腹心の友と言われるお友達ですよね、総理。それは総理御自身もお認めになっていて、構造改革特区で獣医学部の申請を十五回やっている方と十何回ゴルフ、食事をして全くその話が出ないというのは、これはテレビをごらんの皆さんも本当かねと思っていると思いますよ。真摯な説明を本当に総理はされているのかなと思うんです。

 ちなみに、実は、昨年の九月九日に国家戦略特区諮問会議が開かれています。議長は総理です。総理もこのときは御出席をされています。麻生大臣はそのときは欠席で、副大臣が出席になっています。

 このときに何が議題になったかというと、これはいろいろ議題になっているんですが、残された岩盤規制改革の断行、重点六分野の推進ということが議論になっていまして、国家戦略特区、今後の進め方ということで、八田座長を初めとした人が文書を出しているわけですね。

 その中に、これからこういうことをやっていかなきゃいけないという中の六番目に獣医学部の新設が明記をされ、資料だけかなと思って議事録を読んでみましたら、明確に、この九月九日は総理出席の上で、八田さんから、例えば獣医学部の新設は人畜共通の病気が問題になっていることから極めて重要だと発言もあるわけですね。

 十五回も構造改革特区で申請をされておられるということ、そして去年の九月九日に総理が出席した会議で獣医学部の話がきちんとプレゼンテーションされている中で、ことしの一月二十日になるまで全くそういう意図が加計さんになかったなんというのは、これはにわかに信じられませんよね。

 総理、では、お約束をいただきたいのは、もし総理が、前から、加計理事長が獣医学部をつくりたい、特区でつくりたいという意図があったということ、そして、それを総理が知っていたということが何らかの形でわかったら、総理、責任をとって辞任されますか。

安倍内閣総理大臣 この問題については、私と加計氏が友人であったから、何らかの指示あるいは働きかけを行ったのだろうという議論でございました。

 しかし、第一次政権ができたときにも、先ほど加戸知事がお話をされたように今治市は働きかけを行っていたわけでありますが、全く対応していないわけでございます。そのときも私は加計氏とは友人でございます。また、第二次政権ができて、今、玉木委員がおっしゃったように五回申請しているわけでありますが、事実上、五回とも却下しているのが事実でございます。

 いずれにせよ、知っていようが知っていまいが、私は便宜を図るということはないわけでありますし、そして、この件につきましては、私は加計さんからは、新しい時代のニーズに応えて新しい学部や学科の新設にチャレンジしていきたいという気持ちはいつも持っているというお話、大体そうした趣旨の話は聞いたことがあります。しかし、また同時に、彼は、これまで友人関係である間にさまざまな学部を新設してきたわけでございますが、その際に、私に具体的に、こういうことをつくっていく、つくっていきたいという話をしたことは一回もないわけでありまして、もちろん、依頼をしたことは全くないわけであります。

 私はここで正直に申し上げており、その上において、総理大臣としての職責を今後も果たしていきたい、こう考えているところでございます。

玉木委員 今の答弁が偽りであれば責任をとられますか。

安倍内閣総理大臣 いつも私は、ここで御発言させていただくことについては、常に総理大臣として責任を持って答弁をさせていただいております。

玉木委員 責任を持って答弁されているのはそのとおりだと思います。今の答弁が虚偽答弁であったと後にわかった場合には責任をとられますか、そのことを聞いています。

安倍内閣総理大臣 これは、森友学園の問題について私がそういう趣旨の答弁をしたところでございますが、それによって本来政策の問題が議論される場が変化してしまったという批判は随分私は浴びたわけでございまして、いずれにせよ、私は、この場においては事実に基づいて正直にお話をさせていただいているところでございます。(発言する者あり)

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 安倍内閣総理大臣。

安倍内閣総理大臣 私は、常に、この国会において、総理大臣としての責任を持って答弁をさせていただいているわけであります。

 一方において、さきの発言について、軽々に自分の職をかける等の発言をすべきでないという御批判もありました。軽々に職責について言及する、いわば職を辞すかどうかということについて言及すべきではないという御批判もいただきました。ですから、その上で、今こうして誠意を持ってお答えをさせていただいているところでございます。

玉木委員 明言されない、明言できないんですね。今回、丁寧にお答えいただくということで、期待して質問をしておりますが、正直、誠実な御答弁をいただけていない。残念であります。

 総理、国家戦略特区の基本方針というのは御存じですか。その中に中立性等についての記述があることを総理は御存じでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今、その記述について、詳細については山本大臣からお答えをさせていただきたいと思いますが、いわば利益相反になることは、これは避けなければならないのは当然のことであろう、このように思います。

玉木委員 ここにあるように、運営に関するさまざまな規則が実は国家戦略特区というのは決められておりまして、その中に、「利害関係を有する議員については、当該事項の審議及び議決に参加させないことができる」と。そういうことによって、この審議の公平性かつ中立性を担保していくという仕組みになっているわけです。

 午前中も審議がありましたけれども、長年のお友達、そしてゴルフも食事も何度もやっているということで、総理は、実は、諮問会議の議長として、最終的に特区を認めるかどうかの立場にいるわけです。認める対象が長年のお友達で、そしてさまざまな関係がこの間ずっと言われてきているということからすると、総理は、より厳しくこの中立性、公平性について配慮すべきだったのではないんですか。こういうことをせずに、とにかく、いや、一月二十日まで知りませんでしたとかそういうことを言って、そういう疑いを持たれていること自体がだめなんですよ。

 公平性がこの特区においては、特区というのは、これまでの構造改革特区とも違って、国家戦略特区は本当にスペシャルに認めていくんです、トップダウンで。だからこそ、その半分強引な決定が公平かつ中立であり透明でなければならないということがより高く求められているんです。だから、こういういろいろな今指摘を受けて、そして十分なお答えがいただけないということ自体が私はこの国家戦略特区の基本方針あるいは制度の趣旨に反していると言わざるを得ないと思いますよ。

 もう一つ伺います。先ほど柳瀬元秘書官、きょうお越しいただいていますけれども、もう一回伺います。

 二〇一五年の四月二日、今治市の担当課長さん、課長補佐さん、官邸に来て話をした、会った。会っていますよね。先ほどお願いしたので、記録、その彼らの入館記録とともに御説明いただけますか。

柳瀬参考人 お答え申し上げます。

 午前中の御指摘も踏まえまして、記憶を整理してみました。

 当時、私、総理秘書官として国家戦略特区や成長戦略などを担当しておりました。私が秘書官をしていましたのは平成二十七年前半までですけれども、そのころは、そもそも獣医学部の新設をどうするかという制度論が議論をされておりまして、制度を具体的にどこに適用するかという話はまだなかったと記憶をしてございます。

 この関連で、内閣府の担当部局と何度か打ち合わせをした記憶はございます。私の記憶のある限りでは、今治市の方にお会いしたという記憶はございません。

 自分の担当することについていろいろな方々とお会いすることはありますけれども、秘書官時代に、自分の面談記録とか誰に会ったとかという記録は特にとってございませんでした。手帳も含めて、そういう、どなたにお会いしたとかというのは、一切、全く書いたことはございません。

 官邸の入館記録は、私わかりませんので、今の内閣の方に聞いていただかないと、私がお答えするのはちょっと場所が違うのかなと思います。

安倍内閣総理大臣 最初の、基本方針についても……(玉木委員「それはいいです、官邸の記録を」と呼ぶ)それはよろしいですか。

 今治市職員の方が誰と面会したかについては、既に萩生田副長官が国会で答弁しているとおり、記録が保存されておらず確認できなかったと承知をしております。

玉木委員 入館記録もないんですか。

安倍内閣総理大臣 これについては、萩生田副長官が、いわば入館記録に当たった結果、記録が保存されておらず確認できなかったということでございます。

玉木委員 日本の官邸、大丈夫ですか。セキュリティーの観点からも、誰が入ったかを事後的に確認できないような官邸のセキュリティー体制で本当に大丈夫なんですかね。

 記録も記憶も両方ない、これは極めて重要なんですよ。

 今、加計ありき、つまり加計学園だけを特別扱いして、総理のお友達だから、だから早目に、前もって、フライングしていろいろな特別な扱いをしたんじゃないかということがこの問題の本質ですよね。だから、二〇一五年、二年も前になりますけれども、その四月の段階から、内閣官房、いわば総理の側近、そういう方が市の職員と直接会っているなんという特別扱いがあったのかなかったのかは、加計学園、加計ありきかどうかを判断する重要な要素じゃないですか。

 その大事なことについて、すぱっと説明すれば全部これは氷解して国民も納得するのに、記憶も記録もない、こういうことを繰り返すから今のような状況になっているんじゃないですか、総理。

 では、形を変えて聞きましょう。

 柳瀬秘書官当時から、二〇一五年四月二日に今治市の職員と、今治市の側の記録には官邸に行ったということが残っていますね。これは総理の認識を問いたいと思います。二〇一五年四月に、柳瀬秘書官から、今治市から説明がありましたという報告を受けましたか。

安倍内閣総理大臣 柳瀬秘書官はさまざまな任務が与えられており、その任務を日々こなしているわけでございますが、柳瀬秘書官が今治市の市の職員と会ったということを私に報告したことはございません。

玉木委員 柳瀬元秘書官は、それを総理に報告したということはないわけですね。その記憶はありますか。

柳瀬参考人 全くそのような記憶はございません。報告をした記憶は全くございません。

玉木委員 報告していないのではなくて、報告した記憶がないということですね。いずれにしても、記憶の問題だということですね。

 結局、総理、これはなぜこんなにこじれているかというと、総理の関与があったのではないか、総理周辺の関与があったのではないかということを示唆する、裏づけるような資料は出てくるわけですね。そうじゃないという人の記録、記憶はない。そういう記録や記憶がない方の方が、記憶のある方を怪文書だと呼ぶんですよ。こういうことが、私、この問題をいつまでたっても、多分、きょうやったってこれは同じですよ。国民の疑念は深まる一方だと思いますよ、何も出てこないわけですから。

 これでは全く納得できないのと、それと、先ほど少し自民党の小野寺委員からありましたけれども、民主党政権のときにあたかも枝野さんがこの加計学園に関与したかのような印象を与えるような発言がありましたけれども、これは全く、当時枝野大臣は、ゼロベースで見直せという指示はしたけれども、加計学園個別の話はしたことがないということで、これは印象操作だという話を申し上げておきたいと思います、理事会でも話があると思いますが。

 もう一つ、これは前川参考人にも、以前、我が党の緒方委員の質問に答えていただいたと思いますが、五十年間獣医学部の設置が認められなかったとよく言われますね。しかし、その規制がどうだったのかということを細かく見ると、現在の準則主義を原則とした上で特定の分野に関して量的規制を入れるというのは実は小泉政権で導入していますよね、これは余り知られていませんけれども。それ以前は、レッセフェールの時代もあったりして、子供の数もふえていましたから自由な時代もあって、そのときでも実はつくられていないんですよ。

 よく告示が問題になりますけれども、これは二〇〇三年、平成十五年につくられた規制だということで、その点は間違いないですか。少し確認したいんです。

前川参考人 この点は文部科学省からお聞きいただく方がいいと思いますけれども、おっしゃるとおり、平成十五年、二〇〇三年に告示化したものでございます。それ以前は、設置審議会の内規の形で計画養成についての規制をしていたということでございますが、現在においては、医師、歯科医師、獣医師及び船舶職員について、学部新増設あるいは定員増についての抑制をしているということでございまして、これ自体については、規制緩和等の問題として議論するに足る問題ではあると思います。

 医師、歯科医師も含めて学部新設を、全部撤廃するのかしないのか、こういう議論はあり得るとは思いますけれども、今現在のポリシーとして、そういったものについては、平成十五年度以降、告示の形で抑制している、これは事実でございます。

玉木委員 ありがとうございます。

 印象操作のようなことが行われているのは残念であります。事実を一つ一つ確認しながら議論を進めていくべきだと思いますね。

 今回も、午前中も聞いていまして、加戸前愛媛県知事あるいは八田参考人の話も聞いていまして、ちょっと議論がずらされていると思います。

 私たちも、岩盤規制に穴をあけることとか特区で獣医学部を新設することはやったらいいと思います。賛成です。ただ、今回問題になっているのは、岩盤規制に穴をあけたことではなくて、その穴を総理のお友達しか通れないんじゃないかというところが問題なんですよ。

 だから、何か規制改革そのものに反対していておかしいというようなことで議論を持っていこうとしていますけれども、規制改革はやったらいいんですよ。ただ、ある条件をつけて規制改革をするということを決めたら、その条件を満たしているかどうかを客観的にきちんと検証して、それを満たしたら、総理のお友達であろうが何であろうが通ればいいんです。満たしていなければ、何があっても通してはだめなんですね。

 その上では、これはずっと出ていますけれども、いわゆる二〇一五年の、当時石破大臣のときに決めた、石破大臣が決めたと言うと申しわけないんですが、これは安倍内閣の閣議決定ですから、石破四条件というよりも安倍四条件ですよね、石破先生。うなずいていただきましたので。

 改めて、どういうことを書いているかというと、特区は認めましょうと。獣医学部の新設は、その意味では文科省も認めたんです。我々の民主党政権も含めて、少しずつ前に進めてきて、ここまでたどり着いた。これは高く評価しますよ、総理。

 ただ、こういう条件をつけてきちんと丁寧にやりましょうよというのが、既存の獣医師養成ではないということ、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき具体的需要が明らかになって、かつ、既存の大学、学部では対応困難な場合には、近年の獣医師の需要動向も考慮しながら、全国的見地から本年度内に検討を行う、すばらしいですね。

 何か、これを決めたのが、献金をもらった石破大臣が抵抗勢力の声を聞いて決めたみたいなことがありますけれども、私はそんなことは全くないと思いますよ。全くないと思います。ただ、自民党がそういう産経新聞の記事を全国の支部に配っているというのはどういうことなんだと。石破前大臣が気の毒だなと思わざるを得ませんね。

 それで、伺います。

 これに合っているかどうかという原点に戻りましょう。幾つか聞きたいのですが、時間がないので一つだけ聞きます。既存の大学、学部では対応困難な場合ということですね。シンプルな質問をします。既存の大学、学部ではこの構想ができないんだということを既存の十六大学に確認しましたか、しませんか。

山本(幸)国務大臣 獣医学部の新設は五十年以上の間申請すら受け付けない告示が定められたわけでありまして、とりわけ困難な規制改革事項である。既存の十六大学は、新たな獣医学部の申請すら認めないとする現行規制のおかげで大学間競争にさらされぬため、新たな競争相手の登場について消極的になるのは当然であります。

 このように規制のメリットを受けている当事者を相手方として規制改革の可能性を尋ねても中立性を欠くおそれがあると考えております。(玉木委員「答えていない。聞いたか聞かないか。もう一回。何で答えてくれないの」と呼ぶ)

浜田委員長 大臣、もう一回。

山本(幸)国務大臣 規制のメリットを受けている当事者を相手方として規制改革の可能性を尋ねても中立性を欠くおそれがありますので、聞いておりません。

玉木委員 ちょっと今耳を疑ったんですけれども、安倍内閣の閣議決定ですよ。規制改革を進めて、特区で獣医学部を認めよう、これは私も賛成ですよ。ただし、この閣議決定で決めた要件を満たしましょうと。

 総理、内閣法六条、御存じですよね。見たことないですか。意識したこともない。何と書いているか。内閣総理大臣は、閣議決定にかけた方針に従って、行政各部を指揮監督すると。つまり、内閣総理大臣であっても閣議決定には縛られるんです。

 別に民主党政権で決めたものじゃないんですよ、これは。安倍政権で決めたから聞いているんですよ。一番シンプルなもの、三番目、今ある十六の大学ではできないものを持ってきたら、それはさすがに新しいことだから認めましょうということを安倍内閣で決めたんですよ。

 今驚いたのは、山本大臣に聞いたら、これを決める際に、今に至るまで既存の十六大学に確認もしていないんですね。その理由が、規制のメリットを受けている側に聞くのは意味がない、そういう今答弁をされましたけれども、ちょっとひどくないですか。既存の十六大学というのは規制のメリットをぬくぬくと享受している人たちなんですか、東京大学も北海道大学も。

 それで、私、ちょっとこれは与党側に抗議を申し上げたいんです。

 ここの場に来て、私はプロじゃないから、獣医大学十六大学の代表者である全国獣医学関係代表者協議会会長の稲葉先生という方がいらっしゃいます。北海道大学の教授です。その稲葉先生に電話をして、参考人で来ていただけますかとお願いしたら、喜んで行きます、きちんと話しますと言ったんです。そうしたら、与党の理事が拒否をして、きょうここにお越しいただけないんですよ。

 何で聞かないんですか。閣議決定に合致しているかどうかをこの国民がみんな見ている場で確認したい、それは十六大学に聞くのが一番わかりやすいですよ。ライフサイエンスとか創薬の分野とか、そういったことは、個別に聞いたら、いや、うちはちゃんとやっていますよと。そういうことをおっしゃっているので、来てください、本人もオーケー。しかし、与党が拒否して参考人に来ていただけないんですよ。どこが丁寧に説明する姿勢なんですか、総理。

 それで……(発言する者あり)需給じゃないですよ、需給の話は四。

 委員長、与党の筆頭理事がやじをして、質問ができません。静かにするように御指導いただけませんか、委員長。まあ、今やじを聞いていて、やじには応えませんけれども、間違った理由で拒否されたということがよくわかりました。

 しかし、皆さん、ちゃんと四条件を満たしたら獣医学部をつくったらいいんですよ、これは。私も四国の出身だから、この要件を満たす大学が四国にできたら喜ばしいと思います、地域活性化にもつながるから。だから、この四つの条件を本当に満たしているのかどうかということを、きちんと説明責任を果たしてもらいたいんですよ。なのに、既存の大学に聞いたことがない。

 総理、伺います。

 この四つの条件があって、既存の大学では対応困難だから、既存の大学に聞いたらいいなと思うんだけれども、それもやっていない。そして、きょう、こうして全国獣医学関係代表者協議会の稲葉会長を、来ていただきたいと思っても、それを与党が拒否する。これで丁寧な説明ができていると思いますか、総理。(発言する者あり)

浜田委員長 静かに。

安倍内閣総理大臣 その北海道大学の先生が参考人としてという話は、今、私は初めて聞いたわけでございます。それは、つまり、委員会において、運営は委員会でお決めになることだろう、こう思う次第でございます。

 そこで、今、この四条件についてお話がございました。

 確かにこれは安倍政権で閣議決定したものでありますし、閣議決定にのっとって行政が適切に政治を進めていく、政策を進めていくことは当然のことであろう、こう考えています。

 今回のプロセスは、規制改革項目の追加、そして事業者の選定のいずれについても、御指摘の四項目も当然踏まえた上で、民間有識者も加わった特区諮問会議やワーキンググループが主導して適正に行われてきました。そして、その際、節目節目で、農林水産大臣や文部科学大臣も会議に出席するなど、関係大臣の間に異論がないことを確認して、合意の上で、関係法令に基づき実施してきたものと理解をしておりますし、このように法令にのっとり一貫してオープンなプロセスで進められる中で、これは全て議事録もオープンになっているわけでありまして、関係大臣が合意のもと、四項目の充足は確認されております。その選定のプロセスについては、民間有識者も、一点の曇りもないと述べられていると承知をしております。

 そこで、これを具体的に、この四条件に当たっては、山本大臣にもし御下問があれば、詳細については山本大臣からお答えをさせていただきたい。基本的には、今申し上げましたように、四条件も踏まえて、オープンで適切なプロセスを経て、そして関係大臣からも異論がなく決定されたものと私は承知をしております。

玉木委員 いや、全く、議事録を読んでも、既存の大学でできないという証明なんか、どこでもされていないんですよ。全くされていないんですよ。

 それで、言うに事欠いて、二〇一五年中に検討となっているから、二〇一五年度中には文科省から反論がなかったから、もうそこでアウト、ゲームセット、終わりとかと言って、挙証責任を何か転換するような形で、だめだみたいなことを言っているんですが、では、これは二〇一五年度内だから、二〇一六年三月三十一日、そこでもう終わっているわけですよね、勝負は。基本的には、山本大臣の答弁によると。

 では、伺います。

 このときは、二〇一五年度末というのは石破大臣です。そうすると、石破大臣時代に、もうこのことはゲームセットで終わっていて、大臣は多分、もう本当に大臣に聞きたいんだけれども、今ここに二人相まみえていますけれども……(発言する者あり)まみえていないか。要は、それでもう二〇一五年度末で勝負が終わっているとしたら、石破大臣から山本大臣に大臣引き継ぎをしたときに、もうこの件については勝負がついて終わっているから、あとはいろいろな手続を進めるだけだよというような引き継ぎをしているはずなんですけれども、そういう引き継ぎは受けましたか。

山本(幸)国務大臣 引き継ぎではそういうお話はなかったわけでありますが、先ほどからお話がありましたように、我々は閣議決定を守らなきゃいけないわけであります。まさに守っていないのが、その昨年の三月三十一日までに結論を出すということができていなかったということでありまして、これはやはり問題であります。

 したがって、その点については、民間有識者から、なぜ早くできないのかと再三の催促が文科省に対して行われて、しかし、そこはなかなか答えが出ないということで、結局、延長戦という形で、九月十六日のワーキンググループの話になります。

 そこで、ワーキンググループで、文科省の方で、先ほど挙証責任の転換と言われましたけれども、全く逆であります。これは何度も申し上げておりますが、これも閣議決定です。国家戦略特区の基本方針として、規制改革はできないということであれば、その正当な理由を説明するのは規制監督省庁にあるわけでありまして、それがまさに挙証責任を持つところであります。したがって、我々がやらなきゃいけないというのは逆でありまして、挙証責任の転換と言ったのは反対です。

 それから、九月十六日にやりまして、そういう四条件のところについてぎりぎり詰めていったときに、新しい分野について、では、どういう需給で、現状で足りるというようなことが言えるんですかと聞いたところ、文科省は返事が出なかったわけでありまして、そこで最終的に、これは文科省としては認めざるを得ないというふうになったと理解しております。

 それから、四条件がきちっと認められているかどうかについては、これは最終的には……(発言する者あり)

浜田委員長 大臣、簡潔に願います。

山本(幸)国務大臣 まさに公募をして、手を挙げた、加計学園が手を挙げてきて、一月十二日に、これは文科省が推薦した獣医学の専門家の先生二人、踏まえて、要件に適合しているかどうかについてきちっと検討いたしまして、四条件も当然満たしているし、立派なものであるというようになっております。これは議事録にちゃんと出ております。

玉木委員 重要な答弁をいただきました。三月三十一日で議論が終わったなんという引き継ぎは全く受けていないということが明らかになりました。苦し紛れにおかしな挙証責任転換論を出してこざるを得なくなっている。(発言する者あり)いや、だって、素直に一つ一つ四条件を満たしていることを証明すればいいじゃないですか。そんなことを全くしていないわけですよね。

 では、ちょっと、いろいろなことが全部資料に残っていると言いましたので、聞きますが、加計学園と京産大をきちんと比較検討したということを大臣はおっしゃいましたけれども、その記録が残っていないということもあわせて答弁いただいています。そんな大事なことを何で記録に残さなかったんですか。記録に残さない理由を教えてください。

山本(幸)国務大臣 この点は、一校に絞るということで、十二月の二十二日に文科大臣、農水大臣と御相談して、三大臣合意に至りました。そこで一校に絞るということになって、それから一月四日の公募を始めるわけでありますので、その点について決めなきゃいけません。

 その際に、今治から提案されているものと、それから京都から提案されているものを、それぞれの提案書を比較しながら決め、そして、今治市の方が、先生の数とか、先生を確保しているとか、あるいは地域との関係とか資金計画とかそういうことを、熟度が高いということでそちらの方に決めたわけでありまして、その点は提案書を両方比較しておりまして、その点についての議事録というのはありません。

玉木委員 いや、私、特区で獣医学部をつくったらいいんですよ、ただ、決められた条件は満たしましょう、同じように応募してきた人は公平に平等に審査をして、よりいいものを選びましょう、条件を満たしたことをちゃんとチェックしましょう、それができているかどうかを説明してくださいと言っているだけなんですよ。そうしたら、記録がない、記憶もない。

 記録がない。なぜ記録をとっていないんですか。京都産業大学と加計学園、お互い、いいアイデアをぶつけ合ったんだと思いますよ。その記録が残っていないのが、一番大事なところが記録に残っていなくて、その理由を聞いたら、何だかんだわけのわからない理由をしゃべられる。総理、今、理由を言えない。言っていない、言えないからですよ。加計ありきで決めたなということがますますわかりますね。

 もう一つ、時間がないので。

 松野文科大臣、私、きょう、またもう一つ与党理事に抗議をしなければいけないんですが、これは文科省の再調査の中にも出てくる、文科省の調査で十三番目という資料ですよ。加計学園への伝達事項という紙があるんです、ここに。これは、パネルも配付資料でも配っているのに、文科省がこれをちゃんとチェックした上で、存否も含めて言えないという極めて怪しい文書なんですね。

 何が書かれているか。これは、日付でいうと、国家戦略特区諮問会議、去年の十一月九日に正式に特区で獣医学部新設が認められたその日、その前の日に文科省の省内でやりとりされた文書で、何かというと、今のままだと加計学園が、現段階での構想では不十分だと考えている旨を早急に厳しく伝えるべき、大臣及び局長より。

 つまり、正式に獣医学部ができるかどうかまだわからない段階で、今のままいくとあなたのところは条件を満たせないから、次のことをきちんとやりなさいよということを前日に慌てて文科省から加計学園に、加計学園への伝達事項ということで文書があるんですよ、これは。物すごい加計ありきじゃないですか。だって、タイトルに加計学園と書いているんだから。

 山本大臣は、加計学園も十月に詳しい提案を出した京産大も平等に審査したと言うけれども、そもそも国家戦略特区諮問会議決定の前から、加計学園、あなたのところはこういうところがまだ満たせていないので、早くやらないと大変ですよ、例えば、人獣共通感染症の研究とか医学部との連携などは既存の獣医学部でも取り組まれているので、ちゃんとやらないと要件に合いませんよということを言っているんです、心配して。つまり、文科省は、認める前提で、条件だけはちゃんと満たしてくださいと言っているんです。

 大臣、これはメールの中に出てきます。大臣も、今のままでは不十分だということで、早急に伝えるべきと指示を出されましたか。

松野国務大臣 お答えをいたします。

 まず、予算委員会の場でも繰り返し答弁をさせていただいておりますが、国家戦略特区の案件であっても、大学設置の事前審査相談は受け付けておりますし、要望があれば、それに対して文科省として対応させていただいております。

 まず、その文書に関してでございますけれども、結論から言いますと、その文書の存在を、六月十五日の時点においては、これは相手方が公開に関して望まないということでございましたので、存否に関しても応答を控えるということでございましたけれども、その後の調査、情報公開制度にのっとった調査によって相手の意思確認をしたところ、期限内に相手から、これを拒否する、公開をしないでくれという趣旨の要望がなかったものですから、先生から御指摘があった文書というのは存在をするということをまずお話しさせていただきたいと思います。

 その上で……(玉木委員「存在する」と呼ぶ)存在します。ただ、これは当初、今お話し申し上げましたとおり……(玉木委員「存在するんだ」と呼ぶ)存在するというのを今お答えしたわけでありますが、これは情報公開制度にのっとった全体としての請求でございましたので、今、それの最終的な調整をどうするかというふうにしているところでございますが、しかし、今、先生の方からこの場において御質問がありました、そして、特にこれは重要な案件だということでございますので、その文書に関して、六月十五日の発表の時点においては存否応答を拒否しましたけれども、現状においては、その文書は存在をするということをお話しさせていただきたいと思います。

玉木委員 これはびっくりしましたよ。

 加計学園に事前にこんなに詳細に伝達して、決める前ですよ、諮問会議決定を。こんな加計ありきの文書の存在がきょう明らかになりましたね。これはもう紛れもない加計ありきの文書だと思います。

 総理、最後に伺いますが、きょうずっと聞いていると、秘書官も、そして補佐官も、記憶にないと言うけれども、関与を明確に否定していないんですね。総理自身の補佐官、秘書官が関与したということは、これは総理、やはり総理自身が働きかけて一定の結果に導いたと言わざるを得ないんじゃないですか。総理は、働きかけて決めているなら責任をとるとおっしゃいました。これは、総理、責任をとられるべきではないですか。

 それとあわせて、今回、加計学園のこの獣医学部、一旦白紙に戻しませんか。このままやったとしても、非常に悪い印象がついたまま。ですから、総理、決断してください。白紙に戻してもう一度手続をやり直す、これが信頼を回復する一番の方法だと思いますが、いかがですか、総理。

浜田委員長 その前に松野文科大臣、その後に安倍内閣総理大臣。

松野国務大臣 委員長から指名をいただきましたので答弁をさせていただきますけれども、繰り返し答弁させていただいていますとおり、国家戦略特区においても、大学設置の事前審査相談は受け付けております。

 しかし、その中において、当然、前提であることが国家戦略特区がクリアできることでございますから、その国家戦略特区のクリアをするということは、先ほど来議題になっております四条件についての文科省としての考え方をお伝えし、かつ、大学の設置に向けて事前に相談を受けたことに関してアドバイスをしているということで、適切なものであると考えております。

安倍内閣総理大臣 ただいま松野大臣から答弁をさせていただいたように、文科省としても法令にのっとって適切に対応している、このように思います。

 そして、私が働きかけたかどうか、あるいは指示をしたかどうかについては、きょう参考人として出席をした前川参考人も含めて、また加戸知事もそうでありますし、政府の参考人も全て、私からの指示はなかった、このように述べているものと承知をしておりますし、私は実際に指示をしていないわけでございます。

 このプロセスにおいては、国家戦略特区、この全体のプロセスと同じように、民間委員の入った諮問会議、そして同時にまた専門家を交えたワーキンググループでしっかりとオープンな議論をし、適切に判断がなされていると承知をしておりますが、ただ、省庁間のやりとりにつきましては、第三者が入っていない中において、確かに意見が食い違っているのは事実でありまして、そういう問題は今後プロセスを進めていく上においての反省点であろう、このように思いますし、今回のことについても、私の友人がかかわっていることでありますから、疑念の目が向けられているということについて十分これは考えながら、何ができるかということを真剣に考えていきたい、このように思います。(玉木委員「答えていないじゃないですか」と呼ぶ)

浜田委員長 もう一回聞いて。時間がないから、先に早く聞いて。(発言する者あり)

 では、答弁してください。

安倍内閣総理大臣 今申し上げましたように、まさに適切なプロセス、これはオープンなプロセスを踏んで決定されたものでありまして、国家戦略諮問会議あるいはワーキンググループの議事録もオープンにされておりますし、事業者が申請し、それに対して、今治分科会において、これはまさに文部科学省が推薦する専門家も入って議論した上に決定されたものと承知をしておりますので、白紙にすることは考えておりませんが、しかし、国民の皆様の疑念を晴らしていく上においては何ができるかということについては真剣に考えていきたい、このように考えております。

玉木委員 全くオープンになっていません。肝心なところの文書がない、記憶がないということでは疑惑が深まるだけですから、加計理事長にも御参加をいただいて再度閉会中審査をしていただくことを求めて、質問を終わりたいと思います。

浜田委員長 これにて大串君、今井君、玉木君の質疑は終了いたしました。

 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 豪雨災害が続いております。政府に対して、万全の対策、そして被災された方々への思い切った支援を求めて、質問に入ります。

 まず、加計問題について質問いたします。

 国民の最大の疑念は、加計ありきじゃないか、そこに総理の意向が働いたんじゃないか、ここにあるわけです。

 きょう、前川参考人に来ていただいておりますが、午前の質問を受けて質問したいと思いますが、官邸の和泉首相補佐官に二度にわたって呼び出しを受けたというお話でしたが、なぜ繰り返し和泉首相補佐官から呼び出しを受けたと感じられているんですか。

前川参考人 大変お急ぎだったんだと思っております。

宮本(徹)委員 大変お急ぎだったと。

 何を急いでいたんですか。和泉首相補佐官、何を急いでいたんですか。

和泉参考人 前川参考人との関係は午前中もお答えしましたが、私、二〇一二年九月まで地域活性化統合事務局長を務めておりまして、この獣医学部の新設というのが岩盤規制の象徴の一つであるということはよく承知していました。それが今回の新しいスキームの中でできそうだということについては、感慨深いものがございました。

 そこで、知らない仲ではない前川参考人に、私の部屋に来ていただいて、状況はどうですかとお聞きしました。それに対して、一回目は、たしか前川参考人もどこかで書いておられますが、十分状況を承知していなかった。私の方からは、次官としてフォローしてほしい、こうお願いしました。また、同じように、総理が言っているお話を受けて、スピード感を持って取り組むことが大事だというお話をしました。

 その上で、しばらくたって、その後どうなったかなというような感じで、前川参考人にまたお話を聞きましたが、そのときにも検討中であるということでございました。

 それ以降、私は前川参考人とお話もしてございませんし、前川参考人も私のところに相談にも来ていないと承知しております。

宮本(徹)委員 なぜあなたが急がせていたのかというのが国民の多くの疑問なんですよね。だって、国家戦略特区というのは内閣府がやる仕事じゃないんですか。なぜ首相官邸にいるあなたがわざわざ内閣府を差しおいて前川さんを呼び出して急がせたのか、全く説明になっていないんですよ。

 なぜ内閣府じゃなくてあなたが呼び出したんですか。

和泉参考人 先ほど来答弁しているとおり、今回のテーマというのはいわゆる岩盤規制改革の象徴である、こう思っていました。私は、過去の経験で、これが進むことは大変いいことだと思っておりましたので、知らない仲ではない前川参考人に来ていただいて、現在の状況をお聞きしました。それに対しては前川参考人は承知していなかったので、私は、それを受けて、次に来ていただいたときに状況をお聞きしましたが、まだ検討中と。

 ちなみに、今お話がございましたが、私の立場でございますが、地方創生を担当してございます。地方創生の一つの手段として国家戦略特区というのもあると思っています。私、直接はこの業務に関与してございませんが、そういう観点から、私の関心で今の状況をお聞きし、全体としてスピード感を持って取り組むべきだ、こう言ったわけでございます。

宮本(徹)委員 あなたの個人的な関心で、何度も何度も文部科学省の次官をお呼びになるんですか。全く説明になっていないんですよ。

 一体、あなたは個人の判断で呼んだんですか。総理の御意向という話もありますけれども、総理と何らかのこの問題について話し合いをされていたんじゃないですか。違いますか。

和泉参考人 総理がかねて特区諮問会議で岩盤規制改革を全体としてスピード感を持ってやるべしというのは知っておりました。ただ、この件について総理からの指示は全くございません。

宮本(徹)委員 それでは全く説明になっていないと思うんですけれども、全体の会議以外では総理とはこの問題について話し合ったことは一度もないということですか。

和泉参考人 この件について話をしたことは一度もございません。

宮本(徹)委員 では、首相抜きに、あなたが勝手に総理のことをそんたくしてやった、総理の意向をそんたくしてやったということですね。

和泉参考人 そういうようなことは全くございません。

宮本(徹)委員 首相の思いもそんたくせず、勝手に個人の関心で、個人の思い入れで、過去からこの問題についてかかわりがあったから、何度も何度も文部科学次官を呼び出して急がせる。おかしいじゃないですか。何か隠しているんじゃないかと多くの国民が思ってもしようがないですよ、これは。

 総理は、首相補佐官の動きというのについては何のコントロールもされないんですか。勝手にやってくださいということなんですか。

安倍内閣総理大臣 私は、総理大臣として大きな方針を示します。例えば、国家戦略特区においても、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めていくよう常々指示をしているところであります。

 この諮問会議には和泉補佐官も出席をしているんだろう、こう思うところでございますが、私の補佐官として、例えばインフラの輸出等、さまざまなことを担当しているわけでございますが、一々私が個別具体的な指示をする必要はないわけでありまして、全体としての私の方針の中、和泉補佐官の見識として、さまざまな仕事をするのは当然のことであろう、このように思います。

宮本(徹)委員 大きな方針の中、総理の思いをそんたくしてやったのか、あるいは、どこかで関係者から何か話があったのか、そこは全くきょうの話では見えないわけですよね。

 きょう、前川さんと、そして和泉首相補佐官の言い分もずっと食い違ったままなんですが、改めて証人喚問が必要だということを申し上げておきたいというふうに思います。

 さらに、きょうお伺いしたいのは、もう一つの大きな疑念として、加計ありきで、穴の形が加計学園しか通れない、加計学園の形にされてきたんじゃないかという問題です。広域的に獣医学部がない地域に限るという条件、二〇一八年度開設に限る条件、一校に限ると次々条件を加えて、加計学園だけに決まるようにした。

 この疑念は、野党やメディアが追及するはるか前から寄せられておりました。この二〇一八年度開設に限るという条件が提案されたのは、昨年十一月十八日、パブリックコメントのときです。どんな意見が寄せられたのかということで、私も意見を取り寄せました。

 こういう意見ですよ。

 平成三十年度開設の期限をなぜ切るのか。そもそも実現可能な大学が決まっており、形だけの手続ではないか。スケジュールありきでなく、しっかりと、新たなニーズに応えられる大学の具体的な構想をヒアリングし、特区の趣旨の実現性により判断すべきである。

 二つ目、平成三十年度の開設に限定されているが、準備期間が非常に短期間となっており、特定の案件に絞り込んだ恣意的な期間設定と思われる。用地確保や建設にかかわる標準の準備期間を考慮して、常識的な開設期間とするべきではないか。

 三つ目、文部科学省との調整期間を考えると、パブリックコメントが発表された時点で教員の確保など周到な準備を完了していないと事実上困難である。

 ほかにもたくさん意見が来ています、同じような意見が。去年の段階ですよ、パブリックコメント。昨年十一月十八日、平成三十年度開設に限るという条件が出された途端に、これだと加計ありきじゃないか、加計学園以外にはもともと応じようがないじゃないか、こういう意見ががんがん来ていたわけですよ。

 にもかかわらず、この条件は確定されて、京都産業大学が断念に追い込まれるということになりました。

 山本大臣にお伺いしますが、二〇一八年度開設の条件を確定する際、パブリックコメントで、今紹介されたように、この条件では加計学園以外は間に合わない、こういう認識をお持ちだったんじゃないですか。

山本(幸)国務大臣 加計学園ありきというようなことで全く考えたことではありません。

 国家戦略特区は、閣議決定した特区基本方針に定めるとおり、スピードを重視し、機動的運営を行っていくことを運用の原則としております。総理も常々、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めるよう指示をされているわけであります。

 共同告示に平成三十年度開設と規定した理由でありますけれども、いち早く具体的な事業を実現させ、効果を検証することが重要であるとの観点から、効果が発現することとなる開設の時期を共同告示に規定し、早期開設を制度上担保しようとするためでありまして、その告示を制定するためのパブリックコメントで、十一月十八日にそのようなものを出したわけであります。しかし、そのときには、当然、文科省と共同告示になりますから、文科省との間で合意を得てやっているわけであります。

宮本(徹)委員 だから、私が聞いたのは、こうしたパブリックコメントが来ていたのは認識していたんじゃないですかということを聞いているんですよ。加計学園以外は間に合わないという意見が来ていたということをあなたは認識していたんじゃないですか。

山本(幸)国務大臣 私は、パブリックコメントの概要は伺っております。しかし、それで加計学園ありというような感覚で決めたわけではありません。十一月九日に特区諮問会議で獣医学部の新設が認められるということが決まりましたので、当然、それから最も早く実現をし、その効果が検証できるタイミングというものを考えるのは普通だと思います。

宮本(徹)委員 概要は知っていたということですけれども、今私が読み上げたように、平成三十年度開設ではほかの大学は間に合わないという意見がたくさん来ていたわけですよ。そのことについてあなたは、この条件を確定する前に、そういうパブリックコメントが来ているという認識を持っていたのかどうかというのを聞いているんですよ。

山本(幸)国務大臣 パブリックコメントをやってからそういうものが出てくるわけですね。したがって、パブリックコメントを出す前に平成三十年四月ということを決めているわけで、これは文部省と一緒に決めているわけであります。したがいまして、そういう三十年四月開学ということでパブリックコメントを出して、そしてその結果を見て判断していくわけでありますけれども、その三十年四月というときに加計学園ありきなんてあり得ない話であります。

宮本(徹)委員 聞いたことに答えてくださいよ。これは十一月十八日に案を、平成三十年の四月開学と出すわけでしょう、条件を。それに対してパブリックコメントが寄せられました。その後に決めるわけじゃないですか。平成三十年四月開学を決定するわけですよ。その前にパブリックコメントがたくさん来たわけですよ。このパブリックコメントで、加計学園以外は間に合わないんじゃないかという声がたくさん来ていたわけですよ。そのことについて認識していましたかと聞いているんですよ。

山本(幸)国務大臣 パブリックコメントの大方の内容というのは概略聞いております。その中にもそういう話もあったとも聞いておりますけれども、しかし、それでもって加計学園ありきでやるわけはありません。必ず公募をやるわけでありますので、その公募によって決まっていくわけでありますから、加計学園ありきということは一切ありません。

宮本(徹)委員 今、重大な答弁がありましたよ。概要を聞いていて、そういう中に平成三十年の開設では間に合わないという意見がたくさん来たというのも聞いていたということをお認めになりましたよ。極めて重大ですよ。

 間に合わないという条件をわざわざあなたは知っていて決めたということですよ。文字どおり加計ありきじゃないですか。ほかの大学はどこも間に合わない。常識的には間に合いっこないわけですよ。あなたはいつも何か、十二月の下旬に京都と今治の提案書を比べて決めたと言っていますけれども、全く違うじゃないですか。加計学園しか間に合わないという意見を知っていながら、たくさん意見が来ているのを知っていながら、もうこの条件を決めちゃったという話ですよ。文字どおり加計ありきですよ。

 総理、文字どおり加計ありきじゃないですか。

安倍内閣総理大臣 既に山本大臣がお答えをさせていただいておりますが、この共同告示については、そもそもこれは国家戦略諮問会議に係るものではありませんから、私は事前に説明を受けておりません。ですから、当然、私が指示をしたり働きかけを行ったことはございません。

 その上で申し上げれば、国家戦略特区は、閣議決定した文書である、先ほど山本大臣も申し上げましたが、特区基本方針に定めるとおり、スピードを重視、これが国家戦略特区の基本的な考え方でありまして、スピードを重視し、そして機動的運営を行っていくことを運用の原則としておりますし、私自身も岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って行っていくということを常々指示しております。その上に立って調整に当たった山本担当大臣は、平成三十四年四月開設との告示案をこの大方針のもとに文部科学大臣と合意の上で作成したものと承知をしております。

 なお、京都産業大学も先般の記者会見において、この告示案が京産大外しとは考えていない、納得できない部分は特にないと述べていると承知をしております。

宮本(徹)委員 京都産業大学は、私学助成をもらっているから、そう言わざるを得ないわけですよ。

 実際は、関係者の皆さんも含めて、これでは間に合わないから加計ありきになっているじゃないか、もっと公平公正に条件は決めるべきだという意見が出ていたわけでしょう。それを無視して決めたわけですよ。そうでしょう。無視しないと決められないじゃないですか。選定にかかわる公平性について重大な疑義がパブリックコメントで寄せられていたにもかかわらず、あなたは無視をして決めた。総理、プロセスに一点の曇りもないなんて、およそ言えないですよ。真っ黒ですよ。

 しかも、この問題全体をめぐって、一方の加計学園の側は、二〇一八年開学のスケジュールを共有して、フライングして準備を進めたわけですよ。教員も集めていく、用地、建物も準備を進めていく。どうしてそういうことができたのか。

 このことを真相究明していくためには、加計孝太郎理事長そして今治市長などの証人喚問、参考人招致も必要だと思います。委員長、理事会で協議をお願いします。

浜田委員長 理事会で協議をさせていただきます。

宮本(徹)委員 引き続き、この問題、聞けば聞くほど疑問が湧くばかりですので、追及していくことをお約束して、質問を終わります。

浜田委員長 この際、笠井亮君から関連質疑の申し出があります。宮本君の持ち時間の範囲内でこれを許します。笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 陸上自衛隊による南スーダンPKO部隊の日報問題について、それを保管していたという問題について、稲田防衛大臣への報告と了承の有無が問題になっております。

 ことし二月十五日がどうだったかということでありますけれども、この日は、前日、十四日の当委員会での日報問題で集中的な審議になりました。そして、稲田大臣が、陸上自衛隊が廃棄したと説明しながら電子データを保管していたのではないか、このように質問した私に対して、確認をして答弁をしたいというふうに約束をされた、その翌日が十五日であります。

 その十五日、大臣は、前日の集中審議の状況を踏まえて断続的に打ち合わせをしていたと言われておりますけれども、そうであるなら、この問題に重大な関心があったはずであります。黒江防衛事務次官、豊田官房長、そして岡部陸幕長ら幹部から報告を求めない方がおかしいと思うんですけれども、いかがですか。

稲田国務大臣 二月十五日、確かに、国会の打ち合わせを断続的にやっておりました。そして、その中において陸幕長が来られた回もあったと思います。

 しかしながら、陸自にデータがあった、そして日報があったということを私が報告を受けて、そして、それを了承するとか、また隠蔽を了承するということはありません。なぜなら、私は、一貫してこの日報を公表すべきという立場において、昨年の十二月に不存在により不開示であるという報告を受けた際に、どこかにあるのではないか徹底的に探して、そして公表するようにという指示をし、二月六日に公表し、二月十三日には、不開示決定にしたものを取り消しております。

 そういった意味においても、私は、報告を受ければ、それは必ず公表をすべしという考えでございますので、私の政治姿勢に関係しても、政治姿勢と真逆の、隠蔽をするとか非公表を了承するということはありません。

笠井委員 大臣、それはあなたの言い分なんですよ。

 大体、稲田大臣が命じて、日報問題での疑惑究明のために設置されたのが特別防衛監察ということでありますが、そこで大臣御自身が一時間にもわたって聴取を受けた、これ自体が極めて異常であります。

 これまで四回の特別防衛監察がありましたけれども、一番トップでいうと、事務次官が問題になったときがありますが、対象になって、お金をもらったという話で監察をやられましたが、大臣自身が疑惑の渦中で聴取を受けたなんというのは前代未聞のことであります。

 日報は陸自で廃棄されたとしていたのに保管されていたことで、みずから聴取を受けなければならないほど疑惑があるということであります。したがって、監察に協力したと言われますけれども、それ自体が大臣の資格がないということであります。はっきり言いたいと思います。

 そこで、安倍総理、稲田大臣が報告を受けていなかったとすれば、陸自での日報データの保管が陸幕長に報告された一月十七日から、報道で保管が明るみに出る三月十五日まで、大臣の関与なしで防衛省幹部が対応を協議していたことになって、大臣の資格の根本が問われると思います。何らかの報告が大臣に上がっていたとすれば、大臣が虚偽答弁をしていたことになって、そして、防衛省・自衛隊の組織ぐるみの隠蔽了承とみなされても仕方がない。

 我が党は、何度も何度も稲田大臣の罷免を求めてまいりました。しかし、きょうの午前中でもいまだに総理が稲田大臣をかばい続けているというのは、極めて重大だと言いたいと思います。

 そこで、総理に伺いますが、総理御自身は、陸自に日報データが保管されていたことをいつお知りになったんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今御質問の報告については、まだ私は受けておりません。

笠井委員 日報があったことについて、まだ聞いていないということですね。

 では、伺いますけれども、報告を聞いていないと。質問を聞いていない……(安倍内閣総理大臣「いやいや、陸自にあったと」と呼ぶ)陸自にあったことを聞いていないということで、いまだにそれを聞いていらっしゃらない。果たしてそうかということを伺っていきたい。

 ことし一月二十四日に衆議院本会議が開かれました。そこでの日報に関する総理答弁がありました。それについて、私、二月十四日のこの委員会で総理に質問いたしました。ここに会議録がありますけれども、この日報の電子データは存在しているという前提で一月二十四日本会議の答弁をされたということでしょうかと質問をしましたら、総理はこう言われております。「いわば文書としての、紙としての、私の頭にあったのは、廃棄をしてしまった。廃棄をしてしまったということでございましたから、それが電子的に残っているかどうかということについて私は全く承知をしておりませんでした。」、こう言われた。それは間違いありませんね。

安倍内閣総理大臣 一月二十四日の衆議院本会議における志位議員の質問は、日報があるのかないのかというお尋ねではなくて、破棄されたことを前提として、廃棄した自衛隊幹部の行為を是とするのか非とするのかというお尋ねでありました。このため、私からは、日報は、「公文書等の管理に関する関係法令及び規則に基づき取り扱っている旨の報告を受けています。」、こう答弁したものであります。

 いずれにせよ、日報の情報公開をめぐる問題については、現在、特別防衛監察により厳正かつ公正に徹底的な調査を行うことにより、早期に事実関係の全容解明を行い、説明責任を果たしていく考えであります。

笠井委員 私が聞いたのは、私がそのことに関して二月十四日に聞いたら、総理が電子的に残っているかどうかについては全く承知していなかったと言われたというのは間違いありませんねと聞いているんです。

安倍内閣総理大臣 今お答えをしたわけでありますが、統幕に残っていたということについては、既に情報公開を、稲田大臣の指示で公開をしているわけでありますが、陸自に残っていたかどうかということについて、今まさに特別防衛監察を行っているわけでありまして、その報告を待ちたい、こう思っているところでございます。

笠井委員 報告がなかった、それで待ちたいと言われますけれども、本当にそうかと。早くから御存じだったんじゃないか、報告を受けていたのではないかという問題になってくると思うんです。

 では、伺いますけれども、陸自の中に日報のデータが保管されていることについて、渦中になっています黒江事務次官それから豊田官房長が、二人がそろって、二人だけで総理に会いに来たということはありませんか。

安倍内閣総理大臣 事務次官は、防衛省の事務次官でございますから、さまざまな事柄について総理室を訪問しております。

笠井委員 一月二十四日の衆議院本会議に先立つ一月十八日ですけれども、一月十八日の午後五時五十五分から六時十四分まで約二十分間、渦中の黒江次官と豊田官房長が総理のもとを訪れております。

 その場で何らかの、日報問題についての報告とやりとりがあったんじゃないですか。それはいかがですか。

安倍内閣総理大臣 日報問題については、これは早くから問題になっておりましたから、その説明を受けたことはありますが、今御下問の、陸自に残っていたということについての説明は、まだ報告は受けていないわけでありまして、まさに今、それは監察をしている最中でありますから、その監察の結果が出れば、防衛省から報告があるものと思います。

笠井委員 一月十八日、この日といえば、これははっきり記録にも残っているんです、会ったことは。

 一月十八日というのはどういう日かといいますと、その前日、十七日に、陸自の中に日報データが保管されていることが岡部陸幕長に報告をされている。まさに、陸自は一旦それの公表を準備したけれども、防衛の幹部から今さらあると言えないと言われて公表しない方針を決めたとされるまでの間のことでありまして、そのタイミング、十七日に日報が陸自の中に保管されていることが報告されている、その翌日のタイミングで、総理は、黒江事務次官と豊田官房長が面会に来るということで会っていて、何の報告も受けていないというのは、むしろ私は不自然だと思うんですけれども、余りに不自然じゃないかと思うんですが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 防衛省からは、まさにさまざまな、事務次官からはさまざまな報告があるわけであります。安全保障環境が厳しくなっている中においての状況の説明、あるいは防衛省・自衛隊の対応等々についての説明等、さまざまな説明がございますが、陸自に残っていたということについて事務次官とそして官房長から説明があったことはないということは、はっきりと申し上げたいと思います。

笠井委員 では、十八日にこの二人がそろって来たというのは間違いありませんね。

安倍内閣総理大臣 今、突然の御下問ですから、それが間違いないかどうかは確認させていただきたいと思いますが、事務次官は、いわば防衛省の事務次官でありますから、私のところに来ることはある、また、先ほど申し上げましたような防衛政策以外にも、人事等も含めて、また自衛隊の人事等に含めて私のところに来ることはあるわけでありますが、この日に来たかどうか、官房長と来たかどうかは、これは確かめさせていただきたいと思います。

笠井委員 首相動静欄にはっきり書いてありますから、そこにも書いてありますので。

 まさに十八日というのは、陸自の中に日報保管が報告された十七日の翌日であります。しかも、それだけじゃないんですね。

 陸自内での日報データ保管が報道で明るみになった、これは三月ですけれども、その直後の三月十七日朝十時にも、黒江事務次官が単独で、今度は総理のところに会いに来ている。

 要するに、この経過を見ますと、総理は、ことし一月段階から日報データ問題について黒江事務次官から要所要所で報告を受けて、むしろ対処方針を指示していたのではないか、そこまであり得ると思うんですけれども、そういうことじゃないんですか。

安倍内閣総理大臣 私は、基本的に、日報がもしあれば直ちに出すべきだという考え方をずっと申し上げてきたわけであります。戦闘という言葉について国会でも議論になりましたが、定義を決めている戦闘行為とは違う意味で、一般的、いわば国語辞典的な意味での戦闘という言葉を使う、これはあり得るということは私はここで答弁をしているわけでありますから、そうしたことを、出せるものは出していくというのが私の基本的な考えでありますから、もしその日報がどこかに保管されていようと、それは絶対隠蔽などしてはならないというのが私の基本的な立場であります。

 それを私が指示するということは、これはあり得ないわけでございまして、このことについて私が、そういう報告を受けたら、陸自に日報があったという報告を受けたら、あるいは、それを外に出さない、こんな指示をするはずがないわけでありますし、改めて申し上げますが、黒江次官から陸自にこの日報が残っていたという報告を受けたことは全くありません。

笠井委員 これだけの大問題をあり得ないということで強弁をされるわけですが、総理の関与、指示もなく、しかも防衛大臣も、それを報告も聞いていない、それから、それについて公表、開示するかどうかについても指示もしていない、あるいは了承もしていないということで、防衛省・自衛隊幹部が勝手に進めたとしたら、それこそあり得ない大問題だと私は思うんですよ。

 ですから、そういう点でいいますと、この当事者で、総理のところに何度も何度も要所要所で訪れている黒江次官を初めとした当事者の方々からも直接しっかりと、これは偽証なしに聞くという機会ではっきりさせる必要があると思います。

 なぜ、昨年七月に南スーダンの首都ジュバで戦闘があったと記された日報、これはこの前のときにもありましたが、こういうもので、ちゃんと、七月の二日の話でいえば、ジュバで戦闘と書いてある、こうしたものを含めて、用済み廃棄したのでないなどと国民の目から隠さなければならなかったか。

 現地の自衛隊部隊にではなく、戦闘が起これば憲法上問題になるという安倍政権側に動機があったということは明らかだと思うんです。だから隠し続けて、十月二十五日の閣議決定で、もう期限が切れるというのに、五カ月間も、現地の派遣期間、PKO部隊の派遣期間の継続を決めて、十一月十五日の閣議では、今度は安保法制に基づく駆けつけ警護の新任務を付与して派遣をするということになりました。

 ひたすら、そういう点では、新任務付与ありきと、政権ぐるみで南スーダンの危険な現実を国民と国会に隠して、隠蔽してきた、そういうことじゃないんですか。

安倍内閣総理大臣 既に私はこの予算委員会で答弁をさせていただいておりますが、PKO五原則との関係、また憲法の要請との関係において、いわば定義を決めている戦闘行為はないというのが我々の判断でありますし、認識でございますが、いわば戦闘行為ということについては、これは一般的に使われる用語としての戦闘行為についてはあったということについては、いわばそういう記述があることは問題がない。それは、いわば五原則とのかかわりでは、これは問題にはならないという趣旨の答弁は、私はさせて……(発言する者あり)済みません、戦闘行為については、これは法的な定義がありますから、これは五原則との関係がございますが、いわば戦闘については、これは一般に使われている用語としての戦闘ということについては問題がないということについては、私はこの場で答弁をしているわけでございますから、戦闘という言葉が使われているからといって隠蔽するというのは、これは我々の方針とは全くかかわりがない。

 いわば、まさに基本的に公開できるものは公開していくという方針と、それを出していくということは一致するもの、このように考えております。

笠井委員 時間が来たので終わりますけれども、戦闘があったということについての日報を隠してきたわけですよ。そして、結果として翻弄されたのは、身の危険を感じながら派遣された自衛隊員と家族たちと、そして国民が、本当に怒りを持って不安を感じてきた。しかも、帰ってきた自衛隊員には自殺者まで出たわけですよ。

 加計ありき、新任務ありきということで、国政私物化と憲法破壊への国民の怒りがあって、国民の思いというのは、もうこういう人たちに政権を任せられないという話なんです。

 委員長に最後にお願いしたいと思うんですが、特別防衛監察、これを隠れみのにすることは許されないと思います。国会の責任で真相を究明すべきであります。そのために、稲田朋美防衛大臣、黒江哲郎事務次官、豊田硬官房長、岡部俊哉陸幕長、湯浅悟郎陸幕副長、辰己昌良統幕監部総括官ら関係者の速やかな証人喚問を強く求めたいと思います。理事会で協議をお願いします。

浜田委員長 理事会で協議をいたします。

笠井委員 終わります。

浜田委員長 これにて宮本君、笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、浦野靖人君。

浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いをいたします。

 きょう最後の質問者になります。お疲れであろうとは思いますけれども、よろしくお願いをいたします。

 午前中からの各党の質疑をずっと拝聴させていただいている中で、やはり、きょう一日のこの予算委員会で国民の皆さんの疑念が払拭されたかといいますと、それは残念ながらされていないというふうに私は思います。

 といいますのも、やはり、まず加計ありきだという立場で質疑をされている方々の取り上げる話と、そうではないという方々の意見が真っ向から対立をする、そしてその対立している意見、ではどちらが正しいのかということを証明できるものがお互いにないということで、私は本当に、正直、言うた言わぬの議論をいつまで続けても仕方がないというふうに思っております。

 そこで、我々、是々非々の政党としてきょうは伺っていきたいと思いますけれども、一つ一つ順を追って質問させていただきます。

 一つ目は、総理の発言、行政の公平性、あと憲法改正について、少しお聞かせいただきたいと思います。

 総理は、今回のこの加計学園の問題についても、働きかけをしていたら責任をとるとか、これは森友学園の問題のときもおっしゃっていました、私や妻が関係したということになれば総理も、首相も国会議員もやめると。これは質問の中で総理が言われたことですけれども、このような言い方というのは本当に挑発的な表現だったんじゃないかと私は思っているんです。もう少し丁寧に、真摯に答弁をされた方がよかったんじゃないかと思っておりますけれども、今、安倍総理はどう思われておりますか。

安倍内閣総理大臣 先ほどもその関係で答弁をさせていただいたところでございますが、今御指摘の問題については、これは全く私も身に覚えがないという思いでそういう発言になったわけでございますが、しかし、今から考えますと、結果として政策とはかかわりのない議論に予算委員会の時間が費やされることになったと反省をしているところでございます。

浦野委員 仮にこの加計問題、本件手続に法的な問題はなかったとしても、行政に対する国民の信頼という点では、今回、先ほども言いましたけれども、いまだに払拭をされていないというのが現状です。総理の長年の友人であるということだけでその方の学校のみが受益者となるという、こういった今回のような特殊なことはこれからも出てくる可能性がもちろんあります。これは、ちゃんとした手続にのっとって公正に選ばれていたとしても、そういうふうに何かあるんじゃないかと疑われるのが当然だと思います。

 こういったことを思われるんじゃないかという疑念、総理自身に、そういうふうに疑念が持たれるんじゃないかと思われる認識は今回なかったんですか。

安倍内閣総理大臣 まさに李下に冠を正さずでありまして、私の友人がかかわることでありますから、国民の皆様から疑念の目が向けられることはもっともなことだと思います。

 その上において、しっかりと、この厳しい国民目線を踏まえて、事実に基づいて、丁寧な上にも丁寧にお話をしていきたい、そんな思いできょうは出席をさせていただいているところでございます。

浦野委員 私が懸念する一つは、本件のこのことによって、安倍総理は加計学園のことだけをやられているわけではありません、日本全国のさまざまな課題に挑戦をされている政権の総理であります。この一つ大きな課題の中に憲法改正というものがあります。安倍総理も、憲法改正を必ずしていきたいというふうに、総裁という立場でですけれども、自民党総裁の立場でおっしゃっております。

 私は、今回のこのようなことでやはり安倍総理自身の信頼を失うと、憲法改正といった、そういうものの信頼性も下がってしまうんじゃないか、そういうほかの本当にやらないといけない政策にも影響が出てしまうんじゃないかというふうに、それを危惧しています。実際に世論調査でもそういった影響が出だし始めている数字があらわれております。私はこういったことを非常に心配しております。

 我々、大阪で大阪都構想の住民投票をやる場合も、我々のリーダーに対する信任投票という色合いもかなり大きくありました。

 我々、説明責任を果たすという観点で、住民投票になるまで八百回以上、大阪で、大阪市内で、街頭タウンミーティングといって、八百回以上街頭演説をやりました。しかも、一つ一つ、十分や二十分じゃなくて、質問が尽きるまで、長いときには二時間ぐらいかかる、そういったようなことをやって説明責任を果たしているつもり、我々は説明責任を果たして住民投票に臨みました。しかし、結局最後はマスコミが何と言ったか。説明不足だとおっしゃったんですね。

 では、八百回以上街頭演説をした我々に対して説明不足と言うならば、安倍総理が真摯に説明責任を果たしていくと今幾ら言っても、例えば自民党の先生方、地元の先生方、では説明責任を果たしているかといいますと、私の地元の自民党の国会議員がいらっしゃいますけれども、街頭でそんなことをしゃべったこともないですよ。今回の加計学園のことに関しても何も弁明されていない。これは間違っていないんだということを自民党の皆さんは一言も話をされていませんよ。

 私、やはり安倍総理だけに責任を押しつけるのは、党として間違っていると思います。これは答弁していただく必要はないですけれども。そういうところ一つ一つが、やはり自民党、政権与党に対する不信感につながっているということだけはわかっていただきたいと思うんです。

 この信頼回復をするために、安倍総理は今回、どういうふうに国民の信頼を回復して、臨時国会で改正案を出していくのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今回のこの予算委員会においても、まさに、行政がゆがめられているのではないかというこの問題点あるいは疑念に対して、政府としては、私、松野大臣、そして山本大臣や和泉補佐官、藤原審議官等が出席をさせていただき、真摯にお答えをさせていただいたところでございます。

 このプロセスについては、繰り返しになりますが、岩盤規制を改革していく以上、いわば既得権を持っておられる方々がいます。この人たちを敵にしようということではなくて、そういう方々がおられる中においては、そのプロセスは適切でなければならない、こう思っております。

 だからこそ、国家戦略特区を決める際には、民間人の入った諮問会議、あるいは専門家を交えたワーキンググループにおいてオープンな議論を行い、そして、文部科学省も含め関係省庁も出席して意見が言えるようになっております。先ほども告示の話がございましたが、告示についても、関係省庁が合意をしながらそれは進めていくものになっております。

 そうしたことにおいて、今回のプロセスも、その中で決定がなされたわけでございます。適切なプロセスを踏んだ、こう考えております。

 その点につきましては、先ほど、座長の八田さんからもお話がございました。また、加戸知事からもお話がございました。加えまして、民間委員の原さんも先般の委員会において証言をされています。

 そしてまた、さらには、京都産業大学の副学長の黒坂副学長も、この問題、いわばこのプロセスについて問題はなかった、京産大外しという意向は考えなかったという趣旨を御発言されているわけであります。特に納得できない部分はないということの証言もされているわけでありますし、京都府知事も、準備不足だったということを認められる発言をしておられるわけでありまして、プロセスが適正であったことはそうした発言から裏づけられていると思います。

 ただ、府省庁間の交渉においては、第三者が入っていない中において、どっちがどう言ったかということがいまだに問題になっているわけでございまして、そうした点を、これからどのようにこの運営について改めていくべきかということは考えなければならない、このように考えております。

浦野委員 今まさに総理が答弁されたように、私は、京都産業大学の方にも来ていただきたい、そして京都府知事にも来ていただきたいということで、理事会で理事を通じてお願いをさせていただきましたけれども、これも、予算委員会の理事会の中でだめだということで、今回呼ぶことができませんでした。

 私は、当事者の皆さんにしっかりとここに来ていただいて、今総理がおっしゃったようなことを本人の皆さんから聞いていただくのが国民の皆さんにとって一番わかりやすい質問だろうと思います。

 私、この予算委員会でこの話が終わるということには恐らくならないだろうと思っていますので、ぜひ続けて関係の皆さんの承認を、認めていただけたらなというふうに、これは安倍総理に聞いても国会の決めることだということになると思いますので、これはぜひ、委員長、よろしくお願いをいたしたいと思います。

浜田委員長 理事会で協議をさせていただきます。

浦野委員 私は、私も含めて国民の多くの皆さんは、今回、この件に関してそんたくがあったと思っております。私も思っています。ただ、そんたくという言葉がいいかどうかは別にして、政治主導というのはある程度そういった色合いを含むものだと私は思っています。ただ、その決めていくプロセスの中で不透明なところが出てきて、それについていろいろな疑念が湧いている、これが今回の加計学園の問題だと思っています。

 政治主導の一つに、これはもう本当に象徴的に取り上げられること、今でもよく取り上げられることがありますけれども、二位じゃだめなんですかという言葉がありましたね。あれはまさに政治主導で、それまでのやっていたことをひっくり返したという事例です。

 内容は、私は、二位じゃだめなんだと僕は思っていましたから、全く否定しますけれども、ただ、でも、よかったのは、やはりオープンでやったことなんですよね。二位じゃだめなんですか、どうですかという議論をマスコミも含めてフルオープンの中でされた。あれは本当に、あれこそがやはり疑念を持たれない場だと思うんですね。

 私は、それはフルオープンとまでは言いませんけれども、やはりそれに近い議論の過程を、プロセスを公開していく。もちろん、規制改革会議の議事録というものはオープンはされていますけれども、そういった議事録をオープンにするんじゃなくて、その議論自体、されているところをやはりオープンにしていく、もう少しオープンにしていかないと国民から疑念を持たれやすいというふうに私は思っております。

 そういった信頼回復に努めていく上でやらないといけないことは、今総理も、仕組みを考えなければいけないというふうに最後におっしゃっておりました。我々も、それはそのとおり。この問題はこの問題でしっかりと追及はさせていただきますけれども、我々は、では、こういう疑念をこれから持たれないようにどうやっていくのか、仕組みをつくっていくのか、こういったことをしっかりとしていただかないといけないと思っております。

 一つ、大きく二番という項目があったんですが、ちょっとそれは時間の関係でできないかもしれないので、三番目を先にやります。

 現時点で、これは収支報告でまだ確認は、ちょっと最後まで時間がなくてできなかったんですけれども、産経新聞さんの記事によると、自民党さんももちろんですけれども、民進党さんも、両党の議員が獣医師政治連盟から献金を受けて、それぞれの立場で、獣医学部の設置に反対なのか、もしくは消極的なのか、いろいろな対応をされております。

 それは、言われたからやったんだということでないかもしれません。ないかもしれませんけれども、それはその人たちの主張なだけであって、国民の多くは、ああ、やはりな、そういう団体からお金をもらっておったら何かあるんやろうと、これが当たり前の意見だと思うんですね。私は、こういった疑念を持たれているからこそ、こういう大きな問題に発展をしていく、企業献金がそういった疑念を生む温床になっていると思うんですね。

 安倍総理自身は、今回、加計学園さんからも、これは非常に昔の話ですけれども、報酬を得ていたこともあったというふうにお聞きしております。こういったことの積み重ねが不信感を招いていると思いますけれども、安倍総理自身、この直近、今私が言った以外に加計学園から利益を供与してもらっているということはないですよね。

安倍内閣総理大臣 加計学園からパーティー券あるいは政治資金において支援を受けたことはございません。

浦野委員 我々の前の質問、民進党の方の質問の中で、飯をおごった、おごらないという議論がありましたけれども、それは友達なんやからそれぐらいあるやろうと一般常識では思うとは思いますけれども、それも含めて、本来なら疑念を持たれないようにするのは、それは努力はしないといけないと思いますけれども。友達がおらへんかったら、そんな、おごった、おごらないなんということにもなりませんから、友達がおるということですから、それはもうええことやと思います。

 私どもは、この獣医学部の設置基準の規制緩和、もちろん賛成です。今回、空白地の四国につくることによって、四国の皆さんに恩恵があるということも我々は考えておりますし、これはぜひ進めていっていただけたらと、もうここまで来た以上は進めていったらいいと思います。

 ただ、先ほどの委員の中にも、これはもう一回やり直した方がいいんじゃないかと。我々の中でもそういう意見はあります。やはりこれは、ちゃんとしたプロセスをしっかりとやっていく、そういった疑念を持たれないような仕組みづくりをしていっていただいてこそ、もうこれ以降にこういった疑念がないような仕組みづくりを、総理ももちろん答弁を先ほど少しされましたけれども、そういった考えを明確に総理から発信していただいて、そういう仕組みづくり、ルールづくり、ちゃんと誰もが疑念を持たないようなそういった仕組みづくりをしていただきたいと思うんですけれども、そういった意思はおありでしょうか。

安倍内閣総理大臣 この仕組みにつきましては、まさにこの岩盤規制の改革をスピード感を持って全体として進めていく上においては、プロセスが適切でなければならないのは当然のことであります。

 ですから、国家戦略特区については、民間人の入った諮問会議で議論します。当然、これは議事録も全部オープンになります。また、専門家等を交えた民間人で構成されますワーキンググループにおいてさらにしっかりと議論し、これもオープンな議論を行いますし、そして、そこに省庁も出ていって、主張すべき点は主張することになっているわけでございます。

 そして、先ほど申し上げました告示を出す際には、関係省庁が合意の上で進めて、作成をしていくことになっておりますので、仕組みとしては、まさにオープンで適切な仕組みであり、今回の改革もその上で行われた、このように考えております。

 ただ、今回問題になっている点は、省庁間の交渉においては第三者を交えずに行っているわけでありまして、ワーキンググループとかあるいは諮問会議のように議事録を正確にとっているわけでもない中において、省と省の主張が食い違っているということから大きな疑念を持たれてしまった、これは反省をしなければならない、運用においてはしっかりと考えていかなければならない、こう思っております。

 また、今回の獣医学部の新設については、私の友人がかかわっていたことでありますから、当然疑惑の目が向けられる、この点を踏まえなければならない、こう思っております。

 その上で、何ができるかを考えなければならない、こう思っております。

浦野委員 最後になりますけれども、先ほど少しお話をさせていただきました献金について、総理も先ほどおっしゃいました、李下に冠を正さず、本当にこの言葉をもう少ししっかりと考えていただきたいと思うんですね。

 我々、既に企業・団体献金の禁止の法案はもう毎国会出させていただいております。これは、出しているだけじゃなくて、別に法律が通らなくても、自分たちで受けないと決めたら受けなくできますので、日本維新の会はもう既に企業献金自体は禁止をしております。法律が通らなくても、できることは我々はもうやっております。

 今回、これを追及しておられる方々も追及されている方々も、お互い企業献金を受けている。獣医師会の皆さんがああ言うた、こう言うたということをおっしゃっている。例えば、先ほども、石破さんの石破四条件は獣医師会に言われてつくったものだとか。それが本当かどうかは私たちにはわかりません。わからないけれども、でも、それを証明できるものもないんですね。だから、企業献金をもらうことによって、そうなんじゃないかと疑いをかけるんですよ。それが大きな疑念につながっていくんです。だからこそ、企業献金はやめるべきなんですね。

 これは別に今に始まった話でなくて、政党交付金をつくるときに、企業献金をやめるために政党交付金をつくったわけですから、もうそろそろ最大政党である自民党さんも本腰を入れて、企業献金、今回のことを受けて、国民に疑念を持たれないように禁止をするというおつもりは、これを総理が答弁するのはまた難しいかもしれないですけれども、そういった意思はあるかどうか、一応確認をします。

安倍内閣総理大臣 政治改革の議論の中で、政党助成制度は、政策本位、政党本位の政治を目指す理念のもと、企業・団体献金を政党等に限定することにあわせ提案されたものであることは事実でございます。その際、個々の政治家の資金管理団体に対する企業・団体献金については五年後に廃止するものとされ、そのとおり、五年後に廃止されました。他方で、政党等に対する企業・団体献金のあり方については、各党間で合意に至らなかったものと承知をしております。

 いずれにせよ、政治にかかる費用のあり方は、民主主義の費用をどのように国民が負担していくかという観点から、各党各会派において十分に御議論をいただくべきものであります。

 当然、お金によって政治がゆがめられてはならないのはもう当然のことであろう、このように思います。

浦野委員 ぜひ、きょう一日で恐らくさまざまな問題に対する疑念は払拭されていない、そのように国民の皆さんも思っていると思いますので、引き続き予算委員会等、審議をしていただきたいと思います。

 以上で終わります。

浜田委員長 これにて浦野君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本日の集中審議は終了いたしました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時四分散会


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