衆議院

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第5号 平成18年4月5日(水曜日)

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平成十八年四月五日(水曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 伊吹 文明君

   理事 今津  寛君 理事 園田 博之君

   理事 谷  公一君 理事 谷川 弥一君

   理事 山本 有二君 理事 大島  敦君

   理事 北橋 健治君 理事 桝屋 敬悟君

      安次富 修君    秋葉 賢也君

      井上 喜一君    井上 信治君

      衛藤征士郎君    大野 功統君

      岡本 芳郎君    加藤 勝信君

      木原  稔君    小杉  隆君

      佐藤  錬君    菅原 一秀君

      杉村 太蔵君    鈴木 淳司君

      関  芳弘君    薗浦健太郎君

      土井  亨君    冨岡  勉君

      並木 正芳君    葉梨 康弘君

      福田 良彦君    馬渡 龍治君

      松本 洋平君    三ッ矢憲生君

      水野 賢一君    村上誠一郎君

      市村浩一郎君    大串 博志君

      近藤 洋介君    高山 智司君

      武正 公一君    鉢呂 吉雄君

      馬淵 澄夫君    前田 雄吉君

      柚木 道義君    鷲尾英一郎君

      渡辺  周君    石井 啓一君

      大口 善徳君    谷口 和史君

      塩川 鉄也君    吉井 英勝君

      菅野 哲雄君    日森 文尋君

      滝   実君

    …………………………………

   総務大臣         竹中 平蔵君

   法務大臣         杉浦 正健君

   外務大臣         麻生 太郎君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     安倍 晋三君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      額賀福志郎君

   国務大臣

   (行政改革担当)

   (規制改革担当)     中馬 弘毅君

   国務大臣

   (情報通信技術(IT)担当)           松田 岩夫君

   国務大臣         猪口 邦子君

   内閣府副大臣       山口 泰明君

   防衛庁副長官       木村 太郎君

   法務副大臣        河野 太郎君

   外務副大臣        塩崎 恭久君

   財務副大臣        赤羽 一嘉君

   経済産業副大臣      西野あきら君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    阪田 雅裕君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  大藤 俊行君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  上田 紘士君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  中藤  泉君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房総括審議官)           西  達男君

   政府参考人

   (内閣府市場化テスト推進室長)          河  幹夫君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   高橋  進君

   政府参考人

   (防衛施設庁長官)    北原 巖男君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 岡崎 浩巳君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 深山 卓也君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          倉吉  敬君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    寺田 逸郎君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 佐々木豊成君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   松元  崇君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   日野 康臣君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            鈴木 直和君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長)            山田 修路君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 春田  謙君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  谷口 博昭君

   衆議院調査局行政改革に関する特別調査室長     大竹 顕一君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月五日

 辞任         補欠選任

  衛藤征士郎君     杉村 太蔵君

  大野 功統君     冨岡  勉君

  太田 誠一君     木原  稔君

  佐藤  錬君     関  芳弘君

  菅原 一秀君     井上 信治君

  並木 正芳君     馬渡 龍治君

  葉梨 康弘君     土井  亨君

  村上誠一郎君     福田 良彦君

  大串 博志君     高山 智司君

  近藤 洋介君     柚木 道義君

  武正 公一君     市村浩一郎君

  石井 啓一君     大口 善徳君

  塩川 鉄也君     吉井 英勝君

  菅野 哲雄君     日森 文尋君

同日

 辞任         補欠選任

  井上 信治君     菅原 一秀君

  木原  稔君     太田 誠一君

  杉村 太蔵君     衛藤征士郎君

  関  芳弘君     佐藤  錬君

  土井  亨君     葉梨 康弘君

  冨岡  勉君     大野 功統君

  福田 良彦君     村上誠一郎君

  馬渡 龍治君     並木 正芳君

  市村浩一郎君     武正 公一君

  高山 智司君     大串 博志君

  柚木 道義君     鷲尾英一郎君

  大口 善徳君     石井 啓一君

  吉井 英勝君     塩川 鉄也君

  日森 文尋君     菅野 哲雄君

同日

 辞任         補欠選任

  鷲尾英一郎君     近藤 洋介君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案(内閣提出第七四号)

 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案(内閣提出第七一号)

 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案(内閣提出第七二号)

 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七三号)

 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案(内閣提出第三四号)


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     ――――◇―――――

伊吹委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官大藤俊行君、内閣官房内閣審議官上田紘士君、内閣官房内閣審議官中藤泉君、内閣府大臣官房総括審議官西達男君、内閣府市場化テスト推進室長河幹夫君、内閣府政策統括官高橋進君、防衛施設庁長官北原巖男君、総務省大臣官房審議官岡崎浩巳君、法務省大臣官房審議官深山卓也君、法務省大臣官房司法法制部長倉吉敬君、法務省民事局長寺田逸郎君、財務省大臣官房審議官佐々木豊成君、財務省主計局次長松元崇君、財務省理財局次長日野康臣君、厚生労働省労働基準局長青木豊君、厚生労働省職業安定局長鈴木直和君、農林水産省農村振興局長山田修路君、国土交通省大臣官房長春田謙君、国土交通省総合政策局長竹歳誠君、国土交通省道路局長谷口博昭君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊吹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

伊吹委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。秋葉賢也君。

秋葉委員 おはようございます。自由民主党の秋葉賢也です。

 きょうは、行政改革推進関連三法案についてお伺いをさせていただきたいと存じます。

 既に本日が実質審議三日目ということで、連日七時間の審議予定が組まれてきたわけでございます。一部重複することもあろうかと思いますけれども、いずれにしろ、これまでの行財政改革の取り組みの中で、今回は、これからの改革の具体の方向性を数値目標も入れて明示をしたという意味では、大変画期的な法案ではないかと私は思っております。まさに小泉改革の総仕上げにふさわしい中身だと思いますが、その一方で、いわゆる政策金融機関の統廃合等々、まだまだ制度設計の具体案が見えづらいという点も見受けられるわけでございまして、そういった部分を審議の中で明らかにできればいいなと思っております。

 私は、そもそも行財政改革というのは、改めて法律をつくったりそのための特別の作業をするのでなくて、やはりふだんから行財政運営の見直しがしっかりと行われなければならないし、また、行財政運営の一つのメカニズムとして、見直しの機能やあるいは改革の機能というものを必然化させるような、そんな仕組みをつくっていくということが大事ではないかなというふうに思っております。

 やはり、行政の組織でありますとか法律でありますとかそれぞれの予算、こういったものは、一たん設置をされたり立法化をされますと、よほど見直しの機運が高まらない限り放置される傾向にあるということは否めない事実だと思います。もちろん税法でありますとか地方自治法のように毎年当たり前のように見直しをされている法律等もございますけれども、一般的にはなかなか手つかずになってしまうという傾向があろうかと思います。

 有名な歴史学者そしてまた政治学者でもあったパーキンソンの法則というのがございます。仕事の量は完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張するというのが第一の法則、そしてその第二の法則は、支出の額というのは収入の額に達するまで膨張するということを指摘しているわけであります。

 これを端的に言えば、いわば官僚組織というのは、ほうっておけばなすべき仕事の量の増減に関係なく増加する傾向にあるということでありまして、そういう意味で、その見直しを必然化するというメカニズムをふだんの仕事の中に内在化させていく、ビルドインしていくということが求められるのではないかなというふうに思っております。

 そこで、この見直しを必然化する有効な手法の一つが、私はやはり、組織、予算あるいは法律というものに終期設定を加えていく努力をするということだと考えております。これはよくサンセット方式などという言葉でも言われておりまして、過去の行財政改革の中でも努力目標として取り組まれてきたことではございますけれども、まだまだ不十分なのではないかなというふうに思っております。

 そういう意味で、まず予算関連で申し上げますと、平成十八年度の予算の中では、全体で二千四十一件の補助金などが存在をいたしております。このうち、終期設定、一応原則として終わりの年限を設けているものは千六百四件で、全体の七八・六%なんですね。財務省の指針の中では、新規の補助金については原則五年だということで終期設定をかけるようには言っているんですけれども、なかなか一〇〇%にならない。どうして一〇〇%にしていくことができないのか。そして、さらに言えば、なぜ五年なのか。事業によっては三年とか二年とか、あるいは時限立法などのように十年措置をしているケースなども多いわけですけれども、そういう点におきまして、もう少しこの年限について、時代の変化も激しいわけでございますので、一〇〇%にしていく努力と、それから年限の見直しということについて、まずは冒頭、谷垣大臣にお伺いをさせていただきたいと存じます。

谷垣国務大臣 特別な立法なんかに頼らずに、ふだんから行政改革といいますか、行政の見直しをしていく仕組みを中にインプットしていくべきだという御主張、私もそうだと思います。

 それで、サンセット条項についておっしゃったわけですが、政府も、今おっしゃったような観点から、平成九年の六月三日に「財政構造改革の推進について」というのをやっておりまして、補助金等については原則として五年以内の終期、見直し時期も含みまして五年以内ということを設けているところでございます。

 それで、委員がおっしゃったように、十八年度予算につきましては、全補助金等の約八割について、もっと細かく言いますと七八・六%でございますが、終期の設定が行われております。

 いずれにせよ、今後とも、補助金の政策的必要性、効果等については一つ一つやはりきちっと検討して、この平成九年に行われました方針を貫徹していく必要があろうかと思っております。

 ただ、一〇〇%になぜならないのかというお尋ねでございましたが、なかなか難しいところもございまして、個別の補助金等の性格に応じて、例えば法律に基づいて国が義務的に負担する生活保護負担金とか、それから、三位一体の中でも随分議論されましたけれども、義務教育費の国庫補助負担金等々、これはやはり終期の設定にはなじまないんじゃないかという今までの議論、整理になっておりまして、そういうものがあることは御理解をいただきたいと思っております。

 それから、なぜ五年なのかということでございますが、これは平成九年六月三日の閣議決定で五年ということで決めて、今、その中で目標を追求しようとしてやっているわけでございますけれども、やはりこれも細かに議論していくと、個々のものによって、終期設定になじまないものもありますが、もっと短いものがいいことがあるのも事実でございまして、そういうあたりは、一つ一つやはりその目標を追求してやっていきたいと思っております。

秋葉委員 今大臣おっしゃるように、もちろんなじまないのもございますし、補助金、負担金を全体的にざくっと私なんかが見た場合には、恐らく法律や要綱で規定されているものという方が少ないんじゃないかなと思うんですね。あとは、いわゆる法律根拠じゃなくて要綱の方が多いだろうというふうに思っておりますので、大臣おっしゃるように、補助金や負担金あるいは支出金の性格によっては終期になじまないものもございますけれども、私が申し上げている趣旨は、あくまでも見直しを必然化する一つの手法として、極力そういう規定を入れておけば、議論が必然化をすることによる効果というのは大きなものだろうということで御主張申し上げておりますので、今後御留意をいただければと思います。

 また一方、法律についても同じことが言えると思います。

 そもそも法律の数は幾らぐらいあったのかなと思っていろいろ調べてみますと、帝国議会のころは四千本を超えていたという資料も残っております。今現在はどれぐらいあるんだろうということで、改めて法務省にちょっと資料を聞いてみました。平成十八年二月末現在で、法律は千八百八本、そして政令が千八百十六本、府庁省令が三千百九十九本存在しております。

 問題は、この法律の中には、当然、基本法でありますとか理念法のようなものがございます。こういうものは、ある意味で大きな方向性、価値観を定めたものでございますから、終期というものには必ずしもなじまないわけでございます。しかしながら、やはり事務的なもの等に関しては、それを必然的に終わらせる、失効させるということが主眼なのではなくて、見直しを必然化する一つの仕組みとして、時限立法のようなものもありますが、ほとんどこれは予算措置に伴って時限立法にするケースが多いわけでありまして、そうではなくて、こうした予算措置のものあるいは基本法を除いたものについては、原則終期を設定していくということが私は必要だと思っております。

 まず、事実関係として、今私が申し上げました法律や政令や府庁省令の中で、いわゆる終期設定がされているものは何本、何割ぐらいあるのか、伺っておきたいと存じます。

倉吉政府参考人 法務省におきましては、法令及び法務に関する資料の整備、編さんを所掌しておりまして、現行法令の数、それから法令の改廃の有無等については把握に努めておりますが、個別の法令の中身については法令を所管する各府省の所掌される事項でありまして、当省として、各法令が時限立法か否かといった事項についての網羅的な調査、把握というものは行っておりません。

 このため、御質問について正確な統計をお答えすることはできませんが、しかしながら、過去の法律の改廃等について可能な限りで確認いたしました。その結果でございます。

 これは概数でございますが、平成八年一月一日から平成十七年十二月三十一日までの過去十年間、この間に新規立法された法律は約五百本ございます。同じくこの十年間に廃止立法がされまして法律としての効力を失ったもの、これが約三百本ございます。最後に、同じく十年間に、委員御指摘の、立法時に失効規定が置かれているいわゆる時限立法で、期間の経過により自動的に失効したもの、これが約十五本ございました。

 したがって、新規立法の数や廃止立法がなされる法律の数と比べますと、失効規定に基づいて自動的に効力を失うという法律の数は割合としては少ないということは申し上げられるかと思います。

秋葉委員 ありがとうございます。

 急な問い合わせでしたので、なかなか全体の詳細を明らかにするのは御苦労かけたかと思いますけれども、やはり、この十年間で見ても非常に割合としては少ないんじゃないかなと思います。

 そして、私は何度も申し上げているように、法律等を失効させるのが目的なのではなくて、もちろん法律によっては見直し規定という名目で入れているのもございますし、法律はほとんどすべてが最後に附則がついて、そこに、最後に施行年月日が明記されているわけですが、その第二項で失効年月日を入れるあるいは見直し規定を入れるということをやはり原則として、先ほど申しましたように、基本法などなじまないものもございますけれども、そういったものを除けば原則としてそういうものを検討していくということをこれから着実に実施に移せれば、少なくともそういった法令あるいは補助金等の見直しが必然化していくのではないか。日常の仕事の中にそうした機能をビルドインさせていくことが大事なのだという観点から思うわけでありまして、しかしながら、法律は、実際は、議員立法もございますけれども、各省庁がそれぞれつくっている、縦割りの中でやっているわけでありまして、これを各省庁留意してくださいということは、それはそれで指摘をしておきたいわけですけれども、本来ならばどこがいいのか。

 内閣法制局というのは、ある意味では、法案の整合性のチェックでありますとか、法技術的な観点から各省庁の出してきた法案を最後にチェックするということですから、いわば実務的な、事務的な仕事をしているわけなので、法制局がこういったものを規定するというのはどうもなじまないのかなという思いもありますし、かといって、今回の法案は内閣官房主導でやっているわけですから、内閣官房として、内閣府として、ある意味では全庁的にこういった問題についての閣議決定を行って、原則検討するということを規定してもらってもいいのかなというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、きょうはわざわざ内閣法制局からも長官においでをいただいておりますので、閣法はすべて最後は内閣の法制局を通るわけですから、そういう観点から、それぞれの省庁から上がってきたときに、いわゆる見直し規定や終期設定などについての検討はしたんですかというような一文といいますか、そういった原則を、立法化できないまでも、一つガイドライン化していくことによって立法府に対する議論の必然化を目指していくということが、私は行政改革の不断の見直しの観点から重要なことではないかと思っておりますが、いかがお考えでしょうか。

阪田政府特別補佐人 先生御指摘のとおりでありまして、行政は御案内のように法令の執行を主たる任務としておるわけでございます。したがいまして、各省、所管の役所は、法律の内容、あり方につきまして、その日々の執行の中で何か足りない点がないか、あるいは不備な点がないかというようなことを不断に見直す、それから、法施行後の社会情勢の変化もあるというようなことでございますので、そういったことも勘案いたしまして、その改正の要否、場合によっては廃止をする必要があるのかどうかというようなことも考えておられるというふうに思っていますし、それがまた行政の責任であるということだろうと思います。

 したがいまして、今国会もいわゆる閣法を八十八件御審議をお願いしておりますけれども、そのほとんど、今この委員会で御審議を賜っております公益法人制度改革関連の三法案も含めて、こうした不断の見直しの結果を踏まえたものであるということをまず御了知いただきたいと思います。

 先生御指摘の見直しの条項を入れるかどうかということにつきましては、昨年の三月二十五日に規制改革・民間開放推進三カ年計画というのが閣議決定されておりまして、ここで、内閣が提出する法律により新たな制度を創設して規制の新設を行う場合については、各府省は、当該法律に一定期間経過後当該規制の見直しを行う旨の条項を盛り込むことというふうにされており、その点について、私どももそうでありますけれども、総務省の行政管理局それから財務省主計局が本当にきちんとその見直し条項の設定がされているかどうかを厳格に審査しろというようなことになっております。そうしたこともありまして、近年、三年とか五年とか、あるいは期限を特に設けないものもありますけれども、一定期間の経過後に執行の状況等を踏まえて法案の内容を検討し所要の措置を講ずるんだという、いわゆる見直し条項が規定されているものが非常に多くなっております。

 ただ、これも委員既に御指摘いただいたところでありますけれども、例えば来月から施行されます会社法のように、いわば国家の社会制度の根幹にかかわるような法律というようなものにつきましては、こういう見直し条項を置くことによって、果たしてこの制度が永続するんだろうかというような、ある種の法的安定性についての無用の疑義といいますか、そういうものを招くものもないわけではないということで、およそ一律、すべて時限立法にする、あるいは見直し条項を置くということもまたなじまないのかなというふうには考えております。

 ただ、先生の御指摘、これは私というよりは内閣全体として検討するべき課題であろうかと思いますので、私が責任を持ってお答えするのにはなじまないかと思いますが、私どもは私どもの立場で一生懸命やっていきたいというふうに思っております。

秋葉委員 ありがとうございます。

 あえて長官に再質問しませんけれども、私ももちろん、所管的には内閣官房かなというふうにも思っておりますが、そしてまた、本来の内閣法制局の仕事の趣旨からすると法制局が所管をするという課題でもないような気もいたしますが、しかし、法制局にはすべての法案が最後に上がってくるわけですから、そのときにはそれぞれの、法制局としても、そういった点の検討はどうだったのかというようなことをあるいは事前にやっていく、そして内閣官房としても、全体としてそうした指針的なものを定めていくことによって、もちろんなじまないのはありますけれども、行政運営のメカニズムとしてビルドインしていくことによって、行財政改革をふだんから、機能していくということの努力に一層取り組んでいただきたいなというふうに思っております。そういうことが実現して初めて、まさに終わりなき改革と言われているこの行財政改革が実効性あるものになっていくんだということを常に念頭に置いて仕事をしていかなければならないと思っております。

 さて、いよいよ今回の法案の具体的な中身について、順次伺っておきたいと存じます。

 まず、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案、これは本当に数値目標も入れて具体に今後の方向性を規定しているわけでございますが、これまでの議論でも指摘をされておりますように、まだなかなか、その制度設計の詳細が国民の目の前に必ずしもつまびらかになっていないという感じがあるのではないかなというふうに思っております。

 第一節には政策金融改革が規定をされているわけでございますが、平成二十年度までに現行の政策金融機関を統廃合し新たに一つの政策金融機関を新設するという内容になっているわけでございます。

 政策金融というのは、やはり民間では十分に果たし得ないということで国が担ってきた領域でございまして、この改革に伴う国民一般、とりわけ私どもの身の回りでも、中小企業経営者あるいは農林水産漁業者の中には、資金調達が従来のように円滑にいかなくなるのではないかといった不安の声がやはり根強いということは、率直に認めざるを得ない事実ではないかなというふうに思っております。

 法案では、第四条あるいは第六条の規定の中に中小企業者への融資機能の根幹の維持というのがそういう観点から恐らく明記されたんだと思うんですが、では、これをどう担保していくのかということになりますと、なかなか見えてこない。具体的には、新政策金融機関や完全民営化後の商工中金あるいは日本政策投資銀行などの機能を、どのように法文に書いてある規定を担保し、そして展開していこうとお考えなのか、中馬大臣のお考えを伺っておきたいと存じます。

中馬国務大臣 政策金融改革でございますが、今御指摘のように、戦後は、それぞれの主管官庁が、それぞれの主管の事項につきましての企業等に一つの金融を確保する金融機関をつくっておりました。非常に多岐にわたっておりました。住宅等につきましては、これはもう独法化いたしましたが、ともかく、今残っております八つを今回、それぞれの仕分けをしたような次第でございます。

 しかも、非常に特徴的なことは、各主管官庁から外したということですね。そして、時代に合わせて、それぞれもう役割を終わったもの、あるいはまた民間が育って民間に十分に移せるもの、こうしたことを分けたわけでございます。

 その中で、今御心配の、中小業者の方々がいろいろと御心配されていることは私も地元でも聞いていることでございまして、そのことだけに限って申しますならば、第四条第一号におきまして、政策金融として残す機能、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援する機能が明記されておりまして、また、同条第四号におきまして、危機対応のための必要な金融を行うことを可能とする体制を整備する旨が規定されております。

 これが一つの新しくできます、五つを統合した形の金融機関でございますが、そこには、ただ束ねて従来のものを一つにしたということではなくて、機能別に分けさせることにいたしております。国内的な金融のものと海外的な金融のものをはっきり分けておりますが、一方で、完全民営化とうたいました商工中金、政策投資銀行、この業務をすべて民営化して、公的なものはタッチさせないということではないんですね。

 従来、商工中金や日本政策投資銀行、また従来の輸銀等がありますが、こういったものの担っておった公的な関与がこれからも必要だ、そういったところは、その新しい新政策金融機関の中で担保されることになってまいります。そのことにつきましては、今御指摘ありましたように、詳細設計がこれから始まっていきますし、今その検討も同時並行的にやっております。そこの中で十分にこれを確保していく所存でございます。

 以上によりまして、政策金融改革によって中小企業者等の借り手の資金調達に支障が生じないよう、配慮してまいる所存でございます。

秋葉委員 本当に、今大臣から御答弁いただいたような形で、円滑に従来の融資機能が十分発揮され、法案で明文化されておりますように、融資機能の根幹がしっかり維持されるんだ、これは法律で担保しているんだということの意味は極めて大きいと思いますので、そういった観点から、従来のサービスが低下することのないように配慮していっていただきたいと改めてお願いを申し上げたいと存じます。

 また、この法律の第二節におきましては、独立行政法人の見直しを規定しております。平成十八年度以降に初めて中期目標の期間が終了します独立行政法人は、その組織やあるいは業務のあり方などを検討し、必要な措置を講ずるとしておりますけれども、この独立行政法人の見直しについて、法律ではこのように規定はしてあるんですが、これも具体的な青写真は必ずしも明確でない部分がございます。現段階でどのような見通しをお持ちなのか、中馬大臣にお伺いをしておきたいと存じます。

中馬国務大臣 独立行政法人につきましては、これは何か、サンセット方式という形とはちょっと違いますけれども、一つの期限を区切った形でそれぞれ対応をすることにいたしております。

 従来から、独立行政法人通則法というのがございますが、これに沿いまして、中期目標期間終了時に業務、組織全般の見直しを行っているところでありまして、十六年度及び十七年度の中期目標終了時の定期見直しにおきましては、五十六法人について、約一万二千人の非公務員化や、統合、廃止による十四法人の減少、これは五十六法人が四十二法人になりましたが、及び業務の合理化等の結論を得たところでございます。

 今後につきましても、引き続き、独立行政法人通則法に基づきまして中期目標期間終了時の見直しを行っていくものでありますが、さらに、行政改革推進法におきまして、十八年度以降に初めて中期目標期間が終了する独立行政法人につきましては、中期目標期間終了時の見直しとあわせて、国の歳出の削減を図る見地から、その組織及び業務のあり方並びにこれに影響を及ぼす国の施策のあり方について見直しを行う旨、規定をしているところでございます。

秋葉委員 そもそも、この現在の独立行政法人通則法が成立したのが平成十一年で、施行はその二年後だったというふうに記憶しておりますが、もう七年が経過をしているわけでございます。

 この通則法で、私、画期的だなと思いましたのは、いわゆる各省庁ごとに設置をされた評価委員会、これは外部からも入るわけです。つまり、内部の役人が評価をするのではなくて、第三者が独立行政法人の運営についてコメントをする、こういう機能を法案に持たせたということが私は通則法の最大の意義ではなかったのかなというふうに思うわけであります。

 ただ、私、非常にすばらしい規定を入れたのでありますけれども、この評価委員会の評価結果というものがどの程度現実に改革に反映しているのか、必ずしもその因果関係が明確でない部分もあるのではないか、そして、必ずしも十分とは言い切れないという部分もあるのではないかなという気もいたします。

 もちろん、この規定によって改革が相当前進をしているという部分もあろうかと思いますけれども、この通則法の趣旨どおり、評価委員会の評価結果というものが十分反映されているのかということにつきまして、竹中大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

竹中国務大臣 秋葉委員の御質問は、今の評価システムそのものがうまくいっているかどうか、どう評価するかという点だと思います。

 独立行政法人の中期目標期間の終了時においては、主務大臣が見直しを行うわけでございますけれども、その主務大臣の見直しに当たって、各府省に設置された独立行政法人の評価委員会の意見を聞くというふうに法律上はなっているわけでございます。これは独法通則法の第三十五条第二項にそのように規定されています。

 その際に、この各府省の評価委員会というのは、第三者の立場から法人のあるべき姿について厳格な審査を行って意見を述べるというふうに承知をしております。その意味で、この評価委員会の議論は見直しに生かされるような仕組みをつくっているわけでございます。

 同時に、それに加えまして、今の独法の制度におきましては、各府省の評価委員会のほかに、総務省の中に政策評価・独立行政法人評価委員会というのが置かれておりまして、政府全体の立場でさらに厳格な審査を行っておりまして、主務大臣に対して、主要な事務事業の改廃に関して勧告の方向性というのを通知するような仕組みになっております。

 したがいまして、仮にといいますか、もしも各府省の評価委員会の取り組みが不十分な点があれば、この総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会が別途指摘を行うことになりまして、その意味では二重になっておりまして、全体として適切な運営がなされるような仕組みになっているというふうに承知をしております。

 最近の例でも、非常に多くの機関が非公務員化される、それも、このような第三者による評価の結果であるというふうに認識をしております。

秋葉委員 ありがとうございます。

 二重にチェックをしているということでございますが、第三者の目で、やはり客観的に出てきた提言というものを前向きに受けとめて、改革が前進するように留意をしていただきたいと思います。

 次に、この法案の第三節で規定をされております特別会計についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 委員部がつくった資料などを拝見しておりますと、平成十五年二月の当時塩川財務大臣の国会答弁、非常に印象的だなというふうに思って読ませていただきました。つまり、母屋、母屋というのは一般会計ですね、母屋では一生懸命倹約のためにおかゆを食べているのに、離れ座敷、この離れ座敷が特別会計だというわけですが、離れでは子供がすき焼きを食べている、こういうふうな例えで特別会計の改革ということの重要性を指摘されておりまして、非常にわかりやすい例えだなというふうに思いました。

 現在、三十一の特別会計で四百六十兆円に達しているわけでございますが、今回の法案では、この三十一ある特別会計を二分の一から三分の一程度に縮減するということでの数値目標が明記されているんですが、まあ、二分の一と三分の一程度では大分幅があるわけでございますけれども、縮減の具体的な見通しをどのようにお考えになっていらっしゃるのか、谷垣大臣にお伺いをさせていただきたいと存じます。

谷垣国務大臣 今、特別会計は全部で三十一あるわけですね。それで、今まで作業をしてまいりまして、どういう見直しをするかということで方針がもう既に出ているものがございます。統廃合といった見直し内容を決めたものが三十一のうち二十一ありまして、それは今回の法案に盛り込んだところでございまして、例えば、平成二十年度末までの時点では十六会計が統廃合により七にまで減少する。そうすると、三十一が二十二になっていくわけですが、こういう見直し内容が決まっているものを方針で進めますと、今後五年で特別会計の数は十七会計、大体これが、二分の一程度と言われているのは、もう既に決まっているものをやれば十七会計になっていく、こういうことであります。

 ところが、まだ、他方で、これからその中身を検討して、一般会計にするのか独立行政法人などにするのかということについて、これから議論を深めていこうというふうに方向を定めているものもございます。それは十ございますので、これらについても、今後五年を目途に、基本的にすべての検討結果を得ることにしているわけですが、仮に、今後の検討対象の特別会計がすべて廃止されれば、これは相当仮定を含んでおりますが、すべて廃止されれば、既に統廃合が決定しているものと合わせまして特別会計の数は十二になる、ここが最大限に縮減した数かな、これが大体三分の一程度。

 こういうふうに見ているわけであります。

秋葉委員 最大限で十二になるという具体の見通しがお示しいただけました。

 特別会計の性格について、あるいは役割、機能についても総合的に勘案しての統廃合が進んでいくわけでございますが、先般の議論でもございましたように、借り入れ機能を今後どうしていくのかとか、弾力性の問題をどう改革していくのか、特別会計の性格そのものも、いろいろな観点から見直しをしていくということも必要になってくると思っております。

 一方で、今回の法律で私は画期的だなと思って注目いたしましたのは、この第十八条の二項で、それこそ終期設定ではありませんが、おおむね五年ごとに存続の必要性も含めた検討を行うという規定が盛り込まれました。これは非常に高く評価していいのではないかなというふうに思っております。

 冒頭述べましたように、まさにこうした見直しのメカニズムを構築していくということが、いわゆる行財政改革だと大上段に振りかざさなくても、必然的に着々と進んでいくということにつながるわけでありまして、この十八条二項の規定は評価できるものだと思っております。この法案成立後、着実に特別会計の見直しをさらに実施していきたいと思っておりますが、機能そのものの見直しとあわせまして、谷垣大臣の御決意を伺っておきたいと存じます。

谷垣国務大臣 今おっしゃった十八条二項は、五年ごとに見直せと、これは当然所管の官庁にそういう義務を課しているわけでありまして、当然、こういう義務を課しているということは、その検討が形式的なものであってはならないのであって、実質的な検討ということを意味しなきゃいけないということだろうと思います。

 私ども財務省は、この特会全体をまた見ているわけでありますので、各所管官庁に実質的な見直しというものを五年ごとにやるように促していくという義務もあわせて課せられているのではないかと思っております。

秋葉委員 ありがとうございました。

 さて、次は、第四節の総人件費改革について幾つか伺っておきたいと存じます。

 御案内のとおり、国家公務員を五年間で五%以上、三十三万人の数を五%減らして純減、純減ということにポイントがあると思います。また同時に、地方公務員も五年間で四・六%以上の純減ということが明確に規定をされているわけでございます。冒頭申し上げたように、こうした見直しは私は必要不可欠なものだとは思っておりますけれども、この目標値については、人件費算定の根拠の中から導き出したというような答弁等々も出ておりますけれども、極めて高いハードルであることも事実だと思っております。この純減の五%あるいは四・六%という割合の根拠について、中馬大臣にお伺いをさせていただきたいと存じます。

中馬国務大臣 今回の行政改革は、当面の一つの縮減案ということではなくて、日本のこれからの国のあり方、姿等を想定した大きな議論の中から総体的にこれがまとまってきたわけでございまして、経済財政諮問会議とかあるいは有識者会議等からもいろいろな御意見をちょうだいし、やはり日本のこれからの姿は、役所の仕事をもう少し民間に移すと同時に、人口減少が始まっております、役所が今の姿、数だけあっていいとは限りません。そういったことを総合的に勘案しながら、同時に、これまでも人事管理の中で、減員、そしてまた定員の減、そしてまた必要に応じた増もやってきております。

 そうする中で、やはりこれからの形として、長期的には総人件費を対GDP比、もちろん、このときには郵政の民営化がまだ現在は行われていないという前提の中でございますが、そうした九十六万人を対象にした形でこれを半減していこうということまでも決め、その一里塚といいましょうか、五年間の目標として五%というのが大体妥当であろう、そして実現可能であろうということでこれを決めた次第でございます。

 と同時に、地方の方は、これは政府の方が決めて指示する形ではございません。地方の自主性もございますから、そういう形でこれまでやってきたのが四・六%減らしております。少なくとも、それは十分に達成していただきたい。そして、本来であれば国の五%と合わせることでございましょうけれども、しかし、一応それを一つの基準として、それ以上を達成していただきたいという形でこの五%そして四・六%という数字が出てきたわけでございます。

秋葉委員 この審議の中でも本当に具体に言及も過去ございましたが、今、全国的にはやはり治安部門のスタッフ強化を求める声が強いという事実もございまして、これは国が一律に定員を決めているわけでございまして、これからの地方分権改革の中で地方に独自に採用できるような改革も進められているところでございますけれども、やはりケース・バイ・ケースで、現状をしっかり十分かんがみて対応していっていただきたいなと思うわけでございます。

 そういう意味で、官から民への流れの中で公務員の定数改革に取り組んでいくという方向は必要だと思いますけれども、その減った分、事務的な仕事、例えば、コピーとりでありますとか文書の形式的な取りまとめでありますとか、そういった仕事は必ずしも国家公務員が直接携わるのではなくて、やはり、非常勤職員あるいは嘱託等々がそれを補っていくということによって実質的な影響がないようにしていくということも一方では必要だと思っております。

 先般、この委員会でもこの非常勤の問題が取り上げられたわけでございますが、その質問を受けての報道だと思いますけれども、二〇〇五年度で十三万六千人もいる、九百八十億円の給与が支払われているということも伝えられているわけでございます。

 私も、地方、県庁などを見ておりましても、公務員の数、地方公務員は減らすかわりに非常勤はむしろ減らさないということは多いわけでございます。これはやはり、そういう事務的なルーチンの仕事をしてもらう必要性から、大いにこれはしてもらうべきだと私は思っておりますが、ただ、この間やはり問題だなと思いましたのは、しっかりと人件費としての予算措置が十分されていない、そして、各省庁ごとに縦割りの中で必ずしも一定のルールのもとに行われていない、予算の科目間の流用がある。こういうことはやはり改革、是正をしていくべきだと言わざるを得ないわけでありますけれども、今後しっかり予算措置をしていくということについて、考え方を伺っておきたいと存じます。

赤羽副大臣 お答えをいたします。

 まず、非常勤職員の採用につきましては、現状では、各府省の予算の範囲内で、個別の業務の必要性に応じて採用を行っております。その職務内容や雇用形態もまちまちでございまして、歳出の予算費目も異なっているのが現状であります。

 このうち、日々雇用の単純労務に服する者、いわゆるパートタイムというかアルバイトにつきましては、一般に庁費という歳出科目の内訳として支出されてきておりますが、今委員御指摘のように、この内訳について、非常勤職員への支給総額としての把握は行われてこなかったというのが現状でございます。

 こうした点について、さまざまな御指摘ですとか予算執行実績を的確に踏まえた予算をつくろうということで、十八年度の予算編成におきましては、庁費については、備品費、消耗品費、賃金などの費途別に執行実績を把握することとして、予算の各明細項目において積算内訳を記載しているところでございます。

 このように、今後は全体の把握をしっかりと行っていって、人件費改革に資するような適切な見直しを行ってまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。

秋葉委員 時間も押し迫ってまいりましたので、最後に、国の資産・債務改革についてお伺いをしておきたいと存じます。

 第五十九条では、「国の資産の保有の必要性を厳格に判断する」という規定が明記されております。実際、平成十五年度末の資産合計は六百九十五・九兆円ということでございますが、一方、負債は、公債が約五百八・二兆円ということで、いろいろ合わせますと、負債総額が九百四十一兆円になっているということで、資産と負債の差額は二百四十五兆円ということですから、負債超過になっているという現状でございまして、これをいわゆるGDPの比で見ますと一三八%になっているということですから、これを半減していくんだということも盛り込まれているわけでございます。

 いろいろ、新聞やテレビでは、この資産の売却などについて、よく公務員の皆さんの宿舎の売却が必要だとか、そういった何かマスコミ受けするようなことばかりが着目されますけれども、当然、この資産の売却の中には有価証券も含まれるわけであろうと思います。

 株券、あるいは社債券、あるいは地方債証券などが含まれると思いますけれども、現在、これを簿価といいますか台帳金額で見ますと、株券だけで九千五百億円ぐらいになっているわけですね。二百社以上の会社の株式を所有していることになっておりますが、必ずしも、この具体名を見ておりますと、なぜこれは政府が所有することになったのかなという、理由が明確でないものもあるように思うんですね。

 例えば、宮城県なんかの場合にも、電力の株を持ってみたり、地元の放送局の株を持ってみたり、公共性の高い、あるいは、一つの関係の中で取得をするという、安定株主として地域に貢献するという役割はあるんですけれども、今政府が所有している二百を超えるこの株式の具体の会社名を見てみますと、必ずしも保有の経過が想起できないものもございます。

 そこで、最後にお伺いをさせていただきたいわけでございますけれども、これらの有価証券のそれぞれの、時価換算した場合の評価額というのは一体幾らぐらいになるのか。そして、これらの有価証券についてはどのように切り込んでいって処分をしようというふうに考えているのか。今私が申し上げましたように、必ずしも政府が所有をしていることの必要性が薄くなってきているのもあるという観点から、具体にお伺いをさせていただきたいと存じます。

赤羽副大臣 お答えを申し上げます。

 今委員御指摘の株券九千五百億円、合計で六兆九千億というのは財務省が所有しているものでございまして、平成十七年三月末において財務省が所有している有価証券の合計が六兆九千億。これは台帳価格でございまして、時価に換算をいたしますと、平成十七年三月三十一日時点で十兆七千五百億円でございます。

 国全体の政府出資等の台帳価格につきましては、四十六兆九千億となっております。

 株券のうち、NTT株式及びJT株式については、政府保有義務分を除き、もう既に売却を完了しておりまして、また、民間法人の株式を売却した場合の売却収入につきましては、三月十六日の経済財政諮問会議におきまして、今後十年間の売却収入の目安として、政府出資については約八・四兆円が見込まれる旨、御報告を申し上げたところでございます。

 今後とも、資産を売却して国の資産の圧縮を図ることにより、資産・債務改革を積極的に推進してまいる決意でございます。

 以上でございます。

秋葉委員 先ほど私は、株券、二百社を超えていると申しましたが、手元の資料をよく見たら百六十三社でございましたので、訂正させていただきたいと思います。

 今後とも聖域なき改革の推進を期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

伊吹委員長 これにて秋葉君の質疑は終了いたしました。

 次に、加藤勝信君。

加藤(勝)委員 おはようございます。自由民主党の加藤勝信でございます。

 まず最初に、政策金融について取り上げさせていただきたいと思いますけれども、今回の政策金融改革は、既存の政府金融機関、いろいろあるわけでありますし、またこれまでもいろいろな局面で役割を果たしてきたわけでありますけれども、そうしたそれぞれの機能について、基本的には民間でできるものは民間に、そして政府にまさに残して行うべきものを限定して残す、こういうことで改革をされているわけでありまして、この残される中には、いわゆる小規模金融、国民金融公庫等、これまでも多くの方が、また今でも多くの方が利用されているものもあります。こういうものはしっかりと今後ともやっていただきたいと思うわけであります。

 こうした中で、一点目は国際部門の業務という問題でありまして、この行革推進法の第十二条において、国際協力銀行の国際金融業務に関して、「我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得を促進し、並びに我が国の産業の国際競争力の維持及び向上を図るためのもの並びに国際金融秩序の混乱への対処に係るものに限定して新政策金融機関に承継させる」こういうふうに書いてあるわけであります。

 実際、これまでJBICは、輸出入金融、投資金融といったさまざまな機能でさまざまな開発あるいはプラント輸出、こういうことをしてきたわけでありますけれども、今回の政策金融では、先ほど申し上げた点について重要なものを残す、こういうことになっている。逆に言うと、これからさらに、政府のエネルギー政策とか産業政策と十分に連携をとっていく、これがより求められていくということになると思います。

 まず第一点、経済産業省にお伺いしたいのでありますけれども、これまでJBICが行ってきた業務や機能、特に資源の開発、取得、あるいは産業の国際競争力の維持向上、こういう観点から見て、これまでの実績、機能をどのように評価しておられるのか、副大臣お願いいたします。

伊吹委員長 西野経済産業副大臣、要点を簡潔に述べてください。

西野副大臣 お答えをいたします。

 お示しのとおり、国際協力銀行は、資源の確保とかあるいは大型のプロジェクト等、国際的な競争が非常に激化をしておるわけでございまして、現に、各国とも、これらの国々がそれぞれ公的機関を通じまして自国の企業の支援を活発に今展開しておるところでございます。

 例えば我が国におきましては、我が国企業が参加をいたしますマレーシアのLNG事業に対する融資、さらには、我が国企業がサウジアラビアの国営企業と共同で大規模な石油化学事業を今展開しようとしておりまして、それに対する融資などのことが挙げられるわけであります。

 過去十年間を見てみますと、数多くの案件がございまして、承諾をいたしました金額としても約四兆円にも上るわけでございます。

 また、これからも、御案内だと思いますが、ちょうど先月、G8エネルギー閣僚会議がございまして、モスクワで、私が二階大臣にかわって参加をいたしました。そのときも、プーチン大統領から、あの東シベリアから日本海にわたります大規模なパイプラインの支援といいますか、投資を大変要請されたわけであります。これらが仮に環境整備が整って実施をするということになりますれば、相当のまたこういった形の協力融資が考えられるわけでございまして、そういう実例等々、見込みを含めまして、大変大きな役割があるというふうに思っておるところでございます。

 したがって、今後も、資源開発そして国際競争力の向上等、政策的な観点から非常に重要であるわけでございますので、これらのプロジェクトの推進に当たりまして大きな役割を果たしている、このように評価をいたしておるところでございます。特に、長期のリスクの高い事業に対する国際協力銀行の融資機能というものは、他の民間の金融機関では取ってかわることができない重要なものであるというふうにも認識をいたしておるところでございます。

 経済産業省といたしましても、現下のこういった課題に対しまして、我が国の国際競争力の強化や資源エネルギーの安定供給の確保に取り組むに当たりまして、今後とも国際協力銀行の機能が十分発揮されることが必要と考えておるわけでございますので、政策面での整合性を確保するために、各省庁その他機関との連携の一層強化に努めてまいりたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 今、連携、整合性というお話がありました。これからも、経済産業省のそうした意味での政策推進におけるJBIC、あるいは残されたこの機能というのは大変重要だというふうに思いますが、そういう意味では、今後新しくできる国際部門、これから組織設計されていくわけでありますけれども、その部門と、今申し上げた産業政策といいますかそういう政策部分をうまく結びつけていく、その意思疎通をきちっと図っていくということがこれまで以上に求められていくと思います。

 こういう連携、整合性を具体的にどういう形で担保していくのか、財務大臣からその辺のお考えを教えていただきたいと思います。

谷垣国務大臣 国際金融業務は、ODAは円借款でございますから、円借款と違いまして、融資判断はJBICが原則としてやっていくということで今までやってまいりましたけれども、今、西野副大臣からも御答弁がありましたように、外交上というか、エネルギー政策、産業政策との結びつきを深める必要が、近年、今までよりも高くなってきたということで、JBICにおきましても、関係省庁との連携というものを図っていこうという流れは強化してきたのではないかと思っております。

 それで、先ほど御指摘になりました、今度の法律の十二条二項にありますように、業務を限定させて、ますます政府の政策との一体性というか連携性を確保していくことが大事だということになってまいりましたので、これをしっかり、どう制度設計していくかということに生かしていかなければならないと思っております。

 それから、国際金融等の業務につきましては、先般、官房長官のもとで海外経済協力に関する検討会が行われまして、その報告書で、「国策上重要な案件に関係して、海外経済協力会議(仮称)の下で、ODAとの連携など戦略策定を行うことが重要である。」というふうにも指摘されておりまして、こうした点も踏まえて、中馬大臣のもとで制度設計をしっかり行っていきたいと考えております。

伊吹委員長 ちょっと待ってください。

 理事会の申し合わせで、他の委員会がありますから、財務大臣、中断していただいて結構です。

 加藤勝信君。

加藤(勝)委員 今御答弁いただきましたように、特に、私どもも外国にいろいろ行きますと、中国を初め諸外国が、エネルギーを初めさまざまな、外交といいますか、金融も含めた外交戦略を展開しているわけでありますから、甚だそういう面でおくれをとらないように、また一歩でも先んじるように、その一歩であっていただきたいというふうに思います。

 また、もう一点、危機対応ということでありまして、この行革法第四条第四号に危機対応体制についてるる書いてあるわけであります。これまでも、金融危機、BSEあるいは阪神・淡路大震災、さまざまなときにおいて、国民金融公庫初め、さらには今回完全民営化される商工中金あるいは日本政策投資銀行、それぞれ大きな役割を果たしてきたわけであります。今回、民営化されるといっても、いざというときにはこういう部分での対応が、これからできる新しい政策機関と同時に、民営化されるこうした機関にも求められる、こういうことになっていると承知するわけであります。

 一つは、まず商工中金でありますけれども、これまでの中では特に手形の割引とかいったような形で、さまざまな意味で、ある意味では危機的な状況において中小企業等に資金を融通する、あるいは中小企業の経営を維持するということで貢献してきたわけでありますけれども、こういうような機能を含めて、今回、また新たに制度設計される中で、しかも片や完全民営化、特に完全民営化された後においても、なおそうした意味でのノウハウ、こういったものを期待していく。言葉ではそういうことになるわけでありますけれども、具体的にその辺はどのようなものをイメージされているのか、今の段階でお教えいただけるところがあればお教えいただきたいと思います。

西野副大臣 お答えをいたします。

 加藤先生、私も中小企業の町に実は住まいをいたしておりまして、まず実例を申し上げたいと思いますが、ある卸売の流通業者、中小企業でございますがございました。平成九年ごろからでございますが、いわゆるバブル崩壊の後、取引のありました市中銀行の融資が完全にとまってしまいました。そのときに、商工中金に駆け込んで、何と今日に至りますまで運転資金を初め設備投資まで継続して融資をずっと続行していただいておるわけでありまして、結果的に、先般お会いいたしましたら、前期から業況が見事に回復をいたしまして黒字転換をしてきた、したがって、商工中金の支店でございますが、前を通れば、文字どおり手を合わすような気持ちで通っております、こういうお話がありました。

 これは、あくまでも実例でございますけれども、中小企業の政府系金融機関として、商工中金が貸し渋りや貸しはがしといった事態に対応してきた一例。安定的な資金供給を行ってきたという実例が数多くあるわけでございまして、大変重要な役割を果たしてきたというふうにも思っておるところでございます。

 したがいまして、今回の行政改革推進法におきましても、中小企業に対する金融機能の根幹が維持されることとなりますよう必要な措置を講ずるものというふうにされておるところでございます。

 また、同法案では、金融秩序の混乱等に対応するために必要な金融については、新政策金融機関及び商工中金等の金融機関によって迅速かつ円滑な融資が行われることを可能とする体制を整備するというふうに言われておるところでございまして、したがって、これらは今後詳細な制度設計が行われるわけでございます。

 その中で、商工中金につきましては、完全民営化になりましょうとも、中小企業に対する不安をいささかも抱くことのないように、大臣が常々申し上げておりますとおり、中小企業の旗をおろすな、こういう精神に基づいて中小企業に対するしっかりした金融機関となること、それが大切なことだというふうに思っております。

加藤(勝)委員 まさに私どもの地元でも、特に海外案件でも、中小企業の相談相手として商工中金等々に大変お世話になった、こういう話も聞かせていただいているところでございます。ぜひ、お願いをしたいと思います。

 また、あわせて、政策投資銀行、これも同じような位置づけということになっていると思いますけれども、これについてどのようにお考えになっているのか、財務副大臣から御答弁お願いします。

赤羽副大臣 お答え申し上げます。

 政策投資銀行が、今委員御指摘のように、これまで金融危機ですとか災害復旧復興支援等のセーフティーネットの機能で重要な役割を果たしてきたというのは、私も実は神戸市選出の議員でございまして、阪神・淡路大震災で復旧の融資を千八百億円していただいたことですとか、あと、九・一一の米国同時多発テロやSARSのときに各エアラインに対して四千三百七十億円の融資が行われてきた、こういう重要な役割を果たしてきたということは承知をしております。

 今後、完全民営化後の政策投資銀行のあり方につきましては、ただいま御審議をいただいておりますこの行政改革推進法案におきまして、先ほど御指摘もありました四条四号で、内外の金融秩序の混乱または大規模な災害等に対処するため、新しい政策金融機関や政策投資銀行等を活用した危機対応体制を整備するという点が規定されておりまして、その具体的なあり方についても、論点整理を踏まえて、今後の詳細な制度設計の中で検討されるものと承知しているところでございます。

 財務省としましては、今後整備される危機対応体制の中で、完全民営化後の政策投資銀行が、これまでのノウハウを生かして、金融危機や災害復旧復興支援等の危機対応金融の分野に対しても資金供給を行っていくことを強く期待しているところでございます。

 以上でございます。

加藤(勝)委員 今それぞれ、これからの詳細設計によるところが多いということになるわけでありますが、そういう意味では、今の二つの機関を含めて、危機対応体制といったものをこれから具体的にどう制度設計されようとされるのか、大臣から御所見を伺いたいと思います。

伊吹委員長 財務省及び経済産業省からの答弁を踏まえて、中馬行革担当大臣。

中馬国務大臣 先ほど委員御指摘でございますが、今回の推進法第四条第四号におきまして、内外の金融秩序の混乱または大規模な災害、テロリズムもしくは感染症等による被害に対処するため、新政策金融機関、完全民営化する機関及びその他の金融機関を活用した危機対応体制を整備することが規定されております。

 そういうことで、今後、詳細設計に移るわけでございますが、特に、今言いましたような一般の金融機関までも含めて、これまでにも、あの石油ショックのとき、そして阪神・淡路大震災のとき、また、この間のバブル崩壊のとき、三十兆円の与信枠を与えたといったようなことも含めて、こうして機動的に政府が対応できる、このことははっきり制度設計の中で規定をしていくべきだ、私はそのように考えております。

加藤(勝)委員 次に、公務員制度改革についてお伺いをしたいと思います。

 公務員制度の流れの中で、総人件費、あるいは人件費に非定期の公務員に係る人件費を含めて経費総額を削減していく、これも大変重要でありますけれども、同時に、公務員のやる気自体を大いに引き出していわば生産性を上げる、こういうことも大変重要で、まさにそのことも効率化に資するものというふうに思うわけであります。今いろいろ、公務員のあり方あるいは制度に関して是正すべき点も多々あるわけでありまして、そういうのはしっかりと是正をしていかなければならないと思うわけでありますが、同時に、やる気を一方でいかに盛り上げていくか、引き出していくか、このことも大変私は重要であるというふうに思います。

 そういう中で、この六十三条において、能力及び実績に基づく人事管理ということが言われているわけであります。いわゆる能力主義、実績主義ということは、バブル崩壊後の民間企業が経営を立て直していく、そういう流れの中でもこうしたものも取り入れられてきた。

 ただ、ややもすると、人件費を削減するあるいは抑制する、こういう観点にやや偏り過ぎた点もあったのではないかというような指摘もなされ、あるいは、実際導入している企業からは、結果的には当初の目的が達成できなかった、社員自体のモラルダウンも見られたというようなことも指摘をされているわけでありまして、特に事務分野、ホワイトカラーの分野はなかなか尺度が難しい、いわんや利益を追求するわけでもない公務においてはなおさらではないか、こういうふうに思うわけであります。

 実際、今も、私も役所に勤めておりましたけれども、処遇という意味においては、次のポストという意味でのよりいい、いいと言うとあれでありますけれども、どういうポストに次につくかということを含めていわば処遇がなされている、こういう部分も確かにあるのではないかと思います。こういうことも含めて、今さまざまに評価についても試行がなされようとしているわけでありますが、そういうものに基づいて、これから公務員のやる気をより高めていく、動機づけを高めていく、こういう観点からこうした人事制度をしっかり議論すべきではないかと思っておりますけれども、現在の検討状況、お考え、どうなっているのか、お教えいただきたいというふうに思います。

中馬国務大臣 今回の行政改革は、何度も申しますように、ただ当面の人減らしや財政が詰まってきたからどうこうといったことではなくて、大きな人口減少も含めた構造改革。そしてまた、これまでの官に主導された民主主義、あるいは何か規制の中でいろいろな枠をはめられた中の自由主義ではなくて、それぞれの国民が自由に自分たちの能力も発揮していく。相対的に官の役割も小さくなってきますし、そこに所属する公務員の数ももちろん減らしていかなければなりません。そうしますときに、その公務員をいかに、本当に優秀な人材なんですから、これを有効に使っていくためにはどういう制度がいいか、これからの私は課題だと思います。

 そういうことでありますので、公務員制度改革もこの法案の中にうたわれておりますけれども、これは今後、ただ、まだ組合との関係、いろいろございますから、この法案の中にはうたってはおりませんけれども、公務員制度改革を進めるということは、これははっきりとうたっております。

 と同時に、そのことをもう少し具体的に、能力・実績主義でいくんだということもこれは規定をさせていただいております。能力・実績主義の人事管理の徹底の必要性につきましてこうしてうたわれているわけでございますが、あらかじめ試行的に人事評価制度を本年一月から開始したところでございます。

 こういったことを含めて、職員の能力とやる気を引き出す観点から、人材交流、民間との人材交流もどんどんやればいいと言っているわけですが、そうした官と民との交流、また官庁の中での交流、こういったこともどんどんと推進してまいりたい、このように考えているところでございます。

 そしてまた、与党からも申し入れがございまして、できる限り早くこの改革に取り組んでまいりたい、このように考えております。

加藤(勝)委員 いずれにいたしましても、一生懸命頑張った方はそれなりに処遇をしていく、これは当然だというふうに思いますけれども、主観と客観、自分が思うけれどもどう評価されるか、この辺をどうすり合わせていくかということも大変重要だと思います。そういう意味で、これは何回も何回もトライアルをしながら、試行錯誤をしながらやっていくわけでしょうけれども、余り能力主義とか実績主義とかというそのスローガンに引っ張られずに、まさに、いかにモチベーションを高めていくのか、そういう観点からしっかり検討し、また実施をしていただきたいというふうに思います。

 そして、さっきおっしゃったように、やはり公務員そのものに優秀な人材に入ってきていただき、そしてその能力を発揮していただく。そういう流れの中で、今いろいろと天下りの議論が出てくるわけであります。この中にも、適切な退職管理というようなことも指摘をされているわけであります。

 これから、官から民へ、より簡素で効率的な政府ということになり、また、公務員の中でもやはり団塊の世代というのがあり、これから大量に退職をされていく。こういうことを見れば、退職後、そのまま自由な生活を送られる方もある、引き続きいろいろな仕事をしたい、それはボランティアみたいなこともあるし、あるいは利益活動もあるかもしれない。そういう意味では、まさに今、公務員という形でいる人材をより民でうまく活用していくという視点も大変重要ではないかな。

 また、いろいろこれから再就職をする。特に、定年を迎えたという方もあります。場合によっては、四十代、あるいはもっと手前でどんどんどんどん出ていかれるという方もいらっしゃるわけであります。そういう方は、やはり自分が仕事の中で身につけたノウハウとか経験とか、こういったものも活用していこうということで出ていくというケースがある。そうすると、今の公務員が、次の民間に行った場合の規定等いろいろそごが出てくる、こういう問題もあるのではないか。

 また、今現在、現役の公務員については、官民の人事交流の拡大ということをやろうとされているわけであります。実際に公務員を民間企業で雇うわけですね、民間企業が雇う。そして、民間企業の人を国家が雇う。こういう関係の公務員になる。

 したがって、現役の公務員が雇われる、そして今の天下りはOBが雇われる、その部分については、かなり似たステータスの部分もある。もちろん、それに伴う、いろいろ想定される弊害は、全く同じかといえばそうではない部分もあるかと思いますけれども、やはり似たような部分もある。

 そうなると、今、現役はどんどん交流をしましょう、しかし、OBに関しては、いやいや、ちょっと待っておこうよというように感じられるわけでありますけれども、その辺の整合性というんでしょうかね、それがちょっと欠けているんじゃないかな、こんな思いもするわけでありますけれども、その辺は、特に総務省においては、官民の人事交流、現役でやっていこうということをどんどんされているというお立場から見て、このOBの部分、その辺をどうとらえておられるのか、お教えいただきたいと思います。

中馬国務大臣 先ほどの公務員制度改革にもつながってまいりますが、天下りという言葉は私は余り使いたくないんですね。公務員の再就職とあえて言わせていただきますが、そうしたことは私はどんどんとこれからはやっていくべきだと思っております。ただ、そのときに、再就職先と、もといた部署との何か公務の公正にかかわる事例が出たり、そうしたいわゆる談合問題、あるいは入札情報が外に漏れるといったようなこと、これははっきりと区別しなければいけない問題だと思っています。

 そういうことから、今言いましたように、民間にもどんどんと出ていただきたいし、民間からも入ってきていただいて結構ではないか。そういう制度とすると同時に、また何か、ある方が局長、次官になられたら、あとの方は外に出ていかなきゃいけないといったような今までの慣行といったものもこれを改めて、能力・実績主義で、そして、やはり志を新たに入ってこられたわけですから、定年というのが六十歳であればそこまでは、勤めたい方はどんどんと自分たちの能力を発揮して六十歳まで働いていただける形、これに私はしていかなければいけないと思います。

 そしてまた、今天下りの禁止といった話が出ておりますが、これもこの公務員制度の改革では、そのこととは別の問題でございますから、もう二年間待機しなかったら民間に行ったらいけないとか、あるいは特殊法人やあるいはその他、別の法人を通じて、そこで待機した形で行くとか、そのようなこそくな手段ではなくて、堂々と行っていただいて、そこで思い切り能力を発揮していただく、そのことの方が私は大事だと思っています。

 それには、先ほど申しました再就職先との変な癒着にならない形、これははっきりと区別しなければいけませんが、そのことは行政監察やあるいはまた会計監査、そしてまた法務当局の方がもう少しその不正にわたる部分ははっきりと指摘し、処罰をしていただきたい。そのことをあわせて、私は今後の本当に能力を生かしていただく公務員制度の改革になるんじゃないかと思っております。

竹中国務大臣 総務省としては、公務員の使用者、政府を代表する使用者の立場でございますので、その立場から御答弁させていただきますけれども、基本的には、やはり公務員として非常に多様な能力を持った方に、その経験を生かしてやはり活躍していただきたい。だからこそ、やはり官民交流をして、いろいろな分野からいろいろな能力のある方に来てもらう、これはもう非常に素直な気持ちとして我々は持っているわけでございます。同様に、政府の中で働いておられた方が、その経験やノウハウを生かして退職後民間で働いていただきたい、これもやはり同じ気持ちを私たちは持たなければいけないと思っております。

 その際に、ただ、唯一やはり注意しなきゃいけないのは、まさに中馬大臣おっしゃいましたように、政府の影響力を駆使する形で、それが民間の、民間の労働市場も競争でございますから、そこをゆがめるような形があってはならないだろう、その意味でのいわゆる天下りについては特別な配慮が要るということだと思います。ただ、原則論としては、我々は政府・使用者を代表して、多様な能力の方に来ていただきたい、そして政府の中で得た能力はまた民間でも生かしていただきたい、そのような姿勢で考えております。

加藤(勝)委員 おっしゃるように、いわゆる天下りに伴う弊害、要するにいろいろ指摘をされている、このことはしっかり認識をしておかなければいけない。しかし、それを余りにも強調し過ぎて、今おっしゃるように、今ある人材の活用ということが阻害されてはいけない。そういう意味では、この民間の人事交流もかなり服務的にコードを決めてチェックしていく、こういう観点も、これからOBについてもより考えてもいいんではないかなというふうに思うわけであります。

 次に、市場化テストについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 市場化テストは、これを読ませていただきますと、結果的に、今の官が行っている業務をいわば仕分けをしていく、官が引き続き官としてやるべきもの、あるいは官民競争、二つにかかわるもの、民にゆだねる民間競争入札、そして、もう官の外へ完全に排除してやめてしまう、こういうふうに分けていく、こういうところにもポイントがあるんではないかと思います。

 その前に、平成十七年度において、既にモデルが実施されているわけでありますけれども、新聞報道では、官の不戦敗というふうな言い方も出ておりました。これは、いろいろなことがあると思います。一方で準備が間に合わなかったとかいろいろなこともあると思いますが、こういうことを踏まえて、今回の法案に当たっては、官民競争入札というものをできるようにするために、民側からの参加も促す、同時に、官側からもやれるという意味でのいろいろ措置が講じられると思うんですけれども、その辺を少し御説明いただきたいと思います。

山口副大臣 加藤委員にお答えいたします。

 おっしゃるとおり、今回、公共サービス改革法案では、官の入札の内容と民の入札の内容をサービスの質とコストの両面で比較評価をし落札者を決定する手続を規定することにより、官が入札に参加することを可能とする法制度になっておりますので、モデル事業ではありませんでしたが、今後またこういった方面で官の方にも努力していただくことを期待しております。

加藤(勝)委員 その中で、今、官民競争入札の話をさせていただいているわけでありますが、民にできるものは民にという言葉があるわけであります。そうすると、官民競争入札というのはどういうことなのかなと。要するに、民にできる部分ならば民間に任せればいいじゃないかというような疑念も疑問もわくわけでありますが、そういう意味で、この官民競争入札の分野、これはどんなものが考えられるのか、ひとつこの辺をお教えいただきたいと思います。

山口副大臣 お答えいたします。

 競争の導入による公共サービスの改革は、公共サービスの全般について不断の努力で見直しまして、必ずしも国の行政機関がみずから実施する必要はない公共サービスを官民競争入札の対象に選定することとしております。また、このように選定された公共サービスには公共性が求められますが、その担い手としては官も民もあり得る。

 公共サービス改革法は、このような公共サービスの担い手として、官民にかかわらず最もすぐれた主体を選定しようとしているものでございます。

加藤(勝)委員 いわば、官民どちらかが、どちらでもより効果的に実施できる主体にゆだねる、そういう話になるのかと思いますが、この市場化テストを通じてある意味で私が期待をしたいというのは、逆に言うと、官民競争にいる官と、官しかできない部分にいる官、これはやはりちょっとステータスが違うんじゃないかな。また、民の中も、今回の公益法人を含めていろいろ出てくる。そうすると、今我々が官と言うと典型的に役所、民と言うと株式会社、この固定的な観念から、もっとこれを細分化していって、いろいろなバリエーションがあるんだということをもう一回再認識していく、こういう効果といいますか、こういう目的が私はあるんだろうと。

 そういう意味では、この市場化テストそのものをするということはもとよりでありますが、これを通じてその辺をもう一回どう再認識していきながら、全体として公共というものを官民がどう分類していくか、分担していくか、これをまた考えるきっかけに私はぜひしていただきたい。また、そういう目的だろうと認識をしているわけであります。

 それと、やや視点が変わるわけでありますけれども、今回の市場化テストでは、国の行政機関、独立行政法人、国立大学法人、特殊法人が行う業務、具体的には「施設の設置、運営」等々というふうに書いてある、これが対象になっているわけであります。

 ただ、これまで国の行政機関を、国の行政機関、独法、国立大学法人と分けてきた経緯というのが私はあったんではないかと。それは、その中での実施ということに関しても、例えば大学でいえば、自律的に教育研究を実施していく、その自律性を付与していく、こういうところにも特徴がある。特に国立大学法人については、そういう意味での特殊性から、いわば独立行政法人とはさらに別に大学法人という形態がつくられた、そういう経緯、経過がある。

 そうすると、そのそれぞれの業務について、また市場化テストという形で、ある意味では国が関与して、こうしなさい、ああしないという話になる。だから、その中では、今言ったように、やはり主体をこうやって分けてきたという経緯も考えながら市場化テストというものも実施をしていかないと、一律に全部同じ基準で、ある業務だから、行政機関であろうといわば国立大学法人であろうと同じような切り口で全部一遍にばっとというわけにもなかなかいかないんではないかというふうに思うわけであります。

 それについて、これから具体的に実施に当たるわけでありますけれども、その段階においては、今申し上げたように、それぞれの法人がつくられてきた立法経緯とかあるいはその位置づけ、こういったことも、その業務の中身に加えて、よく踏まえながら対応していかれることになると思いますけれども、その辺の御見解をお示しいただきたいと思います。

中馬国務大臣 どういったものを市場化テスト、民の方に移していくか、こういったことの検討といいましょうか、その決定権も含めまして、これは我々官僚がやるんではなくて、有識者といいますか、民間の方々も含めた、もちろん地方自治体の方もいらっしゃいます、こういった方々の一つの第三者機関をつくりまして、そこが判断していただくことにいたしております。

 そして、その対象は株式会社に限りません。NPOとか、そうした民間の法人の方々、法人でなくても結構かと思いますが、ともかく、今度新たに公益法人とあれと分けましたけれども、一般法法人の方々も含めて、そうした今までお役所がやっていた仕事を、場合によってはボランティア的な精神でもってでもそれを引き受けていただくことが私は可能ではないかと思います。

 そうした幅広い観点で官の仕事を民間に移していく、また逆に、民間の方がよりよい質とサービスを提供するかもしれません。そういうことを目指したのが今回の法律でございまして、このことで、私たちも今後の両党の制度設計も含めた対応をしてまいりたいと存じております。

加藤(勝)委員 それぞれ議論はそういう民間の方の場で行われると思うわけでありますけれども、そういう中での議論の前提ということでは、今申し上げたそれぞれの法人の経緯、経過、あるいはその業務の中身をしっかりと踏まえながら議論をしていただきたいというふうに思います。

 それから最後に、公益法人改革のことで質問させていただきたいと思います。

 そもそもこの問題は、KSDを初めとした、ややマイナスの部分から始まってきたというふうに思うわけでありまして、いわばガバナンスといったものが欠けているじゃないか、それをどうしっかりするんだというところからスタートしたわけであります。今回の公益法人改革を見ると、それはもちろん含みながら、同時に、新しい時代に向けてのいわゆる民あるいは民間が担う公共を拡大していこう、こういう前向きな面も大いに含まれているとまず評価をしているわけでありますが、まずその前に、今回のこの法案の中で現行の公益法人よりもガバナンスとか情報の透明化といった面においてしっかり強化すべきである、こういう要請があったわけであります。しかし、同時に、余り厳し過ぎると今度は民間の活力を失ってしまうんじゃないかというような指摘も他方でありますけれども、こうした意見を踏まえて、今回、具体的にどのような措置が講じられているのかお示しいただきたいと思います。

山口副大臣 お答えいたします。

 現行の公益法人については、民法に詳細な規定が置かれていないものの、閣議決定に基づく指導等が行われており、公益社団法人、公益財団法人に比べ規律の面で大きく劣るものではないのでありますけれども、主務官庁による裁量権が存在しているということは事実であります。

 今回の公益法人制度改革においては、主務官庁による設立の許可、指導監督の現行制度を廃止して、民間有識者から成る国及び都道府県の合議制の機関が公益性の判断を行うこととしておりまして、法人が守るべき規律については、すべて法令に規定することにより、従来の官による裁量制を廃止するものであります。

 今回の改革により規律が改善された一例を申し上げますと、公益法人認定法案では、公益社団法人、公益財団法人については三人以上の理事から構成される理事会を必置機関とするなど、規律の改善のためにも措置を講じております。

加藤(勝)委員 まさにそういう形でしっかりガバナンスをしていただく、そしてまた、そういう新しい公益法人に対しては、また一つの税制も含めて、これはこれから議論されるわけでありますけれども、その活躍というものをよりしていただくということになるわけであります。

 今、既存の公益法人、財団、社団があるわけでありますけれども、これがこれから新法の中でどちらへ移行していくのか。一般でいくのか公益でいくのか、こういう議論はあろうかと思いますが、そういう中で、今回、この一般財団、一般社団というのがやはりこれからの一つのポイントになっていく。これからの、民としての部分で大きなものを担っていくんじゃないかなという思いが私はするわけであります。

 そういう意味で、この一般財団、一般社団に対してどういう期待、役割というものを持っておられるのか、そのことをお示しいただきたいと思います。

山口副大臣 一般社団法人、一般財団法人制度は、剰余金の分配を目的としない社団または財団について、登記のみによって法人格の取得を可能とする制度であります。その創設は、株式会社と同じ手続で簡便に設立可能な法人が新たに民の受け皿として追加されるという意義を有するものと考えております。

 具体的には、公共施設の維持管理や地域のための事業を担う法人のように、利用料や手数料によって一定の収入を得つつも営利を目的としない法人が、この新制度を活用していくのではないかと考えております。

 政府としては、民が担う公益の拡大という行革推進法の課題との観点からも、この新制度が、我が国における、公益法人でもなく営利法人でもない新たなタイプの、民における新たな公の担い手として発展することを、我々も大いに期待しております。

加藤(勝)委員 まさに、民にできることは民にという視点に立って、市場化テストの普及など今回いろいろな改革が制度的にもつくられて、これを推し進めていくわけであります。

 そういう中で、民というとまず最初に株式会社というのがどうしても頭の中に浮かんでくるわけで、もちろんこれも大事な公共の担い手ではあります。しかし、それ以上に、この新制度における公益法人、さらには既存のさまざまなNPO、そして今御指摘があった一般財団、一般社団、こういったものをしっかりまずはぐくんで、また、そうした主体が積極的に活動していく環境というものを大いにつくっていくということが、逆に民が担う公共を拡大していくということにつながっていく、そういうふうに私は思うわけであります。

 そのためには、例えば、いろいろこれから措置をする、民にと開かれたときには、そういう一般財団、一般社団にも広く声をかけていただくとか、そういった意味でのさまざまな配慮をお願いしたいというふうに思いますけれども、それに対する見解をお聞きして、終わらせていただきたいと思います。

中馬国務大臣 今、委員の御指摘になったことは、これからの社会に私は非常に大事なことだと思っております。

 北欧三国といいましょうか、ここはボランティア社会と言われておりますが、良家の子女がお嫁前に一つの公的な、看護婦をしたり、そうしたボランティアをすることが何かステータスになっている、そういうことまでも国民の意識が高まってきております。

 こうしたことで、ただ株式会社が営利を目的として、あるいはまた、そういったことじゃなくて、一般社団、一般法人といいますのは、それこそNPOと言われている人たちも含めた、公的な役割を民間が担う、そして自主的にボランティア精神でもってやっていくというところまでも含めて、私は、そうした社会になっていただきたい、そのことも思いの中に一つある次第でもございます。

加藤(勝)委員 終わります。

伊吹委員長 これにて加藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、高山智司君。――発言を求めてください。高山君。

高山委員 質問の前に、まず、きょうお呼びした答弁者の方がそろっていないので、そろうまで私待ちますので。

伊吹委員長 具体的にだれのことですか。

高山委員 法務大臣がまだお見えになっていませんので、もしお時間がかかるようでしたら、私は質疑に入れませんので、今待っております。

伊吹委員長 それじゃ、ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

伊吹委員長 速記を起こしてください。

 委員長から申し上げます。

 当委員会の一般質疑において、各大臣も当行政改革特別委員会以外の本来業務を多数持っているということは確かでございます。そして、行政改革の最大の目的は、最小限の国民負担において、公的な仕事をする者が最大限の仕事を果たす仕組みをつくるということにあるわけであって、立法府もまた特別職の公務員としてこの例外ではないということを再三申し上げております。

 したがって、与野党の理事会においても御了解をいただいて、行政府を預かっている大臣、副大臣、政務官は、最も大きな仕事は立法府における法案審査ではあるけれども、同時に、行政の仕事もあるということも理解して、大臣は、他の用務がある場合には、やむを得ざる場合は副大臣をもって充てるというのが副大臣制を設けた理由であるということは、与野党とも気持ちよく了解をしております。これは、民主党さんも含めて、皆さん気持ちよく国民の前に了解していることです。

 ただ、きょうミスがあったのは、野党の筆頭理事からわざわざ御確認がありました、法務大臣の出席は大丈夫ですねと。それについて、出られるということを与党サイドの理事が申し上げたということも事実でございます。

 ですから、理事間の一般原則としての約束事と、けさの理事会での確認ミスと、両方重なってこういう残念な事態になりましたので、国民も注視をしておりますから、国民の血税でこの一刻一刻が賄われておりますので、高山君には大変な御迷惑をかけて申しわけありませんが、最大限、法務大臣が出席をしなくてもできる部分ですね、きょうは外務大臣も、実は防衛庁長官も、本来業務があるんだけれども、この時間帯にという御要望があったので、ほかの業務を省略してここへ来ておられるので、できる限りの質問をしていただいて、そして、きょう、与党の筆頭理事以下理事の皆さんに申し上げますが、法務大臣と政府側と十分協議をして、きょう十七時にこの委員会が終わる予定になっておりますが、その後、国民注視のことでありますから、残り時間で、法務大臣の出席を求めて補充質問を行うことにして、委員会を再開いたします。

 高山君。

高山委員 民主党の高山智司でございます。

 それでは、委員長からの温かいお計らいがありましたので、まずは、ちょっと順番が変わりますので、これは政府の方に言っておきます。

 まず、上海総領事の自殺問題、予算委員会に引き続き質問させていただきたいと思います。

 まず、麻生大臣に伺いますけれども、予算委員会でも大きく取り上げさせていただきましたけれども、それ以降、今、四月になりまして、この事件が起きてからもう二年たったわけですけれども、週刊誌報道が昨年末にあり、そして予算委員会でもことしの二月に取り上げさせていただいて、その後、中国側にどういう抗議をなさったか、教えてください。

麻生国務大臣 これまでの具体的な申し入れということに関しましては、平成十六年の五月が最初なんですが、平成十七年、昨年十二月後半に計三回、外務省、在中国大使館から、中国外交部、在京中国大使館に対して申し入れを行っております。

 同じく、本年一月、日中非公式協議においても、アジア大洋州局長より中国外交部アジア司長に対して申し入れを行っております。

 その後、本年の二月の日中総合政策対話におきまして、外務事務次官から外交部副部長に対して、最近の日中間の懸念すべき事項として本件を提起、また三月の日中非公式協議におきまして、アジア大洋州局長より中国外交部アジア司長に対して改めて中国側の納得いく回答を求めたというのが、その後行われた、こちら側から向こうに申し入れた内容であります。

高山委員 この日本側からの申し入れに対しまして、まず、相手が、中国側がどういうようなことを言ってきたんですか。相手方の返事を教えてください。

麻生国務大臣 向こう側の、先方というか中国外交部の言い分というものに関しましては、この問題に関しましていろいろ言っておりますけれども、早い話が、この種の話には、既に決着のついた話だというような言い方をしてきているのが一つ。

 正確に申し上げた方がよろしいと思いますので。

 中国としては、在上海総領事館元館員の自殺事件と中国政府とは無関係ということをこれまで何度も表明している、我々というのは中国側ですが、中国側の調査によると、中国政府が同自殺者に対していわゆる脅迫を行ったことはなく、中国側も自殺者が生前にいかなる者と接触したかについては承知していない、いわゆる中国が領事関係に関するウィーン条約に違反しているという言い方には根拠はない、我々は日本の政府高官が中国をいわれなく非難することに憤慨を表明する、我々は日本側に再三にわたって日中関係の雰囲気を壊すことを引き起こすことをとめるように求める、これが向こう側の報道官による正式の反論です。

高山委員 大臣、先ほど伺いましたら、非公式会合などで言っているということで、向こうは公式に報道官が言ってきているわけですね、答えを。こちらの方も公式に、けしからぬことがあったんだ、ウィーン条約違反じゃないかということを抗議はした方がいいと思うんですけれども、そういうことはされていますか。

麻生国務大臣 今の話の関連に関しましては、同三月三十一日に、こちら側も報道官を使いまして、在上海総領事館の館員の死亡の背景には、現地の中国側公安当局関係者による、領事関係に関するウィーン条約の接受国の義務に反する遺憾な行為があったと考えており、中国外交部報道官談話において表明された、中国政府とは無関係である、中国が領事関係に関するウィーン条約に違反しているとの言い方には根拠はないとの中国側の立場は全く受け入れられない、我が方としては、引き続き、中国政府が誠実に、本件の事実関係の究明を含め、しかるべき対応を行うことを強く求めるという外務省の報道官談話を、向こうの報道官発表を受けて、こちら側の反論であります。

高山委員 大臣、そうしますと、今のところ日本政府側からの一番公式なのはこの報道官の談話という理解でよろしいんでしょうか。一番公式なものは要するに何なんですか、今まで日本がしたもので。

麻生国務大臣 報道官談話の発表ととっていただいて結構だと存じます。

高山委員 そうしますと、中国側の一番公式なものも、では、中国の報道官の談話だ、こういうような理解でよろしいんでしょうか。一応、念のため。

麻生国務大臣 中国側の正式な談話というのは報道官談話、双方、報道官談話というように御理解いただいて結構だと存じます。

高山委員 大臣、そうすると、これはもうすごいすれ違いですよね。全然平行線ということなんですけれども、日本側が中国がウィーン条約違反なんだと言う根拠は何ですか。これは予算委員会でも聞いたんですけれども、もう一回確認でお願いします。

麻生国務大臣 我々が、報道されておりますように、ウィーン条約接受国の違反だと思っておる内容につきましては、いわゆる現地の中国側公安当局関係者による恫喝、脅迫等々、そういうたぐいの行為があったと判断をしております。

 その内容につきましては、館員の遺書等、いろいろ記されているところではありますけれども、私どもとしては、その内容を掌握した上で、少なくとも本人が自殺まで追い込まれるという事態になっておるという事態を重く受けとめておりますので、その内容にうそがあったというような感じを私どももとってはおりませんので、その内容をもとにして言っておりますが、内容の詳細について申し上げるというのは控えさせていただきます。

高山委員 外務大臣、確認させていただきたいんですけれども、そうしますと、ウィーン条約違反の恫喝的行為があったという、この遺書以外の根拠というのは何かありますか。

麻生国務大臣 遺書以外の根拠といって、証拠に残っておる書類みたいなものがあるわけではございませんけれども、一番の大きな理由は、自殺をいたしました館員の遺書というのが最も大きな、文書として残っておるというものでは、その遺書の内容というように私どもは理解をしております。

高山委員 そうしますと、大臣、文書で出せということではございませんが、いろいろなヒアリング等をなさったと思いますけれども、そういう状況も含めて、この遺書以外の、何かそういうウィーン条約違反の恫喝的行為があったという証拠があれば教えてください。

麻生国務大臣 いろいろ調査をさせていただいたのは、本人が死亡しておられるという状態にありますので、直接向こう側と御本人との間の関係というのがそのほとんどでありますから、基本的には、調べても、それ以外の話で、遺書以外のものはきれいに整理をされておりますし、私どもとして、それ以上の確たる証拠と言われても……(高山委員「ヒアリングとかをしている」と呼ぶ)ヒアリングは、友人関係にヒアリングをさせていただきました。

 それだけ追い込まれているという雰囲気にはなかったというのが私どもの最も残念なところで、もっと言ってくれればよかったじゃないかというのが、私ども、こういった話はよく起こり得る話なので、そういったときには、ぜひ上司に相談するなりなんなりしてもらったときには対応するようにというのは、今後とも対応として最も大事なところだということをこの間の会議でも言ったんです。

 外交官としていろいろ経験をする中にあって自然と身につくところもあろうかとは思いますけれども、基本的な観念として、この種のことがあったら、一人で何でもやろうと思わず、組織で対抗するというようにしなければとてもじゃないぞという話をいたしております。

高山委員 今後のそういう対抗策としては、本当に麻生大臣おっしゃるとおりだと思うんです。しかも、麻生大臣のような、トップが闘っていただける姿勢の方であれば、部下も本当にやりやすい環境に今なっているんじゃないかと思います。

 ちょっと今のお話の中で、いろいろ上司やら何やらもヒアリングはされたんですか。された結果、どうも恫喝があったんじゃないかということなんでしょうか。それとも、ヒアリングした結果は、別にそういう様子はなかったんだ、こういうことでしょうか。そこをちょっとお願いします。

麻生国務大臣 調査はかなり綿密にされました。しかし、上司、同僚に全く相談をしていないで、本人ずっと思っておりますので、全然外に出てこなくて、何となく最近落ち込んでいたかと言われると、みんな、そうだったかなという感じであったというように報告を受けておりますので、その他の情報といえば、上司、同僚等々に調査をいたしておりますけれども、いわゆるその種のことに関する発言というものは全くなかったそうです。

 それで、私どもとしては、残っているものはこれしかないということになって、それが今の現状です。

高山委員 そうすると、この遺書がもう唯一の証拠というふうに考えてもいいかと思うんですけれども、ちょっといろいろ聞きたかったんですが、今は外務大臣しかいないので、まず外務大臣に伺いますけれども、外務大臣は、この遺書、本物を読まれて、確かにそうだ、恫喝的だったなというふうに感じられたんですか。

 まず、本物をちゃんと見ましたか、読みましたか。

麻生国務大臣 読ませていただきました。やはり死ぬ覚悟というのはなかなかそんな簡単な話じゃありませんから、その上で書いている幾つかの遺書がありますけれども、読ませていただきましたけれども、そういったものを見て、私の方も少し情感が入っているのかもしれませんけれども、その遺書を読ませていただいた中にはかなり説得力のあるものがありましたので、この遺書というものは信憑性は極めて高い、私自身はそう思っております。

高山委員 大臣が読まれた遺書というのはオリジナルのものですか、本物ですか。それともコピーを読んだんですか。

麻生国務大臣 オリジナルなものではございません。コピーというように御理解いただいてよろしいと思います。

高山委員 外務大臣だけじゃなくて、副大臣、政務官なんかもこれはやはり読まれているものなんですか、どうなんでしょうか。ちょっと、大変細かいことで恐縮ですが、呼んでいませんが、どうぞ副大臣の方でも。副大臣、読まれたかどうか。

塩崎副大臣 私自身は読んでおりません。

高山委員 きょう、二十分までということでしたよね。

 そうしますと、ちょっと私伺いたいのは、きょう資料で配らせていただきましたけれども、読売新聞の一面で出ましたね、三十一日ですか。大臣、この新聞の方、きょう配らせていただきましたけれども、読まれて、これはどうですか。これは全くのにせものですか、それとも内容的には本物でしょうか。どうですか、大臣。

麻生国務大臣 これを全部精査して、合わせて読んだわけではありません、正直申し上げて。合わせたわけではありませんけれども、私どもから見て、限りなく本物に近いなという感じは私ども思いましたから、同日付で調査委員会を立ち上げろという話を厳命したのが背景です。すなわち、漏えいしているんじゃないのかという疑惑を持たれる可能性があるから調査せいという話をいたしております。

高山委員 今、それは結構重大なことだと思うんですけれども、そうしますと、この読売の記事は、読まれた大臣の印象では、もう内容的にはまさに本物が漏えいしたおそれがある、そういうことで調査委員会を立ち上げられたわけだと思うんですけれども、それで、立ち上げた結果、どうでしたか。どういうところから漏えいしているんですか、これは。

麻生国務大臣 読ませていただいて、精査して、重ねて申し上げます、精査して、前の読んだものとこうやって全部合わせて読んだわけではありませんけれども、何となくという感じが、こんなものだったかなという感じがしましたので、これは、もし事実とすれば事は大変なことになるので、だれかが漏えいしているという可能性を疑われるということになるのではこれは外務省としては問題だぞ、したがって、直ちに調査委員会を立ち上げろということを申し上げた次第なんで、この内容について、今、調査委員会は始まったばかりというように御理解いただければ、いずれ報告をさせていただきます。

高山委員 これは大臣、外務省内部からの漏えいというふうに考えていいんでしょうか、この遺書に関しては。

麻生国務大臣 先生、そこのところは今一番難しいところで、内部だったら大変なことになるから調べろと言うておるのであって、これはほかから漏れる可能性は幾つかあり得ると思いますので、私ども、その点が一番気になるところなものですから、高山先生御心配のように、私どもとしては、この点に関して、どこから出たんだという可能性を今調べろというようにいたしております。

高山委員 ちょっと、きょう、ばらばらになっちゃうので、外務大臣に対する質問はこんなところで、防衛庁長官にも本当は質問をしたいんですけれども、ちょっと時間が大変あれなので、どうしましょうか。よろしいですか、質問しないで、次回に譲らせていただくということで。

伊吹委員長 ちょっと待ってください。ぎりぎりまで質問してください。一分だって国民の税金ですよ。

高山委員 わかりました。

 それでは、防衛庁の方にも伺いたいんですけれども、今回、談合問題でいろいろ問題になりましたけれども、その後、ウィニーによる情報流出、これがすごく起きてしまっている。これで今、外務省みたいに、これはちょっと庁内からいろいろ漏れているんじゃないかということで、調査委員会をきちんとつくるべきだと思いますけれども、防衛庁の方として、調査委員会をつくって、その後、結果としてはどうでしたか。どこからどういうふうに漏れたんだ、何人ぐらいのところから漏れているんだ、これは調査が出ていますか。

額賀国務大臣 これはもう高山委員御承知のとおり、高木政務官を中心にして調査委員会を設けまして、私有パソコンから秘密情報を削除するとか、ファイル交換はやめさせるとか、それから官供給のパソコンに切りかえるとか、緊急対策をやったと同時に、今後こういうものが再び起こらないように、情報セキュリティー、それから懲戒処分、あるいはまた秘密保全、そういうところの体制を順次整えつつあるところである。

 また、どういうところからその原因が起こっているのかについては、目下調査中でありますけれども、基本的には、情報保全、それから情報管理者がきちっとした問題意識を持っていなかったこと、それから、秘密を保全しなければならないということを考えておりながら、実際は許可もなく一般の人たちがその情報に接することができて、それを我が家に持ち込んで一般のインターネット上に流出していったということでありますから、個人個人の問題というよりもシステムに問題があるというふうに思っておりまして、きっちりとその対応策を講じさせていただきたいというふうに思っております。

高山委員 防衛庁長官に伺いたいんですけれども、もうまさに情報漏えい、これはシステムに問題があるんだと私も思うんですよ。それで、特に防衛庁は、秘だとか厳秘だとか、他の省庁に比べていろいろちゃんとやっていらっしゃいますよね、形式的には。

 しかし、二年前ですか、同じような、ウィニーじゃないんですけれども、私は本会議でも質問させていただきましたが、自衛隊の方で情報流出があった。今回の海上自衛隊、これはまた同じような形ですよね。前回の情報流出を踏まえて、今まで三年間あったわけですけれども、今、どうしてこういうまた同じようなことが起きてしまったのか、ちょっとそこももう一回説明してください。

額賀国務大臣 それは、今申し上げましたように、管理者及び部隊の責任者が、訓令等によって、しっかりと管理をしなさいというような話をしたけれども、そういう観念的な指導では行き渡らなかったということでございますから、これをシステム的にどういうふうにしていくかということ。

 それから、きちっと懲戒処分の類型化を図っていくということが大事である。例えば、公務員が酒気帯び運転をすれば免職になるとか、そういう形でこの情報流出の問題についてもその類型化を図って、こういう情報流出の事態を起こすようなことがあれば自分がやけどをする、自分の職務にも関係する、そういうことになるような形をつくっていくことが大事であるというふうに思っております。

高山委員 もうお時間だそうですから、どうぞ、結構です。

 そうしますと、今いらっしゃる大臣の、行革大臣に伺います。

 行革大臣、今一番注目のこの委員会、委員長にもそして大臣にもまさに実力者を配したすごい布陣で、今、この行革推進法を政府・与党の方がやられておりますけれども、この行革の中で、私は法務委員会なものですから質問させていただくんですけれども、刑務所ですよ、いわゆる行刑施設。これに関しまして、まず、行革担当大臣が今後どういう形でいわゆる行革を進めていくのか、ちょっとここをまず伺いたいんです。

中馬国務大臣 今御指摘ありました行刑施設でございますが、これを市場化テストの対象にしていること、そのことの御指摘かと思います。

 これも例外なく、一つの見直しが可能ではないかということで指摘されておりまして、庶務、会計、自動車運転、差し入れ窓口受付など非権力的な業務について、従来から民間委託が進められております。

 行政改革の重要方針では、包括的・抜本的な民間委託等を検討する分野として「行刑施設関連の業務」、これを掲げまして、こうした非権力的業務のさらなる民間委託の徹底を図る観点から検討することとしており、法案ではこの旨を忠実に条文にしておるところでございます。

 したがいまして、行政改革の重要方針と法案の意味するところは同じでございまして、取り組みが後退していることではございませんし、また、行刑施設だからといって、これもそうした分野においては民間への移管は可能ではないか、こういうことからこのことを定義しております。

高山委員 今の行革担当大臣のお話ですと、もう聖域はない、今回、この行革に関して、こういう特殊な職務だからということを言い始めたらみんな全部特殊な職務になってしまう、こういうことで改革を進めていくというようなお話だったと思うんですけれども、この先、ちょっと法務大臣に、法務大臣が我が法務委員会でも五%純減なんというのはけしからぬということで御発言されていまして、その点を伺いたかったのですが、そこは委員長の采配にお任せいたしますが、こればかりは、本当に大臣同士でやり合っていただくいいところをちょっと見たかったものですから、ここで質問を一たん委員長に引き取っていただいて、ちょっと采配をしていただきたいと思います。

伊吹委員長 今の件は、先ほど委員長から皆さんに申し上げましたように、本日、法務大臣が法務委員会の法案審査の手がすいたときにこちらへ来ていただいて、当然、行革大臣は答弁者としてここへ出席しておりますから、その際に高山君から質問していただいたら結構です。

 いろいろあなたのお出しになったこの質疑案を見ますと、上海総領事自殺問題は外務大臣と官房長官を要求しておられましたね。それから、防衛庁談合問題については防衛庁長官。それから、行刑施設民営化で行革担当大臣。それから、外国人バイオメトリックス採取問題、入管法改正は法務大臣を主に外務大臣等を要求しておられた。行政機関の情報管理、個人情報の取り扱い、全大臣。こうなっておりますから、法務大臣がいなければどうしても審議ができないということ以外のものはもうないんですか。

高山委員 ありません。

伊吹委員長 ないんですね。

 それでは、この際、高山君の残余の質疑は後刻理事会の協議に従って許可することとして、この際、谷口和史君の質疑に移ります。

高山委員 ありがとうございました。

伊吹委員長 次に、谷口和史君。

谷口(和)委員 公明党の谷口和史でございます。

 今回、行政改革推進法案のポイントは、簡素で効率的な政府、つまり、スタッフが少なくてもできるだけシンプルなシステムで効率的に機能を発揮できる、こういう政府をつくっていくということでありますけれども、どれだけ無駄なものを省けるか、またその一方で、必要なものはしっかりと残していけるか、これができないとこの改革は失敗に終わるのではないか、こういうふうに思っております。

 この無駄なものと必要なものを分ける、つまり、事業仕分けの手法でありますけれども、この手法を我が党はこれまで強く訴えてきたわけでございますけれども、今回の行革推進法案の基本理念、総人件費改革そして特別会計改革、さらには公共サービス改革法案、いわゆる市場化テスト法案にもこの事業仕分けの要素が入っております。この点については評価をしたいと思いますけれども、問題は、これから具体的にどう取り組んでいくか、この点が非常に重要になるというふうに思っております。

 きょうは、関連五法案あるわけですけれども、公共サービス法案、いわゆる市場化テスト法案に絞って質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 市場化テストは、行政の仕事を民間にゆだね、民間の活動領域を拡大するために非常に有効な手段でありますし、大胆にやればかなりの効果が得られるというふうに思います。今後その対象をしっかりと広げていかなければならない、こういうふうに考えております。

 市場化テストは、海外では、既にアメリカやイギリスそしてオーストラリアなどで導入をされておりますし、例えばアメリカのインディアナポリス市なんかを例にとってみますと、この市の国際空港は、入札を実施した結果、イギリスの空港会社が運営するようになり、年間五千二百五十万ドル、日本円にしますと六十億円近くの財政負担の軽減につながったというふうに言われております。また、下水処理とか市道の維持など、公共サービスを対象に官民競争入札を実施しております。

 ここで、法案の中身について質問させていただきたいと思いますけれども、行政改革推進法案本体において、市場化テスト法案と事業仕分けとの関係を位置づけております。具体的には、ちょっと長くなりますけれども、政府は、「重点分野その他の分野について、事務及び事業の必要性の有無及び実施主体の在り方に関する事務及び事業の内容及び性質に応じた分類、整理等の仕分けを踏まえた検討に資するものとなるよう」市場化テストを行う、こういうふうに規定をしております。

 そこで、お伺いをしたいんですけれども、この市場化テスト法案、今回のこの法案、簡素で効率的な政府を実現するための事業仕分けに資するものになるように、具体的にどのような枠組みで行っていかれる御方針なのか、お伺いをしたいと思います。

山口副大臣 谷口議員にお答えいたします。

 今回の公共サービス改革法案は、公共サービスについて不断の見直しを行うために、閣議決定する公共サービス改革基本方針において、官民競争入札の対象とすべき業務のみならず廃止の対象とするべき業務を選定する、あるいは個別に仕分けする仕組みとなっているわけであります。

 また、官民競争入札の対象となった公共サービスについては、入札の結果により、官が担うのか、民が担うのか、その担い手が具体的に仕分けられることであります。

 さらに、官民競争入札や廃止の対象となる事業の選定においては、民間事業者や地方自治体の意見を聴取いたしまして、官民競争入札等監理委員会、これは十三人で構成するわけでありますけれども、調査審議をする仕組みとなっております。

 また、公共サービス改革法案では、この仕組みを通じて、事業の仕分けの趣旨を十分に踏まえたものとなっていると認識をしております。

谷口(和)委員 次に、実施のプロセスについてちょっとお伺いをしたいと思います。

 この制度の実施のプロセスとして、官民競争入札等の導入に先立って、民間事業者等から寄せられた提案に対して、内閣が公共サービス改革基本方針を閣議決定して、そして官民競争入札または民間競争入札の対象業務の選定を行う、こういうふうになっております。各省はそれを踏まえて実施要項を作成し、官民競争入札を実施していくということになっております。そして、質、価格で最もすぐれた者を公共サービスの担い手として選定していくわけであります。

 この場合、民間にゆだねた場合に、公正で安全な公共サービスの提供ができるのか、そしてそうしたサービスを継続していくことができるのか、この点が国民にとって非常に重要な点であるかというふうに思います。安かろう、悪かろう、こういったサービスにならないように、国民のためにサービスの維持向上を図っていかなければならない、こういうふうに思うわけであります。

 さきの姉歯事件、耐震偽装事件は、国、自治体が行ってきた建築確認審査を民間に開放したために出てきた問題ではないか、こういう指摘も多々あるわけでございます。今回の市場化テストを通じて、民間に任せることによりこうした問題が起こらないよう、やはり民間に開放しない方がよかったというふうにならないように、どういうふうに取り組んでいかれるのか、この御方針をお伺いしたいと思います。

山口副大臣 谷口議員の御指摘は各方面からも同じことを伺っておりますけれども、今回、この公共サービス改革法案は、今おっしゃった、国民のため、公共サービスの質の維持向上とコストの削減がともに実現することを目的とするものであり、コストの効率化を進めるに当たって、公共サービスの質については、最低でも今までのレベルを維持することがまず最低条件でございます。むしろ、民間の創意工夫を生かすことにより、限られた財源の中で公共サービスの質の向上を実現することを目的とするものがこの法制度の目的であります。

 具体的には、官民競争入札の結果、民間事業者が公共サービスを実施することになった場合にも、公共サービスの質の維持向上が確保されるために、一つは、公共サービスの実施に当たり確保されるべき質を、国や地方公共団体の責任においてまず明確化する制度となっております。

 二番目に、このような公共サービスの質に関する要求水準を上回ることを条件とした上で、質と価格の両面で最もすぐれた落札者を決定する制度ともなっております。

 三番目に、落札した民間事業者は、この法案に基づきまして契約をしていただくわけですけれども、これが適正かつ確実に実施されることとされております。

 さらに、これを担保するために、国や地方公共団体は、報告徴収、立入検査等さまざまな監督上の措置を講ずることともしているところでありまして、議員の御指摘のようにならないように、しっかりとやっていきたいと思います。

谷口(和)委員 どうか国民の皆さんが、コストが下がった、そしてサービスもよくなった、こういうふうに思っていただけるように全力を尽くしていただきたいというふうに思います。

 もう一点、入札する民間企業にとっては、この官の市場というのはある意味で確実な利益が見込めるということもありまして、一部新聞等では、受注が継続するということで、かつて話題になりました一円入札、こういった入札も出てくるのではないか、こういった指摘もあるわけですけれども、こうした超低価格、一円とは言わないまでも、超低価格での入札が起こらないよう、先ほどの質問ともちょっと関連しますけれども、どういうふうにしていかれる方針なのか、お伺いしたいと思います。

山口副大臣 お答えいたします。

 この公共サービス改革法案では、複数年にわたる契約が通常と考えられております。落札者はこの期間全体を通じた金額で入札をしてくるわけであります。当初の契約期間が終了した時点で随意契約に移行するものではないことから、まず一円入札は想像をしておりません。

 また、このため、そもそも委員御懸念のような超低価格入札が生じにくいとは思われますけれども、仮に一円入札が行われた場合にも、質の確保に問題があると認められた場合には、その者は落札できない。実際にはいわゆる一円入札は行われないものと考えております。

谷口(和)委員 先ほどの御答弁の中にもありましたけれども、官民の競争入札により事業の実施者を選定するに当たり、公共サービスの質とそれから価格をどう適正に評価していくか、先ほどちょっと御答弁がありましたけれども、改めてお伺いをしたいと思います。

 どう適正に評価をしていくかという問題が出てくるわけでありますけれども、本法案では、公共サービスの質及び価格に着目した総合的な評価基準を適用するということになっておりますけれども、あいまいで非常にわかりにくいというふうに思います。

 これから公共サービスの質と価格について最も有利な価格をどう評価するのか、具体的な評価方法をどうするのか、評価基準をどのように設定するのか、この点について改めてお伺いをしたいと思います。

山口副大臣 お答えをいたします。

 御指摘の質の評価方法や評価基準については、それぞれの公共サービスの内容が多岐多様にわたっていることから事前に決定することは困難でありますけれども、個々の公共サービスに応じて、それぞれの入札の実施要項においてきめ細かく定めたいと思っております。

 この方式では、サービスの具体的な成果目標そして公共サービスの質に関する評価項目をそれぞれ設定いたしまして、その項目ごとに採点をいたしまして、質を評価した上で、その質の合計点数を入札価格で割った値が最も高い者を落札者とする方法が一般的に採用されております。

谷口(和)委員 これまで質問させていただいたことは、国民にかかわる非常に重要な問題だというふうに思います。つまり、公共サービスの質を維持また向上しつつ、民間にできることは民間にということであります。

 そして、もう一つ重要な点は、冒頭でもちょっと言及がございましたけれども、今回のこの市場化テストのすべての流れを監視する第三者機関、つまり官民競争入札等監理委員会、この委員会によるチェックであるというふうに思います。第三者機関など公平性、中立性を確保する仕組みをどこまでしっかりとつくっていけるか、このことが非常に重要になるというふうに思います。

 記憶に新しいところでありますけれども、この前のWBC、ワールド・ベースボール・クラシックでも、審判の判定をめぐって、タッチアップの問題、ホームランの問題、いろいろ問題が起きたわけでありますけれども、第三者機関は、今回の市場化テストのある意味審判役であります。審判役である監理委員会が公平で中立でなければ、この市場化テストというのは国民からの信頼を得ることはできない、こういうふうに思います。

 冒頭でちょっと御紹介しましたインディアナポリス市の市長をされていたゴールドスミスさんという方が、昨年五月の日経新聞でインタビューに答えておるわけでありますけれども、このゴールドスミスさん、改革をどういうふうに進めていったのかということについて、こういうふうに述べられております。「企業や地域のリーダーに改革への参画を促し、競争入札にさらすべき分野の提案を受け、手続きを監視してもらった。透明性が高まり、公平な判断をしていると市民に確信してもらえた」、こういうふうに述べられております。

 つまり、透明性をどう確保していくか、そして公平性をどう確保していくか、こういった観点が大事かと思いますけれども、この観点から、まず情報の遮断ということについて、ファイアウオールということについてお伺いをしたいと思います。

 官民競争入札の場合には、入札に参加する者と評価を行う者が同じ機関になる。つまり、評価する者とそれから入札に参加する者の間で情報が行き来してしまえば全く情報の入ってこない民間事業者が不利になるのではないか、こういった指摘も、また懸念もあるわけですけれども、入札に関する情報の遮断が適切になされるのか、どのように遮断を行っていくのか、どう対応していくのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

山口副大臣 委員の御懸念はもっともでございますけれども、この公共サービス改革法案では、官民競争入札の公平性を阻害するおそれがある情報、例えば民間事業者の入札価格などの想定でありますけれども、その交換を遮断するための措置を実施要項であらかじめ確定しているところでございます。

 このような実施要項の策定に当たっては、中立性、公平性の確保の観点から、官民競争入札等監理委員会の審議を経ることにしております。

 こうした手当てを通じて、官内部における入札情報の遮断を実効あるものとしているところでございます。

谷口(和)委員 不公平にならないように、しっかりとこの情報の遮断を行っていただきたい、こういうふうに思います。

 先ほども触れましたけれども、審判役である監理委員会、先ほどの御答弁にもありましたけれども、ここが十分に機能を果たしていかなければ公平性も確保できないということでありますけれども、具体的に、この監理委員会の機能が十分に果たせるようにどう取り組んでいかれるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

山口副大臣 この法案は、国民のため、より良質かつ低廉な公共サービスを実現することが、これは釈迦に説法ですが、基本理念であります。一つは、公共サービスを実施する民間事業者や所管大臣に対し、公共サービスの適正かつ確実な実施を確保するため、さまざまな措置を講じるよう求めております。

 個々の対象公共サービスごとの入札参加資格や確保されるべきサービスの要求水準などは、所管大臣が定めます実施要項の中で具体的に決定することとなりますけれども、この際、官民競争入札等監理委員会の議を経ることにしており、このような観点からも、公共サービス実施民間事業者や所管大臣に加えて、御指摘のとおり監理委員会が十分に機能することが極めて重要と考えております。

谷口(和)委員 この監理委員会ですけれども、先ほど冒頭でもちょっとお話ししましたけれども、今回の官民競争入札が単なる価格競争に陥るようなことにならないようにしなければならないわけでありますし、また、民間の方の知恵も入れるということで、審判役である第三者機関は経営マインドというものも持っていなければいけない、こういうふうに思うわけであります。

 ですので、この第三者機関というのは、官主体というよりも、どちらかというと民間人を主体とした独立した強力な権限を有する権威のある機関というふうにしていくべきである、こういうふうに考えるわけですが、御見解をお伺いしたいと思います。

山口副大臣 御指摘のとおりでありまして、この法案は、国民のため、民間の創意工夫を生かして、公共サービスの経費の削減だけでなく、その質の維持向上を目的としています。このため、官民競争入札においては、価格だけでなく、質も評価して落札者を決定することとしております。

 官民競争入札等監理委員会は、本法案により、官民競争入札や廃止の対象とする具体的な公共サービスの選定、公共サービスの適正かつ確実な実施を確保するために策定される実施要項の策定に当たり、その審議を経ることとされるなど、さまざまな、つかさつかさで重要な役割を担っていただいております。

 このため、公共サービスに関してすぐれた識見を有する民間人の方々により組織いたし、委員が御指摘のように、非常に権威のある機関とすることが重要と考えております。

谷口(和)委員 マスメディアの中では、第三者機関の監理委員会が実質上骨抜きになってしまう、そういう懸念もあるという指摘もございますので、どうか、骨抜きにならない、独立したそういう機関にしていただけるように、しっかりとしていただけるようにお願いをしたいと思います。

 最後になりますけれども、市場化テストは、どちらかというと、今回、全般の改革法案、受けるイメージとしては、官の仕事が奪われる、こういうイメージがちょっとあるかなというふうに思っているわけですけれども、そうではなくて、官の仕事を民が奪う、こういうことではなくて、官と民がそれぞれの強みを生かして競争して、それぞれが向上していく、こういう観点が非常に大事であるというふうに思います。つまり、官の方のやる気をなくさせるのではなくて、反対にやる気が出てくる、こういうシステムを仕上げていくことが大事だなというふうに思っております。

 先ほど御紹介をしましたインディアナポリス市の例ですけれども、ここは大体、ちょっと詳しいことはわかりませんけれども、官も民も両方入札に入って、落札するのは官も民もバランスよく落札しているという状況でありますけれども、一点、非常に参考になるなという例がありますので、ちょっと御紹介をさせていただきたいと思います。

 入札にかけた事業は公用車両のメンテナンスということで、これはインディアナポリス市の車両サービス部、IFSというところがやっておったわけですけれども、サービス水準は非常に低いという評価というか見方があったわけであります。当時の市長は、もうこのメンテナンスを入札にかけよう、市場化テストに出そうということで決めたわけでありますけれども、すぐには実施しないで、三年間の猶予を置いたというわけですね。その間、この三年間をかけて、このIFSがコスト削減そして生産性を向上させた。結果的に、一九九五年になりますけれども、民間企業三社との競争入札に勝ったという例があります。

 また、その効果として、大体五年間で八百万ドルのコスト削減を達成した。それから、ここが非常に大事だと思うんですけれども、職員のモラルそして意欲も向上した。こういう実績があるわけなんですね。

 お伺いをしたいんですけれども、こういう官の方の今度やる気を出させるために、例えば猶予期間を設けてしっかりと体力をつけさせる、こういった手法もあるのではないかなと思っているんですが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

中馬国務大臣 谷口議員は本当によく勉強していただいております。

 諸外国の例でよく引き合いに出されます、このインディアナポリス市のゴールドスミスさんですが、市長時代に大変実績を上げられました。そして、その実績が評価されてブッシュ政権の行革担当の顧問になっておられますが、そうしたことで、アメリカでは、これはただ、こうしたそれぞれの自治体だけではなくて、軍、国防省の方にもこの手法が採用されていまして、かなりの効果は上げております。

 イギリスでも、私も見に行きましたが、刑務所そのものを官が計画しておった。これは工場の跡地に刑務所をつくることにしておったようですが、昔のような軍隊式に兵舎を並べたような監獄であったようですが、それを管理棟を一緒にして、それから収容棟を星形に並べるとか、そうした新たな形の刑務所をつくりまして、これが大体、建設費で七割か八割でできちゃった。

 しかも、その管理の仕方等も、役人ではなくて、すべてこれは民間でやっておりまして、刑務所の所長をしておられた方がその経験を生かして民間会社を立ち上げられて、請け負っておられるようでございます。二十五年のPFIの中で、もちろんそれで、英国の法務省といいましょうか、そこはただ管理料を渡すだけでございますね、二十五年たったらそれが役所のものになるということでございますが、ともかく、そこにもほとんど役所の人間は、ただその契約がちゃんと守られているかどうか、それを管理するだけに派遣されているだけで、決してピストルを持ったいわゆる刑務官じゃないんですね。

 そうしたことでも十分に運営ができているし、刑務所の人たちが伸び伸びというのもおかしいですけれども、何か締めつけられた形ではなくて、そこで一つの刑期を過ごしている、そのような実態も見てまいりました。

 今回のこの手法というのは、そうしたことを、官民で仕事をとり合うという話じゃなくて、サービスの提供者は両方とも国民なんですから、国民が、どちらの方が効率がいいか、あるいはサービスがいいかといった評点の方が私は大事だと思います。

 イギリスの幾つかの中でこれが少し失敗したというケースがあるようでございますが、その場合には、かなりコストの面で、コストの方を重視した形でやって失敗したケースがあるようでございますが、そうした反省も踏まえまして、我々の計画しておりますのは、かなり質の方を非常に重視した形で、入札のときの評価にする。そしてもちろん、今お話がありました監理委員会の方々も、民間人と副大臣は言いましたけれども、民間人だけではないんですね、法務関係の方々であったり、あるいはまた自治体の経験者等も踏まえた形の、本当に公正で中立的な形で、また幅広く物事を見ていただく方に監理委員になっていただく、そのように考えている次第でございます。

谷口(和)委員 ありがとうございます。

 先ほど紹介いたしましたインディアナポリス市のゴールドスミスさん、こういうふうにも述べられております。この改革の推進の仕方について、「市民にまず成果を見せ、支持者になってもらうことを心がけた。市民は受益者だが、それになかなか気付かない。事業運営の効率化によって浮いた資金で何をするのかを具体的に示した」、こういうふうにおっしゃられております。

 先ほど大臣もおっしゃってくれましたように、市場化テストによりコストも下がった、そしてサービスもよくなった、こう国民から評価していただいて、また喜んでいただける、そういうしっかりとした成果を出せるように全力を尽くしていただくことをお願いして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

伊吹委員長 これにて谷口君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時二十分開議

伊吹委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、委員長から一言申し上げます。

 委員の先生方、また政府の答弁者に大変御迷惑をおかけいたしましたが、理事会の決定によりまして、お手元に配付のとおり質疑の順序を変更いたします。

 それでは、理事会の決定に基づき、まず日森文尋君。

日森委員 社民党の日森文尋でございます。

 きょうは、中馬大臣、ヒートアップなしで、冷静にやりとりをしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 これまでも公共サービスについては、民営化あるいは民託、PFI、指定管理者制度、さまざまなことで民間にゆだねる、そういう措置がとられてまいりました。国立病院が廃止をされる、あるいは公設の老人ホームや保育園が民営化される、こういう動きの中で、利用者や保護者の利便性を損ねて、あるいはそこで働いていた職員の不安が高まっているということも実態として私はあるというふうに思っているんです。

 今度の市場化テストという、いわば民間企業にゆだねていくこの政策ですが、民間企業というのは、もう言うまでもありませんが、利潤を拡大することが目的になっている。採算、効率性、市場の拡大というのが恐らく至上命題なんでしょう。そういう民間企業に公共サービスをゆだねていくという市場化テストを実施するのであれば、サービスの質の維持、入札に付す事業の選定、職員の身分保障、こうした問題が十分に確保されていなければならないというふうに思っているんです。

 私たち日本国民は、もちろん憲法で保障されているとおり、どこに行っても、どこにいても、平等に同一条件の公共サービスを受ける権利を持っているというふうに私どもは考えています。こういう観点からすると、例えば医療であるとか教育であるとか、あるいは保育であるとか福祉であるとか、こういう課題については、実は市場原理の導入というのは一番なじまない分野ではないのかというふうに私どもは思います。

 法案では、入札に付すサービス、廃止するサービス、それから官が継続するサービスというふうに事業を分類するということになっていますが、どうもその基準が現段階では明確に示されていない、こう言わざるを得ないと思うんです。

 この法案の前に、モデル事業の実施に先立ってというふうに思いますけれども、民間事業者の提案に対して、各省庁が、入札の対象として不適切な事業の理由、これを挙げているんですが、公権力の行使を伴うもの、個人情報、国家機密の保持に関するもの、公正、中立性の確保が必要なもの、行政判断を要するものなどを挙げているわけです。

 そこで、中馬大臣にお聞きをしたいと思うんですが、競争入札廃止、官が維持するサービスの分類の基準というのは一体どうなっているんですか。とりわけ、どのようなサービスは競争入札に付すことができないのか、これを具体的にお聞きしたいと思います。

中馬国務大臣 日森委員の御心配の向きもありましょうが、ちょっと誤解がないようにお願いしておきますが、まず、相手が企業だけじゃないんですね。競争入札の対象として参加していただくのは企業だけではございません。一般の、非営利法人といいましょうか、NPOと称されるものだとか、そうした民間の方々がボランティアの気持ちで、私たちがかわってやりましょうと言っていただいて結構でございますから、そこのところはひとつお願いをしておきます。

 それから、今お話がありました、付することができない公共サービス、付することのできる公共サービス、これも原則としては制約は設けておりません。付することができる、できない、この区分をあらかじめはしておりません。どういうことでも一応の対象にはさせていただくつもりでございます。

 公共サービスでも、官側の方が、例えばそれは絶対できない、公権力の行使だと言っておったものでも、これは事例で申しますが、駐車違反の摘発の問題がありますね。これも私は相当前から言ったこともございました。しかし、警察当局は、これは公権力の行使だから絶対民間には任せられないとかつては言っておりました。しかし、現実には民間の事業者が駐車違反の切符を切っているのは御承知かと思います。

 そういうことでございますから、あらかじめ何かを決めておくことではなくて、民間の方々がこれを判断していただくわけですから、そのことにつきましては、あらかじめこれはできるとかできないといった基準を法定することはやっておりません。

 そこで、本法律案では、競争の導入による公共サービスの改革を進めるとの法の趣旨に照らしまして、民間からの提案等を踏まえ、関係省庁との協議や官民競争入札等監理委員会、この審議を経て、閣議決定によりまして作成される公共サービス改革基本方針において、官民競争入札等に付する公共サービスを個別具体的に検討して選定することとしております。

日森委員 私は、かつて独立行政法人化の質疑のときにも総理にお尋ねしたことがあって、隣に委員長がおりまして貴重なサジェスチョンもいただいたんですが、それはともかくとして、どうも哲学がない。

 一体どういうコンセプトで市場化テストをやっていくのかとかいうものがなくて、先ほど申し上げたのは、福祉であるとか教育であるとか保育であるとかいうものは、やはりなじまないものがあるわけですよ。例えば、もう既に、介護の関係、これはもうかるぞと思って民間企業がどっと入ってきたけれども、どんどん撤退している。それから、そこに働く労働者の人たちが非常に劣悪な労働条件の中で働かざるを得ないということがあって、必ずしも成功とは言えないんじゃないかという思いもあるんです。

 そういうことを考えると、もう少し哲学といいますか、それを持ってやる必要があるんじゃないかと思うんですが、これは中馬大臣の個人的な見解で結構なんですが、お聞かせいただきたいと思います。

中馬国務大臣 先ほど申しましたように、その時々の時代の要請や判断や、また公共サービスそのもの、これがお役人でなければできないというものでもないと私は思いますね。今までにも公営事業でやっておったものがかなり民間で公共的なサービスをやっていることはもう数限りなくあるわけでございまして、そういうことですから、あらかじめこの法でこれはできないとかこれは官だとかいう仕分けは初めからはしておかない。そして、そうした判断も含めて、監理委員会の方々にひとつ決めていただこうということでございます。

日森委員 次に、川崎厚生労働大臣にお聞きをしたいと思うんですが、法案成立前に幾つかの公共サービス、例えば社会保険庁関連の事業であるとか、ハローワークであるとか、関連業務であるとか、それから行刑施設、自治体窓口等々、どうもこれは名指しで市場化テストの対象というふうにされているようです。法案ではこれらの事業に特例措置というのを設けているようですが、本当にテストに付してもいい基準を満たしているのかどうか、大変疑問に思っているんです。

 大臣にお聞きをしたいのはハローワークの問題なんですが、ハローワークの公設民営、これは、公務員が従事する全国的体系の職業安定機関を設けるというふうにILOの八十八号条約で決められている、これに反するんではないかというのが一点なんです。

 そういうふうに考えていくと、この条約は当然今も有効なわけでして、これが有効であるということであれば、厚生労働省自身もこの八十八号条約を遵守していく、守るという立場に立つべきではないのか。そういう意味で、実は厚生労働省も、この市場化テスト、ハローワークについては反対の立場に立ったんじゃないのかということなんですが、大臣のお考え、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

川崎国務大臣 今御質問いただきました、全国的体系の職業安定機関を設けること、これは、ILO第八十八号条約、国の指揮監督の下でということで公務員が従事する、これは定義づけられておりますし、私ども条約を批准しておりますので、当然、国が責任を持って実施する必要がある、これは同じ考え方でございます。

 一方で、今回、市場化テストといたしましたのは、雇用保険三事業でやっておりますキャリア交流プラザ事業、人材銀行事業については、これは全国のネットワークを持った上で上乗せでやっている事業でございますので、この部分については無料職業紹介事業に該当しないということで、ILOの八十八号条約とは矛盾しない、こういう判断をいたしております。

日森委員 いずれ拡大をしていくのではないかという心配が一つはあるんです。それ以上に、昨今の雇用情勢ということを考えると、やや好転してきているとは思うんですが、職業紹介事業というのは、国がしっかりすべての分野を責任を持って無料職業紹介事業というのを維持強化していくということの方が今大変重要ではないのかというふうに私は思うんですが、そういう意味で、もう一度大臣の御答弁をお願いしたいと思います。

川崎国務大臣 今回の予算審議を通じましても、雇用問題、随分御議論いただきました。雇用のセーフティーネットをどこに置くのか。すなわち、保険料の徴収という仕事と給付という仕事、それから職業紹介、これをあわせながらやる仕事、これは国が責任を持つべきであろう。しかし一方で、民間の知恵をうまく生かしながらやっていく部分がこの職業紹介という部分にも当然ある、その切り分けだけはしていかなければならないだろう。

 したがって、セーフティーネットという面では国がきちっとやりますけれども、より民間の力を使った部分というのは当然あるだろう、こういう理解をいたしております。そういった意味では、国が責任を持つべきはきちっとやります。

日森委員 それでは続いて、官民競争入札それから民間競争入札のあり方について、これは中馬大臣になると思うんですが、お聞きをしたいと思います。

 一つは、この間の御答弁の中でも何度も何度も強調されてきたんですが、入札に当たって、確保されるべき質ということが言われていました。質を確保するんだということを何度もおっしゃっておられたわけですが、この質の基準とは一体何かということについてお聞きをしたいと思うんです。

 もちろん、これはほかの委員の方々からも質問にありましたが、一番心配されるのは、コストの比較だけが重視をされて、高いか安いかだけで判断をされるようなそういう嫌いがあるというふうに心配をしているんです。

 法案では、官民競争入札に当たって、確保されるべき質を実施要項で定めるというふうになっているんですが、その際、確保されるべき質の基準というのを一体どこに置くのか。また、サービスの質を維持向上させるというふうに言うのであれば、この基準をいわば法律などできっちりと定めておかなければいけないのではないか、国民にわかるように示す必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、お願いします。

山口副大臣 お答えいたします。

 労働問題に大変造詣の深い日森さんに答弁、光栄に思っております。

 午前中もいろいろ質の問題が出ました。これは入札資格条件のところでもありますけれども、その質の要求を明確化するとなっておりますその中で、報告徴収、立入検査、そしてその他それに伴う所要の監督を行うことによって、公共サービスの質に合うかどうかということをきちっとその立場から検査していくということで、それは信頼していただきたいと思っております。

日森委員 そうなんですよ。それはもう十分承知をしているんです。

 立入検査をしなければいけないような事態とかいうことが起きるわけですよ。それはどういう基準に、下回っちゃったとか、こういう質、国民に公共サービス、それは民間になっても提供する、質を確保するんだ、その基準を下回ってしまったから立入検査をやったりいろいろなことをやるわけですよ。だから、その基準というものを国民にわかりやすく明確にする必要があるんじゃないのか、これ以上落としちゃいけないんだよと。

 そういう意味で、これは法案の中では明確にしておくべきではないのかというのが私の質問の趣旨で、これに対してお答えいただけたらと思うんです。

山口副大臣 何度も申し上げましたけれども、今回の大きな、質の維持とコストの削減でありますから、今おっしゃったように、実施要項の中でその質を見て、十三人の監理委員会がありますから、また、主務官庁じゃなくなったといいましても、それぞれの行政の詳しい方から適切な判断をしていきたい、こう思っております。

日森委員 監理委員会の中で恐らくそうやられるんでしょうが、それでは、これまでいろいろな意味で民託、民営化等々がやられてきて、その中で国民の不安も現実としてあるわけですよ。そういう不安にこたえることにならないんじゃないのかという思いがあるんですよ。ですから、これはもうぜひ、国の責任でその基準を明示するということについて努力をして、努力をするというか、それはきっちりやっていただきたいということじゃないと、なかなか信頼が生まれない。

 例えば、これは余談みたいな話になりますけれども、イギリスで学校給食を民営化したんですよ。そうしたら、みんなファストフードみたいな給食になっちゃったんです。これは大変だ、子供が、ちょっと僕も太っていますが、肥満児が物すごいふえちゃったとかいうことがあって、心あるシェフが、これはいかぬということで一大運動を起こして、もう一度、これはだめだ、本当に子供たちが教育の一環として給食をとるのであればそれにふさわしいものにしなきゃいかぬということで、改善運動が全国的に巻き起こっているわけですよ。

 ということになると、そういう不安があるからこそ、基準を明示しなさい、しておくべきではないんですかということを私は言っているのであって、もう一回、山口副大臣、申しわけないけれども、お願いします。

伊吹委員長 山口内閣府副大臣、的確に答えてください。

山口副大臣 日森委員のおっしゃることはごもっともでございますし、御指摘の評価方法や評価基準については、この内容が多岐多様にわたるものですから、事前に決定することは困難であります。ただ、個々の公共サービスに応じて入札の実施要項、これをきちっと定めて、その中に盛り込んでいきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。

日森委員 実施要項で示すということになるんですが、その実施要項をつくるときに、いろいろな分野がありますけれども、それぞれの分野で、例えば消費者であるとかあるいは親であるとか、関連するような方々がその実施要項をつくるときに参加して、お互いに意見を言い合って、こういう基準でいこうじゃないかということは考えていらっしゃいますか。

山口副大臣 監理委員会の意見等も聞きながら、日森委員の質問の要旨に、そのような方向で検討もしていきたいと思っております。

日森委員 ぜひそういう方向できっちりとやっていただきたいと思います。

 それから次に、民間事業者の参加資格についてお尋ねをしたいと思うんです。

 法案では、入札に参加する民間事業者の資格を含めて、国や行政機関の関与を必要かつ最小限にとどめるというふうに規定をしているわけです。

 しかし、公にかわってサービスを実施する民間事業者の責任というのは極めて重大であって、さっき幾つか例を挙げました、外国ですが、学校給食の例などを挙げましたけれども、任せたらだめだったということであっては絶対にならないわけですね。そういう意味から考えると、民間事業者の入札参加資格は必要最小限にとどめるということではなくて、もう少しきっちりとした決まりといいますか、きっちりとした基準をつくるべきじゃないのか。

 例えば、従業員を社会保障にきちんと加入させていますか、していないような企業というのはちょっといいかげんな企業じゃないですかという話になるわけでしょう。それから、長時間労働、サービス残業、こんなことが行われていない企業でしょうね、これだって大事な基準だと思いますよ。それから、コンプライアンス、法令をしっかり守っていますか、これは当たり前のことなんですが。そういう幾つかの、もちろん今三つしか挙げませんでしたけれども、入札に参加する資格、これについては、適格な民間事業者はこういうものだという幾つかの基準をしっかりつくってやらなきゃ、厳格にやるべきではないのかという思いがあります。

 それから、例えば政府がこぞって挙げている、障害者雇用を拡大しましょうと言っているけれども、そんなことは全然やりませんよなんという企業だってたくさんあるわけですよ。そういう障害者や女性をきっちり雇用しているのか。それから、環境への配慮をしっかりやっていますか。こういうものを極めて厳格に基準にして、それに合致しない企業なんというのは入札資格もありませんというぐらいにしていかないと、これは、いや、ともかく安くてとったけれども後でだめになっちゃったよということになりかねない。そのときに、イギリスの例じゃないけれども、復活させるのは物すごい労力と金がかかりますよ。こんなことにさせないためにも最初から厳格な基準をつくっておくということについて、御見解を伺いたいと思います。

山口副大臣 今委員の御質問、私も、この世界に入る前は中小経営で人を使っておりましたし、副大臣になるまでも役員をやっていましたので、その思い入れは十分わかります。

 民間事業者の創意工夫によってよりよい公共サービスをより低いコストで提供してもらうということが大前提にありますし、特定非営利法人も含め、なるべく多くの民間事業者が入札に参加できることが望ましいわけであります。

 したがいまして、入札参加資格条件は、必要かつ最小限。当然、法令違反してもらっては困るわけでありますけれども、その上で、先ほど申し上げましたけれども、質の要求水準を明確にし、報告徴収、立入検査、所要の検査を行う等により、サービスの質の確保、業務の適正な運営を図るということで、委員の思い入れのように、くどいようでありますけれども、今いろいろ世間で言われるような一般の常識ですか、そういうものを踏まえたものを入れるということでやっていきたい、こう思っております。

日森委員 山口副大臣から見れば常識なんだけれども、その常識を破る企業がごまんとあるわけです。だから心配しているのであって、お答えからいうと、こういう厳格な基準みたいなものはつくらない、必要最小限というのはそういう意味なんだということで理解してよろしいんでしょうか。

山口副大臣 つくらないという意味ではございませんけれども、その思い入れは同じだと思います。

日森委員 ぜひつくってくださいよ。これはそういうものがないと、入札参加資格を持つ企業の範囲が狭まってしまうなどということがあるかもしれないけれども、しかし、それぐらい公のサービスというのは大事なものなんですよ。特に、最初に挙げた福祉だとか教育だとか保育だとかいう分野、これも聖域なくやるとおっしゃっているわけだから、そういう意味では、これはぜひ再検討してきっちりやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 これと関連して川崎大臣にお伺いしたいんですが、厚生労働省が先月、非正規労働者の賃金は正社員の六〇%だという調査結果を発表いたしました。

 そうすると、今度の市場化テストの中で落札した民間業者は、官との競争、コスト競争に打ちかつために、例えば、これは当然あり得る話なんですが、労働コストをどんどん削減していくんだとか、あるいは派遣やパートの労働者をいっぱい雇ってなるべく低賃金でやるんだとかいうことが考えられるわけですよ。そうすると、民間企業がそういうことをやることによって、賃金引き下げ競争であるとか労働者の非正規社員化であるとか、これに拍車がかかっていくかもしれないという思いがあります。

 そういうことを考えたときに、実は日本は批准していないんですが、ILOの九十四号条約、公契約における労働条項に関する条約、これをぜひ批准すべきだ。そして、公正労働基準や生活賃金の保障を定めた公契約法、これはもう随分いろいろなところで議論されていると思うんですが、あるいは公契約条例というものを整備していく、これは避けられないのではないかというのが私たちの思いなんです。

 例えば市場化テスト、イギリスは導入しました。ここでは公正賃金決議というのが行われていて、一定の歯どめがかけられていますよ。それからアメリカでは、デービス・ベーコン法という法律があって、厳格な措置がとられているということなんです。しかし、我が国は、九十四号条約を批准しない、法整備を図ろうとしないということになっているんです。これは非常に不十分じゃないのか、これでいいんですかという思いが私にはあります。

 川崎大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

川崎国務大臣 今イギリスの例が出ましたけれども、確かに、イギリスにおいて雇用保険の給付と職業紹介を分けてしまった、失敗事例としてよく言われておりますけれども、一方で、ILO九十四号条約ということになりますと、イギリスは、一九五〇年に批准した後、一九八〇年に逆に条約破棄をいたしております。現在、この九十四号条約を批准している国は、フランス、イタリアなど六十カ国。日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ等は批准をいたしておりません。

 これは、公契約のもとにおける労働であるか否かによって、民間部門における賃金等の労働条件、その下に入るものについては制約が加わるよ、こういうことについては、私ども、少しなじまないのではないか。やはり労働基準法のもとで法定労働条件に反するもの以外は、個々の労使当事者間で自主的に決められるべきもの、こういう判断をいたしております。

 一方で、正規雇用、非正規雇用の問題は、私ども、この間も経団連に副大臣を出向かせまして、できるだけ雇用条件、特に若者の正規雇用というものについて配慮してほしい、できるだけの努力をしたいという回答もいただいております。それは日森委員と考え方は一緒でございます。

 ただ、例えば六十を過ぎた方々が、必ずしも週五日の労働というものについてはいろいろある。したがって、非正規雇用というものが取り入れられる職業分野というのは当然あるし、年齢においてもあるということでございますので、そこはさまざまな雇用形態というものが許されるものであろうし、またそれが日本の活力になっていることも事実だろう、私どもはこんなふうにも考えております。

 いずれにせよ、若者の正規雇用という問題については頑張ってまいりたい、このように思っております。

日森委員 時間がなくなりましたので、あと一問だけ、これは中馬大臣にお伺いしたいと思うんですが、民間事業者が落札をする、公的サービスを担っていくということになった場合、公務員がどういう処遇をされていくのかという問題についてお聞きをしたいと思うんです。

 またイギリスの例で恐縮なんですが、市場化テストをやられていますよね。イギリスでは、公務員の雇用確保と行政効率化両立の原則というのがあるそうなんですよ。これが方針化されているし、それから、TUPEというんですか、事務移管に関して雇用者の権利保護を定めたそういう制度を法律で決められているということがあるわけですよ。アメリカなどでも、民間に移る場合には職員が拒否権を持っている、公務員であった者が嫌だよと言う拒否権を持っているということもあるようなんです。

 こういう例に対して、今回の法案というのは、公務員の処遇に具体的に言及していないということがあるわけです。民間事業者が落札した場合、どういうふうに公務員が、職員が処遇されるのか。また、処遇の変更が予想される場合、これは大幅な変更だって当然考えられるわけで、その際、職員団体であるとか労働組合、事前協議なんかを当然行っていかなきゃいけないというふうに思うんですが、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。

中馬国務大臣 お役所の仕事がそうして民間との競争の上、民間に移った場合のお役人の処遇等の御質問でございますが、いろいろなケースが考えられます。

 まず一つは、受けた場合に、その民間の業者がぜひとも経験のあるお役人に我が方に来ていただきたいというケースは私は大いにあると思いますね。場合によっては、お役所におられた方が独立した会社をつくって、それで自分たちの仕事を引き受けていくということまでも想定されるわけでございます。そのときにはもちろんその方に移っていただいて結構でございますし、それから、しばらくその経験をそこで生かした上でまたお役所に戻られる場合も、これはちゃんとそのことの担保をいたしております、戻ってもらって結構です。そしてその場合には、退職金の算定もそれが継続した形でという、そこまでも配慮をさせていただきました。

 そのほかいろいろなケースが考えられますが、たまたま今お話がありましたように、どうしても自分は行くのは嫌だと。これも、お役所の都合でやるわけですから、できたら、そこで余剰人員になることも事実でございますが、その方はちゃんと研修制度その他をやりますし、もちろん皆様方の御了解がなければなりませんが、ひとつ極力転勤にあるいは転職に応じていただきたい、配置転換も含めて。そういうことをこれまたお願いし、その制度もつくっていっているような次第でございます。

 ただ、分限免職のことを、今御質問になかったんですが、ちょっとここにありましたから、あえて言っておきますけれども、分限免職で、こういうことで要らなくなったからやめろ、これも、分限免職規定のあの部分には、四号には適合しない形で私は運用すべきだと思っております。

 ただ、相手業者の方に、業者といいましょうか、その方に官民競争入札の入札情報を漏らしたりしましたら、これはやはりはっきりとした違法でございますから、これは対象になりますけれども、それ以外、お役所の都合でこうした形で民間に移管した、あるいは市場化テストでこっちに移った、だからといっておまえは首だといったことは、それはされるべきではないと思っています。

日森委員 時間です。終わります。

伊吹委員長 以上をもって日森君の質疑は終了いたしました。

 次に、市村浩一郎君。

市村委員 民主党の市村でございます。

 昨日に引き続きまして、公益法人改革について質問または議論をさせていただきたいと思います。

 まず、官房長官、今回の公益法人改革の意義についてもう少ししっかりと明確にしておくべきかというふうに思いますので、少し議論させていただきたいと存じます。

 私は、昨日も申し上げましたように、今回の公益法人改革というのは、やはり民の公をどうするか、どうつくっていくか、この国に定着させていくか、こういう大きな志を持って行わなければならない、このように思っていますが、官房長官の御見解をまた改めてお聞かせいただきたいと思います。

安倍国務大臣 公益法人を改革するその意味、そして、どうして公益法人を改革していくか、今までの官と公益法人とのあり方、今後どうするべきかという考え方については、まさに市村委員と全く同じではないだろうか、このように思っております。

市村委員 それでは、官房長官の中でもこの公益法人改革は重要法案の一つと考えているというふうに受けとめてよろしいでしょうか。

安倍国務大臣 当然、極めて重要である、このように考えております。

市村委員 昨日も私はここで、例えば行革法六十六条のあの書きぶりにつきまして、あれはいわゆる官僚の皆さんがつくったのか、それとも政治家から今官の世界に入っている皆さんがちゃんと理解をされているのかということでお聞きしましたところ、官房長官は、当然官房長官も含めて内閣がしっかりと見ているというふうにおっしゃったんですが、官僚の皆さんがこの行革推進法で配っているポンチ絵といいますか、一応要約の文があります。今、官房長官は重要法だとおっしゃっていただいたんですけれども、この中で公益法人改革に触れられているのはどこか御存じでしょうか。何と、政策金融改革、独立行政法人の見直し、特別会計改革、総人件費改革、資産・債務改革、こう並んできて、最後に、関連諸制度の改革との連携ということがあった上で、しかも、それが一、二、三、四、五と並んでいるうちのたった一つ、このたった八文字なんです。今せっかく重要だとおっしゃっていただいたのに、官僚の方が持ってくる説明にはたった八文字の説明しかないんです。

 だから、きのう、私はあえて、今の小泉政権を担う閣僚の皆さんがこのことを本当に大切に思っていただいているのかということをお聞きしたんですが、あえてもう一度、官房長官、このお気持ちを、よろしいでしょうか。

伊吹委員長 まず安倍官房長官が答えて、それから、その資料をつくった人たちの担当大臣である中馬国務大臣も答えてください。

安倍国務大臣 極めて重要である、このように考えておりますし、この八文字の中には極めて思いがこもっている、重たい八文字である、このように考えております。

中馬国務大臣 この表は行革法案の概要でございまして、これをまた別にちゃんと法文化するわけでございますから、これに一行だけ起こしたものも全体の対象の一つですよということで書いてあるだけでございます。

市村委員 わかりました。この八文字は極めて重いということを今お言葉をいただきましたので、それを了として、これからまた議論を進めさせていただきたいと存じます。

 それで、一応私がいつも内閣委員会でこの議論をするときに使わせていただいている、これが私のフリップでありますけれども、やはり、特に戦後、高度経済成長期の日本というのは、民で私益を追求する営利企業の世界と官で公を担う行政の世界において財・サービスの提供が行われてきた社会だったと思います。それでうまくいっていた時期もあったと思います。決してそれが悪いということではありません。

 しかしながら、今議論が行われているように、公を官だけで担う時代というのは実は歴史の中でも非常に限られた時期でありまして、そもそも江戸時代を見ていただければ、民が公を担っていた。例えば警察、消防、教育、これは民が担っていた時代だったわけでありまして、日本の歴史を見ても、実は極めて今が短い、特定な時期であるという認識が必要だと私は思っているんです。

 だからこそ、NPOという議論をするときに、何も新しいものではないんです。たまたま高度経済成長期、税収が大きく伸びた時期に、何でもかんでも行政に言っていれば何とかなった時代もあった、ある種幸せな時期が二十年間ぐらいあった。しかし、この二十年前ぐらいから本当は改革をしていかなくちゃいけなかった、構造改革しなければならなかった。それを怠ったがために今日のような状況になっていると私は思っていまして、その意味で、当たり前のことを当たり前にする社会に戻そうという意味で、私はずっとNPOということを唱え、民間の公というものが大切だと、改めてこの大切さを認識しなければならない、こういう思いで、私はずっとこのことを説き続けているわけであります。

 また、この中で、官が私利を追求する、こんなことがあっちゃならないわけです。あっちゃならないんだけれども、これが実は日本の大きな問題点になっているというのが、まさにこの行革推進の、私は一つの議論、論点ではないかと。

 例えば、特殊法人。昔特殊法人、今独法ですね。こうしたところにどうもお金が行って、いいことに使われていればいいけれども、どうやら何かここで官僚が天下っていって、どうも仕事もせずにというようなことがよくマスコミでも言われていますけれども、それがすべてだとは言いませんけれども、しかし、そういうイメージになってしまっているということであります。

 ですから、民の公というのは極めて当たり前のことであるということ、そして、それをやはりきちっと定着させる仕組みが残念ながら現在の日本には備わっていないということ、この認識を深く持つ必要があると私は思っています。その意味で、きょうのこれからの議論も進めていくわけであります。

 今回、官房長官、民法三十四条法人及び中間法人のみが実は今回の法案の対象になっています。これは中馬大臣にもお聞きしたいんですが、なぜなんでしょうか。なぜ非営利法人一般についてとらえなくて、民法三十四条法人及び中間法人だけになっているのか、そのことを明確に御説明いただきたいと思います。官房長官と中馬大臣、お願いします。

中馬国務大臣 きのうも何度も御説明いたしました。委員おっしゃるところのNPO法人というのは非常に幅広い解釈で言っておられますが、それぞれ日本の場合には、特定非営利法人という形のものと、それとは法的にも今のところ分けております。そのほか医療法人だとか、こういったものもそれぞれ法体系が別になっております。今回は、民法に言うところの社団法人、財団法人、これを、公益性があり、なしまで分けていくわけでございまして、今の議論とちょっと違うんじゃないかと私は思っております。

安倍国務大臣 ただいま、もう既に中馬大臣からお答えをしておりますが、特定非営利活動法人については、認証という簡易な仕組みで法人の設立を可能といたしまして、ボランティア活動等を支える制度として社会に定着をしてきているところでございまして、ボランティア活動等を盛んにするための基盤として、引き続き見守り、はぐくむことが適当である、このように判断をした次第でございます。

 また、社会福祉法人や学校法人などの非営利法人については、委員もうよく御承知のとおりでありますが、それぞれ特別の理由に基づき、特別法によって設立をされている法人でありまして、一律に扱うよりも、今後、社会経済情勢が変化をする中で、必要に応じて検討することが適当である、このように考えたわけであります。

 なお、中間法人については、登記のみによって設立される、余剰金の分配を目的としない社団法人制度であり、新たに設けられる一般社団法人制度に包含される関係となるため、統合、廃止することといたしました。

市村委員 なぜ、今お二人の大臣がお話をされたようないわゆる法人状況になったのかなんですね。何で、民法三十四条法人じゃなくて、社会福祉法人だ、学校法人だというような、特定非営利活動法人もその一つですけれども、何で特別法の縦割り法人がたくさんできていったのか、ここに実は思いをいたさなければならないと私は思います。

 官房長官、なぜだと思いますか。なぜそうなってしまったんでしょうか。

安倍国務大臣 例えば、社会福祉法人であれば、それはもうまさに社会福祉に資する目的で立てられているわけであります。また、学校法人は教育というところに着目をした法人である。それぞれそういう目的が個別にあったということではないか、このように思います。

市村委員 それは、業法という考え方であれば、今の官房長官の説明で私は成り立つと思います。例えば学校業法とか社会福祉業法という観点からの切り口で、その説明は成り立ちます。では、なぜ縦割りになってしまったのかなんですね。これがまさにきのうも議論して、きょうは、法務大臣いらっしゃいませんから、午後五時から二十分いただいてこの議論をいたします。

 結局、民法三十四条、明治二十九年、三十一年施行でしょうか、その民法が結局、非営利と営利という大枠をとらえずに、営利と公益という大枠をとらえたために、まず非営利法人の中でも共益的な法人、例えば同窓会とか、これが入る余地がなくなっちゃったんです、民法の中で。だから、別個に、中間法人だ、何とか法人だといって、労働組合もそうでしょう、例えば生協もそうでしょう、そういうのも縦割りでつくらなくちゃいけなくなったわけですね。民法三十四条が単に許可主義だったがゆえに、そして今度は学校法人や社会福祉法人も、これも縦割りでつくらなくちゃいけなかった。結局、民法に起因していろいろな問題が起こってしまったというところがあるんです。

 だから、では今の状態が正常かというと、今の状態は種々、極めてわかりにくいものになったわけです。だから私は、後ほど議論をしますけれども、まず民法をしっかり正すというところが大切だというふうに思っています。

 そういう認識を持ってとらえていただいて今回の公益法人改革を見ていただければ、当然、公益法人、民法三十四条から派生した特別法にのっとる学校法人とか社会福祉法人とか、特定非営利活動法人も当然視野に入れて考えるべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。

 それともう一点、先ほど中馬大臣が、今回の特定非営利活動法人については認証でやれるという、あそこは官房長官でしたでしょうか、官房長官ですね、認証でできるからいいんだというふうにおっしゃいましたけれども、官房長官、今まで許可主義だった公益法人が今回は何と準則主義的に、一般財団、一般社団という名前ですけれども、登記できるというふうになっているわけです。だから、特定非営利活動法人よりもよほどもっと簡易に法人格が取れる制度になっているわけですね。だから、当然それならば特定非営利活動法人も含めるべきだと私は考えますが、その二点について御質問したいと思います。

伊吹委員長 市村委員の御説明のうち、市村委員のお考えと違って、政府として社会福祉あるいは学校等について特別の公益を認めているという説明をきっちりとしてください。

中馬国務大臣 委員がきのう来ずっと言っていただいています、まさにその思想なんですね。国家社会主義的な方法ですべての、もっと昔の社会は、自分たちの身の回りのこともすべて自分たちでやっておったんです。しかし、欧米に追いつき追い越せという国家的な目標もありましたでしょう。それとまた、ドイツがやったような方法を一つの官僚主義の中に入れていって、そうしたものまでも、民間の仕事も役所が、所管官庁があって、そしてそこで許認可を得て初めて法人化するとか、そうやってきたのを、冒頭から申し上げています今回のこの改革によりまして、もう少しそれぞれの国民が責任を持った形で、自分たちのことに責任を持った形で組織化し、自分たちのことは自由にやらせてやる、そのことが次の日本の大きな発展につながる、こういうことからこれはやっているわけでございます。

 ですから、今おっしゃったことも一つの方法論としては私も理解はいたしております。しかし、かといって、今一挙に、今までのそれぞれの時代的な背景も受けて学校法人や医療法人ができてきているわけですよ。それの法体系までがらがらっと崩して、これはもう大変な、お役所なりそれに所属している方々も大変な不安にさらされたりしますから、まずは今、民法に言うところのこれからやって、その辺につきましても、後で必要に応じて検討することを私は否定しているものじゃありません。

 ただ、医療法人なんかにつきましても、今度その制度改革に盛り込んだ医療法の一部改正法案も出てきておりまして、それにつきましてはその都度やはり皆様方のお声を入れてやりますが、これと同じ形にするということは、今ここでは規定はしていないわけでございます。

安倍国務大臣 先ほど私が答弁いたしました際に、特定非営利活動法人については、認証という簡易な仕組みで法人の設立を可能とした。他方、今委員から、公益法人制度改革については、これは、その結果、準則で簡易にいけるではないか。それは確かにそのとおりでございまして、認証の方が若干手続としては難しくなっているわけでありますが、それは、この特定非営利活動法人については、認証を得た結果、税の恩典があるということでございます。

 他方、公益法人制度改革によって、準則によってこれは可能になるわけでありますから、準則という簡便な方法ではありますが、その後、税の恩典については二段構えであって、その後さらに公益性があるかどうかということを認められた結果、税の恩典があるということになっている、こういうことではないか。

 また、ただいま委員長から御整理いただきましたように、社会福祉法人あるいは学校法人、学校法人につきましては、先ほど申し上げましたように、これはまさに教育ということに着目をしているわけでありまして、いわゆるこれは、義務教育があり、そして公立の学校があり、他方、私立の学校が学校法人によってあるわけでありますが、そうした役割も時代とともに変遷していく可能性もあるわけでありますし、そういう中において、やはりそれはそれぞれのこの法人の設置する理念によって分けて考えていった方がいいだろう。社会福祉は、まさに社会保障を担っている社会福祉法人のあり方も、これも時代によってこの社会保障という観点からやはり考えるべきではないだろうか、このようなことではないか、このように思います。

市村委員 今の官房長官の御説明になりますと、多分かみ合っていないんです。私は、非営利法人という体系からの説明をしているんであって、だから、学校法人は学校法人なりの目的があり、社会福祉法人は社会福祉法人の目的がある、それは当然なんです。そのことはもう当たり前のことであって、そんなことは議論するべきことじゃないんです。

 ただ、私が今議論に上げているのは、非営利法人という体系をつくるんであれば、当然その中に含まれるであろう公益法人は当然のことして、共益法人である同窓会とかも含めて考えるべきだし、そして当然、アメリカもそうですけれども、例えばアメリカでは、我々がハーバードとかスタンフォードとかよく言っていますけれども、あれもアメリカの国民の中ではNPOなんですよ、ノン・プロフィット・オーガナイゼーションなんです。医療法人もそうでした。ただ、ちょっとこの何年間に、アメリカは株式会社にしろといって、結局失敗して、また戻しています。一九九〇年代の終わりぐらいから、本当はNPOだった医療法人をどんどん株式会社法人にして、結局失敗して、また戻しています。

 そういうことで、結局、NPOの範囲で学校も、例えば社会福祉法人とかも考えられているわけですね。だから、あるべき姿に戻しましょう。そもそも明治二十九年のときの範疇を間違えたわけですから、間違えたというか、あの当時は仕方なかったのかもしれません、今みたいな考え方がなかったわけですから。その当時はその当時でよかったのかもしれませんが、今日現在せっかく議論しているわけですから、ならば、正しい認識に基づいた体系にしましょうということを議論しているわけでありまして、だから、学校法人、社会福祉法人も非営利法人の範疇なんですから、何でそこに含めて考えないんですかということを今申し上げているんですが、いかがでしょうか。

中馬国務大臣 医療法人とか学校法人は、これはかなり限定された、あえて業法という言い方もあるかもしれませんが、ともかくそういう形の中で、所管官庁がなかったらやはりこれが一般の公益法人だということであれば、公益認定委員会だって、認定したとしても、だれがそれを所管して監督するかということもはっきりしませんから、それが成立したいきさつも含め、現状も踏まえまして、これがちゃんとした位置づけがあって私はおかしくないと思いますし、それを全部と一緒にしてしまって、また一般の、町の中のNPO法人までも一緒の範疇に入れろというのは、余りにも少し乱暴過ぎるんじゃないかと私は思います。

 それから、今言いましたような形の中で、もう株式会社の学校、大学もあるわけでございますし、そこまでの柔軟性は持たせているわけでございますから、それまでも壊して、全部同じあれで今回の法体系の中に入れろというのは少し乱暴じゃないかと私は思います。

市村委員 私、株式会社の学校や株式会社の医療法人を別に否定しているわけじゃございません。それはそれで構いません。ただ一方で、ちゃんとNPOの世界に入るべきものもたくさんありますよということを私は申し上げておるわけであります。

 それから、今、中馬大臣おっしゃいましたけれども、では監督をどうするんだという話がありますけれども、監督のことについてはまた議論しなくちゃいけませんが、よしんば監督を認めるとしても、十分に業法でそれが、規制がかかっているわけですよ、業法として。

 つまり、学校法人法というのは業法なんですよ、社会福祉法というのは業法なんです。業法としての枠組みがちゃんとかかっているわけですね。だから、それで十分に規制がかかっているわけですから、単に非営利法人になったからそれですべて、学校をやれるんだ、社会福祉法人をやれるんだ、そういう体系じゃないんです。非営利法人となった後に、学校をしたい場合には学校の業法がありますから、それに従ってやっていく、社会福祉法人は社会福祉法人の業法がありますから、それに従ってやっていくだけであって、何も乱暴に全部非営利法人にしてしまって、それでもう何でもかんでも、学校でも社会福祉法人でも医療法人でも何でもできるんだという議論をしているわけじゃないんです。

 ただ、非営利法人という体系を、大きな体系をやはり原点に戻ってつくらないといけないんじゃないんですかということを私は申し上げているんですが、いかがでしょうか。

伊吹委員長 中馬国務大臣、これは整理の仕方の理念の問題だと思いますから、的確にその点を説明してください。

中馬国務大臣 今回の公益法人の改革といいましょうか、これは、それぞれの公益法人を主管官庁が、恣意的にとは言いませんが、それぞれ自分たちの基準でつくって認定し、しかもその認定の仕方も非常に複雑であって、その目的に比して、申請しても三年、四年かからないと法人の格がもらえなかった、これまでのことで。

 しかし、今度は、もう自由にそうした活動もできるためにも、簡単に、届け出だけで、登録だけで法人格が取れるような形にして、どんどんと社会的な活動をしてもらいましょう、場合によっては公的な立場もどんどんやってくださいというのが一般法人であり、その中でまた、公益的なことをはっきり公益認定委員で認定したものだけはそうした公益法人としての一つの、税の恩典までも含めた位置づけをしましょうということでございまして、先ほど委員がおっしゃっているようなことの意味は、少しそこのところでずれてきてしまっていますから、これは規定の問題でございますので、これで私たちは全然整合性は合っていると思います。

 逆に、委員のおっしゃる形で、全部を一つの包含した形で何か体系の中に入れてしまいましたら、そうしたことまでもがらがらっと崩れてしまって、各省庁の監督がいいとか悪いとかの話じゃなくて、もう本当に野方図な形の法人があちこちで勝手な活動をする形に結果的になることを私は恐れております。

市村委員 中馬大臣が今の御答弁の前半でおっしゃったことは全く同感なんです、私は全く同感なんです、そういう社会をつくろうと。今まで公益法人をつくろうとしたら、官の世界だったらすぐできたものが、民間がつくろうとしたら、さあ、受理しない、書類が不備だ何だといって受理されずに、もう何年も待たされる、そのうちに気持ちがなえて、もういいや、どうでもいいやということで終わってしまっていたわけですね。だからそれを簡便に、一般社団、一般財団としてつくろう、これは大賛成です。評価しているんです、私、何回も申し上げているように。

 そうじゃなくて、せっかくそういう制度をつくるのならば、民法三十四条の法人である社団、財団だけじゃなくて、その派生された特別法、その民法三十四条から派生してできた特別法体系に基づくほかのいわゆる社会福祉法人や学校法人なども、あとは特定非営利活動法人も含めて、今回、法の対象にして、そして準則主義的に法人格を取れる体系にした方がいいのではないですかということを私は申し上げているのでありまして、それで、今、中馬大臣は、いや、そんなことをしたらがたがたになると。ならないんです、そう簡単には。

 なぜならば、谷垣大臣、せっかくいらっしゃっているので、今から税の議論をします。そこでちゃんと歯どめがかかるようになっているんです。だから、ならないんです。だから私は、もっと大きく非営利法人の体系をつくるべき議論をすべきじゃないですか、せっかくこれだけの大きな議論をしているんですから、そうすべきじゃないんですかということを申し上げているんです。

 これはいかがでしょうか。

中馬国務大臣 もうきのうから同じ議論でございまして、委員のお考えはお考えとして一つのことで、私も認めます、方向性も認めます。しかし、現実問題として、私たちが今提案していることが一番現実の形を、少し大きく民の方に主体性を移していく一番いい手法だと思っておりますので、これはもう見解の相違でございますから、平行線のままだと思います。

市村委員 わかりました。見解の相違ということで、きょうは、では受けとめておきます。

 それで、いよいよ、きょうの本題であります税制の議論をさせていただきたいと思います。

 先ほど特定非営利活動法人のときに、官房長官の御説明の中で、いや、なぜ認証か、認証でいいのか、認証だったら税制もついてくる、こういう話がありました。まさにそこが一番今の重要なポイントなんです。

 なぜならば、これまでは、日本の場合、法人格に税制が漏れなくついてくる、こういうような仕組みをとってきたわけでありますが、今回の一般社団、一般財団から公益財団、公益社団になるときの話は違いますよね。財務大臣、これは全然違うということで認識していますが、いかがでしょうか。これまでの特定非営利活動法人の考え方と、今回の一般財団、一般社団に税制優遇を与える考え方はこれまでと全然根本的に違うということで私は認識していますが、よろしゅうございますか。

 では、もうちょっと説明します。

 今まで、例えば特定非営利活動法人は、認証で法人格を得たら原則非課税になりまして、寄附、会費収入等については非課税なんです。今回の一般社団、一般財団については、これは法人格のみでありまして、ここは原則課税なんです。だから、一般社団、一般財団においては、寄附、会費収入があっても課税されるということになるわけですね。

 それを今度は税の方から見たときに、今度は、原則課税だけれども、一応免税という考え方ですね。税を免ずるという考え方で、寄附、会費収入については、それは幾ら何でも、例えば同窓会の会費に課税するのはひどいじゃないかということになって、これは免税をしましょうという考え方になっていきますし、さらにそれを大きくしていって、法人格は法人格のみ、そして税についてはまた別個に考え方を決めていきましょうという話になるわけでありまして、今回、大変大きな改革だと私は思っています。だから、その方向性は私は十分評価をしています。

 ただ、しかし、結局今回は、法人格については大変簡便に登記が取れるということになっていますから、ある意味では、先ほど中馬大臣も御懸念されたように、では、いいかげんな団体ができたらどうするんだ、こういうことがあるわけなんですね。

 しかしながら、もう一段、これは税のところで十分な歯どめがかかるようになっているんです、ちゃんと。だって、法人格だけ取って何か意味がありますか。法人格だけ取っても意味がないんですよ。だって、法人格を取ると、法人住民税の均等割も取られるわ、何かやったら法人税も取られるわであって、法人格を取っただけでは意味がないんです。なぜ意味があるか。今、首を振っていらっしゃる。では、なぜ日本で意味があると思われるか。それは、お墨つきだけなんですよ。要するに、官が認めているから何かいいものなんだろうというふうに、お墨つきの社会だからこうなっているのです。

 アメリカを見てください。アメリカは原則課税です。そして、法的主体となることについては何の意味もないんですよ。だから、なぜ法的主体にみんななるのか。それは、税制につながる一番近道だから、法的主体となるように登記をするんです。登記だけでは何も意味がないのです。登記だけだったら、アメリカでいえば、今の日本の法人住民税均等割というのはフランチャイズタックスといいますけれども、このフランチャイズタックスが七百ドルとかかってくるわけですね。十何万円とかかってくるわけです、円にすると。だから、法人格を取るだけだったら、単に税金を払うだけで何の意味もないんですね、ただでさえ苦しいのに。

 では、なぜ取るか。まず、アメリカは、法人格、法的主体になって登記をする。そうしたら、まず州政府に行って、フランチャイズタックスを免税してください、免じてください。オーケーですと。そして、それを終えて連邦政府に行って、内国歳入庁に行って、税の優遇措置を欲しいと言うわけです。しかし、その早道が法人格を取ること、法的主体になることなんです。だから、そうなんです。今回の一般社団、一般財団の考え方も極めてそれに近い考え方になってきているんです。それはそれで評価をしているんです。

 だから、大切なのは、税の部分でどのような哲学を持って、税の部分でどのような縛りをかけていくのかというのが極めて重要になってくるので、税制が重要だということをきのうもここで申し上げているわけであります。

 また、税が公平、中立、簡素というのは、原則としては重々それは承知していますが、しかし、このNPOに関しては、これは税がつくる社会というのはあるわけです、税がつくっていく社会システムというのはあるわけですね。しかも、財務省さんは、きのうのこの資料にもちゃんと書いてあるわけですから、それも大変高く私は評価していますから、やはり税の部分がしっかりと見えてこないとこの議論もなかなか難しいということなんですね。

 その意味で、財務大臣、この税というものを、今からの時間、あと十五分ほどありますので議論させていただきたいんですが、私が言っている意味での税が大切だということについては、財務大臣、どのようにお考えをいただけますでしょうか。

伊吹委員長 それでは、十五分ありますから、事実関係をまず、現税制それから将来税制、佐々木財務省審議官。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 先生よく御承知のとおり、現行税制は、公益法人それからNPO、それぞれその公益性に見合った税制が組み立てられております。(市村委員「特定非営利活動もですね」と呼ぶ)はい。

 それで、基本的な税制の考え方は、税制の以前に、基盤となる私法なりそれぞれの制度がありまして、その上に立って税制というものを、それに見合ったものを構築しているわけでございます。

 現在そうでございますが、今後のことにつきましては、そういうことを前提に、公益法人制度改革が行われているということを前提に、政府の税制調査会で議論を行いまして、先ほどのレポートをいただいているということでございます。

伊吹委員長 それでは、今の事実関係の上に、政治家としての大臣の答弁をしてください。

谷垣国務大臣 先ほどからの委員の御議論を伺っていまして、まことに共感する部分と、それから、ちょっと違うな、よくわからないなというところがあるんです。

 まことに共感する部分は、一貫して、やはり法人というものを自由に、官のコントロールから解放して、そうしてそれが社会の中で十分に活動して、そしてパブリックを担う場合もあるだろう、私益を追求する場合もありますけれども、そういう制度をつくるべきだという熱意あふれる御主張は、私もそのとおりだと思うんです。

 それで、その後、もう一つよくわからないのが、そのときに税制が大事なことは私も否定しません。税を預かっておりますから、税は大変大事で、それに見合う、今の新しい社会をつくるための法人の設計に合わない税制であるならば、その法人制度を殺してしまうというふうに思います。ただ、委員の御意見を聞いていてわからないのは、むしろ税制の方が先にあるのではないかというふうに聞こえるんですね。要するに、税でこういうものをやるから、世の中そっちの方に行こうぜ、そしてそれに合った法人制度もつくればいいじゃないかとおっしゃっているように聞こえるんですが、そこは違うんじゃないかと私は思います。

 それで、私は山本さんと一緒に法律を同じころ学んでいたわけでございますが、やはり基本的な法主体というものは自然人と法人でございますから、やはり自然人と法人の活動に見合って、対応して税制というものもつくらなければならない。まず、どういう法人があるべきかというのは論理的に前提としてなければ、なかなかその後の税の設計はできないんだろうと思います。

 もちろん、委員の先ほどの御議論は、明治のときの民法以来の御議論からさかのぼって、公益法人と営利法人という体系自体が現状には合わない、もっと非営利法人一般の議論をせよという御主張があるのはよくわかります。これは確かに、公益と営利の間にすき間がありましたから、いわゆる中間法人というものをつくってきたり、それから、私は、学校法人とかいろいろな法人は公益法人のいわば下位概念だと思いますけれども、一般法は民法であり、そして、それぞれの個別の特殊法といいますか特別法が学校教育法であったりするんだと思いますが、それぞれの特性に応じてそういう制度をつくってきた。

 それで、現在は、委員のおっしゃるのは、民法典のところだけを取り上げてやるのは少し狭いじゃないかとおっしゃっていますが、それはこれからの議論の組み立て方だろうというふうに私は思います。

 私どもは、まずそういう法主体の設計というものにあわせて、それに対応してその活動が自由にできるような税制をこれからつくっていこうと。それは新しい法人制度が実際に施行されますまでに具体的な制度設計とあわせて税も議論をして、新しい制度設計が手足を縛られないようにできるだけ設計していこう、こういう気持ちでいるということでございます。

市村委員 ですから、私は、何度も申し上げておりますが、公平、中立、簡素という原則は十分認識しているということなんです。ただ、このNPOに関する税制についてだけは、だけでもいいですから、税がつくる社会があるんじゃないか。別に全体的なことを言っているわけじゃないんです。

 しかも、税は国家なりという言葉もあります。やはり国が、今まで十八世紀とか十九世紀を見ると、特に十八世紀を見ると、税金で戦争を起こしているわけですね。重税を課された、許さないということで起こしてきている。税は国家なりという言葉を考えると、やはり税がつくっていく社会ということもあるはずなんですね、これはあるはずなんです。だから、このNPOに関しては、税がもっと主体的になってやっていくべきじゃないかということなんですね。

 アメリカの内国歳入法典なんかには、結局、五百一条というのがありまして、そこで明確にきちっと非営利法人の分類をしていまして、このカテゴリーにはこれだけの税制優遇とかいうことできちっとカテゴライズしているんです、範疇に分けているんです。

 だから、そのように日本も税制において、法人法じゃなくて税制においてきちっとカテゴライズして、こういう法人にはこれだけの税制が大体いきますよということでする方がわかりやすいんですね。そうしていくと、なるほどなということで、みんなもわかりやすくなって納得していくんです。

 私はそのような思いで、税がつくる社会があるんじゃないかということを申し上げているんですが、まず、これは根本的なところですので、財務大臣、もう少し議論させてください。

谷垣国務大臣 委員が法人制度、特にNPOのようなものを新しい社会の、できるだけ民間が主導権を握って、単に私益を追求するだけじゃなしにパブリックを追求する社会をつくろう、そのための仕組みとそのための税制を構築しようという熱意、お気持ちは私もよくわかります。私も、全部、全く一〇〇%共有しているかどうかわかりませんが、九九%ぐらいまでは委員のお気持ちに情熱を共有しているつもりでいるわけです。

 ただ、先ほども申し上げましたように、税というものは、まず人も何もいないときに税というものがあるわけじゃないと思います。税をこうつくるからこういう子供が生まれなさいというわけにはいかないんです。やはり、人間というものがあり、その人間はどういう活動をしているのか、それから人間とは別に社会が進歩して法人というものがあり、その法人というのはどういう機能と組織を持っているのかということがあって、そういう機能を持ちそういう組織を持っているところにはこういう税をいただきましょうというのが、これは論理的な前提としては私はそうだと思います。それがない先に、税はこうだからこうなりなさいというのは、私は論理としては逆なんじゃないかと思っております。

 もちろん、実際の作業としては、税調で新しい非営利法人の税制についても、まだ完全な設計はできておりませんけれども、ペーパーをお出しして、委員もよく引いていただいております。つまり、新しい法人を考えなきゃいけないときに、同時に税の世界でもそういう問題意識を共有して、そのときの税制はどうあるべきかという議論は、実態は並行的に進んでいるんだろうと私は思います。

 それで、今度、法人を規制する法律が新しくなる場合でも、時間的にはその制度設計があってから税の設計になると思いますが、実は、具体的には、制度設計をされる方も常に税をやる者に問いかけながら、こうなったらどうなるだろう、こうなったらちょっと税法上都合が悪いなとかいうことを考えながら制度設計をされるんだろうと思います。

 ですから、実態論としては、あるいは立法作業、税制のつくり方の作業としては、そういう制度設計と税の設計というのは多分これから並行して進んでいくんだと思いますが、論理的には、まず制度、法人制度というものが先にあるんだろうというふうに私は思っています。

市村委員 あと五分しかないので、せっかく猪口大臣にも竹中大臣にも来ていただいているので、少し御質問したいので、また改めてやらせていただきたいと思います。

 今の大臣のお言葉に、私も九八%ぐらいは賛同するところでありますけれども、もう当然です、人があって当然税なんですから、だから私は税は国家なりと言っているわけです。税は人なりと言っているわけじゃないです。税は国家なり、仕組みの中での税だということを言っているわけでありまして、税は人なりだと言ったらそういう御反応があってもしかるべきですけれども、あくまでも税は国家なりでありまして、その国家をどうやって運営するのかというときに税が果たす役割もあるよ、つまり、単に税は公平、中立、簡素だけじゃないんだよ、税がつくっていく社会もあるんだよということが大切だと思います。

 それで、竹中大臣にも一言、今のこの議論を聞いて、地方税の立場からおっしゃっていただきたいと思います。

 同時に、猪口大臣に、先ほど特定非営利活動法人、本当はきょうこの議論をしたかったんですが、今回入っていないんですね、今回の議論の中に特定非営利活動法人が。これについて、所管される猪口大臣として、特定非営利活動法人法ができるときにやはり準則主義を目指したんです。準則主義を目指してその法律をと言っていたにもかかわらず、結局、認証になっちゃったんですね。今回、一般財団、一般社団は準則主義なんです。ということは、特定非営利活動法人もこの準則主義の世界に入った方がいいに決まっているんですね、どう考えたって。にもかかわらず今回は除外されていることについてどう思うか、御質問させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

伊吹委員長 持ち時間があと五、六分ですから、要領よく答弁してください。

猪口国務大臣 市村先生にお答え申し上げます。

 準則主義でございますと、原則非課税のところの問題が出てくるということはございます。

 そして、今一連の議論を伺いまして私として感じたことは、まず、市民が担う公益性の高い自由な社会の部分、ここの拡大は重要であるということでございます。同時に、国家のさまざまな法制度が発展していくときに、その国の歴史、経験、履歴、こういうものをやはり抱いて、その中で考えられていくものと感じるんですね。

 一つは、いろいろ御議論ありました百年前からの民法の規定のことも、近代国民国家建設を急ぐ中でそういう履歴があったというふうにも思いますが、私の今御質問いただきました特定非営利活動法人につきましても実はそういうことが言えるんですね。

 先生、この活動が一気に発展しましたきっかけは阪神・淡路大震災でございます。あのとき日本社会の中に、あれだけのボランティアの方が、あれだけ熱心に、あれだけの情熱を持って善意と勇気を発揮する、そういう潜在力があったということに立法府は反応して、議員立法でこの促進法を設置したわけです。それに基づいて、今日、この特定非営利活動法人の活動が実に発展して、定着して、そして先生御存じのように、二万五千以上のそのような法人が実に七年ぐらいの間に発展してきている。

 ですから、私の観点からすれば、これは制度として定着している、市民にも受け入れられている、発展を見守るべきである、そして必要な改善は、きのうもお話し申し上げましたとおり、認定特定非営利活動法人としてのパブリック・サポート・テストの要件緩和は既にいたしたところでありまして、税制上も十分に優遇される、そのような設計になっておりますので、今回の制度の改定には含まれておりません。

竹中国務大臣 先ほどの財務大臣とのやりとりでございますけれども、財務大臣の御説明は、税の論理、そもそもの考え方としては私はやはり説得的であったというふうに思います。

 一点、市村委員が大変情熱を持っておられるのは、やはり税というのは一つのインセンティブを与えるものである、特に非営利法人の、民間非営利の重要性にかんがみて特別のインセンティブを与えてほしいと自分は思っている、その熱意は市村委員の熱意として非常に伝わります。

 ただ、税を預かる立場で難しいのは、例えば科学技術を担当している人は、これが重要だからこれにインセンティブをというふうに言われる、社会福祉を担当しておられる方はこれが重要だというふうに、インセンティブをというふうに言われる。そういう中で、やはり財務大臣としては、また地方税を預かる我々としましては、税体系全体の中での整合性を考えながらそれを判断しなければいけない、そういう立場にあるというふうに考えております。

市村委員 時間が来ましたので、また改めて、最後の竹中大臣の御発言は大変私も刺激を受けましたので、またぜひとも議論したいと思っております。

 あと、猪口大臣のこと、本当に私、十時間いただければ全部説明しますが、猪口大臣の説明は一面的な説明であります。私は実はその背景は全部知っていますので、またぜひとも議論させてください。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

伊吹委員長 市村君の残余の質疑は後刻行うことといたします。

 次に、滝実君。

滝委員 国民新党・日本・無所属の会の滝実でございます。

 本日は、二十分いただいておりますので、しかも、前回に続いて政府参考人をずらっとお認めいただいておりますので、できるだけ政府参考人にも御答弁をいただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 議論は、そもそも論のところからきょうは始めさせていただきたいのでございますけれども、行革それから公務員の問題が出てきますと、必ず、先進国の中で日本の公務員の数はむしろ最低のレベルだ、非常に少ない、こういうふうに言われております。その少ない事情というのを、事務当局の方は、どういうような認識でおいでになるのか、その事情をどの程度つかんでいるのかを教えていただきたいと思います。

上田政府参考人 お答え申し上げます。

 各国の比較において公務員の配置密度が多いか少ないかというのは、結果は出ているとおり、我が国は少ない方でございます。

 その背景にどういう事情があるかということにつきましては、やはり歴史的な事情、社会的な事情がいろいろあって、正直申し上げまして、これを分析的に実証するということはほとんど難しいことだと思いますけれども、私どもで認識しております、そういうことを裏づける事情としては、一つには、我が国の国民性、勤勉に仕事をする、こういう仕事をみんなでしようねと言ったらみんながそのとおりにしていくというふうなこともあずかっているのではないかと思います。

 それから、国と地方の関係ですけれども、中央政府、地方政府の関係、いろいろ問題はあろうかと思いますが、多分、他の国々に比べますと、中央政府と地方政府の連携がこれまで比較的よくとれてきているというようなことも一つの事情ではなかろうかと思います。

 ほかにも多々あろうかと思いますが、とりあえずこの程度の御説明をさせていただきます。

滝委員 政府参考人は余り独断的なことはおっしゃりたくないと思いますので、恐らくそういう答弁に尽きるんだろうと思うのでございますけれども、私は、日本の公務員が少ない事情を二つほど考えているんです。

 一つは、税金、社会保険料、これはやはり基本的に源泉徴収が主力になってきているというのがその背景にあるんだろうと思います。そしてまた、税の集め方にいたしましても、自主申告、自主納税というのを戦後一貫してやってきました。したがって、税務当局は、余りこんなことを言ってはいかぬのかもしれませんけれども、多少のことであれば、自主申告したものは自主納税として、余り細かいことを言わずにお認めになるということを従来やってきたんだろうと思うのでございます。そういうことが、恐らく日本の公務員が少ない事情の一つだろうと思います。

 しかし、今、それがだんだん崩れていくんじゃないだろうかな。例えば所得税の確定申告を見てみましても、ことしあたりから急激に確定申告をする人がふえてきました。それは、老人控除の部分が変わってきましたから、どうしても確定申告、年金生活者であっても確定申告をしなきゃいけない。その数は全体から見れば大したことないのかもしれませんけれども、少なくても確定申告の数の中ではどっとふえてきている。そういうことを考えると、これは大変だなというふうに思わざるを得ない。

 それからもう一つ、社会保険料の問題でも、国民年金が騒がれたのは、国民年金は、基本的に、源泉徴収、あるいは厚生年金と違って職場でまとめて一括して払うということがありませんから、国民年金についてはこれは大変だ、あるいは国民健康保険も大変だ、そういう部分がふえてくれば、当然これは公務員の数に影響してくる。こういう事情が、どこまでもつかということがこれからの社会の仕組みの問題であるし、あるいは、どういうふうにして公務員の数を抑えていくかという全体のシステムの設計の仕方にもかかわってくるんだろう、こういう感じを持っています。

 それからもう一つは、日本人は基本的にプライドが高いというのか責任感が強いというのか、どんな職場でも、余り細かいことを職務内容として指示しなくても、自分の頭で、自分で考える、こういうのが割と徹底していると思います。したがって、村役場や町役場へ行ったらわかりますように、一人の職員が十も二十もの仕事を一人でこなしている。こなせるはずはないのでございますけれども、仕事ですから、一生懸命やって、法律をひもときながら何とかこなしている、こういう勤務形態なんですね。これが崩れていくというのがこれからの社会だろう。

 したがって、県庁職員も市町村役場の職員も、そういう一人が何でもこなせるということが崩れてきますと、恐らく日本の公務員の数は、これは簡単に、今までのように一人が何でもやるというわけにはいかなくなってくる。しかも、国民というか住民の方のレベルが、なかなか難しいことをおっしゃるようなレベルになってくる、太刀打ちできないということになってくると、公務員の数を、中馬行政改革担当大臣がおっしゃるようには、簡単に減らすわけにはいかなくなるんだろうと思うんです。

 したがって、何が言いたいかといえば、これからの日本の行政のあり方、そういうことを考えた場合に、やはり、できるだけ源泉徴収を維持するとか、社会保険料もできるだけ団体でまとめて払い込んでもらうとか、あるいは、先ほど来議論に出てきますように、できるだけNPOにそういうふうなことをやってくれないかとか、そういうことを言わないと、日本の公務員の数は今までは低い、しかしこれからはもたないんだろう、こういう感じがありますので、そういうような感覚を、公務員の数、たかが公務員の数の国際比較というのはなかなか難しいと思うのでございますけれども、その中にそういうことを考えなければいけないのかなと私は思うのでございますけれども、中馬大臣の御意見を伺いたいと思います。

中馬国務大臣 まさに適切な、社会制度にわたる御指摘をちょうだいいたしました。

 私もそのように実感いたしております。ただ表面的に、軍隊が少ないからだといった話でなくて、今まで、日本の社会制度の中での勤勉さとか、あるいは非常に知識度が高いとかいったようなことが大きく作用しておったわけでございまして、このシステムを維持していく。そして、今もお話が出ました、縦割りで業務を割ってしまいますとそうした公務の仕事も大変でございましょうが、役場的な形でいろいろなことを、住民の面倒を見るという立場でやりますと、住民登録から何から全部二、三人でやってしまうといったことも十分に可能なわけですから、そうしたことも今後の課題にしていかなければいけないと思っています。

滝委員 前置きみたいなことを申し上げて恐縮でございましたけれども、私は、それは中央省庁全体がそういうことを考えていかないといけないのかなという感じがありますので、申し上げておきました。

 それから二番目に、先ほど来市村委員が法人の問題について大変詳細な議論を展開されましたから、私はそれに太刀打ちできませんけれども、今度、これでもって、国の方は委員会がつくられて、統一的な公益法人の所管がというか整理がされていく、こういうことですよね。

 これが都道府県知事の場合はどうなるかというと、これはなかなか、問題があるといえば問題があるように思うんです。今までの公益法人の所管あるいは特定非営利活動法人の扱い、それはその業務内容に関連する部局が、いわば片手間と言ってはいけませんけれども、その中でこなしてきたわけですね。日常の仕事の中で法人関係の仕事もこなしてきた。

 今度は、都道府県知事も、恐らく一本化された部局、部門をつくって、そこでおやりになるだろうと思いますね。そうすると、今度は特別な組織をつくらなければいかぬ。特別な組織をつくると行革に逆行するようなところが出てくるんですね。まとめてやればいいんだから当然だといえば当然なんですけれども、そこのところをどうするかということ。

 それから、もう一つは、その中に当然想定できるのは、例えば公安委員会とか防犯協会は警察本部の所管でございました、教育関係は教育委員会の所管でございましたということになっておるんでございますけれども、それがスムーズにいくためには、都道府県知事のもとに置かれる公益法人の取扱機関が、あっちからこっちからの代表選手を集めた部局にしなきゃいかぬ、こういうことが予想されるんでございますけれども、これについてどういうような指導をされていくのか。

 それから、もう一つは、先ほど来問題になっております特定非営利活動法人は、従来どおりそれぞれの仕事の中でこなしていくんだろうと思うんでございますけれども、そういうような割り振りについて、どういうようなことでおやりになっているのか。政府参考人の方から、どういうつもりでこれを地方に流していくのか、地方に呼びかけていくのか、教えていただきたいと思います。

中藤政府参考人 お答えいたします。

 国におきましては、内閣府に認定の委員会を置く、都道府県につきましては、国と同様の合議制の機関を関与させるということで公益の認定を行っていくこととしております。

 その点につきましては、今後、全国を通じて一律の法定の基準等に従って適切な公益認定がされるよう、各都道府県等も含めて、今回の制度改革等について周知徹底を図って、施行の準備期間の間にそこを精力的にやってまいりたいと考えております。

滝委員 これは万事これから検討ということでしょうけれども、その辺のところはやはりよほど注意していただかないと中でもめる、こういう問題が出てくると思います。

 それにあわせて、市村議員が御指摘になったように、特定非営利活動法人についても、これも準則主義ぐらいでやらないと、片や統一的な統合組織で取り扱う、こちらの方はそれぞれ従来どおりの組織で日常の仕事の中でやっていく、こういうふうに二分化されていくんですよね。そういうのがいいのかどうかということは、やはりこれからの実施状況をごらんいただいて検討をすべき課題であろう、こういうふうに思いますので、先ほども御答弁の中でそういうようなことを御指摘されていましたけれども、ここのところはやはり基本的に考えていかないと、知事の段階では非常に混乱する。中央ではわきまえておったって、地方になるとなかなかこれがまた大変なことでございますから、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。

 それから、もう一つは、昨日の点に若干関係するんでございますけれども、例の特定公共サービスに関連いたしまして、例の三十二条以下にございますよね。国民年金でございますとか、あるいは印鑑証明とか、そういうものについて官民競争入札に付する、こういうようなことでございまして、その背景には、中馬大臣がおっしゃるように、郵便局でこういうことをしたらどうだろうかというのは前々からの議論としてあったものでございますから、今回、そういうようなことを背景にして、この中に三十二条以下の特定公共サービスが出てきたということはあるわけでございます。

 そうすると、郵政公社民営化法案の中で、郵便職員は公務員でなくなりました、しかし、内容証明郵便あるいは特別送達、これは従来どおり公務員でない郵便職員にもやっていただくと。こういうために、民営化法案では、郵便認証司ですか、ただ単にみなし公務員として刑罰法規の規制だけじゃなくて、そういうような自覚を持ってもらうというつもりで郵便認証司という肩書をつけて、その人たちがこういった特別な郵便を扱うということにしたわけでございますけれども、今度のこの法案三十二条以下の特定公共サービスについてはそういうような配慮をしていないのは、どういうような感覚でおやりになっているのか。むしろ、郵便認証司がそういうことをするならば、こちらの方もそういう自覚を持ってもらうための何らかの措置がなかったのか、そういうことは議論をしたのかどうか。

 これは、市場化テスト推進室、河室長の方から、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

河政府参考人 今、先生の御質問の件でございますけれども、一つは、今、今回の法案に載せさせていただいております地方公共団体のいわゆる窓口業務につきまして、必要な手当てというものをする上でどのような手当てを設けるかというのは、かなり慎重な議論をさせていただきました。

 その際に、一つは、例えば守秘義務の問題をどうするか、それから、みなし公務員の問題をどうするか、今、先生御質問のとおりでございまして、これらについての担保手段というものを今回の法律で一般的なものとして設けさせていただいたというのが一つでございます。

 それからもう一つは、具体的に窓口業務についてどうするかということについて、まだ具体的な実施についての詰めなきゃいけないことが残っておりますけれども、その際におきましても、先ほど来の御議論にありますように、いわば問題が生じないような形での運営の仕方というのを精緻な形で詰めさせていただきたいというふうに考えております。

 法律上の手当ては、基本的には、今、先生の御指摘のとおり、かなり精緻な形で議論させていただいた上で設けさせていただいたというふうに考えております。

滝委員 同じ公務員でない郵便関係職員が、片や郵便認証司という特別資格をお持ちになる、片やこちらの方は何にもなし、ただ単にみなし公務員の刑罰法規だけというのは、何となく据わりが悪いんじゃなかろうかと思いますので、この法律には間に合いませんけれども、そこのところは改めて事務的に議論をしておくべき性格のものだろうと私は思います。

 次に、時間が余りありませんけれども、問題点だけをちょっと申し上げておきたいと思います。

 財政再建に寄与させるために、いろいろな方面の国の資産を圧縮するんだということでございまして、当然、土地建物も売却するということでございますね。特に東京なんかの土地建物は、大変一等地の歴史的ないいところにあるのが、そのままバルクセールのような格好で売られていくというのはいかにももったいない。売ってしまえばそれでおしまいなんですよ。ただ売るだけではないと思うのでございますけれども、その点についてどういうふうな作業をしているのか。

 これも、時間がありませんからまとめて、それでは財務大臣の方からお答えいただけますでしょうか。場合によっては理財局次長でも結構でございます。

日野政府参考人 お答え申し上げます。

 国有財産につきましては、先生御案内のとおり、大変厳しい財政事情にございますので、売却可能な資産をできる限り売却いたしまして、財政健全化に最大限役立てていく必要があろうかと考えております。

 また、国有財産行政につきましては、国にとって不用なものは売却することが基本でございまして、例えば公務員宿舎の売却に当たっては、集約化によりまして不用となった敷地を捻出し、これの売却を進めていくというようなことでございます。売却できる国有財産というのもたくさんあるわけでなく、限りはございますが、少しでもこうした努力を今後とも積み重ねていきたい、かように考えております。

滝委員 時間が参りましたので終わらせていただきますけれども、とにかく、ただ単に売却するだけというのは何となくもったいないという批判があるということを前提にして、いろいろな作業を進めていただきたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

伊吹委員長 これにて滝君の質疑は終了いたしました。

 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。

 この間の本会議で私質問いたしましたときに、人口千人当たりの公的部門の職員数では要するに小さな政府になっているということなど、これらは既に小泉総理が答弁で認めていらっしゃるわけですが、きょうは、最初に内閣府の政府参考人の方に伺っておきたいと思います。

 年次経済財政報告〇五年度版を見ると、一般政府の支出規模について、これは九十四ページに書いてありますが、OECD統計で見ると、日本は世界の中で、公共投資等を含む経済、公共の比重が他の国と比べてやや高いが、一般公共サービス、保健、社会保障などは比較的小さい政府だ、そういう評価でありますが、まず、こういう評価に立っているということを確認しておきたいと思います。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、平成十七年度経済財政白書で、政府の大きさにつきまして、OECD諸国の一般政府支出規模の対名目GDP比等を取り上げて分析をしております。その中で一般政府の支出規模につきまして比較しておりますが、まずそのことについて申し上げますと、我が国の国、地方、社会保障基金を合わせた一般政府の支出規模、これは我が国ではGDP比約三七%でございますが、アメリカの約三六%よりも高いものの、ユーロ圏平均の約四九%あるいはOECD諸国平均の約四一%と比べますと低い水準にあるということでございます。

 それから、御指摘の中身でございますけれども、これも白書の中で指摘をしておりまして、日本、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの政府支出の内訳を比較しておりますが、これによりますと、我が国では公共投資等を含む経済、公共の比重が他の国と比べてやや高いものの、防衛、治安などを含みます一般公共サービスあるいは保健、社会保障などを含むものは比較的小さいというふうに申し上げているところでございます。

吉井委員 そこで、政府は小さいが、公共投資を含む経済、公共では国際的に見て大きな政府だということになってきます。

 財務大臣にそこで伺っておきますが、財政制度審議会の分析でも、公共事業相当分の対GDP比の推移を見ると、これは日本が三・四、アメリカ一・三、フランス一・三、ドイツ〇・九、イギリス〇・四というふうにずっと並んでおります。先進主要国と比較すると、公的固定資本形成全体の水準は欧米の水準に向かいつつあるとはいえ、公共事業を取り出せば、その水準は依然として際立って高い、これも財政審の評価だと思うんです。

 財務大臣は、日本の公共事業の水準は高い、こういう見方でいらっしゃるというふうに考えていいか、ここを伺っておきたいと思います。

谷垣国務大臣 昨年十一月の財政審の建議は、今委員がお読み上げになったとおりでございます。具体的に言いますと、一般政府ベースの公的固定資本形成全体の対GDP比は、政府としてお示ししている直近の平成十六年度では三・七%。これは先進主要国に比べて高いものというふうに認識しておりますし、また、我が国の公共事業関係費で取り扱っている分野がどういう水準にあるのか、これを各国共通のSNA統計に基づいた支出分類も用いてくくり出しても、我が国の水準は先進主要国に比べてやはり高い。

 これは、いろいろな原因も確かにあることはありまして、災害が多いとか、我が国の地形とかいうことがないとは言えません。ただ、比較してみますと、やはりかなり高い水準になっているということだろうと思います。

吉井委員 小さな政府の大きな公共事業、こういう問題があるわけですから、ここをどういうふうにしていくかということ、これは大事な課題だというふうに思うわけです。

 生活関連公共事業の方はかなり減っているんですが、大型公共事業については、重点化という名のもとにふえてもおります。

 そこで、なぜ大型公共事業の問題、そこにメスを入れていくことができないのかということで、きょう、お手元に資料を配らせていただいておりますが、最初に、この資料の一の方の一ページと二ページにかかわるものです。

 防衛庁からの天下りの数、その受け入れ企業が国から発注を受けた金額の一覧ですが、天下りが多いほど受注額も多い。例えば三菱重工では、三十九人引き受けて二千七百十億円の国からのお金が流れておりますし、川崎重工では、二十七人引き受けて千四百二十九億円。右端の方に線を引っ張って載せているように、よく見ると、国からの受注等、受入金額の多い百億円以上の企業というのは平均十九・五人天下り、十億から百億の企業で四・六人、一億から十億円未満で三・八人、一千万から一億円未満で二・七人というふうに読み取ることができます。

 そこで、今度は中馬大臣に伺いたいんですが、企業は、天下りを受け入れると国からの受注額とか契約額などがふえてくるという関係を私たちは今現実に見ることができるんじゃないか。これから後の議論にかかわってきますので、そこのところをまず確認しておきたいと思うんです。

中馬国務大臣 個々の例はともかく、一般的に、そうした天下りとこうした公共の談合問題も含めたことが取りざたされていることは、私も聞き及んでおります。

吉井委員 そこで、資料二の方を見ていただきながらなんですが、天下り受け入れ先企業は、防衛施設庁官製談合の問題だけじゃないんですね。そこにかかわった企業が、国土交通省の鋼鉄製橋梁談合でも水門工事談合でもトンネル換気設備工事談合でも同じ企業が、これは名前をちょうど横に並べてありますからわかりやすくしてあるんですが、真ん中の「防衛庁天下り企業」の上にある三菱重工はずっと横に、諫早の干拓事業に至るまで続いていきますし、川崎重工も石播も住友重機も三井造船もと。

 そこで、私、ここで安倍官房長官にきょう伺っておきたいんです。

 だから、この問題というのは、特定の省庁の天下りの問題、そこだけのことということじゃなくて、各省庁にまたがって、天下りと談合の問題というのは非常に深く結びつきがあるということをやはり考えなきゃいけないと思うんですね。ですから、政府として、天下り問題についてどのように考えて、どのように対応していこうとしていらっしゃるのか。そのところ、政府の考え方というものを伺いたいと思います。

安倍国務大臣 現在、国家公務員の再就職については、在職中に関係のあった営利企業への再就職には一定の制限が設けられているわけであります。また、特殊法人等の長及び役員の選任について、国家公務員出身者の割合を二分の一にいたしました。また、法人の類型に応じて退職管理の適正化に向けて取り組みを進めてきたわけであります。さらに、早期退職慣行については、幹部職員の勧奨退職年齢を五年かけて、これは総理も累次答弁をしているところでありますが、段階的に平均三歳以上引き上げるなどを基本方針として、その是正に今取り組んでいるところであります。

 また、道路公団をめぐる談合事件や今回の官製談合のように問題のある場合には、当該省庁において、天下りの自粛を含め再発防止のための抜本的対策を講じてきていることに加え、総理の指示を受け、議員立法で罰則の強化などを内容とする官製談合防止法の改正が取りまとめられ国会に提出をされる、このように承知をしております。

 退職管理の適正化については、これは、職業選択の自由との関係や、職員が在職中に培った経験や能力の有効な活用等の観点を考慮し、早期退職慣行の是正に取り組みながら総合的な検討を行っていく必要がある、こう考えております。

    〔委員長退席、今津委員長代理着席〕

吉井委員 これは、職業選択の問題だとか、二年を五年に延ばす、その間、例えば公益法人で二年を五年間じっとしておればトンネルが少し長くなるというだけで、余り変わりがないわけで、まず、この場合大事なことは、天下りとその結果としての官製談合がどのように結びついてきて、その結果として、落札率はほとんど一〇〇%ですから、どれぐらい税金が無駄になっているか、高いものに、高いコストになっているか、そのことをどれぐらいきちんと切り込んでつかむかというところが物事の出発点だというふうに私は思うわけです。

 この表でごらんいただいても、この表の右下の方には防衛施設庁談合八社、そしてそこはまた防衛施設庁だけじゃないんですね、諫早湾干拓事業の潮受け堤防の関連工事にもかかわっていた業者でもあるわけです。ごらんいただいたらおわかりのように、清水、大成、鹿島、大林、こういったところが、これは、実はこの工区、一回目だけ指名競争入札をやりまして、二回目からずっと随意契約なんですね。そして、落札率というのはそれぞれ九九%台ですが、平均落札率は九九・三%です。つまり、本当に行政改革というのだったら、無駄とか汚職とか談合とか、こういうものの温床というものをどう断ち切っていくのかというところに切り込んでいかないと、本当に言葉だけに終わってしまうわけですね。

 中馬大臣に伺いますが、法案作成の前に、このような天下りや大企業の談合によって税金が食い物にされている、この実情を調べて、そして法案作成を考えられたのかどうか、このことを大臣に伺います。

中馬国務大臣 一々数字を調べて法案に取り組んだわけじゃございませんが、こうした天下り、そしてまた談合問題等の大きな国民の批判の中で、この要素も今回の行政改革の中には十分に織り込んでございます。

 それで、御指摘の、公務員を減らすよりも談合の方が先ではないかということもございますが、これはやはり一体のものでございまして、天下りが悪いというのではなくて、これからは公務員もどんどんと民間との人事交流も含め、そしてまた公務員の数は減らしていかなければいけないことは時代的な要請でもございますし、また、民の方に仕事を移していこう、役割を移していこうという中で、必然的に公務員の数はこれから少なくて済むわけですから、そうした形での人減らしということではございませんが、効率的な政府をつくっていく。

 一方、談合の問題は、こことの関係をあえて言うならば、もう御承知のとおりの例の早期退職慣行等で、あえて民間に、まだ六十歳前、定年前なのにやめていただかなければいけない、そのときにお願いして企業に就職してもらうといったケースもありまして、それが若干貸し借りの関係でこうした問題を生む土壌になっていることも、これは事実でもございましょう。

 そういうことから、公務員制度改革ということも含めて、能力・実績主義で、少し早く昇任した方があっても、それ以外の方はやめていただくというんではなくて、また別のところで大いに能力を発揮してもらう、その形をこれからつくっていこうとして、その一つの評価制度も含めた取り組みを始めたところでございます。

 そうした一体の中で今回のこの行政改革を進めるならば、こうした談合問題等までも含めて是正していかれるものだ、このように私は認識をいたしております。

吉井委員 私、天下りの規制の問題とともに、しかし談合は談合で厳しくやらないことには、これは天下りと談合が結びついている部分と、同時に、談合は談合でやらせないということをきちっとやらないと、財源や行政の中からの無駄をなくしていくということにはならないというふうに思います。

 そこで、今度、国交省の北側大臣に伺っておきますが、ことし二月三日の東京高裁で、道路公団の鋼鉄製橋梁談合の公判がありましたけれども、検察が読み上げた供述調書の中では、公団発注工事の受注額の大きい会社ほど役職の高い退職者、高級官僚を割り当てる天下り基準表を作成していた、これは公団企画部幹部が明らかにしております。

 天下り企業の落札率は九九%台。ほとんど一〇〇%に近いということになってまいりますが、談合事件で逮捕者が出たり、あるいは公取が立入検査に入ると、大体、落札率が七割台とか八割台に落ちるとかするわけですね。つまり、一五%から二〇%は十分契約価格は下がるわけですね。ですから、仮に五兆円の工事請負契約とか、あるいは物品調達の契約額と合計したものが、仮に合計額がこうなってくるとすると、談合が本当に禁止されるならば、それだけでも一兆円近いものが出てくるわけですね。

 実は、先ほど中馬大臣おっしゃった人件費の方にしたって、五%を五年間で削るといっても、五%の人がいなくなっても、そこでかかわってくるのは大体千五百億円とか。これは、談合によって高いものになっているものを本当に抑え込んだら、本当に行革効果というようなのが出てくるわけですね。

 だから、北側大臣に伺っておきたいんですが、なぜ、何度も何度も問題になっておるのに、国交省の関係でも、官製談合を初め談合というものがなくなってこないのか。大臣、どうですか。

    〔今津委員長代理退席、委員長着席〕

北側国務大臣 橋梁談合の件だというふうに思います。この件については、旧日本道路公団の役員が談合に関与しておったということでございまして、受注企業へ再就職したOBが発注情報の収集や発注予定者の選定に関与していたという事実が指摘をされたわけでございます。

 談合そのものがあってはならないものでございますけれども、官製談合、それに公務員が、発注する側が関与をするというのはとんでもない話でございまして、厳しく対処しているところでございます。

 日本道路公団におきましても、昨年、談合等の不正行為防止策を取りまとめました。また、国土交通省においても、一般競争入札方式の拡大、総合評価方式の拡大等の取り組みも今させていただいておりますし、ペナルティーについても強化をさせていただいているところでございます。また、再就職、早期退職慣行の見直しについても、もう詳しくは述べませんが対応をさせていただいたところでございまして、こうした事件の再発防止に向けまして取り組んでいるところでございます。

吉井委員 帝国データバンクが、天下り・談合に関する企業の意識調査というのをやっております。昨年七月二十一日から三十一日までに全国二万一千三百二十社についてやって、回答は一万二百三社の有効回答ですが、談合はなくならないが全体で七五・五%。天下り受け入れ企業で七〇・五%はなくならないと見ているんですね。天下りというのは談合など企業の便益を図る温床になっていますかという質問に対しては、そう思うというのが八三・三%ですね。だから、天下りというのは企業の利益の温床だというふうに企業自身が認めているわけです。天下り受け入れ停止に賛成だという企業は七三・二%。

 そこで、中馬大臣、企業の側は、天下りは談合など企業の便益を図る温床になっているとして、天下り受け入れ停止に賛成だという考え方は七割を超える企業が持っているわけです。しかし、今度のこの法案を見ても、実際にそれを有効に禁止していく、つまり、監督したり契約関係にあったところへ天下るということは禁止する、ただの職業選択の自由の話じゃないですからね、それを本当にやろうとする条項があるのかといえば、ありませんね。ありますか。

中馬国務大臣 今回の行政改革の目的と、この談合、はっきり言えば、我々が預かっている税金の横流しといった犯罪でございます、この問題とは別で、この法律の中でその防止策を考えるものではないと思っています。

 ですから、一方で議員立法で談合防止法がもう出されてきておりますし、それともう一つは、これは各省庁にぜひともお願いしたいのは、やはり会計検査院とか、こういったところがもっと厳密に、こうしたことははっきり、よく調べればわかることでございますから、新聞の方にちょっと報道されてから慌ててやるのではなくて、そういうことを本当にやっていただくと同時に、また、犯罪でございますから、罰を重くする、これがないと、この問題は、今その世論調査にもありますように、なかなかなくならないと私は思います。

 そして、その根本は、先ほど言いました早期退職慣行、こういったものの是正にあるわけでございますから、そういったことはこの法律の中でも取り組んでまいるつもりでございます。

吉井委員 天下りというのは、出す側もきちんとする、受け入れる方も、それは受け入れないということをきちっと。しかし、それは結局、法律で決めるとすれば出す側の問題ですよ。これが大きな無駄を生み出しているんだったら、それにメスを入れないと行革になってこないということをやはりきちんとしなきゃいかぬと思うんです。

 もう一つが、談合企業への処分の強化ですね。北側大臣に伺っておきますが、入札停止期間を二年に延ばすとか二十四カ月にしたとかあるんですが、実際は六カ月ぐらいのものですね。まあ、せいぜい長くても一年半ぐらいのはありますが、談合で二年停止になったというのはありませんよね。

 そこで、このことと、もう一つ大臣に伺っておきたいのは、この橋梁談合の場合でも、受注額で見れば総額二千三百六十億円、それで、かかわった、課徴金を受けることになった四十四社合計百二十九億円ですから、これは率にして五%ぐらいなんですね。消費税ぐらいなものですよ。つまり、消費税ぐらいのものを、課徴金さえ払っておけば利益の方がうんと大きい。これでは、幾ら談合について厳しく処分するんだと言っても、これは、私はとりあえず国交大臣のところを言っていますけれども、全体にかかわる話なんですよ、頭の中にはそれはちゃんと入っているんですけれどもね。まず大臣のところで、入札停止期間を五年とか十年とか、談合なんかやったらもう引き合わない、そういうところまできちんとしないと、この繰り返し繰り返しやってきたことはこれからもなくならないんじゃないですか。

北側国務大臣 委員のおっしゃっていますとおり、談合をした企業の側に、談合してもメリットがない、むしろ大変な制裁をこうむるというふうにすることが私も重要だというふうに思っております。

 そういう観点から、委員からするとまだ不十分だということだと思いますが、指名停止期間を最長二十四カ月にしました。これまでのところ、この改正後におきまして十八カ月というのがあるわけでございますけれども、これは二十四カ月まで最長延ばすことができるというふうにしているところでございますし、また、違約金、課徴金ではなくて、これは民事上の損害賠償の予定でございますが、これについては現行一〇%の違約金特約条項があったわけでございますが、これにつきましても五%上乗せしまして、一五%まで違約金特約条項が課されるというふうなことにもさせていただいているところでございます。

 今後とも、こうした運用をしっかりとやって、ペナルティーにつきましてもしっかり強化をさせていただきたいと思っております。

吉井委員 要するに、二十四カ月に、二倍にしたと。期間は延ばしたんだけれども、実際に二年間指名停止処分にしたところはないわけですよ。

 違約金の方にしても、一〇%を五%上積みして、課徴金の方は五%ですからね、いずれにしても、消費税程度、あるいは消費税の三倍ぐらいまでで、その分さえ、お金さえ払っておけば、あとはもうけの方がうんと大きい、契約金の方がうんと大きい。しかも、談合によって一〇〇%近い落札率ですと、実際よりは二割、三割の利益がありますから、うんとおつりが出てくるわけですね。指名停止の期間が短いし、こういうことでは、結局、本当の解決にはならないと思うんですよ。

 これは、せんだっても紹介させていただいていると思うんですが、こういうことをもっと規制強化を図るということについては、率直に財界団体とだって話ができると思うんですよね。

 財界の副会長企業の三菱重工が道路公団、国交省の橋梁談合で問題になっているわけだし、日立は副会長ですが、ここもそうですし、東芝も副会長で下水道事業団の談合にかかわっているし、評議員会議長の松下電器にしても、評議員会副議長の石播にしても、同じく副議長の三菱電機にしても、財界の幹部の皆さんも悪い悪いと思いながらやっているわけですから、そういうところに対してきちんとはっきりした態度をとっていく。やはりそれを貫かない限り、この談合の問題も解決しないし、そして企業の側は、とにかく天下りを受け入れたら、少々違約金を払おうが課徴金を払おうが、半年ぐらいちょっと指名停止で我慢しておけばいけるんだというこの仕掛けでは、本当の解決ということにはやはりなってきませんよ。

 そこで私は、やはりこういう点では、防衛庁を初め、国の発注契約、補助金その他で六兆円ぐらいの国民の税金が流れているということですが、これは読売の紹介したのを見ているとそうですけれども、これは二割としても一兆二千億でしょう。非常に大きなお金が、非常に浪費や無駄や、そういうものがあるところに切り込んでこそ行政改革の推進と言えるんじゃないですか。

 そういうところに目をふさいでおいて、私はこれが一番の既得権益だと思うんですよ、こういうけた違いの既得権益は温存され、その一方で、天下りと談合及び落札率一〇〇%近い契約による大きな利益、そして企業献金。私は、この既得権益三点セットの禁止こそ、行政改革というのならば一番やるべきことだと思うんです。

 そういう立場で、政府を挙げて臨んでいこうという気持ちがあれば、お答えいただいたらいいんですが、そういう気持ちがなければ答弁をもらっても仕方がないから、終わりにしたいと思います。

伊吹委員長 それでは、気持ちがあっても答弁は要らないんですか。

吉井委員 いや、気持ちがあれば、それをやると言ってもらったらいいんですよ。

 では、その気はないようですから、終わります。

伊吹委員長 これにて吉井君の質疑は終了いたしました。

 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 この行革特別委員会、初めての質問をさせていただきますが、一時間三十分という長い質疑の時間をいただきました。この一時間三十分、しっかりと有効な議論として、国会の審議として、国民の皆様方にお伝えをしていければと思います。

 まず、冒頭ですが、この委員会に先立ちまして、政府提出法案、いわゆる行革法並びに関連法案提出という段階で、この行革委員会が三月の十六日に設置をされました。その三月十六日、委員会設置の日に、私は、衆議院の議案課に質問主意書を提出させていただきました。

 二百一項目にわたる質問主意書につきまして、これを議長あて提出ということで、議運の理事会にてその取り扱いの御協議をいただきました。その協議の中では、内閣への送付というのはこのままではなかなか難しいというその理事会の中での御協議だったというふうに聞いておりますが、結果的には、当委員会におきまして、委員長並びに与野党の理事の皆様方のお取り計らいにより、二百一項目を幾分削除し、削りながら、絞った形で、資料要求という形で御提出をさせていただく運びとなりました。そして皆様方の手元にも、本日も含めまして、一回、二回と合わせて二回の回答をいただく運びとなりました。資料要求という形の私の質問でございましたが、この二百一項目を九十六項目に絞りまして、そして、第一回目には四十項目の回答、これは三月の三十一日、そして本日、四月五日に第二回の回答ということで、すべての項目についての御回答をいただいたわけであります。

 さてそこで、私が内閣に対して提出をしようとした質問主意書でございますが、これは、当然ながら、国会法にも定められているその主意書の形式にのっとって、内閣に対してその所見をただすという行為として、私は、議員の権能の一つとして提出をさせていただきました。今回は、繰り返しになりますが、委員長並びに与野党の理事の皆様方のお取り計らいにより、資料要求という形で出させていただいて御回答いただいたわけでありますが、まず、中馬担当大臣、今回、この資料要求という形で私は委員会から御提出をいただきました。政府としてお受けいただけた、まずこれについて、なぜお受けいただけたかということを端的にお答えいただけますでしょうか。

中馬国務大臣 委員長以下あるいはまた議運の方々の一つの御配慮といいましょうか、そうした形でこれが出たものと私は承知しております。

馬淵委員 まさに、委員長並びに皆様方のお取り計らいによって政府としてこれをお受けいただいたという御回答をいただきました。

 こうした二百一項目でございますが、これをお受けいただきまして、中馬大臣、どのようにお感じになられましたでしょうか。

伊吹委員長 中馬国務大臣、率直に答えてください。

中馬国務大臣 これは、議員がこうした質問主意書を出すことは本当に自由でございます。しかし、それを議長の名前で政府にただすわけでございますから、そのときには、そのまま出されるのか、あるいはまた、それに何らかの一つの院としての御意思も加えて政府の方に要求されるのか、それはまさに院のことでございますから、私はそこに何かここでコメントするわけにはいきません。

馬淵委員 まさに、院なりあるいは議員個人なりがどのように考えて出したかということで、コメントすべきではないという御回答をいただきましたが、報道されております三月二十三日の産経新聞では、中馬大臣が記者会見では、政府が今国会での成立を目指す行政改革推進法案に関し、民主党の馬淵澄夫衆議院議員から二百一項目の質問主意書が衆議院に提出されたことを明らかにされたと。そして、政府側としては、これは大臣というふうには報道されておりませんが、政府側としては「「回答の作業に追われ、省庁の日常業務に支障が出る」と反発している。」このように報道されております。また、同日で日経新聞の方では、「質問は嫌がらせ?」という、クエスチョンマークがつきまして、嫌がらせというか、こういう質問は委員会でやってくれればいいということで、この質問主意書に対しましては与党自民党の村田国対副委員長が批判、このように日経新聞の方でも報道されております。

 さて、この産経新聞の方では、今申し上げたように、政府側としては支障が出る、このような反発というふうに出ておりますが、大臣、これは率直に大臣の御発言、大臣のお考えでしょうか。お答えいただけますでしょうか。

中馬国務大臣 私は、さようなことは一切申し上げておりません。その場面におきましても、私はこれは議院としての、衆議院としての発言ですよと、そういうことで、事実関係だけを申し上げました。そのときに、馬淵委員の質問書ということも知りませんでした。鈴木宗男議員からたくさん出ていることは、私は閣議に出ておりますから、よく知っております。しかし、馬淵議員という方がそれだけのことをされたとは知りません。

 いずれにしても、二百項目に上るものが、一つのこれから法案を審議しようという、もうその法案の中で審議していただいてもいいんじゃないかと思うようなことまでずらりと並んでおりましたから、これにつきまして、私は、院として、院としてですよ、議員に何か異議を申したわけでも、政府が文句を言ったわけでもありません。正直、私は議員ですけれども、議員がこんなものを、要するに、議長の名前でそのままぽんとまた政府の方に、河野議長から小泉総理大臣に出す内容ですかねという、ちょっと疑義を呈してそうしたことを申し上げただけでございます。

馬淵委員 私、議員としての個人の権能、並びに衆議院ということに対して差し挟むものではないということながら、総理に対して出すべきものかということの感想を発せられたということを、今お伺いいたしました。

 済みません、記者会見のお時間があるということですので、官房長官に、これは政府を代表するお立場として、今申し上げたように、報道ではどなたかということもありません。政府側としては「「回答の作業に追われ、省庁の日常業務に支障が出る」と反発している。」このように新聞では報道されておりますが、官房長官、この新聞報道、並びに、御自身、今回の私のこうした提出、並びに資料要求という形での取り計らいになりましたが、どのようにお感じになられたか、お聞かせいただけますか。

安倍国務大臣 ただいま委員が例として挙げられました政府としての発言は、中馬大臣の発言でもございませんし、私の発言でもございません。もしかしたら作業に当たるかもしれない政府の一員の人かだれかがそうつぶやいたのかもしれません。それは定かではございませんが、この御指摘の質問主意書については、先ほど中馬大臣が答弁いたしましたように、国会法に定められた議員の権能の一つである、私もこのように思っております。

 ただし、国会法第七十四条では、簡明な主意書によってと、このように規定されているところでありまして、御指摘の質問主意書は二百問を超えるという多数に上るものであることから、議院運営委員会の与野党の理事間において協議がなされてきたもの、このように承知をしております。その協議を経て、質疑に必要不可欠なものについて、行政改革特別委員会における資料要求という形で要請がなされまして、政府の方から既にお答えを提出いたしたわけでございます。

馬淵委員 ありがとうございます。

 私も今、官房長官、両大臣がおっしゃったように、院の決定、これを了といたしまして、また、こうした質問へ資料要求という形での御回答をいただくという運びに対しては、一切の私自身の今思いというのは、これを出していただいたということについては感謝しておりますが、ただ、今回、なぜこうした趣旨の主意書を出さねばならなかったかという点、これについてはお伝えをせねばならないと思っています。

 今回の提出法案につきましては、検討していくもの、あるいは今後詳細に詰めていく、詳細に定めていくといった形で、プログラム法という名のもとに、実際には方向性、あるいはその方向性すら明確ではないような、そうした記述が大変散見されます。このような形で、御指摘のように、確かに委員会で質疑をしろ、こういうお言葉をいただきましても、委員会の質疑の中で質問させていただいても、いや、それは検討していくものだということの繰り返しの答弁になってしまっては、委員会の質疑が十分に果たされません。

 これは、我が党の大串委員が昨日も同様の質疑をさせていただきました。検討あるいは所要の措置というものはこれから定めていくというものが余りにも多過ぎる。行政改革という、この国の大事な、それこそ国民の税金が投入されて、その中で行政サービスを提供していく、その大きな政府組織をどのように改革していくかという点で、定められていない、検討していくものという言葉が散見される法律に対して私たちは十分な審議ができるのかという思いがあって、このことにつきましては、ぜひとも審議の前提として、審議の充実のために必要だということを申し上げたかった、これが一番でございます。

 そして、今、官房長官からも御回答をいただいた二回にわたる回答書であります。御回答いただきましたことには感謝を申し上げますが、しかし、残念ながら、この二回にわたる回答書の中身を見ても、検討されるもの、あるいは、この中で、検討の結果必要とされる措置についても、これを一環として講じていくことなどと、極めて不明瞭な回答でしかありません。昨日の大串委員の質疑に対しても、明確でないままにそれを所要の措置として残すということになりかねないのではないかという危惧に対しては、谷垣財務大臣も、決してそのようなことはないと強弁されながらも、具体のその事実やあるいは方向性というものを明言されてはおられませんでした。

 このように、今回のこの質問主意書並びに資料要求という形は、本法案が、私たち国民生活の中で最も重要な行政サービスを提供するその行政組織がどのように改革されるかということが具体を示していないということを、私は指摘をさせていただいたわけであります。

 とりわけ、この質問主意書の中で、官房長官御指摘のとおり、「簡明な主意書を作り、」というのが国会法では定められております。しかしながら、これが二百一項目という形で、これは簡明ではないという御指摘の中で議運でそれが取り下げられたこと、私はこれは異を唱えません。しかしながら、この議員の権能というのはどれほど重いか。例えば、議長がこれを承認せずとしたとしても、承認せずに対しては、その主意書を会議録に載せることを議員個人が院に対してそれを訴えることができます。会議録に掲載することが、国会法でも、その申し立てが出れば旨とされています。

 これほどまでに議員の質問権というのは極めて重いものであり、こうした方法論をとってでも、この国会の中で審議するためには、プログラム法という名のもとにあいまいな法案で審議をするわけにはまいらない、私ども国会の中にいる一員としてその決意をお示しさせていただいたということを、こうした報道等がある中で、改めてこの場をおかりして質疑をさせていただき、確認をさせていただきました。

 こうした状況の中で本論の方に入らさせていただきたいというふうに思います。

 この今回の行革法の中で、特別会計の改革、これは大変重要な改革のその柱でもあります。とりわけ、私ども民主党の中でも、財政再建、あるいは本当に効率的でそして人に優しい政府、こうした政治をつくっていこうという中では、一円たりとも政府の無駄遣いは許さないんだ、税金の無駄遣いは許さないというその意思のもとに、特別会計改革については真摯に取り組んでまいりました。

 一昨年前には、私どもの党内にも特別会計のワーキングチームを設置し、私もその事務局長としてその取りまとめの一端に当たりました。

 さらには、昨年の二月の十七日には予算委員会におきまして、きょうもお越しいただいております谷垣大臣また厚生労働大臣に、私は、労働保険特別会計についての問題点というのを指摘させていただきました。

 そして、昨年の特別国会、予算委員会では、我が党の前原代表が小泉総理に対して特別会計の改革というものを強く訴えた。総理も、その前原代表の言葉に呼応する形で、改革競争、ぜひともこれは行わねばならないということで、極めて強いお言葉でこの特別会計の改革について言及をしていただきました。そして、それをもって政府・与党では、特別会計の見直しということが大きな仕事として動き出した。

 今回の行革法の一つの柱となった特別会計の部分も、そうした与党の方々、何としてでもこれについては徹底的な見直しを図ろうという強い決意のもとに出された法案だというふうに理解をしています。

 しかしながら、特別会計が本当に十分な見直しが図られていくのかどうか。もう一度改めて、この特別会計の問題点というものを一つの会計を使って明らかにしていきたい。そして、実態上、この行革法の中で特会改革というものが進められるのかどうなのかということをぜひこの場で、議論の俎上に上げていきたいというふうに思います。

 まず、皆様のお手元には、委員長のお許しをいただいてお配りをしました資料がございます。大変分厚い資料となりましたが、差しかえの別添二枚もございますが、とじたものの一枚目1をごらんください。「ここが変だよ特別会計」ということで、私自身が、特別会計の問題点につきまして五点ほど書かせていただきました。

 特別会計の問題点というのは、かねてより、さまざまな形で指摘をされていました。いわゆるわかりにくい、複雑化してしまっている、無駄遣いが起きやすい、こうした特別会計の問題点の指摘というのは、かねてより多数ございました。そうしたことを私はこの五点にまとめてみたわけであります。

 「特別会計の迷宮化効果」、これが一点目でございます。会計間のやりくりが複雑で非常にわかりにくい、迷宮化されてしまっている。

 二点目については、「特別会計の逆流防止機能」。足りなければ一般会計からの繰り入れを受けるが、余っても一般会計には返す必要がない。いわゆる剰余金という形でそこにたまってしまう。

 「特別会計は別の財布」。各省の思いどおりになる。定員の逆転現象なども起きやすい。

 「特別会計ははなれでスキヤキ」。これはもう有名な言葉でありますが、塩川元財務大臣がこの言葉を発せられ、いわゆる財政規律が働かずに無駄遣いが起きやすいんだということをおっしゃっている。

 さらに、独立行政法人、これも本法案の中で、関連法案としてこの独立行政法人についても十分な議論がなされていく大事な項目でもありますが、この独立行政法人や公益法人、これがいわゆる「はなれの地下室」になってしまっていないか。特別会計から官僚の天下り先の法人に資金が流れる仕組み、こうしたものが全く見えなくなっていきはしないか。

 この五点が、実は特別会計の大きな課題だと私は思っております。

 そして、繰り返しになりますが、こうした課題については十分な問題意識というのは相当古くから政府ではお持ちでありました。四十年以上前になりますが、昭和三十九年九月、これは第一次臨時行政調査会、そこでも取り上げられております。特別会計の設置は財政の一覧性の見地から厳格に制限すべきである。こうした指摘がありまして、この三十一の特別会計、現在に連なる特別会計の見直しが図られてきたわけであります。

 直近におきましても、臨調のさまざまな繰り返しの答申の中でも、これは昭和五十八年の臨調答申でも、予算編成時に国会審議等にて議論されることが少ない。つまり、わかりにくいから、まさにこの一番の迷宮化、これによって、本来ならば一般会計と同様に、これは並列されているわけですから、一般会計と並列しての議論が十分なされなければならないにもかかわらず、議論されることが少なかった。予算全体の仕組みを複雑にして、財政の一覧性が阻害される。この迷宮化効果ということも指摘をされています。

 さて、この五点につきまして、きょうは谷垣大臣、特別会計の改革に対しては、昨年も私は大臣から力強いその意思をお聞きいたしました。そして、さらなる特会改革に対しては政府の法案が提出されたわけでありますが、この五点について、この問題意識、課題意識について、大臣の方から御所見をいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 ここが変だよという形で五点にまとめていただいておりますが、確かに特別会計というものは、今三十一あるわけですが、余りたくさんあって、その間の透明性とかそういうものがなくて、財政全体の状況を見渡すのに非常に問題があるじゃないかという指摘は今までもございました。

 したがいまして、やはりこの一番最初の迷宮化効果というのをできるだけ打破していこうというのが今回の改革の一つのねらいでございます。それは全体を、三十一あるのを二分の一から三分の一に減らしていこうという中で、一番の迷宮化効果というのはかなり改革をすることができると思っております。

 それから、逆流防止機能、別の財布、二番目、三番目ございますが、これは、今後特会改革をやって、その中で財政再建に寄与していこうというようなことを考えておりまして、合計約二十兆程度の改革をしよう、そういう中で、別の財布となっていたり逆流はしないというようなことをできるだけ財政再建に役立てていこうというふうに考えているわけでございます。

 それから、離れですき焼きである、財政規律をきちっとしていくということも、数を少なくしていって、無駄なものは、もうやる必要のないものはやめていく、そうでないものは一般会計にあわせるなりあるいは独法化していくなり、そういう検討を進める中で、この離れですき焼きというようなことも抑えられていくのではないかと思っております。

 独法、公益法人に関しましても今後改革を進めていく、こういうことでございまして、五つのこの改革、私も基本的に、馬淵委員の整理、問題意識に共感をするものでございます。

 それで、今後、改革の道筋を確かなものとするために、特会の統廃合等を内容といたします特別会計整理合理化法案を平成十九年度を目途に国会に提出する、こういうことで鋭意作業を進めたいと思っております。

    〔委員長退席、山本(有)委員長代理着席〕

馬淵委員 今、谷垣大臣も同様の問題意識がおありだというお言葉をいただきました。

 しかしながら、与党の方では、これは政府ではなくて与党ということになるんでしょうか、与党の検討の中では、原則廃止が望ましいんだということをおっしゃっておられながらも、結果的にはそれが実現できなかった。もちろん、必要なものは必要とされるという中で、官僚組織とのさまざまなあつれきもあったことでしょう。しかし、やはり原則廃止が必要だということをおっしゃられながらも、結果的には二分の一から三分の一。そして、これも同僚議員の御指摘がありました、単に統合という形で寄せ集めただけではないのか、会計は一つになっても勘定がふえてしまえば一緒だ、こうしたことの指摘も繰り返しされておりました。

 私は、この特別会計の問題については、一つ明確にさせていかねばならないと思っているのは、特別会計そのものが悪かったわけではないということなんですね。会計の区分ということは、決してそのこと自体が悪かったわけではありません。

 家計において例えれば、それこそ、子供の教育あるいは子供の進学のために、家計の日常の生活の財布から別の財布にして、子供のためにこれはとっておくんだ、このお金は子供の養育費のために別建てにするんだ、学校に行くときには大きなお金がかかる、これは日常の生活の知恵ですよ。あるいは、いざというときのためにという、病気のため、あるいはさまざまな費用がかかることが予測される中で、生活者の知恵として、特別会計というのは、ごくごく当たり前に行われてきました。

 また、諸外国の例を見たとしても、アメリカにおける連邦資金でも、同様の、特別会計のような区分経理の処理というのはなされております。アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、それぞれにおいて、こうした特別会計的な処理というものはあります。

 しかしながら、それが一般会計を大きく上回るほど肥大をし、かつ複雑化してしまい、もはや、原則ゼロと唱えても、与党が、政府がそのことを目指しても実現できないほどになってしまっている。このことに大きなメスを入れねばならない、光を当てねばならないと私は思っております。

 さて、こうした総論の中で、今回、登記特別会計、これを一つ例にとって、こうした問題点の再確認をぜひこの委員会の中ではさせていただきたいというふうに思っております。

 登記特別会計、これを例に挙げさせていただきますが、これは我が党の同僚の高山議員が、法務委員会におきましても過去二回の質疑をさせていただいております。

 先ほど申し上げたように、第一次臨調以来、特会の見直しが図られる中で、どんどんと特会は減らされてきました。そして、最後につくられた特別会計が、昭和六十年に設置された登記特別会計であります。最も新しいと言われるものが、この登記特別会計であります。

 昭和六十年当時、本当かどうかは、これはわかりませんが、ある官僚の方から聞いたお話では、特別会計の設置が厳格に制限されるようになった中、昭和六十年に、特会というのが悲願だった、悲願の特会設置を果たしたということで、これは本当かうそかわかりません、ただ、やっと悲願の特会を法務省も持ったということで、それこそ、法務省の方々は三日三晩祝杯を上げたと。これはそれこそ逸話なのかざれごとなのかわかりませんが、そんなお話を伺った。

 さて、こうした登記特別会計でありますが、この登記特別会計の設置目的というのは、これは私がお話しした方がいいかもしれませんが、きょう法務大臣にお越しいただいておりますので、簡単で結構です、この設置目的というのを端的にお願いいたします。

杉浦国務大臣 お答えいたします。

 祝杯を上げたかどうかは存じませんが、設けた趣旨と申しますか目的は、コンピューター化を進めるということでございまして、実際、本格的にコンピューター化を始めましたのは平成元年からですが、昭和六十年に設置していただいたわけであります。

 つまり、登記手数料を上げていって、受益と負担の関係を明確にしようと。コンピューター化は膨大な投資を要します。登記事項証明書とか謄本とかいう手数料を徐々に上げております。当時三百五十円だったのが今は千円になっておりますが、その収入でコンピューター化の投資を進めようという、その受益と負担の関係を明確にした形で登記特別会計を設けさせていただいたというふうに承知しております。

 既に目的を達しまして、コンピューター化はほぼ終わりに近づきつつあります。平成二十二年度をもって登記特別会計を廃止するということで、既に政府内部でも合意いただいておりますし、私どももそれに異存はございません。

馬淵委員 今、設置目的と、そして結論までお答えいただきました。これはもう廃止するんだということで、一般会計化並びに廃止ということの方向性は確認しているということでありますが、一つ、登記特別会計を、ぜひこの委員会の中で皆さん方に、特会の問題点、先ほど私が御指摘をしたちょっと変だよというところのこの五点に照らし合わせる意味で取り上げさせていただきました。

 お手元には「登記特別会計の概要」という資料を、別刷りのもので、追加で、これも委員長のお許しをいただきましてお渡しさせていただいております。法務委員会でない方々、余り御存じない方々のために、私、簡単に御説明をさせていただきます。

 このように、登記所におきましては、いわゆる申請登記、登記の審査を行う、この図面の左側、登記の審査ということがなされる事務がございます。そして、登記所においてはもう一つ、登記の証明書の発行交付という事務がございます。これら二つの業務を行っている登記所において、かつて、昭和六十年、この法律が設置されるころに、ここにも「憂慮すべき状況」ということで書いてありますが、「登記事務処理の憂慮すべき状況」というのは、登記事件、さまざまなことが起きた。いわゆる登記の原本の抜き取りであったりあるいは偽造であったり、さまざまな事件が起きたことから、電子化、コンピューター化を進めようということになったということであります。

 昭和六十年にまずコンピューター化を進めるということになって、そして、そのコンピューター化を進める上においては、証明書の交付、かつては謄本、抄本と申しておりましたが、今は事項証明というふうに呼びます。この事項証明の交付については、登記情報管理事務として、事務業務の中でいうと右側、これについては、手数料をいただいた中でコンピューター化をするということでの受益と負担の関係を明確にしていこうということが特会の中で決められた。

 そして、もう一つ、審査業務。この審査業務については、登記所の中では分けられないから、一体不可分のものであるから、これについても登記特別会計の中に入れるけれども、一般会計、一般財源を繰り入れましょうね、こういうことを決められたわけであります。こうした中で、登記特別会計が今日まで続いているわけであります。

 さて、この登記特別会計を請け負っている法務局の定員、これは資料の二枚目、2をごらんください。資料二枚目をごらんいただきますと、平成十八年度の法務局の予算定員でありますが、一般会計定員と特別会計定員と二種類、予算書に出てまいります。これをごらんいただきますと、一般会計定員千六百四十四名に対して、特別会計定員、特会定員は九千七百五十七名と、約六倍になる。このように、実は、この特会というものが一般会計の定員とはまた別の会計定員を持つという仕組みになっています。

 省庁別の予算定員数がこの2にも載せてありますが、一般会計定員を特会定員が大きく上回る、そうした省庁もございます。

 かつては、これはちょっと古い数字ですが、平成十四年度であれば、総務省、二十八万人特会定員、これはもう竹中大臣よく御存じのように、これは郵政の公社の皆さん方だったわけであります。

 さらに、例えば文科省なんかでも、十四年度は十三万人の方が、これは突然十六年度はゼロになっている。これは大学校ですね、これが独法化されることによって特会定員から外れていくということになります。

 このように、定員数についても、特会定員という形で、いわゆる一般会計で見られなければならなかったはずなのに特会という形で定員数が定められる、こうした構造というのは、これはすべての省庁にまたがって共通した構造だったわけです。

 これについて、谷垣大臣、これは法務局の人員なわけでありますが、まさに先ほど私が申し上げたように、予算のみならず、定員数についてもこのような形で枠組みができる。迷宮化のみならず、別の財布、あるいは見えなくなるという部分ですね。こうした部分があるということでありますが、大臣、こうしたことが特会の大きな問題点、象徴的な数字だというふうにはお感じになられないでしょうか。いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 これは、それぞれ特会は事業がありますから、根本は、その事業が必要か、もう必要でなくなったかというところにあるんだろうというふうに思います。

 そこで、問題は、馬淵委員も言われましたけれども、一覧性がないねというところは確かに問題があるんだと思いますが、昨今は、この特会に、国会で審議でも大変力を入れていただいておりますので、かなり国会でいろいろなことを見ていただいておりますが、かつては、どちらかというと、比較的そのあたりが御議論が足らなかったという面は確かにあったと思います。

 ただ、それぞれの委員会で見ますと、それぞれの特会の事業というのはかなり議論をされていたこともございまして、全く密室化あるいは暗室の中にあったというわけでは必ずしもないだろうと思います。

馬淵委員 こうした、見えにくくなっていたという事実はあったということは、今、大臣のお答えをいただきました。

 そして、員数のみならず、今度は人件費においても同様の特会の割り振りというものが出てまいります。

 これは、資料の3をごらんいただきたいと思います。

 先ほど申し上げたように、登記特別会計の例で御説明をさせていただきますが、いわゆる登記審査事務と、そして登記の情報管理、これは証明書交付、これは同じ登記所の中で皆さん方が仕事をなされているわけであります。したがいまして、どの仕事がどの部分であるかというのが一体不可分の部分もあるということで、とりわけ人件費については、このように、この3の資料にありますように、特定財源、これは手数料の部分です、これで三割。そして、繰入財源、これは一般会計からの繰り入れでありますが七割。これらの人件費の案分というものを行われておりました。これは、高山議員の質問に対しても、そうした数値を出してきたということであります。

 そこでお尋ねしますが、この三対七、いわゆる事務量比率と呼ばれる数値でありますが、この三対七という事務量比率は、いつ決められ、どのように決められたものでしょうか。お答えをお願いいたします。

寺田政府参考人 これは、先ほど大臣から申し上げましたように、昭和六十年に特別会計ができました際に、この中のそれぞれの財源による負担をどうするかということを問題にいたしまして、それはやはり業務量の負担だろうということでございます。

 そこで、これは実情を説明いたしますとおわかりになりやすいと思いますが、例えば、証明書は四億件の申請が実はあるわけでございます。これに対して、実際の登記が申請される、新しい登記が申請される件数というのは一千何百万件から二千何百万件の間あるわけでございます。そういうことで、一件当たりの、事件の割合が違うものですから、どのぐらい時間がかかるかというようなことを当時いろいろ計算いたしまして、それで、総合的に、今の業務体制の中で一体どのぐらいの人が証明書の発行、謄抄本の発行に携わっているか、どのぐらいの人が審査に当たっているかということをおおよそ計算いたしましてこのような比率を決め、現在でも基本的にはこの比率に倣っているわけでございます。

馬淵委員 つまり、当時ですからこれは二十年前ですね、昭和六十年に、その事務量を見て案分比率を決めたということであります。そして、どのように定められたかというのはお答えいただけなかったわけでありますが、もう当時のことなのでわからないということを私は事務方の方からお聞きしております。

 さて、受益と負担の関係でこうした登記特別会計がつくられてきた。常にこの特会というものは、受益と負担の関係で区分経理が必要とされるものというのが特会設置の一つの要件になっております。その他、整理特会のような形で資金をいわゆる運用する特会等ございますが、三つの要件のうちの一つ、区分経理は、受益と負担の関係が明確であるから区分経理の必要性があるもの、まさにその特会なわけですね。

 そして、二十年間のコンピューター化ということで進めてこられた。しかし、この人件費の案分というのは三対七で当時のままなんです。もし本来的にこの受益と負担ということをしっかり考えるならば、これは当然ながらに、人件費の配分というものは見直されなければなりません。この特会という離れにおいて、いかにあいまいにそのことが置き去られてきたかという事実ではないでしょうか。

 私自身はメーカーにかつて勤めておりました。当然ながらコスト管理ということを行います。いわゆる原価計算と呼ばれるものです。原価計算は、それこそ人件費の案分、トヨタのような大企業であれば、現場におけるさまざまな作業分析まで行った上での原価が設定されます。

 もちろん、利益を求めるものではないということは理解はできます。しかし、受益と負担の関係を明確に区分経理する必要があるということで特会設置されているのであれば、二十年間この人件費の案分が置き去りにされているというのは、これは先ほど申し上げたように、離れでそのまま置き去りにされたということのあかしではないかと思いますが、法務大臣、いかがですか。

杉浦国務大臣 御質問の趣旨はわからないわけではありませんけれども、私は、これは特会にしなくてもやってよかったと思っているんです、当初から。つまり、コンピューター投資に必要な経費はこれだけかかる、この部分は手数料から賄いますということでやってもよかったと思うんですが、事業の進展が読めないからこういう特会の仕組みにしたんだと思うんです。

 それから、割合がどうかということなんですけれども、結局、こういう方法によって、一般会計で負担する部分が登記関係については減ったわけですね。ですから国全体の予算にとってはプラスになっているわけです。その分、コンピューター投資の部分と人件費の部分を手数料を上げることによって賄ったわけでございまして、まさに謄本をもらったりする人の負担でコンピューター化を進めて、しかも国の財政の一部も負担していただいたわけです。

 別に登記所は、法務局は離れですき焼きを食っているような状態どころか、今大変仕事が忙しくて、刑務所とやや似た意味で過剰、過重な労働にみんな身を挺しているという状況でございまして、私は、受益と負担の関係が割合明確になっているんじゃないか。むしろ、私ども法務担当者の感じでは、一般会計繰り入れ分も、これは登録免許税というのがあります、登録免許税の一部は法務省に還付されているんだというぐらいのつもりでおりまして、全体として財政にも寄与し、そして、必要なコンピューターに対する投資は、ではこの部分は手数料を上げさせていただいて、三年ごとに見直しをやっておりますが、捻出しようということで、割合適切に運用されてきた特別会計ではないかと私は思っております。

馬淵委員 大臣は、もう結論をお持ちですから、一般会計でやるべきだったんだという結論をお持ちですから、今そのようなお答えをいただいておりますが、私も同様でありまして、特別会計にする必要は全くなかったのではないかと思っております。

 その中で、この事務量比率三対七、案分の比率はそのままに置き去りにされている。私が御指摘を申し上げているのは、このような形で、受益と負担が明確になり、区分経理をする必要があるということでつくられてきた特会が、実はそこがあいまいになってしまっているということの象徴的な例としてこの登記特会を取り上げさせていただいているわけであります。大臣のお答えは高山議員の質問にも同様にありましたが、私は、このように、受益と負担と言いながらも、設置されて今日まで見過ごされてきたという現実がある。

 さらに、資料の4をごらんいただきたいと思います。

 この資料の4は、予算参考書の一部でございます。予算参考書の一部、入り切らないところはちょん切って載せておりますが、この中で、登記の審査事務に必要な経費、先ほど申し上げたように、登記の審査事務に関しては、これは一般会計の繰り入れです。一般会計の繰り入れは、登録免許税が財務省の方に一般会計で入っているけれども、本当は自分たちのものじゃないかというようなニュアンスがむしろあるんだというお話がありましたが、これはもう谷垣大臣とよく御意見を闘わせていただいたらいいかなと思います。

 この一般会計繰り入れで、一般会計の部分で見られなければならない部分について、しかし、これは、ここの中に、旅費と庁費、ちょうど一番下が庁費であります。そして、そのちょっと上に登記業務旅費、見えにくいですが、アンダーラインを引いております。これについては、一番右端を見ていただきますと、特定ということで、特定財源、これは手数料なんですね。特会のお金の中でも、その区分経理、まさに受益と負担の部分のお金であるという部分について、これをこの登記審査の事務の経費に充てています。金額は、これを見ていただきますと、旅費については小さいかもしれません、庁費、これは六億八千八百万の金額、旅費については六十二万ですか。

 このように、結局、特別会計というのは、繰り返し申し上げるけれども、どんなに所管の大臣、皆さん方が、何とかこうしたこと、今までやってきたことの整合性をとりながら問題点を変えていこうとされている努力はわかりますが、こうやって見れば明らかに、本来であれば区分経理の必要性と言っているにもかかわらず、庁費や旅費という目に対して特定財源が振り分けられているという現実があるんですね。これは、やはり理屈に合いません。

 そして、こうしたお金が流れている、先ほど申し上げたように、案分も二十年前に決めたあいまいなもののまま、庁費等々、見えにくいところにはお金が流れる。これは、すべての特会について私は同様の構造があるのではないかと思っています。

 そして、大臣は、法務局並びに法務職員は離れですき焼きどころではありませんと。おっしゃっている意味はよくわかります。私もすき焼きとまでは申しておりませんが、しかし、現実には見えなくなっている。迷宮化、この問題点の迷宮化というところには間違いなく陥っている、現実であります。

 資料の5をごらんいただきますと、今度は、これは剰余金であります。

 これは、平成十五年度と十六年度の剰余金でございますが、それぞれが百八十三億六千万円、二百十九億二千六百万円、剰余金が発生しています。そして、こうした剰余金は、一般会計に戻されることなく、翌年に繰り入れられます。こうしたお金が特会に残っていく。もちろん、こうしたお金も含めて、コンピューターの促進ということに使うんだということで剰余金として留保しているということであるかと思われますが、これも、この厳しい環境の中で、財政下で、先ほど申し上げた逆流防止機能が働いているという結果であります。

 この逆流防止機能、これも一般感覚からすれば極めて問題であるなとやはり思うわけでありますが、財務大臣、これは、登記特別会計を一つ例に挙げていますが、今申し上げた逆流防止という機能がやはりここにも働いてしまっているということではないかと思われますが、いかがでしょうか。

    〔山本(有)委員長代理退席、委員長着席〕

谷垣国務大臣 考え方として、一般会計では、決算上の剰余金というのは二分の一以上は国債償還に充てるということになっていますが、特会の場合は、先ほどから御議論のように、区分して経理をされている。その決算上の剰余金も、一般には、一般会計へと繰り入れするようなことはなくて、それぞれの特会の内部で翌年度の歳入に繰り入れられるか、または積立金として積み立てられていくというのが一般でございます。

 それで、特会の剰余金については、それぞれ特会のいろいろな事情がありますので、一律に議論するということは簡単でありませんけれども、ただ、特に使途が定まっていないような剰余金につきましては、これは、一般会計、特別会計として区別はされていますが、ともに国の会計であるということを考えますと、そして、現在の厳しい財政事情を考えますと、これは一般会計への繰り入れなどを行うことによりまして、国民負担の軽減につなげていくということが有意義なのではないかということで、今回の特会改革の中でも、財政健全化、特会見直しによる財政健全化ということを私どもも掲げているわけでございます。

 ここから先は法務大臣に御答弁いただいた方がいいのかもしれませんが、登記特会の制定の後、今日までのその登記特会の運用を見ますと、登記事件数の動向などによりまして、剰余金の増減というのは相当大幅でございます。それで、今、剰余金を一般会計に繰り入れていくということが可能な状況にあるというふうには思っておりません。

杉浦国務大臣 御指摘のとおり、登記特会では、平成十六年度末において約二百十九億円の剰余金を生じております。ただし、これは、郵政公社から登記手数料収入として実際に支払いが行われるのは二カ月おくれということでございます。ですから、ある意味で運転資金と申しますか、としてこれぐらい必要だろう、また、将来の支払い準備に充てるためということもございまして、多少増減はございますけれども、この程度の剰余金は会計を回していくのに必要だと。別にこれを流用して飲み食いをしているわけではございませんので、運転資金として必要であると私どもは考えております。

馬淵委員 私もそうは申しておりません。

 しかしながら、この逆流防止、やはりこうした形で、特会の機能として問題点として出てくるのではないかとは思います。

 さらに、この登記特別会計の中で、私は、今、予算の定員、あるいは一般財源からの経費の振り分けの問題、また剰余金の翌年度繰り越し、逆流防止機能についての指摘をさせていただきましたが、今度は、公益法人等へのお金の流れ、いわゆる離れの地下室化してしまわないかということについての御指摘もさせていただきたいというふうに思います。

 お手元の資料の6には、「民事法務協会への委託経費」というのがございます。これは、平成十六年度、十七年度、十八年度、三カ年分ございますが、民事法務協会、これも高山議員が法務委員会においては指摘をさせていただいておりますが、二百億を超える業務委託経費がございます。

 この民事法務協会、ここは登記特別会計からのこうした委託費が二百億を超えて流れているわけでありますが、お手元の資料の、少し見にくいんですが、後ろになりますが、10をごらんいただきたいと思います。

 これは、財務省の予算執行調査の「総括調査票」であります。この中では、この公益法人である民事法務協会との随意契約の中の、その調査の視点、並びに分析、改善の方向というものが示されております。

 この民事法務協会は、実にこの登記特会からの受託業務がその事業収入の九六・六%、ほとんどすべてがこの登記特別会計からの受託収入となっています。そして、こうした受託収入を受ける中で、ブックレス化移行業務という形で、これらはデータ入力会社にまた再度業務委託をしております。

 それは、一番左の「調査の視点」、ブックレス化移行業務を、その大部分をデータ入力会社に再委託ということでここに載っております。これは二百十一億円が協会に入り、そこからデータ入力会社に百七十六億円が流れる。三十五億円。しかし、これがすべて利益とは申しません。確認業務であるとか、あるいはそこの照合調査といったことが行われるということも十分理解をしております。

 この民事法務協会は、特会のさらに先にある公益法人として存在するわけでありますが、この民事法務協会の役員の皆さん方、これは7の資料をごらんください。報酬を得ている常勤の役員はお二人、このお二人とも法務省の天下りの方でいらっしゃいます。理事会長でいらっしゃる方が常勤で報酬を受けておられる。元検事正の方でいらっしゃいます。また、副会長、この方も常勤で報酬を受けておられる。この方は元民事行政部長でいらっしゃる。

 このように、民事法務協会には法務省からの天下りが行かれ、さらに、その事業収入の九六・六%が特会からの受託収入である。また、それら受託業務のうち大半を、八割以上をデータ入力会社に再委託する。これは、それぞれ御説明を私もいただいております。それを法務省でやろうとすれば大変なんだという御説明をいただいております。

 しかしながら、この民事法務協会には、さらに累積の剰余金が四十億円、この10の「総括調査票」の上をごらんください。「調査の視点」で、これは財務省でしっかり指摘しているんですね、四十億円の累積、一番上の1で、小さいですが線を引いています。特別事業積立金、繰越剰余金が計四十億円累積している、こういう状況が起きているわけですね。10のところですね。そして、そのデータ入力会社というものの一覧が9にございます。

 9の資料をごらんいただくと、これが全国の移行作業に係る入力会社の一覧。これ、ずらずらずらと、東京から横浜、さいたまと、ずっとこうあるわけですが、全国のこの民事法務協会から移行作業の業務の再受託をしている会社でありますが、こちらに八三%のその費用で再受託がされる。ここにも法務局のOBの方がずらずらずらと、一名ずつでありますが、きれいに天下っておられるわけですね。

 大変な仕事をされているというのは私はよく存じ上げております。私も先日は東京法務局に現地に視察に行ってまいりました。そして、その登記の審査の事務並びに校合と呼ばれる証明書の発行業務、もう大変なものです。とりわけ登記官の方々は、本当に熟練工のようなその手際のよさと素早さで、登記という国民の権利を守る、権利を保護する、その仕事をされている、大変な業務量だと思います。しかしながら、現実にこのように、特会からはもう見えないところでお金が流れ、あるいは天下りが起きている、これは現実じゃないですか。

 そして、10の資料にもう一度戻っていただきますと、「今後の改善点」。とりわけ四十億の剰余金があるんですよね。この四十億の剰余金がある中で、これはどうすべきかということについては、これは財務省の御指摘なんですが、「公益目的に充当することが適当。」というふうに書かれています。

 これは財務大臣、こういうお金というのは、そもそも国民の税金であるから、特別会計に流れ、さらに特別会計から公益法人に流れているお金、剰余させるべきではないんじゃないでしょうかね。それこそ繰り戻させるべきたぐいのお金ではないでしょうか。財務大臣、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 四十億累積しているという指摘をさせていただきましたけれども、ここはまさにその調査の結果指摘をしておりますように、剰余金は登記所の利用者に還元すべきものだろうというふうに私は思います。それで、公益目的に充当することということでございまして、登記所統合により廃止された登記所所在地における登記相談を司法書士等に委託する、そういう業務に充当せよ、こういうことでやったわけであります。

馬淵委員 大臣、公益目的に充当することが適当という御指摘はわかるんですが、これは、この10の次の資料をごらんいただきますと、「反映状況票」というのがあるんですね。反映内容として、公益目的に充当、それが何か、具体的なことがここにその反映状況ということで書かれていますよ。

 反映の内容としては、広報支援ということで、これは広報資料、登記相談Q&A、これを作成、頒布。これを私、法務局で探したんですが、なかったです。窓口サービス向上支援、窓口用の封筒の備えつけ。ありましたよ、封筒が。この封筒は財団法人民事法務協会が提供していますと。しかし、こうしたことが公益目的充当となるんでしょうか。

 私は、もし公益目的充当ということを言うのであれば、まさにこの剰余というお金は国民の税金なわけですから、無駄遣いをさせないという意味においては、こうしたことを、本来は、受益と負担の関係であれば、それこそ受益を受ける負担者の負担の軽減に振り向けるべきではないんでしょうか。法務大臣、いかがでしょうか。端的にお願いします。

杉浦国務大臣 財務省から執行調査を受けてそういう御指摘があったことは承知しております。

 この財団法人民事法務協会は相当長い歴史を持った協会でございまして、現在はこの移行作業をほとんど集中してやっておるわけですが、その四十億円の剰余金がどういう経緯で生まれたか、私は承知しておりません。

 ただ、委員や皆様方に御理解いただきたいのは、なぜこの財団法人民事法務協会にこの移行事務を委託したかということでございますが、今の法務局の職員で移行事務は到底できない、新しい事務であります。それで、ここに頼むことといたしまして、法務局のOB、登記官を中心とするOBを総動員いたしました。現在、約八百名の法務局OBが民事法務協会におりまして、この作業に従事いたしております。

 この移行作業というのは、登記所の書庫に入っております登記簿の原本から写しをつくりまして、登記簿調査、登記簿複写に始まりまして、コンピューターに移行すべき登記事項、これは現に効力を有する登記事項を抽出するわけであります。たくさん、もう抹消されているものもある、その中で現に効力を有する登記事項を抽出した上で登記簿データの入力を行う。この入力は、これはプロがいますから、そこに契約をして入れさせるわけですが、その入った入力データのチェックも行います。チェックを行って修正もさせます。移行確認、修正等の一連の工程を経て、最後に、登記所の権限を有する登記官がデータ内容を確認した上で磁気ディスクに格納することにより完了するわけでございます。

 このOBたち、私も東京法務局を初め何カ所も見ておりますが、相当御高齢の方もおります。退職間際の人がおります。この方々は、今まで登記事務に従事しておったわけでありまして、登記制度に対する専門的知識を持っております。業務をよく知っております。この仕事の性質上、安全性及び守秘が強く求められます。ですから、これらの作業を登記所の職員がみずから行うことができない状況、新しい仕事ですから、このような公益法人である民事法務協会に託して実施することが現実には相当であると思います。

 給料も安くなっております。これで、コンピューター化が終了いたしますと人員を縮小いたしますが、皆さん定年で終わった方ですので、そのまま御退職願えるということに相なるわけであります。

馬淵委員 私もそれは事務方の方から説明を受けております。

 もちろん、全く必要のない、根拠もないところではなかなかできないでしょう。そうしたことはすべて、今御説明いただくようなその理由なり事由の説明は、当然されることが前提で私はお聞きをしているわけですよ。それでも、公益目的の充当で封筒をつくるだのパンフレットを置けだの、そんなことで使ってしまえというのが、本当に、この財政の厳しい中で特別会計を改革するんだという、小泉総理のあの思いを受けた特会改革なんでしょうか。

 この登記特別会計、これを一つの例として、今、この委員会の皆さん方、法務の専門でない方も専門の方もどちらもいらっしゃるかもしれませんが、私は、わかりやすい特会の例としてお伝えをさせていただいたわけであります。

 このように、結果的には、民事法務協会、もちろんその設立の経緯もおありでしょう、しかし、今申し上げたように、内部留保、それはもうちゃんと残っているんだったら公益目的で使いなさいという指示を出されるということは、つまり内部留保が正しくない、適切ではないというお考えの指摘ではないですか。これが、私が指摘をさせていただいた「ここが変だよ」の、まさに「はなれの地下室」をつくるということになるんですよ。

 だから、私が申し上げたいのは、今回のこの行革特の中で特別会計の改革というものに本気で取り組むならば、一つ一つに対して徹底的な精査をした上で具体の形を出すべきじゃなかったのかということを申し上げたい。冒頭の主意書や、あるいは今回、委員長や皆様の御協力をいただいた、御配慮いただいた資料要求にしても、あいまいもことしたままでの議論は本来の議論に資さないということを、私は重ねて申し上げたいわけです。

 そしてもう一つ、今私は全容を、登記特会を例に挙げてお伝えをさせていただいたわけでありますが、さらに法務省の登記特会に絡んで、やはりこれはこういうことになるんだなと私が思わざるを得ない一つの事象についても、残りの時間を使って質疑をさせていただきたいと思っています。

 この登記特会は、先ほどの大臣の御説明にありましたように、いわゆる登記事務のコンピューター化がスタートだったんです。そして、コンピューター化を進めましょうねということで、二十年前にスタートした。同僚議員の高山議員は、二十年かけてまだできないのかという指摘をしていました。いや大変なんですという大臣の御答弁もありました。

 私も、そのことは現場を見てよく理解をできます。申請の受け付けを行って、そしてそこから調査を行い、さらには記入を行い、そして校合ですね、調査、校合、記入、そして最終の登記完了という仕組みの中で、膨大な作業をやっておられる。これらを一つ一つ電子化していくというのは大変です。

 さて、この登記特会がコンピューター化からスタートしたけれども、どんどんどんどん実は増殖をしていないか、あるいは、不要不急の業務にまで踏み込んでしまうという契機になっていないかということの御指摘をさせていただきたいというふうに思います。

 お手元の配付資料の12をごらんください。これは、「登記・地図情報システム等の展開計画(イメージ)」という、これはパレット図というんですか、簡単な図でありますが、これを見ていただきますと、登記情報システム、登記事務のコンピュータ化、これがまさに、不動産登記の移行作業ということで、登記特会の設立の目的だったんですね。しかし、そこに登記申請のオンライン化なり、新たな次期システムの開発等々が加わっていく。

 さて、これは何をお聞きしようとしたかといいますと、二〇〇一年にe―Japan、IT戦略というものが大きく打ち立てられた、それによって、単に登記業務をコンピューター化するだけじゃなく、国の業務を電子化していこうという大きな流れが出たわけです。これについてどういう具体の指示があったかということを、きょうはIT担当大臣にお越しいただいていますので、そこを端的にお答えいただけますでしょうか。

伊吹委員長 松田国務大臣、端的に答弁をしてください。

松田国務大臣 お答え申し上げます。

 今委員お話しになっておられます登記を初めとした行政手続のオンライン化につきましては、平成十三年一月にIT戦略本部が決定いたしましたe―Japan戦略におきまして、「二〇〇三年までに、国が提供する実質的にすべての行政手続きをインターネット経由で可能とする。」ことと位置づけておりまして、これに基づきまして、登記など各手続を所管いたします各府省におきましてオンライン化に取り組んでまいりました結果、国が扱います申請、届け出等手続、約一万四千種類ございますが、その約九六%は既にオンラインによる手続が可能となっているところでございます。

 しかしながら、実際のオンライン利用につきましてはまだ進んでいないのが現状でございまして、このため、本年一月に、IT戦略本部で新たにIT新改革戦略というものを決定させていただきまして、オンライン利用率の飛躍的な拡大というものを最重要課題の一つとして位置づけまして、二〇一〇年度までにオンライン利用率五〇%以上と、これは全体の話でございますけれども、高い目標を掲げて、今、その実現に向かって取り組み始めたところでございます。

馬淵委員 松田大臣、ありがとうございます。

 そうですね。このe―Japan戦略に基づいて、すべての行政手続をインターネット経由で可能とする、これからこのオンラインという一つの大きな施策が動き出したわけであります。そして、このオンラインという形で達成五〇%を目指す、これは、先ほどおっしゃった本年一月十九日、IT戦略本部の決定の中で掲げられた目標であるということであります。

 つまり、登記特会ができた、コンピューター化が進んでいる中で、このようなe―Japan戦略がそこに重なってくるわけですね。すると、では、コンピューター化をしているけれども、オンラインも進めましょうという話になってきます。私はそのことは否定いたしません。これからますます電子化を進めて、そしてオンライン化も図るべきであります。

 しかし、今行われているオンライン業務の中で、私は極めて問題があるなと思うことが一つございます。

 お手元資料の13をごらんください。「オンライン登記申請システムの概要」というのがございます。これは、この特会の中で進められたコンピューター化に乗せて、e―Japan戦略で、オンライン化、インターネット経由ですべての行政手続を済ませるようにしようという方針にのっとって進んできたそのシステムの概要図なんです。

 どういうことかといいますと、かつての登記あるいは申請というのは、登記所に行って紙で申請をして、そこで登記官の受け付けを受けて受付印をいただいて、二週間後にとりに行く。その間に登記が行われるわけです。登記官がそれを調査し、校合と呼ばれる作業の中で最終登記をされます。これをオンラインにてやろうということに、このe―Japan戦略に乗っかって進んでいくわけです。

 さて、オンライン申請、まず現行のその利用率でありますが、この図面の中でいいますと、今申し上げたように、申請人がインターネットを介してこのオンライン申請システムにつながります。そして、そこで申請を受けて、さまざまな作業が法務省の登記所の中で行われます。そのデータは、右上にあるバックアップセンターで集中処理して、バックアップデータとして残ります。

 一方で、こうしたオンラインの申請が全国にある登記所の中でそれぞれ管轄の、例えば不動産であれば管轄の地域があります、その管轄については、登記所にオンラインシステム化を進めていってそれが順次でき上がったところはオンラインで申請ができますよ、こういう状況であります。

 さて、このオンライン登記システム、現行では、全国五百数十カ所ある登記所の中で百十五ですか、直近ではそういった数字だったと思いますが、間違っていたら御訂正いただいたらいいと思うんですが、百十五カ所、既にオンライン指定庁になっています。

 その中でオンライン申請はどれほどされているかということで、14の資料をごらんください。ちょっと見にくいんですが、これを見ていただきますと、申請手続、いわゆる不動産登記の例なんですが、これは法務省の行動計画の一部ですが、不動産の登記の申請手続。上から四つ目ぐらいの列でしょうか、利用率、現行、平成十七年の十二月末で〇・〇三%なんですね。これが現行のオンラインの利用率です、登記申請の利用率。

 さて、二枚めくっていただいて15、こちらは不動産登記の証明書の交付の手続です。利用率、15の上から同じようなところに目標利用率等々で書いてありますが、ここでは平成十七年度一〇・八七%、一割を超えているんですね。これは多いですよ。

 私も、法務局に行って登記官ともお話を伺って見ていたら、なるほどなと思いました。この証明書の発行というのは、オンラインで申請をすれば、証明書の発行というのはオンラインで、それが事務手続として紙に打ち出された全部事項証明というものが出てくる。そして、これは郵送で送っていただけるわけですね。しかも、その手数料は、千円というその発行手数料の中に郵便代も含めてですから、ある意味、自分が時間をかけて登記所まで行って証明書をもらってというその時間コストと、さらに郵便代、六十円か何かかかりますよ。これらのコスト代を含めて千円でおさまるということですから、これはインセンティブ働きます。皆さん方が利用がどんどんどんどん上がっていくのはよくわかるんですが、この登記申請、これは〇・〇三%なんですね。

 さて、何でこんなことが起きるかなと思うわけですが、私は法務局へ行ってびっくりしました。オンラインで申請がなされるけれども、それは受け付け番号が出ます。受け付け番号が出て、いわゆる権利の登記ですから、この場合、対抗要件として順位というのが非常に重要な要素になってくる。オンライン申請のインセンティブは何ですかとお聞きをすると、順位がオンラインで来た方が先になるでしょうとおっしゃる。

 それだけではなかなかインセンティブ働かないんじゃないかなと思って、では、オンラインで、それこそ流れ作業のように登記が進むんですかと見ていくと、先ほど申し上げたように、熟練の登記官が本当に間違いがないかというのを全部チェックする。受け付け、調査、校合、記入、そして完了、この作業の中では登記官が、本当にベテランの方が、一日百件が限界かどうかわかりませんが、もうそれぐらいでもぱんぱんですとおっしゃっていました。その作業をされている。つまり、ここは人手の作業なんですよ。人手の作業でオンライン申請する。

 そして、最も重要なポイントがこれなんですね。この14の資料を見ていただくと、添付書類というところがあります。添付書類、これは何かといいますと、登記申請のときにはさまざまな書類がついてくるんですね。これについて、オンラインで申請できるけれども、添付書類については、スキャナーで読み取って、それをPDF化して送ってくれということでここに書いてあります。右の四角の二重丸、二つ目、「スキャナ読み取り形式が有効であることを周知する」、つまり、スキャナーで読み取ってPDFファイルをつけて送ればオーケーですよという話です。

 そして、添付書類は省略できないというふうにしています。スキャナー読み取りのファイルはオーケーだけれども省略はだめですよとしているんです。それがこの下の四角囲みの二重丸、棒線を引いているところです。ここには、当該制度には当然に正確性が強く求められる、したがって、正確性を担保するために、要求されている添付書面の省略を認めることはできないと書いてある。

 つまり、スキャナー等でPDFのファイルをつくれない人はどうするか。司法書士さんたちですよ。どうされるか。添付書類は郵送するんです。郵送して、そして登記官の手元に届いたら、やっとそれで登記の申請の審査に入る。これはオンラインじゃないじゃないですか。これは郵便申請じゃないですか。しかも、この郵便申請の状況で、だから、これを何とかしようということで今一生懸命法務省はやっておられるわけですね。しかも、例えば証明書の発行であれば、それこそどなたでもとれるわけです。ところが、登記というのは、これは権利の保護ですから、あるいは抵当権の抹消等、権利の削除であったり権利の移動ですから、これについては本人確認というのが非常に重要です。不動産取引をされたことがあれば皆さん御存じだと思いますが、権利証というのが出てきます。これは登記済み証、いわゆる権利証です。そこに実印と印鑑証明を添付して不動産登記というのを行います。

 オンライン申請の場合はどうするか。ここでは、そのような有体物、登記書というのはもうつくりません、使いません、こういうふうにおっしゃるわけですね。それで、ではどうするんですかと聞くと、十二けたの番号の登記識別情報というもので情報を持ってもらって、これを権利証がわりに使っていただきます、こういうことだったんです。

 それで、私は最初、いや、それは危ないな、十二けたの英数番号ですから、そんな番号をだれかに盗み見られたら危ない、大丈夫かなとお聞きをすると、いや、それは大丈夫ですと。いや、実印と印鑑証明があるという方が確実じゃないですかとお尋ねをすると、いや、大丈夫、それはちゃんと電子署名なり電子認証がそこにくっついていないとだめなんですよ、電子認証方式もそこにあわせてなんです、こうおっしゃいました。

 さて、この電子認証方式、公的個人認証制度の電子認証、電子署名のこの仕組みについては、一体何をお使いになるんでしょうか。法務大臣、お答えいただけませんか。

寺田政府参考人 これは、個人の分となりますと、基本的には、住民基本台帳に基づく住基ネットに基づく認証でございます。

馬淵委員 きょうは竹中大臣にもお越しいただいております。

 今政府参考人のお言葉にありました、公的個人認証制度、これで電子署名といえば今おっしゃった住民基本台帳に基づくというお話でありまして、いわゆるネットワークシステムであります住基ネットと呼ばれるこの番号でありますが、総務大臣、この住基ネット、現状の普及というのはどんなものなんでしょうか。

竹中国務大臣 住民基本台帳カードを交付するわけでございますけれども、そのカードの交付開始から二年を経過した昨年八月現在の交付枚数で見ますと約六十八万枚。これは、住民基本台帳人口は全部で一億二千六百万以上いるわけでございますけれども、その比率で見ますと〇・五四%にとどまっているところでございます。全国的には残念ながら普及が進んでいない。条例による多目的利用に取り組んでいる一部の市町村では相当程度普及しているところはございますが、全国的には今申し上げたような低い数字になっております。

馬淵委員 これは、今大臣に数字をお答えいただくという、大変恐縮でございますが、〇・五四%という普及率である。もちろん、この普及については地方自治体の裁量というものが大きく働くということで、大臣が使えと言っても使えるものではないということも、これも当然私も承知している。〇・五四%の普及率なわけですよ。そして、このオンラインシステム、登記申請システムというのは今利用率〇・〇三%。

 登記識別情報のそのリスク管理というか本人確認は住基ネットなんですよ。住基ネットのカードなんですよ。これをお持ちでないとオンライン申請できないということじゃないんでしょうか。法務大臣、いかがでしょうか。

杉浦国務大臣 当然そういうことになります。

馬淵委員 このオンラインの申請業務、申請の仕組み、システムは、住基ネットの普及が前提ありきなんですよね。この住基ネットの普及前提ありきでなければ、これは利用が促進できないということじゃないんでしょうか。大臣、どうでしょうか。

伊吹委員長 現状とこれからの方針をはっきりと述べてください。

杉浦国務大臣 先生、非常に詳しくおっしゃっていただきまして、問題点を御指摘いただいている、そのとおりでございますが、利用率が低いという御指摘につきましては、私としてももう現段階では否定しようもないことでございまして、利用率を上げていくことは今後積極的に取り組むべき重要な課題であると認識しております。e―Japan全体の目標もございますので、早急に利用率アップに取り組もうと思っております。

 現時点での利用率が低い原因といたしましては、オンライン申請が可能な登記所が限定されていることも一つございます。しかし、先生御指摘のとおり、オンライン申請に不可欠である公的個人認証サービスが十分に普及していないこと、ここは大きな理由であります。税及び手数料の電子的な納入方法が十分に普及していないこともございます。それから、官公署等が発行する証明書の電子化が、そこに一覧表、先生にございますが、これも進んでいないことなどが考えられるところでございます。

 今後、関係省庁とも協力いたしまして、登記申請の代理をすることを業とする資格者でございます司法書士、土地家屋調査士の団体にも御相談をして、利用促進のためさまざまな工夫を重ねることにより、オンライン利用促進の具体的な成果を上げてまいりたいと考えておるところでございます。

馬淵委員 住基ネットの番号利用というものが進まないと個人的には登記ができないわけですよね。この登記識別情報と電子認証はセットのものですから、この普及が広まらないとオンライン申請というのはできない、これは事実なんです。

 そして、私が申し上げたいのは、特別会計によってコンピューター化を図るという中で、オンラインという新たな戦略が乗っかってくる。すると、こうした流れの中で、とにかく電子化だ、コンピューター化だという流れの中で、本来の環境整備が整わない段階でも、とりあえずもうシステム化だということで突き進んでしまう、そういったことを誘引してしまうという大きな事例じゃないかと私は思っているんですよ。

 この業務の中で電子化を進める、コンピューター化の流れの中で電子化を進めるという、そのことを私は決して否定はしません。しかし、そぐうものかどうか、あるいは全体のトータルの環境の中で今着手すべきかどうかというのは、これは重要な判断になるはずなんです。一般の企業やあるいは民間のレベルでいっても、当然ながらに電子化をすべき点と、電子化が難しいと思われるところについては、それは一方でコスト高になるから十分に検討して、そこに対しては後回しにする。電子化を行うことによって極めて効率的な行政事務ができることについて中心に集中的な投資を行う、これは当たり前の行動だと思うんです。

 今行われているのは、実際にはオンライン申請は郵便でしかできない状況になってしまう。PDFファイル、それはもう皆さんが全部使えばいいかもしれませんが、現実としては〇・〇三%。PDFファイルを送る方よりも、圧倒的に登記所に行って御自身でやられるか郵送でする。ならば、このシステム化というものは、本来ならば環境が整ってからということでも十分だったんではないか。

 コンピューター化するという登記特別会計、その延長線上にこのように何でもシステム化ということで、さらに私が申し上げたいのは、行政改革をこの特別委員会の中で議論をしていく中で、特会という制度を見直そうということでありますが、先ほど来申し上げた、特会の中に見えないものがいっぱいあるというが、実はこのようなことも誘引してしまうという、そうしたことを私は問題として意識をしなければならないということを申し上げています。

 そして、このように利用率が上がらない原因は住基ネットにあるんだということが明らかである以上、それをどう変えていくか、どのように対応するかということが喫緊である。それも十分ではない状況の中で多大な投資が行われ、オンラインと呼びながらも郵便において申請が行われる。極めて複雑で非効率な政府の構築じゃないんでしょうか。法務大臣、お答えください。

杉浦国務大臣 住基ネットは私の所管ではございませんので、所管大臣からお答えいただきたいと思いますが、その部分について、法務省の関係で申し上げると、一つあるんですね。出入国管理の点でも住基ネットの拡充は不可欠だと。

 ことしの初め、韓国へ参りまして、韓国の入管を視察した際に、韓国の住民基本台帳には写真まで貼付されているんですね。ですから、出るときにパスポートと住基ネットと結びつけますから、偽造パスポートはもうほとんど国内では無理だというふうになっておるようでございます。

 私は、所管は違いますが、住民基本台帳ネットワークの構築は大変必要なことだと思っております。

伊吹委員長 総務大臣、今後の考えをはっきり述べてください。

竹中国務大臣 先ほど、住民基本台帳のカードが普及していない、それと申請手続のオンライン化の関係について御言及がございました。私どもは、そこはいわば鶏と卵の関係にあると。双方やはり関連しておりますので、双方が努力をしなければいけないというふうに認識をしております。

 住基ネットカードについて申し上げますと、なぜなかなか普及しないかということの一つの要因として、多機能化を図らなければいけないということであろうかと思います。

 その多目的の利用について、今百一団体が取り組んでおりますが、一つの例として、例えば、北海道の夕張郡長沼町というところでは、これはいろいろな温泉などの健康ポイントサービスに活用している。そして、富山県南砺市では図書館カード等々を活用している。そういうところでは、実は普及率は、先ほど全国平均〇・五四%と申し上げましたが、今の二つの自治体は三割、既に普及をしております。だから、そういう形での普及、多機能化するということとやはり重なっていくんだと思っております。

 そうした観点から、政府全体としては、オンライン利用率を二〇一〇年度までに五〇%以上とすることを目標として設定しまして、登記を初めとした年間申請件数の多い手続の具体的改善方法を定めた行動計画を策定したところでございます。これは政府全体、松田大臣を中心にそういうことを、計画をやっておりますので、まさに鶏と卵の関係で、双方を積極的にやはり活用していきたいというふうに思っております。

馬淵委員 私が申し上げているのは、だから早く住基ネットを拡充せよという話じゃありません。

 私が申し上げているのは、本当に簡素で効率的な政府の構築を図ろうとするならば、このようなシステムの構築の段階においても十分な環境整備ということを前提とすべきではなかったのか。そのような観点なしに、とにかく物事が、この特会と同様なんですよ、すべてがこのように見えない形あるいは複雑化される形で物事が進められる。本当の意味でのコストセーブ、簡素で効率ということを訴えられているならば、こうしたことに対する十分な意識を持ってシステム化なりを進めなければならないという点を私は御指摘させていただいているわけであります。

 この特会を含め、こうした行政改革は非常に重要な問題であります。しかし、改革、効率化ということを余りにも前提にしてしまうと、それこそ選択と集中の投資すべき分野あるいは最も簡素にすべきところというものを見誤ってしまうのではないかということの御指摘ということで、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

伊吹委員長 これにて馬淵君の質疑は終了いたしました。

 この際、市村浩一郎君の残余の時間の質疑を許します。市村君。

市村委員 ありがとうございます。引き続き、公益法人改革についての議論をさせていただきたいと存じます。

 この時間は法務大臣にも来ていただきましたので、昨日もやらせていただきましたが、民法三十四条改正について、三十三条二項の条文について、改めて議論をさせていただきたいと思います。

 昨日もこの場で申し上げましたように、この三十三条二項に法人の設立についての規定が書かれておりますが、その例示として挙げられているものが、非営利の世界においては公益法人があり、そして一方の営利の世界においては営利事業を営むことを目的とする法人が書かれている。これは大変アンバランスであるということを御指摘申し上げ、ぜひとも御検討いただきたいということを申し上げましたが、法務大臣、いかがでしょうか。また改めて御見解をお聞きしたいと思います。

杉浦国務大臣 委員から御指摘のような御提案をいただきましたが、きのうの答弁でも申し上げましたとおり、理論上、法人の類型を、営利事業を営むことを目的とする法人と、非営利事業を営むことを目的とする法人とに分類するという考え方については、私も、きのうも申し上げましたが、全く否定するつもりはございません。

 しかし、この問題は、法人の設立、組織、運営及び管理といった事項は法律で定めなければならないという原則を、法律の条文でどのように規定するのが妥当かという問題でございます。民法は私法の基本法でございますので、国民一般にわかりやすい条文表現を採用する必要がございます。

 このような観点から検討いたしますと、法人にはさまざまなものがあり、そのすべての法人に民法第三十三条第二項の規律の適用があることをあらわすためには、国民一般にとって最も身近と考えられる株式会社等の営利事業を営むことを目的とする法人とともに、従来、民法において規定が設けられていて、また学校法人や宗教法人など社会において重要な地位を占めている公益を目的とする法人を法人の例示として掲げるのが最も適切であると考えております。

 これらのようなことから、これらを代表的な法人類型として掲げることとしたわけでございまして、重ねて申し上げますが、この条文の規定は、委員御指摘の考え方と矛盾したり、またこれを阻害するというものでは全くございません。

市村委員 今わかりやすいということをおっしゃっていただきましたけれども、昨日も申し上げたように、どっちにしてもわかりにくいと私は思います。

 それで、今、大きな社会の流れをつくろうとする中で、民法を変えようというせっかくのお気持ちがあるんですから、私はやはり本来あるべき姿に戻す方がいいというふうにきのうから申し上げているわけでありまして、どう考えても、営利事業を営むことを目的とする法人と公益法人、これが対になっているということ自体がおかしいんですから、それについてのお答えがないんですね。きのうからすれ違いの議論になっていると私は思います。

 法務大臣、ぜひとも、官僚がつくった作文を読まないで、法務大臣がこの私との議論を通じて心に感じたことを素直におっしゃっていただきたいと思うんです。心で感じた、この今の議論を通じたこと、素直におっしゃっていただきたいと思います。

杉浦国務大臣 文章を読んでいるのは、正確を期して読んでおりまして、心に思うことを素直に申し上げているわけでございます。

 今度の改革は、公益法人についての許可主義を廃止する、ここが根本であります。ですから、これを除いてそれぞれの法律で決めていただくということをするわけですから、この部分の表現、三十三条二項の表現は、従来の民法の規定と、わかりやすい表現でよろしいんじゃないかと。何も先生と角を突き合わせて、目に角を立てて議論しなきゃならない問題ではないんじゃないかと私は思っておるわけですが、いかがでございましょうか。

市村委員 であれば、私、きのうもちょっと申し上げたと思いますが、もう一度提言をいたします。

 では、この例示を残すのであれば、この例示を残しながら、学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益を目的とする法人を含む非営利事業を営むことを目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立というふうに、これを残しながら、非営利法人という、非営利事業を営む法人ということを入れることは十分可能だと思います。

 本当にそこまで、この公益という言葉を残したい、この例示を残したい、これまでなれ親しんだ、わかりやすい、そこまでおっしゃるんであれば、そういうふうにしたらどうかと私は提言申し上げますが、法務大臣、いかがでしょうか。

伊吹委員長 杉浦法務大臣、価値観と立法論の問題だと思いますから、その点を踏まえて。

杉浦国務大臣 まさに委員長がおっしゃったとおりの問題と思います。

 あくまでも今度の改革は、公益法人についての許可主義を廃止いたしまして、準拠主義で、国民各界各層の方々が財団法人等々おつくりいただいて自由にやっていただく、ただし、公益性については内閣で一元的に認定をして厳しくやっていくということにあるわけでございますので、従来の民法の規定、会社法の規定等からわかりやすい書きぶりにしたわけでございます。

 先生の御意見は、先生のずっと取り組んでおられた活動からにじみ出ているのはよく理解はできますけれども、決して衝突するものではない、全部取り込ませていただいているというふうに私どもは考えておるところでございます。

市村委員 ですから、今委員長がおっしゃっていただいた、いわゆる理念と立法論から私は申し上げているわけですね。理念がおかしい、立法論がおかしいというのであれば、そう御指摘いただきたい。私が今提言したような書きぶりでは法律として成り立たないというのであればそれを御指摘いただきたいし、理念についてはどうやら一緒ということでありますので、そこは安心しておりますが、私が先ほど申し上げた提案が、ちょっとその言い方は立法論として難しいというのであればそのようにおっしゃってほしいんですが、いかがでしょうか。

杉浦国務大臣 先生の御意見が立法論としておかしいことだとは一言も申し上げておりません。お考えは、その他の団体、営利法人という中に入っておるわけでございますから、生かされている。この表現、書きぶり、立法論としては書きぶりの中に取り込ませていただいているというふうに私どもは理解しております。

市村委員 いや、だから、どこに取り込んでいらっしゃると。私は、せっかく例示として残すならば、それはそれで別に構いません。私は削除をした方がすっきりすると思いますが、それよりも例示があった方がわかりやすいとおっしゃるのであれば、それはそれで了としますが、ただ、何回も申し上げますが、営利と公益は、これは対じゃありませんから、営利と非営利を対にした方がいいんじゃないですか、そのときに非営利の例示として公益を挙げればいいんじゃないですかということで申し上げております。

 それについてどう思うかということをお聞きしているわけですから、法務大臣として、そのことについて立法論的にもおかしくないと今おっしゃいましたので、では、理念も一致している、立法論的にもおかしくないのであれば、そのようにしたらどうかということに対して、イエスかノーかというか、いや、そんなの受け入れられないとおっしゃるのか、なるほどそれは検討の余地があるとおっしゃるのか、そういうことをおっしゃっていただきたいということでございます。

杉浦国務大臣 立法論といたしまして、民法から公益法人の組織、運営等についての部分は各法令に全部移るわけでございます。一般的規律について定めるわけでございますので、民法で今まで使われていた表現、それから商法、同じ民法体系の中にございますが、商法で使われている文言、先生がこだわっておられます非営利法人ですか非営利事業を営む法人という言葉は従来、民法典本体の中では使われておりませんので、中身としては、公益法人、その他の法人、中間法人その他でございましょうが、この改正に際して今のような表現にさせていただいたということでございます。

市村委員 済みません、官房長官は外交日程があるそうですので、官房長官、最後に、政府を代表する立場で、今のこの民法、私は民法というのは大変重要な法律だと思います。そこの書きぶりは、やはり今回はこれからの新しい日本をつくっていくためにそぐうような書きぶりにすべきだと。私、与党としてやはり責任を持ってここはきちっと書いていただきたいと思うわけでございますが、政府を代表して、官房長官、一言だけいただきまして、外交日程の方にどうぞ行ってください。

安倍国務大臣 ただいま委員と法務大臣のやりとりを拝聴しておりまして、委員が長年にわたりましてこの問題に取り組んでこられたその御見識には大変敬服をしている次第でありますし、委員の整理の仕方、あるいは委員がこうした方がいいという書きぶり、それはそれなりに一つの考え方で存在するだろう、こう思っておりますが、私どもとしてはこうした書きぶりにさせていただいた。

 要は、同じ方向を向いているわけでありますが、家の建築の仕方がちょっと違うということでありますが、住みやすい家をつくろうという概念においては同じではないか、方向性においては同じではないか。要は、今後、先生が御主張しておられるように、これからは公益法人、民をしっかりと生かしていくという方向で、またそれに官が過度にかかわっていくということではない、そういう社会をつくっていくべく、我々も運用においてもちゃんとやっていかなければいけない、こう考えているところでございます。

市村委員 今の話については、まさに家をつくる、どういう家を建てるかということではなくて、実は土台づくりなんです。だから私は、きちっとした土台をつくらないと、いい家を建てたって、結局もろとも崩れますよということを言っているわけでありまして、民法は土台だと思いますので、ぜひともまた、今御答弁は求めません、行かれるということでございますので、どうぞ行ってください。

 それで、法務大臣、最後、残りの時間ですけれども、ぜひとも、これはやはり僕は土台だと思います。民法というのは特に法律の土台だと思いまして、そこの書きぶりというのは大変重要でありまして、しかも、立法論的には問題ないとさっきおっしゃっていただいたんですから、では、なぜ私の提言について検討をしていただけないのか。

 もし立法論的に問題があるんなら、それはいいです。ところが、立法論的にも問題がないとおっしゃるんであれば、だって国会というのはまさにそういうところじゃないんでしょうか。だから、一言一句たりとも政府が出してきたのは変えないというのでは国会は要らないわけでありまして、国会というのは、結局そうやって議論を通して、ああなるほどなと思ったらそこは変えるというのが素直な考え方じゃないんでしょうか。

 いかがでしょうか、法務大臣。

杉浦国務大臣 何回も申し上げておりますが、先生がなぜこの新しい今度の民法の三十三条二項を御理解いただけないのか、ちょっとわからないわけでございます。先生のお考えと矛盾しているわけでもございませんし、概念としては取り入れられていると思うんですね。立法論として当然御理解いただけると思うんですが、いただけないとすると、ちょっとどう申し上げていいか、答弁に苦しむ次第でございます。

市村委員 いや、大臣、私もそう言われると質問に苦しむわけでありまして、どう質問したらいいのかよくわからなくなります。別に難しいことを言っているつもりは全くありません。だから、別にこのことを全くおかしいと言っているわけじゃありません。

 ただ、私はやはり、営利事業を営むことを目的とする法人に対しては、非営利事業を営むことを目的とする法人というのが素直に考えて対なんですから、そう書くべきじゃないですかと。そのときに、どうしても今までのなれ親しんだ「学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益を目的とする法人」という言葉、この言葉がどうしても、これまでなれ親しんだ人がいて、これだけ外してほしくないというんであれば、その人の気持ちにも立って、これも残しながら非営利事業を営む法人ということを書くこともできるじゃないですかということを申し上げているわけでありまして、だから、それも立法論的におかしくない、理念もおかしくないのであれば、それを、わかった、では一遍検討してみようかとおっしゃっていただくことは何かおかしいことなんでしょうか。

 大臣、いかがでしょうか。

杉浦国務大臣 きのうお話をお伺いして、法律の専門家が法務省におりますので、どうかねというようなことで話もいろいろし、私も考えてまいったんですが、先生に御理解いただけるはずだと思ってここに立っておりますが、御了解願えればありがたいと思います。

市村委員 いや、私が了解してそれで済むんなら国会は要らないわけでありまして、では、私が了解したらそれで済むんなら……(発言する者あり)それで済むんですか。それなら国会は要らないじゃないですか。我々は国民のためにこの日本をどうつくるかという議論をしているわけでありますから、私の了解は関係ないわけです。

 だから、まさに全国民の代表として今ここに参加していただいている委員の皆さんがこの議論をしながら、よっしゃ、いいものをつくっていこうという話でありますので、決して私が了解して済むものじゃないと思います。だから、私の了解よりも、杉浦さんはまさに法務大臣なわけでありますから、これは物すごい権限を持った方でありますから、私の一言はどうでもいいんですけれども、大臣の一言は大変重要であります。

 だから、やはり大臣が私のこの思いを、意見を聞いてどう思われるかということを政治家としてお尋ねしているし、私は、政治家から官僚の世界に入られた、官の世界にいらっしゃる法務大臣としての御見解をお聞きしたいということで申し上げているわけでありまして、法務大臣がよっしゃとこう言っていただいたら、また法務省の皆さんもやはり考えざるを得ないわけですね。だから、それをぜひとも御見解をいただきたいと申し上げているわけであります。(発言する者あり)

伊吹委員長 いやいや、政府参考人じゃなくて、委員長から申し上げますが、これは最後は国会が決めることです。ですから、皆さん、この御意見をよく聞かれて、双方の主張を聞かれて、最後は国民から負託を受けている議員一人一人が決めることですから、お互いに、立法のやり方その他について方法が若干違うと思います、自然科学ではありませんから絶対的な答えはありませんので、だから、法務大臣もよく市村君のお話に対して考えを述べ、また市村さんも法務大臣の考えをよく理解してやる、その場になれば、一番委員会はいいんじゃないかと思います。

 法務大臣、最後に答えてください。

杉浦国務大臣 一番当初申しましたように、先生のお考えを全く否定する気持ちはございません。私としては、この法律に書いてある法人を例示として掲げるのは最も適切だと思っておるんです。

 もう一つは、ある意味では、弁護士として法律の世界でずっとやってきておるわけなんですが、非営利事業を営むことを目的とする法人という言葉は、公益目的の財団法人とかそういう言葉に比べて、成熟度といいますか、意味はよくわかりますが、そういう意味からすると大改正で、民法は私法の基本法でございますから、そういうことからすると、民法が明治制定以来、当初から用いている言葉ですとか、会社法の規定も古いものでございますが、そういうものを例示として掲げた方が適切ではないかというふうに考えておる次第でございます。

市村委員 では、委員長にぜひとも私申し上げます。先ほど委員長がおっしゃっていただいたように、まさに国会が決めることだということでありますので、今この議論、理事会等々でまたぜひともこのことを御議論いただいて、やはりこの国のためになる表現に改善できれば改善していただきたいということをぜひともお願いいたします。

伊吹委員長 これも委員長が決めることではございません。国会議員一人一人が決めることでございますので、各委員は、このお話を十分よく聞かれて、理解されて、おのおのの一票を投じていただきたいと思います。

市村委員 どうもありがとうございました。これで質問を終わります。

伊吹委員長 これにて市村君の質疑は終了いたしました。

 この際、高山智司君の残余の質疑を許します。高山智司君。

高山委員 民主党の高山智司でございます。

 まず中馬大臣、午前中に引き続き伺いますけれども、今回の行政改革ということで、五%公務員を減らすという話が出ておりましたけれども、これは聖域なくやっていただけるんでしょうか、もう一度お願いいたします。

中馬国務大臣 対象を一々この法律で、これはいいとか悪いとかということではなくて、一つの第三者機関等も含めて、そこに御判断いただいて、減員するなら減員することの対象はそこで決めさせていただくことにいたしております。聖域は認めておりません。

高山委員 第三者機関で適切にということですけれども、これは、各省からおまえのところはどれぐらい減らせるんだとかこういうやりとりというのはしないで、第三者機関の方で見て、これはもう時代にそぐわないから切る、そういうような話なんでしょうか。それとも、各省でいろいろ協議してということなんでしょうか。

中馬国務大臣 これは一律に五%というシーリングをかけたわけでも何でもございません。それぞれの時代の要請、あるいはまた、もう時代が、役割が終わったからこの部分は要らないじゃないかといったことも含めて、それはそれぞれ各省において仕分けをして、一応目標としましては、全体としての五%は規定されているわけでございますから、それに向かって、この部分はどうしてもふやさざるを得ない、しかしこの部分はこれだけ減らしてみせますよといったことを自主的に各省庁から出していただいて、そしてその適否も含めて、第三者機関といいますか有識者会議がこれを判断していただく、このようになっております。

高山委員 中馬大臣、そうしますと、自主的にとりあえずは出てきますね。その中で、いや、うちのところはもうとにかく大事な所管をやっていますから一人たりとも削れません、こういうようなことが来た場合に、大臣は担当大臣ですけれども、どうされるんですか。

中馬国務大臣 私が判断するんじゃありません。

 先ほどから申しましたように、有識者会議の方々が今こうして、まず第一次的には、各省庁から出てきた、それにつきまして、いろいろ条件がついているものもございましょうし、余り大きな数字が出てきていないところもあることも事実でございます。しかし、それを、またヒアリングを重ねながら六月までに一つの数字を出していただくことになっておりまして、私が判断するのではございません。

高山委員 中馬大臣、でも担当大臣ですよね。判断はされないのかもしれないけれども、何かイニシアチブをとるですとか、例えば、第三者機関とは別に、その担当、ほかの大臣のところに、いや、あなたのところもここを何%減らしてくれと、予算の復活折衝じゃないですけれども、そういうようなことはやられないんですか。

中馬国務大臣 そういう必要性が、また両者が一度トップ同士で話し合おうじゃないかといったことになるケースもあるかと思います。そういったものも一、二ございました。そういったところは大臣折衝で決めることもあり得ます。

高山委員 では、次に、法務大臣に伺います。

 法務大臣は非常にお忙しく、一日フルに働かれておりますけれども、どうも最近、行刑施設からの情報漏れですとか、あるいは不祥事が結構相次いでいますよね。何かちょっとたるんでいるんじゃないか。あるいは、試験勉強のためと称して、行刑施設から個人情報を出すほど、随分仕事に余裕がある部分もあるんだなというふうにお見受けします。

 法務大臣に伺いますけれども、今回、法務省の方では、この行革の聖域ない削減に対して、どういう態度で、どういう返答をされているんでしょうか。

杉浦国務大臣 お答え申し上げます。

 法務省としては、小泉内閣の方針でございます、簡素で効率的な政府を実現し、財政の健全化を図るという方向に沿って、既に、行刑施設の総務系業務の一部などについて八百四十九ポスト分の民間委託を行っておりますし、また、今度新しく建設する構造改革特区制度を活用した刑務所、山口県の美祢と島根県の旭に二カ所建設いたしますが、PFI事業で取り組み、ここでは業務の約半分を民間委託するというふうにする予定でございます。

 こうした民間を活用する取り組みは、人的体制の充実を図る必要が続いている刑務所等におきましては、刑務官等の純減にはつながらないものの、その増員数を抑制するものとして行政改革の推進に大きく寄与してきたものと考えております。法務省としても、今後、できる限り改革の推進に協力してまいる所存でございます。

高山委員 ちょっと、今の法務大臣のお話ですと、随分改革をしているということだったんですけれども、要するにそれで何人減るんですか。

杉浦国務大臣 今年度予算における民間委託は、行刑施設の総務系業務の一部などについて八百四十九ポスト分の民間委託を行っておりますが、法務省全体としては三けた、ちょっと今数字が出てこないんですが、刑務所の刑務官等で純増、検察官、入管職員等で三けたの純増という結果になっております。

高山委員 では、法務大臣にずばり聞きますけれども、その五%削減、これは達成できそうですか、法務省は。

杉浦国務大臣 現在、内閣官房行政改革推進事務局に、平成十九年度以降四年間で、総務系の事務、自動車運転、庁舎警備などの非権力的業務を中心に民間委託を四百八十七ポスト拡大可能であるとの試算を行いまして、提出いたしております。

 今後とも、引き続きこうした民間委託の拡充等に取り組む所存でございますが、先生御案内のとおり、一方、刑務所等におきましては、受刑者の増加に伴う過剰収容対策、一一六%という過剰収容状態でございますために施設の新増設を行っております。本年度予算でも、昨年の補正予算でも、両方合わせまして五百億円を超える予算を計上いたしまして、増設を各地で行っております。

 施設の新増設に伴い、刑務官の増員が不可欠となります。民間委託の推進によりまして人的体制の充実を図っておりますけれども、このような状況のもとでは、直ちに刑務官等の定員を純減することは治安の悪化を招きかねず、現実問題として困難であると考えております。

 何%減が可能か、最終的に増がどれぐらい必要かは、今後、行政改革推進事務局とよく御相談しながら最終的に決めていくことになると思いますが、現時点でははっきりとした数字は出ておりませんが、恐らく純減は不可能だというふうに私どもは考えております。

高山委員 法務大臣、そうしますと、行革事務局の方で、いや、法務省はこうだと言ってきたら、それは従いますね。

杉浦国務大臣 これからの折衝になるわけでございますが、今度提出させていただいた法案におきましても、お読みいただければわかりますが、刑務所等の刑務官らが行う公権力の行使に当たる業務は民間にゆだねる方策の検討対象から除くと括弧書きで明記されております。この部分は、今どんどん刑務所の施設を増設しておりますので、相当程度の人員増の要因になりますので、協議はいたしますが、純減というのは恐らく不可能、かなりの増員になるんじゃないかというふうに思っております。これは治安維持のために必要なことだと私どもは考えております。

高山委員 中馬大臣、先ほど聖域なくやるんだというようなことでしたけれども、この括弧書きというのはどういうことなんですか。ここは何か聖域になるんでしょうか。その括弧書きで、行刑施設等は除くということで、こういう例外をこれからもつくっていくということなんでしょうか。ちょっとその辺を伺いたいんです。

中馬国務大臣 いや、除くということは言っておりません。前にも申しましたけれども、行刑施設といいましても、庶務とか会計とか自動車運転、差し入れ窓口受付、こうした非権力的な業務につきましては、従来からも民間委託が進んでいることもございます。これを一段と進めてほしいということ。

 一方で、行刑施設の定員、今、犯罪者といいましょうか、受刑者がふえておりまして、これが本当に必要だということは私どももよく存じております。そして現実問題として、平成十五年度百二人、十六年度二百五十九人、十七年度二百六十七人、十八年度二百六十七人、ずっと純増してきているんですね。これをこのまま永久にふやしていくということは、やはりこれからもう少し別の、不法入国をとめるとか、いろいろと犯罪者を減らしていく、そのことも大事でございますから、逆にそれがどんどん減ってきたら、今度は行刑施設の人間だけ余ってしまうということにもなりかねないわけですから、こうした全体的な枠組みの中で、こうしたことをもう一段と進めていただくと同時に、少なくとも増員は抑制していただきたい、減員とまで言わなくても増員は抑制していただきたい。しかし、そのほかには、法務省全体として、やはり五%というのは、閣議決定もしたわけでございますから、それを守っていただきたい。これが今後の折衝の一つの過程のことだと思います。

高山委員 そうすると、刑務官に関しては今回の削減目標の中でも例外なんだ、こういうことですか。

中馬国務大臣 今言いましたが、例外は認めないんです。これからもどんどん折衝していく。そして、今お話しの、法務省は現在の立場ではそういうことで有識者会議の方々と一つの折衝をされていることも事実でございます。しかし、それで有識者会議の方々が、これで仕方がないなということ、今後のことを考えても、犯罪者は減らないんだなといったようなことも含めて、これで固定しようということになるのならば、そのかわりほかの部分も減らしていただくということが、きっとそのことの別の折衝が始まると思います。そして、法務省全体として五%は純減をしていただけるものと私は確信をいたしております。

高山委員 中馬大臣、二月十四日の記者会見がありましたね。イギリスにも行かれたということで、この中で中馬大臣は、イギリスの刑務所に行きましたけれどもということで、看守すらピストルを持っていなくて民間人でやっているわけですというようなことをおっしゃっております。

 それを踏まえて伺いますけれども、これはいわゆる看守、すなわち刑務官のことだと思うんですけれども、民間人でもできる、こういうお考えですか。

中馬国務大臣 今回、重要方針等でも行刑施設がちゃんと一つの対象に入っておりますのは、そうした外国の事例も含めて、これはイギリスだけではありません、アメリカでもやっております、そうした、すべて刑務官でなければいけないといったような固定した観念ではなくて、十分に検討可能だということで、ここに有識者会議の方々の御提言で入ったわけでございまして、そして、それを今進めてもらっているわけでございます。そういう意味におきましても、これは聖域なく、一つ対象にしていっている次第でございます。

高山委員 ちょっともう一回同じ質問なんですけれども、そうしますと、有識者会議の方に担当大臣である中馬大臣の方から指示した方向というのは、刑務官もこれは民営化できるよ、こういう指示を出されたということでしょうか。

中馬国務大臣 私が指示を出したというのじゃなくて、有識者会議の方々が、外国の事例も含めて、これは十分に可能だという判断のもとに、法務省の方にこれも検討しなさいという御指示があったものと認識いたしております。

高山委員 さっきのと何となくちょっとニュアンスが変わってきたんですけれども、中馬大臣も記者会見の中では、イギリスの刑務所の例を引かれて、看守だって民間人がやっているよというようなお話をみずから出されています。中馬大臣の考えをまず伺いたいんですけれども、これは、刑務官の仕事は民間人でもできる、こういうことでしょうか。

中馬国務大臣 私は、事例を見た限りにおいてはできると思っております。

高山委員 杉浦法務大臣に伺いますけれども、やはりこれは、どうも刑務官の方も民営化して大丈夫そうですね。どうですか、法務省の方でもそれを検討されているんでしょうか。

杉浦国務大臣 中馬大臣がごらんになったイギリスの刑務所はちょっと特別の刑務所のようでございまして、私も行っておりませんけれども、そういう外国の事例、いろいろございます。そういうところから学びまして、今度、美祢と旭、山口県と島根県ですが、そこのかなり大きい刑務所でPFI方式でやる、ただし、民間委託部分はほぼ半分。公権力の行使、例えば働いている受刑者に懲罰を加えたり強制力を行使して働かせたりという公権力の行使の部分については、それは民間の委託はできないというのが私どもの考えでございます。

 今度の法案の中で、括弧書きで除くとされておることは、十分話し合った上でのことですけれども、刑務所等の刑務官等の行う公権力の行使に当たる業務は民間にゆだねる方策の検討対象から除くということが明記されたわけですけれども……(高山委員「さっき言っていることとちょっと違うんじゃないの」と呼ぶ)法律に明記されております。法律をよくお読みいただければと思いますが、それは民間にゆだねる対象から除くわけであり、そのほかの部分はどんどん検討してゆだねていく。法務局の合理化もありますし、法務省全体としては最大限の努力をいたしますけれども、公権力行使の部分については民間委託の対象から除かざるを得ないというのが私どもの考えでございます。

高山委員 中馬大臣、ちょっと今話が違うんですけれども、刑務官を民営化できるんだというのが中馬大臣のお考えですよね。もう一回確認させてください。

中馬国務大臣 刑務官という身分的なことで、どれを刑務官としているかによって違うと思いますね。法務省が言っておられる刑務官というのは、今ほとんど刑務所に勤務の方々は、先ほど言いましたような事務の方を除きまして、かなりすべてが刑務官的な称号がついております。

 それと、本当に受刑者を、危険を冒してでも暴力犯の方に丸腰で当たっていいのかどうかという、そうしたまた一般的な意味での心配もありましょう。しかし、イギリスでは、そういった方も一般の方がやっていることはこれまた事実でございますが、ともかくその方については、やはりそういうことで公権力の行使がどうしても必要だというところには、そこは一応外さざるを得ないでしょうなという書きっぷりはあるかと思います。

高山委員 そうすると、一応そういう書きっぷりもあるということですけれども、担当大臣ですから、ちょっとその辺きちんとしていただかないと、これは国民の方もかなりわかりにくいことになると思うんです。何だ、腰砕けじゃないかというふうに思われますよ。これは行革と言っているけれども、随分例外もあるんだなというふうに今思われたんじゃないですか。ですから、ちょっともう一回、ちゃんと答弁していただきたいんです。

伊吹委員長 中馬国務大臣、国会へ提出している法案に従って答えてください。持ち時間が限られていますから。

中馬国務大臣 公権力の行使に当たるもの、これを除くということは、一つの、この法文の中にも、そうした法務省の方の実情等を踏まえてここに書いていることは事実でございます。

高山委員 そこで、中馬大臣にもう一回伺いたいんです。今御答弁の中でも、イギリスなんかでは刑務官は民営化している、しかも暴力的な事犯の方に当たるような人も民営化しているんだということを先ほどおっしゃいましたけれども、中馬大臣のお考えとして伺いたいんですけれども、刑務官の仕事は全般的に民営化できるというふうにお考えですか。

中馬国務大臣 それぞれの国のいきさつや制度等もございましょう。ですから、刑務官とここで一概にいいましても、公権力の行使といいましても、これまたその範囲が違ってくると思います、解釈も違ってくるんじゃないかと思います。

 前の委員にも御答弁申しましたように、例えば、駐車違反を摘発するいわゆる切符切りという業務自身も、一時代前までは、私がこれは民営化したらいいじゃないかと言っても、どうしてもこれは公権力の行使だということでだめだったのですが……(発言する者あり)いや、ですけれども、これすら現在ではそのように変わったわけですから、これにつきましても、もちろんそうした公権力の行使という範囲も、解釈によって、時代によって変わってくるものと思っています。

高山委員 それでは、法案提出時の公権力の行使の範囲をちょっと教えてください。

伊吹委員長 中馬国務大臣、法案に書いてあることの解釈を正確に述べてください。

中馬国務大臣 先ほども申しましたが、行刑施設では、庶務、会計、自動車運転、差し入れ窓口受付など非権力的な業務について民間委託が進められてまいりましたし、今後もそれをさらに一層進めていただきたいという意味でございます。

高山委員 中馬大臣、差し入れの窓口とか自動車の運転が公権力の行使だとは私も思っていません。今ちょうど争いになっているところは、今、刑務官の仕事の話をしているのです。刑務官の仕事の中で、何が公権力の範囲で、公権力の範囲じゃないのがあるのですか。私は刑務官の仕事は全部公権力の範囲だと思いますけれども、いかがですか。

伊吹委員長 中馬国務大臣、提出した法案に書いてある、そこのところを正確になぞってください。

中馬国務大臣 先ほども申しましたように、刑務官という名前、これは身分でついておるわけでございますから、その方がどういう仕事をしているかとは別でございまして……(高山委員「車の運転はしていないですよ」と呼ぶ)これを刑務官とは言っておりません。そうした仕事も刑務施設の中にはあるわけでございますから、そういったことを進めていただきたい。それをさらに一層進めることと同時に、刑務官という身分的な方でも、本当に危険にさらされて、決して一般人では無理だというところは別ですよという意味で、ここに、この法律に書かれているわけでございます。

高山委員 済みません、ちょっと私がなかなか理解不足もあると思いますので、日本の話で結構でございますので、刑務官という身分の方の仕事と公権力の行使の関係をちょっと説明してください。

杉浦国務大臣 行刑施設におきましては、被収容者の収容及び処遇に関する事務をつかさどっておるわけでございますが、その内容としては、収容の目的を達成するために被収容者に対して処分等を行う権力性の強い事務から、給食、洗濯、清掃などの非権力的な事務まで、幅広い事務を行っております。

 これらの事務のうち、非権力的な事務につきましては、契約により民間委託することは可能であり、また、被収容者に対する処分等に当たる事務の準備行為または執行として行われる事実行為については、構造改革特区法に規定する監獄法の特例措置を講ずることにより、特区区域に限り民間委託を行うことが可能であります。先ほど申し上げました山口県の美祢とか島根県の旭はそれでございます。

 これに対しまして、被収容者の身体、財産を直接侵害する実力行使や、被収容者に対して直接に義務を課し、または権利を制限する処分等を伴う事務については、行刑施設の長または刑務官以外の者がこれらの事務を処理することはできないと考えます。そのため、これらの事務を含めて包括的に民間に委託するいわゆる民営化は、行刑施設についてはなじまないものと考えます。

 法務省といたしましては、今後とも引き続き、委託可能な事務について、構造改革特区制度も活用しつつ、民間委託の拡充等に取り組むことにより、人的体制の充実強化を図りながら増員数を抑制し、総人件費改革に寄与してまいりたいと考えておる次第でございます。

高山委員 中馬大臣に伺います。

 私、また質問は戻りますけれども、要するに、刑務官の中でも、イギリスなんかのものを見てきたら、いわゆる看守業務をやっている人なんかも民営化されている、そういうのが行革としては望ましいんだ、こういうお考えですよね、大臣は。先ほどそういうことをおっしゃっていたじゃないですか。

中馬国務大臣 外国ではそこまでもできているということを言ったので、それが望ましいかどうか、また日本の実情に合うかどうかということと話は別だと思います。

高山委員 それでは、大臣にお考えを伺いたいんですけれども、大臣自身は、行革、行革、とにかくいろいろなところの削減をしなきゃいけないということで、いろいろ考えられていると思うんですけれども、この刑務官に関してはまだまだ民営化できる部分があるなと、そこは法務省と見解が一致しているんでしょうか、どうでしょうか。

中馬国務大臣 何度も申し上げましたように、聖域なきにはすべての分野を対象にしておりますが、重点項目として有識者会議の方々が幾つかの点を挙げていらっしゃいます。その中の一つにこれが挙げられたことは事実でございますが、私は私なりの一つの感覚は持っていますが、これを決めたのも、また刑務官まで及ぶか及ばないかといったことも含めて、これは、今言いました有識者会議の方々が省庁との折衝の上で最終判断をされることだと思っています。

高山委員 そうしますと、ちょっとくどいようですけれども、その有識者会議の判断と、中馬大臣の意見と、あとは提出されているこの法案、この関係をちょっと伺いたいんです。ここの公権力の行使、これは、中馬大臣の考えているお話を伺いますと、公権力行使とここに書いてある部分の一部も民営化できるというふうに考えているんじゃないんですか。中馬大臣、いかがですか。

中馬国務大臣 有識者会議の方々が最終的には、その折衝の結果、判断を下されるわけですね。私も、日本の場合に、刑務官の内容が、どういう仕事をしているかまで私がつかんで、ここで申し上げているわけじゃございません、外国ではこういった例もありますよという御紹介はしておりますけれども。

 そして、その結果として、一つの結論が出てまいりましょう。それはやはりどうしてもおかしいじゃないかということを有識者会議の方々がおっしゃって、そして私が法務省との間に折衝する場面があるかもしれませんけれども、そうではなくて、それはそれとして認めた、そのかわり法務省としてはこのほかの分野のところをもう少し努力いただいて、全体としては五%の目標、これは閣議決定もいたしております、これを達成していただけるものだ、そのような手はずも含めて私はこう申し上げている次第でございます。

高山委員 ちょっと今のわかりにくかったんですけれども、そうすると、出されているその公権力の行使の範囲というのは、有識者会議などの意見を踏まえて決まるものであるんですか。これは一律に何か決まっているものじゃないんですか、中馬大臣。

伊吹委員長 高山君、もう一度お願いします。

高山委員 もう一回言いますね。

 今のお話ですと、中馬大臣のお話をもう一回整理しますと、そうすると、公権力の範囲というのは有識者会議の方の話を踏まえて決められるものなんですか。私は、公権力の範囲というのは法律の解釈でばちっと決まるものだと思うんですけれども。

中馬国務大臣 そう私は思いません。先ほどから言いましたように、刑務官の中の話ですよ、その中で本当に公権力を行使しなければいけないものなのか。刑務官という名前がついているけれども、そういう立場での仕事ではないところに従事の方、それは分けて考えられるんじゃないか。あえて申し上げましたらそういうことでございまして、それのことも含めて、私は内部に入っていってそのことの調査をしているわけじゃありません、それを実際にやっていただきますのは有識者会議のメンバーの方々でございまして、そうしたその方々の判断にまちたいと思います。

高山委員 そうすると、中馬大臣、随分これは骨抜きになっちゃう可能性はないですか。結構大事なところじゃないですか。五%、目標を立てて、例外も認めない。ただし、公権力の行使は除くと、この法案の中で一つ例外は認められた。これも随分後退した印象を国民の皆さんは持っていると思いますけれども、さらにその中をどうなのかなと見ていこうとしたら、それもちょっと有識者会議でと。

 では、例えば有識者会議で、これも公権力の行使だなと、先ほど中馬大臣がおっしゃったとおりに、昔は自動車の駐車違反をとるのも公権力の行使だと言われた時代があったんだと、またどんどんそうやって広がっていっちゃったら、これはどうなるんですか。

 ですから、大臣の、大臣はこうなんだという方針をちょっと出していただけませんか。有識者会議、有識者会議って、そんな担当大臣なんですから、大臣としてはおれはこういうふうに考えているんだという、明確な公権力の行使の定義を言ってください。

中馬国務大臣 公権力の行使の、これとこれの業務が公権力だとか、この業務は違うんだといった、私はそういう知識も認識も持っておりません。今回そのことを判断していただきますのは先ほど言いました有識者会議の方々で、それも、ここで決めたらぽっとあしたからなるんじゃなくて、五年間かけてこのことを達成していただきたいということでございますから、これだけ厳密に委員がおっしゃることもないんじゃないかと私は思っております。

高山委員 では、ちょっと急ぎ法務大臣に伺いますけれども、そうしますと、公権力の行使の範囲というか、公権力をやる職員の範囲ですね。これは有識者会議の方が決めたら法務省としてもそれに従う、こういうことでよろしいですか。

杉浦国務大臣 先ほど申し上げましたように、公権力の行使の色彩の強い部分、被収容者の身体、財産を直接侵害する実力行使や、被収容者に対して直接に義務を課し、または権利を制限する処分等を伴う事務については、これは民営化にはなじまないものだというふうに思っておりますので、有識者会議初め行政改革推進事務局によく御説明をして、御理解をいただくように全力を尽くす考えでございます。(高山委員「決められたらどうかということを聞いているんですよ」と呼ぶ)決められることはないと思っております。実情を御理解いただければ、できるものではありません。

 それ以外の総務的な仕事、いろいろございましたが、それについては、自動車運転、総務系の事務、庁舎警備などの非権力的業務、あるいは給食、洗濯、清掃、これは実は囚人がやっているんですが、給食センターとか洗濯工場は刑務所の中にあるんですね。構造上の問題がありまして、あれは外へ出せば民営化もできるんですが、現実、中にありますから模範囚にやらせておるわけですが、そういうことも含めまして、ともかく、そういうものは民間委託可能でございますから、極力努力をして民間委託を行っていく。

 また、法務局ですとか入管も大変なんです、これも大変なんです。治安を担当する部局、本当に大変これから厳しい状況にあるわけですが、しかし、そういう中にあっても効率化には努めまして、増員が必要になるところにも増員を抑制するという努力は尽くしてまいる、そういうことでございます。

高山委員 今、法務大臣と行革担当大臣、ちょっと何かやはりグレーゾーンがあるなと、これは国民の皆さんも思ったと思うんですよ。ですから、私は、これはまた両大臣がいるところでちょっと質問させていただかないとなかなからちが明かないなと思いますので、続きをやらせていただくとしまして、きょう、お忙しい中、外務大臣にお越しいただいておりますので、最後、一問だけ外務大臣に伺いたいと思います。

 先ほど、遺書、あれが証拠だという話になりました。それで、遺書なんかもごらんになったということですけれども、今、外務省でこの殉職された館員の方の遺書をどのように管理しているんですか。

麻生国務大臣 管理しているかというのは、その遺書の原文がどこで管理されているか、そういう意味ですか。大臣官房です。

高山委員 もう時間が参りましたので、きょうの質疑は終わります。

伊吹委員長 これにて高山君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明六日木曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時五十二分散会


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