衆議院

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第7号 平成25年5月17日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十五年五月十七日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 坂本 剛二君

   理事 うえの賢一郎君 理事 小里 泰弘君

   理事 林田  彪君 理事 原田 憲治君

   理事 平口  洋君 理事 吉田  泉君

   理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君

      井上 貴博君    伊藤 忠彦君

      泉原 保二君    大見  正君

      神山 佐市君    北村 誠吾君

      工藤 彰三君    笹川 博義君

      高鳥 修一君    竹下  亘君

      冨樫 博之君    二階 俊博君

      林  幹雄君    藤丸  敏君

      古川 禎久君    牧島かれん君

      松本 文明君    務台 俊介君

      湯川 一行君    吉川  赳君

      黄川田 徹君    寺島 義幸君

      中川 正春君    鷲尾英一郎君

      上西小百合君    高橋 みほ君

      濱村  進君    樋口 尚也君

      佐藤 正夫君    椎名  毅君

      高橋千鶴子君    小宮山泰子君

    …………………………………

   国務大臣

   (防災担当)       古屋 圭司君

   復興副大臣        谷  公一君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   厚生労働副大臣      秋葉 賢也君

   内閣府大臣政務官     亀岡 偉民君

   国土交通大臣政務官    坂井  学君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   原田 保夫君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        関  博之君

   政府参考人

   (消防庁国民保護・防災部長)           大庭 誠司君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 萩本  修君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           西藤 公司君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            守本 憲弘君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           樺島  徹君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           毛利 信二君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局下水道部長)    岡久 宏史君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   梶原 成元君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  黒江 哲郎君

   衆議院調査局第三特別調査室長           石川 晴雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十七日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     冨樫 博之君

  務台 俊介君     牧島かれん君

  三日月大造君     寺島 義幸君

  宮沢 隆仁君     上西小百合君

同日

 辞任         補欠選任

  冨樫 博之君     神山 佐市君

  牧島かれん君     務台 俊介君

  寺島 義幸君     鷲尾英一郎君

  上西小百合君     宮沢 隆仁君

同日

 辞任         補欠選任

  鷲尾英一郎君     三日月大造君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五六号)

 大規模災害からの復興に関する法律案(内閣提出第五七号)


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     ――――◇―――――

坂本委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、災害対策基本法等の一部を改正する法律案及び大規模災害からの復興に関する法律案の両案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官原田保夫君、総務省大臣官房地域力創造審議官関博之君、消防庁国民保護・防災部長大庭誠司君、法務省大臣官房審議官萩本修君、厚生労働省大臣官房審議官西藤公司君、中小企業庁経営支援部長守本憲弘君、国土交通省大臣官房審議官樺島徹君、国土交通省大臣官房審議官毛利信二君、国土交通省水管理・国土保全局下水道部長岡久宏史君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長梶原成元君及び防衛省運用企画局長黒江哲郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

坂本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。黄川田徹君。

黄川田(徹)委員 民主党の黄川田徹であります。

 通告に従い、順次質問していきたいと思います。

 東日本大震災を踏まえて、法制上の課題があった、前政権で第一次の一部改正、そして第二弾ということでありますね。そしてまた、復興の枠組み、これをあらかじめ法的に整備しておくという法案だと思っております。私も、与党から野党にかわりましたけれども、震災あるいはまた災害対策については与党も野党もないということでかかわってきましたので、みんなでいいアイデアを出しながら、立派な法律にしていければな、こう思っております。

 思い起こせば、もう二年が過ぎましたけれども、東日本大震災、二〇一一年の三月十一日、一番大事な七十二時間といいますか、被災者の生存の確保、あるいはまた行方不明者の捜索、そしてまた、残念ながら遺体の収容と、大変過酷な時期がありました。ボランティアの方々にも大変お世話になりましたが、最初の時期は、一般のボランティアの方々が活動するようなところではありませんでした。

 そしてまた、広域的な連携といいますか、あるいはまた国、県、市町村、さまざま連携しなきゃいけない。自衛隊、警察、消防、行政の連携等々も含めて、法案のさまざまな一部改正。それから復興に関しては、財源の問題、あるいはまた、さまざまな規制があったんだけれども、特例を設けて復興がスムーズにいくようにということで、さまざま措置されておるわけなのでありますけれども、私も被災者の一人でありますので、被災者の目線からちょっと初めに御質問していきたいと思っております。

 当時、私も総務副大臣をしておりましたので、さまざま、発災直後の被災者に対する支援がうまく動いていないということ等々がありましたので、総務省として、事務手続といいますか、東日本大震災関連の国民負担の軽減等を踏まえた実態調査をしてくれということで、その実態調査が出てきて、それが次の災害の復旧復興に役立つような、各省庁が自治体との関係でうまく動くような、そういうことをということで勧告もあったはずなんです。多分、三月一日に各省庁にも勧告があったと思います。

 その中で、罹災証明書というのがあるのでありますけれども、これは被災者からすれば最も大事な書類でありまして、自分がこれからさまざまな支えをしてもらうんだけれども、これがないと動かないということで、罹災証明書。何もなければ、一生にこんな罹災証明書をとることなんというのはないのでありますけれども、この罹災証明書、たしか法的な位置づけはなかったと思っていました。

 印鑑証明書もそうなんですけれども、自治事務というふうな形でそれぞれ動いておりまして、ただ、罹災証明書、個々の自治体の仕事としてやってもいいんだけれども、広範囲に被害が大きくなると、うちの市町村はこうだけれども他の市町村はこういうふうなことになっているとか、さまざまあるので、まず、罹災証明書はどういうものであったのか、ちょっとお伺いいたします。

原田政府参考人 お答え申し上げます。

 罹災証明書につきましては、災害により被災した住家等の被害の程度を証明したものでございまして、かねてから、法的位置づけのない、市町村の自治事務として、災害発生時に被災者に交付されてきたものでございます。こうした罹災証明書につきましては、先ほども御指摘ありましたように、幅広く活用されておりまして、被災者支援の適切かつ円滑な実施を図る上で極めて重要な役割を果たしているということでございます。

 こうした中で、東日本大震災におきましては、市町村によっては、罹災証明書の発行の前提となる住家被害調査の実施体制が十分でなかったことから、罹災証明書の交付に長時間を要したという事例も少なくなかったところでございます。

 また、これも先ほど御指摘ございましたけれども、昨年、総務省が実施しました調査におきまして、それを受けた勧告が三月に出されておりますけれども、この中で、罹災証明を遅滞なく交付すべきことについて法的位置づけを行うという勧告がございます。

 したがいまして、今回の法制化につきましては、東日本大震災における実態、さらには総務省における勧告を踏まえまして、罹災証明書を遅滞なく交付することを市町村の義務として災害対策法に位置づける。あわせて、これを実効あるものとするために、罹災証明書の交付に必要な業務実施体制の構築に平時から取り組むように努めることを市町村の義務として規定したところでございます。

 こうした法律に基づいて適切な対応がとられることによりまして、今後、災害発生時に迅速かつ円滑な対応が図られるものだというふうに期待しているところでございます。

黄川田(徹)委員 それで、罹災証明書の中身といいますか、例えば、目視で調査するとか、立ち入りで調査するとか、さまざまな取り扱いがあったり、あるいはまた、調査した結果、再調査も可能なんだけれども、その部分を自治体によっては住民の皆さんによく理解をしてもらえるような措置をしなかったとか、さまざま課題がありました。それから、大規模とかあるいはまた半壊とか全壊とか、さまざまあるのでありますけれども、自治体によって調査の判断がまちまちだということになると、これはまた行政の公平性とかにもとるということになります。

 ですから、こういう災害なんというのは、例えば、職員になって何もなくて退職する方もあるかもしれませんが、最近はいつでもどこでもやってくるということでありますので、やはりふだんからの備えといいますか、証明書の発行に当たっての実務を担う中での研修の必要といいますか、制度を設計すればそれで動くということではなくて、そういうことが大事なのではないかと思うのでありますけれども、この法案を提出するに当たって、実務がうまく動くような措置なんかもされたわけでありますか。

古屋国務大臣 まず冒頭に、委員におかれましては、みずから被害者ということで、被害者目線に立って御質問ということでございます。御両親、奥様、御長男、秘書さん、犠牲になられました。改めて、心から御冥福をお祈りしたいというふうに思います。

 その上で、今の御質問でございますが、自治体職員が罹災証明を出すに当たって、いろいろノウハウ等々を身につけて、その判定にばらつきがあってはならないのではないか、そういう趣旨の御質問だと思いますけれども、確かに、速やかな被害者支援のためには、被害者からの申請に応じて罹災証明書を遅滞なく交付する、これが必要でありまして、市町村があらかじめ住家の被害の状況の調査について専門的な知識とか経験を有する職員の育成をしていく、極めて大事でございます。

 今般の法改正においては、被害者から申請があったときには、市町村は遅滞なく住家の被害状況を調査し、罹災証明書を交付しなければならないこと、調査について専門的な知識及び経験を有する職員の育成に努めなければならないということを明確にしたところでございます。

 これを踏まえまして、内閣府におきましては、まず、住家の被害認定に係る標準的な調査方法や判定方法を示した災害に係る住家の被害認定基準運用指針、あるいは、住家の被害認定業務及び罹災証明書の交付につきまして、速やかな交付のための体制づくりの具体的な方法やほかの地方公共団体と連携をしていくための先進事例などを示しました「災害に係る住家被害認定業務実施体制の手引き」等々をつくりまして、それに基づきまして、都道府県の担当者会議を開催して研修を行うとともに、災害発生時や平時においても国の職員が現地に赴いて、市町村職員等に対してしっかりと研修を行ってまいりたい、こういう体制で臨みたいと思っております。

黄川田(徹)委員 本当に想定していなかったんですけれども、市役所自体が全壊する、あるいはまた職員が、私の市では臨時職員、嘱託職員も含めて百人以上を失ったということ等々で、役所が全壊するということは、今、電算システム、住民票とか、あるいはまた課税台帳の関係とか、全部ダウンしてしまうということの中でどうやってやるかということ。

 それから、罹災証明書によって、義援金といいますか、生活再建支援金とか、あるいはまた税の減免であるとか保険料の減免であるとか、さまざま出てくるわけでありまして、話がちょっと行ったり来たりしますけれども、特にも生活再建支援金、この制度設計は、国と県が半分ずつお金を出し合って、都道府県会館、あそこが事務局になって、もちろん、百人、二百人ぐらいの申請であれば即座の処理なんでしょうけれども、思い起こせば、何千人とかそういう単位、何万人という話になるととても処理し切れないということ等々がありますので、さまざま事前に備えた手順、手続、書面にあるだけじゃなくて、実際に起きたときにはこう行動するというようなところが大事だと思っております。

 次に、被災者台帳、やはり被災者一人一人に支援が行き渡るようにこういう台帳が必要だということで今回出ておりますけれども、これまでこういう台帳を整備していた自治体はあったんでしょうか。

原田政府参考人 お答え申し上げます。

 被災者台帳につきましては、単に行政の事務の効率化、合理化ということだけではなくて、お一人お一人の被災者についての支援状況が把握できるという意味で、支援漏れの防止に有効であるというふうに認識をしております。

 被災者台帳の整備状況でございますが、電算化されていないものについてはちょっと把握をしておりませんが、電算化されている被災者台帳につきまして申し上げますと、平成二十四年四月一日現在で一六・一%ということになっております。

 今回の法制化を契機に、こういった被災者台帳につきましても普及、定着を図っていきたいというふうに考えております。

黄川田(徹)委員 阪神・淡路大震災あるいはまた中越地震等々で、やはり、どこまで被災者への支援が行っているのか、その進捗状況の把握といいますか、そういうこと等々。それから、あくまでもさまざまな援助は、申請主義といいますか、それぞれ申請しなきゃいけない。そうすると、大規模にやられると、家族の中で子供だけが残ったとか、あるいはまた、じいちゃん、ばあちゃんだけが残ったという、ふだんそういう申請になれていない方々もおるわけですね。ですから、申請できるんですよということを問いかけができるような仕組みも大事だ、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 それで、自民党の務台先生から、首長の権限、大変なものを持っていると。権限を行使するにしても、例えば避難勧告、避難指示等々、そういう情報が必要だということで、今度、制度改正といいますか、強化されて、国も県も情報はきちんと送りますよということ等々があるのでありますけれども、この首長さんも選挙で出てきますので、我々もそうでありますけれども、全然経験されていない方が突然首長になるということもあるわけなのであります。

 ですから、今は罹災証明書とか被災者台帳の話をしましたけれども、もろもろ、各部門さまざまやることがあるわけでありますよね。被災の現場は自治体でありますので、自治体がフル稼働しなきゃいけない。ふだんから、災害、防災等々に備えた意識を高めておかなきゃいけないとか、そういう一体的な研修が必要じゃないかと思っておるわけなのであります。強化するべきではないかと思っております。

 例えば、首長は首長、そのもとにある幹部職員、国の方でもさまざまな項目をもって改正していますから、同時進行で自治体も、我々は法律をつくるところだけれども、その法律が生きた法律になるかならないかというのはやはり自治体が動けるかどうかでありますので、その総合的な、また、先ほどもちょっと研修の話をしましたけれども、そういうバックアップというのはどういうふうに考えているでしょうか。

古屋国務大臣 委員御指摘のように、被害者目線に立ったきめ細かな対応は極めて大切ですね。その実施をする最前線にいらっしゃるのが首長さんであり、あるいは職員の皆様方だと思います。こういった首長とか職員を対象にした研修というのは極めて大切だというふうに私も認識をいたしております。

 このため、平成二十五年度予算においては、防災を担う人材育成のための経費として一億三千万円を盛り込ませていただきました。具体的には、地方公共団体の職員約四百人に対して、有明の丘基幹的広域防災拠点施設を活用します。これは、実は私もつい先日視察をしてまいりました。しっかりとした研修もできる施設になっております。地方自治体の首長を含む幹部の職員とか中堅職員とか一般職員、それぞれの職務と経験に応じた災害対応能力を養うための研修を実施していきたいというふうに思っております。

 さらに、こういった研修とはまた別途に、一年を研修期間とする都道府県と指定公共機関の職員二十人、これは幹部、コアのメンバーということになると思いますが、それと三カ月を研修期間とする市町村の職員約四十人の合計六十人に対し、災害対策全般に関する地方の防災エキスパート、これを育成するための研修を実施させていただきます。

 こういった研修によって、内閣府の防災担当の業務に従事する、いわゆるOJTを中心としつつも、災害予防の視点から、応急対策、復旧復興等に関する講座、演習もあわせて行わせていただこうというふうに思っております。

 また、本年度、新たに人材を担う参事官を設置させていただきました。

 こういった施策や体制の強化によりまして、計画的に防災に関する人材の育成に努めてまいりたいというふうに思います。

黄川田(徹)委員 それから、災害が起きたときの支援策ということで、やはり広域連携が大事だということをつくづく感じております。

 先ほど言ったように、自衛隊、警察、消防等、全国から集まっていただいたこと、あるいはまた、当時のことを思い出しますと、亡くなった方の、例えば、具体的に言いますと火葬なんか、一気に遺体を焼かなきゃいけないということになって、市町村にあっては焼けない、とりあえず土葬にしてくれと。また時間がたって火葬だとか、本当に大変困難な状況になったわけであります。

 岩手にあっては、身元がわからずに、結果として火葬しなきゃいけない、職権火葬といいますか、そういう中で、千葉の方々と、千葉県のどこでしたかね、そういうふうな形で、岩手だけじゃないですから、宮城だって福島だってあります。それから、岩手の人間も、秋田とか山形でなければ火葬できなかったとか、いろいろな個別具体の事例があります。

 研修も、自分なんかは市町村職員からなった国会議員でありますので、例えば自治大学校とかあるいはまた市町村アカデミーとか、そういうところで研修しますと、全国から職員がやってきますので、そうすると、職員同士の、一宿一飯というわけじゃないですけれども、気持ちが、風通しがよくなって、いざ事が起きたときには頑張ってみんなでやろうというふうな気になると思いますので、その辺もよろしくお願いいたします。

 中身はかわりまして、次の設問を伺います。

 東日本大震災で、きょうは復興副大臣もおいででありますけれども、復興における省庁の縦割りを排して一元的な復興を推進するための組織として復興庁が設置されまして、我々の政権で足らざるところを現政権で一生懸命やっていただいております。予算を一括計上して、またワンストップで対応するということで今動いているわけであります。

 今度の法案で、復興対策本部は設置されて、その役割は基本方針を定めることなどと書いてありますけれども、復興の執行機関といいますか実行機関といいますか、復興庁について書き込んでいないわけでありますけれども、この辺のところはどういう理由からなんでしょうか。

古屋国務大臣 かつての阪神・淡路大震災であるとか今回の東日本大震災からの復興に当たっては、いずれも発災後に特別法の制定によって政府の復興対策本部を設置させていただきました。

 阪神・淡路大震災が局地的都市型災害であったのに対して、東日本大震災では、被災地域が極めて広域にわたりまして、都市部から農漁村までさまざまな事業が必要となりました。そのため、復興対策本部の設置後、復興庁設置法を制定して、予算の一括計上等を所掌する復興庁を設置した。もう御承知のとおりであります。

 こうした経験を踏まえ、阪神・淡路大震災であるとか東日本大震災と同等規模以上の災害が発生し、災害対策基本法による緊急災害対策本部が設置をされるに至った場合には、国の復興基本方針の案の作成などを行う復興対策本部を閣議決定によって設置するなど、一般化できる基本的な枠組みについては、今回の法律案についてあらかじめ制度化をしたところでございます。

 この復興対策本部には、関係省庁の施策の統一はもちろんのこと、いわゆる地方公共団体の施策もあわせた総合調整を行う権限を持たせています。

 さらに、復興を推進するに当たって、東日本における復興庁のように、今回の法律案に規定する復興対策本部よりもより強力な、予算の一括計上などの権限を持った組織であるとか、あるいは予算の執行権限まで有する組織が必要なのではないかという御指摘だと思いますけれども、実際には、具体的な災害の規模であるとか被害状況等をしっかり適切に踏まえて判断すべきことでありまして、こういったことについては、一般的な枠組みとしてあらかじめ法制化をするということはやや困難かなということでありまして、災害発生後において、必要が生じた場合には、速やかに、さまざまな意見を踏まえて検討されるべきものであろう、こういうふうに考えております。

黄川田(徹)委員 そのときの現状といいますか、どういう大規模災害になるか等々で判断して措置をするということであります。

 いずれ、国を挙げて、全省庁を挙げて復興に邁進するということなのでありますが、どうしても、先祖返りといいますか、各省庁とも、自分たちの仕事ということで、予算の措置ということになれば自分らもかかわらなきゃいけないということで、官僚の皆さんもかなり知恵を絞り過ぎて、我が省庁でもというさまざまな予算要求があって、その中身について、現地、被災地に重点的に行われる施策がやはり大事だと。繰り返すようでありますけれども、横断的な、やはりまとめるところがないと、現実的に復興も加速化していかないんじゃないのかというところがありましたので、その心配。

 もちろん、そのときになって、設置等々、国会でも議論されるのでありますけれども、私とすれば、むしろ復興庁の権限を強化して、ばらばらにやっていてさまざまな課題が出るよりも、先般も、課題が出るというのは前政権の中で出た課題なのでありますけれども、事業自体は否定されるものじゃないんですよ。ただ、それが復興の予算で使われて、果たしてというふうなところがあるわけですよね。基金に盛り込んでさまざま施策をやるということ、それは自分自身も反省しなきゃいけないのでありますけれども、その反省を踏まえて、やはり一元的に、しっかりと権限強化されたところがやるという方向性は間違いはないんじゃないのか、こう思っております。これは私の意見にさせていただきます。

 次に、財政支援の関係なのでありますけれども、国は、大規模災害が発生した場合に、特別の必要があると認めるときは、別に法律で定めるところにより、復興のための財政上の措置等を速やかに講ずるものとするということになっております。

 この財政上の措置について、特別の必要があると認めるときとあるのでありますけれども、必ず予算措置はすぐさま生じるものでありまして、何かこういうふうな文言で書かれていると、後ろ向きといいますか、積極的に予算措置をしてしっかりやるんだというのが見えてこないようなところがあるので、その辺はどうでしょうか。

古屋国務大臣 今の五十七条の財政措置の規定、これは決して、今委員御指摘のように後ろ向きな文言ではありませんで、やはり災害の際には何らかの歳出が必要なのはもう当然のことでありまして、これを別に全く否定しているものじゃないんですね。

 財政上の措置については、必ずしも法律により手当ては要するわけではないんですけれども、個々の災害の状況等に応じまして、具体的内容も含めて、特別な必要があると判断した場合に速やかに法制上の措置を講じましょう、こういう趣旨でこの規定がなされているわけでありまして、今申し上げましたように、決して後ろ向きの規定ではないということを御理解いただきたいと思います。

 今回の法律によりあらかじめ制度化するものと、制度化が困難なものもございますので、そういったものもしっかりあわせて、適切な、そして迅速な対応をとっていこうということをこの法案は意図しているということを御理解いただきたいと思います。

黄川田(徹)委員 しっかりと予算措置をするんだと。形上はといいますか、文言上はそう見えるかもしれないけれども、見えると思う方がちょっとおかしいと言われたような感じもしますけれども。

 では、具体的に、別法で定める財政上の措置はどういうものを想定しておるのか、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。

原田政府参考人 お答え申し上げます。

 五十七条で、財政上の措置その他ということで規定しておりますけれども、これにつきましては、具体的な措置は実際の被害状況によって異なるものと思われますけれども、これまでの阪神・淡路大震災や東日本大震災における例等を勘案しますと、例えば、公共土木施設等の災害復旧事業の対象事業の追加、それから被災者支援の関係の税や各種保険料の減免、あるいは特定の産業に係る立地規制の緩和などが考えられるところでございます。

 いずれにしましても、円滑かつ迅速な復興のために、全体として、的確かつ迅速に、発生した後、対応してまいりたいというふうに考えております。

黄川田(徹)委員 私は何度も言うのでありますけれども、被災地の現場は自治体であると。平時の仕事で予算は組み込まれておるというか、計上されて執行されておるのでありますけれども、大災害となれば有事であります。

 そこで、その被災地をどう支えてやるかということの中で、復旧復興に係る予算は地方負担ゼロだという形で、地方交付税、一部改正して復興特別交付税という仕組みをつくってしっかり支えておる。それでもまだ足りないとは言われますけれども、そういうふうな部分をしゃべってもらえれば、それは実務の方々ですからあれなんですけれども。

 ちょっと大臣、私、通告はしていないんですが、地方負担の部分で大変な状況になるんだけれども、その部分は、例えば原則としてこれまでどおり地方負担原則ゼロのような形を持っていくとか持っていかないとかというのは書き込めないかもしれないけれども、今回の震災の中で、自治体の事業の負担、結果的にゼロということで、何でもゼロじゃないんですけれども、そういう考え方があるんです。

 被災地自治体に対する財政支援の中で、大規模災害で、東日本大震災みたいな、まだまだ中山間地、過疎地のところでの被災じゃなくて、首都圏直下型、あるいはまた名古屋とか大阪とか、東海、東南海、南海、南海トラフとかいろいろな、本当の意味で国家財政が破綻するようなことはないと思うのでありますけれども、どういう形で支えるという、さまざまな考え方があるんですが、地方に対する支援という基本的な考え方といいますか、その部分をちょっとお伺いいたしたいと思います。

古屋国務大臣 今委員御指摘の、今後は、南海トラフ巨大地震あるいは首都直下地震、こういったものに遭遇をする可能性は高いですね。それは、過去の東日本あるいは阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、やはり現場主義というのが非常に大切だと思うんです。それで、地方公共団体も、それぞれ地方公共団体は、財政力の強さ、弱さも含めて、非常に差がありますね。だから、そういった差があるということをしっかり我々は認識をした上で、できるだけの支援をしていくというのが大原則だというふうに思っております。

 今、事前にちょっと質問をいただいていないものですから、具体的な数字をちょっとお答えするのはここでは御勘弁いただきたいんですが、考え方としては、私は、黄川田委員と共有しているというふうに認識をいたしております。

黄川田(徹)委員 もちろん、交付税の不交付団体とか、あるいはまた、本当に財政力指数が〇・一とか〇・幾つかというところもありますから、そういうところを勘案してということで。いずれ、復興復旧の現場は地方自治体であるということは認識をしていただきたいと思います。

 それから、すぐさま東日本大震災で補正予算を編成し、執行しなきゃいけなかったんですけれども、残念ながら、十一月の三次補正までということになってしまった。その後、復興庁も年が明けて二月になってしまった。

 我が政権も、私はその当時、政権に入っていませんでしたけれども、財務大臣が総理大臣になり、次も財務大臣が総理大臣になりということで、どうも、予算ですから、歳出もあるけれども、歳入歳出がそろわないと予算が編成できないような、そんなところがあったのかということで、速やかな予算編成といいますか、もちろん国民の税金を使うことでありますので、結果として、増税の部分でしっかりと歳入歳出の枠組みをつくって第三次補正ということなんでしょうけれども。

 被災者の目線からすれば、やはり速やかな補正予算編成、そして執行というのがありますので、やはり、スピード感を持ってすぐさま予算措置をするというその部分は、これは与党、野党にかかわらず、財務省の考え方もあるかもしれないけれども、そういう考え方も、大震災、非常時の場合は違うんだということを大きな声でやっていただきたい、こう思います。

 残り時間も少なくなってしまいましたので、せっかく復興副大臣をお呼びしましたので、ちょっと災害公営住宅に関して質問いたしたいと思います。

 応急仮設住宅、みなし応急仮設住宅等々、今、住宅が建ってきつつありますし、入居者もおるわけでありますけれども、例えば応急仮設住宅、これは一戸当たりどのぐらいお金がかかっているのか、あるいはまた、みなし応急仮設住宅入居に関してどのぐらいの金銭的な補助がされておるのか、お尋ねいたします。まず事実関係から。

西藤政府参考人 お答えさせていただきます。

 まず、建設された応急仮設住宅につきましては、被災三県の平均で一戸当たり約六百六十万円の建設費となっております。また、民間の賃貸住宅を借り上げたみなし仮設住宅の一戸当たりの家賃につきましては、被災三県で平均一月当たり約五万五千円となっております。

黄川田(徹)委員 私も応急仮設住宅に入っていますけれども、六坪、九坪、十二坪とか、大体平均で六百六十万ですか。それから、あと五万五千円ですか、みなしの場合は。

 それで、今、災害公営住宅建設、入居者も募集ということ、入居されておる方もおりますが、災害公営住宅は一戸当たり幾らぐらいするんですか。平均でいいですので。

毛利政府参考人 災害公営住宅の建物の建設費でございますけれども、加算を含めない標準建設費で見ますと一千百万から一千五百万ぐらいになりますけれども、加算も含めて復興交付金の事業費で今回配分しました総額を予定戸数、千九百二十六戸で割り戻しますと約二千百万円ということになっております。

 また、建設後の修繕、設備の点検等、維持管理費につきましては、建設費から一般的に推計いたしますと、変動はございますけれども、平均いたしますと一住戸当たり年間約三十万円と見込まれます。

 なお、御承知のように、自治体には家賃収入がございますけれども、東日本大震災につきましては特別な減額措置というのを行っておりまして、国が特別な支援もあわせて行っているところでございます。

 以上でございます。

黄川田(徹)委員 応急仮設住宅なんかは、基本的には二百四十万ぐらいでつくるという話だったんだけれども、寒冷地仕様といいますか、あるいはまた入居の年数もちょっと長くなるということ、あるいはまた追いだき機能であるとか、あるいはまた入居が長くなれば物がふえるということで物置をつくったりとか、そういう形で金額がふえてきたんでしょう。二千百万とか六百六十万、足すと何かうちが建ちそうな感じもするなというところもあるのでありますけれども。

 地元に行くと、自力再建支援を手厚くした方が財政負担は軽くて被災者にとってもよいのではないか、そういう御意見を話す方もいるのでありますが、こういう意見に対してどう感じておりますか。

谷副大臣 黄川田委員御指摘のように、私も何人かの方から、今答弁させていただきましたように、応急仮設住宅が六百六十万、これは撤去費も含めると七百万を超えるかもわかりません。十八年前の阪神・淡路の倍以上です。また、恒久住宅は、十八年前でも二千万円はかかっておりましたが、今回は資材費の高騰などを考えるともっとアップするかもわからない。だから、コスト面から考えれば、お金を被災者にもっと渡して自力再建を促す方が効率的ではないかという見方もできるかと思います。

 ただ、現実に、黄川田委員御承知のとおり、被災地の現状を見るときに、お年寄りの方に、お金を渡すから応急の住まいを見つけてください、あるいは恒久的な住宅をみずから探してくださいということが現実的かどうかということもしっかり見比べながら判断しなければならないと思います。目の前に困っている方がいるときに、行政として、お金で、あとは自力でと。社会的弱者と言われる方が相当数、今回の被災地でもおられます。

 ですから、そういうことをあわせながら、もちろん将来の高齢化の進展とか費用面もあわせて考えなければなりませんけれども、一概に、今の政策を大きく変えるということは私は慎重であるべきだと思っております。

黄川田(徹)委員 副大臣から答弁いただきましたけれども、個人財産の形成には公のお金はなかなか出しにくいということで、ですから生活再建支援金の関係も議員立法で充実されてきたということ、それから、今お話しのとおりなのでありますけれども、地域の、被災地の要望があったので、基金を使いながら自主再建といいますか、住宅再建するのであれば、自治体の判断によってさまざま支えてくださいということで、それもさまざま今動いておるようであります。

 いずれ、最後にお話を、質問じゃなくてさせていただきますけれども、遅かった災害公営住宅、恒久住宅も、今まさに本格建設といいますか、入居も始まってくる。最初は自力再建という思いでいた方も、アンケートをとるたびに、ちょっと無理かなということで、災害公営住宅の方にということにもなってくるわけであります。

 また一方、被災地、仙台市は政令指定都市でありますけれども、ほかのところは明らかに少子化、高齢化ということで、十年後、どういう人口構成になっているかというのも出てくるわけであります。空き家になった場合の維持管理は地方の負担になるということになると、これまた大変な、新たな政策ということになりますので、どうか、自治体と風通しをよくして、現実に合った戸数といいますか、計画したからそれを必ずやらなきゃいけないということではなくて、常に自治体とキャッチボールをしながら、復興のために頑張っていただきたいと思います。

 以上で終わります。

坂本委員長 次に、高橋みほ君。

高橋(み)委員 北海道選出、日本維新の会の高橋みほでございます。

 災害対策基本法等の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。

 まず第一に、避難行動要支援者名簿についてお尋ねしたいと思います。

 本法案では、市町村長は、高齢者、障害者などの災害時の避難に特に配慮を要する者について名簿を作成し、原則として、本人からの同意を得れば、消防機関や民生委員などの関係者に対して、必要な限度で、あらかじめ情報提供をするものとされています。

 私は、高齢者や障害者の方など避難が困難とされる方たちの名簿をつくり、それをもとに避難確認などをすることは大変大事なことだと思っております。そこで、先日の本会議で、避難行動要支援者名簿をつくっただけでは余り意味をなさず、これらの方たちを実際にはどう避難させていくのかの方が大事であるから、名簿に記載された要支援者をどのように支援していくことが可能と考えているのか、どのような体制をとっていく予定なのかという質問をいたしました。

 そのときの答弁の内容ですが、そのときは、市町村が作成した名簿に掲載をされた要支援者の方々については、災害時の避難、救援が迅速かつ円滑に行われるよう、本人の同意を得て、あらかじめ、市町村から消防団や民生委員といった地域の避難支援者に名簿を提供することとしております。これを受け、避難支援者は名簿に掲載された要支援者と個別的に面談を行い、災害時に必要な避難支援の内容や避難経路などを事前に確認しながら、一人一人の要支援者について具体的な避難支援計画の作成を行うことにしております。また、こうして作成した個別の避難支援計画に基づき、災害の発生に備え、要支援者とその避難支援者が日ごろから避難訓練などを十分に行っていくことにより、実際に災害が発生した場合にも実効性のある避難支援が実施できる体制が構築されるものと考えております。このような取り組みについては、国において今後見直しを予定している災害時要援護者の避難支援ガイドラインの中でも具体的に示し、関係者に対して十分な周知を行ってまいりますという答弁をいただきました。

 この答弁をいただいた後に、私はずっと考えていたのですけれども、原則、一人一人に対して避難行動支援者をきちんと指定しておくということになるのではないかと思います。

 そうだとしますと、足が悪かったり寝たきりの方たちにとっては、名簿に載っているのだから結構安心だと考える方も多いかと思います。そしてまた、都会に出ている子供さんたちなどは、地元の両親がもしものときには要支援者として周りからの保護を受けられるかもしれないから、これは大丈夫だろうと安心することもあるかと思います。

 ただ、またこれも別なところで考えますと、今回の津波の件で、津波てんでんこということわざというか格言が、よくいろいろなところで紹介されていました。これは、みずからがてんでに逃げていくことが、結局はいろいろなところで命を助けることになる、他人のことは一応おいておいても自分がまずは逃げようというような格言だと聞いております。この言い伝えを守って、できる限り逃げたがために命が助かった方も多いかと思います。

 これを考えますと、では、この名簿に登載された場合、どのくらい避難行動要支援者は安心できるのかというのを知りたがるのではないかと思います。例えば、地震が来て津波が襲来する可能性がある場合、できる限り自力で避難するべきなのか、それとも、避難支援者が来てくれるのを待ってから行くべきなのか、きちんと知っておいた方が、本当に実際に津波が来たときには役に立つのではないかと私は思っております。

 そこで、この名簿の使い方としまして、この名簿は、例えば地震が来て津波が襲来しそうなときに、津波から避難するような、生命の危機が生じようとしているような場合に使われるのか、それとも、津波などが来て、一応終息して、安否確認などに使われるのでしょうか。ここをお尋ねしたいと思います。

古屋国務大臣 過日の私への本会議での質問に対する、再質問という形だと思いますけれども、確かに、避難行動要支援者名簿をつくるだけでは意味がないんですよね。いざ災害が生じたときに、その名簿をいかに有効的に活用して、そして要支援者をどうやって安全に退避させるかというところなんですね。

 これはもちろん、本人のそういった気持ちというか自覚も必要でしょうけれども、要介護の方でございますから、一人ではやはりやることに限界があるということになりますので、例えば、個別の避難支援計画の策定とか訓練、こういうものをあらかじめ十分に日ごろから行うというのは大切ですよね。突然その本番が来ても、なかなか芝居でも音楽でもできませんけれども、あらかじめリハーサルを何度も繰り返しておけば本番もうまくいくというのと同じ考えですよね。そういう取り組みが必要だと思います。

 それからもう一つ。やはり、避難の支援者が、実際に指定された支援者がいない場合もあり得るわけですよね、外出をしているとか。ですから、そういったことに備えて、一人一人の要支援者に対して複数の避難支援者が相互に協力をし合いながら避難支援に当たるという形が望ましいんでしょうね。ぜひそういう形を現場においてもとっていただきたいなというふうに思います。

 それから、やはり、名簿情報を受け取っていた避難支援者が、自分やあるいはその家族の身をまず災害から守るということもありますので、要支援者の避難支援に当たることができないということも想定されますよね。

 だから、そういう意味からは、この支援者名簿を活用した避難支援というのは一〇〇%ではない。そういう意味では限界があるけれども、しかし、そのリスクをできるだけ減らす。だから、一人ではなくて複数の人をあらかじめ指名しておけば、そのリスクはぐっと下がってくるわけですから、そういった形で対応していく。やはり、現場でしっかり相談をし合って、事前に訓練するなどして、あらゆるシミュレーション、想定をして対応するということが何よりも大切だというふうに思っております。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 私も、一人に一人の要支援者がいたような場合でその人がたまたまいなかった場合とか、いろいろな場合があると思いますので、一人に一人の人が責任を持つというのは無理だと思います。やはりある程度の人数で当たるということが妥当だとは思うんですけれども、例えば、その人たちが三人ぐらいは来てくれるからいいなという要支援者がいた場合、支援者が誰も来てくれなかった、もしもの場合亡くなってしまった、その遺族などは支援者が何人かいると思っていたから安心していたんだけれども、死んでしまった。

 責任とかというのは全く考えられないものなんでしょうか。もし自分の身が大事ならば、逃げてもいいよという判断でよろしいでしょうか。

坂本委員長 大臣が退席されますので、副大臣から答弁願います。

西村副大臣 済みません、私も別の委員会で答弁をしておくれて来ましたので、ちょっと流れを把握していないところがあるかもしれませんけれども、御指摘のとおり、要支援者に対して支援する方々も、あらかじめちゃんと想定をして訓練するなどのことが必要な上に、やはり二重三重にカバーし合う仕組みをしっかりつくっておくことが大事だと思います。支援に当たるべき人が場合によっては被災をされて動けないケースも当然考えられますので、できる限り二重三重の仕組みをつくっていくということが大事だというふうに認識をしております。

高橋(み)委員 今のお言葉によると、もし支援者がその方のところに行かなかった、何らかの理由があって行けなかったという場合は、やはり何の責任もないということで当然ということになるんでしょうか。

西村副大臣 もうそれはケース・バイ・ケースで、いろいろなケースが考えられますので、御自身が被災されているケースもあるでしょうし、これはもうそのケースごとに判断をしていくしかないというふうに思います。

高橋(み)委員 何で私がこんなにしつこく聞いたかと申しますと、支援者になってもいいよという人は、きっとこの日本ですから、たくさんいると思うんですね。ただ、その人たちにやはり何らかの責任を負わせるというか、そういうことがあるとしたならば、支援者になりたがらない可能性もあるんじゃないかと私は思いまして、もちろん道徳上のものであって、余り責任もないときちんと言っておいた方がいいのではないかと思いまして、この質問をさせていただきました。

 次に行きたいと思います。

 今回作成されることになる名簿は、ある程度、一定の自治体でつくられているということですが、少し前にこのような新聞報道がございました。

 四月十三日の淡路島の地震で大きな被害を受けた洲本市と淡路市で、災害時要援護者をまとめた台帳に記載されているほとんどが高齢者で、大半の障害者が未登録だったことがわかった。障害者の安否確認も支援団体やサービスを提供する社会福祉法人任せの状態で、把握漏れを指摘する声もある。政府は市町村に要援護者名簿の作成を義務づける法案成立を目指しており、名簿登録者の対象拡大も課題となりそうだというのが、毎日新聞の四月二十三日のネット版の記事です。

 せっかく台帳をつくっても、このような把握漏れがかなりあるとするならば、意義が半減してしまうのではないかと思っております。要援護者のピックアップはどのようにされているのか、その点、きちんと把握なり、指針があるのか、お伺いしたいと思います。

西村副大臣 淡路島は私の地元でありまして、この間の地震の後、私もすぐに地元に入りまして、各市長とまさにこの名簿の話もいたしました。

 そのときに私が聞いたのは、三市ともに要支援者の名簿はしっかりつくっている、ただ、それを消防団の人たちとかほかのところの人に個人情報保護の制約があって出せないので、結局、つくってもなかなか使いにくいんですというお話を各市長からはいただいたところであります。

 今御指摘のあった、要支援者が高齢者だけで、障害を持った方々が入っていたのかどうかということは承知をしておりませんけれども、しかし、そういう報道があったことを前提に、我々もいろいろ調べたり、これまでの経緯をもう一度確認をしますと、確かに名簿をつくっているところはあるんですけれども、各自治体の福祉の部局から、そこが保有する情報を防災部局に提供していないケースも多々あるようでありまして、いわゆる要支援者の情報が共有されていないということがあるようであります。結果として、掲載率が低い割合にとどまるような自治体も多いのではないかというふうに思います。

 今回の法改正においては、そうした点も踏まえて、各市町村長に名簿の作成を義務づけるという中で、個人情報の利用が可能となるように所要の規定を置いております。

 まず、名簿の作成については、これは要支援者本人の同意を得なくとも関係部局間で共有できる、漏れなく把握をして名簿に掲載するということが可能となっておりますし、その利用の仕方ですけれども、本人の同意を得て、地域の支援者、これは消防団であったり自治会であったりするわけですけれども、そうしたところに平時から提供して、実際、災害が発生するおそれがある場合には、本人の同意の有無にかかわらず、避難支援者、消防団とかそういった支援者に名簿を提供することができるというふうにしたところであります。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 これはちょっと細かい数字ですので、わからなければ全然構わないんですけれども、実際に、初めにつくるのはもちろん同意を得なくても、内部でつくって見せてもいいと思うんですけれども、同意を得て事前に提供する場合、同意をどのくらいの人たちが拒否しているのかというような資料とか、調べているのはあるんでしょうか。ちょっとお伺いしたいと思います。もしわからなければ、ちょっと私が今思ったので。

西村副大臣 済みません。わからないようでありますので。

高橋(み)委員 済みません。ありがとうございます。わかりました。

 それでは、名簿をつくっても魂入れずではどうしようもないとか、つくりながら問題点がいろいろ出てくると思いますので、ぜひ、本当に事が起こったときにうまくいくような名簿をつくっていただければと思っております。

 では、次の質問に移りたいと思います。

 市には、政令市、中核市、特例市などいろいろあります。しかし、本法ではこれらを区別せずに一括して扱っております。

 仙台市長が平成二十四年五月八日の記者会見で、災害対策基本法や災害救助法において、指定都市を含めた大都市の位置づけがなされていないため、現場の状況を熟知し、かつ人的、物的資源を有する大都市の力が復旧に十分生かされず、迅速な対応が阻まれることになったから、この状況を変える必要があると感じておりますと述べたそうです。

 確かに、政令市と人口が五、六万の市とが同じ権限しかないというのでは妥当ではないように思います。住民の真のニーズを把握して実行に移すのが基礎自治体である市町村だと考えますと、可能であるならば大規模市町村に権限を渡した方がいいのではないかとも思われるんですけれども、それにもかかわらず、一律に市町村をこの法案等で扱う理由は何でしょうか。お尋ねいたしたいと思います。

西村副大臣 御指摘の点については、仙台市長からも、都道府県と同列に扱うことが適当との御意見、政府にも御提案をいただいているところでありまして、その御要望はよく承知をしております。

 一方で、政令市が都道府県と同じ立場で災害対策を行うということにした場合に、都道府県知事が広域的な観点から行う人的、物的資源の配分調整、そうした観点から政令市が抜けてしまうことの支障が生ずるのではないか、県の方の関係者からはそういった意見、懸念も示されているところであります。

 これはなかなか難しいところで、政令市と都道府県によってちょっと立場が分かれておりますので、まずは都道府県と政令市の間で具体的にいろいろ意見交換をしていただいて論点を詰めていただければと思っておりまして、県から市町村に、政令市も含めてですけれども、委任をする規定もありますので、そうしたところも、どういう場合にそういう規定を活用するのかということも含めて、まずは御議論いただいてというふうに思っております。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 それでは、今のお答えは、県などの権限をとってしまうと広域的な観点からは余り妥当ではないというお話だったと思うんですけれども、今の私の質問とはちょっとベクトルが違うというか、逆方向の質問になるかもしれないんですけれども、震災時の広域の連携ということについてお尋ねいたしたいと思います。

 今回の東日本大震災のような広域の災害の場合、都道府県レベルではやはり対処し切れないということが今回指摘されたと思います。しかしながら、国レベルでそれをやるということになると、縦割りの指揮系統が顔を出して、省庁横断的な調整が難しいとの声も地域から上がってきていると思います。

 例えば、道路一つをとっても、農林水産省なら農政局を通じ農道を、林野庁は森林管理局を通じて林道を、府県であれば府県管理道を所轄するといった、指揮系統が異なることになります。そうであるならば、国の出先機関などを広域連合に統合して、縦割り行政を排除していくということも検討に値するんじゃないかと考えます。

 この点、よくFEMAが必要という声もございますけれども、アメリカでは、国土保全省のような超巨大官庁ができたときに、二〇〇五年のメキシコ湾岸を襲ったカトリーナというハリケーンにおける災害対策では、FEMAを初めとする国や地域の公的機関が来襲に備えていたにもかかわらず、避難、救援物資の供給、被災地の治安などで、災害対策行動が全く期待した効果をもたらさなかったというような難点もあるようです。

 この例では、指揮系統が大幅に乱れてしまったから余り期待した効果を得なかったということなんですけれども、やり方によっては、広域連合などを使うというのも一つの手かと思っております。今後予想される南海トラフ巨大地震などではそのような広域連合体制がよいのではないかと思うところでありますが、この点どうお考えか、お尋ねしたいと思います。

亀岡大臣政務官 まさに今委員が指摘されたとおり、広域連携というのは、都道府県がしっかりと、被災に遭ったときに、連携を深めなければいけない。まさに南海トラフ巨大地震のようなものは、その指揮系統がしっかりしていなければいけないということは、今回の東日本大震災で立証されたところであります。

 今、具体的には、既に全国の都道府県が、全国都道府県における災害時の広域応援に関する協定というものを締結しているところでありまして、さらに本年の三月に全国知事会において、この協定の運用に当たって、災害の規模に応じて、順に、地域ブロック内、ブロック間または複数ブロックの都道府県が応援を行うことや、支援を行う都道府県の標準的な役割や機能等を例示した具体的な活動モデルを作成したところであります。

 今後、関係省庁や全国知事会等とともに、地方公共団体間の応援体制の仕組みの具体化や広域的な訓練の実施により、地方公共団体間の広域連携体制の構築に努めてまいりたいと思います。

 それからまた、日本版のFEMAも我々防災の方として検討しておりまして、FEMAと同じものではなくて、日本版の、人材の育成をしながら取り組むということで、今年度から予算をつけて取り組んでいるところであります。

高橋(み)委員 ありがとうございます。期待をしております。

 次の話題に行きますけれども、自衛隊と緊急災害対策派遣隊、TEC―FORCEなどの連携などについてお尋ねしたいと思います。

 私は、自衛隊の災害派遣といいますと、福島原発に海水を投下しようとしている自衛隊のヘリコプターとか、また、二十八万八千四百六十三頭もの肉牛を殺処分せざるを得なかった二〇一〇年の宮崎口蹄疫で粛々と作業を行う自衛隊員の方の姿が目に浮かびます。本当に自衛隊の方々の災害救助における御活躍には頭が下がります。

 ただ、自衛隊の主な任務は国土の防衛であり、災害派遣は従たる任務でもあります。そうであるならば、従たる任務において活動するものに関して、すなわち災害派遣に関しましては、どれだけいわゆる専門的になっているんだろうかと疑問に思うところもあります。すなわち、自衛隊には災害の専門家が一体どのくらいいて、どのくらい災害に対する訓練をしているんだろうか、災害に対する予算が幾らぐらいあるんだろうか、私の興味があるところでございます。

 ところで、東日本大震災のときには、国土交通省の緊急災害対策派遣隊、すなわちTEC―FORCEが活躍されました。

 TEC―FORCEは、大規模な自然災害に際して、被災状況の把握や被災地方自治体の支援を行い、被災地の早期復旧のための技術的支援を迅速に実施することを目的に設置されたものだそうです。大臣の指揮命令のもと、全国の各地方整備局などが、被災状況の調査や緊急輸送路の確保や被災地方自治体の支援、二次災害の防止などを行われるそうです。

 これを伺うと、さきに述べた自衛隊とはどんな役割の違いがあるんだろうか。特に、ヘリコプターを使った緊急的な被災状況の調査などは自衛隊がお得意でしょうから、これらの役割分担はどうなっているのでしょうか。

 TEC―FORCEと自衛隊が協力して事に当たっているということは存じ上げております。ただ、もしかしたら予算の無駄遣いとかがあるかもしれません。そして、新しい仕事を無理やりつくっていて、官庁の仕事をふやしている可能性もなきにしもあらずかもしれないという危惧もいたしております。

 そこで、どのような役割分担で自衛隊などと連携体制をとって活動していらっしゃるのか、日ごろどんな活動をされていらっしゃるのか、坂井国土交通大臣政務官、お答えください。

坂井大臣政務官 ただいま現在、TEC―FORCEといたしまして、国土交通省の職員五千三百八十六名を任命いたしまして、対応させるということをしております。平成二十年五月に発足をしておりまして、丸五年、今ちょうど六年目ということでございまして、まだまだ発足したてというところではございますが、御指摘のように、東日本大震災では大変注目をされました。

 今、どういう役割分担かというお話もございましたが、自衛隊は、基本的には、人命を救助するとか、それから行方不明者の捜索などというものもやっておりますが、その環境づくりというものをTEC―FORCEの方では中心にやらせていただいております。

 実際に、東日本大震災の当時も、自衛隊による瓦れき撤去や行方不明者の捜索に先行しまして、排水を行う、要は排水ポンプで排水を行う作業をやったりとか、それから、その環境をつくるために、混乱をしている各自治体に、リエゾンという情報連絡員でございますが、それを派遣して、そして現地、現場の状況を的確に把握する、こういう作業をさせていただいて、高い評価をいただいているところでございます。

 また、国交省は全国に組織を持っておりますので、この二月にも、南海トラフ地震を想定して訓練を行っております。これは、中部地方整備局と国交省の本省が中心となってやっておりますが、その訓練にも自衛隊にも参加をいただいておりますし、また逆に、今度は、こちら、国交省の方が自衛隊の図上訓練などにも参加をする、TEC―FORCEが参加をするというようなことで、先ほど申し上げた、連携がうまくとれるように努力をさせていただいているところでございます。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 今お話を伺うと、それだけ重要な役割ですので、本法にもTEC―FORCEの役割などを明記して、もっともっと活躍していただければどうかというような考えがあるんですけれども、その点に関してはいかがお考えでしょうか。

坂井大臣政務官 御指摘のように、平成二十年五月に発足をしたということで、今、法律上の規定がTEC―FORCEはございません。ありがたいお話ではございますが、自衛隊と引き続き連携を強化していく中で、今後検討していきたいと思っております。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 では、先ほどと同じ質問を防衛省にもお伺いしたいと思います。

 日常、災害に関する訓練をどのようになさっていて、TEC―FORCEなど他機関との役割分担がいかにされていて、連携がどのように具体的にされるのか、問題点はないかなどをお答えいただければと思います。よろしくお願いします。

黒江政府参考人 自衛隊とTEC―FORCEとの間の関係についての御質問でございますけれども、平素からの訓練につきましては、先ほど国土交通省さんの方から御答弁あったとおりでございます。

 自衛隊といたしましては、自衛隊の特性といたしまして、我々の組織力を生かしていくということが中心でございます。これは、先ほど御指摘ありましたように、有事に備えて我々は防衛力を整備しておるわけでございますけれども、そういったものを組織力として活用できる場として、災害派遣ということに当たっておるということでございます。

 そういう中で、我々が機能として、非常に専門的な機能でございますので持っておらない、例えば道路に障害がたくさんあるといったようなところを切り開いていく機能でありますとか、あるいはそういった専門的な資機材は御指摘のTEC―FORCEさんがお持ちなわけでございます。そういったところはそちらの方にお願いをする。他方、そういうTEC―FORCEさんが必ずしもそう得意でない、例えば大量に物を輸送する、あるいは、持っておられる資機材を現場までお運びするといったようなところにつきましては、自衛隊側がこれを担うというようなことを基本的に考えておるわけでございます。

 そういう意味で、相互に相補うような形で能力を発揮できるようにということで、平素から訓練を行っておるという現状でございます。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 御両者が連携をして、より効率的に災害救助に当たれるように、本当に期待をしております。

 次に、相続の承認または放棄をすべき期間の民法の特例についてお尋ねしたいと思います。

 東日本大震災では、多くの方がお亡くなりになりましたので、多くの相続が発生しました。相続人もまた被災者である可能性も大いに大きいので、相続放棄や限定承認をしたり、熟慮期間の伸長を請求するのは困難な状況でありますから、東日本大震災の後、東日本大震災に伴う相続の承認又は放棄をすべき期間に係る民法の特例に関する法律を制定し、三カ月の熟慮期間を一律に延長しました。今回は、この法律を恒久的な制度にすべく本法案では定めていると伺っております。

 それで、この制度の制定自体は私はいいことだと思うんですけれども、実際、東日本大震災の場合は、三カ月以内に相続放棄や限定承認をされた方と、三カ月以降に相続放棄や限定承認をされた方の割合はどのくらいになるんでしょうか。実際にこの制度が必要なものか検討する上で重要だと考えますので、お教えいただければと思います。

萩本政府参考人 民法の原則どおり、三カ月以内に手続をとることができた人はちょっと把握しておりませんけれども、委員御指摘の、その特例法の適用を受けたと考えられる相続放棄等の関連事件は約千五百件に上っております。

 仮に、その特例法の適用がなかったといたしますと、これらの事件の当事者は、場合によっては、避難所などでの生活を余儀なくされている大変厳しい状況の中で、民法の原則どおり、三カ月以内に相続の放棄あるいは承認をするか、あるいは熟慮期間の伸長のための裁判手続をとらなければならなかったということになりますので、特例の効果は大きかったのではないかと考えております。

 また、その特例法が適用された相続放棄等の関連事件の約一割に当たる百五十件余りの事件におきましては、裁判所に対し、熟慮期間の再延長、再伸長の申し立てがされております。これは、特例法の適用により一律に熟慮期間が伸長されてもなお、期間が足りないとして裁判所に申し立てがされたものと考えられますので、大規模な災害が発生した場合における熟慮期間の伸長に対する需要の高さを示すものと言えるのではないかと考えているところでございます。

 このように、東日本大震災の際に設けられた特例法は、被災者の権利保護のために大きな実効性があったものと認識しているところでございます。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 それでは、実際にこの規定、法律を適用するには、それをまず知らなければいけないと思うのですけれども、実際にはどのような周知をされて、これからはどのような周知をしていくというおつもりなのかをお尋ねいたします。

萩本政府参考人 まず、東日本大震災の際の取り組みですけれども、法務省におきましては、特例法の成立後直ちに、法務省ホームページや政府広報を通じまして、特例法が適用される被災者の範囲やその延長期間などについて、わかりやすく説明をいたしました。そのほか、特例法に関する問い合わせ先がどこであるかなどについても、広く周知を行ったところでございます。

 さらに、熟慮期間の延長の終期が平成二十三年十一月三十日だったのですけれども、その満了期間が近づいてきた同年十月には、改めて、法務省ホームページや政府広報を通じまして、特例法によって延長された相続放棄等の熟慮期間の満了が迫っているということについての周知を行ったところでございます。

 このような東日本大震災の取り組みをしたわけですけれども、今回、この特定非常災害法の改正が成立した暁には、当然のことですけれども、改正内容につきまして法務省ホームページにその概要を掲載するなどして、必要な周知を図るように努めてまいりたいと考えております。

 また、将来、特例が適用されるような災害が発生した暁には、その対象となる方々が特例の存在を迅速に知ることができるように、東日本大震災のときと同様に、しっかりと対処してまいりたいと考えております。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 被災した上に、莫大な借金などを背負わなくてはならなくなってしまうような場合というのは、本当に極力避けなければいけないと考えておりますので、今の御答弁を伺いまして、安心しました。

 次の質問に移りたいと思います。

 次に、民間との協定の制度についてお尋ねいたします。

 これは先日、私が本会議にて質問した話を受けての話です。簡単に紹介いたしますと、緊急避難場所に指定された場所が民間人の所有だった場合、ビルに一時的に避難することを認めたとしても、天井が崩壊して避難された方がけがをするなど、避難者の滞在中に問題が生じた場合、民間人が全て責任をとらなければいけないとすると、それはちょっとかわいそうじゃないかというような趣旨の質問をいたしました。

 そのとき、以下のような御答弁をいただきました。民間人所有の指定緊急避難場所において避難者の滞在中に事故が生じた場合、ケースによっては、当該施設提供者にも事故の責任が生じることも考えられます。一方で、市町村長が民間人の所有の施設を指定緊急避難場所として指定する場合は、当該施設を管理する者の同意を得ることが必要とされているので、その同意を得る際に市町村と協議を行っていけばいいというようなお話でした。

 この御答弁を要約しますと、当該施設提供者にも事故の責任が生じることがある、そこで、あらかじめ施設提供者と市町村とは協議を行い、そのときに責任関係を明確に定めておくべきであるということだと思います。

 ということは、民間人が一定限度責任を負わなければならない可能性があるということになります。それは、民間の指定緊急避難場所の所有者にかなり酷だと考えます。指定するならば、市町村が責任を負い、そのことを法律に明記するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

亀岡大臣政務官 まさに今委員が言われたように、指定緊急避難場所は、避難されている方々、さまざまでありまして、その中で、避難している間にけが等が発生することもあります。これは、本来であれば、そのけがの責任の所在というものは民法に委ねられるものでありまして、しっかりと民法の中で判断をするということになると思います。

 しかし、とはいえ、これは市町村が指定緊急避難場所を指定するわけですけれども、そのときに円滑に同意を得るためには、やはりある程度しっかりとした過去の経緯や、まさに、ある程度しっかりとお互いの同意が得られるような環境をつくっておかなければいけないのは間違いありません。

 そういう意味では、内閣府が、過去の事例も踏まえながら、適切な、同意を得られる環境づくりのために、しっかりと各市町村と協議をしながら、モデルになるようなケース等も踏まえて指導していきたいというふうに考えております。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 それでは最後に、即時強制規定の適用に向けた損失補償の問題についてお尋ねします。

 本法の第六十五条一項の市町村長の従事命令については、八十二条一項の損失補償も同条二項の実費弁済も出ないのにもかかわらず、都道府県知事が七十一条及び災害救助法二十四条一項の規定により応急措置の業務に従事させた者に対しては、実費を弁償することになっております。誰に命令されたかによって実費が払われるか否かが異なるのは、法制度としていかがなものかと思いますが、どうでしょうか。

西村副大臣 お答えを申し上げます。

 市町村長が、応急措置として実施するため緊急の必要があるときに、たまたまその近くに居合わせたとか、それによって利益を受ける住民、そうした方々に対して、災害時にできるだけ協力をしてもらおうという、市町村の応急措置の従事をさせることができるという規定は、一般的に、公益の利益に資するための、ある意味、市民としての責任のような、そういう性格を有するもので、かつ、一般的に短期間、非常に短い時間での負担というふうに考えております。同じような考えのものは、ほかの消防法とか水防法にも同じような規定はあるんですけれども、実費弁償のような規定は置かれておりません。

 他方、都道府県知事が医療従事者に対する従事命令、例えば医療従事者に対してなんですけれども、これは、医療従事者の特別な能力に着目して、ある程度一定の期間、具体的な業務と期間を明示して、公用令書という文書を出して、そして手続を経て行われるものでありまして、一定の期間あるということ、あるいは、それを確実に行ってもらうということで、罰則も用意をしておりますし、実費も払う、そういうたてつけになっておりまして、ある意味で性格は違う。

 一時的にその場に居合わせた、市町村が応急的に出す措置と、それから都道府県知事が手続をしっかり経て一定の期間やってもらう、そういう従事命令とは性格が違う。その結果、取り扱いにも差が出ているというふうに認識をいたしております。

高橋(み)委員 ただ、医療従事者は市町村長の命令か都道府県知事の命令かによって実費が支払われるか異なるかがちょっと異なってしまうので、その点はちょっと考えた方がいいのではないかというような印象を受けました。

 きょうは、先日本会議で私が質問させていただきました答弁に対しまして再質問という形で少しさせていただきました。いろいろ誠実に答えていただきまして、大変感謝しております。どうもありがとうございました。

 これで質問を終わります。

坂本委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。

 本日は、災害対策基本法の一部を改正する法律案、大規模災害からの復興に関する法律案につきまして質問させていただきます。

 この法案は、第一弾となります災害対策基本法の改正、その概要の中で取り残された課題について、二本とも充実させるという共通点があるかと思います。残された課題には避難の概念の明確化や国家的な緊急事態への対処のあり方などがありますし、本日、私の中では被災者支援の充実ということで主に質問させていただくことになりますけれども、通告はしておりますけれども、中には政府のお考え、また思いというものを突然伺うかもしれませんが、その点はぜひお答えいただければと思います。

 さて、本日、朝一番に黄川田委員の方からも、この問題に関しては、超党派、党派は関係なく、オール・ジャパンでやっていかなければならないという旨ありました。私も同感でございます。また、仮設住宅についても触れられておりましたけれども、その中におきまして、木造の仮設住宅、この点は大変利点もあるということも見えてまいりました。そういった点に関しまして、まず最初に質問させていただきたいと思います。

 災害時の応急仮設住宅としては、従前、社団法人プレハブ協会が一括して供給してきたかと思います。国交省の住宅生産課の取りまとめ、昨年の中間取りまとめにありますけれども、プレハブ協会が提供することのメリット、また住宅生産団体連合会に対するメリット、さまざまなところにも出せるようには仕組みもなっておりますし、実際に発注もされております。その中では、大量の供給ができるということで、主には、やはり各県の災害協定はプレ協さんを中心にされているかと思います。

 ただ、今回は、やはり一万戸以上の発注ということで供給が追いつかなかったり、また資材を入れる港湾が被災をされて船が着けなかったり、また外国船との関係など、なかなかまだ日本側の受け入れ体制というのもできないということ。そして、何よりも被災地におきましては、工務店の方や、そこで生活を営み、事業を営み暮らしていた方々に対して発注が出されないという、そういった心配もございました。そういったことで、一般公募により地元事業者が入ることも可能となった、しかし、まだまだここは限定的だったんだというふうに思っております。この点は、さらに拡充することが求められると思っております。

 木造仮設住宅の公募の、福島の例でありますけれども、下請に県内企業の活用や、震災被災者の雇用、県産材の活用について十分配慮することなどが条件として示されて、それぞれの地域の建設関係者からも歓迎されて、この木造住宅への取り組みを通じ、設計事務所、工務店、木材業者などの間に協力連携する体制が立ち上がったとも聞いております。

 特に、災害協定などはもう既に、一般社団法人工務店サポートセンターと全国建設労働組合総連合が協力して一般社団法人全国木造建設事業協会が設立され、災害時の公募に応じて木造仮設を建てるのではなく、平時から都道府県の間で災害協定を結んでおく体制がとれるようになったということもございます。この流れというのは大変注目するべきことであり、これからも重要な、大変かなめになる、日本の大規模災害などの後の事例としては大変参考になるものだと思っております。

 そこで、まずお伺いしたいと思います。

 東日本大震災において、木造仮設住宅が建設されることとなった経緯にあわせて、多数の仮設住宅を建設する上で、木造を用いたことで足りた、追いついたことや、関係者、仮設住宅に対してのアンケートはされていると思いますので、その後どのように勘案し、捉えているのか。また、被災地の仮設住宅において、木造建築の戸数などおわかりになりましたら、所管されている厚生労働省よりまずお答えいただければと思います。

秋葉副大臣 今回の東日本大震災におきましては、岩手県、宮城県、福島県など、大変広範な範囲での被害が発生したわけでございます。これだけの規模の災害に、大量の応急仮設住宅を提供しなきゃいけないということ、前例のない取り組みでもございました。

 このため、発災直後から国土交通省の多大なる御協力をいただくとともに、国内のプレハブの仮設住宅だけではなくて、通常は建設にかかわっていないような国内の住宅メーカー、あるいは海外の住宅メーカー等にも御協力をいただいた結果、御指摘の木造の仮設住宅約一万四千五百戸を含む、全体で五万三千戸の応急仮設住宅が建設できたというふうに考えております。大体、被災三県でも、比率の違いはありますけれども、全体では四分の一ぐらいが木造であったということが今回大きな特徴だったんだろうと思います。

 今回建設した木造の仮設住宅は、仮設住宅の量的確保を図る上でも必要であったというふうに考えておりますし、住環境的にも、結露が出にくい等の一定の評価をいただいているところでございます。また、プレハブなどに比較いたしましても、例えば廃棄コストが若干安いという有利な面もあろうかと思いますが、しかし、大事なことは、できるだけ早期に安定した供給をしていくということが一番重要な点であろうというふうに思っております。

 今後の大規模災害に備えて、応急仮設住宅は、災害発生時に迅速に必要な戸数を確保し被災者に提供することが求められておりますので、プレハブ、木造、国内外に限らずに、さらにまた、私の地元仙台などでは民間の賃貸住宅の借り上げも大変な数に及んでいるわけでございますが、そういったものも含めまして、仮設住宅として適当なものは基本的に活用していくべきであるというふうに認識しております。

 そのためにも、平時よりそれぞれの自治体において、災害発生時に迅速に対応していただくために、地域の気候風土に合った仕様の策定や関係団体との協議の締結などの備えを行っていただく必要がございます。

 既に、国交省とは連名で仮設住宅建設マニュアルを通知しているところでございますけれども、引き続き、国交省、内閣府とも協力をしながら、必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

小宮山委員 ぜひお願いします。また、これは恐らく地域から上がってきた声でもあるかと思いますので、予算措置の方もしっかりとよろしくお願いしたいと思います。

 さて、せっかくですので、どれだけ戸数が、被災三県だけではございますけれども、きちんとした数字がございますので紹介させていただきます。

 岩手県におきましては、一万三千九百八十四戸の応急仮設住宅建設分のうち木造は三千七百三十一戸、宮城県におきましては、二万二千九十五戸のうち二千八百五十九戸、福島県は一番多いんですが、一万六千八百戸のうち七千九百四十八戸、総計で、木造の仮設住宅というものは一万四千五百三十八戸という大きな数でもございます。

 先ほども言いました、結露が少ないとかさまざまな利点もあります。日本の風土に合っているということもあるんだと思います。そうはいいましても、突然、仮設住宅のために木造の準備をするというわけにもいきません。また、先ほど触れていただきましたけれども、処分費というのは大変安く済むというメリットもございますし、また、プレハブ仮設と変わらない、五百六十万から六百万円ほどで建設ができているということもございます。この点の普及に関しても必要かと思います。

 また、今、林業の問題、日本のしっかりとした建設、木造住宅に関する力もつけていくことというのは、今後、日常から震災に備える産業だとも思いますので、木造住宅の推進に努めるべきだと主張させていただきたいと思います。

 そこで、木造仮設住宅が行われていくことは、技能を持った工務店や大工さんが生かされ、各地の自治体と関係業界との間の連携なども行われ、また、実際の住人の方も木造のよさを感じられるなど、木造住宅の推進にもつながっていく、寄与していくものだと思っております。

 この点に関しまして、国交省におきまして、どのような施策をとられるのか、また、どのような対応をされているのか、その点をお聞かせいただければと思います。

坂井大臣政務官 よく調査をされておりまして、今の御質問のとおりでございますが、木造仮設住宅に対しましての認識というのは、国交省も同様の認識だということをまず申し上げたいと思います。

 その上で、今、被災をしたときにいきなりと言ってもだめだ、こういう御指摘もございました。先ほど秋葉副大臣への御質問の中にもありましたが、全国木造建設事業協会という協会をつくりまして、先ほど言ったように、工務店と個々の事業主の方々の団体とが協力をしてつくられたものでございますが、各都道府県と今契約をしておりまして、おととい広島が契約となって、ちょうど十一県目ということになりました。同時に、まだあと十二の都県に対しまして今要請をしている状況でございますので、随時、また協定が締結をされて、いざというときの対応を事前から準備しておくという体制が整っていくと思います。

 国土交通省としては、このような取り組みも含めて、今後とも木造住宅の振興に積極的に取り組んでまいりたいと思います。

小宮山委員 ぜひ、可能であれば、木造仮設住宅もやはり普及すること、また、それが採用されることによって、少しでも被災者の方々が快適に安心して生活ができ、そして再建へと向かう、その次の段階に移行する、その過程を過ごされることを願っておりますし、望まれるところだと思います。

 先ほども触れましたが、木造住宅は、日本の湿度の高い、また寒冷地であったり暑いところであったり、さまざまなところに適したからこそ今まで普及してきたんだと思います。この点に関しまして、何か防災大臣の御所見がございましたら教えていただければと思います。

古屋国務大臣 委員御指摘のように、やはり日本は木の文化ですからね。やはり、被災者が木の家に、仮にそれが仮設であっても、入るということによって心が和むという面があるんでしょうね。これは定量的に分析したわけではありませんけれども、経験的にそう思っています。

 ただ、今それぞれ副大臣、政務官から答弁したように、やはり、被害の状況によっては、大量に、なおかつ速やかにつくらなければいけない。こうなってくると、資材の確保とかそういった視点でなかなか準備ができないケースとか、そういう場合はプレハブということになるんでしょう。

 私も、委員の御指摘のように、今後、できるだけそういったものを想定して、やはり地元の工務店さんの協力というものは不可欠でして、あらかじめそういう連携を、現場目線、現場主義に徹して対応を準備しておくということが必要かもしれません。やはり、地産地消というか、そういう視点での取り組みは極めて重要だと思います。そして、やはり何といっても、現場の実態をよく見て、現場の声を聞いて対応していくことが大切だと思います。

 木造による仮設住宅をこれからもできるだけふやしていくという方向は、正しい方向ではないかなという考えを持っております。

小宮山委員 ありがとうございます。

 私も、もちろん、プレハブの有効性、リースにすることによって撤去費用が要らないとかさまざまな利点があるのもわかっております。ただ、このような大規模の災害というときには、それだけでは足りなかったというのも現実でもございます。快適性の問題もございます。

 そういう意味では、場合によっては土地を確保することが大変困難で、今回、大体一戸当たり六百万円を超すきっかけとなっているのは、やはり港沿いというんでしょうか、海沿いであるがために少し高台の平地を切り開いたりさまざまな整地も必要だったということも伺っております。そういった中で一戸ずつの単価が上がっていったということも伺っておりますので、平家が基本かと思いますし九坪というのも基本かもしれませんけれども、それだけではなく、プレハブだけではなく、また、場合によっては、一気につくれる集合住宅のようなアパートなども、木造も含めまして柔軟に、臨機応変にやっていける、そういった情報提供と制度づくり、そういうものにつなげていただければと思っております。

 さて、毎回のようであれなんですけれども、どうしても私は生活排水が気になります。

 特に、災害になりますと、学校などに避難をされていると、子供たちが自主的にトイレのための水を、重い中を上の階までくんで水を流したりということ、そんなことが美談にもなります。

 実際、私自身も東日本大震災で現場に行かせていただきますと、本当に、仮設のトイレ、物すごい悪臭を放ち、これに毎日入るのはつらいなと。もう使えなくなるようなものも人数が多いとすぐにできてしまう、そういったところ。また、千葉での液状化などがあって、家はあっても、上水は出ても排水ができないから、しばらくトイレは家の外に出ていかなければならない、こんな状況が続いております。

 衛生状態のこと、そういうことも考えますと、この分野というのは災害対策の中ではもっと多く語られてほしいという思いもあります。

 そこで、被災地、また、今後に対応する防災の観点もあるかと思います、先般、都内での下水管の工事、SPR工法の現場も視察をさせていただきました。この技術自体は、日本だけではなく世界に売り込むことも可能だと思っておりますし、実際、行われているかと思います。同時にこれは、長寿命化だけではなく、耐震性に劣る管渠に対しての耐震補強としての効果もあると伺いました。

 こういった工法をさらに推進する、また、下水道の、都市のインフラ整備ということにおいて、トイレとして活用するなどさまざまな策があるかと思います。どのような取り組みや研究が行われているのか、この点をまず伺わせていただき、さらに引き続き、合併浄化槽について、被災地では津波に大変有効な設備だったというふうにも感じておりますので、この点に関しましてどのような取り組みをされるのか、環境省にもあわせて、簡潔にお聞かせいただければと思います。

岡久政府参考人 お答えいたします。

 東日本大震災の教訓でありますとか南海トラフの巨大地震による被害想定等を踏まえますと、やはり、地震に強い下水道を実現するため、早急に下水道施設の耐震化、耐津波化を推進していくことが必要であるというふうに認識をしております。

 まず、下水道施設の耐震対策についてでございますが、阪神大震災や新潟県の中越地震を受けまして、下水道施設の耐震対策指針というのを改定し、この指針を参考に地方公共団体におきまして対策を実施しているところでございます。

 現時点で耐震化が完了している下水道施設は、重要な幹線で約三割、また重要な処理施設で約四割でございまして、引き続き耐震化を早急に推進する必要があるというふうに認識をしてございます。

 次に、下水道施設の耐津波対策でございますが、東日本大震災の経験を踏まえまして、国土交通省が平成二十三年の四月に設置をした、学識経験者から成る下水道地震・津波対策技術検討委員会におきまして、その対策を取りまとめたところでございます。

 具体的には、管渠施設の逆流防止機能の確保、処理場、ポンプ場における防水扉の設置、電気設備の想定津波高さ以上の高層階への移設などの対策が提言されているところでございます。

 現在、地方公共団体において、この提言を参考に、耐津波対策に鋭意取り組みつつあるところであります。

 また、避難所とか防災拠点での仮設トイレの機能を確保するため、地方公共団体において、下水管渠を活用したマンホールトイレの設置についても推進をしているところでございます。

 国土交通省といたしましては、引き続き、地震に強い下水道の実現に向けて、地方公共団体の取り組みが一層進みますよう、財政面、技術面での支援を積極的に行ってまいる所存でございます。

梶原政府参考人 今先生御指摘のように、浄化槽につきましては、今回の東日本大震災の後、岩手県、宮城県、福島県におきまして、震度六弱以上の地域並びに津波をかぶったところについて調査をいたしました。約千基ほどの調査のうち、そのまま使えるものが七二%。それで、全損で壊れたものが三・八%ございましたが、二八%は応急処理で対応できるということで、非常に有効だという結果が出ております。

 それで、本件につきまして、私ども、昨年の三月でございますけれども、浄化槽被害等対策マニュアルというものをさらに出して、この浄化槽の有効性をより最大限使っていきたいと。

 具体的には、例えば、震災の後、ユーザーの方々がすぐ使われるためにはどうすればいいかとか、保守点検業者の方がどうすればいいかとか、施工業者がどうすればいいかといったような実務的な点検マニュアルをつくってございます。

 さらには、宮城県なんかでは、土地情報を使って、台帳をしっかり使ったことが災害の復旧に非常に役立ったということもありまして、そういった対策も進めてまいりたい。

 いずれにしましても、調査研究等々も含めて、技術開発も含めて、さらに災害時の生活排水処理、し尿処理が適正に行われるように最大限努めてまいりたいと思っております。

小宮山委員 丁寧にありがとうございます。

 大臣のお膝元である岐阜でも、合併浄化槽の保守点検は大変よくシステマチックにされていて、全国の手本になると思います。

 こういった事例も含めまして、また、その利点に関しましても周知徹底していただきまして、本当は大臣にも伺いたかったんですが、時間の関係で、質問を終了いたします。

 ありがとうございました。

坂本委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 公明党の新人議員、濱村進でございます。

 本日は、災害対策特別委員会で質問する機会を与えていただきまして、このような機会を下さった全ての皆様に、まず冒頭、感謝を申し上げたいと思います。

 もう既に、災害対策基本法等の一部を改正する法律案、そしてまた大規模災害からの復興に関する法律案につきましては質疑が重ねられてきておりますし、古屋大臣におかれましても、大変御丁寧な答弁をしてくださっていることもありますので、本日は、より深く、地方自治体における運用について質問をさせていただきたいと思います。

 また、私は、近畿比例ブロック選出でございます。地元が兵庫県でございまして、地元で大変お世話になっております西村副大臣に胸をおかりして質問させていただきたいと思います。三十分間、どうぞよろしくお願いいたします。

 まずは、災害対策基本法一部改正案について質問いたします。

 今回の改正の中におきまして、市町村長が、高齢者、障害者を初めとする、災害が起きた際に避難するのに配慮が必要な方を載せる避難行動要支援者名簿を作成するということになっております。

 私は、昨年の十月まで民間企業の野村総合研究所でITコンサルタントをやっておりましたが、今から七、八年前には、もう既に先進的な自治体におきましてこのような名簿を自主的に作成していた市があったことを認識しております。すばらしい取り組みだと思っておりましたので、このたびの法改正で法制化されることを大いに評価しているものでございます。

 そうはいっても、名簿があれば万全というわけではございません。どう活用するのか、そして、この名簿をもとに運用をイメージしてシミュレーションすることが大事であるというふうに考えます。

 その上で、お伺いしたいと思います。

 避難行動要支援者の対象基準について、どのような基準でございましょうか。市町村によって実情が異なりますので、要支援者となる対象が異なることも考えられます。法案には、第四十九条の十、「自ら避難することが困難な者であつて、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するもの」としておりますが、具体的に示すとなりますと、ガイドライン等において示されるのでしょうか。また、お示しになる場合、どのような提示を想定しておられるのか、お伺いさせてください。

    〔委員長退席、原田(憲)委員長代理着席〕

古屋国務大臣 東日本大震災では、高齢者とか障害者、いわゆる災害弱者と言われる方が多く犠牲になりました。この教訓をもとに、避難行動要支援者名簿をつくろう、つくるだけではなくて、その名簿が有効に機能していくような取り組みをしていこうということであります。

 条文上どういうものが当たるかということは、今委員がお話しされましたのでそれは省略いたしますが、具体的には、要介護の高齢者あるいは重度の身体障害者の、自力での避難行動が著しく困難な者であって、その生命身体保護のため特に避難支援を要する方々がそれに該当するというふうに考えます。

 今後は、災害時要援護者の支援ガイドライン、これをつくります。つくって、中身をより具体的に盛り込みまして、名簿の作成に当たる市町村にはしっかりそれをお示しして、その趣旨を十分理解をいただいて対応していただくような、そういう取り組みをしていこうというふうに考えております。

濱村委員 ありがとうございます。

 ガイドラインで具体的にお示しになられるということで、しっかりと丁寧にお願いしたいと思います。

 次の質問に移りたいと思います。

 少し話の筋道は変わりますけれども、避難行動要支援者名簿という名簿をつくる限りは、その個人情報をどのように取り扱うのかということを確認しておきたいというふうに思います。

 前提といたしましては、個人情報保護法にのっとって行政サービスを行う各地方自治体、市町村は、個人情報の取り扱いについては大変な御苦労をされておるかと思います。

 避難行動要支援者名簿の作成に当たっては、第四十九条の十一、「その保有に当たつて特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。」とあります。これは、当法案で、自治体内部においては目的外利用を認めるという認識で合っておりますでしょうか。

 また、名簿を外部に提供する、外部というのはつまり避難のお手伝いをしてくれる方々ということでございますけれども、その方々に提供するためには二通りの実施方法があるとの認識です。

 まず一つは、条例において特別に定めがある。つまり、自治体の条例におきまして、身障手帳など情報を名簿作成のために利用してよいというふうに、今回の法改正を受けて条例を改正する、こういうパターンが一つ目。もう一つは、要支援者名簿に記載される要支援者自身に同意を得るというパターンです。

 いずれのパターンにおきましても、実施市町村に対しては事務負担となるのかなというふうに考えますけれども、どのように取り組んでもらうことを想定しているのか、お伺いをさせてください。

西村副大臣 お答えを申し上げます。

 大変いい御指摘をいただきまして、日ごろからも、兵庫県、被災地、かつての大地震もありましたし、先般も大きな地震がありまして、いろいろと御支援、御協力いただきまして、ありがとうございます。

 今御指摘の点、一つ目の点は、まさに御指摘のとおり、今回の法改正で、市役所、市町村の内部で、必要な限度で個人情報の目的外利用を認める趣旨でありますので、福祉部局が持っている高齢者あるいは障害を持った方々のそうした名簿を、防災部局にもそれが渡せるということで、内部で共有をして、いざというときに活用していくという仕組みをつくったわけであります。これで共有できることによって、同意を得なくとも、漏れなく情報を把握して、要支援者の名簿に掲載するということであります。

 外部提供については、御指摘のとおり、多くの市町村は条例があって、条例の制約があるわけですけれども、今般は、条例の改正をしなくとも、要支援者からの同意を得て、個別の避難支援計画の策定とかあるいは避難訓練を実施する、そうしたことにつなげていくことが大事だというふうに思っております。

 御指摘のとおり、市町村は事務が一部ふえるわけですけれども、これについては、先ほど大臣も答弁ありましたけれども、避難支援のガイドラインを改めてつくり直す、見直して、その中で手順をしっかりと示して、事務的に、円滑にこうした事務が進むように対応してまいりたい。まずは、こうした事務の円滑化を支援することによって進めてまいりたいというふうに思っております。

濱村委員 ありがとうございます。

 こちらにつきましても、本当に、個人情報となりますと非常にデリケートだということで、市民団体等からさまざま言われるケースもございます。そういった意味では、しっかりと政府がガイドラインで提示することが非常に大事であるというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 最初の質問で、要支援者について質問をさせていただきました。避難行動要支援者名簿、これが災害時に有効に活用されるためには、名簿をもとに、具体的な避難体制、つまり避難を支援する側の体制を精査する必要がございます。

 支援する側の体制をお聞きする前に、まず、支援する側は誰なのかを明確にしておきたいと思います。

 本改正案では、避難支援者として、第四十九条の十一の二、消防機関、都道府県警察、民生委員、社会福祉協議会、自主防災組織その他の避難支援等の実施に携わる関係者、これを避難支援等関係者と呼んでおりますけれども、このように明記されているわけでございます。この避難支援等関係者とは、どのような方を想定されていらっしゃいますでしょうか。

 そしてもう一点、要支援者何人に対して支援者が何人くらい必要であるというふうに想定されていらっしゃいますでしょうか。

 このようなことを質問させていただくのはなぜなのかと申し上げますと、要支援者と支援者のボリュームバランスについては、均衡がとれているかどうか、これが必要になってくるかと思います。現時点で、この均衡がとれているかどうかということについては、確認はとれておりますでしょうか。教えていただければと思います。

    〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

西村副大臣 まず、避難支援等関係者についてでありますけれども、御指摘ありましたとおり条文にもありますけれども、これは消防団も含めてですけれども、消防機関、警察機関といった避難支援の実動部隊となる公的機関、それから地域の民生委員とか社会福祉協議会、あるいは自治会などでよく組織されております自主防災組織、こうした地域に根差した組織、団体が想定されるところでありまして、市町村によってそれぞれ取り組みも違いますし、地域の特性もありますので、こうした地域の特性を踏まえて、避難支援にかかわる団体等を具体的に各市町村において検討いただいて、地域防災計画に定めていただくということを考えております。

 その上で、こうした方々に本人の同意を得て要支援者の情報を提供して、さまざまな避難訓練等を行っていくわけですけれども、御指摘のとおり、一人一人の要支援者について具体的な避難支援計画などを策定してもらうことになるわけですが、複数であることが望ましいと考えております。

 先ほども御質問ありましたけれども、支援することを想定された方自身が被災を受けたり、あるいはその方の家族が被災されたりということで動けないケースもありますし、そういう意味では、二重、三重に、少なくとも複数のそうした避難支援等関係者を考えておくということが大事だというふうに思っております。

濱村委員 ありがとうございます。

 二重、三重ということで、人のバランスというのは、もし万が一災害が起きた場合に助けに行けるのかどうかという点では、非常に重要なファクターになってまいるかと思います。

 そういう意味では、先ほど、支援者の側の方というのはどのような方が対象になるかというのは確認させていただいたんですけれども、それだけでは足りないというようなことも想定されるかと思います。ぜひ、その他の避難支援等に携わる関係者というものをどんどんふやしていけるような方向性で考えていっていただきたいなというふうにお願い申し上げたいと思います。

 もう少し踏み込んでいきたいと思います。

 避難行動要支援者名簿を活用する自治体の中におきましても、過疎化あるいは高齢化が進んだ地域では、要支援者の名簿が作成されたとしても、避難支援者が不足してしまうようなことが想定されます。そうした場合に、避難体制の確保が非常に困難になってくるということも予想されます。

 こうした地域では、例えば、六十五歳以上の方であっても避難を支援する側に回ってしまうであるとか、ほかの地域では十分要支援者として認められるような方々であっても自分で避難しなければいけないというように、各地域ごとに異なる避難体制も想定されてくるかと思います。

 もちろん、これは各地域ごとの地域防災計画で各自治体が自主的に決めていくことであるというふうに思うわけでございますが、申し上げたとおり、場合によっては実効性のある避難支援の体制がつくれないことも想定されることについて、政府は、どのように支援体制をチェックして、それを実効性のあるものにしようとされているのか、お伺いできればと思います。

西村副大臣 大変重要な御指摘でありまして、自治体によっては、過疎化、高齢化が進んでいる、過疎地も含めてですけれどもありますので、どう対応するかというのは大変重要な課題だというふうに認識をしております。

 その意味で、先ほど来申し上げた消防団とか民生委員とか、あるいは地域の自治会内でのそういう自主的な組織とか、そうしたところの活動を通じて、できるだけ平時から幅広く人材育成等に取り組んで、できる限りそうした活動を通じてそういう支援者の幅を広げていく、その努力が大事だというふうに認識をしております。

 先ほどから出ております避難支援のガイドラインの見直し等を通じて、地域づくりの組織とか、あるいは市民団体、福祉団体、そうしたさまざまな団体と要援護者、要支援者が連携をした防災訓練を行ったり、あるいは、福祉部局、防災部局のみならず地域づくりの部局とも連携をして、なかなか防災行事には声がかからないような人も含めて幅広く声をかけて、声がけ、見回り活動、そうしたことを通じて人と人とのつながりをつくっていくということが大事だと思っております。

 さらに、御指摘のあった研修会等を通じて、そうした幅広く人材を育てていくことも大事でありますし、支援するには若干距離があったり時間がかかったりするかもしれませんけれども、広域的な対応も念頭に置きながら、できるだけ幅広くそうした支援を行っていただける人材を確保していくことに取り組んでいきたいというふうに思います。

濱村委員 ありがとうございます。

 今、西村副大臣がおっしゃっていただいたとおりで、平時から幅広く推進していく、いざという災害時のために地域の皆様が協力できる、そういった地域づくりをしていくということが非常に大事になってくるのではないかというふうに私も賛同させていただきます。

 続きまして、ここで一つ御提案をさせていただきたいというふうに思います。

 東日本大震災を契機に、多くの方が被災地や被災者の皆様のために何か貢献できることがないかというような意識あるいは機運が高まってきております。

 そうした中で、一方では、民間企業におきましても、企業の社会的責任、いわゆるCSR活動というもの、こういうCSR活動に積極的に取り組んでいる状況でございます。

 こうした背景を踏まえまして、例えば、昼間人口が多い地域におきましては、避難支援等関係者として企業の従業員の方々にもお力になっていただくことはできないだろうかというふうに思うわけであります。

 もちろん、避難支援ということは命がけの活動でございます。決して無理強いするわけではなくて、本当に企業の従業員の方々の中で私も避難支援をしてもいいというふうにおっしゃってくださる方については、避難支援等関係者として避難体制の中に名を連ねていただくことというのは、支援者不足に悩む自治体とCSRに積極的な企業の両者にとって互恵関係にあるのではないかというふうに考えるわけであります。

 こうした取り組みは可能であるかどうかというふうなことについて、御意見を伺えればというふうに思います。

古屋国務大臣 確かに、災害はいつ起きるかわかりませんので、できるだけ多くの協力者を確保する、大切だと思います。その視点から、企業の皆さんに協力をしていただいたらどうか、こういった趣旨の御質問だと思います。

 やはり企業も、その地域で雇用を確保して、そして経済活動をしているというメリットの提供とともに、その地域で仕事をしているということは、そういう意味での社会的責任というのも同時に抱えているわけですよね。

 だから、そういった視点からすると、避難行動要支援者の生命または身体を保護するために、同意がない要支援者に関する名簿情報についても提供できるというふうに規定されておりまして、こういった場合、要するに、避難支援等関係者として企業従事者の力をかりるということも有力な方法の一つであるというふうに私は考えております。

 このためには、やはりふだんから地域における企業と密接な連絡そして情報共有をしていくということが極めて大切だというふうに思っております。

濱村委員 ありがとうございます。

 本当に、ふだんから地域に企業が深く入り込んでいくということが非常に大事であると私自身も感じます。

 私も民間企業で働いておりましたけれども、いわゆるCSR、一社員がかかわれることというのは非常に限られておりまして、たまに地域のごみ拾いをするとか、そういった本当に、実際に地域の方と触れ合うようなことはなかなかない。あるいは、地域の方々を呼んで夜店などを出しながら夏祭りをするとか、そういうこともやっておりました。しかしながら、本当の意味で地域に貢献するとなりますと、ふだんからのつながりが一番大事なのかなというふうに思います。

 そういった意味でも、その道筋をつけるためのツールとして使っていけるのであれば、非常に大事なこととなっていくのではないかというふうに思うわけでございます。

 続きまして、ここから少し質問のテーマをかえて、避難所の運営について伺っていきたいというふうに思います。

 東日本大震災では、日本じゅうから大量の救援物資が届いたにもかかわらず、分配する段階で想定どおりにいかずに、被災者の皆様に届くまでに相当の時間を要した、あるいは救援物資が滞留したなどの状況が生まれました。

 これは、先日の委員会でも、みんなの党の佐藤議員から質問がありましたが、ピザのお話があったかと思います。全く同じような話を、私も知り合いのパティシエの方から、ケーキを届けたんだけれどもだめだったというお話を伺いました。

 先日の委員会では、避難所の運営ガイドラインを策定するという御答弁がございましたけれども、一方で、避難所の責任者、リーダーの方々ですね、この方々に対する研修や育成といった取り組みも重要であると考えますけれども、御認識をお伺いしたいと思います。

西村副大臣 今御指摘の、うまく支援物資が配分できなかった、届かなかったというケースも多々あったというふうに承知をしておりまして、今委員触れられました、まさに、避難所における良好な生活環境の確保に関する検討会報告書を踏まえまして、今後、避難所におけるそうした取り組み指針を策定して、その中で、基本的なことでありますけれども、年齢、性別、障害の有無、そうした、被災者の置かれた状況は多岐多様にわたるということを踏まえた運営を行うこと。それぞれの方々によって必要とされるものが違うわけでありますので、そうしたことをしっかり踏まえた運営を行うこと。それから、まさに御指摘ありました、そうした避難所生活の支援を着実に、確実に、的確に実施できるように、担当職員に対して実践的な研修や訓練を行っておくこと。これも今後考えたいと思います。

 それから、市町村において避難所運営の手引というものをつくっていくわけでありますけれども、そうした中で、まさに、平常時から避難所の運営責任者となり得る立場の方々、これは、そういう町内会、自治会の組織の長であるような方であったり、あるいは施設の運営、学校の先生であったり、さまざまな方が考えられると思いますけれども、そうした、なり得る立場にある方々を対象とした研修を実施するというふうなことも盛り込んで、今後、避難所の責任者に対する研修や育成というものがきちんと行えるように取り組みを強化してまいりたいというふうに思います。

濱村委員 ありがとうございます。

 本当に、リーダーになる方、想定される方には、ぜひ研修を行っていただきたいというふうに思います。

 もう一点、避難所の運営体制について、ガイドラインでもさまざまお示しになっていただけるかとは思いますけれども、具体的にどういう役割が必要であるか、あらかじめ想定されている方が避難所の方々も自主的に動きやすいのではないかというふうに思います。その上で、役割ごとの体制図を各自治体で想定しておくべきではないかというふうに考えます。

 ぜひ、避難所の規模別、これは、規模といっても箱の大きさではなくて人の多さを想定しておりますけれども、規模別に運営体制をパターン化したガイドラインを策定するなど、東日本大震災で学んだ具体的な内容を提示すべきかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

西村副大臣 非常にいい御指摘をいただきました。

 大規模な避難所の運営に当たって、先般の東日本大震災においても、運営関係者の役割分担がはっきりしないというようなことから混乱が生じるなどの問題があったものと承知をいたしております。そうしたことも踏まえまして、各担当の役割分担を明確にしておくとか、あるいは、分担に問題が生じた場合に、それを調整するコーディネーター役を配置するとか、そうしたことも必要であるという認識をしておりまして、先ほど申し上げた、避難所における今後の取り組み指針の中にそうしたことも盛り込んでいきたいというふうに思っております。

 できる限り、市町村に向けてわかりやすいもの、地区地区の特性、避難所として想定される場所もあるわけでありますので、そこに入ってこられた方々、人数、規模なども念頭に置きながら、今後、御指摘の点も踏まえて、取り組み指針の策定を進めてまいりたいというふうに思います。

濱村委員 ありがとうございます。

 時間もなくなってきましたので、ちょっと質問を割愛させていただきますけれども、せっかく総務省の方にもお越しいただいておりますので、御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 今日の行政サービスにおきましては、情報システムというものは必要不可欠であるというふうに考えております。今の環境下におきましては、災害時あるいは災害からの復興時において、情報システムのBCP・DRについて講じていく必要があるかと考えるわけであります。BCP・DR、言わずもがなとは思いますけれども、事業継続計画あるいは災害復旧の視点でしっかりと対策を講じていく必要があるということでございます。

 情報システムは行政サービスを支える貴重な財産であるという認識から、地方自治体におきましても、情報システムにおけるBCP・DRについて措置を講じるようなことを推進していただきたいと思うわけでございますが、いかがでしょうか。

関政府参考人 お答えいたします。

 今先生御指摘ありました情報システムのBCP・DR、これは私どもも、まさに大変大事なテーマだと同じように感じております。

 そこで、今回の東日本大震災の教訓を踏まえまして、私どもの方でも、有識者の方々あるいは行政の実務を担当された方々からの御意見も研究会を通じていろいろ伺いまして、先般、ICT部門の業務継続計画の初動版サンプルを各地方公共団体の方にお示しをいたしました。私どものホームページでも公表しております。

 私どもも、それをもとにいたしまして、各自治体の方で取り組みが進むように支援してまいりたいと考えております。

濱村委員 ありがとうございます。

 業務継続計画、示すだけではまだまだこれからでありまして、ぜひ徹底をしていただけるまで継続的に取り組んでいただければなというふうに思います。

 次の質問ですけれども、時間がないので最後になるかとも思いますが、情報システムを運用する現場におきましては、障害が起きた際に、その障害をおさめる設計思想として、フェールセーフあるいはフェールソフトといったような考え方がございます。まあ、これは考え方の一部でございますけれども。

 フェールセーフというのは、何があっても安全側に倒れるというような設計思想でございます。フェールソフトというのは、故障した箇所を特定して、その故障した被害のあるところを最小限にして、システムを完全停止することなく業務継続できるというような設計思想であります。フェールソフトの例でいえば、飛行機のエンジンの片肺運転などはそのような物の考え方にのっとっているわけでございます。

 こうした考え方にのっとって、システム基盤におきまして、冗長性あるいは多重化という対策が必要となってくるのかなというふうに考えるわけでございます。しかしながら、それは結果的にコストがかさむようなことにもつながってまいります。行政の情報システムを今申し上げた設計思想に基づいて構築しているところもあれば、できていないところもございます。各地方自治体で独自に多重化してコストがかかることを考えれば、政府が主導してバックアップの環境整備を行ったり、クラウド化するなり、地方も含めた情報システムの効率化が推進できるかと思いますが、災害対策、災害復旧の観点からどのように考えていらっしゃるか、御所見をお伺いしたいと思います。

関政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘いただきました、災害時におけるシステムの問題、これは通常の場合もそうでございますが、やはり、一つは、きちんとそういう仕組みを整えるという問題と、もう一つは、先生御指摘の効率化を図る、これをバランスをとりながら、いざというときにきちんと対応できるようなシステム設計をしておくことは大変大事だと思っております。

 そこで、一つの我々の進め方でございますけれども、複数の自治体が共同してクラウド化を推進するという取り組みを支援してきております。御案内のとおり、まだまだ全ての団体でそういうものができているわけではございませんので、こういう法案も一つの機会といたしまして、私ども、複数の自治体でクラウド化していろいろなバックアップ体制をとる、あるいは、いざというときに対応できるようにするということを積極的に推進してまいりたいと考えております。

濱村委員 ありがとうございます。ぜひ、引き続き推進をお願いしたいと思います。

 時間になりました。大変にありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

坂本委員長 次に、椎名毅君。

椎名委員 おはようございます。

 本日は、災害対策基本法等の一部改正に関する法律案の審議ということで、三十分のお時間をいただきました。

 先般、本会議でも古屋大臣に対しての質疑をさせていただきましたけれども、再度の質疑ということで、この委員会で時間をいただいたこと、本当に感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 本会議でも、私自身、指摘させていただきましたけれども、自然災害との闘いというのは、我々の、人間の想像力との闘いだということでございます。災害イマジネーションというものだと思いますけれども、企業等も含めまして国民全般、それから、政策立案者である役所、我々政治家、こういったものがこういった災害に対する想像力を働かせて常に動いていかなければならないということなのかなというふうに思っております。

 先般、本会議のときにもお聞きした視点から引き続き伺いたいんですけれども、結局、本法が災害対応の一般法として、今後起き得る災害に対して十分な対応となっているかという観点から伺っていきたいと思います。

 本法は、伊勢湾台風を契機として定められたものでございます。それ以前には、基本的には、水害があれば水防法、何があればという形で、個別の災害が起きれば個別の対応をするということで、いわゆるシングルハザードアプローチ、こういうような考え方に基づいて日本の災害法制というものがつくられている、それを統合するような形でこの災害対策基本法という法律が存在しているということなんだろうというふうに思います。

 しかし、これに対して、例えばアメリカとかでは、人災、天災を問わず、一つの法律で、一つの組織で災害対策というものを行っていく。スタフォード法という法律があるそうでございますけれども、こういった法律に基づいて、火事や爆発等の人災から自然災害までという形で幅広く、災害対応を一括して扱う。

 これについて、全て共通の用語で語り、装備の標準化を図り、各省庁などの役職の名称などを統一化するというような形で標準化を図る。FEMAという組織がございまして、ここで調整して、それで多極間共同システムというものを採用していて、全ての組織が共同して仕事をしていくという形で、オールハザードアプローチというアプローチで行っているということなんだそうです。

 こういった形で行っていくためには、どうしても、今し方申し上げたFEMAというような組織で、トップマネジメントというような組織が存在して、全体を統括していくという組織が必要なのかもしれません。

 せんだって、私自身も本会議で、非常事態省の必要性、検討の必要性と採否についてということも御提言申し上げたところではございますけれども、改めてもう一回、こういった非常事態省であったりFEMAであったりというところ、それから、その背景にあるオールハザードアプローチというような考え方、こういった考え方に対して、日本の法制度の中で採用を検討するということについて御所見をいただければと思います。

古屋国務大臣 委員は米国においても研さんを積んでこられましたので、やはりそういう視点というのはあるんでしょうね、いわゆるオールハザードアプローチ。アメリカはFEMAがありますけれども、日本にはそういった組織はないということ。

 アメリカで採用されているいわゆるオールハザードアプローチというのは、自然災害だけではなくて、事故だとかあるいはテロ、戦争、全てのリスクに対して同じ方針で臨もうという基本的な考え方ですよね。そうすると、対応方針に左右されず、速やかな対応が望めるという視点からは有効なんでしょうね、考え方としては。

 日本の方は、やはり個々の規定の多くは自然災害を念頭に置いているんですね、この災害対策基本法は。災害の定義に示された地震、津波、豪雨、噴火などの自然災害のほか、事故災害も含めて災害一般を広く対象として、予防、応急対策、復旧という段階にわたって共通の対応を定めてはいるんですね。

 一方、戦争であるとかテロであるとか、そういった災害とは、その類型によりまして、被害の形だとか発生過程が全く異なりますので、国とか地方公共団体の責任の所在とか役割だとか具体的な対応についても、どうしても日本の場合は違いが生じざるを得ないんですね。

 そういう意味では、日本の法体系、法制度上は、危機の類型に応じた対応をなされているし、現行法上ではそういうふうにせざるを得ないというのが基本的な考えです。

椎名委員 ありがとうございます。

 戦争等については類型が違うという御指摘をいただきました。それはそのとおりかなとは思うんです。

 他方で、私、実は法務委員会にも所属しておりまして、今般、被災二法という法案を法務委員会の中で審議しているんですが、その中でちょっとおもしろい話があるので開示させていただきたいんです。

 この被災二法というのは、被災した地域について借地借家法の特例を定めていく、そういう法律なんですけれども、実はこれは、従前からある法律を一旦廃止するという法律でもございます。それはどういう法律かというと、罹災都市借地借家特例法、そういったような名前の法律。

 これは何かというと、東京大空襲があった後、戦争が起きたときに東京に借家をして住んでいた人たちに対して、その借家が空襲でだめになったときに、そこの土地に、借家として借りていた人がそこに借地権を設定できる、そういう法律なんだそうです。これが実は災害対策の法律として、ずっと改正されながら、生きてきたんです。

 今般、東日本大震災が起きて、この法律がようやく、さすがに借家人を保護し過ぎだろうということで廃止されることになったわけですけれども、こういった形で、実は戦争からの復興に関して使われてきた法律というのも援用されていたりはするわけです。だから、そういう形もあるので、必ずしも戦争被害だからといって違うというのでもなくて、統一的な方針で考えていく方が有効なのではないかなというふうに私自身は思うところでございます。

 次に行きたいと思います。

 同じような話なのかもしれないですけれども、日本では、個別対応をしていくということで、特にこの災害対策基本法についても、基本的には、やはり有事の中で災害対策本部が何ができるかというポジティブリスト型の法律の規定になっているわけでございます。

 先般の本会議でも私自身が指摘しましたけれども、非常事態というのは戦争と同じだという指摘をロシアでいただいたという話をさせていただきましたが、基本的には、やはり戦争が起きた後どうやって復興していくかと同じように考えていった方がいいのではないか。

 そういったときに、日本の自衛隊法も、これは警察予備隊法から援用されて、ずっとずっと、改正されて改正されてきているので、どうしても日本の自衛隊法も実はポジティブリスト型になっていて、自衛隊が何ができるかだけ書いてあるわけです。

 そうすると、有事が起きたとき、想定外のことが起きたときに、一々、条文のどこに当てはまるかを一つ一つ解釈して、ここなら大丈夫かなみたいな形でやりたいことをねじ込んでいくか、無理やり特別立法をつくって、すごく急いで特別立法をつくって対応するというようなやり方でずっとやってきたというのが今までの自衛隊法の改正及び有事立法だったと思います。

 災害立法についても実は同じなんじゃないかなというふうに私は思っていて、災害対応の主体というものを定めていくことについては、基本的には必要だろうとは思います。そういう意味で、この災害対策基本法で、誰が、何を主導的に行うということについて決めていくことは必要なんだろうと思いますけれども、あくまでもやはり国民の保護のために何が、国民の保護のためにできることは全てできると原則した上で、例外的にこれとこれとこれとこれはできないという形のネガティブリスト型にした方が、想定外の事態が起きたときに対応がしやすいのではないかというふうに思うわけでございます。

 通常、海外の法律なんか、特に有事関連の法律であれば、特に軍隊関連の法案であれば、大抵こういうネガティブリスト型の法律になっているというふうに思います。なので、そういったことについても御検討してほしいなと思うんですけれども、御所見をいただければと思います。

古屋国務大臣 委員の御指摘は、やはり委員は米国での生活も長いので、アメリカの考え方というものを援用して、いわばネガティブリスト型はできないんだろうかということですね。

 やはり日本では、アメリカとは憲法が基本的に全く違いますので、日本で本当にネガティブリスト型をやろうというと、憲法にまで踏み込む壮大な作業になってくると思います。ですから、日本は、現行憲法、そしてそれに基づく現行法に従った対応をしているということでございます。

 気持ちとしては、私、わからないでもないんですけれども、じゃ現実にそういった対応をしていこうというと、かなり困難かなという感じがするし、そういう話になってくると、むしろこの災害対策特別委員会ではなくて、場合によっては憲法審査会とかそういったところで議論をして、根幹のあり方について議論していくということになるのではないのかな、そんな印象を持っています。

椎名委員 ありがとうございます。

 大臣は、今現職の大臣であられまして、内閣の一員である以上、その程度しか確かにおっしゃれないんだろうなというのはわかった上で言っています。

 立憲主義の考え方からして、基本的には、法律に基づく行政という考え方が基本的にあって、行政は法律に基づいて行っていかなければならない。縦割りの弊害とかいうふうに指摘をする人もおりますけれども、一応、だから、法律に基づく行政という考え方がしっかりしているからこそ役割分担と職務分掌がきちんとしっかりした行政が行えるというのは、そのとおりなんだと思います。

 だからこそ、有事と平時で分けて考える考え方ということで、引き続き、もしかしたら憲法審査会かもしれませんけれども、議論をしていく必要があろうかと思います。特に、大臣も自民党の憲法改正試案について関与されていたところだと思いますし、その非常事態法制のところについてもよく御理解されていると思いますので、ぜひ引き続き御検討していただきたいな、私自身、私たちとしても検討していきたいなというふうに思っています。

 それから、さらに、徐々に中身に入っていきますが、三点目ですけれども、対口支援という考え方があります。これはもともと、基本的には中国の考え方のようです。本来的には、一対一対応の支援という意味でございまして、中国において比較的経済的に進んでいる省とか直轄市とかが、経済発展のおくれた町について経済的な支援をしていく、そういう制度、これが本来的には対口支援という制度なんだそうです。

 これを踏まえて、先般、四川の大きな地震が起きたときに、この対口支援の考え方を復興法の中に取り入れたというふうに聞いております。すなわち、どういうことかというと、一対一対応で、被災していない大都市から被災している自治体について、要は、ここの都市は、北京は、上海は、それから重慶は、個別のここの都市を引き続き継続的にずっと面倒を見る、応急措置から復旧、それから復興に向けてと継続的にずっと面倒を見続ける、そういうような制度を取り入れたそうです。

 こういった制度を日本の災害対応においても取り入れるということが考えられないかというふうに思います。そのメリットは何かというと、結局、例えば、新潟がどこの面倒を見る、どこが南三陸の面倒を見る、どこが何とかを見る、こういう形で一対一対応でやっていくと、進展のぐあいが目に見えて、支援している自治体ごとに違ってくるわけですね。そうすると、自治体ごとに支援のレベルが違うということで競争関係が生まれるということで、より復興が進むのではないかというようなところ。

 それから、一都市が一都市の面倒を、都市なのか県なのかというのは定義の問題でありそうですけれども、一自治体が一自治体の面倒を見るということによって、最初から、災害応急対応から復興まで継続的に面倒を見るということで、相互のコミュニケーションが図られることによって、人材交流なんかもできますし、防災教育という観点でも非常にいい。

 さらに言うと、支援している側にとってもメリットがあって、ずっと継続的にそこの町を支援することによって、支援している側にも防災のノウハウが伝わるというところで、非常にメリットのあるところでございます。

 こういったところについて、日本においてもちょっと検討してみた方がよろしいんじゃないかという観点から、御所見をいただければと思います。

西村副大臣 大変いい御指摘だと思います。

 今般の東日本大震災に際しても、私の地元兵庫県は宮城県とタイアップして、宮城県への職員派遣、いわゆる対口支援的な形で、一対一対応で大変な支援をしてきたものと承知をしております。

 まさに御指摘あったように、迅速かつ的確な災害応急対策の実施から、さらに復旧復興の段階に至るまで、継続的な支援ということで、一貫的な支援、あるいは結果として人材の育成、ノウハウの蓄積といった、まさに御指摘のあった点から見て、非常に有効なものであるというふうに認識をいたしております。

 現に、全国知事会においても、対口支援の考え方を取り入れて、既に、災害時等の広域応援に関する協定を締結して、災害の規模に応じて、ブロック内でやる、あるいはブロック間でやる、あるいは複数ブロック間で都道府県が応援を行うといったような応援の体制、広域的な応援体制の構築をしているところであります。

 そうしたことも踏まえ、また御指摘いただいた点も踏まえて、内閣府といたしましても、今後、全国知事会とも連携をして、そうした対口支援のような応援体制の充実強化に向けて、取り組みをぜひ進めてまいりたいというふうに思います。

椎名委員 ありがとうございます。

 ぜひこれを、法整備として制度化するかどうかはさておき、制度としてつくっていくというのは一つ考えておくところだと思います。

 特に、こういったことをすると何がメリットがあるかというのをもう一つだけ指摘をさせていただくと、漏れがなくなるということがあるんだと思います。

 実は、今般の東日本大震災につきましてですけれども、福島県から岩手県にかけて、津波の被災をした地域がどれだけ義援金を受けているかというところと、例えばテレビ報道の回数とか新聞の報道の回数とか、こういったところで統計をとって回帰分析してみると、報道されているところが非常に数が多い、要するに支援を受けている数が多い。

 裏を返すと、何が言いたいかというと、報道されているところというのは被害が最も甚大であるかどうかについては、必ずしも関係がないわけでございます。被害が甚大ではなくても、特殊な事例があった場合について、いろいろなメディアがそこに集中をするということもよくあるわけでございまして、裏を返しますと、ある研究者から聞いた話ですけれども、回帰分析という話をしますと、例えば死亡者数とかと支援を受けている義援金の金額とかを比較すると、必ずしも相関関係があるわけではないというような形で、どうしても、支援される部分に対して漏れが出てしまうんだと思うんですね。

 そういった意味でも、その漏れをなくすという観点からも、対口支援という考え方は非常に有益なのではないかなというふうに私自身は考えております。ですので、その制度化という方向に向けては、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。

 次です。

 さらに、災害法整備全般という、その考え方という意味でもう一、二点ぐらい伺いたいんですけれども、まず、前提としてですが、今、内閣府の中央防災会議の分科会のところで検討されている南海トラフの地震と首都直下の地震の、それぞれ被害想定の金額をざっくりといただければと思います。

亀岡大臣政務官 昨年度に想定した南海トラフ巨大地震の被害は、最大のケースで死者数約三十二万人、全壊棟数約二百三十八万戸、避難者約九百五十万人、食料の不足数が三日間の合計で約三千二百万食と今想定をしております。

 また、首都直下地震においては、現在、首都直下地震モデル検討会において地震モデル検討をしている段階であり、まだこれらの被害を算定してはおりません。過去の想定を紹介すると、平成十六年度に想定した首都直下地震の被害は、最大のケースで死者数約一万一千人、全壊棟数約八十五万戸、避難者数七百万人と想定されています。

 このように、南海トラフ巨大地震、首都直下地震が発生すれば極めて甚大な被害となる可能性があると今考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 例えば、南海トラフの地震で、死者だけでも、死者・行方不明者二万人前後というところの東日本大震災と比べても十六倍なわけでございます。

 ちょっとわかりづらいので、もし数字があれば金額でおっしゃっていただけると。金額がもしあればいただきたいんです。

亀岡大臣政務官 資産等の被害ですが、合計で約百六十九兆。そして、経済活動への影響としては、四十四・七兆が生産とサービス、また、交通寸断による六・一兆円、交通寸断に起因するものとして十六・九兆円ということで被害額を想定しております。

椎名委員 ありがとうございます。

 百六十九足す四十四足す六・一足す十六・九ということで、要は、大体二百二十兆前後ぐらいなわけです。二百二十兆というのははっきり言って想像がつかないんですが、日本の一年間のフローのGDPが五百兆前後なわけです。それの要するに四割なわけでございます。日本のGDPの四割に相当するスケール感の地震が起きることが想定されているということを基本的にはまず前提として、我々は防災というものについて考えていかなければならないんだというふうに思っています。

 そんな中で、要するに日本の一年間のGDPの四割が毀損をする、そういった大きな地震が最大で起き得るといったときに、やはり、今の、現法制の基礎自治体を中心とした災害応急対策というのが、そこを中心として考えるというのは必ずしも十分ではないんじゃないかなというふうに思います。当然、自治体個別で対応することができるわけもないわけでございます。

 今般の法改正において、応援要請、それから応急措置の代行といったところで法的に手当てがなされているということは十分に理解をしております。しかし、日本のGDPの四割という結構大きな金額、規模で想定される地震というものがあるということを考えたときに、災害に対するスケール感からしてどうしても、誰を主体に防災を行っていくかというところで少し不十分なのではないかと思うんですけれども、御見解をいただきたいと思います。

西村副大臣 これもまた大変重要な御指摘だと思いますけれども、基本的には、一番住民に身近なところということで市町村の役割、権限、避難勧告するにしても、やはり地域住民のことを一番よくわかっている市町村長の権限というのは非常に大事だと思っておりますので、その意味では、基礎自治体を一義的な主体としているというのは基本的な考え方としてあります。

 その上で、御指摘のとおり、大規模になればなるほど、とても市町村だけでは対応できませんし、機能を失ってしまう。今回の東日本大震災でも、市役所自体が相当な被害を受けて機能しなかった場合も多々見受けられたわけでありますので、そういう意味で、今回、その機能を補完するような都道府県あるいは国の代行措置というものを入れているわけであります。

 いずれにしましても、今回のような大規模の場合、あるいは、御指摘の南海トラフ、首都直下、より大規模なものが来た場合に、市町村ではもちろん対応できませんし、都道府県でも非常に難しいんだと思いますので、そうしたことも念頭に置きながら、国と地方公共団体が一体となって対策に取り組んでいく、そうした方向性をぜひこれからも打ち出してまいりたいというふうに思います。

古屋国務大臣 今委員の方から、南海トラフの地震の二百二十兆。これは、実は私、記者会見をしたとき、千年か二千年に一遍、想定外を避ける、冷静に正しく恐れてもらう、そういう視点で発表して、このケースが起きるというのは極めて比率は低いんですね。

 一方、事前対策を、例えば耐震をすることによってその被害を半分以下に抑えられるとか、同時にそういう取り組みもしておりますので、委員がいろいろ南海トラフのことで御質問になる、あるいはお話をされるときには、ぜひそういう趣旨をしっかり盛り込んで対応していただかないと。ただ、何というんですか、不必要に恐れる必要はないと思います。改めて申し上げますが、冷静に正しく恐れていただく、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

椎名委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおりだと思います。要は、リスクというのは何なのかという話ですけれども、どのくらいの金額がどのくらいの確率で発生するかというところだと思います。どうしても何千年に一回とかという災害になってしまうと、確率が物すごく低くなるので、掛け算すると小さくなってしまうわけですよね、リスクが。そうすると、リスク順で決めていくと、優先順位が結構後ろになってしまうわけです。それで本当にいいのかという話なんです。

 先ほども申し上げましたけれども、GDPの約四割に相当する金額が最大で想定されるとなると、そっくりそのままこのぐらいの金額の規模で被害が仮に起きたとすると、我が国だけでは絶対に対応できません。我が国の一年間の稼ぎの四割が消えるわけですから、我が国だけでは絶対に対応することができません。物すごく確率が低いけれども、その結果としてリスクも低いけれども、金額が我が国だけでは対応し切れないレベルになってしまうというところに大きな大きなジレンマがあるというのは、私自身も理解をしています。

 そんな中で、優先順位をリスクではかっていくとどうしても劣後してしまうところについて、我が国だけでは対応できない可能性があり得るという観点から制度を整えていき、そしてハード、ソフトでそれぞれ防災の施策をとっていくということが私自身の問題意識でございまして、殊さらにこの金額を強調する意味は私自身は持っていませんので、そこだけ指摘させてください。というわけで、国際的な支援の受け入れとかが絶対に必要になってくることだと思います。

 時間もなくなってきましたので、最後に一点だけ、防災をインセンティブ化するという考え方について御提言申し上げたいというふうに思います。

 今、この防災という考え方について、自助、共助それから公助という考え方でつくられています。このうちの自助というのは、要は、自分たちのことは自分たちで守るという話なんですよ。いざ災害が起きたときに逃げろという話は、逃げろ、もしくは土砂崩れなんかなので家の中にこもっていろという、そういった意味での自助という、災害に直面したときの自助というのは、それは誰しもが本能としてやることだと思います。

 そうではなくて、ここで言っている自助というのは何かというと、もし万が一災害が起きたときに、起きた被害を極小化するために事前にどれだけ準備をするかという話が、自助という観点から物すごく重要になってくると私自身も思います。

 そんな中で、例えば地震保険に入るとか自分の住んでいる木造の家を耐震化するといったこと、それから、例えば自分の住んでいる家の本棚が倒れないようにするとか、そういったことですら非常に重要なんだろうというふうに私自身は思います。先ほど、前の方が企業の話もしておりましたが、企業に災害弱者を受け入れてもらうとか、そういった制度をつくっていくというのも重要なんだと思います。

 そういった中で、自助というのは、我々個人の良心だけに頼っている自助というのはなかなか難しいだろうと思うんです。やはり日本は資本主義の国ですから、ビジネスとして、自助の努力をすることをインセンティブとして与えていき、自分たちが自助を行っていくと、自助のための、何か災害の被害の発生の準備をしていくとメリットを受けるという制度をつくっていかないと、事前の準備というのはやらないんじゃないかと思います。

 済みません、時間が終了したので終わります。もし意見をいただければ、ぜひ。

古屋国務大臣 自助を促すためのインセンティブ、極めて重要ですよね。そういう取り組みは現にしておりますし、さらに、その制度の充実というのは図っていくべきだと思います。

椎名委員 どうもありがとうございました。

坂本委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、大規模災害からの復興法案を中心に質問したいと思います。

 一昨年、復興特区法の審議において、地域住民の意見を反映させる仕組みについて法案に盛り込むべきではないか、このような質問をいたしました。今法案では、第三条「基本理念」において、「国と地方公共団体とが適切な役割分担の下に地域住民の意向を尊重しつつ協同して、」と。「住民の意向を尊重しつつ」、こういうふうに書かれてあるわけですね。ですから、どのように尊重する仕組みを盛り込んだのか、伺いたいと思います。

古屋国務大臣 災害からの復興は被災地域の住民の意向を尊重してなされるのは当然でありまして、地域住民の主体的な取り組みが欠かせません。

 そのため、この法案では、復興に当たっての基本理念として、地域住民の意向を尊重するよう規定するとともに、市町村が復興計画を作成する場合には、公聴会の開催など住民の意見を反映させるために必要な措置を義務づけています。

 また、復興計画やその実施について協議を行う復興協議会のメンバーには、被災市町村等が必要と認める者を加えることができる、こういうふうになっておりますので、地域の実情に応じて、住民の意見を正しく反映させるために必要な者を加えることが可能になっております。

 このように、この法律案では、地域住民の十分な参加のもとに復興の取り組みが進められるよう措置をさせていただいているというところでございます。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 今、最初に第十条の五項を読んでいただいたと思うんですけれども、明確に法定されたということを大変歓迎したいと思います。

 やはり、自助、共助、公助ということが、法律の中にも考え方がちゃんと書かれているんですけれども、正直言って、震災直後の現場というのはもともと自助、共助なんですね。特に、今回の東日本大震災の現場におりますと、最初にできた避難所というのはほとんど自主的な運営でありました。とてもじゃないが公がかかわるというどころではないんですね。無数に自主的な防災組織が発動したり避難所の運営がされて、共助というのはもともとそういう力を持っておりました。

 そして、今、復興を目指す取り組みの中でも、それぞれの被災地で住民の組織が立ち上がって、当然、行政も巻き込んで、自分たちのプランをつくっていこうという取り組みがどこでもされているんですね。ですから、やはりそこを尊重していくということが行政にとっても望ましいことだと思いますので、そこが位置づけられたということで、今後も非常に重視していただきたいなということを改めて紹介させていただきます。

 そこで、先週の本会議で、大規模災害からの復興の枠組みをあらかじめ法制化することでこれまでより速やかな復興への取り組みが期待できる、こういう大臣の答弁がございました。

 ただ、災害のたびごとに復興対策委員会、東日本大震災のときは復興構想会議というものが開かれて基本方針ができたわけですが、今回は復興対策委員会が多分同じ趣旨の制度になると思うんですけれども、それはやはりつくらなくちゃいけない、しかも災害のたびにつくる、そして災害のたびに基本方針をつくる、これは同じスキームであるのを確認させていただきます。

西村副大臣 東日本大震災、あるいは、さらに以前の阪神・淡路大震災からの復興に当たって復興対策本部というものを設置しましたけれども、それを設置するために、いずれも発災後に特別法を制定しておりまして、そのために一定の期間を要していたところでございます。今回のこの法律案によって、閣議決定によって、より迅速に本部を設置するということが可能になります。

 それから、復興基本方針についても、これは個別の災害ごとに、具体的な規模とか被災の状況、被害の状況等を踏まえて策定されるものでありますけれども、これにつきましても、復興対策本部が迅速に立ち上がれば、そのもとで速やかに定められるというふうに認識をいたしております。

高橋(千)委員 速やかかどうかということではなくて、災害のたびに復興対策委員会をつくるということと、基本方針、要するに、法定は今回しますけれども、例えば南海トラフと首都と一緒じゃない、そのたびにメンバーは違うし、そのたびに方針は違うということを確認しただけです。

西村副大臣 災害ごとに復興の対策本部をつくり、そして、中身はもちろん違いますけれども、復興の基本方針をつくっていくということはそのとおりであります。

高橋(千)委員 まず、そこが一つ確認をした点です。

 そこで、先ほど来もお話があったように、東日本大震災においては、復興基本方針が決まらないと、復興交付金のメニューなど、つまり、どんな計画をつくっていくかということでは、これが決まらなくて、どれだけ国の支援が受けられるのか、ここがわからないことが、やはりその先に進めないという点で大変なネックでありました。それで、今回の法案では、第五十七条において、「別に法律で定めるところにより、」「財政上の措置その他の措置を速やかに講ずる」とあるわけです。

 ということは、確かに規模が大きくなればなるほど、財政がどれだけかというのは、それは特別な措置をとらなければならないのは当然だと思います。ただ、そのことによって、今回の大震災で用いられた、例えば復興交付金の四十事業と財政上の措置、これが必ずしもとられるわけではない。つまり、これをベースにするときもあるし、ふえることもあれば減ることもある。だから、結局は、やってみないとどれだけのことができるかわからない、こういうことになりませんか。

西村副大臣 復興のための財政措置についての御質問でありますけれども、当然、この五十七条に書いてあるとおり、「財政上の措置その他の措置を速やかに講ずる」ということでありますので、こうした場合にしっかりと支援をしていくという方向性は書いてあるわけですけれども、その具体的な中身は、まさに御指摘のあった災害の規模、被害状況、それから、その時点での国の財政状況と被災した地域の財政力、そういったことも勘案しなければいけませんし、それから、財源確保のための国民全体の負担をどうするかといったような議論も必要であるわけであります。

 したがって、このようなさまざまなことを勘案しなければいけませんので、例えば、御指摘の東日本大震災の復興交付金のような事業をあらかじめ法制化しておくというのは適当でないというふうに考えているところであります。

高橋(千)委員 先ほどの議論でも、場合によっては二百二十兆というスケールの災害もあるよという議論もありました。ですから、本当に、そのときになってどれだけの規模が確保できるのかというのは確かにあると思うんですね。ただ、あらかじめ復興の枠組みを決めておこうと言った以上は、何から何まで全く予算が通らなければできないというのでは、やはり同じなんですよね。一昨年の教訓は生きない。

 なので、一昨年の震災で非常に好評だったもの、あるいは定着したもの、こうしたものを、一定のスタンダードというんでしょうか、捉えておく。ここまでは当然国の支援はあるんだよというふうなことを整理しておくというのも一つの考えだと思うんですが、いかがでしょうか。

西村副大臣 もちろん、東日本大震災での経験、それから、さらにさかのぼっての阪神・淡路大震災での経験、これは我々にとっては、大事な経験、教訓としてしっかり受けとめて、復旧復興の事業についても、それぞれ検証しながら今後につなげていくことが大事だというふうに思っております。

 ただ、あらかじめ財政上の措置についてそうしたメニューを用意しておくというのは、先ほど申し上げたとおり、被災した地域の特性によっても違いますし、そのときの国、地方の財政状況も違いますし、規模も当然、災害のたびに違うわけでありますので、あらかじめ東日本と同じメニューを個別具体に措置するというのは適当ではないというふうに判断をしたところでございます。

高橋(千)委員 ぜひ、大臣にも通告をしておりましたので、これは最後にもう一度質問しますので、答弁をいただきたいなと思うんです。

 私は、四十事業も、もっとふやせという意見もありましたし、これでいいとは言っていないんです。だけれども、全く一つも決まらないというのではなくて、一定の標準を決めておく必要があるのではないかということを提案していますので、検討いただきたい。また、本当にそのときになってみなきゃわからないよというのであれば、あらかじめ復興基金という仕組みをある程度とっておいて、最初は自治体に任せるよ、そのくらい言わないと、本当に前に進まない。せっかくこういう法制をつくっても前に進まないんですよね。大臣、どうですか。

古屋国務大臣 東日本で、震災でいろいろメニューをつくりましたね。これはあくまでも個別に応じてつくったんですけれども、でも実際、その経験、知見というのはすごくあるんですよ。だから、その経験を、今後もし大規模災害が発生した場合、その復興に適切に対処していくための参考にはなりますよね。そういう対応によって、被災市町村にもしっかり復興事業にも取り組んでいただけるということにつながっていくと思います。

高橋(千)委員 これはぜひ検討課題にしていただきたいと思うんですね。結局、震災の直後にまず始めたことは、阪神・淡路大震災でできたことは何だったかと。あの財特法ですよね、そこを少しでも乗り越えようというところからスタートをいたしました。ですから、やはり乗り越えていくんだというふうな決意を持って一定の整備をしていくということが必要ではないかということで提言をさせていただきました。

 そこで、教訓ということで、震災絡みで少し具体的なことを伺いたいと思います。

 津波復興拠点整備事業、これは市街地、住宅ですとか水産関係ですとか、あらゆるものを一体的に整備をするというので非常に歓迎をされている事業でありますけれども、これが、一自治体二カ所ですか、条件が厳しいという声もございます。ただ、例えば最大の被災地である石巻などでは、広域合併をしているのでこれでは全然おさまらないよという声が現場から上がっているわけですが、柔軟にできないでしょうか。

樺島政府参考人 津波復興拠点整備事業につきましては、今御指摘ございましたけれども、地域全体の復興を促進する上で必要な投資を集中的に行うということ、このことによりまして主な都市機能を迅速に回復する。このために、用地の全面買収方式によりまして、被災した都市機能を集約的かつ迅速に整備していく、こういう事業制度として創設されたものでございます。このような事業制度の趣旨に照らしまして、都市ごとの箇所数や規模に関しては一定の要件が設けられているところでございます。

 また、この事業制度の対象にならないケースにおきましても、被災した市街地の復興支援のため、この事業のほかにも、活用が考えられるさまざまな事業手法も用意されているところでございます。

 今後とも、地方公共団体のニーズや実情を踏まえながら、必要な事業を工夫し、前に進めていただきますよう、津波復興拠点整備事業の柔軟な活用、あるいは他の事業制度も含めまして、最適な事業の選択や実施について、きめ細かく町づくりへの助言と支援を行ってまいりたい、かように考えております。

高橋(千)委員 やはり絶対合わせわざというのが必要ですので、今、柔軟にというお答えをいただきましたので、よろしくお願いをしたいと思います。

 それで、ちょっと順番を変えまして、経産省に伺いたいと思うんですが、グループ補助金の遡及適用が三月の七次募集で打ち切られるということで、これから八次募集に向けて申請を準備したいと考えている事業者もあるじゃないかということで、私、八日の参考人質疑でも取り上げたんです。

 塩釜の商工会議所の桑原会頭が、この方自身はグループ補助が適用になって活用された方なんですけれども、やはりまだ全然更地の状態である、例えば石巻とか女川とか、まだまだ今後課題があるし、これからの八次に向けて申請を準備しているところも当然あるので、そういったところもぜひ助けていただきたいというふうな声が紹介をされていました。

 これについてもやはり柔軟にやるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

守本政府参考人 お答え申し上げます。

 グループ補助金につきましては、二十四年度の予算までは、被災事業者の早期の復旧、事業再開を後押しするということで、補助金の交付決定前に復旧に着手をされた事業者の方も、例外的に遡及適用ということを認めてございました。

 二十五年度、すなわち第八次公募からの申請でございますが、これは、申請から二年たちまして、津波浸水地域等以外では復旧が一定程度進んできたということを踏まえまして、復旧のおくれている地域に支援を重点化するということになりました。

 このために、再交付の案件を除きましては、二十五年度からは通常の運用に戻しまして、遡及という形は適用しない。それから、土地のかさ上げ等のおくれから復旧がおくれている地域を支援の対象とするということにさせていただきました。

 こういう見直しに当たりましては、これまでに、被災三県を初めとしまして、関係自治体と十分な調整を行って検討を進めてまいったところでございます。また、事業者の皆様に対しましても、二十五年度以降は遡及適用はしませんという旨を周知させていただきながら進めてきたということでございます。

 なお、遡及適用が必要なケースをできるだけ支援するということで、ことしの二月上旬に、追加的に七次募集というのを実施して、広く申請を呼びかけたところでございます。その際に、国と県が連携をしまして、実際に出てきた内容につきましても、その内容を向上させるために、具体的かつきめ細かな相談対応を行いまして、これによりまして、遡及適用が必要な案件を可能な限り幅広く採択させていただいたということでございます。

 今後につきましては、本補助金の適切な運用によって、自力再建のめどが立たない方を含めまして、復興がおくれている地域の復興を加速化してまいりたいと思っております。

 また、あわせて、二十四年度までであれば遡及の対象となり得た、既に自力で復旧された方、この方々につきましては、積極的に資金繰り支援を行うなど、きめ細かな対応を行ってまいりたいと思っております。

高橋(千)委員 この間、現場の声をよく聞きながら拡充をしてきたという経過もあったんだと思うんです。その上で、復興のおくれたところにぜひ手当てをしていきたいというお答えであったと思うので、要するに、おくれているのも、事業者のせいではなくて、復興計画がやむを得ずおくれているという事情があってのこともあるわけですから、せっかく今、それで駆け込み需要というものもありましたし、自治体の声もよく聞いている中で、それでも漏れるような、残念ながらちょっと間に合わないというふうなところがないように、何とか支援をしていただきたいということを、検討を含めて要望したい、このように思っております。

 そこで、内閣府に戻りますが、被災者生活再建支援法、これも申請の期限が、原則、発災後三十七カ月となっております。当然、これも同じで、三年では再建が困難な実態も踏まえて、柔軟に延長を認められるはずだと思いますけれども、確認をしたいと思います。

古屋国務大臣 お答え申し上げます。

 支援金の申請期限、原則として、基礎支援金は発生した日から十三カ月を経過する日、加算支援金は発生した日から三十七カ月を経過する日までとなっています。

 しかし、実際、やむを得ない事情はありますので、被災世帯が期間内に支援金の申請をすることができないと認めるとき、これは都道府県の判断で申請期間を延長することができます。現実に、岩手県、宮城県、福島県においては平成三十年四月十日、千葉県においては平成二十七年四月十日まで延長をされているところであります。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 今、期限の延長の問題と遡及の問題を取り上げたんですけれども、やはり震災のときは、危険区域の設定自体が大変おくれたがために自力再建に踏み切ってしまった、それで遡及もできない方が、今のグループ補助の話ではなくて、そういうことがたくさん起きました。

 ですから、指摘をしたような復興の枠組みがわかっていて、ここまでは支援ができるだろうということがあれば、きっと今のそういう、仕方がなく先にやって、お金が全然出ないというようなことはほとんどなくなっていくのではないか、そういう問題意識のもとにきょうの質問をさせていただきました。大いに検証して、次につなげていきたいと思います。

 ありがとうございました。

坂本委員長 次回は、来る二十一日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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