衆議院

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第1号 平成16年3月1日(月曜日)

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本分科会は平成十六年二月二十五日(水曜日)委員会において、設置することに決した。

二月二十七日

 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。

      杉浦 正健君    丹羽 雄哉君

      萩野 浩基君    海江田万里君

      河村たかし君    石田 祝稔君

二月二十七日

 杉浦正健君が委員長の指名で、主査に選任された。

平成十六年三月一日(月曜日)

    午前十時三十分開議

 出席分科員

   主査 杉浦 正健君

      西銘恒三郎君    萩野 浩基君

      森岡 正宏君    泉  健太君

      海江田万里君    古本伸一郎君

      室井 邦彦君    笠  浩史君

      石田 祝稔君

   兼務 玉沢徳一郎君 兼務 町村 信孝君

   兼務 加藤 尚彦君 兼務 藤田 一枝君

   兼務 東門美津子君

    …………………………………

   外務大臣         川口 順子君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   財務副大臣        山本 有二君

   総務大臣政務官      平沢 勝栄君

   外務大臣政務官      田中 和徳君

   財務大臣政務官      七条  明君

   政府参考人

   (金融庁検査局長)    佐藤 隆文君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    五味 廣文君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)  高部 正男君

   政府参考人

   (総務省郵政行政局長)  清水 英雄君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 西宮 伸一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 長嶺 安政君

   政府参考人

   (外務省大臣官房文化交流部長)  近藤 誠一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房領事移住部長)  鹿取 克章君

   政府参考人

   (外務省総合外交政策局国際社会協力部長)  石川  薫君

   政府参考人

   (外務省アジア大洋州局長)  薮中三十二君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    海老原 紳君

   政府参考人

   (外務省欧州局長)    小松 一郎君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)  堂道 秀明君

   政府参考人

   (外務省国際情報局長)  小島 高明君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   佐々木豊成君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    牧野 治郎君

   政府参考人

   (海上保安庁警備救難監) 横山 鐵男君

   外務委員会専門員     原   聰君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

分科員の異動

三月一日

 辞任         補欠選任

  丹羽 雄哉君     西銘恒三郎君

  海江田万里君     室井 邦彦君

  河村たかし君     西村智奈美君

  石田 祝稔君     上田  勇君

同日

 辞任         補欠選任

  西銘恒三郎君     森岡 正宏君

  西村智奈美君     泉  健太君

  室井 邦彦君     古本伸一郎君

  上田  勇君     高木美智代君

同日

 辞任         補欠選任

  森岡 正宏君     丹羽 雄哉君

  泉  健太君     笠  浩史君

  古本伸一郎君     海江田万里君

  高木美智代君     西  博義君

同日

 辞任         補欠選任

  笠  浩史君     河村たかし君

  西  博義君     高木美智代君

同日

 辞任         補欠選任

  高木美智代君     石田 祝稔君   

同日

 第一分科員加藤尚彦君、第四分科員玉沢徳一郎君、町村信孝君、藤田一枝君及び第五分科員東門美津子君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成十六年度一般会計予算

 平成十六年度特別会計予算

 平成十六年度政府関係機関予算

 (外務省及び財務省所管)


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     ――――◇―――――

杉浦主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。

 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしくお願いいたします。

 本分科会は、法務省、外務省及び財務省所管について審査を行うことになっております。

 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。

 平成十六年度一般会計予算、平成十六年度特別会計予算及び平成十六年度政府関係機関予算中財務省所管について、政府から説明を聴取いたします。谷垣財務大臣。

谷垣国務大臣 平成十六年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。

 まず、一般会計歳入予算額は八十二兆千百九億円余となっております。

 この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は四十一兆七千四百七十億円、その他収入は三兆七千七百三十九億円余、公債金は三十六兆五千九百億円となっております。

 次に、当省所管一般会計歳出予算額は十九兆二千九百三十一億円余となっております。

 このうち主な事項について申し上げますと、国債費は十七兆五千六百八十五億円余、政府出資は二千二百四十六億円、予備費は三千五百億円となっております。

 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。

 国債整理基金特別会計におきましては、歳入百八十三兆千十三億円余、歳出百六十九兆千十三億円余となっております。

 このほか、財政融資資金等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。

 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。

 国民生活金融公庫におきましては、収入二千百三億円余、支出千五百七十八億円余となっております。

 このほか、住宅金融公庫等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。

 以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。

 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。

 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

杉浦主査 この際、お諮りいたします。

 ただいま谷垣財務大臣から申し出がありましたとおり、財務省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

杉浦主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

杉浦主査 以上をもちまして財務省所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

杉浦主査 この際、分科員各位に申し上げます。

 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。室井邦彦君。

室井分科員 まずは、一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。民主党の室井でございます。

 私は、選挙区は兵庫県の尼崎でございまして、今回、新人議員として、また、将来の総理として呼び名の高い谷垣大臣にこのような質問のチャンスをいただいて、まことに光栄でありまして、いろいろと質問させていただきますけれども、どうか誠実に、誠意ある御回答を心からお願い申し上げる次第であります。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。まず私は、国債、この件について御質問をいたしますけれども、まずは国民の視点に立った不安、このような思いから、私の思いをお話しさせていただいて、質問に入りたいと思います。

 御承知のとおり、国債発行高は、今現在、欧米諸国に比べましても際立って異常だと言わざるを得ない数字であるわけでありますが、今や地方を合わせると九百兆、このように耳にしておるわけでありますけれども、この借金をどのように返済していこうとされておるのか。私にとりましても、子や孫の代までこのようなツケを回す、このようなことはやはりできない、また責任のある立場であります。そういう角度から、またさらに、過去の最悪の国債依存度を今回も更新しておる状況であります。

 一日も早く財政の健全化を求めるわけでありますけれども、私は、国民の視点から、国債について不安に思うことをお尋ねいたします。

 そこで、大臣にお尋ねをいたしますが、既に莫大な国債を抱えている中、これから新たに発行する国債はどのようなマーケットで消化をしていこうとされておるのか、お尋ねをいたします。

谷垣国務大臣 室井委員は選挙で大変御苦労されて、今回こうして国会に出てこられまして、御一緒に議論できることを大変うれしく思っております。同じ関西でございますので、党派は違っても、またいろいろ一緒に協力をさせていただかなきゃならぬこともたくさんあると思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 そこで、今お尋ねの国債の件でございますが、この膨大なものをマーケットでどう消化していくかということでございました。

 結局、これは国債の信認をどう維持していくかということと裏表の関係になるわけでありますが、国債の信認を維持していく一番の方法というのは、やはり政府が財政規律に対してしっかりした姿勢を持っているということを常に示していくということがまず一番大事ではないかと思います。政府が財政支出に対してルーズな態度をとっておるというようなことになれば、国債の信認も維持できないということじゃないかと思います。

 その点で、今私どもがとっております基本的なスタンスは、歳出構造を改革していって、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復していくんだということを第一のいわば姿勢にしているわけでございまして、これも多くを論ずればたくさんございますけれども、それが一番基本でございます。

 そういう中で、今申し上げた、財政構造改革を推進しまして、国債に対する信認を確保しながら、中長期的なコストを抑制して、確実かつ円滑な消化を図るというのが基本的な考えでございます。去年、相当議論をいたしまして一つの方向を出しまして、市場のニーズや動向を十分に踏まえながら国債を発行するといった適切な国債管理政策に努めているところでございます。去年十二月に「国債管理政策の新たな展開」というものを公表しましたけれども、今申し上げたようなことを基本的な考え方にしているわけでございます。

 今後とも、この取りまとめに盛り込まれた考え方を踏まえまして、国債市場のインフラ整備であるとか、それから、市場に求められる国債商品の多様化を行って国債所有者の層を拡大していくというようなことを考えながら目的を達成してまいりたい、このように考えております。

室井分科員 確かに景気の回復のフォローが、追い風が吹けばまた非常に回復も早い、このように思うわけでありますけれども、これから新たな厳しい局面を迎えていくと思います。この国債に関しましても、国民の不安を一日でも早く取り除き、今お話を聞きましたけれども、将来にしっかりとした展望が開けるように、どうか今後ともの御努力をお願い申し上げたいと思います。

 次に、先ほどの質問と少し重複をいたしますけれども、今後、国債の借りかえが山場を迎えておる。今お話の中にもありましたけれども、二〇〇八年問題、このような表現もされておるわけでありますけれども、現時点ではどのように対処されていくのか、もう一度、その部分について、お考えを御質問したいと思います。

谷垣国務大臣 今室井委員がおっしゃいました平成二十年度、二〇〇八年問題、ここに十年物の国債を中心とした満期が集中しているわけでありまして、ここをどうスムーズに乗り越えていくかということは、国債管理政策の一つの中心的な課題でもございます。

 そこで、やはり、ここに集中しているのを緩和していかなきゃいけない。毎年度の国債発行額を、どこかに満期が集中するようなことから、できるだけ平準化していくということが国債管理を安定的にしていく上では大事なことではないかと考えておりまして、今おっしゃった平成二十年度に償還を迎える国債につきましては、十四年度から買い入れして消却を行うということをやっております。平成十六年度は、二兆円買い入れ消却を予定しております。

 ちょっとその前に戻りますと、答弁の順序があれして申しわけないんですが、平成十年度十年債発行の満期額が来ますのが四十・六兆ということでございます。

 平成十四年度から始めまして、ことしは、ですから二兆円買い入れ消却を計画しておりますが、いずれにせよ、こういう国債の大量発行が続く中で財政構造改革を推進して、国債に対する信認を確保して、先ほど申し上げたような姿勢で臨んでまいりたい、こう考えております。

室井分科員 次に、小泉首相は、今大臣からもお言葉がございましたけれども、プライマリーバランス、この赤字、均衡回復を二〇一〇年初頭に果たすんだ、このようなことを表現されたわけであります。その観点から考えますと、小泉政権以前の水準より現在の水準の方が悪化をしておるということであるにもかかわらず、そのような発言をされておるわけでありますけれども、私にはどうしてもその部分に対して理解することができないわけでありまして、鮮明な大臣のまたお考えをお聞かせいただければ幸いであります。

谷垣国務大臣 確かに、今委員が指摘されましたように、こういう公債発行依存度といいますか、あるいはどれだけ、毎年の予算の中でいただいている税金の割合がどうかというようなことは、年々悪化をしてきまして、ことしは四百八十三兆、本年度末で公債残高があるというような非常に厳しい現実がございます。

 これは、どうしてこういうことになったのかというのは、やはりいろいろな分析があり得ると思いますけれども、バブル崩壊後の日本の経済の低迷状態を打破するためにいろいろ国債を発行して逐次の経済対策を打ってきた、それはプラスに働いた部分ももちろんあったと思いますが、同時にこういうツケとなって残って、それも一種の体質になっている、それを何とか脱却していかなきゃいけない。

 二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復するということは、要するに、そのときにいただいた税金でその年の政策は賄っていこう。つまり、その年にやる政策は次世代にツケを残さないでおこうというのがプライマリーバランスを回復するということで、本来からいえば当たり前の、極めてモデストな目標でございます。

 しかし、そこを達成しても、それはそのときのお金でそのときの政策をやるというだけの話で、膨大な国債は残っているわけでありますから、それをどうするかという問題は別個にあるわけでありますけれども、とにかくプライマリーバランスをこれから二〇一〇年代初頭をにらんで回復していくというのはその第一歩であろう、そういうまず常識的なことを達成しようということではないかと思います。

 しからば、それをどうやってやっていくかということになるわけでありますが、平成十六年度予算では、一般会計歳出及び一般歳出を実質的に前年度の水準以下に抑制して、そして、しかし歳出についてはめり張りをつけた歳出を考えた、そういうことで、いわゆるプライマリーバランスということでは昨年より若干改善をすることができて、一定の手がかりはつかめたというふうに思っているわけでありますが、まだ任重くして道遠しということで、いろいろな脆弱性もはらんだ日本の財政構造でございます。持続的な財政構造の改革に向けて、歳出改革を一生懸命やる、それから、民需主導の持続的な経済成長を図っていく、この二つの目的のために力の限りやらせていただきたい、こんなふうに考えているところでございます。

室井分科員 なるほど、大臣のお考えは大臣なりに、まあ私は理解をしたつもりでおりますけれども、しかし、小泉さんが二〇一〇年の初頭までということをはっきりと表現されておられますけれども、小泉さん特有の、総理特有のパフォーマンスではないのかな。二〇一〇年まで小泉政権が続いておればそれでいいのかもわかりませんけれども、どうも私には、パフォーマンス性が強い、このような小泉さんの発言だというふうにしかとらえることができません。しかし、国民のために今後ともさらなる、また大臣に対しましては努力をしていただきたく、お務めをお願い申し上げたく思っております。

 次に移りますけれども、私は今、この長期の不況が続いておる中、御商売をされている方、中小零細企業の経営者の方々も、血の出るような思いで毎日を生活し、また、経営に努力をして汗をかいておるわけであります。その大切な税金、血税でありますけれども、その税金の使い道が、どのように金融関係で公的投資をされ、また、行政監督が行われているか。このことについて、私も地元であります、この公的投資を受けた金融機関に非常にある疑問を感じているところがございます。その部分を今から大臣に、また関係者にお尋ねをして、明快なる御指導、お答えをいただきたく思っております。

 公的資金を受けた金融機関に対して、その後どのような監視を行っているのか。破綻行、健全行という表現が合致しているのかどうかわかりませんけれども、その部分を二つに分けて、大まかで結構でございますので、ぜひ御説明をお願い申し上げます。

五味政府参考人 お説のように、公的資金が注入されます銀行には、早期健全化法に基づきまして資本として国のお金が入る、こうした銀行と、それから、破綻金融機関を救済する受け皿となるということで、預金全額保護のために、預金者に迷惑をかけないという意味で、受け皿金融機関にその足らざる分、すなわち債務超過分になっている部分をロス埋めとして金銭贈与をしていく、この二通りがございます。

 まず、国が銀行の健全化のために資本を注入していったケース、こういったケースにつきましては、経営の健全化計画というものを御提出いただきまして、この健全化計画を一般に公表する。さらには、その履行状況について当局へ報告をいただき、この報告を当局が公表するといったような形で、いわば公的資金注入の際に国民に対して、その公的資金の回収を確実にするためにこうした目標で、あるいはこうした計画でやってまいりますということのその実行の度合いというものをパブリックプレッシャーにかけていく、こういうやり方をとっております。

 もう一方で、破綻をいたしました金融機関、これにつきまして、預金を全額保護するために金銭贈与を受け皿金融機関に行ったといったようなケースにつきましては、この受け皿金融機関自身は健全金融機関でございますから、他の金融機関の監督と同様に、この受け皿金融機関が健全な経営を維持していくということが行われているかどうか、これを日々の監督あるいは検査で確認していくということで行っております。

 もちろん、その中には、破綻をいたしました金融機関から引き継ぎました業務、こうしたものも、特に適切に行われているかどうかということを確認するようにいたしております。もし、そうした点で不健全あるいは問題があるといったような点がございますれば、これについて、その程度あるいは原因に応じまして適切に指導監督をしてまいる、こういうやり方をとっております。

室井分科員 それでは、私は先ほど申し上げましたように兵庫県でございますけれども、近畿の地元の銀行で近畿産業信用組合、こういう銀行があるわけでありますけれども、ここに公的投資をどのくらいされたのかお聞きをいたします。

五味政府参考人 近畿産業信用組合は、これまで破綻をいたしました三つの信用組合の救済機関ということで、事業の一部の譲り受けを受けております。その際に、預金保険機構から、資金援助の一環といたしまして、合計で八千六百六十九億円の金銭贈与が行われております。したがいまして、これは公的な資本参加ということではなくて、預金者の皆様に御迷惑がかからないように、預金が全額払い戻せるようにということで投入をされました金銭贈与でございます。

室井分科員 多くの投資家に迷惑をかけ、また巨額な公的資金を受けておる。今お聞きいたしますと八千六百六十九億円、まさに国民の血税であるわけであります。そういう中で、この近畿産業信用組合は、法令遵守違反もしくは背任行為とも受け取られかねない内容が次々と大手のマスコミに取り上げられて、報道をされておるわけでありまして、平成十四年、平成十五年、続いてでありますけれども、非常に私は疑問を感じ、不信を感じておるわけであります。

 この近畿産業信用組合の青木会長、ファミリー企業への無担保な情実融資、十七億円無担保保証融資、誤解を招くなら十億円返済しよう、このような記事が出ておるわけでありますけれども、我々関西人にいたしましては、もうこのような問題、うわさがちまたに広がり、また興銀の二の舞になるんじゃないのかという不安が非常にあるわけであります。

 ここに細かな、いろいろとその例がありますけれども、時間の関係もございますので少し割愛をさせていただきますけれども、多くの身内が役員に入っている、このようなことも聞きます。こういう中で、我々国民の大切な税金が水の泡にならないように、何とか我々は興銀の二の舞を踏まないように願うわけであります。

 こういう観点から、これが本当に事実であれば、ここに幾つかの記事がございますけれども、御存じだと思いますけれども、大手マスコミ、産経、朝日、読売、すべてのそういう新聞社が取り上げておるわけでありますけれども、まさかこれは事実無根の記事を書いておるわけじゃないと思います。そういう面で、金融庁のお考え、また今の経過を、御報告をできる範囲でぜひお知らせをしていただきたいと思います。

五味政府参考人 今先生御指摘いただきましたような報道がなされておるということについては承知はいたしております。ただ、御指摘の報道はそのものとして承知はいたしておりますけれども、個別特定の金融機関の個別の商取引、金融取引にかかわる話でございますので、これについて当局側からそのコメントをするということは、これは差し控える必要があると存じます。

 一般論で申しますと、融資を行うに当たりましては、当然のことでございますけれども、その融資の返済の可能性ということをしかるべき手続で金融機関の中で御審査をしていただき、そして、それがある程度巨額のものであるなら、それに応じた行内の決まりに従う手順をとっていただくというような、いわゆるリスク管理というものを適正に行っていただくことが必要であるというのが私どもの考え方でございます。

 個々の取引については申し上げかねますけれども、もし金融機関の経営上問題があるというようなことがございますれば、これは検査監督を通じましてその是正を求めるということで、従来から法令に基づいて厳正に対処してきております。一般論ではございますけれども、そうした形で検査監督で不適切な経営が行われないように監視をしておる、こういうことでございます。

室井分科員 多少前後するわけでありますけれども、信用組合法でも書かれておりますけれども、兼業というものに対して、これは禁じられておるわけでありますけれども、関西人なら皆様方御承知のとおり、MKタクシー、これは彼が実質経営しておるというのはもう関西人なら皆承知しているわけであります。ですから、これは実質兼業に当たるのでないのか、このように私は判断し、見ておるわけであります。時間がございませんので、その部分はそのような表現で御記憶をしていただければ幸いかと思います。

 実は、昨年の五月から七月、近畿財務局がこの検査に入っておるわけでありまして、そのように仄聞をしております。一年近くたっておるにもかかわらず、その後、何の行政指導もない、示達もないということも聞いておるわけでありますけれども、その点について御報告をしていただければ。お願いいたします。

佐藤政府参考人 近畿産業信用組合に対する検査でございますけれども、御指摘のとおり、近畿財務局が昨年の五月十二日から六月二十三日までの間、立ち入りをいたしております。現在、この立ち入りの結果の内容につきまして審査を行っておるところでございます。

室井分科員 私は素人でありますので、随分長くかかっておるんだな、何かの圧力がかかっているのかなと、ついついこのような余計なことも考えてしまうわけでありますけれども、一つの例をとりますと、平成十五年十一月に、十一月か十二月ですか、ミレ信用組合に監査、調査が入って、即刻その理事長が、一応病気ということで辞任されておるんですよ。こういう例がある中で、この近畿産業信用組合は随分時間がかかっておるんだな、ひょっとすれば何か圧力でもかかっておるのかな、私はこのように疑わざるを得ないという心境であるのですけれども、地元であります、この件につきましても、今後いろいろと調査、まだ私なりの資料を豊富に持っておるわけでありますけれども、ぜひ、もう一度、そのミレ信用組合、やはりこういう不平等性があってはいけない。もう一度、監査また行政指導、なぜこれだけの時間の差があるのか、お教えをいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 立ち入り終了いたしましてから結果通知をするまでの期間でございますけれども、信用組合の場合、三、四カ月というのが平均でございますので、本件に関しまして、やや長目になっているというのは事実でございます。

 個別の金融機関に対する検査につきまして、内容とか取り運び方につきましてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論といたしまして、立ち入りを終了いたしましてから検査結果通知までに、立入検査で指摘いたしました、あるいは発見してまいりました内容について、その正確性、合理性等についてさまざまな観点から精査を行うということが必要でございまして、その期間を経て最終的な結果通知に至るということでございまして、今現在、その作業に取り組んでおるというところでございます。

 それからまた、一般論でございますけれども、外部からの圧力によって検査の運び方あるいは検査結果の内容が影響を受けるということはございません。

室井分科員 安心をいたしましたけれども、まさか示達そのものがないというようなことはないと思いますけれども、やはり我々国民の貴重な、今お話を聞きますと八千六百六十九億円の大切な国民の税金が投下されておる。この件につきましても、今後、国民が金融機関に信頼を取り戻し、また、特に関西興銀のような、我々、近畿、関西では例がございました。二度とこのようなことがないように、しっかりとした行政指導を心からお願い申し上げまして、時間でございますので、終了させていただきます。

杉浦主査 これにて室井邦彦君の質疑は終了いたしました。

 正午に本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時一分休憩

     ――――◇―――――

    正午開議

萩野主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。

 主査の指名により、私が主査の職務を行います。

 外務省所管について政府から説明を聴取いたします。川口外務大臣。

川口国務大臣 平成十六年度外務省所管一般会計予算の概要について御説明申し上げます。

 外務省予算の総額は七千二百十二億二千六百万円であり、これを平成十五年度予算と比較いたしますと、百四十六億円の減額であり、二・〇%の減となっております。我が国外交の極めて重要な手段であるODA予算につきましては、政府全体でのODA予算が対前年度比四・八%減となる中で、外務省のODA予算は、対前年度比三・二%減の五千億六千五百万円となっております。

 我が国は、グローバル化の進展する国際社会の中で、我が国の安全と繁栄を確保するためにも、世界の平和と発展に向け日本としての役割を果たすべく、引き続き積極的な外交を推進する必要があります。

 このような観点から、平成十六年度予算においては、重点外交施策を能動的かつ戦略的に実施するための措置、たゆまぬODA改革及び外交実施体制の強化の三点を重点事項として挙げております。

 まず、重点外交施策を能動的かつ戦略的に実施するための措置に関する予算について申し上げます。

 この重点事項は、国家国民の安全の確保、国際の平和と安全のための日本発外交、豊かな世界と日本の繁栄のための外交、そして、連帯と共感を目指した文化外交の四本の柱で構成されています。

 第一に、国家国民の安全の確保につきましては、具体的には、北朝鮮をめぐる問題への取り組み、海外邦人の安全確保、危機管理体制の強化等のための経費に、総額二百六十億円を計上しております。この中には、在外公館警備体制強化のための経費七十九億円が含まれております。

 第二に、国際の平和と安全のための日本発外交の推進につきましては、イラクやアフガニスタンを初めとする平和の構築、定着の推進、大量破壊兵器等の不拡散、脅威削減への取り組み等のための経費に、総額七百六十六億円を計上しております。なお、この項目に関連して、イラク復興支援経費として一千百八十八億円を平成十五年度補正予算に計上し、先般、国会にて御承認いただいたところです。

 第三に、豊かな世界と日本の繁栄のための外交の推進につきましては、WTOやFTAなど重層的な貿易、経済関係の構築や、貧困削減への取り組み、人間の安全保障の推進等のための経費に、総額九百六十一億円を計上しております。

 第四に、連帯と共感を目指した文化外交の推進につきましては、特に、韓国、中国、アラブ・イスラム世界との対話、交流を強化するための経費に、総額百八十八億円を計上しております。

 次に、たゆまぬODA改革に関する予算について申し上げます。

 政府としましては、昨年八月に改定されたODA大綱に盛り込まれたODA改革を着実に実施したいと考えております。このため、援助政策の立案及び実施体制の強化、国民参加の拡大、評価や監査の充実など、昨年度来強力に推進しているODA改革をたゆみなく実施するための経費として、総額五十五億円を計上しております。

 最後に、外交実施体制の強化に関する予算について申し上げます。

 この重点事項には、外務省改革のための行動計画を中心とする本省及び在外の組織機構面での改革の実現、必要な人員の確保、在外公館の勤務環境の改善が含まれています。

 第一に、本省の機構につきましては、昨年三月に発表した外務省機構改革最終報告に基づき、能動的、戦略的な外交を展開する体制を構築するため、海外における日本人の安全確保強化のための領事移住部の領事局への格上げ、情報収集・分析能力の強化のための国際情報統括官の新設、危機管理体制の整備のための危機管理担当の参事官等の新設等を予定しております。また、在外公館については、在アンゴラ大使館、在重慶総領事館、在カルガリー総領事館の新設等を予定しております。

 第二に、定員につきましては、警備対策官十九名及び領事・査証担当官二十一名を含む百名の増員を図り、平成十六年度末の外務省予算定員を合計五千四百十四名とすることを予定しております。

 第三に、在外職員が在外公館において勤務するのに必要な諸経費の充当と不健康地で勤務する在外職員の勤務環境改善のための諸施策の実施のための経費に、総額二百九十四億円を計上しております。

 以上が、平成十六年度外務省所管一般会計予算の概要であります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

 なお、時間の関係もございますので、詳細につきましてはお手元に「国会に対する予算説明」を配付させていただきましたので、主査におかれまして、これが会議録に掲載されますようお取り計らいをお願い申し上げます。

 以上です。

萩野主査代理 この際、お諮りいたします。

 ただいま川口外務大臣から申し出がありましたとおり、外務省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

萩野主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

萩野主査代理 以上をもちまして外務省所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

萩野主査代理 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西銘恒三郎君。

西銘分科員 自由民主党の西銘恒三郎でございます。

 予算委員会の質疑も分科会へ入り、いよいよ大詰めになったかなと思っております。お昼休みも質疑をするのかと、初めての経験で戸惑っておりますけれども、大臣以下スタッフの皆さんは、本当に連日連夜と申しますか、御答弁、大変御苦労さまでございます。心から敬意を表しまして、質疑をしてみたいと思います。

 今回は、特に日米安保条約のもとでの地位協定について質疑を集中してまいりたいと思いますけれども、まず初めに、私は、政治の根幹は安全保障であると考えております。すなわち、武力紛争のない状態を可能な限り長続き、永続させることにあるのかなと思っております。その大前提としましては、人類の歴史を見てわかるように、武力紛争の繰り返しがある意味では歴史の一つの側面だと思っておりますので、この歴史の現実を大前提として認識をして、政治の根幹は安全保障にあると考えております。

 そこで、まず最初に、外務大臣、外交関係を所管する外務省の最高責任者として、それでは外交の真髄は、どのようにお考えでしょうか、伺いたいと思います。

川口国務大臣 大変に広い、そして深い御質問を最初からいただきまして、どのようにお答えしようかなと思っておりますけれども、委員がおっしゃった政治の根幹は安全保障である、私も、外交の一番核の部分、しんの部分というのは我が国の安全保障をいかに守るかということであるというふうに思っております。

 日本の外交の目的は何ですかというふうに聞かれましたときに私が通常申し上げておりますのは、それは日本の平和、日本の繁栄、平和、安全、そして繁栄、これを守るために外交というのは、外交だけで全部守り切れるわけではありませんけれども、そのために、それが外交の目的であるということを申し上げているわけです。そして、日本の置かれた世界における位置、これは地理的な位置も含みますが、経済力の大きさですとか日本という国のあり方からいって、それと表裏一体をなす部分というのが国際社会の平和、安全、発展、繁栄といったことであると思います。

 日本は、資源も乏しく、面積からいえば非常に小さな国であります。そういった国が、一億二千万の人口を持ち、発展をし、繁栄をし、平和であるためには、国際社会が平和であって繁栄をしている状況でなければ日本の平和、安全、繁栄は守ることができないということであると思います。したがいまして、表裏一体というふうに今申し上げているわけであります。

 その中で、日本にとって、先ほど言いましたようにやはり一番根っこの部分というのは、安全保障をどうやって守るかということであって、そのために、日本はある水準の防衛力をみずから持ち、そしてアメリカとの間で日米安全保障条約を結び、それで外交力を使いながらそれを確保しているということであります。そういう意味で日本にとって重要なのが、特に重要なのが、近隣の諸国、アジアの諸国、中国、ASEAN、そしてロシア、韓国といったような国々であるというふうに思います。

 それから、広く国際社会が安定をしていっているということでいえば、今二十一世紀、冷戦終了後の世界の課題というのが、核のあるいは大量破壊兵器の拡散であったり、テロリスト、今の我が国が、冷戦時代に持っていたような抑止力を使う、それが必ずしも効果を発揮しない可能性のあるテロリストの暗躍であったりするわけですから、そういった問題への取り組みということが重要であると思っています。

 そこで、それから広く国際社会がそういった現状に不満な人たちを生み出さないという意味では、貧困を削減するとか、そういった感染症をなくしていくとか、あるいは相互の理解を深めていくために文化交流であったり教育の交流であったり、そういったことも必要であるというふうに思います。

 ですから、一番最初の大きな問題、骨格、ざっとそういうことで、それが外交ということで、今我々としてやらなければいけないことだと私が考えているということでございますけれども、一番根っこのところは安全をどうやって守っていくか、安全保障の問題であるという意味で、委員がおっしゃっていることと私も同じ意見でございます。

西銘分科員 大臣の率直な見解が伺えてありがたく思っております。

 それでは、我が国の基本法たる日本国憲法と安保条約、言いかえれば国際法と日本国憲法の法制上の位置づけと申しますかをお聞きしたいんですが、私の地元の沖縄県におきまして、米軍人の犯罪が多発をしております。特に最近はそれがふえているような傾向にありますけれども、現場の感情といいますか感覚として、日米安保条約に基づく地位協定と日本国憲法との兼ね合いというところで考えさせられたりする場面があります。

 まずもって日本国憲法と安保条約の法制上の位置づけ、国際法と日本国憲法という観点で考えていいと思いますけれども、それを大臣はどのように考えていますか。いずれの考え方もあろうかと思いますけれども、大臣の基本的な考え方、憲法優位説、国際法優位説、いろいろあると思いますが、大臣のお考えを聞かせてください。

川口国務大臣 これは私の個人の意見というふうにお聞きでいらっしゃいますが、基本的に日本としてどういうふうに今まで考えているかということで、かなり固まったものがあると私は思っております。

 それで、それは、答えの方を先に申し上げてしまえば、一般には条約に憲法が優先をするという考え方、憲法が条約に優位であるという考え方であると思います。

 それは、なぜそうか、なぜそのような整理になるかということですけれども、憲法と条約との関係ということで考えますと、国務大臣というのは憲法を尊重する義務を負っているということであります。そういうことですから、その国務大臣が構成をしている内閣が、憲法に合わない、憲法に違反をする条約、それを結ぶということはおかしいという考え方であると思います。

 それから、条約締結の手続というのは憲法を改正する手続それよりも簡単で、より簡易であるということでございますので、考え方としては憲法が条約に優位するということであるというふうに私は考えます。

西銘分科員 私は、もう戦後五十八年といいますか、これぐらいの時代が、歴史が流れてみますと、今、衆参の両院の中にも憲法調査会というのが出てきておりますし、また、私どもの自由民主党の中にも憲法改正の議論が出てきております。そういう意味では、日本国憲法、二十一世紀の日本国憲法のあり方を議論する時代に入ったなと。

 と同時に、国際社会の中で極めて重要な二国間関係であると言われております日米の関係のあり方、すなわち安保条約のあり方も含めて考えないといけない時代になったのかなと個人的には思っておりますが、この辺の時代認識を背景に置きまして、地位協定の問題に質疑を集中していきたいと思います。

 先日、沖縄県の方から外務省に対しまして、「日米地位協定の考え方」という文書を提供してほしいという申し入れがあったと思うんですが、その点について、提供できないというお答えがあったように聞いておりますが、その辺の事情を御説明していただきたいと思います。

海老原政府参考人 お答えいたします。

 そもそもは、琉球新報によりましてこの地位協定の考え方というものが最近報道をされたということがございまして、それを受けまして、照屋寛徳議員の方から質問主意書が提出をされました。それに対する答弁の中で、地位協定の考え方そのものは保有はしていないけれども、その増補版と言われているものに該当するものは保有しているということをお答えしたわけでございます。

 それを受けまして、県の方から、そういう増補版に該当するものというものであれば、それを提出してほしいということがありまして、それに対しまして私どもがお答えをいたしましたのは、この内容の中に、そもそも日米間の外交上のやりとりなどが含まれておりますし、そもそもこの文書そのものが部内の考え方というものを記述しているということから、これを明らかにいたしますと米国との交渉上不利益をこうむるおそれがある、また、米国との信頼関係が損なわれるおそれがあるということがございますので、文書を県の方にもお渡しすることは差し控えさせていただきたいというお答えをさせていただいたわけでございます。

西銘分科員 私は、二十一世紀の日米関係のあり方、あるいは、これほどまでに密接にといいますか、歴史を積み上げてきた日米関係というものが、こういう情報を公開することによって崩れるようなやわなものではないと思っております。

 これは、局長はこういうこと、この文書を公開すると日米関係、信頼を損ねるというようなお考えでしょうか。

海老原政府参考人 先ほど、信頼関係を損なうおそれがあるというお話と同時に、米国との交渉上不利益をこうむるおそれということを申し上げましたけれども、御案内のとおり、地位協定につきましては、特に日米合同委員会の場におきまして、それこそ日常的に米側との間でいろいろな細かいやりとり、それを交渉と言ってもよいと思いますけれども、やっているわけでございます。

 その交渉に関連した部分が、この考え方の増補版と言われるもの、この中に書いてある部分があるものですから、それで、米側との交渉に当たりまして不利益をこうむらないようにというところ、その方が我々がこの文書を公表できない理由としては大きいというふうに我々は考えております。

 信頼が損なわれるかどうかというのは、これはなかなか一概には申し上げられないことでございますけれども、そういう部分も、一部ではございますけれどもあるのではないかというふうに考えております。

西銘分科員 この問題はこれ以上突っ込むことはきょうは差し控えておきますが、地位協定の中で、環境問題の視点でちょっと質疑を深めてみたいと思います。

 いわゆる第三条の管理権というのがありますけれども、地位協定全体二十八条の中で、環境問題についての明文化された規定は私が見る限りないんでありますが、例えば、県内ではこういう現象が起こっております。返還された跡地からPCBが出てきたり、あるいは六価クロム、あるいは発がん性のある、いわゆる有害物質が出てきたりするんであります。

 基地の中でそういうものが発見された場合、今の地位協定の条文の中で、我が国の政府やあるいは地元の自治体の関係者が米軍と一緒になって検査、立ち入りをできるという規定が地位協定二十八条の中にありますでしょうか。その辺のところを説明してください。

海老原政府参考人 今、西銘委員がおっしゃいましたように、三条で米軍は施設・区域に対して管理権を有しております。

 ただ、管理権とは申しましても、施設・区域における活動に当たりましては公共の安全に妥当な考慮を払わなければならないということも規定されております。これは十六条の方におきましても、いわゆる国内法の尊重義務というのがございます。

 詳しくは申し上げませんけれども、それを受けました形で、二〇〇〇年に環境原則に関する共同発表というのを日米で、いわゆるこれは運用の改善でございますけれども取り決めておりまして、それに基づきまして、例えばPCB等の作業部会を立ち上げる、あるいは、そもそもJEGSというのがございまして、これは在日米軍の環境管理基準でございますけれども、これの見直し等についてもやっておるということでございます。

 そこで、立ち入りでございますけれども、これも、今委員がおっしゃいましたように協定上の明文の規定はございません。

 ただ、そもそも施設・区域の立ち入りにつきましては、九六年に施設・区域への立ち入り許可手続に関する日米合同委員会合意というのがございまして、これの所要の手続を経て米側と調整の上で立ち入りが認められるということになっております。今御質問のありましたような、地方公共団体が環境調査を目的としまして施設・区域へ立ち入りしたいという場合にも、この手続を経ることになっております。

 例えば、一例を申し上げますと、二〇〇三年、昨年の三月には、嘉手納飛行場におきまして、沖縄県によります松くい虫防除に関する状況確認作業が行われております。もう一つだけ例を申させていただきますと、二〇〇一年の四月には、キャンプ瑞慶覧の油漏れにより、わき水が異臭を放ったという事例がございますけれども、この場合にも関係の自治体が汚染現場に立ち入って視察を行っているということで、その他、例もほかにもいろいろとございます。

 このような形で、やはりこの環境原則に基づいた運用改善の一環ということで、環境問題についても地方自治体の立ち入りがかなり認められているということだと思います。

西銘分科員 大臣に率直に伺いたいんですが、今、局長の答弁を聞いていても、法体系からすると、日本国憲法、日米安保条約、地位協定そして合同委員会。ある意味では、合同委員会は、さまざまな細かい事例の、判例の積み上げという認識でいいのかなと私は思っております。

 この判例の積み上げを、数多くある中で、日米地位協定二十八条の中に明文化はされていないけれども運用で、合同委員会のいろんな事例で対応は可能になっている。ですけれども、これが判例として合同委員会の取り決めで実際に行われているのであれば、地位協定の中に環境問題の条項を明文化するという姿勢が我が国から出てきて当然いいものと私は考えております。

 基地内の中で、米軍人軍属の家族を含めて健康を害するような有害物質を、政府、地元の自治体、立入調査をして取り除いていく。費用はアメリカ、日米どっちが持つかは別にしましても、こういうことを積極的に取り入れていく方が、軍人軍属の健康にもいいし、あるいは周辺の地域の住民にとってもいいんだというような視点があっていいものと考えております。

 そういう意味では、環境の条項を、これまでの合同委員会の積み上げの中で十分取り入れられる点があれば二十八条の中に修正、明文化していくという姿勢が政治として出てきてもいいものと考えておりますが、大臣、その辺はいかがでしょうか。

川口国務大臣 環境問題について、これは先ほど局長が申し上げたようないろいろな取り組みが日米間で行われて、その結果として幾つかの積み重ねというのができてきているわけです。

 環境問題については、これは日本国民の関心、沖縄県民の方、近くにいらっしゃる方はもちろんのことですけれども、日本国民全体としても関心がありますし、また、米軍も環境問題の必要性についてはきちんと認識をして取り組んでいるというふうに思います。

 そういった取り組みを今後も引き続き積み重ねていく、いろんな問題が起こり得ると思いますので、そういった問題が起こるということについて対応を続けていくということは非常に大事であるというふうに思っています。

 それで、そうやって積み上がった環境問題について、それを日米の地位協定の改正という形でそれを取り組んだらどうだろうかという御意見というふうに思いますけれども、地位協定の改定、環境問題一つに限定をしたとしてもこれは改定ということになるわけだと思いますが、地位協定の改定、改正の政府の立場といいますのは、これは今まで何回か申し上げてまいりましたように、いろいろなその時々の問題があるわけでして、大事なことはそれに迅速に対応をしていくということであるというふうに思っております。

 それで、その意味では、運用の改善を積み重ねていくということが重要であるということが今の政府の考え方でございまして、それで十分でない場合に、それは協定の改正も視野に入れるということでございます。

西銘分科員 従来の答弁の域を出ていないと思うんですけれども、同じように刑事訴訟の身柄拘束に関しましても運用で改善がなされているという答弁でありますけれども、実際に地元の県警側からすると、起訴前に身柄を要求している事例が私の知る限り十九件あって、一件しかこたえていない。地元の警察は県民感情をわかるものですから、起訴前に身柄を欲しいというものは要求する、あるいは瑣末なといいますか、小さな事件は要求しない。

 合同委員会の話し合いの中で、明らかに十七条五項の(c)項、この規定に違反する事例が運用で出てきていると私は見ております。十七条五項(c)が仮に削除されたら、(a)項で、日米両国で話し合って、身柄の問題が十分に運用でできるというのであれば理解はできるんですけれども、どうも十七条五項(c)という明文化された規定があるために、今現在は合同委員会で、あるいは話し合いで、米側の好意に基づいて身柄を起訴前に渡すというような事例が出てきておりますけれども、十七条五項(c)を削除することによって、運用の見直しあるいは話し合いでというのが法制上も生きてくるのではないかと私は考えております。

 そう簡単に日米間で決着がつく問題とは思いませんけれども、合同委員会の積み上げ、判例の積み上げと一条、二条、規定された明文化との関係で、私は起訴前の身柄引き渡しを拒否している十七条五項(c)を削除することは、むしろその方が日米関係の、二十一世紀の信頼ある本当に重要な二国間関係としてはあり得べき姿ではないかと思っております。大臣、その辺のところ最後に、もう時間がなくて残念ではありますが、その辺の答弁をお聞きしたいと思います。

川口国務大臣 十七条第五項の(c)でございますけれども、それについて、今ある規定というのは、ほぼNATOの規定、ほぼといいますかNATOの地位協定の規定と同じようなものになっているわけでございます。それで、十七条の五項の(a)、これは……(発言する者あり)そうですね、両国で相互協力を定めているということでございます。

 それで、その二つの関係でございますけれども、身柄の引き渡しについて、裁判権を行使すべき当局への引き渡しについての協力があるわけですけれども、日本側が裁判権を行使すべき被疑者、これが米軍人または軍属の場合であって、それらの者の身柄が米側の手中にある場合については十七条の五項の(c)ということになっているわけです。すなわち、身柄が米側にある場合には米側が起訴時まで拘禁を行うということが原則であるということであって、それについて、御案内のように運用改善ということで、五項の、殺人、強姦といった犯罪で我が国が重大な関心を持つものについては起訴前の拘禁移転の要請を可能にするということで、日米合同委員会の合意ができたということでございます。

 政府としては、今後、この合意の適切な運用、これをやっていくということで、米側と協議を行っていきたいというふうに考えております。

西銘分科員 終わります。

萩野主査代理 これにて西銘恒三郎君の質疑は終了いたしました。

 次に、泉健太君。

泉(健)分科員 それでは、質問をさせていただきたいと思います。

 本日は、大変お忙しい中、外務大臣を初めとして皆様にお越しをいただきまして感謝を申し上げたいと思います。そしてまた、私も初当選をさせていただいた一人として、この分科会というものがただ単なる慣例上開かれるというものではなくして、やはりこの分科会でのさまざまな討論が実を結んでいくということを望む一人でもあります。そういった意味でぜひとも、これからさせていただく質問についてこれからそれぞれのところで御検討いただき、また取り組めるものについては取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 きょうは、こうして目の前で外務大臣に質問させていただけることを光栄に思っております。

 私は、地元が京都でございます。この京都は、やはり観光の町、これは国内観光のみならず、世界に向けても日本の観光のリーダーとしてこれまで取り組みをしてまいりました。しかし、残念ながら、日本の観光政策というのは、これまで非常に世界各国からおくれをとってきたのではないか。特に、外国人を日本に招き入れる、訪日観光客に関して言うと、非常におくれをとってきたというふうに私は思っております。

 そういった中で、恐らく小泉総理も御認識を同じにされたんだと思います。観光立国行動計画とともにビジット・ジャパン構想、キャンペーンというものをつくられた。このこと自体は非常にすばらしいというふうに思っております。二〇一〇年までに一千万人の観光客を諸外国からお呼びしようというものでございます。

 しかし、外務大臣、何事にも期限はあります。京都で行われた地球温暖化防止会議も、二〇〇八年から一二年の間に六%、私たち日本は二酸化炭素の削減をしていかなければならない。同じように、このビジット・ジャパン・キャンペーンにしても、二〇一〇年ということで期限を定めておられるわけです。目標を明示されているわけですね。

 私たちは、今の時点でこれについてすぐ批判をするものではございませんけれども、このビジット・ジャパン・キャンペーンあるいは観光立国行動計画がようやく表に出てきたという段階での外務大臣としての御感想と、また御決意をいただきたいというふうに思います。

川口国務大臣 委員の御出身の京都は、私も大好きな町でございまして、日本の歴史が生み出した、いろいろな面で世界に誇るべき都市であるというふうに思っています。将来どこかで機会があれば、私は一年間京都に住んで四季を味わってみたいというふうに思っております。

 そのような京都や、それから全く違ったモダンな日本、あるいは地方の小さな町、そこにさまざまな日本人が住んでいるわけでして、その醸し出す総合的な多様性、そして歴史、そういったものは、世界の人々にとって大きな魅力であるというふうに思います。

 ですから、そのように目標を定めて、倍増するということで取り組んでいくということは日本が今手がけなければいけない大事なことですし、それは来ていただいた方に対して日本を理解していただくことにつながり、また経済的にも日本が潤うというメリットもあるわけでして、力を入れて取り組まなければいけない課題だと私も思っております。

 日本を訪れる人がふえればふえるほど、一部のお金持ちの人が日本に来るということではなくなって、多様な人たちが日本を訪問する、多様な日本を見ていくということであるわけですから、今まで総合的な観光のための施策が十分に行われていなかった、それでも一部の特殊な、特殊なと言ってはいけませんが、お金を持って旅行する人たちの設備はそれなりにできていたかと思いますけれども、そうでない人たちも含めて日本を見ていただけるような、総合的な取り組みが必要だと私は思っております。

泉(健)分科員 ありがとうございます。ぜひ、京都の四季も御堪能いただいて、また、そのことを世界に宣伝していただきたいというふうに思います。

 今外務大臣から御認識をいただきましたが、やはりこれはしっかりとした一つの政策として小泉総理が打ち出されているわけですから、しっかりと取り組んでいかなければなりません。

 そういう中でいいますと、こういった観光というもの、あるいは世界との交流というものは、例えばSARSの問題ですとかいろんな外的な要因によって左右をされるものがあるとは思います。しかし、このビジット・ジャパン・キャンペーンを見ていただいて、この構想全体を見ていただいたときに、この構想の達成の可能性というものは十分あるものなのか、それともある程度これはアドバルーン的なものなのかということは、我々国民の一人一人も認識をしておくべきだと思うんですね。

 日本には十分そのパワーがある、そしてこれをやらなければ逆に言えば小泉政権として失政なんだというぐらいの、それぐらいの御決意を持っていただいているものと思っております。そういった意味で、このビジット・ジャパン・キャンペーン、一千万人、この構想達成は可能だというふうに外務大臣はお考えになられますでしょうか。

川口国務大臣 私は、十分に達成可能だと思っております。

泉(健)分科員 そうですね、この構想、一応トップは石原大臣ということになるのかもしれませんが、ぜひ連帯責任で非常に取り組みを強めていただきたいというふうに思っております。

 しかし、ではそういう中でなぜ、日本のこれまでの観光政策、国内はまだいいかもしれません、あるいは国内での外国のPRというものはうまくいっている、だからこそ、日本からの観光客、外国に向けての観光客はそれなりに、千六百万人という大変大きな数になっているんだと思います。しかし、残念ながら、日本にお客さんを呼び込めない、外国人を呼び込めないということがあるわけです。

 そこで、いま一度大きな視点から、外務大臣の御私見でも結構ですけれども、観光というものが何なのか、あるいはこの日本という国がどういう特性を持っておられるのか、このことについてお伺いしたいと思います。

川口国務大臣 私は、学生時代のかなり早い時期に通訳案内業の免許を取りまして、大学時代にガイド業をアルバイトにいたしておりました。そういう意味で、日本にいらっしゃる外国人の観光のお手伝いを随分させていただきまして、観光には非常に関心を持って学生時代を過ごしてまいりました。

 それで、観光は何かということで私が今考えていますのは、人と人の触れ合いであるというふうに思っています。

 歴史的な神社仏閣、建築物、それはそれで非常に関心が皆さんおありですし興味もあります。また、美しい日本の自然というのにも、日本に観光でいらっしゃる方は関心を示される。そういうことはみんなありますし、また、私が学生だったころというのは、おすしがこんなに世界に広まっていたという時代ではございませんでしたから、それなりに、おはしを使ったりすることも目新しかったし、食べ物にも関心があったということでありますけれども、いろいろお話をしていて、やはり皆さんが一番感激をするのは、素顔の日本人と触れて、その心に触れて、それが思い出に残ることだというのが私の実感でございます。

 また、その逆に、自分自身が観光に、外国に旅行に行けるようになって、自分自身の経験を振り返ってみますと、バスに乗って物を見て、これがいつ建って、何が珍しいという説明を聞くのも非常におもしろいですけれども、やはりその国を理解したという気持ちにさせてくれるものは、その国の人たちと触れ合って、市場でおしゃべりをしたり、何か手まねで話をしたり、そういうことの、人との交流であるというふうに私は思っています。

 それが私の観光のイメージですけれども、日本に来て、それが自由にできるようになっているかというと、今でこそかなりできますけれども、言葉が違ったり、それからサインが国際的な言語でなかったりといったようなこともあって、十分にできていない。

 それから、日本は世界で有数のお金持ち国であります。ですから、ほかの多くの国から見れば、日本に来るということは非常に高いことであるわけでして、なかなか来にくい。そういう人たちに対して、先ほど多様な人が来るというふうに申しましたけれども、そういった多様な需要を持って、ニーズを持って日本の観光に来る人たちにこたえることができる多様なサービス、それが必ずしも十分に供給できていないといったような問題があると思います。

 これらは解決可能ですし、それから規制の緩和ということもできる部分があると思いますし、そういったことをやりながら、私は、日本が、今でも有名な観光国ですけれども、さらに一段と、観光といったら日本ということになれるのではないかと思っています。

泉(健)分科員 ありがとうございます。

 私は、今御認識をいただいたわけですけれども、この観光については、やはりおっしゃられたように、それぞれの相互理解、これは人と人との理解ももちろんですし、ひいては国と国の理解というものにもつながってくると思います。その意味では、観光というものが、これは平和的な安全保障の一つだというふうに思います。

 先ほどの方の御質問でもありましたが、そういった意味で、安全保障といえば、何だか、武力を整え、あるいは外交官同士の交渉事ばかりをイメージするかもしれませんが、こういった日常からの観光というものがどれだけ相互理解につながっているのかということを改めて御認識いただいて、平和的な安全保障の今後の一層の発展にもお努めをいただきたいというふうに思っております。

 そしてまた、もう一つ側面を言えば、産業なんですね。しっかりとした産業として、雇用も生む、そして非常に大きな経済効果があるわけです。

 先ほど、日本の観光について外務大臣からもお話がありましたが、残念ながら、現在のところ、国際収支でいうと毎年四兆円から三兆円近くの赤字ということにこの観光についてはなっているわけなんです。これはやはり日本にとっては非常に不利益なことであるわけでして、ただ日本は外貨を稼いでいるから外国に行って遊んでくれば何となくそれでいいんだというのではなくして、一層この観光においてもしっかりと外貨を獲得する、そういうスタンスで、ぜひ窓口である外務省の皆さんにも頑張っていただきたいというふうに思っております。

 その中で、我々野党でもありますし、幾つか問題点を指摘させていただきたいと思います。

 まず、これまでの観光政策、特に、今回は外務大臣に来ていただいていますから、外国からの観光客について、少し言及をしていきたいと思います。

 残念ながら、日本の観光の数というものは非常に少なくて、世界で三十位台なわけですね。一位がフランスでして、約七千万人以上の方々がフランスに外国から来ているという状況です。二位がスペイン、これが五千万人ほどになっているわけです。そして、日本はどうか。御承知のように五百万人なわけですね。

 では、フランスは何で多いのか。陸続きで人のもともとの交流も多いんだろうというふうに御認識をされるかもしれませんが、実は、ではイギリスはといって見ますと、二千五百万人ぐらい観光客が来ているわけですね。

 あるいは、日本がアジアの島国だからそうなんだろうというようなお話があるかもしれませんが、そうでもなくて、日本はアジアにおいても観光客の受け入れでいいますと九位なんです。アジアで九位。例えば、あの香港、こんなちっちゃな香港で千六百万人の観光客が来ている。マレーシアでは千三百万人の観光客が来ている。もう本当に一つの都市分ぐらいのシンガポールですら七百万人ぐらいの観光客なんですね。

 では、何で日本が今現在こんなに観光客が少ないのか。私は、その一つの理由として、このビジット・ジャパン・キャンペーンについてもそうなんですが、大変御努力をされていると思うんですが、残念なことに、国土交通省さんが国内の観光の受け入れの整備をする、特にインフラ整備をする、あるいは美しい日本をつくるということで旗振りをされていて、実は外務省との連携ができていないのではないのかなということを少し感じざるを得ないところであります。

 具体的には、国際観光振興会、今は振興機構というふうに独立行政法人に変わりましたが、ここは国土交通省の中のグループに属しているわけですね。しかし、外国からの観光客誘致の業務を請け負っているわけなんです。こことの外務省との連携というのは、外務大臣の御認識の範囲で結構ですが、何かありますでしょうか。

川口国務大臣 各省が、それぞれの仕事をするために、かつて特殊法人とかその傘下に公益法人をつくって守っていた。今それがおっしゃったように独立行政法人になっていますけれども。今まで同じような、どこかで、縁のところで、周辺部分で仕事が非常に重なってくるというところはあるわけでございまして、私の知る限り、特殊法人あるいは独立行政法人間の協力というのは、お互いに力をかりなければいけないところがありますので、おおむねうまくいっているというふうに私は思っております。独立行政法人になったら、それはなおのこと、多分、団体団体のところにより権限がおりることになりますので、それが進むのではないかという期待はいたしております。

 観光ということでいえば、外務省では、文化交流部というのがありますし、領事移住部、ここで観光客の関連の仕事をしております。それから、国土交通省の国際観光振興会ですか、今ちょっと名前が変わりましたけれども、そこはやはりもっと観光に焦点を当てた形で仕事をやっているので、それぞれ補完をし、必要な部分は連携ができているというふうに私は思っております。

泉(健)分科員 非常に少ない時間ですから、少しスピードを速めていきたいと思いますが、独立行政法人になったということで、基本的にはリストラも多少していかなければならないという思いもあったんだとは思います。しかし、例えば、ビジット・ジャパン・キャンペーンが行われている一方で、サンフランシスコとフランクフルトの両事務所を、規模を縮小する、あるいは海外事務所を閉鎖する。

 そして、国内でいいますと、外国人観光客を受け入れてインフォメーションする事務所が日本に二カ所あったんですね。東京と京都にありまして、京都では京都駅前にあったわけなんです。その利用者件数というものを見ますと、東京では三万一千人ぐらい、京都では七万二千人ぐらいの外国人がこのインフォメーションセンターを利用していたんですが、何と今回、京都のそのセンターを閉鎖をするということになっているわけですね。これは、ビジット・ジャパン・キャンペーンが一方にあって、果たして本当に連携がとれているのかなと少し疑問を感じるところでもあります。

 そしてまた、少し質問にも入れようと思っていたんですが、こちらからの言及になりますけれども、昨年一月に、ASEANプラス3で観光大臣会合というものをやっております。観光関係の大臣会合ですね。私は、てっきり外務省から参加をされているのかなと。ほかの国々を見ますと、貿易観光大臣とかそういった方々がよく来られているわけなんですけれども、日本は、何と国土交通省の審議官が参加をされていた。

 もちろん、先ほど言いましたように、国内においてはそれでいいのかもしれません。しかし、もう少し対外的にアピールを強めていこうということを考えると、外務省にも旗を振っていただきたいなと。例えば、役割分担の中で、対外的にそういったことをする場合には外務省にお出かけをいただくような、あるいは、先ほど言いました文化交流部、外務省の中でございますか、それと国土交通省がより連携を密にして、一体となってこの観光について取り組んでいただきたいというふうに思います。

 そして、次の質問に移らせていただきます。

 実は、私が日常生活をしている京都でありますけれども、もちろん千二百年の歴史と先進技術、京セラですとかオムロン、ローム、任天堂、そういった企業がたくさんある魅力のある都市だと思っておりますけれども、今、京都だけで約五十万人の外国人の観光客が来ております。ですから、日本の大体十分の一ぐらいになるわけですね。しかも、そこは観光客の統計というのは非常にあいまいなものでして、業務的に来た者や国際会議で来た者も一部カウントしているところがあるんですが、京都においては、純粋な観光客の割合というのが非常に大きいわけです。

 やはり、京都を見に来る、ひいては日本らしいものを見に来るということで京都に来ていただいていると思うわけですけれども、その京都が、今、国家戦略としての京都創生策というものを国に提案させていただいて、その一つとして、外国人観光客の誘致もさせていただいているところです。しかし、地元から上がってくるのは、例えば修学旅行生、きょうちょうど、たしか韓国の修学旅行生のビザが解禁になったという報道がありましたけれども、例えば中国ですとか、あるいはほかの国々、まだまだおくれている面がございます。

 この京都観光、先ほど外務大臣からもお話がありましたが、京都観光というものを一つ核にして、世界に対して積極的にこのビジット・ジャパン・キャンペーンをアピールしていただきたいというふうに思っておりますが、改めて、外務大臣、特に京都ということについて御言及をいただきながら、もう一度御認識をいただきたいと思います。

川口国務大臣 私がお会いする外務大臣、外国の外務大臣ですね、その方々が、時間があるときには大体京都に行かれるということだと思います。やはり日本で東京以外のところ、要するに、仕事で東京、それ以外に余裕があって何をするかといったら、京都で観光、これは定番コースだと思います。それぐらいもう世界に既に冠たる魅力を持った、日本の文化の凝集したものが京都にはあると私は思っております。

 そういう京都が、それを前面に押し出して宣伝し、お客様に来ていただくことを考える、非常に大事なことでありますし、日本全体としても、日本の観光、ビジット・ジャパン・キャンペーンで京都は外すことができないところだと私は思います。

泉(健)分科員 ありがとうございます。

 私どもも、そのように認識をして、これからいろいろと策を提案していきたいと思いますので、ぜひともまた京都のそれぞれの取り組みについても御認識をいただきたいと思いますし、また、いろんな外交で、このビジット・ジャパン・キャンペーンにはもちろんトップセールスという項目がありまして、外務大臣を初めとして各首脳が外国に行くときには日本のPRをお願いしているわけですので、その中で、ぜひまた京都のこともPRをしていただきたいというふうに思っております。

 そして、このビジット・ジャパン構想の細部について何点かお伺いをしたいと思っております。

 まず一つは、外務大臣も先ほど、通訳ガイドをされていたというようなお話もありまして、ぜひともこの質問をさせていただきたいと思っているわけです。

 このビジット・ジャパン・キャンペーンの中に、英語が使える日本人という項目がございます。以前、文部科学省が日本人の英語能力について言及をされたことがありまして、英検のある程度の水準を確保できる、一般の国民が確保できるような英語教育をやっていこうではないかということで方針を出されましたけれども、やはり外国からお客さんを招くに当たって、残念ながら、日本というものは、まだ異人さんというようなところを一般の国民は持たれているんではないのかなという気がします。持たれていないにしても、なかなかコミュニケーションがとれない。コミュニケーションがとれないということが、我々国会議員はそれはとれるかもしれませんが、一般の国民が、外国人の方がお買い物に来た、お店に来たときに、ほとんどが戸惑ってしまうような状況であります。

 そういった中で、文部科学省の提案として、観光の行動計画の中に、英語が使える日本人ということで項目が入ったわけですが、このことについて、まず、外務大臣は、この目標が達成可能かどうか。

 そして、これを今後発展させる一つの方法として、私は、やはり第二公用語というものを考えていくべきではないのかなというふうに考えています。もちろん、日本の文化であり日本の基幹である日本語というものは守っていくべきものではありますが、少なくとも、私がアジア各国を訪問させていただいた際には、どの国の子供たちも、母国語と英語、これをしゃべれるぐらいにはなっているというのが現状だと思います。

 そういうことも踏まえて、この行動計画の中での外国語、これが達成できるかどうか、そして第二公用語についてどのように考えておられるか、御意見をいただきたいと思います。

川口国務大臣 英語を第二公用語として位置づけるかどうかということは、それ自体非常に大きな問題ですけれども、その問題についてのアプローチいかんを問わず、私は、日本人が外国語を話せるようになるということが重要だと思っています。

 それは、先生がおっしゃったような観光客が訪れたときということも必要ですし、外務省の立場といいますか、私が今までずっと感じてきているのは、外国に行って、外国語を使って日本を発信できるという日本人がもっともっとふえることが大事。日本の英語教育にもっと話をすることの要素を入れていくべきであろうと私は思っております。

 ですから、話せるようになるということは重要ですし、今度の規制改革の一環、地域ごとの特区ですね、規制改革の特区、その中にそういった試みを入れているところもあるということをちらりと聞きまして、いろいろな努力をしていくべきではないかというふうに思っています。

    〔萩野主査代理退席、主査着席〕

泉(健)分科員 ありがとうございます。

 先ほどおっしゃったように、観光ということのみならず、日本と外国の相互交流の手段として英語の重要性というものがやはりあると思いますし、これはもう特区だけでやっていたのでは場合によっては遅いかもしれないというふうに私は思っております。中国やインドからどんどんどんどん外国の方々が日本に来て、日本の国内で国際競争が起こってくる時代も間近じゃないかなというふうに私は思っておりますので、ぜひ外務大臣としても、これは英語教育なんだから文部科学省のことなんだというふうに思わずに、積極的に発言をしていただきたいというふうに思っております。

 次が最後になるかもしれませんけれども、あと二点。

 一つは留学生計画です。中曽根政権のときに留学生十万人計画というものが打ち出されたと思いますけれども、これを先日たしか達成されたというふうに認識をしております。しかし、その質の問題についてはさまざまな議論がありまして、果たしてこのぶち上げた目標というものが本当によかったのか。大きな面でいえばよかったのかもしれませんが、少し雑になった面もあったのではないのかなというふうに思っております。

 そしてまた、もう一つは、日本から海外に向けての留学生の政策について少し弱さを私は感じているわけです。数値目標がない、あるいは、理系についてはそれなりに行われているけれども、文系の留学についての目立った施策というものを余り聞いたことがないということもございます。この件について質問させていただきたいと思います。

 そしてまた、第二点は、ワーキングホリデーでございます。今回の計画にも入っておりますが、まず私が主張として申し上げたいのは、対象国がまだ非常に少ないということであります。もう少し、特にアジア各国の交流を進めていく上で対象国をふやせないのかなということで、今後もし何か方針があればお聞かせをいただきたいというふうに思っております。

 また、ドイツ、フランスを初めとしたヨーロッパ各国とのワーキングホリデーの取り組みが、非常に一方通行的になっている。これは日本の観光政策の魅力の少なさもそうかもしれませんが、もしかすると、観光だけではなくして、日本という国がヨーロッパから、そしてまた若い世代においてもまだまだ理解をされていないのではないのかなということを、このワーキングホリデーを解禁して初めて私は現実にわかったような気がしております。

 一層このワーキングホリデーを進めていただくだけではなくして、例えば在留邦人、全世界にたしか百万人近くいるわけですね。あるいはワーキングホリデーで海外に行った若者、この若者たちにどういった情報を乗せて、どういった日本の誇りと、どういった日本の心を乗せて彼らに外国に行ってもらうか。そして、そこで彼ら自身に、一人一人に観光大使になっていただくような形でいかなければ、日本は、ただ単なる金持ちと技術の国、そして外国においてもそういう振る舞いをする国民なんだというふうに思われてしまうわけですね。

 ですから、実はこの行動計画の中には在留邦人についてのことが書かれておりません。そういった不備も含めて、私は、ぜひ海外で生活をしている日本の方々に対しても、観光振興のために一肌脱いでくれ、二肌脱いでくれという努力を外務省から呼びかけていただくべきだと思います。

 少し質問が長くなりましたが、私が言いたいのは、この三カ月間国会にいさせていただいて一番感じるのは、縦割りの弊害であります。そして、その縦割りの弊害をクリアしようということで、大きな横断的な行動計画なり、さまざまな方針、大綱というものを出されるわけですが、それがまた縦割りのままで運営をされているというのが現状なんですね。その枠を超えて、さまざまに現実、行動していくとなれば、これは大臣同士の話し合い、あるいは政務官や副大臣同士の話し合いというものが非常に大切になってくると思っておりますので、その取り組みも含めて御決意をいただきたいと思います。

川口国務大臣 幾つかありますが、まず留学生でございますが、十万人は達成した、質の問題がありますというのは、おっしゃるとおりです。この留学生の選考方法について改めなければいけない部分もあるかもしれないということで、文科省と連携をしながらこれについては検討をしていきたい、特に国費留学生ですけれども、検討していきたいと考えております。ただ同時に、いい留学生を日本に来てもらうためには、私は、大学の質が高いということが非常に重要だというふうに思っております。

 それから、ワーキングホリデーですけれども、これも制度としては非常にいいわけですけれども、出る方と来る方ということでいうと、こちらに来ていただく人が少ない、特にヨーロッパの国々からは非常に少ない。これにどう対応するかということで、これは大使館等々で受け付けられるとか、外国でこの制度の紹介をするとか、そういうことをきちんとやっていきたいというふうに思います。

 それから、在外にいる日本人の方のビジット・ジャパン・プログラムにおける活用、おっしゃるとおりだと思います。

 それから、最後におっしゃった縦割りの弊害、私もこれを克服することに日本の将来があるというふうに思っております。

泉(健)分科員 ありがとうございます。これで質問を終わらせていただきますが、私も、バッジをここに、胸につけて日本の観光振興に頑張っておりますので、ぜひ大臣も、ようこそジャパン、バッジをつけていただいて、お願いいたします。どうもありがとうございました。

杉浦主査 これにて泉健太君の質疑は終了いたしました。

 次に、加藤尚彦君。

加藤(尚)分科員 民主党の加藤尚彦です。

 きょうは、せっかく法案関連でお招きしておりますので、先に質問させてもらいたいと思います。総務省の高部さん、選挙の神様と言われているのでちょっと来ていただいて、そしてぺらで、在外の投票者の問題ですけれども、それをこの際、ちょっとお聞きしたいと思います。

 投票というのは国民の権利なんだけれども、在外投票について、たまたま僕の友人が海外に行っていて、おまえに投票してやろうと思ったけれどもどうやってすればいいかわからないという話から興味を持ったということを前提に、ちょっと幾つかお聞きしたいと思います。

 昨年の実績、昨年の総選挙だけでいいと思います、実績についてちょっとお答えをお願い申し上げたいと思います。

高部政府参考人 お答え申し上げます。

 在外の選挙制度につきましては、国内と異なりまして申請登録ということで、まず登録をしていただかなきゃいけませんけれども、登録者の数が昨年の選挙で七万三千七百四十人という人数になっております。この方々のうち、投票された方が一万一千七百四十九ということでございまして、投票率は一五・九三%と大変低い状況にとどまっているのが現状でございます。

加藤(尚)分科員 これですね。要は、投票権のある人たちが、百万人はいないかもしれないけれども、投票登録しているのが、今おっしゃるように十分の一を割るか割らないかということなんだけれども、これは大変大きな課題だと私は思っておるんです。

 大きな課題だと思っておるんですけれども、総務省だけでできるものではない。当然、外務省の大きな協力が必要だと思うんです。今、さっきの質問者も観光問題で外務省と国土交通省との連携と言ったけれども、外務省というのは全省庁と連携するところだと私は思っていますけれども、その意味で、登録者数あるいは投票率を上げる、神様なんですから、何か考えはございませんか。

高部政府参考人 できるだけ多くの方々に投票に参加していただくというのは大変重要な課題だと思っております。残念ながら、国内におきましても投票率が漸次低下するという傾向にあることは大変残念だと思っております。

 私どもにできることというのは限られている面もあるわけでございますが、国内を含めましてやっておりますことは、常時の啓発ということで、日ごろから投票あるいは選挙の重要性というものを御認識いただくという常時啓発。それから、まず選挙があるということを御認識いただかなきゃいけませんので、選挙に際して、選挙があること、その選挙に参加していただくという臨時啓発ということ。もう一つは、やはりできるだけ投票しやすい環境づくりというようなことになってくるんだろうと思います。

 国内におきましては、今から六年ほど前に投票時間の延長等々、あるいは不在者投票をしやすくするといったような改正がなされて、一たん上がったんですが、またその次は若干下がったというような傾向にあります。

 国外におきましても、私どもは外務省に大変御協力をいただきまして、できるだけ多くの方に登録していただこうということで、これは主に私どもPRの活動と、多くの努力は外務省さんに負っているところでございますが、いろいろなところへ出かけていっていただいて、登録事務を受け付けるというようなこともやっていただいているところでございます。

 それから、選挙時におきましても、これもメディアを使う活動が中心になるんですが、こういうものを通じて啓発活動をするということを行っているところでございます。

 それから、ことし参議院選挙が予定されるわけでございますが、今度の参議院選挙に向けましては、実は昨年の通常国会で法律改正をいただきまして、今まで投票につきましては基本的には公館投票をするということが基本になっておりまして、遠隔地等々において郵便投票が認められるという仕組みをとっていたわけでございますが、これからは基本的には郵便投票と公館投票を選択制にするということでどちらも選べる、この辺が選挙人の便宜に資するのではないかと考えているところでございます。

 さらに加えまして、これも外務省さんに大変御協力をいただく問題でございますけれども、これまで、在外選挙人が多いということで、余りたくさんの方々が来られますと対応できないということで、比較的大きなところ、大きな公館が公館投票をやっておりませんでしたけれども、これも外務省さんに御努力いただきまして、基本的にはほとんどの公館で公館投票をやっていただけるというようなことにしておりますので、こういうもろもろと相まって、できるだけ多くの方々に投票に来ていただけるようにというふうに思っているところであります。

加藤(尚)分科員 大変な努力をしないと投票率というのは上がらないけれども、総務省の皆さんや外務省の皆さんの努力だけではもちろん達成できない。要は有権者ですよね、有権者の意識。まあ、政治が悪いと投票率が下がるというから余り言えないことだけれども、やはり投票率を上げるということはとても重要な仕事だと思っています。

 比例の方は、洋上選挙ではファクシミリとかいって、小選挙区制もということなんですけれども、総務省も今後、海外の方々については、当然、郵送もそうだけれども、問題は投票所なんですよ。投票所をいかに多く、幅広く、JICAの事務所もそうだけれども、外務省関係のいろいろな施設が全部投票所になることも必要だ。

 今おっしゃるように、郵便でうまく機能して、とりあえず、これを見ると二〇%に選挙人名簿は上げるということなんだけれども、実際に選挙人名簿を上げた去年の例を言うと、七万、八万の人の一五%とおっしゃったけれども、全体の有権者からすればたった一・五%だからね。これは、国内は六〇%だけれども海外は一・五%、ちょっと差があり過ぎるかなと。この辺は、ぜひぜひ、今後ともども大きな課題にする、大きな課題にするためには外務省の協力が要る、連携が必要だというふうに思っています。

 つい最近も、去年ですけれども、アメリカで、ニューヨーク大使館ですけれども、私の友人が投票に行ったところ、そこの外務省の担当者が、選挙のことはよくわからないし、もっともっと総務省から教わらなくちゃいかぬという、そんなお話もありましたから、だれということじゃなくて。そういうものにも留意しながら、今後の課題としてぜひ努力をしていただきたいと思います。

 以上です。どうぞお引き取りください。ありがとうございました。御協力、感謝します。

 外務大臣、私は六十歳代で初当選したんですけれども、私の師匠というか、藤山愛一郎さんが外務大臣のときに私はでっち奉公をしたんです。六十代で政治家になったわけですけれども、そのときの国会の第一議員秘書が、田中政務官が仕えた斎藤文夫さんという方なんですよね。それで、斎藤文夫さんが参議院議員になって、あいて、私が入ったという経緯がありますので、このスタッフは実に親近感を持っている。

 ところで、外務大臣、外務大臣になられてどのくらい海外に行かれたり、あるいは国際会議とか、外国の首脳とかとお会いになったか、ちょっと教えてください。

川口国務大臣 就任をいたしまして、これは二月十日の時点ですので、ちょっと前の時点でまとめていますが、今まで七百四十日間中、百五十九日、ですから比率にして二一%、それぐらい外国に行っているということでございます。

 海外出張回数が三十回、訪問国数が五十六、それからお会いした人、これは日本でお会いした人も入っていると思いますけれども、七百八十六人、約八百人近く、電話会談をした人が百四十三人、そんなところでございます。今までの外務大臣の中では比率は高い方だと思います。

加藤(尚)分科員 大変なスタミナだと思いますし、心身ともに大変御苦労があると思いますし、その中で大変御活躍だと私は思っています。これからもっと大変になると思います。さっきの質問者に、一回ゆっくりすることができたら京都とおっしゃっていたけれども、職責のある以上はこれは仕方がないと思います。

 僕は、大使館とか全権大使のこと、この役割といいますか、これは外務大臣が内閣に推薦して、内閣が決めて、そして天皇陛下の認証を受けるという大変なお立場だと思いますけれども、全権大使の役割。それから、大使館の役割については絞って一つだけ聞きます、経験がありますので。その意味で、大使館の役割の中で、一般的に、在留の人たちとの関係とか、あるいは観光客ですね、よく日本から観光に行く、そういう人たちの対応についての窓口のことについて、二つお聞かせください。まず、全権大使。

川口国務大臣 全権大使が何をする人間かといいますと、外務大臣の命を受けて、外国において日本を代表するというのが一番わかりやすい申し上げ方かなというふうに思います。

 それに加えて、いろいろもう少しありますので、それから、窓口のことも含めまして、領事移住部長から御説明をするようにいたしたいと思います。

鹿取政府参考人 大使でございますけれども、大使の場合それから総領事の場合、多少任務が異なります。

 総領事の場合は、大体、在留邦人の保護であるとか緊急事態に対する対応、それから先ほど先生が御指摘の選挙事務、またいろいろな証明事務でございますね、文書とか、そういうことをやっておりまして、全般的な外交活動をやる大使よりは若干狭い範囲で仕事をしております。

加藤(尚)分科員 二番目の質問については、僕があるアジアの国に行ったときに、まだ当選する前だったんだけれども、ちょっとどうしても緊急があって何回か電話したけれども通じなかったんですよね。当選したら通じるだろうと同じところで同じことをやったら、やっぱり通じないんですよ。ですから、どういう役割を担っているのかなという疑問を当然持ちました。

 その意味で、きょうの質問の一つにしようと思って、外務省からしかるべき人を呼んでいろいろ聞いてみたんです。そうしたら、その人は二年に一回しか休まなかったと言うんです、風邪を引いたときに。ということは、休む間もなく。それで、何時ごろ来て何時ごろ帰るのと言ったら、毎晩十時、十一時、十二時だと言うんです。もちろん、土日はその次のためにいろいろな対応をしているということで、大変働いていらっしゃるということを改めて聞きまして、質問しづらくなっちゃったんだけれども。

 いずれにしても、日本の国民に対応する、特に外に出たときは頼るのは大使館、領事館だと思いますので、そういう意味で、例えば電話をかける、それでしっかりと日本語が理解できる人が公館にいらっしゃれば、割と通じるんです。僕の場合は、どうも日本人じゃないような気がするものだから、要するに僕が言う説明がよく理解できなかったということで、何回電話しても通じないからもう大使館に乗り込んじゃったということがあったものですから、これはちょっと気をつけていただきたいと思います。

 それで、引き続き、北朝鮮問題にちょっと入るんですけれども、六カ国協議で韓国は八十点つけたんです、この六カ国協議を。中国とかロシア、あるいはアメリカとか、特に日本ですけれども、つけにくいかもしれないけれども、六カ国協議の評価点、ちょっとお聞かせください。

川口国務大臣 点数で申し上げるのはちょっと難しいと思いますけれども、我々は、核問題について一歩前進というふうに評価をいたしております。

加藤(尚)分科員 一歩前進、それで多分、薮中局長が外務大臣にも総理にもそういう報告をして、そしてメディアの方でもそういう報告を受けとめているところもありますけれども、一方では、僕はちょっときょう議論したかったのは、いわゆる対話と圧力論なんです、対話と圧力。対話はもう当たり前のことだからいいんですよ。問題は圧力論なんですよね。

 日本と北朝鮮を比べると、経済的にも、いろいろな意味で問題にならないと思うんです。しかも、北朝鮮は、麻薬はやるわ、にせ札はつくるわで、本当にとんでもない国だというふうに理解はしている。理解はしているけれども、問題なく格差がある。だから、大きな国が小さな国に向かって、対話が通じなきゃ圧力という、外交戦略上、圧力という言葉はずっと僕はなじまないんです。なぜか急にこのごろマスメディアでも躍っちゃっている。総理も使う、官房長官も使う、外務大臣も使う、アジア大洋州局長も使う、そうするとみんな高官が全部圧力という言葉になる。それで、圧力が突っ走っちゃう。

 そうすると、イソップ物語じゃないけれども、北風と太陽じゃないけれども、やはり、圧力で来るぞ、悪い言葉で言うと懐にドスを入れてというか、そういうことで話し合いなんかできるはずがないと思います。もちろん、姿勢、決心、つまり外交というのは対話と決心と覚悟だという持論があるんですけれども、その決心、覚悟で、例えば、改正外為法もいいですし、恐らくこれから議員立法でもう一ついわゆる特定船舶の入港禁止も出てくる。これはみんな賛成なんです、私は、個人的に。だけれども、それは圧力を見せるために法案を議員立法でどんどん出してくるという考え方が、恐らく北朝鮮はそれを脅威と感じているかどうかというと、僕はさほど感じてないと思っているんです。

 ということは、大きい国が小さい国に対して強い力で臨む、そうすると、北朝鮮に同情する国がふえていってしまう。北朝鮮も、事実、百五十二カ国と国交があるわけですから。しかも、在外公館を四十二カ国も持っている、おまけに北朝鮮内に二十三カ国も大使館を持っている、いわゆる公館を持っている国がある。そういう国々が下手したら同情しちゃうんじゃないかと。つまり、まだ発動していない為替法だってそうだけれども、既に日本との関係で減った分はロシアと中国と韓国が補っていると言っています、減った分を。だけれども、それ以上にもっと、百五十二カ国とか四十二カ国とかにフォローされちゃうと、日本の真意が通らなくなってしまうというふうに考えているんです。

 ですから、その意味で、対話と圧力論について、外相の考え方を、これからもその姿勢を貫き貫き、やり抜くという決心なのかどうか、お聞かせください。

川口国務大臣 北朝鮮との交渉の進め方について、これはいろいろな御意見が日本の中にあると思います。政府の考え方というのは、今おっしゃった対話と圧力ということである、これは一貫しております。

 それで、圧力というのは、これは、この問題について、我々は、日本のみならずほかの国も全部含めて平和的に解決をしたいというふうに言っているわけでして、圧力というのは、対話をさせるための圧力である、北朝鮮に前向きの行動をとらせるための圧力であるというふうに考えております。

 圧力をかけた結果、北朝鮮に対して同情する国が多くなるんではないだろうかということですけれども、私の知る限り、北朝鮮が核を持つことが許容されるべきであるということを言っている国は一つもありません。拉致の問題、これの解決をすべきであると言わなかった国は一つも私は存じません。ですから、日本のやっている基本的な考え方に基づく外交、これについて我々も説明を常にいたしておりますけれども、近隣の国を含めやはり世界の国々の理解、そして支持というのは得ていると私は思っています。

加藤(尚)分科員 流れとしては、お答えもそんなに私は批判するつもりはありませんけれども、いわば外交戦術上、どんなに悪い国でも、対話と圧力という言葉は私は個人としてなじまないということだけ申し上げておきたいと思います。

 それで、外務委員会に小委員会が設置されて、そして参考人招致、横田御夫妻それから蓮池透さんをお招きして、私も小委員ですから幾つか議論をしたんですけれども、お三方だけじゃなくてお三方を取り巻くすべての人たちが、外務委員会の小委員会では頼りにならないと。なぜなら、外務大臣がいらっしゃらないし、総理も来るわけじゃないし、官房長官も、防衛庁長官も来るわけじゃないから。

 だから、日本国国会の姿勢として、これは外務大臣が答えにくいかもしれないけれども、我々民主党も、恐らく与党の皆さんの中にも、やはり特別委員会じゃなきゃだめだよという方々もいるのを聞いております。その意味で、拉致家族の、救う会の人たちもそうだけれども、特別委員会設置を、格上げをということを強く悲痛な声で言っていらっしゃいました。

 それで、これは国会で決めることはわかっているんですけれども、国会といえば当然政府は与党です。与党の中でも自民党が総理大臣ですから、だから、もしかしたら内閣の中でもやはり小委員会じゃなじまないなという声も出ているかどうか知りませんけれども、これは是が非でも、所管の外務大臣から、この小委員会を何回か重ねて、そして特別委員会設置の方向へというお考えがあるかどうか、ちょっとお聞かせください。

川口国務大臣 特別委員会を設置するかどうかということにつきましては、これは委員も最初におっしゃられましたように、立法府の、国会の御判断でございますので、政府の立場としてそれに何か申し上げるということは差し控えさせていただきたいと思います。

 ただ、はっきり申し上げておきたいのは、政府として、この拉致の問題、もちろん核の問題もそうですが、拉致の問題を一日も早く解決をするということは非常に重要だと思っております。五人の方の家族の人の帰国、そして安否が不明な方の安否をきわめていくこと、真相を明らかにすること、これは大きな取り組むべき課題であって、今全力投球で取り組んでいるということでございます。

加藤(尚)分科員 先ほど私の方から申し上げたように、北朝鮮という国、これが、国交が百五十二カ国だ。それで、北朝鮮から四十二カ国も公館を出している。いわば、大使館あるいは領事館かあるいは外交センターかわかりませんけれども。同時に、北朝鮮国内に二十三カ国、そのうち、イギリスとかドイツとかありますけれども、ほとんどの国が、我が国は、ODAあるいはJICAあるいは国際協力銀行、いろいろな形で支援しているわけであります。

 その意味で、外相も答弁されましたけれども、良好な関係のある国々、それはもう北朝鮮を除いてみんな一体なんです。その意味で、あらゆる機会に、例えば去年の十二月の日本プラスASEANの首脳会議でも総理はきちっと言っているんです、拉致問題というのは最重要課題だということを強く発言している。

 そういうことが理解をされる、理解してもらっていると言うんですけれども、それぞれ、日本と深い関係のある国、北朝鮮と関係を持っている国、ここに、やはり日本が、六カ国協議だけじゃなくて、あるいは、大臣、外相や総理大臣がいろいろな各国首脳と会ったときに、拉致問題というのは重要なんだということを言っていらっしゃると思っているんです。それが北朝鮮に伝わっていないような気がしてしようがないんです。

 北朝鮮に公館を持っているんだから、二十数カ国も。その二十三カ国のうち三カ国は、金持ちの国ですから、ODAとかそういう関係はない。二十カ国は、日本と極めて密接な関係がある。それぞれが、北朝鮮の首脳に、日本がこんなに必死に外交の最高課題だと言っているんだから、要するに、この国だけが、私たちの国だけがこの家族問題について熱心ではなくて、日本と関係ある国、これがすべて、この問題を解決しないと立場が悪くなるし、日本との関係をさらによくするためにも、北朝鮮さん頼むよ、解決してくれよという声が余りにも伝わってこないという意味で、どういうふうにこれを受けとめていいか。

 あるいは、このODAを、拉致問題に結びつけてやることじゃないんですよ、やることじゃないけれども、日本とのかかわりからいって、北朝鮮と海外とのかかわりからいったら、何か使えるんじゃないかな、何か話し合えるんじゃないかなと。

 そこに、先ほど全権大使の、政府、まさに国が行っていると同じですから、時には全権大使は外相でもあるし総理大臣でもあるというふうに受けとめているんですけれども、それらの人たちも、日本のODAの関係、JICAの関係、その他の関係で、少しみんなが相寄って、この問題、最優先課題で片づけようという決死の覚悟がなくてはなかなか届かないような気がするんですけれども、いかがでしょうか。

川口国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、我が国として、いろいろ日本のために北朝鮮に行って話をするように働きかけをいたしております。

 例を二つほど挙げますけれども、一つは中国ですが、昨年の十月に呉邦国全人代の常務委員長が訪朝しましたけれども、それに先立って、日本から中国に対しまして拉致問題の解決、北朝鮮に残された家族の帰国等々についての北朝鮮への働きかけを依頼いたしまして、中国が北朝鮮側に伝えてくれているということであります。それからもう一つ、モンゴルの首相が昨年の十一月に訪朝をいたしました。この方も、拉致問題の速やかな解決をするようにという働きかけを日本から依頼いたしまして、それをやってきてくれているということであります。このほかにも外務大臣のレベル、いろいろな人のレベルで北朝鮮に対しての働きかけは行われております。

加藤(尚)分科員 二カ国プラスいろいろな外務大臣ということで、そのまま受けとめさせてもらいますけれども、レバノン事件というのがあって、北朝鮮にレバノンの国民が四、五人拉致されて、そして一年後には全員自力脱出、帰ってきた人たちもいますけれども、やはりレバノン政府は、全アラブを敵に回すのかという言葉が大変な威力で、そしてこれはある意味で圧力なんですけれども、戻したんですけれども、この国も、日本と関係ある国々が日本の拉致問題を絶対解決してくれる、解決しよう、そういう足並みが大きな力になると思います。

 時間ですから、もう一つつけ加えておきますと、拉致された人たちが五人帰ってきた大きな原動力になったのは、私は国民の世論だと思っています。あるいは、国会の議連もそうだったと思います。世論の中で、たちまち百万とか百五十万人の署名が集まった、これは絶やしちゃいけないんです。もっともっと日本国じゅう、極端なことを言うと、少なくとも日々拉致問題について国民は関心があるということも一つ大きな要因になると思っています。

 その意味と、もう一つは、今申し上げましたように、日本の特に出先の大使館が、あるいは大使が、ODA、JICA、いろいろな国際関係、国連もそうですけれども、そういう場で、いわば同情してもらったり、あるいは理解してもらうことは必要ないんです、働きかけをしてもらう、こういう姿勢を、決心と覚悟でやっていただくことをお願い申し上げておきます。

 最後に一言お願いします。

川口国務大臣 先生のおっしゃるとおりだと思います。先ほど申しましたように、一日も早く解決をしなければいけないというふうに強く思っております。働きかけを続けていきたいと思います。同時に、北朝鮮が前向きに対応していくことが何よりも大事で、北朝鮮がそのようにするべきであるというふうにも考えております。

加藤(尚)分科員 どうもありがとうございました。

杉浦主査 これにて加藤尚彦君の質疑は終了いたしました。

 次に、森岡正宏君。

森岡分科員 私は自由民主党の森岡正宏でございます。

 本日は、竹島問題を取り上げさせていただきます。

 一月十六日、韓国は日本の反対を押し切りまして、竹島をデザインした特別切手を発行し、この島が自国の領土である、韓国の領土であるということを誇示しました。これに対して、日本政府は外交ルートを通じて韓国政府に厳重抗議をしたと言われておりますけれども、対抗手段をとれないまま今日に至っております。

 まず、海上保安庁に伺います。

 竹島周辺海域の警備がどうなっているのか、尖閣諸島周辺とどう違うのか、簡潔に説明してください。

    〔主査退席、萩野主査代理着席〕

横山政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、竹島でございますけれども、韓国の占拠下にあるため、同島周辺海域で操業する我が国漁船の安全を確保する観点から、同島周辺海域に巡視船を常時配備し、我が国漁船の拿捕防止のための指導、情報提供を実施しているところでございます。また、我が国漁船の出漁状況などを勘案して、必要に応じ巡視船を増強配備し、警戒をいたしております。

 次に、尖閣諸島でございますけれども、こちらにつきましては、領海の警備、外国漁船の不法操業、密航、密輸等の各種事案に対応するため、同諸島周辺海域に大型巡視船を常時配備いたしますとともに、航空機により常時哨戒を実施しているところでございます。また、その時々の業務需要を勘案し、増強配備が必要であれば周辺海域に集中的に巡視船艇、航空機を投入し、発生事案に適切に対処しているところでございます。

森岡分科員 先日、民間人である殿岡昭郎さんという方が、この状況を見るに見かねて、日本郵政公社に竹島の写真つき切手一万セットの発行を申し入れたところ、担当者とスムーズに手続が進んでいたにもかかわらず、二月十七日、公社の最終結論だということで、竹島の写真つき切手は写真つき切手としてふさわしくない、またこの案件は外交上問題を起こす可能性があるとの総裁の判断でお受けしかねます、こう伝えられたという事実が判明いたしました。

 私はこの話を聞いて、政府として対抗手段をとらないならば民間人がやろうではないかという、とうとい御提言を門前払いするような日本郵政公社の姿勢は全く国益に反するものだ、とても容認できないと思います。まして、外交上の理由を挙げていることが越権じゃないかというふうに思いまして、生田総裁に抗議文書を届け、そして麻生総務大臣に竹島の写真つき切手を発行できるように是正措置を求めたわけでございます。本日、私は本席に、日本郵政公社の生田総裁の答弁を期待して、出席を求めたのですが、かないませんでした。

 総務省として、郵政行政局長さんに伺いますが、総裁の判断が出る前に相談に乗っていたのかどうか、教えてください。

清水政府参考人 今回の竹島を題材とした写真つき切手と申しますか、切手と一緒に写真を添える形で印刷して提供する公社の実施しているサービスでございますけれども、それについては、私ども、公社の方から、問い合わせがあった経緯、あるいは公社としての判断をされた時点で、それぞれ報告を受けております。

森岡分科員 日本郵政公社法を見ますと、総務大臣は総裁の任命権を持っている。そして、五十八条に監督権限が明記されております。

 総務省の平沢大臣政務官に伺います。

 このたびの日本郵政公社のとった措置、これをどう思われるでしょうか。妥当だと思っておられますでしょうか。

平沢大臣政務官 この写真つき切手の発行は公社が独自に実施しているサービスということで、制度上は総務省として直接関与できる、そういう仕組みになっていないということですので、総務大臣政務官としての答弁は差し控えさせていただきますけれども、一政治家としての意見を言わせていただくならば、私は森岡先生と全く同じでございまして、竹島は日本の領土でございまして、その日本の領土である竹島の切手を一民間人が発行したいという申し出があったにもかかわらず、それを、いろんな事由があるにせよ、断ったということは、私は極めて遺憾であり、国益を損ねかねない行為である、このように考えております。

森岡分科員 お手元に配付しているような、こういうものが殿岡さんたちが出されたものでございます。

 川口外務大臣に伺います。

 報道によりますと、あなたは二十日の閣僚懇談会で、竹島の切手を発行した韓国に対し、万国郵便連合の友好原則に反するとして日本が抗議していると説明され、そして、日本が同じこと、すなわち切手を発行することをやると抗議の根拠が崩れると述べたということでした。

 私は政府が発行するならばなおいいと思っておりますけれども、民間人が申請されたことにまで拒否をする姿勢、これは妥当ではない、私はそういうふうに思うわけでございまして、川口大臣は、今回の日本郵政公社の判断は妥当と思っておられるのか、どうでしょうか。

川口国務大臣 この間の閣僚懇談会でこれについてのお話が出ました。それで、私がそのときに申し上げましたのは、切手を発行することがいいか悪いか、これは私が判断を、先ほど総務省の政務官からお話がありましたように、外務大臣として判断を一義的にすべきことではございません、外務省の所管ではありませんので。

 そういうことについては触れておりませんけれども、そのときに申し上げましたのは、この抗議、これは、日本としては万国郵便連合の前文に基づいて抗議をしているということは申し上げたわけでございます。そして、日本がこれは発行する、しないということについてはいろいろな考え方があるでしょうというふうにも申し上げました。それで、ただ、日本が発行するという決断をするという場合には、万国郵便連合の前文に基づいて抗議をこちら側がするということはできなくなるという事実、それを情報までにお話をしたということでございまして、これについての外務大臣としての判断、これは述べておりません。

森岡分科員 経済産業大臣の中川さんは、川口大臣の発言を批判されたと書いてありました。今の総務省の平沢大臣政務官の、政務官としてはこうだけれども一政治家としてはこの判断は好ましくない、そうおっしゃいました。今、外務大臣は、切手の発行の権限は公社の総裁が持っている、それは当然でございます。しかし、日本の外交を預かっている責任者が自分の考えぐらい述べられたらどうでしょうか。私は、日本の領土が侵されているんだという認識がないんじゃないか、そういうふうに思いますよ。

 先ほどの海上保安庁の説明にございましたけれども、竹島は、今、あの島に近寄れないくらい、韓国の実効支配を許しているんですよ。私が言うまでもなく、竹島は歴史的にもまた国際法上も日本の領土であります。一九〇五年には島根県のものだと告示されました。そして、一九五二年、日本がまだ独立を回復していないときに李承晩ラインが設定されまして、その内側に竹島は取り込まれてしまった。それ以来、何度抗議しても、韓国の不法占拠を許したまま、日本は韓国に領土の一部をとられているんだ。拉致問題と同じぐらい重い問題ですよ、この問題は。主権が侵されている。国家として最大の恥辱ですよ。この問題に外務大臣として自分の考えをおっしゃらない。これは全くもって本当に恥ずかしい話だと思いますよ。

 私は、川口大臣一人を責めるんじゃない、外務省全体がどうなっているんだ、政府全体がどうなっているんだという意識を持ってもらわないと困ると思うんです。主権を守ることは国家の最大の任務であり、川口大臣はその責任者だと思います。

 韓国は、北朝鮮をめぐる六者協議では日本と同じテーブルに着きながら、一方でこういう竹島をかすめ取ろうという既成事実を積み重ねているわけでございます。それに対しておざなりの抗議しかできない、こんな日本では困るわけでございます。事なかれ主義は許されない。

 私は、もう一度川口大臣に、この竹島の領有権についてどう考えておられるのか、改めて伺いたいと思います。

川口国務大臣 今委員がおっしゃられましたように、竹島は、疑うべくもなく歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であります。一六〇〇年代の、もう遅くとも後半ぐらいには、我が国の竹島について、それを地域の、今でいえば島根県の方がそれを領主からもらっているということがちゃんと残っているわけであります。

 外務省としては、この点については、今まで何度も何度も韓国に抗議をいたしております。今度の切手の発行に際しましても、切手の発行をしてはいけないということで、発行前に、私は当時の尹外交通商部の長官に電話をしまして、それは我が国の、まさに歴史的にも国際法上も固有の領土である竹島である、発行をしてはいけない、思いとどまるようにということを言いました。それから、発行が十六日になされてしまいましたので、ここの、在京の大使を呼びまして、これについて強く抗議をいたしました。

 これについては、先生のおっしゃるように、我が国の主権が侵されている大きな問題であるというふうに私も認識をいたしております。

森岡分科員 皆さん方にお配りしている資料をごらんいただきたいと思います。

 外務省のホームページに「竹島問題」というのがございます。私はこの外務省のホームページを見てがっかりいたしました。島根県のホームページの方がよほどしっかりしている。領土の主張というのが全くない。外務省は日韓両国の主張を両論併記しているだけでございます。これで日本の外務省の心意気、竹島を取り戻そうという気概は全く見えてきません。皆さん、どうですか。第三者が見たら、このホームページは日本のものか韓国のものか、わからない。私は、明らかに外務省の姿勢がおかしいと思いますよ。川口大臣だけを私は責めているんじゃない。今までの歴代の大臣もどうかしているよ。外務省の役人もどうかしている。

 韓国政府の海洋水産部のホームページを見ました。実効的支配であるかどうかが領土主権の核心要件だ、ちゃんとこう書いてあります。そして、既成事実を積み重ねて、領土を占拠していることが、これが主権を主張する根拠になるんだということを明確に書いてありますよ。

 私は、このホームページに見られるごとく、外務省は、竹島の領有権はお互い主張があって五分と五分なんだ、どちらに帰属するのかわからない、そういうふうに思っておられるんじゃないかなというふうに思えてしようがないわけでございます。先ほどの川口大臣の答弁とは随分違う、このホームページを見ておりますと。主権が侵されているという事態、私は、日韓関係が多少ぎくしゃくしてもこの国益を守る、領土の一部が侵されているんだということを最優先して外務大臣は務めなければいけないんじゃないか、そんなふうに思いますが、この日本の国益を守るということについて川口大臣の御所見を伺いたいと思います。

川口国務大臣 先ほど来申しましたように、竹島というのは、我が国の、国際法上も歴史的にも重要な固有の領土である、これは、だれが何を言っても我が国の立場が変わることはないわけでございます。

 このホームページのページというのは今初めて拝見をいたしましたけれども、確かに、この基本方針、二枚目のところの冒頭に「「竹島は歴史的事実に照らしても国際法上も明らかに日本の領土である」という我が国の一貫した立場」ということは書いてあるわけでございますけれども、全体として、これが我が国のまさに領土である竹島であるという一番大事なメッセージを国民の皆さんに訴えるような構成になっているかというと、もう少し工夫の余地があるかなという気がいたします。これについては検討をしたいと思います。

森岡分科員 今大臣お答えいただきましたように、このホームページは修正してくださいよ、即刻。お約束いただけますね。

川口国務大臣 そうしたいと思います。

森岡分科員 私は、今の竹島が置かれている状況を見まして、大臣が韓国に対して、この切手の問題だけじゃなく、どういう行動を起こそうとしておられるのか、対抗手段をどう持っておられるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。

川口国務大臣 竹島につきまして、これは切手の発行というのは一部でございまして、本質は、竹島が我が国固有の領土であるということでございます。そういった問題をどのように解決をしていくか、あるいはどのように前進をさせていくか、そういうことについては、いろいろな、一朝一夕に何か名案が出るということではありませんけれども、いろいろ打てる手はあるのではないかというふうに思っております。これについて、中に、外務省の内部に、どのような今後さらなる手が打てるかということを検討するようにという指示は出してございます。

 それで、一点、踏まえなければいけないと思っております点というのは、この問題について大事なことは、解決をする、あるいは解決に向かって前進をするということであります。そのために、両国の国民感情、これに注意を払ってやっていくということが非常に大事であると私は考えております。国民感情、両方の側面がありますけれども、国民感情が燃え上がって、この竹島の問題を離れて、もっと日韓の感情がお互いに相手に対して違う感情を持つようになるという状況下では、竹島の問題を解決していくということが難しくなるであろう、そういうおそれがあるというふうに思います。

 ですから、この問題の前向きな解決に資するような方法をとっていく、そのためにどういう方法がいいかということについては今検討をしてもらっておりますので、そういった検討を踏まえて、今後、このままほっておいてはいけないと私は思っておりますので、方法については考えていきたいといって、今検討中でございます。

森岡分科員 今の大臣の御答弁でございましたら、これはいつ竹島が日本に戻ってくるかわからない。私は非常に不満でございます。

 政治家である逢沢副大臣、いかがですか。御所見を伺いたいと思います。

逢沢副大臣 大臣の方からも繰り返して答弁がございましたように、もちろん竹島は、歴史的事実に照らしても、また国際法上も、明らかに我が国固有の領土でございます。そのことをしっかり国民の皆様と認識をしながら、具体的にどのような解決手段を講ずることができるのか。これは、外務省がその中心とならなくてはならないことは当然でございますけれども、政府として真剣にそのことについて取り組んでいかなくてはならないというふうに思います。

 もちろん、この問題は相手国、韓国がございます。韓国はあのような、国民世論を背景に実効支配に及ぶ、そして、そのことが既成事実化をする、そういうことを推し進めようとしているわけであります。感情論が感情論をあおるということについては慎重でなくてはならない、そのことは大切に扱っていかなくてはならないと思うわけでありますが、ただ手をこまねいているばかりでは、委員御指摘のように何事も物事は前進をいたしません。

 問題の解決は、やはり最終的には話し合いで、誠意を持って話し合いで、理を尽くして行う。昭和二十九年に国際司法裁判所にこの問題を上げよう、そういう提起をした経緯もございますが、その後、韓国はそのことに前向きにこたえていない、そういうこともございます。相手もあることでございますが、そういったことの検討も含めて、より真剣にこの問題の解決に取り組んでまいりたい、そのように存じます。

森岡分科員 私は、やはりこの問題は国民運動を展開するようにしていかなければいけないと思うんですよ。国民をいかに引っ張っていくか。日本の領土が侵されているんだということを、そういう意識が国民にもまだない。ないのも当然ですよ、政府がこんな状態ですから。今のホームページを見たら当然でございます。政府がこんな姿勢では、国民が、竹島が奪われているんだという意識を持てないのは当たり前ですよ。

 私は、北方領土問題、これは大変な国民的運動がなされている。外務省も一生懸命やっておられる。竹島や尖閣諸島になると、途端にトーンダウンしてしまっている。おかしいじゃないか。同じ領土ですよ。日本の領土が侵されている、そういう意識が政府にもない。総理大臣にもありませんよ。私は与党の立場でございますけれども、本当にこの問題では大変不満でございます。

 平沢総務大臣政務官に伺います。

 政府が正面切ってやりにくいということで、民間人がやろうと切手発行による運動を展開しようとしている、その芽を摘むようなことをしていいんだろうか。私は、日本郵政公社の総裁がとった措置、これは妥当じゃないと思っているわけです。平沢先生も政治家として、妥当じゃないと思っている、こうおっしゃった。

 私はこの間聞いてびっくりしたんですけれども、先ほど言いましたように、北方領土については国民運動がなされている。これだけ政府も一体になって、官民一体になってやっているにもかかわらず、北方領土の切手さえ出ていないんですよ、今まで。私は聞いてびっくりしましたよ。何をやっているんだ。これだけ国民運動が広がりを見せているのに、大変残念な思いがしてならないわけでございます。

 このたび、殿岡さんたちが、竹島だけではなく尖閣諸島も北方領土も写真つき切手発行の申請をしようとしておられるわけでございます。実は、私たち同じような気持ちを持っている国会議員も、同志を募って、殿岡さんたちとともにこの写真つき切手発行の申請を近日中に出す予定であります。竹島、尖閣諸島、北方領土、それぞれ国民運動を展開して、そして国民の皆さん方に、日本の領土が侵されているんだ、主権が侵されているんですよ、何とかして取り返さなければいけないんだという意識を持ってもらいたい、そう思っているわけでございます。

 領土をとられて黙っているようじゃ日本人じゃない、私はそう思うわけでございまして、平沢大臣政務官におかれましては、麻生大臣とよく相談していただいて、北方領土も竹島も尖閣諸島も、いずれの写真つき切手も発行できるように日本郵政公社にしっかりと督励していただきたい。是正命令を出すようにしていただきたい。

 私は、先ほど言いましたように、日本郵政公社法を見ましたら、総裁の任命権は総務大臣が持っている。そして、監督しなければいけない権限もちゃんと明記されているんですよ。だから、できますよ。やる気さえあれば、できますよ。どうかお約束してください。

平沢大臣政務官 森岡先生の言われることは私も全く同感でございまして、まず領土について言えば、イエーリングの「権利の闘争」という本の中に、一寸の領土を奪われて黙っている国民は全部の領土を奪われても黙っている、こういうことが書いてありますけれども、私たちは、竹島という日本固有の領土を今韓国に奪われている、こういう状態が続いているわけで、全く拉致も同じでございますけれども、日本は国家としてしっかりこの問題に取り組んでいかなければならないんではないかなと思っております。

 それで、先ほど、切手の発行については公社独自の判断ということを申し上げましたけれども、総務省として監督権限があることは事実なので、総務省として、この切手の発行を公社に対して是正できないかどうか。そして、殿岡さんがこの後発行を申し出してきたときに発行させることができないかどうか。これは、私はできるんじゃないかなと思いますので、しっかりその辺は総務省としても検討させていただきたい。

 いずれにしましても、今抗議しても領土問題というのは時間がかかります。十年後、二十年後は切手を発行したという事実だけが残ってしまうわけです。韓国は発行した、日本は発行していないという事実だけが残るわけで、まさに韓国が今考えているのは既成事実の積み重ねですから、私は、日本としてこの領土問題に毅然とした対応をとるべきであると思っていますので、今、森岡先生言われましたように、この領土問題に総務省として何ができるのかしっかり検討して、できるだけ早くその結果を出すようにしたいと思っております。

森岡分科員 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

萩野主査代理 これにて森岡正宏君の質疑は終了いたしました。

 次に、藤田一枝さん。

藤田(一)分科員 民主党の藤田一枝でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 私は、本日は、九五年に政府の決定によって設立をされましたアジア女性基金についてお尋ねをいたしたいと思います。

 御承知のように、戦時性的強制被害者、いわゆる従軍慰安婦問題が、日本の社会において解決をしなければいけない問題として認知されるようになったのは、九一年に金学順さんが名乗り出たことによるものでございました。その後、日本軍が関与した資料が見つかりましたし、何人もの被害者の方々が日本政府に対して訴訟を起こしました。こうした経緯の中で、政府も官房長官談話などで日本軍の関与を認めたわけでございます。

 しかし、補償については、サンフランシスコ条約と二国間協議によって解決済みの姿勢を崩さない、そして国家としての被害者救済策はとらない、こういう状態のままに今日に至っています。そこで、補償にかわる措置として、アジア女性基金が発足をしたわけでありますけれども、そのアジア女性基金も間もなくすべての事業が終わろうとしているわけであります。

 本日は、このアジア女性基金の活動内容と今後についてお尋ねをいたしたいと思いますが、この件については、二〇〇二年に参議院に提出されました戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案、この法律案の審議過程でさまざまに議論がされ指摘をされておりますので、重複をする部分もあろうかと思いますけれども、私にとりましては初めての質問でございますし、そしてまた、イラクへの自衛隊派遣に見られるように、政府の国際社会に対する責任というものは年々大きくなっている。そういった意味からも、一歩進んだ御答弁というものをぜひお願い申し上げたいと思います。

 そこで、まず第一にお尋ねをいたしますけれども、償いのために支出した基金の総額と国別の支給者数について、具体的にお聞かせいただきたいと思います。

西宮政府参考人 基金は、具体的事業といたしまして、一般からの募金を原資に、元慰安婦の方々個々人に対します一人当たり二百万円の償い金のお届けと、政府からの拠出金を原資として、元慰安婦の方々に対しまして医療、福祉の向上を図るための財・サービスをお届けする事業などを行っております。

 まず、お尋ねの基金の事業のうち、償い金関係でございますが、九六年八月にまずフィリピンにおいて、その後、九七年一月に韓国、九七年五月に台湾においてそれぞれ事業が開始されました。以上、三つの国・地域合計で二百八十五名の元慰安婦の方に、合計約五億七千万円の償い金事業を実施いたしております。

藤田(一)分科員 合計二百八十五名という今お話でございました。それぞれの国別の数字は当然把握されていると思いますけれども、お示しいただけますか。

西宮政府参考人 基金におきましては、元慰安婦の方々のプライバシー等に配慮いたしまして、フィリピン、韓国、台湾における各国・地域別の事業実施者数については公表しておらないと承知いたしております。

藤田(一)分科員 本当にそういうふうなことで外務省は納得をされているわけですか。それぞれの国で認定されているわけでしょう。プライバシーという問題になるんでしょうか。数の問題です。固有名詞ではありません、数の問題です。

 本当に外務省、把握をなさっていらっしゃらない、基金がそういうふうに言ったことについて、それでよしとされてきたわけでございますか。もう一度、お答えいただきたいと思います。

西宮政府参考人 我々といたしましては、人数は把握をいたしておりますけれども、元慰安婦の方々からも、人数を含めて公表しないでくれという方が多数おられまして、そういった点も含めまして、プライバシー等の問題に配慮いたしまして、先ほど御答弁申し上げたとおり、公表をしていないというふうに承知しております。

藤田(一)分科員 この数字については、前々からいろんな形で質問が出ていたというふうに思うので、その都度同じような答弁が繰り返されておりまして、今回も同じような答弁がまた出たというふうに思います。

 認定被害者の全体の何割かということについてもお答えいただけないんでしょうか。何割かというぐらいのことは把握をされていらっしゃるんではないでしょうか。いかがでしょうか。

西宮政府参考人 元慰安婦の方々の総数については、種々調査いたしましたが、把握しておりません。

藤田(一)分科員 このことだけでやっていても時間がなくなってしまいますので、少し角度を変えたいと思いますけれども、その他の事業として、財・サービス、医療、福祉、いろいろおっしゃられました。

 まず、その財源についてお尋ねをしたいというふうに思いますけれども、その財源は何が充てられたのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。

西宮政府参考人 基金によります医療福祉支援事業の財源につきましては、政府出資金をもってこれを充当しております。

藤田(一)分科員 私は新人でございますので、教えていただきたいと思います。政府出資金というのは具体的にどういうものでございますか。

西宮政府参考人 失礼いたしました。政府拠出金でございます。外務省予算でございます。

藤田(一)分科員 一部に聞きますと、ODA予算も充当されたというふうに、これは基金のホームページ上にも載っております。ODA予算と外務省の政府拠出金と、どういう形で支出されていっているんでしょうか。どういう流れの中で、ODAと非ODAの内訳等々、具体的にお示しください。

西宮政府参考人 ODA、非ODA、両方から拠出をされております。途上国向けにつきましてはODAということで理解していますが、今、ちょっと手元に数字を持っておりません。

藤田(一)分科員 具体的なODA予算と非ODA予算の内訳について、今お持ちでないということでございますか。

 この基金を所管されているのは外務省のはずでございます。そして、この基金については、既に二〇〇二年に、先ほど申しましたように、参議院において審議がいろいろと行われました。そこで具体的数字がいろいろ明らかになっているんです。

 私が今お尋ねをしているのは、物すごく新しいことではないんです。当然持っていなければおかしいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

萩野主査代理 委員長から言いますが、通告はしてあるんでしょう。

藤田(一)分科員 はい。

萩野主査代理 はっきりしてください。西宮参事官。

西宮政府参考人 申しわけございません。今、手元を調べております。

藤田(一)分科員 本当は、お答えが出るまで待っておきたいというふうに思う気持ちなんですけれども、最初の質問でございますから、それでは、その数字がわかるまで、別のことをちょっとお尋ねしたいというふうに思います。

 今、外務省の政府拠出金として支出をしていったというお話でありましたけれども、それは、アジア女性基金に直接支出をされたわけではないですね。どういう形で支出をされたのか、そのことについてお聞かせいただきたいと思います。

西宮政府参考人 事業実施委員会を経由して基金の方に拠出をしておるということでございます。

藤田(一)分科員 済みません、事業実施委員会というのは、どこの実施委員会でございますか。

西宮政府参考人 国連大学とアジア女性基金の合意でつくられた機関でございます。

藤田(一)分科員 これはぜひ大臣に伺いたいというふうに思うんですけれども、なぜここで国連大学が出てくるのか。そこでその実施機関を双方でつくって、そのような形のサービス提供を行ったのか。この辺について、どういう見解のもとに行われたのかということをお聞かせいただきたいと思います。

川口国務大臣 活動の実態の細かいことでございますので、もし事前に御通告いただいていたら円滑に審議ができるように調べてまいりましたのですけれども、それについては、そういうレベルまでの御質問をいただくというふうに承知しておりませんでしたので、至急調べたいと思います。

藤田(一)分科員 私は、通告のときに、償いのほかにどういう事業をこの基金は行ってきたのかということでお話をしておりました。事業を行うということは、当然財源を伴うわけでして、そのお金の流れがどうなっているかというのは、これは、これからやろうとしていることであればそういういろんなこともあるかもしれないんですけれども、既にやってきた、事業が終わってきていることについて、しかも、ある程度のことは基金のホームページ上にも載っているようなこともあるわけですね。その辺がなかなかスムーズにお答えいただけないというのは、大変残念だなというふうに思うんです。

 具体的に事業の中身についてお尋ねをしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

 私は、通告のときに事業の内容については申し上げていたと思いますので、具体的なことを少し、時間の関係がありますから、先に進んでお尋ねをしたいと思いますけれども、オランダにもこの事業は行っておりますね。オランダについて、どういう形で事業を行ったのか、教えていただけますか。

西宮政府参考人 オランダにつきましては、九八年七月にオランダに設立されました事業実施委員会との間に締結された覚書に基づきまして、同委員会が慰安婦問題に関し実施する事業対象者の生活状況の改善を支援する財・サービスの提供事業に対して支援を行っております。総額約二億四千五百万円ということで、七十九名の方が受け取られ、二〇〇一年の七月に終了いたしました。

藤田(一)分科員 この事業が、先ほどのお話ではフィリピン、韓国、台湾、そしてまた財・サービスというところでインドネシアとか、いろいろ国の名前が挙がってきているわけですけれども、このオランダで被害に遭った方々というのは、インドネシアの地で被害に遭われているわけですよね。インドネシアに対しては、実は、この償い基金という形では支給をされていない、高齢者社会福祉推進事業という形でしか実施をされていっていないわけですが、今のお話を聞くと、非常にちょっと複雑ですけれども、オランダの皆さんには、七十九名ですか、の方々を対象にして、こういう形で総額二億四千五百万円支出したというふうになっている。

 これは、インドネシアの高齢者社会福祉推進事業という意味からいくと、インドネシアには個人という対象では行っていないわけですけれども、どうしてこういう差が出るのでしょうか。

西宮政府参考人 インドネシアにおきましては、元慰安婦の方々の認定が非常に困難とされているということがございまして、したがいまして、インドネシア政府の実施する、御指摘の高齢者のための設備整備事業に対する支援という形にいたしておるわけでございます。

藤田(一)分科員 それでは、もう一度伺いますけれども、インドネシアの高齢者社会福祉推進事業、これは老人ホームの建設ということであったと思いますけれども、この老人ホームというのは、元慰安婦の方たちが入居をされているんでしょうか。

西宮政府参考人 元慰安婦の方を含めまして、高齢者の方約二百人が入居しておられるというふうに理解をしております。

藤田(一)分科員 ちょっと細かい話になりますが、含めましてというのは、どのぐらいの割合でございますか。

西宮政府参考人 認定事業を行っておりませんので、正確に何名の方が元慰安婦であるという数字は持ち合わせておりませんが、当時慰安所が設置されていた地域を中心に建設をしておるということでございます。

藤田(一)分科員 この基金の事業について、私は、大変疑問を持っております。この基金が発足をしたときに、本当にいろんないきさつがありまして、やむを得ないという状況の中でこの基金にかかわった方々、本当にやむを得ない苦渋の選択の中で一生懸命頑張ってこられたと思うんですけれども、非常に、事業の中身についてもばらばらになる。一体、根拠、その判断はどうやって行われたのかということが何一つ明確になっていない、そういう状況ではないかと思うんです。

 今ちょっとお尋ねしただけでも、なかなかわかりにくいお話がたくさん出てまいりました。もと慰安所があったところに老人ホームを建てている。でも、実際にどのぐらいの方が入っているかということについては出てこない。実際には、本当に少ない、いないと言っても過言ではないぐらいの数字なわけです。

 インドネシアでも、今、個人補償ということが大きくなってきている。これも、二〇〇二年に参議院に提出された法案審議の過程でずっと指摘をされてきていることなんです。インドネシアもそうですし、フィリピンの場合にしても、フィリピンとインドネシアがどう違うのかということ。被害の実態というのにそんなに差があったとは思えない当時の状況からして、しかし、フィリピンには、償い基金から二百万円、医療福祉支援金から百二十万円支払っていく。

 いろんな形でばらばらな状況が出てしまっている、こういうことについてどういうふうに受けとめていらっしゃるのか、私は、見解を伺いたいというふうに思います。

西宮政府参考人 基金の事業の対象者の決定につきましては、相手の国または地域の政府または政府当局が認定した機関、組織による認定作業を尊重して行うということでございます。したがいまして、国によって認定事業をできないとかいったようなことから違いが生じておるものと理解をしております。

藤田(一)分科員 これ以上この話をしていても余り意味がないので、少し基本的なお尋ねをしたいと思います。

 アジア女性基金にかかわる予算の流れというのは、大変複雑になってきています。先ほど国連大学のお話もありましたけれども、要するに個人補償というものを避けるために行ってきた、そういうふうに私は理解をしています。しかし、経路はどうであれ、ODA予算であれ外務省の拠出金であれ、国民の税金というもので支払われた、このことは間違いありませんね。この関係する事業というものが国民の募金によって行われたのでないということは間違いございませんね。この点は、大臣、いかがでございますか。

西宮政府参考人 償い事業に関しましては、国民の皆様からの募金を原資として使わせていただいております。それから、その他につきましては政府の資金でございます。

藤田(一)分科員 今私がお尋ねしたのは、要するに、政府の拠出だということは、もとは国民の税金によって賄われたということですね。そういう理解でよろしいですね。

西宮政府参考人 そのとおりでございます。

藤田(一)分科員 具体的な細かい話は切りがありませんので、少し先に進みたいと思うんですが、先ほども申しましたように、この基金の事業についてはいろんな国で反対運動が起きました。台湾や韓国でも、受け取りを拒否した被害者の方々も出てまいりました。しかも、その台湾や韓国で受け取りを拒否した人たちに対して、逆に政府が支援金を支給した、こういうような事態まで起きてしまって、基金の事業としては韓国への償い事業というのは中止をしなければいけなくなった、こういういきさつもございました。大臣、こういう事態をどんなふうに受けとめてこられたでしょうか。

川口国務大臣 この実施の件につきまして各国でいろいろな意見があったということは、当時私は外務大臣ではございませんでしたけれども、その当時に聞いておりました。

 それで、これは先生がよく御案内でいらっしゃると思いますけれども、サンフランシスコ平和条約の当事国との間では賠償並びに財産及び請求権の問題というのは法的に解決済みであるということでございまして、政府としてアジア女性基金によって対応するということがいいというふうに当時判断をしたということであると思います。

 それで、先ほど先生が税金が使われているではないかというふうにおっしゃられましたけれども、これについては尊厳事業という部分について使われているわけでございまして、これは、例えば国際フォーラムを開催したり、NGO広報に助成をしたり、調査研究事業をしたり、カウンセリング事業をしたりと、そういったことが尊厳事業の中身でして、それに対して税金が使われているということでございます。個人個人への請求権の問題というのは、これは条約で解決済みということになっているわけでございます。

 それで、そういう意味で、募金をさせていただいたということですけれども、これについては国民の多くの方々の御支援があったというふうに承知をしておりまして、そして、その基金の事業の中に入れられて、それが着実に進展をしているというふうに思います。

 受け取られた方々の気持ち、これもいろいろなものがその個人個人にあったであろうというふうに私は推測をいたしますけれども、中にはそういう配慮について感謝をするというふうにおっしゃられた方もいらっしゃると聞いております。

 日本として、このような問題について、多くの方に日本の国民の気持ちあるいは日本の気持ちということを理解していただくことは重要であるというふうに考えております。引き続き、そういった真摯な気持ちを持って対応していきたいと思います。

藤田(一)分科員 今、大臣が尊厳事業について税金が使われていたとおっしゃられたんですけれども、いろいろな社会福祉の財・サービス事業というのもそこに含まれていると思います。これは先ほどの答弁のとおりですから、今ここの段階でそのことについてもう細かく確認はいたしません。

 それで、私も時間がありませんので、もう一度、最後にぜひお答えをいただきたいと思うんですが、本来国の責任で解決しなければならないことを基金でやった、やはりそこに無理があって限界があった、私はこのように思っています。

 それで、この基金の呼びかけ人のお一人でありました東大名誉教授の和田春樹先生が、この基金の三カ国・地域での償い事業を終えて今考えていることというのを四点述べられています。ちょっと御紹介いたします。

 まず第一に、韓国で基金事業を受け取ったハルモニに対する社会的認知がなお得られていない。いろいろな経過があったが、基金事業を受け入れた人はそれで構わないと韓国政府、韓国社会に認めてほしいのである。

 これは、今大臣もちょっと言われましたけれども、いろいろな経過があって、本当にこの基金事業を中止しなければならないような事態、そういう意味では、韓国に対して日本がいろんな混乱を持ち込んだという本当に苦渋の思い、そこを和田先生はおっしゃっているというふうに私は思います。

 第二番目には、事業の実施の結果は、韓国、台湾では償い事業を受けた被害者は認定被害者総数の過半には達しなかったのである。この結果は基金関係者の責任ではない。基金の枠組みをつくった日本政府がこの事実をどのように受けとめるかを明らかにする必要がある。

 第三に、アジア女性基金の事業対象国は外交折衝を基礎に決定された。現時点で、基金の償い事業を終えることにするのなら、残る国に対する事業をこれ以上考えないと再確認することが必要である。慰安婦とされた人々がいるのは中国、北朝鮮、マレーシア、ミクロネシアである。台湾、韓国に実施して中国、北朝鮮に実施しないのは、不合理である。実施しない理由を説明する必要がある。それは基金の問題ではなく、政府の問題である。

 第四に、これは北朝鮮の問題にも言及をされています。平壌宣言で、北朝鮮側は請求権を放棄した。六五年の日韓条約と同じである。だとすれば、北朝鮮にも、日本政府は申し出をする義務が発生する。

 こうした四点を、基金の呼びかけ人の中で本当に一番中心となって、本当に苦渋の中でやってこられた和田先生が、基金の事業の終息に当たってこれだけのことをおっしゃっていらっしゃる。

 実際に、現実に問題は終わっていない。被害者が存在をしている。しかも、国連人権委員会やILOなどの国際機関からも政府に対して勧告が出されているわけです。こうした事実に対してどう答えていくのか、和田先生の問いかけに一つ一つどう答えていくのか、私は政府が今問われているというふうに思います。もう一度、大臣の見解を伺いたいと思います。

川口国務大臣 先ほど申しましたように、この問題は非常に難しい点を幾つかはらんでいるということだと思います。

 それで、まず従軍慰安婦の問題については、これはサンフランシスコ平和条約等の当事国との間では請求権を放棄しているということでございまして、この問題というのは法的に解決済みであるということでございます。そういった中で、これは当時の軍の関与のもとに多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるということで、おわびと反省の気持ちを表明して、そしてアジア女性基金により対応するということが最も適切であるというふうになったわけであります。それで、政府の問題としては法的に解決済みであるということであります。

 それから、アジア女性基金は、これは財団法人、民間の団体であるということでございまして、したがって、その基金を集めてやっていくということでございまして、そういう限界の中で、この財団法人でこの仕事をなさった方は非常に苦労なさったということがあるわけでございます。

 それで、今後、どういうふうにしていくかということでございますけれども、そういった法的な枠組み、これを変えることはできないと私は思っております。今のアジア女性基金で対応するということが最善であると思いますし、また、女性基金のあり方については、この団体の理事の方々がこれについていろいろお考えになられるというふうに承知をいたしております。

藤田(一)分科員 時間になりましたので、今の大臣の発言に対してそれ以上お尋ねできないのがちょっと残念でございますが、また別の機会に譲りたいと思います。

 問題は何も解決をしていないわけでございます。そこはしっかりと受けとめていただきまして、そして私は、ぜひ川口大臣の時代にこの問題、一歩前進をさせていただきたい。私は本当に、女性の大臣として活動されていることに敬意を表するわけでございますけれども、女性にとって性的にじゅうりんをされるということが人間の尊厳をいかに侵されるものであるのか、踏みにじられるものであるのか、十分おわかりいただけていると思います。どうか問題の解決に向けて一層頑張っていただきたい。

 来年は戦後六十年です。被害者の方々も高齢化をしています。一日も早く人間としての尊厳を回復して問題の解決を図るということがアジアの国々との関係においても絶対に必要なことだ、私はこのように思っております。また次の機会に、さらに具体的にお尋ねをしてまいりたいと思います。

 きょうはありがとうございました。

萩野主査代理 これにて藤田一枝さんの質疑は終了いたしました。

 次に、笠浩史君。

笠分科員 川口大臣、逢沢副大臣、どうもお疲れさまでございます。

 私も、きょう初めて川口大臣には質問の機会となるわけでございますけれども、一昨日まで四日間にわたって行われました六カ国協議、これについてと、今後の拉致問題を含む日朝交渉の行方等について質問させていただきたいと思います。

 まずは六者協議についてなんですけれども、北朝鮮側が突然文書の修正を求めるなどして混乱した場面もあったわけでございますけれども、この協議では、北朝鮮の核放棄も、そして拉致問題についても新たな進展というものはなかったというような形での閉会になったように受けとめております。共同文書すら採択ができなかった今回の六者協議は、私の目から見ますと、具体的な進んだところ、成果というものはなかったんじゃないかと思っているところでございます。

 先ほど大臣は私どもの同僚議員の質問に対して、一歩前進だと評価されるようなお話をされたわけでございますけれども、具体的にどこがどういう形で、何が前進ということになったのかをまずお伺いしたいと思います。

川口国務大臣 これにつきまして、一歩前進ということを先ほど申し上げたということでございます。

 それで、何をもって一歩前進かということですけれども、朝鮮半島の非核化ということが関係者の中で目標であるということで確認をされたというのが一つでございます。

 それから、我が国として、俗にCVIDと最近言われておりますけれども、完全な、検証可能な、そして非可逆的な核の廃棄、CVIDということにつきまして、これが重要だということで、多くの参加者からそういうふうに意見が表明をされたことについて、これも一歩前進であるというふうに思っております。

 それから三つ目に、議長のステートメントで、声明で、「調整された措置」というふうに書かれているわけでございます。これは何かということですが、核問題、これについての取り組みをそういう形で進めていきましょうということで意見の一致を見たということは、これも一歩前進の中に入ると思っています。

 さらに、今後の進展につきまして、六月末に第三回を開きましょうということがありました。それから、作業部会を設置しましょうということがございました。そういった点について認識の一致があったということですし、これは北朝鮮もその後、声明だったと思いますが、出しまして、そういうことにも合意したんだということも、北朝鮮自身がそういうことを言っておりますけれども、そういった手続面における制度化、進め方についての制度化、これも一歩前進のうちに入ると思っております。

 明るい話ばかりかというと、今後、難しい問題は幾つも残っているわけです。先ほど、重要だというふうに認識をされたと申し上げました、完全で検証可能な、非可逆的な核廃棄ということについても、では、その内容が、対象が何か。例えば平和的な利用、これについて、含むか含まないか、濃縮ウランはどうかとか、いろいろな問題について今後詰めていかなければならないということで、厳しい問題が今後まだまだあると思います。これは、六者間での連携、特に日米韓の三カ国の連携をしながら、全力を挙げて取り組んでまいります。

笠分科員 今の大臣のお話をお伺いいたしておりまして、ちょっと拉致の問題はおいておきまして、まさしくこの核の問題について、今回の声明の中では、核兵器のない朝鮮半島の実現ということが盛り込まれているわけでございますけれども、これはたしか前回、去年八月でしたか、この六者協議のときには朝鮮半島の非核化というような文言で盛り込まれていたと思うんですけれども、これは、とりようによっては、今回のこの核兵器のないという文言は、北朝鮮の核の平和利用を認めたとも受け取られかねない。ちょっと私としては後退した表現ではないかなというふうに感じるところがあるんですけれども、いかがでしょうか。

川口国務大臣 朝鮮半島の非核化ということが共通の目標であるということは認識をされているわけでございます。その具体的な内容について、これは今後引き続き議論が行われていく。先ほど、その対象が一つの実質的な問題として残っているというふうに申しましたけれども、それはまさに、それを含めて今後議論をされていくテーマ、問題であるということであります。

笠分科員 先ほど大臣がおっしゃいました、核問題に対処すべく調整された措置、このことを盛り込んだことが一歩前進だということをおっしゃいましたけれども、よくわからないんですね。国際的な会議の場合、こうした声明などというものは、外交文言というか、そういうわかりにくい言葉というのが往々にして使われるものでございますけれども、これも、一目、一見読んだだけでは何がどう決まったのかがわかりにくい。ぜひとも大臣に、核問題に対処すべく調整された措置というものが、ちょっと先ほどの説明ではわかりにくかったので、具体的に説明をしていただけるでしょうか。

川口国務大臣 調整された措置、英語でコーディネーテッド・ステップスという言葉になっていますけれども、これは北朝鮮が、先ほどの、完全な、非可逆的な、検証可能な核の廃棄、これを行う、そういう前提のもと、そういうコミットメントをするということを前提にいたしまして、核問題を中心といたしました北朝鮮の問題の包括的な、迅速な解決のために、関係者が、すなわち関係六者ですけれども、それぞれが調整された形で措置をとっていくということを言っているというのが日本の理解でございます。

 では、それぞれ何に対して何をやっていくのかということについてわからないではないかというふうに言われるかと思いますけれども、それは、今の段階で決まっているということではございませんで、設置が決まった作業部会の場や、次回以降の六者会談の中でその具体的な中身というのは決まっていくということであります。

 北朝鮮がずっと言っていたことが、同時一括妥結案ということを、同時性ということを言っていたわけですが、それに対して調整された措置ということで、六者がそれでいいということになったということは意味があるということだと思います。

笠分科員 つまり、これについての具体的な各国間における共通の認識というものは、今後の作業部会の中で恐らくは検討をされるということなんでしょうけれども、この作業部会ですね、この役割というものは、例えば、ここにおいて、先ほど申し上げましたような、核が、平和的な利用のことまで含めてその放棄を迫っていくというような認識に、各国が共通認識をそこのテーブルの中でしっかりと持つというところまで、例えば作業部会で詰めていくことになるのか、この位置づけというものについてお伺いいたします。

川口国務大臣 作業部会の位置づけですけれども、これはさらにその次の六者会談の準備のためということであります。それで、何を作業部会で検討するのかということについては、今の段階で決まっているものはなくて、これを今後外交チャネルで、外交当局間で話をしていって決めていこうということになっているわけです。

 それで、日本の立場として、これはもうずっと申し上げていることですけれども、日本の基本的な立場というのは、完全な、検証可能な、非可逆的な核の廃棄、これを求めるというのが基本的な立場であります。そして、その基本的な考え方のもとで、次の六者会談を実りのあるものにしていくために積極的に努力をしていきたいというふうに考えています。

笠分科員 とすれば、この作業部会というもので何らかの、今後、日本としてもしっかりと核の問題を含めて、何を取り上げるかということについて、当然、主張をなされていくわけだと思います。ということは、これは次回の六者協議を開くための環境を当然整えていく場だと認識をするわけでございますけれども、ここで何かがまとまらなければ六者協議が開かれない、そういった拘束力のあるものではないということでよろしいのでしょうか。

逢沢副大臣 今の御質問にお答えをいたすわけでございますが、次の六者協議は六月末までに北京で開こう、このことは、さきの六者会合、六カ国協議で決定をされたわけであります。三回目の六者会談をより実り多いものにするために作業部会を設置された、そういう側面が非常に強いということも率直に申し上げておきたいと思います。今大臣が御答弁なされたように、作業部会によって、今現在は、何をどのように具体的に協議をするか、具体的に次の三回目に向かって準備をするか、それは決まっていない。

 外交チャンネルを通じて何をやっていくかということをこれから詰めていくわけでございますが、委員の質問にお答えをするとすれば、作業部会の議論がなかなか煮詰まらなかった、我々が期待するようなものにならなかった、あるいは、それぞれ六カ国の考え方にずれがある。だからといって、六月末に開くということを決めた三回目が延期になるでありますとか、あるいは、それが結果的に開けなかったということはないんだという合意はなされているものと承知をいたしております。

笠分科員 私が今そのような話を申し上げたのは、やはり今実り多い第三回目にしたいということでございますけれども、何となく、見ておりますと、このまま行くとどうしても、北朝鮮のまさに安保理に対しての例えば採択がなされないようにとか、時間稼ぎのような、一歩見方を変えると、協議とも受け取られかねないような側面があるんではないかということで、やはりもう次あたりはしっかりと、また先延ばしということがないように、ぜひ我が国としてもそうした意味でのリーダーシップを発揮していただきたいなということをあえて申し上げさせていただきたいと思います。

 ところで、今回この六者協議の機会を利用して、日朝間の交渉を、きょうこのいただいた資料によりますと、二国間の交渉についてもいろいろと踏み込んだ話し合いがなされたというような、相当じっくりと率直なやりとりを行ったというようなことが、この「概要と評価」の中で示されているわけでございます。

 薮中局長から当然大臣も報告を受けていると思われますけれども、けさですか、自民党の安倍幹事長に対して薮中局長が報告をされた後に、これについて、前回の平壌におきます政府間協議のときよりも北朝鮮側が非常に軟化しているというようなことをおっしゃったようなんですけれども、私この軟化というのがちょっと一つわからないんですけれども、どういうことをとらえて、大臣に対しての御報告の中にもそのようなお話があったわけでしょうか。

川口国務大臣 薮中局長がどういう意味で軟化というふうに安倍幹事長に申し上げたのか、それについては私は直接薮中局長から聞いておりませんので、こういうことでしょうと申し上げかねるところがありますけれども、私なりに思いましたこととしては、前回日朝の二国間会談をやりましたときには、外為法が国会を通過した二日後であるということで、非常に会談の雰囲気としては厳しいものであったということでございました。日本は、ちょっと具体的な言葉遣いは忘れましたが、力をもって問題を解決しようとするのかというような表現があったということでございます。

 それで、今回の会合につきましては、これは非常に冷静に落ち着いた雰囲気の中で両方しっかりそれぞれの立場を述べ合ったということは変わりありませんけれども、雰囲気としては非常に冷静なものであった、また真剣なものであったというふうに聞いております。そういった雰囲気の差を言ったのかなと、今先生の御質問を伺いながら思っておりました。

笠分科員 きょうはちょっといろいろと忙しくて薮中局長の方はこちらにおいでになれないということであるわけでございますけれども、大臣の受けられた報告の中で、北朝鮮側のその真剣さですね、例えばどういうところからそういう感じを持たれたんでしょうか。

川口国務大臣 具体的な言葉遣いということではありませんけれども、話すべきテーマといいますか、問題がかなり広いことであったわけですけれども、それについて常に、別に席を立つわけでもなし、声を荒げるということでもなく、問題にきちんと冷静に北朝鮮の立場を主張したということであったというふうに聞いています。

笠分科員 そうした延長線上で、報道されているところでは、次回のこの日朝の政府間レベルでの協議というものが今月じゅうにも、中旬か下旬かわかりませんけれども、行われるのではないかというようなことが報じられているわけですけれども、この次回の協議についての見通しについて、具体的にお聞かせください。

川口国務大臣 これにつきまして、今回の北京での会合の際に、二十五日、最初の日ですけれども、北朝鮮と直接に一時間以上の会談を行った、八十分間にわたって行ったということであって、金桂冠副相との間で率直なやりとりを行ったわけでございます。それで、その後、繰り返し引き続きこの問題について北朝鮮側から日朝の二国間の会談、話し合いを持つということについて同意をするという旨の表明があったということでございます。

 具体的にいつかということについては、我が方としてはできるだけ早い方がいいということで申し入れをいたしました。これに対して金桂冠副相は、本国に伝えて、そしてしかるべきルートで返答をするということを言っているわけでございます。

 北朝鮮が早く責任のある態度でこれについて答えをもたらすということを強く求めたいと考えています。

笠分科員 では確認ですけれども、まだその返事は来ていない、しかるべきルートというのがどういうルートなのかよくわかりませんけれども、そして今その返事をとりあえずは待っている状況、ボールは北朝鮮側にあるということでよろしいんでしょうか。

川口国務大臣 そのとおりです。

笠分科員 そして、この次回の二国間におきます政府間の交渉については、前回は薮中局長に加えて田中均審議官も同席をされたわけでございますけれども、これは、次もまた田中審議官が同席をされるということでしょうか。

川口国務大臣 外交会談でだれが出るかということについては、例えば向こうのレベルといったことにもよりますので、会談の日程が決まっていない時点でだれがこれをやりますということを申し上げるというのは難しいというふうに思います。

 ただ、申し上げられるのは、大体同じレベルで合わせるということでございますから、向こうで次官が出てくる、あるいは前回そうであったようなそういうレベルの人が出てくるということであれば、それは、前回と同じような陣容でということは十分にあり得るというふうに思いますが、今の時点で、決まった、それで決めますということではございません。

笠分科員 先ほど大臣は、先月の平壌での交渉において、外為法の改正案も通って成立をしたことを受けて非常に厳しい中での会談であったというようなことの、私ども民主党も賛成してこの改正案が成立したわけでございますけれども、これについて一定の役割があったということで、そのことに私は評価をしていただいたように受け取っているわけでございますけれども、例えば、今後の状況を見きわめながらこの発動というものも考えていく、検討していく、そういうお考えはあるでしょうか。

川口国務大臣 一つのツールであるというふうに申し上げたわけですけれども、日本として、対話と圧力という基本的な方針は持っています。今後、北朝鮮が事態を悪化させるようなことがある場合には、そのときに適切な対応方法を考えていくということでございます。

笠分科員 もちろん政府としては対話と圧力ということを基本的な方針として今この北朝鮮の問題に臨んでおられるということですけれども、やはり、今状況を見るに、対話はもちろん大事です、これは本当に当たり前のことでしょう。しかし、圧力の部分をどうかけていくのかということが、まさに私は拉致問題を抱える中で、北朝鮮が妥協してくれば別ですけれども、譲歩の姿勢を見せない限りは、私自身としては、その圧力について、どういうものがあるのかということを常に真剣に考えていかなければいけない、そのように思っているわけでございますけれども、大臣としては、今現在、この対話と圧力のどちらに比重をかけていくべきとお考えなのか。私は、やはり圧力の方に重きを置くべきではないかと思っておるわけでございますけれども、いかがでしょうか。

川口国務大臣 今はまさに対話が行われている最中であります。対話によって解決をしていきましょうということでみんな合意をしている、それを進めているということでございます。

 北朝鮮からしかるべきルートでの回答というのを我々としては待っているということであると思います。

笠分科員 それでは、北朝鮮側がいずれ回答してくるわけでしょうけれども、日朝の政府間レベルでの正式な協議という場で、これはやはり、例えば次回もまた余り目に見える一定の成果が見られなかった。つまり、五人の拉致被害者の方々の家族、これを一刻も早く日本に戻すというところがまずあるわけでございますけれども、具体的な成果というものをいつまで待ち続けるのか。あるいは、やはりその状況を見ながら圧力を強めていく、これはまさしく、やってみる前からなかなか言えないということもあるかもしれませんけれども、やはり毅然とした大臣の、外務大臣としての姿勢というものが求められていると思うんですけれども、いかがでしょうか。

川口国務大臣 対話と圧力というのが基本的な方針であるということを申し上げました。それをいつ、どのようにやっていくのかということについては、私はそれを事前に申し上げるべき話ではないと思います。それは、交渉をしていることでありますから、その交渉の状況に応じて適切に判断をしていくということであると思います。今は六者そろって対話をしているということであると考えております。

笠分科員 私は、今回のこの六者協議も、いろいろな、さまざまな、これから核問題あるいは拉致問題、それぞれ解決をしていく経緯の一つなのかもしれませんけれども、まさに拉致被害者の、家族の不明を案じる気持ち、あるいは帰国を待つ方々、関係者を含めた方々のこの気持ちというものを考えるときに、やはり会議のたびの先送り、もちろん、ちょっとした前進はあった、一定の進歩はあった、進んでいるんだとおっしゃっていても、やはり目に見える成果というものを、これだけ時間がたちますと、やはり待たれているのではないかと思っているわけでございます。

 非常に難しい交渉だとは思います。しかし、各国とも、そしてこの六者協議の場においても、国内的な政治課題をそれぞれ抱え、それぞれ事情もあると思います。しかし、拉致問題は、まさに日本の主権にかかわる、主権が侵された、決して許すことのできないこれは犯罪でありますから、ぜひ大臣には今後とも毅然とした姿勢を貫いていただきたい。

 そして、そういうふうなことについて、やはりこれから目に見える形での日本の外交というもの、あともう一つ大事なことは、先ほどもちょっと申し上げたんですけれども、わかりやすい説明というものがないとなかなかこれは国民の理解というものが得られない。一体政府は何をやっているんだというふうに受け取られてしまいかねない。そうしたことについて、今後の大臣自身の、当事者として、北朝鮮、特に拉致問題、これについての解決をしていく、もう本当に長い時間がたっていますから、ぜひ被害者の家族の方々へ、その決意を最後にお聞かせいただきたいと思います。

川口国務大臣 拉致に遭われた被害者の方や、その御家族、関係者の方々のこの問題についてのお気持ちは、私は強く認識をいたしております。この解決のために全力投球をする所存でございます。

笠分科員 最後に、ぜひ今の言葉どおりに、必ずやはり次の日朝の政府間レベルの協議でも、もし成果というものが、難しいかもしれないけれども、何かきちんとした、目に見える形でのわかりやすい、一歩前進したんだというものをきちんと北朝鮮から引き出す、そしてそれくらいの覚悟で、だらだらとだらだらとやるんじゃなくて、やはりこの圧力の部分、対話と同時に圧力の部分というものをしっかりと考えて、そして、私ども民主党といたしましても、そのためでありましたらしっかりと取り組んでまいりますので、ぜひともそのことを改めて繰り返し大臣にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

萩野主査代理 これにて笠浩史君の質疑は終了いたしました。

 次に、東門美津子さん。

東門分科員 社会民主党の東門です。よろしくお願いいたします。

 私は、きょうは日米地位協定の問題について、まず御質問をしていきたいと思います。

 日米地位協定改正に関する政府の見解は、その時々の問題についての運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの考え方のもと、運用の改善に努力しているところであり、これが十分効果的でない場合には、我が国のみで決定し得ることではないが、改正も視野に入れていくことになると考えているというものであり、大臣も繰り返しこの旨答弁されております。

 二月二十日、米比合同演習バリカタン04に参加する在沖米海兵隊普天間飛行場所属のCH53輸送ヘリとKC130空中給油機が、給油のため下地島空港に着陸しました。この着陸に対しては、地元が反対をし、沖縄県が自粛を要請していたにもかかわらず、米側が着陸を強行したものです。

 米比合同演習に参加するための民間空港の使用は、二〇〇〇年以降毎年繰り返されており、私は、昨年も一昨年も外務委員会でその件を取り上げてきました。昨年五月二十一日の外務委員会での外務大臣の御答弁は、民間空港を使用しないで済むように、さまざまな検討を行って、できるだけ少なくなるようにと考えるということでした。しかしながら、ことしもまた民間空港が使用されることになりました。

 地位協定第五条により、米軍が我が国の飛行場に出入りする権利を有しているとはいえ、米軍側も県民の感情に配慮すべきではないでしょうか。昨年も述べたことなんですが、着陸の実績づくりをしつつ、恒常的な使用をもくろんでいるのではないかと疑わざるを得ません。

 そこで質問ですが、今回の下地島空港への着陸がどのような必要性により行われたものであると大臣は承知しておられるのか、まずそこからお伺いいたします。

川口国務大臣 米軍は、これは委員がよく御存じのように、日米の地位協定五条で飛行場や港湾に出入りするということについては重要である、できることになっているわけでございます。それで、昨年の答弁で申しましたように、米軍が公共の安全に妥当な考慮を払うとか、それから地元との関係に考慮を払うということは必要であるということを日本政府として考えているということでございます。

 それで、これについて政府としては、米軍の航空機や艦船による、飛行場、港湾、そういったことに出入りをして、民間の航空機、船舶、飛行場、港湾の使用、そういったことに影響をもたらさないように、従来から米軍に対して配慮を求めてきているということでございまして、今後ともこれは続けていきたいというふうに思っております。

 それで、下地島の空港の件でございますけれども、これは、給油のために着陸をしたというふうに承知をしております。

東門分科員 必要性は給油のためだったというのが大臣の認識であるということを伺いました。

 民間空港を使用しないで済むようにさまざまな検討を行うとおっしゃっておられたわけですが、これまでその件でどのような検討をしてこられたのか、お伺いします。

長嶺政府参考人 御答弁申し上げます。

 今回、先ほど委員の方からお話ございましたように、米軍はフィリピンで行われる米比合同演習、バリカタン04でございますが、これに在沖海兵隊所属のヘリを参加させるためということで、今回下地島の空港の使用ということに相なったというふうに承知しております。

 もとより、こういった米軍の航空機による我が国飛行場の出入りにつきましては、先ほど大臣からございましたように、日米地位協定第五条に基づく権利ということではございますけれども、実際の使用に当たって、所要の調整をいろいろ図っていくということでやってございます。

 今回の使用に当たりましても、米軍としては、民間機による空港の利用への影響が最小限になるようにという観点から、空港管理当局である沖縄県との間で所要の調整を行ったものというふうに承知しておりますが、その調整の結果として、今回二月二十日の使用ということに至ったものと承知しております。

東門分科員 参事官は、私の質問には答えておられないと思うんですね。どのような検討を行ってこられましたかというのが私の質問なんです。長い答弁は要りませんので、明確に質問だけに答えていただければいいと思います。

 済みません、今の検討を行ってこられたのと、もう一つつけ加えます。民間空港の利用自粛に関し、米国との協議において取り上げたことがあるのでしょうか。米国とその件で取り上げてきたことがあるのかどうか、伺います。

長嶺政府参考人 先ほどもお答え申し上げましたが、米軍の航空機の我が国飛行場使用に当たりましては、これは、原則としてはもちろん地位協定上の権利ということがございますが、実際の使用に当たりましては、実際の空港の利用への影響を最小限にするという観点から、調整を必ず行ってきておりますので、そういう意味におきまして、米軍との間で検討されているということはございます。

東門分科員 地位協定を改正していただきたいという声が随分上がっている、それでも外務省としてはそういうことは考えていないと私、冒頭申し上げて、そのとおりでしょうけれども、それならば、外務省お得意の運用改善を行って、民間空港の使用は緊急時に限るというようなことの一定の条件を付すことは考えておられませんか。

長嶺政府参考人 繰り返しの答弁になって恐縮でございますけれども、米軍の航空機によります我が国飛行場の出入りということが地位協定上の権利でございますので、あくまでもその上に立ちまして、個々の民間機による空港の利用への影響等これらを調整するということは、これはもう当然必要になってまいりますので、そういう中で問題を最小限度にするという観点からの調整を行うことが妥当な方法ということで行われてきているわけでございます。

東門分科員 ただいまの答弁、とにかく日本としてはもう何もできないんだというふうにおっしゃっていたかのように思います。いわゆる米軍の運用上の問題なので、日本側としては何も言えない、運用の改善がいい、効果がある、その方が早いとおっしゃっていることも、この場合は、緊急時に限るということだけでも持ち出せないということだというふうに私は理解いたしました。とても残念ですけれども、そういう姿勢なんだなということなんですね。

 次に、環境問題について伺います。

 昨年三月に返還されましたキャンプ桑江北側内の物品販売施設から、同年十一月、PCB使用の疑いのある蛍光灯の安定器三百三十八個が発見されましたが、同跡地で油臭がしていたことから行った調査の結果、土壌汚染対策法の基準値以上の鉛や砒素等で土壌が汚染されていたことが同月判明しています。

 運用改善の一環として二〇〇〇年九月に合意された環境原則に関する共同発表は情報交換の強化をうたっているにもかかわらず、今回もまた返還後に土壌汚染が見つかるのは何ゆえでしょうか。何が改善されたのかと言わざるを得ません。土壌汚染の原因はまだ明らかでないようですが、返還が決定したら、都合が悪いものや処理が面倒なものは放置して知らぬ顔をすれば済むものではありません。地位協定上、米軍に原状回復義務はないとしても、米軍の態度は余りにも無責任であり、不誠実と言わざるを得ません。

 返還跡地から土壌汚染等が見つかる現状に対する外務大臣の認識と、地位協定に環境に関する条項の新設や環境問題に関するさらなる運用改善の必要性についての御見解を賜りたいと思います。

川口国務大臣 環境問題につきましては、これは沖縄県民の方はもちろん、日本国民の関心が高く、また、在日の米軍、在沖米軍においても関心が高いというふうに私は承知をいたしております。

 それで、おっしゃったように、二〇〇〇年の九月でしたか、環境原則に関する共同声明を出した。そして、日米両政府が地域住民の健康及び安全を確保することが共通の目的であるということを確認いたしましたし、それ以降、環境につきましては、例えばJEGSを定期的に見直すとか、更新のために協力を強化するとか、そういった合意もその中に入っているわけでございまして、情報交換、その他のことのために環境分科会も定期的に開催をしているということで、取り組みをいろいろやっていると思います。

 環境については、PCBの搬出も含め、幾つかの運用の改善で進展があると私は考えております。こういったその時々の問題について、分科会等で話し合って、きちんといい対応策を見出していくというメカニズムがちゃんと機能しているというふうに考えております。

 引き続き、これに取り組んで、環境問題についてさらなる取り組みができるかどうか、不断に考えていきたいと思っております。

東門分科員 また別の場でその件についてはさせていただきますけれども、ちょっと予定しているのがありますから進みます。

 次に、刑事裁判手続について伺います。

 二〇〇一年に発生した海兵隊員による連続放火事件の際、当時の河野外務大臣は、国会において、放火犯に対する我が国刑法の厳しさというものを考えれば、運用改善で明示された殺人、強姦と同等に悪質であるとの認識を示しつつ、「残念ながら、殺人、強姦は明示的に書いてございますけれども、放火というのは明示的に書いていないものですから、これについてはまた合同委員会を開いてやりとりをするということになる可能性があったものですから、私は、この特定の場合というのに明示的に書くようにこれから努力をしようということを考えたわけです。」と述べておられます。これは、二〇〇一年の二月二十七日、衆議院の沖北特での御発言でございます。

 この当時の河野外務大臣の意向を受けて、同年三月には、政府は、日米合同委員会において、刑事裁判手続の運用改善に営利誘拐、現住建造物放火、凶悪な強盗などを加えることを提案したとされていますが、その後、成果が得られたという話は聞いていません。

 この協議以降の刑事裁判手続の運用改善に関する日米間協議の経過と現状を御説明いただきたいと思います。

長嶺政府参考人 ただいま東門委員からございました点につきましてでございますけれども、九五年の日米合同委員会合意を踏まえまして、その後、政府としては、この合意を適切に運用していくということ、そして、それとともに刑事裁判手続に関する特別専門家委員会等を通じまして、さらなる運用改善に向けて米側と協議を行ってきております。

 ただいま委員が御指摘になりましたお話も、この特別専門家委員会等において、この問題について対応していくということを触れられたものと考えております。この委員会は、これまで米側と協議を行ってきておりますが、まだ結論を得るには至っておりません。

 今後とも、これを引き続き協議していくという所存でございます。

東門分科員 では、今まで、この件に関して何回ぐらいの協議の場を持っておられるのでしょうか。

長嶺政府参考人 ただいまの刑事裁判手続に関する特別専門家委員会でございますが、正式な協議としましては、平成十三年に三回開催されております。

東門分科員 平成十三年に三回、これは私、以前にも海老原局長から得た数字なんですが、では、その後、一度もその件に関しての協議は行っていないということですか。

長嶺政府参考人 ただいま申し上げましたように、平成十三年に三回、正式な専門家委員会を開催してございますが、その後、米側との間では、いろいろ非公式な意見交換等により、お互いの認識を深めるということは続いております。

 他方、この問題につきましては、別途行われている日米地位協定のもとでの刑事裁判手続に関する日米交渉が昨年夏に行われております。このような中におきましても議論することが、ただいま委員から御指摘のあった、その他特定の場合の明確化にも資する、そういう議論になっていくことを私どもとしては期待しているところでございます。

東門分科員 地位協定に関する日米交渉、その件は別としまして、先ほど非公式の場でアメリカ側と話し合いをしているというふうにおっしゃったと思うんですが、この非公式というのはどれくらいの重みがあるんですか。

長嶺政府参考人 私が今、非公式にと申し上げましたのは、日米間におきましては、いろいろなレベル、いろいろな場において議論をしておりますので、そういったものの総体で申し上げたものでございます。もとより、正式な特別専門家委員会での議論というものとは分けて考える必要があることは、そのとおりでございます。

東門分科員 ほとんど行われていないということなのかなと理解していますが、しかし、非公式に行っている中からその専門家の委員会のあたりに行くというのであれば、また少し違うのかなという気はしないでもないんですけれどもね。

 河野外務大臣は、米兵の連続放火事件に対する問題意識を御自身のお言葉で本当に率直に語られて、さらなる運用の改善の必要性について述べられました。私は、運用の改善では済まないという点において見解を異にしておりますが、その真摯な態度は評価に値すると常々思っております。

 川口大臣は、政治家ではなく、民間から起用された大臣でありますが、外務大臣である限り、大所高所から我が国の国益を考え政治判断をするべきであり、そうでなければ大臣たる資格はないと私は思います。官僚の書いた答弁を正確に記憶されて外務省の見解を繰り返し国会で述べられることが、外務大臣に求められている資質ではないと私は思っております。

 地位協定の改正を視野に入れるときが来ているのではないかと私は考えますが、大臣の立場が異なることはよく知っております。しかし、川口外務大臣に、御自身の言葉で、現行の地位協定の問題点について、どのようにしていこう、何を感じておられるか、それを御自身のお言葉でお話しいただければと思います。いつも大臣がお答えになる決まり文句ではなくて、しっかりと大臣が、地位協定の問題点はここにある、こういうところはどうしなければいけないというところでお話が聞けたらと思います。よろしくお願いします。

川口国務大臣 先ほど環境についての御質問がございましたけれども、例えば環境のように新しくいろいろな規制ができたり、人々の意識が変わったりといった分野というのは確かにあると思います。これは、地位協定のみならず、社会全体の問題として、そういった新しいことに追いついていっているかどうかということがあると思います。

 環境について言いますと、また逆にそのような、物事が、いわば社会の常識が動いている分野、私は、それこそ運用のその都度都度の改善をやっていくということがふさわしいのではないかというふうに思っております。

 ですから、先ほど環境問題に対応するメカニズムというのは機能していると思うというふうに申し上げましたけれども、それは、かつて環境大臣もやった立場として、まさにそういうふうに考えているわけです。

 おっしゃった、犯罪が増加をしているということは、非常に問題としてあると思います。では、その問題に対応するということは、やはりこの犯罪の問題をどうしたら減らすことができるかということに力を傾注することであって、それは、今三者協とかいろいろな場でその話がありますけれども、そういう場を活用して知恵を出していく、地元の地域社会の方々にも加わっていただいて知恵を出していくということであろうと思います。

 問題の解決をできるだけ早くしていくということについて、そして変化する情勢に対応を敏速にしていくという観点からいって、私は、地位協定は、運用の改善にさらなる努力をしていく、そういう段階であると思っております。

東門分科員 環境の面と犯罪の面からお話しいただきましたけれども、大臣、私、よく地位協定については質問しています。いろいろなところからも質問あるかもしれませんが、それだけではないんですよ。本当にたくさんあるんですね。

 アメリカに行き、この間、何度か言いました、一度まとめて御質問しようとは思っているんですが、アメリカの方では、地位協定は絶対に変えてはいけない憲法のようなものだという声がありました、政府の方から。当然でしょう、アメリカの方に絶対的に有利なんですから。本当に不平等きわまりない協定だと私は思っています。一番多くの被害をこうむっているのはどこかということをぜひわかっていただきたい。簡単に今環境、環境条項は、私は運用の改善ではなくてしっかりと中に入れられるべきものだと思っています。

 それで、その点一つからしても、もちろん地位協定は改正されるべきだという立場をとっていますが、それだけではないんですね。日ごろの生活環境が脅かされているということ、本当にひどい状況にあるということをわかっておられないなと今御発言を聞いて思いました。もっと真剣に考えていただきたい。

 大臣には、多くの課題を抱えておられるのはよくわかっております、先ほど来の質問、いろいろありましたから。しかし、これもとても大きな問題である。簡単に運用の改善でできる、その方が効果的であるというふうにおっしゃる。運用の改善でもっとできるというふうにおっしゃるのがすごく残念なんですが、もう少し踏み込んだ御発言が伺えるのではないかという期待をしておりましたけれども、それ以上は伺えないのでしょう。

 次に移ります。

 普天間飛行場の移設問題なんですが、代替なしでの普天間飛行場の返還を米側が打診という二月十三日付の毎日新聞の報道に関しまして、二月二十六日の安全保障委員会において、もし代替施設建設なしの普天間飛行場の返還を米側から提案されたらどう対処するのかとの質問に対して、大臣は、米側と緊密に協議した経緯があり、米側からそのような提案が今後あるとは我々としては想定しがたいと答弁されております。

 大臣が想定しがたいという御認識を持っておられるということは、前方展開戦略の見直しは我が国に影響がないと決めつけられて、この機会に沖縄の基地負担の軽減を図ろうとする考えが大臣にはない証左ではないだろうかと私は受けとめましたけれども、米国の前方展開戦略の見直しが在沖米軍に与える影響についての大臣の御認識をお伺いいたします。

川口国務大臣 沖縄は、これも何回か申し上げていることですけれども、日本にある米軍の基地、施設の七五%があるということで、御負担がかかっているということについてはよく承知をいたしております。

 それで、アメリカの兵力構成の議論に当たって、我々としては、沖縄を含む日本の地域の方々の負担、これが軽減されるということが重要であるというふうに私は思っております。

 今いろいろな、米軍の兵力の構成の話については、米軍としてもいろいろ考えている、アメリカとしてもいろいろ考えている。我々としても、いろいろな非公式の話というのは聞いておりますけれども、この沖縄の問題については、先ほど申し上げたような考え方を持っております。具体的にどういう形になるかということについては、今まさにアメリカが考えている最中でございまして、我々としてそれは承知をしていないということであります。

 沖縄の負担の問題については、私も先般、ラムズフェルド長官とお話をしましたときに、私の方からこれについては話に出しました、提起をいたしました。そのときにラムズフェルド長官から、沖縄の問題については十分理解をしている、米側としても引き続き沖縄への影響を小さくするように努力していきたい、そういったことを伺っております。

東門分科員 沖縄への影響をできるだけ小さくしていきたいとラムズフェルド国防長官がおっしゃった、そのできるだけ沖縄への影響を小さくしたいというのは、大臣としてはどのように受けとめられましたか。どういうことを意味しているというふうにお感じになりましたか。ラムズフェルド長官は直接おっしゃらなかったかもしれません、中身は。大臣としては、お話の中でどのようなことだとお感じになりましたでしょうか。

川口国務大臣 具体的に、例えば代替数が幾つかとか、そういった形で申し上げるということは、アメリカ自身が今考えていることでもございますし、我々として具体的にどうかということは申し上げる立場にはないというふうに思います。

 私として、これが日本の方針ですから、方針といいますか基本的な考え方の一つとして、地元の方々の負担を減らしていくということがあるわけでございます。できるだけ負担が小さくなる、そしてもう一つ、我が国の安全保障、これについては抑止力が非常に重要ですから、抑止力についてはこれを維持する、この二つの柱、これが重要だと思っているということです。

東門分科員 普天間飛行場を代替施設を前提とせずに返還する方針をアメリカ側が日本政府に非公式に打診したとの報道の中で、これは毎日新聞にありましたし、私、予算委員会でも質問いたしましたが、そういう報道の中で、二月十七日に、ラフルアー米国務省東アジア太平洋担当特使とローレス米国防副次官補が、長嶺参事官のお名前が出ておりましたけれども、それと防衛局の次長ですか、にお会いして、その中で協議した、非公式にではあるということでして、取り上げたとありますが、そういうことがありましたか。

 私は中身はお聞きいたしません。そういうことがありましたかということだけお聞かせください。

萩野主査代理 長嶺参事官、もう時間が来ておりますから、簡潔に。

長嶺政府参考人 それでは簡潔に申し上げます。

 二月十七日に米側関係者との間で協議を行ったということは事実でございますが、今お尋ねの普天間飛行場の移設、返還について、辺野古沖への代替施設建設にかわる何がしかの案といったものの打診を受けたということはございません。

東門分科員 終わります。どうもありがとうございました。

萩野主査代理 これにて東門美津子さんの質疑は終了いたしました。

 次に、町村信孝君。

町村分科員 大臣、どうもお疲れさまでございます。

 私どもよく覚えておりますが、二年前の二月でしたか、前大臣のもとで、外務省はいわば混乱のきわみとも言えるような状態にはたから見て見えました。そういう難しい状況の中で、二年前に御着任をされて以来、大変な御努力をしてこられたことと思いますし、また、イラクの問題、北朝鮮の問題等々、いろいろ難しい問題が山積をしておりました。そういう中で、川口大臣のこれまでの献身的な御努力に対して、まず、心から敬意をあらわしたいと存じます。

 ちょうど、折しも今、イラクには、私どもの地元の北海道から数多くの自衛官の皆さん方が、イラクの復興のために大変な、献身的なかつ崇高な努力をしておられます。そうした任務達成が一日も早いということを期待しておりますし、また、皆さんが無事で帰ってきてもらいたいな、そんな思いで日々のニュースに接しているところでございます。

 まず大臣に、冒頭、一つだけお伺いいたしますけれども、御着任後、半年ぐらいたってから、たしか十四年の八月だったと思いますけれども、外務省改革の行動計画、アクションプランというんでしょうか、これをお決めになり、それをずっと実施をしてこられた、こう思います。ただ、そのころは随分、毎日、新聞をあけると、外務省改革、外務省改革というのが出ていましたが、最近、とんと出てまいりません。それは、着々と進んでいるということなのか、はたまた、熱しやすく冷めやすいマスコミの体質をあらわしているのか、よくわかりませんけれども、私は、相当な進展があったんだろうし、しかし、まだまだという面もあるんだろうと思います。

 そうしたことについて、これまでの実績を踏まえながら、さらなる外務省改革にどのように取り組んでいくお考えであるか、大臣の決意を伺わせていただければと思います。

川口国務大臣 今おっしゃってくださいましたように、二年前の二月一日に、小泉総理が、あなたの最大の課題は外務省改革であるというふうにおっしゃられまして、外務省の改革に取り組んでまいりました。

 それで、私が一番最初に考えたことは、外務省というのは外務省の省員のものではない、外務省というのは日本全体のものである。外務省が国益を守るいい外交ができるということのために、外務省の組織改革が必要であるということでございまして、当時、「開かれた外務省のための十の改革」というのを考えまして、三つのキーワード、透明性とスピードと実効性、三つを挙げました。

 その中で、透明性というのが、やはり当時、いろいろ外務省を囲む問題で起こっていたことに照らして非常に重要であるというふうに私は考えました。外務省のやっている仕事については、交渉中の案件であったり、なかなか透明にできないところが確かにあります。それから、情報の開示についても、相手国との関係もあってできないところもありますが、そういう制約の中で、やはりできるだけ開かれたものにし、発信をしていくことが大事であるというふうに考えたわけでございます。そのためには、領事サービスも含め、タウンミーティングも含め、情報の開示も含め、いろいろやっていったということであります。

 それから、スピードという意味では、早く外務省が立ち直って、外交にもっと力を注げるようにならないと、これは大きな問題ですので、スピードということを言いました。

 それから、実効性という意味では、これは実行をどんどんしていくことでなければいけない。それまでも、前の河野大臣の時代から外務省の改革には取り組まれていらっしゃいましたけれども、確かに、なかなか外から見えにくいところがあって、それはなぜかというと、私は、何をいつまでにやるということがはっきりしていなかったということが一つの問題であると思いまして、「変える会」をつくり、そこで行動計画を出し、その行動計画には、何をいつまでにやるという期限を切ってあります。その期限どおりにできたかどうかということを日本国民全員がチェックできるようになっているというやり方でやってきております。

 霞が関に先駆ける改革ということで、当時、改革をしようという動きがいろいろありましたけれども、霞が関の中で一番モデルになるということを考えております。

 総理が、各省の幹部について、各省の交流を、三年間で一〇%、交流人事にするということをおっしゃられましたけれども、これは、本省の内部の幹部、それから大使、そこまで入れて考えれば、外務省は既に一〇%になっているということを申し上げたいと思います。先取りをして着々と実行し、その実効を見せていくということが大事で、おっしゃっていただきましたように、これから引き続きこれをやっていくことをやらなければいけないと思っています。

 今まで既にやったのが、そういった人事交流ですとか、領事シニアボランティア制度ですとか、組織改革ですとかいろいろやっておりますけれども、たがを緩めてはならない。中の人間の意識、これが大事ですので、それを引き続き慫慂しながらやっていきたいと思っています。

町村分科員 どうも大臣、もしよければお立ちになって結構でございます。

 きょうは少しく、外交の力の源といいましょうか、もちろん国によっては軍事力であったり、また経済力であったりいろいろするんでしょうが、やはり日本は、これからソフトパワーとでもいいましょうか、そういうものをより重視をしていくという外交が大切なのではないか、私はかねがねそう思っております。

 その中で、一つ、戦後の日本の中で一番欠けてきたこと、これは何も外務省がそのすべての責めを負うということではございませんが、情報、インテリジェンス、この問題というのが非常に私は欠けていたのではないのかな、こう思っております。

 テロ情報、今急いでいろいろな面で入手しなきゃならない。ただ、言うべくして、なかなかこれは容易なことではないと思うんですよ。というのは、それにふさわしい体制なり、いろいろなことをやってきていなかったからだと思います。北朝鮮の話といったって、なかなかわかりません。イラクの話も、この国会、途中で、予算委員会で、サマワに評議会があるのかないのか、ころころ情報が変わったとか、これとても、急に日本でサマワの情報といったって、それは難しいと思うんですね。

 そんなようなことで、私は、やはり情報の重要性というのをもっともっと認識をし、やや大仰な言葉かもしれませんが、国家存亡のかなめ、支えが情報なんだという意識を、外務省の皆さんはお持ちなんだろうけれども、すべての公務員が、あるいはすべての国民が持たなければいけないんだろう、こう思うわけであります。

 ちょうど九・一一が起きた後に、自民党の中に、情報問題を検討する委員会をつくりました。私、みずからその委員長になりまして、いろいろな関係者の御意見を聞いたり、日本の実態を聞いたり、そして、アメリカほど大規模な情報機関をつくるというのは難しいだろうから、もしかしたら一番似通っているかもしれないと思われるイギリスに二年前の一月に行って、イギリスのいろいろな関係する方々にも話を聞いてまいりました。そのレポートをまとめたのでありますが、事柄の性格上、余り外に向かって公表するというようなことまではいたしませんでしたが、官房長官初め関係者には内々お渡しをするということをしてまいりました。

 ただ、そのとき、つくづく思ったのは、一つは、秘密保持の法制の整備がまことに不十分であるということ。先ほど大臣は、透明性というお話がありました。これもまた重要であります。情報の公開。今、何でも情報公開であります。しかし、事このインテリジェンスにかかわることというのは、何も未来永劫一言もしゃべらないということではないにしても、しかし、非常に情報をしっかり保持する、秘密を保持するということがないと、これは情報が集められないし、それを仮に収集できたとしても、回すことができないし、上に上げることもできないということになってしまいます。そういう意味で、日本は秘密保持の法制というのがまず基本的に不十分だ。

 あるいは、予算が少ない。世界の常識だと言われておりますけれども、国防費の大体一割から一割五分ぐらいは、こうしたインテリジェンスの予算に充てるということがあるようでございます。日本の防衛予算がたしか約四兆円と記憶しておりますから、一割、一割五分といえば、大体四千億円ぐらいということになるんでしょうか。イギリスが大体十から十五億ポンドと推測されておりますけれども、仮に一ポンド二百円だと置けば、これも二千億から三千億。これと対比してはなんですけれども、この間、国際情報局の予算は幾らですかと聞いたら、十二億円だと。別に国情局の予算だけがすべての日本のインテリジェンスの予算だとは言いませんけれども、一けた少ないな、こんな思いすらしたわけでございます。また、これに充てる人員も非常に少ないというようなこと。

 やはり、これは基本的に、なぜそうかというと、ベースは、国民の意識が情報が重要だというところにないというところに尽きるのではないか、私はそう思います。

 そういう目で見たときに、一月十九日、外務大臣が外交演説をなさいましたが、一番最後の方に、外務省改革の一環としてこの夏に機構改革をやります、そして「国際情報局を国際情報統括官組織に改編、拡充して情報収集・分析能力の向上を図るなど、外交実施体制を一層強化していきます。」こう書いてあるんです。

 これはちょっと不思議だなと思いますのは、局をやめて統括官にするというのは、該当する局長さんに言ったら申しわけないんですが、普通は、局長をやめてしまうというのは格下げなんですね。格下げをしてなぜ情報収集・分析能力が向上するのか、まことにもってこれは直観的に不思議だ。それは外務省全体の局の数の制約があるからというようなこともあるのかもしれませんけれども、それにしても、これはどういう意味なんだろうかなということを疑問に思ったのでありますけれども、今度どうやってこの情報収集・分析能力の強化を図っていくおつもりなのか、国際情報局長にお伺いをいたします。あるいは、もし副大臣からあればどうぞ。

小島政府参考人 町村委員には、日ごろ、情報、インテリジェンスの部門で非常に的確な御指導を受けております。感謝申し上げたいと思います。

 委員がおっしゃいましたように、日本の国として抜本的に情報の収集・分析機能を強化しなきゃならぬ、立ちおくれているということはまさに御指摘のとおりだと思います。さらに、おっしゃいました秘密保持の重要性、あるいは予算、さらには定員の拡充、それは外務省のみならず政府全体として取り組まなきゃいかぬということはまさに御指摘のとおりだというふうに思います。

 それで、私の方に御質問を出されました国際情報局の改編について、ちょっと御説明させていただきたいと思います。

 昨年の三月に、外務省の機構改革の最終報告の中で、その一つの柱といたしまして、情報収集・分析能力の強化ということがうたわれたわけでございます。具体的に全体の外務省の機構改革の中でどう改革していくかということにつきましては、御案内のとおり、国際情報局を国際情報統括官組織にするというふうにすることに結論をつけたわけでございます。

 この趣旨でございますけれども、刻々と変化する国際情勢に即応し、的確に情勢を認識するために、専門性を持つ国際情報統括官組織、統括官のもとで専門性の高い組織に改編する。政策部門との連携も強化しつつ、総合的、省内横断的な情報収集・分析体制を強化するという考え方でございます。

 具体的には、局長から局長級分掌職の体制に移行するということにより、情報分野での経験と専門的な知識を持つ局長級分掌職のもとで、より機動的かつ効果的な情報収集・分析活動を行う体制を整えるということを考えております。現行の三課体制から、機構改革後は四つの課長級分掌官の体制に移行するということによって、高い専門性と機動性をあわせ持つ体制に再編強化する。一言で言いますと、現行の局課体制の枠にとらわれない柔軟な組織体制に変革していきたいというふうに考えているわけでございます。

 さらに、複眼的、分野横断的かつ中長期的な視点に立った情報収集・分析機能を強化するとの今回の機構改革により期待している効果を得るため、分野ごとに深い知見を有する専門家を配置するなど、組織の人的資源の充実に努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

町村分科員 局長が局長級になるというんですから、やはりちょっと、いいのかなと率直に思いますよ。思いますけれども、もうこの夏から新しい組織が発足すると聞いておりますから、それはその与えられた条件の中で最大限の努力をしていただかなければならないと思います。

 ちなみに、自民党の提言の中では、この問題だけについてどう言っているかというと、現在の外務省の政策部門と情報収集部門を分離して、対外情報収集業務に特化した機関、国際情報庁(仮称)を新設する。この組織は実は、MI5、MI6というイギリスのことを念頭に置きながら、担当大臣は外務大臣とし、通常は担当副大臣が業務に当たる。独立した組織にしよう、今どきこの行革の時代に何だとおしかりを受けるかもしれないけれども、そのくらいのことをやっていかないとなかなかうまくいきませんよと。

 特に、外務省は政策もやっております。政策部門と情報収集部門が一緒になっていると、自分の政策に都合のいい情報を結果的には集めてきて、総理の方に上げていくなり関係方面に回していくという弊害がやはり出るんですね。ですから、やはり、情報収集は専門の情報収集だけを一生懸命やる部署というものがないと、結果的には的確な状況判断ができなくなるということがあるから、イギリスはその経験に学んで別組織にしている、外務省の傘にはあるけれども別組織にしているということだと私は理解をしております。

 いずれにしても、大変重要な仕事を御担当しておられるわけでございますから、新組織のもとでしっかりとやっていただきたいと思います。

 次に、情報以外の分野でもいろいろソフトなパワーを発揮する分野はあるように思います。

 例えば、国際機関に働く日本人がだんだんふえてきているのは大変喜ばしいことだと思っておりまして、この間もアナン国連事務総長が二月二十四日の国会演説で、邦人職員が大変活躍している、なかんずく女性の職員が頑張っているのはうれしいということを指摘しておられました。たまたま、私の古くからの先輩、友人でもあります松浦ユネスコ事務局長も大変頑張っておられますし、私は、当時外務政務次官で選対本部長を務めて、一生懸命全世界に票を集める努力をした記憶がございます。もっとも、本当の選対本部長は当時の小渕総理であったということも記憶に新しいところであります。

 そのほか、ITU事務総局長の内海さんとか、UNIDOの事務局次長の広瀬さんとか、男性、女性を問わず、幹部職員でも非常に頑張るし、また一般職員でも大いに頑張っているのはうれしいんですが、この間、資料を拝見しますと、ニューヨークの国連本部に働く日本人の方が百十二人おられる。ただ、国連の事務局のつくっている望ましい職員数、下限が日本は二百五十一だというんですね。それは確かにそうでしょう、日本の国連分担金が二割近くあるわけですから。二百五十一の半分にも及ばないということでございますから、もっともっとこれをふやす努力をしなければいけない。

 私は、前国連大使の佐藤さん、非常にそういう意味では熱心な注意を払っておられたことをよく記憶しておりますけれども、今後どうやってこの比率を上げ、さらには幹部への登用、別に一々選対本部をつくってくれとは申し上げませんけれども、そうしたさまざまな努力が必要だろう、こう思いますが、いかがでございましょうか。

石川政府参考人 町村委員御指摘のとおり、国際機関における邦人職員数は依然として少ない状況でございます。御指摘のとおり、国連事務局をとりますと、おっしゃった百十二名というのは全体の四・五%ということで、国連事務局が定める望ましい職員数の下限の半分にも満たない、こういう現状にございます。

 こういう現状を踏まえまして、先般いらしたアナン国連事務総長に対しましても、総理から国連改革の話をされ、また、川口外務大臣は、二月二十二日に、邦人職員の増強ということについて強く働きかけた、こういう経緯がございます。

 委員が今おっしゃいましたように、アナン事務総長の国会の演説でも、邦人職員が少ないということを、これは私どもが働きかけたわけでも何でもございません、アナン総長の方からスピーチでおっしゃってくださった。そういうわけで、問題意識は分かち合われている、そこが一つの出発点であろうかと思っております。

 その上で、私どもといたしましては、一つは量の問題、職員の数をふやすということ、それからもう一つは質の問題と申しましょうか、国際機関において意思決定に影響を行使できるポストの確保を達成する、この二本立ての取り組みを実施させていただいております。

 具体的には、外務本省内に国際機関人事センターというのを設けておりまして、その支部をニューヨーク、ジュネーブ、ウィーン、それぞれの代表部の中に設けております。そこで若手とベテラン双方の人材発掘ということに努め、また、国際機関への応募支援、細かいことを申し上げて恐縮でございますけれども、例えば、日本の方は、筆記試験は大変お得意でいらっしゃいますけれども、どうも口頭試験で遠慮がちになられる等々、そういったところも具体的なアドバイスを僣越ながらさせていただいたりしております。

 今現在、先ほど先生御指摘いただきましたように、この歯車がちょっとかみ合いましたせいか、過去三年間で二七%ほど増加してまいりました。先ほど、国連の事務局で百十二名と申しましたが、これを専門機関を含む全体の国連ファミリーで申しますと、一年前に五百五十七名だったものが、今、内定を含めまして六百十名ほどになっておるということでございます。

 また、きょう御報告申し上げるべきは、意思決定に影響力を行使できるポストの確保に関しまして、ちょうどきょう、三月一日に丹羽敏之さんという方が国連児童基金、ユニセフの事務次長に就任されるということもございます。このほか、御声援賜りました松浦事務局長、あるいは内海事務総局長、UNIDOの広瀬次長さん、また、実は目立たない機関なんでございますけれども、バーゼル条約というのがございます、ごみのことをやっているところで、そこの事務局に桑原幸子さんという大変優秀な女性の方もいらっしゃいます。

 とは申せ、まだ足りない、御指摘のとおりでございますけれども、私どもの悩みを率直に申し上げさせていただきますと、邦人職員の増強のためには、海外でずっと生活して、国際機関の中で大変優秀なさまざまな国籍の方々との競争を生き抜く、そういう覚悟をして飛び込んでいく、そういう覚悟のある優秀な人材を発掘していく努力を私たちに求められております。

 幸い、そういう人材の方、ふえてきております。ふえてきておりますが、なかなか一朝一夕でまいりませんので、どうぞ御指導賜りながら、私どもも頑張ってまいりますので、よろしく御声援のほどお願い申し上げたく存じます。ありがとうございました。

町村分科員 ぜひ御努力をいただき、また、特に採用された後のいろいろな意味のサポート体制などを含めて、国際的に活躍する日本人が一人でもふえるように、引き続きの御努力をいただきたいと思います。

 次に、今度は送り出す方じゃなくて受け入れる方なんですけれども、留学生の受け入れ、これも長らく十万人目標ということでやってまいりまして、一昨年の五月時点で九万五千人、平成十五年五月に十万九千五百人ということで、いわば目標を立てて以来初めて十万人という目標を達成できたという意味では、私は、画期的だったんだな、こう思います。

 ただ、ちょっと、まあ数がふえることは非常に重要なんですが、少し、数を追い求める余りに質のことを余り言わなさ過ぎたのかなという反省もそろそろしなければいけない時期なんではないだろうかと思っております。

 特に国費留学生、細かい問題点は省きますけれども、私費で来る方々と比べるといろいろな意味でかなり優遇されている。そういう意味では、やっかみの面もかなり強いんですけれども、どうも大学が要求する語学力、専門能力に著しく欠ける方もいらっしゃるとか、しかもそれらはどうも大使館推薦、ほかに大学推薦とか国内採用というのがあるんですが、どうもこの大使館推薦という仕組みに問題があるのではないかという指摘が、私、先般、大学関係者何人かから、会いましたら、どうも問題があるという御指摘がありました。細かいことは言いません。

 それからまた、留学生に、留学が終わった後、せっかく国費なんだから、もう少し義務も課したらいいんじゃないかと。年に一回学習状況を報告するだけでいいとか、帰国した後どこにいるか連絡先も届けないとか、あるいは、普通であれば帰国した後は一定期間母国にとどまって働くとか研究生活に励むというのが常識なんだろうけれども、日本が終わったならばすぐアメリカに行っちゃう。いわばアメリカに行くワンステップみたいなことで国費留学生がいるなどなど、やはり改善をすべき点がある。特に国費でやっている場合にはそういうことが言えるんじゃないかと思うのですが、どうぞこれはひとつ、関係する文部科学省あるいは大学関係者ともよく相談をして、早急に改善策をつくる必要があるのではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。

近藤政府参考人 お答えいたします。

 町村議員御指摘のとおり、留学生の数は昨年央に十万人を突破いたしましたが、これからはもっとその質を高めるべく努力すべきであるということは私どもも考えております。

 国費留学生、これは年間約二千人ぐらい受け入れておりますが、これにつきましては、諸外国との相互理解、親善を促進すると同時に、途上国の人材育成にも資するという観点から、現在百四十の国を対象に大使館推薦あるいは大学推薦という形で受け入れを行っております。

 大使館推薦につきましては、公平性、客観性を期するために、新聞広告を通じて公募をし、また、多くの公館では現地の大学関係者あるいは有識者等で構成される選考委員会をつくりまして、そういった委員会を通して優秀な学生を選考するように努めてきております。

 しかしながら、いかにして、いい学生のいわば取り合いのような競争の中で、いい学生を日本に連れてくるかということは、常時その方式を見直していくべきだという観点から、文部科学省とも緊密に協力をしながらこの選考方法の改善等を行っていく所存でございます。近々専門家あるいは大学の先生方も含めた研究会をつくって、政府の見直しというのをやってまいりたいと思っております。

町村分科員 時間もなくなりましたので、あともう一つ、これは私が大変かねてより関心を持っております日本語の普及、このこともちょっと詳しくお聞きしたかったんですが、時間がありません。ただ、例えば日本のポップスとかアニメとかを通じて、外国の若い人に日本語を学びたいという人が非常にふえているというのはとてもうれしいことでありまして、二百万人を超える人たちが日本語を学んでいるという数字やら、最近の日本語能力試験というのも海外応募者数が非常にふえているなどなど、とてもうれしい事態だと思います。

 ただ、国際交流基金全体が予算が減らされちゃっているものですから、十分な予算が確保できないのかもしれませんけれども、どうぞひとつ、今後とも文部科学省とも一緒になってこの日本語普及のために一層の御努力をしていただきますように、もう時間がないので答弁は結構でございますが、さらなる御努力をお願いして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。

萩野主査代理 これにて町村信孝君の質疑は終了いたしました。

 次に、玉沢徳一郎君。

玉沢分科員 本日最後の質問者となりましたが、もうちょっとよろしくお願いいたしたいと思います。

 私は、昨年の十二月二十九日に日本政府から台湾の陳水扁政府に申し入れをした件につきまして、質問をさせていただきたいと思います。

 まず、質問する前に、この申し入れの内容について確認をしておきたいと存じます。申し入れの(2)でございますけれども、

 最近の陳水扁「総統」による公民投票の実施や新憲法制定等の発言は、中台関係を徒に緊張させる結果となっており、我が国としては、台湾海峡及びこの地域の平和と安定の観点から憂慮している。我が国としては、現在の状況が今後さらに悪化することは回避する必要があると考えており、陳「総統」が就任演説で行った「四つのノー、一つのない」を遵守され、この地域の平和と安定のため、慎重に対処していただくことを希望する。

これで間違いございませんですか。

薮中政府参考人 お答え申し上げます。

 間違いございません。

玉沢分科員 私は、この内容に対しての質問はこれから申し上げますが、この申し入れ自体は、我が国が台湾と国交断交以来初めて、台湾国民の自由にして民主主義のもとに選出された陳水扁政権に対して、その正統性と存在を明確に認めたものである、こういう観点から評価したいと思うわけであります。

 そこで、内容に対しまして質問させていただきたいと思いますが、陳水扁総統の公民投票や新憲法をめぐる発言の内容がなぜ中台関係をいたずらに緊張させる結果となっているのか、その認識等につきまして具体的に教えていただきたいと思います。

薮中政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年来の陳水扁総統による公民投票の実施、あるいは新憲法制定等の発言ということがいろいろとあったのは委員御承知のとおりでございます。この中で、やはり中国側は、いわゆる台湾の独立を目指す動きであるとして、非常な警戒感あるいは非難を強めているということも一方においてございます。

 日本政府といたしましては、この地域の平和と安定という観点から、やはりこの中台間で緊張が激化する、そうした事態はぜひ避けるべきであるというふうに考えてございます。まさにこの地域の平和と安定ということで、現在そういう意味での中台間で高まっている緊張、これが今後さらに悪化することを非常に懸念してきたということが今回の申し入れの背景にあったということでございます。

玉沢分科員 台湾が独立をするかもしれないということが今言われましたけれども、陳水扁総統のこの公民投票に対する発言等を見ておりますと、決して独立とかそういうことは言っていないんですね。

 それで、私は、日本の国会においては中国の声は非常に高く響いてきますけれども、台湾の考えていることとか彼らの方向、こういうことは本当に小さくしか聞こえてきませんので、あえてここで陳水扁総統の国民に呼びかけた演説を御紹介しておきたいと思います。

 親愛なる国民同胞の皆様

  二〇〇〇年五月二十日、私は中華民国第十代総統に就任し、その就任演説の中で「私は、中華民国第十代総統として、憲法を遵守し、国家の主権と尊厳および安全を守り、全国民の福祉を確保しなければならないことを深く認識しております。このため、中国が武力を発動する意図がない限りにおいて、私は在任中に独立を宣言せず、国名を変更せず、二国論を憲法に盛り込まず、統一か独立かといった現状の変更に関する公民投票を行わず、また国家統一綱領や国家統一委員会を廃止することもいたしません」と提示しました。

  以来三年余、私はこの「四つのノー、一つのナッシング」

つまり、さっきは「一つのない」ということだったんですが、「一つのナッシング」ですね。

 の公約を一貫して遵守してきましたが、中国は台湾に対し絶えずミサイル配備を増強し、台湾への武力侵犯の軍事的準備を進めてきました。かれらの目的はきわめて明確であり、それは非民主的、非平和的な方法で台湾海峡両岸の現状を変えようとするものであり、われわれと共に現状を維持しようとするものではありません。たとえそうであっても、地域の平和と安定のため、私は依然として最大の努力をし、台湾海峡の平和と安定を維持しなければならず、最後の最後まで、われわれは断じてそうした努力を放棄しません。

  このため、中国が台湾を武力侵犯し、一方的に台湾海峡両岸の現状を変えるのを防ぐため、われわれは「三・二〇平和公民投票」を実施します。中国が強大な武力をもってわれわれの国家主権を脅かそうとしている事態に直面している今日、平和に関する公民投票は一種の効果的な予防的行為であり、これにより国民の防衛意識を高め、積極的に両岸の現状を維持しようとするためのものであります。

  私は謹んで、「三・二〇平和公民投票」において、われわれが全台湾人民の決定に委ねる第一の問題は、「台湾人民は、台湾海峡問題の平和的解決の立場を堅持しています。もし中共が台湾に照準を合わせたミサイルを撤去せず、台湾に対する武力使用を放棄しない場合、あなたは政府がミサイル防衛設備を追加購入し、台湾が自主防衛能力を強化することに賛成しますか反対しますか」というものであることを発表します。

こうあるわけです。

 ですから、台湾が公民投票とか一連の発言、こう言っているわけでございますけれども、これはあくまでも両岸関係におきまして、中国側が軍事力を毎年とにかく平均してこの五年間でも一五%ずつ上げているじゃないですか。しかも、台湾並びに周辺の国々に対してだと思いますけれども、毎年ミサイルを五十基から七十基ふやしまして、今四百九十一基ミサイルの発射台がある、こう言われているわけですよ。こうしてみずからの武力でもって相手を脅迫する、こういうような事態に対して、あくまでも予防的措置、自衛的な措置として公民投票をやる、こう言っておるわけでありますから、何でこれが平和を乱すことになるんですか。どうですか。

薮中政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに今委員御指摘のとおり、陳総統の就任演説で行った四つのノー、そして一つのナッシング、ないということ、これを遵守されて、そしてこの地域の平和と安定のため慎重に対処していただきたいというのが私どもの立場でございまして、そのことも先方に昨年末申し入れたわけでございます。

 そしてまた、同時にといいますか、ずっとこれは繰り返し我々はやってきてございますけれども、中国側に対しまして、まさに日本はいろいろと申し入れを行ってきております。そこは冷静な対応を求め、そして武力行使には反対であるということ、このことをきっちりと先方に申し入れてきているということでございまして、全体として双方が慎重な対応をとることによって、この地域における緊張が激化しないように、そのことを我々は強く求めて、そしてまた双方に働きかけてきているという状況でございます。

玉沢分科員 今度は、私が言いたいことは、台湾に対しては大きい声で言うんだけれども、中国に対しては小さい声で言っているんじゃないかと。今、先方に対して申し入れをしたと言うんですが、だれがどこでどのように発言をしているか、そして向こう側はどういう努力をしたのか、それについてお答えをいただきたいと思います。

薮中政府参考人 申し上げましたように、累次の機会に中国側には申し入れをしてきておりますけれども、まさにこの台湾側への申し入れと相前後してということで申し上げますと、昨年の十二月の二十二日に、例えば日中の外交当局間協議というのがございまして、これは次官級の協議ということで、田中外務審議官、相手は王毅外交部の副部長でございますけれども、我々の方から、台湾に対する我が国政府の立場というのは日中共同声明にあるとおりであるということを指摘し、二つの中国、あるいは一つの中国、一つの台湾との立場をとらず、また、台湾独立も支持しないと。他方、我々としては、日本としては、台湾をめぐる問題が平和的に解決されること、そのための対話が早期に再開されることを希望しており、中国の武力行使には反対であるということを表明いたしました。

 そしてまた、最近、さらに日中安保対話ということがございました。これも田中外務審議官、王毅副部長というのがおのおのの代表でございましたけれども、同様の申し入れを行ってきておるわけでございます。

玉沢分科員 台湾海峡の問題について、武力で解決することは日本としては望まない、こう言うのであれば、なぜ中国が毎年一五%から多いときは一九%も軍事力を増強しているのか。それから、台湾の問題について、平和的に問題を解決すると言うのであるならば、なぜミサイルを増強して、そして常に、武力でもって侵攻すべきであるというようなことまでも主張しておる。こういう点を明確に日本として向こう側に申し入れをしなければ、平和的な解決と言っているだけでは、ただお茶を濁しているとしか言えないわけでありまして、もっと強く、効果的になるような発言をすべきではないですか。

薮中政府参考人 委員十分御承知のとおり、日中間での安保対話というのは、まさにそうした意味で、日中双方において、日中両国においてお互いの安全保障政策について話し合おうと。それは、余りにも、中国の国防政策あるいは実態、今御指摘のとおりの国防費、非常に大きく増大していますけれども、その目的、実態は何かということ、その透明性が非常に大事だということを我々は認識しておりまして、そういう中で積み重ねてきたのが日中安保対話でございます。先般、第九回目になりました。

 そして、我々としては、そこで今申し上げましたような台湾をめぐる問題についての武力行使に反対するということとともに、中国の核、ミサイル近代化を含めた国防政策の透明性を高めるようということで、私どもの方からも説明を求め、先方から、何を目的として、どういうふうにしているのか、それが実際に中国が発表している国防政策と合致しているのか、こういった点についての意見交換を行い、我々の考え方を伝えてきているというのが今までの努力の内容でございます。

玉沢分科員 私は、その努力は一応は認めますよ。しかし、歴代の中国政府のとってきた政策というものをもう少しよく分析してみる必要があるんじゃないか。つまり、みずからの主張を実現するために、武力でもってこれを実現しようとしてきたという歴史ではございませんか。

 例えば、チベットの問題をめぐりまして、インドと平和五原則というものを結びました。そのときに領土の保全も約束をしたわけでありますけれども、中国は当時自治政府でありましたチベットに侵略をいたしまして、これを中国の完全なる独裁体制のもとに置いて、難民が流出するに及びまして、中国とインドの間におきましては、平和五原則が破れまして国境紛争になりましたね。それで、中国の主張する国境のとおりになったではないですか。それが一九五九年のことですね。その次が一九六二年ですよ。

 毛沢東は、東風が西風を圧する、こう言っておるんですね。それから、たびたび中ソ論争で明確に示しておりますように、ウラル山脈から東はほとんど不平等条約によって領土をとられたものであって、これはカムチャツカ半島まで中国の領土である、こう言っていますね。

 それで、具体的に申し上げますと、これは一九六二年三月八日の人民日報に書いてありますけれども、帝政ロシアと清朝政府が結んだ不平等条約の例としまして、愛琿条約、天津条約、北京条約、イリ条約、これを挙げております。そして、香港が返ることによりまして、対西洋の列強との間の不平等条約はなくなった。いずれは、これらの不平等条約を是正して領土を回復しなければならぬという観点からだと思いますよ、一九六二年一年間に五千回の国境紛争が行われたではないですか。

 それから、一九六九年におきましては、珍宝島をめぐりまして大規模な国境紛争が起きた。このときに、ソビエトは明確にアメリカに対して、核攻撃も辞さない、こういうことを言っていますね。それに対して、キッシンジャー当時の国務長官は、もし中国がソ連の核攻撃を受けるようなことがあれば、アメリカはソ連を核で攻撃する、こういうことで、ようやくこの国境紛争というのはとまっていますね。ですから、今、小康を得ているようなことではありますけれども、いずれ武力でもっても、かつての不平等条約でとられた領土を回復しようという意図を持っておる、こういう国である。

 それから、一九八八年には中国とベトナムの紛争があったではありませんか。それによって、陸上戦闘では中国は破れましたけれども、海上の戦闘におきましては中国海軍が勝利をして、西沙群島を占領したではございませんか。つまり、それによって中国がねらっていることがはっきりしたわけでありますけれども、この地域の海洋資源を彼らは独占しようとしておる。西沙群島並びにこの地域のいろいろな岩礁その他がありますね。そういうものを確保することによって、二百海里をそこからやって、そしてその地下に眠る海底資源を独占しようとしておる。我が国との関係におきましても、沖縄と大陸との間にある海底に眠る海底資源が、石油があるということがわかってから、尖閣列島の領有を主張しているじゃありませんか。

 なおかつ、海洋法におきましては、両当事国の海峡がある場合は、その海峡に中間線として線を引いて、そしてお互いにやっていくということになっていますけれども、中国はこの中間線を認めないではないですか。しかも、尖閣列島に対しましては何回も突入してくる。それから、我が国が主張しておる中間線よりもこちらに入ってまいりまして、海洋資源を調査しているじゃありませんか。

 こういうようなことを見たときに、ただ台湾の問題でも、台湾だけが陳総統の発言あるいは公民投票だけでこの地域が、平和が乱されるというふうに憂慮するというのはおかしい。あくまでも中国の武力拡張主義というものが背景にあって、それに対して台湾はみずからを守ろう、こういう姿勢をとっていると私は思うんですよ。

 それと同時に、我が国がいかに中国におもねっているかということは、尖閣列島を初め海底資源の問題で中国が中間線を越えて入ってくる、さらにはまた海峡等についても、艦船を日本の近海に遊よくさせましていろいろな調査をやっていると思われる。こういうことに対して、外務省はただ通告すればいいというような態度をとっているように聞いておりますけれども、こうした侵犯行為に対して、日本の外務省は中国に対して明確なる抗議を申し出ているかどうか。例えば、昨年一年だけでどのような回数、あるいはどのような事態があったか、それに対して明確にお示しをいただきたい。

薮中政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに我々といたしましては、今委員御指摘の尖閣諸島、これは当然我が国固有の領土でございます。そして、これについては歴史的にも国際法上も疑いのないところでございまして、現に我が国はこれを有効に支配しているという現状がございます。

 今御指摘の海洋の関係でございますが、東シナ海における海洋の境界画定、これにつきましては、我が国は当然のことながら中間線を引くべきとの立場をとって堅持してございます。本件につきましては、双方の主張にまだ隔たりがございます。平成十年度から毎年、海洋法の問題に関する日中協議、これを行いながら、我が方の主張する中間線による境界画定に向けて一生懸命努力をしているというのが一つの現状でございます。

 そしてまた、今委員御指摘の最近の海洋調査の動きが幾つかございます。これにつきましてはさまざま我々の立場から申し上げまして、東シナ海そして東シナ海以外の我が方の排他的経済水域における取り扱いということでございますけれども、国連海洋法条約に基づく手続、これをきちんと踏んだものでなければいけない、それを随分と無視したあるいは違反した行動がございました。

 そして、それに対して、平成十二年八月の日中外相会談、ここで当時の河野大臣からトウカセン外交部長に対し、日本側の厳しい要求を突きつけて、日本国内の厳しい雰囲気を伝えまして、結果としてでき上がったのが、日中間における海洋調査活動の相互事前通報の枠組みでございます。これは相互事前通報ということで、東シナ海において、それまでは年間十数回、毎年我が方の事前同意を得ずに、先方が、中国側が科学的調査を行ってきておりました。平成十年には十四回、十一年には三十回、十二年には二十回、東シナ海でそういう活動がございました。

 これに対して、我が方からの申し入れを受けて、結果としてでき上がりました相互事前通報の枠組みということで、これができた以降はこの枠組みが有効に活用されておりまして、この枠組みに違反する事例というのは、例えば十五年以降につきましては確認されてございません。これまで三年間でこの枠組みに基づきまして二十一件の調査には同意しておりますけれども、すべてきちんと事前の枠組みを有効に活用して、向こうも事前の通報をしてきているということでございます。

 他方、東シナ海以外の我が国の排他的経済水域における科学調査というのも、最近、事例が散見されます。これは極めて遺憾なことであるということで、日本側から中国側に対して、例えば一昨年九月、川口外務大臣からトウカセン当時の外交部長に対して、そしてまた昨年六月は李肇星外交部長に対して、非常にこの問題の重要性を指摘してきているというのが状況でございます。

 そうした中で、なお先ほど来申しております東シナ海以外の地域におきましては、まだ先方からの活動があって、例えば本年に至っても五件そういう活動をしておる。これにつきましては厳しく外交ルートでこれについての問題点を指摘して、こうしたことのないようにということを訴え続けてきている。そういう努力は今後さらに強化していきたいというふうに考えております。

玉沢分科員 大臣にきょうは答弁をしていただこうかと思ったんですが、ございませんので、最後に質問させていただきますけれども、やはり、この台湾をめぐる問題は非常に問題が大きいと思います。

 なぜかといいますと、台湾は我が国の海洋ルートの極めて重要な拠点でございますし、さらにはまた、この国の国民がみずからの意思をみずからで決めるという形で総統選挙を行っておるわけです。つまり、自由と民主主義の国であるということが極めて大事なことだと私は思います。これが存在をしているということが日本にとっても利益である、国益である。また、尖閣列島をめぐる問題等におきましても、日本がもし中国に弱腰な態度で何でも中国の言うとおりを聞くというようなことであれば、ますます、この経済水域等についても彼らは進出してくるだろうと思うんです。

 ですから、みずからの存在と、それからこの地域の平和を守るために、決して日本は沈黙を続けてはならない。明確なる意志を発揮して、地域の平和と安全のために、公正な、しかも勇気を持って行動していくということが大事であると思うわけでございまして、最後に大臣の御所見を伺えればありがたいと思います。

萩野主査代理 簡潔に。

川口国務大臣 台湾について、同じような価値観を持った我が国としても、重要なパートナーである地域であるというふうに考えております。

 それから、中国ですけれども、一方で中国との関係では、これは、ともに歩みともに進んでいくという小泉総理のおっしゃった東アジア・コミュニティーとの関連で、大事な、友好的な関係を持つべき国である。と同時に、先ほど来いろいろ御指摘ありますように、中国の動向についてはきちんと注視をし、そして言うべきことはきちんと言っていく、それが中長期的にこの地域の平和と安定につながっていくということはおっしゃるとおりであろうというふうに私も考えております。

玉沢分科員 終わります。

萩野主査代理 これにて玉沢徳一郎君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

萩野主査代理 次に、財務省所管について審査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。古本伸一郎君。

古本分科員 民主党の古本伸一郎でございます。

 私からは、予算の今般の審議をするに当たりまして、国と地方の税財源のあり方、わけても財務省マターにつきまして質問をさせていただきたいというふうに思います。

 現在、国と地方を合わせまして七百兆の借金がある、これは御案内のとおりであります。我が国には、その意味からおきまして、二つの大きな財政的な課題があると思っています。その一つが、この七百兆をいかにして返していくかということだと思っています。そしてもう一つは、未来に向けた投資、未来に向けてどのようにこの国を変えていくか、この七百兆の借金を切り口にというふうに思っています。

 これまで、国債を発行し、あるいは公共工事で景気の浮揚をしながらしのいできたのも事実だと思います。国は交付税交付金あるいは補助金といった打ち出の小づちを振って、地方は国を信じて事業を進めてまいりました。結果、交付税の先食いで地方の財政は大変に傷んでいる、これは御案内のとおりであります。

 これらは、言うならば、これまでの日本の常識であったと思っています。政治の主導で、ぜひ、この国債依存、借金体質、そこから抜け出す、言うならばこれまでの日本の常識であったことに対する、非常識へ挑戦をしていかなきゃならない、そんなふうに思っております。政治は未来に責任を負いますので、ぜひそんな意味から、今年度予算を見きわめる上での議論にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、質問であります。現在の予算の仕組み、国が徴税をして、そして地方の要望、陳情を聞いて国が地方へ配分をするというこの現在の仕組みにつきまして、今後とも続けるんでしょうか。その可否の見きわめ、理由をあわせてお伺いしたいと思います。

    〔萩野主査代理退席、石田(祝)主査代理着席〕

山本副大臣 大変若々しい古本委員さんの御発想でありますし、また日本を代表する、日本が誇り得る企業の御出身でもありまして、そんな意味で私ども、委員さんから新しい発想やアイデアを期待するところでございます。

 御質問でございますけれども、まず国の予算のうち地方向け補助金等は、国が一定の政策目的を実現するため、地方公共団体が実施する事務事業について財政的に負担を行っております。

 補助金自体についてでありますが、これは国の政策目的実現のための重要な手段の一つであることは否定できません。けれども、補助金を通じて国と地方のあり方を考えましたときに、骨太二〇〇三でも明らかなように、三位一体の改革がどうしても必要でございまして、地方の財源と責任を一層拡大する方向で見直していくことが必要であろうというように思います。つまり、委員さんの御指摘の、国が集めて地方に配分するということも、この補助金については抜本的な改革の緒についた。

 次に、地方交付税でございますが、税収の偏在による地域間の財政力の格差を調整する機能、それとともに、地方の歳入歳出の差額を補てんすることを通じて財源を保障する機能、これを有しているわけでございますが、現行の地方交付税制度は、昭和二十九年に創設され、高度経済成長期におきましては、経済成長に伴う果実を全国に配分するということを通じて国土の均衡ある発展に寄与してきた、そう考えられると思います。

 しかし、地方交付税につきましては、三位一体の改革の中で、地域間の財政力格差の調整については、なお必要とされているわけでございますけれども、財源保障機能につきましては、ぜひ、課税自主権あるいは責任ある行政、そういった権限と責任ということを明確にしていく中で見直し、縮小していかざるを得ないし、また、そういくべきであろうというように考えているところでございます。

古本分科員 ありがとうございます。

 確かに、経済が右肩上がりに成長する、あるいは人口がふえていくというマスの論理、パイがふえていくという前提に立てば、私は、今の国の交付税の仕組みや、あるいは国庫補助負担金の仕組み、これも将来にわたって、事業性、フィージビリティーがあったと思うんですね。ところが、もうそれは瓦解している、しつつあるというか、もう瓦解してしまっていると思っています。

 その意味で、私は、財務省、要するに国の金庫番としてお伺いをしているわけであります。

 現場といいますか、事が起こっているのは地方であります。そして、ニーズがあるのも地方自治体であります。一方で、財源は国が握っているんです。これは、私はどう考えましても、受益、実際に行政のサービスに浴する人、あるいはサービスをマネジメントする行政側、これは地元にあるわけです。一方で、負担をするのは、国民広く押しなべて国税として負担をしているわけであります。言うならば、受益をする人と、それを負担している人、責任を持っている人がずれているわけであります。

 その意味において、金庫番として、この仕組みは本当に将来にわたって成り立つんでしょうか。

山本副大臣 現下の経済情勢、国、地方ともに大変厳しい状況でございます。したがって、国、地方を通じて財政構造改革を推進することは急務であることは申すまでもございません。

 政府としましては、三位一体改革を進める、このことによって、その際、地方における受益と負担の関係を明確にすること、地方がみずからの支出をみずからの権限、責任、財源で賄う割合をふやしまして、真に住民に必要なサービスを、地方みずからの支出をみずからの責任で自主的、効率的に選択する幅を拡大してもらうということが何より大事でございます。

 それと同時に、地方が財源を持った、そして責任を持って支出する権限もあるということと同時でございますが、今、国も豊かでないわけでありますし、地方もやはり公という意味では国とイコールであり、また、地方独自で成り立つかというと、また地方自体の財源、財政、これも大変窮乏しておるわけでございまして、その意味においては、高度経済成長の時期と違いまして、どうしてもスリム化を進めることが必要でございます。その意味で、効率的で小さな政府を実現するということは、国、地方を通じてやっていかなければならないことでございます。

 また、委員さんがおっしゃるフィージビリティー、持続可能かどうかにつきましては、まさにここで改革して、ある程度持続可能であるような体制、国と地方がいわば共存共栄していく可能性、そういったものを模索しなければなりませんし、また世界各国の例を見ましても、例えば、財源の偏重については補正をするということは必要でございますが、ドイツあたりでは、財政窮乏の地域が財政力を〇・八四五とするならば、豊かなところが一・〇五二、すなわち、ある程度の差がありますけれども、調整をして、やがてそれを一にするというような工夫がされておりまして、そんな意味で、お互いが納得ができる財源であり事業実施であるということの模索が必要だろうというように思っております。

古本分科員 ありがとうございます。

 きょうは、せっかくのいただいた時間ですので、少し地元の実情を交えながら、とはいえ現場で事は起こっていて、財源はやはり国が握っているということの一端を申し上げたいと思います。

 例えば、シニア世代の生きがいという観点であります。今現在、我が国には、国民生活基礎調査、平成十三年ベースで、六十五歳以上の要介護老人あるいは寝たきりという方々が八十万人近くいらっしゃる。これは把握ベースですので、もっと本当はいらっしゃるかもしれない。寝たきりや要介護になる前に、いかにして予防医療あるいは寝たきり予防をしていくか。要するに、生きがい、やりがいを持って、定年退職なさった皆様も、あるいは公務員の皆様も、企業をやめた方も、あるいは商売を畳んだ方も、そういう生きがいというのは私はすごく大事だというふうに思っています。

 その意味で、二〇〇二年の総務省の労働力調査を見ましても、現在、六十歳以上のシニア世代が約九百万人近く、八百万人強いらっしゃるんですが、これは労働力というふうに読み取った場合です。これが二〇一〇年には、六十歳から六十四歳が六百四十六万人、六十五歳以上が六百三十三万人になる。ですから、ふえていくわけであります。ここを、ここの幅を、今後の少子高齢化の中にあって、いかにして世の中においてそういう意味では支えていただくか。

 社会の第一線とは言いません、何らかの形で、そういうリタイアした方が、退職なすった方が、第一線から退いた方が社会に参画していくことによって、結果としてそういう生きがいを持ってやっていけるんじゃないか、それが国全体の、例えばですが、そういった寝たきりの方々への国がしていかなきゃならないさまざまな負担が結果として軽減されるんじゃないか、そんな気がするんです。

 例えば食糧の自給率ですが、御案内のとおり、今四〇%ぐらいだと思っています。一方で、これはなぜかというと、農業の担い手がいない。うまみがないからです。もう農業はもうからなくなっているわけですね、体質的に。ところが、企業を定年退職した、あるいは役所をおやめになった方々で、大変体力的にもやりがいもある方が町の中にたくさんいるわけです。一方で農業の担い手がいない、これはまさに需給のミスマッチが生じているわけですね。いや、みんな農業をやりたいと思っているかどうかは別にいたしまして。

 ところが、御案内のとおり、土地改良事業には年間で相当潤沢な補助金がついていると思っています。例えば、一反田んぼを五反田んぼに変えるためにあぜを取り払って、またパイプラインを通してということでやっているわけです。これのために、実際には、中小の農家からすれば、そう何町歩も持っていないわけですよ。どうしてこういう土地改良をしなきゃいけないんだろうかと思いつつも、隣近所で一人だけ判こ押さないとこれまたぐあいが悪いわけですから、そうやって事業が進められていっているわけであります。

 例えば、そういった方々が退職なさって、まだまだ体力的にも生きがいを求めたいという人のそういう耕作を支援する、あるいは、そういうためには職業訓練も要るでしょう。そんなことに地方が独自でお金をつけたくても、裁量がないといいますか、ゆとりはないわけであります。

 あるいは、木材の自給率であります。これも調べてみたんですが、我が国の建築用材の自給率、今三〇%です。ほかの見方の数字もあるようですが、林野庁の木材需要表あるいは農水省の木材需給報告書から推計すると約三〇%。ところが、私の選挙区も大変な郡部を抱えていまして、山があるんです。そして今ここは間伐をする人手が足りないんです。結果、山が傷んでいます。そして保水力が落ちて、そして治山のために大変な補助金がまたついております。

 それから、私の地元の東加茂郡、西加茂郡、愛知県豊田市というところなんですが、こういったところではまだまだ木材の自給率は高いものがあります。

 ところが、全国平均で見たときに、私は、もっともっと、そういった方々、やる気のある方々に、例えばそういう緑のメンテナンスをしてもらうということも、可能性はあると思うんです。ところが、チェーンソーをいきなり握れといっても、これはなかなか握れない。そうすると、これもまた同じく職業訓練なり、あるいはそのためのサポートする何かが必要なわけです。ところが、郡部の森林組合は、もうとてもそんなゆとりはないわけであります。したがって、そういった状況を整備するにしても、地方はなかなかそういったゆとりがないわけです、裁量がないわけであります。

 あと、これはもうぜひとも御承知といいますか、皆さんも御承知いただいていると思いますが、十五の春に下宿をするということがあるんですね、郡部では。これは十五の春に高校が遠くて下宿するということなんですが、いわゆる僻地だとか離島だとか半島だとか、大変高校が遠いところは、これは可能性として想像にかたくないんですが、実は、大変工業が発達して人口も密集している豊田市という町があるんですが、そこからわずか車で一時間も行かないところに住んでいる方々の御子弟が十五の春に下宿するわけであります。

 例えば東加茂郡の下山村というところでは、二百八十人の中学生が出て、そのうち二十人が下宿しています。この春の予定者ですね。それから、例えば稲武町というところもあるんですけれども、これは四十一人の卒業生のうち十九人、半数が下宿します。あるいは西加茂郡の小原村、これは和紙で有名なところなんですが、ここは六十五人のうち八人が下宿している。これはたくさんではないですが、そういう十五の春に下宿しているんですね。

 例えば、賄いの寮母さんがいる郡民ハウスのようなものをつくってみたらどうかとか、そんなアイデアは幾らでも出るんです。ところが、交付税交付金の中で決められている、要するに、最低限のスペックを合わせようという画一的かつ一律的な行政のサービスをやろうと思うと、なかなからしさを出せないんですね。多様な行政のサービスをやっていきたいという思いはあっても先立つものがない、こういうことであります。

 大変ローカルな事例を申し上げましたが、私は、今御説明をいただいた中で、三位一体をやっていく、これはもうそのとおりだと思っていますが、本当に、この霞が関にいて予算をつけていくという意味において、なかなか、目配り、気配りできるんだろうかというのは正直疑問に思っています。

 そういう意味で、前振りが長くなりましたが、質問をさせていただきます。過去の負の遺産、この七百兆の借金をどうやって返していくかということにつきまして、三点から伺いたいと思います。

 まず一点目ですが、今申し上げたような地方といいますか現場では、まさに事件は現場で起こっているわけです。そういう中にあって、財務官僚の皆さんの資質と育成について聞きたいと思うんです。

 私は、現場第一主義、あるいはキャッシュ感ですね、現金をさわるというこの感覚は、恐らく町工場のおやじさんあるいは商店のおやじさんの方が物すごくあると思います。その日の運転資金のために必死で苦労なさっている。そういう意味で、若手の、日本を背負う、我が国の金庫を預かっている財務官僚の皆さんが、巨額の、国でいえば一般会計税収四十二兆あるいはこの七百兆の借金に対峙しなきゃいけないという今現在、どういう情熱とあるいは気概を持ってやっていこうとなさっているのか。

 もっと言えば、頑張った官僚の皆さん、頑張ったというのはコストを下げていくという意味です、あるいはそういう意味で努力なさった部局、局、課、そういったところに対してインセンティブを与える仕組みになっているんでしょうか。

 まず、この点についてお伺いしたいと思います。

    〔石田(祝)主査代理退席、萩野主査代理着席〕

山本副大臣 私が答えるより直接役所の人に答えてもらった方がいいかもしれませんので、先に、では主計局次長から。

佐々木政府参考人 先ほど、いろいろ地方、現場でのお話を伺いました。私どもも、現場がどのようになっているのか、あるいは自分たちが査定をした予算というのがどのような使われ方をしているのか、何か不都合がないのかどうか、そういう点につきまして、まさに状況を的確に把握しまして予算編成に生かしていくというのは大変重要なことと考えております。

 そういうことで、前大臣のときから始まりました予算執行調査ということで、担当の主査がそれぞれ現場に赴きましてつぶさに見てまいるということを通じまして、これは、先ほど、七百兆にどう結びつけていくのかということでございますけれども、非常に地道なことではございますが、十五年度の五十一事業をそうやって調査をいたしまして、四百九十二億円の削減というのを十六年度予算でこれは実現をしたということでございます。

 私どもとしましては、今後とも、そういう予算の執行状況についての調査によりまして、実態の把握というものを行いまして、十分予算に反映をさせていきたいというふうに考えております。

山本副大臣 七百兆を片づけるというのは、本当にこれはもう大変なことだろうと思います。それぞれの官庁がシーリングで要求を前年度よりマイナスにして持ってきてもらったり、あるいは、実際に査定した段階でもう間違いなくマイナスですし、そういうことからしましても、各官庁、財務省だけでなくて、それぞれが今の財政の現状を認識しながら仕事をしていくということはもちろんでございますが、古本委員さんの御指摘のように、いい予算をつくったときにいい評価をもらうということが何より大事だろうと思います。

 その意味では、我々として、逆に、政治にある与党、野党を通じて考えていかなきゃなりませんのは、直近の現状を見る、そういう目も確かに必要でございますけれども、遠い将来のことも、七百兆を完済するという、委員さんのような、そういう遠くを見て今の政治をやるということは物すごく大事なことでございます。

 御参考になるかどうかわかりませんが、去年の十一月三十日の新聞の論調の中に予算のことが書いてありまして、昭和の三ばか査定というのがありました。三つのばかばかしい査定というわけでありますが、一つは戦艦武蔵、大和を建造したこと、それから青函トンネルをつくったそのときの予算要求を査定した、認めた人、それから、御存じの、お地元の伊勢湾干拓事業の前に堤防をつくってしまった。

 この三つについては、私に言わせれば、そのときそのときの政治経済状況からすれば当然のことだったろうというように思います。けれども、やがて五十年、百年たってみますと、そのことはばかという評価になるわけでありまして、そのことにおいては、役所の方々もさることながら、我々も遠くを見詰めながらやっていくという目が必要じゃなかろうかというように思っております。

古本分科員 ありがとうございます。

 関連で、ではもう一点だけ。

 七百兆を返していくというのはもうとてつもない話ですし、今この場でおよそ回答が得られるとは思いませんが、少なくとも各省庁に配分をする財務省として、普通の企業ではもう、あるいは普通の御家庭でいけばもう完全に破綻しているわけですから、このことについて危機管理を、あるいは危機意識を持って各省庁がそれに当たってくれていると信じています。それに当たって、財務省、金庫番としてその配分をするに当たって、どんな思いで語りかけているのか、あるいはそれをフォローアップしているのか、伺いたいと思います。

山本副大臣 予算は国民の皆さんからの税金で賄われているということにかんがみますと、財務省職員は、御指摘がございました現場感覚に加えまして、十分なコスト意識を持って幅広い視点から編成作業に取り組む必要がございます。

 この職員に対しましては、財源を最大限有効に活用するという視点から、第一に、単価や事業量の適正性について十分な分析を行うなど各経費の適正な積算に努める、第二に、費用対効果が十分であるかなど施策の必要性、有効性についての徹底した検討を行う、こういうことを通じまして、十分なコスト意識を持って予算編成作業に取り組むよう従来より指導をさせていただいているところでございますけれども、先ほど触れましたかもしれませんが、予算執行調査、こういうことを通じまして、予算査定の当事者が予算執行の現場の状況を調査、把握し、これを予算の査定に生かすといった取り組みも今行っているところでございます。

 財務本省で採用した職員につきまして、国税の現場を経験させるほか、地方公共団体や他省庁に出向させるなどして、幅広い視点と社会一般の感覚を常に身につけるようにしてきているところでございます。

 財務省の職員は、予算が国民の皆様からの税金によって賄われているということの重みをしっかりと認識しながら日々の職務に取り組んでもらっているものと信じているわけでございますが、なお足らざるところはまた御指摘いただいて、鋭意、よりよい方向に向けて努力をさせていただきたいというように思っております。

古本分科員 ありがとうございます。

 現実には、先ほど総務の委員会でも聞いてきたんですが、実は納税者の満足度調査というような観点で体系的にはなされていないようであります。これは一度調べていただくといいと思いますが、ぜひ、これだけのお金を預かっているわけですから、いわゆるタックスペイヤー、納税者の皆さんがどういうふうに納得なさっているか、あるいはこういうふうにしてもらいたいと、そこはぜひやっていただきたいなというふうに思っています。

 最後に、都市は大変整備されて、結局、郡部との人の行き来ができるようになりました。そして、いろいろな公共工事も含めてやってまいりました。言うならば、これまで常識である国から地方への配分型予算という意味で、担保する税制と交付税、補助金のシステム、言うならば、これはこれまでの常識だったというふうに私は思っています。我が国の行政の、そして国の、政府の常識だったと思っています。

 ところが、ちょうど八十年前の大正九年、総務省の調査をとり出したときの人口統計では、当時五千五百万人でした。人口はそれだけふえました。ところが、もうこれからはふえません。国債を発行して、公共工事も景気を浮揚してきましたが、もうこれは望めません。そういう中で、日本の常識をリセットする、これまでそうだった日本の常識をリセットして、ぜひ私は非常識に挑戦していただきたいと思う。借金に頼らない日本です。あるいは、地方がみずからの責任で行政のサービスをしていく。これは非常識への挑戦だと思っています。何かそういう旗がないと振れませんから、何かそんな御旗があるといいなと思っています。

 最後に、政府の非常識への挑戦をしていくということがもしあるならば、その決意を伺わさせていただきたいと思います。

山本副大臣 画期的な妙案があるというわけにはまいりませんが、財務省は、我が国の財政を厳しいと見まして、特に平成十六年度末の国及び地方の債務残高が七百十九兆円程度に達する見込みである、極めて厳しい現実を見据えております。そこで、持続可能な財政の構築に向けた取り組みがどうしても喫緊の課題であるという認識をしております。

 そのために、子や孫の世代に負担を先送りすることで債務残高が経済の規模に比べましてさらに増大する、そういう見通しにならないように、まずは第一目標といたしまして、二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支の黒字化を目指しております。

 そして、二〇〇六年度までの間、GDP比で見た政府の大きさが二〇〇二年度の水準を上回らない程度とすることを目指すなど、引き続き財政構造改革を推進するとともに、民需主導の持続的成長を実現するための構造改革を加速し、二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支の黒字化を目指してまいりたいというように考えておりまして、大臣も、この二〇一〇年初頭のプライマリーバランスの均衡ということに全力を尽くそうじゃないかということを省内においても常に主唱されておるということでございますので、ひとつその点、よろしくお願い申し上げたいと思います。

古本分科員 ありがとうございました。

 最後に、今、衆議院議員の平均年齢は五十三歳だと思います。そして、平均勤続が九年と少し、どう見積もってもこの七百兆の借金を見届ける人はいないんですし、その負担もみじんもしないうちにこの席から離れていく。

 政治は未来に対して責任があると私は思っています。その意味で、ぜひ高潔で潔い政治家でありたいと思いますし、そんな政府の、委員の皆さんであっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

萩野主査代理 これにて古本伸一郎君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして財務省所管についての質疑は終了いたしました。

 次回は、明二日火曜日午前九時より開会し、法務省所管及び外務省所管についての審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時一分散会


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