衆議院

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第1号 平成22年5月17日(月曜日)

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本分科会は平成二十二年五月十一日(火曜日)委員会において、設置することに決した。

五月十四日

 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。

      岡本 充功君    金森  正君

      菅川  洋君    土肥 隆一君

      宮崎 岳志君    柳田 和己君

      吉田  泉君    伊吹 文明君

      今村 雅弘君    高木 陽介君

五月十四日

 吉田泉君が委員長の指名で、主査に選任された。

平成二十二年五月十七日(月曜日)

    午前九時三十分開議

 出席分科員

   主査 吉田  泉君

      岡本 充功君    金森  正君

      菅川  洋君    土肥 隆一君

      宮崎 岳志君    柳田 和己君

      今村 雅弘君    柴山 昌彦君

   兼務 柚木 道義君 兼務 秋葉 賢也君

   兼務 田中 和徳君 兼務 福井  照君

    …………………………………

   国務大臣

   (地域主権推進担当)   原口 一博君

   外務大臣         岡田 克也君

   国務大臣         川端 達夫君

   環境大臣         小沢 鋭仁君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     平野 博文君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 中井  洽君

   国務大臣

   (国家戦略担当)     仙谷 由人君

   国務大臣

   (行政刷新担当)     枝野 幸男君

   内閣府副大臣       大島  敦君

   内閣府副大臣       大塚 耕平君

   総務副大臣        渡辺  周君

   法務副大臣        加藤 公一君

   外務副大臣        武正 公一君

   文部科学副大臣      鈴木  寛君

   国土交通副大臣      馬淵 澄夫君

   内閣府大臣政務官     泉  健太君

   厚生労働大臣政務官    山井 和則君

   厚生労働大臣政務官    足立 信也君

   国土交通大臣政務官    長安  豊君

   防衛大臣政務官      楠田 大蔵君

   衆議院事務総長      鬼塚  誠君

   裁判官弾劾裁判所事務局長 石川 隆昭君

   裁判官訴追委員会事務局長 向大野新治君

   国立国会図書館長     長尾  真君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君

   会計検査院長       西村 正紀君

   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       太田 雅都君

   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       虎岡 寛道君

   会計検査院事務総局第一局長            鵜飼  誠君

   会計検査院事務総局第五局長            真島 審一君

   政府参考人

   (宮内庁次長)      風岡 典之君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  鈴木 正規君

   政府参考人

   (沖縄振興開発金融公庫理事長)          金井 照久君

   参考人

   (独立行政法人国際協力機構理事長)        緒方 貞子君

   参考人

   (日本銀行総務人事局長) 櫛田 誠希君

   内閣委員会専門員     上妻 博明君

   外務委員会専門員     清野 裕三君

   環境委員会専門員     春日  昇君

   決算行政監視委員会専門員 尾本 哲朗君

    ―――――――――――――

分科員の異動

五月十七日

 辞任         補欠選任

  伊吹 文明君     柴山 昌彦君

  高木 陽介君     赤松 正雄君

同日

 辞任         補欠選任

  柴山 昌彦君     伊吹 文明君

  赤松 正雄君     高木 陽介君

同日

 第二分科員柚木道義君、田中和徳君、第四分科員秋葉賢也君及び福井照君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十年度一般会計歳入歳出決算

 平成二十年度特別会計歳入歳出決算

 平成二十年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成二十年度政府関係機関決算書

 平成二十年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成二十年度国有財産無償貸付状況総計算書

 〔皇室費、国会、会計検査院、内閣、内閣府(本府)所管、沖縄振興開発金融公庫、内閣府(警察庁)、外務省所管、独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門及び環境省所管〕


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     ――――◇―――――

吉田主査 これより決算行政監視委員会第一分科会を開会いたします。

 私が本分科会の主査を務めることになりました吉田泉でございます。よろしくお願いいたします。

 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府(本府、警察庁、金融庁)、外務省、環境省所管、沖縄振興開発金融公庫及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門並びに他の分科会所管以外の国の会計についての審査を行うことになっております。

 なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭に決算概要説明、会計検査院の検査概要説明及び会計検査院の指摘に基づき講じた措置についての説明を聴取することといたします。

 平成二十年度決算外二件中、本日は、環境省所管、内閣所管、内閣府所管中内閣本府、沖縄振興開発金融公庫、内閣府所管中警察庁、会計検査院所管、皇室費、国会所管、外務省所管、独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門について審査を行います。

 これより環境省所管について審査を行います。

 まず、概要説明を聴取いたします。小沢環境大臣。

小沢国務大臣 おはようございます。よろしくお願いをいたします。

 平成二十年度環境省主管一般会計歳入決算並びに環境省所管の一般会計歳出決算及び特別会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 まず、一般会計の歳入決算について申し上げます。

 歳入予算額は十八億四千九万円余、これに対しまして、収納済み歳入額は十五億七千八百九十九万円余、歳入予算額と収納済み歳入額との差は二億六千百九万円余の減少となっております。

 次に、一般会計歳出決算について申し上げます。

 当初予算額は二千百九十七億四千百三十一万円余でありましたが、これに予算補正追加額百八十八億七千五百九十七万円余、予算補正修正減少額十五億一千九百六十九万円余、予算移しかえ増加額百三億六千四百二十七万円余、予算移しかえ減少額十五億三千四百八十七万円余、前年度からの繰越額四百三億一千六百三十四万円余、予備費使用額三千六百六十四万円余を増減いたしますと、平成二十年度歳出予算現額は二千八百六十二億七千九百九十八万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額二千四億六千九百六十一万円余、翌年度への繰越額四百九十八億六十三万円余、不用額三百六十億九百七十三万円余となっております。

 次に、環境省所管のエネルギー対策特別会計の平成二十年度歳入歳出決算について御説明いたします。

 エネルギー需給勘定につきましては、収納済み歳入額は五百三十七億四千三百八十万円余、支出済み歳出額は二百五十七億九千六百三十万円余であります。収納済み歳入額と支出済み歳出額との差額は二百七十九億四千七百四十九万円余でありまして、翌年度への繰越額百九十二億六千四百四十四万円余、エネルギー対策特別会計エネルギー需給勘定の平成二十一年度予算に歳入計上した剰余金五十四億七千百十万円余、これらを除いた純剰余金は三十二億一千百九十四万円余となっております。

 以上が平成二十年度における環境省の決算の概要であります。

 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

吉田主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院虎岡審議官。

虎岡会計検査院当局者 それでは、平成二十年度環境省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。

 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項十一件及び意見を表示しまたは処置を要求した事項三件であります。

 まず、不当事項について御説明いたします。

 検査報告番号五五五号から五六三号までの九件は、地方環境事務所等において、物品の購入等に当たり、虚偽の内容の関係書類を作成するなど不適正な会計経理を行って国立公園等維持管理費等を支払っているものであります。

 同五六四号及び五六五号の二件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。このうち、工事の設計等が適切でないものが一事業、補助の目的外に使用しているものが一事業であります。

 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。

 その一は、国立公園等における施設の新設等工事により取得した国有財産の台帳価格に関して適宜の処置を要求いたし、及び是正改善の処置を要求いたしたもの、その二は、地方環境事務所等における物品の管理等に関して適宜の処置を要求いたし、及び是正改善の処置を要求いたしたもの、その三は、地方環境事務所等における電子入札・開札システムの活用に関して是正改善の処置を要求いたしたものであります。

 なお、以上のほか、平成十九年度決算検査報告に掲記いたしました浄化槽設置整備事業及び浄化槽市町村整備推進事業の実施について処置を要求した事項及びエネルギー対策特別会計エネルギー需給勘定における剰余金について意見を表示した事項につきまして、それらの結果を掲記いたしました。

 以上をもって概要の説明を終わります。

吉田主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。小沢環境大臣。

小沢国務大臣 平成二十年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存じております。

 指摘を受けました事項につきましては、直ちに是正措置を講じましたが、今後なお一層厳正な態度をもって事務の執行の適正を期する所存でございます。

吉田主査 この際、お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

吉田主査 以上をもちまして環境省所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

吉田主査 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。福井照君。

福井分科員 おはようございます。

 きょうは、環境省関係、たった一人ということで、頑張ってやらせていただきたいと思います。

 先週は、小沢大臣も、まことにお疲れさまでございました。我々の方はいろいろ手続がありますけれども、あした本会議で衆議院を通過ということになれば、御同慶の至りでございます。

 きょうは、それと離れまして、地域振興、地方の再生ということで、環境行政がいかに貢献していただけるかという陳情ベースでございますので、どうぞもっと気楽に御答弁いただければというふうに思います。

 保守合同がちょうど昭和三十年でしたから、五五年体制ということで、そのときに、経済に行くんだ、政治の混乱の時代は終わらせて、戦後十年間、政治、政治ということで混乱していた、それを終わらせて経済の時代だということで、高度経済成長、国民所得倍増ということで邁進してまいりました。

 しかし、その間、政治がやってきたことは、主として福祉なんですね。民主党さんは違うと言いますけれども、自民党がやってきたことは、大平内閣にしても田中内閣にしても、あるいは田中角栄さんが若いときから議員立法でいろいろやったことについても、ほとんど福祉なんですね。経済は経済畑の企業が担ってきたということなんですが、最近、もうそれでは立ち行かなくなってきた。今や経済を政治が主導して、まさに政治主導で経済を再生し日本を再生する時代がやってきたというふうに言われているわけです。まだ一般的ではありませんが、もうそういう時代になってきた。

 ましてや、地方は、政治主導でやっていただかないと、ちょうど小泉政権のときのように、自分で考えて自分で立ち上がりなさい、何の規制もしませんし、自分でやりなさいと言われたら、困るんですね。それはどうしてかというと、考えるべきこと、やるべきことは、もうやり尽くして、考え尽くして、それで今の現状があるわけですので。今からお願い申し上げることで、環境行政としてぜひ地方を助けていきたいというふうな温かいぬくもりのある御答弁をいただければ幸いでございます。

 今、東北とか九州とかありますけれども、地方は、特に四国は、物をつくる会社が少なくて、物の経済が少ないものですから、貿易外収支で、いかに観光客を何百万人、何千万人呼んでくるかということが勝負なんですね。特に、国内のマーケットの奪い合いという意味では、そんなことをしていてもしようがない。

 ですから、正確に言うと昭和四十三年ですけれども、日本の万博をやったときにドイツを日本が追い越して世界第二位になった。ことし、その日本を中国が追い越す。万博をやるということが、その国が世界第二位になるというアジアの国の符合があるわけですね。その中国がアメリカを追い越すのが、多分二〇二五年とか三〇年。また、その中国をインドが追い越すのが二〇五〇年とか六〇年。ちょうど、地球環境で私たちがずっと努力しているころ、中国とインドがどんどん、GDPを全体的にはふやしていくという中で、もちろん原単位も絶対量も減らしてもらわなくてはいけないんですけれども、それはそれで、しかし、そこに巨大なるマーケットが存在する、巨大なる中間層が存在する、そして、巨大なる、世界じゅうを旅行する観光客が存在する。

 ですから、東京に、京都に、奈良にというんじゃなくて、地方に、四国に、いかに中国、韓国、インド、台湾、香港の方に来ていただくかということが勝負になるわけですので、観光をしたくなるような地域をつくるそのストーリーをつくる、そして観光スポットをつくる、そのために環境省所管の行政がいかに貢献していただくかということなんです。

 また、ちょっと飛躍しますけれども、秋田がすごいですね。イ・ビョンホンがロケをしたところというのが、日本人には何の変哲もないところに韓国の観光客が大挙して来ている。とにかく、地域おこし、海外からの観光客というのは、物語づくりなんだ、ストーリーづくりなんだということが実感されます。

 特に、観光の世界ではスイスが有名なんですね。スイスは、全くどうしようもなかった経済を、イギリスの登山家がストーリーをつくって、それで要するにあの険しい山が観光資源になったわけです。とにかく、その資源をストーリーに塗りかえるということで相転移するわけですね。液体から固体に、固体から気体にという相転移をして、飛躍的に観光客が来るということなんです。

 ですから、ツールとしては、国立公園整備事業とか自然再生事業とか、いいことをやっているわけですね。そして、日本人の文化があり、歴史的な町並みがあり、京都があり、奈良がありということで、地方に、まず四国に来てもらって、それで日本の文物を学習して帰ってもらうということが基本なんです。ちょっと前置きが長くなりましたけれども。

 まず、国立公園整備事業、今大臣が報告されました去年の事業費の中にも入っています。今、国立公園整備事業として、どういう目的で、どこどこでという細かいことは結構ですけれども、ざくっと言って現状と課題、国立公園整備事業について、ちょっと御紹介をいただきたいと思います。

鈴木政府参考人 国立公園は、ただいま先生からも御指摘いただきましたように、自然の保全とともに、国民の方々に自然に親しんでいただいて、美しい景観を含めて、その恵みを享受していただくということが必要でございますので、そうした形で、一つは、失われてしまったような自然とか景観を回復する、もう一つは、やはり適切に利用していただく、親しんでいただくための登山道とか園地とか展望所とか、こういうものを整備していくということでございます。

 さらに、今御指摘がございましたように、海外からのお客様にも御利用いただくということで、案内板などについても、アジアの方々に読める言語もふやしていくというような形で、適切な利用が進むように国立公園の整備についても意を用いているところでございます。

福井分科員 ありがとうございました。

 手前みそになりますけれども、我々、都市計画の世界では、小樽運河というのがすごい有名な事例になっていまして、その小樽運河を埋める街路事業計画になっていたんですね。それに大反対がありまして、ヘリテージである小樽運河を埋めるとは一体何ごとかということで何年も何年も大反対運動があって、そこで、当時としては、日本の歴史の中で初めて、景観を整備しようと。道路を整備するというよりは、むしろ景観を整備しようというコンセプトで、運河を半分ぐらい埋めて、埋める量をちょっと減らして、しかし道路はつくるんです。街路はつくって、四車線の道路をつくって、しかし、景観整備をして、運河の散歩道もつくって、運河沿いの景観整備もして、そして反対側の建物のファサードも、歴史的な町並みというふうに感じられるようにしたというのもあります。

 それから、もっと言うと、例えばハワイのダイヤモンドヘッドなんかも、あれもアメリカ海軍が爆弾で爆発して、いいシェイプになるようにつくったんですね。それから、沖縄の首里城も建設省の国営公園整備事業ですね。ですから、自然の文物とか、あるいは歴史的な、千年前、五百年前そのものとかというよりは、むしろ今、そういう高い志でつくった方が、よりたくさんのお客様が来られるという証明があるわけですね。小樽も本当にふえていますし、小樽運河そのものがポスターになっていますし、もちろん首里城もそうです。

 そういう意味で、今まさに局長が御説明いただきました、今までのスコープ・オブ・ワークは、いわゆる国立公園整備事業というのは、今ある、今失われていない、今まで失われていなかった、現在・過去完了形の自然、天然的自然、これを守り抜いていく、それをそのままずっと未来にも残していくように、余り人が踏みにじらないような工夫もしながら、だけれども、見ることができ、自然も感じることができ、そして過去に出会い、自分に出会うという工夫をされているということなんですけれども、もうちょっとスコープ・オブ・ワークを広げて、観光客をどういうふうに持ってくるのか。それは、だから、自然だけじゃなくて学習施設ですね。

 また話が飛躍しますけれども、都市観光を創る会というのを建設省の中でやっていまして、そのときに木村尚三郎さんという西洋史の先生に会長になっていただいて、要は、人々というのは不安の時代に世界じゅうを動くというんですよ。だから、最初が大航海時代だったというんですね。不安になると人々は動く。要するに、総覧したいので、上から地球を見たいので、自分の身の回りだけだと不安になるから、世界じゅうを歩き回って自分の立ち位置を確認するというふうになるんだそうですよ。それが世界の歴史の証明。

 今、まさにそうですよね。民族の対立があり、そして文明の衝突がありというときに、世界じゅうから、世界じゅう同士が、観光客として、あるいは民族移動として動き回るという時代になっていることは間違いない。ましてや、アジアの人々が、中間層で、お金が来ている。それで、何をつくればいいかというふうにまた木村尚三郎先生に聞くと、学ぶ施設、学びたいんだ、知りたいんだということなんです。

 ですから、何が大事かというと、絶対的、天然的自然も大事だけれども、それを学ぶ施設、それに至る高速道路、それに至るすべての支援施設、これこそが最も要望される。特に、地域経済再生、地域経済をいかに持っていくかということについては大事だと思うんです。

 今ここで、公的に、ではやりましょうというふうにはおっしゃっていただけないし、ちょこちょことあることはありますけれども、もう少し、世界じゅうから観光客を呼ぶ、そしてそれが日本のポスターになり、地域のポスターになりというような状況にするまでにどういうふうにしたらいいか。ちょっと個人的な意見も含めて、もし、のりを越えて答弁していただければありがたいんですけれども、もう一声、ちょっと御答弁いただきたいと思います。

鈴木政府参考人 施設としてはビジターセンターという形で、来られた方にどういう魅力があるかという御説明をする施設というのも整備しておりますし、また、来られた方が本当に自然の意味を感じていただくという形で、ガイドを通じたエコツーリズムという形ですけれども、ガイドのエコツアーを十分広めていく必要があるというふうなことで、そうしたビジターセンターの中での展示や説明の充実とか、実際の現場で御説明いただくガイドの方の質の向上とかというところが、これから力を入れていかなければならない点だというふうに思っております。

 特に、外国の方が来られることを前提にした表示とか、あるいはガイドの方というのはまだまだもう少し力を入れていく必要があるというのは御指摘のとおりだというふうに思っております。これから頑張っていきたいと思っております。

福井分科員 ありがとうございました。

 もう一つツールがありまして、今、地域経済は観光と農林水産物の輸出しかないんですね。農林水産物の輸出は貿易ですけれども、貿易でもうけるのは農林水産物の輸出、貿易外収支が観光、この二つしかないんです、物づくりの企業が少ない場合は。

 ですので、農林水産物の輸出、ここはそれを質問する場ではありませんので、ちょっと御紹介しますと、今どこに、どの国に日本の米や野菜や果物の輸出が急増しているかというと、台湾、香港、上海、シンガポール、ロシアなんです。さっきは僕はアジアとしか言わなかった。だからアジアとしての、ユーラシア大陸に乗っているわけですから、台湾、香港、上海、シンガポール、ロシア。このロシアとの交流。

 これは司馬遼太郎じゃないですけれども、ロシアはどうしてもやはりこっちに来たい。もともと地政学的な爆発力があるわけですから、今でもあると思いますので、そういう意味で、日本とロシアとの交流。それが、文物であり、そしてロシア人が、北海道だけじゃなくて、もっとたくさんのところにお越しになる。ですから、寒い地域の方は暖かいところが見たいし、暖かいところにお住まいの方は北海道の雪が見たいということなので、お客様イメージとしては結構大事だと思いますので、ちょっと御紹介をさせていただきたいと思います。

 それで、要は戦略ですので、ちょうどロシアが、プーチンがガスプロムを国有化しましたね。こういう、小泉政権以来、官から民へ、中央から地方へ、国から地方へということなんですけれども、しかし、今これだけ地方が疲弊して、今から戦略的に立ち上がらなければならないというときにぜひお願いしたいのは、国家機関としての環境省が、役所が地方を助ける。

 四国にお客様を持ってこようとするときに、道州制ができれば、四国道の役所の人がマーケティングに行く、営業に行く、販売促進に行くというのは、そうかもしれません。それができるまでの間、環境省のレンジャー部隊のアクティブ・レンジャーの方が海外に行ったっていいじゃないですか。これだけいい自然がありますよ、高知県宿毛湾でもサンゴ礁がありますよということを、環境省、国立公園の担当レンジャーが、ロシアに行く、中国に行く、インドに行って、出張してマーケティングし、販売促進して、それで観光客を招いていただくということで、国家機関としての、戦略機関としての国立公園整備事業者としてぜひこれから機能していただきたいという、陳情ですから御答弁はいいですけれども、ぜひ陳情させていただきたいと思います。

 同じコンテクストで、国立公園整備事業で今ちょっとざくっと聞きましたけれども、釧路湿原以来の自然再生事業、これも、環境省と国交省、そして農水省も共同してコペルニクス的転回をしたんですね。今まで、真っすぐにしてとにかく流量を海まで早く、高水を処理せにゃいかぬということで水路を真っすぐにしたんですけれども、これはやはり自然に対する冒涜だったということで、もう一回三日月湖をつなぎ直して流路を昔形にしたんです。自然再生事業、随分やっているんですけれども、余り有名にならないですね。

 きょうを機会に、また自然再生事業をこういう観点でこれだけ展開して、予算も爆発的にふえていると言ってほしいんです。まあ、ふえていないんでしょうけれども、ちょっと概要を自然再生事業という観点で御紹介いただきたいと思います。

鈴木政府参考人 今御指摘いただきました自然再生事業でございますが、平成十五年一月に自然再生推進法が施行されまして、関係省庁それから地元の方、NPOの方々と力を合わせて、過去に損なわれた自然を取り戻していく。そのことによって、自然も回復しますし、また地域としての魅力も高まるということで、現在、全国で二十一カ所の取り組みが行われております。

 今御指摘ありましたように、北海道では釧路湿原が有名でございますし、四国では室戸とか足摺宇和海のところでの、今御指摘ありました竜串海岸のところのサンゴの回復というようなことで、各地で取り組みをしていただいております。

 今御指摘のように、まだまだ日本の中でこうした自然を取り戻すべき場所というのもかなり残っていると思いますので、地元の方々とも力を合わせて、こうした活動を続けていきたいというふうに思っております。

福井分科員 先週も大臣に、むしろ陳情させていただいたのは、NPOとかNGOに任せるんじゃなくて、国家公務員としての環境省の職員が先頭を切って、地域も地方もそして地球環境もやっているんだという尊厳を、ぜひ大臣の政治主導で与えていただきたいなという陳情でございます。

 それで、四国にちょっとフォーカスしますと、四国の資産というのは二つしかないんですね。一つは、ジオパークになり得べき、いわば地震の巣です。

 ユーラシアプレートの一番東の端にあるんですね。ユーラシアというのは、語源は御存じのとおり、ユーロは西で、アジアが東ですね。つなげてユーラシアです。だから、ギリシャから見て、西がユーロで東がアジア、だからユーラシア大陸という。そのユーラシア大陸の一番端っこにいて、それで海溝性の地震が、東南海地震も南海地震も何百年に一回、百五十年に一回や二百年に一回は必ず起こる、そういう災害常襲地帯。そして、地層なんか見てもぐにゃぐにゃになっていて、やはり褶曲活動がすごいんだなということ。そして最近は、付加体といいまして、太平洋の岩盤に乗って、プレートに乗ってずどんと来たのが高知であり、そして伊豆半島であり富士山だったというのも今定説になっているぐらい。

 ですから、ユーラシアプレートの一番端っこにあるから、ユーラシアプレートのジオロジーを紹介するまさにパビリオンとかフィールドミュージアムというのが、高知に、あるいは四国に、和歌山でもいいです、伊豆半島でもいいんですけれども、できればいいなと。たまたま中国は指導者に地質学者がいらっしゃって、中国はすごいんですよ、ジオパークが。ですけれども、日本はまだ三カ所ですか、ユネスコの外郭団体が指定した箇所しかなくて、高知県も今ウエーティングリストに載っけてもらっていますけれども、そのジオパークが一つ。

 それからもう一つは、環境省の所管外ですけれども、四国のみちといいまして、これはお遍路道です。

 お遍路道が世界遺産になると、世界一の遺産になるんですね。これはどういうふうに世界一かというと、一般庶民が主役の世界初の世界遺産になるんです。道という意味では熊野古道もあるしサンティアゴ街道もあるんですけれども、これは一定の方、キリスト教徒であり、あるいは修験道者であったということなんですけれども、四国のみち、お遍路道というのは、とにかく一般大衆です。今まで何千万人、何億人が、自分に悩み、そして家族に悩み、心に悩んで歩いたことでしょうという、その庶民が踏み締めた道、それが主役である。ということは、すなわち一般庶民が主役だということなんですね。

 ですから、一般庶民が主役の世界初の世界遺産になるということなので、これはもうぜひ早く指定してもらいたいなということで、そんなこと言ったって地元で余り盛り上がっていないじゃないかということなんですけれども、これもウエーティングリストになっているわけです。

 四国のみちはこっちへ置いておきまして、もう一つのジオパークについて、まさに環境省所管行政として、今どういう現状で、どういうことを考えていらっしゃって、どういう観点で地域を助けていこうというふうに思っていらっしゃるか、ちょっと御紹介いただきたいと思います。

鈴木政府参考人 今、お話にありましたとおり、世界ジオパーク、日本では三カ所指定されております。この審査はユネスコの外郭団体がやっておりますけれども、審査の基準というのを見ますと、やはり地質等の特異性とかそういうふうなものとあわせて、環境教育とかジオツアーとか、そういう利用ということも評価の対象にかなりなっているということでございます。

 実は、たまたまこうした地質的に特異な場所は、国立公園とか国定公園に重なっている部分が非常に多うございまして、先ほどもありますように、利用していただく形のいろいろな整備というのも国立公園の整備事業の中でできることになっておりますので、こうした形でこれまでもやってきております。

 今、ジオパークの申請候補という形でなっております室戸等の国定公園でございますけれども、こうしたものについても、地元の方々とよく御相談しながら、できることはしっかりやらせていただきたいというふうに思っております。

福井分科員 ありがとうございました。

 先週の審議で大臣にも御紹介した橋本龍太郎元首相のお言葉の中に、日本の今後の国の形として、公害を克服した国として、そして、地球環境に最も貢献できる省エネ、省資源の技術を持った国として、そして、水をきれいにする技術を世界一持っている国として世界に貢献する、それを考えなさいということで御紹介させていただきました。

 残る時間はちょっとしかないんですけれども、御紹介させていただいて、最後に大臣から御感想をいただきたいと思うんです。

 一つは水俣で、五月一日に鳩山首相に行っていただきました。

 というか、ぐっと引いて世界を見ると、現代に生きる人間として、絶対、一生に一回は行かないかぬなというのは、ポーランドのホロコーストが行われたアウシュビッツだと思うんですね。あそこが一番、人間がどこまで何ができるかということがわかる場所です。きゃっきゃ言っていた若い観光客が、出てきたら皆うなだれて、死者の行進みたいになっていますね。まだ、れんがのすき間から叫び声が聞こえるような、そういう施設です。

 それから、ベトナムへ行ったら戦争記念館もありますし、沖縄へ行ったら平和の礎へも必ず皆さん行きますね。天皇皇后両陛下もあの断崖絶壁に礼をされました。

 とにかく、戦争を知らなければ戦争を回避することはできない、公害を知らなければ公害を回避することはできない。そういう意味で、水俣とかイタイイタイ病とか、環境省が今までやってきて克服した、タックルし克服してきた、そういう場所については、まさに直轄でそういう施設を、いかに大変だったか、いかにたくさんの人が苦しみ、そして恨みを残しながら亡くなられていったか、それをどういうふうに克服し、今はどうなっているかということを世界じゅうの人が勉強できるような施設は絶対必要だと思いますね。

 それはどうしてかというと、やはり恨みが残っていると思うんです。平将門首塚というのがありまして、そこの大手町にあるんですけれども、絶対建物を建てないですよ。平将門もやはり恨みを残しながら亡くなったということ。それから、ニューオータニの隣の敷地も、いろいろな方が多数虐殺された場所なんで、絶対建物を建てないですね。そういう場所というのは、必ず鎮魂の神社をつくったり、あるいは、人々がそういうことを思い出すような場所にしているんですね。

 そういう意味で、神社をつくるというのは憲法上できませんけれども、それに近い形で、水俣や神通病や公害を克服した、環境省しかできない仕事だから、ぜひそういうことをやっていただきたいということが一つ。

 それからもう一つは、大臣にぜひお願いしたいのは、造園職とかインハウスエンジニアはたくさんいまして、国立公園にレンジャーが何百人いるんでしょうか。毎日、生物多様性等自然環境を守っている。

 日本人というのは本当に謙虚で、大名庭園ですら、大名が行けない場所というのをつくるんですよ。これが日本の庭園様式の特徴なんですね。謙虚なんですよ。まさに、自然と一体だけれども、自然に対して恐れをなしている。大名庭園ですら、そういうやみの場所、大名が行けない場所、恐れの場所をつくっている。

 一方、西洋庭園というのは、本当にスクエアと円と、もう世界じゅうを、宇宙をおれが支配しているという様式になっているわけですね。それが西洋庭園と日本の庭園の違い。そういうことを全部学習し、そして人間として体現しながら環境省に尽くしているという人間を大臣は指揮されているわけですね。

 そういう意味で、資源としての環境省の職員、それから資源としての今までやってきた行政、そして、これから地球環境も、大臣が一番命をかけていらっしゃる地球環境に貢献する日本、モデル都市とかいろいろな指定がされましたけれども、CO2をいかに減らすか、世界に冠たる国として日本はいかに生き抜いていくか。それをきょうは、地方の振興という意味でどういうふうに考えていらっしゃるか、地方をこういう意味で助けることができるんだということを最後にコメントをいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

小沢国務大臣 福井委員の御質問は、前回の環境委員会の際も大変含蓄がある御質問で、私としてもいろいろ考えさせていただき、参考にさせていただいた中身で、本当にきょうも感謝を申し上げながら、私の答弁というのももう必要がないくらいだと思いますけれども、決意という意味で一言申し上げたいと思います。

 まず、公害を克服してきた、そういった我々の歴史は、大変つらい、ある意味では悲しい歴史ではありましたけれども、事実でありますし、そして、現にそれは、克服という言葉が、本当に既に終わってしまったという意味ではありませんが、かなりの部分、世界に対しても貢献できるものがあると思っています。

 ことしの五月一日の水俣病の慰霊式の際には、鳩山総理が、そこで世界に向けて、そういった有機水銀のいわゆる国際条約の、日本はまさにその先頭を切って努力したい、そして、水俣を中心としたああいった地域に、何らかのそうした学習ができる、委員の言葉をおかりすれば、そういったものも考えてみたい、こういう発言をさせていただきました。ぜひ、そういった観点を、しっかりと私の方で実現に向けて努力をさせていただきたいというふうに思います。

 また、二点目の、自然への畏怖あるいは自然と人間のあり方という点につきましても、これは御案内のとおり、ことしの秋は生物多様性条約の国際会議がある中で、我が国としては自然との共生というコンセプトを世界に向けて発信していく予定でおります。

 まさに、自然と対峙するのではなくて、自然と解け合いながらともに生きていく、こういう文化があったものと思っておりまして、そういったものを世界に向けても紹介しながら、そしてこのすばらしい自然を地域の活性化にも、先ほど鈴木局長から御報告もしましたが、エコツーリズムの発展というような話に結びつけて、これからも努力をしてまいることをここで御答弁としてさせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

福井分科員 ありがとうございました。終わります。

吉田主査 これにて福井照君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして環境省所管についての質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

吉田主査 これより内閣所管について審査を行います。

 まず、概要説明を聴取いたします。平野内閣官房長官。

平野国務大臣 おはようございます。

 平成二十年度における内閣所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 内閣主管の歳入につきましては、歳入予算額五億四百八十万円余に対しまして、収納済み歳入額は八億八千百九十八万円余であり、三億七千七百十八万円余の増加となっております。

 次に、内閣所管の歳出につきまして、歳出予算現額は九百七十四億三千四百二十九万円余に対しまして、支出済み歳出額は九百十一億一千六百五十一万円余であり、六十三億一千七百七十八万円余の差額を生じます。

 この差額のうち翌年度繰越額は四十七億七千四百六十二万円余であり、不用額は十五億四千三百十五万円余であります。

 以上をもちまして決算の概要説明を終わります。

 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

 以上でございます。

吉田主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院太田審議官。

太田会計検査院当局者 平成二十年度内閣の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。

 検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示しまたは処置を要求した事項一件であります。

 これは、電子申請等関係システムの利用状況に関するものであります。

 政府は、内閣に、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部を設置し、ネットワークの利用の拡大等行政の情報化を積極的に推進することとしており、各府省等は、その一環として、国民が国の行政機関とこれまで書面を用いてやりとりしてきた申請、届け出等について、インターネット等を経由した電子的な申請等を行うための電子申請等関係システムを整備、運用してきておりますが、電子申請率が一〇%以下と低迷しているシステムが十府省等で十二システム見受けられ、システムの整備、運用等に係る経費に対してその効果が十分発現していない事態は、改善の要があると認められましたので、システムの停止等の抜本的な措置をとることができるよう、当該措置をとる際の基準や手順等を明確化することについて、各府省等と所要の調整を適時適切に行うよう意見を表示いたしたものであります。

 以上、簡単でございますが、説明を終わります。

吉田主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。川端国務大臣。

川端国務大臣 ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきましては、会計検査院の検査の結果を踏まえ、電子政府評価委員会において停止等見直しを図るべきシステムの範囲の検討、取りまとめを行い、それを受けて該当府省において適切な措置が講じられたところであります。

 今後は、新たな情報通信技術戦略において示された考え方を踏まえた上で、費用対効果等を検討し、必要な施策の推進に努めてまいる所存でございます。

吉田主査 以上をもちまして内閣所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

吉田主査 これより内閣府所管中内閣本府及び沖縄振興開発金融公庫について審査を行います。

 まず、概要説明を聴取いたします。平野内閣官房長官。

平野国務大臣 平成二十年度における内閣府所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 内閣府主管の歳入につきましては、歳入予算額百四億三千八百四十五万円余に対しまして、収納済み歳入額は百六億七千三百九十八万円余でございます。二億三千五百五十三万円余の増加となっております。

 次に、内閣府所管の歳出につきまして、歳出予算現額は六千四百八十二億六千百十四万円余に対しまして、支出済み歳出額は五千七百十一億二千百三十三万円余であり、七百七十一億三千九百八十一万円余の差額を生じます。

 この差額のうち翌年度繰越額は三百十二億七千六百六十八万円余であり、不用額は四百五十八億六千三百十二万円余であります。

 内閣府所管の歳出決算のうち、警察庁及び金融庁につきまして、各担当大臣から御説明申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち、内閣府本府、宮内庁及び公正取引委員会関係について申し上げますと、歳出予算現額三千三百八十一億八千四百一万円余に対しまして、支出済み歳出額は二千七百五十六億六千八百四十九万円余であり、六百二十五億一千五百五十二万円余の差額を生じます。

 この差額のうち翌年度繰越額は二百四十四億一千二百七十六万円余であり、不用額は三百八十一億二百七十五万円余であります。

 以上をもちまして決算の概要の説明を終わります。

 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

 以上でございます。

吉田主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院太田審議官。

太田会計検査院当局者 平成二十年度内閣府の決算のうち、歳入並びに内閣府本府、宮内庁及び公正取引委員会関係の歳出につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。

 検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示しまたは処置を要求した事項三件であります。

 その一は、新設等工事により取得するなどした国有財産等の国有財産台帳等への記録に関するものであります。

 本件は、内閣府本府が、新設等工事により平成十九年度に取得するなどした国有財産等について、国有財産台帳等への記録が適切に行われていないなどの事態が見受けられたことから、速やかに国有財産台帳等に記録するなどの適宜の処置を要求いたし、及び国有財産台帳等に正確な記録が行われるよう事務処理体制を整備するなどの是正改善の処置を要求いたしたものであります。

 その二及びその三は、電子申請等関係システムの利用状況に関するものであります。

 内閣府本府及び公正取引委員会は、国民が国の行政機関とこれまで書面を用いてやりとりしてきた申請、届け出等について、インターネット等を経由した電子的な申請等を行うための電子申請等関係システムを整備、運用してきておりますが、電子申請率が一〇%以下と低迷しているシステムが見受けられ、システムの整備、運用等に係る経費に対してその効果が十分発現していない事態は、改善の要があると認められましたので、システムの停止、簡易なシステムへの移行など費用対効果を踏まえた措置をとるよう意見を表示いたしたものであります。

 なお、以上のほか、平成十九年度決算検査報告に掲記いたしました内閣府本府における沖縄振興計画推進調査委託費等による調査検討業務の委託契約等について処置を要求した事項につきまして、その結果を掲記いたしました。

 以上をもって概要の説明を終わります。

吉田主査 次に、会計検査院真島第五局長。

真島会計検査院当局者 続きまして、平成二十年度沖縄振興開発金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。

 検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示しまたは処置を要求した事項一件であります。

 これは、賃貸住宅貸し付けにおける賃貸条件の制限違反に関するものであります。

 沖縄振興開発金融公庫の賃貸住宅貸し付けについては、借り受け者は、賃貸住宅の賃貸に当たって賃借人から礼金等の金品を受領したり、その他賃借人の不当な負担となることを賃貸の条件としたりしてはならないこととされております。

 そこで、賃貸条件の制限に関する遵守の状況等について検査いたしましたところ、賃貸条件の制限を借り受け者に遵守させるための体制が整備されていなかったことなどのため、借り受け者が賃借人から礼金を受領しているなど賃貸条件の制限に違反している事態が見受けられました。

 したがいまして、沖縄振興開発金融公庫において、賃貸条件の制限に違反している賃貸住宅貸し付けについて借り受け者に対して賃借人に礼金の返還等を行わせるとともに、他のすべての賃貸住宅貸し付けについて賃貸条件の制限違反の有無を調査して、違反しているものがあれば速やかに同様の処置を講ずるよう適宜の処置を要求いたし、及び借り受け者に賃貸条件の制限を遵守させるための処置を講ずるよう是正改善の処置を要求いたしたものであります。

 以上をもって概要の説明を終わります。

吉田主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。平野内閣官房長官。

平野国務大臣 ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきましては、会計検査院の検査の結果を踏まえ、内閣府におきまして国有財産台帳等への記録を行うとともに、正確な記録が行われるよう事務処理体制を整備するなど、所要の措置を講じているところでございます。

 また、電子申請等関係システムに関しまして御指摘のありました事項につきましては、当該システムを停止するなど、所要の措置を講じたところでございます。

 今後、一層適正な会計処理に努めてまいる所存でございます。

 以上でございます。

吉田主査 次に、竹島公正取引委員会委員長。

竹島政府特別補佐人 会計検査院から意見表示がありました事項につきましては、御指摘の趣旨を踏まえ、電子申請等関係システムを停止するなど所要の措置を講じたところでございます。

吉田主査 次に、金井沖縄振興開発金融公庫理事長。

金井政府参考人 ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきまして、御説明申し上げます。

 賃貸住宅貸し付けにおける賃貸条件の制限違反につきまして御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じております。

 当該制限違反につきましては、違反が確認された案件の賃貸人に対し礼金を返還させるなどの処置を実施するとともに、その他すべての賃貸住宅融資についても調査を行い、違反案件があれば同様の処置を実施するなど所要の措置を講じてまいります。

 今後とも、業務の適正な遂行に努めてまいる所存であります。

吉田主査 この際、お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

吉田主査 以上をもちまして内閣府所管中内閣本府及び沖縄振興開発金融公庫についての説明は終わりました。

 それでは、御退席くださって結構です。

    ―――――――――――――

吉田主査 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。秋葉賢也君。

秋葉分科員 おはようございます。自由民主党の秋葉賢也です。

 きょうは、独法のあり方を中心に、行革を一層推進していかなければならないという観点からお伺いをさせていただきたいと存じます。

 まず最初にお伺いをしたいのは、昨年に続いて、この間も事業仕分けが行われたわけでございます。また、今月は公益法人を中心に行われるということでございますが、事業仕分けのやり方自体は、オープンな場所で、そして当該団体にとっても十分意識改革につながっているんじゃないかと思いますが、そこでの結果とその後の最終的な結論との間にまだまだ因果関係が不透明な部分がある。やはり、事業仕分けの結果を受けて、それをどう踏まえてこういう結論になったんだという、次の段階での透明化を図っていくことが大事じゃないかなというふうに思っております。

 先般の詳細はまだつまびらかではない部分がございますけれども、昨年十一月ので見ますと、事業仕分け以外のふだんのいろいろな見直しの中での金額もありますから、一概に言えない部分はもちろんあるんですけれども、また、新聞社の集計によっても額が違いますが、およそ一兆円弱の廃止であり縮減額というものが算出された。これは事業仕分け以外も含まれていますけれども。

 しかし、財務省が最終的な査定で出してきた数字というのは八千億弱、七千二百億ぐらいだったですかね。これもいろいろなカウントの仕方はございます。プラスアルファのところもあるし、一概に言えないんだけれども、しかし、大ざっぱに言って約二千億円ぐらいの金額がいわば積み残しになったということが言えるわけでありまして、事業仕分けで出した結果というものと、それから最終的に査定されたもの、なぜそういう査定になったのかという部分の透明化をこれからどう図っていくのか、そこの説明責任をどうしていくのかということをまず伺っておきたいと思います。

枝野国務大臣 御指摘のとおり、事業仕分けの結果が実際にどう反映されているのかということを検証することは大変重要なことだと私どもも思っておりまして、今、事業仕分けの第二弾、そしてその後、行政事業レビューを行政刷新会議では準備しておりますが、それに続いて、昨年の事業仕分けの結果が実際に予算に反映されて、そして今執行されているというその執行状況も含めて、この夏には、昨年の事業仕分けの結果がどうなっているかという検証を行って、不十分なところ、問題のあるところについては新たにさらなる指摘をしていこう、こういうことで想定をしております。

秋葉分科員 きょうはいろいろなことを伺いたいと思っていますので、今度ぜひまた大臣に伺う機会をつくりたいと思っています。

 やはり、事業仕分けの精度を上げていくということはもとよりですけれども、結果としての査定との因果関係、ここに一つの仕組みを工夫していかないと実効性のあるものにはならないんじゃないかなというふうに思っておりますので、査定段階での透明化というのもしっかり担保していってほしいと思うんですね。国民にあれだけ約束して、ふたをあけてみたら数字が違っているじゃないかという、ある意味での詐欺的な行為にならないようにしていっていただきたいと思います。

 次に、私、この間、新聞を見て本当に驚いたんですけれども、我々も十七年に行革関連法をつくって、十八年から総人件費改革で大分取り組んではきて、少しずつ減らしてきたなという意識があったんですけれども、相変わらず人件費や退職金が高どまりしてきている。やはり、もう少しスピード感を持ってメスを入れていく必要があるんじゃないかなと思うんです。

 そういう中で、先般、週刊誌で、元建設省の技監を経験された方が、天下り生活十六年も含めた生涯賃金でいうと八億円ももらっている。一番もらっている人ですね。二番目にもらっている人でも、これは元科学技術庁の事務次官経験者の方ですけれども、この方で八億円弱だというんですね。それから、第三位の方が、これまた科学技術庁の審議官を務めた方らしいんですけれども、やはり天下りやわたりを繰り返して七億円ぐらいの生涯賃金を得ている。

 天下りがなぜ問題かというと、やはりその突出した待遇、そして、どうも不透明な補助金とセットでの因果関係がある、こういう部分に国民は怒っているわけであって、その団体で有用な仕事をしていることも多いわけですから、仕事の中身を批判しているわけではないと思うんですね。ですから、こうした国民世論の、いわゆる常識からかけ離れた待遇というのにメスを入れていけば、国民からすればよく改革をやってくれたと。

 我々も総人件費改革の中で縮減をしてきたつもりではあるんですけれども、まだまだ不十分なのかなという感じがするわけでありますが、まずは冒頭、今私が申し上げたことが事実なのかどうか確認しておきたいと思います。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 このサンデー毎日の記事でございますけれども、近藤氏自体は、平成五年四月でございますから、九三年の四月に国土交通省を退職したわけでございます。その後に、記事にございますとおり、水資源機構の理事長、東北電力株式会社常任顧問、さらには財団法人水資源協会理事長の職にあったことは事実でございます。

 しかしながら、再就職先での給与、退職手当等につきましては、国家公務員の退職後における個人に関する情報でございまして、役所が把握すべき立場にないことから、生涯賃金の真偽については確認することは困難でございます。

鈴木副大臣 お答えを申し上げます。

 お尋ねの村上元科学技術事務次官及び間宮元文部科学審議官でございますが、村上元科学技術事務次官の場合は平成七年に退職をされていらっしゃいます。それから、間宮元文部科学審議官の場合は平成十五年に退職をしておられます。

 役所として、個人情報でもありますので、お答えをすべき立場にはないわけでありますが、個人的に少し試算といいますか、いろいろなパーツをシミュレーションしてみますと、八億円というのはやや過大な数字ではないかなというふうに思っておりますけれども、退職後、数億円の報酬あるいは退職金を得ているということは事実だというふうに思います。

秋葉分科員 何か、とにかく、お二人から歯切れの悪い答弁で、民間の履歴もあるからそんなの把握していないなんという、そういう逃げの答弁をすること自体、大変情けない話だと思うんですね。

 では、役所にいたときは幾らもらっていたんですか。その分だけでも答えてください。

長安大臣政務官 この技監の問題につきましては、報酬総額を試算することは、これはデータもないことから困難でございます。

 しかしながら、総務省で、国家公務員退職手当の支給の在り方等に関する検討会のモデルケースによりますと、同等クラスの退職金は約六千七百十四万円となっております。(秋葉分科員「幾ら」と呼ぶ)六千七百十四万円でございます。

鈴木副大臣 村上元科学技術事務次官の場合は、今のモデルケースによりますと七千五百九十四万円、そして、間宮元文部科学審議官の場合は六千七百十四万円ということがモデルケースによった数字でございます。

秋葉分科員 誤解のないように申し上げておきますけれども、私は別に、この人たちの能力がないだとか、個人攻撃をしているわけじゃないんですね。恐らく三人とも立派な方だと思います。

 ただ、国民から見れば、結局、国家公務員に奉職をして、定年までいられない仕組みを根本的には変えていかなきゃいけないんだけれども、トップまで上り詰めた人と途中で行った方の間で二倍以上の格差があるという、この極端な実態というのを改めていかなきゃいけないんだということがまず第一点。

 そして第二点として、ここはなかなかダブルスタンダードをつくるわけにいかないから難しいんだけれども、プロパーでトップになった人と天下ってきた人でトップになった人との間に、これはやはり一つの差異を設けていくというのかな、一般的に職制で報酬というのを見なきゃいけませんから、出自でもって判断するというのは本来なかなかなじまない問題ではあるんですね。

 しかし、そうはいっても、やはり国民目線でこの問題を考えたときには、天下ってきた人とプロパーで行った人の間には明確な違いを設けていくことが必要だと思うんですけれども、そういう改革についてどう思いますか、大臣。

枝野国務大臣 御指摘いただいたことは大変重要なポイントだというふうに思っています。

 一つは、天下りについては、肩たたきをされて定年までいられないから天下りが必要なんだという、よく言われているわけですけれども、今、週刊誌で御指摘をされたケースのように、六十歳どころか六十五歳を大幅に超えてわたっているというケースも多々あるわけでして、これは早期に退職をされるという話と全く関係なく、実は年金もそこそこ、公務員の皆さん、相対的に恵まれているにもかかわらず、そういったことが行われている、これは国民の皆さんから理解を得られないだろう。

 それからもう一つは、やはり民間との関係を我々はしっかりと認識すべきじゃないかと思っておりまして、いわゆる天下り先になっている独立行政法人などは、まあ民間企業と全く同じとは言えませんが、民間でいえば親会社と子会社のような関係だと、私は、ある部分ではあると思います。

 ところが、役所から子会社的な独立行政法人や政府系の公益法人に天下ると、むしろ給料が上がるとか退職金が恵まれるとかというのは、これは民間の親会社、子会社との関係では全く考えられないようなケースでありまして、こうした状況を抜本的に見直したいというふうに思っております。

秋葉分科員 大臣からも前向きな見解をいただいたんですけれども、これは別に事業仕分けと関係のない話で、所管は、独法、公益法人、何か内閣府で今やっているわけだから、大臣のリーダーシップで見直しを指示して、早急にでも取り組める問題じゃないかなと私は思うんですね。

 私、県議会議員のとき、条例に書き込んだというふうに記憶していますけれども、やはり県の外郭団体があるわけですね、二五%以上出資している、あるいは五割の場合には議会の議決も得るとか、自治法でも決まっているわけですが、県庁職員から県の外郭団体に天下った場合には退職金を支給しないというふうにしたんですよ、明確に。プロパーの場合には出しますよ、県の職員から天下った場合は退職金はない。これは宮城県なんかではもう大分前からやっているんですよ。これもいろいろ抵抗ありましたけれども、やはり世論を追い風にやってきたんですよ。

 ですから、世間から見れば、公務員をやめて莫大な退職金をもらって、天下った先でもらって二重取り、三重取りしていくという、これは国家公務員に限らず、地方でもそういう人はたくさんいますよ。いるけれども、宮城県のように、第二の職場、第三の職場に行ったって退職金は少なくとも出ていない、こんなのはルールを一本つくれば、あしたからでもできることなんですよ。

 どうですか、そういうルール、来年からつくる気はないですか。ことし、臨時国会でも何でも出してもらって。

枝野国務大臣 基本的には、退職金を何度も受け取るという話については、これを見直すべきだということで、これは実は法律そのものは、独立行政法人通則は、御承知のとおり、総務大臣でございまして、行政の全般的な刷新という立場で私が今事業仕分け等の見直しのことをやっておりますが、総務大臣ともそのような話をいたしております。

 ただ、これ、気をつけないといけませんのは、独立行政法人については国が給与その他を決めることができますので、基本を決めることができますので、そのルールをつくろうと思えばすぐにでもできるんですが、過去の行政改革の歴史を見てきますと、そうすると、独立行政法人以外のところに天下り先をつくって、そこで同じようなことをするというケースが繰り返されてきていますので、そういったことの起こらないことを含めて、退職金の二重取り、三重取りというケースを防ぐルールを、この秋までにとか言われてしまうとなかなか責任持てないんですが、早急につくるべく努力をしてまいります。

秋葉分科員 独法が始まったのが、実質上、平成十二年からだから、まだ十年ぐらいの中で、長い人でも七年、八年ぐらいなわけですよね。大体これを平均で見てみると一千七百万とか、もちろん任期によっても違いますよ。二十年度だと一千七百七十万ぐらい出ているし、十九年度で見ても一千二百万ぐらい。十八年度から大分引き下げてきているんだけれども、むしろトップの額がふえたりもしているわけで、なかなか抑制が進んでいないなというのを、改めて、どこにやはり問題があるのかなという、任期との兼ね合いもあるから一概に言えないんだけれども、やはりもっと上位のルールを見直していくしかないのかなという気がします。

 これは、大臣おっしゃるように、その背景のことまで念頭に置くことは大事だと思いますが、だからといって、こういう現状が追認されていくべきじゃないので、なかなかダブルスタンダードを設けにくいんだけれども、やはり天下りの場合にはちょっと別のルールで、この退職金の問題、二重取り、三重取りになっているわけだから、チェックしてほしいなと思う。

 それから、私も本当に反省も込めて申し上げるんだけれども、やはり総人件費改革の中で、独法も国に準じてやらなきゃいけないよと、人を減らせないところは人件費を減らせと言ってきたんだけれども、実際は、これは独法職員で見ても、ラスパイレスの平均が一〇五になっているんだよね。これはやはりメスを入れなきゃいけないと思うんですね。

 平成二十年のデータで見ると、二十年は百一の独法で見ていますけれども、ラスパイレスの平均が一〇五・一、一番高いところは沖縄科学技術研究基盤整備機構の一四一・九なんですね。第二位が原子力研究開発機構で一二五・二。

 これは御案内のように、今地方も財政難で、昔は国よりも地方の方が人件費が高くて云々という時代があったんだけれども、今はもう地方は国よりも人件費をほとんど下げてきているわけですね。そういう中で、独法だけがラスパイレスがこんな事態になっているというのをどう受けとめていますか。

渡辺副大臣 今御指摘があったように、例えば独立行政法人の報酬額を見てみますと、平均二千二百六十一万円なんですね。今御指摘のあった沖縄科学技術研究基盤整備機構、これは理事の方です、アメリカ人、この方が二千二百八万円。一番高いのが国立病院機構の理事長の二千三百五十万円でございます。上位十位の平均が二千二百六十一万円でございます。

 まさに今御指摘がありましたけれども、なぜこんなに高いかというと、平成十九年十二月の時の福田内閣が、独法の整理合理化計画で、事務次官の範囲内で報酬を決めることを上限としたと。ですから、事務次官の報酬が二千三百五十一万円、国立病院機構の理事長は二千三百五十万円、たった一万円しか違わないということでございます。

 私どもとしましては、実は、二十一年度に実施した、前年度、すなわち二十年度の実績評価時期、これが六月から八月なんですね。ですから、昨年の六月―八月は政権交代前でしたから、間に合いませんでした。ですので、来年度は、政権交代したことを前提に、各府省で評価をして、そして総務省の独立行政法人の評価委員会でも二次評価をする、そして前政権の追認はしない、今御指摘があった、追認はしない形で、この高過ぎる独法の理事長の報酬についても、当然、総務大臣の判断のもとでこれを見直していかなければいけない、そのように考えております。(秋葉分科員「給与は」と呼ぶ)給与ですか。給与は、申し上げますと……(秋葉分科員「一般職員の、長以外の給与もラスが高いわけです、平均一〇五だ」と呼ぶ)

 よろしいですか。平均で申し上げます。ここの平均が、まさに事務・技術職員で、ラスパイレス指数でいきますと、対国家公務員、年齢勘案でいきますと一〇七・〇、そして年齢にさらに地域や学歴を勘案しますと一〇五・一でございます。前年度比若干下がったとはいえ、大変高い指数でございます。ちなみに、平均の年間給与でいきますと、二十年度で事務・技術職員で七百三十万六千円でございます。

秋葉分科員 今答弁があったように、退職金自体もここがまだまだ高どまりしているので、これはだからぜひ変えていってほしいなと思うんですけれども、職員の給与も、とにかくやはりラス平均あるいはラス以下にすべての団体がなるように、これは指導していかなきゃいけないんだと思うんですね。

 ただ、難しいのは、やはり待遇が非常に恵まれていても、能力があっていい仕事をしてもらえるかどうかということも一方で大事なので、だからその辺の配慮というのはどうしても要るんだけれども、しかし、その中でも天下った場合だけはまた別なんだという前提でやれば、すっきりした改革ができるんじゃないかなと思うんですね。そうしないと、民間からいい人材を登用することが一方でできなくなるというのでも困るので、その辺は一つ要望にさせていただきたいと思います。

 これとの関連で、独法は今そういう状況で、退職金も高どまりだ、ラスパイレスも国家公務員よりも高い、そういう状況があるわけですけれども、一方、公益法人については依然として不透明なままなんですね。

 これは、この間の議論でも公益法人の定義整理を大臣に求めたところでございますが、とりあえず二万五千のうち、国が管轄をしているといいますか国届け出の六千六百で見た場合に限っても、内閣府でデータは把握しているそうなんだけれども、公表ができないと言うんだけれども、どうしてですか。

枝野国務大臣 済みません。確認を後ほどさせていただこうと思います。

 私が認識をしております限りでは、有給常勤役員の年間報酬額を四百万円ごとの区切りで出している、把握をしているということでございますので、順位を出すということができないということ。

 それからもう一つは、形式的に、公益法人は民間法人という形式をあくまでもとられてしまっていますので、国から委託費その他が流れている場合であっても、これはきちっとルール化をした上でないと、これこそなかなか出しにくい、こういう両面があるんだというふうに認識をしております。

秋葉分科員 大臣おっしゃるように、そういう整理が必要だとはいっても、とりあえず、現在、今定めている七類型でいっても、これはもう建前で民間だからという話じゃ済まないだろう、事実上、国がやっているのと同じだろうというところもあるわけで、そういう各法人からデータが出ているんだけれども、それが体系的に押さえられていないということ自体、やはり大きな問題だと思うんですね。内閣府で押さえているデータをしっかりと整理して、今どういう状況になっているのか、公益法人の特徴ごとにどこが問題なのかということを分析するためにも、待遇の面において、しっかりとやはり公表していただきたいと思うんですね。

 私は、今回質問するに当たって、内閣府に公益法人の報酬や退職金の高額トップテンのデータを持ってこい、どこの団体が、それは任期によっても違うでしょう、何年勤めた、いろいろなことがあるだろうけれども、持ってこいと言ったら、把握できていないという答弁ですよ、大臣。どういうことですか、これは。

枝野国務大臣 今申しましたとおり、ベストテンが把握できていない。つまり、四百万円区切りで、実態調査で、これはアンケートのようなものをしているようでございますので、そういった意味では、例えば二千万円を超えている法人は全部で三十六法人あるということで、これは把握をしております。

 ただ、ここは重ねて申し上げたいんですが、国からお金が出ていたり、あるいは天下りが行っていたり、国から権限を付与されている、こういったところについては、それは例えば高額のお役人報酬ということについて、これは問題があるということで公開をさせたり、あるいは指摘をして変えさせたりということをしていきたいというふうに思っておりますが、政府が所管している公益法人の六千六百二十五のうち、むしろ圧倒的多数はそういったことのない純粋民間で、民間がお金を出し合って、あるいは民間の基金をベースにして国等が関与せずにやっているところでございますので、そこを一緒くたにして高い低いという順番を出すわけにはいかない。

 そのために、今事業仕分けを行って、国とのかかわり合い方の中で、いろいろなかかわり合い方がありますので、ここまでは例えば独立行政法人並みの情報公開の対象にできるんじゃないかとか、こういうつながりがあれば、例えば独立行政法人並みに理事長の給与まであるいは退職金まで国からコントロールしていいのではないかとか、こういったことをどこまでできるのかという類型化を、この後、二十日からの事業仕分けを踏まえて行って、そして純粋民間以外のところについては、今委員の御指摘のとおり、国民の税金やあるいは公的に付与された権限がもとになっているお金でありますから、国民から理解を得られない高額の報酬や退職金にならないように、そういったルールをつくっていきたいというふうに思っております。

秋葉分科員 だから、その際、まだできていない、できていないと言うけれども、私はやはり、この七類型のうち、例えば三番目の、国の支出が五割を超えているところとか、国の公務員が常勤で行っているところ、これはもう事実上の純粋民間なんということは言えないわけだから、こういったところの、例えば収入に占める割合が五割のところだけでも三百六十五あるわけですね。国家公務員の出身者が常勤しているところでも二千三百あるわけです。これは出向の立場をとっているけれども、もとの身分は国家公務員なわけだから、これは純粋民間だとは言えないわけで、そういうところだけでも先行してデータを取りまとめて、体系的に公表していくということがやはり大事だと思いますよ。

 こういうことを押さえないと、全体の独法と公益法人でどういう状況になっているのか、どこをどう改革していかなきゃいけないのかということもできていかないんだと思いますので、大臣の答弁も、前向きにやることが前提の答弁だとは思うんですけれども、しかし、一つ一つやはり詰めていかないと、いつまでたってもうやむやのままということをぜひ回避していっていただきたいと思います。

 ちょっと時間がなくなってしまいましたけれども、最後にお伺いをしておきたいのは、この間の新聞で、ちょっと私もびっくりしたんですけれども、独法の健康保険、百四独法のうち二十九法人で事業主負担が折半じゃなくて、かなり高どまりしている。

 民間の平均企業、基本的には折半ですけれども、新聞報道によれば大体五五%で、いわゆる事業主側が五%多く負担している例が多いという報道はありますけれども、しかし、独法の場合には六九%ですね。これは五割で見ても一九%以上も事業主が余計に負担をしている。五五%で比較してもやはりかなり高い水準になっているわけですね。

 こういった現状に対して、長妻大臣も、五月十三日付だったかな、やはり折半するようにというような通知は出しているんだけれども、いつごろまでに改善していく予定なのか、そして、こういう現状を放置していいと思っているのか、伺っておきたいと思います。

枝野国務大臣 私も、長妻大臣からこうしたことになっているということで御報告を受けました。

 年金の話でありますので、直接的には厚生労働省の方からの指示等で行うのが適切かというふうに思っておりますが、私の方の立場からも、各独立行政法人のこの問題、そして、さらには、これに類するようなケースがないかどうかということで、基本的には民間企業の場合と違うルールで行っているものがないかということを、独立行政法人のすべての会計分野についてチェックをかけていきたいということで、その準備を進めているところでございます。

秋葉分科員 やはり国民世論からすれば、かなり恵まれ過ぎているんじゃないか。先ほど私申し上げましたように、ただでさえ、もうラスパイレス指数が一〇五なんですよ。国家公務員よりも高い給料をただでさえももらっているのに、保険料においてもおおむね一五%、二〇%近く減免されているようなものじゃないですか。そういうところをやはりしっかりメスを入れていってほしいと思います。

 きょうは鈴木副大臣にもおいでいただいておりますので、端的にで結構ですので、文科省の研究開発関係を、三十八団体を一本にしたいというようなことで、この間、中間報告を出されたんですけれども、その真意と今後の見通しだけ伺って、私の質問を終わりたいと思います。

鈴木副大臣 お答え申し上げます。

 文科省のということではなくて、全部の研究開発法人が三十八ございます。

 これは、研究開発強化法の附則、それから、そのときの両院の附帯決議及び民主党のマニフェストを踏まえまして、私と内閣府古川副大臣とが主査となりまして、関係府省の副大臣、政務官で構成されます研究開発を担う法人の機能強化検討チームにおいて、最も適切な研究開発法人制度について検討を進めてまいりました。

 四月十四日に開催されました検討チームにおきまして中間取りまとめを行いまして、今後、こうした研究開発を担う法人のあるべき姿といたしまして、やはり世界トップレベルの国際的な研究に関する競争力を実現したい、あるいは、そのためには世界で最も機動的で弾力的な運営を実現しなければならないということで……(秋葉分科員「法案化するの、そこだけ聞きたい」と呼ぶ)これはまだワーキンググループの中間取りまとめということでございますが、関係省庁とさらなる議論を深めてまいりたいというふうに考えております。

秋葉分科員 ありがとうございました。

吉田主査 これにて秋葉賢也君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

吉田主査 これより内閣府所管中警察庁について審査を行います。

 まず、概要説明を聴取いたします。中井国家公安委員会委員長。

中井国務大臣 平成二十年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 平成二十年度の歳出予算現額は二千九百四億三千四百九十六万円余でありまして、支出済み歳出額は二千七百六十九億一千六百九十六万円余であります。

 この差額百三十五億一千八百万円余のうち、翌年度へ繰り越した額は六十八億六千三百九十二万円余であります。

 また、不用となった額は六十六億五千四百八万円余であります。

 以上、警察庁関係の歳出決算につきまして御説明申し上げました。

 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

吉田主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院鵜飼第一局長。

鵜飼会計検査院当局者 平成二十年度警察庁の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。

 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項十件及び意見を表示しまたは処置を要求した事項一件であります。

 まず、不当事項について御説明いたします。

 検査報告番号一号から九号までの九件は、物品の購入等に当たり、虚偽の内容の関係書類を作成するなど不適正な会計経理を行って警察装備費、需用費等を支払っているものであります。

 同一〇号は、G8司法・内務大臣会議開催に伴う会議準備関係業務等の業務委託契約において、ウエブサイトの運用管理に要する経費等の積算を誤ったため、契約額が割高となっているものであります。

 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。

 これは、電子申請等関係システムの利用状況に関するものであります。

 警察庁は、国民が国の行政機関とこれまで書面を用いてやりとりしてきた申請、届け出等について、インターネット等を経由した電子的な申請等を行うための電子申請等関係システムを整備、運用してきておりますが、電子申請率が一〇%以下と低迷していて、システムの整備、運用等に係る経費に対してその効果が十分発現していない事態は、改善の要があると認められましたので、システムの停止、簡易なシステムへの移行など費用対効果を踏まえた措置をとるよう意見を表示いたしたものであります。

 なお、以上のほか、平成十九年度決算検査報告に掲記いたしました自動車保有関係手続のワンストップサービスの実施状況等について意見を表示した事項につきまして、その結果を掲記いたしました。

 以上をもって概要の説明を終わります。

吉田主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。中井国家公安委員会委員長。

中井国務大臣 平成二十年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりであり、まことに遺憾に存じております。

 御指摘を受けた事項につきましては、直ちに是正の措置を講じたところであり、再発防止に万全を期してまいる所存であります。

吉田主査 この際、お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

吉田主査 以上をもちまして内閣府所管中警察庁についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

吉田主査 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。秋葉賢也君。

秋葉分科員 自由民主党の秋葉賢也です。

 きょうは、治安の問題について委員長にお伺いをさせていただきたいと思います。

 私は、去年の分科会でも取り上げたんですけれども、総人件費改革の中で、結局、治安部門や外交部門はまだまだ日本は充実させていかなきゃいけないということで、警察や外交部門だけは例外措置で人をふやしてきているわけですね。このことは、やはり現状をかんがみれば必要な措置だったろうと思うんです。

 ただ、問題は、ふやし方の中身だと思うんですね。警察官の一人当たりのいろいろな負担率というのは、最もわかりやすいのは対人口比で見ることですけれども、現実的には、それぞれの都道府県によって犯罪認知件数がどうなっているんだとか、あるいは、その地域地域の事件状況というのも大事になってまいります。そういう中で、例えばですけれども、宮城県はずっと負担率が高どまりできているんですね。東京は警視庁がございますから別枠だとしても、おおむね人口の多い都道府県が、負担率が高どまりの傾向があるわけです。

 ですから、せっかくここ何年か警察官の定員は人件費の枠外だということで、例えば平成十二年には全国で二十二万五千七百八十一人だったんですね。それを二十二年は二十五万までふやしてきている。三万以上、この間ふやしてきているわけですね。このふやすのに合わせて、やはりそれぞれの都道府県警察の定員の適正な配置ということを十分考えてくるべきじゃなかったのかと思うんです。

 例えば宮城県は、わかりやすく一人当たりの人口負担で見ても、十八年が四位ですよね、一人当たり六百五十八人。十九年が五位、二十年が四位、二十一年は二位ですよ、二位。そして二十二年はまた四位ということで、高どまりしているんですよ。この十年間、人をふやしてきたら、この辺を標準化してもらうということになるのが普通じゃないんですか。

中井国務大臣 この十年間近く、警察の増員をお認めいただいてきたことは感謝にたえないところでございます。

 この増員を受けて、政令に基づいて、都道府県の人口、事件、事故の発生状況、面積、その他のいろいろな事情を総合的に勘案して、都道府県ごとに増員数の決定をさせていただいているところでございます。

 いろいろなことを計算して是正をいたしているところでございますが、先生御指摘の、お地元の宮城県の警察官一人当たりの人口比ということに関しては、まだまだ上位におるということは事実でございます。改善は少しずつなされてきておりまして、例えば平成十三年からの増員を見ますと、増員数の割合が全国平均で一一・五%でありますが、宮城県の場合には一三・九%と、かなり高い割合で配置がなされているなど、少し考慮をしているんだろう、このように考えているところでございます。

 また、本年予算におきましても、八百六十八名の増員のうち、宮城県に割り当てられた増員は十五名でございます。この十五名という増員数は全国で十三番目、こういうことになってまいります。宮城全体の人口で考えますと、全国の十五番目の人口であろうかと思っております。警察官の定数そのものも十五番目の定数、こういう形になりまして、御不満はおありだろうけれども、ほどほどのところで我慢をいただいている、こういう状況かと考えております。

 ただ、先生、県会議員をなさって、長い御経験ですから、仙台には官公庁のいろいろな出先があるとか、観光客がどのぐらいだとか、いろいろなものをもう少し統計的に考える必要もあるのかな、こんなことを申し添えてみたいと思います。

秋葉分科員 今、大臣に詳しい御答弁をちょうだいしたわけでございます。私は、もちろん宮城県だけふやせという議論をしているんじゃないんですね。これは当然、公正な、適材適所でもって、やはりバランスのよい配置というのを考えていかなきゃいけない。

 その中で、私が一番問題にしたいのは、負担率が、人口で見ても、刑法犯の認知件数にしても、順位がほとんど変わっていないということですよ。これはやはりおかしいと思うんですね。

 逆に言うと、警視庁はもちろん一番負担が軽いわけですよね。それで、例えば、警視庁は四十七位ということになるわけですけれども、警察官一人当たりの受け持ちが、直近のデータで見ても二百九十六人ですよ。二十二年度、一番負担率の重い長野県が六百五十二人ですね。面積や人口や認知件数とか、もちろんいろいろな判断基準はあるけれども、人口で見た限りで二倍以上の開きになっているわけですね。

 そして、今委員長おっしゃったように、いろいろ考慮していただいているのはわかります。宮城県は増加率が上がっているじゃないかという御指摘はあるかもしれませんが、それは、だって全体として上げてきているわけですから、どこの都道府県も充実してきているわけで、やはり、毎年のようにこういう数字が多少入れかわっていく方が自然なんだろうと思うんですよ。

 この十年で見ても、やはり負担率が一番軽いのは警視庁、二番目が京都、三番目が大阪、四番目が福岡ですね。ほとんどこの十年間変わっていないというのはどうなのかなと。そして、逆に負担率が高いのは、長野や宮城や埼玉ですね。あるいは、刑法犯の認知件数で見ても、やはり大都会の負担率が高くなっているわけでありまして、宮城県がもっとということじゃなくて、ここ十年間、負担率の変化が全体としてあらわれていないということを、私はそろそろ評価の基準を抜本的に見直していくことが必要じゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか、委員長。

中井国務大臣 お話は承りました。

 先ほど申し上げましたように、宮城ということで例をとれば、仙台というものの東北地方全体における経済力のあり方、行政力の集中度、観光客というものはどうか、あるいは海岸線の面積はどうかというようなことも含めた、いろいろな計算の仕方があると思っています。

 今先生がお示しいただいた統計そのものは、そのとおりでございます。例えて言えば、平成十二年度の一位の埼玉県と最下位の警視庁との差は五百十人。しかし、十年後の二十二年度では、長野県と東京都では三百五十六人。非常に負担の差が減ってきているということは事実であろうかと思います。

 同時に、警視庁という世界の中でも珍しい地方警察のあり方、これを基準にするのがいいのかどうかという思いを僕は抱いているわけでございます。

 警視庁は、東京都全体の治安ということについて責任を持っておりますと同時に、国の大切な中枢の治安も兼ねて負担をいたしているわけでございます。その分をどう考えるか、これを基準にするというのが本当にいいのかどうか、こういったことを含めて、御指摘でございますので、柔軟に、一応計算のやり方を考えてみたい、このようにも思います。

秋葉分科員 今大臣がおっしゃったように、警視庁を基準にするという考え方は、私も同じ認識です。これはやはり別枠で考えるべきだと思うんですね。それは私も異論はないんですが、ただ、警視庁を別枠で考えても、大阪とか兵庫とかと比較しても何百人単位で違っているわけですから、これはやはりさらなる改革をせざるを得ないことは明らかでございますので、そういった地域事情を勘案したとしても、特定の県が負担率が高どまりしているということに根本的にメスを入れてもらうことを強く要請していきたいと思いますし、来年も、どう変化したか、この場でお伺いをしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 一方で、一時期、検挙率が本当に低下しまして、大臣、マスコミに記者会見をするときも考慮いただきたいのは、全体の検挙率が三割ぐらいしかないと。しかし、大事なのはやはり重要事件、強盗や、あるいはもちろん殺人、レイプ、そういった重要事犯の検挙率を上げていく。もちろん、そのためには刑法犯などの軽微な事件の検挙率も高めていく。まあ、お互い表裏一体の関係がありますから、全体を上げていくということが建前にはなるんですが。しかし、大事なのは、全体の検挙率はもちろんですけれども、重要事犯の検挙率をいかに上げていくか、このことが本当に私は最優先課題でなければならないというふうに思っているんですね。

 今国会で、いわゆる死刑の場合の時効が廃止されたり、いろいろな改善もございますけれども、平成二十一年ベースで、刑法犯全体の検挙率は三二%でございましたけれども、重要事犯に限って見ても六四・五%ということで、ここ五年間で見ますと少しずつ検挙率が重要事犯について上がってきているというのは評価をしたいと思っております。しかし、逆に言いますと、依然として三割以上が未解決ということなんですね。ですから、検挙率全体でとらえれば、それは七割未解決だというような議論もできるんだけれども、それではなくて、大事なのはこの重要事犯だと思いますので、この検挙率をさらに上げるためのいろいろな方策をやはり考えていく必要があるんだと思うんですね。

 よく民間のテレビ、民放なんかでは、警察二十四時なんということで、いろいろ警察も協力をして、その番組がきっかけで犯人逮捕に至ったなんということもあるわけでございますけれども、私は、極端な議論をすれば、もっと警察庁としても、第一前提としては、そういう民間の協力も得ながらということが前提にはなるけれども、政府としても、例えばNHKにそういう枠をつくって、検挙率、重要事件、まあ、何を選定するのかというのは大変難しい課題だけれども、一つのルールなり基準をつくって、もっとメディアを活用していくということを検討すべきじゃないでしょうか。

 アメリカなんかに行くと、犯罪番組専門の放送が流れているわけですよ。私は、そこまで一気に日本でというふうには申しませんけれども、メディアの活用ということについてどう考えておられるか、伺っておきたいと思います。

中井国務大臣 先生の御指摘のこと、僕は大賛成であります。

 私、公安委員長になりましてから最も印象深かったのは、例の市橋という男の逮捕でございます。あれも、ああいう形で、ほくろを取ったというのが大々的に言われたために市民から通報があって逮捕できた。やはり、今のメディアの最先端を行っているテレビあるいはインターネット、こういったものにもっと従来と違った、犯人の指名手配の状況、こういったものを報道していただく工夫が要るんだろうと考えております。

 現在、警察庁の指定重要指名手配被疑者が十五人、また特別手配被疑者が三人、そして都道府県の重要指名手配が四百七十四人、こういう多い数になっていますが、地方地方は、また地方のローカル局があるわけでございます。地方においては、こういう重要な犯人を広報して、そして市民の御協力をいただく。そしてまた、広報だけじゃなしに、徹底して賞金もかけていただく。こんなことも含めて、結びつきの薄くなった社会ですが、やはり犯人逮捕ということに関して御協力いただく、みんなで治安を守っていただく、このことが大事なことだと思っています。

 ただ、広報するについては莫大な費用も要るんだろう、この費用効果ということも含めて、十分検討してまいりたいと思います。

秋葉分科員 今委員長から伺って、問題意識は同じだなということで安心はしたんですが、具体的に、費用の問題、確かにこれはありなんですが、NHKはどうですか。NHKに、大臣、交渉してみたらどうですか、やってくれと。

中井国務大臣 おもしろおかしくやれる方法があるかどうか。どうしても警察や公安委員会がやりますとかた苦しいことになりまして、なかなかお受けいただけないところもあるかなと思っております。

 ただ、私は、ふだん番組を見ていますと、番組のいろいろなお遊びみたいな、芸能人のいろいろな番組で警察が随分協力しておるんですね、警視庁が警備だとか。それを協力しておるんだから、逆にこういうのを協力してくれてもというお願いの仕方はあるかなということを含めて、柔軟に考えてみたい。

 この間、市橋という男を逮捕した事件で私がびっくりしましたのは、指名手配の写真を美容整形医師へ配っていないんですね。あれを契機に、美容整形の団体さんとようやく話がついて、指名手配の写真をインターネットやらで送らせてもらう、こういうお許しを得たようでございます。

 指名手配の写真そのものも、人相悪く写っていると言えばおかしいですが、現物と、実際人物と違うような写真で、しかも人の目につかないところに張ってある。これでは指名手配にならぬわけですから、そういう工夫も含めて判断をしてまいります。

秋葉分科員 しつこいようですけれども、大臣に判断してもらうのはありがたいんだけれども、やはり、確かにお金もないし、どの事件を対象にするかというのも一定のルールをつくってやっていかないと、無責任なことになります。しかし、先ほど大臣からもお話があったように、重要指名手配しているのが今十五人いるという話がありました。それは、市橋容疑者のようにいろいろと状況も変わっているかもしれない、また、残念ながら世論の認知度も低下していく傾向にあるわけでありますから、やはり、年一回と言わず数回、国営放送の責任として、警察庁としっかりタイアップをして、そういう時間枠を検討してもらう申し入れなり協議を始めることは全く問題ないと思うんですよ。協議の結果、一つずつの課題をクリアしていけばいいわけですから。

 ですから、私が今問うたのは、いろいろな諸事情があるのはよくわかります、ただ、そういう中で、大臣としてNHKにそういう協議を申し入れる用意があるのかということです。

中井国務大臣 先ほどお話ありましたように、死刑等の犯罪について時効廃止ということにもなりました。そのときにも委員会の質疑において、どういうふうに重点的に、また年次年次で捜査をしていくんだ、こういう御指摘もいただいているところでございます。こういったことを含めまして、十分、犯人逮捕に向けての広報のあり方を含めて研究をしてみたい。

 NHKにどうしても言えというお話でありましたが、それを含めまして、民放あるいはいろいろな機関、広報のあり方について考えてまいりまして、対応いたします。

秋葉分科員 期待をしておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 次に、そういった難事件を解決するため、そしてまた第一にはやはり世論喚起という意味合いが強いわけですけれども、警察庁でも平成十九年から公費でもっての懸賞金制度を導入いただいておりますが、これもやはり導入に当たっては紆余曲折があって、事件の選定を含めて大変なことがございました。また、その金額が果たして妥当なのかというのは常につきまとってきた問題なわけでございますけれども、私は、やはりこれは拡大していくことが大事だと思っているんですね。

 というのは、本来、国民の皆さんからの善意の協力ということがベースであるのが理想なわけですけれども、年々やはりそういったことが残念ながら弱くなってきている傾向がございますし、それから、事件によっては被害者の方が個人でかけられる場合もあるんですね。情報提供を呼びかけて、事件解決に結びついたものについては個人でもって出しますよというケースは往々にしてこれまでもあったんです。ただ、私が問題にしてきたのは、つまり、その方の財力によってある意味での差がつくことは好ましくない。だから、第一義的には公費でもっての懸賞金制度でやってあげることが大事じゃないのか。

 事件選定だとか何かについては、やはり審議会からの答申ももらって、明確なルールはつくらなきゃいけませんよ。しかし、これを拡大していくということが大事だと思うんですけれども、その辺はどういう取り組み、検討状況になっていますか。

中井国務大臣 賞金をかけて御協力要請をするということについては、私が就任しましてからも、額をふやす、あるいは件数をふやす、こういう形で警察当局に要請をいたしているところであります。犯人逮捕ということだけじゃなしに、犯人特定につながる証拠、こういったものの提供についても呼びかける。

 また、被害者の御家族の方がやむにやまれぬ思いで賞金をおかけになる。本当に、捜査当局を預かる者としてはつらいような思いもございます。すべての事件に賞金をかけるというわけにもいきません。先生がおっしゃるような基準とか選定とかあろうかと思いますが、十分範囲を広げて、お金でつっていると言われないような中で御協力要請をして、そして成果に結びついたら感謝する、こういう形をとっていきたいというのが私の思いでございます。

秋葉分科員 先ほど大臣からお話しになりましたように、市橋容疑者の場合も、一千万円の懸賞金をかけて、このことに対する情報提供ということが一つの逮捕に至るきっかけだったことを考えると、やはりこの懸賞金制度の有用性というのが立証されたわけでありまして、運用は慎重にしていかなければいけませんけれども、御答弁のとおり、今後、拡充の方向で御検討していただきたいと思います。

 また一方、きょうは法務副大臣にも御出席をいただいておりますけれども、犯罪全体のうち、初犯をとにかく防ぐということが基本ではありますけれども、実態として、とにかくやはり再犯率がなかなか低下をしない。ここは、特に今不景気だということもあって、むしろ悪化傾向にあるという現状があろうかと思います。犯罪全体のうち六割の犯罪が三割の再犯者によって引き起こされているという実態があるわけでありますけれども、初犯防止はもとよりですけれども、再犯防止について二つ重要な点があるんだと私は思うんですね。

 一つは、何といっても就労支援ということがないと、刑務所を出たけれども飯が食えないからまた犯罪を起こさざるを得ないということがありますので、第一に就労支援ということにまず尽きるんだろうと私は思っております。

 それともう一つは、現場で保護司の先生方が本当に御努力いただいているんですね。残念ながら、定員を今割っているような状況でございます。本当に、保護司の先生方の御努力、大変高く評価をしておりますけれども、ここのところをやはり充実していくことが大事だと思うんですが、まだそのサポートセンターなんかも全国に二十一カ所しかないんですね。私たちの東北では盛岡と福島の二カ所しかないんですよね。そうした保護司の先生方をバックアップする、今それぞれの施設といいますか保護観察所なんかをベースにやっていたり、結局、現場でやっているということになっているわけですけれども、やはりこういったことも充実させていくという、就労支援と保護司の先生方の取り組みの強化というんですか、こういったサポートというのをやっていかなきゃいけないと思うんですけれども、どのような見解をお持ちでしょうか。

加藤副大臣 多少お時間をいただいて、ちょっと御説明をさせていただきたいと思います。

 先生御指摘のとおり、人数でいいますと約三割の再犯者が、件数でいうと約六割の犯罪を犯してしまっているという状況は御指摘のとおりでございまして、申し上げるまでもなく、再犯の防止というのが犯罪対策上極めて重要な課題だというふうに私どもも認識をしております。これは先生御指摘のとおりだと思います。

 もちろん、再犯にはさまざまな要因がございますので、単純な分析というのはなかなか容易ではないとは思いますが、ただ、二つの点について私どもは特に注目いたしております。

 その一つが、これも先生御指摘の就労の問題でございまして、例えば、平成二十年の矯正施設に対する再入所者の無職者の比率というデータがございますが、これが七〇%を超えてしまっております。先生御指摘のとおり、刑期を終えた後、仕事につけないのでまた犯罪に手を染めてしまうというケースが多いということは、この数字からも読み取ることができるわけであります。これが、入所度数、回数がふえますと無職者の比率がふえていくという傾向もございますので、やはり重要な視点だろうと思います。

 もう一点は、この就労支援と同時に、帰住先の確保という問題もございまして、出所後安定した帰住先がないがゆえに、これもまた再犯の原因になっているということもございます。

 これも、平成十六年から平成二十年の累計でございますけれども、入所度数、回数ですね、これが五回以上の者を調べますと、安定した帰住先が前回の出所時になかったという者が三分の一を超えているという状況でございますので、この就労支援と帰住先の確保というのは、特に重要な課題だというふうに考えてございます。

 もちろんこれまでも、あるいは先生方が政権を担当されていた折から、さまざま施策はとられてきてございまして、矯正施設内における改善指導を充実させたり、あるいは厚労省との連携で総合的な就労支援対策を実施したり、あるいは、自立更生促進センターを設置し、また運営したり、あるいは、高齢者、障害者などにつきましては福祉サービスへ連携をするということをとってございますけれども、さらに強化をしてまいりたいということで、これらの施策については、現在、私自身がチームリーダーという形で再犯防止のためのプロジェクトチームを省内に設置いたしまして、議論を進めてございます。

 また、最近の保護司の先生方のお話もございました。

 先生も保護司をお務めいただいているということは聞いております。大変ありがたいことと感謝をいたしておりますが、この保護司の皆さんと協力をさせていただきながら、いわゆる協力雇用主の開拓というものにもさらに力を入れてまいりたいと思っております。

 先ほど御指摘ございましたとおり、厚労省との連携による総合的就労支援対策というのはこれまでも実施してきておりますし、さらに力を注ぎたいというふうには思ってございますが、いかんせん、勤め先、仕事先を確保しないことにはどうしようもないところでありまして、これは保護司の皆さんとの協力によって、さらに協力雇用主を拡大していきたいということは考えてございます。

 また、出所後でありますけれども、保護観察所とハローワークによる就労支援チームで、トライアル雇用であるとか、あるいは身元保証制度などの活用というのも現在進めておりまして、これもさらに拡大をしたいと考えているところであります。

 あと、一言付言をさせていただきますと、NPO法人といたしまして、全国就労支援事業者機構というものを、これは全国組織で一つと、あと保護観察所単位で五十、実は設置をしていただいております。法人の認証は五十のうち今、四十七まで済んでいると聞いておりますが、新日鉄の今井名誉会長にその長についていただいて、御協力をいただいておるところでございますので、これもさらにバックアップをさせていただきたいと考えております。

秋葉分科員 どうも御丁寧な答弁ありがとうございました。しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。

 きょうは内閣府副大臣にもおいでいただいておりまして、もう時間ではあるんですけれども、最後に、簡単に、きょうは本当は、犯罪被害者基本法を我々がつくってもう五年以上がたつんですね。いろいろな仕組みも、これはいろいろ全庁にまたがるということで、内閣府の所管法律にして取り組んできたんですけれども、やはり、犯罪の加害者については予算が右肩上がりなんだけれども、被害者のための予算というのは一向に横ばいなんですね。これの強化について、最後に副大臣に伺いたいと思います。

大島副大臣 手短に答弁をさせていただきます。

 先生御指摘のとおり、犯罪被害者等基本法が制定されて六年でございまして、かつ、平成十七年の十二月に閣議決定された犯罪被害者等基本計画に基づき、犯罪被害者等施策を推進しております。

 ちょうど今年度で五年が終わるわけです。内閣府として、この五年間についての総括というのか、どの施策が進んで、どの施策が進んでいないのかについて、今、検討をさせていただいております。

 やはり、内閣府の仕事としては、どうしても企画と調整で、実行部隊を持っていないものですから、特に企画と調整の中で役所間で協議を行いますと、どうしても文章が丸くなる傾向がございます。ですから、私としては、やはり政治で、特に、けんかというのは言い方がよくないな、できるだけとがった文章で書いて各省庁と交渉してくれと。やはり論点を明確にすることが必要だと思っております。

 ですから、今先生御指摘の、これまで五年間の計画の今回の反省を踏まえ、今後五年間の計画についてしっかりしたものをつくりたいという決意で答弁をさせてください。

 ありがとうございました。

秋葉分科員 期待をしておりますので、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

吉田主査 これにて秋葉賢也君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして内閣府所管中警察庁についての質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

吉田主査 これより会計検査院所管について審査を行います。

 まず、概要説明を聴取いたします。西村会計検査院長。

西村会計検査院長 平成二十年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額三千二百十三万円余に対しまして、収納済み歳入額は二千六百八十四万円余であり、差し引き五百二十九万円余の減少となっております。

 収納済み歳入額の主なものは、国有財産貸付収入二千二百三十八万円余であります。

 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額は百七十五億千二百五十一万円余でありますが、これに予算補正修正減少額四億九千三十三万円、前年度繰越額一億一千六百三十九万円余を増減いたしますと、歳出予算現額は百七十一億三千八百五十七万円余となります。

 この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は百六十四億八百五十七万円余、翌年度繰越額は四千六百二十一万円余でありますので、その差額六億八千三百七十八万円余を不用額といたしました。

 支出済み歳出額の主なものは、人件費として百三十三億四千八百万円余、中央合同庁舎第七号館の維持管理等経費として五億八千万円余となっております。

 以上、平成二十年度における会計検査院関係の決算の説明を終わります。

 よろしく御審議のほどお願いいたします。

吉田主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院鵜飼第一局長。

鵜飼会計検査院当局者 平成二十年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。

吉田主査 以上をもちまして会計検査院所管についての説明は終わりました。

 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、会計検査院所管については終了いたしました。

 それでは、御退席くださって結構です。

    ―――――――――――――

吉田主査 これより皇室費について審査を行います。

 まず、概要説明を聴取いたします。風岡宮内庁次長。

風岡政府参考人 平成二十年度における皇室費歳出決算について、その概要を御説明申し上げます。

 皇室費の歳出予算現額は六十八億一千六百四十九万円余でありまして、これを支出済み歳出額六十六億一千四百七十七万円余と比較いたしますと、二億百七十二万円余の差額が生じますが、これは、国際親善に必要な経費等を要することが少なかったため不用となった額であります。

 以上をもちまして決算の概要説明を終わります。

 よろしく御審議くださいますようお願いいたします。

吉田主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院鵜飼第一局長。

鵜飼会計検査院当局者 平成二十年度皇室費の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。

吉田主査 以上をもちまして皇室費についての説明は終わりました。

 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、皇室費については終了いたしました。

 午後一時三十分から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時三十四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三十分開議

吉田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。

 これより国会所管について審査を行います。

 まず、国会主管歳入決算及び衆議院関係決算の概要説明を聴取いたします。鬼塚衆議院事務総長。

鬼塚事務総長 平成二十年度国会主管一般会計歳入決算及び衆議院関係歳出決算の概要を御説明申し上げます。

 国会主管の歳入につきましては、予算額十五億九千二百二十九万円余に対しまして、収納済み歳入額は十七億二千七百二十三万円余であり、差し引き一億三千四百九十四万円余の増加となっております。

 次に、衆議院関係の歳出につきましては、当初の歳出予算額は六百六十九億九千四十七万円余でありまして、これに前年度からの繰越額九千七百三十四万円余を加え、既定経費の不用による予算補正修正減少額七億五千五百四万円余を差し引きいたしますと、歳出予算現額は六百六十三億三千二百七十六万円余となります。

 この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は六百三十四億五千六百二十五万円余でありまして、その内訳は、国会の権能行使に要した経費三百九十七億六百三十四万円余、衆議院の運営に要した経費二百三億五千二百四十一万円余、衆議院の施設整備に要した経費十三億二千七百六十一万円余、民間資金等を活用した衆議院の施設整備に要した経費二十億六千九百八十八万円余であります。

 歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は二十八億七千六百五十一万円余となっておりますが、その内訳は、翌年度へ繰り越した額二千六百五十三万円余、不用額二十八億四千九百九十七万円余であります。

 以上が、平成二十年度国会主管一般会計歳入決算及び衆議院関係の歳出決算の概要でございます。

 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

吉田主査 次に、国立国会図書館関係決算の概要説明を聴取いたします。長尾国立国会図書館長。

長尾国立国会図書館長 平成二十年度国立国会図書館関係歳出決算の概要を御説明申し上げます。

 当初の歳出予算額は二百十九億六千五百十四万円余でありまして、これに前年度繰越額四億九千六百六十七万円余を加え、既定経費の不用による予算補正修正減少額一億八千二百五十二万円余を差し引きますと、歳出予算現額は二百二十二億七千九百二十九万円余となります。

 この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は二百十六億三千九百九十六万円余でありまして、その内訳は、国立国会図書館の運営に要した経費九十一億六千九百二十六万円余、国立国会図書館の業務に要した経費九十四億三百六十一万円余、科学技術関係資料の収集整備に要した経費十一億七百九十四万円余、国立国会図書館の施設整備に要した経費十九億五千九百十四万円余であります。

 歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は六億三千九百三十二万円余でありまして、その内訳は、翌年度繰越額三億三千百十二万円余、不用額三億八百十九万円余となっております。

 以上が、平成二十年度国立国会図書館関係歳出決算の概要でございます。

 よろしく御審議のほどをお願いいたします。

吉田主査 次に、裁判官弾劾裁判所関係決算の概要説明を聴取いたします。石川裁判官弾劾裁判所事務局長。

石川裁判官弾劾裁判所参事 平成二十年度裁判官弾劾裁判所関係歳出決算の概要を御説明申し上げます。

 当初の歳出予算額は一億一千七百九十六万円余でありまして、これから既定経費の不用による予算補正修正減少額二百五十四万円余を差し引きますと、歳出予算現額は一億一千五百四十二万円余となります。

 この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は一億一千百四十四万円余でありまして、このうち主なものは職員の人件費であります。

 歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は不用額でありまして、三百九十八万円余となっております。

 以上が、平成二十年度裁判官弾劾裁判所関係の歳出決算の概要でございます。

 よろしく御審議のほどお願いいたします。

吉田主査 次に、裁判官訴追委員会関係決算の概要説明を聴取いたします。向大野裁判官訴追委員会事務局長。

向大野裁判官訴追委員会参事 平成二十年度裁判官訴追委員会関係歳出決算の概要を御説明申し上げます。

 当初の歳出予算額は一億三千四百八十三万円余でありまして、これから既定経費の不用による予算補正修正減少額四百十八万円余を差し引きますと、歳出予算現額は一億三千六十四万円余となります。

 この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は一億二千二百九十九万円余でありまして、このうち主なものは職員の人件費でございます。

 歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は不用額でありまして、七百六十四万円余となっております。

 以上が、平成二十年度裁判官訴追委員会関係の歳出決算の概要でございます。

 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

吉田主査 この際、お諮りいたします。

 参議院関係決算の概要説明につきましては、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

吉田主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院鵜飼第一局長。

鵜飼会計検査院当局者 平成二十年度国会の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。

吉田主査 以上をもちまして国会所管についての説明は終わりました。

 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、国会所管については終了いたしました。

 それでは、御退席くださって結構です。

    ―――――――――――――

吉田主査 次に、内閣所管について審査を行います。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。柚木道義君。

柚木分科員 民主党の柚木道義でございます。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。それぞれ関係の政務の皆様に御都合をつけて御出席をいただき、ありがとうございます。

 まず冒頭、山井厚生労働大臣政務官に、B型肝炎訴訟の和解協議についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 五月の十四日に、B型肝炎訴訟について、札幌地裁からの和解勧告に対して国が和解協議の席に着くことが示されたことは、大変に大きな一歩だと思います。四百二十名の原告の皆さんがこの日を待ちわびておられました。

 ただ、この訴訟の間に、大変残念なことに、十名の原告の方が亡くなられてしまいました。さらに、三月十二日の札幌地裁の和解勧告以降でも、お二方の原告が亡くなられています。

 山井政務官御自身も、解決に向け野党時代からずっと御尽力をされてこられたわけですが、過去の政権時代に発生したこととはいえ、こうした訴訟が起こり、続き、そして既に十名の原告の方が亡くなられてしまった中、今回ようやく和解協議への入り口に至ったことに、原告の皆さんや御家族に対しまして、厚生労働大臣政務官のお立場としての率直なお気持ちをまずお聞かせいただけますでしょうか。

山井大臣政務官 柚木委員にお答えを申し上げます。

 この肝炎問題は、二年前には薬害C型肝炎の訴訟がございました。そして、政権交代においてもこの肝炎問題は重要な課題の一つでありまして、昨年の政権交代以降、まず、これは議員立法でありましたが、柚木委員がまさに福田衣里子議員とともに奔走してくださったおかげでありますが、超党派で、それまで、政権交代前には成立させることができなかった肝炎対策基本法が成立をいたしました。その中で重要なことは、最高裁でB型肝炎の集団予防接種の判決のことも書かれました。これは、法律の中にそういうことが書かれたということは重要なポイントだと思っております。

 さらに二点目は、予算編成の中で、肝炎対策基本法の中でB型肝炎のことも触れられたことを通じて、B型肝炎の治療に効果がある核酸アナログ製剤の治療費助成、これも政権交代前にはハードルが高くてできなかったことでありますが、この四月から初めてその医療費助成がスタートすることになりました。

 このような、肝炎対策基本法、そしてB型肝炎の治療に効果のある核酸アナログ製剤への治療費助成の四月スタート、その二つを踏まえて、まさにこれから、最も大きな課題であるB型肝炎の訴訟というものに対してテーブルに着くことをこのたび表明したものでございます。

柚木分科員 今の政務官の御答弁の中で、まさに最高裁判決を受けての対応、対策基本法であったり、あるいは治療費助成であったり、政府、厚生労働省として非常にこの問題に誠実に向き合おうとされてこられた思いを感じさせていただくことができました。

 その上で、あす十八日に、国の和解協議入り表明後初めて、原告団の皆さんと長妻厚生労働大臣が面会をされるということは、非常に意味のあることだと考えます。

 きょう、資料に十四日の大臣談話をつけさせていただき、また、私としてその中でも特にポイントと思われる点をこうしてボードに掲示させていただきました。この談話と、そしてこのボードを少しごらんいただきながらお聞きをいただければと思います。

 まず、このボードの一点目でございますが、二枚目の方になろうかと思います。「国としては、和解協議の場において、裁判所の仲介の下、原告と誠実に話し合いを進め、広く国民の理解と協力が得られる解決を目指したい。」とまずあります。私は、当然、この和解に税金が充てられることから、肝炎以外の疾患で苦しんでおられる方々を含め、広く国民の理解と協力が必要であることはそのとおりだと思います。他方で、国の薬事行政の失敗で多くの命が失われたことを考えると、広く国民の理解と協力を得る努力を国が主体的に行うことは、一方で当然のことであると思います。

 そして、この二点目でございまして、ポイントは、肝炎対策基本法の中で、先ほどの政務官の御答弁にもございました、肝炎医療費助成の拡充や、診療・検査体制のさらなる整備を進める。和解の中身とは別のこういう施策を誠実に進めることによっても、原告団、患者の皆さんに誠実に向き合っていこうとされている姿勢が私は感じられるというふうに受けとめております。

 その上で、山井政務官、これは私の個人的な提案と思っていただいて結構なのですが、幾つかお尋ねをさせてください。

 確かに、命に値段はつけられません。命の重さは人によって、あるいは病気によって異なるものでは決してありません。現在のB肝訴訟の和解金額の議論は、薬害C型肝炎のケースをベースに行われています。B型、C型、確かに同じ肝炎です。そして、どちらも過去の国の薬事行政の失敗によって多くのとうとい人命が失われました。

 ただ、私は、あえてきょう語弊を恐れずに申し上げれば、裁判所が示された幅広の線引きなき救済を実現するためには、お一人当たりの和解金額が現状の議論よりも下がるということもあり得るのではないかと考えます。つまり、薬害の補償責任と予防接種という公衆衛生行為としての補償責任を同じように議論することが、本当に和解協議を前に進めることになるのかどうか、苦渋の思いで注視しているわけでございます。

 さらに、私は、この大臣談話の中にもあります、先ほど申し上げました二番の、和解とある意味では別枠の枠組みで、こういった対応を今後、政府、国として行われることも非常に重要だと考えます。

 B型肝炎訴訟原告の皆様の思いは察するに余りある中で、薬害C型原告の皆さんが、和解金額も確かに大事です、しかし、より大事なこととして線引きなき救済だと訴えられたお気持ちは、B型肝炎原告の皆様も心の奥底では同じ思いなのではないでしょうか。

 どうか、山井政務官、あしたは、長妻大臣と原告の皆様との場は協議に入る前の面会となるとお聞きしておりますが、今私が個人的に申し上げましたようなやりとり、つまり、線引きなき救済には、薬害C型肝炎とは異なる和解の枠組みも検討をされることや、肝炎基本法の枠組みで、和解とは別枠であっても、医療費助成、検査体制の現行制度のさらなる拡充など、誠実に肝炎治療体制を整備していくことなどが、あすの面会が終わって、今後協議に入った場面では具体的に行われ、一日も早い和解につながるよう御尽力をいただきたいのですが、山井政務官の御所見と、そして、報道によれば七月六日に具体策を示すとございますが、それよりも一日も早い和解成立に向けた御決意をお聞かせいただけますでしょうか。

山井大臣政務官 柚木委員にお答えを申し上げます。

 今もボードで示していただきましたが、まず事実関係を申し上げますと、三月十二日に札幌地裁から、B型肝炎訴訟について和解協議に入れるか否かについて検討されたい旨打診があったところでありますが、国としては、広く国民の理解と協力が得られる解決策を探るため、今般、本件訴訟について、裁判所の仲介のもとでの和解協議の席に着くことにしました。

 この訴訟に関しましては、和解対象者の範囲やその確認方法、和解金額等、いまだ議論が尽くされていない論点も多く、裁判所において、これらの諸事情についても十分に御理解いただいた上で、適切な検討を進めていっていただくように希望をしております。

 そして、この件に関しましては、きょうも御出席されていますが、仙谷大臣に調整役を担っていただきながら、そして、さまざまな担当の大臣も連携しながら、政府全体で今取り組みを進めているところでございます。

 そういう中で、今柚木議員御質問の、具体的な金額等についてでございますが、まさに、これは今後、裁判所の仲介のもとで和解協議の議論の一つの論点になってくることであると思いますので、現時点についての答弁というのは、まことに申しわけございませんが、差し控えさせていただきたいと思っております。

 ただ、最初にお話しになりました、医療費助成の拡充や診療・検査体制のさらなる整備という点につきましては、これは、B型肝炎の訴訟というものとは別次元で、やはり訴訟というものは、薬害のときもそうでしたが、残念ながら、どうしても、救済の対象になる方とならない方と両方出てしまいます。これはどうしても、どこかで線引きということにならざるを得ませんから、そういう意味では、訴訟の行方とはまた違った次元で、B型肝炎、C型肝炎の患者の方々に対する一般対策の充実というのは非常に重要だというふうに考えております。

 日肝協の高畠会長、また天野事務局長も、御病気を押して運動をされて、残念ながら、最近お亡くなりになってしまいましたが、そのお二人も、最後の最後まで、とにかく肝炎患者への支援ということを言い続けておられましたので、そのような一般対策についても力を入れるべく、努力をしてまいりたいと思います。

柚木分科員 政務官、ありがとうございます。

 きょうはたまたま、別の御答弁で仙谷大臣もお座りになられておりまして、今御答弁にございましたように、本当に政府一体となっての一日も早い和解へのお取り組みと、そしてまた、今、後半の御答弁でいただきました基本法の拡充、別次元でこれも考えていかなければいけない。非常に前向きな御答弁もいただいたと思います。

 そういった中で、本当に私たちは、肝炎の原告の皆さんのお立場に立った取り組みを改めてお願い申し上げまして、山井政務官への御質問はこれで終わらせていただきます。御退席をいただいて結構です。ありがとうございました。

 続きまして、事業仕分けに関係をいたしまして、特別会計の見直しについて、泉政務官に一問お尋ねをさせていただきます。

 事業仕分け、第一弾では一般会計、特会を含む事業を網羅的に仕分けを行い、そして、第二弾では独法、公益法人への財政支出を伴う事業を対象にしておると理解しております。

 現在、民主党内では、特別会計全体の見直しを個別に行っております。私は、実は、貿易再保険特会の主査を務めておりますが、この貿易再保険を例に挙げてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。

 この貿易再保険というのは、大規模な保険事故が続く場合には、財投からの借り入れや一般会計からの繰り入れなどが過去に行われておりまして、特会として存続させる特別な意義がないというのがこれまで我々の取り組みでの結果となっております。

 その反面、積立金が平成二十年度決算で約七千億円あります。そして、二十年度の余剰資金も一千億円生じております。不要なハイヤー契約、システム経費、超過勤務手当が何と一般会計より非常に高い、こういった問題も我々の調査で明らかになっておりまして、この特会を一般会計化しつつ、区分経理することで、財政再建にも貢献でき、また財政の透明性向上にもつながると考えております。

 実は、党内では、今月内をめどに特会の見直し案の取りまとめを行います。それを踏まえて、政務官、ぜひ行政刷新会議でも、特会に着目した事業仕分けを、いわば事業仕分け第三弾として実施をしていただきたいと考えるわけでございます。この話を仕分け人幹部の方に御提案をいたしましたら、それは必ずそういう流れになる、なっていかなきゃならない、そのようなお答えもございました。

 泉政務官、今私が指摘をさせていただきました貿易再保険特会を含むすべての特別会計の仕分けに、刷新会議としてぜひ取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

泉大臣政務官 ありがとうございます。

 まさに、こうして党の中でも特別会計の見直しをしていただいているということは大変心強いことだと思っておりますし、とりあえず、まずは第一弾、第二弾と進めさせていただいて、今、独立行政法人、そして公益法人と移ってきているわけですが、その中でも特別会計に言及することというのは多々ありまして、今は事業の観点から見直しをしておりますが、まさに挟み打ちのように、両方から検証していくということが可能かなと思っております。

 特に、日本貿易保険につきましては、例えば、ヨーロッパ、大陸系でいけば、もう民間に事業をゆだねているというところもございます。政府の方としても、これまで民間の市場の解禁に伴い、徐々にいわゆる民間の側の保険契約額も上がってきているところですが、そういう中で、日本貿易保険の役割というものは当然見直されていくべきだというふうに思っておりますし、独法全体の見直しの中でも、恐らく、やはりその存在そのものについても検討されるのかなと思っております。

 ぜひ今後も、この事業仕分けというものは、第一弾、第二弾に限らず続けていきたいと考えておりますので、さらなる情報の提供をいただきながら改革を進めていきたいと思います。

柚木分科員 泉政務官、ありがとうございます。

 まさに民間との役割分担、そして、ある意味では絶え間なき事業仕分けが非常に重要だという観点から御答弁をいただいたと思っておりますので、本当は個別の議論もしたいところなんですが、きょうのところはここで、政務官、御都合をつけていただいて御答弁いただきまして、大変ありがとうございました。質問は以上で終わります。

 それでは、続きまして、国際健康観光総合特区という、ちょっと舌をかみそうな言い方なんですが、全部Kで始まるのでKKK構想などといって、実は民主党の経済産業の分野でこういった議論も行ってまいりました。仙谷国家戦略担当大臣、あるいは事実関係の部分については大塚副大臣、さらには、きょうは足立厚生労働大臣政務官にもお越しをいただいておりますので、適宜、足立政務官の方にもお尋ねをさせていただきながらこの議論をさせていただきたいと思います。

 まず、国家戦略室成長戦略事務局チームの厚労省からのヒアリングや、行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会ライフイノベーションワーキンググループにおいても検討事項にはなってございますが、医療ツーリズムを振興するために、外国人受診者やその同行者に医療ビザを発給したり、また、外国人ドクター、ナースの受け入れ促進も検討すべきではないか、こういった議論がございまして、私は、これを全国的に一律実施することが難しい場合には、まずは特区に限定して認めるなどの方法も考えられると考えております。

 つい最近、経産省の国際メディカルツーリズム調査事業報告書のデータでも、医療ツーリズムを初めて聞いたという方が七七%、日本で健診を受けた外国人で、また日本で健診を受けたい方が七五%、こういう調査結果も出ております。

 そういった状況の中で、ぜひ特区の中での医療ビザ、あるいは、外国人ドクター、ナースの受け入れ促進、こういった施策について、まず、これは大きな方向性を、ぜひ仙谷担当大臣から御答弁をいただければと思います。

仙谷国務大臣 鳩山総理が、官を開き、国を開き、未来を開く、そういう大きなコンセプトで、現代のグローバリゼーションの中で、日本と日本人がそのプレーヤーとして生き抜いていく。あらゆる部面で、そういう発想で、我が国の政治、社会、そして人々の生活のあり方を変えながら、今のグローバリゼーションの中を生き抜いていく、こういう決意を披瀝しているわけであります。

 私も、せんだって、兵庫県の、あれは丹波の西でございましたか、播磨灘物語の地域だと思いますが、そこに兵庫県立粒子線医療センターというのがございます。これは、重粒子もそれから陽子線も使いながら、主としてがんの放射線治療を行っている、大変すばらしい大きな施設でございます。確たる実績も上がっているということでありますが、伺いましたら、どうも、この数年間で外国人の治療を受けられた方は一人ということでございます。伺っておりましたら、治療時間そのものは十五分ぐらいで、いわば外来治療でできるというようなことでございました。

 この領域だけでなくて、神戸には先端医療センター、これは再生医療をなさっているところのようでありますが、そういう施設がございます。ここは、世界的にも再生治療の分野では最先端を行っているということを伺っておったのでありますが、どうも、この種の医療センターが、保険適用がないというふうな部分もあったり、それから、まだまだ実験、臨床研究といいましょうか、そういうレベルのものもあったりするということも含めて、あるいは料金が高いというようなこともあるのかもわかりませんが、せっかくの日本の先端的な技術が、日本人にも、当然のことながらアジアの地域を中心とする外国人の方々にも、その方々の健康やあるいは病気の予防のために余り貢献をしていない、これはもったいないなということを感じました。

 あるいは、そういう先端的な医療分野は、私は、医療そのものが、アジアであれ先進各国であれ、やはり広くオープンな形で共同の研究や共同の技術習得というふうなものが行われて、人類というと大げさかもわかりませんが、広い範囲での共有の財産になっていく必要があるだろうというふうに思っておりまして、そういう観点から、これを何というふうに名づけるのか、適当な名称を探しているわけでございます。

 いずれにしても、外国の方々に、これは患者さんのみならず、医療従事者、医師、検査技師、看護師、あるいはその他のコメディカルといいましょうか、そういう方々が日本においでいただいて、日本で治療もできるし、あるいは、治験的な治療で、その積み重ねがしっかりと日本の健康保険上の適用も受けられるようになるようなところまで、しかし、本人の御同意と、どこか指定するとすれば指定された医療機関の倫理委員会というものがしっかり機能すれば、そういうことを前提に、大きくオープンにする方策を考えることが一番大事なことだというふうに考えて、今、検討方を、前向きに検討するように指示をしてあるところでございます。

柚木分科員 ありがとうございます。

 この後の質疑の本当に網羅的な御答弁をいただきまして、ほとんど今触れていただいている部分でございまして、本当にこういった取り組みを、ぜひ担当大臣としてのリーダーシップを発揮いただいてお進めいただくことをお願い申し上げ、個別具体的なことを担当副大臣、政務官に幾つかお尋ねいたします。

 まず、行政刷新会議の規制改革に関する分科会ライフイノベーションワーキンググループ、先ほども申し上げましたが、この中において、PMDAが承認審査と救済制度を所管する状況を解消し、テクノロジーの審査機関として自立させ、かつ審査機能を強化すべきという考え方が示されています。ドラッグラグ、デバイスラグを解消するための施策は不可欠ですが、ほかにも幾つか問題がありますので、私はまとめて四点指摘をさせていただきます。ぜひ、大塚副大臣、そして、場合によっては足立政務官にもお願いしたいと思います。

 まず一点目は、PMDAには医療機器の専門家が少ないんですね。これにどう対応されるのか。東北大やあるいは早稲田と東京女子医大などで連携をして、例えば臨床工学技士などの専門家を養成していく課程がありますが、人材育成をこれからどう図っていくのか。

 そして、二点目、副作用が生じた場合に補償する仕組みは、医薬品にはありますが、機器にはございません。内外価格差の問題があります。この点にどう対応していくのか。

 三点目、これは、アメリカでは、医療機器に先端技術を供給した場合PL法免責になる仕組みがございますが、我が国でも、機器の開発を促進するために、PL法の改正も検討項目ではないかと考えます。

 最後に四つ目は、医療機器や原材料の細かい変更でも承認申請を行わなければならない手間がかかり過ぎて、医療機器はデバイスギャップとまで言われているんですね。

 こういった点、特に三点、四点目はワーキンググループの検討項目に入っていないようですので、ぜひ項目に加えていただいた上で四点を進めていただきたいと思いますが、まず、副大臣の方、お願いいたします。

大塚副大臣 御質問ありがとうございます。

 今、委員から御指摘のあった問題意識はすべて我々も共有をしておりますので、そういう前提で議論を進めさせていただいております。

 PMDAの問題は、前政権下でも長い間指摘をされていながら放置をされているということは、国民の皆さんの安全を守る立場から、大きな問題であり課題であると思っておりますので、三点目、四点目も含めてしっかり議論をさせていただきます。

 なお、やはり補償ないしは責任の問題がネックとなって審査あるいは治験が十分に進まないということであれば、そこの役割分担をはっきりさせるという点については、我々も全く同じ問題意識で今検討を進めているところでございます。

柚木分科員 ありがとうございます。

 では、次の質問二つを今度は足立政務官の方からお答えいただくということで、ちょっと時間の関係でお願いをいたします。

 保険外併用療養の範囲拡大についてでございます。

 この点について、手続を事前規制から事後規制に転換することで、医療機関がこれを非常に利用しやすくなると考えておりますが、これは、医師会も御賛同いただける評価療養の拡大という方向でこの拡大を考えていくことも可能かと思います。

 具体的に、例えばテルモの人工心臓、これは、御承知かと思いますが、日本では保険適用になっておらずに、海外で手術を受けて、なかなか国内に帰ってこれない。例えばこういった問題も、保険適用になっていないものを迅速に適用できるように進めていただきたい。

 さらには、臓器移植法改正で、ガイドラインが今パブリックコメントに付されていますが、小児の臓器移植、実は私の地元でも、心臓移植をしなければ助からない一歳の赤ちゃんがおられます。こういった方々を、例えば特区の中で先進医療に位置づけ、当然ガイドラインも進めるんですが、そして、未承認の医薬品や医療機器の利用を一定の要件のもとで認めたりすることで、患者負担の軽減、技術の進歩を図ることも可能と思いますので、これについて足立政務官からお答えいただけますか。

足立大臣政務官 時間の関係で端的にお答えしたいんですが、その前に、先ほど仙谷大臣の方が、議員が指摘になった医療ツーリズムという言葉をお使いにならなかったことについて、厚生労働省は、コンセンサスとして、ツーリズムという言葉を使わないようにしようということにしております。

 なぜかと申しますと、今、WHOの総会が開かれております。長浜副大臣が出席しております。この中で移植に関する提言がまとめられると思いますが、そのもとになるイスタンブール宣言で、移植のための渡航と移植ツーリズムというのは明確に区別しておりまして、ツーリズムになると商業主義が入る、あるいは自国の移植の機会を奪うということで、非常にネガティブな言葉の使い方ですので、これは使わないというふうにしております。

 今、二点ございました。整理して考える必要があると思います。

 保険外併用療養、保険外の併用というのは、まず、世界で初めて行われるものをどうとらえるか。あるいは二番目は、世界で標準であるものを日本でやる場合にどうとらえるか。三番目は、日本初の適用外、未承認の使い方をどうするかという検討が必要だと思います。

 前半の二つについては、特に二番目につきましては、世界標準のものは今百九品目、トータルは三百七十四品目だったと思いますけれども、これを早くやるように、加算というものを用いまして、二年間で一千四百億、これを使って速やかに未承認、適用外を解決する。三番目の項目につきましては、まさにここが、日本初のものをどうやっていくか。それは新たな、今の先進医療という仕組みを少し抜けた形で、あるいは拡大する形で、臨床研究等を推進しながら、PMDAの関与も、事前の部分から関与しながら承認の期間を短くしていくというふうな試みが必要だと思います。

 それから、小児の移植のことがございました。これは七月十七日に施行されます臓器移植法の改正で、現時点では十五歳未満はドナーにはなれませんから、いかにいろいろな方法を考慮してもそれはドナーにはなれない。この七月十七日からは対象になるわけでございますから、まさに今、ガイドラインで大分変更をいたしましたし、パブリックコメントに今かかっている。それから、ドナーカードの記載の方法も大分変えておりますので、そういった、法が施行された後の対処ということになろうかと思います。

 ちょっと申しわけありません、ドラッグラグは、今、承認申請までが十八カ月、審査期間が十二カ月の、三十カ月のラグがあります。デバイスラグは、承認申請まで十二カ月、審査期間が七カ月という、十九カ月のラグがございます。いずれにしても承認申請までの期間が極めて長い。この部分を、五年間で三十五名から百四名にPMDAの人員をふやしておりますが、事前相談の部分を厚くする、このことが何よりも大事だ、そういうふうに考えております。

柚木分科員 一問だけ、副大臣に来ていただいたので……

吉田主査 簡潔に。

柚木分科員 済みません。簡潔にお願いします。

 馬淵副大臣、高速道路料金上限制についてお願いをいたします。

 政府が発表いたしました新料金制度を施行するための法案が三月十二日に国会に提出されております。ただ、四月十三日に衆議院国交委員会に付託されたまま議論が進んでおらないと認識をしております。また、四国の総合的な交通体系について議論する協議会についても開催されていないというふうにお聞きしております。これらの事実を考えますと、新料金体系の施行スケジュールは、今後非常に厳しいものがあると思っておりますので、一つは、場合によってはこの六月からの施行を、今のスケジュールでいうと延期も考えざるを得ないのではないかと私はちょっと認識をしております。

 もう一点は、その協議会の開催の見通しと協議内容について、料金一律制やフェリーなど別枠という提案が出ておりまして、その内容、見通しについて、大変恐縮ですが、短く御答弁をお願いいたします。

馬淵副大臣 まず、一点目の御質問でございますが、これは国会での審議というものを、私ども行政府の立場として、法案の一刻も早い審議をお願いしております。引き続き、国会に対しましては審議のお願いを進めていくということでございます。六月実施に向けてということは、現時点におきましては何ら方針は変わっておりません。

 そして二点目でございますが、四国関係者との協議ということでございますが、これにつきましては、四国地域における交通のあり方ということで、地元知事や経済界、関係の方々との意見交換の場の設置ということでございます。第一回目につきましても、今、知事さんの方々との日程調整を行っておりますので、できる限り早い段階で進めさせていただきたいというふうに考えております。

 また、総合交通体系の問題も含めまして、来年は、私どもは交通基本法の提出を考えております。総合交通体系の中で、車、飛行機、船、あるいは鉄道といった四つの機関の中で、それぞれの分担をどのように考えるかということも抜本的な議論として行ってまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

柚木分科員 終わります。ありがとうございました。

吉田主査 これにて柚木道義君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

吉田主査 これより外務省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門について審査を行います。

 まず、概要説明を聴取いたします。岡田外務大臣。

岡田国務大臣 平成二十年度外務省所管一般会計歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。

 歳出予算現額は九千六百九十一億九千二百八十二万円余でありまして、支出済み歳出額は九千四十一億二千三百三十七万円余、翌年度繰越額は五百十一億二千三百四十九万円余、不用額は百三十九億四千五百九十五万円余であります。

 歳出予算現額の内訳は、歳出予算額九千二十五億一千八百七十五万円余、前年度繰越額六百六十六億七千四百七万円余であります。

 以上、平成二十年度の外務省所管一般会計の決算につきまして、その概要を御説明いたしました。

 何とぞ、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。

吉田主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院太田審議官。

太田会計検査院当局者 平成二十年度外務省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。

 検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示しまたは処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項二件であります。

 まず、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。

 これは、政府開発援助の効果の発現に関するものであります。

 フィリピン等で実施された技術協力事業と円借款事業の連携を図るための実施設計調査において、その成果品がその後に実施される円借款事業の入札関係図書として十分に活用されていなかったり、フィリピンに対する無償資金協力事業において、建設された浄水施設等が使用されていなかったり、フィリピンに対する円借款事業において、修復等された鉄道が運行されていなかったりしている事態が見受けられました。

 このため、援助実施機関である外務省及び独立行政法人国際協力機構において、援助の効果が十分に発現するよう、新たな実施設計調査について、事業実施機関に対する同調査の目的、趣旨の説明等を十分に行ったり、浄水施設を建設するなどの事業について、計画策定時に事業の持続可能性を十分に検討するなどしたり、鉄道の修復等の事業について、事後モニタリング等により維持管理体制等についての提言等がなされた場合は、それらを踏まえた対応を事業実施機関と十分に協議、検討したりするよう意見を表示いたしたものであります。

 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。

 その一は、国の援助を受けて取得した日本人学校の校舎等の売却に際して、当該校舎等の残存価額に相当する援助金を国庫に返納させるとともに、援助により取得した財産を処分する場合には、売却益の有無にかかわらず残存価額に相当する援助金を国庫に返納させるよう改善させたものであります。

 その二は、健康管理休暇に際して支給される航空運賃を経済的なものにすることなどにより、健康管理旅行費を節減するよう改善させたものであります。

 なお、以上のほか、平成十九年度決算検査報告に掲記いたしました政府開発援助の効果の発現について意見を表示した事項につきまして、その結果を掲記いたしました。

 以上をもって概要の説明を終わります。

 引き続きまして、平成二十年度独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。

 検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示しまたは処置を要求した事項一件であります。

 これは、政府開発援助の効果の発現に関するものであります。

 フィリピンに対する円借款事業において、修復するなどした鉄道が運行されていなかった事態が見受けられました。

 このため、援助実施機関である独立行政法人国際協力機構において、援助の効果が十分に発現するよう、鉄道の修復等の事業について、事後モニタリング等により維持管理体制等についての提言等がなされた場合は、それらを踏まえた対応を事業実施機関と十分に協議、検討するよう意見を表示いたしたものであります。

 なお、以上のほか、平成十九年度決算検査報告に掲記いたしました政府開発援助の効果の発現について意見を表示した事項につきまして、その結果を掲記いたしました。

 以上、簡単でございますが、説明を終わります。

吉田主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。岡田外務大臣。

岡田国務大臣 ただいま会計検査院から御指摘のありました政府開発援助の実施につきましては、会計検査院の検査の結果を踏まえ、援助効果が十分発現するよう、相手国等との協議、検討を十分に行うなどにより、所要の措置を講じてきております。

 今後とも、より効果的な政府開発援助の実施に努めてまいる所存であります。

吉田主査 次に、緒方独立行政法人国際協力機構理事長。

緒方参考人 平成二十年度決算検査報告において、フィリピン国鉄南線活性化事業について、政府開発援助の実施に当たり、援助の効果が十分に発現するように意見を表示いただいた事項につきましては、御指摘を踏まえ、今後の事後モニタリング等における提言については、事業を実施する主体は相手国政府及び実施機関であるものの、可能な限りその実現を図るべく、引き続き、提言時に相手国政府及び実施機関と十分に協議してまいりたいと存じます。

吉田主査 この際、お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

吉田主査 以上をもちまして外務省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

吉田主査 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅川洋君。

菅川分科員 民主党の菅川洋です。

 本日は、質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。

 岡田外務大臣におかれましては、常日ごろより広島の方に足を運んでいただき、また、民主党の核軍縮議連で先頭に立って核軍縮に取り組んでいただいたこと、非常に心強く思っております。感謝をいたしております。

 また、先日、ヒロシマ・ナガサキ議定書のNPT再検討会議での採択に向けて市民活動をしております「Yes!キャンペーン」実行委員会というものが広島にあるわけでありますけれども、この方々が東京に来まして、武正副大臣、御懇談いただきまして本当にありがとうございました。

 今、NPT再検討会議がニューヨークで五月三日から行われております。今月の、五月二十八日まで会議が行われるわけでありますけれども、核兵器の問題というものは広島市民にとりましても非常に大きな問題であります。戦後、ことしで六十五年がたとうとしている中、この間ずっと核兵器というものが軍備の中でその中心の位置を占めている、また軍事力をあらわす指標にもなっていることが全く変わってきませんでした。

 そんな中、私が言うまでもありませんけれども、広島、長崎で被爆をした方、またこの被爆体験を聞き、伝えていっている方々にとりまして、とにかく核兵器の悲惨さというもの、これは唯一の被爆国である日本しかわからないことでありますから、やはり世界じゅうに伝えていくことが必要であると思っております。

 そういった活動をずっとされている方々がいる中で、二〇〇九年の四月五日、オバマ大統領がプラハにおきまして、核のない世界、この方向へ向けての演説をされました。これは、今までの核軍備から方向が大きく、ここで変わったのではないかと思っております。

 そして、この流れをくんでの今回のNPT再検討会議が開かれているわけでありますけれども、前回の五年前の会議では、それこそ余り成果のあるものでなく終わってしまいました。今回は、次の時代に向けて、核兵器のない世界への流れをつくるための大切な会議だと思っております。

 この会議におきましての日本政府のスタンスをお話しいただきたいと思っております。日本政府からは福山外務副大臣が一般討論演説を行ったと伺っておりますが、その内容についてお伺いをしたいと思います。

武正副大臣 五年前のあの検討会議で最終合意を達成できなかった、このことを繰り返してはならない。こういった中で、日本政府として臨んでおりますこのNPT運用検討会議、今、菅川委員の、選挙区広島ということからも、これまで取り組んでこられたさまざまな経験、あるいは先ほども「Yes!キャンペーン」のお話もありましたし、そうした思いを込めた質問ということで承りました。

 今御指摘のように、福山副大臣が日本政府を代表して演説を行う。これまでも岡田外務大臣が、オーストラリアの外務大臣との合意なども含めて、このICNNDのさまざまな取り組み、こうしたものを生かした、また、あるいは先ほどの「Yes!キャンペーン」の皆さんのヒロシマ・ナガサキ議定書、こういったことの思いなども含めた、そうした演説。また、唯一の被爆国としての日本の決意、リーダーシップを発揮していくんだ、こういったところが福山外務副大臣からメッセージとして十分伝わったのではないのかなというふうに思っております。

 そうした中で、日本政府としては、先ほど触れましたように、何としても合意形成を図っていく、このために汗をかいていく、リーダーシップをとっていくということでございまして、実際のところ、第一週にも、米国が五千百十三発ということでの核兵器の保有数も公表したこと、そしてまたインドネシアがCTBTの批准手続の開始を表明するなど、大変前向きな雰囲気が醸成されているのは確かでございます。

 しかし、各国の立場の違いによる対立が浮き彫りになる可能性がありまして、また、イランの核問題等の要因もあわせ、先行きは楽観できないというふうに思っておりますが、引き続き全力を挙げて合意形成に向けて臨んでまいりたいというふうに考えております。

菅川分科員 ありがとうございます。

 武正副大臣の、それこそ合意形成に向けて、汗をかき、リーダーシップをとって頑張っていくというお言葉に非常に励まされる思いであります。

 また、先日の福山外務副大臣の演説の中で、鳩山総理のメッセージを読まれておりました。その中に、唯一の戦争被爆国である我が国は、核廃絶に向けて先頭に立って行動する道義的な責任を有しているというような言葉も紹介されました。ぜひとも先頭に立って頑張っていただきたいと思っております。

 このNPT再検討会議、五月三日から始まりまして二週間近く経過いたしました。そして、先週の金曜日には早々に合意文書の素案というものが発表されました。この素案の中に、具体的な期限を明示していたり、また法的な仕組み、核廃絶に向けた工程表の作成、二〇一四年には国際会議を開催するという、いろいろな具体的な内容が本格的な取り組みとして中に盛り込まれていると思っております。

 この内容について、日本政府としては今どのようにお考えでしょうか。

武正副大臣 議長テキストが金曜日に配付をされて、今週その交渉が各国間さまざまなレベルで始まっているということでございます。

 それぞれ、いろいろなグループがあるわけでありまして、各国の賛同を得るために、それぞれのグループに合わせた提案が行われているというふうに理解をするところでございます。不拡散についてもしかりということであります。

 また、前回、五年前、合意形成の阻害要因であった中東決議なども含めて、さまざまな形でそうした合意形成に向けた取り組みが行われているということで、この議長テキストについても、日本政府としても、これをもとにその合意形成に向けて臨んでまいりたいというふうに考えております。

菅川分科員 なかなか難しい課題ではないかと思っております。それこそ核保有国と非核保有国との間での、どうしても考え方のギャップというものもあると思いますし、また、核軍備を進めようと思っている国の思惑というものもあると思っております。そういった難しい調整というものが必要なのかもしれませんが、二十八日まで、まだまだ時間があると思っております。この時間の中で、やはり五年前の形を繰り返さないようにするためにも、しっかりと成果があるものにしていっていただきたいと思っております。

 今後の日本政府の取り組みについて、決意を込めて、できましたら岡田大臣にお願いします。

岡田国務大臣 まず、先ほど武正副大臣からもお話が出ましたが、前回の失敗を繰り返してはならない、合意文書をしっかりまとめる必要があるということであります。ただし、事態はそう楽観を許すものではなく、さまざまな利害が錯綜しております。イランの核の疑惑もあります。そういう中で、合意文書に至るかどうかということは必ずしも簡単な話ではございません。

 しかし、前回と違い、今回は失敗は許されないという、そういう共通の思いというのは、私は多くの国にあるんだろうというふうに思っております。そういう中で、これから本当の意味での交渉が行われるということでありますが、ぜひ意義のある、そういった文書に合意することを目指してしっかりやっていきたいというふうに思います。必要があれば、また閣僚レベルで協議をするということもあるかもしれません。

 いずれにしても、しっかりと結論をまとめるということ、意味のある結論をまとめるということについて、日本政府としては全力を挙げていきたいというふうに考えているところです。

菅川分科員 非常に勇気の出る言葉をいただきまして、ありがとうございます。ぜひとも合意形成に向けて全力を尽くしていただきたいと思っております。

 次に、話はかわりまして、今度は決算の方の話をさせていただきたいと思います。

 二〇〇七年一月の東アジア・サミットを受けて、二十一世紀東アジア青少年大交流計画というものがつくられていると聞いております。二〇〇七年では、これは補正予算でこの交流計画、それこそ高校生や青年を初めとする、東アジアの方々と日本の交流事業ではありますけれども、この事業は三年経過したところであると伺っておりますが、三年間行ってきて、初めての取り組みですから、うまくいったこと、うまくいかなかったところとあると思います。その点について評価をどのようにされているのか、お聞かせいただきたいと思います。

武正副大臣 二十一世紀東アジア青少年大交流計画でございますけれども、日中韓の東アジア地域における青少年の交流を進めていこう、大規模な青少年交流事業が三年間ということで行われてきたというふうに考えております。

 ちょうど岡田外相が日中韓の外相会談を終えたばかりでありますし、月末には日中韓の首脳会談が予定をされているということでありまして、日中韓の相互交流あるいは信頼醸成、それにはやはり青少年の交流が欠かせないんだ、こういったことが着実に実績を上げている。具体的にはお互いの国に対する理解が深まるということで、それぞれ隣国であり、過去、歴史的にもいろいろなかかわりのあった隣国ゆえに、ともするとこうした、ある面の誤解が生じたり、偏見とか先入観を持ちがちなところを、青少年の目からしっかりとそれぞれの国を見てもらおう、こういったことでの交流である。その成果は着実に実績を上げているというふうに思っております。

 こうした事業については、事業の運営というものが大変大事になってまいりますので、その運営主体である日中友好会館あるいは日韓文化交流基金という実施主体ということがより効果的な実施主体たり得べしということでかかわってもらっているというふうに思っております。

 そうした効果をより上げていくといったところがこれまで十分できているわけでありますが、それをさらに効果的に進めていくということが必要だというふうに思っております。

菅川分科員 日本の位置する、この東アジアの中で、それこそ文化、考え方、また土地の広さ、その他いろいろな形で、違いのある国々で文化的な交流、また、お互いに行き来することによってお互いを深く理解するというこの事業に関しまして、非常に有意義なものであると私は思っております。政治的なレベルのものよりも、やはり民間で、それこそ高校生のように若い方々が、とにかく何の雑念もフィルターもなく相手の国に行って、隣国の状況を肌で感じて、それをこれからの友好につなげていくという点に関しましては、非常に有意義なものであると思っております。

 ただ、私がちょっと心配というか疑念があるのは、補正予算によってこの事業というものが、五年間の事業経費三百五十億というものが拠出されています。そして、その拠出先としてASEAN事務局、SAARC事務局、財団法人日中友好会館、財団法人日韓文化交流基金となっているわけでありますけれども、言うなれば、五年分のお金がそのまま国の機関の外に出ていく、特に、財団法人というのはいわば民間の法人でありますので、こういったところに五年分のお金を拠出することになった経緯もしくはその理由というものをお聞かせいただきたいと思っております。

武正副大臣 これは、先ほどサミットにおける首脳間の合意という、非常に高いレベルでの合意の中で補正予算が組まれて、当然、三国間のそうした首脳間の合意でありますから、長期的な計画、長期的な期間で日中韓の青少年交流を行うんだ、こういったことで、五年間ということでこの予算を組んだということでございます。

 今、菅川委員御指摘のように、外部の公益法人がこうした基金というような形で五年間にわたって事業を行うということに対しては、やはりしっかりとしたチェック体制が欠かせないというふうに認識をしておりまして、この二月、三月に、外務省に設けました独立行政法人・公益法人見直しタスクフォースの中でも、特に財団法人日韓文化交流基金の事業に対しても、しっかりと副大臣、政務官が中心となって、外務省のそれぞれの担当課も呼んでチェックをし、さらに効果的な運営といったことを協議し、議論をしたところでございます。

菅川分科員 まさに、今のチェックの話を次に伺おうと思っていたところであります。

 やはり外にお金が出ていく、しかも五年分の経費で。かつ、これは国の事業としてしっかりやっていくべきだと私は思っておりますので、その使い道、要は支出した先をもっと適正にしていくことが必要ではないかと思っております。

 そうなりますと、外務省として、お金の使い道について本当に適切だったのかどうか、また、ほかに節約することができなかったのかとか、事業の結果を毎年チェックするというようなことは今までは行っていたんでしょうか。

武正副大臣 外務省の中にそうした予算の執行をチェックする仕組みというのは当然組織として備えているわけでございます。

 ただしかし、新政権となりまして、特に予算執行状況を政務レベルが先頭に立って見ていこう、そして、それを新年度の概算要求に生かそうということで、予算監視・効率化チームを二月に発足させまして、ちょうど今、この四月、五月と、行政事業レビューということで、外部の専門家も四名入れまして、二十一年度の予算執行状況をつぶさに洗っているということでございます。

 これは六月の中旬に公開もし、そして概算要求八月末提出に向けて、お金の使い方を、前々年度でありますが、それを新年度の予算編成に生かしていくということを、繰り返しますが、政務レベルが先頭に立って今進めているというところでございます。

菅川分科員 なかなか積極的な取り組みをされ、予算監視・効率化チームという、外部の方も入れてやられるというのは非常に透明性の高いものになるのではないかと期待をしたいところであります。

 そうしますと、その監視・効率化チームの結果が出る前になにかもしれませんが、昨年の事業仕分けを受けて、この財団法人二者について、基金を一部国庫に返納するというような話を伺っております。具体的に言いますと、これは日中友好会館のものですけれども、当初計画が九億五千万だったものが、実施経費が平成十九年度で十億三千三百万。それで、ずっと今までの経緯を見ますと、仕分けによる返納が八億三千四百万出るという話を伺っております。

 また、仕分けによる返納予定額が八億三千四百万あるんですけれども、昨年の平成二十一年度に計画は十八億だったものが実際には事業で経費として十三億五千万使っているわけですけれども、二十二年度も二十三年度も、昨年度と同じように十八億で予算が計上されています。

 ですから、昨年の実績が十三億五千万、その前の年が十四億九千二百万、その前が十億三千三百万という中で、また、ことし、来年と十八億ずつとなっているということに関しましては、もともとの、今までのものに関しては国庫に返納する、でも、今の実施計画そのものは見直しをしないということになったんでしょうか。

武正副大臣 昨年の事業仕分けの結果を踏まえまして、今後二年間の交流事業計画について、相手国との関係で支障がない範囲で、単価の見直しなどによりできる限りの経費削減を行った結果、日中友好会館及び日韓文化交流基金が実施する事業について、それぞれ八・三億、七億の経費を節減し、国庫に返納することにしたということでございます。

 今の御指摘の点でありますが、十八億の予算計画でありましたけれども、これは新型インフルエンザの関係でできなかったことがあったということでありますが、それは多分二十一年度までの話だというふうに思っております。

 二十二年度、二十三年度、十八億ということは、先ほどの全体の事業予算の中で、五年間でということで多分組んでいるということだと思いますが、今委員御指摘のような、いかに節減をしていくかといったことの視点で今年度についても臨んでいくということだというふうに思っております。

菅川分科員 やはり税金を使っての事業ですので、特に外にお金が出ているという点に関しましては、しっかりとした監視が必要なのではないかと思っております。

 そういった意味で、お金の使い道というものは非常にチェックが難しい面があるわけですけれども、財団法人日中友好会館で入札をして、この交流事業について事業の実施を行っていると思います。

 この入札に関してなんですが、中国から青年代表受け入れに関して企画競争という形をとられているんですけれども、この企画競争というのはどういった形で審査をされて、どういう基準で委託先を決定しているのか。外務省として、調査というかチェックをするようなことはされているんでしょうか。

武正副大臣 この日中友好会館につきましては、会館の中でそうした審査委員会を設けて審査をするという仕組みをとって、それを外務省として指導監督するということでございます。

 ただ、外務省について申せば、企画競争について、これまで省内で、やはりその担当課以外から、担当課もそうですけれども、担当課以外からも例えば二名ずつとか審査官を出して、それで点数をつけるというようなやり方をやっております。

 先ほど言ったような独法や公益法人の見直しということの中で、できるだけ担当課の比率を減らそうではないかというようなことも見直しをしているところでありますので、委員御指摘の、外部の財団法人で、しかも基金があって、複数年積み上げられている、なかなかそれについて目が届きにくいというようなことがもしあるとすれば、今のそうした企画競争についても、しっかりと外務省としてもチェックをしていきたいというふうに思っております。

菅川分科員 ほかからきちっと、まさに疑いのないような形というのが必要なのではないかと思っております。特に入札の場合は、いろいろな申請というものも排除するためにどうしていくかというのが非常に課題になるところでありますので、安ければいいというわけではありませんけれども、企画の中身もしくはその金額について、その審査の公平性というものが大事だと私は思っております。ですから、その公平性を担保するためにも、民間の財団法人に任せ切りということではなくて、やはり外務省がしっかりとその中身をチェックしていくということも必要なのではないかと思っております。

 といいますのも、毎年大体どうも二千人ぐらいの中国の高校生の方を招聘されているようなんですけれども、この招聘されている事業の中で、入札して平成二十二年度の委託先が決まったようなんですが、一つが財団法人日中友好会館、これが五百五十名、もう一つが財団法人日本国際協力センター、五百五十名、また、社団法人日中友好協会、これが六百名、社団法人青年海外協力協会というところが六百名というふうに伺っております。

 この名前、日中友好会館、日本国際協力センター、日中友好協会、青年海外協力協会という、これはまさに外務省所管の法人ばかりが並んでいるような気がするんですが、これは本当に公平に行われたのかどうかというのは非常に疑問に思われるところなんですけれども、その点に関しまして御意見をいただきたいんです。

武正副大臣 先ほど触れましたような企画競争での決定ということでありますが、こうした青少年交流事業にかかわるそうした応札というものが、どうしてもそうした青少年交流団体が多くなっていくというのはこれまでの経緯ということであろうかというふうに思っております。

 ただ、今、外務省の外郭団体という指摘もありましたし、できる限り税金を効率的に使うという観点からも、今回、この独法・公益法人見直しタスクフォースの中でも、民間企業がもっともっと説明会にたくさん来られないのか。あるいは、場合によっては、ほかのいろいろな契約ですけれども、一者応札というのが結構あるんですね。ですから、なぜ応札できないのか。それは多分企画競争の応募要件が何か限定をしているのではないのか。こういったところもかなり細かくチェックをし、そうした応募要件の緩和、あるいはまた、そうした民間企業などが応札しやすいような条件、こういったものをそれぞれの公益法人について指導してきた、そういった経緯がございます。

 その中で、この二十一世紀東アジア青少年大交流計画についても同様のそうした指導をしているわけでありますが、改めて委員の御指摘の点も踏まえて臨んでまいりたいというように思っております。

菅川分科員 ありがとうございます。

 やはり疑念を持たれないというものが大切なことであると思っております。

 特に、青少年の交流ということになりますと、参加される方々にとって、後で失望するような形だけはないようにしていただきたいと思っておりますし、こういった交流事業というものは、それこそ、最初に伺ったとおり、やはりお互いの歴史的な認識もしくは誤解がないようにやっていくことが必要だと思っております。

 そういった意味で、公平性を担保して、私としてはこういった交流事業というものを今後とも継続して行っていっていただきたいと思っております。前回は補正予算という形でこの予算がついたわけでありますけれども、再来年になったら、もうこの期限が来てしまうと思いますが、ぜひ、今後継続してこの事業が行われるように、当初予算の中でも考えていただければと思っております。

 ぜひともこれからに向けて、この事業を継続するかどうか、まだ検討するところには入っていないと思いますが、最後に、今後どのようにしていくか、今のところのお考えでも教えていただければと思っております。

武正副大臣 先ほど触れましたように、これは三カ国の首脳の合意のもとに始まった事業ということでございます。

 ただしかし、日中韓の外相会談、そしてまた月末には日中韓の首脳会談、そういった中でこうした青少年交流の重要性がまた強く指摘をされるというような中で、そうした予算というものが、これは二十三年度で、五年間ということでこれまでスタートしてきたわけでありますが、改めてまたということは十分考え得るというふうには考えております。

 ただ、当然、全体的な財政の状況、そしてまた、やはりその中での選択と集中ということで考えていくということになろうかと思います。

 青少年交流の重要性については、菅川委員御指摘のとおり、そのことについては同様の考えを持っております。

 以上でございます。

菅川分科員 ありがとうございました。

 以上で終わります。

吉田主査 これにて菅川洋君の質疑は終了いたしました。

 次に、柴山昌彦君。

柴山分科員 自由民主党の柴山昌彦です。

 まず初めに、通告しておりませんけれども、新しい動きがありましたので、お伺いします。

 北澤防衛大臣が、きのう、長野市内の記者会見で、米軍普天間飛行場の移設に関する政府の基本方針について、負担を一部沖縄にお願いせざるを得ないということを基本に、それをはるかにしのぐ形で負担を全国展開することの大枠を決定するのが五月末決着の大筋だと述べられました。

 岡田大臣、こうした準備を政府で進めているというのは事実ですか。

岡田国務大臣 普天間基地の危険性除去、そして移設の問題について、今、政府の中で、関係五大臣が中心になってさまざまな検討を行っているところであります。今御指摘のような、そういう具体的な内容について、特にそういうものが決まっているわけではございません。

柴山分科員 特に決まっていないということであれば、これは北澤防衛大臣の単独プレーということでよろしいんでしょうか。

岡田国務大臣 今、関係五閣僚でいろいろ議論していることについて、詳細を申し上げるべきではないというふうに思います。

 ただ、北澤大臣がおっしゃったことについて、私は、そういったものを、具体的なものについて承知をしているわけではございません。

 しかし、言えることは、沖縄の負担をできるだけ減らす、そういう総理の強い思いの中で、一体何ができるのかということを、今さまざま検討を行っているというところでございます。

柴山分科員 今、関係五大臣ということをおっしゃったんですけれども、この動きがきちんと成案になるかどうか。最終的には政府として決着を図らなければいけないわけです。それは、社民党の福島大臣も含む政府の方針としてきちんと決まる見通しであるということでよろしいんでしょうか。

武正副大臣 関係閣僚で、この普天間移設、また米軍再編についての政府としての考え方をこれまでも協議し、また、基本政策閣僚委員会、そうした場も通じて、そしてそのもとに、私もメンバーでありますが、沖縄基地問題検討委員会、これは、三月中旬までそれぞれ委員のレベルで案をつくって、それを官房長官、委員長のもとに提出というようなことで、与党として、委員のレベルでありますが進めてきた、こういった経過でございますので、福島大臣も含めまして、それぞれしっかりと協議をして意見を整えていくということだというふうに思います。

柴山分科員 もう私が改めて申し上げるまでもなく、福島大臣は、何が何でも、県内ということでは賛成しないということをずっと一貫しておっしゃっているわけです。そのような中で、果たしてそういうような、今武正さんがおっしゃったような具体的なプランというものが成案を見るのか、極めて疑問です。

 また、岡田大臣は、先ほど、北澤防衛大臣の具体的なプランについては承知をしていないというようなことをおっしゃったんですけれども、今週二十一日には、クリントン国務長官が来日の上、岡田大臣と協議をされるということです。また、北澤大臣は今月下旬にも訪米してゲーツ国防長官と会談をされるということでありまして、こういった実際にハイレベルの、大臣クラスがお互いにほとんど軌を一にしてお話をするということは、そういった具体的な案を想定して、まず米国側の了解を得るとともに、また、六月以降も含めた今後の進め方を協議するための会合なのではありませんか。

岡田国務大臣 いろいろな報道がなされておりますけれども、クリントン長官が日本に来るのかどうかということはまだ正式な発表にはなっていないと思いますので、そのことについてコメントするのは適切ではないというふうに思います。

 ただ、仮に、今、例えば今週のどこかでということを考えたときに、普天間の問題のためにクリントン長官とお会いするということではないだろうというふうに思っております。

 今、日米間で急いで意思疎通をしなければならない問題は、一つは韓国艦船の沈没の問題であり、もう一つはイランの核疑惑の問題であります。その二つの問題を日米間でハイレベルで意思疎通しなければいけないということは、機会があればぜひそういったことを行いたいというふうに思いますが、普天間の問題がそういう段階に来ているというふうには私は必ずしも思っておりません。

柴山分科員 先ほど関係五大臣のお話をお伺いしました。そして今、岡田大臣から、確かに喫緊の課題としては、御指摘の韓国の哨戒艦の沈没の問題あるいはイランの核疑惑の問題、そういったものがあるのであろうということはわかりますけれども、お互いに防衛省あるいは外務省の間で、この五月末というように総理が期限まで区切った形の普天間飛行場の問題について、しっかりとした意思疎通ができていないというのは、私は極めて問題だと思います。

 このことはぜひ防衛省にも見解をお伺いしたいと思うんですけれども、本当にそういうようなレベルで、今、具体的な素案、政府としての検討案というものはまとまっていないということでいいんでしょうか。

楠田大臣政務官 済みません、通告を受けていないものですから時間をかけましたが、さまざま、負担の軽減策等、そうしたことをもちろん議論しておりますけれども、具体的なお答えについては差し控えさせていただきたいと思います。

柴山分科員 非常に納得がいきませんが、とりあえず次の質問に移ります。

 やはり米軍の問題ですけれども、私の地元の所沢市に、米軍が進駐以来占有している基地があります。現在は通信基地となっておりますけれども、九十七ヘクタールもの広大な土地が、市の中央部、市役所のすぐ近くに位置しております。この基地の全面返還が市民の願いとなっているんですけれども、岡田大臣は、この場所にこれだけの基地が果たして本当に必要であるとお思いでしょうか。

武正副大臣 柴山委員の御指摘の所沢の通信基地、私もよく地元に伺いますので、過去、二百七ヘクタールが返還をされてきた、その中に当然、防衛医大とか市役所がある、あるいは航空記念公園があるということは理解をするところでございます。今、その九十七ヘクタールが通信基地として現存しております。

 米側については、航空機、艦船等の通信任務上、現在の規模が必要であるというのが米側の立場。他方、地元所沢市からのそうした返還要求、御要望も踏まえまして、現在、いわゆる東西の連絡道路用地の返還に取り組んでいるところでございます。

柴山分科員 おっしゃるとおりでして、これは実は、前の政権において、私が外務政務官の時代に、地域の皆様の御努力が実りまして、市の当局あるいは議会、市民の方々を交えた基地対策協議会が、地上式の東西連絡道路の開設に向けて再開をされました。

 そこで、防衛省にお伺いしますけれども、昨年の政権交代の時点で、この米軍通信基地の東西連絡道路の問題はどのような状況にあったんでしょうか。

楠田大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 委員も御承知のとおり、昭和四十三年以降、全面返還の要望が続いております。その中で、平成十四年に至りまして、全面返還までの当面の解決策として、東西連絡道路用地の早期返還を強く要望してきたものであります。

 その後、これを受けまして、平成十五年から十七年にかけて、当時の防衛施設庁が返還要望地付近の調査などを実施して、用地の返還について米側との調整を行ってきた。その後、平成十八年四月、所沢市から返還要請書の提出があり、防衛施設庁として、同年七月、米側に対して返還を提案し、以後、日米間で返還の実現に向けた協議が行われてきた。

 その結果としまして、米側から、既存の施設、通信局舎やアンテナ等の移設などを日本側において実施することを条件に、用地の返還に同意する考えが示された。これを踏まえて、平成二十一年八月、政権交代前の時点で所沢市に対し米側の返還条件の概要を提示し、その後、同市及び米側との間で用地の返還に向けた具体的な調整を実施している。

 これまでが政権交代までの状況であります。

柴山分科員 具体的に米軍側からそういう提案がされましたと。

 それで、実は八月中に、つまり政権交代の前に、この移設に伴うさまざまな費用の調査というものが予算立て、概算要求の中に盛り込まれました。その概算要求は、そのまま今年度予算に盛り込まれたということでよろしいかと思います。

 ちなみに、次回の所沢市の基地対策協議会というのがあさって、十九日に開催されるんですけれども、政権交代後、もし何らかの新しい状況の変化があれば報告をされるのかなと思いますけれども、そういった新しい状況の報告というものは想定されているんでしょうか。

楠田大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 先ほど申し上げました米側の返還条件であります既存の施設の移設につきまして、平成二十一年十二月、所沢市から、市の負担をできるだけ軽減するよう要望がなされたところであります。

 一方、一般論として、地元要望に応じて行われる米軍施設の一部土地の返還に必要な施設の移設に関する経費は要望者が、受益者が負担することが適当であるというのが一般論でありますが、その中で、政権交代後も当省としては、米側の返還に伴い必要となる施設の移設等の経費をまず全体としてできるだけ削減すべく、米側や所沢市と精力的に調整を行っているところであります。

 具体的に言えば、具体的な施設について、その内容や移設方法等について米側と会議の場で日米の担当者による調整を行うとともに、返還条件の実施に係る経費負担のあり方等について所沢市との調整を継続的に行っているところである、そうした状況であります。

 今後とも、所沢市の経費負担をできるだけ抑えられるように鋭意検討して、可能な限り早期の返還実現に向けて努力してまいる、そうしたものが今の状況であります。

柴山分科員 政権交代からこの方、まず市の要望ということで、所沢市の負担をなるべく減らすように要望があった、そしてそれに伴って具体的な実施方法について今協議をされているということで、特に新しい状況というものは生じていないかと思います。

 ところで、今政務官が御指摘になったように、この東西連絡道路の設置については、事業者負担、要するに事業者である所沢市の一部負担が求められているわけなんですけれども、今示されている案は、道路設置に伴って返還される予定地、要するに、直接道路が通るところ、ここに係っている施設の移転は市の負担とする、そしてその周辺にある施設については保安用地確保のために移転する分を国が負担する、こういう内容となっております。

 これは一体どういう理念に基づく案なんでしょうか。国が負担するという周囲の保安用地確保というのは、いかなる根拠に基づいて必要なんでしょうか。

楠田大臣政務官 先ほども申し上げましたように、本件につきましては、まず一般論として、地元要望に応じて行われる米軍施設の一部土地の返還に必要な施設の移設に要する経費は要望者が負担することが適当と考えられる、これが我々が考えております、まず前提であります。しかしながら、今までの累次のさまざまな御指摘を踏まえ、また議論を踏まえまして、防衛省として、経費負担の方法について柔軟に検討してきたというところであります。

 先ほど委員の御指摘にもありましたように、返還予定地に存する施設の移設に要する経費については所沢市の負担といたしているところでありますが、これは、先ほどの一般論からしても、当然、道路になる部分ということでありますので、この点は地元負担というのはお願いせざるを得ない。

 一方で、保安用地の確保といいますのは、二〇〇一年のいわゆる九・一一テロ以降、米軍側の考えといたしましても、一定の保安距離、施設・区域の境界から二十メートルから三十メートルに所在する部分は、そこに建てないように保安用地を確保する、そうした相手側の取り決めもあるものですから、防衛省としましては、この保安用地の確保の部分のために必要となる施設の移設に関する経費については国で負担することもやむを得ないという考えのもと、こうした検討を行っているというところでございます。

柴山分科員 幾つもお聞きしたいことが出てきました。

 まず、二十メートルから三十メートル、要するに、一般の方が通るところから、テロを防ぐために距離を確保しなくちゃいけないというようなことは、今取り決めというふうにおっしゃいましたけれども、何らかの文書的な根拠があるんでしょうか、それをまず一点お伺いしたいと思います。

楠田大臣政務官 こちらは米軍の部内の規則であります。

柴山分科員 その部内の規則については、あらゆるところできちんと守られるコンクリートな規則なんでしょうか。

楠田大臣政務官 あらゆるところでというところは今の時点で調査に至っておりませんが、あくまで米軍の中での規則であります。

 そして、米軍自体との議論の経過の中でこれは返還されるということになってきたわけでありますし、また、その米軍の施設との関係でこうした保安用地の確保を要望されているというところでありますので、この点は尊重する必要があると考えております。

柴山分科員 要は、結局、所沢市がほとんどすべての費用を負担して、この保安用地というところについての施設については結局のところ国が負担をする必要がなくなったと、市がだまされるような形で市に負担が押しつけられるというようなことがあってはならないというふうに私は思っているんです。いずれにせよ、そこのところはしっかりとした根拠をぜひ示していただきたいと思います。

 また、そもそも論なんですけれども、この道路に係る施設については日本側で撤去するということを条件に話が進んでいるということなんですけれども、例えば、在沖縄米軍海兵隊のグアムへの移設費用についてはアメリカが四割を負担するわけですね、当初は二割五分だったわけですけれども。この件について、米側が一切費用負担をしないでいいというのはなぜなんでしょうか。

楠田大臣政務官 この点は、米側に、今回新たに返還をして工事をする必要性がないからだと考えております。

柴山分科員 ちょっとよくわからなかったんですが、要するに、アメリカ側にとってメリットがない、そういうことを言いたいんですか。

楠田大臣政務官 あくまで地元の要望のもとでこの道路建設を行うわけでありますから、アメリカ側のメリットはないと考えております。

柴山分科員 それでは、沖縄の海兵隊がグアムへ移設するということのアメリカ側のメリットというのは一体何だったんですか。

楠田大臣政務官 その点、さまざま議論があると思いますが、当然、グアムに移転をして、それを新たに米軍が使用するわけでありますから、米軍にメリットがあるのは、一部それがあるというのは明白ではないでしょうか。

柴山分科員 例えば、撤去したさまざまな施設を本国に持ち帰ってそれを再び利用する、これもメリットなわけですよ。

 私は、もし政務官でなくて例えば事務局の方がきちんとした答弁をされるのであれば、事務局が答弁していただいて結構です。私は、政治主導というのは、政治レベルが答えることが政治主導だとは思っておりません。質問者が事務局を指名したら、事務局にきちんとした正確なお答えをしていただく、それはこちら側に任せていただくのが政治主導だと思っておりますので、国会法の改正なんかもありますけれども、私は極めて疑問に思っております。

 ちなみに、本来、米軍基地の問題は、日米地位協定に基づいて国が費用を負担するのが筋だと思いますけれども、先ほど来、事業者負担、事業者負担とおっしゃいますが、自治体が費用負担するのはその趣旨にもとるんじゃないでしょうか。

楠田大臣政務官 御指摘もありましたけれども、私は、今の責任ある立場での正式なお答えとして考えていただければと思いますので、お答えをさせていただきます。

 先ほど来申しておりますように、我々の原則論、一般論として、地元要望に応じて行われる一部土地の返還でありますので、受益者負担というのが原則だと考えております。

柴山分科員 実際に基地関係の返還に伴って自治体でそういう費用負担をしているというのは、どういう実績があるんでしょうか。

楠田大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 既存の施設の移設経費を地方自治体が負担した例は数々ございますが、代表的な例を挙げさせていただきますと、道路拡幅事業に伴い多摩サービス補助施設、また、厚木海軍飛行場の一部土地の返還を行った際に、要望者である地方自治体が境界さく、倉庫等の施設の移設に伴う経費を負担しているという実績がございます。また、相模原住宅地区、赤崎貯油施設等々、さまざまな例があるというのが実際であります。

柴山分科員 果たしてそういったケースが本件に妥当するのかということは、ぜひきちんとした検証が必要になってくるのじゃないかなというように思っています。

 岡田大臣、これまで鳩山総理御自身が、先ほど申し上げたように、五月末までに、米国のみならず移設先の同意などを得て解決のめどをつけるとしていた普天間飛行場の問題ですけれども、その解決自体極めて難しい状況となっております。こういった状況や米国との関係の変化がこの所沢通信基地の決着に影響するんじゃないですか。

岡田国務大臣 どういう趣旨でおっしゃっているかわかりませんが、私は、何かあると、普天間の問題が関係しているということを根拠なく言われることが非常に多いものですから、何か具体的なことがあればぜひ御指摘をいただきたいと思います。

 最近、何かあると普天間、あるいは何かあると中国ということが非常に多過ぎるように思っております。

柴山分科員 実際に、基地対策協議会も、前回開催されたのが十月五日、その前が九月二日だったんですけれども、そして次回開催されるのがあさってということで、かなり間をあけております。

 そして、岡田大臣、何よりも北澤防衛大臣が、この所沢米軍通信基地について取り上げられたことし二月二十五日の予算委員会第一分科会で、こういうふうに述べておられるんですよ。基地が存在する、これは所沢の米軍通信基地のことです、基地が存在するということは地域の皆さんに大きな負担と懸念を醸成しているわけでありまして、これは沖縄の普天間の返還協議とそれぞれみんなリンクしておるわけです、こういうふうに答弁されているんですよ。いかがですか。

岡田国務大臣 今の北澤大臣の答弁、どういう脈絡の中で答弁されたのか、ちょっと私は承知しませんので、コメントは控えたいと思います。

柴山分科員 いずれにいたしましても、事実上でも悪影響が一切ないということは、とても私には信じられません。

 防衛省に最後にお伺いしますけれども、この東西連絡道路の平成二十三年度予算編成における方向性はどのようなものとなるんでしょうか。また、今後の道路開設の見通しはどのように考えておられるんでしょうか。

楠田大臣政務官 先ほど来御指摘ありますが、これは、相手もあることでありますし、歴史もあることでありますので、さまざま、お気持ちは察しますが、難しい状況があると考えております。

 その上で、今後の方向性でありますが、平成二十三年度以降、通信局舎、アンテナ等の移設に係る具体的な配置検討を今後とも行っていくこととしております。今後、米側の返還条件について、米側及び所沢市と具体的な調整を加速化し、できるだけ早く日米合同委員会で本件一部土地の返還を合意すべく対応してまいるということでありまして、今の時点では額はまだ言明できないところであります。

柴山分科員 質問を終わります。ありがとうございました。

吉田主査 これにて柴山昌彦君の質疑は終了いたしました。

 次に、田中和徳君。

田中(和)分科員 自由民主党の田中和徳でございます。

 本日は、国際機関に採用されている日本人職員の増員計画について質問をいたします。

 世界経済を金融危機やエネルギー、食料問題が襲い、気候変動の影響も顕在化しております。こうした問題に絡む複雑な利害調整には、ますますグローバルな対応が必要になっていくと思います。我々日本人も国際舞台で大活躍をすべきと考えますけれども、それにもかかわらず、国際機関で働く日本人がなかなかふえておりません。

 国際機関における日本人の職員の比率として一般によく用いられるのは、地理的配分の原則が適用されるポストであります。国連事務局には現在、約四万人の職員がおりますが、そのうち、秘書やタイピスト、運転手などの一般職、また特別な語学要件が必要とされるポストについている職員、ミッション派遣中の職員、休職中ないし出向中の職員、技術協力専門家、任期一年未満の職員等を除外した者がいわゆる専門職以上の職員として地理的配分の原則の適用対象となり、現在、二千八百九人国連におります。

 国連事務局は、職員採用のガイドラインとして、各国ごとにメンバーシップ、人口、分担金の負担率を基盤として、各国ごとの望ましい職員数を算定しております。日本の場合は、アメリカに次いで圧倒的な世界第二位で、二百六十五人から三百五十九人となっております。平成二十一年六月現在、国連に対する日本の分担金負担率は、御存じのとおり一六・六%、アメリカに次いで世界第二位であります。しかし、残念ながら、国連事務局の日本人職員数はわずか百十一人。地理的配分の原則の適用対象となる二千八百九人に対して、職員比率はわずか四%弱にすぎず、幹部クラスに限れば二%を切るような状況でございまして、これは望ましい職員数を大幅に下回っているところでございます。

 資料を見ますと、比較的ドイツは頑張っておりまして、分担金の負担率が世界第三位の八・六%であるのに対し職員比率は六%。分担金の負担率が六・三%で世界第五位のフランスは職員比率が四・七%。分担金比率が五・一%で世界第六位のイタリアは職員比率が四・二%。フィリピンに至っては、分担金負担率は〇・一%にも満たないにもかかわらず、望ましい職員数を、六から十五ですから四十人おりますので、大変上回っている数字になっておるわけでございます。

 昨今、政府また各関係の努力によりまして、国連関係機関の全体における専門職以上の日本人職員数は、平成二十一年一月現在で七百八名と、微増を続けております。確かに、平成十三年の四百八十五名に比べると四六%と増加はしておるのでございますが、全体の数字を確認すると、まだまだこれは大変な不足、こういう状況になっております。

 各種のデータからもわかりますけれども、国際機関における日本人の職員の数は少ないということを大臣が御認識しておられると思いますけれども、その理由はどういうふうにお考えなのか、承っていきたいと思います。

岡田国務大臣 国際機関で日本人がもっとたくさん活躍をする、しかもハイレベルで、世界に顔の見えるような形で活躍してくれるということを願うのは委員や私だけではないというふうに思います。まさしく緒方さんのような、そういった活躍があれば、これは日本に対しても世界の認識も非常に変わるといいますか、向上するわけです。

 ただ、それがなぜなかなかふえないか、あるいは、ふえたとしてもレベルが全体としては非常に低いのかというのは、やはり語学を初めとするそういった能力の問題というのが一つあると思います。

 それから、もう一つは、意欲といいますか、そういうところで働いてみよう、そういう気持ちになる人が限られているということもあると思います。

 昨今、海外の大学で学ぶ学生、若者の数が減っているということであります。特にアメリカの大学などでその傾向が顕著だと言われていますが、そういうことですと、そういった将来の予備軍が、その根っこが細っているということになるわけで、そういったところをしっかり改めていかなければいけない。

 もちろん、今フィリピンの例などを挙げられましたが、自国においてその能力に見合った雇用の場が十分用意できていない、そういう国は国際機関などに人材が流れる傾向が一般にあるんだろうというふうに思います。日本の場合はそういうことではなかったということもあるとは思いますが、いずれにしても、もっともっと、意欲を持って、そして能力を備えた、そういう日本人の若者がしっかりと国際的な場で働いてもらいたい、そういうふうに考えております。

田中(和)分科員 大臣から今お話を承りまして、客観的にはいろいろなことがあるんだろうと思いますけれども、このままでは、それでなくとも日本の情報発信力が弱いと言われておるわけであります。

 私も、国会議員の中ではいろいろな大臣政務官を三つもやりましたし、副大臣もやりまして、世界じゅう行きましたけれども、どうしても、これはてこを入れないと、頑張らないと、本当につかさつかさにいるべき人がいないんですよね。確かに、これは幾ら国際機関といえども、国連といえども、職務上は中立性を要求されるわけでございますから当然のことなんですけれども、しかし、大きな意味で考えると国益を損ねる可能性がある、私はそこまで考えるべきではないかな、このように思っておるわけでございます。

 大臣は、どうすればいいというふうにお考えですか。

武正副大臣 委員にお答えをいたします。

 先ほど大臣から語学力の点もございましたし、また、やはり学位についての要求もあろうかと思いますし、また国際的な環境での勤務経験といったことも求められるわけであります。

 特に、D1以上の幹部が今六十名を超えるというところでありまして、二十一年一月時点ということで六十五名ですか、やはりこうした幹部職員を含む邦人を輩出すること、これについて、ある面、政府としても積極的に、また、どういう言葉がいいのかということになろうかと思いますが、計画的にこうした取り組みをしていく必要があろうかというふうに思っております。

 もう既に、委員御承知のように、JPO、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサーなどのそういった制度なども進めているところは御承知のとおりでありますが、こうした点をさらに強めていくということが必要かと考えております。

田中(和)分科員 国際機関のトップや幹部に採用される決め手というのは、やはり人脈と本人の能力、これは両方必要なんですね。ですから、出資比率だとか資金面だけでの貢献ではなかなか結果が出ない、こういうことが言えるんだと思うんです。

 私も、財務省の副大臣のときでしたか、タンザニアに行ったときに、ミギロさんという女性の方が国連の事務局の事務総長から言われて次長になるということで、ちょうど大統領とのお話をしておられるところに私が入ってまいりまして、大統領から紹介をされた記憶がございます。また、その後に会った日本の方がミギロさんの御親戚の方と結婚していたことがわかって、びっくりしたことがあるのでございますけれども、それはそれとして、結構いろいろな立場の方が、アフリカの人だとかでも、そういうふうな結構ハイレベルでも就任される。

 もっと日本も、政治家をおやめになった方などがいろいろなところで活躍していただいてもいいんじゃないか、このように思うし、またそういうものを応援する。確かに、ハイレベルのポストというのは大体大臣経験なんですよ。場合によっては首相経験とかそういう人たちもいるわけですから、こういう人たちにも、ぜひひとつ政府がお願いをして、どんどんと手を挙げていただいて、ついていただく。選挙とはまた別の雰囲気が、大臣の経験があるだけで随分違うんですよね。これは私が言うまでもないことでございますが、日本は大変優秀な政治家が、OBがいっぱいいるわけでございますから、こういうことも考えるべきだと思います。

 また、どうも私も今まで与党の方にいて、政府側にいて、私も含めてなんですが、少し危機感が欠けているんじゃないかな。もっと真剣な、必死な取り組みがあってしかるべきなんじゃないかな。国際的な人材競争が起こっているんだ、こういう認識が必要だと思うんですけれども、ちょっとお答えをいただければと思います。

武正副大臣 先日ですか、IRENAの自然再生エネルギーの事務局長候補ですか、フランス人の方、たしか三十代後半、年齢を言って恐縮でございますが、お目にかかりました。そういった、女性で、しかも若い人材が国際的な機関の責任ある立場についているんだなということをまさにお会いをして感じたわけでありまして、日本からもそうした、男性、女性問わず、そしてまた年齢も幅広く国際機関で活躍を、また委員御指摘のように、しかもそれが幹部職員として重要なポジションで大活躍をする、これがやはりあるべき姿というふうに私も考えるところでございます。

 外務省としては、引き続き、国際機関志望者のすそ野を広げるための広報や強い候補者を育てるための情報提供、あるいは国際機関側に採用を促すための人事支援など、邦人職員の増強に取り組んでまいる所存でございます。

田中(和)分科員 ちょっと言いましたので、大臣にお願いをしてお伺いしたいと思うんですけれども、やはり、国際機関のみならず、大使だとかいろいろなポストがまさしく外務省の人事権の中に、大臣のもとにあるわけですけれども、政治家も含めて各方面の人たちを少し広げて使うことによって、そういう役を務めていただくことによって、私は日本の力が増していくんじゃないかなと。確かに、外務省の中で頑張ってこられた方、すばらしい方がたくさんいますけれども、もう少し諸外国の例を倣って、多様的な、日本の外国における人事の中でいろいろな人たちを使っていったらどうかなと、政治家も含めて。

 これは質問をするとは言っていなかったんだけれども、政治家同士ですからちょっとお尋ねをして、またそういう御検討もしていただければと思います。

岡田国務大臣 まず、先ほど委員言われた、大臣経験者あるいは総理経験者が国際機関のトップに座るというのは、最近そういう傾向がかなり出てきたことは事実です。私も、そういった意欲をお持ちの総理経験者とかがおられれば非常におもしろいなというふうに思います。語学の問題とか、いろいろ越えなきゃいけないハードルはありますけれども、日本で総理経験者が多いから言うわけじゃありませんが、そういったこともこれから考えられるというふうに思います。

 それから、大使についてのお話でありますが、これはまさしくケース・バイ・ケースで、先般も、ボツワナの大使、三井物産出身、非常に商社マンらしく資源外交といいますか、飛び回っておられる。テレビでも紹介されておりました。ですから、もちろん正統なる外交官、今までそういった外交官として育ってきた方も、基本はそうだと思いますが、しかし、状況に応じてそういったことも考えていくということは非常に意味のあることだと思います。

 私は、たまたま今仕事の関係で、東京にいる大使の皆様と言葉を交わすことも多いわけです。特にアメリカのルース大使とはよく意見を交わすわけでありますが、彼など全く外交の経験のない、弁護士事務所の出身者でありますが、非常に立派な見識を持って大使をやっておられると思うんですね。

 ですから、今御指摘になったことを十分念頭に置きながら、今までも外務省はいろいろやっているんですけれども、先ほどの三井物産の例などですね、これからも取り組んでまいりたいというふうに思います。

田中(和)分科員 大臣からも前向きなお話がありましたけれども、これは、大使とか総領事というのは、やはりいろいろな専門家が、民間からも、あるいはいろいろな政治レベルからもふさわしいというのがあるんですね。

 例えばニューヨークだって、総領事は三菱商事でしたか、やっていただいておりますし、違う役所から外務省に出向して大使をおやりのような方も随分お目にかかりましたけれども、私はそういうことは非常にいいんじゃないかと思います。小川さんがチリの大使を務められましたけれども、我々の先輩議員でございますが、今までああいうケースは非常に少ないですね。それから、参議院をやられた近藤剛先生がバーレーンの大使を務められまして大活躍されましたけれども、ぜひひとつ、今後、政治レベルにもウイングを広げていただいて人事をやっていただければと思っております。

 さて、お話もありましたけれども、国際機関の中でいろいろと活躍するということになると、どうしても修士号が最低要求されたり博士号が望ましいということがあったり、また仕事に使える語学力とよく言いますが、ただしゃべれるだけではなくて、まさしく業務遂行上の語学力、こういうものが要求されておるわけですし、外国の経験も当然必要ということになるわけでございますが、国際機関における日本人職員数を増加させるためには、やはり妨げる要因というのは、先ほど来あったんですけれども、今までと同じレベルでやっていたのではふえないんじゃないかと思うんですね。もう一つ何か踏み込んだお話がないかなと思うんですね。JPOの制度の話も後ほどと思っておりましたけれども、何かもう一歩前に進まないと、このままになってしまうのかなと。

 私が外務省の政務官をやったころでしたか、日本の給料がよくて外国の機関の給料が安いものだから、なかなか日本人は来てくれないんだよ、こういう話があったことを記憶にとどめているんです。その後、円も当時ほど高いわけじゃございませんし、今比較して日本人もそんなにいい給料の方ばかりじゃないわけでございまして、ポスドクなんということも今話題になっておりますけれども、丁寧に説明してきちっとすれば、相当な人たちが能力があって活躍の場があるんじゃないかな、こう思えて仕方がないんですね。何か一つ、一歩進めてできないものでしょうか。

武正副大臣 委員御指摘のように、国際機関で即戦力となる人材を求めておりましても、やはり修士号以上の学歴、またポストに関連した相当年数の職歴、また御指摘の高度な語学力、こういったものを基本的に要求しておりまして、そうした要件をすべて満たす強い候補者となるための準備、時間が必要であります。国際機関への就職を目指してもすぐ職員になれるわけではないわけでありまして、それなりの、先ほど触れましたような計画性というような形で、政府としての取り組みが必要だろうということであります。

 今御指摘のJPOについても、二十一年にかけて経験者が百六十四人から三百十八人ということで、平成十三年から二十一年にかけて二倍にふえてはいるんですけれども、この二〇〇七年、二〇〇八年、二〇〇九年を見ると、それぞれ合格者が四十三名、三十七名、三十四名と減っておりまして、予算の方も若干減っているというようなところもございますので、やはりこういったJPOなどの制度の充実、こういったものはより強くしていく必要があろうかというふうに思っております。

田中(和)分科員 今お話しいただいたJPOの制度、僕はこれだけではと思いますけれども、これは拡大すべきじゃないですか。これは予算が落ちているというのは、何となく今の財政をあらわしているような気もするんですけれども、やはりここで打って出ていくという、世界の中で、国際舞台で日本は活躍する国だと。これはもういろいろな意味で、時間があれば青年海外協力隊の話も後でしようと思っていますが、すばらしい活動をしているんですね。ですから、もう少し仕組みを考えればやっていけるんだと思いますよ。

 今お話あったように、応募者は結構あるんですね、これを見ると。JPOも五百名ぐらいあるんですが、合格者三十四名。ちょっと予算も確かに、平成二十二年は、二十一年の十二億三千万に対して十億六千万、こういうふうな数字になっているんですけれども、ここにやはり日本の将来を、世界舞台の活躍の場をつくるために、岡田大臣のときにどんとひとつ新しい政策をつくられたらどうですか。これは反対する人はいないと思いますよ。これは、与党とか野党とか立場の違いとかと言う人はまずいないんじゃないですか。そして、みんなで力を合わせてどんどんと世界の機関に送り出そうじゃないですか。どうですか。

武正副大臣 特にジュニア・プロフェッショナル・オフィサーについて力強い御提案をいただいたわけでございます。

 国際機関に勤務を希望する若手邦人を、日本国政府、外務省の経費負担により原則二年間国際機関に派遣し、勤務経験を積む機会を提供することにより、正規職員への道を開くことを目的とした制度でございます。JPO経験者のうち約六割が国際機関に採用されておりまして、JPO経験者が邦人職員数に占める割合が高い国際機関として、UNHCRは八六%、UNDPは八〇%、WFPは七三%、ユニセフは六六%などということで、こうしたJPO経験者の増加が国連関係機関における邦人職員増強に非常に有効と考えております。

田中(和)分科員 きちっとシステムをつくれば、相当活躍できる人たちがたくさんいると思います。そして、そういう場でいろいろなことを勉強していただいて、またさらにライフワークをやられる方もあるんじゃないかと思うんです。

 一般に、私は見ましたら、ヨーロッパなんかは、国際機関とNGOと政府を、きちっとトライアングルを組んで、結構自由自在に行き来をしているんですよ、人事上。日本だって、これだけ優秀な役人の人たちがいっぱいいるんですから、相当な人たちを事前にリストアップして、御本人の意思もあると思うんですけれども、そのかわり、海外での実績を国内でもきちっと評価してあげる。外国へ行っていたんだから出世がおくれちゃって損しちゃったなんということのないように、ちゃんとする。それからNGOなんかも、やはり大変すばらしいものもあるわけですし、世界的なNGOもいっぱいありますから、こういうものも上手に人事をやっていって、何か私は、努力をすることによって成果が上がるんじゃないかと思うんです。

 人事の関係というのは、役人の規則だとかいろいろな法律もあるのかもしれないんですけれども、何かここで外務省から国内に向けて発信できるものがあるんじゃないか、できることがあるんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。

武正副大臣 御指摘のような人材流動が定着した環境が整えば、邦人が国際機関を目指しやすくなり、我が国と国際機関との結びつきが強まることは認識しているところでございます。外務省の中でも、任期つきの採用というようなこの制度を利用して、そしてまた国際機関に勤めていく、また活動の場を移していく、こういったことが既にございます。

 ですから、そうした多様な人事の仕組み、あるいはその活用、また国内外の関係諸機関と連携しつつ、幅広い分野で人材の育成、交流を進めていく所存でございます。

田中(和)分科員 これは相当前から同じことを言っていますので、具体に何かやらないと前に進まないんですよ。ぜひやってみていただきたい。日本の国がだんだん小さく見えるような心配をお互いに持たなければいけないような時代で、これは本当に急いで取り組んでもらいたい。

 もう一点、まだ少し時間がありますから、お尋ねします。

 実は、青年海外協力隊、これは私が外務省の政務官のときに担当したのでございますが、世界各地を回って、劣悪な状況の中ですさまじい頑張りをしているんですよ。しかも、女性の方なんかが本当に、助産師だとか看護師だとか、とにかくすごい活躍でして、私も現地に行ってみて、本当に感激、感動というよりも、すごい人たちが日本にいるんだな、こう思っております。

 OB会の人たちも、今いろいろな会をつくっていただいて、そういう人たちが豊かな経験を、さらにその後、活躍の場があるようにということで応援をしておられるわけでございますが、現実は厳しいんですよ。

 青年海外協力隊も、以前は男性の方が多かったんですが、このところ圧倒的に女性が多くなっている。その理由は、再就職について、後の仕事について、どうしても男性の方が、将来のことを考えるときに、転職がしづらいだろう、外国に行っている間に自分の人生が変な形になっていくんじゃないかという、いろいろな葛藤があるんです。

 この人たちを、それは評価はしなきゃいけないんですが、この人たちが日本に帰られたときに、あるいは海外でも結構ですけれども、どんどんと活躍の場を国がサポートしてつくっていかなければもったいない、このように僕は思っているんです。学校の現場でも結構でしょう、ありとあらゆるところに、あのすばらしい経験が生かされる場というのはあるんだと思います。

 このことについて、大臣、ぜひひとつ御答弁をいただきたいと思います。

岡田国務大臣 私も、青年海外協力隊に非常に注目している一人であります。先般も、南アフリカとタンザニアに行ったときにも、それぞれ現地で活動中の皆さんにわざわざお集まりいただいて、意見交換をいたしました。

 おっしゃるように、やはりこれは男女問わず、帰った後、何か資格を持っておられる、例えば看護師とかそういう方ならいいんですが、そうでないと、果たして働く場がきちんと確保できるかということに対する不安感というのは非常にあるというふうに思います。ですから、企業に籍を置きながら、二年間この隊で派遣され、また企業に戻るということがもう少しやりやすいような仕組みづくりというものは、一つ考えられないかというふうに思います。

 それから、自治体の職員でありますとか学校の教師で休職をしてこういった協力隊に参加をする、こういったことについて、自治体の長、知事や市町村長の御理解はまだ十分進んでいないんじゃないか。こういうところでそれまでと全く違う経験をして、例えば学校にその教師が戻って子供たちにその経験を伝えるというのは、教師として非常に幅が広がるというふうに私は思いますし、自治体のふだんの仕事と全然違うことをたくましくこなすことでその人の能力が開発されるということでありますので、そういった、公務員に対しても、特に地方公務員に対して道を開くというようなことも含めて、どういう可能性があるか、よく検討してみたいというふうに思っております。

田中(和)分科員 ありがとうございました。

 終わりますけれども、本当に宝の持ち腐れ、あれだけのすばらしい人たちを生かし切れない日本のシステムというのはよくないと思います。

 私もアフリカに行ったときにいろいろな人たちと話をしたんですけれども、やる気のある人は、現地で小さな会社でもつくって、経験を生かして、その国の社会貢献をしたいと思っている人たちが結構いるんですよ。そういう人たちにわずかでもいいので資金を提供したり何かシステムをつくれば、もっともっと日本の形が見える、そういう外交ができるんじゃないかなと僕は思っております。

 どうぞよろしくお願いを申し上げ、質問を終わります。

吉田主査 これにて田中和徳君の質疑は終了いたしました。

    〔主査退席、岡本(充)主査代理着席〕

    ―――――――――――――

岡本(充)主査代理 次に、内閣府所管中内閣本府及び沖縄振興開発金融公庫について審査を行います。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。宮崎岳志君。

宮崎分科員 民主党の宮崎岳志です。本日最後の質問でございますので、よろしくお願いいたします。

 まず、中心市街地の活性化について、地域主権担当大臣でございます原口大臣にお伺いをいたします。

 地方都市において、中心市街地の空洞化が深刻化をしております。私は群馬県の出身でございますけれども、県庁所在地の前橋市、また沼田市というところ、山間部の、山に囲まれたようなところでございますが、商店やスーパーが次々に閉店をする、空き地がふえ、人通りはまばら、こういう、一種、言葉は悪いんですけれども、人によってはゴーストタウンじゃないかというような状況が今深刻化をしているわけであります。

 原口大臣も佐賀県の出身でございますので、こういう地方の事情についてはよく御存じのことかと思います。商業施設の誘致、若者を集める取り組み、こういったものもいろいろ重ねられてきたわけでありますが、なかなか成功しているとは言えない状況がございます。

 一方、地方というのは車中心の社会でありますので、高齢化に伴って、車を運転しないようなお年寄りの生活をどうやって支えていくのかという問題にもまた直面をしているわけであります。私の地元でございますと、公共交通機関も非常に少ない、バスも本数が少ないというような状況で、お年寄りが年をとってマイカーを手放したり免許を返上したりすると、もうこれで買い物にも行けない、医者にも通えない、そういった状況になって、生活が成り立たなくなる状況がございます。

 そこで注目されているのが、医療や福祉を中心としたまちづくりであります。中心街にそういう医療や福祉を中心とした町をつくって、歩いて買い物ができる、医者に通えるというようなところを見直そうじゃないかということが考えられております。病院や老人ホームや高齢者向け住宅、デイサービスなど、高齢者向けの施設を中心街に集中させまして、歩き中心の充実した生活を送っていただこうじゃないか、そして、それが同時に中心街のにぎわいの再生にもなる、そういった取り組みが今後重要だと思っております。

 さて、前置きが少々長くなりましたけれども、今、町の活性化のために自治体が中心市街地活性化基本計画を立てて国の認定を受けると、特別な補助金を受けられたり、補助率が割り増しになったりする、そういう優遇を受けられるわけであります。ただ、惜しいかな、そういった優遇は国土交通省とか経済産業省が中心でございまして、厚生労働省のかかわりというのは限定されておりまして、私などから見ると、やはり少々物足りないところがございます。

 確かに、基本計画の中に、医療提供体制施設整備交付金とか社会福祉施設等施設整備費補助金、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金、そういういろいろなものが位置づけられることは位置づけられるんですけれども、別に中心市街地でなければ使えないというわけではありませんし、補助率が優遇されるということでもございません。

 中心市街地の空洞化について、いろいろな悩みが地方にあるわけでございますので、医療や福祉を中心にしたことを今後考えるべきではないか、中心市街地活性化基本計画の制度に、国交省や経産省と並ぶ大きな柱として厚生労働省を位置づけて、より重点的な取り組みを求めるべきだというふうに考えますが、大臣の御見解を教えてください。

原口国務大臣 宮崎委員は、お父様が前橋赤十字病院の院長さんを務めておられますね。やはり、医療を中心としたまちづくり、今おっしゃったことは極めて大事だというふうに思っています。

 特に、高齢化しますと、歩いて行ける距離というものにおのずと限界がある。あるいは、地方では移動手段がほとんど車ですよね。ですから、コンパクトシティーという考え方がその中で出てくるわけでございます。

 今おっしゃったように、平成十八年の改正中心市街地活性化法の施行以来、これまでに九十七の市、百件の中心市街地活性化基本計画を認定しているんです。中心市街地の活性化を実現するためには、商業などの活性化に加えて、病院や高齢者福祉施設の整備といった医療福祉分野の充実も、委員がおっしゃるようにとても重要です。これまでも、認定基本計画に盛り込まれた医療福祉分野の事業に対し、国交省による暮らし・にぎわい再生事業やまちづくり交付金等により、認定と連携して支援を実施してきているわけです。

 具体的には、高崎にも、市役所に近接する、企業移転後の空き地を活用した保健所、地域医療センター、そういったものの整備というものがありますけれども、内閣府としても、今後とも、厚労省を初めとした関係省庁と緊密な連携を図って、中心市街地の活性化を推進するため、医療福祉分野の各事業に対して重点的な支援を行いたいと思います。

 一方、私は、ICT維新ビジョンというのを出させていただきまして、あしたその中間報告が出てくるわけですが、その中の地域活性化の大きな柱が、今委員がおっしゃった医療です。ICTによって常時つながることができる。そうすると、バイタルなサインも医療機関でしっかりとモニターできる。

 この間、お隣の岩手へ行ってきました。そうすると、銀座のお医者さんとそこの地域の方々、遠野だったんですけれども、つながっていて、そして、高齢者の方がそこまで歩いてこられて医療相談を受けておられる。そうすると、血圧も下がる、血糖値も正常化する、歩きますから体も健康になる。みんなが集まりますから、お互いに、ひとりでやっているとなかなかつらいですよね。私も少し体重を減らさなきゃいけないんですけれども。

 そういったことをみんなでやれる、こういう仕組みを考えていきたいと思いますので、委員のアドバイス、またよろしくお願いいたします。

宮崎分科員 ありがとうございました。

 いずれにいたしましても、中心市街地活性化は、今後、やはり医療や福祉が中心にならざるを得ないというふうに考えておりますので、一層活発なお取り組みをお願い申し上げます。

 続いて、せっかく原口大臣にいらっしゃっていただいたものですから、ぜひ、天下り問題についてお伺いをしたいと思います。

 国家公務員の再就職について、今、原則、室長級以上の管理職職員について、内閣が調査、公表を行っているということであります。それが不適切な天下りへの抑止力となっております。しかし、調査は、原則として、退職時と退職後二年間に限られております。独立行政法人など特別な団体については、再就職する場合は三年目以降も調査するということですが、民間は対象外でございます。

 しかし、こういったケースでも、問題があるケースもあるのではないかと思います。例えば、発注する側から発注される側へ、取り締まる側から取り締まられる側へというような天下りも、二年の職歴のロンダリングをしてしまえばやり放題ということでは困るわけでございます。

 まず、規制も必要ですが、調査、公表というのが重要だと思っておりまして、原口大臣に、民間への再就職についても、今後、三年目以降も継続的な調査に乗り出していただけないかと思うんですが、いかがでしょうか。

原口国務大臣 私たち民主党の一丁目一番地は、税金の無駄遣いを正す。その中は、HAT―KZシステムと言われています、補助金、天下り、特別会計、官製談合、随意契約、この五つですね。その中でも、天下りというのは、実際に各省のあっせんによる天下りがどれぐらいあるかというと、なかなか記録に載ってこないんですよ。

 私は、今委員がおっしゃるように、実質的に連続ポストの天下りがどれぐらいあるかというのを、この大臣にならせていただいて調査しました。そして、非人件費ポスト、人件費に載っている天下りというんだったらわかりますけれども、非人件費でやっているところもありました。これも明らかにしました。

 今、委員がおっしゃるように、六月までに、私たちは三つの天下りの可能性のあるものを調査しています。今おっしゃった人質型天下り、ちょっと言葉は怖いですけれども、検査する機関から検査される側に天下っている。それはもう有無を言わせませんよね。それから、持参金型天下りといって、そこに天下りを受け入れると、補助金がどうもふえるみたいだと。あるいは創業型天下りといって、目と目で、越後屋、お前もどうのこうのというテレビがありましたけれども、越後屋が悪いわけじゃないんですよ。新しい企業をつくって、そこに天下る。これを六月までに調査して国民の皆さんにお示しをしたいと思いますので、またいろいろな事案を教えてください。

宮崎分科員 今回、ちょっと質問をさせていただいたときに、担当部署からレクチャーを受けて驚いたんですけれども、この調査、公表の取りまとめを総務省の一部署でやっているわけですけれども、担当者が、課長補佐を筆頭に二人だけしかいないというようなことだったんですね。もちろん、調査自体は各省庁なりそれぞれのところがやって、それを取りまとめるところですが、幾ら何でも、一般職だけで三十四万人と言われる霞が関でございますので、二人でまとめるのは無理があるんじゃないかなと思って、この体制強化、必要ではないでしょうか。いかがでしょうか。

原口国務大臣 ありがたいことを言ってくれますね。本当にこれは、私たちは、この間の事業仕分けの中でも唯一と言っていいぐらい、もっと人員をふやせ、予算をふやせと言われたのは、この行政評価なんです。

 ところが、この行政評価局も一つ悩みを抱えていて、それは何かというと、消えた年金の問題、私たちはこれを明らかにしましたね。そうすると、行政評価局の人員の半分ぐらいは、いわゆる年金記録のあっせん、第三者委員会、ここに割かれているわけです。

 だから、私はこの間長妻大臣に言ったんですけれども、私たちは野党時代に津田弥太郎さんの津田法案というのを出しているんです。つまり、ある一定の要件を達すれば、もう年金、二十年も三十年も四十年も前の年金記録を持ってきてくださいと言ったって、それはないですよ。だから、そこのところをしっかりとして、今あっせん率が五割をやっと超えてきましたけれども、一回総務省としてもそこに区切りをさせてください、そして本来のHAT―KZシステムの調査に力を注がせてください、枝野大臣ともそんな話をしておりますので、ぜひまた厚労委員会とかでも御質問いただいて、早目に、年金記録をいつまでもやっているというのはあり得ませんから、よろしくお願いしたいと思います。

宮崎分科員 さて、この調査、公表制度ですけれども、私が非常に大きな問題であるというのが、非公務員型の独立行政法人とか認可法人、これは日本銀行等でございますが、こういったところは対象外である。しかし、これらの中には、いわゆる国家公務員のいる役所と同等あるいはそれ以上の公的な権限、権力を持っているところもあるわけであります。当然、癒着の危険性とか無駄遣いのおそれというものも発生しているわけであります。こういった調査の網をすべての独法あるいは特殊法人、認可法人等に広げるべきではないかと思うんですが、大臣のお考えを伺えますでしょうか。

原口国務大臣 これは、今おっしゃったような限られたマンパワーの中でございますけれども、まさに、権限を利用した天下り、あるいは補助金を利用した天下り、規制を利用した天下り、こういったことをやっていたら、税金が幾らあっても足りないですね。

 ですから、個別の案件にいつ何をやるかというのはまたこれからの計画ですけれども、まずは、さっき申し上げた特殊法人、公益法人、そういったところの天下りについて六月までに出して、その結果を見て、国の出先機関の権限仕分けというものをこれからやっていきますので、ぜひまた御協力をいただきたいんですけれども、そういった中で、今おっしゃったような政府の外にある特別な特殊会社についても議論をしてみたいと思います。

 今私が所管している中では、例えば日本郵政、このファミリー企業というものの存在をもう認めないということを言って、近々その報告が出てくるということになっていますので、またお力添えをよろしくお願いします。

宮崎分科員 それでは、この問題に関連をいたしまして、天下りの問題ですけれども、認可法人である日本銀行にお伺いをしたいということでございます。

 先ほど申し上げたとおり、認可法人日本銀行の職員の再就職には基本的に調査の網がかかっていないということであります。しかし、日本銀行の業務はまさに国の権限そのものでございます。民間金融機関などに対する影響力は絶大、日銀の内部情報などを入手できれば、これはぬれ手でアワのぼろもうけというのも簡単なことでございます。そういった意味で、日本銀行のOBについては、国家公務員よりもさらに厳しいチェックと規制が必要なのは明白であります。

 ところが、日本銀行では、役員と局長、室長級以上の幹部、これは中央省庁でいえば局長級ぐらいのものだと思いますけれども、ここについて、退職時に再就職先を公表しているのみということであります。国家公務員であると、課長補佐のすぐ上、管理職の一番下の室長級、企画官級、そういったところから、しかも退職後の調査もしているわけですから、チェック、情報公開が非常に甘いのではないかというふうに言わざるを得ないわけであります。

 日銀の場合、室長、企画官級、いわゆる中央省庁の管理職級に相当するのが企画役級でございまして、年間給与一千数百万円平均ではないかということでございますので、管理職としても申し分のない待遇を受けているということだと思います。

 少なくとも国家公務員と同レベルの調査、情報公開が必要だということだと思うんですが、これをぜひ、国家公務員と同等の基準で、最低でも、企画役以上のOBについては、退職から二年間の再就職情報、調査、公表を国に準じた形でやっていただきたい。できれば三年目以降も行うべきだと考えますが、これについて、日本銀行櫛田総務人事局長、お願いを申し上げます。

櫛田参考人 お答えいたします。

 日本銀行では、今委員御指摘のとおり、退任した役員及び退職した局室長級職員の再就職状況を年度ごとにホームページで公表しているところでございます。

 退職者に関する個人情報の公表に当たりましては、公益とプライバシー保護のバランスをどう考慮するか、こういう観点から議論したわけでございますけれども、日本銀行では、業務運営に重要な責任を負う地位にあった者を対象に再就職状況を公表しておりまして、役員と局室長級職員を対象とする現在の公表の枠組みは、業務運営の透明性を確保し、説明責任を果たす上で適切なものであるというふうに考えております。

宮崎分科員 はっきり言って、国家公務員と比べてこれだけ緩い基準でありながら、これが適切なものである、プライバシーがあるからだ、個人情報だというのは、発想としていかがなものかと思います。

 ならば、再就職の現状について伺いますが、日銀は、銀行の中の銀行というふうにみずから申しているほどでございますから、銀行に対して極めて強い影響力を持っているわけであります。ついては、いわゆる銀行において代表権を持つ役員が、現在、何行に何人いて、全体の割合がどの程度かということについてお示しをいただきたいと思います。櫛田さんにお願いします。

櫛田参考人 お答えいたします。

 メガバンク、地銀、第二地銀ということで申し上げますと、その代表取締役のうち、過去に日本銀行役職員であった者でございますけれども、現在、メガバンクには一人もおりません。地銀につきましては、地銀六十三行ございますけれども、そのうち八行で八名、今役員として存在いたしております。第二地銀につきましては、四十二行ございますけれども、行数で申しますと四行、取締役数で申しますと五名ということでございます。

 これの比率ということでございますけれども、代表取締役の比率的には五%程度ということかと思います。

 以上でございます。

宮崎分科員 代表取締役の比率的にはと言いますが、例えば、会長と頭取がいて、その片っ方が日銀であるというようなところが、地銀、第二地銀については全体の一割がそうだということでございます。こういった業界はさすがにちょっと少ないのではないかというふうに私は思いますから、やはりこれは改善が必要であるということは申し上げておきたいと思います。

 次に、短資会社の再就職について伺います。コール市場を運営する短資会社、日銀とまさに表裏一体の存在でありまして、国内に大手の短資会社というのは事実上三社しかない状況でございます。

 では、この短資三社の役員のうち、日銀のOBは何人でしょうか、その方の役職等を含めてお示しをいただきたいと思います。

 また、この関連会社について、代表取締役で結構ですので、何人が日銀のOBであるか、同様にお示しをいただけますでしょうか。

櫛田参考人 委員御指摘の短資三社でございますけれども、まず、東京短資でございます。東京短資につきましては、常勤役員一名、専務ということでございます。

 セントラル短資につきましては、会長一名、社長一名、それと執行役員が一名の三名でございます。

 上田八木短資につきましては、会長一名、社長一名、取締役一名、執行役員一名ということで、四名でございます。

 その関連会社ということでございましたけれども、セントラル短資の関連会社には二名存在します。上田八木短資の関連会社には一名ということでございます。

宮崎分科員 これは驚くべき数字だというふうに思うんですよね。

 短資会社は三社しか国内にないわけですよ。代表取締役というのは三社に五人しかいないわけですよ。その五人のうち四人が日本銀行のOBであるというようなことです。取締役自体も、これは三社合わせて十六人しかいないわけですよ。その十六人のうち六人が日本銀行のOBである。これはつまり、まさに、ファミリー企業とか関連会社とか子会社ということで言われてもしようがないというふうに私は思います。

 関連会社といっても、三社の関連会社ですから二十社程度しかないというふうに思いますが、そのうち三社については代表取締役がやはり日銀のOBである。そしてそれ以外にも、今回の調査の中には入っていないと思いますけれども、専務とかそういうクラスで、役員の方で関連会社に入っている方もいらっしゃる。これでは植民地ではないでしょうかね。

 だから、こういうところについてちょっと改めるというような、少なくとも調査をする、公表をする、そして問題があれば、特に業務と非常に密接な関係がある金融機関それから短資会社等については天下りを自粛する、そういうお気持ちはありませんか。

櫛田参考人 お答えします。

 日本銀行における再就職の自粛ルールでございますけれども、今委員御指摘の短資会社も当座預金取引先ということでございますけれども、役員や局店長級職員等の当座預金取引先への再就職については制限を課しているところでございます。

 これは、中央銀行としての職務の公正性の確保と職業選択の自由との調和を図る観点から検討した結果、さまざまな取引であるとか考査など、中央銀行の中核的な業務の相手方であります当座預金取引先については、これは短資会社も含まれますけれども、再就職制限を設けることが適当と判断して実施しているものでございます。

 今、短資会社に役員がいっぱいいるではないかという御指摘で、そのとおり、存在するわけでございますけれども、現在日本銀行が持っている再就職の自粛ルールとの兼ね合いで、そのルールは厳格に遵守しながら、その後のOB職員の個々人の識見なり能力等をその会社が求めて現在のような状況になっているというふうに理解をいたしております。

 したがいまして、現在の日本銀行法に基づいて、日本銀行自身、服務に関する規律というのをみずから定めて、今申し上げたような再就職ルールの遵守をしながら、再就職をめぐる世間の疑念というのを晴らすべく努力しているということでございますので、この点については御理解をいただければというふうに思います。

宮崎分科員 中央銀行、日本銀行にも業務運営についての自主性というものがあるわけです。ですから、内閣とは別に日本銀行がそういう天下りの規制、再就職規制を自分で設けたり、調査、公表したりとかいうことですけれども、それが、内閣がやっているものより相当弱い、緩いというものであれば、これは何のための自主性か、自分たちの利権のための自主性じゃないかと言われても仕方ないんじゃないですか。

 だったら、やはりここは中央銀行の信認を取り戻すためにもより厳しい規制を課して、うちは内閣なんかよりずっとすばらしいことをやっています、こういうふうに言うべきじゃないですか。そこをどう思いますか。

櫛田参考人 今御説明させていただきましたように、日本銀行の再就職をめぐりましては、先生がおっしゃった、ある種、職務の公正性確保、それはそのとおりでございます。職務の公正性確保というのは非常に大事でございますので、そうした職務の公正性の確保と、一方で職業選択の自由との調和をどう図るか、こういう観点で議論し、ルールをつくってきているということであります。

 その場合に、今先生がおっしゃられた公務員との比較ということで申し上げれば、公務員は、予算でありますとか行政権限を通じまして、それなりにやはり国民に広く影響力を行使し得る立場にある、したがいまして、それを規制することによってそういった疑念を晴らすというのが公務員の考え方かと承知いたしております。

 日本銀行につきましても、金融政策等々で、金融機関等との取引ももちろんございますけれども、個別の金融機関なり、そういったものに直接大きな影響力を行使し得るような権限でありますとか、あるいは日本銀行とのマーケットを通じた取引を通じてその金融機関の存続自体をも左右する、そういった関係があるかというと、ない。そういう実態、状況に照らした上で、今申し上げた職務の公正性確保と職業選択の自由、こういったものの調和をどう図っていくかという観点の中でこれまで議論し、自主ルールを定め、それを厳格に守ることによって国民の疑念を招かないようやっていくという考えでやってきたところであります。

 もちろん、社会状況の変化でありますとか、そういったことを踏まえながら、このバランスというのは長い目でどうとっていくかという議論はあろうかと思いますので、今後とも、日本銀行としても、世間の疑念を招かないよう、どういうあり方が日本銀行として相ふさわしいのか、こういう観点からは引き続き、これまでと同様、きちっと議論し対応してまいりたい、こういうふうに考えております。

宮崎分科員 疑念を招いている行為があるから申し上げているわけで、別に火のないところに煙が立っているわけではないのではないかということを申し上げたい。

 一つ、例えば短資会社への天下りについては、日銀の金融政策と短資会社の経営はまさに一体の存在でございます。いろいろ会社があるからいいじゃないかといっても、三社しかないところですから、影響力が公務員に比べてないんだというのは言い過ぎな話で、これは巨大な影響力があるわけですよ。

 それで、日本銀行は、速水総裁の時代から今の白川総裁に至るまで、例えば、ゼロ金利は好ましくないという言い方をする際に、短期金融市場の機能が低下するからだという言い方を一貫して言っておられます。そういった理由を挙げて、ゼロ金利の解除等を行ってきたり、量的緩和の解除を行ったりということもしてきたわけです。

 その結果、今振り返れば、これは結果論かもしれませんが、経済政策の運営に失敗をしてデフレの深刻化と長期化を招き、倒産を増加させ、そして失業者をふやし、自殺者を増大させてきた。そういった責任についてはしっかり認識をしてもらわなければ困ります。

 そして、その際に、日銀の金融政策がいわゆる利権や短資会社との関係によって左右されているんじゃないかという疑念がいろいろな方から表明をされているわけであります。短期金融市場の機能が低下するというのは、すなわち、短資市場の短資会社の取引が少なくなるということとほぼイコールであります。

 例えば、皆さんは当然お読みになっていると思いますが、学習院大学の元経済学部長岩田規久男先生が昨年出された「日本銀行は信用できるか」という本があります。講談社現代新書。そこの百十ページにこうあります。「しかし、インターバンク・マネー・マーケットの縮小が日本の金融市場の国際化と健全化にとって、何故マイナスになるのかを、日銀は示したことがない。マイナスになるとしたら、同マーケットの取引を仲介する短資会社の仕事が減ることくらいしか思い浮かばない。しかし短資会社の仕事が減ることが、日本経済や日本の金融市場の国際化と健全化にとってマイナスになる理由は存在しない。それがあえてマイナスになる理由を探せば、日銀から短資会社への天下りが減るということであろう。」。

 経済学部長を務めた岩田先生、日本でも屈指の先生ですが、こういった方がここまではっきり講談社現代新書に書いて言っている。天下りはいいのか、日銀は天下りで左右しているんじゃないのか、これは皮肉ですけれども。しかし、現役の経済学者の中にも、もっと露骨な書き方をされている方はいっぱいいますよ。

 では、グーグルで、短資会社、天下り、この二つの単語を入れて検索してください。一件目から十件目まで全部、日本銀行と出てくるんですよ。やったことありますか。ないですかね。グーグルに短資会社、天下りと入れれば、一件目から十件目まで全部、日銀の天下り業界とか日本銀行からの天下りとか、そんな文章ですよ。

 こういった不透明な再就職があることで、皆さんは正しいと思って金融政策を運営していらっしゃるんだと思いますが、それが、実は身内への利権のためにゼロ金利を解除したんじゃないかとか言われているわけでしょう。そうすれば、中央銀行の信頼、ひいては通貨の信認も揺るがすわけですから、これについてはきっぱり縁を切って、これとは関係ありません、うちは正しい認識に基づいて金融政策をやっているんですと断言するべきではないですか。

 もう一度、櫛田参考人、お願いします。

櫛田参考人 委員の御意見、本当に真摯に受けとめさせていただきます。

 私は総務人事局長という立場ですので、マーケットの機能等について申し上げる立場にはございませんけれども、マーケット機能というのは、ある種、産業の血液である金融の流れをこれもマーケット機能によって資源配分するのと同じように、短期金融市場において金融取引ができなくなりますと、今、リーマン・ショック後の各国が、ある種、中央銀行が直接いろいろな資産を買っているのも、金融機関間できちんと資金が流れなくなる、それを中央銀行が相対で補うというような格好でやっていかないと短期の個々の金融機関間の資金取引が円滑に進まない、これは日本銀行も数年前に非常に経験した同じことでございます。

 そういう意味で、私は今所掌にはございませんが、しかし、短期金融市場の資金取引の円滑化、これ自体は日本経済の再生にとっても非常に大きな役割を果たすことなんだということだけは私の立場からも先生に申し上げさせていただいて私の答弁は終わらせていただきますが、先生が申されたことは真摯に受けとめさせていただきたいというふうに思います。

宮崎分科員 時間となりましたので、これで最後にいたしますけれども、いずれにしても、私は今、金融政策がいいとか悪いとかの議論はしていませんし、短資マーケットが重要だとか重要でないとかという話はしていません。

 ただ、そこに代表取締役が五人しかいないうちの四人まで日銀だ、十六人しかいない役員のうち六人が日銀だといえば、どんな疑いを招くかというのは想像できそうなものでしょう。それは、日本銀行の信認を失うことであり、ひいては日本の円の信認を失うことであり、そして、日本国民全体の不利益になるんですよ。それを重々考えた上で、きちんとこれは、総裁以下、幹部の皆様にも、役員の皆様にもお伝えをいただきまして、善処をお願い申し上げます。

 以上で終わります。

岡本(充)主査代理 これにて宮崎岳志君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十八日午前九時から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時二十三分散会


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