衆議院

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第2号 平成25年4月15日(月曜日)

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平成二十五年四月十五日(月曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 岩屋  毅君

      石川 昭政君    衛藤征士郎君

      大塚  拓君    勝沼 栄明君

      島田 佳和君    白石  徹君

      東郷 哲也君    中谷 真一君

      船田  元君    堀内 詔子君

      宮崎 政久君    宮本 岳志君

   兼務 黄川田 徹君 兼務 辻元 清美君

   兼務 山井 和則君 兼務 渡辺  周君

   兼務 中丸  啓君 兼務 西村 眞悟君

   兼務 丸山 穂高君 兼務 宮沢 隆仁君

   兼務 樋口 尚也君 兼務 古屋 範子君

   兼務 青柳陽一郎君 兼務 椎名  毅君

    …………………………………

   防衛大臣         小野寺五典君

   国務大臣

   (復興大臣)       根本  匠君

   国務大臣

   (拉致問題担当)

   (国土強靭化担当)

   (防災担当)       古屋 圭司君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            森 まさこ君

   国務大臣

   (経済再生担当)     甘利  明君

   国務大臣

   (クールジャパン戦略担当)            稲田 朋美君

   内閣官房副長官      加藤 勝信君

   総務副大臣

   兼内閣府副大臣      坂本 哲志君

   環境副大臣

   兼内閣府副大臣      井上 信治君

   防衛大臣政務官      左藤  章君

   衆議院事務総長      鬼塚  誠君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  能化 正樹君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 青木 信之君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 佐々木克樹君

   政府参考人

   (内閣府原子力災害対策担当室副室長)

   (原子力規制庁原子力地域安全総括官)       黒木 慶英君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    高橋 清孝君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     松田 敏明君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 南  俊行君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    深山 卓也君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 正木  靖君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 山田 滝雄君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    上村  司君

   政府参考人

   (文化庁文化部長)    川端 和明君

   政府参考人

   (文化庁文化財部長)   石野 利和君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           西藤 公司君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           神田 裕二君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     照井 恵光君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中山 泰則君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           渡邊  宏君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中山  亨君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局通商機構部長)       宗像 直子君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    富田 健介君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     日原 洋文君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局次長)        塚本 和男君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局次長) 田端  浩君

   政府参考人

   (国土交通省航空局安全部長)           高橋 和弘君

   政府参考人

   (海上保安庁次長)    桝野 竜二君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   梶原 成元君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  山本 哲也君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  徳地 秀士君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  三村  亨君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  山内 正和君

   内閣委員会専門員     雨宮 由卓君

   安全保障委員会専門員   湯澤  勉君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

   衆議院調査局第三特別調査室長           石川 晴雄君

   衆議院調査局東日本大震災復興特別調査室長     宮部  光君

    ―――――――――――――

分科員の異動

四月十五日

 辞任         補欠選任

  衛藤征士郎君     石川 昭政君

  船田  元君     長坂 康正君

  宮本 岳志君     佐々木憲昭君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     勝沼 栄明君

  長坂 康正君     中谷 真一君

  佐々木憲昭君     高橋千鶴子君

同日

 辞任         補欠選任

  勝沼 栄明君     東郷 哲也君

  中谷 真一君     宮崎 政久君

  高橋千鶴子君     笠井  亮君

同日

 辞任         補欠選任

  東郷 哲也君     白石  徹君

  宮崎 政久君     武藤 貴也君

  笠井  亮君     塩川 鉄也君

同日

 辞任         補欠選任

  白石  徹君     堀内 詔子君

  武藤 貴也君     中川 俊直君

  塩川 鉄也君     佐々木憲昭君

同日

 辞任         補欠選任

  中川 俊直君     島田 佳和君

  堀内 詔子君     衛藤征士郎君

  佐々木憲昭君     穀田 恵二君

同日

 辞任         補欠選任

  島田 佳和君     小田原 潔君

  穀田 恵二君     宮本 岳志君

同日

 辞任         補欠選任

  小田原 潔君     船田  元君

同日

 第二分科員黄川田徹君、山井和則君、青柳陽一郎君、第三分科員渡辺周君、第四分科員古屋範子君、第五分科員西村眞悟君、第六分科員樋口尚也君、第七分科員丸山穂高君、第八分科員辻元清美君、中丸啓君、宮沢隆仁君及び椎名毅君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十五年度一般会計予算

 平成二十五年度特別会計予算

 平成二十五年度政府関係機関予算

 〔皇室費、国会、内閣、内閣府(内閣府本府、消費者庁)、復興庁及び防衛省所管〕


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     ――――◇―――――

岩屋主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。

 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算及び平成二十五年度政府関係機関予算中復興庁所管について審査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川昭政君。

石川(昭)分科員 おはようございます。自由民主党の衆議院議員石川昭政と申します。

 本日は、予算委員会の第一分科会で、国会議員として初めての質問の機会をいただきまして、心から感謝を申し上げます。

 まず冒頭、先日発生いたしました震度六弱の兵庫県淡路島を震源とする地震で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 このように、今まさに国難と言われるときでありますけれども、国会議員として籍を置いている私たちは、与野党問わず、国民の願いであります経済再生あるいは復興というテーマに真摯に取り組む責務があるというふうに考えているところでございます。

 安倍内閣の使命でありますデフレ経済からの脱却、そして東日本大震災からの復興、それが最大の使命であると総理はおっしゃっておるところでございます。私は、安倍総理の政治姿勢あるいは国家観、歴史観、こういったものを大いに評価し、支持している一人でありますけれども、根本匠復興大臣、そして井上信治環境副大臣におかれましては、この内閣の方針に従いまして真摯に取り組んでおられるということは私も重々承知をしておりますし、大いに期待をしております。したがいまして、本日の政府としての答弁をどうぞよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。

 さて、本日、私からは、東日本大震災からの復興ということをテーマの中心にいたしまして、政府の取り組みについて質問をしたいと思います。

 まず、質問の前に、私は、茨城県北東部、福島県との県境にあります太平洋沿岸の茨城五区を選挙区としております。茨城県におきましても、二年前の大震災、そしてその余震、そしてあの大津波、今なお、福島原発事故によります放射能汚染で多くの方が苦しめられているということをまず冒頭申し上げまして、私からの質問に移りたいというふうに思います。

 昨年九月、つまり野田政権当時でありましたけれども、放射性廃棄物の最終処分場の候補地に、栃木県の矢板市、そして高萩市上君田の国有林をそれぞれ提示したところであります。これは解散・総選挙の直前でありましたので、前政権としては、急いでこの処分地の問題を片づけようということで決着を図ろうとしたところでありましたけれども、選挙直前ということで、瞬く間にこれは政治問題化して発展してしまいました。

 結果的には、自民党への政権交代によって、石原環境大臣の強いリーダーシップによりまして、選定過程の見直し、それから選定プロセスの見直しをしていただくことになりました。まず、その英断に心から感謝を申し上げたいというふうに思います。

 そして、去る四月十二日、茨城県で指定廃棄物処理促進市町村長会議を開催したところであるというふうに承知をしております。そこに井上環境副大臣がお越しになって、説明にいらっしゃったということでありましたけれども、その内容、そして、それに対します市町村長から出された意見というものをまず冒頭お伺いしたいというふうに思います。

井上副大臣 まずもって、石川議員には、茨城県内の指定廃棄物の処分の問題について、地元選出議員として大変な御尽力、また御協力をいただいておりますことに感謝を申し上げたいと思います。また、今ほど私ども新政権が発表して取り組んでおります新しい選定プロセスについても高い評価をいただきまして、感謝を申し上げます。

 この新しい選定プロセスにおきまして、前政権のときの取り組みの反省を踏まえて新しいやり方をしていこう、その中の最も大きなポイントの一つが、やはり地元との意思疎通をもっと十分に行っていくということであります。そのために、先般、十二日の日に、茨城県においても、知事さん、そして県内ほぼ全ての市町村長さんにお集まりをいただきまして、市町村長会議を開催させていただきました。

 会議の中身といたしましては、一部非常に強い反対の意見もあったことは事実であります。しかし、ほとんどは、前向きな御意見が多くありまして、ではどのようにして茨城県内の指定廃棄物の処理を進めていくかということ、大変有意義な御意見をいただいたと理解をしております。

 あわせまして、この十八日締め切りということで、県において市町村からそれぞれ追加の御意見や御質問も出していただくということになっておりますので、そういったことを踏まえながら、引き続き、国の責任でやっていきますけれども、市町村長さん、そして知事さんとの意思疎通を十分に図りながら、しっかり取り組んでいきたいと思っております。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 今まさに、環境副大臣おっしゃったとおり、これからがスタートであります、キックオフであります。市町村長は、住民の風評被害に対する懸念でありますとか子供の健康被害に対する懸念、こういった意見を強く背景にしょってその市町村長会議に出席をし、意見を述べられたというふうに思いますので、十分に市町村長との意見交換をしながら、強引に進めることも時にはあるかもしれませんけれども、この問題については、やはり合意形成を図りながら進めていっていただきたいというふうに思います。

 さらに、三月十六日でありましたけれども、この選定プロセス、選定手順につきまして、有識者会議が東京で開かれまして、さまざまな意見が出たようにお伺いしておりますけれども、これについて政府としてどのように受けとめていらっしゃるか、その点をちょっとお伺いしたいというふうに思います。

井上副大臣 この有識者会議でございますけれども、これも新しい選定プロセスの中での重要なポイントの一つといたしまして、やはり専門家の先生方から、技術的な、そして客観的な知見というものを出していただいて反映をさせていこうということで始めたものであります。

 第一回の有識者会議におきましては、まずは施設そのものの安全性、それから維持管理の運用の安全性、こういったことについて環境省の方から案を提示させていただいて、そして御了承いただいたところであります。

 二回目以降、四月の二十二日に第二回を予定しておりますが、ここにおきましては、市町村長会議、五県でやらせていただきますけれども、そこで出てきた意見などを踏まえた上で、今後の候補地の選定基準でありますとか選定項目、こういったことについても議論をしていただきたいというふうに考えております。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 先ほど井上副大臣がおっしゃられた選定プロセスを、有識者、専門家によって客観的に評価を受けて、それに基づいて市町村長との協議に臨む、あるいは、その選定プロセスをもって、有識者会議の中で、さまざまな選定の基準に基づき、茨城県ならこの土地であるというような形で候補地の指定がなされるのかどうか、このあたりの見通しについて、お考えをお伺いしたいというふうに思います。

井上副大臣 まずは、有識者会議におきましては、選定項目とか選定基準、これを確立していただこうというふうに思っております。

 その後、それに基づいて具体的な候補地の選定ということに入るんですが、他方で、例えば県内一カ所ということで今お願いをしておりますけれども、その一カ所まで有識者会議で絞り込んでいただくのか、あるいは県内複数箇所を提示していただいて、その後は環境省そして地元との話し合いの中で最終的に一カ所に絞り込んでいくか、そういう、どちらのやり方をやるかについてもあわせてこれから有識者会議の中で議論をしていただいて進めていこうというふうに考えております。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 法律では、最終的に処分地を一カ所にまとめるということで、国の方針もそのように固まっているということは承知をしているところでありますけれども、まず、処分地を一カ所に絞る、あるいは複数箇所にまとめるんだ、その辺の妥当性、分散化の可能性についてもぜひ御検討いただけないかなというふうに私自身は考えております。

 また、それに関連しまして、候補地に選定された場合、私が冒頭申し上げましたけれども、やはりその市町村では風評被害あるいは健康被害というものが懸念をされるわけでございます。これに対して、政府として、しっかりその市町村に対してバックアップ体制、交付金であるとかさまざまな政策支援があると思います。こういったものを御検討いただけないかというふうに考えておりますが、御見解をお伺いしたいと思います。

井上副大臣 まず、前段の御質問というか御意見に関しましては、私どもの方としては、これは、特措法そして基本方針に基づいて、ぜひ五県の県内で一カ所に集約して最終処分場をつくらせていただきたいというふうに考えております。

 後段部分に関しましては、風評被害ということ、まずは風評被害をいかに防止するか。そのためには、この施設の安全性というものを徹底的に確保して、きちんと私どもが説明をして、住民の方々の御理解をいただくということ、これが最も大切だというふうに思っております。

 しかし、その上で、風評被害ということが出てきてしまうのであれば、これはやはり、候補地を選定して、候補地が具体的になった段階で、恐らく風評被害の方も、具体的にどういった風評被害の発生が想定されるのか、あるいは地元の方々がそれに対してどういった対応をすることを要望されるのか、そういったことが出てくると思いますから、その段階でしっかり重く受けとめて対応したいと考えております。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 今の御答弁を伺いまして、今まさにキックオフ、スタートした段階でございますので、私も、与党の議員の一員として、地元の御意見を政府に伝えながら、不安を払拭できるような、そういう活動に取り組んでいきたいというふうに考えております。

 次に、福島原発の高濃度放射性汚染水の問題について移りたいと思います。

 まず、報道にもございましたけれども、貯水槽に関しまして、設計あるいは施工に対して問題があったのかなかったのか、このあたりを政府にお尋ねしたいというふうに思います。

糟谷政府参考人 汚染水が漏えいしておるということで、これは何らかの問題があったというふうに考えております。ただ、どこが問題であったのかということは、現在まだ調査中でございます。

石川(昭)分科員 現在調査中ということでありましたけれども、この漏えいした汚染水、これは地下に相当漏出しているように思うんですけれども、このあたりについてはいかがでしょうか。

糟谷政府参考人 貯水槽の周りにボーリングの穴を幾つも掘りまして、このあたりのデータを分析して、どれぐらい水が漏れ出している、広がっているのかどうか、このあたりをモニターしているところでございます。

石川(昭)分科員 これは簡単に考えれば、もともとあった水位から、ある程度、一定時間、水位が下がっていれば、そのレベルだけの水が漏出していたというふうに考えるのが自然であると考えます。

 これについては、いろいろ、汚染水の処理の問題、今タンクが大変困っているということが報道に上っておりますけれども、四百トンに上る地下水が毎日この原子炉建屋内に入り込んでいるということが、汚染水がふえ続けている原因だと言われておるところでございます。

 私が考えますに、これをまず遮断することに早急に取り組まなければ、これ以上もうタンクの置き場所がない、保管できなくなるのではないかというふうに思うんですが、この辺、急いでやるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

糟谷政府参考人 短期的には、まず貯水槽の水を地上にあります高性能タンクに移すということを急いで行うようにしております。

 他方で、中長期的に、毎日最大四百トン流れ込む地下水の処理、このあたりが大きな問題でございますので、このあたりの対策を早急に加速して見出すべく、現在、資源エネルギー庁それから東京電力一緒になって取り組んでいるところでございます。

石川(昭)分科員 今もふえ続けている汚染水の問題、それから地下水の問題、放射能を帯びた汚染水が今なお海に流れ出ているのではないかと疑いの目が向けられているところでございます。

 それはなぜかというと、三月、福島原発の専用港湾内から、五十一万から七十四万ベクレルのアイナメ、魚が捕獲されたと公表をされました。幾ら網を張っていても、小魚やプランクトンはその網を行き来するわけですから、それが海流に乗って湾外へ出ますと、それを食べた魚が汚染するということは容易に想像がつくというふうに思います。

 こうした問題に対して、政府は東電に対してどのような指示を現在出しているところでしょうか。

糟谷政府参考人 まず、汚染水の処理の対策について、抜本的な対策を早期に講じることが必要であると考えております。そのように指示をし、また、政府としても、必要な助言等に取り組んでいるところでございます。

 また、汚染水に伴う漁業上の被害につきましては、しっかりと賠償するように東京電力に対して指示をしてまいっております。

石川(昭)分科員 今政府参考人からお答えいただきましたけれども、福島原発から約七十キロ南に下りますと、茨城県の漁港がございます。先日、その漁師の皆さんが集まって苦しい現状を訴えたいということで、お話を伺ったところでございます。

 そこの主な産品というのはシラスでございまして、シラスを乾燥させたシラス干しというものが主力の特産品でございます。茨城県では、百ベクレルの半分、五十ベクレルを魚介類の放射性物質の規制値に設定しまして、消費者が安心して購入していただく努力を続けてきておるところでございます。最近では、多くの魚介類ではほぼ不検出となっておりますけれども、今なお市場では茨城産は買い取ってもらえないという状況が続いているというところでございます。

 そういう状況で、幾ら魚介類の放射性の数値が下がったとはいえ、実際に市場で買っていただけないという現状が続いている中で賠償が打ち切られるということは、私は断じて許せないというふうに思うんですが、これに対して政府の見解をお伺いしたいと思います。

糟谷政府参考人 御質問いただきましたのは、ことしの三月末に、東京電力が茨城県の沿海地区漁連に対しまして、海の表層から中層を主に遊泳している魚、浮き魚ということでありますが、これについての漁業者の休業補償をことしの三月末で終えるということをお伝えしたということについての御質問と理解をしております。

 漁業の対象となる魚には、海の表層から中層を泳ぐ浮き魚と、それから低層を主に遊泳している底魚の二種類があると承知をしております。このうち浮き魚について三月末で休業賠償を終えるということをお伝えしたというふうに承知をしておりますが、この漁業者の方々が操業を再開された後、万一基準を超える魚がとれた場合、それから風評被害が発生した場合には、これに対する賠償はしっかり行うこととしておりまして、賠償が一律に終了するというものではございません。また、検査費用等の追加費用についても賠償の対象となります。

 それから、先ほど申し上げた底魚を対象とする漁業者につきましては、依然、一定程度の魚種に出荷制限等がかけられておりますことから、四月以降もこれら漁業者の休業賠償は継続するということにしていると承知をしております。

 いずれにしましても、被害者の方々の実態をよくお伺いするとともに、被害者の方々によく事情を御説明するように、それによって親身、親切な対応がなされるように、東京電力に対して引き続き指導してまいりたいと考えております。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 一律ではなく柔軟な対応、真摯な対応を東京電力に求めていただきたいというふうに思います。

 質問の順番を少し変えまして、復興大臣にお伺いしたいというふうに思います。

 前政権下におきまして、平成二十四年、復興予算が復興とおよそ関係ない事業に流用されたという報道がございました。これは選挙前でありましたけれども、国会でも相当追及がなされたところでございます。

 復興予算は、五年間で十九兆円、安倍政権で六兆円追加いたしまして総額二十五兆円ということになりましたけれども、これはもとより、増税によって復興を推し進めようという趣旨で国民に新たな負担を求めたものでございます。平成二十四年度予算の見直しについて、その結果、状況をお伺いしたいというふうに思います。

根本国務大臣 委員におかれましては、地元の意見にしっかりと耳を傾けて、そして復興に尽力されておられます。これからもぜひ復興に向けて御支援、御協力いただきたいと思います。

 ただいま復興関連予算のお話がありました。これまで国会で厳しく指摘を受けました。そしてまた、ことし一月、総理からの指示を受けまして、徹底的に見直しをいたしました。そして、被災地域の復旧復興に直接資する施策のみを復興特別会計に計上する、これを基本としております。

 ただし、全国向け予算につきましては、子供の安全確保に係る緊要性の高い学校耐震化事業などに限って復興特別会計に計上することといたしました。また、被災地向け予算は全て復興庁が一括計上する、そして事業内容について厳しく精査を行っております。執行段階でも、内容を確認した上で予算配分を行うこととしております。

 復興関連予算は、委員御指摘のように、厳格な見直しを行っておりまして、使途について疑いを持たれるような事業が今後、復興特別会計に計上されることはないものと考えております。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 前政権と違って、安倍政権になり、自民党政権になり、引き締まった復興予算になったと言われるように、復興大臣のリーダーシップに大いに期待しているところでございます。

 さて、今、特別会計のお話もちょっとございました。子供の小学校あるいは学校の耐震化について、これも復興予算に含められているというお話でございました。これについては、文科省の予算ではなく復興庁で取り扱うということでございますけれども、このあたりのお考えについて、大臣からお伺いしたいと思います。

根本国務大臣 ただいま学校の耐震化事業のお話が出てまいりました。

 学校の耐震化事業、これは全国防災事業として行われてまいりましたが、今回は使途の厳格化を徹底的にやりましたので、これを踏まえて、緊要性の高い学校耐震化事業についてのみ復興特別会計に計上することといたしました。

 文部科学省では、平成二十七年度までのできるだけ早期での耐震化完了を目標としておりまして、地方負担の大幅な軽減が図られる復興特別会計を活用しながら耐震化の推進に努めていきたいという文科省の考え方もありまして、我々、緊要性の高いもの、これだけを計上する、こういうことでございます。

石川(昭)分科員 ありがとうございました。

 やはり、目的があって予算がつく、このあたりの徹底がなされているように感じました。

 最後の質問でございます。

 私の選挙区、北茨城市はいわき市と隣接をしておりますけれども、先日、地域の企業の経営者の方から、復興支援に向けまして、避難生活をしている方々のために、雇用をふやしパートを募集しようと募ったわけですけれども、なかなか集まらない、こういうお話を聞いてございます。これは、背景にありますのは、原子力賠償が仕事、給与を得ることによって減っていってしまうというようなことがあったようでございます。

 私は、この復興というのは、生活再建、ひいては仕事を得るということが非常に重要なテーマである、それがなければ復興の妨げになってしまうんだというふうに考えておりますけれども、この賠償金とそれから給与を得たときの取り扱いについて、どのようになっていて、これからどうなされるおつもりか、賠償関係について政府から取り組みをお伺いしたいというふうに思います。

糟谷政府参考人 お答え申し上げます。

 仕事に復帰をされて得られた所得につきましては、特別の努力というふうにみなしまして、平成二十四年の三月分から、賠償金から控除をすることはしないということで取り扱いをしておるところでございます。

石川(昭)分科員 そのあたりのことがよく周知をされておらない結果、いろいろな揣摩臆測が飛んでいるように思います。

 やはり、みずからの手で自立した生活を送っていただけるような努力を、政府としても、政治としても取り組んでいく必要があるということを最後に指摘を申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。

 本当にありがとうございました。

岩屋主査 これにて石川昭政君の質疑は終了いたしました。

 次に、黄川田徹君。

黄川田(徹)分科員 民主党の黄川田徹であります。

 本日は、東日本大震災からの復興について、通告に従い、順次質問していきたいと思います。

 まず初めに、用地取得の手続の簡素化についてであります。これについては、迅速化のための措置を四月の九日に大臣が発表されました。その具体的内容を改めてお伺いいたします。特にも所有者不明土地についてお伺いいたします。

根本国務大臣 三月七日に、委員御案内のとおり、住宅再建・復興まちづくりの加速化に向けた施策パッケージを公表させていただきました。今回、総理からの指示を受けて、さらなる復興の加速化に向けて、加速化措置の第二弾を公表いたしました。

 この中で、今御指摘のあった、要は、特に住宅や復興まちづくり事業の着工の段階を今迎えておりまして、現場で所有者の所在不明などにより用地取得が困難な場合、こういうケースに速やかな対応がとれるように、手続面での簡素化、迅速化を図ることを中心に取りまとめました。

 具体的には、事業計画変更の簡素化による防災集団移転のスピードアップ。要は、用地取得困難地を計画対象から除いて迅速に事業を実行できるように、事業計画変更手続を簡素化いたしました。

 もう一点は、事業認定や収用裁決の手続の効率化による土地収用の迅速化。これは、事業説明会を他の説明会と兼ねて開催するなどによって、土地収用の申請段階、あるいは事業認定手続、収用裁決手続、各段階での手続を迅速化いたしました。

 さらに、裁判所において、復興関連のさまざまな法的紛争を想定した体制を整備いたしました。例えば、裁判所におきましては、沿岸部所在庁を中心に、既に書記官など約二十五人を増配置したと聞いております。そして、最高裁事務総局に対して、自治体に対する財産管理制度の運用状況の周知や、自治体による申し立てガイドラインの作成の協力を要請いたしました。

 さらに、造成工事等の早期着手に向けた工夫による着工までの期間の短縮化。大臣同意前における埋蔵文化財調査との並行実施など、早期に造成工事に着手できるようにいたしました。

 これらの取り組み、対策を取りまとめて、そして自治体へ周知徹底して、復興事業を加速化したいと考えております。

黄川田(徹)分科員 今大臣から具体的な内容をお伺いいたしましたけれども、特にも土地取得の迅速化ということの中で、法務省との連携ということで、財産管理人制度を導入しようということなのであります。

 不在者財産管理人制度、それから相続財産管理人制度でありますけれども、これは具体的に、もう少し詳しくお尋ねいたします。そしてまた、この制度は全国レベルでこれまでどのぐらい利活用されているのか、それもお尋ねいたします。

深山政府参考人 ただいまお尋ねがありました不在者の財産管理制度ですけれども、これは、住所や居所を去って所在不明となった者がいる場合に、利害関係人等の請求により、家庭裁判所が不在者財産管理人を選任して、その不在者の財産の管理を行う制度でございます。

 もう一つの相続財産管理制度は、死亡した者について相続人がいない場合、あるいは相続人がいるか否かが不明である場合に、やはり利害関係人等の請求により、家庭裁判所が相続財産管理人を選任して、相続財産の管理、清算を行う制度でございます。

 これらの財産管理人には、事案に応じて、弁護士、司法書士等の専門家や、不在者の親族等が選任されております。また、財産管理人に選任された者は、財産の保存といった行為を行う権限を有するほか、裁判所の許可を得て、財産の売却等の処分行為をすることもできます。

 そこで、利用件数なんですけれども、最高裁判所が公表している司法統計では、不在者財産管理人制度や相続財産管理人制度の利用件数そのもの、つまり、何人の不在者財産管理人や相続財産管理人が選任されたのかというのは把握できないんです。関連する事件一括の統計になっておりまして、財産の売却の許可の事件とか、選任自体の事件とかいうのを全部合わせて、総数しかわかりません。

 それで、平成二十三年度では、不在者の財産管理に関する全ての事件の件数は全国で八千二百三十三件、同じ年度の相続財産管理に関する事件の全体は全国で一万五千六百七十六件でございます。

黄川田(徹)分科員 お聞きしますと、大分利活用されているようでありますけれども、被災地、特にも岩手にあっては、医療と同様に、法的サービスの過疎地といいますか、そういう状況になっています。選任されるのは弁護士さんとか司法書士さん、親族の方もということでありますけれども、被災地のそういう弁護士さんとか司法書士の数をどのように認識しておりますか。

 そしてまた、大分利活用されておるんでしょうけれども、相当数の案件が出てくるはずであります。岩手、宮城でも、これから用地取得の関係で何千件、市町村レベルも含めると何万件ということであります。それも、複雑な、本当に大変な手続を踏まなきゃいけないということになると思うんですが、土地収用と違って、管理人が選任されれば権利関係もはっきりできることになるのでありますけれども、法的サービス過疎地の現状と、今お話しされた財産管理人制度でしっかりと用地の取得の迅速化が成るか、法務省としての見解をお願いいたします。

深山政府参考人 まず第一点目の、弁護士さん、司法書士さんの数を被災地においてどう認識しているかということです。

 平成二十五年の四月一日現在で、被災三県の弁護士登録者数は、宮城県で三百九十五人、福島県で百六十七人、岩手県で九十一人の合計六百五十三人であると承知しています。また、同じくことしの四月一日現在で、被災三県の司法書士登録者数ですけれども、宮城県で三百二人、福島県で二百八十人、岩手県で百四十九人の合計七百三十一人でございます。

 そして、次にお尋ねがありました、今後多数の事件が申し立てられることが見込まれる中で対応が十分なのかという点ですけれども、確かに、委員御指摘のとおり、今後、不在者財産管理制度あるいは相続財産管理制度の大幅な利用の増加が見込まれていると思っております。

 そこで、現在、法務省としては、財産管理人のなり手の確保を含めて財産管理制度が円滑に運用されるよう、最高裁判所事務総局、これは家庭裁判所がやる事件ですので、あるいは日本弁護士連合会、あるいは日本司法書士会連合会といった士業団体に、そういったなり手の確保が喫緊の課題になるので必要な協力をお願いしたいというような依頼の文書を既に発出して、協力していただけるという話を承っております。

 ですが、これは、今後どういうペースでどれくらい出てくるかというのは、まさに御指摘のとおり、今後の問題でございます。今考えているところでは、運用上のさまざまな改善や、あるいは人の確保という点でも、関係団体の協力を得ることによって対応できるのではないかと思っております。

黄川田(徹)分科員 やってみなきゃいけないところもありますからね。

 それから、一般的には、先ほど来お話しのとおり、弁護士さんとか司法書士さんでありますけれども、管理人に自治体自身がなれるのかどうなのか。双方代理のこともあるかと思いますが、どうなっているでしょうか。

深山政府参考人 財産管理人に具体的にどのような者を選任するかというのは、最終的には個別の事件で家庭裁判所が判断をするということになりますけれども、民法上、財産管理人となり得る者の資格について特段の制限はございませんので、理論上は自治体が財産管理人になることは可能です。

 もっとも、今委員も御指摘がありましたけれども、自治体が財産管理人に選任された場合に、復興事業の用地取得のために、みずからが財産管理人として管理する土地をみずからに売却するというようなことになりますと、双方代理あるいは利益相反ということになってしまいますし、仮にこれを県と市で分けるというような形で別の自治体に売却することになっても、第三者から見たときに、公正さに疑いを抱かれかねないのではないかという危惧がございます。

 また、自治体が財産管理人に選任された場合のもう一つの問題として、用地取得の対象となる土地を売却するということで任務が終わるわけではなくて、その売却代金、さらに不在者が持っているその他の財産も皆、不在者の生死が判明するまで管理を続けなくちゃいけません。相続財産の場合も同じです。当該用地買収の対象になった財産以外の財産があれば、それらも全部管理し続けて、場合によっては、債務があれば払って、最後は国庫帰属にするというような一連の、事案によっては相当手間がかかる手続をやっていただかなくちゃいけないという問題もございます。

黄川田(徹)分科員 よくわかりました。

 それで、土地の取得の迅速化については、モデル地区、大臣御案内のとおり、釜石市の片岸、鵜住居地区で、まず各省庁との連携ということで、法務省との連携、国交省との連携ということでこういう財産管理人制度の導入ということになっていました。

 そしてまた、やってみなきゃいけないところもあるのでありますけれども、岩手、宮城の自治体の中には、それだけでは済まないだろう、何万人、何万件の事案があるのではないかということで、この財産管理人制度にかわって、市町村が財産管理権限を持つ制度の創設といいますか、具体的にちょっと言いますと、境界を確認し同意する権限、復興事業用地の譲渡契約権限、土地の使用を許可する権限、あるいはまた土地代金を基金に繰り入れ適正に管理する権限等々を要望しておるわけでありますけれども、大臣、この要望に対してどういう見解をお持ちでしょうか。

根本国務大臣 今、法務省の深山局長からお話ありました。実は、財産管理人制度、私も、これを活用することが非常に重要なのではないかということで、随分議論をさせていただきました。そして、ただいまの、市町村、自治体が財産管理人になれないか、法的にはどうなるのか、こういう議論も実は詰めさせていただきました。

 一方で、委員御指摘の市町村が管理権限を持つ制度の創設、これも要望をいただいております。実は、これについては私も検討させていただきましたが、これを具体的に検討していくと、個人の財産権の保護の観点からさまざまな課題が出てまいります。これは十分な検討が必要なのではないかなと思っております。

 例えば、どのような特例措置が可能なのかということを考えていきますと、所有者にかわって市町村がどのような権限を行使できるのか。管理権限と処分権限と二つあると思いますが、特に、権限行使に当たって、処分権限のところ、これはまさに個人の財産権になりますから、処分してそれを基金に積んでおく、こういうお話もいただいていますが、この処分のところが、財産管理人制度は家裁が判断するわけですね、土地収用法においても収用委員会が判断しますから、ここは市町村が全て管理、処分までやれるかどうか。このときにどのような手続が必要になるか。

 特に、処分の点については、要は第三者的なところが関与する、つまり、利害関係を調整するような仕組みも必要になってくるのではないか。そうなりますと、土地収用法的な手続がやはり必要になってくるのではないか。そうなりますと、かなり法制度的に、特に処分のところで丁寧な手続にする必要があるのではないかな、実はこれは私の個人的な考えでもありますが。

 その意味において、ここは引き続き、法制化については、その具体的な問題点がかなり出てくると私は思いますので、そこのところの慎重な検討が必要なのではないかと思います。

黄川田(徹)分科員 前政権も、この部分では、大変悩ましい課題だということで、財産管理人制度の導入ということでまず踏み切ったということでありますから。

 ただ、小さな市町村ですと、こういう財産管理人制度というのは何なんだ、聞いたこともない、そういう方々もおりますし、それからノウハウをよくわかっていないわけであります。ですから、被災地の自治体に丁寧な研修会といいますか、そういうものをしっかりやっていただきたいと思っております。

 それから今度は、被災地の中には国土調査、地籍調査を終えていない土地もありまして、その調査の成果といいますか、それが登記簿あるいはまた課税台帳に反映されていないというところもあるのではないか、こう思っております。

 そこで、明治時代の図面、公図のみでの土地取引あるいはまた用地取得となると、これから、防災集団移転、土地区画整理あるいはまた道路整備等、さまざまな事業の推進に当たって課題が浮き出てくると思うわけでありますけれども、地籍調査が終わっていない土地についての課題についてどういう認識を持っているか、国土交通省にお尋ねいたします。

塚本政府参考人 今先生御指摘の土地の取引、それから用地取得に当たりましては、土地の境界などを明確にすることが不可欠でございます。

 地籍調査を行ったことによりまして土地の境界が明確になって、正確な図面がある場合には合意形成が円滑に進みやすくなります。一方で、地籍調査が行われておらなくて、明治時代につくられました不正確な図面などしかない、こういった場合には、境界を確定するための作業や調整に手間と時間がかかるというふうに考えております。

 東日本大震災の被災地におきましては、地籍調査の進捗率が高くなっております。浸水地域の九割方が終了しているわけでございますけれども、一方で行われていない地域もございます。こういった地域を対象にいたしまして、官民境界の基礎的な情報を整備する官民境界基礎調査というものを国の直轄事業として推進することなどによりまして、復興事業を支援しているところでございます。

黄川田(徹)分科員 東北は比較的、国土調査事業を導入して進んでいるところでありますけれども、被災地、私は岩手の人間でありますので、北の方といいますか、大槌町であるとか山田町であるとか宮古とか、沿岸部で一部、国土調査が終わっていないというところがありまして、一般的に地籍調査、国土調査をすると土地がふえるわけですよね。できれば、土地は少ないんだと、大きく出ていると税金がかかりますので、正確に調査をするとふえるわけなのでありますけれども、そういう土地も今度、被災地として自治体が買収しなきゃいけないとか、さまざまな課題があります。

 ですから、ぜひとも、これから東海、東南海、南海とか、NHKでも毎週毎週テレビでやっていますけれども、被災地の部分だけでなくて、国土の地籍調査というのは大事なことでありますけれども、特に一旦事が起きたときに、土地取引のとき安定的な取引ができるように、しっかりと国土調査をやっていかなきゃいけないと思っておるのであります。

 今後の国土調査に対する取り組みについて、改めてお尋ねいたします。

塚本政府参考人 地籍調査は、土地の境界を明確にすることによりまして、今お話ございましたように、土地取引の円滑化、それからまちづくりの推進、それと被災地における復旧復興活動の推進に非常に役立つものというふうに考えております。

 今後、南海トラフの巨大地震とか首都直下型の地震、こういった大規模災害による甚大な被害が想定される中で、地籍調査の推進の重要性というのはますます高まっているというふうに考えております。

 国土交通省といたしましては、今後想定されます大規模災害に備えるためにも、引き続き、市町村などが行います地籍調査を財政的に支援するとともに、官民境界の基礎的な情報を整備いたします基礎調査を国の直轄事業として積極的に実施してまいりたいというふうに考えております。

黄川田(徹)分科員 それでは、時間も残り少なくなってきましたので、次に、応急仮設住宅について二問通告しておりましたけれども、まとめて質問いたしたいと思います。

 一つは、応急仮設住宅、報道では四年の延長ということで、基本的には災害救助法で二年でありますけれども、実際に入居している被災者でありますけれども、防災集団移転事業、あるいはまた土地区画整理事業等々の進捗状況を見るにつけ、四年で終わるのかとか、期間が過ぎたらどうなるんだという思いで住んでいる方もおられますので、改めて、居住期間についてどのように理解すればよいのか、そしてまた、延長の手続や要件等について具体的にお尋ねいたします。

 それからもう一つ。復興が進んでいけば、公営住宅等の整備によって仮設住宅に空き部屋が出てくると思うわけであります。現在でも、派遣職員の方々がお住まいになられたり、その利用状況等が、さまざま通知等が出ていると思うのでありますけれども、自治体の創意工夫で空き部屋を有効活用できるのかどうか、お尋ねいたしたいと思います。

西藤政府参考人 お答えいたします。

 まず、応急仮設住宅の提供期間についてでございますが、原則二年とされているところ、東日本大震災で設置したものについては、昨年四月に国として一律一年延長し、三年としたところでございます。

 しかしながら、現在の復興状況や、また地域ごとにその状況が異なることに鑑みまして、建設した応急仮設住宅のさらなる延長につきましては、既に適用となっている特定非常災害特別措置法に基づきまして、被災地域の実情を踏まえ、被災者のための恒久住宅が不足する場合には、被災自治体は建築基準法の特定行政庁の許可を得て一年を超えない期間ごとに延長することができること、また、民間賃貸住宅を借り上げて応急仮設住宅としている場合もこれに準じた取り扱いとすること、これらの点につきまして、今月初め、改めて関係自治体宛て、周知したところでございます。

 次に、第二点目でございますが、建設した応急仮設住宅の空き住戸の活用につきましては、入居されている方々の利用する集会所や談話室、倉庫として利用できることといたしております。また、現在は空き住戸となっておりますが、今後県外から帰還される方が入居される予定がある、そういった場合には、それまでの利用していない期間については、一時的に、他の自治体からの応援職員や、地元自治体からの要請などを受けて活動されているボランティアの方々の宿泊利用を認めているところでございます。

 さらに、入居者の災害公営住宅などの恒久住宅への転居が済みまして、仮設住宅として今後使用する予定がない、そういった場合には、処分制限期間である二年経過後は、所有している自治体の御判断で、処分手続を行うことなく、例えば福祉施設で働く方でありますとか、建設工事あるいは除染事業などに従事される方の宿泊場所など、それぞれ他用途に活用することが可能である旨、先般通知したところでございます。

黄川田(徹)分科員 現在は、総務省の職員派遣制度といいますか、そういう中での派遣職員は入居できる、あるいはまた、行政が必要とされるボランティアの方々も入居できるということですよね。二年たてば、後は自治体の判断でということで、ただし、解体費用は当然、国から離れるので、自治体で持たなきゃいけないということですよね。

 そういう中で、実は具体的な事例もありましたので。保育所というのは市町村立なんですよ。保育園というのは法人立なんですよ。それぞれ派遣職員で来る。市町村立の場合は、自治体同士の派遣でありますから、総務省の派遣の制度にのっとった形ですから入居できる。ところが、法人立の場合は、今の制度では入居できない。ただ、二年後に自治体が判断できれば入居できるのでありますが、要は、被災地にあって保育士さんとして来て、法人立であろうが市町村立であろうが皆同じ保育士さんなんですよね。そういう事例があったということであります。

 いずれ自治体の判断で二年過ぎれば利活用できると。ただ、自治体にとって、一つお願いは、解体費用を見てくれないかなというところは要望としてあるかもしれません。

 あと残り五分でありますので、最後に、鉄道の復旧についてお尋ねいたしたいと思います。

 岩手にあっては、JR大船渡線、そして山田線、大きな被害を受けましたので復旧を目指しておるわけでありますけれども、まだ道半ばであります。また一方、第三セクターでありますけれども、三陸鉄道は、一気に復旧復興に向けて動き出しまして、もう既に運転再開とか運行再開ということで、順次復旧しておるわけでありますけれども、JRの関係はまだまだ道半ばだということであります。

 また一方、鉄道の復旧を待つまでもなく、交通弱者にあっては、やはり公共交通を安定的にしっかりと確保したいということで、BRT、バスの高速輸送システム、これが運行されておるのでありますけれども、宮城では気仙沼線の代替として、岩手では大船渡線の代替としてBRTが動いております。この利用状況ですが、どうなっているか、まずお尋ねいたします。

田端政府参考人 お答えいたします。

 BRTにつきましては、沿線の高校に通学をする学生や病院に通います高齢者等、主に地元住民の生活の足として重要な役割を果たしているものと考えております。

 BRTの運行主体でありますJR東日本においては、専用道の整備や、通学時間帯の大幅な増便、あるいは病院や商店街近くへの駅の新設など、利用者のニーズを踏まえた利便性の向上を図る取り組みを実施しているところでございます。

 今後とも、地域の利用者の声を十分に踏まえながら、利便性の向上に取り組んでいただき、沿線地域の早期復旧に貢献されるということを我々としては期待しております。

黄川田(徹)分科員 交通弱者といえば、例えば病院に出かける方、あるいはまた学生、高校生ですね、一番対応しなきゃいけないのは。しっかりと対応をお願いいたしたいと思います。

 ところで、JR線の山田線、そしてまた大船渡線の復旧の進捗状況を改めてお尋ねいたします。

田端政府参考人 JR山田線及びJR大船渡線につきましては、国土交通省、復興庁、沿線自治体、JR東日本等で構成いたします復興調整会議の場において、まちづくりと一体となった鉄道復旧の課題について検討を進めているところでございます。これまでこの会議は、JR山田線につきましては五回、大船渡線につきましては四回、開催をいたしてきております。

 このうち、JR山田線につきましては、この復興調整会議を先月の八日にも開催したところでございますが、まちづくりに伴い必要となりますかさ上げの具体的な箇所などについて参加者の間で共通認識が得られつつあるということで、検討が進んできていると認識をしております。また、この会議におきましてJR東日本より、原状復旧費用は約百四十億円、かさ上げ等を考慮した総事業費では約二百十億円との概算額が示されたところでございます。

 引き続きまして、このJR山田線、JR大船渡線について、復興調整会議等の場を通じて、関係者間で合意形成が円滑に進むよう努力してまいります。

黄川田(徹)分科員 まちづくりの観点から大事な鉄道の復旧なのでありますけれども、JR東日本からも、復旧のための事業費といいますか、それも具体的に出てきたわけでありますけれども、特にも北リアス線と南リアス線の間を結ぶ山田線は、最も大事な鉄道であります。

 そこで、特にも山田線に、国の支援策といいますか、そういうものが必要と思っておるわけでありますが、これについてどういう認識か、国交省にお尋ねいたします。

田端政府参考人 まちづくりに伴いますかさ上げの費用といったような、鉄道事業者側の事情によらない部分につきましては、国としても必要な措置について検討を行う必要があるのではないかと考えております。

 このため、例えば市街地のかさ上げなどのまちづくりに伴い必要となる駅や線路部分のかさ上げについては国費により支援することができないか、関係省庁とも連携して検討しているところでございます。

黄川田(徹)分科員 市町村の復興計画と連動しながら、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 時間でありますので、終わります。どうもありがとうございました。

岩屋主査 これにて黄川田徹君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

岩屋主査 次に、国会所管について審査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。渡辺周君。

渡辺(周)分科員 民主党の渡辺周でございます。

 きょうは、我々が活動しているこの立法府、国会のことについて、与えられた時間で質問をさせていただきます。

 まず冒頭、事務総長にお尋ねをいたしますけれども、昨年、解散前に我々が取り組んでまいりました、これはもう平成十八年からずっと指摘をされていることですが、衆議院が保有をしている旧事務総長の公邸、そして旧法制局長の公邸、これを売却すべきであると。それは、もう既に議運で話し合われたんですが、その後、手続が進められないまま、はっきり言って、放置をされております。

 昨年、私、議運に就任しまして取り組んだところ、その手続を進めるということとなっていますが、まず、上原の土地についてはどうなっているか、これは旧法制局長公邸ですね。それから、一番町にあります旧事務総長公邸、これは、隣接地と境界線をめぐって、ここでまだ決着がついていないんだということでございました。

 進捗状況、今、現状どうなっていますか。お尋ねいたします。

鬼塚事務総長 お答えいたします。

 事務局分室及び法制局分室につきましては、平成十八年五月、衆議院事務局改革小委員会中間取りまとめにおきまして、できるだけ早期にとの財務省への移管方針が決定され、これを受けまして、測量、境界確定等の事務に取り組んでまいりましたが、事務局庁舎につきましては、今おっしゃいましたように、隣地の所有者と境界の一部につき合意を得ることができず未確定となっているため、平成二十四年十二月に法務局に筆界特定を申請し、現在、法務局において手続を進めているところでございます。

 なお、法制局分室につきましては、測量、境界確定を終えておりますので、今後、議院運営委員会において了承が得られましたら、財務省への移管に向けた事務に取り組みたいと考えております。

渡辺(周)分科員 一番町の土地については、手続で、今何段階目、どのぐらいまで来ているかということを教えていただきたいと思います。

 それから、もう一つ確認は、上原にあります旧法制局長の公邸、これについては、議運のいかなる手続があれば財務省に移管をすることができるのか。

 その二点について、簡潔にお答えいただけますか。

鬼塚事務総長 上原の法制局分室につきましては、何の問題もございませんので、できる限り早く、議運で決定していただきましたら、お返しできるかと思います。

 筆界の分につきましては、筆界の手続というのが、将来、境界争いに移行する可能性もございますのでまだ何とも言えませんが、筆界の分で処理するということでできましたならば、多分、年内には何らかの結論が出るかと思います。

渡辺(周)分科員 ちなみに、この二つ、事務局分室、法制局分室。旧事務総長の公邸、平成二十三年度で、維持管理費が、管理人の人件費が百七十一万円、旧法制局長の公邸、これが百五十五万円、その他、光熱費や樹木の剪定等の費用を入れると、大体ですけれども四百万円ぐらいかかっているということでございますが、二十五年度もこの予算で大体推移するというふうに考えてよろしいですか。

鬼塚事務総長 今御指摘のとおりでございまして、二十五年度につきましても、多分、同じような形で推移するかと思います。

渡辺(周)分科員 このことにつきましては、我々も議運の場で早急に結論を得たいと思います。

 もう既に、私たちは、身を切る改革ということで、さまざまな、国会議員を初め公設秘書、それから国会職員もカットをしている。このような、もう既に平成十八年の時点で財務省に移管をとして衆議院で持っているものは、ありていに言えば、もう不要であると言われたものは、早く売却して、先ほど黄川田先生も質疑に立たれましたけれども、復興のための予算の確保に資するように取り組むべきだ、私は、このことをまず冒頭申し上げておきたいと思います。

 さて、そこで、次の質問でございます。

 国会の、きょうも、この予算委員会の分科会の模様、あるいはさまざまな委員会を私も国会対策委員会の部屋で見ておりますけれども、国会内のテレビ中継がございますが、このテレビ中継を入札で行っているということでございまして、この入札の業者さんたちが複数いるわけですけれども、今年度、衆栄会というところがこの落札をしている。

 つまり、この衆栄会という組織についてはこの後説明申し上げますが、その団体がこの国会の院内中継を落札している、そういうことで間違いございませんでしょうか。

鬼塚事務総長 おっしゃるとおりでございます。

渡辺(周)分科員 恐らく、いらっしゃる方々は御存じないと思うんです。この衆栄会という組織は衆議院のOB会による組織でございまして、金曜日に私も行ってまいりました。

 この衆栄会のことをあえてここで申し上げますと、ここにいただいた資料がございます。

 衆栄会規則によりますと、本会は衆議院事務局退職者等をもって構成する。これは第一条。第二条、本会は事務所を東京都千代田区永田町一の六の三衆議院第二別館内に置くということで、その他、目的やいろいろなことが書いてあるんですが、この団体は、会費は徴収をしていないということで、約三十三万円の家賃を払って衆議院の第二別館の二階にございます。先般行ってまいりました。

 そこで、お尋ねをいたします。

 この団体は任意団体ですね。法人格を持っていない。参議院には参友会というやはり参議院のOBの組織がございますが、こちらは法人格を持っているんです。言うなれば、この任意団体が衆議院の事務局の退職者で構成されている。

 本会の会員は次の号のいずれかに該当しと、第五条に書かれています。一、衆議院事務局の管理職であった者、二、衆議院事務局在職十五年以上の者、三、その他理事会において認められた者と。つまり、管理職であった方か衆議院の事務局を在職十五年やるとこの会に入ることができると。

 しかも、衆議院の第二別館の中に、家賃を払っているとはいえ、年間三十三万円で、月割りをすると二万数千円で、三万円もしないんですね、この団体が入っていて、衆議院の入札に参加をするということは、これは、公正な競争という意味においては、社会的常識から考えて甚だおかしいのではないかと思いますけれども、その点はいかがお考えですか。

鬼塚事務総長 お答えいたします。

 先ほど先生おっしゃいましたように、衆栄会は、議会制民主主義に関する知識の普及及び啓発を図ることにより云々ということを目的として、任意団体として平成四年に設立されております。国会審議テレビ中継や議案類配付業務等を主要な仕事としてやっております。

 この団体がなぜ第二別館に入っているかということにつきましてですが、当時の大蔵省管財局長通達の「国の庁舎等の使用又は収益を許可する場合の取扱いの基準」によるものでございます。当該通達におきまして、国の庁舎等を、その本来の用途または目的を妨げない限度において国以外の者が使用または収益することを許可することができる範囲の基準が掲げられております。

 衆栄会では、平成六年当時に、土井議長のもと、議会制度協議会等で御議論いただいた経緯を踏まえまして、委員会議録等の一般頒布に対応……(渡辺(周)分科員「そんなことはいいですから」と呼ぶ)よろしいですか。

 ということですが、入札につきましては、それは厳正なことを私どもやっているつもりでございますので、疑われることのないように、今後とも指導してまいりたいと思います。

渡辺(周)分科員 疑われるようなことがないようにとおっしゃいますけれども、疑わしいんですよ。

 大体、衆議院のOBに限定された組織が、しかも任意団体、外部監査が入らない、その団体が衆議院の第二別館の中にいて、入札に参加をして落札をするということについては、これは社会通念上許されざることだ。少なくとも、参加をするなら、本来なら、法人格を取って、そして第二別館の中から外部のビルなりに移すべきだと思いますが、そう思いませんか。

 それでも、今事務総長おっしゃったように、公正な競争になるように気をつけていくということで、まだ、このまま、現状のままにしておくおつもりでしょうか。いかがですか。

鬼塚事務総長 非常に重要な御指摘でございますので、検討させていただきたいと思います。

渡辺(周)分科員 これ、もう一つのことを申し上げます。

 この衆栄会という組織が親睦団体だったら、私も、こんなところであげつらいません。

 しかし、この団体、なぜ密接な関係にあるかということを申し上げますと、金曜日に行ったときに、理事長さんにお会いをしました。理事長さんは、給料が出ております、報酬が出ております。

 そもそも、この団体は何人いるんですかと聞いたら、六十五人おりますと。六十五人いて、入札で、例えばテレビの中継業務が落札できたときには、テレビ部というのがあるんですね、ここの職員の方が仕事をするんだというふうにおっしゃっています。

 だけれども、幾ら破格の家賃で済んでいるとはいえ、実は年間二千百万円の支出があるんですが、うち千八百万円、ほぼ九割が人件費と交通費なんですよ。今ちょっと触れられましたけれども、この団体の目的に、いろいろ、何か立法制度の調査研究等を通して啓発を図る云々とありますけれども、実際は、ほとんどOBの方々の人件費で消えている。しかも、任意団体ですから、よく中身もわからないわけでございます。

 そこで、損益計算書というのをいただきましたので、話をしてみました。

 一体、この団体は、落札できなかったときはどのようにして収益を上げているんですかという話をしましたら、議員会館の売店の連合会、会館に入っている売店さん、テナントさんたちが、例えば、我々が最初に支給をされる、公設秘書と本人の分だけいただく衆議院手帳というのがありますが、この手帳を販売したいというときには、衆議院事務局秘書課に申請をする、それで、秘書課に申請をしたら、今度、秘書課の方から、この衆栄会という団体が連絡調達業務を行うということで、売店の販売したい部数を取りまとめて、そこが取り次いで販売元に行き、そして売店に卸すということなんです。

 言うなれば手数料が実はここで発生をするわけでございます。売り上げ、およそ年間一千九百万円あるうちの一千万円ぐらいが物品の連絡調達業務。いわば代理店ですね。ここを通すことによって売店に卸されるという仕組みになっております。

 これは事実ですか。このように理事長さんがおっしゃっています。つまり、秘書課を通して言うと、秘書課から衆栄会に行き、衆栄会が取り次いで売店と販売元の間に入り、そしてその間でマージンを取る、それが収益になっているということでございますけれども、この理事長さんの説明に間違いはありませんか。

鬼塚事務総長 お答えいたします。

 まず、ちょっとテレビ中継のことを申し上げたいと思います。

 テレビ中継の発足は、平成六年からやっているんですが、それ以前は、この予算委員室あるいは本会議だけだったんですが、それは現役の職員が担当してやっておりました。委員室を拡大するということになりました際に、とても現役の職員では間に合わないということで、OB職員を活用しようという形で、その中へ衆栄会が入ったという事実は、全くそのとおりでございます。

 売店連合会の件につきましては、手帳なり、あるいは衆議院(乙)とか、そういうものにつきまして、先生方あるいは一般の方々の購買の要請がございますので、それをいかにやるかということにつきまして、官として直接やることはやはり望ましくないということで、売店連合会から間接的に売っていただくということにいたしました。

 その中に衆栄会が立っているということにつきましては、私、余りつまびらかにしていなかったんですが、もしそういうことが事実であるとすれば、その中で利益を生むということは望ましくない方向だと思いますので、何らかの形で注意をさせていただきたいと思います。

渡辺(周)分科員 いや、これは秘書課が絡んでいるんですよ。理事長さんがおっしゃったのは、衆議院の事務局秘書課というところに通して、秘書課の方から、連絡調達業務という名目で、要は代理店にしていると。要は、ここを通さないと、発注もできないし、卸せないということなんですよ。その手数料が、右から左、左から右に来るだけで、実は一千万円の利益がある。

 これは、国会手帳だけじゃないんです。クリアファイルであるとか、あるいは国会要覧のようなもの、こういうものを売店で売っていますけれども、そこをかむようにしている。

 これは、売店の連合会さんからしてみると、私、別に売店の連合会さんから頼まれたわけでも何でもございませんが、直接販売元に発注をして、ああ、これはうちの衆議院の議員会館や国会の本館の中にあるお土産屋さんであるから大丈夫だよ、信用のある業者だからということを一言言えば、何も衆栄会という団体をかまさなくてもいいんじゃないですか。

 つまり、衆議院のお墨つきのもとに、衆栄会というところを通さないと物を売れないようにしている。OB組織に、その利ざやが、お金が入っているということで、OBたちのこの会の運営に資するようになっている。だって、会費を取っていないんですから。どうやって会が存続しているのかといったら、そういう非常に古い手法といいましょうか、今どきこんなことをしているところはないと思うんですが、そういうことじゃないですか。

 何も、衆議院の秘書課を通さなくても、衆栄会を。秘書課さえお墨つきをつけてあげれば、民間の売店からすると、販売元と直接やりとりしたらいいんじゃないですか、その分、コストが下がりますから。いかがですか。

鬼塚事務総長 非常に大変大事な御指摘だと思います。その御議論というものを当然体しまして、今後とも指導を重ねてまいりたいと思います。

渡辺(周)分科員 今初めて聞いたようなことを言いますけれども、衆議院のOB会の組織はもう二十年間続いて、知らないわけないですよね、こういう仕組みを。今初めて聞いて私はつまびらかではないがと言っていたけれども、間違いなくこれは知っていたと。正直、我々も、こういう仕組みになっているということは、いろいろ身を切る改革、これは行政改革のみならず国会改革、政治改革を進めていく上でいろいろと調べていたら、こういうことが出てきたわけでございます。

 それから、もう一つだけ申し上げれば、この衆栄会という組織がやはり入札で落札をしている、議案の配付業務というのがありますね。多分、きょうやりとりしているこの会議録が議事録になって、文書課の配付室というところに入れていく。これは、実は我々も、てっきり職員の方が、ポストに入れる、ボックスに入れるだけですから、あいた時間にやっていることなのかなと思って、余り注意をしておりませんでした。

 そうしたら、これも実は入札業務で、衆栄会さんが落札をすると。もちろんほかの会社もあるんでしょう。説明を聞くと、一番安い値段で落札したのがこの衆栄会だったからこれを委託しているんだというふうにおっしゃっていました。

 この文書の配付が、大体二日に一遍か三日おき、三日に一遍でありまして、この文書配付をすると、日給が六千四百円なんですね。実働時間からすると、二日に一遍か三日に一遍、あの議員会館の下にあるボックスに書類を入れるだけですから、一日がかりの仕事とはとても思えない。だけれども、それが日給六千四百円。

 それから、行ってまいりました衆栄会というところにありました、会議録等の一般の頒布業務。一般の方から、例えば大学の研究室であるとかほかの官庁とか、ほかの官庁というのは、例えば地方自治体、東京都なんかから来られた方に頒布をする。この頒布をすると、日給七千円だと。一体どれぐらいの数があるのか私も調べようとは思っておりますけれども、時間切れになりました。

 しかし、これは、土井たか子さんが議長、鯨岡さんが副議長の時代に、開かれた国会にしようということで、議事録を一般にも頒布していますということでできましたと説明をいただくんですけれども、今、我々もそうです、過去の委員会の議事録なんかを検索するときは、もうネットで調べるんです。これは公開されているんですね。これをわざわざ入札をかけて、日当七千円払ってやるべきことなのかどうか。

 それから、文書の配付も、各省の役所の方がよくいろいろなものを届けに来ますけれども、私は、二日に一遍か三日に一遍だったら、何もこんなに大きな額を払ってまでやることはないのではないかというふうに思います。

 つまり、ほかで間に合わすことができる仕事をわざわざ外注することによってOB組織の方々のために仕事を出している。それが入札によるものだといっても、身内がすぐそばにいて、その人たちが中にいて入札に参加しているわけですから、落札するというのは、競争原理からして非常に疑義がある。

 そういうことを考えると、こうした委託制度も見直すべきだというふうに考えます。いかがですか、事務総長。

鬼塚事務総長 議案等の配付につきましては、それ以前は、直に私ども官がやっておりました。それは限度があったんですが、その中で努力しました。ただ、私どもは、過去五年間で百人の人間を落としておりますので、定数を落としておりますので、その関係でアウトソーシングせざるを得ないということはちょっと御理解をいただきたいと思います。

 アウトソーシングする場合に、衆栄会である必要はもちろんないわけですが、衆栄会が落札を求めて入札するということについては、否定はできないんじゃないかとは思います。

 議案等の取り扱いにつきまして根本的にやり方を改めるということでありましたら、それは先生方の世界にも当然かかわってまいりますので、議運の方でその方針を決めていただきたいと思います。

渡辺(周)分科員 その点については、身を切る改革の中で予算をかけないようにするために、例えば、議事録が必要だったら秘書さんとりに来てくださいとやっても、議員は、ほとんどみんな賛同しますよ。必要とあったら、別に、ネットで検索をして、それをプリントアウトして質問材料等にすればいいわけですから。それは、何も、皆さん方がしなくても、改革できる、そのことを申し上げたいと思いますし、重ねて、この衆栄会という組織が任意団体であること、入札に参加するのなら、まずしっかりとした経理等の状況がわかるように法人化をするべきであると。

 総務省に聞きました。個人の、こういう入札に申請をする登録業者さんというのは確かにある、八百ぐらいあると。だけれども、総務省に聞いたら、そのいわゆる個人もしくは任意団体が落札した例は総務省ではただの一件もないと言っていました。

 普通だったらあり得ないんですよ。だけれども、規約にあるように、衆議院の職員OBによる組織だから、まあ信用という意味では、あるんでしょう。あり過ぎるぐらいあるんだと思いますね。だからこそ当然落札できるような仕組みになっている、そういうふうに思わざるを得ないわけです。

 時間がなくなりました。このことはまた改めてどこかの委員会でやるとしても、結びに、我々が利用している、あるいは皆さん方も、職員の幹部も利用している公用車の保険について伺います。

 この保険は、百名いるドライバーのうち、衆議院の職員である人たちは任意保険に入っていない。自賠責は、もちろんこれは強制加入だから入っている。しかし、それ以外で、最近は、新規の採用をやめて、大新東といいましたか、外部の会社から、やはりこれも入札でドライバーさんの提供を受けている。いわば人材派遣会社から来てもらっている。こちらは任意保険に入っているんです。

 これは事実ですね。

鬼塚事務総長 おっしゃるとおりでございます。

渡辺(周)分科員 自賠責は、これはもう強制加入で入らなきゃいけない。ところが、任意保険については、衆議院のドライバーさんは入っていないんです。ただしかし、民間から来ている方は、その保険料も込みで入札にかけているから入っている。

 つまり、衆議院のドライバーさんによって、もし万が一、公用車がどこかで人身事故を起こした、あるいは接触事故を起こして相手の車を壊してしまったということになった場合は、衆議院の採用のドライバーさんとそうでないドライバーさんによって、賠償の手続、もっと言うと、示談交渉に費やす時間や労力の負担の違い、あるいは被害者救済にも時間に全く違いが出てくる、そういうことでございます。

 驚いたのは、では、衆議院のドライバーさんが公務中にどこかで事故を起こしてしまいました場合に、その場合は誰が交渉するんですか、もちろん、それは自賠責の限度を超えた場合、あるいは物損事故の場合は自賠責はおりませんから、誰がやるんですかと聞いたら、自動車課の課長補佐が対応しますと。自動車の課長補佐さんという人は専門家なんですかと言ったら、いや、衆議院の職員ですと。多分、何年かに一度、議事課に行ったりあるいは総務課に行ったりして、しょっちゅう人事異動するんですね。全くプロでも何でもない方です。

 こういうふうにも聞きましたけれども、これも間違いませんか。

鬼塚事務総長 お答えいたします。

 まず、任意保険に加入していない理由ということでございますが、本院所有公用車は任意保険に加入しておりませんが、これは、任意保険に加入して毎年度において多額の保険料を支払うことに比して、事故による支払いなど、必要に応じて本院の予算から支出することの方が財政上効率的で適切であるとの考え方によるものでございます。

 支出の実態といたしましては、本院所有公用車が公務中に起こした事故により生じた相手方に対する損害賠償につきましては、基本的には、国、つまりは本院がその責めを負い、本院において、賠償償還及払戻金から支出することになります。

 ということで、一応、制度的には担保できていると思っておりますが、その過程において、示談交渉が時間がかかるんじゃないかというような御指摘は、全くそのとおりでございます。

 任意保険に加入しない理由というのは今のところはあると思っておりますが、未来永劫そうなるかどうかについては、ちょっと研究させていただきたいと思います。

渡辺(周)分科員 指摘して初めて検討したいというふうにおっしゃるわけですね。

 例えば、相手に大変な大けがをさせてしまった、例えばこの方の逸失損益といいましょうか、これから先大変長くなるといったら、とても払い切れないんですよ、もしそういうことになれば。

 私も、地元や東京の、営業車を抱えているような中小企業の社長さんに伺いました。普通は、民間の企業、任意保険に入らないで仕事することってあり得るかと言ったら、まず常識的にはないと。対人対物無制限という形で入って、もし何かあったときには、被害者に対して最大限の補償ができるようにすると。それは、そうしないと社会的信用にかかわる問題だと言われます。

 国権の最高機関たる立法府、この国会で実は入っていない。これは、多分、ほかの省庁も調べたらそうなのかということも、過去に新聞記事にもなっていますけれども。

 少なくとも、先ほど私が申し上げました、OB組織に、外部に発注するような予算があるんだったら、年間大体二千万ぐらいだと聞きましたよ、この任意保険に加入する。最初に申し上げた衆議院の施設、この二つのものを売却すれば、年間の維持管理費がかからない。そうすれば、四、五百万円の財政支出は避けられるわけであります。そして、OB組織のために出しているような外部への発注事業、こういうものもなくしたら、私は、任意保険に加入するだけの金額は出てくるんじゃないかと。あらあら試算をすると出てくるわけでございます。

 つまり、本来使うべきところにお金を使わないで、何とかなるところ、理解を求められれば国会予算を使わなくてもできることを、削ればできることを実はやっていない、こういう矛盾があるわけでございます。

 質問時間が来ましたので終わりますけれども、ぜひとも、衆議院の施設の早期の売却については我々も議運の場でやりますし、また、このようなOB組織に対しての、不必要と思われるような外部への発注を見直していく、そして、もし万が一、人様にけがをさせたり事故を起こしたときには、最大限の賠償ができるような仕組みにしておくためにも任意保険に加入する、このことは絶対にやるべきだと思います。

 先ほど申し上げました。全員が入っていないんじゃなくて、民間から来ている人は入っているんです。ドライバーさんによって、相手、事故によっては全く補償の額が違ったり、手続の時間が違ったり、その労力たるや違うわけですから、これは、ひとしく全員が任意保険に入る、その財源を確保する、そうすべきだということを最後に申し上げまして、時間が来ましたので、終わります。

 以上です。

岩屋主査 これにて渡辺周君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

岩屋主査 次に、防衛省所管について審査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。勝沼栄明君。

勝沼分科員 自由民主党の勝沼栄明でございます。

 本日は、予算委員会第一分科会におきましてこのように質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 私は、議員になる前は形成外科の医者をしておりました。メスを置いて約四カ月になりますのでサージャンとしての腕は多少落ちたかもしれませんが、この世界に身を投じた以上、政治家として、社会の問題にしっかりメスを入れ、病巣をえぐり出し、改善するよう努力してまいる所存です。

 初めてメスを握ったときの緊張を今思い出しているところでございますが、岩屋委員長、小野寺防衛大臣を初め政府参考人の方々、本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

 初めに、北朝鮮のたび重なる挑発行為に際し、防衛大臣を初め政務三役の先生方、防衛省の皆様、そして自衛隊の皆様、連日、本当に御苦労さまでございます。本日、四月十五日も、故金日成主席生誕百一周年で、北朝鮮にとっては大事な日でございますので、国民の生命と財産を守るためにも、引き続き万全を期していただくようお願い申し上げます。

 さて、我が国を取り巻く安全保障環境が、今このような周辺事態が起こり得る大変厳しい状況にございますことは論をまちません。領土、領海、領空の防衛、各種事態に対応する即応性の向上は喫緊の課題であります。

 また、任務の多様化や国際化、装備の高度化、少子化、高学歴化等のさまざまな要素により、自衛官の階級、年齢構成は、各国軍隊のピラミッド型に比べ、非常にいびつなものとなっております。このことは、自衛官の精強性の維持という観点から見ると、すぐにでも取り組まなければならない課題だと思います。

 では、お聞きいたします。

 このことに対する現状認識、及び、今後どのように取り組まれていくのか、具体的にお聞かせください。

    〔主査退席、大塚(拓)主査代理着席〕

小野寺国務大臣 勝沼委員には、医師という大変重要なお仕事をしながら、予備自衛官ということで、日本の安全保障、国防に大変御理解をいただきまして、心から感謝を申し上げます。

 今お話がありました自衛官の階級、年齢構成ですが、装備の高度化、任務の多様化、国際化などの対応のために、部隊等において、より一層、熟練した者、専門性を有する者が必要となってきております。

 我が国において、少子化、高学歴化が進展し、安定した就職先を志向する傾向が強まったことを受け、非任期制士の採用数を増加させたということがございます。そのために、現在、准尉、曹の階層の割合が相対的に高くなっていると認識をしております。

 自衛隊には、陸海空自衛隊それぞれに、経験による知識、技能が重要な部隊等や、体力要素を重視する部隊など、特性が異なる部隊等が存在します。

 今般の防衛大綱の見直しにおいては、このような特性の違いを踏まえて、あるべき階層、年齢構成について検討し、各種の人事施策を検討していく、そのような考えでおります。

勝沼分科員 ありがとうございます。

 この問題は、以前から指摘されておられる方も多く、防衛省内や自衛隊内だけで解決できる問題ではございませんが、社会問題の一つとして、広く国民の皆様にも理解を求めながら、私も、しっかり汗をかかせていただきたいと存じます。

 さて、国民への自衛隊の周知、国民の皆様に、より深く自衛隊や国防を知っていただく方法の一つとして、予備自衛官制度があると思います。

 先ほど大臣もおっしゃっていただきましたが、私は、昨年十二月十五日まで、北部方面衛生隊所属の予備自衛官をやっておりました。当選させていただいたのに伴い、準公務員との兼職禁止ということで、衆議院議員と予備自衛官、どちらを選びますかと聞かれたんですけれども、泣く泣く議員を選びまして、予備自衛官をやめてまいった次第でございます。

 では、お聞きいたします。予備自衛官制度の意義、もしくは趣旨について、お聞かせください。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 各国比較いたしますと、予備兵力の持ち方、これはもうさまざまでございます。

 我が国の場合も、予備自衛官につきましては、防衛招集から災害派遣等招集までさまざまな任務があるわけでございますけれども、我が国の予備自衛官制度の考え方について申し上げますと、我が国の有事におきましていわゆる正面兵力というものを何倍にも増強させるというようなものでは必ずしもなくて、現在の自衛隊の実力というものを有事においても有効に機能させるということが基本的な考え方となっておるわけでございます。

 具体的に申し上げますと、予備自衛官は、防衛招集命令を受けますと、そこで自衛官となるわけでございますけれども、常備の自衛官あるいは即応予備自衛官から成る部隊が作戦地域に転用されますと、その後方地域におきまして警備あるいは後方支援等の任務に当たる、これが基本的な考え方、意義というふうに考えております。

勝沼分科員 では、実際の人数、元自衛官と元予備自衛官補の割合、即応ではなく、予備自衛官の平均年齢についてお聞かせください。

三村政府参考人 お答えいたします。

 予備自衛官の現員でございますが、平成二十四年十二月末現在で、陸上自衛隊の予備自衛官は三万一千七百十二名、海上自衛隊の予備自衛官は七百十五名、航空自衛隊の予備自衛官は六百八名、合わせまして、合計で三万三千三十五名でございます。

 全自衛隊の予備自衛官に占めます自衛官出身の予備自衛官につきましては、三万六百五名で、約九三%でございます。予備自衛官補から任用されました予備自衛官につきましては、二千四百三十名で、約七%となっております。

 また、予備自衛官の平均年齢は、平成二十三年度末で、四十六・六歳となっております。

    〔大塚(拓)主査代理退席、主査着席〕

勝沼分科員 ありがとうございます。

 九三%が元自衛官の方で、しかも、そのほとんどが定年まで勤められた方で構成されているのがよくわかります。

 そして、私が実際に体験した現場の方はどうかと申しますと、言葉は悪いのですけれども、退役された方の同窓会、そういった感じがございます。訓練に関しましても、正直、技能や士気の向上に資するものであるとは、お世辞にも申せません。

 私は、公募技能の予備自衛官として入隊いたしました。ほかにも、公募一般の方もおられますが、皆、公募で入隊してくるぐらいですから、士気も高く、予備自衛官補のときは、教育隊でそれなりの訓練も受けております。

 そういった者が一緒に訓練を受けるわけですから、実際、予備自衛官になると、落胆度も高く、士気が下がってしまっているというのが現状であります。

 確かに、受け入れる側の体制、人員の問題もありますし、予備自衛官の役割としては、第一線部隊が出動したときに駐屯地の警備及び後方地域での任務等につくというものがありますので、求められる訓練水準がそれほど高くないという現実もあると思います。しかし、予備自衛官になってもしっかりと訓練を受けたい、そう考える隊員もいまして、それに現場が応えられていないという実情をぜひ知っていただきたい、そう強く思うところでございます。

 さて、東日本大震災では、制度開始以来初の災害招集があったのは記憶に新しいところではございますが、実際の、予備自衛官の招集状況をお教えください。

三村政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、東日本大震災におきまして、予備自衛官を初めて災害招集して災害派遣をしたところでございます。

 予備自衛官につきましては、被災地における部隊や、部隊が派遣された後の駐屯地、基地等のニーズを踏まえて、所要の人員を満たすため、三百十七名を招集したところでございます。

勝沼分科員 ありがとうございます。

 三百十七人、これは全予備自衛官の約一%です。出頭率一%というのは、お世辞にも高いと申せません。ふだん、別の仕事をされている方たちですから、個々人の理由もあり、一概には申せませんが、やはり、実際の運用を考えた制度となっていないのではないか。先ほどの答弁にもございましたが、効率的で弾力的な人的戦力の確保という予備自衛官制度の趣旨にかなうものとなっていないのではないか、そう思わざるを得ません。

 誤解をしていただいては困るのですが、私は、予備自衛官制度を決して否定するものではございません。むしろ、国民の一人として、微力ながらも国防の一端を担うことができるという喜びを持って務めてまいりました。ですので、現状が非常に歯がゆく思えるのです。

 そこで、お尋ねいたします。

 次期防衛大綱、次期中期防衛整備計画の策定が進んでおるところでございますが、その中で、予備自衛官制度を、より趣旨に沿ったもの、そして、より使えるものにするために抜本的に改革していく、そういった御意思はおありでしょうか。お答えお願いします。

徳地政府参考人 御答弁申し上げます。

 我が国有事などの際におきましては、事態の推移に応じまして必要な自衛官の数というものを早急に満たす必要があります。したがいまして、予備自衛官制度の円滑な運用、これは引き続き重要な課題であるというふうに考えております。

 それからまた、先生からも御指摘がございましたとおり、予備自衛官の募集総数といたしまして、自衛官の経験者もあれば、あるいは未経験者の方もおられますけれども、いずれにいたしましても、ふだん、一般社会の中で働いている、あるいは勉強されている、そうした方々に、いざというときには自衛官として働いていただくということでございますので、自衛隊についての国民や一般の方々の理解、協力を得るという意味でも、大変重要な制度であると私どもは考えております。

 今は、防衛省におきましては、東日本大震災における教訓も踏まえまして、予備自衛官制度につきまして、有効で円滑な運用を確保するという観点から、幾つかの取り組みを行っております。現実には、非常に低充足でございます、大体七〇%ぐらいでございますので。これにつきまして、充足の向上ということも必要でございます。

 それから、円滑で迅速な招集というものを図るためには、予備自衛官が実際どういうような能力、資格を持っているか、例えば、自動車の整備士でありますとか、大型の運転免許を持っているとか、あるいは医療関係の資格を持っているとか、そうした個々の能力、資格等についても我々として把握しておく必要がございますので、そうしたデータベース化というようなことも行っておるところではございますけれども、今後、さらにしっかりと検討していく必要がございますので、先生の御指摘も踏まえまして、防衛計画の大綱の見直し等の中で引き続きしっかりと議論をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。

勝沼分科員 ありがとうございます。

 ぜひそれは、心よりお願い申し上げます。私も、与党の一員として、そして安全保障委員会の一員として、しっかりと汗をかかせていただきます。

 首都直下型地震や南海トラフ地震、いつ起こってもおかしくないと言われております。そのため、政府・与党は、一丸となって国土強靱化を進めている最中であります。

 当然、ハードの部分も大事ですが、ソフト面の強化も忘れてはなりません。ソフト面で大きな役割を担うのは、やはり自衛隊です。東日本大震災での隊員の皆様の活躍は本当にすばらしかったと思います。自衛隊と国民との距離がぐっと縮まりました。今後起こり得る大地震の想定される被害は、東日本大震災の比ではないと言われております。自衛隊の果たすべき、そして国民から期待される役割は、さらに高まっておる次第であります。

 また、最近の我が国周辺の安全保障環境の厳しさを考えますと、大地震に加えての周辺事態が起こらないとも限りません。いわゆる複合事態の発生です。今の我々に、想定外という言葉はございません。常に、最悪の事態を想定し、それに備えなければなりません。

 東日本大震災では、二十五万人のうち十万人の隊員が投入されました。もしあのとき周辺事態が起きていたら、果たして大丈夫だったのでしょうか。疑問符がつかざるを得ません。

 やはり、今こそ、先ほど来お話しさせていただいていますように、常備自衛官の抜本的な人事制度改革、そして、東日本大震災以上の災害や複合事態を想定しての効果的な常備、予備両自衛官の運用を考えていかなければならないと考えております。

 次に、ちょっと話はかわりますが、自衛隊の、北海道に展開する部隊についてお聞きいたします。

 日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、とりわけ南西方面への対処が重視されている。このことは、現状を鑑みまして、非常に理解できるところでございます。しかし、北海道が接するロシア極東地域には、依然として、核戦力を含む相当規模の戦力が存在しており、また、その活動も、活発化の傾向が見られます。

 東日本大震災が発生した平成二十三年には、ロシアの長距離爆撃機が我が国周辺を一周する経路で飛行したことや、ロシア艦艇二十四隻が宗谷海峡を相次いで通航するというような事態も見られております。

 また、我が国領空に近接する外国機の飛行に対する緊急発進、いわゆるスクランブルは、平成二十三年度は、中国機が急増したこともあり、二十年ぶりに四百回を超えていました。また、そのうちの二百四十七回、約六割は、ロシア機に対するスクランブルでございます。

 さらに、最近のロシアは、国後、択捉両島に新たに軍事拠点を構築するなど、北方領土の実効支配を強めているところでございます。

 以上からおわかりのように、現時点において北の脅威が決してなくなったわけではないと思われますが、北の守りに対する政府のお考えをお聞かせください。

徳地政府参考人 御答弁申し上げます。

 ロシアの状況につきまして先生からも御指摘ございましたけれども、私たちといたしましても、ロシアにつきましては、軍事力の規模は冷戦終結以降大幅に縮減しているという認識ではございますが、先生から今御指摘ございましたとおり、軍事活動につきましては、引き続き活発化の傾向にあるというふうに認識をしております。

 したがいまして、ロシアの動向につきましては、今後とも十分に注視をしていくという必要はございます。

 また、北海道につきましては、これは、唯一の機甲師団であります第七師団を初め、陸海空各自衛隊の各部隊があるとともに、大きな演習場あるいは弾薬庫といったような重要な自衛隊施設が多く存在するところでもございます。特に演習場につきましては、全国の演習場の総敷地面積の約四七%、半分近くを占めているわけでございます。

 また、長い間、地元からも大変な御協力をいただいて、非常に良好な訓練環境を有しているという認識でございます。

 したがいまして、自衛隊がさまざまな事態に実効的に対処する態勢というものを保持する上で北海道は非常に重要な地域である、かように認識をしているところでございます。

勝沼分科員 ありがとうございます。

 北海道の重要性を非常に高く認識されているところは安心しました。

 しかしながら、北海道では、第五師団、第十一師団が旅団化されたほか、国際平和協力活動や災害派遣の中核となる第三施設団が北部方面施設隊に改編されるなど、急速に部隊の削減が行われてまいりました。

 平成二十五年度防衛省予算においても、南西地域における情報収集、警戒監視や安全確保に万全を期すため、関連する自衛隊の部隊において自衛官の実員を増員するための経費が措置され、二百八十七名の増員がされております一方で、北部方面隊においては人員の削減が行われております。

 では、実際の削減内容に関しまして、お答え願います。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 陸上自衛隊では、かつてのような冷戦型の、いわゆる大規模な着上陸侵攻というものに対する対応を主体とするこうした考え方を改めておりますので、戦車あるいは火砲といいましたような重装備の縮減というものを図りつつ、他方で、即応性あるいは機動性といったものを向上させる、こうした観点からの部隊改編を実施してきておるところでございます。

 平成二十五年度予算案におきましては、北部方面隊におきましては、第七師団の即応近代化改編、それから、第一戦車群の廃止、第二師団の改編、このような部隊改編を行うということとしております。

 これによりまして、北海道全体として見ますと、まず、戦車でございますけれども、九〇戦車につきましてはほとんど数的に変化はございませんけれども、老朽化の進む七四戦車の削減といったものと、それから他方で、最新の一〇式戦車の新たな導入といったようなことで、合計いたしますと、約四百五十両から三百五十両に、これは百両ほど削減をされるということになる一方で、常備自衛官につきましては、先ほどのような戦車あるいは火砲の削減による減もあるのでございますけれども、即応性の向上といったこともありまして、全体では約四百二十名増員、このようなことになっております。

勝沼分科員 ありがとうございます。

 国の防衛は国力に応じ整備するものですが、決して十分とは言いがたい限られた予算の中で、自衛隊、特に陸上自衛隊は、北海道の広大な演習場や良好な住民感情をバックに部隊の精強化に努めております。その道場となる訓練環境をより充足させ、活用するため、人員の削減ではなく増員、部隊の統廃合ではなく、施設部隊を増強することや、教育部隊等のさらなる配置等が必要と考えております。

 では、今後の、北海道で展開する自衛隊の展望についてお聞かせください。

小野寺国務大臣 まず、東日本大震災においてのさまざまな教訓を私どもしっかり生かすべく、特に、これから、首都直下型、また東海、東南海の震災等のことを踏まえて、対応が必要かと思っております。

 先般、東日本大震災において統幕長として活躍をしていただいた折木氏に、私の補佐官ということで任命をさせていただき、この教訓をぜひ自衛隊全般としてしっかり共有できるように、また、対応ができるようにということで、今指示をさせていただいております。

 御指摘にあります北海道の地元の皆様、自衛隊創設以来、大変長きにわたって自衛隊を支えていただき、良好な訓練環境を提供するなど、御協力をいただいてまいりました。

 また、先週十一日ですが、北海道の自衛隊所在自治体の首長の方々、千歳の市長を初め、私のところに約六十名来ていただきまして、そして、北海道の所在部隊にかかわる御要望、これを私自身も受けさせていただきました。

 こうした点も踏まえつつ、陸上自衛隊の将来体制については、一層厳しさを増す安全保障環境とともに、地域コミュニティーとの関係、これをしっかり考えながら、また、北海道の良好な訓練環境などを十分に考慮しながら、具体的な検討、それを行ってまいりたいと思っております。

勝沼分科員 非常に前向きな答弁、ありがとうございます。

 北海道は、陸海空自衛隊の活動拠点となる地域でございます。その中でも陸上自衛隊に関しましては、創設当初から受け入れ、駐屯させるとともに、精強な部隊育成に必要となる広大な演習場や弾薬庫等を提供するなど、国の防衛施策に積極的に協力し、約六十年の長きにわたり、自衛隊と共存共栄するまちづくりを北海道は積極的に進めてまいりました。

 陸上自衛隊は、北海道の大地を道場として部隊を錬成し、イラク、南スーダン、スマトラ沖、ハイチへの派遣に際しましては常に全国の自衛隊に先駆けて派遣され、立派に責務を完遂しております。そして、東日本大震災においても、直ちに約一万二千五百人の陸上自衛官を被災地に派遣し、活躍してくれました。

 こういった事態に素早く的確に対応できるのは、陸上自衛隊が北海道をキーステーションとして部隊を錬成し、緊急事態に備えているからだけでなく、これをしっかりと後押しする北海道民の力強い支援があるからにほかなりません。

 このことをぜひ御理解いただき、次期防衛大綱、次期中期防衛整備計画においては、バランスのとれた戦力配備という観点からも、北海道における自衛隊体制強化のため格別の御配慮をいただきますよう、お願い申し上げます。

 想定していた時間よりも早く終わってしまったんですけれども、先ほど複合事態に関してちょっと聞いたんですが、そこで答弁をいただいていませんでしたので、大臣、今後、複合事態等いろいろ考えていることがございましたら、ぜひ御答弁をお願いします。

小野寺国務大臣 複合事態、さまざまございます。

 たしか、おとといだと思います。朝、地震がございました、淡路の地震だと思いますが。そのときは、実は我が省としては、北朝鮮のミサイル防衛の対応、そして南西地域、海域での対応、そしてこの震災対応が一度に参りました。それを今回はしっかり対応させていただきましたが、今後さまざまな事案が起きることを踏まえ、どのような複合事態に対応するかということ、これもやはり大綱、中期防、大切な課題だと思っております。

 大変大切な御示唆をいただきました。感謝を申し上げます。

勝沼分科員 ありがとうございます。

 国民の一人として、元予備自衛官として、そして元医師として、安全保障に対しては、しっかりと考えて、そして行動してまいりますので、今後とも、大臣を初め政務三役の方々、防衛省の方々、皆様の御指導、御鞭撻を賜りますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

岩屋主査 これにて勝沼栄明君の質疑は終了いたしました。

 次に、中谷真一君。

中谷(真)分科員 皆様、こんにちは。自由民主党衆議院議員の中谷真一でございます。

 きょうは、アルジェリアの人質事件に関して質問をさせていただきます。

 まず、アルジェリアにおいて命を落とされた方々、また御遺族の方々に対しまして、心からお悔やみを申し上げたいというふうに思います。

 本日は初質問でございます。質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。心から感謝を申し上げます。私、新人でございまして、ふなれな点、また少々緊張もしておりまして、お聞き苦しい点等もあるかとは思いますけれども、一生懸命務めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 質問に入る前に、今、北朝鮮での挑発が続いております。この挑発に対して、防衛大臣を初めとする防衛省の皆さん、自衛隊の皆さん、また外務省の皆さん、本当に献身的に、態勢をとっていただいて警戒をしていただいているというところでございます。心からの感謝と敬意を表したいと思います。

 ただ、まだこれは終わっておりませんで、万全な態勢を維持していただくことをよろしくお願い申し上げたいというふうに思うところでございます。

 それでは、質問の方に移ってまいりたいと思います。

 今回、アルジェリア人質事件に関する質問をさせていただこうというふうに思いまして、この事件について、まず全容を知るべきだということで、政府としてどういった事件だったと認識しているのかなということで、私、外務省を呼んで聞いてみたんですけれども、お話を聞いていて、全容解明にはまだ至っていないなということを受けました。

 これは、アルジェリア政府の情報統制であったりとか、また、七人の生存者の方がおられたということですけれども、やはりまだ精神的に話せる状況でないというようなことで、まだこの全容解明には至っていないのかなと。

 ただ、私は、このアルジェリア人質事件において、今後日本政府としてどうテロに対抗していくのかということを、今までは何ができて、今何ができて何ができないのかということを明らかにしていくという上では、この全容解明というのは非常に重要だというふうに考えております。

 ここで外務省にお聞きしたいんですけれども、今後、早期に全容解明をすることに努められていく御意思はございますか。

上村政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の事態に関しまして、我が国として、事態の全容につきましては、アルジェリアの政府に対して累次説明を求めてきているところでございます。

 一番最近の例を申し上げますと、先般訪日をいたしましたアルジェリアのユスフィ・エネルギー鉱業大臣との会談におきまして、菅官房長官、岸田外務大臣等より、事件に関する捜査の進展及び結果について随時共有するように要請したところでございます。これに対しまして先方からは、日本側の要請にできる限りの配慮を払いたいという話がございました。

 政府といたしましては、今後とも、事件の全容解明に向けまして、アルジェリア政府と一生懸命話していきます。

中谷(真)分科員 ありがとうございます。

 これは何とか早期に全容解明をしていただきたい。今も、アフリカのアルジェリアにも日本の企業は行っていますし、そのほかのアフリカ、また世界に日本の企業は展開しているということでございますので、この危機は進行しているということでございますので、早期の全容解明をよろしくお願い申し上げたいというところです。

 今回、私も、このアルジェリア事件について、私自身でいろいろ調べさせていただきました。調べていく上で私が非常に感じたことについて、御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 今回、一月の十六日にガスプラントが襲われたわけでございます。このガスプラント、アルジェリアの会社、またイギリスのBP、またノルウェーのスタトイルということで、多国籍で形成をされているプラントで、ここに日揮が入っているんですけれども、この日揮については、石油の権益というよりは、プラントの建設で入っていたというふうに聞いております。

 そして、その企業の幹部が一堂に会する、それが一月の十六日だったというふうに聞いております。これは非常に計画的な犯行だな、場当たり的ではないなということを私は感じたわけでございます。

 このテロを首謀したのは、モフタル・ベルモフタルという人物だというふうに言われておりますけれども、密輸、たばことか麻薬、こういったことであだ名がついていて、ミスター・マールボロというふうに言われていたりとか、あとは、なかなか捕まえることができないということで、アンタッチャブルというふうに言われている。これはプロ、プロ中のプロだと。さらに、身の代金事件、人質をとって身の代金を分捕るというような事件を数多く起こしているということで、取った身の代金については数億円に上るというふうにも言われているということです。こういったプロが起こした計画的な犯行ではないかというふうに思っているところでございます。

 今回、このガスプラント、中身はどうだったのかなというところを見たんですけれども、中には八百人ほどが働いていたというふうに聞いております。そのうちの六百六十人についてはアルジェリア人で、その残りの、これは百三十六人というふうに言っているんですけれども、これが外国人だった、二十六カ国から集まった外国人が働いていたというふうに聞いております。

 それで、今回、計画的な犯行でガスプラントが襲われて、一気に制圧をされたということでございます。そして、制圧をされて人質としてとられて、そしてその後アルジェリア軍が攻撃をするんですけれども、ここで犠牲となった方々というのはどうかというふうに見ますと、三十八名の方が犠牲になられた、このうちの十人が実は日本人なんですね。これは非常に割合が高いなと。日本人はこのガスプラントの中には十七人しかいなかった、そのうちの十人が犠牲になっているというところですね。

 それで、このテロリストたちは何を最初に求めたかというと、フランスのマリ介入の即時中止を求めているんです。さらに、アメリカが捕らえているテロリストの釈放、こういったものを求めているというところでございます。

 ただ、ここで注目したいのは、フランス人の犠牲者というのは一人、アメリカ人の犠牲者というのは三人しかいないんです。日本人は十人亡くなっているということです。

 先ほども申し上げました、モフタル・ベルモフタルという首謀者はたくさんの身の代金事件を起こしているということを考えると、私は、これは実は身の代金目的の事件だったのではないかなと捉えることができるというふうに考えたわけでございます。特に、日本人を狙ったとまではいかないかもしれないですけれども、中に入っていって日本人をとることが有利だということを考えて行った身の代金目的の事件だったというふうに考えたんですけれども、これについて、外務省の見解をよろしくお願い申し上げます。

上村政府参考人 お答え申し上げます。

 邦人が狙われたのかどうかというお尋ねでございますけれども、これは、お答えするのはなかなか難しいと現時点では思います。

 ただ、アルジェリアのメデルチという外務大臣が公の場で、二月の上旬ですけれども、次のようなことを申しております。テロリストの目的は、諸外国の従業員が働くプラント施設を攻撃することで、アルジェリアのみならず国際社会に対して損害を与えることが目的であった、このように説明をしております。

 これは外務大臣の説明ではございますけれども、アルジェリア政府の公式な事件の捜査それから検証に基づく発言がございませんので、我々は、先ほど申し上げましたとおり、事態の全容につきましてアルジェリア政府に対して累次説明を求めてきましたし、これからもできるだけ早急にそういう結果をいただくようにしたいと思います。

 直接のお答えではございませんが、そういうことでございます。

中谷(真)分科員 ありがとうございます。

 今、アルジェリア政府の見解として外相の発言について言われましたけれども、一部報道では、テロリストが移動する際に、日本人は手を挙げろというふうに言って、日本人に手を挙げさせて、そしてそれを自分たちが移動する先頭車両に乗せて移動をしたというような報道もございました。私は、そういった身の代金目的で邦人が狙われたという可能性が拭えないのではないかというふうに考えているわけでございます。

 そして、なぜ日本人が狙われたのかというところを考えると、やはり私は、これまでの日本のテロに対する姿勢というものを実はテロリストは知っているのではないかというふうに思ったわけでございます。

 ダッカ事件、有名な事件がございます。福田首相でございましたけれども、人命は地球より重いということで、ハイジャック犯に対して大きく譲歩をして、身の代金については十六億円を払ったというふうにも言われておりますし、また、ハイジャック犯の仲間である、企業を連続爆破した犯人を六人釈放してしまったということで、これは非常に国際的な非難を受けたといったところでございます。

 その後も、たくさんのそういった事件があったんですけれども、これに政府として強い意思で直接介入をして解決したという事例はございません。

 さらに、敗戦国ということでちょっと比べたいんですけれども、では、ドイツというのはどうだったかというと、ドイツは、ミュンヘン・オリンピック事件というのがございまして、ミュンヘン・オリンピックのときにイスラエルの選手十一名が捕らわれたという事件がございました。このとき、ドイツについても、やはり国内法を整備することができなくて、そういった者を救出する能力がなかったというところで、十一人全ての命が失われたという苦い経験を負ったわけでございます。そして、その苦い経験をもとに、今度はしっかり体制を整備しようということでやっていたわけでございます。

 そうしたら、ソマリアのモガディシュ事件というのがございまして、これもハイジャック犯だったんですけれども、このときは、そのときまでにしっかり準備をしていたGSG9という武装警察、これはどちらかというと軍に近いというふうに思いますけれども、これを、ソマリア政府の了解を得て、ソマリアのモガディシュ空港で突入させて、そして全ての人質を無事救出したということで、これは非常に世界からも称賛をされた。テロに対して強い意思で向かっていくんだということをドイツは示したというふうに言われております。

 やはりこういったことは、私は、ドイツ人に手を出すなという非常に強いメッセージになるのではないかなというふうに思っているところでございます。

 そこで考えたいのは、私は、今回、アルジェリアの人質事件が起きて、政府として、首相と官房長官がメッセージを発信していたわけでございますけれども、どうしても、人命優先、人命第一という言葉が非常に躍ったように感じました。そういう目で見ていたわけではないんですけれども、そういった報道が非常に強かった。テロに対してしっかり対決していくんだという姿勢については、非常に抑えたのではないかなというふうに私は考えております。

 何を申し上げたいかというと、人命は非常に大切だというのは、もちろんそのままでございますけれども、ただ、そういったことでどんどん譲歩をしていくと、反対に日本人に対して危険が及んでいく、テロの脅威にさらされるということだと思っております。テロに対して強い意思で臨んでいくという姿勢が、私は、日本人を守ることになるんだというふうに考えているわけでございます。

 今回の首相、官房長官のこういった対応もございますけれども、これについて、今後テロに対して臨む省庁になる外務省、また防衛大臣の御見解をお聞きしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

上村政府参考人 お答え申し上げます。

 御案内のとおり、政府としては、テロに対する基本的な方針というのは、人命を最優先としつつ、テロは断じて許容せず、テロリストの要求には屈しないということでございます。

 今先生御指摘ございましたが、例えば一月十七日、事件直後でございます、岸田大臣のぶら下がり会見、あるいは総理のぶら下がり会見、それから官房長官の定例記者会見、いずれにおきましても、日本政府として極めて事態を憂慮している、こうした行為は断じて許すことはできないという旨をあわせて述べていることは事実でございます。

 政府として、テロへの具体的対応は、もちろん、個々の事案によって異なるとは思います。場合によりましては、人命を最優先としつつもテロリストの要求に屈しないという命題を追求することが大変困難な場合もあるかと思いますが、従来より、それからこれからも、政府としては、この二つの原則を確保すべく、あらゆる手段を尽くしていきたいと考えております。

小野寺国務大臣 直接防衛省としての所管ではないかもしれませんが、閣僚の一人として、そして以前、外務省の大臣政務官、副大臣、両方で人質事件に直面したときの経験をお話しさせていただくと、まず、事案が発生した直後は、犯人側は大変、ある面で頭もかっかしているような、そんな状況にあります。こういうときの政府の発言というのは、いきなり好戦的な話になると、これは真っ先に人質の問題に直結するからということで、まず初めは、やはり人命の話をすることが大事だと思います。

 それ以降の対応については、これはやはり、テロに屈しない、そういう本筋の中で対応するのが大切だと思っておりますし、私どもとしては、テロの背景にあります貧困の問題、あるいはさまざま社会的な差別の問題、こういうことをそれぞれの国が解決するための役割、これが最終的には大事だと思っております。

 ですから、むしろ外務省として、さまざまな、ODAを含めた支援、こういう中で、その根本の解決に努力することも大事だと思っております。

中谷(真)分科員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおりでございまして、やはり最初は人命優先という発信もあるんだろう、これは冷ますために。ただ、最終的には、テロにしっかりと対峙していくんだという姿勢を見せていかなければいけないというふうに私は思います。そのようにしていただければと思います。それが、テロから日本人の命を守ることになると思うわけでございます。

 これはもちろん、そういう発信、いわゆるメディアを通した発信、こういった言葉の問題もありますけれども、私は、そういったテロに対決をしていくんだという体制もしっかり整備していく必要があるというふうに考えております。

 今回、アルジェリアで事件がありましたけれども、先ほども、この危機というのは進行しているんだというお話をさせていただきました。

 アルジェリアに今展開している日本企業というのは、三十五社、五百六十人程度というふうに聞いております。これは、日揮、三菱、IHI、鹿島とか、伊藤忠、丸紅、NEC、こういったそうそうたる企業が出ていっているというふうに聞いております。

 日本からアフリカへの直接投資残高、これは二〇一一年で七千二百億円ということで、中国と比べると十分の一程度ということで、額はまだまだ低いんですけれども、伸び的には十年間で十三倍の伸びがあるということで、これは、アフリカに対する企業の投資意欲というものは非常に熱を帯びてきた、また、チャンスがそこにだんだん出てきているというふうに捉えることができるのではないかというふうに思っております。私は、今回のアルジェリアの人質事件を受けて、この企業の進出に水を差す形になってはいけないなというふうに考えているわけでございます。

 ここでちょっとお聞きしたいのは、グローバリズムによって、また、日本というのは資源が乏しかったりとか、貿易、こういったものを大事にしている国だということで、世界へ企業は展開していっているわけなんでございますけれども、日本政府として、今後もどんどん展開させるという戦略なのか、それとも、そういった危険を冒さないように自重を求めていくというような戦略なのか、ここを経済産業省にお聞きしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

中山(泰)政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、日本は資源、エネルギーがございません。また、日本国内の経済成長のためにも、特に新興国を中心といたしまして、こういった外需を取り込んでいくということは不可欠だと思っております。

 そういうことから考えますと、今後も、我が国の企業の海外展開を、経産省のみならず、政府全体として支援していくということは重要なんだろうと思っております。

 他方、先ほどから御議論いただいておりますように、今回アルジェリアで起きた事態を考えますと、進出される企業の海外での安全というのをいかに確保していくか、これが非常に大事な問題だというふうに思っております。

 もちろん、第一義的には、海外における邦人保護は外務省の仕事でございますが、経済産業省といたしましても、例えば、三十社ほどの企業にヒアリングをいたしまして、企業が各社でどういうような自衛措置をとっているのか、また、政府に対してどういうような措置をとってほしいのかというようなこともまとめたりしております。また、ジェトロ等を通じて、企業との間でいろいろな、安全対策、危機管理の普及啓蒙に努めているところでございます。

 引き続き、関係省庁とも協力して、企業の方々の声に耳を傾けて、対策をとってまいりたいと思っております。

中谷(真)分科員 ありがとうございます。

 今おっしゃったように、政府としてもやはり後押しをしていく、そういう戦略だというふうに私は聞いてとれたんですけれども、だとしたら、企業にばかりリスクを負わすのではなくて、やはりそのリスクを緩和するように政府として対策を打っていかなければならないのではないかというふうに考えております。

 では、それは何なのかというところでございますけれども、私は、今回のこの事件を受けて思ったのは、やはり情報体制が非常に脆弱だったのではないかと。それは、事件が起きるまでの情報収集体制もそうですし、事件が起きてからも非常に脆弱だったように私は感じました。ここの体制強化というのは非常に重要なんだろうというふうに思っているところでございます。

 今回、アルジェリアで事件が起きたわけなんですけれども、アルジェリアにおける情報については、アルジェリア大使館が中心になってとっていたということになるんだろうというふうに思います。大使以下十三人おられて、そのうちの七人が情報収集能力があるというふうに外務省からはお聞きをいたしました。この体制自体が多い少ないというのがあると思うんですけれども、これで十分なのか。

 さらに、ここで注目したいのは、防衛駐在官が一人もいなかった。

 このアルジェリアという国、これは非常に軍の強い国。こういう国には、私は、防衛駐在官をしっかり置いて、軍が非常にいい情報を持っている可能性が高いというところでございますので、しっかりとコンタクト、まあ、自衛官を軍人というとあれかもしれませんけれども、やはり軍人と軍人としてコンタクトをとって、そして情報をとっていくということが必要なんだろうというふうに思っております。

 こういったことで、防衛駐在官をふやしていくべきだ、特に、そういう軍の強いような国にはどんどん配置をしていかなければいけないというふうに私は考えております。このことについて、外務省、防衛省の御意見をお聞かせ願えればと思います。

小野寺国務大臣 中谷委員は大変よく御存じだと思います。御自身の御経験も含めて、防衛駐在官、これは重要な役割であります。

 今、地域的に空白になっているところがございます。例えば中南米等もそうでありますし、また、これからアフリカも大切な地域だと思っております。

 私ども、外務省と相談をして今後検討する必要があるんですが、やはり大切なのは、そこに派遣するだけではなくて、派遣する駐在官の能力の問題、能力構築の問題、これはさらに大変重要だと思っております。この能力の向上ということがあって初めて、人材がある程度確保できて、そしてその人材のもとに駐在官をふやすということが今後必要だと思っておりますので、そういう能力構築も私どもとして取り組んでまいりたい、そう思っております。

山田政府参考人 ただいま防衛大臣がお答えになったとおりでございますけれども、今、防衛省の方で、アフリカ、特にサヘル地域、その他中東における防衛駐在官の配置のあり方について御調査をいただいておるところでございます。

 私どもとしましては、その御調査の結果も踏まえながら、防衛省と誠実に協議をして、今回の事件の教訓も踏まえながら、体制の強化に努めてまいりたいと思っております。

中谷(真)分科員 ありがとうございます。しっかり御検討いただければというふうに思います。

 日本は、三十六カ国の大使館に四十九人の防衛駐在官を出している。これに対して、またドイツと比べますけれども、ドイツについては六十五カ国に百九十八人出している、英国については八十四カ国に百六人ということで、経済規模からいうと日本の方が大きいんですけれども、出している人数については非常に少ないというところでございますので、ここはしっかり御検討いただきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

 次に、情報収集ではなくて、情報の評価、また分析、このことについて質問させていただきたいというふうに思います。

 私は、とってきた情報を集約して、それを評価、分析して使っていくということは、非常に大事だというふうに思っております。

 これは、各省庁から、今回では、アルジェリア大使館から外務省に入って、外務省から今度は内閣情報調査室に情報が入っていく、そのようなことで、経産省から入っていったり、農水省から入っていったりとか、防衛省から入っていくというようなことになっているというふうに聞いておりますけれども、意見集約をする機能としては、部屋、室なんというのでは非常に弱いのではないかというふうに私は考えております。

 やはり、情報を出せということで、その情報をしっかり集約して、これを評価、分析していくためには、それなりの大きさと、そしてまた権限が必要だ、それは各省庁と同じぐらいの権限が必要だ。私は、情報というのは非常に重要だというふうに考えております。それぐらいのプライオリティーを与えてもいいと。

 ですから、私は、内閣情報調査室というような規模ではなくて、これは省ぐらいまで大きくして、そして情報を吸い上げて分析をしていく必要があるのではないかというふうに考えております。

 また、省の中の人材、先ほど大臣からもございましたけれども、どういった人材をそこに配置するのかというのは非常に重要な問題でございます。

 やはり情報を扱うスペシャリストでなければならない。これは非常に広範多岐にわたる知識が必要です。その情報を見て、その人が防衛省の人間であれば、防衛省の視点でしか見れないというものであってはいけない。その情報を見たときに、これは経産省にとって必要だとか、これは農水省にとって必要だというような形で、気づく人でなければいけないというふうに思うわけでございます。幅広い分野に対して知識を持っている、そういった方を養成して、そこに配置をしていくということが大事なのではないかというふうに考えております。

 大分先の話になるかもしれませんけれども、こういう省への格上げ、また、そういうスペシャリストの育成、こういったことについて、内閣府のお考えをお聞きしたいというふうに思います。

能化政府参考人 ただいま情報機能の強化について御質問をいただきまして、まさに、その点は非常に重要であるというふうに認識しておりますけれども、そのための方策というのもさまざまあるのではないかというふうに考えております。

 例えば、まさに今御指摘がございましたように、情報に精通した人材を育成する、そして情報機能の強化を図っていくということがまず重要でございまして、政府といたしましては、情報コミュニティー内における研修、それから人事交流を推進するとともに、民間からも専門的な分析能力を有する人材を得るなど、人的な面での情報機能の強化に努めてきております。

 また、平成二十年から、情報コミュニティー全体の英知を結集した情報評価を作成するため、内閣情報調査室に内閣情報分析官を設置いたしまして、政府が保有するあらゆる情報手段を活用した総合的な分析を行うこととしております。

 すなわち、この情報分析官が情報評価書の原案を作成いたしまして、合同情報会議において了承されたものが、官邸幹部及び情報コミュニティー各省庁に配付されているところでございます。

 いずれにいたしましても、我が国を取り巻く国際情勢が一層厳しさを増しております中、国民の生命財産と我が国の領土、領海、領空をみずからの手で守るためには、政府全体の情報収集能力の向上を図るとともに、内閣の情報集約、分析機能を強化することが必要不可欠でございますので、こういった情報収集、集約、分析機能の一層の充実強化に取り組んでまいりたいと存じます。

中谷(真)分科員 ありがとうございます。今回の事件を受けて、さらなる情報強化をお願い申し上げたいというふうに思います。

 最後の質問になります。

 今回、邦人救出、これは、もし本当に人質として捕らわれた場合、こういった機能が必要だというふうに私は考えているところでございます。

 ただ、今回は、自公でPTをつくって、邦人輸送のところの自衛隊法の改正をしていただいたというところでございます。今までは、航空機、艦船でしか輸送できなかったものを、陸上輸送を加えていただいた、これは大きな前進だというふうに思っております。

 これは心から感謝を申し上げたいというところでございますけれども、私はやはり、これではまだ不十分なんだろう、やはり捕らわれた人質をいかにして助けていくかということは非常に重要だ、日本人の命はやはり日本人が守っていくんだ、また、テロとしっかり対決していくんだという姿勢が必要だというふうに考えております。

 邦人救出というと、武器使用の問題が問われるわけなのでございますけれども、今回も、武器使用については、隊員の自己防護の域を超えていないというところでございます。

 これに対して、救出というふうになると、任務遂行のための武器使用が必要となってくるというふうに考えます。これは憲法改正をしなければできないという方々がおられるんですけれども、私はそうではないと。政府の解釈の変更で、それについても、そういった邦人救出の法案を提出して、それを通すことができるんじゃないかというふうに考えております。

 これは、自然権、自衛権だ、国外にいる日本人も日本人であるというふうに思っているところでございます。

 最後に、済みません、もう時間になりましたけれども、防衛大臣、一言よろしくお願いいたします。

小野寺国務大臣 中谷委員はよく御存じだと思います。今回、輸送という形で今法案の準備をさせていただいておりますが、例えば救出、奪還ということになりますと、これは、武器の使用の問題を含めて、憲法との問題、この議論が必要だと思っております。

 私どもが一番こだわりますのは、実際この任務を行うのは自衛隊員でございます。その隊員が任務を全うする、あるいは自身の身を守るということ、これも含めて万全な対応ができるように、国会の中で、憲法の議論も含めて、しっかりとした、議論を深めた形での対応をぜひお願いしたい、そう思っております。

中谷(真)分科員 ありがとうございました。

 質問を終わらせていただきます。

岩屋主査 これにて中谷真一君の質疑は終了いたしました。

 次に、東郷哲也君。

東郷分科員 おはようございます。自由民主党の東郷哲也でございます。

 きょうは、この予算委員会第一分科会におきまして、岩屋委員長を初め小野寺大臣、そして左藤政務官ほか防衛省の関係各位に、このような機会をいただきましたこと、まずは心から御礼を申し上げたいと思います。

 まず、一昨日未明に発生いたしました淡路島を震源とします震度六という大きな地震に際しまして、大きな被害が出ております。こうした中で被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。

 十八年前の神戸の阪神・淡路大震災の記憶がよみがえったという中で、また、自衛隊関係者、防衛省関係者、こうした不測の非常事態、災害時においてきちっと対応していただきますことを心より御祈念申し上げておきます。

 私の地元は、守山駐屯地がございます、第十師団の司令基地の出身でございますけれども、二年前の東北の東日本大震災においても、八百人の隊員、部隊が出ております。地元としても、この自衛隊の活躍を大変誇りに思っておるところであります。

 また、先般の北朝鮮の核実験においても、隣の小牧基地からすぐに、北朝鮮の上空、放射能の濃度を調べに出動していただいておりますことに、心から感謝を申し上げたいと存じます。

 さて、きょう四月十五日、金日成生誕百一年といういわゆる太陽節を迎えております。そうした中で、先ほど来質問が続いておりますけれども、北朝鮮のミサイル発射、きょうにもXデーがあるんじゃないかというような報道がずっと続けられる中で、防衛大臣初め防衛省の皆様においては、大変緊迫した態勢をとっていただいているものと思います。

 そこで、私の方からは、通告しましたように、北朝鮮によるミサイル発射の案件につきまして、幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 昨年の四月、十二月に、北朝鮮のミサイル発射事案では、人工衛星の打ち上げと称して、事前に国際海事機関、IMOに、打ち上げ期間、ルートを通知しておりました。

 しかし、今回、北朝鮮によるミサイル発射準備は、まさに弾道ミサイル発射準備であり、期間、ルートの予告はありません。そうした中、また、違う種類のミサイルを複数打ち上げるという情報もあるようであります。

 東アジアの安全保障環境は、冷戦の終了後も依然として不安定でありますし、今回の北朝鮮のミサイル発射の構えにより、日本の安全保障環境はさらに厳しいものになったと思われますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

 また、これまで自衛隊が行った弾道ミサイル防衛システムの発射実験では、海上配備型ミサイルの発射実験では、これまで、二回のうち二回とも成功しています。

 また、民主党政権下だった平成二十四年四月七日、当時の渡辺周副大臣は、PAC3を配備した石垣島などを視察し、命中率は八割超と確信している、このように述べております。

 今後、複数のミサイルがほぼ同時に発射される事案においても、この迎撃ミサイルの命中率は確保できるのかどうか、また、政府は命中率の向上のためにどのような対策を講じているのか、防衛大臣の見解をお伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣 まず、おとといの地震に関しての対応ですが、発災後、我が省としましては、速やかに航空機そしてヘリコプター等で監視をさせていただきましたし、私も六時半ごろには登庁させていただき、対応に万全を期させていただきました。

 今回の北朝鮮のミサイル発射事案でございますが、従前と異なりまして、いわゆるミサイル実験というような状況ではなく、これは、いつ、どこに、どのような形でということが事前になかなか想定しにくいような案件であります。したがって、態勢におきましても、従来と違いまして、日本全体がしっかりとした安全な体制になるようにということで、今私どもとして準備をさせていただいているところであります。

 そして、御指摘の、例えばPAC3を含めたミサイル防衛システムの能力でありますが、これは、我が省の能力について今こうですということは、なかなか、作戦上あるいは運用上明らかにすることは難しいかとは思いますが、少なくても、私の見る限り、さまざまな問題に関してしっかり対応できるというような能力を持っていると思っております。

 また、今回、一部報道では、複数の発射もあるのではないかというお話がございました。その複数にも対応できる、そのような準備を心がけております。

東郷分科員 小野寺大臣、御答弁ありがとうございました。

 今、万全の態勢で北朝鮮のミサイル迎撃態勢をとっている。報道では、破壊措置命令が出されているんじゃないか、防衛省としては危機管理上なかなかお答えしにくいことかと存じますけれども、そうした中で、今回は弾道ミサイルの発射準備を進めているということでありますから、決して実験ではない、そういった非常に緊張感の高い危険性、リスクを伴っているわけであります。

 昨年も、四月、あるいは十二月にも、北朝鮮がミサイル発射をしてまいりました。

 そうした中で、四月のとき、田中大臣でありましたが、この北朝鮮のミサイル、当初、初動において、発射したことが、情報がキャッチできなかった、結果として失敗したという事例でありました。しかしながら、この弾道ミサイル、六分ほどで射程圏である日本に飛んでくるというようなことを聞いておりますが、そうした中で、四十数分たってからこの情報をキャッチしたというようなことで、非常に危機管理体制として心配をしております。

 さらに、十二月、総選挙のさなかでありましたが、本来官邸で陣頭指揮をとらなければいけない当時の藤村長官が、どうせなら早く撃ってくれなんという、阻止しなければならないような官房長官という立場でこういった発言を、失言をしたわけであります。

 そういった中で、本当に、日本の政府あるいは防衛省、危機管理のあり方として、今回、万全の態勢でしっかりと対応いただいているものと、今御答弁いただいております。

 私は、これまで二期、市議会、地方議会の場で議員として活動しておりましたけれども、こういった中で、四月にミサイル発射が起こったとき、Jアラートがそれぞれの自治体で作動しなかったという事案が報告をされております。

 Jアラートというのは、当然、自治体の責務としてきちっと警戒態勢に当たるものでありますけれども、そういったものが作動しなかった。そして、私ども、なかなか自治体としてもそういった情報をきちっと、日常、訓練あるいは情報伝達、こういったことを共有しているはずであるんですが、実際、いざという非常事態においてこういうことができないということではいけないと思います。

 ですから、今回、こうしたJアラートの初動対応について、防衛省としてどのような対応をとっておるのか。

 また、平成十六年に国民保護法というものが施行されております。この国民保護、私も地方議会の場で何度も取り上げてまいりましたけれども、不測の事態に備えてということでありますから、どうしても机上論に終始して、地方自治体レベルでいくと、まだまだ周知すらされていない。アンケート調査なんかでは、私が地方議会で取り上げたときは三割程度しかされてなく、そして自治体としても、説明会を実施はしますけれども、市民あるいは国民の間でこの国民保護というものがなかなか浸透していない状況でありました。

 そして、本来、こういったことは不測の、万が一のことですから、こういうことがあってはいけないんですけれども、今回、法律が施行後初めて、北朝鮮のミサイル発射に向けて、こういったことが起こり得る、確率は少ないのか多いのかわかりませんけれども、そういった非常事態に備えて、防衛省としてどういう国民保護の考え方があるのか、二点お答えをいただきたいと思います。

小野寺国務大臣 御指摘のように、今回の北朝鮮の事案、いかなる事態にも対応できるように我が省としては態勢を整えるということが重要だと思っておりますし、また同時に、総理の指示も踏まえて、関係省庁との情報共有、これが大切だと思っております。

 仮に、北朝鮮より弾道ミサイルが発射された場合には、防衛省から内閣官房に対して、SEWの情報、そして自衛隊等のレーダーが入手しました情報、これを伝達する態勢をとっております。そして、この情報を伝達した後、内閣官房より、国民の安全、安心確保のために、エムネットやJアラートを通じて、国民、地方公共団体、そして報道機関に、必要な情報を迅速かつ的確に伝えるということが大切だと思っています。

 この連携の中で、防衛省の担う役割、これをしっかり対応していくということでありますし、また、このようなことを想定して、関係省庁で連絡をとりながら万全を期していきたい、そのように思っております。

東郷分科員 御答弁いただきまして、ありがとうございました。

 今、万全な態勢を期しているということでありますが、例えば、PAC3を初めとする迎撃ミサイル、ペトリオット等、なかなか一〇〇%の迎撃態勢ということにはならないでしょうけれども、そういった中できちっと精度を上げていく、そして万一、そうした中でミサイルが発射されて国民の生命や財産が奪われるようなことが決してないように、やはり未然の防止策、危機管理体制というものをとっていただきたいな、こういうふうに要望をしておきたいと思います。

 今、北朝鮮のミサイルに関連しましてでありますけれども、既に日本の大半がミサイルの射程圏内に入っているというようなことがあります。とりわけ、その弾頭には、VXやサリン、そういった化学弾頭、最悪の場合、核弾頭の可能性も決して排除できないものであると思っております。

 北朝鮮は、核弾頭の小型化を進めております。既に保有する中距離弾道ミサイルとともに、我が国にとっての核の脅威が現実化している中で、外国の弾道ミサイルや長距離巡航ミサイルの連続した攻撃に対して、日本は今のミサイル防衛体制では不十分ではないか、こういうふうに思っております。

 そうした中で、抑止効果にすぐれている中距離巡航ミサイルの導入など、今後、我が国のミサイル防衛体制の強化について、大臣の御所見をお伺いしたいと存じます。

小野寺国務大臣 現在、今回の北朝鮮のミサイル事案もございますので、この対応について全力を尽くすということが大切だとは思っておりますが、あわせて、今後の防衛体制、これも予断なく見直していくということだと思っております。

 今回の平成二十五年度予算の中にこの能力向上のための予算も入れさせていただいていますので、少なくても、このような対応はしっかりすることが大切だと思っております。

東郷分科員 御答弁ありがとうございました。

 先ほど来、想定外というようなことが震災の話で出ておりましたけれども、決して防衛において想定外ということがあってはならないと思うんですね。

 北朝鮮は、核実験を先般行って、国際社会の非難を浴びております。先ほど指摘したように、核弾頭ミサイルを発射したらどうなるのか。

 あるいは、原発の問題が言われておりました。今、浜岡で、津波対策でいろいろな対応をとっておりますけれども、例えば北朝鮮のミサイル、日本海側の柏崎や大飯の原発は全て射程圏に入っているわけですから、こういったところが標的になったらどうするのか。

 やはり、常にこういったあらゆる事態を想定して危機管理体制というのをとっていただきたいな、こういうふうに、国民の一人として、また政治家の一人として思います。

 次に、二〇〇八年、アメリカがテロ支援国家指定から北朝鮮を外したことについて、これは日本政府がもうちょっと待ったをかけるべきではなかったか、私はこういうふうに思っております。アメリカに対して、日本の立場やこれまでの経緯を含めて理解させる努力というのが欠けていたのではないのか、いささかこのように思っております。

 軍事アライアンスとして、アメリカとの連携強化と共通の戦略を持つことこそ、北朝鮮に対する最大のプレッシャーではないのかな、こういうふうに思っておりますが、対ミサイルの共同訓練など、ソフト面でも強化すべきものは多々あるのではないかと思いますが、この点について、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣 今回のミサイル防衛システム、これは米側からさまざまな技術を提供していただき、今も訓練等は米側で行わせていただいている内容でございます。

 ミサイル防衛の問題、特に北朝鮮の問題については、例えば我が省として、今、車力にありますXバンドレーダー、これを米側もしっかりとした活用を行っていると思いますが、さらにまた、今回、京都・京丹後市において、この二基目の配置ということを地元の皆様に御相談させていただいております。このような協力体制、これはかなり綿密に行われていると思っております。

 昨日、岸田外務大臣と米国務長官との会談が行われましたし、きょうこの時点において、恐らく、総理と国務長官との会談が終わっている時間かとは思っております。このような日米の連携の強化、これが一番大切な、今の日本の防衛の根幹だと思っております。

東郷分科員 御答弁いただき、ありがとうございました。

 岸田大臣あるいはアメリカの国務長官との会談を報道で知っておりますが、もちろん、日米軍事アライアンスだけでなくて、韓国も含めた日米韓の連携というのが非常に重要な役割を担っていくのかなと思います。

 それにつきましては、北朝鮮のミサイル発射を阻止するべく、あるいは対話ということが言われておりますけれども、一方で、きちっとした、毅然とした、粛々と、事があったときのために、しっかりと日本の、我が国の安全を守るような、そういう最大の努力に努めていただけるものと思います。

 今回、北朝鮮がミサイル発射を強行しようとしていることは、これは私は断じて容認できるものではありません。国際社会においても、当然そのような強い非難を受けているわけでありますけれども、北朝鮮との間の輸出入の全面禁止措置だけではなく、我が国の毅然とした姿勢を示すに全く足りず、やはり外交的な対策には限界があると思います。

 こうした中で、軍事配備上、目に見えるプレッシャーを与える必要があると思いますが、この辺について、どのように我が国として北朝鮮に対して圧力をかけていくのか、大臣の御答弁をお願いしたいと存じます。

小野寺国務大臣 防衛省ということだけではなくて政府全体として、今まで北朝鮮に対しては、対話と圧力ということで対応してきたと思っております。そして、我が省に与えられている役割というのは、さまざまなことを想定して、国民の生命財産、領土、領海、領空をしっかり守るということでありますので、その守り抜く体制を整えていくということが大事だと思っております。

東郷分科員 外交上の問題で対話というのは、一つには、例えば韓国と北朝鮮との関係がありますし、また、我が国においても、従来懸案となっております拉致問題、こういった問題もきちっと対応していかなきゃいけない。こういう外交事案と相反するようなことになるかと思いますけれども、そうした一方で、きちっとした、強い日本の軍事力、防衛力の整備ということをぜひ防衛省としては取り組んでいただきたいな、こういうふうに思っております。

 さて、話を北朝鮮のミサイルからかえますが、先般、三月二十日に私は沖縄へ訪問してまいりました。武田沖縄防衛局長と一時間半ぐらいにわたりましてさまざまな、沖縄の基地問題等について意見交換をさせていただきまして、その後、嘉手納基地を少し見せていただいてまいりました。

 民主党政権下で沖縄の嘉手納基地以南の米軍施設・区域の返還計画について日米両政府が合意し、返還期限が示されたことは、これは大きな前進であると率直に評価をしますが、しかし、施設の移転先がまだ決まっていない箇所もあり、また、返還される施設の八〇%ぐらいは沖縄県内に代替施設を用意しなければならないとされております。

 沖縄県民の皆様の負担の軽減のためにすべきことはまだまだ多く課題としてあるかと思いますが、早期の移転先確保に向けて大臣がどのように考えておられるか、まずは御答弁を願いたいと思います。

小野寺国務大臣 先般、日米の中で、外務大臣、そして私、防衛大臣と日米の合意といたしまして、嘉手納以南の基地の返還についての具体的なスケジュール、工程を合意させていただきましたし、公表させていただきました。そして、それを持って沖縄に私が参り、知事に説明をし、そしてまた関連の市町村に説明をさせていただきました。

 自治体にはさまざまな声もございますし、私自身がそれを直接聞いてまいりました。また、沖縄県からは、その関係する自治体からの意見を集約して沖縄県としての考え方をまとめて政府に伝えたいというお話がございました。

 いずれにしても、私どもとしては、普天間を含めた沖縄の負担軽減を進めるために、これからも地方自治体の声、沖縄県の皆さんの声をしっかり聞いていきたい、そのように思っております。

東郷分科員 御答弁いただき、ありがとうございました。

 沖縄の問題というのは、前政権下で、政権交代が起こったときに、最低でも県外と言ってきたことが今もひとり歩きし、沖縄県民の感情を考えると、大変神経になっている、大変デリケートな話になっているんだなということをつくづく、現地へ行って私も聞いてまいりました。

 そうした中で、一方、我が国の、先ほど質問させていただいた北朝鮮情勢を踏まえて、東アジアの大変緊迫した状況の中で、安全保障上の戦略拠点としての位置づけをきちっととっていかなければならないでしょうし、先ほど大臣から御答弁いただきましたように、負担軽減という意味で、沖縄への配慮という部分も必要なのかな、こういうふうに思っております。

 そこで、嘉手納以南の土地返還について、現在、沖縄県との調整はうまくできているのかどうか。沖縄県議会を含め、いまだ県外移設を求めるという声が根強くあるように聞いております。地元との意思疎通を図りながら、丁寧にコンセンサスをつくりながら進めていくべき問題であると考えますが、一刻も早い普天間等、普天間飛行場移設と地元の理解の確保を同時並行して進めていかなければならない問題と考えますが、大臣の見解を伺いたいと存じます。

小野寺国務大臣 米軍の基地がかなりの比率で沖縄に存在すること、これは事実であります。そして、このことについては、私ども日本国民全体として、沖縄の皆様に、一つは感謝、そしてまた一つは、過重な負担をおかけしていることに対しての思い、これを強くしなければいけないんだと思っております。

 今委員のお話がございました我が国の安全保障環境を考えますと、沖縄の地政学的な位置、そしてまた在沖海兵隊を含む在日米軍の役割、これは大変重要なものだと思っております。

 ですから、少なくても、沖縄の皆さんの声を聞いて、日本国民全体として受けとめて、少しでも負担軽減に努める、その努力を積み重ねていくことが大切だと思っております。

 沖縄の持つ地政学的な意味、これを私どもは重々思い、そしてまた、日本国民全体として、沖縄に過重な負担をかけていること、この思い、それを共有すべきだと思っております。

東郷分科員 大臣、丁寧な御答弁をいただきました。

 この問題というのは、本当に、沖縄県民の感情と同時に、一方で、防衛、安全保障戦略の中で非常に板挟みになる問題であって、なかなか議論が前進していかない。しかし、一方で、こうした東アジアの危機的な状況の中で、きょう撃つかもしれない、あるいは間もなく撃つかもしれないということが言われておるわけでありますから、そうした東アジアの状況を踏まえて、きちっとした政府の対応を求めていくことを要望しておきたいと思います。

 そうした中で、先ほど、同僚であります中谷委員の方からアルジェリアの問題が質問されましたけれども、先般、本当に多くの日本人の命が失われたことに対しましては心よりお悔やみを申し上げますとともに、また、御遺族の方の悲しみ、本当にいかばかりかと、このように察しております。

 そうした中で、このアルジェリアの人質事件を受けて、今後、この国会で、陸上輸送を可能にするいわゆる自衛隊法改正法を十九日にも提出する方向であるというふうに聞いておりますが、まずは、その成立に向けて、大臣の意気込みというか、見解をお伺いしたいと存じます。

小野寺国務大臣 今回のアルジェリアの事件、そしてまた今国際社会の中で起きているさまざまな事案を踏まえて、与党のPTの方から、今回の自衛隊法の改正についての御提案をいただき、それを受け、我が省として、法案の改正について案をまとめさせていただきました。

 今、国会提出について調整を図っているところですが、調整を図り、そして国会提出ができましたら、ぜひ、国会の方で速やかな御審議をいただき、できるだけ早く成立をしていただきたい、そのように思っております。

 このような案件というのは、いついかなるときに発生するかわかりません。そのためにも、私ども自衛隊に対してしっかりとした法的な根拠を与えていただくためにも、隊法の改正については、私どもとして誠心誠意国会の方で御説明をさせていただきたい、そのように思っております。

東郷分科員 御答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 まずは、本当に日本人の命を、特に在外邦人あるいは観光客、こういった方々の、海外でテロに遭った、あるいはアルジェリア事件の後、テロというのか、大変お気の毒としか申し上げられないようなグアムでの殺傷事件がございましたけれども、この事案は自衛隊が出ていくような事案なのかどうか、ここで述べる場でないかもしれませんが、こういった中で、きちっと海外の日本人を助けられるように、こういう法改正に向けて、私どもとしてもこれは全面的に協力していきたいと思っておりますし、今、政府としても成立に向けて一丸となって御努力いただけるというような答弁でありました。

 ただ、この法律が、既に起こったこと、対症療法的なものではなくて、きちっと危機管理として常にこういう事態を想定して、成立を早く期すことを願っておりますけれども、例えば、先ほど冒頭で質問しました北朝鮮の有事、大変緊張した状態の中で、きょうにもミサイル発射が起こるかどうかということが言われている中で、こうした問題が今発生した場合、お隣の韓国で邦人の救出が物理的に可能なのかどうか。特措法で何か対応するのかどうかということになるのかと思いますけれども、現時点で、きょうにも、あるいは近いうちにも、余り近いうちという言葉は、もう流行語から外れたかもしれませんけれども、こういった中で、今、この対応を迫られているんです。

 そういった中で、韓国にどれぐらいの日本人がいて、あるいは観光客がどれぐらいいて、今、この有事が発生した場合に、本当に日本人をお隣の韓国で、あるいはこの近隣で守ることができるのかどうか、その見解を大臣はどのように考えておられるか、お答えください。

小野寺国務大臣 たしか、正確ではないかもしれませんが、前回、同じようなときに調べたときには、約三万人の邦人がおりまして、そして一日に訪れる観光客を含めた邦人が三万人ということで、合わせて六万人、七万人というような数かと思っております。

 私どもとして、もしそのようなことが起きましたら政府を挙げての対応ということになると思いますが、何せ大切なのは、やはり事前に、情報がありましたら速やかに警告をするということ、そして韓国政府に対しても協力を要請して対応するということ、これがあわせて大切だと思っております。

東郷分科員 御答弁いただきまして、ありがとうございました。

 間もなく時間になろうかと思います。

 こうした事案というのは、ことしの一月に起こった。手続を経て、いろいろな、そのほかの予算の審議等々ございました中で、速やかに法案成立を急いでいるところと、御努力いただいていることは理解をします。

 しかしながら、こういった中で、今にも、きょうにも、こういう非常事態が起ころうとしている。そうしたときに、やはりきちっと邦人の命を守る、国民の主権や領土を守る、あるいは、こういったことも含めてですが、日本政府として、法外なことじゃなくて、法的な、きちっとしたエビデンスをしっかりと持った上で事に当たる、そういう毅然とした姿勢とともに、一日も早い自衛隊法改正の成立を要望して、ちょうど時間となりましたので、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 きょうはありがとうございました。

岩屋主査 これにて東郷哲也君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

岩屋主査 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。宮崎政久君。

宮崎(政)分科員 自由民主党、沖縄県第二選挙区の宮崎政久です。

 きょうは、この予算委員会第一分科会で大変貴重な質問の機会をいただきましたこと、まず各党各会派理事の皆様方に御礼を申し上げます。

 私は、沖縄で約二十年、現場の弁護士として、地域で活動してまいりました。転勤族の子供であった私がこういう場に立たせていただいて、人生観、世界観を与えてくれたのは全て沖縄という場所であります。そんな地域を代表して国の行く末を考える、そんな立場からきょうは質問をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 冒頭、きょうは、第一分科会でございますが、四月二十八日に開催をされます主権回復の日の記念式典について若干質問させていただきたいと思っております。

 既に菅官房長官も沖縄に入っていただきまして、地域でも、この式典の趣旨、知事を初め県民に対して説明をいただいているところでございます。しかしながら、県内には、さまざまな意見、いろいろな思いがございまして、既に仲井真知事は欠席を表明され、副知事が代理で出席をさせていただく、こういうような状況になっております。

 私自身、三月二十五日の自由民主党の全議員懇談会の際にも発言をさせていただきましたが、四月の二十八日、この日は光と影が両方ある日であります。

 沖縄、奄美、小笠原、本土と切り離されて以降、特に沖縄においては、その後二十七年間、米軍統治のもとで、沖縄の人間は大変苦しい生活を強いられてまいりました。この二十七年間、本土では米軍基地の整理縮小が進んでいった一方で、実は沖縄の米軍基地はどんどん増加をしていった。そういうことも背景にあって、実は、現在の沖縄の過重な基地負担の一端がつくられている、こういうことや、苦しい生活への思い、こんなことがやはり県民の中では交錯をするわけであります。

 沖縄が主権を回復した、本土に復帰をした日は、昭和四十七年五月十五日なんです。

 この式典に対して、私も含め、県民にはいろいろな思いがあります。ただ、私は、日本は一つであるべきだと思っているんです。

 物事には、何事にも光と影がある。だから、それまでオキュパイド・ジャパンと呼ばれていた我が国が講和条約で国家主権を回復するまで至った、これが光である。そうすれば、そのときに主権が回復されなくて、苦しいことを負わされた地域があって、そこで生きてきた人々がいる。

 そして、影の中にあった地域の人たちが苦しい生活をして、実は、その皆さんは、今もまざまざとその日の記憶を持って、現役として生活をされて、一生懸命生きている先輩方がいる。だからこそ、沖縄も含めて、日本国民の一人一人が、やはりそれでも日本は一つなんだと、自分のこととして、日本の国の将来を考える機会にこの式典の日をできればいい、私はそう思っております。

 加藤内閣官房副長官に、ぜひ、この式典の意義、また開催に向けての政府としてのお考えを改めて聞かせていただきたいと思っております。

加藤内閣官房副長官 宮崎委員にお答えさせていただきます。

 政府としては、本年四月二十八日、サンフランシスコ平和条約が発効してから六十年の節目を記念し、我が国による国際社会の平和と繁栄への責任ある貢献の意義を確認するとともに、これまでの経験と教訓を生かし、我が国の未来を切り開いていく、こういう決意を確固としたものとするため、政府主催で記念式典を挙行するとしたところでございます。

 それに対し、今お話がありましたように、沖縄県あるいは知事からもその思いをさまざまな形でお聞かせいただいているところでございます。

 当然、政府としても、この式典に当たっては、まず、沖縄がさきの大戦において大変悲惨な地上戦を経験されたということ、また条約発効以降も、例えば奄美でいえば一九五三年、小笠原は一九六八年、そして沖縄では一九七二年に復帰をしたということであります。その間、我が国の施政権の外に置かれていたという、まさにおっしゃる大変厳しい苦難の歴史ということを決して忘れてはならない。さらに、今でも基地の負担の問題も抱えておられるわけであります。

 そういう中で、沖縄県知事からのコメントをいただく中で、いろいろな思いがある、県としては、県民がさまざまな困難を乗り越えてきたことを忘れることなく、未来に向け希望に満ちた歴史をつくっていくための決意を新たにする日として捉えてまいりたいと。まさにそのコメントをしっかり受けとめ、苦難を耐え抜かれてきたそれぞれの先人の方々の思い、その心に思いをいたし、また、沖縄の方々の抱える基地の軽減、これは今いろいろ詰めているわけでありますけれども、それにしっかり努めていくこと、さらには沖縄、奄美、小笠原を含めた我が国全体として未来をしっかり切り開いていくんだ、こういう決意を新たにする、そういうものにしていきたい、かように考えております。

宮崎(政)分科員 ありがとうございました。

 官房副長官、御公務もございますでしょう。これで結構でございます。ありがとうございました。

 さて、最初にこの式典のお話をさせていただきまして、次は嘉手納以南の統合計画に関連するお話を幾つかさせていただければと思っております。

 まず、この統合計画の策定におかれましては、外務、防衛を中心とする、もちろん総理を先頭にしまして、内閣の皆様に大変な御尽力をいただきました。実は県内にはたくさんいろいろな意見があるんですが、私は、やはりここで相手のある交渉で期限を区切ることができたということは、これは大変厳しい交渉であったというふうに思います。ここにたどり着いていただいた御尽力に心から敬意を表したいと思っております。

 また、もう既に御承知のとおり、沖縄県の周辺では、我が国の領土、領海、領空を守るために、自衛隊の皆さん、海上保安庁の皆さん、さまざまな皆様が大変な尽力を毎日いただいているところでございます。県民の一人として、改めてこの点についても感謝を申し上げる次第でございます。

 実は私、きょう、ちょっとバッジをつけてまいったんですが、私の地元の沖縄では航空自衛隊那覇基地というのがございます。これは、第八十三航空隊というのがその中にありまして、この中で二〇四飛行隊というのがあります。F15イーグルを運用している部隊でありますけれども、このF15イーグルを運用していただいている部隊の皆さんは、大変なスクランブルの回数で、大変厳しい任務についていらっしゃる。先般も報道にも出ておりました。私も視察をさせていただいたとき、大変厳しい訓練と任務の中で頑張っていらっしゃることを目の当たりにさせていただいております。その思いを込めて、実は部隊の章、ハクトウワシの章を胸につけてきたんですけれども、そんな思いを県民も持っているということもまず冒頭お伝えしたいと思っております。

 さて、この返還計画、千四十八ヘクタールに関する統合計画を進めていただいております。大きな面積であります。普天間飛行場を合わせると、那覇軍港を除きます、私の沖縄県第二選挙区のエリアでは、実に東京ドームで三百七個分の土地が返還の対象となっております。これは全て一等地と言っていいわけでございます。何としても早急に進めていただきたい、そんな思いです。

 ただ、沖縄における過重な基地負担という面でいいますと、国土面積〇・六%にある沖縄において米軍専用施設七三・八%が今配置されておりますが、全部返ってきたときでも実はこの配置割合は七三・一%になるということで、〇・八%が減るというだけであるというような数値も出ている。こんなことも頭の中に置いていただいて、何とぞ返還がおくれることがないようにしていきたい、私も尽力してまいりたいと思っております。

 そこで、まず具体的な話でありますが、この統合計画を見ておりますと、文化財の発掘調査に随分と時間がかかるように読めます。

 まず、この文化財の発掘調査、どのような法令に基づいて、実施主体はどうなっておるのか、文化庁の方から簡潔に御説明いただければと思います。

石野政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの埋蔵文化財発掘調査につきましては、文化財保護法に基づきまして、二種類ございます。一つは、県教育委員会が埋蔵文化財の所在する土地を埋蔵文化財包蔵地として設定するために行う調査がございます。もう一つは、包蔵地で土地の掘削等を伴う工事を行う場合に、その工事に先立ち、住居跡等の遺構や遺物の記録をとるために行われる調査、いわゆる本発掘調査がございます。この二つからでございます。

 この二つのこうした発掘調査の実施主体につきましては、県または市町村の教育委員会でございます。なお、自治体が設置いたします埋蔵文化財センター等の法人が行う場合もございます。

宮崎(政)分科員 包蔵地を設定して、その部分を掘り返して調査をしていく、そこで文化財が出てくることで工期がおくれるということも想定されるのかとも思うんですが、実際、例えば、普天間飛行場のある宜野湾市などでは、市道の宜野湾十一号線においても、この文化財の発掘調査などもどんどん進めて、速やかに返還まで進めてほしい、こんな思いが地元では非常に強いんです。

 実際、私は、この文化財の調査をもっと大胆に進めていただくようにしていただければ、例えばこの市道十一号などもどんどんどんどん返還が進んで整備が進んでいくというようなことにもなると思っています。

 そして、この千四十八ヘクタールという非常に大きな面積で、返還の対象地において、全てではないとしましても、多くの部分で文化財の調査が行われることになっております。返還を県民は歓迎している。そのためには、この広大な面積を調査するための文化財調査の人員というのも相応に必要になってくるであろうと思います。

 返還までしっかりやり遂げる、これが国の責務であると思います。文化財がいっぱい出ちゃいましたから所定の期限には返せませんでした、こういうことでは、地元としてはなかなか納得を得るのは難しいと私は思っているんです。

 国の責任でしっかりと取り組む、こういうことであれば、この膨大な返還、膨大な調査、これは予定されているわけでありますから、それへの対処を早い段階からしっかりと打っていただきたい、そう思っているんです。

 例えばですけれども、財団を設けるなどして文化財調査に要する人員を事前に確保していくとか、何らかの特例を踏まえて、先ほど文化庁の方から説明があったような、自治体がやる、自治体正職員がやるという形ではない形で、学芸員を国が確保してしっかり対応するとか、この返還に当たる文化財調査においても国が責任を持ってしっかり対応していく、こういうことをぜひお願いしてまいりたいと思っております。

 この返還に向けた文化財調査への取り組み、この点について防衛省並びに大臣の御見解を聞かせていただければと思っております。

小野寺国務大臣 埋蔵文化財は、国民共通の財産であると同時に、それぞれの地域、歴史と文化に根差した歴史的遺産であり、その文化環境を形づくる重要な要素であると承知をしております。

 ですが、先生おっしゃるとおり、この文化財の問題、大変悩ましいことがございます。今回の嘉手納以南の基地の返還の問題の場所もそうですが、実は、今回の東日本大震災で高台移転を行うに際して最も大きな阻害要因になっているのは、この文化財の調査の問題です。

 大体、高台というのは、被災地も含め、こういう沿岸地域は、およそ昔から人がそこに何らかの形で住んでいた場所であります。必ず文化財が出てくる。それがいつのものか、どれだけ重要なものか、それがわからない中で、その調査に数年を要するということで高台移転が進んでいない、こういう実態を私どもは重く受けとめなければいけない、そう思っております。

 そして、今回、沖縄の嘉手納以南の返還につきましても、私ども、返還に一定の期間を設けさせていただいておりますが、その中で、特に文化財の調査という期間を、それぞれの施設、約二年をとらせていただいているところが多いと思っております。これは、やはりこの文化財がどのような調査、評価が必要かということが大変重要だということになっております。

 そして、この自治体が行う発掘調査の担当者、この能力あるいはどのような基準というのは、実は明確な基準が存在をしていない。多くの自治体では、大学において考古学等の専門教育を受け、一定の発掘調査、経験に基づく専門資格を発掘担当者の要件としているというところもありますし、実は、中には、学芸員の資格を持っていれば、代替資格ということで要件にしている場所もあります。中には、考古学や発掘調査に関する知識、技術や経験が相対的に少ない、教員などの職員を発掘調査に従事させている、こういうところもあります。

 どうも、各自治体で、この調査について、その資格ということをかなり厳密に考えれば、人員が足りないということで相当人手不足になるんだと思いますが、各自治体の判断ということであれば、もっとこういう人員の拡充ということ、資格要件ということも今後検討できるのではないかと思っております。

 いずれにしても、この調査に当たりましては、事業者である国としましても、関係する自治体において適切な知見を有する所要の規模の専門員を確保するために何ができるか、文化庁、関係省とよく相談をして適切に対応していきたいと思っています。

宮崎(政)分科員 ありがとうございました。

 実は、この統合計画の冒頭、概観のところでも、沖縄の住民の強い希望を認識して、この統合計画は可能な限り早急に実施されるというふうに日米で合意をしたことがしっかりうたわれております。今大臣がお答えいただいたような形で、さまざまな取り組みをぜひこれから検討していただきたいと思っております。

小野寺国務大臣 つけ加えますと、先般、新しく副知事になりました高良副知事が本省に来られたときに、この文化財についての意見交換もさせていただきました。

 そのときに、例えば、米軍基地内において、統合計画の詳細の内容が詰まる前でも、事前に調査みたいなところをさせてくれないかという御要望もいただいております。米側とも協議をしていきたい、そのように思っております。

宮崎(政)分科員 ありがとうございます。

 それでは次に、防音工事の話をさせていただきたいと思います。

 基地の周辺では恒常的に騒音の被害があるわけでありますが、実は、これは法令の関係もありまして、保育園の関係でいいますと、認可保育施設にだけ防音工事がされていて認可外保育施設にはされていない、こんな現実が地元であるように思いますが、それで間違いがないかどうか、防衛省の関係、お願いします。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛省におきましては、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律第三条第二項の規定に基づきまして、学校等の防音工事を実施しております。

 現在、防音工事の対象となる施設を定めております同法施行令第七条第三号におきましては、児童福祉法第三十九条第一項に規定する保育所については補助対象施設となっておりますが、お尋ねの、都道府県知事等の認可を受けていない、いわゆる認可外の保育所は、防音工事の補助対象施設とはなっておりません。

宮崎(政)分科員 ありがとうございます。

 ここは、実は沖縄の特殊性をよく御配慮いただきたい。これは、冒頭出た、二十七年間の米軍統治下にあったいろいろな負の遺産のツケ回しの大きい部分だと実は思っているんです。

 保育施設に関しては、実は、全国では認可保育施設が中心になっております。全国では、認可保育施設約二万三千カ所に対して、認可外は約七千カ所なんです。定員でいうと、二百二十四万人の認可に対して認可外は十八万ということで、もう十倍以上。こういうことで、全国では整備が進んで、認可保育施設が中心になった保育園運営というのがされている。

 しかし、沖縄では、定員であればこそ、認可の方が三万三千に対して認可外が二万二千。わずかに認可の方が多いんですけれども、施設の数でいいますと、沖縄では、認可施設が三百九十三であるのに対して認可外が四百四十八と、実は、認可外の方が多い、こういう現実があるんですね。これは原因を言い出したら切りがないですけれども、さまざまな要因の中でこういうふうになっている現実があるんです。

 認可外保育施設には確かにいろいろな種類のものがございます。ですから、認可外も全て、全部というふうにいうと、私は確かに難しいと思います。

 しかしながら、例えば認可外保育施設に対する厚生労働省の指導監督基準というのがございまして、この指導監督基準を満たしているということになると証明書が交付されるんですね。こういうところは、子供さんの数もたくさんいて、もう見た目では認可されている保育施設とほとんど変わらないんです。しかしながら、こういうところは、認可が受けられていない、この一事をもって防音工事の対象になっていない。こんな現実も実はたくさんございます。

 これは、何らかの形で、ぜひ認可外の施設に対しても防音工事を検討していただきたい、そう考えておりますが、防衛省の御所見をいただければと思います。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のいわゆる認可外保育所については、先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在は防音工事の補助対象施設とはなっておりませんが、防衛省といたしましても、本件は重要な課題であると認識しており、宮崎議員の御指摘も踏まえ、今後検討させていただきたいというふうに考えております。

宮崎(政)分科員 これは非常に重要な問題です。大臣、ぜひ大臣の御所見もいただければと思います。

小野寺国務大臣 沖縄において認可外の保育所が多いということ、この実態を踏まえて、私ども、今局長から答弁ありましたように、内部で検討していきたい、そう思っております。

宮崎(政)分科員 ありがとうございます。

 続いて、空調復旧の話に進みたいと思います。

 この空調復旧の工事に関しては、地元の方から何と言われるかというと、要は、秋に来ても遅いでしょうというふうに言われるんですね。つまり、予算が決定してから順々にやっていくということになると、調査が必要だとかいろいろな事情があるわけですけれども、実は、空調復旧工事というのが行われるのが秋になってから。暑いから空調を復旧してくれと言っているのに、今来てどうするのと。こんな話が毎年のように出てくるわけであります。

 私は、当選をさせていただいてから、地元の沖縄局にも何度も足を運ばせていただきました。本省の皆さんとも協議をしております。一言です。工事の前倒しを、政権交代したんです、しっかりやってもらいたい。この一念なんです。この空調復旧工事の前倒し、可能でないのか、ぜひ見解をお聞きしたいと思います。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御指摘のとおり、平成二十四年度の沖縄防衛局管内におきます空調の機能復旧工事につきましては、結果的に、十月から当該工事に着手してきたところでございます。

 他方、委員からも御指摘ございましたように、機能復旧工事につきましては、早期の実施を求める声が沖縄県から寄せられており、先ほど来議員からもお話がございましたように、議員からも直接、私ども御要請を受けたところでもございます。

 そのような御指摘も踏まえまして、本年度、平成二十五年度の沖縄防衛局管内におきます空調の機能復旧工事については、七月から順次、当該工事に着手することとさせていただきたいというふうに考えております。

宮崎(政)分科員 ありがとうございます。

 これはとても役所の論理だと思うんですよね、順々にやっていくという。役所の論理が、地元の皆さんの素朴な感じからすると、秋に来てどうするか、こういう沖縄の声なんです。

 ただ、やっていることは、大切なことをやっていただいているんです。そこに予算をつけているということもよくわかっているんです。国民の血税から予算を出しているというのもわかるんです。いいことをやって地元から文句を言われるというのは本末転倒の話であります。ですから、今後とも一つ一つの見直しをしっかりと一緒にやってまいりたいと思っております。どうかぜひよろしくお願いをいたします。

 特に、この空調の件に関しては、実際のところはもう一つ大きな問題があって、希望届を出してから、今、工事が行われるまでに二年待ちという状況になっているんですね。

 これはいろいろな要因があります。あるけれども、要するに、事業予算をしっかりつける、そこに必要な人員を張りつける、こういうことがどうしても必要だと思うんです。特に人員の関係がありますから、なかなか難しい問題もあると思いますけれども、やはり、これを二年待たせるというのもいかがなものかなと思うんです。

 予算の増額なども踏まえてこれからしっかり取り組んでいくというようなことについて、大臣の御所見をぜひいただきたいと思います。

小野寺国務大臣 空調の必要性、日本は北から南まで大変広い地域ですから、沖縄で七月といってももう夏の暑い盛り、恐らく五月の連休明けにはもう空調が必要な状況なんだと思います。ここは、省内でしっかり、その地域地域に合わせて対応するように話を詰めていきたいと思っています。

 また、ことしは、御案内のとおり、予算の成立がどうも遅くなる状況になります。ただ、この間の補正予算で、防音対策を含めた工事については予算をとらせていただいていますので、これをしかるべきタイミングで出せるようにということに思っております。

 御案内のとおり、全般としての予算の制約がありまして、どうしても希望にすぐにお応えできない状況もありますが、これは、予算の中で何とかやりくりできるように、また今後とも予算の増額に努力をしていきたいと思っております。お力添え、よろしくお願いいたします。

宮崎(政)分科員 大臣、ありがとうございます。

 若干、一つだけ、細かい、具体的な話に触れさせていただければと思います。

 この宜野湾の中で、実は上大謝名という地域がございます。これは、普天間飛行場の滑走路の先端、誘導灯のすぐ横に展開をしている地域でございます。言ってみれば、基地のフェンスに隣接をしてその集落があって、例えばお墓なんかはフェンスの向こう側に、見えるところにある、そんな隣接する地域であります。オスプレイの配備以降、騒音被害などは宜野湾市内でもともと最大の地域でございます。

 ここで、やはり住民の皆さんの生活環境は非常に苦しいものがあるんですね。ここでは、実は、地元の皆さんも、資金造成事業をやりながら何とか努力を重ねて、学習等供用施設というふうな形で、今何とか公民館を建設していこうとしているところであります。

 しかしながら、なかなか苦労も多い地域でありまして、資金的な手当て、地域の皆さんの、何とか民生事業なども活用していただきたいという意見も出ております。学習等供用施設の定額補助の増額とか九条交付金の活用、民生事業の活用など、工夫を凝らして、こういう一番被害の大きいところへの対処を検討していただきたいと思っておって、私も何度も要望させていただいている点でございます。この点への対処は何とかいけないか、防衛省の見解を聞きたいと思っております。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 上大謝名学習等供用施設、いわゆる公民館の整備につきましては、地元あるいは宮崎議員からも直接御要望をいただいているところであり、障害の実態等を踏まえつつ、事業を進める際には地元の御要望にできる限りお応えできるよう、今後努力してまいりたいというふうに考えております。

宮崎(政)分科員 ありがとうございます。

 この点に関しては、地元の要望も非常に強いところでございます。地域の皆さんの安全、安心な暮らしということにぜひ御配慮いただきたいと思っております。

 宜野湾市を中心にきょうお話をさせていただきましたが、佐喜真淳市長が誕生して一年と少しになります。これから宜野湾市は大変大きく動いてまいります。

 御案内のとおり、宜野湾市は町のど真ん中に普天間飛行場を抱えておりまして、町の発展を大きく阻害されております。小野寺大臣にも、市長から直接何度も話を聞いていただいておるという状況でございます。

 これすなわち、日本の安全保障に大きな貢献を宜野湾市と宜野湾市民の皆さんがしているわけでありまして、その反面として、この負担に伴う手当てというのがあるべきだと思っております。普天間飛行場の返還が計画どおり実現するとしたとしても、その日までまだ時間がかかる。それまでの期間の弊害の緩和、市民生活に便益を提供する、こういった観点から、宜野湾市に特化した支援策、こういうものも市では求めているところでございます。

 今後とも引き続き要請をしてまいりますので、どうか御検討を賜りたいと思っております。お願いをさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

岩屋主査 これにて宮崎政久君の質疑は終了いたしました。

 次に、辻元清美君。

辻元分科員 辻元清美です。

 きょうは、防衛大臣、よろしくお願いいたします。

 私は、本日、海外の邦人保護を強化する自衛隊法改正などの検討状況について、特に車両による陸上輸送を認める方向で御検討なさっているという話を伺いまして、それについて質問したいと思います。

 といいますのも、私はNGO出身でして、私たちの仲間も、特に今、紛争当事国であったり、人道支援をしに行ったり、さまざまな人が活動しております。私自身も、そういう現場に入っていったこともございます。

 そういう中で、今まで自衛隊は、何か邦人に問題があったときは、空港または港まで迎えに行くというか、行くことができますけれども、これが陸上にということになると、随分様子が違ってくるように私は自分の現場感覚から思うんですね。ですから、そのことについて大臣と議論をさせていただきたいなと思いました。

 今、どのような検討状況になっているんでしょうか。

小野寺国務大臣 辻元委員には、ボランティア活動の御経験が大変深く、一昨年の東日本大震災においては、被災地に対してボランティアの支援、そしてまた、さまざまな団体からの支援、大変ありがとうございました。

 今御指摘がありました邦人保護の問題ですが、ことし一月に発生しましたアルジェリアの事件を踏まえまして、政府の検証報告や与党PTの提言等を踏まえまして、防衛省としては、自衛隊法改正案を取りまとめて、現在、最終的な調整を行っているところであります。

 具体的な内容につきましては、自衛隊による在外邦人輸送について、先ほど御指摘がありましたように、従来は航空機、船舶でありましたが、今回は、車両による輸送を可能とし、輸送対象者を拡大するなど所要の改正を行って、外国におけるさまざまな緊急事態に際して、より適切に対応できるようにするという内容のものです。

辻元分科員 そうしますと、想定される事態というのは、先般一月のアルジェリアでの大きな事件がございましたけれども、ああいう場合を想定して、そのときに被害者やそれから関係者を相手国の陸上まで自衛隊が迎えに行くというか、車両で移送を手伝うのか、それとも主体的に移送するのかわかりませんが、陸上で活動するというのはああいう場合を想定しているんでしょうか。

小野寺国務大臣 今回のアルジェリアの事案も、例えばイナメナスの空港でしょうか、かなり距離がございました。

 ですが、今後さまざまな事案が起きたときに、やはり、空と海は運べても陸はできないということは、なかなか、今回の邦人輸送だけではなくて、全体としての中で陸も必要ではないか、そういう検証、そしてまた意見が入っての検討状況であります。

辻元分科員 その際に相手国の同意というものが必要になるかと思うんですが、それは、相手国の同意をとって活動をするという理解でよろしいでしょうか。

小野寺国務大臣 はい、相手国の同意を得て活動するということになります。

辻元分科員 その際に、過去の事例で、諸外国の、日本の場合は自衛隊、外国の場合は軍隊ということになるかと思いますが、同じような機能をもちろん有しております。外国の軍隊が他国で自分の国の人たちを救助する、陸上に入っていくというのは実はそう容易なことではなくて、この間のアルジェリアの案件でも、相手国が同意したかどうか、一部、イギリスが希望したけれども難しかったというような話もございまして、私は、やはり主権国家というのは、なかなか、武器を携帯した他国の軍隊を陸上に入れるということは、どこの国でもそう安易に認めるものではないと思うんですよね。

 一方、今までどんなところでの活動があったか、ちょっと過去にさかのぼって私は調べてみたんですけれども、ソマリアとかルワンダとかザイールとかエリトリアとか、どちらかというと、現地が混乱しているところに入っていく。そして、アメリカが多いわけなんですけれども、ヨーロッパの国々なども、旧宗主国というように、つながりが強かったところに入っていく、ほぼそういう案件ばかりなんですね。ですから、私は、この間から、陸上にも行けるようにという議論がかなり大きな声で出てきたんですけれども、現実を見ると、主権国家に入っていくということがなかなか難しいのではないかなと。

 私は、防衛大臣は、それが非常に難しいという御認識を持って御検討いただいた方がいいと思うんですが、そういう御認識はお持ちでしょうか。

小野寺国務大臣 もちろん、この前提となるのは相手国の受け入れということになりますので、それが前提です。そして、相手国がこれを受け入れてくれるかどうかというのは全て相手国次第でありますので、その前提というのは先生おっしゃるとおりだと思っております。

辻元分科員 といいますのも、例えば、こんなことはあってはならないわけですが、もしも日本で大きなテロがあって外国人が巻き込まれた場合、日本の国家としても、主権国家として、その国の武器を携帯した軍隊、軍隊というか軍人が移動を手伝いたいといっても、普通は、それは日本できっちりやりますのでということになるかと思うんです。

 といいますのは、かつて九・一一事件が、あの大きな同時多発テロがあった後に、アフガニスタンへの空爆が始まるという非常に緊迫したときがありました。そのときも、日本の国内では、パキスタンなどにも邦人がいるし、パキスタンにも自衛隊を派遣していろいろな活動を、単に邦人に対するいろいろな情報収集等ではなくて、支援の活動までも自衛隊が行ってやったらどうかというような話もあったんですが、パキスタンは、特にアフガニスタンとはいろいろ特別な関係もあるということもありますけれども、主権国家として、やはり他国の軍隊は入れなかったわけです、あらゆる事情によっても。

 仮に今日本であるならば、パキスタンにしてもアルジェリアにしても、やはり一つの主権国家ですから私は対等だと思うんですが、日本の場合は、他国の武器を携行した軍隊を入れるということはないと思うんですけれども、相互主義にはならないと思いますけれども、私はやはり、主権国家とそれから他国の、武器を持った、日本の場合は自衛隊、軍隊の関係、非常に厳密に他国との交渉もやらないと、では日本であったときはどうなんだ、うちはあきまへん、こうなるわけにもいきませんので、そういうところの議論も今後も深めさせていただきたいんです。何かメディアとかだと、もうああいう陸上の、お迎えに外務政務官が行かれたところに、自衛隊の車で行ったら安全やし、いいんじゃないかということだけで流されるような問題ではないと思うんですね。

 ですから、日本の場合はまさか、テロがあっても、他国の武器を携帯した部隊を入れるというのは輸送でもないと思うんですが、その点はいかがですか。

小野寺国務大臣 大切な御指摘だと思います。

 まず、海外での邦人のこういう被害あるいは何らかの事件が起きた場合には、外務省ルートで相手国に対しての要請、保護をお願いするというのが前提であります。

 そして、その中で、仮に、その国でさまざま対応が難しいような状況にあって、相手国の同意があった場合、初めて例えばこの邦人輸送についても行えるということが基本的なことだと思っておりますので、まずは外交ルートで邦人の保護について要請をする。これは今もその状況にあると思いますし、今後、自衛隊法が改正されてもその趣旨は変わらないと思っております。

辻元分科員 そのポイントは、やはり他国の軍事組織に属する者が武器を持っていくというところが一つあると思う。

 オーストラリアの場合は武器は置くんです。警備はその国の政府の責任でやっていただくということで、武器を置いてカンボジアなどでは活動するというふうになったと私は聞いておりました。

 ですから、ただ、これはカンボジアの例を今申し上げたんですけれども、本当に大臣も過去の例をぜひ点検していただきたいと思いますけれども、過去行っているところは皆危ないところばかりなんですよ。危ないところに行っている。しかし、今回の改正の場合は、武器使用基準は変えずに危険なところには行かないというような検討内容であると聞いておるんですが、そういう内容でよろしいですか。

小野寺国務大臣 まだ最終的に調整をしておりますが、基本的には、輸送の安全が確保されているということが前提だというふうに思っております。

辻元分科員 そうすると、その輸送の安全はその当事国が責任を持って行うという理解でいいですか。

小野寺国務大臣 今回の隊法の改正を含む自衛隊の輸送の問題ですが、これはあくまでも、必ず輸送するということではなく、輸送がどうしても必要だということで外務大臣の方から要請があり、そして協議の上対応するということですから、その前提として、外務省からさまざまな情報の提供もありますし、私どもとしてその内容を精査の上対応するということになると思っております。

辻元分科員 外務省からの要請で対応していく、外務省というか外務大臣からの要請と。

 ということは、例えば仮に何か大きな問題が起こったときに、今回は自衛隊を陸上に派遣するかどうか、決めるのは外務大臣ということになるんですか。自衛隊に要請ということですから、今回の案件はそうしようというのは外務大臣が決めるということでよろしいんでしょうか。

小野寺国務大臣 この自衛隊法の中で規定されておりますのは、外務大臣の要請を受け、防衛大臣が決定をして下令をするということになると思います。

辻元分科員 いろいろなNGOの人たちの話を申し上げましたけれども、私、一年生のときから安保委員会に所属をしておりまして、いろいろな紛争地の議論も歴代の防衛大臣と続けてまいりました。

 そこでも何回か申し上げたことなんですけれども、私自身、まだポル・ポト派がいるというカンボジアで、一九八五年に初めてカンボジアに入っておりますので約三十年ぐらい前で、日本人はほとんど、数人しかいなかったというときでした。そのときも日本の援助団体は何団体か行っておりましたが、実は渡航自粛が日本政府は出ていた時期なんです。しかし、人道支援というのは渡航自粛が出ているところにも、やはり各国行っているわけですね。

 その後、八〇年代、何回も行っていたわけですけれども、目の前で銃を撃たれたことも実はあるんです。そのときは団を連れておりまして、私は責任者の一人でしたから、一番先頭で、車をとめられたときに交渉に当たるわけなんですけれども、民兵を連れていたんですよ。しかし、トランシーバーで交信しながら行くわけですが、民兵は全部隠したんですね。後ろに下がれ、下がらせてくれと。じゃないと、相手がもしも撃ってきたときに反射的に構えてしまうわけなんですよ。抜きますからね。

 それが小競り合いになるというのは現場でみんなよくわかっていて、カンボジアサイドの非常に有能なコーディネーターの方についてもらっていましたので、私たちは援助活動だということで、それは空に向かっての威嚇射撃でしたから、その日、ちょうど私は誕生日だったんですけれども、ちょっと怖かったです。私は誕生日の日に死ぬのかしらと一瞬思ったんですけれども、撃つんやったら足を撃ってとか一瞬に思うんですよ、ほんまに。でも、そのときに、武器を持っている人は全部隠したんです。これは、私たちが現場に行っているときには、ある意味、鉄則みたいになっていまして、じゃないと、物すごい広がっていくんです、いざこざが。

 ですから、武器を持っている人たちが一緒に活動しているから安全というわけではない、そういう現場感覚も私は大臣にも共有していただきたいと思うんですが、いかがですか。

小野寺国務大臣 当然、邦人の輸送ということになりますから、輸送が安全にできるというところが前提ということになります。そしてまた、私どもとしても、目的は邦人の安全な輸送ですので、決して武器使用が前提となってということではありませんので、そこは、外務大臣から要請があった場合、当然、外務省と協議をして、その中で最終的に、輸送を任務として請け負うか、あるいは、任務として担った場合でも現地の情勢がどうか、さまざま検討しながら進めることになるんだと思っております。

辻元分科員 そうすると、安全が確保されたところということになれば、なぜ自衛隊が行くのかという話になっていくんですね。政府の職員として行くという認識なのかもしれませんけれども、ちょっとそれはまた後に置きまして、それで、もう一点、対象者なんです。

 今回の、日揮で働く関係者の皆さん、この事件があったということを申し上げたんですけれども、私は、本当に痛ましい、テロは絶対許してはならないと思いますので、そして、犠牲に遭った方々の関係者も今本当につらい思いでいらっしゃると思います。ですから、できるだけのことは政府としてやるべきだと思っております。

 一方、そのときに、では誰を対象にするのかというのが非常に難しい。

 私、思い出したのが、イラク戦争のとき、大臣、自己責任論というのがあったのを覚えてはりますか。イラクで、ボランティア、ファルージャ等で子供の支援をするということで、数人の若者が武装勢力に拘束されたときに、あのときの政府の閣僚の皆さんたちの発言をもう一度私は読み返してみたんですよ。

 そうすると、救出された翌日ですが、今回の救出でどれだけの税金が無駄に使われたことかと思う、罰金を取られても自業自得、全額自己負担だ、実はこれは昔の文部大臣の方が発言されたり、あのときすごかったんです、自己責任だと。それとか、損害賠償請求をするかどうかは別として、政府は事件にかかった費用を国民に明らかにすべきだとか、それから、これは安倍幹事長、当時の幹事長がおっしゃったんですが、山の遭難では救出費用は遭難者に請求することもあるとの意見も会議で出たということをわざわざおっしゃったり。

 確かに、渡航自粛とか避難の要請が出ているところに行っている人とそれ以外では違うと思うんですが、これ以外でも、先日シリアで女性のジャーナリストが殺害されたとか、それから、大臣も御存じかもしれませんけれども、アフガニスタンでは長年にわたって中村哲医師たちがペシャワール会をつくっていらっしゃいます。

 これは本当にアフガニスタンが危険な中でも活動されて、若い青年が一名、数年前に命を落としました。しかし、撤退せずに活動しているわけです。ペシャワール会の中村哲医師は、天皇在位二十周年の式典には来賓として壇上に座っていらっしゃって、そういう意味では国際的にも認められている方々なんです。

 私は、イラク戦争のときに、自己責任論が出たときに胸が痛かったです。ああいうことも経過した、私たちの日本の政治なんですよ。

 そうすると、日揮で起こったこと、これも悲劇。しかし、イラクにボランティア活動に行っている人たちも、私は悲劇だと思います。そうすると、こっちは迎えに行くけれども、こっちは行かない、政府専用機で行くときもあれば。結局、あのイラクのボランティア活動の皆さんは、旅費を一部払ったわけですね。払っているんですよ。

 そうすると、陸上も含めて、政府が派遣する際の基準というのは一体どこに置くのかというのが、非常に判断が難しいんじゃないかというように思うんですが、その辺は、大臣、いかがお考えでしょうか。

小野寺国務大臣 そのときのいろいろな世論、国会だけではなくて、世論、議論を、今お話があったのを思い浮かべておりました。

 恐らく、発言の本意というのは、私がおもんぱかるに、そのような危険なところに極力行かないでいただきたい、そして、何かあったらやはり御家族も含めて大変心配だからということで、そういう厳しい発言あるいは世論があったこともあったのかなと私は認識をしております。

 私もこのような人質事案を含めてさまざま経験をしておりますが、いずれ、御本人に、大きな問題というよりは、むしろ、さまざまな事情でそこに行かなければいけない、そして、行くに当たっては相当の注意を払われてはいると思います。ただ、その中で不幸にして事件に遭う、そういうことが過去幾つかあったんだと思っております。

 そして、今の判断ですが、私ども防衛省としましては、基本的に、外務大臣からの要請、これが前提です。その要請を出すに当たっては政府内で検討されるということだと思いますから、防衛省の担っている役割というのは、あくまでも外務省、外務大臣からの要請を受けてということになると思います。

辻元分科員 最終的には政府全体としての重い判断になるかと思うんですけれども、私が今申し上げたように、線引きが難しい時代に入っております。

 どこが危険地帯になるかというのがなかなかはかり知れないのがテロなんですね。企業もちゃんと防衛をやらなければいけないというのが、この間の日揮の事件で、他の国々の会社よりもやはりリスク管理が甘かったんじゃないかという反省点があったというような話も出ておりますので、NGOにいたしましても企業にいたしましても、自分たちで守るべきところは守り、情報をとってやっていくというのは基本だと思うんです。

 しかし、そういう問題が起こったときに、私は、線引きが難しくて、こっちはやったのに、こっちはと。そのときに国益の大合唱になる場合があるわけです。例えば、日本の国のために、日本のエネルギーのために、国益を守ってくれているから、そういう人たちは本当に頑張ってくれている人だとか、しかし一方、そうではなくて、そんな危ないところに勝手に行ってというようになってしまうような、それを助長しかねないようなことにならないようにしなきゃいけないと私は思っているんですね。

 ですから、今回、今後その法案をお出しになったときに議論になっていくかと思いますけれども、一点は、果たして陸上に受け入れる国があるのか、現実性があるのかどうかという点で、私は、実はちょっと疑問を持っております、主権国家に対して。

 それと同時に、特に陸上に行くということになれば、港とそれから空港ということ以外の意味をやはり持ってきますので、その際に、どの案件に対してその対応をとるのかというのも、政治性を帯びないでいただきたいと思うわけですが、判断も非常に難しくなるんじゃないかなという案件を決めようとしているというか扱おうとしているというように私は思っておりますので、今御検討されているということですから、ぜひその観点からも私は御認識を深めていただきたいなと思って、あえてきょうこの問題を取り上げているんです。

 もっとはっきり、いつもの辻元流で言うたら、受け入れるところはあるのかなと。せやのに、受け入れるところも余りないことを、それも、武器使用の基準とか、自衛隊を他国に送るというのは、かなり日本はセンシティブでしょう。そのことをあえて日揮の案件でやる必要があるのかしらと私は思っていますよ、これからの審議次第ですけれども。

 そして一方、イラクの高遠さんたち。この間、イラク戦争から十年のシンポジウムがありまして、私も出席しました。イラクからも人を招いて、今のイラクの現状を聞こうということで、シンポジウムをしました。そうしたら、これは事実として、米軍が撤退してからテロの数は減っているということを大臣も御存じだと思います。やはり、他国の軍隊が駐留している方がテロは多いんですよね。

 高遠さん、来てはったんです。今何してんのと言うたら、またファルージャで活動してると言うんですよ。NGOの人たちはずっとやっています、この十年も、イラクでも。自衛隊はサマワに行って頑張られたと思いますよ。でも、あれが撤退してからもずっとやっている人たちがいっぱいいてるんです。

 一方、これは「職業は武装解除」という本で、三十六歳の瀬谷ルミ子さんという方がお書きになって、彼女は、プロフェッショナルなんだけれども、武装解除専門なんです。そして、今は認定NPO法人の日本紛争予防センターにいるわけですが、国連でも働いていましたし、外務省なんかとの連携もやって、各国、ルワンダ、アフガニスタン、コートジボワールとか、いろいろなところで活動している。女性なんですよ、本当に普通の女性。女性もふえてきているわけですね。

 私は、こういう活動をする人もふえる中で、何か一部の企業の人たちは、割合、本当に、みんなこぞって、大変なことだということで、政府としても対応し、ではNGOどうするんだ、ジャーナリストどうするんだと広がってきます。

 ですから、企業にしろ個人のNGOにしろ、国家としてどこまで関与するのか、そして、関与するときはどういう原則を持つのかということまでも認識して自衛隊を出すということを議論していかないと、私は、割合安易にと言ったら失礼なんですけれども、マスコミで評論家の人たちなんかも、いや、これはもう、ああいう場合は、現場から遠かったから、自衛隊が行ってやったらええんちゃうかとたくさんの方がおっしゃっているのを聞きながら、そんな軽々しく、やったらいいのではないかと言える問題ではないなと。これを実行するに当たってのさまざまな懸案があるということをしっかり御認識いただきたいと思います。

 こういう活動の人たちはこれからふえてきますので、ジャーナリストもふえてきますので、国境なき医師団も、かなりしんどいところでも日本人も行って活動していますので、そういうことも含めて、最後に大臣に御提案申し上げたいと思うんですが、実際にこういう活動をしているNGOの人たちとも一度意見交換されたらどうでしょうか。

 現場で活動していて、どういうときが危険だろう、そのときに国として何を求めるのか、そういうことも含めて、私は、意見交換を、この法律を今検討されているようですので、生の声を聞いていただきたいと思います。

 そして、その中では、武器を携帯している、それも他国の、その国の軍ではなくて他国の武器を携帯している者がいて、万一小競り合いになったときに物すごく大きな問題に発展していくということも全くないとは言えないわけですから、そういう案件ですので、NGOも含めて、ぜひ現場の声を聞いていただきたいと思います。いかがでしょうか。

 最後にその御答弁をお聞きして、終わります。

小野寺国務大臣 重要な御指摘だと思います。

 恐らく、その役目をまず担うのは外務省だと思います。私も、外務省で副大臣をしていたときにNGOの担当をさせていただき、そのときはそういうお話も聞きましたし、辻元委員から御指摘もいただいたことがございます。

 外務省と相談をしまして、今回の邦人輸送の隊法改正というのは、あくまでもそれができるようになるということで、必ず行うというわけではまずございません。それから、それに当たっては、外務大臣からの要請ということが前提になりますので、御指摘の点は外務省とも相談をしていきたいと思います。

辻元分科員 ぜひ防衛大臣としてもお聞きになった方がいいと思いますので、御検討をお願いいたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

岩屋主査 これにて辻元清美君の質疑は終了いたしました。

 次に、古屋範子君。

古屋(範)分科員 公明党の古屋範子でございます。

 きょうは、北朝鮮のミサイル問題、緊張の中ですけれども、質疑の方、何とぞよろしくお願いを申し上げます。

 私は、比例区選出なんですが、自宅は横須賀にございまして、事務所も横須賀に構えております。ですので、海上自衛隊初め防衛省、防衛大学校の関連施設ですとか、あるいは高等工科学校などもありまして、私もできる限り関連行事には出席をさせていただいております。

 女性自衛官の方々と懇談をさせていただいたこともあるんですが、実際に艦船に乗っていらっしゃる女性自衛官もいらっしゃるし、子育てをしながら頑張っている方々もいらっしゃるということで、ともかく、我が国の国民の生命財産を守るとうとい職務についていらっしゃる自衛隊の皆様に、私も日ごろから心から感謝と敬意を持っております。

 きょうは、ドクターヘリの操縦士の養成確保についてお伺いをしてまいりたいと思っております。

 自衛隊の操縦士からの転出をお願いしたいということでございます。

 公明党の主導で、二〇〇七年の六月なんですが、ドクターヘリ特別措置法を制定いたしました。以来、全国各地でこのドクターヘリの導入が拡充をしてきております。この法律が制定されたときには、十道県で十一機しかなかったんですね。それから全国配備ということで逐次拡充をしてまいりまして、昨年十一月十五日現在ですが、三十四都道府県四十機ということで、かなり広がってきております。

 これは、御存じのように、医師が乗り込んで治療しながら患者を搬送するということでございまして、ドクターヘリがなかったら命を落としていたという方々もたくさんいらっしゃいます。また、東日本大震災の折は、全国から被災地に十八機のドクターヘリが集結をいたしまして、被災者の救援活動に当たったわけでございます。

 このドクターヘリ普及の背景には、私たち公明党の地方議員が各地域で導入を訴えてまいりまして、また特措法の存在も大きかったわけでございます。こうした全国配備の拡大、操縦士の定年退職等の自然減に伴いまして、近い将来、ドクターヘリ運航に従事するパイロットの絶対数が不足をしてくる、このような課題に直面をいたしております。

 地方の病院ではなかなか救急医療の確保ということが難しいわけでありますし、また、医師不足、財政的な面でも公立病院の存続さえ危ぶまれているという中で、確かにこちらはこちらでしっかり進めていかなければいけないんですが、一方で、搬送体制を整備して、遠隔であったとしても救急患者を搬送できる体制をつくっていく、これが重要だと考えております。

 そこで、まず、自衛隊ヘリ操縦士の現状について、現員数、また定年退職者数、そしてドクターヘリパイロットに再就職をされた実績についてお伺いしたいと思います。

    〔主査退席、大塚(拓)主査代理着席〕

左藤大臣政務官 古屋先生にお答えを申し上げたいと思います。

 先生おっしゃったように、ドクターヘリ、活躍をしておりますけれども、近年の自衛隊のヘリ操縦士の定年退職者数は、過去三年間を見ますと、毎年大体四十名から五十名程度で推移をしております。また、退職者のうち、防衛省による再就職援護によりドクターヘリ運航会社におけるドクターヘリパイロットとして再就職した実績は、現在把握している限りでは二件でございます。非常に少ないです。

古屋(範)分科員 現実はそういうことでございまして、私は、ドクターヘリのパイロットへ移行する、こういう流れをぜひつくっていただきたい、このように考えております。

 自衛隊は、精強さを保つために、若年定年制と任期制の制度を採用していらっしゃいます。多くの自衛官が五十代半ばとか、あるいは二十代半ばで退職をされると聞いております。このような中で、自衛官の方々が退職後の生活にも不安を抱くことなく厳しい任務を遂行するために、また、すぐれた資質を有する人材を確保するためにも、退職後の生活基盤の安定確保が不可欠であると考えております。

 防衛省におかれましては、退職予定自衛官の再就職に関する施策を人事施策における最重要事項の一つとして捉えていらっしゃる、再就職に有効な職業訓練あるいは雇用情報の有効活用など、就職援護施策を行っていらっしゃるということでございます。その中で、ドクターヘリパイロットへの再就職が円滑に行われるような施策をとっていただきたいと考えております。

 そこで、若年退職者などがドクターヘリなど民間事業用のパイロットへの再就職を円滑に行えるよう、例えば、在職中にドクヘリパイロットに必要な資格、技能を取得できるような支援を実施していただけないか。あるいは、今後、ドクターヘリ業務を習得するにはある程度の期間が必要であるということで、一千八百時間あるいは二千時間ということでございます。この期間を考慮すると、比較的若い年齢の操縦士が民間に転出をしていただけると、より活躍できる年数が長くなるわけでございます。

 そこで、今後導入される予定の早期退職募集制度を活用して定年前に退職する自衛隊ヘリ操縦士を、ドクターヘリパイロットとして活用できるような支援ができないかどうか。

 また、これまで割愛制度というものがございました。これは、自衛隊と航空会社の間で協定が結ばれておりました。毎年、ある程度の人数の自衛隊パイロットを民間航空会社に出していくという制度であります。これは、民間航空会社が始まるときに、多くの自衛隊のパイロットを民間会社が引き抜いてしまうということで、非常に困るということで、こういう制度をつくられたというふうに聞いております。

 この制度が、平成二十二年度以降、停止となっております。平成二十一年九月、民主党政権下の閣議で、公務員の天下りに対する厳しい批判に応えるとともに、行政の無駄をなくす観点から、あっせんを直ちに禁止するとの総理の発言がありまして、それを受けて、防衛省によるあっせんは行わない旨の防衛大臣通達が出されたという経緯がございます。

 確かに天下りの禁止は行っていかなければいけない。一方で、ドクターヘリのパイロットの人材不足、こういう大きな課題がございます。これが機能しなくなったために、壮年操縦者の退職人数の減少による操縦者の高齢化、新人養成数の減少、大幅なパイロット不足など、今後の人材確保へ非常に大きな影響が広がるのではないかという懸念が広がっております。

 そこで、この割愛制度というのは、操縦技能有効活用制度であるというふうに考えられます。いわゆる天下りとは違うのではないかと思います。割愛制度を、天下りという観点で捉えるのではなくて、航空自衛隊の精強性の維持、あるいは民間航空会社の発展という大所高所からの視点で捉えて再検討できないか、この点に関してお伺いをしたいと思います。

小野寺国務大臣 まず、私の方から早期退職制度のことについてのお話、そして、割愛制度については左藤政務官から御答弁をさせていただきたいと思います。

 ドクターヘリ、私は大変有効な制度だと思っております。

 私の地元、宮城県の気仙沼というところでありますが、ここは、三次医療圏まで行くのに車で二時間から二時間半かかります。また、所在する離島では、三次医療施設まで行くのに約半日かかってしまいます。

 ですから、かなり重篤な場合には、恐らくここでは処置ができないということが大変多い。このときにドクターヘリがあればな、そう思う地域の一つでもあります。そういう意味で、ぜひ古屋委員には、推進のことをこれからもよろしくお願いしたいと思います。

 その中で、今回、防衛省・自衛隊としまして、若年定年退職者あるいは早期退職制度で退職した自衛隊ヘリ操縦士を、例えばドクターヘリパイロット等の活用ということでの御要望がございました。私どもとしましては、再就職支援や、あるいは自衛隊において培った技能の活用という観点から意義があると考えておりまして、本人の希望があれば、ドクターヘリパイロットとしての活用、これができるのではないかと考えております。

 また、ことしじゅうに国家公務員に導入されます早期退職募集制度などを活用しまして定年前に退職する自衛隊ヘリ操縦士が今後出てくる場合には、同様に、ドクターヘリパイロットとして活用していただけるものと考えております。

 このことについて、けさほども役所と相談をしたんですが、実は、ヘリコプターのパイロットの資格というのはそれぞれ機種によって定められている。ですから、自衛隊で運用しているヘリコプターが操縦できるからドクターヘリのヘリコプターが操縦できるとは限らないということで、確認をさせていただいております。

 ただ、ドクターヘリとして活用されているヘリコプターも自衛隊は所有していることから、そこでしっかりとした運用あるいは免許の取得を行えば対応できるということでありますので、これは、中でさまざま検討できる課題があるのかなと思っております。

左藤大臣政務官 今大臣から御指示ありましたように、割愛制度について答弁をさせていただきたいと思います。

 先ほど古屋先生御指摘のとおり、割愛は、従来、自衛隊のパイロットの無秩序な流出を防止するとともに、自衛隊のパイロットを民間航空事業において有効に活用するという観点から実施しておりました。

 先生御指摘ありましたように、平成二十一年の九月二十九日の閣議における鳩山総理の発言によって、省庁があっせんするということを禁止するんだ、こういうことでございましたので、これに抵触をするおそれがあるということで、それ以降の割愛は行っていないところでございます。

 そして、今、何とかというお話で大臣も御答弁しましたとおり、防衛省としては、本年度中に国家公務員に導入される予定の早期退職募集制度を活用するなど、自衛隊ヘリ操縦士の養成管理、これは、先ほどおっしゃったように全部同じ飛行機じゃないとかいろいろありますけれども、そういうものも踏まえながら適切に行っていって、政策について検討をさせていただきたい、このように思っておるところでございます。

古屋(範)分科員 大臣、ドクターヘリに関する深い御認識がおありになるということで、御存じかと思いますけれども、愛知県で子供が水に落ちて心肺停止状態になって、そこから静岡県にドクターヘリで搬送して命が助かったという方もいらっしゃいましたし、ドクターヘリによって命が救われたという報告はさまざまございます。

 それから、ある方から言われたんですが、ドクターヘリに税金を使うのであれば、これは非常に理解ができるということを聞いたこともございます。やはり命を救うという、まあ、一つの搬送手段でありますけれども、国として行っている事業の、国民の命を救う、その象徴的な存在であるというふうに思います。

 私たちもドクターヘリを推進してまいりまして、今後さらに機数を拡充していくとともに、この事業が永続的に推進されるように、やはり人材確保を含めて周辺の整備も行っていかなければ、この事業をスタートして、ヘリを入れたからそれで終わりということにはならないんだろうというふうに思います。

 左藤政務官からも御答弁がございましたけれども、早期退職者の制度を今後、本人の希望も当然あると思いますので、こちらに行けと言うことはできないとは思いますけれども、やはりこれは非常にとうとい仕事でございますので、機種の訓練も含めまして、こちらへの流れが少しでも大きくなるように施策を進めていただきたいと考えております。

 続きまして、ドクターヘリパイロットの訓練、養成支援についてお伺いをしたいと思います。

 防衛省では、ヘリ操縦士の受託教育を行っていらっしゃると聞いております。この受託教育の現状についてまずお伺いをしたいと思います。

 続きまして、これまで農薬散布等を行う操縦士を養成するために受け入れを行った実績があるという受託教育に、ぜひこのドクターヘリパイロットの受託教育も含めていただけないかという質問でございます。

 自衛隊の教育訓練施設は立派なものであると聞いております。例えば、鹿屋の航空基地、ここは海上自衛隊の航空基地の一つであります。海上自衛隊では、この鹿屋航空基地において、EC135型機、これは民間事業者がドクターヘリとして使用している機種、これと同機種でありますTH135機というものを使用してヘリ操縦士の養成をされています。

 現状では、この機材、教官等、ヘリ操縦士の養成にフル稼働状態であるというふうに思います。こうした厳しい状況の中でドクターヘリの方まで教育をお願いするというのは非常に難しいとは思うんですが、このドクターヘリの公共性を御理解いただいて、ここでドクターヘリの受託教育を行っていただけないかどうか。ぜひとも、この訓練施設にドクターヘリ操縦士養成のための訓練実施機関としてのコースをつくって、航空機材、教官ともに活用させていただけないか。

 この点、いかがでございましょうか。

左藤大臣政務官 お答えします。

 ドクターヘリの受託教育の問題ですが、自衛隊法第百条の二に基づいて、回転翼操縦士の教育も含め、部外から、受託教育は先生御指摘のとおり実施をしております。

 この受託教育の現状ですが、警察庁から、昭和四十六年、そして四十九年から五十一年、五十九年から現在までの間、毎年一名、約一年十カ月間の教育課程を受託しております。

 そして、先ほど農薬散布のこともございましたけれども、民間からの回転翼操縦士の受託教育の現状ですが、過去、昭和三十八年から昭和六十三年までの間、毎年一名、先ほど御指摘あった農薬散布等を行う操縦士の養成を行うための教育の受け入れを行った実績がございますけれども、平成元年から実は受け入れておりません。申しわけないんですが、それが現実です。

 それと、先ほど御指摘のあったTH135、これはドクターヘリに使われているのと同じ機種なんですが、海上自衛隊で鹿屋航空基地において、これは鹿児島にございますが、このTH135を使用してヘリ操縦士の養成を行ってございます。

 ただ、同基地においてヘリ操縦士の養成を担当する第二一一教育航空隊における教育の現状ですが、近年の各種任務の増加や操縦士の中途退職者の増加等を背景として、ヘリ操縦士の養成が急務となっており、現在、養成能力の上限いっぱいでヘリ操縦士の養成に当たっているところなんですね。もういっぱいなんです。そのため、現時点での部外者の教育の受託については非常に慎重に考えざるを得ないという状況になっております。この点、御理解をひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。

古屋(範)分科員 任務も多くなり、また財政面、人員面でも厳しい中、手いっぱいであるということでございます。

 そんな中ではございますけれども、ドクターヘリの養成に関してもぜひお心にとめていただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。

 次に、国土交通省に質問してまいります。

 ドクターヘリ操縦士に必要な技量を付与するための訓練をするために、独立行政法人航空大学校の施設の活用ということも考えられるのではないかと思います。民間操縦士の公的な養成機関として、特に公益性の高いドクターヘリ、この養成についてぜひとも御協力いただけないか。

 このことについて国土交通省にお伺いをいたします。

高橋(和)政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御案内のとおり、ヘリコプターのパイロットの養成は、運航事業者のほかに、民間訓練会社でございますとか私立大学等において行われております。

 一方、航空大学校では、ヘリコプターの操縦教育に対応した訓練機ですとかシミュレーターですとか、さらには教官等を現時点では有しておりません。したがいまして、ドクターヘリパイロットの養成に対応することは、現時点では困難でございます。

 しかしながら、航空大学校が既に保有しております格納庫ですとかエプロン等々、施設の活用については、御要望があれば、可能な範囲で御協力することについて検討してまいりたいと考えております。

古屋(範)分科員 保有施設は活用できるということでございますので、これも今後前向きに活用ができないか、私も考えてまいりたいと思っております。

 最後に、厚労省にお伺いをしたいと思っております。

 ドクターヘリは、国民生活の中にもう既に定着をしてきております。また、出動回数は年々上昇しておりまして、その需要も高まっていると考えられます。

 厚労省で行っているドクターヘリの運航に必要な経費についての財政支援、平成二十五年度予算では、四十四・八億円確保しております。ドクターヘリで出動して高度な救急医療を提供できる医師、看護師の育成のための研修事業も行っていらっしゃいます。

 これに加えて、ドクターヘリ操縦士の育成についても財政支援が必要かと考えます。ドクターヘリを所管する厚生労働省として、ドクターヘリのパイロットの育成についてもやはり財政面で責任を持っていく必要があるのではないかと考えます。

 ドクターヘリ操縦士の養成施設を民間事業者が整備し保有するということは、極めて困難でございます。ドクターヘリを運航している民間事業者のほとんどが、資本金一億円前後の従業員百名未満の中小企業であります。ドクターヘリが拡充するのはありがたいが、飛ばせば飛ばすほど赤字が出るという声が届いております。

 これに加えまして、ドクターヘリ年間運航経費が、出動回数を年三百八十回としますと、約二億五千万円を必要とするということで、補助金は一億九千万円にとどまっておりますので、結局、六千万円の赤字に陥ってしまうということでございます。

 操縦者の育成確保、これはドクターヘリ事業に欠かせません。幾らヘリがあっても、飛ばすパイロットがいなければ、これは継続していくことはできません。

 以前、航空大学校で、農薬散布事業に必要なヘリコプター操縦士の養成が行われておりましたけれども、この予算も、農水省の予算をもとに、訓練生に対し奨学金が貸与されておりました。

 また、先ほどの御答弁にもありましたように、防衛省における警察庁の陸曹航空操縦課程の受け入れも、警察庁での予算措置で行われているそうでございます。

 そこで、ドクターヘリ事業という目的のために行う操縦士の養成でありますので、厚生労働省が責任を持って予算面で支援を行う、防衛省、国交省などにその教育についても厚労省の側からお願いをしていくというのが本来の筋ではないかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。

神田政府参考人 ドクターヘリの操縦士の養成確保につきましては、これまでは、各運航事業者を中心にお取り組みいただいてきたところでございまして、厚生労働省としては、ドクターヘリの安定的な運航が図られますように、操縦士の人件費を含めた運航に必要な経費に対する財政支援を行ってきているところでございます。先ほど先生御指摘のように、大変厳しい財政状況ではございますけれども、二十五年度予算では、前年度比較で七・九億円増の四十四・八億円を計上しているところでございます。

 確かに、操縦士の養成というのも非常に大事な観点だというふうには思っておりますけれども、先ほどおっしゃったような単価のアップでございますとか箇所数の増加ですとかいろいろな要望をいただいている中で、先ほど申し上げた厳しい財政状況の中で予算の確保に努めているところでございまして、御指摘の点については、今後、関係省庁と情報の共有等を図りながら、必要な支援について、どういったことが限られた予算の中でできるのかということを検討していく必要があるというふうに考えております。

古屋(範)分科員 このドクターヘリ、過疎地域あるいは離島等、国民の命を守っていく非常に重要な機関でございます。この拡充をしていくということが今求められているのではないかと思っております。そこに必要なパイロットの養成への支援を求めまして、質問を終わりたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

大塚(拓)主査代理 これにて古屋範子君の質疑は終了いたしました。

 次に、宮沢隆仁君。

宮沢(隆)分科員 こんにちは。よろしくお願いします。日本維新の会、宮沢隆仁です。

 ただいまのドクターヘリのお話は大変勉強になりました。

 それで、ちょっとヘリコプターも絡むような問題なんですが、本日は、原子力発電所のテロ対策というテーマでお聞きしたいと思います。

 実は、私、十年以上前から一国民としてずっと疑問に思っていたテーマで、本当に、自分がテロリストだったら何とでもなるんじゃないかなぐらいのことまで考えていたこともあります。

 そして、二〇〇一年九・一一、それから二〇一一の三・一一、この二つの事件をつなぎ合わせて、例えば、もし原子力発電所に飛行機があるいはミサイルが衝突したらと考えるのは自然の発想であろうと思います。国民の誰もが一度は不安に思っていることではないかと思います。

 実は、この原子力発電所へのテロ攻撃というテーマでは、過去に国会内でかなり議論がされております。この予算委員会分科会等でもされております。

 私が拾えた範囲では、最初の指摘は、最初じゃないかもしれないんですけれども、二〇一〇年の十一月二十六日、みんなの党の山内康一議員がまず先に質問をしております。

 そして、二〇一一年の四月二十七日、すなわち三・一一の後、自民党の高市早苗議員が経済産業委員会において、中野国家公安委員長に対して質問して、原子炉建屋そのものだけでなく、電源設備、送電網へのテロ対策について指摘をしております。これは非常にいい指摘だったと思います。

 それから、昨年、二〇一二年一月三十一日には、自民党の町村議員が予算委員会において、枝野大臣に対して各省庁間の連携が余りよくないのではないかという指摘をされております。

 それから、二〇一二年六月八日、環境と経済産業の連合委員会において石川議員が、細野国務大臣に質問したんですが、野田総理が三月二十七日、ソウルでの核安全保障サミットに参加された際に原発へのテロ攻撃に対する備えの重要性についてコメントしたということを述べております。恐らく、当時から、十分その危険性、重要性は認識されていたんだろうと思います。

 そして、今月、四月三日、震災復興特別委員会においてみんなの党の林宙紀議員から、これについて質問がありまして、特定安全施設への飛行機テロについての質問がありました。

 実は、先週の四月十一日に、災害特別委員会でも私からも、今までのことをほぼ踏襲するような質問だったんですが、三十分の間にさせていただきました。

 ということで、同じような質問をしても意味はありませんので、本日は、少々異なる観点から、防衛省、原子力規制庁、警察庁、海上保安庁の方々にも来ていただいて、想定される原発テロや事故に対してどのような対策を練っておられるのか、質問させていただきたいと思います。

 ただ、警備上答えるのに支障がある場合は、そのように言っていただいて結構です。

 最初の質問をさせていただきます。

 原子力発電所のミサイルやジェット戦闘機衝突、まあ飛行機ですね、飛行機衝突に対する耐性強度について、原子力規制庁にお尋ねします。通常の、事故に遭っていない原発施設への飛行機体衝突対策についてはこの間お聞きしたんですが、例えば現在の福島原発にセスナ機とかヘリコプターが突っ込んだ場合は、どのようなことが予測されて、それに対してどのような対策を考えておられるか、ちょっとお尋ねいたします。

山本政府参考人 お答えさせていただきます。

 福島第一原子力発電所につきましては、委員御指摘のとおり、事故を起こした設備でございまして、コンクリート構造物、建屋の一部が水素爆発等によって崩壊しているところでございます。

 したがいまして、一定の脆弱性はございますけれども、この福島第一原子力発電所で一番しっかり守らなくてはいけないのは、原子炉内に溶融しております燃料、燃料デブリと呼んでおりますが、これを確実に冷やすことでございます。そのために、この冷却装置、配管などがつながっている部分はございますけれども、これらの冷却装置が一どきにだめにならないように、いわゆる多重化、高台に置いたり複数台置いたりという形で、一度に機能が失われないような形で多重化をすることによって防護をしているところでございます。

 したがいまして、御指摘のような事態があった場合、ほかの手段、ほかの設備、あと、場合によってはポンプ車なども用意しているところでございますので、そういった可搬型の設備などを使いまして、あらゆる手段を使いまして原子炉の冷却に努める、こういう体制を組んでいるところでございます。

宮沢(隆)分科員 もちろんこんなことは蓋然性としてはそう高くはないと思うんですが、ただ、起こった場合のことを考えると、本当に背筋が寒くなるようなことですね。

 それで、実は、つい先ほど東電のホームページにうちの秘書がアクセスしまして、その辺のことを探してみたら、こういう文章があったんですよ。「航空機が原子力施設に落下する確率を評価し、その確率がきわめて小さいことから航空機の落下に対する設計上の考慮は必要ない」と考えているというような記載があるんです。

 これは、ちょっとこのような文章はもう載せている場合じゃないと私は思うんですが、認識の甘さがあるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

山本政府参考人 お答えしたいと思います。

 今の先生の御指摘は、いわゆる定期航路の航空機が落下する確率を評価いたしまして、それが十分低いということを言っているものだと思います。これは、昔そういう定期航路の落下確率ということを評価いたしましたので、恐らくそれが載っているんだと思っております。

 先生御指摘のは、むしろそれはテロでございますが、意図的にそういうことが起きてはならないわけではございますけれども、それに対する備えを十分やっておく必要が当然あるんだろうというふうに考えております。

宮沢(隆)分科員 定期航空便の可能性はもちろん考えた上で、プラス、やはりもう今の時代は、テロと、あと、例えば取材用のヘリコプターが突っ込むとか、ありとあらゆる可能性を考えた上で準備しておくべきだろうと思うんですね。だから、ちょっと、こんな文章はもう入れない方がよろしいんじゃないかなと思います。

 次は、二〇〇一年の九・一一以降、原発の警備というのは恐らく進化はしていると思うんですが、主に陸上警備、何がどのように進化していて、現在、福島原発の警備状況はどのようになっているか、これは主に警察庁だと思うんですが、よろしくお願いします。

高橋(清)政府参考人 お答えいたします。

 警察では、全国の原子力発電所にサブマシンガンやライフル銃、耐爆、耐弾仕様の車両等を装備した銃器対策部隊を常駐させて、海上保安庁とも連携しつつ、二十四時間体制で警戒に当たっており、さらに、情勢が緊迫したときには、銃器対策部隊を増強、派遣するほか、高度な制圧能力と機動力を有する特殊部隊、SATを迅速に投入することとしております。

 また、原子炉等規制法に基づき、原子力規制委員会等と連携して、警察庁職員による原子力発電所への立入検査等を積極的に実施して、事業者による防護体制の強化を促進しているところであります。

 二年前の福島第一原子力発電所の事故により、その脆弱性が国内外に明らかになったことを踏まえて、人的体制の充実、装備資機材の整備拡充、警戒要領の見直し等、テロ対策の強化を図っているところでございます。

 特に、福島第一原子力発電所においては、周辺の主要道路で二十四時間体制で検問や駐留警戒を実施しているほか、同発電所周辺において、パトカー等による警戒を実施しております。

 警察としましては、引き続き、関係省庁、事業者等とも連携し、各種訓練の実施や警備体制の強化等を図り、原子力発電所の警戒警備に万全を期してまいる所存でございます。

宮沢(隆)分科員 ありがとうございました。

 この間、災害特別委員会でお聞きしたのとほぼ同じお答えだったと思うんですが、いわゆるテロというのは、最初から小さいと限ったわけではないと思うんですね。もちろん私は素人ですけれども、最初の段階でもう本当に建物の一部が壊れるような破壊行動をしようと思ったら、もしかしたら最初からそこにSATがいないと対応できないとか、そういう事態も想定されるだろうと思うので、あとは、結局、町村議員が以前指摘したように、多分、連携の問題と、情報をいかに、例えばSATなり防衛省なりにほぼ同時ぐらいに伝えるか、そこがポイントだろうと思うので、その辺の情報のやりとりと連携については引き続きよろしくお願いします。

 でも、今のお話を聞いていますと、九・一一以前に比べたらはるかによくなっているようなので、かなり安心はいたしました。

 この後は、想像の世界の話なんですが、想定事例についてお尋ねします。

 例えば、建屋が壊れている今の福島原発に、悪意を持ったテロリストがセスナ機を特攻隊のように衝突させるとか、あるいは、取材ヘリコプターが何か故障があってコントロール不能になって、ふらふらと原発の方へ向かっていっちゃったというようなことは想定はできると思うんですね。もちろん蓋然性は低いとは思いますが、一たびこのような事態が起こって衝突すれば、原発自体がもう内なる兵器みたいなものですから、首都圏には壊滅的打撃を与えますし、長い将来にわたって首都圏に人が住めなくなる事態もあり得るわけですね。

 このような事態を予測というんですか、例えば福島原発の上空にそのような物体が見えたときに、それが例えばフィフティー・フィフティーぐらいの確率で落ちるかもしれないと想定したときに、どのような対応をとり得るのかというのは、ちょっと応用問題みたいなものですけれども、警察庁、海上保安庁、防衛省、どこにお答えいただいてもいいんですが、ちょっとお答えいただければと思います。

高橋(清)政府参考人 お答えいたします。

 委員の想定にずばり答えになっているかどうかちょっとわかりませんけれども、警察としましては、米国同時多発テロ事件のような航空機を用いたテロについては、やはり一旦ハイジャック等が敢行されれば、その後のテロ行為を阻止することは大変困難であるため、何よりも、ハイジャック等の未然防止を図ることが重要であると認識しております。

 そのため、警察では、セスナ機やヘリコプター等の小型航空機を使用したテロを防止するため、所有者や管理者に対し盗難防止対策の徹底を指導するとともに、発着する飛行場に対する警戒を強化するなどの措置も講じております。

 さらに、警察では、旅客機を使用したテロを防止するため、情報収集活動を強化するとともに、国土交通省や航空会社と連携しながら、機内への危険物の持ち込み防止や不審者の早期発見等を徹底し、ハイジャックの未然防止を図っているところでございます。

宮沢(隆)分科員 もしよろしければ、防衛省の方からもお答えいただきたいんですが。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 原子力発電所の警備の問題についてでございますが、まず、自衛隊といたしましては、主たる任務が国の防衛ということではございますけれども、必要に応じて公共の秩序の維持に当たるということが自衛隊法の第三条で規定をされておりますので、当然のことながら、公共の秩序の維持ということにつきまして、日ごろから、警察庁を初めとする警察機関とも十分緊密に連絡をとり合っているところではございます。

 原子力発電所につきましても、一義的には、先ほど警察庁の方から御説明がありましたとおり、警察機関が実施をしているところではあります。ただ、一般の警察力をもってしては治安を維持することができないというような緊急事態があった場合にはどうするかということになりますと、これはもうあくまで制度論上の話でございますので、実際にどうかということとはちょっと別の話でございますが、制度的には、治安出動といったような命令を前提といたしまして、自衛隊が警察機関と緊密に連携をして対応する、こういうことはあり得るものというふうに考えております。

宮沢(隆)分科員 これはかなり際どい想定の話ですので、お答えにくいだろうと思います。私も、これは非常に難しい問題だろうと思います。

 アメリカあるいはロシア、そういうところでは、そういうことがあったら、もう早速スクランブル発進し、あるいは地対空ミサイル等でその上に来ているセスナ機を撃ち落とすとか、恐らくそういう話になるのかなと思うんですが、想定上の話ですので、これ以上は結構です。

 ちょっと話をかえます。

 二〇〇八年七月に、洞爺湖サミットというのが開催されました。このときの警備状況について、警察庁及び防衛省にちょっとお話をお聞きしたいと思います。お願いします。

高橋(清)政府参考人 お答えいたします。

 平成二十年七月に開催されました北海道洞爺湖サミットにおきましては、国際テロや過激な反グローバリズム勢力による暴動、妨害行為等の発生が懸念されていたことから、各種警備諸対策を推進いたしました。

 特に、国際テロ対策としましては、外国治安情報機関との一層緊密な連携、テロ関連情報の収集、分析の強化、旅客機機内への危険物の持ち込み防止や不審者の早期発見等の徹底、ハイジャック防止のためのスカイマーシャルの増強などに取り組みました。

 その結果、サミット警備期間中、テロや暴動等を封圧し、万全な警備を実施したところでございます。

徳地政府参考人 当時の防衛省・自衛隊の対応状況についてお答え申し上げます。

 北海道洞爺湖サミットにつきましては、九・一一テロ以降我が国で初めて開催されるサミットであったということから、防衛省・自衛隊といたしましても、政府全体としての関係省庁間の緊密な連携のもとに、あらゆる事態に対応できるように態勢をとっておりました。

 具体的には四点ほどあるのでございますが、まず、航空機による要人の輸送、それから、護衛艦、航空機による北海道周辺海空域における警戒監視、それから、各駐屯地、基地等の警備の強化、さらに、不測事態に対処するために化学防護部隊の待機態勢の強化、こうしたことを当時実施しておりました。

宮沢(隆)分科員 今の防衛省のお答えの中で、地対空ミサイルあるいは飛行機に対する兵器が何か用意されていたというようなことをちょっとレクで聞いたんですけれども、そこを確認させていただいてよろしいですか。

徳地政府参考人 当時、警戒監視、これは、空からあるいは海から特にテロが行われる可能性というものを全く否定することはできないということから、護衛艦あるいは航空機、AWACS等でございますけれども、そうしたものを北海道の周辺海空域に配備いたしまして、所要の警戒監視というものを実施しておりました。

 ただ、細部につきましては、実際の警備態勢というもの、いわば手のうちというものでございましたので、当時からお答えは差し控えさせていただいております。

宮沢(隆)分科員 了解しました。

 突然、何でこの洞爺湖サミットの話なんだろうとちょっと疑問に思った方もいるかもしれないんですが、洞爺湖サミットで、もちろん各国の要人が来ますので、このくらいの警備をするのは当然であろうと思います。

 例えば、本当に、これをかいくぐってテロが、爆弾なりあるいは空から何かやったとしたら、それは洞爺湖の、要人ばかりじゃなくて、そこにいる方々はみんな重軽傷を負うわけですよね。

 もしそれが、洞爺湖のところに例えば福島原発があったらとか、ちょっと言い方が悪いんですけれども、洞爺湖サミットと福島原発の今の現状を比較考量したらどうかというふうにちょっと考えていただきたいと思うんですが、洞爺湖は今言ったとおりの話ですけれども、福島原発は、例えば本当に被害が起こったら、もちろん福島原発にいる職員の方々及び警備している方々はみんな被害を負いますね。

 もう一つ大事なことは、それだけでは済まないということですよね。

 まず、もちろん、この間の福島原発の事故でわかったように、その規模が大きければ大きいほど、そこには住めなくなります。場合によっては首都圏全体が壊滅的被害を受けるかもしれない。そういうことを考えると、要人の方々には申しわけないんですけれども、はるかに大きな被害が予測できるということですよね。それであれば、それなりの警備態勢、警備の仕方、対応の仕方というのを考えてもいいのではないかと私は思いました。

 どうも、私、もともと外科医なものですから、常に最悪のことを考えて仕事をしなさいとずっとトレーニングを受けていますので、そこまで考えるのかよというふうに思われる方もいるかもしれないんですけれども、これがさがですので、ちょっとお許しください。

 このような最悪の事態に際して、防衛省というのは治安出動と警護出動という概念があるとこの間のレクでも教わったんですけれども、現時点での治安出動あるいは警護出動の態勢でこのような事態に対処可能なのでしょうか。

 先ほど言いましたように、福島原発上空に何か飛行物体があったらそれを撃ち落とすような事態も考えなくてはいけないと思いますが、法的及び機動的に可能なのかどうか、そこをちょっとお聞きしたいと思います。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどお答えしたことと若干重なってしまうわけでございますけれども、まず、原子力発電所の警備、それから、例えばサミットが行われる会場等の警備ということにつきましては、いずれも、ある意味で同じでございますけれども、一義的には警察あるいは海上保安庁の任務ということにはなっておりますけれども、そのような一般の警察力では治安を維持することができない、そういうような緊急事態の場合には、自衛隊が治安出動、あるいは海上警備行動ということも場合によってはあるかもしれませんが、そうしたもので対応する、これは法的に可能でございます。

 ただ、原子力発電所につきまして、今、先生、警護出動というお言葉もございましたけれども、警護出動の場合には、防護の対象は自衛隊の施設とそれから米軍施設、いわゆる軍事的な施設ということになっておりますので、これでもって例えばサミットの会場なりあるいは原子力発電所を防護する、これは制度的にそもそもそういうことにはなっておりません。

宮沢(隆)分科員 実はその警護出動について、対象は自衛隊かアメリカ軍関係ということなんですが、発想として、ここに原発施設を入れることはできないかなということをちょっと考えたんですね。この辺は、法的なこともあるので、小野寺大臣にちょっと考えておいていただければなと思います。

 次の質問に入ります。

 防衛省に、ミサイル攻撃に対するPAC3の配備哲学についてお尋ねします。

 PAC3というのは、今まさに北朝鮮からのミサイルに対して配備しているわけですが、大都市を守るという発想がメーンだろうと思うんですが、その中に原発施設を入れるという発想はいかがでしょうか。ちょっとお聞きします。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、我が国のミサイル防衛全般の対応ということでございますけれども、これもあくまで一般論ということではございますが、まず、海上自衛隊のイージス艦でもっていわゆる宇宙空間においてこれを迎撃する、これがまず第一義的にカバーをして、さらに、万が一その防空網をかいくぐってきたものがあった場合に上空十数キロのところで最終的に撃ち落とす、この役目をPAC3が担っておるということがまず前提なわけです。

 航空自衛隊のペトリオット部隊について言いますと、当然、アセットの数にも限りがございますので、我が国といたしましては、これまで、政治、経済あるいは防衛上の重要地域であります、道央でありますとか青函、それからこの関東地域、あるいは中京・阪神、北九州、沖縄、こうしたところの防空に必要なものといたしまして、全国十七カ所の基地に六個高射群、二十四個の高射隊が配備をされておる、こういうようなことでございます。

 さらに、弾道ミサイル対処ということについて言いますと、これまでにPAC3を関東、中京・阪神、北九州といった合計十一カ所の基地、十六個の高射隊への配備が完了いたしまして、さらに、平成二十六年度末までに一個高射隊分のPAC3が配備される、こういうような予定になっております。

 それから、実際に、それではほかのところをどうすべきかということではございますけれども、まず、PAC3の部隊を機動的に移動、展開するといったこととしておりまして、先ほど申し上げたような重要防護地点のほかに、例えば原子力発電所の近傍に配備をするといったような計画は、現在、持ち合わせてはおりません。

宮沢(隆)分科員 持ち合わせておりませんということでしたね。

 では、最後に、小野寺防衛大臣に、今までのお話をお聞きになって、法整備とか、今のPAC3の配備、あるいは各省庁の連携等について、総合的にちょっとコメントをいただきたいと思います。よろしくお願いします。

小野寺国務大臣 原子力施設に関しての警備については、一義的には警察、海上保安庁が行うことなんだと思っております。ただ、今後、さまざまな事案を想定して、その対応はシームレスに行うべきということが重要だと思っております。

 委員がおっしゃっておりました、例えばPAC3の配備の問題についても、今までは、多分、私ども、そういうことはほとんど想定をしていない中でおりますが、例えば、今回、北朝鮮のさまざまな威嚇のような発言の中で、原子力施設についての言及もあったかと思っております。

 いずれにしても、能力の問題、そして現実にどのような運用ができるかという問題もありますが、今後のミサイル防衛全体としての見直しの中でいろいろな議論がなされるべきだと思っております。

宮沢(隆)分科員 前向きなコメントをありがとうございました。

 私は、自然災害でも人為的災害でも、想定外というのはもう今後言うべきではないだろうと思います。

 危機管理には、想像、すなわちイマジネーション、それから予測、すなわちアンティシペーション、それから準備、プリパレーション。この三つは、外科医にとっても重要ですし、一般的災害対策についても重要だと思います。私は、これを、三つの頭文字をとってPIAといって、仕事の前に確認したりしていました。

 とにかく、いわゆる想像力をどんどん持って、今後の災害に対応していっていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

大塚(拓)主査代理 これにて宮沢隆仁君の質疑は終了いたしました。

 次に、中丸啓君。

中丸分科員 日本維新の会、中丸啓でございます。

 きょうは、防衛問題について、さまざま、調達面も含めて、小野寺大臣を含めて御質問させていただきたいと思います。

 質問に先立ちまして、小野寺大臣、この本を御存じですか。御党の石破茂幹事長が昔、軍事アナリストの清谷信一さんという方と出された。読まれたことはございますか。

小野寺国務大臣 本があることは存じ上げておりますし、多分持っているんだと思いますが、済みません、熟読はしていないと思います。

中丸分科員 幹事長が書かれた本なので、ぜひ。国会図書館で私も借りて読ませていただきました。

 このジャーナリスト、清谷信一氏の著作やレポートをちょっと読ませていただきまして、その中で、いろいろなものがあるんですが、前回、無人機のグローバルホークの質問を少しさせていただいたと思うんですけれども、その辺に重なりまして、UAV、無人機についての、特に陸自の保有するものに関してちょっと質問をさせていただきたいと思うんです。

 着上陸侵攻や離島の侵攻、ゲリラや特殊部隊による攻撃やNBC攻撃、災害派遣など多様な事態における適切な指揮活動を実施するために、所要の映像情報の早期伝達の可能なシステムを保有する必要があるということで開発されていると思うんですけれども、具体的に今、現状、それについてどういう状況になっているのか、大まかで構いません、開発目的を大臣にお伺いしたいと思います。

徳地政府参考人 今、陸上自衛隊が持っております、いわゆるヘリ型の無人機というものについて御説明をさせていただきたいと思います。

 まず一つはFFOS、我々は通常、エフフォスと言っておりますけれども、これがございます。これは、特科部隊、いわゆる大砲部隊が射撃をした際に、敵情を把握する、あるいは弾着観測を行う観測ヘリの機能を一部補完するという目的から、平成十三年度から整備を開始したものでございます。

 これまで、西部方面特科隊、それから富士教導団にそれぞれ一式、四機ずつ配備を行っております。これは一式四十五億円でございます。

 それから、先生から先ほど、ゲリラ、特殊部隊による攻撃というお話がございましたが、平成十六年に制定をされました防衛計画の大綱において、まさにそうしたゲリラ、特殊部隊による攻撃への対応が重視をされたということで、航空偵察によります情報収集能力が必要とされたということがありましたので、平成十九年度から、無人の偵察機システム、FFRSというものの整備を開始しております。

 これまで、西部あるいは中部方面の無人偵察機隊にそれぞれ一式、四機ずつ、それから北方の無人偵察機隊に、これはまだ半分でございますが、〇・五式、配備を行っている。これは一式三十七億円、こんなような状況でございます。

中丸分科員 日本、我が国はロボット先進国とよく言われまして、産業用ロボットでは世界のシェア七割と言われているんですけれども、今、四機、四機、二機、配備されたということなんですけれども、UAVとか無人の地上機、UGVとか、こういったものの配備に関しては非常におくれている。どれぐらいおくれているのかというのを御存じか。

 余り御存じない方が多いと思うんですけれども、俗に言う途上国等でも非常に使われていまして、それは人命に対するものというのも当然配慮される。先日質問させていただいたグローバルホークとかもそうなんですけれども。そういう中で、今、一式三十数億という値段もありましたが、もちろんその値段のこともあるんですが、それだけ我が国は産業用ロボットシェアが高くて、いろいろあるんですけれども、これは福島の災害のときに使われましたか。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 東日本大震災におきましては、発災直後にヘリ映伝装置によります情報収集等は行いましたし、それからヘリによる人命救助あるいは輸送といったことで航空機は使用しておりますが、先ほど申し上げましたFFOSなりFFRSというものにつきましては、当時は使用をしておりませんでした。

 これはなぜかということなのでございますけれども、まず、FFOSの方につきましては、地上装置とのデータリンクというものが万一途絶をしたというような場合に、直ちにエンジンを停止して降着をするという構造になっておりまして、これは二次災害といったようなことを考えますと、被災地における情報収集については不向きであるというのが当時の検討結果でございました。

 それから、FFRSにつきましては、こちらの方は、平成二十一年度末、つまり平成二十二年の三月に導入が開始をされましたので、震災発生当時にはまだ納入後一年ということで、十分な飛行実績もないというようなこともございましたので、こちらにつきましても、二次被害防止というような観点で当時は使用をいたしておりませんでした。

中丸分科員 配備されて一年。テストじゃなくて配備ですよね。

 それで、今、FFRSの話が出てきたので言いますと、先ほど言ったゲリラや特殊部隊、災害派遣などの多様な事態に有効に対応できる無人偵察機という名目で多額の税金がなされて開発、配備をされていて、落ちたら危ないから使えないと。空を飛ぶものは落ちるのが基本ですから、危ないから使えないといったらいつまでたっても使えないというふうに私は思います。

 それで、そういう中で、今、信頼性が要は低いんだということも言われたんですけれども、例えば福島の原子炉偵察に関して言えば、陸自のUAV部隊は、現場に展開し、飛行プランも立てられるものであったものだと思います、一年も配備されているわけですからね。しかし、投入をされなかった。

 報道関係者によると、当時の防衛事務次官はその理由を、陸自のUAVは搭載しているカメラの角度が十分ではないと記者クラブのキャップクラスに説明しているみたいですけれども、ちょっとさっきの答弁と違うと思うんですが、いかがですか。

徳地政府参考人 当時のことにつきましては、先ほど私が申し上げましたとおり、FFRSの方につきましては、十分な飛行実績がなかったというようなこと、それから、あと、原子力災害時に有効な線量計といったものが装備をされていなかったというようなことがございましたので、二次被害の防止という観点も含めまして、当時使用をしていなかったということではございます。

 ただ、我々としても、もちろん無人機というものが有効な装備だということは十分認識をしておりますので、訓練を積み重ねるということによって、状況把握をしっかり行えるように今後活用してまいりたいと考えておるところでございます。

中丸分科員 いえいえ、私の聞いているのは、カメラの角度が十分ではないと説明したという事実があったかどうかということをお伺いしたいんですけれども。

徳地政府参考人 今の先生の御質問に対してちょっと直接にお答えする用意がないので大変恐縮なのでございますけれども、当時の教訓を踏まえて、やはりFFRSというものをしっかり使えるようにということで、先ほど申し上げたように、線量計といったようなものをつける、これは二十三年度の三次補正でございますが、それでもってきちんと活用できるようにしたというようなものでございます。

中丸分科員 ということは、カメラの角度云々という話はわからないということで承ります。

 これは、実際に答えられた事実はあったようです。原発の撮影で使用されたフジ・インバック社のB型と呼ばれる固定翼UAVのカメラは固定式だったわけですね。そのときの次官の説明が間違っていたのではないかということもありますが。

 防衛省は、震災後の補正予算ではB型及びボーイングの固定式UAV、スキャンイーグルを調達したんですけれども、それは何のためですか。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 東日本大震災の対応につきましては、原発事故への対処の観点から、こうした無人機を使いまして、放射線の環境下で有効な装備品の導入が必要、これが教訓でございました。したがって、有人装備では対処が困難な状況が予想される各種の災害、原子力災害がその典型でございますが、これに備えるために、先生御指摘のように、固定型の無人機二機種、スキャンイーグルと中距離UAV、B2、これを購入するということとしたものでございます。

中丸分科員 理由はわかりました。

 調達価格、それぞれ、先ほどちょっと言われましたけれども、開発費はどれぐらいかかっていますか。

徳地政府参考人 先生御指摘のスキャンイーグルとそれからB2についてのお尋ねというふうに理解……(中丸分科員「いえいえ、違います」と呼ぶ)済みません、スキャンイーグルとB2につきましては、それぞれ、スキャンイーグルは六・五億円、それからB2は五・五億円で購入をするということとしたところでございます。

中丸分科員 申しわけないです。私の聞き方が悪かったようです。

 FFOS及びFFRSのそれぞれの開発費です。

徳地政府参考人 大変申しわけございませんが、今、開発経費につきましてはちょっと持ち合わせておりませんので、調べて御回答させていただくこととしたいと思います。

中丸分科員 防衛大臣、ちょっと今やりとりを聞いていただいてわかるように、開発費は開発費、調達費は調達費、全く別の予算になっています。しかし、物事は、開発して、それがつくられて、配備されるというのは、ランニングコストまで一貫です。ちょっとそういう予算立て、今これは技本も含めて私はすごく問題視しているところでもあるんですけれども、こういう予算、もう少し国民の皆さんに透明にわかりやすくするために、わざとわかりにくくしているのかというぐらいばらばらになっているので、これはぜひ一括したものも出していただきたいなと思います。

 先ほど、いろいろな機体を入れて三十数億円調達コストがかかっているということでもあるんですけれども、例えば、実際まだほとんど訓練以外は使われていない、こういうもので、本当に国産で開発する必要があるのかという問題がまず一つ。

 それから、これぐらいのコストと能力、使える能力を鑑みれば、OH6のような有人の観測ヘリとか、諸外国で導入されている外国製のUAVを導入すべきという考え方もあると思うんですけれども、その辺、検討された事実はありますか。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 装備品を購入する際には、当然、まず第一に、我が国の防衛なり自衛隊の任務遂行との関係でどのような性能の装備が要るかということを確定した上で、それに見合うものが実際に世の中にあるかどうかということを調べてみるわけでございます。そのときに、国産で可能なものもあれば、それから、諸外国にあって、それを輸入すれば用が足りるというものもあるとは思います。

 ただ、その際に、まず第一に、要求性能との関係で、これも一般論でございますけれども、まさに要求性能をぴったりと満たすというものがあるかどうか、それから取得の可能性、それから全体のコスト等々、それからさらには、輸入すれば、ある意味ですぐにでも安く輸入できるかもしれないけれども、そのような装備を日本の国の中で生産をする、そうしたような技術なり生産の基盤というものを国内に保持しておくことが日本として必要なことか、そういったような産業政策的な観点も含めまして、総合的に考慮して一つ一つ決めている、これが実態でございます。

中丸分科員 国内産業は、特に防衛産業に関しては、大手だけでなく、その下に、戦車であっても千二百社ぐらいがぶら下がっている、潜水艦も同じように千社以上が実際にやっている。会社によっては七割がその売り上げで成り立っている状況を鑑みれば、おっしゃることがごもっともな面はもちろんあるんですが。

 今、国内産業というお話が出たので、少し時間を戻しまして、陸上自衛隊のイラク派遣のときのお話をさせていただきます。

 私も現地に行っていましたけれども、サマワの宿泊地で、警備のために、ヤマハのヘリ型UAV、現状使っているFFOSより小型化したものが使われていたと思うんですね。このときは、砂漠という環境にかかわらず、高い稼働率を実現しています。この事実は間違いないですか。一機は事故で消失していると思いますけれども、いかがですか。

徳地政府参考人 大変申しわけございませんが、当時の、今先生お尋ねの件につきましては、これも資料を持ち合わせておりませんので、ちょっと即答はいたしかねます。

 ただ、いずれにいたしましても、ヤマハの無人のヘリというものを使っていたということは、これは事実でございます。

中丸分科員 ヤマハのヘリを使っていたということなんですけれども、東日本大震災のときに、このヤマハのヘリは、実は使われていないと思うんですね。

 それから、このヤマハのUAV、ヘリコプターなんですけれども、私の御当地でもある広島のヒロボーという会社がありまして、ラジコンヘリをつくらせれば世界一と言われる会社なんですけれども、実は、ヤマハのUAVにはヒロボーがかかわってつくっています。

 しかし、私が防衛省の皆さんにおのおのお伺いした中では、国産のUAV、先ほど国産を大事にしたいとおっしゃられたんですが、ヒロボーさんとかは開発にかかわっていないんですよ。だから、国産を擁護したいのは一部の国産企業であって、国産にこだわっているとは私は思えない。

 普通だったら、ヒロボーさんは何らかの形で、向こうがオーケーするかどうかは別ですよ、そういうのもあると思うんですけれども、いかがですか。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 もちろん、必ずしも国産にこだわっているということでもございませんで、あくまで、コストでありますとか、それからその企業の方の提案とかいうようなものも踏まえて総合的な判断をしておりますので、それは個別具体的に検討してみないと何とも言いがたいところがあると思います。

中丸分科員 価格でいえば、先ほど三十億と言われたんですけれども、これはもともと農薬散布用を改造したものです。もとの農薬散布用でいえば、一億もあれば地上の操作も含めてできるものですね。イラクの場合は高性能のカメラとかをつけたので、結局、三億ぐらいかかりました。それでも十分の一でできています。この事実を大臣に覚えておいていただきたいと思います。

 次の質問に行かせていただきたいと思います。

 今、北朝鮮の問題等々もあるんですけれども、防衛省さんの、装備を国産開発とするときの、先ほども答弁にありました、私も同じ答弁をできますが、我が国独自の環境に適した装備が諸外国では存在しない、こういうことをおっしゃるんですけれども、我が国独自の環境、一言でどんな環境なんですか。

徳地政府参考人 先生の御質問にぴったりと答えるのは直ちには難しいのでございますが、例えば個人で携行をする小銃とか機関銃でありますとか、そうしたような火器とかあるいは例えば化学防護用のマスクといったようなものにつきまして、これはまさに日本人の体型といったようなものに合わせてつくる必要があるものもございます。それから、そもそも外国からは導入が事実上不可能なもの、非常に秘匿性の高いものもございます。暗号などはその典型例だと思いますが、そうしたようなものにつきましては、やはり我が国の独自の立場から保有しておくというものが必要だと考えております。

中丸分科員 今、小銃の話が出たんですけれども、多分、豊和工業さんのつくられているものか何かだと思うんですけれども、非常にこれは高いんですよ、実は。私も、余りに高いので聞きました。そうしたら、先ほどの答えが返ってきた。日本人特有といったら、例えば目の離れ方とか鼻の高さとか腕の長さという話をおっしゃったので、日本人でも、ジャイアント馬場みたいな人もいれば、背のちっちゃな人もいるわけですよ。だから、何かそういう理屈が、私にはやはりナンセンスにしか聞こえないです。

 それで、先ほども言ったように、大体おっしゃる想定の答えというのは私は一応調べてきていますので、もう少し議論をさせていただきたいと思います。

 先ほどの、ちょっと話は戻るんですけれども、そういうロボット化、無人化でいえば、チェコや南アフリカ、トルコ、パキスタン、中国ももちろん、そういった国がどんどん今導入して実戦配備しているという状況で、日本が出おくれている事実は間違いないですね。

小野寺国務大臣 無人ヘリの話、それから福島の原子力事故における、たしか内部の撮影を行ったロボットはフランス製だったと思います。なぜ、ロボット大国である日本があのときに対応ができなかったのか、実は同じ問題意識を持って確認をさせていただいておりました。私にあった説明も、先生にあった説明と同じ説明がございました。

 大切なことは、やはりこういうときに、本来であれば活躍するべきものが活躍できていなかったということ、それを今回は、例えば放射線量をはかる機材を搭載する、あるいは、今度同じようなことがあったらしっかりと対応できるように熟度を上げる、こういうことをしっかりしたい、それが大事だと思っております。

 それからもう一つ、例えば、後で水陸両用車の話も出てくると思うんですが、当初はやはり数がそんなに多くない、調達個数が多くない場合は、初めはまず参考品という形で導入をして、そしてそれから、確かにこれはある程度数が必要で、将来的には国内で整備も必要だというときには、やはり国内で生産を行う。そういういろいろな、ケース・バイ・ケースがあってしかるべきだと思っております。

中丸分科員 ありがとうございます。大臣の非常に誠意あるお言葉、しっかりと受けとめさせていただきます。

 今振っていただきましたので、水陸両用車について御質問をさせていただきます。

 平成二十五年度防衛省予算調達予定のBAEシステムズ社の水陸両用装甲車AAV7について、ちょっと御質問をさせていただきます。

 参考品購入ということで、四両、二十五億円という予算が今回入っております。島嶼防衛に関して必要だということでされているんですけれども、まず、このAAV7の概要と、特徴とは何か、また、予算、四両の納品はいつであり、評価にどのぐらいの期間をかけるのか、また、調達を決定した場合、最終的に何両程度のAAV7をどの程度の期間で導入完了をする予定なのか、教えていただければと思います。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 その前に、先ほどのFFOSとFFRSの開発経費の御質問がございましたので、ちょっとその点についてまずお答えをさせていただきたいと思います。

 FFOSにつきましては研究開発経費百二十三・五億円でございます。それから、FFRSにつきましては四十七・七億円という数字でございます。

 それから、水陸両用車でございますが、二十五年度の予算案におきまして、先生御指摘のとおり、参考品購入として四両分の経費が計上をされておるところでございます。これにつきましては、島嶼部への迅速な展開のための輸送力、機動力を向上させるという観点から、各種事態への対応におきまして、陸上部隊が一定の脅威下においてもみずからを防護して海上から島嶼部に着上陸するための機能を補完する、こうしたことで水陸両用車の配備に向けた検討に着手するというものでございます。

 それで、今先生御指摘のAAV7のA1RAM・RSというものにつきまして、これは現在米軍が保有しているものでございますけれども、これを米国政府から取得する方向で今現在交渉をしているところでございます。予算案におきましては、これは三カ年の国庫債務負担行為ということになっております。

 したがいまして、二十七年度までに取得をいたしまして、それから一、二年かけてこれにつきまして性能を確認する、あるいは運用の検証を行う。これによりまして、水陸両用車を導入すべきかどうか、それから実際にどの機種にするかということについて検討をするということになっておりますので、先生御指摘のような、具体的に、いつごろ、どの機種を何両ぐらいというところについては、今後の検討によるというものでございます。

中丸分科員 ということは、やはり参考品の購入、テストをするため、どういうものでどのぐらい使えるかと調べるためだと思うんですけれども、今のお話で、これは実はアメリカから新品をつくってもらって納入してもらうんですね。テストをするのに、果たして、車で新車が要るのかという話ですね。例えばブラジルは海兵隊に二十六両を中古で買って、これは実際に運用中なんですね。

 だから、参考品として買って、しかも製造を委託してつくってもらって、でき上がったものが来るまでの納入期間、三年と先ほどおっしゃられましたけれども、今、島嶼防衛とか尖閣諸島問題とかこれだけ緊張が高まっている中、余りに悠長だと。三年間待ってくれるんですかという話もありますし、あと、値段、リースでも中古でもいける可能性は十分ある。実際、ブラジルができて日本にできないというのは、非常に私、単純に疑問に思うんですけれども、いかがですか。

小野寺国務大臣 先生の御関心も踏まえて検討させていただきたい、そう思っています。

中丸分科員 ありがとうございます。

 特に、実戦配備というよりは参考調達ということなので、研究材料になるものなので、そういう形で少しでも早く、しかも安くできる方法が実際、他国であるんだということを知っていただければと思います。

 それから、逆にこれは徳地政策局長にもお伺いしたいんですけれども、そもそもなぜこのAAVに候補を絞ったのかというところをお聞かせ願えればと思います。というのが、今これを使ってみてどうかを検証する、もし、これが検証してだめだったら、プランBというのを考えるのが普通だと思うんですね。プランBはありますか。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、今般、もちろん諸外国におきましても類似の装備品というものはあるわけではございますけれども、機動力でありますとかあるいは防護性能といった点についてまず着目をするとともに、効率的な予算執行あるいは早期の取得性といったような観点から、先ほど申し上げたように、今米軍が保有しております水陸両用車の新古品でございます。ですので、米国政府がもう既に持っておりまして、これを分解して診断をして、それから検査等の所要の整備が行われた後に納入される。今、新古品と申し上げましたが、簡単に言えば中古品でございますけれども、それを新品同様のものにしてというもので今手続をしておる、そういうようなものでございます。

 もちろん、我々としては、これは参考品購入でございますので、決してこれに決めたということではございません。先ほど申し上げたように、いろいろ類似品もございます。ただ、では類似品全てを買ってくるかというと、これも予算のいただき方としていかがなものかという感じもいたしますので、そこは、調べられる限り比較考量をいたしまして、最終的にどうするかということを決めるということになると思います。

中丸分科員 質問をたくさん用意していたんですけれども、時間がなくなっちゃいましたので、せっかく大臣に来ていただいているので、今のAAV7について一言所見を述べさせていただいて、終わらせていただきたいと思います。

 これは二十五人乗りのかなり大型なものです。これはもう船からしか出し入れできません。島嶼防衛のときに、もっと軽量の、日本で今コマツ製のものとかもあるんですけれども、そのかわり、人数はたくさん乗れません。今、現状、水陸両用隊という、外国、アメリカ的に言えば海兵隊に当たる部分が自衛隊にない以上、陸上自衛官が乗っていくんだと思うんですけれども、そんなに大勢をいきなり運べる、しかもフレキシブルに運ぼうと思うと、CH型のヘリコプターに積んで持っていくのが一番いい。これは使えないです。ホバークラフト等で言えば、湾岸線を上がって、ホバークラフトはバックできないですよね、ぐるっと回る距離がないと使いものにならないです。

 こう考えると、水陸両用車、参考までに言っておきます。アメリカ製のLAV、モワーグ社のピラーニャ3、パトリア社のAMV、それぞれ候補があります。性能のいいものもあるし、特に、イギリスの海兵隊は非常に規模が小さい、そこが使っているものが私は検討の余地があるというふうに思っています。

 そういうトータルも含めて、水陸両用隊も含めて、装備調達、もう、今までこうだったからこれからもこうだという考え方でなくて、予算、人員の確保、それからタイムラグをいかに少なく、効率よく品質の高いものをそろえるかということをぜひ今後の検討の課題にして御検討いただければと思います。

 日本維新の会、中丸啓の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

大塚(拓)主査代理 これにて中丸啓君の質疑は終了いたしました。

 次に、椎名毅君。

椎名分科員 みんなの党の椎名毅でございます。

 昨年の十二月の総選挙におきまして、比例南関東ブロックから初めて議席を賜ることができました。

 本日は、予算委員会の分科会ということで、防衛省関連の質疑を行う機会をいただきました。本当にありがとうございます。新人で、なれないところもございましょうけれども、何とぞ御容赦いただければというふうに思っております。

 早速ですが、質問に入ってまいりたいと思っております。本日は、現代における自衛隊の新たなる役割というところについて質問をさせていただきたいというふうに思っています。

 まずは、サイバー攻撃というものについて伺いたいと思います。

 サイバー攻撃の被害事例と申しますのは多数報告されているところでございます。大量アクセス集中によって各省庁のインターネットが機能不全になるということはよく報告されているところでございますけれども、それ以外にも、インターネット経由やUSBメモリー、それから、そもそもの国際的に汎用されているプログラム、パソコンのオペレーティングシステムなんか、そういったところを通じて物理的な被害をもたらす可能性も指摘されております。

 例えば、二〇一一年の十月、日本政府が中国を発信元とするDDoSという攻撃を受けていて、それで大量アクセス集中によるウエブサイトの機能不全が起きております。さらには、チリなどでは電力システムに対するサイバー攻撃によって大規模停電が起きたというようなことも指摘されておりますし、イランにおいては、スタックスネットというマルウエアでウランの精製のために使われる遠心分離機が破壊されたというようなことも報道されております。

 こういった観点から、サイバー空間の安全保障ということについても重視して、国防という観点から伺ってまいりたいというふうに思っております。

 防衛省におきまして、平成二十三年度以降の防衛大綱というところにおいて、サイバー空間の安定的利用ということについて新たな安全保障上の課題と位置づけられているようでございます。国として、サイバー攻撃への対処体制、それから対応能力を総合的に強化する、そんなことが記載されております。自衛隊は、サイバー攻撃に対処するための高度の知識、技能を集積して、政府全体として行う対応に寄与するとあります。

 しかし、実際に、重要な社会インフラ、例えば電力、ガス、交通機関、そして金融システム、こういったものに対してサイバー攻撃がなされた場合に、自衛権発動要件との関連で防衛省としてどのようにお考えかということを伺いたいと思います。

 憲法九条との関連で、自衛権発動の三要件として、我が国に対する急迫不正の侵害、これを排除するのに他の適当な手段がないこと、それから、必要最小限の実力行使にとどまることというような要件があるというふうにされております。

 まず、現状においてもこの三要件を解釈として維持するのかという点、そして、維持するとして、サイバー攻撃について、この三要件を充足するという理解でよろしいのか、お伺いできればと思います。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、重要インフラを含めまして社会全体がサイバー空間に一層依存していく傾向、さらに、先生御指摘のとおり、近年ますますサイバー攻撃の態様が高度化、巧妙化している、こうした態様を踏まえると、今後、サイバー攻撃のみによって深刻な被害が発生する、こういう可能性は当然否定できないところでございます。

 それで、自衛権行使の三要件との関係の御質問でございますが、通常、自衛権は、急迫不正の侵害あるいは武力攻撃が存在すること、それからこれに対応するのに他に適当な手段がないこと、それから必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、これが、先生御指摘のとおり、自衛権行使の三要件というふうに呼ばれております。

 それで、このこととの関係では、武力攻撃といい、あるいは急迫不正の侵害という言葉が使われることもございますが、これらは通常、伝統的な武力紛争の形態の中で、とりわけ人の殺傷あるいは物の物理的な破壊というものを伴うというふうにこれまで考えられてきたわけでございます。

 しかるところ、サイバー攻撃の場合には、攻撃というふうには言われておりますけれども、その態様というものは極めて多種多様なものがございます。そもそも、サイバー攻撃なるものをしかけてくる主体が国とは限らない、個人ということもございます。それから手法も、先生御指摘のように、DDoS攻撃のように大量のデータをいわば送りつけてくるというようなこともあれば、あるいはマルウエアを送付してくるというようなこともございますし、それからシステムに不正にアクセスしようというものもございます。それから目的も、システムが動かないようにしてしまうというようなこともあれば、あるいは情報をとっていく、あるいは改ざんをするといったようなことがございます。

 したがいまして、先ほど申し上げたように、人を殺傷する、あるいは物を破壊するといったこととはかなり様相が異なっているというようなことでございますので、これは、日本のみならず、どこの国におきましても、要するにサイバー攻撃が行われたからといって、ではこれが自衛権行使の要件との関係で武力攻撃あるいは急迫不正の侵害に当たるのかどうかということについては非常に議論があるところでございまして、あらかじめ一概に申し上げるというようなことは極めて困難な状況にあるということでございます。

 あくまで個別具体的な状況を踏まえて判断をすべきものということで、抽象的、一概にお答えするのは極めて困難であるということは御理解をいただきたいと思います。

椎名分科員 どうもありがとうございます。

 個別具体的にと言ってしまうと、それはそのとおりだろうというふうに考えられるわけでございます。

 実際、防衛省のウエブページなんかを参考にしますと、武力攻撃の一環としてサイバー攻撃が行われた場合には、急迫不正の侵害には該当するものと考えますというようなことが書かれているわけでございます。

 この武力攻撃とともに行われるような場合ということで具体的な例として挙げられそうなのが、例えばシリアとイスラエルの例なんかが挙げられそうだというふうに思います。

 シリアの防空システムについて非常に多額のお金をつぎ込んで整備をしてきたというところで、警戒態勢をしいている中、結局、イスラエルの方から、イスラエルがやったというわけではないかもしれませんけれども、レーダーシステムが無効化されて、そしてイスラエルの方から空爆が行われる。レーダーが無効化されて、それが行われることによって迎撃態勢をとることができない状況の中で攻撃が行われてしまう。こういうようなところは、典型的な、武力攻撃の一環としてサイバー攻撃が行われるような場合だというふうに思います。

 しかし、先ほど徳地参考人もおっしゃっておりましたけれども、個別具体的というふうに考えますと、具体的にどういった場合に、サイバー攻撃単体で理論上主権侵害とみなしていき、そして、武力行使と同等の攻撃があったものというふうに考えていくことができるのかということが問題になろうかと思います。

 例えば、金融インフラでいうと、全銀ネット、手形交換所、それから東証のシステムといったところについて攻撃を受けて決済が不能になるというようなこと、それから、電鉄系の交通システムといったところに入り込んで事故を誘発するような行為、それから、電力供給システムに入って停電を起こすような行為、こういったことが容易に想像できるし、理屈上可能になっている状況なんだと思います。

 再び徳地参考人に伺いたいんですけれども、サイバー攻撃単体で行われるとすると、具体的にどういったようなことについて、自衛権発動という観点から理論上主権侵害行為と考え、そして自衛権の発動の要件を満たせるというふうに考えているんでしょうか。

徳地政府参考人 御答弁申し上げます。

 先生の御質問に端的に答えるというのは極めて難しいことではございますけれども、武力攻撃があったかどうか、つまり自衛権行使の要件たる急迫不正の侵害があったかどうかということにつきましては、まず、当然のことながら、そのときの国際情勢なりあるいは相手の国の意図がどのようなものであるかというようなことを見きわめる必要もございます。

 それから、その攻撃の手段、態様といったようなものを、その都度、個別具体的に判断すべきものというふうに考えておりますので、なかなか一概に、どういう場合かということについてぴたっとお答えをするということが困難ではありますけれども、先ほど先生がおっしゃられたように、決済行為ができなくなる、あるいは交通システムが異常を来して事故が起きるとか、あるいは停電が起きるというようなことについて言いますと、確かに、物理的に物が破壊されるわけではなくても、正常に機能しないという点において、ある意味で似たようなことがあるわけでございます。

 したがって、そのようなことに着目をして、それは武力攻撃あるいはそれに近いものだというようなことを言う専門家の方もおられることは事実でございます。

 ただ、そこのところについて、各国のプラクティス、あるいは日本政府としての方針、考え方が固まっているわけでもございませんし、そもそもこの問題につきましては、先ほども少し申し上げましたけれども、国がやるかどうかというのがわからないわけでございますので、まさに攻撃源の特定が困難である。仮に特定されたとしても、個人なのか国なのかということがわからないということもありますので、そういう意味でも、なかなか、この問題については一概にお答えするということが困難な状況にあるということを御理解いただければと思っております。

椎名分科員 ありがとうございます。

 そうしますと、国の、要するに攻撃主体の意図だったり、その手段だったり態様、それから、それが武力攻撃相当の被害をこちらにもたらすような行為だったかどうか、そういったところを逐一検討していくというようなことになりそうでございます。

 その前提として、そもそも論としての、では、防衛省としての体制のお話を伺いたいんです。

 まず、サイバー攻撃だということを特定するための体制というものは、我が国の防衛省の内部、それから自衛隊の内部にそういった能力が存在しているというふうに理解をしてよろしいんでしょうか。

 さらに言えば、例えば、昨今、原子力発電所のシステムがダウンするとか、それから原子力発電所の冷却システムがとまるとか、そういったことがあったり、停電が普通に起きたりするわけでございますけれども、こういったものが例えばどこかの国のサイバー攻撃で行われているというようなことを探知するためのシステムというものは整っているという理解でよろしいんでしょうか。

徳地政府参考人 サイバー攻撃に対処するための体制についての御質問でございますけれども、政府全体といたしましては、官民における統一的、横断的な情報セキュリティー対策ということで、これは内閣官房を中心に取り組みが進められておりますけれども、防衛省・自衛隊の場合、当然、自衛隊の装備あるいはシステム、これはまさにサイバー空間に依拠するところが非常に大きいので、まずはみずからのシステム、ネットワークの防護というものに取り組んでおるところでございます。

 その上で、今、自衛隊指揮通信システム隊といったような統合の部隊を設けるとともに、陸海空各自衛隊におきましても必要なサイバー防護のための組織がございまして、これらを中心に、サイバー攻撃の脅威に対応するということのために日々努力を行っておるところでございます。

 さらに、二十五年度の予算案におきましては、サイバー空間防衛隊という約九十名の部隊を新設するほか、事業面におきましては、ネットワークの監視体制、これはまだまだ不十分なところがございますので、そうしたものを強化する、あるいは、実際にサイバー攻撃が自衛隊のネットワークに対してなされたということを前提とした、その対処の訓練ということも必要でございますので、そうした演習環境の構築技術に関する研究、こうしたようなものも盛り込んでおるところでございます。

 ただ、先生御指摘のように、では、どこからどういうものが行われてきたのか、その発信源を突きとめてということについては、これは非常に難しい問題でございますので、なかなかそこは、いろいろ研究する必要があるというふうには考えておりますが、現実には、現状では大変難しいということでございます。

椎名分科員 済みません、どうもありがとうございます。サイバー攻撃というのは、おっしゃるとおり物すごく難しい問題だというふうに思っています。

 この情報化した社会の中で、攻撃対象というのが物すごく多様で、必ずしも軍事的施設、それから軍事的システムのみならず、さまざまな民間システムに関しても攻撃対象となってしまうこと、それから、サイバー攻撃が痕跡を残さずに実行することができるという意味で物すごく特定が難しいということ、さらには、攻撃する側からは非常に容易に行うことができるのに対して、先ほど申し上げたような、防御する側からすると非常に防御することが難しいという点で、非常に攻撃側に有利なものになっているわけです。

 そういった観点からも、自衛隊としては、自衛隊のシステムを防護するのみならず、やはり国益をかけた戦いだということを念頭に置いた上で、民間のシステムを保護するという観点についても、どうぞ今後とも検討していただきたいなというふうに思う次第でございます。

 それで、先ほど徳地参考人からもおっしゃっていただきましたが、内閣官房のNISCという組織だと思いますけれども、こういった組織と連携をしながらということでございました。

 まず、我々がサイバー攻撃の発信元を仮に特定でき、そして、敵国というか攻撃元が何らかの攻撃意図を持って我が国のシステムを破壊にかかっているような場合、そういったことまで仮に特定することができたとして、我が国としてどのような実効的な対応措置をとることができるんでしょうか。NISCとの連携関係、それから防衛省・自衛隊の役割といったもの、さらには海外のそういった同様の組織との連携関係といったものを教えていただければと思います。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁申し上げましたとおり、防衛省・自衛隊といたしましては、まず、みずからのシステム、それからネットワーク、この防護というものがまず第一ではございますけれども、昨年の九月に防衛省として取りまとめましたサイバー指針におきましては、防衛省・自衛隊の活動が電力、交通、通信といった一般の社会インフラを初め民間部門に依存をしており、社会全般におけるサイバー空間の安定的な利用の確保ということが防衛省・自衛隊自身にとりましても極めて重要なことであるというふうにいたしております。

 そのような観点から、まず、内閣官房の情報セキュリティセンター、NISCへの要員の派遣、それから、NISCを通じた関係省庁等への情報提供、さらには、昨年六月に内閣官房に設置をされました情報セキュリティ緊急支援チームへの要員派出といったようなことを含めまして、我が国全体のセキュリティーレベルの向上に係る取り組みに積極的に貢献をしているという次第でございます。

 それから、諸外国との関係につきましても、まず、やはり諸外国の非常にすぐれた技術を習得するというようなことが必要でございますので、必要な研修に出したりとかというようなことも含めて、さまざまな努力をいたしておるところでございます。

椎名分科員 ありがとうございます。

 今おっしゃっていただいたこの緊急支援チームというものにつきまして、どういった具体的な役割があるのかということと、その中での防衛省・自衛隊の方の果たすべき役割というのがもしわかれば、教えていただければと思います。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 内閣官房の情報セキュリティ緊急支援チーム、これは何か緊急な事態が起きたときに、その都度、関係省庁から人を、専門家を派遣して、そこでチームとして対処を行うということでございますので、防衛省・自衛隊としても、必要な専門家をそちらに派出する、そういうような体制をとっておるということでございます。

椎名分科員 どうもありがとうございます。

 原子力災害のときに、同じような、緊急参集チームというものが原子力災害対策特別措置法の中で予定されておりましたけれども、実際、原子力災害が起きたときにほとんど全く機能しなかったというのが正直なところでございます。

 どうか、防衛省の方々そしてNISCの方々を含めて政府の方々には、本当に機能するような組織をつくっていただきたいということと、それから、あと、先ほど来強調しております一般の社会インフラのサイバー攻撃に対する脆弱性というものに対する国の防御という意味での役割を、どうぞ強調して考えていただければというふうに思います。

 引き続き、次の質問を伺わせていただきます。

 次は、原子力発電所の防衛という観点から、質問を幾つかさせていただきたいと思っております。

 今般の原子力発電所の事故におきまして、我が国は、原子力発電所の存在そのものがテロや武力攻撃の対象になり得る非常に脆弱な場所であるということがわかったと思います。その上で、原子力発電所について、今まで以上にその安全性について警戒をしていかなければならないんだろうというふうに思っております。

 自衛隊のできる行為というのは、ポジティブリストになっておりまして、七十六条以下にずらずらずらと、防衛出動、それから国民保護等派遣、そして治安出動、警護出動、海上警備行動、海賊対処行動、弾道ミサイル等に対する破壊、さまざまなことが規定されておるわけでございます。

 この自衛隊ができる行為がポジティブリストとして規定されていることそのもののよしあしという問題もあろうかと思いますけれども、とりあえず、それはさておきます。

 このうち、警護出動という点について伺いたいところでございます。

 この警護出動について、八十一条の二の第一項一号、二号というところで、それぞれ警護出動ができる対象というものが記載されております。ここには原子力発電所というものが記載されておりませんので、一見すると、原発施設について自衛隊が警護出動をすることができないということになりそうですけれども、現行法の法的解釈としては、それでよろしいんでしょうか。そして、それに対して、政府として危機意識というか問題意識というものを認識していらっしゃるでしょうかということ。

 さらには、原発施設の警護のために自衛隊が警護出動しておくこと、そういうふうにするべきではなかろうかという見解がございますけれども、こういった見解について、政府の御所見を、特に大臣の御所見をいただければというふうに思います。

徳地政府参考人 それでは、まず私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 原子力発電所の警備につきましては、これはまさに公共の安全と秩序の維持ということでございますので、第一義的には警察機関の任務というふうにされておるところではございますけれども、他方で、一般の警察力をもってしては対処し得ないという事態も想定をされますので、そのような緊急事態が発生した場合には、自衛隊が警察、海上保安庁と緊密に連携をして対応するということでございます。

 原子力発電所のような場合、これも全くの一般論ではございますけれども、治安出動等を下令するということも理論的には考えられるわけでございます。

 それから、お尋ねの自衛隊法第八十一条の二、警護出動についてでございます。

 これは先生がおっしゃられたとおりでございまして、この条文上、明らかに警護の対象施設というものは、自衛隊の施設と在日米軍の施設・区域に限られております。これは、防衛関連の施設であるという特性上、自衛隊による警護が適切であるというようなことなどを総合的に考慮して、立法政策上の判断ということでそのようにされたものでございます。

 ただ、これにつきましては、立法当時からいろいろな御議論がございました。それで、先生がおっしゃられるような、警護出動の対象施設に原子力発電所を追加すべきかどうか、こういうような御指摘につきましては、まさに、テロ等の不測の事態から原発施設を守る、これは極めて重要なことでございまして、政府部内で十分な調整が必要でございます。

 いずれにいたしましても、防衛省・自衛隊といたしましては、国会での御議論も踏まえながら適切に対応してまいりたい、このように考えております。

小野寺国務大臣 基本的には、警護については、今、徳地局長が言ったように、警察、海保の担当ということになります。そして、さらにそれを上回るような事態になった場合、これは、例えば治安出動なり、あるいは他国から攻撃を受けるようなことがありましたら、これはもう武力攻撃ということで認定をして、防衛出動ということで自衛隊が対応するということになるんだと思っております。

 そして、平素の警備行動から自衛隊に対してどのような対応が必要かということは、これは国会の中で議論をいただきたいと思いますが、現実には、今警察がかなり能力を上げて対応していると私どもは認識をしております。

椎名分科員 ありがとうございます。

 防衛政策上、基本的に軍事施設ということで、自衛隊が保護することが望ましいという観点から八十一条の二で警護出動ということについては規定されているということでございました。

 原子力発電所は、まさに核燃料というものが大量に保管されているところでございます。特に、使用済み核燃料プールの中には、例えば福島の四号機であれば、千五百三十三本の非常にたくさんの燃料棒が入っているわけでございます。そして、これが冷却できなくなったときにはどういった事態が起きるのかというと、想像するのも比較的恐ろしいようなことが起きるというふうに、まことしやかにささやかれているところでございます。

 こういった形で核というか放射性物質を扱うようなところでございますので、同様に警護出動をするような防衛政策上の重要性があるところだと私自身思っておりますので、引き続き、これは国会での議論を促すような形で私自身も発言をしてまいりたいというふうに思っております。

 先ほど、治安出動の話をおっしゃっておりましたけれども、警察それから海上保安庁といったところと協力関係、連携をとりながら行っておりますということでございましたけれども、現状の原子力発電所に対する警備という意味で、警察それから海上保安庁といった第一義的にその警備を行う機関との連携関係について、今、現状どのようになっているか、教えていただければと思います。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げたように、一義的には警察機関の任務であるとはいうものの、やはり自衛隊といたしましても必要な行動をとるというようなことが必要な場合がございます。したがいまして、自衛隊といたしましては、警察あるいは海上保安庁と緊密に連携をするということが必要であるというふうに考えております。

 それで、こうした事態に備えましてどういうような連携を現在とっておるかということでございますけれども、まず、共同訓練について特に申し上げますと、警察との間では、昨年の六月に、愛媛県の伊方原発におきまして、初めて実際の原子力発電所を舞台とした共同訓練を実施しております。例えば、部隊の輸送でありますとか検問であるとか、あるいは共同の調整所の運営、そういうようなことについての演練をいたしております。

 それから、海上保安庁との間におきましては、昨年の十月には、若狭湾におきまして、初めて原発テロへの対処に係る共同訓練を実施しておりまして、ここで護衛艦なり航空機といったものを自衛隊としても派出をしまして、先ほど申し上げたような施設の警備、検問あるいは不審船への対処といったことにおける互いの要領を確認して、連携の強化を図っておるところでございます。

椎名分科員 どうもありがとうございます。

 こういった警備活動というのは非常に重要な活動だと思いますので、引き続き連携をとってやっていただければというふうに思います。

 しかし、この警備活動というのがどんなに十分であったとしても、原子力施設の中に入ってくる人たち、要は作業員ですけれども、作業員のクリアランスという観点でテロリストを防ぐことができなかったら余り意味がないわけでございます。特に福島の原子力発電所なんかにおきましては、通常ですと中に入り込むことができないような人というのも、ごめんなさい、質疑時間が終了いたしました。簡潔にまとめます。

 そうしましたら、原子力発電所の中に下請、孫請、ひ孫請というような人たちが入ってくるわけでございますけれども、こういった方々の中できちんとクリアランスチェック、こういったものを行えていないというようなことも仄聞しております。こういった観点から、内部でテロリストが入り込んでしまうというような危険性も十分考え得るところではないかというふうに、私自身、危機意識を持っております。

 したがいまして、原発作業員の身元調査といったところも徹底すべきだと私自身思っておりますので、防衛省の方におきましても、こういった観点において、原子力規制委員会とも協力しながら、どうか問題意識を持って対応していただければと思います。

 時間も来ましたので、私自身の質問を終了させていただきたいと思います。ありがとうございます。

大塚(拓)主査代理 これにて椎名毅君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

大塚(拓)主査代理 次に、内閣所管について審査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山井和則君。

山井分科員 これから三十分間にわたりまして、甘利大臣に雇用の規制緩和について質問をさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いをいたします。

 きょう、資料、二十一ページ、ちょっと多いですけれども、配付をさせていただいております。

 アベノミクス、賃金を上げていくということでありますが、雇用の規制緩和というものに関して、私は非常に不安を持っております。

 例えば、この十六ページを見ていただきたいんですが、配付資料の十六ページは、左側が、甘利大臣が主管する産業競争力会議の、雇用制度改革チームの長谷川主査のペーパーでございます。右側が、規制改革会議、雇用ワーキング・グループの鶴座長のペーパーでございます。

 ここでどういうことが議論をされているのかというと、「解雇ルールの明確化」「この民法六百二十七条に明記されている解雇自由の原則を労働契約法にも明記し、どういう場合には解雇を禁止するか、あるいは解雇の際に労働者にどういう配慮をすべきか、といった規定を明文で設けるべき」「判例に基づく解雇権濫用法理による解雇ルール(労働契約法第十六条)を見直す。その際、若手・中堅世代の雇用を増やすために、例えば、解雇人数分の半分以上を二十代―四十代の外部から採用することを要件付与する等も検討すべき」というふうに出ております。

 さらに、隣の鶴座長ペーパーでは、同趣旨かと思われますが、「解雇権濫用法理による解雇ルール(労働契約法第十六条とこれまでの判例ルール)」を「整理解雇四要件のあり方、「解雇補償金制度」の創設」というふうに、座長のペーパーに出ております。

 甘利大臣が主管する産業競争力会議での主査のペーパーで検討ということになっているわけなんですけれども、甘利大臣、この解雇ルールの明確化ということで何をしようとされておられますか。

甘利国務大臣 ここでは、解雇ルールをどうするかという検討チームではなくて、産業競争力会議の本会では委員の数も多いこともあって、いろいろな競争力を強化するテーマについて十分な議論ができないという委員からの要望に従って、幾つかの、ある種、テーマ別会合というのをやりました。競争力を強化する中で、民間の委員は何を言ってももちろんこれは制約をされていないわけでありますけれども、個々の民間の委員の方が、いろいろな勉強をされた案件について、自分なりの問題提起をされていくわけであります。

 ここでは、解雇のルールを決めましょうというテーマ別会合ではありません。産業の競争力を強化していくためにどんな議論が必要かという中で出されたわけでありまして、私は、その会議の終了以前に、大臣として発言されたいことはありますかというふうに進行役から振られたものでありますから、一つ間違ってもらってはいけないのは、解雇の自由化のための議論ではなくて、労働移動を今まで以上にスムースにする、しかも、失業という事態を間にかませることなく、A社からB社に移動するために環境整備は何が必要かという議論をしているのであって、間違ったメッセージが出るようなことにならないようにしてほしいということを、最後に注文をつけさせていただきました。もちろん、同席をしていた厚生労働大臣からも、その点は強く主張されていたということでございます。

 そこのテーマ別会合自身が、解雇の自由化をするということを検討しているところではありません。

山井分科員 検討されているところではありませんとおっしゃっても、これ、一民間議員じゃなくて、長谷川委員というのは主査でありますから、主査が正式に、解雇権濫用法理による解雇ルールを見直すということを提案されているわけですよね、主査が。それで、鶴座長のペーパーでも、一委員じゃなくて座長です、座長が解雇整理四要件のあり方というものを検討課題としているということであります。

 今後、このことは、検討課題になる可能性はあるんですか。

甘利国務大臣 この予算委員会の席でも、総理からも答弁をさせていただきました、また私からも答弁をいたしました、使用者側にとって都合よく解雇ルールを変えていくということを検討するつもりはありませんと。

 ここでは、あくまでも、成熟産業から、新しく日本経済を担っていく成長産業に必要な人材が移っていく、成熟産業はもともと、必要な雇用以上の雇用を抱えているという声もありますから、そういう中で、スキルアップをし、スキルチェンジをし、人を欲しいと言っているところに必要な人材がスムーズに移っていけるように、どう雇用保険を改革していくか。

 今までの雇用保険というのは、何が何でもとどめておくための保険です、どちらかというと。それが、もちろん、その企業が、一時をしのいで、その期間終了後にその人材が本当に必要となるんだと、そのための保険なら、それはそれでいいと思うんです。

 ただ、保険期間が終了して、保険での支払いの期間が終了してもなおかつ、抱えていられない、どうしようかという事態にならないように、これから人材が、人口減少の中で、労働力の供給がかなりタイトになってくるということが言われていますから、新しい産業にそのスキルを持った人がきちんと移動していけるような仕組みはどうしたらいいんだろうかということを議論したいと思っております。

 あくまでも、解雇云々ということについては、もちろん委員の中から、よくわからない、どういうところに、つまり、全く働かなくてどうにもならない、ほかの人の足も引っ張っている人にすら、ずっと会社にいて、やめてくれというのが言えないのかという話は確かにあります。ありますが、しかし、それは、全く働く意欲のない人を抱えていろということは労働法制でも言っていないはずですから。

 そこら辺のところを今の要件よりもわかりやすくできないだろうかという話は確かにあります。ありますけれども、使用者側の都合によって解雇権の濫用ができるような制度をここで議論していくというつもりはありませんし、仮に民間議員からどんなことを言われても、それがそのまま政府の案になるわけではありません。

 私としては、労働大臣経験者でもありますし、労働者の不安をあおるだけのような労働法制にはするつもりはありません。

山井分科員 甘利大臣のおっしゃる趣旨はわからないわけではないんですが、実際、こういうふうに正式にペーパーとして出て検討課題として上がっているわけだから私も質問しているわけでありまして、ということは、今甘利大臣がおっしゃったような、労働移動を円滑にする上での整理解雇四要件の見直しというのは、今後、検討課題になる可能性はあるということですか。

甘利国務大臣 判例の積み上げがあるんだと思うんですね。今の四要件に関して、裁判所がいろいろな判例を出しています。ですから、その判例をまとめて、過去の判例の見解からするとこういうものですというのは、あるかもしれません。

 しかし、使用者の都合で金銭解決できやすいようにこういうルールをつくってくれというようなことは、受けるつもりはありません。

山井分科員 改めてお聞きしますが、この整理解雇の四要件について検討しようというペーパーが出てきているわけですから、最終的な結論は、甘利大臣には御自分の御主張があられるかもしれませんけれども、検討課題になる可能性はあるわけですか、この整理解雇の四要件の見直しというものが。

甘利国務大臣 もちろん、そこのメンバーがどういう議論をする、それについて私の方から、議論はしてはいかぬということは、恐らく言えないんだと思います。そこでの議論は、自由が原則です。ただ、それを採用するかしないかは、政府の、安倍内閣の考え方ですから、そこで出た議論をそのままみんな採用するということではありません。

山井分科員 ということは、民間議員が中心になって産業競争力会議で議論されて、今、提案のペーパーでも出ておりますが、整理解雇四要件の見直しというものが上がってきた場合には、政府として採用するかしないか、またそれは別途検討するということですか。

甘利国務大臣 繰り返し申し上げますが、そこでの議論で、どういう議論をするかという制約まではかけられません。それは、日本の競争力強化にとって、出席している有識者の方々の勉強された成果をどう御披瀝されようと、私から、こういう議論はしてはいかぬという制約はかけられないと思います。

 そこで、まず一つは、分野別会議としてまとまるかどうかということです。そのまとめる際に、使用者側の勝手な都合で金銭で解決したいという案が出てきても、それをまとめるつもりは私は持っていないということでありますし、そんな使用者側の都合で金で解雇ができるようにするような案は、安倍内閣として採用する予定はありません。

山井分科員 ということは、六月の成長戦略に、こういう整理解雇の四要件は、入る可能性がありますか。

甘利国務大臣 円滑な労働移動についての適切な案が仮にでき上がったとすれば、それは、成長戦略の中の部品の一つになることはあります。

山井分科員 ということは、今、甘利大臣がおっしゃったように、円滑な労働移動のためであれば、もしかしたら六月の成長戦略に、この整理解雇四要件の見直しというのも、入ってくる可能性はゼロではないということですか。

甘利国務大臣 整理解雇四要件に関して、これは基本的に、成長戦略が取り扱うことではなくて、厚労大臣のところの労働政策審議会ですか、きちんと労使が入っている中で取り扱える課題だと思います。

 私のところで取り扱うのは、成長戦略にとって、労働が、固定化していないで移動することが大事だ。その際には、労働者に不安を与えてはいけない。ということは、では、Aという会社を外れてBに行く間に失業保険で長いこと時を過ごすというのは、これは不安な要素になると思います。ですから、そういう失業期間という期間を経ないでA社からB社に。B社は人が足りない、A社は人が余っている、そして、A社とB社では労働者のスキルが若干違う、そのときには、スキルチェンジの工程が必要だと思います。

 私の思いはテーマ別会議には伝えてありますけれども、間、会社を離れてスキルアップとかスキルチェンジをするんじゃなくて、もといた会社か行く先の会社か、どっちかでやれるような仕組みにしてもらいたいと。企業では能力アップや能力チェンジをするための職業訓練の費用が十分に持ち切れない、そこは雇用保険を使ってやるべきではないかと。送り出す方あるいは迎え入れる方の負担をできるだけ少なくして、労働者が、そのスキルに合った、そのスキルを備えた労働者となっていくように職業訓練をするということを助けられるような、そういう仕組みをつくれないだろうかということを思って、その旨をお伝えしております。

 ですから、その間に失業期間は挟まないということ、それから、使用者側の勝手な都合で、幾ら人員が多いといっても、多いからと、すぐ金を渡して、ではやめてくれと、そういうことは検討してもらっては困りますというお話はしております。

 私がそうしている以上、使用者側の都合で解雇できるような仕組みが競争力会議から再生本部に上がっていくことはありません。

山井分科員 改めてお聞きしますが、もちろん、結論はどうなるかというのはあるかと思うんですが、その整理解雇四要件の見直しというのが成長戦略の中に入るかどうか検討される可能性というのは、ゼロではないということでよろしいですか。

甘利国務大臣 委員からどういう議論が出る、それについては、抑えることはできません。

 競争力会議から、使用者側の都合による労働法制の変更ということを提案することはありません。

 金銭解決の話は、事前には、世界じゅうで、ないはずです。事前にはそういう話はありませんよということは、私は、事務局から委員の方に、世界じゅう探してもそういう制度はないんですよということは、個々にお伝えさせていただいております。

山井分科員 改めてになりますが、ということは、六月の成長戦略に入れるかどうか、この整理解雇四要件というのが検討課題になる可能性はあるということですね。

甘利国務大臣 この整理解雇四要件の話は、仮に議論をされるのであるならば、それは厚労大臣のところで議論をしてくださいと、ここは、きちんと労働者側が入っているところでありますから。

 ですから、競争力会議のところでこの要件を変えるということを政府に提案していくことは、想定をしておりません。

山井分科員 これは、六月の成長戦略の中だけでなくていいんですが、安倍政権として、今後、この整理解雇四要件見直し、こういう検討をする可能性はありますか、ありませんか。

甘利国務大臣 私の所管で検討することは、考えておりません。

 ほかのところでどういう検討をされるかというのは、私の所管外であります。

 産業競争力会議で、使用者側に都合がいいように整理解雇四要件を変えてくれというようなことについては、仮にそれが提案されたとしても、競争力会議で使用者側の都合のいいような変え方を取りまとめて提出するということは、想定しておりません。考えておりません。

山井分科員 規制改革会議でも、この議論をしているんですね。

 私、少し甘利大臣の答弁が奇異に感じるのは、自分の担当のところでは検討しないと言いながら、主査のペーパーには堂々と出てきているわけですね、見直すというのが。だから、甘利大臣がおっしゃっていることと、産業競争力会議、規制改革会議で議論されていることが、大きなギャップがあるんです。

 私も、そういうペーパーが配られていないのであれば、こんな質問はしないんですが、これは主査と座長が配っているわけですから、そういう意味では、甘利大臣としてというのではなくて、安倍政権として、今後、整理解雇四要件見直しの議論ということをすることは、ありますか、ありませんか。

大塚(拓)主査代理 山井君、所管外という御答弁がありましたけれども、御質問されますか。

山井分科員 はい。

甘利国務大臣 この種の議論をする場というのは、政府としてどういうことにしていくかということの議論は、厚労省の議論になろうかと思います。そこは、使用者側と労働者側がきちんと入って議論をしているところであります。

 私の産業競争力会議では、日本の産業の競争力を上げていくためにどういうことが必要かということを議論しているところでありますから、労働者側の人は入っておりません。

 もちろん、そういう場に、議論のときには関係者を入れろということになりますと、では農業の議論をするときには農協を入れろということになるとか、あるいは何のときにはと、それは役所は入りますけれども、関係者も全部入れていったら、これはもう収拾がつかなくなります。

 ですから、雇用問題を議論するときには、厚労大臣と厚労省の方に入っていっていただいています。そこできちんと、厚労省としては、労働者を守るという立場から、厚労大臣も発言をしていただいていますし、厚労省もそういうふうなペーパーを出してきております。

 ですから、具体的に整理解雇四要件をどうするかという議論を仮にするのであるならば、それは私のところではない。所管外のところでどういう議論が出ているかということは、私は承知をしておりませんし、それは担当の厚労大臣に聞いていただければいいと思います。

 厚労大臣も私と同じく、使用者側の勝手な都合で整理解雇その他しやすくなるような方向での議論は恐らく考えていないと思いますが、そこの具体的なところは厚労大臣に聞いていただければ適切かと思っております。

山井分科員 だから、甘利大臣の答弁と、実際、産業競争力会議で配られているペーパーとが矛盾をしているから、私たちもこれはおかしいということを言っているわけです。実際、甘利大臣は、産業競争力会議では議論はしませんと言っているけれども、見直すという主査のペーパーが配られているわけですよね。

 改めて聞きますが、安倍政権としたら、では、整理解雇四要件の見直しというのは、検討は、安倍政権としては、今後もしない、絶対しないということでよろしいんですね。

甘利国務大臣 整理解雇四要件がよくわかりづらい、つまり、民間議員から出てきたのは、どういう場合にはそれができて、どういう場合にはできないのかがよくわからぬというお話は確かにありました。しかし、それは、判例がいろいろ出ているのでありましょうから、その判例をしっかり精査をして、そうすれば、判例の積み上げによっては、こういう場合が可であって、こういう場合が否でありますよということは、わかるはずであります。

 そういう過去の判例の整理は、やってできないことはないと思いますけれども、私の所管するところで、何度も申し上げますけれども、使用者側の都合によって解雇しやすいような方向に競争力会議として話を取りまとめるというつもりはありません。

 あくまでも、金銭解決云々という話が出たのは、裁判の結果として、労働者側が裁判に不当解雇と打って出て、そして解雇が無効になった、その際に、一番ベストは、そのまま職場に戻るのが一番いいんですけれども、それが非常に環境上しづらいというときに、そういう選択肢を裁判所が示すこともあるんじゃないですかと申し上げたのであります。

山井分科員 残念ながら、ここまで絶対しないんですかと聞いてもノーとおっしゃらないということは、検討される可能性があるのかなと理解をいたしました。

 今、労働者の立場に立って解雇の金銭解決制度のことをおっしゃいましたが、使用者側の申し立て、要は、ヨーロッパでは使用者側の申し立てが入っているケースがほとんどなわけでありますけれども、今後、今おっしゃったような解雇の金銭解決制度で、使用者申し立ての解雇の金銭解決の導入、こういうことも検討課題になる可能性はあるんですか、それとも、絶対ないんですか。

甘利国務大臣 産業競争力会議のメンバーがどういう視点からどういう論点ペーパーを出されるかというのは、私が大臣として介入することはできませんので、それは、どういうペーパーが出るかは、私が、こういうペーパーになります、こういうペーパーは一切出ませんということは、今から予断することはできません。

 ただ、私の思いは、競争力会議、テーマ別会合等々で述べさせていただいております。そこは、いろいろと酌み取られたペーパーが出てくるのではないかというふうに思っております。

山井分科員 何か非常に回りくどい答弁で理解できないんですが、二〇〇三年の労政審の建議でも、労働者申し立てと使用者申し立てというものが、これは両方入っているわけですね、実際、二〇〇三年の場合には。

 改めてお聞きしますが、今後、使用者申し立ての金銭解決制度の導入、これは、検討は絶対しないんですか、それとも、しないということは必ずしも約束できないんですか。

甘利国務大臣 事後の解決において、裁判所がいろいろと判決を出すとか、あるいは仲裁に入るというケースですか、そういうケースのときに、もちろん労働者側が、これじゃ幾ら何だって裁判所が職場に戻れといっても戻れない、とてもストレスがたまって無理だというときに、では、代替手段としてこういったこともあるでしょう。そうしたときに、裁判所が使用者側にもいろいろ聞いて、ちゃんと戻しなさいというときに、よく裁判所で調べていただきたい。環境としては、厳しい労働者の環境として、働きづらくはなっていませんかというようなことがあるかもしれません。

 つまり、私が何を言いたいかというと、裁判所の判断を制約するようなことは、今から言うべきではないと思っているということです。

山井分科員 なぜお答えいただけないんですか。使用者申し立ての金銭解決制度の導入というのは、今後、絶対検討はしないんですか、それとも、する可能性はあるんですか。

大塚(拓)主査代理 時間が来ておりますので、短く答弁をお願いします。

甘利国務大臣 まず一つ、事前にそういうことは一切考えておりません。事後も、使用者の都合によってそんなことができるようにするということも、私は考えておりません。

 ただ、裁判所が使用者側にいろいろな事情を聞いたりすることもあろうかと思います。そのときに、働ける環境ではないと思うと言うことも、口をつぐませるというようなことを事前にそれはやるべきではない、それは労働者のためにやるべきではないというふうに思っております。

 ですから、これは、裁判所の判断を、裁判所が客観的にきちんと調べをしてする判断に対して、事前に完全に縛ってしまうということはやるべきではないという思いで申し上げたわけでありまして、あくまでも、使用者側の都合で金銭で処理をするということについては、私は、そういう結果を競争力会議で出すつもりはありません。

山井分科員 要は、使用者の都合でということですが、使用者申し立てによる金銭解決制度の導入というのは、必ずしも検討しないということではないということでいいですか。ちょっと、ストレートに、短く答えてください。

大塚(拓)主査代理 済みません、時間が来ておりますので、終わってください。

山井分科員 私は短く聞いているんです。答弁が長いんだ。

大塚(拓)主査代理 もう時間が過ぎておりますので。

山井分科員 使用者申し立ての金銭解決制度の導入というのは、検討しないということですか、それとも、あり得るんですか。

大塚(拓)主査代理 では、一言だけ。

甘利国務大臣 事後に裁判所が適切に判断をする、それを制約するということではないということです。

山井分科員 終わります。

大塚(拓)主査代理 これにて山井和則君の質疑は終了いたしました。

 次に、白石徹君。

白石分科員 自由民主党、白石徹でございます。

 きょうは、初めての質問の場を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。

 私は、県議会議員としては質問をさせていただいたことがありますけれども、きょうは、初めてで、武田信玄二十四将の甘利虎泰侯の末裔でございます甘利大臣、しかも、座右の銘で六然を掲げていただいております大臣に御答弁いただきますことを光栄に思っております。また、坂本副大臣、どうぞよろしくお願いいたします。

 先ほどまでとは打って変わって、明るく未来をお語りいただきたい、そのように思っているところでございます。

 好スタートを切ったアベノミクス、大胆な金融緩和、デフレ脱却のための集中的な財政刺激策、そして、これから急がれている、民間活力を最大限に引き出す成長戦略、いわゆる三本の矢を、これを同時に進めていくことが大きな効果を得られること、これは、国民もそれを感じているところだと思っておりますし、そういう意味でも、今まさに成長戦略の策定が急務であろう、そのように思っているところでございます。

 そこでお伺いをさせていただきたいのは、大臣が第一回目の戦略会議で発表されておりました、将来社会のあるべき姿、まさに日本のビジョンであろうと思いますが、将来社会のあるべき姿を戦略目標として設定をして、そこに到達するために道筋を見きわめて進めていくというお話がございました。

 つまり、成長戦略についてどのようなビジョンを描いておられるのか、そのあたりを御答弁いただきたいと思います。

甘利国務大臣 先生とは大学が宿敵同士でありますけれども、自民党の同志として、政治的にはしっかりタッグを組んでやっていきたいというふうに思っております。

 成長戦略の戦略目標についてのお尋ねがありました。

 私がこのポストにつきまして必ず来る質問は、今までのとどこが違うのと。今までだって、やれ、その新エネは成長戦略、あるいはバッテリーはこれからの将来、あるいはiPS細胞なんというのは何年も前から言われている、結果として、出てくるものは同じじゃないのという質問が一番多うございます。

 確かに、結果として、出てくる具体的な技術開発をすべき対象というのは、そうは違ってこないと思います。

 私が申し上げていますのは、例えば、長寿命のバッテリーが必要だとか、あるいはiPS細胞から派生する産業が必要だとか、それはそのとおりなんですけれども、必要だといって、では、どうやって、どうするんですかと。

 必要だからどうぞ皆さん投資をしてくださいだと、投資をする方も、どういう絵図が描かれていて、どういうロードマップで、いつ完成して、どの部分に我々が、自分たちがかんでいくのかというのが全くわからないと思うんですね。

 そこで、日本が直面している課題を大きく分けて四つ挙げまして、今と、それから、これが解決された将来像はどうなっていればいいのかということを描きます。その、将来どうなっていればこの部分は理想的だなというのと今とを結んで、その間に、では、いつごろこの問題を、どういう対処が必要だというのを、その線上に解決策を並べていって、例えば十年後、十五年後、二十年後ここに到着というような絵図を描くわけですね。

 例えば、今一番直面している課題というのは少子高齢化です。

 これに何の手も打たないで放っておく二十年後というのをイメージすると、もうお年寄りばかりで、産業の活力はなくなるし、社会の活力もなくなる、社会保障費だけべらぼうにふえて、国はもう財政破綻を起こしている、こういう像が、ほっておけば描けるんですね。

 それとは別に、理想的な少子高齢化社会というのは、確かにお年寄りの比率は多いけれども、みんな元気で、ばりばり現役で働いて、六十を過ぎて、六十五を過ぎてもばりばり働ける、それで、経済は活力があるし、社会保障は現役世代がどんどんふえていくんだから安定しているし、財政もしっかりしているという像が描けますよね。

 このままいくとこうなっちゃう、あらまほしき姿はこう。あらまほしき姿と今を結んでいって、では、やるべきことって何があるんだろうかと並べていきますよね。

 例えば、みんな元気でいるためには、予防医学みたいなものがもう徹底的にうまくできている、そうすると、社会保険の構造をどう変えていったらいいかとか、あるいは、iPS細胞でどんどんいろいろな細胞ができると、心筋梗塞というのは心筋が死んじゃうわけですから、それを培養した健康な心筋を注入して、そこを復活させちゃうとか、そういう技術がどんどん描かれていきますよね。

 そのためには、では、この部分はどういう規制緩和が必要なんだと。例えば、今でいうと、細胞を培養するのに、医者が全部やらなきゃならない。そんなことやっていられない、専門家に任せたらいいと、理工学部ですから御専門だと思いますけれども、そのエンジニアに任せると。だけれども、そこには薬事法の制約で、そう簡単に任せられないという制度になっていますから、そこを安全に任せるような規制緩和が必要だとか、そういう話が出てきます。

 あるいは、この分野については、企業はまだそこの先の分野、その何年も前の基礎分野については金を出せないというときには、では、国が金を出して、研究機関で基礎研究をやって、実用化したら渡してやるようにするとか、いろいろなロードマップができてくると思うんですね。

 そういうのをつくるのが今までの成長戦略と違うというところでありまして、健康長寿社会というのが一つのテーマ。

 あるいは、もう一つはインフラ。

 道路や橋やトンネルが一斉に耐用年数を迎える。このまま放っておくと、あっちで崩落、こっちで陥没、あっちこっちそんなのがあって、あたふたして、金はかかるわ、どうしようもない。

 理想的な社会というのは、まず、コンクリートの寿命がうんと延びて、四十年耐用が六十年、八十年になったらインフラが一遍にばたばたこない、それから、センサーがついて自分でそろそろ補修してくださいというのをインフラが教えてくれたら事故が起きる前に対応できる、そうするためには長寿命コンクリートの開発から始まってみたいなことで、ずっとやっていくわけですね。

 そういう柱を幾つも立てて目標に向かってロードマップをつくっていくというのが今度の成長戦略のいわば目玉でありまして、そのためには、総合科学技術会議とも結束をする、規制改革会議とも結束をする、有機的な結束をして、必要な規制改革、必要な基礎研究がどんどんできていくようにつなげていこうというのが新しいやり方であります。

白石分科員 大臣、ありがとうございます。今のお話で、少し、今までの私の目の前の雲がすっと消えていったような感じがいたしました。

 また、現時点をしっかり把握して、将来に向けて、さまざまな問題を解決するための民間の設備投資を喚起していく。そういう意味では、私も、実は二問目にお伺いをさせていただきたかったことについても触れていただいたんですけれども、あえてもう一度聞かせていただきますと、成長戦略にはどうしても欠かせない民間の設備投資をどんと喚起していくその施策、これについて大臣はどのようにお考えでございましょうか。

甘利国務大臣 この予算委員会でもよく言われたことなんですが、民間企業は内部留保が二百六十何兆円ある、何でそれを使わないんだと。

 それは使わないですよね。だって、ここなら勝負をかけられるという投資先がない限りは、お金は持ったままだと思うんですね。しかも、デフレだと、持っていればいるほどお金の価値がどんどん上がっていきますから、使わない方がいいという経済構造だったら、持っていればいるほどきょうよりは来年の方がお金の価値が上がるんだったら、使いませんよね。

 そこで、まず、デフレの景色を一変させて、持っていれば持っているほどお金の価値は下がるかもしれませんよという景色にして、なおかつ、魅力的な投資先、ここだったらこの金を投資しようと。政府がこの部分の規制緩和を、民間企業がこの規制緩和をやってくれと毎朝陳情しているんじゃたまらぬけれども、率先してこの規制緩和をやってくれるんだったら、やってもいいかなと。しかも、基礎研究で必要な、企業としては二十年、三十年先の研究まではできません、その部分は国がやるんだね、そうしたら、そろそろこのあたりから、投資していくために、では、工場をつくるとか、研究設備を入れる、それに備えようという行動が起きると思うんですね。

 だから、要は、民間企業がその気になるように、お金は必要だったら早目に使った方が得だなという環境にまずすること。

 それから、この分野だったらうちの研究とも関係があるから勝負していこうというような、投資先を明らかにしてあげる。

 それから、その投資先でも投資して、この部分はうちの会社で研究をしなきゃならないなというときには、そこの研究開発の減税をもっと深掘りにするような、そういう、持っている金を使いたい、これだったら勝負していいと思わせるような道筋を描く。

 あるいは、金を借りても、金融緩和で金利が下がっていますから、今は借りどきですよという環境もつくってありますから、借りても投資するというような絵図を見せていくということだと思います。

 民間だって、金をずっと抱えているだけじゃないですからね。いいところがあれば勝負しようと思っていますから、その道筋が見えるようにしてあげるということが大事だと思いますし、投資する際には、研究開発とか設備投資での減税の環境整備をしていったり、その部分の規制緩和をしていくということが大事だと思います。

白石分科員 ありがとうございます。

 実は、私の選挙区であります愛媛三区は、新居浜、西条、四国中央市という三市でございまして、四国の工業出荷額の一位、二位、三位の町がそこに集中しているようなところでございまして、どの市をとっても、高知県一県よりも工業出荷額が大きいという、非常に中小企業者も多い町であります。特に私の新居浜市などは、五千三百社に余る中小企業の会社が存在する町でございます。

 今、大臣のお話にありましたように、民間の、これならいけるというような投資を喚起する意味で、先ほどのお話の中にも少しありましたけれども、今、経済産業省の方からも用意をしていただいておりますものづくり補助金について、中小企業の申請が進んでいるわけであります。

 先日、二十五日が第一次締め切りで、それまでに何社が申請をされましたかということを聞きましたら、千八百社を超えておりますということでありました。目標一万社で、次が、ちょうどきょうがまた締め切りになるわけですけれども、私の町でいえば、今五十社はこういうことを申し込みさせていただいて、そして、先ほど大臣おっしゃったように、さらに民間の投資を喚起するような足がかりにしたいな、そういうような思いでいろいろな声がけをしていったわけですけれども、実際には八社ほどになりました。何社かは、随分簡易な申し込みのスタイルにしていただいてはいるんですけれども、結果的には、自分で申請用紙が書けないとか。本当に商工会議所や中小企業中央会も頑張ってフォローはしていただいてはいるのでありますけれども。

 きょうの締め切りでどのぐらいの会社が申請をしてくるかは別にして、これは、今、三本の矢の一つの大きな施策として進める。その中で、今までどおり、いわゆる経産省の局が中央会にお願いする、商工会議所にお願いする、そういう組織を使ってやるんですよというだけの形ではなくて、もう少し全国民を取り込んだような、違ったPRというか、広めていく戦略を持っていかなければならないのではないかなと私は思っているわけであります。

 この申請をスムーズに進める現在の経産省の方針はいかがなものか、お伺いをさせていただきたいと思います。

富田政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業、小規模事業者向けの補助金、いろいろな施策、これを、申請をスムーズにしていく取り組みというのは大変重要な課題であると認識をいたしておりまして、私ども、二十四年度の補正予算につきましては、必要な対策を鋭意取り組んでいるところでございます。

 ただいま委員から御指摘をいただきましたものづくり補助金につきましては、小規模事業者をできるだけ多く対象にするという観点から、従来の施策よりもかなり小口化した制度に改めておりますし、それからもう一つは、先ほど御指摘をいただきました申請書類の問題でございますけれども、これも、従来十五ページ必要としたものを六ページにまで大幅に削減をいたしまして、できるだけ記入しやすいような形に持ってきております。

 しかしながら、委員御指摘がございましたとおり、本当に全国の多くの中小企業の皆様方、これまで余り活用されていない方も含めて、この施策を十分に知っていただくという取り組みは、これもまた大変重要でございます。

 私どもの取り組みといたしましては、大きく二点ございまして、一つは、商工会議所、商工会といった経営支援機関を通じた周知徹底、これはもう従来からやっております。これも一層拡充してやってまいりますが、もう一つは、昨年の六月に成立をいたしました経営力強化支援法という法律がございまして、これで、中小企業にとって身近な存在である税理士さんであるとか、あるいは公認会計士さんであるとか金融機関、そういったところをこの法に基づいて認定支援機関として認定をさせていただきまして、現在までに約六千七百の機関が指定を受けてございます。

 私どもとしては、こういった施策の周知徹底を、そうした中小企業にとって身近な存在である認定支援機関を通じて強力に周知徹底を図っていくということがまず第一点でございます。

 それから、第二点でございますけれども、これも補正予算でお認めいただいたのでございますけれども、ITシステムを活用して、多数の中小企業の方々に施策を紹介する、そういうポータルサイトを構築していくという準備を今進めてございます。企業数にして百万社ぐらいが使えるような大規模なポータルサイトを検討しておりまして、そういったものを活用しながら、また周知徹底を進めていきたい、このように考えるところでございます。

白石分科員 ありがとうございます。

 ぜひ、ことしの中盤には、何万社もその制度を利用して前向きに投資が伸びてきたと、そのような結果をお聞かせいただくのを楽しみにしておきたいと思っております。

 あと、先ほど甘利大臣がおっしゃっておられました中に、少子高齢化の問題というのは、やはり、経済成長を目指す中で大きな問題だと思っています。しかも、今、経済学者の方の中では、いわゆる生産年齢人口が減っていると。実際に、二〇二〇年までには八百万人ほど減ってしまうという現実の問題はあります。

 しかし、人口の減少や生産年齢人口の減少も、よく見てみると、高齢者の雇用、就業率を上げるとか、女性の就業率を、例えば、今の日本であればまだ女性の就業率は六〇%台だと記憶していますけれども、先進のスウェーデンとか北欧の方では八〇%を超えている。そういう就業率を上げるなり、高齢者の皆様方の就業率を例えば一〇%上げていくと、たちまち五百三十万人もの就労者がそこに生まれてくる。その分、雇用改革も必要になってこようかというふうに思うわけであります。

 先ほど大臣も少しおっしゃっていただいておりましたけれども、そのような成長戦略の中で、高齢者や女性の活用促進、それをどのように位置づけておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

甘利国務大臣 まさに御指摘の点がとても大事であります。

 人口が減っていく、それから労働力人口が減っていく、もちろん少子化対策は大事なんでありますけれども、今から生まれた子供が生産力に貢献するには、やはり二十年ぐらいかかるわけであります。その間をどうするかということになると、高齢者と女性の活用ということは極めて大事な点だというふうに思っております。

 もちろん、女性が働けるようにするためには、小さいお子さんを持っている女性は、待機児童の話がありますし、しかも、極力、小さなお子さんが満員電車で揺られてというようなリスクがないような働き方とか、いろいろ女性が働きやすい環境をどう整備していくかということが大事ですし、あるいは、本来ならば元気に働けるのに六十五を過ぎてリタイアした、自分としてはもっと働きたいという健康な人たち、元気な人たちが働けるような環境をどんどんつくっていくということが、御指摘のとおり、大事であります。

 それと同時に、もう一つ、今、若者の失業率が極めて高いという点もございます。

 若者と女性につきましては、今、産業競争力会議に派生して若者・女性活躍推進フォーラムというものを開催しておりまして、若者、女性の就業にかかわる有識者の人に、あるいは当事者にお集まりをいただいて、今議論を重ねているところであります。

 いずれ総理から、そういう環境整備に必要な政策提言、政策を実現するというようなお話もあろうかと思います。若者、女性、そして高齢者の方々にいかに産業あるいは社会に参画してもらうかというのは、日本の社会の活力と大いにかかわってくる。委員御指摘のとおりだと思っております。

白石分科員 ありがとうございます。ぜひ経済成長戦略の中で、若者、そして女性、高齢者の雇用についての施策をお書きいただきまして、成長戦略の補完をお願いさせていただきたいところでございます。

 成長戦略の中では、逆に、今後ろから走っているような状況である地域の話を少しさせていただきたいと思います。

 私の地域も、先ほど申しましたように、中小企業者、そして地域の問題をたくさん抱えています。特に中小企業者は、これまでいわゆる円高のあおりを受けて、大手企業は生産拠点を海外に移して、結局、その海外に移した生産拠点と地元の中小企業とが争って、結果的には、中小企業者が疲弊していく、地域が空洞化していくというようなことになっているわけであります。

 何としても、成長戦略とは、成長という意味では、逆に、補完する意味で、地域の産業の振興も図っていただきたいというふうに思うわけですけれども、地域の産業の振興をどのように図っていくのかをお伺いさせていただきたいと思います。

照井政府参考人 お答え申し上げます。

 日本経済の現状といたしましては、新政権になりまして、デフレ脱却に向けた期待が非常に高まっているところでございます。そういう中で、自動車など一部の企業の投資にも火がつきつつあります。低迷している個人所得も増加傾向が見え始めているところでございます。

 生産や消費に明るい兆しが出始めておりますので、この動きを持続させ、経済の再生、景気の回復につなげていくということが、これまで以上に地域の産業振興を力強く進めていくことが重要と考えております。

 そのために、地域の現状、課題を踏まえた地域ごとの対策をきめ細やかに検討していくことが何よりも大切だと考えております。

 経済産業省といたしましては、これまで、地域の企業が行う施設整備への支援、地域の強みを生かした特色ある産業の集積を促進するなど、地域の産業活性化を支援してまいりました。

 新しい政権になりまして、地域経済の現状につきましてきめ細かく把握するため、茂木大臣の強いリーダーシップのもとで、大臣みずから、それから副大臣、政務官自身が各地を訪問して、地元経済界の中核企業などから率直な意見をいただいているところでございます。

 今後、これまで実施してまいりました施策を強力に進めるとともに、地域から直接頂戴したお声を確実に施策に反映していくということで、地域産業の振興に全力を尽くしてまいりたいと考えております。

白石分科員 ありがとうございます。ぜひお願いを申し上げたいと思います。

 先ほど御答弁いただいたものづくり補助金、中小企業に関する補助金制度も五千億余り用意をしていただいているわけでありますけれども、中小企業者一社ではなかなかそういう取り組みができない。

 例えば、復興の現地でありますところでも、グループ補助金というのを創設していただいて、現地の企業も随分それで助かっているときは多いと思います。疲弊した地域でも同様に、昔、経産省にありました企業融合化資金とか、そういう企業同士がお互いにきずなを強め合ってそれを実施していく、そういう方面についてもぜひ御一考いただきたい、そういうふうに思うところでございます。お願いで失礼します。

 続いて、地域の問題でお伺いをさせていただきたいと思うんです。

 成長戦略の中で、地域をどのように扱っていただけるか、地域のかけがえのない資源というものを引き出して、それを世界に売り込もう、そういう動きも大いに感じているわけでありますけれども、逆に、地域の問題点を解消しながら、その中に産業を見出していく必要もあるというふうに思っています。

 私は、そういう意味では、今、いわゆる非営利セクター、NPOなどの非営利セクターが社会の仕組みの中に組み込まれて、そして、その部分でちゃんと働きを示していける、そういうような仕組みづくりも必要なのではないかなというふうに考えています。

 アメリカでは、もう既に、非営利セクターが経済にどのように影響を及ぼしているかという指標をジョンズ・ホプキンス大学では設けて、その指標に基づく経済戦略というものも考えたりしているわけでありますけれども、ぜひ、これからの地域の活性化に向けて、さまざまな施策も進めていただきたいところでございます。

 私、先日、首相官邸のホームページを見ておりましたら、平成十九年に、地域活性化関係の五本部、都市再生本部、構造改革特別区域推進本部、地域再生本部、中心市街地活性化本部、総合特別区域推進本部、その本部を統合したいわゆる地域活性化統合本部というものを設けていただいております。福田内閣のときに設置したようでございます。その後、安倍内閣、麻生内閣とそれを続けてきていただいておるんですけれども、前政権では、これを一回も開催せずに今に至っているわけです。

 私は、地域の側の人間として、地域に対して非常にわかりやすい、一本化した窓口、そして一本化した地域に対する施策を政府として表現できる、指し示していただけるような、そういうこの地域活性化統合本部のような組織をもう一度再開していただきたい、そのように思っているところでございますけれども、ぜひとも、今申しましたような地域活性化推進に係る一元的な戦略立案と有機的、総合的な政策の実施が望まれている、そういう今の状況についての御所見をお伺いさせていただきたいと思います。

大塚(拓)主査代理 時間が来ておりますので、簡潔に御答弁をお願いいたします。

坂本副大臣 委員御指摘のとおりに、地域の活性化こそが国の活性化を生み出すということで、今、内閣府の方も、地域活性化統合事務局というものをつくって、さまざまな相談に乗っているところでございます。

 これまでも、各省それぞれ、いろいろな地域活性化のための政策をやっておりまして、それがワンストップでということはなかなかできなかったわけですけれども、平成二十二年度から、各地域ブロック業務も担う体制に改めまして、そして、地域からの相談に対して、ワンストップでいろいろな相談を承るということにしております。

 加えまして、地方ブロックの拠点機能として、全国を八つのブロックに分けまして、そして、地方連絡室というのを設置しました。

 四国圏域ですと、四国地方連絡部は国交省の四国整備局の中にあります。十二人の職員が担当しております。そういう中で、総合コンサルティング業務や地方相談会の実施、地方連絡室員会議を通じて情報交換を行っているところでありますので、今後も、地方公共団体、そして、委員が言われましたように、NPO等のお話を聞きながら、地方の活性化、それがそのまま成長戦略につながるように、今後施策を推進してまいりたいと思っているところであります。

白石分科員 ありがとうございました。

 最後に甘利大臣の決意をお伺いして、元気よく帰らせていただくつもりでございましたけれども、これで終了させていただきます。

 ありがとうございました。

大塚(拓)主査代理 これにて白石徹君の質疑は終了いたしました。

    〔大塚(拓)主査代理退席、主査着席〕

    ―――――――――――――

岩屋主査 次に、皇室費について審査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。西村眞悟君。

西村(眞)分科員 加藤官房副長官、これから、私がそのそばで育ちました、今でもそのそばに住んでいるんですが、大阪府堺市にある仁徳天皇陵の陵域内に、宮内庁が、幅五メートルほどですか、長さ二十メートルほどの事務所、倉庫、ガレージつき建物をつくる、つくっておるんですが、これに関する私の意見を申し上げ、御答弁をいただきたいと思います。

 質問主意書は二回にわたって出しまして、その都度答弁書をいただいておりますから、宮内庁の答弁の内容は、あほらしいほどわかっております。副長官もそのレクチャーを受けられたので、それはわかっておる。しかし、宮内庁の意見が一〇〇%ならば選挙された議員は要らぬのであって、我々は、選挙された議員同士として、今、この問題について話し合いたいと思っておるわけです。

 大体、天皇陵というのは、千六百年のかなたから現在に続いておる、仁徳天皇陵に関しては。国民の、我が国の形、国体に関する良識のもとに支えられてきたのであって、この予算委員会分科会においてその話し合いをするのは有益だろうと思っております。

 そこで、仁徳天皇陵の概要から御説明申し上げますと、第十六代天皇であります。現在が百二十五代の今上陛下でありますから、現在の天皇の直系の御先祖の墓で、この御陵が現在の日本で残っておるということは、我が国の形が万世一系の天皇をいただく国であるということで、皇統の象徴として、仁徳天皇陵、世界最大の面積を持つ前方後円墳があるんだろう、このように思っておる。我が国が存続する限り、非常に貴重なものであると私は思っておる。

 副長官の思いはいかがでしょうか。

加藤内閣官房副長官 西村委員にお答えをしたいと思います。

 今御指摘あります仁徳天皇陵、仁徳天皇百舌鳥耳原中陵と称しているわけでありますが、第十六代の仁徳天皇の御陵として、現在も皇室において祭祀が継続して行われ、皇室、そして私ども国民の追慕、そして尊崇の対象になっている、こういうふうに認識をしているところであります。

 例えば、直近では、平成十一年に天皇皇后両陛下が御参拝をされる。また、今日では、年でいいますと十三から十四万人、一日平均四百人の方が参拝をしていただいているというところでございます。

 また、御指摘のように、日本最大の前方後円墳であるとともに、大変重要な文化的所産でもございますし、今御指摘のありましたとおり、我が国の皇統に係る大変重要な財産である、こういうふうに認識をしているところでございます。

西村(眞)分科員 御丁寧な所見をいただいて、私が質問する次の質問の答えもおっしゃっていただいたので。

 ただ一点、これは、南米の遺跡、王の墓のピラミッドと違い、現在も続いておる、我々の先祖の墓と同じように礼拝の対象である。観光、見物、発掘の対象ではない。この一点はいかがでしょうか。

加藤内閣官房副長官 先ほど申し上げたように、まだ現在、皇室における祭祀が行われている対象でもございますし、追慕、尊崇の対象ということでありまして、御指摘のように、単なる観光の名所というものとは全く違うもの、こういうふうに認識しております。

西村(眞)分科員 宮内庁の陵墓管理要領には、いい文章があるので朗読させていただきますと、第二条、「陵墓職員は、陵墓が皇室の祖先を葬ってその静安を期し、尊崇の対象として追慕、礼拝が行われるところであり、かつ、重要な文化的所産であることを深く認識し、誠心誠意その職務の遂行に努めなければならない。」と書いてある。

 そこで、この趣旨に沿っていかなる管理が行われているかといいますと、お配りしている第一枚目の写真を見ていただけませんか。

 これは、堺市が、現在地と表示されているところに立てておる案内板であります。これは絵でありまして、赤い点線のところが外周道路であります。この外周道路に囲まれた三重の堀があるところ、これが仁徳天皇陵の陵墓域であります。

 そこで、二枚目を見ていただきましたら、陵墓域の南側、前方後円墳の、第一枚目の写真の黒い矢印で指さしたところが、この二枚目の写真、陵墓域がこれであります。

 そして、陵墓域の、この二枚目の写真の前方、鳥居の右側にある木板の掲示板が三枚目の写真であり、「仁徳天皇 百舌鳥耳原中陵 みだりに域内に立ち入らぬこと 魚鳥等を取らぬこと 竹木等を切らぬこと 宮内庁」と書いてある。

 それで、外周道路と周濠の境目にはスチール製の柵が張りめぐらされておりまして、この外周は約三千メートルですが、柵がめぐらされておりまして、その柵の各所に、四枚目の写真、「陵墓地につき管理者の許可無く立ち入ることを禁止します 宮内庁 古市陵墓監区事務所」ということが書いてあります。

 これが現在の管理状況である。この陵墓は、立ち入らぬこと、竹木を切らぬこと、尊厳を保持するように管理しなければならないと書いてあるわけであります。

 私は、この陵墓の管理要領と現在の管理状態は適切だろうと思うんですが、いかに感想を持たれますか。

加藤内閣官房副長官 ちょっと、私自身は直接見ておりませんので、間接的に聞いたお話をして恐縮でございますが、現在においても、今お話がありました静安と尊厳の保持の重要性に鑑み、良好な景観の保持も含めて適切に管理すべきものであるし、また、そうなされているもの、こういうふうに承知しております。

西村(眞)分科員 そこで、しかるにということで、今、宮内庁が何をやってきたのかということについて御説明申し上げます。

 五枚目の写真。参拝域の中に小さな小屋があるんです、私の子供のときから、横四メートル、奥行き三メートルぐらいの小屋が。第二枚目の写真が参拝域ですが、この参拝域の中の右手に小屋があって、その前に、縦三十センチ、横四十センチぐらいの紙です、「開発行為等の計画の概要」、これが張ってありました。

 これは、開発区域の面積は三千百三十二平方メートル、ですから約千坪です、用途、内容は、事務所、一戸、一階ということが張ってありまして、同じく参拝域の、六枚目の写真に掲げましたように、「ご迷惑をおかけします 事務所改築工事を行っています」と書いて、工事をやっておる。

 この工事の内容については、写真で写してきておりますのでお見せしたいと思いますが、まず、次の、堀が写っている写真を見ていただけませんでしょうか。これは、参拝域の、墳丘に向かって右側に広がる工事現場の状況であります。白いフェンスで囲まれたところで何か工事をやっておる。

 この工事の内容は、次の写真にあらわれておりますように、土地を掘り返して、コンクリート基礎をつくって、そこに鉄筋を打ち込んでいる写真であります。これがフェンスの中で行われている工事内容であります。

 次に、最後の写真を見ていただけますか。これは、参拝域で墳丘に向かって左側に広がる一帯の写真でありますが、ここには、飯場、プレハブ飯場が建てられておる。黒い矢印で示しておるのは、樹木を伐採した痕跡であります。

 ここで私の質問が始まるんですが、プレハブ飯場を建てるために領域内の樹木を伐採した措置に関しては、私はとんでもないことであると思っておりますが、官房副長官はいかに思われますか。

加藤内閣官房副長官 樹木の伐採については、平成二十三年度に、堤というんでしょうか、そこの斜面に生じた樹木に倒木のおそれがあり、護岸を破壊する危険があるなど、管理上の必要性や参拝者からの景観面での意見などを踏まえて整備が行われたもの、こういうふうに報告を受けているところでございます。

西村(眞)分科員 それはうそですわ。それだけ言っておきます、押し問答になりますから。うそですという意味は、本当は何か、工事の飯場を建てるためです。

 確かに、堀と堤の間に、この写真でも明らかなように、水で下の土が削られていくから、そこに樹木があったらどさっと落ちる場合がある。こういう工事が必要なことはわかります。しかし、ここはそんな危険は余りない。三千メートルの外周ですから、そのほかにもっといろいろなところがあるわけです。それについては放置されておる。

 次に、右の事務所建設現場の、陵墓の土を掘り返す、そこにコンクリートの基礎を流し込んで鉄筋を建てる、これは陵墓の破壊じゃないですか。先ほど私が官房副長官にお聞きしたのは、これは発掘の対象ではないんだ、掘り起こす対象ではないんだ、礼拝の対象だと申し上げたその仁徳天皇陵内で、なすべからざることをやっておる、私はそう思う。いかが思われますか。

加藤内閣官房副長官 本件の是非については、またこれから議論があると思いますので、まず事実関係だけ申し上げますと、基礎工事に当たっては、文化財の遺構調査を行い、所定の手続を踏まえて、慎重に実施されたというふうにお聞きをしております。

 特に、この施工区域においては、約〇・三メートルの表土のもとに約一・五メートルの後世の盛り土を確認しておりまして、その中にも遺構は確認せず、施工には支障がないというふうに判断した上で、慎重に工事がなされた、こういうふうに聞いておるところでございます。

西村(眞)分科員 慎重に工事がなされたのはわかりますが、そこは工事をする場所ではないと私は思っておる。

 ましてをや、開発行為、宮内庁が申請した面積は約千坪です。第一枚目の写真を見ていただいたら、黒い矢印から墳丘に臨んで右から右角までの三百メートル近い長さの墳丘が開発面積になっておる。これは何をしたかったのか。ゴルフのパター練習場でもつくりたかったのか。開発ですから、やっていることは宅地開発だから。幼いころから仁徳天皇陵に親しんでいた私としては、怒り心頭に発す。この感じがわからぬのか、宮内庁は。

 そして、先ほど、御迷惑をおかけしておりますということでもお示ししましたように、事務所改築工事を行っておりますと。

 改築工事じゃないんです。小さな旧事務所を解体撤去して、それの数倍の新しい事務所をつくっておる、便所つき、湯沸かしつき、ガレージつき、倉庫つきの。これは明らかに開発行為である。陵墓内に開発行為をする権限は宮内庁にないと思っておるわけであります。

 これからは押し問答になりますから、私の御意見を申し上げ、官房副長官も意見をおっしゃっていただきたいんですが、そもそも、先ほど来、宮内庁の陵墓管理要領にある、礼拝が行われておるところであるというこの天皇陵の尊厳、静安を期して、尊崇の対象として追慕、礼拝が行われているところであるというその礼拝域内に、便所をつけて宮内庁職員が大小便垂れ流して、垂れ流しとは言わぬ、そこでして、そんなことが許されるのか。そして、そこに、宮内庁の車両が参拝域を出入りすることを常態とするようなガレージを設置して、車が常時そこに出たり入ったりすることは許されるのか。

 私は、許されないと。日本国民の一人として、幼いころ、幼い子供を抱いて、昭和天皇が来られたのをお迎えした私としては、断じて許すことができない、こう思う。この私の思いは、宮内庁から見たら何を言っておるんだということですけれども、これが主流にならなければならないと私は思っておる。

 こういうふうにお聞きしましょうか。仁徳天皇陵の陵域内の、人々が参拝する場所の横で、大小便できるのか。どうですか。

加藤内閣官房副長官 今までもここには、事務所あるいは車庫的に使っていたもの、倉庫等々があった、こういうふうに伺っているところでございまして、その機能がどこまでそのまま残っているか、ちょっと完全には私も掌握しておりませんけれども、いわばそれらを一体的にするということで、今御指摘がありましたように、改築という言葉を使っておりますけれども、実質的には、いわば新築的な形で工事が行われたということでございます。

 そこから先、今委員のおっしゃっておられるような御指摘、できればこうした場所に、これはどこまでどういうものを置くべきか、こういう議論はあろうかと思いますけれども、宮内庁においては、これまで実施してきた、また参拝される方々に対するいろいろな対応等々、そういったことも踏まえながら、この場所に、この場所というか、従前の場所を集約する形でその場所に新築、いわば改築を行った、こういうふうに承知をしております。

西村(眞)分科員 私の思いは申し上げたとおりです。

 それで、第一枚目の写真を見ていただければ、これは絵ですからなかなかわかりにくいですが、黒い矢印のところの陵墓域外に、宮内庁は約百七十坪ほどの駐車場スペースの土地を持っておる。それで、ここから「現在地」と矢印で書いてあるところのずっと角まで行くスペースは、堺市の駐車場、また、公園観光案内所等があるわけです。

 この陵墓域内に今申し上げたような事務所をどうしても設置しなければならないということではなくて、陵墓の静安を保持するために、車が出入りしたり事務所を建てたりせずに、その事務所を陵墓の参拝域の横に持っていける、持っていくとするならば持っていけたわけです。それが、私の、宮内庁がやっておるのは不合理だというものの一つの大きな思いでもあるわけです。

 なぜそれをしなかったのか。

 端的に申し上げますと、私の子供のころからあったあの小さな事務所は、昭和天皇御不例のときも、平癒を祈る人々の記帳の場所だった。それはそれで、私の子供のときからあるわけですからよしとしても、それが老朽化すれば、陵墓域を太古の姿に復元して、陵墓域の外に、それこそ機能的な、宮内庁職員の職場環境としても快適な事務所を設置するべきであった、このように私は思っております。

 いろいろ押し問答になっても仕方がありませんから、もうこれぐらいで私の質問をやめますが、将来、この新築してしまった建物を老朽化する前に撤去して宮内庁の開発の痕跡を復元するということが私は必要であると確信しておりますが、官房副長官は、将来、これは撤去、復元して、外に、広大な大仙公園という公園がその南に広がっておるわけですから、そこに古墳博物館的なものを宮内庁が設置して、各、百舌鳥それから古市古墳群に散在する古墳の管理の中枢としての事務所を設置するということが必要である、その方が妥当であると思っております。

 端的に、これは撤去すべきだと私は思っておるんですが、いかがですか。

加藤内閣官房副長官 既にこの事務所は、お示しいただいた写真ではまだ工事中ということでございましたけれども、たしか三月の段階で完成なされたというふうに承知をしているところではございます。

 そういう意味では、当面は、少なくとも、この事務所を活用することによって、もちろん静安な環境をしっかり維持しながら、適切な陵墓管理に努めていくということがまず必要だろうというふうに思います。

 その上で、今後、今おっしゃるようないろいろなアイデアが出てくれば、またその段階で御議論していくということになるのではないかと思いますが、ただ、委員御指摘のように、今後、この仁徳天皇陵についてだけではなくて、ほかの陵墓においても、以前ある事務所が古くなって建てかえをしていく、こういう場所が当然出てくるのではないだろうか、こういうふうに思うわけであります。

 当然、陵墓としての静安と尊厳の保持にしっかり配慮した必要最小限なものになっているのか、あるいは、御指摘にあるように、その近場にもっと適切なところがないだろうか等々を慎重に議論していくべきだと思います。

 やはり、宮内庁だけで議論するのではなくて、現在、陵墓管理委員会、有識者によるこういう委員会がございます。今回も一応報告だけがなされたということでありますけれども、そうした例えば陵墓管理委員会というようなものを、今回のような、特に実質的な新築、一部ちょっと壁が壊れたところというのではなくて、新築に当たるようになっては、そこでしっかり議論していただくとか、そういった検討をしっかり得た上でこうした改築等を慎重に実施していくよう、これは私の方からも宮内庁に対してしっかり申しつけたところでありますし、もう一度徹底しておきたい、かように思っております。

西村(眞)分科員 私は仁徳天皇陵の近くに住んでおりまして、第一枚目の写真の中に私の家のところもあるんですが、写っていません、これは絵ですから。

 宮内庁のここにいる、仁徳天皇陵の事務所に勤めている人とけんかしているわけじゃないんですよ。優しくしていますけれどもね。この辺は御安心いただいて、私としては、地元の堺市とも連絡をとり合って、やはりこれはおかしいということは粘り強く続けていきたい。

 それで、今官房副長官のおっしゃった御答弁に非常に満足しております。この御答弁をもって、私の質問を終えさせていただきます。

 ありがとうございました。

岩屋主査 これにて西村眞悟君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

岩屋主査 次に、内閣所管について審査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田佳和君。

島田分科員 初めまして。私は、三重県第二選挙区、自民党、島田佳和でございます。きょうはよろしくお願い申し上げます。

 私は、長年にわたりましてコンテンツ産業の方に従事してきた人間でございまして、今回のクール・ジャパン推進法案に関して、非常に興味を持って見させていただいております。

 このクール・ジャパンの立脚点は、日本の人口がどんどん減少していく中で、これから内需が縮小していく、その縮小していく内需を少しでもカバーするために積極的に外需を獲得していく、そのために日本のあらゆる資源、コンテンツ等を活用していきましょうというところであると思います。

 これまでも、数年間、クール・ジャパンという取り組みは行われてきました。しかしながら、今回、安倍総理が担当大臣をしっかり設置して、稲田大臣を任命しまして、アベノミクス三本目の矢である成長戦略の中に、コンテンツの海外輸出を重要な柱であると考えられている。それだけ大きな思い入れがあると思います。

 その証拠に、平成二十四年度補正予算では、約百七十億円という大きな予算もついておりますし、二十五年度も、経済産業省だけで五百億円という規模の予算がつこうとしているわけでございますから、クール・ジャパンの推進に関しては並々ならぬ決意を感じるわけでございます。

 しかしながら、クール・ジャパンと一言で言っても、一体どういう実態のものなのかということが、まだまだ国民の皆様にもおわかりいただけない部分があると思います。

 きょう議論を進めていく上でも、このクール・ジャパンというのはどういうものなのか、どういう戦略を持っているのかというコンセンサスをとった上でお話を進めていきたいなというふうに思っておりますので、まずは、大臣の方から改めて、このクール・ジャパンというものはどういうものなのか、どういう目的を持っているものなのか、簡単に説明いただければと思います。

稲田国務大臣 ありがとうございます。

 今委員も御指摘になりましたように、クール・ジャパン、一体何なのかと。クールと、クールビズと間違う人もいるんですけれども、このクールは、格好いいとかすてきという意味の、本当に日本のよさを世界に発信していって、そしてこの日本の閉塞感を打破して、それを経済成長につなげていこうというものでございます。

 そして、総理からは、初めて、クール・ジャパンという横断的な戦略担当大臣に任命をいただきました。総理からの指示書では、コンテンツや衣食住など日本が誇る文化の国際展開を図るため、関係大臣と協力して総合的な政策を実施するという指示をいただいているところでございます。

 先ほど委員からコンテンツの話がございましたが、コンテンツに限らず、食材だったり、ファッションだったり、また伝統文化だったり、そういうものを、それぞれではなくて一つのパッケージとして、クール・ジャパン、日本としてそれを世界に売り込んでいって、それは、もちろん日本の閉塞感を打破して経済成長につなげるという意味もあるでしょうし、それにとどまらず、日本のよさを世界に発信することで、世界じゅうで親日家とか親日の国とかをつくっていって、そして世界からも日本に来てもらって、日本に行ったことがクールだねと言われるような、そういう総合的な意味における戦略を立てていくことではないかと私は思っております。

島田分科員 ありがとうございます。

 今、パッケージという言葉が出てきましたので、ちょっと質問の順番を変えさせていただいて、次の質問を先にさせていただきたいと思います。

 まさに、このパッケージ、日本が一体となって、オール・ジャパンで取り組むことが必要になってくるかとは思いますけれども、コンテンツを発信して、その国の文化に興味を持たせて、地域経済、国の経済にフィードバックしていくというのは、やはりアメリカなんかは一日の長があるわけでございますけれども、一つ、アメリカで最近あった成功例を紹介させていただきたいと思います。

 リーマン・ショックがありまして、これはハワイの話なんですけれども、ハワイの観光客が対前年比一〇%以上割り込みました。その状況を打開する意味でも、アメリカのネットワークの一つであるCBSにおいて、ハワイ・ファイブ・オー、これは七〇年代に放送されていたドラマシリーズなんですけれども、これをリメークしまして、シーズンワンから、今シーズンスリーぐらいまで出ていると思うんですけれども、ドラマ放送を二〇一〇年に開始したんです。もちろんそのドラマだけが要因であったわけではないんですけれども、観光客数が非常に戻ってきておりまして、二〇一二年の統計数で見ると七百八十万人以上、これはハワイの観光客数の史上最高の数字を上げております。

 このドラマは、端的に言うと、いわゆる刑事ドラマなんですけれども、劇中に、ハワイの美しい風景であったりとか、主人公が、サーフィンを楽しんだり、かき氷を食べたり、ハワイのライフスタイルを体現している。また、ふだん運転する車もアメリカ車のスポーツ車、シボレーのカマロというものなんです。

 このドラマの効果によって観光客数がふえたと同時に、例えば、主人公が飲んでいるビール、これは地元の地ビールなんですけれども、コナ・ブリューイング・カンパニー、六〇%売り上げを伸ばしたそうです。また、パールハーバーに戦艦ミズーリの展示がされていますけれども、二五%以上来場者数がふえて、これも過去最高の数を上げている。

 こういった結果を、地元のハワイ・ニュース・ナウというニュース番組では、ファイブ・オー・エフェクト、いわゆるファイブ・オー効果ということで、一つのドラマが、観光推進も図り、車の産業、シボレー・カマロというのは、アメリカのスポーツカーの中でも、ここ数年、売り上げナンバーワンをずっと続けております、アメリカの自動車産業にも寄与して、そして、かき氷や地ビール、これは、かき氷も二〇%ふえたというふうになっていますけれども、地元の産業物、いわゆる食にも大きな影響を及ぼした。

 例えば、これを日本で展開しようと思った場合、観光の面でいうと、いわゆる観光庁ですから国土交通省、食でいうとやはり農水省が主流になってきます、工業製品でいえば経済産業省、そしてコンテンツの流通でいえば総務省ということで、さまざまなステークホルダーが混在しているわけでございますけれども、これをいかにしてパッケージにしていくかというのがテーマになってくるのではないかと思います。

 そういった意味でも、安倍政権において、あえて担当大臣を任命したということは、やはりパッケージをする上で大きなリーダーシップを発揮していただきたいという思いのあらわれだと思いますけれども、そういった狙いをどのように考えられていますでしょうか。

稲田国務大臣 今委員が御指摘になったとおりだと思います。

 日本のすばらしさ、先ほどから、コンテンツや食やファッションや、いろいろなよさがありますけれども、それを今まで、農水省は日本の食材を海外に売り込む、外務省は外務省で日本のよさを売り込む、経産省は経産省でと、クール・ジャパンの戦略というのはそれぞれの省で個々にやっておられたんですが、それを今度、クールジャパン戦略担当大臣を置き、そして私のもとでクールジャパン推進会議というものもつくって、どうやったら日本のよさを海外に発信していくかということを、今、日本を代表するクリエーターだったり文化人だったりに提言を出してもらうことにいたしておりますし、また、関係の各省の連絡会議などもつくって取り組んでいるところです。

 先ほど委員がおっしゃったドラマの問題、ドラマだけを売り込むというよりも、そのドラマを売り込むことによって、主人公が着ている服だとか、乗っている車だとか、食べている食べ物だとか、ライフスタイルだとか文化だとか、いろいろなものを売り込むためには非常に効果的なものだと私は思います。

 そして、先ほど指摘いただいた百七十億の補正予算におきましても、日本のドラマに相手の国の吹きかえをつける補助だとか、そういうことも考えていって、戦略的にやってまいりたいと思います。

 私も、クールジャパン担当大臣として、率先して日本のよさをアピールするということを発信していけたらなというふうに思っております。

島田分科員 ありがとうございます。

 もちろん、日本のテレビドラマも、有名俳優が着た服がばか売れするようなケースもこれまでにもたくさんありました。しかし、それは内需でとどまっておりましたので、ぜひ、大臣のリーダーシップのもと、それを外需に広げていくような活動を期待しております。

 また、二十五年度、クール・ジャパンを体現する日本企業の支援を目的とし、官民ファンドを活用した新たな支援機構、いわゆる海外需要開拓支援機構を設立して、リスクマネーを供給するというふうに伺っておりますが、この点について、何点かお聞きしたいと思います。

 二十五年度予算要求、経済産業省の方から五百億円ということでございますけれども、これまでも、数十億程度のクール・ジャパン推進事業というものは行っております。今回、これだけ、五百億円というところで予算をふやし、いわゆる官民ファンドを有効利用していくという支援機構を設置する意義、また、この機構を設置するからこそできること、この機構を設置しなければできないこと等を詳しく説明していただければと思います。

 また、この支援機構というものは、どのような方たちが委員またスタッフィングとして選定されていくのかということも伺えればと思います。

中山(亨)政府参考人 お答えいたします。

 今も大臣からお話ありましたように、クール・ジャパン関連の世界市場というのは大変規模が大きゅうございまして、内需のみならず外需を我が国経済に取り込んでいく可能性というのは非常に大きいというふうに認識しております。

 こういった認識に基づきまして、民間企業に対してクール・ジャパンに関心を持つ企業同士のマッチングを促すためのイベントをやらせていただいたり、また、既に世界的にも非常に人気の高い映画、音楽、アニメなど、こういったものの国際的な見本市を開催するといった形の予算事業にこれまでも取り組んできたところでございます。

 これらの取り組みはそれぞれ成果を上げておりまして、単発での成功事例というのはたくさん出てきているわけでございますけれども、民間企業の方々にお伺いいたしますと、持続的に海外展開を進めていくためには、やはり金融機関からのリスクマネーが供給不足だという声でございますとか、海外に出ていくときの足がかりになる拠点がないといったような声が我々にも寄せられてきているところでございます。

 今般、いわゆるクールファンド機構をつくらせていただこうということは、民間資金ですとか、それから民間の外部資金を最大限活用する、今回の機構は株式会社という形で設立を想定しておりますので、官主導ではなくて民間主導で投資案件の目ききを行っていただいたり、それから、さらには民間からの投資を一層促していく呼び水として資金供給をするということを考えております。

 御質問の、この機構ならではということでございますけれども、二つあると認識しておりまして、一つは、単年度単年度の補助事業ではできない、中長期的に収益性を確保するために必要となっていくような事業に対して、資金のみならず、助言それから専門家の派遣、こういったものを一体として、ソフト、お金あわせて支援をしていけるものというふうに考えております。

 具体的には、コンテンツ配信と物品の販売をあわせたパッケージ事業でございますとか、ファッション、食、生活雑貨などを一体としてプロモートしていく事業の海外展開などというものを想定してはおります。

 支援の決定でございますけれども、株式会社でございますので、基本的には会社法の枠組みをベースとして、その中で取締役会で決めていっていただくわけでございますけれども、取締役会の中で海外需要開拓委員会という組織をつくっていただく予定でございます。

 この海外需要開拓委員会には、実際に海外での事業の御経験のある方、また、投資に関するバランスを持った経験豊かな方、こういったさまざまな方を外部取締役、社外取締役として選任していっていただく、これを最終的には経済産業大臣が認可して、取締役会を構成していただいて、この方々に支援先の決定をしていっていただくということを考えているところでございます。

島田分科員 今まさに審議官御指摘のとおりで、これまで、やはり単発であって持続的でなかったということが、なかなかクール・ジャパンがブレークスルーしなかった理由であると思いますし、コンテンツそのものを発信していくことももちろん大事なんですが、その周辺産業でいかにもうけていくか、いかに売り上げを上げていくかということが非常に重要でございますので、ぜひ、ハリウッドのようなビジネスモデルを構築できるようなところまで推進していただきたいというふうに考えております。

 次に、コンテンツの方にちょっと話を移させていただきたいと思いますが、やはり、日本といいますとアニメが強かったわけでございますけれども、アニメ以外にも、ドラマであったりバラエティー番組であったり、いろいろなテレビ番組を海外へ輸出しております。例えば、「風雲!たけし城」とか「料理の鉄人」なんかは、欧米でも本当に大きな人気を博しているわけでございます。

 しかしながら、テレビ番組の輸出額を見てみますと、二〇〇八年、九十億円程度がピークであったわけでございますけれども、二〇一〇年には、それが三分の二、六十億円まで下がっている。一方、韓国の方はどんどん伸ばしてきておりまして、韓国のテレビ番組輸出額が百六十億円、日本の約三倍近い輸出額を上げているというのが現状でございます。

 日本のテレビ番組がなかなか海外に進出していけないというところも、権利処理であったりとか番組のクール制であったりとか、複雑な問題があるとは思いますけれども、韓国との取り組みの違いというものをもし分析されていればお伺いしたいのと、日本のテレビ番組を含めたコンテンツを海外展開していくに当たって、どのような取り組みを今後具体的にされていくのか、教えていただきたいと思います。

南政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国は、御案内のとおり、国内市場に比べまして魅力的な海外市場の規模が少ないというようなこともございまして、放送コンテンツにつきましては、一般的には、俳優等の権利者から国内での放送をする許諾しか得ていないというのが現状でございます。このため、海外展開をしようと思いますと、改めて権利者の皆様の一つ一つの許諾をいただく必要があり、非常に時間とコストがかかっている。

 この辺の著作権の仕組みにつきまして、やはり韓国と違いがあるということもございますし、韓国の場合、国内の放送市場が非常に小さいものですから、番組をつくる際に、もともと海外に展開することを初めからビルトインされて、そういうようなつくり方をされていらっしゃるということでございます。

 日本の番組も、以前はほっておいても売れていた時代があったんですけれども、東南アジアの諸国を含めまして、自国の制作比率、非常に技能も高まっておりまして、いい番組だから買ってくれと言っても、なかなかそのとおりにいかないということもございまして、なるべくそれぞれの東南アジアの進出先の企業と一緒に国際共同制作をしながら、自国のテーストも生かしながら、できるだけ日本のよさを、先ほど先生から御紹介いただきましたとおり、単に完全パッケージのドラマを売るだけではなくて、いいところのフォーマットですとか、リメークですとか、そういった形で国際共同制作をしていく中で日本のよさを理解していただくというような取り組みが、今まで若干欠けていたのかなというふうに思っております。

 権利処理の仕組みは仕組みとして、厳然とした違いがあることを前提といたしまして、実は、三年前から、総務省では、実演家の皆さんと放送会社の皆さんが、いわば向かい合っていただいて、向き合っていただいて、権利処理をとにかくスムーズに進めていくための窓口としまして、aRmaという組織をおつくりいただきまして、そこで、できるだけスピーディーに処理するための情報システムの構築を私ども支援をさせていただいております。

 現在、検討会をつくって、この取り組みをさらにもう一歩進められないかということで、例えば、放送直後に海外に展開してまいります特定の番組に限っては、出演家の皆様の事前の承諾をいただくというような特例的な実施ができないかとか、あるいは、音楽の権利処理はさらに複雑でございまして、レコード原盤の処理に関します窓口機関をもう一つつくれないかといったような仕組み、あるいは、先ほど申し上げましたaRmaというのも、権利の許諾の申請処理に加えまして、実際の使用料の受け渡しといったようなものも含めて一元化できないかというような、さまざまな取り組みを今実施してまいりたいというふうに考えてございます。

 権利の処理の仕組みの改善もさることながら、先ほど先生から御指摘ありましたとおり、我が国の場合、海外市場に比べて国内市場が大きいものですから、なかなか、海外に打って出ようというインセンティブに欠けるところもございます。

 その立ち上がりのところの事業リスクをできるだけ少なくしていくという意味で、国際的な放送事業者との共同制作でありますとか、あるいは字幕の付与の支援といったようなことで、先ほど先生から御紹介いただいている百七十億の予算も、経産省とあわせて確保させていただいたところでございますので、そういった、一つのドラマを売るだけにとどまらずに、関連物品の販売ですとか観光客の誘致といった裾野を広げられるような取り組みにうまく発展させていただけるような取り組みを、オール・ジャパンのもとで、私どもも一翼を担って推進してまいりたい、このように考えてございます。

島田分科員 まさに、海外番販、そしてDVD等の二次使用は、実演家の利益にもなりますし、権利者の利益にもなりますので、ぜひ、法整備も含めて、今後推進していただきたいと思います。

 時間の都合もありますので、一問ちょっと質問を飛ばさせていただいて、先ほど稲田大臣の方から、コンテンツ以外にも、いわゆるファッションであったり、ライフスタイルであったり、食といった広い日本の宝を海外に売っていくんだというお話がありました。

 コンテンツ以外に目を向けたときに、日本の魅力を持って海外で売れるリソースというものはどういうものかというふうに考えたときに、例えば、私の選挙区は三重県の四日市、鈴鹿、亀山というところなんですけれども、例えば四日市なんかですと、実は、伊勢茶、かぶせ茶というお茶の産業が非常に盛んでございますし、鈴鹿なんかには、伊勢型紙といって、ヨーロッパのファッションブランドのロゴのデザインに影響を与えたと言われているような資源もございます。また、亀山なんかですと、昔の東海道の町並みがそのまま残っているような関宿というものがあったり、亀山城のような古い町並みもありまして、観光資源として非常に貴重な資源となっております。

 私の選挙区だけでもいろいろあるわけでございますけれども、日本全国に目を向ければ、本当に無数の日本の宝というものが存在すると思います。こういったものを、どこを、何を支援して、例えば今、日本酒であったりとかスイーツであったりとかいう話が出ていますけれども、何を支援して何を補助していくとかという決定のクライテリア、判断基準というものがあるのか、あるとすればどういうものなのかというところを伺いたいと思います。

 また、その日本の宝をこれからどうやって発掘していくのか、その方法論、具体的なアイデア、考えがあるのか、戦略があるのか、聞かせていただければと思います。

中山(亨)政府参考人 お答えいたします。

 議員御指摘のとおり、コンテンツ以外にも、日本にはたくさん海外の方に向けて魅力を発信していけるものがあるというふうに我々も考えております。

 議員の地元の幾つかのものをただいま御紹介いただいたわけでございますけれども、我々認識しているところの有名なところでは、例えば、南部の鉄瓶ですとか、江戸切子ですとか、広島の方の化粧用のはけでございますとか、こういったものは既にもう海外でも大変人気を博しているところでございます。

 また、こういった物ではございませんけれども、日本の旅館の中で行われている、非常におもてなしの心に満ちたサービス、こういったものも海外に上手にパッケージ化して紹介していけば、日本の生活文化を紹介し、また、海外の方が日本に来てみたいということにつなげていけるというふうに考えております。

 そういう意味では、ポテンシャルを持った商品、サービスというのは大変ありまして、これをどう発掘して事業展開につなげるかということがまさに課題でございます。

 この際、どういった商材があるのかということと、海外の市場が何を求めているのかという両方の動向に精通をしている、こういったいわゆるプロデュース人材がやはり非常に鍵を握るというふうに認識をしております。

 こういったクリエーティブ人材を発掘して育成していくということを一方でやりつつ、また、こういった方、市井にたくさんいらっしゃいますので、この方々の活躍の場をつくっていくということだというふうに考えております。

 こういった問題意識のもとで、経済産業省といたしましては、二十五年度の当初予算の中に十億円計上させていただいておりますが、クリエーティブ人材が中小企業と連携して地域産品を海外にプロデュースしていく際の御支援でございますとか、ビジネスマッチングを行うといった事業のために使わせていただこうというふうに思っております。

 どういった案件をということでございますが、やはりこれはなかなか多様な分野、多様なことでございますので、一律にこういったクライテリアということではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、海外の市場動向それから商材についてさらに広い視点をお持ちのバイヤーさんですとか、海外事業の経験者を含んだ第三者委員会の方々に評価いただいて、この案件に支援を決定していくということを進めていきたいというふうに考えております。

 経済産業省としては、こういったことを通じて、我が国に埋もれている商品、サービスの海外展開を積極的に支援してまいりたいというふうに思っております。

島田分科員 今いただいたクリエーティブ人材、非常にいい言葉だと思います。

 時間の関係で具体的に言いませんけれども、今、世界でも数多くの日本人がいろいろな分野で活躍されておりますので、ぜひ、そういった方々の声も聞きながら、しっかりと、日本のあらゆるものを海外に、人間も含めて売っていくという姿勢を打ち出していただきたいというふうに思います。

 そして、最後になりますけれども、クール・ジャパン政策、まさに、停滞する日本経済再生の起爆剤になる可能性があるプロジェクトだと私は信じております。オール・ジャパン体制で日本の魅力を改めて世界に発信をしていくんだという決意を、改めて大臣の方から一言いただきたいと思います。

 そして、まさに大臣の強いリーダーシップこそが、今、省庁省庁で分かれて、点がなかなか線につながらない、線が面に広がらないという状況を打破できると思いますので、最後に、大臣の決意の一言をいただきたいと思います。

稲田国務大臣 今ずっと、さまざまな観点からクール・ジャパンについて御質問をいただきました。

 委員の御指摘どおり、やはりパッケージで、そして日本全体を売り込むという姿勢でやっていこうというふうに思っております。

 私も、推進会議の中で、この日本の危機を突破するためのクール・ジャパン戦略なんだということを有識者の皆さん方にも発信していただくと同時に、例えば、先ほど、委員の御地元のさまざまな名産品のことなどもお話がございましたが、私自身も、眼鏡を、福井の鯖江の眼鏡なんですけれども、これもかけて発信をしたり、また、戦略担当大臣として、あと、ファーストレディーにも、日本の若手のデザイナーのドレスを着るとか、率先をして、日本を売り込む先頭に立って旗振り役をしていきたいと思いますし、そういう姿勢を見せることによって、国民一人一人のクール・ジャパンの運動、ムーブメントにつなげていくように頑張っていきたいというふうに思っております。

島田分科員 力強いお言葉、ありがとうございます。

 最後に一言。

 ぜひ、女性ということで、大臣なわけでございますから、女性の視点も忘れずに、このクール・ジャパンを推進していただきたいと思います。

 本日はどうもありがとうございました。

岩屋主査 これにて島田佳和君の質疑は終了いたしました。

 次に、青柳陽一郎君。

青柳分科員 みんなの党の青柳陽一郎でございます。

 本日は、予算委員会分科会での質問の時間をいただきまして、まことにありがとうございます。三十分という貴重な時間なので、早速質問に移りたいと思います。

 古屋大臣に、拉致問題についてお伺いしたいと思います。

 北朝鮮のリスクがこれまでになく高まっております。北朝鮮の暴走は一向にとどまる兆しはなく、四度目の核実験を行う可能性、またあるいは近日中にミサイルを発射する可能性があると報道をされております。

 国際社会、G8外相会合が北朝鮮に核・ミサイル計画を非難する厳しい議長声明を突きつけたということは評価できると思いますけれども、拉致問題については、目に見える成果としては、今のところ進展がないのではないかと思っております。

 私の地元であります神奈川県横浜市でも、去る四月六日の土曜日に、拉致問題の神奈川県民集会が開かれました。国会議員で出席したのは、残念ながら私だけでありました。

 そんな中で、特に、拉致被害者の横田めぐみさんのお父様である横田滋さんの悲痛な訴えは、参加者の皆さんの心に突き刺さり、私も、子供を持つ親の一人として、日本国民の一人として、解決に向けて何とかしなければならないという思いを一層強くした次第であります。

 昨年政権交代しまして、安倍本部長、古屋副本部長という体制ができました。民主党政権では、残念ながら、担当大臣が次々にかわるという、とてもまともな交渉ができるような状況ではなかったのではないかなと思います。

 政権交代によって拉致問題の解決に期待がとても高まっていると思いますが、具体的にどんな影響があるのか、何が変わるのか。そして、安倍総理は、この政権で拉致問題をきちんと解決したいと述べられておりますが、この拉致問題のきちんとした解決というのは何をもってきちんとした解決となるのか。古屋大臣にまずはお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

古屋国務大臣 委員におかれましては、神奈川でも御協力をいただいていると承っておりまして、ありがとうございました。先生だけの出席者だったらちょっと寂しいですよね。ぜひ、仲間にも声をかけて、できるだけ多くの国会議員に出席していただくようにしていただきたいと思います。

 まず、この拉致問題の交渉に限らず、国同士の交渉というのは、やはりそのときの政権が安定をするということがすごく大切なんですね。自民党時代も含めて、反省を込めて言いますと、毎年総理がかわっていたんですよ。やはりこれはよくないですね。民主党政権になってからも毎年かわっていましたけれども、ただ、拉致担当大臣が何人かわったとか、それは前の政権のことですから、私はあえて申し上げませんけれども、やはりまず政権をしっかり安定させるということです。

 そういう意味では、まだ安倍政権は四カ月ですが、最近では、総理に就任したときが一番支持率が高くて、それでどんどんどんどん下落傾向にあるという傾向がありましたけれども、そうじゃなくて、確実に上がってきている。これはやはり、明確な指針を持って、スピード感を持って具体的な政策を実現しているというところが評価されていると思います。それは、拉致問題の解決にもそのことは大きく影響しまして、私たちもしっかり脇を締めて頑張ろうと思っていますけれども、まず、そういったしっかりとした政権をつくること。

 それから、やはり政府として、明確な拉致問題解決に向けた方針をはっきり打ち出すことなんですね。

 我々は、それを具体的にやりました。ことし一月に拉致対策本部を大幅に、組織的にも強化をしました。本部長は安倍総理、副本部長は担当大臣、私、官房長官、外務大臣、そして全閣僚が本部員になってもらうということ、これをやりましたね。それから、はっきり三つの基本方針を示して、そのための八つの対応方針も明確に示しましたね。それだけに限らず、例えば、政府・与野党拉致問題連絡協議会。これ、初めてなんですよ、政府の中に野党の議員も入っていただいて、オーソライズされた組織をつくる。こういうようなことを対応しています。

 これが、結果として、オール・ジャパンで取り組んでいるというメッセージを内外ともに示すことになるんですね。具体的には、やはり北朝鮮に対して、我々は拉致問題が解決しなければ何の支援もありませんよという強いメッセージにつながるというふうに思っています。

 そういう意味では、国内にも、あるいは海外にもそういった姿勢をしっかり示す、そして、日本には拉致問題というこの問題が存在しているんだということを広く啓蒙、広報活動することが大切ですね。実際、そのための広報活動の強化も具体的に考えておりまして、近々に対応させていただきたいと思っている。

 いずれにしても、そういうことを全部、やれることはすべて取り組むということが、日本の政府として、安倍総理が自分の総理就任中に解決をしたいということを具体的に取り組んでいくことにつながるというふうに思います。

青柳分科員 ありがとうございます。

 今幾つかお話もありましたけれども、今週開会する可能性があるということも伺っておりますが、今国会ではいまだに拉致問題の特別委員会は一度も開かれておりません。

 先ほど議連が開催されまして、古屋大臣も御出席されて御挨拶されておりました。そして、今の答弁でも触れられておりましたけれども、現在、拉致問題対策本部、政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会、拉致問題に関する有識者との懇談会と、幾つもの会議が設立されております。

 今大臣おっしゃられましたように、これは画期的なことだとおっしゃられておりますけれども、こうして拉致問題対策本部の第一回目の会議で配付されましたこれらの組織表を見ましても、いま一つ役割とか責任がはっきりしないところもありまして、こうした会議が乱立されると、ややもすると責任や権限が不明確になりがちで、進展を阻害することも危惧せざるを得ない部分もあります。

 それぞれの会議の役割あるいは議題、今後のスケジュールなどについて、大臣のお考えを改めてお聞かせいただけるとありがたいと思います。

古屋国務大臣 今委員が御指摘の、やはり、それぞれの役割を明確化させるために、こういう具体的な組織をつくり上げたんです。

 まず、拉致問題の与野党の連絡協議会、これはやはり、この問題に限って言えば、先ほど言及もありました拉致の特別委員会、私もずっと長い間委員会に所属しておりましたので、よく承知しておりますが、この問題を解決しようということでは与野党一致してやろう、それを具体化させたのがこの協議会なんですね。

 ですから、先週も開会をいたしましたし、もう既に二回やっておりますし、また三回目もいずれ近々に計画をしようと。

 そして、それぞれの政党が、ただ批判をすることではなくて、やはり拉致問題解決に向けてこういう取り組みがあるんじゃないかというようなことを具体的に言っていただくということを非常に期待して、ですから、今ちょっと委員誤解があったと思うんですが、こういう組織をつくること自身が役割の明確化そのものであるということをぜひ御理解いただきたいと思います。

青柳分科員 ありがとうございます。

 大臣のリーダーシップで、ぜひそれぞれきちんと進めていただければありがたいと思います。

 そして、今大臣が触れられましたとおり、先週の木曜日に、この政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会の第二回目の会合が開かれたとお伺いしております。そして、この場で、朝鮮半島が有事の際に、自衛隊が出動して拉致被害者を救出できるようにするための特措法を制定すべきではないかというお話が出たというのが報道で確認されておりますけれども、この特措法の制定について、大臣の今のお考え、もちろんこれはほかの役所にもかかわることでありますが、大臣のお考えをぜひお聞かせいただきたいと思います。

古屋国務大臣 先週に行いました政府・与野党連絡協議会で、委員御指摘のように、特措法というのを考えたらどうかということが複数の委員から出たことは事実でありますし、私も記者会見をその旨でさせていただいております。

 実は、自民党は、既に一年ほど前に、自衛隊法の一部改正という試案、これを発表して、当時の与党の民主党さんにも、あるいは公明党さんにもそういった提言をしているんですね。

 これはあくまでも議員立法でありますから、ですから、先週の会議は、まず各政党で、そういった、いざ何か北朝鮮で大混乱が生じたときに、本当に日本人を救出するためのシミュレーションを考えておく必要があるんじゃないか、その一つの選択肢がこういった特措法だと思うんです。もちろん、憲法の問題もありますので、議員立法とはいえ限界はあろうかと思いますけれども、やはりそういったものをあらかじめ準備しておく必要はあるだろう、こういうことで、皆さん意見が出ましたので、私は、この会議の座長として、ぜひ各政党に、その議論はまず積極的にしてください、そして、各政党さんで取りまとめることができるのかどうかをよろしくお願いいたしますと。あくまでも議員立法という視点で取り組みましたので、我々政府がお願いする立場ですね、そういうことをさせていただきました。

青柳分科員 ありがとうございます。

 これは、対話と圧力の、圧力の一つになり得る選択肢だと思いますので、ぜひ積極的に議論を進めていただく、このリーダーシップをとっていただきたいなと思っております。

 次に、交渉状況についてお伺いしたいと思います。

 一月二十五日の拉致対策本部の拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策、先ほど大臣が説明していただいた具体的施策の中で、「日朝政府間協議を始め、あらゆる機会を捉え、北朝鮮側による拉致問題の解決に向けた具体的な行動への継続した強い要求を行う」とあります。

 拉致問題は、交渉しなければ何も問題の進展はないというのは当たり前のことだと思います。交渉なくして解決なしだと思います。現実的には、第二回の日朝政府間協議は延期されたまま今日開かれておりません。また、交渉には十対ゼロというのはありません。対話と圧力でいえば、我が国は、もう圧力はほとんど使い切っているのではないかという状況だと思います。

 現在、さまざまなレベルで当然接触を試みていただいていると思いますし、いろいろな交渉をされていただいていると思いますが、これは言えないことも当然あるのは承知しておりますが、そもそも交渉になる材料というのは我が国はあるのか、これは何がその交渉の材料になっているのか、これは言えないことがあると思いますが、そして、その交渉にかける意気込みを、ぜひ大臣の口からお伺いしたいと思います。

古屋国務大臣 交渉とか具体的な戦略の中身について申し上げるのは、ちょっと、これは相手に我々の手のうちを示してしまうことにもなりますので、これは拉致問題に限らず、外交交渉ではなかなか、それは御勘弁をいただきたいなと思います。

 ただ、一方では、私も安倍総理も申し上げていることは、やれることはすべてやります、これが大原則なんです。

 それからもう一点。やはりこの政権は、政府も、与党も、あるいは外務省も、もちろん、私、拉致対策の担当大臣も同じ方向を向いて、要するに、ばらばらなことはしていないということなんです。これが非常に大切ですね。向こうも向こうですから、やはり、そういう、結束を乱すようなジャブだとか、いろいろなものはたくさん出してくるんですよ。そういったときにそういうものには全く動じないという姿勢を示すことが、ああ、今の政府のもとではこの拉致問題を解決しなければ一歩も前に進まないなと思うふうになりますね。だから、そういう意味では、結束をする。

 ある意味で、結束をして交渉するということは、圧力の一つでもあるんですよ。なぜ圧力をかけるか。それは、交渉に引き出すために圧力をかけるんです。解決するための圧力なんです。それは、私たち、この政権になって、あるいは以前に、第一次安倍内閣のときも、その考え方は一つも変わっていません。

 そういったために、もうごらんになっていると思いますけれども、一月二十五日のこういった対策本部の決定で、八項目、しっかり入れていますね。そこには、こういう言葉も初めて入っているんですね。「拉致被害者としての認定の有無にかかわらず」ということなんです。これは非常に大きいんです。「認定の有無にかかわらず」、要するに、北朝鮮によって拉致された人は一括して全部帰しなさいというメッセージそのものなんですね。

 そういったことも含めて、我々はやれることを全てやって対応しているということだと思います。

青柳分科員 ありがとうございます。

 今御答弁にもありましたが、認定の有無にもかかわらず、全ての拉致被害者の即時帰国のために全力を尽くすというのは、大変、新しい方針として評価があるんだと思います。

 次に、そのかかわりのある特定失踪者の問題について伺いたいと思います。

 拉致の疑いが排除できない失踪者は、御案内のとおり、八百六十五名、神奈川県だけでも四十五名おります。そして、いわゆる拉致認定三要件は、本人の意思確認が必要ということが入っておりますから、これは事実上不可能ということになります。まさに救出の対象は、これは今御答弁いただいたとおり、認定被害者だけではないという方針はとても評価できるし、よくわかりますけれども、例えば、私のところに相談に来た埼玉県の藤田進さんのケース、これはもう大臣もよく御存じの件だと思いますが、弟さんの懸命な活動によって、特定失踪者として初めて国連人権理事会の強制的失踪作業部会に受理されたということでございますが、我が国では、対応としては特定失踪者のままということであります。

 特定失踪者の御家族の中には、これはいろいろな意見があろうかと思いますし、きょうの議連でも話題になっていましたけれども、失踪者の家族の中には、やはりしっかり拉致被害者として認定していただきたいという声があるのは事実ですし、特定失踪者の方々も、日本政府としてしっかり各国に働きかけを強めていただきたいという要請があるのは、これは事実であります。

 例えば、北朝鮮で、何かのきっかけで大使館に逃げ込んだ際に、その大使館が拉致被害者として認識していなければ保護されないんじゃないかというケースもとても心配されている家族の方は多くいらっしゃいます。

 大臣はこうした特定失踪者の問題をどのように考えられているのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。

古屋国務大臣 私ども、新しく方針を、先ほども一月二十五日のペーパーをお示ししましたけれども、これは、特定失踪者であろうが政府認定被害者であろうが、拉致被害者は全員取り返しますよという強いメッセージなんです。

 政府認定の拉致被害者というのは、要するに、法律上は、帰ってきた後いろいろな支援をしましょうという仕切りになっているんですね。特定失踪者問題調査会の荒木会長も最近は方針を変えられまして、もう御承知だと思いますけれども、政府認定にしろということは言いません、むしろ、本当に帰せというところにベクトルを置くんですというふうに。私は、それはすごく賢明な判断と。私たちはそのためにその文言を書いたんですよ、政府認定の有無に。これは北朝鮮に対するプレッシャーなんですね。

 一方では、やはりその八百六十六人のうち、あるいは特定失踪者問題調査会がリストを出していますね。それと我々の、国家公安委員長、警察として掌握している部分のすり合わせは、正直言って、やっています、かなり一緒。それで、ほとんど一致していますよ。ただし、一部は、生年月日が違っていたりとかあるいは字が違っていたりとか失踪年月日が若干合っていないというので、その辺のチェックの必要のあるところは、若干ですけれどもありますよ。でも、おおむね一致しております。ですから、我々は、そういう意味では、しっかり把握をしているということなんですね。

 結論は、正直に申し上げて、もう何度も申し上げているように、全員を取り返すという強い姿勢で臨むこと、これが一番大切なことだと思います。

青柳分科員 ありがとうございます。大変力強い御答弁をいただいたと思います。ありがとうございます。

 次に、拉致被害者の国際的な展開といいますか、キャンペーンについて伺いたいと思います。

 拉致被害者は、我が国だけではなくて、これまでの十二カ国から、産経新聞の報道によると十四カ国に拡大するという可能性もありまして、これは国際的に大変大きな問題になりつつあります。

 対策本部の具体的施策の六番でも、「米国、韓国を始めとする関係各国との緊密な連携及び国連を始めとする多国間の協議を通じて、国際的な協調を更に強化する」とありまして、ぜひ国際的な連携を進めて取り組んでいただきたいと思いますが、私は、一つには、例えば、米国でのロビー活動といいますか、米国での拉致の大キャンペーンをやるべきではないかと考えております。

 実際、韓国や中国などは、国際世論に訴える場合、米国で大きなキャンペーンをやっているというケースが散見されています。我が国でも、対外広報予算や拉致問題対策費を活用して、大キャンペーンを打っていただきたいと私は思いますけれども、大臣はこうしたお考えがあるかどうか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

古屋国務大臣 内外ともに広報戦略を充実しろ、そういう趣旨の要請だと思います。現実に私どもは今それに取り組んでおります。

 まず、国内では、やはり委員もほとんど拉致のポスターというのは町中で見たことがないですよね。これは問題ですね。やはり、そういったものも強化していきます。

 それから、学校現場。これは、既に前政権あるいは私どもが政権を担っているときに、「めぐみ」という映画がありましたので、あれをぜひ学校でも見てくれるようにということで教育委員会にお願いしていますけれども、まだ非常に低いですよ、正式な数字はちょっと、何%の単位だったと思いますので。ただ、私はそのときに、閣僚懇談会等々でも、ぜひ文部科学大臣にも、学校に対して教育委員会にこういった働きかけをしていただきたいということを言っております。

 そういう国内の広報活動を徹底的に強化します。

 一方では、やはり海外に対する広報活動の強化が必要ですね。

 きのうですか、岸田外務大臣とケリー長官の会合で、ポイントは、拉致問題に対して、日本の立場を完全に支持しており、この問題について真剣に取り組みたい、これは新しい言葉なんです。今まで、理解するとか協力は惜しまないとか、こういう言葉だったのが、かなり踏み込みましたね。ちょっと原文がまだはっきりとれていないですけれども。ただ、これは飯倉公館でやったものですから、多分そういう趣旨のことは言われたんでしょう。これはやはり、そういう意味で、アメリカが、この拉致問題というのは日本の問題であるということをはっきり認めているというか、そういう認識を持っている。

 実は、アメリカにも拉致被害者と言われる人はいらっしゃるんですよ。デービッド・スネドンというユタ州出身の方が二〇〇四年に拉致されたのではないかと言われている。これは私が、拉致議員連盟の役員として何度も訪米しておりますけれども、そのときにもいつも指摘をさせていただいて、国務省の関係者等々とその議論を、あるいは議会関係者ともさせていただいております。

 今度、アメリカへの広報活動強化の一環として、この連休に、私はワシントンとニューヨークに行って、シンポジウム並びに展示会、そして関係者との懇談会をさせていただく。これは政府主催です。初めてです、こうやってニューヨーク、ワシントンでやるのは。今までは、法律に基づいて、年末に日本で関係者を呼んでやっていましたけれども、これをアメリカに赴いてやる。

 まず、ワシントンについては、議会関係者であるとか、シンクタンクの関係者であるとか、政府関係者に働きかけをしていく。

 一方、ニューヨークは、国連もありますので、国連の関係者にしっかり働きかけをする。さっき藤田さんのお話が出ましたけれども、去年ジュネーブに藤田さんが行ってヒアリングしていただいて、ああいったことも効果があって、今度は三月の二十二日に、例の新しい人権メカニズム、国連で、これは拉致の問題も同時に取り上げる人権のメカニズムを立ち上げるということが正式に決定したんですね。そういう意味でも、ニューヨークに行って国連関係者にしっかり働きかけていく。

 そして、やはりアメリカに対する広報活動の強化も必要ですので、例えばパンフレット一つとっても、英文のも、もうちょっと詳しいものとわかりやすいものをつくるとか、そういった作業もしていきたいと思います。

 世界で十四カ国の方々が拉致をされているわけですから、やはりそういった国々にも積極的なアプローチをしているということは申し上げるまでもないことです。

青柳分科員 ありがとうございます。五月の訪米がぜひ実りあるものとなりますことを御期待申し上げます。

 そして、繰り返しますけれども、拉致は決して許すことのできない国家の犯罪でありまして、安倍内閣は拉致問題を重要課題と位置づけていますけれども、残念ながら、目に見える進展というのはまだありませんので、ぜひ与野党を超えて全力で解決すべきであるということを改めて申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。

 大臣、どうもありがとうございました。

 次は、ちょっと時間もありませんけれども、一問だけ、新しい公共について伺いたいと思います。

 さきの民主党政権では、新しい公共政策に力を入れていました。実際に「新しい公共」推進会議というのが設立され、そして関連予算が手当てされ、税制初めいろいろな制度の改革が行われました。NGO、NPO関係者、ボランティア団体、研究者も多くを期待して、そして、不幸にも発生した東日本大震災ではこうした非営利セクターが活躍したということは記憶に新しいかと思います。

 しかし、政権交代後、こうした新しい公共という言葉すら政府関係者から聞かれなくなりました。

 現在の政権、政府はこれまでの新しい公共政策についてどのように総括しているのか、そして、こうした非営利セクターへの支援策、新しい公共政策というのは今後どのように進めていくのか、政府参考人からお考えを伺いたいと思います。

青木政府参考人 民主党政権下におきまして「新しい公共」推進会議が設置されました。ここにおきまして、さまざまな主体が積極的に公共的なサービスの提供に参画する、そういう社会をつくることを目指しまして、NPOなどの活動の担い手の方々等のメンバーによりまして、新しい公共を推進するための課題や対応策について御議論をいただきました。

 特に、NPO等の活動を支える制度の整備に関しましては、積極的に御提案をいただいたことで、寄附税制につきまして税額控除の仕組みを導入すること、また、この寄附税制の対象となる認定の基準、これを大幅に緩和したこと、さらには、都道府県と政令指定都市がNPO等の法人格を付与する認証の事務のみならず認定に係る事務を一元的に実施する、こういう大きな改正を盛り込んだ平成二十三年度税制改正や特定非営利活動促進法の改正が、与野党で御協議いただきまして実現された、そういう成果があったものというふうに考えております。

 NPOなどのさまざまな主体が地域のきずなを生かした活動、こうした活動は、社会を支えて、地域の活性化にもつながるものと考えております。

 拡充された寄附税制の活用の促進も含めまして、内閣府の担当大臣、甘利大臣のもとにも共助づくりのための懇談会という形で懇談会を設けることにしておりますが、今後とも、これらの担い手の活動を後押ししていくための取り組みについて、検討を進めてまいりたいと考えております。

青柳分科員 ありがとうございます。

 非営利セクター、NPOも、もう社会の一翼を担っているのは事実ですから、政権がかわっても、しっかりぜひ対応していただきたいということを申し上げまして、私の質問を終えたいと思います。

 どうもありがとうございました。

岩屋主査 これにて青柳陽一郎君の質疑は終了いたしました。

    〔主査退席、大塚(拓)主査代理着席〕

    ―――――――――――――

大塚(拓)主査代理 次に、内閣府所管について審査を進めます。

 内閣府本府について質疑の申し出がありますので、これを許します。堀内詔子君。

堀内分科員 自由民主党の堀内詔子です。

 本日は、富士山の防災対策について質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 先週の土曜日、十三日午前五時三十三分、淡路島付近を震源とする震度六弱の強い地震が発生し、十七人の方がけがをし、そして、建物被害も千九百三十三戸を超えたとの報道がありました。けがをされた方、被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。

 発生直後、古屋大臣は、防災担当大臣、国家公安委員長として総理官邸危機管理室に急行され、被害情報の確認と関係機関へ対応を指示されたと伺っています。国民の生命と安全を守るために日々御活躍されていらっしゃる古屋大臣に心より敬意を表したいと存じます。

 さて、私の地元山梨県には、日本最高かつ最大の独立峰である富士山がございます。その優美な風貌は、日本国内のみならず、日本国外でも日本の象徴として広く知られております。万葉の昔から多くの文学作品に描かれ、また、葛飾北斎の富嶽三十六景や横山大観の群青富士に至るまで、数多くの芸術作品の題材ともなってきました。現在、六月の世界遺産委員会での世界文化遺産登録を目指しているところであります。

 富士山は、その豊かな自然と相まって、富士箱根伊豆国立公園に指定されており、年間約二千万人もの観光客や登山者が訪れるなど、多くの恩恵を周辺地域にもたらしています。

 地元では、この富士山の卓越した自然環境を保全しつつ、地域の発展と自衛隊演習場の存在を考慮しながら、新富士保全法の制定を目指しています。

 富士山は、一七〇七年、宝永四年の噴火を最後に、約三百年の間、沈黙を守っています。現在では、富士山周辺ではさまざまな開発が行われ、広大な裾野では約七十万人もの人々の生活や経済活動が営まれています。

 最近、河口湖の水位低下が富士山噴火の前兆ではないかとのうわさがインターネットを中心に広がり、メディアなどでも報道され、地元の観光業者の方々は大変迷惑をしています。河口湖の水位低下と富士山噴火は関係がなく、今のところ噴火の兆候がないと、先日、気象庁もはっきりと見解を発表していることを、この場をおかりして改めて申し上げたいと思います。

 しかしながら、具体的に噴火の可能性が高まってから噴火時の対応を検討していたのでは、事前に十分な対策がとれずに手おくれになるのではないかと懸念しております。備えあれば憂いなしのことわざのとおり、念には念を入れて、対策に万全を期しておく必要があると思われます。

 そこで、本日は、先ほど冒頭で申し上げましたとおり、富士山の噴火対策に関して、政府の対応について質問させていただきたいと思います。

 では、本題に入ります。

 富士山の噴火対策は、さきに述べました低周波地震の多発を機に本格的に動き出し、平成十六年には、有識者、国、県から成る富士山ハザードマップ検討委員会で富士山ハザードマップが作成され、平成十八年には、富士山火山広域防災対策基本方針が中央防災会議で決定されております。また、平成十九年には、噴火警戒レベルの運用が始まりました。

 その後、国の検討会において、国、県、市町村などが連携して噴火対策を検討する枠組みとして、火山防災協議会が提唱されましたが、富士山においても、平成二十三年十二月に防災基本計画において火山防災協議会の必要性が明記されたことを一つの契機として、昨年六月に、山梨、静岡、神奈川の三県及び関係市町村、国の関係機関、火山専門家などから構成される富士山火山防災対策協議会が発足し、この協議会において、広域避難計画など、富士山噴火対策の検討を進めているところであります。富士山周辺で生活する住民が安全で安心に暮らしていくためには、一日も早く検討を進めていくことが必要だと思っています。

 今述べたように、現在、富士山火山防災対策協議会において広域避難計画が検討されておりますが、富士山が噴火した場合には、被害や影響が広範囲に及ぶため、実際の運用となると難しいことが予想されます。中でも、避難指示などの最終的な判断は市町村が行うことになっていますが、実際の問題として、地域の皆様のために毎日多岐にわたるお仕事を忙しくこなしておられる市町村長の方々が、それぞれで富士山の観測に万全を期して、避難開始時期の判断を適切に行うことは難しいのではないかと思います。

 この点、国や火山専門家による支援が必要ではないかと考えますが、政府の見解をお伺いいたします。

古屋国務大臣 委員は、いつも富士山を見て朝が始まり富士山を見ながらお休みになられるという、富士山とともに過ごしている地域ですよね。実は、私も新幹線で地元に帰るときに、いつも富士山を見て、いつも拝んでいるんです。それぐらい富士山は日本を象徴する山ですけれども、しかし一方では、まだ休火山ですから、噴火の可能性はあるんですね。

 ですから、今委員御指摘の、市町村長は専門的知見はないので、避難の判断を適切に行うためには、やはり国、火山の専門家による支援が必要なんじゃないか、そういう趣旨の質問だというふうに思いますけれども、確かにそうですね。

 やはり火山災害については、ふだんから、先ほども御指摘の、市町村とか県に加えて、専門的な知見を有する国だとか火山の専門家から成る火山防災協議会を設置するとともに、避難の開始時期とか避難の対象地区をどうするかという避難計画をしっかり検討して、そういった体制の構築を進めていく必要があります。昨年六月に設置された富士山火山防災対策協議会では、市町村長の避難に関する判断を支援する体制の構築に取り組んでいるんですね。

 一方では、四月十二日に閣議決定をされました災害対策基本法の改正案というのがあるんですが、ここでは、市町村長から避難指示に関して助言を求められた国または都道府県に応答義務を課すということを盛り込みました。これは六十一条なんですけれども、短いですから、ちょっと読み上げましょうかね。市町村は助言を求めることができますよ、この場合において、助言を求められた指定行政機関の長もしくは指定地方行政機関の長または都道府県知事は、その所掌事務に関し、必要な助言をするものとするというふうに出ていまして、そういう意味でも、国と地方がしっかり連携をして対応していくということがこの法案にしっかり盛り込まれています。まだ審議はされていませんので、ぜひ、しっかり速やかに審議をいただいて、早く成立をしていただくことを期待申し上げる次第でございます。

堀内分科員 ありがとうございました。法案の審議が速やかに行われることを願っております。

 次に行きます。

 富士山噴火が発生した場合は、少なくとも山梨県、神奈川県、静岡県の圏域において大きな影響が及ぶと想定されます。災害による被害をより抑えるためには、災害が発生する前から三県域の市町村が情報を共有し、防災に関して良好な連携のもと、避難勧告の発令、避難のための移動経路の指定などの行動において整合のとれた応急対応が必要です。そのためには、国や県が強い調整機能を発揮することが期待されます。

 そのためにも、災害が発生する前の段階から国の機関が現地に入り、調整に当たることが必要であり、噴火警戒レベル四が発表される状況においては、国が県や市町村の災害対策本部と同じ場所に現地組織を設置する必要があると思います。

 この点について、政府の考えをお尋ねします。

古屋国務大臣 委員御指摘のように、噴火の警戒レベルが一から五までありますね。五は避難ということですけれども、四という指摘がありまして、四は避難準備ということで、まだこの時点では噴火は起きていないし被害も発生していない状況ですね。やはりそういうときからしっかり対応すべきだというお話だと思います。

 国は、火山活動の高まりに応じて、内閣府ほか各省庁の職員を現地にまず派遣して、避難が実際に必要となる前のレベル四という段階で、県や市町村の災害対策本部等と合同会議を開催する体制を構築して、関係機関との総合調整を担うことにしています。

 具体的には、現地に連絡室をつくって、国であるとか地方公共団体の方々あるいは専門家の方々がメンバーとなっていただいて合同会議を開催して、そういう事前の対応の協議、調整等をしていく、こういうことを考えておりまして、レベル四の段階でも、私どもとしては、十分に対応していきたいというふうに考えております。

堀内分科員 ありがとうございました。

 レベル四の時点からの事前の対策を十分に練っていただいて、より多くの方々が安全に避難できるように願っております。

 次の質問に行きます。

 富士山が噴火した際に市町村が最優先に知りたい情報は、噴火口の位置と噴火のタイプ及び噴火による被害の推移予想です。各市町村は、その噴火に関する情報と避難計画に基づき、避難勧告をする時期、地域を判断し、避難勧告を発令することになります。

 この噴火口の位置と噴火のタイプなどに関する情報の精度が信頼性の高いものであることが必要です。さらに、その情報が県、市町村の対策本部に早く伝達されることが必要です。この種の情報収集の努力と一元化、情報の速達などの環境を整備していくことが非常に大切であると考えます。

 この点についての政府の見解をお伺いいたします。

    〔大塚(拓)主査代理退席、主査着席〕

古屋国務大臣 お答えをいたします。

 富士山が噴火した際のことですよね。国の火山の監視観測機関が徹底的に連携をします。そして、例えばヘリコプターとか航空機、あるいは時には衛星も使って、そういった情報を収集する機材を効果的に活用して、臨時に観測態勢を強化いたします。実際、どこが噴火口になるかはその時点では特定できませんので、やはりそういった火山の活動情報を収集するということが極めて大切ですので、そういう対応をとろうということにしております。

 それで、各関係機関が収集した情報は、国とか県とか市町村の災害対策本部の合同会議がありますので、ここに全部一元化します。一元化をして、そして関係者間で常に共有していただく。その際には、前の質問でもお答えしましたが、火山の専門家を入れて、情報に応じた適切な防災対応をとっていこうということになると思います。

 さまざまな噴火方式があるんですね。もう御存じだと思いますが、ハワイ方式とかアイスランド方式、これは余り日本ではないそうですけれども、だらだらと来る方式です。日本では、例えばプリニー方式とかブルカノ方式とかストロンボリ方式、これは日本で起きる可能性が多い。こういったものは、どこが噴火口になるかというものをしっかりチェックしていくということですね。そのためには、やはりしっかりとした情報をとるということが大切です。

 ちょっとお時間いただいていいですか。日本には、そういう火山情報とか、いろいろなリスクの情報というのがあるんですよ。しかし一方では、各省庁が完全に横串に連携しているかというと、必ずしもそうでないケースもあるんですね。アメリカなんかは、インフラストラクチャー・データ・ウエアハウスというのをつくって、全部、民間と関係省庁を横串で連携して、情報を集約化するということをしているんですね。私は、この前、総合科学技術会議でも発言の機会がありましたので、やはり日本でもそういう情報はしっかり集約しておくべきじゃないですかということを、ちょっと今回のこれとは性格が違うかもしれないですけれども。

 やはり、それぐらいのしっかりとした連携をあらかじめして、そして情報をしっかり伝達していくという必要性があるのかなと思います。富士山がもし噴火した場合には、そういう連携体制、そして情報を的確にお示しする、そうすると避難ということも結果的に適切にやれるようになるということにつながると思いますので、国としても対応を徹底していきたいと思います。

堀内分科員 ありがとうございました。古屋大臣の強いリーダーシップのもと、民間と各省庁、横の連携を持って、富士山の被害が最小限に抑えられることを願っております。

 次の質問に行きます。

 富士山が最後に噴火した一七〇七年の宝永噴火では、火山灰そして岩石や木の枝なども飛んでくる火山弾が大量に降下しました。宝永級の噴火の場合、山麓部では数十センチの火山灰が堆積する可能性があります。宝永噴火において火山灰により直接死者が出たという記録はないようでありますが、数十センチの火山灰の堆積があれば、移動が困難になるなど、さまざまな問題が生じると思われます。

 火山灰の対策をどのように進めていくべきとお考えになっているか、お尋ねいたします。

古屋国務大臣 もし富士山が噴火をして火山灰が出てくると、それによっていろいろな混乱が起きる、それにどういう対応をしていくかという御質問だと思います。

 藤井敏嗣さんという東大の教授が、火山灰がどれぐらい積もると例えば交通に支障があるかとか言っているんですけれども、十センチぐらいで支障がある、もうほとんど麻痺しちゃうんじゃないかというようなことも指摘していますね。

 例えば、横浜では十センチぐらい積もると言われていますし、東京都内でも五センチぐらい積もるんじゃないか。相当な混乱が予測されるということなんです。山麓地域は数十センチですね。そうすると、相当混乱が起きる可能性があって、もちろん車による移動というのは多分できなくなると思いますね。それから、避難がおくれると孤立するという懸念も出てきますね。強度の劣る建物はもしかしたら崩壊してしまうかもしれない。あるいは、多雨の季節ですと、土石流が生じる危険性もありますね。

 こういったリスクがあるので、やはり火山灰が数十センチ堆積する前に避難をするということが、まず逃げるということが大切なんですね。そのためにやはり情報をしっかりとる、そのための体制を組むんだということは先ほど来答弁をさせていただいています。

 この火山灰の堆積状況に応じた避難の可能性とか土石流など二次災害の危険性は、やはりそれぞれ、同じ山麓地域でも地域によって大分異なる、そういうことが予測されるんですね。だから、各地域の実情に応じた避難基準というんですか、こういうものを検討していく必要があるというふうに考えております。

 富士山については、富士山火山防災対策協議会にて降灰を対象とした避難計画の検討を本年度から行うということになっておりまして、国としても、必要な情報を積極的に提供しながら、その検討に参画し、協力をしていきたいというふうに思っています。

堀内分科員 ありがとうございました。

 最後の質問に移らせていただきます。

 平成十六年に富士山ハザードマップの作成が検討された際には、観光への影響を懸念される声が多くあったと聞いておりますが、最近では、むしろ防災体制をしっかりと整備していることが観光客の招致にもよい影響を及ぼすという考え方も広がってきております。

 また、最近では、富士山の噴火の可能性についてメディアで取り上げられる機会も多くなってきており、地元住民も富士山噴火の防災に対する関心が高まりつつあります。例えば、地元でも防災リーダーの育成などに取り組んでいるところもあります。また、静岡県の御殿場市では、樹空の森天空シアターで富士山の噴火について学ぶことができます。

 富士山は今すぐ噴火の発生を懸念する状況にはないと考えられていますが、こうした状況を風化させない機運づくりのため、住民などへの啓発が重要であると考えます。住民への啓発活動について、政府としてどのような支援をなさっているか、お尋ねいたします。

古屋国務大臣 今委員御指摘のように、観光に影響があるから余り開示しないというのは正しい方針ではないですよね。

 話はかわりますけれども、私、この前、南海トラフ巨大地震の被害想定について発表させていただいたんですけれども、最悪の事態も想定して発表しました。そして、私ははっきり、記者会見で、冷静に正しく恐れていただくということが大切なんですよという会見をしたんです。要するに、そうすれば、ちゃんと、事前防災、減災をどうやっていく、どうやって避難するかとか、そういったこともあわせて考えることができますね。これもある意味では同じことかもしれませんね。

 ですから、今、地方公共団体が、例えば住民の説明会とか防災訓練なんかを行っていますね。そういうときに、火山のハザードマップ、警報等の火山防災に必要な情報とか避難計画の内容がちゃんと示された火山防災マップというのは非常に有効なツールだというふうに思います。

 内閣府では、関係省庁と協力をいたしまして、今年の三月三十日ですけれども、火山防災マップ作成指針というのをつくりまして、既に四月上旬から関係者に通知をいたしています。さらには、平成二十一年より、火山災害対応の経験者を火山防災エキスパート、こういうふうに任命をして、火山地域に派遣をしておりまして、一般住民向けの防災セミナーにも派遣をしております。

 そういうマインドをしっかり持っていただくということが大切なんですね。その背景には、火山というのは噴火口により被害想定が大きく変わるから、そういう正しい知識を得る。そして、正しい知識を得るということは、正しく避難をするということにもつながるんですね。そういう取り組みは、しっかり国も関係者と連携して取り組んでいきたいというふうに思います。

堀内分科員 ありがとうございました。

 火山の対策について正しい知識を得て、地元住民一体となって防災に努めてまいりたいと存じます。

 最後に、地元住民の、そして観光客の噴火時の避難、輸送道路としてぜひ必要なものですので、国道百三十九号線の四車線化や富士宮鳴沢線の拡幅、さらには富士山麓から甲府盆地方面へ抜ける道路の整備なども推進してくださいますよう、お願い申し上げます。

 世界に先駆けて噴火に対し万全な防災体制を構築していれば、これまで以上に海外の注目を集めることになると考えられる富士山の世界文化遺産への登録は、火山大国日本の火山防災体制がいかに充実しているかを世界に大きく知らしめるよい機会になるのではないかと思います。

 質問を終えるに当たりまして、古屋大臣には、私の地元山梨県が深く関係する国家的事業であるリニア中央新幹線計画にも長い間多大な御尽力をいただいておりますことにも深く感謝申し上げたいと思います。

 リニア中央新幹線は、JR東海によって、二〇二七年、平成三十九年に東京―名古屋間が営業開始という段取りになっておりますが、人口減少が続く山梨県にとりまして、リニア中央新幹線の効果を県民挙げて期待しているところです。安倍内閣の中枢で御活躍なさっていらっしゃる大臣には、リニア中央新幹線の開通にもお力をかしていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 本日は、ありがとうございました。

岩屋主査 これにて堀内詔子君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

岩屋主査 次に、内閣所管について審査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。樋口尚也君。

樋口分科員 公明党の新人の樋口尚也でございます。

 初めに、一昨日の早朝起こりました、淡路島付近を震源とする地震により被害を受けられました皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

 さて、本日、四回目の国会質疑でございまして、古屋大臣におかれましては、先週の木曜日、災害対策特別委員会で質問をさせていただき、引き続き、きょうもさせていただけることを大変光栄に思っております。また、本当に遅くまでお疲れさまでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 さて、私、先週末、大阪に戻りまして、五カ所で党員、支持者の皆様に防災、減災対策、そしてレジリエンスの重要性についてお話をさせていただきました。

 そして、先週のインターネット中継をごらんになった皆様が、古屋大臣のレジリエンスに対する答弁、世界が強靱化競争をしている、日本はそのトップランナーになっていく、そのために初代の国土強靱化担当大臣を拝命した、世界で最高水準の強靱化、レジリエンスを持った国を目指す、こういうふうに発言されたことにつきまして、大変心強く、感銘を受けたというふうにおっしゃっていらっしゃいました。

 また、中でも、どんな球が来ても見事に打ち返すイチロー選手の話をされました。インナーマッスルを鍛えた国、この強い国、強い地域、強い社会経済を目指すというふうなお話に、大変わかりやすく、目指すものがよくわかったと。私、子供にも見せまして、大臣がイチローさんのことを話されたということを見まして、子供も、小学校六年生ですけれども、めっちゃわかりやすいなと言って、話をしておりました。ありがとうございます。

 私ども公明党は、来年で結党五十年でございます。五十年前から我が党の議員に受け継がれてきた不変の立党精神は、大衆とともにであります。それは、政治は大衆とともにでありますから、難しい政治課題、そして難題をわかりやすく丁寧に国民の皆様にお届けをすることも大切なことだと考えております。きょうもどうぞよろしくお願いをいたします。

 ちょっと通告と順番をたがえて大変恐縮ですけれども、初めに、帰宅困難者対策についてお伺いをしたいというふうに思います。

 東京都では、四月の一日に、全国初の帰宅困難者対策条例が施行されました。これにつきまして、政府における帰宅困難者対策の現状についてお伺いをできればというふうに思います。

佐々木政府参考人 大規模地震におきます帰宅困難者の対策につきましては、まず、首都直下地震でございますが、内閣府と東京都が事務局となりまして、首都直下地震帰宅困難者等対策協議会を設置し、むやみに移動を開始しないという一斉帰宅抑制の基本方針を決定したほか、帰宅困難者等への情報提供に関するガイドラインを作成するなど、先進的に検討を進めていただいたところでございます。

 本年四月から、今お話もございましたが、東京都の帰宅困難者対策条例が施行されることに合わせ、現在、一斉帰宅抑制について周知を図るとともに、経団連や東京商工会議所などを通じまして、企業等の施設内待機のための備蓄の促進等を進めてきているところでございます。

 また、策定されましたガイドラインの更新など、各機関における帰宅困難者等対策に係る調整や情報交換を行うため、本年一月に、首都直下地震帰宅困難者等対策連絡調整会議を設置いたしまして、対策の促進を図っているところでございます。

樋口分科員 ありがとうございます。

 この東京都の条例ですけれども、今お話を頂戴しましたとおり、首都直下地震帰宅困難者等対策協議会では、経団連や日本商工会議所などの民間も入って、また、国、地方自治体、そして民間企業、団体、さまざまなところが入りまして、実に五十回も議論をされて、精力的な議論だったというふうに伺っております。そして、その最終報告を踏まえた形で東京都のこの条例が施行されたというふうに伺っています。

 東日本大震災の発生の当日、自宅に帰れなかった人が、首都圏では約五百十五万人、都内では約三百五十二万人に上り、町は大量の帰宅困難者にあふれ返りました。

 この教訓を生かして、東京都条例では、先ほどもお話がありました、住民に対してむやみに移動しないことを徹底するとともに、事業者には、従業員の三日分の食料備蓄などの努力義務を規定いたしました。また、鉄道事業者や集客施設の管理者、学校に対しては、利用者の保護、そして児童生徒らの安全確保も努力義務として定めたというふうに承っております。

 私は、これは大事だなと思いましたポイントは、呼びかけだけではなかなか進まないこういった対策を条例で明記したことに意義があるというふうに強く思っております。

 通告なしで大変恐縮ですけれども、この条例化したということについての感想を、よかったら大臣にお伺いしたいというふうに思います。

古屋国務大臣 こういう防災対策は、国がやるべきものと地方公共団体が積極的にやるもの、両方がうまくリンクして初めて効果ある対策が講じられるんですね。

 地方公共団体には条例というツールがあるんですよね。やはりその条例というツールはしっかり活用していくべきですね。

 ですから、先ほど事務方が答弁をした、東京都の一時帰宅困難者をむやみに帰宅させない、こういう条例なんかも、ある意味ではコロンブスの卵的というか、あるいは現場を本当によく知っている、そういった経験から出てきたことなんでしょう。

 やはり、現場は地方公共団体の方がよく知っていますから、そういうことに取り組んでいくというのも一つの考え方だと思いますし、大いにそういった議論を地方公共団体でやって、制定すべき条例は制定していくべきではないかな、こんなふうに考えています。

樋口分科員 ありがとうございます。突然の質問で申しわけありません。

 東京都で実務に奮闘されていらっしゃる皆様にもヒアリングをさせていただきました。今、東京都では、全国から取材が殺到し、また全国の自治体や企業の皆さんからのヒアリングも殺到しているということで、大変御多忙の御様子でございました。全部で全国五千社の企業の皆さんに趣旨説明を徹底されたというふうにも承っております。本当に頭の下がる活動であり、心から敬意を表したいと思います。

 こういうお話を伺っておりますと、当然のことでございますけれども、帰宅困難者対策といいますのはまさに防災教育だという一面がございまして、その大切な、自助であるとか共助であるとか、そういうソフト対策の重要性を改めて認識いたしているところでございます。

 これも意見でございますけれども、ぜひとも、政府としまして、また内閣としまして、全国の自治体の皆様や民間企業の皆様向けに、こういった帰宅困難者対策というツールを使った自助、共助の防災教育、また啓蒙活動を今後も一層強化していただきたいというふうに思っております。この点もどうぞよろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、民間事業者との連携についてお伺いをしたいと思います。

 東日本大震災当日、帰宅困難者にあふれ返りましたけれども、東京都によりますと、首都直下が起きた場合には帰宅困難者の数は五百十七万人と想定をされています。

 事業者が従業員らの帰宅を抑制できたといたしましても、例えば旅行客や外出中の人、これらの人は帰宅困難に陥る可能性が非常に高いというふうに言われております。東京都は、こうした人を受け入れる一時滞在施設の確保を急いでいるということであります。そこで、事業者には、従業員向けの対応とともに、待機する場所がない人、こういう人たちを収容する協力というのも求めてまいりたいというふうにおっしゃっていらっしゃいました。

 こういった民間の事業者との連携や協定についてお伺いをしたいと思います。

佐々木政府参考人 東京都の方では、特別区の方が、民間施設を帰宅困難者の一時滞在施設として利用することができるよう、その施設を管理する民間事業者と協定を締結している例があると承知いたしております。

 協定の内容につきましては、区の要請により、民間事業者が帰宅困難者の受け入れ可能と判断した場合に帰宅困難者を受け入れること、あるいは費用負担のあり方等について定めているというふうに聞いております。

樋口分科員 ありがとうございます。

 引き続きで恐縮ですけれども、今、民間事業者さんと特別区が協定を結ばれるというお話でございますけれども、いよいよこれからという段でございますが、例えば、私は、千代田区で本社ビルを所有されている民間事業者さん、それと中央区で本社ビルを所有なさっている民間の企業の皆さんにヒアリングをちょっとさせていただきました。

 そうしますと、両方ともこういうふうにおっしゃるんです。今、特別区とマニュアルづくりや協定について策定の作業を進めているところでありますと。問題点は何ですかと伺いますと、民法七百十七条について大変気にしていますと。すなわち、土地工作物責任の話でありまして、「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。」こういう民法の規定がありますけれども、そういったものの取り扱いについて大変悩んでいらっしゃるな、こういう感覚を持ちました。

 それで、これについて、この協定は各区別に結ぶということでありますけれども、例えば、故意、過失があった場合、なかった場合、どう立証するのかとか、また、あるところによっては損害保険を適用したらいいんじゃないかというふうにうたっているところもある、まちまちの対応になっているというのが現状のようでございます。

 こうしますと、各市や各区で協定がまちまちになっていくということになりますと、民間の事業者さんは、各所でビルをお持ちになっている方もいらっしゃいますから、対応が非常にばらばらになってお困りになるのではないかなという実感をいたします。また、逆に、国民の皆様につきましても、災害時には自助また自己責任も重要だということを自覚していただくことも大事であります。さまざまな議論があります。

 そこで、これは提案でございますけれども、今後、この民間事業者さんとの協定については、ある程度幅広く議論をした上で、何か統一のガイドラインみたいなものを作成して、その方がわかりいいのではないかという気がいたしますけれども、御感想で結構でございます、いかがでございましょうか。

佐々木政府参考人 私も、経団連等あるいは東京都等とも意見交換する際に御指摘のようなお話をお聞きしておりまして、非常に大きな課題だなというふうに感じております。

 したがいまして、先ほどちょっと触れました首都直下地震帰宅困難者等対策連絡調整会議、一月に発足させましたけれども、このもとに、そういった取り組みについて、これは一義的には市区町村が中心になって協定を結ぶわけでございますけれども、今御指摘がありましたような問題意識も踏まえて、どういうふうに持っていったらいいか、ワーキンググループを設置いたしまして検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

樋口分科員 突然なのに、ありがとうございました。よくわかりました。ぜひとも推進方をお願いしたいというふうに思います。

 続いての質問でございます。

 東京都ではこういう条例が制定をされました。先ほど大臣からも、各地方の特色、また条例という切り口があるといったお話もありましたけれども、私も大阪でございますので、南海トラフ巨大地震についてちょっとお伺いをしたいと思います。

 南海トラフ巨大地震が起こった場合の想定の帰宅困難者数、さらには大阪や名古屋でのこういった帰宅困難者対策の現状についてどういう御認識をされていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。

佐々木政府参考人 まず、帰宅困難者の数字の方でございますが、先日来公表させていただきました被害想定によりますと、中京都市圏では約百万人から百十万人、京阪神都市圏では二百二十万人から二百七十万人の方がその日、当日中に帰宅が困難になるのではないかというふうに考えております。

 これについての取り組みの状況でございますが、例えば大阪の方ですと、大阪駅周辺における大規模災害時帰宅困難者対策検討会というのが設置されておりまして、そこでどういう対応をしていくかということで検討が進められているというふうに承知いたしております。

 それぞれ、各自治体でこのような取り組みが進められているというふうに理解をしているところでございますが、先般来発表させていただきました南海トラフ巨大地震に関しましては、今年度、地震対策大綱の策定に加えまして、東京都や関係機関が進めております首都直下地震を想定した具体的な取り組みを紹介するなどしまして、今後とも自治体と連携しながら対策を進めてまいりたいと思っております。特に、応急活動要領ですとか、あるいは南海トラフの対策協議会、これは国の出先機関あるいは自治体等とも連携しながら組織しているものでございますけれども、こういった場を活用しながら精力的に作業を進めてまいりたいというふうに思っております。

樋口分科員 ありがとうございます。

 まさに、名古屋そして大阪についてはこれからでございますので、帰宅困難者対策につきましては、省庁そして地方自治体、また民間が強く連携をしていかなければなりません。ぜひとも、陣容強化も含めまして、ワンストップで事業が行われるように、よく聞いていただけますようにお願いをさせていただきたいと思います。

 そして、これから申し上げます防災、減災教育、この防災教育につきましても、ぜひ省庁横断での取り組みをお願いしたいと思っておりまして、一生懸命支えてまいりたいと思いますので、聞いていただきたいと思います。

 この防災、減災、そしてレジリエンスのソフト面についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 先日の災害対策特別委員会でも、古屋大臣の御答弁の中で、我が党のソフト面、こういった教育等について、非常に重要で、今後の計画の中に反映していくべきものであるという御答弁を頂戴したばかりでございます。その点について、少し質問をさせていただきたいと思います。

 ちょっと手前みそで恐縮でございますけれども、我が党におきましては、二〇一二年の三月から、首都直下地震対策本部を強化いたしまして、そして、ハードの対策、ソフトの対策に力を入れてまいりました。先輩方にお伺いをいたしますと、頑張ります、皆さんを守りますと言うだけではいけないので、腰を据えてやろう、まずは自助が大事だということをお訴えをし、そして、その上で共助、公助だということで、共助をしっかりし、そしてそれを全体的にサポートするのが公助だということでこの議論を始めていったということであります。

 この自助、共助、公助を中心に、防災教育また意識啓発をするところから始めないと一歩も前には進まない、こういうふうに強く決意をして、まずはその自助意識をしっかり高めていこうというために、党では、こういう「震災から自分と家族を守るために普段から備えておこう」という最新のブックレットをわかりやすく作成いたしました。

 これは、我が党の総力を挙げまして、内閣府、消防庁、気象庁、警視庁それから地方自治体、いろいろなところの防災マニュアルを全部調べ上げまして、そして皆様に多大な御協力をいただいた上で、元内閣府地震対策担当参事官の布村先生の監修を得まして、最も重要な点について基本的な部分から順番に取り入れていったというもので、イラストも入れて十六ページ立ての大変わかりやすくつくったものを、きょう、参考にちょっと持参をさせていただきました。

 これは、我が党では一千万部作成をし、配布をいたしました。また、ホームページからダウンロードもできます。家庭用の防災マニュアルというものがいろいろありますけれども、東日本大震災の教訓を経た最先端のものが重要であります。古いマニュアルには、とんでもないことがまだ書かれているものがありまして、そういったものが更新されていないものがたくさんありまして、ばらばらにいろいろなマニュアルがあります。

 そこで、また提案で恐縮でございますけれども、先般、四月十一日の日ですけれども、防災教育について、予算委員会の公聴会で公述人としていらっしゃいました群馬大学の片田教授、この片田教授も、まずは私たち一人一人が自分の命を守ることが大事だと、その重要性を語られました。自分の命があって初めて人を助けられるからだ、こういうふうにもおっしゃっていらっしゃいました。

 私は、政府として、まず自助意識をしっかり持っていただくために、識者の皆様にも入っていただいて、家庭用の全国統一のわかりやすい災害マニュアルというのを作成して、総理大臣や古屋大臣から皆様にPRをしていってはどうかというふうに御提案をさせていただきたいと思っています。

 それと、もう一点だけ御提案で、例えば、九・一の防災の日や三・一一の東日本大震災の日に、マスコミがいろいろ宣伝をしてくださっていますけれども、政府広報としても、大規模な自助活動や共助活動の教育、こういったものをぜひやった方がいいのではないかというふうに、この二点、御提案をさせていただきたいと思いますが、大変恐縮です、感想で結構ですので、大臣にお伺いしたいと思います。

古屋国務大臣 今、質問を聞かせていただいているときにこれを見ましたけれども、よくできていますよね。漫画もふっと入りやすいし、やはり公明党さんはいいものをつくっているなと改めて感心しました。

 こういったことで、わかりやすく、減災、防災、そしてソフト面での充実というのをしていくのは大切ですね。一番最初に、これ、「自助が基本」と書いてあるじゃないですか。そこなんですよ、自助というのが。

 今、片田先生のお話もありましたけれども、片田先生といえば、やはり釜石の奇跡ですよね。何年間も子供たちに教えて、まず早く逃げなさいとか、こういうことを指摘しているんですね。

 実は私ども、国土強靱化の中に有識者会議というのをつくっていまして、ここでも、高知県の尾崎知事はほぼ毎回出てきていただいて、いい提案をいただいているんですよ。そういうときも、何でも国や行政任せにするんじゃなくて、自分たちで、津波が来たら、あそこは三十数メーターという予想が出ていますから、まず一目散に逃げる、逃げ方、そういう意識をしっかり植えつけることも大切ですよということを言っていますね。

 こういう一つ一つの教育が大切、それから学校の中での防災教育も非常に重要だというふうに思います。あるいは、町内会でみんなで防災意識を高めていく、こういう取り組みも大切でしょう。ですから、そういった一つ一つが、つかさつかさでやっていくということが私は極めて重要だと思います。

 その一環として、我々、国土強靱化を進めるに当たっては、やはり広報戦略というのが非常に大切だと思っておりまして、委員の御指摘も踏まえながら、政府としての広報戦略の充実もしっかり検討していきたいというふうに思っています。

樋口分科員 ありがとうございます。ぜひとも、お支えをして私どもも頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 今大臣からもお話しいただきました、学校においての防災教育、そしてまた自治会やその防災教育の重要性ということについては、非常に多く語られているところでございますけれども、今もお話をさせていただきました群馬大学の片田教授の、先般、四月十一日の衆議院予算委員会公聴会でのお話が非常にインパクトがありましたので、少し引用させていただきたいと思います。

 私は、国土強靱化、その概念の中に国民強靱化という概念が多く含まれていると信じております。そして、そのためには、子供たちに対する防災教育、そして災害に向かい合う、もともと災害大国日本ですから、それに向かい合う強靱な国民であるよう国民を誘導していくのが政治の役割ではないかというふうに私は思うわけです。そういった意味におきまして、防災教育の重要性は殊のほか大きいというふうに思っています。

 さらに、十年で国民をつくるプロジェクト、そして、もう十年で文化をつくるプロジェクトなんだ、こう考えていただきたい。こう考えていただくときに、この防災教育の重要性というものを改めて強く認識していただきたいなというふうに思うわけですと述べられております。

 そして、その後に、具体的に片田先生が二つの提案を、前にもなさっていることでございますけれども、されておりましたので、御紹介させていただきたいと思います。

 片田教授は、教員の養成課程の中にぜひ防災の科目を必須とすること、これが一つ目であります。そして二つ目には、防災という科目をぜひ学校教育の中で新たに創設すること。この二つをおっしゃっていらっしゃいまして、教員養成課程の中に防災科目を必須にということと、防災については学校の教育科目の中に新設をしてほしい、こういう重要な御提案をこの公聴会のときになされております。

 私、非常に大事な二点でありまして、ぜひ推進をさせていただくように頑張りたいなと思っておりますけれども、政府の御所見を、よかったらお伺いしたいと思います。

古屋国務大臣 私は、具体的に、科目に入れるとかあるいは教員養成の中に組み込んでいけ、これは直接の担当ではありませんので、文部科学大臣が担当ですので、早速、文部科学大臣にもそういう話があったということは伝えておきます。

 その上で、やはり、片田先生のおっしゃることは、私は心の強靱化だと思うんですよ。防災のために心を強靱化していく。こういう取り組みは、教育の中でも、ふだんの家庭の中の会話の中でもできますよね。例えば子供に対して、常日ごろから、こうなったらこういう連絡場所にしましょうね、ここにしましょう、携帯電話は使えないかもしれないから、もしそうなったらここに集まりましょうねとか、そうしたら家族の安否というのはすぐ確認できるじゃないですか。もしそれをあらかじめ決めていないと、つながらない携帯電話を必死にボタンを押すということになりかねませんので。そういう地道な取り組みというのは極めて大切ですよ。

 片田先生が、釜石の奇跡と言われるように、八年間、ああいう中学校の生徒の皆さんにやってきたことが、現実にあの三・一一のときには見事に生かされたじゃないですか。あれによって、多くの子供たちやお年寄りが無事高台に避難できましたよね。

 やはり、こういう取り組みはしっかり私たちも参考にしていくべきだというふうに思います。

樋口分科員 ありがとうございます。

 片田先生は、釜石の奇跡の話も先般の公聴会でされました。

 十年前から取り組んできた釜石におきましては、釜石の子供たちは懸命に避難してくれました。そして、自分が避難するだけではなくて、保育園の子供を抱えながら、おじいさん、おばあさんに手をかし、そして逃げようとしない大人たちを、一生懸命、泣きながら説得して避難してくれました。それであっても子供たち全員の命は守れなかったわけなんですが、でも、釜石の子供たちの一生懸命とってくれた行動は、釜石の奇跡として全国に紹介されることとなりました。

 そして、災害に向かい合う主体的な姿勢をどう国民につけていくのかというのは、これはもう防災教育以外にはあり得ないというふうに結んでいらっしゃいました。

 大臣がおっしゃいました心の強靱化、本当にそのまま感銘をいたします。ぜひとも強く取り組んでまいりたいと思っています。

 命を守る防災、減災、そしてレジリエンスにとりまして、防災教育というのは最も重要なファクターでございます。大臣のおっしゃるとおりでありまして、ぜひ力強くお支えをして頑張ってまいりたいというふうに思います。

 最後になりますけれども、寺田寅彦先生の教訓に、災害に時なし、場所なし、予告なしというのがあります。スピード感を持って災害対策に携わられる古屋大臣を初め、ある意味で少数精鋭部隊で災害に携わっていらっしゃる内閣関係の皆様を全力でお支えすることを決意として申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

岩屋主査 これにて樋口尚也君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

岩屋主査 次に、内閣府所管について審査を進めます。

 消費者庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。丸山穂高君。

丸山分科員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 本日は、消費者庁所管の関係で。

 実は、私自身は、大阪十九区という、泉州の代表としてこちらの国会に送っていただきました。まさしく泉州は、繊維の、タオルどころでございます。タオルといえば今治タオルさんも有名なんですけれども、実は泉州タオルという形でもかなり出てきておりまして、今、高級タオルとして、日本じゅうで、そして世界じゅうで売り出していこうとしている真っ最中でございます。

 ただ、しかしながら、一方で、皆さん御承知のように、大臣も御承知おきのように、中国産のタオルだとか、今まさに、国際化の中の価格競争で、日本の国産タオルというものは安い海外製品にかなり押しやられている現状がございます。

 そうした中で、いろいろ、業者さんのお話、また消費者のお話、有権者のお話を聞いていますと、例えば、海外でつくった製品をそのまま日本に輸入してきて、それを日本国内で少し包装する形で、それで国産のように売っているような業者さんだとか、まさしく、正当に競争する中では価格競争というものがどうしても起きてしまうのはわかる一方で、そうした不当な取引が行われていることに関して、これはどうなっているんだというお声を多く聞く次第でございます。

 そうした中で、本日は、少し細かい点にはなってしまうんですけれども、主にタオル業界の、タオルのことを中心に例に挙げまして、商品の表示等に関する点につきまして、まずは消費者庁の担当であります大臣にお伺いしたいと思います。

 まず、消費者庁さんで景品表示法という法律を所管されていると思いますけれども、その景品表示法ではどのような案件に関しまして取り締まりができるのかという点でございます。

 例えば、タオル製品などについて、その製品に、原産国という形で、中国産だとか、タイ産だとか、韓国産だとか、そういった形で表示の義務づけをさせることができるんでしょうか。少し細かい点になってまいりますので、まずは事務方の方にお伺いして、最後に大臣から総括でお話を伺いたいと思っています。よろしくお願いします。

松田政府参考人 お答え申し上げます。

 景品表示法は、商品の原産国を表示するよう義務づけておるわけではございません。ただし、同法におきましては、外国で生産された商品につきまして、その原産国で生産されたものではないかのように一般消費者に誤認を与えると認められる表示、これにつきましては、商品の原産国に関する不当な表示ということで禁止しておるところでございます。

 消費者庁といたしましては、商品の原産国に関しまして一般消費者に誤認される不当な表示がありました場合には、景品表示法に基づき厳正に対処することといたしております。

丸山分科員 今のお答えは、景品表示法自体は、今私が申し上げたような形で、何か、原産国、中国産だとか、表示をタオルにすることができないということでございます。

 例えば、タオル製品に関しまして、原産国という形で表示させるように国内法で定めようとした場合に、一部の方から、もしかしてWTOの協定違反になるんじゃないかという説があるということを、調べていくうちに、伺いました。これが果たしてそうなのかどうか、御担当は経産省だと伺っておりますので、経産省の方にお伺いしたいと思います。

宗像政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問の点につきまして、WTO協定上は二つの論点がございます。

 一つは、ガット上の、内国民待遇と呼ばれる内外無差別の原則でございまして、これによって海外産品と国内産品を差別的に取り扱うことが禁止されております。海外産品のみ原産国表示を求めることは、WTO協定違反になると考えられます。

 二つ目の論点ですが、貿易の技術的障害に関する協定、TBT協定というものがございまして、仮に原産国表示を海外製品と国内産品にひとしく求めた場合であっても、表示規制は、正当な目的のために必要である以上に貿易制限的であってはならないとされております。

 先例上は、消費者に対して生産国に関する情報を伝達するというこの表示規制の目的自体が正当であり得ることは必ずしも否定されるものではないということが示されておりますけれども、仮に目的が正当だと認められたとしても、規制が過度な負担となるような表示方法を求めるものであれば、貿易制限的とされて、TBT協定違反になるという可能性がある。

 この二点でございます。

丸山分科員 今のお話であると、国外のものに対して中国産だとかタイ産だとかのみ書かせるのは、まずこれは必ず違反になる。次に、両方、国産、日本国産、そして海外産、中国産と書かせる分に関しては、一つの点はクリアするけれども、もう一つ、TBT協定の点で少し疑念が生じる可能性があるということでございますね。

 今のお話だと、消費者の利益のために、消費者の安全、知る権利のために出すことに関しては協定違反にならない可能性もあるという理解でよろしいんでしょうか。もう一度、再度お伺いしたいんですけれども。

宗像政府参考人 お答えいたします。

 条文上は、「正当な目的の達成のために必要である以上に貿易制限的であってはならない」ということですので、まず、目的自体が正当かどうかという論点と、目的が正当であっても、具体的な規制の態様が必要以上に貿易制限的であるかどうかという二つの問題がまたその中で分かれてきまして、目的が正当であるということは、ほかの事案について認められたことがあるけれどもということであります。

 ただ、実際の規制の、具体的なラベルのつけ方の求め方とかが非常に負担を伴うものであれば、貿易制限的とされる可能性があるということでございます。

丸山分科員 非常にわかりやすく、ありがとうございます。

 とすれば、タオル以外のものは認められたものがある。もしかすると、タオル自体も、これはうまくクリアする可能性もあるというふうな私の理解でございます。私の理解が間違っていれば、後ほどのお答えで伺いたいんですけれども。

 その中で、先ほど申し上げたように、製品がどこでつくられたものであるか、原産国はどこなんだということは、やはり消費者が、知る権利があって、ここのものを使いたいだとか、なるべく安全なものを使いたいというのが、一番のニーズの知りたい部分だと思うんですけれども、一方で、今の、現状の現行法ではなかなか難しいということでございます。

 一つは、私としましては、何らかの、消費者の知る権利を保障するような形でやはり経産省さんも動いていただきたいということと、もう一つは、現状やられていることでも構わないんですけれども、外国製品なのかどうか、どこでつくられたのかということを消費者が知る手段というものがありますでしょうか。行政の担当の方、お答えください。

松田政府参考人 今の、消費者側に必要な情報を提供するという、消費者の権利ということは、消費者基本法でも規定されているところでございます。そういう趣旨で、今委員御指摘の点でございますけれども、法律上、先ほど申し上げました景品表示法は、商品の原産国を表示するような、そういう義務づけを行うという法律ではないということは、御理解いただきたいと思います。

 また、私どもは、別に、家庭用品品質表示法というのを所管いたしておるわけでございますけれども、これは成分とか性能等の品質に関する表示の適正化という趣旨で定まっておりまして、これによりまして、タオルにつきましては、繊維の組成、混用率等々、あくまで品質ということでやっておりまして、原産国の相違自体がこの品質の差異を必然的に伴うものではないということで、この法律でも義務づけるといったようなことはなかなか難しいということを御理解いただければと存じます。

丸山分科員 わかりました。

 この後、論点を進めていく中で、まずは現状の認識を少しさせていただきたいと思います。

 先ほどのお話の中で、私が聞いている中では、どうしても原産国を偽っている業者さんが後を絶たないとか、不良品をさも良品のようにして売っているような業者さんもあるというふうに聞いているんですけれども、時間が短いので、まずはタオル関係、繊維関係に絞っていきます。

 その中の関係で、消費者庁さんで行政処分を行われた事例があるのかどうか。私も役所におりまして、行政処分を行うということはなかなか難しいところでございまして、それは全体の中で見れば氷山の一角ではないかというふうに予想するんですけれども、それに関してどのような御認識でいらっしゃるかどうか。

 そして、さらには、もしそれが氷山の一角であるとするならば、まだまだ取り締まりが必要だとするならば、消費者庁さんとして、取り締まりに関しまして、どのようにやっていけばよいのかというのをお考えなのかどうか、お伺いできればと思います。

松田政府参考人 お答え申し上げます。

 景品表示法におきましては、消費者庁発足後、今三年半になりますけれども、その例といたしまして、平成二十三年三月に、中国原産であるにもかかわらず日本製と表示したなどの、衣料品等に係る不当な原産国表示につきまして措置命令を行ったという事例が一件あるところでございます。

 これ以外に、氷山の一角ではないかということでございますけれども、私どもは、いろいろ、不当な表示ではないかということで調査、情報が寄せられます。そういった調査に基づきまして、措置命令といいます行政処分まで至るもの、そこまで至らないもの、指導という形の行政指導でとどめているものもございますけれども、それがタオルについて幾らとか、そういった統計はございません。

 私どもは、知り得る限りの情報でございます不当な原産国表示に関する情報も含めまして、消費者庁が所管する法令の違反に関しまして、きちっと、情報がありました場合、情報に接しました場合には、迅速かつ適切に対処しているし、また、今後とも対処してまいる所存ということで、御理解をいただきたいと存じます。

丸山分科員 なかなか現状の把握も、例えば業界にしても、タオルだったらタオル、ほかの製品だったら製品という、種分けごとにするのは難しいというお答えでしたけれども、やはり今後の対策をとる上でも、それぞれの業種ごとに見ていくということは一つの切り口として大事だと思いますので、消費者庁さんの方も発足されてまだ間もないということで、なかなか、先に先にというのは難しいかもしれませんが、また、そういった検討のされ方もして、消費者に対して、よりよい、きちんとした、公正な情報が入るような、また、不当な取引がある場合には、それをきちんと押さえていただくような形で進めていただければと思います。

 また、同じように繊維関係を所管されている経産省さんに伺いたいんですけれども、今のお話では、消費者庁さんではそういう形だということなんですけれども、タオルや繊維関係で、消費者から、逆に、経産省さんの方に苦情や相談があるのかどうかという件に関しまして、少しお伺いしたいと思います。

渡邊政府参考人 お答え申し上げます。

 経済産業省の消費者相談室に寄せられました消費者からの御相談、このデータベースを確認したところでは、タオル関係に関するものでございますが、この一年間で一件ございます。内容は、品質表示と色落ちについてということでございました。

 以上でございます。

丸山分科員 経産省さんにもあったということで、一件ということでございますけれども、やはりお互いにどういう件があったかと消費者庁さんと経産省さんでうまくやりとりをしていただいて、今後の対策につなげていっていただくようにお願いいたします。

 逆に、電話ベースで相談室に一件あったということでございますが、一方で、タオル関係さん、繊維関係さん、業界団体さんもあると思うんですけれども、そういったところから政府の方に、先ほど申し上げたような原産国の表示の件も含めまして、何らかのお話や、こうやってほしいというような御要望があったかどうか、その点に関しましてお伺いできますでしょうか。

渡邊政府参考人 表示についての一般的な意見交換、これを行う機会、これはございましたが、業界団体から、原産国表示の件も含めた、表示についての陳情といたしましては、この一年間では、ございませんでした。

 陳情といたしましては、二十年前に、当時の通産省に対しまして陳情があったと承っております。

 以上でございます。

丸山分科員 実は、その二十年前に陳情された方にお会いしたことがありまして、そこでそのお話を伺いました。その折は、なかなかうまいこと、自分のお願いしたいことを実現することができなかったというお話で、ずっと長年、この業界の、タオルさん、繊維業界さんの懸念であるということでございます。

 非常に厳しいものが続いておりまして、今、一つの売り方としまして、できる限り、クール・ジャパンの話もありますけれども、日本産ということで、高級路線で売っていくという手を打っていらっしゃいます。しかしながら、これだけでは難しいところがありまして、どうしても、特に国内で消費する分に関しましては、ある程度の、高級品だけじゃなくて、格安のものを売るということも必要だということで、その中で、やはり国際的な競争の波が来たときにどうやって対抗するかということを常に考えていらっしゃいます。

 そうした中で、どうしてもやはり、自分のつくっているものは国産なんだ、海外のとは違うんだぐらいはきちんと表示できるようにしたいということで、業界団体さんで一応、まず、みずからやっていこうということで御努力をされていると聞きました。

 日本でつくったものに関しては、業界団体さんの方で規定を定められまして、加入されている業者さんに関しましてはそれを出そうという取り組みをされたりしているということですけれども、どうしてもやはり限界がありまして、というのは、そちらだけやっていても、もう片方の、海外から輸入される方の方とか、もしくは悪意を持って変えようとする方の方をしっかりと見ていかないと、どうしてもそれは限界があるということで、今苦しい業態にあるタオル業界の方々、繊維業界の方々の、ここの点を何とか政府の方でしっかりしてほしいという声をすごく伺っております。

 そういった点におきまして、タオル業界、繊維業界が海外製品に負けないためにも、経産省さんや消費者庁さん含めて、御担当者の方の中で、政府として、今後どんな取り組みができるのか、支援策ができるのか、また、先ほど私も申し上げました、日本の規則や法令できちんと原産国の表示をできるのかどうかも含めまして、経産省さんもしくは消費者庁さんの担当者の方のお話を伺えればと思います。

渡邊政府参考人 政府としての取り組み、支援策でございますが、まず、中小企業に対する支援策といたしましては、複数の中小企業が連携をいたしまして、みずからが持つ素材や技術などの強みを踏まえた戦略を策定し、その戦略に基づいて行う商品の開発、海外展示会への出展などのプロジェクトを支援するJAPANブランド育成支援事業を実施いたしております。平成二十五年度の予算案にも盛り込ませていただいております。

 泉州のタオルにつきましても、平成十八年度から二十年度にかけまして一件支援をさせていただいております。

 また、中小企業地域産業資源活用促進法に基づきまして、地域資源を活用して行う事業を認定しました。試作品の開発、展示会への出展などの活動に対する補助、低利融資、信用保証の特例などの支援策を講じております。

 補助金といたしましては、新事業活動・農商工連携等促進支援事業を平成二十五年度の予算案にも盛り込ませていただいております。

 泉州タオルにつきましても、平成二十一年度から二十四年度にかけて二件支援をさせていただいているところでございます。

丸山分科員 更問いみたいな形になってしまって通告上難しいのかもしれませんが、少し細かくお伺いしたくて。

 特に、海外に売っていくものではなくて、国内の、海外から来たものに対抗するような形で、表示も含め何らかの支援ができないかという論点からはいかがでしょうか。お答えできる範囲で構いませんので、お答えいただければと思います。

渡邊政府参考人 ただいま御指摘の点でございますが、やはり、地域の中小企業が持つ技術力といったものをどのように生かしていただくかということにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたような中小企業地域産業資源活用促進法なども含めまして、最大限にこうした施策を活用いただくように、関係者の方々にまた促してまいりたい、かように考えている次第でございます。

丸山分科員 いずれにしましても、この話はタオル業界、繊維業界に関してはかなり死活問題だということでございますので、今の話も、しっかり支援していただけるということでございますので、ニーズをきっちり聞いていただいて、よりよい日本製品が、要は海外にも負けないようにしていくために、なおかつ不当な取引によって制限されないような形できちんと導いていただけるようにお願いしたいと思います。

 また、先ほどから申し上げているような悪質な業者もいるということでございます。それを取り締まるというのがまさに消費者庁さんの役目でございまして、数年前に、ニーズの高まりを受けて別枠として消費者庁さんという形で組織ができた意義は、まさしくそこにあるということでございます。

 消費者庁さんのホームページを拝見させていただきますと、今までにやってこられたものをきちんと消費者に対してオープンにしていくという姿勢で、タオルに限らずいろいろな製品の処分事項といいますかをホームページ上に掲載されているのを拝見しました。

 そうした中で、ほかの省庁さんを拝見すると、例えば総務省さんのホームページ、同じように総務省さんでももちろん行政処分等がされているんですけれども、総務省さんは、三年という区切りで、ここでオープンするということを書いていらっしゃいました。

 というのは、処分といえども、やはり相手がいるわけで、どれだけの期間オープンにするのかという議論があると思います。もちろん、消費者の目からすれば、きちんと常に出していただきたいということもありますけれども。

 一方で、処分の一番表のページに出すのかどうか、それがまた、例えば、ある程度ストックの方に落とし込んでいくのかどうかとか。

 また一方で、例えば刑法上の点も、五年だったら五年たてば戸籍上消えるとか、そういった観点の、やはりある程度の、被害者だけじゃなくて、業者さんに対するオープンの、消費者に対するオープンの仕方、業者さんの名前を出していくことに対する、どれぐらいの期限なのかということが一つの大きな論点になろうかと思うんですけれども、総務省さんは三年で切っているということでございます。

 消費者庁さんにおいては、これは、今出されているホームページではどのような期限で掲載されていくというふうにお考えなのか、議論されているのかということを少しお伺いしたくて、行政文書の保存期間等も幾つかあると思いますけれども、どれに当たるのかとかも含め、また、期限が定められていないなら、今後検討することはあり得るのかどうか、少し大臣としての御所見とお考えを伺えればと思います。

森国務大臣 お答えいたします。

 処分情報の公表とウエブサイトへの掲載は、消費者にとって、類似被害の未然防止、拡大防止や、みずからが受けた被害の救済に資するものです。また、事業者にとっても、適法な事業活動を行っていく上で参考になるものです。

 これらの情報のウエブサイトへの掲載期間は、行政文書の保存期間原則五年と同様とすることにしております。

 他方、消費者庁に対する情報提供の要請もあることから、今後、こういった要請も踏まえ、適切な掲載期限のあり方について検討してまいりたいと思っております。

丸山分科員 ありがとうございます。

 まずは五年ということ、そして、適切な掲示のあり方と期間に関して検討して、これからきちんと決めていく、さらに決めていかれるということでございますので、そこはやはり、政治的リーダーシップを持っていただいて、大臣の方できちんと導いていただいて、しっかり決めていただけるようにお願いします。

 いずれにしましても、今回は時間が三十分程度ということで、まずはタオル業界ということで絞らせていただきましたけれども、こういった問題はあらゆる業界で生じているものというふうに聞いております。地元を回っていても、タオルさんだけじゃなくて、中小企業の機械工場の方も含め、また漁業の方も含め、本当にあらゆるところで、消費者に対する表示のあり方、また、それを偽って不正にもうけようとするような業者さんがいると。

 それをきちんと取り締まっていくことこそが、やはり消費者の方に対して安全をつくっていく、何より、お商売をされている方々、ビジネスをされている方々の安心につながっていくと思いますので、引き続き、消費者庁さんの方できちんと見ていただいて、そして、業を所管されている経産省さんの方でもきちんと見ていただいて、より皆さんが取引をしやすい、わかりやすい、公平なビジネスのできる世の中をつくっていただけますようお願い申し上げまして、私、丸山穂高の質問の時間とさせていただきます。

 ありがとうございました。

岩屋主査 これにて丸山穂高君の質疑は終了いたしました。

 いよいよラストバッターでございます。次に、宮本岳志君。

宮本分科員 日本共産党の宮本岳志です。

 今お話があったように、最後の質問者ですので、大臣、どうぞよろしくお願いをいたします。

 不動産賃貸でのいわゆるサブリース契約について、きょうは質問したいと思うんです。

 サブリース契約とは、主には、アパート建設会社やその関連会社であるサブリース業者が、アパートオーナーから物件を一括して借り上げる契約を結び、それを第三者に転貸する契約形態のことで、入居者の募集から賃料の回収、アパートの管理、メンテナンスを一括してサブリース業者が請け負うというものであります。アパートの空室状況にかかわらず、サブリース業者の管理報酬を差し引いた固定賃料を安定的、固定的に長期的に確保できることから、サブリースが広がっているというふうに聞いております。

 既存のアパートをサブリースするだけでなく、大東建託、レオパレス21、積水ハウス、大和ハウス工業などのサブリース業者は、この契約のメリットをセールストークに、土地所有者に自社または関連建設会社のアパート建設を促す商法を一つのビジネスモデルとして確立してまいりました。

 そこで、まず、国土交通省にお伺いしますけれども、不動産賃貸でサブリースの形態がこのように広く行われるようになったのはいつからで、この間、どれぐらい広がっているか、お答えいただけますか。

日原政府参考人 お答えいたします。

 詳細については承知しておりませんけれども、大手業者に確認いたしましたところ、サブリース事業は、遅くとも昭和六十年前後には始まったものというふうに認識しております。

 また、業界紙の二〇一二年管理戸数ランキングによりますと、上位十社のサブリース戸数を足し算いたしますと、おおよそ二百二十万戸程度に上るということで、相当数の賃貸住宅がサブリースによって運営されているという実態がございます。

宮本分科員 二百二十万戸、やはり相当数のサブリースがやられているということですね。

 ちなみに、この不動産賃貸業、サブリース業に対して、何らかの規制というものはあるんでしょうか、国土交通省。

日原政府参考人 お答えいたします。

 サブリース事業は、オーナーから借り受けた賃貸住宅をさらに貸し主として転貸するものであるため、宅建業法の適用はございません。

 サブリース業を営む賃貸住宅管理業に一定のルールを設け、それを普及させることによって、賃貸人及び賃借人の利益保護を図るということを目的にいたしまして、一昨年、平成二十三年の十二月に国土交通大臣の告示を定めまして、国への登録制度というものを創設いたしたところでございます。登録を受けた事業者につきましては、業務処理準則の遵守を求めているところでございます。

宮本分科員 事前に説明をいただきまして、賃貸住宅管理業者登録規程と処理準則というものが定められております。

 これは、なぜこのような登録制度をつくったのか、国土交通省、もう一度お答えいただけますか。

日原政府参考人 お答えいたします。

 賃貸住宅をめぐりましては、退去時の原状回復あるいは敷金返還に関するものを初めといたしまして、さまざまなトラブルが年々増加傾向をたどっていたところでございます。

 このため、管理業の適正化を図るとともに、賃貸人及び賃借人の利益を保護するため、社会資本整備審議会不動産部会における議論も踏まえまして、国土交通大臣告示による登録制度を実施し、管理業者を把握するとともに、管理業の業務に関しルールを定めて、登録業者にその遵守を求めることとしたものでございます。

宮本分科員 やはりトラブルが多いということからこういう登録制度をつくったという御答弁でありました。

 この間、サブリース契約をめぐっては、さまざまなトラブル、さらには訴訟に発展するケースが報告されております。きょうは、典型的なサブリース事業者であり、トラブルが急増しているレオパレス21について聞きたいと思います。

 国交省にこれまたお伺いしますが、二〇一二年三月末時点で、レオパレス21は、管理戸数はどれだけで、シェアの順位は何位で、うち、サブリース割合はどれだけを占めているか、お答えいただけますか。

日原政府参考人 お答えいたします。

 レオパレス21につきましては、管理戸数ランキング、先ほど申し上げた業界紙の調査によりますけれども、第二位でございまして、管理戸数が五十五万六千二百七戸、サブリース戸数がそのうち五十四万八千二百三十二戸でございまして、割合としては九八・五%ということでございます。

宮本分科員 業界二位ですね。そして、サブリース割合は、大手十社中トップの九八・五七%。専らサブリース事業をやっている業者だと言わなければなりません。

 次に、消費者庁に聞くんですけれども、このレオパレス21に関する相談は、国民生活センターや消費生活センターなどにどれだけの件数が寄せられているか、直近の六年間の数字を答えていただきたい。

 また、サブリースを含む一括借り上げシステムに関する主な相談事例にはどのようなものがあるかをお答えいただけますか。

松田政府参考人 お答え申し上げます。

 全国の消費生活センターに寄せられましたレオパレス21に関する消費生活相談は、平成十九年度九百四十二件、二十年度九百三十九件、二十一年度千百二十五件、二十二年度八百一件、二十三年度六百八十一件、二十四年度五百二件となっております。

 レオパレス21に限らない整理ではございますけれども、一括借り上げシステムあるいはサブリースに関する相談でございますけれども、事例といたしまして、三十年一括借り上げて家賃保証するというのでアパート建設の契約をしたが、調べたら説明と違うので解約したいというものや、十年間家賃を保証する契約なのに家賃減額の要請を受け納得できないといったものが寄せられておるところでございます。

宮本分科員 全てがレオパレス21には限らないけれども、サブリース契約をめぐってはさまざまなトラブルが消費生活相談の窓口にもこうして寄せられているという御答弁でありました。

 そこで、具体的に何か消費者庁は対応しておりますか、その相談に対して。

松田政府参考人 今申し上げたところ、要するに、相談の整理といたしまして、一括借り上げシステムとかサブリースに関する相談という形ではこういう形で整理をいたしておるんですけれども、レオパレス21の個別の相談内容というのではちょっと整理をいたしておりませんので、御理解いただきたいと存じます。申しわけございません。

宮本分科員 つまり、このサブリース契約に伴うトラブルについて、消費者庁においては何らかの対応をしておりますか、こうお尋ねしたんですが。

松田政府参考人 特段、対応といいますか、相談を受けておるという実態はございますけれども、対応として具体的に申し上げられるものは、今、定かではございません。申しわけございません。

宮本分科員 大臣、これはいかがでしょうかね。今具体的な対応がなかなかなされていないということですけれども、これはなぜか、大臣の方からもお答えいただけますか、どう受けとめておられるか。

森国務大臣 お答え申し上げます。

 賃貸住宅の経営に関して、入居者への転貸借を前提に事業者がオーナーから建物を一括借り上げするいわゆるサブリース契約については、一般論として申し上げれば、事業者間の契約というふうになります。

 しかしながら、この一括借り上げ、サブリースの問題については、国民生活センターや全国の消費生活センターに相談が寄せられている、その数も一定のものがあるということも事実でございます。それを消費者庁として、では何かしらの対策が打てるかというふうに申しますと、これはなかなか難しいと思います。

 ただ、政府全体でいえば、一国民が被害に遭う、または苦情を申し出ているということですので、どこかの省庁できちっと引き受けなければならない、救済しなければならない問題であると認識しております。

 消費者庁としては、国民生活センターや消費生活センターに相談が来ましたら、これは所管の国土交通省にしっかり相談情報をお伝えすると同時に、私から、今後どうするかということも国土交通省ときっちり協議をして、被害をなくしていきたいと思います。

 また、消費者庁でぎりぎりできることがあるとすれば、有利な投資を勧誘するという消費者被害に非常に類似した側面もございますので、もうけ話に注意というような、さまざまな消費者被害の注意喚起をいたしておりますので、その中の一環として、一例として取り上げまして、消費生活センターなどの広報、啓蒙活動の一つに加えていくということも前向きに検討してまいりたいと思います。

宮本分科員 きょうの結論をもう先に答弁されたという、そういう中身について、きょうはもう一歩掘り下げて大臣と少しやりとりをしたいと思うんですね。

 実は、事前のレクでも事業者対事業者の関係だという話も聞いたんですが、なかなか、現場で起こっていることはそんな生易しい話ではないんです。

 事前に資料もお渡ししましたが、これは個人名のところは消して渡したはずですが、私の地元、大阪府岸和田市のレオパレス21の事例であります。

 資金計画概算計画書と書いておりますけれども、レオパレス21は、このオーナーに対して、建築工事費総合計が約二億四千八百万円で、一K五十四戸、駐車場九台のアパートを建設することを提案してまいりました。その費用二億五千万円を金利六%で金融機関から借りて二十五年ローンで返済しても、返済月額は百六十一万余りになる。一方、レオパレス21が、アパートを三十年一括借り上げすることによって、家賃は月額二百六十万円ほどになるので、ローンを返した上に、あなたの毎月の手取り収入は九十八万円になりますよ、手取り収入月額九十八万何がし、ここまで書き込んでこのオーナーに話を持ちかけました。計画書です。

 オーナーは、この話を信用して、一九九六年に借金をしてアパートを建てましたが、レオパレス21は、三十年一括借り上げシステムなどと言いながら、その十六年後の昨年には、ことし二〇一三年五月末をもって契約を終了したいという申し出を行い、二十五年計画との関係で一括借り上げの期間は二〇二一年までのはずだ、こうオーナーが言いますと、本契約は二年ごとの更新だと主張して、これは終了通知であって、受け入れるかどうか検討する余地はないとまでレオパレスの側は言ってきた、こういう事例。

 これは個別事例ですけれども、こういうことがやられているんですね。

 だから、いわば、そういう融資の計画から家賃収入まで含めてパッケージで、そして、必ず損をすることはないんだ、手元にむしろ百万円入るんだというようなことを持ちかけて、借金をさせてアパートを次々建てさせている、こういう話なんですよ。

 国土交通省にまた聞きますけれども、レオパレス21が各地でこのようなアパートオーナーとのトラブルを引き起こし、訴訟にまで至っているという現状については、国交省も承知しておりますね。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 そういったトラブルがあるということにつきましては、国民生活センターの資料とか、あるいは報道記事等により承知しております。

宮本分科員 全国の法律家や不動産流通にかかわる各分野の専門団体で形成されている民間ADR機構の日本不動産仲裁機構には、サブリース契約をめぐって、一年半足らずで百件を超える相談が寄せられております。そのほとんどはレオパレス21だというんですね。

 レオパレス21は、リーマン・ショック後、管理する物件での空室がふえたことを背景に、アパートオーナーに突然解約や賃料の減額交渉を迫るなど、会社を挙げて、終了プロジェクトと名前までつけて進めている。この終了プロジェクトの存在は、レオパレス側もはっきり認めております。

 終了プロジェクトが功を奏して、この間、レオパレス21は、管理物件を大きく減らしてまいりました。

 これも国交省に聞きますが、レオパレス21は、平成二十三年三月末以降二十四年九月末までの一年半に管理戸数をどれだけ減らしておりますか。

日原政府参考人 お答えいたします。

 さきにレオパレス21から報告を受けたところでは、同社の管理戸数は、平成二十三年三月末に五十七万一千六百五十六戸でございましたが、平成二十四年九月末時点では五十五万一千二百八十七戸となっており、この一年半の間で二万三百六十九戸減らしております。

宮本分科員 一年半で二万戸減らしているわけですね。

 この終了プロジェクトの内容たるや、すさまじいものです。十年を超えた案件は、基本的に解約を前提とした交渉を行う。オーナーから解約の話が出なければ、ローン返済ができないような大幅減額を提示して、相手から解約を申し出るようにしむける。十年未満の物件についても、賃料減額を目指すよう指示をしております。

 とりわけ、レオパレス21の物件は、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの家財道具が全てリース物件として備えつけられておりまして、サブリース契約が解除となれば、リース物件も返却されるため、入居者は、今言ったテレビ、冷蔵庫、洗濯機など一式を失うことになります。このため、レオパレス21が入居者に近隣のレオパレス物件を紹介することで、契約解除時にはアパートは全部全室空っぽにしてオーナーに返すという事態が多発しております。

 こんなやり方は、大臣、これは信義則に照らしても到底認められないと私は思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

森国務大臣 個別の事案にはお答えできないんですが、一般的に申し上げますと、そういったサブリース契約をする際の当初の契約内容の説明に相手を欺罔するような行為があったり、また、相手の錯誤に乗じて契約をさせるということがあった場合には、民法上、詐欺による取り消し、または錯誤による無効を主張できる問題だというふうに思います。

 先生が今お話しになった事案が個別の事案でございますので、私は詳細は存じ上げませんけれども、仮にそのような悪質な、契約当事者間の詐欺のような行為があった場合には、もちろん信義則上も許されるものではないし、私法上も、契約が解除ないし無効になるものだと思います。

 しかし、それを私ども消費者庁で所管できるとなると、またこれは論点が別になると思います。

 悪質な事例を、それによって被害を受けている国民は、これは国が救済をし、または、そのような事例が多発しないように防止をしていかなければならないのは当然のことでございます。

 ですので、私も今までずっと弁護士としてそのような詐欺事件を取り扱ってまいりましたので、詐欺になる事案もあるとは思いますが、消費者庁が取り扱えるとなると、これはまた、消費者が被害者になった場合に限られますので、非常に難しい問題であるなというふうに思いながら伺っておりました。

 ただ、当初、先ほどの答弁でも申しましたように、そのような悪質な事例があるとすれば、政府全体として何らかの解決に向かって進まなければなりませんので、所管の国土交通省としっかり協議をしてまいりたいというふうに思います。

宮本分科員 個別のものについては、それは定かかどうか確認した上でになるけれども、もし詐欺に当たるようなことがあればというお話でありました。

 早い話が、これはレオパレス21のパンフレットでありまして、これも実は事前に参考までにお渡しをしてあるんですね。

 めくっていただいたら、もうこれははっきりしておりまして、この三ページ、四ページのところをあけていただいたら、「オーナー様を三十年間、支え続ける。共に歩む。それがレオパレス21「三十年一括借上げシステム」です。」あるいは四ページのところには、「三十年に渡り、オーナー様のアパートを丸ごと借上げ、その手を煩わせることなく管理・運営を完全サポート。一括借上げ賃料は、空室の有無に関わらずお支払いいたします。」と。

 こういうパンフレットで勧誘している。これは私が国土交通省からいただきましたから、これを使ってやっているわけですよ、役所にレオパレスから提出されたものですから。本当にはっきりしているわけなんですね。

 国土交通省に聞きますけれども、先ほど賃貸住宅管理業者登録ということがございましたが、これに基づいて何らかの対策をとっておりますか。

日原政府参考人 登録制度につきましては、先ほど申しましたが、準則に基づきまして運用していただくことにしております。

 先ほど森大臣からもお話ございましたけれども、やはりきちんとした、契約の中身を確定すること、あるいはその中身についてよく説明することが重要だと思っておりますので、そういうことを指導してまいりたいと思っております。

宮本分科員 レオパレス21はその準則に反していると思うんですけれども、レオパレスに対して何らかの指導や対策はとっておられますか。

日原政府参考人 レオパレス21につきましては、まだ登録対象業者となっておりませんので、登録を進めていただくよう働きかけているところでございます。

宮本分科員 結局、大臣、登録制度をつくったといっても、任意の登録制度ですから。レオパレス21はこれに入っていないですから。業界一の大東建託というのは入っているんですけれども、二位のレオパレスは入っていないわけですよ。

 登録されていなければどうしようもないです、あくまで大臣告示ですから。例えば、登録されて初めて、大臣の指導、助言あるいは勧告、さらには登録の抹消、抹消された場合には、会社名の公表はありますよ、登録されれば。しかし、法律ではないのでそこまでであって、罰則というものはございません。

 ですから、やはり現行のやり方だけでは限界がある。だから、先ほど来大臣は、国交省とも協議して、どの役所がやるかはともかくとして、きちっと対策したいといったときに、やはりこの登録制度だけでは不十分だと私は思うんですね。

 それで、そもそも消費者庁は、情報、知識、交渉力といった点で消費者と事業者の間には大きな格差が存在しているということ、したがって、真に対等な関係のもとでの消費者の自由な意思形成がなされないままに契約が締結されてしまうことがあること、その結果、契約締結過程や契約内容におけるトラブルが大幅に増加していることを受けて設置をされたと理解をしております。

 その点で、このサブリース業者とアパートオーナーの関係を見たときに、サブリース業者の側が、巨大な経済力と組織を持つ一流企業であって、先ほど申し上げた情報、知識、交渉力という点でも断然強者なわけですね。一方、多くの場合、不動産所有者の方は契約弱者なわけです。

 だから、借地借家法なんかで考えると、借りている方が弱くて大家の側が強い、こうなるんですが、これは全然違うんですよ。逆に、オーナーの側が非常に弱い立場なわけですね。

 ですから、実は、私も幾つか研究させていただいて、判例タイムズに載せられた鼎談、京都大学の松岡久和先生がゲストで招かれた鼎談などを読みますと、松岡先生はこういう指摘をされておられます。サブリース業者は、巨大な経済力と組織を持つ一流企業であり、多くの場合、不動産所有者との力関係を考えると、消費者問題と類似する構造すら存在するという指摘があるわけですよ。

 だから、先ほどから答弁に何度も出ているように、これが消費者問題と言えるか、アパートオーナーが消費者と言えるかということで別に厳密な議論をするつもりはないんですけれども、この構図全体は、まさに消費者庁が、このまま放置できないという形で頑張っていただいている構図が、ここにやはり横たわっているんじゃないか、こういうふうに思いますけれども、大臣のお考えをぜひお聞かせいただきたいと思います。

森国務大臣 おっしゃることは理解はできるんですけれども、情報、知識、交渉力で弱い消費者を業者から保護、救済する、または、そういった消費者を教育して自立した消費者にしていく、これが消費者庁の役割でございますけれども、それは消費者という切り口で言っているのであって、前段の部分の、情報、知識、交渉力で弱いという点だけで共通項を取り出していくと、消費者庁じゃなくなっちゃうんです。

 つまり、いろいろな事業者がございまして、事業者は大企業と中小零細で取引をして、自分のところのものを買ってもらったり、売ったりしているわけでございます。また、海外と輸出、輸入する場合も同じでございます。そのときは、企業対企業であっても、一方が情報、知識、交渉力が弱い例というのはたくさんあるのでございます。

 私の地元でも、私が議員のときに金融庁に質問しましたけれども、私の地元の福島県の田舎の方に大きな銀行が来て、中小零細企業にお金を貸すのでございます。そういうときに、一方的に不利益な金銭消費貸借契約を押しつけるんです。これは、まさに消費者問題に類似してはおりますけれども、やはり消費者庁で助けるわけにはいかない。金融庁がここはきちっと目を光らせるところです。

 この御指摘の不動産の部分においては、国土交通省が、そのような弱い事業者を、しっかり目を光らせる問題、または、先ほどのような商品の卸のようなものだと、今度は中小企業庁がしっかりと零細企業を守っていくという話で、これが全て消費者庁がやらなきゃならないということになると、全ての省庁が要らないということになってしまいますので、ここは、先生のお気持ちは大変よくわかるんですけれども、消費者庁、消費者問題に類似しているというところで、私も国土交通省に御意見を申し上げまして、あとは委員から、今度は国土交通大臣にも質問していただけることを御期待申し上げまして、答弁にさせていただきたいと思います。

宮本分科員 おっしゃるとおりで、消費者庁のホームページによると、消費者庁の役割として、「必要に応じて各省庁を動かすとともに、どの省庁も対応しないいわゆる「すき間事案」については、自ら事業者に対する措置をとる」と書いておられます。ですから、ぜひ、国土交通省としっかりと連携して進めていただきたいのです。

 最後に、国土交通省、こういう話でありますから、しっかり検討、研究してこういう問題を何とかするという点で、ぜひ決意を語っていただきたいと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 先ほど、登録制度では弱いのではないかというお話もいただきましたけれども、まだ制度発足から一年ちょっとでございますので、そういったものの運用状況を見ながら、しっかり、適正な運用に努めてまいりたいと思います。

 また、事案等をよく勉強いたしまして、消費者庁とも連携をとって、さらに検討を進めてまいりたいと思います。

宮本分科員 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

岩屋主査 これにて宮本岳志君の質疑は終了いたしました。大変お疲れさまでございました。

 これにて本分科会の審査は全て終了いたしました。

 この際、一言御挨拶申し上げます。

 分科員各位、特に、衛藤先生、船田先生、それから宮本先生、そして大塚先生、長い時間御協力をいただきまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。

 これにて散会いたします。

    午後八時十八分散会


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