衆議院

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第3号 平成31年2月5日(火曜日)

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平成三十一年二月五日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 野田 聖子君

   理事 井野 俊郎君 理事 後藤 茂之君

   理事 坂本 哲志君 理事 田中 和徳君

   理事 堀内 詔子君 理事 宮下 一郎君

   理事 逢坂 誠二君 理事 渡辺  周君

   理事 伊藤  渉君

      秋本 真利君    伊藤 達也君

      石崎  徹君    石破  茂君

      今村 雅弘君    衛藤征士郎君

      小田原 潔君    小野寺五典君

      奥野 信亮君    門  博文君

      河村 建夫君    笹川 博義君

      鈴木 俊一君    田野瀬太道君

      竹本 直一君    中谷 真一君

      中山 泰秀君    野田  毅君

      平沢 勝栄君    古屋 圭司君

      村上誠一郎君    盛山 正仁君

      八木 哲也君    山口  壯君

      山本 幸三君    山本 有二君

      吉野 正芳君    小川 淳也君

      大串 博志君    川内 博史君

      武内 則男君    西村智奈美君

      本多 平直君    早稲田夕季君

      奥野総一郎君    源馬謙太郎君

      後藤 祐一君    階   猛君

      玉木雄一郎君    西岡 秀子君

      山井 和則君    太田 昌孝君

      岡本 三成君    赤嶺 政賢君

      塩川 鉄也君    藤野 保史君

      宮本  徹君    浦野 靖人君

      丸山 穂高君    松原  仁君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (マイナンバー制度担当) 石田 真敏君

   法務大臣         山下 貴司君

   外務大臣         河野 太郎君

   文部科学大臣       柴山 昌彦君

   厚生労働大臣       根本  匠君

   農林水産大臣       吉川 貴盛君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      世耕 弘成君

   国土交通大臣       石井 啓一君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    原田 義昭君

   防衛大臣         岩屋  毅君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (復興大臣)       渡辺 博道君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       山本 順三君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (消費者及び食品安全担当)

   (少子化対策担当)

   (海洋政策担当)     宮腰 光寛君

   国務大臣

   (クールジャパン戦略担当)

   (知的財産戦略担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)     平井 卓也君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   茂木 敏充君

   国務大臣

   (地方創生担当)

   (規制改革担当)

   (男女共同参画担当)   片山さつき君

   国務大臣         櫻田 義孝君

   財務副大臣       うえの賢一郎君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君

   政府参考人

   (内閣官房アイヌ総合政策室長)          橋本 元秀君

   政府参考人

   (内閣官房国土強靱化推進室次長)         山田 邦博君

   政府参考人

   (総務省大臣官房政策立案総括審議官)       横田 信孝君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 横山  均君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  堀江 宏之君

   政府参考人

   (国税庁次長)      並木  稔君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房長) 定塚由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         土生 栄二君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 藤澤 勝博君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小澤 典明君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  池田 豊人君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  槌道 明宏君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  鈴木 敦夫君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  中村 吉利君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   参考人

   (独立行政法人労働政策研究・研修機構理事長)   樋口 美雄君

   予算委員会専門員     鈴木 宏幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月五日

 辞任         補欠選任

  石崎  徹君     中谷 真一君

  石破  茂君     八木 哲也君

  今村 雅弘君     門  博文君

  武内 則男君     西村智奈美君

  奥野総一郎君     源馬謙太郎君

  後藤 祐一君     山井 和則君

  西岡 秀子君     玉木雄一郎君

  藤野 保史君     赤嶺 政賢君

  宮本  徹君     塩川 鉄也君

  浦野 靖人君     丸山 穂高君

同日

 辞任         補欠選任

  門  博文君     今村 雅弘君

  中谷 真一君     石崎  徹君

  八木 哲也君     石破  茂君

  西村智奈美君     武内 則男君

  源馬謙太郎君     奥野総一郎君

  玉木雄一郎君     西岡 秀子君

  山井 和則君     後藤 祐一君

  赤嶺 政賢君     藤野 保史君

  塩川 鉄也君     宮本  徹君

  丸山 穂高君     浦野 靖人君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成三十年度一般会計補正予算(第2号)

 平成三十年度特別会計補正予算(特第2号)


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     ――――◇―――――

野田委員長 これより会議を開きます。

 平成三十年度一般会計補正予算(第2号)、平成三十年度特別会計補正予算(特第2号)の両案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房アイヌ総合政策室長橋本元秀さん、内閣官房国土強靱化推進室次長山田邦博さん、総務省大臣官房政策立案総括審議官横田信孝さん、総務省大臣官房審議官横山均さん、総務省行政管理局長堀江宏之さん、国税庁次長並木稔さん、厚生労働省大臣官房長定塚由美子さん、厚生労働省大臣官房総括審議官土生栄二さん、厚生労働省政策統括官藤澤勝博さん、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官小澤典明さん、国土交通省道路局長池田豊人さん、防衛省防衛政策局長槌道明宏さん、防衛省整備計画局長鈴木敦夫さん、防衛省地方協力局長中村吉利さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野田委員長 冒頭、質疑に入るに先立ちまして、委員長より一言申し上げます。

 昨日の委員会において、私より、一部の参考人についての招致を行わなかったことに関して、与野党の合意があったかのような、誤解を招くような発言を行ったことにつきまして、ここは発言を撤回させていただきます。

 昨日の長妻昭さんの質疑に関連し、西村智奈美さんから質疑の申出があります。長妻さんの持ち時間の範囲内でこれを許します。西村智奈美さん。

西村(智)委員 立憲民主党・無所属フォーラムの西村智奈美です。

 まず、委員長、先ほどの発言について、もう一回、確認をさせてください。

 昨日、この場において、参考人の招致について与野党で合意したかのような発言を委員長は確かにされました。私は、それを聞いていて、おかしいなと思ったんです。そんな合意はなかったはずだと。

 きのうもいろいろありました。私たちが要求している政府参考人、これについてはほとんどの方が呼ばれていない。また、呼ばれているとしても、肝心の答弁から逃げているという状況です。これでは、この毎月勤労統計の不正に関して真相を解明することはできません。

 ぜひ、委員長からも、議員が要求している参考人について積極的な出席を図っていただきたい、そのことをまず約束をしていただきたいと思います。

野田委員長 発言については撤回いたしました。

 参考人につきましては、後刻、理事会にて協議いたします。

西村(智)委員 きょうは、私、実はまた参考人の方、何人か要求をしていたんですよ。

 ところが、大西前政策統括官、それから統計委員会の委員長代理、これらの方については、まだお越しいただいていないんです。こういう状況では真相を明らかにすることができない。大変残念ですけれども、委員長もみずから真相解明しようという意図がないのではないかというふうに見ざるを得ません。

 ぜひ、この点については、強く委員長として采配を振るっていただきますように、強く要請をいたします。

 それでは、質問に入りたいのですが、まず、麻生大臣、昨日、大串委員が、子供を産まない方が問題だという麻生大臣の発言について、撤回と謝罪を求められました。

 その点について、麻生大臣は、何か小さい声でいろいろ言われたんですね。そういうふうに捉えたというのであれば、その発言は今後気をつけたいと思いますし、そういった発言だけを捉えたというんだったら撤回をさせていただきますということでした。

 必ずこの手の話をされるときは、麻生大臣、条件付なんですね。つまり、聞いた方がそういうふうに捉えたんだったら撤回をするというふうにおっしゃったわけなんですけれども、これは、前後の文脈がどうあれ、やはり、子供を産まなかった方が問題だという発言そのものは大変大きな問題だと思うんですよ。

 昨日はこの点について謝罪がありませんでした。ぜひもう一度、撤回と謝罪をしていただきたいと思います。

麻生国務大臣 これは昨日の御質問だったと記憶しますけれども、福岡での私の発言で、これは、いわゆる少子高齢化という話が一くくりにされているのが今の傾向ですけれども、少子と高齢化というのは基本的に別の話なんで、高齢化とか長寿化というのは、いかにも悪いかのような感じ、響きがありますけれども、そんなことはないんじゃないか、それよりむしろ産まなかった方が問題なんだと言ったら、女性に限らず、例えば私なんかは六人兄弟ですけれども、私は子供二人しか産んでいませんから、そういった意味では、私含めて産まなかった方が問題なんじゃないかというつもりで申し上げたんですけれども、女性だけに限っておるというようにとられた方もおられるんだという御指摘なんだと思いますけれども、そういう意見のようにとられたんであれば、私の方としては、誤解を招くような発言だったとして撤回をさせていただきます。また、そういった意味で、不快に思われたという方がいらっしゃるというんであれば、その点に関しておわびを申し上げます。

西村(智)委員 全く問題の本質をわかっていないというふうに今思いましたね。

 産む、産まない、これは一人一人の、カップルの選択なんですよ。それを、カップルの選択を後押しするための政策をやるのがまさに政府に求められていることであって、私たち、別に長寿社会が悪いって一言も言っていませんよ。一言も言っていないのに、そう麻生大臣が勝手に、何か長寿社会が悪いと世間では言われている、なんだけれども、少子化の方が実は問題で、子供を産まなかった方が悪いというふうに言っているということは、じゃ、麻生大臣はこれまで本当に少子化対策をやってこられたのかというふうに私は思うんですよ。

 これは社会全体の問題だと思っております。子供を産む、産まない、これはやはり個人の、カップルの問題、選択ということであるし、そして、いろんな状況があるわけです。そうでなかった人たちが、これは大変やはり心を痛めているというふうに思います。

 麻生大臣、今おわびはされましたけれども、もう今後こういった発言は絶対にしないでいただきたい、それから、もし万が一されたときには、条件付で、そういうふうに受け取った方があたかも悪いような発言は絶対にしないでいただきたい、こういうふうに強く要求をいたしたいと思います。

 それで、本題に入りますけれども、組織的な隠蔽があったのではないかと言われる今回の毎月勤労統計の問題です。

 私は、今回の問題は二つだと思っています。一つは、消えた給付金になるのではないかという問題。それから、今回の毎月勤労統計の不正は、何だか今、厚生労働省内の、内部の官僚の不正だというふうに問題が矮小化されるかのような意図が政府の方から出ていますけれども、実はこれは、アベノミクスがうまくいっていたという心証を与えるために賃金を偽装していたんではないかという疑い、これがあるということだと思っています。

 加えて、根本厚生労働大臣の資質の問題です。

 この間、いろんなことが徐々に徐々に明らかになってきましたけれども、少なくとも、十二月二十日には根本厚生労働大臣のところに報告が上がっていた。しかし、根本大臣は、そのことを聞いていた、その話を、不正があったという話を聞いていたにもかかわらず、翌日の毎月勤労統計の情報公表を了としていたわけですし、何よりも、予算の閣議決定にサインをしておられるわけですね。

 私は、大臣に、役所の中から報告が上がったときの文書、レクの文書、それから決裁文書、これを出してほしいと、一月の十一日から要求をしております。もう既に三週間たっているんです。しかし、出るとも出ないとも何にも返事がない。一体これはどういうことですか。

 根本厚生労働大臣、十二月二十日の、大臣にレクに行ったときの文書、出していただけますか。

根本国務大臣 私は、十二月二十日に事実関係の一報を事務方より受けました。具体的には、五百人以上規模の事業所において全数調査とすべきところ、東京都において抽出調査を行っていたこと、抽出調査の結果に必要な統計的処理を加えず、適切な復元処理を行わずに集計していたことについて報告を受け、私からは、経緯等について速やかに徹底的な調査を行うよう指示いたしました。

 これは口頭で私は報告を受けました。(発言する者あり)口頭で報告を受けました。

西村(智)委員 口頭で報告は受けた。そのときに、ペーパーは、役所の方は持っていませんでしたか。

根本国務大臣 私が報告を受けた、一報を報告を受けた、これは私、今申し上げました。これはこういうことだということで、口頭で報告を受けました。

西村(智)委員 答えてください。

 そのとき、役所側は手元にペーパーは少なくともあったんじゃないですか。それから、秘書官、大臣の秘書官がメモをとっていたはずですね。それはありませんか。

根本国務大臣 これは、内容は今私が申し上げたとおりですよ。この内容で尽きていますから。ですから、私はこれは口頭で報告を受けたし、何かこういうものを文書にして私に示して、こうですよということを読み上げたわけでもないので、これは口頭で報告を受けております。(発言する者あり)メモはありません。だから、そういう意味での、そういう意味での資料はありませんよ。

西村(智)委員 官房長、いかがですか。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 十二月二十日の件につきましては、大臣に報告した者からも、また秘書官からもお話を伺いましたが、大臣には、余り時間がない中で口頭で報告をしたと聞いているところでございます。

西村(智)委員 大臣のところに説明に行くときに、じゃ、手ぶらで行くんですか。そんな役人なんているんでしょうか。あり得ないですよね。

 大臣のところに報告に行くということは、少なくとも省内で情報を共有しているということですよね。共有している文書については作成をしなければいけないというのが公文書管理法の趣旨です。それはきちんと公開をしてもらいたい。作成しているんじゃないですか。官房長、どうですか。

定塚政府参考人 先ほど申し上げたとおり、当日報告をした者からは、資料を大臣にお見せをして説明をしたということではなく、口頭で報告をしたというふうに聞いております。

西村(智)委員 私は見せたか見せないかということも聞いていますけれども、役人の方が手元に資料は少なくとも持っていたでしょうというふうに聞いていますが、それについてはどうなんですか。それを出してほしいんです。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 当日大臣室に行きましたときに、行って報告をした者が手元に資料を持っていたかどうか、申しわけありませんが、今私は把握しておりません。

西村(智)委員 このように、大臣にどのような説明をしたかということは明らかにされないんです。されないということは、やはり組織的隠蔽をしているんじゃないかという疑いが極めて濃厚になってきているということです。

 この点について、やはり私、鍵を握るのは、大西前政策統括官だというふうに思います。この参考人招致についてずっと求めておりますけれども、きょうも、きのうから要求しているんですけれども、きょうも来ていただけない。

 これはやはり、大臣、大西政策統括官から、来ていただいて、本当にその経緯はどうだったのか、プロセス、大臣に報告するために作成された文書がいかなる内容のものであったのか、それについて明らかにしてもらう必要があるというふうに思いますが、大臣、いかがですか。

根本国務大臣 もう一度申し上げたいと思います。

 私は口頭で報告を受けました。大臣に対する報告というのは、おわかりかと思いますが、資料で説明して報告を受けるケースと、そして、これは先ほど申し上げたような事案ですから、こういう事案がありましたという口頭で報告を受ける、さまざまな私はやり方があると思いますが、少なくともこの点については私は口頭で報告を受けました。

 そして……(発言する者あり)紙を持ってきて、その紙で説明を受けたわけではありません。

 そして、大西統括官の件ですが、我々、統計への信頼回復に向けて全力を挙げて取組を進めておりました。その中で、基幹統計に関する一斉点検に際して報告漏れがあった政策統括官ですから、何でそこで報告漏れがあったのか、これは私は、引き続き統括官の職務を担わせることは適当ではないと考えて、今回の人事を行いました。

 厚生労働省の所管する統計に関することについては、国会での答弁も含めて、新たに任命された統括官が対応することが適当と考えております。その上で、前統括官に国会において政府参考人として答弁を求めるかどうかは、これは国会で決めていただくことだと考えます。

西村(智)委員 出したくないんですね、大西政策統括官を。

 なぜ、この大西さんだけ一人が更迭されたのか、これは私、すごく疑問なんですよ。

 毎月勤労統計の問題については、外部有識者も含めた特別監察委員会で報告書が出た。出ると同時に二十二人が処分をされました。

 この特別監察委員会の報告は極めて不十分なものであるし、その点についてはまた後で聞きたいと思いますけれども、それについては、曲がりなりにも検討の場があって、それで処分がなされたわけです。

 ところが、賃金構造統計調査に関しては、内部の調査だけで、本当に数日間の検討で、しかも大西さん一人が更迭をされているんです。

 何でですか、この違いは。どうしてこういう違いが出るんですか。教えてください。

根本国務大臣 私は、それぞれの事案によるものだと思います。

 そして、今回の統計については、これは毎勤統計で、我々は毎日精力的に取組をしている、その中で政策統括官が、今回の、いわゆる賃構といいますが、これについて、総理府から一斉点検を受けて、そして特段問題はないと報告をした、その次の日に気がついて、そして、要は改めて報告をし直した。

 やはり政策統括官というのは、その局、その職務の、この分野のトップですから、しかも、これについては、十二月には彼はそれを知っていましたから、調査員を郵送にしていたということは知っていたので、それで、報告をした後気がついたということで、再度報告したんだけれども、私はこれはやはり大変遺憾でありますから……(発言する者あり)

野田委員長 御静粛に。

根本国務大臣 そこは引き続き統括官の職務を担わせることは適当ではないということで、次の人間に担ってもらうように異動してもらった、こういうことであります。

西村(智)委員 意味不明な説明でした。

 今、お話を聞いていれば、隠していたのは室長の方ですよね。政策統括官を更迭させるというのは、私は根拠不十分だというふうに思いますよ。しかも、内部の調査で。外部の目が全く入らない調査で、大西さん一人を更迭するということを決めちゃったわけです。

 いつ決めたんですか、これ。問題が発覚してから、いつ、どういう経緯で、いつの時期にこれを発令してやめさせたんですか、更迭したんですか。

根本国務大臣 これは我々の判断として、彼はその分野の上司ですからね。そして、本来、トップだったらそういうことは気づいていなければいけない。

 我々はこの問題でずっとやってきているわけですから、その中で、この新たな問題について……(発言する者あり)人ごとではない。新たな問題についてまた漏れがあった、チェックできなかった。そして、しかし、すぐに次の日、報告を受けましたよ。これは統括官として私は任に値しないという判断をして、発令は、二月一日に発令をいたしました。

西村(智)委員 一月二十八日というと、もう本当にこれは三日とかのうちですかね、その日のうちなのかな、すごく短時間のうちに発令されているんですよね。

 これは、やはり客観的に見れば、組織的に隠蔽をしようとした。この毎勤の問題について解明をするキーマンである大西さんの口を封じよう、国会に呼ばれないようにしようと意図したというふうにこれは見られても仕方ないんですよ。

 大臣、問題解明をしようとしたら、当時担当者を、当事者、関係者をやはりこの場に呼んでいただいて、これは与野党ともに追及していかなければいけないことです。だから、しっかりと解明するというのが、これはどうしても必要なんじゃないですか。どうしてそれから逃げるんですか。何でそれを隠した、何で大西さんを隠したんですか。

 委員長、もう一回、大臣に答弁を求めてください。

根本国務大臣 隠すつもりは毛頭ありません。

 要は、基幹統計における一斉点検に関して……(発言する者あり)

野田委員長 御静粛に。

根本国務大臣 申告、報告漏れがあった。これは私は大変遺憾ですから。しかも、信頼回復のために毎勤統計でこれだけ最大限の努力をした中で、また気がついていませんでした。これは私は、その任にあらずということで、適当ではないと考えて、次の統括官にその任を担っていただくことにいたしました。

 そして、隠すなどというつもりは毛頭ありません。これは人事の処遇としてやった話であります。(発言する者あり)

野田委員長 御静粛に。

西村(智)委員 だったら、隠すつもりがないというのであれば、大臣の命令によって大西さんを政府参考人として出席できるようにすべきではありませんか。隠すつもりはないんでしょう。ぜひそういう指令を出していただきたいと思いますが、いかがですか。

根本国務大臣 厚生労働省の統計に関することについては、国会での答弁も含めて、新たに任命された統括官が対応することが適当だと考えておりますが、その上で……(発言する者あり)

野田委員長 御静粛にお願いします。

根本国務大臣 その上で、前統括官に国会において政府参考人として答弁を求めるかどうかは、国会でお決めいただければと思います。

西村(智)委員 これは堂々めぐりなんですよ、堂々めぐりですよ。

 政府参考人として呼ぶかどうかは国会が決めることだ。委員長は、もう既に局長級ではないから呼ばないということをおっしゃる。これは、じゃ、どうしたらいいんですか。どうやったら呼べるんですか。

 やる気がないんですよね。隠すつもりがあるから、やはりそうやってボールをお互いに投げ合って、結局呼ばないでこの予算委員会をやり過ごそうとしている。そんなこと、国民が許しませんよ。

 改めて聞きます。十二月二十日に大臣のところにこの一報を入れたという、報告に入ったのはどなたですか。大臣、答えてください。

根本国務大臣 私が報告を受けたのは、厚生労働審議官と政策統括官です。

西村(智)委員 ほかにどなたかいらっしゃいませんでしたか。審議官と政策統括官、ほかに誰かいらっしゃいませんでしたか。どこで説明を受けて、その部屋の中にはほかにどなたがいらっしゃいましたか。

根本国務大臣 私が報告を受けたのは、大臣室であります。そして、報告をした人間は、厚生労働審議官と政策統括官であります。

西村(智)委員 審議官と政策統括官、どなたですか。現在の政策統括官ですか。具体的に名前を答えてください。

根本国務大臣 大西前政策統括官であります。

西村(智)委員 だとすれば、やはりキーマンは大西前政策統括官ということになります。

 ですから、やはり必ずこの予算委員会の場に、予算審議に間に合うように出てきていただかなくてはなりません。もう二日も逃げられていて、このままでは、この審議、なかなか深まっていかないですよ。ぜひここは、しっかりと呼んでいただけますように、委員長にも重ねてお願いをしたいと思っております。

 さて、それで、今回の問題は、第三者性を持った特別監察委員会が調査をするということで、わずか一週間足らずの議論で調査報告書がまとまったということにも問題があります。

 一月の十七日に、発足をして一回目の会議が開かれて、二回目の会議は一月の二十二日に開かれて、午前中に招集されたその会議の、その日の朝に報告書の原案が役所の方から見せられて、それをもとに議論した。

 つまり、この特別監察委員会というのは、調査項目も厚労省の事務方が決める、そして、質問のヒアリング、これも、そのおよそ三分の二ぐらいを厚労省の内部の人たちがやっているということで、非常にお手盛り感の強い調査だったわけですね。

 これは、私、この前の閉会中審査で大臣に聞きましたら、しっかりと議論はしてほしい、だけれども、できるだけ早く議論をしてほしいということで要請があったというふうに伺っているんですけれども、きょうは、この特別監察委員会の委員長を務められた樋口先生も来てくださっていると思います。

 委員長、この大臣からの要請、そして、わずか一週間足らずの議論で報告をまとめなければいけなかったというこのスケジュール、すごく短期間で、むちゃな注文だなというふうにお思いになりませんでしたでしょうか。

野田委員長 ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

野田委員長 速記を起こしてください。

西村(智)委員 これはちょっと世間の常識からすると信じられない話なんですけれども、JILPTの理事長として呼んだら来てくださるんだけれども、特別監察委員会の委員長として呼んだら来ないということなんですよね。これってどういうことですか。(発言する者あり)

野田委員長 お静かにしてください。

西村(智)委員 同じ人物であるのに、肩書が違うだけで、来れない、あるいは来る。これって、もう質疑できないですよ、私。

 この内容についてもう一回、あるいはプロセスについてもう一回、委員長に聞こうというふうに思っていたのに、これって一体どういうことなんですか。(発言する者あり)ちょっと、後ろの人、やじがうるさいので、委員長、注意してください。

 私、こういう一つ一つが、政府・与党がこの問題から逃げようとしている、隠そうとしている、こういうことにやはり見えてくるんですよ。きちんと出るべき人が出て、そして出すべき人もきちんと出して、真摯に説明をする。

 何せ、この問題は、統計に関する国際的な信用を落として、そして大変多くの国民が、給付、保険、この過少な給付を受けていたという、国民に迷惑がかかっている話なんですよ。だから、この場で明らかにするということは当然だというふうに思うんです。それができない。何か理由があるというふうに私たちはやはり見ざるを得ません。

 これまで安倍内閣は、森友、加計の問題でも財務省の佐川さんを隠し続けました。そして、公文書の改ざんまで行ってきた。そういう内閣ですから、私はこういうことも平気でやるんだなというふうに思います。ぜひこの点は明らかにしていってもらうべきだというふうに思っております。

 それで、では、きょう委員長がいらっしゃらないので大臣にお伺いしますけれども、昨日、大臣は、この特別監察委員会について、何かちょっとおかしなことをおっしゃいましたよね。第三者性を強調し過ぎたというふうに答弁されているんですけれども、これはどういう意味ですか。

根本国務大臣 特別監察委員会は、統計の専門家、弁護士などの外部有識者による中立的な、客観的な立場から集中的に検証を行って、事実関係と、関係職員の動機、目的、認識など、さらに、責任の所在を明らかにする報告書をまとめていただいたんですが、要は、特別監察委員会というのは、それまで監察チームということで、外部有識者とそして厚労省のメンバーと、これはもともとそういうチームがありましたから、こういう案件があった場合にはそういうチームが発動してやる、それはずっとやってきましたけれども、やはり私は、より中立性、客観性を高める必要があるということで、統計の専門家も入れて、そして弁護士などで構成する有識者の方も入れて、そこで判断してもらう、そこで検証してもらうということで、十七日に立ち上げました。

 そして、これは、まさに中立性、客観性を高めるために特別監察委員会を設けた。そしてそれが、私は、第三者的立場からやっていただいていますから、その意味で第三者委員会という言葉も私は、そういう言葉を使ったこともある。そしてそこが、これが果たして第三者委員会として言えるのかと。小泉進次郎議員から、第三者性を強調し過ぎたのではないか、こういう話があったので、私は、中立性、客観性を高めるために、私の指示で外部有識者のみの会議体としたにもかかわらず、その趣旨が事務方に徹底されずに、厚生労働審議官や大臣官房長といった内部の者がヒアリングで質問するなど疑念を抱かせたこと、これを反省していますから、私は、第三者、疑念を抱かせたこと、結果的に、これは私も第三者性を強調し過ぎたということで、その点について私は反省をしていると述べました。

 そして、現在は、特別監察委員会の委員のみが質問する形式でのさらなるヒアリングを行っていただいております。

西村(智)委員 いや、全く意味のわからない答弁でした。私は、第三者性を強調し過ぎたというのはどういう趣旨ですかと聞いたんです。それについて、大臣、今の答弁は何ですか。何か意味がわからなかったですね。

 もう一回質問します。第三者性を強調し過ぎた、今言われたんですけれども、これは、どういう考えで、きのうそういうふうに答弁をしたんですか。

根本国務大臣 ちょっと私、事実関係で訂正させていただきます。

 特別監察委員会を十七日に設置したと言いましたが、設置したのは十六日であります。

 それで、この特別監察委員会の性格、これは、私は、より中立性、客観性を高めるために、統計の専門家も入れて、そして外部有識者、弁護士なども入れて、そこで会議体としてしっかりやっていただこう、要は、厚生労働省は入らないで、外部の有識者たちでやっていただこう、これが私の趣旨。そして、その趣旨が事務方に徹底されずに、立ち会ったということで、それは……(発言する者あり)

野田委員長 お静かにしてください。

根本国務大臣 疑念を抱かれましたから、結果的に疑念を抱かれた、その意味で、第三者委員会という発言もしましたが、第三者性を強調し過ぎた……(発言する者あり)

野田委員長 御静粛に。

根本国務大臣 これを私は反省しております。そして、今、外部有識者の方に、改めて委員のみが質問する形でさらなるヒアリングを行っていただいております。

西村(智)委員 いや、第三者性を強調したら、特別監察委員会はもっと独立して、第三者的にやっていてしかるべきだったんですよ。それができなかったということは、大臣の指導力不足ではありませんか。

 総理、このように、第三者性と根本大臣が強調したにもかかわらず、役所の方は、その第三者性という言葉を、何か今の大臣の答弁だと、よく理解しなかったということで、非常にその第三者性が低下した。もうこれはひどいものです。あらゆるいろいろな外部有識者会議があるけれども、この特別監察委員会の第三者ランキングは恐らく最下位ぐらいでしょう。

 そういった委員会にお任せをしっ放しにしていた根本厚生労働大臣。しかも、先ほど、十二月二十日のレクについても、大西さんにここはよくよく聞いてみないとわからないところではありますけれども、一報を受けても、そのときに、毎月勤労統計の翌日のデータのことについても思いが及ばない、そしてまた、予算の閣議決定を、予算を編成し直さなければならないかもしれないというところに思いが至らない。こういう大臣は、その任にあらずというふうに思いますが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 まず、毎月勤労統計について不適切な調査が行われ、セーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわびを申し上げます。

 高い専門性と信頼性を有すべき統計分野において長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任については、重く受けとめております。

 その上で、厚生労働省の特別監察委員会において、更に、事務局機能も含め、より独立性を強めた形で厳正に検証作業を進めていただくこととしているところでございまして、そのために、具体的な運営方法についても特別監察委員会においてお決めいただくことが適当と考えております。事実の検証や実態の解明に関する部分については、職員の関与を極力排除した形で行われることが望ましいと考えております。

 信頼回復に向けまして徹底した検証を行い、そして同時に、再発防止に万全を期していく、そのことにおいて、根本大臣にはしっかりと職責を果たしていただきたい、このように考えております。

西村(智)委員 私、そんなこと聞いていないんです。

 根本大臣が第三者性を強調したはずの役所の中で全く第三者性が担保されていない委員会が進んできて、そして不十分な調査報告をまとめて、そして、十二月二十日にレクを受けていたにもかかわらず、その後の対応を全くとっていない。ということは、根本大臣はその任に適しているというふうに大臣は本当にお考えなのか。これは総理の任命責任もありますよ。

 総理、もう一回、明確に答えてください。私が今聞いたのは、今総理から答弁してもらったようなことじゃないんです。もう一回、お願いします。

安倍内閣総理大臣 大臣の任命については、これは私の責任であります。そのことは明確にしておきたい、こう思うところでございますが、この問題につきましては、先ほど説明をさせていただいたように、まさに厚生労働省において特別監察委員会を、その上で、厚生労働省の特別監察委員会において、事務局能力を含め、より独立性を強めた形で厳正に検証作業を進めていただくこととしているところでございます。

 そのための具体的な運営方法についても特別監察委員会においてお決めいただくことが適当と考えておりますが、事実の検証や実態の解明に関する部分については、職員の関与を極力排除した形で行われることが望ましいと考えているところでございまして、こうした考え方のもと、しっかりと今後、根本大臣には指導力を発揮してもらいたい、こう考えているところでございます。

西村(智)委員 さっきと同じ紙ですね、それ、読んだの。

 去年は御飯論法という言葉が流行語大賞にもノミネートされていましたけれども、やはりことしも、すりかえ、ごまかし、はぐらかし、この答弁を総理はされるおつもりなんですね。

 私、こんなことでは、この問題の解明はできないというふうに思いますよ。まず、総理みずからが、この毎月勤労統計の不正について先頭に立って明らかにする、そういう姿勢を示してもらわなければなりません。厚生労働省に全て丸投げ、そして根本大臣にやってもらえばそれで十分だということで、本当にこの問題を明らかにできると思いますか。こういった姿勢が続いているから、いつまでたっても政府は自分にとって不都合な情報を隠し続ける、そういう体質になっているんじゃありませんか。

 私は、次にも質問したいと思っていますけれども、いまだに政府が、この毎月勤労統計で、いわゆる共通事業所の実質賃金の推移について明らかにしないということも、これも隠蔽だというふうに思っています。

 アベノミクスは、実質賃金が下がり続けているということが言ってみればネックでした、アキレス腱でした。消費者物価指数は上がっている、名目賃金も上がっている、名目賃金指数も上がっている。しかし、きょう資料でお配りしておりますけれども、安倍政権がスタートした二〇一二年度で指数を一〇〇として縛ると、その後、上がり続けているのは消費者物価指数と名目賃金指数のみです。この消費者物価指数の上がり方はすごい。当然、消費税が上がったからそうなんですけれども。

 一方で、実質賃金指数、どうなっていますか。安倍政権がスタートしてからの二〇一二、一三、一四、一五、一六、一七、ずっと一貫して実質賃金指数、下がっていますよね。これを何とかしたいというふうに私は総理官邸が考えても不思議ではなかったというふうに思うんですよ。なぜならば、GDPも数字を上げたい。GDPの計算についてはこれは影響がないというふうに政府は確認したと言っていますけれども、これとてブラックボックスですから、何が何だかわかったものじゃありません。

 そして、この実質賃金指数が上がっていない時期であっても、消費税を上げる、この判断を今総理はしようとしています。とんでもないことです。

 では、まず伺いたいと思いますけれども、共通事業所の実質賃金、根本大臣、なぜ出せないんですか。なぜ出せないんですか。もう一回聞きます。

根本国務大臣 統計というのは、我々はやはり、こういう必要性があるから統計をつくる、やはりきちんとした統計の目的、狙い、趣旨、これをクリアにした上で私は出すべきだと思います。

 その意味で、本来、毎月勤労統計の本来の本系列、これは月々の賃金水準を見るものですから、これは時系列の比較が可能となるように、過去からの賃金水準の変化を示す名目賃金指数を策定しておって、そして、その指数については消費者物価指数と対比した実質賃金指数もあわせて作成し、公表しています。これは本系列ですからね、これは本系列。だから実質化もしている。もう一方で、共通事業所系列というのはサンプリングを入れかえる方式をとることにしました、より精度を高めるために。

 そうすると、もう一方で、参考指標としては去年とことしの共通に報告している共通事業所系列を出して、去年とことしの、要は、これは名目で出していますけれども、やはり実感をそれぞれの企業の中で、あるいは、個々の労働者に対応するものではありませんけれども、一事業所の平均ですから、だから、これはやはり景気の実感を感じるのは名目だろうということで、共通事業所系列という同じもので出す。

 ただ、共通事業所系列についてはあくまでも当年と前年の比較を目的としておりますから、賃金水準の比較にはなじまない。そのために、共通事業所を、賃金水準の比較は全体の賃金水準は本系列で出していますから、あとはその中で共通事業所というのを選んで、そこでの数値もあくまでも参考値として出す。これは景気指標として迅速性、そして景気指標としての捉え方という意味では共通事業所系列で見る、そして、実際の賃金水準をあらわすものとしては本系列で見る、これはこういう整理をしております。

 その意味で……(発言する者あり)いやいや、同じことを言っています。

野田委員長 御静粛にお願いします。答弁中なので、静かにしてください。

根本国務大臣 同じことを申し上げています。きちんと政府として、それはお示しをしております。

 その意味で、共通事業所系列というのは、共通事業所というのはサンプルも少ないし、そしてあるいは、全数の五百人以上の事業所を今回当然ですが入れた、そうすると、回答によってまたそこが振れる可能性があるので、さまざまな課題があるので、これを実質値で出すということについては統計の専門家にもいろんな課題や問題点も指摘されておりますので、実質系列ということで統計として出すということについては、これは私は専門家を含めた検討が必要だと思っております。

西村(智)委員 大変長い答弁いただきましたけれども、結論は、出さないということですか。いつまでも出さないということですか。

 これは、厚生労働省のヒアリングの中でも、それは出すべく検討中だと。総理も答えていますよね、本会議の答弁で。出すことを検討中ですというふうに答弁されていますけれども、これはどういう検討を今されているのか、それを伺いたい。

 それから、大臣、さっき、実質的な、何というか、生活実感は名目賃金で見るのが正しいんだというふうに答弁されましたけれども、それは本当ですか。ちゃんと答弁してくださいよ。

茂木国務大臣 名目賃金と実質賃金について説明をさせていただきます。(発言する者あり)

野田委員長 御静粛に。事実確認です。

茂木国務大臣 まず、生活実感との関係で説明を……(西村(智)委員「違う、違う、委員長、委員長」と呼ぶ)

野田委員長 ちょっと今、確認をしていますから。確認をしていますから。茂木大臣から、まず。簡単に。(西村(智)委員「私は根本大臣に聞いています。根本大臣の答弁だから、根本大臣に聞いています。茂木さんは下がってください。茂木さんには聞いていない」と呼ぶ)

 指名しましたから。茂木大臣。

茂木国務大臣 西村さん、御指名いただきましたので、委員長から指名いただきました。(西村(智)委員「茂木さんには聞いていない。根本大臣の答弁だから、根本大臣に聞いています」と呼ぶ)

野田委員長 いや、名目と実質とお話が。説明をされてから、聞いてみてください。(西村(智)委員「違う、違う。時間がないんです。時間がないから答えてください」と呼ぶ)

 では、茂木大臣、一回お引き取りください。

 根本厚労大臣。

根本国務大臣 まず、私が、名目が実感であるとお答えしたのは、共通事業所系列をなぜ参考値として示したかという意味で、私は……(発言する者あり)申し上げました。いや、ちゃんと聞いてください。私は真面目に聞いているんだ。

野田委員長 ちょっと御静粛にお願いします。ちょっと静かにしてください。

根本国務大臣 例えば、いいですか。じゃ、私は、客観的な……(発言する者あり)いいですか、共通事業所系列をなぜ名目で参考値として出したか。

 経済財政諮問会議の西村統計委員会委員長が発言をしております。統計委員長が発言をしております。景気指標として多数の人が実感するのは、自分の事業所の平均賃金が上がったのか、自分の企業の投資が増加したのかである、つまり、同じ事業所の平均賃金の変化、同じ企業の投資の変化になる、これに対応しているのは、サンプルを継続して調べている継続サンプルによる指標、これが共通事業所の指標ということでありますが、統計として統一的に参考の指標として提示するということをしていきたい、こういうことである。

 これは毎勤統計の共通事業所を……(発言する者あり)

野田委員長 ちょっと御静粛に。聞こえないので、答弁が。

根本国務大臣 なぜ参考値として設けているかということの答えであります。

西村(智)委員 だとしたら、やはり共通事業所の実質賃金を出してもらうべきじゃないですか。何で出せないんですか。どこでどういう検討をしているんですか。もう一回、答弁してください。

根本国務大臣 統計として、今、参考値で共通事業所系列を出しているという理由は申し上げました。

 そして、実質化というのは、やはり経年的な推移を見るためにやるのが、例えば実質化の一つの理由ですが、これを参考値として共通事業所系列をつくった。これを実質値として、実質の系列として出すかどうかということについては、私はやはり統計的な、専門的な検証が必要だ。そして、例えば、共通事業所系列については幾つか課題があるんだけれども、新規事業所が反映されずに、また標本数が小さくなるため、本系列より誤差が大きくなる。あるいは、専門家からは、共通事業所系列は作成されてまだ十一カ月ですから、観測を開始したばかりで蓄積もない資料であること、あるいは、東京都の五百人以上規模を全数調査にした場合、一部の大企業が非回答、つまり賃金が高い企業が例えば回答しないということで変動する可能性がある。

 そういう課題がいろいろありますから、実質、我々が勤労統計として実質化系列を作成するということになると、さまざまなこのような課題を専門的に私は検証する必要があると思っております。

 それと、統計というのは、統計をつくる側はいろんな統計指標を出すわけですが、もう一つは、ユーザーがそれをどう利用するか。そこは、ユーザーがどういう統計を利用するかというユーザーの視点もありますから、ユーザーがさまざまな利用をされるということは、私は、ユーザーの観点で利用していただいたら結構ですが、我々としては、きちんとした統計として、政府が出す統計として、きちんとやはり検証されたものを出す必要があるので、そこは、それは、実質化系列の方を作成をして我々が出すということについては、専門的な検証が必要だと考えています。

西村(智)委員 いや、何かこの点に関しては根本大臣はかたくななんですよね。出さないんですよ、絶対に。総理も検討するというふうに言っておられるのに、何か今の根本大臣の答弁はすごくかたくなで。

 専門家の検討も必要だからということなので、今、私は、どこで検討しているんですかというふうにも聞いたんですよ。何にも答えてくれない。

 統計委員会の委員長、呼びました。来ていただけない。海外出張中だそうです。なので、じゃ、委員長の代理の方をというふうにもお願いしたんですけれども、これも来ていない。統計委員会と少なくともその点はやりとりをしていなければおかしいのに、本当にこれをやっているのかどうか、これも疑わしくなってしまうんですよ。

 実質賃金の共通事業所系列の伸び、いいえ、下がり方、出したくないんですか。そんなに出したくないんですか。

 さっき、大臣は最後の方で言いました。ユーザーのためにデータは提供するんだというふうに言いました。政府が出してくる統計を使うのは、まさにユーザーなんですよ。国民なんです。国民が、出された統計をもって、あるいはエコノミストの方々もそれを見て、自身で分析をして、それで将来の予測をする。これが、政府からちゃんとした統計が出てこない、数字が出てこないというんだったら、どこが誠実なデータだというんですか。

 出してもらわないと困りますよ、大臣。

根本国務大臣 要は、統計をお示しする側、毎勤統計をつくる側、これは、やはりきちんとした、私は、実質化系列というものを、共通事業所について、今は名目ですけれども、これを実質化系列ということで我々が出すということについては、統計の専門家のきちんとした検証をしなければ。

 それと、もう一つは、我々は名目値として共通事業所系列を出していますから、例えば、ユーザーの方がそれを、例えば消費者物価指数で割り戻すということをユーザーの方がやられる、それはユーザー側の方のニーズでやるわけですから、そういうことは我々は……

野田委員長 大臣、簡潔に答弁してください。

根本国務大臣 あとはユーザーの方々の判断でやってもらうということだと思います。

西村(智)委員 それじゃ、根本大臣、野党が試算した共通事業所系列の実質賃金の下落ぶり、これを認めてくださるんですか。

根本国務大臣 私は、繰り返すようですが、共通事業所系列を実質化系列で出す、それについては専門的な検証が必要だということでお答えをいたしました。

 そして、名目の共通事業所系列を例えば機械的に消費者物価で割り戻すということで、そういうことで出されたことについては、その限りにおいては、その前提の限りにおいては、それは今委員がおっしゃられたとおりだと思います。その前提においてはですよ、ユーザー側として。

西村(智)委員 今、根本大臣は、昨年の二〇一八年の実質賃金の共通事業所系列分が〇・五%のマイナスであるということをお認めになりました。これは大変重要な答弁だと思います。

 だとすれば、総理、こういった状況で、消費税、本当に上げられますか。私、今回の消費税増税、軽減税率を導入したこと、それから、ポイント還元とかプレミアム商品券とか、本当に国民が混乱するような制度をあわせて導入したこと、これは大変大きな問題だと思っています。こういう状況の中で、本当に総理は、消費税一〇%増税、やるんですか。

安倍内閣総理大臣 先ほどの毎勤統計における実質賃金等の議論というのは、これはもう随分、ずっとやっている実は議論なんです。いつも私は……(西村(智)委員「そんなことはわかっているから、いいから答弁してくださいよ」と呼ぶ)

野田委員長 静粛に。答弁中は静かに。

安倍内閣総理大臣 いやいや、今、答弁中ですから、質問席からいろいろとやじを飛ばさないでください。

 ここで、やはり国民の皆様にわかりやすく説明する必要があるんだろうと思うんですが、これは事業所ごとの集計でありますから、一人の雇用者の賃金をずっと追っているわけではないんです。ということはどういうことかというと、例えばこういうことも起こるんですね。

 それは、十人の、例えば事業所であったとします。そこが仕事が忙しくなって、パートの方を二人雇ったとします。しかし、当然、パートの方ですから、賃金は低い。そうなりますと、そこでの人件費を十二で割ると、実は、仕事が忙しくなる前の方がよかったということになるわけであります。

 言ってみれば、家庭でいえば、Aさん、Bさんがいて、パートナーがいて、一人の人が給料を五十万円もらっていた。その後、Bさんも新たに仕事ができたので働くけれども、働き始めてから三十万円しかもらえなかった。となると、そうすると総計は八十万円になるわけでありますが、平均は四十万円になって、では下がったということになるわけであります。

 ですから、いつも私たちが言っているのは、家族の稼ぎである、いわばこの八十万円の方が経済の実態をあらわしているのではないかということで総雇用者所得ということを申し上げてきたわけでありまして、総雇用者所得におきましては、名目においても実質においてもこれはプラスになっているということはずっと申し上げてきて、こういう議論はずっとしてきたわけでございます。

 ですから、我々は、そういう数値をよく見ているということになるわけでございます。

野田委員長 西村さん、申合せの時間になりました。

西村(智)委員 もう時間が来ましたので最後にしますが、総理、総雇用者所得というデータは統計法上の統計じゃないんですよ。内閣の経済担当が関係閣僚会議の資料として出してきた文言をそのまま使っているだけです。これは統計法上の統計ではありません。

 そして、全体的な数字としていつも総理はおっしゃるんだけれども……

野田委員長 西村さん、質問時間が終了しております。

西村(智)委員 個々の人たちの生活を見てください。個々の人たちの生活を切り捨てるような法改正は絶対にしないでください。

 終わります。

野田委員長 これにて長妻さん、大串さん、小川さん、西村さんの質疑は終了いたしました。

 次に、玉木雄一郎さん。

玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。

 立憲民主党の同僚議員の皆さんに引き続いて質問をいたします。

 統計の問題は国家の信用、信頼そのものの問題だと思いますので、ここは野党が力を合わせて団結をして、おかしなところはしっかりと追及をしていきますので、よろしくお願いしたいと思います。

 あわせて、国民民主党、我が党としては、建設的な提案もあわせて行いますので、ぜひ真摯な答弁をまずお願いしたいと思います。

 委員長、まず伺いたいんですが、専門家も入れた議論が必要だと思います、統計の議論は。ですから、私は、統計委員長、委員長がどうしても海外出張ということであれば、委員長代理を呼んでいただいて議論をしたいということでお願いをしておりましたが、認めていただけませんでした。

 平成二十五年の十一月十五日の内閣委員会には、実際、統計委員長がお越しいただいて、参考人として、建設的なやりとり、答弁をいただいております。それがなぜ今回認められないのか、理解できません。

 まともな議論をするために、ファクトに基づいた、事実に基づいた冷静な議論をするためにも、ぜひこうした、野党が要求した参考人については、しっかりと呼んでいただくことを委員長としてもぜひ取り計らいをお願いしたいと思います。

 このことが一番の国会改革だと思いますので、単に与党の力で、数の力で押し切る、それを拒否するということがないように、まずお願いしたいと思います。

野田委員長 この件につきましては、後刻、理事会で協議いたします。

玉木委員 まず、じゃ、二千万人の方に追加給付が必要だという話はきのうもありました。

 総理に伺います。

 最後のお一人まで、本来払うべき額を二千万人、約二千万人の方にしっかりと払うのかどうか、この決意について伺いたいと思います。最後のお一人までしっかりと給付を行う、このことをまず明言ください。

安倍内閣総理大臣 今回の統計においていわば不適切な調査が行われていたことについて、おわびを申し上げたいと思います。

 そこで、この給付、本来支払われるべき給付については、既に根本大臣から答弁をさせていただいている手順で、しっかりと万全を期して対応させていただきたい、このように考えております。

玉木委員 いや、私が聞いているのは、予算計上していますね、約二千万人と伺っておりますが、この方々に、国家の責任として、本来払うべき額だったわけですから、あらゆる手を尽くして最後のお一人までお支払いする、そういった気持ちが総理にあるのかないのか、伺っています。

安倍内閣総理大臣 既に答弁をさせていただいておりますが、我々としては、全力を尽くしていくということでございます。

玉木委員 ということは、必ずしも全ての人に払えない可能性があるということですか。

安倍内閣総理大臣 これはもう恐らく玉木委員もわかっている上で質問しておられるんだろう、このように思いますが、完全にこちらが全ての方々を把握できているわけではないわけでございまして、雇用保険においても労災保険においても、現在お支払いしている人たちについては把握をしているということは当然のことでございます。

 そうではない方々について、これはもちろん、お問合せをいただければ直ちに全力で対応していくということにしているところでございます。

玉木委員 ということは、払えない人がいるという理解でよろしいですか。結果として払えない人が出てくるかもしれないという答弁と理解しましたけれども、それでよろしいですか。

根本国務大臣 工程表は、きのうお示しをいたしました。現在受給している方については、三月から六月までに知るし、つまり、現在受給している方、過去に受給していた方は、住所を特定できた方にはお支払いをする。

 そして、今、玉木委員のおっしゃっているのは住所がわからない人、住所がわかる人はみんなこっちが特定でやりますからね。厚生労働省で住所データを保有している給付についても、住民基本台帳データにより住所情報を確認し、最新の住所情報を把握していく予定です。

 それから、当省に住所データがなく、他のデータでも住所情報を補完できない方については、住民基本台帳データにより住所情報を確認し、追加給付の可能性がある方とその住所を把握していく方針であります。

 そして、住民基本台帳を活用して住所情報が特定できない方、これについては、雇用保険の被保険者番号のある方については、現在の雇用主に照会の上、事業所の住所に本人宛て、お知らせを送付する。

 もう一点は、やはりこれは広く周知、広報が必要だと思います。広く周知情報の広報に努めた上で、コールセンターなどに御連絡いただいた場合に、きちんと聞き取った住所にお知らせをするなどの多角的な方法、手法を検討していきたいと思っています。

 とにかく、給付できる方を特定して、捜して、我々、最大限の対応をしていきたいと思っております。

玉木委員 答えていただいていませんね。最後の一人まで払う気があるのかどうかを聞いているんです。

 今、大臣からも長い答弁がありましたけれども、これは結局、払い終わるのはいつごろだと見込んでいるんですか。

根本国務大臣 給付の工程表、これはお示しをいたしました。あの給付の工程表に従って、給付の不足分、できるだけ速やかに簡便な手続でお支払いできるよう、万全を期して必要な対策を施行してまいります。

 そして、追加給付の対象となり得る方の中には転居等によって住宅情報を特定できない方が相当程度存在しますが、私が先ほど答弁した形で特定していく、そして、できるだけ、できる限り多くの方の住所を特定できるよう、最大限努力していきたいと思います。

玉木委員 答えていません。給付完了のめどを教えてください。

根本国務大臣 ですから、我々、今工程表も示して、精力的に対応したいと思っています。

 要は、速やかに対応していきたいと思います。できる限り速やかに対応していきたいと思います。

玉木委員 めど。

野田委員長 根本厚生労働大臣、いま一度御答弁をお願いします。

根本国務大臣 工程表で、現在受給している方あるいは過去に受給した方……(発言する者あり)

野田委員長 お静かにお願いします。

根本国務大臣 それぞれの方についての工程表をお示しいたしました。ですから、具体的に、いつ、めど、これは、めどをお示しできるものについてはもうお示しをいたしました。そして最後に……(発言する者あり)工程表で示しました。例えば、現在受給している方については、新たな支給分を三月―六月までに……

野田委員長 お静かに。答弁中です。

根本国務大臣 工程表に、現在受給している方については、新たな支給分は、三月―六月までに順次、再計算された本来支給すべき金額でのお支払いを開始する。例えばのことを言っています、例えばの事例。そして、過去の支給分は、給付の種類に応じて三月から十月ごろにかけて順次お知らせを開始し、その後お支払いを進めていく。こういう工程表を明示しています。

 そして、そういうものをやった上で、我々、具体的には、その点については今お示しをしておりますが、最後に、どうしても住所が特定できない方については、あらゆる方法を考えて、そしてお支払いする努力をする。それはできる限り速やかに対応してまいりたいと思っております。

 めどについて、具体的に今何月だということは、具体的には、たった今の段階では、お示しできる方にはお示しをしている。今受給している方あるいは過去に受給した方で、こういう要件に該当する方には……(発言する者あり)

野田委員長 静かにしてください。

根本国務大臣 きちんとそこはお示しをしておりますが、最後の全体のめどについては、これは我々、できる限り速やかに対応していきますよ。きちんと予算も計上していますから、これはしっかり我々努力をしていきたいと思います。

玉木委員 開始のめどはわかりましたけれども、完了のめどはわかりません。わからないならわからないということを言ってもらいたいんですよ。

 来年度予算に計上している以上、原則単年度主義をとっていますから、年度内にどこまでやるんだということも示しながらやはり予算の議論をしないとだめだと思いますね。全く、頑張ります、最大限やりますでは、私は、責任ある対応でもないし、税金や特別会計のお金の使い方でもないと思いますよ。そこはしっかりと誠実に示すということを求めたいと思います。

 現時点では完了のめどはわからないということで理解をいたしました。

 それと、もう一つ、平成十六年から平成二十三年については、もととなるデータがもう破棄されて、ないと伺っています。さまざまな推計に基づいて本来支給すべき額を計算して、現に給付したものとの差額を予算計上していると伺っていますが、不思議なんですが、もとのデータがないわけですから、本来給付すべき額というのはわからないはずなんですね。あくまで推計の推計です。

 伺いたいのは、そういった極めて根拠の乏しい推計に基づいて給付をすることに法的根拠はあるのか、あるいは、そういう額を予算に計上して支出する根拠が、一体いかなる根拠で認められているのか。

 あくまで推計ですから、本来給付すべき額と比べると、過少かもしれないし過大かもしれないんです。もしそういった特例を認めるのであれば、一本、特例法が予算関連法で必要ではないかなと私は思うんですが、推計に基づいて追加給付をする法的根拠を教えてください。

根本国務大臣 我々、平成十六年から平成二十三年まで、これは実は、全部やり直そうとすると三種類のデータが必要なんですが、もし聞かれればお答えいたしますけれども、三種類のデータが必要なんですが、そのデータは、一部は、保存期間が過ぎて、ないもの、なくて、廃棄しているもの、あるいは、一部は残っているものがありますけれども、三種類のデータが全てそろっていないと正確な復元はできません。

 その意味では、平成二十四年度以降は再集計値というのを出しました。そして、我々、平成十六年から二十三年まで、統計的な処理によって再集計するために必要なデータが存在しませんので、できる限り速やかに国民の不利益を解消していくという観点から、給付のための推計値を出しました。

 これは、給付のための推計値は、要は、再集計して、それぞれの今までの公表値との乖離幅がありますから、その乖離幅の平均を公表値に加えるという観点で給付のための推計値を出した。要は、これは、毎月勤労統計を基礎として、そして加工し算出したものであります。

 今、法的根拠というお話がありました。

 これは、これを基礎として例えば平均給与額などを出していくわけですけれども、雇用保険法においては、「毎月勤労統計における労働者の平均定期給与額を基礎として厚生労働省令で定める」ということになっております。毎月勤労統計を基礎として加工し算出する、ここは、この法律上の、毎月勤労統計における労働者の平均給与額を基礎として厚生労働省令で定めるという、省令に委任されていますから、この省令できちんと書き込んでいきたいと思います。

玉木委員 ということは、本予算の審議の前に省令案はきちんと通っておかなければいけませんね。

 基礎としてというのは、通常はこの毎月勤労統計をもとに計算するんですけれども、このように推計の推計を重ねて、〇・六%の乖離率があるからそれを掛けてという話は、物すごい遠い話ですよ。本来法が予定していた毎月勤労統計を基礎としてからは外れていますから、そういう意味では、こういう特例的なことが起こったということを踏まえて、少なくとも省令改正しないと、この予算案を審議するそれこそ法的根拠を欠くんじゃないですか。もう省令はできているんですか。

根本国務大臣 我々がこういう対応をするのは、できる限り速やかに国民の不利益を解消していく、やはり給付を速やかにやらなければいけませんから、我々の法的根拠として、「基礎として」と書いてあるので、毎月勤労統計を基礎として加工して算出する。それは厚生労働省で、要は、乖離幅は〇・六パーですけれども、その趣旨を厚生労働省令で書き込むことにしております。(玉木委員「しているんですか」と呼ぶ)しています。しています。厚生労働省令でこの趣旨を踏まえた条文を書き込む、厚生労働省令で書き込みたいと思います。

 あくまでも法令上の根拠は、この雇用保険法において、「基礎として」、こう書いてあるから、だから、基礎として加工、算出したもの、それを、その内容は省令で書き込みます。

玉木委員 わかりました。今、新しいお話を伺いました。

 この〇・六の乖離、これは二十四年度から、データが残っているところについては平均すると〇・六、実際の給付額と離れているからそれが出るので、それをもとに、データのない十六年から二十四年については、あくまで推計、バーチャルな数字ですね、それでやるということは、さすがにそのままではいけないので、一本、省令を改正してからやるということで今お答えいただいたんですが、そういう理解でいいですね。省令改正を行うということですね。今そういう理解をしましたけれども、改めて。

 ちょっととめてください。整理してください。

野田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

野田委員長 速記を起こしてください。

 根本厚生労働大臣。

根本国務大臣 来年度予算に係る追加給付、これは、省令で書き込んで、それを根拠に追加給付をするということであります。

玉木委員 省令改正するということを伺いました。やはりそういうことをきちんとやらないと、給付の根拠がないと思いますね。しっかりとやっていただきたい。あわせて、本予算の審議までには省令改正案をきちんと示していただくことを求めたいと思います。

 それと、今、推計でやるということなんですけれども、やはりちゃんと調べるべきだと思います。破棄されていると言うかもしれませんが、やはりきちんと調査をすることと、あと、東京都については、本来千五百サンプル調べなきゃいけないところを三分の一の五百しか調べなかったということですが、これからは残りの千も調べるということらしいんですが、さかのぼって、本来調べるべきだった千の東京都の企業についても調べて、より正確な額を出した上で給付をするということをやるべきだと思いますし、それをしっかりと確定してから本予算の審議に入るべきだと思いますが、いかがですか。

根本国務大臣 平成十六年から二十三年の再集計に必要な資料のうち、三種類必要なんですよ。

 一つは、平成十九年一月調査分の旧対象事業所分の個票データ、これは調査対象事業所入れかえのときのギャップ修正に必要なんです。

 それから、平成二十一年の、抽出がえしましたけれども、そのときの旧産業分類の指定予定事業所名簿、これが、産業分類変更の際の抽出率の逆数の、復元するための逆数の作成のために必要なんです。

 それから、平成十六年から平成二十二年までの雇用保険の事業所別頻数データというんですが、これは雇用保険で、今まで雇用保険をやっていた事業所がなかったら、そこは削除することになりますから、実は、母集団事業所数の計算のためにこの三つ目は必要なんですが、これが一部、保存期間が満了してあって、ない。(玉木委員「調べるかどうかだけ答えてください」と呼ぶ)ですから、それを確認するための努力は継続したいと思いますが、その存在が確認できない現時点では、当該期間について同様の方法では再集計できないと言わざるを得ません。

 しかし、やはりきちんとした、国民の不利益を解消していかなければなりませんから、その意味では、給付のための推計値を用いて、追加給付を速やかに行っていきたいと思います。

玉木委員 ちゃんと答えていただきたいですね、長々と。

 ちょっと委員長、しっかりと仕切ってくださいね。

 ずっときのうから議論になっています問題点を、ちょっと改めて整理をしたいと思います。

 これは何が問題になっているのか。数字ばかり出てくるので国民の皆さんも少しわかりにくいと思うんですが、二〇一八年の、例えば六月、二十一年ぶりの賃金上昇率、前の年の同じ月を比べたときに三・三%の伸び率だったということが新聞にも大きく書かれて、でも、調べるとそれがどうも違うという話がもともとでありました。

 この三・三%というのは、東京都のサンプルを本来なら千五百社調べなければいけないのを、三分の一しか調べなくて長年やってきて、去年まではその三分の一しか調べていないデータをもとに計算していたんだけれども、ことしになってから、三分の一しか調べていなかったんだけれども三倍にそれを膨らませて、どうしても東京の企業というのは賃金の高い企業が多いですから、それが高く乗って、去年と比べて、去年は三分の一しか入っていなかったので、ことしはそれを全部、三倍分入れたということになって高く出たので、ベースの違うものを比べているので三・三は高過ぎるじゃないかということで、二〇一七年、前の年も三倍にベースを合わせて計算したら二・八に下がりましたというような再集計値ということが出てきたわけですね。

 ただ、実は問題はここからで、じゃ、二・八が正しいのかというと、そうじゃないと思います。実は、この二〇一七年と二〇一八年というのはサンプルに大きな違いがあります。何かというと、半分の会社をサンプルとして入れかえているわけですね。ここで言うと、A、B、C、D、E、Fとあったんですが、D、E、Fは同じく維持していますけれども、A、B、Cを外して、新たにG、H、Iを加えているということであります。

 その二・八%というのは、この二〇一八年のDからI、この新しいサンプルから出てきた数字なんですね。二〇一七年というのはAからF社ですから、実は会社が違うんです、一部同じですけれども。

 ここにちょっとタイトルで書きましたけれども、この二・八というのは、この二〇一七のA社からF社と、二〇一八年のD社からI社を比べたもの、つまり、例えて言うと、別人の身長を比べているようなものなんですね。同じ企業ではありませんから、一部同じですけれども。それを比べて二・八と言うのは、私は統計的には意味がないと思います。ただ、二〇一八年のDからIを集計したときに、例えば四十四万七千円という絶対値が出てきます。この水準については最新の水準として意味があると思いますね。ただ、ベースの違う前の年と比べて変化率を出すことに意味はないと思うんです。

 実際、このことは統計委員会の委員長さんもおっしゃっていて、賃金の伸び率ですね、変化率を比べるのであれば、当然同じ人間の身長を比べなければいけないので、D、E、Fが去年とことしでどうなったのかということを調べて、これをいわゆる参考値として、あわせて公表しています。それが一・四なんですね。一・四です。赤だけですね。

 このことに対して、統計委員会の中では、実際同じことが整理をされていまして、賃金の水準は本系列、つまり、二〇一八年のDからI社を比べたこの四十四万七千円、こういう数字は大事なんだけれども、賃金の変化率、前の年と比べる変化の率は、共通事業所、つまり、ここで言う、赤字で示したDからF社の前の年の同じ月を比べたこの一・四の方を重視していくということで言っておりますし、総務省からもそういった答弁がありました。

 そこで、改めて伺いますが、西村統計委員長もおっしゃるように、賃金の変化率、前の年と比べる率についてはこの共通事業所を重視していく、賃金上昇率としては同じ企業を比べた一・四%の方を重視すべきと言っていますが、総理も同じ認識でよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 そこで、基本的な考え方として、今、別人の背丈を比べるという御指摘をされました。事業所においては、確かに、今玉木さんがおっしゃったように、同じ事業所同士を比べていくということでありますが、毎勤統計は同一労働者の賃金を比較しているわけではないわけでありまして、昨年のAさんの、要するに、C事業所のAさんの賃金が翌年に幾らになったのかなといえば、これはまさに同じ人の背丈を比べているということになるわけでございますが。

 先ほども御説明をさせていただいたんですが、事業所でございますが、事業所の中は入れかわるわけであります。人は入れかわるわけでありますし、景気がよくなったとしたら、例えばパートがふえてくる場合もあるわけでございますから、そうなると、同じ人の丈を比べているのではなくて、事業所で比べていますから、その事業所の中身は入れかわっている場合があり、平均賃金が下がっているけれども、実はその業態としては仕事がふえているということも、これはお認めになるんだろうと思います。

 ですから、その意味で、私がよく申し上げさせていただいておりますのは、総雇用者所得の方が経済の実態としてはこれはわかりやすいのではないのか、こういうことでございます。

玉木委員 いや、総理、私、総雇用者報酬は聞いていません。法律で定められている、おかしなことをしたら牢屋に入らなければいけない基幹統計たる毎月勤労統計のことを聞いているんです。ごまかさないでください。

 では、総務大臣に伺います。

 きょう統計委員長が来られていないので、平成三十一年一月二十四日の閉会中審査のときに、総務省の横山政府参考人が、伸び率については一・四で見るべきであるという、そういう見解でありますと明言されていますが、総務大臣としても同じ認識ですか。

石田国務大臣 玉木議員の質問にお答えさせていただきます。

 毎月勤労統計調査の賃金系列については、昨年九月二十八日の統計委員会におきまして、労働者全体の賃金の水準についてはサンプルサイズが大きい本系列、景気指標としての賃金変化率についてはサンプル入れかえの影響を回避できる共通事業所を重視していくことが重要との見解が示されたものと承知をいたしております。

 毎月勤労統計調査につきましては、こうした見解を踏まえた公表を行っていると承知をいたしております。

 いずれにいたしましても、利用者が目的に応じて、本系列、共通事業所系列の双方の系列を見て適切に判断できるようにしていくことが重要と考えております。

玉木委員 総理大臣も、今の総務大臣と同じ認識ですか。

安倍内閣総理大臣 もちろん、総務大臣は内閣を代表して担当者として答弁をしているわけでございますから、同じでございます。

玉木委員 ということは、賃金の伸び率、変化率、前の年と比べるときには、共通事業所を比べたこの一・四%で見るべきだという、統計委員長もおっしゃいましたし、総務大臣もおっしゃいましたし、安倍総理大臣も同じだということでありますね。

 ということは、改めて伺います。昨年六月の、もう簡単な質問です、名目賃金の伸び率。実質、物価を差し引くのはさっきまたいろいろな議論がありましたので、あえてシンプルにいきます。名目の賃金の伸び率は二・八%なんですか、一・四%なんですか。

根本国務大臣 この統計の指標というのは、どういう目的で利用するか、私はどういう目的で利用するかというのは大事だと思いますが……

野田委員長 根本大臣、簡潔にお願いします。

根本国務大臣 労働者全体の賃金水準を見るのは本系列、そして、これは迅速性の観点から、景気指標として、先ほど答弁いたしましたが、景気指標としての賃金変化率、月々の景気指標としてですよ、それは共通事業所による前年同月比を重視していく、これは政府全体で……

野田委員長 根本大臣、簡潔にお願いします。

根本国務大臣 協議しております。(玉木委員「一・四ということですね」と呼ぶ)共通事業所系列の指標は一・四ですね。あとは、どっちをとるかということですから。つまり、全体の景気を判断するときに、いろいろな指標がありますよ。これだけで見ているわけではありませんからね。

玉木委員 大臣、毎月勤労統計、具体的に、実際にごらんになったことはありますか。

根本国務大臣 毎月勤労統計の結果、これは私も見ておりますし、あれはたくさん、産業別、事業所別、規模別に、だあっと出ていますよ、毎月勤労統計というのは。

玉木委員 現金給与総額という形で、名目の数字がずっと並んでいるんですね。消費者物価指数があって、実質賃金という項目もあるわけです。物価を勘案するとややこしくなるので、あえて名目の話、つまり現金給与総額の変化率を聞いているんですけれども、それは、去年の六月は一・四ということでいいですね。

根本国務大臣 現金給与総額、つまり全体の賃金水準は本系列、そして、事業所系列だけで見れば、それは給与総額で平均しているわけですから、参考値はそういうことです。

玉木委員 総務大臣と同じ認識でよろしいですか、根本大臣。

野田委員長 まず、石田総務大臣。(玉木委員「いやいや、総務大臣と同じか」と呼ぶ)いや、先に総務大臣の認識を聞きましょう。先に総務大臣の認識を聞かないとわからない。

石田国務大臣 実は、総務省と厚労省で政府統一見解を出させていただいておりますので、もう一度その部分を読ませていただきたいと思います。(発言する者あり)いやいや、誤解のないようにお聞きをいただきたいと思います。

野田委員長 ちょっと静かにしてください。統一見解ということで、聞いてください。

石田国務大臣 政府統一見解では、平成三十年九月二十八日に開催された第百二十六回統計委員会では、労働者全体の賃金の水準は本系列、景気指標としての賃金変化率は共通事業所を重視していくことが重要との見解が示された、ただし、共通事業所系列による前年同月比は、標本交代やウエート変更による断層を回避でき、賃金変化率を捉えやすいというメリットがある一方、共通事業所系列は、新設事業所の影響が反映されていないため標本に偏りがある可能性、また、標本数が小さくなるため標本誤差が大きくなるといったデメリットがあることも示されました。そのため、統計委員会として、統計の特徴を示す説明資料をホームページに掲載することにより、統計ユーザーの理解も深まるものと期待するとの見解も示されたところでございます。

 その上で、以上のことを踏まえると、利用者が目的に応じて、本系列、共通事業所系列の双方の系列を見て適切に判断することが統計を見る上で重要と考えているとされております。(発言する者あり)

野田委員長 簡潔に言ってください。

石田国務大臣 昨日来、総理、茂木大臣の答弁がなされていますように、景気の判断云々については、さまざまなものを利用しながらユーザーが判断されていくべきものと思っております。

玉木委員 違う違う、毎月勤労統計のことを聞いているんです。ごまかすのはやめてください。ほかの指標のことばかりに入っていって。

 統計委員会はこういうふうに言っていますよ。賃金変化率に高い関心を持つユーザーに対して継続サンプル系列を積極的に利用するように促すことが望ましいと言っているんですよ。だから聞いているんです。絶対的な水準がどうこうではなくて、前との変化率を見るためには同じ人間の身長を比べないと意味がないから、変化率を見るときにはこの継続指数の方、この赤いD、E、F社で比べることが必要だし、それしかデータがないんだから、そこを見るしかないでしょうと言っているわけですよ。

 では、ほかに何か、この変化率を見るものでより適切な指標は、この毎月勤労統計、どこかあるんですか。

 きちんとこれは、サンプル調査を変えるときに、実は、統計委員会が答申に対してオーケーというときに条件をつけているんですよ。それは、利用者の利便性を考慮して十分な情報提供を行う必要があるとか、この本系列と継続サンプルの使い分けについても、よりわかりやすい説明の工夫、利用者の理解促進に向けた取組を進めるなど、情報提供全般の一層の充実を早急に図るべきと言っているんですよ。

 今の説明は、理解を図るどころか煙に巻くような説明ばかりじゃないですか。だから、これはちゃんと、統計は本当に大切ですし、毎月勤労統計は基幹統計ですから、こうして丁寧にやっているわけですよ。

 では伺いますけれども、そもそも、ほかのいろいろなところに景気をあらわす数字はあるというんだけれども、実際、毎月勤労統計における名目の賃金上昇率は一体幾らなんですか。誰か答えられますか。

 あれはデメリットがある、これは違うとかと言いながら、まさにユーザーとして賃金上昇率を知りたい国民やエコノミストは、毎月勤労統計という基幹統計を見て、名目の賃金上昇率を知りたいんだけれども、それは一体どういう数字ですか、答えてください。

根本国務大臣 先ほど総務大臣から説明したように、それぞれどういう意味を持つのかということはユーザーに丁寧に説明しなさいよ、こうなっていますから、労働者全体の賃金水準は本系列を重視、繰り返しになりますけれども、ただ、迅速性を重んじて、月々の景気指標としての賃金水準は共通事業所による前年同期比を重視しているという考え方を提示しております。それは提示していますよ、申し上げているけれども。

玉木委員 ということは、毎月勤労統計における賃金上昇率を見るのは、去年の六月でいえば、対前年度比の伸び率ということでいえば一・四ということでよろしいですね。端的にお答えください。

根本国務大臣 本系列というのは労働者全体の賃金水準を見るんですから、これは共通事業所系列と全体の本系列の見方はそれぞれ視点が異なるから、共通事業所は、景気指標としての月々の瞬間的な動向を見るのが共通事業所系列ですよ。そして、きちんと復元して全体をあらわすのは本系列ですから、月々の、結果的に、名目賃金の上昇率あるいは実質賃金の上昇率、これは全体は、ずっと時系列で見る場合には、名目と実質と、時系列で見るのなら、そこは実質値も出していますから。その意味で、両方は利用目的に応じて使うというのが基本であります。

 共通事業所系列というのは、選んだ事業所の前年と同月を比較するだけですから、全体の構造がどうなっているかということを反映するのはやはり本系列ですよ、全体の経済構造を踏まえた動向を見るのは。私はそう思います。

 だから、やはり本系列と事業所系列の……(玉木委員「だから、違う違う、それは水準としては意味があるけれども、率としては意味がないと言っているじゃないですか」と呼ぶ)いや、だから、月々の景気指標としても見るのなら去年と同じやつを見る、しかし、全体の経済の月々の賃金水準はどう時系列で変化したのか、そこはやはり本系列で私は見るべきだと思います。だって、事業所系列というのはごく限られたサンプルですよ。それだけで全体はあらわせません。

玉木委員 ちょっと、きちんとまともに答えてください。

 目的に基づいてということで、目的は何かというと、変化率ということを知りたいというユーザーがいる。私もそれを聞いているわけですよ。水準値のことは聞いていないんです。

 全部を、本系列というのは違う会社も入っているから、何度も言いますけれども、別人の身長を比べているから、変化率を見ることについては適当じゃないということは統計委員会も言っているんですよ。

 だから、あくまで、違いですね、去年からことしに至ってどれだけ身長が伸びたかは、やはり同じ人間で比べないと統計的に意味がないわけですよ。でも、A、B、Cが外れて、G、H、Iが新しく入っているから、全く違うものを比べたって、その比較には意味がないんです。意味がないんです。そのことを延々答えられても困るわけですよ。

 では、根本大臣に聞きますけれども、本系列は、全くこれはベースが違うのに、比べたときにまさに断層ができるんじゃないですか。統計的に意味のある比較になるんですか。なぜ統計的に意味のある比較になるのか、教えてください。

根本国務大臣 共通事業所系列というのは、前年と今年と同じものの事業所に対して調査して見ている数字。それから、全体のマクロ経済をどう見るかというのは、やはり本系列で見るべきなんですよ。私は、そういうことを申し上げているんですよ。

 だって、経済統計全体、それから経済全体の動きを見る場合は、マクロの経済を見る場合には本系列を使うべきだと私は思います。

茂木国務大臣 正確にお答えいたします。

 聞いてください。玉木さん、ちゃんと答えてほしいのなら聞いてください。(発言する者あり)

野田委員長 御静粛にお願いします。

茂木国務大臣 答えが要らないのなら結構です。答えが要るのなら答えさせてください。

野田委員長 茂木大臣、簡潔に。

茂木国務大臣 簡単に、皆さんがわかるように経済財政の立場からお答えしますから。(発言する者あり)

野田委員長 いや、私が今、説明をしてもらうために指名しています。

 簡潔にお願いします。

茂木国務大臣 お答えいたします。御指名をいただいたので、お答えいたします。聞いてください。

 共通事業所それから本系列、いずれにしてもサンプルです。そして、共通事業所の方が当然、サンプルは少なくなりますが、同じサンプルですから、限定したサンプルで比較をするとしたら、共通事業所の方がよくなります。

 しかし、サンプルを大きくして、本来、日本経済の実態を調べたいわけでありますから、日本経済全体の水準を見る場合は本系列で見るのが正しいと思っております。

 そして、重要なことは、賃金水準、これによって雇用保険とか労災保険は支払いをされるわけであります。伸び率によって支払いをされるのではないということは御理解ください。

玉木委員 全く答えていませんね。(茂木国務大臣「答えたよ」と呼ぶ)答えていませんよ。(茂木国務大臣「違うのなら言ってよ」と呼ぶ)

野田委員長 大臣、御静粛に。

玉木委員 なぜかというと、例えば、二十一年ぶりと言われたのも、茂木大臣、変化率なんですよ。数学でいうと微分した数字なんですね。だから、その変化率を見るときというのは、やはり同じものを比べないと、何度も言いますけれども、別人の身長を比べて伸びましたという話をしたって、統計的に意味がないですよ、それは。

 だから、使うユーザー側として前の年と比べた賃金の上昇率、つまり変化率を欲しいというユーザーに対してきちんとした情報を整合的に提供するのが国家の役割であり、毎月勤労統計という基幹統計の意味なのではないんですか。

 そのことをごまかしてごまかして、こうやったら何とかなるわみたいな説明をしていること自体、やはり安倍政権が統計に真摯に向き合う気持ちがないことをあらわしているじゃないですか。こんないいかげんなことで、都合のいいように数字をつまみ食いしたり、統計をもてあそぶようなことはやめていただきたいと思います。

 では、これは麻生大臣に聞きます。

 これはもともと、きのう、小川淳也議員も言っていましたけれども、私も以前にも予算委員会で質問しましたが、やはり六百兆円という目標を変に掲げたときからおかしくなっているんですよ。前には、TFP、つまり生産率の向上が、もうむちゃくちゃ鉛筆なめなめしていて、あり得ないような上昇率を示していることを私はかつて示しました。

 今回も私は非常に疑義があるのは、思い出していただくと、二〇一五年の九月十九日に安保法制が成立しました、安保法案が。その後、数日後、二十四日に、新三本の矢ということで、アベノミクス新三本の矢の一つの六百兆円が発表されたわけですね。

 その翌月の十六日に麻生大臣が諮問会議で、例の、毎月勤労統計はおかしいので統計の見直しをしたらどうだ、そういう提案が出てくるわけですよ。

 実は、その直前の二〇一五年の九月十六日に、厚生労働省でまさに毎月勤労統計の見直しの検討会が行われていて、九月十六日には中間報告がまとめられて、いろいろあったけれども、今のやり方で基本的にいいということがまとまっているわけですよ。九月十六日ですよ。

 その約一週間後に六百兆が発表されて、翌月に麻生さんが諮問会議で発言して、その後、驚くほど逆の方向に統計の見直しが進んでいくわけですよ。やはり六百兆というのは普通に考えてなかなか厳しいので、ありとあらゆる知恵とそんたくをあわせて六百兆にたどり着くように、そこから霞が関じゅうが動き始めたんじゃないのかと思っているんです。

 そこで、きのう聞いていてよくわからなかったので、麻生大臣にもう一回聞きますが、なぜ財務大臣あるいは副総理としての麻生大臣が諮問会議で統計の見直しについて提案、提言したんですか。これはどういう意味なのか、よくわかりません。今の、それまでの全部の企業サンプルを入れかえるという全数入れかえだとギャップが生じる、非連続的な差ができるということなんですが、今回、今見せたらわかるように、部分入れかえにしても、断裂、断層、ギャップは生じているんですよ。それを直さずに突っ走ろうとしているのが今回なわけですよ。

 一体どういう問題意識で、なぜ、二〇一五年十月に諮問会議で統計を見直した方がいいと発言されたのか、改めて教えてください。

麻生国務大臣 昨日、同様の御質問をいただいたと思いますので、重なることもあろうかと思いますけれども、諮問会議において、私の発言は、基礎統計の充実という観点から、家計調査など他の基礎統計の課題とあわせて、全ての、厚生労働省で議論されていた毎月勤労統計の課題というのをたまたま紹介して、この中で具体的な改善方策の検討を促したものであります。

 この前にもいろいろ、議事録を読んでおられるんだと思いますが、少なくとも、いわゆる私どもの中で、例えば、これに限らず、消費や何かを見ても、いろいろなものの消費の中でこういった消費が入っているけれども、例えば、電話で予約している、そういったようなものは入っていないというのは今の時代にはおかしいんじゃないかというのは言っていますから、調べてみてください。

 そもそもサンプルの入れかえ方式の変更というのは、今言われた二十七年の六月に厚生省における検討委員会で議論が既にされていたんだと思うんですが、その後、二十七年の十月の私からの問題意識を踏まえて、十一月の諮問会議において、有識者会議から、毎月勤労統計を始めとする各種統計に関する横断的な課題について統計委員会において方針を整理すべきとの提言があった。当時、統計委員会を所管していたのは甘利大臣だったと思いますが、統計委員会に対してこの旨の要請を行っております。

 これを受けて、十二月の統計委員会において横断的課題についての議論が開始されて、その中の一つとして、毎月勤労統計については部分入れかえ方式の導入が検討されたものだと私は承知しております。

 したがって、統計法に基づく専門的かつ中立公正な第三者機関である統計委員会で議論されて、それで承認されたものなのであって、私の諮問会議における発言がきっかけで部分入れかえ方式が採用されたという御指摘は当たらないのではないかと思っております。

玉木委員 大臣、わかりません。

 何が問題だったんですか。消費のことはいいです。毎月勤労統計が、麻生大臣から見て、全部入れかえすることの何が問題だったんですか。

麻生国務大臣 ギャップが大きくなることです。私どもにとっては、したがって、ギャップが大きくならない方式があるか、それは私どもにはわからぬ。しかし、ギャップが大きくなることは確かでしょう。違いますか。ギャップが大きくなるじゃないですか。それをなるべく平均的に出してもらいたいというので、もう少し検討していただくと我々の方としてもということを申し上げた、それが背景です。

玉木委員 ギャップというのは、何のギャップですか。

麻生国務大臣 いわゆる非連続とか連続とか言われますが、サンプルが大幅に入れかわることによって、入れかわり時点の前後で調査結果を単純に比較できないということを意味しているんだということですよね。そこはいいですわな。

 その上で、毎月勤労統計については、平成二十七年の一月のサンプル入れかえによって、過去の発表値が遡及して大幅に修正されるとの指摘が有識者からなされたんですよ、議事録を読んでいただいたらわかると思いますが。厚生労働省においては、毎月勤労統計の改善に向けた議論が開始されていたというわけでしょう。それで最終的な結論が出たということになっていますけれども、検討されておられたわけですから、私の方からも、統計の精度向上の観点から改善の余地があるのではないかということを問題視させていただいたということだと思っていますが。

玉木委員 その直前の検討会の中間報告では、全数入れかえ方式であっても、例えば平行移動方式をとれば過去の変化率はそのまま維持できるということも実は提案されています。その上で、変えなくていい、あるいは変えることについて必ずしも賛同が得られていないのが直前の検討結果の結論なんですね。

 入れかえ直後にギャップが生じるというのは、今回まさに生じているじゃないですか。そのまま比較できないと。企業数が入れかわって、今回も半数ですけれども、全数だろうが半数だろうが、入れかえるとそのまま比較できなくなるというのは、今麻生大臣がおっしゃったとおりなんです。きょう私が申し上げているとおりなんですよ。何が問題だったんですか。

 私はそこが、単に、いわゆる生き残りバイアスというのがあって、かえずにずっと残った企業というのは賃金が高目に出て、新しく入れかえると新規の企業とか小さい企業も入ってくるので、そこで平均がどんと落ちてしまう。賃金上昇が、その意味では賃金の水準が低くなってしまう。アベノミクスで頑張っているのに、入れかえのたびに賃金水準が下がってしまうと、アベノミクスの効果が出ていないように見えるんじゃないかということでそういう提言をしたんじゃないのかと疑わざるを得ない。

 なぜなら、その間の専門家の統計委員会の議論を聞いていても、幾らでも今麻生大臣がおっしゃったような補正、修正はできるんです。にもかかわらずそういう提案をしているのは、まさにアベノミクスがうまくいっているように見せかけるために、さわれる、いじれる統計は全部いじろうという、ここに至るアベノミクス偽装、賃金偽装の種がそこで植えられていたのではないかなと思うんですが、改めて、大臣、なぜあの時点で統計の見直しについて麻生大臣が提案したのか。ギャップが生じるのは今回の部分入れかえでも生じていますが、どこがどう違うのか、改めてお答えください。

麻生国務大臣 たびたび申し上げておりますけれども、私どもとしては、あの提案というのは、総務省の出されたのでは両論併記になっていましたよね。両論併記になっていましたでしょう。したがって、私どもとしては、両論併記になっておりますので、私ども、諮問会議で申し上げて、最終のところは統計委員会で結論を出すというようになっていたはずだと記憶をします。

 私が問題を提起いたしましたのは、少なくとも財務省といたしましては、いろいろな意味で、こういったものを基礎の資料としていろいろやるに当たっては、きちんとした資料が出てくるようなことが望ましい。したがって、ギャップが大きくなったり、いろいろ出てくる、これは完璧なものはほぼないんだと思いますので、そういった意味では、いろいろなものを検討していただかないといかぬのではないかということを申し上げたのであって、今のお話を伺っておくと、何か統計資料をうまく見せるようにするために私どもが謀略を用いたかのごとくに話していますけれども、全く意図はありません。

玉木委員 麻生大臣、だって、公文書さえ改ざんしたんでしょう。それは統計だって操作しようなんて、やはり国民も思いますよ。

 今も合理的な説明がないんですよ。全部入れかえたらギャップが生じるんだけれども、部分入れかえでも生じているじゃないですか。それで、それを直接比較できない、そういうことになっているわけですから、私は、麻生大臣があの時点でああいった指示を諮問会議で出すのは極めて不自然だと思いますよ。

 お願いをしておきたいのが、実は、統計委員会はこのように言っていますね。毎月勤労統計には詳細な内訳系列がある、このため、必要に応じて内訳系列についても同様な情報を提供することを検討すべきだということを言っているんです。つまり、一般のエコノミストや我々も、再現可能性がある形で、この統計がどうなっているのかをしっかり見る必要があると思うんですよ。その意味では、そういったもとのデータをしっかりやはり公開してもらう、そのことが大切だと思いますけれども、総理、いかがですか。

根本国務大臣 統計というのは、ユーザーはいろいろなニーズがありますから、そのいろいろなユーザーのニーズを踏まえて、我々、しっかりとした統計をつくっていきたいと思います。

 今、玉木委員のおっしゃっている趣旨がよくわからなかったんですけれども、何を公開しろというのか。具体的に言ってください。

玉木委員 平成三十年八月二十八日の統計委員会、第百二十五回ですけれども、ここで、とにかく利用者利便に考慮して十分な情報提供を行えと言っているわけです。やはり継続系列と本系列というのはよくわかりにくいからしっかり説明しなさいという中で、毎月勤労統計には詳細な内部系列、つまり、もととなったデータがあるんですよ、そういったものもしっかりと示すべきだということを提言しているんですけれども、この三十年八月二十八日の提言どおり、詳細な内部系列のデータを提供していただけますか。総理、これは総理から答えてください。これは統計委員会の要請です。

根本国務大臣 統計委員会からそういう提言をいただきましたので、現在公表している系列は、現金給与総額、調査産業計、前年同期比、あるいは二十九年一月までの遡及集計ですが、統計委員会の提言も含めて今後公表を検討している系列は、所定外給与、これは特別に支払われた給与、製造業、卸売業、小売業、医療、福祉などの主要産業、そして実数。統計委員会からそういう提言をいただいていますから、それを受けとめて今協議をしておりますが、新たに、今私が申し上げたような系列、これについては公表していきたいと思います。今、検討中であります。

玉木委員 総理、最後にお願いがあります。

 一番国民の関心は、総理、いろいろ言いわけはしますけれども、この毎月勤労統計に基づいて、昨年の実質賃金の伸びがやはりプラスだったのかマイナスだったのかというのは知りたいと思うんです。その前の年はマイナス〇・二のマイナスだったので、もしマイナスだったら、二年連続、実質賃金はマイナスということになります。

 総雇用者報酬とか他の統計を出してくるのは、総理、わかりますが、この統計に関して、やはり基幹統計なので、昨年の実質賃金の伸びが一体どうだったのか、プラスだったのかマイナスだったのか、改めて総理の御所見を聞きたい。

 我々の計算では、一月から十一月はマイナス〇・五になっています。ロイター通信はマイナス〇・四とはじいています。プラスなのかマイナスなのか、ぜひお答えいただきたいのと、もし答えられないのならば、いつまでに公表するのか、総理の意見を伺います。

安倍内閣総理大臣 ずっと答弁をさせていただいておりますように、今回の再集計において三・三から二・八になったわけでありまして、この三・三と二・八を比べる数字では一・四はないということは、それはもう玉木委員も御承知なんだろうと思いますし、今、国民の皆様が誤解しないように改めて申し上げておきたい、このように思います。

 そこで、この共通事業所、参考値として共通事業所については既にお示しをしているところでございますが、そこで、それが可能かどうかということについては各省庁で検討しているということは、今既に御答弁をさせていただいているとおりでございます。

 今、実質賃金はわからないのかということでございましたが、そうではございません。参考値のこの数字について、それが可能かどうかということについては、まさに、先ほど来、それについてどういうことかということは根本大臣から、それを実質賃金で出すということがどういうことかということについては根本大臣から答弁をさせていただいているわけでございますが、それが可能かどうか、今、関係省庁で検討しているということでございます。

玉木委員 いつまでに出していただけますか。

安倍内閣総理大臣 現在のところ、いつまでということはお答えできません。今検討しているということでございます。

玉木委員 もう時間が来たので終わりますが、実質賃金が一体幾らなのかがわからない、先進国として恥ずかしいですよ、これは。

 それは、賃金上昇率は毎月ごとにわかっていますから、そのもとになる、去年から、一体、毎月勤労統計に基づいて賃金水準がどのように変化したのかというのがなぜわからないんですか。

 とにかく、ごまかすことにきゅうきゅうとするのではなくて、真実をしっかりと国民に伝える、そういうことに全力を挙げてほしいと強くお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

野田委員長 この際、階猛さんから関連質疑の申出があります。玉木さんの持ち時間の範囲内でこれを許します。階猛さん。

階委員 国民民主党の階猛です。

 本日は、四十四分間、お時間をいただきました。質問をさせていただきます。

 さて、パネルの方を用意しましたので、ごらんになってください。

 こちらは大手新聞の報道などをもとに私の方で作成したものなんですが、今回、きのうから毎月勤労統計について問題になっております。しかし、この問題が起こる一月、このときに、違法な抽出調査を改めることがなく、賃金水準をかさ上げするための復元処理が開始された。その後、国会ではどういうことが起きていたのか。

 二月、三月、四月、五月、「発覚した政府の不祥事等」と書いておりますが、二月には、裁量労働制をめぐるデータに多数の不備が見つかり、三月には、あの財務省で、首相夫人に関する記述のある森友学園への国有地売却に関する決裁文書が改ざんされた。そして四月には、防衛省で、不存在とされていた陸上自衛隊イラク派遣の日報が存在することが明らかになった。五月には、柳瀬首相秘書官が前年七月の国会答弁を翻して、加計学園関係者と首相官邸で三回会ったという答弁もありました。

 こういう不祥事が次々と発覚する中で、特に三月の森友問題あるいは五月の加計問題、これらは、安倍総理自身にもかかわる、そして進退にもかかわる重要な問題でありました。

 こうしたことについて前代未聞の不祥事が起きているわけで、国権の最高機関である国会への冒涜行為、そして国民への背信行為が行われていたわけです。通常であれば、その時点で政府のトップである安倍総理は引責辞任してもおかしくありません。なぜ総理の座にそのままとどまり続けることができるのか。この点につき、国民に対し、改めて総理の説明を求めたいと思います。よろしくお願いします。

安倍内閣総理大臣 ただいま質問の中で、いわば復元したことについて、事業所のサンプルを過少にとっていた、三分の一しかとっていなかったものを復元したことを、かさ上げして大きく見せたという質問がございましたが、それは間違いではないでしょうか。

 つまり、それが正しくされていなかったがために、今回、雇用保険においても、あるいは労災保険においても、船員保険においても給付をしなければいけない事態になっていたわけでありまして、それがしっかりとそういう復元もされていたら、これはまた違った、いわば正しい結果に近づいていった。もちろん全調査することが正しいわけでありますが、復元するということにおいては、それに近づけている行為でありますから。

 しかし、それをやったときに全調査に変えるべきであったし、隠していたということはもうおわびをしているとおりでありますが、復元自体が間違った行為ということは、それはいかがなものか。また、政府がそれを意図的にやったかのごとくの指摘はどうかということであります。

 いずれにいたしましても……(発言する者あり)

野田委員長 御静粛にお願いします。

安倍内閣総理大臣 いずれにいたしましても、行政に対する……(発言する者あり)

野田委員長 静かにしてください。

安倍内閣総理大臣 いずれにいたしましても、行政に対する信頼を取り戻すために全力を尽くしていくことで私はその責任を果たしていきたい、このように考えております。

階委員 肝心なことには答えていませんが、今総理が反論されたことについて、私も再反論したいと思います。

 私は、賃金水準をかさ上げするための復元処理というふうに言いましたけれども、大きく見せるためということは言っていません。ただ、これは賃金水準をかさ上げすることになるのは誰が見ても明らかなんですね。千五百の大企業のうち五百しかサンプルをとっていなかったのを、千五百全部通常のやり方でとれば、かさ上げすることは客観的に明らかなんです。それは誰もがわかっていることなので、こういう表現になっています。

 そのことはおいておくとしまして、私がお尋ねしたのは、これだけの大きな不祥事がありました、国会への冒涜行為、そして国民への背信行為がある中で、総理はなぜいまだに総理の座にとどまっていられるのか、そのことについて御説明を求めたわけです。この点についてお答えください。

安倍内閣総理大臣 今後とも、先ほどもう既に答弁をさせていただいたところでございますが、これまで五回の総選挙があり、その中で大きな勝利を得させていただいたところでございます。その上において……(発言する者あり)

野田委員長 お静かにお願いします。

安倍内閣総理大臣 その上において、国民の皆様から負託を得た、この負託に応えていくことが私の責任であろう、このように思っているところでございます。

階委員 ちなみに、赤で書いていますけれども、財務省の文書改ざん、あるいは柳瀬首相秘書官の虚偽答弁だったことは、一昨年の総選挙の後に発覚しているわけですね。だから、国民に対する背信行為だということは、そのことも含めて言っているわけです。

 去年、こうした問題が発覚したときに、総理は、うみを出し切るという言葉を頻繁に用いられていました。国会図書館で調べてもらったら、十六回、公の場でこの表現を使っておりました。

 昨年六月二十五日の参議院予算委員会では、我が党の浜口誠議員が、うみを出し切るとはどういう意味かと尋ねたのに対し、行政をめぐるさまざまな問題に陳謝した上で、総理は次のように答えられました。

 おのおのの事案について、どこに問題があったのかを徹底的に解明し、そして二度とこのような問題が起こらないように再発防止に傾注する。徹底的に解明ということもこのとき言われております。

 ところが、表を見てください。六月以降、毎月勤労統計に関する違法、不当な行為が行われ続けています。

 一月に違法な抽出調査、東京について、これを改めることはなかったわけですけれども、六月には、こうしたやり方を神奈川や愛知、大阪でも右へ倣えでやるような、そういう通知を発出したり、九月には、総務省の統計委員会において、賃金の高い伸び率について虚偽の説明を厚労省の役人の方がされている。また、十二月には、根本厚労大臣が、こうした問題を認識した後も二十日間にわたり、一月になっても公表していなかった。一月には、監察委員会による厚労省職員への聞き取りの大半に同省幹部らが関与していた。こうしたことが明らかになっているわけです。

 総理が十六回も、うみを出し切るという発言をしているのに、厚労省はこれをあざ笑うかのように、うみを垂れ流し続けています。この点について、どうしてこんなことが起きてしまうのか、総理の見解を伺います。

安倍内閣総理大臣 今委員は、確かに我々、こうした問題がセーフティーネットの信頼を損なう事態となっていることについて国民の皆様におわびを申し上げたわけでございますが、問題の深刻さにおいては、これは階委員、まるで安倍政権になって急にこれら全てが起こったかのごとくの御指摘でございますが、それは違うわけでございまして、これは十五年間にわたって……(階委員「違う、六月以降のことを言っていますよ」と呼ぶ)いや、それは、こう言われるのは嫌かもしれませんが、事実を申し上げております。十五年間に……(階委員「うみを出し切ると言った後に、うみが出ていることを言っていますよ」と呼ぶ)済みません、答弁中ですから、質問席からやじらないでいただきたいと思います。(階委員「聞かれたことに答えてください」と呼ぶ)今、質問中です。幾ら……(発言する者あり)

野田委員長 答弁中。

安倍内閣総理大臣 いやいや、答弁中でございますので、よろしいでしょうか。

 今御質問があったからお答えをさせていただいているわけでありまして、誤解を与えるような質問に対しましては、それを国民の皆様にわかりやすく説明するのも、それも私の責任なんだろう、こう思うわけでございまして、問題は、六月から急に起こったことではなくて、これはやはり十五年間これを見抜けなかったという状況にも問題があるわけであります。

 それに全く問題がないというのであれば、そのことを説明をしていただきたい、このように思いますが、これはまさに、長い間見抜けなかったことについても、私は行政府の長として責任を痛感しているということを申し上げてきたわけでございます。

 そこにも問題があったわけでございますから、再発防止をしっかりと万全を期していく上においては、全てをしっかりと検証していくということが正しい取組ではないのかな、こう思っているところでございます。

階委員 過去の話を延々と話されましたけれども、私は、去年六月、まさに総理が、うみを出し切る、再発防止に努める、こういうお話をした後のことを言っているわけですよ。六月以降、総理がうみだと言った、要するにデータの捏造、あるいは虚偽の説明、そして問題の隠蔽、こうしたことがこの統計の問題について起きているじゃないですか。うみを出し切ると言ったのに、厚労省はなぜそういう新しいうみを出し続けるんですか。私は、総理の、うみを出し切るという言葉が響いていないからだと思います。本気度が足りないからだと思います。本当にうみを出し切る覚悟があるんだったら、問題の徹底的な解明を行うべきです。

 そのためには、自民党総裁でもあります、自民党の幹部に対して、総理から指示を出して、これまで野党が求めてきた森友問題、加計問題、そして今回の統計問題の関係者の参考人招致や証人喚問に応ずるべきではないでしょうか。もし仮にそれができないというなら、これまで発覚した政府の不祥事について、政府の最高責任者として潔く引責辞任すべきだ。総理の見解を求めます。

安倍内閣総理大臣 しっかりと、我々、信頼回復のために徹底的な検証を行い、再発防止に万全を期していくことでその責任を果たしていきたい、このように考えております。

階委員 全く本気度が感じられない今の答弁、国民の皆さんにも伝わったと思います。

 そして、私たち国会は行政監視、これをしっかりやらなくてはいけません。

 委員長にお願いします。

 総理に本気度が感じられない以上、この予算委員会で事実解明をしっかりしなくてはいけません。その覚悟について私は委員長に期待したいと思います。委員長の答弁をお願いします。

野田委員長 この件につきましては、後刻、理事会にて協議いたします。

階委員 私がお尋ねしたのは、委員長に、この統計の問題だけではありません、過去に発覚した政府の不祥事について、徹底的な真相解明、事実解明に努めていく覚悟をぜひこの場で示していただきたいと思います。

野田委員長 予算委員会は私の覚悟を語る場ではございません。理事会で円満な運営についてしっかり取り組んでいき、後刻、理事会にて協議をしていただきたいと願います。

階委員 繰り返しますが、我々の本分は、行政をしっかりチェックして、議院内閣制を機能せしめることです。今、議院内閣制が本当に機能しているんだろうか。逆に、内閣が議会をコントロールしているのではないか。私たちは、このままいくと、日本の民主主義、代議制民主主義が損なわれてしまう。これを歯どめをかけられるのは委員長しかいません。政府には期待できません。だからこそ、委員長にはお願いした。

 次に、麻生副総理にもお尋ねします。

 昨年も別の委員会で申し上げましたが、麻生副総理は、政府のナンバーツーでありまして、続発する政府の不祥事について、安倍総理に次ぐ責任があると思います。加えて、財務大臣として、国民に納税の負担を求める財務省のトップでもあります。この十月には消費増税も予定される中で、国民に痛みを強いる財務省はみずからにも厳しくなくてはいけない、こう思います。

 その財務省で、先ほども申し上げました、公文書が改ざんされただけでなく、その公文書が、国会や会計検査院、そして準司法機能を持つ検察にも提出されていた。そして、秘匿されたまま、一昨年は解散・総選挙で国民も欺いている。

 被害者は国民全体です。侵されたのは統治機構です。未曽有の重大事件だと思います。財務省のトップとして、少なくとも麻生財務大臣は監督責任を怠ったと言えるかと思います。

 先ほどの安倍総理に対するのと同じ質問です。なぜいまだにその地位にとどまり続けるのか、明確な説明を求めます。

麻生国務大臣 御指摘のありました文書の改ざん、また、今話題になっております勤労統計の話などの問題は、これはまことに遺憾な話なんだと考えております。

 特に、財務大臣といたしましては、文書改ざんについては、これは極めてゆゆしき話なんだということをたびたび申し上げており、深くおわびを申し上げなければならないと考えております。

 財務省の一連の問題に関して申し上げさせていただければ、昨年の六月に、この問題の経緯等に関する調査結果を公表し、関与した職員に対して厳正な処分を行い、私自身も閣僚給与を自主返納させていただいております。

 今回の事態を真摯に反省して、こうしたことが起きないようにするために、文書、いわゆる公文書管理の徹底、また電子決裁への移行等を進めるとともに、問題行為の発生を許したいわゆる組織風土の改革というのを進めて、信頼回復に向けた取組を行っていくことで、大臣としての職責を果たしてまいりたいと考えております。

階委員 結局、責任をとるべき人がとらないから、今回の勤労統計に関するような問題も出てくるということだと思います。やはり、病根は根っこから絶たないといけないと思いますし、うみを出すのであれば徹底的に出す、これをやらないといけないと思います。

 こういう政治状況の中で、またちょっと問題の多い政策が今回政府から出されている。ポイント還元です。ポイント還元についてきょうは議論をさせていただきたいと思います。

 まず、ポイント還元について少し国民の皆様に御説明したいんですが、安倍政権は、ことし十月の消費増税の対策として、需要平準化という難しい言葉を言われておりますけれども、要は、消費増税の前後で消費ががたっと減るのを防ごうということで、九カ月に限って、消費者が中小の小売店、サービス業者、飲食店などでキャッシュレスで支払いをする場合、五%のポイント還元、大手のフランチャイズ加盟店では二%だそうですが、これを実施しようとしています。そのため、カード会社などへの補助金として、来年度、再来年度にわたり約四千億円もの予算を計上する方針と聞いています。

 キャッシュレスとは、直訳すれば現金なしということです。既に海外では、現金払いからキャッシュレス払いへの移行が進んでいる。外国人への対応や消費者の利便性、店舗の事務軽減の観点から、キャッシュレスを普及していくことは私も重要だと思っております。

 ただ、今回の予算案は、キャッシュだけでなく、ほかのものまで失わせる、そういう危険があるのではないか。

 まず、経産大臣にお尋ねしますけれども、私は、これを進めることによって、消費増税で皆様に御負担いただいた大切な税金収入が失われてしまう危険があるのではないかと考えております。

 先ほど言ったように、四千億もの予算を計上する方針と聞いていますが、この四千億の根拠、一体、日本全体で何人が、総額で幾らキャッシュレスで買物すると見込んでこの数字を出したのか。そして、想定以上にポイント還元が行われ、予算額が四千億円から上振れする可能性はあるのかないのか、国民にわかりやすく説明してください。

世耕国務大臣 今回、当然、これは予算を要求しているわけですから、一定の数字を計算しているわけであります。

 今回の予算額の計算の流れとしては、まず、対象となる業種、これは小売業、宿泊業、飲食業、サービス業などになります。その中で、中小・小規模事業者の売上高のマクロデータ、これは経済センサスで出てまいります。これに対して、今キャッシュレス比率がどれぐらいか、これは商業統計で出てまいります。それを掛けて、そして、今回の事業によってキャッシュレスがどれぐらい比率が伸びていくだろうか、これはキャッシュレス事業者に聞き取り調査をして数字を出して、そしてさらに、今回の事業で五%ポイント還元ということになったら中小・小規模事業者がどれぐらい参加するだろうか、これも聞き取り調査をする。そういった数字を出して、試算をさせていただきました。事業をやるに当たっては、一定の根拠がある数字だというふうに思っています。

 ただ、これは消費者の動向にかかわる数字ですから、正確に当てられるかというと、はっきり言ってなかなか難しい面もあろうかと思います。まずは我々としては、使い残しなどということがないように、しっかり広報に徹していく。そして、万が一、早く使ってしまって、今委員が御指摘のようなことになった場合は、これはまた関係当局と予算の執行状況などを踏まえて対応を検討してまいりたいというふうに思っています。

階委員 最近は、ある業者が百億円還元キャンペーンというのをやって、予定より早くそれに達したから途中でやめたというようなこともありました。同じようなことを政府もやろうということですか。

世耕国務大臣 今御指摘の事業者の事例は、きょう、またちょっと新たに別のやり方でやるということを発表されていますけれども、還元率が二〇%だった。これは、ある意味ちょっと射幸性もあって、特定の業者のスマホを使っていれば何回かに一回、全額ポイントがつくというようなこともありましたから、ちょっとわあっと盛り上がって、これは数カ月間やる予定だったのが、たしか十日ぐらいで、予定していた百億円を使い切ったとなっていますが、今回我々は、薄く広く五%でありますから、必ずしもこの事業者の例がそのまま当てはまるというふうには考えません。

階委員 事業者の例が当てはまるかどうかを言っているわけじゃなくて、さっきの答弁は、上振れしたら途中でやめるかのようなことを言っていたので、それを確認したかったんです。途中でやめるのかどうか、教えてください。

世耕国務大臣 これはちょっと私もなかなか、予算の責任者ではないので断定的には申し上げられませんが、予算の執行状況等で、我々が予定している九カ月よりも早く、今確保している予算が尽きるというような見込みになったときは、これは財政当局とよく相談をさせていただいて、対応を検討させていただきたいというふうに思っています。

階委員 何か極めてあやふやなお話なんですけれども、自然体で九カ月やっていけば、この予算案でとどまる保証はないというふうに思います。

 総理にお尋ねします。

 この予算案でとどまる保証がないという理由は、経産省から聞いているのは、大企業が、対象となる店舗で備品などを大量に購入しても、五%還元があるからです。

 ある有識者は、日経新聞にコメントが出ていましたけれども、多ければ二、三兆円、ポイント還元で政府の予算がかかるかもしれない、こんなことも言っています。

 今回の消費増税は、そもそも社会保障の安定や充実のために行うはずなのに、そのための税収が消えてしまう危険があります。そうなれば、キャッシュレスというよりも税収レスになってしまって、本末転倒です。こうした問題意識、総理にあるのかないのか、端的にお答えください。

野田委員長 安倍総理が答えます。その前に茂木大臣、簡潔に。

茂木国務大臣 消費税対策の取りまとめは私がやっておりますので、簡潔にお答えをさせていただきますが、もちろん、大企業が小売、小規模事業者から買った場合もポイント還元の対象にはなりますが、大企業は、さまざまなサプライチェーンを持っている中で、このポイント還元だけのためにそれだけ大きなシフトをするということは想定されません。

安倍内閣総理大臣 前回、八%へ引き上げた際に、予想以上に消費が低迷し、その後の景気回復にも力強さを欠いたところがありました。これが今回の反省点でありました。

 そしてまた、大企業は、消費税の引上げ後、自己負担でセールスなど実施できるのに対して、中小・小規模事業者は、大企業に比べて体力が弱く、競争上の不利もあるわけでありまして、こうした点を踏まえまして、今回、中小・小規模事業者に限定した上で、消費をしっかりと下支えするため、大胆なポイント還元を実施することとしたわけでございます。

 ちなみに、キャッシュレス決済は、中小小売店にとって、レジ締めに必要な手間の削減による生産性向上に加えて、海外で急速にキャッシュレスが今進んでいる中において、日本にやってくる海外からの観光客も七割の方が、キャッシュレスであればもっとお金を使った、こう言っているわけでございまして、こうして海外からの観光客が来年四千万人の目標に向かって進んでいく中において、中小・小規模事業者の皆さんにもそのチャンスを生かしていただきたいということも含めて、今回の政策を決定したところでございます。

階委員 今、総理、キャッシュレスの意義を唱えていましたけれども、私、そこは否定していません。

 ただ、逆にこれが行き過ぎて、四千億じゃ足りなくなって、本来の増税の目的が社会保障の安定とか充実、ここに割くお金が少なくなるのではないか。さっき世耕大臣は、この点について、ちょっと言葉をはっきりさせませんでした。四千億を超えたらどうするのか。私は、四千億、そもそも多過ぎると思っていますけれども、これが仮に、茂木大臣は否定されましたけれども、そもそも、五%安く買えるとなれば駆け込み需要が発生するわけじゃないですか。そして、企業は今、利益を出すために懸命なコスト削減努力をしている中で、上振れするリスクは多分にあると思います。だからこそ、私は、こういうことは軽率にやるべきではないということをまず申し上げます。

 それから、次の危険性なんですが、五%のポイント還元を受けている間は、消費税が一〇%に上がったとしても、消費者の実質的な負担は五%で済むわけです。しかし、九カ月後にもとに戻れば、消費者の負担は五%から一〇%へと一気に倍増しますね。その影響で消費が激減する危険があるのではないでしょうか。

 二%分の増税に対して、今回、反動減対策だということで五%のポイント還元を行うとおっしゃるのであれば、逆に、九カ月後、これが終わった、五%分倍増する負担増に伴う、消費が減ってしまう、消費レスの危険は当然認識されていらっしゃると思いますけれども、その問題意識は総理にある上で、この九カ月限定の対策にしているのでしょうか。お答えください。

安倍内閣総理大臣 詳細については担当大臣の経済産業大臣から説明をさせますが、今、私の認識はどうかということでございますので、その認識についてだけお答えをさせていただきたいと思います。

 来年の夏は、東京オリンピック・パラリンピックに伴うインバウンド消費などの需要の拡大が見込まれるということでございます。今回のポイント還元は、その手前の来年六月までの九カ月の時限措置としてすることで、反動減による景気への悪影響は最小限に抑えることができるのではないか、このように考えております。

階委員 ですから、九カ月の間は反動減対策なんですが、この九カ月が終わったときに、逆に、今回の二%増税よりもはるかに重い負担増になるわけですね。五%がいきなり一〇%。倍増ですよ。この反動減対策ということは頭に置いていらっしゃるのか。置いた上で、でも九カ月だけこれをやろうと言っているのか、それとも、置いた上で、その先も何かやろうと考えているのか、この点についてお答えください。総理。

野田委員長 先に、じゃ、担当の経済産業大臣、お願いします。

世耕国務大臣 当然、こういう反動減対策というのは永遠にやり続けられない。永遠にやったら、おっしゃるように、税収レスになっちゃうわけですね。どこかで切らなければいけない。そういう意味では、その段階で何らかの反動はあるだろうということは前提にした政策であります。

 ただ、その終わる時期をまさに東京オリンピック・パラリンピックに合わせることによって、インバウンドで需要がぐっと伸びる時期にこの制度が終わるということによって、激変緩和というか、反動減を最小限に抑えることができるんじゃないか、そういう想定で我々は今回この制度をつくらせていただいております。

安倍内閣総理大臣 今、世耕大臣から答弁したとおりでございますが、まさに、反動減対策として、消費喚起の政策、あるいはさまざまな財政措置等々ございますが、それをずっとやっていけば、これはまさに消費税を上げた意味がなくなるのはもう当然のことであります。

 ですから、どこかで我々はそれはやめなければいけないわけでありますが、そのタイミングがどこかということについては、幸い、来年、オリンピック、パラリンピックが開催され、そして我々、今、四千万人の目標に向かって進んでいるところでございますので、それに向かってインバウンドの消費がふえるということでありまして、いわゆる建設需要ではございません。インバウンドがふえていくということでありますから、それまでにキャッシュレスをしっかりと中小あるいは小規模事業者の皆さんまで広げていくことにも意味があるということもあわせ考えたところで、この時期が適当であろう、こう判断をしているところでございます。

階委員 余り説得的ではありません。

 これ以外にも問題はあるんです。あと二つ、こちらから指摘させていただきます。

 キャッシュレスの方法の一つにクレジットカードによる支払いもあります。現金と異なって、自分の支払い能力を超えて買物をし、カード会社などへの支払いが滞って自己破産し、家まで失う危険がある。キャッシュレスでホームレスになったら、泣くに泣けません。このような問題意識があります。

 それからもう一つ。今回の対象となる店舗は中小の小売、サービス、飲食店等となっておりますが、個人経営の高級料亭でポイント還元が受けられる一方、大手のファミレスではポイント還元が受けられません。高所得者の方が高級料亭は利用します。一般の人はファミレスです。高所得者の方が恩恵を受けやすい制度。一般庶民には恩恵が少なく、そもそもキャッシュレス決済をしない方々には恩恵レスです。このような問題意識もあります。

 きょうは時間の関係で先に進みますが、こうしたさまざまな問題が伴う今の政府のやり方ではなくて、正しいキャッシュレスを学ぶため、先月、国民民主党の玉木代表らと千葉県の木更津市に伺いました。この町では、昨年十月から、地元の信用組合と協力して、アクアコインと呼ぶ電子地域通貨の普及に取り組んでいるということです。

 利用者は、スマホがあれば、簡単に現金をアクアコインに両替して、市内の加盟店で買物ができます。支払いは、加盟店のレジ近くに掲示されたQRコードという暗号をスマホで読み取ることによって、スマホの画面上で代金を入力すれば、すぐ決済ができます。

 さらに、このアクアコインのすぐれているところは、もうすぐ、四月からは、利用者は、利用する際のポイント還元に加えて、市が指定する活動への参加でもポイントがもらえるということです。すなわち、地域経済だけでなくて、地域コミュニティーの活性化にも役立つわけです。

 こうしたやり方であれば、私が指摘した税収レス、消費レス、ホームレス、恩恵レスの危険はありません。導入や利用の際の店舗側の負担も軽く、地域の消費拡大と公益の増進にも役立つ、こうした正しいキャッシュレスの普及策、お金をかけないで進められるやり方だと思います。こうした取組をしている自治体や金融機関に対して、国は支援を強化するべきだと考えます。総理の見解を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 先ほど、質問にお答えする前に、クレジットカードについての問題点……(階委員「聞いていませんから」と呼ぶ)これはちょっと大切なことなんですが、割販法を改正して、クレジット事業者に支払い可能見込み額の調査を義務づけ、消費者の支払い能力を超えるクレジット契約の締結を禁止するなど、過剰信用を防止する措置を講じてきたところでありまして、こうした取組を含めた対策の実施によって、足元では自己破産の件数も十年前の半数となるなど減少傾向にあるもの、このように思っております。

 また、こうしたクレジットカードだけではなくて、今回はプリペイドカードを含めて消費者の皆様に幅広い選択肢を用意しているわけでございます。当然、プリペイドカードの場合は前もってお金を払わなければいけないわけでございますので、先ほどおっしゃった、カードで自己破産するような問題は起こらないということでございます。

 そこで、議員の御提案については、この後、詳しくということであれば経済産業大臣から答弁させますが、今回のポイント還元に当たっては、御指摘のような弊害を生まないように対策を講じた上で実施することと承知をしておりますが、その中で、今、この議員の御提案についてはまだ私も詳しく見ておりませんので何ともコメントのしようがないところでございますが、我々のポイント……(階委員「何かコメントしてください」と呼ぶ)コメントですか。コメントとしては、このようにさまざまな御提案をいただいたことには敬意を表したい、こう思っております。

階委員 総理にここで敬意を表されるとは夢にも思っていませんでした。

 済みません、今、地方の活性化ということで議論を進めていきたいんですが、これは昨年の二月の予算委員会でも取り上げた話なんですね。今、被災三県の人口がどうなっているのか、それから東京圏の人口がどうなっているのか、この推移をグラフで見たものです。

 御案内のとおり、安倍政権は、二〇二〇年に東京圏の流入人口と流出人口をプラス・マイナス・ゼロにするという目標を掲げて、まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げてさまざまな政策を実行しているということなんですが、現状はますます東京一極集中、このグラフは右肩上がりですけれども、進んでいるわけですね。

 さらに、他方で、被災三県、私の岩手や宮城、福島においては、若者を中心にむしろ人口流出が加速しているわけです。震災の前よりもいい被災地にしようということが復興の目的だと思っているんですが、むしろ震災前よりも人口流出は悪化していて、これからの復興の足かせとなっています。

 今のやり方で、目標を達成できないのではないかというふうに率直に思うわけですけれども、総理にこの点についての御所見を伺います。

安倍内閣総理大臣 まず、東京圏への転入超過は、これは基本的に、ずっと見てみますと、景気がよくなると大きくなるという傾向がありますが、そうした中で、二〇一七年までの三年間は史上初めて全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えて、地方にしっかりと働く場所が生まれる中で、景気回復が続いても年間十二万人程度で頭打ちとなったわけであります。

 しかし、昨年は十三万人を上回ったところでございまして、これはバブル崩壊後のピーク、ちょうど第一次安倍政権のときでありますが、の十五万五千人よりは少ないのでありますが、再び増加傾向に転じたことは大変残念であります。

 現状では、二〇二〇年の均衡目標達成は大変厳しいものとなったと言わざるを得ないと考えておりますが、転入超過の大半を十代後半、二十代の若者が占めていることを考えれば、大学進学、就職が東京圏への移動の大きなきっかけとなっておりまして、均衡目標の達成には、地方に魅力あふれる学びの場、働く場をつくることが重要であることには変わりがない、こう考えておりまして、今年度から始めた魅力あふれる地方大学づくりを支援するとともに、引き続き、民間企業の本社機能の地方移転等を税制などで支援をしていく、あるいは、これに加えて、本年四月からは、東京から地方へ移住し起業、就業する際には最大三百万円を支給する新しい制度をスタートし、地方への人の流れを大きくしていきたい、こう考えているところでございます。

 また、東北の被災地についてのお話がございましたが、震災直後の避難に伴い、二〇一一年には三県からの転出が大きく増加しましたが、二〇一二年から数年間、ふるさとに戻る流れが生まれる中で、転出は大きく抑制されました。他方、二〇一六年以降は転出が一万人台へと拡大していることは事実でございまして、ただ、東北三県からの人口流出は震災前の十年間も毎年一万人から二万人台で推移をしておりまして、近年の動きは震災前からの傾向と符合するものでありまして、そうした意味で、例えば二〇二〇年までに転出入均衡を実現するといったことは、現実的には相当ハードルが高いと考えております。

 当然、政府としては、東京圏からの転出入均衡目標の実現を目指す中で、地方移住促進策などを講じているところでございまして、基本的に、今後の復興、創生に当たっては、町に人が戻ることを目指すのみならず、被災地外からも多くの方々が訪問し、あるいは移り住むような、魅力あふれる地域を創造することを目指してまいります。

 そうした復興の基本方針に基づいて、住まいやなりわいの復興などに全力で取り組むことで、東北への人の流れをできる限りつくり上げていきたいと考えております。

階委員 そろそろ時間ですので、最後の一問にしたいと思います。

 委員のお手元には、資料として五ページ、六ページ目あたりにつけさせていただいておりますが、私は、今のような人口の移動の状況を変えていくためには、従来の延長線上ではない、新しい、画期的な、若者が夢と希望を持って地元に定着できるプロジェクトを、各地方ごとの特色を生かした形で実行するべきだと考えます。

 例えば、東北地方においては、安定した地質、広い土地などの立地条件を生かして、北上山地に国際リニアコライダーという最先端の素粒子物理の大型研究施設を立地させて、世界じゅうから研究者が集まる国際的な研究、イノベーション拠点を形成しようとしています。

 こうした取組を、東北に限らず、各地でさまざまな、その土地の持ち味を生かしたプロジェクトを推進していく、これを政府はやるべきではないかと考えますが、最後に総理の御所見を伺います。

安倍内閣総理大臣 国際リニアコライダー計画の誘致については、日本学術会議での検討のほか、文部科学省を中心に、関係省庁において検討が進められていると承知をしておりますが、詳細については文科大臣から答弁させたいと思います。

柴山国務大臣 今、階議員がおっしゃったように、大規模科学技術開発が地方創生に役立つということは、私どもも認識を共有させていただいております。

 ただ、昨年十二月に受領した日本学術会議の所見においては、政府におけるILC、国際リニアコライダーの日本誘致の意思表明に関する判断は慎重になされるべきと、コスト面等々を考え、そのような表記がございます。

 今総理が答弁されたとおり、私ども文部科学省においては、所見の内容をきちんと精査するとともに、関係省庁あるいは関係自治体とも連絡を密にして、各行政分野におけるILC計画に対する考え方を聴取しつつ、しっかりと検討を進めていきたいと考えております。

階委員 ぜひ前向きな検討をお願いします。

 終わります。ありがとうございました。

野田委員長 この際、山井和則さんから関連質疑の申出があります。玉木さんの持ち時間の範囲内でこれを許します。山井和則さん。

山井委員 これから、昼休みを挟んで一時二十七分まで質問をさせていただきます。

 きょうの質問通告は、安倍総理に全てしてございます。ここにございますように、質問通告は極めてシンプルです。あえて読み上げます。

 昨年六月の現金給与総額、名目賃金の伸びは何%ですか。二番目、昨年六月の実質賃金、つまり、名目賃金から物価の伸びを差し引いた伸び率は何%ですか。三番目、昨年一月から十一月までの実質賃金の伸びの平均は機械的に計算すれば何%ですか。最後四番目、昨年一月から十一月までの実質賃金の伸び率の平均はプラスですかマイナスですか。

 これは国民の皆さんも知りたいと思われると思うんですよね。今、日本で賃金が上がっているのか下がっているのか、何%上がっているのか下がっているのか。私たちがこれから経済政策、景気対策を議論する上でも、現状認識がなければ正しい政策はできません。正しい賃金統計なくして正しい政策はつくれません。

 その意味では、特に、賃上げといえばアベノミクス、アベノミクスの一丁目一番地のことですから、基本的な質問を安倍総理にお答えいただきたいと思います。

 それで、私たち、アベノミクス偽装ではないかと言っていますのは、このグラフにありますように、不思議なことが今起こっているんです。今回の二千万人の支給漏れに関連して発覚した問題ですけれども、去年の一月から名目賃金の伸び率がぴょんと上がっているんですよ。皆さん、ちょっとこれはおかしいと思われませんか。この点線のときに調査方法を大きく変えているんですね。調査方法を変えたら賃金が上がった。

 そこで、先ほどの玉木代表の発言もあったように、三・三%、二十一年ぶりと言っていたけれども、二・八%でしたということを、先週、下方修正しました。しかし、二・八%どころか、本当は一・四%であるということが午前中の審議で明らかになりました。

 先週の国会質問で、私の質問に対して総務省が明確に答弁をしております。昨年六月の賃金の伸び率に関しては、この二・八%よりも一・四%を重視していくということでよろしいですかという私の質問に対して、総務省は、委員の御指摘のとおりでございますと。そして、かつ、本来の伸び率は統計委員会の見解は一・四%ということですか、伸び率として実態に近いのは二・八か一・四%ですか、どちらですかということを聞いたら、総務省の参考人は、統計委員会の見解としては伸び率については一・四で見るべきである、そういう見解でありますと答弁をされています。

 前の折れ線グラフを見てください。ですから、これは政治的な思惑抜きです。純粋に統計委員会の見解としては、昨年六月、三・三と去年に公表されたけれども、実際の賃金伸び率は、賃金上昇率ですよ、賃金の額とは言っていません、賃金上昇率は一・四%というのが中立な統計委員会の見解であるということが国会で既に明らかになっております。

 そこで、安倍総理にお伺いします。

 今の総務省統計委員会の見解のように、去年六月の名目賃金の伸び率、景気指標としての賃金上昇率は、統計委員会の、今、総務省の見解があったように、三・三でも二・八でもなく、一・四%を重視する、この総務省の答弁どおりでよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 先ほども議論をしたんですが、いわば統計はそれぞれどういう統計かということも重要でありまして、山井さんは、例えば、三・三と二・八とあるいは一・四を全部ごちゃまぜにいろいろしゃべられましたので、三・三が二・八になって一・四になったかのごとくなんですが、これはそれぞれ統計としては違うわけでございます。

 統計としてはそれぞれ違うわけでございまして、いわばそれぞれサンプルを集計したものでございますが、それは事業所ごとのいわば総人件費をそこの従業員の数で割ったものでございまして、誤解をされないように少し詳しく申し上げますと、一人一人の賃金を追っていたものではありません。いわば一人一人の賃金を追っていたものとしては、例えば私がよく使う連合の賃上げについては、これはまさに、企業がどれぐらい一人一人の賃金を上げたかということを平均で出しているものであろう、こう思います。それぞれがサンプルでございますが。

 そこで、今回のこの共通事業系列は、いわばこれは参考値としているわけでありますが、これはサンプルが少数である、あるいは偏るという点もあるわけでございますが、と同時に、これは入れかえをされていないということであるから、いわば伸び率については同じ対象、サンプルを見ているということにもなる。

 ただ、これは同じ人を見ているということではないわけでございまして、事業所全体の人件費を人数で割った。ですから、景気がよくなって、忙しくなってパートを雇った場合、十人から二人のパートがふえた場合は、それを十二で割り切りますから、平均賃金が低くなるということもあります。

 そこで、では、なぜ主統計があるかといえば、今の経済の実態を見るためには、参考値ではない、いわば主統計ですかで見ていくということも重要であろう、こういうことであります。

 伸び率の考え方については、既に総務大臣が答弁しているとおりでございます。

山井委員 結局、どうなんですか。聞いたことを答えていないんですか。景気指標としての伸び率は、共通事業所、参考値だから、去年六月は一・四ということでよろしいですね。

安倍内閣総理大臣 総務省、厚労省が提出をさせていただいた政府の統一見解でございますが、野党の求めに応じて総務省、厚生労働省が毎勤統計の賃金系列について提出した資料でお示ししたとおり、利用者が目的に応じて、本系列、共通事業所系列、参考値ですね、共通事業所系列の双方の系列を見て適切に判断することが重要としており、政府としてはどうするかということでございますよね。

 それは、政府としては、経済動向の分析に当たって、こうした指標の特性やその他の統計の状況も踏まえた上で適切に判断を行っているということでございます。

山井委員 景気指標としての伸び率は、去年六月は、二・八の再集計値か、一・四%の参考値かということをお聞きしております。

 これは、安倍総理、答えは出ているんです。

 きょうの配付資料、このパネルの西村統計委員会委員長、きょう呼んでも、なぜか与党が反対して出てきておりませんけれども、こうおっしゃっているんですね。

 西村統計委員長も、平成二十八年三月の経済財政諮問会議で、景気指標としての多数の人々が実感するのは、自分の事業所の平均賃金が上がったのか、自分の企業の投資が増加したのかである、つまり、同じ事業所の平均賃金の変化、同じ企業の投資の変化になる、これに対応しているのは、サンプルを継続して調べている継続サンプルによる指標。そして、つまり、その上に書いてありますように、「景気指標としての賃金変化率は共通事業所を重視していく」と正式に統計委員会は決定しているんです。

 二つを並べるとわかります。つまり、二・八の公表値ではなく、一・四の共通事業所を重視するというのは、統計委員会が言っているんです。私、今の安倍総理の答弁を聞いて、非常に危ういものを感じています。

 名目賃金がどうだったかということは、ファクトなんですよ、ファクト。景気指標の賃金上昇率は、共通事業所を重視すると統計委員会は決めているんですよ。総務省も一・四%と答弁しているんですよ。にもかかわらず、この期に及んで、ああでもない、こうでもないと言って認めようとしない。これは、私は、一・四%なのに三・三%とかさ上げしたのはアベノミクス偽装だと思いますが、それに加えて、偽装隠しじゃないですか。一・四%ということを総務省や統計委員会が言っているのに、認めようとしない。私は、こういうことが国際社会で知られると、日本の信用にかかわると思いますよ。賃金上昇率を上乗せしたあげく、そのことが国会で指摘されたら、総理大臣は認めようともしない。

 きょうの配付資料の中に、ニューズウィークという、日本版の記事があります。この中にも出ておりますように、エコノミストから、日本の賃金統計は信用できなくなっている、そういう指摘も出てきております。(安倍内閣総理大臣「本当に」と呼ぶ)出ているんです。今、本当にとおっしゃいましたけれども、安倍総理はそれも知られないんですか。

 安倍総理、改めてお聞きします。去年六月の景気指標としての賃金上昇率は何%だったんですか。

安倍内閣総理大臣 山井委員はかつて、海外に出た漫画を引用して、私でない人物を私と特定して、アベノミクスは沈んでいると大きな大間違いをされたことがございましたから、今指摘をさせていただきました。済みません、嫌なことを指摘いたしまして。(発言する者あり)

野田委員長 場外、静かにしてくださいね。

安倍内閣総理大臣 済みません、場外の方、静かにしていただかないとなかなかお答えしにくいんですが。

 そこで、お答えをさせていただきますが、先ほども申し上げたとおり、利用者が目的に応じて、本系列、共通事業所系列の双方の系列を見て適切に判断することが重要、これが統一見解でございますが、政府としては、経済動向の分析に当たって、これは両方ともサンプルであるわけでありまして、このサンプル、一人一人の賃金が幾らアップしたかという、一人一人の賃金がどれぐらいアップしたかというものの全ての数字を割り出したものではないわけでございます。その中において、サンプルにはそれぞれの特徴もあるわけでございまして、そういうことを勘案しながら、政府として、経済動向の分析に当たって、こうした指標の特性やその他の統計の状況を踏まえた上で適切に判断を行っているということでございます。

山井委員 全くわかりません。

 シンプルな質問をしております。去年六月の景気指標としての賃金上昇率、名目賃金は、日本では何%だったんですか。シンプルな事実を聞いております。安倍総理、お答えください。安倍総理に聞いております。数字を言ってください。もう時間がありませんから、安倍総理。

野田委員長 まず、担当の茂木大臣。

茂木国務大臣 二つの数字があります。三・三%という数字は違っておりますので、これは二・八%。そして、もう一つの数字が一・四%。二・八%は本系列、そして、一・四%は共通事業所に限った数字であります。

 共通事業所に勤めている方にとっては、この共通事業所の一・四が自分の実感です。一方、日本経済全体にとっては、本系列、全サンプルから集計しました二・八、こういう数字になります。

山井委員 安倍総理、どちらなんですか、お答えください。去年六月の景気指標としての賃金上昇率、名目賃金は何%なんですか、お答えください。(発言する者あり)

野田委員長 御静粛に。

安倍内閣総理大臣 今、経済財政政策担当大臣として、さまざまなマクロ経済を分析しながら政策を進めていく上における責任者としての、いわば、ある意味でユーザーとしてのお答えでもあったわけでございます。

 そこで、お答えをいたしますと、主系列については今大臣からお答えをさせていただいたわけでございまして、どちらかが本当ということであれば、そもそも主系列について発表することは意味がなくなってしまうわけでございます。

 つまり、主系列においては、サンプル数が多い、経済の実態をより反映をしているというものについては二・八ということでございまして、同じ事業所、連続してですね、かえていないところが二年連続同じ対象ということであれば一・四ということでありまして、二・八と一・四、この両方がそれぞれある。そして、それを総合的に判断していくということが、我々の正しい分析、そして経済政策を進めていく上における態度だろう。

 つまり、これは、どちらかを全く前提条件を取り払って考えてはだめでありまして、そういうことで政策を進めていくと失敗します。そうではなくて、まさに大切なことは、どういう形でそのサンプルをとっているのかということでありまして、それをしっかりと分析をしながら対策を打っていくことが求められているわけでありますから、繰り返しになるわけでありますが、主系列では二・八、参考値では一・四ということでございます。

山井委員 統計委員会の見解を安倍総理が国会で変更されるというのは、あり得ないことです。統計委員会は明確に、賃金上昇率は、景気指標としては共通事業所ということを言っております。

 続きはまた午後させていただきます。ありがとうございます。

野田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

野田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山井和則さん。

山井委員 午前中に引き続き質疑をさせていただきます。

 午前中の整理として新たに折れ線グラフを出しておきますけれども、確認しますが、去年の八月に政府が発表した名目賃金の伸び率は三・三%でした。しかし、先週、不正があって間違いが発覚して、二・八でしたと下方修正をしました。

 それだけではなく、総務省統計委員会の見解として、総務省から国会答弁でも、実は、昨年六月の景気指標としての賃金上昇率は一・四%であったということが答弁としてありました。

 これは非常に重要なことです。対外的には三・三%名目賃金が上昇したといいながら、これは私の見解じゃないですよ、総務省統計委員会の見解では一・四%だった。実態は半分以下だった。私は、これはアベノミクス偽装と言われても仕方がないのではないかと思います。

 ついては、より核心の、実質賃金はどうなのかという議論に午後に入ってまいります。

 安倍総理は、先週の本会議答弁でも、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げ、所得環境は着実に改善していると答弁をされました。しかし一方、最新のマスコミの世論調査では、アベノミクスによる景気回復を実感しているのはたった一六%、実感がないが七八%。この最大の乖離の理由は、賃金が少し上がっても、それ以上に物価が上がって、名目賃金から物価上昇率を差し引いた実質賃金が下がっているのではないかというふうに思うんです。

 先ほどの総務省統計委員会の、昨年六月は一・四%の伸びにすぎなかったという議事録も紹介させてもらいましたが、昨年六月、このグラフにありますように名目の賃金が一・四%しか伸びていなかったということであれば、今公表されている二%実質賃金が伸びているはずはないんですよね、物価が上がっているわけですから。当然、物価の伸びを名目賃金から差引きせねばならないのではないか。これについては、今までから安倍総理も国会の中でも、実質賃金というのは名目賃金から物価上昇率を差し引いたものだということを国会答弁でもおっしゃっています。

 そういうことで、例えば、ロイター通信が実質賃金の昨年の伸び率を計算したらマイナス〇・四%であった、そういう試算が出てきました。野党が、今のような、統計委員会が発表した名目賃金の参考値としての伸び率を物価上昇率で差し引けば、これは簡単な計算です、赤い折れ線の方で、つまり、昨年プラスだったのは〇・六の六月だけで、あとは全部ゼロかマイナスであったという試算も出てきておりまして、平均するとマイナス〇・五%。機械的に計算するとマイナス〇・五%の野党の試算は正しいということを、先ほど根本大臣も答弁をされました。

 そこで、消費税増税とか景気対策を議論する上で、安倍総理が、国民の生活実感に名目賃金よりより近い実質賃金の伸び率が、昨年、プラスと認識しておられるのか、マイナスと認識されておられるのか、非常に重要です。

 安倍総理にお聞きします。一月から十一月まで、昨年の実質賃金の伸び率はマイナスでしたか、プラスでしたか。

安倍内閣総理大臣 今、山井委員は、このグラフにおいて、三・三と二・八と一・四、これを三つ並べて、まるで三・三だったやつが実は二・八ではなくて一・四であったという誤解を与えかねないグラフを示しておられますが、三・三を、これを再集計によって二・八になったんです。一・四というのは、一・三という数字があって、それが再集計によって一・四になったんですよ。それもちゃんとお示ししないと、これは誤解を与える。

 誤解を与えることを意図しているのではないとは思いますよ。でも、それは、冷静に議論するのであれば、三・三と二・八を比較するように、一・三と一・四を比較しなければならないということは申し上げて……(発言する者あり)これは違うんですか。違いませんよね。(山井委員「今は一・四なんですよ、だから」と呼ぶ)いや、今は一・四じゃなくて。

 ですから、このグラフ自体に……(山井委員「私の質問に答えてください」と呼ぶ)まず、その質問の前提のこのグラフが正しくないと私は言っているんです。三・三と二・八を比較するのであれば、それを一・四と比較するんじゃなくて、一・四は一・三と比較するべきだろう、こう申し上げているわけであります。なぜなら、それは違うサンプルだから、違う統計だからであります。

 先ほど来御説明をさせていただいておりますように、これはいわば主系列が、こちらが主系列であって、こちらが共通事業所の系列であります。主系列というのは、まさに主な系列。これは、そのときの経済の実態をよりよく見るために示しているわけでありまして、先ほど申し上げましたように、どちらかが正しい、どちらかしか見なければいけないのであれば、そもそも主系列を示す必要はないじゃないですか。

 なぜ二つ示しているのかといえば、こちらは参考値なんですよ、参考値。それは、事業所がかわっていないから参考値としてお示しをしているということでありまして、まず、議員御指摘の平成三十年の参考値については、今回の再集計でそれほど大きな影響を受けていないものと承知をしており、そのことがこれまでの賃金動向に関する判断に影響を与えるとは考えていないわけでございます。

 つまり、一・三が一・四になったということでありまして、その上で、参考値をベースとした実質賃金の算出が可能かどうかについては、担当省庁において検討を行っているものと承知をしております。(発言する者あり)

野田委員長 お静かにしてください。御静粛に。

山井委員 プラスかマイナスか聞いているのに、実質賃金、国民生活にとって一番重要な昨年の実質賃金が、プラスかマイナスか、出せるかどうか検討する。ということは、今、安倍総理は、去年の実質賃金がプラスだったかマイナスだったかわからずに政策を立てておられるということですね。驚きました。

 さらに、先ほど言いました一・四%、昨年の六月の名目賃金の伸び率というのは、別に野党や私たちの見解ではありません。総務省の統計委員会が景気指標の賃金上昇率として重視するのは共通事業所であり、国会答弁でも、一・四%と。これは総務省が言っていることであります。それと違うことを安倍総理がおっしゃるということは、非常に私は奇異に感じます。統計というのは政治的に中立であるべきことであります。

 それで、今申し上げましたように、私は改めて驚きました。やはり政治というのは、民のかまに煙が立っているかどうか、国民生活がよくなっているのか悪くなっているのかを知りながら、さまざまな政策をつくるものだと思いますが、一番肝心な実質賃金、プラスかマイナスかわからない、かつ、出せるかどうかもわからない。先進国でそんな国はないんじゃないんですか。

 だから、私たちは、一番正確な統計委員会の見解をもとに、統計委員会は伸び率は共通事業所で判断する、それは名目でいうと一・四とかの赤い線のグラフだ、それを実質賃金に単純にあらわせばこの赤線グラフで、今政府が公開している数値より大幅に下がりますねと言っているんです。

 具体的に計算してみました。

 これは簡単なんですね。これを見てもらったらわかりますように、例えば、今議論になっている昨年六月、総務省統計委員会が言うように一・四%の伸び率だったとしたら、消費者物価は〇・八%アップしていますから、差引きすると〇・六%アップ。

 上から言いましょう。〇・三%、共通事業所の伸び率、名目賃金ですけれども、物価が一・七上がったので、差引きすると実質賃金の伸び率はマイナス一・四。二月、マイナス一・〇。三月、マイナス〇・一。四月、マイナス〇・四。五月、マイナス〇・五。そして、ずっと行って、十一月はプラマイゼロ。これを平均すると、マイナス〇・五なんです。

 実質賃金は昨年マイナスだったんじゃないですか。おととしはマイナス〇・二%でした、伸び率は。ということは、おととし以上に昨年は実質賃金の伸び率がマイナス幅が大きくなって、国民の暮らしは厳しくなっているんじゃないんですか。

 これは、私たちが言っているだけではありませんよ。ロイター通信が試算しても〇・四%と。日本の賃金統計に対して、海外のメディアが独自に試算して、全然違いますよという記事を、ニューズウィーク日本版にも、インターネットでも今公開されています。日本の統計が信用されていないんですよ。

 安倍総理、これはいつわかるんですか。これから出せるかどうか検討するということですけれども、消費税増税、景気対策、経済対策を議論する上でも、名目賃金上昇率から物価上昇率を引き継いだ、国民の生活実感に近い実質賃金が、プラスだったかマイナスだったのか、それもわからない。もっと言えば、国民に知らせないなんという政治はないと思います。いつそれを国民に明らかにしていただけますか。

根本国務大臣 二つに分けて申し上げたいと思います。

 勤労統計調査の本系列の実質賃金については、委員のこちらの左側、再集計値、これで出していますよね。まずこれを出していますよね、再集計値として。それから、もう一つおっしゃっている参考値としての共通事業所系列、これは、繰り返しになりますが、前年度と今年度の同じ事業所をとって集計したものですから、統計委員会でも、改めて、これはあくまでも参考値ですよと。

 つまり、統計というのは中立なんですよ、それは。だから、利用する方がその統計をどう加工するか、あるいは使うか、それは私はユーザーの問題だと思います。

 ですから、参考値としての実質をどうするか、これは、先ほども私も申し上げました。参考値については、サンプル数も少ないし、振れ幅が大きいし、これは果たして実質化できるか。これは、統計の専門家もいろいろな課題を示していますから、だから、実質化をする場合には、例えば共通事業系列については、まだ十一カ月だし蓄積もない。専門家がいろいろな問題点を……(山井委員「もういいです。いつ出せるんですか」と呼ぶ)ですから、専門家の議論を聞いて、検証して、そしてその検討の結果、これが果たして我々が実質化の系列としてお出しできるかどうか、それは、その意味も含めて、私は専門的な検証が必要だと思います。

 先ほど、この伸び率を機械的に物価上昇率で割り引く、それは、ユーザーの方がそれを用いて試算したから、それはそれで、その試算はユーザーの皆様がそういうことでやったんですから、それは私は、機械的に計算すればこうなりますよ、これはそうだろう、そういうお答えをいたしました。

 しかし、それを我々が、この統計を預かる我々が、名目は指数化していますよ、名目の賃金の動きは。しかし、実質化をする意味というのは、水準の動きを見るわけですから、例えば共通事業所の問題点は何か。前年度と今年度の、毎年毎年、毎年毎年、対象が違うんですよ。対象が違う、毎年毎年入れかわっているから。だから、対象が違うものを実質化して経年比較できるかということは、それも私は課題があると思っておりますから、この実質系列を我々が出すということについては、実質化に伴ういろいろな課題、問題点がありますから、これは、専門家の検証を経て、そして我々、そういうものが出せるかどうか、それは専門家の検証を経て、単純な話じゃないんですよ、単に物価で割り引けばいいという単純な話ではないという統計の性格を申し上げたいと思います。

山井委員 先進国にあるまじき事態です。一番、国民生活の実態を、政府も、あるいは国際的な社会も判断する基幹統計の目玉である実質賃金の昨年の上昇率が、出せるかどうかわからない、どういうことですか、それは。政府としてわからないのに、どうして政策議論をするんですか。

 さっきも言ったように、おととしがマイナス〇・二%、マイナス、ロイター通信の試算ではマイナス〇・四%、マイナス、野党の試算ではマイナス〇・五%、マイナス。おととしよりはるかに大幅に実質賃金がマイナスだったら、消費税の議論も大幅にこれは変わってきますよ。それがわからなくて、どうして来年度予算が組めるんですか。

 根本大臣にお聞きします。

 これから検討するというんだったら、厚労省で検証するんですか。総務省の統計委員会で検証するんですか。それで、いつまでに検証するんですか。来年度予算案の審議が始まるまでに実質賃金がプラスなのかマイナスなのかわからなかったら、私たちは正しい政策を議論しようがないじゃないですか。

 根本大臣、お答えください。どの場所で、いつまでに、実態に近い実質賃金の昨年の伸び率を出すのか、お答えください。

根本国務大臣 実質賃金を出していない、出していないという委員の御指摘ですが、本系列の実質賃金については出しています。(山井委員「それは伸び率、間違っているでしょう」と呼ぶ)そこは再集計値で伸び率を出している。伸び率で二十九年度分を復元していないとなったから、再集計値で出しました。

 そして、それからもう一つ。参考値というのは、あくまでも参考値ですよ。景気指標として、月々の、つまり景気をどう判断するか、いろいろな指標がある。そして、この毎勤統計で見る場合には、この共通事業所をそのため参考値として出しているんですから。それはもう委員が十分御案内だと思いますよ、西村先生の話も聞いているわけだから。

 だから、あくまでも共通事業所というのは、ごく限られた、標本数も少ないし、振れも大きいし、だから、これを、日本全体の実質賃金ということで私は参考値として出した数字を、名目で出した数字を、果たして実質系列を作成することができるかどうか。

 これは、繰り返しになりますが、まず、共通事業所系列というのは……(山井委員「もう結構です」と呼ぶ)ちょっとしゃべらせてください。申しわけありません。(山井委員「もう結構です。長い答弁、結構です。長過ぎます。委員長、注意してください」と呼ぶ)いや、課題を言っている……

野田委員長 大臣、簡潔に。

根本国務大臣 はい、簡潔に。

 だから、本系列、振れる……(山井委員「いつ、どこで出すんですか」と呼ぶ)

野田委員長 山井さん、ちょっと落ちついてください。

根本国務大臣 ですから、これは極めて統計の専門的な分野ですから、これは専門家の意見を聞いて検証して、そして協議をして、そして最終的には、それは当然、統計委員会との協議も必要ですが、そういうしかるべき分析、検証、検討を経て、具体的に実質化系列を出せるか出せないか、それはこれまでの検討で……(山井委員「長いから結構です。長過ぎます。私の質疑ですから」と呼ぶ)

野田委員長 大臣、答弁は簡潔にお願いします。

根本国務大臣 我々が実質化系列ということでお示しをするということでは、これからなお検討が必要だと思います。

山井委員 根本大臣は、厚生労働大臣としての任にあらずじゃないですか。国民生活に一番密接な実質賃金がプラスなのかマイナスなのか、いつその計算結果が出るのかもわかりません、そんな厚生労働大臣ありますか。

 国民生活の実態、私は、これは実感としては、先ほどの世論調査にあったように、本当に実質賃金は下がっていて、厳しくなっていると思いますよ。それが出せるかどうかもわからない、どの場でいつまでに出すかも答えられない、そんな厚生労働大臣いますか。現状認識なくして国民の幸せにつながる政策はつくれないんですよ。これは与党も野党も一緒ですよ。

 安倍総理、ということは、深刻な問題ですけれども、安倍総理も、実質賃金がプラスなのかマイナスなのか、そして先ほどのグラフにあったように、私たちの見解じゃないですよ、総務省の統計委員会の見解として、青線グラフは前年度と違う企業を比較しているから、伸び率は青線じゃなくて赤線の共通事業所を重視すべきというのは、総務省の統計委員会の結論なんです。

 その結論から考えたら、今の実質賃金のこの青線グラフは、去年とおととしと違う企業を比べているから伸び率にならないんです。共通事業所を比べているのは赤い折れ線グラフで、それを比べるとマイナスになるわけです。

 話を少し戻しますが、なぜこんなことになったのか。なぜこんなことになったのかという議論をもう一度解説します。

 つまり、予算審議が始まる、なのに、実質賃金の伸び率がわからない、名目賃金の伸び率がわからない、前代未聞の事態になっている理由は、それは、去年の一月に大幅に調査方法を変えてしまったんですよ。変えてしまったから、おととしと違う企業を比べ出したから、統計に段差ができて伸び率がはかれなくなってしまったんです。

 そして、おまけに、はかれなくなっただけじゃなくて、このグラフを見てもらったらわかるように、見た目にはアベノミクスで賃金が大幅に伸びたかのように、見えるように調査方法が改定されたんです。でも、実際にはこんな伸び率ではなかった。

 それは、安倍総理、こんな大幅な調査方法の改定をして賃金があたかも伸びたかのような上振れになった理由は、経済財政諮問会議の議論なんです。

 この配付資料にもありますように、なぜ、こんな大幅な調査方法の検討をしたのかということについて、去年の八月、総務省統計委員会がまとめております。経緯、なぜ調査方法を変えたのか、読み上げます。

 平成二十七年十月、経済財政諮問会議において、麻生議員がGDP推計のもととなる基礎統計、毎勤統計を含む、の充実に努める必要性を指摘、これを受け、早急に検討し、方針を整理することを要請。

 つまり、この調査方法の変更は、経済財政諮問会議、つまり安倍総理が議長の、安倍総理が議長の経済財政諮問会議が発端となって調査方法の変更が行われ、この結果、なぜか、調査方法を変えたら大幅に賃金が伸びるようになった。今になって、その大幅な伸びは実は水増しだったんですということが明らかになったわけですよ。

 安倍総理、安倍総理が議長の経済財政諮問会議で、安倍総理も出席されていた二〇一五年十月十六日の議論の結果、調査方法は変更して、その結果、大幅に賃金が伸びたかのようなデータが出たけれども、実際はそうではなくて、伸び率はもっと低かった。

 これは、アベノミクスの成果を結果的には高く見せるという誤った情報を国民、世界にまき散らしてしまったんじゃないですか。議長であった安倍総理の見解を求めます。

安倍内閣総理大臣 何かまるで大きな陰謀が動いているかのごとくの質問をされるから、もうリアリティーはなくなっていくんですよ、申しわけないんですけれども。

 こんな、統計を何か私が恣意的にやろうとして、莫大な数の人たちがそれにかかわらなきゃいけないんですから、そんなことできるわけがないんじゃありませんか。(山井委員「端的に答弁してください」と呼ぶ)

 端的に言ってそういうことなんですが、そこで、実質賃金を出せないとかおっしゃっていましたけれども、主系列についてはお示しをしている。どっちかしか必要ないと言うのであれば、そもそも今までも主系列を出す必要がなかったんですよ。

 なぜ主系列を出しているかということについては、経済のそのときの実態をあらわしているからなんです。伸びも含めてなんですよ。伸びも含めてなんですよ、それはサンプルが多いんですから。小さい小さいサンプル、その小さいサンプルにおいて……(発言する者あり)

野田委員長 御静粛に。

安倍内閣総理大臣 いや、しかし半分ですね。半分のサンプルである。しかも、既に今までも指摘されているじゃないですか。

 では、もう一度指摘しましょうか、それについては。(山井委員「もう結構です、結構です。私の質問に答えてください」と呼ぶ)済みません。

 それで、そういう指摘もあるわけですから、その中においてどのようなものを使っていくかということでありまして、統計委員会の御見解は、毎月勤労統計の活用に関する専門的立場からの御指摘として尊重はしています。

 その上で、景気や賃金動向の把握に当たっては、さまざまな統計のデータ特性等について、先ほどサンプル数が小さいということ、それは当然、半数を入れかえていますから、前年と同じものは半数になるわけであります。ですから、ぶれも大きくなるという問題もあるというのは指摘があった。

 ただ、同じ事業所を扱っている。しかし、同じ事業所といっても、これは同じ人ではないということは先ほど申し上げてきたとおりでありまして、賃金の、人件費の総額を従業員の数で割っておりますから、入れかわった、今までのベテランがやめて新人が入った場合は当然給与は低くなりますから、平均は低くなるんですよ。ですから、一人一人の賃金の動向とは違う。

 そういうこともちゃんと勘案しながら、統計というのはそういうふうに読んでいくものなんですね、この場で申し上げておきますが。その上で景気判断はしなければならないということでありまして、申し上げているとおりでございます。

 いずれにいたしましても、私たちが、何か私たちの経済政策をよく見せようとしてこうやって統計をいじっているわけではないわけであります。

 事実、昨年十二月一日時点では、大卒者の就職内定率は……(山井委員「もう結構です。もういいですから」と呼ぶ)

野田委員長 総理、御簡潔にお願いします。

安倍内閣総理大臣 こういう数字は嫌でしょうけれども、過去最高の水準にもなっているということは申し上げておきたい、このように思います。

山井委員 これは、安倍総理、私はファクトに基づいて言っているんです。経済財政諮問会議が要請をした調査方法の変更をした結果、この統計委員会の報告書によると、去年一月から二千八十六円も、これは調査方法の変更が理由で賃金が上がっているんですよ。見てください。それまで……

野田委員長 山井さんに申し上げます。質問時間が終了しました。

山井委員 二、三年に一度であった調査方法の変更の際には賃金は下がっているのに、このときだけ上昇しているんです。これは結局は、意図は問いません、安倍総理、意図は問いませんが、結果的には経済財政諮問会議がやった調査方法の変更によって、賃金が上振れに偽装されたということは事実なんです。統計委員会が言っています。そのことについての見解をお願いします。

野田委員長 山井さん、質問時間が過ぎていますので、これにて終了いたします。

 これにて玉木さん、階さん、山井さんの質疑は終了いたしました。

 次に、塩川鉄也さん。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 今、大問題となっております毎月勤労統計の不正問題について質問をいたします。

 非常に大きな問題、学術研究団体からも危惧の声が上がっております。

 日本経済学会は、理事会声明で、毎月勤労統計は、「毎月の経済指標の一つとして、景気判断や国及び地方の各種政策決定に際しての指針となっています。また雇用保険や労災保険の給付額を改訂する際の資料としてだけでなく、民間企業等における給与改正や、人事院勧告の資料にも用いられるなど国民生活にも深く関わる統計です。こうした経済判断だけでなく国民生活にも影響を及ぼす政府統計に関する不適切な調査・作成は言語道断です。」と述べております。

 毎月勤労統計とは、景気判断や経済政策判断の指針であり、国民生活にも影響を及ぼす重要な統計であります。この統計不正問題について、徹底解明が必要であります。

 そのために、私、当委員会に大西前政策統括官、樋口特別監察委員会の委員長の参考人要求を出しましたけれども、理事会で拒否をされました。これでどうして真相解明ができるんでしょうか。まともに答弁できるのかどうかが問われている、厚労省の対応をいっても、この参考人招致の要求はしっかりと応えてもらわなければいけない。

 出てこないのですから、それを前提に質問せざるを得ませんが、まず最初にお尋ねしたいのが、きょうの委員会の冒頭、西村委員も質問をされました、大臣の毎月勤労統計不正問題に関する特別監察委員会の報告書についての認識の問題ですけれども、昨日の予算委員会で根本大臣は、現在の特別監察委員会は、より中立性、客観性を高めるために、有識者でやってもらおうという思いでつくったが、第三者性を強調し過ぎたのではないかということは反省していると述べました。

 特別監察委員会は第三者委員会じゃないんでしょうか。第三者委員会なのかそうでないのか、お答えいただけますか。

根本国務大臣 第三者とは何か。特別監察委員会は、それまで厚労省と、それから有識者は既に五人いました、そこの監察チームでこういう問題があったときは特別監察をする、そういうことでやってきましたが、やはりこれはより客観性、中立性を高める必要がある、そういう判断で、有識者だけで、しかも、樋口先生、大変有能な、高名な統計学者で、統計の専門家ですから、これはやはり、統計の専門家も入れて有識者を構成して、そして有識者だけで判断して、検証してもらう。要は、より中立的、客観的、より中立性、客観性を高めるために、まさしく、厚労省の人間ではない、有識者で構成する特別監察委員会、こういうものをつくりました。

 その意味では第三者的な委員会だけれども、でも、第三者、第三者ということを強調し過ぎたのではないかというきのうの小泉進次郎議員の話があって、私は、思いは中立性、客観性をより高めるということで、有識者だけで構成する特別監察委員会にいたしましたが、強調し過ぎたのではないかというお話があったものだから、強調し過ぎたということであれば、そしてしかも、この私の思いが事務方に徹底されなかったということを含めて私は反省をしている、こういうことであります。

塩川委員 大臣が、客観性、中立性を高めるということで有識者だけで判断、検証するんだというのであれば、これは何で厚労省が答弁に立つんですか。調査報告書の中身を有識者だけで判断、検証するということであれば、答えてもらうのは特別監察委員会の皆さんじゃないでしょうか。樋口さんに答えてもらうのが一番筋が通っているということを今大臣がお答えになったということじゃありませんか。

根本国務大臣 私は、特別監察委員で原因や事実関係あるいはその責任、そういうことも含めて御報告をいただきました。そして今、経緯でいえば、更に特別監察委員会で、例えば厚労省の官房長が立ち会っていたということもあったものですから、疑念を持たれることがないように、特別監察委員会で委員の皆様から直接聞き取りをしていただいて、さらなる調査をしていただいているという、今その段階にあります。

塩川委員 いや、答えていないんですよ。大臣自身が、客観性、中立性を高めるために有識者だけで判断してもらう、検証すると言っているんですから、答えてもらうのは、この有識者の会議、第三者委員会の委員長ということになるのははっきりしているんじゃないですか。

 更に追加調査という話で、疑念を持たれないように、持たれることのないようにということでの話が出ましたけれども、大臣にお聞きしますが、特別監察委員会の委員によるヒアリングなどの追加調査を行うということですけれども、そもそも、このもとの報告書、組織的な隠蔽ではない、この報告書の結論というのは変わる場合もあるんでしょうか。

根本国務大臣 特別監察委員会の報告書においては、現在のですよ、組織的隠蔽があったのではないかと指摘されている個別の事例があることは承知しているが、個々の事案について隠蔽しようとするまでの意図は認められなかったとされています。そして今、特別監察委員会で改めてさらなる調査をしております。

 その意味で、これから、今、さらなる調査をしているところですから、要は、私から結論を申し上げるということは、私は控えたいと思います。今調査中ですから。

塩川委員 そもそも、追加調査をやるときの記者会見で大臣は何と言ったかというと、国会等で第三者性についての懸念を示されたので、いささかも疑念が生じることのないようにするために、ヒアリングの調査等を更に行う、さらなる補強をすると言っているんですよ。これは、つまり結論は同じで、若干ヒアリングを有識者でやりましょう、これが追加調査の実態じゃないですか。結論が変わらないことを前提の追加調査というのが、大臣が指示したという中身じゃないですか。違いますか。

根本国務大臣 大臣が指示したのかというお話でありますが、私は指示はしておりません。

 特別監察委員会で、やはりそういう、いささかも疑念が生じることのないように、委員会の委員が直接ヒアリングをするということで、今、さらなる調査をしているということであります。

塩川委員 いや、第三者委員会でないという疑念が生じたからの追加調査なんでしょう。そこのところについて曖昧なままで、何だか違う結論が出るような話であるかのようにごまかすというのは筋が通らないと言わざるを得ません。

 そもそも、この樋口委員長のもとで有識者会議をやっているんだから、第三者委員会をやっているんだから、この経過について、あるいはさらなる結論が出るのかもしれないけれども、これはしっかりと樋口委員長にお答えいただきたい。何で出てこれないのかが全く理解ができないんです。

 与野党の国対委員長会談で、この不正問題について真相究明をやるというのは確認している話なんですよ。誰が反対しているんだ。

 委員長、誰が反対しているんですか。

野田委員長 参考人招致につきましては、理事会で、与野党、協議を熱心にしていただいております。

 この件につきましては、後刻、理事会にて協議をいたします。

塩川委員 野党は一致して要求しているんです。四野党は一致して要求しているんですよ。こういった問題について、与党の方からこれを拒むような話になっているわけで、こういう真相究明、これにさお差しているのが与党ということじゃないですか。この姿勢こそ問われているわけです。

 更に聞きますけれども、報告書では、二〇一八年十二月の十三日、統計委員長に説明する機会に、政策統括官のJ、これは、ですから大西さん、東京都の規模五百人以上の事業所は抽出調査であり、二〇一七年以前の調査については復元処理をしていないこと及び抽出調査の対象府県を拡大する予定であることを初めて知ったといいます。

 この政策統括官のJは、このような、復元処理していないこと、抽出調査の対象を神奈川や愛知や大阪に広げる、こういう予定であることを知ったというんですが、このとき、こういう行為が統計法違反という認識はあったのか、なかったのか。

根本国務大臣 統計法違反とは何か。統計法違反というのは、総務省に、つまり、計画を出すわけですよ、こういう形で調査をしますと。そして、そこに全数調査と書いてあって、それが三分の一でやられたということであれば、そこは、その判明した段階で、それは少なくとも総務省に出している計画と実際やっていることがそごがある、それは統計法九条、十一条の違反になります。

塩川委員 だから、統計法の九条、十一条に違反をするということがわかっていたんですよ。統計担当の政策統括官が統計法違反の事実を知ったのに、何で直後に、こんな大事な、重大な法令違反を大臣に報告しないんですか。

 法令違反、はっきりしているのに、こういう重大な事案について、何で大臣に報告しなかったんですか。そのことは何を報告書で解明しているんですか。

根本国務大臣 この件については、十二月十三日に統計委員会に説明したときに、そこが明らかになった。そして、そこを説明して、委員長が、いや、それはおかしいと言って、ここが、十二月十三日が発端です。そして、私には十二月二十日に、五百人以上の事業所について全数調査をしていない、しかも三分の一しかしていない、しかもそれを復元していなかったという報告を受けました。

塩川委員 だから、統計担当の政策統括官が統計法違反を認識したはずでしょう。もっと前に知っていたのかもしれないけれども、少なくとも、十二月十三日の時点で知ったと報告書にあるんですから。

 担当の政策統括官が統計法違反だとわかったのに、何でこんな重大な問題を大臣に報告しなかったのか、こういう経緯について全くこの報告書は説明をしていないんです。こういう問題について、関係者にしっかり国会にも出てきてもらって議論をする必要があるんじゃないですか。

 大体、報告書そのものが、結局はお手盛りの報告書の内部調査になっている、こういう批判が出てくるわけですし、第三者委員会の特別監察委員会が結局は見かけだけのお飾りなのか、こういうことが問われるときですから、だとしたら、国会でしっかりと議論をしてもらう、大西さんや樋口さんにしっかりと参考人として国会においでいただきたい。改めて求めます。

野田委員長 参考人の件につきましては、後刻、理事会にて協議をいたします。

塩川委員 この統計法違反の問題というのが大きな信頼を損なっているということについて、次にお伺いします。

 公的統計というのは、国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であります。その統計が損なわれることは、国民にとって政府の施策を判断する材料が損なわれることであり、国の進路を危うくするものです。徹底的に究明することが必要です。

 その際に検証が求められることの一つが、統計業務に従事する職員のリストラの問題であります。

 職員が不正を行うことは許されないのは当然のことです。同時に、不正を生じさせない環境整備が必要です。このような統計業務を担う国と地方の職員数はどうなっているか。パネルをごらんいただきたい。

 二〇〇四年と二〇一八年の国の統計職員数を見ると、六千二百四十一人から千九百四十人へと三分の一に減少。そのうち厚労省の統計職員は、三百五十一人から二百三十三人へと三分の二に減っています。国庫負担で人件費を出している都道府県の統計専任職員定数は、二千二百四十二人から千六百七十一人へと四分の三に減少。合わせて六割減であります。

 このような統計職員の削減が統計業務にしわ寄せされ、結果として不正を生じさせたのではないのか、まさに、この問題というのが大きな統計不正の背景にあるんじゃないのか、このことが問われていることについて、総理、しっかりとお答えください。総理、総理。

野田委員長 まず総務大臣に。(塩川委員「いやいや、時間がないんだから、総理」と呼ぶ)統計のことですから、まず総務大臣に事実確認。

 総務大臣石田真敏さん。

石田国務大臣 塩川委員にお答えをさせていただきます。

 国の統計職員につきましては、この十年程度で見ると減少傾向にございますが、これは業務のICT化や外部委託、出先機関の組織再編などに伴うものと承知をいたしておりまして、昨年度以降は、統計改革を推進するため、増員しているところであります。

 また、統計事業予算につきましては、この十年程度で見ると、大規模周期調査の有無による増減はあるものの、全体として横ばいであり、必要な予算を確保はされていると考えております。

 このように、人員予算の確保に努めてきたところでございますけれども、今回の問題を受けまして、統計委員会の点検検証部会で各省の統計調査について検証を行うことといたしておりまして、その検証結果を踏まえ、総合的な対策を講じてまいる所存でございます。

塩川委員 総理の認識を伺います。

安倍内閣総理大臣 ただいま総務大臣から答弁をさせていただいたとおりでございますが、業務のICT化や外部委託、あるいは出先機関の組織再編などに伴うものであった、今までの減少は。しかし、昨年度以降は統計改革を推進するため増員をしているということでございまして、統計職員についても適切な配置を進めてきたところでございますが、今回のこの問題を受けまして、統計委員会に設置した点検検証部会で、これら不適切な処置にどのような背景があったかについて、職員の業務の実態、予算、人員等のリソースの配分の状況等、また調査対象、調査方法等の統計業務のあり方を含めて検証を行い、そうした結果も踏まえて総合的な対策を講じていく考えでございます。

塩川委員 今回のいろいろな統計の不正の問題、基幹統計でも二十四のところで重大な不正や不適切な行為があった。そういう背景のところに統計職員が大幅に削られているという問題がある、そういう認識に欠けている点が重大だと言わざるを得ません。

 賃金構造基本統計でも、調査員による調査が必要なのに、実際には配付、回収とも、ほぼ全ての事業所について郵送調査が行われていた。もうずっとさかのぼるような話でありますけれども、それ自身がけしからぬ話でありますが、やはり背景にこういう大幅な人員削減があるからなんですよ。

 だから、日本統計学会は声明を出して、「毎月勤労統計における不適切な調査・公表状況の発覚は公的統計の信頼性に深刻な打撃を与えた。過去には信頼性が国際的にも評価されていたわが国の公的統計ではあるが、近年の行政改革の過程で予算および人員が削減される中で品質の維持が懸念されていた。」こういう声が上がっていたということなんです。去年以降ちょこっとふやしたからいいという話じゃないんですよ。

 大体、この先どうするのか。骨太方針の二〇一七に何と書いてあるか。統計改革の推進として、効率化の徹底により官民の統計コストを三年間で二割削減すると。より一層のコストダウンを要求しているんですよ。さらなる人員削減を行おうとしているということじゃないですか。

石田国務大臣 塩川委員にお答えをさせていただきます。

 先ほど答弁申し上げましたように、適切に対応していると思いますけれども、今回の事案を受けて、統計委員会で、点検検証部会でいろいろな議論がなされるわけでございまして、それを受けて適切な対応をしてまいりたいと思っております。

塩川委員 三年間で二割削減という方針について何らの説明もしない。極めて不見識な話だと言わざるを得ません。

 統計コストの削減方針を撤回すること、統計への信頼を取り戻すために統計職員の増員を図ること、このことを求めて、質問を終わります。

野田委員長 この際、赤嶺政賢さんから関連質疑の申出があります。塩川さんの持ち時間の範囲内でこれを許します。赤嶺政賢さん。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 辺野古の新基地建設について質問をいたします。

 安倍総理は、昨年の臨時国会の所信表明演説で、沖縄の皆さんの心に寄り添う、このように述べました。しかし、ことしの施政方針演説ではこの言葉はありませんでした。総理、なぜですか。

安倍内閣総理大臣 今後とも、沖縄の方々の気持ちに寄り添い、基地負担の軽減に全力を尽くすとの思いには何ら変わりありません。今回の施政方針演説では、「二十年以上に及ぶ沖縄県や市町村との対話の積み重ね」と申し上げ、そのような思いを込めたつもりでございます。

 普天間飛行場の全面返還のための移設については、これまで二十年以上に及び地元の皆様と対話を積み重ねてきており、翁長前知事の時代にも集中的に協議を行いました。また、玉城知事の御就任後も、官房副長官と副知事の間で話合いを重ねたところでございます。私も玉城知事とお目にかかり、今後ともさまざまな形で意見交換を行っていくことが大事であるとの認識では一致したところでございます。政府・沖縄県協議会や普天間飛行場負担軽減推進会議などの協議の場を通じて、対話を続けていく考えであります。

 住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない、これが大前提であり、政府と地元の皆様との共通認識であると思います。今後も、地元の皆様とさまざまな形で意見交換、意思疎通を図りながら、基地負担の軽減に全力で取り組んでまいります。

赤嶺委員 今後も寄り添う、二十年間、市町村といろいろ話し合ってきたと言いますが、この二十年の間に、辺野古は絶対につくらせないという県民の決意が更に大きくなってきているわけですよね。

 私は、なぜ寄り添うという言葉を施政方針演説で使えなかったか。それは、気持ちは変わらないと言いますが、やはり使えないだろうな、このように思いましたよ。政府がやっていることが、余りにも県民の意思とかけ離れているからであります。

 九月に行われた県知事選挙では、辺野古新基地建設反対を掲げ、埋立承認撤回を支持した玉城デニーさんが、過去最多の得票で圧勝いたしました。玉城知事は、選挙の後、総理と会談し、民意を受けとめ、工事を中止するよう求めました。ところが、政府は、国民の権利救済を目的とした行政不服審査法を濫用して、沖縄県の埋立承認撤回の効力を停止させてしまったわけですね。そして、十二月、土砂の投入を強行したのであります。

 私は、土砂が投入されたその日、その現場におりましたけれども、これで県民の怒りは更に大きくなるだろうなということを直観いたしました。政府の強硬的な姿勢に対して、県民の怒りが広がったばかりではなくて、その後、全国からも大きな批判の声が上がっています。どのメディアの世論調査を見ても、土砂投入反対が多数であります。

 しかも、総理が施政方針演説を行ったその日に、政府は新たな護岸の建設まで始めたわけでありますから、県民の民意を踏みつけ、問答無用で工事を進める、強権姿勢そのものではありませんか。

安倍内閣総理大臣 このいわば辺野古への移設は、普天間飛行場の全面返還のために行うわけでございます。

 かつ、今までの機能のうち、空中給油機については、十五機全て、これは山口県の岩国基地に移設、移転したところでございますし、緊急時の使用についても、これは沖縄以外に移っていくわけでございまして、そういう意味におきまして、我々も負担の軽減に今も全力を尽くしているところでございます。

赤嶺委員 今の総理の答弁について後でもちょっと触れたいと思いますが、本会議の総理の答弁で、もう一つ、大変重大なことがありました。それは、辺野古の北側の海域に軟弱地盤があることを認めたことであります。地盤改良工事を行うため、県に設計変更申請を行う必要があると私たちの志位委員長にも述べられました。

 しかし、軟弱地盤が存在することは、これはもう三年前からわかっていたことであります。沖縄防衛局が二〇一六年三月にまとめたボーリング調査の報告書には、水深三十メートルの海底に厚さ四十メートルに及ぶ軟弱地盤が広がっていることが明記されています。専門家からは、マヨネーズ並みの軟弱地盤だと言われています。だから、沖縄県は、これでは構造物の安定性を保てないとして埋立承認を撤回したわけです。

 ところが、防衛省は、市民からの情報開示請求、また私も国会の質問や資料要求を通して何度もこのボーリング調査の資料を提出するように追及してまいりました、このことをずっと三年間隠し続けて、一方で工事は強行してきたわけですね。この問題は、基地建設の根幹にかかわる問題です。軟弱地盤の存在を明らかにしないまま、隠したまま、できるところから工事を始めていく。

 玉城知事は、軟弱地盤を国が認めたのであれば、即刻工事を中止して県との協議に応じるべきだ、このように指摘しております。私は当然だと思います。

 総理、直ちに、今の軟弱地盤が見つかった事態に着目して、工事を中止して沖縄県との協議に応じるべきだと思いますが、いかがですか。

岩屋国務大臣 事業を進めておりますのは沖縄防衛局でございますので、私からお答えをさせていただきたいと思います。

 三年間、調査結果を隠していたわけではございません。最初のボーリング調査だけで判断をするのは早計だということで、追加のボーリング調査を行って、それが昨年末に中間報告、まだ中間報告です、一部室内検査をやっておりますので、それが出てきたわけでございます。

 その結果を私ども子細に検討した結果、確かに米軍キャンプ・シュワブの北側海域においては地盤改良工事が必要ではあるものの、一般的で施工実績が豊富な工法によれば、地盤改良工事を行うことで、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であるということを確認することができました。

 したがって、今、沖縄防衛局におきまして、この地盤改良に係る具体的な設計等の検討を行うこととしております。合理的な設計、施工が早期返還にも資することから、十分な検討を行っていきたいというふうに考えているところでございます。

赤嶺委員 岩屋大臣は、安保委員会で三年前からこの資料を私が要求していたことを同じ部屋で聞いておりますから、十分わかっていると思います。

 やはり隠していたんですよ。隠していたことを、今ごろになって、いや、もうちょっと綿密な調査をやっていたなんて、そんなの説明になりませんよ。それで、一般的な工事のやり方で安定的にできますなんて、だったら全部資料を出してくださいよ。資料も出さないで、根拠も全く示さないで、今の事態をやり過ごそうとしている。

 今、辺野古の埋立面積は百六十ヘクタールだと政府は説明してまいりました。そのうち、地盤改良が必要な面積、これは一体どのくらいですか。

岩屋国務大臣 最初の調査の、二十八年三月にまとめられた報告書におきましては、調査地点が限定されておりまして、したがって、その内容のみでは地盤の強度等を評価できる段階になかった、したがって追加のボーリング調査を行ったということでございますので、結果を隠していたということではないということを最初に申し上げておきたいと思います。

 それから、どのぐらいの地盤改良工事が必要かということについては、先ほど申し上げましたとおり、今般の中間報告の結果を踏まえて、今、沖縄防衛局において十分に検討を行っているところでございますので、この段階で、詳細についてお答えすることはまだできない段階でございます。

赤嶺委員 また隠しているじゃないですか。これを隠しているというんですよ。

 最初のボーリング調査の報告書で、政府が委託した企業の報告書の中に、当初想定されていなかった軟弱な地盤があると書いてあるんですよ。当初想定されていなかったということは、皆さんが埋立承認申請を出したときには認識していなかった軟弱地盤があると。それだけで、翁長知事は、これは設計変更の申請をやるべきだ、このように求めていたわけですよ。それが、軟弱地盤さえないかのように言い続けてきた。

 今、ついに認めた。認めたら、じゃ、中身はどうだと言ったら、それは教えられないと言う。これを隠して、隠し通して、いや、その間、皆さんが明らかにするまでの間、工事をとめるならいいですよ。工事はとめないで、資料は出さないで、いや、できます、できますと言って、我々は、今の辺野古の浅瀬でやっても、大浦湾のあの北側の工事はいずれ頓挫する、なぜなら軟弱地盤があるからと言ってきたわけですよ。その証拠を全部明らかにして、県知事と、工事を停止して協議すべきではありませんか。

 報道ではいろいろ、大臣、出ているんですよ。

 地元紙で、地盤改良が必要な面積は五十七ヘクタールだと報じております。これは埋立面積全体の三分の一ですよ、地盤改良が。皆さんは、いやいや、C1地域だけだと思っていた、しかし、そこも軟弱地盤でないかもしれないかのように調査を追加すると言った。追加してみたら、更に大きくなった、多くなった。三分の一。

 今、地図を配付しておりますけれども、北側海域の大部分で改良を行わなければならないような図になっています。護岸部分だけではないんです。埋立部分も含めて、改良が必要な面が広がっています。

 ここに六万本の砂ぐいを打ち込む、このようにしています。直径二メートルになるくいを三メートル置きに打ち込んでいくということになります。しかも、砂ぐいは七十メートルの深さまで打ち込む必要がある、このように報じられています。極めて大規模です。工事が難航するのは必至です。専門家からは、七十メートルまでくいを打つ改良工事は聞いたことがない、このように声が上がっています。

 防衛大臣、こういう大規模な地盤改良工事を検討しているのではありませんか。

岩屋国務大臣 その報道については、私も読ませていただいたというか承知はしておりますけれども、それはまだ推測の域を出ない報道であると思います。

 先ほども申し上げましたとおり、私ども、追加の子細なボーリング調査の結果を踏まえて、今、工法について検討を開始しているところでございますので、今先生が言われたようなことがこの段階で決まっているわけではございません。

 それと、この中間報告の結果につきましても、私ども、もともと、埋立てそのものを沖縄県さんが取り消された、このことを撤回されたいということで審査請求の最中でございますので、これは沖縄県さんも公開はされないと思いますし、私どもも公開はいたしませんが、当然のことながら、やがて設計の変更をさせていただいて沖縄県に申請をさせていただきますので、しかるべき時期にしっかりと説明をさせていただきたいと思っております。

赤嶺委員 国交省にも出しているんですよね。一般的な工法で可能だというようなことで、六万本の砂ぐいの話もそれに出ていると思うんですよ。

 だから、国交省に出しているんだったら、国会にも出してくださいよ。

岩屋国務大臣 先ほど申し上げたとおり、国交省において審査をしていただいている最中でございますので、今の公開は差し控えさせていただきたいと思います。

赤嶺委員 今度は審査請求を盾に情報を明らかにしないという態度であります。

 いや、その間、工事をとめているんであれば、そういう要求にならないと思いますよ。事実を隠したまま、あたかもあの工事ができるかのように装いながら、設計変更申請したらできるかのように装いながら工事を進めていく、こういうやり方が卑劣なんですよ。これは改めるべきであります。

 あれだけの、六万本の砂ぐいを打つところからサンゴを移植すると言っています。大体、サンゴを移植する基準も防衛省が勝手に決めた基準ですが、それでもあの海域から七万四千群体移植すると言っておりますが、サンゴを移植して、六万本の砂ぐいを打ち込む。環境に照らしてどんな破壊が生じるか、これはもう明らかです。

 向こうの自然環境は、生物多様性が大きな特徴です。深い砂や泥の深場があり、サンゴ礁があり、サンゴ生態系と言われているまれに見る自然を持っています。奇跡の海、世界からも注目されている自然に、ああいう六万本、六万本にとどまるかどうかわかりませんが、あれだけの砂ぐいを打ち込んだら、これは環境に与える影響も大きい。

 しかも、それについて、私たちは改めて、専門家も環境アセスを要求しておりますが、これだけの環境に与える影響の大きさからいって、当然、防衛省は環境アセスを行うんですね。

岩屋国務大臣 まず、先ほどの、工事をとめるべきではないかということでございますが、今私ども、南側といいますか、辺野古側から埋立ての事業を始めさせていただいているところでございますので、工事全体に大きな支障が今生じているわけではないというふうに思っております。

 それから、先生御指摘のサンゴを始めとする自然環境への配慮は極めて重要だというふうに思っておりまして、辺野古側のサンゴは既に移植を済ませております。それから、当然、大浦湾側につきましても、環境監視等委員会の指導助言を踏まえて、これは防衛省が勝手に決めたと今先生おっしゃいましたが、例えば那覇第二滑走路の工事の場合に当てはめた基準よりも厳しい基準をこのサンゴの移植については今回当てはめておりますので、大浦湾側についても、適切に、関係法令に基づき、環境監視等委員会の指導助言に基づいて、環境保全に最大限配慮して工事を進めてまいります。

赤嶺委員 七万四千を決めた基準は、沖縄県は納得していないですよ。沖縄県が納得していないような基準を、より厳しい基準と自分たちで言って満足しているようじゃ、環境を守れないですよ、そういう姿勢では。

 専門家は、さらに、今度の軟弱地盤について、改良工事について、規模が重大であり、工期は数年間必要だ、このように指摘しています。

 玉城知事は昨年十一月、総理と話合いを持っておりますが、地盤改良だけで五年かかると言っています。その根拠は岩国を参考にしているようですが、岩国は地盤の深さも砂ぐいの本数も全然違いますから、五年でとどまるわけがないと思いますが、一応、知事は五年と言っています。そして、工事全体で今後十三年、このようにかかると試算を示しています。

 一日も早い普天間の返還、そのための辺野古の新基地建設、あと十三年待たせるんですか。これじゃ全然、問題の解決にならないじゃないですか。

 沖縄県では、県民投票も二月二十四日に行われます。それまでに県民に、今の軟弱地盤の問題点も含めて、そして本当にこれが、辺野古の新基地建設が辺野古側で順調に進んでいる、サンゴも移植したと言いますけれども、サンゴを移植したのは一本ですよ。総理、土砂を入れているあそこからは、サンゴは一本も移植していないですよ。全部、ほとんどは、大浦湾側に行っているんですよ。

 それで、今、一日も早い返還はもう無理だということで、やはり県民投票までには事態を、大体、公共工事をやるのに、設計図全体、何もつくらないで、工事の着手するところからだけ示していって、実施設計全体もつくっていない。これじゃ、皆さんがどんなに一日も早い普天間の返還と言っても信じないですよ。県民投票までに全部明らかにすべきだと思いますが、いかがですか。

岩屋国務大臣 先ほどの、先生言われた十三年というのは、沖縄県側さんが試算をされた数字だと承知をしておりますが、私ども、それほどかかると思っておりません。

 しかし、そのためには、ぜひ地元の皆様の御理解、御協力をいただきたいというふうに思っておりますが、先ほど来総理もおっしゃっておられるように、一日も早い普天間基地の危険性の除去、全面返還を果たすために、ぜひ地元の皆様の御理解をいただきながら、一日も早くこの移設工事を終えるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

赤嶺委員 普天間の返還問題が持ち上がった最大のきっかけが、一九九五年の少女暴行事件でした。一九九六年のSACO合意で、普天間を移設するという、その場合には五年から七年で普天間は返還すると、約束だったんですね。九六年のときに五年から七年で返還すると約束して、守られませんでした。

 さらに、二〇一三年に在沖米軍基地の統合計画、そのときは、二〇二二年又はその後までに返還すると言っていました。もう二〇二二年は無理です。無理なことは大臣自身が述べております。

 今度は、これまで普天間基地の五年以内の運用停止、これも、五年以内の運用停止は、ことしの、今月の、二月なんですね、五年前に約束したのは。これについても全く誠意ある態度を見せていない。

 普天間基地の一日も早い返還がこの問題の原点だと言いながら、もうこの原点と、辺野古は、完成の見通しはいつになるかわからない、軟弱地盤で予算が幾らかかるかわからない。大体、あの辺野古基地建設で予算規模がどのぐらいになるか、全く示し切れないわけでしょう。期限も示し切れないわけでしょう。

 なぜ、それが普天間基地の一日も早い返還につながる解決策として、辺野古が示されるんですか。今の事態は、それが全く根拠を失っているということじゃないですか。

岩屋国務大臣 普天間基地の運用停止、五年以内に実現したいということは、安倍総理、当時の仲井真知事の間で共通の認識に立っていたということだと思いますが、残念ながら、その後、埋立ての許可も取り消されるというようなことになりまして、さまざま紆余曲折があった中で、なかなかそれが実現困難になりつつあるということは、おっしゃるとおりだというふうに思います。

 しかし、この間、政府は、空中給油機を移転したり、臨時の場合の滑走路を築城や新田原に決めたり、あるいはオスプレイの県外訓練というものを実行したり、さまざま負担の軽減に努力をしてきたつもりでございます。

 今後とも、沖縄の負担を軽減し、普天間飛行場の一日も早い運用停止と返還というものを沖縄県と一緒に考えられる、そういう環境をつくらせていただくために、全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。

赤嶺委員 負担軽減に努力してきたつもりと言いましたが、そのつもりがつもりでないんですよね。今、KC130を移転しているという話がありましたが、戻ってきて普天間で訓練していることは御存じですよね。タッチ・アンド・ゴーで、非常にその爆音で苦しんでいる。何でそんなふうになっているか。普天間の滑走路を補修したからですよ。その補修を日本政府が認めたんですよ。固定翼機がやってきて、外来機がやってきて騒音で大変だといって、宜野湾の市長が音を上げて防衛省に申入れしていますでしょう。全然改善していないですよ。何が負担の軽減ですか。

 きょうはまた、嘉手納基地にCV22オスプレイ、突然やってきて、しかも暫定使用するというわけでしょう。暫定使用ということは、今までの経験でいえば、だんだんそれを固定化していくということなんですよ。普天間は、騒音もうるさく、騒音も激しくなっている。苦情も大きくなっている。KC130も、一回しか来ていない年があったのに、今は百回ですよ。これが何の負担軽減ですか。

 やはり、何で普天間の移設が進まないか。移設条件をつけるからですよ。移設条件をつけるから、沖縄県民は納得しがたいものを持つわけですね。

 沖縄の米軍基地問題というのは、あの沖縄戦の最中に、収容所に県民が囲われていたときに勝手に米軍がつくり上げたものであります。ヘーグ陸戦条約でも、戦争に勝った国が敗戦国の国民の私有財産はこれを奪ってはならないというのがヘーグ陸戦条約で、国際法に違反してつくられたのが沖縄の米軍基地、その典型が普天間基地ですよ。その後は銃剣とブルドーザーですよ。

 移設条件をつけるから、さまざまな困難な問題にぶち当たって、普天間は固定化される、辺野古はいつまでたってもできない。政府は、予算の規模も、いつでき上がるか、その時期も言えない。中身を隠したままやっていこうとする。こういうやり方では絶対に普天間の基地の危険の解除はできない、辺野古は直ちに、改めて無条件に撤去すべきだということを強く申し上げたいと思います。

 そこで、総理、やはり辺野古の、普天間基地の撤去のためには……

野田委員長 赤嶺さんに申し上げます。質問時間が過ぎております。

赤嶺委員 そうですか。じゃ、それで終わります。

野田委員長 これにて塩川さん、赤嶺さんの質疑は終了いたしました。

 次に、丸山穂高さん。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 私からも、もろもろ御質問させていただきたいというふうに思いますが、まず、今回の統計不正の問題について、金融政策にどういう影響があるのかということで、日銀総裁に来ていただいております。

 この間、きのうの質疑で一部お話ありました、基本的に予算委員会は全大臣張りつきということで、いかに質問者が、帰ってください、どうぞいいですよと言っても、お帰りいただけないルールになっておりますが、日銀総裁は帰っていただける、大丈夫だということなので、お忙しい身だと思いますので、最初に御質問させていただいて、聞き終わり次第、退席いただいて構いませんので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 今回の、総裁、統計不正の件について、各種マスコミが、実は日銀もこの政府統計に疑義を持っているんじゃないか、日銀がこの政府統計を問題だと思っているんじゃないかというふうに話が出ております。

 どういうことかというと、日銀自体が政府に対して、GDP統計に疑義があるとして生データの提供を要求したとか、そもそも、全体的にこの正確性について疑義があるかどうかというのを、まず、総裁、このあたりはどのようにお考えでしょうか。

黒田参考人 日本銀行の調査統計局長、関根局長が統計委員会において、日本銀行としてではなくて一有識者の立場から、GDP統計の関連の基礎データの提供に関して意見を申し上げたということであります。

 統計の基礎データの提供ということは、統計を作成する省庁としては作業負担が発生するわけでございますが、ユーザーの立場からは、統計をしっかり活用する上で望ましいという観点から意見表明をしたということだと思います。

 その意見を踏まえて、統計データ、データ提供依頼を統計委員会としてなされまして、引き続き議論が行われているという状況でございます。

丸山委員 日銀としては、今回の件で大きな金融政策の数字への影響がないというお考えですかね。

 というのは、日銀も幾つかデータを今回の不正統計の件で変えています、変更させています。具体的には、需給ギャップ、そして企業向けサービス価格指数といった各種の数字を日銀も今回の不正統計を受けていじっているんですね。

 実は、この毎月勤労統計についても、一番日銀の今後の指針が見える日銀展望レポートというレポートを三カ月に一回出しているんですが、こちらにも多々出てくるものでございます。金融関係者も国民の皆さんも、この日銀の動向、景気分析の影響についてどのようにお考えなのか、影響は出るのかどうか、非常に関心が高いと思いますが、このあたりについてどのようにお答えになりますか。

黒田参考人 委員御指摘のとおり、統計作成という点からは、企業向けサービス価格指数において毎勤統計を使っております。これについては、一月二十八日に毎勤統計の再集計値を反映した遡及改定値を公表しておりますけれども、この点については影響は限定的であったということであります。

 また、御指摘の需給ギャップ、これは分析データとして私どもが使っているわけでございますが、それにつきましても一月三十日に再推計値を公表いたしましたけれども、これも影響は限定的であったということだと思います。

 ただ、いずれにいたしましても、御指摘のように、毎勤統計というのは、日本銀行としてもこれを利用して景気判断を行っていることは事実であります。

 ただ、景気判断自体は、御案内のとおり、GDPその他各種の経済統計、経済指標を総合的に検討しておりますので、こうしたことから、毎勤統計の改定を受けて景気判断が何か大きく変わるということはないというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、適切な適正な統計ということが、景気判断にせよ、政策の基礎でございますので、引き続き改善をしていただければありがたいというふうに思っております。

丸山委員 総裁、お答えいただきましてありがとうございました。

 引き続き、また、次は、私、財務金融委員会にも所属しておりますので、そこの場でお伺いしたいと思いますが、きょうのところはこれにて御退席いただいて構いませんので、よろしくお願い申し上げます。

野田委員長 黒田参考人、どうぞ御退室ください。

丸山委員 ありがとうございます。

 これまでさまざまな議論、統計不正に関して、きのうもきょうも出てまいりました。この肝の一つ、複雑なように見えるんですけれども、しっかり中立性を持って検証ができているかどうか、これは非常に国民の皆さんも重要視している観点だと思いますが、そういった点で、やはり自民党の皆さん、そして政府の皆さんに少し苦言を申し上げなきゃいけない。というより、苦言申し上げなきゃいけないのは、やはり、統計の性格上、正確に出さなきゃいけない、中立的に出さなきゃいけない。そうした政治からの中立性、こういった意味で、きょうは再三大臣が答弁されていますが、第三者で、若しくは中立的な専門家を選びましたというお話があるんですけれども、残念ながら、ほかの外部から見れば、厚労省が選んだ専門家という時点で、やはりある程度中立性というのは疑われてもしようがないと思います。

 第三者が、完全に外から見ても第三者が専門家も含めて選ばなければ、専門家もいろいろな方がいるわけで、しっかりこの辺も含めて、やはり、急に中心人物の役人の方を更迭して、そして国会での参考人招致を拒んでいるようじゃ、少なくても、きのう国会改革という形で小泉進次郎さんが提案されていましたけれども、御自身たちの利益の部分だけ言っていても、これは通りませんよ。

 フェアかどうか、国民の利益になるかどうかということは、国会は行政の監視の場でもあるんですから、例えば、参考人招致ぐらいは野党側に権限を与える、そのかわり閣僚の皆さんはこういうときには出ていってもらえるようにするとか、こうしたフェアなことを言っていかなければ、自分たちのことばかり言っても前に進まないというふうに思います。

 でも、私、逆にも言いたいんですよ。今回も、野党側は、アベノミクス偽装だとか総理の引責辞任だとか言っていましたけれども、もうとんちんかんで、全くもって的外れだと思いますよ。

 お話を聞いていますと、きょうも総理も答えられていましたけれども、偽装の数値だと言っているのが、一八年の一月から十一月の実は増減率という数字なんですよ。これを、増減率じゃなくて再集計後の賃金の数年の経年的な推移にしたら、結局、安倍政権開始以降右肩上がりかどうか、そもそも判断できるような数字じゃない。関係がわからないんですよ。そして、そもそも東京都は所得が高いんですね、ほかの県に比べて。その高いものを少な目に集計していた。復元しなかったわけですから、そんなもの、直せば賃金が高くなるのは当たり前の話ですよ。

 要は、一八年から直し始めたんです。アベノミクスはもう既に何年もたっている。こうした中で、ここに来て、では、一八年のところから、数字を実は偽装していたので、うそをついていました、だけれども、これを戻せばアベノミクスの数字が直りますから、ぜひ総理、これ、戻しませんかと役人が大臣に言うと思いますか。逆に、統計の結果の読み方を含めて、政権がそんな細かいところを指示しないですよ。

 そういった意味で、統計の結果の読み方にしても、状況把握にしても、こうした指摘は間違っていると思います。

 大事なのは、何を言いたいかといいますと、これは極めて役所的な、前例踏襲的な、隠蔽的な、事なかれ主義的な、こうした実務面の話ですね。同様のことが今後起こらないようにするために、しっかりと、正確に、中立的に、なおかつ、厚労省も含めた事業官庁が自分でチェックするんじゃなくて、第三者的にこうした部分のチェックをして、これは問題があれば、うまくいっていない制度を変えたり、人員配置を変えたり、立法府としては必要な法案改正をしていく、これが当たり前の方向性だと思いますよ。こうしたことが今までできていないことに、私は国民の皆さんに対しておわび申し上げなきゃいけないと思いますし、しっかり今後の質疑でやっていきたいというふうに思います。

 幾つかもう既に質問のあるものがありますので、飛ばす場合にはその旨お伝えしますが、これ、大事なのは、今回の調査結果を見ても、誰がなぜ指示したかというのが全然見えないんです。この点、再調査で出てくるのかどうか、非常に私は第三者性という点で疑問なんですが、厚労省がチェックしているので、厚労省がそうした部分について触れられるかどうか非常に不安ですが、この最終調査はいつ出てくるんですかね、大臣。いかがでしょうか。

根本国務大臣 特別監察委員会には、一月二十二日に報告書をおまとめいただきました。そして、現在、国会審議等における御議論を踏まえ、改めて、事案に関連した幹部も含めた職員などに特別監査委員会の委員のみが質問する形でのさらなるヒアリングを行っていただいております。

 追加報告については、一月三十日の特別監察委員会において、追加報告及び取りまとめ時期はこの委員会で決める、拙速な議論を避けて、委員の合意のもとにスピード感を持って取り組む旨、再確認されたと伺っております。

 どのようなスケジュールで議論を進めていくか、これは同委員会の判断で行っていくべきものと考えております。

丸山委員 大臣のお話がわかりにくいので、簡単に言うと、これは、第三者委員会ではない、厚労省内の特別監査委員会を今つくっていまして、再調査しているので、そこが決めるべきもので、わかりませんというのが今のお答えなんですけれども、それじゃだめなんですよ。それじゃだめで、これは総理にお伺いしたいんです。

 先ほど来申し上げているこの調査自体の中立性、ここに対して、国民の皆さんが、皆さん疑問に思っていると思います。

 なぜかというと、官房長が同席する、大臣が任命している独法の理事長が委員長なんですよ、任命責任のある大臣が任命している人ですよ。そもそも、事業官庁が、先ほども申し上げたように、この監査までする。非常にそれは、第三者性も中立性も疑われて当然だと思うんですけれども、それについてどうお考えか。そして、政府として、しっかり統一的な、こうしたことが起こった場合の統一の基準があるのかどうか。これも含めて、ないならつくるべきじゃないですか。総理、お答えいただけますか。

安倍内閣総理大臣 まず、毎月勤労統計について、不適切な調査が行われ、セーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについては、国民の皆様におわびを申し上げたいと思います。

 厚生労働省の特別監察委員会については、幹部職員がヒアリングに同席していた等の点が指摘されているところでありまして、したがって、今後更に、事務局機能を含め、より独立性を強めた形で厳正に検証作業を進めていただくことにしています。

 そのための具体的な運営方法については特別監察委員会においてお決めいただくことが適当と考えておりますが、事実の検証や実態の解明に関する部分については、職員の関与を極力排除した形で行われることが望ましいと考えています。

 そして、第三者性の統一的なガイドラインの作成についてでございますが、いわゆる第三者委員会が置かれる場合、その調査の対象となる事案はさまざまでありまして、また、委員会に求められる役割もそれぞれケースで異なり得ると考えております。

 したがって、委員会の構成、調査のあり方、事務局の役割については、具体の調査対象事案の内容等に応じて、個別、適切に決定していくことが必要であって、一律のガイドラインを整備することにはなじまない面もあるものと考えますが、いずれにせよ、調査の客観性、中立性に関する疑念を抱かれることがないよう対応することが重要と考えております。

丸山委員 総理も長く御答弁いただいたので、簡単に申し上げると、基本的には、いろいろな事例があるので、基本のところの統一的なものもつくれない、しかし、国民の皆さんには疑念を抱かれないようにしっかりやっていくと。もう、前半と後半が全然つながっていないふうに私は思うんですよ。

 しっかりこれは、政府としても今回の件を踏まえてやっていただきたいし、我々もこの中立性というのはしっかり見ていきたい、こういうふうに思いますが、中立性という意味では、一つ大きなものは、この国において中立性のある機関、それに疑問があるかもしれませんが、少なくとも、行政府という点から見たときに、中立性があるのは司法府、つまり裁判所、警察による捜査、そして最終的には司法に判断いただくというのもあります。

 今回、調査の報告書を見ていますと、統計法の第六十条について少し触れられています。これが唯一、統計の関係で、刑事訴訟法上、懲役や罰金の刑があるものでございます。具体的には、この二号の方の、「基幹統計の作成に従事する者で基幹統計をして真実に反するものたらしめる行為をした者」、この者は、六カ月以下の懲役と、五十万円以下の罰金に処すると。

 これが統計法六十条でございますが、私は、これに当たるのかどうか、非常に調査していく上で大事な、司法調査という意味では大事だと思うんですけれども、この調査書、一回目、再調査前に、厚労省の監査委員会で確認していった。報告書を確認していくと、私は、この部分が非常に甘いんじゃないかな、甘くチェックしていないかなというふうに思います。

 どういうことかといいますと、実は、チェックしますと、当時、変えた方がいいと思ったけれども、統計委員会とか審議会にかけると問題があると思った、何かの改正にあわせてやろうと思ったができず、じくじたるものがあるという回答結果とか、調査した結果、職員の方ですよ、全数調査でやっていたものを抽出に変更すると、精度が悪化していないかという資料をつくることになり、うその上塗りになってしまうと、明らかに認識をしている職員さんもいらっしゃるわけですよ。

 そうした中で、では、その職員さんはこの二号に当たらないのかという調査を見たら、非常に緩い。というのは、この六十条の二号は、すごくシンプルに書いています。本当に、ここに示しただけでも二行も要らないような文章なんですが、これに実は、法的拘束力のないコンメンタール、逐条解説というんですが、これを総務省がつくっています。つまり、この法律の解説書を役所がつくっているんですけれども、この解説書が非常に緩いんです。

 まず、具体的な行為、ここには、全然法律上は限定されていないにもかかわらず、かなり具体的に限定しています。例えば、架空の調査票を捏造する行為だとか、あとは、基幹統計調査の集計過程においてデータを改ざんする行為など、などと言っているので本当はほかのものもあるはずなんですが、今挙げたような行為に当たらないので、今回のこういった証言を含めて、六十条違反で少なくとも刑事訴訟法上は罪を問われないんじゃないか。

 あと、別に、ここに書かれていない、意図的にやっているかどうか、意図的に生ぜしめる不正な行為かどうかというのは、全くこの意図性というのがこの法律上は書かれていないんですが、勝手にこの逐条解説で意図性を入れていて、今回の件は、認識は、当時の担当者からのヒアリングによれば、調査結果に大きな影響を与えるとの認識まではなかったということであるから、意図的とまでは言えないと認められる、六十条違反じゃないと言っているんですよ。非常に甘いなというふうに思います。

 これは、しっかり、一つのやり方としては、無理なんだったら、告発なりを行って、今回また、これだけじゃなくて、新しい統計の違反が出てきた。これも基幹統計なんですが、同じ厚労省で賃金構造基本統計。ちなみに、この六十条違反は基幹統計しかだめなんですが、今挙げた賃金構造基本統計もこの六十条違反の可能性がある。これを含めて、両方、時効は三年なので三年間しかできませんが、こうした部分、しっかり告発していって、司法が判断する、これも一つの手だと思うんですが、このあたり、やられないんですか。総理、どうですか。

石田国務大臣 六十条についてのお話がございまして、これは一般に、基幹統計を作成する過程において、通常の方法によって作成されるはずの結果と異なる結果を意図的に生ぜしめる不正な行為をいうものと解されているわけでございます。

 今般の案件につきましては、御指摘ありましたように、厚労省の特別監察委員会において報告書を取りまとめたところでございますけれども、更により独立性を強めた形で検証作業を進めているものと承知をいたしております。

 総務省といたしましては、今般の案件の事実関係についてつまびらかにする立場にございません。事実関係を十分に承知し得る立場にある厚生労働省において、適切に判断されていくものと考えます。

丸山委員 つまり、やらないということですよね。

 非常に後ろ向きな御回答が、私のときだけじゃなくて、これまでについてもすごく多いと思います。これは非常に、国民の代表としてこの場に立って御質問させていただいている身としては、不安になりますし、今後、しっかりと確認すべきは確認していかなきゃいけないんですが。

 とはいえ、問題の追及だけじゃなくて、今後同じことが起こらないようにするために何をするのかというのは非常に大事だと思うんですが、この報告書を見てびっくりしたのは、そもそも、先ほど少しお話がありましたが、職員がどんどん減少しているということと、専門性のある方が非常に少ないんです。

 これはかたがた、何回か指摘されていますが、この統計の専門家の育成というのは非常にしっかり考えていただきたいんですが、更にびっくりしたのは、これはどういうプログラムのコードを組んでいるのかなというふうに見たら、R言語とかPythonとか最近の言語があるんですけれども、それじゃなくて、COBOLという非常に、少し古い、それであるがゆえに、これを扱える人が本当にこの職員の中で一人しかいないとか。そんなのはダブルチェックも何もないんですよ。できないんです。

 こうした部分の改善点、しっかりとやっていただきたいというのと、改善点、重ねて聞きたいんですけれども、やはりそれぞれの省庁に任せているのは限界があると思いますよ。イギリスなんかを見ていると、しっかり省庁横断的に独立した専門機関をつくるとか、あとは、もう生データも公表して、そして、公開で常に、第三者の専門家の統計の方がいっぱいいらっしゃるわけですから、しっかりそういう方々にもチェックしてもらえるような形にするとか、ゼロベースでのこうした統計機関の再編成も含めて、今後同じことが起こらないようにするためにやっていかなきゃいけないと思うんです。

 済みません、二つ重ねての質問になりますが、御回答いただけますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 建設的な御議論をいただいたと思いますが、公的統計の品質確保、向上を図るためには、統計に関する専門性を有する人材の確保、そして、育成が重要であるとともに、AIの導入、オンライン調査の推進等のシステム強化による正確性の確保も有効であると認識をしております。

 統計委員会からはこうした点について建議をいただいておりまして、公的統計の信頼性を確保するため、これらの取組を更に推し進めてまいりたいと思います。

 他方、統計整備の司令塔機能を果たす第三者機関である統計委員会については、昨年の統計法改正により、その機能が強化され、各府省の所管する統計調査について、予算や人材の配分も含め、自律的、機動的に政策提言等を行うことが可能となったところであり、まずはこうした機能を十分に活用していただくことが重要と考えております。

 また、今回の統計をめぐる問題を受けて、統計委員会に点検検証部会を設置し、各府省が所管する統計について、再発防止や統計の品質向上といった観点から徹底した検証を行うこととしましたが、そうした結果も踏まえつつ、総合的な対策を講じてまいる所存でございます。

丸山委員 つまり、見てくださっている国民の皆様にわかりやすく言うと、統計委員会というのは、結局、総務省の中の組織なわけですよ。私が言っているような第三者的なものでも全くありませんし、そうした意味で、この問題、また同じことが起こるんじゃないかなと非常に危惧しています。総理含めて、閣僚の皆さんの御答弁を聞いていますと、非常に危惧するところです。

 これ、パネルを上げていただきたいんですけれども、少し関連になるんですが、実は、政府の調査って非常にいいかげんだなと私思った事件がありまして、年金機構は、去年、SAY企画という会社に個人情報関連の委託をしたんですが、それを中国の業者に不正に再委託していた問題がありました。

 これについて、去年の四月ごろ、私、この場で、テレビ入りだったと思いますけれども、予算委員会で総理と質疑させていただいて、これは総理に、全省庁同じようなのがありますよ、確認いただけませんかとお願いしたら、総理が、やりましょうということでやってくださいました。

 これが、あれなんです。十月二十二日に、総務省が取りまとめて出していただきました。このときに国税庁が、今回、再委託はありません、ゼロですと回答されました。でも、びっくり。わずか一カ月以内、すぐ次の月の十一月に、いや、実はありました、緊急で調査したら出てきたんです、隠されていましたという形の事件が出てきたんです。

 これは一体どういうことなんですか。御説明いただけますか。

並木政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の件につきましては、当初、昨年の五月に国税局が行った監査においては、本件委託事業者が国税局の監査時期を推定して、再委託先から、入力するデータが記載された書類を引き揚げて、外形を整えるなど、不正が発覚しないような対策をとっていたこともありまして、当局に無断での再委託を把握することができずに、契約に違反した再委託が行われていないという旨を昨年六月に国税庁から総務省に報告したものが、十月に、総務省による一斉調査の結果として公表されたものでございます。

 しかしながら、その後、昨年十一月に、国税庁におきまして監査手法を見直し、監査のタイミングを工夫するなど、より厳格な手法で監査を行ったところ、平成二十九年度分と平成三十年度分の業務委託について、事業者が契約に違反し、国税局に無断で国内の他の事業者にデータ入力業務を再委託していた事実が把握されたものでございます。

 こうした状況に至ったことについては、国税庁といたしましては大変残念であり、また、個人情報の取扱いが不適切となり、納税者の皆様に御心配をおかけしたことについて、心よりおわび申し上げます。

 今般の事案を受け、委託業者に対して改めて個人情報の管理の徹底を指示するとともに、国税庁において、個人情報を扱う外部委託業務のあり方の見直しに向けて検討を進めているところでございまして、再発防止に万全を期してまいりたいと考えております。

丸山委員 今の御回答じゃ、全然万全じゃないんじゃないですか。同じようなことがほかの省庁でも起こるし、国税庁だって、抜き打ちしたからたまたま見つかったということですよ。

 これは、総理、本当に問題だと思いますし、同じことが起こり得ると思うんですけれども、この問題についてどうお考えか、どういうふうにお答えになりますか。

安倍内閣総理大臣 今回の事案については、ただいま国税局の方から御説明をさせていただきましたが、監察の際、委託事業者が不正が発覚しないよう対策をとっていたため、昨年の総務省による調査の際には把握できなかったところでございますが、その後、より厳格な手法により監査を行った結果、違法行為が判明したものと聞いておりますが、いずれにせよ、事業者が無断で再委託を行っていたことは極めて遺憾であり、まずは国税庁においてきちんと再発防止策を検討していく必要があるものと考えています。

 加えて、この事案を受けて、総務省から各府省に対して厳正な検査の実施について周知をしているところでありまして、今後とも、無断再委託の抑止を含め、個人情報の適切な管理を徹底してまいります。

丸山委員 でも、去年の質疑を受けて動いてくださったことには感謝申し上げます。しかし、同様の事例、本当に起きそうなので、しっかりこれは前に進めていただきたいというふうに思います。

 ちょっと話題が、実は、調査統計で同じ関連なんですが、いろいろなデータを見ていて、あれ、これはどういうことだろうと思ったものがありました。というのは、ことし、この通常国会にアイヌ関連の新法が出てくるという形になっていますが、これに関して少しお伺いしていきたいんです。

 このアイヌの方々に対する支援、こうしたものを法案として出される予定、今後出されるということなんですが、このもとになる、根拠元になったデータというのがすごく気になるんですよね。アイヌの方の生活実態調査という形で、これを内閣官房の方でやられているんですが、アイヌの方々の年収が総合的に低いのではないかというデータを示したりされているわけですね。

 そうした中で、そもそものデータの結果を受けていたのは、利害関係がある、要は、支援を受ける側であるアイヌ協会さんから紹介を受けて、いわゆる機縁法というんですけれども、紹介を受けてやるという、そもそもそのサンプルの確からしさというのに対する疑い。そもそも、サンプル数も百三十二、さらに無回答が二十一という、非常にサンプル数も少ない。統計上も非常に正確性が気になることもありますし、そもそも、この作業部会の構成員にアイヌ協会さんの名前があるんですけれども、アイヌ協会さん、実は不正会計問題でたびたび報道されております。

 協会の方々で、さらに補助金等を受けている方々であって、そういった意味で、この第三者性、ずっときょう言われています、そして、中立性があるか、この点、非常に疑わしいと言われても仕方がない、こうした可能性もあるというふうに思いますし、実は、この調査で、このサンプルの少ないという調査では、今回の調査は全数調査ではなくサンプル調査だが、限定的であったとしても十分に意味があるとかいうよくわからない一文がついているんですが、全く説得力がないというふうに思います。

 まず、そもそも、お伺いしたいんですが、先ほども申し上げましたが、幾つかアイヌ協会に対して不正の事件の報道があります。こうした不正のあったと言われているような団体が、国の機関であるアイヌ政策推進会議、又は、今後新たな国費の支給先になる可能性があるんですけれども、公益財団法人アイヌ民族文化財団、こうしたところに対して役職を兼ねていらっしゃるわけですね。こうしたものというのは、そもそも問題ないんでしょうか。そして、不正経理の問題というのは、もう政府としては問題ないと考えているからこうした状況になっているんですかね。第三者性とか客観性は保たれているんでしょうか。確認です。

橋本政府参考人 ただいま委員から御指摘のございました不正経理問題、事前にお伺いしたところでは二〇一〇年に公表ということでございますので、北海道庁が二〇一〇年に公表しました事案について改めて調べてまいりました。

 それによりますと、北海道アイヌ協会の釧路支部において、領収書の改ざんであるとか水増し請求のあった事案だと承知しております。これに対しまして、釧路支部の役員が責任をとって退任するとともに、不正受給金は返戻されております。また、再発防止策の徹底に努めた、徹底を図ったというように承知しております。

 アイヌの方について、アイヌの人々の話を具体的に聞くという趣旨から、北海道アイヌ協会の理事長等に、内閣官房長官が座長を務めます政府のアイヌ政策推進会議、これに構成員として参加いただいているところでございますが、先ほど御指摘のような不正経理とかに関与したりとかそういったことはございません。御参加いただいているのは妥当なものだと承知しております。

 以上でございます。

丸山委員 非常に、中立性、第三者性という形で今疑いのある統計の不正が出ていますが、こうしたところにも非常に政府の姿勢というのは怪しげなところがあるなと私は思っています。

 同時に、では、どういう方がアイヌの方かという認定の話とか、いろいろ確認していきたいところがあるんですけれども、そもそも、もう一回出していただくと、いろいろな予算がついていまして、実は、修学支援という形で奨学金がついているんですよ。これは地方の制度に対する国の補助金で入っているんですけれども、下の部分なんですが、この認定の部分がアイヌ協会さんがされている。先ほどの不正の会計があった協会さんですけれども、認定されていて、この手続に関して、一体全体、透明性や客観性があるかどうか、政府はどう考えているのか。

 そして、同時に聞きたいんですけれども、これは総理にお伺いしたいんですけれども、これは、選び方として、こうした受給に関する、若しくはアイヌの方だという認定という部分では、例えば憲法十四条では、門地による差別、生まれによる差別というのは禁止しています。逆に、他の国民から見たら、ほかの生活保護制度がある、例えば修学の支援の制度もある、逆差別になるんじゃないかという疑問も当然出てくると思うんですけれども、このあたりについてどのようにお答えになるのか。総理、よろしくお願いします。

安倍内閣総理大臣 この詳細については政府参考人にお答えさせたいと思いますが、北海道庁が実施しているアイヌの方々の子弟に対する修学資金の貸付けに当たっては、アイヌであることの確認に当たり、北海道アイヌ協会理事長等の推薦書の提出を求めているところでありまして、同協会においては、戸籍等の客観的な資料をもとにしながらアイヌであることを確認した上で推薦書を作成しているものと承知をしております。

 北海道庁においては、当該推薦書を踏まえ、貸付けの可否については適切な認定を行っているものと承知をしております。

 修学資金の貸付けについては、アイヌであることの確認に加えて、各家庭の経済状況などを含め総合的に判断していることから、法のもとの平等を定めた憲法第十四条に反するものではないと認識をしております。

丸山委員 いや、後半は、ほかの国民の皆さんから見たら、先ほども申し上げたように、奨学金制度もある、生活保護の制度だってある、後半は皆さん一緒なわけですよ。でも、前半の部分で、確認を協会でした、いろいろ手続を今おっしゃいました、戸籍の話もされました。戸籍がというところが非常に、今回私が申し上げている憲法十四条のところにひっかかっていく可能性がある、しっかり議論しなきゃいけないところだと思うんですけれども。

 前半について言っているのに、後半は国民の皆さん、一緒なわけですよ。しかし、前半で新たな制度があるというのは非常にしっかり確認していかなきゃいけないし、ただ、誤解がないように申し上げたいのは、しっかりアイヌの文化というのを守っていくというのは非常に大事な観点だと思います。

 ただ、そうした中に、今申し上げたような不正会計をしているような協会さんのチェックができているのかどうか。そして、今回新たに法案を出していくわけですから、しっかり、今申し上げた部分は、法案が出てき次第チェックしていきたいというふうに思います。

 時間がありませんので、ほかの部分に移りますが、これはちょっと絶対やっておきたいなというか、韓国の話です。

 きのう、小野寺議員がレーダーの照射の件をやられたので、ちょっともう一個の方の、低空飛行だと韓国側が称するやつの写真を持ってきたんですが、これはP3Cの飛行機の画像ですが、大体全長三十五メートル強ぐらいだと思いますので、六十メートル下まで見ますと、どう考えても海が見えなきゃおかしいなと。高度六十メートルと韓国は主張しているんですが、近づいてきたのは、しかも高さが六十メートルという主張をしているんですが、どう考えてもちょっと海が見えないのでおかしいなとも思いますが。

 しかし、レーダー照射については、我が国も、これは違うんですと、音、電波音について公開されました。客観的なほかの第三者性、中立性を持って評価いただけるものでありました。

 しかし、この低空飛行に関しては、データだとか、航空のきちんと記録しているものだとか、こうしたものは全く一切公開されず、主張するだけ主張するのでは、第三者性とか中立性という意味では、やはりほかの国に対して、若しくは外に対して、国民に対して主張していく部分では弱いんじゃないかなと。

 若干、大臣、急に弱腰になられてきているんじゃないか。言うべきところは言わないと。国と国の関係です。しっかり、正しい合理性のあることは言っていかないと、主張して、うそでも百回言っていったらこれが正しいみたいなことになりかねませんので、しっかりこれは主張していただきたいというふうに思いますが、これは主張されないんですかね、どうなんでしょう。

岩屋国務大臣 本件についての防衛省の見解は、一月二十一日に公表した最終見解のとおりでありまして、韓国側には、事実を受けとめ、再発防止を徹底してもらいたいというふうに考えております。

 御指摘の低空脅威飛行と言われるものでございますが、海自の哨戒機、もう長きにわたって警戒監視活動を行っておりますが、ただの一度も、他国から、低空脅威飛行などという指摘を受けたことはございません。韓国側からも今回が初めてでございました。

 そして、委員も御承知のとおり、私どもの哨戒機は、CUESと言われる国際取決めですとか国内法にのっとって、適切な距離を保って常に警戒監視を行っております。韓国側から指摘があったときは、その都度しっかりと当局間で返しております。

 私も、何度も、そのたびに、我が方の低空脅威飛行などということはないということを明確に申し上げてきておるところでございますので、新たに本件について証拠を公表する考えはありません。公表せずとも明らかなことだというふうに考えております。

丸山委員 だから、大臣、先ほどから申し上げているように、当事者が明らかだって主張したって、周りの方から見たら本当かなと思うのが普通だと思いますよ。統計不正の件がそうでした。私は、ほかの件でも申し上げていますけれども、これはやはり、公表すべきところはレーダー照射と同じように低空飛行も公表しておく。

 今後、韓国は、ことしが三・一独立運動、これのちょうど百周年に当たるということで、どうしてもナショナリズム的な方向性に行きがちだと思います。我が方としては、やはり合理的な部分はきっちり説明をしておく。冷却期間を置かれるという考えもあるでしょう。そして、その中でその先に進んでいかないと、最初にやはり主張していないと向こうの言いなりにどんどんどんどんなっていくと思います。

 これは総理に聞きたくて、最後、総理問いにしてあるんですけれども、この件、どう思われますか。今後、総理としてどのように対応されていくのか、総理としての御回答をいただきたいんですけれども。

安倍内閣総理大臣 この韓国軍艦によるレーダー照射事件については、専門的、技術的観点から防衛当局間で協議が行われているところでありまして、この事案等に関する認識及び今後の対応については、これまで岩屋防衛大臣や防衛省が累次明らかにしているとおりでございます。

 また、先ほど、韓国側が示した写真、あるいは我が方が示した映像等がございますが、そこから距離についてもこれは明らかになってくるところでもあるわけでございますし、我々の主張についても、私たちの主張が国際的にもこれは認知されているというふうに我々も承知をしております。

丸山委員 相手があることですので、やり方というのが、いろいろな裏の交渉があると思います。国民の皆さんからも我々からも見えないところもやってくださっているのは理解しますが、言うときは言う。そして、先ほどの統計の件から何度も言っていますが、第三者性、中立的に見て、やはり日本が言う方がそうだねと思ってもらえるような、このデータの公表も含めてやっていただきたいというふうに思います。

 時間がなくなってきたので、引き続きはまた外務委員会等に譲りたいというふうに思いますが、最後、これはどうしても予算委員会なのでお話ししておきたいのは、やはり消費税、複雑過ぎます。

 今回の件で、ポイント還元で、この表を見ていただいたら、これも私がつくるので、私がつくった表なので、できる限り複雑に見せないように逆にしようと思って、できる限り簡単につくろうと思ってこれなんです。そこの評価は皆さんに任せますが。

 一番低いので実質三%に、カードを使えば中小の小売や飲食店でことしの秋から来年六月までなるわけですよ。でも、一方で一〇%のものもある。でも、どれがどれかって、国民の皆さんから見たら非常にわかりにくいと思います。

 ここの複雑性に対して、総理に、これはどう思われますか、これはどう国民の皆さんに説明されますかと聞く問いを御用意していたんですけれども、先ほど御回答されていたので、これに関しては割愛させていただきますが。

 これは総理に直接聞きたい。ずっと財務大臣には財務委員会で伺っているもう一つの点。なぜか、今回の軽減税率に新聞が入っているんですよ。しかも、週二回以上発行している宅配の新聞だけ入っているんですが、なぜかというと、活字文化の維持、普及だというんですね。

 活字文化の維持、普及だったら書籍も入るじゃないですか。なぜ、書籍こそ、新聞よりも書籍の方が大事なんじゃないですかと言ったら、書籍は有害図書を排除できないんだと言うんですよ。えっ、だったら、新聞でも、例えば夕刊のタブロイド紙、こうしたもので、成人向けの表現をしているような、若しくはそうした広告が入っているようなものはたくさんあります。調べたら、駅売りの、同じ、そうしたものが入っている、成人向けのものが入っているものを宅配でやっているのがあります。日刊ゲンダイだとか。あるんですよ。そうした中で、あと夕刊フジもやっているそうです。少なくとも、現在は別ですが、去年の秋の段階では、夕刊フジや日刊ゲンダイは、同じものを、そうした成人向けのものが入っているものも宅配でやっている。つまり、軽減税率の対象なんですよ。

 これはおかしいんじゃないですかと麻生大臣に質問したら、私もおかしいと思うという最後御回答で終わって、去年の臨時国会が終わっているんですけれども、総理、これはどう思われますか。これでいいんですか。おかしいとテレビをごらんになっている国民の皆さんは思っていると思いますけれども、総理、この点についてどうお考えなのか。なぜ、成人向けのみだらな内容も含むような新聞まで軽減税率が適用されるんですか。お答えいただけますか。

安倍内閣総理大臣 これは、麻生大臣が主務大臣でございますので、麻生大臣に答弁させたい、このように思います。

丸山委員 麻生大臣にはさんざん財務委員会で聞いています。総理が消費税をお決めになるわけで、決められたわけですよ。総理として、きちんとこの点をお答えいただけますか。

安倍内閣総理大臣 新聞については、日常生活における情報媒体として、全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれていること、そして、この結果、新聞の購読料に係る消費税負担は逆進的になっていること等の事情を総合勘案し、週二回以上発行され、定期購読契約されているものといった外形的な基準に基づき軽減税率の適用対象としたところでございまして、御指摘の低俗な新聞等が必ずしも明らかではありませんが、新聞の中身によって軽減税率の適用対象となるか否かを判断するものではないということでございます。

丸山委員 時間が来たので終わりますが、非常に論理矛盾のあるおかしな消費税だと申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

野田委員長 これにて丸山さんの質疑は終了いたしました。

 これをもちまして各会派一巡の基本的質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

野田委員長 これより締めくくり質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。堀内詔子さん。

堀内委員 自由民主党の堀内詔子です。

 本日は、平成三十年度第二次補正予算案の締めくくり質疑をさせていただくチャンスをいただきまして、ありがとうございます。野田委員長を始め予算委員会の皆様方に心より厚く御礼申し上げます。また、安倍総理を始め関係閣僚の皆様方、どうぞよろしくお願いいたします。

 しばしば指摘されますように、近年の自然災害は、その規模、その時期、そしてその地域、さまざまなものに、これまでの常識を大きく覆すような激甚のものが多くございます。

 もちろん、災害が発生したとき、速やかに復旧復興の手助けをするのが政治の果たすべき役割だと思っております。また、今年度の第一次補正予算につきましても、また今回の第二次補正予算案におきましても、さまざまに起こった災害の復旧のための予算を入れ込んでいっていただきまして、国民を代表して心より厚く感謝する次第でございます。

 私の地元山梨県におきましても、今から約五年前、大変な豪雪が降りまして、そして、まさに山梨県は陸の孤島と化しました。鉄道もとまり、道路も寸断され、そしてガス、水道、電気、さまざまな社会インフラがとまりました。そんなとき、国から大きな支援をいただいて、山梨県は陸の孤島から確実に復旧させていただきました。

 けれども、山梨県の大きな産業である農業、その果樹地帯で、私自身は、多くの方々が頭を抱えて雪の中に座り込み、そしてあすへの希望を失っている姿を見ました。

 ともに嘆きながらも、国からの支援を必死に取り付けて、今では、さまざまに壊れてしまった施設園芸も立て直すことができ、そして、そのとき植え直した果樹、つまりブドウ、桃などは生育に多少時間がかかるもので、昨年、その豪雪の折に植えかえたブドウ、それが初めて収穫され、大きな笑顔で地元の方がプレゼントしてくださった。それを今でもありがたく、あのときのブドウの味を忘れることができません。

 また、それ以来も山梨県にさまざまな台風が襲ってきてまいっております。昨年の九月にも台風二十四号が襲ってまいりまして、秋野菜、そして小学校の屋根を飛ばしたり、多くの被害をもたらしました。今回の補正予算におきましても台風二十四号の被害の復旧予算が盛り込まれておりまして、感謝している次第でございます。

 こうした災害復旧予算が必要であることはもちろんでありますが、同時に重要なことは、いわゆる転ばぬ先のつえと申しましょうか、まさに予防、つまり防災、減災、そして国土強靱化対策にほかなりません。

 昨年一年間の自然災害による被害、例えば、それを農林水産物に限って言っても、被害総額は全国で五千六百億円以上にも上ったといいます。防災・減災対策が進みましたら、これらのいわゆる被害を受けてしまう額、そういった額を大きく減らすことができるのではないかと思っております。

 今回の予算案では、その国土強靱化対策又は農林水産業のこれからのための強化策、そういったものが大きな柱となっておりますので、その二つを中心に質問させていただきたいと思っております。

 国民の生命や財産、そして生活を守るために、一刻も早くこの二次補正予算案を成立させなければならないという観点から、限られた時間ですが、総理、そして関係閣僚の皆様方に質問をさせていただきたいと思っております。

 それでは、まず安倍総理にお尋ねしたいと思います。

 今回の予算案には、減災・防災、国土強靱化のための三カ年緊急対策のうち、初年度の対策として速やかに着手すべきものが盛り込まれております。この緊急対策の必要性、重要性は私自身もしっかりと認めておりますが、一方で、中には、この三年間で終わってしまったらどうしよう、そういったお声も聞くところでもございます。

 もとより、防災・減災、国土強靱化は三カ年で終了するものではありませんので、ポスト三カ年対策に向けての今後の見通し、意気込みについて、総理の御意見、御答弁を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 平成の時代は大きな自然災害が相次ぎ、昨年も、集中豪雨、地震、激しい暴風雨、異常な猛暑、そして台風など、異次元の災害が相次ぎました。災害への対応は、もはやこれまでの経験や備えだけでは通用せず、命にかかわる事態を想定外と片づけるわけにはいきません。

 このため、昨年末に、これまで培ってきた最新の知見を踏まえ、中長期的な目標や方針を明らかにする国土強靱化基本計画の見直しを行うとともに、事業規模がおおむね七兆円程度の防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策を取りまとめ、ハードからソフトまであらゆる手を尽くし、三年間集中で対策をしっかりと実施することとしました。

 この緊急対策を講じた後も、国土強靱化基本計画に基づき、オール・ジャパンで国土強靱化を強力に進め、国家百年の大計として、災害に屈しない、強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げてまいります。

堀内委員 ありがとうございました。

 国家百年の大計として、国土強靱化を三カ年緊急対策後も推し進められるとの力強い御答弁をいただきました。ありがとうございました。

 続けて、もう一点お伺いしたいと思います。

 御存じのように、我が山梨県は、桃やブドウに代表されるフルーツ王国でございます。果実の輸出額は、直近の実績では、山梨だけで七億五千万円を超えて、前年度比は一七%増となっております。

 総理は、かねがね農林水産新時代を掲げられ、我が国の農林水産品の輸出を積極的に促進されておりますが、今後の展望についてお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 少子高齢化により、国内の食市場の規模は今後縮小すると見込まれておりますが、一方で、世界に目を向ければ、アジアを中心に食市場の規模は大きく拡大すると見込まれております。その中で、アジアにおいては、だんだん所得も上がってまいりまして、日本の質の高いものを求めてくるようになってきております。

 世界への挑戦は、ブドウや桃など、手間暇かけてこしらえた質の高い日本の農林水産物にとって大きなチャンスであり、国内のマーケットに加えて海外のマーケットが獲得できれば農林水産業の未来は開かれる、このように思っております。

 このため、安倍内閣では、農林水産物、食品の輸出拡大に向けて、海外で、需要拡大、輸出拠点の整備、諸外国の輸入規制の撤廃、緩和に向けた働きかけ等を強力に進めてまいりました。

 輸出額は五年連続で過去最高を更新し、輸出目標一兆円も、もう手の届くところまで参りました。TPP11や日・EU・EPAの発効を契機に、この流れにさらなる弾みをつけるとともに、今年度補正予算も含め、海外に挑戦するグローバルな産地の育成に向けてきめ細かな支援策を講じてまいります。

 海外からの賓客が参りますと、必ず日本の食材を使っておりますが、ちなみに、昨日、メルケル首相をおもてなしをさせていただいた夕食会においては、山梨県産の白ワインを使わせていただきました。

堀内委員 ありがとうございました。

 メルケル首相のお口に合うといいなと思っております。ありがとうございます。

 次に、国土交通大臣にお伺いします。

 私の地元でも、急峻な地形が大変多く、昨年の台風の際にも多くの場所で土砂災害に遭いました。そこで、土砂災害対策を進めながらも、孤立集落ができないような、いわゆる緊急避難路など、そういった道路整備も大事だと思っておりますが、国土交通省としてのお考えをお聞かせ願えますでしょうか。

野田委員長 国土交通大臣石井啓一さん、質問時間が終わっていますので、手短にお願いします。

石井国務大臣 はい。

 防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策では、砂防堰堤の整備、道路のり面等の崩落対策及び急傾斜地等を迂回するバイパス整備等の対策を実施することとしております。また、災害時の物資輸送や避難をより確実とするため、ミッシングリンクの整備等による道路ネットワークの多重化を引き続き推進してまいります。

 国土交通省といたしましては、三カ年緊急対策にとどまらず、災害から国民の命と暮らしを守るため、道路ネットワークの強化に取り組んでまいります。

堀内委員 ありがとうございました。

 本日は、たくさん質問を用意してまいりました。ほかの閣僚の方々にも通告させていただきましたが、できなかったことを申しわけないと思っております。

 今後とも、この補正予算案、大事でございますので、しっかりと早期の成立を目指してまいりたいと思います。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

野田委員長 これにて堀内さんの質疑は終了いたしました。

 次に、逢坂誠二さん。

逢坂委員 逢坂誠二でございます。

 総理にまずお伺いします。

 今回の毎月勤労統計の不正、不適切な調査、これによって、総理は、セーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについておわびをすると繰り返し述べておられますが、ここで言うセーフティーネットというのは、これはどういうことを意味しているんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 これは、毎勤統計を使って、雇用保険、そして災害保険、船員保険等の給付を行っているところでございまして、この給付額が正しかったかどうかということでございまして、特にこうした労災等においては、もしものときに必要なものでございますし、もちろん雇用保険の方もそうでございますが、そういうときの給付がしっかりとした根拠に基づいているものかどうかということについて、それが過少であったということについては、当然これは不信を持たれてもやむを得ないんだろう、このように思うところでございます。

 ちなみに、統計全般に対する信頼についてもしっかりと回復していかなければいけない、このように思っております。

逢坂委員 私、総理が繰り返しセーフティーネットだけを言うのは、少し認識が甘いというふうに思っているんですね。

 今回、賃金構造基本調査も不適切な取扱いがあった。それから、基幹統計五十六、このうちの二十四についても不適切な取扱いがあった。

 私は、もちろん、セーフティーネット、これの信頼を損ねたということはあると思いますけれども、統計全体の信頼を損ねた、更に言うならば、国際的にも、日本の統計は本当に大丈夫なのか、そういう懸念の声を持たれる、そういう事態も引き起こしているのではないか。その点の認識、いかがですか。セーフティーネット以外にもいろいろな心配、懸念を惹起させる事態になった、そう思うんですが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 まさに統計については、これから統計全般についてしっかりと検証していくわけでございますので、あらかじめ私が推測して発言をしたがために、実態以上に統計に対する不信感を海外から持たれることは適切ではない、このように思うわけでございますが、いずれにせよ、こうした不適切な調査が行われていたことは、おわびを申し上げなければならない、このように思っております。

逢坂委員 そこで、総理にお伺いしますけれども、今、厚生労働省で、特別監察委員会が設置されていろいろ調べられている。この特別監察委員会というものに対する第三者性、自立性、独立性、これは担保すべきだと私は思っているんですが、総理はいかがお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 それにつきましても、本日、質疑で申し上げてきたとおりでございまして、国民の皆様からまさに信頼されることが必要であり、信頼の回復に向けて、この検証を行う以上、信頼に足る検証でなければならないという意味において、第三者性というのが大切であるということは答弁してきたところでございます。

逢坂委員 そこで、根本大臣にお伺いします。

 現在の特別監察委員会ですが、これは第三者性を有しているというふうに理解していますでしょうか。第三者委員会なんでしょうか、これは。

根本国務大臣 お答えする前に、一点、先ほどの私の答弁について……(逢坂委員「私の答弁の時間をとらないでください。委員長、時間を配慮してください」と呼ぶ)

野田委員長 では、大臣、答えてください。

根本国務大臣 はい、わかりました。

 では、お答え……(逢坂委員「別の時間にやってください」と呼ぶ)はい、わかりました。

 特別監察委員会、これについては、有識者で構成される。そして、特別監察チームというのが前にありましたけれども、それは厚生労働省と有識者で構成されていた。これをより中立性、客観性を高めるために、有識者だけで構成し、そして新たに統計の専門家である樋口先生を入れて、そして中立性、客観的な立場からしっかりと厳正に調査をしていただこうということで、これは、要は第三者を入れているわけですから、第三者的立場で入っていただいて、そして特別監査委員会にこの一切の厳正な調査をやっていただくということにさせていただいておりますので、これは厚生省ではない、有識者で構成されていますから、私はその意味では第三者性を有すると思っております。

逢坂委員 第三者性を有すると。

 それでは、きのうの答弁、やはり私は気になるんですよ。第三者性を強調し過ぎたと。これは一体何を意図しているんですか。

 私は、もっと自立的、中立的であるべきだと思っているんですが、根本大臣は一体どういう監察委員会であればいいと思っているんですか。曖昧じゃないですか。

根本国務大臣 私は、より中立的、客観的、こういうものを高めるために、有識者だけで構成される特別監察委員会としました。

 ところが、その後、その特別監察委員会のヒアリングなどに官房長などが立ち会っていたということがありましたから、これは、国会などの御審議を踏まえて、いささかも疑念がないように、この特別監査委員会だけでやっていただく、そして追加的なヒアリング、これも委員のみでやっていただくということで、厳正にやっていただきたいということで、今、特別監査委員会でさらなる調査をしております。

逢坂委員 今の大臣の答弁と、きのうの第三者性を強調し過ぎたと。しかも、その次にもう一言あった。反省しているという言葉もありました。一体これはどういうことなんですか。

 第三者性が大事だと総理もおっしゃっておられる。でも、第三者性を強調し過ぎた、反省している、これはどういうことなんですか。全くわからないですよ。

根本国務大臣 私が特別監察委員会をなぜつくったか。これは、もう厚生労働省は排除して、そして有識者だけでやっていただく、そして統計の専門家も委員長になっていただきました。

 このより中立性、客観性を高めるという中で、実際のヒアリングに官房長などが同席していた、これは私の趣旨に反します。その意味で、私は、今、特別監査委員会の委員だけでヒアリングをやっていっていただきますが、厚生労働省の官房長等が参加したということで、要は、第三者性を疑われる、疑念を抱かれる。

 そして、私は、確かにこれは、私も第三者委員会ということで……(発言する者あり)

野田委員長 お静かにしてください。

根本国務大臣 答弁してまいりましたが、そこは第三者性を強調し過ぎたのではないかという御指摘が進次郎議員からあって、そして、そこは、内部の者がヒアリング調査に同席するなどで疑念を抱かせた、その意味では、私はそういうことについて反省をしている、第三者委員会ということで結果的に強調し過ぎたということに、結果的にそう受けとめられておりますので、そこは私は反省すると申し上げました。

逢坂委員 大臣、全く何を言っているかわからないんですよ。

 大臣は、この特別監察委員会に第三者性というものを強調して、それをもっともっと明確にしたいと思っておられるのか。それとも、第三者性というのは、まあまあ、ほどほどのところでいいと思っておられるのか。そのどっちなんですか。

根本国務大臣 もともと、第三者性というのは、厚生労働省が特別監察委員会の会には入っていない、まさしく有識者だけでやっていただく、これが本意ですから、その意味で、より中立性、客観性を高めるために特別監察委員会というのをつくった、だからそれは、私は、ここは第三者委員会であって、そこは私も強調しておりました。

 ところが、厚労省の官房長等が参加して、ヒアリングにも参加したということで、これは疑念を疑われたから、ここは改めて特別監察委員会の皆様に直接ヒアリングも今やっていただいて、その意味では、逢坂委員がおっしゃられるように、これは、厚労省の官房長等が入った結果、第三者性に疑念を持たれることがありましたから、その意味では、第三者性をしっかり担保して厳正に調査をしていただきたいということであります。

逢坂委員 第三者性、これを明確にしたいという意図はわかりました。

 だとするなら、きのうの答弁は何ですか。第三者性を強調し過ぎた、反省している、意味がわからないんです。これは誰に向けて言っているんですか。こういう曖昧な答弁をするから、職員だってどうしていいのかわからなくなるんじゃないですか。

 きのうの、第三者性を強調し過ぎた。国民にわかりやすく説明してください。反省する点、違うような気が私はする。

根本国務大臣 もともと特別監察委員会は、厚労省の人間は入らずに、そして有識者だけでやっていただくということで、私は、より客観性、中立性を高めるためにそういう監察委員会をつくりました。

 つくったので、私は第三者委員会ということを申し上げておりましたが、その中で、官房長等がヒアリングに参加して、そして第三者性に疑念が抱かれるような状況になりましたから、そこはその疑念を抱かせるようになってしまった。そして、私は、もちろんこれは第三者委員会であると言っていましたよ。しかし、結果的に疑念を抱かれるようになってしまった、そこは私は、結果的に第三者性を強調し過ぎたということになるので、そこは反省しているということを申し上げました。

逢坂委員 今の言葉、これは誤解されるんじゃないですか。根本大臣が言いたいこと、今の答弁で少しわかりました。でも、これは完全に誤解されますよ。強調し過ぎたことを反省している、これは言葉を修正すべきじゃないですか、大臣。これじゃ、何を言われているかわからないですよ。大臣の説明を聞いて、ああ、なるほど、こういうことを言いたいんだなということは、私は少し理解しましたけれども、第三者性を強調し過ぎた、この言葉は随分ひとり歩きしていますよ。しかも、反省すると。じゃ、まるで第三者性を重視していないかのような発言にとられるじゃないですか。

 これは訂正された方がいいと思いますが、いかがですか。

根本国務大臣 まず、特別監察委員会は、繰り返しになりますが、厚生省を入れずに、そして有識者だけで構成する。これは、より中立的、客観的にやっていただこうという性格のものですから、これは第三者委員会という性格である。しかし、官房長等が参加してヒアリングをしたというものですから、これは疑念を抱かれることになってしまった。

 私は、もともとこれは第三者委員会という形でつくりましたから、その趣旨を事務方に、そこを十分判断せずに結果的に参加してしまった、疑念を持たれた。ですから、結果的に、私は、第三者性を強調することになってしまったということで、そこは反省をいたします。

 そして、今、さらなる直接のヒアリングをやっていただいているということであります。

逢坂委員 根本大臣、その言葉は、やはり、本当の意味で反省しているようには受けとめられませんよ。

 自分としては第三者委員会だと思っていた、ところが実態はそうではなかった、だから反省しているんだというんなら、まだ国民はわかりますよ。そういう説明でしょう、大臣。

 自分としては第三者委員会をつくったつもりだし、そう指示したつもりだった、ところが実際には官房長も同席したのでみんなに疑念を持たれるようになった、だから私は反省していると言わなきゃわからないじゃないですか。

 第三者性を強調し過ぎたので反省している、全く意味がわからない。正直に自分の実態を言っていないじゃないですか。

 だから、中間報告を出したまでの段階の特別監察委員会というのは、本当に、中立性もなければ、お手盛りだったということを、大臣、きちんと認めなきゃいけないんですよ。いかがですか。

根本国務大臣 特別監察委員会は、有識者で構成されて、そして、そこの運営も有識者に任せてやっていますから、主体的に有識者にやっていただいている。そういう意味では、厚労省が事務的にお手伝いをした。

 そして、ただ、官房長が参加するのは、私はやはり第三者性が疑われると思いますから、もともと、第三者性をしっかり担保するように有識者だけで独立してつくりましたので、私は、その意味で、第三者性を持った委員会をつくったつもりであります。しかし、そこが結果的に疑念を抱かれるようになってしまったので、そこは私も、ここは第三者性で委員会としてつくったつもり、しかし、それが疑念を持たれた。

 ですから、私は、より厳正にやってもらうような、今、委員会で対応していただいておりますが、そこは、疑念を抱かれた、そして、結果的に第三者委員会ということを強調し過ぎたということになってしまったので、そこは反省しておりますということでお答え申し上げました。

逢坂委員 官房長にお越しいただいています。

 定塚官房長にお伺いしたいんですが、午前の答弁で、根本大臣が、第三者性を部下が理解しなかった、こういう答弁をしていたように私は記憶しているんですが、これは大臣の指示を理解できなかったということでよろしいですか。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 私及び厚生労働審議官がヒアリングに同席をしておりました。ただ、この際には、委員会の先生方の主体的な判断のもとで、ヒアリングについても委員会の指示を受けて行っていたものでございまして、その場面において、第三者性というのはいささかも損なわれるものでなかったと私自身は感じております。

 しかしながら、その後、やはり、私や厚生労働審議官が参加をしているということで、外部の方から見ると疑念を……(発言する者あり)

野田委員長 御静粛にお願いします。

定塚政府参考人 生じさせるということ、そういうことについて全く思いが至らず、大臣の思いも十分理解をしていなかった。これは、事務方だけで判断をして参加をしたものでございますので、大臣には報告をしていなかったというものであります。

 また、委員の方におかれては、先ほど申したように、非常に主体的、自主的に取り組まれているのにもかかわらず、厚生労働審議官や私が同席したということでこれも疑念を持たれてしまったということについては、まことに申しわけないと考えているところでございます。

逢坂委員 大臣、今の答弁を聞いてどう思われますか。

 定塚官房長、もう一点。

 今の答弁の中で、委員会の指示によって同席した、そういう答弁があったように記憶しているんですけれども、それでよろしいですか。特別監察委員会の指示があって同席をしたということでいいですか。

定塚政府参考人 ヒアリングのやり方あるいは内容につきまして、委員会の委員の方々の指示のもとに行ったということで、同席については委員の方々の了解を得て行ったというものでございます。

逢坂委員 それは、定塚官房長、重要なポイントなんですけれども、了解を得て同席をした、了解を得るということは、どちらかが申し出るわけですよね。その前後関係はどうなっていますか。どっちがどっちに申し出て、誰が了解をしたんですか。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 私が全部委員会の委員とやりとりをしたわけではございませんので、どういう前後関係で誰から言い出したかというのを、済みません、今すぐにどうということで答弁できるわけではないんですけれども、ただ、私の理解としては、事務方と委員会の先生方の御相談の中で委員会も同席しましょうということになったということで、お認めをいただいたものだというふうに理解をしております。

 ただ、内容については、先ほど申したように、委員会の指導のもとで、その御指示を受けて行っているというふうに思っております。

逢坂委員 答弁が非常に明確ではない、何を言っているかよくわからないところがあるんですが、それじゃ、もう一点だけ。

 職員だけでヒアリングをしたという事例もあったと思いますが、それは誰の判断で行ったんですか。これも委員会の同意ですか、指示ですか。どういう関係があったんでしょうか。

定塚政府参考人 先ほど申し上げたように、委員会に同席する、あるいは事務方のみでヒアリングを行うという点については、委員会にお認めいただいて実施をしたものと考えております。考えておりますというか、お認めいただいて行ったものでございます。

逢坂委員 大臣、今の定塚官房長の答弁、私はすごく大事だと思っていて、委員会の了解を得て実は同席しているんだということなんですよね。これは、監察委員会そのものが本当に自立性とかを感じてやっていたのか。

 大臣、午前中の答弁では、部下が理解しなかったという答弁をしているんですよ。違うんじゃないですか。部下どころか、監察委員会そのものが自立性というものを理解してやっていたのかどうか。おかしいんじゃないですか。監察委員会そのものも、まあ、職員が同席するのはいいでしょう、職員だけでヒアリングするのもいいでしょうということをやっているわけですから、部下が理解しなかったという答弁はひどいんじゃないですか。どうですか、大臣。

根本国務大臣 まず、特別監察委員会とは何か。これは、より中立性、客観性を高めようということで有識者だけでつくってやってもらいましたから、そこは有識者だけでやるべきだと私は思っております、この特別監察委員会は。

 ただ、今、定塚官房長の話もありましたが、要は、大事なのは、特別監察委員会というのは、有識者で構成されている、そして合意で動かしている、そのもとで、今の答弁がありましたけれども、そこの了解を得て、その意味では主体性は特別監察委員会にあると思います、私は今の話を聞けば。そして、こういうことを、同席、どちらがという話があったけれども、あくまでも特別監察委員会の主体性のもとでその事務方の対応があった、私も今聞いてそう思っております。

逢坂委員 大臣、今の答弁、私はあべこべに聞こえますよ。だって、特別委員会の了解を得て職員が同席をした、特別委員会の了解を得て職員だけでヒアリングをした、すなわち特別委員会そのものが自主性、自立性を理解していないということを大臣そのものが証言しているようなものじゃないですか。

 本来は、そういう申出があったときも、特別委員会自身は、いや、それは困ります、自主性、自立性が損なわれます、だから我々だけでやりますというのが当たり前の姿なんじゃないですか。大臣、いかがですか。

根本国務大臣 それは、特別監察委員会は監察委員会として主体的に判断していただいているものと理解します。特別監察委員会は、それは主体的に判断しているんだと私は思います。

逢坂委員 大臣、もっとその答弁、ひどいですよ。主体的に判断して、自主性、自立性を損ねるようなヒアリングを自分たちが主導しているという答弁をしているんですよ、それは。だから問題だと言っているんですよ。

 そもそも、今の特別監査委員会のメンバーの皆さん、個々人に私は何のしがらみもありませんけれども、メンバーの皆さん、監察チームから引き続きなんですよ。実際にメンバーをふやしたのは、報告書をつくる一日前に統計の専門家を二人ふやしただけなんです。だから、監察チーム内部の組織と全く同じ形で、自立性だ、独立性だと言っているわけですよ。

 これでは本当の意味で自立性、独立性なんか担保できるわけがないじゃないですか。大臣、どうですか、これは。

根本国務大臣 特別監察委員会は、委員長を中心に、委員会の主体的な判断のもとで運営されている、これは私は事実だと思います。主体的な判断のもとで運営されているというのが、私は特別監察委員会の今の状況だと思います。

 そして、今、さらなる直接のヒアリングをやっていただいていますから、これは、更に厳正にやっていただいております。

逢坂委員 主体的な判断でやっているということは理解をいたしました。

 しかし、その主体的な判断の内容が間違っているんです。職員を同席させるとか職員だけでヒアリングをさせる、そんなことをやるから疑念を持たれるんじゃないですか。この点、大臣、これからもしっかり追及させてもらいますけれども、そもそも、きょうの質疑を聞いていて、私は、大臣の指導力に相当問題がある、このことは指摘をさせていただきます。

 最後ですけれども、きょう、JILPTの理事長にも来ていただきましたが、ちょっと議論の都合で質問できなくて、大変恐縮でございます。またの機会にお願いしたいと思います。

 終わります。

野田委員長 これにて逢坂さんの質疑は終了いたしました。

 次に、後藤祐一さん。

後藤(祐)委員 国民民主党の後藤祐一でございます。

 まず、総理に伺いたいと思います。総理、よろしいでしょうか。

 総理に伺いたいと思いますが、消費税の増税の再々々延期をするのかどうかということと予算案との関係をお伺いしたいと思いますが、この消費税増税を延期する場合、これを財源とする幼児教育、保育の無償化、これは予定どおりやることになるのか。つまり、延期をしようがしまいがこの無償化はやる、予定どおりやるというふうにはっきり言っていただけるのかどうか、総理にお伺いします。

安倍内閣総理大臣 消費税の引上げについては、反動減等に対する十二分な対策を講じた上で、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律で定められたとおり、十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定であります。

 幼児教育の無償化については、この消費税率引上げによる増収分を活用し、本年十月から実施することとしており、今国会にその実現のための法案を提出する予定であります。御審議いただいている第二次補正予算案も、これらの前提のもとに計上しております。

 その上で、御指摘の、第二次補正予算案に計上している幼児教育無償化の経費は……(後藤(祐)委員「それは言っていない」と呼ぶ)これはいいですか。

 基本的に、今、仮定に対する質問については、ちょっとお答えすることは困難でございますが、我々は、消費税一〇%に引き上げる経済状況を、あるいは対策をしっかりととりながら対応していきたいと考えております。

後藤(祐)委員 あれっ、仮定の御質問にはお答えできないということは、消費税増税をもし先送りした場合には、この無償化はやらなくなる可能性があるということですか。そういうことになりますよね。

 私は、消費税を延期しようがしまいが、どっちの結果であろうが無償化をやるということでいいんですかと聞いているんですよ。仮定の話じゃないですよ。どっちであろうがやるということでいいんですかと聞いているんです。

安倍内閣総理大臣 消費税の引上げについては、先ほども申し上げましたように、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律に定められたとおり、十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定でありますが、幼児教育の無償化は、この消費税率の引上げを前提として実施することとされておりまして、政府としては、消費税率の引上げに向けて経済財政運営に万全を期していくということでございます。

後藤(祐)委員 要は、消費税増税を前提としてということは、もし先送りした場合には無償化はやらないというふうに受け取れる今御答弁だったと思います。

 そうすると、今、全国の市町村で頑張って準備しているわけですよね。あるいは、お子さんを抱える御家庭なんかも十月を心待ちにして、入れよう、あるいは、それに先立ってこの四月から入れようとか、いろいろ、もう世の中は動いているわけです。

 しかも、今回、今審議している第二次補正予算には、この幼児教育、保育無償化立ち上げ経費支援三百十六億円という、市町村が準備する予算というのが計上されているんですね。

 この無償化はやはりやめたとなっちゃう可能性があることを今総理、答弁でおっしゃったわけですから、そうすると、この補正予算に載っている三百十六億円の立ち上げ経費支援予算だって無駄になっちゃう可能性があるわけじゃないですか。ということを御指摘申し上げたいと思います。

 次に行きたいと思いますが、きょう午前中、国民民主党の階議員が議論した五%ポイント還元について、これは経産大臣にお伺いしたいと思いますが、これは平成三十一年度予算で二千七百九十八億円、次の年度まで含めると約四千億円という非常に大きな予算でございますけれども、転売した場合の不正をどうやって防ぐんですか。

 例えば十万円のアクセサリーか何かを買ったとします。それを、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんと、どんどんどんどん転売をしていく。しかも、その間のカードを、VISAカードだったり、JCBカードだったり、ペイペイだったり、いろいろな決済手段でもって、違う決済手段でやると、特定のカード会社なんかではなかなか不正を見つけることは難しいと思うんですが、こういった不正はどうやって防ぐんですか。そして、本当に防げるんですか、大臣。

世耕国務大臣 今おっしゃるように、複数の小売店などが共謀して取引を複数回繰り返して、今回の制度を乱用、悪用してポイントを取得する、こういったことに対しては、決済事業者ともよく連携して、決済事業者に厳しい対応をとらせる旨事前周知をすることで防止に万全を期したいと思います。

 この問題は今でもあるんです、クレジットカードにはポイントというのがついていますから。今だってあるわけでありまして、決済事業者は既にこのキャッシュレス決済について、不正利用対策にいろいろ取り組んできています。彼らの経験を最大限生かして、今回、政府が絡んだ形でポイント制度を行う。

 そのポイント制度での不正をしっかりと防止をするために、ことし一月から、不正対策についての実務者検討会を発足をさせているわけであります。政府によるポイント還元事業の実施に当たっては、この検討会での議論も踏まえて、決済事業者とよく連携をし、決済事業者が行っている日常的な不正取引の監視についての知見も活用していきたいというふうに思います。(発言する者あり)

 どういう知見かというのは、申し上げるとこれは手のうちを見せることになるわけであります。

後藤(祐)委員 この決済事業者が複数にわたった場合というのは、決済事業者は今やっている知見ではなかなか難しいと思いますよ。

 大臣、複数というかたくさんの決済事業者の取引情報をどこかに一元化して、そこで全部合わせてみたらわかるというような手法をとるんだとすると、これは下手をすると、政府がキャッシュレス決済の情報を全て握る、どこかほかの国でやっているようなことが起きてしまうわけです。そういうことはないとお約束いただけますか。

世耕国務大臣 恐らくキャッシュレス業界はいろいろな取組をやると思いますが、政府が何かそれを一元的に日々の取引データを管理するというようなことは全く考えておりません。

後藤(祐)委員 業界はやるということは、複数のキャッシュレス事業者がお互いの情報を交換してということをやって、そこに政府がアクセスできたら、キャッシュレス決済情報は政府がもしかしたら全部知り得るような恐ろしい仕組みを今回つくるきっかけになっちゃう可能性があるんじゃないんですか。でも、これはもう既にほかのところの、この質問は出ていますよね。

 では、総理に聞きます。実際にこの不正は防げると断言してください。

安倍内閣総理大臣 アクセスしないということは先ほど経産大臣からお答えをさせていただいたところでございますが、あらゆることについて一〇〇%必ずということは断言はできませんが、当然、不正行為は決して許さないという厳しい態度で臨む考えであります。

 既に経産大臣から答弁をさせていただいておりますが、決済事業者は、さまざまなポイント制度などを既に独自に行っておりまして、不正利用は経営にも直結するため、その対策に取り組んできているわけでございまして、そうした知見を十分に生かして、決済事業者ともよく連携しながら、不正取引の防止に全力で取り組んでいきます。

 この連携しながらというのは、別に、それをアクセスしてどうのこうのということではなくてということでございます。

後藤(祐)委員 不正を完全には防げないということが今の答弁で明らかになりました。努力はしていくんでしょう、それは当然です。でも、防ぎ切ることはできないというのが今の答弁で明らかになりました。

 十一月二十六日、昨年ですね、この場で私がこの話をしたときに、総理は、無駄な歳出等を行うつもりは全くございませんと言っているんです。これは、不正な形でこの仕組みが使われたら、極めて無駄なお金の使われ方をしちゃうわけですよ。これは相当気をつけた方がいいと思いますし、足りなくなったら更に予算を追加する可能性も、午前中、世耕大臣はおっしゃっていましたけれども、これは、不正な使い方をして、それこそ一兆円、二兆円になる可能性もあるという御指摘も、きょう午前中ありました。

 やめましょうよ。これは、そもそもこの予算をやめるべきだと思いますし、どうしてもやるのであれば、青天井にするんじゃなくて、この予算が終わったらおしまいとしておかないと、もう不正な使い方でどんどんどんどん国民の税金が使われることになっちゃう。

 ペイペイの第二次の使い方というのは、ポイントを千円までというふうに限定しているんですね。一回当たりの取引、だから、五千円ぐらいまでと限定しているんですよ。すごい高額な決済は今回除いているんです。例えばそういう工夫をするとか、不正なやり方に対しての被害を最小化するようなことをもっと考えるべきだと思います。

 時間がないので次に行きますが、毎月勤労統計問題について一つ提案をしたいと思います。それは、東京都の五百人以上の事業者、千五百近くある事業者のうち五百ぐらいしかとっていなかった、それをどうやって補正をするかという議論になっているわけですけれども、そもそも全数調査が義務だったわけですから、全数調査をやり直したらいかがですか。

 これについては、一月十七日の統計委員会で議論されて、一月二十二日付で西村統計委員長から厚労省に対して、「東京都の「五百人以上規模の事業所」の全数調査を可及的速やかに履行すること」という措置を求めているんですね。これを受けて厚生労働省は、未来の話、ことしの六月以降の調査については全数調査を始めますというふうに一月三十日に述べています。

 未来はいいですよ。過去もやりましょうよ。どこまでさかのぼれるかというのは、ちょっとあるかもしれません。ですが、ある段階までの過去にさかのぼって、全数調査、多分とってありますって、五百人以上の事業者というのはそれなりにしっかりした会社ですから。しかも、これまで一回ぐらいはこの統計に対応したことがある会社ばっかりなんですから、ほとんどのところがとってあると思うんです。

 ですから、この千五百、要は五百でとれなかった残りの千について、過去にさかのぼって調査を追加調査すべきと思いますが、厚労大臣、いかがですか。

根本国務大臣 委員お話しのように、統計委員長からのお話、統計委員会からのお話もありましたから、おっしゃるとおり、これからは全数調査をする。

 ただ、過去にさかのぼってどこまでやれるのかなということと、再集計値については、統計的な観点から復元処理をして再集計値を出しましたから、統計のデータとしては再集計値というのを出させていただきました。それを更に全数調査で過去にどこまでさかのぼれるかということと、それをどう統計処理をするかというところに私は課題があるのではないかと思います。

後藤(祐)委員 実質の数字を出すときに、サンプルが少なくなるから確からしくないとか、そういう議論をずっとやってきているじゃないですか。千五百全部とれば、実質の数字もかなり精度の高い数字になるんじゃないんですか。サンプルを全部とり直せば、今までここで議論している話はかなり解決するところがあるんじゃないですか。もちろん、千五百全部とれないかもしれない。幾つか漏れるところはあるかもしれない。でも、それは、今までだって調査を拒否するような会社はあるわけですから、そこの補正のやり方はいろいろあると思います。

 何でこれを拒んでいるか。それは、予算額が変わっちゃうからじゃないですか。

 今回も、失業給付の予算というのは一・八兆円ぐらいなんですけれども、去年の十二月の段階で閣議決定した予算案は一兆八千二百五十四億円でした。ところが、今回追加給付をすることに伴って二百九十五億円が増額となって、今ここに提出されている一月に閣議決定された予算は、この失業等給付は一兆八千五百五十億円になっています。

 つまり、この全数調査、過去にさかのぼってやり直すと、決まって支給する給与額というのが変わるので、この失業等給付一・八兆円の額が変わるんです。そうすると、もう一回予算の額を変えなきゃいけなくなるから、それを避けるために、過去にさかのぼっての調査を避けているんじゃありませんか、大臣。

根本国務大臣 平成十六年から平成二十三年までの再集計に必要な資料のうち、要は、全数調査、それだけを調査しても、統計的な……(後藤(祐)委員「二十四年以降はできます」と呼ぶ)二十四年。十六年から二十三年までは、乖離値、乖離幅で推計した。それから、二十四年以降についても、しかし、これからさかのぼって全数調査した場合、それは、企業がどこまで過去に、当時の、例えば仮に、千五百弱だと思いますが、それをさかのぼっていった場合に、どの企業が今の段階で残っているか。そこがデータがとれるかどうかということと、とったときにどういう復元のやり方をするか、統計的な処理として。そこは私はなかなか難しいものがあるのではないかと思います。

後藤(祐)委員 調べてみたら、それは出せる会社が多いかもしれないじゃないですか。真実は、千五百全部調べ直すところにあるんですよ。

 総理、これは総理のリーダーシップで、千五百全部調べ直すと御決断いただけませんか。

野田委員長 後藤さん、質問時間が終了しました。

 総理、御答弁されるなら簡潔にお願いします。

安倍内閣総理大臣 既に根本大臣から答弁しているとおりでございます。

後藤(祐)委員 終わります。

野田委員長 これにて後藤さんの質疑は終了いたしました。

 次に、塩川鉄也さん。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 先ほどの続き、統計不正問題について質問いたします。

 根本大臣にお尋ねいたしますが、先ほど、統計担当の政策統括官が統計法違反の認識があるのかどうか、こういうことをただしたのかということが問いとしてありましたけれども、そもそも、厚労省の特別監察委員会の報告というのは、この統計不正にかかわった職員の全体像を明らかにしていないわけなんです。

 関与した職員一人一人についてヒアリングしているわけですよね。そういったヒアリングをした中で、それぞれの関係職員が統計法違反という認識があるのかどうか、このことを聞いているんですか。

根本国務大臣 それは報告書に、特別監察委員会の内容は報告書に書いてあります。そして、その報告書の中では、どういうつもりでこういうことをやったのか、それはそれぞれヒアリングをしておりますので。

 やはり、今回の特別監察委員会で明らかにしていただきたかったのは、事実と、やはりこれは担当した人間の目的、動機、認識ですから、そこは監察委員会の中で、それぞれの、部長クラス、課長クラス等々について、どうしてこういう判断をしたのか、どういう認識であったのか、それは聞いていただいている、報告書に私はそれぞれ書かれていると思います。

塩川委員 報告書を読む限り、そういう問いがあるというのはわからないわけですよ。要するに、ヒアリングの記録の中に、統計法違反ということについてきちんと認識をただしているのかということを聞きたいんです。

 というのも、厚生労働委員会の閉会中審査のやりとりを見ていたら、厚労省の答弁として、こういう不正事案については、課長級職員の間では、全て知りながら、漫然と従前の方法を踏襲したという話なんですが、部局長職員については、一部報告を受けた者もいたが、基本的には不正事案の把握を怠っていた、つまり知らなかったと。課長級は漫然とやって知っていたかもしれないけれども、部局長級については大半の人が知らなかった、こういう答弁なんですけれども、本当にそうなのか。これはちゃんと調べたのか。

 つまり、ヒアリング記録の中に、統計法違反という認識があったのかなかったのか、こういったことについて聞いているんですか。

根本国務大臣 それは、特別監察委員会で原因あるいは事実、それは検証していただきたいということで、特別監察委員会に我々お願いしていますから。

 あとは、特別委員会がそれぞれの職員に対して、そして、今先生おっしゃられたように、確かに、部長級で、やっていたことを知らなかった者もいたと報告書にも書いてある。そこは漫然と過ごしていたということもあった。だから、その意味では、そこの判断、どうして彼らがそういう判断をしたのかということは報告書の中で明らかにされておりますので。

 そこは、統計法違反かどうかというところまで、そこの個別の職員の認識、これは明らかに統計法違反だったのかはヒアリングの中身にもよりますが、これは、やっている人間は統計法違反であるという認識が薄かったから、だから法令を遵守する意識に欠けている、私は、報告書でそう言われているのは、そういう点だと思います。

塩川委員 部局長クラスはちゃんと聞いているのかということも問われるんですよ。ちゃんと聞いているのかと。

 私は、だから、資料要求をお願いしたい。こういう組織的な隠蔽が問われる問題ですから、ヒアリングをした関係職員の、そのヒアリングの記録を出してください。それと、こういった統計部署の歴代役職員のリストもちゃんと出してください。役職員のリストのうち、ヒアリングをした人がどれで、していない人がどれなのか、あるいは、処分を受けた職員がどこに当たるのか、処分を受けた職員の処分理由、こういう基本的なものを出してもらわないと議論が進まないんですよ。これは出してもらえますね。

根本国務大臣 特別監察委員会については、特別監察委員会としてやっていただいております。

 そして、その特別委員会がやったヒアリング関係の資料、これについては、処分につながるヒアリングであること、そして、正確な事実の把握を行うために非公開を前提に実施しているものであることなどから、やはりこれを開示することは適当ではないと考えています。

塩川委員 結局、調査報告が真相究明のためじゃないんですよ。処分者を決めるための調査で、これで一件落着にしようということが調査目的ということになるんじゃないですか。だからこそ真相究明できないんですよ。

 国会としてしっかりと明らかにする必要がある。関係資料を出してもらう、関係者に国会に来ていただく、このことを強く求めて、質問を終わります。

野田委員長 これにて塩川さんの質疑は終了いたしました。

 次に、浦野靖人さん。

浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。

 補正予算について質問をします。何か唐突感になってしまいますけれども、よろしくお願いいたします。

 補正予算の趣旨にそぐわないものが今回も計上されている、これは常々、補正予算のたびに指摘をされていることだと思います。

 これは、当初予算に計上するとプライマリーバランスの黒字化に影響があるからということで、もしかしたら、これから、この後議論する予定になっている本予算に入れたら黒字化に影響するから前年度の補正予算に滑り込ませて計上しているんじゃないかということまで疑いたくなるぐらい、補正予算にはいろいろやはり入れています。

 補正といいながら、第二次安倍内閣になってからも補正予算でほぼ定番になっている、これは朝日新聞の記事にもなりましたけれども、過去九回の補正予算でほぼほぼ毎回入っている予算があると。こんなのだったら、補正予算じゃなくて本予算に計上するべきじゃないかということだと思うんですね。

 さらに、財政制度等審議会も建議を出されております。「当初予算のみならず、補正予算も一体として歳出改革の取組を進めるべき」とわざわざ指摘をしているところもあります。

 私は、財政制度等審議会の建議はしっかりと受けとめていただけたらなと思うんですけれども、この審議会の建議の受けとめと、こういう指摘を受けて、補正予算のあり方について総理に答弁を求めます。

安倍内閣総理大臣 補正予算は、財政法により、当初予算編成後に生じた事由に基づき緊急性の高い経費の支出や義務的な経費の不足を補うために編成するものとされており、ただいま御審議いただいている補正予算についても、そうした緊要性の高い政策課題に対応するためのものであります。

 詳細については、麻生大臣から答弁させます。

麻生国務大臣 今御指摘のありましたように、第二次補正予算についてですけれども、この中には、特に昨年の災害の頻発とか、これに伴います景気の変動、また、米中の貿易摩擦等々ありますし、イギリスのEUの離脱というのがこの三月、いろいろ言われているんですけれども、こういった国際情勢の経済変化等々を踏まえますと、中小企業に与えます影響というのはいろいろなものが出てくるというのは、これは喫緊の課題になり得ると思っております。

 したがいまして、中小企業、この生産性を向上させるとか、いろいろなことをやらないかぬのですけれども、今、承継税制をやらせていただいたり、いろいろな形で体質を強化していただくようにしていただいているところですけれども、そういったものの予算もこの中に入ってきております。

 また、TPPの対策については、これは昨年の十二月の三十日に早期発効することになって、これは関税削減など、一挙に引き下げるところも出てまいりますので、これはチーズとか、それからハムとかいろいろありましたけれども、そういったものを含めて、農林水産業、これは喫緊にやらないかぬところがありますので、この農業の生産性向上等々、今結構いろいろやらせていただいているんですけれども、酪農の収益強化等々、設備投資支援等々の必要な予算を計上しておりますので、財政法の第二十九条に沿ってこれも適切に編成しておる、私ども、そう思っております。

 なお、プライマリーバランスの話が出ましたけれども、これは、いわゆるシステム・オブ・ナショナルとか、SNSというんですけれども、そういう国民経済計算ベースというのでやらせていただいておりますので、これは補正でやろうと本予算でやろうと、このプライマリーバランスの計算方法が変わるわけではございません。

 いずれにいたしましても、当初予算、補正予算にかかわらず、いわゆる無駄というものに関しましては、私ども、財政健全化に向けてしっかりやっていくように、一番の問題だと思っておりますので、きちんとやらせていただきたいと思っております。

浦野委員 時間が参りましたので、これで終わります。

野田委員長 これにて浦野さんの質疑は終了いたしました。

 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして平成三十年度補正予算両案に対する質疑は終局いたしました。(発言する者あり)

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

野田委員長 速記を起こしてください。

    ―――――――――――――

野田委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。太田昌孝さん。

太田(昌)委員 公明党の太田昌孝でございます。

 私は、自民党、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成三十年度第二次補正予算案について、賛成の立場から討論を行います。

 以下、その理由を申し述べます。

 第一に、国民の皆様の命と暮らしを守る予算であるという点であります。

 昨年、西日本豪雨、台風二十一号、北海道胆振東部地震など、大きな自然災害が相次ぎ、全国各地に甚大な被害をもたらしました。本補正予算案では、被災した農地、河川、道路、学校等の復旧、農家の設備や施設の再建、修繕に対する緊急支援、災害公営住宅の整備など災害復旧に二千百三十六億円を計上しております。

 また、重要インフラの緊急点検の結果を踏まえ、政府は今後三年間で集中的に防災、減災、国土強靱化対策に取り組むことを決定しましたが、本補正予算案は、その初年度の対策として、特に甚大な人命被害が生じるおそれのある箇所への水害や土砂災害に対応するための緊急対策の実施、学校施設の耐震強化などに一兆七百二十三億円を計上しています。

 近年、気候変動の影響から自然災害は激甚化し、更に発生頻度は高まっております。予算の成立後、これら緊急対策の速やかな執行を強く求めます。

 第二に、日本経済の屋台骨である中小・小規模事業者に対する支援が盛り込まれている点であります。

 中小企業生産性革命推進事業として千百億円を計上し、従来のものづくり・商業・サービス補助金、持続化補助金、IT導入補助金の三補助金を一体的に確保することで、企業のさまざまなニーズに弾力的に応えるものとなっております。

 また、円滑な事業承継や世代交代の支援に五十億円、実施まであと八カ月と迫った消費税の軽減税率制度の実施に向けた準備を支援する軽減税率対策補助金を五百六十億円積み増し、対策に万全を期しております。

 そのほか、昨年十二月に発効したTPP協定に対応するための農林水産業の強化策に三千二百五十六億円、保育の受皿の一万人分の前倒し整備などに四百二十億円、さらには、公明党の強い要望によって、三十九歳から五十六歳の男性を対象とした風疹ワクチンの無料接種にも十七億円を盛り込まれるなど、喫緊の課題に対応する予算となっております。

 以上、本補正予算案は、喫緊の重要課題に対応し、国民の皆様の命と暮らしを守る予算となっており、速やかな成立と、一日も早い執行を望みます。

 多くの皆様の御賛同を求め、私の賛成討論といたします。(拍手)

野田委員長 次に、川内博史さん。

川内委員 立憲民主党・無所属フォーラムを代表いたしまして、平成三十年度第二次補正予算案について反対せざるを得ないという立場で討論を行います。

 まず冒頭、厚生労働省の統計不正問題について、審議の中でも明らかになったように、厚労省みずからが虚偽の報告や故意の未報告を繰り返し、さらに、人間というのは間違ったりミスしたりするわけですけれども、そのミスや間違いが見つかった後どうするかが非常に大事なわけですけれども、その事態発覚後にお手盛り調査で稚拙な幕引きを図ろうとしたことは、組織的な隠蔽以外の何物でもないというふうに言わざるを得ないと思います。

 しかも、このような事態が発覚した場合、真相の究明、そして再発の防止を図るためには、担当の事務責任者がしっかりと私ども国会議員に対して説明をしていただくことが説明責任という言葉の意味であるというふうに思いますが、その担当者を早々と更迭をされたということは、政府自体もまた組織的に本件を隠蔽しようとしているという疑念を国民に生じさせることになるのではないかと言わざるを得ないと思います。

 国民の代表である究極の第三者委員会である国会の審議を妨害し、真相の究明、再発の防止から政府みずからが背を向ける行為を断じて私どもは認めるわけにはいかないわけであります。

 この場をおかりして、根本厚労大臣はその責任を明らかにすることをお勧めしたいというふうに思います。

 また、補正予算案の中身を見ますと、先ほど総理は、財政法二十九条の緊急性の高いものを盛り込んでいるのだという御答弁をされたわけでありますけれども、しかし、防衛装備品、F35A十八機、P1哨戒機二十機、C2輸送機三機、哨戒ヘリコプターSH60K十七機、これは、この補正予算に盛り込むことに果たしてどれほどの緊急性があるのか。

 防衛省の担当の人に聞いたら、納期が一カ月ぐらい早くなります、こうおっしゃられたわけでありまして、この補正予算の歳出項目を見ますと、ほとんどが全て繰越明許をとっていて、平成三十一年度に繰り越される予定になっているという意味においても、緊急性が大変に疑われる予算になっていると言わざるを得ない。

 さらに、本年十月に予定される消費税率引上げに伴う対策まで含まれている。まだ三十一年度予算案が審議されていないにもかかわらず、引上げ対策が含まれている。戦後最長とも言われる景気回復を安倍総理は御自慢になっていらっしゃるわけでございますけれども、それを背景として消費税の税率を引き上げる、こうおっしゃっていらっしゃるわけであります。

 しかし、私ども国民には、今なお景気回復の実感は伝わってきておらない。なぜなら、統計そのものを意識的に改ざんをし、そしてその信頼を失わせ、昨年も実質賃金はマイナスであったということが明らかになるなど、アベノミクスという言葉は成長と分配という言葉に象徴されるというふうに思いますが、名目はそこそこ成長をしていると言えるかもしれないが、実質はきょうの審議でわからないということがわかったわけでありまして、さらに、分配に至っては全く不十分で、格差は拡大する一方であるというのが国民の素直な実感なのではないか。

 そういう中で、日銀あるいはGPIFに株式相場を買い支えをさせている。官製市場のひずみが、国債市場のリスク要因とともに、ことしは大変に懸念をされる年になっている。

 そういう中で、消費増税というものに対しては、私どもは賛成をするわけにはいかない。反対の立場で、その関連経費が計上されている補正予算案にも賛成するわけにはまいらないということであります。

 もちろん、昨年相次いだ災害からの早期の復旧復興を目指す中で、他の地域の防災力強化に向けて必要な経費の計上は当然必要だというふうに思います。

 しかし、国民が寄せる政府への信頼が根こそぎ失われている今、そして、そのことと向き合おうとされていないように見える政府の姿を前に、このようなことを繰り返させないことが、そして歯どめをかけることが私ども国会議員の役目であるという思いで、平成三十年度第二次補正予算案に対し反対をできないということを繰り返し……(発言する者あり)賛成できない、失礼しました、賛成できないということを申し上げて、私の討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

野田委員長 次に、奥野総一郎さん。

奥野(総)委員 私は、国民民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の平成三十年度第二次補正予算二案について、反対の立場から討論を行います。

 政府統計の不正という前代未聞の事態に、予算編成の根拠に疑いの目が向けられています。

 きょうの審議でも明らかになりましたけれども、消費の動向を左右する実質賃金の伸びがプラスかマイナスか政府がわからない。これで消費税の引上げを判断できるんでしょうか。

 本補正予算には、幼児教育の無償化の準備や軽減税率対応レジ導入支援が盛り込まれています。参考値に基づき算出した実質賃金などのデータを公表しない中で、消費税引上げを前提とするこの補正予算に賛成することは到底できません。また、軽減税率が逆進性対策としてふさわしくないことは言うまでもありません。

 第二に、本補正予算には、当初予算では到底計上され得ないような事業が多数盛り込まれています。財政規律が緩んだばらまき予算です。

 例えば、箱物整備に使える地方創生拠点整備交付金として六百億円という巨額の予算が計上されています。地方から要望があるのであれば、精査をした上、当初予算に計上すべきであります。また、戦闘機の購入など、中期防衛力整備計画にのっとり当初予算に計上すべき事項も盛り込まれています。

 我が国民民主党は、災害復旧費を中心とする第一次補正予算には賛成をいたしました。しかし、以上の理由で、本補正予算には到底賛成することができません。

 この補正予算審議を通じ、安倍総理は、総雇用所得など、自分に都合のよい数字ばかりを並べて、実質賃金の低下など、アベノミクスが行き詰まっていることを認めようとされませんでした。多くの国民が景気の拡大を実感していないことは、世論調査で明らかになっているにもかかわらずであります。

 私たち国民民主党は、そうした国民の声に耳を傾け、現実的な新しい答えをつくり出していくとともに、本統計問題のような不祥事については厳しく本予算でも追及していくことをお約束をして、私からの反対討論といたします。

 以上です。(拍手)

野田委員長 次に、藤野保史さん。

藤野委員 私は、日本共産党を代表して、二〇一八年度第二次補正予算案に反対の討論を行います。

 今回明らかになった統計不正の結果、雇用保険や労災保険などで約二千万人、五百六十七億円の被害が生まれており、一刻も早い救済が必要です。

 同時に、今回の不正は、政府の経済認識、景気判断、税や社会保障、雇用などの政策判断に係るものであり、その影響は甚大です。

 厚労省は、不正の事実を知りながら組織的隠蔽を行っていました。しかも、政府・与党が、与野党国対委員長会談での全容解明に努力するという約束もほごにして、関係者の参考人招致を拒み、真相にふたをしたまま採決を強行しようとしていることは、断じて許せません。関係者の国会招致など、徹底的な全容解明を最優先で行うことを強く求めます。

 本案の災害対策費は、台風二十一号、二十四号、北海道胆振東部地震等による被害の復旧など、緊急かつ必要な支出です。

 しかし、最大の問題は、巨額の軍事費が盛り込まれている点です。

 そもそも、財政法上、補正予算が認められるのは、当初予算編成後に生じた事由に基づく緊要な場合に限られています。ところが、安倍政権は、この間、戦闘機、ミサイルなどの購入経費を補正予算に盛り込むやり方を常態化させています。

 本案でも、その傾向は顕著です。本案に計上された軍事費は三千九百九十八億円に上りますが、その八割を占めるのが、イージスシステム、最新鋭ステルス戦闘機F35Aなどを取得するための歳出化経費、つまり、兵器購入の分割払いの前倒しです。既に発注済みの兵器の後年度負担を繰り上げて払うことに緊急性がないことは明白です。

 また、本案は、十月からの消費税一〇%増税対策として、政府広報費、プレミアム商品券準備費用等を盛り込んでいます。しかし、統計不正による実質賃金のかさ上げが明らかとなり、消費税増税の根拠も崩れています。

 そもそも、今の経済情勢のもとで一〇%増税すれば家計にも経済にも大打撃を与えるものであり、絶対にやるべきではありません。

 さらに、本案には、TPP発効に対応する農地大規模化対策、原子力発電所再稼働対策などの経費が盛り込まれていますが、これも国民世論に逆行する予算です。

 暮らしと社会保障を応援するために、税金の集め方、使い方を抜本的に転換することを強く求めて、反対討論を終わります。(拍手)

野田委員長 次に、浦野靖人さん。

浦野委員 日本維新の会を代表して、平成三十年度一般会計補正予算並びに平成三十年度特別会計補正予算に対し、賛成の立場から討論いたします。

 しかし、もろ手を挙げての賛成ではないことを、この場で指摘させていただきたいと思います。

 三点あります。

 一点目は、本来は本予算に入れるべき内容が入っていることです。

 本予算後に生じた自然災害に対する復旧復興支援に対して補正予算がつくのであれば、わかります。しかし、防災、減災そして国土強靱化の予算は、国民の生命と財産にかかわることであり、本予算としてしっかり議論すべき内容です。防災、減災そのものに反対するわけではありませんが、本予算に入れるべきです。

 中小企業に対する支援も恒常的に補正予算に計上されていますが、であれば、本来、本予算に入れるべき内容です。

 長い間、来年度本予算を先行させた補正予算が続いてきましたが、常態化すべきではありません。是正すべきであることを指摘しておきます。

 二点目は、予算の遡及適用に関するルールが明確化されていないことです。

 我が党が平成三十年度第一次補正予算に賛成するに当たり、予算が遡及適用されたことを評価するとともに、予算の遡及適用に関するルールを明確にすべきであることを提起しました。

 しかし、本補正予算に当たっては、適用のルールが全く検討されていませんでした。補正予算は、緊急かつ柔軟性の高い運用が求められるものであり、遡及適用に関する一定のルールが定められなければ、地方自治体におけるモラルハザードを起こします。

 提案から三カ月もたちながら全く検討されていないということは国会軽視であり、指摘しておきます。

 三点目は、財政健全化に逆行していることです。

 新たな建設国債の発行は、第一次補正予算と合算すると二兆円になります。赤字国債の発行は三千億円減るとはいうものの、建設国債を追加的に発行した上で、結局は国債発行額がふえるようでは、財政規律は緩んでいるとしか言いようがありません。

 第一次補正予算以後、大規模自然災害は起きていません。にもかかわらず、防災、減災のためという反対しにくい予算をまぜ込んで、しかし実際には、本予算で入れ込むべき予算を入れて、建設国債を積み上げているわけです。

 我が党は、建設国債発行額の増加についても厳しく追及するとともに、プライマリーバランスの黒字化時期を下げることに異議を唱えます。

 以上、指摘した問題点について、今後、迅速かつ誠実な対応をとることを政府・与党に対して強く要望し、我が党の討論を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

野田委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

野田委員長 これより採決に入ります。

 平成三十年度一般会計補正予算(第2号)、平成三十年度特別会計補正予算(特第2号)の両案を一括して採決いたします。

 両案に賛成の皆さんの起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

野田委員長 起立多数。よって、平成三十年度補正予算両案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました平成三十年度補正予算両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

野田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時二十六分散会


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