衆議院

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第28号 平成18年6月9日(金曜日)

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平成十八年六月九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 中谷  元君

   理事 佐藤  勉君 理事 谷  公一君

   理事 葉梨 康弘君 理事 萩生田光一君

   理事 やまぎわ大志郎君 理事 後藤  斎君

   理事 渡辺  周君 理事 谷口 隆義君

      あかま二郎君    石破  茂君

      岡部 英明君    奥野 信亮君

      上川 陽子君    木挽  司君

      桜井 郁三君    実川 幸夫君

      柴山 昌彦君    菅原 一秀君

      関  芳弘君    田中 良生君

      谷本 龍哉君    土屋 正忠君

      土井  亨君    永岡 桂子君

      萩原 誠司君    橋本  岳君

      福田 良彦君    山内 康一君

      山本ともひろ君    渡部  篤君

      安住  淳君    小宮山泰子君

      田嶋  要君    寺田  学君

      西村智奈美君    福田 昭夫君

      三日月大造君    横光 克彦君

      富田 茂之君    古屋 範子君

      吉井 英勝君    重野 安正君

      亀井 久興君

    …………………………………

   総務大臣         竹中 平蔵君

   総務大臣政務官      上川 陽子君

   総務大臣政務官      桜井 郁三君

   総務大臣政務官      古屋 範子君

   会計検査院事務総局第五局長            増田 峯明君

   政府参考人

   (総務省情報通信政策局長)            竹田 義行君

   政府参考人

   (総務省政策統括官)   清水 英雄君

   参考人

   (東洋大学教授)     松原  聡君

   参考人

   (株式会社福島放送代表取締役社長)        吉田 幹則君

   参考人

   (日本放送協会経営委員会委員長)         石原 邦夫君

   参考人

   (日本放送協会会長)   橋本 元一君

   参考人

   (日本放送協会理事)   原田 豊彦君

   参考人

   (日本放送協会理事)   小林 良介君

   参考人

   (日本放送協会理事)   中川 潤一君

   参考人

   (日本放送協会理事)   小野 直路君

   参考人

   (日本放送協会理事)   衣奈 丈二君

   参考人

   (日本放送協会理事)   石村英二郎君

   総務委員会専門員     太田 和宏君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月九日

 辞任         補欠選任

  あかま二郎君     山内 康一君

  奥野 信亮君     柴山 昌彦君

  谷本 龍哉君     菅原 一秀君

  逢坂 誠二君     小宮山泰子君

  寺田  学君     三日月大造君

同日

 辞任         補欠選任

  柴山 昌彦君     奥野 信亮君

  菅原 一秀君     谷本 龍哉君

  山内 康一君     あかま二郎君

  小宮山泰子君     逢坂 誠二君

  三日月大造君     寺田  学君

    ―――――――――――――

六月九日

 シベリア抑留問題早期解決に関する請願(松原仁君紹介)(第二九七八号)

 軽油引取税暫定税率に関する請願(武正公一君紹介)(第三三二七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 日本放送協会平成十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書

 情報通信及び電波に関する件(今後の通信・放送のあり方)


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     ――――◇―――――

中谷委員長 これより会議を開きます。

 情報通信及び電波に関する件、特に今後の通信・放送のあり方について調査を進めます。

 本日は、参考人として、東洋大学教授松原聡君及び株式会社福島放送代表取締役社長吉田幹則君、以上二名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、松原参考人、吉田参考人の順で、それぞれ十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと思います。

 それでは、松原参考人、よろしくお願いいたします。

松原参考人 おはようございます。松原でございます。きょう、三時間、よろしくお願いいたします。

 考えてみると、「朝まで生テレビ!」が大体三時間でして、大分長丁場だなという気がしています。「朝まで生テレビ!」はCMがあって休憩があるんですけれども、これはどうもなさそうなので、お手やわらかにお願いいたします。

 きょうは、六月六日に、総務大臣の私的諮問機関、通信・放送の在り方に関する懇談会、半年、十四回の議論を重ねてまいりまして、報告書がまとまりましたので、この報告書の概要を十分間で私の方から説明させていただきたいと思います。

 最初の三ページぐらいまでが私たちの問題意識等々を述べたところでございまして、一ページ目のところに、私たちの問題意識と、それから期間の問題について触れておりますので、その点から御説明させていただきたいと思います。

 私どもは、通信と放送の融合に関して議論をしていこうということにいたしましたが、その中で、改革の工程といいましょうか、いつごろまでにどういうことを提言しようかということを最初に議論いたしまして、その中で、政府の方針、既定方針等を踏まえて、二〇一一年という時期を、ここの中では完全デジタル元年という言葉を使いましたけれども、その時期を目標にしよう、こういうことにいたしました。

 それは一つは、ITの新改革戦略で、二〇一〇年度までにブロードバンド・ゼロ地域を解消する、要するに、日本じゅうにブロードバンドを張りめぐらせるという政府の方針ができました。それが一つであります。それからもう一つは、二〇一一年七月のテレビ地上波の完全デジタル移行でありまして、その二つを念頭に置くと、やはり二〇一一年という時期が非常に大事であろう、この時期に向けていろいろな措置を完成させておかなければいけないというのが私どもの問題意識でありました。

 その点につきましては、三ページの最後から四ページの冒頭にかけて書いておりまして、私たちがその後に述べるいろいろな提起に関しては、二〇一一年に実施できるような、したがいまして二〇一〇年あたりにしっかりとした結論を得ているような形で処理をお願いしたい。具体的には、その方向性あるいは工程に関しましては、総務省が責任を持ってスケジューリングその他をやっていただきたい、こういうことでございます。これが私どもの大きな時期的な点と問題意識についてでございます。

 それで、具体的な私どもの提言について御説明させていただきます。それは四ページ以降になります。

 大きく分けまして、「融合を進めるための環境整備」といいます、いわば総論的な、法律的な部分を最初に持ってまいりました。

 その中では、当面非常に大きな問題となっているIPマルチキャストの著作権法上の扱いについて提言いたしました。これは、IPマルチキャストによる放送が事実上大きく進んでいるのに、その権利処理に関しましては、その部分が通信扱いになるために非常に大きな障害となっている、やはりこれは一日も早く放送扱いにしていただきたい、すべきだ、こういうことでございます。これは著作権法上の処理、こういうことになります。

 それから、次のページに参りまして、4のところで法体系の問題について提言いたしました。このあたりがまさに通信と放送の融合の私どもの一番大きな問題意識でございまして、現実に通信と放送が融合しつつあるのに、法律の体系を見ると、それが縦割りのままになっている、法律が九本ある、こういうことでございまして、そのことが融合によって新しいビジネスが登場したりサービスが広がることの障害になっている、こういう認識でございます。その九本の法律を、縦割りの法律を、できればレイヤーごとの、伝送路、伝送サービス、プラットフォーム、それからコンテンツ、そういったレイヤーごとのいわば横割りの法律に変えていくべきではないか、こういうことでございます。

 以上が、大きな法律的な枠組み、環境についての私どもの提言でございます。

 次が、通信・放送の通信の部分に対する提言でございます。

 まず、五ページの通信の1のところにございます「事業規制の在り方の見直し」というのは、やはり通信という産業のマーケットが多くの事業者が対等に競争するようなマーケットには現在なっていないわけでありまして、そこでの競争のルールというものに関しましては、単に公正取引、独占禁止法の枠組みではなくて、それなりの事業規制が必要だ、こういう認識でありまして、そこで、有効でかつ公正な競争ができるような規制をしっかりしていただきたいとまず総論的なところで述べました。

 その後、2のところでございまして、「通信関係法制の抜本的な見直し」、こういうタイトルになっておりますが、やはり日本の通信のマーケットを見たときに、NTTグループの存在というものが大変大きい。このNTTグループのあり方について述べましたのが2のところになるわけでございまして、その中で私どもは二つのことを申し上げました。

 一つは、やはり現在の状況は、技術を含めて見ましたときに、アクセス部門、一軒一軒の家に入る回線の部門につきまして、NTTの東西日本会社のドミナンス性が高い、こういう認識を持ちまして、そこを多くの事業者が自由に使えるような形にすべきだ、こういう認識でございまして、そのことは、NTT東西のボトルネック設備の機能分離、こういう言葉を使いました。現状は会計上の分離だけでありますけれども、それではまだ十分なオープンなアクセスを実現するには不十分だ、こういう認識でありまして、それを拡張すべきだ、もう少し広くオープン性を確保すべきだ、こういう問題提起でございます。

 それからもう一点は、NTTの今の組織のあり方が、やはり九六年ごろ議論されたものでありまして、分野規制等を含めて現状に合わないのではないか、それを変えるべきだ、こういうことでございます。

 次が、放送関係でございまして、マスメディア集中排除原則は、今の多局化が進んだような状況の中で、緩めてよろしいのではないか、こういう提言をいたしました。

 同時に、地デジ、テレビがデジタル化する二〇一一年の段階では、アナログに比べて、デジタル化することによって資源を有効に使えるはずであって、それが十分有効に活用できるような制度を整えるべきだ、こういう提言をいたしました。

 そして最後で、今の点は放送全般にかかわる提言でございますけれども、私どもの最後の提言はNHKでございまして、これは通信におけるNTTと同様に、放送事業の中で大変大きな地位を占めているということと、不祥事が続発したということを受けまして、NHKの組織の問題について最後に提言いたしました。

 まず、経営委員会については、ガバナンスを徹底的に強化すべきだ、こういう提言をいたしました。

 そして、具体的なNHKの組織の見直しに関しましては、まず、チャンネルの削減について、今八つあるチャンネルについて、テレビにつきましては、BS三波のうち二波は公共放送としてやる必要はないだろう、こういう判断でございます。それから、ラジオのAM二波とFMにつきましては、FMについて公共放送としてやる必要はないだろう、こういう判断をいたしましたので、八つのチャンネルを五つに減らしていいのではないか、こういう提言をいたしました。

 それから次は、NHKの組織の問題でございまして、NHKの組織に関しましては四点、ここの中で述べられております。

 まず第一は、NHKの中で不祥事が続発し、それから事業の中身を見たときに、公共性、公共放送の内部でやる必要性があるのかどうかという視点のもとで、スポーツ・娯楽部門に関しましては、NHKの本体から外部化して子会社にした方がいいのではないか、これが一点目であります。

 それから二点目は、NHKの伝送部門、放送を出す部門に関しまして、デジタル化を前提に考えると、そのNHKに与えられたチャンネル、帯域というものはさまざまな形で活用できるはずだ、それを活用できるような仕組みにするためには伝送部門も本体から切り離した方がいいのではないか、こういう提言をいたしました。

 それから三つ目でございますけれども、五十万と言われるNHKのアーカイブ、これをインターネットプロトコルを通して配信できるようにすべきだ。そのことに関しましては、やはりこの事業は収益性等も考えられるので、本体ではなくて子会社でやった方がいいのではないか、こういう提言でございます。

 そして最後に、NHKの国際放送に関しまして、これは、日本からの情報発信という面から見まして非常に重要な業務であろう、その業務を本体の中でやるよりは子会社でやって、民間からの出資等を受けて、民間のいろいろなアイデアを取り入れた方が魅力ある放送ができるだろう、こういう判断をいたしました。

 したがいまして、NHKの組織に関しましては、以上述べました四つの部分について本体から切り離した方がいいだろう、あるいは切り離せない場合には、しっかりとした会計分離をして、自律性を高めた事業として展開した方がいいのではないか、こういう提言でございます。

 最後に、受信料についてでございますけれども、これは当面、受信料支払いを義務として明確に法律上位置づけた方がいいのではないか。その後に、国民の納得が得られるというハードルを設けましたけれども、その後に罰則化についても検討すべきだ、こういう結論に達しました。

 以上が、六月六日にまとまった懇談会の報告についてでございます。(拍手)

中谷委員長 どうもありがとうございました。

 次に、吉田参考人、お願いいたします。

吉田参考人 ただいま御紹介にあずかりました福島放送の吉田幹則でございます。

 先ほど委員長からリラックスするようにという優しい言葉をかけていただいたんですけれども、体は割合大きいんですが気が小さくて、非常に緊張しておりますので、よろしくお願いいたします。

 本日は、私どもローカルテレビ局の置かれている立場ですとかあるいは現状などについて、先生方に御説明させていただく機会を設けていただきまして、まことにありがとうございます。非常に感謝しております。

 早速、レジュメに沿いまして、総括的なことを簡単に御説明したいと思います。ただ、内容といたしましては、一般論はなるべく避けて、私ども福島放送の実情、こういうことをお話しすることで、ローカルテレビ局の実像というものの御理解に役立てていただければなというのが私の願いでございます。

 最初のページにございますように、私ども福島放送は、本社が郡山市にございまして、一九八一年二月に設立されました。開局はその八カ月後の十月でございまして、ことし十月に開局二十五周年を迎えることになります。

 二〇〇六年三月期の決算では、売り上げが五十二億円、経常利益が、そこにありますように七億七千万、約八億となっております。

 常雇いの従業員は百一人おりまして、ただ、この数字には、正社員のほかに、契約社員ですとかあるいは嘱託社員といった人たちも含めております。このほか、技術関係ですとかビルメンテナンス関係で業務委託をやっておりまして、ここからやはり六十人か七十人の方々が当社に来て働いております。

 資本金は十二億円強と、結構でかいのですが、業容から見ますと、典型的な地方の中小企業と言っていいんではないかというふうに思っております。

 二ページ目でございますけれども、現在、私どもの最大の課題は、先生方御案内のとおり、放送のデジタル化でございます。おかげさまで、つい先日、六月一日に無事デジタル放送を開始することができました。しかし、これは単なる一通過点でございまして、これからさらに多くの課題が待っておるというところでございます。

 当社の場合、デジタル化のための設備投資は、ここにありますように、約五十億円と見積もっております。大体一年間の総売り上げに匹敵する額でございます。これは、最小限といいますか、これだけは必要というものを見積もったものでございまして、これからまたいろいろなものが出てくる可能性がございます。したがって、さらに膨らむんじゃないかというふうに思っております。

 それはともかくといたしまして、これまで設備投資が終わったのがおおよそ二十億円です。これから二〇一〇年度までの五年間で約三十億円を投資しなければならないというのが私どもの実情です。

 設備投資以外にも、アナログとデジタルの両方を放送するいわゆるサイマル期間というのがございますけれども、この間、業務委託、人件費、それから回線費ですとか電気代とか、いろいろなものがかさみまして、こうしたランニングコストで一億円近くのものが毎年膨らむ、こういう見込みになっております。したがいまして、私どものような中小企業にとりましては、経営努力をかなり超える、こういうのが実感でございます。

 と申しましても、デジタル化は国策でございますし、国民の皆様の大切な電波を使わせていただいているという責任がございますので、何とか円滑に乗り切りたいということで、工夫を重ねているところでございます。

 例えば、役員報酬は、数年以上、地位に応じて一〇%から三%のカットを続けております。それから社員の給与も当然、当然と言うと社員が怒ると思うんですけれども、もう何年もベアなしで来ております。それからビル警備ですけれども、これも裏口を常時施錠するという措置をとりまして要員を減らしていただくとか、あるいはビル清掃も、以前は毎日全フロアというのをお願いしていたんですけれども、週に三回という格好で減らす。そのかわりきれいにしようねというようなことをやりまして、減らしております。あるいは、制作部門とか放送準備、こういった作業をする部門があるんですが、こういうところを委託している会社に対しても、要員をなるべく抑制してほしいということで、協力をお願いしております。

 それから、非常にエピソード的なお話をいたしますと、交際費などにつきましても、社員が大変いろいろ涙ぐましい努力をしてくれております。みみっちいお話を一つ申し上げますと、先日、地元のある広告会社の社長さんと雑談しておりましたら、君のところの若い者はなかなかのもんだぞ、この前、おれを庶民的な店で、サンマで接待してくれたぞ、こうおっしゃるんですね。おれは、どうだすごいだろうというふうな高級料亭で接待してもらうよりも、君のところのような気持ちがうれしいよ、こう言ってくれまして、恐らくうちの社員たちが、余り使えないというか、わずかしかない交際費で、どうすれば相手に喜んでもらえるだろうかといろいろ知恵を絞ってくれているんだろうということで、少々せつないんですが、うれしい思いをしました。

 こういったいろいろな経費の効率的な活用といいますか、そういったことをやる中で、私ども、デジタル化に取り組んでおるわけです。ただ、そう申しましても、ローカル局の使命を全うしなきゃならないということで、いろいろな活動を展開しております。

 レジュメの三ページ、四ページ目、ここにございますように、私どもローカル局の使命、役割といいますのは、地域に根差して、地域とともにあって、そして地域の発展に寄与するというところにございます。

 具体的には五ページにございますけれども、私どもでは、毎週月曜日から金曜日まで、午後六時から約二時間、ニュース、生活情報番組を流しておりますけれども、この中に約一時間ローカル枠を設けまして、視聴者に身近なニュースですとか生活情報を提供しております。それから、毎日、数分間ではございますけれども、お昼にローカルニュースの枠を設けたり、あるいは週に一回、福島市とか郡山市の市政トピックス、これは手話つきでございますけれども、こういうものを放送したりというふうなことをやっております。

 それから、地域からの発信ということでございますけれども、当社の場合、月に大体七、八本の全国ニュース、全国に向けて発信しております。このうちの約半数は福島放送がキー局に売り込みをしたものでございます。つまり、黙っていれば目立たないで埋もれてしまう、そういったニュースを、こうこうこういう事情があり、こういうバリューがあるから、全国ニュースとして流す価値があるんだというふうなことをキー局にアピールいたしまして、それで採用されるものであるということでございます。地域の事情に精通した我々ローカル局でなければできない、そういう仕事だろうというふうに思っております。

 それから、もちろん、先生方御承知のように、総選挙から地方自治体の選挙まで、大事な選挙は丁寧に報道していくという姿勢をとっております。

 それから、近年、幸いにして福島県はそういうことがなくていいんですけれども、大きな災害ですとか事故、こういったものがあった場合には、何をおいても、地域の方々に必要な情報をきめ細かく迅速に提供するという体制を整えております。

 さらにことしは、開局二十五周年ということで、そこにありますように、記念番組四本の自主制作を予定しておりますけれども、いずれも、福島県の豊かな自然ですとか風土、食文化、こういったものを取り上げて、その真髄に迫ろうというものでございまして、地元局ならではの番組づくりであろう、あるいはそういうものにしたいというふうに考えております。このうち三本、デジタル開局後に放送する予定のものにつきましては、ハイビジョン制作を予定しております。デジタル開局記念番組というのもつくるんですけれども、これを合わせますと四本は、地元密着で、ハイビジョンで、ふるさとのよさの再発見をしていただきたいというふうな番組を考えております。

 それから、六、七ページでございますけれども、イベント類も数多く手がけております。

 極めて泥臭い事業、これは七ページに書きましたけれども、毎年五月の連休中に三日間から四日間開催しておりますマンモス・フリーマーケットというのがございます。何だ、フリーマーケットか、こういうふうに思われる先生方もいらっしゃると思うんですが、そこに書きましたように、ことしは四日間で十万人近い人に来ていただきました。結構人気がございまして、完全に定着したイベントだろう。特に、人口が三十万余りの郡山市にありまして、これだけの方々に来ていただけるということは、地域に根づいた一大イベントというふうなことで胸を張っていいんじゃないかなと思っております。それから、益金の一部は、やはり社会福祉に役立てていただきたいということで郡山市の方に寄附しております。これも地元テレビ局としての地域貢献の一つであろうというふうに考えて、続けております。

 それから、私、社員たちに常々、デジタルとブロードバンドの時代というのは何が起きてもおかしくない時代である、しかし、それは逆に言えば、難しいけれども非常に挑戦のしがいのある時代だよというふうに言っておるんですけれども、最近、若手を中心に、積極的に勉強して、新たな試みを考えようという動きが具体化してまいりました。デジタル化一筋に走ってきたんですけれども、ここに来てようやくその先を考えようかということを若い人たちも考えてくれるようになったということでございます。福島県にフィットしたいいアイデアを出してくれるんじゃないかというふうに期待しているところでございます。

 こういうわけで、私ども福島放送では、役員、社員一体になって、いろいろな努力、工夫を重ねることで、地域のテレビ局としての使命を果たしながら、何とかデジタル化を乗り切り、新たな展望を切り開きたいというふうに懸命に頑張っているところでございます。

 ただ、いろいろな努力をしてもなお手に余るところが出てくる可能性がございます。先生方御案内のいわゆる条件不利地域というところでございます。

 私ども、民間企業でございますので、中継局を含めて、自力でデジタル化を完遂したいというふうに思っております。それが本筋だと思っております。ただ、各放送局が数十年、私どもにしましても二十年余りかけて築き上げてきた中継網、こういったものを五、六年でやれというのは、やはり物理的あるいは経営的に無理が出てくるところがございます。そういう地域につきましては、これからさらに詳しく調査を進めまして、必要なところでは、国や地方公共団体、こういったところの関係する皆様のお知恵あるいは御協力をいただきたいな、そういうことで視聴者の皆様の御要望にこたえていきたいというふうに考えております。

 簡単ですけれども、福島放送の現状を実例にいたしまして、ローカルテレビ局が、地域に根差して地域とともに生きていこう、こういう大きな志を大切にしながら、デジタル化という大事業に取り組んでいるということを御説明いたしました。ローカル局に対する先生方の御理解、御指導、御支援を切にお願いいたしまして、私のごあいさつとさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。(拍手)

中谷委員長 どうもありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

中谷委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷公一君。

谷委員 自由民主党の谷公一でございます。

 きょうは、大変お忙しいところ、松原教授そして吉田社長にわざわざ来ていただきまして、ありがとうございます。

 せっかくの機会ですので、短い時間ではございますが、幾つかお尋ねをしたいと思います。限られておりますので、できればお答えの方は簡潔にしていただければと思います。

 まず最初に、松原教授の方にお尋ねしたいと思います。

 懇談会の報告書が出たわけでございますけれども、なかなか新聞の方はやや皮肉な書きぶりで、我々自民党の通信・放送産業高度化小委員会、俗に片山小委員会、片山元大臣を小委員長とする片山小委員会と言っているわけなんですけれども、その議論が懇談会に影響を与え、最終報告書にも反映されたなんて断言している新聞もあります。

 しかし、見識を持ったそれぞれの専門家たる方が、自民党は自民党、与党は与党の議論として、目にすることはあっても、影響を与えたというようなことはないのではないかというふうに私は思っているわけでございますけれども、その点についてまずお尋ねしたいと思います。

松原参考人 お答えいたします。

 片山小委員会とは、ほとんど同じような事柄について別の場で議論してきた形になります。それから、事業者等のヒアリングに関しましても相当部分オーバーラップしたわけでございまして、その意味で、同じ事柄を同じような事業者、環境の中で検討するというときに、方向性がある程度重なるということについては、私は、結果的に見て当然だ、こう思っておりました。

 それから、私どもが物事を判断するときに、もちろん事業者の意見もお伺いしましたけれども、その一方で、国民の世論とかあるいはそれを受けた国会での先生方のお考え方というのも念頭に置きましたのは間違いないところでございまして、それは、私どもの提言することが、多くが法律マターになりますので、国会ひいては国民の理解がなければこれは実現しないわけでありまして、そのあたりにつきましては議論の中で当然配慮いたしました。

 その結果といたしまして、オーバーラップした部分がある、しかし、すべて一致したわけでもない、こういう認識に至っております。

谷委員 何かわかるようなわからないようなあれでございましたけれども。

 もう一つ、我々自民党の中でもいろいろ議論を進めたわけですけれども、小泉総理が早い段階で、例えば、十一月二十二日にNHKの民営化を否定するような発言があり、また年が明けて二月十日にはNHKの国際放送を充実しろというような指示があったり、あるいは三月一日にNHKのチャンネル縮小を指示というか、そういう意向が新聞紙上で流れた。座長、そういうことはどうなんでしょうか。松原先生、懇談会の議論に影響を与えたのか与えていないのか、お尋ねします。

松原参考人 お答えいたします。

 直接に総理のいろいろな御発言が懇談会の中で取り上げられたことはございません。

 例えば、NHKの民営化問題に関しましては、私どもは最初から、NHKを丸ごと民間にして、日本を民間放送だけの一元的な体制にしていいかどうかという点について議論いたしまして、それはない、複数のモデル、CMモデルと受信料モデルの二つがあることが日本の放送の多元性、多様性を維持する上ではやはり重要だと考えましたので、総理の指示が直接あって、それを受けてということはございませんでした。

 先生の御質問の国際放送、チャンネル削減その他に関しましても、直接の指示があり、それを受けてという議論ではなくて、私どもがその問題を誠実に議論する中で出てきた結論だというふうにお考えいただきたいと思います。

谷委員 NHKの質問に移らせていただきます。

 NHKがどうあるべきかという問題について考えるときに、私は、公共放送、NHKが担うべきものは何なのかということはやはりきちんと押さえてから議論を進める必要があろうかと思います。私自身は、NHKというのは、とかく民放はどうしても視聴率に左右されるが、そういうことでなく、視聴率などに左右されることなく、信頼できる情報を全国どこにでも、いつでも、分け隔てなく提供する、そういう使命というのをNHKは担っていると思うんです。ですから、そういうことからすると、どうかなと思う懇談会の提言が幾つかございます。

 NHKなりあるいは公共放送が担うべきものは何なのかということが、この懇談会の報告書にはどこに書いてあるのか。何か明示されていないように思うんですけれども、その辺について、どういう議論がなされて、なぜここにNHKはどういう役割を果たさなきゃならないのかということがまずないのか。基本的な考え方がなくて電波数がどうのこうのと言うのはどうかなと思うんですけれども、お考えをお聞かせ願えればと思います。

松原参考人 NHKに関しまして、いろいろな改革の選択肢としては完全民営化というオプションもあり得たわけでありまして、私どもの報告書の最後がNHKになっておりますが、その中で完全民営化というようなことは触れておりません。ということは、最初に申し上げましたように、私どもが議論の中で、複数の放送のモデルが必要だ、こういうことは議論いたしまして、必要だという結果に達しました。

 そのときに、民放は、先生が今御指摘のように、視聴率それからCMモデルでございます。そうすると、必然的に多くの国民大衆に向けての番組制作になると思いますが、その一方で、場合によってはコマーシャル提供の企業に対して遠慮しなければいけないようなモデルかもしれない。それだけで日本の放送が成り立つのかというと、そうではないというのが私どもの認識でございました。

 そうではないということは、受信契約の義務に関しまして、あるいは罰則についてはこれから議論もあるかもしれませんけれども、国民から義務的に徴収される受信料で放送されるモデルというものは必要だというのが私どもの結論でありましたので、NHKの項で丸ごと民営化するというようなことに全く触れていないのは、民間放送と公共放送の二元制が必要だというのを、議論の結果、結論づけたというふうに御理解いただきたいと思います。

 そして、公共放送とは何ぞやという、これは非常に大変な議論でありますけれども、私どもがチャンネル数の削減とかあるいは組織の問題で議論したときに何をポイントにしたかといいますと、二元体制の中で、CMモデルではできないことが公共放送モデルでやれることだろう。そういう視点でNHKのいろいろな業務を見ていったときに、受信料モデルで、義務的に国民から徴収する受信料で営まなければいけないチャンネルなのかどうか、業務なのかどうか、逆に収益が可能な業務なのかどうか、こういうような視点で線引きをしてきた、こういうことでございます。

谷委員 少し私自身の考えとは違うんですけれども、公共放送に何を期待するのかというときに、私は、公共放送ですから、災害とか緊急情報あるいは教養、そういうのは当然にしても、娯楽でも、それも含めて、やはり公共放送というのは成り立つのではないか。だから受信料という仕組みも成り立っているし、現に、NHKのモデルで、NHKが見習うべきと私が思っている英国のBBCでもそうですし、その辺について、今のお答えであれば、わかりました。

 そうしたら、視点を変えまして、BBCの話に移りますけれども、BBCの改革については、二〇〇三年、今から三年前の冬にインターネットで意見を募集して、二年前に原案を出して、昨年の春にBBC改革のたたき台となる青書というのを出した。一年間かけて政府の方は白書という形でまとめて、そしてこの秋には議会の方が承認を予定されている。延べ三年近くかけて、どうあるべきかということを十分、議論も幅広く、いろいろな関係者、一般国民の方にも意見も聞いて、今後のあるべきBBCの改革というのをまとめていきつつあるかと思うんです。

 翻って、今回、通信・放送の今後のあり方全般ということを検討するにしては、十数回と言われれましたけれども、実質的に、一月から始まって連休明けにはたたきの案の骨子ができているわけですから、わずか三カ月余りで、そういう期間でできるのかなという疑問というか、あるいはデジタル化に対応した放送・通信のあり方ということであればいいかと私は思うんです。もっと幅広く、大きなテーマにしてはちょっと拙速過ぎたのではないかという思いがあるんですけれども、お考えをお願いいたします。

松原参考人 確かに審議期間は、一月から始めまして最終取りまとめが六月六日でありますから、半年弱、こういう期間でございました。ただ、私といたしましては、十分な議論ができた、このように判断しております。

 例えば、事業者の方とのヒアリングは二回でございましたけれども、そのヒアリングについて私どもはしっかりと時間をかけて議論して、そこで生じた問題については会合の回数の別枠で私どもの方から事業者の方に質問を投げかけて、またそれをオフィシャルに返していただいて、そういうやりとりもいたしました。

 それからもう一つ、ここは私、座長として、十四回の会議をしてまいりまして、委員の方々の知見が非常に高く、やはりこういう問題について長く議論してきた方の御意見というものが、過去のいろいろな議論が集約された形でこの懇談会の議論に反映された、このように考えております。

 それから、この問題につきまして大枠で、大くくりで議論するのはこの懇談会が初めてでございますけれども、IP化の問題その他、総務省の中で長く議論されてきております。それから、受信料の義務化等については国会でももう何十年にわたって議論されてきた問題でありまして、そういうような行政あるいは国会の中で議論されてきた問題についても反映できたと私は思っております。

 ここにきょうも持ってまいりましたけれども、私どもがつくった資料が三百ページ以上に及んでおりまして、こういうのを常に懇談会の間に構成員は目を通して、議論しながら進めてまいりましたので、先生の御質問ではございますけれども、私といたしましては、十分議論が尽くせた、このように判断しております。

谷委員 座長は十分尽くされたと言われるわけでございますけれども、見解の違いといいますか、少しあれがあるかもわかりません。

 しかし、これは大変大きな問題だという思いがあるわけです。今後の通信・放送のあり方を骨太に方向性を出すということは、やはりもっともっと国民的な議論もしなければならないし、場合によっては、法律に位置づけられた審議会とか、そういうことで期間もかけて決めなければそれなりの説得力も持たないのではないかというふうに思っているわけであります。

 ちょっと今の話に関連するんですけれども、報告書の三ページの下から四ページの初めの方ですけれども、今回の懇談会で集中的な検討をした、そして「総務省はじめ政府が、本報告書の内容を真摯に受け止め、必要な措置を講じることを強く期待する。」そこまではわかるんです。その後、「また、総務省においては本報告書に沿った検討を行うための検討体制・工程などを具体化し、速やかに公表するとともに、その進捗状況を定期的に検証・公表すべきである。」とまで、そこまでどうかなという思いはあるんです。

 つまり、これは大臣の私的懇談会で出された。それをもとにして与党とすり合わせをして、七月になるであろうと言われている骨太の方針で、どこまでかどうかはともかく、盛り込む。そうしたら、その後で、それぞれ関係省庁、総務省はということであればわかりますけれども、この報告書自体にそこまで書かれた意味合いといいますか、そういうのはどういうところにあるのかなということをお尋ねします。

松原参考人 前半の部分を御理解いただいたというのは大変うれしく思っておりまして、先ほど来、拙速だったんじゃないか、こういう先生の御意見がございましたが、逆に私どもは二〇一一年ということが大変大事だと思っておりまして、いろいろな法改正等のためには三年から四年の期間がかかるということからすると、やはり早く議論を始めていただきたいという思いは大変強かったわけであります。そこは御理解いただいたようで大変うれしく思います。

 後半部分に関しまして、政府・与党の合意等を経た後に始まるべき事柄についてここで書かれているのはいかがなものかという御趣旨だと思いました。

 これは、私どもの報告書は方向性を打ち出しておりまして、その中で、法律改正を伴うような事項に関しましてはまさに先生がおっしゃったとおりでございますが、それ以外も、文章の中では速やかにという表現を使いましたけれども、法改正が必要ではない部分も実は多くございまして、そのことを含めますと、総務省の中でまずしっかりとした議論をしていただきたい、こういう思いであります。

 そういう法改正を必要としない、省令等で対応できる部分と、その延長に法改正が必要な部分というものがございまして、私どものここの思いは、法改正が必要ではない、総務省の判断でできることについてまず速やかにやっていただきたいが、その延長には法改正が必要な措置が恐らく出てくるであろう。そこにつきましては、政府・与党の合意等を受けてという形になるというのはまさに先生がおっしゃるとおりでございますが、それ以前のプロセスも大分あると思いましたので、早く議論をスタートさせていただきたい、こういう思いでございました。

谷委員 だんだん持ち時間が少なくなりましたので、松原先生にあと一問だけ、通信のNTTについてお尋ねします。

 私は、拙速を避けるべきだ、またこのNTTの問題でも基本的にはそういう考え方で、大きく世の中は変わっている、そしてデジタル化も目の前だ、だから議論を始める、そこまでは、私もそういう思いは一緒です。

 しかし、今の時点で持ち株会社廃止あるいはグループ各社の資本分離ということを決めるのではなくて、もちろん競争力は確保しなければならない、何も大企業を擁護する必要はさらさらないと私も思いますが、日本という国の国際競争力をつけるということもこれからのグローバル化した社会においては一方で大変重要な視点です。そういう視点もあわせて十分議論を深めて、数年後にNTT法や電気通信事業法を抜本的に見直す、そのときはもちろん持ち株会社廃止とかグループ各社の資本分離も含めて抜本的に見直すという方策の方がより現実的で、これからの、今の世の中の動きから見れば妥当ではないかというふうに個人的には考えているんですけれども、その点についてのコメントをいただければと思います。

松原参考人 今先生御指摘の部分は私どもの報告書の六ページでございまして、下から七、八行あたりのところでございましょうか、ここはぜひしっかり読んでいただきたい、皆様に読んでいただきたいと思いますのは、私どもは、NTT東西の業務範囲規制の撤廃、持ち株会社の廃止・資本分離等を一体的に進めるというように書いてありますけれども、そこは、そのことを念頭に、ここが非常に大事なところでありまして、そのことを念頭に検討を始めていただきたい、こういう表現でございます。

 ということは、議論の方向性、恐らくこういう問題を議論するとなったらこういうゴールになりそうだというところまでは書かせていただきましたけれども、そのことを現段階で決め決めでやってくださいということではなくて、まさに先生がおっしゃるように、実際、国会でこういう問題が議論されて決まるのは二〇〇九年とか一〇年のことと思いますから、それに向けて今議論を開始していただきたい。しかし、そのときに全くフリーハンドでやるのではなくて、私ども大分苦労して議論しましたので、その方向性はべき論として示させていただいた。しかし、そこは謙虚でございまして、そのことを念頭に議論して、そのこと自体はやはり二〇〇九年、一〇年の国会で決まることだということについては全く先生のおっしゃるとおりでございます。方向性だけ書かせていただいたというふうにぜひ御理解ください。

谷委員 松原先生、ありがとうございました。

 それでは、時間もあれでございますので、福島放送について一問だけお尋ねをしたいと思います。

 私は関西、兵庫県なんですけれども、関西は関西で準キー局がありますから大変難しい問題があるんですけれども、福島放送でみずからローカル番組をどれぐらいつくっておられるのか、その比率と、それから、そういうローカル番組の視聴率はどうかということをお尋ねしたいと思います。

 問題意識は、やはり幾らいい番組をつくっても、視聴者に支持されないと、持続的にこれから続けるということは難しいのじゃないかというふうに思います。その辺で、状況はどうなのかということについてお尋ねしたいと思います。

吉田参考人 お答えいたします。

 私どもの自主制作率、これは八%程度でございます。

 それで、視聴率は、残念ながら、キー局からいただくものに比べますと、確かに競争力は弱いです。時々グルメ番組などをやりますと結構いい数字をとるんですけれども、ふるさとを見直そうとか、あるいはいろいろな問題を取り上げようというふうなものになってまいりますと、やはりかなり苦戦をする、自主制作番組の方が苦戦をするという実情でございます。

谷委員 どうもありがとうございました。

中谷委員長 次に、佐藤勉君。

佐藤(勉)委員 両参考人、本日は本当にありがとうございます。特に、松原参考人に一問だけ確認をしておきたいことがございます。

 参考人からいただきました報告書、これは事前に私ども拝見をさせていただいて、自分なりに分析をしてきたつもりでございます。そこで、地上波放送についての放送を送り出すハードと番組をつくるソフトを分離するとは書いてないんですね、これは書いてないんです。したがって、そういうことを言っているというふうに私は思いませんが、しかし、よく中身を読んでいきますと、NHK改革のところ、別にNHKに固執するわけではありませんけれども、例えばNHKの伝送部門を分離して子会社にするとか、NHKの娯楽・スポーツ部門を分離して子会社にするとか、こういう文章が載ってまいります。

 私が少し過剰にいろいろな形で考え過ぎるのかもしれませんけれども、そういう事実を重ねていく中で、地上波放送のハード、ソフトの分離というものがどうしても私の頭の中に浮かんできてしまうということがございまして、五分という大変短い時間で先生にお伺いをするとともに、考え方をぜひただしておきたいという気持ちでここに立たせていただきました。よろしくお願いを申し上げます。

松原参考人 今の問題についてお答えいたします。

 まず、先生の御指摘はNHKでしたけれども、ちょっと総論としてお答えさせていただきたいんですが、五ページの「4通信・放送の法体系の抜本的見直し」のところの五、六行目のところに「その上で、」というところがございまして、「二〇一〇年までに、現行制度のような基幹放送の概念の維持や放送規律の確保等を前提に」という文言がございます。この基幹放送というのは、三百五十近くある今の放送事業者の中の百二十七の地上波の放送局のことだと御理解いただいて結構でございまして、このところについての免許制度等々の基本的な法律の枠組みについて、そのことを確保等を前提にしていくと明記いたしましたので、私どもが民間の事業者の、とりわけ地上波に関しまして、先生がおっしゃるようなハード、ソフト分離といったような方向性は全く打ち出しておりません。

 問題はNHKのところでございまして、NHKは伝送路部門を会計分離ないしは子会社化ということを申し上げました。これは、ハード、ソフト分離というよりは、NHKの地上波で二波、総合と教育が与えられてありまして、その二波に関してデジタル化したときには、十三セグメント掛ける二ですから二十六セグメントあって、その二十六セグメントは、上手に圧縮技術とか、あるいはハイビジョンを使わないで教育放送などは流していいのではないかといったときに、余る帯域に関して、より自由に使えるためには分離した方がいいだろう、こういう判断でございます。

 したがいまして、以上のことから、いわゆる先生がおっしゃったようなハード、ソフトの分離をまず民放の地上波に関しては考えていないということであります。

 それから、NHKに関しても、そのためにやるのではなくて、デジタル化にふさわしい事業展開をするときに、あいた帯域をより自由に使うためにはこのような伝送路を分離した方がよろしいのではないかという判断になった、こういうことでございます。

佐藤(勉)委員 もう時間が来てしまったので、まだまだお話ししたいことはあるんですけれども、いずれにしても、私どもの意識の中では、このハード、ソフトが一体であることが基本的にあるわけであります。その二つの利点があるというふうに私は思います。

 例えば、大災害が起きたときなどに、特別放送番組に切りかえなきゃならない場面が出てくると思います。そこが、ハード、ソフトの分離が行われるということになると、番組を打ち切る判断がスムーズにできなくなってしまうようなことになりかねない。また、分離するということで、いたずらに業者間の競争をあおることになるということは御承知のとおりだと思いますし、民放は今以上の視聴率を重視する結果になるということはおわかりいただけるということだと思います。

 言いづらいんですけれども、今でも品格に欠ける番組がふえているというふうに、私どもの部会ではいろいろな話が出てまいります。そういうものが日本の番組放送の質を下落させるようなことにつながる。また、外国の衛星放送でもこうした事例が実際に起きているということを考えると、私は、たくさんの子供が見る地上波でいろいろなものが自由に出てきてしまうようなことになったら大変なことになってしまうという思いの中できょうは質問させていただいたわけでございまして、先生はないというふうに明言をされましたので安心させていただきますが、いろいろこれからもよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 また、福島放送の方にも、デジタル化については、私ども、国が打ち出した政策でありますから、サポートできるようなことも含めて、しっかりと議論をしていきたいというお約束をさせていただいて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

中谷委員長 次に、谷口隆義君。

谷口(隆)委員 おはようございます。公明党の谷口隆義でございます。

 本日は、大変御多用の中、当委員会に御出席を賜りまして、ありがとうございます。両参考人に心から御礼を申し上げます。

 松原参考人におかれましては、本年一月から先日の最終取りまとめまで十四回、この放送と通信の懇談会の座長を務めていただいて、報告書を私どももいただいたところでございます。

 私ども公明党も、総務部会といたしまして、従来から、この放送・通信の融合の問題は大変今後に大きな問題を含んでおりますので、幾たびかの議論をいたしまして、また関係団体にもおいでいただいてヒアリングもさせていただいて、昨日は私どもの意見を取りまとめて竹中大臣に申し入れを行ったところでございます。

 また、吉田参考人におかれましては、ローカル局の経営者ということで、二〇一一年七月二十四日が完全デジタル元年スタートになるわけでありますけれども、五十億の設備投資が必要で、あと三十億程度まだやっていかなければいかぬと。会社の方も大変厳しくて、役員報酬はカットし、従業員の皆さんのベアは据え置きというようなことでやっていらっしゃる状況をお聞きしたわけでありますけれども、吉田参考人には後ほどお伺いをいたしたいと思います。

 まず初めに、松原参考人にお伺いをいたしたいと思います。

 放送・通信の改革の必要性をこの報告書で述べていらっしゃるわけでございます。私どもの問題意識も大きく違いはなく、違和感がないというような状況でございますが、この初めのところに、三つの視点ということで、この改革には一般利用者の視点が必要だ、また競争力の強化と事業展開の多様化ということも必要なんだ、またソフトパワーの強化、こういう三点を、この報告書では三つの視点ということで書かれておられます。

 一方、ちょっと話が変わりますが、国の財政は大変逼迫しておりまして、今現在、歳入歳出一体改革ということをやっております。また、そういう後ろ向きのことだけではなくて前向きのことをやらなきゃいかぬということで、新経済成長戦略ということで、新たに経済のパイを拡大していくようなことも今やっておるわけでございます。

 竹中大臣のお話を聞いておりますと、放送・通信の改革が今後経済のパイを拡大するのに非常に大きな一つのポイントになるんだということをおっしゃっておられるわけでありますが、松原座長に、この三つの視点を踏まえて、今回のこの改革が、経済のパイを拡大するのにどのような形で拡大の道筋をたどるのか教えていただければと思います。

松原参考人 竹中大臣が会見等で、トータル、通信十六兆、放送四兆のマーケットをどれだけにしたいというようなことは間接的に伺いましたけれども、懇談会の中でそれを具体的な数字で議論したことはございません。

 ただ、問題意識は全く共通しておりまして、例えばということで申し上げますと、NTTは、通信・放送融合時代に、映像コンテンツに出ることに対して厳しい業務分野規制がある。それからNHKに関しましては、先ほど申し上げたように五十万前後のアーカイブがあるのに、その収益に関して十億円という壁が設けられている。たった二つの例でございますけれども、通信と放送が融合していくということは、まさにそれを使っていろいろなビジネスができるはずなのに、今申し上げたような制約がかかっている。それを外していくということが結果的に多くのビジネスチャンスを生むだろうし、逆にそのことが、視聴者それからユーザーの視点からすると、多様な番組あるいは過去の番組がいつでも見られるようになる、こういうメリットにつながっていく。そういう意味で、私どもの議論が結果的にユーザーのメリットにもつながるし、ビジネスチャンスの拡大にもつながる、そういう確信は持っております。

谷口(隆)委員 まさにおっしゃったように、懇談会の席上ではそういうことを議論されなかったということです。

 確かに、今後、通信・放送の業界がいろいろな意味でどんどん拡大していくんだろうと思うんです。最近はどうも世界的に見て産業革命と同じような地殻変動があるんだと。一つはグローバルエコノミーですね。東西の壁が取り除かれたわけですから、こういうグローバルエコノミーと、もう一つは、情報・通信分野の改革。七十五日経済圏だとか九十日経済圏とか、そういうタイムラグを利用した商売がもうできなくなっちゃって、どこの地域にあっても非常に良質な情報が得られるようになった。こういうようなことが言われておるので、この分野はそういう意味では非常に重要な分野だというように認識をいたしております。

 先ほど申し上げましたように、二〇一一年の七月二十四日に完全デジタル化になるわけですけれども、そのときに、これは国が決めたことですから、先ほど吉田参考人が、国が決めたのでローカル局としてはこれに対応していかなきゃいかぬ、こういうお話でありましたけれども、国民の立場でも、デジタル化になりますと、現在のアナログ受像機が全く使えなくなってくる、これが一億数千万台出てくるだろうと言われております。仮に全部これをリサイクル、廃棄することになると大変な量になるわけで、ですから、それを全部リサイクルに回すということでなくて、現行のアナログ受像機を、例えばチューナーをつけることによってデジタル波をアナログに切りかえというようなこともやっていく必要があるだろうと思うんです。ただ、今このチューナーも結構高いようで、これも低廉化を図っていかなければならないと思っております。

 昨日、私どもの申し入れの中にもこのことを言及したんですが、松原座長、このことについて直接は議論されておられないのだろうと思いますが、御見解をお聞きしたいと思います。

松原参考人 懇談会の中では、デジタル化に関して、受像機の側を国民がアナログからデジタルに転換しなければいけない、そのコストについての議論はいたしませんでした。

 ですので、ここは全く私の個人的な見解になりますけれども、先生がおっしゃいましたように、環境問題等を考えたときに、すべてがリサイクルに回るということの経済的、社会的なコスト、それから国民の負担というのは大変重要な問題だと思っております。

 したがいまして、希望するユーザーの方には先生がおっしゃられたようなアダプター、チューナーを適宜使っていただく。少なくとも私どもが勉強した資料の中には、諸外国ではそういうチューナーに関しての一定の公的な補助があるという事例も勉強はいたしました。この段階でそうすべきだということは申し上げられませんが、その点について十分な配慮が必要だということは、個人的には先生の御指摘と全く同じ感覚を持っております。

谷口(隆)委員 また、これは政府の方にもそういうふうに申し入れていきたいと思っております。

 それで、吉田参考人にお伺いをいたしたいわけでありますが、先ほども出ておりましたが、今回、民間放送事業者の皆さんが言っておられた最大の点が二点あって、一つは、ハード、ソフト分離論に対して、これは困る、これは一致をすべきだということがまず第一点。あと、県域免許のことをおっしゃっておりました。この県域免許を守っていかなければテレビ文化が崩れてしまうんだ、視聴率第一主義に陥って、日本の文化そのものにも大きな影響が出てくるというようなことをおっしゃったわけであります。

 吉田参考人はローカル局の経営者という立場でございますが、民間放送事業者の皆さんがおっしゃっているこの二点について、お考えをお述べいただきたいと思います。

吉田参考人 お答えいたします。

 ハード、ソフトでございますけれども、やはり基幹メディアとして、いざというとき国民の生命、財産を守るための活動を最優先しなければなりませんし、そういう覚悟でおります。そのためにはハード、ソフトが一体であることが不可欠だと考えております。

 放送局に来ていただけるとよくわかるんですけれども、マスタールームと編成室というのは大体すぐそばにあります。ということは、何かあったときに編成がすぐマスターに行って、マスターをカットしてすぐニュースを入れろ、こういうことができる体制をとっているわけです。こういったことは、やはり委託放送事業者と受託放送事業者、そういったのが分離されていると、なかなかそう柔軟に機動的にはいかないんじゃないかというのが私どもの実感でございます。

 それから、県域免許でございますけれども、これはやはり大切なことだと思っております。

 といいますのは、我々、地域にこだわった、地域に密着したものをつくろうと思いますと、財政的基盤が必要である。これはやはり、キー局から来る非常にいい番組、商品力のある番組、売れる番組、こういったものがあって初めて財政的基盤ができるということ。それから、中央と地方の情報格差を埋めるためには、やはり中央からあるいは準キー局からのものをたくさん流すということが、むしろ全国、地域の皆さんにもそういったものを提供できるということだろうと思います。こういったことで、ネットワークと県域免許、これが両々相まって、私どもが地域に貢献できる活動ができるというふうに考えております。

谷口(隆)委員 今私が申し上げて、また吉田参考人がおっしゃったことは、松原座長の方も、この懇談会の報告書にはそういうことが盛られていない、そういうことは問題ないんだということをおっしゃっていただいておるわけでありますが、一つ、今の報告書の五ページのところに「通信・放送の法体系の抜本的見直し」というところがあって、先ほどおっしゃったように「法体系上は通信と放送が二分され、かつ、通信・放送全体で合計九本もの法律が存在している」ということで、「自由な事業展開が阻害されている。このため、通信・放送の融合に対応して現行の法体系を見直すことが喫緊の課題」であるというふうにおっしゃっています。

 それで、「その上で、二〇一〇年までに、現行制度のような基幹放送の概念の維持や放送規律の確保等を前提に必要な法制的手当てを措置し、新たな事業形態の事業者が伝送路の多様化等に柔軟に対応して、利用者のニーズに応じた多様なサービスを提供できるよう、伝送・プラットフォーム・コンテンツといったレイヤー区分に対応した法体系とすべきである。」さっきおっしゃったように、レイヤー区分に対応した法体系は横断的に規制すべきだというようなことであります。

 このところが、どうも民間放送事業者の皆さんからすると、今後、ソフト、ハードの分離につながるような言いぶり、芽出しといいますか言いぶりといいますか、そういうのが感じられるというんですけれども、座長、どうですか。

松原参考人 この点の法律は、今御指摘のように九本ございまして、そこには著作権法は入っておりませんので、その関連のものを入れるともっと多くなってくるわけでありまして、いわばそれは完全な縦割りでございます。それをレイヤーごとの横割りの方向に変えるべきだというのは、ここの報告書に示されたとおりであります。

 ただ、ここは、今申し上げましたように、総務省の中だけで九本、合わせますと十数本の法律を完全に横は横でくし刺しのようにしてつくっていけるかというと、そこの検討は私どもは最終的にしておりません。ですから、方向性を示した、こういうことでございます。

 そして、先ほどもお話しいたしましたけれども、現行の基幹放送の概念の維持というようなところは、例えば、そのような横型の法律になったときでも、基幹放送部分は一種縦型のような別の規律になる可能性も当然ある。そのことは実はコンテンツの部分も同様でありまして、コンテンツを全部、通信と放送、横型にすると、本来の一対一の通信の秘密といったような憲法に抵触してしまうわけでありますから、完全に通信・放送が融合するからコンテンツに関して同じような規制でいいとも、当然私どもは考えていないわけです。ですから、方向性としては横型だけれども、基幹放送については縦型の、今のような規律が残る可能性がある。

 それから、コンテンツに関しては、やはり通信で一対Nのようなものが出てきたことについては恐らく放送と近くなるかもしれないけれども、本来の一対一の秘密が必要のようなところについてはまた別の規律になるだろう。ですから、方向性としてはそちらだけれども、完全に横型の、くし刺しした形の法律になるというイメージは持っておりませんので、ぜひそこは御安心いただいてよろしいと思います。

谷口(隆)委員 そういうように断言をしていただきましたので、問題ないだろうと思います。

 ちょっとNHKのことでお伺いをいたしたいんですが、NHKは、今現在、公共放送として八波持っている。この八波というのはいかにも多過ぎるねという議論があって、先ほどおっしゃったように、BSの方は二波、またラジオの方は一波ですか。特にBSの方は二〇一一年に衛星のハイビジョンが停波しますから、それとあと衛星放送一波ということをおっしゃって、またもう一つ、ラジオの方を一波。

 ラジオは三波ございまして、このラジオ三波で、第一放送、第二放送というのは、第一放送は大体普通の番組が流れておって、第二放送の方は英会話だとか、これもまた根強いファンがいらっしゃる。またFM放送も、民放の流れているFM放送とはちょっと違ったような、クラシックが流れておったり邦楽が流れたり、こういうことで根強いファンがいらっしゃるわけで、そうしますと、特に今おっしゃっている三波を削減するということの中で、私は、FM放送は置いておくべきなのではないかと思っているんです。

 この理由は、波を削減することによって、それは一つコストの削減になるというようなことがあるのかどうかということ。またもう一つは、この公共放送として持っている八波が、仮にNHKが削減された場合に、民間放送事業者がそれを強く欲しいと要望しておるのかどうか。このようなことを考えた場合に一体どうなるのかということでありますが、松原参考人にお伺いいたしたいと思います。

松原参考人 NHKの八つのチャンネルについて、どれを減らすのか、どれを残すのかということについては大分議論をいたしました。

 まず結論といたしまして、地上波のテレビの総合と教育、それからラジオの第一、第二、これは総合と教育そのまま対応するわけでありまして、この二つは残す、こういうことでございます。このことは、スポーツ・娯楽部門を子会社にした方がいいという提言は書きましたけれども、その地上テレビとラジオのAMに関して、総合と教育両方必要だということは、娯楽・スポーツを含めてそれぞれ二つのチャンネルが必要だ、こういう判断になりました。

 それから、衛星に関しましては、一つはほぼ自動的に二〇一一年に停波になるわけでございまして、ではBSは二つ必要かどうか、こういうところで議論いたしまして、難視聴対策等々を勘案しても一つでよろしいだろうと。実際、BSの番組を見ますと、映画その他、公共放送として受信料モデルで本当にやらなければいけないかどうかということについて疑問を持った、こういうことでございまして、BSは一波残せば大丈夫だろう、こういうことでございます。

 それから、FMに関しましてもいろいろ議論をいたしました。ラジオに関しましては、御承知のように受信料は取っていないわけでありまして、テレビの受信料が回されて放送されている、こういう経営実態でございます。その中で、音楽に関するFMでの放送というものをテレビからの受信料モデルの中でやる必要があるのかということの議論をいたしまして、音楽に関しましては、インターネットでの配信とかその他多くの手段、アイポッド等を含めて出てきていて、それから民間の事業者もやっていてということを考えると、受信料モデルでやる必要はない、こういう判断になりました。

 それから、先生のもう一つの御質問である、では、NHKが公共放送としてやめた後に民間事業者が手を挙げるかどうか、こういう問題でございました。NHKのアナログの衛星を、ハイビジョンをとめたときに、アナログですから大きな幅をとっておりましたから、デジタルにすると三チャンネル分とれるときに、民間事業者は四社手を挙げまして、一社あぶれる、こういう状態でありました。そしてまた、衛星の全国一波で流せるといったようなことを考えると、それを民間にといったときには手を挙げる事業者はあるだろう、こういう認識であります。

 それから、FMに関しましては、やはりFMで全国をカバーしている、そういう事業のメリットとか、それからFMという波自体が、いわゆる渋滞情報のVICSとか、多様な展開が可能な周波数帯だと認識しておりまして、ここも事業者の方が恐らく手を挙げてくださる。

 そうなると、やはり公共放送モデルとしてやっているよりは、BSの二つそれからFMを民間に開放した方がユーザーにとってもメリットなんじゃないか、こういう判断で、廃止というよりはNHKから民間に移せるんじゃないか、こういう判断をいたしました。

谷口(隆)委員 先ほども出ておりましたけれども、私も感じるんですが、テレビは、ずっとチャンネルを回していきますと、やはりNHKのところは同じバラエティーでもちょっと質が違うように思うんですね。またラジオも、先ほども申し上げましたように、やはり民放のFMとNHKのFMは違うように思います。これが同じようになってしまった場合に、そこに存在感があるということを私は申し上げているんですが、そういうような存在感はやはり残していかなければいかぬのではないか。

 どうも聞きますと、コスト面では、減らすことによってそんな大したコストが削減できるというものでもない、先ほどおっしゃったように、民間事業者の方も現在ではそういう強い要望もないということであれば、FM放送と、私どもあえて言うと、衛星一波ももうちょっと使いようがあるのではないか。ですから、早急にやるのではなくて、ここはしばらく置いておくといったような方法もまたあるんだろうと思うんですね。

 こういうようなことで、NHKの八波の削減についてはまた慎重にやっていただきたいと思いますし、特に、NHKのFM放送については削減していただかないような方向でお願いをいたしたいというように思っておるところであります。

 それと、先ほども松原参考人の方から出ておりましたが、今NHKが、不祥事が起こっておって、娯楽・スポーツの制作部門を子会社に移したらどうかと。どうも聞きますと、スポーツの方はもう移って、制作部門を外部に出しておるようでございます。ところが、娯楽についても、先ほど申し上げましたように、明らかに民放の娯楽番組とNHKの娯楽番組とは様相が違うと感じられている方がたくさんいらっしゃいます。どうしても商業主義になってしまいますと視聴率を意識しますものですから、どたばたの番組、どたばたと言ったら失礼ですけれども、そういうバラエティーが出てきたりするわけで、そういう意味では、NHKの例えば娯楽の番組の質を維持するといったようなことが、外部に委託した場合に、発注した場合に、できるのかどうかということがあるんですが、これはどのようにお考えですか。

松原参考人 NHKの娯楽・スポーツ部門のあり方についてでございますが、べき論といたしましては、NHKというのは、繰り返し申し上げているように、受信料モデルであり、かつNHKの本体は特殊法人でございまして、その中で本当にやらなければいけない業務かどうかということについてまず検討したわけでありまして、これは外に出した方がよろしいのではないか、こういう結論であります。

 それから、実態面の方から申し上げますと、幾つかそれにプラスする理由がございまして、スポーツに関しては事実上の外注が物すごくもう進んでいる、こういうことであります。

 それから、子会社といいますのは、完全にNHKから資本分離して民間にするということではなくて、NHKの子会社としておく。でも、そのことの意味は、今申し上げたように、特殊法人の外に出すというだけでも大きい。

 それから、NHKの娯楽に関しましては、NHKの子会社は、関連会社等含めて三十四ございますが、その中のNHKエンタープライズ、これは非常に大きな子会社でございまして、そこがもう既に実質的に多くの娯楽番組をつくっていて、そのことが、今先生が疑念を持ちました質みたいなものは子会社で今やれている。そうであれば、そのエンタープライズの方にむしろすっきり移行しちゃった方がいいのではないか、こういう視点もございました。

 それからもう一点は、実は政府のこのような特殊法人等の改革が進んでおりまして、特殊法人の定員問題というのが当然NHKにもかかっておりまして、NHKの方も定員削減の必要性があるはずであります。そうすると、削減のところを、報道とかそういうのを削るよりはそこをしっかりと外部化していった方が、最終的にはNHKの番組の質が報道もそれから娯楽についても担保できるのではないか、こういう判断で外部化という結論に達しました。

谷口(隆)委員 最後に、NTTの問題をちょっとお尋ねしたいと思います。

 先ほど松原参考人がおっしゃったように、この報告書の中で、NTTのアクセス部門にはドミナンス性が強い、またボトルネック性もあるというようなことでありますので、こういうことになりますと、低廉で良質な通信サービスを国民の方が受けられない可能性も出てくるというようなことで、先ほど私、冒頭に申し上げた、この報告書の方向性は余り違和感がないというのはここのところを申し上げております。

 私は、昨日の竹中大臣への申し入れのところにも申し上げたんですが、高度で低廉な情報通信サービスを実現するためには、通信事業の競争の一層の促進が不可欠であり、そのために次のような三点の措置を講じてもらいたいということで、一つは、IP時代にふさわしい公正競争条件の整備のあり方について早急に検討してもらいたいということと、NTT東西の光ファイバーのアクセス網のオープン化を徹底してもらいたいということと、三点目は、デジタルデバイドが解消される二〇一〇年までには、国民、利用者の立場に立ち、多様な競争軸の創出などを実現する観点から、NTTのあり方について検討し、結論を得ること、この三点を申し入れておるわけでございます。

 そういうことについて、松原参考人から御見解をお伺いいたしたいと思います。

松原参考人 昨日の提言に関しましては、まだしっかりとは読んでおりませんが、ペーパーは昨日の段階でしっかり拝見させていただきまして、今おっしゃられたNTTの三点につきましては、おおよそのところで私どもが議論してきて出した結論と差がないというように感じましたので、恐らく問題意識それからとるべき方策に関しましてはほぼ同じような方向性だなという感じを受けまして、大変心強く思いました。

谷口(隆)委員 それで、光ファイバーを敷設するのにかなりのコストがかかりますから、この資金を、NTTも大変だと言っておるし、国の支援もしてもらいたい、こういうふうに言っておるわけですが、例えば、ユニバーサル基金みたいなものを設けて、これに民間事業者であるとかNTTだとか、またこの中に不足が出てくるのであれば政府も入れていくといったような、このような資金調達形態を考えてもいいのではないかと思いますが、これはどうでしょうか。

松原参考人 その点について、私どもは慎重に議論をいたしました。

 今先生がおっしゃられたような支援をするためには、現在は、銅線、メタルの電話に関して先生がおっしゃられたようなユニバーサルサービスの基金の制度とかがございます。

 それで、ブロードバンドに関して、政府が二〇一〇年度にゼロを解消だと言う以上は、やはり二〇一〇年代にはそのようなブロードバンドアクセスが日本のユニバーサルサービスなんだというような位置づけが必要だろう、こういう認識を私どもは持ちました。

 ですから、まず、そのようなブロードバンドにアクセスすることが日本のユニバーサルサービスなんだということをしっかりと明確にする必要があると思っておりまして、この報告書の中でも、ブロードバンドがユニバーサルサービスだという文言はございませんが、ユニバーサルサービスアクセスについて、全国どこでも低廉なということを私どもは書き込みましたので、事実上、ユニバーサルサービスとしてぜひ位置づけていただきたい。

 逆に、ユニバーサルサービスと政府がしっかりと位置づければ、それが本当に敷設されなければいけませんから、敷設に関しては何らかの公的な補助はスキームとしてはあり得べきだ、こう思っております。それから今度は、敷設した後に、過疎地は不採算になるのは間違いないわけですから、現在のメタルの電話にあるような基金制度で不採算地域に補てんされるような形をとるべきだと思っております。そうしますと、私は、敷設に関しても補助がある、それから、採算がとれないから引けないというところについては引けばちゃんと基金で採算は担保される、そのような仕組みが入るべきだと思っております。

 その前提は、やはりブロードバンドアクセスというものが、政府がもう二〇一〇年度にゼロと言っている以上は、やはりあるタイミングでしっかりとそのことが日本のユニバーサルサービスなんだという規定をつくるべきで、そうであれば、今先生がおっしゃったような形を、こういう言い方はおかしいけれども、とらざるを得なくなる、そしてそのことが実際に普及を担保することになる、このように考えておりまして、私どもはそういう考えをここに盛り込んだつもりでおります。

谷口(隆)委員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、いずれにいたしましても、光ファイバー網を全国的に敷設して、国際的な競争力、また国民、利用者の利便に資していくということは非常に重要であります。これから国としてもこれを進めるために私もまた頑張っていきたいと思いますが、時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。

中谷委員長 次に、横光克彦君。

横光委員 民主党の横光克彦でございます。

 きょうは、松原、吉田、両参考人、本当に御苦労さまでございます。

 中でも、松原参考人、今まで議論されておりますように、まさに放送と通信、この融合というのは現実のものとなって、そして、これからさらにこれは進むことが見込まれているわけでございます。そういった中で、新しい形態の情報サービスが生まれ、またそのことが国民の利便性につながる。そういった大きな意味からすると、大変な改革の必要性があるわけでございますが、その改革のための報告書を今回まとめられた、このことについてはまず敬意を表しておきたいと思います。

 それでは、ちょっと質問に入らせていただきます。

 まず、通信・放送の在り方に関する懇談会の構成員の名簿でございますが、これはちょっとどこから見ても、私の印象では、民営化論者あるいは規制撤廃論者、こういった方たちが集まってやられたというような印象がいたします。いわゆる通信・放送の現場の専門家の方がこの懇談会に入られておりません。この点につきましてはやはり非常に違和感を感じるんですが、座長としてはいかがお考えですか。

松原参考人 私どもは、自由な立場で専門的な議論をしっかりやりたい、こういうスタンスを最初から持っておりました。

 それで、今先生が御指摘の違和感というのがあるのは当然だと思いましたので、私は、この構成員のメンバーを最終的に確認した段階で、事業者からのヒアリングに関しては幾らでも時間をかけたい、そのようなことを事務局にまずお願いいたしまして、実際、公開のヒアリングをしたり、その後の文書でのやりとりを繰り返しいたしました。その懸念に関しましては、私は、回避できた、そういう形で回避できたと。逆に、事業者の方の意見を聞いた上で、あとは専門家がしっかり議論すればいい、こういうように思いました。

横光委員 先ほどでも、十四回会合を開いたと。この会合が多いのか少ないのか、それぞれの判断によって違うかと思いますが、松原さんは、十分な判断ができた、事業者の意見も聞いたんだということですが、それはそちらサイドの意見であって、各関係の事業者の人たちは、非常に自分たちの思いがこの懇談会には十分反映されていないという声も聞こえてくるものですから、ですから、どうしても、結果的に机上の空論にならなければいいが、こういうふうな思いを持っているわけでございます。

 先ほどから多くの委員がちょっと心配されているように質問に出ておりましたが、まず、この懇談会を立ち上げたときに、当然のごとく、竹中大臣は六月の骨太の方針に反映させるんだ、皆さん方の意見をまとめて反映させるんだ、そういった趣旨で、そういった意向を受けてスタートされたんですか。

松原参考人 懇談会の中で竹中大臣からそのような発言が出たことはございません。

 ですから、この報告書を竹中大臣が今恐らく手にしてそのような方向で努力なさっているかもしれませんけれども、そのことを念頭に私どもは議論はいたしませんでした。

 ただ、一般論といたしまして、私どもが議論していることがすべて最終的には法律にかかわるところが大半でしたので、その意味で、机上の空論になってはいけない、ですから、やはり国会の多くの先生方の理解が得られるような形でなければならない、ひいては、事業者とか国民の理解を得られるような形でなければいけないということは常に議論を進める際に念頭にありまして、それで、私ども自身が議論を修正したり、あるいは変えたりした部分も正直申し上げてございました。

横光委員 直接には大臣からそういった骨太の方針に反映させたいのでということでお願いしたことではないということを今言われたんです。

 となりますと、そういった思いは含んでいるだろうと想定はしているというようなお話もございましたが、そういったことが直接ないということは、この論議のまとめのある意味での重さとかあるいは使命感とか、そういったものが全然違ってくるんじゃないんですか。そういったことを反映させるんだから頼む、いろいろな問題点が非常に多岐にわたって、また深くあるので、そういった趣旨でスタートするのと、そういった意味合いはなかったということでスタートするのとでは、私は、この懇談会そのものの意気込みとかあるいは使命感が全然違ってくるという気がしてならないんですね。

 しかも、これだけ大改革、通信と放送との融合、そしてまた、NHKあるいはNTT等の経営形態にまでかかわる論議をされている。これだけいわば壮大な改革をたった五カ月でまとめるということ自体ちょっと、これが一つの皆さん方のお考えなんでしょうけれども、いずれこれは、竹中大臣は実際にことしの三月の参議院の委員会では答えておるんですよ。「基本的には、やはり五月ごろに何らかの姿を取りまとめて、そして経済財政諮問会議でも是非報告をさせていただいて、そして骨太の方針に可能な範囲で反映をさせたいと思っております。」こういった思いを国会で発言していながら、皆様方にはそういった思いを伝えていないということになるんですね。

 私は、もうちょっとしっかりとした形で懇談会にお願いすべきだった、そして懇談会もそれを受けてまとめていただくべきだったという疑義を、まず冒頭ちょっと違和感があると言ったことはそのことも含まれておるんです、そういったことをまず申し上げておきます。

 いずれにしても、まとめたということは、大変な労力を費やされて敬意を表すると先ほど申し上げましたが、このことは、ある意味では当然のごとく、これから経済財政諮問会議、与党、そして政府案という形で形にならなければ意味がないわけで、そういった意味では責任が大変つきまとってきたということも認識していただきたいということをお願いしておきます。

 それで、通信と放送の融合が非常にすさまじく進展しております。ユーザーにとっては、両方の区別を意識することなくさまざまな情報を受信できるようになる、これは最高である。しかも逆に、こういった技術を使って、どこにいようとも、容易に国内のみならず世界に向けても情報発信できるようになりつつある。非常に歓迎すべき時代を迎えようとしているわけです。

 そこで、報告書では、法体系の見直しに、即座に検討に着手すべきであるとしておりますが、これは電気通信事業法、放送法の問題点を抜本的に改めていくということになろうかと思います。

 これは、放送法だけではなく、電気通信事業法の構造も改めるという趣旨でよろしいんですか。

松原参考人 前半部分の骨太の方針に関してでございますが、骨太の方針というものの性格が、要するに、二〇一〇年に向けたこのような報告書が丸ごと載るようなものでは恐らくなくて、もう少し範囲が狭いところでありますから、その意味で、私どもはそこに載せるということを最大の念頭に置いたのではなくて、何とかそれを、恐らく最終的には二〇〇九年とか一〇年の国会で決まる話でありますから、そこの筋をしっかりいたしたい。しかし、そこに向けて、できることは骨太の方針に載せていただきたいという意識は当然ございました。その意味で、責任感は大変強く持って半年やってきたつもりではございます。

 二番目の質問のところでございまして、当然、電気通信事業法を含めた電気通信関連の法律についても見直しの方向に進むべきだ、こういうことは結論として書き込んでおります。

横光委員 そうなりますと、通信については、通信の秘密あるいは重要通信の確保、また放送法におきましては、言論、表現の自由、政治的公平、不偏不党等の内容規制がございます。法制度を抜本的に改めるとしても、これらの両方を担保することはこれからも非常に重要であることは間違いないわけですね。

 そうなりますと、先ほど言いましたような通信で守られるべき秘密と放送で守られるべき公共性、この整合性はどのように図っていくおつもりなのか、お考えを聞かせてください。

松原参考人 通信・放送関係の法律が九本もある、それをできれば横型の方にしていくべきだ、このような方向性は御指摘のようにこの中で書き込みました。

 今先生の御指摘の点は、どちらかというと恐らくコンテンツの方に近い御質問だったと思います。テレビに関しましては、今三百五十ぐらいの事業者がございまして、その中で百二十七が地上波の、ここの中では基幹放送、このように位置づけました。その一方で、二百以上の基幹放送から外れるBS、CS等の放送事業もございます。

 それから、通信に関しましては、先生の御指摘のような通信の安全性とか一対一での秘密の確保という課題が当然ございますが、その一方で、GyaOといったような事業者に代表されるように、IPマルチキャストを使って通信の枠組みで、放送とは全く別のところで一対N、それも、GyaOの経営は若干厳しいようでありますが、契約者が一千万を突破した、こういう事態がございます。

 そのあたりのところを総合的に判断すると、通信・放送のコンテンツ規制が全く一つでいいわけがないわけです。しかし、そこで大分オーバーラップしたところがあるだろう。ですから、基幹放送に関する部分に関しては、ここで書きましたように、今の規律は維持すべきだという感じをこの報告書を書くときに私は念頭に置いておりましたので、そのような表現になっております。

 ということは、今の放送に関する、番組審議委員会を含めた、不偏不党を含めた、そういうのは当然そこでは維持されるべきだ。しかし、そこを外れた基幹放送ではない放送に関しては、CSなどは十万とか数万を切るような視聴者であって、逆にGyaOの方は今申し上げたように一千万というのがある、その数万のところに対して基幹放送と同じような規制が今はかかっているわけでありますから、もしかしたら、基幹放送以外の放送に関しては番組審議委員会が要らないといったような規制の緩和があるかもしれない。

 その一方で、通信で大変な影響力を持っていろいろな映像やコンテンツが配信されていますから、そこが全く無規制でいいのかどうか、そこでやはり何らかの公共性の担保も必要なのかもしれない、そういう議論もしなければいけない。その一方で、通信のそのような一対Nを除いた後の、まさに通話といったような憲法上の通信の秘密に関しては、それは当然守るべきだ。

 そのような視点からしますと、通信と放送に関して、例えば先生の御質問にあったコンテンツの部分に関して、全部一本でいいとは全く考えておりませんが、しかし、今のいろいろな多様な形が出てきたことを考えると、そこを整理して、幾つかの区分に従って法律を見直す必要はあるだろう、こういう認識は持っておりまして、表現上はレイヤーごとという言い方になりましたけれども、そこは一本にするつもりではなくて、そこは当然、大きな差がある部分もあるという認識であります。

横光委員 この問題は、まとめを読んだ感じではこの視点が欠けているような気がしたもので、ちょっとお尋ねしたんです。

 今、レイヤー区分のことをお話しされました。先ほども質問がございましたが、いわゆる通信・放送の法体系の抜本的な見直しの分野で、後半の段を説明されました。基幹放送の場合、結局、ソフトとハードを分けた法体系にするということではないという説明がございました。しかし、この文言の最後の方で、「伝送・プラットフォーム・コンテンツといったレイヤー区分に対応した法体系とすべきである。」これはどこから見ても、ソフトとハードを分けた法体系にしろということに受け取れるから、みんな質問しているんです。

 基幹放送の場合はそれはないんだということでしたが、これは新しい法制度ですよね。通信・放送の法体系の抜本的な見直しということになりますと、基幹放送以外の分野ではこういうことはあり得るということなんでしょうか、ちょっと通信も含めて。

松原参考人 先ほどから、放送事業者三百五十あると申し上げました。それで、現在、百二十七の地上波の放送局に関しましては完全にハード、ソフト一体の規律になっておりまして、そこに関しては、基幹放送として位置づけて変えない。逆に、それ以外のBS、CS等に関しましては、電気通信役務利用法とか、放送法の中の受託、委託という関係で、既に現在の段階でハード、ソフトは分離になっておりますので、かつ、そのことを電気通信事業の方が受けていい、受けられるということで、実際そこは進んでおります。

 その意味で、現在の規律自体が、ハード、ソフトの一致に関しては基幹放送の部分、それ以外の部分についてはむしろハード、ソフト分離の規律になっているということでございますので、そこについてハード、ソフト分離にしろということではなくて、そこは今既にそういう方向性になっているし、そういう選択肢をとっている事業者の方が多数おられる、こういう認識でございます。

横光委員 ここのところをいわゆる基幹放送の皆様方は大変心配されていたんですが、これはいずれかのときの課題だという認識をお持ちなんですか。

松原参考人 今回、私どもは、二〇一一年を完全デジタル元年として議論いたしました。それで、二〇一一年の段階でこのような形が望ましいという判断をいたしましたので、その意味で、いずれというような観点はこの報告書には全く盛り込まれておりません。

横光委員 わかりました。

 では、次の質問をちょっとさせていただきたいんですが、通信と放送の融合に関する場合の課題の一つとして、先ほどから松原さんおっしゃっておられますように、著作権の問題がある。しかも、総論の中で最初に取り上げられている。非常に重要な問題だと私も思っております。

 こういった通信と放送の融合によって、先ほど申しましたように、国民の利便性が非常に高まる、いろいろな新産業の発展にもつながる、非常にプラスの面もあるわけですが、片や、そういった新産業の一番の根底は、やはりソフト産業だと思う。そのソフトの基盤をなすのが、やはり実演家等いわゆる著作権にかかわる人たちなんですね。こういう人たちはある意味では現在の著作権法でも認められていないところもありますし、ある意味では弱い立場の人たちだという思いを私は持っておるわけですよ。

 今回のこのまとめの中では、先ほど申しますように、著作権法上、有線放送として扱われるよう、IPマルチキャストの場合は通信という、自動公衆送信という位置づけになっているので、有線放送として扱われるよう速やかに対応すべきである、こういうように書かれております。これはもう現実に進んでいるわけですから、速やかに対応しなきゃなりません。しかし、この対応の仕方が、いわゆる事業者あるいは利用者の利便だけで考えておられるんではないかという気がしてならないんですね。実演家という言葉もなければ配慮するという言葉もない。非常に大事な部分が欠けているような気がするんです。

 これはもう釈迦に説法ですが、通信から有線放送の扱いにするということになりますと、現在、有線放送の場合は、権利が実演家あるいはレコード制作者にはないんですよね。そこに移れということは、同じ扱いにするということは、当然のごとく事業者にとってはプラスになります。しかし、権利者にとっては非常に厳しい状況です。このところの配慮はどのようにお考えなんですか。

松原参考人 先生も実演家でおられて、そのあたりの実情をよく御存じだと思います。

 ここの文章、先生のお読みになったところがちょっと違っていて、著作権法上、放送として扱われるようというふうに書きました。事実上、先生がおっしゃるように、当面は、今の枠組みで、今の議論の延長線上で有線放送にならざるを得ないんですが、しかし、その下にありますように、放送と有線放送区分を統合しというようなのが私どもの意図でございます。

 その意味で、本来は放送にすべきだと思っておりました。しかし、現行法の当面の判断として、有線放送区分の撤廃が難しいので、行くとしたら有線放送に行くしかないんですけれども、表現は放送にしてありますし、その有線放送区分自体を見直すべきだ、こういう方向性を持っておりますので、先生の御指摘のようなところは実は配慮したつもりであります。

 速やかにというところで入れられなかったので、その後はそうすべきだということは、有線放送区分自体の廃止を含めて著作権法を変えてほしい、こういうふうには書き込みました。

横光委員 今、配慮されているという御答弁でしたけれども、有線放送と同じ扱いになった場合は、現在の無権利、この人たちには現在の自動公衆送信に与えられているような権利を与えるということなんですね。これはもちろん著作権法の問題ですけれども、著作権法の改正には、皆さん方の意向がはっきりしていないと、では文化庁とこの問題では相談されたんですか。

松原参考人 調整はしておりません。ただ、時期の問題はあるということは認識しております。

 まず、先生がおっしゃるような、IPマルチキャストを放送として認めてほしい、それを速やかにやるには、私どももいろいろ法律あるいは文化庁での議論も勉強はいたしました。その中で、有線放送部分をなくして放送に持ち込むのはすぐには難しい。しかし、二〇一一年に向けてはしっかりそういうようにしていただきたい。当面の措置として、まず通信の規定を、言葉としては、有線放送とは書きませんでしたけれども、放送扱いにすべきだ。

 それからもう一つ、私どもがそこで議論したのは、今、実際にある実演家の方々の権利を、あるいは金銭的な権利を大きく阻害する問題なのかどうかということは中で大分議論いたしました。

 そのときに、今実際に、通信として過去のコンテンツがIPマルチキャストで流れていて、実演家の方にどんどんそこで著作権料が払われているのであればその問題は慎重にしなければいけないけれども、現実はむしろ全く動いていない。だから、そこを動かすことは、まずはそこに、極端な話、実演家の方にも動くことで著作権料が入るようになるだろう。そのことは一種ウイン・ウインじゃないかと。見る側も過去のコンテンツを見られるようになるし、今動いていなかったところが動きやすくなって、実際、著作権料もそこで再度発生するだろう。そこはまず、なるべく速やかにやるべきだ。その後に、有線放送区分の見直しを含めて、著作権法を二〇一一年までにしっかり改正してほしい、こういう二段階の議論になりましたのと、今ゼロですので、ゼロと言うと言い過ぎですけれども、これは恐らくウイン・ウインでいいんじゃないか、こういう議論は中でいたしました。

横光委員 二段階と言いますが、まず最初、今回のIPマルチキャストがこうしてスタートしておるわけですから、そういった場合の著作権の権利侵害というのは、損なわれていることを早急に改めなきゃいけない。そういった意味では法改正が必要だと思うんですね。ですから、さっき文化庁と相談もしていないと言うんですが、これは大変な大きな問題なんですね。著作権の問題をやはり相談すべきだ。文化庁もこの問題、非常に頭を悩ましておるんです。確かに、有線放送になる場合は新たな権利を与えなきゃならないわけですから、権利のないところに移ろう、いいとこ取りじゃいかぬと。

 要するに、皆さん方の文言では、結局、実態にそぐわない規定だとか、あるいは不利な扱いを受けているとか、そういった文言があって、これはあくまでも事業者サイドの意向しか書かれていない。そういった意味で、ぜひともこれから、文化庁ともこういった問題をしっかり相談して、そして権利保護の観点も十分に踏まえた対応がされるよう、総務大臣にもきちっとお伝えいただきたい、このことをお願いしておきます。

 次に、ちょっとNHKのことでお聞きしたいんですが、報告書で、NHKの娯楽・スポーツの制作部門について、「不祥事が続発した娯楽・スポーツ等の制作部門については、公共性が必ずしも高いとは言えないことから、本体から分離して関連子会社と一体化した新たな子会社とし、民間との競争に晒されるようにすべきである。」これはどういうことなんですか。これは、一言で言えば、娯楽・スポーツ等の部門は本体から分離して民営化すべきだと言っているんですか。

松原参考人 まず、御指摘の前半の部分で、著作権の問題でありますが、御承知のように、日本は縦割り行政でありまして、総務省の審議会としては、逆に、よく言ったと褒めていただきたいぐらいで、これが出た後に、恐らく大臣と文部科学大臣との間の折衝とかいう話になると思います。そのことは当然念頭に置いておりましたが、そういう制約があった、こういうことでございます。

 それから次の、娯楽・スポーツ部門の御指摘でありますが、NHKの子会社にする、こういうことでございまして、エンタープライズなどは既にそうでありますし、そこからの番組提供はもう大分多くなっておりますので、完全民営化とかいうことではなくて、本体の外部に出して、そこがNHKに番組供給する、こういう形の方が好ましいという判断でございます。

横光委員 娯楽・スポーツ等の制作部門についてということですが、公共性が必ずしも高いとは言えないということは、これは公共性が低いと言っているんですね。

 しかし、娯楽・スポーツ部門を除くと、NHKはほとんどがここが中心、あとはニュース、報道、教養、いわゆる災害対策、こういったところで、娯楽・スポーツというのが七割ぐらいじゃないのか、これは私の私見ですが。そこを子会社にすると、NHKそのものの立場が、子会社が親会社になるような経営形態になるということはあり得ないんですか、そこまで考えたんですか。

松原参考人 番組の比率でございますが、まず教育に関しましては、八割以上が再免許条件で教養、教育という形になっております。それから総合に関しましても、実は、娯楽部分のウエートは、ちょっと今手元にございませんが、二割とかそんなウエートでございます。

 それで、繰り返しになりますが、NHKに関して、とりあえずテレビの地上波について申し上げて、今の番組の構成を大きく変えるような改革を申し上げているのではなくて、制作部門を外に出す。ということは、逆に制作部門が今の二割前後の娯楽・スポーツ部門を供給する、こういう形であります。実際、もう既にエンターテインメントとかスポーツに関しては外注が多くなっておりますので、そのあたりのところを組織上すっきりした方がいいんじゃないか、こういう意図でございました。

横光委員 私は、NHKでの公共性ということに触れますと、娯楽・スポーツの分野も、やはりNHK独自の公共性というものを踏まえた上で放送されていると思っておるんですね。

 そういった中で、今回、受信料の支払い義務化についてという改革案が出されております。番組では民放と競合しております。しかし、今度は、収益の面でいわば競争制という状況になる。支払いの義務化になると、競争というよりもう全く国営に、税金のようなシステムになるわけですから、そのあたりになりますと、NHKの存在意義、価値というものががたがたと崩れていくんじゃないかという気がいたしております。

 いわゆるNHKの特殊法人という立場を維持する、国からもいろいろ左右されない分野で、せめて契約義務にとどめている。これを受信料支払い義務ということに転化すると、限りなく国の方向に向かざるを得ない。皆様のNHKですと国民に顔を向けているのが、そういった義務化ということになりますと、国の方にどうしても向かざるを得ないという状況が起きて、NHKの本来の役割を果たせなくなるんじゃないかということをちょっと心配しております。

 時間が来ましたので、これで終わります。

中谷委員長 次に、寺田学君。

寺田(学)委員 民主党の寺田学と申します。

 参考人御両人におかれましては、本当にお忙しい中、このような機会をいただきましたことを心から感謝申し上げたいと思います。

 きょうは、三十分の時間を生かして、NHKのことに絞りまして、松原参考人を中心にお伺いしたいと思っております。

 松原参考人が取りまとめられました報告書を拝見させていただいて、非常に示唆に富む、そしてまた議論の種というものが多数いろいろ含まれている、非常に参考になる報告書を読ませていただきました。具体的に、チャンネル数をどうするか、どうこうということも議論したいところではありますが、もう少しそもそも論になりまして、公共放送をどのようにとらえられているのかということをお伺いしたいなと思っております。

 その中で、公共放送の使命、性格とはどのように考えていらっしゃるのか。そしてまた、公共放送が放送すべき番組内容というのはどのようなものが適しているとお考えになられているのか。そしてまた、その番組というものをどのような主体が作成するのが適切であるかどうか。ちょっと毛色が違うんですが、公共放送と政治の中立性というものをいかにして担保していくべきか。具体的に申し上げると、NHKの予算の承認権を国会が持っていることの影響、それの是非というものも時間があったらお伺いしたいと思っております。

 まずは、公共放送の使命、性格的なものをお伺いしたいと思っております。

 公共放送と一言で言っても、そしてまた、諸外国の例をいろいろ見てみても、一概には、公共放送はどうあるべきかということを簡単には定義できないとは思うんですが、一つ参考になるものとして、世界ラジオテレビ機構というところが掲げている四つの原則というものがあるそうです。

 もちろん御存じかもしれませんけれども、参考までにお話ししますと、まず普遍性を持っていること。全国民に視聴機会を提供し、大衆のための番組を放送すること。そして、二番目に多様性。番組のジャンル、対象とする視聴者、議論される主題が多様であること。そして、三番目として独立性。商業的な圧力、そしてまた政治的な影響力から自由であること。そして最後に、四つ目として、商業放送と明確に区別をし、放送界を先導する役割を果たすこと。この普遍性、多様性、独立性、特殊性というものを兼ね備えたものが公共放送として考えられるのではないかということを定義されているそうです。

 今回、放送と通信の融合、その中に含まれるであろうNHKをどうするかということに関して、そもそも公共放送はどのようなものであるべきと松原参考人自身お考えになられているのか、お話しいただければと思います。

松原参考人 今の四つのポイントも私どもは勉強いたしました。ただ、私どもがNHKの公共性について議論するベースとなったのは現在の放送法でございます。

 放送法には、民間事業者とNHK共通に公共的な規定があるわけでございまして、不偏不党でなければならないというようなことは、NHKも民放も同じ規律がかかっているわけでございます。

 それで、現在の放送法の中で、NHKに民放とは違う規律がどういうことでかかっているかというと、大きく言うと二点でありまして、一つは、豊かで良質なといったような表現でありまして、番組の内容について抽象的な規定が放送法の中でございます。それからもう一点は、これはむしろインフラ的な話でありまして、民放には電波がくまなく届くような一種の義務規定ではないのがありますが、NHKの場合には、全国に、すべての地域に電波が届くように措置をしろという非常に強い規定になっておりますので、その意味では、電波が届くようなユニバーサルサービスを提供するような義務もある。

 このように見ておりまして、その意味で、今、委員がおっしゃったようなことを前提とした議論ではなくて、今の放送法上で規定された二つのところがNHKの公共性だというようなことを判断して、そこから議論を始めました。

寺田(学)委員 放送法をもとに、公共放送のあるべき基本原則的なことをお考えになられたというお話でした。

 いずれにせよ、公共放送の担う役割というものもある程度認識しながら、それをどのように具現化していくかということを議論されたんだと思いますが、さきに質問された方からも少し出ていましたけれども、公共放送、NHK自体、今、日本で担っているわけですが、そこを民営化するというのも一つのアイデアであるということは以前から言われていることでありましたし、政治の中でも議論される種ではありました。

 そういう意味において、今すぐにということではないにせよ、将来的に、今NHKが担っている公共性というものを民間が代替できるというふうに考えられて、NHKは民営化してもいいと考えるのか、そもそも公共性というもの自体が、さまざまな技術の進化やら考え方の変化から、公共放送の持つ公共性というものも希薄化していって、NHKの役割というものはある種変質するのではないかとお考えになられるのか。さまざまなアプローチがあると思うんですが、このいわゆるNHKの民営化ということに関して、ある意味、将来的な選択肢の中として入っているのか、入っているとしたらどのようなことをお考えになられているのか、いかがでしょうか。

松原参考人 報告書の中にNHKの民営化という言葉は全く入っておりません。ですから、NHKを改革しろとか、こういう部分を子会社化しろということは、NHKの本体は当然残るし、今の特殊法人という形態で残るし、それから、子会社は見直さなければいけないけれども、その周辺に子会社があるといったような状況については変わらない、このような認識をしておりまして、それが二〇一一年の姿としてそのように想定しておりますので、委員の御質問に対しては、NHKの民営化ということについては議論の視野に当初から入っておりませんでした。

寺田(学)委員 確認の意味でもお伺いするんですが、今民放とNHKの二元体制で放送というものをつくり上げているんですが、その二元体制という意味でも、これは保持するべきだというふうにお考えになられているのかどうかということ、いかがでしょうか。

松原参考人 全くそのとおりでございまして、やはり放送というのは、そもそも論として多元的であり多様性を持つ。これはもう広くマスコミ全般にも言えることだと思っておりまして、とりわけ国民に対して高い影響力を持つ放送に関して複数のビジネスモデルがあった方がいい、それぞれの特色がそこで生かされるという判断でございます。

 その複数のビジネスモデルというのは、NHKに関して言えば受信料モデル、こういうことでありまして、受信料モデルということは、CMに依存しないで放送できる。そういうモデルというのは、民放とは違う役割はそこで期待できるし、果たしてもらいたい。その意味で、公共放送と民間放送の二元体制を維持する、NHKの民営化は想定していなかった、こういうことでございます。

寺田(学)委員 受信料制度を維持して、その中でNHKというものが公共性の高い放送を行っていくというのが必要であるということ、二元体制を維持するべきだというお考えを伺いました。

 次に、公共放送であるNHKが放送すべき番組内容はどのようなものが適正であるのかということについてお伺いしたいんですが、自由民主党さんの電気通信調査会通信・放送産業高度化小委員会のいろいろな考え方の中で、「公共放送が担うべき公共性」という欄で、「NHKが行う公共放送は、災害・緊急報道や教養・教育番組といった特定ジャンルに限定せず、良質な娯楽等を含め、今後とも総合的な放送を行っていくべきではないか。」というような提言をされていて、他党ではありますが、そのとおりではないかなという考えを私自身持っております。

 そういう意味で、松原参考人におかれましては、NHKが放送すべき番組内容はどのようなものであるべきとお考えになられているのか、お話しいただければと思います。

松原参考人 今、テレビに関しましては、総合と教育と二つのチャンネルになっております。それから、ラジオの衛星に関しては、名前は第一、第二ですけれども、中身は総合と教育、こういう形になっておりまして、それぞれについて、今の番組編成のおおよそのウエートを含めて、二〇一一年段階で維持すべきだ、そこに大きな変更は加えるべきではないというのが私どもの判断でございます。

 ということは、番組の編成、ウエートの中に当然スポーツそれから娯楽部分は入る、総合放送、これはテレビもラジオも同じです。入る、こういう認識でございます。

寺田(学)委員 参考人がまとめられた報告書の中に、「NHK本体と子会社の見直し」という欄の中で、「NHK本体に関しては、第一に、不祥事が続発した娯楽・スポーツ等の制作部門については、公共性が必ずしも高いとは言えないことから、本体から分離して関連子会社と一体化した新たな子会社」云々と続いております。

 ある種、娯楽・スポーツ等という一つの題材に対して、公共性の高い低いというものを何かしらの基準でお考えになられたと思うんですが、番組内容として公共性が高いないしは低い、そのように考えられるその基準というものはどのようなものをお持ちになっているかということをお答えいただければと思います。

松原参考人 報道とか教育、それから娯楽・スポーツという分野のそのカテゴリー自体は、実は民放もNHKもやっているわけでありまして、みずからが、これは娯楽、これが報道という区分けをして、そのことを総務省に報告して了承を得ているわけでありますので、まず番組のジャンル分け自体は事業者の方が総務省の一種のオーソライズのもとにやっている、こういうことでございます。

 それで、今の問題に関しまして私どもがどう考えたかといいますと、まず、受け手の側からしたときに、総合と教育という二つのチャンネルがラジオ、テレビともに必要だということですから、中身としては、娯楽・スポーツ部門というのは、受け手としては当然提供を受ける、そのことが受信料の範囲の中に入っている。このことについては、諸外国の公共放送のあり方等を見ても当然であるし、それから、何よりも視聴者、リスナーのニーズからもそうだろう、こういう判断をいたしました。

 それで、その娯楽・スポーツ部門を外に出すかどうか、要するに、見る側にとってはいいけれども、つくる側として特殊法人の職員としてやらなければいけないかどうかという判断をしたときに、やはりビジネスモデルとして比較的民間でもやれる、やりやすい部門と、それからまさに、お金のかけ方、時間のかけ方を含めて、民間ではやりにくい部分という基準で考えたときに、報道とか教育等については、極端な話、余り視聴率を気にしないということを含めて、NHK本体の中でやった方が望ましいだろう、逆に、スポーツ等民間でも比較的差がなくやれている部分に関しては外に出していいだろう、こういう判断でございまして、一つ一つの番組の質とか内容を規定して、それで分けろという議論ではございませんでした。

寺田(学)委員 今御答弁いただいた部分を私なりに解釈しながら、また再度簡略化してお伺いしたいんですけれども、報告書の中に書かれている、娯楽・スポーツ等の制作部門については公共性が必ずしも高くないと言えるということ、その公共性の高くないというところが係る言葉というのは、娯楽・スポーツという番組内容、ジャンルということに対して公共性が高い低いと言っているのではなくて、その娯楽・スポーツというものをつくること自体の公共性が高い低いと言われているのか、どっちなんですか。

松原参考人 我々が公共性の中身について議論をしたときに、ビジネスモデルでの考え方を中心に議論いたしました。その意味で、受信料収入で、そこをベースにして基本的にやるべき部分なのか、むしろCMベースでそれがやれるのか、こういう判断基準にいたしました。

 その意味で、娯楽・スポーツ部門というものが、受信料モデルで制作しなければいけない分野ではないだろう、こういうことでありますので、番組内容についても、報道と娯楽・スポーツを比べたときには、一般的な意味で公共性に差があるとは思いますけれども、実際にそれを判断したときには、受信料モデルの中で特殊法人職員の方が制作すべきなのか、むしろもう少し競争的な環境の中で置けるのかという判断で公共性の高い低いを見た、こういうことでございます。

寺田(学)委員 非常に話が、私自身の理解が足りないのかわかりませんけれども、制作という意味、制作するところの主体性、どこが制作するかということの公共性の高低と、いわゆる教養ないしはニュース、それと比べた上でのスポーツ・娯楽というものの放送の内容に関しての公共性の高い低いというものは、ちょっとこんがらがって聞こえるんですけれども、端的にお伺いして、今、一般的な意味では公共性は教養に比べて娯楽・スポーツは低いと言われたんですけれども、そこの部分が私は非常に大事だと思うんですよね。その放送する内容。どこがつくるかということに関してはその後に出てくる話ですから、NHKとしてチャンネルは持っていて、そのチャンネルを公共性の低いものを放送しているから減らしましょうということは、理屈としてわかるんですよ。

 そもそも、NHK自体がどのような番組を放送すべきなのか。それは、とりもなおさず公共放送ですから、公共性の高いものを放送しなきゃいけない。それでは、公共性の高いものというものはどのような番組内容であるのか、どこがつくっているかではなくて、どのような番組内容であるかというのがやはり明らかにならないと、本当にチャンネルをどうやって減らしていくのかとか、さまざまなことがそこからひもといていかれるんだと思います。

 ですので、松原参考人がいろいろ記者会見等でお話しされた部分、新聞記事から引っ張ってくるんですが、これはちょっと真偽を一たんお伺いしますけれども、「NHKが毎年、大みそかに放送している「紅白歌合戦」などは公共性が低いと主張していた。」これは六月二日の読売新聞に書かれているんですが、そのような発言をされていたかどうか、まずちょっと確認だけさせてください。いかがですか。

松原参考人 ちょっとはっきりとした記憶にはないんですが、恐らく懇談会終了後の記者会見の中でそんなようなことは申し上げたと思います。

寺田(学)委員 その後に、公共放送であるNHKの本体に残す業務は報道の制作、教育、文化の制作などに限定して、娯楽・スポーツ番組の制作部門などは子会社として外に出してという話をされたと思います。まさしく、先ほど、一般的な意味で公共性の高い低いがあると言われた部分があるんですが、自民党さんが言われているように、NHKが担うべき公共性というのは緊急報道や教養や教育番組のほかに良質な娯楽等を含めてと言われている部分があります。ここに明らかな違いが出てきていると思うんですよね。番組内容、ジャンルに関して公共性が高いと認めるか低いと認めるかに関して、自民党さんの考えと参考人の考え方が違うと思うんです。

 ですので、先ほどからお伺いしていることは、なぜにスポーツや娯楽というものが公共性が低くて報道や教育というものが公共性が高いというふうに考えられているのか、その中の基準というものをぜひとも御披露いただきたいと思っています。いかがですか。

松原参考人 トータルな言葉として公共性が高いか低いかといったときに相対的に低いだろうと判断したのは、繰り返しお話ししているとおりであります。

 しかし、実は私どもの議論の中でどういうことが出てきたかということを若干紹介させていただくと、例えばスポーツというものを考えたときに、プロ野球中継みたいなものを見ると、これは完全に民間でもできている、それに対して相撲の中継みたいなものはどうかというと、それはもしかしたらCMモデルではもう難しくなっているかもしれない。その意味で、ここは非常にわかりやすい例として私どもは議論したんですけれども、当然、娯楽・スポーツの中でも公共性が比較的高い部分とそうじゃない部分があるだろう。

 ここはぜひ御理解いただきたくて、全く民間でもできる、例えば巨人戦の中継みたいなものを受信料モデルでNHKがやる必要があるかどうかというようなことを含めて見たときに、報道あるいは教育等に比べると、そういう番組があるということで、トータルで見ると公共性は相対的に低いであろう。しかし、そのことがスポーツ・娯楽部門で公共性が全くないという判断をしているわけでは私どもはなくて、願わくはということですけれども、そういうスポーツ制作部門が外に出ることによって、プロ野球はむしろ逆に、そこが制作をとればそこが民間に流すようなこともあるかもしれないし、逆に、NHKの方には民間ではできないスポーツとかあるいは民間ではできない娯楽、これは、例えば民間がやはり視聴率でいくと若い世代中心に娯楽がならざるを得ない、しかし、民間ではできない中高年齢の方向けの娯楽みたいなものはむしろ受信料モデルでやった方がいいかもしれない、そういう含みはむしろあるわけです。ただ、全体として見たときにスポーツ・娯楽というのが低いだろう。

 逆に、私どもが避けたのは、一つ一つの番組の内容について、これは低俗だとか、だから民放がやれとか、これはそうじゃないからNHKがやれとか、そういう判断は外部がやるべきではない。しかし、今既に放送事業者の中に番組審議委員会等がございますし、当然、NHKの番組審議委員会は、放送法の中で、最初に申し上げたような、豊かで良質なという判断でやっているだろう。そこは自主的な判断に任せるべきで、制作部門でスポーツ・娯楽を外に出したということは、そこがトータルで見たときに差は出るだろうし、しかし、スポーツ・娯楽が公共性が全くないということではなくて、むしろ民放ではできないスポーツ・娯楽は積極的にそこがNHKの方に供給すべきだ。その自由度をどっちに与えるかというと、それは圧倒的に娯楽・スポーツ部門だ。そういうような意味で公共性が低い、相対的に低い、こういう判断をしたということです。

寺田(学)委員 娯楽・スポーツもすべて一つにくるめられなくて、その中にも公共性の高い低いがあるというお話だったと思います。

 そのスポーツという意味で考えると、きょうまさしく始まりましたワールドカップという、全世界的に、恐らく一番メジャーであろうスポーツの大会というものが、オリンピックよりも視聴者が多いと聞いていますので、最大のものだと思います。そして、私自身、学生時代、剣道をやっていたんですが、NHKで年一回、もっと放送されているかしれませんけれども、全日本剣道大会という非常にマイナーな、ある種玄人が見ない限り何がどうなっているかわからない、静かな、しかし、非常に見ている方としてみれば熱気がこもっている大会があるんですが、ここにも、ある種公共性の高い低いというのは出てくるのかもしれません。もちろん、どちらとも高いかもしれないし、低いかもしれない。

 ワールドカップのこと一つとってみると、私自身のことばかり話してあれなんですが、秋田県というところに住んでおりまして、民放は、実は私が中学校二年生になるときまで二チャンネルしかありませんでした。日テレとフジしかありません。その後にテレビ朝日が入りました。なぜにそういうことを言うかというと、TBSないしは、キー局でいうとテレビ東京で流れるスポーツ番組というものは僕はやはり見られなかったし、今回のワールドカップに関しても、NHKというのを除いて言うと、民間でやるとしても、何々戦はフジ、何々戦はTBSという形であって、本当においしい試合というものがTBSで流れるときは、もう秋田県民自体が本当に嘆き悲しむような状況が待っていると思うんですね。そこにおいて、NHKというものは衛星で全部やるという話だったんですけれども、NHKでやるということで、本当に待ち焦がれていて、みんなが見たいと思うようなワールドカップを全員が見ることができるということもあると思います。

 これを巨人戦ということに落として言うと、余りにもちょっと落差があるのかもしれませんが、秋田においても巨人のファンというのは圧倒的に多くて、巨人というものを見たいという人がいて、幸いなことに日テレがあるので見られるんですけれども、いずれにせよ、スポーツの公共性の高い低いということを考えても、やはり、まさしく言われたとおり、一概に高い低いというのは線引きはできないでしょうし、ある一方の意見だけを尊重することもできないものだと思うんです。

 まさしく、冒頭申し上げたとおり、番組は多様でなければいけないということを考えると、私は、スポーツにおいてもほぼ大方、公共性の高いものではないかなという思いがあります。もちろん、民間の部分がやれる、民間でも十分に放送できるんだというのであれば、NHKの持つ、公共放送が持つスポーツの公共性というものもあるんでしょうけれども、私は、一概に、教養だからどうこう、教養だから公共性が高くて、スポーツ・娯楽であれば一部に関しては公共性が低いものがあるとも言い切れないんだと思います。

 そういう意味で、私は、番組内容ということに関して言うと、やはり余り大胆な考え方というのはできないんじゃないか、まさしく趣味、嗜好にかかわる問題であるので、慎重に審議するべきだと思っております。

 その意味で、今度は、そのスポーツ・娯楽番組に関して制作を子会社化すべきという御提言をされているんですが、ある種、今るる御答弁されている中で、いや、もうそれは民間がカバーできる部分があるんだよ、ある種公共性の低いというか、公共放送が行うようなことをしなくとも民間でカバーできるんだよという話がありましたけれども、そうであるならば、制作会社というものをわざわざ子会社化することもなく、廃止するとか縮小するという考え方もあったはずなんですよね。それを、わざわざNHKの資本を投入した子会社として民間と競争させるということは、ある種、民間ではやれることはやれるんだ、だからこそ公共放送がわざわざやらなくていいじゃないかと言っていることを、わざわざ公共放送の資本が入った組織をおろすことになると思うんですよね。これはなぜに、廃止縮小と考えられずに子会社という結論を出されたのか、御説明いただければと思います。

松原参考人 ちょっとまだ御理解いただいていないかもしれませんが、まさに先生がおっしゃったように、民間では放送しづらい剣道のようなスポーツもある、それは当然NHKが流してしかるべきだ、このように思っています。

 それから、ワールドカップの問題に関しては、波のユニバーサルサービス規定にかかわるわけでありまして、実は民放は圏域内に関しても届かないところが若干ありますし、NHKよりは多いわけでありますし、それから全国ネットという意味では、先生がおっしゃったように全く全国をフルにネットしているわけではございません。逆にNHKの場合にはそれがあるわけですから、もしかしたらワールドカップのようなものは全国民に知らせるためにはNHKがすべて流すべきだといったような議論が成り立ち得るかもしれません。そういう意味で、私は、娯楽・スポーツ部門が全部民間でやれるとは考えていないけれども、相対的に見たときに民間でもやれるウエートが高いだろう、このように判断しました。

 それから、組織を何で廃止しないのかというときに、今申し上げたように、民間でもできるというのと同時に、NHKじゃないと流せないようなものもいっぱいあるはずであって、そこは廃止するわけにはいかないだろう。それから縮小の議論に関しては、これは組織の問題でありまして、例えば職員を大幅削減して縮小という可能性はもしかしたらゼロではなかったかもしれない。しかし、そうではなくて、NHKが持っている今の娯楽・スポーツのノウハウというものを、今言いましたように民間では流せないものについてはNHKに流すけれども、それ以外は民間に出してもいいじゃないかと。そういうことを含めてみたときに、組織を廃止縮小するよりは、ノウハウを生かしながら、民間にも流せるし、民間に流せない部分については今までどおりNHKに流すといったような自由度を与えるという意味で、そのような組織にした方がいいという判断をいたしました。

寺田(学)委員 娯楽・スポーツに関してワールドカップと剣道の大会というのを出しましたけれども、剣道の大会みたいなものは引き続きNHKでやるべきであると。ある種、NHKの子会社は民放にも供給し得るような、商業主義的と言うとちょっと言葉は変ですけれども、視聴率をとらなきゃいけないような民放の方々にも受けるような番組をつくりつつ、かつNHKの子会社は視聴率は関係なくて、公共性の高いと言われるマイナーなスポーツ番組であるとか、そういうようなものも制作していくというのが子会社としての使命だということだと思うんですが、私は、そんなに明確に分けられないし、NHKの娯楽・スポーツの制作子会社というものは本当にそんなにレンジの幅の広いものをやっていけるのか、別に本体のままでも何も問題はないんじゃないかなというのを若干思っております。

 ちょっと時間がなくて、最後に、本当は一番やりたかった、国会がNHKの予算承認権を持っていることに関してお伺いしたかったんですが、報告書を見る分には余りその点に関しては書かれていないと思うんですが、私、NHKの中立性、まさしく公共放送が持つべき独立性を保つためには国会の予算審議というものはなくすべきじゃないかな、そのことを審議するのも一つではないかなと。やはり予算という、ある種、肝を国会に握られている以上、その国会に対してNHK側が配慮することがあり得る構造にはなっていると思うんです、配慮しているかどうかは別として。

 BBCの例をとってみると、予算承認権というものは毎年やるようなこともなく、十年に一度、放送法の改定によってか、女王様からの許認可の関係とかそういうことでやっていると思うんですが、私はぜひとも、これからも続くんだとすれば、ちょっと時間になってしまいましたので質問はできませんが、本当にNHKの独立性ということに関しても総合的にこれは必要なことであると思いますので、御議論いただければと思います。

 そういうことをお願いして、きょう、本当に貴重な機会をいただけたこと、御礼申し上げたいと思います。きょうはありがとうございました。

中谷委員長 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。

 私は、最初に松原参考人に伺いたいと思いますが、きょうも最初に懇談会報告を聞かせていただきましたけれども、その二ページで「第一は、一般利用者の観点」ということを書いてはいらっしゃるんですが、大体この一行なんですね。「対応」というところで、融合を進める環境整備とか、通信における競争促進、放送における自由な事業展開など、きょうも繰り返しお話ありましたビジネスモデルの話とか、商売の観点はよく見えました。

 しかし、例えば放送の問題、今も出ておりましたスポーツ・娯楽番組にしても、今は受信料を払ってさまざまなものを見られるんですね。もちろん民放の場合は広告料収入の上がる放送は確かに放映はあります。それ以外に、今既に始まっておりますが、スポーツ・娯楽専門の有料チャンネルですね。そうすると、つまりお金を払わないことには放送でスポーツや娯楽を楽しむこともできないということになってくるということもあるわけです。

 そこで、そもそも放送の公共性とは何なのかとか、公共放送とは何かという議論がうんと深められないと変なことになってしまうと思うんですね。きょうも随分そもそも論の質問がありましたけれども、そもそも放送の公共性とは何かということについてどれだけ議論がされたかがよくわからないわけです。そこで、やはり全面的な議事録の公表ですね。公表してもらったらよく議論がわかるわけですが、しかし、マスコミ等でも言われているように、議事録を公表しない。密室作業という言い方もされてきましたが、全面的な議事録の公表というものはいつをめどにされるのかを最初に伺いたいと思います。

松原参考人 議事録の完全な公表については考えておりません。

吉井委員 ですから、きょう来ていただいてはいるんですが、本当のところどういう議論が行われたか、深められたかということがさっぱりわからないというのが私たちが受けている印象です。

 次に、後ほどまた触れますけれども、NHKの契約の問題について触れておられるんですが、放送法三十二条で、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」というのが根拠ですが、ここには放送者と受信者との契約の問題、双務性の問題があるわけですね。受信者の方からすると、公共放送としてのNHKを認めて負担金としての受信料を理解して支払う、そういうことにあるわけですね。一方、放送者の側は、双務性ということは、要するに国民・視聴者の支持と理解が得られるような公共放送としての番組を含めた努力を尽くすということ、これが契約という問題だと思うんです。

 最後に出てきた結論的なところだけを見ていると、その点について、つまりNHK自身が放送者として支持と理解を得られるような、そういう公共放送としての努力をどう尽くしていくべきかということについてよく報告書では見えてこないものですから、どういう議論をされたかを松原参考人に伺っておきたいと思います。

松原参考人 済みません、ちょっと理解不足かもしれませんが、私どもがNHKに関してここで書きましたことが実施されるということが国民のNHKに対する理解が高まることだと。ですから、私は、ここのこと自体が実施されるということが、議論の中で国民の、契約をする側の理解を得られるための前提条件だ、このように考えました。

吉井委員 いや、とてもその話じゃ、国民の側、契約する側が理解できるような話とは思えませんが、それはちょっと今おいておくとして、NHK改革について書いておられるところで、要するに、NHK問題が出てきたこの数年間、出てきている中には、あの不正経理の問題もありました。それから、政治家の圧力で番組が改ざんされたということが報道されたりとか、そういうことがあって、不信が高まって、不信があれば受信料支払いストップがふえるというのも、これは考えればそうなるわけですね。

 だから、国民や視聴者の不信や批判をどのように受けとめるかというのは、これはNHKの問題でもあるんですが、やはりこの在り方懇で、そこのところをどれぐらい国民の不信や批判を受けとめてそのことを議論されたのか。そして、放送の公共性を高めて、どのように受信料の収納率がアップしてくるようにしていくべきかというところの議論というのが多分あったんだと思うんですが、見ている限りは、受信料制度とか、経営委員会、チャンネル削減、子会社化というのは出てくるんですが、今のような根本の議論が必ずしも見えてこないんですね。これはどういうふうな議論をされたのかを伺いたいと思います。

松原参考人 済みません、またちょっと質問の趣旨がよく理解できないんですが、例えば、NHKの番組に対して視聴者の支持があるかないか、ある程度あれば払ってもいいなという気になるし、なければならない。あるいは、組織上の不正経理等が続発すれば払う気がなくなるし、そうじゃないかもしれない。こういうことであるのであれば、それをどうやってはかるのかというのは私は大変難しい問題であると思っておりまして、少なくともNHKは、常識的に考えて二つのことを考えているだろうと。

 一つは、やはり視聴率だと思います。NHKは、視聴率は受信料を払っていただくための大きな前提だと考えているだろう。それからもう一つは、やはり受信料の納付でありまして、契約をしていて意図的に拒否している人の数、これは大変NHKにとっての大きなプレッシャーになっているでしょうし、そもそも契約をしていない率、この両方がNHKに対するプレッシャーになっているだろう。

 それをどうやって上げていくかどうかということは我々は議論はできないと思っておりました。要するに、NHKに対して、視聴率を上げろとか、あるいは国民の多くが喜んで受信料を払うような番組をつくれとか、それは私どもが言うべきことではない。むしろそれは結果として出てくる。

 逆に、制度の方についていろいろ申し上げましたのは、例えば不正行為という御指摘がありましたけれども、経営委員会の内部にコンプライアンスの組織をつくりなさいとか、そういうことは申し上げました。ただ、こういう魅力的な番組をつくることで受信料徴収率を上げなさいよということは私どもが言うべきことではない、このように判断いたしました。

吉井委員 私、必ずしも番組の中身についてあれこれという話をしているわけじゃないんです。

 要するに、受信料の支払いがいつからどんと落ち込んできたかというのは、これはまた最近のこと、特に激しいんですね。それは松原参考人もよく御承知のところだと思うんです。

 大体、そういう問題が出てきた契機となっているのは、不正経理問題とか、政治的圧力で改ざんされたという問題など、それについての議論は政党によって違いがあるにしても、そういう問題等を契機として減ったことは事実なんですね。つまり、不信をそこで国民の皆さんが感じて、それで支払いがどんと落ちたわけですから。

 そうすると、そのときの国民の批判とか不信の声を、在り方懇としても、もともとこういうことがあって、言ってみれば、それを奇貨としてこういうのをつくったと言ったら語弊があるとしても、そういうことがあったからつくられてきたわけですから、そうすると、その国民の声というのを本当によく受けとめて、では公共性をどう高めて、番組の中身の話じゃないんですよ、どう公共性を高めて信頼を強めて収納率が上がっていくようにするのかということは、これは私は、在り方懇として考えられるということが普通のことではないかと思って伺った次第です。

 さらに、受信料制度の改革について、懇談会報告では「受信料支払いの義務化を実施すべきである。」と打ち出しているわけですね。現行の受信料の契約義務化と受信料支払いの義務化とは違うわけですね。懇談会ではこの点についてどういう議論をされたんでしょうか。

松原参考人 受信料制度は公共放送の根幹を規定する非常に重要なものだ、このような認識で、この点についてはしっかり議論をいたしました。

 それで、現在の放送法の三十二条で、受信設備、その後でラジオは除外されておりますからテレビですね、テレビの受信設備を持っている者は契約しろという受信契約の義務、これが現状でありまして、その三十二条の受信契約を結ぶ義務というものがやはり規律上不明確だったのではないかという認識を私どもは持ちました。このことは恐らく国会で何回か義務化の議論が行われておりますから、これは今始まった議論ではない、このように認識しております。

 それで、まず、私どもは、受信料支払いの義務化と罰則導入した強制徴収とは大分距離があるものとして考えてまいりました。それで、現状では、受信契約の義務というのはやはり受信料支払いにそのままはつながらないわけでありまして、私どもが、公共放送と民間放送の二元制を維持する、その公共放送とは何ぞやというと、国民から義務的に徴収された受信料で担われるものというように認識いたしましたので、まずそのことを法律上明確にすべきだ、このように考えましたので、ここの中でまず三十二条に関しまして、受信契約ではなくて受信料支払いの義務というものを明確にすべきだと。

 ただ、そのことですぐ受信料収入が上がるような話では恐らくないだろうという認識を持っておりました。それは、契約の義務と受信料支払いの義務との間に罰則化が入らなければ、国民に対するそんなに大きな強制力にはならない。ですから、NHKというものが公共放送なんだ、そして国民の義務的に支払われた受信料によって営まれているんだということを法律上まず明確にすべきだというのが私どもの議論であります。その先に罰則化の議論が必要だと思いました。

 そのときに、今、先生は支払い拒否がふえたということをおっしゃいまして、確かに百万件を超えたわけであります。これはもう最近の出来事で、全くおっしゃるとおりであります。そのことにつきましては、私どもは、NHKのガバナンス強化、繰り返しになりますが、コンプライアンス組織を中につくりなさいということを含めて相当強い提言をした、こういうように思っております。

 しかし、NHKの問題はそこにとどまらずに、実は、支払い拒否の人は、契約しているのに主体的に拒否したわけでありまして、それはもう百万のオーダーでありますけれども、最初から契約しないという方のオーダーは数千万に上るわけでございます。ということは、これは一般には払っていない方が三割いらっしゃると言われますが、事業者等を勘案するともっと高いかもしれないという説も多いわけでありまして、そうすると、放送、電波の性格上、事実上のフリーライドが物すごく多くなっている。逆に、正直に受信料を契約して払っている方は、恐らく本来払うべき金額の三割から五割余分に払わされている。こういうような状態はやはり看過できないだろう。諸外国を見ても、やはり罰則化になっているのではないか。

 だから、ゴールとしてはそれが必要だ。そこに至るときに、まさに先生がおっしゃったところだと思いますが、番組の質についてとやかく言うことについては、我々は全く最初からちゅうちょしておりましたけれども、例えば、今、八百億円かけているような徴収コストを削減したりとか、いろいろな形でのガバナンスが強化されたりとか、結果的に国民の側のNHKに対する支持が上がるということは納付率がまた上がり始めるとか、そういう種々のいろいろな条件がクリアされた後は、やはりフリーライドが大量にいるような状態は解消しなければいけない、それが公共放送だろう、こういう認識であります。

 二段階の議論、まずは義務化で明確にしたい、その後で、多くの改革が終わって、国民の支持が得られた段階で罰則化を含めた強制徴収に踏み切るべきだ、こういうような方向性でございます。

吉井委員 これは、三十二条の契約のことは、受信料というのは要するに、放送者と受信者が相互に、受信者は信頼して支払う、放送者は信頼されるような良質の番組をつくる努力を尽くすことによって収納率を一〇〇%近く上げていくというのが、これが筋なんですね。それを、受信料支払いを義務化し、さらに罰則でもってというふうになりますと、結局、受信料というのは事実上税金化してきますから、公共放送が国営放送への道ということにもなりかねない。

 民放の方が非常に苦労しておられるのは、広告料を上げないとつくれないし、いい番組をつくろうと思ってもそこがなかなか大変なところで、瞬間的に視聴率が上がるものをと、それは先ほど来ほかの議員の方からもお話がありました、娯楽番組がどたばた的なものになったり、論理性や系統性が弱い瞬間芸的なディベートのようなものになってくるとか、やはりそういう問題があると思うんです。

 民放の方には、せっかく来ていただきながら、時間が参りましたので、きょう伺うことができませんでしたが、そのことをお許しいただいて、時間が参りましたので質問を終わります。

中谷委員長 次に、重野安正君。

重野委員 社会民主党の重野安正です。

 松原参考人、吉田参考人におかれましては、大変お忙しい中、わざわざ時間を割いて本委員会に御出席をいただきました。心から厚く御礼を申し上げます。

 まず、松原参考人にお伺いしますけれども、この懇談会、五カ月間の議論を経ましてこの報告書が出されたわけであります。

 よくイギリスのBBCというのが例え話に出されるわけでありますが、実は、BBCにおいて、特許状の更新に当たって事業内容等々の洗い直しをやるわけですね。その更新に費やした時間が三年間というんですね、三年間。それに、国民が出した意見書等々が数千通に及ぶというんですね。また、いろいろな機関の調査書やあるいは勧告書などを集約して最終的に政府の報告を取りまとめる、こういう段取りでやっているということが明らかになっているわけですが、NHK、NTTなど当事者ばかりでなく、視聴者である国民あるいはNTTの株主など多くの関係者の意見が集約された上で取りまとめられることが私は理想だと思うんですね。

 ちなみに、NHKの問題で意見聴取を二回やられておりますけれども、NHKとスカイパーフェクト・コミュニケーションズ、民放連、KDDI、これだけですね。まして、国民からいろいろな意見をお寄せくださいという経過もない。まず、このありようについて、今私は例え話にBBCを申しましたけれども、先生、どのようにお考えでしょうか。

松原参考人 まず、その審議に関しまして、私どもが十四回やりまして、事業者の方とのやりとりは、公開の討論の場だけではなくて、追加質問、追加意見書の提出等のやりとりをやりましたので、十分な時間は割けた、このように思っております。

 それから、意見聴取に関しまして、今までの各種世論調査等、そういうのは参考にいたしました。それから、委員の中に放送の専門家が多数おりまして、過去のいろいろな推移についての御意見を懇談会の中でいただく、あるいは外部で私が直接伺うというような形での聴取もいたしました。

 それで、BBCとの比較で、女王陛下の特許状の話でございますが、私どもがここで出した問題で法律改正を必要としないようなことについてはすぐやってほしいということにいたしましたが、NHKにつきましても、実はブロードバンドを子会社でやるということは法律マターでございまして、私どもは方向性は出してこうやるべきだと書きましたけれども、実際法律マターとなったときには、日本の法律の制度に基づいて、パブリックコメントを含めて時間をかけて議論されると思いますので、私どもが決めたことですべて最終決着ではなくて、その多くがこれから国会で議論されるべきこと。

 基本的には二〇一一年を目途にした報告でございますので、そこについては、むしろ私たちは、きっちりとした方向性を出して、その上でしっかり御議論いただきたい、そのための素材を出したということだと考えております。

重野委員 時間が限られていますから次に行きますが、端的に聞きます。

 現行放送法で課せられております受信契約締結義務と報告書に言う受信料の支払い義務、これはどう違うんですか。

松原参考人 契約の義務の中には受信料支払いが明記されていない。ですから、常識的に契約というのはお金が伴うだろうというような類推で恐らく今は受信料が事実上支払いの義務になっているだけだと。そのことを、国民は受信料を支払わなければならないといったような法律上の文言が三十二条に入るというような形をイメージしておりますけれども、具体的なところに関しましてはこれからの国会での御議論だと思っております。

重野委員 不払いに対する罰則を科さずに受信料支払い義務化が実現しても、現在の受信料不払い、未契約は解消されるというふうに考えておられるかどうか、この点について、松原参考人。

松原参考人 支払い義務化は、公共放送としての位置づけを明確にする、受信料の国民の支払い義務に基づいてNHKの公共放送が行われているということを法律上しっかり確認したいという思いでございまして、そのことは、受信料支払い率がそのことで大きく上がるということの効果を期待した提言ではございません。

重野委員 NHKの受信料の不払い問題に端を発してこの問題が一つの大きなテーマになったわけです。それはあくまでも一部職員の不祥事が原因であって、視聴者の側から、受信料を下げてほしい、あるいはテーマになっていますチャンネルを減らしてほしいなんという視聴者からの提案はいまだかつてないんですね。

 わずかの期間の検討、時間は限られている、小泉内閣の中でこの方向を盛り込ませていこうとすればおのずと今言うわずか五カ月間という時間に制約をされるわけですから、したがって、私は、ガバナンスの強化という点に絞って徹底的にやればよかったのではないかという考えがあります。

 消費者は放送サービスへの新規参入を望んでいるのかどうか、また、競争がサービスを向上させるという考え方がマスメディアになじむのかという非常に基本的な問題があるんですが、その点について、松原参考人、どのように考えますか。

松原参考人 済みません、ちょっと趣旨がよくわからなかったのですが、放送に対する新規参入のニーズが視聴者の側にあるのかというふうに解釈いたしますと、私はあると。現実に、放送に関して事業者の数はふえておりますし、先ほど申し上げましたように、BSのNHKのアナログハイビジョンを停波した後は民間事業者が三社そこに入ってまいりました。これはペイするという前提で三社が入ってきたわけでございます。その一方で、インターネットの方での映像配信サービスもどんどんふえておりますので、そういうところでの視聴者の側のニーズ、ユーザーの側のニーズは高いのではないか、こういう認識は持っておりました。

重野委員 では、もっと受信料問題について聞きますけれども、受信料不払いの罰則化、これがテーマになっているわけですが、それが行われるとすれば、これはもう受信料の徴収は国家権力を背景に行うこととなる、先ほどもありましたけれども、火を見るよりも明らかです。

 そうなりますと、国家から独立しているNHK、公共放送の性格を失うことになるんじゃないか、こういう懸念を持つのは私だけではないと思うんですね。これはつまり国営放送というものになっていかざるを得なくなるんじゃないか、この懸念に対してどのようにお考えでしょうか。

松原参考人 義務化の後の罰則化に関しては相当先の議論だと思うんですが、今の御質問について言えば、現在のNHKは特殊法人でございまして、放送法、とりわけ第二章を中心に設立されているわけです。ですから、現在の段階で、NHKが国家から独立、中立の存在ではむしろない、だから当然国会の中で予算審議されている、こういう話だと思います。

 過去にはNHKは社団法人だったわけでありますから、もう少し緩やかな組織形態もあるかもしれない、しかし、現行の特殊法人という組織形態を前提として議論を進める以上は、私は、国会の一定のチェックは必要だ、こう考えております。

 しかし、国営ではないのは、特殊法人という若干国から離れた組織形態であり、ガバナンスに関しても、国会同意という形でありますので、政府の中にある政府広報機関では今の状態でもない。ここは若干ファジーではあるとは思うんですけれども、この点について、独立行政法人にしてもっとガバナンスを強化しろという方向性については最初から念頭にありませんでした。

 その形態の中で受信料を罰則化することが国営放送化になるとかいう形ではないだろうと思いますのは、日本以外の多くの国の、先生方がおっしゃったBBCを含めて、罰則つきの徴収方法をとりながら、やはり一定の政府からの、国会からではございませんけれども、政府からの中立性を担保できているという状況を見れば、その懸念はそんなに強くない。留意しなきゃいけないという意識は非常に強くありましたけれども、そのことが決定的にそうなるとは思わないで、こういう表現になりました。

重野委員 それでは、吉田参考人にお尋ねいたします。

 ある読み物を見たら、福島県内民放四社の共同記者会見が行われまして、その会見で吉田参考人が代表していろいろと発言をされているという。地上デジタル放送について、受信エリアの県内全域化について二〇一一年七月時点で九七%をカバーできる見通しを示して、同時に、中村さんという方がこのように発言しているんですね。テレビ局の経営努力だけでは限界がある、国や県の協力を求めていくと発言した、このように報じております。

 そこで、アナログ放送終了時点で県内九七%のエリアで地上デジタル放送が視聴可能なのか、九七%のエリアは中継局だけでカバーできるのかあるいは補完としてIPマルチキャスト等を活用するのか、その点について一つ。

 二つ目は、デジタル投資がローカル局の経営圧迫ということをよく耳にするのでありますが、どういうふうな試算の中でそのことが言われるんでしょうか。

 三つ目は、県内全域への地上デジタル放送の普及のために国や県にどのような支援措置を求めているのか。

 以上、三点。

吉田参考人 お答えいたします。

 九七%、これにつきましては、四十八カ所の中継所でカバーするということを考えております。

 第二点ですけれども、経営状況は、冒頭の説明で申し上げましたように、大変厳しい状態でおります。それで、大体全体で五十億の投資、それでこれからさらに三十億近く、これを入れなきゃならないということでございます。さらにはランニングコスト、年間一億くらいは膨らみそうだということで、大変つらい思いをしております。

 それで、三点目なんでございますが、先ほども申しましたけれども、私どもはやはり民間企業としてできるだけ一〇〇%を目指したいと思っております。したがいまして、今直ちにこういうことをしてくださいというよりも、我々、これから最大限の努力をしていきますけれども、やはり無理が出てきそうなところがございます。そういうところについてはぜひお知恵と御協力をお願いしたい、こういう意味でございますので、よろしく御理解をいただきたいと思うんです。

重野委員 以上で終わります。

中谷委員長 次に、亀井久興君。

亀井(久)委員 松原、吉田両参考人にはお疲れだと思いますが、最後の質問でございますので、あと十分御辛抱いただきたいと思います。

 もう既に、各委員からいろいろな問題点が指摘されておりますけれども、先般三月にNHKの予算審議をいたしましたときに竹中大臣にも私いろいろなことを申し上げたわけでございます。

 小泉内閣は、官から民へということを一つの大きなスローガンにしている、その小泉政権の中枢にあって常に大きな役割を果たしてこられた竹中総務大臣ですが、その竹中大臣の極めて信頼をされている松原座長の懇談会でございますから、それだけに、世間からも注目をされてきたと思っておりますし、また、会議が行われた都度、座長からの記者発表等も行われておりますので、そのことに対して多くの人たちが注目をし、また関係者は一喜一憂をしておる、そういうようなことも私は当然だと思っておりますが、どうも、全体のトーンを私拝見しておりますと、放送と電気通信という二つの分野においてNHKとNTTという大きな事業体がある、その事業体をでき得る限り縮小して、その縮小した部分に新しい民間事業者を参入させ、そのことによってそれぞれの分野の活性化を図り、それが経済全体の活性化につながるだろう、そういう発想に基づいて議論をされているんではないかな、そういう懸念を実は強く持つわけでございます。

 先般、三月の議論のときにも、私、BBCとNHKを比較していろいろ申し上げたんですが、やはりBBCに対するイギリスの国民の信頼というのは、常に公権力、政治権力と一定の距離を保っているという、そこにあるわけでございまして、かつてのサッチャー政権のときに、フォークランド紛争を批判して、国際電波を停波するという非常手段をとって、極めて緊張した関係にあった。ブレア政権のときにも、イラクの大量破壊兵器報道をめぐって大変な緊張関係があって、その中でBBCの経営委員長と会長が辞任をする、そういうことにも発展をした。そのときに、BBCが負けたんだ、そういう見方をした人もいましたけれども、そうじゃなくて、BBCが自主的に内部で調査委員会をつくって、そこできちっと調査をした結果、みずからに誤りがあったということで責任をとった、そこにこそBBCのよさがあるんだ、そこをやはりイギリスの国民というのは正しく評価しているんだと私は思うんですね。

 ですから、私は、今、受信料の不払い、さまざまな不祥事に端を発したわけでございますけれども、そういう中で、NHKのガバナンスの問題、今度の懇談会でも指摘をされております。しかし、私は、NHKのガバナンスというのは、基本的には、今申し上げた、やはり公共放送と言っておりますが、確かにさっき座長が言われたように、特殊法人である。しかし、一般の、国の役割を代替する役割を果たしている特殊法人とは違いまして、やはりNHKというのは、さっき社団法人だったとおっしゃったけれども、歴史的な経緯がやはりあるわけで、そういうことの反省から、新しい放送法がつくられて、そして新生NHKが発足をした、そういう経緯がありますので、やはりNHKの信頼というもののもとになっている、政治権力との一定の距離を常に保っていくんだという、そのことを前提に置いたガバナンスの問題というものを議論していただくべきだった。その辺の議論がなされたのかどうかを伺いたいと思います。

松原参考人 その点は、私は大変難しい問題だと思っております。というのは、政治権力、要するに政府という話と、それから国会という話と、ダブるようでいて、私はダブらないと思っております。というのは、視聴者の方の意見をNHKが取り入れるとか、チェックを受けるというのであれば、今既に経営委員会の中に地方代表という形でいろいろ入っているわけです。ではそれで本当に機能しているかというと、なかなか機能しない。その意味で、NHKという組織体は、特殊法人でもあり、国会の一定のコントロールを受けるのは、それは当然だと。

 問題は政府との距離でありまして、それがそのまま政府との距離が近いということになるのであれば、事実上の国営放送になってしまって、本来のマスコミのメディアとしての責任が果たせないという可能性もある、こういうように理解しています。

 それで、日本の場合には、政府イコール国会イコール与党イコール政府で、何かずっと一体みたいになってきたことが、イギリスなどの政権交代が多くあった国とは違うところで、そこで、おのずとBBCと政府、BBCと議会との距離というのが日本とは違った面があると思っているんですね。

 私どもは、一般論といたしまして、やはり議会のコントロールは受けるべきだ、しかし、政府の中の国営放送であってはいけない、そういうスタンスは、最初の段階で、公共放送としてNHKがどうあるべきかというところでほぼ合意いたしまして、その線でいろいろな改革を議論した、こういうことでございます。

亀井(久)委員 先ほど経営委員会のあり方についてもこの懇談会で触れておられまして、経営委員会をもっと強化すべきだということを私は竹中大臣に申し上げて、それはそのとおりですという趣旨の御答弁をいただいておりますので、今回、いろいろそのことについて議論をされて、一定の方向を示していただいたということは結構なことだと思っておりますが、あと、契約義務を支払い義務というようにしていく、またさらには、その先の罰則、そういう話も大事な視点ではあると思いますけれども、そのことを議論しておりますと時間がありませんので、きょうは置いておきたいと思います。

 NHKと民放との二元体制というものを基本的には維持していくべきだというその御判断は正しいと私は思っているんですが、きょうは吉田参考人にもおいでいただいておりますけれども、やはり三月でしたか、NHKの予算の前に参考人の意見聴取をしたことがございまして、そのときに、当時の民放連の会長の日枝さんが、放送というのはエンターテインメントとジャーナリズムが二本の柱なんだ、その二本の柱を支えている高い公共性を持っているんだということをしきりにおっしゃったわけですね。ところが、私は、今の民放の番組の内容を見ておりまして、本当に高い公共性というものをどこまで自覚しておられるんだろうか、そういう感じがしてならないわけです。やはり常に、商業放送でございますから、当然、視聴率というものに最大の関心を払う、そうなれば、どうしても番組の中身が大衆迎合的なものにならざるを得ない。ですから、民放の報道番組というのは、純粋の報道番組というより、報道番組をエンターテインメント化していると言っても決して言い過ぎではないわけでございます。

 かつて、個人情報保護法をつくりましたときに、報道とは何ぞやという定義を決めなくてはいけないので、いろいろ議論をしたんです。結局、客観的事実を事実として不特定多数の人に伝えることと。それが純粋の意味での報道なんですけれども、それで割り切ったらば、今の民間の放送事業者のやっておられることなんて全部報道じゃなくなってしまう。ですから、その事実に基づいて意見及び見解を述べることを含むという括弧書きで規定をしたわけで、そこで初めて、報道番組であってもその報道主体の意思と主観というものはそこに入っているんだよということもそこで認めたわけでございますけれども、そういう状況であればあるほどNHKの役割というのは非常に高いと私は思っておりますが、その二元体制について、吉田参考人どうお考えになりますか。

吉田参考人 私のような駆け出しの者よりも、先生の方がいろいろとお詳しいと思います。

 二元体制は絶対守らなきゃならぬというふうに私も思っております。やはり先ほどからいろいろな先生からお話がありますけれども、私どものやり方とNHKの取り組み方はやはり違っているところがあると思いますし、先生のおっしゃるとおりだと思います。

亀井(久)委員 それから、具体的なチャンネルの削減ということが示されておりますけれども、チャンネルの問題にまで、ちょっといささか踏み込み過ぎておられるんではないのかな。やはりNHKのチャンネルというのはそれなりの役割を果たしているわけで、それをやはりNHKが、今三年間の一つの見直しを進めていこうということでございますが、そういう中で、削減も含めて検討をするということも言っておるわけでございますから、やはりNHKに投げかけて、そこでNHKなりに十分検討されたものを出させて、そこでまた何回も何回もやりとりをしながらNHKが自主的に削減をしていくということになれば、それは私どもも国民も理解ができることでございますけれども、これは公共性が低いからやめるべきだとかいうようなことまで言われるというのはいささか踏み込み過ぎじゃないのかな。

 電波法七十六条は、電波法令違反をした場合には免許の停止ということができるわけでございますけれども、今、それではこのチャンネル要らないよと言われたからといって、それでそれが実現できるような法律の仕組みにはなっていないわけでございますから、やはり現在の法律の制度のもとで、NHKともそうした国民の前でのやりとりを積み重ねていくということが慎重なやり方ではないのかなというように思いますので、もう時間が参りましたから、そのことを申し上げて、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

中谷委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。

 参考人の皆様には、本日、大変貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)

 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時十八分開議

中谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 日本放送協会平成十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題とし、審査に入ります。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本件審査のため、本日、参考人として日本放送協会の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本件審査のため、本日、政府参考人として総務省情報通信政策局長竹田義行君及び政策統括官清水英雄君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第五局長増田峯明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

中谷委員長 まず、総務大臣から説明を聴取いたします。竹中総務大臣。

    ―――――――――――――

 日本放送協会平成十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

竹中国務大臣 日本放送協会平成十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書並びに監事の意見書について、その概略を御説明申し上げます。

 本資料は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。

 平成十六年度の貸借対照表の一般勘定については、平成十七年三月三十一日現在、資産合計は七千二百六十三億円、負債合計は二千六百八十七億円、資本合計は四千五百七十六億円となっております。

 損益計算書の一般勘定については、経常事業収入は六千八百五十四億円、経常事業支出は六千六百七十六億円となっており、経常事業収支差金は百七十八億円となります。これに経常事業外収支及び特別収支を加えまたは差し引いた当期事業収支差金は七十五億円となっております。

 以上について、監事の意見書においては、監査の結果、財務諸表は、日本放送協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認められております。

 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

中谷委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長橋本元一君。

橋本参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の平成十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに監事の意見書の概要につきまして御説明申し上げます。

 初めに、財産目録、貸借対照表を御説明申し上げます。

 一般勘定の当年度末の資産総額は七千二百六十三億円、一方、これに対する負債総額は二千六百八十七億円、また、資本総額は四千五百七十六億円でございます。

 続いて、損益計算書における一般勘定の経常事業収入は六千八百五十四億円、経常事業支出は六千六百七十六億円でございます。

 以上の結果、経常事業収支差金は百七十八億円となり、これに経常事業外収支及び特別収支を加えまたは差し引いた当期事業収支差金は七十五億円となりました。

 このうち、債務償還に充てた資本支出充当は七十一億円であり、事業収支剰余金は三億円でございます。

 なお、この事業収支剰余金は、翌年度以降の財政安定のための財源に充てるものでございます。

 以上について、監事の意見書では、貸借対照表等は、監査の結果、協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。

 これをもちまして、概要説明を終わらせていただきますが、今後の協会運営に当たりましては、公共放送としての使命と責務を深く認識し、不正の根絶に向けたコンプライアンスの徹底と視聴者の信頼回復に努めるとともに、放送事業の一層の発展に努力してまいる所存でございます。

 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

中谷委員長 次に、会計検査院当局から検査結果について説明を求めます。会計検査院事務総局第五局長増田峯明君。

増田会計検査院当局者 日本放送協会の平成十六年度決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。

 同協会の平成十六年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書等は、十七年六月二十日に内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて十七年十一月八日内閣に回付いたしました。

 検査の結果、平成十六年度決算検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項四件及び特定検査対象に関する検査状況一件でございます。

 不当事項につきましては、いずれも職員の不正行為による損害が生じたものでありまして、検査報告番号二九三号は、放送番組の制作に当たるチーフプロデューサーが、複数の知人と共謀し、自己の担当する番組において仕事をさせたように装うなどして、知人の銀行口座に振り込ませるなどした番組制作費を領得したものでございます。本件については、平成十五年度決算検査報告におきましても十六年九月末現在で判明していた状況を掲記しているところでございます。

 検査報告番号二九四号は、音響デザイン担当の職員が、番組テーマ曲等の制作会社の社長である知人と共謀し、自己が作曲した音楽を同会社に依頼して作曲させたように装うなどして、同会社の銀行口座に振り込ませるなどした番組制作費を領得したものでございます。

 検査報告番号二九五号は、映像デザイン担当の職員が、親族の者を映像デザイン制作の委託業務に従事させたように装い、親族の者名義の銀行口座に振り込ませた番組制作費を領得したものでございます。

 検査報告番号二九六号は、放送番組の映像取材に当たるチーフカメラマンが、番組制作費の請求決定者の印鑑を無断で使用し、取材協力者への謝礼を装って購入したビール券を領得したものでございます。

 なお、これらのうち二九四号から二九六号の三件については、十七年九月末までに損害額のすべてが補てん済みとなっております。

 次に、特定検査対象に関する検査状況として掲記いたしました「日本放送協会における放送受信料の契約・収納状況について」につきまして御説明させていただきます。

 日本放送協会の放送受信料につきましては、平成十六年七月に同協会職員による番組制作費の着服が発覚して以来、この不祥事を理由とした受信料の支払い拒否、保留が発生するとともに、受信契約を締結していない者及び不祥事発覚以前からの受信料未払い者が多数に上っていることが明らかとなり、国民の受信料に対する不公平感が拡大してきております。

 このため、受信料収入が大幅に減少することが見込まれ、今後同協会が公共放送の使命を果たしていく上で支障を来す事態も予想されましたことから、受信料の徴収について検査いたしましたところ、同協会では契約促進に努め信頼回復活動等を行っているものの、支払い拒否、保留の増加は続いており、その効果は現状では必ずしも十分なものとなっておりませんでした。

 したがって、同協会において、さらに一層の不祥事の再発防止の徹底や経費の削減を図るとともに、受信料負担に対する国民の不公平感を払拭していくことが肝要であり、受信料制度の趣旨について国民にさらなる周知を図るとともに、未契約者について、その実態を効率的に把握する方策を検討すること、未払い者について、さらに効果的に受信料を収納する方策を検討すること、事業所について、受信機の設置状況の的確な把握に引き続き努めること、真にやむを得ない場合は、最後の手段として法的措置の検討も視野に入れることなどの取り組みを進めていくことが必要であるとして、特定検査対象に対する検査状況として掲記したものでございます。

 以上をもって概要の説明を終わります。

中谷委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

中谷委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥野信亮君。

奥野委員 自由民主党の奥野信亮でございます。

 平成十六年度のNHKの決算について、経営という視点から厳しく追及しろという指令が理事の方から来ておりますので、厳しく追及させていただきます。

 平成十六年といえば、NHKにおいて、芸能番組のチーフプロデューサーの不正支出で不祥事が発覚した、そして、それを契機として受信料不払いという事態が発生し、一年間に約百四十億円もの未収といいましょうか不払いが発生したわけであります。

 それに対して、逆に、町の中はコストのかかるイベントや事件が多発してかなり大きな費用が必要であったんだろうと思います。例えばアテネのオリンピックとか中越地震、あるいはインド洋の津波、それからイラクの人質事件、結構大きな事件が起こったことを思い起こさせるわけであります。そのために、NHKとしては、経営上やむを得ず、いろいろな意味でのコストカットをし、また、副次収入等を精力的に仕入れるというか、収入を上げるという努力もされたんだろうと思います。

 そのかいあって、十六年度については、最終的に、事業収支としては七十五億円と、赤字に至らずにほぼ計画を完遂した、こういう結果が出ていることは皆さん方が今お聞きになったとおりであります。

 しかし、その数字だけじゃなくて、やはりNHKにまつわるステークホルダー、例えばお客様であるとか、あるいは従業員であるとか、あるいは関係する業者等々がどういう評価をしたかということがNHKに対する評価の一番のポイントではないかと私は思います。それは、お客様満足度というのをどういう形で測定すればいいかわかりませんが、要するに、例えば受信料の不払いというのはお客様満足度の逆の数字だろうと思います。そういう意味で、まだまだ課題はたくさん残されているということではないかと思います。

 今、ちまたでは、コーポレートガバナンスとかアカウンタビリティーとか英語で言うとまた怒られますから、企業統治とか説明責任とかといったものが法人経営をする上では大変なかぎなんだよ、こういう指摘がされているわけでありますが、それにのっとるような形で、平成十六年十二月には、いわゆる経営側といいましょうか、NHKの経営委員会の人材は入れかえをした、あるいは、会長自身も十七年の一月に交代をされた、そして、こういった人事の刷新に加えて、コンプライアンス委員会などをおつくりになって、法令遵守の体制を整えられて、そして、これだけじゃなくていろいろな委員会がつくられたように聞いておりまして、統治機構の改編等も進められたというふうに私は判断しております。

 そして、そうした中で今事業経営をされているわけでありますが、きょうに至るまで、コンプライアンス委員会の成果かどうかわかりませんが、十八年六月までに新たに十七件の不祥事が発生してうみを出しつつある、こういうのが今のNHKの実態ではないかと思います。

 しかしながら、受信料の不払いはいまだにおさまっておりませんで、十七年度を見ても新たに五十万件が新たに発生するというようなことで、改革のさなかにあるというのが私が見たNHKの現況ではないかと思います。

 しかしながら、そうした中で事業運営をしていく過程では、損益に関しては、いろいろな意味で、子会社からの利益金を吸い上げるとか、あるいは従業員の給与カットをするとか、いろいろなコストの切り詰めで、予算をなるべく達成しつつあるというのが今の実態でもあろうかと思います。

 私は、実は民間の企業経営をしたこともあるものですから、NHKの実態を見てみますと、まだまだぞうきんは絞れる、こういう感じがしている次第であります。そういう意味では、まだコスト削減を積極的にやることも必要だろうと思いますが、コスト削減だけではだめでありまして、やはり新たな改革というものをさらに進めていかれることが必要だろうと思っているわけであります。

 そこで、幾つかの質問をしたいのでありますが、NHKといえば、受信料に支えられた公共放送で、政府出資がないという団体だろうと思います。しかしながら、政府出資のある特殊法人と同じように、会計検査院による決算評価を経て国会の承認を求める、決算の内容について承認を得るということになっているわけでありますが、今、よく皆さん方見てください、民間企業は何年度の決算をしていますか。今度の六月末で十七年度の決算を株主に報告しているんです。十六年度の報告を今ごろするような体制で、この国のシステムというか、NHK、総務省等にかかわって、会計検査院もそうでありますけれども、そういうシステムの中でNHKを管理していくということ自体がもう時代おくれじゃないか、私自身にはそう見えているわけであります。

 もちろん、政府の、例えば財務省とか厚生労働省とかいろいろな省庁の決算も実はNHKよりはるかに遅くて九月になるんですよね。こういうスピード感で国の政治なり国の行政をつかさどっておったのではいつまでたっても世の中はよくならない、私はこう思うわけであります。

 総務大臣にお尋ねしますけれども、こういったことを改めていかない限り、やはりNHKの改革というのは成就しない、私はそう思うのでありますが、何かほかに新しいシステムを考えて、もっとスピーディーな検査というものも含めて、NHKと一体になって管理していこうという考えはおありになるかないのか、少しお答えをいただきたいと思います。

竹中国務大臣 企業経営の最前線で御活躍をされた奥野委員からごらんになりまして、今の決算のスピード感につきましては、そういう御批判というのは私自身も大変理解できるところでございます。

 これは、ルールはもう委員御承知のとおりでありますけれども、NHKの決算は、放送法の規定で、まずNHKが総務省に提出する、それで総務省が内閣に提出する、そして内閣を経由して、会計検査院の検査を受けて、そして国会に提出される、そういう順序になっているわけでございます。なお、会計検査院では、決算の検査を行いまして、必要に応じて不当事項等の掲載を行っている、そういう仕組みでございます。

 当然のことながら、これ全体を大幅に前倒しして、そして審議いただく機会を早くつくるというのは我々の務めであると思っております。なかなか、来年から、あすからこういうふうにできるという見通しがあるわけではないんですけれども、できるだけ速やかな国会への提出、報告に我々としても努めたいと思います。そして、なるべく直近の決算について、御審議いただくかどうかは院でお決めいただくことではございますけれども、それが可能になるような状況をつくるように努力をしたいと思います。

 あわせまして、もう少し簡便な方法で、簡易な方法で速報的な手段が何かとれないかということも、これは実は考える価値があると思っております。今すぐアイデアがあるわけではないんですが、委員の御指摘も踏まえまして、いろいろな方策が考えられないか、私自身勉強してみたいと思っております。

奥野委員 では、ぜひ、そういった合理化といいましょうか、もっとスピーディーにいろいろ決めていくということを、我々も含めて検討していきたいなと思います。

 そして、その次は、NHK本体のマネジメントのことについてちょっと伺いますが、私も経営していて、マネジメントをやっていく上では、NHKを例にとれば、経営基盤強化のために資源をできるだけ充実させるということも必要ですが、資源を充実して新たな飛躍を図る、そのためには、やはりそれぞれの人が組織で充実した仕事をしていく。その充実した仕事をするためには、やはりまず組織が全体として法人の運営目標をはっきりさせること。それから、個人一人一人の職員も、企業体の中でどういう役割を果たしどういう目標を達成するのかということをはっきりと、一年一年それぞれにコミットをさせて仕事させていくというようなやり方が必要だろうと思うんです。

 そうしていかない限り、うやむやに自分のやった仕事が流れていくということではやはり活性化は図れないし、やはり仕事を充実させるためには、目標をはっきりさせること。そして、その目標も定量的な目標もあれば定性的な目標もあろうと思います。要するに、量的、質的に仕事を改良していく、いいものにしていく。そういう努力を職員一人一人がやることができれば、組織としては非常に充実したものになっていくだろうと思うんです。

 そうした意味で、NHKも、十七年度のお約束とかというのがありますけれども、私は、会長に非常に率直にお伺いしたいんですが、会長の、十七年度のNHKにおける仕事をする上で、執行役としてのコミットメントといいますか、目標は何であったのかを教えていただきたいし、その達成状況がどうであったのか、それをまずお聞かせいただきたいなと思います。簡単で結構であります。

橋本参考人 十六年度、この不祥事の発端から大変厳しい財政状況になりました。また、その中で、我々、視聴者に対して信頼を回復して、事業を回復しなきゃいけないというふうなことがございました。その中で、私、基本的に、視聴者第一主義ということ、それから信頼回復、この二つをモットーに進めてまいりました。

奥野委員 今、信頼回復ということだけ聞こえたんですが、ちょっと前を聞き逃しちゃったんですが……(発言する者あり)視聴者第一主義。今お伺いして、想像したとおりなんですが、視聴者第一主義、それから信頼性の向上。

 定量的目標はないんですか。お答えいただきたいと思います。

橋本参考人 定量的な目標といいますと、NHKの場合、定量的な評価の結果というのは受信料というものが一つありますが、まずは、私の方では、厳しい財政状況の中で収支相殺で支出を賄うという、これを定量的な目標として掲げてまいりました。

奥野委員 私が会長だったらというふうに申し上げさせていただきますが、今最後におっしゃった、収支差額についてはプラスにするということは一つの目標だろうと思います。それも、できれば予算どおりということになろうかと思います。

 それと、やはりお客様満足度というのが信頼度の向上と一緒だろうと思うんです。その数字を何で測定するんだというところをやはりもう少し深掘りしていただいて、具体的な目標をおつくりになった方がいいんじゃないのかなと私は思うんです。一つは不払い件数だろうと思いますし、一つは、やはり別の調査をして、お客様満足度、お客様の評価はどうなんだということで、満足度が例えば何%である、そういう目標をつくっていかれる方がいいのかなと私は思っているんです。もう時間がないから結構であります。

 いずれにしましても、NHKに働く職員その一人一人が具体的な目標を定めて、その目標に到達したか到達しないのかというものを、結果をちゃんと評価して、それから、では結果が悪かったらそれを具体的にどう改善してという、いわゆるPDCAを回すような仕事のやり方をぜひしていただきたい。

 それから、私はNHKにもう一つお願いしておきたいのは、職員のコスト意識というものについてどういうふうに見ておられるのかなというふうに私は疑問があるんです。これは私の意見陳述で終わらせていただきたいと思いますが、もう少し個々の人がコスト意識を持って、自分は、自分の部門は、あるいは自分の受け持つ部は、自分の受け持つ課は、幾ら一年間に金を使って、それが今までどういう使われ方をして、これから幾ら残ってということを常日ごろから管理していくようなコスト意識を植えつけていただかないと、いつまでたってもこの体質は変わらないんではないかと思いますので、ぜひ会長の目標をはっきり設定していただくことと、それから、職員一人一人の目標を設定し、特にコストについて目標をしっかりと打ち立てることをお願いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

中谷委員長 次に、関芳弘君。

関委員 私は、自由民主党の関芳弘でございます。

 公共放送という公の立場にあられるNHKさんでございますが、その公共放送、公の立場ということを十二分に意識していただいた上で業務に邁進をしていただかなければならないところだと思います。

 一言で申し上げますと、私も昨年まで民間の企業で働いておったわけなんですが、やはりどうしてもまだ生ぬるいなというふうな感じがぬぐえないところがございます。つきましては、本日は、その業務計画とか、過去に起こりましたその不祥事につきまして、主に会長の方から、いろいろな現在の思いですとか、今後の対策についてお伺いをしたいと思います。

 まず一つ目、不祥事についてでございますが、平成十六年に発覚しました不祥事が九件ということで発表されていると思います。紅白歌合戦等の芸能番組の元チーフプロデューサーの番組制作費の不正支出など、九件ほどあるわけなんですが、いろいろ中身を見ておりますと、ソウル支局長の取材経費の水増し請求とか、また、岡山放送部長の飲食費不正支出などがございます。

 こういうふうに見ておりますと、要職についている方がいろいろ不祥事を行っているというところだと思うんですけれども、いわゆる若い方々がいろいろ不祥事をすることでなくて、要職にある方々がいろいろ不祥事を起こしている、このことについて御認識をお伺いしたいと思います。

橋本参考人 私も、この不祥事につきまして責任がある立場の管理職、あるいは現場の組織を率いる立場、職場全体に責任を持つ立場の管理職層がこのような不正につながるということは、非常に反省すべき点がたくさんあります。また、危機的な状況だというふうなことで、痛感しております。

 これから改善に向けては、こういう点を大変重く受けとめて、ここのところに非常に力を注がないといけないというふうに思っていますが、まず、やはりこういう責任ある立場にいる人間がこのようになってしまったという、そこの原因ということは、大変重要な問題だと思っています。仕事を任されているというところを悪用しているというふうなところであります。これについては、全体の責任を任す、それだけじゃなくて、周りがやはりそれをチェックする体制、そういうものも含めて、いわゆるシステム的な目で物を見るところと、それから本人の意識改革、こういう点と、両面あるということを痛感しました。

 これからの対策でいいますと、やはり責任者としての意識改革のところと、当然ながらこれまで以上のシステム的な改善、それからもう一つは、やはり責任の重さに相当する責任のとり方といいますか、そういうところも含めて、いろいろ対策については力を注ぐ必要があろうと思います。

 とにかく、NHKの場合には、番組制作についてもいろいろその個人に任せなければいけない、そういう仕組みが多いものですから、そこについて、できるだけ掘り下げた対策が必要だというふうに思っております。

関委員 今会長がおっしゃられました、システム的な面、本人の意識の改革、こういう点につきましては、しっかりと体制づくりをしていっていただきたいと思います。

 このような対策としましては、平成十六年には、会長御自身が長となられて、法令遵守、コンプライアンスの推進委員会ですとか、またコンプライアンスの推進室を設置されたということで伺っております。それで、総点検を再度、このようなことがもうほかにないかというのをお調べされたということでございますが、残念なことに、ことしに入りまして、四月には報道局スポーツ報道センター職員の空出張がまた発覚いたしましたり、また五月には、これはまだ調査中だと思いますが、山口放送局長の、これも局長ですね、出張旅費の不正処理が発覚したという形で、調査の漏れがまだ出てきている状況だということでございます。

 まだ今後出てくるようでは本当に信頼がさらにダウンしてしまうところが非常に大きいと思いますので、今の調査状況と、調査につきまして、今おわかりのところで結構でございますので、一言お聞かせ願いたいと思います。

小野参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、一昨年の芸能番組のチーフプロデューサーによる不正以来、私ども、コンプライアンス推進の体制を立ち上げまして、通報制度でありますとか、業務総点検でありますとか、職員の倫理向上のアクションプランなど、不正防止にさまざまな努力をしてきたわけでございます。外部の専門家の御助言もいただきながら、放送料の支払い、それから委嘱業務のシステム化等、さまざまな施策を実施してきたわけでございます。しかしながら、今回、出張旅費の不正ということが明らかになりまして、私どもの積み重ねがいまだ不十分であったという点については、痛切に反省をしているところでございます。

 これを受けまして、この四月に、スポーツ報道センター、それから札幌放送局、この二つの部局につきまして、過去七年の経理データをさかのぼりまして、緊急業務調査を行いました。あわせまして、NHKの全部局の、平成十六年十一月以降の出張旅費につきましても点検を行いました。両方を合わせまして七十八万件くらいの経理データにつきまして、一カ月余りという短い期間ではあったんですけれども、私どもとしてできる限りの調査をしたということでございます。その結果、三件不適切な処理ということが判明いたしまして、それぞれ懲戒処分を実施したところでございます。

 こうした調査につきましては、今後、この結果を踏まえまして、順次、全部局に調査を拡大していくということを検討しているところでございます。

関委員 この調査につきましては、本当に徹底的にやっていただいて、手ぬるいような、そんな調査はやっていないということ自身を国民にしっかりとアピールしていっていただきたいところだと思います。

 それでは、次の大きな内容としまして、事業計画についてお伺いをいたしたいと思います。

 平成十五年度の決算では、受信料収入としましては六千四百七十八億円、十六年度は六千四百十億円、十七年度は、まだ仮でございますけれども、六千二十四億円ということで、ここ二年間で四百五十四億円の受信料収入が落ちてきたというところでございます。予算比からいきますと、十六年度は百四十億円の赤字で、十七年度は恐らく四百五十四億円ぐらいの赤字になるのではないかというところでございます。

 契約対象件数につきましては、ことしの一月で四千六百三万件、うち支払い件数については三千二百四十二万件ということで、実際に支払いをしていない人が約三割ぐらいいらっしゃるというふうな数字を見ておりますと、ここ二年間でいろいろな事件がありましたことによって受信料収入が七%と大きく落ちたということに対しての御意見と、もう一つは、この七%落ちたということと不払いは三割ぐらいあるということを考えますと、そういうふうないわば不正な事件が起こる前でももう実際に不払いが多々あったというところでございますので、この二点につきまして、ちょっと御意見を聞かせていただきたいと思います。

小林参考人 ただいま委員御指摘のとおり、十五年度をピークにいたしまして受信料収入が落ち込んできているということは全く御指摘のとおりでございます。その大幅な減少につきましては、NHKにとっては受信料が唯一の財源に近い状態でございますので、財政危機であるという厳しい認識のもとに、深刻に受けとめているところでございます。

 受信料を基本財源として公共放送を運営していくということは、私ども、日本社会にとりましても必要不可欠なことであるというふうに確信しているところでございます。この公共放送の存立基盤を何としても守るために、まさに受信料収入が財政基盤の最大のものでございますので、何よりも大事であるということで、視聴者の皆様の信頼を回復するとともに、収納の回復に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 それから、三割が未払いであるということ、これも全く御指摘のとおりでございます。現在、今その状態になっているところでございますけれども、未契約が二割、その他の、契約いただいているけれどもお払いいただいていない方が一割いらっしゃる、合計三割ということでございます。

 それにつきましても、今、最善を尽くして信頼回復に努めるとともに、契約並びに支払いをお願いしようということで活動を続けているところでございますけれども、未契約につきましては、御承知のとおり、多くの方が、転居等に伴いまして一時的に契約が途切れている状態の方もいらっしゃる、あるいはオートロックマンションとか単身世帯で、なかなか面接が困難であるという方が年々ふえているということもございまして、それに対する対策をさまざまやってございます。

 具体的には省略させていただきますけれども、そういった方につきましては、そういう努力をする中で、さらに会える努力を一生懸命していきたい。なお、それでもどうしても御契約いただけないという場合につきましては、民事的な手法も考慮してまいりたいと思います。

 また、未収につきましても、先ほど申し上げましたように、契約対象の約一割ぐらいいらっしゃるということでございます。若干、去年の十一月末の一番ひどかったころに比べますと減少傾向を見せておりますけれども、依然として、三月末で三百五十九万件いらっしゃるということでございまして、これについても、全職員による信頼回復活動をするとともに、今さまざまな集中的な対策をさせていただいているところでございます。こうした方につきましても、一層の活動の徹底をしながら取り組ませていただきたい。

 なお、未契約と同様ですけれども、民事手続による支払い督促についても活用させていただきたいというふうに考えているところでございます。

関委員 その点、きっちりと進めていっていただきたいと思います。

 それでは、十七年度の決算分につきましてお伺いしたいのですが、十六年度の期末におきます十七年度収入不足額につきましては、その十六年度の期末の段階で約四十億円ぐらいが不足になるんじゃないかなと発表されていらっしゃったところでございますが、実際には、ふたをあけてみますと、四百五十四億円の予算未達というふうなところでございますが、これはやはり国会の報告事項としまして、余りにもちょっと数字の読みがずさんではないかなと思います。

 メーカーなんかで、新規商品が多々他社の方で出てきて、競争がすごく激しく読みづらいというようなところではないんじゃないかなと思いますので、そこの数値管理のところ、いつの段階でその四百五十億ぐらい不足になるというようなめどが立ったのかということと、国会への報告についての認識につきまして、NHKさんの方から聞かせていただきたいと同時に、総務省の方からも一言御意見をいただきたいと思います。

橋本参考人 非常に大幅な減収予想というものがわかりましたのは、私、着任して、十七年度を迎えて新体制の中で、NHKを囲む財政的な状況、受信料にまつわる状況をしっかり把握しようということで、昨年の四月、五月、ここのところで、五月の受信料収納の状況を確認しました。

 その時点で、四百数十億近い規模というものが考えられるというふうなことで、実際にこれがまたどう推移するかという傾向も含めて、また、それと、この状態にどのように対応しなければいけないのかという対策、当然ながら経営の根幹でございますので、そういう対策のところまで含めて、九月には新生プランというものを発表させていただいたんですが、その段階で対策を固めまして、それで十月の衆参の議会の中で御説明を申し上げたということでございます。

 当初の、四月、五月のところで、状況をしっかりと、危機的な状況ということでしっかりとその対策の骨格を固めようということで、九月の新生プランに盛り込んで、十月の議会で説明させていただいたということで、その間の時間がかかった点、対策についていろいろ模索させていただいた、これが遅かったという点は大変反省しておりますが、そういう事態でございますので、御理解を賜ればと思います。

関委員 それでは、もうお時間となりましたので、最後に一言だけ、これは御回答要りませんので、お願いだけしておきたいんです。

 こういうふうな体制を立て直しますために、十八年度以降の対策ということで予定を立てられていらっしゃいますけれども、職員については三カ年で一〇%減、千二百人の削減ということで、合理化もしていかないといけない、支出の見直しだということで挙げていらっしゃいます。

 これは、本当に収支が苦しい中でよくわかる話ではあるんですけれども、私は、そもそも合理化の考え方がちょっと違うんじゃないかなと思っています。私も企業の合理化担当で十数年やっておりましたけれども、合理化というのはそもそも、会社の経営で無理がない中でやっていって、最低この人数で業務が大丈夫という形でやるものでありまして、いわゆる不祥事が起こって売り上げが下がったから無理やり人を切らないといけないとかいうふうな考え方というのは、一生懸命働いて頑張っているNHKの職員さんに対して余りにもかわいそうだと思います。

 そこは、経営陣としてはよくわかった上で、しかも仕方なくやられていることだとは思うんですが、そういうふうな、一生懸命働いていらっしゃって、不正もやっていない方々の職員さんのこともよくよく考えていただいて、また、千二百人も減すということでございますから、これだけ日本の企業の中で、NHKさんで働きたいと思っている人たちのいわゆる働く場所が、門戸が狭くなるわけですから、その点もよく考えていただいて、まずは、何はともあれ、不祥事でふえた不払いの人たちにできるだけ払っていただくような、いわゆるNHKさんの今後の対応のところ、しっかりと頑張っていただきたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。

中谷委員長 次に、谷口隆義君。

谷口(隆)委員 公明党の谷口隆義でございます。

 本日、午前中に、放送と通信の在り方懇談会の報告書が出ましたので、その報告書の審議を行いまして、私も立ったわけでありますが、そのようなことも含めて、後でお伺いをいたしたいと思います。

 まず初めに、本日の主なテーマと申しますか、NHKの十六年度の決算についてお伺いをいたしたいわけでありますが、先ほどから出ておりますように、NHKの不祥事等々ございまして、今、受信料が大変な未収の状態になっておるというような状況の中で、NHKの皆さん方は、会長を中心にして、NHKの抜本改革に取り組んでおられることなんだろうと思いますが、まだまだ道半ばで、いろいろ指摘されるところがあるんだろうと思います。

 私の方は、前回、十八年度の予算のときにもお伺いをした子会社、関係会社、関係会社の中には公益法人等も入っておりますけれども、このような子会社、関係会社、また公益法人等、三十四社あるわけでありますけれども、このようなことを中心にしてお伺いいたしたいと思います。

 御存じのとおり、この五月の一日から会社法が施行されまして、民間企業においても緊張感のある経営が望まれておるわけでございます。また、先日、国会では金融商品取引法が成立をいたしまして、より一層のディスクロージャー、情報公開が求められておるわけであります。

 このような状況の中で、NHKにおかれましては、子会社、関連会社を含めて全体として緊張感のある経営をやっていただかなければならない。今までおっしゃった方と同じ思いでおるわけでありますが、このような内部統制をきかせた経営という観点で、橋本会長に基本的な認識をまずお伺いいたしたいと思いますので、よろしくお願いします。

橋本参考人 御指摘のとおり、NHKグループ一体となって改革に取り組まなければならないと考えております。

 そのもとで、やはり共通の理念は視聴者第一だというふうな中で、もともと子会社、関連会社も社会に対してどのようにNHKの成果を還元するか、あるいはそういう成果を有効に生産するというふうな、そういう観点で放送法で定められているわけでございますけれども、そういう原点に戻りまして、やはり役割、使命というものをきっちりと認識した体制をまた確認していかなければならないと思っております。

 基本的に、我々、効率よく、しかも内部統制のきいた運営をしていかなければならないということで、この十八年度から、子会社、関連会社のトップにつきましては、業績評価型の報酬といいますか、そういうものも導入していますし、それから、厳しい財政の中では、いわゆる退職金というものも制限を加えるというふうなことでやっておりまして、本体と連動したいわゆる内部統制、緊迫感というものを出していこうというふうに考えております。

谷口(隆)委員 それで、今度はまた具体的、個別的なことになるわけでありますが、私は、三十四社の定款、寄附行為を見せていただきました。そうしますと、役員の選任の条項また解任の条項、このようなことが規定されておるわけでありますが、今回、特に私が注目をして見たのは公益法人七社であります。

 公益法人は連結の対象になっておりませんから、二十七社の子会社、関連会社は連結の対象になっておりますけれども、公益法人というのはちょっと陰に隠れた状況といいますか、そういう状況になっておるわけであります。

 それで、先ほども申し上げましたように寄附行為を見ますと、民間の企業であれば定款に相当するものが寄附行為というものでありますね。その寄附行為を見ますと、役員の選任とともに、解任についての条項のあるものとないものと出てまいったわけであります。これは、例えば何らかの問題のある役員が出てこられたときには解任をしていただくということは、これは時にはそういうことも行わなければならないわけで、そういう緊張感がいわば経営をしっかりさせる、こういう観点で非常に重要なのであります。

 そういうふうな観点で見たときに、私が今申し上げました一部役員の解任の条項のないところがありますが、このようなことに対しまして考え方をお伺いいたしたいと思います。

中川参考人 お答えを申し上げます。

 関連団体三十四団体ございまして、これは御指摘のように、株式会社それから関連公益法人というもので構成されておりまして、まず株式会社につきましては、旧商法の定めでございまして、取締役の解任は株主の三分の二以上の賛成を必要とする特別決議が要件となっておりましたけれども、新しく会社法が施行されまして、これは過半数の賛成で成立する普通決議となるということで、こういったことを含めまして、現在、株式会社につきましては定款変更の手続を進めておりまして、六月の株主総会議決をもって完了する予定でございます。

 また、先生御指摘の公益法人でございますが、これは必ずしも会社法の定めが及ぶものというふうには理解しておりませんけれども、しかしながら、NHKの関連公益法人ということでございまして、公共放送の事業の一翼を担う責任を果たして、また使命を全うするということでございますので、そういった会社法の趣旨に沿って寄附行為の一部に必要な見直しを行うということを考えてございます。

 御指摘の役員の解任条項の記載、こういったところがないところがございます。こういったところの見直し、それから、先ほど来御指摘ございますが、内部統制の強化、こういったものの見直しに向けまして、各公益法人の監督官庁とも御相談して早急に取り進めることとしたいというふうに考えております。

谷口(隆)委員 NHKの子会社、関連会社、また公益法人等も含めまして、決算書を拝見しましたが、大体、財務状況は非常にいいわけです。いいところが多いわけでありまして、そのようなことで、これは巷間でありますけれども、巷間言われておるのは、NHKというのは本体でもうけないで子会社でもうけているんじゃないか、こういうようなことさえ言われておる場合があるわけです。

 そういう意味で、私は、十八年度の予算の審議の折に、子会社で経営状況のいいところは配当で本体に回すようにしてもらいたいというようなことも申し上げたわけでありますが、その後、あの審議以降、どういう状況になったのか、御報告をお願いいたしたいと思います。

中川参考人 お答え申し上げます。

 配当でございますが、この十七年度決算時の利益処分からは、これまで行っておりました配当のルールを若干変えまして、原則として当期純利益の二〇%を下限として業績連動とするようにいたしました。さらに、一定の財務力がある子会社につきましては、当期の利益を上回る大型配当を特別に要請するということにしております。

 その結果、十七年度決算につきましては、前年度の実績を大幅に、三十億円以上上回りますが、三十六億円を超える配当を受け取る見込みでございます。

谷口(隆)委員 今おっしゃったような配当政策を、これは恣意性の入るような形じゃなくて、一つの基準を今つくってやっていらっしゃるということでありますが、しっかりとそういう基準を設けて、子会社のところに剰余金をためる、留保するといったことのないようにやってもらえればと思うわけであります。

 それで、NHKの子会社、三十四社の売り上げを見ますと、二千八百億余りあります。この中で、NHKとの取引が一千二百三十二億円、それ以外の取引が一千五百七十二億円。割合で見ますと、NHKに対する売り上げが四〇%を超えているというような状況になっておるわけであります。先ほども申し上げましたように、子会社、関連会社は非常に業況がいいということで、これはいわばNHK本体にもうけさせていただいているというようにも、逆に言いますととらえられるわけであります。

 一方で、先ほど申し上げましたように、配当で本体の方に回す金額は、十六年度でいきますと五億八千万円。副次収入が七十六億円ほどありますから、知れているわけですね。これを、やはりNHK本体に対する財政貢献をしていっていただく必要があるんじゃないかというように私は思っております。これも一度御検討をお願いいたしたいと思います。

 それと、先ほどのガバナンスに返るわけでありますけれども、今、子会社、関連会社におきましては、これは株式会社でありますから、退職金というのがありまして、今一般的には従業員の退職金と役員の退職金というのは別建てで、別記することになっているわけです。子会社、関連会社のバランスシートを見ましたら、別記されています。ところが、先ほど申し上げました公益法人七社、七団体、これはほとんど別記されておらない。役員退職金が従業員退職金の中にもう含まれておるのではないかというように思われるわけでありますが、まず実態的にどういうようになっておるのか、御説明をお願いいたしたいと思います。

中川参考人 お答えいたします。

 公益法人につきましては、その指導監督基準でも役員の退職金の開示について特に定めがございませんので、おっしゃるように、これまで別記するということはございませんでした。

谷口(隆)委員 ですから、会社の規定というのは、公益法人だから今まで若干違う対応だった、こういうことをおっしゃりたいんだろうと思いますが、これもやはりしっかりとディスクロージャーという観点で皆さんによくわかっていただけるようにやられたらどうかと思います。冒頭申し上げましたように、なかなか公益法人の内容というのはわかりませんからね。

中川参考人 御趣旨は、情報公開を積極的に進めよということでございますので、今年度、十八年度からは、関連団体の役員の報酬、それから退職慰労金、こういったものも営業報告書等に記載しまして、ホームページでも公開をするということにしております。

 なお、この関連団体の役員退職金につきましては、十八年度中に廃止をいたしまして、業績連動型の報酬に移行するということを考えてございます。

谷口(隆)委員 その次に、公益法人への助成をお聞きいたしたいと思います。

 NHKから関連の公益法人へ毎年度助成をされておられますが、その額は、一つの基準があるとは思われない、まちまちになっておるわけであります。例えば十六年度で、NHK学園というのがありますが、これには三億円、NHK交響楽団、N響には十四億円、厚生文化事業団には一億円の助成が出ております。この助成の基準というのもやはり決めていく必要があるんだろうと思うんですね。

 そういうことで、現行、今どういう状況になっておって、今後どういうようにやっていきたいというように考えておられるのか、御答弁をお願いいたします。

中川参考人 公益法人への助成は毎年度行っております。おっしゃるように、NHK学園につきましては十六年度三億円、N響、NHK交響楽団でございますが、これは十四億円、それから厚生文化事業団には一億円という助成を行っております。

 この三つの公益法人に対しましては、それぞれが非常に社会的あるいは文化的な意義のある事業ということでございまして、その事業内容、それから事業規模に応じまして適正な額を助成してきているところでございますが、それぞれ一つの歴史的な経緯もございまして、その中でこの辺が妥当であろうということをはかりながら、その事業計画を毎年度確認しながら判断しているところでございます。

 ここについてどういうルールを設けていけばいいのか、その点は今後よく検討してまいりたいというふうに思います。

谷口(隆)委員 それと、もう一つでありますが、NHK本体と子会社、関連会社との間の取引で、かなりの割合でこれは随意契約になっているわけですね。競争契約になっておらない。十六年度でいいますと、件数で百九十八件、このうち百八十五件が随意契約ということになっております。

 これは、原則的には、業務委託基準によりますと競争契約を原則とするということになっておるわけでありますが、これについて今後どのようになさるのか、御答弁をお願いいたしたいと思います。

中川参考人 お答え申し上げます。

 確かに、関連団体との随意契約は非常に高うございます。

 これには実は理由がございまして、一つは、NHKの関連団体に委託している事業というのは、番組の制作、取材、これは公共放送にふさわしい質を保つということが求められます。それからまた、そういった放送設備の維持管理というものもございます。それから、受信料にかかわるという、普通の企業ではちょっと例を見ない形といいますか、そういう業務もございます。こういったものを行っていくためには、やはりNHKが培ってきましたノウハウとか、一つの技術、こういったものを継承しているところが、すなわちこれは関連団体でございますが、そういったところに任せるというのが、私どもも安心して、かつ効率的にできるものだということでそういうことをしておりまして、したがって随意契約が非常に多くなるという現実は確かにございます。

 それで、関連団体との随意契約の状況につきましては、これまでも毎年ホームページで公表してきておりますが、十七年度分からにつきましては、個々の随意契約の内容、それからその理由というものを一件ごと公表するということにいたしておりまして、近々公表してまいりたいと考えております。

 それから、関連団体への委託でございますが、大部分は実は番組制作業務が占めます。この番組制作はほとんど一〇〇%が随意契約でございまして、これは、番組というのは一本一本、それぞれ内容とか制作手法とか演出が全部違います。そういった特性を加味しまして、価格の競争だけではなくて、いわゆる企画提案内容を競うということで、そういうことで随意契約が多くなってきているということがございます。

 しかしながら、競争を積極的に進めていくという立場から、外部からの提案を関連団体を通さず直接受け付けまして、それを実施していくというような体制を今度新たに整備いたしました。番組以外につきましても、例えば業務を管理と実務に分ける等、競争契約できる部分はできるだけそちらを進めてまいりたいというふうに考えております。

谷口(隆)委員 番組制作がほとんどだというようなことをおっしゃったわけでありますけれども、状況は理解できるところはあると思いますが、いずれにいたしましても、本体と子会社との取引というのは、一般的にやはり疑われやすい、疑われやすいといったら申しわけありませんが、利益を調整しているのではないか、こう言われやすいわけでありますので、そこはしっかりと一つの基準を設けてやっていただきたいと思います。

 きょうの午前中に放送と通信の在り方懇談会の報告をめぐっての議論がありましたが、その懇談会の報告書においても、NHKの子会社の見直しが提言をされております。子会社の整理統合をやるべきと考えるということで提言をされておるわけであります。

 竹中大臣にお伺いをいたしたいわけでありますが、今、NHKとのやりとり、またこの懇談会の報告等を踏まえて、大臣としていかがお考えなのか、御答弁をお願いいたしたいと思います。

竹中国務大臣 NHKの子会社は、当然その業務を支援するために必要があってこれまでつくられ、現在のような形になっていると思います。しかし同時に、これは公的な組織として、やはりスリム化というものが常に求められている。加えて、現状のような状況で、ガバナンスをしっかり確保する観点からも、スリム化をしてしっかりと経営資源を集中してもらいたい、そういう国民の声があると思います。

 今、谷口委員少し御言及くださいましたけれども、例の通信・放送の懇談会でも、そうした観点からこの点が記述されております。全体として肥大化して非効率が浮き彫りになっているのではないかというようなこと、抜本的に見直してスリム化する必要がある、そういう観点から、子会社について、本体からの出資の継続性の必要性を厳しく精査した上で、子会社の抜本的な整理統合に着手し、子会社の数を大幅に削減すべきではないかと、かなり厳しくそこでは記述されているというふうに認識をしております。

 もちろんNHK御自身も、平成十八年度から二十年度の経営計画におきまして、デジタル時代に対応し得る体制の整備をしなければいけない、その中で子会社等の統合をするという意思も表明してくださっておられます。

 NHK、これは与党でもいろいろな御議論をいただいております。谷口委員にも非常に積極的に御議論をいただいております。また懇談会の議論もございます。今後、政府と与党でその具体的な議論をしていく中で、今申し上げたような問題意識を踏まえながら、同時に現実的な解をどうするかということを見出していきたいと思っております。

谷口(隆)委員 次は、決算とはちょっと離れまして、きょうの午前中の話の中で、NHKの持っている八波の削減の問題が今言われております。どうも報告書によりますと、衛星放送ハイビジョンは二〇一一年に停波する、それで、あと衛星放送一波、またラジオ一波というようなことをおっしゃっておられるようでありますが、初めに、NHKの橋本会長に、このような議論について御見解をお伺いいたしたいと思います。

橋本参考人 実際に視聴者・国民の方々に放送サービスを届けている立場から申し上げます。

 やはり、何よりも視聴者第一に、この基本に立ってこのようなチャンネル問題なども考えなければいけないというふうに思っております。基本的にはやはり、NHKの立場で、公共放送の立場で申し上げますと、非常に多種多様なお考えを持つ視聴者・国民の方々に、このニーズにこたえるために非常に多様な番組を総合的に、スケールメリットを持ったチャンネルの中で、いわゆる信頼すべき番組あるいは安心して楽しんでいただける番組、こういうものを総合的にお届けしている。その中で、この八波のチャンネルというものも、それぞれ役割を持ちながらといいますか、役割、特性を明らかにしながら、総合的な情報として、あまねく、また分け隔てなく届けているというこの実態というものをできるだけ確保していく。

 これまで八十年の歴史の中で、ラジオ、テレビと積み上げながらやってきたわけであります。この視聴者・国民の視聴慣習というもの、あるいは放送サービスの低下を来さないということについて、十分配慮して考えていかなければならない問題だというふうに考えております。

谷口(隆)委員 私どもは、例えばコストの問題が削減することによってかなり出てくるのかというような問題だとか、例えば民間事業者が強烈にこの波を欲しいと言っているのか、こういうようなことを考えますと、それほどでもないということを勘案しますと、やはりFM程度は、NHKのFMはやはりちょっと民放のFMとは違うというような認識にありますので、これは削減すべきではないのではないか、こういうように申し上げたわけでありますけれども、竹中大臣、NHKの持っている八波、これは多過ぎるんだ、これは削減すべきだという考え方について、お考えをお伺いいたしたいと思います。

竹中国務大臣 この問題に関しては、懇談会においては、電波の希少性を考えるとやはり多過ぎるというような話、そして、衛星放送とラジオについてそれを考えてはどうかというような具体的な御提言をいただいております。

 私は、この問題は波の問題だけで考える問題ではないというふうに思っています。つまり、国民の大変大きな期待のもとで、NHKにもっとよくなっていただきたい、その一体的な改革の中でこの波の問題も考えなければいけないんだというふうに思うんです。

 具体的に申し上げますと、NHKは今、ガバナンスが不十分ではないかという非常に厳しい御指摘をいただいている。しかし一方で、NHKには国際放送をもっとやってもらいたい。これは総理御自身も言及されて、非常に大きな期待があります。また、これからNHKのアーカイブを活用した、ブロードバンドの分野でしっかりとそのコンテンツの提供に努めてもらいたい。これも日本全体の通信・放送を考えると大変重要な機能です。だから、NHKには機能を拡大してもらわなければいけない、そういう期待があるんだと思います。そういう中で、一方でガバナンスの問題がある。

 さらには、受信料の問題についても、これも懇談会の提言の中で、NHKのガバナンスの強化とともに、長期を見ながら、もう支払いの義務化ということを考えてはどうかということまで提言があります。そうすると、国民に対してそういう義務化とかということを求める場合に、NHK自身が経営資源をしっかり集中させて、そして新しいNHKになるんだという姿をみずからやはり見せる必要もあるのだと思うんです。そういう中で、この波をどうするのか、有限な経営資源をどのように真に公共的なものに集中させるのかという議論が出てきているんだと思います。

 今申し上げたようなことをやはり総合的に判断する、ワンパッケージとして全体として判断しなければいけないと思っております。政府・与党でよく御相談をしてまいりたいと思っております。

谷口(隆)委員 今竹中大臣は、この波の問題は波が先ありきじゃないんだ、まずNHK全体のこれからのありようも含めて考えていかなきゃいかぬと。

 冒頭から申し上げましたように、NHKに今抜本改革をやっていただかなければなりません。これは国民の強い要望でもあるわけでありまして、きょう私が申し上げたのは、特に関連会社、子会社等を含めまして、なかなかガバナンスがきかないのかどうかはっきりわからない、ディスクロージャーもはっきりわからない、こういうような状況のないようにやっていただいて、やはりNHKがしっかりとした立場を築いていただくことが必要なんだろうと思うわけであります。そういう中でこの八波を一体どうしようかというようなことを考えていくということで考えておられるようでありますので、先ほどは国際放送のことをおっしゃったわけでありまして、NHKの持っている使命というのは、公共放送の使命というのは非常に大きいわけでありますので、ぜひそういうことを心がけてこれから頑張っていただきたいというように思っております。

 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。

中谷委員長 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 民主党の福田昭夫でございます。

 私はNHKのファンの一人でございます。それだけに、NHKの皆さんには、公正、公平、中立を旨として公共放送としての使命と責任をしっかりと果たしてほしい、そういう思いで今回は厳しい質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 まず初めに、NHKのあり方についてお伺いをいたします。

 最初に石原委員長と橋本会長にお伺いをしたいと思いますが、今回の竹中大臣の個人的な、私的な諮問機関でありました通信・放送の在り方に関する懇談会の報告書を読んだ感想と、それから問題点はどこにあるのか、率直な御意見をお伺いしたいと思います。

石原参考人 まず冒頭申し上げますのは、三カ年計画を発表いたしましていろいろな計画を実践している中で、今回の不祥事発覚というような中で、視聴者の皆様の信頼を失墜いたしましたこと、まことに残念でございますし、また大変申しわけなく思っている次第でございます。

 そうした中で、先生御指摘の今の報告書を拝見させていただいたわけでございますが、私ども経営委員会といたしましては、今後とも公共放送の役割、使命を十全に果たしていく、そのためには、視聴者の皆様の意見を一層踏まえまして改革に拍車をかけていかなければならないと改めて真摯に思った次第でございます。

 また一方で、視聴者の皆様方のNHKに対する御期待も高まり広まっていく中で、公共放送としての存在意義、あり方あるいはその役割等につきまして一層議論を進めていく必要があるのではないかということもまた改めて思った次第でございます。

橋本参考人 この報告書に盛り込まれた内容につきましては、幾つかの視点があろうと思います。

 まず、NHKの経営にかかわるガバナンス、コンプライアンス、こういう点につきまして、私は、やはりこれは非常に抜本的な改革といいますか、これが大事だというふうに思っております。ガバナンス強化等、経営委員会とも連動しまして、しっかりとしたものをつくらないといけないなというふうに思っております。

 それから、この報告書そのものが、新しい完全デジタル時代に向けての一つのトレンドというものをあらわしておろうかと思います。当然ながら、コンテンツ産業といいますか、そういうものを広げていく、日本として大事な要素としてとらえている、こういう点で、新しいIP網とかこういうところを十分使いこなせる社会になっていくという視点、これは大変大事にすることだろうというふうに考えております。

 一方、NHK自身について申し上げれば、先ほど話題になりましたチャンネルの数それから受信料の公平負担、こういうふうな問題につきましては、やはり視聴者第一ということで、実際に現実を見て、いろいろ根拠というものも考えながら、その目的意識というものもしっかりとらえながら、視聴者第一という視点で改めて物事をとらえることが大事かというふうに思っております。

福田(昭)委員 ありがとうございました。

 それでは、竹中大臣、石原委員長と橋本会長の話を伺った上で、大臣としてはこの報告書が満足いくものにできたのかどうか、あるいはどこにまだ課題が残っているのか、大臣の率直な御意見をお伺いできればと思います。

竹中国務大臣 今回の報告書は、もう委員御承知のとおり、決してNHKの問題だけを取り上げたものではございませんで、非常に大きな時代認識の中で、通信・放送の融合、連携に係る包括的な方向性を議論していただいたというふうに思っています。

 二〇一〇年にはブロードバンド・ゼロ地域を解消する。これは新IT戦略の目標でございます。二〇一一年には完全に地上波テレビがデジタルに移行をいたします。つまり、まさにあと四、五年で日本は完全デジタル時代になる。これは、世界に先駆けていわばブロードバンドサービスへのアクセスがユニバーサルなサービスとして確保されるという、世界でも最先端の環境ができるというふうに思っています。その意味では、それに向けて今どういう準備をするかということが問われている、これがこの報告書の問題意識でございます。その中で、放送と通信、放送の中でも最大のプレーヤーであるNHKのあり方について当然言及が行われたわけであります。

 基本的にはこの方向性を示しているわけでありまして、例えば通信に関しては、その法体系をきちっとした上で、競争政策をもっときちっとやっていこうではないか、さらには、放送については、コンテンツの流通がもっとうまくいくように、著作権法等々、しっかりと枠組みの整備をしようではないか、非常に幅広い方向の議論をしていただいております。その意味では、方向としては、私は大変よい御提言をいただいていると思っています。

 もちろん、制度設計の問題というのは非常にまた別の次元で難しい問題があります。しかも、あと五年ぐらいと言いましたけれども、この五年の間にも技術体系は変化をいたします。そういう中で常に状況を見定めながら的確な判断をしていかなければいけませんが、少なくともこれからの五年が大変重要な五年間であるという一つの時代認識に立ちまして、放送と通信のあり方の方向性については大変よい御提言だというふうに私自身は思っております。

福田(昭)委員 大臣そのものは大変喜んでいるようでございますが、しかし、十年先の通信と放送のあり方をしっかりと方向づけするというのであれば、もう少ししっかり時間をかけるべきだったんじゃないでしょうかね。

 例えばイギリスのBBCの改革についてでありますが、英国政府は、じっくりと三年も時間をかけて、しかも国民の意見をしっかりと聞いた上で改革案を出した。その改革案が、やはり何といってもBBCは公共放送だ、したがって受信料制度も維持していこう、そういうことが一つしっかりと方向性が出た。それから二つ目は、経営委員会を廃止して、経営の管理監督をさらに強化するために、規制監督部門と日常業務を監督する部門と二つに分けて経営委員会を強化する、そういう考え方を打ち出したそうであります。そして、しかも人員やチャンネル数は削減しないという方向性を出したので、まあ、これについてはかなり批判もあるようでございますけれども、しかし、本当にそういったことを英国政府は、三年じっくり時間をかけて、国民の意見を聞いて方向性をしっかり出した。こういう話を聞きますと、ちょっと竹中大臣のやり方は性急過ぎたんじゃないか、そういう思いがあるわけでございます。

 そんな中で私がぜひ指摘をしておきたいのは、NHKの研究所とかあるいはNTTの研究所、これは我が国が世界に誇るすばらしい研究所です。これを廃止するような方向性が出ているということは、非常に残念でなりません。それこそこの報告書の中でも、しっかりと国際競争力を高めなくちゃならない、こううたっている中で、わざわざ国際競争力を弱めるような方向性が出ているということについては非常に残念でなりませんが、大臣、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 委員の御指摘は、もう少し時間をかける方がよかったのではないかという御指摘、そういう御意見は確かにあるかもしれません。

 ただ、これは決して半年前に始めて半年でまとめたというものではございません。総務省の中には、常に数十のいろいろなレベルでの研究会があります。NHKの議論、NTTの議論、競争政策の議論、さらにはネット基盤、IP基盤に関する議論、そういうのを常に行っているわけでございます。

 その中で、先ほど申し上げましたように、これから五年後が大変重要になる。仮にですけれども、今から三年かけてどうするかという方向性を決めていたら、私は大変な手おくれになったと思います。その意味で、今私たちが決めたのは、これまであったいろいろな研究会の成果も活用しながら、一つの方向についての取りまとめを行ったものでございます。

 しかし、これから五年後に向けていろいろな制度の設計はしなければいけませんから、それは三年かかるものもあれば五年かかるものも出てくると思います。

 そういう中では、私は今、先ほどから繰り返して申し上げますように一つの方向性についての議論をしているわけでございますので、そこは決して拙速に何かを、BBCが三年かかったことを半年で決めたということ、これは性格が全く異なっているのではないかというふうに思っております。

 研究所についても、研究所の廃止というようなことは別にこの中では言われておりません。義務づけの問題については言われておりますが、廃止の問題はこの報告書の中にはなかったと思います。

 それともう一つ、この研究所については、専門家にお集まりいただきましたので、標準化に向けた議論が必要であるとか、これまで必ずしも十分に私たちの中でも論じられていなかったような非常に重要な視点が提供されているといった面もあると承知をしております。

 いずれにしましても、これからまさに時間をかけるものは時間をかけて制度設計等々を考えなければいけないと思いますので、そういった努力は不断にしてまいりたいと思います。

福田(昭)委員 時間がなくなりますから、この問題はこの辺にしておきますけれども、しかし、大臣の私的懇談会は、しっかり公開の場で行われたわけじゃないですし、そういったことが大事だというふうに思いますので、地方分権のビジョンも同じでございますけれども、秘密会の中で、しかも一方的な人選の中で行われるということで、やはりこれには大きな問題があると思います。次にどなたが大臣になるかわかりませんが、そのときにはしっかりやり方を変えてほしい、こう思っております。

 それで、二つ目でございますが、次は、NHKの経営体質についてお尋ねをしたいと思います。

 まず一つ目、NHKもコストの削減にはいろいろなところで大変努力しているかと思いますけれども、受信料の徴収コストの削減についてお伺いをしたいと思います。

 聞くところによりますと、六千億円の受信料を得るために八百億円のコストをかけている、こういう話がございますが、これが本当なのかどうか。もし本当だとしたら、その内訳がどんなふうになっているのか教えていただきたいと思います。

小林参考人 今委員御指摘のとおり、営業経費につきましては、業績の確保とともに非常に重要な課題であるという認識でございまして、その抑制に努めておるところでございますけれども、現在、十八年度で申し上げますと、営業経費率は一二・九%の見込みでございます。

 額的に申し上げると、若干今年度は抑制しておりますけれども、約七百七十億円程度かかる見込みでございます。これは平成十八年度の数字でございますけれども、一番大きかった時代で申し上げますと、平成元年度で一八%ぐらいに至っておったところでございますけれども、現在、そういう形でコストを削減している。

 その最大にかかっているところは、どうしても人手にかかる経費、特に地域スタッフというのがございまして、全国に五千七百人ございますけれども、そこにかかっている経費が三百億円程度を見込んでおりますけれども、そういった額が大きな要素を占めているところでございます。

福田(昭)委員 そういうことでは、何か人件費が一番多くかかっているんでしょうか。ここの辺がもしかすると一番努力するところかなと思いますが、我が民主党がまとめた通信と放送の融合を展望した将来ビジョンの中で指摘をしているんですが、徴収に当たっては電力会社などに委託をして徴収するというのも一つの方法ではないか、そんな御検討もされると相当コストは削減できるんではないか、そう思っておりますので、いかがでしょうか。

小林参考人 委員御指摘のとおり、日本以外の海外の公共放送機関を拝見しますと、ヨーロッパでありますと、例えば電器店からの受信機を設置した段階での購入者情報の通報義務の制度を設けているところ、あるいは、いわゆる住基ネット、住民基本台帳に関連するネットとの接続を図っている国でありますとか、いろいろなツールを使いまして、より合理的な契約なり収納の手法を講じているというところはございます。

 そういった手段を活用できれば、当然ながらコストをかなり減らせるものというふうに理解してございますけれども、現状、NHKの場合でございますと、例えば全国三百万世帯の方が毎年移動される、それをさらに契約を継続するために全国歩き回ってフォローしなきゃいけないといった、すべてみずからの手で行わざるを得ないということがございまして、そういった意味で、どうしても一定の経費がかかってしまうということはぜひ御理解いただきたいなと思っております。

 いずれにしましても、そういう中でもありますけれども、郵便局さんあるいは不動産会社、引っ越し会社さん、あるいはケーブル会社さんとの連携強化に今努めておりまして、そういった中で、より経費の抑制に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

福田(昭)委員 ぜひとも徴収コストを半額にするぐらいの頑張りを見せてほしいなというふうに思います。

 それでは、二点目は、不祥事の再発防止についてお伺いをいたしたいと思います。これは委員長と会長にお伺いしたいと思っています。

 まず、NHKの調査報告書がございます。緊急業務調査報告書の五ページをごらんいただきたいと思いますが、大きな七番として、「改革・改善に向けて」ということで書いてございますが、ここの文章を読んでみて、私は大事な点が一つ足りないと思っているんですが、これで十分だとお思いなんでしょうか。

石原参考人 私ども経営委員会といたしましても、今回の不祥事が発覚しましてから、その再発防止に向けまして数度にわたる委員会を開催いたしまして、その原因並びに対策等について徹底的に論議したわけでございます。その結果を私ども提言という形で執行部の方に渡したわけでございまして、その一部がその中に載っているというふうにお考えいただければと思います。まだ今後詰めるべき点もいろいろあろうかと思います。

 私ども、先生御指摘のように、そこに書いてございますいろいろな点のほかに、より根本的には、こういった不祥事が発生した根本原因はどこにあるのか、これをまずは冷静に判断してみる必要がある。それをさかのぼってみますと、例えば職員の意識という問題もございますでしょうし、あるいは協会の風土といったような問題もございます以上、NHKの組織対策にまでNHK自身が踏み込んで、それに対してその対策をどうしたらいいかということを検討する必要がある。

 ここに示されておりますいろいろな現在の経理規定の改定ですとか、あるいはいろいろなプロセスチェックの改定ですとか、これが十分に行われているか、そういった観点からいろいろな例示が述べられておりますけれども、そういったことも含めまして、むしろ組織のあり方、あるいは仕事のやり方にまで踏み込んで抜本的な対策を立てるようにという形で私ども提言した次第でございまして、この検討をさらに一層進めていくようにしていきたい。その点につきましては、私ども経営委員会といたしましても、執行部とともに積極的に関与しながら進めてまいりたいと思っている次第でございます。

橋本参考人 率直に申し上げまして、我々、これ以上の抜本的な対策が必要だと考えております。

 それは、経営委員長の方からも御説明ございましたけれども、今回、特に管理職層の意識、責任感、あるいは法令遵守といいますか、そういうふうな意識、ここにいかにして深く入り込んで改革をするかということが一番大事なことだと思っております。当然、この報告書に書かれておりますようなチェックシステムというふうなところもございますけれども、やはり、より深く職場の中の人間関係まで掘り下げた、そういう意識改革、そういうものが一番大事だというふうに思っておりまして、ここは着実にしっかりと取り組んでやっていきたいというふうに思っております。

福田(昭)委員 時間がなくなってきてしまったのでちょっと縮めて質問をしますけれども、経営委員会からも提言書が出ているわけです。そちらも読んだ上で今石原委員長からのお答えかなと思っておりますが、NHKがまとめた調査報告書、そして経営委員会からの申し入れ、提言書、これを読んでみて私はびっくりしたんですが、失礼な言い方になりますけれども、実は組織を運営するに当たっての一番大事なことが抜けているんです。

 意地悪な質問をしましたが、私から解答を申し上げますが、組織を運営するに一番大切なこと、これは報告、連絡、相談じゃないんですか。ホウレンソウじゃないですか。どこの組織でも、組織がしっかり運営されるために一番大事なこと、よく言われるホウレンソウですよ。それが全くこれに入っていないんですよ。ですから、出張に行った、帰ってきた、報告がないということなんですよね。

 十六年度のNHKが発表した不祥事、これを見てみますと九件ございますけれども、この九件、忘れたなんという話じゃないんですよね。完全に意図的にやった話ばかりなんです。ですから、実はこれは犯罪性の高い事件ばかりなんです。そういうことを考えると、NHKは最初から倫理観のない職員ばかり雇ったのか、こういうふうに思われるような、本当にそういう犯罪ばかりなんです。

 ということは、先ほどもちょっと会長の言葉の中にもありましたけれども、これはNHKの体質そのもの、もしかして企業風土、それがこういう悪事を働く企業風土なんじゃないか、そう疑われるような事件ばかりなんです。十六年度の九件を見てみると、また、十八年に発覚したスポーツセンターでしたか、報道センターですか、その事件を見ても、全くそういう事件ばかりなんです。

 ですから、ここでNHKが本当に出直すとなったら、経営改善計画、三カ年計画にはちゃんと入っていない、抜けている、企業風土を変える、そのためにはしっかりホウレンソウを徹底させる。こうでないと、監督の不徹底ということが書いてありますけれども、まさに監督がなされていないということなんだと思うんですよね。ですから、そこをやはりしっかりそれぞれの管理職にやってもらわないと、いつになってもこうした体質は変わらないんじゃないか、こう思っておりまして、そのことについてどう思われますか。

石原参考人 御指摘のとおりでございまして、ホウレンソウは業務運営の基本であるというふうに思っております。

 NHKの場合、問題でございましたのは、今回の不祥事もさることながら、前回起こりましたことの中で、そういう宿泊出張等についてのいろいろな書類の取りつけ等が不十分であったということにつきまして、それなりの反省のもとに現在の制度ができ上がってきているわけでございますけれども、それのさらに徹底を欠いてしまったということが問題かと思います。それを上司がきちんと見てチェックするようなシステム、本人のインテンショナルないろいろな隠ぺいというようなこともあったというのは現実にはございましたけれども、それがプロセスチェックの中できちっとあぶり出されるような、そういうようなシステムになってこそ初めて実効性のあるということになります。

 ですから、先生おっしゃいましたように、まさにホウレンソウという基本をもう一度振り返って、相当、事務処理面ではある意味では煩瑣になるかもしれませんけれども、やはりどうしても必要なものはやらなければいけないという観点で今回の改革案を練っているわけでございます。

 ありがとうございました。

橋本参考人 私も福田委員の御意見、御指摘のとおりだと思っております。

 今回このような件を起こした人間につきましては、報告、連絡、当然ながら相談もそうですが、こういうものが非常に欠ける環境にあったということが結果としてもよくわかっております。この点については、我々、今後の対策を考える点で大変大事なことだというふうに考えております。ぜひここをしっかりと体制としてつくってまいりたいと思っております。

福田(昭)委員 ぜひともホウレンソウを徹底させて、皆さんが立てた計画がちゃんと実行できるように頑張っていただきたいと思っています。

 私もNHKのいろいろな番組を見させていただいて勉強させていただいているんですが、最近、日本では経済活動と道徳がちぐはぐな事件がたくさん頻発いたしております。そういった意味では、今回のNHKの不祥事もまさにそういう一つかな、こう言うことができるかと思っています。

 そうした中で、日本人はかつて世界一倫理観が高い民族だったんですよね。このことを私もNHKの報道で聞いて実は喜んだことがあったんです。それはNHKの取材陣が発見したわけですけれども、日本にやってきた宣教師たちが本国へ手紙を出しているんですね。その手紙が何と書いてあるかというと、日本人は倫理観が高いからとても植民地にできないと本国へ手紙を出しているんですよ。それをNHKの取材陣が発見して我々に知らせてくれた。アジアの国々がみんなヨーロッパの植民地になっていく中で、日本が植民地にならなかった、それは何だといったら、宣教師の指摘はすばらしいですよね、日本人は倫理観が高い、だからそう簡単に植民地にできないよ、こういう報告をしているんですよ。その日本人が残念ながら今大変おかしなことになってきています。

 そうした中で、先日、NHKが二宮尊徳翁を二回ほど放送したという話でございますが、尊徳翁は実は私のところに永遠の眠りにつかれておりまして、終えんの地でございますけれども、その尊徳翁がこういう話をしているんですね。道徳を忘れた経済は罪悪である、経済を忘れた道徳は寝言であると。経済と道徳一元論を実は説いているわけであります。日本の経済の祖と言われております渋沢栄一翁は尊徳翁に学んで同じようなことを言っています。片手に論語、片手にそろばんと言っております。道徳と経済を一致させるというのが実は我々の日本を繁栄させてきた、その大きな源だと私は思っております。それこそ、経済学者と言っていいかわかりませんが、日下公人氏なども言っております。日本人のすばらしい商道徳、商売の道徳、倫理がこれから必ずやグローバルスタンダードになる、こう言っております。それを我々日本人が忘れてしまったんでは、そうならないんですね。

 ですから、そういった意味で、ぜひNHKも、国民にお知らせするだけじゃなくて、NHKの体質改善、企業風土の改善に尊徳翁に学んでほしい、そういう強い願いを申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

中谷委員長 次に、後藤斎君。

後藤(斎)委員 民主党の後藤斎でございます。

 時間がかなり押していまして、理事としたら協力をしなければいけないという思いもありまして、若干短目にきょうは対応させていただきたいと思っております。

 先ほど来いろいろなお話を聞いておりまして、いわゆる今回の六月六日の、先ほど松原座長のお話を午前中お伺いしましたが、竹中懇談会の報告書も含めて、いわゆる公共性というものがどんなものなのかということが基準となって、例えばチャンネル数の削減であるとか、またスリム化する、いろいろなお話がございます。あわせて、公共性で必要だから受信料についても将来的には罰則規定も設けてと、いろいろな御提言がございます。これについて、冒頭、本当は大臣や会長や経営委員長にその懇談会の御評価をと思ったんですが、その点は先ほど福田委員からもお話がありましたので、はしょりたいと思います。

 いずれにしても、この公共性というものをどういう形で見るかということで、実は今までよく定義をされてきたようでなかなか定義をされていないということで、広辞苑を引いてみました。広辞苑では、公共性というのは「広く社会一般に利害や正義を有する性質。」これは質の問題であります。そして、公共放送というのも広辞苑に載っていまして、「公共企業体による放送。」と。先ほど、社団法人からスタートして、今特殊法人的な形でNHKがされているという、まさに質と組織の形でこの定義が広辞苑ではされています。

 そして、もう少し、これだけではちょっと不十分だと思って、ホームページを引いてみました。そんな中で、公共性をめぐってというのが幾つか書いてありまして、今日本の政治状況の中で公共性は最も重要なイデオロギー的な焦点になりつつあると、こう長い文章がございまして、この公共性の定義を与えることから始めましょうということで、公共性、もともとは英語でいうパブリックネスという概念が核になっているという意味では、すべての人々に開かれて議論されること、すべての市民によってオープンに議論されることから決められるべきことですということで、何を言っているのかよくわからないです、はっきり言って。

 多分、今までの議論も、公共放送というものが何かとか、公共性が何かという議論がないまま、今の体制をこれからどういう形でよりよくするか、それはその方向性は正しいと思いますし、大臣の懇談会の報告書、私、一〇〇%否定するつもりはありませんし、ある意味では非常に正しいと思っています。

 ただ、いろいろな報道や社説でも議論がされているように、私も、まずこの公共性や公共放送というものは何かということをやはりきちっともっと議論をしながらスタートをしていかないと、そこで、チャンネル数がどうだとか、では、受信料が、これは会計検査院の指摘にもありますが、今、未契約の方を含めて足し算をしていくと、一千五百五十億まだ徴収が取れる体制になっているんだという指摘も十六年度の会計検査院の報告書の中にもございます。

 ですから、いずれ義務化にして罰則規定を設けるにしても、しないにしても、まずその公共放送は何であって、それが、今たまたまNHKさんが八十年の歴史の中でやられている、そして、その公共性というものが、これはNHKだけではなくて、民放も含めて、今の放送法という体系の中で公共性というものが求められているということだと思うんです。

 大臣、ですから、私はあえてお話をさせてもらうと、これからのNHK問題を考えるにしても、放送と通信の融合を考えてこれから方向性を出すにしても、それが懇談会の報告書がベースになったにしても、公共性というものが何かというものをやはりもう一度きちっと定義をしながら議論を進めなければいけないと思うんですが、まず、大臣、冒頭その点についてお伺いしたいと思います。

竹中国務大臣 後藤委員の問題提起は、まことにごもっともな、正攻法からの問題の提起であるというふうに思います。

 一方で、これはちょっと誤解を招くといけませんので、やや極端な例で御紹介をさせていただきますが、実は、私も経済学者の端くれとして、公共サービス、公共財とは何かという議論にのめり込んだことがございますが、これは結論から言ってしまうと、よくわからないというのが結論でございます。これは、アダム・スミスがどう議論したか、ガルブレイスがどう議論したか、いろいろな議論があるのを皆さんは御存じだと思います。これは、あえて言えば、そして非常に皮肉な言い方をすれば、公共部門がやっている政策が公共政策である、そういう変なすりかえに行き着くわけでございます。

 NHKの議論をする際も、放送そのものが非常に公共性を持っている、その中で、公共放送たるNHKのいう公共性は何なのか、これは議論としてはやられたわけでございます。その中で、例えばですけれども、ニュース、非常に質の高いニュース報道そして災害放送、こういうものが公共放送が担う重要な問題である、これはみんなよくわかる。しかし、例えば、今NHKが行っている中で、巨人・阪神戦の中継は、これは本当に公共放送でしかできないのかというと、そうでもないのではないだろうかと皆さん思う。

 そういう意味では、両端がよく見えるんですが、その中間の明確な定義というのはなかなかできません。非常に抽象的に言うならば、社会的な利回りと私的な利回りを比べて、社会的な利回りが私的な利回りを大きく上回るような放送についてはそういうことが言えるということは言えますが、その具体的な定義になると、先ほども申し上げましたような、ちょっと神学論争のような話になるわけでございます。

 今回の議論は、そういう意味では、非常に重要なNHKが担っている良質の報道、そして災害放送、そういうものは非常に公共性の高いものとして守らなければいけない、しかし一方で、今NHKが行っているすべてが本当に必要かどうかということについても、やはり問い直してみる必要はある。そういう議論の建前で今回の具体的な議論を進めていただいたというふうに承知をしております。

後藤(斎)委員 会長と経営委員長に端的にお伺いします。

 経営委員長は、放送法の第十三条で、重要事項を決定する権限と責任を有する委員会の長であります。後ほどもちょっと若干触れますが、経営委員会の委員長が、本来であれば、NHK会長、要するに理事会の長よりもはるかに、重要事項については自助努力や内部改革の努力、今のような公共性をどうかというのは別にしても、その点もやはりお考えになっていただく委員会だと思うんですが、経営委員長は、公共性という問題についてどういうふうにお考えになられますでしょうか。

石原参考人 公共性につきましては、今大臣からお話がございまして、いろいろな考え方があろうかと存じますけれども、私はやはりパブリックサービス・フォー・オールというふうな形で、すべての方々にとっていろいろな形での正しい情報をお伝えする、あるいは万が一の場合にそれが役に立つ、それと同時に、放送そのものはやはり一つ日本の放送文化そのものをあらわすものではないか、こういう感じもしております。

 そういった観点からいきますと、現在の分け方といたしましては、報道、教育、教養とか、いろいろな分け方がございますけれども、その中に娯楽というのもございます。これはあくまでも放送する側の論理であって、むしろ、私どもが考えなければいけないのは、放送を見て楽しむ、あるいはそれを知る、そういった視聴者の皆様にとっての公共性とは何か、そういう視点が大事なのではないか、こういうふうに思っております。例えば伝統芸能一つとってみましても、若い人たちにとっては、それは歴史であり、教養であるかもしれません。ただし、七十、八十の方々にとっては、それはまさに娯楽そのものであるかと思います。

 ちなみに、先ほどもちょっとお話が出ましたイギリスのBBCにおいては、こういったエンターテインメント、人々の心を和ませ、なおかつ人々が心を一つにして集う場、こういった放送の重要性について極めて大きくページを割いているというのも、そういったことをあらわしているんではないか、私自身はそういうふうに思っております。

橋本参考人 私、実際に放送事業を扱う責任者として考えています。これは、基本は放送法第七条にある条文であらわされるわけでありますけれども、より具体的にこれを私なりに解釈しますと、やはりあまねく、分け隔てなく、豊かでよい放送、こういうものを行う。その豊かでよい放送という中には、当然、国民・視聴者の生命財産を守る、ライフラインにつながる放送というものもございますし、それから、安心して日々の生活を力づけるための番組を見ていただく、そういう番組も必要だろうというふうに思っております。

 やはり日本というのは、いろいろな地理的な状況等で、まだまだ情報というものも全体に共通の環境にあるということも言えません。そういう中で、やはり放送というものがあまねく、分け隔てなく、日々の生活に密着した情報をお届けする、これが具体的な公共放送のイメージであろうというふうに思っております。

 大変卑近な形で恐縮ですが、例えば、人間が生活していくためにいろいろな栄養素をとらないといけない。何か、もうビタミン剤は要らないよとか、カルシウムは要らないよとか、そういうことでなくて、満遍なくそれを総合的に摂取することによって、日々の生活が、最低限の生活が送られていく。そういう上で、何か別のより補強する栄養素とか、そういうものが必要なときにはとる。そういうふうなところでいえば、やはり必須栄養素といいますか、そういうところが公共放送、NHKとしてお届けする番組なのじゃなかろうかという思いでいるところでございます。

後藤(斎)委員 話がちょっと飛びますが、きょうは平成十六年度の決算がメーンなんですが、先ほども同僚議員が触れられているように、十六年度に大きないろいろな不祥事があり、これは決算書の中や総務大臣の意見書の中にもその部分が指摘をされております。そして、会計検査院の検査結果の中にも触れられていますように、不正額が、大阪放送局で行われた部分でありますが、損害額が一億四千三百万、この部分だけが返っていなくて、残りの三件の部分については十六年度にあった損害額は補てん済みという報告になっております。

 今回のこの決算の中で、この残りの、今、未納というか、決算済みになっていない一億四千三百万円はどのように処理をされているんでしょうか。

衣奈参考人 お答えいたします。

 御指摘いただきました芸能番組制作費の不正支出につきまして、十六年度決算におきましては、特別収入で全額を計上いたしております。ただし、貸借対照表上、未収金に計上してございます。その特別収入に計上した一億九千二百万につきまして、決算書のこれに関する説明書の当該部分に付記をしてございます。

 以上でございます。

後藤(斎)委員 ですから、今の一億四千三百万はこの十六年度決算の部分には入っていないという理解でよろしいわけですね。

衣奈参考人 十六年度決算に計上をしております。

後藤(斎)委員 わかりました。

 そして、それではもう一点確認をしたいんですが、今年の四月になってから、報道スポーツ局のプロデューサーの件で、トータルで一千七百六十二万円だと思うんですが、弁済を求める金額が一千九百九十五万円、この部分については一部は平成十六年度の決算の部分も該当すると思うんですが、この処理についてはどのような処理をなさっているでしょうか。

衣奈参考人 失礼いたしました。

 音響デザイン部の職員の不正支出一千二百四十一万円余りは、十六年度に戻し入れ計上をしております。

後藤(斎)委員 今お尋ねしたのは、報道スポーツ局の四月十一日に発覚をした当初の一千七百六十二万、その後出てきた部分も含めてのお尋ねでございます。

衣奈参考人 大変失礼をいたしました。

 そのスポーツ報道センターの件については、十八年度、現在施行中の十八年度の決算で戻入をする段取りにあります。

後藤(斎)委員 大臣、時間が押せ押せで、これで最後の質問にしますが、放送法の部分では、受信機を設置した者について、者についてという言葉で受信料が徴収をされるという規定になっております。これは放送法の三十二条の規定でございます。「者」ということでありますから、今、四月一日からワンセグも普及をし始めています。これはNHKの番組も見られるようになっています。

 六月二日の新聞によると、ワンセグは放送開始二カ月で出荷が六十万台、好調であるという記事の中でいろいろ書いてありまして、最後に、二年以内に対応携帯の普及台数を二千万から三千万台にしたいというもの。さらにはカーナビゲーションが、もう最近のカーナビはテレビが見られるようになっております。大体、二〇〇四年の三月で一千四百五十万台のものが、二〇〇五年の十二月には二千百万台までふえておりまして、多分この新しいものはテレビ受信ができる形が多いというふうに思われます。

 大臣、放送法には触れられていないんですが、放送法の三十二条の受信契約の規定の仕方、そして先ほどお尋ねをした、会計検査院が指摘した、もし今の受信世帯数のほぼ可能な部分を全体徴収すると一千五百五十億プラスになるというふうな報告もございますが、やはり時代の変化にあわせて、この規定が、読み方が、受信機というふうに、カーナビとかワンセグの部分とか、変わっていくんでしょうか。それとも、ここはもう受信料の徴収の対象にはならないでしょうか。その点について、やはり時代の変化に応じて変えていく必要があるということで大臣はお考えだというふうに私は勝手に推測していますが、最後に総務相の御見解をお伺いしたいと思います。

竹中国務大臣 今、後藤委員、放送法三十二条を御言及くださいましたが、放送法三十二条「協会の放送を受信することのできる受信設備」、この「受信設備」の中には、当然のことながらテレビのみならず、今御指摘の携帯端末、カーナビ等々も入る、これはもう当然のことだと思います。

 これは、総務大臣の認可を受けてNHKが定める受信料体系で具体的なことが定められているわけでございます。これもいろいろな多様化に応じて、その都度、受信料体系が見直されて、総務大臣が認可してきたわけでございますけれども、これについては、NHKの経営計画におきましてもいろいろなことをこれから考えていくということが示されていると思います。

 私どもも、そういう意味では、今の仕組みの中で現実に即応した形で対応していくつもりでございます。同時に、NHKの抜本改革に向けて、受信料をどのように義務づけるかどうかも含めていろいろな議論をさせていただきますので、私はそれにあわせてさらに実体的な議論をする一つのチャンスがあるというふうに思っております。

後藤(斎)委員 指摘だけさせてください。

 先ほどもお話しした、今、世帯ということで基本的には管理をされている受信料であります。それがそうでない形にもう一方で移っている。ある意味で、私は、マーケットというか受信料の徴収対象は広がっているという認識の中で制度設計をしていただきたい。

 そして、六月六日に民主党でも総務部門会の中で、NHKも含めたいろいろなビジョンを、これからの放送と通信に関するビジョンをまとめました。これは大臣や経営委員長や会長にいずれ近いうちにお届けをして、ぜひごらんになっていただきたいんですが、やはり経営委員長が、先ほども御指摘をしたように、やはり自己改革の努力というものを、今大臣がお話しされた時代の流れになって、よそから三チャンネル減らせとか何とか言われるのではなくて、やはりNHKとしてこういうふうにしたいと。当然その前には今の不祥事というものをきれいさっぱり、もうこれ以上出ないという形まで徹底して、摘発まではいきませんが調査をして、報告を国民の皆さんにしていただきたいというふうに私は思うんですが、その点は、そういう中でのこれからのNHKのあり方ということをぜひお考えになっていただきたいということを御指摘させていただいて、質問を終わります。

中谷委員長 次に、渡辺周君。

渡辺(周)委員 それでは、引き続き質問をさせていただきます。

 私のNHKに対する思いというか、感想をちょっと述べてから質問に入りたいと思います。

 私、小学校六年の野球をやっている息子がおりまして、この息子は、土曜日の六時、「メジャー」というアニメをやっているんですが、この番組が始まるとてこでも動きませんで、とにかくかじりついて見ております。昔、私ども子供のときには、NHKというのは子供が見る番組がほとんどなかった。ばあちゃんが相撲を見ていると、相撲なんかつまらないから変えてくれと言ったり、テレビ一台をばあちゃんととり合ったとか、そういうのがどの家庭にもあったんじゃないかなというふうに思います。そういう意味では、随分NHKもやわらかくなって、さまざまな年代層に受け入れられるような番組を、長い間努力して、工夫してきた。この数年の韓流ドラマもそうですけれども、そんな思いがいたしております。

 ただ、一つ、これはまたちょっと余談かもしれませんが、我々が高校生ぐらいのときに、山口百恵が「プレイバックpart2」という歌を歌うときに、NHKは真っ赤なポルシェというのを真っ赤な車と言って、ポルシェという言葉を使わせなかった。商品名だからNHKでは流せないんだという話があった。天下の国民的アイドルに歌詞まで変えさせたということで、やはりNHKというのはすごい権力を持っているんだなと。そのころはだれもが、今でもそうかもしれません、国営放送だと思って、国の権力によって国民的アイドルの歌詞まで変えさせてしまった。そういうのが実は思いの中に、トラウマと言ったらおかしい言い方ですけれども、やはりそれぐらいお役所的なところ、公権力を行使できるところというようなイメージを持っておったんです。

 もちろん国営放送というような認識は当時の話ですが、今でも世の中の人たちの中には、NHKというのは何だと聞くと、多分国営放送というふうに答える方が随分いるんじゃないかなというふうに、勘違いといいましょうか、そういう認識を持たれている方が多いんだろうと思います。

 そのNHKが、いろいろな形で番組の放送内容、今申し上げたように、かつてはNHKがアニメを流すということはまずちょっと考えられなかった。そしてお笑い番組だとか娯楽番組、バラエティーなんかも、正直言って民放に比べると刺激は少ないんですが、ある年代になってくると安心して見ていられる。そういう意味では、大分NHKも多様性というか汎用性が広がっているんだろうというふうに思っておりますけれども、この番組の内容について、最初にまずちょっとお尋ねをしたいと思うんです。

 NHKには放送番組審議会というのがございまして、この放送番組審議会というものが、ここにも資料があるんですけれども、中央と地方にある。たまたま中央放送番組審議会というところの議事録なんかを見ますと、ある番組を一つ挙げて、これはホームページから引っ張り出したものですが、四月十八日放送の「クイズ 日本の顔」、私見たことがなくて申しわけないんですが、こういう番組を一つ題材にして、出席委員の方々がいろいろ批評をするというふうにあるわけですね。

 地方でも恐らくこういうことが行われているんだろうと思いますけれども、こういう番組の中身についていいか悪いか言うのは主観の問題だと思いまして、以前もどこかでお話ししたことがあると思いますが、この番組はある年代によって変わるんですね。例えば音楽番組でも、いや、懐かしくて、あのころを思い出していい曲だというのもあれば、言っちゃ悪いですけれども、若い者には退屈なこんな番組をなぜやると、これは、見る側にしてみると、それぞれが主観を持っていますから、当然言う。

 そういう中で、果たして番組のよしあしについて、審議会の中で、ある程度番組の正当な批評、批判というか、評価ができているのかどうか。もっと言えば、これは法に基づいて審議会をつくっていますけれども、どういう人選をして、どういう理由でこういう人たちを選んでいるのか。実際そういう意見が大方の視聴者の意見を代弁しているというふうにお考えなのかどうか。その点についてちょっとお尋ねをしたいと思います。

原田参考人 お答えいたします。

 今御質問にありましたように、NHKの場合は、中央放送番組審議会、それから全国各地域に地方放送番組審議会というものが八つございます。それから国際放送についても番組審議会を持っております。

 委員の人選に当たりましては、これは放送法がもとになっておりますので、私どもそれに基づいて内規を定めておりまして、いわゆる放送番組の適正を図るにふさわしい豊かな学識経験を有する方ということを基本にしておりますけれども、できるだけ幅広い皆さんの御意見を反映させることは必要でございますので、例えば、学術の分野の方、あるいは経済、産業の分野の方、あるいは芸術の分野の方、地方放送番組審議会にはマスコミ、新聞社の方も入っていらっしゃいます。それから、男女の別あるいは年代というところもできるだけ工夫をして、バランスのとれた形にしております。

 審議会は毎月審議をいただいております。今委員が御指摘になったのは四月の分でございますけれども、ちょうど新番組がスタートしたところでございましたので、私どもといたしましても、新しい番組につきまして委員の皆さんの御批評をいただきたいということで、審議会の皆さんにごらんをいただきました。毎月そういう見ていただく番組もつくりますけれども、あと、その月の一般の番組につきまして、大変真摯にそれぞれのお立場で御意見をいただいております。

 それから、その場には私ども放送現場の責任者がすべて出ておりまして、その場でいろいろな意見をいただきますので、直ちに現場にフィードバックするという形で役立てております。

 それから、こういう場でさまざまな意見をいただく中で、例えば、社会の現状を的確にとらえて日本の新しい展望につながっていくような番組をつくるべきだというふうな御意見をいただきますけれども、そういう御意見をいただく中で、「NHKスペシャル」の討論番組といいますか、「日本の、これから」という番組が去年スタートいたしましたけれども、ああいうのもやはりそういう御意見をいただく中で生まれてきたものでございます。それから、地域放送の充実ということもいろいろな御意見いただいていますが、そういう御意見をいただく中で、今年度は地域の課題にそれぞれきっちり向き合うという形で番組を編成していくということも、皆さんのそういう御意見の中から出てきたものでございます。

渡辺(周)委員 これはどういう方を選んでいるのかというと、その場その場の専門家で、確かに顔ぶれを見ると、学者の方もいれば経営者の方もいますし、組合の出身の方、労働組合の方もいれば音楽家もいる。いろいろな方がいて、いろいろな御意見が多角的に出ているんだと思いますが、私はやはり、年代層のばらつきと言ったらあれですけれども、幅も持たせた方がいいと思うんですよ。その点はまずどうなっているのかということですね。例えば、二十代の意見から、子供を持つ親の代表とか、やはり六十代、七十代の方もいてもいい。私は、職種で選ぶというよりも、年代層もあまねく入れた方がいいんじゃないかな、その方がより効果的な結論が出るんじゃないかというふうに、それを一つ確認したいと思います。

 また、個々の番組がどうこうというよりも、やはり主観で皆さん方おっしゃると思うんですよ。もっと言えば、このタレントは嫌いだからこんなのを使うななんていう声もあると思うし、民放に比べれば刺激が少なくておもしろくない、アナウンサーがまじめなことを言っていて笑うところが少ないじゃないかとか、それはもう、みんないろいろ意見があると思いますが、実際、ではこういう番組をつくったらどうだ、つまり、あるものを題材にして、新番組はいかがでしょうか、うちの新メニューはいかがですかと試食してもらって、何かいろいろ言われてどうこうするというよりも、例えば今度こういうメニューを出すべきだとか、逆に言うと提案をしてもらうような、そういうところまで踏み込んでやっていらっしゃるんですよね。そこをちょっと確認して、次の質問に移りますので、簡潔にお願いします。

原田参考人 年代につきましては、できるだけ私どもも幅広くしたいというふうに思っておりまして、例えば三十代の方なんかも、まだ二十代というところまでいっておりませんけれども、そういう委員の方をできるだけ各地域でも入れてまいりたいということは努力しているところでございます。

 それから、具体的には、先ほども「日本の、これから」の話をいたしましたけれども、今、総合テレビでは、昼のニュースの後、各地域から生中継の番組をやっておりますけれども、あの放送につきましても、これは地域の番組審議会なんかで、せっかく地域でさまざまな放送をする、中継なんかもするんですけれども、全国放送でぜひ出してほしいというふうな声を受ける中でああいうものがスタートしております。

 ですから、個別の、例えばアナウンサーの言葉遣いとか、さまざまなレベルの御意見もいただきますけれども、具体的には、今のような形、それから大きな編成の基本計画、これは諮問、答申を中央放送番組審議会にお願いいたしますので、一番大事なところでの基本の考え方の御意見もしっかりいただいております。

渡辺(周)委員 なぜこういう話を最初に伺ったかといいますと、五月七日に開催されたデジタル時代のNHK懇談会メンバーと現場の対話というものの議事録を読ませていただきました。NHKから参加者の方が四十名以上出られて、さまざまな懇談会メンバーの方とお話をされていく中で、大変示唆に富む話がありました。

 例えば、NHKの「公共放送を支える制度とは何か」という中にあるのは、ちょっとはしょって言いますけれども、お金を集めてくる現場もそうだし、放送の中身もそうです、社会の動きというものに対して我々NHKは敏感なんですよというところを何らかの形で表現した方がいいのではないか、これは吉岡忍さんというノンフィクション作家の方が言われています。

 それから、これを受けて、しばらくの質疑の後に司会の方が、営業経費の話の後に、つまり、受信料のシステムを維持するということがすばらしいと思っている、ただ、それは営業現場だけがやることではなくて、当然放送でやることが大切なんだということを言われているんです。

 その前に、ちょっと前後しましたけれども、営業の方がおっしゃっている中で、営業の方がいわゆる契約を結んでもらえない、どういう声があるかといったら、二つある、お客様を訪問して言われることは大きく分けて二つだ、一つは、みんなが払ったら自分も払うという意見がある、もう一つは、見るものがないから払わない、大体この二つに大別されるというふうに営業の方がおっしゃっている。

 このみんなが払ったら自分も払うという人に対しては、これはやはり制度的に公平性を維持できるような仕組みを導入しなきゃいけないんだと。しかし、見るものがないから払わないと言っている人間、この議事録の中にありますけれども、一週間に五分NHKを見ていない人というのが実は十人に四人いる、接触者率が六三%から六四%。接触者率というのは恐らくNHKを五分以上見た人のことだと思うんです。要は、ここでいろいろありますけれども、この見ていない人をどうするか、つまり見ていないから払わないという人たちに対してどうするかという議論もあるわけなんです。

 私は、先ほど来議論されていますからもう言いませんけれども、前回私も申し上げましたが、受信料の制度をどうするかという議論はこれから当然する。そして、そのための仕組みが、先ほど電力会社や何かとタイアップしてやったらどうかとか、いろいろあります。これはなかなか法制度が難しいところもあるのかもしれません。これももちろん一考すべきところでありますが、やはり見ていて対価として払ってもいいと思うようなところも努力しないと、何となく番組をつくるにはつくって、この番組どうでしょうかといって、内輪の人間だけが集まって、いや、あそこがいい、ここがいい、ああでもないこうでもないといって、何か、やったことだけで終わってしまうことがないようにしないと、結果的には、私は、この吉岡忍さんが指摘されているようなことやあるいはNHKの視聴者総局の方がおっしゃっていたことは解消されないというふうに思うんです。

 この点について、会長いかがですか。これは当然目を通していらっしゃると思いますけれども、こういう声に対して、一言で結構です。

橋本参考人 私、大変現場寄りのいい声が盛り込まれていると思います。

 やはり非常に切実なところで、我が社としては、視聴率ではなくて、いわゆる接触率、これをどう高めるかということはいろいろ工夫しているところでありまして、先ほど実例として扱っていただきましたアニメとかそういうものを含めて、時代が変わっている新しい若い人の層、そういうところを目指していかにしてキャッチアップするかということについては、またこれまで以上努力してまいらないといけないというふうに考えております。

渡辺(周)委員 番組の内容については、私どもも素人ですから、自分が見た番組で気に入ったものがあればNHKいいじゃないかと言うし、つまらないものを見たら何だつまらないなと言うし、これははっきり言って、視聴者というのはみんなそれぞれの、受ける人間が違いますから、難しいとは思いますけれども、ただ、やはりこういう仕組みがあるのならば幅広く聞いていただいて、御用審議会にならないように、そこだけはぜひ今後改革をする上で念頭に置いていただきたいと思います。

 時間がありませんので、大きな問題をあと二点お尋ねします。

 これは、いろいろ議論された国際放送の点なんですが、国際放送がラジオで二十カ国語で放送されている。このラジオの二十カ国で、実は資料をいただいたら、日本語、英語も含めてなんですけれども、当然フランス語や中国語というものは別にすれば、びっくりするのは、スワヒリ語だとかベンガル語、ウルドゥー語、ヒンディー語、大体一時間これが放送されている。

 実際これにかかるラジオ放送のコスト、二十億円ですね。これは交付金を受け取って、しかし、それ以上に人件費やら中継地点の維持費やら、聞くところによると、アフリカのどこか、なかなか行くのも大変なところにも建っているとか話を聞くんですが、こういうことを考えていくと、この維持費にしたままこれは果たして続けていくのがいいのか、どれぐらいの人が果たして聞いているのか。

 これは確かに、アフリカの方に行ったら、テレビは持っていないけれどもラジオはあるとか、そういうところもあるから決して無駄ではないという議論もあるのはよく承知ですが、NHKの中で、例えばこの言葉で放送しているラジオというのはほとんど聞いていないのではないだろうか。だったら別のことに切りかえたらどうだ。インターネットが普及している国もあればしていない国もありますけれども、例えばそういう見直しということについて何か検討されているのかどうか。その点はどうなっていますか。

石村参考人 お答えいたします。

 今先生御指摘のように、今二十二の言語でやっております。大体一日に延べ六十五時間放送しております。

 今、お金のかかる、費用ですけれども、ラジオの放送の総額というのは十六年度の決算のもので八十五億ぐらいです。うち二十二億ぐらいを国の交付金でいただいているということです。

 それで、どれぐらいの人が聞いているのかというのは、これはなかなか難しいんですけれども、推定聴衆者数ということで民間の会社に依頼してちょっと調べていただいているのがあるんですが、この数字だと、平成十五年度の調査で約千二百万人ということです。

 ではこれからどうしていくのかという話なんですが、先ほども御指摘あったように、インターネットの普及等で、例えばアメリカとかヨーロッパというのはインターネットで代替できるとは思うんですが、ラジオしか聞けない、そういう設備が普及していないところというのも、全世界を目標に放送していくということになればそういう問題は残るということで、我々としては、できるだけラジオからテレビへというのを一つ大きな方針に三カ年計画で掲げていますし、なおかつラジオについては、インターネット等が十分発達しているところには少しずつ縮小していって、これからですけれども、言語数も少なくしながら、伝わりにくいところを中心に伝えるのを当面の、三カ年の方針としてやっていこうということで、今詰めを急いでいるところでございます。

渡辺(周)委員 これは決して、少数言語だから、あるいは日本になじみのない国だから、もうカットしていいんじゃないかという言い方ではなくて、代替できるところは代替すればよろしいし、残すべきところは残して、今おっしゃったように先進国で、もうその点については、これはなかなか統計をとるのが難しいと思うんですけれども、そこのところはぜひ検討を進めていただきたいというふうに思います。

 もう時間が五分を切りましたので、最後、十六年度決算の点について御質問をします。

 本当に残念なこういう事件が起きました。実はこの体質というのが全然改善されていない。我々もいろいろと、党にも来ていただいて説明を受けました。調べれば調べるほど、あちこちちょこちょこと出てきて、びっくりしたのは、例えば出張して、半券がなくても出張の旅費が出ていたとか、普通考えられないです。我々でも視察で行くと、飛行機の半券、搭乗券の半券を持ってこいと、どこかごみ箱に行っちゃうと困るからと、飛行機に乗った途端にすぐ回収されます。それは当然当たり前なんですけれども、そうやって経費はどうなっているかということをやるわけなんです。

 ところが、NHKの場合は、実は、この半券を出張書類に添付するのがことしの六月一日からです、七月一日だったですか、という話があります。いや、そんなことが、当たり前のことが実は行われていなかった。

 みんなだれしも、これは全くないとは言いません。会社の経費で、どこかに飲みに行ったけれども人と会ったことにしていいやといって、民間の会社なんかで、営業マンなんか、飲み屋へ行くと、みんないつも領収書をちょうだいと言って、会社に経費を請求している人もいるでしょうし、こういうのは、はっきり言って、民間の企業がある中でやっている分には、民間の利益の中でやる分には、私は、内部の話として構わないんですが、やはり我々税金を受け取っている者であるとか、あるいはNHK、受信料で賄われている者については、それは徹底して、だからより以上にやらなきゃいけない。

 世の中のよくあるルールというか幅みたいなものが実は非常に厳しく制約されているというのは、我々政治家もお役所の方もNHKの方も、みんなそうなんですね。だから、こういうものがいまだに残っていたということは極めて驚きなんです。こういういいかげんな経理を許していた。

 もう一つ言っちゃうと、マスコミというのは結構ずさんで、忙しいからといっていると、いろいろなこと、経費の精算とかみんなわけがわからなくなっちゃって、まあいいやで通っているところも正直ないわけじゃないと思うんです。私もマスコミに若干籍を置いていましたからわかるんです。自分の金だったか会社の金だったかよくわからないようなときも実際ないわけじゃない。

 だけれども、そうは言いながら、NHKの場合はちょっと独特だというふうに考えると、なぜこういう体質が残ったのか、そしてこれをどうするかということを、本当に決意を聞きたいと思います。さっきから聞いていると、他人事みたいなことで、いや、もうやりますと言わなきゃだめですよ、改善すると言わなきゃいけないのに、重く受けとめてこれから検討するみたいな話ですから、そんな余裕はない、猶予はない、ということについての決意をひとつ伺いたいということ。

 それからもう一つは、前も申し上げましたが、子会社の決算。子会社が統合すると、これはいろいろ言われています、我々も言いました。ところが、統合したけれども、人員は減っていない。本体は減っているけれども、むしろ子会社はふえているということは前回のこの場でも指摘をさせていただきました。だからこそ、公開を、はっきりしていかなきゃいけないんですね。

 先般、ちょうど行革特をやっているときに、NHKの調査報道で、環境省の随意契約が九十何%だとNHKがスクープをしました。びっくりしました。NHKが役所の随意契約について調査報道をするんだなと。新聞社や野党がいろいろやるのはよくあることでありますけれども、NHKが環境省の随意契約について調査報道で出した。いよいよNHKがこういう問題についても調査報道するんだな、やはりジャーナリズム精神があるんだなと。

 もう一つ、ということは、自分たちの随意契約であるとか自分たちの体質について、ある意味では、もう一回やり直すということを、やはりひとつ仕切り直しをするという意味で、報道の現場の方があえて意思を示すために、これは何でかというと、他人の不正を正すときには自分たちがちゃんとしていないと、今度は返り討ちに遭いますから。これは楢崎弥之助さんがかつて言っていたそうでありまして、他人のスキャンダルを追及するときには自分は身ぎれいにしておけというようなことが何かあったそうでございます。

 これは、まさにジャーナリズム、報道の機関としては当然のことなんですが、そういう体質に切りかえるという決意なのかなというふうに私は善意に解釈しますが、最後に、この決意、そしてもう一つは、情報公開をもっと徹底してやらなきゃいかぬ。もうくどくど申しませんが、その点について、最後に会長の御決意を聞いて終わりにします。

橋本参考人 情報公開も含め、NHK一体となって、関連会社の随意契約、こういうものもございます、これは情報公開ということで透明性を高めなきゃいけないというふうに思いますし、その方向で十八年度も積極的に取り組んでおります。

 ちなみに、航空券の半券については、四月十七日からやっております。十五日に発表しましたが、その後すぐやりました。

 それから、就任以来、やはり私の役目というのは、いかにして体質改善をしていくのか、改革をしていくのかということでございます。まだまだその過程にあるわけでありますけれども、NHK自体が本当にさかのぼってうみを出してしっかりときれいになる、そういうものが結果的に番組の中身にも反映するのかもしれません。そういう形で、これから着実に、誠実に改革、改善に向けて努力していくことをお誓い申し上げます。

渡辺(周)委員 ぜひ改善すると言い切っていただきたかったんですが、御期待を申し上げまして、質問を終わります。

中谷委員長 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。

 私は、ことし三月の、NHKの二〇〇六年度予算を審議するこの委員会で、「ETV2001」「問われる戦時性暴力」という番組の政治家のかかわりや番組改編という問題について質問をいたしました。

 このときに、番組の説明資料、いわゆるマニュアル作成問題について、会議録を見返してみますと、原田参考人の方から「説明のためにマニュアルをつくってはおりません。」という答弁でしたけれども、もう一度確認しておきたいと思います。

原田参考人 「ETV2001」の番組につきまして、いわゆる予算説明の際の説明用にこの番組についてのマニュアルのようなものをつくったということはございません。

吉井委員 私の質問のすぐ後ぐらいに、当時チーフプロデューサーであった永田浩三氏は裁判で証言に立たれて、自席で永田町へ説明資料をつくる、慰安婦はいなかった、政府や軍の関与はなかったなどという意見への反論を用意する、二十九日まで続く、松尾総局長らに国会議員を説得してもらう材料を作成したということですかと、証拠として提出された資料についての質問に対して、永田氏は、意識として、政治家だけに説明するための資料づくりというふうには思っていませんでした、いろいろな対応のための資料づくりが日常的にありますので、このときもそういうことをしなければいけなかったということですねと、要するに、説明資料、マニュアルがつくられていたわけですねという証言がありました。

 永田さん自身が説明資料をつくったと言っているんですが、今でもこういうマニュアルはなかったということですか、あったんじゃないんですか。

原田参考人 国会議員の説明用に資料をつくったということはございません。

 番組につきましては、番組を放送することで、視聴者からの問い合わせあるいは反響、これが予想される場合がよくございます。そういうことに備えまして、対応用の資料をつくるということは日常的にもあることでございます。

 この番組につきましては、放送について視聴者からの問い合わせが予想されましたので、それに答えるための資料はつくりました。ただ、これは放送前に説明を何がしか行うということのためにつくるようなものではございません。

吉井委員 放送があってから問い合わせはあるかもしれないけれども、これは放送する前の話なんですよね。それで、要するに、本人はつくったということであるわけです。この永田さんは、いろいろな対応のための資料づくりが日常的にありますので、このときもそういうことをしなければならなかったということですねというふうに、本人はつくったことを言っているんですね。本人が説明資料をつくったと言っているのに、この前の答弁は、説明のためのマニュアルはつくっておりませんということであったわけです。

 この説明資料をつくったと認めた証言をした後、今の証言は政治家への説明も含まれているというふうに理解してよろしいですかと問われて、ああ、だからそれはあれじゃないでしょうか、国会対策の方が見えているわけですから、政治家も含めてということはあると思っていましたという証言がありました。説明資料の作成を求められ、作成者は政治家対応に用いられることも意識してその説明資料を作成したということです。

 つまり、永田さんが個人的にメモを作成したんじゃなくて、組織として、NHKとして対応するために現場の永田さんに説明資料の作成を求めたということではないんですか。

原田参考人 「ETV2001」の番組につきましては、これまでもこの場でお答えしてまいりましたように、放送当時、NHKが女性法廷をそのままドキュメントとして四夜連続放送する、これは間違った、誤ったことでありますけれども、そういううわさが一部の国会議員の皆さんの間で流れていたということで、その誤解を解くために、予算説明の際に、そういうことではございませんという説明をしたものでございます。

吉井委員 この説明資料で、マニュアルの存在というもの、この中で、あなた方は「編集過程を含む事実関係の詳細」というのをさきに出しておりましたが、その中で、日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会所属の議員らが昨年十二月に行われた女性国際戦犯法廷を話題にしている、NHKがこの法廷を番組で特集するという話も聞いているが、どうなっているのか、予算説明に行った際には必ず話題にされるであろうから、きちんと説明できるように用意しておく方がよいという趣旨の示唆を与えられたということを認めているんですね。

 これはホームページでNHKが公表している文ですが、この文書は、何をきちんと説明できるように求めていたのかということについて、説明できるように、求められたらこれを明らかにしなさいということでつくっていたのに、三月は、説明のためのマニュアルはつくっておりませんでしたという答弁であったわけです。

 だから、国会答弁の方では、一般的に市民から聞かれたらこう答える、ああ答える話じゃなくて、なぜ説明資料はないというふうに答弁をされたのか、私は今もってあなたの答弁の意図がよくわからなかったんですが、なぜ説明のためにマニュアルをつくってはおりませんというふうに言われたんですか。

原田参考人 最初のお尋ねにありましたように、予算説明の際の説明用にマニュアルをつくったのかということでございます。そういうことであれば、そういうものはつくっておりません。

吉井委員 だれが考えても、今のあなたの答弁というのは全くもうごまかしのための苦しいお話でしかないということになります。

 それで、次に伺っておきたいんですが、これは既にマスコミ等でも紹介されておりますが、NHK番組改編で制作者二人異動にという話ですね。この「ETV2001」「問われる戦時性暴力」番組で、番組改編問題で、裁判でも証言された現場制作者の人事異動というのが行われております。

 実は、私の質問の後ぐらいに参議院の方で三月三十日に山本順三さんという方が、NHKの公式的な考え方としては、要は、安倍晋三議員に呼び出されたのではなくて、事業計画の事前説明のために出向いたというふうにおっしゃっている、一方で、先ほどの永田氏の控訴審での証言がある、これは、永田氏というのは現在、衛星局の担当部長というふうにお伺いしておりますが、幹部のお一人だと理解する、NHKの公式見解があるにもかかわらず、会社に、まさに会社の名誉にかかわると思うんだが、口裏合わせということをこれまた伝聞に基づいて裁判の席上で証言する、これは実に大変ゆゆしき問題だということを聞かれて、橋本会長が、根拠がないことについて証言したということに対して大変私遺憾に思っております、この職員についての人事上の扱いについては適切に対処したいと。

 つまり、こういう問題があると、私は、いろいろな角度からいろいろなことを国会議員が物を言っているという話とはちょっと違ってくると思うんですね。言われて、人事上適切にやるんだと言って、そして現実に人事異動ということになってくると、NHK職員の皆さんがこれからいろいろなことを制作活動していく上で萎縮効果が出てきますね。結局それは、政治的な力、権力の作用によって番組の内容が変わってしまったり、最初から手がけなくなってしまうとか、そういう萎縮効果というものが出てくることになって、これ自体は大変深刻な問題だと思っているんです。

 これは、立場の違いは、考え方の違いはいろいろあると思うんですよ。しかし、そういうことになっては大変だと思うんですが、あなたのこの参議院での答弁どおり実際に人事異動ということになったわけですか。

小野参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘の両職員、二名の職員でございますけれども、今回、六月の定期異動におきまして異動をしておりますけれども、これにつきまして、特に、先ほど御指摘のようなETVをめぐる証言などとの関連というものはございません。処罰的な意味合いで異動させたということは全くございません。

吉井委員 では、橋本会長に伺っておきますが、参議院の総務委員会では橋本会長は、根拠がないことについて証言したということに対して大変私は遺憾に思っておりますと。しかし、私がさっき取り上げましたように、要するに、マニュアルをつくっておりませんと国会で答弁された方とは違って、実際につくっていたわけですね。事実は逆だったんですから、別にこれはうその証言をされたわけじゃなくて、そのことを言ったら、この職員について人事上の扱いについては適切に対処したい、国会であなたはそう言って、現実に今お話があったように人事異動となってくる。

 これは、会長、ちょっとおかしいんじゃないですか。会長、どうですか。

橋本参考人 この件は二つに分けて考えないといけないと思います。

 いわゆる証言の部分、これについて、我々、そういうふうな国会議員に対して伺いを立てるようなことをやっていない、またそういうふうな体制といいますかそういうものはとっていないという中での証言ですから、これに対しては、私、遺憾に思いますという、その部分。

 それから、人事のところにつきましては、この両名につきましては、それぞれ所属する部局というものが今回の組織改正で、衛星放送局、あるいはもう一名は八十周年の事務局なんですが、両名の所属するところが、ここがなくなったわけです。したがって、これは異動せざるを得ないというふうな状況でありまして、適材適所配置をしたということでございます。

吉井委員 大体、裁判での証言というのは、要するに、その証言が真実かどうかとか、それを判断するのは裁判官なんですね。NHKでもなければ政治家でもないわけです。証言した、それは自分たちが言ってきたことと違う。どっちが正しいかはまさに裁判官が判断するにしても、自分の意に沿わないことを証言したからといって、そして国会答弁でこの職員についての人事上の扱いについては適切に対処したいとあなたがおっしゃって、適切に対処するというときには、組織機構が変わるような話じゃ全くないわけですから、それでやっていくということは、これは結局、意に沿わない者は人事異動という処分をするんだということになっていくわけです。それが放送の自由とかあるいは創造的な番組編成の活動の中で萎縮効果をもたらすということは、私はそれは非常に深刻な問題だというふうに考えているんです。

 それで、長井氏は放送文化研究所への人事異動になっているようですが、磯野事件で処分を受けた天海さん、この方はどこに異動になったんですか。

小野参考人 お答えいたします。

 御指摘の天海元芸能番組センター長、平成十六年の七月に停職六カ月の処分を行いましたけれども、その処分が明けました平成十七年の一月に、処分終了後、放送文化研究所に異動いたしております。

吉井委員 NHKの研究所というのは技術的にもいろいろな分野ですぐれたものを持っているというのも、これは私自身も知っているつもりです。放送文化研究所はすぐれた研究をたくさん行っておられるのもよく理解しているつもりですが、今の天海さんの話もそうですけれども、処分を受けた人の人事異動先になっている。だから、これは、局内で戦犯収容所とやゆする声もあるというふうに聞いております。

 国会で与党の方から人事の注文を受け、そして会長が国会答弁でああいう答弁をされて、今回のこういう人事となると、やはりこれは萎縮効果というものを生み出す。そういうことを考えて臨まないと、これはNHKが戦後再出発したときのスタートのときも、戦前の痛苦の教訓を受けて、政治や権力からの独立の問題とか中立の問題とか、ことし三月に会長自身が、公平公正、自主自律、不偏不党を守る、これが生命線だと言っていたわけですね、私への答弁でおっしゃいました。だから、その立場に立つならば、やはり萎縮効果を生み出すようなこういうことは、本当に深刻に考えていかなきゃならないということが私は大事なことだと思うんですが、これは会長に伺っておきます。

橋本参考人 私は、人事異動につきましては、職員の個人個人の適材適所で考えております。外部からのそのような介入によって行っているわけではありません。

吉井委員 外部から言われてじゃないと言うけれども、国会答弁でそう言っているじゃないですか。

 私は、やはりそういう態度は、三月におっしゃったような、これは生命線だと言っている線をみずから崩してしまうという点では、少なくない職員の方が報復人事だというふうに認識を持つことになるだろうし、そういう立場でいったならば、結局、国民や視聴者の番組づくりということから権力におもねる番組づくりになっていったり、それはまた、収納率を回復する上でも私は大きな妨げになってくると思うんですね。そこをちゃんとしないと、私は、NHKの会長の資質というものが問われるぐらい深刻な問題になってくるというふうに思います。

 次に、けさの議論、先ほどの皆さんの議論にもありましたが、通信・放送懇が罰則化も検討すべきだと言っている問題について、これは橋本会長の方に伺っておきたいと思います。

 支払い義務化で罰則化なら、これは公共放送じゃなくて国営放送というものに変わってしまうぐらい、私はこれまた深刻な問題だというふうに思うんですが、罰則化の検討ということについてどういう見解を持っておられるか、会長の考えを伺っておきたいと思います。

橋本参考人 支払い義務化と罰則化は別の段階だと思っています。違うものだと思っております。

 現在でも、受信料についての法制度的な根拠というのは、放送法によって契約義務、そのもとに大臣認可による規定としまして支払い義務、この二段階になっております。これを一本化する。言ってみれば、放送法の中で支払い義務をうたうことが、一本化するということが非常に視聴者・国民から見てわかりやすい構図になるでしょうし、また公平負担という面から役に立つ考え方ではなかろうかというふうに支払い義務については考えております。

 罰則につきましては、罰則を加えるということにつきましては、やはりNHK自身がそういう罰則を加える権限を持っていません。国としての権限を持つ。そこは現在の受信料制度と違うところになりますから、当然ながら、この法制度が、受信料制度について考え方が変わってくる。したがって、ここはもう本当に国民・視聴者の方々の考え方というものがなければそういうふうな道には行けないというふうに考えております。非常に慎重に考えるべきだというふうに思っております。

吉井委員 放送法三十二条の契約についてのところは、私は、放送者と受信者の双務性というものがやはり大事だと思います。これは、受信者の方が払いたくなるような、そういう番組とか取り組みというものが本来収納率を上げる道であって、それを罰則とか強制によってやるやり方というのは本来、正常な発展には合わないものだというふうに考えております。

 時間が参りましたので、質問を終わります。

中谷委員長 次に、重野安正君。

重野委員 早速質問に入りますが、まず、決算につきまして幾つか質問いたします。

 この四月から五月の不祥事で、支払い再開数が減少した、このようにも聞いております。そうした影響があらわれるのはむしろ今後の決算ではないのか、このように思うんですが、そうしてみますと、今後三カ年の経営計画に盛り込まれた受信料収入回復は果たして実現可能なのかどうか。その点について、現時点において会長はどのように考えておられるか。

橋本参考人 御指摘のとおり、受信料の収納というものについては、大変時間差で発生してくる、影響が出てくるということがございます。その点で、四月に発覚しました不祥事の影響等で、これまでの回復の度合いというものがおよそ半減したというふうなことであります。一方、これまでの累積につきましては、回復の基調は持っている。そういう中で、ハードルは大変高くなったというふうに思っております。

 しかし、我々は、十八年度は百億という数字ではなくて二十億減収した数字で、十九年度、二十年度と百億増収という目標を掲げているわけであります。こういう流れにつきましては、我々NHK一丸となって、放送面を含め、頑張る。それから、NHK自身の不祥事根絶に向けた活動というものを視聴者の方々に強くアピールしながら、積極的に、地道に、着実に積み上げる中で、高いハードルも乗り越えてまいりたいというふうに考えております。

 大変厳しい状態であろうということを感じながらも、しかし、頑張らぬといけないというふうに思っております。

重野委員 二〇〇四年度の決算は、不祥事で受信料支払い拒否がふえ、受信料収入が大きく落ち込んだのでありますが、にもかかわらず事業収支差が赤字とならなかった、これは評価すべきことだろうと思います。赤字転落を回避したのは、数字上からいいますと、業務改革の推進による経費節減が当初の百六十八億円から二百八十四億円と改善されたためでありますが、問題は、これを手放しで喜んでいいものかどうなのか。

 そこで、聞きますが、なぜ百十五億円もの業務改善が可能となったのか。五億や十億ならいざ知らず、百十五億円となりますと、これは単なる経費節減とは受けとめるわけにはまいらない。この点について説明していただきたい。

衣奈参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、十六年度は、予算で見込みました業務改革の額に加えて、なお、先生御指摘いただきましたとおり、削減強化を百十五億実行することにより、決算をいたしました。

 御案内のとおり、年度内に受信料の収入の悪化、不祥事に端を発する収入の悪化ということが見込まれまして、決算では、結果的には予算に対して百四十億のマイナスという結果に終わりましたが、これに対応していくために、つまり健全財政を維持するために、年度内においても、さらに年度当初の計画以上に業務の総点検をいたしまして、削減を強化したものでございます。

 その例として、例えば、競争契約の推進や交渉努力により、予算で見込まれた額よりも、設備調達ですとかさまざまな権利の取得、これらについてさらに安く行うことなど、あるいは年度当初の想定よりも若干要員の削減を促進すること、また番組について、シリーズの番組をまとめてごらんになる、楽しみたいなどの寄せられている要望に対応しながら、視聴者の御要請におこたえするような形で集中的なアンコール編成を行うなど、効果的な編成の実施などなど、さまざま要望にこたえつつ、全体の節減を図り、この削減額の加速ということを実現したわけでございます。

重野委員 それでは次に、通信・放送の在り方に関する懇談会報告書について聞きます。

 この報告書によりますと、さまざまなガバナンス強化や組織のスリム化等に加え、過大な水準にある受信料徴収コストをできる限り削減した上で、現行の受信料を大幅に引き下げ、NHKの再生に対する国民の理解を得ることが必要である、それを前提に受信料支払いの義務化を実施すべきである、その後さらに必要があれば罰則化も検討すべきである、このようになっております。

 そこで、大臣に聞きますが、実態的には大臣も参加しての報告書と受けとめるのでありますが、ここに言う受信料支払いの義務化、不払いの罰則化という提案に対し、政府は今後具体的に検討するんでしょうか。するとすれば、どのようなタイムスケジュールで考えておられるか。大臣の答弁を求めます。

竹中国務大臣 まず、懇談会でございますが、私は懇談会のメンバーではありません。専門家に御議論をいただきました。時間が許すときには、出られるときには、少し傍聴といいますか、参加はいたしましたが、時間的にもそれは限られておりました。

 そこで、今後でありますけれども、今の一つの大きな不払いの問題が不公平感にあるという御指摘が先ほどもありました。そうした点も踏まえて、受信料の支払いの義務化というのは、方向としてはやはりしっかりと検討しなきゃいけないと思っております。

 ただ、それはそんなに簡単なことではないというふうにも思っています。報告書にも書かれておりますように、国民が納得するようなガバナンスの強化、スリム化等々があって初めて、これはワンセットで議論の対象になっていくものだと思っております。

 したがいまして、今回の報告書にある全体を、先ほども言いましたようにワンパッケージでやはり議論していかなければいけないものですから、これはあくまで懇談会の報告でありますので、今後各方面と議論をして、合意ができるところ、できないところ、いろいろあると思います。合意ができることについてしっかりと方針を定めて、そしてそれを踏まえて、では今度はいつまでに何をやっていかなければいけないかという工程の議論をしなければいけないと考えております。

 いずれにしても、現状では、各方面としっかりと議論を深めて、そして方向を定めることであると考えております。

重野委員 次に、会長に聞きますが、この受信料支払い義務化あるいは不払い罰則化について、現時点でどのような認識をお持ちでしょうか。

 また、報告書は公共放送の非効率性を強調しています。受信料引き下げは可能なのか。これが二つ目。

 また、受信料徴収コスト削減の具体的な方策はどういうものが想定されるのか。それについてお聞かせください。

橋本参考人 幾つかの論点がございます。

 まず、支払い義務化、罰則化につきましては、これは別物だというふうに考えまして、支払い義務化については、現在の法にあります契約義務と、受信規約にあります支払いとが合体した形で、シンプルになって、視聴者の方からも公平負担につながる考え方だろうというふうに思っております。

 罰則化につきましては、やはり罰則を与える部分では国の権限が入ってまいりますので、この点では、現在の受信料制度と変わるものだというふうに受けとめております。

 いずれにせよ、国民・視聴者の慎重なる御議論が必要かというふうに思っております。

 それから、いわゆる受信料の値下げとの関係でございますが、やはり受信料の値下げにつきましては、今大変、現状では、具体的に申し上げれば、古くなった会館の建てかえ等も控えて、後へ後へ繰り延べている中で、放送の質を守ろう、放送制作の質を守ろうというところに力を注いでやっているわけであります。いろいろ節約している中で、当面、値下げというところになかなかつながりにくい、難しいものだと思っておりますが、受信料収納が本当に、支払い義務、あるいはこれも御議論の中で出ています通報制度だとかあるいは住基ネットとの連動とか、非常に有効な受信料の収納率が上がることに具体的につながるものに結びついてくる、そういうことが非常にフィージビリティーとして考えられるときに、やはりこの受信料の値下げということもあわせて考えていかなければいけないのかな、これも慎重に考える必要があろうかというふうに思っております。

重野委員 次に、また大臣に聞きますけれども、先ほど大臣は答弁の中で、通信・放送の在り方に関する懇談会、何か関係ないみたいな話をしましたね。これは大臣がつくった懇談会じゃないんですか。ちょっとやはり聞き捨てならない先ほどの答弁ですから、これは訂正していただきたい。

 そこで、受信料の支払い義務化、不払い罰則化、こういうことになりますと、受信料徴収というのはある種の強制力を伴うことになりますね。つまり、先ほどもどなたか申していましたけれども、性格的に見ると、税金に近いようなものになるんではないか、こういう懸念を持つわけです。そうなると、これまで政府が説明してきた、受信料は特殊な負担金、これが今日までの受信料に対する言い方なんでありますが、これはもう性格が完全に変質することになると私は思うんです。そういう点について、大臣どのようにお考えか。

竹中国務大臣 まず、私が最初に申し上げたのは、私が参加したというふうに委員がおっしゃったので、私は参加者ではないというふうに申し上げたわけでございます。私の聞き間違いでなければ、実態的に大臣も参加した懇談会というふうに言われましたので、その懇談会は私はメンバーではありません、私はその答申を受ける立場の者でありますという趣旨の御答弁をさせていただいたつもりでございます。

 負担金云々の性格が変わるかということでございますけれども、これは受信料という名の特殊な負担金と解すべきである、これはもう一貫して、昭和三十九年の臨時放送関係法制調査会報告以来申し上げているところでございます。NHKが公共放送としての役割を果たすために必要な財源の負担を広く国民・視聴者全体に求めて、NHKの安定収入を確保する、そして受信料の公平負担を図るものとして有効に機能してきたものというふうに思っております。

 一方で、現行法が受信料の負担関係を受信契約の強制という形で表現しているという点については、法律をもって直接に生ずる支払い義務として規定する方が簡明でよいのではないかという指摘があるわけでございます。そういう趣旨でこの懇談会の報告もなされているというふうに考えております。その意味で、いわゆる支払いの義務化云々で支払いの負担金という性格が、広い意味での性格が変わるというふうには私は認識をしておりません。

 ただ、より実態的な問題としては、私は、義務化を求めるのは容易ではないと思います。国民は、今のNHKのままで支払い義務化をしろと言ったら、やはり受け入れないと思いますね、納得できないと思います。もっとやはりしっかりとガバナンスを強化してもらって、経営をスリム化していただいて、国民が納得できるような形に持っていくということがまずやはり大事なのである。そういう中でそれ以降のあり方というものが議論されていくべきであるというふうに、順序としては考えております。

重野委員 次に、会長に重ねて聞きますが、報告書は、一口に言えば、NHKは大き過ぎる、多くの放送波を持ち過ぎていると考えているようです。しかし、よく例に使われますイギリスのBBC放送を初め、世界の公共放送に比べてNHKは大きいのか、この点をひとつお聞かせいただきたい。

 国民の負担する受信料で支えられている以上、適切な規模、大きさということは常に留意すべきであることは言うまでもありませんが、そうした場合でも、現在のNHKの規模は大きいと考えておられるか、お聞かせください。

中川参考人 御指摘のように、チャンネル数ということで申し上げれば、NHKは現在、テレビで五つ、ラジオで三つ、これはアナログとデジタルのいわゆるサイマル放送というものを除いた数でございます。同じように、イギリスのBBCでは、そのサイマル放送を除きましても、テレビで六、ラジオで十一、合わせて十七の全国放送を行っているということでございますし、同様に、フランスは九つ、ドイツは十四のチャンネルで放送を行っているということでございます。公共放送ということで世界のそれぞれの放送局と比べて、チャンネル数だけで比べていえば、これは必ずしもNHKは大き過ぎるとは言えないのではないかというふうに私どもは考えております。

 また、どのあたりが適正規模かということでございますが、これは、それぞれの国の公共放送の成り立ちでございますとか、国民がその公共放送にどんなものを期待するのか、あるいは電波事情、そういったものを踏まえてそれぞれのところでおやりになっているんだろうと思いますが、例えば事業規模だけで申し上げれば、BBCは二〇〇四年度の連結でございますが七千七百八十六億円、NHKが十七年度決算では六千三百四十三億円、ドイツのARDというところが二〇〇四年度決算では八千四百十一億円でございますので、単純比較では、必ずしもNHKが大き過ぎるということは言えないのではないかと私どもは考えております。

重野委員 最後に大臣に聞きますが、報告書の今後の扱いについてです。

 報告書が公表された際に、自民党の通信・放送産業高度化小委員長は、懇談会が何を出そうがそのとおりになるわけではないと発言しております。これはNHKのチャンネル数の削減やNTTの経営形態のあり方など重要な点で意見の相違があることを示唆している、このように私は受け取ります。そうであれば、この報告書の内容を今後どのように政府の政策に反映させ、実現していくのか。この点について大臣の考えを出してください。

竹中国務大臣 議院内閣制のもとで、政府・与党一体となって政策を決めてまいります。議論の出発点で、与党と政府というのは常にと言っていいぐらい意見が違います。不良債権処理のときも意見が違いました、郵政民営化のときも意見が違いました。しかし、そういう中できちっと意見を調整しながら、一致できることについて責任を持って政策をしてまいります。それが今のシステムでございます。そのようにぜひ進めてまいりたいと思います。

重野委員 終わります。

中谷委員長 次に、亀井久興君。

亀井(久)委員 国民新党の亀井久興でございます。

 きょう午前中、大臣の私的諮問機関の松原座長に質疑をさせていただいたんですが、私そのときも申し上げたんですけれども、小泉内閣は、官から民へ、民にできることは民でということを常に言い続けておられて、その中心的な推進役を竹中大臣はやってこられたと思うんです。その竹中大臣の基本的なスタンスからいたしますと、この通信・放送の懇談会、確かに私的懇談会ではあるんですが、小泉内閣における竹中大臣の今日まで果たしてこられた役割、立場、そういうことを考えると、この懇談会がどういう報告を出されるかということはやはり多くの人たちが注目をしておりましたし、特に関係をする業界等にとっては大変その中身に一喜一憂をする、そういうことが確かにあったと思うんです。

 私は、どうも、放送におけるNHKそれから通信におけるNTTという大きな事業体、それが大き過ぎるがゆえに自由な競争を阻害している、そういう考え方が基本にある。そして、その事業体をできるだけ縮小していくことによって、またその縮小した部分に新たに民間の参入を求めていく、そこでまた新たな自由競争が始まる。それがそれぞれの業界の発展にもなり、国民の利便性の向上にもなり、そしてまた日本の経済の活性化につながる。そういう整理のもとにこの懇談会も発足をしたのではないかな、そういうように私は感じられてならないわけでございます。

 ところが、特にNHKの場合には公共放送という独特の立場があるわけでございまして、三月の予算審議のときにも大臣にいろいろ質疑をさせていただきましたが、そのときも、歴史的な経緯というものがあって、今日の放送法が生まれ、またNHKというものが生まれているんだと。その中で、BBCとの比較において、政治権力、政権との一定の距離を保つということが非常に大事なんだ、それがやはり国民の信頼のもとにもなっているんだということを申し上げて、そのことについては大臣からも賛意を表していただいたように思うんです。

 これからまた、NHKのガバナンスをどう強化していくかということ、それに関連して、懇談会でも経営委員会の機能強化ということは提言をしておられるわけで、そのことは私も賛成でございますけれども、NHKのガバナンスに関する一番大切な問題というのは、今私が申し上げたような、時の政権と常に一定の距離を持つ、そこにNHKとしての基本的なスタンスがあるんだということでございます。そのことについて、改めて大臣の御見解を伺いたいと思います。

竹中国務大臣 きょうは、決算に絡みまして具体的なお話が多かったかと思いますが、それ以前の大前提といたしまして、メディア、特に公共放送であるNHK、私はNHKの役割は本当に大切だと思っています。それが果たす役割に関して、今、亀井委員のおっしゃったとおりであると私は思っております。

 ガバナンスというのは、経営において、しっかりとガバナンスを発揮していただかなければいけません。しかし、番組作成、番組編成においては、まさに自由な立場でその独立性をしっかりと確保していく。これは、やはりNHKが日本国民にとって重要な役割を果たすための大前提であると考えております。

亀井(久)委員 懇談会の議論に関連をいたしまして、チャンネルの削減ということが大きなテーマとして出てきておりまして、現行の八チャンネルは多過ぎるよ、これを三つ減らして五つにしたらどうだ、そういう提言があるわけで、そのチャンネルの削減を前提にして受信料の大幅な引き下げをやり、それがきちんと整ったら支払い義務化というところへ踏み切り、またそれが済んだらば罰則強化というところまで検討をしよう、そんな順序になっているようでございます。

 私、チャンネルの削減というのは、そう安易に、個別に、これがいかぬとかこっちはいいんだとか、そういう議論を果たしてああいう懇談会でしていいんだろうか、そういう懸念を実は持つわけであります。

 申し上げるまでもなく、電波法七十六条で、法令違反があった場合には電波をとめる、免許を停止するということができるわけでございますけれども、それ以外に、いかに懇談会がそういう結論を出されて、大臣がこのチャンネルをやめろと言われても、それでやめられるような法律上の仕組みになっていないわけでございまして、今、NHK自体が三年間の経営ビジョンでチャンネルの削減も含めた検討をやっておる、そういうことなわけですから、NHKとして、それぞれの持っているチャンネルの役割をどう果たしているのかというNHKの考え方をしっかり聞いていただいて、その上で、やはりNHK自体にチャンネルの削減案というものを示しなさいよ、その示したものについて、また意見を言う、またそれをはね返してもらう、その往復というものを丁寧に慎重にやっていく中でこれは結論を得るべきことではないかなというように思います。

 まさか骨太の中にそういう具体的なことを書き込まれるというようなことはないだろうと思いますけれども、先ほども一定の方向性というものをその中に盛り込んでいきたいという御発言があって、この間の予算の審議のときにも大臣はそのようにおっしゃったわけです。いろいろ具体的な提言が出ておりますが、それをどういうように骨太との関連で処理していかれるのか、その辺を伺いたいと思います。

 それから、今度はNHKの会長に、今のチャンネルの削減というものが何か受信料の大幅な引き下げにつながるかのような、そういうようにも聞こえる提言なわけですけれども、このチャンネルの削減ということについて、NHKの会長としてどう考えておられるのか、そのことを伺います。

竹中国務大臣 今回の懇談会で私が期待しましたものは、まさに方向性でございます。先ほど申し上げましたように、これから四年、五年の間にまさに完全デジタル元年を日本は迎えようとしている。そのときを一つにらんで、どういうような方向を目指さなければいけないか、それに向けて制度設計をしなければいけません。その制度設計の議論をやはりしっかりと方向を定めてスタートさせたい、そういう思いでございます。でありますから、懇談会で制度を決めるとか、そういうことは全く想定をしておりませんし、あり得ないことだと思います。

 これは、国と地方の議論でもここでいただきましたし、また放送・通信の融合でもそうですけれども、とにかく方向性を決めて制度設計にかからないとよい制度設計はできない、そういうことでありますので、具体的にどのチャンネルをどうするかというような議論は、今回そんなに簡単にできる性格のものではないと私も認識をしております。

 ただ、同時に、方向性として重要なのは、NHKには大きな役割を担ってもらいたい、これは懇談会の非常に大きな方向でございます。それは国際放送であり、アーカイブを活用したブロードバンドへの進出であり、そういうことの方向性。そうすると、組織の資源を選択的に集中するというのは、やはり私は、ある種、自然の発想なのではないのかと。そういう中でチャンネルの削減というものが議論されているわけでございますので、その方向性について、しっかりと合意点を探したいと思っております。

 合意がなされた部分については、骨太に反映できるものは反映しますけれども、さらに時間をかけてじっくり議論しなければいけないものも多数あると思っております。

橋本参考人 新しい時代の中で公共放送が果たす役割、この中でチャンネル削減についての考え方でありますが、基本的に、大きくとらえますと、日本あるいは世界という中に、デジタル時代に情報が駆けめぐる時代になってくる、膨大な情報量が出回ってくる。その中には多種多様な情報がございます、いろいろなレベルの情報等があります。個人の発言が一つの放送局になっていく、そういう時代の中で、公共放送の原点でありますところは、安心できる安全な情報、こういうものが、たくさん出回る情報の中でも、やはりこれまで以上に役目を果たすのではなかろうかというふうに考えております。

 そういう意味で、安心、安全な情報といいますのは、たくさんの情報がどんどんふえていく中でありますから、日本国民、世界の方々に対して流す情報の量というものは、ある一定のスケールがないと、チャンネル数がないと賄われないんじゃなかろうか、届かないんじゃなかろうか。こういうところの判断につきましては、やはりNHKが今やっております総合的な放送、しかも、それぞれのチャンネル、衛星放送、地上放送、音声波、それぞれが役目を持って、この特質を生かしてサービスをしてきた。こういう経過の中で、何が視聴者の方々のニーズにこたえられるのか、あるいは、どの部分を減らすとどう変わるのかというふうなことについては、やはり視聴者のサービス低下につながらない、あるいは逆に、視聴者のニーズに、増強につながる、そういう点を慎重に考えた上で、やはり視聴者第一で、原点に戻ってチャンネルの削減の問題は考えなければならないというふうに思っております。

亀井(久)委員 最後に、受信料の収入がどんどん落ちてきている。ところが、実際に、先ほどほかの委員の指摘にもありましたけれども、どんどん受信料を振替でもって納めている人がふえている中で、徴収のためのコストというものが下がってこない、八百億もかかっている、そういう話がありました。

 やはり人件費の占める割合というのは非常に大きいわけですから、人件費をいかに下げていくかということになると、私はやはり、こういうことを言うと一種のタブーみたいになっていますけれども、NHKの体質の問題を考えると、常に組合の問題にぶつかるんですね。やはり労働組合と、労使が本当に一体になって改善に取り組んでいくんだ、そういう空気が出てこないと、私はなかなかこういう問題は解決をしないんだと思います。

 今、日本航空が組合問題を抱えているものだから安全性に問題が出てきているというようなことを言われておりますけれども、かつての組合支配のようなNHKになってしまったら国民から見放されますので、組合との関係をきちっとしていただきたいということを最後に要望として申し上げて、終わります。

中谷委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

中谷委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。田嶋要君。

田嶋(要)委員 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました日本放送協会平成十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書に対し、反対の立場より討論を行います。

 本決算は、NHKに対する視聴者の信頼を著しく損ね、受信料制度を揺るがす危機的な事態を引き起こすきっかけをつくった平成十六年度のものであり、問題が山積しています。

 平成十六年七月にNHKのプロデューサーによる制作費着服という不祥事が発覚し、それに伴う受信料の支払い拒否、保留件数が十六年度末には七十四・七万件に達しました。受信料収入は大幅に減少し、予算に対して百四十億円も不足するという惨たんたる結果となったのです。

 また、不祥事が重大なものであったにもかかわらず、経営陣には危機感が乏しく、その後、再発防止のためのコンプライアンスの取り組みが十分に行われたとはとても言いがたい状況です。十七年度以降に相次いで不祥事が発生し、支払い拒否、保留件数が百万件を超える事態に至ったことが、NHKの危機意識の低さと取り組みの甘さを物語っています。

 さらに、その後、本年度に入り発覚した報道局スポーツ報道センター職員の空出張は平成十三年一月から十八年四月にかけて行われており、また緊急業務調査報告においては、平成十六年度中にその他にも不適切な経理処理が行われたことが指摘されております。平成十六年度決算はこの不正期間に該当し、決算報告の信憑性を揺るがすものと言えます。

 以上、本決算に反対する理由を述べましたが、最後に、NHKの全役職員が、平成十六年度以降に起きたNHKの一連の問題についていま一度猛省し、公共放送としての使命を全うすることができるよう徹底した経営改革に取り組むことを強く求め、私の討論を終わります。(拍手)

中谷委員長 次に、吉井英勝君。

吉井委員 私は、日本共産党を代表して、二〇〇四年度NHK決算の承認に対し、反対の討論を行います。

 反対の理由は、二〇〇四年度におけるNHK執行部の重大な誤りによって、NHK受信料収入を、対前年度決算比六十八億円、対予算比で百四十億円の大幅減収とさせたことです。

 二〇〇四年七月に発覚したいわゆる芸能プロデューサーによる不正経理問題への対応の誤りは、NHKの経営を揺るがす受信料支払い拒否、保留を引き起こしました。

 二〇〇五年一月に発覚した「ETV2001」「問われる戦時性暴力」番組への自民党政治家による政治介入事件の解明に背を向ける態度をとったことは、受信料支払い拒否、保留をさらに加速させました。

 さらに、二〇〇五年三月、二〇〇五年度予算案を審議した国会に対して、受信料支払い拒否、保留見込みを過少に見積もった予算案さえ提出しました。二〇〇四年度におけるNHK執行部の誤りは、NHKへの国民の信頼を深く傷つけ、二〇〇四年度だけでなく、今日に至るNHK財政の困難をつくり出していることも指摘しなければなりません。

 この誤りの深い反省に立って、NHKが国民・視聴者の信頼にこたえる公共放送として再生の道を歩むことを強く求めて、討論を終わります。

中谷委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

中谷委員長 これより採決に入ります。

 日本放送協会平成十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書について採決いたします。

 本件について異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

中谷委員長 起立多数。よって、本件は異議がないものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

中谷委員長 次回は、来る十四日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十八分散会


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