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第1号 平成30年2月23日(金曜日)

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本分科会は平成三十年二月二十一日(水曜日)委員会において、設置することに決した。

二月二十二日

 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。

      衛藤征士郎君    柴山 昌彦君

      村上誠一郎君    山口  壯君

      青柳陽一郎君    津村 啓介君

二月二十二日

 柴山昌彦君が委員長の指名で、主査に選任された。

平成三十年二月二十三日(金曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 柴山 昌彦君

      井林 辰憲君    衛藤征士郎君

      小田原 潔君    神田 憲次君

      本田 太郎君    三谷 英弘君

      宮澤 博行君    村上誠一郎君

      山口  壯君    山田 賢司君

      青柳陽一郎君    村上 史好君

      津村 啓介君

   兼務 鬼木  誠君 兼務 源馬謙太郎君

   兼務 関 健一郎君 兼務 鰐淵 洋子君

   兼務 岡田 克也君 兼務 中川 正春君

   兼務 赤嶺 政賢君 兼務 丸山 穂高君

    …………………………………

   財務大臣         麻生 太郎君

   法務大臣         上川 陽子君

   外務大臣         河野 太郎君

   総務副大臣        奥野 信亮君

   外務副大臣        佐藤 正久君

   財務副大臣        木原  稔君

   内閣府大臣政務官     山下 雄平君

   最高裁判所事務総局総務局長            中村  愼君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            水口  純君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局参事官)            松尾 元信君

   政府参考人

   (金融庁監督局金融総括監理官)          伊野 彰洋君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 稲岡 伸哉君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 菊池  浩君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 加藤 俊治君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 佐々木聖子君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    小野瀬 厚君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    富山  聡君

   政府参考人

   (法務省人権擁護局長)  名執 雅子君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  和田 雅樹君

   政府参考人

   (外務省大臣官房国際文化交流審議官)       宮川  学君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 大鷹 正人君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 相木 俊宏君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 高橋 克彦君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 飯島 俊郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 牛尾  滋君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 安藤 俊英君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 長岡 寛介君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 志水 史雄君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    鈴木 量博君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 田島 淳志君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 新川 浩嗣君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   大鹿 行宏君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    星野 次彦君

   政府参考人

   (財務省関税局長)    飯塚  厚君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    太田  充君

   政府参考人

   (国税庁次長)      藤井 健志君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    山名 規雄君

   政府参考人

   (文部科学省国際統括官) 川端 和明君

   政府参考人

   (文化庁文化財部長)   山崎 秀保君

   政府参考人

   (水産庁資源管理部長)  神谷  崇君

   政府参考人

   (国土交通省航空局安全部長)           高野  滋君

   政府参考人

   (観光庁次長)      水嶋  智君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           小波  功君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 槌道 明宏君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  深山 延暁君

   政府参考人

   (防衛省統合幕僚監部総括官)           鈴木 敦夫君

   法務委員会専門員     齋藤 育子君

   外務委員会専門員     小林 扶次君

   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君

   予算委員会専門員     石上  智君

    ―――――――――――――

分科員の異動

二月二十三日

 辞任         補欠選任

  衛藤征士郎君     本田 太郎君

  村上誠一郎君     山田 賢司君

  青柳陽一郎君     山川百合子君

同日

 辞任         補欠選任

  本田 太郎君     衛藤征士郎君

  山田 賢司君     三谷 英弘君

  山川百合子君     道下 大樹君

同日

 辞任         補欠選任

  三谷 英弘君     小田原 潔君

  道下 大樹君     堀越 啓仁君

同日

 辞任         補欠選任

  小田原 潔君     井林 辰憲君

  堀越 啓仁君     村上 史好君

同日

 辞任         補欠選任

  井林 辰憲君     神田 憲次君

  村上 史好君     青柳陽一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  神田 憲次君     宮澤 博行君

同日

 辞任         補欠選任

  宮澤 博行君     村上誠一郎君

同日

 第二分科員源馬謙太郎君、第四分科員鬼木誠君、関健一郎君、第五分科員岡田克也君、中川正春君、第六分科員赤嶺政賢君、第七分科員鰐淵洋子君及び丸山穂高君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成三十年度一般会計予算

 平成三十年度特別会計予算

 平成三十年度政府関係機関予算

 (法務省、外務省及び財務省所管)


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     ――――◇―――――

柴山主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。

 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 本分科会は、法務省、外務省及び財務省所管について審査を行うことになっております。

 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。

 平成三十年度一般会計予算、平成三十年度特別会計予算及び平成三十年度政府関係機関予算中財務省所管について、政府から説明を聴取いたします。麻生財務大臣。

麻生国務大臣 平成三十年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明いたします。

 まず、一般会計歳入予算額は、九十七兆七千百二十七億円余となっております。

 この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十九兆七百九十億円、その他収入は四兆九千四百十五億円余、公債金は三十三兆六千九百二十二億円となっております。

 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、二十五兆五千二百五十六億円余となっております。

 このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十三兆三千十九億円余、復興事業費等東日本大震災復興特別会計への繰入れは五千八百六十九億円余、予備費は三千五百億円となっております。

 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。

 国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出いずれも百九十一兆二千二百六億円余となっております。

 このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。

 最後に、当省所管の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。

 株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきましては、収入一千五百七十八億円余、支出九百九億円余となっております。

 このほか、同公庫の農林水産業者向け業務等の各業務及び沖縄振興開発金融公庫等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。

 以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。

 なお、時間の関係もありまして、お手元に配付いたします印刷物をもちまして詳しい説明にかえさせていただきますので、よろしく記録にとどめてくださるようお願いを申し上げます。

 以上、よろしく御審議のほどお願いを申し上げる次第です。

柴山主査 この際、お諮りいたします。

 ただいま麻生財務大臣から申出がありましたとおり、財務省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柴山主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

柴山主査 以上をもちまして財務省所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

柴山主査 この際、分科員各位に申し上げます。

 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、これを許します。本田太郎君。

本田分科員 おはようございます。

 質問の機会を頂戴しまして、まことにありがとうございます。

 早速ですが、まずは、税関関係について質問をさせていただきます。

 二〇一七年の訪日外国人者数は、約二千八百六十九万人までに到達をいたしました。二〇一二年が八百三十六万人ですから、わずか五年で三倍以上に急増したということであります。政府においては、二〇二〇年までに四千万人、二〇三〇年までに六千万人の目標を掲げておられると承知しています。

 そうした観光政策のもと、私の地元、京都舞鶴港におきましても、数年前までにはほとんど見かけなかった外航クルーズ船の入港が増加をしております。観光関連産業の皆様はもちろんですが、地元住民の皆様も、観光客の増加によって町が元気になると大変喜んでおられます。

 外国人観光客の流入は、経済への波及効果が大きいことから、地方創生にとっても重要ですので、私としても、より多くの外国人の方に日本の隅々まで訪れていただきたいと考えています。

 その受入れを図るためには、航空便はもちろん重要ですが、クルーズ船による訪日についても促していく必要が高いと考えています。クルーズ船受入れのためには、港湾整備のほか、限られた時間の中で少しでも滞在時間を確保するために、円滑な受入れを実施する体制を整備する必要があります。

 そこで、税関における、クルーズ船受入れも含めた訪日外国人旅行客の検査体制の整備がどのような状況であるかをお尋ねしたいと思います。

飯塚政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、政府全体で観光立国実現に向けた取組を進めているところでございますが、先生御指摘のように、訪日外国人旅行者数は、平成二十四年の八百三十六万人から平成二十九年には二千八百六十九万人と、五年間で約三・五倍に増加しているところでございます。

 こうした外国人旅行者の増加に対しまして、税関では、空港や海港、舞鶴港のような海の港でございますけれども、こういったところにおきまして厳格な水際取締りと迅速な通関の確保の両立を実現するために、関係機関との連携、所要の人員の確保、取締り検査機器の活用等に努めているところでございます。

 このうち、いずれかの点につきましては、内閣の重要政策でございますCIQの計画的な体制整備に向けて、平成三十年度予算案におきましてプラス二百九人の純増を予定しているところでございます。

 今後とも、業務運営の一層の効率化を図りながら、訪日外国人旅行者の増加などを受けた行政需要に適切に対応できるよう、きちっとした体制整備を行ってまいりたいと考えております。

本田分科員 ありがとうございます。

 次に、税関においては、迅速で円滑な通関を実現するとともに、水際での取締りをしっかりと行うことも同様に重要だと認識をしております。

 来年のラグビーワールドカップや二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日外国人の観光客のさらなる増加も見込まれる中で、こうした人の流れとともに、薬物などのいわゆる社会悪物品や金などの密輸をしっかりと防ぐ必要もあります。

 特に、最近報道などでもよく取り上げられていますが、我が国において消費税脱税を目的とした金の密輸が急増しております。従前から、飛行機による金の密輸が全体の多くを占めておりましたが、これに加えて、最近ではクルーズ船による密輸や商業貨物による密輸が増加しておりまして、さらに、航空機やクルーズ船の乗組員や添乗員による密輸、また、洋上での取引を行う手口も見られるようになってきており、その規模も大口の密輸の摘発が多発しているとお聞きをしております。

 このような事態に対処するため、財務省においては、昨年十一月、税関における金密輸への対応策を取りまとめましたストップ金密輸緊急対策を発表されました。密輸を通じて得られた利益は犯罪組織に流れている可能性があると指摘されておりまして、金の密輸に対しては厳格に対処していく必要があると考えております。

 金の密輸対策についての政府の決意を伺いたいと思います。

飯塚政府参考人 お答え申し上げます。

 金の密輸入を取り巻く情勢は深刻さを増しておりまして、平成二十八年に全国の税関が摘発した金の密輸入事件は八百十一件と過去最高を記録し、また、昨年、平成二十九年には一千件を超える見込みでございます。

 しかしながら、税関が摘発した金の密輸入は、残念ながら氷山の一角であると言わざるを得ません。相当程度の利益が犯罪組織に流れているおそれがあるというふうに考えております。

 このような状況を踏まえまして、財務省では、これまでにない広範で厳格な密輸取締りが必要であるとの考えのもと、緊急かつ抜本的な対策を早急に実施するために、先ほども先生おっしゃいましたストップ金密輸緊急対策を昨年十一月に策定し、公表したところでございます。

 その内容でございますが、第一の柱として検査の強化、第二の柱として処罰の強化、第三の柱として情報収集及び分析の充実に取り組むこととし、このほか、広報の充実、体制の強化などを行うこととしております。このうち、処罰の強化につきましては、関連する改正法案を今次国会に提出させていただいているところでございます。

 この対策に基づきまして、税関では、関係省庁と連携しながら、金密輸に対する一層厳格な取締りを着実に実施してまいりたいと考えております。

本田分科員 ありがとうございます。

 御答弁いただきましたように、税関においては迅速な通関と厳格な取締りをしていただく必要が極めて高いわけでありますが、それと同時に、訪日外国人観光客をたくさん受け入れるという観点からは、迅速な通関も大変大切なわけでありまして、厳格な水際対策と迅速な通関を両立するためには、人員の増加はもちろんでありますけれども、同時に検査機器を有効に活用することも重要であると考えております。

 そこでお尋ねをいたしますが、平成三十年度予算における取締り検査機器の措置状況はどのようになっていますでしょうか。

飯塚政府参考人 お答え申し上げます。

 税関におきましては、これまでにおいても、迅速な通関と厳格な水際での取締りを両立させるために、エックス線検査装置などの取締り検査機器を整備してきたところでございます。

 平成三十年度の税関に関する予算案におきましても、例えば、エックス線検査装置を合計十九台、計約一億六千万円や、いわゆるTDSと呼ばれる不正薬物・爆発物探知装置、これが三台で約一億三千万円、こういったものを計上するなど、取締り検査機器の整備に必要な経費を計上させていただいているところでございます。

 今後とも、厳しい財政事情のもとではございますが、取締り検査機器など、体制整備を行ってまいりたいというふうに考えております。

本田分科員 それでは次に、新税の関係についてお尋ねをいたします。

 まず、国際観光旅客税ですが、安倍政権においては、観光を成長戦略の柱、地方創生の切り札と位置づけ、精力的に取り組んでおられます。その結果、訪日外国人旅行者は、一昨年に二千四百万人を数え、昨年は二千八百万人を上回っており、私の地元は京都でありますが、京都駅などでは外国人の方だらけといううれしい悲鳴を上げるような状況になってきております。

 そして、私が実際に住んでいますのは日本海側の天橋立でございますが、ここにつきましても、今まで少なかった外国人観光客がふえてきていると実際に肌で感じているところであります。

 今後、二〇二〇年の訪日外国人観光客四千万人の目標や、東京オリンピック・パラリンピック開催も踏まえれば、より高次元な観光施策を展開していく上で財源の確保が急務だと認識しており、国際観光旅客税を速やかに導入して対応していくことが重要だと私も考えております。

 こうした前提に立ち、国際観光旅客税の税収については、観光先進国の実現に向けた喫緊のニーズに対応するため、最大限有効に活用していく必要があると考えておりますが、どのような方針で取り組むこととされておられますでしょうか。また、具体的にはどのような使い道を想定しておられるのか、御答弁をお願いいたします。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 国際観光旅客税の税収につきましては、昨年十二月に政府の観光立国推進閣僚会議で決定されました基本方針におきまして、第一に、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、第二に、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、第三に、地域固有の文化、自然などを活用した観光資源の整備などによる地域での体験滞在の満足度の向上の三つの分野に充当することとされております。

 また、観光財源を充当する施策は、受益と負担の関係から負担者の納得が得られること、先進性が高く費用対効果の高い取組であることなどを基本とすることとしております。

 こうした考え方に基づきまして、平成三十年度予算における総額六十億円の歳入につきましては、最新技術を活用した顔認証ゲートや税関検査場電子化ゲートの整備などによりますCIQ体制の整備など、特に新規性、緊急性の高い施策に充てることとしておるところでございます。

 平成三十一年度以降の税収を充当する具体的な施策、事業につきましては、先ほど申し上げましたような基本的な考え方を十分に踏まえまして、民間有識者の方々の御意見もいただきながら、中身をしっかりと精査してまいりたいと考えておるところでございます。

本田分科員 ありがとうございます。

 観光客の方の満足度や費用対効果ということでありますので、その方向でしっかりと進めていただければありがたく思います。

 今回、国際観光旅客税を創設しましたのは、まさに我が国の経済成長や地方創生にも資するとの観点からだ、そういう意味もあるというふうに認識しておりますが、国際観光旅客税の税収を活用した観光施策をより一層展開していただきまして、我が国の経済成長や地方創生にどのように結びついていくのか、その点につきましても見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど来先生の方から御指摘をいただいておりますとおり、政府といたしましては、観光を地方創生の切り札、成長戦略の柱として位置づけてきたということでございますけれども、昨年の訪日外国人旅行者数、これも先ほど先生に御紹介いただきましたが、対前年比で一九%増の二千八百六十九万人、消費額は一八%増の四兆四千百六十一億円と、いずれも五年連続で過去最高を記録するということで、着実に成果も上がってきているのではないかと考えておるところでございます。

 他方、観光ビジョンなどに掲げられました訪日外国人旅行者数二〇二〇年四千万人、あるいは消費額八兆円といったような目標達成にはまだ道半ばでございまして、これらの目標を実現するためには、いわゆるゴールデンルートに集中している旅行者の方々、これを全国各地へ来訪していただくということを促進するといったことでございますとか、あるいは、個人旅行の割合が増加しているといった旅行形態の多様化に適切に対応していくといったようなことで、より高次元な観光施策を展開していく必要があるというふうに考えておるところでございます。

 今般の国際観光旅客税は、出国旅客の方々に負担を求めることにより、こうした観光施策の充実に必要な財源の確保を図ることとしたものでございますけれども、この国際観光旅客税も活用しながら、高次元の観光施策に取り組むことによって、経済成長や地方創生に一層貢献してまいりたいと考えておるところでございます。

本田分科員 今回の国際観光旅客税の税収を活用いただきまして、インバウンドの促進はもちろんでありますけれども、それのみならず、日本人の観光客も含めました国際的な人流の円滑化につなげていただきまして、ひいては我が国の経済成長と地方創生にも大きく役立っていただけることと期待をしております。

 政府におかれましては、本税の円滑な導入に向けてしっかり対応していただきますとともに、その税収の活用に当たりましては、期待されました、今おっしゃられました政策効果が十分に発揮されるように、基本方針に沿って適切に今後も取り組んでいただきますよう要望をいたします。

 次に、近年、報道で取り上げられることが多くなりました仮想通貨に関して質問をさせていただきます。

 代表的な仮想通貨の一つでありますビットコインは、二〇〇八年にナカモトサトシと名乗る人物が公表した論文に基づいて、インターネット上の有志で開発されたと言われておりまして、二〇〇九年から流通が始まったそうであります。その後もさまざまな仮想通貨が開発されるとともに、価格も値上がりを続けまして、仮想通貨全体の時価総額は、民間会社の調査によりますと、一時、百兆円に迫る水準となったそうであります。

 一方、仮想通貨につきましては、価格の乱高下が激しく、マネーロンダリングに使われるおそれもあるということでありまして、国際的にもその取扱いについて議論が行われ、我が国も含めまして、各国でさまざまな規制が導入されるようになったと認識をしております。

 そこで、我が国におきまして仮想通貨に係る規制が導入された経緯と、その概要につきまして質問をいたします。よろしくお願いいたします。

松尾政府参考人 お答え申し上げます。

 仮想通貨につきましては、マネロンやテロ資金に利用されているというような指摘もございまして、このマネロン等についての各国政府による金融活動作業部会、FATFと申しますが、こういったところから、マネーロンダリングやテロ資金供与対策の観点からのルール整備というのが求められていたところでございます。

 また、国内におきましても、平成二十六年、当時において世界最大規模の仮想通貨交換業者が破綻するというような事案が発生いたしたということ、これらを受けまして、平成二十八年に資金決済法等を改正いたしまして、仮想通貨交換業者に登録制を導入するとともに、利用者保護や本人確認等の規制を設けたところでございます。

 具体的には、例えば、仮想通貨交換業者に対しまして、まず、仮想通貨というのは法定通貨ではないこと、また、法定通貨に基礎づけられておらず、価値が購入対価を下回るおそれがあること、また、その価値が保障されていないこと等への利用者の説明や情報提供などを義務づけておりますほか、システムについての安全管理体制の構築、また、利用者から預かった金銭や仮想通貨と、交換業者が自己で保有する財産等を分別管理することなどの対応を求めているところでございます。

本田分科員 ただいま説明をいただきましたように、我が国では、国際的な議論に加えまして、先ほどおっしゃいました、マウントゴックスという仮想通貨の交換所が破綻したり、また顧客被害が出たことも踏まえまして、仮想通貨交換業者に対する規制が整備されたということでございます。

 しかし、大変残念なことでありますけれども、足元では、みなし仮想通貨交換業者であるコインチェックから五百億円相当の仮想通貨NEMが流出するという、過去最大規模の事件が起こってしまいました。

 この事件を受けまして、金融庁では、コインチェックに対して業務改善命令を出し、顧客の保護を図るために立入検査を行っておられます。さらに、他の業者でも同じような問題が起こらないように、複数の登録業者に立入検査を実施して、さらに、全てのみなし業者に順次立入検査を行うとお聞きをしております。

 仮想通貨につきましては、今後、このような不幸な事件が起こることがないように、今回の事件の原因をしっかり究明していただきまして、今後の対応に生かしていくことが重要だと考えております。

 そこで、今後、仮想通貨に対して総合的にどのように対応していくべきかについてお聞かせをいただきたいと思います。

水口政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の問題を踏まえまして、金融庁では、コインチェック社を除く全ての仮想通貨交換業者に対しまして、システムリスク管理体制に関する報告徴求命令というものを発出いたしまして、現在、その報告内容の精査、分析を行ってきたところでございます。

 こうした分析等も踏まえまして、先生御指摘のとおり、登録業者につきましては、必要に応じ立入検査を実施し、内部管理体制の整備状況等を検証してまいりますとともに、みなし業者につきましては、全社に対しまして順次立入検査を行うこととしてございます。

 今後の仮想通貨交換業者に対する対応につきましては、まずは、今般の事案の原因究明等を十分に行いまして、その上で、業界団体による自主規制も含めたところで必要な対応を検討してまいりたいと考えてございます。

本田分科員 ありがとうございます。

 金融庁におかれましては、問題の根本原因を踏まえたより適切な対応を今後とも進めていただきますように要望をいたします。

 仮想通貨、これにつきましては、私の周りの人間でも、やはりどんなものか知ってみたい、そういう興味、又は、やはりお金がもうかるというような報道もございますので、投機ということでやっておられる方もたくさんおられます。

 しかし、恐らくその多くの方は、この仮想通貨というものが、翻訳をされたわけでありますけれども、通貨という名前がついているがゆえに、何らか、そんなに危ないものじゃないんじゃないかというような誤解をして、軽率に投機に走っているという方も散見をしているところであります。こういった方々は、みずからの投入したお金は自己責任でやっているということは、もちろん認識はしているんですけれども、まさか、そのようなお金が、購入した仮想通貨と言われるものが、盗まれる若しくはなくなってしまうということまでは想定をしていないわけであります。

 その意味では、やはり金融庁の規制の対象であります他の金融機関は、しっかりとその辺の、分別管理ですとか、いろんな意味での規制がしっかりされているのに比べますと、まだまだこれからではあるとは思いますけれども、規制をしていっていただく必要もあるのかなというふうに思っております。

 自己責任という名のもとに、さまざまな消費者が本当に蓄えてきたお金、特に年老いた方に至りましては、それこそ退職金を、少しでも老後の生活を楽にしたいという思いで投機に走っておられるような方もおられます。こういった方々への注意喚起ということも含めまして、規制を適切にしていくことも重要かなというふうに私は感じております。

 以上、雑駁ではございましたけれども、私の要望も踏まえまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

柴山主査 以上で本田太郎君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

柴山主査 次に、外務省所管について政府から説明を聴取いたします。河野外務大臣。

河野国務大臣 おはようございます。

 平成三十年度外務省所管予算案について概要を説明いたします。

 平成三十年度一般会計予算案において、外務省は六千九百六十七億十六万四千円を計上しています。これを前年度と比較いたしますと、約一%の増額となっております。

 このうち外務省所管のODA予算は、四千三百四十四億四千九百五十万一千円となっております。

 平成三十年度予算案の作成に当たっては、不透明さを増す国際情勢において戦略的な外交を展開し、我が国及び我が国国民の安全と繁栄を守り抜くため、以下申し上げる四本の柱を掲げ、めり張りをつけた上で必要な予算を計上いたしました。

 第一の柱は、「不透明さを増す国際情勢に対応し、戦略的な外交を展開する。」です。北朝鮮の核・ミサイル問題等、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、日本の安全を確保するとともに、グローバルな課題への対応にリーダーシップを発揮していきます。

 第二の柱は、「テロ等の脅威から在外邦人や国内を守る。」です。世界各地でテロ等緊急事態が多発する中、在外邦人の安全対策、情報収集・分析機能や水際対策の強化等に万全を期していきます。

 第三の柱は、「日本経済を力強く外交面で後押しする。」です。自由で開かれた経済秩序を維持強化するとともに、日本企業の海外展開支援を積極的に支援していきます。来年のG20サミット本邦開催に向けた準備を本格化するとともに、二〇二五年国際博覧会の大阪・関西誘致に向けた支持取付けを加速化していきます。

 第四の柱は、「戦略的な対外発信を維持・強化する。」です。日本の政策、取組の発信、日本の多様な魅力の発信、日系社会を含む親日派、知日派の育成を強化し、国際社会における我が国の影響力を高めていきます。

 また、これらの諸課題を実現するために、主要国並みを目指した外交実施体制の強化と、国益に資するODAのさらなる拡充に取り組みます。外交実施体制については、地球儀を俯瞰する外交を下支えする足腰予算を拡充するとともに、在外公館三公館の新設及び九十名の体制増を含めた必要経費を計上しております。

 ODAについては、自由で開かれたインド太平洋戦略の具体化を始め、国益に資する開発協力を一層戦略的に実施していきます。

 以上が、平成三十年度外務省所管予算案の概要でございます。

 柴山主査を始め、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。

 なお、時間の関係もございますので、主査におかれましては、お手元に配付しております印刷物を会議録に掲載されますようお願い申し上げます。

 以上です。

柴山主査 この際、お諮りいたします。

 ただいま河野外務大臣から申出がありましたとおり、外務省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柴山主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

柴山主査 以上をもちまして外務省所管についての説明は終わりました。

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柴山主査 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山田賢司君。

山田(賢)分科員 私は、自由民主党の山田賢司でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、役所の皆さんにおかれましては、タイトなスケジュールの中、質問に対応いただきまして、本当にありがとうございます。

 早速質問に入らせていただきます。本日は、私、平和と人権ということについて考えてみたいと思っております。

 日本人の多くは、戦後七十有余年ずっと平和だったと思っている。大多数の国民にとっては確かにそうなのかもしれません。しかし、みんなが平和を享受しているこの間も長年にわたって人権が奪われている、こういった日本国民がいることを忘れてはならないと思っております。

 北朝鮮による拉致被害者は、何の罪もないのに、身体の自由を奪われ、家族とも離れ離れになって、四十年以上が経過している、まだ帰ることができない状態にあります。一刻も早く帰国を実現しないといけないと思っております。

 そして、軍事力を放棄している我が国においては、話合いによる解決、あるいは経済的圧力、そして国際社会と連携して救出を図る、これしかないということでございますが、昨年九月には、トランプ大統領が国連総会の場で、十三歳の日本人の女の子と言って横田めぐみさんにも言及し、北朝鮮の非人道性を非難しました。その意義について、大臣、どのようにお考えでしょうか。

河野国務大臣 拉致問題の早期解決を実現する上で、米国の理解と協力を得ることは極めて重要だと思っております。

 こうした中、お話しになりましたように、昨年九月、トランプ大統領が国連総会の演説で横田めぐみさんについて言及しつつ、拉致問題を含む北朝鮮をめぐる諸懸案の解決に向けて取り組む姿勢を示したことを高く評価したいと思います。

 我が国としては、米国と緊密に連携しつつ、北朝鮮に対する国際社会の圧力をてことして、北朝鮮に拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいりたいと思います。

山田(賢)分科員 ありがとうございます。

 こうした中、対話のための対話は意味がないということは、安倍総理もるるおっしゃっておられるところでございます。ただ、長年にわたり圧力を強化しているはずなんですが、一向に拉致被害者の帰国実現には至っておりません。

 こうした中、物理的に奪還を考えるべきではないかと考えますが、被害者奪還のために、例えば自衛隊を北朝鮮に派遣することはなぜだめなのでしょうか。現実的に所在を把握するなどの情報がないということであれば、仮に情報が把握できたとして法制度上は何が問題なのか、教えていただけますでしょうか。

槌道政府参考人 自衛隊を派遣するという法制上の問題ということでございますので、防衛省からお答えさせていただきます。

 平和安全法制におきましては、新たに、自衛隊による海外邦人等の救出や警護など保護措置ができるようにいたしたところでございます。ただ、自衛隊の活動につきましては、国際法上の観点に加えまして、我が国憲法上の制約があるというところでございます。

 具体的に、自衛隊法第八十四条の三の在外邦人等の保護措置につきましては、領域国の同意に基づき、武力の行使を行わない警察的な活動として行うものでございます。領域国の同意がある場合に、その同意が及ぶ範囲、すなわち、その領域において権力が維持されている範囲で活動するということを前提としている、こういうことでございます。

山田(賢)分科員 ありがとうございます。

 今、領域国の同意ということをおっしゃいましたけれども、我々が自衛隊を派遣しないといけないことを考えるような状況というのは、そもそも相手国が同意しないからであって、相手国がそれを同意してくれるぐらいなら、とっくに返してくれるのではないかと思っております。

 そんな中、平和安全法制ができた際に、我が国が直面する当面の課題には全て対応できるようになったというような説明が政府から見解として出されていたと思うんですが、現実に日本国民の生命、自由、そして幸福追求に対する権利が侵害されている状況、これが長期間にわたって解決できていないということに鑑みて、現行法でできないのであれば新たな法整備をしてでも救出すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

佐藤副大臣 お答えいたします。

 ただいま防衛省の方から、自衛隊の法的な制約について説明がございました。

 その中にありましたように、平和安全法制によって領域国の同意に基づく関係での一定の活動ができるようになったことは、一歩前進だと思います。

 こうした中、政府としましては、拉致被害者に関する情報を米国に提供するとともに、拉致被害者の安全が脅かされるような事態に至った場合、拉致被害者の安全確保のために協力するよう米国に依頼しているところでもあります。

 また、平素から、米国や韓国との緊密な連携とともに、北朝鮮に公館を設置している各国とも情報交換を行っており、こうした国々とも協力して拉致被害者の安全確保に努める考えであります。

 今後とも、政府全体として、拉致被害者の救出のために何ができるかについて、不断の検討を継続してまいりたいと思います。

山田(賢)分科員 これは、もちろん米国と協力する、連携するのは当然なんですけれども、日本国民なので、我々は当事者として真剣に考えていかないといけないと思っています。ただ過激なことを言って、自衛隊を送り込めと言ったらすぐ解決するものではない。最もよい方法をぜひ政府には考えていただきたいと思っております。

 物理的な救出ということが困難であれば、今、当面については、最大限圧力を科していく以外にないのかなということで、そこで、果たして日本は制裁を十分に行っているのか、日本は国連決議に上乗せして独自の制裁を行っているということなんですが、果たしてそれを十分に行っているか、これを確認したいと思っております。

 まず、我々も、議員外交を通じて、アメリカの議員、各所に話をしてまいりましたが、日本政府におかれましても、米国に対して拉致はテロだと説明して、米国に対して北朝鮮のテロ支援国家再指定を求めてまいりました。実際に、アメリカは北朝鮮のテロ支援国家再指定を決定しております。日本は北朝鮮をテロ国家ないしはテロ支援国家だと考えているのか、教えていただけますでしょうか。

佐藤副大臣 我が国の法制上、テロ国家あるいはテロ支援国家を認定する制度は存在しておりませんが、ただ、北朝鮮は、かつてラングーン事件やあるいは大韓航空機爆破事件などを実行したほか、国民の生命と安全にかかわる重大な問題であります日本人の拉致を行ったと認識しており、これまでも、拉致はテロと直結するものとの政府答弁もございます。

 日米両国は、まさに、北朝鮮に政策を変更させるため、あらゆる手段を使って圧力を最大限にしていくことで一致しており、その観点から、安倍総理からトランプ大統領に、米国による北朝鮮のテロ支援国家再指定について働きかけたところであります。

 こうした働きかけを踏まえまして、米国が北朝鮮のテロ支援国家再指定を決定したことは、圧力を強化する上で非常に我が国としても歓迎し、支持をするものであります。

 日本としては、日米韓三カ国で協力し、中国、ロシアを含む関係国とも緊密に連携しながら、安保理決議の完全な履行等を通じて国際社会全体で北朝鮮への圧力を高めて、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けて全力を尽くしてまいる所存であります。

山田(賢)分科員 ありがとうございます。

 今、日本にはテロ国家ないしはテロ支援国家を指定する制度がないということでございました。これは、アメリカに対してはテロ支援国家再指定を求めておいて、日本には制度がないからやらないというのは、やや当事者意識に欠けるのではないかなと考えております。

 制度がないのであればつくってでもやるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、本件は非常に重要な問題ということで、何ができるか、不断に考えていく必要があると考えております。

 現時点におきまして、北朝鮮の政策を変えさせるために、これは佐藤副大臣からも申し上げていますが、あらゆる手段を通じて北朝鮮に対する国際社会の圧力を最大限まで高めることが必要であると考えており、そのための措置については個別具体的に検討しているところであります。

 我が国といたしましては、安保理決議を完全に履行するとともに、北朝鮮との間の人、物、金の流れを厳しく規制する我が国独自の対北朝鮮措置を実施しているところでございます。

 具体的には、北朝鮮籍の者の入国の原則禁止、北朝鮮との間の全ての品目の輸出入の禁止、北朝鮮向けの送金の原則禁止など、他国と比べても厳しい措置を講じているところでございます。

 我が国といたしましては、引き続き、諸懸案の包括的な解決に向けて、委員の御指摘も踏まえ、北朝鮮に対してどのような圧力をかけていくことが最も効果的かという観点から、今後の対応を不断に検討していきたいと考えております。

山田(賢)分科員 ありがとうございます。

 今、さまざまな独自制裁について御説明がありました。ただ、国民の中にやや疑念がありますのは、朝鮮総連、こちらが北朝鮮の出先機関であるということはみずからも認めております。政府もこれまで、朝鮮総連関係者が拉致の実行に関与したとの認識を示しているはずです。にもかかわらず、北朝鮮の出先機関が公然と日本国内で活動を続けていることに、国民から強い疑念の声が上がっております。

 まず、朝鮮総連は、整理回収機構に対して多額の債務を負っているはずですが、総連の建物を継続使用しております。家賃や光熱費、人件費を支払えるということは資力があるということではないかと考えますが、差押えはできないのか、お答えいただけますでしょうか。

伊野政府参考人 お答えいたします。

 朝鮮総連中央本部ビルの使用を含む朝鮮総連における資金の流れにつきましては、関係省庁とも連携しつつ、預金保険機構に付与された権能やさまざまな情報を活用して把握に努めているところでございます。

 お尋ねの点につきましては、個別具体的な債権回収にかかわる事柄でございますので、整理回収機構における今後の債権回収業務に支障を及ぼすおそれもございますので、具体的なお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。

 いずれにしましても、金融庁としましては、整理回収機構が、今後とも引き続き、預金保険機構と連携して朝鮮総連に対して返済交渉を行うとともに、朝鮮総連の資産等の実態把握に努め、あらゆる回収手段を検討し、法令にのっとり厳正な債権回収に努めるよう指導してまいります。

山田(賢)分科員 その話は一般論であって、これだけの大変な問題、しかも何年かかっているんだというのを国民は強く疑念を持っておられるんです。

 そして、債権者としてなら多分そうなのかもしれません、大口の破綻した債務者に対して金融庁が回収するということであればそうなのかもしれない。ただ、これは、日本国民の人権が奪われ、日本国の平和が脅かされている、こういう問題なんです。

 通常の債権者、これはもう金融庁に言ってもしようがないと思うんですけれども、政府全体で、朝鮮総連に対してこれをてこ入れするような、こんな制度を、ありとあらゆる方策を考えていただきたいと思います。個別の債権回収にかかわることで、これ以上聞いても答えられないんでしょうけれども。

 では、具体的にちょっと方策を考えてみたいと思いますけれども、拉致はテロだということを再三政府はおっしゃっておられます。また、国連決議に違反して核開発、ミサイル実験を繰り返している北朝鮮の活動を支援している朝鮮総連ということは、この活動を支援させないように、テロ資金提供処罰法を適用できないのか、教えていただけますでしょうか。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 法務省におきましても、御指摘の拉致問題等が国民の生命、安全にかかわる重大な問題であるということは認識をしております。

 もっとも、お尋ねのテロ資金提供処罰法の罪に当たるかどうかといった犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断される事柄でありますので、一概にお答えを申し上げることは困難でございます。

 あくまで一般論として申し上げれば、例えば、いわゆるテロ資金提供処罰法三条、四条の提供罪は、提供者において、提供の相手方、あるいは提供の相手方が更に資金等を提供しようとしている相手方が、同法の一条各号に規定する公衆等脅迫目的の犯罪行為の実行を具体的に意図しているということを認識、認容しながら資金等を提供することにより成立するものでございます。

 検察におきましても、警察等の関係機関と緊密に連絡をして、これらの罪について、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて適正に対処するものと承知をしております。

山田(賢)分科員 適用に関しては個別具体なので言えないということなんですけれども、もし現行法の要件が該当しないということであれば、この法律を改正してでも、ないしは同じような仕組みで北朝鮮の活動を支援できないような仕組みの新法を制定してでも、この北朝鮮の活動を支援するような組織、団体への資金提供、あるいは不動産の提供、役務の提供なんかを規制できるような、そんな法整備をするべきではないかと考えます。

 国連決議一三七三でも、テロ行為への資金提供を防止するように求めているはずです。あるいは、テロ行為を行う者を支援する団体に対して、金融資産、経済資源を利用可能にすることを禁止するように求めているはずなんです。

 このような法改正あるいは新法の制定について、どのようにお考えでしょうか。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、繰り返しとなりますが、犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断される事柄でございますので、お示しのような事案について、一律に、現行法が適用されないということを前提に質問に対してお答えすることは困難でございます。

 その上で申し上げますと、一定の組織、団体への資金提供、役務の提供、不動産の提供等を処罰できるようにすべきではないかとの御指摘でございますけれども、テロ資金提供処罰法は、提供罪等の客体について、資金以外の土地、建物、物品、役務その他の利益であって公衆脅迫目的等の実行に資するものも対象としておるものであります。また、テロ企図者以外の者に対する資金等の提供をする行為等についても、一定の要件のもとで処罰をすることができるものとしております。

 検察におきましても、警察等の関係機関と緊密に連絡をいたしまして、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて適正に対処するものと承知をしております。

山田(賢)分科員 続きまして、国連安保理決議二二七〇の主文十七では、全ての加盟国が、北朝鮮の核開発、核兵器運搬システムの開発に寄与し得る分野の、自国の領域内における若しくは自国民による北朝鮮国民に対する専門教育又は訓練を防止する義務を負っています。

 この決議を履行するということは憲法違反になるかどうか、お考えをお聞かせください。

佐藤副大臣 御指摘のとおり、安保理決議二二七〇号主文十七で、今委員が御指摘になったような義務というものが書かれております。

 当然のことながら、我が国としては、憲法を遵守しながら、御指摘の二二七〇号の当該規定を含めた関連安保理決議を引き続き履行してまいりたいと思います。

山田(賢)分科員 関連しまして、この決議を履行するように徹底を求めていくということはヘイトスピーチに該当するのかどうか、これをお聞かせいただけますでしょうか。

名執政府参考人 我が国に居住する方々を排斥する意図がなく、また差別的表現を用いるものでないならば、安全保障理事会決議の履行を徹底するよう求めること自体は、いわゆるヘイトスピーチに直ちに該当するものではないと理解しております。

山田(賢)分科員 当たり前だと思いますけれども、以上を確認した上で、我が国の大学、研究機関において、北朝鮮籍者は核関連の専門教育、訓練を受けていないということが徹底されているんでしょうか。

川端政府参考人 お答えいたします。

 我が国では、独自措置として、北朝鮮籍者の入国を原則として禁止する、あわせて、在日外国人である核・ミサイル技術者が北朝鮮に渡航した場合の再入国を禁止している。その上で、我が国の大学、研究機関において、留学生、研究者、教員などを海外から受け入れる際には、経産省作成の大学、研究機関用の安全保障に係る管理ガイダンスがありまして、これに基づきまして、これまでの所属や研究内容についてチェックをして、受入れ採用後の研究開発が海外における大量破壊兵器の開発などに転用されることがないよう確認するということが推奨されておりまして、文科省では、このガイダンスについて通知を発出するとともに、全国各地で説明会を開催しております。

 また、従前より、外為法に基づく厳格な輸出管理の観点や安保理決議を踏まえて、所管の大学、研究機関に対しましては、通知等により核関連技術を含めた機微技術が適切に管理されるように周知をしているところでございまして、引き続き、関係省庁と連携しながら、輸出管理体制の強化に向けて周知徹底を図ってまいりたいと考えてございます。

山田(賢)分科員 国連決議は、北朝鮮国民に対する核関連の教育訓練を防止するように求めております。

 そこで気になるのは、日本には、サンフランシスコ講和条約によって日本国籍を喪失した韓国・朝鮮籍者と呼ばれる方々がいらっしゃいます。このうち、大韓民国の国籍を保有する方は韓国籍として、それ以外の方はどこの国民に当たるのか、教えていただけますでしょうか。

佐々木政府参考人 法務省、お答え申し上げます。

 お尋ねの方につきましては、日本国との平和条約第二条の規定によりまして、朝鮮半島出身者及び台湾出身者となります。

 私ども、出入国管理で使う用語としての朝鮮は、朝鮮半島出身者でございまして、国籍を意味するものではございません。

山田(賢)分科員 そうすると、ちょっとよくわからないんですけれども、彼らは北朝鮮を祖国と言っていますし、北朝鮮は彼らを同胞と言っているんですけれども、北朝鮮国民でないとするならば、その朝鮮籍者の方というのは無国籍者になるんでしょうか。

佐々木政府参考人 日本国として北朝鮮を国として認めていないということから、無国籍でございます。

山田(賢)分科員 北朝鮮を国として認めていないから北朝鮮国民がいないということになると、この安保理決議は、そもそも北朝鮮国民に対する核開発関連の教育訓練をするなということが全く意味のない決議になってしまうんですけれども、国連においては、我が国の研究機関においてそういう訓練をするなと言っているんですね。そうすると、教育訓練を受けないようにということは、どのようにして担保するんでしょうか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 国連安保理決議の実施に関しましては、先ほど文科省から答弁があったとおりでございます。

 実際にこれがどのような成果、効果を上げているのかを担保するかということでございますけれども、これに関しましては、まさに何が最も効果的かということで、今後、引き続き関係省庁と連携をしながら、対応については検討していきたいというふうに考えております。

山田(賢)分科員 大臣、今お聞きになられたように、我が国は、他国に対して、国連加盟国に対して、制裁を厳格に履行しろと言っているんですけれども、当事者である我が国自身が何か曖昧な解釈をしているということなんですけれども、国連安保理決議を厳格に履行しているとは言えないのではないでしょうか。御所見をお伺いできますでしょうか。

佐藤副大臣 今、外務省の政府参考人から説明がありましたように、我が国としても、在日外国人の核・ミサイル技術者の北朝鮮を渡航先とした再入国を禁止したり、あるいは、安保理決議にもうたわれております、我が国の国内の大学や研究機関に対して、決議が教育訓練を禁止している旨を周知したりということをやっているという状況に加えまして、朝鮮大学校を含む朝鮮学校は、北朝鮮と密接な関係を有する団体である朝鮮総連がその教育を重要視して、教育内容、人事、財政に影響を及ぼしているものであるというふうに認識しております。その観点から、引き続き関係省庁間で連携しつつ、重大な関心を持って情報収集等を行っていきたいと思います。

 安保理決議というものを踏まえながら、我が国としては、北朝鮮への圧力を最大限まで高める上で何が効果的かという観点から対応をしていきたいというふうに考えております。

山田(賢)分科員 今、朝鮮大学校について言及していただきましたけれども、朝鮮大学校では物理工学とか情報工学の授業も行っているんですね。これは明らかに国連安保理決議違反ではないでしょうか。

志水政府参考人 先ほど佐藤副大臣から答弁がありましたとおり、朝鮮大学校に関しましては、北朝鮮と密接な関係を有する団体である朝鮮総連がその教育を重要視し、教育内容、人事及び財政に影響を及ぼしているものであると認識しており、関係省庁間で連携しつつ、重大な関心を持って情報収集等を行っているところでございます。

 他方におきまして、現時点におきまして、その活動が安保理決議第二千二百七十号及び第二千三百二十一号との関係で直ちに問題になるとは考えておりません。

 いずれにいたしましても、我が国といたしましては、引き続き、北朝鮮への圧力を最大限まで高める上で何が最も効果的かという観点から、今後の対応を検討していきたいと考えております。

山田(賢)分科員 今直ちに問題があるとは思っておりませんけれども、直ちに問題があったら大問題なんであって、厳格な履行を我が国としては各国に呼びかけているんですから、我が国は率先して厳格に履行していかないといけないのではないか。

 もう一点、国連安保理決議二三七五の主文十七では、全ての加盟国が、自国の管轄権内において北朝鮮国民への労働許可を提供しないことを決定するとしています。我が国国内において、北朝鮮国籍者に対して労働許可を提供しないことをどのように担保しているのか、教えていただけますでしょうか。

佐藤副大臣 我が国といたしましては、独自の対北朝鮮措置として、北朝鮮籍者の我が国への入国を原則として禁止しております。

 さらに、安保理決議第二三七五号の採択以降、北朝鮮籍者に対しては労働許可を発給した事例は現時点では確認されておりませんが、いずれにせよ、繰り返しておりますが、北朝鮮への圧力を最大限まで高める上で何が最も効果的かという観点から、関係府省と連携しつつ、今後の対応を引き続き検討してまいります。

山田(賢)分科員 北朝鮮籍者に対してやっていないということなんです。先ほど来の答弁で、朝鮮籍の人が北朝鮮籍者かどうかわからないということであれば、この制裁を履行、徹底するということはできないんじゃないかと思うんですね。

 ただ、こんなことを余り言っていると、またヘイトスピーチと言われてしまうんですけれども、今申し上げていたような内容というのはヘイトスピーチに該当するのかどうか、法務省、確認させてください。

柴山主査 名執人権擁護局長、時間が経過しておりますので簡潔にお願いします。

名執政府参考人 先ほどお答えしたとおりでございます。

山田(賢)分科員 最後に一問だけ。

 大臣に、拉致被害者の早期帰国実現に向けた御決意をお聞かせいただけますでしょうか。

柴山主査 河野外務大臣、簡潔にお願いします。

河野国務大臣 拉致問題は、安倍内閣の最重要課題でございます。政府としては、引き続き、対話と圧力、行動対行動の原則のもと、北朝鮮に対してストックホルム合意の履行を求めつつ、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を実現すべく、あらゆる努力を傾注する決意でございます。

山田(賢)分科員 以上で終わります。ありがとうございました。

柴山主査 これにて山田賢司君の質疑は終了いたしました。

 次に、鰐淵洋子さん。

鰐淵分科員 公明党の鰐淵洋子でございます。

 本日は、河野大臣始め外務省の皆様、また文化庁の皆様にお越しいただいておりますが、最後までよろしくお願いしたいと思います。

 早速ですが、質問に入らせていただきます。私の方からは、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産の登録を目指しての取組等につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。

 大阪府の百舌鳥・古市古墳群は、世界文化遺産の推薦候補に選定され、本年一月十九日の閣議で了承されました。これまで、百舌鳥・古市古墳群は、過去三回の落選を受けて、四度目で国内推薦が得られたわけでございますが、改めて、地元住民の皆様、また地元自治体、政府関係者の皆様に心から敬意を表したいと思います。

 百舌鳥・古市古墳群は、古墳時代の最盛期であった四世紀後半から五世紀後半にかけて、当時の政治、文化の中心地の一つであり、また東アジアへ向かう航路の発着点であった大阪湾に接する平野に築造されております。

 この名称どおり、大阪府堺市にあります百舌鳥古墳群と、大阪府羽曳野市、藤井寺市にあります古市古墳群から成るものでございます。世界最大の前方後円墳である仁徳天皇陵古墳や応神天皇陵古墳などの大型古墳を含む、我が国を代表する古墳群でございます。

 百舌鳥古墳群といってもなかなかイメージが湧かない方が多いかと思いますが、前方後円墳の仁徳天皇陵と聞くと、教科書に載っていたことを思い出される方もたくさんいらっしゃるかと思います。

 私自身も、先日、堺市の百舌鳥古墳群へ行ってまいりました。

 まず、大変に驚きましたのが、その大きさでございます。近くの堺市役所の展望台から拝見をさせていただきましたが、少し横から見る感じになっておりますけれども、住宅が建ち並ぶ中で、この大きな仁徳天皇陵古墳が存在しております。それを囲むように幾つもの古墳が並んでおりますけれども、先ほども申し上げましたが、この古墳群は大阪湾の近くに位置しておりまして、大阪湾から見ますと、大阪湾に沿って長く、四百八十六メートルの古墳が横に大きくそびえ立つような、そういったイメージでございました。これは、当時の大阪湾を発着する、国内、そして東南アジア勢力に対して、大王の権力を主張することになっていたと思います。

 百舌鳥・古市古墳群の具体的な評価につきましては、後ほど文化庁にもお伺いしたいと思っておりますが、住宅街に今もなおこのような、百舌鳥古墳群、これは四十四基あると伺っております、古市古墳群につきましては四十五基、このように美しくきれいに存在しているということに、貴重な遺産を次世代に継承するために守っていくという地元の皆様、地域の皆様の思い、またすばらしい取組を感じずにはいられませんでした。

 実際に、地元の地域の方々も、ボランティアで、古墳やその周辺の清掃活動を行ってくださっておりますし、また、古墳周辺で、観光客の方も今ふえておりますけれども、こういった古墳の周辺であったり、また堺市博物館でも、地元の方々がボランティアで、訪れた方々にいろいろな説明をしてくださったり、歴史的な価値、またそういったすばらしさを説明してくださるというような、そういった取組も地元で進めてくださっておりました。こういった地元の皆様の取組も含めまして、推薦決定につながったものと考えております。

 そこで、改めまして、百舌鳥・古市古墳群のすばらしさにつきまして、広く国民の皆様にも知っていただく上でも、今回の世界文化遺産推薦決定までの経緯を文化庁にお伺いしたいと思います。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 ユネスコ世界文化遺産への新規推薦につきましては、例年、推薦を希望する自治体から文化庁へ推薦書の素案を提出いただき、文化審議会における審査等を経て、政府において推薦候補を一点選定してございます。

 御指摘の百舌鳥・古市古墳群につきましては、平成二十二年に暫定一覧表へ記載されて以降、地元の自治体が世界文化遺産としての顕著な普遍的価値の検討や資産及び緩衝地帯の保全措置の構築に熱心に取り組まれ、昨年三月に推薦書の素案の提出があったところでございます。

 それを受けて文化審議会において審議し、百舌鳥・古市古墳群は、古墳時代の最盛期に築造された、世界でも独特な巨大前方後円墳を含む、大きさと形に多様性を示す古墳群であり、また、土でつくられた建造物の技術的到達点をあらわすものとして、墳墓によって権力を象徴した日本列島の人々の歴史を物語る貴重な証拠であること、そして、他の候補案件と比較して推薦書の準備が相対的に最も進んでいることなどから、昨年の七月に、平成二十九年度に推薦を行う案件として選定されたものでございます。

 その後、本年の一月十六日に世界遺産条約関係省庁連絡会議、同十九日に閣議了解を経まして、一月三十日にユネスコ世界遺産センターへ推薦書を提出したところでございます。

鰐淵分科員 ありがとうございました。

 今お話ししていただきましたが、歴史的にも文化的にも、また考古学的にもすばらしい、意義のある、世界に誇る古墳群であるということでございます。

 また、重ねてになりますが、やはり地元の皆様の強い思い、取組もありまして、今回、ここまでの推薦決定につながったものと思っておりますが、その上で、いよいよ世界文化遺産の登録に向けまして本格的な取組がスタートいたします。

 先日も、二月十四日なんですが、「百舌鳥・古市古墳群」の世界文化遺産登録を推進する議員連盟というものがございまして、伊吹文明会長、北側一雄幹事長のもと開催されまして、世界文化遺産登録に向けての今後の取組につきまして、地元の自治体の皆様だったり関係者の皆様とさまざま意見交換もさせていただきました。

 いずれにしましても、さまざま課題はあるかと思いますが、これからの登録に向けての取組が重要になってまいります。

 そこでまず、登録に向けての今後のプロセスについてお伺いをしたいと思います。

宮川政府参考人 今後でございますが、先ほどございました推薦書の事務局への提出を受けまして、ことしの秋に実施される予定でございます、世界遺産委員会の諮問機関であるイコモス、国際記念物遺跡会議の略でございますが、この専門家による現地調査を経まして、来年の五月ごろ、評価の結果の勧告がなされる予定でおります。

 このイコモスの勧告を踏まえまして、来年の夏に開催予定の第四十三回世界遺産委員会におきまして、世界遺産登録の可否、この百舌鳥・古市古墳群の登録の可否が審議される予定でございます。

鰐淵分科員 ありがとうございました。

 今、具体的に登録に向けてのプロセスをお伺いいたしましたが、その中で、この専門家から成るイコモス、ここの現地調査が大変に重要になってくるかと思います。地元自治体、大阪府、堺市、羽曳野市、藤井寺市、そして日本政府、全ての関係者の皆様が力を合わせてここに取り組んでいく必要があると思いますけれども、このイコモスによる現地調査にどのように取り組んでいくのか、この点をまずお伺いしたいと思います。

山崎政府参考人 世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスの現地調査は、推薦資産及び緩衝地帯の保全状況や保全のための取組について、イコモスの調査員が実際に現地で確認を行うものでございます。

 文化庁におきましては、今後、地元の自治体を始め関係機関と十分に協議しながら、調査員の受入れに向けて入念な準備を行うこととしているところでございますが、例えば、地元の自治体が条例を定め、古墳と調和した景観形成を図っていることや、市民の方々による古墳周辺の清掃活動などの地域の方々の御努力も含めて、関係者が一体となって資産の保全に熱心に取り組んでいることをイコモスに御理解いただくことが大切であると考えてございます。

 文化庁としましては、資産の保護が確実に図られることについてイコモスの十分な理解が得られるよう、これまでの世界遺産登録を通じた経験を踏まえ、地元の自治体及び外務省など関係機関と連携しながら、イコモスの現地調査に向けて万全を期してまいりたいと考えてございます。

鰐淵分科員 御丁寧にありがとうございます。

 イコモスの現地調査につきましては、専門的な部分でもありますので、客観的に粛々と行われるものかと思っております。

 その中で、今おっしゃっていただいたように、一つ一つ、地元の並々ならぬ思いも含めまして、しっかりと酌み取っていただくということと、また、特に地元は、全く何もわからないというか素人というか、そういう中で今一生懸命やられておりますので、ぜひ、専門家であられる文化庁の皆様、また外務省の皆様にも大変にお世話になると思いますが、ぜひとも、まず連携をしっかりとっていただいて、その上で、力を合わせて登録の実現に向けて引き続き取り組んでいただきたいことを再度要望させていただきたいと思います。

 その上で、河野大臣にちょっとお伺いしたいと思いますが、以前、百舌鳥古墳群を訪問されたということで伺っております。そのときは、公務の時間の都合上、短時間だったと伺っておりまして、ぜひ、近いうちに改めて御訪問をお願いしたいと思っております。

 そして、この百舌鳥古墳群また古市古墳群におきまして、世界遺産登録、これに向けてしっかりと国として政府として取り組んでいく、そういった強い御決意を大臣の方からお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 行革担当大臣だったときに、現地を視察に参りました。当時は、日本の歴史を知るためにしっかりとこうした古墳群の調査が行われなければいけない、それから、先達から引き継いできた歴史でございますから、これをやはりしっかりと守っていかなければいけない、そして、インバウンドを始め観光資源としてもどのように活用できるのか、そういう視点から伺ったわけでございますが、当時から、地元の関係の皆様が世界遺産の登録を目指してさまざま御努力をされているというのを拝見いたしました。

 我が国の歴史のいわば礎になるような大切なものでございますし、これは、世界史の中でもやはり非常に重要なことなんだろうというふうに思っております。

 顕著な普遍的な価値を世界に示せるものとして、しっかりと世界遺産の登録を目指して、外務省も一緒になって汗をかいてまいりたいというふうに思っております。

鰐淵分科員 大臣、大変にありがとうございました。

 力強い御決意、地元も含めて大変に喜んでいると思いますが、重ね重ね恐縮ですが、ぜひとも近いうちに現地に行っていただいて、あと、ぜひ上から見ていただきたい。上から全体を見ていただいて、大阪の町の中にこういった古墳群が存在する、町の中に存在して、今も大切に、美しく存在をしているということも含めてごらんいただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 これもぜひ重ねましてのお願いになりますが、林文部科学大臣におきましてもぜひ訪問していただきたいということも要望させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次の質問に移らせていただきたいと思います。

 二〇一九年に開催されますG20につきましてお伺いをしたいと思います。

 先日、G20の開催地が大阪に決まりました。大阪は、現在、二〇二五年の日本万国博覧会の誘致に向けて取り組んでおりまして、人類共通の課題とも言える「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマといたしまして、国連が掲げるSDGsの達成にも貢献することを目指しております。大阪でそのような取組が行われている中でG20が開催される意義は大変に大きいと思っておりますし、また、日本で初めて開催される二〇一九年のG20に、大阪と日本政府、そして関係者の皆様で力を合わせて全力で取り組んでいかなければいけないと思っております。

 今後の流れでございますが、二〇一八年十一月にブエノスアイレスで開催されますので、それを受けまして、また、その時々の喫緊の課題も踏まえた上で、今後の二〇一九年のG20の方向性が決まってくるものだと思っております。

 少しまだ先のことではございますが、どのような方向性で進めていくのか、G20に取り組む決意とあわせまして、大臣からお伺いをしたいと思います。

河野国務大臣 大阪で来年開催をするG20のサミットには、G7の諸国に加えて、中国、韓国、ロシア、インド、サウジアラビアなど二十の首脳、さらに国際機関、招待国の首脳も参加いたします。日本の主催するサミットとしては、G7あるいはAPECのサミットを超える史上最大のサミットとなるわけでございます。G20のGDPの合計は世界の八割以上を占めることになりますので、世界の経済成長と繁栄のために大きな役割を果たすことになります。

 このサミットで日本は議長国として力強いリーダーシップを発揮して、成功裏に開催をさせていきたいと思っております。

鰐淵分科員 ありがとうございました。

 今、大臣の方からもございましたが、G20というのは、枠組みの多様性ゆえに、合意形成が大変に難しいというか容易ではないと思いますし、また、今おっしゃっていただいたように、日本がリーダーシップを発揮して、それぞれが責任ある対応ができるように、そういったことが取り組めるようにしていくことが重要かと思いますので、これからのさまざまな流れの中でもう少し具体的に決まっていくかと思いますが、ぜひとも、大臣含めて、大阪も含めて、力を合わせて全力で取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 次の質問に入らせていただきますが、二〇二五年の日本万国博覧会誘致についてお伺いをしたいと思います。

 先ほども触れさせていただきましたが、大阪が二〇二五年万博誘致に向けて今取り組んでいるところでございます。

 まず、この万博誘致の現状についてお伺いをしたいと思います。

飯島政府参考人 お答えいたします。

 万博誘致に関する現状でございますが、まず、国際的には、今月の六日にフランスが立候補を取り下げました。その一方で、ほかの立候補国でありますアゼルバイジャン及びロシアは誘致活動を活発化しております。

 外務省としましては、十一月の選挙に向けまして、全力で誘致実現に向けて取り組んでまいる所存でありまして、まず、誘致のために、政官民一体となって、オール・ジャパンの体制で取り組んでおります。

 外務省の中には、博覧会国際事務局、BIEの加盟国政府に対する働きかけを各国の首都それから東京におきましても行っておりまして、また、BIEが所在しておりますパリにおいても積極的に働きかけをしております。昨年十一月には、省内に二〇二五年日本万国博覧会誘致室を設置いたしまして、BIE加盟国に所在する在外公館全てに万博担当官を設置いたしております。

 このように、体制を強化した上で、さまざまな分野で活躍する方を万博誘致特使に任命して、誘致活動に御協力をいただいているところでございます。

鰐淵分科員 ありがとうございました。

 地元大阪自治体も含めまして、経済界の皆様、また地域の皆様含めまして、誘致に向けてしっかりと取り組んでまいりますので、この点につきましても、また外務省の皆様にも大変にお世話になりますが、しっかり連携をとらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 いよいよ秋に向けて具体的な万博誘致の取組が加速されていくと思いますけれども、今後、我が国は、本格的な少子化、超長寿化、また人口減少社会の到来を迎える中で、さまざまな課題に取り組みまして、乗り越えて、そして国民の皆様の希望となるような取組も進めていかなければいけないと思っております。

 大阪での万博開催が国民の皆様の希望となるように、誘致に向けてしっかりと大阪も頑張ってまいりますが、何よりも、日本政府の最大の支援が大変に重要となってまいります。万博誘致に取り組む大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 ここしばらく、東京一極集中あるいは大阪の地盤沈下などということが言われておりましたが、大阪には、やはり歴史に基づいた底力があるんだろうというふうに思っております。大阪の万博誘致、そして大阪万博の成功を契機に、大阪が日本のもう一つの極として光り輝く、そういう大阪をぜひつくっていきたいというふうに思っております。

 万博誘致の成功に向けて、外務省を始め政府一丸となって努力をしてまいりますが、政府だけでなく議員の皆様、そして大阪府、大阪市、そしてさまざまな関係者の皆様に御尽力をいただいて、この誘致を何としてでも成功させていきたいと思っております。

 どうぞよろしくお願いいたします。

鰐淵分科員 ありがとうございました。

 きょうは、ちょっと大阪のことを中心に質問させていただきました。

 世界遺産登録、そして今回G20の決定、最終的には万博誘致ということで、しっかりと中小企業の町の大阪、また、いろいろな情報を発信することのできるこの大阪の発展が、これから広く関西また日本が元気になるということで、大変に重要な流れというか取組が続いてまいりますので、そういった中で、関係者の皆様、きょうは文化庁にもお越しいただきましたが、文化庁の皆様、そして特に、外務省の皆様には大変にお世話になりますが、今、大臣からおっしゃっていただいたように、地元も含めて、議員も含めて、しっかりと力を合わせて取り組ませていただきたいと思います。

 そのことの決意を申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。大変にありがとうございました。

柴山主査 これにて鰐淵洋子さんの質疑は終了いたしました。

 次に、三谷英弘君。

三谷分科員 おはようございます。自由民主党の三谷英弘でございます。

 こうやって国会のこの場で質問の機会をいただけると、ブランクの間の三年間を思い出すと、本当にいろいろ感慨深いものがありますけれども、きょうは、せっかくいただいた時間を有効に使いまして、しっかりと質問をさせていただきたいと思います。そして、河野大臣も本当に、きょうはお忙しいところ、ありがとうございます。本当に、いただいた時間ですので、しっかりと質問をさせていただきたい、このように思っております。

 まず、一点目なんですけれども、まずは、国際機関において働く日本人の数をふやしていくという取組についてお伺いをさせていただきます。

 このハンドブック、私も読ませていただいたんですけれども、国連機関に働いている人たちは、実は、予算に関して言うと、日本は、国連通常予算の九・六八%、約一〇%近く日本が負担をしているんですけれども、そこで働いている全職員のうち日本人はどれぐらいいるかというと、三万二千人のうち約八百人、わずか二・五%しかおりません。こういう中で、本当に日本という国が世界、特に国連を中心とする世界の枠組みの中において、どれだけ存在感を発揮していけるのかということを考えると、甚だ心もとないというような状況かなというふうに思っております。

 そこで念頭に置かれるのは、もちろん中国ということではございますが、中国もまだまだ少ないところでありますけれども、日本の今までの国際貢献を考えると、もっともっと日本人が多くていいのかなというふうに思っておりますが、そういう意味で、現在、国連機関で働く邦人職員数増強に向けてどのような取組を行っているのか、まずはそこについて御説明いただきたいと思います。

大鷹政府参考人 お答え申し上げます。

 国連におきます日本人職員の増強の件でございますけれども、現在、日本政府といたしましては、二〇二五年までに国連関係機関で勤務する日本人職員を一千人以上に増強すべく、積極的に取組を行っているところでございます。

 主な取組の一つといたしまして、国際機関勤務を希望する三十五歳以下の若手を、政府が給与等の経費を負担しまして、原則二年間、国際機関に派遣するJPO派遣制度を実施しております。これによりまして、国際機関における勤務経験を積む経験を提供して、そして、正規採用されますよう支援しているところでございます。

 本制度が始まった一九七四年からの累計で、約千六百名の方を派遣しております。二〇〇一年以降に派遣したJPOの七割以上の方が、派遣後、国際機関で正規採用されているということにもなっております。

 さらに、今年度からは、将来の幹部職員増加に向けまして、政府の経費負担により中堅レベル以上の日本人を派遣する中堅派遣制度を開始しまして、まずは四名程度を国際機関に派遣すべく、今作業を行っているところでございます。

 また、国際機関での勤務を希望する潜在的候補者の発掘、人材育成に向けまして、ガイダンスの実施やホームページ、ソーシャルメディアを活用した広報の実施、履歴書の書き方や採用面接の指導等の取組も行っているところでございます。

 いずれにしましても、政務レベルを含むハイレベルからの国際機関側への働きかけとして、日本人職員の関与が見込まれるプロジェクトを優先的に支援することなどによりまして、日本人職員の増強を促進させていただいているところでございます。

三谷分科員 ありがとうございます。

 今、JPO派遣制度ですとか中堅派遣制度、そして、潜在的候補者の発掘、育成という話をされました。

 きょう、どうしてこの質問を私がさせていただくかといいますと、自分の経験に基づいていろいろ思うところがございましたので、そこも含めて、ちょっとお話をさせていただきたいと思うんです。

 自分も弁護士として仕事をさせていただいた後、海外に行ってやはり世界を見なきゃいけないということもありまして、弁護士の仕事をお休みして、海外に留学をさせていただきました。最初の一年目はロースクールに行って勉強させていただきまして、普通、弁護士の場合は二年目、向こうの法律事務所で働くということが一般的ではあるんですけれども、そういう、みんながやっていることをやってもしようがないなというような思いもありましたので、法律事務所以外の仕事が何かないかということで、それこそ血のにじむような努力をいたしまして、いろいろなことを調べました。

 いろいろなことをやりましたけれども、結局、その中で、こういう、海外で国連職員として、あるいはそういうことを支援する制度というものがあって、日本が海外の、こういう国連、国際的な機関の中で働くということを後押ししているというような情報にはついぞめぐり会わなかったというようなことでございます。私の周りにも、いろいろな人に話は聞きましたけれども、こういうJPO派遣制度というものについて知っている人はほぼほぼ皆無でございます。

 少しレクで、きのうちょっと、いろいろ教えていただきましたけれども、日弁連の方にもそういった情報を持っていくんですよというような話も承ったところでありますけれども、正直、日弁連の方に持っていっていただいても、では、それが全ての、特に海外で仕事をしようとする、そういった弁護士を含めて、適切に届いているかというようなことに関しては、非常に、甚だ心もとないところでございます。特に、日本の中でやっているんじゃなくて、もう海外で勉強するとか海外に打って出ている日本人に対して、こういうJPO派遣制度があるというような話、どれぐらい届いているのか、正直わからないです。

 きのういただいた資料の中には、平成二十八年度には合計百十回、JPO派遣制度についてガイダンスを実施されているというふうに言われておりましたけれども、きのうもちょっと伺ったところでありますけれども、その中で、海外でこの制度のガイダンスを行った回数は何回でしょうか。

大鷹政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘いただきましたように、ガイダンスにつきましては、昨年度の実績といたしましては百十回実施したということでございます。そして、今年度に至っては、現時点までで百二十一回のガイダンスを行っているところでもございます。そのうち、海外での実施は十五回ございます。これは、昨年度の海外でのガイダンスの実施回数は八回でございましたのですけれども、それを上回っているという形になってございます。

 なお、実は今週末にも、アメリカ、イギリスにおきまして、それぞれ、国連代表部、そして、在ジュネーブ代表部の職員がガイダンスを実施する予定になっております。

三谷分科員 その前の年が八回で、ことしは十五回ですか、そういうふうに数はふやしていただいているという話ではありますけれども、しかしながら、自分のときには、ほぼほぼ、そんな話は多分なかっただろうと思います。自分が海外におりましたのがもう既に十年以上前ということになりますので。

 そういう意味では、このJPO派遣制度というのは三十五歳より若い、そういう世代を対象にしているということでございましたので、僕も、何とか海外で働けないかということで、結局は、いろいろな人間関係を使って、向こうの会社で一年間働くことはできたんですけれども、この制度というものがあることを知っていれば、この制度を利用して、あと二年間海外にいて、もしかしたら、政治の世界に足を踏み入れなかったかもしれない。どっちが日本のためになったのかよくわからないんですけれども、そういったところもありまして、ぜひとも、こういう話をもっともっと広げていただきたいなというふうに思っております。

 今、八百人とされるこの職員の数を千人にふやすというのは、目標としては余り、堅実は堅実なんですけれども、余り野心的ではないなというふうに思っております。もっともっと日本人が世界に出ていって、そして世界で、いろいろな日本の立場から世界のために貢献をしていただきたいというふうに考えるわけでございますけれども、そういったところも含めまして、河野大臣の、日本人の海外で働く職員数の増強について、現在の取組について御所見をいただきたいと思います。

河野国務大臣 国際機関の職員というのは、国際公務員でございますから、日本の国益を直ちに背負っていっているわけではないわけですが、それでも、日本人が国際機関で活躍をするというのは、さまざまな観点から、日本にとって非常に有益だというふうに思っております。外務省として、あるいは政府として、国際職員の数をふやすべくさまざま努力を重ねてまいりましたし、これからも少しそれを加速していこうというふうに思っているところでございます。

 ただ、問題は、日本の場合は、英語教育に非常に難があって、帰国子女を除けば、高校を卒業して英語ができる人がどれぐらいいるだろうかという、そういう状況もあります。

 そんな中で、国際機関で働いてくださいといったときに、いやいや、自分は英語ができないからというケースも多々ございますし、英語でちょうちょうはっしやりとりができる弁護士さんというのは、実は政府も必要としている。これから国際化の中で、そういう英語の能力を兼ね備えた弁護士さん、企業も必要としている。そんな中で、そういう方に、国際機関という道がありますよということをやはりしっかりと伝えていっていただくというのは、これは大事なことだと思いますし、むしろ、そういう人材をいかに積極的に養成していくかということは政府としても考えていかなければいけないことなんだろうというふうに思っております。

 また、国際機関は最初の方は任期がありますから、どちらかというと、かつて日本は、企業に勤めるとずっと定年までそこへいるんだというような先入観があった。そんな中で、今でもやはり企業に勤めたら相当そこへ長くいようという方もいらっしゃる。むしろ最近は短くかわる方もふえていますが、この国際機関の中で、国際機関をいろいろ移りながら昇進をしていくというカルチャーになれていただかなければいけない。

 いろいろやらなければいけないことはございますけれども、日本政府としてしっかりこの問題に取り組んでまいりたいと思っております。

三谷分科員 ありがとうございます。非常に心強いお言葉をいただけたというふうに思っております。

 もっともっと、特に日本の中でまだ海外に出たことがないよというような人に対してこういったガイダンスをするのも、もちろんそういう目を持っていただくという意味では大事だと思いますけれども、もう既に海外で勉強をしているというような人たちにはもっともっとそういった話をお伝えいただければ、そういったところでチャレンジしたいというような方々がふえていくんじゃないかなというふうに思っておりますので、ぜひとも取組を進めていただきたいというふうに思います。

 それでは、二番目について伺います。

 次は、では、その海外で自分は何をしてきたかというところでもありますけれども、自分は、先ほど、一年間向こうの会社で働きましたというふうに申し上げましたが、何をやっていたかというと、日本産の漫画とかアニメとかそういったものを売る会社で仕事をさせていただいておりました。

 そんな中で本当にさまざまな勉強をさせていただいたわけですけれども、とにかく、日本の中でどうしてもクールジャパン、日本のアニメとか漫画というのは世界で大人気だというふうに言われておりますけれども、では、実際向こうに行ってどうかといいますと、なかなか厳しい状況があるわけです。

 あくまでも、メーンストリームなんてことは全然なくて、サブカルチャーもサブカルチャー、非常に極めてニッチな市場の中で何とか食いつないでいるというのが実は現実のところではないかと思っております。

 そういう意味では、市場規模が大きければそういうニッチな市場を狙ってビジネスというものは成り立つわけですけれども、世の中というのは別に大きな市場のところばかりだけではありません。

 その中で、どうしても韓流といったところを例に、引き合いに出してしまうわけですけれども、とにかく、そのコンテンツを使ったビジネスということだけで収支をとろうとするとなかなかうまくいかないというところが正直なところでございまして、例えばアメリカもそうです、ヨーロッパのドイツとかフランスとか、そしてシンガポールとか、そういった大きなマーケットには日本企業というのは当然参入をするわけですけれども、でも、どうしても点でのビジネスということになります。

 ただ、それに加えて、いわゆる韓流、今はどうかというのは別といたしまして、点ではなくて面で攻めてくるわけです。面で攻めるというのはどういうことを意味するかといいますと、それ自体でビジネスとして成り立たなくても構わないと。とにかく、コンテンツの提供を無償で繰り返すことによって、その国、そういうコンテンツを提供してくれる国に対する愛着をどんどん高めていく。そして、その中で、では、わからないけれども、ヒュンダイの何か車を買ってみようかなとか、サムスンの電気製品を買ってみようかなと、そっちにつながっていけば全然構わないわけです。

 どうしても日本の場合、コンテンツの話をいたしますと、ビジネスとして本当にそれが成り立つんですかというような話ばかりが先行してしまいまして、特に、クールジャパンファンドというものがありますけれども、ビジネスとして成り立つかどうか、もし成り立つんだったら民間企業がやられればいいわけです、煎じ詰めていくと。

 そうじゃなくて、なぜ政府がやるかというと、ビジネスで成り立たない部分にしっかりとサポートをしていくのが政府の役割だというふうに思っております。

 これは、今までのは前置きになるわけですけれども、その中で、国際交流基金が非常に世界において大きな役割を果たしているというふうに認識をしております。この国際交流基金が、特にアニメを中心といたしましてさまざまな日本のポップカルチャーを広げる取組を進められているというふうに伺っておりますけれども、その取組の内容について御説明いただきたいと思います。

    〔主査退席、山口(壯)主査代理着席〕

宮川政府参考人 国際交流基金でございますが、国際文化交流を担う専門機関として、アジア、アフリカ、中南米を含む海外二十三カ国の拠点を活用いたしまして、文化芸術の交流、日本語教育、さらには日本研究、知的交流、これを三つの柱として、市場性の見込まれない国々においても事業を実施してきております。

 例えば、例を申し上げますと、日本の放送コンテンツの海外展開につきましては、商業ベースではなかなか日本のコンテンツが放送されない国、地域を中心に、アニメであればちびまる子ちゃんから新海誠監督の作品まで幅広く、また、ドラマとか映画とか、無償で提供する事業を集中的に、持続的に実施してきております。

 平成二十六年度から始まった事業でございますが、既に現在までに百二十カ国・地域におきまして、延べにして千七百の番組を提供させていただいておりまして、反響も大変大きいものがございます。タンザニア、ザンビア、ジャマイカ、クロアチアなどなど、数多くの国から、番組の提供の前と後では日本に対する親しみや好意が高まったという反応もいただいているところでございます。

 ぜひ、今後も御支援いただきながら、市場性の低い国々においてこうした取組を強めてまいりたいと思います。

三谷分科員 ありがとうございます。

 今お答えいただきました本当に数多くの国々、特に発展途上国を中心といたしまして、そういった取組を行われているということでございますが、もちろん、そういった国々はいつまでも発展途上国ということではないというふうに理解をしております。

 五年、十年ではなかなか変わらないかもしれないですけれども、二十年、三十年かけて、非常にビジネスということでうまくいくというようなことがあったときには初めて、日本のコンテンツを無償で提供していてよかったなというふうに思うようなときが来るんだろうというふうに思いますが、仮にそういうふうにならなかったとしても、無駄な取組に見えるかもしれないけれども、特にコンテンツの場合は数打ちゃ当たらないというところはありますので、何が本当にその国においてフックするかというのは正直わかりません。出してみるまではわかりません。

 しかしながら、出さなければどうしようもないわけですし、では、出すのにお金を出してくださいねと言ったら、そんなお金を出してまで日本のコンテンツを買おうとする国なんというのは、正直なかなか難しいわけです。

 ビジネスとして、例えばいろいろなアニメですとかそういったものの権利を持っている各会社さんが積極的にそういう、まあ発展途上国に、そういうコンテンツをライセンスしていこうとするかというと、正直なかなか難しいんですね。国内市場は縮小傾向にはありますけれども、そこを狙っていけばまだまだもうかるというような状態で、物すごいコストと人を割いて、リソースを割いてそういったところまでやろうというふうになかなかしないわけですから、ぜひとも、国際交流基金さんにはもっともっと頑張っていただきたいというふうに思っております。

 そこで、ちょっと河野大臣にもお伺いさせていただきます。

 市場性がなかなか乏しい、そういう国々において、国際交流基金を通じて日本のコンテンツというものをもっと広げていただきたいというふうに思っておりますけれども、そこに向けて河野大臣の御所見を伺いたいと思います。

河野国務大臣 第二次大戦後にアメリカが、それこそ映画、ドラマ、ファッションからコカコーラやマクドナルドに至るまで、さまざまなアメリカ文化を世界へ送り出して、私の世代なんかはむしろどっぷりそれにつかっていた、そういう世代なんだというふうに思います。

 そういう意味で、日本が日本のそうしたソフトパワーというのを世界へ出していくというのは、これは非常に大事なことだと思います。

 ただ、あの当時のアメリカはそれでしっかりと利益を出していたんだろうと思うんですね。政府が後押しをして文化を発信しろというのは、ある面、それは意味のあることだと思いますが、本来なら、力を持っているものというのは、それがきっちり利益に結びついていくんだろうというふうに思います。

 レベルの高い、レベルと言っても芸術的にレベルの高いものからマスマーケットに訴える力の強いものまでさまざまなものがあると思いますけれども、それ自体、コンテンツに力がなければ、政府が一生懸命後押しをしたって、それは意味がないことだと思います。

 やはり、日本のそうしたソフトパワーというものが日本の枠を超えて世界で普遍的に受け入れられる、そういうものでなければならないんだろうというふうに思っております。そういうものをしっかりと民間がつくり出してくれるという前提で、それをしっかりと外へ出していくお手伝いをするというのは極めて大事なことだと思いますし、国際交流基金にもそういう役割というのが求められていると思いますので、力のあるそうしたコンテンツをしっかりこれからも世界に向けて発信し、それが日本のソフトパワーにつながっていく、これは非常に大事なことだと思いますので、国際交流基金、しっかり頑張っていっていただきたいというふうに思っております。

三谷分科員 ありがとうございます。

 今の河野大臣のお言葉は、恐らく、コンテンツ産業に携わる方々への大きなエールだというふうに理解をします。

 もちろん、当然ながら、世界で力のあるコンテンツを生み出さなければ、それを幾ら後押ししたところで意味がないということだろうと思いますので、しっかりとその制作にかかわる方々にも頑張っていただきたいということを私からも申し上げたいというふうに思います。ありがとうございます。

 それから、三点目に移らせていただきます。

 今までの二問の質問とは少し傾向は変わります。中国の一帯一路構想というものがございます。これに対する日本の取組について少しお伺いをさせていただきたいと思います。

 シルクロードというものがある。どうしてもシルクロードというと、何となくノスタルジックな、非常にすばらしいなというような、まあイメージですけれども、そういったものがあるわけですけれども、じゃ、本当にそういう一帯一路構想というもので中国が何を狙っているのかというのは、正直なところよくわからないといいますか、ある意味警戒をしていかなければいけないところというものが非常に強いのではないかというふうに思います。

 私は、別の委員会、これは内閣委員会なんですけれども、そこで、サイバーセキュリティーの観点から、中国の製造する通信機器に内在するリスクというものがある意味あるのではないかというような質問をさせていただく予定としております。この前の水曜日にやる予定だったのが、ちょっと流れてしまったので、また来週ぐらいにやらせていただくんだと思いますけれども、そういったさまざまな、どうしても中国といいますと、我田引水というか、自国の利益というものを大きくしていくというような観点から、いろいろなことを仕掛けをしてきているということだろうというふうには思っています。

 しかしながら、じゃ、日本が、この一帯一路構想に対して、完全に、これはもうそういうものだから関係ないよというふうに言っていけるかというと、当然それは言っていけないわけです。日本の企業も、そういった中国でのビジネスチャンス、そして、あるいは世界において、もっともっとそういったビジネスを広げていかなければいけないというときに、そういったものとある意味賢くつき合っていかなければいけないというふうに思っております。

 その中で、ここ数日、また、日本やオーストラリア、アメリカ、インド、そういったところでさまざまな、ほかのやり方もあるんじゃないかというような動きもあるというふうには伺っておりますけれども、この一帯一路構想に対する日本の取組について御説明をいただきたいと思います。

河野国務大臣 一帯一路という中にはさまざまなインフラのプロジェクトが含まれてございますが、こういうインフラのプロジェクトについては、一つ一つ個別具体的に、そのインフラの開放性、プロジェクトの透明性、経済性、あるいは対象国の財政健全性といった、国際社会共通の考え方に合っているかどうか。それから、日本のODAには、環境社会配慮ガイドラインというのがさまざまありますので、それに沿っているか。そうした観点から一つずつ精査をして、合致するものについてしっかりと協力をしてまいりたいと思っております。

三谷分科員 ありがとうございます。

 そういう、個別具体的に一つ一つ、透明性ですとか、そういったものがクリアできるものについて具体的に進めていくというお言葉でございます。それは一つ一つやっていくということなんだとは思いますけれども、これは、ある意味、絶対に不可欠なことだろうと思います。

 一方で、この一帯一路構想に向けて、日本として、そこまでずっと、もちろん、中身としてはそういうふうにやっていくんだと思いますけれども、これは見え方の問題、どういうふうな見せ方をするのが一番よいのかというのは、正直、自分の中でもまだまだ結論がついていないところではございますけれども、一つの言い方としては、シルクロードの終点は日本だ、日本もしっかりとシルクロードの中で今まで歴史的に関与してきたんだから、日本も当然ながらやっていくんだというような言い方をしてみてもおもしろいのかなと。

 今の状況だと余りに及び腰過ぎてしまって、そこの、これも見え方といいますか、ルールをどういうふうに国際社会の中で策定していくかという話と非常に絡む話だと思いますけれども、中国がそういう危険性がある、あるということで、及び腰、及び腰ということではなくて、もちろん及び腰だし、一つ一つ冷静な頭は失ってはならないんですけれども、見せ方としては、シルクロードの中で日本が果たしてきた役割だって大きいんだぐらいなことを言っていただけると、世界の中で、さすが日本だなというふうになるんじゃないかなというふうに思ったりもしておりますので、ぜひ御検討いただければというふうに思います。

 それから、もう時間が限られておりますので、最後の質問に移らせていただきます。

 北方領土における共同経済活動の取組と、今後の返還実現に向けた御決意について伺いたいと思います。

 先日、「北の桜守」という映画の試写会に行ってまいりました。来週ぐらいからですかね、公開される、そういう映画でございます。別に映画の宣伝をしたいわけではなくて、その中身に非常に感動したわけでございます。南樺太に住んでおりました一家が、終戦間際の混乱の中で北海道に逃れてくる、そういう中で、本当につらい思いをして、それでも強く生き抜いていった、そういう方々の人生が描かれているわけであります。

 もちろん、南樺太と北方領土は違うので、全くパラレルということではないですけれども、同じようにして、北方領土から終戦時に日本に命からがら移住してきたという方々も多くいるというふうに承知をしております。そういう方々が、今非常に、ほぼほぼもう高齢化してしまっているというような状況の中で、何とか北方領土の返還に向けて取組を進めていただきたい。

 ここ数年、結構、北方領土の実現というものがあるんじゃないかというような、一部、ある種の高揚感みたいなものはありましたけれども、この前、日ロの共同経済活動というものを推進していくというような話で、何となく、返還というのがすぐ先だというようなイメージというのはちょっとおさまってしまったのかなというような感じがあります。

 そういう意味で、ぜひとも、この日ロ共同経済活動というものをしっかりと進めていただいて、それをどうやって返還に結びつけていくのか、その取組について御説明いただきたいと思います。

相木政府参考人 お答え申し上げます。

 北方四島におきます共同経済活動につきましては、今月十六日の日ロ外相会談におきまして建設的な議論が行われておりまして、今後、五件のプロジェクト候補の早期実施に向けて作業を更に加速するべく、事務方に指示を出すことで一致をしておるところでございます。

 また、三月に予定されております日ロ外相会談の前に次回の局長級作業部会を実施することで原則一致をしておりまして、具体的に調整していくこととなっております。局長級作業部会で集中的に作業し、五月にあり得べき首脳会談に向けて、外相間で改めて議論することで一致をしておるところでございます。

 来月の外相会談や、あるいは五月のあり得べき首脳会談の成果について予断することは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、ロシア側と引き続き精力的に進めてまいりたいというふうに考えております。

三谷分科員 ありがとうございます。

 ちょっと自分の思いといいますか、それがなかなかまだ伝わっていないのかもしれないんですけれども。

 もちろん、そういった共同での経済活動を進めていくというのは、具体的にこれから進展をしていくんだろうと思いますけれども、じゃ、一緒にビジネスをやります、人の交流ができるようになりますというふうなことを進めていくと、もちろん見方によっては、非常に返還が、事実上返還が近づいたというような評価もあるんだと思いますけれども、それでいいんだということであれば、この状態が固定化してしまうということにもつながりかねないという懸念もあるわけでございます。

 それでもなお返還に向けて進めていかれるという、もう一言だけで結構ですので、河野大臣のお考えをお答えいただきたいです。

    〔山口(壯)主査代理退席、主査着席〕

河野国務大臣 日本とロシアがともに北方四島の未来像を描きながら、その中で、双方が受入れ可能な解決策を見出していこうというのが未来志向の共同経済活動なんだと思います。この活動をしっかりやることで、北方領土問題の解決、そして平和条約への締結につなげてまいりたいというふうに思っております。

三谷分科員 時間が参りましたので、以上です。ありがとうございました。

柴山主査 これにて三谷英弘君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺分科員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 相次ぐ米軍機事故の問題について質問をいたします。

 先月も、三十日の予算委員会でしたが、米軍機の墜落や不時着、部品の落下が頻発している問題を取り上げました。その後も事故は続発をしています。今月八日には、米軍普天間基地所属のオスプレイがエンジン吸気口のカバーを落下させる事故を起こしました。先日二十日には、米軍三沢基地所属のF16戦闘機がエンジン火災を起こし、小川原湖に燃料タンク二個を投棄いたしました。現場周辺には、シジミ漁の漁船約十隻が操業しており、一番近い漁船までは二百メートルしか離れていなかったとのことであります。

 これはもう異常事態であります。人命にかかわる重大な事故がいつ起こってもおかしくないような状況であります。

 在日米軍の全ての航空機の飛行を一旦停止して、機体の総点検をさせるべきだという声が上がっております。私も、そのために外務大臣がアメリカ側との調整に直接踏み出す必要があると思いますが、大臣、いかがですか。

河野国務大臣 米軍機の飛行の安全の確保は、米軍が我が国に駐留する上での大前提でございます。米軍機のトラブルがおっしゃったように続いていることは極めて遺憾であり、地元に不安を与えるようなことがあっては本来なりません。

 政府としては、我が国における米軍機の運用に際し、安全性が最大限確保されることは当然のことと考えております。

 外務省といたしましても、私を含めてさまざまなルートを通じ、アメリカ側に対し、これまで累次にわたり申入れを行ってまいりました。

 また、発生した事故につきましては、その態様を踏まえ、個別に判断の上、米側に飛行停止も求めてきたところでございます。アメリカ側から、米国としても事故は遺憾であり、地元当局と協力して事故の調査を行っているなどの反応があったところでございます。

 米軍も、平素から日々の定期的な整備、飛行前後の安全点検、隊員教育などを実施し、安全管理に努めていると承知をしておりますが、引き続きアメリカ側に対し、安全面に最大限配慮するよう、これまで以上に強く求めてまいりたいと思います。

 今後とも、安全の確保につきましては、最優先の課題として日米で協力し、全力で取り組んでまいります。

赤嶺分科員 米軍駐留の大前提だというのを政府は繰り返しますが、今起こっている事態というのは、その大前提が壊れかかっている、壊れている。あなた方が何度繰り返し安全に配慮と言っても同じような事故が、同型機による事故も繰り返されている。従来の延長線上の対応では再発防止はできないということを強く申し上げておきたいと思います。

 例えば、これだけの事故とトラブルを繰り返しながら、米軍はオスプレイの飛行を再開させました。それは、こういうことが繰り返されている伊計島の人にとっては、悔しくて悔しくて仕方がないですよ。安保に反対とか賛成という前に、こんな米軍を政府はとめられないのかという怒りでいっぱいですよ。それが、国会で、いつ聞いてもありきたりの答弁しか行われていない。

 事故から飛行再開までわずか五日。事故原因について、今回何の説明もありません。こんな事態をいつまで続けるのかと、沖縄県議会は、そのことについて、二十一日、部品落下に抗議する決議、意見書を全会一致で可決しました。自民党も公明党も加わっております。そこでは、沖縄は植民地ではない、このように県議会の決議で言っているわけですね。沖縄は植民地かという怒りが、相次ぐ米軍事故の中で起こっている、それだけでももう米軍駐留の前提は壊れていると言わざるを得ないのではないかと思うんです。

 やはり現行の日米協定では、米軍がどれだけ事故を引き起こしても、どんな危険な飛行訓練をやっても、日本政府に米軍の飛行訓練をとめる権限がないわけですね。この際、日本政府の承認、許可がない限りは米軍が日本国内で飛行訓練を実施できないように、日米地位協定を改正すべきではありませんか。

河野国務大臣 日米安全保障条約が、我が国の安全並びに極東の平和及び安全の維持に寄与するため米軍の我が国への駐留を認めていることは、軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを前提としています。

 飛行訓練について言えば、一般的に、米軍が訓練を通じてパイロットの技能の維持向上を図ることは、即応態勢という軍隊の機能を維持する上で不可欠な要素であり、日米安全保障条約の目的の達成のために極めて重要であります。

 一方、米軍は全く自由に飛行訓練を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきことは言うまでもありません。

 政府としては、米軍の飛行訓練に際しては安全面に最大限の考慮を払うとともに、地元住民に与える影響を最小限にとどめるようこれまでも米側に申し入れており、引き続きさまざまなレベルでしっかりと申入れをしてまいります。

赤嶺分科員 河野大臣はよくおわかりの上で答弁書を読んでおられると思いますが、公共の安全に配慮して米軍が運用するというのは、地位協定の中の第三条で、つまり基地の中で米軍が訓練をするときに公共の安全に配慮するというのが書かれているんですよ。今行われているのは基地の外ですよ。基地の外であれば、公共の安全に配慮も何もないですよ。どんなに安保条約が大事だとあなた方が言われても、もう駐留の前提が壊れているわけですよ。

 どうにか、米軍の横暴勝手な、そういう主権無視の訓練をとめることができないかということで、沖縄県は、去年の十二月、イタリアやドイツに調査団を派遣しております。

 私は、その調査報告書の要旨をきょうここに持ってまいりました。いろいろな軍人や地方自治体の代表者と沖縄県の代表が会っているんですね。同じような同盟関係ですよ。しかし、イタリアやドイツでも、米軍が飛行訓練を行うには受入れ国政府の承認、許可が条件になっているということを調査の中でつかんできているわけですね。

 なぜ同じことが日本ではできないんですか。

河野国務大臣 米国と同盟関係にある国はさまざま、地理的、安全保障的あるいは歴史的な条件が違いますので、これを一概に比べることは困難であるというふうに思います。

赤嶺分科員 公共の安全に配慮すれば、基地の外でやっている訓練、米側は公共の安全に配慮してやっているんだという言い方で許可してしまうようなやり方は、ドイツやイタリアでは行っていないわけですよ。どんな背景や歴史や条件が変わろうとも、米軍の運用によって起こる被害について、主権国である政府が最大限の努力をしている。ところが、日本政府はどんどんどんどんその運用の幅を広げていっている。そこにドイツやイタリアと日本政府との違いがあると思います。

 もう一点、今度の問題で起こっている点について伺いますが、今回、日本側への通報がなかったわけですね。これは非常に重大だと思うんですね。重さ十三キロ、それがなくなっていれば一目瞭然のエンジンカバーの落下であるわけです。気づかないはずがありません。事故の当日、現場周辺では米軍ヘリが低空で何かを捜している様子も目撃されています。

 これは防衛省に伺いますが、米軍はどのようにして部品落下の事実を認めたんですか。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の部品落下でございますけれども、これは二月八日に発生いたしたものでございますけれども、防衛省は、伊計島の西海岸に航空機の部品と思われる物体が漂着したという情報を得まして、沖縄防衛局の職員を直ちに現地に派遣いたしました。その上で、米軍に対して事実関係の確認を行いました。

 これに対して米側から、漂着した物件は前日二月八日に飛行した普天間飛行場所属のMV22オスプレイの右側エンジンの空気取り入れ口の部品である旨の説明を受けたところでございます。

 いずれにいたしましても、米軍機の飛行に際しましては、安全確保が大前提でございます、米側に対してしっかりと点検整備を行うように強く求めてまいりたいと考えております。

赤嶺分科員 防衛省が住民からこの連絡を受けて通報して、米側が認めたということになっているわけですね。

 日米両政府が九七年に合意した通報手続、これは在日米軍にかかわる事件、事故が発生した場合には中央レベルと現地レベルで日本側に通報することが義務づけられています。危険物の落下もその対象に含まれます。

 外務省もその通報の中にしっかり位置づけられているわけですが、今回、米軍が通報を怠ったことがこの合意に違反していることは明らかであります。外務大臣は、通報がなかったことについて抗議されたんですか。

河野国務大臣 外務省は、二月十日、日米地位協定室長から在京米大安全保障課長に対して申入れを実施しております。

赤嶺分科員 申入れとは、抗議という意味ですか。

河野国務大臣 申入れとは、申入れでございます。

赤嶺分科員 申入れとは、抗議ではないということですね。

 何で、通報義務がありながら通報義務を怠ったことについて外務省は何も言わないんですか。一番真っ先に連絡が来るべきは外務省でしょう。なぜ申入れだけに終わるんですか。

河野国務大臣 二月九日に沖縄県の伊計島で発生したオスプレイの部品漂着事案に対し、米側からは、第三海兵機動展開部隊から在日米軍司令部に対して報告がなかったため、日本側に対し通報がなされなかった旨の説明を受けております。

 このような事態を受け、政府は、米側に対し、迅速かつ適切に日本側に通報が行われるよう申入れを行ったところでございます。

 米側からは、通報手続の再確認を部内で行った、第三海兵機動展開部隊は、類似の事案が発生した場合、在日米軍司令部に通報する必要があることを十分に理解した、さらに、日本政府への通報や情報共有に関する米側の手続について引き続き改善していくとの対応をとったとの説明を受けております。

 いずれにしろ、政府としては、こうした通報を着実に実施するために、平成九年三月の日米合同委員会合意に沿った日米当局間の迅速かつ正確な情報伝達、及び、何よりも米側における取組が不可欠であると考えており、引き続き米側に対し、こうした取組を徹底するよう求めてまいります。

赤嶺分科員 通報が行われていなかったということについて何の抗議もしていない。米側は、これから手続を守ります、このように言っている。それを、そういうものでいいんだというぐあいに、外務大臣もこのような答弁をなさる。危機感が足りないと思うんですね。

 通報がおくれたということは、その地元住民にとってはどういう意味を持つのか、どんな気持ちでそういう事態を受けとめているのか。よく総理は沖縄県民の気持ちに寄り添うというようなことを出すんですけれども、何も寄り添っていないですよ、こういう事柄一つ一つ見ていっても。

 米軍の通報がおくれ、あるいは全く行われないということはこれまで何度もありました。今回のことについて、地元うるま市の与那城、勝連地域、全部で十八の自治会があります、この十八の自治会はそろって、二十一日、沖縄防衛局に抗議の申入れを行いました。

 要請項目には、その近辺には石油備蓄基地や住宅地上空の飛行停止、石油備蓄基地のある場所にこういうことが起こったんだという危機感を燃やして十八の自治会が、しかもその中で、申入れ書の中に、要請項目の中に、事実の隠蔽をしないこと。事実の隠蔽をしたと。米軍は、通報の義務を果たさないどころか、ひそかにその落下物を漁場の真上で低空飛行で捜し回っていたということが住民からも目撃されているわけですね。

 今回、何で通報が行われなかったのか、どこで情報がとまったのか、米軍にその責任を明らかにさせるべきではありませんか。

河野国務大臣 米側からは、第三海兵機動展開部隊から在日米軍司令部に対して報告がなかったため、日本側に対し通報がなされなかった旨の説明を受けております。

 さらに、米側からは、通報手続の再確認を部内で行った、第三海兵機動展開部隊は、類似の事案が発生した場合、在日米軍司令部に通報する必要があることを十分に理解した、さらに、日本政府への通報や情報共有に関する米側の手続について引き続き改善していくとの対応をとったとの説明を受けております。

 米軍による事件、事故の発生は、米側から通報を行うものである以上、何よりも米側における取組が不可欠であると考えており、引き続き米側に対し、こうした取組を徹底するよう政府として求めてまいります。

赤嶺分科員 私が聞いているのは、責任の所在はどこにあったのかということであります。

 エンジンのカバーが落下して、普天間基地に戻ってきて操縦士が機体を点検したら、カバーが落下していることはすぐわかるはずです。整備士も一度点検をするはずです。その段階で通報義務を誰が怠ったのか、どこで通報がとまったのか、そういう責任まで、誰がというところまではっきりさせるべきではありませんか。それが、通報が行われないという、こういう日米合意を繰り返させない重要な日米両政府の確認につながっていくのではありませんか。いかがですか。

深山政府参考人 米側から防衛省としても受けております説明は、ただいま外務大臣からるる御答弁申し上げたとおりの説明を我々も受けております。

 さらなる具体的な状況につきましては、これは米軍内部のことでもあり、詳細に承知はしておりません。

 ただ、これにつきましては、私どもは在日米軍司令部に対して、しばしばいろいろな問題について、問題を提起し、申入れを行うわけでございますけれども、これは米軍全体の問題であると思いますので、しかるべき相手にしっかりと申入れを今後ともしていきたいと思っております。

赤嶺分科員 米軍の内部のことだから日本政府が口を挟めない、こういうような中で起こっている出来事を沖縄県議会は、沖縄は植民地じゃない、主権国家であれば、そういう問題についてちゃんと主権を行使しろというようなことを言われているんじゃないですか。

 やはり、米側の内部のことだから日本政府が口を挟めないという、ここにも重大な問題点が浮かび上がってきていると思います。

 そこで、次の問題に移りますが、去年の十二月に米軍ヘリの部品が落下した緑ケ丘保育園の園長さんや父母会の方々が今月の十三日から十四日に上京し、政府や各党に要請を行いました。政府への要請には、私たち沖縄県選出の野党国会議員団でうりずんの会というのをつくっているわけですが、一緒にその交渉に同席をいたしました。

 緑ケ丘保育園の外務省への要請について、外務大臣はどのような報告を受けておられますか。

河野国務大臣 二月十三日、普天間バプテスト教会附属緑ケ丘保育園父母会の皆様から、外務省、防衛省及び内閣官房に対して、昨年十二月七日に同保育園に部品が落下した事案について、一、事故原因の究明及び再発防止、二、原因究明までの飛行停止、三、普天間基地に離発着する米軍ヘリの保育園上空の飛行禁止についての要請を頂戴したという報告がございました。

赤嶺分科員 そこで、外務大臣に伺いますが、上京したお母さんたちは涙ながらに訴えていましたよ。その人たち、何が涙ながらだったか。余りにも政府の応対がひど過ぎるからなんですね。

 子を守るために母親が国会までやってくるというのは異常事態じゃないか。事故から二カ月もたつのに、事故原因の究明も何も進んでいない。しかも、究明が進んでいないどころか、保育園の上空をこれまでと何も変わらず米軍のオスプレイやヘリが飛んでいる。父母会の副会長さんは、子を守りたいと思うお母さんたちが国会に出てくるのは恥ずかしいことと思ってほしい、もっと政府が責任を果たしておれば子供を置いて沖縄から国会まで出てくることはないのに、恥ずかしくないのかと詰め寄っておりましたよ、外務省の出席者にも。

 保育園や保護者の方々が求めているのは、ただ園の上空を飛ばないでほしいということであります。緑ケ丘保育園は、日米間で合意した飛行ルートの下にはないはずです。飛行ルートを守らせるのは当然だと思いますが、いかがですか。

河野国務大臣 平成八年に日米間で合意した普天間飛行場における航空機騒音規制措置においては、進入及び出発経路を含む飛行場の場周経路は、できる限り学校、病院を含む人口稠密地域上空を避けるように設定することとされていると承知しております。

 当該合意を踏まえ、平成十九年に作成された普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書において普天間飛行場に係る場周経路が設定されており、同経路は緑ケ丘保育園の上空を飛行するものとはなっていないと承知しております。

赤嶺分科員 飛行ルートになっていないのに、部品落下事故も解明されず、さらには、毎日、朝から晩までオスプレイやヘリが保育園の園庭の上をどんどん飛び立っていく状況。

 飛行ルートにないとアメリカに申し入れながら、アメリカが守っていないことも百も承知なんですね、日本政府は。それでもとめ切れないんですね、申入れをしても。

 やはり、今回の沖縄県議会の決議、意見書、これには、こうなった以上、日本政府が米軍の運用に口も挟めない、とめ切れない以上、直ちに普天間基地の運用を停止することを、これも、自民党、公明党を含めて全会一致で求めています。普天間基地の運用停止、これに踏み切ることを強く求めたいと思います。期限は、政府が、安倍首相が前仲井真知事に約束した期限は来年の二月であります。それを踏まえて、普天間基地の運用に日本政府が何もできない以上、これはもう普天間基地の運用停止以外にないというのが沖縄県議会での、自民党から公明党、そして私たち日本共産党まで含めての全会一致の決議でありますから、私もこれを強く求めたいと思います。

 防衛大臣は、先月の二十九日の予算委員会などで、AH1Z攻撃ヘリの不時着にかかわって、現地に自衛官を派遣して、米側が実施した点検や整備について確認、検証する考えを示しました。

 これはその後、どうなったんですか。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の確認についてでございますが、これにつきましては、二月一日に米側から、さらなる準備が必要となったために延期したいという申出がございました。その後、米側と日程を再調整しているところでございます。

 我々といたしましては、米側との調整が整い次第これを実施したいと考えているところでございます。

赤嶺分科員 自衛官を派遣するということは伝わっているんですが、その際に、米軍の整備記録や実際の整備作業を示すように求めていたんですか。現場で何をどこまでやるつもりだったんですか。

深山政府参考人 その時点におきましては、どこまで我々として確認ができるかについてもいろいろと調整をしておったところでございます。

 今申し上げましたように、延期になっておりまして、引き続き米側と調整をしているところでございますので、それが整い次第我々としては実施したいと思いますが、現時点では、今委員から御指摘ありましたような、どこまでその確認ができるかということにつきましては、調整の途中でございますので、お答えは差し控えたいと思います。

赤嶺分科員 派遣した自衛官に米軍に対する調査権限、これはあるんでしょうか。

深山政府参考人 御指摘の調査権限の内容というのは必ずしもよく理解していないかもしれませんけれども、派遣を予定しておりました自衛官は航空機整備を専門としている者でございますので、その専門的知見を持って米側とあるいは話し合い、説明を受け、そうした中でその適切さが確認できると考えて派遣を予定していたところでございます。

赤嶺分科員 何らかの権限に基づいて、調査が必要な場合に、調査、整備記録の提出とかそういうものではなくて、話し合い、説明を受けるという範囲だったということなんですね。

 調査権限があるかどうか定かでないというお話でしたけれども、日米地位協定に戻ってちょっと伺いたいんですが、日米地位協定第六条にかかわる日米合同委員会合意には、航空機の事故調査に関する規定があります。ここには、日本政府が航空機事故調査の責任を負う航空機施設又は人員を含まない航空機の事故、これについては、日本国政府は責任を負わないとして、その上で、日本政府が米側の事故調査に協力することを規定しています。

 こうした規定があるもとで、米軍機単独の事故が起きた場合に日本側が事故調査に参加することができるんでしょうか。

柴山主査 外務省鈴木北米局長、質疑時間が終了しておりますので、手短にお願いします。

鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。

 航空交通管制に関する日米合同委合意におきましては、日本政府が航空機事故調査の責任を負う航空機施設又は人員を含まない航空機の事故については、日本国政府は責任を負わない旨規定されております。

 この趣旨は、専ら米軍機のみが関係する航空機事故に対して我が国が事故調査の責任を負わないということでございまして、そのような事故について、我が国が事故調査に参画することまでを否定するものではございません。

 実際、米軍機が起こした事故に関しては、関係当局において所要の調査や捜査というものが行われているものと承知しております。

赤嶺分科員 事故調査に参加できるという外務省の見解ですが、実態はそうなっていません。

 主権国家であれば、恥ずかしくない態度を米側にもとるべきであるということを外務大臣に強く申し上げまして、私の質問を終わります。

柴山主査 これにて赤嶺政賢君の質疑は終了いたしました。

 次に、丸山穂高君。

丸山分科員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 早速質疑に入りたいと思いますが、まず最初に法務省にお伺いしたいと思います。

 いわゆるGPS捜査に関しては、昨年、最高裁判例が出まして、これに対して立法措置が必要だと、異例とも言える判例が出ておりまして、立法府に対して、また行政府に対して、きちんとこれを精査して、そして、そうした立法措置をとるようにという判例が出ています。

 そしてさらに、ちょうど昨年、テロ等準備罪法案の関係で審議する中で、我が党も与党と修正協議しまして、その修正協議の内容として、法文の附則の、法文の中にこのGPS捜査に関する立法措置、きちんとやるようにすることと。具体的には、「この法律の施行後速やかに、当該方法を用いた捜査を行うための制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」と。

 少なくとも、必要がないと認められた場合は所要の措置は要りませんが、検討することに関しては必ずやるように、これは法文上明記されているわけで、これが施行されてからもう大分たっております。特に、判例が出てからもう一年たとうとしておりますけれども、このGPSの捜査に関する立法措置の検討状況、進捗状況、お伺いできますでしょうか。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、昨年六月に成立をさせていただきました組織的犯罪処罰法等の一部改正法の附則におきましては、日本維新の会を始めとする各党の御提案により、昨年三月の最高裁判所大法廷判決の指摘を踏まえて、GPSを用いた捜査を行うための制度のあり方について検討を加えることを求めるという規定が加えられたものと承知をしております。

 これを受けまして、法務省におきましては、速やかに検討を行うことといたしまして、ただいま申し上げた大法廷判決の内容を分析しつつ、それを踏まえて、この種の捜査の具体的な仕組みや方法等に即し、関係省庁と協力をして、さまざまな観点から検討を行っているところでございます。

丸山分科員 検討を行っているところというのは、言うのは簡単なんですが、では、具体的にきちんとやってくださっているのかというのをお聞きしたいんです。

 役所の法をつくっていくたてつけを考えますと、最終的には、法務省さんだと法制審みたいな形で審議会があって、その前に恐らく分科会、その前には恐らく、ちょっと法務省がどうなっているかはわかりません、経産省なら検討会とか、そういう形で具体的な会議体が立ち上がって、そこで有識者の方をお呼びしたり、また役所の方とのけんけんがくがくの議論が行われるものだというふうに承知していますが、検討と言うだけだったらできちゃうんですけれども、きちんと形としてこの検討が進んでいるのかどうか、このあたりはどうなっていますか。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 お尋ねの、例えば審議会において検討を開始するというような形での検討は、現在のところ、開始してはおりません。

 ただ、検討の内容でございますが、まさにさまざまな観点から検討を行っているところでございまして、その具体的な検討内容を逐一申し上げることは難しいのでございますけれども、一端を申し上げますれば、例えば、この判決につきましては、刑事法研究者らによるさまざまな解釈が公表されているところでもございまして、その議論状況を把握し、これに検討を加えることでありますとか、更に申し上げれば、GPSを用いた捜査と申しましても非常にさまざまな手法がございますので、それぞれの手法について、技術的な仕組みや、これに用いる機器の使用等を踏まえた上での検討を加えることなどが含まれており、それらの検討を行っているところでございます。

 いずれにいたしましても、先ほどの附則の趣旨を踏まえて、できるだけ早期に所要の検討を遂げ、結論を得たいと考えております。

丸山分科員 非常に遅いと言わざるを得ませんね。

 確かに時間がかかる部分もあるのは認めます。しかし、あれから一年たとうとしている中で、今の御回答を役所的に解釈しますと、基本的には部署内で話していますよというレベルにすぎません。資料を集めるのも別に部署内でできてしまいますし、それだったら、どんなものも検討したことありますよと。どんな案件だって、課内で少しでも話をすれば、課員の皆さんが話をすれば検討したことになってしまうわけで、これは基本的に、最高裁判例ですよ、きちんと立法措置をやってくれという判例が出ていまして、なおかつ、あの重要法案であったテロ等準備罪の法案において検討条項が法文に盛り込まれているんです。

 これは、具体的にやはり動いていただかないと、目に見える形で動いていただかないと到底納得できませんし、何より、現場の捜査官の皆さんが要は捜査で使えない状態になっているわけですよ。とまっています。それによって、犯罪を見逃してしまっている可能性だって生じているわけで、これは、しっかり法の仕組みをまずつくっていく。

 一方で、こうした流れの中で、それに対して不安を覚えていらっしゃる方もいるので、最高裁判例も出て、とまっているのはしようがないんですが、しかし、きちんとつくることで、これをもう一回きちんと、国民の皆さんが納得できるような形で運用していくというのは非常に大事なことです。

 私はあのとき、臨時国会は間に合わないだろうと思っていたんですけれども、この通常国会には多分出てくるんだろうぐらいに思っていましたし、話を聞いていると、すぐにやらなきゃいけないですよねという話だったように記憶していますが、今の話だと、正直申し上げて進んでいない。役所は、違う、一応検討していますとおっしゃるかもしれませんが、進んでいないというふうに外形的には見えてしまいますので、きちんとこれは本当に、役所の中で形として前に進めていただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。

 しかし、きちんと進めるというお話が今ありましたので、これ以上、議論としては平行線になってしまうので進めませんが、引き続き、法文をつくった責任者として見ていきますので、しっかりこれは具体的な形で御対応いただけますように重ねてお願い申し上げます。

 そうしましたら、次の議題に移りたいと思います。

 外務大臣、台湾の案件です。

 先日、台湾で大きな地震があって、それに関して、総理からも台湾向けに、蔡英文総統向けにお見舞いのメッセージを送られているというふうに聞いていますし、現に、総理官邸のホームページも含めて、報道も含めて出ております。

 これを見ますと、最初のメッセージには総統のお名前、宛先をきちんと蔡英文総統閣下と書かれていました。最近見ると、この総統閣下の部分がなくなっているんですけれども、これを削除した理由に関してどのようにお答えになりますでしょうか。

河野国務大臣 総理のメッセージに関しては、被災された台湾の方々により広くお見舞いのメッセージを伝達することが適当と判断し、首相官邸のホームページに掲載をしたものでございます。

丸山分科員 総統閣下宛てではなくて、国民の皆さん若しくは台湾の方々皆さんに宛てているので、この総統閣下という表現がふさわしくないという認識で削除したということでよろしいんですか。

河野国務大臣 総統にだけメッセージを出しているのではなく、広く台湾の方々皆さんにお見舞いのメッセージを出している、そういうことでございます。

丸山分科員 実は、これは何を言っているかといいますと、九日に中国の外務省報道官が記者会見、いつもやっているんですが、そこで、日本に対して、この総統という肩書を使ったことを厳正に抗議を申し入れたという発言をしています。

 中国は、総統とは台湾に対しては使わず、台湾当局の指導者という言い方をしているということなんですが、これの中国からの抗議、圧力を受けてこれを変えたということなんでしょうか、そうじゃないということなんですか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 中国外交部から申入れがあったということは事実ではございますけれども、先ほど御指摘の記載の変更に関しましては、河野大臣からその理由を申し上げたとおりでありまして、中国からの抗議を受けて記載を変更したという事実はございません。

丸山分科員 これは事実関係を伺いたいんですけれども、発表されたのは八日ですね。これが削除されたのは何日ですか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 ホームページの記載に関しましては、最初に、御指摘の官邸ホームページにおきまして、蔡英文総統宛てというメッセージでございましたけれども、その後に、官邸のフェイスブックの方には台湾の皆様宛てメッセージを掲載ということでありまして、その後、同じ日、八日でございますけれども、官邸ホームページのメッセージの宛先に関しては、台湾の皆様宛てに変更、官邸フェイスブックに合わせたということでございます。

丸山分科員 首相官邸のホームページでは、台湾の皆さんへとも書かれていないと思うんですが、削除したのはいつですか。

志水政府参考人 繰り返しでございますけれども、二月八日の官邸ホームページにおきまして、官邸のホームページには最初に蔡英文総統宛てというふうに書かれておりましたけれども、同日のその後に官邸フェイスブックの方は台湾の皆様宛てという形になりまして、官邸ホームページのメッセージは、更にその後に、その同日、二月八日のうちに、蔡英文総統宛てという形ではない形に直しているところでございます。

丸山分科員 次に、事実関係を伺いたいんですけれども、中国は記者会見で抗議を申し入れたと言っていますが、これは、日本としても来た、そういう抗議が来たという認識でいいのか、それはいつ来たのか、お伺いできますか。

志水政府参考人 中国からの申入れの内容、時期に関しましては、外交上のやりとりということで、詳細についてお答えすることは差し控えたいと存じます。

丸山分科員 でも、九日に記者会見したわけですから、前日に抗議があったというのが普通だと思います。

 そうすると、八日に掲載して、中国から抗議があって、現実として、結果としてこれが削除されているというのは事実関係からしても明らかで、これは何を言っているかといいますと、日本の矜持として、これまでどういう表現をしてきたというのがあって、それを他国にどう言われたからといって急に変えるというのは、やはりこれはおかしな話だと外交上も思いますし、何より、何よりですよ、あの東日本大震災のときにどれだけ台湾の方々が日本に対して支援下さったか。二百億を超える義援金を直ちに送ってくださる。日本の人口の五分の一しかいらっしゃらないんですよ。それで、ほかの国と比べても圧倒的に多い、二百億円以上の義援金を下さるようなところです。

 総理もそれに対して感謝の言葉を述べられているし、何より、この間だって、台湾加油ですか、向こうの言葉での頑張れというメッセージを送られている。

 そうした中で、こうしたことをやっていたら、誤ったメッセージが世界に対して発信される、そう思いませんか。

 これは何を聞きたいかといいますと、それを役所の方に言っても困ると思いますので、何を聞きたいかというと、矛盾が私はあると思っています。

 というのは、一六年にも台湾では地震があったわけですよ。このときにも、外務省のホームページにまだ載っていますが、メッセージを送られていますよね。そこにはどう書かれているか。

 当時、今は蔡英文総統ですけれども、当時は馬英九総統でしたね。馬英九総統宛てに同様のお見舞いのメッセージを送られているじゃないですか。明らかに矛盾していませんか、今の御回答と。そして何より、そちらはまだ載っているんですよ、ホームページに。

 これは何が違うんですか、お答えいただけますか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、二〇一六年の安倍総理メッセージにおきましては、馬英九総統宛てという形になっておりますけれども、今回そのような形にしていないということにつきましては、これは河野大臣から御答弁申し上げたとおりでありまして、安倍総理から被災された台湾の方々への連帯をより明確にあらわす観点から、より広く台湾の方々全般へのメッセージとして掲載することが適当と判断し、そのような形での掲載に変更したものでございまして、個別のメッセージの対外発信のあり方につきましては、個別に判断を行っているところでございます。

丸山分科員 そうしたら、整合性から考えたら、この一六年のも解釈としてはおかしいんじゃないんですか。一六年だけ総統で送って、今回は、同様に大きな被災をしている地震のお見舞いに対して、どうして表現を変えるんですか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しで恐縮でございますけれども、個別のメッセージの対外発信のあり方については、その時々の個別の判断、個別の状況に基づきまして判断をしている、その結果と御理解いただければと思います。

丸山分科員 多分、御説明を聞いてくださっている皆さん、どういうことだと思っていらっしゃると思いますよ。非常に私はこれは残念だと思いますし、非常に誤ったメッセージを世界に対して発信しかねないなと思います。

 そういった意味で確認はしておきたいんですけれども、これは首相メッセージをホームページにアップしたということで、先方に何かお送りしたというわけではないですよね。

志水政府参考人 今の御質問に関しましては、今手元に資料がございませんので、確認の上、お答えしたいと存じます。

丸山分科員 送ったかどうか確認するという発言なので、理事会なり確認のお願いをしたいんですけれども。

柴山主査 ただいまの資料要求につきましては、政府におきまして、しかるべき段階で措置を願います。

丸山分科員 何を言っているかといいますと、先方にはそう送っているものが違う掲載をされているんだったら、それはそれで問題なわけですよ。逆に、先方に送るのに宛先が書いていないというのは、外交上、普通はあり得ないと思うので、恐らく、送ったのなら書いているんだと思うんですね。

 その意味で、もしそこに違いがあるのなら私は問題だと思いますし、同時に、何を申し上げているかというと、今後の表現も、これは悪影響がないか、すごく心配しています。

 基本的には、この総統閣下ということでこれまで外交文書、何かしらのときは送られてきたという理解でいいのか。そして今後も、この表現はこれで送られるということでいいんですか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 これも繰り返しで恐縮でございますけれども、どのようなときにどのようなメッセージをどのような形で発出するかということに関しましては、その時々の個別の判断に従うということになるかと存じます。

丸山分科員 前半の、これまでこの総統閣下という表現を使われてきたかどうかというのは、使われてきたということで事実でいいんですね。相手に出す場合ですよ、ホームページだけじゃなくて。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げましたが、二〇一六年の安倍総理のメッセージにおきましては、馬英九総統宛てという形になっております。

丸山分科員 要領を得ませんが、しかし、基本的には、過去見ていても、こういう形で表現されているわけですよ。でも、現実、今回、これを削除された。これが外交上与えるメッセージというのは非常に大きなものがあると思いますし、私はすごく危惧しています。先方に送ったかどうかに対しても、非常に相手に対して失礼に当たると思います、送ったものと違うものが掲載されているんだったら。

 そういった意味で、非常にセンシティブですが、国際情勢上、あの地域を考えても、センシティブではありますが、しかし、我が国として、矜持として、やらなきゃいけないことはやっていかなきゃいけないと思います。そこの軸がずれてしまったら、日本の外交の軸そのものがずれかねない、そういった問題の一つだというふうに思いますので、しっかりこれは今後も確認していきたいですし、先ほどおっしゃった部分を含めて、引き続き、ぜひ教えてください。提出をよろしくお願いいたします。

 外務大臣、お聞きになって非常にどうかと思われると思うんですけれども、結構いろいろな国際会議でも、大臣、日本の言うべきところは言ってこられていると思うんです。

 一方で、国際交渉ですから、いろいろな、ここでは言えない何かがもしかしたら裏であるのかもしれません。そこが私には、外部からですから見えないのは歯がゆいですが、しかし、外形上見たら、私が申し上げたように捉えられかねないような状況だというふうに思うんですが、大臣、お聞きになられてどう思われますか。

河野国務大臣 総理から被災された方々への連帯を示すメッセージのほか、日本から震災発生直後に専門家チームを派遣し、懸命な行方不明者の救助、捜索活動にも当たった、そういうことに対して、台湾の当局を始め幅広い方々から日本に対して感謝の意が表明されてきているところでございます。

 我が国としては、これからもこうした、世界のどこで起きるかわからない災害に対して、その被災された方々に寄り添い、日本政府としてできることはしっかり対応してまいりたいと思います。

丸山分科員 台湾の方々、被災された方々に寄り添うときに、どういう態度を日本がとっているのかというのは見ていらっしゃると思います。

 そうした中で、この問題、非常に私関心を持って見ていますし、今後国会でも見ていきますので、しっかりとした、毅然とした対応をお願いしたいと思います。時間がありませんので、次の議題に移りたいと思いますが、引き続きこれはチェックしていきたいと思います。よろしくお願いします。

 次にお聞きしたいのは、三沢基地の米軍機が小川原湖のところにタンクを投棄された、この関係について、まず事実関係等、今いろいろ調査が進んでいるということですが、現状の状態についてお伺いできますでしょうか。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のタンクの投棄問題でございますが、本年二月二十日の午前、米空軍三沢基地所属のF16戦闘機一機が、三沢飛行場を離陸した直後にエンジンから出火をいたしまして、燃料タンク二本を同飛行場北側に所在する小川原湖に投棄いたしまして、その後、三沢飛行場に着陸いたしました。

 防衛省といたしましては、本件事故発生後直ちに、東北防衛局三沢事務所や航空自衛隊が現地に職員を派遣いたしまして、被害の確認を行ったところでございます。

 また、二十一日、燃料タンクが投棄された現場の燃料等の回収について、青森県知事から海上自衛隊大湊地方総監に対し災害派遣要請がありました。これを受け、直ちに現地に隊員を派遣したところであり、現在、隊員が現地において活動中でございます。

 この事故によりまして、漁業関係者の皆様が休業を余儀なくされていることについて重く受けとめておりまして、防衛省としては、被害の実態について調査等を行った上で、漁業関係者の皆様がこうむった被害については誠意を持って適切に対応してまいる所存でございます。

 いずれにいたしましても、防衛省としては、地元自治体と緊密に協力、連携しながら対応してまいりたいと考えておるところでございます。

丸山分科員 しっかり対応いただきたいのですが、先方に対して申入れ等、具体的には米国ですね、どのようなアクションを起こされているのか、お答えいただけますか。

深山政府参考人 防衛省といたしましては、本件事故発生後直ちに、東北防衛局長から米空軍三沢基地司令官に対し、安全管理の徹底と原因究明、再発防止について申入れを行ったところでございます。本件事故に関し米側から得られた情報につきましては、速やかに関係自治体に提供いたしているところでございます。

 また、外務省においても、在京米国大使館に対して同様の申入れをされていると承知しております。

 いずれにいたしましても、防衛省としては、米側から新たな情報を得られ次第関係自治体に提供するなど、適切に対応するとともに、引き続き、米側に対しまして、安全管理の徹底と原因究明、再発防止について求めてまいりたいと考えているところでございます。

丸山分科員 あと、やはり現場にいらっしゃる、特にシジミ漁が今最盛期で、シジミ漁に対して影響が出ているという話を聞いております。そうした中で、現場の皆さんは、これに対する補償体制はどうなっているんだとか、現行の制度だけじゃなくて、今後自分たちの、御自身の生活の部分も含めてすごく心配されているということです。

 そうした意味で、補償の体制だとか、そうした部分についてお伺いしたいんですけれども、お答えいただけますか。

深山政府参考人 今回のこの燃料タンクの投棄事案に伴います補償に関しましては、被害の実態の調査等、これがまず必要でございますので、これを早急に行った上で、漁業関係者の皆様がこうむった損害について、誠意を持って適切に対応してまいりたいと思っております。

 この一環といたしまして、これは実は防衛省以外にも、国土交通省とも連携してやらせていただいておりますが、二十一日から、地元の漁協関係者の御協力を賜りながら、国土交通省と連携いたしまして、小川原湖の水質検査を実施しております。

 また、報道でも出ておりましたが、油のにおい、油臭がしたというような情報もございますので、そうした部署につきましては簡易水質検査なども行っておりますが、現在のところ、油は検出されていないと報告を受けております。

 こうした環境調査、そして漁業者の皆様が受けられた被害の実態をよく伺うということで、適切に補償してまいりたいと考えております。これにつきましては、地元、県、市町村そして漁協の皆様と連携をとってやっていきたいと思っております。

丸山分科員 しっかりお願いしたいと思います。

 最終的には、日米地位協定の関係から、米国へも言っていかなきゃいけない部分もあると思います。そういう意味では、外務省にしろ防衛省にしろ、今お話のあった水質の調査でいえば国交省、そして、何より、先ほど農水の分科会の方で農水大臣にもこれを要請して、農水省としてもフォローができるところはしっかりやっていくと。かなりいろいろな省庁にまたがりますけれども、現場の方の不安が少しでも和らぐような形、そして再発の防止、ここに対してしっかりアメリカに対して言っていく、その方向性でしっかりお願い申し上げたいというふうに思います。

 次に、最後、北朝鮮が今、制裁決議で輸出を、日本からもそうですが、世界じゅうから制裁をしているということですが、北朝鮮側も、そうするとどうやってくるかというと、隠れて物資を、ほかの国の船籍で、船で来たものを、洋上等で積みかえて、タンカーの油とかですね、積みかえて自分の国に持っていくという、いわゆる瀬取りと言われる行為をすることで制裁を逃れているんじゃないかという話があって、現に、そういうのを確認したという報道が出ていましたが、これは事実かどうか、そして、どのような状況をこれまで確認しているのか、政府の御回答をお願いします。

長岡政府参考人 これまでのところ、いわゆる瀬取りの事案については三件公表してきてございます。

 一件目はドミニカ船籍のタンカー、二件目はベリーズ船籍のタンカーが、北朝鮮船籍タンカーと東シナ海の公海上で横づけしていることを海上自衛隊が確認しました。これらの事案では、船舶が夜間において横づけした状態で照明を点灯していたことから、何らかの作業に従事していた可能性があり、政府としては、総合的に判断をした結果、いわゆる瀬取りを実施していたことが強く疑われるとの認識に至ったものでございます。

 また、三件目の事案につきましては、船籍不明の小型船舶が、やはり北朝鮮船籍のタンカーと東シナ海の公海上で横づけしていることを海上自衛隊が確認いたしました。両船舶は、横づけした上でホースを接続していたことから、これにつきましても、政府としては、総合的に判断をした結果、いわゆる瀬取りを実施したことが強く疑われるとの認識に至ったものでございます。

 これらの事案につきまして、政府としましては、写真を公表し、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会に通報するとともに、関係国にも情報共有等を行ったところでございます。

 以上でございます。

丸山分科員 これはイタチごっこというか、特に、彼らにしたら当然なのかもしれません、こちらからしたら少しこそくだと思いますが、公海上でこれに対してやっているわけです。日本の国内法を適用できない公海、物によってはできるのかもしれませんね。そういった意味で、これは現行法のたてつけとして国連安保理決議違反なわけですよ。

 現状としては、それを国連に報告する、通告するという形はやっていらっしゃるということなんですけれども、一方で、何かしら、拿捕するだとか、若しくは、やめるように警告するとか、そういったものが現行法上できないのかどうか、このたてつけについてお伺いしたいんです。

長岡政府参考人 まず、一般論として申し上げますと、海上保安庁又は自衛隊による関連情報の収集、共有のために行っている活動というのは、現場における安保理決議違反の行為の抑止にはつながるものと考えてございます。

 また、政府として、安保理決議違反が疑われる行為を確認しておりますので、安保理の制裁委員会に通報し、その結果として、安保理制裁委員会から既に制裁対象に指定されている北朝鮮船籍タンカーのみならず、北朝鮮船籍タンカーと瀬取りを実施した疑いのある他国の船舶につきましても、各国による適切な措置や国連安保理決議に基づくさらなる措置につながり得るものと考えてございます。

 なお、参考でございますが、ドミニカの船籍のタンカーにつきましては、ドミニカ国自身が船舶登録を停止し、所有者及び運搬者に罰金を科すことを決定しております。

 また、ドミニカ国は、各国に対して、当該船舶が自国の港湾に入港した際には乗組員を勾留することを要請しているということも我々として確認をしているところでございます。

 以上です。

丸山分科員 ドミニカの例を紹介いただきましたけれども、この安保理の北に対する制裁決議に関しても、関与の疑いのある船舶が加盟国の港にいる場合には検査、押収、資産凍結などを義務づけし、領海内にいる場合にも検査、押収、資産凍結ができるというふうに規定していますけれども、日本は、公海上で彼らはやっているわけですけれども、もし日本の領海に入った、若しくは日本のところに停泊したとなると、現行法のたてつけ上、これを今申し上げたような形でできるのかどうか、これは今どうなっていますか。

長岡政府参考人 個別具体的な事案につきまして、どの国内法に基づいていかなる措置をとるかについては、そうした事案に即して判断をしないといけませんので、一般論として一概にお答えすることは困難でございますが、その上で、あり得る例として幾つか申し上げますと、仮に公海上で日本籍の船舶が北朝鮮船舶と瀬取りを実施している場合、あるいは、日本の領海内で第三国の船舶と北朝鮮の船舶が瀬取りを実施した場合には、関係法令の要件を満たせば、船舶の貨物検査等の措置を講ずることはできます。

 また、公海上における船舶の貨物検査等の実施につきましては、原則として、国際法上、旗国の同意が必要となってございますが、仮に日本人が北朝鮮船舶の瀬取りに関与した場合で旗国の同意を得るということができれば、関係法令の要件を満たす限りにおいて、検査等の実施は可能でございます。

 以上でございます。

柴山主査 丸山君、申合せの時間が経過しておりますので、御協力ください。

丸山分科員 時間が来ましたので終わりたいと思いますが、これは、しっかり対応、各国と連携していくことが必要だと思います。引き続きしっかりやってください。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

柴山主査 これにて丸山穂高君の質疑は終了いたしました。

 午後一時に本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

柴山主査 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。小田原潔君。

小田原分科員 東京二十一区が選挙区であります小田原潔であります。

 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 河野大臣をお迎えして初めて質問させていただくので、きょうは、我が国の主権を守り抜くという我々の決意、そして国際社会の平和と繁栄に貢献し、応分の敬意を受ける立場を得るべきであるという観点から質問をさせていただきたいと思います。

 昨日は、二月の二十二日、竹島の日でありました。明治三十八年に、閣議決定を受け、島根県知事が所管と所属の告示を行った日であります。私も、昨日は地元の選挙区、日野駅の駅頭に立ちまして、仲間の自民党の日野総支部の皆さん、そして青年部の皆さんとともに、今私が手に持たせていただいています「竹島 日本の領土であることを学ぶ」というパンフレット、これは島根県と島根県教育委員会、竹島・北方領土返還要求運動島根県会議の皆さんがつくったものでありますが、これを配らせていただき、周知活動をしてまいりました。

 河野大臣に初めてお話をさせていただくので、少し前段をお話しさせていただきたいと思います。

 私は、政治家になりたいと思ったのは八歳のときでありました。八歳のときに沖縄が返ってまいりました、昭和四十七年の五月十五日のことでありました。私は、後からまた話が出ますが、自衛隊の官舎で育ったこともあって、大変感動いたしました。それは、一発の銃弾も発射せず、一滴の血液も流さず、戦争で負けてとられてしまった領土が返ってきた、政治と外交の力はすごいと、幼心に感動を受けたからであります。

 しかしながら、幾らいつか政治家になりたいと思っても、私は庶民の家であります。地盤、看板、かばんがあるわけではなく、選挙に出て政治家になるという選択肢はないのだろうと思ってサラリーマンになりました。四十になったときに、自由民主党が候補者の公募を始めました。私は、五回、自民党の公募に手を挙げました。恐らく、一番初めの公募で活躍されたのが柴山先生で、いいお手本だったから公募が続いたんだと私は感謝をしております。四度目の公募で、八年前、参議院の選挙に候補となって出馬をし、そのときは野党で、逆風の真っ盛りでありました。落選をし、三年後に国をかえて、六年前に初当選をいたしました。

 志を得てから実際に政治家になるまで四十年を要しましたが、それも天命でありましょう。引き続き、その原点に立った活動をしてまいりたいと思います。

 さて、その竹島でありますが、私は毎朝、きょうも含めて、駅に立ち、皆さんの通勤通学の様子をお見送りしてから永田町に参ります。その私の政策ビラの方が、この竹島のパンフレットよりもどちらかというと食いつきがいいという残念な現状でありました。

 一昨日でありますが、岡本外務大臣政務官主催の昼食会がありました。これは、在日米軍オリエンテーションプログラムの一環でございまして、在日米軍の陸海空、そして海兵隊の現場レベルで指揮に当たる、日本に来て間もない士官クラスの皆さんと一緒に昼食をとりながら意見交換をするというものであります。

 私は三度目の参加でありましたが、私の隣に座った陸軍大尉が、これも大変な御縁でありますが、横田基地の赴任であります。昨年の小選挙区の区割りの変更までは私の選挙区でありました。知っている士官の方々もいらっしゃるので、そんな話をしておりましたら、この大尉の方は、その前の赴任地が、カンザス州のフォートレブンワースという基地がございます、そこだということでありました。

 そこは、私が小学校四年生、五年生のころに住んでいた場所でありました。父は、陸上自衛隊から、米国陸軍指揮幕僚大学校というのがありまして、ここに毎年一人か二人留学をさせている、これはNATO諸国がほとんど、三十代後半から四十ちょうどぐらいまでの佐官クラスを留学させている、そういういうものであります。また御縁を感じますのは、私の父が留学した七四年、七五年の二十五年後ぐらいだと思いますが、佐藤正久副大臣が、同じプログラムで同じ学校に留学をされていました。

 そういったこともあって、多少ローカルな話もさせていただき、和やかな雰囲気だったのでありますが、同席をしていた海軍大尉の方、この方は嘉手納の所属でありますが、二つ前の赴任地がソウル近郊の基地であったということでありました。当時、主に米軍関係者が使う公共交通手段に動画の広告がいつも流れていて、その動画の広告の内容が、竹島を独島と呼んでおるようでありますが、独島は韓国の領土であるという動画を繰り返し流している。韓国語ではなくて英語でだけ流す。これは明らかに米軍の関係者を意識した情報戦であるという話が出ました。

 昨年まで外務大臣政務官を務めさせていただき、アジア地域は私の担当でありましたから、古巣の仲間たちにむちゃぶりをするのは気が引けるんですけれども、まずは、公共交通手段で英語のみの独島の宣伝をしているという状況は、外務省が把握していることなのかどうか、お尋ねしたいと思います。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 韓国が日本海の名称に異議を唱え始めましたのは、一九九二年の第六回国連地名標準化会議が最初と承知しております。それまでは、二国間においても国際会議の場におきましても、日本海の名称に異議が唱えられたことはなかったと承知しておりますけれども、一九九二年より韓国は、日本海の表記を東海、ないしは日本海と東海を併記すべきであると主張するようになったと承知しております。

 以来、そのような表記、ないし委員の御指摘によれば宣伝活動といったことが行われるようになってきているというふうに理解しておりますが、これに対し、我が方、日本といたしましても、日本海というものが当該海域の国際的に確立した唯一の名称であり、国連やアメリカを始めとする各国の政府も公式文書等において日本海という名称を使用していると承知しておりまして、国際社会において我が国の立場に関する正しい理解と支持を認識されるよう、適切に対応しているところでございます。

 御指摘の点に関しましては、各国におきましてどのような表記をしているのかということを近年調べるようになってきております。韓国におきましても調査しているところでございますが、完全に網羅的な調査というのはなかなか難しいところでございますけれども、韓国におきましては東海、独島という表記をしているということでありまして、我が国としては、それに対し、それは認められない、受け入れられないということを常に主張しているところでございます。

小田原分科員 網羅的な調査、捜査はなかなか難しいというのは、お察しして余りあります。

 事実、外務省においても、「竹島問題十のポイント」を発行されたり、ホームページ上で十二カ国語による情報発信をされ、鋭意努力しているというのは理解をしているところであります。しかしながら、モグラたたきのようにいろいろな情報戦を先行されるということは、やはり看過できないものであろうと思います。

 そこで、河野大臣に意気込みをお伺いしたいところでありますが、先方が英語での発信をしているのであれば、我が方も、例えば、私の選挙区内にある昭和記念公園、国有の公園でありますが、ここで音声放送を流したり、ここには、米軍関係者、特に横田の関係者やその御家族も憩いの場として連日大勢来られる場所であります。又は、使われる福生や立川や中央線の駅などを利用して、訪日の外国人に対する我が国の主権をしっかりと主張するというような試みもあっても悪くはないのではないかというふうに思いますが、この点、河野大臣の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。

河野国務大臣 竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ、国際法上も明らかに我が国の固有の領土であります。しっかりと大局的観点に立って、韓国と冷静に粘り強く対応して、しっかりと我が国の主張を最終的に通していきたいと思います。

小田原分科員 ありがとうございます。

 私が質問をする前に、外務省から、東海、イーストシーと言われる表記についても言及がありました。これについてもお尋ねをしたいと思います。

 私の理解では、一九九二年に突然、北朝鮮と韓国が日本海を東海というふうに言うべきだと国際場裏で言い出したという理解をしておりますが、この詳しい経緯についてまずはお伺いをしたいと思います。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたけれども、一九九二年に第六回国連地名標準化会議というのがございまして、その場におきまして、日本海の名称に韓国は異議を唱え始めたというふうに理解しております。それ以前においてはそのような主張をしていなかったということでございますけれども、一九九二年、平成四年から、この会議を皮切りに、御指摘のような主張を韓国はするようになったというふうに理解しております。

小田原分科員 実は、このイーストシーという表記についても、一昨日の昼食会に出席した、その竹島の動画について言及した空軍大尉が指摘をしていました。仲間のほかの同盟国と連携をとって作戦をしたり話をする際に、同じ地域を別の言い方をされたのではやりにくくてしようがない、混乱が起きかねないということでありました。

 また、経緯を拝見しても、これは外務省のホームページを拝見しても、必ずしも北朝鮮と韓国の主張が一枚岩ではないようにお見受けします。韓国は東海と言うものの、北朝鮮は朝鮮東海と言ったり、言い方がばらばら。したがって、九二年以降に突然言い出した、昔からあの海のことを東海と言っているんだという主張は、何とも苦しい、こじつけが入っていると思わざるを得ないところがあります。

 また、そういうことであれば、例えばインド洋を、あれはインドじゃなくて、うちの国のはるか南西にあるオーシャンだからそういうふうに呼び直せというような、とんでもない混乱を更に引き起こしかねない、そういう国際的な問題であろうと考えます。

 また、平昌オリンピックのホームページでもしばらくそのような表記があったと思いますが、大変、今はようやく我が国の選手も活躍し盛り上がっているところでありますが、水を差す残念な状況がありました。

 特に、一昨日の、小平選手の金メダルの際に、御自分がオリンピック新記録を出した滑走への大きな声援を、次は韓国の最大のライバルの選手が滑走するところでありましたが、人さし指を口に当てて、静かにしてくれというアピールをしました。何ともすばらしいお人柄、そしてまた、私だけではないと思いますが、日本人らしい、すがすがしくフェアな態度であった、滑走もさることながら、その振る舞いに目頭が熱くなった次第であります。

 ここでもう一度、平昌オリンピックのホームページ上の表記は今どうなっているのか、お伺いしたいと思います。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の問題に関しましては、かねてより、日本から、韓国、IOCに問題点を指摘し、そのような表記がないようにということで申入れをしてきたところでございます。

 基本的にはなくなったというふうに理解しておりますけれども、他方、これは直接そのホームページそのものに出ているわけではなく、それからリンクされているところを追っていくと、どこかに出てくるものがあったということでありまして、基本的にはそれがリンクされなくなっていると理解しますが、一部、完全になくなっていないものがあるというところが今でもある可能性はあると認識しております。

小田原分科員 ありがとうございます。

 事ほどさように、私は、本来、特に韓国と我が国は、国際社会から、連携をして、仲よくして、力を合わせて北朝鮮の無謀な挑発や脅威を抑え込むことを期待されていると考えます。

 昨年一月の三十日付で、私はウォールストリート・ジャーナルに外務大臣政務官として寄稿いたしました。その内容は、慰安婦とアジアの安全保障という主題でありました。

 特に、最終的かつ不可逆的な合意を一向に守らず、また、韓国の国外において慰安婦像を建てられる、この事態を非常に憂慮したからであります。しかし、その内容は、歴史的な経緯を説明するのは控え、まさに日本と韓国は今一致協力をしてアジア地域の平和に貢献をするべきであることを国際社会から期待されているにもかかわらず、こんな、ちょっと言い方は気をつけなければいけませんが、今生きている世代の我々のしでかした振る舞いではないことを、現在いがみ合うかのような振る舞いをし合うことにどういう建設的な意味があるのか、もっと一致協力してやらなければいけないことがあるだろうという思いでありました。

 その旨寄稿をさせていただいたわけでありますが、当時も、外務省の職員の皆さん一生懸命に、モグラたたきのような、像の設置の情報をいち早くつかみ、駆けずり回って、不動産の所有者に歴史的な経緯を正しく説明したり、万が一その像が設置された場合、地域のアジア系の住民の間に大きな亀裂を生み、地域の分断を生みかねないという説得を繰り返され、幾つかは設置を回避させることに成功したというのを今でもよく覚えております。

 この件では最後に、河野大臣から、合意の履行について引き続き先方に求めていくことに関する御決意を伺いたいと存じます。

河野国務大臣 本来、最終的、不可逆的な合意でありますから、これは国と国との国際約束でもありますし、我が国が特に求めなくても、韓国は韓国がやるべきことを粛々と履行するというのが、これは当然のことであると思っております。

小田原分科員 ありがとうございました。

 続いて、我が国が世界の繁栄に貢献をするべきだという観点から、ODA、なかんずく、とられてしまった案件のように思えますが、インドネシアの新幹線の案件についてお尋ねをしたいと思います。

 新幹線の案件は我が国が有利であるという報道がずっと続いておりましたが、最終的には中国にその案件をとられてしまったということであろうと思います。しかしながら、ODAのあり方に首をかしげざるを得ない報道が幾つか見られます。

 まず、直近では、これは日経新聞のことしの二月十三日付の記事でありましたが、モルディブの元大統領モハメド・ナシード氏が日経新聞に、またこの後幾つか別の海外の報道機関にも同様のインタビュー記事を載せているようでありますが、中国から受けた資金支援、融資について、これは四十億円ぐらいのようでありますが、返済期限が二〇一九年に迫っていて、とてもじゃないけれども返せそうもない、その返せない借金のカタに領土を割譲せねばならないということを言って回っているわけであります。

 まるで、ベニスの商人ではあるまいし、このような主権を担保に金を貸すということが、しかも経済援助で、あっていいものとはとても思えません。

 まずは、このモルディブの状況について、外務省として何か把握していることがあったら教えていただきたいと思います。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 小田原委員御指摘の報道については承知しておりますが、ナシード元大統領の発言についてコメントすることは差し控えたいと存じます。

 その上で、一般的に、モルディブの対外債務状況につきましては、IMFがハイリスクと査定しているというふうに承知しております。IMFによりますれば、インフラ関連の輸入増加、観光収入減少、海外送金増加等によりモルディブの経常収支が悪化、また、国債発行に加え、中国、中東諸国等を主な債権者とする大規模なインフラ事業で対外債務が増加しているというふうにIMFは認識していると承知しております。

小田原分科員 先ほど私は、こんな、ベニスの商人ではあるまいしと申し上げましたが、どうもこれは初めて見るような事案ではなさそうであります。

 これもまた、産経の報道ではありましたが、二〇一一年一月に、タジキスタンが中国との国境を画定する条約を下院で可決したのだが、その際、領土の紛争の当該地域であった東部パミール高原の一部、一千平方キロメートルを割譲したという報道がありました。

 さらに、それにさかのぼること五年、二〇〇六年に、中国はタジキスタンに総額六億四千ドルを融資し、翌年には二億ドルから三億ドルを追加融資した、電力や道路、通信など、内戦で荒廃したインフラの再建を中国に頼ってきたそのツケが、現実的には領土をとられてしまったということになったのではないかという報道がありました。

 これについても、外務省さんで何かつかんでいることはあるでしょうか。

相木政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねをいただきましたタジキスタンと中国との間の国境画定でございますけれども、そのやりとりについては、我が国は当事国ではなく、また本件に関する情報も限られているところではございますが、その上で、報道等も含めて申し上げれば、両国の間の国境をめぐっては、旧ソ連時代から未解決の問題が存在したところでございます。両国間では、交渉の結果、二〇一一年までに問題解決の合意に至りまして、当該合意に基づいて、従前タジキスタンの管理のもとにあった領域の一部が中国に属するものとされたというふうに承知をしております。

 また、その背景についてでございますけれども、一般論といたしまして、中国からタジキスタンに対しては種々の支援が行われているというふうに承知をしておりますが、この国境画定とどのように関連するかという点につきましては、我が国は当事者ではない、第三国間の交渉にかかわるところでもございまして、その背景などについて政府として申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに存じます。

小田原分科員 第三国同士の条約なので立ち入る立場にないというのはごもっともであろうと思います。しかしながら、事モルディブに関しては、インドとスリランカの間の島でありますから、万が一中国に領土が割譲されるとなると、地域の安全保障上、挟み打ちというか、三角で囲まれかねないような地政学的な懸念を生みかねないというふうに思います。

 引き続き注視をするべきだと思うのですが、本日の日経新聞の六面に、これは解説委員の記事でありますから、多少心して読むべきものではありますが、アディスアベバで二〇一二年に、エチオピアの首都にAUの本部ビルを中国が支援として建てた、これは全額中国がお金を出して、AU、アフリカ連合の本部ビルを建てて、落成したわけでありますが、先日、フランスの有力紙ル・モンドが、落成から六年を経て、その間、同ビル内に置かれたコンピューターなどを利用してスパイ活動が行われていて、情報が全て上海にあるサーバーに送られていた、こういう報道がありました。

 事ほどさように、ODAのあり方、本当にその地域のためになっているのかどうかということを鑑み、今、私が河野大臣に御決意やお考えを伺いたいことがあります。

 それは、先ほど冒頭申し上げましたインドネシアの新幹線案件について、これまた二月の十四日付の日経新聞によると、中国の国有企業がジョイントベンチャーをつくって新幹線を建設するということになっているんだけれども、ほぼ全く進んでいない。ジョコ大統領が選挙を控えているという事情もあろうかと思いますが、本当にこのままの案件を頼り続けるのがインドネシアの国益にかなっているのか。

 むしろ、外務省一体となって、状況を丁寧に把握をし、あわよくばとは言いませんが、常に、一度決まった案件だからといって諦めるのではなく、もう一度提案し直して、総合的なコストや安全性や信頼性、契約をほごにしてでも我が国の新幹線を導入するという再決定をした方がいいんじゃないかと売り込むのも、我が国の国益のみならずインドネシアの国益に資するものと考えますが、こういった継続的な、たゆまぬ案件の工作、売り込みに関して御見解をいただきたいと思います。

志水政府参考人 小田原委員御指摘のインドネシアの案件に関しましては、中国が高速鉄道事業を受注したということでありますけれども、土地収用が進んでいないなどの問題もあり、工事の進展が滞っていると承知しております。

 本件に関しましては、日本としては、当時、実現可能な最良の提案を行ったわけでありますが、最終的にはインドネシア政府が中国提案を採用したという経緯がございます。その後、先ほど申し上げたように、工事の進展は滞っているということでありますが、我が国として、状況を引き続き注視してまいりたいと思っております。

 他方におきまして、日本とインドネシアの関係は、本年、国交樹立六十周年ということで、これを契機にますます緊密になっているところでございます。ジャカルタの都市高速鉄道計画、パティンバンの港の建設計画、ジャワ島北幹線鉄道高速化事業などの大型インフラ案件につき、現在協力を進めているところであります。

 今後とも、戦略的なパートナーとして、インドネシアが真に必要とする質の高いインフラ整備を迅速に進めていきたいと考えているところでございます。

小田原分科員 時間が来ましたが、河野大臣からも一言いただければ光栄に存じますが、いかがでしょうか。

柴山主査 それでは、時間が来ておりますので。

河野国務大臣 日本政府としては、よく状況を見ながら注視していきたいと思います。

小田原分科員 質問を終わります。ありがとうございました。

柴山主査 これにて小田原潔君の質疑は終了いたしました。

 次に、源馬謙太郎君。

源馬分科員 希望の党の新人の源馬謙太郎と申します。

 きょうは、初めて分科会で質問をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず、冒頭から私ごとで大変恐縮なんですけれども、私は、議員にならせていただく前、地方議員をやっておりまして、その前はカンボジアに長く住んでおりました。外務省の外部専門家契約という形態でカンボジアに四年間行っておりまして、そこで武器の回収をするというプロジェクトをさせていただいておりました。そういった経験から、きょうは、まず最初に、カンボジアについてお伺いをしたいというふうに思います。

 昨今のカンボジアの情勢を申し上げますと、例えば、昨年の九月に最大野党の党首であるケム・ソカ党首が逮捕されまして、十一月にはその最大野党である救国党が解党を命じられたということがありました。

 また、野党が解党しただけではなくて、例えばメディアについてもいろいろな弾圧がありまして、カンボジア・デイリーという有名な英字新聞があり、私も当時購読をしていましたけれども、そのカンボジア・デイリーが廃刊を余儀なくされたということがありました。また同時に、アメリカ系列のメディア、例えばラジオ・フリー・アジアというラジオ局であったりとかボイス・オブ・アメリカ、こういった、政権に対しても批判をするようなメディアが相次いで、約二十局のラジオ局が活動停止に追い込まれたという状況もあるというふうに聞いております。

 非常にこれは私はゆゆしき事態だと思っておりまして、ことしの七月に、御存じのとおり、カンボジアでは総選挙が行われるわけですが、その直前に最大野党を解党してしまうという、しかも、今四四%の議席を持っているにもかかわらず、それは解党して、議席はほかの政党に移すというかなり強引なことをやっているわけです。

 まず初めに、こうしたカンボジアの現状と、三十年以上続くフン・セン政権の現状、特に、野党を含むこうした弾圧、メディアへの弾圧、こういったことへの外務大臣の評価をお聞きしたいと思います。

河野国務大臣 委員、カンボジアに長くおられたということで、非常にお詳しいと思いますし、また、思い入れも持たれているんだろうと思います。私の議員会館の事務所で秘書をやっていた者が、ここ数年、カンボジアで地雷除去に携わっているということもありまして、私も、このカンボジアの情勢についてはしっかりと見ていかなければいかぬというふうに思っております。

 おっしゃったように、国内の政治的な緊張が二〇一五年あたりから高まってきている、そして、野党を解党に追い込むというような状況になっていて、また、報道の自由といったことにもやや懸念があると言わざるを得ない状況になっているというふうに思っております。

 ことし七月の国民議会の選挙がカンボジアの国民の意思が反映される形で行われなければならないというふうに我々は思っておりまして、現時点で少し懸念を持ちながらカンボジアの状況を見ております。カンボジア政府に、きちんとした形でこの選挙が行われるように働きかけをしているところでございます。

 我々としても、どこかの段階でさまざまな意思決定をしていかなければならないというふうに懸念を持って状況を見ていると申し上げてよろしいかと思います。

源馬分科員 ありがとうございます。

 ちょっと繰り返しになりますが、九月に党首が逮捕されて、十一月に最大野党が解党されたという経緯がありました。その前に、昨年の六月に、この最大野党が地方選挙で大分議席をとったというのが背景にあるんじゃないかということも、もちろん大臣も御存じのとおり、言われております。

 そういった中で、この状況で、二月に入ってから、外務省がカンボジアに今度の選挙で八億円の協力をする、こういう報道がありました。

 これは、昨年のこうした政局であったりとか解党劇、逮捕劇、こういったことが起こる前ならわかりますが、起こった後に、まさにこれから八億円を支援するというのは、ちょっと今大臣がおっしゃったような評価とは整合性がとれないのではないかというふうに思います。

 まず、この八億円の支援の中身、それから、その八億円という額の積算の根拠、ここをお伺いしたいというふうに思います。

河野国務大臣 御指摘の、二月二十一日付交換公文に基づく八億円の無償協力の内容は、日本製の投票箱などの選挙用物品を供与するということでございます。

 一九九八年のカンボジアの国政選挙に際して、我が国は一万二千個の投票箱をカンボジアに供与しております。それから二十年たつわけでございますが、今回、投票所が二万二千とふえてきたということで、このままいくと、質の高い、投票の秘密がきちんと守れるような形の投票箱が不足をするおそれがある、選挙の実施に支障を来すおそれがあるということでしたので、今回の支援を実施したわけでございます。

 日本製の投票箱は、今後の選挙においても長く使用することができるわけでございますから、我々としては、カンボジアが国民の意思を反映するようなきちんとした選挙をやってもらう必要があるということを考えて、少なくとも、選挙を行うための最低限必要なこうした物品の供与ということにしたわけでございます。

源馬分科員 少し細かなところもお伺いさせていただきたいと思いますが、今大臣が御答弁いただきましたとおり、九三年に日本が投票箱を支援したときから一万カ所投票所がふえているということがあるというのは、私も報道で知りました。

 ただ、さっきもちょっと申し上げましたが、昨年の六月に地方選挙が行われていまして、このときも恐らく、もう既に二万二千カ所の投票所があったと思いますが、ここの事実関係と、それから、先ほどの御説明と事前にいろいろお伺いした範囲の御説明を伺っていると、一万カ所で八億円ということは相当高い投票箱になると思いますが、どういうふうな積算の根拠をされているのか。

 また、たしか九三年のときはおよそ一万二千カ所で三億円ぐらいだったと記憶していますが、アルミが高くなったといっても、どういう根拠があってこの価格が出ているのか、細かいことですが、そのあたりをちょっとお伺いしたいと思います。

牛尾政府参考人 お答え申し上げます。

 既に委員御指摘のとおり、投票所については、九八年から一万カ所ふえているということでございます。

 投票箱の価格でございますが、質の高いということで、六万円相当ということを考えております。これは輸送費込みでございますが、それで一万二千カ所ということで掛け算すると、ある一定の額は埋まります。そのほかに、投票箱のほかに、先方から選挙関連資材といったものの要請もございまして、それも足し合わせると約八億円という額になります。

 以上でございます。

源馬分科員 昨年の六月時点では、投票所は何件だったでしょうか。

志水政府参考人 恐縮でございますけれども、今手元に資料がございません。申しわけございません。

源馬分科員 わかりました。もし、またわかれば教えていただきたいと思います。

 仮に、昨年の六月の地方選挙のときも同じだけの投票所があれば、当然それを使えばいいわけで、もちろん、今、カンボジアの政権が非常に安定していて、自由で公正な選挙ができる状況なら、古くなったから日本が支援をするというのもわかりますけれども、こういう状況において、先ほど大臣もおっしゃっていたとおり、本当に国民の意思が反映される選挙が行われるかわからないという状況の中で、あえて、昨年もできたのに、新たな投票箱を日本人の税金を使って八億円支援する必要は、ちょっと考えにくいのではないかというふうに思います。

 ですので、昨年どうだったかということは、ちょっと後で教えていただきたいというふうに思います。

 先ほど申し上げたのは私の意見であります。

 同時に、一箱六万円で計算をして、それでも一万カ所ふえたわけですから、六億円になります。残りの二億円もあって、これもちょっと事前に当局の方からいろいろお伺いしましたら、この無償支援のスキームは、経済社会開発計画というスキームを使っているということで、何か必要なものがあって見積りをとって、その必要な額だけを供与するというわけではなくて、八億円という枠を決めたら、もうあとは、中身は今後決めるというようなスキームだという説明を受けました。

 さらに、この今の状況で八億円ぽんと渡す、中身は後で決めましょうということが本当に日本人の税金を使うに資する支援なのか、そこら辺のちょっと考えをお伺いしたいと思います。

牛尾政府参考人 お答え申し上げます。

 委員おっしゃるとおりのところはございますが、八億円という額については、入札等もございますので、事前に大体価格を想定して、それで要は積算しておりますので、そこら辺のところはまた御説明いたしたいというふうに考えております。

源馬分科員 繰り返しになりますけれども、こういったスキームで今の状況でカンボジアに支援をするということは、やはり国際社会にとっても間違ったメッセージを発するんじゃないかなという懸念を持っています。

 この経済社会開発計画のスキームで八億円を出すということを約したとなると、これもちょっと事前に伺いましたが、仮に投票箱一箱六万円の積算が五万だったとして、そうすると総額一億円の差が出てくるわけですけれども、その一億円を返せというわけじゃなくて、それはもう丸々、幾らかかっていようが八億円はカンボジア政府に渡す、そういう性質の支援だというふうに理解をしています。やはりこれは間違ったメッセージを発することになると思うので、非常に難しいタイミングかもしれませんが、ぜひ見直しをしていただきたいというふうに思います。

 また、各国もさまざま反応しております。

 アメリカの国務省が今回のケム・ソカ党首の逮捕について重大な懸念を表明していたり、この結果、アメリカも選挙の支援をする予定でいましたけれども、支援をやめるという決定をした。ヨーロッパ諸国も支援しないというような状況になっているというふうに聞いています。

 またさらに、アメリカの方は、こうしたカンボジア政府が政治的反対勢力を弾圧するようなことに加担をしている個人のアメリカへの入国も禁止するという、かなり厳しい表明をしておりますが、我が国としてはこれからどういうメッセージを発していくんでしょうか。

 今回の件について、また、今のカンボジアの政情についてどの程度踏み込んだ表明をされるのか、伺いたいと思います。

河野国務大臣 日本も手放しでこれを見ているわけではございません。相当懸念を持ってカンボジア情勢を見ているということは変わらないと思います。

 ただ、日本の場合、ASEANとの関係性ということを考えると、少し欧米とASEAN各国との距離感というのが違うというのは、これは、カンボジアだけでなく、今のミャンマーのラカイン州のムスリム教の問題についても少し違うアプローチをとっているところでございます。

 ただ、日本としてもただ傍観をしているということではなくて、先ほど申し上げましたように、どこかの時点で我が国としてもさまざま意思決定をしていかなければならないというふうに思っておりますので、ここは、支援するところはきちっと支援をしながらも、状況をしっかり見ながら、カンボジア政府がしっかりと本当に対応できるかどうか見きわめていきたいというふうに思っております。

源馬分科員 今、大臣の方から、時期を見きわめて意思決定をしていかなくてはいけないというお言葉がありましたが、その意思決定の中には、この八億円の支援を見直すということも可能性として含まれるんでしょうか。

河野国務大臣 一番大事なのは、カンボジアがしっかりとした民主化路線を歩み続けてくれるということが大事だと思いますので、そうした観点からしっかりと見きわめていきたいというふうに思っております。

源馬分科員 ありがとうございます。

 済みません、はっきりちょっとわからなかったんですが、カンボジアの民主化が進められていくのに必要な意思決定をとることもあるという趣旨だと受けとめさせていただきました。もし違うのであれば御訂正いただきたいんですが、私はそのように受けとめさせていただきました。

 ASEANは、やはり日本にとっても大事な地域ですし、安倍総理もASEANを大事にされております。安倍総理の対ASEAN外交の五原則の第一番目に、自由、民主主義、基本的人権の普遍的価値の定着及び拡大に向けて、ASEAN諸国とともに努力をしていくという、イの一番にこれが入っているわけで、ぜひ、カンボジアを知る私としても、カンボジアの民主化が逆行することがないように、しかも、九三年から我が国はカンボジアに民主化を定着させるためにさまざま努力をされてきて、それこそ、多額のODAも行ってきたというふうに思いますので、それが誤った方向に行かないように、ぜひ厳しい目でしっかり見ていただきたいなというふうに思います。

 続きまして、台湾で起こりました地震の後の我が国の対応について伺いたいと思います。

 先日、実は私、質問主意書も出させていただきまして、その答弁がきょう返ってきたんですが、ちょっとそこと重なってしまうかもしれませんが、質問させていただきたいと思います。

 安倍総理は、台湾東部でさきに発生した地震に際して、台湾宛てにお見舞いのメッセージを出されました。このお見舞いメッセージが首相官邸のウエブサイトに載っておりましたが、当初は、蔡英文総統閣下宛てでお見舞いのメッセージが載っておりましたが、途中で、その蔡英文総統閣下という宛名が消されているという状況がございます。

 この件について、なぜ途中で、対外的に発したお見舞いメッセージ、宛名を削除するということが起こったのか、どういう判断からこの削除があったのか、伺いたいと思います。

河野国務大臣 被災された台湾の方々に対してより広くお見舞いのメッセージを送ることが適当という判断でございます。

源馬分科員 たしか、菅官房長官の記者会見、また、きょういただいた答弁書でもそのような趣旨が書いてあったんですが、これまで、安倍政権の平成二十五年から平成三十年二月十六日現在までに対外的に出されたこうした同様のメッセージを調べていただきました。

 同じように、地震に対するメッセージですとか、テロ、自然災害、こういったものに対するお見舞いのメッセージが各国にいろいろ発せられておりました。平成二十五年から累計で四十四件のメッセージが出されておりますが、この台湾、今回、蔡英文総統閣下という宛名が削除されたもの以外は、一件しか宛名がないのはありません。

 その一件は、テロによって亡くなった個人の方に対するメッセージ、これはその個人の方、文中にはお名前がありますが、宛名には入っていなかったというのはありましたけれども、ほか四十三件は全て、例えばエジプトで起きたテロ事件に対してはアブドゥルファッターハ・エルシーシ・エジプト・アラブ共和国大統領宛てですとか、米国ラスベガスの銃撃事件を受けた場合にはドナルド・トランプ大統領宛てお見舞いメッセージというふうになっております。

 これら全て、四十三件のメッセージも、被災された方若しくは被害に遭われた方、幅広く皆さんにお見舞いのメッセージを出していると思いますが、なぜ今回だけ、しかも途中で削除があったんでしょうか。

志水政府参考人 今回のメッセージのあり方に関しましては、先ほど河野大臣から答弁したとおりでありまして、安倍総理から被災された台湾の方々への連帯をより明確にあらわす観点から、より広く台湾の方々全般へのメッセージとして掲載することが適当と判断し、そのような形での掲載に変更したというところでございまして、委員御指摘のように、さまざまな形でのメッセージ、これまでもメッセージを出されているわけでございますけれども、個別のメッセージの発信のあり方に関しましては、そのときそのときのケースに応じて判断をするということで、今回このような形でメッセージを発信させていただいたという次第でございます。

源馬分科員 三・一一の東日本大震災のときにも、台湾からもメッセージをいただいたと思うんですが、その中身がもし今わかれば、安倍総理宛てというふうになっているのか、若しくは宛名が一切記載がなかったのか、ちょっとそこもわかれば教えていただきたいと思います。

志水政府参考人 申しわけございません。今、手元に資料がございません。

源馬分科員 では、後でわかりましたら教えていただきたいと思います。

柴山主査 ただいまの資料要求につきましては、政府におきまして、しかるべき措置をお願いします。

源馬分科員 ありがとうございます。

 加えて、ちょっと質問させていただきますと、平成二十八年に、実は岸田当時の外務大臣から、これは台湾の地震が起こりました、このときは馬英九総統当時宛てにということでお見舞いメッセージが出されておりますが、では、このときは台湾の皆様幅広くという意味合いはなかったという理解でよろしいでしょうか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げましたけれども、そのときそのときの状況に応じまして、メッセージのあり方を判断させていただいているというところでございます。

源馬分科員 いろいろ新聞報道によりますと、当初、安倍総理が蔡英文総統宛てということでメッセージを出したことに対して、中国の外務省の耿爽報道官から、厳正に誤りを正し、中日関係に新たな妨害をつくらないように促すと批判したと、日本側に厳正な申入れを行ったことが明らかになったという報道がありましたが、こういった事実はありますか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 中国外交部から本件に関しまして申入れがあったということは事実でございます。

 他方におきまして、今回のメッセージのあり方に関しましては、中国からの抗議を受けて記載を変更したということではございません。

源馬分科員 新聞報道の日付は二月の九日になっておりまして、九日のこの中国の耿爽報道官の定例記者会見で、日本政府に対して厳正な申入れを行ったというふうになっております。

 ホームページに掲載されていたこのメッセージから宛名が削除されたのが二月十三日前後だというふうに思います。実は、質問主意書にもいつ削除されたのかということを質問したんですが、その返答はありませんでした。いつ削除されたのか、わかれば教えていただきたいと思います。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 ホームページへの記載に関しましては、二月の八日に、まず官邸のホームページにメッセージを掲載いたしました。これは官邸のホームページでございまして、この後に官邸のフェイスブックに台湾の皆様全般宛てのメッセージが掲載されております。これは同じ日の、官邸ホームページに出した後ということであります。

 この官邸のフェイスブックのメッセージのあり方に合わせまして、同じ二月八日におきまして、官邸ホームページに掲載したメッセージを官邸フェイスブックの書き方に合わせたというところでございます。

源馬分科員 当初、蔡英文総統閣下宛てだったメッセージも、中身は、亡くなられた方々皆様への御冥福を心からお祈りしたり、被害に遭われた方へのお見舞いという中身なんです。

 これは私、いろいろこの四十四件を見て思ったんですが、外交儀礼上というか、こうした種のメッセージを出す際に、タイトルに相手国の元首の名前を入れる、そういういわば礼儀的なものでやっているものではないかというふうに思います。全てほかのメッセージを見ても、中身はやはり被災された皆さん、その個人に対するメッセージではなくて、皆さんに対するメッセージなんですよ、どの件も。なので、タイトルをあえて変えたというのは何かやはり理由があったと思います。

 仮に、これは時系列から見ると、違うとおっしゃっても、客観的に見ると、中国からクレームがあって削除したということになります。

 これはもうまさに内政干渉ですし、この申入れについて、日本側としては中国にどう反応したんでしょうか。

志水政府参考人 繰り返しでございますけれども、本件に関しましては、メッセージを若干変更したところでございますけれども、これは中国からの申入れを踏まえたものではございません。

 その理由に関しましては、先ほども申し上げたとおりでございますけれども、被災された台湾の方々に、より広くお見舞いのメッセージを伝達することが適当と判断し、このような形に変えたということでありまして、首相官邸フェイスブックのメッセージのあり方に合わせたというところでございます。

源馬分科員 中国に対して何と反応したのか、それを伺いたいということと、繰り返し、被災された皆様にとおっしゃいますが、ほかの件でもやはり皆様にメッセージをするべきなんじゃないかなというふうに思います。

 今回の台湾の地震だけ皆様にお見舞いのメッセージをして、ほかは皆様宛ての意味合いがない、そういう理解なのか、伺いたいと思います。

志水政府参考人 委員御指摘の、最初の質問に関しましては、外交上のやりとりの詳細に関しましては答弁を差し控えさせていただければというふうに御理解を賜りたいと存じます。

 後段の質問に関しましては、これは、今回以外のものが被災された皆様一般に対するものではないということでは決してございませんけれども、メッセージの発信のあり方に関しましては、その時々の状況等を踏まえて判断するということで御理解賜れば幸甚です。

柴山主査 源馬君、質疑時間が終了しておりますので、端的にお願いします。

源馬分科員 では、最後に河野外務大臣にお伺いしたいと思います。

 我が国は、蔡英文総統のことを総統として認めているというか、総統として扱っているんでしょうか。また同時に、これからも、起こるべきではありませんが、自然災害ですとかこういったテロ事件、そういったものが起きてしまった場合に、他国にメッセージを宛てる場合、今回同様、皆様宛てに、宛名は書かないという方針をとるのか。その二点、大臣にお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 メッセージについては、個別の案件に沿って個別に判断してまいります。(源馬分科員「総統については」と呼ぶ)日本政府の立場に変更はございません。

柴山主査 以上で質疑時間を終了させていただきます。

 次に、関健一郎君。

関(健)分科員 希望の党の関健一郎でございます。

 委員長並びに与野党理事の皆様、質問の機会をいただきましたことに心から御礼申し上げます。ありがとうございます。また、河野外務大臣、山下内閣府大臣政務官におかれましても、お忙しい中御出席をいただきまして、ありがとうございます。また、各役所の皆さんも、お忙しいところありがとうございます。

 それでは、早速質問をさせていただきます。

 先ほど外務大臣の予算の説明の中で、地球儀を俯瞰する外交を下支えする足腰予算という言及がありました。私は、大学時代、国際政治、安全保障を学び、また、学生時代、河野先生の話を聞かせていただいたこともありますけれども、そこで政治の道を志しました。そして、この外務委員会で質問させていただくことを大変光栄に思いますけれども、それもまた安全保障を学んできた一人の人間として、外務大臣という立場の、外交の最高責任者のあり方、国会改革について質問をさせていただきます。

 私の外交のイメージというか、各国の外務大臣という人たちの活動を見ると、ほとんど海外を飛び回っているというのが先進国の印象であります。また、現代国家において、この日本の安全保障の一定の制約もある中、情報収集、発信というのをトップがしていくというのはとりわけ重要な要素ではないかと考えております。

 河野外務大臣にお尋ねしたいんですけれども、まず、政府専用機ということについてですけれども、それがないことで、例えば外交上、要人に会えなかったとか、そういうようなことが多々あるのでしょうか、伺います。

河野国務大臣 外交全般で、どのように効果的、効率的に外交をやったらいいかというのは常日ごろ外務省として考えているところでございます。その一環として、さまざまな今アイデアを検討しております。

関(健)分科員 ありがとうございます。

 私が一年生ですのでいろいろ見えていない景色もあるのかもしれませんが、外務大臣が、もちろん国会を重視しなきゃいけないことは当然だと思いますけれども、海外を飛び回って情報発信をしていく、そして情報の収集をしていくということは当然あるべきことなんだと思いますし、国会改革という中で、より大臣並びに総理というしかるべき最高責任者がまさに海外で情報を発信、収集していくという必要性があると思いますが、大臣の御所見を伺います。

河野国務大臣 特に異論はございません。

関(健)分科員 ありがとうございます。

 大臣におかれましては、前回の特別国会でも、外相会合などに国会日程で出席をすることができなかったという報道も聞きましたので、国家の、国益のために何ができるか、これに与野党は関係ないと確信をしていますので、引き続きまた質問させていただきたいと思います。

 国会改革については以上でお話を終わり、次の質問に移らせていただきます。

 続きまして、領土問題についてお話をさせていただきます。

 昨日、松江市で開催されました竹島の日記念式典に、政務官がおられましたけれども、私も参加をさせていただきました。外交、安全保障政策をめぐっては、対外的な国益を最優先に考え、与野党で大きく方向性の変わる話ではないと確信をしておりますし、とりわけ領土問題に関しては与野党はないと考えておりますが、我が国の領土に関する現状の認識をお聞かせください。

河野国務大臣 日本の領土というのは、もちろん国民として、政府として極めて大切なものでございますので、これは外からの何らかの攻撃に対して断固として守り抜かなければならぬというふうに思っております。

関(健)分科員 済みません、ちょっと漠とした質問で失礼しました。

 竹島の日に関連してなんですけれども、竹島に関連して改めてお尋ねをいたしますが、式典でいろいろな方にお話を聞かせていただきました。悔しい思いをしている方がたくさんおられます。不法に占拠されていることへの認識を改めて伺います。

山下(雄)大臣政務官 委員におかれましては、昨日、竹島の日式典に松江まで足を運んでいただき、まことにありがとうございます。この問題に対して本当に献身的に取り組まれてくださっていることに私からも感謝申し上げたいと思います。

 竹島は、委員も御存じのとおり、歴史的にも国際法上も我が国の固有の領土であることは一貫して変わらないわけでありまして、六十年以上にわたって韓国から不法占拠されているという事実に関しては、本当に政府の一員としてじくじたる思いでございます。

関(健)分科員 ありがとうございます。

 私も一人の国会議員として感じたことでありますけれども、あの主催は、島根県と島根県議会が主催をされていると認識をしております。何人かの方の御挨拶の中でも、政府が主催すべきだ、政府主催の式典をやろうという意見がありましたけれども、外交という案件に関して政府ではなく地方自治体また地方の議会が主催しているということについてどうお考えでしょうか。政務官、お願いします。

山下(雄)大臣政務官 委員がおっしゃったように、きのうもそうですし、私、昨年も島根県にお邪魔しまして、政府主催の竹島の式典をという話も伺ってはきました。そのことについては、諸般の情勢を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

 引き続き、この竹島問題について、我が国の立場を主張し、問題を平和的に解決を図る上で有効な方策を不断に検討していきたいというふうに考えております。

関(健)分科員 ありがとうございます。

 いろいろお立場もありますし、幾ら相手の不法占拠とはいえ、いたずらに相手を、解決への最短の道というのが必要なことだと思いますが、これは政府が主催をするべきだということを申し上げたいんですが、また、なぜ政府が主催できないんでしょうか。政務官にお尋ねします。

山下(雄)大臣政務官 繰り返しになりますけれども、この問題を解決するために、そして平和的に解決するためにどういった方策がいいのかということを不断に政府の中で検討しているわけでございます。

関(健)分科員 ありがとうございます。

 また、日本は、過去三回、国際司法裁判所への共同提訴を韓国に呼びかけています。対北朝鮮との関係で日米韓の連携強化が必要とされる中では現実的な対処が必要となるのはわかりますけれども、共同提訴の呼びかけは二〇一二年以来行っていないと承知をしています。日韓での対話の中で共同提訴を呼びかけるべきではないでしょうか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、これまで、共同提訴できないかということについて韓国側には働きかけを行ってきたところでありますけれども、韓国側がそれに応じないということが続いてきております。このような取組は今後とも続けていく必要があるかと考えております。

関(健)分科員 ありがとうございます。

 まさに、今おっしゃったとおり、韓国側が応じないということですよね。これは、式典のときに、始まる前に、参加されている方何人かに私もお話を聞かせてもらったんです。ぜひ白黒つけようじゃないかと。いつもこっちがそういう場でしっかりと、国際法上も歴史的にも我が国固有の領土だということをしっかりと明確にしようという中、その提訴を嫌がるのが韓国なわけです、この問題に関して。

 共同提訴を断られた場合には、単独提訴が重要だという指摘もあります。先ほどの繰り返しになりますが、いたずらに相手を刺激しても問題解決につながらないという考えはもちろん理解できますけれども、単独提訴が重要という指摘についてはどのようにお考えでしょうか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 共同提訴に関しては先ほど申し上げたとおり、それができない場合にほかにどのようなことがあるかということは、最も何が効果的かという観点から不断に考えなければならないかと思っております。単独提訴という考え方も、委員御指摘のとおりございます。そういうことも含めて、何が最も適切な方法かということを検討していきたいと考えております。

関(健)分科員 ありがとうございました。

 最終的には、いたずらに相手を刺激してもだめですし、問題解決に向けた積極的な対応を改めてお願いをいたしまして、次の質問に入らせていただきます。

 領土問題に関連してなんですけれども、また、皆さんの、政務官の御挨拶の中にもありましたけれども、内外に知ってもらうということがとても大事だ、これは私も全く同じ意見です。

 外務省にお伺いします。領土問題全般の国内、国外への周知の方法についてお尋ねします。よろしくお願いします。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 領土保全を始めとする重要な外交課題について、国際社会の正しい理解を得るべく、対外発信を強化していくことは重要だというふうに考えてございます。

 これまで、総理、外務大臣、各国駐在の大使等による国際会議の場あるいはメディア等への発信、それから有識者の派遣あるいは招聘といったものを通じて、国内外への積極的かつ効果的な発信に努めているところでございます。これに加えまして、我が国の領土を取り巻く情勢に関するわかりやすい広報資料の作成、配布、あるいは外務省ホームページでの領土関連情報をまとめた特設ページを設置したり、さらには領土関連動画の作成、こういった取組を行ってきてございます。

 今後とも、領土保全に関する対外発信について積極的に取り組んでいきたいというふうに思います。

関(健)分科員 関連ですけれども、韓国においては、例えば、我が国固有の領土だという主張を、シンクタンクなんかをつくってそこで発信をさせているということがありますけれども、この日本、我が国については、いわゆる学術というか、そういう分野への投資というか、周知に向けた投資というのはどういうふうにやっていますか。教えてください。

大鷹政府参考人 お答え申し上げます。

 日本の領土、主権に関する問題に対しては、客観的な史実に基づき対応し、そして、知見ですとか経験を持つ国内シンクタンクを支援してその調査や分析を活用していく、そのことは非常に重要だというふうに考えております。

 このような認識のもとで、私ども政府としては、国内シンクタンクの自主的な領土、主権、歴史に関する研究活動を支援しましてその能力を強化するとともに、研究成果を国内外に十分共有、発信することを目的として、今年度に領土・主権・歴史調査研究支援事業費補助金を立ち上げたところでございます。

 その予算に基づきまして、公募審査を行い、その結果、二〇一七年五月には、公益財団法人日本国際問題研究所が補助金交付対象機関として選定された次第でございます。現在、この国際問題研究所は、まず、領土、主権、歴史に関する内外での一次資料の収集、分析、公開、それからさらに海外研究機関と協力した公開シンポジウムの実施、そして研究成果の国内外への発信などを実施しているところでございます。

 こういった活動を通じまして、我が国の領土、主権、歴史に係る資料及び知見の蓄積ですとか内外への発信が強化されることを強く期待しているところでございます。

関(健)分科員 ありがとうございます。

 やはり、海外の専門家や人間と話をしていると、今おっしゃったような、エビデンスに基づいた、史実に基づいた議論を引用しなければ信用してもらえないというのは当たり前の話ですし、今のように、しっかりと、補助なり何なりの形で、我が国の主張を論理的に組み上げるというか組み立てるということはとても必要なことだと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 今のそれに関連して、日比谷公園にある領土・主権展示館についてですけれども、これは政務官にお尋ねします。

 これは私、さっき昼休みに行ってきたんですけれども、日本語だけですかね。表記について、いろいろな言語とかをふやしていくお考えというのはありませんか。

山下(雄)大臣政務官 委員におかれましては、訪問いただき、ありがとうございます。

 日本語と一部英語がありますけれども、おっしゃるとおりまだまだ多言語対応が成っておらないというのが現状でございますので、ぜひともこの展示館においても、中国語とか韓国語とかの対応ができるような形で、外国人向けの発信も一層強化していきたいというふうに思っております。

関(健)分科員 結構おもしろいコンテンツがあって、びよっと広げてタブレットで見られたりとか、あとは、わかりやすく展示が並んでいる、受付の人も親切でしたし。何人かの人が見ているんですけれども、ああそうだったの、知らなかったわという素朴な質問が飛んでいたんですね。ですから、やはりああいう取組というのが地道で不可欠なんだと思います。

 一つ、ちょっとこれはここで言うべきか、あれなんですけれども、電車で行ったら、あの展示館にたどり着くのに、わからないんですよ、場所が。ちょっとそれは何とか、地図とかに載るように、公園内の地図とかにも書いていないので、ちょっと政務官におっしゃること、大分南の方なんですけれども。済みません、失礼しました。

 次の質問というか、引き続き領土の、対外発信に関してなんですけれども、今月七日、北方領土の日に北方領土返還要求全国大会というのが開かれ、私も出席をさせていただきました。我が国の固有の領土に不法占拠が続いているという状況について、これも同様に世界に発信していく話だと思いますが、私は二つ発信すべきところがあると思うんです。

 一つは海外、これは今、質問させていただきました。もう一つは、若い子供、小さい子供とか若い人たちにどう知っていただくかということが非常に大事、むしろこれが一番大事なんじゃないかなというふうに考えています。

 その中で、私、小学校三年生の娘がいるんですけれども、北方領土の会に行ってきたんだという話をして、いろいろ北方領土の話をしたんです、娘に。そうしたら、今の小学校三年生ぐらいはタブレットが使えるんですね、それで、ちらっと見たら、北方領土とグーグルで調べていたんです。このときに、北方領土、易しい話と書いてあるサイトを見ていたんです。このサイト、ロシアの主張と全く整合性の整った日本語で書かれているんです。ですから、日本の主張は世界で余り受け入れられていませんとか、そういうことが平仮名で書いてあるんです。

 これは恐ろしいことは、まず、北方領土とグーグルで調べると、一番上には、これは外務省のページが出てきます。で、ウィキペディアが出てきます。その下に、北方領土、易しい話と出てくるんですよ。これは、どこの国かはしっかり裏づけをとっていませんので言うことはできませんけれども、ロシアの主張と極めて一にする内容のページなわけです。初めてページを見たうちの娘は、日本の言っていることは世界で理解されていないのということを言っていたわけですね。

 ですから、検索をしてまず一番上に来るということをしたり、わかりやすい発信、そしてましてや、グーグルで日本語で調べたときに、我が国と違う主張をするものが上に出てくるというのは、これは何とか対策はできないんですかね。

安藤政府参考人 先ほど答弁申し上げましたとおり、外務省では、外務省のホームページ、それからパンフレット、さらには領土関連の動画の作成を通じて、できるだけわかりやすい説明をするよう広報してきているところでございます。

 それから、御指摘にありました子供向けの話でございますけれども、外務省には子供向けのホームページというのがございまして、この中でも領土問題について、簡潔なQアンドA形式の記述というのを記載しているところでございます。

 先生の御指摘を踏まえつつ、できるだけわかりやすいホームページの作成というものに我々も取り組んでまいりたいというふうに思います。

関(健)分科員 ありがとうございます。

 恐らく、やわらかツイートとかいろいろやっておられると思うんですけれども、私は本当に、子供にこういう細かいディテール、結局、初めてアクセスしたものというのは割と記憶に残ったりしますから、こういうところはとても大事なんだと思います。LINEであったり、ツイッターであったり、インスタグラムであったり、フェイスブックであったり、そういうところでやわらかい言葉で、竹島とか北方領土というと、かたい話ってみんなふっと引いちゃうんですけれども、こういうのこそ、我が国固有の領土だよということをやわらかい言葉でプレゼンテーションをしていくということはとても大事だと思います。

 その上で申し上げます。

 私も、NHKにいたものですから、あなたの話はかた過ぎるとか、順番がめんどっちいとかよく言われるんですけれども、役所の皆さんも、もちろん論理性とかを非常に正確に担保しようという文章を書かれておられるので、若い人たちにしてみるとちょっとかたくてわかりづらいというところがなかなかあるわけです。

 ですから、私の提案なんですけれども、まさにそういう若い人たちにいろいろな情報を発信している人たち、そういうプロがやはりいますので、そういう人たちに委託するなりをして、まさに北方領土とか、我が国の領土問題というのをより卑近なものにしていく取組というのが必要なのかなと思います。

 何度も繰り返しになりますけれども、やはり、グーグルで調べたときに一番上に来るとか、ユーチューブで北方領土とやったら一番上に来るとか、そういうのは意外にとても重要なファクターなのかなと思います。ぜひ、一般の人がどう見るかということを真剣に議論していただいて、そういうのが得意な民間事業者というのはやはりいますので、委託するなり、まさにこの国の主張を若い人、そして海外に展開するためのより効率的な施策を検討していただきたいと思います。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 日朝関係についてお尋ねをさせていただきます。平昌五輪、間もなく終了ですけれども、南北の対話ムードの高まりがクローズアップされる側面が多々ありました。

 外務大臣にお尋ねをいたします。

 五輪後の国際情勢、また東アジア情勢についての認識を大臣に伺います。

河野国務大臣 平昌オリンピックに北朝鮮の選手が参加したことは、平和の祭典として喜ばしいことだと思いますが、その間も北朝鮮は、核、ミサイルの開発をやめる意思をあらわさないどころか、加速化するというようなおどしをかけている始末でございます。

 国際社会は、今、一致して、北朝鮮に対して、安保理決議に基づいた、あるいはそれぞれの国独自の経済制裁をしっかり履行することによって最大限の圧力をかけ、北朝鮮が、このままやっても明るい未来は来ないということを認識し、核、ミサイルを放棄し、拉致問題を解決する、そういう状況になるように国際社会を挙げて圧力をかけ続けるというところは、国際社会の中で変更は全くないというふうに考えております。

関(健)分科員 ありがとうございました。

 まさに、今大臣が言及されましたけれども、圧力、国際社会が連携した圧力が、これは内外の専門家や報道を総合的に勘案しますと、かなり北朝鮮に対して圧力が効いてきているんじゃないかという認識を私は持っているんですけれども、大臣、御所見を伺います。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御承知のとおり、昨年八月、九月、十二月に相次いで国連安保理決議が採択され、北朝鮮の外貨収入を絶つという観点からは、制裁措置は前例のないレベルにまで一層高められているということはございます。

 今般、平昌オリンピックを契機に、北朝鮮が南北対話を進め、いわゆるほほ笑み外交を展開している背景には、国際社会によるこのような圧力の強化が作用していると考えられるものでございますが、いずれにいたしましても、引き続き北朝鮮における制裁の効果を注意深く見きわめていくことが重要と考えております。

関(健)分科員 ありがとうございました。

 これはつまり、圧力がかなり効いてきているということなんだと思います。そしてその上で引き続き、最終的に核配備をやめて対話のテーブルに着くということを引き続き圧力をかけて求めていく、これはある意味、当然の姿勢だと思います。

 その上で、大臣にお尋ねをさせていただきます。

 当然、圧力をかけ続けて、我々というか政府が描いているシナリオどおり、核配備を諦めます、そして皆さんの対話のテーブルに着きますというシナリオであれば二重丸なんですけれども、参りましたと降参をする前に北朝鮮が暴発をしてしまうリスクについてはどのようにお考えでしょうか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 北朝鮮が暴発するかもしれないという委員御指摘のような議論があるということは、十分承知しているところでございます。

 しかしながら、そのように思わせることも北朝鮮の交渉戦術の一つであり、これを過剰に恐れることは北朝鮮の交渉力を高める結果になりかねません。私どもといたしましては、北朝鮮のおどしに屈することなく、状況をしっかり分析し、冷静に対応していく必要があると考えております。

 日本といたしましては、強固な日米同盟のもと、高い緊張感を持って高度な警戒監視体制を維持しつつ、国民の安全を守るため最善を尽くしていきたいと考えております。

関(健)分科員 ありがとうございます。

 今の関連なんですけれども、更に、何度も申し上げますが、前提としては、圧力をかけ続けて、核配備をやめさせ交渉のテーブルに着かせる、この姿勢は、私は当然あるべき姿勢だと思います。

 その上で、なかなか圧力をかけても、参ったしないなというときに、いらいらしてくるのは一番影響力のあるアメリカであると思うんですね。

 ペンス副大統領は、全ての選択肢はテーブルにのっているというふうにおっしゃっていますけれども、アメリカが軍事行動に出るリスクについてはどうお考えでしょうか。

志水政府参考人 お答え申し上げます。

 まず申し上げたいことは、北朝鮮問題に関しましては、挑発を行っているのは北朝鮮であり、世界じゅうの誰一人として、アメリカを含めてですね、紛争など望んでいないという点でございます。

 アメリカの行動について予断することは差し控えたいと存じますけれども、我が国といたしましては、ほかの国、地域の体制を力により転換することは目標として掲げたことはございません。

 日米間におきましては、対北朝鮮政策に関しまして緊密なすり合わせを行ってきております。二月十四日には日米首脳電話会談が行われました。また、ペンス副大統領訪日、それから平昌におきましても、安倍総理、ペンス副大統領、話されていますが、十分な時間をかけて、北朝鮮の最新の情勢を分析し、今後の方策について意見交換をしているところでございます。

 委員御指摘の点に関しましては、アメリカの今後の対応を予断することは差し控えたいと存じますけれども、日米間で北朝鮮問題に関し、引き続き緊密に連携していきたいと考えております。

関(健)分科員 ありがとうございます。

 何度も何度も申し上げますけれども、今までの北朝鮮のモデルとして、やめますよといってやめなかった。何度も繰り返しだまされてきたわけですから、毅然とした対応で圧力をかけ続けることが肝要かと存じます。

 その上で申し上げますけれども、圧力をかけてアメリカに軍事行動の誘惑が高まるのであれば、やはり国家として、朝鮮半島の有事に関して邦人の安全をどう保障するか、また、その後の東アジアの安全保障体制についてもどういうシナリオを描くのかを含めて、日本政府として描くべきではないかと思います。

 そして何より、この日朝関係の最大の課題は拉致問題の解決と核・ミサイル開発の放棄ということの実現だと思いますので、引き続き積極的な外交政策をお願いを申し上げまして、質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

柴山主査 これにて関健一郎君の質疑は終了いたしました。

 次に、岡田克也君。

岡田分科員 民進党、無所属の会の岡田克也です。

 きょうは、大臣と少し日韓関係について議論したいと思っていますが、まず、慰安婦をめぐる韓国政府の最近の対応については私も非常に大きな疑問を感じております。国家間で合意に達したもの、それについて事実上ほごにしかねないような対応は両国の信頼関係を損ねるものだ、そういうふうに考えております。そのことを前提にした上で、大臣に幾つかのことをお聞きしたいと思います。

 まず、大臣就任後の昨年十一月の産経新聞のインタビュー、私、それを拝見して非常に違和感を感じたわけですね。河野談話について聞かれて、大臣は、産経新聞によれば、戦後七十年談話と慰安婦に関する日韓合意に尽きる、本人に聞けよ、本人というのはお父様のことだと思いますが、河野元官房長官ですね、というふうに発言したと報じられております。

 しかし、親子関係にあるとはいえ、外務大臣として問われているわけですから、当然外務大臣としてお答えにならなければならないというふうに思うわけですが、河野談話についてどう考えているのか、きちんとお答えいただけますか。

河野国務大臣 河野談話というのを河野太郎が出した談話だと思っていらっしゃる方がまだまだたくさんいらっしゃって、随分訂正をさせていただいております。

 それから、これはある面政府の談話ですから、名前をつけて誰々のというと、いまだに河野洋平に、この談話を修正をしろ、撤回をしろ、こう言う方がいらっしゃって、河野洋平の家に河野談話を撤回しろといってデモに来る方がいらっしゃるわけですが、談話に個人の名前をつけるとこういう誤解が生じるということになるんだろうと思います。これはやはり、何年何月何日の官房長官談話というふうにきちんとした正式名称をつけて、それで呼ばなければいけないのではないかなというふうに思っております。

 外務大臣として申し上げるならば、この慰安婦問題についての政府の立場は、安倍総理の戦後七十年談話と日韓合意にあるとおりでございます。

岡田分科員 もう一度聞きますが、河野談話という名前が適切かどうか、しかし一般的にはそう通用していますから申し上げているわけですが、河野談話についてどう考えているのですか。

河野国務大臣 繰り返しますけれども、この慰安婦問題について政府の立場は、安倍総理の戦後七十年談話と日韓合意にあるとおりでございます。

岡田分科員 今のお話をお聞きすると、河野談話は、戦後七十年談話と慰安婦に関する日韓合意によって上書きされた、こういう認識ですか。

河野国務大臣 そうは申しておりません。慰安婦問題についての政府の立場は、安倍総理の戦後七十年談話と日韓合意にあるとおりだと述べているわけでございます。

岡田分科員 河野談話というものは存在して、それを前提にして私は七十年談話とか慰安婦に対する日韓合意があるというふうに思っていますが、この二つだけだということになると、これは否定したことになってしまうんじゃないですか。そう受け取られても仕方がないですよ。それで本当にいいんですか。

河野国務大臣 政府として否定をしているわけではございません。安倍政権としては、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいくということに変わりはございません。

岡田分科員 歴代内閣の談話等、それを引き継いでいくということであれば河野談話についても引き継がれておられる、こういう理解ですね。

河野国務大臣 安倍政権としては、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいくという考えでございます。

岡田分科員 私は、もう少し素直に、河野談話についても評価をするというふうに、私はそう考えておりますが、そういうふうに言われた方がいいんじゃないかと。大臣の言い方ですと、戦後七十年談話と慰安婦に関する日韓合意に尽きるというふうに言ってしまいますと、まるで上書きされたように受け取られても仕方のない表現、そこはもう少し気をつけて言われるべきではないかというふうに思います。

 そこで、では、今大臣が言及された二〇一五年の、戦後七十年に当たっての安倍談話ですけれども、実は、この安倍談話の中には朝鮮半島における植民地支配についての直接の言及はないわけですね。もちろん、植民地支配からは永遠に決別しなければならないという決意は示されておりますが、そして満州事変とかそういったことについての言及はあるわけですが、朝鮮半島における我が国の植民地支配についての言及はない。ここについてどう考えておられますか。

河野国務大臣 繰り返しで恐縮でございますが、安倍政権としては、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく考えでございます。

 安倍内閣として植民地支配を否定したことは一度もないというふうに考えております。

岡田分科員 したがって、もちろん否定したことはないということですが、私は、二〇一五年の七十年談話で朝鮮半島に対する植民地支配の言及がないというのはやや首をかしげているわけですけれども、全体としてはこの談話を私は評価しておりますけれども、そういうところが欠落しているのではないかというふうに思っておりますが、歴代内閣の考え方を、歴史認識について引き継ぐということであれば、河野談話を始め、歴代内閣が言っていたことについて、それを前提としているというふうに理解をしたいと思います。

 それでは、今のお話ですと、例えば一九九五年の村山談話とか、あるいは二〇一〇年の菅談話、これについても引き継がれているという理解でよろしいですね。

河野国務大臣 たびたび繰り返すようで恐縮ですが、安倍政権としては、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく考えでございます。

岡田分科員 全体としてというところにひっかかるものがあるんですが、例えば菅談話ではこういうくだりがあります。三十六年間の植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷つけられたとし、多大の損害と苦痛に対して、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明する、こういうふうに書いているわけであります。

 ここのところについての認識は大臣も同じですか。

河野国務大臣 安倍政権として、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく考えでございます。安倍内閣として、植民地支配を否定したことは一度もございません。

 累次申し上げてきたように、基本的には、歴史の問題については政治家は謙虚でなければならず、歴史家や専門家に任せるべきであると考えております。

岡田分科員 だんだん安倍さんに言い方が似てきたんですけれども、歴史に対して謙虚でなければならないという意味を、私は安倍総理は全然逆の意味で使っておられるというふうに思うんですね。

 やはり過去のことについて真摯に向き合い、そして正面から受けとめていくということこそが謙虚に向き合いということであって、専門家に任せて政府は言及すべきでないという意味だと今の大臣の発言を捉えると、そうすると、今まで歴代内閣が言ってきたことが、かえって踏み込み過ぎでおかしいということになりませんか。

河野国務大臣 歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいるということは、繰り返し申し上げてきたところでございます。

岡田分科員 大臣は同じことを繰り返しておられて、答弁拒否に近い状態で、私、ここで怒って席を立ってもいいんですけれども、河野さんらしくないと思うんですよね。大臣になられたから急にそれだけ防衛的にならずに、しっかりと発言をしてもらいたいというふうに思っております。

 それでは、慰安婦の問題について、韓国政府の対応についての考え方は先ほど私が述べたとおりでありますが、しかし、慰安婦の問題はそれだけで終わるわけではない。やはりこれは、重大な女性の人権侵害の問題であります。その本質は変わらない、今回、韓国政府が日本との合意についていかなることを述べようとも、かつての慰安婦の皆さんに対する重大な女性の人権侵害があったという事実は変わらないというふうに思うんですが、いかがですか。

河野国務大臣 慰安婦問題は、多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であるというふうに認識をしております。

岡田分科員 ここは、安倍総理もかつて、筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛む思いである、そして、これまでの歴史の中では、多くの戦争があり、その中で女性の人権が侵害されてきた、二十一世紀こそ人権侵害のない世紀にすることが大切である、こういうふうに、これは平成二十七年三月二十七日の参議院予算委員会ですが、述べられております。

 慰安婦の問題について、韓国政府の対応は先ほど言いましたように私は非常に問題があるというふうに思いますが、だからといって、かつて慰安婦であった皆さんに対して重大な人権侵害があったという事実は、これはしっかり踏まえて考えていかなければならないというふうに思います。

 今回、日韓合意に基づいて、韓国側の財団から日本側が出資した十億円の一部を受け取って、そして、もちろんそれで全て納得したわけではないにしても、理解し、受け取られた方も、私が知るところでは、約七割の方がそういう対応をされたというふうに聞いているわけであります。

 そういう方々に対して、日本政府として何かすることはありますか。かつては総理の手紙などが発出されたりしたわけですけれども、いかがですか。

河野国務大臣 日韓合意は、最終的かつ不可逆的な両国間の合意でございます。日本政府としては、日本政府がやるべきことを誠実に履行してまいりました。

 我々としては、韓国政府にこの合意の履行を着実にお願いする、そういうところでございます。

岡田分科員 この問題、韓国政府に対していろいろな批判、あるいは約束が違う、そういうことになるわけですけれども、しかし、そのことがやはり女性の人権に対する重大な侵害をかつて行ったという本質を失わせるようなことがあってはならない、そのことは我々は忘れてはならないというふうに思いますけれども、もう一度大臣の御答弁を聞きたいと思います。

河野国務大臣 この日韓合意について申し上げれば、日本側は約束したことを全て誠実に既に実行してまいりました。我々としては、韓国側にもこの最終的かつ不可逆的な合意としての日韓合意を誠実に履行していただきたいと思っております。

岡田分科員 それでは次に、気候変動の問題について。

 外務省で有識者会合を設けられて、気候変動の問題について議論が行われております。現在承知している現段階での提言では、私は、書かれていることはおおむね私自身の考え方と一致しているというふうに思っているわけですが、大臣は現時点でどのように受けとめておられますか。

河野国務大臣 かつて我が国は、太陽光発電あるいは太陽熱の利用といったことで世界の最先端を走っていた時期がございます。だんだんと世界の中でおくれをとるようになったことは非常に残念だということは、先般、アブダビのIRENAの会合でも申し上げたとおりでございます。

 この気候変動の問題が、今、外交をやる上でも非常に大きなテーマになっております。気候変動によって国そのものがなくなりかねないという国もあれば、気候変動による自然災害の影響を我が国を含め大きく受けるようになっている。世界の中でこの気候変動に関する外交というのは非常に大事ですし、どうこれに人類として対応していくかというのは世界共通の課題だというふうに思っております。

 そんな中で、これから外務省としてこの気候変動あるいはエネルギー分野における外交にどのように取り組んだらいいかということで、最新の国際的な動向を踏まえ、幅広いデータを収集した上で提言をしていただきたいということで、有識者の皆さんに議論をしていただきました。お忙しい方々に本当に精力的に、一月の第一回目の会合から毎週一回のペースで議論をしていただいて、気候変動対策として、世界を先導する新しいエネルギー外交についての提言を取りまとめていただきました。

 さまざま有益な示唆をいただいたというふうに認識をしておりますので、政府内での議論の参考にさせていただきたいと思っております。

岡田分科員 私は、最後におっしゃった参考にしたいという言葉が少し軽過ぎはしないかと。せっかくいい提言が出てきた。そういう提言が出てくるであろうということは、議論する人の人選は当然大臣が中心になって外務省でやられたと思いますので、こういう提言が出てくるのは当然予想されたというふうにも思うわけですね。それを単に参考にするだけなのか、それとも、今回の提言というものが反映されるように政府の中でもしっかりリーダーシップを発揮していくという、そういう決意が示されるのが私は普通だと思うんですが、参考というのは余りにも軽過ぎませんか。

河野国務大臣 私が経済産業大臣ならこの場でいろいろ申し上げるところは多々あると思いますが、日本のエネルギー政策は一義的には経済産業省の所管でございますので、外務省としては、政府内のこれからの議論の中で、いただいた提言をもとに、政府内、さまざま議論をしていきたいというふうに思っているところでございます。

岡田分科員 先ほど、気候変動に関する外交、あるいはエネルギー外交と言われましたが、そこの基本的所管は外務省ですよね。国内のエネルギー政策については、あるいは気候変動については経産省であったり環境省であったりするわけですが、外交の部分をつかさどるのは大臣ですから、もう少し強く言っていいんじゃないですか。

河野国務大臣 おっしゃるように、気候変動あるいはエネルギーに関する外交政策というのは外務省が所管をするところでございます。

 ただ、これは国内の政策と全くかけ離れていいというものでもございませんし、この気候変動あるいはエネルギーに関する外交というのは、再生可能エネルギーをどういうふうにしていくのか、あるいは化石燃料をどのようにしていくのか、省エネをどのように進めていくのか、これは国内のさまざまな施策と裏表のところもございますので、外交だからといって外務大臣が一人で突っ走るということはできません。ここは、政府内でしっかり連携をとりながら進めてまいりたいと思っております。

岡田分科員 確かに、今、日本の国内での議論、環境省と経済産業省はかなり開きがあるというふうに思うんですが、私から見ていると、世界の大きな流れの中で孤立しているというか、かなり流れに乗りおくれているというふうに思えるわけですね。そこをどうやって変えていくか。

 今回、この提言が一つそのてこになるのかもしれませんが、これはまさしく安倍政権の中での議論の問題だというふうに思うわけですが、どういう形でもう少し世界レベルに、今の認識あるいは政策を変えていこうというふうにお考えですか。

河野国務大臣 やはりこの問題を議論するためには、国際的な、しかも最新の動向をきちんと反映した議論をする必要があるんだと思います。十年前のデータはもうこの分野では古いデータで全く役に立たないわけですから、今何が起きているのか、今国際的にどういうことが行われているのかということをきちんと反映する議論をやっていくのが大事だと思います。

 今回提言をいただきましたが、この有識者会合には、提言をいただくだけでなく、きちんとした最新のデータの整備ということもお願いをしてございます。そういう幅広いデータを集めた上で、国際的な最新の動向を踏まえた議論というのを我が国としてやっていかなければならないというふうに思っておりますので、そこはしっかり対応してまいりたいと思います。

岡田分科員 先般、EUの気候変動問題に対する交渉官が日本に来られて、若干意見交換する機会があったんですが、大臣は、中国の気候変動問題に対する現状というのをどういうふうに捉えておられるのか。

 私の経験だと、十五年ぐらい前に議論したときは全くひどいものだったわけですが、ここ数年急速に変わってきたし、国内政策も含めて、実態もかなり変わってきている。そういう中で、例えばEUと中国とカナダが主催して関係閣僚会議をやったりとか、国際外交の面でも中国のリーダーシップが発揮されているようにも見えるんですが、この辺、どういうふうにお考えでしょうか。

河野国務大臣 中国は、CO2の排出が非常に大きい国でもありますし、また、北京を始め、PM二・五の問題、さまざまな問題を抱えていたわけでございます。中国の指導部もそうしたことをよく認識し、この数年間、再生可能エネルギーの導入量は極めて大きくなっている、極めて積極的に再生可能エネルギーを投入しているというところは評価に値するのではないかというふうに思っております。

 再生可能エネルギーへの投資が世界的に見ても非常にふえているということを考えると、この分野はやはり大きな新しい産業なんだろう。日本としても、中国に負けないように、しっかり各分野、各企業、頑張ってもらいたいと思います。

岡田分科員 経済産業省は、この気候変動問題について、日本の排出量は非常に限られている、したがって、日本の国内で温暖化ガスの排出を減らすことに重点を置くのではなくて、国際的にどう貢献するか、そこで地球規模で日本が貢献して温暖化ガスを減らすことが重要である、こういうふうに主張していると私は理解しているんです。

 ただ、やはり自国のことをきちんとやらずして世界の中でリーダーシップを発揮するというのは私はあり得ないというふうに思うんですが、そこのところについては大臣はどうお考えでしょうか。

河野国務大臣 経済産業省がどう考えているかというのは、これは経済産業省に直接お聞きをいただきたいというふうに思っておりますが、やはり国際社会の中で議論をするときに、自分が棚に上がって人のことばかり言っているのではこれはなかなか通らないというのは、一般論としてあり得るんだろうというふうに思います。

 いずれにいたしましても、これから政府部内でしっかり議論をしてまいりたいと思います。

岡田分科員 トランプ大統領のこの問題に対する考え方は、従来のオバマ政権とは百八十度変わったようにも思えるわけですけれども、そういったことについて、日本政府として、米国に対して当然言うべきことはあるというふうに思いますが、どのように外交上対応されていますか。

河野国務大臣 パリ協定にアメリカが入っているというのは非常に大切なことだと思います。アメリカがパリ協定を離脱するとトランプ大統領がおっしゃっていても、州政府あるいは自治体あるいは企業、積極的にこの気候変動問題に取り組もうというところが、やはりアメリカの市民社会の分厚いところ、企業の分厚いところなんだろうというふうに思っております。

 我々としても、このパリ協定の重要性をアメリカ政府にしっかりと理解してもらって、パリ協定の中にいることが決してアメリカの産業にとってマイナスになるのではない、むしろ、これをみんなでやることが人類の共通の未来につながっていくわけですし、アメリカの経済にもプラスにつながるんだということをしっかりとアメリカ政府に申し上げてまいりたいと思います。

岡田分科員 日米外相会談で、国務長官にそういう議論をされたことはありますか。

河野国務大臣 これまでは北朝鮮問題あるいはCTBTといったことが主体でございましたから、なかなかこの問題を議論するということがなかったのが現実でございます。

 今までは環境省あるいは経産省がさまざまな国際会議でいろいろな議論をしてきたと思いますが、今回こういう提言をいただきましたので、しっかりと政府部内で議論をした上で、外務省としても、気候変動問題、気候変動外交、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

岡田分科員 もう大臣も就任されて大分時間もたっているわけですから、その間、日米の外相会談も何回かやっておられるわけですから、もう少し早く、この問題についてもしっかり取り上げていただきたいというふうに思っております。

 それから、先ほどの提言の中で、原発に対して、「電力の安定供給のために、「ベースロード電源」として原子力や石炭が必要だという考え方は、すでに過去のものになっている。」こういう表現があるわけですが、ここは大臣も同じ認識ですか。

河野国務大臣 原子力発電あるいは電力の供給の状況について申し上げたいところはたくさんございますが、これは経済産業省が主管でございますので、政府部内でしっかりと議論してまいりたいと思います。

岡田分科員 大臣は、超党派の原発ゼロの会の共同代表として、今も務められているのかどうか、そこはちょっとわかりませんが、政治家としていろいろな発言をされてきました。もちろん、大臣になれば大臣の立場がありますので、それをそのままというわけにはいかないかもしれませんが、しかし、そこで全然違う考え方ということになると、これはやはり政治家としての信頼性を問われることになりかねない問題だと思います。それぐらいなら最初から言わなきゃいいじゃないか、こういうことになるわけですから。

 原発について、これは国内の問題ではありますが、当然エネルギー外交にも大きな影響があるわけですから、どういうふうにお考えか、考えをお聞かせいただきたいと思います。

河野国務大臣 河野太郎としての個人の意見は、何ら変わるところはございません。

 閣僚になりましたものですから、今、原発ゼロの会、毎週の世話人会はお休みをいただいているところでございます。

 行革担当大臣のときに、例えば「もんじゅ」の新規制基準対応の予算は、「もんじゅ」が動いていないのだから、これは意味がないと言って削除をして、それが「もんじゅ」の廃炉にもつながりましたし、あるいは使われていない開栄丸を廃止する、あるいはRETFについても、使うめどがないのだから、これに対して追加の予算をすべきでないということを申し上げて、そういう部分の予算を切ってきたということもございます。

 閣僚になれば、閣僚として、政府の一員として連帯責任を負わなければいけませんから、自分の思っていることだけを言うということはできないのは、岡田委員もよく御存じのとおりでございます。安倍内閣の一員として内閣の中で積極的に議論をし、河野太郎の意見がやがて内閣の意見になるようにしっかり頑張っていきたい。それは、議論として勝つところもあれば負けるところもあると思いますが、一つでも二つでも目指す方向に政府を動かしていくというのは大切なことだろうと思います。

 一議員としていろいろ意見を言うのも大事ですが、閣僚になれば、政府の一員として自分の所掌するところをしっかり動かすことができるわけですから、しっかりと頑張ってまいりたいと思います。

岡田分科員 原発の問題は直接の所掌ではないかもしれませんが、しかし、大臣というのは内閣に連帯して責任を負っているわけですから、所掌にあるないにかかわらず意見を言うことはできるわけですね。

 もちろん、今までと違いますから、外に向かってどんどん、大臣の今までの発言、私から見てもやや過激じゃないかというふうに思われるような発言をそのまま続けるということがいいとは思いません。しかし、そのエネルギー、情熱を持って閣内でしっかり議論をして、そして、一歩、二歩と言わず、原発政策についても、私は安倍内閣の原発政策については相当疑問を持っておりますが、しっかりリーダーシップを発揮していただきたい、そのこと、エールも送りながら、質問を終わりたいと思います。

柴山主査 これにて岡田克也君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして外務省所管についての質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

柴山主査 次に、法務省所管について政府から説明を聴取いたします。上川法務大臣。

上川国務大臣 平成三十年度法務省所管等予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 法務省は、法秩序の維持、国民の権利擁護などの任務の遂行を通じて、国民の皆様の安全、安心な生活を守るとともに、国民生活を取り巻く状況の変化に応じた新たな政策課題に取り組むため、現下の厳しい財政事情のもとではありますが、所要の予算の確保に努めております。

 法務省所管の一般会計予算額は、七千六百三十七億五千七百万円となっております。

 また、復興庁所管として計上されている法務省関係の東日本大震災復興特別会計予算額は、二十億二百万円となっております。

 何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

 なお、時間の関係もございますので、主査におかれましては、お手元に配付してあります印刷物を会議録に掲載されますようお願い申し上げます。

柴山主査 この際、お諮りいたします。

 ただいま上川法務大臣から申出がありましたとおり、法務省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柴山主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

柴山主査 以上をもちまして法務省所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

柴山主査 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井林辰憲君。

井林分科員 ありがとうございます。自由民主党の井林でございます。

 きょうは予算委員会第三分科会ということで、法務省関係の質問、最高裁にもおいでをいただいて、あと、私、財務金融委員会でも質問させていただいたんですけれども、ちょっと税のところで質問が足りなくて、ここは第三分科会ですので、税に関しても、最後に少し質問させていただきたいというふうに思っております。

 特に、上川大臣とは、私は選挙区が隣同士でございまして、日ごろから、私がお世話になる一方でございますけれども、お世話になっておりますので、ぜひこの分科会でも有意義な議論をさせていただければというふうに思っております。

 まず初めに、これは法務省所管というよりも最高裁になってしまうんですが、家庭裁判所について質問させていただきたいというふうに思います。

 まず初めに、家庭裁判所は、裁判所法三十一条の三第一項に規定されている裁判所でございます。下級裁判所ということでございますが、家庭裁判所と、簡易裁判所や地方裁判所と、扱う事件の違いというものについてまず御説明ください。

中村最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 家庭裁判所は、家庭の平和を維持し、少年の健全な育成を図るという理念のもとに、昭和二十四年一月に新たに設けられた裁判所でございます。地方裁判所や簡易裁判所という、同じく下級裁判所は、民事訴訟、刑事訴訟等を取り扱っておりますが、家庭裁判所では、夫婦関係や親子関係の紛争など家事事件について、調停や審判、あるいは非行のある少年の事件について審判を行っているところでございます。

井林分科員 ありがとうございます。

 家庭裁判所というのは、家庭の問題ですとか、特に子供の問題を、そして非行の問題を取り扱っていただいているということで、非常に重要な裁判所だというふうに思っております。

 この中で、私の地元に、静岡家庭裁判所に島田の出張所というのがございます。出張所というのもなかなか聞きなれない言葉ではあるんですけれども、出張所と言われているこの裁判所において扱う調停ですとか審判の事件、それぞれの新受件数とか、また、レクチャーのときに教えていただきましたけれども、判決が出切らないもの、未済件数というものがあるということでございますけれども、その推移について御説明いただきたいと思います。

中村最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 島田出張所に提起されました家事事件の、まず新受事件数ということでお答え申し上げます。

 平成二十九年の速報値ではございますが、審判事件が三千三百四十三件、調停事件が五百二十一件ということになっております。

 最近の推移ということの御質問もございましたので、最近の推移ということで申し上げますと、審判事件、平成二十七年は三千四十六件、二十八年は三千二百五十二件でございます。調停事件、同じく平成二十七年は六百四十九件、平成二十八年は五百五十六件ということでございます。

 未済事件につきましても御質問がございました。未済事件の関係でいいますと、最近の推移ということでございますと、具体的な数字ということで申し上げますと、平成二十七年から二十九年まで順次お答え申し上げますが、調停事件でいいますと、二十七年が二百八十九件、二十八年が二百七十六件、平成二十九年が二百四十二件ということで、未済事件は徐々に減っているところでございます。

 審判事件につきましては、平成二十七年が二百二十件、二十八年が二百五十五件、平成二十九年が百四十二件ということで、これも二十九年は大分減少しているというところでございます。

井林分科員 ありがとうございます。

 未済事件が減っているというのは大変好ましいことだというふうに思っております。

 減少しているというところだけ、今最高裁判所の方でお答えをいただきましたけれども、事前にいただいたデータだと、調停事件は新受、未済とも平成二十七年がピークなんですよね。そこから減少傾向になっている。これは実は、全国的に見ても平成二十七年がピークになっていまして、同じような傾向をたどっていて、この地域特有の問題ではないということ。それと、審判事件について新受件数は一貫して増加をしているということで、審判事件の未済件数も平成二十七年がピークですけれども、こちらも全国的にも平成二十七年がピークということで、これはやはりそれぞれの裁判所で働いていただいている裁判官、判事の方を含めた皆さんの御努力だというふうに思っております。

 ただ、家庭裁判所は、先ほどお話がありましたように、家庭の平和や少年の健全な育成、また、非行少年の事件ということで大変重要な責務を負っているのも事実だというふうに思っております。そして、子供の成長や女性、家庭での出来事というのは、やはり早急な対応が求められるということでございますので、だからこそ、未済件数というものはなるべくない方がいいですし、これが三桁残っているというのはやはり大きな問題でありますし、子供たちや家庭の平和ということについても大きな問題だというふうに思っております。

 そこで、そうはいっても、最後は、人がどれだけ来ていただいて事件を審判していただくかということでございますが、やはり人員の体制強化を通じて、審査をする、填補回数というんですかね、一週間当たりどれだけ審査するかというのを填補回数というそうでございますけれども、この填補回数について、静岡家庭裁判所の島田出張所の填補回数の推移を教えてください。

中村最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 家庭裁判所の出張所は、そこに裁判官が常に勤務しているわけでございませんので、本庁又は支部に勤務する裁判官がそこに填補、出張して、家事審判事件及び家事調停事件を行うということになっております。

 島田出張所につきましては、現在、平日の週五日のうち四日間、同じ裁判官が静岡家裁から出張して事件処理を行っているところでございます。今申し上げました週五日のうち四日間というのは、平成二十七年、事件がふえたと先ほど御指摘があったときですが、この平成二十七年に、それまでは週三回であったところを週四回にふやすということで変えたということでございます。

井林分科員 ありがとうございます。

 平成二十七年に填補回数をふやしていただいたということで、これは実際に調べてみると、平成二十七年七月ということで、今、大臣がいらっしゃっていますが、大臣が前回お務めをいただいたときの期間にぴったり合っているということで、地元としても大変感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 二十七年にふやしてもらって、またということもなかなか言いにくいのも現実なんですが、出張所というのは、実は私調べましたら、県内にもう一つ、熱海に出張所があるということでございますが、家庭裁判所の出張所というのは幾つぐらい全国にあって、先ほどの、受けた家事事件というんですかね、受けている事件の件数、この島田の出張所というのは、全国で大体何番目なんでしょうか。

中村最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 全国、まず、家庭裁判所の出張所は七十七庁ございます。

 ただ、家庭裁判所の出張所の中には、裁判官会議の議決によって事件の種類を一部に限ることができる出張所がございまして、七十七庁のうち二十庁につきましては、家事事件の受け付け等に関する事務のみを行っている庁がございます。

 それから、先ほどもう一つの御質問の島田出張所の事件の数が全国でどれぐらいかという御質問でございますが、新受事件の数でいいますと、島田出張所は全国で二番目に多いということで、出張所の中では一番多いのが千葉の市川出張所というところでございますが、それに次いで、調停事件、審判事件のいずれの事件数で見ても、二番目に多いということでございます。

    〔主査退席、山口(壯)主査代理着席〕

井林分科員 ありがとうございます。

 今回のこの質疑を通して、事前にいろいろ教えていただいて、私も多い、多いとは思っていたんですけれども、まさか全国二番目とは思っていなくて、ですので、やはり島田の出張所というのを基本的にはまずは支部にしっかりとしていただいて、常に裁判官がそこに、静岡から来ていただくんじゃなくて、常駐をしていただくという形を早急にとっていただきたいという思い。ほかの支部のところの件数は今回問いませんけれども、やはり横並びということを見ていただいても、全国二番目ということでございますので、やはりしっかりやってもらいたいと思いますし、最低でも、填補回数を早急に、週五日、常に審判を行える状況にすべきだというふうに思いますけれども、考えのほどをお聞かせください。

中村最高裁判所長官代理者 家庭裁判所の事件処理ということについての重要性、先ほど委員からも御指摘がありました。事件を一件、一件、適正迅速に処理するということは、裁判所にとって一番大事なことでございます。そのために必要なのは、体制の整備ということが一つでございますし、また、事件処理の運用面での改善ということもあわせてやっていかなければならないところでございます。

 二つ御指摘がありまして、まず、支部にすべきではないかというところでございますが、支部の配置、支部を含めた裁判所の配置というのは、やはり裁判所へのアクセスとか提供する司法サービスの質を総合した国民の利便性を確保するという観点から、人口動態でありますとか交通事情、事件動向、あるいは近時でありますとIT技術の進展等も考えながら、総合的な利便性の向上の見地から検討する必要があるというふうに考えておりまして、直ちに島田出張所を支部にということまでは、今、現時点では必要ないというふうには考えているところでございます。

 一方、填補回数のところでございますが、先ほど申し上げましたように、未済事件がかなり落ちついてきているというところもありまして、更に週四日から五日というところの必要性までは現時点では考えていないところではございますが、これもやはり事件動向や事件処理の現状を見つつ、今後とも、状況を注視しつつ、適正迅速な事件処理の支障がないように見ていきたいというふうに考えているところでございます。

井林分科員 ありがとうございます。

 きょう、この分科会は平成三十年度予算の審議なので、局長もこれぐらいのお答えが限界かなというふうに思っておりますが、ぜひ、やはり全国二番目の出張所でありますので、子供の人権ということ、そしてまた家庭の問題、いろいろあります。ニュースで報道されているいろいろな問題が出てきていますので、やはり全国で二番目に多いというのは、しっかり考えていただきたい。

 きょう法務大臣がいらっしゃいますけれども、運用は最高裁でやられるかもしれませんけれども、組織、定員の要求は法務省さんを通じて行われるということでございますので、きょうは答弁を求めませんけれども、ぜひ、大臣にも今後とも大きなお力をいただきたいということをお願いをさせていただいて、大きくうなずいていただいていることで、私、感謝を申し上げたい。わかりました。アイコンタクトでやらせていただきました。

 次に、外国人観光客がふえておりまして、今、この国会でも、新しい新税、数十年ぶりと言われている新税の議論も始まっていまして、出国税ということで始まっております。それぐらい、今、外国人観光客を含めた外国人の出入りの方がふえてきているんですが、これも静岡県の話なんですが、富士山静岡空港というのがございまして、これを管轄するのが名古屋入国管理局の静岡出張所ということでございます。

 まずは、富士山静岡空港における外国人の入国者数の推移と、そして、審査の待ち時間の推移というのを教えていただきたいと思います。

和田政府参考人 お答えいたします。

 富士山静岡空港におきます過去五年間の外国人入国者数の推移を申し上げますと、平成二十五年には四万四千九百九十七人でありましたが、平成二十六年に七万二千六百八十一人、平成二十七年に十六万九千九百二人と急増いたしました。その後は若干減りまして、平成二十八年に十万七千八百八十人、二十九年はほぼ前年同数の十万八千五百四十二人でございます。

 また、過去五年間の最長入国審査待ち時間の推移でございますが、平成二十五年は三十八分、二十六年四十五分、二十七年三十五分、二十八年二十八分、二十九年二十二分でございます。

 なお、平成二十九年から審査待ち時間二十分以内の達成率の集計を開始しておりますが、年平均九〇%の達成率となっております。

 入国管理局といたしましては、引き続き円滑な審査に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

井林分科員 大変円滑な審査を行っていただいているということで感謝を申し上げたいというふうに思います。

 ただ、入国管理局の静岡出張所というのは、空港の入国審査だけではなくて、静岡県の在留外国人のさまざまな申請手続も一緒に行っていただいているということでございますが、静岡県の在留外国人の推移、そして在留資格諸申請、この推移を教えてください。

和田政府参考人 お答えいたします。

 静岡県におきます在留外国人の人数は、平成二十五年末現在で七万五千四百六十七人、二十六年末が七万五千百十五人、二十七年末が七万六千八十一人、二十八年末が七万九千八百三十六人、統計の関係で二十九年は六月末でございますが、八万三千九十三人ということでございまして、近年増加傾向にございます。

 また、在留資格関係諸申請には、本邦に在留する外国人からの資格取得、期間更新、資格変更、資格外活動、再入国及び永住の許可に係る申請がございます。

 静岡出張所におきますそれら申請の新規受理件数でございますが、平成二十五年が一万七百九十三件、二十六年が一万一千四百四十五件、二十七年が一万一千三百十六件、二十八年が一万一千七百七十一件となっておりまして、これらの数字も在留外国人の増加に伴い、近年増加が見られるところでございます。

井林分科員 ありがとうございます。仕事が徐々にふえてきているということでございます。

 大臣御存じのように、二〇一七年の静岡市の人口が四十七年ぶりに四百八十八人の転入超過になったということが報道されておりますが、これは、社会増減を見ると、日本人は残念ながら、二〇一六年の七百九十一人の減から二百七十人の減というふうになって、減少幅は小さくなっているんですけれども、やはり依然減少はしている。

 では、増加は何で起きているんだというと、結局、六百十六人の転入超過になっている外国人が全体を押し上げているということで、やはり人口こそ地域の活力ということを考えれば、今後在留外国人の方にしっかりとケアをしていくことも非常に重要でありますし、今の人手不足の状況や経済の動向を考えれば、この傾向は更に継続又は強まっていくということが自然に考えられるというふうに思っておりまして、さまざまな手続もふえてくるんだろうというふうに思っております。

 そうした事務を行っていただいている静岡の出張所でございますけれども、職員の人数の推移、入国審査官の推移と、大体何番目ぐらいに大きい出張所なのかというのも教えていただけますか。

和田政府参考人 お答えいたします。

 名古屋入国管理局静岡出張所の職員数でございますが、同出張所の入国審査官の数は、平成二十五年度十三人でございましたが、平成二十六年度におきましては、当初増員の二名に加えまして、年度途中の緊急増員二名が措置されまして十七名となり、平成二十七年度におきましては、当初増員の二名に加えまして、年度途中の緊急増員三人が措置されまして、同年度以降は二十二人となっております。

 全国の出張所の中における静岡出張所の入国審査官数の規模でございますが、入国管理局には、地方入国管理局及び支局に合計六十一の出張所がございます。現在、新千歳空港、福岡空港及び那覇空港といった主要空港を管轄する出張所及び博多港を管轄する博多港出張所に次ぎまして、静岡の出張所は大規模な出張所となっておるところでございます。

井林分科員 ありがとうございます。ということは、全国で五番目の非常に大きい出張所だということで、大変膨大な事務を行っていただいているということであります。

 前回の増員は平成二十七年四月と二十七年七月ということで、これもまた上川大臣が前回法務大臣をしていただいたころに増員をいただいているということでございまして、おかげで待ち時間も減ってきていますし、人数はふえてきていますけれども待ち時間が減っているというのは、これは職員の方もなれてきていただいたり、現場で運用を工夫していただいているということだと思います。

 ただ、平成三十年十月には、富士山静岡空港旅客ターミナルビルの増改築が完成をする予定であります。現状では一時間に一便のピークの受入れが、今度は一時間に三便になってまいります。また、現状ではムスリム対応も未対応ですが、これも男女別で二室整備される予定になっております。

 離発着回数が飛躍的に増大しますし、ピークが三倍になるということは、たとえ人数が変わらなくても、三倍の人がどっと押し寄せる可能性があるということでございますので、さらなる人員対応をしなければいけないし、これは、インフラでビルだけ建てればいいという問題じゃなくて、やはり入国審査官の数もしっかり対応していただかなきゃいけないというふうに思っております。

 前回法務大臣のときにも大幅な増員を実現していただいた上川法務大臣に、今後の富士山静岡空港を所管する名古屋の入国管理局静岡出張所の人員増加について対応すべきではないかというふうに思っていますが、所感というか思いをお聞かせください。

上川国務大臣 井林委員におかれましては、富士山静岡空港につきましても、インバウンド増に対応して、地方創生の観点からも大変なる御尽力をいただいてきたということに対しましても、心から敬意を表したいというふうに存じます。

 ただいまの御質問でございますが、日本がインバウンド、それこそ二〇二〇年また三〇年と、四千万、六千万と大きな目標を掲げながら、多くのお客様に、そして丁寧におもてなしをしていく、そういう中で、この入国の審査のあり方につきましても、大きな御関心を寄せていただきながら、迅速な審査に努めてまいったところでございます。

 そのための体制づくりということにつきましては、ここ三年間で計七百四十一人の入国審査官の増員措置を図ってきたところでございます。

 また、名古屋の入国管理局静岡出張所におきましても、富士山静岡空港、先ほどトレンドがございました、また、待ち時間については大幅にトップのレベルまで、大変、入国審査のスムーズさということについては評価をいただいているところでございますので、そうした目標をしっかりとクリアすることができるような体制ということについては、今後ともしっかりと検討した上で対応をしてまいりたいというふうに思っております。その意味で、必要な人的体制の整備等につきましても適切に行ってまいりたいというふうに思っております。

井林分科員 ありがとうございます。

 ぜひこれはよろしくお願い申し上げたいというふうに思いますし、前回、やはり大臣のときに非常に大きな増員を実現をしていただいたので、地元からも非常に大きな期待がひしひしと寄せられているということを最後にお伝えをしたいと思います。

 最後にちょっと財務省と国税庁にお伺いをしたいと思うんですが、時間の関係でばばっと走らせてもらって、源泉徴収をした所得税及び復興特別税の納付という問題について最後にお伺いをしたいと思います。

 これは、源泉徴収をした所得税につきましては、これは、地方税はちょっと、特別住民税の特別徴収は今回は割愛させていただいて、源泉徴収をした場合、基本的には翌月の十日までに納付をしていただくと。支給人員というか、給与の支給人員が十人未満である場合については年二回、これは七月十日と翌年の一月二十日にということで特例をつくっていただいているということでございます。

 ただ、これは、毎月納付をするという方については、毎月、当然事務が出てきております。やはりさまざまな方から、毎月納付で十日に納付するのはいいんですが、せめてゴールデンウイーク明けと正月明けだけは二十日にできないのか、特別納付については二十日にできているんだから、そこのところは少し検討していただけないかということであります。

 税法は一応閣法ということでございますので、政府の考えをお聞かせください。

田島政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員の方から仕組み等について御説明いただきまして、その上で、ほかの全ての事業者について、せめて一月と五月というお話でございました。

 そもそものお話で恐縮でございますけれども、給与等の源泉所得税は、その名のとおり給与を支払った時点で源泉徴収されることから、納付するまでは国に対する預り金という性質を持ってございます。したがいまして、本来、その預かる期間を極力短くして遅滞なく納付していただくという要請がございまして、そのもとで期限を定めているところでございます。

 それで、この毎月十日というものは、そうした要請の中で、納付に係る書類の作成の事務負担を考慮し、決められているところでございますが、委員御指摘のとおり、休日の多い月もございますけれども、源泉徴収制度が創設されたのは昭和十五年でございまして、その時点から納付期限は翌月十日ということでございますから、当時と比べまして、昨今の事務機器の発達などで事務処理効率が上がっているということなどを考慮いたしますと、現行の十日を更に延ばすべきとの御指摘については、なかなか慎重な検討が必要である、そのように考えてございます。

井林分科員 ありがとうございます。

 これは、去年の党の議論でもお願いしたんですけれども、なかなかやはり最初は厳しいんです。まず、俎上に上げるということでこういうお願いをしているし、税理士や税理士事務所で働く方々や企業の経理担当の方からは、やはり年末は年末調整とかぶるし、そしてハッピーマンデー法も出てきてかなり休みも固まっている、ゴールデンウイークもあるということです。

 特に、来年二〇一九年は、四月から五月にかけて天皇陛下の御譲位と、そしてまた御即位の大礼というのも予定をされていて、報道によれば九連休、土曜日も週休二日でと考えれば十連休というふうになります。天皇陛下の御譲位や皇太子殿下の御即位を国民を挙げて祝福ムードにする際には、先ほど申し上げた税理士や税理士事務所で働く方々や企業の経理担当者も、しっかりとこれはお休みをいただいて、時間をとっていただいて祝賀ムードを高めていくというのも、これはやはり大きな政府としての役割ではないかなというふうに思います。

 これは、もう一回聞きますよということで通告したので、二〇一九年のゴールデンウイーク明けだけでも考えられないかということ、慎重に考えていると二〇一九年が来てしまいますので、もう一回答弁をお願いします。

田島政府参考人 お答えいたします。

 来年五月に限りというお尋ねでございます。一定の小規模事業者におかれましては、特例の適用を受ければ、そこはある程度緩和されているというふうに考えてございます。

 それ以外にも配慮が必要ではないかという点につきましても、繰り返しになりますので申し上げませんが、ただし、委員の御指摘に関しましては、そもそも一般論としては、事業者の方々の税務手続に係る事務負担等に配慮が必要ということでもあろうかと思います。

 今後とも、事業者の方々にとって利便性の高い納税環境の実現を図ってまいりたいと考えてございます。

井林分科員 ありがとうございました。

 それぞれの課題について、しっかり検討していただきたいし、これから議論の俎上にのっていくものもありますので、ぜひ、政府におきましては、それぞれの場で全力を尽くしていただきたいということをお願い申し上げまして、最後に上川大臣の今後の御活躍を心からお祈りを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

山口(壯)主査代理 これにて井林辰憲君の質疑は終了いたしました。

    〔山口(壯)主査代理退席、主査着席〕

柴山主査 次に、村上史好君。

村上(史)分科員 立憲民主党の村上史好でございます。

 きょうは、難民申請者の置かれている状況、また国連の拷問禁止委員会からの勧告などを踏まえて、人権問題に対する諸問題について大臣並びに法務省の見解を伺っていきたいと思います。

 まず、難民申請の現状でございますけれども、昨年、二〇一七年の難民申請数は一万九千六百二十八人でございます。ここ数年、過去最高を更新し続けておりますけれども、この理由、また背景についてまずお伺いをしたいと思います。

和田政府参考人 お答えいたします。

 近年、御指摘のとおり、難民認定申請数が急増しておりまして、昨年の申請数は、速報値で、ただいま御指摘がありましたとおり一万九千六百二十八人で、一昨年の一・八倍で、過去最高となっております。

 昨年、特に数が伸びましたのは、フィリピン、ベトナム及びスリランカから来た人々の申請でございますが、これらの国々において大量の難民を生じさせるような事情はないものと認識しておるところでございます。

 また、その主張内容を見ますと、申請の中には、借金問題など明らかに難民とは認められない申立てを行う者、難民と認定しない処分を受けたにもかかわらず申請を繰り返す者のほか、よりよい条件で就労することを目的として実習先から失踪した技能実習生による申請などが相当数存在しているところでございます。

 このような状況から、申請数急増の主な原因は、平成二十二年三月に、正規在留者が難民認定申請をした場合、申請から六カ月経過後、一律に就労を許可する運用に変更したことにより、就労を目的とする申請者によって難民認定制度が濫用、誤用されていることにあると認識しているところでございます。

村上(史)分科員 ありがとうございます。

 難民申請者の中には、本当に法的な庇護、人権を守らなければならない方々も相当数いらっしゃると思います。もちろんほかの目的で申請を出す場合もあろうかと思いますけれども、人権を守るという立場からいえば、たとえ少数であっても庇護が必要な方にやはり焦点を当てていく必要があるというふうに思います。

 そういう申請がたくさんふえている状況の中で、一方では、認定数は全くふえていない、ほぼ横ばいという状況でございます。二〇一七年で二十人、認定率で〇・一%、二〇一六年は二十六人で〇・三%ということで、低い数字で推移をしております。そういう関係もございまして、拷問禁止委員会からは勧告が出て指摘もされております。

 それでは、なぜ認定が少ないのか、また、この委員会からの勧告、指摘について大臣はどのように受けとめておられるのか、お尋ねをしたいと思います。

上川国務大臣 まず、現状をどのように認識するかということでございますけれども、我が国におきましては、国際問題化をしている欧州の難民状況と異なりまして、シリア、アフガニスタン、イラクのような大量の難民あるいは避難民を生じさせるような国の出身者からの難民認定申請につきまして、大変少ない状況にございます。

 他方、先ほど入国管理局長が答弁したとおりでございまして、就労等を目的とすると思われるような、濫用、誤用的な申請が相当数見受けられるというのも特色の一つとなっております。

 難民認定は、そもそも、難民条約等に規定する難民の定義に申請者が該当するか否かを判断するものということでございまして、欧州等とのこのような状況の違いが難民認定数等の違いの背景にあるというふうに考えているところでございます。

 難民認定数に関する認識ということでございますが、申請者が難民条約上の難民に該当するか否かにつきまして、法務省といたしまして、個別に審査をしっかりとした上で、難民と認定すべき者を最終的に認定しているわけでございます。難民認定数が今二十人ということでございますが、これは個別に判断をした結果でございます。

 先ほど御指摘の拷問禁止委員会の勧告でございますが、この御指摘がどのような事情でということについて明らかではございませんが、法務省といたしましては、従来より、この難民条約上の難民への該当性の判断、また人道配慮による在留の判断、これにつきまして適正に行っておりまして、引き続き、真に庇護を必要とする者の迅速かつ確実な保護を図ってまいりたいというふうに考えております。

村上(史)分科員 ありがとうございます。

 諸外国と単純に比較をして多い少ないと言うのは、今大臣がおっしゃったように、出国する国によってもちろん数も違いますし内容も違ってくるということは承知はしているんですけれども、ただ、勧告の中を見ますと、やはり日本の認定数が低い状態で推移している、そのことに対する懸念だと思いますので、この指摘に対しても重く受けとめて対応していただければなというふうにお願いしたいと思います。

 先ほど、申請者が一万九千余り、昨年より一・八倍という状況で、激増いたしております。その結果、審査に影響が出ているんじゃないかという危惧があるんですけれども、その点はいかがでしょうか。

和田政府参考人 お答えいたします。

 難民認定申請の急増によりまして、確かに未処理の数が急増いたしております。また、処理期間も長期化しております。これに伴いまして、真に庇護が必要な申請者からの申請を見出しまして処理するために時間を要しているという状態にございまして、迅速な保護に支障が生じている状態であるというふうに認識しているところでございます。

村上(史)分科員 平成十年の三月の改正によって、申請してから六カ月から日本で一律就労ができるということで改正をしたわけでございますけれども、そういうことで、恐らくふえるであろうということは十分予測できたのではないかな。そういう状況を踏まえて、本当に収容施設は足りているのか。また、それによって申請者がふえる、また収容者がふえるという中で、職員の負担が大きくなっているのではないか。また、常勤の医師、なかなか確保は難しいと聞いております。

 そういう中で、収容者の居住の環境、あるいは人権の保護にも影響が出ているのではないかなというふうに推察をいたしますけれども、その点についていかがでしょうか。

和田政府参考人 まず、難民認定申請者がこれほどまでに急増することは当時予測はしていなかったと思うんですが、また、難民認定申請をされた方が全て収容されるというわけでもございません。したがいまして、収容者数がそれほど急激に増大しているという状況にあるわけではございませんが、いずれにいたしましても、収容に対してはきちんとした体制をとるように努めているところでございます。

 なお、医療の関係でございますが、御指摘のとおり、常勤医師の確保には大変苦慮しているというのが実情でございます。しかしながら、近隣の医療機関の協力を得て、非常勤の医師に交代で日々来診していただいているほか、規模の大きな収容施設では常勤の看護師を確保するとともに、毎年数名ずつの入国警備官に准看護師資格を取得させるなど、被収容者の医療の提供にも万全を尽くすよう最大限努めているところでございまして、いずれにいたしましても、医療体制、人的体制につきまして、所要の体制及び人員の確保に今後とも努めてまいりたいと考えているところでございます。

村上(史)分科員 ありがとうございます。

 施設の状況を改善するということも、収容者の住居環境を整える、また、それによって過酷な負担を与えないという視点からも、これはきっちりと今後も整備をしていただきたいなというふうに思っております。

 また、拷問禁止委員会の勧告にもございますけれども、入管収容施設のほか、収容に代替する措置として、仮放免等の活用及び収容期間の短縮というものも指摘をされております。より一層、その点での取組が必要となってくるのではないかなというふうに思いますが、その点についての御見解を伺います。

和田政府参考人 お答えいたします。

 退去強制令書の発付されました外国人の方は、そのほとんどがみずからの意思で帰国することを選択いたしておりますが、近年、我が国での稼働でありますとか定住を意図して、送還されることをかたくなに拒否し続ける被収容者が相当数存在し、収容期間が長期化しているという状況はございます。

 健康上の問題で治療が必要な場合、あるいは難民認定申請、訴訟の提起、旅券の取得が困難であるなどの事情を有するため、速やかな送還の見込みが立たないような場合には、現在におきましても、仮放免制度を弾力的に活用することにより、収容の長期化をできるだけ回避するよう対応はしております。

 しかしながら、そのような場合でありましても、難民認定申請を行ったとか訴訟の提起をしたから必ず仮放免が認められるというものではなく、退去強制事由に該当するに至った経緯を踏まえまして、逃亡のおそれがあるなど送還を優先すべき事情がある場合には、収容を継続せざるを得ないものと考えております。

 いずれにいたしましても、個別の事案に応じ、適切に仮放免の是非を判断しておるところでございます。

村上(史)分科員 それと、先般、報道によりますと、ことしの一月十五日から新たな運用を開始したという報道がございました。この内容について、また目的についてお伺いをいたします。

和田政府参考人 お尋ねのとおり、当局では、難民認定制度のさらなる運用の見直しを行いまして、本年の一月十五日から実施いたしております。

 その内容でございますが、我が国に正規に在留する者が難民認定申請した場合の在留資格、特定活動の運用を変更し、難民である可能性が高い申請者など真に庇護が必要な者に対しては、そのことが判明次第、就労を認めることにより、これまでより迅速な保護を図ることといたしております。

 他方、借金問題のような、難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない事情を申し立てるなど、濫用、誤用的な申請を行っている申請者に対しては在留を認めない措置をとり、また、失踪した技能実習生など、本来の在留資格に該当する活動を行わなくなった後に難民認定申請をした者などに対しては、就労を認めない措置をとることといたしました。

 その目的でございますが、今回の見直しは、濫用、誤用的な難民認定申請が急増し、真の難民の迅速な保護に支障が生じる状態になっていることから、真に庇護を必要とする外国人の迅速な保護を図りつつ、濫用、誤用的な申請を抑制し、難民認定制度の適正化を促進することを目的としているものでございます。

村上(史)分科員 ありがとうございました。

 本来の審査を円滑に進めていくため、明らかに庇護が必要でない方々に対しては遠慮願うというようなことで、本来必要なところに、認定も含めて対応していきたいという趣旨だと思います。

 次に、難民申請手続、審査等についてお伺いをしていきたいと思います。

 先般、法務省に問い合わせたところ、今からちょっと読ませていただきますけれども、福山大阪入管局長が、退去強制令書を発付された者は速やかに送還することが法に定められており、これは、退去強制令書による収容は、送還イコール帰国を前提としたものである、よって、仮放免は極めて例外的な措置にすぎない、そして、仮放免の可否は、個別の事情に判断するものであり、収容期間の長いことをもって許可となるものではない、また、仮放免者の中には要件に違反して働いたり犯罪を引き起こす者が後を絶たず、おのずと仮放免許可は厳しくなると述べたことを法務局の方では承知をしているというふうに伺っております。

 この、仮放免は極めて例外的な措置という言葉と真逆に、平成二十八年九月二十八日の井上入管局長名の通達では、旅券取得困難など送還に支障のある事情を有するために送還の見込みが立たない者については、さらなる仮放免の活用を図ると書かれております。まさに、大阪の局長が言っていることと通達とは真逆の状況にあるんじゃないか、これは整合性がとれているんだろうか、そのように危惧をするところであります。

 最近の大阪の仮放免実務に照らして、具体的にこの件に対して説明をいただきたいと思います。

和田政府参考人 まず、仮放免の運用に当たりましては、仮放免の許否は、本人からの請求などに基づき、個別の事案ごとに諸般の事情を総合的に勘案して判断されるものでありまして、許否に関しまして基準というものがあるわけではございませんが、その許否判断に当たって考慮すべき事項というものは、出入国管理及び難民認定法五十四条第二項及び内部通達でございます仮放免取扱要領において定められているところでございます。

 先ほど御指摘のございました入国管理局長名の指示文書でございますが、これは、仮放免の許否判断に当たりまして、昨今の仮放免をめぐる状況に鑑み、仮放免の適正化に向けた積極的かつ厳格な運用を行うよう指示したものでございまして、その中には、傷病者はもとより、訴訟の提起、係属、難民認定申請中、旅券取得困難など送還に支障のある事情を有するために送還の見込みが立たない者については、さらなる仮放免の活用を図るとする一方で、送還の見込みが立たない被収容者であっても、仮放免することが適当でないと明らかに認められる者について、その仮放免の許否判断を慎重に行う必要があることは従前のとおりと明記しているところでございます。

 一方、お尋ねの大阪入国管理局の説明でございますが、これは、一部の被収容者から、仮放免の許可されない理由について局長からの説明を求める旨の申出があったことから、大阪入国管理局内で検討の上、仮放免制度の趣旨及び仮放免の許否判断について、担当職員が当該被収容者に理解しやすいように説明したものと承知しております。

 したがいまして、これらの間でそごが生じているとは考えておりませんが、仮放免の許否判断に当たりましては、被収容者の個別事情を考慮の上、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。

村上(史)分科員 ちょっと今の説明では納得しがたい部分があります。

 職員が、仮放免を申請しているけれどもなかなかおりないという方に対しての説明として伝えただけだということですけれども、ここまではっきり、仮放免は極めて例外的な措置なんだよということを相手に伝えるということ自体が、それはおかしいんじゃないかなというふうに思います。

 また、委員会の勧告に照らしますと、井上局長の立場の方が正しい判断だというふうに私は判断をいたしますし、一つ、認定の業務、いろいろ、今は本省でやると同時に各入管局でやっておられるということで、もちろん一律の基準の中でやっておられると思うんですけれども、その局長の、先ほど申し上げたような認識の中で、認定、認可に少なからぬ影響を与えているのではないかという懸念があるんですけれども、その点はどうでしょうか。これはちょっと通告していませんけれども、その点について。

和田政府参考人 さまざまな事情がございまして、大阪入国管理局の方からの説明があったわけでございまして、ただ、私どもといたしましては、井上局長が出しましたような通知等に基づきまして、いずれにしても、仮放免の運用について一律の許否に関する判断事由があるわけではございませんが、考慮すべきことについてはさまざまな事情、個別事情に応じて考慮していくべきであるということで考えているわけでございまして、その事情は、各地方局で、申請する者によってさまざまではございましょうが、しかしながら、こうした我々の内部通達等に基づいて許否を適切に行っているものというふうに考えているところでございます。

村上(史)分科員 ありがとうございます。

 それと、何度も指摘をされているんですけれども、被収容者数の増加に伴って収容が長期化しているという問題もございます。長期化することによって重大な人権抑止を行政がやっているのではないかという指摘もございます。結果として人権を制約しているのではないかという声もございます。

 法務局として、入管として、この収容期間、長期収容という自認というのはおありなんでしょうか。ルールがあるんでしょうか。何カ月以上は長期なんというような基準があるのかどうか、お尋ねします。

和田政府参考人 特に、収容期間につきまして、これ以上が長期であるというようなルールがあるわけではございません。

村上(史)分科員 ただ、再三引き合いに出しますけれども、委員会の勧告の中にも、長期化の問題はやはりきっちりと是正すべきだという指摘もあるということは事実だと思いますので、その点についてはきっちりと今後対応していただきたいなというふうに思います。

 次に、チャーター便強制送還についてお尋ねをいたします。

 平成三十年、つい先日ですけれども、二月八日、チャーター便強制送還の前日に難民不認定処分に係る不服申立て棄却を告知された者は十六人、また、平成二十六年の十二月十八日のチャーター便強制送還の前日に同様の告知を受けた者は二十六人となっております。

 こうした中、半ば強制的に、有無を言わさず飛行機に乗せて送還をするという状況だと、時間的な余裕がない状況の中で、裁判を起こしたいんだ、あるいは弁護士に連絡してほしいという声もあろうかと思いますが、その点について、実態をどのように把握されておられますか。

和田政府参考人 本年二月八日に実施されましたチャーター機による集団送還の実施に際しまして、難民認定手続に係る処分の告知を受けた被退去強制者の中で、弁護士に連絡したい、あるいは裁判を提起したいと申し出た者はおりませんでした。

 なお、例えば、送還の実施に際しまして処分取消しの訴えの提起があったとしても、行政事件訴訟法の規定により、裁判所による執行停止の決定が出されない限り、退去強制令書の執行は妨げられないものと法律上されておりますが、実際の実務におきましては、退去強制令書発付処分又は難民不認定処分の取消し訴訟が提起された場合には、裁判を受ける権利に配慮し、送還をしておらないところでございます。

村上(史)分科員 現実には、全て強制的に送還をしているわけじゃないという意味ですか。現実に、裁判を受ける権利を保障していますよということをおっしゃっているんですか。

和田政府参考人 我々としては、裁判を受ける権利に配慮しつつ、このような送還を行っているという理解でございます。

村上(史)分科員 事例はありますか。

和田政府参考人 今、手元に個別具体の事例を御紹介する用意はございませんが、先ほど申しましたように、現実に訴訟を提起されている方については、行政事件訴訟法上は退去強制処分を行うことの法律上の支障にはなりませんが、訴えの権利を考慮して送還をしていないという取扱いをしているという実情でございます。

村上(史)分科員 ありがとうございます。

 それでは最後に、難民申請の立証責任は本人にあるわけでございます。ただ、立証する側の経済的な裏づけというのはなかなかないというふうに思います。証明するために国際電話をかけたり、あるいは証拠書類を整えたり、また翻訳などにも多額の費用が必要となってまいります。

 そういう中で、弁護士会の方では、無料法律相談などを通じて援助しておるというふうに思っておりますけれども、これにもやはり限界があると思います。

 そういう面で、証明をする側の経済的な、財政的な支援というものも考えていく必要があるのではないか、平等な形で申請手続ができるように保障していくことも大事なことではないかなというふうに思いますが、その点についていかがでしょうか。

和田政府参考人 御指摘のとおり、出入国管理及び難民認定法上、難民であることの立証責任は申請者の方が負っておられます。

 したがいまして、原則といたしましては、申請者が難民であることの立証のために資料等を提出しようとする場合、それに要する費用は申請者の本人負担になるべきものと考えておりますが、迫害のおそれから逃れてくる方々の中には、証拠類の不足等のために十分な立証を行うことができないという場合もあろうかと思います。申請者による難民該当性の証明が十分でないことのみをもって難民の認定をしないこととしたのでは、そのような事情から適正な難民認定をすることができなくなるおそれがあるということは認識しているところでございまして、申請者の申し立てられる事実の有無について、必要に応じ難民調査官が職権による調査を行い、面接による事情聴取時の通訳の費用を国が負担しているところでございます。

 加えまして、実務におきましては、申請者が提出した難民認定申請書の翻訳費用は国が負担しておりますし、また、申請者が提出する申請書以外の資料の翻訳につきましても、申請者が経済的に困窮している場合には、資料の内容等に応じて国が翻訳の費用を負担している場合がございまして、申請者への配慮等を行っているものと承知しているところでございます。

村上(史)分科員 それでは最後に、総括的に大臣に御見解をいただきたいと思います。

 今、現状、そして審査手続等についてさまざまな質問をさせていただきました。御答弁もいただきました。ただ、これも繰り返しになりますけれども、拷問禁止委員会の勧告において、ノンルフルマン原則、これは、拷問されるおそれがある場合は強制送還してはだめよという原則なんですけれども、これに関する懸念の背景として、認定率の低さ、また長期収容の多さの指摘もございます。

 そもそも、先ほどの御答弁にもありましたけれども、長期収容についての定義や基準がないことも含めて、我が国として人権的な配慮を更に進める必要があると思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

上川国務大臣 先ほど来委員から御指摘ございました拷問禁止委員会でございますが、二回、これまで勧告等を受けているところでございます。一回目は、平成十九年の八月公表の結論及び勧告ということでありますし、また、平成二十五年六月にも公表を受けまして、日本の第二回の定期報告に関する最終見解、こういったものをお寄せいただいているところでございます。そのいずれにおきましても、収容期限の長さということについての御指摘をいただいております。

 今回、この難民の申請につきましては、先ほど来のお話のとおり、私の方から申し上げたとおりの日本の事情というか特性もございまして、一律にということにはなかなかなりにくい部分もございます。それぞれの難民、真の庇護する難民の皆さんをきちっと適正に、また確実に迅速に庇護することができるようにしていくためにも、手続面での取組につきましては、これからも、運用上の工夫を重ねながら、適切に対応できるように最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。

村上(史)分科員 ありがとうございました。

 最後に、我々日本にとって、人権の意識が高い、また人権を擁護する国だと評価されることは、国の品格を上げることになると思います。政府におかれましては、より一層人権に対する配慮、日本人であろうと外国人であろうと人権に配慮している国なんだという評価を高める努力をより一層いただきたいと思いますし、我々国会議員も一人一人が人権意識を高めていく必要がある、そのことを表明して、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

柴山主査 これにて村上史好君の質疑は終了いたしました。

 次に、神田憲次君。

神田(憲)分科員 皆様、長時間お疲れさまでございます。自民党の神田憲次でございます。

 本日は、限られた時間ですが、三十分という質問の機会を得ることができました。委員長にまずもって感謝申し上げますとともに、上川大臣におかれましては、長時間お疲れさまでございます。きょうはどうぞよろしくお願いを申し上げます。

 早速ですが、質問に入らせていただきます。

 まず、二〇二〇年に開催される国際犯罪防止刑事司法会議、コングレスに向けた法務省における取組について、法務大臣にお尋ねをしたいと存じます。

上川国務大臣 二〇二〇年でございます、大変重要な国連の犯罪防止刑事司法会議、コングレスが開催されることになりました。このコングレスは、犯罪防止、刑事司法分野におきまして国連の最大規模の国際会議でございます。我が国での開催は、何と五十年ぶりの開催となります。

 この日本開催に向けまして、私は、前回はカタールのコングレス、五年前に開催されているわけでございますが、当時、法務大臣としてこのカタール・コングレスにビデオメッセージを送らせていただきまして、積極的に日本への招致活動を推進し、そして決定をしていただくことができました。

 この間、会場につきましても、日本開催のうち、五十年前にも開催した京都市の国立京都国際会館に決定をしていただくことができまして、この国立京都国際会館につきましては、緑に囲まれました、また伝統と格式の高い施設であるということで、国際的には大変評価が高いものでございます。

 この京都のコングレスの全体テーマということでございますが、国連の持続可能な開発目標、二〇一五年に決定いただいたSDGs、これに深く関連しているところでございまして、我が国におきましては、これまで、アジア諸国に対して法制度整備支援、あるいは世界各国の刑事司法実務家を対象とした研修を長きにわたり実施してまいりました。こうした地道な法の支配の浸透に向けた取組でございます。これがSDGsとも関係が大変深くなってきているところでございます。

 京都コングレスに向けましては、こうしたソフトパワーとしての司法外交、これを積極的に展開するとともに、京都コングレスの本番におきまして、世界じゅうからこの分野の専門家の方々に、我が国のたゆまぬ努力の結実としての民主主義国家としての成熟、また法の支配の浸透、こうしたことを体感していただく、また、国内におきましても、安全、安心の社会の実現に向けた再犯防止、また、これを支える法遵守の文化につきまして、国民的な関心を高める機会としていきたいというふうにも思っております。

 また、未来の担い手でありますユース、若者が活躍できるような企画、あるいは我が国の最先端のセキュリティー技術、これを世界各国にアピールできる企画、これを積極的に検討してまいりたいというふうに考えております。

 そのために、コングレスの事務局が、国連薬物犯罪事務所、UNODC、これを始めといたしまして、さまざまな機関に協力いただいてということでありまして、また、開催地であります京都府、京都市、会場、また関係省庁等と連携をしながら、着実な準備を二〇二〇年に向けて推進してまいりたいと考えております。

神田(憲)分科員 ありがとうございます。

 開催される地が京都、本当に日本のシンボリックな都市ですし、それからさらには、日本がセキュリティーの高い国、そしてセキュリティー水準の高い国を国外に、世界に知らしめるという意味でも非常に重要な会議かと思っております。

 私は、恥ずかしながらコングレスという司法会議というものを全く存じ上げませんでした。それで、きょう、ぜひとも上川大臣にお伺いをしてみようと思って、質問をさせていただきました。

 次に、相続税法についてお尋ねしたいと思います。

 先週の金曜日の法制審議会で、相続法分野の民法改正の要綱が決定いたし、相続法の見直しについて法務大臣への答申が行われました。今回の相続法分野の改正の意義について、法務大臣の考えをお尋ね申し上げます。

上川国務大臣 相続法の分野につきましては、昭和五十五年以来、実質的に大きな見直しはなされてきませんでしたけれども、この間、社会の高齢化が更に進展しております。また、相続開始時における配偶者の年齢も相対的に高齢化をしておりまして、その生活を保護すべき必要性、これが高まっているものと認識をしているところでございます。このような観点から、委員御指摘の要綱ができまして、配偶者の居住の権利を保護するための方策等が盛り込まれたところでございます。

 また、相続をめぐる紛争につきましては、一般に親族間の深い対立を招きやすい分野でございますし、このような紛争をできる限り回避する方策が求められているところでもございます。このような観点から、自筆証書遺言の方式を緩和することによりまして、遺言の利用を促進する等の方策も盛り込まれているところでございます。

 これらの改正項目、いずれも、高齢化社会の進展等の社会経済情勢の変化に対応するものでありまして、相続をめぐる国民生活の安定等にとりましても大変有用なものであるというふうに考えております。

神田(憲)分科員 今回の相続法の分野の見直し、今、大臣がお述べになりました、昭和五十五年以来の大きな改正であるということでございますが、この改正も、多岐にわたって改正が行われるというふうに聞いております。

 それで、相続法分野の民法改正に関する要綱のポイントについて、政府参考人にお尋ねいたします。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 法制審議会が答申しました要綱の概要でございますけれども、まず、被相続人の死亡によりまして、残された配偶者の生活への配慮等の観点からの見直しといたしまして、二つのものがございます。

 一つは、配偶者が亡くなるまで、あるいは一定期間、無償で被相続人の財産に属した建物の使用及び収益をすることができる権利、これを配偶者居住権といいますけれども、こういう権利を創設しまして、配偶者が遺産分割又は遺贈によりこれを取得することができることとしております。

 もう一つは、婚姻期間が二十年以上の夫婦間で居住用不動産の遺贈又は贈与がされた場合には、持ち戻し免除の意思表示があったものと推定することとしております。これは、実質的には遺産分割において配偶者の取り分をふやすことを狙いとするものでございます。

 次に、遺言の利用を促進し、相続をめぐる紛争を防止する等の観点から、自筆証書遺言の様式を緩和しまして、自筆証書に財産目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しないこととしますとともに、法務局において自筆証書遺言を保管する制度を創設することとしております。

 さらに、遺産の中に預貯金があるような場合には、遺産分割前でありましても、各共同相続人が、その預貯金のうち一定額については、ほかの共同相続人の同意を得ることなく単独で払戻しをすることができる制度を設けることとしております。

 このほかにも、御指摘のとおり、この要綱は改正項目が多岐にわたっております。遺留分制度の見直しですとか、あるいは、相続人以外の被相続人の親族が被相続人の療養看護等を行った場合には、一定の要件のもとで相続人に対して金銭請求をすることができるようにする、こういったような制度を設けるなどしております。

神田(憲)分科員 ありがとうございます。

 昨今の社会情勢を見ますと、遺産分割、相続におけるプロセスにおいて、なかなか相続人同士で話合いがつかず、どうしても裁判所へというような傾向がふえております。その紛争が少なくなるということが日本の仕組みから考えてもこれはよろしいのではないかと私みずからも思っておりますので、今回の改正がその紛争を減少させる方向に寄与することを期待するものであります。

 相続税法からは離れますが、次に、商業登記の電子化のこれまでの経緯及び現状の状況について、政府参考人にお尋ねいたします。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 商業登記の手続につきましては、平成十六年六月からオンラインで申請することが可能となっております。商業登記のオンライン利用率は、平成二十八年度の統計では五二・一%でございまして、年々向上しております。

 また、法務省では、平成二十九年六月、規制改革推進会議の行政手続部会取りまとめに従いまして、商業登記について、行政手続コスト二〇%削減のための基本計画を公表しております。今後は、この基本計画に従って、手続のオンライン化の徹底のために、オンライン申請の使い勝手の検証を行って、その改善を図ることとしております。また、こういうことによってさらなるオンライン利用率の向上を図ってまいりたいと考えております。

 また、平成三十年度から予定されております登記情報システムの更改におきまして、行政機関等に対してオンラインにより新たに設立された法人の登記情報を提供することを可能とするなどの行政機関間の情報連携のため、柔軟に対応する仕組みを構築することも予定しております。

神田(憲)分科員 ありがとうございます。

 広く国民にとって利用しやすく、そして簡易な手数料でというところ、開かれた法務ということになるのかと思います。

 そうした点で、次に、財務省さんへのお尋ねでございます。

 財務省におきましても、二〇一七年、昨年六月三十日、行政手続コストに関する削減に向けてということで部会取りまとめの意見が出ました。それで、行政手続コスト削減のための基本計画を策定しているかと承知しております。

 この規制改革推進会議においては、他省庁においても同じような取組が行われておるわけですけれども、財務省におきましては、所得税、法人税、消費税等の各税において規定をされておりまして、納税義務者が申請、納付、それから届出の各行為を行う必要がある、さらには、インターネット等を利用してオンラインで行うことが可能である、現状の利用率は、主要三税におきましては、オンライン申請の利用率が現状五〇%をおおむね超えているように把握をしておるわけです。

 削減方策といたしましては、出資金が一億円以上の大法人の法人税、消費税の電子申告の一〇〇%義務化が平成二十九年度より開始されておりますし、中小事業者の法人税、消費税の申告につきましては、電子申告利用率八八%以上の目標達成率に向けた取組ということを三十年度に向けて開始するというようなことになっているかと思います。

 そして、二〇一八年度の税制改正では、電子申告義務化については、資本金一億以下の法人を適用対象外といたしまして、一億以上の法人については、国税、地方税ともに、平成三十二年四月一日以降に開始する事業年度からの適用について現在審議中であるかと存じます。

 行政コストですから、コスト、コストとよく耳にするわけですが、コストとは、物の生産にかかる費用や広義の意味での値段ではなくて、ここの場合のコストといいますのは、物事を達成するためにかかる物理的な量のことを指すものでありましょうから、行政手続コストの削減を目指すのであれば、ここでやはり、法人税や消費税の申告というのは十二カ月に分散されますが、毎年一月に集中する年末調整の点についても取り組まなければならないと思っておるわけでございます。

 現在、確定申告が始まってちょうど一週間が経過したところではございますが、この前段で行われる年末調整の現状をまずお話しさせていただきます。

 まず、十一月の中下旬に、ですから、昨年の十一月の中旬から下旬にかけて、国、地方から年末調整にかかわる書類の一式が事業主さんたちに送付されてくるわけでございます。事業主さんの方は、給与データと、それから扶養家族の申請書及び各種証明書を収集いたしまして、それを税理士さんに頼んで年末調整を行う、行っていただく、こういったような流れになります。

 税理士さんの方では、年税額の過不足を計算して、年末調整を完了させると同時に、ここに納付という手続が生じるかと思います。

 ここから事務量がふえてくるわけですが、法定調書と言われます給与支払い報告書、それから十種類を超える各種の支払い調書を作成の上で、一月三十一日を期限として、これら作成した報告書類、調書等を所轄税務署の事業所所在地及びその従業員居住の自治体へ送付という手続が行われます。

 さらに、法人、個人の事業主さんの事業体については、償却資産税の申告書も営業の本店所在地に提出しなければならないという手続があります。

 この年末調整にかかわる書類につきましては、国及び地方に重複をする書類が存在をいたしまして、同種の書類の提出を求められるということになります。

 まず最初に、質問ですが、地方税との情報連携の徹底という点で、行政手続コストの削減のための基本方針にはワンスオンリーの原則という言葉がありますが、どのような意味でしょうか。

山名政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど先生からも御紹介がございましたけれども、昨年三月に策定されました規制改革推進会議の行政手続部会取りまとめにおきましては、行政手続簡素化の三原則として、デジタルファースト原則、ワンスオンリー原則、書式、様式の統一が掲げられているものと承知しております。

 このうち、ワンスオンリー原則につきましては、事業者が提出した情報について、同じ内容の情報を再び求めないという考え方が示されているものと承知しております。

神田(憲)分科員 先ほども申しましたが、これらの国、地方に提出する書類、重複する書類については、今、回答がございました、国と地方との情報連携によって一元化を推進するんだというお話ですが、まず、でき得るなら、これは、地方自治が施行されて以降、多年にわたってずっと続けられておることなので、早期に一元化できるように取り組めないものでしょうか。さらには、一元化を進めるための問題点はどこに存在するか、そして困難な点はどこなのか。お答えしていただける範囲で結構ですので、お願いを申し上げます。

山名政府参考人 お答え申し上げます。

 国、地方の電子的提出の一元化、いわゆるワンスオンリー化でございますけれども、これは、納税者利便の向上や、国、地方の行政の効率化を図る観点から重要であり、これまでも、例えば、給与、公的年金等の源泉徴収票及び支払い報告書の電子的提出の一元化などの取組を実施してきたところでございます。

 ただし、例えば、先ほど先生からも御指摘ございましたけれども、国、地方の情報連携のうち、法人税の減価償却資産の明細と償却資産に係る固定資産税の申告書の一元化について申し上げれば、法人税、固定資産税において、申告期限及び償却資産の償却方法が異なることなどの課題もございます。

 いずれにいたしましても、電子的提出の一元化を含め、税務手続の電子化につきましては、今後とも、経済社会のICT化の進展におくれることなく、必要な対応を進めてまいりたいと考えております。

神田(憲)分科員 それでは、一元化についてですが、どの程度削減と効率化を進めるか、追求していくかという点について御回答をお願いできればと存じます。

山名政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げました昨年三月の規制改革推進会議の行政手続部会の取りまとめにおきましては、政府全体としてでございますけれども、政府全体としては、二〇二〇年三月までに、事業者の行政手続コストの二〇%以上の削減を目指すこととされていると承知しております。

神田(憲)分科員 ありがとうございます。

 さらに、e―TaxというシステムとeLTAXというシステムが今存在します、国と地方において。この仕様の共通化を進めるということも記されておるようですが、先ほど来御答弁いただいていますように、始まったばかりの行政コストの削減と言ってもいいかと思います。

 そういった意味で、現状のワンスオンリーの進捗状況をどのような進捗状況だというふうに捉えていらっしゃいますか。

山名政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますけれども、国、地方の電子的提出の一元化につきましては、納税者利便の向上や、国、地方の行政の効率化を図る観点から重要であることから、先生から今御紹介がございましたけれども、e―TaxとeLTAXの仕様の共通化の推進の検討や、法人納税者の設立届出書等の一元化の検討などを現在進めているところでございます。

 今後も、総務省と調整しつつ、一元化が対応可能なものについては着実に進めてまいりたいと考えております。

神田(憲)分科員 ありがとうございます。

 確かに、税務は、一方で地方税の問題もございますので、総務省との連携ということも重要な点かと思います。

 そうした意味で、やはり、国、地方から事業主さんに対して送られてくる要提出書類、特に地方自治体においては、自治体別のレイアウトや、書く中身は国と横並びにもかかわらず、書式だけは国専用用紙というような形をとっておるケースも多うございます。

 そういった点では、それに関する印刷費であるとか、冒頭、年末調整の手続、年末調整の流れを説明させていただいたのですが、これら年末調整業務を行う上での国、地方自治体の郵送料金とか、それからさらには、国税が改正されるたびに行われると聞き及んでおりますが、地方税の税務計算に用いるソフトの更新料にかかわるコスト等であるとか、一つの自治体ではわずかな金額かもしれませんが、今、千七百四十一でしたか、全国に自治体があるかと存じます。そうした意味で、その全自治体の、一つ一つは小さな金額でも、全体として見るとかなり大きな金額になるかに思います。

 さらに、地方税の償却資産税の申告についても、法人の仕組みを援用すれば可能であるというふうにも考えておりますので、これから、全体の省庁が現状から二〇%の削減を目指す上で、やはり不断の、継続した努力が必要になるかと思っております。

 そうした意味では、一人一人がそこの点に気を配りながら行政コストの削減に努めていただきたい、この点を私から御要望申し上げて、本日の質疑を終了させていただきます。

 委員長、大臣、まことにありがとうございました。

柴山主査 これにて神田憲次君の質疑は終了いたしました。

 次に、鬼木誠君。

鬼木分科員 こんにちは。衆議院議員の鬼木誠でございます。

 本日は、日本の財政に対する私の危機感、そして、その危機をどうやって乗り越えるかということに当たりまして、それから、後にやってくる時代、財政と土地の関係についての質問をさせていただきたいと思っております。

 私は、銀行員を大学卒業後にやっておりまして、そのころからの問題意識、危機意識というものが、日本財政の問題でございます。大変、日本の財政を憂えております。

 憂えるという言葉でいいますと、二つの故事がございます。一つは、先憂後楽という故事、中国の岳陽楼記にある故事でございます。先に憂え、そして、後に楽しむと書きますが、天下の憂えに先んじて憂え、そして、天下の楽しみにおくれて楽しむということで、国家の安危、安全、危険については人よりも先に心配をして、そして、楽しむのは人よりおくれて楽しむのだ、志士や仁者など立派な人の国家に対する心がけを述べた言葉とされております。この先憂後楽という言葉の中に、憂えるという言葉が出てきます。

 そしてもう一つ、中国の故事で憂えるという言葉が出てくる。それは、有名な言葉ですが、杞憂という言葉でございます。これは、杞という中国の昔の国の人が、天が落ちてくるんじゃないか、また、大地が崩れるんじゃないか、そしてこの国が滅びるんじゃないかとあり得ないことを心配して、夜も眠れない、食事もとれなかったということ、これが列子という古典にあるという故事でございます。あれこれとあり得ないことを心配して、無用な心配をすることを杞憂というというふうな故事がございます。

 じゃ、果たして、日本財政が危機的かどうか、これは杞憂なのかどうか。私たち政治家は、杞の国が恐れたように、天が落ちてくるんじゃないか、大地が崩れるんじゃないか、そういうことをあり得ないことということで想定外でしたと言うわけにはいかず、やはりそういった可能性があるものに対してはしっかり備えている責任があるわけでございます。

 まさに、災害大国日本では、大きな地震、津波、水害というものも起こった。全ての結果に政治家は責任を持つ、そして、後世の人のために先んじて憂えるという姿勢が必要ではないかと思っております。

 という中で、この日本の財政問題でございます。私が銀行員だったころ、国の借金が二百兆円と言われておりました。その二百兆円だと言われていた借金が、見る見るうちに四百兆円に膨れ上がったんですね。国の借金が倍増した、あっという間に倍増したよ、大丈夫か日本財政と言っていたのが、私が銀行員だった平成七年から十四年の話でございます。それから瞬く間に、この日本の借金は一千兆円を超えました。

 超えて、今何が起こっているかといいますと、日本の財政を心配する声よりも、いや、大丈夫なんだ、日本財政は大丈夫なんだという声の方がむしろ大きくなってきていないか。自国建ての通貨は財政破綻を起こさないんだよと言っている方もおられます。民間の学者の方などたくさんおられますし、また、幾らでもお札を刷ればいいじゃないか、自国建て通貨は破綻をしないんだという説もあります。

 これだけいろいろな民間や学者の世論の中で、財政は危ないと言う人もいれば、いや、大丈夫と言う人もいれば、そこの危機感が統一されていなければ、一貫した財政政策、そして表裏一体の経済政策というのが一貫して行うことができないんじゃないかということ、ここに私は問題意識を持っております。

 日本財政は本当に大丈夫なのか、天が落ちてくるようなことが起こるのか起こらないのか、その危機感を、この議論のスタートとして危機意識をそろえなければ、この問題がいつまでたっても改善しない。

 片や絞る、片やお金は出ていく。絞って絞って、緊縮財政のように絞って国民生活は疲弊していくけれども、政府の支出はどんどんどんどん大きくなっていく。借金と出ていくお金と、両建てで大きくなっていっているわけですね。そうしていくと、結局どこかで破綻が来るんじゃないかというのが私の心配でございます。

 そういう中で、本当に日本財政、破綻するおそれはないのかということ。

 財政破綻ということがよく言葉としては使われております。この財政破綻という言葉の定義を、まずは議論のスタートとしたいと思います。

 では、私が思う財政破綻というのはどういう姿かといいますと、元銀行員の経験からいたしますと、借りていたお金が期日までに返済できずに信用を失うこと、そして、そのことによって新たな借金ができなくなってしまうこと、これが私の思う財政破綻の姿でございます。企業でいえば、不渡りですね。国でいえば、国債が償還できなくなること。

 今の日本は、直接的にはキャッシュで返済できているかもしれませんけれども、現在の財政の構造からすれば、国債を発行して、若しくは借りかえによって、新たな資金調達ができているから返せている。つまり、借金が返済原資となっているというのが実情ではないかと思います。借金によって借金を返す、これはもうまさに自転車操業でございます。

 私も、たくさんの企業や個人、そうした、借金によって借金を返す赤字操業を見てまいりました。この赤字操業は、新たな借金ができなくなったときが、その自転車が倒れるときなんですね。いつこの自転車が倒れるのか。

 よく、赤字の社長さんから融資の相談を受けて会話をしていました。社長、厳しいですよ、今度の融資はと。すると社長は怒り出します。うちは一回も滞りなく返済できているのに、何で貸せないんだと。返済できているのは借金ができているからであって、借金ができなくなった瞬間が倒産のときなんですね。

 ですから、国も同じでございます。いつまで日本は借入れを続けることができるのか、それが大きな問題だというのが私の感覚でございます。

 そこで、最初に問いたいと思います。財政破綻の定義というものを財務省はどのようにお考えか、お答えください。

木原副大臣 鬼木委員にお答えいたします。

 財政破綻といいますのは、一般的に申しますと、財政状況が著しく悪化し、その運営が極めて困難となる状況をいうものと考えております。恐らく、鬼木委員が今おっしゃったこととほぼ同旨だというふうに考えております。

 財政破綻に至る要因というものを具体的に申し上げるというのは、なかなかこれは難しいわけですが、何らかの理由で財政の持続可能性への信頼が損なわれた場合には、金利が急激に上昇いたします。その結果、利払い費の急激な増加が起こり得る。こういうところから、いわゆる財政破綻につながっていくものだと考えております。

鬼木分科員 今、財政破綻の定義を簡潔にお答えいただきました。事前にお答えを確認したくて紙でもらったんですが、財政破綻とは、財政状況が著しく悪化し、その運営が極めて困難となる状況をいうということです。

 そうなるのには、デフォルトというよく聞く言葉があると思います。債務不履行ということですね。他国でもよく見かけられます。その国の借金が返せなくなる、利払いの遅延だとか元本が償還不能になる状態をデフォルトということで、このデフォルトがイコール財政破綻かといえば、どうもそうではないという答弁だったと思います。

 著しく財政状況が悪化し、運営が極めて困難となる状況ということで、この著しくぐあいと極めて困難ぐあいが、どれほど著しく、どれほど困難なのかというところが、なかなかこのお答えではイメージしにくいというところが、なかなか一般国民に危機が伝わらないところかなというふうにも思います。

 戦後の日本で財政破綻がありました。今から七十年近く前ですね。そのときには、国や地方の債務残高がGDPの二倍程度、もう今の日本と同じぐらいに膨らんだと。一九四四年の国債残高の対GDP比は二六七%だったというデータもあります。ただ、敗戦時ですから供給能力も著しく落ちておりまして、このGDP比の比較は直接的にはつながらないとは思うんですけれども、しかしながら、これからの日本の構図を考えた上で、大変今厳しい状況にあるということを考えます。

 それで、財政破綻が起こるとどういうことが起こるのかということもしっかり考えていかなければならないと思っております。これも、具体的に国民にとってどういう痛みがあるのかということを共有しなければ、これは国民的議論の中で国民と共有しなければ、いや、そういうことが起こっちゃいけないよねというふうにはならないと思いますので、財政破綻が起こるとどういうことが起こるのかということについて、次の質問をしていきたいと思います。

 今、日本の借金は一千兆円を超えております。ざっくり一千兆円と例えましょう。今は超低金利が続いておりますが、例えばこれが、国債金利が今超低金利のところが、これから一%でも金利が上昇すれば、一千兆円の一%で十兆円。十兆円の利息を、私たちといいますか、日本政府は利息を支払わなければならなくなるわけですね。財政規模が百兆円ぐらいの国が、何にもお金を使っていないのに、金利が上がっただけで十兆円の歳出が追加されてしまうということになるわけですね。

 これはもう大変なことでございます。金利が一%上がる、二%上がるということになれば、借金は雪だるま式にふえていくということであります。財政構造がますます悪化していき、そして国債が返済できるという信用も低下していく。国債価格も下がるでしょうし、金利も上昇する。この悪循環の加速にどこまで日本が持ちこたえられるのかということに大変な危機感を持っております。

 そして、こういう悪循環に陥って日本財政が破綻したとき、国民生活への影響を含め、どのようなことが起こり得るのかということを財務省にお尋ねいたします。

木原副大臣 仮の話ですけれども、仮に財政破綻が起こった場合ということでございますが、先ほど申し上げたように、金利の急激な上昇、そして利払い費の急激な増加に加えまして、その結果、歳出の大幅なカット、そして大幅な増税などを余儀なくされて、経済社会に重大な影響が及ぶことが考えられるというふうに思います。

 これはすなわち、政府が国民生活に必要な公的サービスを十分に提供できなくなるということでありまして、世界に冠たる社会保障を次世代に引き渡していく責任も果たせなくなるのではないかなと思っております。

 また、民間企業におきましても、国債の格下げに伴いまして、社債等の資金調達コストが上昇するということなどが想定をされまして、民間部門の活力が著しく低下することになるというふうにも考えられます。

 このような事態にならないように、そういうことを招かないように、経済再生と財政健全化の両立を着実に進めまして、まずはプライマリーバランスの黒字化の達成に向けて、具体的かつ実効性の高い、国民の信頼を得られる計画を骨太の方針において示してまいりたいと思っております。

鬼木分科員 財務副大臣としては、仮にとしか言えないというお答え、そのとおりだと思います。国の財政に責任を持つ立場として、そんなことがあってはならないという御意思、そういった厳しい立場の中での仮にのお答え、ありがとうございました。

 本当にそういうことがあってはならない、そうならないために、私も、どうしなければならないかということを考えさせていただいておりますが、もし仮にそういうことになったら国民生活にどういう痛みが降りかかってくるのか、このことを逃げずに国民に訴え、理解していただかなければ、財政構造の改善という改革はできないということで、厳しい議論をさせていただいております。

 財政健全化というのは本当に不人気政策でございます。歳出を削減する、国民の皆さんに負担をお願いする、苦しいことばかりでありまして、誰が喜ぶんだということをやらなくちゃいけない、まさに政治家に託された先憂後楽の仕事だと思います。

 また、先ほどの、財政破綻が起こった場合、金利が急激に上昇する、利払い費が急激に増加する、そうしたお話がありましたが、先ほど私が述べたのは、金利が上がると財政が破綻するかもしれないというのに対して、今の話は、財政が破綻すると金利が急上昇する、つまり、金利が先か破綻が先かというのは物すごく厳しい話、状況になっておりまして、どちらが先でも相当に厳しい。今、低金利でやりくりできているものの、金利が急上昇する前に手を打たなきゃいけないという局面なんだというのが私の強い危機意識でございます。

 また、世界に冠たる社会保障という御答弁もありました。本当にそうなんです。これを私たちは守っていかなきゃいけないと思っております。

 例えば年金制度、少子高齢化社会がやってきまして、たくさんふえていくお年寄りを減っていく現役世代が支えていく、だけれども、この年金制度を持続可能なものとして私たちは次の世代にも引き継いでいかなければならないし、安心だよ、破綻はしないよということ、年金制度は掛金、年金保険料だけではなく税金までつぎ込んで持続させている、そして、その信頼をもって、次の世代の人たちもともに支え合う制度に参加していただいている、これも持続可能なものなんだよということで支えていきたいと思いますし、また、国民皆保険制度、これも本当にすばらしい、世界に誇る日本の医療制度でございます。

 昨年、私の同級生がアメリカ・ニューヨークで暮らしておったんですが、その同級生が日本に帰ってくるなり空港で倒れまして、結局亡くなってしまいました。そのときに、いろいろなことを調べておりましたら、アメリカの病院に立ち寄った形跡がある。そして、帰国して家族にしゃべったことによりますと、クレジットカードを見せて病院に入ってお医者さんに診断してもらった、だけれども、お医者さんは患者の顔も見ずにパソコンにちょこちょこっと何かを打ち込んで、では病院を紹介しますからといって、次の病院にたらい回しにされた。

 結局、アメリカの医療制度には、日本のような、誰もが医療にアクセスできる、低価格ですばらしい充実した医療にかかれるという仕組みはありませんで、クレジットカードの銘柄、残高、そうしたものによって受けられる医療の質というものが変わってきているというものをかいま見た話でありました。

 私たちは、少ない負担であらゆる人が病院にかかって適切な診断を受けることができますし、高度な医療も受けることができる。国民みんなを守る医療保健、そして保険制度、それを支える財政というものを絶対破綻させてはいけない、そのためにこの財政健全化に取り組んでいるわけでございます。

 今おっしゃったように、副大臣の御答弁のとおり、財政破綻が起こると、こういった年金や医療といった、介護もそうですね、そうしたあらゆる社会保障が、財源がなくなってしまう、お金が回らなくなってしまう。つまり、全てが国民の自腹、自前の負担、十割負担、全額負担、自己責任の医療、社会保障に陥ってしまうことが起こり得るということなんですね。

 そしてまた、後に述べられた答弁のとおり、民間部門の活力、経済というものも大混乱に陥るということもあるわけでございます。

 日本国債を多く保有しているのは金融機関です。その金融機関が持つ国債がデフォルトしてしまえば、それは金融機関にとって大きな焦げつきになるわけでございます。社会的信用を失った国債というものを保有する金融機関は、その不良債権を抱えてしまうということになる。そうすると、日本じゅうの金融機関が機能停止をしてしまって経済が大混乱に陥る、そういうこともあるわけでございます。こうした事態を招かないように、我々は経済の再生と財政健全化の両立を進めているということでございます。

 そのために、またこれもプライマリーバランスの黒字化という御答弁がありました。何のためにプライマリーバランスの黒字化をやっているのかといいますと、まさにこれは、日本の財政の収支構造を改めようというその入り口がプライマリーバランスの黒字化ということになります。

 済みません、ちょっと時間が押して、法務大臣の答弁もあるので、ちょっと急ぎます。

 結局、財政収支の改善というのは苦しいんですね。歳出を減らすか、歳入をふやす、どちらにしても国民に痛みがある。だからなかなかやれない。苦しいからこれが進まない。PB黒字化にたどり着くには相当な苦しみがある。借金し続けた方が楽なんです。国民も楽だし、政治家も楽。だけれども、楽ばかりしていると後世にとてつもない苦しみがやってくる。まさに先憂後楽であります。私たちはこの収支構造を改善していかなければならないわけでございます。

 ちょっと、一問、財務の質問をはしょらせていただきます。

 それで、今私が考えておりますのが、これからの土地の課題でございます。

 少子高齢化というのが大きな日本の課題でございます。そして、これは、すぐに超高齢社会がやってくるという時代、本当に困難な時代がやってきます。これをどうやって私たちは改善していくのかという中で、その次にやってくるのが、私は、大相続時代がやってくるのではないかということを想定しております。

 人口減少と大規模な相続土地の発生で、日本のさまざまな構造が変わってくるのではないかと思います。少子高齢化、苦しいよね、超高齢社会、苦しいよね、その後に来る大相続時代を経て、日本の構造が新たになったところから、いろいろなものの収支の改善ができていかないかということを希望を持って考えていきたいなと思っているわけでございます。

 相続する人がいない土地がたくさん出てきますと、それが国庫に帰属することになって国有地もふえたりするのではないだろうか、そうすると、国のバランスシート上に、運用して収益を上げることのできる資産がふえていけば、日本の収支構造も少しはよくなっていくのではないかなということを考えております。

 そうした中で、今既に問題になっているのが、所有者不明の土地の問題でございます。人口減少や増加する相続によりまして、相続登記未了等を原因とする所有者不明土地の増加が社会問題となっております。

 増田寛也元総務大臣の研究会によりますと、所有者不明土地の面積は、二〇一六年において九州本土の面積に相当する四百十万ヘクタールに上りまして、二〇四〇年までには北海道本島の土地面積に迫る約七百二十万ヘクタールまでに増加し、これに伴う経済的損失は、二〇一六年において約千八百億円、二〇四〇年には累積で約六兆円に上るとの報告がされております。所有者不明土地の解消は喫緊の課題であると考えられます。

 このような大相続時代における所有者不明土地問題の解消に向けた法務省の取組状況につきまして、当局にお尋ねいたします。

小野瀬政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘されましたとおり、いわゆる所有者不明土地の問題は、公共事業の用地取得や農地の集約化、森林の適正な管理等を始めさまざまな分野で問題となっておりまして、本年一月十九日には所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議が開催され、政府一体となって総合的な対策を推進することとされております。

 法務省としましては、まず、国土交通省と一体となって、この通常国会に提出する予定の法案におきまして、長期にわたり相続登記が未了の土地について、登記官が相続人を探索し、相続登記を促す制度を設けるほか、所有者不明土地の適切な管理のため、地方公共団体の長に不在者財産管理人等の選任申立て権を付与することとしております。また、昨年運用を開始いたしました法定相続情報証明制度の利用者に相続登記を促すことなどもしております。

 さらに、今後、人口減少に伴い所有者不明土地が増大することも見据えて、昨年十月に立ち上げられました研究会において、相続登記の義務化の是非等の登記制度や土地所有権の基本的なあり方にかかわる検討を進めることとしております。

 所有者不明土地等に係る諸課題については、民事基本法制及び民事法務行政を所管する立場から、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

鬼木分科員 ありがとうございました。

 先ほど数字で挙げさせていただきましたように、推計で、二〇四〇年までに累計六兆円という大きな経済的なインパクトもある課題でもあります。

 また、私、銀行員をやっていましたので、土地と金融と登記というのは非常に密接なんですね。土地取引がありますと、そこに融資が発生しまして、取引の融資の担当者が行きまして、そこに司法書士さんも来られまして、登記と同時に融資が行われる。土地制度とお金の動き、そして国のバランスシート、いろいろなものが密接になった政策になってくるわけでございます。相続登記の義務化等も検討されているということで、本当に大事な局面を迎えているなと思っております。

 国家と土地というのは、本当に歴史の教科書にもいろいろな劇的な変化が、墾田永年私財法とか三世一身の法とか歴史的な節目がありますし、また、こういった登記というものも、それを通じて所有者というものをはっきりさせていく制度、非常に大事なものだと思います。

 まさに、歴史の劇的な分岐点にある中で社会的にも重要な政策だと思いますので、ぜひ、この所有者不明土地に関しましては、積極的な取組を法務大臣にもお願いしたいと思います。

 財務省へはもう一問質問があったんですが、自国建て通貨は破綻しないという説に対して、果たして本当だろうかということをちょっと質疑したいと考えておりました。

 幾らでもお金を刷れるというふうな物の考え方もありますが、この考え方は、歴史的に見ますと、結局、通貨の供給過多になってインフレに陥ってきたというのが歴史の教訓でございます。

 こういうさまざまな論点につきましても、今後もますます議論を深めていきまして、何より、先ほど述べたように、最終的に財政破綻の痛みというのは国民に降りかかってくるものなんだ、それを決してさせてはいけないんだと、私たち政治家が先に憂えて大いに議論をして、少しでも財政を健全化して、日本財政を破綻には近づけない。

 また、そのためには、国民にも痛みが生じます。歳出を減らしたり歳入がふえたり、それは国民の受益が減る、負担がふえる場面もあるから、それは、国民の理解なしには進められない政策でもございます。もっともっと議論を活発にして、そしてその中で、日本のあるべき姿、また持続可能な姿をつくっていきたいと思います。

 本日は、御答弁をいただきましてありがとうございました。以上で終わります。

柴山主査 これにて鬼木誠君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして法務省所管についての質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

柴山主査 次に、財務省所管について審査を進めます。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。宮澤博行君。

宮澤分科員 自由民主党の宮澤博行でございます。

 本日は、この予算委員会の第三分科会において発言の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。せっかくの分科会でございますので、地元の問題をばりばり取り上げていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 実は、私の地元の磐田市、特に私の住んでいる見付地内においては、全国的にもレアなケースがございます。何がレアかといいますと、話は地租改正のところにまでさかのぼるわけなんですね。

 地租改正、地面に、土地に税金がかけられていたわけでありますから、ほんの少しでも土地が少ない方がいい。ですから、家と家の間の小さい路地、あぜ道、これを国有地にしてもらって、自分の土地だけ地租をかける、そういう工夫をしたわけでございます。このちっちゃいあぜ道、これを畦畔といいます。これが国有地なんですね。

 でも、時代が下ってきますと、この畦畔も、なぜか住んでいる土地になってしまったわけですね。そうすると、今になって、この土地を他人に売ろうとするとどういうことが起きるかというと、国有地と私有地の境目を定めた上で、国有地の畦畔を国から払い下げてもらう、国から買い取る、若しくは、時効によって取得するという手段をとらなければならなくなってきます。

 そうすると、この土地の境界を定めるのに、土地家屋調査士さんは本当に苦労するわけなんです。その後、さらに、時効取得にしても買取りにしても、これまた時間がかかる。一年以上かかる、そういう事例さえ報告されているんですが、こんなに時間がかかるんだったら、もうこの土地の売買はやめてしまおうか、地元の人たちはこういうふうに考えてしまうわけです。

 でも、昔ながらの都会というのは、今、空き家が非常に多いんです。この空き家対策からしても、スクラップ・アンド・ビルドを行って新しい人に住んでもらう、子供たちに新しい家を建ててもらう、そういうことが必要となってくるわけでございます。

 だからこそ、この畦畔の払下げ、畦畔の時効取得、これをスムーズにやっていく必要があるんですけれども、この問題について財務省としてどのように対処されていくのか、まずは見解を伺いたいと思います。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘いただきましたように、民有地に介在をいたします国有畦畔につきましては、委員御地元の磐田市のお話をいただきましたけれども、その他の地域でも幾つか、多数見られるところもあるという状況でございまして、これらの国有畦畔は、単独利用することが困難な財産で、財産的価値も乏しく、売却あるいは時効取得といった形で処理促進を図る必要がある、委員のおっしゃるとおりだというふうに思っております。

 処理に当たりましては、国有地と隣接する土地との境界を確定して国有地の面積を確定するという必要がございまして、申請者の方に必要な書類の提出をお願いしているところでございますが、必要な書類を提出していただきますと、売却価格の通知までの期間を三十日営業日以内とするなどの対応に努めているところでございます。

 委員の御指摘は、重々私どもも承知しております。今後、迅速な処理に努めていきたいというふうに考えてございます。

    〔主査退席、山口(壯)主査代理着席〕

宮澤分科員 ありがとうございました。

 今、私の地元の磐田市の話をしましたけれども、では、全国的に見て、どういったところにこういったものが見られるのか、それについてはデータ等々はあるでしょうか。

太田政府参考人 私もあれなんですが、静岡県、それから神奈川の横浜あたりはそういうところが多いというふうに承知をしてございます。

宮澤分科員 やはりこれは、当然適正な手続をとらなければいけないわけなんですけれども、地元の人にしてみると、当事者にしてみると、時間が一番の障害なんですね。

 だから、具体的にちょっとお聞きしますけれども、買取りするとなった場合は、どのくらいの申請から買取りまでの時間がかかるのか。

 それから、時効による取得、できれば簡易な方法でお願いしたいんですけれども、これについても、スタートから時効取得まで、手続の話ですよ、時効期間の話じゃなくて、それはどのくらいの手続で今やれるものなんでしょうか。そして、それをどれだけ短縮できるとお考えなんでしょうか。お願いいたします。

太田政府参考人 最初にちょっと御答弁申し上げさせていただきましたように、書類が提出いただければ、それから三十日以内ということで我々はやっておるわけですが、委員のおっしゃっている趣旨は重々わかりまして、恐らく、申請者の方に書類をつくっていただく。書類をつくっていただくということは、近隣の方の、私の土地だ、あるいはここまではあなたの土地だというのを確定していただく。それは、場合によっては判こをついていただくというようなことがあって、それを申請者の方にやっていただかないといけないので、そこのところで時間がかかるところはかかっていて、長い例だと、委員の話にもありましたけれども、一年半ぐらいかかっている、非常にかかっているもの、そういうものもあるということです。

 その部分、できるだけ国の方でできればいいんですが、そうはいっても、これは多数あって、基本的には、申請者の方の事情によって、必要があればということなので、申請者の方にお願いしているというところで、具体的にというところがあれなんですが、できるだけそこのところを、手続なり簡素化をすることも含めて短くするということを考えていかなきゃいけないと思っていますが、今、現実に具体的にこういう支障があるというところまで、今この時点で委員の前でお答えできるほどは詰まっていないことを、大変申しわけありませんが、お許しいただければと思っております。

    〔山口(壯)主査代理退席、主査着席〕

宮澤分科員 今、三十日以内とおっしゃいましたけれども、買取りと時効取得と二種類ちょっと聞かせていただいたものですから、どちらが三十日以内なんでしょうか。両方とも三十日以内なんでしょうか。

 それと、隣の方の御協力とおっしゃいましたけれども、畦畔は国の所有である以上、やはりその畦畔の確定においては国に御協力いただかなくちゃいけないので、改めて、そこのところは御協力いただけるかどうかの見解をいただきたいと思います。

太田政府参考人 先ほど三十日と申し上げましたのは、売却のときは三十日ということでございます。時効取得の場合はおおむね三カ月程度かかるという状況でございます。

 そういう状況の中で、委員の御趣旨は重々わかりますので、それをできるだけどうやって短くするかということを工夫していかなければならないということだと思ってございます。

宮澤分科員 ありがとうございました。ぜひとも御協力をよろしくお願いいたします。

 二点目についてお聞きいたします。それは、たばこ税のことなんです。

 今回、たばこ税が引上げになるということになりました。これは、健康もあろうかと思います。地方の財源もあろうかと思います。たばこ耕作者も関係してくると思いますが、私の地元にはたばこの工場がございまして、この法人税、事業税、つまり、そういう点でも地方財政に大きな影響を与える、それがこのたばこ税ということなんですね。

 実は、私が国会議員になる前は、地元の市議会議員をしておりました。何度かたばこ税の引上げがございましたけれども、市の予算は、たばこ税の引上げがあると、たばこ税収減額で予算を組むんです。吸う人が少なくなるから多分減るだろう、そういう予想で予算を組んでいるんです。これは本当に国家にとってプラスになっているのか、たばこ増税が本当にプラスになっているのかというのは、前々から私は疑問だったんです。

 だからこそ、あえてここでは数値を聞きたいと思うんですけれども、過去のたばこ税の引上げのときに、たばこの税収というものはどういうように変化したのか、それについて、まずは全国の数値、これをちょっと御説明いただきたいと思います。

新川政府参考人 お答えいたします。

 過去三回の引上げを例にとって申し上げます。

 いずれも年度の途中の引上げでございましたので、前年度それから翌年度の数字を御紹介いたします。

 まず、平成十五年七月、一本当たり〇・八二円の増税を行いましたが、その前の十四年度が日本全国で二・二兆円、それから引上げ後、平成十六年度が二・三兆円でございます。その次、平成十八年七月、このときは一本当たり〇・八五二円の増税でございましたが、その前年度、十七年度が二・二兆円、それから引上げ後の十九年度が二・三兆円でございます。それから、直近、平成二十二年十月、これはかなり大きい引上げでございましたが、一本当たり三・五円の引上げでございました。直前の平成二十一年度が二・〇兆円、引上げ後の二十三年度が二・四兆円となっております。

宮澤分科員 最後のところは大幅だったがゆえにさすがに税収が上がったかもしれませんが、過去三回を見てみても、ほぼ同じですよね。

 では、地方としてはどういうような数値が見てとれるんでしょうか。何か事例があったらぜひ御紹介をいただきたいと思います。

稲岡政府参考人 お答えを申し上げます。

 過去三回の磐田市のたばこ税収についてでございますけれども、平成十五年七月の引上げ前後でございますが、十四年度において約四億七千九百万円、それから平成十六年度において約五億二千万円となっております。それから、十七年四月一日に磐田市は四町村と合併したところでございますので、税収はふえておりますけれども、十八年七月の引上げ前後の磐田市の税収は、平成十七年度においては約九億一千七百万円、平成十九年度においては約九億五千五百万円となっております。さらに、平成二十二年十月の引上げ前後の税収でございますが、二十一年度においては約八億五千百万円、二十三年度においては約十億一千五百万円となっているところでございます。

宮澤分科員 確かに、引上げによって一瞬は税収が上がっているという数値は確かに見てとれると思います。しかし、長期のトレンドでいうと、これは税収はアップにはなっていない。これで本当にいいのかどうなのか。再議論は必要かもしれませんが、たばこ税が上がると決定したわけでありますから、これはいたし方ないことだと思います。

 しかしながら、もう一つの観点として、日本たばこ産業さんの納める税金、これがどういうふうに変化しているんだろう、ここのところはやはり気になるところなんです。それについては、何かデータがあったらぜひ御紹介をいただきたいと思います。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 日本たばこ産業、JTが国税及び地方税として納めているものということで、有価証券報告書上公表されておりますJT単体の決算で、各年度、法人税、住民税及び事業税という科目の額が公表されておりますので、その額を申し上げさせていただきたいと思います。

 事前に平成十四年度から平成二十三年度までというふうに御指示をいただいていると承知をしておりますが、それを読み上げさせていただきます。

 平成十四年度三百七十九億円、平成十五年度四百七十五億円、平成十六年度四百八十億円、平成十七年度二百九十二億円、平成十八年度五百四十三億円、平成十九年度七百十億円、平成二十年度五百二十六億円、平成二十一年度五百六十四億円、平成二十二年度六百二十億円、平成二十三年度四百二億円という数字でございます。

宮澤分科員 法人税等々については、税率等々の変化もあり、それから業績等々の変化があり、そして、たばこだけではなく食品産業にもJTさんは進出しているわけですから、一概には言えないとは思いますけれども、それでも、たばこの本数は間違いなく減っているわけですから、そういう点では、地方財政に影響を与えているという予想はつくと思います。

 今後、たばこ税のあり方については、財務省さんの現状、それから分析等も考えながら、政治の世界できちんと議論をしてまいりたい、改めてそういうふうに思っているところでございます。ありがとうございました。

 では、次の質問に移らせていただきます。

 これも地元の話で大変恐縮なんですけれども、地元の信用金庫、合併の話が持ち上がりました。浜松信用金庫さんと磐田信用金庫さん、そして、その隣の掛川信用金庫さんと島田信用金庫さん、この二つの合併の話が昨年浮上してきたわけでございます。

 いろいろな要素はあろうかと思います。当然、マイナス金利の中で非常に経営が苦しくなっているということもあるでしょうし、そもそも人口減少というこの中において、顧客の数の減少等により統廃合が必要になった、そういうことも分析ができるわけなんですけれども、やはり地域にとってみると、支店が少なくなる、選択肢が少なくなる、そういった利便性の減ということは当然考えられるわけでございます。

 私の地元、静岡県西部でもビッグな合併が二つあったわけなんですけれども、では、全国的にはこういった信用金庫の統廃合というのはどういう傾向にあるのか、そして、それに対して原因は何なのか、さらには、財務金融の皆さん方がどういう分析を持っていらっしゃるのか、見解があったらお話しいただきたいと思います。

伊野政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘いただきました静岡県、あともう一件、実は合併を公表しているところがございまして、今、三件の合併に関する基本合意が公表されているかと存じます。あと、静岡信用金庫と焼津信用金庫でございます。

 その背景でございますが、さまざまな要因があると考えられますけれども、先ほど御指摘いただきました、人口減少、高齢化の進展ですとか、低金利環境の継続などにより、厳しい環境のもと、将来にわたって健全性を維持し、金融仲介機能を円滑に発揮していくための経営戦略を真剣に検討されてきた結果であると考えております。

宮澤分科員 この合併は、では、全国的にはそうそうトレンドとしてあるわけじゃないということなんですね。

伊野政府参考人 ほかにも、全国で見れば、合併を予定しております信用金庫、ございます。必ずしも静岡県だけに限ったものではございません。

宮澤分科員 では、どのくらいそれがあるんでしょうか。

 私が聞きたいのは、これが静岡県特有のことなのか、さらには、経営感覚がある、将来性を見据えてこういうことをやっているのか、それとも、全国的にこういった統廃合が進んでしまって、全国的に預金者の方々の利便性が下がるような事態になっているのかどうなのか、そういうトレンドをちょっとお聞きしたいんですよ。

伊野政府参考人 最近五年間でいきますと、大体十件程度の合併について、公表も含めて行われているような状況でございます。

 なお、信用金庫、とりあえず御指摘をいただきました静岡県内の合併につきまして、その趣意書等々を調べましたところ、やはりそれぞれの合併におきまして、利用者の利便のために頑張りますというようなことはお述べになられているというような状況ではございます。

宮澤分科員 ありがとうございます。

 確かに、趣意書の方ではそれを述べられるでしょう。

 では、過去五年間でそういった事例があったということで、逆にお聞きしたいんですけれども、それによって、その信用金庫さんたちは経営がよくなったのか、体質が強化されたのかどうかということ、それが一つですね。あとは、支店の統廃合がどうだったのか、従業員数はどういうふうになったのか。何かそういった事例があったら、参考までにお聞かせいただきたいなと思いますし、その合併等々の評価があれば、ぜひお話をいただきたいと思います。

柴山主査 通告されていないということですが、答えられる範囲でお答えください。

伊野政府参考人 済みません。合併について、細かな内容についてちょっと今手元に資料がございませんが、全体的に、合併を含め、全ての信用金庫ということでいきますと、店舗については少し減少傾向にあるかと存じます。

宮澤分科員 ありがとうございました。

 通告にない質問をさせていただきましたけれども、これは地元の皆さん方の生活にかかわることですので、今後、この場だけでなく議論をさせていただければ幸いですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 最後に、地元のことばかりしゃべっていちゃいけないと思いますので、政務官を一年務めさせていただきました、防衛関係についても少し議論をさせていただきたいと思います。

 もう私が述べるまでもなく、安全保障環境は非常に厳しいものがあろうかと思います。そして、国民の皆さんに安全保障の点で安全、安心を得ていただくためには、防衛装備というものはできる限り整備をしていかなければなりません。そういったところにおいて、限られている予算の中でどれだけ充実した防衛装備を調達していくのかというのは非常に大きな課題であるわけなんです。

 そこで、財務省さんにお聞きしたいことがあるわけなんですね。

 私たちとしては、もっともっと防衛予算を欲しい方なんですけれども、この防衛予算の査定について、どういった姿勢で臨まれているのか、それについてちょっとお聞きしておきたいなというふうに思うんです。

 つまり、予算が削られているから、査定されて削減されて、それで防衛力がきちんと整備されないという状況では困るわけなんです。当然そうではないと思いますけれども、この防衛費の査定については基本的にどういう姿勢なのか、改めてこれをお話しいただきたいと思います。

大鹿政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛関係費の編成に当たりましては、中期防衛力整備計画を踏まえるということがまず第一点でございます。

 そうした中で、平成三十年度は、現行の中期防衛力整備計画の五年目、最終年度に当たりました。その中で、計数的なことを最初に申し上げますと、全体として、SACO、米軍再編経費等も含めまして、対前年度一・三%の増、六百六十億円増の五兆一千九百十一億円を計上しているところでございます。

 御指摘の査定の考え方でございますけれども、大きな方針といたしまして、中期防衛力整備計画に沿って、周辺海空域における安全の確保、それから島嶼部に対する攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃等への対応、こういったものに重点化を図るということがまず第一点目でございます。二点目としまして、SACO、米軍再編事業等について着実に推進していく、そのための予算措置を講ずる。それから、三番目といたしまして、装備品の調達に関しましては、この厳しい安全保障環境を踏まえて、数量について最大限の確保を図るという一方で、厳しい財政状況も踏まえまして、原価の精査、予算編成段階におきましても原価の精査を行うなどを通じて調達の効率化、私ども調達改革というふうに言っておりますが、この調達改革を推進していく、こういった大きな考え方のもとで編成をさせていただいているところでございます。

宮澤分科員 今、原価の精査と調達の改革とおっしゃいました。では、それぞれ、今回のこの予算の査定においてどういうような成果が得られたのか。

 まず、原価の精査からお聞きしていきたいと思います。感覚として、どういった成果だったんでしょうか。

大鹿政府参考人 調達改革につきましては、中期防衛力整備計画におきましても、五カ年間で七千億円規模の実質的な財源を確保するということがうたわれております。

 平成三十年度におきましては、それまでも取り組んでおりました、長期契約を活用した装備品等の調達、あるいは維持、装備方法の見直し、それから民生品の使用、あるいは仕様の見直し、こういったことに加えまして、先生御指摘の原価の精査ということに精力的に取り組みまして、平成三十年度につきましては、約七百件の調達案件につきまして七百一億円の査定減を行ったということでございます。

宮澤分科員 調達改革のところをいろいろお話しになられましたけれども、重点的に取り組んでいる項目というのはどこなんでしょうか。押しなべてそれを改革の対象とされているのでしょうか。どうでしょうか。

大鹿政府参考人 調達改革における原価の精査につきましては、全ての装備品につきまして、それぞれの予算積算単価が適正なものかどうかを悉皆的に調べておりまして、これは、防衛省の協力も得ながら、予算編成過程で議論を進めているということでございます。

宮澤分科員 悉皆的にやっていらっしゃる、つまり全部見ているということですね。非常に大変な作業とは思いますけれども、それじゃ、判断の基準になるとき、それは何を基準として、これは高い、これは低いとやっていらっしゃるのか。つまり、そういう調達に対する財務省さんの姿勢というものをやはり防衛省は見習わないといけないんですよ。

 つまり、予算を低く組めば弾をもうちょっと買えるかもしれないじゃないですか。それだけ防衛力が強くなるわけなんです。膨らませて要求していくではなく、精査してきちんと予算をつくって、強い自衛隊をつくっていくということがやはり必要なんです。だからこそ、そのノウハウというものをともに共有することが私は必要だと思います。

 そういう点で、もう一度コメントをお願いします。

大鹿政府参考人 悉皆的にというふうに申し上げましたが、限られた時間、それから限られた人員の中で最大限取り組んでいるというのが実態でございまして、実例としましては、例えば国内調達において、直接材料費について、過去の契約実績等を反映させていくということ、それから加工費について、より安価な外注先の活用等が図れないかを検討する、それから部品調達について、官給品化を拡大するということによって主契約企業のマージン相当分を低減させる、こういった取組もしております。

 また、FMS調達におきましても、防衛大臣から向こうの防衛長官に対しまして価格低減を要請するといったことを踏まえまして、機体価格について、米軍調達分との一括発注等による単価の低減、あるいは関連経費について、米国企業からの技術支援等を低減させるといった取組を今回の予算編成では行いました。

 私どもとしましても、防衛省全体においてこうした取組をぜひとも精力的に進めていっていただきたい、このように考えておるところでございます。

宮澤分科員 中期防についても御理解をされた上でこういった御努力をされているということで、非常に心強く感じたところでございます。

 ぜひとも、これからも御指導を賜りますようよろしくお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

柴山主査 これにて宮澤博行君の質疑は終了いたしました。

 次に、中川正春君。

中川分科員 質問の機会を与えていただきまして、まず感謝を申し上げたいというふうに思います。

 無所属、民進党の中川正春です。よろしくお願いします。

 きょうは、租税特別措置法、租特について議論をしていきたいというふうに思います。

 法人税でも最近課税ベースがいろいろな形で狭まってきているというか、そうした意味で、欠けてきているということがよく言われております。

 租特についても、そちらの方から出していただいた資料によりますと、いわゆる法人税率の特例という形で、それぞれ控除ないしは税額で免除をされてきている分というのが年々ふえてきておりまして、どこかでこのチェックをしていかないと、これは政治的な、各業界団体なりあるいは関係者の皆さんからいうと、ここの部分だけは特別だから税の減免をするようにということが出てくるんだろうと思うので、そのことと、いわゆるメカニズムとしてそれが組み込まれているということだと思うんですね。

 それがために、租特については何年か前に透明化法という法律の中で、一体実態はどうなっているのかということを情報開示していくという前提で法律が入りまして、それから中身についての開示というのが徐々に行われてきております。

 もう四、五年にわたってそういうものが積み重ねられてきて、それに基づいて、一部は廃止をされたり、あるいは一部は中身の運用というのを見直されたりということが始まっている。

 平成二十六年にこれを法律で入れまして、そこから改正されて、今回、ことしに至っておるということ、これを私も、具体的にその法律の成立の中に関与をしてきましたので見えているんですが、そういうことを前提として、この租特について、今どういう問題意識を持って何をしようとしているか、この改革についてですね。まず、総合的な財務省の考え方というのを確認しておきたいというふうに思います。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生から御指摘がありました租税特別措置の適用実態調査でございます。

 これは、平成二十二年に成立をいたしました租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律に基づきまして、毎年、法人関係の租税特別措置につきまして適用実態を調べまして、国会に御報告をしているというものでございます。

 この法律ができまして、毎年、法人関係の租税特別措置につきましては、その実態、適用額について実績が出るようになりまして、税制当局といたしましても、こうした適用額をにらみながら、租税特別措置の中身につきまして議論をし、また、見直し等を行っているというところでございます。

木原副大臣 今、中川委員の方から、租特について基本的にどういうスタンスかというような御質問だったと思いますが、毎年度の税制改正プロセスにおきまして、例えば新しく租特を創設するであるとか、また、既存のものを延長、拡充というものを行う際には、まずはその要望を行う関係省庁において、政策目的と手段の合理性や効果、また、適用に偏りがないか等について十分に精査をすることが重要であるというふうに私どもは考えているところです。

 その上で、財務省といたしましては、各省庁が提出する要望書や各措置について、各省庁が作成する政策評価書及び総務省が行っております各評価書の点検結果、加えて、適用実態調査の結果等を活用しながら、この租特の適用の状況やその合理性、有効性、相当性などについてしっかりと検証しているというところでございます。

 以上です。

中川分科員 今、これはふえてきているんですけれども、それについてはどう考えますか。

星野政府参考人 法人の租税特別措置の適用額、利用額につきましては、租税特別措置の増減にももちろんよりますけれども、今御指摘がありましたとおり、近年若干適用額がふえているとすれば、そこは法人の業況がよくなってきておりまして、そういう意味では、収益が上がってきていて適用額が大きくなってきているという面もございます。

 ただ、最近数年間は、かなり実績自体は横ばいになってきておりまして、他方、見直し等もしておりますので、そういったものについては減額をしているものもあり、増減額を足し合わせますと、最近数年間はほぼ横ばいというような状況になっていると認識しております。

中川分科員 いろいろな切り口で、分析まではいかないんだけれども統計は出ているんです。その中で、特に所得、いわゆる法人の所得からいくと、百億以上の大企業と、それからその中間にある十億から大体百億ぐらいまでの中堅企業、あるいはそれ以下の企業という形で分けて、それの適用の中身というのが、これは一覧表で出ているんですけれども、税の公平性とかあるいは偏りということからいくと、非常に大企業に大きく偏っている。あるいは、大企業が減税ができるような仕組みというものがこの中にメカニズムとして、当然そういうことだと思うんですが、税額が多いわけだから、内包されているんですけれども、それが非常に極端に出ているんですけれども、これについての所見あるいは問題意識というのは、財務省は持っていないんですか。

星野政府参考人 今、先生からの御指摘は、資本金階級別の各種税額控除制度の適用額の合計額が、例えば、一億円以下でございますと二千三十一億円、一億円を超えて百億円以下のものが千七百五十七億円、百億円を超えたものが二千六百二十二億円、連結法人につきましては四千七十二億円となっている、こういった実態を踏まえて、大きい企業の方がより適用額が大きいのではないか、そういう御指摘かと存じます。

 これは、当然のことながら、大きな企業の方が当然利益も大きく上がりますし、制度を使ったときに受ける減税額なり適用額というものが大きくなるということで、こういった数字があらわれてきているというふうに認識をしております。

 租特によりましては、中小企業でありましても相当適用件数の多いものもございまして、適用件数等々もあわせて利用実態を見ていく必要があるかなと思っております。例えば、研究開発減税などにつきましては、中小企業におきましても幅広く利用されている、そういう認識を持っております。

中川分科員 では、ちょっと焦点を絞って話をしていきたいと思うんです。

 償却だとかあるいは準備金だとかという形で、トータルで対象になる金額がここに上がっているものと、そうではなくて、控除された税額そのものがあらわされている、いわゆる税額控除と言われるものがありますよね。その中で、特にこの税額控除は、生でここまで税額が控除されているということなので、これに焦点を当てていきたいと思いますが、二十八年度で一兆四百八十二という数字ですよね。このうちの、さっき話が出た研究開発費が約六千億、所得関係が三千億というふうに聞いています。

 この中で、研究開発というのは、本来は、租特で持ってくるかどうかというときの一つの基準として、文部科学省にしても、あるいは経産省にしても、補助金という形で、同じ税金を使うのに、それぞれのプロジェクト単位で出しているわけですよ。補助金として出すのがいいのか、それとも、もうかっている企業だけに適用される税額控除でありますから、だから、もうかっていないところはこの控除はきかないわけだけれども、こういう形で、税ということでこれを奨励していくというか支援していくというか、そういう形をとるのがいいのか、それは恐らく、当然議論したはずだと思うんですよ。

 だけれども、税をその効果あらしめるというか、そういうことで使うとすれば、本来は、補助金体系の中にそれを組んでいくということが私は正しいんだというふうに思うんだけれども、これだけ、いわゆる六千億円という形で、補助金と同じように、もうかっている特定の企業だけに自動的にこの金額がある意味で付与されていることになるというふうに思うんですね。そこのところについての議論というのはどのように尽くされたかということ、これを、個別具体的に言えば、まずここから答弁をいただきたいと思います。

星野政府参考人 ある政策を推進する上で、租税特別措置のような措置でもって、税制を要するに活用して政策を推進するという手法をとる場合に、補助金でやるのとどうかといったような比較論、政策の選択論があるというのは、先生おっしゃるとおりだと思います。

 民間企業がある政策を、例えば研究開発について取り組んでもらいたいというふうに政府が考えたときに、ある程度、民間企業に対する自主性と申しますか、税制を用意して、それを利用するかどうかというのは、まさに企業の自主性に委ねると。これを補助金にいたしますと、補助金を出す相手方に対するやはり審査も必要となりますし、かなり個別性が強くなりますので、そういった政策と比べた場合に、税制の方が、ある意味、制度をつくった上でそこの活用を民間の自主性に委ねるということは、民間の政策を推進するという中にあっても、民間企業の自主性なり、そことの個別の関与の度合いをなるべく起こさないように政策推進をするという意味では、税制を使う合理性というのはあるのかなというふうに考えております。

中川分科員 何のためにこの制度を使うかといったら、研究開発へ向けて企業のインセンティブをつくり上げていくというか、それが即利益を生まないものであるとすれば、それに対する時間軸というのをこうした形で資金を供給することによってつくっていくとか、そういうことだと思うんですね。

 これは、補助金ということを前提にして、プロジェクトがあって、それに対してどうかという判断の中でできると思うんだけれども、税の場合は、これは結果として出てくるんですよ。企業が、もともとこの研究をしたい、して、研究費を使った、それで申告をして、その分は税額の控除が出ましたよ、だから、余裕資金がそこから出てきましたよ。これは結果として出てくるんです。

 だから、そういう意味で、企業に対してのインセンティブというのは、こういう類いの領域に対しては、私は、税は使うべきでないということ。それをもっと端的に言うと、こういうことなんですね。一つは、不公平。公平性が担保できないということなんです。

 補助金で今出している金額というのは、例えば、文部科学省が、JSTとかJSPSとかいうふうなところを通じて、それぞれの個別の企業に対して、例えば研究成果展開事業というのがあるんですが、これは百七社に対して十七億円、一社に対して千六百万円ですよ。百億円以上でも三千六百万円です、大体、ここで出ている平均値というのが。

 ところが、今、連結決算ベースの資料を手元に持っているんですが、例えば、輸送用機器、器具の製造業、これでいくと、百億円超というのが二十二社、この控除の対象になっているんですが、これで千三百九十二億円控除されています。一社について割り振ってみると六十三億円ですよ、一社六十三億円。百億円以下でも一・四億円、こういう数字になっているんです。

 例えば、これだけの原資があるんだとすれば、これを研究開発関係の補助金に回して、一つ一つのプロジェクトを見て、利益が出ている、出ていないにかかわらず、苦しい会社であっても、そのプロジェクトが十分に価値あるもの、あるいは未来があるものであるとすれば、それを支援していくというような資金に回していくということ。これは、経産省でも文科省でも、そうした資金が今不足をしているんです。日本の科学技術の将来というのはどうなっていくんだと戦々恐々としている中にあるわけですね。

 それをこうした形で自動的に税で割り振るということの不公平性と、それから、そこにある矛盾というかな、そんなものを抱えながら、これをそのまま継続をさせていっていいのかどうかという、この視点というのはあるんだと思うんです。

 ここについて本当に議論されているのかというと、恐らくそうした切り口での議論はないんだと思うんですね、今、財務省の中に。だから、こんなことが起きているんだと思うんです。それで課税ベースがどんどんどんどん崩されている。これは政治力によって崩されているんですよ、そういう意味では。

 ということを指摘したいんですが、大臣、ここでちゃんとしたコメントを出してもらわないといけないですね。

麻生国務大臣 これは長い話なので、いろいろな切り口がありますので、これは中川先生がおっしゃることは一理ありますよ、間違いなく、そういった点もあることは確かですから。

 これは多方面からちょっといろいろ検討してみぬと、それだけで切るというわけにもいかないんじゃないかなと思っております。

中川分科員 検討してきてこういう結果だと言われるんですが、検討しないから、する力がなくなっているんですよ、財務省は今。それは、日銀に対してもそうですし、あるいは官邸に対してもそうなんだろうけれども、財政規律にしても、あるいはこうした問題にしても、本来財務省が持っていたバランス感覚と、それから本来主張しなければならない立場にあったその主張というのが財務省から全然出てきていないということ、それがこの問題に内包されているんじゃないかということを改めて指摘をしておきたいんです。

 それで、どうですか。研究開発に絞って今話をしていますけれども、この数字というのは余りにも極端に出てきているんじゃないかと私は思うんだけれども、担当者としては、これはどうつかんでいますか。

星野政府参考人 先生の御指摘、拝聴いたしましたけれども、私どもといたしましては、例えば、先生先ほど言われました輸送用の機械、ほかに、例えば化学工業、いろいろな業種、分野において、民間企業は世界的な競争の中で、さまざまな研究を行い、競争力をつけて戦っているわけでございまして、そういった企業がまさに研究を行い、付加価値をいかに上げていくか、そういった環境を整備するためのまさに研究開発税制を設けることによって、企業のキャッシュフローを助けたり、また、収益環境をよくしたりということでございまして、そこは非常に合目的的な制度であると私どもは考えております。

 繰り返しになりますけれども、個別の民間企業の活動に対して、補助金のような非常に個別性の強い、そういった支援策で行うのか、税制のような、ある意味、個別個別ということではなくて、環境を整備した上で活動を企業の自主性に委ねる、そういうアプローチがいいのかというのは、これは、政策目的に応じてそれぞれとり得ることがあるのではないかというふうに考えております。

中川分科員 政策領域によって違うんです、確かに。違うんだけれども、この研究開発ということについて、この制度でいけば結果的にどうなるかといったら、強い企業が、もうかる企業はよりもうかって、より強くなるという構造でしかない。

 この租特が、これから頑張っていこう、利益は出ていないけれども、非常にいいプロジェクトがあるんだ、新しい企業としてやっていくんだというようなところへ向いてきいているかといったら、全くきいていないんですよ、これは。

 そこは、目ききがいて、その中で研究開発をやっていく。その結果が、この資金が生きているのか生きていないのかというのがちゃんとチェックができないことには、これは税金ですから。やみくもに、こんなばらまいているような形でやるんじゃなくて、その結果に対して、やはり出す方は責任を持たないといけない、国民に対して。全然そういうチェックがないんですよ、これ。という二つの点において、これを租特でやるというのは私は間違いだと。

 削れと言っているんじゃない。ちゃんとした体系をつくれ、戦略をつくれ、この金で、科学技術の、研究開発の戦略をつくれと言っているんですよ。あなたたちが勝手にばらまいちゃだめだと言っているんですよ。それも、強いところ、もうかっているところをより強く、もうかるようにするような構造でまいているだけの話じゃないですか、これは。ということを指摘しておきたいというふうに思います。

 何やかんや言って、またいろいろ理屈をつくるんだと思うんだけれども、情けないですよ、それは。そんな理屈、つくっちゃだめなんです。それが一つ。

 それからもう一つ、これは税ですから、やはり情報開示をする必要があると思います。補助金だったら、どの企業に幾ら行っていると全部わかるんですよ。オープンになるんですよ。

 以前からこれは言っているんだけれども、租特で、透明化法で出てきた、これだけ税額控除していますよというのは、やっと、件数は出てきているんだね、件数は。だけれども、どこの企業にどれだけ補助金として出しているんだと、同じことなんだけれども、この個別企業の名前を出せと言っているんだけれども、あれからどうなりましたかね。出すようになりましたかね。

木原副大臣 もう委員は十分御承知かとは思いますけれども、租特の運用実態調査の報告書の件だと思いますが、租特の利用状況を明らかにして、政策の企画立案に役立てていくということを目的としていることから、こうした目的に照らして、個別企業名まで公表する必要はないという整理が、一旦、平成二十二年の立法当時からなされているというところでございます。

 このため、個別の措置ごとに、適用額の上位十社を示す際にも、個別企業ではなく、今おっしゃったように、毎年度、ランダムに割り振ったコード番号、法人コードといいますけれども、これを現在用いているというところでございまして、現在は、この調査により、措置の適用件数あるいは適用金額、適用状況の偏りといった状況を把握し、税制改正プロセスで有効に活用できておりまして、現行の扱いを変えることは考えていないというところでございます。

中川分科員 変わっていないということなんだけれども、それでは納税者が納得しないんじゃないかな。

 もう一回同じことを言いますけれども、補助金であればどこに幾ら出ているかというのはわかるんですよ、これ。だけれども、何でこれだけわからないんだ。しかも、ずっと一覧表を見ていると、例えば、さっきの百億円以上で産業用の電気機械器具なんていうと、もう二十二社しかない。平均して数字を割っただけでも、一社で二十二億円ですよ。これだけの補助金を出しているのに、税をどう使ってどういうふうに活用しているのかというのは、納税者としては当然知るべきところでしょう。

 そこがなぜ壁が破れないのか。聞き取りに来た担当者に聞いたら、いや、私たちもそれは知らないんです、財務省の窓口としては、国税庁が私たちにその情報を上げてきていないんです、こういうことだったので、国税庁も来てくださいと言っておいたんだけれども。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 この実態調査に関する報告書につきまして、先ほども副大臣から答弁がございましたように、平成二十二年の立法当時において、個別企業名は公表しないというふうに整理されていると承知しております。

 私どもの方が数字を拾っておるわけですが、個別企業の情報を提供することにつきましては、企業の影響などを含め競争上の不利益が生じかねないのではないか、また、企業の理解を得られぬまま情報の提供を行うことにより、税務当局への信頼や協力が損なわれないかといった点について慎重な検討が必要であり、そうした情報を国税庁からお出しすることはできないということを御理解願いたいと思います。

 二十二年当時も同じ議論でございました。

中川分科員 そんな理屈は理解できません。

 納税者の立場からいっても理解できないんだけれども、もう一方、企業の方からいっても、これだけ税金がまけてもらえるような、国が奨励するような研究開発に頑張っているんだという意味では、それはそれで評価もできる見方もあるんですよ。

 ただ、その結果が何に使われているかということがわからないから公表できない。だから、これは構造的にやはり不健全なんです、こういう形では。そうでしょう。六十三億とか二十億とか、一社でですよ。一社でそれだけ減税されているんですよ。これはもう、科学技術、なかなかもうからないけれども、うちもそういう研究をしていきたいんだという企業、この対象に入ってこない企業っていっぱいあるんですよ。

 経産省にしても文科省にしても、そこに補助金をつけようと思って財務省に話を持っていっても、全部削られているんですよ。だから、各省庁にとっても、あんたたち何しているんだと。証明しろと、これだけ減税して。効果が上がっているんだったら、その証明をしろと言いたいと思うんですよ、これは。ということの問題提起をきょうはさせていただきました。

 大臣、頑張ってください。最後に答弁を求めます。

麻生国務大臣 中川先生、やはり、ちょっと歴史がありますからね。

 今、財務省としてというお話がありましたけれども、考えてみたら、やはり一九八〇年代までに日本は、一九四五年からの産業政策を通産省が立案して、金融政策を大蔵省がやって、傾斜配分をやって、産業を育成してきたんですよ、徹底して。徹底して育成して、当たりに当たったんだと思いますね、日本の場合は。当たり過ぎてどうにもならなくなって、アメリカはバンザイしたわけでしょう。そして、それでもというので、ついに産業政策まで、最初はあれですよ、産業のフリクションの最初は繊維ですからね。ニクソン・佐藤会談のあれにさかのぼって、あれから始まったわけですよ。そして、それを一つ一つ、関税障壁だ非関税障壁だと、ざあっとやってきて、それで、ついに最後は産業政策まで言われて、放ったわけですよ、八〇年に。それでもまだアメリカが追いつかなくなって、仕組まれたのは何かといえば、プラザ合意ですよ。ああいうことにならないようにするためにどうするかということで、放った。放った分だけ、産業政策を立案する契機は全く通産省から消えたんだと思いますね。それが結果として、今言われたように各企業にやってもらうということにならざるを得なくなっていった背景なんだと思います。

 あれをもう一回やるんだったら、もう一回育成するという方針で、大方針を展開して、アメリカともそういったことを考え直さないかぬということになるというのを避けないかぬと思って、我々は今、エコノミックダイアログというので、フリクションが起きていない今の段階でやっていかないかぬということでやらせていただいていますけれども、基本的にそういったこと、大きな中の一部なんだと、私どもはそう思っております。

柴山主査 質疑時間が終了しております。

中川分科員 はい。

 そう言ってしまえば、日本は余りにも戦略性がなさ過ぎるんですよ。アメリカの場合は、軍事費の中に科学技術の開発費というのを相当組み込んでいて、それを使いながら戦略的にあれだけのものを進めている。その中から生まれてきたものって、それこそ世間でいっぱい指摘しているような話なんです。

 そういう意味からいったら、これまでこれが全部隠れていたんだけれども、この透明化法で全部表に出てきましたから、そうした意味での政策転換と、それから有効な資金の使い方というのを戦略的に考える時期が来ているということを改めて指摘をさせていただいて、そして議論を終わりたいと思います。

 ちょっとオーバーしました。済みません。

柴山主査 これにて中川正春君の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る二十六日月曜日午前九時より開会し、財務省所管についての審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時四分散会


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