衆議院

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第2号 平成20年2月28日(木曜日)

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平成二十年二月二十八日(木曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 森  英介君

      木村 太郎君    清水清一朗君

      菅原 一秀君    園田 博之君

      とかしきなおみ君    長勢 甚遠君

      橋本  岳君    牧原 秀樹君

      矢野 隆司君    江田 康幸君

    …………………………………

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   厚生労働副大臣      西川 京子君

   厚生労働副大臣      岸  宏一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房地球規模課題審議官)       鶴岡 公二君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           田中  敏君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           木内喜美男君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  外口  崇君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  西山 正徳君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            高橋 直人君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            太田 俊明君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       大谷 泰夫君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    中村 吉夫君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  石井 博史君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           大塚洋一郎君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            長尾 尚人君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

分科員の異動

二月二十八日

 辞任         補欠選任

  園田 博之君     牧原 秀樹君

  長勢 甚遠君     橋本  岳君

  江田 康幸君     高木美智代君

同日

 辞任         補欠選任

  橋本  岳君     清水清一朗君

  牧原 秀樹君     木村 太郎君

  高木美智代君     江田 康幸君

同日

 辞任         補欠選任

  木村 太郎君     とかしきなおみ君

  清水清一朗君     矢野 隆司君

同日

 辞任         補欠選任

  とかしきなおみ君   園田 博之君

  矢野 隆司君     長勢 甚遠君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十年度一般会計予算

 平成二十年度特別会計予算

 平成二十年度政府関係機関予算

 (厚生労働省所管)


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     ――――◇―――――

森主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。

 平成二十年度一般会計予算、平成二十年度特別会計予算及び平成二十年度政府関係機関予算中厚生労働省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。牧原秀樹君。

牧原分科員 おはようございます。

 きょうは、今、国民にとって一番関心の高い安全、安心にかかわる社会保障制度全般について、分科会でもございますので、少し地元の事情も踏まえながら質問をさせていただきたいと思います。

 まず、毎回のように質問をさせていただいておりますけれども、社会保険病院の存続についてお聞きします。

 私の地元にも社会保険大宮総合病院という大切な病院がございまして、その北区、人口十万をはるかに超える大きな区になっていますけれども、一つ病院が、大宮医師会病院、メディカルセンターと言われている病院ですが、遠くに移転してしまうという問題があります。残るのがこの社会保険病院なんですが、この病院の存続問題について、なかなか出口が見えていないという状況があり、地域にも不安の声があります。必ず残してもらいたい、そうした地域の声を私もずっと受け続けておりますので、まずはこの社会保険病院の存続について、どのような状況にあるのか、お聞きしたいと思います。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 委員よく御承知のように、社会保険病院につきましては、平成十四年の十二月に策定しました社会保険病院の在り方の見直しについてという、これは厚生労働省の方針でございますけれども、これに基づきまして、今後、施設整備には保険料を投入しないこととするとともに、経営改善を図った後に整理合理化計画を策定することとされてきております。

 その後、平成十七年の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案の審議の際に、衆議院厚生労働委員会の附帯決議におきまして、厚生年金病院の整理合理化計画については地域の医療体制を損なうことのないように十分に検証した上で策定することというふうにされましたことから、社会保険病院につきましても、この独立行政法人の法案審議時の、今申し上げたような経緯にかんがみまして、厚生年金病院と平仄を合わせていくことが必要というふうに認識して今日に至っているというのが経緯でございます。

 いずれにいたしましても、このような経緯、それから与党におきましても今御検討が進められているわけでございますけれども、そうしたものを踏まえながら、地域の医療を損なうことのないよう十分配慮しながら、できるだけ早く社会保険病院の整理合理化計画を取りまとめてまいりたいというふうに考えておりまして、その中で、先生御指摘ございました社会保険大宮総合病院の取り扱いにつきましても適切に判断してまいりたい、かように考えている次第でございます。

牧原分科員 ぜひともお願いをします。新規の募集に際して、まだ出口が見えない病院にはなかなか集まらないという悲痛な声も聞いていますので、一刻も早い不安解消への道をお願いしたいと思います。

 次に、子育て支援につきましてお伺いをします。

 二年前の分科会で待機児童対策についてはお聞きをし、その後、国またさいたま市においても積極的に取り組んでもらっていると理解をしています。ただし、二百数名の待機児童がいるという話も伺っておりますし、地元でも親の皆様からそういう声もいただいておりますので、引き続き待機児童ゼロということを目指して頑張ってもらいたいと思っております。

 きょうは、放課後児童クラブについてお聞きをいたします。

 放課後児童クラブというものは、年々受け入れ希望人数も増加をしていて、なかなか対応が間に合っていないという声も地元ではお聞きをいたします。基本的には公的施設、特に学校内で確保してもらうのがいいという声も伺っておりますけれども、こうした放課後クラブの状況につきまして、地元さいたま市の状況も含めて、国の方の考え方、対応についてお伺いをしたいと思います。

大谷政府参考人 放課後児童クラブでありますが、これは平成十九年度から、放課後子どもプランというプランに基づきまして、学校の余裕教室等を十分に活用しながら、必要なすべての小学校区での実施を目指して現在推進を図っているところでありまして、文部科学省と緊密に連携しながら設置促進に努めているところでございます。

 厚生労働省といたしましては、平成二十年度予算案におきましても、未実施の小学校区の早急な解消を図り、必要なすべての小学校区をカバーできる二万カ所分の運営費を確保する、また、クラブ室の創設経費の増額や学校の余裕教室の改修経費等の補助など、設置主体制限等を緩和する、こういったことについても取り組み、ソフト、ハード両面において支援措置を盛り込んでいるところでございます。

 このような取り組みを通じて、各市町村において利用者のニーズに沿ったクラブの設置がなされるよう積極的に支援してまいりたいと考えております。

牧原分科員 ぜひともお願いをします。確かに、こうしたことにつきましてはいろいろな意見もあるようでございますけれども、働き方の多様化等もありますので、ぜひともきめ細かい対応をお願いしたいと思います。

 オストミー協会というのがございまして、先日、そのさいたま市支部の会合に出席をしましたが、その中で、特に災害時の備蓄対応などについて不安の声が上がっておりました。腎臓病の方々からも同じような、人工透析に対する不安の声を伺ったことがございます。こうした災害時の備蓄に関しては、あらゆる障害や病気を抱えている方が共通に抱えている不安だと思いますけれども、この点についての国の対策というものについてお伺いをしたいと思います。

 これは地元から、ぜひとも副大臣以上ということもありましたので、副大臣にお答えいただければと思います。

岸副大臣 災害が発生した場合、障害や病気を抱えている方々の不安というのは非常に大きいものがあると思います。したがって、生活に必要な物資や医薬品が円滑に供給されるように、そのことが非常に重要なことだというふうに考えております。

 こうした観点から、厚生労働省では、昨年六月でございますが、大規模災害における応急救助の指針というものを改正いたしまして、都道府県に対しまして、人工肛門や人工膀胱を保有している方々が必要とするストーマ用装具など災害発生時における要援護者の生活必需品について、備蓄の推進や、事業者団体等との物資供給協定の締結を行うように助言をしたところです。

 また、昨年八月には、都道府県に対しまして、災害時の人工透析の提供体制の確保について連名課長通知を発出しまして、避難所等において、可能な限り透析患者に適切な食事を確保するとともに、必要に応じ、透析患者に必要な医薬品や医療材料等を供給するよう助言しているところでございます。

 今後とも、都道府県に対して、全国会議などの機会を通じまして、災害発生時において障害や病気を抱えている方々が必要とする物資や医療品の円滑な供給が図られるよう体制の整備を周知してまいりたい、こういうふうに考えております。

牧原分科員 ぜひともお願いをします。災害は起こってみないとどういう状況になるかわかりませんが、少なくともこうした備蓄の有無が、本当に健康の重大な問題や、時には生死の問題までかかわるという方が大勢いらっしゃるわけでございまして、いつ起こるかわかりませんので、この対応というのは一刻も早い指示をお願いしたいというふうに思っております。

 次に、精神障害のことについてお聞きをしたいんですが、先日、精神障害を抱える方の御家族の会の皆様から悲痛な声をいただきました。その一つは施設数、特にグループホームについてなんですけれども、いまだに数が絶対的に不足をしていて困っているという声でございました。

 この点について、まず対策をお聞きしたいと思います。

岸副大臣 精神障害を持たれている方々が地域で普通に暮らすために、グループホーム等の住まいの場などのサービス基盤を地域において整備するということは非常に重要なことである、先生のおっしゃるとおりだと思います。

 障害者自立支援法におきまして、精神障害者に対する支援を抜本的に強化するために、一つとしまして、精神障害を含め、障害種別にかかわらず福祉サービスを一元的に提供する仕組みを定めたほか、市町村等が障害福祉計画を定めて、これに基づきましてグループホームなどを計画的に整備することとしたところでございます。

 また、特別対策におきまして、グループホーム等の事業の実施に当たり必要な敷金、礼金の助成を行っておりますほか、今般の与党プロジェクトチームの報告を踏まえた緊急措置によりまして、平成二十年度予算において、新たにグループホーム等を整備する場合の費用について補助するということにいたしたところでございます。

 なお、おっしゃられましたように、グループホームやケアホームは、平成十七年では三万四千人が御利用いただいておりますが、平成二十三年には八万人ぐらいというふうに予想いたしまして、それらに対する対応を、ただいま申し上げた施策とともに一層充実を図ってまいりたい、こういうふうに思っております。

牧原分科員 ぜひともお願いをします。

 私も地元で行ったことがありますけれども、かなり高齢化も進んでおりまして、新しい人がなかなか入ってきにくいということも、新しい施設が必要な要因の一つになっているという現状を見ましたので、ぜひそうしたきめ細かい、現場も踏まえた対応をお願いしたいと思います。

 さらに、家族会の方からは、施設があっても、特に精神障害ということの場合には、そもそも施設まで行くことができないで家に引きこもってしまうということが非常な悩みであるということをお聞きしました。

 私もいろいろなところでお話を聞くと、施設まで行ける人が大体半数弱ぐらいで、あとの方は、対人関係とかについて悩みがあって、そもそも表に出ることができない。表に出ることができない障害をお持ちの方が家にいるということは、御家族の方も家から出ることができない。そうしたことになって、どんどんと内向きになってしまうという悪循環になっているわけであります。

 こうした御家庭に対しては、こちらから家庭に訪問をする、診療でも結構ですしカウンセリングでも結構です、こうしたようなサービスをぜひともきめ細やかにやっていただきたいというふうに思うんですけれども、この点について、国のお考えないし対応についてはどうなっているのでしょうか。

岸副大臣 まさに御指摘のとおり、障害を持たれている方々は自宅に引きこもりがちな場合が多い、必要なサービスの利用につながっていないという面もあると考えております。

 このため、今般の緊急措置によりまして、特別対策で各都道府県に造成された基金を活用いたしまして、自宅に引きこもった精神障害者等への家庭訪問を行い、必要なサービスにつなげるためのきめ細かな取り組みを支援しているということでございます。

 今後とも、精神障害者を含む障害者の方々やその家族が地域において安心して暮らすことができますように、その取り組みを推進してまいりたい、こういうふうに思っております。

牧原分科員 ぜひともそうした方向性でやっていただきたいというふうに思っております。

 また、どこでどういうふうにすれば、具体的に相談員の方ないしこうした訪問をしていただけるのかということについては、別途お聞きをしたいというふうに思っております。

 次に、医療の問題でございまして、医療については、言うまでもなく医師や看護師などの不足が叫ばれておりまして、医療崩壊の危機寸前だという声もあちこちでお聞きをいたします。他方で、人員をむやみにふやしていくということをすると、長期的には、日本は人口減少の社会に入っていくわけでもありまして、どうなんだろうという声もあります。

 具体例を出して申しわけないですが、例えば歯科医師などでは、もう数が過剰過ぎるという声をかなり現場の歯科医師の皆様からお伺いしますし、私自身の職業でもあります弁護士なんかでも、もうあふれ過ぎているという声も伺っていて、将来的には過剰になるのではないかという声もいただいているわけであります。

 そうした、より長期的な視点での適正なあり方ということを考えると、むしろ、新規の医者の方をふやすということも、それはそれとして重要かもしれませんが、まずは、特に女性の方で、結婚やあるいは子育てを機に現在は医療の第一線から退かれているという方々にもう一度御活躍を願いたい、そういう方向性を考えるのが適切ではないかとも考えます。

 こうした女性の医療現場の皆様にとっては、家庭やあるいは子育てとの両立、やはりそうした問題が一番重要であると考えております。こうした環境整備について、現在、国の方ではどのように考え、そしてどのような取り組みがなされているのか、お伺いしたいと思います。

外口政府参考人 近年、医師国家試験の合格者に占める女性の割合が約三分の一にまで高まるなど、医療現場における女性の進出が進んでおり、出産や育児といったさまざまなライフステージに対応して、女性の医師や看護師の方々が安心して業務に従事していただける環境の整備が重要であると考えております。

 このため、昨年五月末に政府・与党で取りまとめた緊急医師確保対策に基づき、来年度予算案において、女性医師や看護師を中心とした女性の医療従事者の支援のため、病院内保育所の運営を支援する事業の拡充、退職した女性医師に対する復職のための研修を支援する事業、女性医師バンクの体制強化等を盛り込んでいるところであります。また、女性医師や看護師等の柔軟な勤務体制が可能となるよう、短時間正社員制度の周知を図っているところであります。

 今後とも、これらの取り組みを含め、女性医師、看護師を初めとした女性の医療従事者の方々が、安心して再就職や就業の継続ができるような環境の整備に努めてまいりたいと考えております。

牧原分科員 これは、私も病院で夜勤体験をしたこともありますし、また、近くの病院で働かれている、特に小児科の女性医師の先生からもどういう状況かと聞いたことがあるんですが、本当に、数日に一回夜勤があって、そしてプレッシャーも物すごいものがあるわけであります、今、医療事故に対する追及というのも極めて厳しいものもありますし。

 したがって、そうした極めてストレスの高い状況に、夜間も含めた長時間勤務をしながら結婚や子育てを考えていたりということは、これは男性、女性どちらにとっても大変つらいことなわけでありまして、こうしたことについて本当に積極的に取り組んでいただきたいですし、これは決して悠長な課題ではなく、もう緊急の課題です。そうした問題意識を持って私も取り組んでいきたいと思いますし、ぜひとも役所の方でも取り組んでいただきたいと思っております。

 次に、介護についてお伺いをいたします。

 介護は、保険制度が始まりましてまだそれほど日がたっていないということもあります。したがって、やってみたところ、思っていたのと違ったとか、支出が増大し過ぎてしまったということで、多少、制度変更が余儀なくされる、そういう面があることは理解をいたしますけれども、それでも余りに毎年猫の目行政になっているのではないか、そうした声をよく現場の方からお聞きをいたします。

 したがって、そうした新しい制度であるという面を理解しつつも、より長期的に腰を据えてやっていただきたいなということを、ここで改めてお願いを申し上げます。

 他方で、特に個別の細かいサービスについてまだまだ行き渡らない点がある、こんなことを特に事業をやられている皆様からはお聞きをいたします。

 例えば、グループホームで通院が必要、緊急に医療が必要になる場合に、当然、職員の方が病院に連れていかざるを得ないわけですが、病院に連れていくというそのサービス自体には特段の報酬がないという状況になっております。

 これは、介護老人福祉施設と同じ考えで、もうパッケージとして、そこが生活の場であるから、そうした特段のサービスがあってもそれは含まれているんだ、そういう考え方があるのも理解をいたしますけれども、例えば、職員が配置をされていて、ある方がおなかが痛いということで、病院に職員の人が、これは一人で一人ついていかなきゃいけないので行ってしまう、三十分後に二人目の人がおなかが痛いということで、また一人の人が病院に行ってしまう。そんなことが続くと、そもそも施設内での職員の数が物すごく減ってしまいますし、事業者側からすると、そうした特段の報酬がつかない。

 つまり、ある職員が、例えば、だれかが今特段のサービスを必要としないので施設の中でじっとしている状況でも、そうやって遠くの方の医療施設に行ってでも同じだということになれば、なかなかそうしたきめ細かいサービスをする意欲が失われてしまうのではないか、そんなことも言われております。

 あとは、例えば、近くのところにみんなでカラオケに行くとか、何でもいいですけれども、屋外に出かけていったりする。そうしたことをやっても、そのこと自体には特段の報酬がつかないので、そうした新しいサービスを提供しようという意欲が失われるのではないか、そんなこともお聞きするわけであります。

 この点については、そうした細かい点も含めて、より利用者側が、例えば今申し上げたような、病院に連れていってほしいとかカラオケやほかのものに行きたいというニーズにもこたえていく、そうしたことについても配慮がなされるようなきめ細かいことをお願いしたいと思います。

 これはお願いだけにとどめまして、質問につきましては、まず、同じ内容の報告にもかかわらず、各自治体の申請様式が違うというような要因によって事務負担が重い例があるということをお聞きいたします。

 つまり、各都道府県によって、同じ法律に基づいた同じ報告書だったりするのにフォームが全く違ったりする、あるいは、いろいろなそうした各都道府県の事務手続の違いによって、いろいろな複数の都道府県にまたがっている人にとっては非常に事務負担が重いということをお聞きします。

 この点について、厚労省側の対策についてお聞きをいたします。

木内政府参考人 事務負担に関する御質問でございますが、介護保険及びそれに係る事務手続につきましては、都道府県、市町村の自治事務というふうに位置づけられておるところでございます。したがいまして、必要な書類やその様式等につきましては、最終的には、それぞれの都道府県なり市町村なりによって判断されているというところでございます。

 しかしながら、各自治体におけます事務手続等につきましては、介護事業者の過剰な負担とならないようにすべきことは御指摘のとおりだと思っております。

 そこで、私どもといたしましても、機会あるごとに事業者の事務負担に配慮した運用を各自治体に要請しておるところでございまして、昨日も、全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議というのを開いたところなのでございますが、その場におきましても、各都道府県に対しまして、こういった見直しを要請させていただいているところでございます。

 また、厚生労働省といたしましても、事業所の経営や従事者の実態等につきまして、また改めて調査することにしておるところなのでございますが、そういった中で、必要な書類を精選するといったようなことも含めまして、事務負担の軽減について検討いたしまして、可能なものから順次実施してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと思います。

牧原分科員 ぜひともそうしたことをお願いしたいと思います。

 この事務負担の重さにつきましては、実は、介護事業者だけではなくて、医療現場からもお聞きをいたします。できるだけ事務負担を軽くして、そして、こうした社会保障の現場にかかわる方には、その現場で御活躍をいただくように配慮していくというのは私は基本的な方向性だと思いますので、ぜひともお願いをいたします。

 次に、都道府県の違いということについては、この事務手続だけではなくて基準の解釈が異なっている場合があります。

 具体的には、例えば生活相談員の必要要件というものについては、個別の例で言えば、東京都と私の地元の埼玉県では異なっているために、申請者が困ってしまうという問題が起きております。こうした解釈の違いによって現場が混乱をするということが間々見られるわけですけれども、このことに対する国としての対策、考えについて、最後にお聞きします。

木内政府参考人 具体的に、生活相談員の資格に関する御質問でございますが、生活相談員の資格要件につきましては、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準という基準の中で、「社会福祉法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。」と定められているところでございまして、この「同等以上の能力を有すると認められる者」、この解釈につきましては、運用通知の中におきまして、「社会福祉施設等に勤務し又は勤務したことのある者等であって、その者の実績等から一般的に、」「入所者の生活の向上を図るため適切な相談、援助等を行う能力を有すると認められる者」というふうにしておるところでございます。

 したがいまして、その方の過去の経験等を踏まえまして、個別具体的に実質的に判断していくことが必要になるというものであると考えておるところでございます。

 各自治体におきましては、御指摘のとおり、生活相談員の資格につきまして、具体的な例示を挙げているところもあるところなのでございますけれども、その例示を形式的に運用するのではなくて、ただいま申しましたとおり、運用通知の趣旨にのっとりまして、過去の経験等を踏まえ、個別具体的に、かつ、実質的に判断をしていただくようお願いしてまいりたいと考えております。

牧原分科員 ぜひともお願いします。

 この解釈の違いについては、実際の申請先である都道府県に行くと、これは国が決めていることだと言われ、国に聞くと、それは自治事務だからと言われ、要するにボールの投げっこになってしまうために、せっかく土地を買収し、もう建てるだけになってもなかなか滞るという例も多々ありますので、ぜひとも国の方で、その解釈などの統一性については責任を持っていただきたいと思っております。

 以上、社会保障制度全般について質問をさせていただきました。

 大臣もお見えでございます。現場でも随分大臣の感覚に期待をする声は大きいと思っておりますので、こうした国民の安全、安心を守っていただくために、引き続きよろしくお願いを申します。それは国会議員としての私たちの使命でもあると思っていますので、私も頑張りますので、今後とも引き続きよろしくお願いを申し上げます。

 以上で質問を終わります。

森主査 これにて牧原秀樹君の質疑は終了いたしました。

 次に、橋本岳君。

橋本分科員 おはようございます。自由民主党の橋本岳でございます。

 きょうは、お忙しい中、舛添大臣にもお越しをいただきまして、ありがとうございます。

 きょうは、医療安全調査委員会という、今検討されているものについてお伺いをしたいと思っております。

 かねて、診療関連死に関する死因究明のあり方に関する検討会、本当はもっと長い名前ですけれども、そういう形で省内で検討されておられたことをもとに、今国会で医療安全調査委員会設置法案というものを提出することを検討されているというふうに伺っております。

 そもそも医療については、今いろいろなことで危機だというふうに言われている。それは、そもそも論として医療費の抑制の問題であるだとか、あるいは現場で大変過酷な重労働を医師の先生方あるいは関係の方々が強いられている、そうした背景というのもあるし、それは早急に手を打たなければいけないと思っております。これらについては、既に指摘も多いですし、きのうも清水鴻一郎先生とここでやられていましたけれども、舛添大臣には十分御認識をいただいていると思いますし、引き続いてしっかり取り組んでいただきたいと思っております。

 同時に、医療に関する裁判というのがふえているという状況の中で、もちろん患者さんもしくは御遺族の権利というのは十分に保護されなければいけませんが、同時に、過度に訴追などを受けるということを恐れて十分に伸び伸びと医療ができないというような現状がある。あるいは、リスクのある医療はもうしない、場合によっては、救急車で急患が来たといっても、ちょっとこれはうちの病院は手に余るといって別の病院を紹介する、もしくはその受け入れを断る。そういったことにつながる、萎縮医療という状態にもう既になっているのだという指摘も多々あります。実際そうなっているんだと思います。

 それはやはり、医療を受ける患者、国民の立場にとってみても幸せなことではないんだろう、当然ながら医師の方々にとってもそうなんだろうと思いますけれども、そういう不幸な状態なんだと思っています。救急医療だとかあるいは産科など、もしくはそのほかさまざまなところでそうしたことは言われています。

 だから、そうした問題にとって、この医療安全調査委員会という制度は、早急に手を打つ一つの方策としてできるだけ早く実現をするべきだと私は思っております。

 一方で、現場の医師の先生方からは、この制度についてはいろいろな御懸念が多々寄せられている。もっと医療萎縮を招いてしまう方向に転んでしまうのではないかという御懸念が本当にたくさんあります。メールなどでたくさん寄せられまして、それから私も調べてみたりしたわけですけれども。あるいは、きょう質問するんですけれどもということを先生方にメールなどで聞いてみたら、やはりいろいろなお返事をいただきまして、とてもきょうこの時間で全部は紹介し切れないんですけれども、それだけ関心が高いあるいは懸念が高いということなんだろうと思いました。

 きょう質問させていただく中で、懸念というものが解消するとかあるいは前向きな議論が進むとか、そういう方向になるとよいなと思って質問をさせていただきます。また、逆に、厚労省としても、しっかり大臣として認識をしていただいているということを示していただくということでも、お忙しい中ですが、大臣にお越しをいただいた次第でございます。

 ということで、まず大臣にお伺いしたいんですけれども、改めて、医療安全調査委員会設置法案の提出の見通しについて教えていただきたい。

 それから、この検討に当たって自民党の方でも検討会をさせていただいておりまして、十二月にペーパーを出しました。その中で、政府においてこういう点を留意してくださいという留意事項十一項目を挙げさせていただいておりますけれども、法案を提出するもしくは成立をする前に、この十一項目、私たち自民党から示させていただいた件については御対応いただきたいと思っておりますけれども、そちらについてどのようにお考えか、あわせて教えていただければと思います。

舛添国務大臣 今委員がおっしゃったように、医療事故の原因の調査、遺族の方、家族の方々なんかは、何が原因なのか、まずそれが知りたいということがあります。補償よりもそっちが先だということがある。それから、福島県の大野病院の例のように、やはり訴訟リスク、その前に警察に逮捕される、これに対して非常に懸念がある。

 私のところにも、全国のお医者さんから毎日山ほどメールが来ておりまして、本当に、一人平均十一ページですから、メールをプリントアウトして読むのも大変なんです。だから、そういう点でこれは、のんべんだらりとはやりませんけれども、余り拙速主義でもいけないんで、少し国民的な議論をというふうに思っていますし、先ほどの、昨年十二月の党の方の留意事項、これについてもきちんと検討していきたいというふうに思っています。

 だから私は、最終的には、お医者さん、医療提供者と患者、この間の相互信頼感がなくなってきていることも実はその背景にあるので、この調査委員会をつくったからといってそれですべて問題が解決するわけではないと思いますので、根幹にある患者の医者に対する不信感、そして医者の訴訟に対する恐怖感、こういうものをどういうふうにして取り除くかということがないといけないと思います。

 もう一つ。ですから、医療メディエーター的な、つまりお医者さんと患者さんの間に入っていろいろ調停してくださるような、病院経験の長い方、そしてお医者さんがそれをやってもいいわけですけれども、そういう病院の中にいる人たちを活用する形でメディエーターをつくるというのも一つの案なんですけれども、そういうもの、裁判外の調停制度的なものも含めて、どうすれば相互の信頼感を医者と患者の間で確立できるか。実は、その一環であって、この調査委員会を法律を通してつくったからといって、それですべて片づくというような考え方では、とてもじゃないけれども問題解決しないと思います。

 したがって、そういう大きな取り組みの中の一環だという位置づけにしたときに、ではどういう問題があるか、どういう改善策をしないといけないか、これは広く意見を聞いてまとめたいというふうに思っております。

橋本分科員 大臣のところにもたくさんメールが届いていて、しかも十一ページということですから、ちゃんとごらんになっているということで、では多分問題意識というのは共有されているだろうと思いますし、今の答弁は、まずやはり広く議論してその上でということですから、ぜひそうあっていただきたい。かといって、現状放置ということにつながってもいけないので、そのところは見合いが難しいわけですけれども、しっかり取り組んでいただきたいということであります。

 では、ちょっと各論に入りますので、以下、医政局長の方にお伺いをさせていただきます。大臣にもぜひお聞きいただきたいと思います。

 懸念されているポイントというのは幾つかありますけれども、その一つは、医療機関から委員会への届け出をどういう基準で行うかということであります。やはり現場に混乱を招くようなことになってもいけません。余り複雑だと判断ができないとか、あるいは、その結果、広過ぎて、もう全部、診療中に予期せぬ事態が起こってしまったら届けろというようなことになってしまうというのも困る。もちろん、御遺族の方、患者の方の権利というのも考えながらその点は定めていかなければいけないと思うんですが、現時点での検討として、医療機関から委員会への届け出の基準について、今どのようにされようとしているか。

 それからもう一点、その基準というのはもちろん、一回こうだというふうに示して制度を運用されるんだと思いますが、当然見直しということも出てくることはあろうかと思います。ただ、もちろん余り頻繁にされても困るわけですけれども、適切な見直しというのはあるべきだろう。

 そのときに、一つの懸念として、遡及適用されるのではないかという懸念をされるのが現場の先生方であります。要するに、今までこれで適切な対応をしていたというケースで、後になって、いや、これは届け出るべき対象でしたよと言われても、それは困るよという話です。だから、その遡及適用というのがされるようなことかどうかということをあわせて、基準とその遡及適用云々について教えていただきたい。

外口政府参考人 御指摘の届け出の基準につきましては、これは自由民主党の医療紛争処理のあり方検討会からの留意事項としても「新制度に基づき届出が必要な事故の基準を明確にすること。その際、専門家の意見等を十分に踏まえ、医療の現場に混乱が起きないようにすること。」という御指摘を留意事項としていただいております。

 このいわゆる届け出の基準でございますけれども、医療機関から医療死亡事故として委員会への届け出を求める基準について、有識者による検討会に提示をしているところであります。

 現在、医療関係者等から意見を伺っている状況でありますが、現在示している届け出の考え方と申しますか、基準のいわゆるたたき台としては、明らかに誤った医療行為に起因して患者が死亡したまたは死亡した疑いがある事例、誤った医療を行ったことは明らかではないが、行った医療に起因して患者が死亡したまたは死亡した疑いがあって、死亡を予期していなかった事例と医療機関の管理者が判断した場合としているところであります。

 このように、現在は届け出基準のたたき台を大枠として示している段階であり、条文の形での議論をしていないため、現時点では、具体的に、例えば法律、政令または省令のいずれで規定するかはお示しできるような段階ではございませんけれども、最終的には法令で規定することになるものと考えております。

 いずれにしても、医療現場に混乱を来すことのないよう、具体的な事例を挙げた議論を進めながら基準を明確にしていきたいと考えておりまして、さきの有識者の検討会でも、実際に三十例近くの事例を示して議論をしているところでございます。

 なお、医療死亡事故の届け出については、これは法律の施行日以降の死亡事例に限定されるものと考えておりまして、御指摘のように施行日前に遡及しての適用は考えておりません。

橋本分科員 遡及適用はないということです。検討というふうに承りました。検討については今いろいろされているところだということですが、誤ったとは言えないけれども予期せぬ死とか、その疑いとか言われて、相当まだぼんやりしているというか判断が難しいところも残っているのかなというふうには感じましたので、ぜひともその辺、よく御検討をいただきたいと思います。

 それから、次の懸念事項として、今度はその委員会から場合によっては捜査機関に通知をする、そうすると警察が出てくるという手続に移るということが明らかにされています。ここは当然ながら、例えば故意だったらこれは犯罪ですね。だから、そういう場合に捜査機関に移すというのは当然なんだろうと思っていますけれども、そこの線引きをどうするかということについては、医療萎縮というのはさらに進むという懸念もされている。そういうこともありますので、捜査機関への通知の判断基準というのが今どのように検討されているのか、定められようとしているのか。

 それから、もう一個。事前にお話を伺ったり、自民党の検討の中でも、重大な過失のときは捜査機関に通知をするという話がありました。ここが肝というか争点というか、論点なんだと思いますが、一点確認したいのは、死亡という結果ですね。それは御遺族にとって、本人にとって、重大な結果です。死亡という結果を招いてしまったということは重大な過失ということにつながっているのかどうか。

 その二点について、お伺いをさせてください。

外口政府参考人 まず一点目の、委員会から捜査機関に通知を行う場合、どのような場合かということでございますけれども、一つの考え方としては、故意や重大な過失があった場合、それから過失による医療事故を繰り返しているなどの悪質な場合、いわゆるリピーター医師の場合など、それから医療事故が起きた後に診療録等を改ざん、隠ぺいするなど非常に悪質な場合、こういった場合は通知を行う必要があるのではないかという例示を示して、今、議論をしているところでございます。

 もちろん、現在検討中の医療安全調査委員会は責任追及のための機関ではありませんが、先ほども申し上げましたような故意や重大な過失のある事例そのほか悪質な事例に限定して、例外的に捜査機関に通知することを検討しております。

 ここで言う重大な過失とは、二点目の御質問になりますけれども、これは死亡という結果の重大性に着目したものではなく、標準的な医療から著しく逸脱した医療行為であると医療安全調査委員会が認めるものを想定しております。

橋本分科員 では、結果の重大さによらないということで承りました。あとは、標準的な医療というのはどこかという議論になろうかということであります。

 ではもう一点、局長に確認をさせていただきたいんですけれども、要は標準的な医療、それはどこかという議論があります。そこは専門的な見地で決めていただきたいと思いますが、そのプロセスですね、要するにどういうことをやったか、そしてそれが当時の状況、それから患者の状態そのほかに合っているかという手続のチェックをするという要素が強いというふうに今感じたんですけれども、その理解は正しいでしょうか。

外口政府参考人 そのプロセスのチェックというものは大変重要だと考えております。

橋本分科員 ありがとうございました。今の答弁は相当重要なのではないかと思っております。

 今、そのプロセスという話をしたわけですけれども、患者が病院にいろいろな状態で運ばれてくる、もしくは歩いてくるかもしれません。医療行為を行う。そして結果は、そのまま救命できるときもあるし、手が届かなかったということも当然場合によってはある。

 例えば自動車事故の場合、道を歩いている人が突然亡くなるということはないわけで、道を歩いている人が亡くなった、ではそこに事故があったんだと結びつくわけですけれども、医療という行為は、そこが不分明なわけですね。そもそも死の危機に瀕している人が来るわけです、救急の現場とかには。だから、そこで業務上過失致死を適用するのがいいかどうかは、私はちょっと議論があるとは思いますが、ここを議論するとちょっと長くなるので省きますが、この委員会に話を区切ったとしても、原因究明だとかプロセスがよかったかどうかという判断も、結論というのはすぐ明らかに出るものではないと思うんですね。

 要するに、本当にだれが見てもこれは間違いだというのは当然あると思います。だけれども、例えば委員会に何人かの先生が入っていて、ある人は、いや、これは間違いだ、これはできて当然だ、あるいは別の先生は、いや、この現場の状況、患者の状況、そのほかを考えて、この措置をしたのは妥当性は高い、結果はうまくいかなかったかもしれないけれども。そういうふうに意見が割れるということは十分にあることだろうと思うんです。

 そこで、いろいろなケース、亀田病院だとか、割りばし事故のケースだとか、鑑定などを見ても意見が割れるわけですね。そういうときに、まず調査委員会の報告書として、それは誠実に検討した結果、原因がわかりませんでした、あるいは両論併記しかしようがなかった、まとまりませんでした、そういう結論を出すということは想定をされているのかどうか。

 もう一点、そうした結論が出るとしたときに、捜査機関への通知というのにはなじまないんだろうと私は思いますけれども、捜査機関に通知をされるかどうか。

 その二点について教えてください。

外口政府参考人 新しく想定している制度につきましては、専門的な委員会が医学的な観点から医療死亡事故の調査を行うことを想定しているものであります。

 この制度は、医療死亡事故の原因究明を行うものであり、医療の安全の確保に向けて十分な調査を尽くし、一定の結論を出すべきと考えておりますが、専門的な調査を行った結果としてもなお原因は不明という結論や、委員の間で医学的に見解が異なり少数意見を付記した結論というような場合もあり得ると考えております。

 そして、仮に原因は不明という結論に至った場合には、捜査機関への通知の対象となる、先ほど申し上げましたような故意や重大な過失のある事例、その他悪質な事例に該当すると認めることができず、これは通知の対象には原則的にはならないのではないかと考えております。

橋本分科員 今の点は相当重要だと思うんですけれども、大臣、ちょっと見解を。やはりそういう例で捜査機関には行くべきではないと思いますけれども。

舛添国務大臣 両論併記とか原因不明の場合に、これは今の法律体系を考えて、つまり法務省的な立場で見ても、捜査機関への通知はやらない、できない、できないというか、しないという方針でいいと思います。

 ただ、先ほど冒頭に申し上げましたように、橋本委員も私もお医者さんたちからたくさんメールが来る。本当に現場でこんなに御苦労されているので、お医者さんを救いたいというのはあるわけです。ただ、忘れてならないのは、片一方に患者さんがいます、患者さんの家族がいる。なぜ警察も動いてくれないんだ、どう考えても医者のミスじゃないか、不明で済ませるのかという声が出てくるんです。だから、これに対しては、刑事では訴追しないけれども民事で訴追することは可能なんです。

 ですから、常に我々が国民の代表として考えておかないといけないのは、一つのテーマについてやると、その関係当事者の意見ばかりが来ている。では、同じだけのメールが国民から来ていますか。一通も来ていません。お医者さんからしか来ていません。それは百通以上来ています。

 そうすると、私たちはやはりそこも考えないといけないので、立法の責任者としては、そういう意味で、お医者さんだけの意見を聞く、お医者さんの中にもいろいろあります、しかし、これはやはり国民の声を聞くのが国民の代表としての国会議員の仕事だろうということもありますので、今の、そういう両論併記とか不明のときには委員会としては捜査機関に通知はしない、それでいいんだと私は思いますけれども、しかし、それに対する不満が患者さんから出てきたときにどうするかということも我々は考えておかないといけないので、それについて私は、民事訴訟という手は残っていますというお答えをとりあえずはしておきたいと思います。

橋本分科員 ありがとうございます。

 確かにそれはおっしゃるとおりで、忘れてはいけない視点ですし、それはそもそも、安全委員会がその報告書の中でどれだけの説明ができるかということが、この委員会についていえば問われてくるのだと思いますから、その中でも、もちろん民事訴訟という手段も残っているということですけれども、考えなければいけないことなんだろうというふうに承りました。

 次の懸念に行きます。ちょっと時間がなくなってきたので、巻いていきますけれども。

 そもそも、その委員会はマンパワー的に機能できるかという話があるわけです。その前提の議論として、大体どのぐらい届け出があるという想定をされておられるか、教えてください。

外口政府参考人 委員会への届け出対象となります医療死亡事故の件数につきましては、現在、届け出範囲について議論している段階でもありますので、届け出範囲の考え方にもよるものでありますけれども、現在実施しております医療事故情報収集等事業における特定機能病院や国立病院機構の病院等からの医療事故による死亡として報告された件数を踏まえますと、これは一つの推計ではございますけれども、おおよそ年間二千件程度になるのではないかと考えております。

 この場合、マンパワーという御指摘がありましたけれども、例えば解剖の体制がどうかといったこともあるかと思いますけれども、現在、年間約二万件程度の病理解剖等が行われており、制度が創設された後でも、これは相当数重複しているものもございますし、また解剖の実施は御遺族の方の承諾を前提とする予定でもありますので、そういった影響もございます。そういうことで、委員会に届け出される件が解剖件数として純粋に純増として加わるものではないのではないかと考えております。

 いずれにいたしましても、病理医の先生や法医学の先生の確保、また御協力というのは大変重要でございますので、こういった点につきましては、日本病理学会や日本法医学会を初めとした先生方の協力をいただくために、よく御相談してまいりたいと考えております。

橋本分科員 今、二千件ぐらいの想定、想定というか予測ですから、もちろんいろいろあろうかと思います。

 別のある方の試算によると、東京都監察医務院の現状などからいろいろ推計をすると、二万七千件ぐらいになるんじゃないのか。診療関連死がですから、そこから届け出がどうなるかという話になっていくわけですけれども、議論というのはまだ幅が少しあるだろうと思いますし、逆に、現場の先生方は大変ですから、マンパワーの確保というのは十分に想定していかないといけないし、フォローもしていかないといけないだろうというふうに思っていますので、ここのところの御検討もぜひお願いします。

 それから、この委員会の活動のため、きちんと審議をするため、あるいは医学の発展ということを考えても、御遺体についてきちんと、解剖というのはすごく手間がかかる話ですから、それだけではなくて、遺体の客観的な証拠をどれだけ残すかということが大事なんだろうと思って、できれば制度化へつなげていった方がいいと私は思っています。

 その中で、遺体に対して画像診断をしてCTなどの写真を撮っておくということが、Aiというのが言われていると思いますけれども、それについて、今厚労省としてどう考えているか教えてください。手短でお願いします。

外口政府参考人 死因究明の際に行います画像診断装置による診断の有用性や問題点等の研究につきましては、平成二十年度の厚生労働科学研究における公募課題としておりまして、いわゆる画像診断、オートプシーイメージングの活用についても検討してまいりたいと考えております。

橋本分科員 しっかり検討を進めていただいて、個人的には、これはぜひ制度化につなげていっていただきたいと思っております。

 最後になりましたけれども、ちょっと大臣にお伺いしたいんですが、さっきメールもたくさん受けられているというお話がありました。なのであれば、多分もうひしひしとお感じなのではないかと思うのですが、私もたくさんやりとりする中で、医師と患者の方々の信頼関係というのを最初にいただいたのですが、厚生労働省もしくはその後ろにある政治といったものも含めてですけれども、それに対する信頼感というのも相当薄らいでしまっているのかなということをひしひしと感じました。年金だとかいろいろありますけれども、この件に関しても、権限強化になるんじゃないかとか、厳罰主義なんじゃないかとか、そういうような御指摘も多々いただくところであります。

 そうした、厚生労働省が医療現場の方々から信頼感が余りない状態というのは不幸なことだと思うのですが、それについてどうお考えか、最後にちょっと教えていただきたい。

舛添国務大臣 どこでも一般的にそうですけれども、役所に対しても政治家に対しても、批判的な人の声は大きくなります。賛成している人は何も言いません。したがって、厚生労働省としては、これはやはり使命感と責任感を持って国民の生命をしっかり守るんだ、そういう原点で仕事をするということが一番大事だというふうに思います。

 ですから、医療制度の改革にしても、例えば研修医の派遣をどうするか、これが問題だからお医者さんの不足が起こっているんじゃないか、こういう意見もある。しかし、今のままの、大学教授が、医局が力を振るっているような形での研修医制度でいいのかという意見もあります。

 ですから、お医者さんの間でも看護師さんの間でもいろいろな意見がありますけれども、私たちは、やはり最後に立脚すべきは、国民の目線に立ったときにどうかということが一番重いというふうに思います。

 そして、政府・与党一体となって取り組んでいかないといけない。それは議会制民主主義ですからそうなんでありますけれども、最終的には国民の代表である政治家がきちんとリードをして役所を指揮、指導する、これが必要だと思いますので、今後とも、国民の信頼をかち得るような、そしてまた医療提供者、医療関係者の信頼をかち得るように、私を中心として、全省挙げて努力してまいりたいと思います。

橋本分科員 アンケートなどによると、舛添大臣への期待というのはとても高いという結果も出ておりました。ぜひとも、私たちも努力しますけれども、頑張っていただきたいと思います。

 以上です。

森主査 これにて橋本岳君の質疑は終了いたしました。

 次に、木村太郎君。

木村(太)分科員 大臣初め皆さん、おはようございます。私も質問させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。

 私も、けさの朝刊を見まして、政治面に大臣の記事が大きく報道されておりまして、ぜひ、政治家としての信念という大臣としての思いはいささかもぶれることなく、あくまでも国民のために御活躍をしていただきたいと、心から御期待を申し上げたいと思います。

 それでは、早速御質問に入らせていただきたいと思いますが、都道府県別の指標あるいは順位のデータ等がいろいろ発表されております。例えば平均寿命あるいは平均所得、あるいは有効求人倍率など、たくさんのデータあるいは発表があるわけでありますが、ただ、それらの最下位クラスというのは大体固定化され、つまり、その県名を見ますと、いつも同じ顔ぶれというふうに感じるのは私ばかりではないというふうに思っております。

 私の地元青森県は、平均寿命でいいますと最下位、一人当たりの県民所得は四十六位、あるいは有効求人倍率も四十六位などとなっております。厚生労働行政を進める中で、医療は医療、あるいは雇用対策は雇用対策として進めることは当然でありますけれども、働く場が少なく、そのことなどにより所得も低く、また、経済的に厳しいことから健康面でもリスクが高いのではと考えてしまうわけであります。

 よって、これらの関連性というものをしっかり分析していただきまして、厚生労働省として、総合的な政策の確立と対応の実行というのが必要ではないかなというふうに思いますが、大臣の御認識をお聞かせいただきたいと思います。

    〔主査退席、菅原主査代理着席〕

舛添国務大臣 先般、長野に視察、国民対話に参りました。飯田市というところへ行きました。医療の問題について検討した。

 今委員がおっしゃったのと逆で、平均寿命が男で一番長いのが長野県、女の方も五番目だ。それで、全く同じ問題意識を持って、なぜ長野県が長生きするんだろう、それから、今おっしゃった御地元の青森とか秋田とか、平均寿命は下から数えた方が早い。

 いろいろあると思いますので、私が注目したのは働き方、つまり、今雇用の問題をおっしゃったので、それとの関連を調べますと、長野の場合はさすがによく働いているんです。それで、これは当てはまるかなと。そうしたら、今度、女性のケースですけれども、女性は沖縄の方が平均寿命トップなんですね。ただ、では雇用の問題とどう関係づけるかというのはなかなか難しい。

 だから、今一般的に言えるのは、生活習慣病を含めて日ごろの生活の習慣だろうというようなことぐらいで、実はこれ、国際比較してみようと思いまして調べたんですけれども、逆に、仕事はいっぱいあるんですけれども、発展途上国は、働き過ぎて体が疲れて先に死んじゃうということもあるので。

 ただ、おっしゃるように、やはり雇用の場が確保されないということは、先ほど冒頭、長野県の例を申し上げましたのは、長野はいい例なんですけれども、雇用、みんな働いている、そういう意味では非常に、これは地域間格差の一つの典型だと思いますね。

 原因を今後とももう少しよく調べて、食生活とか、それからもちろん冬における寒さ、雪、こういうことも大きな影響があるんだと思います。それからまた、一つは、やはり医療格差。地域格差の中で、お医者さんが足りないという声は本当に地方から切実にありますから、こういうものを総合的に分析した上で手当てをしていきたいというふうに思っております。

木村(太)分科員 後ほど医療のこともお聞きしますが、それでは具体的に質問したいと思います。

 まず、雇用対策でありますが、川崎厚生労働大臣のときに、私どもの青森県や沖縄県など特に厳しい七道県につきまして、当時、特段の雇用対策を進めるという決意表明がありましたが、その効果が今日までどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。

太田政府参考人 委員今お話のございました、雇用改善の動きが弱い青森県あるいは北海道、秋田、高知、長崎、鹿児島、沖縄、この七道県に対しまして、厚生労働省といたしまして重点的な雇用対策を実施しているところでございます。

 具体的には、大きく二つございまして、一つは、地域の雇用創造に自発的に取り組む市町村等を支援する地域雇用創造推進事業の配分比につきまして、青森県など七道県に全国の半分、五〇%を配分するということでございまして、青森県でも、例えば大鰐町などで雇用創出の取り組みが行われております。

 それからもう一つは、創業に対する助成金、地域創業助成金の助成率につきまして、七道県につきましては、創業経費を一般の三分の一から特に二分の一に引き上げるということで、七道県に対しまして重点的、集中的な実施をいたしまして、地域の自主的、自発的な雇用創造の取り組みを支援しているところでございます。

 その効果でございますけれども、七道県におきまして、こうした対策を実施する前、十六年度と、実施後の十八年度の有効求人倍率を比較してみますと、一応数字的には、七道県すべての地域において改善が見られるところでございます。

 雇用情勢全体が改善している中で、七道県におきましても改善傾向が見られることにつきましては、一定程度の効果はあったものと考えているところでございますけれども、ただ、まだまだ青森県など、最近の有効求人倍率を見ますと〇・四七倍ということで、全国の半分程度ということでございまして、改善しているとはいいつつ、引き続き雇用情勢は大変厳しい状況にございますので、今後とも重点的な対策を行っていく必要があると考えているところでございます。

木村(太)分科員 いろいろな対応を特段に実施していただいているという御答弁でありまして、私もそのことは承知しておりますが、ただ、その効果ということを考えますと、今御答弁にもあったように依然として厳しい。国全体では緩やかに回復基調だというニュースが流れるたびに、私の地元の県は、何のことなのかというふうに、憤りにも近い率直な御意見が依然として根強く、また、そういう声がむしろ広がってきているというふうに、地元の皆さんと触れ合いをするたびに感じているわけであります。

 そこで、舛添大臣におかれましても、川崎当時の厚労大臣の思いというのが引き継がれて、今後、特に厳しいところにどう対応していくのか、大臣の決意を語っていただければありがたいと思います。

舛添国務大臣 先ほど局長の方から、有効求人倍率の改善が見られるという数字が出ました。しかし、全国値でいうと二五%ぐらい改善しているんですけれども、青森は大体それと同じですけれども、秋田に至っては本当にわずかしかないので、伸び率から見ると、やはり七道県は伸びは少ないということだと思います。

 いろいろな施策を考えておりますけれども、具体的には、地域雇用創造推進事業、新パッケージ事業ということで、これまでの市町村を中心とした取り組みに加えて、都道府県を中心とした広域的な支援対象ということで、少し支援対象を広げるということが一つ。

 それから、地域で新しい仕事を起こしていく、そういうクリエーティブなアントルプルヌールというか、事業主というか、これを支援する助成金を創設する。

 こういう措置をいたしまして、今、七道県を初めとする非常に格差に悩む地域に対して、今後とも、きめ細かい施策を集中的、効果的にやっていきたいというふうに思っております。

木村(太)分科員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 商工業、産業を守る、あるいは伸ばす、あるいは起こすということをすることによって雇用の場というのが確保されていくわけでありますが、そこで、最新の中小企業庁の資料を見ますと、業況判断DIの推移を見ても、私ども青森県が最も悪い、非常に悪いということがデータとしても指摘されております。

 そこで、先ほどは厚労省からの特段の対応という御答弁がありましたが、経済産業省として、青森県など特に厳しい県に対して特段の対策メニューがどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

長尾政府参考人 お答えいたします。

 輸出主導で、機械産業等を中心にした景気回復が続いております中、こうした産業の立地が少ない地域におきましては、中小企業も特に厳しい状況に置かれているものと認識しております。

 こういった状況を改善していくためには、厳しい状況に置かれている地域において高い付加価値を生み出す産業を育てていくことが重要というふうに思っております。このような考えの中におきまして、中小企業庁におきましては、これらの地域の特性に焦点を当てた支援策を導入してきたところでございます。

 まず、昨年の通常国会で成立いたしました中小企業地域資源活用促進法に基づきまして、観光資源とか農林水産資源など、地域の特色のある資源を活用して新たな商品やサービスを生み出す取り組みを積極的に支援してきているところでございます。

 さらに、今通常国会には、地域の農林漁業者と中小企業者が連携して新商品の開発や新たな販路を開拓する取り組みを支援し、農林漁業が大きな役割を果たしております地域を活性化するため、中小農商工連携法案を提出しておるところでございます。

 中小企業庁におきましては、このような地域の中小企業の付加価値創造に向けた新たな取り組みを促進するために、補助金とか政策融資とかハンズオン支援、多様なツールを使いまして総合的な支援をしているところでございます。厳しい状況に置かれている地域においてこそ経済活性化の必要性が高いと考えておりますところ、こういった施策を総合的に活用して、一社でも多く中小企業が、みずからの創意工夫を生かして自立していく、そういったような契機になることを期待しているところでございます。

木村(太)分科員 そこで、私は、もちろん青森県だけよくなればいいという話ではなくて、ただ実際、データを見ると、青森県を初め七つの道県というのは特に厳しい状況がやはりはっきりしております。

 そう考えますと、厚労省サイドのいろいろなメニューを見ますと、御答弁にもありましたが、通常三分の一の助成を二分の一にするとか、そういう特段なはっきりしたメニューもふえてきているようでありますので、経産省としても、全国一律型ではなくて、厳しいところは特にこうなんだというふうに、金額的に、数値的にわかるようなメニューというものをぜひ今後検討していただきたいというふうに思いますが、もう一度お尋ねしたいと思います。

大塚政府参考人 お答えいたします。

 地域への企業立地というのは、雇用を生み出すという観点から極めて重要だというふうに考えておるところでございます。このため、昨年六月に成立いたしました企業立地促進法では、税制、予算面、いろいろな支援策を講じております。

 木村先生御指摘のとおり、雇用状況の厳しい地域への企業の立地を促進するためには、こうした地域に対しまして、より手厚い支援を行っていくということが極めて重要だというふうに経済産業省としても考えております。

 この企業立地促進に関します予算措置では、基本計画の策定支援、あるいは専門家による企業誘致活動に対する支援、あるいは企業立地に関する人材育成に対する支援、そういった予算措置がございますが、こうした予算措置では、事業採択に当たりまして、有効求人倍率あるいは財政力指数が低い、非常に状況の厳しい地域に配慮いたしまして、優先的に採択している次第でございます。また、新規立地を行った企業が早期に操業が可能となるような人材育成の予算がございますが、これにつきましては、状況の厳しい北海道、青森など十三道県のみを対象としているところでございます。

 また、先ほど長尾部長からお話がございましたとおり、こうした地域は、農林水産業でございますとか食品製造業が極めて重要な位置を占めてございますが、今国会に、農商工連携促進法、あるいは食品製造業を法律の対象に加えます企業立地促進法の改正案を提出しているところでございまして、予算措置とあわせまして、こうした地域をしっかり支援していきたいと考えているところでございます。

木村(太)分科員 ひところ、縫製工場やあるいは電子機器組み立て工場などが主流になりまして、地方にいわゆる誘致企業という形で進出してまいりました。私の地元でも、今現在も頑張っている工場もたくさんありますが、一方では、中国などへ進出しまして、今では無残な廃墟の場というふうになっている場所も多くなっておるのも事実であります。

 今御答弁いただいた、そういったメニューをたくさんふやしていただきまして、ぜひ、企業誘致も一つの手段だと思いますので、支援をしていただきたい。例えば、特例的に、厳しいところは税の面なんかで半分にするとか、極端に特例的なメニューも現実的に考えていただければありがたいなということを御指摘しておきたいと思います。

 私、先週、地元の誘致企業を視察してまいりました。ここは三交代制で四千人規模が働いている工場でありまして、そのときに、現場責任者の声としてこういう御意見をいただいてまいりました。

 やはり四千人規模が三交代で働いておりますので、また通勤に車を使っておりますから、いわゆる地元がつくった工業団地に進出している工場なんですが、工業団地から幹線道路に出る道路をもう一本つくっていただきたい、あるいは幹線道に出るために、右折するための部分だけでも拡幅してほしいとか、あるいは工業団地に隣接した大規模な駐車場を整備してくれないかというような御意見を現場責任者からいただきました。

 これは、そこで働く従業員のことだけを考えているのではなくて、そこに立地している工業団地内のすべての皆さんのことを考えた御意見であり、また、朝夕のラッシュということでひどい渋滞になりますので、その地域全体にマイナスの影響を与えている、迷惑をかけているというような思いからの御意見だというふうに私なりに感じてまいりました。つまり、工業団地を整備する際、工場を立地する敷地の整備のみならず、当初からもっと長期的に、効率的にそういった整備を進めるべきではないか。また、仮にその途中で必要性が生じた場合に、今言ったような御意見に対応すべく、柔軟に対応する必要があるのではないかなと。

 道路といえば国交省というようなイメージになりますが、そうではなくて、工業団地を整備し、そしてそこに工場が来る、そこで働く、そのことによって、そこで働く人だけではなくて地域全体でどういうふうな対応が必要なのかということが、私、御意見としてあったような感じがいたしましたので、こういう点について考え方をお聞かせいただきたいと思います。

大塚政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたとおり、昨年六月に施行されました企業立地促進法では、基本計画というものを都道府県あるいは市町村が定めまして、国がそれに同意するという手続になっているわけでございますが、その基本計画におきまして、インフラ整備など、企業立地を促進するための事業環境整備に関する事業についても記載してございます。

 例えば、青森県弘前市では昨年七月に津軽地方の基本計画を策定いただいておりますけれども、この中では、「産業集積区域と高規格幹線道路のインターチェンジ、空港、その他高速輸送に関する施設、研究機関、学術・教育機関、産業支援機関等の間を連絡する道路等の整備」を推進というふうになってございます。経済産業省といたしましては、関係自治体がこの基本計画に基づきまして、着実かつ弾力的に、道路などのインフラ整備を含めて企業立地環境の整備を進めることを期待しているところでございます。

 また、経済産業省としては、今後とも、国土交通省を含めました関係省庁としっかり連携しつつ、企業立地環境の整備を支援してまいりたいと考えているところでございます。

木村(太)分科員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、医療の方へ少し入りたいと思いますが、冒頭、舛添大臣から御答弁いただきましたが、もう少し具体的に踏み込んで御質問したいと思います。

 県や市町村においては、国の御指導のもと、四月から、予防のための特定保健指導の推進や特定健康診査、特定健診の実施が予定され、その受診率を高めるよう計画をつくり対応をしていくことになっておるというふうに聞いております。大変大事なことだと思います。

 そこで、冒頭も申し上げましたが、平均寿命の最下位クラスの固定化が続いていることに対して、国として、厚労省として特段に、この最下位クラスに対してどう対応していくのか、御答弁いただきたいと思います。

西川副大臣 木村委員にお答えいたします。

 医師不足の問題、大変御迷惑をかけておりまして、研修制度の変化とか診療報酬の毎年の減少とか、いろいろな要因はあると思いますが、そういう中で、特に地方の方々にも大変御迷惑をかけております。

 そういう中で、厚生労働省としては、昭和三十一年から僻地保健医療計画のもとに医師を支える体制の整備というのに努めてまいりましたが、今回、ことしの予算案にやっと診療報酬改定が盛り込まれまして、千五百億、特に緊急搬送の問題、あるいは小児、周産期医療の問題、そして病院対策にこの予算を使わせていただくことができました。そういう中で、特に産科医療には、医師の人件費を含めた財政支援を新たに盛り込むなど、医師確保対策の推進に前年比の一・七倍、百六十一億円を計上させていただいております。

 そういう中で、医師確保が困難な地域には、緊急医師確保対策といたしまして、各都道府県からの要請がありましたところに医師派遣を昨年六月から二度実施いたしております。その中に青森県がちょっと入っていないんですけれども、これは御調整の上で県の方から要請がなかったということで、その中には入っておりませんが、また御要請がありましたら対応したいと思います。

 そして、長期的な政策といたしましては、全国的に医師不足が深刻な十県に対しまして医学部の入学定員の増を認めましたが、この中には青森県が入ってございますので、よろしくお願いしたいと思います。

木村(太)分科員 私が今御質問したことに対してのお答えというよりも、次に御質問しようとしていたことに対して既にお答えをいただいたような答弁でありました。

 私が今申し上げたのは、平均寿命最下位クラスの固定化が続いていることに対して、この最下位クラスにどう対応していくのかということなんですが、せっかくの御答弁ですから、西川副大臣の御答弁を受けまして、今、いろいろ対応の姿という御答弁がありました。

 例えば、人口十万人当たり医療施設従事医師数、勤務医という方々で見ますと、全国平均で二百六・三人に対し、青森県で見ますと百七十・五人と、全国で四十二位であります。また、その中でも、全国的に産婦人科、小児科、麻酔科のお医者さんの不足が指摘されておりますが、これらもそれぞれ十万人当たりで見ますと、全国平均七・五人に対し本県は五・五人、十一・五人に対し九・六人、そして麻酔科でいいますと四・九人に対して四・〇人と、やはり全国的な医師不足の中でも、青森県は特にまた深刻な地域の一つであるということは間違いないと思います。よって、それに対しての先ほどの西川副大臣のお答えだと思います。

 青森県が要請がなかったということを聞きまして、私もちょっと今びっくりしましたが、要請があれば、あるいはなかったからだけではなくて、ないとしても、青森県は特に厳しい一つじゃありませんかと、むしろ厚労省として指摘して、また、青森県に対して温かい声がけというか御指導をしていただくことも大事なことではないかなというふうに思いますので、要請がないではなくて、要請がなくても、どうなんですかと一度問い合わせしていただければありがたいんですが、厚労副大臣、ぜひそこを問い合わせしてください。

西川副大臣 早とちりをいたしまして大変失礼いたしました。

 おっしゃるとおり、今本当に地域の医師不足は深刻でございますので、しっかりと実情に対応して、積極的に対応してまいりたいと思います。

木村(太)分科員 では、大臣、済みません。

 平均寿命の最下位クラスが大体いつも顔ぶれが同じということに対して、ちょっと前は、男女別でいうと、沖縄がどっちも平均寿命日本一であったのが、先ほど大臣がお話しになったとおり、長野県がというようなことも出てきたりしておりますが、しかし、青森県を初め最下位クラスというのは顔ぶれが大体同じだと思うんですね。ここをどう御認識されますか。

舛添国務大臣 冒頭、長野県の例、沖縄の例も申し上げましたけれども、やはり生活習慣病が多い、それからがんとか心疾患、脳血管疾患、こういう生活習慣病からくる病気の率も、やはり今言った青森を含めて非常に高いわけですから、それは食生活から運動習慣、それから雪という気候の問題もいろいろあると思います。しかし、それを超えて、生活習慣病予防というのはしっかりやってもらわないといけない。

 それで、健康日本21という運動をやっております、生活習慣病を予防するんだと。例えば塩分のとり過ぎ、これが相当、脳卒中なんかにつながりますから、これもぜひ控えていただきたいということで、健康あおもり21というのを策定して青森県も一生懸命やっていますので、これはともに努力をしたいと思います。

 今の医師不足の点もそうですけれども、こういうことで地域格差が広がっていけば、若者が青森県から出ていくことにつながるんですね。やはりふるさとに残りたいとみんな思うんですけれども、そこにお医者さんがいない、長生きできないというようなことになると地域に定着しなくなりますから、そういうことも含めて、これは政府全体で取り組むべき大きな課題だと思います。

 ぜひ、これは厚生労働省としても、青森県と連携をして健康づくりをやりたいと思いますので、委員におかれましても、塩分のとり過ぎ、お酒の飲み過ぎ、こういうことを含めまして、生活習慣病、運動不足、これもぜひ御地元でもリーダーシップを発揮なさることをお願い申し上げて、我々も全力で努力をいたします。

木村(太)分科員 時間になりましたので、最後にお聞きしたいと思いますが、市町村が運営いたします国民健康保険、国保の保険料につきまして、地元青森県の動きでありますが、四十の市町村のうち九の市町村が引き上げの方針である、また、十五市町村が引き上げの検討中であるというふうになっております。冒頭取り上げましたとおり、所得や雇用にも関連することでありますが、医療費の増加と加入者の所得の低下などによる減収によりまして、国保の財政が厳しくなってきていることを象徴しているんだと思います。

 大臣、こういった国保の動き、市町村の動きがどうなっているのか注視しながら、また、厚労省としての今後の対応がやはりそこに求められていくと思いますが、御担当の方でも結構ですから、御答弁いただきたいと思います。

水田政府参考人 国民健康保険の財政支援につきましては、現在の制度におきましても、低所得者の方の保険料を軽減した場合にその軽減分を公費で補てんする、あるいは、そういった低所得者の方が多い保険者に対して財政支援をする、こういった措置が講じられているわけでありますし、また、市町村間で医療費水準が同じであれば、住んでいる市町村の所得水準によって保険料に大きな格差が生じないような普通調整交付金といった措置も講じているわけでございます。

 その上で、ただいま御指摘ありましたとおり、青森県では多くの市町村で国保保険料の引き上げが予定されているということでございますけれども、実は、医療制度改革、四月から実施されますけれども、これは全体として見ますと、まず国民健康保険全体では、改革しない場合よりも財政負担は軽減されるということが考えられるわけでございます。

 したがいまして、まず市町村ごとに、その保険料引き上げがどのような要因によるものなのか、これは医療費の伸びということもございます。それから、従来からの赤字の解消という財政対策の面からされるところもございます。あるいは収納率の低下、こういったさまざまな要因がございますので、こういった要因を分析した上で適切に対応したい、このように考えております。

木村(太)分科員 ありがとうございました。

菅原主査代理 これにて木村太郎君の質疑は終了いたしました。

 次に、清水清一朗君。

清水(清)分科員 自由民主党の清水清一朗であります。

 本日は、舛添大臣をお迎えして、質問をさせていただく機会をいただきましたことを、心から感謝を申し上げる次第でございます。

 本日、私は、年金について、そしてまた介護について、新型インフルエンザ、この三点についてお伺いをさせていただきます。

 質問の箇所が大分少なくなっておりますので、御容赦をいただきたいと思いますけれども、まず最初に、年金の将来像についてお伺いをいたします。

 今格差ということについて、都市と地方の格差、あるいは若年層と高齢層の格差、男女の別による格差等々が言われております。高齢者世帯の所得分布を平成十八年度の国民生活基礎調査で見てみますと、高齢世帯の四分の一は年収が二百万円未満である、こう言われております。そして、その六分の一が百万円未満である。

 また、六十五歳以上の者がいる世帯は二千七百八十五万世帯で、男性単独世帯が百二十一万世帯、女性単独世帯は四百二十八万世帯であります。

 中でも、所得の低さが目立つのは女性単独世帯であります。年収五十万円以下の高齢単身女性は三十五万人おられます。男性は六万人でございます。平均余命の長さが女性に傾いているということも原因の一つかと考えられますけれども、高齢女性単独世帯の二分の一が百五十万円以下、そして三分の一が百万円以下の収入で暮らしております。

 このような実態の中で、年金の重要性はますます大きくなるものと思われます。高齢者の経済基盤の改善は、過去二十年ほどさかのぼってみますと一目瞭然であります。年金によって改善されてきたということになります。しかし、現在も、男女の差は、一方が正社員率が高く、一方がパート、アルバイト等の比率が高いため、年金受給額の平均は、男性百七十七万七千円、女性八十六万円という歴然とした差があります。

 昨今、数々の年金改正案が提示されるようになってまいりました。日経新聞案、民主党案、自民党の年金制度を抜本的に考える会の提言等であります。そこで、私自身の案についてもう少し申し上げまして、厚生労働省の御意見を承りたい、こう存じます。

 消費税については、今後、社会保障に使途を限定して目的税化するということが大まかなコンセンサスになっているように思われます。

 私の案をかいつまんで申し上げますと、消費税を年金のみに限定して使うこととし、五%の新たな負担をいただく。その消費税で十三・三兆円のお金、そして従来の五%の中から年金に回っている分、合わせて一人当たり月五万円、年間六十万円、これをすべての六十五歳以上の方に支給する基礎年金を創設するものでありまして、この基礎年金を従来の国民年金、厚生年金、共済年金の下部へ一階部分として潜り込ませるというような構造になります。そして、国民年金も厚生年金も共済年金もそのまま存続させることを前提にします。つまり、使用者負担、企業負担はそのまま残しますということです。

 ただし、自己責任原則を導入いたしまして、新しい基礎年金の創設、発効後は、国民年金については、所得に応じてではなく、積み立てを増額することも、逆に減額することも、やめてしまうことも認めます。

 具体的に申しますと、最初から積み立てをしない人は基礎年金部分だけ受給する。同じように、無年金に該当する方々は、先ほどの消費税負担部分、すなわち基礎年金部分だけを受給します。事情によって満額に満たない方、例えば、それが月三万円という受給をされている方でありましたら、五万円をプラスされて八万円を受給するということになります。言いかえますと、基礎年金部分だけ当然多く受給することになります。

 国民年金でも、増額をできる方、これは収入にもよりますでしょうけれども、上限を決めておかないで、増額のできる方は増額をして、それにより計算される一定金額プラス五万円をいただく。つまりは、六万六千円よりも、多く積み立てることによって、多くいただける方もこれは出てきていい、こういう考えでございます。

 この場合、実は、督促を出すとか徴収ということに関して、公務員の関与を一切しない。つまり、自己責任でございますので、自分で積み立てる額を決めて積み立てていただく。それについて督促も徴収もしない。つまりは、公務員の人数を減らすことにこれは役立つだろう、こう考えております。

 共済年金、厚生年金も同じようなものでございまして、自己負担部分、つまり、使用者、企業負担部分以外の自己負担部分については減額をすることができることとする。これは、消費税の負担が新たにできるわけでございますので、現役世代につきまして、その部分の減額を考えることができるようにしたいということでございます。

 この案でいきますと、まずは年金制度が安定化してきます。そして、社保庁の職員を大幅に減員することができます。未加入あるいは無年金の問題が解消されます。生活保護における六十五歳以上の方が激減します。また、生活保護の扶助費が他の福祉へ回せます。年金受給額が年間六十万円ふえることによって、介護の費用負担の増加あるいは医療負担、これが一割から二割あるいは二割から三割、増加する分が払えるように、負担することができるようになります。お年寄りは、収入があれば払えますよということであって、その部分は絶対に上げてもらっては困るということではなくて、年金等で考えてほしいという意見が多いようでございます。

 現在の消費税五%の中から地方へ交付税として回している分、あるいは地方消費税、老人保健医療、介護保険の部分もこのまま使えますということになります。都市と地方の格差是正ができます。比較的高齢者の多い地方に再配分されることになります。老齢者と若年者との格差も緩和されます。いろいろな利点が出てくると思います。

 また、消費が復活し、景気に与える好影響も期待できます。間もなく年金がもらえるという期待をする層は倹約を緩めることができます。現役世代も、先ほど言いましたように、消費税負担部分を掛けて自己負担部分を減額することによって調整することができます。税と社会保障を使って所得再配分ができるというようなことが期待できるわけでございまして、この結果、高額年金受給者もあらわれます。

 つまり、現在、厚生年金あるいは共済年金で三十万近くももらっている方々については、五万円ふえますので年間四百万円以上受給する方があらわれるわけでございまして、こういった方々に対しましては、一定額以上は所得税の負担をしていただきます。この税収は、将来ふえるであろう年金受給者のための支給補助という形で、その部分だけに使う税金として扱っていただきたい、こんなふうに考えているところであります。

 こういったことを、皆さん、これからはいろいろな案が出てくると思いますが、消費税を財源とすることで、将来に対する不安を払拭し、格差是正や消費拡大にも貢献できる年金制度を実現できると考えておりますけれども、厚生労働省としては、この年金の税方式について、どのようなお考えをお持ちなのか、できましたら大臣にお伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 今、清水委員から大変意欲的な御提案をいただきましたので、またいろいろ参考にさせていただきたいと思います。

 私も、学者をやっていたときから、どういう年金制度がいいのかなと。税方式か、保険料方式か、それをどういう形でミックスするか。日本の場合は半分税金が入っておりますから、全体的に見れば、税もあり保険料もある。ただ、考え方としては、やはり、みずから助くという、自助ということはあった方がいい。これは介護保険もそうなんです。それから、共助、お互いに助け合おうよ、同じ国民じゃないかという。それから、三番目に公助。そして、最後、セーフティーネットとして政府がそこに入ってくるという形の三つの上手な連携が必要だ。

 そうすると、税だけということになると、自助の部分がどうなのかなということがありますし、それから、今まで賦課方式でずっとやってきた、保険料方式でやってきた、そこでどれぐらいの、恐らく基礎年金だけについておっしゃったんだと思いますけれども、税ということになったときに、今五%という数字を挙げられていますけれども、これは、消費税を上げることについて国民の理解がどこまで得られるか。一%でもなかなか、特に選挙なんか控えていると難しいので、この御理解が賜れるかということと、目的税化で消費税もいいんですけれども、これは、私も一時そういう考え方を持っていたんですが、逆に言うと、抑制する立場から見ると打ち出の小づちになる、一%上げれば二兆五千億円上がってきますから。

 だから、やはり抑制するということもどこかで考えないと、社会保障システムがパンクしてしまいますから、そのときに果たして、一%上げれば二・五兆円入るようなシステムに過度に依存するのがいいのかなというようなこともありますし、それから、今委員おっしゃった、一部を任意にするということで、あとはもう自由に、入ろうが入るまいが自由ですよといったときに、では、それで全部実は賄えるのかということで、どうしても、やはりそういうことを考えたときに、ある制度から次の制度への移行を何年かけてどういうふうにスムーズにやるかということがあると思います。

 こういうことを含めて、今度、社会保障についての国民会議が総理のもとにできましたので、そういう場を使い、また、この国会の場で広く議論をして、いい提案をみんなで検討しながら先に進めてまいりたい、そういうふうに思っています。

清水(清)分科員 ありがとうございました。

 新しい制度との乗りかえが四十年かかる案と、この案では一年間で終わってしまうわけですね。そしてまた、いただく五%分の十三・三兆円をそっくりまた返すわけですから、景気に対しても中立性があるというようなことがありますので、今後とも考えていきたい、こう考えております。

 次に、介護についてお伺いをさせていただきます。

 平成十七年度の介護保険法の改正によりまして、地域支援事業が創設をされました。去年は、稲城市などで、この事業を活用したユニークな取り組み、つまりは、六十五歳以上の方がボランティアとして介護サービスを提供した場合に、あらかじめ決められたポイントをもらうことができる、そして、このポイントを使って、五千円という上限はありますけれども、介護保険の保険料を支払うことができるということが始まっております。

 昨年、実は、この場で私は、国民全体の介護費用の軽減策として、修正タイムダラー制度というものを発表させていただきました。現在は、相互扶助による安心の循環型介護制度と名前を改めておりますけれども、その相互扶助による安心の循環型介護制度の内容は、エドガー・カーン博士という人がこのタイムダラーというのを実は特許をとっているんですが、それを日本の国情に合うように修正したものでございまして、地方自治体の支援によりまして、ボランティア団体やNPO、こういったものが継続、安定的に福祉サービスを提供できる枠組みを整えまして、参加者自身は介護の担い手となった分だけ、自分にまたただで返ってくるような介護に持っていきたい。

 私も、カーン博士の自宅へ行ってお話もお伺いしてきたんですけれども、日本のいわゆる相身互いの考え方がある間に、日本ではこれが実現できるのではなかろうかというようなお話を承ってきたわけでございます。また、たまたま団塊の世代が大量退職期にここで当たりますものですから、これを好機に導入することができればと考えたわけでございます。

 具体的に申し上げますと、介護サービスを提供できる会員と、それから受ける会員とがいます。私なら私が介護サービスを提供します。五十歳半ばから七十歳の半ばまで、週に二回、二時間ずつ、五十何週になりますか、それと二十年を掛けますと四千時間ぐらい、これがためられるわけです。そうすると、私が七十五歳から介護が必要になったとして、それから十年間、毎年四百時間ただで介護が受けられる。つまり、介護保険で受ける以外に受けられるわけですね。

 現実にこれをやっているところを見てまいりますと、実は、気心の知れたボランティアの介護を受ける方が好ましいという方々が多いんです。ですから、現実に介護保険による介護を受けられる権利があるにもかかわらず、それを未消化のまま残すということが起こってまいります。このことが、実は、全体的な介護費用の軽減、国及び国民の全体的な負担の軽減につながる。

 そしてまた、この介護の場合は、公的介護で一時間四千二十円ということになっていますが、これを一時間二千円でということは、その介護を希望する方々については、ボランティアの方がお伺いしたときに、一時間ではなくて二時間見て帰っていくんですね。それで、四千円、介護保険から支給を受けているということがあります。その支給されたお金はNPOに預託をしておいて、そのお金がポイントの、つまり、我々がサービスを行った場合には、サービスをもう一度受け取る要求ができるわけですけれども、その担保として、現金が預託されて積み上げられることになります。現実には、サービスを実行する方々のうちの二割ぐらいが実際に介護を必要とするようになる。つまり、八割は全部残ってしまう。

 ですから、もうちょっと使ってもらう必要があるものですから、その方の縁者、子供、親、配偶者、兄弟、こういったところにも使うことができる。つまりは、贈与することができるということにしておりますが、現実にインフレにも非常に強いということになります。

 たまたま、その地域に介護のボランティアの方がいらっしゃらない、そして、プロの、つまり、一時間四千円を払う方の介護を受けなければならないという場合にも十分に対応できます。そして、その部分がインフレによって倍になった、つまり、四倍になったとしても、今の計算では、十分に担保される現金は残るというような状況になります。

 こういったものを去年提案させていただいたわけでございますけれども、今私どもが考えますのは、この前段階における、つまり、介護を必要とする前の高齢者の方、この方々が要介護になることを少しでも時間をおくれさせられるということのサービス、つまり、介護予防のサービスについては、新しい法律によって資金が得られるのではないか。

 つまり、地域支援事業、国が四分の一、県が四分の一、そして、市町村が保険料の三%までですか、それが、今介護が七兆円かかっているとすれば、二千百億円というような金が毎年使おうと思えば使えるんだろうと思いますが、こういったものが、私どもが今考えているような介護予防のためのボランティア団体あるいはNPO団体が介護予防のために行う事業に対して、少なくとも地方自治体の長がそれを選択した場合に使うことができるかどうか、こういったことをお伺いしたいと思います。

    〔菅原主査代理退席、主査着席〕

西川副大臣 お答えさせていただきます。

 今先生がおっしゃった話、私も、稲城市長とは高校が一緒で親しくさせていただいておりまして、かなりいい形として動いていることをよく存じております。

 主に稲城市と千代田区で今始めていらっしゃるような事業だと思いますが、厚生労働省としても、NPOのボランティア等の社会活動参加というのはこれから積極的に活用していくことは大変重要だという認識を持っております。

 御指摘のように、地域支援事業の介護予防事業として、NPOなどの管理による個人ボランティアの活動を行うことに関しまして、その実績を評価したポイントを介護サービス等の利用や地域活性化に活用できることについては、地域支援事業のメニューの一つとして明確化したところでございます。

 ただ、この地域支援事業では、介護保険サービスそのものについては、なかなか今の段階では、いわば介護の質の確保という問題がありますので、すぐには実行というわけにはいかないかもしれませんが、今後とも、専門職との役割分担などを考えながら、こうした社会参加活動を積極的に実施していきたいという認識を持っております。

 むしろ、今の段階では、こういう事業にお年寄り自体も相互に参加することによって、非常にお元気で長く生きていただけて、介護保険を余り使わないで済む、そういう効果も大いにあると思いますので、これからも大いに検討させていただきたいと思います。

清水(清)分科員 ありがとうございました。

 今、おっしゃっていただいたとおりだと思います。そして、将来は本当の身体介護にも使えるように、つまりは、そういうボランティアの団体の構成員が資格を取って、そして十分にその仕事ができるようになっていただく。現実に、今やっているところは当然そういう資格を持った方々がやっておられて、そして一時的には、一つの団体で五万人ぐらいのボランティアの方、そして同じ数の介護を受ける方ができた、そういう団体もございます。

 今は少しずつ減っております。というのは、介護保険によって支給がされますので必要がないのではないかということでございましたけれども、今後は、先ほど私が言った要介護の前の段階、この段階は非常に需要が多くなってきておりますので、ここが広がっていくのではないかと思います。今後ともぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。ありがとうございます。

 最後に、新型インフルエンザでございますが、現在、WHOでは、高病原性鳥インフルエンザの発生状況を公表しておられます。インドネシアでは、これまで百二十七人の発症例のうち百三人が死亡されている。ベトナムでは、百三人の発症例のうち四十九人が死亡されています。こういった報告がことしになって出ているわけでございますけれども、間もなく人から人へ、ヒト・ヒト型の新型インフルエンザウイルスの発生が確実視というか、かなり高い確率であるのではないかと言われているわけでございます。

 そして、人から人へ感染する新型インフルエンザの場合も死亡率が非常に高いのではないかということが言われているわけでございますけれども、その脅威は、過去のスペイン風邪等に比すると、スペイン風邪はたしか死亡率が二%ぐらいでございましたね。今、五〇%とか六〇%とか言われているこの新型のインフルエンザに対する脅威は、大変大きなものがあるわけでございます。

 そして、日本国内でこの新型のインフルエンザが発生して、そして罹患するような状況になった場合には、その治療方法としては、まず今はプレパンデミックワクチン、そしてまたタミフル等が考えられるわけでございますけれども、プレパンデミックワクチンについては政府は一千万人分を備蓄する、そして抗インフルエンザ薬のタミフルについては政府と自治体が二千五百万人分備蓄するということが今発表され、また十九年度中にこれが実現されているわけでございますけれども、どうなんでしょうか。

 これは実は、国立感染症研究所の岡田晴恵研究員によりますと、プレパンデミックワクチンは人から人へ感染する新型インフルエンザの死亡率を大分低下させるのではないか、全身症状を緩和するのではないかということをおっしゃっています。厚労省としては、このプレパンデミックワクチンの効用といいますか効果というものをどの程度に考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。

高橋政府参考人 岡田晴恵さんは専門家でありますから、私どもと見解が別に違っているわけではございません。

 具体的には、私どもどういうふうに見ているかといいますと、現在流行している鳥インフルエンザ、これはH5N1というタイプでございますが、これまでの変異によりまして、ちょっと専門的になりますけれども、インフルエンザの情報を持っているRNAの塩基の配列が異なる、ありていに言いますと、タイプが違うものが大分多数存在しているわけです。

 そこで、私どもとしては、このプレパンデミックワクチンにつきましては、昨年度、二〇〇四年にベトナムでとれた株、それから二〇〇五年にインドネシアでとれた株、これで合計一千万人分のワクチン原液の備蓄を行うとともに、今年度中に、中国の安徽省で二〇〇五年にとれた株についてさらに一千万人分の備蓄を実施する予定でおります。

 これらの現在備蓄あるいは準備しているワクチンと新型のインフルエンザのタイプ、抗原性がぴたっと一致する、あるいは非常に近ければ、これは当然非常に効果を発揮します。重症化は十分に予防できるだろうと。ただ、これは打つ時期が当然問題でございまして、打ってからしばらくたってから抗体がずっと量がふえて、後は時間とともにだんだん減っていくわけですけれども、そうしますと、大体今、私どものこれまでの承認した二社の試験成績は、大体半年ぐらい、一年までですね、ある程度の重症化の防止効果が期待できるというふうに考えております。

 ただ、パンデミックのときに、実際どのタイプの株のウイルスでパンデミックのインフルエンザがはやるか、これは予測できませんので、今用意しているものがどんぴしゃで当たるとか、そういう事態になるかどうか全くわかりません。これはかなり遠いものですと、かなり免疫としては弱くなりますので。そういった意味では、ちょっと新型インフルエンザのパンデミックに対してどれぐらいの効果があるかということは、それについてはちょっと現時点では大変予測しにくいということを御理解いただきたいと思います。

清水(清)分科員 ありがとうございます。

 確かに、おっしゃるように、タイプが近ければ非常によく効くだろうということになります。しかし、現実にもしタイプの近いものが発生して、それがパンデミックになった場合には、当然国民の皆さん、私も打ちたいということになる。ということは、大変混乱する可能性があるわけでございますね。

 それを思うと、例えば、スイスが全国民の分を備蓄しようとしています。アメリカもそうしようとしているようでございます。そのような状況の中で、日本ではこれをどう考えられるのかということを最後の質問にさせていただきたいのです。

 日本では、厚労省として、現実に合うかどうかわからないものではございますけれども、このプレパンデミックワクチンについて、一千万人のままで過ごすのか、もう少しふやすのか、あるいは全国民に行き渡る程度用意をされるのか。同じようにタミフルについても、発症して四十八時間以内に飲めばかなりの効果がある、こう言われておりますが、これも今は二千五百万人分でございます。この両方について、今後どのようにされるのか、ふやすのか、現状維持なのか、お伺いをさせていただきます。

岸副大臣 ただいまも御答弁ありましたように、国が備蓄しているプレパンデミックワクチンについては、現在、トリ・ヒト感染のインフルエンザウイルスをもとに製造したものでありますから、この有効性は実際に新型のインフルエンザが発生してみないとわからないということでございます。

 また、ワクチンはこのように非常に多くの人が予防に使用するものでございますから、この安全性は非常に高いものを求められる。それも非常に大きな問題になるわけでございます。

 また、ワクチンの生産能力そのものにも一定の限度があるということから、国といたしましては、患者を直接診療する医療従事者とか、社会機能を維持するために流行中でも職務に従事しなければならない人、こういう人に対してプレパンデミックワクチンを接種することといたしまして、現在一千万人分を備蓄している。なお、平成十九年度補正予算でさらに一千万人分のワクチンの買い上げを行う、こういうことになっているところでございます。

 今のお話では、スイスで全員ということでございますけれども、スイスの場合は人口的にも非常に少ないわけでございますから、必ずしも日本と比較できるかどうかということはいろいろな論議が必要だろう、こういうふうに思っております。したがって、現時点におきましては、全国民分のプレパンデミックワクチンを備蓄することについては、まだまだ国際的なコンセンサスというものは得られていない。例えば、アメリカでは備蓄目標が全国民の七%、オーストラリアでは一二・五%ということが示しておりますように、コンセンサスはまだ得られておらない、こういうふうに考えております。

 このため、御指摘の点も含めて、最新の国際的知見や諸外国の動向等を総合的に勘案いたしまして、この問題、接種のあり方について引き続き検討してまいりたい、こういうふうに思っております。

清水(清)分科員 ありがとうございます。

 実は、舛添大臣が本当に厚生労働行政に奮闘されておられること、本当に我々は御苦労さまだと思っておりますし、またぜひ頑張っていただきたいとエールを送りたいと思います。その舛添大臣であるからできたというようなことも、やはり期待をさせていただくわけでございます。

 このパンデミックの問題についても、パンデミックが起こってからは確かに半年なり一年かかってしまうわけですが、プレパンデミックの場合は用意をすることができるわけですから、人数分は、少なくとももうちょっとふやしていただきたい。つまりは、お医者さんだとか看護婦さんだとか警察官だとか、そういう必要な方々に接種をされるということについては確かに理解ができる、納得するのですけれども、しかし、それがあったら本当は助かったのかもしれないという方々が、今後、将来、出てくるというようなことも考えられますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

 きょうはありがとうございました。

森主査 これにて清水清一朗君の質疑は終了いたしました。

 次に、とかしきなおみ君。

とかしき分科員 自由民主党の衆議院議員のとかしきなおみでございます。きょうはよろしくお願いいたします。

 本日は、私も薬剤師でありますので、薬剤師の立場から、医薬品業界の制度についてちょっとお伺いしていきたいと思います。特に、薬業業界におきまして最近とても大きなテーマになっております、医薬品の販売制度の変更についてであります。

 医薬品は、規制緩和の要求を受けまして、一般用医薬品は、リスクの程度によって差があるにもかかわらず同じような販売制度をしているということで、見直しの必要があるということになりまして、今回、平成十八年の六月に薬事法が改正されました。平成二十一年の医薬品販売制度の全面施行ということになっているわけですけれども、その準備の状況は今どのようになっているのかということをお伺いしたいと思います。

 一方、準備が少しおくれているのではないかという声も聞いているんですけれども、今後のスケジュールの予定等をお教えいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

高橋政府参考人 お答えを申し上げます。

 薬事法改正の施行準備につきましては、施行時期に合わせまして、順次検討を行ってきております。

 まず、一般用医薬品を第一類、第二類、第三類の三組のリスク区分に分けるための政省令改正などを昨年の四月に施行いたしております。次に、登録販売者試験制度につきまして、本年四月一日の施行に向けまして、一月三十一日に関係省令を公布したところでございます。

 また、二月に入りまして、二月八日には、平成二十一年の全面施行に向けまして、残された検討事項でございます情報提供の方法や販売時に専門家がきちんと関与できる販売体制のあり方など、新しい販売制度における具体的な体制づくりや環境整備を図るための新たな検討会を設けたところでございまして、四月末をめどに検討結果をまとめたいというふうに考えております。

 こういったような準備を行いまして、来年、二十一年の円滑な施行に向けて、関係者が十分な準備期間を設けられて適切な準備を進められるように、私どもとしてもきちんとやっていきたいというふうに考えております。

とかしき分科員 ありがとうございました。

 新しく制度が変わりますので、やはり現場の販売をなさる方々が非常に不安に思っているところですので、ぜひ情報がしっかり行き渡るように、そしてその不安を取り除いていただけるように、なるべくその制度のPR等、現場が混乱しないように御指導よろしくお願いいたします。

 特に、この制度は、今度、多分表示等も変わってまいりますので、国民にわかりやすいようにしていくことがとても大切かと思うんですけれども、国民に対してわかりやすくしていくためにはどんなことを考えていらっしゃるのか、どういう工夫を考えていらっしゃるのか、具体的にお教えいただけますでしょうか。

高橋政府参考人 今回の改正は、一般の医薬品につきまして、より効能の高い、どちらかというとリスクもちょっとあるような一類も設けて、そのかわり、そういったものを国民に提供する、同時に、それを使うための情報もきちんと提供しなければいけないということで法改正をやったわけでございますが、国民から見てわかりやすい販売制度を構築するためということで、一般用医薬品のリスク区分に応じた表示及び陳列、それから名札などによる店舗内での専門家の識別、それから店舗における各種情報の掲示など、一般用医薬品を販売する環境を整備することとしております。

 そういうことをやっていこうということでございまして、そういったことのPR、それから国民向けによくわかるようにするということをやって、わかりやすい制度にしていきたいというふうに考えております。

とかしき分科員 ありがとうございます。

 今回、リスクによって薬を分けていくというふうな制度なんですけれども、第一類医薬品は特にリスクが高いということで、販売に当たってかなり注意をしなくてはいけないのですけれども、それだから薬剤師がそこに介在してくるわけなんですが、この数が実際はとても少なくなっている状況であります。一般用医薬品は安全性を余りにも重視し過ぎているから、逆に少なくなってしまっているのではないかとも言われております。

 新たな販売制度に向けて、スイッチOTCを含め、第一類の医薬品をもっとふやしていかないと、せっかくリスクによって分けたメリットが出てこないのではないかと思うんですけれども、その辺についてのお考えをお尋ねいたします。

高橋政府参考人 医療用の医薬品を一般用医薬品に転用する、いわゆるスイッチOTCの開発促進など、効果があって安全な一般用医薬品の提供を促進する、これはセルフメディケーション推進の観点から大変重要だというふうに考えております。

 ただ、これは、特に第一類はリスクが高いわけでございますので、しかも一般用医薬品ですから、医者の管理下から離れて、国民お一人お一人が御自分でその医薬品を飲む、薬剤師の、専門家の説明のもとにということでございますけれども、そういったことがございまして、医者の管理下から離れるということで、安全性の方も私どもとしては大変重視しなければいけないということはひとつ御理解を賜りたいと思います。

 それで、特に一類医薬品のこれまでの推移でございますが、平成十七年十二月の医薬品販売制度改正検討部会の報告におきまして十一成分でございましたが、その後、スイッチOTCを承認したことなどから、現在、二十八成分に増加をいたしております。

 それから、昨年の三月に審議会におきまして、スイッチOTCの開発を促進するために転用することが適当と考えられる成分につきまして、学会の協力を得て選定するということにいたしておりまして、現在、日本薬学会にこれにつきましての調査をお願いいたしているところでございます。

 今後とも、セルフメディケーションのために、私どもとしても必要な施策を講じてまいりたいというふうに考えております。

とかしき分科員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、店舗管理者についてお伺いしたいと思います。

 店舗管理者というのはお店の管理をしていくということになるんですけれども、今回は薬剤師の人たちの業務も管理しなくてはいけないということで、ある程度薬の知識を持った人が管理者になるべきではないかというふうに考えます。ですから、店舗管理者は薬剤師が担っていくということが適当だと考えますけれども、いかがお考えでしょうか。

高橋政府参考人 御指摘の点、まさに先ほど申し上げましたように、今度の検討会でも重要な検討事項の一つということでございます。

 今回の薬事法の改正におきましては、各業態を通じて管理者を置くこととしておりまして、店舗販売業の管理者の役割につきましては、従業者の監督、医薬品その他の物品管理、開設者への意見具申などということを念頭に置かれているところでございます。

 この管理者につきましては、第一類医薬品を取り扱う店舗販売業の管理者ということでございますけれども、その役割などにつきまして、いろいろな意見がございます。

 例えば、開設者への意見具申などの役割があることなどを考えると、薬剤師を管理者とするのが自然であるという指摘もございます。また一方、この前の改正で設けました登録販売者が常勤でいて、パートの薬剤師が開業時間中切れ目なくいて情報提供や相談対応をしているような場合にあっては、従業員の監督や物品管理の役割を持つ管理者としては常勤の登録販売者とパートの薬剤師のどちらが適切か、いろいろな問題もあるんじゃないかという指摘もございまして、こうした点について、先ほど申し上げました検討会できちっと検討していきたいというふうに考えております。

とかしき分科員 新しい制度が入りまして、せっかくリスクによって薬を管理していくということですから、ある程度薬の知識がある方、そして、それが常駐であるということが必須条件だと思いますので、薬剤師が店舗管理者になるようにぜひしっかりと御検討いただきたいと思います。

 それでは、治験制度についてお伺いしたいと思います。

 最近の治験をめぐる状況は、日本は非常に今厳しい状況にあると言われております。科学技術立国日本というふうに言っておりますけれども、なかなか国際の治験の状況からすると、日本は今外されているような傾向があるというふうに聞いております。その理由はいかがお考えになりますでしょうか。

外口政府参考人 日本で国際共同治験が進まない原因としては、治験を実施するためにかかるコストが高いことやスピードが遅いこと等が指摘されております。

 治験のコスト高の理由としては、一医療機関当たりの被験者数が少ないことや、契約や治験実施状況確認のため製薬企業担当者が多くの医療機関を何度も訪問すること、速やかに被験者を募集するために新聞広告を使用すること等が治験の経費を押し上げていると考えられております。

 これらの治験実施上の課題を解決するために、平成十九年度から、新たな治験活性化五カ年計画に基づき、全国四十カ所の治験中核病院、拠点医療機関の体制整備への助成、人材育成、国民への普及啓発、依頼企業の負担軽減など、総合的な対策を進めているところでございます。

とかしき分科員 コストとスピードが非常に今日本は劣っているということで、日本を一とすると韓国が今〇・二八。これは、韓国も実は日本と余り変わらない状況だったんですが、近年力を入れていて、かなり費用が軽減されたと言われております。シンガポールが〇・二五、欧米と比較しても日本は二倍ということで、やはり非常に費用のコスト負担が高いということで、日本のメーカーですら海外で治験を行って、そして逆輸入していった方がコスト安であるということが当たり前のようになっているということで、非常にこれは国民の最先端医療へのアクセスのおくれの一因となっておりますので、早急なる改善をお願いしたいと思います。

 さらに、このスピードとコスト以外にももう一つ問題があるというふうに聞きまして、これは、データを管理するデータセンターというものが必要ではないかというふうに言われているんですが、日本にはこのデータをきっちりと管理するノウハウがないということですね。そして、症例登録に時間がかかるだけでなく、データの質も悪いと言われてしまっているのですけれども、この辺も今後の検討課題にぜひ加えていただきたいと要望させていただきます。

 医薬品もちょっと大変な状況なんですが、もっと大変なのが、医療機器審査のおくれがこれもかなり深刻であるというふうに聞きます。医薬品とはまた違った状況で、いろいろ課題を抱えているかと思いますけれども、実際どのような問題を抱えているのか、そしてその対応を今後どのように具体的に考えていらっしゃるのか、お教えいただけますでしょうか。

高橋政府参考人 かつては、医薬品、医療機器の審査は私ども本省等を中心にして行っていたわけでございますが、定員法とかいろいろな制約によりまして、なかなか大変だということで、平成十六年度に独立行政法人で医薬品医療機器総合機構を設置いたしまして、そこでの審査を始めたということでございます。

 そこでのいろいろな人員の増強なども行っておりますが、このため、十六年度以降は新医療機器の承認件数は増加してきておりまして、審査期間も徐々には短くなってきております。ただ、アメリカなどとの比較をしますと、申請から承認までのすべての審査期間、これは大体五から八カ月程度長いのではないか、そんな実態ではないかというふうに考えております。

 ただ、審査側が持っている期間で見ますと、日米の間でそれほど大きい違いがあるわけではございませんで、申請者の方で資料準備などに要している時間がかかっているという面もあるということはひとつ御理解賜りたいと思います。

 それから、医薬品と比べて難しいポイントということになりますと、医療機器は、医薬品と異なりまして、人工血管、ペースメーカー、植え込み型人工心臓、あるいは放射線治療機器など、多くの技術分野を背景とした多種多様な製品がございまして、これは申請者にとっても審査担当者にとっても定型的な対応を大変難しくしている面があるということはひとつ御理解を賜りたいと思います。

 この医療機器の審査の迅速化を図るために、これは昨年四月に革新的医薬品・医療機器創出のための五カ年戦略を関係省とともに取りまとめておりますが、それにおきまして、医療機器審査部門の人員を三十五名に増員する、あるいは医療機器の種類ごとの承認基準の策定をする、これは承認基準をつくって承認のポイントを明確化するということでございますけれども、そういった策定を進めていくという具体的な政策を盛り込んだところでございます。

 また、先ほど資料準備で大変な面があるというふうに申し上げましたが、申請の前の相談を充実して、申請作業の円滑化を図りたいというふうに考えております。

 こういったことで審査期間の短縮化に努めてまいりたい、かように考えております。

とかしき分科員 ぜひ積極的な取り組みをお願いいたしたいと思います。特にこの医療機器というのは、手先の器用な日本人には比較的取り組みやすい産業の一つではないかなと思いますし、国を挙げていけば国力を高めていく上でかなりの力になる産業でもありますので、行政のこういったバックアップがかなり効果的にきいてくる業界でありますので、ぜひ積極的に応援の方よろしくお願いいたします。

 次に、臨床コーディネーターのことについてお伺いしたいと思います。

 非常に人材確保と育成が難しいというふうに言われておりますけれども、実際、現状はどうなのか、配置の状況はどうなっているのか、そして、課題はどこにあり、今後どういうふうに取り組んでいこうと思っていらっしゃるのか、教えてください。

外口政府参考人 治験のスピード、コスト、質の改善のために、治験を実施する医師を補助する臨床研究コーディネーターの養成を平成十一年から日本薬剤師研修センターの協力を得ながら進めてきたところであり、平成十八年度末までに約五千人を養成してきたところであります。

 しかしながら、治験を行っている医療機関においても、雇用経費の問題等から、臨床研究コーディネーターを十分確保できていないことや、国際共同治験等の高度な業務を行う能力を持つ臨床研究コーディネーターが不足している等の課題がございます。

 このため、平成十九年度から、新たな治験活性化五カ年計画に基づきまして、全国四十カ所の治験中核病院、拠点医療機関における臨床研究コーディネーターの確保に要する経費の補助、臨床研究コーディネーターの技能向上のための上級研修の実施等に取り組んでいるところであります。

 今後とも、臨床研究コーディネーターのさらなる新規養成や技能向上、治験中核病院、拠点医療機関の臨床研究コーディネーター確保などが図られるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

とかしき分科員 ありがとうございます。

 それで、次は、子供向けの薬の臨床試験についてお伺いしたいと思います。

 アメリカでは、原則的に子供向けの治験を義務づけているということで、子供ができるだけ早くよい薬を使えるようにという環境がある程度は整っております。ところが、日本は子供の薬の臨床試験、義務化されておりませんし、そのために、海外で認められている薬がなかなか日本に入りにくいという状況もあります。

 ということで、日本において子供向けの薬の臨床試験についてどのような取り組みを行っていらっしゃるのか、今後どういうふうにしていこうというふうにお考えなのか、教えてください。

外口政府参考人 小児科領域の新薬開発におきましては、その専門性や患者さんの集めにくさ等の問題がありますことから、新たな治験活性化五カ年計画に基づき、治験の中核拠点となる医療機関を選定した中で、国立成育医療センター等小児科領域を専門とする医療機関における治験の体制整備に取り組んでいるところであります。

 また、厚生労働科学研究費補助金において、小児科領域に用いるための医薬品の効能追加等を目的としたエビデンスを確立する研究を推進しております。

 さらに、小児医療において必要性が高いが効能の承認を受けていない医薬品について、平成十八年三月より小児薬物療法検討会議を開催し、効能追加等のための文献的エビデンスの収集、評価等を行っているところであります。

 今後とも、小児科領域における新薬等の開発の推進に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

とかしき分科員 ありがとうございます。

 子供向けの薬の臨床試験について、アメリカでは特に、こういう試験をした場合は、例えば特許の期間を長く認めてあげるとか、そういうインセンティブを使ってなるべく推奨していくように応援している、業界をサポートしているように伺っております。日本もそういったサポート体制を整えていって、ぜひ子供たちによりよい薬を提供できる環境を整えていっていただきたいと思います。

 そこで、インセンティブのお話なんですけれども、新薬開発の業界へのインセンティブをどのようにお考えになっているでしょうか。

外口政府参考人 医薬品産業については、産業の国際競争力の強化を図る一方で、すぐれた新薬が速やかに日本の患者さんに届けられるよう、昨年、厚生労働大臣が主催し、文部科学省、経済産業省を含む三大臣出席のもとで、産官学による革新的創薬のための官民対話を設置するとともに、革新的医薬品・医療機器の創出のための五カ年戦略を策定したところであります。

 この五カ年戦略は、医薬品、医療機器に関連する研究開発のほか、承認審査の迅速化、イノベーションの適切な評価も含めた多角的な戦略を一体的に推進するものであり、研究開発分野では、関係省の連携のもとで、公的研究費の医薬品、医療機器の開発分野への重点化や、治験、臨床研究の環境整備や医療クラスターの整備等の産学官連携の研究の推進を図ることとしており、このような取り組みは産業界における新薬開発のインセンティブを高めるものと考えております。

 今後も産官学の連携のもと、この五カ年戦略を着実に推進し、日本における創薬環境を整備することにより各企業における新薬開発を支援してまいりたいと考えております。

とかしき分科員 ありがとうございます。

 薬価の切り下げなど、医薬品業界は今非常に厳しい状況にあり、吸収合併を繰り返して、少しでも生き残るすべを今探している状況であります。その中で、研究開発費をかけて新薬を開発していく、こういうモチベーションを上げていくということがとても大切だと思いますので、インセンティブをなるべく用意して、先発医薬品がなければ後発もないわけですから、先発医薬品が出やすい環境をぜひ配慮していただきたいと思います。

 例えば、新薬を開発した場合、その新薬の名前を必ずつけておいて、そして、どれが新薬だったのか、どこのメーカーの商品だったのかというのがずっと残るようにして、後発医薬品も、その名前を、冠をつけたまま後ろにメーカー名をつけていくとか、そういった名前を残していって、消費者が見ても、ああ、あそこが開発した商品だったんだなというのがわかるようにするとか、そういった、費用をかけないでも何かインセンティブをつくる方法とかもいろいろあるかと思いますので、その辺もあわせて御検討いただきたいと思います。

 次に、後発医薬品についてお伺いしたいんですけれども、日本の後発医薬品使用量は海外と比べて際立って少ないと言われております。それで、今後どういうふうに取り組みをしようと思っていらっしゃるのか。もちろん、それに対して、新処方せん方式への変更によっていろいろ取り組みをなさろうとしているわけですけれども、それによってどの程度の効果が見込めるのか、その辺について教えてください。

外口政府参考人 まず最初に、後発医薬品の普及の問題でございますけれども、患者負担の軽減や医療保険財政の改善に資するために、平成二十四年度までに後発医薬品の数量シェアを三〇%以上にするという目標を掲げて、積極的に推進することとしております。

 しかしながら、後発医薬品については、例えば、その品質、供給体制、情報提供体制に関する問題点が指摘されるなど、医療関係者等の信頼が必ずしも高いとは言えない状況にあることなども、欧米諸国に比べ、後発医薬品の普及がおくれている要因の一つとなっているものと認識しております。

 このため、後発医薬品に対する国民や医療関係者の信頼感を高めるために、昨年十月に後発医薬品の安心使用促進アクションプログラムを策定し、後発医薬品の安定供給、品質確保、情報提供体制の強化等に関し、国及び後発医薬品企業が行うべき取り組みを取りまとめたところでございます。

 今後、これらの施策の効果や後発医薬品のシェアの動向を十分踏まえつつ、目標達成に向け、必要な取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。

とかしき分科員 ぜひ、後発医薬品がマーケットに広がって、少しでも利用者がふえていくようにしていただきたいと思います。

 その中で、患者さんとの信頼関係、患者さんが後発医薬品を選びやすい環境を整えていくのが重要かと思うんですけれども、そこで医師と薬剤師の連携というのが重要になってくると思います。これから処方せんの様式の変更により、患者さんの情報を医師と薬剤師がもうちょっと共有しやすい環境を整えていくことが重要だと思いますけれども、その方法として何かお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

高橋政府参考人 お話しのとおり、後発医薬品の一層の使用促進を目指して、本年四月から、後発医薬品への変更が原則として可能となるよう処方せんの様式が変更されるということから、今後は、薬剤師が患者さんと十分話し合った上で、後発医薬品を調剤する機会がふえるものというふうに考えております。

 その際には、当然のことながら、例えば患者さんのアレルギー体質であるとかあるいは過去の薬歴などの情報を、これは患者さんのプライバシーに十分配慮しなければいけないわけですけれども、処方した医師と薬剤師が共有するよう連携を深めることは極めて重要だというふうに考えております。

 私どもにおきましては、これまでも、患者さんの投薬情報の一元的管理や医薬連携の観点から、薬歴などの情報が記載された手帳を患者自身にお持ちいただいて、医師が薬を処方する際や、あるいは薬剤師が調剤する際に役立てるお薬手帳の普及に取り組んできたところでございます。

 私どもといたしましては、今後、薬局における後発医薬品の選択、調剤に際しましても、このお薬手帳が積極的に活用され、大いに役立つことを期待いたしております。

 なお、調剤報酬におきましても、薬剤師と医師の間での情報共有を評価する観点から、薬局において後発医薬品へ変更調剤された場合には、その処方せんを発行した保険医療機関へ情報提供することを加算の要件とする予定でございます。

とかしき分科員 ありがとうございます。ぜひ連携をうまくとれるように、情報共有できるようにしていただきたいと思います。

 その中で、患者のカルテも医師と薬剤師で共有できるようになっていくというのも、ぜひ今後御検討いただきたいと思います。この病気ならこの薬の方が最適であるということを、医師とはまた違った形で薬剤師が判断できるようにしていく。薬剤師も六年制になりまして、いろいろ知識をつけておりますので、こういったカルテを見ながら、お互いに違った視点で患者のことを見ていくといったことが、ひいては後発医薬品を広めていくことにもなるかと思いますので、ぜひこの点も御検討いただきたいと思います。

 それでは、ちょっと違うお話をさせていただきたいと思います。

 子供たちへの薬育というのも今後必要だと思います。長野県や東京都、薬剤師が積極的に教育現場に入って薬の指導、教育を行っております。アンチドーピングや禁煙活動、そして、私たちの生活の場にある化学物質とのつき合い方などを今後子供たちに教えていく機会というのが必要かと思いますけれども、国の取り組みを教えてください。

田中政府参考人 御説明申し上げます。

 大学以外の学校には、薬剤師の資格を持っておられる学校薬剤師を置くことが学校保健法において規定されておりまして、現在、約三万九千人の学校薬剤師の方がいらっしゃいます。

 学校薬剤師は、その職務として、環境衛生検査に従事すること、あるいは学校で使用する医薬品等の管理に関する指導と助言を行うことのほか、必要に応じ、学校における保健管理に関する専門的事項に関して技術及び指導に従事するということになってございます。

 実際、先生から御指摘ございましたとおり、学校薬剤師は、特別活動あるいは総合的な学習の時間等におきまして、その専門的知識を生かされて、児童生徒の喫煙、飲酒、薬物乱用防止ということの教育に貢献をされているという実態もございます。特に、文部科学省における薬物乱用防止のための大きな施策の柱でございます薬物乱用防止教室の開催に当たりましては、学校薬剤師の協力を得るようにというような通知もいろいろしているところでございます。

 また、今後一層その役割が高まるよう、学校薬剤師が担任の方々と協力をして学校における医薬品の学習を進めていくことができるような参考資料を作成し、間もなく配付をするということになってございます。

 なお、先日示されました学習指導要領の案におきましても、医薬品に関する内容が中学校においても新たに取り上げられるという状況になってございますものですから、教育現場における学校薬剤師の専門的知識の活用の場ということも今後拡大するのかなというふうに期待をしているところでございます。

とかしき分科員 ありがとうございました。

 薬害とかいろいろありますけれども、その後ろに、私は、薬は万能のものであるというふうに思われている国民の意識があるかと思います。薬は必ずリスクを伴っていることを子供の時代から教えていくことが必要かと思いますので、ぜひ積極的取り組みをよろしくお願いいたします。

 それでは、パーキンソン病についてお伺いいたします。

 パーキンソンは、早期に薬とリハビリの治療をすれば、進行を大幅に抑えられるというふうに言われております。しかし、今出ておりますLドーパ製剤というのは副作用が強いということで、適切な治療をせずにどんどん進行していってしまって、結局介護が必要な状況になってしまう患者もたくさんいらっしゃいます。

 これに対して、最近、遺伝子治療というものが注目をされておりますけれども、これについての新たな取り組み、どういうふうに臨床試験が進んでいるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。

外口政府参考人 パーキンソン病に対する遺伝子治療臨床研究につきましては、これは、ドーパミンの前駆体のLドーパをドーパミンに変換する酵素を発現させるAADC遺伝子を、線条体にアデノ随伴ウイルスをベクターとして組み込むものでございますけれども、自治医大附属病院において、平成十九年度には二名の患者さんへの投与が実施され、来年度には四名の患者さんへの投与が計画されております。

 この研究におきまして、投与の二例目で脳内出血が認められ、患者さんの症状は軽快し退院しておりますけれども、また、米国での同様の臨床研究においても脳内出血が認められたとの報告があったため、現在、投与方法などの再検討を行っております。この原因としては、導入手技の問題と考えられているようでありますが、その検討後に三例目以降の臨床研究を再開する予定と承知しております。

 この研究に対しまして、これまで厚生労働省としては、厚生労働科学研究費補助金により支援を行っており、来年度も継続して支援する予定であります。

 厚生労働省としては、パーキンソン病に対する遺伝子治療など新たな治療方法に対して、安全性や倫理性の確保に努めながら、引き続き積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。

とかしき分科員 ありがとうございました。

 最後に、ちょっと質問時間がなくなってしまいましたので、要望を申し上げます。

 脳脊髄液減少症、この問題についてお伺いしたいんですけれども、平成十九年の四月から三カ年の研究期間ということで、こころの健康科学研究事業ということで二千五百万円補助金を交付していただきました。ぜひこれは、腰痛とか目まい、足のしびれ等で、精神的なものということでよく誤解されてしまって医療機関で対応されてしまうんですけれども、この病は非常に厳しい病でございますので、この医療体制、そして今後、研究費をせっかく交付していただきましたので、効果が出るように、そして、将来は保険適用の検討も眼中に入れて研究に取り組んでいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

 以上です。どうもありがとうございました。

森主査 これにてとかしきなおみ君の質疑は終了いたしました。

 次に、矢野隆司君。

矢野分科員 自由民主党の矢野隆司でございます。

 二日間にわたるこの予算委員会分科会も、私で最後の質問者になりました。舛添大臣にはよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 きょうは、ライフラインの中でもとりわけ重要な水道というものについて、いろいろとお尋ねをしたいなと思っております。

 近年、水道は、広い意味で水ということも入れまして、国際的にも国内的にも、資源あるいは環境そして市民生活といった観点から、大変注目と関心を集めているところでございます。厚生労働省でも重要な部門と御認識をいただいていると思います。

 まず、平成二十年度予算案に、初めて水道の国際貢献というものに関する予算が盛り込まれておるというふうに承知しておりますが、そこで、どういう内容で、どのように使われるのかということをお尋ねしたいと思います。

舛添国務大臣 水の重要性というのは、これは委員おっしゃるとおりで、世界人口六十六億人おりますけれども、我々は、蛇口をひねると安全な水が出てくる、今委員がお飲みになっている水も安全ですけれども、こういうふうに簡単に水を手に入れられない人が十億七千万人もいるということで、国連のミレニアム開発目標で、二〇一五年までにこの数を半減したいということがありますので、そのためには、公的かつ民間の資金も含めて目的を達成したいというふうに思っています。

 二十年度予算案で、今御指摘の水道産業国際展開推進事業費というのをたしか二千二百万円計上していますけれども、これは、今の状況を展望しつつ、アジア・ゲートウェイ構想というのを昨年来やっておりますので、アジアの近隣諸国は日本を見習えということで一生懸命やっている、こういう方々に対していろいろ御支援する中で、やはり日本は、水道事業というのはここまで展開されて、基本的にはだれも蛇口をひねれば水が出るということなので、そのためにこの分野で貢献をしようということですから、この日本の経験を近隣諸国に教える、それで、現地でセミナーをやるとかいろいろな技術をお伝えする。

 そういうことで、日本の水道事業がどうすれば国際貢献できるかということで、そのための調査検討、実施というための予算の計上でございます。

矢野分科員 調査検討ということで、しっかりやっていただきたいと思いますけれども、実は、昨年の暮れに、厚生労働省も参加した水に関する有識者・実務者検討会というものが報告書をまとめておられます。

 外務省が取りまとめておられると思うんですけれども、地球規模での水問題について我が国がどう取り組むべきか、こういった内容なのかなと思いますが、この中の序文のところに、「本報告書の内容は、検討会メンバーの見解であって、政府としての見解ではなく、また、政府としての今後の方針を予断するものではないことを付言致します。」こうあります。

 なかなかいい内容なので、もったいないなとは思うのでございますけれども、この報告書の位置づけ、あるいはこれを行政として活用するのかどうか、そこらを、きょうは外務省からもお越しいただいていると思いますので、ぜひ伺いたいと思います。

鶴岡政府参考人 水に関する有識者・実務者検討会報告書について御質問をいただきました。

 この報告書は、昨年の十二月に取りまとめを行いまして公表いたしたものでございます。御承知のとおり、先ほど御紹介ありましたけれども、政府としての公式な検討会というよりも、有識者、実務者が一堂に会して、水の問題について総合的な観点から議論をいたしたものをまとめたものでございます。

 水につきましては、政府といたしましては、福田総理が一月のダボス会議に出席をされました際に、教育、保健と並んで、今後のMDGとの関係でも重点的に取り組むべき分野として言及をされておられます。また、今月二十二日には高村外務大臣が、「貴重な水の有効利用のために」と題しました水と衛生に関する政策演説を行っております。

 本年予定されております第四回アフリカ開発会議や北海道洞爺湖サミットという重要な国際会議を控え、水の問題への取り組みは我が国政府としても極めて重要だと考えております。そういった認識を素地にいたしまして、水について専門的な知見を結集する必要があるという認識のもとに、この報告書につきましては、有識者さらには関係省庁の実務者間で、水に関する日本の知見を結集していただいたものと理解をしております。

 内容的には、二部構成となっておりまして、第一部では、検討会での議論を踏まえた上で、我が国によるG8サミットやその他の国際的な取り組みに向けての提言をいただいております。第二部は、実務者の具体的施策を列記したものであります。

 ただいま委員からも御指摘ございましたとおり、私どもといたしましても大変有益な提言をいただいたというふうに考えておりますので、この検討会としての見解ではございますが、政府といたしましても、北海道洞爺湖サミット、あるいは先ほど申し上げたTICADなどの大きな国際会議の準備を進める上で、政府はもちろんのこと、ほかのG8参加各国や国際機関との協議を進める際には参考としていきたいと思っております。

 なお、英語版も作成いたしまして各国にも配付をし、皆さんからも勉強をするに値する提言であるというふうに評価をいただいているものでございます。

矢野分科員 一昔、二昔、もう一つそのまた昔かもしれませんが、昔は、水と空気はただなんだというような例え話もございましたけれども、近年は、世界的な潮流といたしまして、水を戦略資源としてとらえて、安全保障に資する経済財とする考え方がございます。また一方で、昔からの守るべき公共の財物、公共財である、こういう考え方もございます。これは、近年議論されている水道の民営化というものをどう考えるか、これの是非の議論にもつながるテーマだとは思うのでございますが、まず、戦略資源としての攻めの立場から伺いたいと思います。

 今御案内ありました外務省の報告書にも、さまざまな支援アイデアが列挙されております。その中で、そもそも、水のそういう国際貢献あるいは国際支援というものは、国家が国として行うもの、あるいは国家が民間をサポートして進めるもの、それから完全に民間が民間主導で乗り出すタイプ、こういった類型に分けられるのかなと思っております。今ヨーロッパでは国家が強力にそういう水道というものを、民間の事業体、民間の産業界をサポートして展開しておりますけれども、まだまだ我が国はそういう意味では、大変厳しいことを言いますが、試行錯誤の段階なのかなと思っております。

 そういう中で、厚生労働省はどういうふうに考えているのかということをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

西山政府参考人 我が国の水分野におきます国際貢献、国際支援の取り組みですけれども、一九七〇年代以降、政府が主体となりまして、二国間協力すなわちODAを利用したプロジェクト、あるいは多国間のWHOなどの国際機関を通じて取り組んできております。

 一方、議員御指摘のとおり、最近、世界的には水の分野における支援形態として官民パートナーシップの考え方が普及しておりまして、国家が民間の取り組みや進出をサポートするというようなことや、民間主導で企業等が乗り出すタイプも見られております。

 現在、私ども厚生労働省といたしましては、やはりこれまでどおり、途上国の国民衛生水準の向上のために、相手国政府等が必要とする技術協力など、ODAによって対応していくことを主眼としつつ、他方では、日本の水道産業が我が国におきます経験や技術をもとに国際展開をしていくに当たり、政府としても、どのような支援等が必要になるか検討していくことも重要であると考えております。

 いずれにしても、国際貢献、国際支援については、さまざまな状況、相手国のニーズ等を踏まえながら支援方法を検討していくこととしてまいりたいと考えております。

矢野分科員 そういう中で、三十年ぐらい前からなのかどうか、ちょっと私も記憶に定かじゃございませんが、JICAがございますが、JICAによる日本の上水道システム視察の招聘プログラムというものがずっと長年継続的に実施をされております。

 なかなか国民の方に理解は得られていないといいますか、周知されていないと思いますけれども、大体三カ月ぐらいかけて、北海道から沖縄までさまざまな官民の施設を視察されたり、ソフトやハードの研修をされておられるというふうに認識をしておりますけれども、逆に言えば、これは、そういう発展途上国の諸国の関係者を日本に招くという立場で言えば、招いた国の水道や水道技術の実態、あるいは何が必要とされているのかを知る絶好の機会じゃないかと私は思うんです。

 そういう中で、厚生労働省として認識をしておるこのプログラムの意味、成果、そしてもし課題というものがあるならば、国際貢献策と絡めてぜひ教えていただきたいと思います。

西山政府参考人 お尋ねのJICAにおきます上水道研修でございますけれども、開発途上国からの要請に基づきまして、多様な人材を育成することを目的として始めております。これまでに、我が国の水道事業者や民間企業の協力を得まして、多くの研修生を受け入れております。平成十八年度の受け入れ実績は百六十五名となっております。

 このJICAの研修でございますけれども、世界トップクラスの水道をつくり上げてきた我が国の貴重な経験を生かし、諸外国におきます衛生的な水の確保に係る人材の育成に大きな貢献をしてきたものと認識しております。

 今後とも、我が国の水道技術を海外に広めるためにも、関係者の協力を得ながら、JICA研修による技術移転を積極的に行っていきたい、かように考えております。

矢野分科員 今、百六十五名受け入れたというお話でございますが、そういうことを我が国がやっていて、果たして相手国にどれだけ認識していただいているのかなということについて、若干私は疑問に感じることもございます。

 水道の普及率が低いからということでそこの支援を決めるということももちろん重要でございますが、例えば、戦略的に、いわゆるレアメタルなどを産出しておる国でそういう普及率の低いところを、支援の選定をする際に考慮に入れるというようなことも大事なことじゃないかなと私は思っております。

 一例を挙げれば、コバルトなんというものはザンビアという国が主要な産出国の一つですが、ここの水道の普及率はまだ五〇%足らずというふうに伺っておりますし、いろいろな多角的なところからそういう支援を進めていくということをぜひ考慮に入れていただきたいな、こう思っております。

 そこで、もう一点、経済財とする観点から伺いたいと思いますが、そもそもそういう水道というものは、現在、公共事業といいますか、地方自治体が取り組む重要な事業でございますが、これを民営化しようという一つの大きな潮流があることも否定できません。その中で、民営化というのは、今、それこそ例の成田空港のビルディングの問題じゃございませんけれども、重要な社会インフラに対する投資のあり方をどう考えるかということにつながるんじゃないかと私は思っております。

 水道の民営化ということに特化して言えば、一九九二年以降、世界銀行が融資の条件として、各国の水道の民営化をしなさい、そういうようなことの経緯があったように聞いております。ところが、最近では、そういう民営化も公営も、経費的なコストには余り大差ないという世銀のレポートもあるようでございます。

 この民営化の是非の議論をする際に、とかく日本のマスコミでは成功事例が喧伝されておるわけですけれども、あえて、厚生労働省が把握している各国の水道民営化の失敗事例というものを、ぜひこの際開示していただきたいと思います。

西山政府参考人 水道の民営化でございますけれども、問題があったケースは実はたくさんございまして、アルゼンチン、ボリビア、フィリピン、インドネシア、南アフリカ、オーストラリア云々。

 その中で代表的な中身について申し上げますと、まずアメリカのアトランタ市でございますけれども、民営化後、しばしば断水が起こる、あるいは赤水、そういうものが発生する。同市が調査したところ、事業の効率が低く、経費の削減も期待できないことが判明したために、二〇〇三年に契約を解除し、再び市営に戻している事例。

 二点目ですけれども、オーストラリアのシドニー市におきましては、一九九八年に、水道水中にクリプトスポリジウムが検出され、市全域に水道水の煮沸勧告がなされたわけでありますけれども、その原因といたしまして、浄水場建設費や運転管理費の大幅な削減が背景にあったのではないかと推測されている事例。

 三点目、最後ですけれども、アルゼンチンのブエノスアイレス市におきまして、水道料金の値上げの一方で施設整備への投資が十分でないことが問題となり、さらにアルゼンチンの経済不況から経営が悪化し、二〇〇六年に契約を解除した事例などがございます。

矢野分科員 ぜひ、各自治体がもし民営化に踏み切るというようなことがあった際には、いい点も悪い点も、やはり厚生労働省としてしっかりアドバイスをしていただきたい、こういうふうに思います。

 予算案の関連に戻りますけれども、次に、地震対策について伺いたいと思います。

 十四万キロあるといういわゆる基幹管路、メーンのパイプですが、それの耐震化を国として進めておられる、こういうことですが、過去五年間における基幹管路の耐震化の進捗状況を教えていただきたいということが一点。

 それから、浄水場や配水池といった基幹の施設の耐震化率は、現在、それぞれ何%になっているのかということ。

 そして、まとめて伺いますが、私は平成十八年六月の決算行政監視委員会でも質問をいたしましたが、そのときに、基幹施設で耐震化率がゼロ%の県がございました。どこの県かは申しませんけれども、言ってもいいのかどうかわかりませんけれども、その耐震化率ゼロ%の県はその後どうなったのかということを、あわせて教えていただきたい。

 そして、施設関係の耐震化について省として何か対応があるならば、それもあわせて教えていただきたいと思います。

西山政府参考人 まず、基幹管路の耐震化率でございますけれども、平成十三年度の一二・七%から、平成十六年度においては一三・九%となっております。なお、平成十七年度においては、耐震管路の定義が厳格化したために一〇・八%と落ちておるわけですけれども、従来の定義で計算すると一四・四%、このような数字でございます。

 また、浄水場、配水池の耐震化率は、平成十七年度末で、それぞれ一二・四%、二〇・一%となっております。

 議員御指摘の、浄水場の耐震化率がゼロ%の県は鳥取県でございまして、鳥取県におきましては、平成十二年の鳥取県西部地震において管路に多数の被害があったことから、まずは管路の耐震化を優先していること、浄水場についても、現在、耐震性の確保される浄水場新設工事が行われており、平成二十一年度から供用を開始する、このような見込みでございます。

 私どもといたしましては、施設の耐震適合性を速やかに評価した上で、耐震化計画を早期に策定するよう各水道事業者に求めるとともに、国庫補助の活用等も図りつつ、水道施設の耐震化が一層促進されるよう指導してまいりたいと考えております。

矢野分科員 そこで、この耐震化のそもそもの考え方のスタートラインというのは、平成十六年につくられた水道ビジョンという厚生労働省がまとめた計画がございますが、水道ビジョンといっても、なかなか一般の国民の方になじみが薄いものですから、極めて簡潔に教えていただければと思います。

 それから、この水道ビジョンの中に、平成二十六年度ぐらいをめどに基幹管路の耐震化一〇〇%達成、あるいは浄水発生土の一〇〇%有効利用という目標が掲げられておりますが、現在、改定中だとも聞いております。その改定の内容の対象に入っているのかどうか、そのことを教えてください。

西山政府参考人 まず、この水道ビジョンでございますけれども、策定後三年目を迎えております。

 この目的でございますけれども、五つほどございまして、水道の運営基盤の強化、あるいは安心・快適な給水の確保、災害対策、それから環境・エネルギー対策の強化、さらに、最後でございますけれども、国際協力におけます水道分野の国際貢献、この五つの柱につきまして国民の方々に明らかにしたものでございます。

 現在、私ども、有識者で構成されます水道ビジョンフォローアップ検討会におきまして、平成十九年四月からレビューを開始しております。したがいまして、数値目標の見直し等については現段階では考えておりませんけれども、検討会の御審議を踏まえつつ、今後、どのような施策が必要かは引き続き検討していく所存でございます。

矢野分科員 数値目標の改定は考えていない、こういうことでございますけれども、私、ちょっと厳しいことを申し上げたいと思いますが、二つ数字的な問題があるんじゃないかと思います。

 一つは、耐震化のスピードですね。要するに、基幹管路十四万キロに対して、現在一〇・八%、約一一%の耐震化が進んだ。これを年で割りますと、〇・五%ずつぐらいの耐震化率じゃないかと思うんですけれども、これをキロメートルに直しますと七百キロになるわけです。では、残り十四万キロの八九%、これを年間七百キロで割っていくと何年かかるかといいますと、これは大臣、百七十八年かかるんですよね。百七十八年かかるものを、数値目標の改定なしに、平成二十六年度までに一〇〇%耐震化するんだということをここの委員会でおっしゃるということ、僕はちょっと問題じゃないかと思うんですよ。

 それともう一点は、要するに、平成十六年に水道ビジョンを策定したときにつくられた耐震化の基準が、その後厳しくなっている。だから、先ほど局長がおっしゃったけれども、現在、耐震化率一〇・八%、前の基準なら一四・四%だ。それはわかります。しかし、厳しくなっているわけですから、水道ビジョンをつくられたときから環境が変わっているということ。私、その数字の二点に関して大変疑問に感じるわけです。

 そこで、このまま実行されるといったって、できないと私は思うんですけれども、いやいや、来年度の予算から増額して、かなりたくさん財務省から分捕りますよ、あるいは、補助率等さまざまな耐震化のメニューの整備充実を図りますよ、こう言うならわかりますけれども、その辺を大臣から直接、所信といいますか、ぜひ伺いたい、こういうことでお尋ねをしたいと思います。

舛添国務大臣 国家の危機管理として、水というのはライフラインの最も基本的なものなので、これをどう守っていくか。例えば、昔だと、水道とともに井戸なんというのが各地でありました。ところが、今、くみ上げポンプを置いてあるんだけれども、もう使っていないような状況。だから、国全体として、やはり危機管理の水準を上げていかないといけないと思います。

 委員御承知のように、財政状態が非常に厳しいということで抑えに抑えていく。そうすると、今の私の所管しているところだと、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザが来たらどうするんだ、これを早く準備しなさいということがあります。ですから、これは国民の皆さんの御理解もいただいて、ビジョンはビジョンで十年でありますけれども、不断に見直しをしていって、最終的には国民の税金もそこに入るわけですから、全力を挙げて、これは委員の御指摘を踏まえて検討し、努力をしてまいりたいと思います。

矢野分科員 つまらぬことを言いますけれども、例えば厚生労働省の所管でいいますと、例の紙台帳の突合なんという問題でも、いつまでにいつまでにということで、結局、野党がぎゃあぎゃあ、そういう実態を踏まえずに言ってくる。そういうことの二の舞になると言うと言葉に大変語弊がありますけれども、そんなことのないように、着実に、そして実効性のある計画をぜひ立てていただいて、やはり安心、安全というものは国民の一番大事なことでございますので、まして水でございます。

 今、たまたま大臣から井戸水という話がございましたが、三日前、二十五日に、福岡の飯塚で、産業廃棄物の最終処理場の横の水源のところから硫化水素が流出しておって、それで住民が井戸水で健康被害を訴えて、その裁判がございました。司法の判断でございますから、立法府の者がとやかく言うことではございませんが、そういった問題もあるわけでございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたい、こういうふうに思います。

 続きまして、あともう一点、これは大臣の御認識をいただきたいということで申し上げたいんですが、いわゆる基幹管路を含む、更新しなきゃいけない日本の水道管のパイプラインというのは全部で六十万キロございます。これの更新率というのが年間一%なんですね。ということは、年間一%ずつ更新していくということは、全部で更新が終わるのに百年かかる、こういうことになります。

 加えて、基幹の管路、メーンのパイプというのは鉄管でございまして、この鉄管というのが大体五十年から六十年の耐用年数だ。ということは、やり直した先からこの前にやったものを直さなきゃいけないということで、まさにイタチごっこのような状態が続く。大臣には、次の予算要求のときにはこういうこともぜひ御念頭に入れていただいて、よろしくお願いをしたい、こういうふうに思います。

 ところで、耐震化も重要な施策ではございますが、平成十五年以降、私は平成十五年以降の資料しか持っておりませんが、その統計によりますと、実は、地震よりも風水害、台風や水害による断水戸数の方が多い。これは大変、国民生活に直結した問題でございます。

 そこで、耐震化ももちろん大事かもしれませんが、この風水害による水道被害の統計的な数字、原因、あるいはその対策というものをこの際伺いたいと思います。

西山政府参考人 まず、自然災害によります水道施設の被害状況ですけれども、平成十五年度から平成十八年度の四年間におけます主なものを集計いたしますと、まず地震でございますけれども、断水戸数は一年当たり約四・五万戸、風水害による断水戸数は一年当たり約七・五万戸となっております。

 この風水害による水道施設の被害の原因としましては、土砂崩れ、あるいは井戸水の原水濁度の悪化に伴う浄水処理不良、水道施設の浸水などがございます。

 現在、私ども、耐震化計画策定指針の見直しにあわせまして、風水害対策についても、予防対策、応急対策の両面から水道事業者が講ずべき対策について検討を進めているところでございます。こうした指針の活用等により、水道が自然災害にも強いものとなるよう努めてまいりたいと考えております。

矢野分科員 とかく断水があるというとすぐ、地震で耐震化が必要だという図式になりやすいですが、実態はそういう風水害による水道被害の方が多いんだということを、やはりこの際もっと国民の皆さんに認識していただいて、国も、あるいは自治体もそういうことに取り組むということを、ぜひこの際、この場で申し上げておきたいと思います。

 もうそろそろ時間がなくなってまいりましたので、間もなくサミットがございます。そのことに関連しまして、実は、昭和五十三年に水道施設に対するテロ事案が発生をしておるということでございまして、ちょっと私、これは古い話ですので、ぜひ、この水道に対するテロ事案についての概要説明をお願いしたいと思います。

西山政府参考人 御説明申し上げます。

 御指摘の水道施設に対するテロ事案としては、昭和五十三年六月に、千葉県北総浄水場におきまして、過激派によりまして沈殿池に廃油、毒物が投入された事案がございます。

 この事案は、犯人が、浄水場の管理施設から死角となる場所において有刺鉄線の一部を切断し侵入した、その上で、沈殿池に廃油等を投入した、犯行から発見まで半日以上を要したと、問題点がございました。

 復旧に当たりましては、廃油についてはオイルマットで吸着し、殺虫剤などの毒物については凝集沈殿処理と活性炭吸着などを行ったことにより、完全に除去することができました。幸いにして、水道の利用者に対して直接的な影響、被害を及ぼすには至らなかったものであります。

 本事案を教訓といたしまして、水道施設の警備等の強化、連絡体制の確立など対策を講じてきたところでありまして、引き続き万全を期してまいりたい、かように考えております。

矢野分科員 最後に、先ほど外務省の方からもお話ございましたが、過日のダボス会議で福田内閣総理大臣は、洞爺湖サミットを控えて、重要な課題の一つにやはり水というものを挙げておられたやに聞いております。

 そこで、今の質問とも関連しますが、洞爺湖サミットを控えて、同種事案の厚労省としての再発防止策、あるいは絶対に成功させるんだという決意を含めて、舛添厚生労働大臣から最後にお話を伺いたいと思います。

舛添国務大臣 今の事案のように、テロ事案が洞爺湖サミットを控えて起こりますと、これはもう大変なことですから、未然防止をやるということが非常に重要なんです。

 昨年の二月に、テロ対策マニュアル策定指針というのを水道に関してつくりました。これを水道事業者に対して、その指針に従ってきちんとやれということを通達しておりますし、また本年の二月二十一日付、一週間前ですけれども、水道事業者等に対して自主警備体制を強化してくれと。それから、連絡体制を確立する、すぐ警察に連絡する、それから危険物質の管理の強化。

 これは、アメリカでサルモネラ菌を入れた例があったり、よその例ですけれども、シアンを入れた例があったり、いろいろありますから、意外とこれは死角というか、みんな警備というと、空から航空機でやってきたり、船でやってきたり、過激派がロケット弾を撃ったり、そういうことを考えていますけれども、飲む水にそういうことがあってはいけませんので、これは万全の対策をとりたいと思います。

矢野分科員 大臣、ちょっとお風邪かもしれませんが、本当にどうもありがとうございました。

 これで質問を終わります。

森主査 これにて矢野隆司君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本分科会の審査はすべて終了いたしました。

 この際、一言ごあいさつ申し上げます。

 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。

 これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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