衆議院

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第9号 平成25年11月21日(木曜日)

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平成二十五年十一月二十一日(木曜日)

    午後二時開議

 出席委員

   委員長 坂本 剛二君

   理事 うえの賢一郎君 理事 北村 茂男君

   理事 原田 憲治君 理事 福井  照君

   理事 盛山 正仁君 理事 三日月大造君

   理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君

      井林 辰憲君    井上 貴博君

      伊東 良孝君    石崎  徹君

      泉原 保二君    大見  正君

      門山 宏哲君    神山 佐市君

      木内  均君    北村 誠吾君

      工藤 彰三君    今野 智博君

      笹川 博義君    清水 誠一君

      竹下  亘君    長島 忠美君

      林  幹雄君    藤丸  敏君

      松野 博一君    務台 俊介君

      湯川 一行君    黄川田 徹君

      寺島 義幸君    中川 正春君

      吉田  泉君    今井 雅人君

      宮沢 隆仁君    濱村  進君

      樋口 尚也君    佐藤 正夫君

      高橋千鶴子君    小宮山泰子君

    …………………………………

   議員           金田 勝年君

   議員           二階 俊博君

   議員           林  幹雄君

   議員           福井  照君

   議員           務台 俊介君

   議員           中川 正春君

   議員           三日月大造君

   議員           吉田  泉君

   議員           高木 陽介君

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       古屋 圭司君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  北村 隆志君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   日原 洋文君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        住田 孝之君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           佐藤 憲雄君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 奥主 喜美君

   衆議院調査局第三特別調査室長           清水  敦君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十一日

 辞任         補欠選任

  松野 博一君     門山 宏哲君

  吉川  赳君     石崎  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  石崎  徹君     今野 智博君

  門山 宏哲君     松野 博一君

同日

 辞任         補欠選任

  今野 智博君     吉川  赳君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 防災・減災等に資する国土強靱化基本法案(二階俊博君外十一名提出、第百八十三回国会衆法第一八号)

 国民生活強靱化のための防災・減災対策基本法案(中川正春君外四名提出、衆法第九号)


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     ――――◇―――――

坂本委員長 これより会議を開きます。

 第百八十三回国会、二階俊博君外十一名提出、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案及び中川正春君外四名提出、国民生活強靱化のための防災・減災対策基本法案の両案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官北村隆志君、内閣府政策統括官日原洋文君、資源エネルギー庁資源・燃料部長住田孝之君、国土交通省大臣官房審議官佐藤憲雄君及び環境省大臣官房審議官奥主喜美君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

坂本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。盛山正仁君。

盛山委員 ありがとうございます。自由民主党の盛山正仁でございます。

 前回の審議で、大島理森議員の質問に対する、提案者でいらっしゃいます二階俊博先生の御答弁をお聞きして、自然災害から何としても人命を守る、また決して公共事業のばらまきではない、その与党の法案の意義、趣旨について御説明があり、立派なやりとりだな、いつになったら私はこういうやりとりができるようになるのかな、そんなふうにも感じた次第でございますが、現在、提案者の一員であります自民党の福井議員が、民主党法案を取り入れた法案の修正案を検討している、そんなふうにも伺っているところでございます。

 同級生でもあり、たまたま誕生日まで一緒であるという福井議員の方から、その修正の趣旨について、ポイントを御答弁いただきたいと思います。

福井議員 ありがとうございます。

 まさに志は共通しているわけでございます。国家が国民の命を一人残らず助ける、守るという志は共通しておりますので、野党の皆様方の御意見を幅広く取り入れて、まさにこの法案の強靱化、より強くしなやかな法律にしたいという一念で修正案を出させていただいております。

 各党各派の皆様にも、もう既に真摯に対応していただいております。この場をおかりいたしまして敬意を表させていただき、そして、これまでの御努力に対して御礼を申し上げたいと思います。

 できれば委員会提出法案、少なくとも、たくさんの会派、各党の提出による法案にしたいと考えておりますので、今後ともよろしく御指導いただきますようにお願い申し上げます。ありがとうございました。

盛山委員 ありがとうございました。

 できるだけ与野党みんなが祝福して出せるような法案となりますよう、御調整方よろしくお願いしたいと思います。

 さて、現在提出している法案は議員立法ということでございます。議員立法と内閣提出法案で何が違うのかなというところも若干感じるところがございます。一般的に、議員立法というものは我々議員が出すものですから、政府提案ではありませんので、予算の裏づけ、そういう予算関連法案というわけにはなかなかならないというのが議員立法の一つの弱点でもあるのかな、そんなふうにも感じております。

 おととし、議員立法という形で、津波対策の推進に関する法律、平成二十三年法律第七十七号、これが成立しているわけでございます。中心になっておつくりになった二階先生の御地元、浜口梧陵ということは和歌山を中心に皆さんよく周知しておられて、津波が来たらすぐに逃げるんだ、あるいは十一月の五日が津波の記念日なんだ、こういうことでしっかりとした取り組みがされていると思うんですけれども、和歌山あるいは関西以外の地域においてまだまだ十分に知られているとは残念ながら思えません。

 また、政府としての取り組みも、いかがでございましょうか。せっかく津波の日というのが決められたにもかかわらず、ことしになってやっと十一月に政府としての取り組みを始めるというふうになったとは伺っておりますけれども、これまでは別のタイミングでやっておった。

 こういうあたり、政府としての取り組みが、内閣提出法案に比べて、これは我々のひがみかもしれませんが、議員立法に対する取り組みが不十分ではないか、そんなふうにも感じるところでございます。

 現在審議をしている法案に関しまして、我々一同が、みんなが合意する立派な法案ができましたら、予算も含めてしっかりとした対応を政府に取り組んでいただきたい、そんなふうに思うんですが、大臣、いかがでございましょうか。

古屋国務大臣 今委員御指摘のように、二階先生初め委員の皆さんの御尽力で、津波対策推進の法律を一昨年つくっていただきました。この法律ができて、では、果たして十分に政府としても広報活動、あるいは津波の正しい認識を持つためのPRが十分かというと、私は全く十分でないと思っています。

 過日、黄川田委員からも同様の質問をいただきまして、私も、今ちょうど私の答弁のところを読んでいるんですが、正直言ってPR不足であります、まだまだ不十分ですねという答弁をさせていただきました。

 その上で、やはり浜口梧陵さんの教訓をしっかり国民の皆さんが多く認識するということが大切ですね。三・一一も、多くの方がお亡くなりになりましたけれども、その九三%が実は津波の被害者です。

 ということは、津波に対してソフト、ハード両面で対策をすればその命の大宗は救える、こういうことにもつながるわけであります。もちろんハードの整備をしていかなくてはいけませんが、一方で、ソフト面の整備というのは、これは国や地方公共団体がしっかり連携をしていけば十分に可能だというふうに思っております。

 ことし十一月九日、これは十一月五日が津波の日に設定されておりますので、直近の土曜日ということで、ひたちなか市で国土交通大臣が出席して式典をしましたけれども、やはりこういったものが国民運動的なものに広がっていくということが必要ですね。例えば、九月一日は防災の日で、全国各地区で防災運動をしていますね。やはり理想はああいう形じゃないでしょうか。

 そのためには、やはり内閣府としてもしっかり予算措置をして、そして啓蒙活動のための取り組み、広報活動のための取り組み、十一月五日というものを多くの国民に知っていただく。そのことによって、いざ津波が来たというときにはいち早く高台へ逃げる、こういう認識もできるというふうに思います。結果として国土強靱化の理念にも資すると思いますので、内閣府としても心してそんな取り組みをしていきたいというふうに思っております。

盛山委員 大臣、御答弁ありがとうございました。

 ぜひ、広報、我々国民全体が九月一日と同じように津波防災の日というものをよく認識して、避難訓練もふだんからする、こういうことが必要かと思いますが、ぜひ予算措置も含めてお取り組みの強化をお願いしたいと思いますし、また、現在審議中の法案も、成立いたしましたならば、ぜひその新しい法案についても予算措置を含めてお取り組みをいただきたい、そんなふうに思います。

 さて、十月の三十日には、委員長以下、我々、伊豆大島に、災害対策特別委員会の理事として視察に参ったところでございます。私の地元は神戸でございまして、阪神大震災がありました。そういう被害、それから、おととしの東日本大震災、そしてまた今回の伊豆大島、それぞれ被害が全然各地で違う。しかしながら、本当に悲惨だということは変わりがないな、そんなふうに今回も感じたところでございます。

 国連では、国際防災の日というものを定めております。ことしのテーマは、障害とともに生きる人々と災害、こういうことになっております。また、現在、国会では、障害者権利条約の批准について、衆議院は可決しておりますが、現在参議院で審議中でございます。

 こういったことからも、災害対策において、障害者を初め、病院に入っている人、いろいろさまざまな支援や配慮が必要な人々、こういう方々についての避難も含めて明確に位置づけられるべきではないか、そんなふうに感じます。先日の大島もやはりそうでございました。

 視覚障害者の方は、ラジオの緊急放送あるいはテレビの音声といったもので、何が起こったか、そういうことはすぐキャッチができるわけでございますけれども、残念ながら聴覚障害の方は、音声による認識ができません。ラジオの緊急放送はわかりません。そしてまた、テレビでも、画面はわかるものの、何をどうすればいいのか、そういったところが字幕で出ない限り、なかなか把握することは困難でございます。

 アメリカでは、テレビ放送に字幕を付しております。こういったことは大変効果的であるということで、以前から聴覚団体を中心に要望されているんですが、残念ながらなかなか進んでいないのが現状でございます。

 再来年、平成二十七年には、仙台で、第三回国連防災世界会議で新たな防災に関する国際的な枠組みを採択する、そんなふうに伺っております。障害者権利条約の実施の観点からも、障害者のことが明確に位置づけられることが求められているわけであります。

 そして、現在、高齢者、障害者等支援や配慮が必要な人々に対する取り組みというのは、内閣府だけではなく、総務省、厚生労働省等、各省にまたがっております。政府としての高齢者、障害者に対する取り組みは本当に有機的に連携がとられているかというと、そうではないんじゃないか、そんなふうに考えているところでございます。

 大臣として、このような現状をどうすればよいのか、どのように改善をされようと思っておられるのかについて、御答弁をお願いしたいと思います。

古屋国務大臣 今委員の御指摘は、聴覚障害の方をたまたま例に挙げられました。

 実は、もう相当昔の話なんですけれども、私が党の通信部会長をしておりましたときに、ちょうどデジタル化を決定いたしまして、あのときに、やはりそういった聴覚障害者の方に対して字幕放送をふやしていくべきだということで、ちょっと私、今所管ではないので、アップ・ツー・デートの数字がどれぐらいになっているのか承知はいたしておりませんけれども、確かにそういった字幕放送をふやしていくということは大切なことですね。委員からの御指摘があったということで、改めて総務大臣と関係者の皆様に私からもお伝えをさせていただきたい。これが省庁の連携というものの一つだと思います。

 それ以外にも、ことし災対法を改正いたしまして、要配慮者に対して防災上必要な措置に努めるという義務規定も入りましたし、また、避難の際に特に支援を必要とする皆さんに対して、名簿の事前作成、これを市町村に義務づけて、平常時と被災時のそれぞれについて避難支援者に名簿情報の提供を行うための制度、これも設けることにさせていただいたわけでございまして、この運用に関する取り組み指針をしっかりつくり上げて対応していくということも決めました。

 これは、御承知のように、個人情報保護法の壁があったわけでございますけれども、その壁を乗り越えて、事前にそういう要援護者の名簿管理をする、そしてそれをふだんからしっかりデータベースとして集約をして、いざ有事の際にうまく活用できるようにするという取り組みをしたわけでございますけれども、実は、南海トラフ地震のワーキンググループを務めています尾崎知事が、このことに対して大変評価をされました。

 この前、参考人質疑でたしかこの委員会に来ました、三十四メーター津波が来るという三十四メーターショックの当事者の町長であります大西町長と知事が今連携をして、全ての住民の皆さんの避難のマップというかデータベースをつくるということで、避難放棄者をゼロにするという取り組みをしていますね。

 実は、この中にも要援護者は入っているわけで、今まではそういう名簿がつくれなかったんですね。ですから、そうやってつくって取り組んでいくという首長さんの非常に前向きな取り組み、私は、高く評価したいと思いますし、今後もそういう応援をしていきたいと思います。

 やはり、そのためには、今委員おっしゃるように、関係省庁が連携していくということが極めて大切でございますので、連携と周知、そして、市町村あるいは県の要望をしっかり真摯に聞きながら、我々としても御支援を申し上げて、これは徹底してまいりたいというふうに思っています。

盛山委員 ありがとうございました。

 防災大臣を中心に、ぜひ政府全体としてのしっかりとした取り組みをお願いしたいと思います。

 終わります。

坂本委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 公明党の濱村進でございます。

 先ほど自民党の盛山先生が質問されましたけれども、私も同じ兵庫県を出身としております。防災意識の高い市民、県民がいる兵庫県出身の代表として質問させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 先日の十九日の委員会におきましても、自民党の大島先生が、今回の与党案と民主党さんが出された案につきまして、そんなに違わない法案だということをおっしゃっておりました。そこで私もよくよく比較をさせていただいたわけですけれども、命を守り、暮らしを守るという観点におきましては少し気になる点がございましたので、その点についてきょうは質問させていただきたいというふうに思います。

 与党案では、八条の三号に、地震による建築物の倒壊等の被害に対する対策の推進と公共施設の老朽化への対応ということで、公共施設の老朽化について記載がございます。

 一方、民主党さんが出された案におきましては、なかなかそれを読むことができない、つまり、老朽化の対策については明記されていらっしゃらないというふうに認識しております。

 まず、この事実認識について、合っているかどうかという点を確認したいのと、被害を最小化していくということは非常に大事であるわけでございますので、野党案におきましてはどのように考えていらっしゃるのか、この点について御質問させてください。

中川(正)議員 御指摘のように、公共施設の老朽化に伴い発生する事故の対策というのはそれなりに大切な対策であるということ、これはもう当然のことだと思います。

 ただ、今我々が提出している法律の基本的な対象というのは、大規模な自然災害に対して体系的に特出しをして法律化しよう、いわば、アンブレラをかぶせて、それぞれの法律に横串も刺していこうというふうな意図でありますので、大規模自然災害に限定しているというところが、一つ、ポイントです。

 それから、もう一つは、仮に広げてしまった場合にどうなるかというと、これは、自然災害のみならず、公共施設の老朽化に伴う事故だとか、あるいはまた、それ以外のさまざまな事象というのに全部広がっていきまして、際限なく政策が広がっていってしまうということでもあろうと思うので、そこはめり張りをつけて、この大規模自然災害でくくっていくということ、これをはっきりさせていきたいというふうに思っています。

濱村委員 ありがとうございます。

 大規模自然災害にしっかりとフォーカスするという意味では非常に共感もするわけですけれども、一方で、大規模自然災害が起きるその前に、公共施設等に関してはしっかりやはり老朽化対策を行っていかないと、いざ大規模自然災害が起きたというときに手おくれになることも考えられると思います。

 そういう意味では、私は、こういった公共施設に対する老朽化というのは事前に想定しておくべきかなというふうに考えておるわけでございます。いずれにしましても、この点についてしっかりと議論していければというふうに思っております。

 また、今財源の話もありましたけれども、際限なくということをおっしゃっておったんですけれども、そういうことはなかなか考えにくいのではないかというふうに思います。もちろん、財政健全化、これは与党としても重要な責任であるというふうに考えておりますので、際限なく広がるようなことなく行っていく必要があるというふうに考えております。

 次の質問に移らせていただきます。

 今違いを明らかにさせていただいた上で、一方では、本当によく似ているといいますか、共通した理念があるというふうに考えております。いわゆる国土強靱化基本計画とほかの国が定めている計画の調和を図っていくということが、両法案におかれまして明記されているわけでございます。

 この調和についてどのように考えていらっしゃるのか、与党案の提出者、野党案の提出者、それぞれお聞かせ願いたいと思います。

高木(陽)議員 法案の第十条第一項の規定に、政府は、国土強靱化基本計画以外の国土強靱化に係る国の計画等の指針となるべきものとして、国土強靱化基本計画を定めることとなっております。

 この計画は、いわゆるアンブレラ計画として、関連する行政分野に対して横断的に強靱な国づくりに向けた指針を示す上位計画という性格を有することになります。

 つまり、防災基本計画ですとか社会資本整備重点計画、さまざまな基本計画があるんですけれども、その上に傘のようにかぶさって、国土強靱化ということについてしっかりと脆弱性の評価をしながらかかわっていく。

 具体的に、国のほかの計画は、国土強靱化に関しては、国土強靱化基本計画を基本とすることとされ、内閣総理大臣は、国土強靱化基本計画の実施について調整を行うため、関係行政機関の長に対して必要な勧告を行うこともできることとしております。

三日月議員 先生、ありがとうございます。

 今与党提出者からも答弁がありましたように、基本的なたてつけは同じです。国土強靱化基本計画、私どもで言う国民生活基本計画を指針として他の国の計画を定めていただくということでありますとか、また、調整を行うため関係行政機関の長に必要な勧告を行うことができるというたてつけも同じです。

 ただ、一つ明確に違いますのは、私たちは、そういう国の他の計画に波及させる、これは、ある意味では脆弱性を評価し、そしてその対策をとるための計画を定めるものですから、先ほど先生からも御指摘がありましたように、限りある財政に影響を及ぼさないように、国民生活強靱化対策に関する予算編成の方針というものをこの基本計画の中に定めて、計画が際限なく膨張せぬよう規定するという条文を入れさせていただいております。

濱村委員 ありがとうございます。

 今、アンブレラとして横断的にするという視点では同じであるということをおっしゃっておりました。

 その上で、やはり決定的な違いとして、今、三日月先生からありましたけれども、財政的な面で際限なく広がることなく予算編成にしっかりときき及ぶようにということが大事な点であるということは認識いたしました。

 そうはいっても、両法案が出てきた根本は何なのかというところに立ち返りますと、やはり人命を守ることが第一であるということかと思います。この法案につきましては、先ほどもございましたとおり、党派を超えて全会一致でしっかりと通していきたい、私自身も与党の一人としてそのように願っている次第でございます。

 しっかりと皆様の議論が尽くされるよう願って、質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。

坂本委員長 次に、寺島義幸君。

寺島委員 民主党の寺島義幸でございます。

 今日まで、るる議論があったわけであります。大変重複する点もあろうと存じますけれども、私なりに大切だと思いますので、若干観点を変えてお聞きいたしますので、お許しをいただきたいと思うわけであります。

 東日本大震災は、本当に大変な災害であったと思います。と同時に、私たちに多くの教訓を残してくれたのかなと思っております。津波は、世界最大の水深の釜石の湾口防波堤や、御案内のように、万里の長城の異名をとりました田老町の防潮堤をやすやすと乗り越えて多くの人をのみ込んでしまったわけであります。

 しかし、釜石の奇跡で知られるように、千人以上の犠牲者が出た釜石では、小中学生の犠牲者はわずか五名ほどであったということであります。小中学校の生徒の生存率は九九・八%であったというふうに聞いています。学校にいた子供たちは全員助かった、こういうことであります。

 これは、釜石の子供たちが、群馬大学の先生を初め多くの釜石の教育者たちの防災教育によって培われたそのあかしであろうと思うわけであります。幾ら立派な防潮堤、防波堤があったとしても、それを乗り越える津波がいつかやってくる、そのときにどう対処するか、どう生き残るか、そして、その人間力あるいはまた生活力が問われているのではないでしょうか。

 我々の住む日本は、すばらしい自然に恵まれておるわけであります。と同時に、多くの自然の脅威にもさらされているのは御案内のとおりであります。地震、津波あるいはまた噴火、地すべり、土石流、暴風雨、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、高潮と、まさに災害は枚挙にいとまがありません。それらの災害には上限がないということも、東日本大震災の経験で、強く我々は心に刻ませられたわけであります。

 上限がないものにハード施設を幾らつくっても、完全に対処するということもなかなか難しいのかな、もちろんハードの施設で救われる命もたくさんありますけれども、ソフトとハードの連携をもって、できる限り多くの人の命、そして、その人たちのあすの暮らしを救おうということが我々に求められているのかなと考えています。

 そこで、与党案に対してお伺いをいたします。

 我々民主党は、強靱化すべきは国民そのもの、そして、国民を取り巻くその日々の暮らしという国民生活ではないかという思いで、国民生活強靱化のための防災・減災対策基本法案を提出したところでございます。

 与党案に明記されている国土強靱化という題名、当初、公明党さんから反対意見が強く出ていたようにも報道があったわけでありますが、名は体をあらわすとでもいいましょうか、この題名にこそこの法案の本質があるいはあるのかなとも思うわけであります。

 公明党がこの題名に反対されたわけ、そして、それでもなお国土強靱化という題名を守られたお考えを、まず初めにお聞かせいただきたいと思います。

二階議員 防災・減災等に資する国土強靱化基本法案、たくさんの法案の審議が毎日のように国会でなされておるんですが、これほど表題にこだわった御意見や新聞報道はかつてなかったと思っております。

 しかし、その強靱化ということは、やはり、強くしなやかな国土をつくっていこう、再びあのような悲惨な災害に遭遇することのないようにしよう、先ほど議員もお述べになりましたように、釜石の奇跡ということがありますが、そうしたことに対して、再びあのような被害に出くわすことのないようにするための決意をこの法律の中でもしっかり示しておかなきゃいけない。

 自民党及び公明党において、法案の内容につきまして、たびたび協議会を開いて、自民、公明の間でも意見をすり合わせました。結果、導き出された名称である。私は、これはこれで大変当を得た立派な法案のタイトルになった、こういう感じがしておるわけであります。

 また、報道に関してもいろいろ言われておりますが、公明党において国土強靱化という題名に反対が出ていたとは私どもは認識しておりません。自民党においても、国土強靱化という名称を、いろいろな議論にさらされながらもこれを守り切った、そういう認識もあるわけではありません。

 我々は、この名称を含めて、柔軟に対応していく、こういう気持ちでございますから、それぞれの党からもいろいろな意見をいただいておりますが、最後の採決の寸前までもできるだけ調整を図って、一人でも多く、もっと言えば、一党でも多くこの法案に御賛同いただけるような対応をしてまいりたい。

 したがって、私たちは、この法案の審議に対して、自民党では、二年数カ月、この案をつくり上げるために、あるいはまた御理解をいただくための努力を重ねてきた。ですから、各党からも立派な案が出されて、それをテーブルにのせて、これにどう対応しようかということに相なろうと思います。

 私どもは、今日まで、随分多くの皆さんの御意見も伺ってまいりました。一党一派に偏することなく、労働組合の代表や、かつて御党に議席を持っておられた方の御意見等も我々は率直にお聞かせいただき、これは参考だ、これは立派な御意見だということは、法律の精神に取り入れていくように努力したわけであります。

 そういう意味で、我々も、羽田元総理の御指導をいただいてきた一人として、先生と意見を共有するところはたくさんあろうと思いますが、どうぞよろしく御協力をお願い申し上げます。

寺島委員 ありがとうございます。

 ナショナルレジリエンスというのを国土強靱というふうに訳されたと。アメリカの定義によれば、状況の変化に対応できて、非常事態による混乱に耐えて、速やかに回復できる能力、こういうふうに定義がなされているらしいんですが、それと強靱化ということが私的に若干の思いがありましたので、伺ったわけであります。

 国民生活を強靱化するのと、あるいはまた国土を強靱化するのとでは、その手法も若干変わってくるのではないかというふうに思っています。

 与党案の施策の実施の方針を拝見しますと、五つあるわけであります。既存の社会資本の有効活用等とか、自然との共生、環境との調和に配慮するとか、民間の資金の積極的な活用とか、基本的理念を踏まえ施策の重点化を図るとか、五つあるわけでありますが、いずれも、どちらかというと、ハードの施策を念頭に置いているような規定に感じられるわけであります。

 どのようなお考えで施策の策定あるいはまた実施の方針を定められたのか、与党案に対してお伺いいたします。

 さらに、民主党案に対してもお伺いいたします。

 国民生活強靱化対策の策定及び実施方針の内容、その意図するところをお聞かせいただきたいと思います。

金田議員 ただいま委員から、施策の策定及び実施の方針、念頭に置いているもの、こういう御指摘がございました。

 与党案の第九条に規定をいたしております施策の策定及び実施の方針は、国土強靱化をより効率的かつ効果的に推進することを主眼としているものでありまして、実際の取り組みに近い施策の策定、実施段階における方針というものを示しておるわけであります。

 今委員から、五項目御紹介がございました。具体的には、その中でも、既存の社会資本の有効活用によりますコストダウン、あるいはソフト、ハード両面にわたる施策の重点化、そして民間資金の積極的な活用を規定したわけでありまして、例えば、津波対策として、海岸コンクリートで防潮堤を整備するというだけではなくて、地域の自然植生というんでしょうか、その地域に自生する木を植えて、その樹木を活用した緑の防潮堤をつくるといったような、自然との共生あるいは環境との調和にも配慮する、こういう趣旨を規定して、考えを示しているものであります。

中川(正)議員 寺島委員御指摘のように、強靱化という言葉の受けとめ方というのが、国土が頭につくと余りにも強烈になって、ハード、とにかく公共事業のばらまきの再現ではないかというふうな受けとめ方をされることがあるんだと思うんですね。

 そういう意味では、このレジリエンスというのは、例えばさっきの津波堤防の話でいくと、やはり越えてくるんだ。どれだけ堤防を高くしても、それをやはり越えてくるという想定で防災計画はつくらなきゃいけない。その越えてくるということに対応する、命を守っていくという形のものであるとすれば、それはソフト事業でカバーしていくものであるし、訓練、あるいはいろいろな事前のシステム構成、いわゆる危機対応に対するシステム構成というのをつくっていかなきゃいけない。そのトータルな議論をしなきゃいけないんですよというのが、私たちの、国民生活という見出しをつけた意味合いなんですね。

 先ほど御指摘のありました、私たちの法案の実施の方針の内容及びその意図するところでありますが、恐縮です、十八項目あるんです。

 一つは、発災から七十二時間を経過するまでの間において、迅速かつ適切な救助活動を行うために必要な措置を集中的に講ずることによって、まず人命をここで保護していくことを最優先にするということ。

 それから二番目は、この体制をつくるために、内閣府の防災担当及び消防庁を中核とした大規模自然災害への対処に係る事務を総括する機構をつくっていくということ。これは、言いかえれば日本版のFEMAをつくるということ。

 それから三番目は、応急対策の実施を支援する機能の強化を図る。

 四番目は、応急対策の実施に関する指揮命令に係る権限を整理すること。特に、現場で、自衛隊、消防、それから警察、さまざまに入るわけですけれども、そのときの指揮命令系統がやはり一つになっていないといけない、そういう問題意識からであります。

 それから、防災及び減災に関する法制について、体系的な整備を行うこと。

 防災及び減災の観点から、大規模自然災害に対する脆弱性の評価を行うこと。

 国民の財産及び公共施設に係る被害の最小化に資していくということ。

 それから、人命保護の観点から、土地の合理的な利用を促進すること。

 地域における国民生活強靱化対策の推進体制の強化等を図っていくこと。

 学校及び地域社会における防災及び減災に関する教育の推進、これをやること。

 それから、地域における活動並びに災害から得られた教訓及び知識を伝承する活動を推進すること。

 また、自然との共生及び環境との調和を図ること。

 人材の育成及び確保を図ること。

 科学的知見に基づく研究開発の推進及びその成果の普及を図ること。

 観測及び測量の実施の強化を図っていくこと。

 既存の社会資本の有効活用等により、費用の縮減を図っていくこと。

 施設または設備の効率的かつ効果的な維持管理に資すること。

 最後に、民間の資金の積極的な活用もその中にしっかりと入れていくこと。

 こういうことを指摘しております。

寺島委員 ありがとうございます。

 余り話題にならないんですけれども、三・一一、東日本大震災の翌日に、長野県の私の地元の栄村で、長野県北部地震がありました。その経験からしても、やはりハードとソフトというのは大切だなと改めて感じていたわけであります。

 与党案に対してお伺いいたします。財政規律についてであります。

 民主党案では、国民生活強靱化対策を実施するために必要な財源の不足等を踏まえ、財政規律の維持の観点から、その重点化を図るとする規定が設けられているわけであります。

 私たちは、自然災害にも直面する一方、財政の危機にも直面しております。このまま際限もなく、優先順位をつけないまま防災、減災事業を実施していけば、いずれは大変な財政状況にもなろうと思います。そうなれば、本当に切迫した防災、減災対策であっても実施できなくなってしまうのではないかという心配があるわけであります。

 そうならないためにも、財政規律の維持の観点を法律に明記する必要があるのではないかと考えているわけでありますが、あわせて、財政規律と防災、減災対策との兼ね合いをどのように考えていらっしゃるのか、お伺いをいたします。

金田議員 先ほども申し上げたことを一言だけ繰り返させていただきます。

 私たちは、国土強靱化を効率的かつ効果的に推進する、そういうスタンスは堅持しておりますから、第九条にしっかりと、コストダウン、あるいはソフト、ハード両面にわたる施策の重点化を明記しておるわけですね。

 ただいまの御指摘なんですが、もちろん、委員御指摘の財政規律の維持、こういうことももとより重要な課題だというふうに認識しておるんです。

 まず一つに、国土強靱化を進める上で重要なことというのは、必要な額ではなくて、国土強靱化基本計画において必要な施策の方向性を明示して、施策を効率的、効果的に進めていくことにあると私たちは考えております。

 したがって、国土強靱化を進める上での財政規律というものを考えた場合には、国土強靱化を進める上での課題というよりは、国の歳入、歳出全般にかかわる課題であって、特に国土強靱化を推進するこの法案において規定するべき性格のものではないと考えております。

 政府においては、他の政策目標とも両立させながら国土強靱化の推進を図っていただきたい、その中で考えていく話、このように考えております。

寺島委員 時間がありませんので、先を急ぎます。順位づけの話であります。

 私たちは、南海トラフ地震や首都直下地震に備えるため、委員会提出でこれらの対策の特措法を参議院に送付しまして、昨日、参議院の災害対策特別委員会で可決されたというふうに聞いています。まだまだ備えるべき災害は枚挙にいとまがないわけであります。

 そこで、与党案に対してお伺いをいたします。

 国土強靱化基本法案の中では、実施の方針として、基本理念及び基本方針を踏まえ、施策の重点化を図ることとしております。しかし、理念や基本方針が示す範囲は広く、その重点化の実質的な方法は示されておりません。これでは、各事業や自治体の判断で、優先度が低いもの、高いもの、その時々の、その場の判断で、補助金が高いというような安易な理由で実施されるおそれがあります。

 国全体として、優先度の低いものが実施されていくことによって、切迫性のある、重要度が高いものが後回しになってしまうのではないかと心配であります。これは、東日本大震災の復興予算が流用されたというような事例にもあるわけであります。

 施策の重点化について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。また、施策の優先順位については、誰が、どのように行われるのか、お答えをいただきます。

 続いて、与党案に対してお伺いいたします。

 これらの優先づけというものを、その手法をしっかりと法定化しておく必要があるのではないかと考えますが、どのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをいたします。

 さらに、民主党案に対してお伺いをいたします。

 国民生活強靱化法では、国民生活強靱化基本計画の案の作成に当たり、透明性を確保しつつ、公共性、客観性、公平性及び合理性を勘案して施策の優先順位を定め、その重点化を図ることとしております。どのような思いでこの規定を設けられたのか、お伺いをいたします。

坂本委員長 申し合わせの時間が来ていますから、簡潔に御答弁願います。

福井議員 ありがとうございます。端的にお答えをさせていただきます。

 この国土強靱化基本計画の案の作成に際しての御指摘と受けとめさせていただいて、民主党案にもあります本部は、国土強靱化に関する施策の優先順位を定め、その重点化を図らなければならないという御提案、非常に重く受けとめさせていただいております。

三日月議員 防災対策は、やはり国民のためのものでありますから、脆弱性評価に対しても、基本計画をつくるに際しても、客観性と透明性、そして重点化を図る仕組みをきちんと法定化しておくことが大事だと思います。

 財政規律もそうです。先ほど、与党案提出者の方から、効率的かつ効果的に行うんだ、財政規律についても当然考えるんだ、しかし、この法案に規定すべき性格のものではないという趣旨の御答弁がございましたが、私たちは、他の国の計画にも波及する計画をつくる法律だからこそ、財政規律についても、優先順位づけについても、しっかりと法定化しておくべきだという観点から、規定を設けさせていただいたところです。

寺島委員 まだ質問も用意してあったわけでありますが、配慮が足りないというか、最後までできなかったことをおわび申し上げると同時に、大事なことは、将来の子供たちに安全で安心などういう日本を残すか、命を守るために残すかということが大切なのかなということを申し上げて終わります。

 ありがとうございました。

坂本委員長 次に、宮沢隆仁君。

宮沢(隆)委員 日本維新の会、宮沢隆仁であります。

 昨日、この法案を、夜じっくりと読ませていただきました。その中で、参考人としてここに来てレクチャーをしていただいたあの藤井教授の迫力ある講談のような御指導がどうも頭に浮かんじゃって。でも、レジリエンスというのはなかなかうまい言葉をつけたなと思いながら拝見いたしました。

 それで、三つほど質問を出させていただいたんですが、その前に、ちょっと基本的事項で確認させていただきたいことがあります。今、優先順位のこと、財政規律のことは前の質問者の方がおっしゃっていましたが、もう一回確認したいことがあるんです。特に民主党案の方です。

 財政規律を維持するために予算編成方針の条文を入れられたということですが、本当にこれだけで財政規律が保たれるのでしょうか。ちょっとお聞きしたいと思います。

三日月議員 ありがとうございます。

 先生も御承知のとおり、法文に規定したからといって財政規律が保たれるというものではないと思います。ただ、まず法定化することを出発点にしながら、私たちはその規律を念頭に置きながら、脆弱性の評価を行い、そして基本計画を定めるということが必要だと思います。

 私たちの法案では、それに加えまして、この基本計画をつくる推進本部に、国務大臣以外の第三者の方に入っていただく、また、その方々は国会同意人事で選任をいただく、さらには、そのもととなる脆弱性評価に、基本計画をつくる前に検証を受ける仕組み、こういうものもあわせて法定化することによって客観性を担保したいというふうに考えております。

宮沢(隆)委員 徹底的にといっても、やはり限界があるというふうに解釈してよろしいですかね。

 それから、ちょうど今おっしゃっていただいたんですが、多分、今の第三者を入れる云々というのは、第二十条の国民生活強靱化推進本部員のことをおっしゃっているということでよろしいですかね。

 条文のボリュームからいっても、自公案はさらさらと四、五行で書いてある箇所が、民主党案では物すごい量になっている。この意図は、今おっしゃったこともあると思うんですが、それ以外に何か重要な意図があるのでしょうか。お願いします。

三日月議員 どうしても、本部員の任命及び任期、罷免、服務等々、法文をつくる上においてボリュームというのはあるんだと思います。

 ただ、根っこにある思想は、繰り返しになりますけれども、客観性を持たせて、公平性を持たせて、重点化を図っていくという思想の中でこの規定を設けさせていただいているところですので、ボリュームそのものに意図、企図があるわけではありません。

宮沢(隆)委員 もちろん、私もボリュームだけのことを言っているのではないんですが、では、逆に、自公案の方で推進本部員がこれだけの行数で済んでいるということに関して、改めて答えていただけるとありがたいんですけれども。

福井議員 後ろに大臣がいらっしゃいますけれども、昨年の政権交代以降、担当大臣をつくっていただいて、そして内閣官房に推進室をつくっていただいて、その中で国家公務員が働いているということで、まさにこの国土強靱化の施策を進めていただいておりまして、有識者会議というのがいわば第三者機関として機能しております。

 この法律が通りますと、推進本部は、本部長は総理大臣、そして本部員は全大臣ということで、まさにコンプリヘンシブな、全人格的な施策が推進されるものというふうに期待をしております。

宮沢(隆)委員 根底にある思想の違いというのがよくわかりました。

 では、二番目の質問に行かせていただきます。

 この国土強靱化法案と国際競争力向上の関連性についてなんですけれども、私が理解した関連性というのは、例えば災害ビジネスというようなものが多分あるだろうと思うんですね。

 この間、たまたまテレビでニュースを見ていましたら、アメリカだかカナダでは、特に三・一一があってから、災害用品がばんばん売れている。それがまさにビジネスになっていて、その中身が、北米らしいなと思ったんですけれども、銃が入っている。要するに、狩りをしなさいということらしいんですね。同時に、釣りざおもセットで入っていて、いつでも釣りができるようになっている。これはまさに我が意を得たりで、まさに自分で生きなさいという思想が根底にあるみたいなんですね。

 私はそういうふうに捉えたんですけれども、ここで言う、特に自公案の方にある国際競争力というのは、具体的に言うとどのようなことを念頭に置いているのかというのをちょっとお聞きしたいと思います。

福井議員 前回も御議論がございました。まさに防災、減災力、レジリエンス力が日本は非常に強いんだということ、大きいんだということを世界に示すことによって、貿易も貿易外収支も経済成長につながるということ、そして、国家が国民を一人残らず守るという思想を世界じゅうに発信することによって、日本の格といいましょうか、その地位が高からしめられるということ等が中身でございます。

宮沢(隆)委員 そうしますと、日本はそれだけ強い国だぞというのを示すことと、思想ということでしょうか、災害に対する哲学とか考え方、それを世界に知らしめるというふうに解釈してよろしいでしょうか。

福井議員 正確に申し上げますと、我が国の大都市等が自然災害による危険度が高いと海外から評価される中、それも先ほど申し上げた中身でございますけれども、国土強靱化に資する施策を平時から総合的かつ計画的に実施することによって我が国の安全性に対する国際的な評価が高まる。政府の成長戦略に寄与することを通じて国際的な評価が高まり、政府の成長戦略にも寄与する。この両面もある。だから、諸外国からの投資が呼び込まれて、国際競争力を高めることに資する。「に資する」というふうに法文でございますけれども、そういうことを意味してございます。

宮沢(隆)委員 そうなりますと、民主党の方は、その点については全く同意ということでよろしいでしょうか。

三日月議員 私どもは、与党案にあるような規定は設けておりません。ただ、災害に対する強さというものが国際競争力に資するというその理念は共有したいと思います。

 ただ、やはり、私たちがあくまで主眼に置いていますのは、大規模自然災害から、国民の生命、そして何より国民の生活を守るということに主軸を置いた法案を提出させていただいているところです。

宮沢(隆)委員 わかりました。

 それから、自公案の方についてお聞きしたいんです。

 最初にお話ししました京大の藤井教授の論文をちょっと読んだのですが、彼は、TPPは絶対反対というふうに論文に書いてあるんですね。今現在どうかはわからないんですけれども、国際競争力云々というお話があると、やはり、TPPを今後どうするのかという議論にもつながってくると思うんですが、その辺はどのような方向性を考えておられるのか。できましたら、古屋大臣にお願いしたいんです。

古屋国務大臣 私も、藤井教授とは、本当に昔から仲よくしていまして、懇意にしていまして、恐らく、国会議員の中で一番最初にアプローチしたのは私だと思うんですよ。

 もう六年か七年前に、藤井教授がこんなシンポジウムをやっていたんですね、教育と土木。土木は、先人が自然と戦いながら、そして何人もの犠牲を出しながら、こつこつこつこつ、何代にもわたって、安心、安全な水、空間をつくった、これこそ歴史だと。そして、教育基本法が改正され、歴史、文化、伝統を大切にする心を教育に入れろと記された、土木こそまさしく教育だ、だから土木と教育をやるというシンポジウムで、たまたま私は偶然ネットで見つけたんです。

 それで、藤井教授に電話しまして、衆議院議員の古屋と申しますがと。国会議員から電話がかかってきたことはなかったんでしょうね。どちら様ですか、こう聞かれたわけで、いやいや、こういうことでと。それ以来、藤井先生というのは非常に着眼点がいいなと思って、御指導をいただいています。

 藤井先生が、TPPの問題についても、学者としてそういう考えを持っていたということは承知はいたしておりますけれども、今、あくまでも、藤井聡教授は、京大の教授であるとともに内閣官房参与でもありますので、やはり、内閣の方針にはぴたっと従っていくということが当然の責務であるというふうに考えています。

 私がTPPのことで言及するのは、私は担当外でございますので、ちょっとそれはふさわしくないかなということで、藤井教授は、そういう思想の持ち主であって、非常にユニークな発想を持っておられる有能な学者であるということだけは申し上げておきたいと思います。

宮沢(隆)委員 そういういきさつは知りませんでした。どうもありがとうございました。

 それでは、三つ目は、地方分権促進との整合性についてというタイトルになるんですが、地方自治体との役割分担の条文はあちこちにあったと思うんですが、具体的な役割分担の仕方というんですか、あるいは比率とかということについては余り言及がなかったように思うんです。その辺、自公案、民主党案、両方についてちょっとお聞きしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

福井議員 国土強靱化につきまして、国と地方自治体の役割分担ということでございます。

 この法案の責務規定がございます。国家機能に直結する、あるいは広域的な対応が必要であるものなど、国の役割の大きさや、事態が回避されなかった場合の影響の大きさあるいは緊急度等の観点から、国として重点的に取り組むべき施策に国は取り組む。他方、地方自治体におきましても、各地域が直面するさまざまな大規模なリスクに備える施策にそれぞれが取り組むということになりまして、おのずと、国と地方では強靱化する対象の範囲が異なるというふうに考えております。

中川(正)議員 国として直接重点的に取り組むべき施策というものと、それから、地方が状況に応じてきめ細かくつくり上げていく計画、これは、両方相まって体系的につくられていくことが大事だということだと思うんです。

 そういう意味で、第十三条に基本計画と地域計画の調和を規定しておりまして、これを踏まえて地方自治体が連携をしていくということ、このことを前提にした議論にしております。

宮沢(隆)委員 地方分権につきましては、我が党では道州制を主張しているんですが、その間に、ここでも何回も申し上げましたが、多極化というのを入れて、むしろ、地方都市をまず充実させて、それでいずれ道州制に持っていったらどうかという発想なんですけれども、この強靱化についても、もうちょっと地方に主体性を持たせてもいいんじゃないかなというふうに、私は両方の法案を読んで思いました。

 したがって、今の段階でこういう法案が必要なんだろうかという疑問がどうも頭の中に浮かびまして、一番最初に戻っちゃうかもしれないんですが、この法案そのものがなぜ必要なのか、その必要性について、もし短く力説していただくことがあれば、ちょっとお話を聞きたいと思うんです。では、大臣にお願いします。

古屋国務大臣 ちょっと政府の立場でお答えするのはあれですけれども、与党・政府一体になって今この取り組みを進めておりますので、私、大臣の立場でお答えさせていただきますが、地方分権との整合性において、これはちょっといかがなものかという趣旨の発言だと思います。

 決してそうではなく、バランスよく対応できるということになっているんですね。まず、国土強靱化の大綱が、今後法律ができるとできますね。それで、国土強靱化基本計画をつくりますけれども、一方では、十四条にも、国と地方との連携をしましょうということもはっきり記されているんですね。地方にも、同時に地方の基本計画をつくっていただくということに流れとしてはなってきますので、ですから、地方と国との役割分担をしていく。

 やはり国家がやるべきものというのは多々あると思うんです。一方、地方が主体的に、国土、地方、地域強靱化という視点から取り組むべきものというのはあると思いますので、そういったものは知事などが中心になって主体的につくっていただく。そして、国との整合性を図りながら連携をしていく。

 そういう意味では、私は、この法案は非常にバランスのとれている法案かなという認識でおりまして、委員の皆様方におかれましても、この法案が一日でも早く成立をして、内閣総理大臣が本部長として、そして全閣僚が本部員として、オール・ジャパンでこの国土強靱化に取り組んでいけることを、私どもとしても期待をいたしております。

宮沢(隆)委員 ありがとうございました。

 じっくりと検討させていただきます。どうもありがとうございました。

坂本委員長 次に、佐藤正夫君。

佐藤(正)委員 みんなの党の佐藤正夫でございます。

 早速、質問に入らせていただきます。

 まず最初に、資料を皆様のお手元に配付しております。この資料に基づいて質問をさせていただきたいと思います。

 内閣官房の中に、先ほど来からいろいろ話が出ておりました国土強靱化推進室が設けられているわけですけれども、この設けられた経緯と、これまでどのように取り組んできたのか。また、概算要求も行っているとは聞いておりますが、どのような状況なのか、お答え願いたいと思います。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど少し、福井委員からも御説明がございましたが、昨年の、二十四年の十二月に安倍内閣が発足しまして、その基本方針で国土強靱化の推進が位置づけられました。そして、内閣に国土強靱化担当大臣が設置されて、古屋大臣が御就任されたわけでございます。そして、我々、国土強靱化推進室も、ことしの一月に強靱化担当大臣のもとで設置されまして、政府の取り組みがそれ以来始まっているということでございます。

 我々としましては、それ以降、例えば有識者懇談会を立ち上げますだとか、関係府省庁が情報交換などを行う、総合的な施策を検討、推進するための府省庁の連絡会議などを設置して、検討を進めてきたわけでございます。

 そして、ことしの四月の府省庁の連絡会議では、国土強靱化の基本的な方針、人命は守るんだ、重要な機能は致命傷を負わさないようにしましょう、被害はできるだけ軽減する、万が一被害があった場合には迅速に復旧復興するんだという四つの基本的な方針を定め、進め方としては、いわゆるPDCAでやっていきますということを決めております。

 さらに、その後、関係府省庁の協力も得て脆弱性の評価を行いまして、五月には、先ほど来何回も議論に出ておりますが、やはりハード、ソフト、ハードだけではなくてソフトとも連携をする。それから、重点化、優先順位づけをする、さらに、民とも連携も深めるなどの当面の対応も決めたところでございます。

 そして、ことしの八月には、四十五の起こってはならない事態を回避するためのプログラムというものを府省庁の連絡会議で定め、そのうち特に重点化すべき十五のプログラムと今後の対応方針の整理を行いました。そして、これに基づいて二十六年度の概算要求を各府省で行ってくださいということで、古屋大臣の方から各府省に指示をさせていただいたところでございます。

 そして、これを踏まえまして、今先生御提供の資料がその一部でございますが、二十五年の八月末に、国土強靱化関係の予算要求を取りまとめたところでございます。

 我々としましては、こういう強靱化関係の取り組みを本格的に進めるためには、ぜひこの基本法をできるだけ早期に成立していただき、その成立が待たれるところでございますけれども、今後とも関係府省庁とも緊密な連携を図って取り組んでいきたいと思っております。

 以上でございます。

佐藤(正)委員 安倍内閣になって、一月に設置をされて、五月にハード、ソフトの連携をやって、八月に四十五のプログラムから十五に絞って、そして、その中から概算要求、各省庁から来た。そして、なおかつ、最後に言われたのは、早く法案をつくっていただいたらより早く進むんですよ、だからお願いをしたいというふうに私は理解したんですが、であるならば、今現在の推進室、何が足らないから法案が要るんですか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど来申し上げてまいりましたような省庁連携をして取り組みをしておりますが、基本計画を政府として閣議決定し、そして、その計画は他の国の計画の基本となる、調和が保たれなければならないとなっております。そして、各省庁のそれぞれの施策が調和を保たれるために、仮に内容や進度について問題があれば、この法律に総理の勧告権というものがございます。最後にそういう非常に強い権限に裏打ちされたものがあるからこそ、連携、推進がより効率的、効果的に高まるものと考えております。

佐藤(正)委員 いや、だから、それは法律ができるとそうなるんですね。今はそれができていないということを言っているんですよ。今は不十分だからということを言っているんですよ。そういうことなんですよ。だから、内閣官房というのは何をしなければならないのか。当然、横串ですよね、横串をしっかり通してもらう大きな役割があるんです。

 それから、先ほどこの資料を私は見ましたけれども、ほとんど既存の部分です。例えば耐震化ですよね。そうしますと、大きな問題点は、今一番大事なのは、内閣官房、担当大臣も含めて、やはり各省庁が、それぞれが意識を変えなきゃならない、ここが実は一番足りていないところだと私は思うんです。

 もっとほかのプログラムもあるんですよ。例えば、三枚目に資料をおつけしております。強靱化するためには何が必要なのか。これは総務省がやっている行政評価というペーパーをお手元に配付しておりますけれども、既存の施設をしっかりと、どういう状況にあるのか調査をしていかないと、実際の、現実の問題が見えてこないですね。

 となると、きょうの委員会でもいろいろな議論がありましたが、何を優先するのか。優先順位を決めるにしても、このデータをしっかりやっておかないと、実は表面だけになってしまうんですよ。

 となれば、このペーパーを見ていただいても、平成二十二年の二月五日に勧告した分でいきますと、現実は、地方で長寿命化修繕計画を策定しているのがたった二%なんですよ、この時点では。

 こういう状況を見たときに、まず視点を変えなきゃいけないのは、なぜここが進まないのか。先ほど来民主党さんも言われましたが、南海トラフ、直下型、予想される大きな自然災害、我々もやらなきゃいけないと思っています。しかし、何を優先していくのかというと、やはり震災だろうと思います、今やらなきゃいけないのは。そして、当然、南海トラフ、直下型もやっていかなきゃなりませんが、自公案の中の「等」が入っている部分では、耐震化も含むんでしょう、いろいろなものを含むんでしょう、公明党の方も言われましたが、必要ですよ。だけれども、これは、今までの施策の中でこういう事前調査をまずやらないとできませんよ。ここを優先する。内閣官房としても横串を刺して全体を見てやろうと思ったら、こういうところから入っていかないと、ただ単に、各省庁の予算がある中で、出してくださいではないのではないかなと私は思いますが、内閣官房の方にお尋ねをしたいと思います。

北村政府参考人 今先生御指摘の点、我々も非常によく感じておる点でございますが、今、優先順位をつける大前提は何かというと、まず、どこが弱いかという脆弱性の評価をすることでございます。

 我々、今まで前提として、法律でも決めていただいている脆弱性評価に試行的に取り組んでおりますが、まだ今の段階では、例えば、先ほど申しました四十五の起こってはならない事態、それに対して各府省の施策がどういうふうになっているか、対応する施策が果たしてあるのかないのか。今はまだ、残念ながら、定性的な評価にとどまっております。やはり、先生もおっしゃるように、まずそのためには定量的な評価というのに我々も取り組んでいきたいと思っておりまして、これから、実は若干、段階的になります。

 したがいまして、まず個別施策についていろいろな指標を決めていく。その指標に基づいて、それぞれの進捗状況はどうであるかという評価をするだとか、また、脆弱性を考えるとき、それから優先順位を考えるときに、何も官だけの話ではありません、民の施策もあります、民がどういうふうな状況になっているか。

 実は、こういう強靱化、レジリエンスについて、米国などが、さらに二〇〇九年ぐらい、二〇〇五年のハリケーン・カトリーナから順番にやっていますが、そういう米国の例の取り組みなども参考にさせていただきながら、その脆弱性評価をどんどん充実させていかなきゃいかぬと思っております。それをやって初めて、今先生が言われているようなレベルに早く到達できるように、我々としては努力を重ねていきたいと思っております。

 以上でございます。

高木(陽)議員 今先生御指摘のありました、点検をする、または維持管理をしっかりしていく、これはまさに重要なことだと思うんです。政権交代をしてから、例えば防災、減災、そして老朽化対策ということで、国交省の方でその予算もつくってやり始めました。しかしながら、現状で、地方公共団体で、橋梁ですとか、または道路、トンネル、さまざまな分野にわたって、そこまでできていない事実がございます。

 ですから、今回、この法案をつくって、私たちもこの法律をつくるときに議論をしていたのは、総点検をしなければいけない、そして、どこが危ないのか、どこに優先順位をつけてやるのか。そういうことを考えながらやってきたときに、脆弱性の評価という、法律用語としてこれをしっかりと位置づけて、国が計画を立てる、一方で、地方は地方として地域計画を立てていただく中でこの脆弱性の評価をして、同時並行にやるということが、これがまさに重要なことだというふうに認識をしております。

佐藤(正)委員 今伺ったように、だからこそ、実は地方で足らないものは何かといったら、人材とかそういうものなんですよね。だから、今ある、やろうとしている予算の中でしっかりとまずやっていく、これが大前提なんですよ。

 だから、先ほど、内閣官房の国土強靱化推進室が脆弱性をやる、しかしそれには、もとをただしていくと、実は、今答弁いただいたようなことが根底になければできないんですよ。だから、私は、今回、内閣官房にある国土強靱化推進室を真の強靱化推進室に。今はどうも、聞いていますと、スタッフもまだ足らない、そんな状況ですよ、脆弱推進室になっている、ここを強靱化推進室にして、しっかりとまず足元を固めていく方が優先順位が高いんじゃないですか。

 そして、今回我々が賛成をさせていただきました、南海トラフ、直下型、これはもうやらなきゃいけませんよ。当然、その全てが脆弱も絡んでくることです。しかし、残念なことに、今答弁いただいたように、一月からできて、まだまだ日が浅いです。しかし、問題点は随分見えてきたので、そこをもう少し、強靱化推進室に変えていくことを優先的にやらないと、うたい文句は出たけれども実は中身がなかったということになることを私は一番恐れているんですね。

 法律はつくりました、アンブレラはつくりました、しかし実際はどうなのか。既存の法律、既存の施策すら明確にできていないのに、その上にまた法律をつくったって、まずやるべきことが先にあるのではないのかなと思って、今回、質問に立たせていただきました。

 この点について、民主党さんも自公さんも、御意見があれば賜って、質問にかえたいと思います。

福井議員 たびたび、佐藤先生からの御指摘、まことにごもっともでございます。

 ですから、そのアプリオリに、事業、防波堤が必要だとか道路が必要だとかいうふうな法律じゃなくて、計画論、組織論の法律に今回はとどめ、まさにその中心の強靱化推進室が強靱になるように、総理大臣が本部長で全大臣が関与するということは、国家公務員全員がこの国土強靱化推進室のいわば家来だ、そういう法律でございますので、ぜひ今後とも御指導いただきたいと思います。

中川(正)議員 この推進室が本物になっていくようにという意味からも、法定化していくということはそれなりの効果があるということが一つ。

 それからもう一つ、我々の法案では、外部も入れようと。官僚だけで、あるいは政治家だけでやっているんじゃなくて、企画立案ですから外部も入れようということになると、国会の同意を得てという前提になりますので、法定化する必要があるということであります。

佐藤(正)委員 そこはちょっと考え方が私とは違うんですね。今あるものをしっかりまずやることが優先じゃないですか。最初からバンザイする必要ないじゃないですか、内閣官房に置いたんですから。では、最初から内閣官房になんか置かなくて、最初からこの法律のもとでやればいい。

 だから、今ある室をしっかりとまずやる、そういう意識に各省庁がまずなる、それが法律がなきゃできないなんということは、実は法律がなくたってできるわけですから、これをまずやるべきだということを申し上げて、質問を終わります。

坂本委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、与党提出者に伺います。

 第十七条、国土強靱化基本計画の案の作成について、脆弱性の評価が肝となると思っております。そこで、民間資本の評価、リスクの公表は欠かせないと思いますけれども、どうお考えでしょうか。

 これは、第五条に、事業者及び国民の責務として、国土強靱化の重要性に関する理解と関心を深め、国及び地方公共団体が実施する国土強靱化に関する施策に協力するよう努めなければならないとあるわけでありますが、このことで脆弱性評価における民間資本の責務についても読めるのかなと思うんですが、どのように考えていらっしゃるのか、伺います。

高木(陽)議員 脆弱性の評価におきましては、民間事業者等が保有する施設または民間資本の評価を実施することは、まさに重要であると認識をしております。

 このため、民間事業者等の国以外の者が実施主体となる施策につきましては、国土強靱化基本計画に記載するのであれば、当該施策の実施主体に対して必要な協力を求めながら脆弱性評価を行うこととしているところでございます。

 このような脆弱性評価の結果に基づき策定される国土強靱化基本計画については、これを定めた際には遅滞なく公表することと規定しているところでございますので、委員御指摘の脆弱性の評価の公表というのは、結果的には、最終的に国土強靱化基本計画の公表という形で手を打っていく、こういうことで足りるものと考えております。

高橋(千)委員 言っている意味はよくわかりました。となると、計画に盛り込まれて公表される過程において、きちっと本当に民間の事業所のリスク評価がやれているのかということが結局決定的になるというふうに私は思っているんです。それで、そういう問題意識を持って質問させていただきました。

 ちょっと具体のことで幾つか聞いてみたいと思うんですが、きょう、経済産業省においでいただいております。十四日の参考人質疑において、早稲田大学の濱田政則教授が石油コンビナートの被害について詳細に発言をされました。

 東日本大震災による液状化被害など、何が起こったかを明らかにすることは重要だ、だけれども、企業の中の事業所の中で起こったものなので、立ち入って調べられないために、実際は十分なデータがないということを指摘されて、公的資金を投入する前に事業所のリスクを明らかにする、ですから、リスク評価をして、それを改善するための投資をする、トップの判断が重要ということを発言されたわけです。私、ここが非常に大事ではないかなと思っているんです。

 経産省の昨年度の補正予算に、産業・エネルギー基盤強靱性確保調査事業というのがありますけれども、次年度も継続して、その後の調査、補強をやってほしいということが強調されました。

 私は、幾つもの施設が並び立ち、また被害も複合的なものになるであろうコンビナート被害について、今紹介した補正予算の事業を継続するべきだと思うし、また、これが本当に公表されていく、協力されていくということが絶対不可欠だと思っていますけれども、どのようにお考えでしょうか。

住田政府参考人 御指摘の点でございますが、平成二十四年度の補正予算におきまして、首都直下型地震などを想定いたしまして、石油コンビナート等における地震及び液状化等に対する耐性を総点検する事業を進めているところでございます。

 この補正予算に基づきます脆弱性の評価、これは今後とも着々と実施してまいりたいと思いますし、また、今後につきましても、御指摘を踏まえまして検討してまいりたいというふうに思います。

 また、公表の話でございますけれども、脆弱性評価の結果の中には、これはやはり、企業経営上、非常に機微な情報も含まれると考えてございますので、適切な公表の方法について検討してまいりたいというふうに思います。

高橋(千)委員 今の御答弁は着々とという話だったのでありがたいなと思うんですが、今紹介した事業は、次はない、打ち切りだというふうに聞いていたんですけれども、そうではなくて、引き続いて頑張ってくださるということでよろしいでしょうか。

住田政府参考人 御指摘のとおり、二十四年度の補正予算の事業につきましてはしっかりと進めてまいります。また、今後につきましても、御指摘を踏まえましてしっかりと検討してまいりたいと思います。

高橋(千)委員 ぜひ頑張っていただきたい。これは、本当にまだ一部の、始まったばかりの話なんですね。やはり、コンビナートの火災事故の起こる地盤のところが、液状化のリスクというのは非常に大きい。それがどれだけ複合的な災害に広がっていくかという点で、絶対民間の事業所の協力が必要であるという立場で頑張っていただきたいと思っております。

 次に、内閣府に伺いたいと思うんですけれども、政府の国土強靱化の推進に関する関係府省庁連絡会議が九月十三日、当面する十二の施策分野別の対応方針を発表しました。これが脆弱性評価の一つの目安になっていくのではないかと思っているんですけれども、それで、さっきの話の続きなんです。民間企業であり、かつ極めて公益性の高い、例えばJRはどうでしょうか。

 首都直下地震の被害想定として、けさの新聞によりますと、三倍の被害額とかいうことが既に出されているんですけれども、まだ詳細は発表されていませんので古い数字でいいますと、五百万人の帰宅困難者ということが言われていたわけですね。その想定は、交通が途絶するというのが想定の前提にあると聞いています。短時日で復旧が不可能な大被害であると考えられる。そうしたときに、では、例えば山手線の内側はどういう被害になるのかということを、当然JRはシミュレーションしているはずなんですね。

 政府はこのことについて把握をしているのか、あるいは、していなければ必要だと思いますが、どうでしょうか。

日原政府参考人 お答えいたします。

 まず、けさの報道につきましては、学者である方が発表されているということでございます。

 なお、被害想定につきましては、従来は、家屋の被害あるいは人的被害のほか、電気、ガス、水道のライフライン、道路、鉄道といった交通施設の被害数量の想定を行ってきたところでございます。現在の被害想定におきましても、それぞれのライフラインにつきまして、発災直後から時間を追っての被害の様相について検討していただいているところでございます。

 鉄道施設につきましては、阪神・淡路大震災などの被害の実績を踏まえて、想定する揺れなどによる被害箇所数を路線延長から統計的に算定しておりまして、そもそも、震災がどこを震源地としてどういうふうに揺れるかということ自身、一つの仮定を置いてやっていますので、個別にどこの箇所がということを出すことに意味がありませんので、そういう意味では、統計的に処理をしております。

 したがいまして、山手線がどうこうという個別の路線ごとではございませんけれども、エリア全体として大体どれぐらいの被害を受けるかということは想定し、それによって、どの程度被災による影響を生活に対して与えるかということをシミュレーションしておるという状況にございます。

高橋(千)委員 その公表がないから聞いているんですけれども。

日原政府参考人 今現在それをまとめている最中でございますので、年内には取りまとめて発表したいというふうに考えております。

高橋(千)委員 わかりました。

 いずれにしても、トラフの被害の想定にしても、早朝であるとか深夜であるとか、いろいろなパターンでシミュレーションする以外にないわけですから、当然なんですよね。だけれども、最初に言ったように、極めて公益性が高い、帰宅困難者の前提にこの鉄道というものがあるわけですから、そこがいわゆる脆弱性評価の中で位置づけられないということは困るということで、あえて伺わせていただきました。

 そこで、大臣に伺いたいと思うんですけれども、実は、きょう二つだけ具体例で言ったんですけれども、多分、こういう問題というのは挙げれば切りがないわけですね。エネルギー関係だけでもガスとかそういうのもありますし、あるいは情報ですよね。例えば、脆弱性評価の中に通信というものがございます。テレビやラジオの活用というところで、しかし、難聴地域もありますよねとか、さまざまあります。

 そういったときに、民間の企業が、いや、それを発表するのは非常に営業に不利なんだとなってしまうと、全体像が見えてこないし、対策もなかなか見えてこない。そういう意味での責任を果たしていただくということを、やはり国として大いに働きかけていく必要があると思うんですが、大臣の見解を伺いたい。

    〔委員長退席、北村(茂)委員長代理着席〕

古屋国務大臣 可能な限り、事業者の協力も得ながら取り組め、そういう趣旨の御質問だと思います。

 ライフラインとかインフラは、それぞれ密接な関係がありますよね。電力がなければ鉄道は動きませんし、道路が渋滞していれば、ライフラインや鉄道の復旧のための資材とか、避難された方の移動ができませんし、あるいは、資材の調達がおくれたり、作業員の移動も困難になる。そういう意味では、相互に依存というか、関連しているんですね。

 ですから、今、首都直下地震の想定の見直しを行っておりますけれども、各施設の被害の想定の検討等々に当たりましては、関係事業者と、耐震化の取り組みとか復旧の見込み等の関連情報、こういったものをしっかり共有して、事業者の協力も得ながら取り組みをしているところでありまして、かなり事業者は協力をしていただいています。これは事実です。

 したがって、複合的な被害の様相についても、可能な限り明らかにしていきたいと思いますし、そして、その対策の方向性というものも含め、やはり国民にわかりやすいように示していきたい、こんなふうに考えております。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 今おっしゃったとおりだと思うんですね。やはり、ライフラインとインフラは本当に密接な関係があって、一つの事業所あるいは一つの自治体という枠でははかれないものであります。そういう点で、可能な限り明らかにしていきたいし、協力を求めていくというお言葉だったので、ぜひお願いをしたいと思います。

 次に、民主党提出者に伺います。

 第八条の、七十二時間以内の救助活動に必要な措置というところなんですけれども、迅速かつ適切な救助を行うために集中的に行うんだ、そのための体制を整えるという趣旨だと思っております。

 これは、七十二時間、災害直後の救助に関する事項と防災、減災を結びつけた条文なので、ちょっと文脈に無理があるのではないかと思っています。

 確かに、七十二時間を経過すると生存確率が極めて低くなり、生死を分ける目安として言われております。だけれども、それは災害の態様によって一概に言えるものではないわけで、それをあえて規定するということが、別なところに波及して、影響するのではないかと思うんですね。あえてこれを規定するべきではない、迅速という形でいいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

    〔北村(茂)委員長代理退席、委員長着席〕

中川(正)議員 東日本の大災害のときの教訓というのは、もう地方自治体自体がやられてしまって、そこで、まず救命活動というのは、消防あるいは自衛隊が広域的にそこに入って救命活動をするというところから始まりました。しかし、そのときに非常に大きな混乱があったということ。かつ、七十二時間で、うまくシステム化して、そこへ向いて集中的に、システム的にいろいろな資源を投入することによって多くの人命が救済できるということ。そういう意味では、この時間帯というのは特別な意味を持っていると思うんです。

 その体制をそのときになってつくるというんじゃなくて、ふだんから総合的につくっていくための組織、ここで言っているのは、消防組織とそれから内閣府というのを中心にして日本版のFEMAのような組織体をつくっていくことを含めて考えていくということ。

 あるいは、現場現場でそれぞれの隊がいるんですけれども、それが、それでは誰が中心になって指揮命令をするのか、やらなければならない仕事の優先順を決めていくのかということについても、やはり整理をしていかなければいけませんねということであるとか、あらかじめさまざまな大規模な自然災害を想定した中では、この七十二時間を出発点にして広域の支援活動にも結びつけていくということも含めて、重要なポイントだということでこれを明記したということであります。

高橋(千)委員 時間なので、一言だけ指摘をして終わります。

 今、中川提出者がおっしゃったことは、何度もお話しされていますので、よくわかります。だけれども、東日本大震災の教訓は、これは消防庁の消防活動のあり方研究会報告書にも出ていますように、津波被害の特徴として、七十二時間を超えても要救助者を発見、救出する可能性は十分ある、こういうコメントが出されているわけですよね。結局、すき間があれば、負傷がなければ助かっているということを踏まえて、こういう経験が出されているんです。

 だから、七十二時間が非常に経験値であるということはわかるけれども、それがひとり歩きしたら、違うことになるのではないか。ですから、これは文脈を分けるべきだということを言っているんです。趣旨は大変よくわかるんですけれども、分けるべきだということを重ねて指摘して、本当はもう一つ質問を用意していましたが、残念ながら時間になりましたので、終わります。

坂本委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 本日最後の質問となりました。防災・減災等に資する国土強靱化基本法案、また民主党から出ております国民生活強靱化のための防災・減災対策基本法案に対し、質問させていただきます。

 けさの新聞でありましたけれども、首都直下地震の被害想定の見直しの方向性のような額が報道されておりました。今までの国想定の約三倍の三百兆円という大規模な経済被害が首都直下、マグニチュード七・三のもとで起こる、そんなようなニュースが出ておりました。

 今回のこの法案が通ったならば、正直、過去の二回のもそうですけれども、相当な額が使われることになるし、必要なところは出さなければならないんだというふうに思っております。

 前回までの首都直下また南海トラフにおきましては、我が党の委員からも、二階先生には再三、無駄はないのかという質問もさせていただきました。そして二階先生からも、そんなことはないというふうにお言葉をいただいたところではありますが、無駄かどうかというのを決めるのはやはりそのときであり、また、法律というのは後世に伝わっていくものでもあります。そういう意味では、初心と違うような使われ方をすることもあるのかと思います。今回非常に感じているのは、この法案が通ることによって日本の国土がどうなっていくのか。

 先日ですが、十一月に入って、地球環境国際議員連盟等の主催する大変興味深い講演を聞くことがありました。これは、欧州環境庁のEU域内環境・政策・経済分析プロジェクトマネジャーのゴーム・ディエ氏の講演でありました。

 この中には、グリーンインフラとグレーインフラという発想がございました。ダムや堤防、道路のようにコンクリート等でつくる従来型のインフラをグレーインフラストラクチャーと呼ぶのに対し、例えば湿地が持つ保湿機能や洪水を防止する機能などに着目し、都市計画や町づくりなどにおいて計画的に自然を配置するグリーンインフラストラクチャーという考え方がある、大変興味深く感じておりました。

 現在、COP19が開催され、日本からも環境大臣も行かれております。また、フィリピンの代表の方が、温暖化に歯どめをかけてほしいという切実な訴えをされたことが報道されておりました。

 また、二〇一二年に、リオ・プラス20、国連持続可能な開発会議において、日本の当時の外務大臣は、未曽有の大震災を経験した国として、自然と調和した、真に持続可能な社会のあり方を見直すことが使命であるとスピーチされております。

 現在の日本の成長戦略で掲げられているグリーンという考え方は、環境技術による新しい成長産業の創出に限定されており、自然という、大きな社会資本とも言えるものを持続的に利用し、あるいは保護、再生を図っていくという視点には欠けているのではないかとこの講演を聞いて感じたものであります。

 そこでまず、本年五月、欧州連合、EUではグリーンインフラ戦略を採択し、加盟国に積極的にグリーンインフラ整備を進めるように呼びかけていると聞いております。

 この点に関しまして、グリーンインフラは、ややもすれば、自然を犠牲にし、完成と同時に劣化が始まり、維持、改修のために費用も必要となるグレーインフラと対比されるものでありますし、また、グリーンインフラは、時間の経過とともにさらにその機能や価値が高まっていき、防災、減災の効果も高くなるという特徴があると伺っております。

 世界的にも今注目されていると思われますグリーンインフラの活用の現状について、どのように行われているのか、日本での取り組みもあわせましてお聞かせいただければと思います。

奥主政府参考人 お答えいたします。

 今、先生の方から御指摘のありましたグリーンインフラについてでございます。

 先生が御指摘されましたように、EUでは、EU生物多様性戦略に基づくEUグリーンインフラ戦略が本年五月に策定され、より経済的な災害対策手法として、主要政策へのグリーンインフラの組み込みや自然環境の再生等の事業実施も盛り込まれているところでございます。

 また、アメリカにおきましては、洪水対策への緑地活用等を目的に、二〇〇八年に環境保護庁によりグリーンインフラ行動戦略が策定されたところでございまして、ニューヨーク市では、湿地の購入等により、洪水時の水量を調節するというような取り組みを進めているというふうに聞いておるところでございます。

 また、二〇〇八年には、国連環境計画、国際自然保護連合等の国際機関により設立されました環境と災害リスク削減に関する国際パートナーシップにおきましても、生態系を活用しました防災、減災に関します事例収集でありますとか、政策提言等を進めているというところでございます。

 我が国においてでございますけれども、東日本大震災の発生を契機といたしまして、自然は、恵みをもたらすだけでなく、時には大きな脅威となるということが再認識されたことを踏まえまして、生物多様性基本法に基づきます「生物多様性国家戦略二〇一二―二〇二〇」というものがございますけれども、今後の自然共生のあり方を提示しているということでございます。

 例えば、森林が台風や強風の被害を軽減したり、サンゴ礁が津波の被害を軽減するなど、自然生態系が有する防災、減災機能について指摘しまして、そういったような活用をしていくことが必要であるというようなことを述べているところでございます。

 今月、宮城県の仙台市で、第一回のアジア国立公園会議を開催いたしました。会議参加者の合意によりまして、アジア保護地域憲章というものが採択されたところでございまして、保護地域が防災、減災、復興に果たす役割が強調されたところでございます。我が国といたしましても、来年十一月にオーストラリアで開催されます世界国立公園会議等の場を通じて、そのような取り組みを発信したいというふうに考えているところでございます。

 我が国でも、こうした動きを踏まえまして、生態系の持つ防災、減災機能の評価を進めているところでございまして、それらを通じまして、自然環境を保全、再生することによるグリーンインフラの活用方策を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

古屋国務大臣 今冒頭で委員が、きょうの一部新聞の報道のことについて言及されましたけれども、これもあくまでも一学識経験者による試算であります。今、私どもは、中防会議の中の首都直下地震のワーキンググループで最終の被害想定の計算をしていまして、スーパーコンピューター「京」も駆使してかなり綿密な計算をしております。こういった一学者の試算とはもう全く一線を画しておりまして、我々の検討作業に一切影響を与えることはないということだけは申し上げておきます。

小宮山委員 試算という形で学者が出したということは私も承知をしております。先般の質疑のときに、十二月にきちんと中央防災会議の方から出てくることも理解しておりますが、それにしても、どちらにせよ、小さい額が出てくるわけもなく、前回と比べてどうなるかというのはまだ確かにわからないところでありますので、それはしっかりと待たせていただきたいと思います。

 引き続き、環境省にはぜひ、時間の関係上、これは要望で終わらせますけれども、公園だけではないんです、大きな流れとしては、町のつくりだったりとかそういったところにもなっておりますので、国立公園だけではないということで、またさらなる検討を深めていただきたいと思います。

 そこで、両案の提出者の方に伺っていきたいと思います。

 自民党案、民主党案の両案とも、基本的に、大規模自然災害に対して備えるべく、国土あるいは国民生活の強靱化を行おうとするものと捉えております。植物から成る自然の持続的な利用、保護、再生も、国土、国民生活の強靱化に資するものだと考えておりますが、このようなグリーンインフラの活用による防災、減災の社会基盤整備についてのお考えを伺わせていただければと思います。

高木(陽)議員 委員に一言申し上げたいんですけれども、自民党案じゃなくて自公案ということでよろしくお願いしたいと思います。

 グリーンインフラにつきましては、御指摘のように、自然災害に対する防災、減災の効果が期待できると認識しておりまして、本法案におきましても、国土強靱化に関する施策の策定、実施に当たっての方針として、自然との共生及び環境との調和に配慮することを第九条の第三号に規定しているところでございます。

 グリーンインフラの活用は国土強靱化の推進に寄与する、このように捉えております。

吉田議員 御指摘のように、グレーインフラと並んでグリーンインフラというのが極めて重要だという御指摘は重要な考え方だと思っております。今回の大震災でも、江戸時代から育ててきた防潮林が各地で相当な減災効果を発揮したという事実もございました。

 民主党案においても、自公案と同じく、自然との共生、環境との調和ということをうたって、コンクリートの防潮堤だけじゃなくて緑の防潮堤を積極的につくっていくべきだ、こう考えているところでございます。

小宮山委員 御指摘もありましたので、訂正をさせていただきたいと思います。自公案ということで、訂正をさせていただきます。

 確かに、九条の三号に、地域の特性に応じて、自然との共生及び環境との調和に配慮するという言葉は入っています。そうではなくて、この場合のグリーンインフラ、今後、これからの時代であれば、配慮するのではなくて、積極的に活用するのでなければならないのかなというふうにも思っております。

 この点に関しまして、強靱化担当大臣には、この九条の三号に示される自然との共生及び環境との調和への配慮として、どのような施策、事業などが想定されるのか、お伺いしたいと思います。

古屋国務大臣 今御答弁もありましたけれども、この九条三号で想定される事業といいますと、例えば、具体例で申し上げますと、横浜国大の名誉教授、宮脇昭先生なんかがもう何十年にもわたって研究をされている、いわゆるシイとかタブとかの広葉樹を海辺に何重にもわたって植林をする。そうすると、木の成長が非常に早い、根が下の方に行くそうですね。そうしますと、例えば、根っこだけ守る防潮堤をしておけば、実際に津波等々が来ても、我々の国土強靱化の考え方は致命傷を避けるというのが一つございますので、十分致命傷を避けることができる。

 それからもう一つ、平時にも効果があるという考え方が必要でございます。そうすると、やはり自然環境にマッチした観光資源とか、南フランスの風景なんかを想定していただけるとおわかりいただけると思いますけれども、そういったようなことで、平時も活用できて、有事にもしっかり機能を発揮する、こういったものが具体例だというふうに思います。

 もちろん、こういう取り組みは、費用対効果の視点からいっても十分に合理性があるというふうに私どもは考えておりまして、だからこそ、この九条の第三号、こういったものをしっかり反映して政策に取り組んでいくということは極めて重要であるというふうに認識をしております。

小宮山委員 大変多くの方が、グレーインフラになるのではないか、そういった心配もあるところでもございます。

 二〇一二年にニューヨーク市がハリケーン・サンディに襲われたときも、復興計画としては、ア・ストロンガー・モア・レジリエント・ニューヨーク、より強く、より強靱なニューヨークへというのを発表されたそうであります。

 EUも、町中に自然を創出していくことが、気候変動や災害による被害を抑え、農業や林業など多岐にわたる分野で経済的、社会的に大きな利益をもたらすとして、本年五月にはグリーンインフラストラクチャー戦略を採択したと聞いております。

 日本でも、この法案を通し、自然との共生、特に日本は自然と共生してきたこと、そして、特徴としては、何といっても、人の及ばないものがある、それは自然というものであって、それに畏敬の念を抱けるというところが日本のすばらしさだと私は考えております。そういった観点から、これから自然と共生する日本の国土づくりというものにつながっていけばというふうに願いながら、私の質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。

坂本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時五十二分散会


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