衆議院

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第1号 平成27年3月10日(火曜日)

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本分科会は平成二十七年三月五日(木曜日)委員会において、設置することに決した。

三月九日

 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。

      大島 理森君    萩生田光一君

      古屋 圭司君    山下 貴司君

      後藤 祐一君    今井 雅人君

三月九日

 萩生田光一君が委員長の指名で、主査に選任された。

平成二十七年三月十日(火曜日)

    午前八時開議

 出席分科員

   主査 萩生田光一君

      安藤  裕君    尾身 朝子君

      大串 正樹君    大島 理森君

      神山 佐市君    武井 俊輔君

      古田 圭一君    古屋 圭司君

      八木 哲也君    山下 貴司君

      荒井  聰君    後藤 祐一君

      柚木 道義君    笠  浩史君

      今井 雅人君

   兼務 緒方林太郎君 兼務 金子 恵美君

   兼務 本村賢太郎君 兼務 足立 康史君

   兼務 井出 庸生君 兼務 篠原  豪君

   兼務 吉村 洋文君 兼務 赤羽 一嘉君

   兼務 國重  徹君 兼務 角田 秀穂君

   兼務 斉藤 和子君 兼務 宮本 岳志君

    …………………………………

   文部科学大臣       下村 博文君

   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君

   文部科学大臣政務官   山本ともひろ君

   国立国会図書館長     大滝 則忠君

   政府参考人

   (内閣官房2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室長代理)

   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        久保 公人君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 中西 宏典君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房公益法人行政担当室長)      岩田 一彦君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室室長代理)         富屋誠一郎君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 塩川実喜夫君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    服部 高明君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    井波 哲尚君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房長) 戸谷 一夫君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      関  靖直君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          小松親次郎君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            吉田 大輔君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         藤原  誠君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       川上 伸昭君

   政府参考人

   (文部科学省研究振興局長)            常盤  豊君

   政府参考人

   (文部科学省研究開発局長)            田中 正朗君

   政府参考人

   (文化庁次長)      有松 育子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           武田 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局雇用開発部長)       広畑 義久君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           宮城 直樹君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 黒田 憲司君

   文部科学委員会専門員   行平 克也君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

分科員の異動

三月十日

 辞任         補欠選任

  古屋 圭司君     八木 哲也君

  後藤 祐一君     荒井  聰君

同日

 辞任         補欠選任

  八木 哲也君     古田 圭一君

  荒井  聰君     逢坂 誠二君

同日

 辞任         補欠選任

  古田 圭一君     大串 正樹君

  逢坂 誠二君     宮崎 岳志君

同日

 辞任         補欠選任

  大串 正樹君     武井 俊輔君

  宮崎 岳志君     柚木 道義君

同日

 辞任         補欠選任

  武井 俊輔君     安藤  裕君

  柚木 道義君     笠  浩史君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤  裕君     尾身 朝子君

  笠  浩史君     後藤 祐一君

同日

 辞任         補欠選任

  尾身 朝子君     神山 佐市君

  後藤 祐一君     宮崎 岳志君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     古屋 圭司君

  宮崎 岳志君     後藤 祐一君

同日

 第一分科員金子恵美君、本村賢太郎君、斉藤和子君、第二分科員緒方林太郎君、篠原豪君、第三分科員國重徹君、角田秀穂君、第五分科員赤羽一嘉君、第六分科員井出庸生君、吉村洋文君、第七分科員宮本岳志君及び第八分科員足立康史君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十七年度一般会計予算

 平成二十七年度特別会計予算

 平成二十七年度政府関係機関予算

 (文部科学省所管)


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     ――――◇―――――

萩生田主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。

 私が本分科会の主査を務めることになりました萩生田光一です。よろしくお願いいたします。

 本分科会は、文部科学省所管について審査を行うことになっております。

 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算及び平成二十七年度政府関係機関予算中文部科学省所管について審査を進めます。

 政府から説明を聴取いたします。下村文部科学大臣。

下村国務大臣 平成二十七年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 平成二十七年度予算の編成に当たっては、東日本大震災からの復旧復興対策を初め、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化芸術の振興についての施策を総合的に展開するため、文部科学省関係予算の確保に努めてきたところであります。

 文部科学省関係予算は、一般会計五兆三千三百七十八億円、東日本大震災復興特別会計二千百九十六億円などとなっております。

 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

 なお、詳細の説明につきましては、お手元に配付しております資料のとおりでありますが、時間の関係もございますので、主査におかれましては、何とぞ会議録に掲載されますよう御配慮をお願い申し上げます。

萩生田主査 この際、お諮りいたします。

 ただいま文部科学大臣から申し出がありましたとおり、文部科学省所管関係予算の概要につきましては、その詳細は説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

萩生田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

萩生田主査 以上をもちまして所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

萩生田主査 この際、分科員各位に申し上げます。

 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願いいたします。

 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。八木哲也君。

八木分科員 改めて、おはようございます。分科会長の御指名をいただきましたので、本日、一番バッターを務めさせていただきます。

 実は、私は、分科会の質問は今回で三回目になりまして、全て文科部会でやらせていただいておりまして、下村大臣には丁寧な御回答をいただき、ありがたく思っております。

 一回目は、私は、地方にある文化をどのように地域活性化につなげていくのかということで、豊田市にありました農村舞台、七十八あるわけですけれども、その農村舞台を例にとりまして質問いたしました。

 その後、市の方も一生懸命調査していただきまして、現在、豊田市には八十四カ所にふえたんです。そのように、ちょっと地域活性化につなげていこうという機運が出ておるような気がしております。

 そして、二回目は、科学技術教育の推進について、下村大臣に、福沢諭吉の「窮理図解」をお見せして、明治のころからしっかり科学技術に取り組んできた、こんなようなお話をしたと思います。

 そして、きょう三回目でございますけれども、今回は特別支援教育についてお伺いしたい、こういうふうに思っております。

 実は、私の選挙区は豊田、みよしでございますけれども、そこには三好特別支援学校があります。国政に携わる前、市会議員として同校を訪ねたことが多々ありました。そのころから、学校やまた保護者の皆さんからいろいろな改善要望が出ておりました。国会議員になりまして、ことしの一月に訪問する機会がありました。

 実は、三好特別支援学校は、昭和四十四年、小中学部百十八名でスタートいたしました。以来、約四十年たった現在、高等部もできまして、今、三百八十三名というマンモス校となっております。

 立地条件を申し上げますと、校舎は、南垂れの傾斜地でございまして、標高でいきますと約十メートルぐらいの差がある傾斜地、狭隘な土地に建っております。

 児童生徒の増加によりまして、建て増し建て増しで、現在、実に九棟も建っておるんです。傾斜地であるために、一棟ごとが直列的になっておりまして、したがって、棟から棟へ行くには、屋根だけの吹きさらしの渡り廊下の階段を上っていくような状況になっております。

 児童生徒の増加によりまして、教室も足りなくなってしまっております。もうこれ以上の増築ができないために、特別教室や倉庫を教室に改造したり、廊下の突き当たりをカーテンで仕切って更衣室にしたり、職員室も、生徒がふえたものですから手狭になって、廊下との壁をぶち破って廊下まで拡張したり、そして、冷暖房は食堂だけ。

 いろいろ言えば切りがないんですけれども、私が最初に見に行った約十年前と何ら変わっていない劣悪と思えるほどの環境で、改めて、先生や保護者の皆さんに申しわけないな、こういう思いがしておりますし、これは何とかせないかぬぞ、こういうふうに思っておるわけであります。

 幸いにして、タイミングよく、自民党の中で教育再生本部がありまして、その中で特別支援教育部会というものが設置されまして、幸いに私もそこで勉強させていただいて、それらを踏襲して今回の質問をしたい、こういうふうに思っておるわけであります。

 まず第一に、今度、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されるわけであります。こういう機会を捉えて、やはり障害者スポーツだとか障害者教育にも先駆的に取り組まなければいけないのではないか、こんな思いがしておりまして、やはり日本の発達障害教育を世界最高水準にするため、教育の機会均等のもとで、特別支援教育とインクルーシブ教育システムの構築について、大臣の意気込み、そして考え方をまずお聞きしてから質問に入りたい、こういうふうに思いますので、よろしくお願いします。

下村国務大臣 八木委員におかれましては、過去二回、本当に印象的な、私にとっても記憶に残る質問をしていただいていて、大体分科会は、きょうもそうなんですが、二十二人の質問者がいますので、二十二人の方に一日に質問されると、どんなことを質問されたのか、一年もたてば忘れる場合があるんですけれども、八木委員の、特に豊田市の文化関係、これは二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて、東京だけではなくて日本全国を元気にさせる受け皿として、既存の文化財やあるいは伝統行事、これを活性化させるのは大変重要だと思いますし、そういう意味でヒントをいただいた気がいたします。

 そして、御質問でありますが、昨年一月二十日に我が国が批准した障害者の権利に関する条約におきまして提唱されたインクルーシブ教育システムの実現に向けた取り組みは、非常に重要だと考えております。

 インクルーシブ教育システムにおきまして、同じ場所でともに学ぶことを追求するとともに、発達障害を含む障害のある子供の教育的ニーズに的確に応えることができるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学び場の整備が必要となっているというふうに認識しております。

 多様な学び場の一つである特別支援学校につきまして、私も、新学期が始まったら直接現場に視察に行きたいと今計画をしているところでもございます。

 文科省においては、インクルーシブ教育システム構築に向けた取り組みを支援する事業や、児童生徒の日常生活上の介助や学習活動上のサポートを行う特別支援教育支援員の配置に係る地方財政措置等を実施しておりまして、引き続き、インクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育の充実にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

八木分科員 ありがとうございました。ぜひ現場を見ていただきたい、こういうふうに思います。

 大臣の言われる基本的な姿勢といいますか基本的な考え方の中で、しっかり省庁の中で展開していく必要がある、こういうふうに思いますが、やはり何事も現場というのが私は一番大事だと思いますし、現場へ行って、現場を見て、そして現場の声を聞くということが政策において一番大切である。

 そういう意味において、今大臣から、現場を見たい、こういうことであります。ぜひ、私が今言いましたところは本当に十年前と変わっていなくて、みんなが困っている、そういうところで、なかなか遅々として進んでいかない、この現状は何が原因しているのか、そういうことをしっかり見ていただきたい。できれば、私の今テーマで挙げておりますこの三好なんかもその候補に挙げていただきたい、こういうふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。

 そういう中で、今、基本的な考え方に沿って質問をしていきたい、こういうふうに思います。

 次の質問は、特別支援児童生徒というのが、先ほど申し上げましたように、本当に、私が例で言った三好特別支援学校においてもむちゃくちゃふえてきておる。百十八名であったのが、もう現在、三百八十三名にもなっている。こういう現状からして、全国の傾向というものもきちんと、資料ではいただきましたけれども、その辺を、今までどういうふうにふえてきたんだ、そして今後、まだこれから先どういうふうに推移していくんだ、そしてそれは何の要因があってそういうふうになったんだということについてお聞きしておきたい、こういうふうに思います。

小松政府参考人 お答えいたします。

 まず、特別支援教育を受けております児童生徒数の現在の状況でございますけれども、特別支援学校の在籍者、それから小中学校の特別支援学級の在籍者などを含めまして、特別な支援を必要とする児童生徒についてはずっと増加傾向にございます。特に、この十年間、どちらの方も増加傾向にございます。

 増加の理由について、一概に特定することは難しいのでございますけれども、特別支援の対象となる児童生徒全体につきまして、早期からの教育相談や就学相談が充実してきたということもございまして、一人一人の児童生徒の障害の状態等に応じた教育への理解や意識が進んできたということがあろうかと存じます。

 今後につきましても、さまざまな要因が影響すると思いますけれども、条約の批准等によりまして、こうしたことに対する関心、理解等が高まるにつれまして、ふえるということが十分あり得るというふうに予想いたしております。

八木分科員 資料によれば、相当ふえていく可能性がある、これからどれだけふえていくかということについてはまだまだ未定な部分はあるけれども、いずれにしても、ふえていくということであります。

 これは、全体的に見て、どのぐらいのパーセントということはある程度わかるわけでございます。これは医学的にわかるわけでございますが、やはり今、文科省のデータからいくと、もう右肩上がりなんですよ。そうすると、そういうデータを見ると、保護者からすると物すごく心配なんです、こんなにふえていくのかと。

 そうではなくて、医学が発達したためにそういう子供たちが早く見つけられる、こういう状況になってきたのではないか、こういうふうに思っておるわけでありまして、そんなにべらぼうにふえていくわけではない。そういうことをしっかり説明していかないと、親御さんの不安感だけをあおる結果になりますので、その辺は十分注意していただきたい、こういうふうに思っております。

 ふえていくんだよ、こういうことが現実でありまして、今、現実にも多くいるわけでございます。そういう中で、それを受け入れるための特別支援学校というものがあるんですけれども、その支援学校が、文科省の通達等で解消はしてきているものの、平成二十五年比で三百八教室減っておるんです、しかし、まだまだ多くありまして、三千九百六十三教室がまだ不足しておる、全国的に見て。そうしたときに、まだまだ相当の馬力で予算もつけてやっていかなければいけないのではないか、こういう状況にあると思うんですが、その辺の解決策についてちょっと聞きたいと思います。

関政府参考人 特別支援学校の教育環境の整備につきましては、従来から、地方公共団体におきまして取り組みが進められているところでございますが、御指摘のように、近年の児童生徒数の大幅な増加によりまして、施設整備が追いついておらず、教室不足が生じている状況でございます。

 文部科学省では、地方公共団体におきまして、潜在ニーズを含め児童生徒数を把握し、解消計画を策定、更新した上で、新設校の設置や校舎の増築、分校、分教室の設置など、適切に対応するよう求めているところでございます。

 また、地方公共団体が行う特別支援学校の建物の整備に対しまして国庫補助を行っておりますが、平成二十六年度からは、新たに、廃校施設や余裕教室等の既存施設を活用しました特別支援学校の建物の整備に係る補助制度を創設したところでございまして、平成二十七年度の予算案におきましても、地方公共団体の事業計画を踏まえた経費を計上しているところでございます。

 今後とも、地方公共団体におきまして、計画的に整備が行われるよう要請するとともに、引き続き、財政支援に努め、教室不足の解消に努めてまいりたいと考えております。

八木分科員 しっかり手を打っていただきたい、こういうふうに思うんですけれども、この手の打ち方というものにも問題があるのではないかと私は思っております。

 といいますのは、やはり特別支援学校というのは定員があるわけであります。そうすると、定員に漏れた人はどうなるのかというと、特別支援教室だとか通級ということで、そこの方がふえている倍率は高いわけですね。ですから、そこにも問題はあるのではないか、こういうふうに思っております。

 そして、今、文科省から、各自治体、都道府県に通達で改善指導はしておりますけれども、これは一律の改善指導になっている、全国一律になっておる。やはり、このデータを見ると相当ばらつきがあるんですよ。例えば、石川県は教室不足数ゼロなんです。一番多いのは、神奈川県が三百三十七もまだあるわけです。この落差の大きさというのに、僕は、文科省から指導する方向性がちょっと違うのではないか。やはり、ゼロのところに幾ら指導したってしようがないわけであります。

 そういう飛び出たところ、今、二百室以上不足しておるのが六県もあるんです。ですから、そういうところをまずなくすような指導もしていかなければいけないのではないか。愛知県においても、二百七十七も不足しております。

 こういうような状況からして、その県、県に合った指導方法というのがあるんじゃないか、その辺もちょっと考えて御指導いただきたい、こういうふうに思っております。

 次に、特別支援教育にかかわる教育費の問題であります。

 これを調べますと、特別支援学校での一人当たりの教育費というものを見てみますと、やはりこれも各県でばらばらなんです。多いところと少ないところ、これはちょっと古いデータかもわかりませんけれども、一番多いのは秋田県が一人当たり千三百五十万かかる、一番最低が五百五十万、静岡県なんですけれども、愛知県も同じようなもので五百五十五万円ぐらいかかっておりまして、そうすると、どのぐらいの開きがあるかというと、その差、二・四五倍あるんです。

 要は、教育の機会均等、こういうふうに言っておるんだけれども、県間のばらつきが相当あるのではないか。このことについて、やはり、エックスバーがいいのかどうかは別にしまして、余りにも大き過ぎる、このことをどういうふうに解釈しておられるのか、そしてまた何をやらなければいけないのか、その辺が見えてくるような気がするんですけれども、その点についての御見解を伺いたい、こういうふうに思います。

小松政府参考人 特別支援学校の児童生徒一人当たりの教育費につきましては、毎年度調査をして算出いたしておりますが、御指摘のとおり、都道府県によって差が生じているということは私ども承知しております。

 これにつきましていろいろ伺いますと、都市部であるか郡部であるか等、さまざまな要素の影響を受けていることもございまして、これのみをもって直ちに各自治体の取り組み状況をちょっと判断しかねるところもあるのでございますけれども、御指摘のように、各自治体で積極的に取り組んでいただかなければいけないということははっきりした方向だと思います。

 そこで、私どもといたしましても、地方財政措置と、それから国家予算、委託等、さまざまな事業を組んでおりますが、これを積極的に活用していただきながら、地域の実情に応じた必要な予算を確保していただいて特別支援教育の推進に取り組んでいただくというふうに、協力し合いながら進めていくことが重要だというふうに考えております。

 文部科学省といたしましては、引き続き、特別支援教育の推進のためにこうした各種の施策を進めるとともに、各自治体にも積極的に働きかけていきたいというふうに存じます。

八木分科員 しっかりやっていただきたい、こういうふうに思うんですけれども、やはり僕は、この一覧表を見ておりますと、必ずしも、人口規模だとか、その県の抱える予算規模だとか、そういうことには余り関係ないような気がしておるんです。やはりそれは、僕は、教育に対するその県の姿勢のあらわれのような気がしてならぬわけでありますので、そういう観点もしっかり見せる中で解析していっていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

 次に、特別支援学校の設置基準について伺いたい、こういうふうに思っております。

 今までるる質問いたしましたけれども、これらは、各県、要はばらばらですよということなんです。それでは、このばらばらが何に起因してくるのか、こういうことを思っておるわけです。そうしたときに、やはり特別支援学校の設置基準というものに起因してくるのではないか、こういうふうに思っております。

 今この法律を見てみますと、例えば小学校について言えば、学校教育法第一章の「総則」第三条に、「学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。」こういうふうにあるわけです。

 ところが、特別支援学校にはこの規定がありませんでして、あるのは、学校教育法第八十条の、「都道府県は、その区域内にある学齢児童及び学齢生徒のうち、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者で、その障害が第七十五条の政令で定める程度のものを就学させるに必要な特別支援学校を設置しなければならない。」こうあるわけでして、問題は、都道府県に設置義務が規定されておりますけれども、国の設置基準がないというところであります。

 そういうことからしまして、したがって、各県、設置基準はばらばらなんです。ちなみに、愛知県の場合は、三百名を超えない範囲としたい、こういうふうになっております。ところが、先ほど申し上げましたように、現在三百八十三人もおる。こういうような規則がないものですから、そういうふうになってしまう。

 その辺について、やはり国の方で設置基準をつくるべきだ、こういうふうに私は思うんですけれども、その辺について御見解を賜りたい、こういうふうに思います。

小松政府参考人 設置基準の問題で御指摘をいただきました。

 特別支援学校につきましては、対象とする障害種に応じた多様な施設や設備が必要であるとされることから、各学校の状況に応じてさまざまな柔軟な対応をしていかなければいけないということで、これが可能となりますように、一方において、設置に当たっての一律の基準は設けられていないというのが現状でございます。

 こうした考え方のもとで、学校の設置について、設置者において障害のある児童生徒の状況や地域の実情等を考慮して適切に判断するということになっているわけでございますけれども、その上で、今御指摘の特別支援学校の教室不足等、こうしたものが生じることにつきましては、先ほどもちょっと申し上げたかと思いますが、文部科学省においてさまざまな調査を行う中で、毎年度、教室不足状況も調査を実施いたしまして、各自治体における教室不足の解消のために計画的な取り組みを促すよう通知を発出しているところでございます。

 平成二十六年度、つまり今年度からは、新たに、廃校施設や余裕教室等の既存施設を活用した特別支援学校の建物整備に係る補助制度を創設いたしております。

 こうした施策の充実を通じまして、文部科学省としては、特別支援教育における環境の改善と、そのための引き続きの教室不足の解消に努力をしてまいりたいというふうに考えております。

八木分科員 やはり、ここが一番の基本なんですよ。ですから、県は、その財政状況だとか教育に対する姿勢によって、明らかに違いが出ておるわけであります。先ほど例示したとおりだと思います。やはり、そこをきちんとしていかないと、小学校だって中学校の設置基準と同じようにきちんと基準をつくっていかないと、各自治体という部分において、考え方がいろいろ違うものですから、この統計で見るようなばらつきがあるのではないか、こういうふうに思います。ぜひそのことについてはもう一歩踏み込んでいただきたい、こういう強い思いを持っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 時間が非常に迫っておるようでございます。

 実は、小学児童だとか中学校、高等学部、こういうような部分は大事なんですけれども、本当は、先ほど冒頭にも申し上げましたけれども、医学の発展によって早くわかるようになった、ということは、早く治療ないし支援をすることが必要だ、そういうことを思いますときに、やはり保育園、幼稚園、そこからきちんとやっていかなければいけないのではないか、こういうふうに思っておるんです。私は、これは要望でありますけれども、そういうところにしっかり、もう一歩先を行っていただければ、もっと子供たちの成長のためにはいいのではないか、こういうふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。この件についての質問は、ちょっと流させていただきます。

 そして、最後の質問になるかもわかりませんが、やはりこういう中で、一番現場の方でお困りになっておる、また保護者についても信頼感の問題でお困りになっている部分は、特別支援学校における教員免許、本当にしっかり教育された人にやっていただいておるのかということになるわけです。

 支援学校で教えるには、小中学校や高校の教員免許に加えて、特別支援学校の教員免許が必要であります。しかし、教育職員免許法で、六十年前から今日に至るまで、小中高などの免許があれば、当分の間、支援学校免許がなくてもよい、こういうふうにされております。

 その結果、昨年度の支援学校の免許の保有率は、支援学校で七一・五%、免許を持つ定めがない支援学級では三〇・五%しか取得していないんです。逆な見方からすると、支援学校では二八・五%、支援学級では六九・五%の人が専門的でない先生が教えておるということなんです。私は、これは危険なことだと思うし、また、そういう実態が明らかになるにつれて、保護者との信頼関係が構築されていかない危険性があるというふうに危惧しております。

 そういうことからして、当分の間なんとこう法律に書いてあるものですから、当分の間がずっと続いて、六十年も続いてきちゃった、このことは早いこと是正して、むしろ、教員の皆さん方は全ての人がその資格を持つ、こういう教育体制にしていかないと、こういう支援教育の充実というのはあり得ぬのではないか、それが保護者に対する信頼感につながっていく、こういうふうに私は思うんですけれども、その点について質問をしておきたいと思います。

小松政府参考人 御指摘のとおり、特別支援教育にかかわる先生方の専門性の向上は非常に重要な課題だと考えております。それから、特別支援学校教諭免許状の保有率向上も非常に重要なことだと考えております。

 文部科学省といたしましては、この保有率向上のために、各教育委員会に対しまして、その取得のための免許法認定講習の受講機会の拡大を求めるということが一つ、それから、来年度の予算案については、その認定講習の開設を委託する事業を拡充して計上しております。さらに、教育再生実行会議の第五次提言でも、こうした点の充実ということが提言されております。

 これらの提言等も踏まえまして、特別支援教育に関する教員の専門性向上に努力をしてまいりたいというふうに考えます。

萩生田主査 八木君、時間が来ております。

八木分科員 はい。最後になると思います。

 今、御回答の中で、やはり法律の中に当分の間なんという言葉が、抽象的な言葉が残っておるようじゃいかぬと私は思いますので、ぜひ削除をお願いしたい。そこをきちんとしていかないとこの教育はうまくいかないのではないか、こういうふうに懸念しております。

 時間が参りました。この子供たちが卒業していって、本当は、就労を通して、社会の中で一員として誇りと自信を持って生きていけるのか、生き抜いていけるのか、こういう社会が大事だ、こういうふうに思っております。そういう意味におきましても、教育機関においてしっかりとした教育、充実した教育をさらに望みまして、私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

萩生田主査 これにて八木哲也君の質疑は終了いたしました。

 次に、古田圭一君。

古田分科員 中国ブロック比例の古田圭一と申します。

 きょうは、国会での初めての質問ということで緊張していますが、どうぞよろしくお願いをいたします。

 私は、山口県で高等学校とそれから自動車学校を設置しております学校法人の理事長を十八年間務めておりまして、その関係もありまして、きょうは、主として私立の中学、高等学校の振興について質問させていただきたいというふうに思います。

 御存じのように、私立高等学校は、創始者の教育への熱い思いの詰まった建学の精神がありまして、独自の特色ある教育を展開し、公立高校とともに公教育の両輪を担っております。しかしながら、特に地方の私学を取り巻く環境は極めて厳しいものがありまして、施設設備の整備や教員の確保に必要な義務的な経費は増加する一方です。教育費の保護者負担も、公立と私立で大きな格差があります。

 平成二十二年度より、国の費用により、公立及び私立高校の生徒の授業料に充てる高等学校等就学支援金制度が設けられました。さらに、平成二十六年度入学生より、学年進行で制度改正が行われ、世帯年収九百十万円程度以上の世帯は就学支援金の支給の対象外となる一方、五百九十万円未満程度以下の世帯につきましては加算額がふえ、私学に通うことがより身近になったということも言えます。また、自治体によっては独自に授業料等の減免措置を設けていますが、都道府県によって減免措置の対象となる世帯や減免する額に大きな差が生じているのも事実です。

 平成二十七年度予算では、授業料減免事業等支援特別経費として、私立の高等学校が家計急変世帯に対して授業料軽減措置を行い、都道府県がその減免額に助成を行う場合、国が都道府県に対してその助成額の一部を補助するための予算が計上されています。しかし、家計急変世帯だけでなく、対象となる世帯の範囲や減免の対象を、授業料以外の校納金、例えば教育充実費や施設設備費等へ範囲を拡大していただきたいというふうに思っております。

 すなわち、私立高等学校の就学支援金に加えて、自治体が単県で保護者負担を軽減するために支給した授業料などの減免措置に対して、国が助成するようにしてほしいというふうに思っております。そうすることによりまして、各自治体の授業料等減免の対象世帯の拡大及び減免額の増額が進み、公立と私立の保護者負担の格差が縮まります。

 その結果、期待される効果といたしましては、一番目として、県民が保護者負担をそれほど心配することなく、教育内容を主眼にして公立と私立を同じ土俵で高校教育を選択できるようになります。

 二つ目として、競争意識が一般的に希薄と言われております学校教員が、公立と私立でより近い条件下で競争することによりまして、お互いに教育の質に対する意識が高まり、高校教育の活性化につながります。

 三つ目といたしまして、公立教員の大量退職に関連して想定される将来の問題発生の軽減につながります。今後、公立が教員の大量退職を補うために大量採用すれば、教員の年齢構成の偏りや将来の少子化進展によりましてさまざまな問題が発生しますけれども、私学があることによってそのことが緩和されるのではないでしょうか。

 四番目として、公立高校に比べ効率的に運営されている私立学校の生徒数がふえた場合、自治体の財政健全化につながります。全日制の高等学校生徒一人当たりの公費支出は、日本私立中学高等学校連合会の調査によりますと、平成二十四年度の全国平均で、公立が百十万円以上、一方私立は四十万円以下です。この差は大きく、私学に任せていただいた方が自治体も財政健全化につながるんじゃないかというふうに思います。

 五番目として、少子化が発展する中、私立学校の活性化につながり、より充実した教育の提供が可能となります。

 これらの点について、いかがでしょうか。御答弁よろしくお願いいたします。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 委員お尋ねの都道府県が行っている授業料免除措置につきましては、国といたしまして、私学助成において、家計急変による経済的理由から授業料納付が困難となった生徒に対しまして授業料の軽減措置を行っていることは委員御指摘のとおりでございますが、それに加えまして、国といたしましては地方交付税措置を講じているというところでございます。

 また、平成二十六年度から開始いたしました新たな就学支援金制度におきましては、私立高校の就学支援金の加算を拡充しているところでございます。

 文部科学省といたしましては、就学支援金による個人給付とともに、私学助成による機関補助につきましては大変重要なものと考えておりまして、私学の健全な発展を一層図っていく観点から、私学助成のさらなる充実を努めてまいりたいと考えております。

古田分科員 ぜひ私学助成の充実をよろしくお願いしたいというふうに思います。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。校舎の耐震化についてです。

 私立学校の耐震化率は公立よりも一〇ポイント程度おくれております。山口県の私立高校の耐震化率は数年前まで、四十七都道府県の中でも大きくおくれておりました。県は、早くより改築に対しても補助制度を創設し、平成二十七年度までに耐震化率を九〇%以上にすることを目標に取り組んでおります。

 山口県の私学は校納金を低く抑えておりましたので、財政基盤の弱い学校も多く、とても学校負担のみで校舎の改築ができるような状況ではありません。

 そのような中で、平成二十六年度より、耐震化のための改築にも国から補助が出るようになったことは大変ありがたいことです。しかし、この制度は平成二十八年度までということで、平成二十七年度につきましては、全国的に耐震改築を計画している学校が多く、希望額が予算を大幅に超えることも予想されます。

 改築には多額の費用がかかることから、本来、国より対象工事費の三分の一が交付されるところ、工事に着手した後に圧縮がかかるようなことがありますと、資金計画が大幅に狂って、経営的にかなり苦しくなる学校が出てくる可能性があります。

 改築の需要に対しまして、予算を十分確保できているんでしょうか。お伺いいたします。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 私立学校の施設についても耐震化を進めているところでございますが、委員御指摘のとおり、国公立と比較すると、耐震化率で約一〇%程度のおくれが生じているというのが現状でございます。

 児童生徒の身体、生命の安全につきましては、国公私立の間で違いがあってはならず、私立学校の耐震化の早期完了は喫緊の課題であると認識しております。

 私立学校施設の耐震化関係の予算につきましては、平成二十六年度補正予算それから平成二十七年度予算案、これを合わせまして、委員御指摘の耐震改築につきましては百九十五億円を計上しておりまして、また、それに加えまして、耐震補強につきましても百八十六億円を確保しているところでございまして、これらの数字は、当面の需要については十分対応できるというふうに考えている次第でございます。

 しかしながら、今後、耐震化の完了までに必要と見込まれる二、三千億円程度の規模の需要については、まだまだ十分ではないという状況でございます。

 したがいまして、私立学校施設の耐震化が着実に進みますよう、今後とも必要な予算を確保していきたいと考えております。

古田分科員 当面の需要には応えられるんじゃないかということを聞いて、少しは安心したんですけれども、まだ二千億、三千億あるということで、今後、大変な学校もありますので、ぜひ充実をお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 三つ目の質問に移らせていただきます。障害者の受け入れに対する補助についてちょっとお伺いしたいというふうに思います。

 世の中にはいろいろな障害や病気を持った生徒がいます。そのような生徒が入学を希望した場合、入学試験で合格点をとっていれば、障害や病気を理由に入学を断ることはできないのではないかというふうに思います。

 例えば、紫外線が当たると皮膚に湿疹ができるような病気があるというふうに聞いております。教室の窓に紫外線を防ぐフィルムを張らなければ授業を受けられないということで、紫外線フィルムを教室に実際に張られたらしいんですけれども、そのクラスルームだけでも数十万円の費用がかかるということです。

 教室だけで学校生活を送れればいいんですけれども、廊下も歩きますし、体育館も行きますし、そうなると、廊下や体育館にそういうフィルムを張るということになりますと、非常に大きな金額となります。地方の私立学校では、その費用をとても捻出できません。

 それから、看護師がたんを取らないといけないような生徒の場合、看護師の人件費を学校で負担するのは困難です。

 車椅子を使っている生徒にはエレベーターの整備が必要となりますが、これは、現在でもエレベーター設置に対する補助制度はありますけれども、費用の三分の二は学校が負担しなければならないということで、そういうエレベーターを使う生徒が一人入ったために数百万円の支出ということになりますと、財政基盤の弱い学校ではとても対応できないというような状況です。

 国として、これらの障害者を受け入れることに対しまして、どのような補助制度があって、今後どのように拡充されていくお考えなのか、お聞きしたいというふうに思います。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、私立学校におきましては、障害や病気を持った児童生徒を受け入れるための支援、これは大変重要なことであると認識しております。

 具体的には、国の私学助成におきまして、まず第一に、障害のある幼児が二人以上就園している私立幼稚園に対する支援、第二に、特別な支援を必要とする児童生徒の学習生活等のサポートをするなど特色ある取り組みを行う学校への支援、それから第三に、エレベーターやスロープなど障害者などが円滑に利用できる施設の環境を整備するための支援、これらの支援の措置を行っているところでございます。

 文部科学省といたしましては、今後とも必要な予算を確保することに努めていくこと、これが非常に重要な課題であると思っておりまして、引き続き私学助成の充実に取り組んでいきたいというふうに考えております。

古田分科員 今の制度では十分でないところもかなりあると思いますので、ぜひまた、いろいろな点から検討していただきまして、障害者を受け入れやすい学校となるようにいろいろ助成をしていただければというふうに思います。よろしくお願いをいたします。

 次の質問に移らせていただきます。

 公立学校の私学化といいますか、これまで私学が実施してきたような教育を公立学校が実施するようになってきております。その一つに、中高一貫校の設置があります。山口県でも、県立の中等教育学校、併設型及び連携型の中高一貫教育校がありますけれども、地域バランスを考えて新たに中高一貫校を設置することが検討されております。

 私立の中高一貫校は、山口県内に既に七校あります。既に中高一貫校が設置してある市あるいは近接した市に公立の中高一貫校を新たに設置するのではなくて、地域バランスを考慮して、かつ効率的に県民に中高教育を提供するために、私立学校の中高一貫校を活用し、公立中高一貫教育校と同様に無償で提供する経費、すなわち私立中学校進学者の保護者に授業料相当の就学支援金を県が支給し、それを国庫から支給する制度をつくってはどうかというふうに考えております。

 期待される効果といたしましては、一つ目に、新たに公立中高一貫校を設置するよりも財政負担が少なく、地域バランスがよく、幅広く中高一貫教育を県民に提供できます。

 二番目として、山口県の場合、公立中高一貫校は三校ありますけれども、その場所は、下関市、県西部の下関学区というところ、それから周防大島町、県東部の柳井学区というところ、それから岩国市、県東部の岩国学区というところに位置しておりまして、地域に偏りがあります。

 しかしながら、現在、公立中高一貫校がない県の西南部や県央部、すなわち厚狭学区、防府学区、周南学区というところには既に私立の中高一貫校があるため、公立中高一貫校の新設による私立学校の衰退を防ぐことができるということです。

 三つ目として、少子化が進展する中、私立学校の活性化につながっていきます。

 以上のような効果も考えられますけれども、御見解を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 義務教育の機会を保障するため、授業料無償の公立学校が整備されている一方、私立中学校は、建学の精神に基づく、多様で特色ある教育を展開し、学校教育の発展に有意義であると考えております。

 このように、私立中学校の学校教育において果たす役割を踏まえまして、義務教育である中学校段階においても、現に私学に通う生徒の教育費負担を軽減する上で、一定の範囲で支援することは重要であると考えております。

 そのため、国といたしましては、低所得層の生徒に対する経済的支援を実施しておりまして、引き続きこれらの取り組みの充実を図ってまいりたいと考えております。

古田分科員 今の、一定の範囲というのがちょっと気になるんですけれども、その一定の範囲を広げていただくようにぜひお願いをいたしておきます。

 それでは、五番目の質問に移らせていただきます。憲法八十九条の改正について伺いたいと思います。

 憲法八十九条は、公の財産の支出または利用の制限について記載されています。「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」というふうにあります。このように、憲法八十九条は、公の支配に属しない慈善、教育、博愛の事業に対して公金の支出を禁止しております。

 国からの助成なしに、私学は経営できません。生徒急増期の時代には、公立だけでは生徒を受け入れることができず、私学も校舎を増築するなどして公教育に大きな役割を果たしてきました。

 公の支配についていろいろ議論があり、昭和二十四年に私立学校法、昭和五十年に私学振興助成法、平成十八年に教育基本法で私立学校に対する公金の支出について定められました。

 しかし、八十九条の解釈によっては、私学助成は憲法違反の疑いがあるとも言われております。このような疑念を持たれないようにして、私学の振興を推進するために、憲法八十九条を改正する必要があると思いますけれども、御見解を聞かせていただけますでしょうか。

下村国務大臣 御指摘のように、私立学校は、建学の精神に基づく個性豊かな教育活動を積極的に展開しており、幼稚園で約八割、高等学校で約三割、大学等で約八割の学生生徒等が私立学校に在籍するなど、公教育の重要な一翼を担うとともに、我が国の学校教育の発展に大きく貢献をしているわけであります。

 私立学校につきましては、学校教育法、私立学校法及び私立学校振興助成法によりまして、学校法人の解散命令などの各種の監督規定が設けられていることから、これら三法の規定を総合的に判断すれば、憲法第八十九条の言う公の支配に属しているものでありまして、現行の私立学校に対する助成措置は憲法上問題ないものと理解をしております。この見解は、昭和五十四年三月十三日の内閣法制局長官答弁など、累次の答弁でも明らかにされており、確立した政府解釈となっております。

 ただ、今、古田委員からも御指摘がありましたが、この規定については、表現がわかりにくいとの見解もありまして、よりふさわしい表現を検討することが必要だということで、自民党の日本国憲法改正草案の中では、よりわかりやすい改正案が案として出されているところでありますし、そういう理解を国民の皆様方にしていくということは必要なことだというふうに考えます。

古田分科員 ぜひ、誰が読んでも誤解のないように解釈できるように憲法を改正していただければというふうに思います。よろしくお願いをいたします。

 それでは、最後の質問になりますけれども、私は以前この話を聞いてちょっとびっくりしたんですけれども、県立の中高一貫教育校が全国から生徒募集活動をするということについてお伺いをいたします。

 鹿児島県では、平成二十七年四月に、全国初の公立全寮制男子校が開校をいたします。併設型中高一貫教育の楠隼中学校・楠隼高等学校で、鹿児島県の肝付町にあります。中高七時限授業で、夜は寮に配置した学習指導員による講座もありまして、難関大学への進学を目指すとも聞いております。全国から生徒を募集し、説明会や入試を、本校だけでなく、東京や大阪、福岡などでも行います。

 同校の県外募集が他の都道府県に投げかけた影響は大変大きいものがあります。県立学校の役割は、県民のためのよりよい教育を提供することであるというふうに思っております。また、他の都道府県も同様に全国募集を行うようになれば、我が国の学校教育の秩序というのは大きな混乱に陥るのではないかというふうに思います。

 そこで、県費によって運営される県立学校の存在意義と、県立学校が他の都道府県からの生徒募集を前提として運営されることについて、見解をお聞かせいただければというふうに思います。

小松政府参考人 鹿児島県が平成二十七年、ことしの四月に肝付町に開設する鹿児島県立楠隼中学校・高等学校において、全国から生徒募集を行っているということは伺っております。

 公立学校が他の都道府県から生徒募集を行うことは、法令上禁止されているものではございませんけれども、地域の実情等を踏まえて、過当な生徒の獲得競争等が行われないように配慮することが重要だというふうに考えております。

 これまで文部科学省としては、鹿児島県に対しまして、私学関係者と十分な意思疎通及び必要な調整をしながら開校準備を進めていただきたい旨をお願いしてきたところでございます。

 引き続き、鹿児島県に対しまして、他の都道府県における受験の環境への影響などを勘案して、私学関係者と十分な意思疎通、調整を行うように求めてまいりたいというふうに考えます。

古田分科員 やはり公立と私立がお互い協力し合って、いい教育ができるようにやっていきたいと思いますので、ぜひ指導の方をよろしくお願いしたいというふうに思います。

 校舎の耐震化や情報機器の導入あるいはその更新などの費用もかさみまして、少子化が進んでいく中で、保護者負担をできるだけ少なくしようと校納金を低く抑えてきた私学ほど今は経営的に大変苦しくなっております。建学の精神に基づき、特色ある教育を行い、将来の日本を担う人材を教え育んでいる私立学校に対しまして、どうかより一層の振興を図っていただきますようお願いして、私の質問を終了させていただきます。

 きょうはどうもありがとうございました。

萩生田主査 これにて古田圭一君の質疑は終了いたしました。

 次に、荒井聰君。

荒井分科員 民主党の荒井聰でございます。

 初めて下村大臣とこのように議論する機会に恵まれました。実は、私は下村さんに関心を持っていました、あるいは親近感と言っていいかもしれません。

 と申しますのは、私の父も、私が小学校六年生のとき、十二歳のときに心筋梗塞で突然亡くなったんですけれども、その亡くなるきっかけというのが、私の父も教育者でありまして、幼稚園から大学までつくりたい、そういう教育の夢を持っていまして、高等学校までつくり、大学をつくりたいということで、文科省、当時の文部省に、設立の計画書を持ち、そして陳情書を持って行った。そして、帰ってきたその日に心筋梗塞で突然亡くなりました。

 したがって、私の関係者には私学関係者が大変多いんですけれども、なぜか文科委員会には今まで属することもなく、大臣とこういう議論をすることもなかったわけでございます。

 さて、私はこの数年間、ずっと原発の事故の問題について、さまざまな政治活動をしてきました。今度の原発事故は、津波という大きな自然災害が発端となったんですけれども、しかし、これ全般について、私は、文科省の責任といいますか、それも免れないというふうに思います。

 現実のSPEEDIの運用の仕方ということだけではなくて、使用済み核燃料の再処理の問題でありますとか、核燃料サイクルの問題でありますとか、あるいはCSCという国際条約に未加入であったという問題、さらには原賠法という原子力発電にかかわる基本的な法律、これは改正が必要なんですけれども、まだ未着手であるといったような、原子力行政全般の、これは旧科学技術庁が原子力行政の端緒をつくったわけですので、それらについての責任は大変あったのではないかというふうに思います。

 きょうは、でも、そういう時間はございませんので、それらの話はいずれまた別途やりたいと思います。

 二日に、先週の月曜日に、しばらくぶりに福島に行ってまいりました。福島は随分変わってきたなというか、あるいは、そこに住む人々の目や活動の仕方が生き生きとしてきたな、ひところの絶望に落胆をしていたその状態から、少し何かが見えてきたというところがあるのかなという、そんな思いをいたしました。

 その一つは、双葉郡に中高一貫高校をつくられた。それに文科省が非常にてこ入れをして、一つの復活の象徴として、私は、双葉郡の中高一貫高校というものを設立したのではないか。そして、そこの目玉人事といいますか、そこに文科省の職員を派遣する、恐らく地方の高校に文科省の職員が直接行ったという例は余りないんじゃないかと思いますけれども、そういう象徴例が福島の人に何かしらの明るい兆しを与えているのではないかというふうに思います。

 そこで、この中高一貫高校、ふたば未来学園について、今後の見通し、特に中学校、中高一貫高校ですから中学生も入れていかなければいけないわけですけれども、それらについての今後の見通しというものを大臣からお聞きしたいと思います。

下村国務大臣 冒頭、私に対するコメントをありがとうございます。

 私も、荒井委員のお父様がそのようなことをされていらっしゃったということは存じ上げておりませんでした。ぜひ、今後とも文部科学委員会等でいろいろと前向きな提案等をしていただければ、大変ありがたいというふうに思います。

 私も、大臣になってすぐ視察に行ったところが福島でございまして、いわき市の平三中というところに行きまして、それは双葉郡から避難した子供たちが結構通っていた学校ということで、その子供たちからまず最初に話を聞きました。本当に大変な極限のような状況の中においても、子供たちというのは、将来に対する夢とか希望、志を頓挫しないで育んで頑張ろうと。その姿勢に感動し、ぜひ、被災地の子供たち、福島の子供たちのために、文部科学大臣としてやるべきことはベストを尽くそうということを、就任直後の視察に行ったときも改めて感じたわけでございます。

 その中の一つが、御指摘されました福島県立ふたば未来学園でありますが、ここは、来月、四月に開校されます。復興の象徴であるとともに、子供たちが地域の抱える問題と向き合い、ふるさとのために何ができるのか、仲間とともに探求する場となっておりまして、普通の高校ではなくて、ふるさと復興ですが、その中に、アカデミック系列、それからトップアスリート系列、またスペシャリスト系列、三コースを総合学科の中に設けて、特徴ある学校教育をしていこうということであります。

 このふたば未来学園高校への支援としては、文部科学省の職員、南郷市兵を副校長として派遣するとともに、平成二十七年度予算案におきまして、施設整備やすぐれたカリキュラムを編成、実践するための予算を計上しております。

 南郷市兵は、被災した直後から現地にずっと入って、教育関係者それから子供たちとの接点を持って、先頭に立ってやっていた職員でございまして、福島県サイドからも大変信頼の高い、そういう人間だということで、今回、副校長として出すことにいたしました。

 新しい学校におきまして復興を担う人材を育成し、我が国の教育をリードする学校となるよう、またその中からたくさんのすぐれた人材が生まれてくるよう、人と財政両面から国としてしっかり応援してまいりたいと思います。

荒井分科員 そうなんですね。復興というのは、特に今回の原発事故は、東京電力だけではなくて、政府に対する不信感にも一つ根差しているところがあるんですね。それを復活するのには、顔の見える一人一人が真摯に被災者あるいは関係者と向き合っていくという、これは結構時間がかかるんだと思うんですね。一朝一夕にはその信頼を取り戻すことはできないと思います。

 今現場で、環境省所管なんですけれども、除染事務所長というのが四人、五人いるのかな。彼らは全部農水省から派遣をされたんですけれども、彼らが全くわからない除染という事業に携わったとき何が一番困惑したかというと、自分たちは頼まれて来たつもりで行ったわけですね、農水省から頼まれて来たつもりでいたら、受ける被災者の方は、そんなのお構いなしですね。政府の職員なんだからということで、非常に手厳しい批判を受けながらその仕事をやらざるを得なかった。それの信頼を回復するのにやはり二年、三年かかったということを言っていました。

 そういう意味では、顔の見える南郷君のような、彼のようなしっかりとした男が、その信頼を回復する大きな役割を、この双葉郡の学校をつくるということだけではなくて、そういう役割を果たしたのかなというふうに思います。

 それで、中高一貫高校をせっかくつくったわけですから、今までにないさまざまな取り組みをしてほしいと思います。

 例えば、厚生労働省は幾つかの国立病院を持っているんですけれども、その中でセンターとなる国立病院を西新宿につくりました。その西新宿に、メスの切れるお医者さんたちを集めるという大きなタイトルで、国立病院の中の相当優秀な若手をそこに集めて、モデル的な病院をつくったんですね。恐らく医療技術としては日本でも最高レベルだろうというふうに言われているんです。

 そういうような、文科行政の中で、あるいは教育行政の中で、私が非常に気がかりなのは、各県ごと、あるいは町村ごとの教育委員会ごとに人事をやっていて、お互いに交流をするということが非常に少ないのではないか。むしろ、東京都の教育者が福島と交流をするとか、あるいは北海道の人と交流をするとか、全国レベルでそういう交流のモデルみたいなことを、教育者の交流ということを考えてもいい、そういうモデルとして使えるのではないかというふうに思うんですけれども、大臣、どうですか。大臣の所見だけで結構です。

下村国務大臣 非常に的確な御提言だというふうに私も思います。

 私も、このふたば未来学園の開校式に国会日程が許せばぜひ行って、子供たちに、国としても全面的にやれることは何でも支援するということをしようと思っております。

 今、復興の小泉政務官がいろいろな各界の著名な方々を応援団にして、講師でそこに支援に行って、子供たちに、先ほど申し上げたようないろいろな系列の中で、スペシャリスト、日本でもトップレベルの方々に講義をしてもらうというふうなことは進める予定でありますが、今御指摘の点も含めて、全国の教育委員会と福島の県教委も連携をしていただきながら、交流をすることによって、こういう被災地の極限の中で、子供たちがあすに夢を持って頑張ろうという学校が、どんな形で、ゼロからのスタートですから、よく見ていただいたり人的交流をするということは、これは福島県教育委員会それからほかの教育委員会にとってもプラスだと思いますので、そちらの方の人的交流についても、御提言を踏まえて検討してみたいと思います。

荒井分科員 ありがとうございます。

 教育委員会は、ともすると、狭い範囲の中での社会というか、教育者だけの社会に閉じこもりがちで、もっと広い、さまざまな経験を踏んだ人を教育界の中に取り入れていく、そういう努力を文科省はするべきなんじゃないかなというふうに思います。

 そこで、二番目なんですけれども、福島に行ったときに復興の兆しが見えたなと思ったもう一つの兆候は、まちづくりをしている若い人たちが、戻ってきたこともあるんですけれども、その人たちが中心になって文化財の復活運動というものを熱心にやり始めたんですね。

 私も地域再生とか地域復興とかというのは農水省の官僚時代から手がけることが多かったんですけれども、大体一定のパターンがあるんです。

 それはどういうことかというと、その地域にある、資源というよりも、歴史とか文化とか伝統とか、そういうものに目覚めて、あるいはそれを発掘して、あるいは仲間たちと一緒に勉強して、自分たちの持っている、昔の人たちが努力したこととか、そういうものを改めて認識して、それを象徴として祭りをつくっていく、そういう行動が、大体その地域の復活のときのパターンなんですね。

 日本には、ねぷたとかいろいろな大きなお祭りがあるんですけれども、その大きなお祭りも、大体、大きな災害の後に元気を取り戻そうとして、その地域の人たちが元気をつけていくため、大きくなったりということが多いというふうに言われています。

 祭りは、神社仏閣との関係があるので、なかなか公的な機関が支援するわけにはいかないんですけれども、ただ、福島の教育委員会が広瀬座という重要文化財、これなんですけれども、今いないですけれども、四百人ぐらい入れる、福島の田舎の方でやっていた農村歌舞伎がここでやられていたらしいんですけれども、明治年間につくられた。よく保存されていました。

 この保存されていた農村歌舞伎の広瀬座というところで、もう一度農村歌舞伎を復活させよう、あるいは農村歌舞伎だけじゃなくて、東京でやっている、あるいは京都でやっているような、そういう歌舞伎の有名人にも来ていただいて、農村歌舞伎の復活にしよう、それを福島復活の象徴として頑張っていこうじゃないかという若い人たちが集まり出しました。

 私は、これは物すごくいい兆候ですし、これを積極的に国レベルでもできることは応援してやったらいいのではないかというふうに思います。特定の地域なのでどうなのかと思いますけれども、ただ、福島の場合にはやはりほかの地域と違うんだと思うんですね。被災三県、中でも福島という地域については特別な配慮があってしかるべきじゃないかというふうに思うんです。

 そのあたり、大臣、どうお考えでしょうか。

下村国務大臣 おっしゃるとおりだと思いますね。ぜひ、東日本大震災の後、お祭りイベント、農村歌舞伎によってもう一度ふるさとに人が集まって、そしてそこからふるさとを復興させようということについては、しっかり支援をしていく必要があると思います。

 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて、東京だけでなく日本全体を活力のある国にしていきたいということの中で、全国津々浦々で文化芸術イベント、それは既存の伝統行事等を活性化させる、それをオリンピック・パラリンピックに向けた連動イベントとしてすることによって、そこに国内外から多くの方々も見に行くというようなことをぜひ考えていきたいというふうに思います。

 具体的に、東日本大震災によりまして被災した国指定等文化財が、今現在で、国宝が五件、それから重要文化財が百六十件など、一都十八県で合計七百四十四件ありまして、特に被害が大きいものとしては、国庫補助を必要とするものが今九十二件あります。

 被災した国指定等文化財の災害復旧事業につきましては、通常の修理事業の補助率五〇%以上であるところ、これを七〇%以上にかさ上げして国庫補助を行っておりまして、当該補助のための経費として、平成二十三年度第三次補正予算に三十二億円、それから平成二十四年度予算に十九億円、平成二十五年度には十七億円、そして平成二十六年度に二十一億円、合計約八十九億円を計上しております。これらの補助によりまして、国庫補助を必要とする九十二件のうち、平成二十六年度末時点で約八六%、七十九件の復旧が完了する見込みであります。

 また、平成二十七年度予算におきましても、被災した国指定等文化財の災害復旧事業に係る経費として約二十五億円を計上しておりまして、今後とも被災文化財の速やかな復旧にも努めていきながら、地域のお祭り等イベントに対しても、しっかり国としても応援をしてまいりたいと思います。

荒井分科員 福島では、有名な相馬野馬追というお祭りがあるんですけれども、これも、被災した翌年、福島の昔のお殿様の末裔がやろうじゃないか、復活させようじゃないかということで、相馬市長と相談をしながら復活させたんですね。これは、やはり一つの浜通りの地域の象徴になった、あるいは福島全体の一つの復活のきっかけになったのではないかと思うんですね。

 相馬野馬追を応援できるかどうかというのはまた別の話かもしれませんけれども、一番そこに行き届く目を持っているのは文科省だと思いますから、文科省はそういうところにも目を行き届かせて、重要文化財だとかあるいは無形文化財だとか、そういうものの復活と災害復旧というものとの関連性にもっと関心を持ってもらいたいなというふうに思います。

 ところで、現地に行きましたら、細かい話だったんですけれども、これは四百人入れるんです。四百人というのは、あの地域にとってはかなり大きな施設です。ただ、文化庁の規制から、三百人しか入れちゃだめだ、上の方は弱体化しているので二階を使っちゃだめだという規制を受けているらしいんです。

 それは直せばいいじゃないか、私も技術屋ですから、ここにはりを入れてちょっとやれば、すぐ大丈夫だろうなというふうに思うんですけれども、文化財ですから、なかなかそれはきかない。ならば、少し予算を文化庁からもらってやったらどうだと言ったら、いや、文化財修復の予算というのはなかなかないので回ってこないんですという話をしていました。

 私は、文化財というのは使って何ぼだと思うんですよね。それだけ、その地域でいまだに使われているということがとても大事だというふうに思いますので、そのあたりはぜひ考慮していただければなというふうに思います。

 最後に、地域におけるスポーツ振興について、少しお話をさせてもらいたいと思うんですけれども、最近のスポーツ、スポーツ庁、今度できたんですかね、オリンピックを目指してというか、プロ選手なり国際レベルの選手を養成するということに私は力が行き過ぎているんじゃないかと。

 本当のスポーツの楽しさ、あるいはスポーツの厳しさといいますか、特に競技スポーツというのは、勝つ人は一人しかいないわけです、最後まで勝ち抜くというのは。あと残った人たちは、全て負ける経験をしているわけですね。人生において負ける経験をちゃんとしていく、そういうこともとても大事なことだというふうに私は思うんですね。

 そういうことを、中学生、まあ高校までになるとちょっと違うのかもしれませんけれども、中学生時代にしっかり体験させる、そしてスポーツの楽しさということを身につけさせるということがとても大事だと思うんですけれども、今、どうも中学校で、スポーツクラブというか中学校のクラブ活動ですね、それがどんどん減衰、減退をしているような感じがいたします。

 これは恐らく、先生方がコーチのすべがないということと、それから、本来の職分ではなくて、別途の職分としてクラブ活動の指導などをやっているということから、時間的な余裕がないということなどもあって、それが減退しているのかなというふうにも思うんですけれども、これは初等教育におけるスポーツ振興ということもしっかり手がけていただきたいな、小さいころからのスポーツの楽しさを、あるいは厳しさを教えるということは、私は教育上も大きな意味のあることだというふうに思うんですけれども、大臣、このあたりの所見はいかがですか。

久保政府参考人 スポーツの楽しさを子供たちに教えるというのは、大変大事なことであると考えてございます。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを目指して競技力の向上を図ることも大事ではございますけれども、もともと、平成二十三年に超党派、全会一致で制定いただきましたスポーツ基本法におきましては、最も大事なことは、日本国全体にスポーツを広げる、特に若者がスポーツをできるようにするということでございまして、それに向けまして、このスポーツ基本法に基づいて平成二十四年に作成いたしましたスポーツ基本計画の中におきましても、「学校の体育に関する活動や地域スポーツを通じて、子どもが十分に体を動かして、スポーツの楽しさや意義・価値を実感することができる環境の整備を図る。」というのを目標としているところでございます。

 さらに、学校の体育、保健体育の授業に関しましても、学習指導要領において、例えば小学校の第一、二学年の目標では……(荒井分科員「短くして。いいから」と呼ぶ)はい。運動を楽しくできるようにすることが目標として書かれております。

 そういった点で、学校の体育における活動、地域スポーツを通じて、学校と地域における子供のスポーツ機会がふえるように充実強化してまいりたいと考えております。

荒井分科員 二十八分までしか時間がないようですので、少し急いでください。

 その意味では、赤羽にあるナショナルセンター、あれは非常に大きな成果を上げたと思います。あれは東京につくるだけではなくて、もっと地域ごとにつくるべきではないか、そこで、選手の育成だけではなくて、コーチの育成もしっかりしていくということが必要なんじゃないかなというふうに思います。これはこの指摘だけにとどめます。

 小さなことで大変恐縮なんですけれども、これだけ今テニスブームになりました、錦織がテニスブームをつくったわけですけれども。しかし、残念ながら、今テニスに関して、中体連に参加している地域というのは本当に少ないんです。それはなぜなのかというと、私にもわかりません。

 あるいは、日本は野球が非常に盛んなんですけれども、女子野球について、ある特定の人たちが関心を持っているんですけれども、これもまた広がりません。去年、宮崎で女子野球のワールドカップが行われ、優勝したんですけれども、恐らく、オリンピック種目になれば優勝すると思います。しかし、残念ながら、中学校や高等学校で女子野球のクラブを持っているというのは希有な例です。

 特に首都圏内で、中学生ぐらいで、野球を続けたい、あるいは高校に入っても野球を続けたいという子供たちは結構いるんですけれども、それらが行くところがなくて、ソフトボールに転向したりなんなりするらしいんですけれども、男女共同でほとんどの種目はあるんですけれども、野球だけないんですね。

 それから、硬式テニスも中体連に参加できない。というのは、私は、どこかに、スポーツ行政の中に、ある種のしっかりとした問題把握をしていないのではないだろうか、テニスの場合には、ソフトテニスとの調整、つまり団体同士の調整の話が子供たちに影響を与えているんじゃないか、大人の都合で子供に影響を与えてしまっているのではないだろうか、そんなふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

下村国務大臣 まず、女子野球につきましては、中学、高等学校とも運動部活動はあるものの、御指摘のように、数が少ないというのが現状であります。

 運動部活動の運営については、各学校で生徒のニーズ等に応じて適切に判断するべきものでありますが、中には、横浜市のように、市内の女子軟式野球部員を集めて合同チームとして練習している例もあるというふうに聞いております。今後、このような例の周知を図るなどして、各学校や自治体の工夫を促してまいりたいと思います。

 テニスについては、いろいろな課題があるのではないかと思います。今御指摘がありました。私もちょっと調査をしてみたいと思います。

荒井分科員 きょうは、時間がありませんのでこの程度にしたいと思いますけれども、今、下村さんの周りでいろいろと批判があるのも私は承知しております。一刻も早く説明責任を果たしてこれらを払拭し、そして力強い文科行政を復活されることを指摘いたしまして、私の質問を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

萩生田主査 これにて荒井聰君の質疑は終了いたしました。

    〔主査退席、山下主査代理着席〕

山下主査代理 次に、宮本岳志君。

宮本(岳)分科員 日本共産党の宮本岳志です。

 きょうは、公設民営学校の解禁問題について質問をいたします。

 解散・総選挙で廃案になりましたけれども、昨年の臨時国会には、国家戦略特区法一部改正案が提出されました。そこで初めて公設民営学校の規定が盛り込まれたわけであります。しかし、公立学校の民間開放ということをめぐっては、歴史的な経緯があります。

 二〇〇四年に構造改革特区法に定める特例措置として株式会社立学校が導入されたときにも、公設民営学校の導入が検討されました。

 二〇〇三年五月三十日付で、総合規制改革会議は文部科学省宛てに、公設民営において、地方公共団体自身が最終的責任を負うと希望した上で、学校法人以外の株式会社、NPOに委託した場合、どのような問題が生じると貴省は考えているのかとの資料等提出依頼を発出いたしました。

 文科省、このとき、六月四日付で何と回答しましたか。端的にお答えください。

小松政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘の回答におきましては、一つには、公立学校の管理運営を第三者に包括的に委託した場合、学校の設置者の直接的、恒常的な監督が困難となり、学校設置者としての責任を果たすことが困難となること。

 それから、市町村、都道府県、国の適切な役割分担、協力のもと、教育公務員制度や給与負担制度等の各種制度が整備されているところでありまして、包括的に委託した場合には、これらとかかわる問題が生ずること。

 そしてもう一つ、公立学校における学校教育は、入学の許可、課程修了の認定、あるいは卒業の認定、退学等の懲戒といった、処分性を有する措置と、これと密接に不可分な日常的な教育活動から成り立っているということ、委託された学校の教職員が非公務員となった場合には、教育委員会が直接的に教職員服務管理等を行うことが困難となり、中立性の確保等の適正な管理運営に支障を来すことなどを考慮すると、公立学校としての直接的な責任を果たすことが困難になることというふうにしたところでございます。

宮本(岳)分科員 極めて明快な回答だったわけですね。

 二〇〇四年には、中教審も、「今後の学校の管理運営の在り方について」と題した答申を発表いたしました。

 こういった議論と検討の上に立って、公立学校教育は設置者である地方公共団体の公の意思に基づき実施されるものであること、入退学の許可や卒業の認定等の公権力の行使と日常の指導等が一体として実施されるものであること等を踏まえれば、これを包括的に委託することは困難である、これが法制的な整理という形でなされたというふうになっておりますけれども、これも間違いありませんね。

小松政府参考人 その点につきましては、平成二十五年九月十三日に実施された国家戦略特区ワーキンググループにおける関係府省からのヒアリングにおいて文部科学省が提出した資料におきまして、公立学校における教育活動について、契約に基づき包括的に委託することは当然の法理との関係で困難であると整理されてきた旨を記載しているところ、その御指摘だというふうに理解をいたしております。

宮本(岳)分科員 まさに当然の法理、そして設置者管理主義に立つ以上、公立学校の包括的な民間委託、つまり公設民営化は認められないと。しかし、このとき、構造改革特区に限定した特例措置として、冒頭申し上げた、株式会社による学校設置が認められました。

 では、この株式会社立学校に名乗りを上げたのはどういう会社であったか。きょうは学校一覧を資料で配付しておきました。資料一を見ていただきますと、塾や予備校など民間教育産業界が圧倒的であります。塾業界、民間教育産業界は、構造改革特区を奇貨として、次々と株式会社立学校の経営に乗り出しました。

 しかし、この株式会社立学校というものは決して順風満帆ではなかったんです。そもそも、株式会社立では私学助成金が受けられない、また、学校法人に認められている税制上の優遇措置がないという点で不利なんですね。

 二〇〇四年に日本初の株式会社立大学として発足したLEC東京リーガルマインド大学は、大学の累積赤字が三十億円に上り、二〇〇八年度には入学者二十九名、二〇〇九年度入学者はわずか十九名、二〇一〇年度以降は学部生の募集を停止いたしました。また、この大学は、教育研究面でも多くの問題点が指摘をされ、文科省が再三にわたり改善に向けた指導を行ったにもかかわらず、十分な是正がなされず、ついに二〇〇七年一月二十五日、文部科学省から日本の大学としては初の改善勧告を受けたわけであります。

 この大学だけではありません。株式会社立学校は、この学校以外にもさまざまな問題点が指摘をされてまいりました。

 構造改革特区において講じられた措置については、内閣府の評価・調査委員会で評価を行うということになっておりますけれども、二〇一二年八月二十一日に行われた評価・調査委員会の評価意見に関する今後の政府の対応方針では、株式会社立学校は全国展開しないということが決められるとともに、運用の是正、これを決定し、指導することになりました。

 文科省、運用是正の内容はどういうものでありましたか。

戸谷政府参考人 御指摘の株式会社立学校の件でございますけれども、まず、平成二十四年六月に、構造改革特別区域推進本部の評価・調査委員会におきまして、評価意見というものが取りまとめられたわけでございます。その中におきまして、英語教育、情報通信技術の活用、不登校生徒の受け入れなどの地域の特色ある教育機会の提供など、事業の効果が認められる一方、本来学校の教員が行うべき添削指導等を特区外の民間教育施設で実施する事例など、教育活動面や学校経営面等について問題点も指摘されたわけでございます。

 これを踏まえまして、構造改革特別区域推進本部におきまして、平成二十四年八月二十一日に、今御指摘の、今後の政府の対応方針というものが決められたわけでございますが、その中で、面接指導、添削指導、試験を特区区域内で行うこと、認定自治体が学校に対する助言指導体制を確保すること、学校法人化を希望する学校への相談窓口を設けることなどの情報提供を行うこと等々、運用の是正を行うことを決定したところでございます。

宮本(岳)分科員 資料二に、二〇一二年八月十九日付の朝日を配付しておきました。「株式会社が設立 サポート校展開 特区の通信制」「規制へ 文科省 七割に法令違反」という見出しになっております。この記事で、文科省の担当者は、脱法行為である上に教育の質も低く、高卒資格を売り物にしたビジネスになっているとまで辛辣に批判をしております。

 教育への株式会社の参入は問題が多いことは明らかになりました。だからこそ、株式会社立から学校法人に移行することを促して、現に、学校法人立へ、つまり私学に移行する学校も出たわけであります。

 ところが、その後、二〇一二年末の総選挙で自民党が政権に復帰し、第二次安倍内閣が誕生すると、下村大臣が文部科学大臣になった。第二次安倍内閣が二〇一三年六月十四日に閣議決定した日本再興戦略では、「公立学校で多様な教育を提供する観点から、公立学校運営の民間開放が有効な方策となり得ることを踏まえ、少なくとも特区において、こうした民間開放を柔軟に行うことについて、速やかに検討を開始し、できるだけ早期に結論を得る。」こういうふうにされたわけですね。

 法制的にも実態的にも一旦決着済みに見えた公設民営学校が、なぜここで息を吹き返したのか。下村大臣、その理由は何か心当たりはありますか。

下村国務大臣 まず、今御指摘がありました構造改革特区における株式会社立、これは、いろいろな創意工夫が行われ、不登校の子供たちの新たな受け皿的な要素もありましたし、また、通信教育やあるいは英語教育等プラス面もありましたが、しかし、御指摘のような課題も多々あるということは、そのとおりだと思います。

 ですから、これに対してしっかり改善努力をしていくことによって、国民の皆さんに、金もうけではなくて、まさに教育をすることによって、そういう子供たちに対して適切に教育をするという努力をしていく必要があるというふうに思いますし、文部科学省の視点からすれば、そのためには、学校法人等にシフトしていくように指導していくということも適切な判断の一つだというふうに思います。

 その中で、今回の国家戦略特区における公設民営学校の御指摘でありますが、これはスキームは全然違います。今国会で、これは内閣府の方で法案として提出される予定でありますが、今回の国家戦略特区における公設民営学校というのは、株式会社等に、民間にそのまま委託するということではなくて、あくまでも教育委員会が主体的に、そこの当自治体における、やり方をとりながらするということと、それから、既存の株式会社がそのまま公設民営で学校運営、経営ができるということではなくて、これは非営利法人の形にして、そして、教育委員会と連動してやるということですから、御指摘の構造改革特区における株式会社の参入とは全然違うスキームで国家戦略特区における公設民営を考えているということであります。

宮本(岳)分科員 文科省の立場を見ますと、二〇一三年九月十三日の国家戦略特区ワーキンググループの関係省庁からの集中ヒアリング、この議事概要を読めば、先ほどの、公立学校における一定の行為が公権力の行使に当たるという当然の法理、これを主張しておりますし、それから、ここでは、現行の構造改革特区での株式会社立学校、通信制高校で、正直申し上げて、学校教育としての内実を備えているとは言えないような不適切な学校教育活動の実態が確認されたということもはっきり述べているわけですよ。

 だから、これは、もう既にさっき私が指摘をした日本再興戦略の後になってもまだそういう不適切な事例があるという認識を持っているわけですね。これは、文科省、事実ですね。

小松政府参考人 平成二十五年九月十三日の国家戦略特区ワーキンググループの関係省庁からの集中ヒアリングにおいて、当省から、公立学校における一定の行為が公権力の行使に当たらないという立場はとれないということ、それから、構造改革特別区域における株式会社立の通信制高校の状況について、特区評価の過程において、学校教育としての内実を備えているとは言えないのではないかと思われるような実態が確認され、是正の判断に至ったということについて説明しているところでございます。そのことの御指摘と理解をいたします。

宮本(岳)分科員 まさに、文部科学省も当初から否定的だった。自民党内でさえ圧倒的に反対が多かった。

 あなたは、二〇一三年十一月五日の国家戦略特区法案の閣議決定の後の大臣記者会見で、自民党の文部科学部会勉強会で私が説明しましたが、八割ぐらいが反対だった、こう語り、最終的には文部科学部会長と大臣に一任を取りつけた、こう語っております。

 十一月五日のわずか二カ月前、先ほど文科省が答弁したのはもっと、二カ月以内でありますけれども、その段階では否定的だった、自民党内の八割が反対だったこの公設民営学校を、国家戦略特区法案に入れるに当たって下村大臣が大きな役割を果たした、これは明確だと思うんですが、これはお認めになりますね。

下村国務大臣 もともとはこれは内閣府の方で、国家戦略特区の中の一つの位置づけとしての公設民営学校ということの中で、しかしこれは文部科学行政に関係するということで、自民党においては文部科学部会の中で議論していただいたということであります。

 先ほどから申し上げていますように、スキームそのものが明確でない中で、株式会社そのものが、公設民営学校の受け皿として、ここで例えば金をもうけて、そして本体の株式会社に利益を還元するというようなことの危惧があった中、そもそもそういうスキームではないという整理の中で、先ほど申し上げましたように、株式会社が直接、公設民営学校をするわけではない、それが先ほど申し上げた国家戦略特区と構造改革特区の位置づけの違いであるわけであります。

 今回の国家戦略特区における公設民営学校というのは、そういう中でのスキームということで、自民党の党内手続も了承されて、部会だけでなく、それで、今国会、法律として出されているということでありますので、私がというのじゃなくて、党としても了解していただいている、政府全体としてこれは法案として出しているというものであります。

宮本(岳)分科員 いや、私が議論しているのは昨秋の話じゃないですよ。この国会に出てこようとしている、昨秋の国会に出てきた、あの特区法案の話じゃなくて、二〇一三年十一月、つまり、一年以内にそれを検討するぞと言った最初の突破口を開いたときに、八割の反対を突破する上であなたが果たした役割は大きかったということを指摘したわけですよ。

 大臣が学習塾業界から政治家となり、その意を酌んだ役割を果たしてきたということは、これまでみずからも決して否定されておりません。

 資料三に、塾業界の月刊誌「私塾界」二〇一三年二月号をつけておきましたけれども、二〇一二年末の総選挙で自民党が政権を奪還し、あなたが文部科学大臣に就任したとき、業界はどう受けとめたか。「下村文科相にとってはなおのこと、学習塾業界にとっても待ちに待った文科相の椅子である。」と書いてあります。

 あなたが文科大臣に就任したことは、同時に塾業界としては、塾業界が文科相の椅子を獲得したことを意味していた、そうじゃありませんか。

下村国務大臣 その言葉は適切だとは思いません。ただ、塾業界の方々が私に対して非常に期待を持っていただいているということは、ありがたいことであります。

 私は、もちろん、法的に問題があることについてはこれはしっかりと、私も先頭に立って、民間団体に対して、もしそういうことがあれば、指導していきたいと思います。

 ただ、法的に問題がない中、これから日本の教育に問われていることは、オール・ジャパンで、それぞれいいところは知恵を出し合って、そして一人一人の子供たちの持っている潜在的可能性をどう引き出すかということについて、力を尽くしているところについてはぜひ頑張っていただきたい、そういうふうに思っています。

宮本(岳)分科員 そういう答弁で通るかどうかということをこれから少し議論したいと思うんですけれども。

 ここに、二〇一二年四月に全日本学習塾連絡会議という団体が発行した「学習塾百年の歴史 塾団体五十年史」という本を持ってまいりました。あなたはこの本に寄稿されております。この寄稿の中で、小泉内閣のときに構造改革特区が始まったのを機に、「学校を変える!「教育特区」」というこの本を出版したこと、二〇〇二年、この特区を使って教育分野に風穴をあけたいと考えたと語っておられます。

 そして、この本を読むと、ドキュメンタリータッチで、あなたのブレーンと称する民間塾経営者等と組んで、抵抗する文部科学省を抑え込み、さまざまな策を弄して政治決着を図ったということが得々と書かれてあります。

 二〇〇二年十二月から二〇〇三年二月にかけて、構造改革特区二次募集の政府方針取りまとめまでの間に、あなたがこの本に書かれているような政治的な働きかけを行ったということは、これは事実ですね。

下村国務大臣 一つ一つのその言葉尻がいかがと思いますが、私は、先ほど申し上げましたように、教育においても、民間の中でノウハウがあって、そしてそれをぜひ生かすということは、日本の教育において必要なことだというふうに思います。

 ですから、新しいタイプの学校が、そのことによって既存の学校がプラスの刺激を得るということについては、それが望ましいと思いますし、構造改革特区においてそういうふうな学校が新たにできるということについては、これは地方自治体の了解がなければもちろんつくれない話ですけれども、その構造改革特区法案については、教育の部分から推進していきたいというふうに当時考えておりましたし、またそういう本を出したということはもちろん事実であります。

宮本(岳)分科員 私の言葉を今指摘されましたけれども、ここの中では、事実、こういう策をとって一つ一つ政治決着に向かって頑張ったとリアルに書いてありますから。

 それで、こういうやり方で誕生したのが株式会社立学校でありました。そして、ここに塾や予備校の業界が参入していったわけでありますけれども、その後、これらの学校設置会社は、二〇〇五年十月には学校設置会社連盟という団体を結成いたしました。

 しかし、その後、株式会社立学校の経営困難、あるいは文科省が学校法人への移行を促したこともあって、一社が学校法人に移行しました。それを機に、新しい学校の会、略称新学会と名前を変えました。

 大臣、あなたは、この学校設置会社連盟改め新学会の顧問を務めてこられましたね。

下村国務大臣 一社というのは、もともと学校法人の学校をつくりたいと考えていたところでありますが、いろいろな要件が整わないということの中で、株式会社立の学校をスタートさせたというふうに聞いております。

 新しい学校の会、そこの顧問をしていたということはそのとおりであります。

宮本(岳)分科員 新しい学校の会という団体の概要を資料四につけておきました。ルネサンス・アカデミーの桃井隆良氏が理事長、先ほど紹介したLEC東京リーガルマインド大学の反町勝夫氏も理事に名前を連ねております。

 この新学会は、公設民営学校の導入を求めて、強力なロビー活動を展開してまいりました。

 資料五は、新学会が二〇一三年十一月十一日に国会内で開催した「公設民営学校を考える」と題したシンポジウムの案内状であります。「国家戦略特区の教育分野の目玉は、公設民営学校です。」下村文科相は「「認める前提で、具体例ごとに対応を検討する」と発言しています。」と説明し、あなたの発言をわざわざ引用しています。

 そこで、大臣に聞くんですが、あなたは、この新しい学校の会の会員企業から、大臣になる前も、大臣になってからも、献金を受けてきたのではありませんか。

下村国務大臣 まず、顧問をしておりましたが、顧問としての報酬は一切ありません。

 それから、新しい学校の会の会員企業からの献金ということでありますが、ウィザス、それからルネサンス・アカデミー、代々木学園の三カ所から献金をいただいております。

宮本(岳)分科員 実は、今三つお認めになりましたが、それ以外にもう一社あります。

 あなたの二〇一三年の政治資金報告書によると、あなたは、今お認めになった、四月二十日にルネサンス・アカデミーから六万円、しかし、六月二十五日には、その親会社であるワオ・コーポレーションから五十万円の献金を受け取っております。事実ですね。

下村国務大臣 突然の質問ですので、ちょっと手元にありませんが、資料として記載されているのであれば、そのとおりだと思います。

宮本(岳)分科員 私は手元に持ってきていますが、確かに六月二十五日付でワオ・コーポレーションから五十万円と記載をされております。

 それで、この新学会の加入法人からのあなたの政党支部への献金、全て私は調べてみましたけれども、毎年、今最初にお認めになった代々木学園六万円、ウィザス十二万円という名前が出てまいります。この代々木学園というのは、あなたがこの本の中であなたのブレーンだと認めている一色真司氏の会社であります。この両会社は新学会の副理事長を務めております。しかし、二〇一一年度、一二年度には見当たらないにもかかわらず、二〇一三年度のあなたの政治資金報告書には、突然、このルネサンス・アカデミー及びワオ・コーポレーション、五十万円というのが出てまいります。

 あなたの政治資金報告書を見ておりますと、大体、あなたはみずからも広く浅く集めるというふうにおっしゃっていますから、六万円とか十二万円というように十二の倍数になっていて、月々の会費のように集めていることがうかがえます。ところが、この六月二十五日のワオ・コーポレーションからの献金五十万円というのは多額であり、また十二の倍数にもなっておりません。

 この献金は、特別な意図を持ってあなたに送られたものではありませんか。

下村国務大臣 全くそういうことはありません。

宮本(岳)分科員 ならば、内閣府に聞きましょう。

 二〇一三年七月八日に、国家戦略特区ワーキンググループは、有識者等からの集中ヒアリングというものを行っております。この七月八日十七時から十七時五十分までの間にヒアリング対象者として招いた有識者は誰でありましたか。

富屋政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十五年七月八日の十七時から十七時五十分に、新しい学校の会の桃井理事長からヒアリングをしております。

宮本(岳)分科員 まさに、ルネサンス・アカデミー株式会社代表取締役、新学会理事長の桃井隆良氏でありました。

 もう一つ聞きましょう。

 内閣府に聞きますが、同じく国家戦略特区ワーキンググループは、二〇一三年九月九日に、提案に関するヒアリングを行っております。午前十一時三十分から十二時三十分まで、提案者として報告したのは一体誰でありましたか。

富屋政府参考人 平成二十五年の九月九日十一時三十分から十二時三十分に、提案に関するヒアリングということで、ルネサンス・アカデミー株式会社の御提案をヒアリングしております。

宮本(岳)分科員 そのときのルネサンス・アカデミーの提案概要はこれであります。ずばり、表紙に「公設民営学校プロジェクト」となっております。

 これを時系列で考えてみると、下村文科大臣は、二〇一三年四月二十日にルネサンス・アカデミーから六万円、六月二十五日には親会社であるワオ・コーポレーションから五十万円を受け取りました。すると、そのわずか十二日後の七月八日には、国家戦略特区ワーキンググループの有識者からの集中ヒアリングでルネサンス・アカデミーの社長が意見を述べ、さらに、九月九日には、そのルネサンス・アカデミーが国家戦略特区ワーキンググループ提案に関するヒアリングに提案者として出席をし、公設民営学校プロジェクトを力説したわけです。そして、十一月五日、下村大臣は、文部科学省が否定的であり、当初は自民党内でさえ八割ぐらいが反対だった公設民営学校の義務教育への導入を、最終的には一任という形を取りつけ、閣議決定に至った、こういうことであります。

 大臣、これでは、あなたが塾業界と癒着をして、そして教育行政をゆがめたのではないか、こう疑われても仕方がないのではないですか。

下村国務大臣 全く当てはまりません。

 私の方で、今の例えば内閣府のヒアリング等に別に紹介したわけでは全くありません。それから、そもそも、どんなヒアリングでどんな発言をされたかというのは私は存じ上げませんが、先ほどから申し上げていますように、今回の国家戦略特区というのは、そこの株式会社が単独でやれるということではないわけです。スキームがそもそも違うわけです、今回の法案はですね。ですから、特定の企業のためにそういうふうにしたということは全くございません。

宮本(岳)分科員 今の法案の制度設計を聞いているんじゃないんですよ。二〇一三年十一月の閣議決定に至る過程であなたがそういう動きをしたということを、私は、問題だ、誤解されても仕方がないと。私は決して、お金を受け取ってこれをやったと言っているわけじゃないんですよ。そんな、むしろ、お金を受け取ってやったんだったら、まさに受託収賄じゃないですか。しかし、この一連の流れは国民からそう見られても仕方がない、こう私は指摘しているんです。一切の誤解がないと言い切れないでしょう。

 我が党は、パーティー券を含む企業・団体献金の禁止を主張しております。みずから企業・団体献金など一円たりとも受け取っておりません。しかし、せめて文科大臣の在任中は、教育関係の業界や教育関係企業からの献金は一切受け取らないというのが、政治家として最低限の矜持じゃないですか。いかがですか。

下村国務大臣 今のような、先ほどの指摘は、全く当てはまりません。そういう形で、私の方があっせんとか紹介とか、あるいはヒアリングに行ったらどうかというようなことを直接、間接的にも全くしておりません。

 企業・団体献金については、これは合法的に政治資金規正法の中でも認められていることであります。その中で、一般の国民の方々から疑惑とかあるいは不正とかの疑問が抱かれないような対処の仕方については、慎重にしっかり考えていきたいと思います。

山下主査代理 宮本岳志君、質疑時間が経過しておりますので、御協力願います。

宮本(岳)分科員 疑惑を持たれるのは当然だと言わなければなりません。

 これだけ言っても、あなたは、企業・団体献金、少なくとも教育団体からは受け取らない、会社から受け取らないとおっしゃらない。これでは、私は、道徳教育などということを語る資格はないということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

山下主査代理 これにて宮本岳志君の質疑は終了いたしました。

 次に、大串正樹君。

大串(正)分科員 自由民主党の大串正樹でございます。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 本日は、我が国のロボット技術政策について、特に、その要素技術であったり、あるいは人材育成といった部分についてお伺いしたいと思いますけれども、本題に入る前に、まず、一点、別件でございますけれども、お伺いさせていただきたいと思います。

 それは、学校施設環境改善予算についてでございます。

 現在、私の地元であります兵庫県の伊丹市で、清酒発祥の地であり、また空港のある町でございますけれども、中学校給食の実現を目指すために、給食センターの整備事業を進めております。

 これは、食育の観点からも大変重要な施策であると思いますし、また、お昼御飯をしっかりと平等に食べていただくという意味では、格差の問題も含めて、必要な施策ではないかなというふうに思っております。

 そういう意味では、予算的に国の支援をしっかりとしていただいて、全国にも給食の整備を進めていただきたいと思っているところでございますけれども、残念ながら、この学校施設環境改善予算という分野は、ここ数年、耐震補強の関連事業が中心になっておりまして、それ以外の施設環境の改善という部分については、トイレの改修であるとかエアコンの設置という小さな予算は幾つかあるんですけれども、十分ほかの分野にも行き渡っているとは言いがたい状況であったと思います。

 もちろん、これから大きな災害が予想されますので、耐震補強というのは喫緊の課題ではあると思いますけれども、それがほぼ達成される見込みが見えつつあるということでございますので、ぜひ、財政状況は厳しい中であると思いますけれども、次のステップとして、学校給食センター等の整備、あるいは、これから、スポーツ振興という分野でもグラウンドの整備をしたりとか、あるいはもっと踏み込んで、コミュニティー拠点としての施設整備など、今後の教育施設環境改善のための予算の拡充についてどのようにお考えか、お聞かせください。

下村国務大臣 御指摘のように、公立学校施設整備費につきましては、厳しい財政状況のもと、平成二十七年度までに完了させることを目指している耐震化のための予算を中心に今組んでいるところであります。

 平成二十六年度補正予算で四百八億円、平成二十七年度予算案で二千四十九億円を計上しております。平成二十七年度の予算執行後には、公立小中学校の耐震化はおおむね完了する見込みであります。

 文科省としては、御指摘のように、耐震化以外の事業についても、各自治体から、幅広く、そしていろいろな要望を今受けているところでございます。今後、児童生徒の教育環境の改善をさらに推進させるという観点から、各地方公共団体の要望を踏まえつつ、地域の実情に応じた施設整備が進められるよう、しっかり取り組んでまいります。

大串(正)分科員 ありがとうございます。

 消費税の増税が先送りになって、財務省としても、なかなかこれからはそういう予算を十分につけるのは難しいという話もありますけれども、これはやはり、教育施設の改善というのは未来への投資でございますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思いますし、我々も政治の側からしっかりと応援をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本題に入りたいと思います。きょうは、ロボットの研究開発というところでお伺いをしたいと思います。

 アベノミクスの成長戦略の柱の一つとして、我が国が得意としているロボット技術、これをしっかりと活用して一つの成長産業として育てていこうというお話はよく聞くのでございますけれども、それにあわせまして、一月に、ロボット革命実現会議がロボット新戦略というものを取りまとめました。これはもう、本当に国を挙げて取り組むべき課題ではないかなというふうに思っております。

 これは、もちろん、経済産業省だけではなくて、文科省も、次世代技術の研究開発の推進であったり人材育成といった分野で大きな役割を担っていると思います。

 まず、どのような研究開発を推進しようとしているのか、その方向性、できれば、これは、新しい分野、イノベーションを起こすという意味でも大変重要な部分でございますので、経産省の具体的な産業分野あるいは経済効果が期待される分野以前に、研究開発という部分で大きな方向性を意味づける上では文科省の役割というのは非常に大きいと思いますので、その点を踏まえて、どういう方向性あるいはどういう問題意識を持たれているかについて御説明いただきたいと思います。

川上政府参考人 御質問ありがとうございます。

 今御指摘のように、一月に、ロボット新戦略が政府として取りまとめられたわけでございます。

 文部科学省では、このロボット新戦略の検討の中でも申し上げておりますが、従前より、宇宙、海洋といった極限環境下で活動するロボットの研究開発や、それから、ロボットが人間と共存してさまざまな分野で人間をサポートすることができるというような技術開発に取り組んできたところでございます。

 先生御指摘のように、ロボット新戦略では、次世代に向けて開発すべき技術ということで、例えば、人工知能、センシング・認識技術、機構・駆動・制御技術、OS・ミドルウエア等、ヒューマンインターフェースの高度化を含む安心安全評価・標準といったところを挙げているところでございます。

 また、文部科学省といたしましては、先ごろ科学技術・学術審議会で取りまとめられました提言を踏まえまして、サイバー空間を利用した新サービスの創出に向けた研究開発として、ビッグデータの利活用技術や数理的理論の研究、人工知能技術やヒューマンインターフェース技術の開発といったことに重点的に取り組むということをしているわけでございますが、これは、ロボット新戦略で取り上げられております要素技術と共通性を持つものということで、いわば、ロボットだけではなく、サイバー空間に対する技術開発の一環として捉えて、しっかりやっていきたいというふうに考えているわけでございます。

 先生御指摘のとおり、文科省は次世代技術や人材育成について役割を果たすということを言われたわけでございますけれども、今後、こういったロボット新戦略でありますとか、それから、科学技術・学術審議会の提言を踏まえまして、ロボットや人工知能などの要素技術が融合しネットワークなどにつながる、次世代に向けた技術開発、それから、ロボット開発を担う次世代の人材育成について、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。よろしくお願いいたします。

大串(正)分科員 ありがとうございました。

 いろいろな分野、特に先端分野に関してのいろいろな研究開発、後押しをしていただけるということでございますので、これは大変心強いかと思います。

 ただ、文科省の研究支援というのが、どちらかというと、既存の技術に対して、欠けている部分に対するニーズに対してどう応えていくか、そういうところに投資をしていく部分と、あとは、研究分野としてこういうことができるという、シーズから新たな可能性を導き出そうというシーズ優先なのか、そこが非常に難しいところだと思います。もちろん、シーズをどういうふうに生かすかという技術も必要ですし、ニーズに応えていくというふうな分野も必要なんですけれども。

 よく、イノベーションという言葉がいろいろなところで出てきます。

 イノベーション、本来の意味は、技術革新という点で大変大きな意味を持っているんですけれども、場合によっては非常に簡単に使われて、イノベーションが起これば、経済が発展して、産業あるいは技術がどんどん進んでいくような、そういうイメージを持たれているかもしれないですけれども、本来のイノベーションというのを起こすには、やはりそれは、それなりの戦略であったりとか、あるいは一つの方向性に対して注力をして、そこでさらなる人材育成を行っていかなければいけないのではないかなというふうに思っております。

 そういう意味では、今、極限環境のロボットであるとか、あるいは人間をサポートするという分野、いろいろな分野でロボット開発というのが進められているとはいえ、何かに注力していかなければいけない、資源をある程度集中していかなければいけないのではないかなという点で、ちょっと次の質問に移りたいと思います。

 ロボットという概念も、かなり幅広く、ロボットとイノベーションというのをセットで非常に便利に使われている部分が多いと思うんですけれども、例えば、日本が先進的に進んできた分野、産業用ロボットでいろいろな工場設備のオートメーション化が進んで、日本は産業用ロボットでは非常に先進的な位置を占めて、これまでずっと世界をリードしてきたと思うんです。

 ただ、いろいろなデータによりますと、二〇一〇年代ぐらいから、やはり、アメリカのDARPAとか、いろいろな予算が集中することによって、特に軍事技術を中心にロボット技術がどんどん進んできて、やや日本がおくれをとってきているのではないかなという心配がちょっとございます。

 その一方で、産業用ロボット以外の分野で、二足歩行ロボットであるとかそういったヒューマノイドの研究も、日本は割と先進的に進んできている部分もありますし、あるいは医療・介護分野でのロボット技術も、もうほぼ実用化しつつある分野もあります。進んでいる部分とおくれている部分、両方ある。

 その中で、先般の東日本大震災のあの原発事故が契機でありますけれども、災害対応ロボットというのも大変期待が寄せられている。これは、ニーズがもう先行してしまっているので、とにかく早く対応しなければいけないと。そういった分野のロボット技術開発というのも大変期待が寄せられているし、まさにこれに注力しなければいけないのではないかなというふうなところもあります。

 もちろん、汎用品として世界に売っていかなければいけないということも考えれば経済産業省との連携も必要なんですけれども、その中でも、文部科学省としては、どういう戦略、つまり、どういうところを日本の強みとして生かしていこうかというのを考えていらっしゃるか、ちょっとお伺いしたいと思います。

川上政府参考人 確かに、ロボットというのは総合技術でございます。それから、用途も非常に広いものになりますので、政府全体として取り組まなければいけないということであるわけでございます。したがいまして、その中で文部科学省がどこであるかということを見据えまして、それで戦略的に物事に取り組んでいくということが必要であるというふうに思っているわけでございます。

 先生御指摘のとおり、我が国はロボットについては非常に進んでいたけれども、二〇一〇年あたりから少しずつおくれてきた。

 この要素としましては、機械としてのロボットとしては日本は圧倒的な強みがあるわけでございますが、二〇一〇年以降、だんだん、機械としてというよりも、情報機器としてのロボットという役割が出てまいりました。人工知能であるとか、それからネットワーク技術であるとか、そういったICT関係の技術に重きが置かれてきているわけでございます。

 そういった点につきまして日本はこれからまだまだ研究開発をやっていかないと世界と戦っていけないという認識を持ってございまして、そういった点から、先ほどもちょっと御説明申し上げましたが、AIであるとか、それからビッグデータの処理であるとか、そういったICT関係の分野について特に重点を置いて進めていくべきではないかというふうに考えているところでございます。

 それと、先ほど申し上げましたけれども、その新しいICT分野に乗り出していく若手人材をいかに育てるかということも非常に重要な点でございますので、そういったところを中心に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

大串(正)分科員 ありがとうございます。

 確かに、おくれている分野というところに情報関連の部分、最近、IoT、インターネット・オブ・シングスという言葉が非常によく聞かれるようになりましたけれども、恐らくこれからは、単独の機器だけで開発を進めるというよりは、ネットワークを使っていろいろな機械同士が連携するというところももちろん視点を置かなければいけないし、そういった部分についても、人材育成を含めて、進めていかなければいけないのではないかなということがわかったと思います。これについては、またぜひ、いろいろな形でいろいろな施策を講じていただければというふうに思っております。

 そういったいろいろな分野がある中で、さらにもうちょっと細かく見ていくと、ロボットの中にもいろいろな要素技術があると思います。

 例えば、パソコンを思い浮かべていただくと、パソコンというのは、総合技術であって、ディスプレーがあったりとかキーボードがあったり、そのふたをあけてみると、ハードディスクやCPUといったいろいろな機械が総合してできている。それぞれの分野でそれぞれの業界が強みを持った、アセンブリーとしての一つの製品であるというふうに考えて。

 もともと日本はパソコンの分野も大変強かったと思うんですけれども、徐々にコスト競争力がなくなってきて、海外にどんどんそのシェアを奪われていくような事態になった。これはもちろん、パソコンに限らず、液晶テレビにしても、往々にして、日本は割と製品はいいものをつくっていたんだけれども、価格競争力でだんだん奪われていく、そういう傾向が少なからずあったのではないかなというふうに思っております。

 ロボット技術に関しても、やはり、かなりさまざまな要素技術があると思います。

 いろいろなセンサーが必要ですし、あるいは可動部分のアクチュエーターも必要ですし、もともとそれを統合的に動かす基礎となるソフトウエア、それぞれ全てが最先端の高いレベルで求められていると思いますし、同時に、それが部分的に先行しているという中では、小型軽量化が求められたりとか、もっともっと高い精度のもの、あるいはハイパワーのものが求められる。

 我々は、やはり、そういった部分で、要するに、ふたをあけてみれば中身は全部外国製だったということは避けなければいけないのかなというふうに思っております。

 特にちょっと注目しておりますのが、MEMSと呼ばれる、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム、小さなデバイスの中にいろいろな機能を組み込んで、それをいろいろ複合的に使って、いろいろな機能を実現するという微小なデバイスのことなんですけれども、これは本当に、今、スマートフォンに代表されるような非常に産業をリードしている分野で、大変大きなニーズがあって、非常に注目されているところなんです。

 ただ、ふたをあけてみると、やはりこれは欧米が中心で、スイスであったりアメリカであったり、そういったところがこのデバイスに関しては先行しているのではないか。もちろん日本も頑張っている分野もあるんですけれども、まだまだおくれをとっているところが多いのではないかなというふうに思っております。

 文科省としては、こういった分野、私も調べてみた限りは、このMEMSに関しては、積極的に、大々的に柱を立ててやっているという感じではないんですけれども、これからどういうふうに取り組んでいくのか、要素技術全般を含めて、文科省としての戦略についてお教えいただければと思います。

川上政府参考人 まず、MEMSとロボット開発との関係から御説明申し上げたいと思います。

 ロボットを開発していくに当たりまして、要素技術の高度化につながりますMEMSの技術開発というのは、ロボットを高性能化していく上で非常に重要な技術であるということで、ロボットの開発についても非常に重要なものであるというふうに考えてございます。

 他方、MEMS一般的なものにつきましては、先生の御指摘のとおりでございますけれども、経済産業省を初めとして、関係省庁において、かなり広範な取り組みがなされてきておるわけでございます。

 既に、インクジェットプリンターのヘッドであるとか自動車用のセンサー、そのほか、携帯ゲーム端末用機器といったような、いろいろなところで実用化がされているという段階に来てございます。産業もそれに従って少しずつ成長してきているのではないかと思います。

 そういった中で、では文部科学省ではどうするかということでございますけれども、産学官の広範な分野の研究者によるMEMSを含む研究開発等を支援するための先端的研究設備の共用促進という取り組みをしてございます。

 そのほか、先端分野の研究としまして、最先端のLSIとMEMS技術を融合させた高度なマイクロシステムによる、人間の感覚を模擬した触覚センサーネットワークの実現といったような、ごくごく先端的な分野における、新たな機能を開発する、そういった部分の研究開発を行っているところでございます。

 関係府省と協力をし、また役割分担をしっかりやった上で、我々としても、MEMSの研究開発については、ちゃんと戦略性を持って進めてまいりたいというふうに考えてございます。

大串(正)分科員 ありがとうございます。

 いろいろな研究が進められている。特に触覚センサーなどというのは、これから、例えばヒューマノイドをつくっていく上では大変重要なセンサーで、センサーの中でも難しい分野ではないかなと思いますので、そういった部分で、日本が先導的に、そして世界のシェアをとっていけるような、そういう強みの分野に育っていけば大変いいかなというふうに思っております。

 ただ、そういう意味では、そういった製品開発も含めて、やはり、その周辺的には、イノベーティブな人材育成というのはどうしても欠かせない。今まである常識にとらわれないような、新しいものをつくっていける、そういう人材をどうやって育てるかというのが大変重要なのではないかなというふうに思っております。

 そういうことで、最後になりますけれども、ロボットの、人材育成をどのようにお考えかということについてお伺いしたいと思います。

 一般的には、そういったいろいろな投資をすることによって、研究開発を通じて人というのは育っていくでしょうし、いろいろな意味で先端技術に対してチャレンジングな仕事をすることによって新しい発見もあると思いますけれども、実際、では、ロボット技術を育てていくためにはどういった人材が必要なのか、また、どういった能力が必要なのかというのを考えていたところなんです。

 基本的には、いろいろな要素技術というのがある程度のレベルではほぼ確立しつつある中で、今度は、その要素を組み合わせてどんな新しい機能を生み出すか、それがひょっとしたら大事なんじゃないかなというふうに思っております。

 例えば、今産業を牽引していますスマートフォンに関しては、今まで携帯端末と呼ばれるものはいろいろなものがあったと思うんですが、だけれども、なぜ今このスマートフォンがこれだけ大きく普及したかというのをちょっと考えたときに、多分皆さんもごらんになったと思いますけれども、アップル社のスティーブ・ジョブズがこうスマートフォンを掲げて、スマートフォンに映っている画像を、スマートフォンを傾けると画像が自動的に横を向いて、指で画像を操作すると大きくなったり小さくなったり、そういう、何か、そのときは魔法のように見える、見ている方もわくわくするような新しいことができる、これが実はすごく大事だったのではないか。

 今までのスマートフォンというのは、単なるタッチパネル。今、ATMとかでのボタンを押すだけのパネルから、二本の指でタッチできるマルチタップのタッチパネルが開発されて、それプラス加速度センサーですね。自分のスマートフォンが向いている角度が自分で認識できる。しかもコンパクト。あの薄型の中に加速度センサーが入って認識できる。この加速度センサーとマルチタップのタッチパネルの技術が融合してああいうことができるようになった。

 要するに、何が言いたいかというと、やはり、新しいイノベーションというか新しい分野を起こすためには、今までできた技術のスペックを並べるだけじゃなくて、今までできなかったことがこんなことができるようになるというのを皆さんにアピールするというのがすごく大事なのではないかなというふうに思いますし、それができるための要素技術、二つの技術をうまく組み合わせることでこんなことができる、もちろんそのデバイスをうまく機能させるソフトウエアも大切なんですけれども、そういう今までにない発想で新しいものを生み出すような、そういう能力を持った人が実はいなければ、日本は常に先端技術を後追いするだけになってしまう。

 小型化して高性能化することは得意であっても、それを組み合わせて新しくできなかったことをできるようにすることというのは、日本にはできないかもしれない。そうならないためにも、システムインテグレーターという言葉が今よく出てくるようになりましたけれども、いろいろなものを取りまとめる、単なる産学連携のコーディネーターとは違う、技術を組み合わせて新しく不可能を可能にすることができるような、そういう人材を育成しなきゃいけないのではないかなというふうに思います。

 これは大変難しいことではあると思います。日本にスティーブ・ジョブズみたいな人をいっぱいつくれというわけではないんですけれども、少なくとも、そういう素養、そういう柔軟な発想ができる人材を育てていく、これはどういうふうにすればいいか、もし何かお考えがあれば、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

川上政府参考人 機械の中をあけたら外国製品だけであったということと同時に、外国の製品をあけたら日本の部品が詰まっていた、こういうこともあるわけでございます。

 どちらかといいますと、日本は、要素技術には強いんだけれども、それを、全体を組み上げて製品化をし、または新しいサービスを生み出す、こういう人材が不足しているのではないかというのは、よく指摘されることでございます。

 先生御指摘のように、システムインテグレーターというのは、まさに、そういう要素の技術を組み合わせて新しい製品ないし新しいサービスをつくっていく、こういう人材だろうと思いまして、今回、ロボットの研究開発、さらに言いますと、ロボットというのは、新しい情報技術、情報製品の一つの形態であるというふうに考えますと、新たなサイバー空間においての新しいサービスや技術、製品をつくり上げていく、こういった中における人材育成とも共通する問題だというふうに捉えてございます。

 そういった人材につきましては、既存の教育システムももちろん改革をする必要はございますが、さらに、一つの別の専門分野を持ちながらそういうシステムのインテグレーション、新しいサービスの開発をできるというマルチな人間を育てなければいけないということで、第五期の科学技術基本計画が再来年度から始まるわけでございますけれども、それの検討に向けて、超サイバー社会の到来を踏まえまして、どのように人材を育成していくかということを検討してきているところでございます。

 そういった観点を含めまして、平成二十七年度の予算案におきましても、若手人材が、自己の独創的な技術やアイデアを結実した、ベンチャーの起業を見据えた基盤的研究開発を行うということを通して事業モデルを構築する能力を身につけるというためのプログラムを立ち上げまして、そのための経費を計上しているところでございます。

 こういったことを通じて、従来にない人材の育成を何とかやっていきたいというふうに考えてございます。よろしくお願いいたします。

大串(正)分科員 ありがとうございます。

 なかなかいろいろな取り組みをされているということで、期待したいと思います。

 ただ、先端分野、かなり高度なレベル以前に、やはり初等中等教育の段階からも、もっともっといろいろな工夫、もっと柔軟な発想を育てるような教育ができないのかなというところも考えたいところでございますので、私も、ぜひ、政治の方からいろいろな形で提言をできるように、一緒になって考えて、本当に日本が強い独創的な国になるような、そういう後押しをしていきたいというふうに思っております。

 また、あわせまして、今、サイバーセキュリティーの問題もありまして、そういう人材をどうやって育成していこうかということもちょっと党内で勉強しようとしているところなんですけれども、そういった最先端な分野になると学校の教育で本当に間に合うのかどうか、教育でカリキュラムとしてでき上がってしまう以前の、もっともっと最先端の今まさに起こっている問題をどう解決していくかということに関しては、先端をやっている人たちにしてみれば、お互いに情報交換し合いながら、もっともっと新しいものを競い合ってやっている、コンテストも開かれておりますけれども、やはり、そういった人材育成のあり方とあわせて、その基礎となる素養をどうやって育てていくかというのがこういった分野でも必要なのではないかなというふうに思っております。

 いろいろなシステムのつくり方、つくり込み方、それを組み合わせる仕方、いろいろな分野で幅広いマネジメントができるような、そういう人材の育成、もちろん技術者を育てることも大事ですけれども、技術と同時に、そういったマネジメントができる人材を一緒に育てていければいいかなというふうに思います。

 また、これから、日本が本当にもう一度ロボット大国と呼ばれるよう、そして、まあ、もともとロボット技術というのは軍事技術から転用されたものが多分にありますので、恐らく、アメリカが桁違いのお金を使っているということですので、なかなか追い上げは厳しいと思いますが、日本独自の、日本の個性を、得意分野を生かしながら、そういった分野、もちろん予算があるにこしたことはないんですけれども、少ない予算の中でもいい発明ができるような、いい発見ができるような、そういう後押しをぜひやっていきたいというふうに思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。

 これで質疑を終わりたいと思います。

山下主査代理 これにて大串正樹君の質疑は終了いたしました。

 次に、足立康史君。

足立分科員 維新の党の足立康史でございます。

 本日は、予算委員会の第四分科会ということで、下村文科大臣に、大阪で今ちょっと起こっていることについて御質問申し上げたいと思います。

 大臣におかれては、必ずしも十分にこの事案の詳細を御承知いただけていないかもしれませんが、事前に通告もさせていただいておりますので、できるだけ大臣の方から御答弁をいただければと存じます。

 事案を簡単に申し上げますと、京大の藤井教授が、大阪市長、我が党の、当時代表、今の最高顧問に対して、非常に、ヘドロチック等々、あるまじき言動をされておられる。この点についての京都大学の使用者責任について、我が党の松野幹事長から京大の総長宛てにいろいろお問い合わせをしているという事案でございます。

 経緯はもうここで繰り返しませんが、京大は、一般論としては使用者責任を問われ得るということを紙でおっしゃっておられながら、本件については使用者責任が成立するとは考えていない。

 こういうふうなやりとりになっていますが、文科省、文科大臣としてこれをどう見られているか、ちょっと御答弁をいただければと思います。

下村国務大臣 まず、橋下市長は、非常にメッセージ力がありますし、また、政策的にも次から次へと改革を進めているということに対しては、私は大変に評価をしている市長さんであります。

 ただ、政治手法においては、地元の大阪自民党がいろいろな思いを持っているのは事実でありますし、私も政党所属でありますから、大阪の自民党の方々の意見も聞いているところでありますが、政策的には大変評価しているというふうに思っております。

 それから、藤井聡さんも、京都大学の大学院の教授で、そういう意味では教授らしからぬといいますか、いろいろなところで発言をされていて、私も話を何度か聞いたことがありますが、一般大衆的に言うと、非常におもしろい、そういう話をされる方ですね。

 ただ、個人攻撃的なことを言われたとしたら、それは、相手の方にとっては聞き捨てならないというふうな思いを持つことがあったんだろうということが今回の懸案であるというふうに思います。

 このことについて私は承知はしていませんが、委員から御質問があるということで、お聞きしました。

 藤井聡京都大学大学院教授がインターネット上の動画においてヘドロチックと橋下大阪市長に対して指摘したという発言というのは、この説明の経緯の中で、質問されるという経緯の中で私も承知いたしました。関東では全く話題にもなっていないことでもあります。

 この発言について、京都大学は、本学の職務行為として行われたものではなく、職務外に個人の表現活動として行われたものと理解をしているということでありまして、これは、文科大臣として、あるいは文科省として、この発言の可否についてそもそもお答えするという立場ではないと思います。

足立分科員 今おっしゃったのは、京都大学が、これは職務外であるという御回答を、正確に申し上げると、二月六日付で松野幹事長から総長に対して問い合わせをしたのに対して、十八日に、職務行為として行われたものではないという回答が来ている点を指して今おっしゃっていただいたわけですが、これは、文科省としてそれを追認されている、こういうことですか。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 京都大学がこの藤井教授の言動に対しまして職務外と判断をしたことにつきまして、私どもの方で京都大学からその事情をお伺いしたところでございますけれども、二月の六日に法務・コンプライアンス担当副学長から藤井教授に対しまして確認を行ったと聞いております。

 京都大学としては、藤井教授に対しまして、当該発言を行った対談への出演を大学として命じた事実がないこと、また、藤井教授は個人の資格として出演したとの認識であったことが確認されていること、また、当該発言を行った対談は、京都大学の教授の職務である、部局において教育研究に従事するという業務に該当しないと考えられること、こういったものを踏まえまして、職務外に個人の表現活動として行われたものと整理したものと聞いておるところでございます。

足立分科員 今おっしゃっていただいたような京大の見解をここで余り繰り返していただく必要はないんです、十分こちらも承知をしておりますので。

 その後、京大がそういうことをおっしゃっているということについて、文科省を通じて、私の方から、京大の見解についての確認をさせていただいています。そのプロセスの中で、京都大学の見解として、こういうことを文科省を通じてお伝えをいただいています。

 一般論としては、確かに当該行為が事業の執行に当たる場合、または外形的に事業の執行と見える場合には、使用者責任を問われ得る。このように、京大自身がそれを認めているわけであります。

 今回のケースでは、少なくとも、京大教授という肩書で言論活動を、研究と言論活動が学者の仕事ですから、藤井氏は、学者としての言論活動の一環として、京大教授と名乗り、先ほど大臣からも御紹介があったような、非常におかしなというか不届きな発言、言動をされているわけであります。

 これについて、使用者責任があるかないかということについては、京大自身が認めているように、民法の法理論一般でいえば、これは、まず外形がある。今申し上げたように、外形があるわけですね。

 第三者である橋下市長サイドからすれば、外形があるんだから、それは京大、京都大学に使用者責任があるというのが一般的に認められるはずであるし、また、もし、そうではないというふうにおっしゃるのであれば、そうではないと、要は、使用者側である京都大学が、橋下市長が故意、重過失で職務外であることを知っていたということを、証明する責任は、これは使用者側にあるんですよ。京都大学側にあるんですよ。

 にもかかわらず、今御紹介があったような状況にある京都大学というのは、組織としてのガバナンスを十分果たしているとお考えですか。

 これは誤解があっちゃいけないので私も申し上げますが、決して、私が今この衆議院の予算委員会でこの問題を取り上げているのは、大学の自治といった価値やあるいは学問の自由といった価値を否定するものでは一切ない。しかし、学問の自由や大学の自治というのを確保していくためには、その自治を確保する京都大学に、自己規律の、要は、規範をしっかりとみずから守っていく、そういう自己規律ができる主体にしか自由は認められないんですね。

 私たちが申し上げているのは、京都大学は、今、この点について、明らかに、学問の自由、大学の自治を守る主体としての、みずからを律するというこの規範に欠けているんじゃないか、大学として組織としてのガバナンスが欠けているんじゃないかと文科省に伺っているわけです。どうですか。

吉田政府参考人 最初の方の使用者責任の問題でございますけれども、民法第七百十五条によります使用者責任が認められるためには、被用者自身の行為につき不法行為が成立すること、また、当該行為が事業の執行に当たる場合であること、こういったものが必要とされているものと承知をしております。

 ただ、今回の事案につきまして、京都大学の見解につきまして、先生からの御要望を受けまして私どもの方でいろいろと確認をさせていただいたところでございますけれども、この要件の、事業の執行につきというところで、一般的に言えば、業務の執行に当たる場合と外形的に業務の執行と見える場合のいずれも含まれる、こういう見解が京大の方からは示されております。

 京都大学としては、使用者責任が認められるためには、まず被用者自身につきまして不法行為が成立する必要がありますけれども、これは、基本的には当事者間で決着すべきものでありまして、最終的には司法判断ということになってこようかと思いますけれども、この点については大学としては判断をできないということでございます。

 また、仮に被用者自身の不法行為が成立するとしても、今回のケースにおいて使用者責任が成立するためには、教授の当該行為が一般的、客観的に事業の執行に見えなければならないが、京都大学教授という肩書でテレビ出演をしたとしても、当該行為が一般的、客観的に京都大学の事業の執行に見えるということは困難であり、大学として使用者責任が成立するとは考えていない、このような見解が示されているところでございます。

 大学の自治、学問の自由というのは、先生おっしゃるとおり、大変重要なものでございまして、大学が自律的にガバナンスをきかせていくということは大変重要なことだと思いますけれども、今回の事例とはまた局面が違うのではないかというふうに考えております。

足立分科員 吉田局長、今おっしゃっていただいたのは、まさに京都大学がそう言っているということで、最後、それを追認するかのような御答弁があり、大変遺憾であります。

 まず、そもそもおかしいんですよね、この京大。今御紹介されたところですね、基本的には当事者間で決着すべきものでありと。おかしいと思いませんか。

 きょう御紹介したこの事案は、京都大学が使用者として当事者であると我々は言っているんです、京都大学は当事者でしょう、使用者責任を問われ得る当事者でしょうと。これは最終的には裁判で争うということになるかもしれませんが、まず、一義的には、この藤井教授の言動について、その不法行為、それが不法行為に当たるかどうか、これは京都大学として確認すべきじゃないんですか。

 一般論として使用者責任を問われ得ると大学も認めているわけですから、一般論として使用者責任を問われ得る事案について、なぜ、その事案が不法行為に当たるか当たらないかについて、京都大学は、本学としては判断できないと言えるんですか。おかしくないですか、局長、これ。

吉田政府参考人 先ほど申し上げましたように、京都大学は、この藤井教授の言動については職務外の行為であるというふうに認識をしておりますので、使用者責任が生ずる場合とは考えていないというふうに承知しております。

足立分科員 そうすると、文科省も、京都大学が職務外だと言っていることについて、これはそのとおりだ、京都大学は正しい、こういうことですか。

吉田政府参考人 大学の職員の言動につきましては、それぞれの大学が服務監督権を持っておりまして、私どもがその服務監督のあり方についてコメントすべき立場にはないものと考えております。

足立分科員 よくわからないですね。要すれば、本件の不法行為性について、別に局長が判断しているわけじゃないんでしょう。局長にそれを答えてくれと言っているんじゃないんですよ。私が問題にしているのは、京都大学のガバナンス。くれぐれも、委員長、皆さん、これは誤解なきように。

 私は、大阪の一事案として、何か一つの争いを、一つの民事上の争いをこの衆議院の予算委員会に持ち込んでいるんじゃないんですよ。この事案というのは、京都大学の組織のありよう、ガバナンスにかかわる大変重要な問題であり、ひいては国立大学法人一般に係る問題に波及しかねない大変深刻なテーマだと言っているんです。

 繰り返しになりますが、私は、大学法人としての使用者責任は問われ得るわけですから、この個別事案について、その不法行為性の有無について、京都大学はみずから当事者として確認をしないと。京大として、何か、要は、職務外だとか何とかと言い逃れをする理由がそもそもないんじゃないですか。おかしいと思いませんか。

 だから、私が文科大臣と吉田局長にきょうこうして質問させていただいているのは、今申し上げたような、民法の規範、民法の一般的規範に照らして、京都大学が本件から何かあたかも免責されているかのように社会的に振る舞っていることについて、おかしいと思いませんかと言っているんです。

 それは、いいんですよ、大臣と局長が、いや、おかしくないとおっしゃるならいい。だから、明確に言ってください、それはおかしくないんだと。京都大学の今の立ち居振る舞いは、日本の社会規範、法規範に照らして、それは問題ないんだと、そう言ってください、はっきり。

吉田政府参考人 使用者責任の問題につきましては、基本的には、当事者であります京都大学が判断すべき問題でございまして、文部科学省として、その点につきましてお答えする立場にはないものと考えております。

足立分科員 すると、文科省としては、今回の件について、この事案の中身については判断しないと。

 ただ、私が申し上げているのは、そのもうちょっと上のところなんですよ。当事者の問題ですよ。

 本件に関する当事者は、我々の立場からいっても、それは藤井教授と藤井教授の使用者であるところの京都大学、そしてその言動の対象となった橋下市長、我が党の、当時代表、今の最高顧問、これが当事者であります。そういう意味では、京都大学と維新の党が当事者なんです。文科省は当事者じゃありません。

 しかし、私が問題にしているのは、そのやりとりを見て、今もう既に、きょうもお配りをしている、この二月六日付の維新の党から京都大学へのレターと、それに対する、総長から松野幹事長に対するレター、まあこの後もずっとあるわけですが、この二つだけを確認していただいても、議論の入り口のところで、本学の職務行為として行われたものではないということで、使用者責任があたかも免責をされているかのような整理を京大総長はしているが、それは文部科学省から見ておかしいと思いませんかと言っているんですけれども、それはどっちですか。おかしいと思いませんか。その中身の、どちらが正しいということを聞いているんじゃないんです。こういう免責の、要は、京都大学は関係ないと言っているわけですよ。いいですか。

 もう一回、吉田局長、これは大事なところなので。

 橋下さんサイドと藤井さんサイドの争いについて、どちらの言っていることが真っ当ですかということを聞いているんじゃないんです。その大学の教授という者と公職にある者との民事上の争いについて、大学の教授の使用者たる京都大学が免責されると入り口でしているのは、日本の民法の法規範からしておかしくないですかと、一般論で聞いているんです。それはちゃんと答弁できるでしょう。

吉田政府参考人 事案の内容につきましてコメントする立場にはございませんけれども、大学の使用者責任が発生するかどうか、これもやはり当事者間の議論によるものでございますので、その点についても、私どもとしてはコメントする立場にないと思います。

足立分科員 仮に、今、大学の自治、学問の自由、しかし、それを盾に、もし、日本の社会秩序、法規範を乱すようなことを国立大学法人が行ったとき、これは、文科省はどうするんですか。何もできないんですか。

吉田政府参考人 例えば、国立大学法人が、中期計画などについて必要な認可を受けなかった場合、あるいは学校教育法や大学設置基準などの教育研究に係る法令に違反している場合など、重大な法令違反行為が存在する場合や、そのおそれがある場合には、文部科学大臣は、国立大学法人法第三十五条で準用する独立行政法人通則法第六十五条に基づきまして、国立大学法人に対し、当該行為の是正のために必要な措置を講ずることを求めることができるという形になっております。

足立分科員 今、重大な法令違反という御紹介がありましたが、この中には民法は含まれない、こういうことですか。

吉田政府参考人 これは、大学の業務として法令違反ということになりますので、業務の一環として民法の例えば契約などに違反をするというような状態が生じた場合には、こことの関連は出てくるかと思います。

足立分科員 では、今回のケースは、その対象になり得ますね。

吉田政府参考人 これは、先ほどの使用者責任の問題のところと、また戻ってしまうわけでございますけれども、大学側は、あくまでも、これは職務外、いわゆる業務外の、京都大学教授としての業務外の行為であるというふうに認識をしておりますので、そこからいたしますと、先ほど申し上げた是正措置の対象になるものとは区別されるべきものだと考えております。

足立分科員 局長、申しわけありません、ちょっとくどいようですけれども。

 我々は、これは重大な法令違反のおそれがあると言っているんですよ。国会議員が、国会のこの場で、京都大学は重大な法令違反のおそれがあると言っているんですよ。それについて、文科省は、いや、それは京大の問題だ、知りませんと、こういうことでいいんですか、本当に。

吉田政府参考人 これは、構造といたしますと、藤井教授の言動と、これが例えば民法上の不法行為に当たるかどうかという問題がまずございまして、その上で、使用者責任が、京都大学として責任を負うべきかどうかという問題になってまいります。

 そのあたりの判断権ということにつきましては、これは、文科省としてはそれを判断する立場にないわけでございますので、その点、また御理解賜ればと存じます。

足立分科員 いやいや、ちょっと話がかみ合っていないんですが。

 当事者間で、まず民事上の課題が起こっているわけです。これは事実です。それについて、我々は、今、使用者責任の問題を問うているわけです。

 京都大学という使用者は、本件については、そもそも、事案を検討することもなく、職務外だと言い張って、使用者責任から逃れ得ると言っているんです。いいですね。それについては、藤井さんはいいですよ、京都大学という使用者が、重大な、民法上の、使用者責任の理解について、重大な過ち、誤りがあるんじゃないかと私は聞いているんですよ。

 これは事前に事務方とも確認をしていますが、使用者責任の基本的な法理、これは局長ももう十分復習をいただいているかと思いますが、外形理論を初めとして大変複雑かつ広範な議論が過去積み重ねられてきているわけでありまして、こうした基本的な日本の民法の法規範、外形理論を初めとする法規範をつぶさに眺めれば、今回の事案について京都大学が使用者責任を逃れ得ることは自明ではない、私はそう主張しているんです。

 自明ではないにもかかわらず、入り口から、免責されているかのように、我が党の、維新の党の松野幹事長に対しておっしゃっている京都大学というのは、組織ガバナンスがきいていないんじゃないですか、京都大学の組織ガバナンスは大丈夫ですかと高等教育局長に聞いているんです。

 では、複雑なテーマですから、これだけ答えてください。

 今、これだけの事案の詳細をこの場で御紹介しました。これだけ全部聞いていただいた。事前に確認をしていただいていると思います。その上で、あくまでも京都大学という組織は、経営体としてのその組織は、ガバナンスがちゃんときいているし、その責任を、社会における京都大学の責任を果たしているということを言えますか。それだけ答えてください。

吉田政府参考人 京都大学も、この事案につきましては、冒頭申し上げましたように、法務・コンプライアンス担当副学長が藤井教授に対しまして確認を行ったところでございます。その結果として、先ほど来申し上げておりますように、当該藤井教授の言動というのは職務外であるというふうに判断をしているというところでございまして、この問題、ガバナンスということを今おっしゃられましたけれども、この点について、今回の事案とはまた別の話ではなかろうかと思います。

足立分科員 非常に申しわけないんですけれども、局長もお役人さんですから法律をしっかりもう一回勉強し直していただいた方がいいと思うんですが、職務外かどうかを判断するのは第三者なんですよ、第三者。当事者が関係ないと言ったって、何の説得力もないんですよ。

 先ほど申し上げた民法の法規範というものは、外形理論を中心として組み立てられてきていて、教授が、俺は京大の教授だ、私は京大の教授だと言って言論活動を行うことについて、それを善意の第三者がこれは不法行為だとこう言うときに、免責されるなどということは、法体系の中にないわけですよ。それを、当事者である京都大学が、当事者が俺は違うと言ったって、何の意味もないですよ。

 もし局長が、これの収束、しっかりと御答弁、私が期待している答弁は、京都大学が免責されるかどうかは、民法の法理論、法体系からいってそれは自明ではない。が、私は、それは京都大学自身が不法行為の有無について確認すべきだと思いますし、加えて、法理論的にいっても、京都大学側が、橋下市長サイドの、故意、重過失で橋下市長側がこれを職務外だと知っていたことを証明するしかないんですよ。当たり前でしょう、これは。

    〔山下主査代理退席、主査着席〕

下村国務大臣 経歴を拝見すると、足立委員は京大出身ですね。ですから、京大のことはよく御存じのことだと思いますが。

 私も、最近、京都大学の件で、実は、李登輝さん、間の人を通じて頼まれたことがありまして、李登輝さんが、京都大学出身で、もうお年なので、ぜひ日本に来て京都大学に、母校に行ってみたいということで、要望があったんですね。

 それというのも、前回もそういう要望があったけれども、京都大学がキャンパスに入ることを拒否したということがあったそうなんですね。何か政治的な理由があるのかなと思って、なぜ当時拒否したのかということを聞きましたら、そうではなくて、李登輝さんも、総統をやめられた方、その以降の方ですけれども、SP、警護官、警察が入る、大学キャンパスに一緒に、同行ですね、それについて認められないということで李登輝さんが入ることを拒否したということで、その程度で拒否するのはいかがなものかなと。

 ことしぜひ、もう一度、もう最後、余命幾ばくもないので行きたいということで、改めて、警護官が一緒に入るかどうかは別にして、京都大学にはそれは配慮してもらいたいという経緯がありましたので、ちょっと変わっているなというところはありますが。

 しかし、今回の件は、これは、学校教育法第九十二条第六項におきまして、教授は、学生を教授し、その研究を指導し、または研究に従事するものと規定されており、この学校教育法における教授の職務の範囲を踏まえ、個々の教員の職務の範囲については、各大学の規則及び職務命令等によって具体的に定められることになっている。つまり、各大学の判断によるということであります。

 その中で、今回の件について、京都大学は、本学の職務行為として行われたものではなく、職務外に個人の表現活動として行われたものだというふうに京都大学としては表明している。

 ですから、先ほど申し上げましたように、文部科学省として、この当該の適否について答える立場ではありませんし、京都大学がそう判断されたということでありますから、あとは、委員が再三再四言われておられますけれども、民法上の問題ということですから、これは、京都大学ではなくて、当事者が、つまり橋下市長と藤井さんがもし民法上で争うということであれば、そういうことだと思います。

足立分科員 もう時間が来ましたが、今大臣がおっしゃったことは、全く私の質疑と関係ないことであります。

 局長、とにかく、私が申し上げているように、京都大学は組織としてのガバナンスを果たしていない。使用者責任が免責されると言うのであれば、その理由を明確に私たちに示すべきである。この点について、局長として、京都大学に問い合わせを、今までしていただいていますが、引き続きしていただくことだけ確認させていただいて、質問を終わりたいと思います。

吉田政府参考人 再三申し上げておりますように、使用者責任の問題につきましては、必要とあれば民事上の裁判等で明らかにされるべき話でございまして、私どもとしてその点についてお答えする立場にはないということは申し上げておきたいと思いますが、先生からの御要望があれば、京都大学の考え方を聞くということは、行ってまいりたいと思います。

足立分科員 終わりますが、一言だけ。

 これは大学のガバナンスの問題だ。大変重要なテーマであり、引き続きこれは確認をしていくことを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

萩生田主査 これにて足立康史君の質疑は終了いたしました。

 次に、篠原豪君。

篠原(豪)分科員 維新の党の篠原豪です。

 国会に参りまして初めての質問をさせていただきます。いろいろとお伺いさせていただきたいことがありますので、できるだけ簡潔に、的確にお答えいただければ幸いです。よろしくお願いします。

 さて、連日の報道にありますように、神奈川県川崎市において中学校一年生の上村遼太さんが殺害される事件が起きました。心から御冥福をお祈りするとともに、私も、この事件は、子を持つ父親の一人として、御家族の気持ちを察するに余りある大変痛ましい、悲しい事件であり、このようなことは二度と起こしてはいけないという強い思いを持っています。

 政府もこの事件を重く受けとめて、丹羽文部科学副大臣が六日に川崎市役所を訪問し、福田市長に対して幾つかの要望を行ったと聞いております。報道によれば、会談後、将来ある子供が被害者になってしまったことを文科省としても重く受けとめている、上村さんが浮かばれるような対策、特に御遺族に納得していただけるような再発防止策を考えなければいけないと述べられたそうです。

 そこで、まず、丹羽文部科学副大臣にお聞きしますけれども、その際の要望の内容と川崎市側の回答、そして、再発防止策の現在の検討状況についてお伺いさせていただければと思います。

丹羽副大臣 まず、改めて、この川崎の件につきまして、上村さんの御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対して心よりお悔やみを申し上げたいというふうに思っております。また、改めて、このような事案が二度と起こることのないよう断固たる決意で臨まなければならないというふうに強く感じております。

 委員の御質問の中で、先般、私も川崎の現場の方へ献花させていただいて、その後、川崎市役所を訪問し、市長、教育長等々に対して、まず、文部科学省として、今回の事案につきまして、正確な事実関係を把握することが重要であるという認識のもと、迅速な取り組みを進めていただきたいというお話、そして二点目として、外部の有識者を交えるなどして、学校や教育委員会の対応に問題がなかったかどうか、正確な事実関係に基づき十分検証していただきたい、そして三点目として、やはり、再発防止策の検討に当たっては、市長部局と教育委員会に置かれたそれぞれの組織が密接に相互協力して一体的な検討を行うとともに、警察や児童相談所等の関係機関とも十分連携を図っていただきたいという、その三点を要望させていただきました。

 その後、市長から、事実をしっかり解明することは当然必要であるというお話もいただきました。また、検証のための会議には外部有識者等も加えていく方針であるというコメントも頂戴いたしました。教育委員会のみならず、全庁が連携し再発防止を講ずる予定であるという市長のコメントをいただきました。

 現在、文部科学省といたしまして、私が主査を務めておりますタスクフォースにおいて、今月中に一定の取りまとめを出すということで、再発防止に向けて取り組みをさせていただいております。

 そこの中で、全国の小中高等学校に対しまして、七日間以上連続で連絡がとれず、生命または身体に被害が生じるおそれがある児童生徒の緊急確認調査を実施し、その結果を今週の十三日を目途に公表するという計画を考えております。そして、学校と警察の連携に係る調査を今週中に各教育委員会また都道府県に対して発出するという予定にさせていただいております。

 今後も、川崎市との連携を一層密にして、しっかりとした検証を行うとともに、実効のある再発防止策を迅速に検討していくことが、御遺族、被害者に報いる肝心なことではないかというふうに思います。

 以上です。

篠原(豪)分科員 しっかりとした対応を進めていただけると理解しておりますので、ぜひ引き続きやっていただければというふうに思っております。

 さて、この事件ですけれども、単に一つの事件として捉えるのではなくて、本質は、社会的にどんどんと顕在化してきている子供の貧困、生活保護がまた過去最大を更新したことからも、社会的格差の拡大が問題の裏側にあることを忘れてはいけないんだろうと考えております。

 資料の一をお配りさせていただいているんですけれども、これは、今回の事件の裏側に何があったかを考える上でぜひお読みいただきたいものでございます。

 二日前の記事ですけれども、幾つか線を引かせていただきましたが、上村さんの母親からは、仕事に追われ、子供と向き合う余裕がなかった、そして、他の一人親の家庭の方は、人ごとじゃないということで、大変な現実があるんだということが書いてあります。

 そこで、実際の数字を見ると、この国の現状はどうなのかなということを思いました。

 お手元の次の資料の二をごらんください。

 これは、厚労省がことしの一月に出した一人親家庭の支援についてのデータです。母子のみにより構成される母子世帯数は約七十六万世帯、そのうち、パート、アルバイト等の非正規雇用者が四七・四%となっております。

 また、次の資料三をごらんください。

 こちらは、母子世帯の就業状況の実態が書いてありまして、母子世帯の八〇・六%が就業し、派遣社員まで含めると五二・一%が非正規で、平均の年間収入が百二十五万円となっています。これは、月で割ると十万四千円なんです。

 また、次の資料で大変恐縮なんですけれども、四番の母子家庭の現状です。

 児童のいる世帯の総所得が六百七十三万円なのに対して、母子世帯は実にその三六%の二百四十三万円。稼働所得で見てみますと、児童のいる世帯というのが六百三万円なのに対して、母子世帯は百七十九万円ということになっています。これは実に三〇%で、三分の一もないというのが実態です。

 先ほど副大臣からお話しいただきましたけれども、再発防止策についてはやはり全国規模で、都道府県に対して御指示をなさるということでありましたけれども、考えなければいけないと思っております。

 そこで、こういったことを念頭に、これは単に川崎だけの話ではなくて、全国の自治体規模で考えていかなければいけない問題として捉えたときに、大臣としてはどのように御対応をされていくおつもりか、お聞かせください。

下村国務大臣 これは特別の例外として捉えるのではなく、この川崎の事例をしっかり究明しながら、それで文科省の中では丹羽副大臣を主査として対策をすることになりましたが、いろいろな構造的な問題があると思います、これを解明しながら、第二のこの上村さんのような事件が起きないような体制をどうつくるかということについて、関係省庁にも入ってもらって体制を考えていきたいと思います。

 今は一人親家庭のお話が出ましたが、私も母子家庭で育ちましたからよくわかります、小学校三年生のとき父が亡くなりまして。今、一人親家庭というのは、御指摘の資料のように、経済状況の厳しい家庭で、子育てに当たりさまざまな困難を抱えている、特にきめ細やかな指導、支援が必要である。一人親家庭は、OECD諸国の中で日本だけが突出して、子供貧困率が六〇%を超えているというのは異常な状況だというふうに思います。

 文科省では、学校を子供の貧困対策のプラットホームとして位置づけて総合的な対策を行おうということで、これから力をさらに入れていきたいと考えております。教育と福祉両面の専門家であるスクールソーシャルワーカーを活用することにより、子供やその家庭が抱えている問題への早期対応に取り組んでいきたい、また、子供の教育費が家庭の大きな負担となっていることから、幼児期から高等教育段階まで、切れ目ない形で家庭の教育費負担軽減を推進していきたいと考えております。

 さらに、厚労省におきましても、一人親家庭への支援として、子育てや日常生活に関する支援、就業支援、また養育費の確保に関する相談支援、あるいは児童扶養手当の支給などの経済的支援に取り組んでいるところであります。

 今回のこの事件をきっかけとして、厚労省ともさらに協力をしながら、一人親家庭を初めとした経済状況の厳しい家庭においても子育てが安心してできるような仕組み、スキームを、関係省庁、地方自治体と連携しながらしっかりつくっていくようにしてまいりたいと思います。

篠原(豪)分科員 それこそ、教育の文科省と、厚労省が所管している今までの保育とか養護というものに関しては、各自治体においてもやはり局が分かれていたりして、子ども・子育て支援新制度、これは午後やらせていただきますけれども、やはりそこも今言ったような話はすごく大事だと思っていますので、引き続き、そういうことも含めて、省庁もそうですけれども、各自治体にも気を配っていただければと思います。

 今の話を含めた上で、一つちょっと大事だなと思っていることがありまして、問題がある事業だと考えているのが中学校給食でございます。

 資料の五番を見ていただければと思うんですけれども、これは二十五年のものですけれども、まとめてある最新のデータです。内容は、各都道府県における実施状況で、左側が中学校、右側が小学校です。

 ごらんいただきますとおわかりのように、完全給食が右側の小学校では、全国一律、ほぼ一〇〇%に近い状態になっている一方で、中学校の方を見ていただきますと、完全給食は、千葉県であるとか富山県とか香川県では一〇〇%ですが、神奈川が二五%、兵庫が五三%、大阪が四三%と低い数字になっています。

 何でこんなに差があるのだろうかということで、データが少し古いので、最近の実態を調べるべく、この三県はそれぞれに政令市を抱えておりますので、全国二十ある政令市について独自に調査しました。その結果は、御承知かもしれませんけれども、今、昨年末現在で給食実施が決まっていないのは横浜市だけだった、残りの十九市はやっているという状態、あるいは、やることを決めているといった状態です。

 この差は何なんだろうかということで、根本的に確認をしなければいけないということで、法律について少しお伺いしたいと思います。

 お手数ですけれども、資料の六をごらんいただければと思います。

 これは学校給食法ですけれども、一条に、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものと書いてあり、三条には、学校給食は、義務教育諸学校において、この法律で義務教育諸学校とは、小学校、中学校などと書いてあります。四条においては、設置者の任務として、義務教育諸学校の設置者は、学校給食が実施されるように努めなければならない。五条には、国及び地方公共団体の任務として、国及び地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならないと書いております。

 この法律からいえば、中学校までは義務教育だから給食を実施しましょうと読むのが普通かなと思うんですけれども、このことについて大臣のお考えを伺います。

下村国務大臣 これは御指摘のとおりでありまして、学校給食の実施は、義務教育諸学校では、学校給食法第四条の規定によりまして設置者の努力義務とされております。これは、学校給食の実施は、設置者、保護者等の関係者がその意義、役割を理解し、協力することによって円滑に実施されることが望ましいと考えられていることによります。

 完全給食の実施状況は、平成二十五年五月一日現在で、小学校が九八・四%、中学校が八〇・一%でありまして、小学校と比較して中学校での実施率は低くなっております。学校給食を実施していない理由としては、施設整備費それから人件費などの財政的な問題がある、一方、弁当の方が保護者と子供の関係を深める等の教育的効果が期待できるとの考え方などが挙げられております。

 ただ、文科省としては、さまざまな機会を通じて学校給食の意義等を周知することによって、やはり学校給食の普及促進が図られることは望ましいというふうに思っておりますし、そのためにさらに努力してまいりたいと思います。

篠原(豪)分科員 ありがとうございます。

 いろいろ理由があって、お弁当も親の愛情で大事だとかという声もあると思うんですけれども、その実態、後から少しお話ししますけれども、今、共働き世帯がふえてきて、今回の事件のようなこともあって、社会状況がどんどん変わっている中で、やはりその役割というのも非常に重たいものになってきていると思います。

 もう一つやはり大事なのが、こうなると、市民の皆さんが実施されていないということをどういうふうに考えているかということでございます。

 以前、私、横浜市会議員をやらせていただいておりましたので、会派の仲間と一緒に実はアンケート調査を実施しました。資料の七がその調査のはがきと、右上がその結果ということであります。実に八八・七%の方々が実施してほしいということになっているんですね。これは、八百名以上の方に御回答いただいております。

 自由記述欄を見ましても、そこには書いてないんですけれども、住民税は世田谷と変わらないのに、小児医療費助成も小学校一年までですし、こんなにも横浜が育てにくい町だったなんて、引っ越してきてみて本当に後悔していますとか、中学校で給食じゃないと聞いてびっくりしました、あり得ません、母親が働きに出る世代なのに負担があり過ぎます、うちは三人の男の子なので大変です。四十代の女性の方。私は東京の中学校でしたが、みんなが協力して給食の準備をして一緒に食べる給食がよかったと思います、もちろん保護者の負担軽減にもつながり、なぜ横浜市ではいつまでも中学校給食が実施されないのか不思議でなりませんということでした。

 こういった高い希望数や意見があることをお考えいただいた上で、やはりそれを実施する自治体と実施しない自治体の中で、義務教育にもかかわらず給食格差が中学校で存在するのは、同じ税金を納めている国民の側から見れば、何でほかの自治体から来たらなくなってしまったんだとかという声が実際にあるわけでございまして、これは不公平じゃないのかという意見があります。このことについて大臣はどうお考えかということをちょっとお伺いしたいと思います。

下村国務大臣 確かに、私が先ほど述べましたように、学校給食を出していないというのは、弁当の方が子供とそれから保護者の関係等、より教育的な効果が期待できるんだという理由もありますが、地域によって相当やはりいろいろな問題がある。

 私は、先ほどの事件があった川崎市で、「フリースペースえん」という不登校の子供を預かっているフリースクールに視察に行ったことがあるんですね。ここは、川崎市が公的補助をしていて、子供たちは、フリースクールであっても、自費はかからないんですが、ただ、給食代二百五十円だけは持っていく。

 なぜ給食代だけ持っていくかというのは、特にそういうフリースクールに、不登校の子供たちというのは、一人親家庭の子供とか貧困家庭の子供とか、あるいは学習障害児とか、いろいろなそういうハンディキャップをしょっている子はやはりたくさんいるんですね。まともな食事が家でほとんどされていない、お母さんも忙しい、だから、三日前にコンビニで買ったおにぎりをチンして食べろ、それが食事だと。本当にもう悲惨な状況で、この日本でそんなことがあるのかということが実際はかなりある。

 だからこそ、学校給食がせめて子供にとって栄養バランスのとれた受け皿として唯一ないと、子供の生育にも影響するというような深刻な状況が結構あるんじゃないかということを感じております。

 そういう意味で、学校給食について、義務教育諸学校において、これは設置者の努力義務というふうにされて、そして、国としては、都道府県ごとの学校給食の実施率について、特に中学校で差があるけれども、これをぜひ促進させようというふうにしています。

 そもそも、学校給食関係の普通交付税における算定基礎額としては、調理人の人件費、それから学校給食の委託費等が含まれておりまして、給食実施の有無にかかわらず普通交付税額が算定されております。一方、この普通交付税額は使途が限定されていない一般財源ということになりますので、その活用についてはやはり各自治体の裁量に委ねられているというところが、今のような状況があるわけであります。

 今御指摘がありました横浜市においては、これまで、生徒数の急増に対応するため、給食施設の整備よりもまずは教室整備を優先することが必要だということと、それから、先ほど申し上げましたように、弁当の方が保護者と子供の関係を深める等の教育効果が期待できるなどの考え方から、中学校の給食を実施していないというふうに聞いております。

 文科省としては、現在学校給食が実施されていない自治体においても学校給食の実施が促進されるように、関係者の理解を求めていきたいというふうに思います。

篠原(豪)分科員 ありがとうございます。

 お金の問題についても少しお答えいただいたと思うんですけれども、まさに、いろいろと昔は横浜市も、急激に拡大したベッドタウンですから、今は、公共建築物をいっぱい建ててしまったので、それがライフサイクルコスト的にいえば建てかえの時期に来る、どう延命するか、統廃合をどうするか、こういう話はあるんですけれども、もうそれは一定のところが終わっている。

 にもかかわらず、普通交付税の基準財政需要額について、今おっしゃられたようなことで、私が財政当局に前聞いたときには、十七億円程度交付税としていただいているという話で、教育委員会とか、やらない自治体はこういうことを言うかもしれないんですけれども、基準財政需要額と法定普通税などから算出する標準的な収入である基準財政収入額との差額に対して交付されるものはやはり自由に使うことができるので、その使途は各自治体に委ねられているので、それはそういうことなんだと。

 でも、今言ったように、状況が変わってきていますので、ぜひそういったことも含めて、これからどういうふうにもう一度こういったことを見直していくのか、あるいは見直すべきなのかということをお考えいただければというふうに思っております。

 お金の話でもう一つ。資料の六番を見ていただければと思うんですけれども、一番下の部分、学校給食法は第十一条に、経費以外の学校給食に要する経費を保護者が負担するというふうになっていまして、今、「フリースペースえん」の話をいただきましたけれども、まさにその二百五十円という金額がこの法律で言うところのいわゆる食材費相当分に当たる、そういう理解だと思うんです。ですので、それ以外の経費というものは自治体がほかに負担する、それに対して補助金も支払われているということだと思うんです。

 資料の八をちょっと見ていただければ幸いなんでございますけれども、これは実は、いわゆる生活保護とそれに準ずる就学援助生徒数の推移です。

 この表を見ていただきますと、十五年前に比べますと、この援助率は、いわゆる生活保護世帯というものとそれに準ずるものというところを合わせております就学援助ということになるんですけれども、六・五七から一五・六四%と倍以上の伸び率になっているというのが実態です。この表をもとに考えれば、やはり子供の貧困の格差というものは横ばいではないんじゃないかというふうに思います。

 御承知のように、今、学校給食法の話をさせていただきましたけれども、就学援助の児童に対しても給食費の負担がなくなるということに一般的にはなりますので、こういった状況を踏まえた上で、これは私の考え方なんですけれども、義務教育期間中に、例えば仮定として、養育力の高いお子さんのお弁当にはエビフライが入っているかどうかはわからないですけれども、入っている。その隣で、養育力が決してそれほど高くない、いろいろ今回事件も起きましたけれども、そういった社会的な背景がある中で、そういう子たちがどういう給食を食べているか。まさに、「えん」の話がありましたけれども、三日前のおにぎりとおっしゃいましたが、パンを隣で食べにくいので、どこか端っこの方に行って食べている。

 あるいは、もっとよくないと思うのは、大体こういう家庭というのはお母さんが、先ほどの新聞記事にもありましたけれども、極端な話、子供が起きるよりも前に仕事に出ていって、非正規で、さっき五二・一%と言いましたけれども、あれだけの金額しかなかなか稼げないという状態になりますと、ダブルワーク、トリプルワークになっていく。そうなったときに、帰ってくるときにはもう寝ている。それで、必然的にお弁当は買いなさいとお金で渡すことになるんだと思うんです。

 そうなったときに、今回の上村さんの話じゃないですけれども、家の中では非常に頑張ってやっていた、なかなか気づかなかったというんだけれども、それは家族のためにそうしていたんじゃないかというコメントがあるように、お金をこんなふうにいただいても、正直、お小遣いを余りもらってもいけないと思うし、食べることもちょっと我慢して、お母さん要らないよ、大丈夫だよということで、お小遣いを減らしてもいいよということになるとすると、頑張ったりすると、義務教育ですから、それはやはりかわいそうなんだろうと思います。

 親御さんも、休みにもどこかに連れていってあげられればあげたいのかもしれないけれども、なかなかできないしというのがいろいろと問題に、いい循環に行くんじゃなくて違う方向に行くということがあるとすればいけないんだろうと思うんです。

 私は横浜市なんですけれども、その隣に逗子市というところがありまして、去年新たに、この逗子市でやはり中学校給食を始めたんです。視察させていただいたら、学校の方々も驚いたのが、不登校の子が出てくることになったというんですね、まさに「えん」の話じゃありませんけれども。

 このようなことがありましたので、今回の川崎の事件もあって、丹羽文部副大臣もおっしゃられた、対策をということがありましたので、最後に、こんなことも含めて給食をどうするかということを、ちょっと短目でいいので、少し所感をいただければと思います。大臣にお願いします。

下村国務大臣 今、川崎市では、市立中学校の給食については、家庭からの弁当を基本として、昭和三十八年からミルク給食を実施し、平成十六年度からはさらに、弁当を持ってこられないときにはそれを補完する制度として、希望するときに弁当を購入できる中学校ランチサービス事業を実施しているというふうに聞いております。

 しかし、多くの市民から御指摘のように中学校完全給食の早期実現が望まれるという希望があり、平成二十八年度中に一部の学校で、平成二十九年度中には全ての学校で完全給食を実施する予定というふうにも聞いております。

 文科省としては、学校給食の教育的意義に鑑みて、各学校で完全に学校給食が促進されるように努めてまいりたいと思います。

篠原(豪)分科員 ありがとうございます。

 時間がないので、質問を次の項目にかえさせていただきたいと思うんですけれども、もう一つ大切と思うのが、発達障害に対する教育について、とても大事だと思っています。

 いろいろとお話ししようと思ったんですけれども、時間がないので手短に。資料の九をごらんいただければと思うんです。これは、東京の中野区にある発達障害の教育に取り組む民間のある施設です。この記事は、八日日曜日の記事です。

 時間があればお読みいただければと思うんですけれども、私も実は、これも昨年なんですけれども、ちょっといろいろとお話を伺いに行ったことがありまして、発達障害は何かといえば、実は個人の中のでこぼこで、要は、個人の中の能力アンバランスというのが本質だというふうに教わりました。これが知的障害との大きな違いで、発達障害の子は、国語が得意だったら算数は不得意で、算数がこんなに得意だったら体育は不得意でということがあったときに、日本の特別支援教育は、そのでこぼこの中の苦手な方を見つけ出して支援する手法になっていることが問題だというふうに指摘を受けました。

 こういったやり方をそろそろ変えるときに日本も来ているんだと私は思っていまして、この子たちは欧米でやっているような合った教育の仕方をすれば、決して、それこそよく言うように、トム・クルーズさんが実は文字が非常に読みにくい、スピルバーグさんもそうだったというようなことを聞いたことがありますけれども、あれだけのタレンティブな方なんですよね。そういったことが、今の日本の読み書きそろばんという画一的な教育ではなかなか難しいので、その子に合った教育になっていないと、どうしても社会のシステムから外れていってしまうということになると思うんです。

 その子たちにとって、成人以降の人生をどう過ごすかというのは、これは実は生存権にかかわる問題ですし、社会的に保障されるべきだというふうに私は思っています。その仕組みづくりが国際的には日本の場合はおくれているのではないかと思いますので、この点について、もう一問あるので、手短に大臣からお答えいただければというふうに思います。

下村国務大臣 私も、この資料の翔和学園は視察に行ったことがあります。すばらしい教育の取り組みをしているんですね。しかし、なかなか学校法人法には、お金もなくてできない、なれない。本来は、こういうことこそ公教育がやるべきことだというふうに私は思います。

 全部が全部、発達障害だからドロップアウトして能力もなくてだめな子たちだではなくて、ある部分は部分的に劣っているかもしれないけれども、逆のある違う部分は物すごくとんがっている。そういう意味で、多様化教育ということで、諸外国では、いいところを伸ばすということですから、先ほどのディスレクシアであっても有名人がどんどん活躍するということになるわけですね。

 我が国も、そういういい部分をいかに伸ばしながら、単にドロップアウトしただめな人間というのではなくて、その子の持っている能力を生かすようなそういう特別支援教育、発達障害の子供たちに対するフォローアップに転換しなければならないと思いますし、そういうふうに努めてまいりたいと思います。

篠原(豪)分科員 ぜひよろしくお願いします。本当に大事なことだと思っています。

 その中で、まだ問題があるなというのをちょっと発見しました。

 今、我が国のガイドライン、発達障害児童に対する教育のあり方というのがどういうふうになっているかというと、実は、平成十六年一月のガイドラインの試案、これは資料につけさせていただいているんですけれども、そのまま生かされているんですね。これは、さすがに九年前で、状況の把握も変わってきていますし、先生の教育の仕方も含めていろいろと開発されてきておりますので、これはやはりどうしても変えていただきたいというふうに思います。

 各自治体は頑張ってやっているところもあるんですけれども、やはり国が、こういったところを聞かれたときに、まだこういう状態というのはどうかと思いますので、ぜひここは大臣のときに何としても変えていただきたいというふうに思っていますが、いかがでしょうか。

    〔主査退席、山下主査代理着席〕

下村国務大臣 御指摘のように、今後は、平成二十七年度から新たに、発達障害のある児童生徒に対する支援について、各学校段階の移行期における円滑かつ適切な引き継ぎ手法等に関する調査研究を実施するとともに、平成十六年に作成した御指摘のガイドラインの見直し検討も含め、一人一人の教育ニーズに応じた支援のさらなる充実に努めてまいります。

篠原(豪)分科員 本当に今、この国が少子高齢社会に入っている中で、人材を、どういうふうにこの少ない子供たちを育てていくかというのを、多角的に、多面的にやっていかなきゃいけない時代が来ていると思いますし、そういった方々は特別の能力があったりして実にいろいろなところで活躍しているというのが欧米の例でありますので、ぜひそういうことも含めて、この国の教育システムとして多角的にやっていただければというふうに思っております。

 そういったことを申し上げまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。

山下主査代理 これにて篠原豪君の質疑は終了いたしました。

 次に、緒方林太郎君。

緒方分科員 民主党、緒方林太郎でございます。

 大臣、本当にきょうは長丁場、お疲れさまでございます。

 きょうは、芸術界の話について、大臣と三十分議論をさせていただければと思います。

 一昨年の秋ぐらいではなかったかと思いますが、朝日新聞の一面でどかんとスクープが出て、日展五科、書の篆刻の分野において入選者の配分についていわば神の手が働いている、日展顧問が入選者の配分について差配をしたというような話がありました。恐らく、これについては、いろいろな圧力とか、場合によっては金銭のやりとりとか、そういったものが働いたのだろうと思います。

 まず、文化行政に携わる下村大臣として、まさに日本で有数の芸術家が集う日展、実は日展の問題については、かつてから、昭和三十年代から日展の問題点が指摘をされ、そして昭和三十年代、社会党の高津正道さんという方が国会で質問をし、それをきっかけにして、国の展示会であった日展が社団法人になったとかそういった経緯があって、もう五十年以上前から、こういったちょっと怪しいことが行われているんじゃないかという話がずっと続いてきている。そして今回、こうやってばんと出た。

 このことについて、文部科学大臣、いかが思われますでしょうか。

下村国務大臣 今回のことが起きる前は、私は、知人に日展に出品している方が何人もいて、毎年行くのを楽しみにしていた展覧会であったんです。

 残念ながら、今回の日展の審査において不公平な取り扱いがあったということ、これは極めて遺憾であるというふうに認識しておりまして、日展には再発防止のためしっかりと改革を進めていくことが必要であるというふうに考えておりまして、文部科学省、文化庁も、日展に対しては厳しく今対処しているところであります。

緒方分科員 報道等を通じて、恐らくこれは下村大臣の直接の指示でかなり厳しくやっておられるなというふうに私自身も理解をしておりましたし、その姿勢に私は拍手喝采を送らせていただきたいというふうに思います。

 その不祥事が生じてから、日展の方で第一次第三者委員会、第二次第三者委員会というのを設けて、第一次第三者委員会においては、日展五科においてそういった事実があった、少なくとも否定することはできないといった報告書が出て、そして、第二次の第三者委員会においては、第一科から第四科、日本画とか洋画とか彫刻とかそういった分野ですけれども、その分野についてはそういうことはなかったということで報告書が出ております。

 公益社団法人を担当する内閣府にお伺いをいたしたい。この日展五科においてこういったことが行われていること、これは、公益社団法人のコンプライアンスの問題として、いかがお考えでしょうか。

岩田政府参考人 公益法人行政を所管する内閣府といたしましては、御指摘の不正審査疑惑の発覚を受けまして、公益社団法人の日展に設置された第三者委員会の報告書を法人から提出を受け、その内容について公益認定等委員会に報告し、審議をいたしております。

 このような問題が起こるということは、まさに法人内部のコンプライアンスあるいはガバナンスがきいていないということの証左だと思っております。

緒方分科員 それで、昔からこういった話がずっと取り沙汰をされていて、日展の第二次第三者委員会においては、第一科から第四科については、そのような事実はなかったというふうに言っています。

 ちょっと聞いてみて、本当かなというふうに思うわけでありますが、本当に文化庁として把握をいたしていないでしょうか、文化庁。

有松政府参考人 お答え申し上げます。

 日展の審査に関連した金品の授受に関しましては、昨年の六月に日展に関する質問に対する答弁書で述べたとおり、第一次及び第二次の第三者委員会報告書において記載があるほかのものについては、承知しているものはございません。

緒方分科員 承知しているものがないということでありました。

 実は、直木賞をとられた黒川博行さんという方がおられます。二〇〇〇年前後だと思いますけれども、この方が書かれた小説で「蒼煌」という名前の本があります。これは、日本芸術院会員の会員選考について書かれた、一応フィクションと言われている本でありますが、かなりビビッドです。ぜひ大臣、お薦めをいたします。

 その本の売り込みの帯のところには、先生、一億まかなあかんのでっせというふうに書いてある。これは日本芸術院会員の会員選考について書かれた本でありますが、しかも、舞台が日本画。そして、どうも、この業界に詳しい人に話を聞いてみますと、そこに出てくる人物というのは、フィクションでありつつも、大体、対比して、これは誰だな、これはどの組織だなというのがわかるようになっているというぐらい、フィクションと言いつつも、限りなくノンフィクションに近い、そういう本がございます。結構なベストセラーだったと記憶をいたしております。

 今、一科から四科については承知しているものはないということですので、今後とも絶対にそういうことがないのだ、自分が文化行政に携わり、そして、これから下村大臣も、未来永劫、大臣をやっているわけではありませんから、自分のときに、そういったことが絶対起こらないという道筋を自分がつくるんだというその強い決意、大臣からお願いいたします。

下村国務大臣 その本については、時間があればぜひ読んでみたいと思います。

 まず、日展でありますが、昨年七月に、外部有識者の意見も聞きながら改革方策を取りまとめておりまして、文科省としては、この改革方策が着実に実行されれば、必要な改善が図られるというふうに受けとめております。

 日展においては、この改革方策に基づき、組織運営や審査体制等についての改革が進められてきたものと承知をしており、現在は、これまでの改革への取り組みについて、その実効性を確保する観点から、自己点検をしているところであるというふうに聞いております。

 文科省としては、日展に対し、この自己点検の結果について随時報告を求め、その結果を踏まえた今後の日展の対応について確認し、日展が継続して改革に本当に取り組んでいるかどうか、そして国民に信頼される組織となっているかどうか、この改革の実現を引き続きしっかりフォローアップをしながらうみを出す、そういう決意で対処してまいりたいと思います。

緒方分科員 少し時間を、時計をもう少し戻してみて、この第一次第三者委員会、第二次第三者委員会の結論が出て、そして、その後それで方向が進んでいくのかなと思っておりましたら、昨年の四月に日展が内部調査委員会というのをつくって、そして、この内部調査委員会は非常に不思議でありまして、誰がメンバーなのか、何のミッションを持って何をやったのかということも全くわからない、けれども、内部調査委員会を行った結果として、日展のウエブサイトにぽろっと、日展五科の入選者の配分において日展顧問の関与はなかったというような報告が出たことがありました。

 その後すぐに消されましたけれども、これは恐らく、内閣府か文部科学省かどちらかから、これはけしからぬということで、何らかの話が行ったんだろうと思います。

 しかし、大臣も非常に強い姿勢を示しておられて、そして、非常に公平な第一次、第二次の第三者委員会で決まったことを、内部の全く不透明な委員会でそれを覆そうという取り組みは実際にあったわけです。

 そういったことが行われていることについて、もう一度内閣府にお伺いします。公益法人のコンプライアンスの観点から問題があるとお考えになりませんか。

岩田政府参考人 公益法人は、一般法人法等の規定に基づきまして、法人の理事会や監事が自主的、自律的に法人運営を行うということにより、法人みずからのガバナンスを確保することが求められております。

 この点、御指摘の不正審査疑惑の解明と再発防止のために理事会決定を経て設置された外部有識者で構成される第三者委員会の結論を、いわば朝令暮改的に内部の調査委員会で覆すような動きがあったということは、全体として、法人のガバナンスが適切に確保されていなかったのではないかというふうに我々は認識してございます。

 このため、平成二十六年八月八日付で、公益認定等委員会から日展に対しまして、公益認定法に基づく報告を求めております。その結果、日展からは、第三者委員会とは別にこのような調査委員会を設けてその報告書を承認したということは誤りであったというふうな報告を受け、また、反省しているとの報告を受けてございます。

 今後、日展が、このような外部有識者の意見を踏まえ作成した改革方策を着実に実行され、国民から信頼される組織になるように期待しているところでございます。

緒方分科員 まさにこの内部調査委員会というのは何かというと、身内の先生かばいなんですよね。身内の偉い先生をかばう、そのために中でいろいろな方が動いて、その結果として、非常に不透明な形でこういったことが行われた。恐らく、組織の内部のことは私はわかりませんけれども、内部のいろいろな問題というのはまだまだ根が深いなというふうに感じたところであります。

 下村大臣は、うみを出す、うみがあるのであればうみを出し切るまでやり切るんだという強い決意を述べておられました。答弁を求めることはいたしませんが、この件について、大臣は本当に一生懸命頑張っておられると思いますし、これからも強い姿勢で臨んでいただければとお願いをさせていただきたいと思います。

 そして、この日展で改革案が出た後でありますが、もう一度繰り返しますが、これは日展五科、書の分野での篆刻の世界で話が始まったものであります。ということは、やはり、書ひいては篆刻の分野での改革の実施については、細心の注意を払ってやるべきだというふうに私は思います。

 そして、改革委員会の報告書の中には、基本的に審査は二人以上でやるべきということが書いてありました。しかしながら、昨年の日展におきましては、書の分野におきまして、篆刻の専門家というのはやはり一人でやったというふうに聞いています。やはり一人でやるというのがいろいろな意味で問題があるから、二人でやってくれということだったんですが、日展の説明によれば、それは、書全体の審査員が二十人おられて、その二十人でみんなで見ているから、だからいいんだというような、そんなお話だったと記憶をいたしております。

 しかし、書の専門の方に聞いてみると、書でも仮名とか漢字とかいろいろあるわけですが、そういった分野を専門にしておられる方が、篆刻といういわば非常に技術性の高い、そして特殊性の高い分野のものを本当に正しく判断できるかといえば、それはちょっと怪しいんじゃないかというのが書の世界の方のお話でありました。

 そう思うときに、今回、改革案というのは十分に実施をされていないんじゃないか、やはり一人で判断をするような体制を維持してしまったんじゃないか、改革案が十分に実行されていないんじゃないかというふうに思うわけですが、文化庁、いかがですか。

有松政府参考人 お答え申し上げます。

 日展の書の第五科は、漢字、仮名、調和体、篆刻の四つの部門から構成されておるものでございますが、篆刻部門につきましては、その専門性を尊重するという趣旨から、従前は、出品作品を特選候補、入選候補及び落選に分類する最初の段階におきましては、篆刻の審査員一名、一人で審査を行っていたという状況がございました。こうしますと、落選と評価された作品については、篆刻以外の審査員が見ないということになってしまいます。

 しかしながら、こうした一人の審査員の意向が大きく影響するということから生じる弊害を除去して審査の透明性を確保するという観点から、昨年七月に取りまとめられた日展改革案につきまして、第五科、書の審査につきましては、「篆刻は出品数が少ないため、その審査員について複数名を選任することは難しいので、今後は篆刻の審査は最初から、漢字、仮名、調和体部門の審査員全員で審査を行うものとする。」というものでございます。

 そして、この改革案に沿いまして、今年度の審査につきましては、篆刻部門の審査についても、他の部門と同様に全ての段階において審査員全員で実施されたもの、改革案のとおりに実施されたものというふうに承知をしております。

 なお、書における各部門の審査員をどのような人数で構成することが適切かということにつきましては、こうした今年度の審査の経験も踏まえながら、今後、日展において検討し、必要に応じてさらに改善に取り組まれることが望ましいというふうに考えております。

緒方分科員 きっとそういう答弁だろうなと思っていましたが、しかし、審査員は書だけで二十人いるんですよね。篆刻を専門としている人間が少ないということでありましたが、二十の一というのと二十の二というのは、ほかの仮名とか漢字とか調和体とか、そういったものにそれほど大きく影響するわけではないわけでありまして、この分野で問題が起きたから今こんなに日展とかそういったものがもめているわけでありまして、やはりここは複数名を確保するようにというのが正しいというふうに思います。

 これはもう答弁は求めませんので、私の趣旨を酌んでいただいて、これからまた日展側とお話をいただければというふうに思います。

 そして、その後、日展については、文部科学大臣賞をこれまでずっと出してきて、その問題が起きてから出ていないわけでありますし、文部科学省の後援もついていないということであります。

 これについてですけれども、大臣として、先ほど答弁があったものの繰り返しになるかもしれませんが、どのような事態になったら、もう一度自分としても、文部科学省の後援を出し、自分の名前で賞を出してもいい、そういう決裁をおろすんだというふうにお思いですか、大臣。

下村国務大臣 御指摘の文部科学大臣賞の交付、それから、これは文化庁の後援名義でありますが、この使用の許可につきましては、日展から申請が行われれば、その時点において、日展における改革の状況を見きわめて検討したいと思います。

 いずれにしても、日展が継続して改革に取り組み、国民に理解される組織に生まれ変わったと確認できるまでは、文部科学大臣賞の交付及び文化庁後援名義使用の許可をすることは、これは適切でないというふうに考えております。

緒方分科員 その観点からですが、日展というのは、国立新美術館、乃木坂のところにあります、あそこで行われていますが、結構優遇されているなという感じがします、ほかの団体と比べて。ほかの団体というのは、通常、大体十日とか二週間弱だったと思いますけれども、それぐらいの期間でいろいろな展示会が来るわけですが、日展だけは特別に長いんですね。

 仮に改革が進んでいないとするのであれば、それは将来の話ですけれども、国立新美術館の使用の状況においてこういった日展に対して特別な優遇措置を与えていること、それも考え直すということもあっていいんじゃないかなと思いますけれども、これはなかなか答弁は難しいと思いますが、大臣、いかがですか。では、文化庁、いかがですか。

有松政府参考人 お答え申し上げます。

 国立新美術館は、美術に関する新たな創作活動の展開ですとか芸術家の育成等を支援して、我が国の美術創造活動の活性化を推進するという観点から、全国的な活動を行っている美術団体などに対して展覧会の会場を提供しているものでございます。

 美術団体等の展覧会会場の使用につきましては、美術団体等が計画的に活動を行えるようということで、五年間の使用を一括して決定しております。現在、平成二十八年度までの使用の日程は決定をしているところでございます。

 この使用の規定、募集要項というのがございますが、その募集要項上、上限が六週間というふうになっておりますので、その上限の範囲内で、日展の使用についても、さまざまな美術団体と同様に、団体の希望を踏まえて決定をしているところでございます。

 二十八年度まで決定しておりますので、二十九年度以降のものについては、今後、応募に応じて、それから決定するということでございますけれども、引き続き、我が国の美術創造活動の活性化を推進するために、美術団体が計画的に使用できるというような円滑な運営に努めてまいりたいというふうに思っております。

緒方分科員 では、日展の件についてですけれども、内閣府からもう一言。

 こういったいろいろごたごたがありました。今、改革の途中だと思います。公益法人を所掌する内閣府として、やはりコンプライアンスがきいていない組織が公益社団法人でい続けることというのは、これはなかなか国民の理解も得られないだろうというふうに思います。

 今後の方針について、一言述べていただければと思います。

岩田政府参考人 今回の日展における不正審査疑惑の発生は、法人本来の目的である公益目的事業に対する信頼を失うということだけでなく、あるいはこれは法人運営のガバナンス、コンプライアンスの欠如によるものであったと認識をしてございます。

 内閣府といたしましては、まずは公益法人制度改革の趣旨に鑑みまして、法人、日展の側の自主的、自律的な活動と、それを支える法人みずからのガバナンスの発揮を促進すると同時に、内閣府といたしましても、公益認定法に基づきまして、報告徴収、立入検査等の監督権限と責務を適切に行使することによりまして、適正な法人運営の確保に努めてまいりたいと存じます。

緒方分科員 ありがとうございました。

 本来、私、持論として、余り芸術に政治が携わるべきでないという持論を持っています。

 こういったことが政治の世界で取り上げられなくてはならないこと自体が非常に不幸なことだと思いますし、できるだけこういった問題が早く解決すれば、あとは芸術家の方々に自由な創作活動に努めていただけるようにというふうに思っております。

 その続きとしてですけれども、日展と日本芸術院のかかわりについてであります。

 文部科学省の特別の機関として存在をしている日本芸術院ですけれども、これまで、おおむね、日展で常務理事をやる方というのは日本芸術院会員である、それぐらいの相場観があって、今回改革をされて少し変わりましたけれども、かつての日展の常務理事の名簿を見てみると、それと日本芸術院の会員の名前を照らし合わせてみると、ほぼ重なるというような状況でありました。

 今回の事案を受けて、文化庁の方から日本芸術院の院長に対して、当面の間、日展の審査員経験者については日本芸術院会員の選考の対象としないでほしいといったことを申し入れたというふうに聞いております。これについて、文化庁、いかがでございますでしょうか。

有松政府参考人 先生御指摘の点でございますが、日展につきましては、先ほど来お話に出ております、審査の過程で不公正な取り扱いがあったということが社会から大きな批判を受けているという状況がございました。

 このために、昨年の八月に、文化庁長官から日本芸術院長に対しまして、日展において新たな審査方法に基づく審査と展覧会が適切に行われたということが確認できるまでの間は、日本芸術院の第一部、美術、第一部でございますが、その新会員候補者選考におきましては、日展の審査員経験者を除外する取り扱いとしていただきたいという旨を伝達いたしました。

緒方分科員 事実上一体なんじゃないかとかつて言われていたということもありまして、ここを一旦切り離すというのは、いろいろな意味で、日本芸術院を頂点として、日本芸術院があって、その下かどうかわかりませんけれども、さらに一体化して下に広がるピラミッドの構造を一定程度壊す効果が出てくる。この壊す効果が、やはり、いろいろなお金の流れの鎖の部分を断ち切るということになると思います。

 ここを断ち切ることによって改革が進んでいくことが期待されるわけでありますが、その一方で、先ほど私が紹介しました直木賞作家の黒川博行さんの「蒼煌」という本には、やはり、一億まかなあかんのでっせと書いてあるようなことがございます。

 しかし、日本芸術院会員というのは、一般職の非常勤の国家公務員であるというふうに理解をいたしております。これは質問主意書答弁でも既にお答えいただいておりますが、日本芸術院会員になるために候補者の方が日本芸術院の現職の会員に対して金銭を渡すことについては、これは収賄罪の適用があるということでよろしいですね。

有松政府参考人 先生もただいまおっしゃいました過去の政府答弁書においてでございますが、「一般論として言えば、」「日本芸術院会員は一般職の非常勤の国家公務員であるところ、公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、刑法第百九十七条第一項前段の収賄罪が成立し得る。」そのようにされているところでございます。

緒方分科員 その件については、もう主意書答弁も出ておりますし、たしか主意書答弁の中にも、その件は日本芸術院の現会員に対して周知をしたというようなお話もございました。こういったことが起こらないように、引き続き、文部科学省、文化庁として取り組んでいただきたいというふうに思います。

 その一方で、日本芸術院会員についてですが、法令を見ておりますと、その芸術院会員の選考において、各部の、一部、二部、三部、部の推薦を受け、そして総会で承認をして、文部科学大臣が任命をするということになっています。

 当たり前の規定かなというふうに思うわけですけれども、よくよく考えてみると、部の下にさらに細かく科が分かれていますけれども、恐らく、それぞれの専門の分野の方については、それぞれの科の方々、書であれば書、日本画なら日本画、洋画なら洋画ということだと思いますけれども、逆に、部の推薦を受けて総会で承認してということになると、日本芸術院会員というのは終身でありますので、それらの方々に気に入られないと、今、現会員である方々の覚えがめでたくないと、そもそも俎上にのらないんじゃないかというふうに思います。

 在野には、本当に日本芸術院という顕彰機関にふさわしい方がたくさんいるわけでありますけれども、では、そこから本当に日本芸術院会員になれるかといえば、今、現職の方に、ある程度、かわいい、ういやつじゃのうと思ってもらえない限りは、俎上にのらないということであります。

 しかし、日本芸術院会員の推薦規則の中には、必要に応じて部外から意見を聞くことができるというような規定もあります。

 これまで、日本芸術院会員の選考において、各部が部外から意見を聞いたことというのは、実態としてあるんでしょうか、文化庁。

有松政府参考人 ただいま御指摘のとおり、日本芸術院の会員の候補者につきましては、一部、二部、三部、各部につきまして、その所属すべき部の会員が推薦するというものとされておりますけれども、日本芸術院会員推薦並びに選考規則におきまして、部が必要と認めた場合には部外より意見を聞くことができるというふうにされているところでございます。

 この点につきまして、日本芸術院からは、記録により確認できる範囲内では、過去、部外より意見を聞いたという実績はないというふうに聞いております。

緒方分科員 推薦選考規則にはそう書いてありますけれども、結局聞かないんです。そういう実績もないということでありまして、そうすると、やはり終身の日本芸術院会員の方々から、ういやつじゃのうと思ってもらえない限りは、俎上にのらない。これは、本来、日本の芸術の粋を集めた日本芸術院というその場のあり方として、私は余り望ましくないのではないかと思います。

 広く、在野におられる方も含めて、本当に能力のある方が、今おられる方が能力がないと言っているわけではないですけれども、もっとベースが、幅広い方から選考できるような、そんな仕組みに変えていくべきではないかなというふうに私は思うわけでありますが、大臣、一言お願いいたします。

下村国務大臣 これは御指摘のとおりだと思います。

 今後、芸術院会員の選考に当たりましては、外部の意見を適切に反映されるようにすることが望ましいため、会員候補者の推薦に当たっては、もともと規定があるわけですから、外部の意見が取り入れられるよう、日本芸術院に検討を求めてまいりたいと思います。

緒方分科員 質疑時間が終了いたしましたので、最後、終えさせていただきますが、この日展の関係、そして日本芸術院の関係、下村文部科学大臣は非常に毅然たる姿勢で臨んでおられるというふうに自分は理解をいたしております。

 そして、ともすれば、本当にそうかどうかわかりませんけれども、大臣がかわってしまえば、またこんな厳しい時代はなくなるさというふうな思いが起きないとも限りません。

 大臣は、文部科学大臣をかなり期間長くやっておられて、案件にも精通しておられて、そして毅然たる姿勢を示しておられて。

 大臣にお願いをいたしたいのは、この日展の問題、日本芸術院の問題、先ほども申しましたが、大臣は、未来永劫、大臣をやるわけではないので、大臣の間にしっかりとした道筋をつけて、お金が飛び交うような世界にしないとか変なピラミッド構造をつくらないとか、そういうふうに下村大臣の力強いイニシアチブによってこれを達成していただきたいということを申し上げまして、私、質問を終えさせていただきます。

 ありがとうございました。

山下主査代理 これにて緒方林太郎君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

萩生田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。柚木道義君。

柚木分科員 民主党の柚木道義でございます。

 きょうは、予算委員会の第四分科会、下村大臣に、これまで本当に、それぞれの立場からのやりとりという部分ももちろんこの間あるわけですが、その食い違っている部分が、少なくとも教育関係者の皆様やあるいは国民の皆様に少しでも納得をいただける形での誠実なやりとりをきょうもさせていただければと思っております。

 私も、先週末、金、土、日、そして月、火も含めまして、全国を回らせていただきまして、博友会の関係者の方と直接あるいはお電話などでやりとりをさせていただいてまいりました。その中で、この間やりとりをさせていただきました、このいわゆる全国にある博友会の活動への下村大臣の事務所としての関与、かかわりの仕方、あるいは講演料の件であったり、さらには、任意団体に年会費として会員の方が納めたつもりであるものが、政党支部への寄附として計上され、寄附控除も受けられる形で領収書を発行して処分をされることなど、それぞれの方からそれぞれのお話をお伺いさせていただくことができました。

 まず、最初に伺いたいのは、前回の質疑で、私も前回初めて出していただいて非常に驚いたと申し上げました、この平成二十六年分の八十一件に上る、総額約六百万円に上る、当初は一件と言っていた、要望であって年会費として記載したものが一件とおっしゃっていたのが、要望はなかったが、つまり会員の方の了解なく、ただし書きに年会費と記載をした領収書の件数が、平成二十六年分で八十一件、総額約六百万円ということが大臣の方から明らかにされました。

 ただ、これは、やはり前提として確認をしておかなければならないのは、支援者の方から希望があろうがなかろうが、任意団体の年会費を会員の方の了解なく政党支部の寄附として計上し、その領収書のただし書きに年会費と記すことは、これは政治資金規正法上不適切である、その認識がおありだからこそ、それ以降やらない、やっていない、そういう御答弁につながっておるということは確認をさせていただいた上で、具体的な質問に入りたいと思います。

 大臣から、平成二十六年、選挙区支部で受領した政治献金、寄附、これが、地方の支援者に対する、献金以外に、年会費と記述をして領収書を発行した事実はあるかどうか。これは、前回のこのお示しをいただいた資料について、確認の意味で質問をさせていただきます。

 もう一遍繰り返しますよ。この御説明をいただいた二十六年、下村大臣の選挙区支部で受領した政治献金、寄附で、地方の支援者に対する、献金以外に、年会費と記述をして領収書を発行した事実があるかどうか、確認をさせてください。

下村国務大臣 私も誠実に、柚木委員に対しても、きょうはメディアの方もいらっしゃいますから、第三者の方々にも、国民の皆様方にわかるように一つ一つお答えしたいと思いますから、柚木委員も、トータル的に言うと、幾つかやはり今のも前提条件が違うところはあるんですけれども、一つ一つ丁寧に質問していただければというふうに思います。それに対して誠実にお答えしたいというふうに思います。

 まず、前回提出した資料でありますが、これは「地方の支援者に対する選挙区支部からの領収書送付の件について」ということで、予算委員会で資料要求があった中で、理事会の諮った中、資料を出すことにしたわけであります。

 その中で、先方の要望でただし書きを年会費として記載した領収書の日付と金額、これは平成二十六年二月四日付で二十四万円が一件あったということを御説明しました。また、要望はなかったが、ただし書きに年会費と記載した領収書の件数、日付、金額、これは、平成二十六年が八十一件、平成二十六年の一月二十七日付から九月十日付で、合計で五百九十九万八千円であります。二十五年以前は見当たりませんでした。それから、二十七年はありません。それからもう一つ、「寄附金(税額)控除のための書類」、これは、申請件数はゼロです。平成二十四年から二十六年までの資料保管期間でありますが、その中で調べた中でゼロということであります。

 それから、これも誤解されるような今御質問がありましたが、何回ももう質問されていますから御承知のことなわけですけれども、地方に博友会が六あります、任意団体としての博友会ですね。この任意団体としての博友会から、直接、政治献金とか寄附とかいう形で受けたことは全くありません。行ったときの講演料、それからお車代、直接私がいただいたということはありません。

 その中で、地方の方々に対しては、これは博友会に所属している、していないにかかわらず、私に縁があった方には、年に一度、自民党東京の第十一選挙区支部から寄附のお願いをしております。(柚木分科員「理解していますから、御質問に」と呼ぶ)はい。寄附のお願いをしております。その中で、それぞれの方々が個々に寄附をいただいている。

 ですから、今おっしゃったような、任意団体の博友会で、それが、全員が何か会費をそのまま寄附されるということはなくて、それぞれの個人の判断で寄附するかしないかを政党支部に対してしていただいているということで、案内も明らかに寄附としてお願いしていますから、これは、我々は、会費ということではありません。

 ただ、二十六年は、そういうことで、ただし書きに年会費と書いたことがあったということであります。繰り返すようですけれども、二十五年以前は見当たりません。

柚木分科員 確認ですけれども、私が今お尋ねをしたのは、明らかにしていただいた二十六年ですね。

 私、大臣の答弁をもう一遍確認いたしますが、二十六年の地方の博友会から、全ての寄附の領収書に、ただし書きに年会費と記載しており、その件数が八十一件。ただし書きに年会費と記載した領収書はこの八十一件のみでございまして、それ以外は見当たらない、こういう御答弁をされておられますので、地方の支援者に対する、献金以外に、年会費と記述をして領収書を発行した事実は、この答弁、私、何度も確認の意味で読みましたが、地方の支援者に対する、献金以外に、年会費と領収書に記述をして発行したということはないということでよろしいですか。

下村国務大臣 下村事務所としてはありません。

 ただ、私も今回の一連のことで知ったんですが、それぞれ任意団体である地方の博友会が、独自に会費を取っているところはあるんですね。その任意団体が年会費ということで領収書等を発行したことはあったのかもしれませんが、下村事務所として発行したことはないということであります。

柚木分科員 ちょっと私の中では、あるいは、ひょっとしたら聞いている方もわかりづらいのは、独自に地方の博友会の方がそれを発行しているかもしれないというのは、これはちょっと切り離して考えないと、非常に混乱いたします。

 まず、今御答弁で確認をさせていただいたのは、ただし書きに年会費と記載した領収書、これは、地方の博友会の関係者の方々に対しての八十一件のみで、それ以外はないということを、下村事務所としてはないという認識を確認させていただきました。

 そうすると、私、ここに、大臣の収支報告書、いろいろあるわけです。何回も拝見をしましたが、下村大臣の自民党東京都第十一選挙区支部の収支報告書で、二十六年以外に、例えばその前の二十五年分なんかを拝見すると、個人献金が七百万円程度、百件程度、皆さんが支援されている。その中には、当然、地方の博友会以外の、例えば東京の博友会員であったり、あるいはそれ以外の応援をされている方が当然献金されておられます。それは確認をしております。

 なぜ、二十六年だけが、地方の博友会の方のみの八十一件が年会費と書かれた領収書として発行されるのかというのは、普通考えたら、いや、ほかの方々も含めて、寄附はほかの年はされていますから、私の中では、こういうことがなぜ起こるのかなということを考えたときに、自然に考えると、その八十一件というのが地方の博友会の会員さんであるということが認識できなければこういう答弁の整理になりませんから、当然何らかの管理名簿なりリストなりということを持っているというふうに理解しましたが、そういうことでよろしいんでしょうか。

下村国務大臣 これは前回も御説明いたしましたが、なぜ二十六年度のみただし書きに年会費と記載した領収書が発行されたかということでありますが、前年に入った事務所の新しい担当者が、先方からの要望を受け、ただし書きに年会費と記載した領収書を発行した、先ほど御説明したとおりであります。

 担当者は、その後も同様に、ただし書きに年会費と記載した様式で領収書を発行し続けていました。このため、平成二十六年の地方の博友会関係者からの全ての寄附の領収書のただし書きに年会費と記載しており、その件数が八十一件となったというふうに事務方から聞いております。

 その後、御指摘のように、このようなただし書きに年会費と記載した領収書、この八十一件のみでありますが、それ以外、これは適切でないということで、わかった段階から、昨年からですね、ただし書きに年会費と書くということについてはなくなったということであります。

 この八十一件が地方の博友会の会員のみかどうかということについては、詳細については承知しておりません。

柚木分科員 やはり、今の御答弁は前回もいただいていますので、私もその答弁については承知していますが、地方の博友会の会員さん八十一件のみということが御答弁いただけるということは確認されていますので、最後の御答弁で、なぜそういうことなのか承知をしていないというのは、逆に言うと、ちょっと矛盾をした御答弁になると私は思うんですね。その点が一点です。

 それから、今の前半の御答弁は、新しい事務員さんが入って、要は、余りよく承知をしていなくて、八十一件全てを年会費と記載して領収書を発行して、その方々は全て地方の博友会の会員さんだということなんですが、私が質問で申し上げましたように、大臣もうなずいて聞いておられましたが、当然、大臣の支部、自民党の政党支部に個人寄附をされる方は、地方の博友会の会員さん以外の方々、東京博友会、そうでない方もおられるわけですから、この八十一件のみというのが全てというのは、逆にちょっと不自然だというのも、今の答弁では疑問が残ります。

 これは大臣、ちょっとやはり整理していただいて、きちんと答弁いただいた方がいいと思いますよ。私も、今の大臣、御誠実に御答弁いただこうとしているのはわかりますが、この間、申しわけないですけれども、いろいろ御答弁が、調べてみると、献金の事実があったとか、学校法人から代表者名に変えたという二件以外にもあったとか、あるいは、領収書のこの間の件についてもいろいろ調べると出てきている部分がありますから、また御答弁が変更ということにならないためにも、ちょっと確認してみてください、これは。

下村国務大臣 変更ということじゃありませんけれども、言われましたので、確認をいたします。

 それから、実際に、地方の博友会が何人会員がいるかどうかということには、我々は承知しておりません。

 それで、先ほどから申し上げていますが、地方の方々のところへ一斉に、それぞれの地方の博友会に入っている方も、あるいは入っていない方もたくさんいらっしゃいます。その方々に一律に、政党支部から寄附金のお願いをしております。

 実際のところは、それぞれの任意団体に所属をしているであろう方々、実際寄附をしていただいているのは十人ちょっとぐらいですから、それぞれの地方の任意団体の博友会の方が会員であったとしても、全員が献金をされているということじゃなくて、それは個々の任意の判断で政党支部に献金するかどうかということでありますから、献金した数がそのまま地方の博友会の会員ということではないというのは聞いております。

柚木分科員 今の御答弁の中に、実は、まさに今回、片や、大臣は寄附としてお願いをして、そしてそれを寄附いただいているという御答弁、認識と、私も全国を今回らせていただいておりまして、もちろん、中部の実名で言われた方以外の本当に複数の方に直接お聞きしていますが、そこには、やはり認識のそごがあるんですね。これは私が思っているんじゃないです。聞いている話です。

 つまり、当の会員の皆さんは、寄附という認識ではなくて、やはりそこは会費として納めているのに、なぜか政党支部で寄附扱いで年会費として領収書が発行される。このギャップがどこに生まれるか。

 これは、一つは、きょう資料にもおつけをしておりますが、議事録のところをずっとめくっていただいて、その後、七ページ目になるんですけれども、今大臣が御説明いただいた地方支援者に対する云々の次のページで、これは私の地元の新聞なんですけれども、共同通信の配信の記事です。「拭えぬ不透明感」、これは新聞のタイトルですよ、「下村氏政治資金問題 支援団体会費が寄付に 関係者証言から実態」ということでございまして、図示もされていて、私が全国、この週末、週明け、回らせていただく中で聞く話は、この記事に大体私は合致しているというふうに、これは会員さんの言葉として、認識をしているんですね。

 実はきょうも、ある博友会さんの、これは全国の世話人、会長さんは森本さんということですが、私からしてみれば、本当にその方に匹敵するような、当然大臣御存じの方ですが、お話を直接お聞きすることができましたが、私、その方に率直に伺ったんですね。何でこういう大臣の御説明と地方の会員さんたちのギャップが生ずるんでしょうかねというふうにお聞きをしたら、それは、あなた、説明不足だからだよと。

 大臣はそういうふうに寄附としてお願いしたと再三御答弁されるんですが、私、もう複数、本当に、いや、会員として年間費を納めたつもりなのに、なぜか寄附扱いで領収書が送られてくる、もう全国の会員さん、もっと言うと、一会員さんじゃないんですよ、地方のほぼ代表と言っていいような立場の方々ですらそういう認識であったり、あるいは報道もされています。

 これは、大臣、やはり説明不足という面はおありなんじゃないですか。

下村国務大臣 前回も御質問の中で、名古屋の鈴木さんの話をされていましたね。鈴木さんの記者会見の議事録を私は読みましたけれども、御本人も、東京十一選挙区支部から依頼があって……(柚木分科員「鈴木さん以外に聞いていますから」と呼ぶ)いやいや、今、話を最後まで聞いてください。それを、こちらの方は十一選挙区支部から寄附としてお願いしているんですけれども、御本人も十一選挙区支部に入金したというのは承知しているんですね。

 しかし、それを本人は、いや、寄附じゃなくて会費だったというふうに誤解されているということをその議事録からも読みましたが、同じような事例が全国いろいろあるのではないか、それについては、下村事務所がちゃんと説明していない、説明不足ではないか、そういう御指摘だというふうに思います。

 そういうのがたくさんあるからそうだと言われれば、それは説明不足ということがあるかもしれません。ただ、書類だけで見れば、客観的に、これはあくまでも政党支部から年会費としてお願いをしているんですね。

 それから、先ほど申し上げましたように、それぞれ任意の後援会がありますけれども、それぞれの任意の後援会で会員が何人かということを、それぞれの任意の後援会も会費を取って会員として認定している会もあるということですから、その数と実際に十一選挙区支部に寄附をしていただいている数は相当開きがあります。

 ですから、会員が自動的に何か十一選挙区支部に寄附をしなくちゃいけない、献金しなくちゃいけない、そういうふうに思われているということじゃなくて、実際は、個々の方々が判断して、それぞれ寄附をするかどうかを決めていただいて、それで十一選挙区支部に出されているんですね。

 ただ、その中で、寄附した人の中にも会費と誤解しているんじゃないかという人が結構いるんじゃないかということであれば、今後、その辺については十分に注意したいと思います。

柚木分科員 率直に御答弁いただいていると思うんですね。やはり説明不足という部分があったかもしれない、これは今後正していきたいということでありますので。

 私は、きょう多分五回目の質疑になると思いますが、最初の一回目、二月二十六日のやりとりの中でそういった姿勢で御答弁をいただけていれば、もう少し私が伺う方々の話も私は違ったのかなというふうに率直に今思います。その方々は、やはり御自分の認識と異なることを大臣が御答弁されるということで、私に話をしていただいたり、お聞きをしたら率直な感想をお話しいただけたりしているわけでございます。

 それで、大臣、ぜひお願いしたいのは、昨日、きょうのようなやりとりをしっかりと、まさに国民の皆さんにもおわかりいただけるために、三つの資料を要望したわけです。

 これは、全国博友会、博友会合同後援会の連絡先や役員のお名前であったり。

 あるいは、大臣の御説明で、六つの支部があるわけですね。支部というか、近畿博友会、中四国博友会、九州・沖縄博友会、東北博友会、中部博友会、それから群馬博友会。私は、この中の半分ぐらいの方に直接お聞きしました。かなり幹部の方、あるいは元幹部の方、そういった方々の、あるいは若手等の会もある、これも承知していますが、現存する博友会についての連絡先や役員のお名前であったり。

 あるいは、三点目は、大臣になられてからはいろいろお忙しくて、行ける頻度が減ったり、あるいは、減っているんだけれども来る方はふえたり、その分収益も上がったりというのもこの間やりとりさせていただいていますが、当然、大臣になられてからと、一議員としての活動とそれぞれありますから、そういう意味では、目安として、例えば過去五年間の各地方博友会主催の講演会、パーティー、セミナー等への大臣の御出席、御参加の記録。

 この三点を、特に三点目については、別に任意団体さんの云々ということではなくて、大臣の行動ということでありますから、ぜひこの予算委員会、きょうは分科会ですけれども、予算委員会の理事会の方にこれをお示しいただけませんか、大臣。

下村国務大臣 まず、その名簿云々は、これは政治家にとって財産ですから。柚木委員も四回も当選されていらっしゃいますからよく御承知のことと思いますけれども、この財産を、予算委員会から資料要求があったからすぐ出しますという類いのものではないと思うんですね。これは届け出ている、そのために届け出ているわけですから、それについてはお調べになっていただきたいと思います。

 それから、全国にある任意の博友会というのも、既にもう公表されているわけですから、それはもう既にお調べになっていらっしゃって、実際に全国に行っていらっしゃるわけでしょう。ですから、これは、予算委員会に資料として出すというのは、そぐわないことだと思います。(柚木分科員「三点目」と呼ぶ)

 同じです、三つとも。

柚木分科員 もちろん私も、調べていろいろお話を伺っていますよ。しかし、この間の質疑でもやりとりさせていただいているように、まさに第一回目の雑誌の報道がされるその前日、いわゆる早刷りが出る日に見られなくなるようなホームページが多々出てきて、これまでは見られていたところが見られないとなると、確認をしたくてもできないところも正直出てきます。いろいろなネット上の情報、掲示されている中には、いわゆるこの六団体以外のところも出てきたりするものですから、そこは正確性を、ぜひ大臣にお示しをいただきたい。

 安倍総理も、尋ねられたときには説明責任をしっかり果たすようにということをこの予算委員会でも何度も御答弁されていますから、ちょっとこれは、ぜひ、委員長、理事会で御協議いただいて、今、大臣はそういうつもりだということでしたが、私としてはぜひお示しをいただきたいということをお願いしたいと思いますが、いかがですか。

萩生田主査 ただいまの件につきましては、委員長に報告いたします。

柚木分科員 次に、私はこれはなかなか伺う機会がなかったんですが、このいわゆる報道等がある前段に、全国の博友会の会員の方々が、報道ベースですよ、あるいはそれ以外のお話も私も伺っていますが、大臣室ということで報道されていますが、お集まりになられて、そこに下村大臣、全部の時間かどうかわかりませんよ、あるいは秘書官の方が集まられて、ちょうど週刊誌が出る前段でもありますから、いろいろなやりとりがなされた、そういう場があったこと、事実かどうか、お答えいただけますか。

下村国務大臣 まず、ちょっと秘書官の方から、そういうふうに私は言ったつもりはなかったんですが、東京第十一選挙区支部より寄附としてお願いしたというところを、どこか、年会費としてお願いしたというふうにもし私が言ったとしたら、それは間違いですので、後で、議事録から削除、訂正をさせていただきたいと思います。

 それから、今御指摘の点は、週刊誌に書かれましたが、これは全く……(柚木分科員「この報道にも書いてある」と呼ぶ)ああ、そうですか。それは、別に秘密会とかそんなことじゃなくて、毎年、年に一度、私の話を聞くということで集まりがあります。その日には、まずは大臣室に表敬訪問に皆さんが来られて、その後、懇親会の場で私の方の最近の国政報告をさせていただく。これは毎年やっているものであります。

柚木分科員 そういう集まりの場があったということはお認めになったということですね。わかりました。細かい点については、ちょっと時間がありませんので、後日に譲ります。

 それで、私がこの間、大臣の御認識はるる御答弁いただいているわけですが、いわゆる今回、任意団体の活動が、いろいろな報道にも出されていますが、事実上、実態としては政治団体としての活動になっている。そして、いろいろな領収書の処理の仕方も今議論をされてきて、これは大臣自身も、政治団体にした方がいいのかなという議論が会の内部からもあるということも含めて、やはりこれは、ちょっと言葉は恐縮ですが、やや脱法的な献金システムだという部分があるからこそ、政治団体にという議論になるんだと思います。

 そして、事務所としての関与、あるいは講演料、そしてまた会費を政治献金に、こういった点については、大臣、私は、六つの支部、全部回って、全部お話を聞いたとは申しません、半分以上の支部の方と何らかの形で今やりとりをさせていただいてまいりまして、やはり大臣の御答弁とはかなり開きがあります。

 組織的な、継続的な関与。これも、各支部の方とのやりとりの中で、例えば全国合同博友会が、あるときには、当然秘書さんとやりとりしながら、あるいはお願いももちろんされながら、一生懸命協力をされて、足も運んで、お金も出されている、そういう実態がありますし、事務所としてかかわっていないという御答弁を聞かれて、きょうも、本当に中枢を担ってこられたある方が、それは、事務所としてかかわっていないという御答弁は、全国の地方会員の皆様に無礼千万だということまでおっしゃっていました。これは、やはりもう少しそういう会員の方々の気持ちに立って、実態の御答弁をされた方がいいと思います。

 また、講演料についても、これは大臣、やはりその中部の方だけじゃありません。そんなものはもう当たり前なんだけれども、大臣がなぜああいう答弁をされるのかなというようなことが話題になっているみたいですよ、会員の中で。(発言する者あり)いや、これは本当にそうです。

 ですから、私が、では、なぜそういうことを御答弁されるんだと思われますかと聞くと、これはその方の言葉ですよ、いや、それは所得に計上していなければそんなことは言えないだろうと。

 それは、私は、本当にそういうことがあるのかどうなのかというのは、これはやはり大臣に、会員の方々がそういうことをおっしゃっているということは、中部の方については勘違いということをおっしゃいましたが、それ以外の方々からもそういう声が出ているということに対して、ちゃんと向き合っていただかなければならないと思いますよ。

 それから、会費を献金にという部分についても、認識のそごというものがこの間明らかになってきているわけですが、会の皆さんは、票は出せないが金は出そうということで頑張ってきたんだということを言われていますよ、複数の会員さんたちが。

 そして、結果としては会費が献金になっているというのが実態としてあって、これはそろそろ、大臣、やはり、事務所として一切関与していない、この御答弁は訂正をいただいた方がいいと思いますし、講演料について、中部の実名の方以外の方からもそういう声が出てきている。報道もありますよね。そういう部分について、これは誠実にお答えいただいた方がいいかと思いますが、いかがですか。

下村国務大臣 柚木委員も誠実に質問していただきたいと思うんですね。あれば、個別具体的に出していただきたいと思います。

 それから、言葉尻を捉えるようなことで誤解をされたくないんですけれども、私が今まで申し上げていたのは、それぞれの任意の地方の博友会、そこにおける運営、それから、そこでそれぞれ独自に会費を取っているところもあります、それに対して、うちの事務所が直接、私も含めて、関与している、あるいは財政的に支援してもらっていることはない。

 ですから、新聞報道も、これは誤解されやすいんですが、それぞれの各地の任意団体が私に政治資金として献金するとかいうような直接的なことは全くない。その中の個々の方々が、個人的に、個別的に協力していただいている、そういう関係ではありますけれども、会として寄附をしていただいているとか、会として何かをやっているということではないということを明確に申し上げたいと思います。

柚木分科員 運営と連絡というものの区別は、もうちょっと、また今度詰めたいと思いますし、講演料については今お答えになりませんでしたので、これは本当に、この間申し上げていますが、私は、関係者の方々、博友会の方々、場合によっては、大臣も、そういう方々からちゃんと話を聞けばいいと思うということをおっしゃっていましたから、これはぜひ予算委員会で、地方のそれぞれの支部の方、会長さんがいいのか、どなたがいいのか、事務局の方がいいのか、やはり来ていただくべきだと思いますので、これは、改めて理事会で御協議をいただけませんか、食い違っていますから。

萩生田主査 はい。ただいまの件については、委員長に報告いたします。

 柚木君、時間が来ています。

柚木分科員 はい。最後にします。

 これも昨日初めて伺った話で私は驚きましたが、大臣、これは、最後、確認です。

 大臣は、今、文部科学大臣というお立場でいらっしゃいます。いわゆるフリースクール、塾等も含めた取り組みに非常に熱心でいらっしゃいますが、所管として一つあるのは、いわゆる私学ですね。私も中高と私学の出身なんですが、中学、高校、そういったところから、いわゆる私学助成金というものを受け取っている学校も当然あるわけですが、まさにその博友会、これは多分合同博友会という話だと私は理解しましたが、そのチケットを御購入いただいている。そういう事実、あるかないか、最後にちょっと、事実関係、確認させてください。

下村国務大臣 政治資金団体として届け出ている博友会、ここは、合同という名前を使っていますが、実際は博友会の主催ということをやったことがあるということですね。

 その博友会から、いろいろな方々にパーティー券の御協力はお願いしていると思います。

柚木分科員 終わりますが、これについても少し、私は、所管の大臣としてやはり慎重にやるべきところだと指摘をさせていただいて、きょうの質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

萩生田主査 これにて柚木道義君の質疑は終了いたしました。

 次に、吉村洋文君。

吉村分科員 維新の党の吉村でございます。

 私からは、ちょっと一風変わりまして、文化行政のあり方について、前向きな議論をさせていただけたらなというふうに思っております。

 そもそも、まず、これは維新の政治理念にもかかわってくることでございますけれども、少子高齢化が見込まれる時代が確実にやってくるわけでございます。二〇五〇年には、おおよそですけれども一億人の人口を切って、子供が約一千万人、働き手が、大ざっぱですけれども約四千万ぐらい、そして約四千万が高齢者。すなわち、一人で一人の高齢者を支えるような、そういった時代が到来するということは、もうなかなか避けがたい、そういった状況になっているのかなというふうに思っています。

 当然、子供をふやすという政策をしていくわけでございますけれども、そういった人口構造がある程度もう見えている。それから、私は一九七五年生まれでございますので、私のときは、大体七人か八人ぐらいの働き手で一人の高齢者を支えるといった時代だったわけでございますけれども、もうそういった時代ではなくなってきている。本当に抜本的な改革というのをしなければならない。

 その中で、維新の理念として自立というのがございます。個人であれ、団体であれ、自立できるところはしっかりと自立していただく。そして、漫然と行政、国が補助を打っていくようなやり方ではなくて、しっかりと自立を促して、そして、どうしても自立ができない、そういったところについて税を投入していく、そういった、めり張りというか、今までのあり方とは違ったあり方が求められる時代が来るだろうというふうに思っております。

 その中で、これまで私もいろいろ、公務員改革とかそういうことも質疑させてもらっておったんですけれども、きょうは、ちょっとかわって、文楽について質疑させていただきたいというふうに思っております。

 文楽につきましても、実は大阪では、いろいろそのあり方について改革をやってまいりました。行政は文楽の価値がわかっていないとか、有識者と言われる方、一部の方から、これはどうなんだと言われるような、さまざまな批判を受けてきましたけれども、その後、改革は随分進んで一定のところまで来ているという状況でございます。

 まず、文楽について、ちょっとだけ簡単に御説明させていただきたいと思います。

 文楽というのは、人形浄瑠璃文楽と言われるものですけれども、文楽自体をあくまでちょっと例とさせていただいて、伝統文化遺産、文化行政をどう支援して、そして振興して、活用していくのかというのがきょうの質疑のテーマになります。そして、国と地方と、それからその団体と、どういう形で協力関係を築いていくのかということが質疑内容になります。

 まず、文楽でございますけれども、江戸時代の後期に大阪で発祥した伝統芸能でございます。国の重要文化財、昭和三十年に指定されておりまして、ユネスコの世界無形文化遺産、平成十五年にも指定されている、三百年の歴史を有する日本を代表する伝統芸能の一つでございます。

 文楽協会について、大阪市の助成のあり方については本当にメディアで取り上げられておるところでございますけれども、文楽の保護とか振興のあり方というのは、これは大阪だけの問題じゃなくて、国の文化政策の問題でもある、そういう認識でございます。

 メディアの表現からは、大阪市が、文楽協会という組織ではなくて、文楽という芸能についての支援を打ち切りにするという誤解があるようでございますけれども、文楽の体制というか、そういった今までの実態についてはわかりにくいところがあるので、ちょっとお話しさせていただきます。

 もともと、文楽というのは、歌舞伎と同じように松竹株式会社で実は興行をしておりました。巨額の赤字が出るということで松竹が文楽の経営を断念したということで、昭和三十八年に、国と大阪府と大阪市とNHKの合意のもとで、この四者からの補助金と助成金を前提に、文楽の保存、普及を図る団体として、公益財団法人の文楽協会、これが設立されました。

 この時点では、文楽協会は、本公演を含む全公演の興行を行って、また、人形などの資産や技術人員も保有する、文楽のプロデュースマネジメント組織としてフル機能を持った組織でございました。

 そして、昭和五十九年に、特殊法人国立劇場、平成二年に日本芸術文化振興会に改称されまして平成十五年には独法に移行されましたけれども、国立文楽劇場が設立されたということに伴いまして、それまで文楽協会が担ってきた本公演の興行機能については国立文楽劇場へ移管された。それとともに、人形や道具などの資産、技術人材も劇場に移管して、また技芸員の研修、保存、振興のための事業も劇場が行うということになりました。

 文楽協会は、当時、全ての業務を劇場に移管することを要望しておったんですけれども、技芸員との契約あるいは出演調整、地方公演など、これを劇場でするのは難しいという理由から、それらの業務は文楽協会に残って、結果的に文楽協会は機能が限定された組織として残るということになりました。

 それ以降、年間日程の約八割を占める本公演の収支は文楽劇場が賄っておりまして、劇場の入場者数の多少にかかわらず技芸員には一定の出演料が支払われて、文楽協会の運営費は国と大阪府と大阪市の補助金、助成金でほぼ賄われるという仕組みが、この三十年間の長きにわたって続けられてきております。

 これに対して、大阪市が、漫然と補助を打つというこの文化行政のあり方に疑問を呈したわけでございます。行政自身が、何に対して助成するのかというのを、特定の文化行政に対して決め打ちをして、行政の価値判断のもとで補助をし、そして団体補助、運営補助ですね、そこに補助金を、すなわち有権者の皆様の税を投入するという仕方について、問題を提起したわけでございます。

 それによって初めて、これまでなかったことでございますけれども、技芸員であったり、あるいは文楽協会、劇場が同じテーブルで議論するということが起こりまして、技芸員や文楽協会による広報活動、そういったことも見られるようになりました。

 しかし、それ以前、現在の、今もその構造も残っているわけでございますけれども、結局、観客が来ても来なくても、技芸員も文楽協会も収入が保証されている。すなわち、国、府、市の漫然と運営補助としてそこに補助金を投入するという仕組みの中で、劇場のみが興行のリスクを負っているというような状況だったわけでございます。そういった状況の中で、技芸員も協会も、文楽の当事者でありながら、劇場の観客の入りぐあいにはほとんど興味を持たない、そのための努力をしない、そうしなくてもいいという仕組みがずっと続いてきたわけでございます。

 そういった今の仕組みでは、全体として、安定した環境で文楽という芸能が後世に残っていくというその文化財保護の機能を重視する、そして、文楽の観客をふやすという積極的な振興策をとるためにオール文楽で努力するということが想定されていない、そういった基本構造がずっと続けられてきたというふうな認識で、大阪では改革を行ってきたわけでございますけれども、この基本構造について文化庁はどういった認識、同様の認識なのか、違う認識なのか、そのあたりをまずお伺いしたいと思います。

有松政府参考人 ただいま先生からも御紹介がございましたけれども、人形浄瑠璃文楽は、国の重要無形文化財であるとともに、ユネスコによる人類の無形文化遺産の代表的な一覧表にも記載されております日本を代表する重要な無形文化財でございます。

 その保存、継承団体といたしまして、昭和三十八年に文楽協会が設立をされて、御指摘のとおり、これに対して、国、大阪府、大阪市などが支援を行ってきたところでございます。

 国は、文化財保護法に基づきまして、文化財保存のために、重要無形文化財伝承事業費国庫補助という補助を持っておりますけれども、その一環として、公益財団法人文楽協会に支援を行っているところでございます。

 こうした仕組みは、貴重な国民的財産であります文楽を保存、継承するという意味で、大変重要な役割を果たしてきたというふうに考えておりますけれども、先生御指摘のとおり、今後はさらに、この重要な無形文化財である人形浄瑠璃文楽を活用して、発信をするといったような観点からの振興策、そしてさらには、地域振興とか観光とかというところにも生かせるような振興策という点で、文楽協会などの御努力あるいは工夫といったようなものも生かさせていただきながら振興していくことが重要であるというふうに思っております。

吉村分科員 おっしゃるとおり、今まで、文化財保護機能というのは当然あるというのはこちらも認識した上での話なんですけれども、ただ、協会を含め、その当事者が全く、組織的な構造として、お客さんが入ってくる入りの部分について振興を図る努力をする仕組みになっていなかったというのは、先ほど答弁ありましたけれども、同じ問題意識なのかなというふうに思っております。

 それを活用して、発展して、さらにそれを振興させていく、一番最初に申し上げました自立ということにもかかわってくるのでございますけれども、そういったことが必要なんだろうというふうに思っております。

 実際、大阪では、補助のあり方について一定疑問を呈し、またちょっと後で御説明しますけれども、それによって入場者がぐんとふえたんですね。私も大阪におって思いますけれども、技芸員やあるいは文楽協会が今まではなかったような広報活動を展開して、一定の数に達しなければ補助金を出さないというかなり思い切ったことを打ち上げたわけですけれども、実際、それによって、振興、自分たちがお客さんを呼んでこようといういろいろな努力をされて、そしてその目標人数も達成して補助が満額出るというようなことも出た。だから、しっかりとやればできるというような仕組みなんだろうと思います。

 それを今までやってこなかった。やらなくてもいいような状況を生み出していたのは、やはりそれは行政に責任があるのかなというふうに思っています。漫然と補助を打つ、そんな仕組みをしていたわけでございます。

 先ほどの話もちょっとありましたけれども、文化庁自身も文化芸術立国というのを標榜されて、平成二十三年二月八日に閣議決定された文化芸術の振興に関する基本的な方針というものがございまして、その中でも、「文化財建造物、史跡、博物館や伝統芸能等の各地に所在する有形・無形の文化芸術資源を、その価値の適切な継承にも配慮しつつ、」ここからが大事かなと思うんですけれども、「地域振興、観光・産業振興等に活用するための取組を進める。」というふうにされているわけでございます。伝統芸能においても、保護の観点、それは配慮しつつも、振興にかじを切るという宣言がされているわけでございます。

 大阪の文化振興においては、観光、国際交流、クールジャパン、さまざまな視点から、文楽にはまだまだ大きなポテンシャルがあるんだろうというふうには思っているんです。大阪が発祥の伝統芸能でございます。

 ここで、先ほどの保護という話もございました、それに合わせてですけれども、地域振興、観光・産業振興に活用できるポテンシャルが文楽にあるというふうに思っておりますけれども、国としてはどういうふうな御認識をお持ちなのか、あるいは将来展望はどういうふうなことを考えているのかということをお聞かせ願いたいと思います。

有松政府参考人 先生、既におっしゃいましたとおり、人形浄瑠璃文楽は、我が国を代表する伝統芸能の一つでありますので、その保存と継承が引き続き重要であるということは、そのとおりだと思っております。

 他方、既に先生御紹介ありましたように、我が国が真の文化芸術立国の実現を目指すというためには、文化財の保存の支援ということではなく、例えば文化財を核としてまちづくりを進めるですとか、そうした文化財を総合的に生かしていくという取り組みをさらに一層進める必要があるというふうに思っております。

 伝えられてきました人形浄瑠璃文楽につきましても、我が国の大事な文化遺産、無形文化財でございますので、そのような活用を図る取り組みを進めることで、ずっとずっと地域振興や観光・産業振興などに寄与することのできる高い付加価値を生み出す可能性が大いにあるというふうに私どもも考えておるところでございます。

吉村分科員 大きな方向性という意味では、大阪がやっている改革と一致しているんだろうなというふうに思います。

 ただ、予算の内訳というのを見ますと、現在は、八千万円の予算、これを補助金として文楽協会に出しているということですね。無形文化の承継ということで八千万円の予算が出されているわけでございますけれども、振興予算というものではないというのが今までの状況だったと思っております。

 これに対して、大阪では、そういった漫然と補助金を団体に運営補助として突っ込むのはもうやめようということで、随分と変えてまいりました。運営補助から事業の振興の補助へ、事業補助、振興補助へ変えていくというのが大きな流れでございます。

 平成二十五年度予算について、まず、それぞれの技芸員さんの活動を助成するということ。それから、激変緩和じゃないですが、急に変えるというのはなかなか難しゅうございますから、先ほど申し上げたとおり、運営補助はするんだけれども、しっかりと頑張ってください、税を投入する以上、協会も自立するように、そして観客、支援者をふやすように頑張ってくださいということで、インセンティブ方式を導入しまして、有料入場者数が九万人以下であれば補助はしません、十万五千人以上であれば全額補助、大阪市の場合は二千九百万円になるんですけれども、二千九百万円しますということをやりました。

 このときは、本当に批判が多くて、何考えているんだ、大阪は全く伝統芸能である文楽に対して理解がないということでございましたけれども、そうすることによって、しっかりと技芸員それから文楽協会も、広告、新しいお客さん、新しい支援者を探すということで、いろいろ町中でも活動していただいて、実際は、その十万五千人以上の入場者数を獲得して、補助を出したわけでございます。

 二十六年は、そういう意味で十万五千人を達成したから全額補助をした上で、さらなる発展形として、団体に運営補助を打つのではなくて、振興事業に補助を打つということで、古典芸能振興事業実行委員会というのを立ち上げて、文楽を振興していく、そういったところに予算を入れる。

 そして、文楽だけではなくて、さまざまな補助金を得ていないそういった団体についても、新たに、自分たちがしっかりと活動していく上で評価してもらいたいという文化団体はたくさんございますので、それについては、行政が一定の価値判断を持って決めるのではなくて、行政とはちょっと離れた第三者機関のアーツカウンシルというのをつくりまして、文化の専門家に集まってもらって、そしてそこを評価してもらって、そこに一定評価される文化団体については事業助成の補助を打つ、そういったやり方に今変えていっているわけでございます。

 そういった意味で、漫然と文楽協会の運営補助にお金を突っ込むというやり方は、これは大阪では変えていっている。

 さらには、いわゆるふるさと納税、これも導入しようということになっております。

 これは、文楽を知らない人がたくさんいる中で、やはり文楽をもっと広げていくべきだというような意見の民間の方もたくさんいらっしゃいます。そういった方については、いわゆるふるさと納税、寄附金ということで、その人たちが例えば団体の運営を補助するというのは、私はあってもいいと思うんですけれども、そういった意味で、ふるさと納税で文楽、文化芸術団体を支援するための新しい制度も創設した。

 つまり、今までは、文楽を支援する方も、自分たちが何をするわけでもなく、結局、行政が金を突っ込むだけというような仕組みを変えて、文楽協会自身がマネジメント機能を持ってしっかりとお客さんを呼び込む、そして、文楽を支援する人、その人がしっかりと自分たちのふるさと納税という形でも支援をする、周りがしっかり支えていって、そして自立的に発展していける仕組み、そういった文楽になってほしいという思いで、これはそういった改革をしていっているわけでございます。

 そういった中で、今の組織構造、劇場へ入場者数と収入がふえる状況であっても、文楽自身が今の構造である限りは、結局、文楽協会がみずからの努力とか頑張りをしたところによって運営費はふえないという状況になっている、そこに組織的な、構造的な問題があるというふうに思っているわけでございますけれども、このあたりの実態についてどのように考えられているのかというのをお聞きしたいと思います。

 それに加えて、去年、ことしと、こういった大阪の改革によって文楽の入場者数というのは非常にふえているんですけれども、ふえたことによって、結果、個々の技芸員やあるいは文楽協会に還元されているのかどうか、そのあたりについてお伺いしたいと思います。

有松政府参考人 ただいま何点か御指摘と御質問がございました。

 まず、国立劇場で行われますいわゆる本公演、文楽劇場等で行われるものでございますが、こちらは、独立行政法人日本芸術文化振興会がその公演を主催しておりますので、この収入は日本芸術文化振興会に入ることになっておりまして、文楽協会には、振興会との年間契約によって上演契約金を受け取るというシステムになっております。このシステムにおきまして、この契約金は、前年度の文楽公演の入場者数ですとか当該年度の公演予算等を勘案して決定されているものでございます。

 先ほど先生おっしゃったように、例えば二十六年度は十万五千人を超えるといったように、文楽劇場での入場者数がふえたわけでございますが、こうしたふえたことによる収入増に対する文楽協会や技芸員などへの還元につきましては、今申し上げたようなシステムなどにおいてどういう形で反映するのかといったようなことについては、今後把握していきたいというふうに考えております。

吉村分科員 結局、どれだけ例えば文楽協会あるいは技芸員の方が頑張って入場者数をふやしても、それがストレートに協会のマネジメントというか、収入増につながるような構造にはなっていない、これがやはり基本的な構造の、問題的な構造かなというふうに思っております。そういう状況の中では、やはりインセンティブも働かないということにはなってくるのかなというふうに思っております。

 ただ、文楽に発展のポテンシャル、これは非常にポテンシャルがあるというふうに思っております。劇場の入場者数の増加、これが文楽協会とか技芸員の収入にきちんと反映されて、同様に減少の結果も反映される仕組み、それが本来ではないのかなというふうに思っております。そうであってこそ、行政も含めた関係者が一丸となって文楽を振興して、劇場での集客増に協力する関係が生まれてくるのではないかというふうに思っております。

 当事者が観客をふやす努力をしなくても成り立つ興行というのは、民間では考えられないというふうに思います。一概には比較できないんですけれども、同じ伝統芸能の歌舞伎なんかは、役者がテレビとか映画とかほかのジャンルでどんどん活躍して知名度を上げて、歌舞伎への観客をふやす、そういった努力もしているところです。

 今の仕組みとか構造が変わらないと、文楽協会が機能不全に陥るというふうに思っております、将来を考えたときに。せっかく文楽を知ってもらおうと立ち上がって活動している技芸員についても、頑張っても結果が報われないということでは、そういった努力に水を差す、そんな状況になるのかなというふうに思っております。

 文楽が将来に向かって継承されて、観客に支持されて、発展し続けていく存在になれるというふうに信じております。入場者がふえる、今こそ、この流れを継続的に維持していけるような、そんな仕組みづくりが必要で、今の構造的な仕組みを見直す必要があるというふうに思っております。

 そこで、大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、大阪は、そういった意味で、組織補助ではなくて事業助成、振興で文楽を支えていこうというふうに考えておりまして、文楽協会自体が自立を目指してマネジメント、振興機能を強化する方向で衣がえすることで、結果、文楽は持続的に発展、継承されていくと考えております。そのためには、大阪府と大阪市と国、これが一体となって、協働関係のもとで、文楽協会に働きかけをしていくべきであると思いますけれども、大臣の所見をお伺いしたいと思います。

 あわせて、予算面においても、先ほど申し上げましたとおり、現在は文化財保護の観点のみの予算になっておるけれども、振興の観点、そこにかじを切っていくべきだというふうに思いますけれども、今後の予算はどうあるべきかということもお伺いしたいと思います。

下村国務大臣 御指摘のように、人形浄瑠璃文楽は、昭和三十年に国の重要無形文化財に指定され、平成二十年にはユネスコによる人類の無形文化遺産の代表的な一覧表に記載されるなど、我が国を代表する伝統芸能の一つであります。

 文化庁としては、文化財保護法に基づき、貴重な文化財を保存、伝承するため、重要無形文化財伝承事業費国庫補助の一環として、公益財団法人文楽協会に対し、平成二十三年度以降、毎年八千万円を支援しております。

 一方、我が国が真の文化芸術立国の実現を目指すためには、従来の文化財保護優先の支援そのものを見直して、文化財を核としたまちづくりを進めるなど、文化財の積極的な活用を推進していくことが必要だと思います。

 このため、平成二十七年度予算におきましては、文化財を一体的に活用する取り組みへの支援であります文化財総合活用戦略プランとして、約八十四億円を計上しているところであります。

 文楽の振興につきましても、地方創生や観光・産業振興などに活用できるよう、振興方策についても文化庁の方でも検討していきたいというふうに思います。

 今後は、ただ保存、継承するだけでなく、地方創生に活用できる方策ということも必要でありますので、御指摘のようなインセンティブを付与する仕組みの導入も含めまして、関係者とも協議の上、幅広い観点から検討してまいりたいと思います。

吉村分科員 まさに、理念としては本当に同じ方向を向いていると思うんです。先ほど、インセンティブが入る仕組みということも大臣からも少しお話がございましたけれども、やはり、文楽発展に向けては、府と市と国が一緒になって、文楽関係者が一体となって振興の方向にかじを切って、そして自立を促していく仕組みが必要だというふうに思っております。

 本来のマネジメント機能をしっかりと文楽協会が果たせる、そういった振興に向けた施策の方向に府と市と国もかじを切って、そして、文楽協会、技芸員、文楽関係者に対して、府と市と国がそういう姿勢だということをしっかりと示して、構造的な形を変えていくことが必要だというふうに思っております。

 我々が今考えておりますのは、先ほど大臣も少しございましたけれども、特に、入場料収入に全くリンクしていない状況でございますので、入場料収入にリンクして文楽協会にインセンティブが入る仕組みの導入、これは本当に活用できるかなというふうに思いますけれども、そのあたりについて、もう一度大臣の御所見をお伺いできたらと思います。

下村国務大臣 二〇二〇年にオリンピック・パラリンピック東京大会がありますが、これは東京だけじゃなくて、全国津々浦々、外国の方々に来てもらいながら日本を活性化するためには、既存の伝統、文化芸術をいかに活性化するかという受け皿が必要だと思います。

 大阪にも魅力はたくさんありますが、この文楽というのは最も大阪を代表する伝統芸能の一つでありますから、必ずこれから、国内だけじゃなく海外の方々ももっと観光客がふえるような、そういう状況をつくっていきたいと思いますので、やりがい、生きがいとして、関係者の方々がそれによって、自分たちの努力によって、その分、観光客だけじゃなく実際に見に来る人もふえるけれども、それが自分の収入にも、あるいは自分たちの業界のインセンティブにもつながっていくということが連動しないと、努力してもしなくても全く同じということでは、やはりこれは衰退化になってしまう可能性があると思いますから、そういう連動をさせながら、しかし、これから、我が国のポテンシャルの強みとして文楽を生かすように、国としてもしっかり応援してまいりたいと思います。

吉村分科員 貴重な答弁、ありがとうございます。

 いろいろございますけれども、しっかりと大臣とそれから大阪市と大阪府が連携をとってやってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 私からの質疑はこれで終わらせていただきたいと思います。

萩生田主査 これにて吉村洋文君の質疑は終了いたしました。

 次に、井出庸生君。

井出分科員 維新の党、信州長野の井出庸生です。御無沙汰しております。よろしくお願いをいたします。

 きょうは、学校の部活動について伺いたいと思います。

 中学校の学習指導要領を見ますと、部活動について、第一章総則第四の二のところで、「生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際、地域や学校の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。」となっております。

 これは平成二十年に書き込まれたと思うんですが、私は、私自身も部活人間でありましたので、部活というものが、中学、高校と、非常に日本の教育の中で大きなウエートを占めている。

 ただ、その一方で、きょう質問したいのは、部活動の位置づけですとか、現場の先生方の御苦労ですとか、そういったものが果たして本当にふさわしい状態にあるのか、そういう問題意識を持っています。

 まず、きょう大臣に伺いたいのは、大臣自身の御体験で、部活動に対して、日本の教育における部活動というものを大臣はどのようにお考えになっているのかというところを伺います。

下村国務大臣 私は、小学校、中学校のときはサッカー部に入っておりまして、高校のときは新聞部だったんですが、部活動のときの人間関係というのは今でも続いているんですね、小学校、中学校時代、それから高校時代。そういう意味で、ただ学校に行っているということだけでなく、部活動における付加価値というのは、スポーツにおいても、文化においても、大変強いものがあるのではないかと思います。

 今から振り返ると、もっと運動部の部活動を高校時代もしておけばよかったなというのは感じまして、今度、甲子園の始球式に出る予定で、合間を縫ってキャッチボールをやっているんですが、全然していないものですから、投げると、いかに自分がボールを投げられないかということを初めて実感するんですね。ですから、やはりふだんから運動していくということは大切だと。

 ましてや、学生時代、子供のとき、できたら運動部とかそういうところで身体を鍛えるということが、これは精神を鍛えるということになりますし、また、人間関係の貴重な、教室、授業だけでは得られないような体験が得られるという意味では、大変すばらしいものでありますし、部活動というのは、諸外国では実は珍しいことで、日本独特の、学校教育の中の一環の位置づけですが、これはこれからも重要な位置づけとして、多くの子供たちが参加できるような環境をつくっていくというのは重要なことだと思います。

井出分科員 今、非常に重要である、付加価値も大きいというお話がありました。

 ここから、主に運動部のことに少し的を絞って議論をしたいんです。

 きょうは、一つの本をもとにお話をしていくんですが、「運動部活動の戦後と現在 なぜスポーツは学校教育に結び付けられるのか」、中沢篤史さんという一橋大学の若い先生が書かれている本なんです。

 この本を読んで、あと私の実体験なんかからも考えますと、部活動というもの、例えば、放課後に二時間、それを週に三日やって、三十五週あったとしても二百時間を超える、土日を含めればもっともっと大きな時間になってきて、生徒ももちろんですけれども、先生もそれに向き合っていくことになる。その一方で、教科の体育というものは、せいぜい、一年間通しても恐らく百時間に満たないのではないかと思うんです。

 ですから、私は、部活動というものは教科以上に大きな役割を果たしている実態があるのではないかと思います。

 そうした中で、部活動は、学校教育の一環ではあるけれども教科ではない、そういう位置づけであると思いますし、私が冒頭にお話をした学習指導要領も、平成二十年になって初めて明確な位置づけがされたと伺っております。

 この位置づけそのものも、例えば、部活動の意義の中に学習意欲の向上ということもありますけれども、部活に一生懸命になり過ぎて成績が下がってしまうような方もいますし、また、後で触れますけれども、地域との連携ということも書いてあるんですけれども、それが実際にうまく進んでいるのかという疑問もあります。

 そうした中で、部活が教科ではない、課外活動である、そういう位置づけが今、現状に合っているのかどうかというところを、大臣の所感を伺いたいと思います。

久保政府参考人 今、先生がいろいろ、経緯も含め教えていただきましたように、部活動というのは教育上大変意義があることでございます。

 ただ、学習指導要領に決められて正規の教科として必修である場合には、習いたくない子供も、押しなべて全員が必ず受けなければいけないというものであるのに対しまして、この部活動というのは、興味ある者が自分のやりたいことを自主的に行えるという意味で、そこに大きな違いがあるわけでございまして、教育的な意義は大変ございますものの、より興味を伸ばす、個性を伸ばすというような特性があるという意味では、大きな違いがあると思います。

 ただ、今、経緯を御指摘いただきましたように、それまでは学習指導要領上ほとんど記載がなかったのが、総則に意義も書かれ、「学校教育の一環として、」と位置づけもされたという非常に大きな前進が見られたというのは、学校教育における部活動の意義が改めて今回の学習指導要領の改訂で強調された、そういう実態を踏まえた書きぶりになったということではないかというふうに考えております。

井出分科員 今お話ありましたように、部活動の一番大きな特徴は、やはり、自主的、自発的な参加だと私も思います。ですから、教科化というところは非常に難しい議論ではあるかなと思うんです。

 もう一つ、実態として、私がいろいろな学校を回っていると、例えば、私学もそうなんですけれども、公立の進学校の高校なんかにお邪魔をすると、私どもの学校では生徒の八割、九割が部活動に参加していて、勉強も部活動も非常に盛んなんです、そういうことをよくおっしゃられる進学校ですとかモデル校の話を伺っていることもあるんです。

 その一方で、残念ながら、いわゆる高校入試の段階で試験の成績がいま一つ芳しくない、そういう学校にお邪魔をしたときに、実は私どもの学校は、勉強もそうなんですけれども、残念ながら部活動の参加の方も三割程度にとどまっている、そういうお話を聞いたこともあります。

 私はこの話を聞いたときに、やはり教育現場というものが部活動に参加をすることを、よし、是とする、そういう空気があるのかなというものを肌で感じて、私自身も漫然と部活イコールよしと思っていたんですが、そうは申しましても、先ほどの話、自主性、自発性というものは非常に大事である。そういう中で、私は、生徒が自主性、自発性を持って部活に参加していくような環境をつくっていくことが、学校側の、大人の役割であると思うんです。

 この今の私の考えについて大臣からコメントをいただきたいと思います。

下村国務大臣 私は、先ほど申し上げましたように、中学校のときサッカー部だったんですが、サッカー部のキャプテンで、それで部活の担当の先生というのがいたんですが名前だけで、その方はサッカーを知らない人だったんですね。ですから、私側が勝手にやっている部分があって。結構人気があって、男子生徒の三分の一がサッカー部に入るぐらい、物すごく。その中心でやっていたものですから、すごく誇りを持っていたんですけれども。つまり、自分たちで勝手にやっていたわけですね。それはそれですごく楽しかった。

 ところが、高校に入って、結構サッカーでも名門の高校で、キャプテンですし、それなりの実績がありますし、入って実は一週間で頓挫してやめちゃったんですね。つまり、好き勝手にやったサッカーと、プロの監督とかコーチとか指導者がいてそこでやっているのでは、やはり違うんですね。

 ですから、私は、どうせやるのであれば、やはりできるだけ、いい監督、コーチとか先生の中で、きちっと、スポーツならスポーツをやるような環境をした方がいいと思いますし、それから、やはり子供たちにとって、特にこれからの時代は勉強だけが全てじゃないですから、いかに生きる力を育むような環境をつくっていくかという意味では、部活の果たす役割というのは大変大きいと思うんですね。

 ただ、先ほど局長からも答弁があったように、強制して、あなたは何部、あなたは何部というわけにはいかないと思いますから、あくまでも、生徒個々人が自分がやりたいものに対して、それに対して、しかしできるだけいい環境をつくってあげるようなフォローアップをするということをすることは、教育にとって、その生徒の立場から見ても望ましいことだと思います。

井出分科員 今、できるだけいい環境をと。そういう中で、強制をできるものではないというところは明確に言っていただいたと思うんですが、今度は、部活動の環境の方の話をさせていただきたいんです。

 実は、部活動を支えている、環境を整備する先生方の方に、今お話のあった強制、部活動に強制させられているのではないか。よく言われているのは、経験のない競技の顧問をせざるを得なかったりですとか、さまざま先生御苦労があると思うんです。

 きょう、この部活動の問題で、私、一つ、ブログをずっと読んできておりまして、このブログというものが、「公立中学校 部活動の顧問制度は絶対に違法だ!!」というタイトルで、中学校の先生をやっているとおっしゃっている方がブログを書かれていて、その中身を見る限り、中学校の先生なのかなと。

 これはかなり、新聞やインターネットでも取り上げられて反響があったのですが、私が読む限り、その方はストレートに、もっと教科の研究をしたい、自分の時間をつくって教科の研究をしたい、それが教師の仕事だ、そういう意味で部活動というものにこの方は正直参加をしたくないと。

 ただ、学校の事情もあって、そういったこの方の主張は恐らく少数意見であって、ですから、ブログをつくられて、今、賛否両論、激励もあるとは聞いているんですけれども。

 このブログというものは、部活はいい、できるだけ多くの人が参加していこう、そういう流れの中で、非常に重要な問題提起をしていただいているのではないかなと思って読んでおったんですが、大臣もこのブログのことを御存じであれば、ちょっと感想を伺いたいと思います。

下村国務大臣 このブログについては存じ上げていません。

 ただ、資料が添付されていますから、今読んだばかりで、途中までですけれども、運動部活動の指導に負担を感じて、そして教科指導に専念したいと考える教員の意見というふうに今承知しました。

 一方で、運動部活動の指導に生きがいを感じて、教科指導と両立もしているという教員の方もいらっしゃるということで、学校現場の実態というのはさまざまだというふうに思います。

 先ほども申し上げましたように、私が中学校のときは、名前だけで実際はほとんど出てこなかったとかそういう先生もいますから、余り深刻に考える必要もないんじゃないかなというふうに思ったんですけれども。

 しかし、今後、先ほど申し上げたように、やはりできるだけ子供たちにとってはベストの、いい監督、コーチ、指導者がいることにはこしたことがありませんから、運動部活動の運営に当たっては、顧問の教員ということだけでなく、学校組織全体として対応するとともに、すぐれた指導者を有する外部指導者の活用や、それから総合型地域スポーツクラブと連携を図るなど、学校や生徒の必要に応じてさまざまな工夫をすることによって、それぞれの関係の方々が、自分が一番得意分野でそれぞれの能力が発揮できるような、そういう環境をつくっていくことが必要ではないかと思います。

井出分科員 今、外部指導者のお話、また、総合型地域スポーツクラブとの連携というお話もありました。

 正直、私が部活動をやっていたときは、部活動に地域の力をかりるとか、そういう発想が、今私がいろいろな文献や現場に行っている感覚と比べると、なかったと思いますし、私自身も最初は驚きを持って見ておったのですが、これから生徒の数が減っていく、学校の先生もふえない、そこはいつも大臣にも財務省と闘っていただいている部分なんですが、そういうところで、外部指導者、また地域スポーツクラブの活動の中の一環として、部活動に協力をしていくということは私も大変必要だと思っております。

 そういう中で、先ほどの吉村さんの大阪の話じゃないですが、大阪が今度、一部の公立の中学校で部活を民間に委託する、それも予算をつけてやっていくという話が出てきて、私は、しっかり予算づけをしてやっていくということは一つ画期的な試みではないかなと思うんですが、その大阪の取り組みについて、どのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

久保政府参考人 大阪がそういう今おっしゃられたような取り組み、外部に指導を任せるというような取り組みは一つ注目すべきことだと思っております。

 学習指導要領上、今回の二十年の改訂で学校教育の一環として位置づけられたわけではございますけれども、ただ、その際、学習指導要領の中におきましても、「地域や学校の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。」ということが明記されておりますのも、今、大阪で取り組まれているような趣旨も一つの有力な方法だと想定しての記述ではないかと思っております。

 国といたしましても、二十五年度には運動部活動での指導のガイドラインというのをつくりまして、外部指導者等の協力確保、連携について触れてございます。それを受けまして、二十六年度から予算措置として、運動部活動指導の工夫・改善支援事業におきまして外部指導者の活用のためのシステムづくりを進めておりまして、地域で、自治体も主体となりながら、外部指導者をどううまく活用していくか、こういう事業も始めているところでございますので、注目すべき工夫の一つだと考えているところでございます。

井出分科員 注目するべきというお話をいただいたんですが、私は、外部の方の協力を部活にお願いしていくときに一番大切なのは、もうこれは明確に予算だと思うんですね。

 今までも学校の先生が、非常に少ない、休日の一日数千円という日当もありましたけれども、ほとんどサービス業務のように部活動にかかわってきている。世界的な調査を見れば、日本の教師は一週間に五十三時間働いて、そのうちの八時間近くを部活動に費やしていて、それはほかの国の三倍近くになっているというデータも明確に出ておるんですが、生徒にとっての部活と勉強の両立も必要で、そして学校の先生方にとっても、部活動の指導をすることと教科の研究ですとか、そういったことの両立が必要な中で、私は、今までずっと長い間学校の先生方にすごく苦労をかけてき続けてしまっているんじゃないかと。

 今度、そこに地域の方を入れるときに、一つ私が実際に総合型地域スポーツクラブの方からお聞きしたのは、総合型地域スポーツクラブは非常にいろいろな種目を多年代にわたって地域のためにスポーツをやっている。その一環で部活動ですとか地域の公のスポーツにかかわることになるんですけれども、やっているんですけれども、それが余りにも時間を食って、それがボランティアだとなっていくと、スポーツクラブ全体としても、やはり、totoからお金はもらいますけれども、経営のことを考えれば、だんだん、時間がかかってお金の面がなかなかいかないというところは、どうしても、そこをいつまで続けられるかと向き合っていかなければ、向き合わざるを得なくなると思います。

 私は、部活動に対する、これまで先生方の忍耐といいますか、奉仕といいますか、努力によってきたところが大きいと思うんですけれども、この予算措置について、これはもう明確に文部科学省としても考えていかなければいけないと思っておりますが、いかがでしょうか。

下村国務大臣 運動部活動に従事する教職員の部活動指導業務については、週休日等に行われる部活動指導業務等の困難性や特殊性等を考慮し、平成二十六年十月から算定方式の見直しを行い、四時間程度の業務に従事した場合、日額二千四百円から三千円に増額したところであるということですが、実際、もしこれが時間外勤務としての手当ということになれば、それは過少に少ないということだというふうに思います。ですから、学校の先生方の生徒に対する思いで、もう半分ボランティアのような形で、おんぶにだっこでお願いしてきたというのが今までの状況ではないかというふうに思います。

 現在、これらの学校教育を担う教職員やチームとしての学校のあり方について中教審に諮問しまして、教員と教員以外の者がそれぞれ専門性を発揮し、運動部活動での指導体制も含め、学校組織全体の総合力を一層高めるための方策について検討していただいているという状況でありますが、世界で今一番日本の教師が忙しいということの中で、処遇の問題等もあわせて議論をしなければならないのではないかと思います。

井出分科員 今、大臣の方で平成二十六年に中教審の方に諮問をされている、「これからの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方について」もお話がありました。私も、この諮問の文章を読ませていただいたんですけれども、学校の未来を考えていただくことは非常に大事ですし、その中で、部活動の未来というものを考えていただくことは、日本のこれまでの教育、部活の重要性を鑑みれば非常に重要だと。

 そういう中で、私は、国ができることは、部活動に対する、外部から指導者を入れる、またもう少し、教職員の方がお金の問題で部活を考えてはいないと思うんですけれども、外部の方を入れるときには、やはりそれなりの予算をつけるということが一つできることだと思います。

 あともう一つは、現状、自治体の教育委員会が謝礼を払う払わないというところを決めますし、そもそも外部指導者をお願いするかどうかも学校長や市の教育委員会がやっていく。そういう中で、先生との役割分担ということで、専門的な指導者を入れるということも、外部指導者を入れていくということを、もっと国の方から各市町村に後押しをしていただく。

 お金の問題と、後押しをしていただく、もっと積極的に取り入れてくれという後押し、この二つができることなのかなと思っておりまして、それにぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

下村国務大臣 井出委員が子供のころは、そもそも外部の方が学校には来た記憶がないとおっしゃっていましたが、私もそうですし、実際そうだったと思うんですね。それだけやはり、学校というのは、今から思えば、それはまさに閉鎖性といいますか自己完結型、全部学校の先生がやっていたということだと思いますが、これだけ多様化、複雑化してきている中、もう学校の先生だけで全部やるというのは不可能なことだと思います。

 先日の川崎の中学一年生の事件を見ても、もっとその地域がかかわることによって、ああいう問題が事前に防げることがあったのではないかということを考えると、学校もオープン、コミュニティースクールとか、あるいはオールスクールのような形で、あらゆるレベルで地域の方々にかかわっていただきながら、これは部活だけではありませんけれども、みんなで子供たちを育てていくという意味で、その地域のそれぞれに、学校の先生以外で、ある分野においては極めて能力のある、スポーツにおいても例えば柔道とか剣道とか、多分いらっしゃると思うんですね。それをうまく発掘して、そして学校で教えてもらうということを含めた、教育委員会がそういうオープンマインドで地域の潜在的な人を活用するということを学校の中で受け皿として使っていく、そういう時代になってきているのではないかと思いますし、それを国としてもぜひ後押しをしながら、加速度をつけた、コミュニティースクールなんかもそうですが、もっと広い意味で、学校が活力ある場になるように応援していきたいと思います。

井出分科員 今、後押しの方はやっていただけるというお話ありましたので、具体的に文書でも通知でも構わないですし、大臣がいろいろな場でそういう発信をしていただきたいと思うんですが、予算の方も、いずれは向き合わなければいけないと思うんです。

 ただ、実際として、財政が非常に厳しい、そういう話は私もずっと文部科学委員会にいたときからそうなんだろうなと思っておったんですけれども、限られた予算をどこに向けるかという問題で、この部活の分野というものも、外部の人材を入れていくのであれば必ず予算の措置をする必要があると思いますし、予算も入れないでやれる範囲でやっていくのと、予算を入れて外部の人が入るようにして後押しをしていくのと何が違うかといえば、やはり、中学校の段階で、よりいい環境でスポーツができるかできないか、全ては生徒にかかってくることだと思いますので、ぜひ予算の部分も検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。

下村国務大臣 これは、今後五年以内に、全ての中学校の半分、五千校については放課後サポート、補習授業ができるような、そのための予算を計上するようにしています。

 そこに部活動というような、スポーツも含めてできるかどうかということも創意工夫としてありますが、学校教育以外で、とにかくその五千校については、学習における支援は予算計上していくということでありますが、今のようなことも含めて、できるだけ学校に対する応援をしてまいりたいと思います。

井出分科員 大臣がサッカー部のキャプテンをされていたということで、これまで文部科学委員会に長くいて、大臣のリーダーシップというところはそういうところにあるのかなと思います。

 ただ、きょうは申し上げませんでしたけれども、今、なかなか大臣も、御自身の政治団体、任意団体の関係でいろいろ説明を求められていると思います。

 私は、大臣と文部科学行政の考えが違うところは多々ありますが、大臣の文部科学行政に対するリーダーシップというところはすばらしいなと思って見ておりましたし、そのリーダーシップがきちっと貫いていただけるように、そういう諸々の問題についてもきちっと対応していただきたいとお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

萩生田主査 これにて井出庸生君の質疑は終了いたしました。

    〔主査退席、山下主査代理着席〕

山下主査代理 次に、國重徹君。

國重分科員 公明党の國重徹です。

 本日は、大きく二点、夜間中学校と教育現場における脳脊髄液減少症、これに関してお伺いしたいと思います。

 まず、夜間中学校、正式には中学校夜間学級といいますけれども、この夜間中学は、さまざまな事情で義務教育を受けることができなかった人たちの学びの場です。

 夜間中学は、生活の糧を得るために働かざるを得なかった子供たちが多くいた戦後の混乱期、こうした子供たちに学びの場、義務教育の機会を提供することを目的として中学校に付設されたのが始まりでございます。

 私が以前住んでいた大阪の自宅の前にも夜間中学校がありました。また、昨年は、大阪の守口市立第三中学校にも視察に行かせていただきましたけれども、そこには、戦争や家庭の事情で学校に行けなかった人たち、また不登校や引きこもりで義務教育未修了の人たち、在日外国人、日系外国人など、さまざまな方たちがいました。

 百聞は一見にしかずです。夜間中学で学ぶに至った経緯等、それぞれの体験談を聞かせていただきまして、私も本当に心が揺さぶられました。そこに本当に学ぶ喜び、学の光、教育の原点、こういったものを見た思いがしました。

 また、中国、韓国との関係、今これが冷え込んでいると言われておりますけれども、その夜間中学校の場では、アジアの平和の縮図、これがここにあるということを私は率直に感じました。こんなすばらしい学校が日本の中にあるんだということを誇りにも思いました。

 ただ、現在、公立の夜間中学校は、八都府県に三十一校、残りの三十九道県には一校もございません。そのため、全国各地から転居して公立夜間中学校に入学する人、また往復四時間かけて夜間中学校に通っている方もいらっしゃいます。

 下村大臣は、昨年の国会答弁におきまして、少なくとも各都道府県に一校は公立夜間中学校の設置を目指していきたいという旨の御答弁をされました。

 全国拡充を目指す上で、まずは実態の調査をして、適切な措置を講じていくことが大切だと考えます。ただ、現在、義務教育未修了者の全体数は明らかになっておりません。つまり、現在の国勢調査では、小学校を卒業していない方は未就学者として把握されておりますけれども、小学校は卒業したけれども中学校は卒業していない、こういった人たちの人数は把握されておりません。この数が明らかにならない限り、義務教育未修了者の全体数も明らかになりません。

 そこで、現在の小学校卒と中学校卒を一まとめにした、一項目にした調査のやり方から、両者を別個に分ける調査の方法が考えられます。この点については、これまでも国会審議で取り上げられ、文科省から総務省に要請が行っていると聞いております。

 そこで、総務省にお伺いします。平成三十二年、二〇二〇年度の国勢調査においては、小学校卒と中学校卒を区別した形で統計をとって義務教育未修了者の数を明らかにすべきと考えますが、総務省の見解を伺います。

井波政府参考人 国勢調査についてお尋ねをいただきました。

 国勢調査は、統計法に基づきまして、大規模調査を十年ごと、それから、その中間年に簡易調査を実施しておるわけでございます。

 御指摘の在学、卒業等の教育に関する事項でございますが、大規模調査において項目を設けておるわけでございますが、本年、平成二十七年は国勢調査の実施年であるわけでございますけれども、本年は簡易調査の年でございまして、本年の調査においては調査事項としては設けていないということでございます。

 そこで、お尋ねの次回の大規模調査であります平成三十二年調査でございますが、その調査事項につきましては、調査を企画していきます段階で、当該調査事項の必要性、これはもとよりでございますけれども、正確に記入していただけるかどうか、それから、報告していただく国民の皆さん方に過度の負担とならないかどうかといったようなさまざまな観点から総合的な検討を行い、何回かの試験調査なんかも実施した上で、最終的には、有識者から成る統計委員会、ここで決定をされることになっているわけでございます。

 そこで、今先生御指摘の、小学校は卒業したけれども中学校は卒業されていない方を把握できるような調査項目にするかどうかということにつきましては、文部科学省からも御要望もいただいているところでありまして、平成三十二年の国勢調査の企画に当たりまして、今申し上げたようなプロセスの中で総合的に検討させていただきたいというふうに考えているところでございます。

國重分科員 ぜひ、しっかりと試験調査等もしていただいて、前向きな検討をしていただきたいと思います。

 次に、形式的な義務教育修了者に対する柔軟な入学許可についてお伺いしたいと思います。

 引きこもり、虐待などによる不登校で、実質的には義務教育を修了していないんだけれども、学校側がその生徒の将来をおもんぱかって形式的に卒業証書を授与する、こういうケースが現場では多々ございます。

 ただ、大臣、これは、形式的に卒業証書を受け取ってしまうと、その方が後に夜間中学に入りたいというふうに要望しても、夜間中学の側としてはそれを断らざるを得ないのが今の現状でございます。それはなぜかといいますと、中学校の卒業証書を受け取ってしまうと、夜間中学に入学できないという仕組みになっているからです。これは、学齢超過者の中学校への入学許可についてとして、昭和二十七年に文部省に寄せられた質問に対する回答をもとになされてきた運用でございます。特に法律等ではなくて、こういったものの回答をもとにしてなされてきた運用です。

 なお、平成二十五年の長期欠席者、つまり三十日以上の欠席者のうち、不登校を理由とする児童生徒数は約十二万人。小学校二万四千人、これは前年度比で三千人増加しております。中学校九万五千人、これは前年度比で四千人増加しております。つまり、形式卒業者になる可能性のある児童生徒の数というのが今ふえております。

 形式卒業者は、義務教育未修了者のうちでも若年層であり、とりわけこれからの未来のある人たちであります。たった一枚の紙切れが私の人生の邪魔をするといった悲痛な叫び、この声を無視することはできません。本当の学びを求めてくる人たちに夜間中学は応えなければならないといった現場の思いに政治も応えていかなければならないと思います。

 そこで、欠席日数の記録をメルクマールとして、一定日数以上の出席がない場合には形式卒業であったと判断し、公立夜間中学校への入学許可を与えるようにするなど、さまざまな検討課題を整理して、形式卒業者に対しても公立夜間中学校への門戸が開かれるようにすべきだと考えます。これについての下村大臣の見解をお伺いいたします。

下村国務大臣 御指摘のように、不登校や親による虐待などのため、ほとんど学校に通えなかったものの、学校の配慮によって中学校を卒業した生徒というのは存在するわけでありまして、改めて夜間中学校で学び直す希望を持っている方がいるということであれば、そのような生徒は一旦卒業したいがために基本的に入学を許可されないというような実態があるということについては、やはり課題だというふうに思います。

 従来、文科省では、御指摘ありましたが、通常、就学すべき年齢を超えた方々の中学校への受け入れについては、中学校を卒業していない場合は就学を許可して差し支えないとの考え方を示してきたところでありますが、卒業はしていても実質的に十分な義務教育を受けられなかった方々が希望した場合の学習機会の確保は明確に書いていなかった、しかし、それは重要である、そのとおりだと思います。

 ほとんど学校に通えないまま中学校を卒業した人が希望した場合に夜間中学校に入るということについては、教育委員会や夜間中学の関係者等の声も聞きながら、学習機会の拡大、充実の観点に立って、どのような対応が考えられるのか、これは早急に検討してまいります。

國重分科員 大臣、ありがとうございます。早急に検討ということで、力強いお言葉をいただきましたので、これは本当に、私も夜間中学の関係者から聞いて、これが非常に、学校の現場でおもんぱかって卒業証書を渡すんだけれども、それによって入れなくなるというジレンマがありますので、これについては、大臣の今のお言葉、早急に検討ということで、ぜひ取り組んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 続きまして、夜間中学校の広報の強化についてお伺いいたします。

 夜間中学校を潜在的に必要としている人たちの中には、夜間中学校の存在そのものを知らないという人たちも多くおります。こういった人たちに夜間中学の存在を知っていただく必要があると思います。

 ただ、私も、守口市立第三中学校に行ったときもそうでしたし、さまざまな機会に現場の方から聞きますと、文字が読めない人たちに情報発信する、そのことをわかっていただくというのは、なかなかこれは難しい。さまざまな工夫を凝らしていく必要がございます。ビラやホームページ、一般の広報ではなかなか届かないのが現実です。

 これまで、現場の方というのは、業務の合間を縫って、なかなか文字を読んでもわからない方もいらっしゃるので、駅頭とか街頭で、我々が例えば政治で演説するように、大声で、夜間中学がこうこうありますよというようなことを宣伝してきたというようなことも聞きました。本当にこれは思いがなければできないことだと思います。こういう熱い思いを受けて、我々もしっかりと、本当に現場に届く広報を徹底していかなければならないと思います。

 実態調査をして、どのようなものであればその方たちに届くのか、この工夫が必要になってくると思います。

 まず、文字の読み書きができない人にもわかるような広報にしなければならない。そこで、例えば、政府広報としてスポットCM、こういったものを放映するとか、また、ラジオで取り上げること、このようなことをすれば文字を読めない方にも届くと思われます。また一方で、ポスター、リーフレット、こういった広報も大切だと思います。その際には、イラストとか写真の多い、こういったレイアウトにして、文字は大きくする、振り仮名も打つ、こういった配慮が必要でしょうし、場所も、病院とかスーパーとかバス停付近とか、高齢者の方もよく行く場所でそれを掲示するとかいった配慮も必要になると思います。

 また、夜間中学を必要としている人たちの家族のもとに届けるということも大事だと思います。

 また、学校関係者に伝えることも必要だと思います。昼間の中学校の教師の方が、夜間中学の存在を知っていたので、不登校の自分の生徒に対して、夜間中学校があるよ、卒業証書を受け取ってしまったらそこに行けなくなるからどうしようかということで、アドバイスをして、その生徒が卒業証書を受け取らずに、後に夜間中学校に入って、その後、高校、大学と進学をして、今働いているというような話も聞きました。

 家族、学校現場への周知も重要になってくると思います。そういった周知については、例えば文科省のホームページにわかりやすいポスターの画像とか動画をアップして、関係団体とも協力しながらそのURLを拡散していくというような方法もあると思います。

 夜間中学を必要とする人たちに情報が届くよう、きめ細やかな配慮、工夫をした広報が重要になってくると思いますが、これについての見解をお伺いいたします。

小松政府参考人 ただいま御指摘のとおり、現在の中学校夜間学級の在籍者数を踏まえますと、必ずしも夜間学級に関してニーズを持っている方々に十分に認知されている状況ではないと考えております。

 現在は、中学校夜間学級を設置する都道府県、市町村においても、さまざまな広報、ホームページ、あるいはリーフレット、広報紙といったようなものを使って広報活動を行っていらっしゃるということは承知をいたしておりますけれども、御指摘のように、今後、国においても夜間学級に関する広報を強化することが重要だと思っております。

 そこで、平成二十七年度の予算案につきましては、この夜間学級の果たしている役割やあるいは設置場所、そういったものをわかりやすく示したリーフレットの作成、配布、こういったものができますように、必要な予算を新規に計上させていただいております。

 これが効果的に効果を発揮いたしますためには、都道府県や市町村、それからさまざまな民間団体のネットワーク、こういったところと連携をいたしまして内容等が工夫され、また、場所につきましても、いわゆる社会教育施設、町内会の掲示板、こういったところでも使えるような形で配布、掲示ができるように。

 そのほかにも、今いろいろ御示唆がございました。そういった点も含めまして、この予算を有効に活用しながら、よく知っていただくような方策をとってまいりたいというふうに考えます。

國重分科員 ありがとうございます。ぜひ前向き、積極的な広報をよろしくお願いいたします。

 次に、自主夜間中学に対する支援についてお伺いをいたします。

 先ほども申し上げましたとおり、国においては、下村大臣のリーダーシップで、全国各都道府県に少なくとも一校は公立で夜間中学を設置していこうというような方針のもと、予算も平成二十六年度は三百万だったと記憶しておりますけれども、これが今回の予算案の中では一千万円ということで拡充がされております。ただ、これは第一段階として、今後ますますこういった予算も拡大していく必要があると思っております。

 ただ、全国全ての都道府県に夜間中学を設置するまでには、やはりどうしても時間がかかってしまいます。

 そこで、ボランティアで学習支援を行っている自主夜間中学、これは二〇一二年時点で全国で二十六カ所あると聞いておりますけれども、この自主夜間中学への支援も並行して行っていく必要があると考えております。

 今、自主夜間中学の経済的基盤、必ずしも強固とは言えない、脆弱なところも多い。また、ボランティアの確保も困難だと聞いております。特に、週に一回から二回授業を実施するための会場を確保することが非常に大変だと聞いております。学校を会場として確保しようと思っても、安全面の点から断られることも多い。その場合、公民館や社会福祉施設を利用しているのが実態のようです。

 ただ、公共施設を会場としようとする場合、ほかの予約との関係でその場所がとれなかったり、また、抽せん等によって借りられるかどうか、そういったことが決まる場合もあって、安定的、継続的にその会場を確保していくということが難しいということを聞いております。

 本来、国とか自治体が行うべき義務教育未修了者への学習支援を、それにかわって行っている活動の実質に鑑みて、施設等を安定的に、そして無料または安価で提供するなど、会場確保の際に地方自治体も便宜を図るよう、国から通達を出すことが必要ではないかと考えますが、これについての大臣の見解をお伺いいたします。

下村国務大臣 小中学校を卒業していなかったり、卒業はしたがもう一度学び直すことを希望する成人や外国人などを対象にして、小中学校段階の学習指導や日本語教室等を行う場として、正規の学校であります夜間中学以外に、主としてボランティア等によりまして社会教育として運営されるいわゆる自主夜間中学校、御指摘のとおりであります。

 文科省としてその実態を把握しているわけではありませんが、それぞれの地域におきまして、社会教育として重要な学びの場としての機能を果たしているものと考えております。

 これらのいわゆる自主夜間中学に対する支援については、各地方公共団体においてもそれぞれの地域の実情を勘案して判断すべきものでありますが、例えば、公立学校や公民館の施設を利用している例もあるというふうに承知をしております。

 文科省としては、都道府県教育委員会の関係者が集まる会議などにおきまして、このような事例の情報を提供することなどによりまして、各自治体の取り組みをさらに促してまいりたいと思います。

國重分科員 今大臣から、促していくというようなことがありましたけれども、教育関係者もそうですし、また自治体にも、先ほど言いましたけれども、やはりこの自主夜間中学校の実質に鑑みて、せめてその場所を確保できる、それは公的支援のまず前段階だと私は思っていますので、しっかりと、せめてその場所は確保できるように、大臣のお力で何とか前に進めていただくようお願いいたします。

 続きまして、学齢主義の問題点、改善についてお伺いいたします。

 九年間の義務教育を修了していないにもかかわらず、年齢によっては、我が国における中学校への入学を拒否される外国人の子供たちがいます。これは、出身国・地域の事情によって、小学校入学が六歳を超えていたり、学期開始が日本の時期と異なっていたりするために、来日、日本に来るときに既に日本の義務教育修了相当の年齢になっている場合があるからでございます。

 現在、我が国としましては、十五歳を少し超えているという学齢超過の場合であっても、国連人権規約に鑑みて、海外で義務教育が修了していない場合には、学校の収容能力等、諸般の事情を考慮した上で、中学校での受け入れを許可することとしております。

 ただ、実際、現場でどのように対応するかについては、市町村の教育委員会に委ねられております。そのため、地域によっては受け入れが断られているというような声も聞きます。

 昼間の中学校に編入できなかった場合、中卒認定試験を受けることでその後のステップへ進学する道を開くという方法もありますが、日本語がわからなければ、その試験に合格することも困難です。夜間中学校があればそこへ通うこともできますが、現在は、御存じのとおり、全ての都道府県に設置されているわけではございません。

 そこで、制度のはざまで義務教育を受けられない子供に対してどのような対応措置を講ずるのか、地方分権を前提としつつも、国から地方へ、外国人の学齢超過者の受け入れを促していくべきと考えますが、これについての見解を伺います。

小松政府参考人 委員御案内のとおり、義務教育未修了の外国人のお子さんたちにつきましては、これは外国人ということで保護者に対する就学義務は課されてはおりませんけれども、学齢を超過している場合でも、希望に応じて就学することは可能でございます。その場合には、市町村教育委員会において受け入れを行うこととなっております。

 実際問題といたしまして、我が国の公立小中学校に在籍する外国人児童生徒は約六万人おりますけれども、この中で、今おっしゃられたように、日本語指導が必要で学齢を超過してから受け入れられたという方が、恐縮でございます、これは平成二十四年度の数値でございますが、約六百人ほどおられるという状況でございます。

 ただ、こうしたことが円滑に進みますために手を講じていく必要がございまして、文部科学省では、外国人児童生徒の受け入れの円滑化のための手引というものを作成いたしておりまして、それとともに、各自治体が行う、公立学校における帰国あるいは外国人児童生徒の受け入れの促進、それから日本語指導の充実、支援体制の整備に対する取り組みに今支援を行っております。

 今後とも、こうした外国人児童生徒の受け入れが適切に行われるような必要な周知とあわせて取り組んでまいりたいというふうに考えます。

國重分科員 ぜひよろしくお願いいたします。

 続きまして、教育現場における脳脊髄液減少症の教職員に対する周知徹底についてお伺いいたします。

 脳脊髄液減少症とは、交通事故やスポーツ外傷など体への衝撃によって脳脊髄液が漏れ続け、減少することで、頭痛、頸部痛、目まい、全身倦怠感、吐き気、記憶力低下などのさまざまな症状に慢性的に苦しめられる病気です。

 この脳脊髄液減少症は、学校やごく普通の日常生活の中で起きた事故がきっかけになることが多く、特に子供の場合は、体育の授業中や部活動が原因で発症することもあります。

 そして、発症の原因となるような事故が起きた場合、横になって安静にすること、また水分をとることで、髄液の漏れが少なくなって、漏れの部分が自然に塞がる場合があるという医学的な知見も出されております。

 しかし、この脳脊髄液減少症の存在自体を知らなくて、この病気が発症して、症状が重くなり、進学、就職の道が閉ざされてしまった児童生徒、学生たちもおります。

 文科省はこれまで、平成十九年、二十四年と、二度の事務連絡を出しております。平成二十四年には、「学校におけるスポーツ外傷等による脳脊髄液減少症への適切な対応について」という事務連絡を出されております。その後、全国規模の会議等でもこの事務連絡の内容の周知を図るよう努力していると聞いておりますが、現場ではまだまだ認識されていないとの声もあります。

 そこで、まずは、脳脊髄液減少症という病気が存在すること、外傷後、特に頭を打ったときなどは安静にして、頭痛や目まいなどの症状を生徒が訴える場合に、脳脊髄液減少症の可能性があると認識すること、専門医につなげるのが望ましいことなどを周知徹底して、病気の早期発見、早期治療、予防を図れるよう、より積極的に周知徹底に取り組むべきと考えますが、これについての見解を伺います。

久保政府参考人 今先生がおっしゃられたような通知を発出しておりますのに加えまして、直接教育現場への浸透を図りますために、文科省発行のメールマガジンを活用して適切な対応について周知を図ってきております。さらに、都道府県、指定都市の教育委員会の学校保健担当者が参加する会議等の場においても、市町村の教育委員会あるいは学校現場への啓発を要請したところでございまして、引き続き、さまざまな手法を用いまして周知徹底に努めてまいりたいと考えております。

國重分科員 よろしくお願いいたします。

 最後の質問になります。

 今、教育現場への周知徹底を図るということですけれども、教職員への一〇〇%の周知徹底、これは私もなかなか難しいな、これが現状だと思います。

 ですので、まずは養護教諭。この養護教諭というのは、体調不良の際にまず相談窓口となるのが養護教諭でございます。また、学校内での健康に関する情報を発信する窓口も養護教諭となります。そこで、教職員全体の中でも、まず養護教諭に対する周知徹底が喫緊の課題であると考えております。

 ただ、現場では、例えば平成二十五年、これは事務連絡を二回出した後ですけれども、かつしか区民大学というところで行われた、平成二十五年、養護教諭を対象とした脳脊髄液減少症の研修においては、知らなかった養護教諭の方が約半数いらっしゃったというデータも出ております。ただ、講座を受けてよかったという方が九五・三%いらっしゃいます。

 また、これは最近ですけれども、岐阜県のある市で行われた研修会におきましては、参加した養護教諭四十名のうち、脳脊髄液減少症を知っていると手を挙げた方はわずかに三名でございます。

 まだまだ現場にそれが行き届いていないという実態がございます。ですので、しっかり養護教諭に対して周知徹底をしていく。

 また、今現在、各学校に二冊ずつ、「教職員のための子どもの健康相談及び保健指導の手引」というのが配付されております。この冊子には、具体的な事例とともに、子供の健康相談、保健相談、健康問題に対してどのように対応すべきかの指導例、支援方針が書かれております。そこに、次回改定の際には、脳脊髄液減少症に関しても加えるべきと考えます。

 教育現場においては、とりわけ養護教諭に対して周知徹底を図っていくべきだと考えますが、これについての見解を伺います。

久保政府参考人 おっしゃられたように、養護教諭に対する周知をもっと図っていくべきだと思います。全国養護教諭研究大会あるいは健康教育指導者の養成研修、いろいろな研修を行っておりますので、より一層の周知を図っていきたいと思います。

 それから、指導資料におきましては、現在、教職員向けの指導資料をつくっておりますけれども、その中にどういうふうに書くかにつきましては、厚生労働省における研究の検討状況も踏まえながら、医師あるいは学校関係者の意見を参考にして、必要な対応を今後検討していきたいと思っております。

國重分科員 大臣からも一言だけいただいていいですか。

下村国務大臣 今、久保局長から答弁したとおりでありますが、私も今委員から質問されるまで脳脊髄液減少症について詳しく承知しませんでした。ぜひしっかり広く広報できるようにバックアップしたいと思います。

國重分科員 以上で終わります。ありがとうございました。

山下主査代理 これにて國重徹君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠浩史君。

笠分科員 民主党の笠浩史でございます。

 きょうは、二つのことについてお伺いをしたいと思っております。

 まず一点目は、私の、まあ選挙区ではないんですが、地元川崎で、去る二月の二十日に、上村遼太君、中学一年生が殺害をされる、非常にあってはならない事件が発生をいたしました。

 このことについて、上村君の御冥福を改めてお祈りすると同時に、二度とこうした事件を起こさない、そのことがやはり私どもの務めであろう、そのために何をやるのか、幾つか大臣と議論させていただきたいというふうに思っております。

 それで、二十七日の日に、十八歳、そして十七歳の少年三人が殺人容疑で逮捕されたことを受けて、文科省としても、早速、緊急確認調査を全国の各都道府県教委等々に依頼をされております。

 これは三月の九日、昨日ですか、締め切りということで出されておりますけれども、学校において七日以上連続して連絡がとれない不登校、そして生命または身体に被害が生ずるおそれがあると見込まれるもの、あるいは学校外の集団とのかかわりの中で、同じようにこうした生命または身体に被害が生ずるおそれがあると見込まれる、これはかなり重大事案だと思うんですけれども、詳細は結構ですけれども、今現在把握できている、どれくらいのケースが報告として上がってきているのかをお答えいただけますか。

下村国務大臣 笠委員の選挙区ではないけれどもすぐ近くということで、我々もこれは、例外ではなくて、どこでも起こり得ることだということで、しっかり対応していきたいということを考えて、今、丹羽副大臣のもとで、関係省庁にも入ってもらって、文部科学省の中においても、政府全体の中心として対策チームをつくって、しっかり対応してまいりたいと思います。

 お尋ねの調査につきましては、被害生徒と同様の危機にさらされている可能性のある児童生徒を的確にまずは把握する必要があるということで、二月の二十七日から、きのうまでを締め切りとして、全国の学校、教育委員会等に対して実施しております。

 具体的な報告件数については現在集計中でありまして、その分析も含めて取りまとめる必要があるため、途中段階でお答えすることについては控えさせていただきたいと思います。

 なお、現在集計中の回答には、例えば、保護者が学校からの連絡や訪問を拒否するため本人との接触ができず安否確認ができていない事例とか、それから無断外泊を繰り返し、LINEなどのインターネットを通じた会員制サービス、SNSで知り合った少年等との交友関係が懸念されるといった事案が見られるところであります。

 集計結果は、今週中に公表すべく集計と分析を早急に進めているところでありまして、その結果を踏まえて、学校やその設置者、警察等関係機関が連携するなどしまして、関係者が一体となって、このような事案に係る児童生徒の安全を確保する手だてを早急にとっていただくよう促してまいりたいと今考えております。

笠分科員 こういう調査はもちろん大事でございますし、それをしっかりと我々も分析をしたいと思います。

 本当にそういう命の危機にさらされているような子がいれば救うということ、それが一番の目的であろうと思いますので、ただ、なかなか本当に、では、例えば教育委員会が実態をどこまで把握できているのかということも、またそういったところも、結果によっては私どもも分析をしていかなければならないと思っています。

 それで、きょうは一点、やはりこういったことを、私は、今回の上村君も、後でいろいろと報道に接していると、いろいろな場面でSOSは発していたと思うんです。それに気づいていた人たちもいる、いたと思う。しかしながら、そのことが、なぜ上村君の命を救うことにつなげていくことができなかったのかという点においては非常に残念でならないし、その点を我々も踏まえた今後の対応、これはもちろん、川崎市の教育委員会並びに川崎市の問題でもあるし、また国としての、何ができるのかという共通の課題だと思っております。

 それで、もちろん学校と家庭、そして学校と地域、あるいは、今大臣もおっしゃった学校と警察。特にこういう凶悪的な犯罪につながるようなケースの場合は、なかなか、地域の事情によっては、地域の皆さん方にお手伝いをいただいてというようなことでは解決できないような、そういう案件というものも残念ながらあろうと思います。そういったときには、やはり警察との連携というものがどうしても必要になってくる。どこの学校も、警察との一定の連携制度というものは、日ごろそういう体制はとられていると思うんです。

 ただ、本当の意味で、警察の情報が学校に、あるいは学校のいろいろな情報が警察にということで、相互に情報交換をするためには、どうしても個人情報という一つの壁というものが時にあるわけで、そのために、多くの都道府県の教育委員会、あるいは政令市等々市町村の教育委員会と、それぞれの県警なりが、協定書をしっかりと締結して、どういう具体的な情報であればお互いに交換ができるのかということをきちんと確認をしている、締結をしている。私はこれは非常に重要なことだと思っているんですね。

 今回、川崎については、この協定書というものはまだ結ばれておりません。今、全国の都道府県で、都道府県単位で結構です、都道府県教委と県警の協定書の締結がされているのはどれくらいあるのかということをお答えいただきたいと思います。

小松政府参考人 文部科学省におきまして、各都道府県単位と指定都市につきまして調査を実施いたしましたところ、これは三月九日時点の数字になりますけれども、四十七都道府県のうち三十八都道府県で学校と警察の連携協定を締結しているとの報告を受けているところでございます。

笠分科員 今、三十八と。九都道府県においては、ちょっとそれが都府県かどうかわかりませんけれども、まだ結ばれていない。あるいは、政令市においても、二十あるうち十四が締結されて、早くは平成十四年の仙台市ぐらいから順次こういった協定が結ばれて、そしてさまざま、その中身、例えばどういう情報を警察から学校へ、対象校に提供するのか、あるいは学校サイドから警察に提供するのかというのは、それぞれ、これは事情がありますので、かなり具体的なケースをきちっと検討して、そこまで結んでいるということが、私はやはり、警察と学校の連携というものを、単に連携しましょうということではなくて、形骸化させることなく、こういった事案があるときにこの協定というのは非常に意味があるんじゃないかというふうに思います。

 その点、これはもちろん、国が結びなさいと言うことじゃないのかもしれないけれども、大臣の、そういった協定を結んで、個人情報のやりとり、お互いの情報をしっかりと共有する体制を確立していくということについての見解をお伺いしたいと思います。

下村国務大臣 これはおっしゃるとおりだと思います。私のところにも、川崎においては警察と学校との連携がとれていないという中で、警察情報としても、非行少年グループが学校をまたがって、あるいは、そもそも中学を卒業している子もいるわけですけれども、そういう情報は持っているというようなことは、今回の件においても聞いております。

 ですから、笠委員の御指摘のように、情報共有等に係る学校と警察の連携協定は、学校と警察が連携して児童生徒の安全確保を図るに当たり、個人情報の共有を円滑にするとの趣旨のもとで、各教育委員会等と警察において締結されるものというふうに承知をしております。

 安全確保上の問題がある児童生徒の個人情報等の円滑な共有を図るため、そのような協定を締結し、相互に連絡すべき事項等をあらかじめ明確化しておくこと、これは大変意義あることであるというふうに考えます。

笠分科員 私も同じような思いを持っております。

 ちょっとこれは大臣の方に要望でございますけれども、今、都道府県や指定都市、こういった協定を結んでいる中で、こういうケースをしっかりと防ぐことができた、あるいは事前にそういった犯罪に結びつくことを防止することができた、何かそういった実際の効果のあった点や、あるいは、こういうことが協定を結んだ上でもっと必要なんだというようなこともあわせて、文科省の方で、ぜひ、都道府県教委なりあるいは政令市の教委、一般市も含めてですけれども、そういったことも一度精査をしていただいて、また、まだこれから協定を結んでいくところにも働きかけというものをやっていただきたいと思います。

 同時に、やはりふだんから、教師と、生活指導に当たる教員と警察署員の日常の関係、対話というものも非常に大事なのではないかというふうに私は思っておりますので、そういった点についても、ぜひ警察庁なりともまた連携をしながら検討を進めていただきたいというふうに思っております。

 以上、御指摘をさせていただいた上で、きょうはもう一点、図書館のことで少しお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

 実は、去年の通常国会で、私も、学校図書館議員連盟、これは超党派で各党全党が参加をする議員連盟の事務局長を務めておりまして、議員立法で学校図書館法の一部を改正する法律案を成立させることができました。

 そして、いよいよ、法改正を受けて、この法の施行をこの四月に控えておる段階なんですけれども、学校司書を初めて法的に位置づけさせていただき、司書教諭とあわせて学校司書が、これは文科省では学校図書館担当職員と、これまでそういう呼び方をされておりますけれども、これを、義務ではないけれども、しっかりと努力義務として配置をしていくようにということを、私どもは法改正の中でそのことを提起いたしました。

 間もなく四月になるわけですけれども、改めて、文科省のこの法改正の意義を踏まえた取り組み、あるいは、配置状況が、残念ながらこれまで、平成二十四年調査でしたか、配置されている小中学校が五割を切っている、そういう本当にお粗末な状況であるわけでございますけれども、そういったことが少し改善をされる見通しというものを持っているのか、その点をお答えいただきたいと思います。

下村国務大臣 御指摘のように、議員立法で、学校図書館法の改正によって、学校司書を初めて法律によって規定していただきまして、ありがとうございます。

 法改正を受けまして、文科省では、法改正の内容や学校司書の重要性、学校司書の配置に係る地方財政措置等につきまして、都道府県の担当者を集めた学校図書館担当者連絡会議や新しい広報パンフレットの作成を通じた周知、また学校司書の保有する資格等の実態調査の実施、そして、チーム学校の考え方のもと、専門人材、これは学校司書やICT専門職員等でありますが、その配置の充実などに係る取り組みを進めているところでございます。

 今後とも、豊かな人間性の形成や学力の向上に向けまして、学校図書館の整備充実に努めてまいりたいと思います。

小松政府参考人 もう一つのお尋ねでございます配置状況の動静でございます。

 文部科学省の調査では、先ほど御指摘の平成二十四年度は五〇%を若干割っております。ただし、平成二十年度の調査、この時点では四〇%を若干割っていた、約四割でございまして、これが約五割になってきております。

 今現在、次の調査を集計中でございます。きょうの時点でまだ集計中でございますのできちっとした数字が出ませんけれども、上昇するであろうというふうに考えております。

 それから、最近の地方公共団体における動向としては、例えば、横浜市は計画的に全校配置をする、あるいは神戸市のようにモデル事業を始めるといったようなことで、この法律の前後から配置充実に向けた取り組みが始まっているところでございます。

 文部科学省といたしましては、学校司書の重要性について各地方公共団体に御理解いただき、この配置が伸びていきますように必要な周知等に努力してまいりたいというふうに考えます。

笠分科員 これは、学校図書館担当職員の配置のための単年度約百五十億円という予算で、一週当たり三十時間の職員をおおむね二校に一名程度というような措置もとられているんですけれども、なかなかそこのところは、やはり県なりの支援がないと配置ができないであるとか、いろいろな課題があるんですね。

 それで、私たちも昨年、このことを法律に、きちっと法的に位置づけたということは大きな一歩だけれども、これはまだ最初の一歩だということを、私も当時、この議員立法をつくった立場、提案をした立場からお答えをさせていただいております。

 特に、附則の中で、やはり今後、資格、養成のあり方、あるいは有識者会議をこれから立ち上げて対応されるということになると思いますけれども、局長の方で、もしあれでしたら、これはいつごろから検討をして、そして結論は、どの程度の時期をめどに、いつごろをめどに出される予定なのか、その点をお答えいただければと思います。

小松政府参考人 お答え申し上げます。

 学校図書館法の一部を改正する法律の附則におきまして、御指摘のとおり、学校司書の資格、養成のあり方等について検討していくということになっております。この法律の附則第二項でございますけれども、こちらにおきましては、「この法律の施行後速やかに、」というふうになっております。新法の施行の状況等を勘案し、御指摘のような資格のあり方、養成のあり方等について検討を行っていくということになっております。

 これを受けまして、文部科学省といたしましては、この四月に改正学校図書館法が施行されましたならば、施行後速やかに、ただいまお話しのように、有識者会議を立ち上げまして、学校司書の資格あるいは養成のあり方等について検討していくという予定にしております。

 いつごろまでにということにつきましては、有識者会議の議論等を踏まえていく必要がありますので、今ここでぱっと決めるわけにもいきませんけれども、例えば一年ないし二年以内にはきちっとした方向が出せる、そういったようなことがごく普通の考え方かと思います。

 かなり課題はいろいろあろうかと思いますけれども、そういった考え方のもとに、学校司書の専門性を確保する方策等について検討を進めてまいりたいということを今考えているところでございます。

笠分科員 四月中ぐらいにでもぜひ、これは四月に施行されることはわかっているわけですから、もう準備に恐らく入られていると私は思っておりますので、しっかりと立ち上げていただいて、やはりある程度の、一年ないし二年とおっしゃったけれども、一つの方向性、またそれを、さらに現場の皆さん方の意見も踏まえながら、私どももまた大いに国会でも議論をしていきたいというふうに思っております。

 それで、もう一点は、このことについて、やはり非常勤の職員の方が本当に多いんです。ですから、できれば、やはり正規の方々をしっかりと採用ができるような、そういう状況を生み出していくために、まだまだ我々も検討しなければならない課題も多いと思いますので、その点はまた改めて議論をさせていただきたいと思います。

 それで、学校図書館は学校教育に欠かせない教育設備であることは言うまでもありません。そして、ここで一つ確認をしておきたいんですけれども、学校図書館法が学校司書として想定をする者については、学校設置者が直接雇用する教職員であり、校長の指揮監督下にあるものと私どもは考えております。

 したがって、学校図書館に勤務する者であっても事業者が雇用するものについては、我々法案提案者としては、法の規定する学校司書には該当しないと考えておるわけでございますけれども、その点、文科省の見解を伺いたいと思います。

小松政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、一部の地方公共団体において、事業者が学校図書館の業務を請け負っている事例があることは私どもも承知しております。こうした取り組み自体は、学校図書館の運営の充実のために地方公共団体の判断において行われているものというふうに理解をいたしております。

 一方、法改正により新たに位置づけられました学校図書館法上の学校司書は、学校の設置者が雇用する職員を想定しているものと理解しておりまして、学校図書館業務を受託する事業者の方が雇用する方は、学校図書館法上の学校司書には該当しないというふうに理解をいたしております。

笠分科員 それともう一点、ちょっと大臣にお伺いをしたいんですが、学校図書館とともに、やはり公立図書館の役割というものも極めて大きいものがあるというふうに考えております。

 地域住民の生涯学習あるいは読書活動を推進し、この知識基盤社会において中心的な役割を果たすことができるような環境整備は、やはり国としてもしっかりと図っていかなければならないというふうに思っておりますけれども、ただ、最近の公共図書館を取り巻く環境は随分変わってきております。

 全国各地では、今話もありました指定管理者制度の導入であるとか民間委託、あるいは競争入札や書誌データの購入、選書方法や複本購入、そして電子書籍の普及、さらには障害者サービスや図書館の行政評価のあり方など、大きな喫緊の課題としてこの問題が浮上してきているわけです。

 ただ、残念ながら、公共の図書館といっても、規模もいろいろですしさまざまで、なかなか実態がどういうふうにあるのかということが見えてこない。それだけに、より丁寧な実態を把握するために、公共図書館の現状を把握するための悉皆調査を私はやはりそろそろ行うべきではないかというふうに考えております。例えば、日本図書館協会の調査などもございますので、そういったことと連携をしながらというようなことでもいいと思うんです。

 いずれにしても、文科省が三年に一度、社会教育調査で実施している公共図書館に関するデータだけでは少し不十分かなというようなこともありますので、毎年ということではありませんけれども、一度、公共図書館に関する悉皆調査というものを何らかの形でぜひやっていただきたい。その点についての御見解を伺いたいと思います。

下村国務大臣 御指摘のように、おおむね三年ごとに文部科学省が実施する図書館に関する調査としては社会教育調査がありまして、社会教育に関する基本的事項を明らかにすることを目的に行っております。

 この調査におきまして、図書館については、図書館数、それから職員数、また図書館協議会等の設置館数、あるいは蔵書冊数別の図書館数等が調査項目となっております。

 御指摘の件でありますが、今後の図書館政策の充実のためには、公立図書館の実態について基本的事項以外にも把握をしていくことが重要であるということは御指摘のとおりでありまして、今後、関係団体とも協力しつつ、丁寧な実態把握に努めてまいりたいと考えます。

笠分科員 何らかの形で、どういう形の調査項目、あるいはどういうやり方がいいのか、そういったことも含めて具体的な検討にぜひ入っていただきたいというふうに思います。

 それと、きょうは国会図書館の方から館長にもおいでをいただいておりますので、一点。

 ちょうど二〇一〇年、国民読書年の事業の一環で、国立国会図書館の書誌データを学校図書館あるいは公共図書館でも無償で使えるように整備をしようということ、これも議員連盟で、活字文化議員連盟で提唱し、また、これに応える形で国会図書館の方でもさまざま基盤整備を進めていただき、平成二十四年の一月から一定のこうした体制がとられているようでございますが、ただ、全国の公共図書館にはまだこのことが浸透していない。

 書誌のデータというのは、民間作成のMARC代が図書館一館当たり平均百万円かかることから、逆に国立国会図書館の無償の全国書誌に切りかえたいという希望は根強くあるというふうに伺っております。

 ただ、これがなかなかそういった切りかえにつながっていけない点、これは新刊書のタイムラグ等々の問題もあろうかと思いますけれども、これをどのように分析され、そして今後どのように改善をされて、そしてまた国会図書館の書誌データを活用してもらえるという体制を推進していくのか、その点についての御見解を伺いたいと思います。

大滝国立国会図書館長 お答え申し上げます。

 現状でございますけれども、国立国会図書館では、日々作成する書誌データを広く御活用いただけるようにシステムを整備しております。

 平成二十四年一月からは、学校図書館や公共図書館が、図書館の種類を問わず、国立国会図書館ホームページから無料で書誌データをダウンロードしていただけるようになっております。

 この利用拡大のためには、委員御指摘のとおり、書誌データの作成の迅速さを求められておりますので、国立国会図書館といたしましては、法定納本制度に基づいて民間出版物の収集を行っておりますけれども、従来の納入経路を、週二回納入の方針を毎日の納入に切りかえるなど、迅速化いたします。それから、到着後直ちにその情報が提供できるように、迅速化に業務体制を改善するなど努めております。これをまた、さまざまに使っていただけるように努めたいと思います。

 ただ、このような全国書誌データサービスにつきましては、現在のところ、学校図書館や小規模図書館においては活用されつつあるというふうに認識しておりますが、一方、多くの図書館では、図書館の種類を問わず、資料発注に応じ、書誌データのほか、ラベルとかカバーなどの装備等を含めて一括納入するというビジネスモデルをよく利用されているようでございます。

 今後、国立国会図書館といたしましては、書誌データの特徴であります広範性、信頼性などを御理解いただきまして、活用が広がるように努めたいと思っております。

 今後の取り組みの重点は、特に、現在提供されている書誌データの活用を進めることでありまして、そのために、従来からも努力しておりますが、今後とも一層、図書館界や自治体に向けた広報を強化することに努めたいと思いますし、一方において、図書館のニーズというものをより一層深く把握しながら取り組んでいきたいと思っております。

笠分科員 最後に一点。

 今、ニーズを把握していきたいと。これは広報するだけではなくて、なぜ、どこに問題があってなかなか使いづらいのかという点をやはり今後につなげていかないといけませんので、最後に確認をしますけれども、例えば、自治体の首長さんあるいはその担当の方々から、しっかりと、国会図書館としてどうすればいいのかという意見、現場の意見を聞くような機会をつくっていただいて、そして、そのことを今後の書誌データの利活用のために生かしていただきたいと思いますけれども、その点をもう一度確認したいと思います。

大滝国立国会図書館長 お答えいたします。

 御指摘のとおり、実際の現場である図書館から声をお聞きすることは非常に重要でありますので、我々日常的にやっております都道府県立の図書館長との懇談、さらには市町村の図書館との交流を深めて、先生の御指摘の点に取り組んでまいりたいと思います。

 ありがとうございます。

笠分科員 以上で終わります。

山下主査代理 これにて笠浩史君の質疑は終了いたしました。

 次に、斉藤和子君。

斉藤(和)分科員 日本共産党の斉藤和子です。

 初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず初めに、子供の医療費について質問をいたします。

 国民健康保険の場合、窓口の負担は現在三割です。国の制度では、小学校入学前の子供は窓口負担が二割になっています。今、全ての都道府県、市町村が、独自の努力によって、対象年齢や窓口で三百円支払うなど一部負担金などの差はあれ、全国各地で子供の医療費無料に取り組んでいると思いますが、間違いありませんか。

武田政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘のございました乳幼児等の医療費助成の自治体の取り組み状況でございますが、厚生労働省におきまして、地方単独事業として行っている乳幼児などの医療費助成の実施状況を調査したところによりますと、自治体により、対象年齢が異なっていたり、所得制限や一部自己負担の有無の違いはあるものの、全ての自治体において乳幼児などの医療費助成を実施しているものと認識しております。

斉藤(和)分科員 ありがとうございます。

 つまり、せめて子供の医療費ぐらいは無料にしてほしいという多くの市民の要望に応えて、全ての都道府県、市町村が、独自の努力で何らかの医療費無料に取り組んでいるということです。

 とにかく、小さい子供ほど、免疫がなく、発熱、鼻水、中耳炎などの病気にかかり、さらに、転んでけがをするなど、病気やけがを繰り返します。現在、子供の六人に一人が貧困状態にあると言われる今、お金がなくて病院にかかれない子供を一人も生み出さない社会にする、せめて子供の医療費を、今の窓口負担二割から、国が責任を持って無料にするぐらいのことをやってもいいと思いますが、仮に国が子供の医療費窓口無料を実施したら幾らかかりますか。お答えください。

武田政府参考人 今お尋ねのありました、国の事業として未就学児の医療費についての窓口負担を無料化するとした場合の必要金額の試算でございますけれども、平成二十四年度四―三ベースで機械的に試算をした数値がございますけれども、約二千四百億円程度になってございます。

斉藤(和)分科員 二千四百億円ということです。全ての子供の医療費を国が無料にして、二千四百億円。私は、決してやりくりして出せない額ではないと思います。

 事は、子供の命にかかわる問題です。だからこそ、全国の地方自治体は、財政がなかなか厳しい中でも、住民の要求に応えて、何とかやりくりして、子供の医療費だけはと無料化に取り組んでいるわけです。ぜひ、私は、子供の医療費を国の制度としてやっていく、この真剣な検討をしていただきたいというふうに思います。

 その上で、私がどうしても許せないのが、医療費の窓口負担を無料にすると、国が地方自治体に支払う国庫負担を減額しているということです。私の地元千葉県でも、子供の医療費を、窓口負担を無料や軽減することで、約三億八千万円の国庫負担が減額されています。しかも、子供の医療費だけでなく重度心身障害者の医療費なども、自治体が独自に窓口無料にすると国庫負担が減額をされます。

 そこで、お聞きします。地方自治体が医療費を窓口無料にしたことで、国の負担を減額しています。一体、その額は幾らになりますか。

武田政府参考人 今お尋ねのありました国庫負担の調整措置でございますが、この制度は、乳幼児医療などに対する、地方単独事業によりまして窓口負担が軽減された場合に、一般的に医療費が増加をするというふうな考え方のもとで、限られた財源を公平に配分するという観点から、窓口負担を軽減する事業を実施している市町村に対して、事業を実施していない市町村と同じ補助となるよう、増加した医療費分の国庫負担を減額調整しているものでございます。

 本措置による平成二十四年度における国庫負担の調整額につきましては、約三百八十億円となってございます。

斉藤(和)分科員 国の予算からいったら、三百八十億円というのは、本当にやりくりして出せない額ではないと思います。子供の貧困対策、子育て支援、障害者対策など、頑張っている自治体ほど国庫負担が減らされてしまう、財政的に大変になるというのは、どう考えてもおかしいと思います。

 こうした制度によって、例えば山梨県では、昨年十一月、重度心身障害者医療費の窓口無料をやめ、医療費を一度窓口で支払い、三カ月後に還付するという制度に変えてしまいました。障害児も窓口負担が生じるようになりました。山梨県では、重度心身障害者の医療費を窓口無料にすることで国庫負担が九億円も減額され、県と市町村がそれぞれ半分ずつ一般会計から繰り入れてやりくりをしていたそうです。しかし、財政負担が厳しく、国からの九億円の減額を避けるために窓口負担をやめたと話されています。

 住民の負担軽減にと頑張る地方自治体に、このようなペナルティーとも言える国庫負担の減額は今すぐやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

武田政府参考人 ただいま先生御指摘のありましたこの国庫補助の減額制度でございますけれども、この趣旨といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、窓口負担の軽減によって一般的に医療費が増加をすることを踏まえまして、限られた財源を公平に配分する観点から、地方単独事業により医療費助成を実施した国庫負担を減額調整するという制度でございますので、以上のような制度の趣旨を踏まえますと、この国庫負担の調整措置を見直すことにつきましては、慎重な検討が必要ではないかと考えている次第でございます。

斉藤(和)分科員 窓口を無料にすることによって余計な医療費がかかるというふうにお答えでした。

 窓口を無料にしようがしなかろうが、障害をお持ちの方というのは病院にかからざるを得ないんです。そうしたことを考えると、窓口を無料にするからといってペナルティーをかけるというのは、私は道理がないと思います。

 山梨県の子どもの医療費窓口無料化を求める会が行ったアンケートには、好きで障害を持ったわけではないのに子供の医療費が使えないのは不公平、先天性の心臓病で在宅酸素もしています、窓口負担が必要だと医療費は月十万円、定期受診で来ているのに感染症をうつされないか心配、じっと車椅子で座っていられないので二十五キログラムの息子をずっとだっこしなければならないなどなど、切実な声が寄せられています。

 さらに、医療関係者の方からもお話をお聞きしました。障害を持ち、電動車椅子生活の女の子が、胃腸炎を発症し病院に行きました。お母さんは日ごろから、車椅子は他の子の眼鏡と同じだよと自信を持って育ててきたそうです。しかし、どうして私は帰れないのと会計を待つ娘さんに問われ、答えられなかったと声を震わせたそうです。しかも、その後、この娘さんは体調を悪化させ、十日間の入院をすることになってしまったそうです。

 国が国庫負担を減額することによってこういう被害が出ているわけですから、せめてこの国庫負担の減額だけはやめるという決断をしてもいいと私は思います。

 こうした要求は、何も一部から出ている声ではなく、全国の知事会、市長会、町村会からも要望が出されているわけです。

 知事会の要望書には、乳幼児医療費助成等の地方単独事業に対する国民健康保険の国庫負担の減額措置については、本来国が全国統一で行うべき子育て、少子化対策等に関する地方の努力に反し、地方のみに責任を負わせるものであるため、廃止することと書かれています。

 ぜひ、この全国の自治体の皆さんの言葉をしっかりと受けとめていただいて、国庫負担の減額をやめていただきたいと思います。いかがでしょうか。

武田政府参考人 ただいま先生御指摘のありました地方自治体からの御意見、御要望というのは、私どももしっかり受けとめております。

 本年の二月十二日に、国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議、いわゆる国保基盤強化協議会という場でも、地方関係団体から御意見をいただいているところでございまして、本件につきましては、「今後、更に検討を進めるべき事項」の中で、今後の国民健康保険の安定化を図るための不断の検証とあわせて、この際、地方から「子どもに係る均等割保険料の軽減措置の導入や地方単独事業に係る国庫負担調整措置の見直しといった提案も行われていることも踏まえ、そうした地方からの提案についても、現行制度の趣旨や国保財政に与える影響等を考慮しながら、引き続き議論していくこととする。」というふうにまとめられたところでございます。

 ただ、繰り返しになりますが、やはり現行制度の趣旨、国保財政に与える影響等を十分考える必要があり、なかなか難しい課題であるというふうに認識しております。

斉藤(和)分科員 なかなか難しい課題ですが、全国の要望でもあり、真面目に検討をすると言っているので、私としては、全ての子供の医療費を国の責任で無料にすることを求め、また、国庫負担の減額をぜひやめていただきたいということを求めて、次の質問に移りたいと思います。

 次に、特別支援学校の過密化、教室不足について質問をします。

 この間、特別支援学校の生徒がふえ続け、それに見合った施設の増設が間に合わず、教室が足らない、特別教室を普通教室として使っているなどの実態が問題になっています。

 私の地元千葉県の教育委員会でも、知的障害特別支援学校による生徒数の増加が顕著であり、肢体不自由特別支援学校等においては教室不足が深刻と指摘しています。

 また、千葉県の柏特別支援学校にも伺い、直接お話を聞いてきました。

 昭和五十六年に小学部、中学部が開校し、翌年、高等部二学級がふえ、生徒数九十六名、二十二学級、職員数五十名としてスタートします。その後、生徒数、教員数ともふえ、今では、生徒数が二百五十八名、五十六学級、職員は百二十四名と、生徒数では二・六倍、学級数でも二倍以上になっています。当初の教室数は二十二ですから、それがどんどん足らなくなって、今では、プレハブの二教室合わせて三十五教室になっています。

 開校当時にあった、小会議室、中会議室、資料室、そして図工室、技術室、被服室などの六つの特別教室が、今や普通教室として使用されています。さらに、廊下を広いスペースにして体を動かせる、また、授業中にパニックを起こしたときなどのクールダウンの場にしていた四カ所のプレールームは、壁をつくり、教室や更衣室として利用されています。

 教室の現状を見ると、現場の先生方が本当に苦労をされて、何とか児童生徒増に対応し、学校運営を行っていることがよくわかります。

 また、教室にする場所はもうありません。そのため、五十六学級に対して二十一の教室が足らず、一つの教室を二クラス、高等部に至っては三クラスで使用する教室の合同使用が常態化しています。

 これで、障害を持つ一人一人の児童生徒に合った十分な特別支援教育ができるのか。これで、教育課程を組み立てる環境を整えていると言えるのか。明らかに教育上支障を来していると言わざるを得ませんが、大臣の認識をお伺いいたします。

下村国務大臣 特別支援学校の教育環境の整備につきましては、従来から地方公共団体において取り組みが進められているところでありますが、御指摘のように、近年、児童生徒数の大幅な増加によりまして、施設整備が追いつかず、教室不足が生じている状況が全国にあります。

 これによる教育上の支障として、施設の狭隘化など教育環境の悪化が懸念されることを踏まえ、文部科学省では、地方公共団体に対しまして、潜在ニーズを含め児童生徒数を把握し、解消計画を策定、更新した上で、新設校の設置や校舎の増築、分校、分教室の設置など、適切に対応するよう求めているところであります。

 また、必要な財政支援に努めておりまして、平成二十六年度からは、新たに、廃校施設や余裕教室等の既存施設を活用した特別支援学校の建物の整備に係る補助制度を創設したところであります。平成二十七年度予算におきましても、地方公共団体の事業計画を踏まえ、この分野において、他分野よりも経費についてはパーセントアップをさせるようにいたしました。

 今後とも、地方公共団体において計画的な整備が行われるよう要請しながら、私も、国会日程が許されれば、四月以降、特別支援学校等の現地視察に行ってまいりたいと思っております。教室不足の解消にしっかり取り組んでまいりたいと思います。

斉藤(和)分科員 大臣も、何とかしなければならないという認識を持っていらっしゃると思います。

 実は、教室の不足だけではありません。百人を超える教員は、何と、職員室に何とか入り切れますが、半数の方は職員室に自分の机がなく、三人がけの長机で執務をせざるを得ない実態になっています。

 また、特別教室として残っている図書室は、テレビなど授業で使う教材が置かれ、時には会議室となり、登下校時には中学部の男子の更衣室としても利用され、生徒たちがゆっくり読書をする環境とは到底言えない状況になっています。

 特に、過密化によってプレールームも教室になってしまったわけですから、伸び伸び遊べる場所がなく、授業前、昼休みに廊下で三輪車に乗る小学部の児童もいるという状況です。

 また、船橋市の特別支援学校では、一つの教室をパーテーションで区切り、二クラスで利用している。隣の教室でパニックが起これば授業にならない。しかも、パニックが起こったときにクールダウンをする、静かで落ちついた場所さえ確保しづらい状況になっています。

 船橋市で、全市に一つしか知的の特別支援学校がないために、七つのバスルートが組まれていますが、一番長い生徒だと片道一時間半以上。一番困るのはトイレで、おむつをせざるを得ないこともあるそうです。

 県の特別支援学校整備計画には、スクールバス待機者があることも書かれています。

 こうした実態を大臣は把握していらっしゃるでしょうか。

下村国務大臣 特別支援学校につきまして、平成二十六年五月一日現在で、学校数が千九十六校、在籍幼児児童生徒数が約十三万六千人、教員数が約七万九千人となっておりまして、これは十年前と比較しますと、それぞれ、九十七校、約三万七千人、また約一万七千人増と、いずれも大変増加をしているということであります。

 文科省としては、障害のある子供たち一人一人の教育的ニーズに応じた適切な教育を一層充実していくことが重要と考えておりまして、そのために、特別支援学校の、一つは教職員の給与費の負担、また二つ目に施設整備に対する国庫補助、三つ目に外部人材の活用など機能強化に対する支援、これらを行いまして、各地方公共団体における取り組みを支援しているところでございます。

 特別支援学校に在籍する児童生徒の適切な教育環境の確保のため、今後とも体制整備の充実に努めてまいります。

斉藤(和)分科員 体制整備のためには、なぜこうした実態が起こるのかといえば、国が設置基準をつくっていないからだと思います。やはり、特別支援学校をどのくらいの規模でつくる必要があるのか、また、どのぐらいの大きさの規模が適切な学校規模なのか、こうした適正規模、適正配置が必要だと思います。

 学校教育法施行規則で、特別支援学校の設置基準は別に定めるとしていながら、なぜつくらないのでしょうか。設置基準をつくる必要があると思いますが、いかがでしょうか。

下村国務大臣 特別支援学校は、対象となる障害種に応じた多様な施設整備が必要となるということから、各学校の状況に応じて逆に柔軟な対応が可能となるように、設置に当たっての基準は設けないという方針であります。

 文科省としては、こうした考え方に立ちまして、特別支援学校の設置については、設置者の責任において、障害のある児童生徒の状況や地域の実情等を考慮した上で、適切に判断すべきものと考えております。

 その上で、特別支援学校の教室不足につきましては、文部科学省におきまして、毎年度調査を実施し、各自治体における教室不足の解消のための計画的な取り組みを促す通知を出しております。

 また、平成二十六年度からは、新たに、先ほどもちょっと申し上げましたが、廃校施設や余裕教室等の既存施設を活用した特別支援学校の建物の整備に係る補助制度の創設も追加でしております。

 文科省として、特別支援教育に係る環境の改善のため、引き続き、教室不足の解消に取り組んでまいります。

斉藤(和)分科員 設置者の責任において適切に判断して行い、また、県が策定する計画を支援するというお話でした。

 実は、先ほど取り上げた柏支援学校は、県の計画をやったとしても解消されないんです。県の計画では、隣の松戸市の廃校となった高校を支援学校にする計画がありますが、転学希望者は十二名のみで、柏支援学校は過密化の解消にはならないという実態なんです。

 設置者の責任において適切に判断すべき。だとしたら、私は、地方自治体に設置基準の判断を任せるというのであれば、現場の声をしっかり反映させ、適切に判断できるように、予算面で足かせにならないようにする必要があると思います。

 先ほども、補助を拡大しているとお話がありました。廃校や余裕教室を改修し特別支援学校を整備する事業に対して、今、国は三分の一の補助をしていますが、それを二分の一にさらに拡大する、また、新増設については、今の二分の一の国の補助を三分の二に拡大するぐらいの思い切った対策をし、自治体の後押しをする必要があると思いますが、いかがでしょうか。

下村国務大臣 先ほど申し上げましたように、平成二十六年度に創設したばかりの中で、廃校施設や余裕教室の既存施設改修に活用する特別支援学校の建物整備に係る補助制度、これは三分の一でスタートしたばかりでございますから、これをすぐ二分の一というような状況では、なかなか、財政的な問題でならない状況でございます。

 非常に厳しい財政状況のもとで、まず現時点では、国庫補助率を引き上げるということは困難な中で、地方自治体における計画や要望を踏まえまして、まず、現行制度に基づき、特別支援学校の教室不足の解消、これにしっかり取り組んでまいりたいと思います。

斉藤(和)分科員 本当に、現場はもう待ったなしのぎりぎりの状態です。ぜひとも、二十六年度に創設されたこの事業をさらに拡大し、利用も広げていただいて、自治体が特別支援学校の建設に踏み出せるように、しっかりと後押しをしていただきたいと思います。

 最後に、施設の過密化とあわせて、そこで働く教員もまた大変になっています。

 これも千葉県の数字ですが、特別支援学校の臨時的任用教員の数は二百八十六人、全体の教員の八・七%、非常勤講師は二百三十五人で六・二%、合わせると教員全体の約一五%が正規外ということになっています。しかも、正規教員と全く同じように学級や部活動を持ち、学校の役割も全く同じように持つ臨時的任用教員の数は、実は、他の小学校、中学校、高校と比べても、格段に特別支援学校は多くなっています。

 一番、系統性、継続性が求められる特別支援学校で、一年ごとに先生がかわる状況があるというのは、生徒にとっても、先生にとっても非常に負担になります。

 高等部のある先生にお話をお聞きしました。教員が新しく来るたびに一から教えなければならない。やっと一年たってなれてきたかなと思うと、翌年はまた別の新しい人が入ってきて一からやり直す。その対応に疲れてしまう。みずからも学級を持ちながら、教員を教えなければならない苦労というのは、相当なものです。

 思い切って正規の職員をふやすための手だてが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

下村国務大臣 臨時的任用教員など非正規教員は、さまざまな教育課題への対応など重要な役割を担っている一方、勤務時間や任用期間の都合により、今のような御指摘もありました、児童生徒への継続的な指導が制約されたり、また、教職員間、あるいは地域や保護者との連携が困難になるということは、御指摘のとおりだと思います。雇用が安定せず、正規教員と同じ処遇が保障されていない、まさにそういうふうな課題もあるというふうに考えております。

 具体の教員配置は任命権者である教育委員会が適切に行うべきものでありますが、教育の機会均等や教育水準の維持向上等を図る観点から、国としても、可能な限り正規の教員が配置されることが望ましいというふうに考えております。

 文科省としては、これまでも、公立小中学校の非正規教員の配置実績を都道府県ごとに公表しまして、また、各種会議におきまして、その改善を具体的に促してきているところであります。

 今後、各県において、教員の年齢構成等の実情を踏まえた正規教員への配置改善がなされるよう、各県へのヒアリングを通じて助言を行うなど、きめ細やかな対応に努めてまいりたいと思います。

斉藤(和)分科員 正規の教員の配置が望ましいというお答えでした。

 本当に、現場では、一年ごとに先生がかわることによって、なかなか、特別支援学校では積み重ねが必要なだけに、教育自体が困難になっている。

 私が伺った特別支援学校では、高等部の学生が丁寧に木工の作業をやっていました。校長先生のお話では、この子は当初、全く、ほとんど口をきけない子だった、その子が学校の中でどんどん成長し、今では生徒会長を務めるまでになったというお話でした。校長先生のお話の中で、本当に生徒と密にかかわりながら、その一人一人の生徒に応じた成長過程、そして自立のための支援を必死で先生方が行っているということも感じました。

 ぜひとも特別支援学校の手だてをさらに強化していただくことを最後に求めて、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

    〔山下主査代理退席、主査着席〕

萩生田主査 これにて斉藤和子君の質疑は終了いたしました。

 次に、金子恵美君。

金子(恵)分科員 民主党の金子恵美でございます。

 我が国の未来を担う子供たちを健全に、そしてまた正しい心を持ち成長させることができる、そういう教育環境をつくるために、地域社会、そしてまた学校、家庭、それぞれの場でどのようなものが必要であると思われるか、下村大臣には基本的なお考えを伺いたいと思います。そしてまた、さらに、子供たちに何を伝え、何を教えていきたいか、お伺いしたいと思います。

下村国務大臣 まず、教育のあり方に対する基本的な考え方ということでありますが、子供たち一人一人の潜在能力を最大限に引き出して、互いに認め合い、社会に貢献しながら自己実現を図ることによりまして、全ての子供たちが幸福に、よりよく生きられること、それが教育の本来の役割であるというふうに考えております。

 このため、主に、学校におきましては、児童生徒等の心身の発達段階に応じた組織的かつ体系的な教育を行うこと、家庭におきましては、基本的な生活習慣の習得、自立心の育成、心身の調和のとれた発達等を図ること、また、地域におきましては、地域社会の構成員としての社会性、規範意識や豊かな人間性を養うことなどが求められると思います。

 そして、この三者が、それぞれ子供の教育に責任を持つとともに、相互に緊密に連携協力をすることによって、教育の目的の実現に取り組むことが重要であるというふうに考えます。

 一人一人の子供、若者が自分の可能性を信じ、夢に向かって一生懸命努力し挑戦してもらいたいと考えておりまして、今後とも、安倍内閣の最重要課題の一つである教育再生に全力で取り組んでまいりたいと思います。

金子(恵)分科員 ぜひ、大臣の、何を伝えたいか、そういう生の声も伺いたかったんですが。

 まず、私は、子供たちに教えるべきことというのは、人をだましてはいけない、うそをついてはいけない、正直に生きること、そういうことを教えていかなくてはいけないと思います。そして、差別をしたりすることが間違っていること、お互いの違いも理解し、お互いを尊重し合うことが人としてとても重要であるということ、そういうことを教えていかなくてはいけないんだというふうに思っております。

 特に、差別をしない意識と心を育ててあげたいと思いますが、障害があってもなくても、全ての子供たちがともに育ち、そしてともに学ぶことができる、そういう環境づくりをするために何が必要であるか、何が大切か、御所見を伺いたいと思います。

下村国務大臣 金子委員は福島の御出身ということですね。

 私が福島に行ったときの、生の声ということで、私の声を申し上げれば、福島のある名門高校の周年行事で子供たちに聞いたんですけれども、これは福島の子だけじゃなくて全国同じような統計なんですが、自分はだめな人間だと思う、イエス、時々思うことがある、イエス、これに答える高校一年生、福島においても全国平均と大体同じぐらいでしたが、八四%もいるんですね。それだけ自分に自信がない、自己否定感が強い。

 ぜひ、そういう子供たちがゼロになるように、自分自身が生きていることが、人に対して、世の中に対して、社会に対して役に立つ、そして自分が毎日生きがいを持って生きる、それこそが教育だというふうに思います。

 そういう観点から、さらに、障害のある子、ない子が、同じような環境づくりの中でどう育てていくかという話がありましたが、障害のある子供とない子供がともに学ぶに当たっての本質的な視点について、平成二十四年七月に公表された中教審の初等中等教育分科会の報告におきまして、「それぞれの子どもが、授業内容が分かり学習活動に参加している実感・達成感を持ちながら、充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身に付けていけるかどうか、これが最も本質的な視点であり、そのための環境整備が必要である。」というふうにされております。

 また、この報告書におきまして、「共に学ぶことを進めることにより、」「同じ社会に生きる人間として、互いに正しく理解し、共に助け合い、支え合って生きていくことの大切さを学ぶなど、個人の価値を尊重する態度や自他の敬愛と協力を重んずる態度を養うことが期待できる。」とされているところでございます。

 文科省としては、この報告の趣旨も踏まえ、インクルーシブ教育システムを構築するための事業等を実施しておりまして、引き続き、これらの取り組みをさらに推進してまいります。

金子(恵)分科員 子供たちが違いを認め合いながら互いを尊重していく、そういう心を育てるために、やはりインクルーシブ教育というのはとても重要だというふうに思っています。

 国が言っているインクルーシブ教育システムとはどういうものなのかということを確認させていただきたいと思います。

 国連の障害者権利委員会から締結国に出されている勧告などでは、インクルーシブ教育を推進するために、特別支援学校や特別支援学級のような分離された環境を改善するようにという指摘もされていました。韓国にはそのような勧告もなされているようであります。

 そこで、権利条約で言われているこのインクルーシブ教育システムというのは、文科省の言っているインクルーシブ教育システムと違っているのでしょうか。

 昨年、我が国は権利条約を批准いたしました。ですので、障害のある子もない子もともに学ぶインクルーシブ教育の確立というものが今認められています。そして、特に今、障害者基本法もありますが、第十六条では、障害のある子供もない子供もともに学ぶことに配慮しつつという規定も盛り込まれていますので、その点についてお伺いしたいと思います。

小松政府参考人 文部科学省の方で、あるいは日本国で進めております制度、教育につきましては、この条約に沿ったものというふうに私どもは考えております。この条約上は、特別支援学校等も含めまして、合理的に考え得るものとして私ども捉えて進めているところでございます。

金子(恵)分科員 私自身も、今の段階で特別支援学校等を否定するものでは全くありません。重要な教育施設であるというふうにも認識しています。

 しかし、大きなゴール、今の現状の向こう側にあるものというのは、やはり、ともに学ぶ、そういう場をつくることだというふうに思っております。それが障害者権利条約の趣旨でもあります。

 現状とそしてまた目標と、そういうものが違っているのかもしれませんけれども、先ほどからも、前の質疑者の方の答弁の中で、実際に特別支援学校等はふえている、そういうお話もありました。そのとおりでありまして、二〇〇六年にはこの権利条約が国連総会で採択されているわけですが、それから、私が持っている数字は二〇一四年度まででありますけれども、その間、特別支援学校数は千十三学校から千八十学校ということで、六十七ふえているということであります。

 ただ、ここで言えるのが、本当にインクルーシブなものをつくるための努力をしてきているかということだというふうにも思います。

 つまりは、通常学級、学校等でしっかりと障害のある子供たちを受け入れる体制ができているのか、そのために努力はなされてきているのかということでありますので、もう一度御答弁をお願いします。

小松政府参考人 お答えいたします。

 この条約の批准に向けまして、御承知のとおり、国内で障害者基本法の改正が行われたわけでございますけれども、これらも踏まえまして、国の姿勢といたしましては、まず、平成二十四年に、これは七月のことでございますが、中央教育審議会の初等中等教育分科会の報告において、この考え方というのが提言されているわけでございます。

 一言御紹介申し上げますと、インクルーシブ教育システムというものの考え方ですが、先ほど御指摘ございましたことと共通するかと思いますが、「同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要である。」という指摘でございます。

 私どもは、これに沿って政策を進めていくという考え方でございます。

金子(恵)分科員 切り口を変えてお伺いしたいと思いますが、学校から強制的な付き添いを求められている保護者の方々が多くいらっしゃるということを伺っております。例えば、障害のある子どもの親の学校つきそいの強制をなくそう!全国キャンペーンというものがあるんですが、そこには多くの事例が集まってきているという状況でもあります。

 これは、障害者権利条約で言います合理的な配慮の欠如という認識でよろしいですか。

小松政府参考人 合理的配慮、これは障害者の権利に関する条約上の定義によりますと、障害者がほかの者と平等に「全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」とされております。

 この定義からも明らかにうかがわれますように、合理的配慮は、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて個別に決定されるものでございまして、学校や設置者にも過度の負担等が生じない範囲で求められるものでございます。

 したがいまして、児童生徒の障害の状態等を踏まえまして、設置者や学校が真に必要と判断する場合に保護者の付き添いを求めることが常に合理的配慮の欠如に当たるとは言えないと考えますが、合理的配慮については、可能な限り、設置者や学校と保護者の関係者の間で合意形成を図った上で決定し、双方が納得した上で提供されることが望ましいというふうに考えております。

 そのことにつきましては、先ほどの平成二十四年七月の中教審の報告におきましても、「例えば、設置者及び学校が、学校における保護者の待機を安易に求めるなど、保護者に過度の対応を求めることは適切ではない。」というふうに指摘がされているところでございまして、こうした点も含めまして、引き続き、考え方をしっかり周知していく必要があるというふうに私ども考えております。

金子(恵)分科員 合理的な配慮については、例えば、障害者差別解消法という法律が我が国にはあるわけですけれども、そのもとでのガイドライン等でまたさらに明確にはなっていくと思います、何が合理的配慮かどうかということも。

 ただ、今おっしゃっていただいたように、強制的な場合、強制的に付き添いを求めていく場合、全く保護者の方々と学校との間の合意形成もない、そして一方的に付き添いを求められ、例えば、保護者が病気になる、そして学校に付き添いで行けない状態になっている、そしてお子さんも学校に通学することができなかったという場合に、教育を受ける権利というものを著しく侵害されているという状況にもなります。本当に、親御さんが病気になっている、だから子供も一緒に学校にも行けなくなる、こういう状況でいいのかということです。

 ここで、こんな問題もありますけれども、さまざまな点で今求められているものというのは、まさに強制的に、親が付き添っていなければ学校に行けないそういう障害のあるお子さんたちがいる。あるいは、例えば修学旅行もそうです。課外のさまざまな行事もそうです。

 本当に子供たちが、交流というものも含めて、障害のある子もない子もともに学ぶ、ともに存在する、そういう場所を求めてきているわけですけれども、残念ながら、一方では強制的な付き添いを求められ、そして実態としては子供たちの交流の場もないという状況もあるということですので、私は、今のような形で強制付き添いというのは、間違いなく合理的な配慮というものは欠如した形で、やはり保護者、親御さんのかわりにしっかりとサポートができる体制というものを一方でちゃんとつくっていかなくてはいけないというふうに認識しております。

 この件についても含めてですけれども、インクルーシブ教育システムの構築事業、その中にインクルーシブ教育システム構築モデル事業というものがありまして、今お話をさせていただきました合理的な配慮についても調査をしていく予算も計上されていますし、これは二十六年も四億三千二百万円でしょうか、二十七年度は二億二千三百万円でしょうか、若干減っているようではありますけれども、そういう調査研究という事業もあるわけです。

 しっかりとこの件について、現状を把握するためにいろいろな情報をまとめて、そして調査をとにかく進めていただきたいというふうに思っております。

 そしてまた、さらに特別支援教育に関する教職員の資質向上事業というものもあるんですが、やはり今申し上げたような合理的配慮の問題も含め、権利条約とは何だろう、差別解消法とはどういうものだろう、これは現場でまだまだわからない先生方もいらっしゃるかもしれません。特に、私は、通常学校に障害のある子供たちができるだけ通学できるそういう環境というものもつくっていかなくてはいけないと思うんです。それはもちろん、その子のためになるから、その子供たちのためになるからと私は理解をしております。

 ですので、受け皿となる通常学校の方でも、あるいは通常学級の方でもしっかりとこの件についても理解を深めていくことが重要かというふうに思っておりますが、その点についてはどのようなお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

 あくまでも、特別支援教育に関する教職員の資質向上事業というのは、特別支援学校の教員のためのもののように見えているものですから、そうではなく、通常学校の教職員の方々のためにもプラスになる内容になっているということを確認させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

小松政府参考人 御指摘の特別支援教育に関する教職員等の資質向上事業、これは、特別支援学校の先生方のみを対象としたものではございません。現職教員を対象として、ただ、特別支援学校の教諭の免許状の取得などにつきましては、免許法認定講習等いろいろな機会が必要でございます。そういったものについてこれを伸ばしていく事業でございます。

 こうした事業の中で、今委員おっしゃられましたような障害者権利条約あるいは障害者差別解消法の知識などを得ることも含めまして、資質の向上が図られるというような趣旨で進めてまいりたいというふうに考えております。

金子(恵)分科員 わかりました。

 それでは、本当に、全ての教員の先生方が、例えば権利条約や差別解消法の中身についてもしっかりと理解を深めることができるような場というものもぜひつくっていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 先ほど少し触れましたインクルーシブ教育システム構築モデルの中で、新規で、学校における交流及び共同学習を通じた障害者理解の推進という予算が計上されています。一億四千七百万円でしょうか。これはこれで大切な事業だというふうにも思います。ただ一方で、通常学級、通常学校への就学を支える仕組みというものをもっとしっかりと構築するということが私は重要かというふうにも思っています。

 二〇一三年、学校教育法施行令を改正して、障害児の就学先の決定を総合的に判断し、本人、保護者の意向を最大限尊重するという形になっています。これがそれぞれの市町村の教育委員会で周知徹底されているのかどうかということを確認させていただきたいというふうに思います。

 昨年末、これは新聞報道もされましたけれども、大阪でダウン症があるお子さんの就学について受け入れられなかった、そういう問題がありまして、実際に、大阪市の教育委員会では、就学の仕組みが改定になったということもありまして、わかりやすい資料をつくって保護者や関係機関にも配付したということも伺っています。

 この学校教育法施行令の内容についても、しっかりと、それぞれの行政機関、それぞれの教育委員会等に周知徹底がされているのかどうかということも含めてお聞かせいただきたいと思います。

小松政府参考人 ただいまお尋ねのインクルーシブ教育システム構築モデル事業等でございます。これは、さまざまな関連の事業を行って、各地域における取り組みの充実を図るということでやっているということは、これ一つでございます。

 そして、今御指摘のありました障害のあるお子様方の就学について施行令の改正があって、考え方といたしましても、特別支援学校への就学を原則として例外的に小中学校への就学も可能という従来の仕組みを改めたこと、新たに、個々の障害の状態等を踏まえ総合的な観点から就学先を決定する仕組みとして、その際、本人、保護者の意向を可能な限り尊重する、このことにつきまして、制度改正の趣旨につきましては、まず、各自治体に対する通知や、それから、いわゆる行政説明会でございますけれども、こういったようなものにより周知をするということが一固まり。

 それから、文部科学省では、この詳細な解説資料、これを教育支援資料というふうに言っておりますけれども、これを全ての都道府県、市町村教育委員会に配付するのとあわせまして、文部科学省のホームページにも掲載するというような形で周知を図っているところでございます。

 引き続き、新制度の理念等が各自治体に共有され、定着をいたしまして、その趣旨を踏まえた教育相談等が実施されるように、さらに必要な指導、支援を行って、インクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育の推進というものに結びついていくように努力をしたいというふうに思っております。

金子(恵)分科員 ぜひ周知徹底をお願いしたいと思います。

 先ほど、下村大臣は被災地にも行っていただいた、福島にも行っていただいたということを伺いました。被災地の障害のある子供たちへのケア、本当に重要な課題だというふうに思っております。

 特別な支援を本当に必要とする子供たちへのケアをどのような形でしていくかということでありますけれども、福島県では、実はこれは厚労省の事業でありますけれども、震災等対応雇用支援事業というもので、例えば避難した児童生徒のケアのための支援員やスクールバスの運転手を雇うなど、学校現場で有効活用されているということであります。しかし、この予算は、厚労省がことし一月に出した通知によりますと、二十七年度からは厳しく査定するということで、こうした学校の補助業務を行う方々の雇用は措置の対象外となるということでありました。

 しかし一方で、今申し上げましたように、障害のある子供たちだからこそニーズが多くあり、そして、それにしっかりと対応していくことが必要なんです。学校の現場は本当にさまざまな課題を今持っておりまして、学校現場の事務も肥大化しておりますし、複雑化している。

 ですから、少しでも今のような事業を使って雇用をしているということではありますけれども、それがなくなりますと、今度は一番弱いところにしわ寄せが来るということを大変心配しています。それが、障害のある子供たち、通常学校に頑張って通っているけれども、そういう子供たちの支えとなっているものがなくなりはしないかと懸念をしているところでありますが、大臣としての御所見を伺いたいと思います。

下村国務大臣 私、実際に福島の特別支援学校に視察に行きました。本当にマンモス校で、たくさんの子供たちが来ているんですね。それだけいろいろな障害児がふえているという実情があるわけでございます。

 その中で、私、感動したことがあるんですけれども、それは、高校卒業の子供たちの作品がすばらしいものがたくさんあるんですね。それが校内に飾ってある、個々の作品が、ダウン症とか自閉症の子供たちの作品なんですが。これをそのままもっと伸ばしたらこの世界でそれで食っていけるんじゃないかというような可能性があるんですけれども、実際は、軽作業所のようなところで月二万とか三万とかいう形で仕事せざるを得ないということがある中で、もっとそういう子供たちの才能、能力を伸ばすような環境をぜひつくっていきたいというふうに思います。

 具体的な御質問でありますが、被災地においても子供たちが落ちついた環境の中で安心して学ぶことができるよう、学校現場の負担を軽減して、教員が授業などに専念できる環境を整えること、これは急務だと思います。

 このため、文科省としても、平成二十六年度予算におきまして、被災地の要望等を踏まえつつ、被災児童生徒に対する学習支援等のための教職員の加配とあわせまして、障害のある幼児、児童生徒の日常生活上の介護や学習、生活上のサポート等を行う特別支援教育支援員の配置など、教育環境の整備を進めてきておりまして、これは二十七年度も継続をすることとしております。

 また、学校支援地域本部事業やコミュニティースクールの拡大等によりまして、学校運営への地域人材の活用も積極的に促進しておりまして、今後とも、被災地の復興の状況や要望等を踏まえつつ、必要な支援を着実に実施してまいります。

金子(恵)分科員 ありがとうございます。

 そしてまた、被災地においては、やはり屋外でのスポーツがこれまで制限されてまいりましたので、今後、体力の低下などもまだまだ懸念されているところでもありますので、その点についても、ぜひ御支援をいただきたいというふうに思っております。

 最後になりますけれども、原発関連でちょっとお伺いしますが、東京電力福島第一原発の廃止措置等研究開発の加速プランについてお伺いしたいというふうに思います。

 私も、先般、民主党岡田代表とともに原発内を視察させていただきましたが、まだまだ本当に作業の厳しい状況を目の当たりにしまして、とにかく廃炉までの道のりは本当に長い道のりになりますけれども、早期の原発廃炉を目指していかなくてはいけないという思いで戻ってまいりました。七千人の方々が作業員として頑張っておられる現場であります。

 作業を進める中では、やはり試行錯誤をしながら新しい技術を見つけるという状況でありますので、もっともっと我が国は廃炉に向けた研究開発に集中すべきではないかと福島県民としては思うところでもあります。

 今後、この四月には、JAEA内に国内外の英知を結集する廃炉国際共同研究センターが設置されるということでありますので、これを、ただ研究で終わるということではなくて、実用化していただかなくてはいけないと思っておりますし、しっかりと本腰を入れていただきたいとも思っております。

 それとまた、このJAEAのセンターは人材育成をする場でもあるということでありますので、今後、どれぐらいの規模で人材育成をしていくのかということ、それとまた、このようなセンターが、拠点として、この福島の中に存在するということは、やはりある意味、福島の復興と地域振興というものにもつながっていくというふうにも思いますので、その件を端的にお伺いしたいと思います。

下村国務大臣 これは、私自身、物すごい思い入れがございまして、それというのも、東京電力株式会社福島第一原子力発電所廃炉措置等研究開発加速プラン、これは、私みずから、福島を視察し、科学技術を担当する立場から、国内外の英知を結集し、廃炉等に関する研究開発を加速させることが必要であるとの思いから、昨年六月に、総理に相談して公表したものでございます。

 このプランにおきまして、福島第一原子力発電所の安全な廃止措置等を推進するため、先端的な技術の研究開発と人材育成を図ることとしております。

 ことし四月には、廃炉国際共同研究センターを独立行政法人原子力研究開発機構に設立する予定でありまして、国会日程が許せば、ぜひ私も出席して、国際的に先導するような成果を上げて、福島第一原発の廃炉に大きく貢献できるような、そのスタートをこの四月から切りたいというふうに思っております。

 人材育成でありますが、これは、国際共同研究拠点を整備して、国内外の大学、企業等と共同研究を産学で進めていきたいというふうに思います。このセンターには産学連携講座を設けるなど、大学等と協力して中長期的な人材育成にも取り組んでまいりたいと思っておりまして、世界に発信できるような、福島から廃炉技術の国際的な展開を図って、福島の復興にも貢献できるような、そのような拠点にぜひしてまいりたいと思います。

金子(恵)分科員 終わります。

萩生田主査 これにて金子恵美君の質疑は終了いたしました。

 次に、武井俊輔君。

武井分科員 自由民主党の武井俊輔でございます。

 きょうは、分科会、大変貴重な機会をいただきました。また、本当に浪人しておりましたころからお世話になります尊敬する下村大臣にこうして御質問できる機会をいただきましたこと、大変感謝をいたしております。

 きょうは、歴史と日本人に係る教育、特に、最近は現代史のあり方ということについても大きな意見があるわけでございますけれども、ただ、私、言うのも大変恥ずかしいんですが、大学のときは文学部の史学、日本史をやっておりまして、古文書を読んだりとかいうようなことも、決して優秀ではなかったんですが、いたしておりました。

 そういった中で、高校までのもろもろの教育も含めて、では一体、今の生活、そしてまた今考える中においてどう役に立っているのかと、いろいろと考えるところがございまして、きょうは、そういった観点から御質問をさせていただきたいと思っております。

 まず、これは通告していないんですが、大臣、井沢元彦さんの「逆説の日本史」という本は御存じでいらっしゃいますか。

下村国務大臣 もちろん存じ上げていますし、何冊か読んだことがあります。

武井分科員 本当に大変おもしろい本でありまして、今ちょうど十六巻ぐらいまで文庫本で出ているかと思いますが、縄文時代から始まって、ずっと時代を追って、今はたしか幕末ぐらいまで出ているわけです。もう十年以上ぐらいになると思うんですけれども、出ております。

 この何がおもしろいかといいますと、いわゆる怨霊とかたたりとか汚れみたいなものへの考察でありますとか、例えばいじめとか、まあ差別なんかもそうですけれども、今の日本に、今の我々の生活に通じる行動様式でありますとか思考回路、こういったようなものに歴史的なものがいかに大きな影響を与えているのかということが、非常に歴史的な事実に基づいて書かれているわけであります。

 私も、この本に高校時代に出会っていれば進路も多少は変わったんじゃないかと思うぐらい、もうちょっと歴史も真剣に勉強したかなと思うぐらいの影響を持っておりまして、今でも毎晩、大体寝る前に何ページか読んで寝るんです。

 もちろん、それ以外にも、例えば、松平定信でありますとか上杉鷹山の視点から見た今の地方創生、地方分権といったようなものと幕藩体制の比較とか、大変大きなヒントもあるわけでございます。

 では、そういったようなものをもろもろ見るのと、今の日本史の教育というものを翻って考えてみたいと思うのです。

 今、私たちの日本史の教育、最近はこの必修化といったようなことも検討されているわけでありますが、今の日本史の教育というものがそういった形で今の生活にどれぐらい役に立っているのかということを考えてみるわけです。

 学習指導要領を見ますと、日本史は日本史AとBとありますが、日本史Aについては、「近現代史を中心とする我が国の歴史の展開を、世界史的視野に立ち我が国を取り巻く国際環境などと関連付けて考察させることによって、歴史的思考力を培い、国民としての自覚と国際社会に主体的に生きる日本人としての資質を養う。」、同じく日本史のBは、「我が国の歴史の展開を、世界史的視野に立って総合的に考察させ、我が国の文化と伝統の特色についての認識を深めさせることによって、歴史的思考力を培い、国民としての自覚と国際社会に主体的に生きる日本人としての資質を養う。」とあるわけです。

 これは全くそのとおり、これができれば本当にすばらしいなというふうに思うのですが、しかし、実際、日本史の今の現状というのを見ると、言ってみれば、暗記科目の典型と言われていまして、よく、鳴くよウグイス平安京とか、いい国つくろう鎌倉幕府、最近は、これは、いい国じゃなくて何年かずれているんじゃないかみたいな話もあるようですけれども。こういったような年号から、また古文書の名称、何ちゃら文書とか、あと仏像の名前、何とか観音像とか、こういったようなこともありまして、知り合いに予備校の先生とか高校の先生も同級生なんかでもおるんですが、話を聞いても、日本史というのは暗記さえすれば点がとれるんだというようなことで、学校でもそういう意味では逆に教えやすいんだみたいな話もしておったわけであります。

 最近では、高等学校歴史教育研究会、これはこの前、NHKのニュースウオッチ9なんかでもやっていましたけれども、そういったような意味で、脱暗記化、この歴史の動きの中で、あなたならどういうことを考えますかみたいなことも出ているんですが、実際、試験にも出しにくいから逆にこういうのは難しいんだみたいな話もあるようでして、民間の動きにとどまっておりまして、文科省としてこういうものに対応するというような動きになかなかまだなっていないなという印象がございます。

 そこで、大臣にお伺いをいたしたいと思うんですが、現状のような、こういった暗記偏重と言われるような日本史教育の現状及び課題について、どのような認識をお持ちか、お伺いしたいと思います。

下村国務大臣 私も日本史が好きでしたけれども、暗記科目でしたね。どんな意味があったのかと。

 そもそも、そういう大学入学試験を変える必要があると思います。暗記科目としての歴史教育ではなくて、例えば、そういう教科書的な歴史教育と、今おっしゃった「逆説の日本史」みたいなものを読み比べたときに、平安時代をどう捉えるかとか、なぜ鎌倉時代に武士が興ってきたのかという歴史的な観点から今の時代も捉えて、それは大学入学試験から変えることだと思います。つまり、歴史教育というのは、暗記を問うのではなくて、それによって思考力とか判断力とか批判力等をどう養っていくかということこそが歴史の中で必要だと思うんですね。

 それから、これからグローバルな社会の中でどんどん活躍しなくちゃいけない。つまり、真のグローバル人材、真の国際人になるためには、逆に、アイデンティティーとしての、真の日本人として伝統文化とか歴史をよく学んでいないと、世界の中で通用しないと思うんですね。ですから、グローバル人材の育成というのは、同時にそれが日本の歴史、日本史の必修ということにつながる。

 それをニューヨーク・タイムズが、安倍政権が今やろうとしているのは愛国主義教育だというふうに批判されたので、そうではない、今申し上げたように、グローバル人材になるためには根っこの部分をしっかり持っていなかったら世界で誰も相手にしてくれないという反論を書いたんです。掲載してくれませんでしたけれども。

 そういう視点から、暗記科目から、本当にアイデンティティーとしての教育という意味での歴史の重要性が大変、これからもさらに光を当てていく重要な科目になってくると思います。

武井分科員 ありがとうございます。

 大変力強いお言葉ですし、まさに本当に我が意を得たりという思いでございますので、またぜひそういった形での改革をお願いいたしたいと思います。

 引き続きなんですが、さらにもう一つ私が問題意識を持っておりますのは、古典、いわゆる古文の教育であります。

 こちらの方は、学習指導要領にはこう書いてありまして、古典も古典Aと古典Bとあるんですが、古典Aの方は、「古典としての古文と漢文、古典に関連する文章を読むことによって、我が国の伝統と文化に対する理解を深め、生涯にわたって古典に親しむ態度を育てる。」、古典のBは、「古典としての古文と漢文を読む能力を養うとともに、ものの見方、感じ方、考え方を広くし、古典についての理解や関心を深めることによって人生を豊かにする態度を育てる。」これも同じく大変大事なことだと思っております。

 ですから、これが本当に実現できればすばらしいなと思うのでありますが、しかし実際に、では古文の授業というのが今どうあるかといえば、言ってみれば、文法にほぼ偏重していると言わざるを得ないわけであります。

 未然形、連用形、終止形、連体形、已然、命令とか、何か歌にして覚えましょうみたいな、る、らる、る、らる、す、さす、しむ、ずみたいなこととかがありましたし、老ゆ、悔ゆ、報ゆは、これは上二段活用、下二段活用、何かいろいろなものがあって、ほとんど暗号暗記みたいなところがありました。ですから、これも完全に暗記科目だと言わざるを得ないわけであります。

 ことしのセンター試験の古文の問題を改めて見てみたんですけれども、全てが文法と意訳、訳しなさいということを求めるわけですね。この訳の結果、何たら大臣はどこに行こうとしていたのか、誰に会おうとしていたのかというのを訳しなさいみたいな形だったんです。

 しかし、やはり最初に挙げましたとおり、生涯にわたって古典に親しみ、人生を豊かにする態度を育てるということから考えると、余り古典の文法を、しかもこれは社会に出て、まだ漢文というのは多少役に立つ。お寺の石碑とかああいうのは漢文で書いてありますから、墨を塗ってばれんでして落としたりとかするんですが、なかなか古文というものは、ましてや文法というのは、一般社会では役に立たない。

 今、甲南大学の田中貴子先生という先生がいらっしゃるんですが、この前、本を読みまして、「古典がもっと好きになる」というのでありまして、若者には、安倍晴明の陰陽師とか、大変人気があるわけですね。例えば、こういったような、もっと若い人が題材として引き込まれるようなもので、古典の奥深さとか、また、実際の、当時の人の読んでいた読みを音で聞くとかというのもやはり大変意味があると思うんです。

 こういった意味でも、古典の学習というのも、言ってみれば、今の現状であれば、実際に社会においてほとんど意味をなしていないんじゃないかと、ちょっと言い方は厳しいんですけれども思うのですが、古典学習というものを今後どうしていくか、またどのような工夫が必要なのか、見解を局長に求めたいと思います。

小松政府参考人 古典につきましては、先人が何を感じ、何を考えたのか、あるいはいかに生きたのかということを現代に生きる我々に教えてくれるものであるという考え方、そして、それと同時に、文化の継承と創造にも欠くことができないという位置づけであると考えております。

 ただ、御指摘のように、これまでその指導に当たっては、古典を理解するための基礎的、基本的な知識及び技能を身につけるということではありますけれども、そちらの指導を重視し過ぎる余りに、弊害を生み、多くの古典嫌いを生んできたという指摘がなされているというふうに私どもも考えております。

 現在の高等学校の国語科では、古典の内容を含んだ国語総合が必履修科目となっておるわけですけれども、その中では、文語文法のみの学習時間を長期にわたって設けるようなことは望ましくないことというふうに、私どもも実は解説書ではっきりと書いております。

 その上で、教材を工夫しながら、先ほど申し上げました昔の人の物の見方、感じ方、考え方に触れて、それを広げる、深めるということが授業実践の上で重視すべきことというふうにしているところでございます。

 一カ所だけ引用させていただきますけれども、例えば、「文語のきまり、訓読のきまりについては、詳細なことにまで及ぶことなく、読むことの指導に即して扱う」「文語文法のみの学習の時間を長期にわたって設けるようなことは望ましくない。」というような考え方でございます。

 私どもといたしましては、児童生徒が古典のよさや美しさを味わって古典に親しむ態度を身につけることができるように、その指導の改善充実を図っていくことが必要だというふうに認識しております。

武井分科員 まさにそのあたり、ぜひ改善を。古典嫌いを生んでいるんじゃないかというのは、まさにそのとおりであろうかと思います。

 せっかくでございますから、大臣も古典教育について思いがございましたら、ぜひお伺いしたいと思います。

下村国務大臣 やはりこれも大学受験に問題があると思いますね。歴史と同じように暗記が中心のような古典では、すばらしい作品でもおもしろみがなくなるというふうに思います。

 今から考えると、枕草子とか徒然草とか、非常に情感あふれた、日本人が持っている感性そのもの、それがあるからこそ千年以上読み継がれてきているのではないかと思います。そういう文学作品としてアプローチして、子供たちに解説して音読で読ませているような授業であれば、相当すばらしい日本人としての感性、感覚が、古典に親しむことによって、現代文では教育できないようなそういう奥行きの深さまで多分情操教育としても広がっていくのではないかと思います。

 ですから、大学受験でも、そういう暗記的な古典のアプローチではなくて、思考力とか判断力とか創造力とかいう観点からの記述式等の入学試験に変えていくべきではないかというふうに思いますが、しかし、それをきちっと発達段階に応じて教える、それは大切なことだと思います。

武井分科員 ありがとうございます。

 やはり音でこれを聞くだけでも、本当に深い情感も、まさにおっしゃるとおりであると思います。またさまざまなアプローチで御研究をいただければありがたく思っております。

 それから、続きまして神話教育についてお伺いをいたしたいと思います。

 私は、宮崎県の出身でございます。宮崎は、日向神話、天孫降臨、高千穂の神話に代表されるようなまさに神話の里であるわけでございますが、今、私たちの住むこの宮崎は、神楽の真っただ中の季節でございます。機会がありましたら、ぜひまたお越しいただければと思っております。

 二十世紀を代表すると言ってもいいイギリスの歴史学者トインビーが、十二、三歳までに神話を学ばなかった民族は例外なく滅ぶんだというようなことをかつて述べているのを聞いたことがあります。

 神話教育といいますと、確かに、戦前の一時期に戦意発揚に使われたといったようなことがあったことはそのとおりであろうかと思います。

 私の宮崎市には大きな塔がありまして、平和の塔というんですけれども、八紘一宇と書いた塔がありまして、これは、当時、日本の領地であったところから石を集めて、子供たちの銅貨を集めて、それを潰して扉をつくって、船出を描いたというような柱があるわけです。戦争が終わった後、この八紘一宇という文字は秩父宮殿下の御真筆であったんですけれども、これをGHQが焼きなさいみたいなことで、当時の宮司さんが砂浜に埋めて守ったとか、いろいろなストーリーがあるわけです。そういった意味で、まさに神話の中に宮崎、我がふるさとはあるわけでございます。

 やはり、さっきトインビーの話をしましたが、神話教育というのは、先ほど大臣から歴史のお話もいただきましたけれども、まさに本当に基本だというふうに思っております。しかし、そういった反省があってか、この神話教育というものに対してなかなかしっかり向き合ってこられなかったといったようなところがありまして、今は小学校などでも神話を、神話とか童話とかが一くくりになっているところはちょっとどうかなと思うところもありますが、神話を教えるということも少しずつ進んできているんです。

 いろいろと教科書等を見ても、どちらかというと、例えば、因幡の白ウサギであるとかヤマタノオロチを取り上げているところとかもあったりもするんですけれども、神話というよりは、「まんが日本昔ばなし」の一つの物語、言ってみれば、金太郎とかかちかち山と余り変わらない童話みたいな位置づけで、大事なことは、因幡の白ウサギなら因幡の白ウサギでいいんですが、では、それにどういう歴史的な背景があって、それが今生きる我々にどう意味があるかというような話でなければならないのですが、どうもそうはまだまだなっていないなという思いがあります。

 私ども宮崎は、有名なイザナギとイザナミの国生みがありまして、焼けただれたイザナミがウジに覆われた姿を見て、イザナギが逃げてきて、それで、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原、宮崎にそういう地名もありますけれども、そこでみそぎをして汚れをはらったというような話もありますし、天の岩戸の岩戸開きであるとか、天孫降臨、それからオオクニヌシノミコトの国譲りとか、いろいろな話があるわけです。

 例えば、建国記念日でも、神武天皇が我が日向から大和橿原にお入りになったという日をもってしているわけですけれども、ただ、では、今の祝日のゆえんなんということでも、単に建国記念日ということでは、その意義、意味を知っていくということにもなかなかならないわけでありまして、やはりこういったようなことをきちんと伝えていくというのが、本当にまさに日本人の日本人としてのゆえんであろうというふうに思います。

 ですから、もし反省するべき点があるとするならば、過去にこういうふうに使われてしまったということを反省するべきだということは、もちろん、それはそれで必要な言及であるのかもしれないのですが、それはそれとして、やはり神話の扱いというのはもうちょっときちんと捉えていくべきではないかと思います。

 日本史の中の古代史の教育というのも見ております。教科書は大体最初からあるわけですが、どちらかというと、洪積世とか沖積世の土器の種別とか形状とか、それからまた、何とか古墳群から何という名前の剣と何という玉が出てきたとか、そういったようなことが基本的にあって、それからいつの間にか聖徳太子とかに入っていくわけなんです。卑弥呼とかそっちの方に流れていくわけなんです。

 もちろん、そういったような古墳とか副葬品の名称を覚えるということも否定はしないわけでありますけれども、やはり、こういった神話教育というものを、このような日本ができる段階できちんと教えておくということが、その後のあらゆる時代の歴史教育の中にも必ず生きてくるというふうに思っております。

 そういった意味でも、この神話教育をどのように位置づけて臨んでいくかということは大変重要ではないかと考えますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

下村国務大臣 特に武井委員の宮崎は、まさに神話の宝庫、ふるさと、すばらしいところだと思います。先ほどの八紘一宇の塔のところも地元の方に案内をしてもらいましたし、神武天皇の宮崎神社も案内をしてもらいましたし、もちろん高千穂にも行って一通り神社を回りました。すばらしいところだと思います。

 戦後においても、一時期、神話については否定的でありましたが、しかし、やはり国の宝だと思うんですね。二百カ国近くある国の中で、神話を持っている国というのはそんなに多いわけではありません。日本が圧倒的にそれだけ長い歴史と伝統文化があるからこそ、神話というのも大切にすべきだというふうに思います。

 神話に関する教育について今御指摘がありましたが、新たに、小学校低学年の国語科において、神話、伝承などの本や文章の読み聞かせ、それを盛り込むことによって充実を図るようにしております。

 その上で、高等学校における神話の扱いについては、学習指導要領解説におきまして、例えば、国語科で古典教材を選ぶ際の観点として、また、地理歴史科で古代の人々の物の考え方や生活を捉える資料として位置づけられているところでもございます。

 文科省においては、昨年十一月に、中教審に対しまして、初等中等教育における教育課程の基準等のあり方について諮問したところであり、その中では、我が国の伝統文化に関する深い理解等をどのように育んでいくかということも重要な論点として出しているところでございます。高等学校教育における神話の扱いについても、中教審の議論を踏まえつつ、その充実について検討してまいります。

武井分科員 ありがとうございます。

 本当に、過去のそういったようなものから一つ一つ、また大臣にかわられて脱却している中でもございますので、この神話についてもまた引き続き取り上げていただければと思っております。

 続きまして、郷土史とか方言の教育等についてお伺いをいたしたいと思います。

 言葉というのはもちろん変わっていくものですから、今の若い人になってできる方言なんというのも私の地元でもありますけれども、大部分の古い方言というのは、じいちゃん、ばあちゃんが今生きていらっしゃる間はまだ使われるんだろうけれども、だんだん言葉も変わっていったり、昔はこういう言葉を使っていたんだとかというような話は、これは全国各地にあるのであろう。もちろん、メディアの発達、さまざまなもので言葉が標準化されてきたということはあるんだろうと思うんですが、やはりこれも本当に一つの大事なまた文化であろうというふうに思っております。

 また、郷土史なんかにしても、学校の先生方にも話を聞きますと、大体小学校とかまでは、地域教育、地域に出て、例えば、地域の宝探しみたいな言い方を私の地元ではしますけれども、また、この地域のお地蔵さんはこうでとか、いろいろなところから教育をしたりとか、地域の言葉をいろいろ取り上げてきたりというのはあるんですが、これが中学校に行くとまた大分減って、高校になりますと、学習指導要領の中でもそういう郷土史というような位置づけというものもなかなか見えなくなってくるわけであります。

 もちろん、これは地域性があるわけですから、全国統一のセンター試験でありますとか、またいろいろな私立大学の入試とかで取り上げるというわけにもなかなかいかないということは、そのとおりであろうと思うんですけれども、せっかく子供のときにそういったようなことを勉強しても、だんだん学年が上がれば上がるほど意識が薄くなってくるというところはあろうかと思います。

 やはり、地方創生と言われる中で、若い人たちに地域にこれから根づいてもらう、また、東京に来た人に帰ってもらう、そういったようなことをいろいろ考える中で、その地域の歴史とか言葉とかいうものをしっかりとさまざまなステージにおいて教えていく、教え続けていくということは、やはり郷土愛の醸成ということにもなり、大変重要な役割があると思っておりますが、今後どのように取り組んでいかれようとしているのか、見解をお伺いしたいと思います。

小松政府参考人 発達段階、学校段階等に応じて郷土について学んでいくということは、大変重要な課題だというふうに考えております。

 今、小学校での学習というようなお話がございました。小学校の例えば社会科等で、地域の文化財とか年中行事を調べたり、郷土のことをさまざま学習するということがあるわけでございますけれども、現行の学習指導要領の中では、中学校においても、社会科の地理的分野とか歴史的分野で、身近な地域の調査を行って、生徒が生活している土地に対する理解と関心を深めるとか、受け継がれてきた伝統や文化への関心を高める指導をするということが一つの方針となっております。

 また、高等学校になりますと、多様化をいたしますので、選択必修というようなことにもなりますけれども、地域の調査などによって、生活圏の諸課題の解決について探求をする、そういったようなことがやはり方針となっております。

 さらに、現在、中央教育審議会において、先ほど大臣の方からも御紹介のありました、昨年十一月の学習指導要領改訂に関する諮問を受けまして、高等学校における地理歴史科の見直しについて審議も行われております。郷土に関する学習の充実についても、さらにその中で検討していきたいというふうに思っております。

武井分科員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 最後に一点、ヘイトスピーチについてお伺いしたいと思います。

 昨今、非常に社会問題化いたしております。法制化というような話もありますが、何をもってという基準もあって、それはなかなかそう簡単には、難しいだろうなという思いもいたしております。

 これは大変、本当に恥ずかしいことであるわけですし、日本は美しい国だというような人たちや団体がそういうことをやっていたりするのは非常に矛盾を感じたりする部分もあるわけでございます。

 こういったヘイトスピーチについて、総理も国会の本会議、また予算委員会の場等でいろいろと言及をされておられますけれども、文部科学省として、これを教育現場でどう捉えて、また、こういったようなことについてどう教える、また臨もうとしているのか、お伺いをしたいと思います。

下村国務大臣 特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動、いわゆるヘイトスピーチは、人としての尊厳を傷つけ、差別意識を生じさせることになりかねず、許されるものではありません。

 文科省としても、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律等を踏まえ、学校教育を通じて、児童生徒一人一人の発達段階に応じ、人権尊重の意識を高める教育にさらに努めてまいりたいと思います。

 今後、全国の都道府県教育委員会等の人権教育担当者を集めた会議の場などにおきまして、例えば、法務省が作成している啓発資料を活用し、特定の民族や国籍の人々に対する偏見や差別を助長するような言動は許されないことを学校現場の場でもしっかりと周知してまいりたいと思います。

武井分科員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 今回のあの川崎の大変不幸な事件なんかでも、すぐネットに出る、あれは何とか人だみたいなことを根拠なく流したりといったようなことも散見されるわけでありまして、日本人が持ってきたまさに今の日本のあり方、教育のあり方ということを、今回、いろいろな観点からお話を申し上げてまいりましたけれども、そういった美しい国柄というものがしっかり守られていかなければいけませんし、そういったようなものを傷つけることになってはいけないな、そういった思いを持っておるところでございます。

 また、文部科学省が、下村大臣のもと、揺るぎない改革、また前進されますことを心から御祈念いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

萩生田主査 これにて武井俊輔君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤羽一嘉君。

赤羽分科員 公明党の赤羽一嘉でございます。

 きょうは、下村大臣におかれましては、朝八時から夜八時まで、二十二名の答弁に立たれて、大変お疲れさまでございます。お疲れもピークの時間帯だと思いますが、与党らしく、爽やかに質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 通告はしていなかったんですけれども、先ほど民主党の議員の方に、福島復興について、大臣が思い入れがあるという御答弁もありましたので、きょうは大島先生も在席されておりますので、答弁は結構ですので、私もちょっと一言言及をしたいと思います。

 経済産業副大臣として、私も、現地対策本部長として一年八カ月間、原則週二日ないし三日、原発被災地に足を運びながら復旧復興に取り組んできたところでございます。

 その中で、事故炉の廃炉というのは、実は、ある意味では人類史上初めてのチャレンジであって、これはもう世界の英知を結集しなければいけないというのは、まさに下村大臣のおっしゃるとおりでございます。

 私もそうした思いの中で、福島というのは難題が山積している上に、夢も希望もないと。廃炉のことをやりたいというと、廃炉の町にするのかというような批判もあり、それは廃炉だけではなくて、廃炉に関連する新しい産業ですとか、また、もともとの農林水産業をどうイノベーションするかとか、当然、再生可能エネルギーの拠点にもしなければいけないとか、やらなければいけないことがたくさんあるということの中で、実は、アメリカのハンフォード地域とか、テキサスA&M大学にディザスターシティーというのがございまして、ここはロボットの実証実験場では世界でトップのところなんですが、そこに公務で出張しまして、昨年の一月から、福島イノベーション・コースト構想研究会というものを立ち上げて、さまざまな御専門の方に集まっていただいて、その取りまとめもさせていただきました。

 先ほどの、下村大臣の思い入れのあるという、仮称ですけれども、廃炉国際共同研究センターだと思います、このことは、そのハンフォード地域も、実はパシフィック・ノースウエスト国立研究所という、アメリカの中に九カ所か十一カ所か、ちょっと今正確には覚えておりませんが、国立研究所がある中で、このハンフォード地域は一番の、最高のレベルの研究所でありまして、ここにまさに世界最高の研究者が集まって、あの地域は実は九つ原発がありまして、放射能漏れがあったということで、全部廃炉をしたんですね。

 その廃炉をしただけではなくて、また新しい産業、実はワインづくりをワシントン州立大学と提携しながらやるとか、さまざまな展開をした。そのキーステーションとしてこの国立研究所、パシフィック・ノースウエスト国立研究所の人材というのが大変大事だったということですので、イノベーション・コーストにもそういうようなことを書いてありますが、この廃炉国際共同研究センターも、ぜひ政府を挙げてしっかりやっていただきたいというのが一つでございます。

 そのときに、このイノベーション・コーストというのは唯一の夢と希望みたいなことでして、地元としては、ぜひ、おらが村に誘致したいというようなことがあって、何かその辺を、ぜひ政府として足並みをそろえてやっていただきたいということを、実はこの三十分前に復興大臣に対してもそういう質問をしてまいりました。復興大臣も、今週のNHKの「日曜討論」で、最後に、イノベーション・コーストにつきましては、浜通り地域に世界最先端の産業を興し、日本の底力、東北の底力を示す、こう決意をされておりますので、ぜひ政府を挙げてお力添えいただきたい、これがお願いの一つであります。

 もう一つは、これは直接の所掌ではないと思うんですが、今、避難指示区域の解除をやっております。私も、去年の四月一日に田村市の都路地区、十月一日に川内村ということ、百名ぐらいの住民集会で、矢面に立ってやるんですね。

 ちょっと福島で特殊な事情がありまして、他の災害地域は、避難指示区域を早く解除してくれというのが住民から声が出て、国が、いや、もうちょっと待ってくれ、もう少し危ないから、これが通り相場なんですけれども、福島の場合、実は逆でして、そろそろ安全でいいんじゃないか、こう言いに行くと、いや、ちょっと待て、まだ早過ぎるというようなことが通り相場になっております。

 これは、リスクコミュニケーションが失敗をして、年間一ミリシーベルトじゃなければ安全じゃないみたいなことが相当刷り込まれている。これは本当に、前政権の罪は大きいと思います。政府の基準として、年間二十ミリシーベルト以下だったら避難指示解除ができるというガイドラインをつくっておきながら、地元のいろいろな声があったり専門家の声があって、そこに揺らいで、年間一ミリシーベルトという基準をつくったということは、前の民主党政権の閣僚みずからも、あれは失敗だったと言われているような話で、難しい話ですが、ここを何とかしなければいけない。

 同時に、もう一つ背景がありまして、実は、避難指示を解除するということは、損害賠償終結宣言でもあるんですね。避難指示が解除されると、あとプラス一年間だけ精神賠償が払われて、おしまいになる。

 ですから、変な話なんですけれども、これは余り言えないんですけれども、避難指示を解除してもらって、早く家に帰って、早く家を修繕したい、こう思いながらも、片や、先が見えない状況の中で賠償を切られるというのは大変不安だ、こういった二つのことがありまして、ずるずる来てしまった。

 しかし、これからは、楢葉町を初め、相当人口の規模が大きいところ、楢葉は七千名の住民の地域なんですね、そこで住民集会をやるなんということはなかなかできませんし、大変御奮闘いただいているんですが、私は、もうあしたで四年になりますので、六年というめどの中でいろいろな仕組みをつくってきましたので、ぜひこれを与党としても提案をしなければいけない。大島先生にもお願いをしなければいけないことでありますが、避難指示の解除というのと損害賠償の期間というのはリンクしないような仕組みを今の政府・与党でやはりつくる必要がある、そういう時期に迫られている、こう思っております。

 賠償そのものは文科省の所掌の審査会でやっていただいているわけでありますが、そこはもちろん中立を旨とするものの、国策の中で、ぜひ担当大臣として御協力をいただきたい、こう思っております。

 この二つがお願いでございまして、これは通告もしておりませんが、何か御発言があれば。

下村国務大臣 貴重な御提案、ありがとうございます。

 まず、廃炉国際共同開発センターでありますけれども、私もアメリカに何度か行くと、必ずモニズ長官とお会いすることがありまして、エネルギー省、アメリカとしても、ぜひこれは協力をしたいと。ロシアへ行ったときも、やはり科学技術の担当大統領補佐官から、文部科学大臣経験者ですけれども、世界トップレベルの英知を結集して、各国も、福島にそういう拠点をつくるのであればぜひ協力したいということを言われております。

 これは、日本だけではなく、本当に世界トップレベルの方々に集まっていただいて、廃炉国際共同開発センターをすることによって、これが日本の輸出産業にもなっていくような、そういう取り組みをぜひするようにしていきたいと思いますので、サポートをよろしくお願い申し上げたいと思います。

 そういうふうに、これは夢のある施設ということなものですから、双葉郡の複数の自治体から誘致の依頼がありますが、これは文科省だけで決める話ではなく、復興庁を含めた関係省庁と話し合って、あるいは与党と話し合ってやることだと思っておりますので、窓口を福島県にしまして、県の方で市町村の調整とか全体的なものはやってもらう。調整できたところについて、廃炉国際共同開発センターとして、文科省として支援するところをまず支援していくというような形をとるようにしています。

 その調整の中では、避難指示解除のタイミングとの問題がやはりありますので、今のような御指摘の点も踏まえて、関係閣僚としっかり対応しながら、これが、とにかく福島から世界にプラスとして発信する、そういう拠点になるようにしっかり頑張りたいと思いますので、ぜひ公明党、自民党、与党の協力もよろしくお願い申し上げたいと思います。

赤羽分科員 私も、公明党の福島イノベーション・コーストプロジェクトの座長をさせていただいておりますので、しっかりと与党としても支えたいと思います。

 それでは次に、通告のとおり質問させていただきたいと思います。

 まず、地方創生と文科省、文化庁のかかわりということでお話をさせていただきたいのですが、文化庁に、今年度、二十六年度までは、地域発・文化創造イニシアチブ事業という事業がございました。これは、実は多数の地方自治体が申請をされ、多く採択をされ、案件によっては一件二億円以上の大きな地域おこしの補助金で、大変評判がよかったわけでありますが、二十六年度、今年度で終了する。来年度からは、名前が文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業に衣がえとなったんですが、これは実は、上限額が原則一億円という制度になりました。

 これは恐らく、いろいろな地方自治体が手を挙げて、人気があるからそうせざるを得なかったものと思料しますけれども、実は、参議院の本会議で公明党の山口代表が地方創生の一例ということで取り上げ、私も昨年の秋の臨時国会の予算委員会で取り上げた、新潟県の十日町市、三メーターの積雪なんですが、あそこは関口市長を中心にすごく頑張っておりまして、御承知だと思いますが、大地の芸術祭という、世界にも通用する地域と密着をしたすばらしい芸術祭があります。

 ここの芸術祭も、この事業に実は二億円で申請している。原則一億円でも、それを超えるのはオーケーだということだったと思います。ところが、上限一億円ということになると相当厳しいんじゃないかと大変心配している。

 これは、三年に一遍やる、相当大がかりで、好評で、世界でも有名な大地の芸術祭が、補助金が欠けることによって、少し縮小したりとか、開催が難しくなったりとか、短期間になったりとかするということは、地方創生を掲げている今の政府の状況の中、余り芳しいことではないと思うんですが、何とかバックアップをお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

下村国務大臣 御指摘のように、文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業は、予算額に比較して大変多くの申請を受けておりまして、なるべく多くの地方公共団体を採択するため、事業費の二分の一、原則一億円という上限を設けているところであります。

 事業の採択については、現在厳正な審査を行っている段階でありますが、それぞれの事業の内容、意義等を十分に踏まえて、必要な支援について前向きに検討していきたいと思っております。

 それというのも、私自身も、昨年、十日町市に行きまして、この大地の芸術祭についてお聞きしました。それから、市長さんや教育長さんからよく地元の発信で手紙をいただくんですが、今回のことになる以前から、去年はこれは見られなかったので、ことしはぜひ大地の芸術祭に視察がてら伺いたいということを前から言っておりましたら、つい先週、十日町市の関口市長がこのことでも来られました。

 それで特別配慮するというわけではありませんが、委員初め山口代表等、いろいろと指摘をされている中、それだけこれが国際的にも、あるいは芸術関係の方々にも評価されているイベントだということを我々も重く受けとめたいというふうに思っております。

赤羽分科員 豪雪地帯の人口過疎化の中で大変頑張っている数少ない例でありますので、ぜひよろしくお願いしたい、こう思っております。

 また、東京オリンピック・パラリンピックについてもいろいろな要望がありまして、実は私は、“ちいさな企業”成長本部という、経済産業副大臣として全国の現場に行って、中小企業、小規模事業者の皆さんとの長いミーティングをしたり、現場を回るという仕事をしてまいりまして、アベノミクスの効果で、いよいよ頑張ろうとする企業がふえているのは間違いない事実です。地方のリソースを生かすということでさまざま努力している。

 しかし、その中で大変皆さんが注目をしているのは、東京オリンピック・パラリンピックにかかわる何か事業をさせていただきたいということなんですね。

 今、十日町からも言われて、私、十日町市の選出議員でも何でもないんですけれども、その流れの中で、これは実は、一九九九年に国宝に指定をされた縄文時代の火炎型の土器でございまして、十日町から出土されている。大変地域の誇りでもあるんですが、これを、先日、私たちの公明党の山口代表のところにこのレプリカを持ってこられまして、ぜひこれを新国立競技場の聖火台のモチーフにしていただきたいと。なかなか、実物を見ると大変立派な、また日本らしい話ですので、ここで即答を求めませんが、そうした要望があるということもぜひお願いしたいということ。

 あと、いろいろ行くといろいろな土地のものがあって、私は文科副大臣じゃないんですけれども、いろいろ聞いてきまして、高岡というところがございます。ここは銅が出てきて、仏壇ですごく有名なところなんですが、鋳造の技術がすごくて、すずの製品とか銅製品、すごいしゃれて、売られているんですね。少し斜めになるビアカップとか、私も行ったときに、ちょうど銀婚式間近だったので、ペアグラスをちょっと買おうかというような流れになったんですけれども、大変いいものだと。

 あと、すずでアイスクリームのスプーンをつくっていて、熱伝導がいいので、どんなかたいアイスでも、やるとやわらかく食べられるという大変ヒットしているものをつくっている。これも高岡の地場の高田製作所という、本当に地場の若手の経営者がやっているんですね。

 ここで、いろいろ盛り上がったときに、銅とかすずだとお手の物なので、ぜひ銅メダルと銀メダル、こういったものをやはり地元でつくらせていただきたいと。それは大臣にちゃんとお伝えします。

 ですから、そこでというんじゃなくて、全国各地、大変そうした地方のリソースというのはあるはずなので、東京オリンピック・パラリンピックは、もちろん都市での開催ですけれども、やはり全国の、国の行事として、舛添知事が決めることかもしれませんが、ぜひそうしたもの、要望が強いので、この一大国家行事をうまく成功させるためにも、地方創生の時代にふさわしい御配慮をいただきたいと思いますが、御答弁をお願いします。

下村国務大臣 この縄文時代の火炎式土器については、文部科学省の方にもレプリカを持ってきていただいて、展示をさせていただいております。これは本当に聖火台にふさわしいのではないかというのを、五千年前か六千年前かわかりませんが、そんな昔からつくっているというのは本当にすばらしいことで、国宝ですから、もちろんこれは私が決めることではないんですが、オリンピック・パラリンピック組織委員会等にもこの要望については伝えておりますし、できるだけ、今おっしゃったように、高岡のすずについては初めてお聞きしましたが、全国津々浦々、日本の伝統工芸を生かしながら活性化するという意味では、大変重要なことであるというふうに思います。

 オリンピック・パラリンピックそのものは東京でやるわけですけれども、ぜひ全国が津々浦々活性化していくような、そういう地方創生の切り札としての取り組みということで、大変いい提案をしていただきました。内閣府のオリパラ室も含めて、そういうスタンスからもしっかり地方活性化につながる準備をしてまいりたいと思います。

赤羽分科員 どうもありがとうございます。

 福島も、先ほどのイノベーション・コーストも、二〇二〇年を目指してというのが復興のシンボルになっておりますので、地元からも要望があると思いますが、何らかの競技を開催してほしいという要望があることも申し添えたいと思います。

 次に、ちょっと順番を変えまして、和楽器の、小学校、中学校における邦楽教育について、私、実は、このことをこれまで国会で何度も取り上げてまいりました。

 というのは、一つは、愛国心をどうするかという議論がございました。そのときに、法律でそういうことを定めるよりも、私は、邦楽教育を通して、日本の伝統文化、芸術を学ぶ、日本人のアイデンティティーを確立するということが実は大事なことなのではないか、そのことによって、我が国や我が郷土に対する誇りとか愛する心というのが育てられるのではないかという趣旨で質問をさせていただきました。

 それは、実は、私も実体験がございまして、私の小学校の音楽の先生というのが非常にユニークな先生で、邦楽教育を一生懸命やっておりました。自費で琴を購入して、我々に琴を教えていただいて、「さくらさくら」ぐらいのことは我々もちゃんと弾けるようになった。

 そのことというのは、当時は余り思っておりませんでしたが、後年、私は三井物産という総合商社マンで海外に赴任をしておりまして、海外に行くと、そこで琴を少しやったりすると、大変喜ばれるということだけではなくて、やはり日本の文化とかということを自分たち自身がよくわかっているかどうかというのは大変重要なことですし、そうしたことが、正しい日本への理解ですとか、日本民族に対するリスペクトに通じるものだということで、ぜひこういった伝統文化、芸術を推進していただきたいという趣旨で質問を重ねてまいりました。

 平成十七年とか十八年のころというのはなかなか難しくて、そもそも、私が全国の小学校、中学校の音楽室に行くと、ピアノ、オルガンというのは必ずあるんです。しかし、琴とか尺八とか三味線がある学校というのはほとんどないんです。これは何でなんだろう。大体、縦笛のリコーダーは誰でも練習をさせられるけれども、琴なんて見たことがないということが当たり前で、これはそもそもおかしいんじゃないか。ピアノやオルガンの方が簡単だったらそれはよくわかりますが、恐らく、ピアノやオルガンを弾くより琴の方が数段簡単だと私は思いました。

 そうしたことを、どうなのかということを提示して、実は、平成十四年に、まず最初、中学校の学習指導要領が改正になって、三年間で少なくとも一つ以上の和楽器を用いることということが入っているんですが、これは実は、年間一時間から五時間の授業をとることということで、簡単に言うと、太鼓を一回たたけばいいみたいなことがあって、しかし、そうしたにもかかわらず、当時、二四%の学校では一時間も実施できていなかった。これは、楽器の問題もあるし、教える側の問題もある。

 しかし、その後、教育基本法が改正されて、伝統文化の尊重が規定をされたことによって、平成二十年に中学校の学習指導要領がまた改正になりまして、三年間を通じて一種類以上の楽器の表現活動を通して、生徒が我が国や郷土の伝統音楽のよさを味わうことができるよう工夫すること、こういうふうに指導の趣旨の明確化がなされて、それを受けて、平成二十一年度から二十三年度までの三カ年で、教材整備の緊急三カ年計画が作成された、こういうふうに承知をしているところでございます。

 やりとりの中で、当時、池坊さんが副大臣のときに、私の質問の答弁に、「和と出合う」という新聞の記事を紹介していただいたんですが、これは中村吉右衛門さんが子供たちに歌舞伎を教えている、それに関しての記事なんですが、日本の伝統文化というのは全て道を教えている。ですから、感謝の心とか礼儀作法も、知らぬ間に学ぶことができる。また、三味線を教えると、茶髪の女の子が、ギターと同じように、自分でも弾けるんだと大変生き生きとしていて、うるさくしている男の子たちに、静かになさい、こんなよい音楽があるのよと言っているのを見て大変感動したという記事だったと。私も、大変いい話だな、こう思っておりました。

 こうした教え手というのは、実は、学校の先生にはなかなかいないかもしれませんが、町にはたくさんいらっしゃるわけでありまして、こうしたことを、いっとき、ゆとり教育なんかでもうまくビルトインできればよかったんじゃないかと森元総理なんかもおっしゃっていただいたんです。

 こうしたことを、まず、三カ年計画でどれだけ教材がちゃんとふえているのか。また、今後、多分、数字の上では相当満たしているというふうな数字が出てくるんだと思うんですが、私は、小学校、中学校に琴や三味線があって、それが実際十分使われているとはとても想像できないのが正直な話でございまして、この点について、これからの方向性とか、御所見、御決意があればお伺いしたいと思います。

丹羽副大臣 赤羽先生の言うとおり、日本人として生まれて、我が国の伝統文化をたしなむということは非常に大事なことだなというふうに改めて思っております。

 まさにグローバル化が進行する中で、日本人としてのアイデンティティーや我が国の伝統文化に対する深い教養などを備えた人材を育成するということは、これは文部科学省としてもより一層重要に考えております。

 このため、今、学校教育においては、中学校の音楽科において、平成十四年から、先ほど赤羽先生の御指摘がございました、箏や三味線や尺八など、和楽器を用いた表現活動を必修としております。また、小学校の音楽科や、表現活動や鑑賞活動において、和楽器を選択として扱うことができることとしております。

 文部科学省は、現在、やはり教える側、教員側が、和楽器を使ったことがないとか、そういったことがないように、しっかり対応できるように、東京芸術大学と連携して伝統音楽指導者研修会を実施させていただいております。

 ただ、まだまだ、全国的な調査を行いますと、委員御指摘のとおり、学校に和楽器がないというところも、整備できていないというところもたくさんございます。今後とも、和楽器の指導を通じて、児童生徒が我が国の伝統音楽のよさを味わい、豊かな情操を養うことができるよう、伝統音楽に関する指導の充実に邁進していきたいと思います。

赤羽分科員 ありがとうございます。

 この教材整備関係についての予算は、多分、和楽器だけじゃなくて、中学校の武道の用具とか、その辺が大宗を占めているんじゃないかと想像するので、それはそれで一応落ちついていると思いますので、ぜひ邦楽教育を進めていただけるようにお願いしたい、こう思っております。

 時間が限られておりますが、最後に、ちょっと時間がかかるので、はしょって質問をいたしますが、学校の施設環境改善交付金。

 これは、現実には学校の耐震化、もう大変な勢いでやっていただきました。このこと自体、私たち公明党、学校の耐震化を提唱したという立場からも大変喜ばしいことで、現在も九六%、今年度で九八%、ほぼ一〇〇%できることは大変よかった。

 この後どうなるのかというと、多分、学校の冷暖房、空調施設をつけるということがどんどんふえていくのではないか。現状でも相当、いろいろな調査結果を見ますとふえているので、それは僕はいいと思うんですが、そのときに大事なことというのは、その電源をどうするのか。学校教育ですから、ぜひ、基本的には自家発電でお願いしたい。かつて、麻生政権の最後のときに、学校に再生可能エネルギーの施設をつける、太陽光パネルをつけるということで、特段の交付金をつけたときがあって、これというのは、金目の力というのはすごくて、結局、平成二十一年度のときは全国で再生可能エネルギーの設備がついている学校は三・八%にすぎなかったんですけれども、二十五年度では一九・七%、一気にふえているんですね。

 そこで、どうだったかというと、これは実は大変いろいろな効果がありまして、一つは、環境の教育自体、太陽光パネルがあるとか再生可能エネルギーがある、体育館の地下にはクールチューブというのを通して、ちょっと私は具体的にはわかりませんが、冷房にかわるものみたいなことだったと思います、そうしたものがついていくことによって、環境に対する関心が物すごく、格段によくなった。

 それが、実は、環境だけではなくて、防災拠点でありますから、防災拠点でも、太陽光がある限り停電になることは回避できるといったような側面もあって、やっている例示の、北区の滝野川中学校とか江戸川区の小学校とか、松江中学校かな、いろいろ資料もいただいたんですが、要するに、地域の方が防災とか環境をよくしていこうということの地域の拠点に学校施設がなっているという、喜びの声というのが寄せられている。物すごく私はいいことだと思います。

 太陽光発電自体はいろいろな問題が指摘されておりますが、これは接続をしないで、私は、自分のところで、発電量だけで賄うように努力していくというような工夫をすると、恐らく、環境教育、防災の側面、また、最終的には地域の経済の活性化にもつながるというようないろいろなメリットがあると思っております。

 私は、空調の整備が進むということはいいことだと思っておりますが、同時に、どんどん消費電力だけふえるということで本当にいいのかということの教育的な配慮で、ぜひこのことも検討していただきたいということを最後にお願いをして、質問を終わりたいと思います。一言だけ。

下村国務大臣 赤羽委員の質問のセンスがいいといいますか、非常に共有する部分が多々あるものですから、すばらしいなと思いました。

 私も、このスクール・ニューディール事業については、自民党のとき提唱していた一人でありますけれども、今のような視点というのは本当に重要だと思います。しっかり受けとめて、対応するようにしたいと思います。ありがとうございます。

赤羽分科員 どうもありがとうございます。

萩生田主査 これにて赤羽一嘉君の質疑は終了いたしました。

 次に、本村賢太郎君。

本村(賢)分科員 民主党の本村賢太郎でございます。大臣、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず冒頭に、私の地元にJAXA相模原キャンパスがございます。諦めない、努力をする精神を後世に伝えるあの「はやぶさ」から、後継機として「はやぶさ2」が昨年打ち上げられたことは、もう御承知だと思います。

 私ども、地元においても、保育園とか幼稚園、小学生の子供たちが、JAXA相模原キャンパスの影響、「はやぶさ」の影響で、将来、宇宙飛行士になりたいという夢を持った子供たちがたくさんふえていることは非常にうれしいことでありまして、そういった機会も捉えまして、今回、「はやぶさ2」が打ち上げられまして、今後、宇宙開発の利用を進めていく「はやぶさ2」について、大臣の思いと、そして現在の状況について伺います。

    〔主査退席、山下主査代理着席〕

下村国務大臣 御指摘の小惑星探査機「はやぶさ2」は、多くの国民の皆様方の応援と我が国の企業の高い技術力、これまでの研究開発の蓄積があって実現できた探査機であるというふうに理解をしております。

 昨年十二月に種子島宇宙センターから打ち上げられ、本年三月二日に搭載機器の初期機能確認を終了し、現在も順調に航行を続けているところでございます。

 今後、約三年半をかけまして、水や有機物が存在すると考えられるC型小惑星まで飛行し、表面の観測や試料の採取を行い、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される二〇二〇年に地球に帰還する予定であります。

 「はやぶさ2」が無事に地球に帰還できるよう、着実な運用に力を尽くし、その成果により、地球や生命材料物質の起源の一端を明らかにすることを通じまして、国民、特に若者や、御指摘がありました子供たちへの宇宙への関心を高め、夢や希望をもたらすことを期待しております。

本村(賢)分科員 理数離れも叫ばれている昨今でございますので、ぜひ、宇宙科学への関心を抱く子供たちのためにも、また運用面の御支援をお願いしてまいりたいと思います。

 次の質問に入らせていただきます。

 次の質問は戦艦武蔵についてでありまして、昨今、アメリカのマイクロソフト社のポール・アレン氏が、戦艦武蔵と思われる映像を発表いたしました。大臣も御承知だと思いますが、まだ確定はしていないものの、菅官房長官も五日の記者会見におきまして、情報収集、事実確認を行いたいと述べられておりまして、フィリピン政府が調査に乗り出すなど、関心が高まっております。

 きょうは三月十日、東京大空襲から七十年という節目の日でもありますし、また、戦後七十年の節目の年にこうした発見がなされたことに、特別な思いを感ぜずにはいられません。また、武蔵の乗組員の二千三百九十九名のうち、終戦時の生存者が四百三十名と言われておりまして、いまだに御存命の方もいらっしゃいまして、武蔵について、今回、感慨深いというお話も新聞で知りました。

 大臣におかれましては、平和の大切さを感じている今この戦後七十年、集団的自衛権の行使容認問題や戦後七十年談話、こういう大きな安全保障を変えるであろうと言われている節目のときでありますので、平和教育に対しての思いと、それから武蔵発見に対する思いについてお伺いいたします。

下村国務大臣 報道によれば、アメリカのポール・アレン氏らが、戦艦武蔵と見られる船体をフィリピンのシブヤン海の水深約一キロメートルの地点で発見したとのことであります。私としては、戦後七十年の節目の中で、改めて歴史を振り返る一つの契機であるというふうに思います。

 このように、歴史を振り返りつつ、我が国の平和と安全について子供たちが学び考えることは重要であり、現在、学習指導要領に基づき、小中高等学校を通じ、主として社会科や公民科におきまして、憲法の平和主義と我が国の安全、国際協調と国際平和の重要性などについての学習が行われているところであります。

 今後とも、発達の段階に応じ、さきの大戦の経緯や国際平和の実現に努めることの大切さを取り上げることや、戦後七十年を節目として、我が国が国際平和と人類の福祉に寄与するために果たしてきた役割を考えさせるなどの指導を通じ、平和主義や我が国の安全保障、国際貢献について、子供たちの関心、理解を高めることが重要であるというふうに考えております。

本村(賢)分科員 ぜひ、戦後七十年という節目の年でありますので、平和に対する、やはりこういった日本の戦後七十年歩んできたすばらしい歴史を後世につなげるように、文部科学大臣としての御指導をお願いしてまいりたいと思います。

 次の質問は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックについてであります。

 既にさまざまな競技の、二十八競技三百六種目というお話や、アジェンダ二〇二〇で三百十種目にしようというお話も伺っておるわけでありますが、今、十競技について、まだ会場が決まっていないという認識でおります。

 地方創生という視点からも、可能であれば東京以外の開催を検討すべきだと考えておりまして、例えば、バスケや射撃が埼玉県で行われたり、サッカーの予選会が宮城県で行われたり、そういった、東京一極でなく、やはり分散型の形で残りの十競技の場所の選定をお願いしてまいりたいと思いますが、大臣の所見をお伺いしたいと思います。

久保政府参考人 オリンピックでの試合会場でございますけれども、それまでは会場立候補都市で行うのが原則でございましたけれども、このたびのIOC総会で決められましたオリンピックアジェンダ二〇二〇では、特に地理的要因や持続可能性を理由として、オリンピック競技大会における競技及び種別全体を開催都市外にて、また例外的な場合には開催国外にて開催することを認めることとされたところでございます。これを受けまして、二〇二〇年大会の競技会場について、先般の国際オリンピック委員会の理事会におきまして、一部の会場を変更するなどの大会組織委員会の提案が承認されたところでございます。

 今先生おっしゃられたように、残り十会場等について、まだ検討中のところがございます。

 この競技会場を変更したり、あるいは首都圏以外で開催するかどうかにつきましては、国際オリンピック委員会及び国際競技連盟の意向が強く尊重されるところでございまして、今後、大会組織委員会におきまして国内外の競技団体と調整しながら、コスト面のみならず、二〇二〇年大会の盛り上がりやその後のレガシーの創造等の観点から検討が行われるものと承知しておりまして、その動きをいろいろな点から注目してまいりたいと考えているところでございます。

本村(賢)分科員 次に、オリンピックの機会に復興の状況を発信するべきと考えておりまして、福島県の前知事や石巻市長も、聖火リレーを被災地でということで望んでいるということを伺っております。

 二〇二〇年の東京五輪の基本計画においても、「復興・オールジャパン・世界への発信」という一つの柱が掲げられておりますけれども、いかに復興を発信していくのか、お聞きしたいと思います。

下村国務大臣 御指摘のように、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックは、復興五輪として、大会が被災地の復興の後押しとなり、見事に復興を遂げた姿を世界に向けて発信する大会としたいと考えております。

 東日本大震災の被災地では、これまでもJOCがアスリートと子供たちが交流するスポーツイベントを実施してきたところでありまして、二〇二〇年大会に向けても、こうした関連イベントの実施や聖火リレーなどのさまざまな取り組みが考えられると思います。

 このほか、事前合宿におきまして、大会組織委員会において、各国代表選手団に提供する日本国内の合宿候補地リストの作成のための応募要項をことし一月に公表したところでありまして、被災地において積極的な誘致をしていただけるよう促してまいりたいと思います。

 また、大会組織委員会においても、被災三県と国の関係機関を含めた被災地復興支援連絡協議会を設置し、被災三県と連携した取り組みについて検討しているところであります。

 さらに、政府におきましても、一月の二十七日に開催された閣僚会議におきまして、関係施策の進捗状況を確認し、安倍総理からも、また私の方からも、関係閣僚に対し一層の取り組みをお願いしたところであり、今後とも、被災地の地方公共団体の声も十分に伺いながら、大会組織委員会や東京都とも連携して取り組んでまいりたいと思います。

本村(賢)分科員 次に、キャンプ地についてお聞きしたいと思います。

 私どもの地元の相模原においても、東京からの距離の近さや既存のスポーツ施設を活用できることから、ぜひキャンプ地として誘致を、地元市としても上げているところでありますが、このキャンプ地の誘致は各自治体の努力と承知しているところでありますけれども、各国への周知等、国はどのような支援を行うのか、お聞きしたいと思います。

久保政府参考人 キャンプ地の決定についての支援等につきましては、今大臣が答弁させていただきました中にございましたように、事前キャンプ候補地ガイドにリストを掲載するという募集要項を今年一月に発表いたしまして、自治体向けの説明会を実施したところでございまして、今後、四月から具体的な申請登録の受け付けを開始しまして、来年八月、一年半後のリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に合わせて、紹介リストを公開する予定といたしております。

 なお、事前キャンプは、各国、各地域の選手団が任意に実施し、その決定権を有しているものでございますので、この紹介リストの掲載を待たずに、各施設の所有者、自治体が独自に選手団との直接交渉などを行って、事前キャンプの誘致活動に取り組んでいただくことも可能でございますし、そういう自治体も出てきております。

 政府といたしまして、あるいは組織委員会といたしましても、そのような事例を各地域に紹介したり、あるいはそのような取り組みを促すというような支援もあわせて行っていきたいと考えているところでございます。

本村(賢)分科員 ぜひ、東京オリンピックにおいて、国際理解や公衆道徳を向上させるためにも、キャンプ地の誘致なども積極的に応援をしていただきたいと思います。

 それでは、次の質問に入らせていただきます。

 十八歳の選挙権とシチズンシップ教育についてお伺いします。

 三月五日、御承知のとおり、与野党六党で、選挙年齢を十八歳に引き下げる公職選挙法改正案を提出され、来年夏の参議院選挙から適用される方向であります。約二百四十万人の新たな有権者が誕生するわけでありますが、これについて数点お伺いしたいと思います。

 この十八歳選挙権の実施に伴い、シチズンシップ教育の重要性はますます増してくると考えられておりますけれども、文部科学省におきましては、生徒たちへの副教材の製作や教員用の指導資料の製作など、さらには「公共」での授業などを行うと承知しておりますが、どのような内容なのかをお聞きしたいと思います。

小松政府参考人 選挙権年齢が満十八歳以上というふうになりました場合につきましては、現行の学校教育、学習指導要領等に基づいて行われております、我が国の民主政治や議会の仕組み、政治参加の重要性、そういったものの教育の充実も、さらに重要になってまいります。

 このために、私どもといたしましては、昨年十一月に中央教育審議会に対しまして学習指導要領の改訂に関する諮問を行います中で、選挙権年齢の引き下げの検討状況なども踏まえて、高等学校に主体的な社会参画の力を育む新科目を設置すること等について審議をお願いしており、今後、具体的に検討が進むことになる、これが一つでございます。

 ただ、仮に、来夏の参議院通常選挙から選挙権年齢が十八歳以上というふうになりますような場合には、現在の高校生に対する民主主義社会における参加意識を高めるための指導の充実が非常に急がれる課題になります。

 そこで、例えば模擬投票などの実践的、体験的な教育活動、これは既に徐々に広がっており、取り入れた学校では、政治や選挙への関心度が非常に上昇するといったような高い効果が上がっております。こうした取り組みを推進するということが一つ。

 そして、そのために、文部科学省といたしましては、総務省とも連携をいたしまして、本年の夏を大体目途に、模擬選挙などの実践例やワークシートなども盛り込んだ、政治や選挙等に関する指導の充実を図るための副教材、先ほど御指摘のあった点でございますが、こういったものを全ての高校生に配付し、公民や総合的な学習の時間において、体験活動も含めた指導の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。

 もとより、この際に政治的中立の確保等についても十分気をつけてまいる必要があると考えているところでございます。

本村(賢)分科員 大臣にお聞きしたいんですけれども、今、シチズンシップ教育の、これからの十八歳選挙権に向けた文部科学省の取り組みについてお聞きしましたけれども、私、神奈川県で県会議員を以前やっておりまして、二〇一〇年から神奈川では、百四十六校の県立高校で模擬投票といういわゆる体験を高校生に行っているんですけれども、この神奈川の取り組み、二〇一〇年、二〇一三年の参議院で今二回やっておりますけれども、ぜひ全国的な取り組みを行っていくべきじゃないかなと思いますが、大臣のお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。

下村国務大臣 それは非常にいい提案だと思います。

 私も、五年から十年ぐらい前、十八歳に選挙年齢を引き下げる民間団体と一緒にいろいろと活動したことがありまして、このときに、十八歳ですから高校三年生なわけですけれども、高校三年生に聞くと、ぜひ選挙年齢を十八歳からに引き下げてほしいという声の方が少ないんですね。要らない、義務なんか課してほしくないと。いや、これは権利だと、今までの選挙獲得の歴史をちょっと話して、これは権利で大変な歴史の中でかち取ってきたんだと言っても、義務だと思っているんですね、負担が大きいと。

 ですから、模擬投票をすることによって、いかに政治参加の意識を高めていくということでは非常に重要なことだと思います。

 当時、そのとき、そんなことをすると、特定の政党の支持に誘導するようなことになるのではないかというような危惧を言われた方もいらっしゃいましたけれども、今の教員が指導については公正公平にやるということを担保しながらやれば、そのときの世の中の流れの中で、必ずしも、いつも特定の政党に支持が固まってとか、そういうことではないんですね。

 どちらかというと、無党派層の傾向が、若い人はそれだけしがらみがありませんから、高くなるというのはありますけれども、あとは、それぞれの政党の努力でありますから、ぜひ、どちらにしても、十八歳選挙年齢、もう引き下げになるでしょうから、高校生たちに神奈川方式のような模擬投票授業を進めるというのはいいアイデアだと思います。

本村(賢)分科員 若い世代の皆さんが、政治に関心を持っていただいて、政治と生活が一体なんだということをやはり高校生の時代から身にしみて覚えれば、投票率はもっと上がると思いますし、ぜひ、そういった生徒の育成に対して、また御支援をお願いしてまいりたいと思います。

 それでは、次の質問に入ります。

 次は、いじめ対策についてお伺いしたいと思っておりまして、まず、幾つか関連で質問させていただきます。

 まず、川崎市川崎区で、きょうも予算委員会分科会で質問が出たようでありますが、中学一年生の上村遼太君が殺害されるという痛ましい事件が起きたことは御承知だと思います。このような事件を二度と起こしてはならないということでありまして、既に丹羽副大臣を先頭としたタスクフォースというのですか、対策案の検討も取り組まれているということを伺っておりますし、きのうまでが締め切りで緊急確認調査が行われ、これからは学校と警察の調査も行われるということを伺っているんですが、それに対しまして幾つかお伺いしたいと思うんです。

 まず、今回の事件で、やはり個人情報というキーワードが、この遼太君の情報が警察を初め余り行き届いていない部分があったということを各報道からも承知しているんですが、これに関して、学校の現場では、外部との連携に際して個人情報の提供が問題になる場合があると聞いています。

 そこで、消費者庁に伺いたいんですが、個人情報保護法における個人情報取扱事業者には学校は含まれているのかどうか、お伺いします。

服部政府参考人 お答えさせていただきます。

 個人情報保護法は、民間事業者を対象とした法律であるところでございます。五千人分を超える個人情報をデータベース化して事業の用に供している私立学校であれば、個人情報保護法上の個人情報取扱事業者に該当いたします。

 一方、公立学校につきましては、個人情報保護法ではなく、各地方公共団体の個人情報保護条例が適用されることとなっております。

本村(賢)分科員 個人情報保護法の第二十三条の一項の三では、公衆衛生の向上または児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるときには、本人の同意なく第三者に個人情報を提供することを認めていると思うんですが、これは不登校の対応等も含むものであるのか、消費者庁の見解をお伺いします。

服部政府参考人 個人情報保護法では、個人情報を第三者に提供するときは本人の同意を得ていただく、このことが原則となっております。

 他方、先生御指摘の、公衆衛生の向上または児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるときは、あらかじめ本人の同意を得ずに、個人データを第三者に提供することができるとされております。

 不登校や不良行為など児童生徒の問題的な行動につきまして、学校、児童相談所、医療機関等の関係機関が連携して対応する必要がある場合には、本人に同意を得ずに、これらの機関に個人情報を提供する、このことは個人情報保護法上可能であると解されております。

本村(賢)分科員 今の消費者庁の答弁は二つありましたけれども、それらを受けて、文科大臣、いかがでしょうか。お伺いいたします。

下村国務大臣 本村委員も神奈川県ということですので、川崎の状況もより深く御存じかと思いますが、客観的に見て、ちょっと学校の閉鎖性といいますか、警察と学校との接点が今までなかったというところがあるのではないかということが、地元の方々からよく聞こえてまいります。

 そして、これは特別な事例ではない、どこでも、もしかしたら第二の上村さんのような事件は起きるかもしれないということを危機意識を持って、そして、このような事案がもう二度と起こることがないような断固たる決意で臨みたいというふうに考えまして、今、安倍政権において、文部科学省を中心に関係省庁も一緒になってもらって、丹羽副大臣を主査とするタスクフォースを立ち上げまして、既に三回、会議を立ち上げました。

 具体的に、丹羽副大臣には、川崎に派遣をしまして、川崎市は、もともと第三者委員会も、内部だけでつくるということだったんですが、これはもう第三者にも入ってもらわないと、より何が問題だったのか、どんなことを今後改善するのかということが客観的にわからないのではないかということで、文部科学省もかなり細かく、川崎の市長やあるいは教育長に対して要望しているところでございます。このタスクフォースについては、今月中に一定の取りまとめをいたします。

 そして、先ほどもちょっと御指摘がありましたが、同時に、全国の小中高等学校に対し、七日間以上連続で連絡がとれず、生命または身体に被害が生じるおそれがある児童生徒等の緊急確認調査を実施して、その結果を今月十三日に公表するということにしております。

 個人情報保護法とかありますが、その前に、その命がなくなるということがあってはならないわけでございまして、現状の問題は何なのか、そしてこれからの課題は何なのか、それを早く解決するためにどうしていったらいいのか、実効ある再発防止策を迅速に対処してまいりたいと思います。

本村(賢)分科員 次に、スクールソーシャルワーカーの拡充について、来年度の予算でも大分予算がつけられておりますけれども、学校と児童相談所、福祉事務所などが連携をして、いじめや不登校の問題を抱える子供たちの支援を行うということであります。

 私も、今回の事件が起こるまで、恥ずかしい話ですが余りよく承知していなかったんですが、今回、このスクールソーシャルワーカーの問題がやはり指摘をされておりまして、教師という教育の専門職、そしてスクールカウンセラーという心理の専門職、そして今回指摘をしましたスクールソーシャルワーカーという福祉の専門職、こうした皆さんの一体的な取り組みが不足していたのではないかと認識をしております。

 特に、被害者のお母さんが、遼太が学校に行くよりも前に私が出勤しなければいけなく、また、遅い時間に帰宅するので、遼太が日中、何をしているのか十分に把握することができませんでしたと訴えがありました。

 私自身もゼロ歳から母に育てられておりましたから、このお母さんの言葉というのは非常に重い言葉だなと思っているんですが、このお母さんの訴えに胸が詰まる思いであります。

 一人親家庭の貧困の問題もあり、なかなか家庭ではケアできないこともあるんですが、スクールソーシャルワーカーの活用が今後必要だと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。

小松政府参考人 スクールソーシャルワーカーの役割は、社会福祉等のさまざまな制度、仕組みと、それから、学校に通うお子様方、またその家庭とを学校にあってつないでいく非常に重要な役目を果たす方々でございます。そして、近年特に、その重要性あるいは効果等が報告される機会が多くなっております。

 文部科学省といたしましては、学校の先生だけが全てのことを背負うのではなく、多様な人材を配置して、学校がチームとして教育力、組織力を最大限発揮できるようにする上で、スクールソーシャルワーカーの充実が非常に重要だと考えております。

 先ほど先生から御指摘ありましたスクールソーシャルワーカーの充実につきましては、今年度、千四百六十六人の予算上の配置を持っておりますけれども、来年度予算案におきましては二千二百四十七人と約一・五倍増に、力を入れて案を盛り込んでいるところでございます。

 さまざまな人材を活用しながら、学校全体としてそうしたつながりができますような体制の充実を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

本村(賢)分科員 最後に、インクルーシブ教育の推進についてお伺いしたいと思っております。

 やはり障害を持っている皆さんがまだなかなか理解されていない部分がありまして、さまざまな立場で助け合って、心を一つにして生きていくんだという形で、私はインクルーシブ教育の推進をするべきだと思っておりますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

下村国務大臣 昨年一月二十日に我が国が批准した障害者の権利に関する条約において提唱されましたインクルーシブ教育システムの実現に向けた取り組みは、御指摘のように、障害のある子供と障害のない子供の相互の理解を深めるためにも大変重要であるというふうに思います。

 文科省では、平成二十五年八月に学校教育法施行令を改正いたしまして、個々の障害の状態等を踏まえ、総合的な観点から就学先を決定する仕組みを対応することにいたしました。

 インクルーシブ教育システム構築に向けた取り組みを支援する事業、また特別支援教育支援員の配置、そしてインクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育の充実に、さらに取り組んでまいりたいと思います。

本村(賢)分科員 これで質問を終わりにします。ありがとうございました。

山下主査代理 これにて本村賢太郎君の質疑は終了いたしました。

 次に、安藤裕君。

安藤分科員 自民党の安藤裕でございます。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。長時間お疲れさまでございます。

 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 昨年から東京大学の理学部においてグローバルサイエンスコースというものが設置をされておりますが、まず、このコースの概要と設置の目的についてお伺いをいたします。

吉田政府参考人 御指摘の東京大学理学部のグローバルサイエンスコースは、理学部の三、四年次に海外からの優秀な留学生を受け入れることにより、理学部の国際的な環境を推進し、俯瞰的科学力を備えたグローバルリーダーを育成することを目的として実施したものと承知しております。

 具体的には、全ての講義を英語で行うこととし、海外の大学の学士課程を二年以上修め学部三年生に編入学した留学生と日本人の学生が同じ講義を受講することで国際的な環境を推進しようとするものでございます。

 平成二十六年十月からは、まず化学科から学生の受け入れを開始しておりますが、今後は徐々に拡大し、最終的には理学部全体で実施する予定であると聞いておるところでございます。

安藤分科員 ありがとうございます。

 昨年、平成二十六年には、七名の留学生の方々がこのコースで入ってきたということですけれども、この方々の選考がどのように行われたのか、そしてその選考基準はどのようになっているのかをお答えいただきたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 本コースの学生募集に当たりましては、海外の大学学部課程を二年以上修めていること、最低六十二単位修得していること、また理学について基礎知識を有していること、また英語が堪能であること、これらを要件といたしまして、エッセー、大学での成績、推薦状などの書類審査により選抜したと聞いております。

 選考基準につきましては、東京大学理学部の学生と同等以上の基礎学力を有している学生を選考することとされております。また、エッセーや推薦状によりまして、学生の資質や強い勉学意欲についても選考の対象になっていると聞いております。

安藤分科員 ありがとうございます。

 次に、この七名の留学生の皆さん方についてお尋ねをしたいと思います。どのような方が入学をされているのか、国籍、それから奨学金、生活面での待遇、そして日本語能力、そしてまた、改めてになりますが、学力について、それぞれお答えいただきたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 平成二十六年十月一日より受け入れました留学生は、中国の大学から六名、米国の大学から一名の計七名でございますが、この七名の留学生の国籍で申しますと、全員中国ということになっております。

 留学生の待遇につきましては、授業料は一般の学生と同様に納入する必要がございますけれども、大学の方からは月額十五万円の奨学金を二年間給付し、また宿舎についても無償提供し、さらに、日本人の学生チューター並びに実験にはティーチングアシスタント、TAを配置するといったサポートを行っているところでございます。

 また、英語による授業が行われますことから、入学時にこれらの学生につきまして日本語能力があることを求めてはおりませんが、週二回の日本語の授業といったものを課しておりまして、日本語での会話能力の育成にも努めているところでございます。

安藤分科員 ありがとうございます。

 今までもこのような国費留学生の形で日本に留学をしてこられた留学生の方々、数多くおられると思いますが、今までの留学生の皆さん方の卒業後の進路など、こういったものもある程度把握をなさっていると思いますが、今までの留学生の皆さん方のこの制度、外国人の方を日本が国費で負担をして留学をしていただいて、そして帰っていただいて仕事をしてもらっていると思うんですけれども、これが日本の国益に対してどのように貢献をしているのかということを、文部科学省の今の評価を教えていただきたいと思います。

吉田政府参考人 先生御指摘は国費留学生のところだと思いますけれども、国費外国人留学生制度におきましては、これまで約百六十カ国から約九万五千人の留学生を受け入れてきておりまして、我が国の国際化を推進し、国際的相互理解の促進あるいは人材育成を通じた国際貢献、我が国の教育研究の充実に貢献しているものと認識をしております。

 今後は、さらに、我が国の産業の発展あるいは緊密な国際連携を実現し、我が国の国際的プレゼンスを向上させ、日本の国益に資する制度とすることも重要であるというふうに考えております。

 このため、平成二十五年十二月に、文部科学省におきましては、「世界の成長を取り込むための外国人留学生の受入れ戦略」を取りまとめました。

 ここでは、我が国の産業の発展や緊密な国際連携を進める上で重要な分野や地域などを設定いたしまして、国費外国人留学生制度において、これらを踏まえた優先的な採用を進めることとしておるところでございます。

 また、日本の文化や慣習等につきまして理解を深めた外国人留学生は、我が国にとって非常に貴重な財産と言うことができようかと思います。この財産につきましては、外務省とも連携いたしまして、帰国後の留学生の人的ネットワークの構築にも努めているところでございます。

 今後とも、戦略的に優秀な外国人留学生の受け入れを進めていくことは重要でございまして、関係省庁と密接に連携しながら取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。

安藤分科員 ありがとうございます。

 これだけのお金を今回のコースの皆さん方にも出していくわけですから、本当に日本の国益に資するということが国民の皆様方にも御納得をいただけないといけないと思いますので、しっかりとその後のフォローもしていただきたいというふうに思います。

 そして、このグローバルサイエンスコースで入学をした皆さん方は、日本の学生、東大の学生の皆さん方にも物すごく刺激を与えていただく立場でないといけないと思いますが、本当に東大の皆さん方がびっくりするような学力を持ち合わせているのか。そして、中国の大学から六名、米国の大学から一名が編入してきたということですけれども、この人たちはどういった理由で日本の東大に来ようと思ったのか、その理由もあわせてお答えいただきたいと思います。

吉田政府参考人 東京大学に来ております七名の留学生は、中国の大学、米国の大学ですが、それぞれの地域におきましてトップクラスの大学から入学をしてきておりまして、勉学意欲も高く、学習能力も高いという評価を大学の方ではしているところでございます。

 なお、これらの留学生が日本に来る主な理由といたしましては、一つは、総合的なアカデミックプログラムとして評価できるプログラムであること、これについて、そのように答えている者が五人ございます。また、研究分野に興味があるからという理由を挙げる者が三人ございます。日本で勉強したいからという者が二人。そして、経済的支援が魅力的であるからというのが二人ということで、これは複数回答ということになっておりますので、今のような数字になってくるわけでございます。

 これらを考えてみますと、多くは、学習内容面での魅力を感じて入学をしてきているというふうに考えることができると思います。

安藤分科員 ありがとうございます。

 単に、奨学金がたくさん出て、お金の面で大変利益があるから日本に来たいという理由ではなくて、ぜひとも日本で勉強がしたいという理由で来てくれる人をふやしていただくように、これもしっかりと見ていただきたいと思います。

 そして、東大の記者発表によると、このグローバルサイエンスコースは、制度開始となる二十六年度は、限定的な実施となっていますが、今後は徐々に広げていき、最終的には理学部全体で実施する予定ですという記載があります。

 これの意味を確認したいんですけれども、これから東大の理学部では、講義を全て英語で行うこととする、つまり、日本語による授業は行わないこととするということなんでしょうか。

吉田政府参考人 先生御指摘のように、東京大学理学部のグローバルサイエンスコースは、まずは化学科の取り組みからスタートをしておりますけれども、今後、徐々に理学部全体に広げていく方針と聞いております。

 なお、東京大学理学部化学科では、現在、既に三、四年次の授業は英語で実施をしているところでございます。そういった事情も、今回こういったコースを導入するに当たりましては有意義な点だった、こう思います。

 こういった取り組みを他学科に広げていくに当たりまして、化学科と同様に全ての授業を英語だけにするかどうかなど、具体的な点については今後の検討課題であるというふうに承知をしております。

安藤分科員 ありがとうございます。

 東大理学部の化学科では、もう既に、日本語による授業は行われないで英語による授業になっているということですね。

吉田政府参考人 三、四年次。(安藤分科員「三、四年次」と呼ぶ)はい。一、二年次は。

安藤分科員 それで、諸外国では母国語以外で最高学府の教育を行っている例がありますか。それから、先進国ではそういった例があるのかどうか、それもあわせてお答えいただきたいと思います。

吉田政府参考人 文部科学省といたしまして、諸外国における例を網羅的に把握しているわけではございませんけれども、オランダ、ドイツ、スウェーデンなど、欧州の非英語圏では、英語により実施される教育プログラムが拡大をしてきております。二〇〇一年から二〇一四年の間に約十二倍に増加したと聞いております。数字を申し上げますと、二〇〇一年に七百二十五プログラムであったものが、二〇一四年には八千八百九プログラムに増加をしているという傾向がございます。

 この中で、オランダの例を引いてみますと、全部で十三の大学がございますが、この大半で修士課程の半数以上、そのうち六大学では八割以上が英語により提供をされているという形になっております。ただ、オランダにおきましても、学士課程の部分につきましては、大半の課程が引き続き母国語、すなわちオランダ語で提供されているということがございます。

 なお、近隣の韓国の例を申し上げますと、四十三の大学、これは全部で四百三十二の大学がございますけれども、そのうちの四十三大学におきまして、英語による授業のみで学位が取得できるプログラムを一年以上開講している、こういった調査結果もございます。

安藤分科員 ありがとうございます。

 どの言葉で教育を行うかということは大変大事だと思うんです。私も、何人か、研究所の方とか、とある大学の先生方にお話を聞いても、学部レベルまでは母国語でやるべきだ、大学院レベルは英語にしてもいいけれどもという意見は大変よく聞くんです。

 それで、これは藤田悟さんという方が「子どもとゆく」という本を出しておられるんですけれども、その中に、英語で教育を行っている国の特徴というものを三つの類型に分類されております。一つが、多民族国家で国内を統一する言語がない場合に、国内共通語として外国語を使わざるを得ない場合。そしてもう一つの類型が、一つの自国語で近代文化の全ての活動分野にわたって賄えるほどに、その言語が近代化という意味で成熟をしていない。そして三つ目の類型が、ほぼ単一言語の国家であっても、規模が小さいために全ての社会、文化活動を自国語で賄い切れない。

 こういった国々は外国語によって教育を行っていると言われるんですけれども、日本はこれらのどれにも当てはまらない。人口は一億人を超えているし、人口の九九%が共通語を使うことができる。大学院の教育も、一部を除きほぼ最後まで日本語だけで賄える。多分、こういう国は世界に日本以外にない。上の条件のどれもうらやむべきものではないとすれば、英語ができない日本人は恵まれた条件の当然の帰結ということになるということが書かれております。

 それともう一つ、これは伊東乾という方の「日本にノーベル賞が来る理由」という本からですけれども、日本が本当に自覚をすべきこととして、歴代のノーベル賞受賞業績を見ると、さまざまな国で生まれた科学者が重要な貢献をしているのがわかります。しかし、後に見るように、科学者が先端的な研究を推進する、いわば舞台は、ヨーロッパと北米大陸に限られ、極めて少数の例外としてオーストラリアやイスラエル、そして日本が基礎科学を推進していることがわかります。中国やインドなどの出身者は主に米国で研究してノーベル賞を得ていますが、国家としての中国やインドは軍備や核開発などに多くの予算を割いて、世界の先端を切り開く科学技術の揺りかごとしては認識をされていません。

 そんな中で、日本は非常に例外的なのです。自国で生まれ、自国語で世界最高度の教育を受けた科学者が、内外で世界をリードする研究を進めている国は、ほかにほとんど存在をしていません。これは日本の誇るべき伝統として自覚をしてよいと思います。

 途上国に出かけると、どうして日本はあんなに成功したんですか、その秘密はと真剣に尋ねられます。実際、純国産と言えるサイエンスで十を超えるノーベル賞をとった非西欧圏の国は日本しかありませんということが書かれております。

 ノーベル賞をとられた益川敏英先生も、私がノーベル賞をとれたのは日本語で教育を受けたことが大きいということを言っておられます。

 私は、今回の東大理学部の授業を、全部、日本語を使わずに英語で行うこととするのは、本当の日本の教育の強みである母国語で世界最高水準の教育を受けることができる環境を失うことにつながるのではないか、それによって日本の科学技術の水準は低下をしていくのではないかということを大変に心配しておりますが、このことについて、文部科学省の見解をお知らせいただきたいと思います。

吉田政府参考人 先生が触れられましたように、明治以来の近代化の過程で、先達たちの努力によりまして、母国語、日本語によりまして高等教育が受けられる環境が形成されてきたということは、我が国にとって一つの誇りとすべき事柄であるというふうに思います。

 文部科学省におきましても、各種の大学の国際化を推進するための事業は進めておりますけれども、これらの事業に採択された大学におきましても、多数を占める日本人学生のために、母国語である日本語により最高レベルの教育を受けられる環境を整えるということは、これは当然のことだというふうに思います。

 ただ、一方、社会のグローバル化の中で、学生に英語などの語学力を身につけさせることは、グローバル人材の育成という観点から、また重要な事柄であるというふうに認識をしております。

 一方、外国から優秀な人材を招く上で、英語などの外国語による授業の実施や、外国語のみで卒業可能なコースの設置ということも、これもまた有効な方策の一つでございまして、これらについては各大学の判断で積極的に取り組むことを期待しているところでございます。

 ただ、このような場合でも、外国人研究者や留学生に対する充実した日本語教育の体制が構築されていることもまた重要でございまして、例えば、私どもの方で進めておりますスーパーグローバル大学創成支援におきましても、外国人留学生や外国人研究者に対する日本語教育の充実というのを観点の一つとして審査を実施した上で採択校を決定しているところでございまして、留学生や外国人研究者に対しましても日本語による教育の展開を図るということにしておるところでございます。

安藤分科員 心配なのは、結局、日本人の学生に徹底的に考えさせる、そしていろいろな発想をさせるのは、やはり母国語で考えさせるということが一番大事なんだと思うんです。やはりそこのところをしっかりと把握しながら外国語教育もしていくという方針は、ぜひとも堅持をしていただきたいと思います。

 次に、文部科学省が今、世界の大学ランキングのトップ百に十大学を入れることを目指すということを方針として出されておられますが、その目的と、それからあわせて、この大学ランキングを上げるためにどのような方策を考えておられるのか、それを教えていただきたいと思います。

吉田政府参考人 文部科学省では、今年度から開始をいたしましたスーパーグローバル大学創成支援におきまして、世界大学ランキングトップ百を目指す力のある大学を含む三十七大学の徹底した国際化の取り組みを重点的に支援しているところでございます。

 この目的は、国際的な頭脳循環が加速する昨今、国の内外を問わず優秀な教員を獲得すること、また優秀な学生を獲得すること、これは学内の教育研究環境に多様性をもたらすものであり、また大学の力を向上させる上で不可欠のことだというふうに考えております。

 特に、教員という面におきましては、事実上、世界の主要大学におきましては、外国人教員比率が二割から四割といったレベルになっているところでございまして、そういった点は十分に考慮すべきかというふうに考えております。

安藤分科員 ありがとうございます。

 評価を上げるために外国人の教員の比率を上げるということもお考えなんだと思うんですけれども、これは例えば、タイムズ・ハイアー・エデュケーションの評価基準だと、国際の評価を上げても、これはわずか百点満点のうち七・五%しかポイント換算がされない。だから、この国際のところで満点をとっても、七・五点しか加点がされないわけですね。

 そして、国際の点数を上げるために外国人比率を上げることを一生懸命やると、これは逆に日本人の職を失うということにつながっていくのではないか。

 日本人と同じぐらい能力を持った外国人がいて、一つの教授のポストを争うときに、このランキングを上げるために外国人を採用しなきゃいけないということになると、同じ能力があると、外国人という理由だけで採用されて、外国人には安定的な研究するポストが与えられるのに、日本人には逆にそういったポストが与えられないという状況になるのではないか。

 結果的にこれが日本の科学技術の研究力というものを下げることにつながるのではないかということを心配しておりますが、このことについての文部科学省の見解をお答えいただきたいと思います。

吉田政府参考人 先生御指摘のように、タイムズ・ハイアー・エデュケーションの指標には、大きく言いまして五つございます。

 教育が三〇%、それから論文引用が三〇%、そして研究が三〇%、そして、先ほど御指摘されましたように国際が七・五%、産学連携が二・五%でございます。

 その国際といったときに、これも七・五%でございますが、論文の引用といったところにつきましても、これはやはり国際化といったものが大きくかかわってくるものがございますので、やはりそういった点の指標を上げていくということもランキングを上げる上においては重要なことかというふうに思います。

 先ほど、教員の関係でございますけれども、外国人であるから教員として採用するんだというのは、これは少し本筋から外れる話だと思います。やはり、大学に必要な、優秀な教員を採用していくという基本方針、これは各大学とも堅持をしているところだと思いますけれども、現在、我が国の大学の外国人教員比率は、代表的な研究大学でございます東京大学におきましても八・七%、一割弱という低い水準にとどまっております。

 今後、外国人教員もさることながら、あわせまして、海外の大学の学位を有したり、海外の大学での教育研究経験を有する日本人教員もふやしまして、大学の教育研究の国際性を高め、我が国の大学の教育研究力の向上と世界的なプレゼンスの維持向上といったものを図ってまいりたいと思います。

 先ほどちょっと触れましたスーパーグローバル大学創成支援事業におきましても、外国人教員と外国での教育研究経験を有する日本人教員を積極的に採用する方向で打ち出したところでございます。

安藤分科員 ありがとうございます。

 ちょっとおもしろい資料がありまして、首都大学東京が物すごく論文引用が世界でされているみたいで、タイムズ・ハイアー・エデュケーションの資料でも、東京大学よりも圧倒的に首都大学東京が点数が大きいんです。これは質問通告していませんので結構なんですけれども、首都大学東京は、この論文引用で九七・一ポイントとっているんですね。一位のカリフォルニア工科大学は九九・七%、スタンフォードが九九・三に対して、もうほとんどそれと遜色のない点数を首都大学東京は持っている。

 それは、物すごく論文引用をされる研究者の方が二名おられるということなんです。これによって、論文引用というのは三〇%のポイントがありますから、物すごくランクがこれだけで上がるんですね。

 なので、これは要望ですけれども、外国人教員をふやすと、さっきも言ったみたいに、ポイントはわずか七・五%しか換算がされないのに対して、論文引用は三〇%が換算をされる。ということは、物すごく業績のある研究者の人を一人、二人、三人と引っ張ってきたら、それだけで多分このタイムズ・ハイアー・エデュケーションのランキングというのは上がるんですよ。

 ぜひともそういったことを考えていただいて、外国人教員を入れなきゃいけないということで日本人の職が奪われることがないようにということは切に要望しておきたいと思います。

 それと、最後の質問になりますけれども、これも先ほどちょっと紹介した「日本にノーベル賞が来る理由」という本に、こういうことが書いてあります。

 日本では、ノーベル賞が出ると、慌てて後追いの文化勲章が出ることが非常に多いです。逆に言えば、海外から賞をもらうまで、日本で研究者は社会的にありがたがられていません。大半の日本のノーベル賞業績は、びっくりするほど昔に完成された研究が、国内では化石のように眠っていて、海外の後続研究、とりわけ実用化が引き金となって発掘、受賞に至るケースがほとんどなのです。

 江崎玲於奈博士は、日本は評価をしないというより、避けようとする社会だと断言をしています。実際、江崎さんの業績にいち早く着目をして、ヘッドハンティングしたのはアメリカのIBMでした。IBMに移った江崎さんは怒濤のような業績を上げてノーベル物理学賞を受賞しましたが、全ては米国側のバックアップによるものです。こうした現象の全体を、頭脳が流出せざるを得ない日本の問題として考える必要があります。

 ある科学技術の業績を評価をするときに、実は一番問われるのは評価する側です。きちんとした評価を下すためには、大変な労力や予算が必要不可欠なのです。一番面倒な部分を回避して、舶来の評価への追随と、根拠不明の権威主義がまかり通っているのが、今の日本の現実の姿です。そしてこの現状と、先ほどの人事の非対称性、つまり鎖国状況とは、実は密接なかかわりがあるのです。

 世界じゅうの科学技術を評価する格付の仕事は重要で、費用もかかりますが、一度格付のブランドを確立すると、お金では買えない効力を発揮しますということがこの本に書いてあるんです。

 ぜひとも最後にお伺いをしたいのは、日本版の大学のランキングやあるいは日本版のノーベル賞などを構想して、日本が世界の科学技術を評価して、日本が評価したのは本当に世界一なんだというようなブランドを確立するというのは、これは本当に日本がこれから世界の中で科学技術で立国をしていく上では大変重要な発想ではないか。海外の評価に追随するんではなくて、日本がその旗を立てていくんだという発想がこれからの日本が世界に伍していくには必要なんではないかと思いますけれども、そのことについて、文部科学省の御判断、今の見解をお聞かせいただきたいと思います。

下村国務大臣 結論から言うと、志としてはそのとおりだと思います。

 ただ、世界はどういうところが発展するのかということでいえば、魅力のあるところなんですね。魅力のあるところというのは、つまり、すぐれた人材が集まる、すぐれた科学技術が集積する、そういう場所なわけです。

 そのためには、やはりグローバル化というのは避けて通れません。日本だけでやっても、結果的には独善的でガラパゴスのようになってしまったら、グローバル化の中でならないんですね。ですから、残念ながら、英語はもう世界共通語ですから、これについてはグローバルな戦いをするためには、それもマスターしていかなければならない。

 一方で、委員がおっしゃったように、英語にはない日本語の魅力があることは事実です。私は、マレーシアへ行ったときにマハティール元首相から、ぜひマレーシアに日本の大学を誘致してほしい、日本語で教えてほしいと。それは、マレーシアのあるいは英語の、ほかの言語では育めないような、日本語が持っている人に対する優しさとか慈しみとか思いやりとかおもてなしですね、これは日本語がすぐれている。そういう分野も必要です。

 一方で、アメリカへ行ったとき、全米アカデミーからは、日本から全く発信がないと。それは、日本語だけで論文を書いても、誰も読まないし読めない。同時に英語を発信すれば、もっと世界から注目されるような部分があるだろうということでは、やはり日本だけでやっても、これは世界の中ではおくれていきます。国際社会の中で伍して、一方で日本の強みをどうつくっていくかということだと思うんですね。

 ですから、その日本版の大学ランキングというのは、志としてはよくわかります。しかし、実際に、世界大学ランキングというのは国がつくっているわけではなくて、御指摘がありましたように、海外の民間企業がそれぞれ独自の設定する評価指標に基づき作成している。我が国の大学の国際的な評価や課題を知る上で参考にはなるけれども、それぞれがそれぞれの中でつくっている。ですから、日本においても大学の評価はさまざまな視点や評価があるわけで、そういう中で、国が世界の大学をランキングづけすることは、これは適切でなく、国内外のさまざまな主体による信頼性の高い多様な評価が望まれる。日本のどこかがつくるということはいいかもしれませんが、国がつくるということではないというふうに思います。

 しかし、ぜひ日本版のそういう物差しが世界で、グローバルとして通用するようなパワーを、魅力を日本がまずつくっていくということが求められるのではないかと思います。

安藤分科員 ぜひともそのように世界が日本に注目するような環境をつくっていただきたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

山下主査代理 これにて安藤裕君の質疑は終了いたしました。

 次に、角田秀穂君。

角田分科員 公明党の角田秀穂でございます。

 当選後、初めて質問に立たせていただきます。早朝からお疲れかと思いますが、何とぞよろしくお願いを申し上げます。

 初めに、特別支援教育について幾つかお伺いをいたします。

 来年度の予算案において、特別支援教育の充実に向けて、インクルーシブ教育システムの構築のための、障害のある児童生徒等の自立と社会参加の加速化に向けた取り組みの充実を図るとしております。これは、障害者権利条約批准に当たっての環境整備として前面に押し出されてきたものと思いますが、では、具体的に、我が国においてインクルーシブ教育というものをどのように考え、その将来像をどのように描いているのかということが私自身もイメージがよくできておりませんので、まずこのことからお伺いをしたいと思います。

 現在進められている特別支援教育、特別支援学校や特別支援教室、通級指導教室など、整備充実が進められているわけですが、その流れが今後変わっていくのかどうか、このことも含めて、具体的にどのように取り組みを進めていこうとしているのか、まずお伺いをしたいと思います。

下村国務大臣 昨年一月二十日に我が国が批准した障害者の権利に関する条約において提唱されたインクルーシブ教育システムの実現に向けた取り組みは非常に重要だというふうに考えております。

 インクルーシブ教育システムにおきまして、同じ場でともに学ぶことを追求するとともに、障害のある子供の教育的ニーズに的確に応えることができるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学び場の整備が必要だというふうに考えます。

 このように、インクルーシブ教育システムにおきまして特別支援学級も大きな役割を担うものであり、文部科学省においては、特別支援学級の増設や学校のバリアフリー化、用途変更のための施設整備に対して経費の一部を補助しております。

 また、インクルーシブ教育システム構築に向けた取り組みを支援する事業や、児童生徒の日常生活上の介助や学習活動上のサポートを行う特別支援教育支援員の配置に係る地方財政措置等を実施しており、引き続き、インクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育の充実に取り組んでまいりたいと考えております。

角田分科員 そのように、これからインクルーシブ教育を推進していくに当たって、その充実のためには、それにかかわる人材の養成確保というのも非常に大きな課題になってこようかと思います。

 このことについて、特別支援学校の学級数をふやす、特別支援学級をふやすという場合に、教室は確保できても、十分なスキルを持った教員を確保することが難しいために、十分な対応が困難というような現場の声も聞きます。

 教員の年齢構成の偏りというものもその一因として指摘をされております。現状を見ますと、教員の年齢構成は、公立の小学校、中学校とも、四十五歳以上が五割以上を占めている、その分、若い方が少ないという現状がございます。

 今後、教職員の資質の向上をどのように図っていくのか、人材を確保していくかが大きな課題だと思いますが、この点についてどのようにお取り組みになるのか、お伺いをしたいと思います。

小松政府参考人 お答えいたします。

 ただいまの御指摘のとおり、特別支援学級などの特別支援教育を担当する先生方の専門性を向上していくということは大変重要な課題になっていると考えております。とりわけ、その学級数や対象人数がふえている中でのことでございます。

 そこで、文部科学省におきましては、一つは、各教育委員会に対しまして、学校の内外での研修の実施による先生方の専門性の向上というものを求めてきております。これは、毎年、さまざまな打ち合わせの場で求めているところでございます。

 それから、もう一つは、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所におきまして、各都道府県の指導者層、先生方の研修の中心になる指導者層の人々を育てるための研修を行っております。二カ月にわたって二百名ずつ研修していくという相当なものでございます。こうしたものや、協議会などを実施しているところでございます。

 それから、もう一つの手段といたしまして、特別支援学級を担当する先生方については、特別支援学校の先生の免許状を保有しているということが専門性の向上の観点から望ましいということが言えます。そこで、この点につきましては、教育委員会に対しまして、免許状取得のための免許法の認定講習の受講機会の拡大を求めるということをいたしております。

 そして、あわせまして、平成二十七年度の予算案につきましては、大学に対してこの免許法認定講習の開設を委託する特別支援教育に関する教職員等の資質向上事業というものを拡充して計上しているところでございます。

 こういうさまざまな手段によりまして、特別支援教育に関する先生方の御指摘の専門性向上というものに努めてまいりたいと考えております。

角田分科員 今後、特別支援教育の充実を図っていく上で大事なことというのは、一人一人の子供のニーズに合った適切な指導、支援というものが講じられていくことが一番大事だろうというふうに思います。そうした意味で、これから、一貫した支援、これをどう図っていくのか、こうしたことも大きな課題になってこようかと思います。

 今、地方創生総合戦略の一環として、出産から子育てまで総合的な相談支援というものをワンストップで提供する拠点として、子育て世代包括支援センター、いわゆる日本版ネウボラの整備が全国的にこれから進もうとしております。こうした流れに合わせて、就学前から就学した後まで一貫した適切な支援が講じられるよう、教育の側からもより一層の連携の取り組みというものが求められてくると考えますが、このことについて御見解をお伺いしたいと思います。

小松政府参考人 ただいま御指摘のとおり、障害のあるお子さんへの早期からの支援、就学前後を含めた一貫した支援のためには、就学の前から関係機関との連携による一貫した支援を行うということが必要だというふうに私どもも認識をいたしております。

 そこで、各都道府県教育委員会及び、これは知事部局も関係いたします、知事に対しまして、この旨を通知によって求めているところでございます。

 それから、文部科学省におきましては、教育と保育、福祉、保健、医療等の連携によりまして、本人と保護者への情報提供や教育相談等を行う、早期からの教育相談・支援体制構築事業というものを実施いたしております。関係機関の連携のためのコーディネーターを配置していくような事業で、拠点的なものでございます。平成二十七年度の予算案におきましても約三億円を計上しているところでございます。

 今後とも、障害のある子供の自立と社会参加に向けまして、今御指摘の早期からの一貫した支援に努めてまいりたいという方針でございます。

角田分科員 ありがとうございます。

 特別支援教育に関して、最後に、少し絞りまして質問させていただきたいと思います。場面緘黙症の子供への学校現場での支援ということについて質問をいたします。

 場面緘黙症とは、家庭などでは普通に話すことができるのに、学校や幼稚園といったある特定の場面、状況では全く話すことができなくなるという障害でございますが、具体的には、いざ声を出そうとしても喉が詰まっているような感じになり、頭が真っ白になってしゃべれなくなる。しゃべること以外にも、いろいろなことに不安感を持ちやすく、周りの目が気になって体が固まって、その場から動けなくなったり、動けても、手が震えたり、思うように行動ができなくなる。

 過去において、このような全く口をきけなくなってしまうことや硬直して動けなくなってしまう場面緘黙症は、極度の人見知りであるとか、放っておいてもいつかは直るだろうということで片づけられ、この障害に対する理解や支援については余り顧みられてこなかったようであります。

 緘黙は基本的に家の外で症状が出るので、親や家族は気づきにくく、ただのおとなしい子として放置されてしまうことが少なくありません。

 場面緘黙症の子供はどの程度いるのか。海外の研究では、〇・七%、千人中七人程度という報告もありますが、研究自体が余り進んでおらず、正確なところはどうもわからないようですが、私のもとにも、場面緘黙症で悩み苦しんでいる方からたくさん声が寄せられており、この問題で苦しんでいる方はかなり多いのではないだろうかという印象を抱いています。

 そこでお伺いしますが、場面緘黙症の子供についての実態をどのように把握されているのか、まずここからお伺いしたいと思います。

小松政府参考人 場面緘黙症あるいは選択性緘黙と言われることで苦しんでおられるお子様たちがいらっしゃることは把握しておりますが、それに特化した形で数値等を把握はいたしておりません。

角田分科員 ある場面緘黙症で苦しむ方は、自分が緘黙症だと知る由もない子供は、いつかはみんなのように話せるようになると信じていますが、頑張って学校に通えば通うだけ日々挫折し、できない自分が悪いと、内からも外からも責められ続けるようになりますと訴えておられます。

 適切な支援が講じられなければ、ほかの子供と同じように話すことができず、周囲からも理解のない対応、例えば友達からのいじめであるとか、さらには、教師も理解がないために、しゃべることを強要されたり叱られたりする中で、自尊心が低下し、無力感や不安を引きずったまま、不登校や引きこもりになってしまうケースもあります。

 また、無理解による嫌がらせを受けながらも無理して学校に通い続けた結果、緘黙症を引きずったまま、うつ病を発症するなど、二次障害に苦しんでいる方もいらっしゃいます。

 発達障害を含めて気になる子供の中で、例えば多動など目立つ子と、場面緘黙症の子供のように目立たない子の大きく二つに分けられるかとも思いますが、このうち、目立たない子は、放っておいても授業の妨げになることはありませんので、目が向けられない傾向もあるのではないかというふうに思っております。

 早期の支援のためには、その前提となる気づきができるかどうかが大事になってくると思います。その病気なり症状なりに対する理解を持っている人がたくさんいるにこしたことはありませんが、特に場面緘黙は、家庭では普通に会話ができる、学校など特定の場面で話ができなくなりますので、当然のことながら、気づく人も非常に限られてきます。保護者はなかなか気づくことができない。学校現場の教員でなければ気づくのが難しいのではないかとも思います。

 そうであるからこそ、場面緘黙症に対する教職員の理解を深める取り組みと適切な支援をぜひとも進めていただきたいと思うものですが、この点について御見解をお伺いしたいと思います。

小松政府参考人 場面緘黙症あるいは選択性緘黙への対応、これは、さまざまな特別な学習支援のニーズを持たれるお子様方がいらっしゃるわけですが、その方々の中で、この点も含めまして、一つは、特別支援教育を行うための体制の整備として、各学校において、校長先生のリーダーシップのもとに、この特別な支援を必要とする児童生徒さんがいらっしゃるという状態を把握する、このことと、それから、支援方策の検討を行うための校内の体制、特別支援教育に関する委員会の設置等、全校的な支援体制を確立するということが大事だと思っております。

 私どもといたしましては、この点につきまして、通知をもって取り組みの推進を求めているところでございます。平成十九年にこの通知をいたしまして、平成二十五年の段階で、私どもが調べました範囲では、幼稚園から小中高の中で八六・五%の学校が、校内にそういう委員会を設置するというところへ来ているところでございます。

 この選択性緘黙のお子さんたちにつきましても、こうした中で、各学校において実態を把握し、お一人お一人違う個別の教育的ニーズに応じて、通級による指導、特別支援学級等による指導、さまざまございます必要な支援を行うという形になっております。

 それから、その知識等を持っている先生方が必要だという点に関しましては、この場面緘黙症、選択性緘黙を含む障害ごとの特性や教育的対応等につきまして、実は私ども、教育支援資料というものを作成しております。ここではこの点も取り上げているものでございます。これを各学校等における児童生徒の実態把握や支援方策の検討においても参考としていただくという観点から、教育委員会等への配付という方法と、ウエブサイトへの掲載により、周知を図っております。

 ぜひとも積極的に御利用いただくとともに、私どもとしても、引き続き、各学校において、こうした障害をお持ちのお子さんに対する全校的な支援体制の確立をさらに進めたいというふうに思っております。

角田分科員 ありがとうございました。

 多く訴えられていらっしゃる方、やはり現場の先生に適切な対応を望んでいる声が非常に多うございます。どうか場面緘黙症で苦しむ人に対する理解と支援というものが広がるよう、今後さらに積極的な取り組みを要望させていただきたいと思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 福祉系高校について質問させていただきます。

 介護の分野での人材確保というのは、これから地域包括ケアシステムを構築していく上でも非常に重要な課題でございます。

 介護職員は、介護保険制度がスタートした二〇〇〇年度は五十五万人だったものが、現在は推計で百七十万人前後。今後も高齢化の進展に伴って必要な職員数は増加をして、十年後には二百四十万人程度と、現在よりも七十万人程度ふやす必要があるとされています。

 ここでは、介護職の中でも中核的な役割を担う介護福祉士の学校での養成ということに関してお伺いしたいと思います。

 介護福祉士の資格取得法については、現在、実務経験ルート、それから養成施設ルート、そして福祉系高校ルートの三つのルートがあります。

 各ルートの資格取得者の数を見ますと、平成二十五年度では、実務経験ルートが約八万七千人、養成施設ルートが一万三千人、福祉系高校ルートが三千人となっておりますが、ここでは、そのうちの福祉系高校について。

 平成二十五年度における福祉系高校の学校数は全国で百十五校ありまして、定員は四千百三十六人、これに対して入学者数は三千三百五十二人と、定員に対する充足率は八割程度となっております。

 この数字からも、介護分野での人材確保のためには、働く場としての魅力アップのための取り組みを今後さらに進めなければならないと思いますが、まず、介護福祉士の養成、人材確保のために福祉系高校が果たしている役割について、文科省としてはどのように評価をされているか、お伺いしたいと思います。

小松政府参考人 介護福祉士につきましては、その職務の内容、性格上、福祉系の高校が持っている役割は大変重要で、意義が深いものというふうに考えております。

角田分科員 この福祉系高校には、現在、特例高校と言われるものも含まれております。いわゆる通信教育による養成を行っていた高校ですが、平成十九年の介護福祉士法改正で介護福祉士養成は対面の授業を原則とすることとされ、時限措置として、平成二十五年度までの入学生に限り、卒業後に実務研修を受けた場合に国家試験の受験資格が得られますが、この特例校を卒業して福祉関係に就職する生徒の割合は六五%から七〇%と高くて、国家試験合格率も、平成二十五年度は八八・一%、全体の合格率六四・六%を大きく上回っております。

 特例高校の多くは存続を希望しているわけですけれども、介護福祉士を確保する上でも養成コースの一つとして存続を考えるべきではないかと考えますが、この点について御見解をお伺いしたいと思います。

小松政府参考人 御指摘のとおり、平成十九年の法改正でカリキュラムが見直されましたので、介護福祉士の国家試験受験資格云々に、必要な時間数等、大幅な増加があった次第でございます。福祉系高校の中でこのカリキュラム実施が直ちには困難であるという学校につきましては、経過措置として特例高校というものに位置づけられたわけでございます。

 この経過措置は平成二十五年度入学者までで終了するというのは、これは制度の方の要請でございましたので、そのようになっているわけでございますけれども、厚生労働省の社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会から、ことしの二月、先月でございますけれども、出た報告書によりますと、介護福祉士の育成機会を維持するという観点から、平成二十八年度から平成三十年度までの入学者を対象として、時限的な措置として再実施するという方向が示されているところでございまして、厚生労働省において所要の法律改正が検討されているというふうに承知をいたしております。

 こういうところを踏まえまして、文部科学省としても再実施の実現には協力をしてまいりたいという方針でございます。

角田分科員 それと、もう一つ、福祉系高校に関してなんですけれども、この福祉系高校で養成する側、すなわち教員の資格についてお伺いします。

 これも介護福祉士法改正に伴うものですが、特定の科目を教えるためには、福祉の教員免許状に加えて、介護福祉士や保健師、看護師等の資格を有し、五年以上の実務経験が要件として加えられました。特別措置として、介護福祉士等の資格にかわる講習や五年以上の実務経験にかわる研修を受ければ要件を満たすものとみなすという取り扱いが行われてきましたが、それも二十五年度までで、現在は行われておりません。

 教員免許を有し、かつ有資格者であり、五年以上の実務経験を有する人材の確保というものは極めて困難な状況から、現場からは資格代替講習の復活などを求める声も上がっております。教員の確保ができなければ、福祉系高校は存続ができず、介護の人材確保のルートが一つ失われてしまうということになります。この点についてぜひとも対策を講ずるべきと考えますけれども、文科省のお考えをお伺いしたいと思います。

小松政府参考人 委員御指摘の点は、福祉系高校において介護福祉基礎等の科目を担当される教員にかかわることと考えますが、この科目を担当する先生のうちお一人は、幾つかの条件の中に介護福祉士等の資格を有していることというのが入っているわけでございます。

 これにつきましては、文部科学省、厚生労働省の共同省令によりまして、社会福祉士介護福祉士学校指定規則の中で、平成二十五年度までの経過措置として、先ほどお話のございました文部科学省が行う講習会を修了した場合に介護福祉士の資格を有する者とみなされるという形をとってきたわけでございますが、この経過措置の期間が満了しておりますので、現在はこの講習会は実施されていないところでございます。

 先ほど、もう一つ前の御質問で私の方から言及いたしました先月の社会保障審議会の専門委員会の報告書の中で、この点につきましては、現場から、現在の教員要件を全て満たす教員の確保は困難であるという意見を踏まえて、今後の介護福祉士のあり方等に係る検討の中で、福祉系高校の教員要件のあり方について検討を行うという方針が出されております。

 文部科学省といたしましても、この動きを踏まえながら、福祉系高校の先生方が適切に確保されるように協力してまいりたいという考え方でございます。

    〔山下主査代理退席、主査着席〕

角田分科員 ぜひとも取り組みの方をよろしくお願いしたいと思います。

 次の質問に移ります。文化財保護についてお伺いをいたします。

 これは昨年のことなんですけれども、私の地元で、過去の調査で学術的にも極めて重要とされていた縄文時代の貝塚のある大型環状集落の遺跡が、民間の宅地開発によって損壊されてしまったという出来事がございました。

 開発に係る事前審査の申請が提出された段階で、市の確認調査で、環状集落の一部を構成する遺構、遺物が多数出土し、状態も良好であったことから、文化財保護法に基づき、記録保存のための発掘調査を開発業者側に指示いたしましたが、業者は発掘調査の費用負担を拒否して、最終的に調査が行われないまま工事着手され、貴重な遺跡が失われてしまったという出来事がございました。

 現行の文化財保護法は、どこまでが事業者が負担すべき費用なのか、明確な基準がありません。さらに、開発業者が発掘調査の指示に従わなかったとしても罰則などもないことから、結局、それ以上の遺跡保存のための手だてというものがなかったために、貴重な遺跡が失われることになってしまったわけです。

 これは、平成十一年の地方分権一括法による保護法改正で、埋蔵文化財行政が基本的に地方公共団体の自治事務となって、運用に当たる地方公共団体、このケースでは市でありますけれども、保護法の曖昧さ、限界に苦慮している現状があると思います。

 埋蔵文化財は国民共有の財産であることに鑑み、費用負担のあり方の明確化や、より実効性のあるものとするために、発掘費用に対する補助など財政的な支援の充実ということも必要だと考えますが、この点についての御見解をお伺いできればと思います。

有松政府参考人 先生御指摘のように、文化財保護法上、埋蔵文化財の件でございますけれども、埋蔵文化財に係る業務は地方公共団体が行うというふうにされているところでございます。

 したがって、開発事業に伴って、埋蔵文化財の記録作成のための発掘の調査というものは、当該事業者によります費用負担のもとに主に地方公共団体が担って、それに対して、国は、開発事業者が零細の場合など一定の場合に経費の一部を補助しているところでございます。

 先生が挙げられました海老ケ作貝塚の件につきましては、この経費負担をめぐりまして、開発事業者と船橋市との調整がうまくいかず、結果として、発掘調査が行われることなく遺構が破壊されてしまったということはまことに遺憾なことだと考えております。

 文化庁としては、今後このようなことが決して起きることのないよう、先ほど申し上げました開発事業者の費用に対する国庫補助をしておるわけでございますが、この国庫補助の充実を含めまして、埋蔵文化財調査に係る地方公共団体への支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

角田分科員 ぜひともその方向でお願いしたいと思います。

 時間がないので、最後に一問だけ、教育施設の耐震化ということについてお伺いをします。

 ここでは、公立の小中学校に比べておくれている幼稚園の耐震化について伺いますが、幼稚園の耐震化率は、平成二十六年四月現在の実績値ですけれども、公立八三%、私立で八一%、低い水準にとどまっております。

 そうした観点も含めて質問しますが、平成二十七年度から子ども・子育て支援新制度が本格スタートするのに伴って、認定こども園に対する給付については一本化されますが、施設の耐震化に対する支援はどのようになるのか。現状、幼稚園の耐震化に対しては、公立と私立、別々の枠組みで助成が行われておりますが、これらが認定こども園に対してはどのようになるのかという点についてお伺いをさせていただきたいと思います。

関政府参考人 認定こども園の耐震化でございますが、公立幼稚園から移行した認定こども園につきましては、学校教育に必要な施設整備について国庫補助、保育に必要な施設整備について地方公共団体の一般財源を措置することにより、それぞれ支援をしておりまして、設置者である地方公共団体において、これらの財源を一体的に活用して、認定こども園全体の耐震対策を行うことが可能でございます。

 平成二十七年度からの子ども・子育て新制度のもと、幼保連携型認定こども園については制度に変更が加えられますが、引き続き、従来のこの仕組みを引き継ぐ形で支援を継続することとしておりまして、認定こども園全体として耐震化を推進してまいります。

 また、私立幼稚園から移行した認定こども園の耐震化につきましては、平成二十七年度からは、安心こども基金に加えまして、都道府県に対し認定こども園施設整備費交付金を交付し、設置者の取り組みを支援していくこととしておりますが、引き続き、厚生労働省の交付金と申請時期等のスケジュールを合わせるなど、耐震対策を一体的に行うことができるよう配慮して、認定こども園全体として耐震化を推進してまいりたいと考えております。

角田分科員 認定こども園の耐震化も含めて、進めやすい仕組みづくりを目指していただきたいと要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

萩生田主査 これにて角田秀穂君の質疑は終了いたしました。

 次に、尾身朝子君。

尾身分科員 自由民主党、北関東比例ブロック、衆議院議員の尾身朝子でございます。

 本日は、科学技術イノベーションの取り組みについて質問させていただきます。大臣を初め文部科学省、内閣府の皆様方に御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

 科学技術イノベーションがこれからの日本の発展の鍵を握っていることは言うまでもありません。大胆に経済社会を変革し、アベノミクスを牽引するイノベーションを継続的に実現することが、将来の強い日本をつくる上で不可欠であると私は確信しております。さらに、物づくりに直結するイノベーション政策は、産学官連携などを通じ、日本各地で地方創生の一翼を担う重要な役割を果たしていくと思います。

 さて、平成七年、一九九五年、科学技術基本法が制定されてから、ことしで二十年になります。四期にわたって科学技術基本計画が策定され、さまざまな取り組みが行われてきました。

 私は、我が国が目指すべき国の姿は、科学技術イノベーション立国だと考えております。

 イノベーションというのは、一朝一夕に実現するものではありません。昨年は、青色発光ダイオード開発、実用化へのノーベル賞受賞、世界初のiPS細胞由来の網膜移植など、多くのうれしいニュースがありましたが、これらが実を結ぶまでには長い年月がかかっています。

 安倍総理が目指す世界で最もイノベーションに適した国として、今後ともノーベル賞級の研究成果によって世界をリードしていくために、どのような取り組みが必要と考えておられるか、科学技術イノベーション政策の強化に向けた文部科学大臣のお考えをお聞かせください。

下村国務大臣 まず、科学技術のダボス会議と言われるSTSについて、お父様の尾身幸次さんと尾身朝子さんが日本の先頭に立って科学技術について貢献されていることに対して、敬意を申し上げたいと思います。

 御指摘の科学技術イノベーションは、アベノミクス第三の矢である日本再興戦略においても、中核の一つと位置づけられているところであります。

 科学技術イノベーションは、着実な研究開発の継続と、その結果の蓄積の上に成り立つものであります。その基盤となるのは、優秀な人材、挑戦的な研究、すぐれた研究開発を支える最先端施設整備であり、文部科学省としても全力で取り組んでいるところであります。

 今後、さらにアベノミクスの効果を全国に広げ、科学技術イノベーションによる地方創生を目指し、大学や研究機関を中核とした拠点の形成や、産学連携の一層の推進によりまして、地方発の新たな産業を生み出してまいりたいと考えております。

尾身分科員 STSフォーラムについて言及していただき、まことにありがとうございます。

 先ほども触れましたが、科学技術基本法が制定されてから二十年の間、政府の研究開発投資は一定の伸びを達成してきています。一方、中期防衛力整備計画を除けば、唯一、科学技術基本計画の目標について計画期間中の投資額が盛り込まれておりますが、現行の第四期の二十五兆円や、対GDPの一%以上の目標の達成が非常に厳しい状況にあります。私は、第四期においても二十五兆円という投資額をフルに活用すべきだったのではないかと考えております。

 現在、第五期科学技術基本計画に係る検討が進められていますが、民間の研究開発を喚起し、我が国全体で科学技術イノベーションを推進するという姿勢を示すためにも、野心的な投資目標額を基本計画に盛り込むべきだと考えます。また、中長期的な視点で本年夏に取りまとめられる政府の財政フレームの検討においても、科学技術関係経費への配慮は不可欠です。

 こうした点に鑑み、政府研究開発投資の確保に向けた第五期基本計画における目標設定等に関する大臣の決意のほどをお聞かせください。

下村国務大臣 科学技術イノベーションは、我が国の持続的な成長を実現する鍵となるものであるというふうに思います。このような観点から、我が国では、これまでの科学技術基本計画におきまして、政府研究開発投資の目標額を掲げ、政府一体となって科学技術への取り組みを強化してまいりました。

 また、米国、欧州、中国等では、同様に、研究開発に対する投資目標を掲げ、科学技術イノベーション政策を推進しているところでもあります。

 こうした中で、我が国では、財政状況が厳しい中、科学技術関係経費の確保が図られ、日本人ノーベル賞受賞者数が今世紀に入り世界二位となるなど、成果が創出されてきたというふうに考えております。

 文科省としては、将来の投資である科学技術イノベーション政策を強力に推進できるよう、御指摘のように、第五期科学技術基本計画の策定に際し、投資総額の目標についても検討を進め、我が国を世界で最もイノベーションに適した国とすることを目指すことが必要と考えております。

尾身分科員 大変心強いお言葉、ありがとうございます。

 昨年、ノーベル物理学賞を受賞した天野教授も指摘しておられるように、現在の状況だけではなく、将来を見越して、幅広く、まさに種をまくような研究開発を進め、将来、我が国を担っていくような芽を育てていくことは大変重要だと考えております。今後の日本を牽引する基幹産業を生み出していくためにも、将来を見越した研究開発の推進が必須であると考えます。

 例えば、山中教授を中心としたiPS細胞研究や、AI、アーティフィシャル・インテリジェンス、ビッグデータによる新たなサービスの展開など、文部科学省が果たすべき役割は多いと考えておりますが、この点、第五期科学技術基本計画の検討に当たって、将来の芽を育てるための取り組みや、また、日本の得意分野をさらに強化するための取り組みについて、お聞かせください。

川上政府参考人 第五期科学技術基本計画は、総合科学技術・イノベーション会議において策定をしてまいるわけでございますけれども、文部科学省といたしましては、科学技術関係の投資の三分の二を担い、大学や独立行政法人など研究開発を実施する主体を持っているという立場から、科学技術・学術審議会におきまして、第五期基本計画の策定に向けた議論を進めてまいりました。第一期の基本計画策定以降の成果と課題を踏まえながら検討を進め、本年一月、中間取りまとめを行ったというところでございます。

 この中間取りまとめにおきまして、先生御指摘の、芽を育てる、それから、日本の得意分野を強くしていく、こういう観点につきましては、将来の多様な課題に対応するために、イノベーション創出基盤の強化が重要であるということがまず提起をされているわけでございます。

 具体的に、その基盤として、科学技術イノベーション活動を担う人材について、個々の質の向上とイノベーション創出の促進という観点からのシステム改革を行うこと、それから、企業等においてオープンイノベーションが進む中で、イノベーションの源となる新たな知識、価値を生み出す学術研究や基礎研究、これの改革をし、そして強化をしていくということ、それから、三点目といたしまして、産学官連携のリニアモデルからの転換を図り、産学官の人、物、金、情報が流通し、共創、ともにつくり出すという空間を生むということで、新たなイノベーションシステムの構築というようなことが指摘をされているところでございます。

 また一方、日本の強みを伸ばしていくという観点につきましては、これまで、科学技術イノベーション総合戦略二〇一四等におきまして五つの政策課題を取り出して、そこに重点的に取り組んでいるわけでございます。

 これに加えて、最近のサイバー空間の急速な発展を踏まえまして、ビッグデータやAIなど、サイバー空間の活用に必要な技術の研究開発、サイバー空間の活用が現実社会にもたらす影響への対応、それから少ない人材の育成、確保など、望ましい超サイバー社会の実現に向けた変革であるとか、また、我が国を取り巻く安全保障環境の変化やグローバルな競争の激化などを踏まえまして、日本が得意とする宇宙、海洋、それから日本が必要とする防災、そういった国主導で取り組まなければいけない国家戦略コア技術の推進といった点、こういった点の重要性をいただいているところでございます。

 文部科学省としては、そういう考えに立って、これから、第五期の期間に向けまして、真剣に科学技術の振興に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

尾身分科員 ありがとうございました。

 最先端の科学技術開発については、従来より国立研究開発法人が中核的な役割を担ってきましたけれども、こうした研究開発法人の予算は近年大きく減少しています。このことにより国益を損ずることのないよう、第五期基本計画において、科学技術イノベーションにおける研究開発法人の役割を明確にすべきと考えておりますが、この点、文部科学省のお考えをお聞かせください。

川上政府参考人 第二期の科学技術基本計画以来、競争的資金の倍増計画などをもって競争的資金を拡充してまいりました。その結果ということかは申し上げにくいところでございますが、他方、大学及び独立行政法人についての運営費交付金の減少がございました。特に研究開発型の独立行政法人につきましては、この十二年間でおよそ二〇%程度の運営費交付金の減少、こういう事態になってございます。

 国立研究開発法人、独立行政法人は、組織的に研究開発を実施できるという、大学が個人的な研究を重視するということから比べると、異なった特徴を有してございます。そういった特徴を生かして、来年度から発足する国立研究開発法人制度をしっかりと運営できるよう、私どもとしては改革を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

尾身分科員 ありがとうございました。

 第五期科学技術基本計画の政府全体の取りまとめは内閣府が担当しておられますけれども、現在の取りまとめ状況について、内閣府よりお聞かせください。

中西政府参考人 お答え申し上げます。

 我々内閣府の方では、総合科学技術・イノベーション会議というものを持っておりますけれども、その場におきまして、基本計画専門調査会といったものを発足させまして、現在、鋭意検討を進めているところでございます。

 具体的に、その中での検討の状況に、簡単にちょっと触れさせていただければと思います。

 今、先ほど来、IoTとかいろいろな大変革時代、そういった時代を迎えております。そういったところに適切に対応するという意味からも、やはり人材の育成、流動化、また基礎的な研究力の強化、そういったものが大前提だ、一番重要なことだというふうに認識しております。

 これに加えまして、そのような新しい大変革の時代という中で、従来の延長線にないような新たな価値をつくり出すといったことも重要な事項ではないかというふうに思っておりまして、それを実現するためにも、我が国が持っております強い技術的な領域、あるいは研究の領域、さらには基盤的な技術、そういったものを生かしながら、バリューチェーンをさらに見据えた上での統合的な社会システム、そういったものをしっかりとつくっていかなくちゃいけないというような議論を現在進めているところでございます。

 いずれにしましても、いろいろな御説明をいただきましたけれども、文科省初め各省庁、さらには経済界、いろいろなアカデミアの方々、そういった方々の意見を総合的に反映いたしまして、できるだけ立派な、しっかりとした基本計画をつくっていきたいというふうに考えております。

尾身分科員 このたびの第五期科学技術基本計画で埋め込まれた種というのが花開くまでに、二十年、三十年と長期の時間が要すると思います。

 そういう観点から、将来何に芽が出るのかということをしっかりと見きわめて、また、芽が出る可能性の少しでもあるもの、今考えられる範囲ではなくて、今思いつかないものの中に芽が出る可能性が残されているということも踏まえまして、しっかりとした基本計画を策定していただくことを要望させていただきます。

 話題をかえさせていただきます。

 昨今、特定国立研究開発法人制度の創設という動きがございます。我が国の科学技術イノベーションの推進のため、また、国家戦略に基づき、国際競争の中で、科学技術イノベーションの基盤となるような世界トップレベルの成果を生み出すことができるようにするため、この動きは大変に重要なことだと私は考えております。

 それを実現する上でも、まず理化学研究所の改革というのが必須ですけれども、現在の理研の改革の取り組みについて、文部科学省よりお答えください。

常盤政府参考人 ただいま御指摘をいただきました理化学研究所の改革の状況でございます。

 理化学研究所におきましては、昨年の八月に、研究不正再発防止策を含みます組織改革のための行動計画といたしまして、アクションプランを策定したところでございます。現在、このプランに基づいて改革を進めております。

 具体的には、経営に外部有識者の意見を取り入れるための経営戦略会議の設置、理事長直轄の研究コンプライアンス本部の設置、あるいは発生・再生科学総合研究センターを多細胞システム形成研究センターとして解体的に出直すということ、そして研究不正再発防止に向けました規程の整備であるとか、あるいは研究倫理教育の徹底のための責任者の配置、このような取り組みを現在進めているところでございます。

 また、こうした改革の取り組みの進捗状況につきましては、現在、関係者へのヒアリングであるとか、あるいは現地調査等を通じまして、外部有識者から構成されます理化学研究所の運営・改革モニタリング委員会がその評価を進めているところと承知をしております。

 文部科学省といたしましても、理化学研究所が、必要なガバナンス改革を進めまして、我が国の中核的な研究開発機関として社会の負託に応え得る体制を構築していくように、その取り組みの状況をしっかりと見きわめながら、必要な支援を行ってまいりたいと考えてございます。

尾身分科員 今のような改革をしっかりと見きわめていただいた上で、特定国立研究開発法人制度の創設を一刻も早く実現していただくことを望みたいと思います。

 次に、安倍総理は、地球儀を俯瞰する外交というものを掲げ、戦略的な外交を進められています。天然資源が乏しい我が国の強力な切り札の一つが、まさに最先端の科学技術力です。

 これからは、欧米の先進国との研究協力のみならず、アジアやアフリカなどの発展途上国や新興国との協力においても、中長期的な視点から戦略的に取り組むことが必要であると考えています。特に、発展途上国に対しては、各国における科学技術を根づかせるため、現地での教育を通じた人材育成や、我が国の研究者との共同研究の実施など、その国の研究開発力を向上させるための支援が不可欠です。

 こうした観点から、我が国としても、産学官が総力を挙げて戦略的な科学技術外交を強化すべきだと私は考えておりますが、文部科学大臣のお考えをお聞かせください。

下村国務大臣 科学技術分野の国際協力につきましては、科学技術イノベーション創出に向け、先進国や新興国との間における先端科学技術に係る協力や、人類共通の地球規模課題解決のための開発途上国等も含めた国際的な協調、協力を戦略的に展開していくことが重要であるというふうに思います。

 御指摘のとおりでありまして、文科省としては、具体的に、先進国との先端科学技術分野における国際共同研究の推進、それから、ISS計画などの大規模な国際プロジェクトへの参画、また、発展途上国とのODAとの連携による地球規模課題の解決に向けた国際共同研究の実施などなど、相手国や分野、課題に応じた戦略的な科学技術の国際活動の展開や、国際研究ネットワークの構築に取り組んでいるところであります。

 さらに、文科省としては、このような科学技術に関する活動と外交を連携させるいわゆる科学技術外交を、関係府省や産学官との有機的な連携を一層強化し、引き続き推進してまいりたいと考えます。

尾身分科員 どうもありがとうございます。

 科学技術外交という言葉、すっかり定着してまいりましたので、ぜひ、その科学技術外交の最先端を日本が提供できるような国になっていただきたいというふうに思っております。

 さて、安全保障などの観点から、国として維持していかなければならない、いわゆる核になる国家戦略コア技術というものがあります。具体的には、宇宙開発や、海洋国家である日本としての海洋開発などが挙げられると思います。

 宇宙開発については、安倍総理の施政方針演説においても触れられましたが、昨年打ち上げられた「はやぶさ2」は、二〇二〇年に、宇宙での長旅を終え、地球に帰還する予定です。二〇一〇年に、数々のトラブルを乗り越え、サンプルリターンを果たした「はやぶさ」が帰還したときの感動を思い起こせば、子供たちに夢と希望を与えることは間違いありません。

 また、埋蔵資源の開発を初めとして、海洋開発を進めることも日本の国益に直結する課題です。

 こうした観点から、宇宙や海洋分野など、国主導で取り組むべき基幹技術の研究開発について、文部科学省としてどのような取り組みを推進していくのか、大臣のお考えをぜひお聞かせください。

下村国務大臣 宇宙や海洋などに関する研究開発は、災害の予測や監視、海洋資源の確保など、国の総合的な安全保障にかかわり、国家存立の基盤を支えるものでありまして、我が国の持続的発展のために極めて重要であります。

 このため、科学技術基本計画等の政府の基本計画のもと、国主導で研究開発を進めていくため、宇宙航空研究開発機構、JAXAや、海洋研究開発機構、JAMSTECなどの国立研究開発法人を中核として、産学官の技術、人材の糾合を図りつつ研究開発を重点的に進めるべきであるというふうに考えます。

 平成二十七年度予算案では、各国立研究開発法人に対する運営費交付金等の予算措置に加え、国立研究開発法人を中核としたイノベーションの共創の場の形成を支援するため、十五億円を計上しております。

 文科省としては、宇宙、海洋など、国主導で取り組むべき基盤技術につきまして、今後とも中長期的な視点に立って重点的取り組みを進めてまいります。

尾身分科員 ありがとうございます。

 文部科学省における宇宙開発利用に関する取り組みについて、具体的に幾つか挙げていただけますでしょうか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 宇宙開発利用は、安心、安全で豊かな社会の実現、産業の発展、人類共通の知的資産の拡大等に貢献する重要な分野でございまして、また、宇宙に夢をはせる子供たちや、若田宇宙飛行士のような国際舞台での活躍を夢見る若者たちに、大いに活力を与えるものでございます。

 先生御指摘ございました文科省としての取り組みでございますが、ことし一月に決定されました宇宙基本計画を踏まえまして、安全保障や防災分野への貢献を目的とした新たな衛星の開発、我が国の自律的な宇宙輸送能力を維持発展させるための新型基幹ロケットの開発、国際宇宙ステーション、ISSや、「はやぶさ2」を初めとした宇宙科学等のフロンティアの開拓、こういった分野に積極的に取り組んでいるところでございます。

 今後とも、宇宙開発利用を支える産業、科学技術基盤の維持強化に取り組みまして、宇宙開発利用の充実を図ってまいりたいと考えております。

尾身分科員 ありがとうございました。

 先ほど来何度も申し上げておりますけれども、科学技術基本法が制定されて二十年、そして、ことし、第五期の科学技術基本計画を策定するに当たりましては、今までの一期から四期までに何をなし遂げてきたかということを総括し、また、新たな種を、そして将来芽が出るという投資を中長期的な観点からしっかりと盛り込んでいただけるような計画をつくっていくことが、日本の今後の科学技術の政策のあり方、そして、日本が、科学技術を旗頭として、世界の中で冠たる国として存在し得るかどうかということ、非常に大事な岐路に立っていると思います。そのような観点をぜひ踏まえまして、第五期科学技術基本計画を策定していただけますように期待しております。

 資源に乏しい我が国が、国際社会の中でますます重要な役割を果たし、将来的にも発展や繁栄を続けていくためには、科学技術の力、イノベーションの力、そして人材の力が最も重要であると思います。科学技術イノベーションの推進こそが我が国の国力の源泉であり、未来への希望であると思います。

 このため、政府におかれましては、科学技術イノベーション立国をしっかりと実現するため、科学技術イノベーション政策を国家戦略として明確に位置づけていただきますことを強く要望させていただきます。

 また、こうした政策の推進において特に重要な役割を担う文部科学省では、下村大臣のリーダーシップのもと、より一層強力に、幅広い科学技術イノベーションの取り組みを展開していただきますことを大いに期待申し上げまして、私の質問の時間を終わります。

 ありがとうございました。

萩生田主査 これにて尾身朝子君の質疑は終了いたしました。

 次に、神山佐市君。

神山(佐)分科員 自由民主党の神山佐市でございます。

 きょうは、最後の質問者になりますので、よろしくお願いいたします。

 本日は、主に二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックについて質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 ボウリング競技について下村大臣にお聞きをいたします。開催都市の大会組織委員会が選べる追加競技について、幾つかの競技が名乗りを上げておるわけであります。組織委員会の所管となることは承知の上でありますけれども、あえて質問をいたします。お答えができる範囲内でというふうに思っております。

 一九八八年のソウル・オリンピックでの公開競技として参加実績がありましたボウリング競技について。

 日本のスポーツ活動人口でボウリング競技は千九百万人で、日本の総人口に占める割合は一五%であったわけであります。競技人口の層の厚さもありまして、一九八六年のソウルで行われたアジア競技大会では、日本は十二種目中の六個の金メダルを獲得ができたわけであります。

 私は、メダルの獲得できる確率が極めて高い競技として認識しているわけでありますけれども、ボウリング競技のオリンピック参加についての大臣の御所見をお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

下村国務大臣 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会における追加種目につきましては、ことし二月二十八日のIOC理事会におきまして、ことしの九月までに組織委員会が提案を行い、来年八月のIOC総会で最終決定されるということが決定いたしました。現在、ボウリングを初めとしてさまざまな競技団体が追加種目に名乗り上げられ、熱心に活動されているところでもございます。

 IOCに提案いたします追加種目につきましては、選手数などIOCが示す諸条件も踏まえ、国内外の競技団体等と調整しながら、コスト面のみならず、大会の盛り上がりやその後のレガシー等多面的な観点から、現在、東京二〇二〇追加種目検討会議におきまして検討されているものと承知をしておりまして、引き続き、私としては動向を見守ってまいりたいと思います。

神山(佐)分科員 次に、ゴルフ競技会場でありますけれども、私の選挙区であります埼玉県の川越市の霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催されるわけであります。川越市では、八日間で二十万人の来場者を見込んでいるところでありますけれども、観客の輸送は公共交通機関に利用を限定していると伺っているところであります。

 川越駅を中心に、拠点として位置づけておりますけれども、駅からゴルフ場への輸送手段としては、シャトルバスを用意して、車利用を想定していないようであります。地元の皆さんは、車の来場者がふえて渋滞が発生するのではないかという危惧をしているところであります。競技観戦後の観光を考えて、シャトルバスの出発地点の近くまで自家用車で行かれるという心配もあるわけであります。

 また、地元川越市とすれば、観光客をふやしていただきたいということの中で、できるだけ東京オリンピックの競技を契機にして、その観光客に川越市に買い物に来ていただく、また、観光に来ていただきたいというふうなことであるわけであります。

 そういうふうなことも含めて、会場周辺の道路環境の整備の見通しについてお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。

黒田政府参考人 お答えをいたします。

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技会における観客等の輸送につきましては、輸送調整会議において検討が行われているところであり、道路整備につきましても現時点では決まったものはございません。

 国土交通省といたしましては、オリンピック・パラリンピック開催に向けまして、各地域において既に実施されております道路事業を推進するとともに、既存のインフラを有効に使うことによりまして大会を支援してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

神山(佐)分科員 次に、川越周辺の宿泊施設についてですけれども、川越市内に限りますと、いわゆるシティーホテル、ビジネスホテル、和風の旅館の客室数は約六百しかないわけであります。シングルルームを含めての数でありますので必ずしも十分とは言えないわけでありますけれども、宿泊施設の不足や外国語についての対応をどういうふうに考えておられるのかお伺いいたします。よろしくお願いします。

久保政府参考人 二〇二〇年東京大会の際には、今先生御指摘のように、一度に多数の外国人の訪日が予想されます。

 宿泊施設の確保は大変重要な課題であると認識しておりまして、今後、大会組織委員会、観光庁等の関係省庁と内閣官房オリパラ推進室とが適宜連携いたしまして、適切な対応を検討してまいりたいと考えております。

 それから、二〇二〇年大会開催に向けまして、標識も含めた案内サイン等の多言語対応の強化推進のために、平成二十六年三月より、国、地方公共団体、民間団体等をメンバーとする二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会を設置したところでございます。

 この協議会では、交通機関、道路等における案内表示、標識、飲食、宿泊等の観光サービス施設における案内表示、標識、音声案内、パンフレット、ICTツールなどの各種媒体を対象として、日本語と英語及びピクトグラムによる対応を基本としつつ、必要に応じて多言語化も含めて対応することなどを検討しておるところでございまして、今後、その検討を加速させながら、適切な対応を進めてまいりたいと考えているところでございます。

神山(佐)分科員 ありがとうございました。

 ゴルフ競技ですけれども、リオ五輪では十六名の選手が強化指定選手に認定されておるところであります。どの競技にも共通していることですが、競技人口の層の厚さがレベルアップの要因であると思います。

 特にゴルフ競技については、競技人口が減少傾向にあり、将来の展望に一抹の不安があるわけであります。二〇二〇年の開催が目前に迫っている中、我が国の代表選手がすばらしい成果を残せることを念頭に、競技人口の増加に向けた方策や、将来を支えるアスリート、特にジュニア世代の育成について、ゴルフ協会と連携していろいろなプログラムがあるようですけれども、具体的に御教示いただければと思います。よろしくお願いします。

久保政府参考人 ゴルフ人口、若者のゴルフ人口が今先生御指摘のように減っている中、二〇一六年のリオデジャネイロ・オリンピックにおいて正式競技に復帰することになったゴルフ競技でございますけれども、日本ゴルフ協会では、二十五年の六月に、リオ五輪や東京五輪等の国際大会に向けて、ゴルフの普及からナショナルチーム強化についての一貫した育成強化方針をまとめたJGAゴールドプランを策定したところでございます。これに呼応する形で、政府といたしましてもさまざまな支援を行い始めているところでございます。

 まず、二十六年四月に、ゴルフのナショナルトレーニングセンターの競技別強化拠点といたしまして、宮崎県にあるフェニックス・シーガイア・リゾートを指定いたしまして、JOCが指定したオリンピック強化指定選手のほか、日本ゴルフ協会が編成する大学生や高校生を主メンバーといたしますナショナルチームが行うトレーニング環境を整備し、強化拠点として施設を活用する事業を実施し始めたところでございます。

 また、ナショナルチームの強化合宿あるいは国際大会への派遣につきまして、JOCを通じた選手強化事業の補助、さらに、JSC、日本スポーツ振興センターのスポーツ振興事業助成によりまして、全国規模の競技大会開催についての助成を行ってございます。

 また、高等学校における部活動におきましては、現在、延べ四百三十五校においてゴルフ部が設置されております。さらに、総合型地域スポーツクラブにおける取り組み、toto助成による地域のゴルフ教室開催への助成、関係法人への後援名義の使用許可等を通じまして、ゴルフの振興を図ってきたところでございます。

 文部科学省といたしまして、今後とも、これらの施策の充実を図りながら、若年者を初めとするゴルフの振興に向けた支援を行ってまいりたいと考えておるところでございます。

神山(佐)分科員 テロ対策について、二〇二〇年の五輪招致では、日本の安全と治安のよさや東京の財力、数々のビッグイベントを無事に成功させたという実行力などで、その成果がライバルの他国を上回った要因と言っても過言ではないというふうに考えているところであります。

 おもてなしの第一歩は安心からという観点から質問いたします。

 IOCに提出した資料によりますと、大会期間中のセキュリティー活動に投入される現段階での要員の見積もりは、警察官が二万一千人、緊急サービス、消防隊、救急隊六千人、海上保安官八百五十人、民間警備員が一万四千人、セキュリティーボランティア九千人、全体で五万八百五十人と伺っております。

 経費負担については、公的機関については政府関連サービスとしてみずからの経費負担でセキュリティー活動を提供することとなっているようでありますけれども、民間警備にかかわる経費は組織委員会が負担するとなっております。

 埼玉県には、ゴルフ、サッカー、射撃、バスケットボールの会場が決定しておりますけれども、東京都以外の開催地における受け入れ体制についてどのような対策を考えられているのか。また、警察官と民間警備員、セキュリティーボランティアに想定される任務について教えていただければと思います。よろしくお願いします。

塩川政府参考人 警察の観点からお答えします。

 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会は、国際的に最高度の注目を集める行事で、テロの格好の攻撃対象となるおそれがあり、開催国としての治安責任を果たす必要がございます。

 警察としては、オリンピック・パラリンピック東京大会におけるテロの未然防止を図るため、情報収集、分析を強化し警戒警備を徹底するなど、大会組織委員会や関係機関と緊密に連携しつつテロ対策を推進することとしております。

 また、民間警備員による会場の自主警備などに関しましては、全国警備業協会などの関係団体との連絡も密にしてまいりたいというふうに考えております。

 この大会の競技につきましては、埼玉県など東京都以外でも開催されると承知しておりますが、いずれにいたしましても、警察としては、全国警察を挙げて必要な警備体制を構築し、こうした対策を徹底するなど、大会の安全の確保に向けて万全を期してまいる所存であります。

神山(佐)分科員 埼玉県において、廃部の危機に陥っている部活動支援のための運動部活動指導者として、県内公立中学校、高校に派遣する指導者を外部活用できる運動部活動インターンシップを平成二十四年の六月から導入を始めております。

 この事業は、埼玉県の教員を目指す大学生や非常勤講師などを対象としておりますけれども、生徒の志向などに応じた多様な運動部活動を展開する方法をもう少し広げた形で、外部指導者の積極的な活用が有効と思うわけであります。

 特に、近年の顧問の高齢化や実技指導力不足のほか、指導力のある教員の異動により運動部活動が衰退してしまう現状などを考えますと、文部省では都道府県が行う外部指導者活用事業への支援を行っているそうですけれども、実際にどのような支援を行っているのか、また、その結果の成果はどうであったのかお尋ねいたします。よろしくお願いします。

久保政府参考人 運動部活動におけます外部指導者の活用につきましては、平成二十五年五月に運動部活動での指導のガイドラインを公表いたしまして、その中で、運動部活動の活動内容を充実するための一つの方策として、外部指導者が中心となって指導することは効果的な方策であるということがうたわれました。

 これを受けまして、二十六年度から、今御指摘いただきましたように、運動部活動指導の工夫・改善支援事業を始めたところでございまして、これは、具体的には、スポーツ医科学で先見的な知見を有する方や地域のスポーツ指導者などの外部指導者を活用して、運動部活動指導体制の構築を各地域で目指していただこう、そしてその成果を全国的に普及しようとするものでございます。

 具体的には、地域のスポーツ指導者を確保するためのデータベースを構築したり、あるいは、外部の指導者の方が学校に入っていかれるに当たって、適切な指導方法を身につけていただくための研修会を行ったり、そういうものを個別個別ではなくて、そのエリアとしてシステムを構築していただこうというものでございまして、その成果を全国的に今後普及することによりまして外部指導者の活用が一層進むものと考えまして、今後とも支援を続けていきたいと思っているところでございます。

神山(佐)分科員 ありがとうございました。

 続きまして、平成二十四年の四月より全国の中学校で武道の授業が必修となったわけでありますけれども、平成二十六年末に行われた保健体育学科における武道領域の実施状況の抽出調査結果を拝見いたしますと、柔道が約六四・四%、剣道が約三五・七%、相撲が四・三%となっているわけであります。複数回答ということでありますので、三種目で一〇〇%を超えているということであるわけでありますけれども、この三種目以外の武道では、空手の二・三%が最高であるわけでありますけれども、一%未満という状況であるわけであります。

 原因を考えてみましたが、柔道、剣道については、選択科目に採用している高校があることも要因ではないかというふうに考えるわけであります。平成二十年の三月告示の指導要領に柔道、剣道、相撲の記述はあるわけでありますけれども、他の武道には一切触れておりません。原則はこの三種目の選択であり、地域の実情で他の武道も選択できるということになっているようで、この記述が大きく影響しているのではないかというふうに考えるわけでもあります。

 私が申し上げたいのは、他の種目の武道にももう少し光を当てていただく工夫をしていただけないでしょうかということであります。

 私は、少林寺拳法の振興議員連盟のメンバーでもあるわけでありますけれども、例えといたしまして少林寺拳法を取り上げてみます。

 授業の実施には格技室や武道場などが最適であるわけでありますけれども、少林寺拳法ではそれらの施設がなくても、現状の施設である教室とか体育館での実施も可能であるわけであります。また、体操着でも練習また稽古ができる、道着がなくても大丈夫なわけでありますので、費用的にもかからないというふうに考えるわけであります。外部指導者の要請があれば派遣が可能と考えているところでもあるわけであります。

 少林寺拳法を初めその他の武道にいろいろな特色もあると思うわけでありますけれども、選択の機会が広がるような対策を講じていただけないかということでお尋ねをいたします。よろしくお願いします。

山本大臣政務官 お答えいたします。

 先ほど神山委員も御指摘ございました、平成二十四年度より、正確には中学生の一、二年生が武道の必修化ということでスタートいたしております。

 それと、文部科学省において全国の公立中学校九百四十校を抽出調査いたしましたが、これは平成二十六年度の武道領域の実施状況について調査をしたところでございます。パーセンテージは、神山委員御指摘のとおりでございます。

 そして、中学校の武道の授業で、御指摘の、学習指導要領において柔道、剣道、相撲というのがきちっと明記されているがというお話ですが、もちろん、御指摘のとおり、他のものを排除するものではございませんで、その地域の特色に合ったものをしていただきたいということもきちっと明文化されております。

 そして、御指摘の、他の武道に対して光を当ててほしいということでございますが、現在、文部科学省では、公益財団法人の日本武道館に対して補助事業を行っておりまして、外部の指導者を対象とした武道指導者講習会の開催等の支援をしているところでございます。

 また、文部科学省と武道団体で共催をしまして、外部の人ではなく教員そのもの、現場の教員そのものに武道団体の力もかりて武道を習得してもらうという作業もしております。

 さらには、平成二十七年度の予算案においては、武道等指導充実・資質向上支援事業というものを計上しております。指導の充実を図るための取り組みの支援に加えまして、新たに、複数の武道科目を実施するなど特徴的な取り組みへの支援を実施するということにしております。

 また、先生御指摘の少林寺拳法の話でございますが、私も先生と問題意識を同じくしておりまして、ことしの一月に、四国の香川県の少林寺拳法の総本山にお邪魔してまいりました。道場で演武を拝見したり、あるいは拳禅一如というような哲学を教えていただいたり、あるいは、私の記憶では先生は有段者だったと思いますけれども、五段の拳士だったと思いますけれども、私は素人ですけれども、こういう第一の型というものを教えていただいたりとか、本当に武道というのは大切だなと私も実感して帰ってまいりました。

 今後とも、学校教育の中での武道、我々もしっかりとサポートをして、光を当てていきたいと思っておりますので、委員におかれましても御理解と御協力を賜りたいと思います。

 以上です。

神山(佐)分科員 ありがとうございました。

 今答弁いただいたわけでありますけれども、私は、埼玉県の少林寺拳法連盟の会長を昨年襲名したところであります。

 次の質問をさせていただきます。

 学校の夜間照明についてでありますけれども、平成二十四年三月作成の文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ振興課の学校体育施設等の有効活用実践事例集に、身近な地域施設として重要な役割を果たしてきた、学校体育施設開放の形態や仕組みは多様であるということであります。定期的に開放している学校はまだ十分ではない等々の課題は多々あるものの、九八・三%の市町村で学校開放が行われております。体育館の開放率は八七・三%、屋外運動場の開放率は八〇%という高い数字がその重要性を裏づけていると思うわけであります。

 屋外運動場においては、昼間の利用は休日に限られてしまうことと、平日利用は夜間であれば可能になると思うわけでありますけれども、平成二十年の記録によりますと、夜間照明設備のある多目的運動場は、公立小中学校では、全国平均で二一%、我が埼玉県では一四・四%という現状であります。

 耐震改修が喫緊の課題であり、優先されることに論をまたないものでありますけれども、国民のスポーツの場を確保する方策として、公立学校での夜間照明設備の推進について御所見をお伺いいたします。

久保政府参考人 平成二十四年三月に、スポーツ基本計画を文科省では策定いたしましたが、その中で、地域における身近なスポーツ活動の場を確保するために、学校体育施設の有効活用等を施策目標の一つに掲げているところでございまして、公立学校における夜間照明設備の充実というのは極めて大事なことだと思っております。

 これに関しては、今御指摘いただきましたように、従前から国庫補助による支援を行っているところでございます。なかなか、全体の予算の状況で、ニーズに応えられない面もあるかとは思いますけれども、地域のスポーツ活動の場としての学校体育施設の有効活用が図られることはとても大事でございますので、地域のニーズに今後ともできるだけ応えられるように、そしてスポーツ環境の充実が図られるように努力してまいりたいと考えているところでございます。

神山(佐)分科員 ありがとうございました。

 最後になるわけでありますけれども、バトントワリングの競技人口は、今、日本で二百万人であるわけであります。競技人口は多いわけでありますけれども、余り知られていないのが実情ではないかというふうに考えているところであります。

 世界大会でも何人もの優勝者を出しているわけでありまして、日本のレベルは高いわけであります。世界じゅうで幅広い人気を博しているわけでありますけれども、一九七七年に、世界におけるバトントワリングの競技人口の急激な増加により、世界バトントワーリング連合が設立されたわけであります。日本でも急激に競技人口が増加しておりますので、日本人の得意とする競技でもあるというふうに考えているところであります。

 しかしながら、バトンを落として床が傷つくとかという理由の中で、体育館の利用ができないケースもあったというふうに聞いているところであります。

 こういった問題も含めて、普及に向けて、文部科学省としてどのような形での支援の方法があるのか、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。

久保政府参考人 バトントワリングにつきましては、芸術性の高いスポーツとして、子供を含む多くの人々に親しまれておりまして、世界大会においても日本人選手団が高い成績をおさめていると承知いたしております。

 文部科学省におきましては、一般社団法人日本バトン協会が主催されるバトントワーリング全国大会に、文部科学大臣杯、大臣賞を交付いたしますとともに、同法人が主催される全日本バトントワーリング選手権大会、さらに、特定非営利活動法人日本バトントワリング協会が主催される全日本バトン選手権大会などに後援名義の使用も許可しているところでございます。

 また、スポーツ団体等が行うスポーツ活動につきましては、独立行政法人日本スポーツ振興センターのスポーツ振興くじ、toto助成等を活用することも可能でございます。

 今先生御指摘の体育館の使用の問題についても、いろいろ課題をお持ちでございましたら、詳しく話をまたお伺いしながら、そのニーズにどうやって応えられるかを相談させていただいて、より、発展のために、我々としても支援させていただきたいと考えているところでございます。

神山(佐)分科員 大変ありがとうございました。

 これで終わります。ありがとうございました。

萩生田主査 これにて神山佐市君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本分科会の審査は全て終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 分科員各位の御協力を賜りまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。

 これにて散会いたします。

    午後七時五十八分散会


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