衆議院

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第11号 平成22年4月8日(木曜日)

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平成二十二年四月八日(木曜日)

    午後二時三十八分開議

 出席委員

   委員長 近藤 昭一君

   理事 稲見 哲男君 理事 奥田  建君

   理事 黄川田 徹君 理事 古賀 敬章君

   理事 福田 昭夫君 理事 石田 真敏君

   理事 大野 功統君 理事 西  博義君

      小川 淳也君    小原  舞君

      大谷  啓君    大西 孝典君

      逢坂 誠二君    奥野総一郎君

      小室 寿明君    階   猛君

      高井 崇志君    中後  淳君

      寺田  学君    永江 孝子君

      野木  実君    野田 国義君

      藤田 憲彦君    皆吉 稲生君

      森山 浩行君    湯原 俊二君

      若泉 征三君    渡辺  周君

      赤澤 亮正君    秋葉 賢也君

      佐藤  勉君    坂本 哲志君

      菅  義偉君    橘 慶一郎君

      谷  公一君    山口 俊一君

      稲津  久君    塩川 鉄也君

      重野 安正君    柿澤 未途君

    …………………………………

   議員           秋葉 賢也君

   議員           谷  公一君

   議員           山口 俊一君

   議員           西  博義君

   議員           山内 康一君

   総務大臣         原口 一博君

   総務副大臣        渡辺  周君

   総務大臣政務官      小川 淳也君

   総務大臣政務官      階   猛君

   総務大臣政務官      長谷川憲正君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           田口 尚文君

   参考人

   (日本郵政株式会社専務執行役)          中城 吉郎君

   総務委員会専門員     大和田幸一君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月八日

 辞任         補欠選任

  大西 孝典君     森山 浩行君

  森山  裕君     坂本 哲志君

同日

 辞任         補欠選任

  森山 浩行君     大西 孝典君

  坂本 哲志君     森山  裕君

    ―――――――――――――

四月八日

 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(秋葉賢也君外四名提出、衆法第一二号)

 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)

 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(秋葉賢也君外四名提出、衆法第一二号)

 行政機構及びその運営、公務員の制度及び給与並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

近藤委員長 これより会議を開きます。

 行政機構及びその運営に関する件、公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社専務執行役中城吉郎君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長田口尚文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

近藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石田真敏君。

石田(真)委員 自由民主党の石田でございます。

 早速ですが、質問をさせていただきたいというふうに思います。

 ことしの夏に参議院選挙が行われるわけで、各党それぞれが今候補者選定を進められまして、公認候補が逐次発表されております。各党がそれぞれ努力されて選任をされているわけで、私どもから口を挟むものではありませんけれども、実は京都の参議院の民主党候補についてはちょっと大きな問題を提起されましたので、このことからお伺いをしていきたいというふうに思います。

 といいますのは、前回の、三年前の衆議院の選挙では、自民党候補が大量当選をいたしました。そんな関係で当選者が比例代表名簿登載者だけでは足りなくなったという事態がありまして、他党に自民党議席が配分されたというような異常事態になったわけであります。そのことは三年前ですけれども、昨年も同じことが起こりました。昨年、今度は民主党が大量得票されて、他党に民主党の枠を配分というようなことになったわけで、これは法律的に余り想定していない異常事態であったんじゃないかな、そんなことも思うわけです。

 そういう中で、今回、また別の意味の、想定外のことが起こってくる可能性があるということであります。というのは、比例代表に次点候補者がいないために衆議院で欠員が生じる、こういうことが起こってくるわけであります。今回の場合は立候補によって欠員が生じるということですけれども、例えば個人の御都合で欠員が生ずるというようなことも今後あり得るんじゃないかな。

 そうしますと、こういう事態が続くことについて、法律的にやはり問題があるのではないかということで、こういうことが起こらないように法改正を行うべきではないかと思うんですけれども、御所見をお聞かせいただきたいというふうに思います。

原口国務大臣 お答えいたします。

 たしか、あれは五年前、二〇〇五年の小泉さんの郵政民営化の選挙だったと思いますが……(石田(真)委員「済みません、間違えました」と呼ぶ)そのときは自民党さんの比例得票が多かったけれども、名簿が足りなくて、その結果、他党にその議席の配分が行った。そして、昨年は民主党が同様のことがあったということだと思います。

 それで、私たちは、現行の公職選挙法においては衆議院議員を辞職した者が参議院議員の選挙に立候補することを制限する規定は設けられておりませんし、政府の立場で何がどうあるべきだということを申し上げる立場にはございませんが、今委員がおっしゃるように、やはり国会の議席というものはしっかりと想定をされていて、そこに欠員が生じる、あるいは民意との間でずれが起こるといったことができるだけないことが、これはあくまで一般論でございますけれども、望ましいと思います。

 同様に、比例の名簿で当選をされた方が、その任期中、他党というか……(石田(真)委員「法改正したらどうかということですから」と呼ぶ)他のところへ行かれることについても御議論がございまして、法改正につきましては、各党各会派で御議論をいただいて、必要であれば私たちも論点を整理させていただきたい。民主主義の基盤でございますから、基盤にかかわることは国会でお決めくださるというのが基本ですけれども、何かしらの論点を整理せよと国会がおっしゃるのであれば、私たちも論点整理でお手伝いをしていきたいと思っております。

石田(真)委員 今大臣もお答えいただきましたけれども、民意とは違う形になるわけですね。例えば、自民党に投票したのにその配分が民主党の方に行くとか、民主党に投票したのに自民党に行くとか。だから、これはやはり大きな問題であって、その上、場合によったら欠員ができて、それを補欠で補うことができない。これは法の制定時点では余り想定されていなかったんだと思いますけれども、現実に何回か起こってきたということは、やはり手だてをすべきだというふうに私は思っておりまして、この問題について提起をさせていただきたいというふうに思います。

 それで、そういうことを補うためには、いろいろなアイデアがあると思います。どういう形がいいのか、難しい問題もあるでしょうけれども、いろいろなアイデアを出す中で、できるだけ民意を反映できるような、そごを来さないような制度にしていくべきだというふうに思っておりますので、総務省の選挙部の方でも十分検討をいただいて、また我々とともに協議を進めていただきたいな、そういうふうに思う次第でございます。

 さて、大臣、少しお触れいただきましたけれども、こういう状況の中で今回このことがあえて質問させていただくほどクローズアップされたのは、京都で立候補されるということで民主党の公認をされました河上みつえ衆議院議員、この方は衆議院議員を辞して立候補されるというわけです。ところが、河上さんは、御存じのように、近畿ブロックの比例代表で当選されているんですね、近畿ブロックの比例代表で当選。それで、もしこの方が立候補されますと、もう近畿ブロックの民主党枠では次点者がいないんですよ、次点者がいないんです。ということは、すなわち欠員ができるということになります。そして、この場合に補欠選挙は行うことにはなっておりませんので、次の衆議院の総選挙が行われるまで欠員なんです。これが大きな問題。そして、そのことをわかっていながら民主党は党として、もちろん御本人の同意も得てでしょうけれども、党として立候補をさせるということになれば、これは余りに国会の議席を軽視されているのではないかなというふうに思います。

 大臣としてはお答えしにくいと思いますけれども、これは大臣としてではなしに政治家として、こういうことがあっていいのかどうかということになりますので、御所見をお聞かせいただきたいと思います。

原口国務大臣 特定の国会議員の行動、特に議会でなさることについて、今委員がおっしゃったように政府としての見解は控えたい、そう思います。

 その上で、これまでも、比例代表で選出された国会議員さんがやめられて市長選に出るとか、ほかの選挙に出るということがございました。今回、委員が御指摘をされているのは、比例名簿が足りず、その間の欠員についてどう思うかということだと思いますが、その御本人が立候補するということについては、私たちは何のあれも差し挟む権限もございませんし、それをやってはならないと思います。

 その上で、欠員が生じないように、あるいは欠員が生じたときにどうするかといったことについては、私は、委員は議会人として極めて大切な問題意識をおっしゃっていると思いますので、少し総務省の中でも議論の整理をしてみたいと思っています。これはあくまで一般論でございます。

石田(真)委員 これはやはり私は問題だと思いますよ。

 それで、これは河上さんのホームページかな、ブログを見ますと、「民主党の組織人として、」と書いているんですね。御本人というよりも党としてなんですよ。私は、公党として明らかに衆議院の議席が欠員になるのを押してまで立候補させるということは、いかにも国会軽視ではないかなという思いがいたします。

 それで、このことについてもう一つの問題は、憲法では衆議院の優越性が認められていますよね。例えば中選挙区から小選挙区へ変わったとか、そういう制度変更の中でたまたま調整でそういうことがあるかわかりませんけれども、今この時点で衆議院議員を辞して参議院に立候補するということになりますと、憲法の精神に反するんじゃないかな。

 つまり、衆議院の優越性を認めているわけですから、優越性のあるところからそうでないところへどうして行かれるんですか。(発言する者あり)いや、だからその辺がおかしいんですよ、そういう感覚がおかしいんですよ。そうじゃないですか。憲法の精神というのは、衆議院は優越なんだということを認めるわけですから。

 そのことについて大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。

原口国務大臣 日本国憲法では、内閣不信任決議権、予算先議権などを特別に衆議院に認め、法律、予算の議決、条約の承認及び内閣総理大臣の指名の場合における衆議院の優越を認めています。ただ、日本国憲法の規定する衆議院の優越と衆議院議員を辞して参議院議員選挙に立候補することは関係しないものと認識をしております。

 同様に、今の御議論でいくと、衆議院議員を辞職して首長に出るとか、そういったことについても国権の最高機関である議席を外して首長に行くのかというような議論になりますが、私は今答弁させていただいたように、参議院議員選挙に、参議院というのも大変大事な国権の最高機関の一つでございまして、立候補することは関係しないものと認識をしています。

石田(真)委員 今、私は、二つの点について申し上げましたよね。一つは、欠員ができるということ。それからもう一つは、今申し上げました衆議院議員を辞して参議院に行かれるということ。私は、これは余りいいことではないというふうに思います。

 まあ、こういうことを考えてくると、この京都の選挙区で河上さん以外に候補者はいないんですか、なぜ河上議員でなければならないのかということになるわけですよ。そういうふうになってきますと、党も御本人も、こういう理由で立候補をするんだという説明責任をきっちりと果たされるべきだと私は思うんですが、説明を果たしておられないんですよ。

 大臣、どのように思われますか。

原口国務大臣 石田委員、個別の案件については党並びに御本人が適時適切に御判断されることである、このように考えます。

石田(真)委員 適宜適切に御判断されるということは、適宜適切に説明責任を果たされるべきだと理解してよろしいですか。

原口国務大臣 政府にある私が、総務大臣としての職務にある者が、国会の先生がなさることに対して、ああすべきだ、こうすべきだと、そもそもそういう立場にはないということを申し上げております。

石田(真)委員 だから、先ほどから政治家としてどうかとお聞きしているんです。

原口国務大臣 政治家としてコメントを求められても、私は総務大臣としてここに出席をさせていただいていて、その総務大臣ののりを越えて国会に対して……。それは総務大臣の職を辞していれば、今石田委員とそこはこうじゃないか、ああじゃないかという議論をすることはできると思いますが、この場におる人間が、そののりを越えるというのは控えさせていただきたいと思います。

石田(真)委員 実は、大臣はそう言われますけれども、総務大臣と国交大臣の違いはあるのかわかりませんが、前原国土交通大臣は河上議員の擁立についてこんなふうに言われているんです。参議院へのくらがえです。「手続的には瑕疵はない。ただ、衆議院議員をやめさせて、欠員にしてまで参議院で出馬させることが国民的な理解を得られるのか大いに疑問を持つ」、そのように述べられたと報じられているんです。

 私は、これは政治家として真っ当なお答えだというふうに思いますよ。前原さんははっきり物を言っておられるんです。同じようにこれからの民主党、日本を背負っていこうかという二人が、なぜ原口大臣は答えられないんですか。

原口国務大臣 前原大臣がどのようにその中身をおっしゃったか、私も報道でしか知りませんけれども、私は少なくとも政治資金規正法、あるいは公職選挙法を所管する総務大臣として、国会が、先ほど委員がおっしゃったように、論点整理をしたいとは私は言っています、だけれども、個別の案件について、このことは政治資金規正法に照らしてどうかとか、あるいは公職選挙法に照らしてどうかとか言い始めたら、それこそ行政の中立性や公正性、そういったことにも疑いを差し挟まれる可能性があるので控えさせてくださいということを申し上げております。

石田(真)委員 法的にどうかとは聞いていないんですよ。前原さんも、手続的には瑕疵はないと言っているんです、その後政治家としてのコメントをされているということなんです。立場はわかりますから、もうこれ以上聞きません。

 どうも私は、これも小沢さん流だなというふうに思うんですよ。きょうも本会議場で塩谷先生からありましたけれども、政治と金の問題にしても、法に触れなかったら何をしてもいいんだという感じがするんですよ。この問題もそうですよ。どうも道義的な視点というのですか、これは法律以前の問題でしょう。基本のルールを守る、そういう視点というのが全く欠如しているんじゃないかな。そして、こういうことの積み重ねが今国民の政治不信を招いている一つだと私は思いますよ。

 こういう法律以前の、基本を守る、ルールを守る、道義を守る、そういうことについて今余りにもないがしろにされているんじゃないかな、こういうことを感じるわけです。大臣に御所見を聞きたいところですけれども、大臣のお答えはどうせないと思います。ですから、問題を指摘させていただくと同時に、先ほど申し上げましたけれども、一刻も早くこういうことが起こらないための手だてというのを講じていただきたい、そういう作業に総務省の方でもぜひ取りかかっていただきたいということを要望いたしておきたいと思います。

 次に、またちょっと嫌ごとを言いますけれども、大臣は、三月三日、参議院の予算委員会初日の審議に、仙谷大臣、前原大臣とともに遅刻をされました。このときは平野官房長官に事務的な連絡ミスというふうに釈明された、そのように報じられています。また、三月十六日の参議院総務委員会にも遅刻をされまして、このときは流会になりました。このときは直前まで衆議院本会議で採決があったんだと説明をされました。

 それで、こういう流れの中で、実は三月二十五日、総務省大臣官房の総務課長、さらに国会連絡室長、国会連絡室の二人の室員の計四名を四月一日付で異動することを内示されました。この人事異動は大臣の御指示による人事ですか。そして、この人事は国会審議に二度遅刻したことに伴う更迭人事であるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

原口国務大臣 委員にお答えいたします。

 参議院予算委員会の審議日程の管理についてそごがございまして、それは時間に行くことができずにおわびをしたところでございます。そして、二回目については、遅刻というお話でございましたけれども、私は、衆議院の今まで皆さんと御一緒していたような本会議に子ども手当の請議大臣として出て、直ちに参議院に駆けつけたわけでございます。そこで、結果として流会になったことをおわびを申し上げた。

 そのことについて、今回、総務課長以下四人の異動については、人事は大臣である私の判断において行うものでございまして、委員も御存じのように、四月一日付の人事は、総務省は地方との人事交流を大量に行っておりますので、例年大規模な異動を行っているものでございます。御指摘の官房総務課長等の異動についても、こうした定期人事異動の一環として、適材適所の考え方に基づき行ったものでございます。

 予算関連の日切れ法案の処理が終了したのを契機に、体制の一新を図る。よく更迭という話が新聞に書かれていましたけれども、全くそれは違います。私の近くに今もおりまして支えてくれておりますし、ICTの重要な政策にかかわっておることを申し添えておきます。

石田(真)委員 まず、大臣の人事であるということですね。それだけは確認をさせていただきたいと思います。

 そして、更迭人事ではないということなんですが、だれもそう思わないんですね。なぜかというと、官房総務課長、国会連絡室長、それから国会連絡室の室員二人は、今、国会開会中ですよ、その国会対策に当たる中心人物ばかりですよ。その人を四人も交代させる、これは全く異例の人事ですよ。更迭人事ではないと大臣が記者会見でも言われたのはわかりますけれども、どう見ても更迭人事ですよ。少なくともそのように疑われているんですよ。大臣、わかりますか。疑われている。

 新聞にこんなように載っています。「省内からは「自らの遅刻の責任を職員に押しつけた」との不満も出ている。」と報じられています。省内からこういうことが出る。すなわち、疑われているんですよ、更迭人事だと。

 先ほど通常の人事と言われましたけれども、この国会対策が必要な時期に、なぜ国会対策の要に当たる総務課長、室長、室員二名、合計四名も異動されたのか、お聞かせください。なぜ異常な人事をされたのか、お聞かせください。

原口国務大臣 お答えいたします。

 私は、人事について更迭やそういう意図でやったわけではありません。特にこの二人については、ずっと私を支えてくれている大変大事なエースであります。

 その上で、政権獲得後、本当に夜も遅くまでみんな走り回ってくれました。今、総務省としたら、超勤の問題についても、鳩山政権になってからどれぐらい超勤をしているのか、そして、一人一人の心と体の健康についてモニターをしています。正直申し上げまして、国会対応で、今までは事務方でやれたものが、ほとんど大臣がやる。その中で、御通告が非常に遅い場合もございまして、場合によってはずっと夜中まで勤務をしておるわけです。それで……(発言する者あり)答弁をしています、答弁をしていますので。

 それで、疲労の色や、あるいはさまざまな人事といったことを総合的に勘案してやっていますので。私は、その四人のためにも、更迭なんということはする気は全くないし、そんなことで人事をゆがめるということは……。石田先生も御存じだと思いますが、私はずっと公正ということでやってきたわけです。そして、人を排除したり人をおとしめるということは、だれよりも嫌いです。国会に御迷惑をかけたということは陳謝をしておるわけですけれども、それをだれかに押しつけるなんということは絶対にありません。

石田(真)委員 まず、国会対応の話をしておきますけれども、実は、私たちの耳に入っているのは、政権がかわって物すごく楽になったと言っていますよ。通告を物すごく早くしているんです。実は私も、きのう、ほとんど全部、ペーパーをお見せしていいぐらいの通告をしましたよ。これは何時ごろでしたか、四時か五時前じゃなかったかな。そういうことで、国会の方は、日曜日に出てこなくていいとか夜中まで答弁書きしなくていいので、本当に政権がかわって楽になったと言われているぐらいなんです。だから、あんたら、もしかしたらこのままの方がいいと思っているんじゃないかと冗談で言ったぐらいですよ。

 だから、大臣、先ほどの答弁は取り消してもらわないとだめだな。

原口国務大臣 石田委員に大変御協力をいただいているというのは、それは事実でございます。

 ただ、中には本当に、実際に想定問という形で何回も何回も夜中まで議論をしたり、答弁書を書いたりしているというのも事実でございまして、そういったことも踏まえて、やはり職員の健康、そして家族やその周りのさまざまな問題、いろいろなことを勘案して、私は一政治家であるとともに総務省の一人一人の人間の健康と職場の安全を守る責務がございますので、そういった思いもあって今回こういう人事にしたものでございます。御理解をいただければと思います。

石田(真)委員 私も市長をやっていまして、人事をやりました。人事は難しいです。しかし、厳しい人事は不公平ではないんですよ。厳しい人事をやるときはやらないとだめなんですよ。それは必要なことなんです。

 しかし、どうも今回の人事はそのように見えないということですよ。そのように見えないというのは、私だけが言っているんじゃなくて、新聞にも報道されている。省内からもそういう声が上がっているということなんです。

 それで、大臣、これは今回だけじゃないでしょう。前にもありましたでしょう。一月に、就任してたった半年の事務次官を交代させましたよね。このときも異例の人事と言われたんですよ。異例の人事と言われたんです。その理由は今さら問いません。しかし、通常、異例の人事というのが重なるというのは、よくないんですよ。

 私は経験していますから、人事異動を。人事異動というのは、ある程度みんながなるほどと思う人事をしないとだめですよ。特に今回のような、イメージとして懲罰的な人事をやりますと、組織が縮んじゃうんですよ、萎縮するんですよ。そういうふうに職員が物すごく萎縮するような人事をやると、私は組織として大きなマイナスになるというふうに思うんです。

 大臣、そのあたりはどうですか。異例の人事が続いたということについてもお聞かせをいただきたいと思います。

原口国務大臣 人事権者はあくまで私であります。官が決めるわけでもなく、だれか外で決めるわけでもないんです。そして、どうも先生は新聞の記事をごらんになっておっしゃっているようですけれども、官に私たち政治がさわれば懲罰人事のように見えるとおっしゃいますけれども、放送法等の一部を改正する法律案や、今私はICT維新ビジョンというものを出して、日本郵政についても思い切り近代化しなきゃいけないとやっているわけです、その先頭に立つことがどうして懲罰人事なんでしょうか。

 あるいは、秘書課で引き続き私を支えてくれる、この方は四年もそこにいるわけですね。ですから、彼らに罰を与えようなんという気持ちはありません。私たちは、総務省は家族です。就任のときも私は夜中に行きませんでした、翌日の朝、どうぞ皆さん早く帰ってくださいと。今役所の中でも、どれだけの人が超勤をし、どれだけの人が心や体を病んでいるか。それを考えたとき、私は、この人事は適切であったし、全体ですよ、この四人だけじゃなくて、だれかに恥じるようなことをしているとは全く思っていません。

石田(真)委員 大臣の人事については、本当に大臣が嫌になるほどたび重なって我々質問をしました、指摘をしました。私だけじゃありません、ほかの人もやりました。見ていて非常に危なっかしい。先ほど言いましたけれども、なるほどと納得できるようなものではないんですよ。一つ言えるのは、お友達人事ですよ。お気に入りの人は集めるけれども、そうでなかったら切るんじゃないかと。そういう懸念を抱かせるようなことが続いているということなんですね。

 それで、大臣がきちっとした人事をやっているかどうか、以前から問題にしております総務省顧問。きょうの新聞に載っていました、「首長新党 月内結成へ」。実は私、前回でしたか、前々回の質問でも申し上げましたね。中田さん、山田さんが総務省の顧問をされているけれども、こういうようなことが新聞一面に出ていますよということを申し上げました。なのに、まだきょうは退任されていないんじゃないですか。

原口国務大臣 退任していません。新聞報道でだれかを退任させたり、あるいは、総務省の顧問になるときに、首長さんに特定の政治活動を禁ずるようなことは言っていません。

 私は、少し委員と私と政治活動の自由というところでスタンスが違っているんじゃないかと。衆議院議員が参議院議員に出ようとすれば、それは憲法の予定するところに触れると。それだったら、新党をつくるのだっておかしいということになるのではないでしょうか。衆議院議員には衆議院議員の政治活動の自由がある、それはやめることも含めて自由がある。あるいは、それぞれ横浜市長、杉並区長でいらっしゃるわけですから、その方々が政治家としてなさることについて、総務省顧問だからといって私が何らの制限をするものではございません。

石田(真)委員 この顧問の問題は、大野委員も赤澤委員も言われて、私も言いました。あれは予算委員会でしたか、田村委員も言われましたね。それは示し合わせたわけじゃないんですよ。みんな、やはりこれは何となくおかしいねと思っているということなんですよ。それで、八代英太さんのときも私は指摘をしました。保坂展人さんのときも指摘をしたわけですね。

 それで、三月二十二日の産経新聞の一面に中田さんと山田さんの写真入りでこういうふうに出ていますよ、だから、総務省顧問としてふさわしくないんじゃないですかというふうに申し上げたんです。きょうは四月八日ですよ。何の手だてもされなかったということです。私はその辺の感覚がおかしいと申し上げているんです。もうやめていただいたらどうですか。

 同時に、もう一つ申し上げますけれども、首長も含めて政治家と呼べる方は紛らわしい、だから、やはりそういう方は……。まあ、学識経験者ということで学者の方とか、一般の企業人とか、そういう方が政治に出る場合はやむを得ない場合があるかもわかりませんよ。しかし、そういう方はまだしも、首長とか政治にかかわる人をあえて総務省顧問に就任させるということはやめたらどうですか。

 前にも申し上げました。お話を聞きたいのであれば、どんな機会にでも聞けるじゃないですか。特に大臣のお友達ばかりですから。ですから、こういう不信を抱かれるような、疑念を抱かれるような人事はするべきでないというのが私の考え方です。

原口国務大臣 そこが私と石田議員との間で根本的に違うと思います。

 例えば、この中には、目の前に塩川先生がいらっしゃいます、あるいは重野先生や、当時は桝屋先生という、他党でありますけれども、立法を御一緒してきた。八代先生についても、当時は石田委員と同じ自民党にいらっしゃいました、自民党におられながら障害者基本法を起草する。ここにいらっしゃる方々は、ほかのどなたよりも、選挙ということで関門をくぐり抜け、立法者としてだれにも負けないような、そしてその方にしかわからない知見を持ってやってこられた方なのではないでしょうか。ですから、その方々のお知恵を拝借し……。

 逆に言うと、一回国会に出た人間は、総務省としたら、その人のお知恵を顧問であろうが何であろうが使うことができない、お願いすることができないという方がおかしいんじゃないでしょうか。つまり、官のとりでの中に政は入ってくるな、官の中は官だけでやれと。その人たちは、政が入ってくるんだったらおとなしくしておけと。こんなことでは日本の改革はできない、私はそのように考えています。

石田(真)委員 大臣、論理をすりかえたらだめです。そういうことを言っているんじゃないんですよ。聞きたければ聞けばいいんですよ。わざわざ紛らわしい公職を与えて、そういうことについてもらう必要が何があるんですか。ないじゃないですか。私は、開き直らないでほしいと思う。

 時間がありませんから、もうちょっと言います。

 今、参議院で地域主権改革関係法の議論が始まりましたけれども、この地域主権戦略会議の構成員、大臣とか学者の方々がおられるんですが、それ以外の方の名前を申し上げますと、上田埼玉県知事、北橋北九州市長、橋下大阪府知事、さらに北川前三重県知事、そして前田正子前横浜市副市長。上田さんは民主党の議員さん、北橋さんも民主党の議員さんですよね。それで、前田さん、横浜市の前副市長さんはどういう関係かなと思ったら、松下政経塾の御出身ですよね。恐らく皆さん立派な方だと思うんですけれども、一面から見たら大臣のお友達なんですよ。こういうこと自体が大臣の人事に不信感を抱かせるんだということ。先ほど申し上げましたでしょう、人に不信感を抱かせたり、誤解を呼ぶような人事というのは、私は慎むべきだというふうに思います。

 大臣の御所見を聞かせてください。

原口国務大臣 御存じでおっしゃっていると思いますが、上田知事は自公と民主推薦の知事ですよ。橋下知事に至っては自公推薦の知事です。確かに、北九州の北橋市長は、民主対自公という戦いの構図でした。私は、元衆議院議員であるからとか、お友達だからということで言っているんじゃありません。

 特に上田知事については、知事会の出先機関の改革のトップなんですね。それから、大阪府知事については、直轄事業負担金をなくせとおっしゃった、その改革の先頭に立っておられる方であります。また、北橋市長については、大都市で政令市の方がおられない、そして、各都道府県のブロックごとで、それぞれ地域の偏在も考えて、知事会や市長会の方々にも相談をして決めていることでございますので、決してゆがんだものではございません。

石田(真)委員 いつもそういう論理ですね。ですから、それは想定内のお話なんですが。

 この地域主権戦略会議、この地域主権という言葉も大野先生が言われたようにおかしな言葉だと思いますけれども、この地域主権戦略会議、これは逢坂首相補佐官が基礎自治体がその改革の主体を担うんだということを新聞で言われていますよね、それなのになぜ知事経験者と大都市の幹部ばかりなんですか。地方都市とか小都市の方がなぜ入ってこないんでしょうか。普通に考えたらそうじゃないですか。こういうあたりも含めて、私は大臣が恣意的な人事をされているのではないかなというふうに思っているということを申し上げているんです。

 質問時間がないのでもう終わりますけれども、先ほどから言っているように、人事というのは、反対の人もいますよ、しかし、なるほどと思う人が過半でないとだめなんですよ。おかしいと言われる人事を繰り返してはいけないんです。大臣、あなたは公権力を行使しているんですよ、公権力を行使している権力者だ。その自覚を持って行政をやらないと危ないですよ。そのことを申し上げ、猛省を促して、質問を終わります。

近藤委員長 次に、坂本哲志君。

坂本委員 自民党の坂本哲志でございます。

 今回、質問の機会を与えていただきました。心から感謝を申し上げたいと思います。

 まず、放送法の改正の審議が行われるようでありますので、これは委員の皆さん方に、専門的なさまざまな議論をお任せいたしたいと思いますが、私も少しばかり新聞社の方にいましたので、この放送法の改正を読みながら、理解できる点、あるいはどうしても審議の前に大臣にお尋ねしておきたい点を、二つ、三つお伺いいたしたいと思います。

 まず、メディアの集中排除の原則でございますけれども、これは、テレビ放送の多様性あるいは多元性、そして地域性、こういったものを確保する上から非常に大切なものであるというふうに思います。しかし一方で、地域の放送局は、特にデジタル放送等もありまして、やはり非常に厳しい経営、運営を強いられております。多大なる投資、それからキー局からの直接放映ということで、なかなか再配信の機会というのが少なくなった。そういうことで、収益としては非常に悪化をしているところであります。

 私は、株式の保有について、二〇%から三分の一に引き上げられることについては理解をしたいと思いますし、このことによって、地域の特性ある報道あるいは意見、こういったものが守られるならば、私はこの部分については理解を示したいと思っております。ただ、それ以外を見て、これはどういう意図があるのかなと思う部分が二点ほどあります。

 一つは、クロスメディア所有規制を附則として入れ込んで、検討を始めるということであります。そしてもう一つは五十三条の十二の二、ここには電波監理審議会の建議についての項目があるわけですけれども、これが放送法の第一条の目的を、全くそのままの形で移しかえておられます。電波監理審議会の権限の中にこういう、目的そのものを同じような文言で入れ込むこと、これはやはり何かの将来的な意図があるのではないかなというふうに思います。

 通信と情報、こういったものが融合していくことによって、今後、巨大資本が言論を統制する、左右する、そういう心配があります。このことについては大臣も、将来的にいろいろな形での規制、クロスメディア所有の規制、あるいはクロスオーナーシップの規制、こういったものをいろいろなところで発言をしていらっしゃいますけれども、問題は、そのことが行き過ぎることによってやはり必要以上の、言論を封殺するということになりはしないかというような心配であります。

 アメリカではFCC、これは二千人の規模を持って、確固とした公的機関で、メディアに対してのさまざまなチェック、あるいは免許更新、こういったものをやっておりますけれども、どうもこういう、日本版FCCというものを十分意識しながら今回の法改正に着手されたのではないか、その布石というのが至るところに、あるいは私が今言っただけでも何カ所かに見られるわけでありますけれども、大臣のお考えをお願いいたします。

原口国務大臣 坂本委員にお答えいたします。

 私は、松下政経塾時代に、熊本日日新聞というところで、熊本の日本一づくり運動というのを御指導いただきました。私の担当地区は天草でございました。非常にきれいなところで、そこでも思いますのは、やはり委員がおっしゃるように、地域におけるローカル局、あるいは地方新聞は地方の文化の拠点であって、情報を発信し共有することによって人々の参加を促し、民主主義をしっかりと強固なものにする、そういう大事な役割を担っていると思っています。

 そこで、多元性、多様性を確保する観点からマス排原則をはっきりと法定化するものの、臨時、一時的な措置として、今委員がおっしゃったように、今地方局がつぶれてしまえば、まさにその拠点を失うわけでございますので、私は今回の法律の中に三分の一という出資の、委員がおっしゃった形を入れさせていただいたところでございます。

 次いで、FCCについてもお尋ねがございました。

 私たちは、マニフェストで日本版FCCということをお約束しています。ただ誤解をされるといけないので、御案内のとおり、私たちはMICとFCCの間で四つのタスクフォースを動かしていますが、アメリカのFCCは、今委員がおっしゃるように、かなり強力な規制機関であります。私が今ICTのタスクフォースで議論をしているのは、新たな規制をかぶせるということではなくて、むしろ逆に、公権力や、これも委員にも政務官のときに大変お力をいただきましたけれども、放送法の改正や電波法の改正、あるいは修正作業の中で、そこに言論や報道、そして放送の自由を確保していきたい。したがって、言論のとりでをつくりたいということで今御議論をいただいているところでございます。

 クロスオーナーシップについては、現存する新聞と放送局の持ち合いということよりも、むしろ、その何十倍、何百倍という巨大な通信資本、放送と通信が融合したときに、まさに言論が一色になってしまう、そのことについてどうするんだと。例えば今、もうIPTVであるとか、具体名を出すと、例えば動画のユーストリームが地上波に取ってかわったときに、一体どのような形態になるのか。そこで一番大事なことは、私は、委員が御指摘になりたい言論の自由であり、ジャーナリストの独立だというふうに考えておりまして、そこのところに向けた法改正の一歩であるというふうに御理解をくださればありがたいと思います。

坂本委員 私が一番心配しますのは、今の民主党政権を見ていまして、高校授業料あるいは教育制度についてはフィンランドの制度、あるいは子ども手当やその他についてはEUのフランスあるいはドイツ、あるいは政治主導についてはイギリス、それぞれ各国のいい部分といいますか、目立つ部分といいますか、それをつまみ食いして、生煮えのまま日本に法的な制度として持ち込んでくる、そのことがやはり私は非常に心配であります。

 ここで言いたかったことは、アメリカのFCCというのは全く日本に合うようなものではありませんし、そしてまたメディアの環境というものも、メディアをビジネスとしてスタートしたアメリカと、日本のように、新聞あるいはテレビを社会的な手段、あるいは社会的な正義、こういったものとしてスタートしたメディアの状況というのは全く違いますので、今後、制度設計される折に、やはり日本のメディアあるいは日本のマスコミの状況、こういったものを十分勘案しながら、これからの政策づくり、あるいは法体系づくりをしていただきたいというふうに思います。

 次に、交付税率の引き上げについてお伺いをいたします。

 私は、三月一日に、予算委員会の第一分科会で、交付税率の引き上げ、いわゆる国税五税の配分率、三二%あるいは二九・五%でありますけれども、この質問をいたしました。

 このときに、渡辺副大臣は次のように答えられました。原口大臣は交付税率の引き上げ、現行三二%から四三%を主張していた、財政当局とやりとりをしていた、地方の財源が厳しい中、早急に結論を出すべきものと思っているというふうな答弁をしておられます。同時に、地方交付税法の第六条の三の二項で、法定率の見直しもしくは地方行財政の改正ということで、どちらを選択するか。これまでは後者をとってきた、そして臨財債の発行でつじつまを合わせてきていた、だから、交付税率の引き上げも含めて、財源確保をやっていくことは急がなければいけない、その方針に変わりはないということでございました。

 改めて大臣の方から、今後どういう工程で税率の引き上げ、あるいは交付税についての制度改正、こういったものをやっていこうと思われておりますか。

原口国務大臣 ありがとうございます。

 おっしゃるように、これはまだ野党時代でしたけれども、交付税率を引き上げるという法律を用意したことがございました。政権をとりましたので、今度は夏の地域主権戦略大綱の中で地方の独自の財源、税源の確保、その中には、委員も御案内のとおり、今おっしゃったような交付税の根本的な改革が入るべきだと考えておりまして、交付税の法定五税における算定率は引き上げるべきだという立場でずっと主張をしておるわけでございます。

 平成二十二年度においては、地方交付税を一兆円以上増額し、総額約十六・九兆円としたところでございます。一方、今年度については、交付税の原資となる国税五税が異常とも言える低い税収であることを踏まえ、法定率の引き上げを見送るとともに、財源不足の補てんに関する折半ルールを単年度限りとしたところでございますが、これは絶対に獲得しなきゃいけない目標である、このように考えております。

坂本委員 目標は持たなければいけません。大臣の口から四三%という数字が出てきておりますけれども、この根拠、あるいは、これに向けて今後の税率の引き上げを考えておられるのかどうかお伺いいたします。

原口国務大臣 四三という数字がひとり歩きしてしまうと、それは委員も御案内のとおり、そのときの地方の財政状況によって随分違ってきます。ですから、どの税目をどれぐらい上げるかというのは、さらにフリーハンドを持っておきたいというふうに考えております。

 あくまでこれは前提としての議論でございますけれども、税率そのもの、今の地方の税収不足を埋めて、さらに地域の公共サービスをしっかりと保障できる、そういう独自の財源、自主財源としての交付税率を目指してまいりたい、このように考えています。

坂本委員 野党であっても与党であっても、いろいろな立場にあっても、こういう税率、あるいは税に関することを一回具体的な数字で挙げたら、それはひとり歩きしなくても、やはり歩くんですよ。ですから、一回言った以上は、それに対してのさまざまな自分なりの根拠、こういったものはしっかり持って御答弁いただきたいというふうに思います。

 それから、一括交付金についてもその折、お伺いをいたしました。そのときも渡辺副大臣でありましたけれども、インフラ整備などが特に各省庁にまたがった補助制度となっている、これを整理統合して一括交付金としてまとめる、二十二年度内に制度設計をし、二十三年度からできる方向で検討するというような答弁でございました。

 そして、その後、一括交付金というのは最終的には地方交付税と一緒にするんですかと私が聞きましたら、交付税も含めて一つにしようという考え方だというような渡辺副大臣の答弁でございました。

 それで、大臣に改めてお伺いしますが、これでよろしいんですか。

原口国務大臣 一括交付金化と交付税、これは並行して進めてまいります。

 最後の形は、渡辺副大臣が答弁をしているように、物によっては交付税と一括交付金を統合する、そしてより地方が自由に使える、そして、今回その前段として国交省や農水省の新たな交付金について、ひもつき補助金の一括交付金化に向けた第一歩とさせていただいたわけですけれども、将来的には統合も含めて検討をしているところでございます。

坂本委員 物によっては統合する、これが難しいんですよね。言うはやすく、現実的にそれを制度化するというのはやはり非常に難しいと思います。

 そして、将来的に統合するのであれば、一緒にするのであれば、基準財政需要額にしても収入額にしても、やはり同じような算定の中でやらなければいけないし、この制度設計を少なくとも二十二年度中に、今年度中にやって、二十三年度から何らかの形でスタートをするというふうなことを言っておられます。これでよろしいんですね。

原口国務大臣 今、基準財政需要額のお話がございましたけれども、この間、地方の財政計画と決算の乖離を、委員も御案内のとおりですけれども、何が起きてきたか、二つのことが起きてきたと考えているわけです。一つは、例えば公共事業を中心とする歳出についてはずっと余ってきました。地方はそれを消化するだけの独自の力を持たずに、そして一般行政経費の部分については、逆に、三位一体改革以来下げられてきた。

 したがって、私たちは、今委員が御指摘されたように、地方財政計画の予見可能性をもっともっと高めて、それから、ここについては国、地方の場で、地方からもどのような地方財政が必要なのか、今週の土曜日に、私は知事会の会長の麻生知事と九州でお会いをしたいと考えていますけれども、委員も経験をされたと思いますが、ともすれば国の方で地方の財政まで全部縛ってしまう、そして有無を言わせず、そこに従えというこのやり方を変えようと。

 そして、先ほどの御質問に直接お答えをするとすると、夏の戦略大綱に入れて、制度設計を鋭意進めてまいりたいと思っておりますので、ぜひ委員の御知見を私たちにかしてくださるとありがたいと思っています。

坂本委員 ですから、私が聞きたかったことは一つですよ。夏の戦略会議にのせてというふうに言われましたけれども、二十三年度からスタートできるのか、一部でも、どういう形ででも制度設計して、そしてスタートできるのかということです。

原口国務大臣 お答えをしたとおりでございます。

 地域主権戦略大綱の中に入れて、二十三年度の一括交付金、ひもつき補助金を廃止して、一括交付金化に向けた動きを加速していきたいというふうに考えています。

坂本委員 どうもそこは答弁があいまいなようであります。

 大臣は、補助金で縛っている、あるいは、なかなか地方自治体あるいは基礎自治体で補助金が使い切れない、そういったことを言われました。そして政府の方は、大臣も含めて、平成二十二年度、公共事業を大幅に削減されましたけれども、その削減されたものの一部を活用し、そして地方にとって使い勝手のいい、新たな交付金を創設したというふうに胸を張られました。

 確かに、交付金は創設されております。国土交通省は、さまざまな助成金、国庫補助金を統合して、社会資本整備総合交付金二・二兆円であります。農林水産省は農山漁村地域整備交付金、これは土地改良あたりで六九%、七〇%減らしたからでしょうか、こっちは千五百億円。

 それで、私は、地元の熊本県やあるいは幾つかの市町村に、年度がスタートしてどうなんだ、この交付金というのは使い勝手がどうなんだというふうなことを聞きましたら、まず使い勝手がわからない、使い方がわからない。結局、交付金という形で来ているけれども、それはこれまでの国庫補助金のつけかえでしかないんです。そして、国庫補助金をつけかえて、多分こういうふうに使えということだろうなというようなことで、みずからの県は、あるいは市町村は三年計画、五カ年計画で事業をやっておりますので、これを国交省あるいは農林水産省に尋ねますと、そのことについては政治主導ですのでわかりません、もし来年や再来年、継続性というものを希望されるのであれば、新たに事業計画を出して、そして申請をしてください、要望してくださいというようなお答えが返ってきて、今、自治体としてはどうしようもないような状態、あるいは混乱になっているわけです。

 そういうものがどういうふうに使えるのか、そして継続性がどれだけあるのか、これをきちんと助言、指導するのは総務省でなければなりません。もちろん、当該の省庁がきちんと整理してくれたら一番いいわけですけれども、使い勝手のいい交付金というふうに銘打ったわけですので、この辺をやはり自治体に対してもっと親切に、そして今後の継続性も含めて、安心感のある、安定感のあるものにしていかないといけないんじゃないですか。これからの地方自治体に対するその辺の説明、対応をどういうふうにされますか。

渡辺副大臣 制度ができたが、スタートの段階で使い勝手が悪いということがあれば、これは当然謙虚に耳を傾けまして、そして事業の継続性の担保の観点も含めて、御指摘のような意見があるならば、これは各省にも当然相談をし、あるいは改善を促しながら、一括交付金化の推進に向けて改善をしていきたい、そのように考えています。

原口国務大臣 熊本であれば九州地方整備局ですか、あるいは農政局が、政治主導でこの使い方はわかりませんということをもし熊本県に言っているとしたら、私も実際に聴取をして、そして、どんな説明の仕方をそれぞれの所管官庁の出先でやっているのか。わからないというのであれば出先は要らないわけですから、そんなことを言うというのは普通は考えられないと思いますけれども、実際に、地方の現場で各省の出先がどのような説明をしているのか、私も聴取をしてまいりたいと思いますので、近々、熊本に行かせていただければありがたいと思います。

坂本委員 それは熊本だけの問題じゃないんです。しっかり各地方の整備局に、要するにその辺の最初の説明とか、あるいは説明の仕方とか、あるいは使い方とか、そういうものが生煮えのまま、表紙だけを使い勝手のいい交付金という表紙にして、一ページ、二ページあけてみると、何らこれまでの助成金と変わらない。しかし表紙がかわっているので、これは別にいろいろな事業に使っていいのではないかというようなことを言っても、そこで答えが返ってこない。あるいは、これが来年から続くかどうか、そこも答えが返ってこないということなんです。

 それは、基礎自治体あるいは都道府県に、しっかりともう一度調査をしていただきたい。総務省として調査をしていただきたいし、各府省に対してもそういう要望をしていただきたいというふうに思います。

原口国務大臣 大事な御指摘だと思います。

 私たちは、平成二十一年度の第二次補正予算で、いわゆるきめ細かな臨時交付金というものをつくらせていただきました。地方自治体からは、四月からそれが使えるようになって、これは西先生でしたか、学校の耐震化やそういったものにも使えるようにしろというようなお話がございまして、そういったものにも使えるようにということで、ポジティブな評価をいただいておりますが、逆に、今おっしゃるように、全国各地の地方整備局あるいは農政局で、予算の使い方について、事実、昔と同じだというのであれば何も指導する必要はないわけなんでしょうけれども、どのような説明がされているか、総務省としても、今の委員の御指摘をいただいて調査をしてみたいと思っております。

坂本委員 これと関連もしますけれども、熊本に上益城郡御船町というのがあります。一万五千人の町であります。マニフェスト大賞を受けた山本という若い町長が、大臣も御存じかと思いますが、今町長をやっております。

 その御船町がバイオマスタウン構想というのを持っております。そして、そこに、農林水産省が地域バイオマス利活用交付金というもののお誘いをかけました。この事業に乗りませんか、この交付金に乗りませんかというわけであります。もちろん渡りに船とばかり、それに乗りました。

 平成二十年十月、これを九州農政局に提出いたしました。そして、その事業化が決定をいたしました。二十年、二十一年、二カ年間の継続事業であります。総事業費が二十億五千万円、うち半分の十億二千六百万が国からの交付金でありまして、二十年十二月に交付が決定をいたしました。同時に、その交付のあとの半分は事業者がやるわけですけれども、町はこの事業者を第三セクターあるいは直轄でやるのではなくて、誘致企業として民間を誘致して、その民間の企業に委託をいたしました。そして民間の企業に対しては、農林水産省の事業であるので、政府系金融機関、日本政策金融公庫から借り入れるというようなことを言って、そして自己資金を確保しなさいということにしました。

 しかし、結局、公庫の方から融資が出ませんでした。出なかったということで、この事業が結局できなくなりました。そして初年度の交付金三億円、農林水産省からの三億円の交付金がことしの三月三十一日までに返還ということになりました。

 今、この町は、この問題で議会が揺れております。百条調査委員会ができて、そして町長がやったこと、あるいは農林水産省のこと、あるいは民間事業者のことについてのさまざまな調査が行われております。

 この一連の流れの中で、いろいろな悪いところ、だれが悪いのか、何が失敗だったのかというふうなことがいろいろあると思います。一つは町の見通しの甘さ、それは言わざるを得ない。それから計画の詰めの甘さ、これは民間事業者も含めて、これも指摘せざるを得ない。それともう一つは、事業省庁である農林水産省の責任のなさ、無責任さ。事業だけこれに乗りませんかと言って、そして後は知らぬ存ぜぬで町に任せて、そして補助金を返還しなさい、これはやはり無責任きわまりないというふうに思います。

 それともう一つは、やはり自治体がこれから運営していくわけですから、それに対していろいろなアドバイスを県なり総務省なり、こういう場合にはこういうふうなことが必要だというようなことを適宜適切に助言、指導できなかった、あるいはできる機関といいますか組織といいますか、そういったものがなかったバックアップ体制の欠如、これも私は指摘せざるを得ないというふうに思います。

 これから、こういった自由に使える交付金、あるいは地域の裁量に任せますというようなものがふえれば、こういう事例がいっぱい出てくるんですよ。これに対してのバックアップ体制や、総務省としての、自治体に対する責任省庁としての必要最低限度のセーフティーネット、こういったものを持っていなければ、自由にしなさい、裁量は与えました、あなたたちのこれからの地域づくりを多少のリスクを冒してでもやりなさいといっても、結局、それがリスクのまま破綻してしまったら、自治体は倒産するんです。こういうケースがふえると思います。

 今後どういうふうな形で、もし地域主権というならば、そして、いろいろな形で裁量のある財政支援をするならば、総務省として、こういうバックアップ体制やセーフティーネットをつくる予定はありませんか。

原口国務大臣 これは熊本県の上益城郡じゃないですか、御船町。私、偶然ですけれども、この町長さんと政権獲得前に、ちょうど去年の今ごろだったと思います、鹿児島の指宿で、地域をどうやって立て直すかというフォーラムで御一緒しました。そのとき、私は次の内閣の総務大臣でした。竹を使ったまちづくり、そして多くの人たちを、熊本の地域の特産品を中心にして、バイオマスをつくって町を活性化するんだという夢を語っておられた記憶がございます。

 地域主権改革というのは、先ほど申し上げたように責任の改革でございます。ですから、中央政府が手とり足とり、何か地方がやったら、そのためにセーフティーネットを一々用意するというものではございません。

 ただ、今委員が破綻とおっしゃいましたけれども、私、個別の案件について今詳細に承知をしていませんけれども、当時、ちょうど一年ぐらい前に議論をしたところがどうしてこういうふうになるのかというのは私にとっても大変関心がございます。詳細を調べて、そして中央政府として何がこれまで足りなかったのか、そして何をすればいいのかお話を伺ってみたい、このように考えています。

坂本委員 地域主権という言葉、これは間違っていると私は思いますし、この問題で質問するときに、内閣府が来たり総務省が来たり、どこが答えるのか全く判然としないんですよ。ですから、私はやはり、よりシンプルな組織で、そして地域の裁量をいかに高めるか、充実できるか、この方法を考えるべきだと思います。

 私の大学時代のゼミの先生がこの前退官されまして、記念講演がありました。教え子二百五十人が聞きました。先生は地方自治や行政学が専門であります。蝋山政道先生の門下生でありますので、どちらかというと自治労に近い、あるいは民主党に近い先生でありますが、この先生が、地域主権という言葉はおぞましい、そういう言い方をされました。

 私は、なるほどなというふうに思いました。プロが見れば、地域主権なんという言葉がいかにおもねりへつらった選挙用語であるかということは、だれでもわかるんですよ。野党や評論家やあるいは政治家が使うのは構いませんけれども、これを、憲法の枠内できちんと組織している行政の中に取り込むというのは、絶対にこれは誤りの言葉の使い方であります。

 ぜひ、地域主権、この言葉遣いはやめていただきたい。そしてもっとシンプルに、地域の自立をきちんとやり得るような、そういう体制にしていきたいと思います。

原口国務大臣 先日、参議院の総務委員会で御議論いただきまして、同じ熊本の、元自治大学校の木村先生だったと思いますが、この地域主権の理念について大変御理解のある御質問をしていただきました。

 同じ自民党や熊本の中でも違うお考えのある方もいらっしゃると思いますが、私たちは、地域主権ということは何を意味しているのか。主権国家というものを前提として、その主権を地域に与えるということではないんです。国民主権と憲法前文にあるように、みずからが責任を持ち、みずからの地域をつくるということをしっかりとやらなければ、私たちが公共サービス格差を埋める、その財源さえも持ち得ないんだ、その危機感から持ってきている言葉でございますので、おぞましいとか、いろいろな言葉でおっしゃる方もいらっしゃるかもわかりませんが、ぜひ御理解をくださればというふうに思っています。

坂本委員 あと何年か後に、末端自治体、基礎自治体も含めて、大変な混乱にならないことを祈りながら、質問を終わります。

近藤委員長 次に、稲津久君。

稲津委員 それでは、地域主権、地方分権に関して、順次伺ってまいります。

 まず最初に、義務づけ、枠づけについてですけれども、三月三十一日に開催されました第三回地域主権戦略会議で出された第二次見直し分の義務づけ、枠づけの見直しですね。各省からの回答につきましては、三百七十項目、七百五十一条項の検討対象のうち、見直しを実施するとしたものにつきましては二百八十七項目、四百七十二条項。条項ベースで六三%ということで、そのうち、勧告どおりの見直しは二百九項目、四百一条項で五三%だった、このように承知をしております。

 三十一日のこの戦略会議の議事要旨を見させていただきましたが、鳩山総理も冒頭に、踏み込みが十分でないところがある、こう発言をされておりまして、何がどう十分でないのか、総理のお考えもあるんですけれども、原口大臣に、この総理の発言に対しての率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。

原口国務大臣 稲津議員にお答えいたします。

 私も、地域主権推進担当大臣であるとともに、地域主権戦略会議の副議長でございます。議長である総理がおっしゃったこの危機感、共有をしているものでございます。

 義務づけ、枠づけについては多くのものが出てきました。しかし、一番総理と、その議事録の中にもあると思いますけれども、特に権限移譲です。八十六でしたか、その権限移譲も理屈をつけて、これはまあ政務官ヒアリングですから、非公開の政務官ヒアリングで思わず本音が出たのかもわかりません。ただ、それにしても、私たちがマニフェストで約束をし、そして進めようという政権の意図を理解していないと思えるような発言もあったという報告がありましたので、総理の方から強い御指示が再度、地域主権戦略会議でもございましたし、閣僚懇でもあったところでございます。

    〔委員長退席、黄川田委員長代理着席〕

稲津委員 今、率直な大臣の気持ちを聞かせていただきました。その上でですけれども、今回の見直し、四百七十二条項に、第一回分の見直しの残り分というのは含まれていない。今後、ここのところの取り扱いをどうするのかということも一つ大事なことなんですね。

 私は、このままでいけば地方はなかなか納得しないだろう、こう思っている一人でございまして、見直すのであれば、具体的にどういうタイムスケジュールでやっていこうと考えているのか、この点についてお示しいただきたいと思います。

原口国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、第一次分についても、もう何となくこれで終わりだ、何とかしのいだんだというようなことを言っているところもあるやに聞いています。それはもうとんでもない話で、私たちは交渉しているんじゃないんです。今の国と地方の形を変えていこう、地域主権型の国家に変えていこうとやっておるわけでございまして、夏の地域主権戦略大綱に至るまでに次の四つ、義務づけ、枠づけ、それから権限移譲、そして一括交付金化、ひもつき補助金の廃止、そして最後が出先機関の廃止。

 出先機関の原則廃止については、権限仕分けというものをやろうと思っています。今、事業仕分けという、これは事業仕分けというのは、事業の効果、費用そして有効性を仕分けるものでございますが、そもそも中央政府が、先ほど自民党の委員の御質問にもございましたけれども、そういう出先機関が本当に必要なのか、中央政府でやる必要があるのか、その権限は何かという仕分けを行って夏の戦略大綱の中に入れ込み、そして制度化につないでいきたい、こう考えております。

稲津委員 そこで次に、そのことに関連して、基礎自治体への権限移譲について少し聞かせていただきたいと思うんです。

 私は今、冒頭から、今回の大臣の率直な気持ちについて触れていただきましたけれども、その上で、やはり十分じゃないんだろうということが一つ明確になったと思うんですね。その上で、もっと不十分なのがこの基礎自治体の権限移譲のところなんです。これは、八十二項目、三百八十四条項の検討対象のうち、勧告どおり、あるいは勧告以上にする、こうしたものについては九十六条項、二五%にすぎない。これに対して、総理も、幾つかの省庁はゼロ回答を寄せているなど非常に不十分だと、強い不快感を示した、このように承知をしております。

 このことに対して、もう一度大臣に聞かせていただきますけれども、どのようにお考えなのか。それから、この二五%にとどまった要因がどこにあるのかということについて聞かせていただきたいと思います。

原口国務大臣 稲津委員と同じ認識を持っています。

 総理が極めて不十分であるとおっしゃったのは、特にこの基礎自治体への権限移譲の部分です。もちろん、これは一次ヒアリングですから、今の現状をどう考えているかというふうに聞いて、条項目数でいうと、今委員がおっしゃったように、項目ベースで三五%、条項ベースで二六%という回答を出してはきました。

 しかし、それは、権限移譲等を行うと回答のあったものの中身も見ますと、例えば、特定非営利活動法人の設立認証、家庭用品販売業者への立入検査等々でございまして、まだ本丸には至っていないんですね。そして、だめだと言ったものについても、例えば災害時における自衛隊の派遣要請。これは、自衛隊の方々は市町村の、もう村役場の横にいて、そして、すぐ出ましょうか、大丈夫ですかとおっしゃっているわけです。そういったものさえも権限移譲できない。何も都道府県がやってはいけないなんて言っていないんです。

 そういったことを考えると、今度、地域主権戦略会議に各省の政務官を呼びまして、だめな理由を、合理的な理由を聞いて、そしてそれが本当にだめであれば私たちは考え直しますけれども、しかし、これは地方分権改革推進委員会でも何回も議論をされてきたテーマでございまして、前の政権でも御議論をされてきたものだというふうに思っています。そのことをないがしろにするということは、私たちが看板倒れと言われても仕方がない、こう考えています。

稲津委員 基本的なスタンスはわかりました。

 ただ、一次ヒアリングでまだ入り口なんだというお話がありましたけれども、私はやはり、用意ドンのスタートのところから、どこまで向かっていくのかという、それは大臣も当然お考えになって進んでいることですから、まず一番最初のところでつまずいちゃいけないと思うんです。

 この会議で出された資料に、移譲が困難だといった回答を今お示しもいただきましたけれども、地域主権戦略室がつくられた、移譲が困難との回答があったものの主な例ということで、これを見てみますと、結局、専門性とか、広域性とか、効率性とか、ほかの施策との整合性とか、こういうことを言っているわけなんですよ。

 私は、ここのところに各省が地方に対して根源的に、これは不信感なのかどうかわかりませんけれども、任せて本当に大丈夫なんだろうかとか、あるいは、自分たちの権限を今移譲することが果たしていいのか、そういう気持ちが内在されているんじゃないだろうか。そういうことがもしあれば、これはやはりもっと地方を信頼すべきだ、このように強く思うわけでございます。

 そこで、もっと地方を信頼すべきという視点について、大臣、どうお考えですか。

原口国務大臣 全くおっしゃるとおりだと思います。

 先ほど顧問の件で、これはおかしいんじゃないかと言われましたけれども、現実、埼玉県、それから、その議事録を委員は読んでおられると思いますから、大阪ではもうできているんですね。埼玉、大阪で権限移譲ができていることをなぜ中央省庁ができないのか、その理由はないんです。今おっしゃるように、専門性、専門的知識がないとか処理能力がないとか、影響が広範囲にわたるとか、個々の基礎自治体では件数が少ないとか、こういう理屈にならないことを言って拒否をしているとしか思えないんです。

 では、大阪や埼玉でなぜできているのか、大阪や埼玉だけが。大都会だから、そうじゃないですね。大阪の中にも、ここの中にもいらっしゃいますけれども、地域的には私の佐賀県とそんなに変わりのない地域もございます。ですから、このことを、まさに委員がおっしゃるように、地方に対する不信ということもさることながら、みずからの権益を放す。

 ですから、橋下知事はこう私にアドバイスをしました。各省の権限を背負った人に聞くと答えは一つしかない、だから、それはもう政治主導でもってやるしかないんだ、そういうお話をされておりましたので、さらに今回、公開の権限移譲仕分けというようなものをして、そして、政務官がどのようなことを言うか聞いてみたいと思っております。

    〔黄川田委員長代理退席、委員長着席〕

稲津委員 そこで、実は昨日、地方六団体の代表の方と意見交換をさせていただいたところでございます。いろいろなお話がありまして、大変私どもも勉強になりました。

 その中であったのは、やはりもっと地方に権限を移譲すべきじゃないか、それから、本当に地方のことをきちんとわかっていただきたい、信頼していただきたい、そういう趣旨の話が多々ございました。一方では権限を移譲しますよ、そういう大臣の姿勢はそれはそれでわかるんですけれども、しかし大臣、考えてみてください、例えば子ども手当のこと、高速道路の無料化のこと、では、これはどうなんでしょうか。

 例えば地方に御意見を聞いたり、きのう伺った話の中で随分出たのは、相談はなかったよという厳しい御指摘がありました。特に、これは所管が違いますからいいんですけれども、一つの例として出ましたので、そのままお伝えしますと、雇用・能力開発機構の廃止の問題、これも全く相談なんかない。ある方からは、マスコミからアンケート調査が来た、それで初めて知った。それから、例えば人員を移管した場合に、その内容等によって、では、いわゆる税源になるものをパーセンテージで移譲しましょうとかいうのもある。

 こういうことであれば、これは果たして本当に地方を信頼してくれているのか、声を聞いてくれているのかということになるわけです。これは私が言っているんじゃないです。きのう六団体の代表の方々から直接聞いたお話ですから、そのまま率直に伝えますけれども、このことについて御答弁をいただかなくても結構でございます。

 その上で、もう一つお伺いしたいんですけれども、鳩山政権の一丁目一番地、こう言いながらも、私は、例えば前の委員会のときにも質問させていただきましたけれども、各省庁の抵抗は相当すさまじいものがあるんじゃないでしょうか、こういうお話をしました。省庁からの抵抗ならまだしも、政務三役までがある意味では族議員化しているんじゃないか、こう思われるような節も実際にあるわけです。ゼロ回答のところもあった。

 そして、そのゼロ回答の大臣が記者発表で発言した内容というのは、何でも地方におろせばいいというのは間違いだ、こういう発言をされた。こういった発言に対してどのように思いますか、お聞かせいただきたいと思います。

原口国務大臣 これは最初のヒアリングを非公開でやって、ある意味、本音の部分を言っているところがあります、正直言って。でも、それがあなたの本音なんですか、だったら政権を去ってください、ここに優秀な私たちの同志がたくさんおります、そういう方とかわってくださいと。地域主権戦略会議でも、仙谷大臣からも、そういう政務官は政権を去るべきだというお話がございました。

 私たちは、国民の負託をいただいてここへ来ているわけです。そして、約束を果たすために日々行政をつかさどっておるわけです。約束が果たせない人は去ってもらう、これは当たり前の話でございます。

 確かに、その大臣がおっしゃったように、何でもかんでも地方に移せないものもございます。例えば人間の尊厳、雇用であるとか、そういったものについては無理なものもあります。あるいは安全の部分、あるいは食料の中でも重要なものがあります。だから、その考え方は間違いだとは言いません。しかし、それを超えてでもなおやるんだという総理の強い意思を体現できないことがもしあるとすれば、それは政権にふさわしくない、そのように考えています。

稲津委員 総務省のホームページの動画で、今大臣がお話しされた、去ってもらうという話を私も見させていただきました。

 ここで一つだけ確認をさせていただきたいんですけれども、そういう人事任命権というのが原口大臣にあるかどうかというのは、これは違うと思いますけれども、しかし、大臣がそこまで踏み込んで発言されたというのは私は大きいと思うんですよ。

 それで、ちょっと懸念していることがありまして、例えば、今後こういった流れの中でやはり同じような、地方に権限を譲ることはできないんだ、そういう発言が今後ももし万が一あれば、大臣はそのときどうされますか。

原口国務大臣 人事権者はあくまで総理でございますから、総理が適宜適切な御判断をされるというふうに考えておりますが、一般論で言うと、先ほど申し上げたように、一丁目一番地の変革、それについての理解、皆さんマニフェストを掲げてやってきているわけです。中には、財源の関係でことしできないものもあります。しかし、みずからの省庁の権益を守るために族議員化して、やらないというのであれば、それはもう民主党、あるいはこの政権にいる資格を失っている、そのように考えます。

稲津委員 大臣、大変重たいお話を今いただきましたので、私も重く受けとめさせていただきました。

 それで、この権限移譲のことというのは鳩山政権にとっても一丁目一番地というお話でございますけれども、やはり今の時代の流れの中で、ここは本気になっていろいろな角度から検討していく大事な課題でございます。したがいまして、このことをあえてきょうは聞かせていただきました。

 この問題のことで一つだけ意見を言わせていただきたいんですが、これは昨日の参議院の本会議でも、我が党の同僚議員からも指摘があったと思うんですけれども、丹羽元分権委委員長の御発言でございます。これは非常に大きな意味がある。

 どのように実行していくのかを考えるのが鳩山政権の仕事だ、あえて言うならばということで、政治家か第三者を入れてオンブズマンのような分権の実行監視委員会をつくる必要がある、肝心なものはほとんど実行されていないじゃないか、これでは骨抜きになってしまうという地方分権に対する意見がございました。私は、これはやはり言い得ているかなというようにも思います。

 時間がありませんので、最後に一点だけお伺いして終わりたいと思いますけれども、次は、条例による法令の上書き権についてでございます。

 これは憲法との関連の視点もございますので、なかなか難しいお話なのは十分承知をしておりますけれども、北海道の道州制特区、この北海道から出された案件についても回答をいただきました。この上書き権について、現時点で大臣はどういうお考えか、最後にこれをお聞かせいただいて、終わりたいと思います。

近藤委員長 簡潔にお願いいたします。

原口国務大臣 一般的に、北海道と分けて議論しなきゃいけないので、ちょっと時間があれですが、法律の制定は国権の最高機関とされている国会によって行われる、地方自治体の条例制定権は法律の範囲内とされている、これは憲法です。ですから、これを踏まえて、上書き権については慎重な検討が必要であるというのが政府の答えです。

 北海道からの第四次提案を踏まえて、道州制特別区域基本方針の一部変更について閣議決定をしたところでございまして、政府としては、北海道からの提案の趣旨に沿った対応を決定したところでございます。

 上書き権については先ほど申し上げたことで、時間がございませんので、これでお許しいただければと思います。

稲津委員 終わります。

近藤委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。

 きょうは、まず最初に、郵政に関連して一つお聞かせいただきます。

 民営化に当たりまして、さまざまな問題が起こったのが日本郵政でございました。そのガバナンスの問題について、原口大臣のもとで日本郵政のガバナンスについての検証を行う委員会が立ち上げられて、先日、その検証結果についての中間取りまとめというのが出されたと承知をしております。

 この点では、本当に野党時代、大臣と一緒に、不動産の売却、バルク売却の問題ですとか、かんぽの宿の問題ですとか、あるいは三井住友カードの問題を追及してまいりました。民営化の過程の中でどういう問題があったのか、こういうことについてしっかりと明らかにしていくことが求められていると思っております。

 この検証結果におきましても、私も雇用問題ともかかわってJPエクスプレスの問題についても質疑を行ってまいりましたが、西川社長ら旧執行部の責任も指摘をしております。このJPエクスプレスの問題については、このガバナンスの検証結果の中間取りまとめにおきましても、郵便事業会社の首脳陣の反対を押し切って西川社長が統合基本合意を締結したとか、そういう過程の中でJPエクスプレスが設立をされました。

 同時に、この過程の中で、二〇〇九年の三月末には、ペリカン便事業の承継に当たっての増資について総務省が認可を行っております。この検証結果の中でも、「本事案に係る日本郵政のガバナンスとしては、経営判断としての合理性を大きく逸脱しており、その結果も重い」と指摘をしておりますけれども、こういう合理性を逸脱した日本郵政のガバナンスを実際容認してきたのが当時の総務省の対応だったのではないのかということが問われてくると思います。この点でも総務省の責任も一体に厳しく問われているんじゃないのか。

 この点についての大臣のお考えをお聞かせいただけますか。

原口国務大臣 塩川委員とは野党時代にこの問題を追及させていただきました。あのときに追及をしていたとおり、ガバナンスはもうほぼ崩壊をしていたのではないかというおそれを、この調査委員会、検証委員会の報告を聞くと、調査に当たった弁護士の人たちでさえ、ここまでひどいとは思わなかったという状況が出てきております。先ほどのJPエクスプレスでいうと、しっかりとした事業計画や収支見積もりといったものがどこまであったのか、それもまだ私たちは目にしていないという状況でございます。

 そこで、三月三十一日には、個別検証は一応終了しましたことから、郷原委員長から中間取りまとめとして対外的に発表を行いましたけれども、専門委員会としては、過去の個別事案のガバナンスの検証に当たり、総務省が適切に対応していたかどうか。確かに、当時の総務大臣、鳩山大臣のころからはできレースというようなことで総務省はさまざま調査をしております。しかし、その前はどうだったかも含めて幅広く検討をしているものと聞いておりまして、専門委員会においては、ガバナンスの脆弱性を補完するには、例えば事業計画へ重要な個別案件を詳細に記載させるべきではないかというような意見もございまして、今の法案の中に生かせる、あるいは日本郵政の管理監督の中にしっかりと生かしていきたい、こう考えておるところでございます。

塩川委員 検証結果の中間取りまとめに当たっての郷原委員長の記者会見でも、委員会設置会社という形態そのものがよかったのかということの総括も必要だと。その点におきましても、本来、総務省がさまざまな認可権を持っているわけだから、総務省としての関与についてもしっかりと総括を行うべきだ、検証を行うべきだということを改めて求めておくものでございます。対応方をぜひお願いしたいと思っております。

 その上で、このJPエクスプレスの件ですけれども、推測だが結局は目先の民営化の成果を出したいということでスタートさせたということになるんじゃないのかということで中間取りまとめでも指摘がございます。実際に、労働者の皆さんは、行ったり来たりするような状況の中で大変な御苦労をしておられるわけであります。

 このJPエクスプレスの雇用問題について、ことしの七月にJPエクスプレスを解散して、資産の郵便事業会社への承継を予定していると承知をしております。報道では、JPエクスプレスは、七千八百人の従業員や三百七十六カ所のターミナル、支店のうち、必要な部分のみを日本郵便が引き受けた後、解散をするとか、JPエクスプレスから三割程度の人員と約二十カ所程度の集配拠点が日本郵便に移る見通しだなどとされております。

 そこで日本郵政にお尋ねしますけれども、JPエクスプレスの約七千八百人の雇用の内訳がどうなっているのか。JP側から行った人、日通側から行った人、正規、非正規の方もいらっしゃいますが、その内訳を教えていただきたいのと、この雇用について日本郵政として今後どういうふうに対応されていかれるおつもりなのかをお答えください。

中城参考人 お答え申し上げます。

 現在のJPエクスプレスの社員数でございますが、正社員三千百名、非正規社員四千七百名、計七千八百名でございます。うち、郵便事業会社から出向している者は、正社員約四百名、非正規社員はございません。それから、日本通運から正社員として出向している者が二千六百九十名、非正規社員が三千五百名というふうになっております。

 なお、お尋ねの従業員の雇用でございますけれども、先生御指摘のように、JPエクスプレス株式会社は本年七月一日に郵便事業株式会社に事業承継することになりますが、JPEXの従業員につきましては、郵便事業株式会社及び日本通運株式会社の両社にて雇用の確保に向けて最善の努力を尽くすこととしております。

塩川委員 最善の努力という話でございました。

 JPエクスプレスで直接雇用されていらっしゃる方がどうなるのかという雇用の懸念がございますし、聞くところによりますと、日通側での雇用がどうなるのか、戻れない人がいるんじゃないのか、そういう声などもお聞きをしているところでございます。その点で遺漏のないように、希望される方がしっかりと雇用の機会が確保されるように日本郵政側での対応を強く求めたいと思いますが、改めてその点をお聞かせください。

中城参考人 先生の御指摘の点も踏まえまして、承継希望者の意向も考慮してしっかりやっていきたいと思います。

塩川委員 大臣にお尋ねいたします。

 このJPエクスプレスをめぐる混乱というのは、検証結果の中間取りまとめにもございますように、民営化の過程に当たってのゆがみとして出てきている。そういう点では、やはり日本郵政だけの責任ではなくて、国としての対応も問われてくるところでございます。雇用をしっかりと確保するという点で、JPエクスプレスの解散に当たって、希望される方の雇用がしっかりと確保されるように大臣としての特段の働きかけをお願いしたいと思っておりますが、その点についてぜひお聞かせください。

原口国務大臣 おっしゃるとおり、平成二十一事業年度事業計画の変更の認可の際に、私の方から、郵便事業株式会社の経営陣の方には、承継に伴い雇用不安が発生しないよう十分配慮して計画を進めてほしいとお願いをしたところでございまして、計画を進めるに当たっては、将来の労働条件の十分な説明を行うとともに、承継希望者の意向も考慮する等、雇用の確保には十分配慮してもらいたいと思います。

 一方で、今委員がおっしゃったように、ガバナンスが壊れている。ゆうパック事業とペリカン便事業との統合については、西川社長において、日本郵政の三井住友銀行出身者に担当させる一方、所要の検討も行わず、かつ、統合に慎重であった郵便事業会社首脳陣に知らせないまま、平成十九年十月五日に日本郵政と日通との間で基本合意書を締結しています。多額の赤字が予想されたことから直ちに統合を行うことに反対したにもかかわらず、反対を押し切ってやっているわけです。今までの累積損失額の総額が九百億を超えているということでございますので、日本郵政においてしかるべき措置がなされるものと考えております。

塩川委員 JPエクスプレスのもとでそういうさまざまな民営化に伴うゆがみによって公共サービスの後退も生まれるし、赤字が拡大をするし、また雇用の不安もある。そういう点での対応方についてしっかりとお願いしたい。

 その点でも、改めて御確認したいんですが、日通側での雇用の継承に不安の声があるわけであります。そういう点では、日本郵政と同時に、日通側との雇用継承についてのしっかりとした調整についても大臣の方からの働きかけもお願いしたいと思っておりますが、その点、一言御答弁をお願いします。

原口国務大臣 日本郵政については私の認可ということで、いろいろな、これはあくまで民間の企業でございますからお願いベースでございますが、今回こういう事態も検証委員会で明らかになったところでございまして、社員の皆さんの雇用の配慮とともに、顧客にも十分説明を行って、混乱がないようにしてくださいと日本郵政にも申し上げたところでございますが、日通についても、私は本当にこの合併のことが不可解でなりません、これは大臣がお願いできる話ではございませんけれども、しっかりとした雇用の確保を期待するものでございます。

塩川委員 よろしくお願いいたします。

 残りの時間でKDDIの国際オペレーターの雇用問題についてお尋ねをいたします。

 KDDIにおきましては、これまで国際オペレータ通話と言われる日本語によるオペレーターを介した国際電話サービスを提供しておりました。例えば、外国語が苦手な方でも国際オペレータ通話のところに〇〇五一とか〇〇五七と電話をしますと、つないでくれるわけですね。海外のホテルに居住している、現地で災害が起こった際に安否を確認したいという際に、外国語、英語が心配でもオペレータ通話を通じて対話ができる、海外のホームステイの子供との連絡もとれる、こういうサービスが行われていたわけですけれども、二年前にKDDIがこの事業の廃止を表明いたしました。

 それによって、多くの方から災害時などの安否確認など公共性の高いサービスの継続を求める声が広がっておりました。また、従事をしておられる労働者、非正規労働者の雇用の継続も懸念をされていたところでございます。

 この間、私からも総務省に説明を求め、サービスと雇用の継続を求めてきたところでございますが、このKDDIの国際オペレータ通話の業務と雇用がどうなったのかについて確認させていただけますか。

長谷川大臣政務官 委員御指摘のKDDIの国際オペレータ通話でございますけれども、今御照会がありましたように、ことしの三月末でサービスを終了することを既に公表しておったところでございますけれども、この問題について各方面から御指摘をちょうだいいたしまして、結果的に、KDDIは、二〇一〇年の二月二十五日に、四月以降もサービス提供を継続するということを発表したところでございます。中身につきましては、今までと同じ料金、同じ内容でサービスの提供を継続するというふうに承知をしております。

 なお、業務につきましては、子会社のKDDIエボルバというところに業務が委託されておりまして、ここのオペレーターが仕事をしておったわけでございますけれども、今回、これを一時中止するというようなことを発表して、その後、一部の業務が他に移ったというようなこともありまして、希望するすべてのオペレーターが雇用を継続されるということにはならないようでございますけれども、できるだけ雇用に努めるというふうに聞いております。

塩川委員 雇用について不安な状況が生まれている、一部継続されないという事態が生まれているということであります。この点、大臣は、国会の質疑の中でも、国際オペレータ通話は命綱、ライフラインだと述べてこられました。まさにそうだと思っております。

 私は、KDD法が廃止をされた際に、こういう国際オペレータ通話を含むユニバーサルサービスの義務が外されたというところにそもそも問題があったと思っております。

 そういう点でも、この国際オペレータ通話をしっかりと確保するというのは当然の責務として求められていることと思いますし、これを担う労働者の皆さんの雇用もしっかりと確保されなくちゃいけない。一部沖縄に移るといいますけれども、大体、今働いている方の時給は初任給で千三百円から千三百五十円なんですよ、沖縄での時給が幾らかというと六百八十円なんですね。英語をしゃべれる人をお願いしますと言うんですけれども、集まらないんですよ。それで、実際対応ができなくて、沖縄に回った者が新宿の方に移らざるを得ないということが生まれているわけです。私は、そういう点でも、今新宿で働いている方々、雇用を希望される方がしっかりとその雇用が確保されるように行ってこそ、まさに命綱、ライフラインが保障されるのではないのかと思います。

 大臣、その点での雇用に当たって、希望される方の雇用がしっかりと継続されるような、そういう働きかけというのをぜひお願いしたいと思っておりますが、御答弁をお願いします。

原口国務大臣 これは国会で御質問いただいて、私の方から、例えば日本人妻の日本へのコール、あるいは今おっしゃったようなライフラインとしてのオペレータ通話、災害時等における通信手段としても引き続き重要な役割を果たしていくことを期待して、KDDIの社長にもいろいろな御事情を聞いたわけで、今回の御決定になったわけでございます。

 三月三十一日時点で雇用されていたオペレーターの方の四月一日時点の雇用状況は、オペレーター業務を希望された方で、選考により継続雇用した方が五十五名、選考により継続雇用しなかった方が八名、他業務に配置転換した方が七名、そして退社された方が十一名というふうに聞いております。

 いずれにせよ、一般論として、雇用に関することはKDDIエボルバの経営の自主性を尊重すべきものと認識をしておりますけれども、雇用ということは大変オペレーター業務の質を維持する上でも大事なことである、このように認識をしております。

塩川委員 希望する方全員の雇用継続を強く求めると同時に、非正規の方の均等待遇というのをぜひ実現することこそ、命綱、ライフラインの保障につながっていく、ユニバーサルサービスとしての業務を提供することにつながるということを求めて、質問を終わります。

近藤委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きょうは、鳩山政権の憲法違反と違法状態について対処を求めたいと思います。これはレトリックですので余り問題視しないでもらいたいと思うんです、スキャンダルの追及とかをやるわけではありませんので。

 一票の格差の問題について取り上げたいと思います。

 二〇〇〇年の衆議院選挙で、私の父親の柿澤弘治が無所属で当選をしました。そのときに、無所属になるとなかなか活動も限られる、何をやったらいいかねということで私が相談を受けまして、一票の格差の是正に取り組んだらどうかということを進言しました。その結果できたのが、超党派の「一票の格差」の是正をめざす議員連盟というもので、都市と地方の一票の格差を是正していこうという趣旨で、自民党、民主党、当時の各政党から世話人に集まっていただいて結成をされたものです。あの当時、地方選出の方々の多い自民党は多くの参加が難しかったんですけれども、逆に民主党さんは、たしかあのとき鳩山総理が代表をされておられて、鳩山代表の積極的な後押しもありまして、多数の民主党議員に参加をしていただいた、そんな記憶がございます。

 この一票の格差が二倍を超えるのは、法のもとの平等を定めた憲法の理念から容認できないという判断が大阪、広島、福岡、名古屋の四つの高裁で相次いで示されております。直近、三月十八日の名古屋高裁の判決では、二倍以上の格差は投票価値の平等を損ない、一人一票制に反し、その不合理性は是認しがたいということで、去年八月の衆議院総選挙を違憲ということで断じております。

 さらに、現行の衆議院選挙制度における定数三百議席を、まず全四十七都道府県に一議席ずつ割り当てた後、残りの二百五十三議席を比例配分する、一人別枠方式と言われますけれども、これについて投票価値の格差の拡大を助長しているのは明らかであるということを広島高裁の判決で指摘しております。三月十二日の福岡高裁、三月十八日の名古屋高裁、直近の二つの判決でも、この一人別枠方式を目的や手段としての合理性の点で正当性を失っているなどと指摘をしております。

 とりわけ、三月十二日の福岡高裁判決は大変厳しいもので、一人別枠方式というのがなぜ導入されたのかといえば、一つは、過疎地域を含め国民の意見、利害を均等に反映させる、二つには、中選挙区からの移行による激変緩和というふうに言われてきたわけですけれども、まず一つ目の過疎地域の国民の意見の反映という点では、国会議員は全国民の代表という憲法の立場と衝突をする、そして、二つ目の中選挙区からの移行による激変緩和というのは、選出議員減少で死活問題に直面した議員らに対する延命策にすぎないということで、この一人別枠方式の合理性をある種ばっさり否定をしております。

 さらに、この福岡高裁判決では、裁判所の試算として、都道府県別に人口比例配分した場合に格差が一・六倍にとどまる、別枠方式をやめて三百を全部比例配分すれば現行でも格差は一・六倍にとどまるんだということを指摘しておりまして、前回選挙から四年近く放置した国会の不作為は、その裁量の範囲を相当に認めても逸脱しているというふうに述べております。

 まさに、当時、私の父親の柿澤弘治も所属をしておりました「一票の格差」の是正をめざす議員連盟が目指していたのも、この一人別枠方式の見直しだったんです。

 一票の格差の問題、中でも一人別枠方式をとり続けることで二倍以上の格差が放置されている現状について政府としてどのように考えているか。これについては、こういう判決も出ていて、また、政府としてしっかりとしたメッセージを国民に発信をしていかなければいけない。そういう意味で、ぜひ期限を切って、明確な御答弁をいただきたいというふうに思っております。

原口国務大臣 一票の格差、これはまさに民主主義の根幹にかかわることですので、慎重に議論を進めてまいりたいと思っております。

 きょうの高松高裁の判決では、格差是正のための合理的期間内であり、違憲でないということで判決が出ています。

 今、柿澤委員がおっしゃった、違憲であると、いわゆる事情判決と合理的期間未経過であるという高裁判決が大体半分ぐらいになっています。そして、これらの判決に対しては、原告、被告双方から上告されているところでございまして、今後最高裁判所での審理が進められることから、その推移を見守っていくというのが政府の姿勢であるというふうに考えております。

柿澤委員 非常に公式見解にとどまる答弁になってしまって、多少残念な思いもあるんですけれども。

 二月十三日には、国政選挙の一票の格差をなくそうと呼びかけている一人一票実現国民会議が初めてのサポーター大会を都内で開いております。毎日新聞に掲載されているこの共同代表の升永英俊弁護士の発言によれば、アメリカでは連邦最高裁が一・〇〇七倍の格差があった下院選挙を違憲、無効としている、こういうことをおっしゃっています。

 国民運動がこうして立ち上がる中で二倍もの一票の格差を放置する、これは国会の不作為でもあり、政府の不作為でもあるというのは、私は恥ずかしいとさえ言えるのではないかというふうに思います。そういう意味で、これはまさに待ったなしの課題として取り組まなければいけないというふうに申し上げたいと思います。

 さらに、選挙権年齢のことについてお伺いをしたいと思います。

 選挙権年齢については、国会においてもこれまでさまざまな議論が行われてまいりました。また、憲法改正に関して最終的な意思決定をするための手続を定めた国民投票法の施行がことしの五月十八日にやってくるわけであります。

 この国民投票法附則の三条では、「この法律が施行されるまでの間に、年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう、選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法、成年年齢を定める民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする。」というふうにされています。

 附則三条によれば、二〇一〇年五月十八日以降、必要な法制上の措置を講じなければ違法状態ということになってしまうというふうに思います。そういう意味で、公選法の選挙権年齢の十八歳への引き下げということも、国民投票法の施行が目の前に来ているという状況の中では、これはまさに待ったなしの課題なのだというふうに思います。

 また、民主党は、マニフェストと同時に提示した政策インデックスで、「選挙権を十八歳から付与する法律を国民投票法に合わせて施行します。」というふうに明記されております。「国民投票法に合わせて施行します。」を素直にとれば、国民投票法施行日であることしの五月十八日までに公職選挙法の選挙権十八歳への引き下げの施行をするというふうに受け取れます。

 こういうことにかんがみて、目の前に五月十八日の国民投票法の施行が迫ってきている状況を踏まえて、公選法を改正し、十八歳選挙権を実現する、こうしたことに速やかに取りかかっていく必要があると思いますけれども、御見解はいかがでしょうか。

渡辺副大臣 まず冒頭、亡き御尊父の思いを込めて力強い質問をされましたことに心から敬意を表したいと思います。私も一票の格差を是正する会のメンバーでございました。決して熱心に参加していたわけではありませんけれども、まさにいろいろ思い起こされることがあるわけでございまして、敬意を申し上げたいと思います。

 今、十八歳への引き下げについては、国民投票法の施行までの間に検討を加えるということで議論をしてまいりました。ただ、民法の成年年齢の引き下げもあわせて検討しますと、昨年十月の法制審の答申において、消費者被害の軽減等の環境整備がまだ必要であると。そしてまた、十八歳を成人とすることについて、国民的な議論も必要でありますし、国会における議論がまだまだ進んでいないということを考えますと、直ちに選挙権年齢を引き下げることは現状では難しいのかなというふうに思います。

 ただ、これは我々も、マニフェストの中のインデックスとはいえ、触れたことでございます。これは当然、内閣官房、政府全体の中で、この問題を、不作為とするのではなくて、よくよく協議をして、いかなる形があるべきなのかということについて対処をしていくべき課題だろうと思っておりまして、委員と問題意識は共有していると申し上げたいと思います。

柿澤委員 問題意識を共有してくださっているということは大変ありがたいことだというふうに思いますが、しかし、施行までの三年の間に民法も含めた法整備を行っていくということが附則にあったわけでありますので、そういう意味では、私は、これも立法不作為の一つであり、本当はもっともっと差し迫った課題として対処しなければいけない問題だというふうに思います。

 さらに加えて言えば、鳩山総理自身が、この選挙権年齢の引き下げに、総理になってから踏み込んだ発言をされておられるわけです。昨年十月に、法制審が民法の成人年齢の十八歳引き下げを適当とする答申を出している。それに関連して鳩山総理は、選挙権は十八歳に引き下げたらいいと民主党はしばしば言ってきた、それだけ取り出しても、早く実現することが望ましいということをコメントしております。

 また、ことしの四月一日に、新任の枝野大臣が、もともと民主党憲法調査会の会長でありますので、我々が政権をとって、進められる状態になったんだから、三年以内に諸制度の改正をやらなければいけない、こういうことを新たにコメントされておられます。

 枝野大臣は所管の大臣ではありませんし、また、政権をとってから三年以内というのは、マニフェストの達成期間としてはわかりますけれども、法的には本当に目の前に整備をしなければいけない課題だというふうに思いますので、私は、これはやはり期限を切って、いついつまでにこの問題について結論を出して実行しますということをぜひこの場で言っていただきたいというふうに思っております。

 その点で、原口大臣、先ほどの一票の格差の問題については、まだ裁判が続いているというようなこともあって、なかなか踏み込んだ答弁ができなかったかもしれません。しかし、この問題について、ぜひ踏み込んだ御答弁を、期限を切って、お願いをしたいと思います。

原口国務大臣 私たちの姿勢については、もう鳩山総理がお話をされているとおりでございます。

 私は、民主政治を学ぶ年齢は、十八歳とか二十とかそういうものじゃないと思っています。小さいころから民主政治の大切さを学校やさまざまな機会で学び、そして、できるだけ十八歳になれば選挙権を行使できるようにする、それは国民投票法のときも国会で御議論をいただいたところでございます。

 ただ、政府としても、今、国会での御議論がまだまだ不十分である、あるいは国民的な議論が不十分であるという御意見も事実でございまして、しっかりとした論点整理をする中でこれを前に進めていきたい。

 私が今言えるところは、いついつまでにというのは、柿澤委員、ちょっと無理です、今の状態では。法制審だ何だというものがあって、そことの横並びで今議論をしているわけで、柿澤委員の御質問ですから、私も来年までにはとここで言いたいところですけれども、なかなかそれが言えないということをお許しくださればと思います。

柿澤委員 時間もなくなってまいりました。

 二倍以上の一票の格差は違憲であるという高裁判決がこれだけ相次いでいる。違憲でないという判決もあるということでありますけれども、しかし、違憲だという判決が四回も相次いで出ている。こういう状況を放置しているわけにはいかないというふうに思います。

 その点で、今の一票の格差を是正するための衆議院小選挙区の区割り見直しは待ったなしの課題になってくると思います。そのためには、衆議院議員選挙区画定審議会を直ちに動かさなければならないのではないかというふうに思います。

 また、一人別枠方式についても、かなり踏み込んだ言及を裁判所として行うようになってきています。もはやこれを議論しないで放置しているわけにはいかないはずであります。

 加えて、例えば、衆議院の比例定数の削減などを民主党はマニフェストで公約をされているわけでありまして、こうした懸案を議論していくためには、まず衆議院議員選挙区画定審議会、そして、ここまで長い間先送りされている第九次選挙制度審議会の設置ということも含めて、これから選挙制度に対する議論を行っていく必要がある。こうした判決を踏まえて考えると、そういう差し迫った時期にもはや来ているのではないかというふうに思いますが、最後にお考えを伺いたいと思います。

原口国務大臣 一票の重み、これは極めて大事なものだと考えています。

 その上で、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に係る大まかなスケジュールを申し上げたい。

 ことしは十年に一度の国勢調査の年です。私も国勢調査を指示いたしましたけれども、この十月に国勢調査があり、速報集計結果が公表されるのが平成二十三年、来年の一、二月ごろになります。速報集計結果を公表して、それを受けて二十三年内に衆議院議員選挙区画定審議会において調査審議を行い、そして区割り改定、今委員がおっしゃるものを審議し、区割り改定案の内閣総理大臣への勧告などを経て、平成二十四年一、二月には区割り改定案の勧告期限が来るわけでございまして、そこまでに仕上げておかなければいけない大事な課題である、このように考えております。

柿澤委員 今のは非常に重要な御答弁だと思います。一票の格差を是正していくために、国勢調査の結果を踏まえて、選挙区画定審議会を動かして区割りの見直しを行っていく、こうしたことを総務大臣としてお話をされたということで理解をしてよろしいですか。

近藤委員長 質問の時間が終わっておりますので、簡潔にお願いいたします。

原口国務大臣 一票の重みというのは大変大事なものです。そして、区割り改定案の勧告期限というものがございますから、それまでに必要な措置を行うということでございます。

柿澤委員 私が先ほど申し上げたように理解をさせていただきたいというふうに思いますが、とにかく、この一票の格差の問題は、まさに国民一人一人の権利の平等ということにかかわる問題であって、ただの技術論だったりするものではないというふうに思います。諸外国の対応と見比べても、国会も含めてなんですけれども、今の日本の対応は非常に遅く、問題が多いというふうに感じております。

 このことを最後に申し上げさせていただいて、時間が超過をしておりますので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

近藤委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び秋葉賢也君外四名提出、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。原口総務大臣。

    ―――――――――――――

 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

原口国務大臣 ただいま議題となりました独立行政法人通則法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 本法律案は、独立行政法人について、その財務基盤の適正化及び国の財政への寄与を図るため、業務の見直し等により不要となった財産の国庫納付等について所要の規定を定めるものであります。

 次に、本法律案の内容について、その概要を御説明いたします。

 第一に、独立行政法人は、業務の見直し、社会経済情勢の変化その他の事由により、その保有する重要な財産が将来にわたり業務を確実に実施する上で必要がなくなったと認められる場合には、その不要財産を処分しなければならないとの一般原則を定めることとしております。

 第二に、独立行政法人は、政府からの出資または支出に係る不要財産については、遅滞なく、これを国庫に納付することとし、その不要財産が政府からの出資に係るものであるときは、その納付に係る額により資本金を減少することとしております。

 第三に、独立行政法人は、政府以外の者からの出資に係る不要財産については、出資者に対し、出資額の持ち分の払い戻しの請求をすることができる旨を催告しなければならないこととし、払い戻しの請求があったときは、遅滞なく、請求された持ち分を出資者に払い戻すとともに、払い戻しをしたときは、その払い戻しに係る額により資本金を減少することとしております。

 第四に、施行期日につきましては、公布の日から起算して六月を超えない範囲において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

近藤委員長 次に、秋葉賢也君。

    ―――――――――――――

 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

秋葉議員 自由民主党の秋葉賢也です。

 ただいま議題となりました、自由民主党・改革クラブ、公明党及びみんなの党共同提出の独立行政法人通則法の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要について御説明を申し上げます。

 私どもは、独立行政法人が今後とも公的セクターの重要な一員として、国政上重要な事務事業ではあるが、政府直営で実施することがかえってその効率的、効果的執行を阻害しかねないものの実施主体として活用されるべきものであるとの基本的認識に立ち、ガバナンスの強化や役職員の再就職規制、保有資産の見直しなど、包括的な独立行政法人改革を一体的に行うことがぜひとも必要であると考えております。

 このような考え方のもとで、より効率的、効果的な独立行政法人制度を実現すべく、私どもは、平成二十年の通常国会に、今回の政府提出案の内容ともなっております不要財産の国庫納付義務のほか、評価機関の一元化、業務管理体制の強化、非特定独法の役員の再就職規制等を盛り込んだ独立行政法人改革のための通則法改正案を提出したところであります。

 しかし、当時、野党であった民主党は、独立行政法人改革の必要性を主張していたにもかかわらず、法案の審査に入ることすら拒否するという、言行不一致で無責任な対応に終始し、法案は昨年の衆議院解散により審査未了、廃案となってしまいました。

 今回の政府提出案は、政府・与党がばらまき予算のつじつまを合わせるための財源として独立行政法人の保有資産を召し上げることばかりに目を奪われ、平成二十年の通常国会に提出された通則法改正案の中から、独立行政法人改革の中核ともいうべき事項のほとんどを先送りし、ほんの一部である不要財産の国庫納付等だけを切り抜きしたつまみ食い法案だと言っても過言ではありません。このような中途半端な政府提出案に対し、私どもは、平成二十年の内閣提出案をもとに、より一層内容を強化した通則法改正案を今回新たに提出したところであります。

 以下、本法案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、内閣全体としての評価機関の一元化であります。独立行政法人の業務実績の評価を行う機関として、これまでは各府省におのおの所管の独立行政法人の業務を評価する評価委員会がありました。しかし、各府省においてお手盛りの評価を行う可能性が排除できないことなどから、現行の各府省評価委員会等を廃止し、内閣総理大臣が委員を任命する一元的な評価委員会を設置し、内閣全体として統一性のとれた厳格な評価ができるように体制を整備することといたしております。なお、評価機関は当該独法に対して第三者である外部の者を任命し、客観性を担保することを想定しております。

 第二に、独立行政法人の業務実績の評価についての仕組みを改め、手続を整理しております。その際、独立行政法人の報告書の経由機関である主務大臣に業務運営の改善等のための意見を付する機会を与えるとともに、評価委員会が主務大臣に対し勧告ができることとし、その勧告が行われた場合には、主務大臣は独立行政法人に対し必要な指示をできることとしております。また、評価委員会の内閣総理大臣に対する報告及び意見具申の制度を設け、評価委員会の権限そのものを強化するとともに、内閣が独立行政法人の評価に一元的にかかわっていく仕組みとすることとしております。

 第三に、独立行政法人の長及び監事について、原則として候補者を公募することとし、任命の際には内閣の承認を要することにしております。また、より公正、透明で適材適所の人事を徹底させるため、評価委員会による解任勧告制を導入することとしております。

 第四に、独立行政法人の監事及び会計監査人の職務権限の強化等を図るとともに、会計監査人の任期と同様、監事の任期を財務諸表の主務大臣承認のときまでとする改正を行うこととしております。

 第五に、非特定独立行政法人の役職員に係る離職後の就職について、密接関連法人等に対するあっせん並びに法令等違反行為に関連した求職活動及び働きかけの規制を設けるとともに、今回新たに所要の罰則規定を設け、業務の公正性を確保することとしております。

 第六に、独立行政法人の保有資産について、不要財産を国庫に納付することを義務づけるとともに、それに伴う減資等について所要の規定を整備することとしております。

 最後に、今回、新たに保有資産及び財産の状況を評価委員会の評価の対象に追加することとしております。

 以上申し上げてきたように、現行の独立行政法人制度に係る制度の改革を推し進めるためには、内閣提出案による不要財産の国庫納付だけの改正では甚だ不十分ではないでしょうか。

 何とぞ、十分に御審議の上、御賛同くださいますことをお願い申し上げます。

近藤委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十三日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時散会


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