衆議院

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第19号 平成21年5月21日(木曜日)

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平成二十一年五月二十一日(木曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 赤松 正雄君

   理事 秋葉 賢也君 理事 実川 幸夫君

   理事 玉沢徳一郎君 理事 林田  彪君

   理事 森山  裕君 理事 黄川田 徹君

   理事 原口 一博君 理事 谷口 隆義君

      今井  宏君    小川 友一君

      坂本 哲志君    鈴木 淳司君

      薗浦健太郎君    田中 良生君

      谷  公一君    土屋 正忠君

      土井  亨君    西本 勝子君

      葉梨 康弘君    萩原 誠司君

      橋本  岳君    平口  洋君

      福井  照君    古屋 圭司君

      松本 文明君    安井潤一郎君

      小川 淳也君    逢坂 誠二君

      小平 忠正君    田嶋  要君

      寺田  学君    福田 昭夫君

      森本 哲生君    伊藤  渉君

      塩川 鉄也君    重野 安正君

      亀井 久興君

    …………………………………

   総務大臣         鳩山 邦夫君

   総務副大臣        倉田 雅年君

   総務大臣政務官      坂本 哲志君

   総務大臣政務官      鈴木 淳司君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      谷  公士君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            吉田 耕三君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 村木 裕隆君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          松永 邦男君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  久保 信保君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 古谷 一之君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   木下 康司君

   政府参考人

   (国税庁長官官房審議官) 西村 善嗣君

   総務委員会専門員     伊藤 孝一君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十一日

 辞任         補欠選任

  関  芳弘君     安井潤一郎君

  渡部  篤君     西本 勝子君

同日

 辞任         補欠選任

  西本 勝子君     渡部  篤君

  安井潤一郎君     関  芳弘君

    ―――――――――――――

五月二十一日

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第六七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第六七号)

 公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件(人事院勧告)


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     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件、特に人事院勧告について調査を進めます。

 去る一日の一般職の職員の期末手当等についての報告及びその改定についての勧告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。人事院総裁谷公士君。

谷政府特別補佐人 人事院は、去る五月一日、国会と内閣に対しまして、公務員の期末手当等に関する報告及び勧告を行いました。

 その内容について御説明申し上げます。

 公務員の特別給につきましては、例年実施しております職種別民間給与実態調査において前年冬と本年夏に支給されました民間の特別給の額を調査し、これに基づき、公務と民間の特別給の支給月数を合わせることを基本として、必要があればその改定を勧告することとしており、本年におきましても同様に対処する方針であります。

 しかるところ、本年の民間の春季賃金改定期における夏季一時金の決定状況から、過去二十年以上にわたって見られないほどの大幅な前年比マイナスとなる傾向がうかがわれましたので、人事院として、民間の春季賃金改定期における夏季一時金の決定状況を早期に把握する必要があると考え、緊急に特別調査を実施いたしました。

 この調査の結果を見ますと、民間における本年の夏季一時金は、対前年比で平均マイナス一三・二%と大きく減少しておりましたので、本年六月期の公務の期末手当及び勤勉手当について、民間の状況を可能な限り反映させるなどの観点から、何らかの抑制的な措置を講ずる必要があると考えました。しかしながら、現時点で夏季一時金が決定しております民間従業員は全体の約二割にとどまっておりますので、民間の本年の夏季一時金の全体状況を精確に把握、確認し、必要な勧告を行うまでの間の暫定的な措置として、その支給月数の一部を凍結することが適当と判断いたしました。

 具体的には、一般の職員の場合、先ほど申し上げました民間の決定状況等を考慮して、民間の減額割合に相当いたします〇・二五月分から改定幅の最小単位としております〇・〇五月分を差し引いた〇・二〇月分を凍結し、合計一・九五月分を支給することとし、指定職俸給表適用職員についても、これと同じ比率で〇・一五月分を凍結し、合計一・四五月分を支給することといたしました。

 この特例措置による凍結分に相当する支給割合の期末手当及び勤勉手当の取り扱いにつきましては、例年どおり、民間の特別給の支給状況を調査し、本年夏には必要な措置を国会及び内閣に対して勧告することといたします。

 また、この勧告におきましては、本年四月から新たな人事評価制度が導入されたこと等を踏まえ、指定職俸給表適用職員の特別給について、勤務実績に応じて加算または減額できるよう、現行の期末特別手当を期末手当と勤勉手当とに改編することをあわせ勧告いたしております。

 以上、報告及び勧告の概要を御説明申し上げました。

 総務委員会の委員の皆様におかれましては、人事院の勧告制度の意義や役割に御理解を賜り、この勧告を速やかに実施してくださいますようお願い申し上げる次第でございます。

赤松委員長 以上で人事院からの説明は終わりました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局給与局長吉田耕三君、総務省人事・恩給局長村木裕隆君、自治行政局公務員部長松永邦男君、自治財政局長久保信保君、財務省大臣官房審議官古谷一之君、主計局次長木下康司君及び国税庁長官官房審議官西村善嗣君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。秋葉賢也君。

秋葉委員 おはようございます。自由民主党の秋葉賢也です。

 ただいま谷総裁から、今回の人事院勧告の勧告理由の御説明をいただいたわけでございます。

 平成二十一年六月の期末手当、勤勉手当を〇・二カ月分、約一割暫定的に凍結するということが柱の今回の勧告でございますけれども、やはり昨年秋以来の経済の不況ということが背景にあるんだろう。先ほどの御説明でもございましたとおり、民間における夏季の一時金は対前年比で平均マイナス一三・二%というふうに大きく減額をしているわけでございます。

 私ども与党でも、国会議員も〇・三二カ月分、約二割期末手当をカットしようじゃないかということで、議運の方で今まとまりつつあるわけでございます。

 やはり、だれしも、民間企業であれ公務員であれ、報酬、給料が下がるということを喜ぶ人はいないわけでありまして、中には、景気がこれだけ悪いんだから給料はなるべく下げないで、それを少しでも消費に回してもらった方がいいじゃないか、こういう意見もあります。

 しかし、我々、週末地元に戻りますと、雇用も不安定だし、給料は全く出ていない、そして月例給自体が大幅にカットされているという声をよく伺うわけであります。こういう状態にもかかわらず、なぜ国家公務員が下げないんだ、国会議員が下げないんだという国民の声が根強いのも事実でございます。

 皆さん御案内のとおり、人事院の勧告も、例年、八月にやらなければならないという決まりはないわけですけれども、原則八月に行われてまいりましたことを考えれば、この時期の勧告は異例中の異例ではありますけれども、しかし、世論が後押しをしたということが言えるのではないかなというふうに思うわけであります。

 公務員の給与については、人事院、あるいは地方では人事委員会が民間等の給与を調査しながら実施をしているわけですが、今回も、短期間ではございましたけれども、二千七百社の調査を踏まえての勧告でございます。例年どおりことしの夏の勧告を待った形をとった場合には、この冬で大幅な減額ということも考えられるわけでありますから、私自身は、前倒しで実施をしたというのは大変適切な措置ではなかったかなというふうに思っております。

 このような観点から考えても、今回の人事院の対応は、時期的には異例なものでありますけれども、世論そして民間の動向を適切に勘案した大変評価すべき時期の実施ではなかったかなというふうに私は思っております。

 そこで、まず冒頭に、今回の六月のボーナスの凍結の柱となる勧告の内容について、その趣旨と基本的な考えを谷総裁に改めて伺っておきたいと存じます。

谷政府特別補佐人 先ほど御報告申し上げましたことと一部重なりますけれども、国家公務員の特別給につきましては、例年五月から行う職種別の民間給与実態調査におきまして、前年の八月からその年の七月までの一年間に民間事業者で支払われました特別給の実績を精確に把握いたしまして、これに基づいて公務と民間の特別給の支給月数を合わせるということを基本といたしまして、必要があればその改定を勧告することといたしております。この考え方はことしも同様で措置する方針でございます。

 しかし、本年の春季賃金改定期におきます民間企業の夏季一時金の決定状況を見ますと、大幅な減少となる傾向がうかがわれました。そのため、その決定状況を早期に把握しようということで、緊急に特別調査を実施いたしました。

 この調査の結果を見ますと、対前年比で大きく減少しておりまして、できる限り迅速に給与の官民均衡を図るという観点から、本年六月期の期末・勤勉手当について、何らかの抑制的な措置を講ずる必要があると考えられました。しかし一方、現時点ではその全体状況を精確に把握することができず、今後変動する可能性がありますことを考えまして、今回は暫定的な措置としてその支給月数の一部を凍結するという特例措置をさせていただこうということで、勧告をさせていただいたわけでございます。

 この凍結分に相当いたします支給割合の期末・勤勉手当の取り扱いにつきましては、例年どおり、民間の特別給の支給状況を精確に調査いたしまして、本年夏に必要な措置を勧告いたしたいと考えております。

秋葉委員 今、総裁から御説明いただいたとおり、やはり民間の実態を調査の結果、それを十分に反映した結果だということでございまして、そうした民間の動向に国も対応したということで理解をしたいと思うわけであります。

 昨年の人事院の勧告は改定見送りということで、国家公務員については、本給、月例給も、期末手当、ボーナスも、平成十九年、平成二十年は同水準になったわけでございます。

 これに対して、地方の人事委員会は、すべての都道府県と政令市プラスアルファで六十七団体あるわけでございますけれども、ざっと見ますと、平成十九年、国の改定率と異なる改定を勧告している。二十年も、国は改定を行いませんでしたけれども、八団体が引き下げを勧告している。引き上げを勧告したところもありますけれども、地方自治体では、勧告に従わないで何らかの引き下げをやっているところが六割を超えている。

 やはりこうした実情というのを国もしっかり反映させていかなければならないんだろうと私は理解をしておりますけれども、改めて、平成二十年の地方の人事委員会勧告の勧告状況、またその概要はどうであったのか、簡潔に伺っておきたいと思います。

松永政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十年の人事委員会の勧告の状況についてでございますが、まず、月例給に関しましては、国が改定を行わない中、全人事委員会六十七団体中、八団体が月例給の引き下げを、それから十二団体が引き上げの勧告を行っております。このことにつきましては、地方公務員の給与につきまして、地域の民間給与の水準をより適切に反映する方向に進んでいることを示すものと考えております。

 次に、特別給、いわゆるボーナスに関してでございますが、十五団体で、国の支給月数、これは四・五〇月でございますが、これとは異なる支給の月数という勧告を行っておりますが、これら十五団体の支給の月数は、いずれも国の支給月数を下回っているところでございます。

秋葉委員 やはり地方も、大変厳しい財政状況を反映して、人件費のカットに取り組まざるを得ないような状況が浮き彫りになっているのではないかなというふうに思っております。

 こうした人事委員会の勧告の結果、国を下回る給与水準になっている団体がふえてきているということでございまして、地方公共団体においては、人事委員会の勧告の実施を基本としつつも、実態としてかなりメスを入れてきているということだろうと思います。

 大阪府などでも、最大一四%、これは本給、月例給をカットしているということでございますし、私の地元宮城県でも、全職員に五・五%の月例給のカットを実施しているわけでございます。全国的に見ましても、何らかの給与削減を実施している団体は千百三十八団体、六一・六%にも達しているわけでございます。一般職の給与削減を実施している団体に限っても七百五十三団体で、四〇%を超えているような状態でございます。

 こうした中で、もちろん知事などの特別職のみをカットしている団体もございますけれども、何らかの給与カットを実施している地方公共団体の状況について、その概要をお示ししていただきたいと思います。

松永政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十一年四月一日現在におきまして、特別職も含めまして何らかの独自の給与の削減措置を実施しております地方公共団体は、全地方公共団体千八百四十七団体中、千百三十八団体でございまして、これは全体の六一・六%に当たります。

 このうち、一般職の給与の削減を実施しております団体は七百五十三団体、全体の四〇・八%でございますが、さらにその中で、一般職の給料、いわゆる本給の削減を実施しております団体は三百三十八団体、全体の一八・三%に上っているところでございます。

秋葉委員 今御報告があったように、一般職の本給、月例給の削減を実施している団体も三百三十八団体で、約二割に上っている。今回の勧告では月例給には踏み込んでいないわけですね。あくまでも期末手当に限っての調整でございますけれども、地方の実情で見れば、二割の自治体がボーナスだけじゃなくて月例給の削減にも踏み込まざるを得ないような状況にある。このことが、極めて深刻な地方の財政状況を雄弁に物語っているんじゃないのか。

 地方公共団体がこうした厳しい局面にいる中で、国家公務員や国会議員だけが給与カットでありますとかボーナスカットを行わないというのは、国民感情にそぐわないのは明らかではないかと思うわけでございます。

 特に、ボーナスの場合には、生活給とはまた違いまして、民間企業では業績の反映というものが主たる根拠材料、判断材料になってくるわけであります。地元に帰ってよく言われますのは、国民から見れば、やはり国家公務員の場合も地方公務員の場合も、ボーナスに関しては税収と連動にすることが一番合理的ではないのかという声もよく聞こえてくるわけでございまして、昨年の秋以来税収の落ち込みも大変厳しい状況の中で、今回ボーナスでもって、国家公務員の給与、それにより民間と官の格差是正を図るということは、まことに時宜を得たものだと思うわけでございます。

 さらに言えば、地方公共団体も、人事委員会を設置していないところの方が多いわけでありますから、そういう意味では、人事院の動きを注視しているわけでございます。先ほど申し上げましたけれども、地方公共団体の中には独自の給与カットを実施している団体も数多くあるわけでありまして、必ずしも国と同じ対応をする団体ばかりではございませんけれども、これから開かれるであろう六月議会には、人事院の勧告を一つの参考材料にしながら進めていく自治体もふえてくるのではないかと思います。

 その意味では、異例の対応ではありましたけれども、むしろ、もう少し早く人事院勧告を出すことがあってもよかったのではないかなと思うわけでありますけれども、これからの勧告のあり方ということとあわせて、人事院にお伺いをしておきたいと思います。

谷政府特別補佐人 本年の三月十八日の民間春季賃金改定の集中回答日以降に民間労使から公表されました資料を見ますと、本年の春季賃金改定期における民間の夏季一時金の決定状況は大幅なマイナスとなることがうかがわれましたことから、夏季一時金の決定状況を早期に把握する必要があると考えまして、所要の準備を経まして、四月七日から二十四日までのかなり短期間で、緊急に特別調査を実施したところでございます。

 特別調査の終了後、早急に調査結果を取りまとめ、これを踏まえまして至急に検討を進めて、調査終了から一週間後の五月一日に勧告を出させていただきました。

 それから、各地方公共団体の人事委員会に対しましては、調査の段階から調査の方法等について情報の提供をさせていただきますとともに、勧告を行いました五月一日、その日に説明会を行いまして、勧告に至りました経緯、考え方等について詳しく御説明をさせていただきました。

 このように、民間の春季賃金改定の集中回答日から特別調査、勧告に至りますまで、人事院といたしましては、可能な限りの短期間で作業等を行いまして、地方の人事委員会にもできる限りの情報提供等を行わせていただいたところでございます。

 基本的な考え方ということでございますけれども、私どもは情勢適応でございますから、できる限りその時々の情勢をその時々に反映することが最も望ましいわけでございますが、しかし同時に、精確な調査というのは必ず事後になるわけでございますので、そういった制約から、必ずしもその時期その時期にということにはまいりませんけれども、できる限り近い時点で調査をしたい。

 しかし、それは、ある程度、大きな変動のない時期におきましては事後の調整ということでよろしいと思うわけでございますけれども、大きな変動がありました場合にはそれなりの措置を考える必要があるというふうに考えております。

秋葉委員 今、谷総裁から御答弁がありましたように、やはり経済状況を見て機敏に対応していく、このことに尽きるんだろうと思います。今回の人事院勧告を速やかに実施することによって官民の給与格差の問題がしっかりと是正されていくことを期待いたしまして、私の冒頭の質問を終わりにさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

赤松委員長 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 民主党の福田昭夫でございます。

 本日は、五月一日に行われた異常な臨時勧告等についてお伺いいたしますので、人事院及び総務省の皆さんには簡潔にお答えをいただきたいと思います。

 まず、平成二十一年の六月に支給する期末手当及び勤勉手当に関する特例措置についてお伺いをいたします。

 一つ目は、特別給改定についての基本的な考え方について人事院総裁にお伺いをしたいと思いますが、調査の時期、調査対象企業及び企業数、さらに調査結果の反映などについて、従来の今までの基本的な考え方について、簡潔にまずお答えをいただきたい。

谷政府特別補佐人 国家公務員の特別給につきましては、例年でございますと、五月から、企業規模五十人以上、かつ事業所規模五十人以上の事業所のうち、約一万一千事業所を抽出いたしまして、実地により行います職種別民間給与実態調査において、前年の八月からその年の七月までの一年間に民間事業所で支払われました特別給の実績を精確に把握をいたしまして、支給割合に換算いたしました上で、これを職員の特別給の年間支給月数と合わせることを基本といたしまして、必要があればその改定を勧告させていただいておるところでございます。

 支給月数を変更する勧告を行います場合には、勧告を行う年度については、基本的にすべて十二月期の特別給で調整することといたしております。翌年度以降につきまして、六月期と十二月期の支給月数の配分を見て、必要があれば支給月数を再配分することとしてきております。

 これが一般的な考え方でございます。

福田(昭)委員 そうすると、今、谷総裁が言われた基本的な考え方というのは、この人事院勧告制度の制度発足以来、実は何年以来変わっていないということですか。いかがですか。

谷政府特別補佐人 昭和四十九年に非常に大きく、これは上げる方でございますけれども、民間の給与が上がりました。その際には臨時の勧告を四月に行ったことがございます。

福田(昭)委員 四十九年以外は変わっていないということですか。何年以来変わっておりませんか。

谷政府特別補佐人 上げるにしろ下げるにしろ、このような形で臨時の勧告を行いましたのは四十九年と今回とでございます。

福田(昭)委員 ですから、制度発足は一九四八年ですか。何年ですか。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 職種別民間給与実態調査第一回は昭和二十三年に行っておりますが、当時は必ずしも毎年行ってきたわけではございません。昭和二十年代後半から、手元にございます資料では、二十五年以降同じような形で行ってきております。

福田(昭)委員 この制度発足が昭和二十三年ということは、私が生まれた年なんですよね。二十五年から本格的ということになると、約六十年近くこうした基本的な考え方は実は変わってないということなんですね。

 そうした中で、今回、異例の調査をやったわけです。先ほど谷総裁からも、昭和四十九年に、狂乱物価のときにあった、こういう話がございましたが、そのときはボーナスを引き上げるという勧告でした。今回は引き下げるという勧告なんですね。

 そこで、今回の調査を見ますと、調査期間もわずか十八日間と大変短い、対象企業も二千七百社と通常の二七%、しかも、決定済みの企業は三百四十社と非常に少ないんですね。狂乱物価のときでさえ、実は七百一社調査しているんですね。八割は未決定。さらに、労使交渉は決着をしたが、実際にはまだボーナスは払われていない、特別給は払われていない。

 そうしたことを考えると、法に定める情勢適応の原則にふさわしい調査であったのかどうかというのが甚だ疑問なんですが、その点について谷総裁はどう思われておりますか。

谷政府特別補佐人 確かに、今回の調査は従来の調査の方法と変わるわけでございますが、従来の調査を最終的に行いまして、最終的な結論を出すという方針は今回も変えておりません。今回の措置は、あくまでも従来にないような大きな動きが民間に見られたことを受けまして臨時、暫定の措置としてとる。

 そのためには、この段階では、当然、二割程度の企業しか決定していない、それから、その方法も支給実績ではなくて交渉妥結であるということは当初からわかっておったわけでございます。しかし、事後になりますと後の祭りになるわけでございますので、今回のような場合に何らかの反映措置をとろうといたしますと、そういう段階での調査をもとにしなければならない。

 そのかわりに、私どもといたしましては、今回は、給与をカットするということではなくて、保留をさせていただくと申しますか、凍結をして、全体調査が実施、完了いたしました夏の正式勧告で最終的な取り扱いを決めるという方法を選択したわけでございます。

福田(昭)委員 調査の内容からいえば、とても民間の現状を正確に把握しているとは言えないと思うんですね。八割がまだ未決定ですし、実際には支払われていないわけですから。今までの考え方からすると、大変逸脱した考え方なんですね。

 そこで、この勧告の理由を読んでみますと、一年分を十二月に精算すると減額が大きくなる可能性がある、だから、言ってみれば激変緩和として勧告するというようなことが書いてあったんですが、そういう理由でこれは勧告されたんですか。いかがですか。

谷政府特別補佐人 理由は大きく二つございます。

 一つは、情勢適応といいますか、民間の企業の状況をできるだけ的確に、その時期その時期に反映するということが最も望ましい。しかし、精確な調査を行いますと、民間を反映するということは必ず事後になるわけでございますので、支給の状況によりましては当該時期には間に合わないということでございます。ですから、従来は基本的に十二月期で調整するということでやってきたわけでございますが、しかし、できる限りはその時期その時期に反映することが望ましいので、ある程度以上の大きな変動がございます場合には、そういった臨時的な措置も考える必要があるというのが一つでございます。

 もう一つは、公務部内の状況を考えましても、夏のボーナスと冬のボーナスというのはそれぞれやはりバランスをとる必要があるわけでございまして、年間のつじつまさえ合えばすべて十二月期で調整すればいいというものではない。それは、それほど大きな変化がない場合にはそれでよろしいわけでございますけれども、大きな変化があります場合には、やはり公務部内としてのバランスもとるべきであるというふうに考えた次第でございます。

福田(昭)委員 非常にもっともらしい理由ですけれども、しかし、一番大切なのは、現状をしっかり認識する、正確な情勢を把握するということじゃないんですか。いかがですか。

谷政府特別補佐人 そのとおりでございます。

 したがいまして、この段階で調査をいたしまして、つまり、六月の支給期に間に合わせるように何らかの措置を講ずるということで調査をいたしますと、調査も必ず限られたものになるということでございます。

 しかし、その中で、私どもとしては、できる限りの目いっぱいの調査をするということで、対象企業数も選びましたし、そのような企業に対する調査も実施させていただきました。そういう意味では、今回の措置自体が、ある意味で暫定の措置ということでやっておりましたけれども、その中ではできる限り精確な把握に努めたつもりでございます。

福田(昭)委員 それでは、三つ目として、今回の臨時勧告の問題点について五点ほどこれから総裁のお考えをお聞きしたいと思います。

 まず第一点は、今回の民間企業の夏季一時金の決定状況でありますけれども、普通ですと、今までですと約一万社ぐらい調査をしていたわけでありますが、今回三百四十社。ということは、約三・四%なんですね。しかも、これはまだそれこそ交渉が妥結しただけの話なんですが、この三・四%の企業数というのは余りにも少な過ぎませんか。いかがですか。

谷政府特別補佐人 確かに、絶対数として見ますとそういうことではございますけれども、統計的に見てそれなりの数値が得られるということを考えまして企業を選びましたし、しかも、最終的にこれを全産業従業員割合に引き直しますと二割程度にはなるわけでございまして、もちろん二割も少ないわけでございますけれども、そういう全体の見通しをある程度持ちました上で、できる限り広く調査したいということで二千七百を選ばせていただきました。

 また、その二千七百は、企業規模別に調査割合というのは異なっているわけでございますが、これも影響の大きさ、それから、段階別における企業数から見ました調査実施の可能性ということも考えまして選ばせていただいたところでございます。

福田(昭)委員 第二点目は、この人事院の臨時勧告がまだ交渉が妥結をしていない中小地場企業への一時金交渉に与える影響についてでありますが、そうしたことについては全く考えておりませんでしたか。

谷政府特別補佐人 国家公務員の給与につきましては、また繰り返しになるかもしれませんが、国家公務員法の情勢適応の原則に基づきまして、民間の情勢に合わせていくことが基本でございます。

 今回の特例措置につきましては、民間における急速かつ大幅な一時金の減少という極めて異例の事態を踏まえまして、通常の調査あるいは官民比較の方法とは異なることを選択いたしましたけれども、しかし、今申し上げましたように、現時点ででき得る限りの民間状況の把握を行ったものでございます。

 この結果によりますと、先ほど申し上げましたが、本年の夏季一時金が決定している従業員の割合は約二割ということでございます。そして、中小企業等におきましては、これから夏季一時金を決定することとなるわけでございますから、それらへの影響ということは確かに考えられないわけではございません。

 しかし、そういうことも考えまして、あくまでも暫定的な措置といたしまして、六月期の特別給の支給月数の一部を、確定的な引き下げではございませんで、凍結という言葉も初めてでございますが、いわば保留をするという形でその支給をストップいたしまして、その凍結分に相当いたします支給割合の両手当の取り扱いにつきましては、本年夏に必要な措置を国会及び内閣に勧告するということをあわせて表明させていただきました。

 つまり、そのことによりまして、今回の措置はあくまでも二割をもって公務部内の支給月数を決定したものではなく、民間の支給状況の確定を待って最終決定いたしますまでの間の暫定的な措置として行うものであるということを、そういう意味では、影響を及ぼすというよりも、民間の状況を受けて最終決定させていただきたいという私どもの考えであるということを表明させていただいたつもりでございます。

 しかし、報道等を見ますと、必ずしもそういう意味での報道となっていない可能性もございまして、カットされたというふうに受け取られる向きもあるかと思うわけでございますが、私どもとしては、できる限り今回のことについてはそういうことに対する影響も中立的であることが望ましいということは考えておりました。

福田(昭)委員 ちょっと総裁にしては言いわけがましいですね。だって、まだ民間の八割が決まっていないんですよ。しかも、大体大幅な引き下げがあったのは製造業を中心とする大企業じゃないですか。

 次に、三点目でありますが、政府が進める景気対策に与える影響についてでございます。

 御案内のとおり、麻生総理は、三段ロケットで景気対策を進めるということで、平成二十年度に二度の補正、そして二十一年度の当初予算でも実は足りなくなって四段目のロケット、つまり、平成二十一年度の予算が成立したばかりなのに多額の二十一年度の補正予算を出してきたんですね。今参議院の方に行っておりますけれども。

 百年に一度と言われるような経済危機だということで、今までにないような多額の財政支出を計画しておきながら、拙速に六月で特別給を減額するというのは政府の方針と大変矛盾するんじゃないですか。いかがですか。

谷政府特別補佐人 釈迦に説法でございますけれども、人事院は、国家公務員の給与につきまして、情勢適応の原則に基づき、民間準拠によりまして、その時々の民間賃金の情勢に合わせていくことを基本として勧告をさせていただいているところでございます。

 このように、人事院の給与勧告は、経済対策でございますとか、あるいは、時々御質問いただきますが、国の財政事情といった国政全般の情勢などを考慮するような仕組みとはなっておりませんし、その中における優先順位というものを知り得る立場にもないわけでございます。

 私どもとしましては、先ほども申し上げました情勢適応の原則に基づき、民間の状況を調査して、必要と思われる措置を政府及び国会に勧告させていただくという立場であるわけでございます。

福田(昭)委員 これは総裁に聞く話じゃないかと思うんですが、今日本の経済で一番大事なことは個人消費を拡大していくことなんだと思うんですね。

 私も、国会に送っていただいて、早いもので三年と八カ月がたちました。この間、しっかり日本の経済や財政の勉強もさせていただきました。私が調べさせていただいた限りでは、日本の経済もしっかりしております。また、日本の財政も心配ありません、全く心配ありません。財政赤字を盛んに宣伝しておりますけれども、日本の財政も心配ありません。これは明らかに政策不況です。政策が悪いからです。ですから、そこを改めていけば、日本の経済はまた復活しますし、財政もちゃんと健全化していきます。それははっきり私は確認をさせていただきました。

 そういったことから考えると、今回の臨時措置というのは非常に疑問がある、ちゃんと本格的な調査をしてやるべきだったと考えております。

 第四点目ですが、地方自治体に与える影響についてであります。

 御案内のとおり、政策の失敗と言われるあの三位一体改革を初め、今まで地方に配分されてきた交付税や国庫補助金等が削減をされました。それによって今地方は大変疲弊をいたしております。先ほど与党の方からの質問の中にもありましたけれども、そうした状況の中で、地方自治体は、既に給与の減額、本俸を削減するということまで独自に実施している団体も多数あります。

 そうした中で、今の時期に、この五月の中下旬といいますか、これは国会が通るのがいつごろになるのかわかりませんが、二十九日までには通さないと六月一日適用できないんだと思うんですけれども、こんな時期に、国で議論をして話を決めて、地方自治体はどうやって対応したらいいんでしょうか。大変難しいと思うんですが、その辺については総裁はどう考えておられますか。

谷政府特別補佐人 木で鼻をくくったような御答弁になるようで大変恐縮ではございますけれども、地方公共団体におきます取り扱いにつきましては、基本的にはそれぞれの地方公共団体において御判断をいただく仕組みでございまして、人事院は国家公務員の勤務条件について情勢適応の原則に基づいて勧告させていただくという立場でございます。

 もちろん、個人的に、地方で財政状況の悪化等を踏まえましていろいろな措置が行われていることにつきましては、大変であろうということはわかるわけでございますが、しかし、私は地方の実情をよく承知しておりませんし、また、それぞれの事情についてそれぞれの機関が御判断になった上での措置でございますので、私がとやかく申し上げられる立場にはございません。

福田(昭)委員 総裁の気持ちもわかりますが。

 今回、この臨時勧告の動きをとらえてみると、五月の一日に人事院が臨時勧告をいたしました。五月の八日には給与担当者閣僚会議が行われましたが、閣議報告だけで終わっております。そして、五月の十五日にこの給与法案が閣議決定され、国会に提出されたということですが、少なくとも五月八日に閣議決定をして即国会に提出するぐらいの努力があってもよかったんじゃないですか。いかがですか。

 これは総務副大臣の方がいいかな。

倉田副大臣 今回の措置は、人事院勧告、可能な限り民間の状況を公務に反映させることが望ましいという勧告を受けまして、今おっしゃられましたように、連休がございました、八日に閣僚会議を開いて決定をしたということで、速やかに行っているつもりでございます。

福田(昭)委員 速やかにやっているという副大臣のお答えですが、しかし、これを国会で審議して議決をする、衆参両院で議決をしてちゃんと法律の改正ができるということになると、もう五月末日じゃないですか。六月一日までにできていなかったら、これは適用できないんじゃないんですか。

 そんなことを考えたら、地方自治体は国の決定を待って対応するはずですよ。どんな対応をしたらよろしいんですか。

倉田副大臣 国からは、同じ五月八日の日に、総務省自治行政局公務員部長の名前で、各都道府県知事、各政令指定都市市長、各人事委員会委員長に対しまして、県から各市町村にもお伝えをしてくれということで、人事院勧告の取り扱いにつき趣旨を御理解願うという通知を既に五月の八日にしている、こういう状況でございます。

福田(昭)委員 そうすると、地方自治体も、実施をするところは、実施しないところもあるかもしれませんが、実施するところについては五月の末日までに臨時議会を開いて対応するなり、あるいは専決処分でやるなり、対応は可能だという考えですか。

倉田副大臣 確かに、地方議会の開催時期は、通常、六月、九月、十二月ですね。あと、二、三月。ですから、やっていただくという方向のところでは、今議員がおっしゃられたような臨時議会を開くなりなんなりの措置をとっていただく、そういう方向になろうか、このように思います。

福田(昭)委員 多分、地方はえらい混乱をしているんじゃないかな、迷惑を受けているんじゃないかなと思っております。

 それでは、第五点目でありますが、人事院のあり方に与える影響、特に政治的な圧力があったのかないのかということでございます。

 今回の臨時勧告の大きな問題点の一つに、政治的な圧力があったのではないかということが言われておりますが、総裁、いかがですか。

谷政府特別補佐人 全くございません。

福田(昭)委員 総裁は全くないということであります。

 今回、与党のPT、プロジェクトチームの圧力に屈したという話があるんですが、全くないということなんですが、ここでちょっと御紹介をいたします。

 これを谷総裁が見ているかどうかわかりませんが、私のところに与党の公務員給与PT座長のホームページを印刷したものが届きました。これを見ておりましたら、人事院の今回の臨時勧告の、なぜ六月期からやるかということと同じ理由が書いてあるんですよ。

 今回、申しわけないから名前は伏せて言いますけれども、そう言われている方が、「私の主張は、決して「公務員バッシング」でもないし、「人事院軽視」、さらには、「政治的圧力」でも何でもない。」と。今回早く勧告しろと言った理由が三つあると言うんですね。「第一に、公務員の懐にとっても、「激変緩和」が必要ということ。」

 これは先ほど私が確認をいたしましたが、十二月の特別給でやったのでは余りにも不均衡なので、この六月から引き下げるんだ、こういう人事院総裁の回答がありました。与党PTの座長も、この間、総裁に盛んに質問しておりましたけれども、その方のホームページを読むと、「第一」にこう書いてあるんですよ。結局、六月の特別給から引き下げるということは、十二月で一挙にやると公務員がかわいそうだから、住宅ローンの返済も滞ってしまうかもしれないから、夏のボーナスから調整をするんだと。実は、これが与党PTの第一の理由なんですよ。

 ちょっとこれは余計なお世話なんじゃないですか。第一の理由はそう書いてあるんですよ。人事院の臨時勧告の理由と一緒ですよ。これで政治的圧力がなかったと言えますか。いかがですか。

谷政府特別補佐人 この問題はそんなに複雑な問題ではございませんで、要するに、民間に対してできる限り迅速に対応した措置をとるということと、公務部内は公務部内としてやはり制度としての整合性が必要であるという、これは極めて基本的なことでございますので、同じようなことをお考えになる方がいらっしゃるということは、私はそれほど不思議なこととは思いません。

福田(昭)委員 なるほど。

 今のお答えは、この間、国家公務員制度改革基本法に基づいて、内閣人事・行政管理局でしたか、それをつくるときの、総裁は何でそれぐらいの強い対応ができなかったんですか。何ですか、今回の臨時勧告はこの間から比べたら随分弱腰そのものですよ。この間の闘いで疲れたんですか。いかがですか。

谷政府特別補佐人 人事院の決定は、私一人ではなくて、人事官三人の合議でございます。

 少なくとも私に関して申しますならば、今御指摘になりました公務員制度の問題にせよ、この問題にせよ、私としては、私の信念で処理しておりまして、決していろいろな外部の方々のお考えに過度に影響されるということはございません。いろいろな御意見はそれなりに参考とすべきことは当然だと思いますけれども、判断は責任を持って行っておるつもりでございます。

福田(昭)委員 なかなかしっかりした方でありますね。

 私は、今回のこの臨時勧告は、与党PTの圧力に屈したということで、まさに人事院がみずから労働基本権制約の代償措置としての任務と役割を放棄した、そういうふうに受け取ることができるかと思っています。人事院勧告制度が大きく変質をして、人事院の独立性が損なわれたのではないか、このように考えておりますが、総裁、そうではないと言うんでしょうけれども、どうぞ答えてください。

谷政府特別補佐人 いろいろな御評価があるということは、それはそれなりに当然だと思っております。

 ただ、私どもとしますと、人事院に対する評価がどうなるかということをおもんぱかって、みずからの勧告、あるいは意見の申し出の可否、あるいは内容を考えるということはいたしておりません。そういうことはあってはならないと考えております。

 特に、現在の公務部門の状況を考えますと、そのようなことを考えるということがいろいろな問題の発端になっておるわけでございまして、公務員制度を預かる人事院として、かりそめにもみずからの組織に対する評価、あり方をおもんぱかってその行動を決めるというようなことはあってはならないと考えております。

福田(昭)委員 それではちょっと確認しておきますが、労働基本権の制約の問題について、人事院として今後勧告するような検討といいますか、そういうようなものはどれぐらい進んでいるんですか。

谷政府特別補佐人 労働基本権そのものということでございますと、政府において今いろいろ検討が進められております。

 私どもも、そういった過程の中で、人事院がその経験その他に照らしましてこの部分についてはこうあるべきだという御意見は申し上げるべきときはあるかもしれませんけれども、現在の段階で具体的にそういうことを予定して何かを進めているということではございません。

福田(昭)委員 それはちょっと頼りないですね。その辺はやはり人事院としての考え方をしっかり明示すべきじゃないですか。内閣人事局をめぐって政府とあれほど対立した谷総裁ですよ。この辺は人事院としてもしっかり検討して、ちゃんとした考え方を整理して提言すべきだと思います。総裁の任期もまだあるようですから、それぐらいのことをお土産としてぜひやってくださいよ。

 それでは、次の質問に参ります。

 時間があと十分ぐらいですか。指定職俸給表適用職員の特別給への勤務実績の反映についてお伺いをいたします。

 一つ目は、これは確認事項でありますが、勧告を読みますと、本省と地方支分部局等の職員の別に総額を計算すると書いてあるんですが、この意味はどういう意味か、ちょっと教えてください。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 勤勉手当につきましては、各省の長が、それぞれ所属する職員に係る勤勉手当の総額、これは財源でございますが、総額の範囲内で各職員の成績率を判定いたしまして、それに応じて支給するという制度になっております。

 指定職職員につきましても、勤勉手当制度を導入いたします場合に、本省だけではなくて、管区機関、あるいは病院、研究所等の施設等機関、こういうところにも指定職職員は在勤しておりまして、人事評価も基本的にはそれぞれそういうところで行われております。

 勤勉手当を指定職職員に導入した場合に、本省の局長や審議官に厚く配分するために地方の管区機関や施設等機関に在勤する職員の原資が機械的に本省に在勤する職員の原資とされるということになりますと、地方機関を多く持つ省と持たない省との間の不公平感、あるいは本省と地方の人事評価の公平性、こういうことにもかかわりますので、そういうことがないように、原則として本省と地方機関等の職員の別に成績率の運用をするということでございます。

 これによりまして、それぞれにおける人事評価に応じた勤勉手当の支給が確保されるということになると考えております。

福田(昭)委員 私は不公平にならなければいいなと思っていたんですが、公平にするような措置だということですから、これは了としたい、こう思っております。

 二つ目は、勤勉手当の成績区分及び成績率について、優秀、良好、良好でないの三段階に成績区分を分けて、今回は優秀を三〇%以上と設定するということですけれども、課長職とかあるいはそれ以外の職は優秀という割合をどの程度にしているのか、その程度は指定職とはどういう違いがあるのか、その辺を含めて教えていただきたい。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 指定職職員の勤勉手当の成績区分及び成績率につきましては、人事評価における全体評価の段階数、これは事務次官につきましては二段階、それから局長、部長級につきましては三段階ということになっておりまして、この段階数と今先生御指摘がございました本省課長級の職員の取り扱い、こういうものを考慮いたしまして、良好が標準でございますが、優秀、良好、良好でないというこの三段階にしたということでございます。ですから、この区分は、基本的には局長、部長級が三段階になっているということとパラレルの関係ということでございます。

 それから、成績率の仕組みをこのように設けましても、実際の運用で成績率が一律適用ということになっては趣旨に反しますので、今先生御指摘のような人員割合といいましょうか、そういうものをガイドラインとしてつくりたい。それが三〇%、つまり優秀者を三〇%出してほしいという趣旨でございます。

 この割合につきましては、本省課長級につきましても、特に優秀、優秀は合計で二八%、一般職員についても、特に優秀、優秀を合わせて三〇%という枠を設けておりますので、これと同様というふうに考えております。

福田(昭)委員 ありがとうございました。

 時間がなくなってきましたので、その後の質問は省略をさせていただきます。

 次に、内閣総理大臣等特別職国家公務員の期末手当の暫定的な引き下げについてお伺いをいたします。

 一つ目は、その基本的な考え方についてであります。

 今回はどういう考え方に基づいて内閣総理大臣等特別職国家公務員の期末手当を暫定的に引き下げることにしたのか、その理由について副大臣からお伺いをしたいと思います。

倉田副大臣 特別職給与法に規定する内閣総理大臣等の給与につきましては、人事院の対象外ではございますけれども、従来から事務次官とか局長といった一般職の指定職職員との均衡等を考慮して定めてきておるところでございます。

 今回もそのようにする、こういうことでございます。

福田(昭)委員 それでは、それこそ大変な経済状況を踏まえて麻生総理が率先して引き下げると言ったんじゃないんですね。いかがですか。

倉田副大臣 私は閣僚会議云々は出ておりませんので、そこまでのことは詳細には存じませんけれども、従前のように、指定職職員との均衡等ということを踏まえ、スムーズにこのように決定している。

福田(昭)委員 先ほど人事院総裁が、昭和二十三年から制度が始まって以来、こういう臨時的な勧告は二度目なんですね。一度目は昭和四十九年、これは狂乱物価があったときです。今回は、世界的な同時不況の中で、日本の経済が大変落ち込んでいる。

 そうした中で、麻生総理があれだけの景気対策をやっておいて、与党の皆さんが公務員の給与を下げろと言っているときに、総理大臣からは何もないんですか。要するに、今までの国家公務員の給与を上げたり下げたりするときに準じて総理大臣などの特別職の給与を引き下げる、こういうことでは余りにも情けないんじゃないですか。いかがですか。

倉田副大臣 ただいまも申し上げましたが、大変申しわけないことに、私は閣僚会議等に出ておりませんので、その場面のことは存じ上げません。

福田(昭)委員 わかりました。

 それでは、二つ目は、こうした給与の引き下げ、引き上げについて、総理大臣と地方自治体の首長との違いについてお話を申し上げます。

 ほとんどの知事や市町村長は、みずから率先して給与の引き下げを行って、その上で職員の皆さんにも協力してもらう、そういう姿勢を貫いております。それと比べたら、今のお答えからすると、麻生総理には全くそれがないということなんです。

 もし本当にそんなに厳しい経済環境だという認識が少しでもあるなら、それはやはり麻生総理がリーダーシップを発揮すべきですよ。それは、国は議院内閣制、地方は大統領制です。しかし、いずれも必要なものはリーダーシップなんですよ。それを考えたら、残念ながら麻生総理にはリーダーシップがないということなんです。

 ですから、与党の皆さんが言っているように、与党の皆さんからの働きかけで今回は特別給の引き下げがありました。そのことが如実に、実は、そう思えるのは、先ほどもちょっと申し上げましたが、五月一日に勧告が出て、五月八日に閣議報告だけなんですよ。何でこのときに閣議決定しなかったんですか。今まではちゃんと閣議決定しているんですよ。勧告どおりやりましょうということで閣議決定を今まではしているんです。ところが、今回は、五月八日に閣議報告だけなんです、閣議決定していないんですよ。ですから、そういうことを考えると、非常に残念な話でございます。

 時間が来たようですから、まとめたいと思いますが、私は、今までのルールを破った今回の臨時勧告はおかしいと思います。この六月の特別給については、率先してやるなら我々国会議員と内閣総理大臣など特別職の国家公務員の引き下げを行い、国家公務員や地方公務員については八月の正式な勧告を待って、十二月の特別給で調整するのが正道だと思います。選挙向けのパフォーマンスじゃなく、ちゃんと麻生総理が正道を守るためのリーダーシップを発揮できることを心から期待して、私の質問を終わります。

 以上でございます。

赤松委員長 次に、小川淳也君。

小川(淳)委員 民主党の小川淳也でございます。

 それでは、早速ですが、この臨時勧告を前提に質疑をさせていただきます。福田委員があらゆる論点を網羅していただきましたので、追い重ねになります点はお許しをいただきたいと思います。

 まず、副大臣にお尋ねいたします。

 きのう、与党の方で国会議員のボーナス二割削減ということが意思決定されたかのような報道がございますが、この事実関係と副大臣の評価をお聞きしたいと思います。

倉田副大臣 私も新聞報道でのみ知っておるわけですが、それによりますれば、昨日、与党の国会改革プロジェクトチームにおいて、国家公務員の一般職の夏季ボーナスが約一割減額が決まったのに対して、特別職の国会議員にもこれは準用されるけれども、与党としては、景気悪化の中、一般職を上回る努力が必要だとのことで、今委員がおっしゃったような決定をしたと承知しております。

小川(淳)委員 副大臣の評価をお聞きしています。

倉田副大臣 国民と痛みを分かち合うという意味で、与党のチームがそのような方向で決めた、そういう評価をしております。

小川(淳)委員 賛成ですか、反対ですか。

倉田副大臣 私は、今、総務副大臣としての御答弁ですので、個人的な意見は申し上げるつもりはございませんが、与党の一員としては、やはり国民の人たちと痛みを分かち合うという共感は持っております。

小川(淳)委員 精いっぱいの御答弁であろうかと思いますが、私は賛成であります。大いにやるべきだと思います。その前提に立ちませんと、今回のこの臨時勧告は議論にすら入れないと思います。

 そこで、谷総裁、先ほどから大変信念に満ちた御答弁、ある種敬意の気持ちを持ちながらお聞きをしておりましたが、我々国会議員は別です、直接国民の皆様から選んでいただき、その職にあずかる人間は、恐らく最先端でこういう民間のいろいろな世情あるいは経済情勢の影響を受けるべきなんでしょう。しかし一方で、総裁が預かっておられるのは、永年社員として、勤労者として、労働者として働くことが予定されている国家公務員の処遇であります。その観点からいえば、総裁の信念はよくわかりました、信念はよくわかりましたが、もう少し合理的に、客観的に情勢を御説明いただく必要があろうかと思います。

 きのうの報道、ことしの第一・四半期、GDPのマイナスが一五・二%、昨年の第四・四半期も一三%以上の下落ですから、確かに経済情勢はかつてない落ち込みだと思います。その臨時異例ということはよくわかりましたが、総裁、どの程度、何が臨時異例なんですか。なぜ過去にたった一度しか経験していない臨時勧告を、ことし、今回、今行わなければならない合理的な理由は何ですか。

谷政府特別補佐人 若干先ほどの御答弁と重複するところがあるかもしれませんけれども、まず、本年三月十八日の民間春季賃金改定の集中回答日以降明らかになりました民間の夏季一時金の決定状況から見ますと、過去二十年以上にわたって見られないほどの大幅な前年比マイナスとなる傾向がうかがえました。そういう急速かつ大幅な一時金の減少というのは、それは異例の事態でございますので、これに対しては、その状況をできる限り精確にかつ早期に把握して対応措置を検討する必要があると考えまして、緊急の特別調査を実施したところでございます。

 その結果によりますと、民間における本年の夏季一時金の妥結状況でございますけれども、対前年比で平均マイナス一三・二%という減少でございました。民間の夏季一時金と公務員における特別給に大きな乖離があることは適当ではなく、可能な限りその時々の民間の状況を公務員に反映することが望ましいということが一点。また、もう一つは、十二月期の特別給で一年分を精算しようとしますと、大きな影響が出ます可能性もあることを考えますと、やはり六月期の段階で何らかの抑制的な措置を講じておくことが望ましいと考えた次第でございます。

 しかし、現時点で夏季一時金が決定しております民間従業員は、従業員数で見まして全体の約二割ということでございますので、今後変化があり得るわけでございますから、その全体状況を精確に把握、確認して、例年どおり必要な勧告を行うことができますようになりますまでの間の暫定的な措置として、六月期の期末手当、勤勉手当の支給月数の一部を、凍結という言葉は使いましたけれども、いわば保留をいたしまして、夏に精算をするといいますか、その扱いを決めるということが適当であると考えたわけでございます。

 このマイナス一三・二%というのが異例だということについて、なぜかという御質問だと思いますけれども、厚労省の昨年、平成二十年の民間主要企業夏季一時金妥結状況という調査によりますと、過去二十年の夏季一時金の対前年比伸び率は、最も大きな年で、プラスについては、平成元年がプラス八・一%、平成二年がプラス八%。この当時は私どもとしても三%程度のベースアップの勧告をいたしておりますので、その分を差っ引きますと五%前後になる。大ざっぱに申しますと、そういう可能性が考えられるわけでございます。

 それから、マイナスにつきましては、平成十一年でマイナス五・六五%、平成十四年でマイナス四・三%ということでございました。これはもちろん、同じ前提条件での調査の数字ではございませんので、この細かな数値そのものが直ちに私どもの参考になるわけではございませんけれども、しかし、いずれにしても、今回の民間の状況というものは、明らかに今までなかったような状況でございます。

 基本的には、やはりその時々に民間の状況を反映することが最も適当なわけでございます。しかし、民間の状況は結果としてしかわからないわけでございますから、その措置をいたします時期とその内容を把握いたします必要な事実との関係で事後措置となることが多くなることはやむを得ないわけでございまして、そういう意味で大きな変化がない限り十二月期で調整する。しかし、このことは必ずしも最上の策ではないわけでございます、反映と精確さとを兼ね合わせた結果の判断でございます。

 したがいまして、大きく変化いたします場合には、やはり何らかの特例的な措置を講ずることが必要ではないか、適当ではないかと考えた次第でございます。

小川(淳)委員 そのマイナス一三%、これは、総裁、いつの時点で四月に調査するということを決断されたんですか。

谷政府特別補佐人 三月十八日の集中回答日の結果が出ましたときでございましたから、その数日後ではなかったか。正確な日はちょっと今申し上げられませんけれども、少なくとも私はその段階で、人事院としての決定ではございませんが、その段階で私としては調査を行う必要があると考えました。

小川(淳)委員 総裁は既に御答弁されましたが、過去の勧告を拝見いたしますと、平成十五年には〇・二五月分減額勧告。その前年の民間のボーナスの落ち込みがマイナス四・三%、中小企業に限って言えばマイナス八・七%。平成十一年には〇・三月分減額勧告。この前年は、御答弁されたとおり、民間ボーナスはマイナス五・六五%の減、中小に限ってはマイナス七・四%。

 今回、〇・二月分の減額の凍結勧告ですから、この程度のことであれば十二月で吸収できたんでしょう、〇・二ぐらいであれば。こういう判断は働きませんでしたか。

谷政府特別補佐人 最終的にどの程度になるかということは、調査をしてみた上でのことでございました。かなりのものになる可能性があるという判断をして調査をしたわけでございます。

 それから、年間月数としてどの程度の月数を変更させるかということと、夏なら夏のボーナスの分だけでどれぐらい大きく減とするかということはあるわけでございまして、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、若干のものであれば年間で調整するということも許されると思うわけでございますが、基本的には、できる限り近接した時点で反映することが望ましいということでございます。

小川(淳)委員 いや、過去に、平成十一年に〇・三月分、平成十五年に〇・二五月分をやっていますからね。そこで私は何回も申し上げますが、合理的な説明が必要でしょうと申し上げているんです。

 ということは、こういうことでいいんですか、民間のボーナスがマイナス五%、六%、あるいは中小に限って言えば八%から九%近い落ち込みを過去に経験していますよ、今回は大企業を中心に、春闘ですから大企業中心でしょう、マイナス一三%、これは放置できない。中小のマイナス八%までは年間一括でできる。こういう御判断でいいんですか。二けたに乗ったら、これは人事院として捨ておけないという一つの前例を今回つくったということでいいんですか。

谷政府特別補佐人 判断できる時期における民間状況がどの程度だったかというその時々の状況というのは、例えば、今回、三月の十八日の集中回答日にいきなり大きな変化が出てきた、そういうものがまとめて出てこないで年間の間で見られるという状況の変化はまた別にあろうかと思います、年間としての調整月数と夏季だけに限っての必要な調整月数。今回は三月十八日の状況を見まして、従来では考えられなかったような大きな変化があると認めましたので、そのような判断を行いました。

 それからまた、今後のことでございますけれども、これは将来のことについて私は申し上げられませんが、ここで何%というものが出たから直ちに今後すべてそのパーセンテージで物事を決めていくというものではなくて、その時々の状況の判断と、そのときにそれを担当する人事官の考え方ということはあろうかと思います。

小川(淳)委員 もっともらしい御答弁ですが、これはある程度予見可能性を持たさないとだめなんですよ、人事院の機能、役割からいって。ということは、二けたの落ち込みになったらこれは踏み込みますというぐらいの予見可能性は、私は持たせた方がいいと思いますよ。

 関連してお尋ねします。

 昭和四十九年、四半期でGDPが一〇%以上落ち込むというのは過去一回きりしかありません。この四十九年のオイルショック、このときにも臨時勧告を行われた。二回しかありませんよ、今回とこの四十九年。

 総裁、これは、経済情勢なり賃金情勢なりどのように評価されているんですか、過去の四十九年と今回と。実質に踏み込んでどう評価されていますか。

谷政府特別補佐人 私どもは、経済情勢そのものを分析してどう評価するという能力もございませんし、そういう立場ではございません。

 ただ、四十九年との関係で申しますと、情勢適応の原則が、ある程度のときになりましたときには、精確さの事後措置よりもやはり適時の措置を講ずることの必要性というのは大きくなってくるだろうと思うわけでございまして、その際に、引き上げるときには臨時の勧告をするけれども引き下げるときにはしないということはおかしいわけでございまして、私は、引き上げるときの臨時の勧告もあるならば、引き下げるときの、ただ今回は引き下げではございませんで保留措置でございますけれども、そういう適時の対応措置ということも必要であろうと考えた次第でございます。

小川(淳)委員 いや、総裁、経済情勢の観察、分析、これは踏み込まないと勧告そのものが説得力を持たないじゃないですか。

 これは勧告の一ページ目に書かれているでしょう。ボーナスは、民間労使の妥結資料によると、製造業は前年比で大幅な減少、それ以外の一部産業ではほぼ前年並みとなると。業種分析されているじゃないですか。

 この背景にある経済環境をどう把握されているんですかとお尋ねしているんです。

谷政府特別補佐人 私どもは、しかし、この措置を決定いたしましたのは、それぞれの業界別、産業別に違う数字が出ておりますので、それを全従業員ベースに引き直すという形で、その異同といいますか、状況の変化を織り込んでおりますけれども、それがそれぞれの業界のどのような事情によってもたらされたものかということが直ちに勧告の内容に影響するものではないと考えております。

小川(淳)委員 いや、だから説得力が薄いんじゃないですかと申し上げているんですよ。

 昭和四十九年の第一・四半期の経済の落ち込みは、ほとんどは原油高に伴う内需です。今回、去年の第四・四半期は特にそうです、同じ一三%台の落ち込みですが、ほとんど外需です、輸出。恐らく、ことしの第一・四半期に関して言えば、国内の設備投資とか消費とか、内需関連が大分影響はしているんでしょう。しかし、基本的に、今回の景気の大幅な落ち込みは、もちろん去年の秋以降でありますが、世界的な景気後退の影響を受けた輸出の減がほとんどです、発端です。

 だからこそ、勧告の一ページ目でそれに触れられているわけでしょう。製造業では大幅減、それ以外ではほぼ前年並み。確かに、各企業別に見れば、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、自動車産業は大体二〇%から三〇%の減。電力に至ってはプラスもあるじゃないですか。本来、こういう状況をつぶさに把握した上で臨時勧告という大変重い切り札を切られるべきだと思いますよ。こういう大変まだらな状況下でいきなり一割減という言い方は、私はやや乱暴じゃないかと思います。

 福田委員も既に御指摘になられましたが、今回、そこの説得力を増す可能性があるのはこの四月の調査です。先ほど来、統計的に十分な数字だというような御答弁をされていますが、通常、一万一千社調査するんでしょう。今回、二千七百ですか。通常は、担当官の方が会社に出向かれて、直接状況を聴取されるんでしょう、事情をお聞きになられるんでしょう。今回は郵送だけとお聞きしましたよ。しかも、返ってきたのが三百だか四百だか。ほとんどの会社が決まっていないと言っている。

 これは一部の状況だけで判断した、大変粗っぽい、乱暴な勧告ではありませんか。いかがですか。

谷政府特別補佐人 三月十八日以降の状況を見まして調査をして、場合によっては何らかの措置を講ずる必要があると判断いたしました際に、やはり六月一日の基準日ということが念頭にございましたので、できる限り早急な調査を行う必要がある。しかし、その中でできる限り多くの調査対象を選択する必要があるという判断がございまして、そのぎりぎりのところで選んだわけでございます。

 それから、今回、通信調査ということもそういう制約の中のことでございまして、文書あるいは一部電話の督促等も含めた調査でございますが、例年行います調査に比べますと調査事項が極めて限られているわけでございまして、現場に出かけていって台帳に当たって調査をするというような調査とは性格を異にしまして、昨年の支給額と今年の妥結額との比較という調査でございましたので、通信調査でもある程度正確な数字を把握することができると考えた次第でございます。

小川(淳)委員 お聞きしたところによりますと、通常は五月から六月の中旬まで六週間かけて一万一千社。今回は、四月の七日から二十四日ですから、三週間かけて二千七百社。通常の調査の半分の期間で四分の一。しかも、郵便。

 これは、その気になればもっとやれたんじゃありませんか。

谷政府特別補佐人 今回は準備期間も調査期間も、先ほど申し上げましたように六月一日、それから、私どもが申し上げるのは大変僣越でございますけれども、国会における御検討の期間、これは私どもが勝手に考えるわけにはいきませんけれども、そういうことを考えますと、できる限り早期に結論を出すべきであるということで、私どもとしましては、ぎりぎりの調査をいたしました。

 その際の調査の方法、内容について、できる限り精確かつ簡潔な調査を心がけた結果がこういうことになっているわけでございます。

小川(淳)委員 いや、戦後二回しかない。伝家の宝刀を抜いたわけですから、より説得力を増す合理的な説明が必要ではないですかと先ほど来申し上げています。

 急ぐ急ぐとおっしゃったって、三週間の期間はとられたんです。通常の調査期間が六週間。繰り返しになりますが、半分の期間があったわけですから、例年と同じ体制で臨んでも半分はできるはずだ。しかも、郵便。これは、その気になれば全部できたんじゃありませんか。お尋ねします。

谷政府特別補佐人 例年の民調は、基本的な調査のシステムというのが何年にもわたって構築されておりまして、調査も地方の人事委員会の方々の多大な御協力をいただいて実施しております。

 今回は初めての調査でございまして、そういうシステムができ上がっておりませんし、また時期的にそういった御協力をいただくというシステムもございませんので人事院の職員だけで調査をする。それからもう一つは、調査項目が限られておりますので、通信調査でもできるというふうに考えてやったわけでございますので、従来とは調査の仕組みそのものが全く異なるわけでございます。

小川(淳)委員 こういう臨時異例の措置には、なおさらのこと強い説得力が必要だと私は思います。その点からの指摘は重ね重ね申し上げておきたいと思います。

 関連して、調査の対象企業でありますが、従業員三千人以上の大企業においては四百七十二社中四百七十二社を調査した、千人から三千人の企業においては一千四百社中二百七十、五百人から千人の会社は二千三百社中百五十、百人から五百人は一万六千社中一千百、百人未満の会社に至っては九千八百社中六百五十。

 これは大企業偏重の調査ではありませんか。

谷政府特別補佐人 確かに、企業別に区分いたしまして、抽出割合が大きく異なっているというのは御指摘のとおりでございます。

 この際考えましたのは、大企業においては妥結率が非常に高い、そして、小規模の企業においては妥結時期がかなりずれてまいりますので、調査を行いましてもなかなか大きな数が出てきません。もちろん、それであればなおさらそれなりにできるだけ多く拾うべきではないかという御指摘もあることはわかりますが、しかし、短期間の調査の中で効率よく調査をいたしますためには、調査対象の絶対数そのものも絞る必要がございますので、そういう形での調査をしたわけでございます。

 何度も繰り返し申し上げますけれども、今回の措置で最終決定をしているわけではございませんで、最終決定は従来どおり夏の勧告で行うということでございます。

小川(淳)委員 ということは、大企業に偏った調査だということはお認めいただけるということですね。

谷政府特別補佐人 大企業に偏った調査という表現をいたしますと、誤解を生むおそれもあると思うのでございますが、調査効率上、大きな企業の規模においては妥結率が非常に高く、従業員数も多うございますので、従業員数で考えました際には効率よくサンプルをとることができるということがあったからでございます。

小川(淳)委員 従業員数でとるとどうなるんですか。この大企業に偏った状況は緩和されるんですか。

谷政府特別補佐人 今ちょっと手元に正確な数字は持っておりません。完璧な調査ができるということではございません。今回のことは、あくまでも、もし捕捉できたとしても、従業員数としては二割にとどまるわけでございまして、まだその一部でございますから、一番の理由は妥結率が高いということでございます。

小川(淳)委員 先ほど御紹介しましたが、大体ボーナスが落ち込むときというのは、中小の方が二割から三割増しで落ち込んでいますよ、過去の例を見ますと。

 ということは、とにかく、繰り返しになるんですが、暫定的な措置だから大ざっぱな調査でいいんだとおっしゃるなら、これは八月にすればいいんですよ。暫定的な措置だから大ざっぱで許されるんだ、とれるところからとりましたというおっしゃり方そのものが、人事院勧告の信頼感とか品位をおとしめることにつながっていませんか。いかがですか。

谷政府特別補佐人 もし私の表現に不適切な点があったらおわびをいたしますが、暫定的な措置であるから調査内容が不正確であってもよい、あるいは、もっとひどい言葉を使えば、ずさんであってもよい、そんなことは全く考えておりません。時間的制約の中で、どの程度まで調査ができるかということでということを申し上げました。

 それからもう一つは、基本的に、精確さということを重んじまして十二月精算をいたしておりますけれども、このこと自体も、本来、考えてみればおかしなことでございます。できる限りその時々に合わせることができれば、それにこしたことはないわけでございます。

 しかし、調査の精確さということを申しますと、結局、十二月期で精算するしかないということで、今回も結果的に言うとそういうことになるわけでございますが、しかし、やはりその時々にできる限り近い数字でということと、公務部内の夏冬バランスということを考えてそういう措置をとったということでございまして、決して、暫定措置であるということを私は確かに強調いたしておりますが、であるから調査内容が不正確であっていいということを申し上げているつもりはございません。

小川(淳)委員 総裁の信念なり姿勢に関しては、私は、冒頭申し上げたとおり、ある種敬意の気持ちを持ちながらお聞きしています。しかし、いただきたいのは合理的な、具体的な説明です。

 今回、大企業を中心にとりました、そういう意味では暫定的な措置、あるいは速やかな決定のためにやむを得ない、そういうことをさんざんおっしゃってきたわけですから、この点については人事院として指摘されるすきを残したと思いますよ。

 そこで、先ほど来議論になっていますけれども、総裁が調査を決断されたのが三月の十八日前後だとおっしゃった。そして、その理由は、ボーナスの落ち込みが一三%、これがかなり異例のことだからとおっしゃいました。

 少し与党の先生方にも御関心の点だと思いますが、四月三十日の日経新聞の夕刊、公務員のボーナスが政局の渦中に置かれているということが報じられています。この記事を総裁はお読みになられたかどうか。それから、「人事院と公務員給与を所管する総務省は今年一月ごろから、与党議員と水面下で調整を始めた。」内閣人事局の設置に揺れていた人事院の当時の状況を反映して、「人勧制度の根幹を守るためにも「存在意義を見せつけないといけない」(幹部)と躍起だった」という報道がありますが、総裁、この報道に関して、御一読されたかどうか、中に書かれていることは事実かどうか、お尋ねしたいと思います。

谷政府特別補佐人 それにお答えをいたします前に、私が決断いたしましたのは、集中回答日の数日後ということを申し上げました。これは、私個人としてそう考えた時期でございまして、人事院としての決定というのはそのもう少し後になるわけでございます。

 それから、その日経新聞でございますが、正確に覚えておりませんけれども、私はそれを読みました。どのような根拠に基づいてこのような記事をお書きになったのか。一流、大変重要な新聞であるわけでございます。しかし、残念ながら、現下の公務の状況を見ますと非常にわかりやすい説明になっている、そのことについては私ども公務全体がやはり反省する必要がある。しかし、それは全く事実に反する。

 しかし、それを抗議するというようなことをやっていましても、結局証明することもできませんし、その手の記事は、大変失礼でありますけれども、いっぱい散見されると言っては言葉は適当ではありませんが、あちこちにあるわけでございますので、私は、非常に残念な思いはいたしましたけれども、その記事はそのままにいたしました。

小川(淳)委員 大変御見識ある御答弁だとは思いますが、世の中一般から、特に私どもの立場から申し上げても、一方にこういう見方というのはあり得るわけです。

 現に、今葉梨委員がおられますけれども、これは五月七日の予算委員会ですか、あるいは四月の十四日、与党のプロジェクトチームが立ち上がったのは二月の十二日だそうですね、第二回の会合は三月の四日で経団連からヒアリングを行った、公明党と協議に入った、四月の二日から減額に向けて政府に求める方針を固めた等々の経過があるようですが、四月の十四日の総務委員会での質疑、これは総裁も御記憶だと思いますが、六月の一日の基準日に間に合わせろという趣旨の質疑が行われております。

 葉梨委員の表現を引かせていただきますが、「もし間に合わなかったときのことを考えますと、私どもとしては議員立法というのをしっかりと用意させていただこうというふうに思っているわけです」、これは大変な御決意でしょうし、場合によっては圧力ともとられかねない。「今の人事院の制度、人事・恩給局の制度では対応できない、恒常的に議員立法を出さざるを得ない」、そんなことになれば、「人事院も人事・恩給局も半分ぐらい定数を削減してもいいんじゃないかという議論が当然出てくる」。「そのことも念頭に置いてしっかりと判断をしていただく」「ちゃんと出せなかったら定数は大幅削減というぐらいのつもりでやっていただきたい」。

 総裁、どう受けとめられましたか、この質疑。

谷政府特別補佐人 これは総務委員会という極めて公の場での御議論でございまして、当然、圧力であるとかないとかということではなくて、国会という国権の最高機関の場での御議論でございまして、それぞれのお立場でお考えを述べられたんだと思います。

 確かに、私どもとして、定員が削減されますことは事務の遂行上支障を来すわけでございますけれども、先ほども御答弁しましたように、そのことをもって私どものあり方を判断していくべきものではない。そういう判断をすべきでないということが、現下の公務の部門における最大の改善策であると私は考えております。

小川(淳)委員 当然、それぞれにさまざまなお立場なりお考えがあるのはそのとおりだと思いますが、まさに逆サイドから人事院の存在意義が問われかねない今回の事態だと私は思います。やはり、戦後たった二回しかないこの伝家の宝刀を抜いたわけですから、相当な説得力なり客観情勢をもって御説明をされる責任が総裁にはある。

 それが仮に不十分となれば、国家公務員、郵政の方々が切り離されましたから一般職は三十万人ぐらいですか、防衛職が三十万で六十万、ひいては三百万人の地方公務員、こういう方々の処遇をいわば一手に預かっておられるわけです。

 人事院は、労働基本権制約の代償措置だと言われている。中立公正なんてよく言いますが、私は違うと思いますよ。労働組合を結成して、団体交渉をして、その締結権を行っていく、そちらの利害を反映しているんだ、人事院というのは。労働基本権がきちんと公務員に認められたときには、その存在意義はまさに根底からなくなる。労働基本権の実現をする代償機関なんです。

 そういう観点に立った日ごろの御説明のされ方なり、あるいは材料の集め方なりが非常に重要だと私は思います。

 この削減あるいは凍結、削減と言ってはだめですね、凍結そのものは、私は必要なことだと思いますし、また、国会議員一同が先頭を切ってやるべきだと思います。

 ただ、福田委員もおっしゃいました、こういう多くの働いている方々のお一人お一人は力がないわけです。こういう方々の働きぶりなり暮らしぶりなりを人質にとった形で、場合によっては選挙目当ての人気取り政策という形で人質にとられることだけは、人事院は体を張って本当に阻止してもらわないと困るわけですね、そういう理解だとすれば。そのことは重ね重ね申し上げたいと思います。

 ちょっと肩の力を抜いて、人事院総裁と倉田副大臣にお尋ねしたいんですが、日本の公務員の給与は高いですか、そうでもないですか。副大臣、国会議員の歳費は高いですか、そうでもないですか。それぞれ御見識をいただきたいと思います。

    〔委員長退席、森山(裕)委員長代理着席〕

谷政府特別補佐人 公務員給与は、民間企業と違いまして、これを決定する要素というのはないわけでございまして、決定することは非常に難しい。したがって、市場の原理その他で合理的に決定されます民間給与を反映させて決定していくというのが法律で定められた基本原則でございまして、それに従いまして私どもに使命が与えられております。

 毎年精確な調査を行いまして、民間給与のいわば平均値を勧告させていただいておるわけでございますので、そういう意味では、私は適正な給与であると考えております。

倉田副大臣 これは私が総務副大臣として聞かれているわけではないと考えてよろしいんでしょうかね。

 議員として、国会議員の給与が高いか否かということですが、私が十年近く前に国会へ出てくるのに、国会議員になってお給料がもらえるとかもらえないとかいうことは実は考えておりませんでした。平成十二年六月末に当選したものですから、当選後間もなくボーナスも出ました。私のところはそれまでずっと弁護士の事務所をやっておりまして、ボーナスの時期には必ず私どもの懐はへこむわけです、払いますから。そう考えておったところが、国会議員になりましたら、議員としてのボーナスがもらえた。あら、すごいものねというのが家内の言葉でございました。

 そういうことで、少なくとも国会議員は、まずは奉仕の気持ちが第一だと私は考えてきておりますので、ただいまいただいているお給料で十分だと考えております。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

 それぞれの信条から御答弁いただいたわけですが、私も一人の国会議員としてちょっと見識だけ申し上げさせていただいて、質疑を終わりたいと思います。

 公務員の人件費は、例えば諸外国、OECDなんかの統計でいきますと、経済規模に応じても、あるいは政府支出に応じても、日本の場合、決して高くはありません。しかし、特殊法人、あるいは天下り団体、こういうものは総合して考えないといけないでしょう。

 それから、人事院が、この二十年来、二十年来と総裁が盛んに強調されています。確かに、二十年前に日本経済は天井を打ったんでしょうね。それからの比較を、各省の皆さんの御協力をいただいて数字をいただきましたので、ちょっと参考までに聞いてください。

 平成二年から平成二十年までの約二十年で見ますと、GDPは二〇%増、民間給与は一八%増、国家公務員の給与は一四%増です。この二十年で、経済が二割、民間給与が一八%、国家公務員の給与が一四%伸びているんですね。しかし、問題なのは、税収は、例えば二年と二十年で見ますと、二四%の減です。これは借金をしながらやりくりしてきたんでしょう。こういう状況にあるということをひとつ御認識いただきたい。

 そして、国会議員について申し上げます。副大臣、私は、国会議員の歳費は半分でいいと思っているんです。ちなみに、御紹介します。アメリカの上院議員一千五百万、イギリスの下院議員八百万、ドイツの連邦議会議員一千万、フランスの両院の議員一千万。ざっとこんなものですよ、国会議員の歳費なんというものは。しかし、その分、数億の例えば事務所の手当、あるいは通信費等々を準備している国も多々あります。

 これは私の一つの見識でありますが、個人的な歳費なんてそんなに多くなくていい。しかし一方で、今、不透明ないろいろな政治資金の問題も盛んに議論になっていますが、必要経費については当然必要だろうという立場でありまして、今般の国家公務員のボーナスの削減についても、こういった全般の議論といろいろと絡め合わせながら議論しなければ局所的な議論に終わってしまう、このことを申し上げ、質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

森山(裕)委員長代理 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。

 人事院の異例の勧告について、質問をいたします。

 最初に、人勧の手続、ルールについて確認をさせていただきますが、国家公務員の特別給は、毎年五月から実施をされます職種別民間給与実態調査において、前年の八月からその年の七月までの一年間に民間で支払われた特別給の実績を精確に把握し、官民較差を算出した上で、八月に人事院が勧告を行ってまいりました。

 これまでも、景気の影響で民間の夏季一時金が削減された場合には十二月の特別給で調整をしてきた、このようなことになっていると思いますが、これでよろしいですね。

    〔森山(裕)委員長代理退席、委員長着席〕

吉田政府参考人 お答えを申し上げます。

 通常の勧告の枠組みは、先生御指摘のとおりでございます。

塩川委員 通常のルールは今のとおりだと確認をいたしました。

 ことし六月の特別給は昨年の人事院勧告で既に決まっているものであるにもかかわらず、今回突然四月に臨時調査を行って特別給を削減するという勧告は、これまでのルールを変更するものであり、こういうやり方はおかしいと率直に思いますが、総裁、この点についてお答えいただけますか。

谷政府特別補佐人 ことしも、基本的には従来どおりで最終的な決定をするという方針に変わりはございません。

 ただ、三月十八日の民間の集中回答日以降の状況を見ますと、例年にない状況がうかがわれましたので、できる限りの調査をいたしました上で何らかの措置を講ずるべきかどうかを判断しようと思いまして、調査をいたしました。

 その結果、非常に大きく落ち込むという傾向が認められましたが、その段階ではまだ二割の従業員割合しか決定対象となっておりませんので、正式の勧告までの間、これをいわば保留する、凍結と申しておりますけれども、そういう措置を講じまして、最終的に従来どおりの方法で調整しようということを考えた次第でございます。

塩川委員 大きく落ち込んでいる傾向ということで、これが正確な一時金の額ではないということは今お認めになったわけで、この調査の内容についてはこの後質疑をいたしますけれども、本来、もし下がるのであれば年末において調整をする、そういうルールでこれまで行ってきているわけですし、夏の一時金の額については、当然公務員の皆さんもそれを織り込んだ支出、消費の計画などを立てておられる。中には、今の地デジの問題がありますから、地デジのテレビを、夏のボーナスで一括払いをするというようなことを予定して支出をされる方なんかもいらっしゃるわけで、そういう公務員の期待を損なうものとなっているという点でも極めて重大であります。

 一方的なルール変更による勧告は認められないとまず最初に申し上げて、この勧告の正確性にも疑問があるということを申し上げたい。

 通常の職種別民間給与の実態調査と今回の特別調査の違いについて何点かお聞きしますが、いわば本調査においては何社を調査対象にし、今回の特別調査では何社を調査対象にしたのか。それぞれ調査方法はどのような形で行われたのか。この点について、まずお聞かせください。

吉田政府参考人 お答えを申し上げます。

 例年の職種別民間給与実態調査では、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の事業所のうち、全国で約一万一千事業所を抽出いたしまして、実地調査により行っております。

 一方、今回の特別調査におきましては、この職種別民間給与実態調査の対象企業、すなわち、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の企業から抽出した二千七百社を対象に、通信調査の方法により行っております。

塩川委員 通信調査を行った二千七百社に対して、いわばアンケートですけれども、回答が何社で、そのうち夏季一時金を決めたとする企業は何社、どのぐらいの割合だったのかについてお答えください。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 回答いただいた企業は二千十七社でございまして、調査完了率は七五・六%になっております。また、この集計企業のうち、夏季一時金を決定している、いわゆる妥結済み企業は三百四十社、企業数の割合で申しますと一三・五%でございますが、これを従業員割合で見ますと、全体の一九・七%になっております。

塩川委員 今回の特別調査は、本調査に比べてサンプルそのものも五分の一と極めて少ないわけですし、また、実地調査、面接の調査ではなくて、郵送による書面、あるいは電話などでの確認の通信調査ということであります。しかも、実際に一時金を決定しているのは、企業数でいえば一割程度にすぎないわけで、大半が一時金について決まってもいない。決まっているところも、実際には当然払われておりません。

 ことしの夏の一時金についての実態調査と言うには、これは余りにもずさんな調査ではありませんか。総裁、この点についてのお考えをお聞かせください。

谷政府特別補佐人 調査自体はずさんというものではなくて、それなりに精確な調査をいたしたわけでございますが、しかし、全体状況を精確に反映しているかと申しますと、そうはなりません。妥結額と実支給額とにはそう大きな差はないと思いますけれども、二割の従業員しかカバーしていないという点はそのとおりでございます。そういう意味で、今回の措置はあくまでも暫定的な措置として行うことを考えたわけでございます。

 それから、これまでも確かに十二月で精算してということではございますけれども、調査対象といたしましては、従来は前年の夏、冬を調査いたしておりましたが、数年前に前年の冬とことしの夏というふうに、できる限り調査内容をその時々に近い時点で反映させるような努力というのはしてきておるところでございます。

塩川委員 人事院の報告自身でも、みずから「データ確保の精確性等の不確定要素がある。」と述べているとおりでありまして、いわば決まってもいない、実際支払ってもいないという一時金についての今回のような調査で引き下げを決めて行うというやり方そのものが極めて乱暴だということを言わざるを得ません。

 それが、単に国家公務員だけではなくて、他の労働者の一時金にも影響を与えかねないということもあわせて極めて重大であります。人事院自身も不正確と認める今回の調査結果が、関連労働者の一時金にもマイナスの影響を与えることになりかねません。

 そこで、人事院にお聞きします。人事院の勧告が他の労働者に影響を与える、その人数についてお聞かせいただきたいんですが、国家公務員を含め、地方公務員やその他の労働者について、どのような分野、職種の労働者にどのくらいの人数の影響が人勧において生まれるのか、この点について数字をお示しください。

吉田政府参考人 過去において行ったものと同様の方法によりまして大まかに試算したところでは、公務組織で約三百六十万人、このうち国家公務員は約六十万人、それから地方公務員が約三百万人になります。このほか、独立行政法人、国立大学法人等で約八十万人、それから学校、病院等で約百四十万人というふうになっております。

塩川委員 合計すると約五百八十万、六百万人近い影響が出てくるわけであります。

 この場合に、学校、病院等で約百四十万人ということですが、私立の学校や民営の病院あるいは社会福祉施設等ということでお聞きしておりますけれども、ここはいわゆる営利企業は含まないという中身ということでよろしいんでしょうか。こういういわゆる民間が影響を受けるというのは、どういう理由なんでしょうか。以上二点、お聞かせください。

吉田政府参考人 今御説明いたしました学校、病院と申しましたのは、私立学校、学校法人であったり、民間病院、医療法人であったり、社会福祉施設等の社会福祉法人でありまして、いわゆる民間企業というものは含まれていないと考えております。

塩川委員 この学校、病院等で百四十万人が影響を受けるというのは、どういう理由でここにそういう数字を盛り込んでいるのか、その点を聞かせてもらえますか。

吉田政府参考人 正確に、この範囲でこういうことがあるということを確証を持って申し上げている数字ではございませんが、一般に、病院あるいは学校といいますのは、職種において公務員に準拠する職種、つまり、学校の先生であるとか、医療関係の労働者、お医者さんを含めまして看護婦あるいは薬剤師さんとか、そういった方々の賃金、従来、公務員の賃金がいわば目安になって決まってきたという歴史的なといいましょうか、そういったことがあるものですから、影響が非常に濃い。

 あるいは、社会福祉法人等におきましては、補助金等が公務員給与をベースに算定されていた時期もあった。現在どうなっているか、私、正確には存じませんが、そういう意味で、公務員給与がダイレクトにそのまま適用されているというものではございませんが、非常に歴史的に関係が深い。そういうふうに理解しております。

塩川委員 俸給表などもそのまま使っているような法人もあるというふうにお聞きしていますけれども、いずれにせよ、その六百万人近い労働者に人勧が影響を及ぼすということになりますと、一時金の引き下げというのもこういう形で六百万人に大きく影響を与えることになるということも極めて重大であります。このこと自身、人事院は認めているわけです。

 そこで、総裁に質問いたしますが、今述べたような公務組織や独立行政法人、国立大学法人、民間の法人以外のいわゆる民間企業においても、人勧を念頭に置いて、参照して給与あるいは一時金などを決めている企業は少なからずあると承知をしておりますけれども、人事院の勧告が民間企業の給与や一時金に影響を与えるものとなっているということは総裁もお認めになりますか。

谷政府特別補佐人 私どもの勧告いたしました内容あるいは取り扱っております内容が多くの方々に何らかの影響を与える、それは二つあると思います。一つは制度について。これはかなり影響を与える可能性もあると思います。それから、この給与ベースのようなものでございます。後者のものについて、どの範囲にどの程度の影響があるかどうかということについて私はつまびらかにはいたしませんけれども、御指摘のように、何がしかの影響はあり得る、それはそのとおりかと思います。

 しかし、法律で、国家公務員について情勢適応の原則に基づいて民間の情勢に合わせていくということを基本として私どもの役割が定められておるわけでございまして、私どもといたしますと、その法律に定められました役割、使命を果たしていくということは避けられないわけでございます。

 ただ、できる限りはそういう意味で今回の措置につきましても私どもの考え方を御理解いただけるように、今回はカットではなくて凍結措置であって、最終的には民間の方々全体の状況を把握した上で夏の勧告で措置をさせていただきますということもあわせてはっきり言明をさせていただきました。

 しかし、世の中一般の受けとめ方が、どのように受けとめられるかということも確かにあるわけでございますので、その点について御指摘のようなことがないということは言えないわけでございますが、私どもといたしましては、私どもの責めを果たしますために、できる限りのことを考えて措置をしてきたつもりでございます。

塩川委員 給与ベースなどについて何がしかの影響はあり得るという御答弁でした。

 人事院の今回の特別調査でも、実際に一時金を決定している企業でいえば一割程度であります。中小の春闘は終わっておりません。そういったときに、今回の人勧による一時金の削減が民間の労使交渉において労働者の一時金にマイナスの影響を与えるということは当然お考えになることではないかなと思うんです。

 今回の人勧というのが民間の労使交渉の一時金の決定においてマイナスの影響を与えるのではないかということについては、当然認識をされておられますね。

谷政府特別補佐人 その分野の専門家ではございませんので正確には申し上げられませんが、しかし、基本的には、民間は民間の個々の企業の状況によって対応される、特にボーナスについては個々の企業の業績によって対応される。ですから、同じ業種のところでも違いが出てくる。

 公務員の場合にはそういうものはございませんので、全体の平均値で見ていくということでございますので、ボーナスにつきまして、公務の部門の影響がどの程度出るかということについては、私は何とも申し上げられません。ないということを断言することもできないわけでございますけれども、民間はそれぞれの企業の経営状況ということを第一にお考えになる。

 それから、この言い方は先ほど私が申し上げたことと矛盾いたします、私は公務員の給与は適正な給与だと考えておりますけれども、公務員の給与は高いというふうに受けとめられているところがあるとすれば、そういうところが、高いところが下がったから低いところも下げるということにはならないんじゃないかというふうに思います。

 しかし、御指摘のような影響がないとは言えませんので、私どもとしましては、今回の措置は、民間全体の状況を見た上で決めたいという措置であるということをはっきり申し上げて、措置を決めた次第でございます。

塩川委員 今回の人勧の措置は暫定的な措置だと、凍結ということで示しているんだということなんですけれども、では、民間のボーナスが引き下げられているときに、民間の一時金の決定において人勧の影響はあり得るとお認めになったわけですから、そういった形で、もし民間で一時金を決めたとした際に、その一時金のカットというのは凍結となるんですか。

谷政府特別補佐人 私どもが決めました措置は、民間の状況を見なければならないからという必要性に基づいて、凍結でございますが、民間はそれぞれの企業の御判断で決定できるものでございますので、それぞれの企業の経営状況その他に応じて恐らく決定をされるであろう、そういうふうに一般的には推測いたします。

塩川委員 労働組合のないような中小の職場においては人勧を賃金相場の参考としているような事例もあるわけで、今回のようなずさんな調査による一時金の引き下げというのが民間の一時金引き下げの口実に使われるということになれば極めて重大であるわけです。そういう点でも、今回のいわばずさんな調査がこういう形で民間に悪い影響を与えていく、民間準拠と言いながら、結果として人勧がまた民間にマイナスの影響を与えるようなことになるという点では、極めて深刻な事態につながります。

 あわせて、経済への悪影響ということも考えなければなりません。

 財務省に聞きますが、人勧を踏まえて夏季一時金を〇・二月分削減した場合の影響額について、国家公務員及び地方公務員でどのぐらいになるのかをお聞かせください。

木下政府参考人 お答えいたします。

 今回の夏季ボーナスの支給月数の暫定的な引き下げが人事院勧告どおりに措置された場合の影響額は、国については七百四十億円程度と見込まれます。また、地方について仮に人事院勧告に準じた措置を行うこととした場合の影響額は千九百四十億円程度と見込まれます。

塩川委員 合わせて二千七百億円に上るわけで、実際に六百万人に影響を与えるとすれば、その額はさらに広がるわけですし、さらにそれ以外の民間企業への影響を考えれば、今のこのGDPの戦後最大規模という落ち込みのときに、こういった人事院の対応に基づく今回の政府の給与法というのが、経済に対し大きなマイナスの影響を及ぼさざるを得ないという点でも、やっていることが極めてちぐはぐな対応になっているという点でも、極めて重大であります。

 今回のこの人勧の背景には与党の動きがあるわけで、与党は、ことし二月に国家公務員の給与の検討に関するプロジェクトチームを立ち上げて、四月初めに夏季一時金を減額する方針を決定しました。人事院の対応はこの与党の動きに追随するもので、いわば今回の人勧は与党の圧力に屈したものと言わざるを得ません。

 労働基本権制約の代償措置としての人事院の中立公平な第三者機関の立場を投げ捨てるものだということを厳しく指摘して、時間が参りましたので、質問を終わります。

赤松委員長 次に、重野安正君。

重野委員 社会民主党の重野安正です。

 きょうのテーマは人事院勧告についてであります。

 まず、なぜこの時期に特別調査を行い、異例とも言える人事院勧告を出したのか。

 先ほど来、同様なお話がございました。私も、どうしても、こういうことになったのは政治的な圧力があったんだなというふうにしか思えません。与党の国家公務員の給与の検討に関するプロジェクトチームでの合意を受けて、間髪入れず人事院が調査を行うことを発表しました。自来、調査が行われて、今回の勧告へと流れていくのでありますが、明らかに与党のその動きに人事院が呼応して、そして今回の勧告に至った、こういうふうにしか思えないのであります。

 先ほど来、同様の趣旨の質問がありましたけれども、その点について、まず総裁の答弁をお願いいたします。

谷政府特別補佐人 まず最初に、同じような時期に起きる事柄でございますので、結果的には同じような並行した動きがあったということはあるかもしれませんけれども、私どもの判断は決して他から言われてやったということではございませんで、人事院として責任を持って判断したものであるということを申し上げておきたいと思います。

 では、なぜそのような判断に至ったかということでございますけれども、本年三月十八日の民間春季賃金改定の集中回答日以降明らかとなりました民間の夏季一時金の決定状況を見ますと、過去二十年以上にわたって見られないほどの大幅なマイナスとなる傾向がうかがえました。極めて異例な事態であると考えましたことから、夏季一時金の決定状況を早期に把握する必要があると考えまして、直ちに準備を始めまして、四月に入って緊急に特別調査を実施いたしました。

 その結果を見ますと、対前年比で大きく減少しておりまして、であれば、できる限り迅速に給与の民間均衡を図ることや、それからまた、公務部内におきましても、十二月の特別給の中でこの大きな変化を吸収させるということは部内の扱いとしても必ずしも適当でないという観点から、本年六月期の特別給の手当につきまして何らかの抑制的な措置を講ずるということが妥当であると考えました。

 ただ、現時点ではその全体状況を精確に把握できるわけではございません。今後変化する可能性があるわけでございますので、今回は、夏の勧告を行いますまでの暫定的な措置として「支給月数の一部を凍結する」という言葉を使いましたけれども、いわば保留する措置が適当と考えて、その旨の勧告をさせていただいたわけでございます。

 したがいまして、今回の特例措置の勧告は、公務員給与について国民の皆さんの強い関心が高まる中で、社会一般の情勢に適応するよう随時に給与を変更することに関して怠ることなく勧告する責務を負っております中立第三者機関といたしまして、責任を持ってみずから判断したということを申し上げておきたいと思います。

重野委員 通常ですと、五月から調査に入って、そして勧告へと行くわけですね。

 四月十四日の総務委員会で鳩山総務大臣が、人事院勧告というと夏とばかり思っております、それが常識なんですが、考えてみればいつでも出せるわけでありましょう、こういう答弁をしているんです。この答弁にも言われているように、人事院勧告という常識がやはりあるわけです。

 今、総裁の答弁でも、時期から見ても二カ月ぐらいの時間差があるわけで、私は、そのことがそれほど大きな意味を持つ時間ではない、こう思うんですね。しかも、民間のボーナス闘争も、まだ決まっておるところの方が少ないのであって、中小民間は今その交渉が進められている、そういう時間帯というものも当然考慮しなければならないと思うんです。そういうことを考えますと、今回のこの勧告を私たちは正常にとらえることはできない。

 今回、既に妥結している民間の一時金を見ますと、その結果は非常に偏っているんです。製造業、特に輸出関連企業においては大幅な減になっておりますが、内需関連の企業ではそれほどでもないんですね、特に建設、通信、電力等々、公共性の強い産業での回答状況は前年比プラスで動いている、こういう現実もあるわけです。人事院自身もこの報告の中で、「抽出された企業の業種によって全体の調査結果が」「左右されるおそれがある」などと述べております。

 そこで、不十分で正確性に疑問がつく調査とみずから認めながら、それに基づいて勧告を出すということは一体どういうことなのか。そうあたふたと勧告を出さなければならなかったという、どう考えてもやはり与党からの圧力というか意向というものが強く影響しているんじゃないか、このように考えるのが至極当然だと思うんですが、その点について、くどいようですが、総裁の見解をお聞かせください。

谷政府特別補佐人 重ねてお答え申し上げますけれども、与党からのいわゆる圧力によって今回の措置を決定したという事実は全くございません。

 ただ、私申し上げましたように、今回の民間の状況を見ますと、やはり従来にない状況が見られますので、何らかの措置を講ずる必要があるかどうかということは早急に把握する必要があるということで特別調査を行ったわけでございます。

 そして、その特別調査の結果に基づきまして、ただ、御指摘もございましたように、まだ従業員にして二割でございますから、今後変化する可能性もあるわけでございます。正式な調査をどうせ行うわけでございますから、その結果を待つまでの間、暫定的な措置を講ずるということが適当であると考えました。そして、そのことも含めて明らかにさせていただいたわけでございます。

 従来、十二月期で調整しておるわけでございますけれども、これが本来的な措置であるわけでもないわけでございまして、やはり夏には夏のボーナスの意味があり、冬には冬のボーナスの意味があるわけでございますけれども、しかし、民間の状況を精確にということになりますと、どうしても十二月で調整するしかない。

 ただ、それは、ある程度の範囲内の変化であれば許されると思うのでございますけれども、大きな変化になりました場合には別途の措置を講ずる必要もあるのではないかというのが今回の判断でございました。

重野委員 人事院が出している資料を見ますと、九九年以降、毎年のように平均年間給与が削減されてきました。その額は、昨年度までの十年間で四十六万円に上るわけです。十年間で年間給与が上昇したのは二〇〇七年度だけなんですね。〇四、〇六、〇八は増減がないとなっていますけれども、よく見ると、〇四は寒冷地手当の引き下げで、最大で九万円を超える減額が行われました。〇六、〇八年でも給与の構造改革が行われております。したがって、十年間で平均年間給与が上がったのは一度だけ、こういうことになるわけです。

 そこで、今回の勧告で凍結される金額は一人平均幾らになるのかということと、先ほども質問がありましたけれども、総額で、国、地方でどれほどの額になるのかということが一点。

 二点目は、夏の正規の調査で今回の勧告によって凍結された額より少ない場合、その差額はどうなるんですかということ。

 三点目。六月に支払われるべき夏季一時金がおくれて支払われることになるわけです。そうすると、例えば税金とか社会保険料というふうなものを滞納することになる場合、普通だったら延滞金がつくわけでありますが、今回の場合、これは人事院の勧告によってそういう事態に立ち至るわけですから、それに対する措置というものも当然考えているんでしょう、このように思うんです。

 以上三点についてお伺いをいたします。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 まず、今回の〇・二カ月分の凍結でどの程度の額になるかということでございますが、行政職(一)の賞与ということで見ますと、一人当たり約八万円の凍結額というふうになると試算しております。

 それから、八月の勧告で、つまり、これから行います職種別民間給与実態調査で過去一年分の支給額を調査した結果を踏まえて八月に行う勧告において、マイナス幅が〇・二月未満であった場合、どのような処理にするのかという御質問でございます。

 今回は、民間の調査結果を踏まえまして、暫定的な措置として下げ過ぎることのないように凍結幅についても一定の余裕を見たところでございますが、仮にそのような事態が生じました場合には、原則的には、本年十二月期の期末手当あるいは勤勉手当として、その差額分を本来十二月期として現在予定されております二・三五月にプラスして月数を乗せた形にするような勧告をするということが考えられますが、いずれにいたしましても、官民比較の結果、どこへ配分したらいいかということを来るべき勧告の中で検討することになるものと考えております。

 さらに、そういう措置をとった場合に、利息等の問題は生じないのか、こういう御質問でございますが、繰り返しになりますけれども、今回の特別措置と申しますのは、暫定的な措置として、六月分の期末・勤勉手当の支給月数の一部を支給する前の段階で凍結するものでございますので、この凍結分に相当する支給割合の期末・勤勉手当の取り扱いについては、本年夏の勧告で措置することによってその中身自体も具体化するものでございます。

 したがいまして、六月期の期末・勤勉手当の基準日、六月一日時点においては、凍結分に相当する支給割合の期末・勤勉手当について、まだ債権が具体的に確定しているということではございませんので、その部分について利息が生ずるとかあるいは税金が生ずるとか、そういうことはないというふうに考えております。

 なお、例えば月例給につきましても、四月の官民較差の結果を踏まえて夏に勧告をして、それを受けて給与法の改正があって、引き上げの場合には差額支給ということになるわけですが、四月にさかのぼって支給する場合に、それに利息をつけるというような扱いはこれまでもされてこなかったというふうに理解しております。

村木政府参考人 今回のボーナスの支給月数が引き下げられた場合の支給総額のお答えでございますが、これは先ほど財務省からお答えがあったとおりでございますが、国におきましては七百四十億円程度、それから、地方について仮に人事院勧告に準じた措置を行うこととした場合の影響額は千九百四十億円程度と見込まれております。

重野委員 次に、先ほど来私は繰り返し言っておるんですが、今回の人事院のこの異例の勧告はやはり問題があると言わなければなりません。

 というのは、人事院は地方公務員給与のプライスリーダー的な位置にあると思うんですね。基本的に、労働基本権という点から考えますと、団体交渉によって決めるというのが本来的な姿でありますが、同時に、現段階における決まりの中で人事院勧告というものの持つ意味というのはやはり大きいんです。

 地方の人事委員会というのは、人事院の勧告を見ながら動くんですね。ところが、今回こんな、我々から見ればおきて破りをやる。早速、地方においては右に倣えで一時金削減に動くという動きも見られるわけです。総務省も各自治体人事委員会に、今回の特別調査を受けて適切な対応をとるようにという文書を四月六日に発出しているわけです。

 地方では、財政難を理由に独自の賃金、一時金カットを行っているところがあるわけですね。総務省も認めていますが、支給月数を減じている十三道県が、現にそういうふうなことをやっている。そんなことが今後次から次に出てくる可能性もなきにしもあらず、これが客観的な状況です。

 そういう意味では、今回のこのマイナス勧告が地方に影響を及ぼし始めているんだという点について、人事院の見解を聞いておきたい。

谷政府特別補佐人 実態の問題といたしまして地方自治体に勤務される公務員の方々の給与にも影響を及ぼすということは、私どももわかります。

 しかし、基本的に申しますと、地方の取り扱いについてはそれぞれの地方自治体の御判断で決定されるべきものであり、また、私どもは、国家公務員について情勢適応の原則に基づいて勧告その他の措置を行うようにということを法律で義務づけられております。

 しかし、私どもも実態としてそうなっておりますということは承知をいたしておりますので、できる限り御判断の助けとなりますように、例えば、今回の調査の段階から、調査の方法等につきまして地方公共団体にも情報提供は行わせていただきました。それから、勧告を行いました五月一日にも説明会を行いまして、勧告に至った経緯や考え方等についても詳しく御説明をさせていただきました。

 そういう意味では、私どもとして、御判断の助けとなりますようなことについてはできる限りの協力はさせていただきましたけれども、基本的に、地方の御判断は地方の責任においてなされるべきものであるというふうに考えております。

重野委員 私はやはり、この国の賃金の決定プロセスというか、官と民が相互に影響し合いながら給与は決まっていくんだろうと思うんですね。

 昨日の新聞で、「マイナス成長への寄与度で内需が外需を上回った」「一五・二%減」という大きな新聞記事がございました。「雇用情勢の悪化を通じて個人消費まで落ち込む「内需の総崩れ」」というふうな表現がされておりました。企業のリストラによって、いわゆる雇用、所得の環境が非常に悪化した、GDPの五割はいわゆる個人消費が占めているんだ、そういうふうな書き方なんですね。いわゆる個人の消費意欲を高めていくという点を考えれば、これは個人の懐ぐあいと密接不可分の関係にある。

 私が懸念するのは、こういう人事院の勧告を横にらみしながら、民間が同様にマイナスに振れていく、また来年の勧告ではそのマイナスに振れた民間の状況を横にらみしながら人事院勧告をしていくという負の循環が始まっているんじゃないか。

 この間、人事院勧告は、先ほど冒頭に申し上げましたように、公務員にとっては本当にプラスの勧告というのはもう見つけるのが難しいぐらいの形で推移してきました。それが今日のこの国の賃金の状況になっているというふうに見たときに、単にこれは公務員だけの問題ではなしに、その及ぼす影響というのは非常に底の深いものがあるんだという政治的な意味、あるいは経済的な影響力、そんなものを考えたときに、私は、今回の人事院の勧告が、いわゆる常識を破って、慌てふためいてと言ったら語弊がありますけれども、そういうふうな形でマイナス勧告をするということの持つ意味は非常に大きい。この国の経済全体を考えてみるときにも、その点は指摘せざるを得ない。

 人事院の勧告というのは、単に公務員の給与を決定するということだけではなしに、そういう意味があるんだということを、やはり人事院としてもしっかり認識をしなければならぬと思うんですね。その点について、人事院総裁、もう一度見解をお聞かせください。

谷政府特別補佐人 公務組織も非常に大きな組織でございますから、実態としてそのように相互に影響をし合うような関係にあるという御指摘は、そのようなことは確かにあるかもしれないと私どもも思います。

 しかし、やはりこの国は民が主でございまして、公務はそれに追随してそのあり方、処遇を考えていくという仕組みでございまして、そのために私ども人事院も存在しております。

 御指摘のことは、実態としては私どももわかるわけでございますが、それを考えますと、現行制度の基本、私どもの立場そのものが非常にあいまいなものになってしまうわけでございまして、私どもにはそのような判断をするという立場は与えられておりません。それは、まさに国権の最高機関でありますこの国会の御判断であろうかと思っております。

重野委員 そうであるならば、労働基本権制約下での代償措置としてある以上は、私は、人事院はルールを守るべきだ、このように思います。

 民間の前年八月から一年間を調査して勧告するというのがこれまでのルールだったわけです。ところが、今回、民間の夏の一時金が確定する前、まだ、今民間では一時金の交渉の真っ最中ですね、そういうときに一時金凍結の勧告が出される。これは、人事院はどのように考えているかは知りませんけれども、結果的に民間の相場形成に明らかに大きな影響を与える、結果的にそこに介入している、こういうことになるんですね。その影響を与えた民間給与を参考に、今度は正規の勧告を夏に出すことになる。こういうスパイラルというか循環をつくってはいけない、私はこのように思います。

 人事院自身が、公務員の給与は、市場原理による決定が困難である、労使交渉などによって経済雇用情勢などを反映して決定される民間の給与に準拠して定めることが最も合理的、こういうふうにこの間一貫して言ってきたではありませんか。私は、そういう今日までの、人勧制度ができてこの方の流れを見るときに、どうしても今回の人事院の勧告というのを、はい、そうですかというふうに容認することはできません。

 ぜひ、そういう問題意識を持って、今後、ともに公務員労働者と向き合って、本当に人事院が代償機関としての役割を十二分に果たされるようにこの際強く申し入れをいたしまして、私の質問を終わります。

     ――――◇―――――

赤松委員長 次に、先刻付託になりました内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。鳩山総務大臣。

    ―――――――――――――

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鳩山国務大臣 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 本年五月一日、一般職の職員の期末手当等の改定に関する人事院勧告が提出されました。政府としては、その内容を検討した結果、勧告どおり実施することが適当であると認め、一般職の職員の給与に関する法律等について改正を行うものであります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、平成二十一年六月期における一般職の職員の特別給の特例措置として、期末手当及び勤勉手当の支給割合について、指定職職員以外の職員は計〇・二月分、指定職職員は計〇・一五月分を暫定的に引き下げることとしております。

 また、内閣総理大臣等についても、その期末手当の支給割合について、〇・一五月分を暫定的に引き下げることとしております。

 なお、これらの期末手当等の暫定的引き下げ分に相当する支給月数に係る期末手当等の取り扱いについては、必要な措置を別途人事院が勧告するものとしております。

 第二に、指定職職員等の特別給について、勤務実績を適切に反映するため、現行の期末特別手当を廃止し、期末手当及び勤勉手当を支給することとしております。

 このほか、施行期日、この法律の施行に関し必要な経過措置等について規定することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

赤松委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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