衆議院

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第1号 平成25年12月4日(水曜日)

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平成二十五年十二月四日(水曜日)

    午後三時開議

    ―――――――――――――

委員氏名

  衆議院

   委員長 山本 公一君

   理事 あかま二郎君 理事 石田 真敏君

   理事 小此木八郎君 理事 北村 茂男君

   理事 三原 朝彦君 理事 後藤  斎君

   理事 松野 頼久君 理事 井上 義久君

      石破  茂君    鴨下 一郎君

      河村 建夫君    高村 正彦君

      佐藤  勉君    塩崎 恭久君

      高市 早苗君    棚橋 泰文君

      野田 聖子君    浜田 靖一君

      平沢 勝栄君    細田 博之君

      松本  純君    大畠 章宏君

      海江田万里君    石原慎太郎君

      藤井 孝男君    渡辺 喜美君

      小沢 一郎君    阿部 寿一君

      中村喜四郎君

  参議院

   委員長 長浜 博行君

   理事 岡田 直樹君 理事 宮沢 洋一君

   理事 柳田  稔君 理事 行田 邦子君

      赤石 清美君    磯崎 仁彦君

      上野 通子君    中原 八一君

      野上浩太郎君    福岡 資麿君

      藤川 政人君    牧野たかお君

      郡司  彰君    榛葉賀津也君

      羽田雄一郎君    長沢 広明君

      西田 実仁君    井上 哲士君

      儀間 光男君

    ―――――――――――――

 出席委員

  衆議院

   委員長 山本 公一君

   理事 あかま二郎君 理事 石田 真敏君

   理事 小此木八郎君 理事 北村 茂男君

   理事 三原 朝彦君 理事 後藤  斎君

   理事 松野 頼久君 理事 井上 義久君

      石破  茂君    鴨下 一郎君

      河村 建夫君    高村 正彦君

      佐藤  勉君    高市 早苗君

      棚橋 泰文君    野田 聖子君

      平沢 勝栄君    細田 博之君

      松本  純君    御法川信英君

      山本ともひろ君    大畠 章宏君

      海江田万里君    石原慎太郎君

      藤井 孝男君    渡辺 喜美君

      鈴木 克昌君    阿部 寿一君

      中村喜四郎君

  参議院

   委員長 長浜 博行君

   理事 岡田 直樹君 理事 宮沢 洋一君

   理事 柳田  稔君 理事 行田 邦子君

      赤石 清美君    磯崎 仁彦君

      上野 通子君    中原 八一君

      野上浩太郎君    福岡 資麿君

      藤川 政人君    牧野たかお君

      郡司  彰君    榛葉賀津也君

      羽田雄一郎君    長沢 広明君

      西田 実仁君    井上 哲士君

      儀間 光男君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)   新藤 義孝君

   法務大臣         谷垣 禎一君

   外務大臣         岸田 文雄君

   文部科学大臣       下村 博文君

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   農林水産大臣       林  芳正君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償支援機構担当)          茂木 敏充君

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    石原 伸晃君

   防衛大臣         小野寺五典君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (復興大臣)       根本  匠君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)       古屋 圭司君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)     山本 一太君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   森 まさこ君

   国務大臣

   (規制改革担当)     稲田 朋美君

   内閣官房副長官      加藤 勝信君

   内閣官房副長官      世耕 弘成君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    小松 一郎君

   衆議院国家基本政策委員会専門員          関根  弘君

   参議院常任委員会専門員  諸星 輝道君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国家の基本政策に関する件


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     ――――◇―――――

    〔山本公一君会長席に着く〕

会長(山本公一君) これより国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。

 本日は、私が会長を務めさせていただきます。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 衆議院国家基本政策委員長の山本公一でございます。

 参議院の長浜博行委員長を初め、衆参両院の委員の皆様方の御指導、御協力を賜りまして、その職責を全うしてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

 国家の基本政策に関する件について調査を進めます。

 これより討議を行います。

 討議に当たりましては、申合せに従い、野党党首及び内閣総理大臣は、決められた時間を厳守し、簡潔に発言を行うようお願い申し上げます。

 また、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げとなるような言動は厳に慎まれますよう、御協力をお願いいたします。

 発言の申し出がありますので、順次これを許します。民主党代表海江田万里君。(拍手)

海江田万里君 民主党代表の海江田万里であります。

 本日は衆参の合同審査会ということで、そして、私は民主党の代表としてこの場に立たせていただいておりますので、特定秘密保護法が参議院に参りましてからの参議院の議論のあり方、本日も実は、本会議、定例日でございますから開かれるということで、これは議院運営委員会の申し合わせによりまして、そこで国民生活に大きな影響のあります九本の法律を粛々と議論をするということでありましたら、前田委員長が、議長の指名によりまして、本会議場でこれは委員会の報告をやっている最中に、自民党の委員から発言を求める声があり、そして前田委員長の報告が打ち切られたということであります。

 私どもは、この間、参議院で行われております特定秘密保護法についての審議について、例えば、特別委員会の野党の理事、我が党の理事が全く一言も発しないまま、いや、委員長によって一言も発せられないまま日程が決まっていく、こういうことがたび重なっております。それから、議院運営委員会におかれましては、九回も委員長職権で強行採決をやって、本会議やその他の委員会が立っているということであります。

 やはり参議院も、もちろん衆議院もそうでありますが、言論の府であります。言論の府は、これまでの決まりをしっかり守って、そして、みんなで申し合わせたことをしっかり守っていく、これはもう当たり前のことであります。

 そして、どうしてこういうことになっているのか。それはひとえに、この特定秘密保護法という多くの国民が反対をしている法律。世論調査によれば、五〇%が反対、賛成は二五%。しかし、その二五%の人たちも、時間をかけてじっくりと議論をして、議論を深めて、そして、この法案について国会がまさに国会としての役割を果たしてほしい、こういうことをみんな言っているわけであります。

 しかるに、まさに会期は、きょう、あした、あさって六日、この六日までに何が何でもこの法案を仕上げてしまおうというところにやはり無理があるわけで、これは安倍総理もかねてより、この問題はしっかり議論をしてもらわなければいけない、国民の理解を得るためにも議論してもらわなければいけないということをおっしゃっているわけですが、その実、この会期末までに何とか仕上げたい、そういう思いがありありであります。

 安倍総理が一言、これは本当に国民の間の不安、国民の間の疑問、こうしたものを解消するために、ゆっくり時間をかけて、そして議論してほしい、こういうことを一言言えば、こういう動きはなくなるわけでございます。

 ぜひ、この問題について、安倍総理のリーダーシップ、自民党の総裁としてのリーダーシップ、あるいは内閣総理大臣としてのリーダーシップを発揮していただきたいと思います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま海江田代表は、立法府の責任ということをかみしめながらお話をされたんだろうと思います。私は今、行政府の長であります。その責任をかみしめているわけであります。

 きょうは十二月四日であります。一昨年の東日本大震災から千日目に当たります。しかし、いまだに二十七万人の方々が仮設住宅に住まわれている。一日も早い復興を進めていかなければいけないこの責任を痛感しているわけであります。

 昨年のちょうど今ごろ、総選挙が行われていました。おくれる復興、低迷する経済、そして主権が脅かされる、外交、安全保障の危機が叫ばれる中、私たちは、日本を取り戻す、そうお約束をして選挙に勝利を得たわけであります。その中で私たちは、まさに国民を守る、皆さん、責任を持っているんですよ。

 そして、我々はNSCを設立いたしました。そして、NSCを設立した上において、当然、秘密をしっかりと保全していく、これを前提に各国は情報を提供するわけであります。そのための秘密保護の法律になっているわけでありますし、今までは、残念ながら、さまざまな秘密を保護するための制度があります、防衛機密、そしてMDA秘密もありますし、特別管理秘密がありますが、それぞれルールも決まっていませんし、指定についても解除についても規則がないわけであります。

 その規則をしっかりとつくっていく、そして五年ごとに、解除するかどうかをちゃんと判断しなければいけない、そういうことを、今までなかったルールを初めてつくるんですよ。それはまさに必要とされているものであり、そして、今まで委員会においてしっかりと私は議論がなされてきたと思います。

 私は、きょう、午前中の委員会にも出席をしまして質問にお答えをしました。普通であれば、普通であれば、総理が委員会や本会議に出席をしたら、その週にはこのクエスチョンタイムは開かないという原則はありますが、一日、同じ日ではありますが、丁寧に質問をしなければならない、その考え方から、きょうはあえてこの基本的な質疑を行わさせていただいている次第であります。

 そして、議論を丁寧に進めながら、どこかの段階で、やはりこれは終局に至るわけでありますから判断をしなければいけません。

 論点については、例えば十二の論点について与野党の中において修正の協議が進み、建設的な修正がなされたことは私は大きな成果であった、このように思うわけであります。

 あとは、まさに国会において、委員会において、良識ある判断、決断すべきときには責任を持って判断をしていく、この考え方のもとに御判断をいただきたい、こう思う次第であります。

海江田万里君 まず、この臨時国会でありますが、はっきり申し上げまして、スタートからして遅いわけであります。三カ月半の、選挙を挟みましたけれども、三カ月半国会が閉じていて、そして十月の十五日、所信表明演説がありました。私も代表質問をいたしました。その所信表明演説の中で、総理は特定秘密保護法について一言も触れていないわけであります。

 「国家安全保障会議を創設し、」日本版NSCです。これには私どもも確かに、現在の国際情勢の緊張のぐあいも考えまして、こうした司令塔が必要だということで、修正案を出しまして、そして最終的には賛成をいたしました。

 この「国家安全保障会議を創設し、官邸における外交・安全保障政策の司令塔機能を強化します。」これはよろしゅうございます。総理は、所信表明演説で演説を行いました。しかし、「これとあわせ、我が国の国益を長期的視点から見定めた上で、我が国の安全を確保していくため、国家安全保障戦略を策定してまいります。」ということでありまして、特定秘密保護法というのはどこにも出てこないわけであります。

 それから、本日、やっとこれは日本版のNSCが発足をいたしました。本来でありましたら、これが発足をして、人事がはっきり決まって、そして、この人事が決まった責任ある立場の方が国会に出てきて議論を深めていく。これは当たり前のことであります。

 ところが、この議論が深まらない理由の一つに、大変残念なことでありますけれども、これはやはり担当大臣、本来は少子化担当であります。それから、生活の、消費者の担当であります。大変頑張っておられるのは私も評価をするところでありますが、この方は、この法案が成立をして施行をされたら担当から外れてしまう。

 では、どなたが担当なんですかということをお尋ねすると、それは総理でありますという答弁がありました。総理が本当にこの法案の担当大臣になるわけですか、これは。大変おかしなことだと思っています。また、あるときは、この担当が誰になるかについてまだ決まっていないということも言われているわけであります。

 私どもは、まずNSC、国家安全保障会議をつくる、そして、そこで骨格的な人事を決めていただく、その人たちが中心になってこの特定秘密の保護についても議論をする。この順番で何ら問題はないんです。

 そして、先ほど午前中のこの国会での参議院での審議で総理は、確かに、国民の多くの人たちが反対をしていてもやらなければいけないときがある、イラクの特措法の例を挙げていましたけれども、イラクの特措法というのは、確かに法律はありませんでした。

 今は、この秘密について、とりわけ今、喫緊の課題であります安全保障の秘密については、ちゃんと防衛省の防衛秘密、法律がございます。それから、米軍との間における、これは相互の技術援助のイージス艦の情報などは、総理もさっきお話をしたMDAの秘密の法律もございます。それから公務員については、守秘義務という国家公務員法の秘密もあります。さらに、四十万件を超える特定管理秘密というものもあります。

 もちろん、私どもは、特定管理秘密がガイドラインに基づくものだけであってはいけない、やはりこれも数を絞って法制化をしなければいけないということを考えているわけでありますが、私どもの案を取り入れていただければ、何も、こういった多くの国民が反対をする特定秘密法をつくらなければいけないということにはならない。

 私どもは五つの法律をしっかりと提出をしまして、この五つの法律で、本当に守らなければいけない国の秘密は守れるということをちゃんと皆様方に御提示をしているわけであります。

 総理は私どものこの案についてどういうふうにお考えになるのか。それから、この法律の施行された場合の担当大臣は誰になるのか。この点をしっかりお答えをいただきたいと思います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、民主党が出されている法律についてでありますが、防衛秘密はそのままにしておいて、そして、テロ、一部のことについてだけ取り出して法律をつくっていくということでありますから、基準がばらばらのままに、ルールがばらばらのままになるわけでありまして、今までのままでいいはずはないということは、海江田代表もお認めになりました。

 そして、その上において、政府においてMDA秘密をそのままにしているのは、これは日米の協定によるものであります。ですから、それは協定によるものでありますからそうしているということでありますが、一方、先ほど申し上げましたように、秘密の指定そして解除については、今までルールがないんですから、このルールをちゃんとつくっていく。同時に、総理大臣あるいは官房長官についても、秘密が何件あってどういう種類に分かれているかということは、今の段階では恐らくこれは把握をしていなかったわけでありますが、今度はしっかりと把握をすることになります。

 これから新しくつくる情報保全諮問会議に毎年毎年総理大臣は報告をしなければならないわけであります。そして、専門家の集まったこの諮問会議において、総理大臣からの説明を聴取した上において、意見をつけて国会に報告をするわけであります。内閣も報告をする、こういう仕組みが今度はちゃんとできるわけであります。

 そしてもう一点は、NSCもできます。機能をしっかりとこれは生かしていくためにおいても、中身において相当突っ込んだ意見の交換が必要であります。

 例えば、中国が新しく防空識別区を設定しました。私たちの防空識別圏と重なっている。その中で、果たして私たちの防衛能力と彼らの防衛能力、どのような彼我の差があるのかどうか、適切に対応できるかどうかということについても議論をしなければなりません。その議論においては、当然、多くの秘密が含まれるわけであります。我が国の戦闘能力もこれは含まれるわけであります。

 しかし、今のままでは政治家は、その秘密を外に漏らしても罪に問われないんです。罰則がないんです。ですから、今度は、しっかりとそれは罰則をもって責任を持ってもらう。あるいはまた、国会の秘密会にそれを出せと言われれば、出します。しかし、出す以上は、それを知った国会議員の皆さんにも、ちゃんと守るという義務を持ってもらう。そのための罰則をつくっていく。当然のことを私たちは課していくわけであります。

 ですから、そのためのこの法律というのは極めて必要性は高いわけでありますし、NSCをつくった以上、それをつくらなければNSCは機能していかないということはおわかりいただけたのではないかと思います。

 そして、森大臣について言えば、まさにこの法案、自民党においてずっと議論をしてきました。その議論の中心にいたのは森まさこ議員であったわけでありまして、だからこそ、能力の高い、そして、この問題、課題について十分知悉した森大臣にこの国会において責任を持って答弁をしていただいたわけでありますし、そして、この法案が施行していく上においても、さまざまな政令もつくっていきますし、今言ったような諮問会議等々をつくっていく上においても、ちゃんと森さんに責任を持ってやっていただきたい、このように思っているところでございます。

海江田万里君 そうしますと、森さんが施行後も担当大臣として引き続きその任に当たるという理解でいいのかどうなのか、それが一点。

 それから、今、総理の口から情報保全諮問会議という名前が出ました。これははっきり言って、多くの委員の皆さん方も初めて聞く名前ではないですか。これは、きょうの午前中の参議院の議論で、共同提案になっています野党の委員からも、初めて聞く名前だということがありました。そして、これを総理は午前中の参議院の答弁では、第三者的機関だというような言い方をしています。

 私どもは、この情報保全のシステムをつくるなら、それは当然もう片方でチェックをする。その情報がどんどんどんどん役人任せにしておきますとこれが拡大をする。そして、秘密もいつまでたってもこれを開示しない。それから、本当に適切な秘密なのかどうなのかというチェックができない。だから、どこの国でも必ずそのチェック機能があるわけですよ。

 そのチェック機能をしっかり果たすためには、やはり役人の手から離れた、まさに、第三者的ではなくて、第三者機関でなきゃいけないんですよ、これは。それが本当に、総理の言う情報保全諮問会議というものは第三者機関になるのか。

 有識者をここに交えるということでありますけれども、総理がいつもいろいろな諮問会議のメンバーを選ぶときに、お友達を選んで、そして総理の言うなりになるような方々を配置したのでは、これは、諮問会議はチェック機関とは到底言えないわけであります。

 これが本当に、それこそアメリカの例をよく出しますけれども、アメリカのNSCの元高官は、日本の今準備していますこの特定秘密の保護法案、これは国際基準から見て大いに問題があるということを言っているんですよ。

 そういうことも踏まえた、本当にこれは第三者機関として機能するのかどうなのか、そのことについてお答えをいただきたい。しっかりしたお答えをいただきたい。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まさに海江田代表は重要な点を指摘された、このように思うわけであります。

 当然、第三者的と言ってもいいんですが、第三者機関と言ってもいいんだろうと、このように思うわけでありますが、そこで一つの課題は、情報の交換を行うときには、基本的に、海外の情報機関と情報交換を行う場合は、サードパーティールールがあって、サードパーティーに渡すのであれば渡せないということを前提に情報交換を行います。それをのめないのであれば渡せないというのは、これはインテリジェンスの世界では常識と言ってもいいわけであります。しかし、その中において恣意的な運用がなされてはならないのは、言をまたないわけであります。

 先般、元海上保安官の一色さんがテレビに出ておられて、かつて、出すべき情報を勝手に秘密にした、そういう考え方が間違っている、彼はそういうふうに言っていました。だからこそ、こうして新しくちゃんとルールを決めることが大切だ、彼はそう述べていたわけであります。

 そもそも、出すべきビデオを出さなかった、そういう判断ができる状況が問題だということはまずはっきりと申し上げておきたい、このように思います。

 そして、その上で申し上げれば、この委員会の、最初からお話をさせていただいておりますように、有識者の皆さんにまずルールについて意見を言っていただくわけであります。それは、指定において、あるいは解除において、保管の期間等々も含めて意見を言っていただいて、そしてそれは情報保全諮問会議ということにしていき、これは仮称でありますが、そして、そこにおいてしっかりと今言ったルールについて意見を言っていただいて、その上でルールをつくっていくわけであります。

 どういうルールができたかということについては、これはもちろんオープンにされるわけでありまして、このルールに基づいて、限定列挙された事項にかかわるものしかこれは特定秘密にはできないわけであります。そして、ここに対して総理大臣は毎年報告をしなければならないわけであります。

 そして、同時に保全監視委員会というものをつくって、そしてそれは内閣官房に置くわけでありますが、情報コミュニティーの責任者が集まり、その場において総理、官房長官、副長官が、しっかりとこれはチェックがなされているかどうかということを確認します。その上において総理にこれは報告がなされるわけであります。

 そしてさらに言えば、ここから大切なことなんですが、さらに言えば、独立公文書管理監というものを置いて、公文書において勝手にこれは廃棄するかどうか、まず公文書館にスムーズに持っていくべきかどうかということをここで判断をちゃんとします。スムーズな移管がなされます。そして、今まで四万件の防衛機密、三万件が何と民主党政権時代に廃棄されたんです。こんなことが起こらないように、しっかりとこの管理監にチェックをしてもらう。

 このような重層的なチェックの機能が果たされるということをはっきりとまず申し上げておきたいと思うわけでありますし、今まで、こういうルールもチェックもなかったことによって、オープンにすべきものがオープンにされなかった。もう何年も経過しているから、この経過を、秘密にする期間は超えているという判断ができるようにしていくということであります。

海江田万里君 総理、もう時間がありませんから長々としちゃいけませんが、やはりこの情報保全諮問会議、これは本当に大事なものなら、最初から法律に書けばいいわけですよ。全くないじゃないですか。

 それから、情報保全監視委員会、これは次官級の官僚で組織をするというんですよ。またここでも官僚が出てくるんですよ。まさにこの保全の問題、チェックの問題、監視の問題というのは、秘密を保全することと全く同じ、同じ重みを持っていなければいけないわけですから、当然、その部分が入っていなければ、これは法律としても欠格製品なんですよ、欠格法律なんですよ。

 私は今の総理のこの答弁を聞いていて、この特定秘密保護法案は、官僚による、官僚のための、官僚の情報隠しの法案だ、そういう確信を持ったということを改めて申し上げます。

 総理、これはやはり大きな問題のある法律でありますから、よく国民の意見を聞いて、よく国民の意見に耳を傾けて、ゆめゆめ、強行採決、この会期の中で終えてしまおうなどと考えないでいただきたい。

 そのことを最後にもう一度申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)

会長(山本公一君) これにて海江田君の発言は終了いたしました。

 次に、日本維新の会代表石原慎太郎君。(拍手)

石原慎太郎君 日本維新の会の石原であります。

 特例秘密保護法に関しての被害妄想に駆られて、これが通ると憲兵が徘回し国民を取り締まるような嫌な時代がやってくるという流言飛語が、しかも大新聞の一面に掲載するような、総理の御祖父の岸総理の時代の一九六〇年の安保騒動に似たヒステリー現象が国会の周辺でも起こっておりますな。時代の事情に即応した非常に必要な法律だと私は思いますが、これは、安倍さん、星回りというんでしょうか、とにかく、あなたの御祖父の岸さんにまねて、毅然として対処をしていただきたいと思います。

 この法律をつくる限り、これを踏まえて、アメリカの中央情報局、あるいはイスラエルの、私は非常に評価しておりますけれども、非常に小さくとも極めて優秀なモサドのような国家組織というのをつくるべきじゃないかと私は思いますけれども、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、NSCをつくって、そして情報の保全の法律をつくるわけでありますから、情報収集能力を持って、その秘密に当たる情報を収集してこなければ意味がないということであります。

 現在においては、政府において情報収集について能力を向上させていくべく努力をしておりますし、研修制度等も取り入れながら海外の機関の知見を取り入れている次第でございますが、確かに今石原共同代表がおっしゃったように、さらに、現状に甘んじることなく、さまざまな課題について能力を向上させていく努力をしていかなければいけない、このように思っております。

石原慎太郎君 この議論の中で、秘密の領域を余り広げずに、国家の安危にかかわる防衛問題に限るという意見もあるようでありますが、それを妥当とするなら、国家の安危にかかわる情報こそ、私はむしろ公開すべき場合があると思います。

 例えば先ほどもおっしゃいましたけれども、かつての、尖閣地域における中国の公船と称する怪しげな船の保安庁の監視船への衝突事件に関する嫌がらせと衝突の十数時間に及ぶビデオの映像、これは一色保安官の決断によって初めて開示されました。国民はその実態に触れました。これについては、腰抜けの民主党内閣が中国におもねって、これを秘密として隠蔽を命じましたね。そして一色保安官は、これを開示したことで国家公務員法違反として書類送検されて、辞職をしました。一色君の決断が国民の防衛に関する意識を呼び起こして、これを高めましたね。

 私は、この事例を見ますと、愚かな大将は敵よりむしろ恐ろしいというパラドックス、これはもう実証されたと思います。これによって、行われるべき国家的な討論や審議が著しく阻害されたと思います。これは後に述べますけれども、私たちが保持している防衛力を有効に駆使する、守るための交戦規定の設立がこれによって阻害されたと思います。

 これは、実は以前にもこれに似た事情が自民党内閣にもありました。

 かつて、昭和五十一年の三木内閣というどうしようもない内閣のときに、ロシアのミグ25戦闘機が函館に亡命、不時着しまして、これに対してソビエトのコマンドが襲来するかもしらぬという通報がありました。これは政府はろうばいしましたけれども、当時の三好陸幕長の初判断で、敵の襲来に備えて、戦車が飛行場に入り、高射砲も配備して臨戦態勢をとりました。

 そして政府は、この事件の処理の書類の焼却というのを後々命令をしました。そして、これについて行うべき討論なり情報というのは隠蔽されたわけですけれども、これに対して、三好陸幕長は辞任をして抗議をしましたね。その後、統幕の議長であった栗栖さんは、現行法では緊急事態に対する自衛隊は作戦行動ができないと政府を批判しました。当時の金丸防衛庁長官によって罷免をされました。

 その後の平成十一年、能登半島沖での不審船事件で、海上警備行動の発令ができずに、恐らく拉致した被害者を乗せたままであろうその不審船を取り逃がしてしまったわけです。

 その後も、ソマリア沖での海賊退治に海上自衛隊が派遣されました。当時、国会議員をしていたある人物が主唱して、ピースボートなるものがこれに反対して現地へ赴きましたが、海賊が怖くて、どうかとにかく海上自衛隊に保護してくれと依頼をしてきた。しかも、自分たちが反対した自衛隊に保護を求めるのは恥ずかしいものだから、本国に打電して、海上保安庁に出てきて守ってくれというばかなことを頼んだ。

 この場合の海上自衛隊の要するに行動というものは非常に制約されていまして、わざわざ外地に赴いた海上自衛隊が海賊に対していかに対処するかというその行動は、警察官の職務執行法の準用によって、拘束する相手が禁錮三年以上の罪を犯している場合にのみ攻撃をかましてよろしい、そういうばかな拘束を受けたわけです。これは本当に荒唐無稽な話ですけれども、こんな規約の中で行動する海軍が世界じゅうどこにあるでしょうか。

 私は、平時における個別自衛権の確立とそれを支える交戦規定は、これは本当に必要だと思いますが、現場で危険を冒している、防衛活動する自衛官をいたずらにむざむざと犠牲にさらしてはならないと思いますね。

 現在、仮に尖閣で、要するに、遊よくして警備をしている海上自衛隊の艦船が、目の前で保安庁の船にシナの公船なるものが体当たりをしてきてこれを沈めてしまった場合に、中国の軍艦に対して海上自衛隊の艦船は反撃できるんですか。できないでしょう。これは保安庁を見殺しにせざるを得ない。

 平時がいつ突発有事に変化するかわからぬこの現況の中で、集団自衛権の発動以前に、日本個人の自衛権というものを行使するための、これを担保する交戦規定、ROEを、これは創設されるNSCなどにおいて早急に作成されるべきと思います。そうしませんと、これは自衛隊が浮かばれませんよ。これについて総理の自覚を伺いたいと思います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま石原共同代表がおっしゃった交戦規定、ルール・オブ・エンゲージメントですが、どの国の軍隊もそれは持っているわけであります。それはあらかじめ権限が部隊あるいは所属の責任者に与えられているわけでありますが、法制上与えられているものと、実際さまざまな状況においてどう対応するかということを決めておくことによって、部隊あるいは現場の兵士の負担を減らしていくわけであります。

 自衛隊には、いわゆる交戦規定という呼び方はしていないわけでありますが、部隊行動基準というものはあります。英語に訳すとルール・オブ・エンゲージメントにしておりますから同じなんですが、日本では部隊行動基準をつくっております。そしてそこで、今石原代表がおっしゃった、今のままでいいのか、そういう問題意識は持っております。

 そこで、今、安保法制懇におきまして、いわゆる集団的自衛権の問題のみならず、武力攻撃に至らない事態においてどのような実力行使が可能かどうかということを今検討しているところでございます。

 いずれにいたしましても、日本の国民、日本人の命を守り、領土、領海、領空をしっかりと保全するために、自衛隊の能力を生かして、能力があっても法制上それができない、あらかじめ決まっていないからできないということはないようにしていかなければいけない。

 そういう問題意識も持ちながら、NSCにおいてもいろいろな議論をしていきたい、さまざまな課題について議論をしていきたい、このように思っております。

石原慎太郎君 せっかく国民のとうとい税金を使って養ってきた自衛隊でありますから、非常に私たちは今緊張にさらされているわけです。恐らく、世界を見まして、国民の要するに数百人が情況証拠によって拉致されて返ってこない、生命まで奪われている、しかも領土は奪われる、しかも同胞も奪われ、しかも、それを侵している、とにかく周りを囲んでいる北朝鮮なりロシアなり、あるいは中国という国は核を持っている。こういう状況にさらされている国家は世界じゅうにないと思いますよ。

 これはやはり自覚して、ひとつ法整備もきちっとするなり、交戦権を踏まえて個別自衛権というものを確立して、私たちが安心して国民が暮らせるように、自衛隊が安心して戦えるような、ひとつそういう法整備を早急にしていただきたいと熱願いたします。

 終わります。頑張ってください。(拍手)

会長(山本公一君) これにて石原君の発言は終了いたしました。

 次に、みんなの党代表渡辺喜美君。(拍手)

渡辺喜美君 冷戦が終結をして二十五年近くが経過をいたしました。冷戦中というのは、平和も不可能であるが、戦争も不可能な時代であります。冷戦が終わったということは、平和も可能になったが、戦争もまた可能になった時代です。そういう時代においては、国家が、一人前の国家として国家戦略を持って対処をしなければいけない。

 みんなの党は、まさしくこうした観点から、当たり前の自由社会と一人前の国家を目指す政党として創設をされました。

 日本のゆがみは、国家経営において、こうした世界情勢の大変化があるにもかかわらずイノベーションができない、そういう体質になってしまったところに最大の問題があります。世界じゅう大競争の時代になった、しかし、日本が相変わらず統制型のシステムを残し続けている、そこに国家衰退の原因があるんじゃありませんか。

 世界の大激変の中で、東アジアの情勢が大変な緊張を持っているときに、相変わらず前例踏襲の憲法解釈しかできない。改革派法制局長官を持ってきても、そのもとの部隊編成ができない。そんな状況では、まさに日本が、この大激変の世界情勢の中で、再び輝ける国としてその位置を占めることは不可能になってしまいます。

 だから、我々は、戦前に戻すようなそういう政治勢力ではなく、当たり前の自由社会と民主主義を堅持しながら、一人前の国家として、国際社会のプレーヤーとして立ち向かっていかなければいけないんです。

 だから、我々は、みんなの党は、アジェンダにおいて、日本版NSCも掲げました。インテリジェンス機能の強化も掲げました。当然のことながら、情報漏えいの防止策を強化する、これも掲げました。

 政府案に対して我々は修正を求めました。それは、多くの国民が、この法案が、戦前の日本に戻そう、そういう不安を残念ながら持っているからであります。我々はそういう法律をつくるんじゃないんだ、そう思ってやってきた。

 ところがどうですか。残念ながら、そこにいらっしゃるが、石破幹事長がとんでもない大失言をやらかしてくれた。こういう大事なときに、まさに自民党のおごりと言われても仕方のないような大失言でしたよ。

 国会の状況、総理も、きょうの参議院、委員会に出席をされてよくおわかりになったじゃありませんか。我々は丁寧な審議を求めるんです。我々は自由社会と民主主義をきちんと守っていかなければいけない。だったら、その自由と民主主義に立脚して成り立っている国会が強権的な国会であってはいけないじゃありませんか。

 私たちは前向きにこの政府案を検討し、そして前向きな修正案を提出した。安倍内閣、政府・与党においてもこれをしっかり受けとめてもらった。ここは丁寧な国会運営をやっていただきたい。会期延長すべきですよ。いかがですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 渡辺代表には対案を出していただきまして、我々もなるほどなと思いまして、修正をしたところであります。みんなの党との協議によって法案はよりよくなったと、このように私も思うわけでございます。

 そこで、審議におきましては、この法案の審議は相当熟議を深めてきた、このように思うわけでありますが、それはまさに委員会そして国会で判断されることだろうと、このように思うわけであります。

 しっかりと時間をかけて議論をし、そして、十二の論点においては、みんなの党そして維新の会の皆様の修正の協議をし、そして修正をしたわけでありました。そうした成果を得ながらこの議論は進んできたんだろうと、こう思うわけであります。

 もちろん、まだ、きょう、そしてあす、あさってと会期はあるわけでございますので、しっかりとさらに議論を深めていただく機会は十分にあるんだろうと、こう思っております。

渡辺喜美君 とにかく、この法案が衆参ねじれ解消後の試金石になります。自民党政権がおごりによって民主主義を愚弄するようなそういう印象を与えたら、輝ける日本はつくれませんよ。

 我々は、この法案に真摯に取り組んで、衆議院では賛成をした。しかし、こんないいかげんな国会運営が行われたら、我々はその国会運営の手続に反対せざるを得なくなりますよ。会期延長はしっかりとやっていただかなければなりません。

 安倍内閣がなぜ支持率が高いのか。それは、デフレから日本が脱却できるかもしれない、そういう期待感があるからなんです。でも、残念ながら、景気は減速の傾向が出てきた。ことしの二十四年度補正は十兆円の補正。今度は何ですか、五兆円ですか。そして、消費増税をやるというのに、景気が減速したら、デフレ脱却なんかできないじゃありませんか。

 日銀は、アベノミクス第一本目の矢としてしっかり異次元緩和をやってくれた。でも、ここへもってきて減速傾向が出てきているんです。だったら、追加緩和を考えるべきじゃありませんか。そういう財政金融一体政策こそがアベノミクスの大事なポイントでありましょう。いかがでしょうか。

会長(山本公一君) 簡潔に願います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、来年の消費税の増税に向けて、景気が減速しないように、今のスピード、速度でしっかりと成長していくように経済対策を打っているわけであります。

 また、金融緩和については日銀の黒田総裁が適切に判断されると思いますが、先般も、黒田総裁は、もしそういう懸念をするような状況が見えてくればちゅうちょすることなく対策を打つ、このような趣旨の発言をしておられて、私、大変頼もしく思っているわけでありますが、いずれにせよ、しっかりと日本銀行において正しい判断をしていただける、このように確信をいたしております。(拍手)

会長(山本公一君) これにて渡辺君の発言は終了いたしました。

 以上をもちまして、本日の合同審査会は終了いたしました。

 これにて散会いたします。

    午後三時四十三分散会


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