衆議院

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第11号 平成25年6月6日(木曜日)

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平成二十五年六月六日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 北側 一雄君

   理事 田中 良生君 理事 土屋 正忠君

   理事 徳田  毅君 理事 橋本  岳君

   理事 山口 泰明君 理事 原口 一博君

   理事 東国原英夫君 理事 伊藤  渉君

      井上 貴博君    今枝宗一郎君

      上杉 光弘君    大西 英男君

      門山 宏哲君    川崎 二郎君

      木内  均君    北村 茂男君

      小林 史明君    佐藤  勉君

      清水 誠一君    瀬戸 隆一君

      田所 嘉徳君    橘 慶一郎君

      中谷  元君    中村 裕之君

      長坂 康正君    船橋 利実君

      湯川 一行君    小川 淳也君

      奥野総一郎君    黄川田 徹君

      福田 昭夫君    岩永 裕貴君

      上西小百合君    遠藤  敬君

      杉田 水脈君    中田  宏君

      西田  譲君    松浪 健太君

      濱村  進君    佐藤 正夫君

      塩川 鉄也君

    …………………………………

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)   新藤 義孝君

   内閣府副大臣       坂本 哲志君

   厚生労働副大臣      秋葉 賢也君

   総務大臣政務官      橘 慶一郎君

   総務大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    北村 茂男君

   文部科学大臣政務官    義家 弘介君

   厚生労働大臣政務官    丸川 珠代君

   政府参考人

   (内閣府地方分権改革推進室次長)         新井  豊君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   福田 淳一君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           神田 裕二君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           村木 厚子君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 唐澤  剛君

   政府参考人

   (農林水産省食料産業局長)            針原 寿朗君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総括審議官)         花岡 洋文君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           二見 吉彦君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           若林 陽介君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           樺島  徹君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           坂   明君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術参事官)         大脇  崇君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       山崎 篤男君

   総務委員会専門員     阿部  進君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月六日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     船橋 利実君

  岩永 裕貴君     遠藤  敬君

  馬場 伸幸君     杉田 水脈君

  松浪 健太君     西田  譲君

同日

 辞任         補欠選任

  船橋 利実君     井上 貴博君

  遠藤  敬君     岩永 裕貴君

  杉田 水脈君     馬場 伸幸君

  西田  譲君     松浪 健太君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第五五号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

北側委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府地方分権改革推進室次長新井豊君、財務省主計局次長福田淳一君、厚生労働省大臣官房審議官神田裕二君、社会・援護局長村木厚子君、政策統括官唐澤剛君、農林水産省食料産業局長針原寿朗君、国土交通省大臣官房総括審議官花岡洋文君、大臣官房審議官二見吉彦君、大臣官房審議官若林陽介君、大臣官房審議官樺島徹君、大臣官房審議官坂明君、大臣官房技術参事官大脇崇君及び水管理・国土保全局次長山崎篤男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

北側委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。黄川田徹君。

黄川田(徹)委員 民主党の黄川田徹であります。

 通告に従い、順次質問していきたいと思います。

 まず、提出された法案に関してでありますけれども、地方分権の改革の歩みをちょっとおさらいしていきますと、一九九三年に衆議院、参議院両院で地方分権推進の決議がされたということ、それから一九九五年には地方分権推進法が成立、一九九九年には地方分権一括法が成立、二〇〇六年には地方分権改革推進法が成立、そして二〇一一年には地域主権改革関連三法が成立ということであります。

 そこで、地方分権、我々は地域主権と申しておりますけれども、この一連の流れの中で、これまでの各内閣の取り組みを総括して、大臣はどのように評価し、認識しているか、まず伺います。

新藤国務大臣 まず、平成五年六月に衆参両院で地方分権の推進に関する決議がなされて、地方分権の一連の取り組みが始まり、そして平成七年の五月に成立した地方分権推進法に基づいて第一次地方分権改革が進められた、今委員も御紹介いただきました。そして、小渕内閣における第一次地方分権改革、これにおいて、国と地方の役割分担を見直し、対等、協力の関係を目指すという観点から機関委任事務制度の廃止、そして地方公共団体に対する国の関与等の見直し、これが進められて、一定の成果が上げられた、このように思います。

 そして、その後、第一次安倍内閣において、平成十八年の十二月に成立した地方分権改革推進法に基づきまして、地方分権改革推進委員会、いわゆる丹羽委員会が設置され、第二次地方分権改革が開始をされたわけであります。現在まで進められておりますこの地方分権改革は、この丹羽委員会による四次にわたる勧告、これを踏まえたものであると私は認識をしております。

 そして、政権がかわりまして、民主党政権におきましても、この丹羽委員会の勧告を踏まえた中で、国と地方の協議の場の法制化、それから義務づけ・枠づけの見直しに係る第一次、第二次一括法の制定、こういったものが進んできた、成果が上がった、私はこのように考えております。

 一方で、成果が進みつつ、出先機関の改革であるとか一括交付金だとかそういったものも提案されましたけれども、政権の混乱というようなものもあったのかとは思いますが、国会との関係から、着実に進んだとまでは言えなかった部分もある、このように思います。

 そして、第二次の安倍内閣では、この第一次安倍内閣で設置された地方分権改革推進委員会の勧告に立ち返り、そして、再起動させた地方分権改革推進本部を中心にいたしまして、国から地方への事務権限の移譲を中心とした課題を、地方の声を伺いつつ推進していきたい、このように思います。

 全てにおいて、ゼロ、一〇〇ではありません。大きな流れとしては、地方分権改革を進めていこうという流れの中で、政権がかわっても、これは今必要な改革として着実に進められているのではないか、紆余曲折はあると思いますが前に進んでいる、私はこのように考えております。

黄川田(徹)委員 平成五年に衆参両院の決議があって、今平成二十五年でありますので、二十年がたちました。そしてまた、この決議は全会一致の決議でありますので、基本的には、与野党にかかわらず、方向性は共有しておると思っております。

 そこで、特に、地方分権一括法が成立ということで、これまで国の下請機関みたいな形で機関委任事務というのがありましたけれども、これが廃止された。それから、これまでの、上下関係というんですか、主従関係といいますか、それをやめた。それはあくまでも対等そしてまた協力関係にあるんだということ、ここのところがこの一九九九年の地方分権一括法の成立の肝だ、こう思っております。

 今も東日本大震災で国、県、市町村一体となって復興に努めなきゃいけないのでありますけれども、この部分でも、国と自治体は対等、協力関係にある中で復興を進めるという部分、復興の現場は基礎自治体でありますので、そことの関係で、風通しのよいといいますか、その対等、協力というところを土台にしてさまざま進めていければと思っております。

 それで、我々の政権といいますか鳩山政権のときに、中央集権体質から脱却し、地域の住民一人一人がみずから考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負う地域主権へとこの国のあり方を大きく転換していくという方針を表明したわけであります。

 その中での重要な政策課題は、法令による自治体への義務づけ・枠づけの見直し、そして国と地方の協議の場の法制化、ひもつき補助金の廃止と一括交付金化、それから基礎自治体への権限移譲、そしてまた国の出先機関改革であります。

 そこで、鳩山内閣は本当の国民主権の実現、あるいはまた内容の伴った地域主権を政策の二つの大きな柱として新たな国づくりに向けて動き出したわけでありますけれども、この考え方について、大臣の所見をお伺いいたします。

新藤国務大臣 国と地方が対等である、これは私は当たり前だと思うんですね。同じ枠の中にあるんですから、対等ではなくて役割分担だ、このように思っておりました。

 しかし、残念ながら、実態として、中央集権体質と批判されるような、国からの上意下達であったり、それから、国の法律の一律の枠に当てはめる、こういうようなことがあったのは、私は否めないところであると思います。

 ですから、こういったものを直すというのは必要なことで、その意味では、この二十年、感覚的には随分変わってきたのではないかな、このように思っていますし、今私たちは、むしろそれよりも、本当に責任分担するにはどうしたらいいですか、そしてそれを実行するためには何が必要ですかという議論に入っているんだと思います。ですから、言葉尻を捉えた議論というのは、私は、もう不毛なものにしていかなくてはいけないな、このように思っているんです。

 ですから、その意味において、政権がかわっても国と地方のあり方に対する方針というのは変わってはいない、これがまず基本にあります。

 その上で、あえて、どうかと聞かれると、鳩山内閣の発足時に閣議決定した基本方針、これは政権発足直後の基本方針でありますが、本当の国民主権の実現、それから内容の伴った地域主権というのは、気持ちとしてはわかるんですが、それは一体何を意味するのかというのは、曖昧というかわかりにくい部分があったというふうに思います。

 それから、地域主権という言葉はとても大切にされているというふうに思うんですが、主権は国民主権であります。そして、主権という用語は、国政のあり方を最終的に決定する力であります。ですから、対外的には、国と国との間では国家主権という言葉も出てまいりますけれども、国と地方の対立の概念の中でこれを使われるというのは、お気持ちというのは、そういう気持ちなんだろうなとは私も思いますが、しかし、残念ながら、それは法律的には適用されるものではなかったということでございます。

 ですから、例えば、前政権がお出しになられた地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案、これは、みずから、与野党の合意の中で、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案、法案の名称も変わらざるを得なかったわけであります。それから会議の名称も、地域主権戦略会議、このようになっておりましたが、これは内閣府設置法の改正規定の修正でありますが、これはそのもの自体を削ることになっております。

 それから、内閣府設置法の改正の中の用語の整理におきましても、地域主権改革という言葉については、「日本国憲法の国民主権の理念の下に、住民に身近な行政は、」こういうふうに言いかえられたということでありまして、そういったところ、法制上適切でない用語というのも含まれていたということはあったのかなというふうに思います。

 しかし、基本方針という意味では、地域の住民一人一人がみずから考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負う、これはまさに私どもも同じことを申し上げているわけでありまして、個性を生かし自立した地方をつくる、これが今私がミッションとして、そういう言葉にさせていただきましたけれども、思いは同じではないかな、このように思います。

 ですから、地方分権を進めていくためには、理念も重要であって、きちんとしたコンセプトを共有することが重要でありますが、できることから着実に進めていきたいと私は考えておりますし、これまでの改革の流れの中で、よいものは引き継ぎ、それから、まだ取り組みが進められていないものについては見直しを行って、着実に進めていきたい、このように考えております。

黄川田(徹)委員 地域主権関連三法案の審議の中で、結果として修正されて成立したわけでありますけれども、当時、自民党の筆頭は大野先生でありまして、きょうは坂本副大臣も来ておりますけれども、それから石田先生等々、そして我が原口大臣等々と、国家主権あるいはまた国民主権、地域主権とは何ぞやということで大いに議論したわけであります。

 いずれ、基本的な考え方は共有しているということでありますが、足元のところから着実にということであります。主権に関してはまだまだ議論しなきゃいけないところはありますけれども、まず大局的な方向性はしっかりと見詰めているということで理解しておきたい、そのように思っております。

 それでは、具体に行きたいと思います。

 第四次見直しでは、政権交代に伴い方針の変更等があったのか、これを伺います。

北村大臣政務官 義務づけ・枠づけの見直しについては、第一次安倍内閣で設置をされました地方分権改革推進委員会の勧告を受けまして、これまで二次にわたり一括法が成立をいたしているところでありますが、私ども自民党、公明党の政権公約においても、地方分権改革推進委員会のこれまでの勧告を踏まえた上で、義務づけ・枠づけの見直しを進めるとされているところでもございます。

 地方からの提案を受けた事項については、引き続き、義務づけ・枠づけの第四次見直しを進めることといたしたものでありまして、その方向性について変更をいたしたということではございません。

黄川田(徹)委員 考え方を踏襲したということでありますけれども、今回の見直しで、地方の四団体、知事会、市長会、町村会、それから町村議会議長会からの提案を踏まえまして見直しを進めた、こう思っておるのでありますけれども、地方六団体もそれぞれの立場でさまざまな意見があると思いますので、国と地方の協議の場の活用、あるいはまた、政務三役、首長との、そういうレベルでの協議とかは行ったわけでありますか、確認したいと思います。

北村大臣政務官 今回の第四次見直しは、そもそも地方からの提案を受けて検討が行われたものでございまして、地方六団体に対しても、検討の経過については随時情報提供を行ってきたところであります。

 今後の義務づけ・枠づけの見直しにつきましては、地方分権改革有識者会議の議論や地方の意見などを踏まえ、必要な検討を進めてまいりたい、このように考えているところでございます。

黄川田(徹)委員 それでは次に、事務方からお伺いいたします。

 この地方の四団体からの提案でありますが、これは全て盛り込まれたのか、そしてまた、今回実現できなかったものがあれば、それはどういう理由で実現できなかったのか、さらに、今後これらをどのように取り扱うか、お尋ねいたします。

新井政府参考人 義務づけ・枠づけに係る第四次見直しにおきましては、見直し対象となりました六十四項目に対しまして、四十八項目について何らかの見直しを実施するものとしたところでございます。提案の実現の割合については、過去の見直しと同様、約四分の三というところでございます。

 実現できなかったもの、例えば児童福祉施設の基準の参酌基準化あるいは農地転用許可に係る農林水産大臣の協議の廃止などがございました。これは、制度を所管する関係省庁との調整の結果、最終的に見直し実施という結論に至らなかったものでございます。

 今後、義務づけ・枠づけの見直しにつきましては、これらの見直しに至らなかった項目も含めまして、地方分権改革有識者会議の議論あるいは地方の意見、こういったものを踏まえ、対象を整理しながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。

黄川田(徹)委員 次に、今後また自治体への義務づけあるいはまた枠づけの新設といいますか、新たに設けるということになれば、これは必要最小限にしていく必要があると思うのでありますけれども、その辺の認識はどうでありますか。

新井政府参考人 委員御指摘のとおりでございまして、地方公共団体に対する義務づけ・枠づけの新設につきましては、これまでの地方分権改革推進委員会の勧告等に基づきまして、必要最小限にするよう各府省が取り組む必要があると考えておりまして、その旨閣議決定が行われているところでございます。

黄川田(徹)委員 これについては、野田内閣においては、推進大綱において、所管省庁や総務省においてチェックを行うことや、あるいはまた、事前情報提供制度への適切な対応を図ることなどの方針が示されたわけであります。

 そこで、現政権も、前政権の推進大綱の方針を踏まえて、この義務づけ・枠づけのチェック機能を強化していくのかどうか、具体的な取り組みをお尋ねいたします。

新井政府参考人 御指摘のとおり、義務づけ・枠づけのチェック機能、いわゆる新設の審査でございますが、これにつきましては、推進大綱の方針を踏まえながら、各府省において大臣官房等の総合調整機能を有する部局において審査をすることとするほか、地方分権改革推進室といたしましても、必要に応じて所管府省に対して意見を述べてまいりたいというふうに考えてございます。

黄川田(徹)委員 次に、具体的な法律の一部改正についてお尋ねいたします。

 国土利用計画法の一部改正における計画策定に係る議会の議決義務規定の削除についてでありますけれども、都道府県計画及び市町村計画を定める場合の議会の議決要件を廃止することにした理由をお尋ねいたします。

二見政府参考人 国土利用計画の策定に関します地方議会の議決の手続につきましては、地方議会の権限にかかわることでもございますので、当該規定の見直しについて慎重に検討してきたところでございますが、全国知事会から再三の御提案がなされ、強い要請がありましたこと、また、地方自治法第九十六条第二項におきまして、地方公共団体は条例で議会の議決を経るべきものを定めることができるとされていること、このようなことを踏まえまして、地方の自主性、自立性の拡大を図る観点から、計画の策定手続として議会の議決を経ることにつきましては、法律で規定するのではなく、個々の団体の判断に委ねることが適切である、そのように考えまして、地方議会の議決に係る規定を廃止する改正を行うこととしたところでございます。

黄川田(徹)委員 要請は、執行側といいますか、そちらからの提案でありますので、今度は、議決側といいますか、地方六団体のうちの議会三団体に意見を求めたか、これも確認しておきたいと思います。

新井政府参考人 今回の見直しにつきましては、地方六団体の中で情報共有を図った上で、必要な調整を経て提案が行われたというふうに承知しております。

 また、この見直し内容につきましては、内閣府の地方分権改革推進室から、議会三団体も含む地方六団体に支障がない旨の確認を改めて行ったところでございます。

黄川田(徹)委員 今、具体的な事例、国土利用計画の法律でありますけれども、こういうふうな計画の策定に関して議会の議決を要するものはほかにあるのか、あるいはまた、あれば今後検討するのか、そしてまた議決要件を廃止するか否かの基準等々があるのか、どのような考え方なのか、あわせてお尋ねいたします。

新井政府参考人 計画策定につきまして個別に法律で議会の議決を要することとしているものは、当方で調べた限りでは、土地改良法に基づく土地改良事業計画など六項目あると承知しております。

 今回、第四次見直しにおきましては、地方からの見直しの提案があったのがこの国土利用計画法ということでありましたので、これを検討の対象としたものでございます。

 今後、これらのものについてどうするかということにつきましては、さらに地方の意見などを聞きながら検討してまいりたいというふうに考えております。

黄川田(徹)委員 地方が自主的に考えて結論を出すという形の中で、必ず議会を通さなきゃいけないというよりも、議会を通すべきものは何なのかということをしっかりと地方議会で確認するというような大きな流れがありました。たしか、市町村で一番大事な計画というと総合計画といいますかそういう計画なんですが、かつては基礎自治体は必ず議会にかけなきゃいけないというような形になっていたと思いますけれども、今は、条例で何が議会にかける必要があるか、そういう流れの中での位置づけと思いますので、さまざまな課題があれば、しっかりと地方六団体と協議をしていって結果を出していただきたい、こう思います。

 特に、議会の議決は自治体としての最高の意思を確認するところでありますので、その辺を十分踏まえてお願いいたしたいと思います。

 次に、地域主権戦略会議が廃止されまして、そして新たに地方分権改革推進本部が設置されたということでありますけれども、新たな本部の位置づけ、役割、そしてまた地方分権改革推進委員会との違いをお尋ねいたします。

新藤国務大臣 まず、地方分権改革推進委員会でございますが、これは四次にわたる勧告を行ったわけであります。地方分権改革の推進に関する基本的事項についての調査審議をするために、地方分権改革推進法に基づいて設けられました。そして、地方分権改革推進計画の作成のための具体的な指針を勧告すること及び重要事項について意見を述べる、こういう役割があったわけであります。

 それに基づいて、この委員会の勧告を踏まえ、内閣としての改革の推進に関する施策の総合的な策定及び実施を進めるために、平成十九年五月に、総理を本部長として全閣僚で構成する地方分権改革推進本部が設けられておりました。

 それが、政権交代がございまして、民主党政権によってこの地方分権改革推進本部が廃止をされて、関係閣僚と有識者から成る地域主権戦略会議というものが設置されたわけでございます。同会議は、内閣としての政策検討機能、それから有識者による調査審議機能、これがやや混在していたのではないかと私は考えております。

 そして、今般、私、この担当大臣になりましたが、第二次安倍内閣発足に伴って、この会議は廃止をさせていただいて、そして、内閣全体としての政策の検討と決定を行うために、改めて地方分権改革推進本部というものを設置したわけであります。

 この内閣としての地方分権改革推進本部の役割、位置づけ、これは第一次安倍内閣に設置されたものと同様でありますが、政策検討機能と調査審議機能がやや混在していたと申し上げました、ですから、政策検討機能を、この分権改革推進本部というものをつくって、全閣僚が参加していただいて、それは決定機関として位置づけたんです。一方で、私のもとに地方分権改革有識者会議というものを設けて、調査審議機能に特化したものをつくりました。これを有機的に機能させることによって分権改革を進めていこう、このように私は考えたわけでございます。

黄川田(徹)委員 それでは、法案に関しての最後の質問でありますけれども、現政権においては、国の地方出先機関の地方への移譲は、これは、ちょっとかかわっておらず宙に浮いた感じになっておりますし、それから、我々は一括交付金ということでありましたけれども、この制度も廃止されました。そしてまた、公共事業も大分ふえておりますので、中央官庁の補助事業が勢いを取り戻しておるようにも思っております。

 こういう流れだと、分権の流れと逆行するのではないかという気持ち、あるいはまた中央の統制強化に回帰するおそれはないのかということで、これまでも大臣に最初のところで答弁していただきましたけれども、改めて、中央の統制強化に回帰するおそれはないのか、確認の意味でお尋ねいたします。

新藤国務大臣 私は、この分権の流れ、そして国と地方のあり方の見直し、これは不断に進めていかなくてはならない、このように思っております。これまでの経緯も踏まえて、しかも、現時点においてやはりどんどんと形を変えていきながら前に進んでいくべきだ、このように考えるわけであります。

 そして、地域自主戦略交付金につきましては、これは私は当初から申し上げておりますが、制度としての名前は廃止にいたしましたが、趣旨は受け継いで発展的改善を行った、このように考えております。

 そして、地方の自由度を高めようとすること、これは重要であります。しかし、従前の制度につきましては、内閣府への計画の提出、それから、それが認定された後、各省庁に対して移換の手続、予算の移しかえですね、そこでまた手続がございます。といったことが、これは使い勝手という問題で地方からも御指摘もいただきましたし、自由度を高めるということと逆に手続が煩雑になっているということが混在しておりました。ですから、私は、制度を維持した上でこういったものを進めるのは、これはちょっと根幹的な問題であるというふうに解釈をいたしました。

 そして、各省庁でそもそも執行しなきゃいけないものなんだから、各省庁で執行するときの自由度を高めよう、地方の自由度を高めようという意味において、補助の使途、目的を大くくり化いたしました。

 それから、自主戦略交付金というのは、社会資本整備総合交付金、この中の一部なんですね。社会資本整備交付金の中から一部を特出しして、自主戦略交付金にいたしました。ですから、同じような種類でもって、しかも、県と政令市しか使えないものであります。これを大くくり化して、市町村も含めて、もっと自由度を高めていこう。それから、同じような仕事なんですが、自主戦略交付金に当たるものと、そうでない事業がございました。農水省の事業などは、それを一本にして自由に使えるようにいたしました。

 これまでも御説明いたしましたけれども、こういう自由度を上げるという意味においては、これまで以上に運用改善ができたのではないか。それから、シンプルに、報告書の提出ですとか、そういった手続面についても、添付書類の内容ですとか、こういったものもさらに見直しを加えて少なくした、こういうようなこともやらせていただきました。地方の意見を反映しつつ、自由度を高め、より使い勝手のよい制度にするという意味において、これは今までと何ら変わっていないのでございます。

 それから、ひもつきとよく批判をされるときがございます。そもそも、使途の特定されていないお金というのはあり得ないわけでありまして、私たちは、今までよりももっと自由度を高めたんですから、ですから、ひもはもっと太くなったんだ、こういうふうに御理解をいただきたいのでございまして、何か外形的に、名前を廃止したのはけしからぬということ、しかし、金額も届かなかった、それから、市町村で全然できなかった、そういったものをやるようにしたという意味においては、民主党の前政権がおやりになったことを踏まえた上で、もっとよくなったと私は思っているわけであります。もとより後退をして国の規制を強めるようなものではございません。

 それから、公共事業がふえたと。公共事業ではありません、社会資本整備であります。そして、この国の経済が停滞している中で、地域経済をどうやって持ち上げるか。その中で、我々は、大胆な金融緩和と機動的な財政出動、それによって地方の経済にカンフル剤を打ち込んで、そして、この疲弊に一旦終止符を打って、リセットした上で、これから、出しております経済成長戦略によって国を持ち上げていこう、こういう戦略の中で、政策の必然性があって、予算づけをしているのであります。一概に、無駄な公共事業、こういったものをやることはできません。しかも、私たちは、やるつもりがありません。

 しかし、地域経済を刺激する、今民間の景気、経済が苦しくなって、そして、民間がお金が出せないとするならば、苦しいときにまず最初に出すのは、これは公共の役割であります。それは委員も御理解いただけるのではないかと思います。これを、大きな政策転換ではないんです、この現状において必要なことを、最適、最善のものを我々は選択した、このように御理解いただきたいと思います。

黄川田(徹)委員 必要な社会資本整備は当然やらなきゃいけないということは、共通認識であります。

 ただ、国と地方が対等であるというか、地方分権の基本的な流れ、ややもすると、各省庁、お金がまた出てくると、その使い方が先祖返りするような形にならないようにというところは、しっかりと政府の方もかかわっていってほしいと思いますし、それから、地方六団体も、分権の方向性は一致しているのでありますけれども、個別具体になりますと、知事会とか、あるいはまた町村会でも意見が異なるとか、さまざまあるわけであります。

 ただ、我々が懸念するのは、ちょっと大臣もお話ししましたけれども、民主党政権時代の政策を否定することが我々の仕事みたいな形で思われると、まだまだ議論をするところがありますから、我々も地域主権といって、皆さんも地方分権という形、では主権とは何かとか、そういう原点も踏まえて、いろいろとこれからも議論していきたいと思っております。

 それでは、残り時間で、経済財政諮問会議で話題になっておるところをちょっと質問していきたいと思っております。

 それは、国保の問題であります。

 国保の構造的問題としては、まず第一に、年齢構成が高く、医療費水準が高い。第二に、所得水準が低い。第三に、保険料負担が重い。第四に、保険料、税の収納率の低下。第五に、財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者の存在。第六に、市町村間の格差。第七に、法定外一般会計繰り入れあるいはまた繰り上げ充用などをして体裁をとっているというようなところも自治体には見受けられます。そういう指摘があります。

 そこで、経済財政諮問会議で社会保障政策が議論されておりまして、国民健康保険の運営を市町村から都道府県に移し、財政を安定させるとの提案があった。既に、社会保障国民会議でも同じ再編策を打ち出していると聞いております。

 そこで、国保制度を所管する厚労省としてのこれらの提案に対する見解をお聞きしておきたいと思います。

神田政府参考人 国民健康保険制度につきましては、ただいま先生御指摘のように、小規模保険者がありまして、市町村ごとの保険料格差があるなどの課題に対応するために、平成十八年度から、都道府県内の全市町村が医療費を共同して負担する共同事業を実施しております。さらに、平成二十七年度からはこれを全ての医療費に拡大するなど、市町村国保の財政運営の都道府県単位化を進めてきているところでございます。

 御指摘のように、経済財政諮問会議や社会保障制度改革国民会議におきましても、国保の広域化をめぐる議論が行われておりますが、厚生労働省といたしましても、国保の財政運営の都道府県単位化の方向性については考えを共有しているところでございます。

 一方で、国保の保険者のあり方を検討する際には、保険料徴収や健康づくりなど、これまで市町村国保が維持してきた保険者機能のあり方などの課題について十分な検討が必要であるというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、国保の保険者のあり方につきましては、全国知事会を初め地方団体の意見をお伺いしながら、社会保障制度改革国民会議での議論等も踏まえまして、検討してまいりたいというふうに考えております。

黄川田(徹)委員 るるお話をいただきましたけれども、当然、県に移行したとしても、保険料の徴収、今、徴収率は八八か八九%ぐらいですか、そういう問題、あるいはまた、ふだんの健康施策とか、しっかりとやらなきゃいけないところがあるのでありますけれども、議論する時期は過ぎて、やるなら今でしょうといいますか、もうそういう時期に来ていると思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 それでは、あと残りがまだありますので、総務大臣に伺います。

 大臣は、同じ諮問会議の中で、地方交付税についてちょっとお話しされていたようでありますけれども、不交付団体でありますか、国から地方交付税を受けない市町村を昨年度の三倍の約百四十自治体にふやす方針を表明したと聞いておりますけれども、どのような考え方でこのような表明をされたのか、お伺いいたします。

新藤国務大臣 まず、お答えする前に、先ほどの自主戦略交付金の話でございますが、誤解ないようにしていただきたいんですけれども、ひもを太くするというのは、国の統制を強化するという意味ではありませんからね。そうではなくて、今まで細いひもで細かくつながっていたのを、さらに太くして、いわば緩くなったということであります。自由度を高めたということですから、これはまた言葉の中で解釈の違いがあってはいけませんから、そこは申し上げたいと思いますよ。

 私は、中央回帰どころではなくて、地方の自由度をさらに高めていくんだ、そういう思いのもとでこの制度を改善したつもりでありますので、ぜひそこは御理解をいただきたいと思います。

 それから、今度の、交付税の不交付団体をふやす。これは、まずは交付税を受けなくてもやっていけるような、そういう財政力の強い自治体をふやしていく。それは、国の景気回復と、それから地方の財政の健全化を図っていかなくてはならない。その目標となる目安が、リーマン・ショック前から、今三分の一に減ってしまったわけであります。ですから、まずリーマン・ショック前の水準に戻していこうではないかという意味において、その目安として、約百四十自治体ぐらいが不交付団体になるということは、それはリーマン・ショック以前の地方財政の姿に戻っていくということになるという意味でありまして、我々は、まず地方税収をふやしていく、これが重要だと思います。

 一方で、不断の行革努力、歳出削減の財政の健全化、これはやらなければいけない。

 この歳入歳出の両面から国と地方をあわせた経済の再生を果たしていく中で、一つの目安として出した数字でございます。

黄川田(徹)委員 残り一分ほどありますので、最後の質問であります。

 今度、第三十次の地方制度調査会に関してであります。

 平成の大合併で面積が拡大した市町村は、周辺部の活性化に意を用いて頑張っておるところであります。そこで、周辺部の中で総合支所を設置し、きめ細かい行政サービスに努めておるということでありますけれども、この合併市町村への財政の特例措置は十年で終了するのでありますけれども、その後の対応を地制調の中で議論されていると聞いておるのでありますが、具体的にどうなっているか、お伺いいたします。

新藤国務大臣 これは、私も地方に参りましたり、それから地方の首長の皆様とお話しするときにたびたび出てまいります。

 第三十次の地方制度調査会におきましても、現在、基礎自治体についての議論が進められておりますが、先日、専門小委員会から示された素案におきましても、平成の合併により市町村の姿が大きく変わった面があることから、合併による行政区域の広域化を踏まえた財政措置が必要とされているということが既に示されております。

 特に、平成二十六年度から、地方交付税の優遇措置の特例期間が終了する団体が一気に本格化するのであります。要するに、十年の期間を過ぎて、平成二十六年から百九十七団体が特例が終了し、順次もとの形に戻る、一市の状態に戻っていくということがあります。それから、平成二十七年度から三百一自治体が交付税の特例を、段階的でありますけれども受けられなくなる、こういう状況があります。

 ですから、私も、まず地制調の御議論、さらには地元の自治体の意見、そういったものを聞かせていただきながら、平成の合併後の市町村の行政需要、こういったものを的確に把握した上で地方交付税の算定を考えていかなくてはならないのではないか、このように考えて、今事務方と協議をしているところでございます。

黄川田(徹)委員 時間でありますので、終わります。ありがとうございました。

北側委員長 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 民主党の福田でございます。

 今回の法律は、地方分権推進委員会の勧告を受けて、地方公共団体に対する義務づけ・枠づけの見直しの第三次分、第四次分の見直しを行うものであり、一日も早く成立させるべきものだと考えております。今後は、さらに地方からの提案を受けて、義務づけ・枠づけの見直しについてぜひ御努力をしていただきたいと思います。

 それでは、質問に入ります。

 まず、裁量行政の見直しについてであります。

 地方分権の流れの中で、法律に定められていないことまで政省令や規程、基準などで決めてはいけないということで見直しが行われたはずでありますけれども、裁量行政の見直しはどこまで行われているのか、改めて確認をしたいので、大臣からお答えをいただければと思います。

新藤国務大臣 これは一般論でございますが、各府省は、法令に定められた所掌事務をその法律で委任された範囲内で適正に管理、執行すべきものと考えているということであります。この裁量がどこまでに至るかというのは、法律で定められた委任の範囲内で適正に管理、執行する、これと密接に関連するというふうに思います。

福田(昭)委員 それでは、裁量行政と思われるような具体的な事例を通して考えてみたいと思います。その典型的な例じゃないかと思う、株式会社エコシティ宇都宮の補助金の返還についてお尋ねをしたいと思います。

 この事件は、実は、栃木県の宇都宮市が生ごみを処理するということで始まった事業でございます。成功すれば全国でも初めてのすばらしい出来事だったんですが、見事に失敗をしてしまいました。実質稼働半年で、二年で倒産をしてしまった。

 そして、その補助金の返還をめぐって、栃木県の福田富一知事が宇都宮市長佐藤栄一さんを訴えている。栃木県が補助金二億六千万のうち一億九千六百万を農水省に返せ、国に返せと言われて、知事は返してしまった。しかし、宇都宮市が返してくれないということで、宇都宮の市長を訴えた。そうしたところ、今度は、オンブズパーソン栃木が、知事は返す義務がないのにお金を返してしまった、知事は県に損害を与えたんだから、県に一億九千六百万返せと訴えました。

 つまり、この株式会社エコシティの補助金返還をめぐって二つの裁判が同時に行われている、実は全国でも全く例のない事件だということであります。

 この件について、誰もいまだに責任をとっていない。農水省はもちろんでありますけれども、県も宇都宮市も誰も責任をとっていない。この問題について、先日、五月の二十二日に農水委員会でただしましたけれども、これからその続きをやらせていただいて、裁量行政が本当に大丈夫なのかということを確かめてみたいと思います。

 まず、時間の関係で、五つ質問をいたしますから、農水省はまとめて簡潔に答えてください。

 一つは、宇都宮市はどういう手続を経て業者を選定したのか。例えば、プロポーザルの入札をやったのか、一般競争入札をやったのか、最初から一社だけだったのか、それをまず一つお答えください。

 それから二つ目は、株式会社エコシティ宇都宮はどういう改修工事を幾らかけて行ったのか、あるいは行わなかったのか、それをお答えください。

 三つ目は、株式会社エコシティ宇都宮は、施工業者から、あんたの施工が悪いということで損害賠償金を受領したわけでありますが、その賠償金はどう使ったのか、それをお答えいただきたい。

 それから四つ目は、宇都宮市は、株式会社エコシティ宇都宮に対し、慌てて補助金の決定取り消しと返還要求をしているが、なぜ賠償金を差し押さえなかったのか、それについてお答えいただきたい。

 そして五点目は、株式会社エコシティ宇都宮の補助金は本当は誰が返すべきなのか、栃木県が返すべきなのか、宇都宮市が返すべきなのか、それとも株式会社エコシティ宇都宮が返すべきなのか、お答えいただきたい。

針原政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘の事業は、平成十七年度のバイオマスの環づくり交付金を使った事業でございます。この交付金というのは、三位一体改革に伴って、自治体の裁量を、補助金適化法の範囲内で広く裁量行為をやろう、そういうような交付金化の流れに沿った事業でございます。

 今御指摘のとおり、二年二カ月で操業を停止して、最終的には、平成二十四年に栃木県は全額を国庫に、全額といいますか、当時の推定額を返しております。

 まず、お尋ねの補助対象者の選定手続でございます。改めて栃木県に確認いたしました。県は、市の中の手続であるので承知していないということでございます。宇都宮市のごみ減量課にも問い合わせました。確認したところ、宇都宮市補助金等交付規則及び宇都宮市バイオマス利活用補助金交付要綱に基づいて補助対象者を決定したということでございました。

 それから、改修工事の費用と内容でございますが、平成二十年十月末に、設備のふぐあい、これは、分別機、移送用コンベヤー等の故障、要は、ごみの分別がうまくいかなかったということのようでございますが、それが原因で操業が停止しております。二十一年九月に改修工事に着手しております。その内容は、処理能力、脱臭能力等のための設備の改修で、事業費は約四億円と承知しております。ただ、二十一年十二月に旧設備の解体撤去工事が終了した段階で休止されておりまして、新たな設備の設置工事は行われておりません。

 それから、賠償金、これはエコシティ宇都宮が業者から賠償金をもらったということでございます。今回、改めてその使い道、額について、県及び市に確認いたしましたが、県、市とも、事業者が受け取った賠償金の金額や使途は承知していないという回答でございました。

 その次、宇都宮市が賠償金を差し押さえなかった、これは債権保全措置が十分じゃなかったのではないかという御指摘かと思いますが、改めて県、市に確認いたしました。県は承知していない、市からは明確な回答は得られておりません。ただ、事実関係を申し上げますと、市は、平成二十二年三月、六月、九月、二十三年一月、四月に督促状を合計五回出して、返してくださいということを言っております。

 それから、補助金の返還は誰が行うべきであるか。この補助金の交付ルートは、国から県、交付金ですから県の中で裁量してくださいという仕組みをとっておりますが、それから、県から市、市から事業者、こういうルートでございます。ですから、義務の発生は、国に対しては県、県に対しては市、市に対しては事業者ということでございまして、最終的に誰がということになると、その流れでいけば、事業者であるエコシティさんが負うことになるということだろうと思います。

 以上でございます。

福田(昭)委員 ありがとうございました。

 しかし、まず、何社が入札に参加したのか全くわからない、これはちょっとおかしいですよね。

 それから、賠償金の使途は全く確認をしていない。

 本格的な改修工事を何もやっていないんですね。ということは、賠償金をいただきっ放しで、使っていないということになるわけですね。

 それから、宇都宮は何回も補助金の返還請求をしているんですけれども、差し押さえしないんですよ。これは単なるポーズなんじゃないですか。賠償金を何に使ったんだか、賠償金をもらったことを確認しておきながら、それを差し押さえしないということは、これは完全に行政の怠慢ですね、宇都宮市の。

 ですから、本当におかしいことばかりなんです。

 さらに、この宇都宮の補助金は誰に返すべきか。県は国に返す、宇都宮市は県に返す、エコシティ宇都宮は宇都宮市に返す、こういう順序だというんですね。

 そうすると、栃木県の知事が何と言っているか。地元の下野新聞によると、あくまでもこれは宇都宮市が返すべきお金だから、県は立てかえ払いをして国に返したんだ、こう言っています。しかも、宇都宮市と話し合いがまとまっていないのに国に返しちゃったわけですよ、一億九千六百万。それはなぜ返したんだと聞かれたら、実は、延滞金が生じるから、一億九千六百万がふえていっちゃうから、ふえないように返したんだ、こう答えているんですよ。

 こういう答え、どうですか。これでいいんですか。

針原政府参考人 この事案につきましては、国、関東農政局でございますが、栃木県と再三にわたりまして、本来の事業を継続するような形がとれないか、それがだめな場合に、納税者に御負担をかけないようどのようにすればいいのか、あるいは地元との円滑な関係をどのようにするのかということで話し合いが行われております。

 その結果、今御指摘にありましたとおり、地元負担の多い方法で返還を命ずるということになると、その後の地元の中の、県の中の処理というのがなかなかうまくいかないということもあったのかもしれませんが、最終的には国の方に返していただくということになったわけでございます。

 その後、県と市の関係あるいは市の債権保全措置のあり方につきましては、今県と市の間で裁判が起こっているということで、国としてそれをどう評価するかということにつきましては、少し発言を差し控えさせていただきたいと思っております。

福田(昭)委員 今回、宇都宮市も栃木県も、また株式会社エコシティ宇都宮も、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づく財産処分の承認基準第三条第一項の規定で、実は目的外使用だということで補助金の財産処分の申請をしているんですね。それに基づいて農水省が許可をした、こういうことになっております。

 誰が返すべきかについては、今お話がありましたが、最終的には裁判所が判断することになるんだろうと思いますが、時間がないので先に行きたいと思います。

 それでは、先ほど適正な指摘がございましたけれども、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づく補助金の返還はどうあるべきかということについてお尋ねをしたいと思います。

 まず最初に、財務省にお聞きいたしますが、この法律に基づく補助金の返還については、どういう場合にどういう手続をとって補助金の返還請求ができるのか、お答えいただきたい。

福田政府参考人 御指摘の補助金適正化法の中には、法律上明記されておりますのは、適正化法十条と十七条に、一つは、補助事業者の責めに帰さない事由で補助金の事業ができなくなった場合、それからもう一つは、補助金を受けた者がほかの用途に使用してしまった場合などについて取り消しをすることができる、かつ、取り消した場合は、各省各庁の長が期限を定めてその返還を命ずべきという規定がございます。

 それ以外に、目的外使用について条件を付しているというケースがございます。

福田(昭)委員 つまり、適正化法では十条、十七条による決定の取り消しをして、十八条で補助金の返還を請求する、これが法の定めであります。しかし今回は、法二十二条の財産処分制限、これを使って実は補助金を返還させたわけであります。

 この法二十二条、財産処分の制限を受ける補助事業者とは、この事件の場合は、実は間接補助事業でありますから、誰になるのか、私は非常に疑問でありますが、いかがですか。

針原政府参考人 御指摘のとおり、今回の事案におきましては、法十七条に基づいての補助金返還命令を出したのではなく、法二十二条に基づいて、財産目的外使用の承認を県から出してもらい、その承認をする際に、補助金相当額を返還するという条件を付したものでございます。

 この補助金の目的外使用ということでございますが、農林水産省大臣官房経理課長通知においては、目的外使用には事業を中止する場合が含まれることが明記されております。その場合の国庫納付額等の運用の基準もそこで定められているわけでございます。

 先ほど少し御紹介しましたとおり、県との話し合いの中で、どれが地元の、事業なり、円滑にいくのか、納税者の負担が少しでも出ないようにするのかという話し合いの中で、この二十二条を使ったわけでございます。したがいまして、この二十二条の義務の発生は、国と県の関係になります。このような運用は、私ども農林水産省においては比較的広く行っているところでございます。

福田(昭)委員 だんだん信じられなくなりましたけれども、今回の財産処分申請は、実は行政行為の付款によって県に義務が生じて県が支払ったということでありますが、あくまでも目的外使用で自主返納しろというのが農水省からの指導でありました。それは県の農村振興課の資料にはっきり出ております。

 したがって、今回の義務は、この法律に基づく義務じゃなくて、民法上の、私法上の義務なんじゃないですか。したがって、知事は、これは完全に、宇都宮市に返せと言えないんじゃないんですか。どうなんですか。

針原政府参考人 関東農政局の担当者が県との話し合いにおいて自主返納という言葉を使ったか使わないかということについては、私どもはまだ確認しておりませんが、一般的に、言葉をやわらかくして話をうまく進める意味ではそういうことを使っている担当者もいるということは、私、聞いております。

 ただ、この行政行為に伴う付款という条件づけが行われ、補助金相当額返納を条件とした承認が行われた時点で、これは補助金適化法に基づきます公法上の義務が生じたと考えることができると私どもは考えております。それに基づきまして、国は県に対して納付命令、納入告知書の発行をやり、それを受けて、平成二十四年二月十五日、栃木県は、その納付命令額全額を納付したという事実経過でございます。

福田(昭)委員 先日の農水委員会で局長は、十七条、十八条の取り消し、返還命令という手続を踏む必要がないと判断したと言っておりますが、そうじゃなくて、今回は、補助金の流用とかあるいは法令違反をしておりませんので実は返還命令ができないので、この財産処分手続をすることによって自主返納させたというのが本当なんじゃないですか。

 この答えを聞いて、質問を終わります。

北側委員長 針原食料産業局長、簡潔にお願いします。

針原政府参考人 十七条、十八条の適用ができたかどうかということについては、その可能性も否定できないと私は今も考えております。

福田(昭)委員 まだまだ疑問点はたくさんありますから、これからも追及を続けていきます。

 以上で終わります。ありがとうございました。

北側委員長 次に、上西小百合君。

上西委員 日本維新の会、上西小百合です。

 通告に従って質問をさせていただきます。

 地方自治に影響を及ぼす国の政策の企画及び立案並びに実施について、関係する大臣と地方六団体の代表者が協議を行うことにより、地域主権改革の推進を図るとともに、国及び地方公共団体の政策の効果的かつ効率的な推進を図るために法制化された国と地方の協議の場が、昨日、約五カ月ぶりに開催されました。

 顧みますと、民主党政権時代の平成二十三年六月からの半年間で、臨時会合も含め八回も開かれていました。もっとも、民主党政権は政策の中心に地域主権を掲げ、その担い手は基礎的自治体である旨を当初から明言して発足していましたし、地域主権推進のために、基礎的自治体の能力や規模などに応じて、対処、対応ができるあらゆる事務事業の権限と財源を国と都道府県から移譲するとしていましたから、これだけ頻繁に国と地方が協議を重ねるのは、当然といえば当然であったのだと思います。しかし、平成二十四年には臨時会合を含めてもたったの三回しか開かれませんでした。

 そして、昨年末、政権交代後、安倍内閣になると、政権発足からわずか数週間後のことし一月十五日に早速、新政権第一回目の会合が開かれ、地方自治体や国民は大いに期待に胸を膨らませました。ところが、それを最後に、昨日まで安倍政権下の二度目の協議の場は開かれていませんでした。

 一月十五日の回には安倍総理大臣も出席され、地方にかかわる重要政策課題について、地方と連携して政策を進めていくため、この国と地方の協議の場を活用していきたいと述べられ、頻繁に開催されるニュアンスにあふれていたと思います。そして、早期開催を期待されている方も特に地方には多かったと思われます。

 従来、通常国会中でも開催例は多く、また、既に協議の場の必要がなくなったほど協議がし尽くされた状態ではないことは誰もが認識しているところです。なぜ約五カ月間にわたってこの国と地方の協議の場が開かれなかったのか、その理由と今後の見通しをお聞かせください。

 また、この国と地方の協議の場は、現在大阪市長である我が日本維新の会の橋下徹共同代表が大阪府知事時代に提唱し始め、民主党政権下で法制化され、開催が実現したものです。法的には、国と地方が対等になり、旧来のような上下あるいは主従関係がなくなったとは言いながら、実情はまだまだその実感ができる段階ではありません。

 現政権は、この国と地方の協議の場をどのように位置づけ、どのように活用されようとしているのか、非常に気になります。単なる地方のガス抜きとして使われるのでは意味がありませんし、また、地方が要望を出し、国が小出しに譲歩して妥協点を探る、まるで労使交渉のような従来型のパターンでは国民が納得しません。現政権がこの協議の場をどのように位置づけ、どのように活用しようとしているのかの御答弁もあわせてお願いします。

新藤国務大臣 この国と地方の協議の場でありますが、それは、国の政策に関する地方自治に影響を及ぼす重要事項について協議をするということであります。

 それは、まず一つに、国と地方の役割分担に関する事項、二つ目に、地方行政、地方財政、地方税制その他の地方自治に関する事項、それから三つ目として、経済財政政策、社会保障に関する政策、こういった事項のうちの地方自治に影響を及ぼすと考えるものの重要なものを協議するという場であります。

 そして、これは、国と地方が連携して政策を進めていくという意味において、議論を行う法定の場、これは国、地方双方にとって有意義なものであると思いますし、また私たちも活用していきたい、このように考えているわけです。

 ことしの一月十五日には、政府の行う経済対策、それから平成二十五年度の予算編成及び地方財政対策について協議いたしました。それから、昨日は、地方分権改革の取り組み、さらには骨太の方針の策定などを議題といたしまして、闊達な議論が行われました。

 この国と地方の協議の場の開催に当たっては、協議事項、開催日時、これは事前に地方六団体と連絡調整の上で進めているわけであります。

 それから、国、地方の協議の場というのは、関係大臣が出て、官房長官それから特命担当大臣、総務大臣、財務大臣、それから総理大臣が指定する国務大臣、そして総理はいつでも出席できる、こういう規定になっているわけですね。そして、地方の六団体ということで、知事会、市長会、町村長会、そして県会、市会、町議会、それぞれの議会の代表、そういった方々が一堂に会します。

 この国と地方の協議の場が全ての解決の場ではないということです。これ以外に、知事会との連携があります、市長会との話し合いもあります、議長会ともあります、町村会ともあります。それぞれの幾つものいろいろな会議を経た上で、最終的に国と地方が一堂に会して、方向性を確認したり、それから政策を御報告した上で意見をいただくだとか、そういう場でありまして、国と地方の協議の場が全ての場ではないということはぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。

 私とすれば、必要に応じ、そして地方等の御要請も踏まえて、適宜、連絡調整の上で開催をしているということでありまして、ちょうど年度がかわるとき、一月の十五日のときには、これからの補正予算、それから二十五年度の予算編成についての意思の疎通を図っておく必要がありました。それから、地方公務員の給与の問題についてはとても大きな御心配がありましたし、私たちもきちんと説明をさせていただきたい、こういうことでやりました。

 今年度は、十二月の末に政権が交代して、本来政府予算原案を出さなきゃいけない日に、そこから予算編成が始まったんです。そして、この厳しい経済状況にカンフル剤を打ち込むための補正予算を用意して、それの審議をいただきながら、今度は当初予算をやっていった。通常でいえば四カ月ぐらいおくれているわけですから、それを詰めるための作業をやりながら、その中で地方の皆さんとのいろいろな連携もとっている。

 我々総務省とすれば、これはもう本当に頻繁に連携をとりながらいろいろな調整を進めているということでありまして、その集大成と、それから来年度の体制が、例えば地方財政審議会からの来年度の方針とかそういったものが出てくる、骨太の方針の中身があらあら見えてきた、こういう状態できのうの段階になったのでありまして、それぞれ必然性とそれから調整を経た上での開催だ、このように御理解をいただきたいと思います。

上西委員 ありがとうございます。

 消費税の地方財源化など、本当に今たくさん大きな課題が山積している中、地方の声がきちんと反映され、そして議論でき得る場として、大臣おっしゃってくださいましたが、今後どんどん活用していただきたいことを強調させていただきまして、次に移らせていただきます。

 私の地元大阪では、高齢者を中心に今でもタクシーのことを円タクというふうに呼ぶ方がいらっしゃいます。意味もわからず、私も小さいころから耳にしておりましたが、最近、一九二四年、大正十三年、普通選挙法改正で、選挙権が直接国税を十円以上納付する二十五歳以上の男子に改正され、有権者が全国で一気に三百万人を突破した記述の関連として、その年に初めて大阪に円タクが登場したと書かれていて、驚きました。

 日本で初めてタクシーが登場したのは銀座で、一九一二年、明治天皇崩御の直前だったそうです。それ以来、全国に広がりを見せたものの、料金体系がばらばらで、利用するには相当の勇気とそして経済力を要したそうです。そこで登場したのが大阪一円を代金一円均一で走るタクシーで、それを円タクと呼んだそうです。そして、それが同一地域統一運賃のはしりだったということです。

 戦後の動乱期を経て、自動車販売数もふえたころには、乱暴で粗雑なタクシー業者がふえ、高度経済成長期には、国はタクシー運送にかかわる者を対象にした立法をし、大都会ではドライバーを登録制にするなどの措置がとられるようになったそうです。その後も、時代とともにさまざまな見直しがされながらも、適正な業務遂行を図るための法制化や指導がなされ続けて現在に至っております。

 その変遷の中で、特に注目に値するのは、二〇〇二年二月、小泉内閣の規制緩和の一環で改定道路運送法が施行され、新規参入、タクシーの増車、運賃規制が緩やかになり、一九九三年以降徐々にふえていたタクシー運賃自由化の流れにさらなる拍車がかかっていたものの、二〇〇九年十月には、それに逆行するいわゆるタクシー特措法が成立したことが挙げられると思います。

 業界団体は、現在、さらなる規制強化をさまざま求めているように伺っております。二〇〇九年のタクシー特措法の成立の背景及び国交省の今後の政策方針、取り組みを御説明願います。

若林政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇〇九年のタクシー特措法の背景及び私どもの国交省の政策方針についてお尋ねがございました。

 タクシー事業につきましては、平成十四年の道路運送法の改正によりまして、先生御指摘のように、需給調整の規制が撤廃されたわけでございます。それによりまして、参入であるとか、あとは車両をふやすという、車両の増加につきましても原則自由ということになりました。この規制緩和によりまして、サービスの多様化であるとか台数がふえたこともあって、待ち時間が減るとか、そういう効果もあらわれたことは確かである、このように認識してございます。

 しかしながら、景気の低迷の長期化もございました、需要の増加は大変限定的なものになっておりまして、むしろ多くの地域で需要が減少しております。

 全国ベースで申しますと、平成七年のころは全国で大体二十三億人のお客様を運ばせていただいておりましたが、平成二十四年になりましたら、その二十三億人が十五億人まで減っております。こういうふうなことの結果、いろいろな地域におきまして、地域によってはかなり多いのでございますが、いわゆる供給が過剰な状態というのが見られるようになってございます。

 先生、きょうもタクシーの歴史を教えていただきましたが、そもそも、このタクシーの業界なのでございますけれども、どうしてもコスト、費用の中に占めますところの人件費の割合が大変高うございます。そして、運転手さんは、皆さん外でいろいろと稼がれますので、賃金体系もいわゆる歩合制という形で、稼いだ分の何割という形でお給料を頂戴するという形になってございます。

 そのために、需要の減少に際しましても、むしろ車両をふやして売り上げ全体を上げていこうというような動きがどうしても出てまいりますので、いわゆる供給過剰が一回発生しますとなかなかこれが長期化しやすいといったような事業としての特性がございます。

 この供給過剰状態を放置いたしますと、結局、少ない需要を多くの台数で割りますので、一台当たりの水揚げは減ってまいります。ということは、賃金が大分落ちてくることになっておりまして、運転手さんの労働条件が著しく悪化してございます。

 現に、年収で、これは全国平均でございますけれども、平成八年のころは四百十四万ぐらいの収入があった状態でございますけれども、現在、平成二十四年では二百九十四万、全産業平均で五百三十万でございますので、かなり低い状態になっておって、お客様が求めたいろいろな運転の仕方によりまして安全性であるとか利便性さえ侵されているような感じになっております。

 このような問題を解決するために、先生御指摘の、平成二十一年に国交省の方で、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法、先生御指摘のように、よくこれは特措法と言っておりますけれども、この案を国会に出させていただいて、両院の御審議を経て、全会一致を頂戴しまして可決していただきました。

 以後、特措法に基づきまして、供給過剰が発生した地域を特定地域とした上で、この地域を対象に、期間を決めて、事業者の皆さんで車両を削減してもらうであるとか需要の開拓という取り組みを促進しているようなところでございます。

 特措法の施行の後、おかげさまで、一台当たりの収入とか運賃も上昇に転じるなど一定の効果は上がってきているんです。しかし、全般的には、引き続きまだ多くの地域で供給過剰は解消していないものですから、国交省といたしましては、今後とも、現行の特措法をしっかりと運用することによりまして、供給過剰の問題を解決して、タクシーの輸送の安全、利便性の確保を図ってまいりたいと考えております。

上西委員 ありがとうございました。

 要するに、小泉改革で緩和された規制を再び強化することで、タクシー事業者の収益基盤を改善し、そして運転者の賃金などの労働条件の悪化を防ぐのがタクシー特措法の主目的だと理解いたしました。

 確かに、タクシードライバーの皆さんの労働条件は劣悪で、ワーキングプア状態であることはさまざまな局面で扱われており、多くの国民が知るところにはなっております。

 しかし実際に、大阪ではワンコインタクシーと呼ばれる格安タクシーが何台も走っています。そして、その業者さんたちは異口同音に、人件費や労働環境を劣化させないままでも、タクシー特措法さえなければさらなる低運賃設定や台数増加も可能だと言われています。例えば、燃料購入のロットをふやして仕入れ値を下げるとか、ハイブリッド車にして燃費をよくする、あるいは使用する車種を見直す、そのような基礎的な経営努力をするだけでも十分値下げは可能だと証言されています。

 郵政改革を初め、国民に絶大な支持を得た規制緩和などの小泉改革は一体何だったのでしょうかとの疑問符が拭えません。

 国交省が公表しているタクシードライバーの皆さんの一日の営業収益は、平成七年、一九九五年のバブル経済末期の平均を一〇〇とすると、十一年後の平成十八年、二〇〇六年には七八・八にまで下がり、金額も約八千円と落ち込んでいます。タクシードライバーの皆さんの年収額も、国民全体の平均より二百十二万円も低いことも国交省のデータでは示されており、何とかしなくてはならない課題だとは考えています。

 しかし、平成七年には既にタクシー業界では同一地域同一運賃の原則は崩れており、また、特措法が解消しようとした小泉政権下での規制緩和は平成十四年、二〇〇二年のことでした。その規制緩和前の二〇〇一年と規制緩和がなされた二〇〇二年の間では、一日の売り上げ平均は千二百四十八円の減で、初乗り客二人分の減でしかありません。要するに、東京を例にすれば、約十一年間の間で大幅なタクシー運行上の売り上げの低下は、二〇〇二年、地下鉄南北線の全線開通や大江戸線の開通など、ほかの交通インフラ整備や経済不況によるところが大きく、にわかに規制緩和が低下の原因だとは思えません。

 一般利用者が安心して乗車できるようにとの認可制度だとも思いますが、安くタクシーへ乗りたいのも利用者、国民の心理だと思います。また、日本は、資本主義、自由主義を原則とし、格安運賃での経営を禁ずることは、憲法が保障する国民の営業の自由の侵害ではないかとさえ思います。

 二〇〇九年のタクシーの特措法の施行後、ワンコインタクシーなどの格安運賃が認められなくなってきているのはなぜでしょうか。どうして低価格運行が国民の要望であり、利用者の利益につながると考えられないのか、全く理解できません。現状と今後の見通しについて、国交省の基本スタンスをお聞かせください。

若林政府参考人 お答え申し上げます。

 タクシーの運賃につきましては、道路運送法に定める認可基準を満たすことが合理的に推認できる運賃の幅を地域ごとに運輸局長が公示いたしまして、その幅の中であれば、認可申請があれば自動的に認可しますよという話をしております。その一方で、幅の範囲の外で認可申請がございましたら、それは個別に審査させていただくという形にさせていただいております。この特措法のときに、やはり適正な原価に適正な利潤を加えたものであるかについても審査を行うということになってございます。

 また、特措法のときの衆参の附帯決議におきましても、適切な運賃水準が確保されない場合、収益を確保するべく過労運転が誘発され、タクシーの安全性を損ねるおそれがあることを踏まえて、自動認可運賃の下限を下回るいわゆる下限割れ運賃については厳格に審査をするということで附帯決議を頂戴しているところでございます。

 国交省といたしましては、これらの法の規定であるとか附帯決議に基づきまして、従前の自動認可運賃の幅を縮小するとともに、下限割れ運賃の認可申請につきましても、申請事業者の収支情報を確認させていただいて、安全が確保されているか否かを厳格に審査することで利用者の利益を確保していくことを図っているところでございまして、今後ともこれに従って適切に対処していきたいと思っているところでございます。

 よろしくお願いします。

上西委員 ありがとうございます。

 タクシー特措法は、さまざま述べてきましたように、供給過剰の進行などにより、タクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮できていない地域を特定地域として指定するということになっておりまして、決して全国一律ではありません。

 しかし、タクシー特措法の諸規定でタクシー業界の基盤強化、タクシー運転手の賃金アップや労働条件や生活の向上が実現するのであれば、なぜ全国一律で適用されないのかが不思議でなりません。それが特定地域に限られるということは、タクシー特措法がタクシー業界を活性化するために根本的な解決策でないことを証明しているように思うのですが、これについて国交省の御所見をお聞かせください。

若林政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどもお答えさせていただきましたけれども、国交省では、平成二十一年に国会に特措法案を提出させていただいて、両院の御審議を経て、全会一致で可決させていただいた次第でございます。

 この特措法におきましては、全国では供給過剰の進行により深刻な問題が生じているものではないことから、道路運送法の規制緩和の原則は維持しながら、供給過剰が発生した地域を特定地域として指定した上で、期間を限定して、事業者による車両の削減であるとか需要の開拓の取り組みを促進しているような仕組みになっております。

 この法律の施行の後、供給過剰が深刻化している地域として指定された地域におきましては、運転者さんの賃金が上昇に転じるなど一定の成果はありました。その一方で、全国一律に供給過剰が進行しているわけではございませんものですから、国交省といたしましては、引き続き、現行の特措法を適切に運用することによりまして、特定の地域に限って供給過剰の問題の解決を進めて、輸送の安全性や利用者の確保を図っていくという方針でやらせていただきたいと考えております。

上西委員 ありがとうございます。

 今回は、さまざまなジャンルの多くの事案が、地域の自主性そして自立性を強固にし、改革が推進するように、許認可権や義務づけ、そして枠づけが国から地方に移るように法整備がされています。

 そもそも、全国に散在しその数も多いタクシー、ハイヤー会社の経営の理念、そして人材管理、燃料等々の仕入れぐあいなどの調査、審査を国土交通省自体が担うこと、それが大変負担なのではないかと思いますし、不合理ではないのかと思います。

 ですので、営業免許権者を都道府県に移譲する方が、地域の実情をより正確に反映し、そして業者にも利用者にも利が多いと思いますが、これについてはいかがでしょうか。国交省の御所見をお聞かせください。

若林政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる権限の都道府県への移譲の件につきまして御質問がございました。

 タクシーとハイヤー、この事業につきましては、道路運送法に基づいて、輸送の安全確保や利用者保護の観点から、参入するときの許可とか運賃の認可などの規制を設けております。参入するときに国交省が行う許可につきましては、事業をちゃんと的確に実施できる体制であるとか能力が備えられているかということを確認させていただきます。これを目的としております。

 この観点から、例えば、車両であるとか車庫、休憩施設、また管理運営体制、運転者さんについての審査を行ってそれを許可するかどうかの判断をさせていただいているところであります。

 また、運賃の認可につきましても、適正な原価に適正な利潤を加えたものになっているかどうか、また特定のお客様に対して不当な差別的な取り扱いをしているかどうかなどの観点から、こういった利用者利便の観点から審査させていただいているというところでございます。

 こういう輸送の安全確保とか利用者保護を目的としたいわゆる許認可につきましては、全国一律に設定された基準のもとで一体的に運用をされていく必要があるということから、国で一元的に権限を行使することが私どもとしては必要不可欠、このように考えている次第でございます。

上西委員 それでもやはり私としましては、地域の実情をちょっと配慮していただきたいと思います。地方自治体にできることは、財源も含め国から権限譲渡するべき、そして民間に任せられる事項は官から民に移行させるべきだと思います。

 先ほども申し上げましたが、日本は資本主義そして自由競争を原則とし、格安運賃での経営を禁ずることは、憲法が保障する国民の営業の自由の侵害だと思います。自由な経済社会をつくり、そして日本経済を活性化させていただきますよう強くお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

北側委員長 次に、中田宏君。

中田委員 日本維新の会の中田宏でございます。

 地方分権ということですから、聞きたいことは、うずうず、いっぱいあるんですけれども、きょうは一つに絞ろうかというふうに思っておりますし、新藤総務大臣も、本当に私は、思想、信条から分権論に至るまでほとんど一緒と思っておりますので、きょうは、大臣、お疲れでありましょうし、追及するつもりもありませんので、どうぞ私と厚労省のやりとりをお聞きいただいて、時々御感想なりをいただきたいと思いますので、そういう意味では、お聞きいただきたいというふうに思っております。

 平成二十年に地方分権改革推進委員会の第二次勧告で見直しの対象とされた義務づけ・枠づけ、合計で幾つあるか、四千七十六条項あるんですね。四千七十六条項は、やはり見直しをした方がいいだろうというふうに出されたものでありますけれども、結果、どこまで進捗しているかというと、第一次一括法、第二次一括法と合わせて九百七十五項目ということでありますから、そういう意味では、地方分権改革推進委員会が見直すべきだと言った先ほどの四千七十六に対して、まだ四分の一にとどまっているというふうに言えるわけです。

 その意味では、全て四千七十六がいいかどうかという議論も、やり出せば切りがないと思います。私は、もっとあると思いますよ。だけれども、まだまだ遅々とした進み方でしかないというふうにまずは申し上げられると思います。

 そういう中で、きょうは保育所のことをお聞きしていきたいというふうに思っているんですね。

 保育所でありますけれども、きのう、安倍内閣のアベノミクスの成長戦略、三本目の矢の第三次の総理の講演、会見ということだったと思いますけれども、第一次のときに、働く女性、社会進出、こういったことを考えて、保育園、その充実ということについては総理から話がありました。そして、御記憶にあると思いますけれども、そのときに、大いに参考にすべきだということで、総理から大変持ち上げていただいたのが横浜市だったんですね。

 これは、私が誇ることでもありません。なぜかというと、今の横浜市長である林文子市長、一生懸命これに取り組んできました。そういう意味では、私が誇る話ではなくて、横浜市としては本当にいい取り組みをやってきたということについては、現市長の取り組みということに敬意を表したいと思いますし、また、我が横浜市がそういう意味で評価をされていることについては、私も、ささやかながらうれしく思っております。

 ただ、今から議論したいと思いますけれども、議論というよりも独演会にならないように私は注意したいと思うんです、言いたいことは山ほどあるものですから。

 横浜市の保育というのを見習えということで、横展開というふうに総理はおっしゃったでしょう。横浜方式を全国に横展開するんだ、こう言いましたけれども、これは、委員の先生方、全くもって、横展開なんかしちゃだめですよ。やっちゃだめ。横浜市のまねしちゃだめ。本当にそのことを、誤解しちゃいけないと思うんですね。

 一言で言えば、ああ、そういうことかとおわかりになるかもしれませんけれども、横浜でやったことは横浜方式なんです。すなわち、横浜でやったことがほかで通用すると思う方が間違いなんです。大臣、これは総理にぜひお伝えをいただきたいと思います。

 今から厚労省にお聞きをしますけれども、保育の基準なんというのは、全国一律である必要は、そもそもありません。もうみんなそう思っているでしょう。うなずいていただいて、ありがとうございます。

 横浜でやったことは、国の基準を無視してやったからゼロになったんだから、このことをわからないまま横浜方式の横展開といったら、大きな間違いになるんです。

 これまでの厚労省の基準というのは、本当に嘆かわしいほどの基準が並んでいますよ。全国一律で、例えば、子供一人当たりの面積、ゼロ、一歳の乳児室は一・六五平米、匍匐室が三・三平米、二歳以上の保育室や遊戯場は一・九八平米以上、こういうぐあいになっているわけです。保育士については、ゼロ歳児は児童三人に一人、一、二歳児は六人に一人、三歳児は二十人に一人、四歳児以上は三十人に一人、こう決まっております。屋外遊戯場の面積は、子供一人当たり三・三平米以上、こういうふうになっているわけですね。

 まず、漠然と聞きましょう。厚労省、秋葉副大臣にお越しをいただいていますけれども、全国一律でこういうことを義務づけるということの必要性はありますか。副大臣は、政治家としてどう考えますか。

秋葉副大臣 横浜市長として活躍をされ、大変実績を上げてきた中田委員の質問でございますから、地方自治の現場を踏まえて、改革が必要だという問題意識なんだろうと思います。

 私も、地方議員として、県議会議員を三期十年務めましたので、本当に、地域のことは地域で決められる体制をつくっていく、そういう問題意識では共通をしているわけでございます。

 ただ、保育所の問題というのは、一方で、安全基準といいますか、子供の立場、親の立場からしますと、より広い環境で伸び伸びと保育ができるということが理想でございまして、厚生労働省といたしましても、最低限の基準を担保することによって子供たちの安全をしっかり確保していくということ。

 それからまた、政府の規制改革会議でも規制緩和についての御議論がございましたけれども、一方で、親の会といいますか、保護者の会などからは、厚生労働省に対しまして、やはり質の確保、量よりも、量に走ることにばかり目を向けるのではなくて、そもそもそれぞれの質を高めていくべきだという意見書も提出をされているところでございまして、そうした安定的な供給を図る一方でしっかりと質も保っていくという観点から、最低限の基準を設けさせていただいているところでございます。

 ただ、委員も御案内のとおり、居室面積につきましては、大都市部を中心に、横浜ももちろん含めまして、三十九の市区町村におきまして居室面積の特例が設けられておりまして、かなり弾力的に制限をいただくことは可能でございます。

 ただ、一括法が成立したのが二十三年の四月でございますけれども、これまで、約二年間の間にこの特例を生かして条例を定めている地方自治体はゼロだというふうに伺っています。

中田委員 今、秋葉副大臣から答弁がありましたけれども、子供の安全ということなどについて御意見がありました。

 そこについて、ここにいらっしゃる方も含めて、誰も、子供の安全性がないがしろにされていいなんて思っている人は一人もいないわけですね。先生方の地元の市長さんたちもそうなんですけれども、ましてや市長や行政の職員が、子供の安全性を無視した、そうした保育施策の展開をするということは、これはまず考えられないということはおわかりいただけますよね。

 国が決めようが決めまいが、はっきり言ったら、国会議員や霞が関の職員よりもよっぽど市長というのは、市の真ん中にいて日々市民と接するわけです。市の職員というのは、保育所の運営に日々携わっているわけです。失礼ながら、厚生労働省の役人よりよっぽど現場に行っているんですよ。当たり前ですよ、目の前にあるんですから。そして、国という漠然とした、北海道から九州、沖縄までなんというそんなエリアと違って、自分の地域に思い入れを持って、市長職、行政職の職員をやっているわけですね。

 子供の安全性を脅かすような、そんな施設をつくりたいと思っている人は、はっきり言って一人もおりません。そういう中で一律で基準をつくることのおかしさということを、まず、厚労省は本当に自覚する必要があります。

 今、秋葉副大臣からは、独自基準ということについての話がありました。この独自基準というのは、要は大都市ですよね。大都市は、待機児童問題がいわば発生しやすいです。昨今の一極集中的現象も背景にはあります。

 そういう中で、若い夫婦が大都市部にそれなりに少子社会の中でもまだ集まっていて、そして子供を預けようと思ったときに、保育所の整備が追いつかない。なぜならば、大都市の場合は、さっき言った基準をとるのが大変だというのは、誰だっておわかりいただけますね。その全国一律の基準を守って、そして補助金をもらおう、こういうことになったら、なかなか整備が進まない。

 だから、大都市に関しては、今、秋葉副大臣から話があったように、独自基準について、時限的に、この数年だけは結構ですよという基準をつくった、つくったというか緩和したわけです。それは時限的ですよ、ここ数年だけ結構だという話で、その結果どうなったかといいますと、埼玉県や東京都、それから大阪市、こういったところが独自の基準というものをつくりました。

 これは、読み上げても切りはないんですけれども、さっき言った例えば乳児室、一・六五平米に対して東京都の場合は、まあ、匍匐室にしますか、こちらの方がわかりやすいですかね。匍匐室の場合が、国の基準が三・三平米以上というのに対して東京都は二・五平米以上、大阪市は一・六五平米以上というふうに緩和をして、設置できるようにしているわけですね。

 一方で、大阪市の場合は、今の匍匐室に関しては、待機児童が多く発生しているところは一・六五平米でいいですよ、だけれども、そうじゃないエリアに関しては、むしろ五平米以上とりましょうと。要するに、余裕があるところはもっと広くとりましょう、そうじゃないところはもっと狭くてもつくれるようにしましょうと、弾力的に考えるわけです。

 そうすると、厚労省は、この基準を見直した、緩和したことによって効果が出ているか、全国一律を緩和したことについて効果が出ているかというふうに、これは一般的に、こういう場じゃないところで問うてみると、いや、余り出ていないですねという話になるんです。こういう独自基準をやっているところは、埼玉県、東京都、大阪市ぐらいでしょう、条例を定めたところなんかほとんどないでしょう、こういういわば見解になるんです。今まで我々が確認してきたところ、そういう見解になるんです。

 ちょっと、国会という場で、どういう御見解か、一回この件について、効果が出ているか出ていないか、御答弁いただけますか。

秋葉副大臣 先ほど、私、特段条例を定めている自治体はないというふうにお答えしましたけれども、今委員が御指摘のとおり、条例の特例としては、東京都、それから大阪と埼玉の三つで条例はつくっているんですが、ただ、実際に適用した例がないという意味で、適用している自治体がないということをお答えさせていただきました。

 今の委員の御紹介ですと、基準を厳しくするよりも、むしろ広くとっている自治体もあるというお話でございますし、それぞれの自治体の判断の中でさまざまな取り組みが行われているんだろうなというふうに思っておりますので、そういう意味では、それぞれの御判断で運営できるような体制を構築していくのが望ましいというふうに認識しております。

 ただ、その中で、児童の安全のために、やはり最低限の基準というものも一方で担保していくということも大事だというふうに考えておりまして、昨年八月に成立いたしました子ども・子育て関連三法におきましても、保育所や幼保連携型認定こども園の面積基準や保育士等の配置基準は引き続き従うべき基準だというふうに定められたところでございます。

 また、この法律の国会審議等を踏まえまして、法律の附則や附帯決議において、保育の質の向上が明確に位置づけられているところでございまして、保育の質の向上の中には、一定要件での面積の確保、人員の確保というものがそこに含まれているのかなという理解のもとに最低基準を定めてきているところでございます。

中田委員 秋葉さんも、私は本当によく知る関係でございますので、型どおりの答弁は、まあ、それはそれでお認めはしますけれども、だけれども、秋葉さんが市長になったら、何でこんなことまで一々厚労省から指図をされなきゃいかぬのか、本当に我が国は情けないなと思うと思いますよ。

 今私が例示したように、埼玉、東京、大阪の例を出しましたけれども、子供たちの幸せを考えて、いわば広くとれるところはとろうじゃないかと、みずから進んでやっているわけです。だけれども、そうじゃないところについては工夫しようじゃないかというのがさっきの例です。

 それ以外にも、例えば仙台市では、遊戯室は国の基準では任意設置になっています、だけれどもこれは子供たちのことを考えて必置にしよう、こういう取り組みをやっているところもあります。沐浴室、ゼロ歳児、一歳児が入所する施設に衛生面の配慮からこれも必置にしようというのは、埼玉県あるいは相模原市。こういうことを独自に取り組んでいるところもあります。

 すなわち、まず、本当に皆さんに確認いただきたいのは、現場にいる市長を初めとした市の職員というのは、当然ですけれども、自分のところの市の子供たちをいとおしく思っているわけです。できることは、これはお金がかかりますけれども、工夫の中において、でき得る限り充実した施設や充実した保育にしたいと思っているわけです。

 そういう意味においては、そのことについて厚労省は何も否定はしないだろうけれども、基準以上をやることはウエルカムなんだと言うに違いないけれども、しかし、厚労省が金は握っているわけですよ、保育について、補助金は。いわば、厚労省の保育の基準を満たさない限りは保育園は設置できないわけですよ。そういう中において地方は仕方なく厚労省の基準を守っているというのが、待機児童の今の問題のそもそもの原因だということ、すなわち厚労省が問題だということ、ここはちょっとまず認識をしておいてください。

 その上で、横浜市のことをちょっと言います。

 先ほどちらっと申し上げたように、横浜市は、厚労省基準ではない、そうした取り組みをやってきたからこそ待機児童はゼロになったというふうに言える、こう申し上げました。

 これは、結論を今言いましたけれども、本当なんですよ。厚労省基準の保育所だったら、横浜市は今待機児童ゼロになっていませんからね。全く違う人までカウントしているから、ゼロだゼロだと、今もてはやされているわけです。

 例えば、私は、この案件については、自分が市長だった時代にも、横浜市にとっては本当に大きな案件でありました。当時、横浜市は、私が市長になった今から十一年前、平成十四年の四月一日現在の待機児童数というのは千百四十人いました。この千百四十人というのは、その当時で日本の最大数です。すなわち、ワーストワンの市です。

 そして、私が市長選挙に出るときから、この待機児童問題というのは多くの人たちが関心を持っていた、特に子育て世代からたくさんのお声をいただいていましたから、私も何とかしたい、そう思って市長になりましたから、市長着任以来、組織改編にも手をつけて、そして、子育て支援事業本部という、この問題に集中して取り組む、横浜市の他の局と同等の事業本部というものをつくって、しかもそれは市長直轄だ、こういう形にして、三年間で集中してゼロにしようと取り組んだんです。

 その結果どうなったかといいますと、三年間取り組んで、平成十八年の待機児童の数は、三百五十三人まで減りました。すなわち、あと一歩というところまで来たということですね。

 ところが、失礼ながら、現場を預かってやってきたからこそよく知っているんですが、待機児童が減ればどうなるかというと、そこに引っ越してくる人たちが出てきます。さらには、今までは希望していなかったけれども、預けられるんだったら私も預けて働こうかしらという人たちも出てきます。すなわち、ここから先はイタチごっこが始まります。どこまでお金をかけて待機児童対策をやっていくのか、財政との見合いということについて、現場の市長や職員たちは本当に頭を痛めるということになります。

 私は、横浜市においては、財政再建、このことが何よりも重要なことでした。私が市長になった段階で、六兆二千億円以上の横浜市の債務があった。結果として私は一兆円減らすんですけれども、それはともかくとして、あらゆる施策に関して財政ということを考えながら、それでも今日的に必要な課題に手をつけていくとなれば、保育園のことはやりたい、やりたいけれども財政的限界があるというジレンマの中で、そこから先は、また少しずつ少しずつふえていったというのが実態です。

 ですから、今の林市長が着任をするころには、横浜市はまた改めてワーストワンの市に戻っている、千五百人ほどになっている、こういうぐあいにすら、イタチごっこというのは続いてくるわけですね。

 済みません、私、しばらく話しますけれども、私の前の市長の話もしなければなりません。高秀秀信市長、三期十二年お取り組みいただきました。

 高秀市長も、この保育に関しては問題認識を持っていましたから、どうしたかというと、まず、厚労省の基準を横浜市はもう無視する、簡単に言えば、無視するということに高秀さんはかじを切りました。

 どういうふうにかじを切ったのか。先ほどつらつらと言いましたね。ゼロ歳児、はいはいするまでは一人当たり一・六五平米、そこから先は、一歳児は三・三平米以上、こういうふうに決まっている、これがかねてから、今も同じ厚労省の基準ですよ。これに対して高秀秀信市長はどうしたかというと、ゼロ歳児から一歳児までは二・四七五平米にしようというふうに横浜独自の基準をつくったんですね。

 あるいは、保育士の配置人数も、厚労省基準は、園児、ゼロ歳児三人に対して一人の保育士が必要だ、これもさっき言ったところです。それに対して、三歳児未満についてはおおむね四人に一人というふうに緩和をするということなどを始めました。これは大英断だったと思います。

 だけれども、おわかりいただけますか。横浜市は、厚労省基準ではない基準を独自に、子供たちの安全を考えてつくっているんですよ。そうですね。だけれども、ここには補助金は出ませんね。出ないわけです。

 横浜市は、当時、財政力は他の地域から比べればあったとも言えるかもしれません。だけれども、都市部だから豊かな財源ではありません。でも、自分たちの財源を使って、自分たちで安全基準をつくって、それで取り組んだ結果が、まず、高秀市長時代の保育の取り組みです。

 その後、私が平成十四年から市長になりました。ここで私は今度はどうしたかというと、株式会社の保育所運営というものについて、かじを切りました。

 それまで横浜市の保育園は、九九%、社会福祉法人か横浜市立保育園すなわち公立保育園かのどちらかですね。まれに宗教法人というのがあったりするぐらいで、この二つで九九・九%占めるというような状態ですね。それに対して全国の自治体はみんな尻込みをしていたけれども、日本で初めて株式会社の参入を認めたわけです。

 これは、すさまじい反対に遭いましたね。株式会社が保育をやればあたかも子供の危険性が高まる、安全性がないがしろにされるんだ、こういうようなことをさんざん言われました。だけれども、かじを切って、株式会社の参入を認めました。

 あわせて、横浜市立保育園の民営化、このことについてもかじを切りました。

 それまでは、保育園そのものが足りていないわけですから、公立もふやす、社会福祉法人もふやす、基準を満たす、そのことを前提にふやしてきたけれども、しかし、もはや横浜市立保育園は非常に硬直化していた。

 なぜかというと、労働組合が強いからです。労働組合が強くて、定員増、このことについても受け入れてくれません。園児をふやすんだったら職員ふやせ、すぐこういう議論になるわけですね。それから延長保育、このことについても協力してくれません。きょうび、五時過ぎで会社の仕事が終わって子供を迎えに行ける御父兄なんて、本当に、地域の商店街の人が、ちょっと父ちゃん店番やっていてね、子供を迎えに行ってくるからなんてことができる人以外は無理ですよ。だけれども、このことについても労働組合は後ろ向きです。

 ですから、順次、民営化という形にかじを切っていく、そういうことをやっていきました。

 その結果、現状どうなっているかというと、高秀市長時代にかじを切った横浜型保育、すなわち厚労省基準ではない保育、これが今横浜市の保育園のおおむね二割ぐらいを占めています。それから、私が今言った株式会社、あるいは最近は有限会社、こういったところが今横浜市の保育を担っているのも、同じく二割ほど占めています。

 申し上げたとおり、厚労省基準を守って、その基準で補助金をもらって運営しましょうなどということをやっていたら、残念だけれども、横浜市の待機児童は今ゼロになっていません。現状も横浜型保育で二割やっているということは、厚労省基準ではない保育を受けている子供たちが二割いるということですよ。すなわち、待機児童ゼロと何をもって言っているんですか、厚労省基準で言うところのゼロなんですか、違うということですよ。

 私は、安倍政権、大いにいろいろなことに取り組んでもらいたいと思っていますから、地方分権に関しても大いに応援をしていきたい。本当に、新藤総務大臣、こういうことは地方に任せるべき。何で、厚労省が一つ一つ基準をつくって、それを満たさなきゃ補助金を出さないのか。そんなことを言っているから待機児童は減らないんですね。

 きょうは、厚労省を呼んで、僕は、ある意味では、厚労省の役人を含めて、そして秋葉副大臣を含めて、私の話を聞いてもらって、持って帰ってもらって、本当にこういうことを大幅緩和することが大事なことだということをちゃんとわかって帰ってもらいたいと思って、皆さんに来てもらいました。

 そして、地方分権を一括して推進していく立場の新藤大臣には、ぜひこうしたことを出していく、それはリーダーシップとして、内閣の中で。厚労省は、もちろん田村大臣がやっておられると思うけれども、こういうことは、新藤大臣、大いにリーダーシップをとってもらいたいと思うんですが、いかがでございますか。

新藤国務大臣 先ほどから、非常に、全国有数の政令市の市長として実務をやってきたその体験に基づく話というのは、私だけじゃなくて、ここにいる委員の皆さんが傾聴に値することではなかったか、このように思います。

 まず第一に申し上げますのは、結局、制度を運用していくのは人ですから、特に地方自治体において、首長の力、これは福田委員も知事さんでした、東国原さんも知事さんでした、ですから、それぞれの改革マインド、それからリーダーのやる気と能力、こういったものが非常に影響を与えるな、こういうことも思っております。

 ですから、それぞれ経験された人が自分の経験に基づいて、それは首長さんだけではありません、この中には、地方の自治体の議員をお務めになられた方もたくさんいらっしゃいます。私もやっておりました。とにかく、みんなで、自分の持ち場でもってこれをこう変えるんだという思い、それの中で、それを国の制度として法律にまできちっと位置づけられるかどうか、これを取捨選択しながら進めていかなければならないな、こういうふうに思うんです。ゼロ、一〇〇ではないということがあります。

 国からいえば、これはやはり、ナショナルミニマム、それから設置基準というのは公平でなければならない、こういう基本がありますよね。それから、何よりも安全性ですとか必然性、こういったものを国とすればチェックしていく、これが国の役割ですから、私は、厚生労働省が、そういった意味で、特に厚労省は今いろいろなことで規制の緩和を求められるんですけれども、そこはそこで厚労省の役割があるだろう、このように思っているわけであります。

 その上で、私は、地方分権改革の担当大臣になって、有識者会議を設けて、今議論しているのは、まさに今委員がおっしゃったようなことなんです。

 要するに、規制緩和するといったって、一律に全部できるものもあれば、やる気があって準備が整っている自治体ならばできるところもあると思いますよ。それから、そうではなくて、別のサービスを、また別の基準を求めている自治体もあるわけですね。ですから、こういったものを、もちろん、国の基準ですから一律に考えていくのでありますが、しかし、今のような話を受けて、さらに工夫できないかしらというふうに思っております。

 ですから、まずは一つ一つできるところからやろうというのはそういうことでありまして、分権会議の中に専門部会を設けて、今みたいな話をやりながら、現実的な対応をとれるところはどこなんだというものをきちっと進めていきたいという思いは、最初にエールをいただきましたが、まさにこれからお互いに、議員になりたてのころから、そういう改革を進めていこうじゃないかという意味においては一緒にやってきた方ですから、そういった問題意識は共有してまいりたい、このように思います。

中田委員 本当に我々が論ずるべきは、与野党がどうのこうのなんて、私は本当にどうでもいいと思っていまして、とにかく日本という国をどうやって活力ある社会にしていくかということですから、そのためには新藤大臣にぜひ頑張っていただきたいと思います。

 その上で、新藤大臣が、国がやる以上、その基準の公平性が必要だと今おっしゃいました。私、ここは、その文脈を考えればそのとおりだと思っています。要するに、国がやる以上はなんですよ。国がやるべきかどうかを考えてくれる、このことが重要なんですね。

 先ほど申し上げたように、地方の市長も市役所の職員も、自分たちの子供をないがしろにした保育行政をやろうなんて思っている人はいませんから。そういう意味では、厚労省が持つべき基準なんというのは、はっきり言ったらなくてもいいという乱暴なことまで言いたいけれども、そこまで言うとまた乱暴な議論になってしまいますから、本当に最低のものにしなければいけないということをよくよく理解してもらいたいと思うんです。

 安倍政権が横浜方式を横展開するというふうに言っていることに対して、私は、ホームページの中でも、それは間違いですよというふうにすぐに書きました。ぜひ、新藤大臣、安倍総理にもそれをお伝えください。

 だって、横浜市は、厚労省基準を守ってゼロにしたのではないんです。その意味において、横浜方式をほかでやれというのは、これはまず、中身的に論理矛盾。

 それから、もう一つ重要なのは、横浜方式をどうぞ全国でというこの中央集権的発想は、まただめなんです。わかりますよね。そこなんですよ、問題は。それぞれの地域が工夫できるようにすることが大事なんです。

 全国からお集まりのここにいらっしゃる委員の先生方、例えば、うちの地域は過疎があるよ、過疎の村で園児は少ないけれども、じいちゃん、ばあちゃんの手はいっぱい余っているんだという村もあるでしょう。そういうところでは、じいちゃん、ばあちゃんが保育に携わっていく。今はそういうやり方ができないんですよ、保育士がいなきゃ保育園じゃないんだから。いいじゃないですか、じいちゃん、ばあちゃんが一緒になって地域の子供たちを見守っていく保育があったって。

 都会だったら、園庭、お庭はとれませんよ、面積上。そうであるならば、地価も高い都会において、駅前に、ビルの中に保育園をつくったら近くの公園で遊ぶ、そういうことが認められるような、それぞれの地域性が大いに活用されて、ある資源を使いながら創意と工夫が行われる、こういうぐあいにしていくことが、この待機児童を含めた、子供を育んでいく上で大事な視点であって、一律の基準をつくって補助金を出していくということをそろそろ改める。

 ぜひ、先生方、大いにこれから御議論いただいて、こうした展開というものを進めていただきたいというふうに思います。

 新藤大臣には、引き続きエールを送りますので、大いにお取り組みをいただくことをお願いして、私の質問を終えたいと思います。ありがとうございました。

北側委員長 次に、佐藤正夫君。

佐藤(正)委員 みんなの党の佐藤正夫です。

 大変勉強させていただきまして、ありがとうございました。まさに、身近にできることは身近な基礎自治体に落としていく、そこに任せるというのが本当によくわかりました。ありがとうございました。

 それを踏まえながら、ちょっと質問させていただきますけれども、これまでの質問の中でも、重複をしてくることもあろうと思います。

 一次から四次まで、これまでの経緯もいろいろあったと思います。第三次見直しが菅内閣、野田内閣で行われました。そして、平成二十三年七月七日の第十二回地域主権戦略会議での方針をもとに、各府省に対して実施した調査とかワーキンググループの検討、そういうものをしたわけであります。

 そこで、まず最初に、その調査内容や検討過程について、そして、それを決めるに至った経緯についてお尋ねをしたいと思います。よろしくお願いします。

    〔委員長退席、橋本(岳)委員長代理着席〕

新井政府参考人 御指摘のございました第十二回地域主権戦略会議、これが平成二十三年の七月七日にございました。

 このときには、有識者から成るワーキンググループが、これまでに三回会議を開いておりまして、検討してきました。そこの検討結果を踏まえまして、第三次見直しをするに当たって、例えば、地方からの提言に係る事項については、提言等の趣旨が実現される方向で各府省と議論を進める、あるいは、通知、公告等、それから職員等の資格・定数等については、義務づけ・枠づけの存置を認める新たな許容類型を設定しながら、それに非該当のものについては見直しを求める、こういった方針が報告されたところでございます。

 この方針を受けまして、各府省に対しまして文書による照会を発出いたしまして、各府省から回答いただきましたものについて、さらに議論、検討を進めたというものでございます。

 その結果、第三次見直しにおきまして見直しの対象となりました三百六十三事項のうち二百九十一事項の見直しを実施する、こういうことになったところでございます。

佐藤(正)委員 そこで、その通知なんですけれども、通知はまだ随分残っていますよね、たくさん。

 通知しなきゃいけないものかどうかと内容を見たら、こんなものは通知しなくたっていいんじゃないのというのがたくさんあると思うんですね。その辺についての検討はどうなんですか、今現在。

新井政府参考人 ただいまお話しいたしました二十三年の検討を踏まえまして今回の法案が出てきております。このところで一応の整理をしたというところでございます。

 さらに、通知について、これはというものがまた地方から提言がございましたら、それにつきましても、そういった意見も聞きながら、今後とも検討してまいりたいというふうに思っております。

佐藤(正)委員 では、しっかりそこはやっていただいたらいいなと。すぐにでも変えられることはたくさんあります。

 そしてまた、先ほど、第三次見直しが菅内閣、野田内閣で行われたと。新藤大臣、これまでの民主党政権から第二次安倍政権にかわったわけでありますけれども、これまでの民主党政権におけるこの見直し、大臣はどのように評価をされていますか。

新藤国務大臣 私は、先ほども申し上げましたが、政権がかわっても、地方分権、この歩みというものはとめてはならないし、同じ思いを持って、それぞれ歴代の政権が、政府として行政事務の改善、権限の改善、こういった意味で進めてきた、このように思っています。

 そもそもが、民主党政権で成立していただきました一次、二次の一括法、このもとになっているのは、第一次安倍内閣における提言でございます。ですから、今我々がやっている作業というのは、実は、丹羽委員会から始まって、第一次安倍政権のときに整理をしたものを順次やってきているということであります。

 私どもが、自民党政権が手がけました。そして、その勧告を出した中から見直しをやり、優先事項の高いもの、それから実現可能性の高いもの、こういったものを整理してきて、一次、二次でやってきた。第三次においては、法案を提出したが、しかし、廃案になった。処理できなかったわけであります。

 ですから、今回は、私たちは、前回の積み残しも含めて、それに加えて、今回新たに実施できる、こういったものも含めての第三次一括法、これは第四次見直しであります、こういうものを出してきたということであります。

 我々とすれば、これは先ほど中田委員もおっしゃっていただきましたけれども、もとをただすと一万条項あるんです、一万条項の中から、国への、性質上義務づけを残すべき、これは国民への生命の危険に対する保障ですとか、そういう分野です、これをより分けたのが四千七十六なんです。そこからは順次、数字ですから細かく申し上げませんが、そういう枠組みの中でやってきた。

 ですから、まず、少なくとも今回の第三次一括法、今御審議いただいているものは、前政権の積み残し、加えて、私たちが新たに、それにまたさらに作業をやって追加したもの、これを加えて、一応、今までの地方分権の流れの中では、できるものは一区切りができるということになりますので、今回我々が提出いたしました法案、早期にこの御審議を進めていただきたい、このように思うゆえんでございます。

佐藤(正)委員 大いにやっていただきたいですよ。賛成なんですよ。ぜひやってもらいたいと思っています。

 それを前提にしてきょうは質問させていただいていますが、そういう中で、野田政権のときに、やはり地方の声をしっかり聞こうということで、地方四団体、六団体というんでしょうか、全国知事会長を含めて、そういう声をしっかり聞いて、そして、それを反映させよう、見直しに結びつけよう、まさに地方の生の声を聞いて、地方が一番わかっているんだから、それを採用しようということなんですが、残念なことに、先ほど新藤大臣が言われたように、野田内閣の後、すぐ解散をしました。

 しかし、安倍政権になって、全国知事会を初めその団体からの、一緒に協議をする、その場をなぜつくらなかったのかということなんですが、つくったんですか、つくって協議をして、地方六団体を含め、御意見を聞かせていただくような場があったんでしょうか。その辺はどうなんでしょうか。

新藤国務大臣 これはさまざまなテーマがありますが、今こうやって出してきたものは、これは各省で打ち合わせをし、それから、もともとから御要望いただいた自治体からの御意見を頂戴して、その上で実務的に詰めてきたものであります。ですから、これはもう頻繁にわたる協議があって、今このようになっている、このように御理解いただきたいと思います。

佐藤(正)委員 全国知事会は、前から言っているのは、基本的に、政府との協議の場をつくってほしいということをずっと言ってあるんですね。だから、それはぜひやるべきだと私は思います。

 確かに、一次、二次、三次、ずっと積み残しもあるでしょう、そういったものから今やっているんですよということは、よくわかりますよ。だけれども、そういう地方の声を一緒に、政府ともども協議の場を設けることは、僕は絶対必要だと思います。その辺について、今後どのように考えられますか。

新藤国務大臣 ですから、その意味で、地方分権改革有識者会議というものを設けました。そこには、地方の団体の、しかも、それぞれの、進めていらっしゃる熱心な委員を地方団体から御推薦いただいた、そこの場は本当の検討の場なんです。そして、その検討の場で玉を、テーマを出していただいて、その中から専門部会を設けて、実務的に処理していこうじゃないか、こういうことを今やっているんです。

 今までの会議というのは、コンセプトを論じるのと実務を論じるのが一緒くたになって、会議なのに、その場で新たな提案があって、どうするの、こうするのと言いながら、結論を出せる場ではない。こういうことで、混乱してしまったんですね。

 ですから、私は、決定する場と、それから調査、検討する場所と、さらに実務的に掘り込んでいく場所、これを三つつくって、そして順番を整えた上で進めていこうというふうにさせていただいているわけであります。

 もちろん、今後も国と地方というのは、くくりますけれども、知事会は知事会、市町村は市、町村、それぞれのことがございます。ですから、実務的にはやはり別途にやっていかなきゃならないんです。

 そういったものを頻繁に行いながら、整ったもの、整理したものについてのお互いの共通理解を得る、これが国、地方の場という法制化されたもの、これは私は非常に意味があると思いますけれども、そこに至るまでの作業というのは、その会議をしょっちゅう開くといっても、大臣も含めて日程設定をしながら、公式的なものでございますから、その協議の場という以前の、実務協議の場をたくさん設けないと進まないんです。それは私、心がけておりますし、現実にその作業は拍車をかけております。

佐藤(正)委員 そうしたら、今回出てきた中で、全国知事会が七十二項目、全国市長会が七十三項目、全国町村会が五項目、全国町村議会議長会が二項目出しているんですね。これだけ多くのものが出てきたんですけれども、この要望に対して、今回、四次では五十七項目になったんですね。

 五十七項目になったことは、どういう過程を踏んで五十七項目になったのか、お尋ねをしたいと思います。

新井政府参考人 今回の第四次見直し、地方から提案を受けてやっているものでございますが、各団体から御意見を受けた中で、重複もございますので、実際に見直しの対象とすべきものとして六十四項目ございまして、その中から四十八が義務づけ・枠づけ、それから権限移譲について、二十三のうち九つ、こういったものが見直しを行ったというものでございます。

 義務づけ・枠づけで申し上げますと、実現できなかったものとして、先ほどもお話がございましたが、例えば児童福祉施設の基準の参酌基準化とか農地転用許可に係る農林水産大臣との協議の廃止といったもの、制度を所管する関係省庁との調整の結果、なかなか最終的に見直しという結論に至らなかったものがあって、そういう結果になっているということでございます。

佐藤(正)委員 そうしたら、都道府県から基礎自治体へ移譲する、そういうものも多々あると思うんですね。第四次見直しでは、都道府県から基礎自治体への権限移譲について、今どのようになっていますか。

新井政府参考人 都道府県から基礎自治体への権限移譲につきましては、地方から提案があった二十三項目中、九つの項目について見直しを行うこととなったところでございます。

 先ほど義務・枠で申し上げましたが、こちらの方でも見直しがされなかった理由はさまざまございますが、例えば病院開設の許可権限等の希望保健所設置市への移譲とか、農業振興地域の指定、変更等権限の市への移譲については、制度を所管する関係省庁との調整の中で、都道府県が広域的見地から行うことが適当である、こういった主張から、見直しという結論に至らなかったというところでございます。

佐藤(正)委員 その辺は、全国、地方から、今の答申に対してどういう御意見がありましたか。

新井政府参考人 まさに今申し上げたようなものでございまして、例えば農業振興地域の指定、変更等権限の市への移譲、こういったものにつきましては、移譲していただきたいというふうな要望がございまして、それに対する各省の回答といたしまして、農業振興地域は、食料の安定供給の観点から、優良農地を確保し、その適切な管理を図る仕組みとして、都道府県知事が、市町村と協議しつつ、広域的観点から一体として指定することが必要と、それぞれについて、こういった一つ一つの御要望について、各省からの回答を勘案しながらまとめられたものが、二十三項目中の九項目ということでございます。

佐藤(正)委員 そうすると、今後、その九項目からふえないということですか。どうなんですか。

新井政府参考人 義務づけ・枠づけも同じでございますが、先ほど大臣からもお話がございました地方分権の有識者会議であるとか、あるいは、さらに地方の意見というのも出てくるかもしれません。こういったものを踏まえながら、対象を整理しながら、これから進めていきたいと思います。

 なお、この九項目のうち、今回の法案につきましては二項目しか入っていないという御指摘もあるかと思いますが、それにつきましては、方向性は決まっておっても、これから具体的な詰めをした上で法文をつくる。例えば、財源問題をどうするかとか、そういったものもございますので、今後、個別法の改正で手当てされる、そのために一定の検討が必要である、こういった項目があるというものを御理解いただければと思います。

佐藤(正)委員 まさに、地方からすると、今言われた財源の問題もあるんですよ。人の問題もあるんです。人、物、お金、この問題があるんですね。机上論では、こういう権限をやりましょう、だけれども、やりたくたって実はやれないんですよという市町村は幾らでもあるんですね。

 そういう意味で、その財源についてはどのようにお考えなんですか。

新井政府参考人 権限移譲を行うに当たりましては、必要な権限、財源というものもあわせて移譲するというのが基本のスタンスというふうに考えてございます。

 したがいまして、そういったところは、これから、方向が決まったところでしっかりと検討していくことが始まるということかと思います。

佐藤(正)委員 その辺はしっかり検討していただきたいと思います。口で言っても、なかなかできないことがある。

 そして、先ほど新藤大臣が言われたように、一万からの条項を四千七十六に絞り、これは、本当に僕は思うんですけれども、大変な地道な苦労があるんだろうと思います。でも、やらなきゃいけない、これが現実です。

 そして、身近な基礎自治体においては、人、物、お金の問題も、本当に直面をしている。いろいろな大きな改革になろうと思いますので、ぜひ、有識者会議の中でも、しっかりそこを目くばせしながら、地道な作業ではあるでしょうけれども、進めていただきたい。このことは、大臣、よろしくお願いをしたいと思います。

 それから次に、出先機関の廃止についてなんですけれども、麻生内閣のときに出先機関改革に係る工程表というものをつくられたと思いますが、この工程表との絡みは今どのようにお考えなんでしょうか。

    〔橋本(岳)委員長代理退席、委員長着席〕

新藤国務大臣 今委員からエールを送っていただきましたが、もとより私も、これは進めたい、こういうふうに思っているんです。しかも、今回の一括法に出したものも、私の方で、もっとできないのかとかなり督促をして追加させたものもございます。

 それから、さらに申し上げますと、今答弁している内閣府の人間は、実は、今はこうやって我々、問われて答えておりますが、私たちは、今度は各省庁に対して、なぜできないんだ、これをやろうということをやるセクションなんですね。

 ですから、そういう中で、政府内の非常ないろいろなせめぎ合いをやりながら、私たちが頑張ることで、いろいろな地方からの声を各省に届けて扉をあけていく、こういう作業をやっているということを御認識いただいていると思いますけれども、あえて、我々、今回、過去の実現率に負けないようにしっかりとやれということで、これは、たださらっと事務的に流しちゃうと今よりも二割ぐらい低かったんです、それを上げろということでやった結果が、やはり努力すればできてくるんです。

 今回の義務づけについても、数は足りないと言いますが、逆に言えば、今度は、国がやると言っても地方が受け入れない場合もあるんですね。ですから、やはりきちんとそれぞれの話をしていかなきゃならないということがございます。

 それから、出先機関の改革に係る工程表のお尋ねがございました。

 これについては、麻生政権時に、二十一年三月、出先機関改革に係る三年間の主な工程表、こういったものを、地方分権改革推進本部、自民党政権時代にまとめました。

 そして、その問題は、民主党政権においてはそれとは違う方針が出ましたので、とまっていたわけであります。

 私たちとすれば、今回、まず、地方分権改革推進本部というものをつくり、有識者会議を設け、こういう機構を整備したというお話をしましたが、その中で、これまでの工程表も含めて、それから、もちろん前政権でおやりになったことも含めて、これまでの検討の経過を受けとめて、その上で、今我々がもう一度、できることは何か、それから、スピード感を持って実効性を上げなきゃなりませんので、その中からすぐにできるものは取り出していって実行していこうじゃないか、こういう形をやっていこうと思っています。

 現状におきましては、国から地方への事務権限の移譲につきましては、今関係府省庁から約百事項出ているんですけれども、そのうちの八割については移譲を含む見直しを行うということで、今作業をしているところであります。

 その作業のまず先端で、今回、専門部会を設けて、無料職業紹介に関する事務権限、それから自家用有償旅客運送に関する事務権限、これについて二つの部会を設けて、これはもう結論を出すための部会でありますけれども、実効性ある取り組みを進めている、こういう状態でございます。

佐藤(正)委員 そうしますと、出先機関の問題ですよね。これは今、自公そして我々も、維新さんもそうですけれども、道州制を見据えた基本法案をつくろうという精査をさせていただいていますが、恐らく、この道州制に絡んだ中での出先機関をどうするかという大きな問題があろうかと思います。

 そこで、道州制を踏まえた中での出先機関というものに対して、何かお考えがあれば教えていただければと思います。

新藤国務大臣 今、この道州制は、国会での議論がございます。各党での御議論があります。与党の中でも精力的な議論があります。また、それに対する地方の声というものもいろいろあります。もろもろ含めて、道州制というのは国家の基本を変更していく大改革であります。したがって、国民的議論が必要だ。

 それから、精緻な、深い制度設計なりの検討がなされないと、これは、順次やっていくというよりは、いろいろ煮詰めて制度を設計して、あるときに大胆に変えていかないといけないものだ。こういうことから、やはり適切に、きちっとした運営が必要だ、検討が必要だ、このように思っています。

 出先機関改革との関係は、関連はございます。しかし、今私たちがやっているのは、現状における地方制度において、出先機関の改革、国からの権限移譲がどのようにできるかということを今はやろうとしています。その結果、分権が進みます。その分権の進んだ形の中から、道州制の制度設計には、当然、その影響を踏まえてフィードバックされるのではないか、このように考えます。

佐藤(正)委員 確かにそうなんですね。国民的な議論が道州制は必要ですから、自民党さん、公明党さんの場合は国民会議という、我々も賛同を実はしております。

 ここはこれで終わって、では、現実に、実際がどうなっているのかというところから質問をまた続けさせていただきたいと思います。

 まず最初に、ハローワーク。

 ハローワークは、本当に国がやるべきことなのか。政令市なら政令市、県なら県で、実はハローワーク的なことはできる。県でも政令市でも同じような事業をいっぱいやっているんですね。例えば、若年者の支援をする部署をつくってみたり、出先をつくってみたり、みんな苦労してやられています。

 そして、なおかつ、ハローワークというのは、現実には雇用保険等との絡みでやらなきゃいけない。だから、本当に雇用したいと思って雇用助成金をいただこうと思ったら、そこで雇えばいいんだけれども、ハローワークを通じてこないと出せませんよという仕組みに実はなっているんですね。

 本来、そういった就業する情報というのは、まず、全部が一元化される方がいいんですよ。先ほど中田委員から出ましたけれども、実は、身近なところで一番就職先はわかるんですよね。

 そういう意味で、このハローワーク、どうでしょうか、もう地方に任せたらどうですか。いかがですか。

丸川大臣政務官 佐藤委員にお答えをさせていただきます。

 求職者への支援、特に、ハローワークに関連するものはワンストップでという全国市長会からの御要望も受けての御質問かと思いますけれども、既に、厚労省といたしましても、そうしたワンストップサービスを自治体で行っていただけるような環境というのをこれまでにも整えてきたところでございます。

 特に、複合的な課題を抱えておられる求職者の皆様方への支援ということで、地方の自治体の福祉事務所内にハローワークが出張っていって窓口を常設で設置するなど、ハローワークによる職業紹介などと自治体の福祉などの業務を一体的に実施するという取り組みを進めさせていただいております。

 この一体的取り組みの実施というのは、全国八十八の自治体で既に実施をさせていただいておりまして、特に政令市については、二十市全てでこれを実施していただいております。

 また、今後、先ほど新藤総務大臣の御発言にもございましたけれども、ハローワークの求人情報を地方自治体にオンラインで提供するということについても検討したいと考えておりまして、こうした取り組みを含めて、地方自治体が行う雇用対策の充実に最大限協力をさせていただきたいと思っております。

 また、先ほどの雇用保険の件についてでございますが、これは、お金の出どころということを考えましたときに、やはり、財政の責任と運営主体が一致していなければいけないということを厚生労働省としては考えておりまして、これについては、全国のハローワークで厚生労働省として見るということをやらせていただきたいと思っております。

 以上でございます。

佐藤(正)委員 何か都合のいいことばかり言っていますよね。

 例えば、生活保護なんて市町村にさせているじゃないですか。そんな大変なことは市町村にさせておいて、こんなことは国が一括で見ておかなければいけないなんていうのは、まさに逆行ですよ。

 それから、全国の政令市長会からの要望云々じゃないんですね。私、ずっと県議をやっていましたけれども、実は、県議のときもこれをずっと問題視してきたんです。

 例えば、僕は福岡県ですが、福岡県だ、北九州市だといったときに、雇用対策云々と国が出すと、お互いに、それを何とかしなきゃいけないと思って、いろいろつくっちゃうんです。結果的には、県は県の情報、市は市の情報なんですよね、人というのは動いていますから。そういう意味では、今言った一元化の情報を流すというのは、イの一番にやらなきゃいけないんじゃないですか。

 今から検討するなんという話じゃありませんよ、本当に。本当に私の質問の意味がわかっているんだったら、こんなものは検討する以前の問題ですよ。

 そして、なおかつ、今言ったように、難しい問題は地方にさせておいて、楽なものは中央で管理しちゃおうなんというのは、いささかおかしいと思いますが、どうですか。

丸川大臣政務官 検討が遅いというふうな御指摘でございますけれども、今まさにもうそちらに向かって進んでいるということでございますので、御理解を賜れますと大変ありがたいと思います。

 また、生活保護の手続等につきましては、本当に自治体の現場現場で御苦労いただいておることは我々もよく承知をしているところでございまして、こうしたことに関しましても、今回の生活保護法の改正を含め、御支援をさせていただく方向で、より努力をしてまいりたいと思っております。

佐藤(正)委員 ほかにも質問しなきゃならないので、次の方に入ります。

 きょうは文科省の方からお見えになっていただいていますけれども、いわゆる教職員の給与、都道府県、政令市の関係ですが、いわゆる政令市は、実際、人事権を持って教員配置をしたりするんですね。ところが、お金だけは県から来るんですよ。県を経由してこなきゃいけない理由は何なんでしょうか。

義家大臣政務官 県から経由してくる理由は、制度がそのようになっているからであります。

 改めて、御指摘に係る関係都道府県と政令市の間で、今財源の調整をそれぞれが行っておるところでございますけれども、文部科学省としても、必要な対応を、参画しながら積極的に対応してまいりたいと思っております。

佐藤(正)委員 その話にちゃんと参画していく、やるということですか、それは。

義家大臣政務官 まず、本年三月十二日に閣議決定された義務づけ・枠づけの第四次見直しにおいては、本件について、関係省庁において関係者の理解を得て速やかに結論を出した上で政令都市に移譲するとされております。

 この関係団体、例えば、文科省が今具体的にやっていることですけれども、本年三月十四日、文部科学省から都道府県、政令市に対して、財源保障方策等に係る検討を促す事務連絡を発出。さらには、神奈川県においては、二十二年七月より文科省、神奈川県、三政令都市と本件についての意見交換を実施しておりまして、二十五年五月にも実施しておりますが、現状においては、両者の隔たりが非常に大きくて、調整が難航している状況であります。

佐藤(正)委員 もう長いこと、この問題はずっと議論していると思うんですよね。

 でも、普通に考えたら、私はもう政令市に移譲すべきだと思いますよ。これは地方の中でも常に出ている話です。ぜひ、その地方の声を。僕は、当たり前だと思っているんです。当たり前のことができていないことが不思議でしようがないというのが、私の考え方です。

 ですから、ぜひ前へ進めていただけませんか。ちょっと決意を。

義家大臣政務官 まず、しっかりと関係者間の合意形成の上で進めていくべきであるという前提に立った上で、文科省としても鋭意検討や合意形成を促していくことをこの場で明言しておきます。

佐藤(正)委員 文科省は、基本的に、都道府県、市と一本の窓口であったら、そこがいわゆる管理しやすい、いろいろなところが何本も何本もふえるのは大変だというような考え方をまさか持っていないと思いますよ。だから、義家さん、教育の改革をやるという旗手だそうですから、文科省のそういうところにはしっかりメスを入れてください。

 次に、二級河川について。

 例えば、私の地元のことで恐縮でありますけれども、北九州市には紫川という二級河川、大きな川があるんですが、この川は、実は北九州市しか走っていない、流れていない川なんですね。これが、今でもやはり県が管理をする。身近な市民から見ると、これは当然市がやっていると思っているんですよね。ところが、この二級河川については、まだまだ都道府県だということなんです。

 そこで、お尋ねします。

 前にお聞きしたら、県と市の協議でその部分は何とかなるんですよということではありますが、現実にはなかなかうまくいかない。そこで、この二級河川、政令指定都市に権限を移行するということはいかがでしょうか。

山崎政府参考人 二級河川の管理権限についてお答えいたします。

 河川は、水系一貫管理が原則でございます。一つの水系においては、同一の管理者が、上流、下流、左岸、右岸、こういったものの河川管理施設の整備状況や背後の人口、資産の集積状況を考慮して、総合的に管理することが重要だと考えております。

 このため、二級河川の管理権限を都道府県から指定都市に移譲する場合には、そういった上流、下流、左岸、右岸において管理者が異なっても適切に管理がなされるというふうなことに配慮しなければいけない。それから、氾濫した場合の県全体への影響も考慮する必要がある。

 こうしたことから、河川法では、平成十二年に法改正いたしまして、指定都市の区域内の二級河川の管理権限については、都道府県知事が指定都市の長の同意を得て区間を指定するというふうなことにより移譲するということにしておりまして、現に、名古屋市ですとか横浜市ですとか、二級河川を政令市が管理しているところがかなり出てきております。

 移譲に当たっては、こういった、あらかじめ両者が十分調整するシステムが必要ではないかというふうに考えております。

佐藤(正)委員 今の答弁でいったら、紫川は北九州市しか走っていない、まさにそうなんですよ。ぜひ、国交省の皆さん、頭に入れて、今言ったとおりの川が紫川というところなんですよ。北九州市しか走っていない。だから、河川の占用料についても、県に払うんじゃなくて身近な自治体に払う、もう時間がなくなりましたけれども、そのことをお願いして質問にかえます。

 ありがとうございました。

北側委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 第三次の一括法案について質問いたします。

 二〇一一年に成立した第一次一括法、そして第二次一括法にも、また今回の第三次一括法案にも、附則に、いわゆる基準のあり方についての検討条項が付されております。施行の状況等を勘案して、基準のあり方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするというものであります。

 大臣にお尋ねしますが、いわゆる従うべき基準の検討条項だと思いますが、この附則の部分はなぜ設けられているのか、その理由についてお答えいただきたいと思います。

新藤国務大臣 まず、義務づけ・枠づけの見直しは、国が一律に決定していた基準を、地方みずからが決定し、実施するように改めるものである。そして、地方分権改革推進委員会の勧告でも、従うべき基準、これを国が設定するのは真に必要な場合に限定すべきものというふうにされているわけであります。この趣旨を踏まえまして、従うべき基準というものを定めるわけであります。

 この一括法の附則において、改正後の法律の施行の状況等を勘案して、そのあり方についての検討を加え、見直しの必要があると認められるときは必要な措置を講ずる旨の見直し規定が定められている。これは、中身に応じてしっかりとした検討をしていく、こういうことでございます。

塩川委員 地方がみずから決定するように改めていく、自治体の自主性を確保するために国の縛りをなくしていくんだ、そういう過程の中で、この従うべき基準についても見直しの検討という項目で挙げているということが理屈となっているわけであります。

 そこで、厚生労働省に、その中身についてお尋ねいたします。

 従うべき基準を残している法律にはどのようなものがあるのか、そして、その従うべき基準となっているのはどのような基準となっているのかについて、概括的に御説明いただけますか。

唐澤政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省所管の法律の中で現在も従うべき基準を残している法律でございますけれども、例えば、医療法、障害者総合支援法、生活保護法、児童福祉法、介護保険法などが挙げられるところでございます。

 この国による従うべき基準でございますけれども、条例の内容を直接拘束する、必ず適合しなければならない基準でございますので、真に必要な場合に限って設定されることになっているわけでございます。

 具体的には、例えば、医療法におきましては、医療機関における看護師さんなどの人員配置基準、それから、障害者総合支援法や生活保護法、児童福祉法、介護保険法などにおきましては、施設の人員配置基準のほかに居室面積の基準、人権に直結する運営基準、こうしたものを従うべき基準として定めているところでございます。

塩川委員 児童福祉法や介護保険法、障害者総合支援法、医療法、生活保護法、例示がございました。いずれも国民生活に直接かかわる重要な法律であります。保育所や障害者施設、老人福祉施設などの面積基準や人員の配置基準、また、秘密の保持や虐待防止など利用者の処遇や人権に直接かかわる基準が従うべき基準となっているわけであります。

 そこで、重ねてお尋ねしますが、これらはなぜ従うべき基準として存置されているのかについて、少し丁寧にお答えいただけますか。

唐澤政府参考人 この従うべき基準が残されている理由でございますけれども、厚生労働省といたしましても、地域の経済を元気にして、実情に合わせた行政の推進と効率化を促していくという分権の理念の実現には積極的に取り組む必要があると考えておるところでございますけれども、一方で、厚生労働省の所管する行政分野は、国民の皆様の生命や健康、生活などに大きな影響を与えるものでございます。全国の医療や福祉サービスの質の確保を図っていく必要もございます。

 こうした基本的考え方を踏まえまして、福祉施設、医療施設などの基準のうち、人員配置基準、居室面積基準、そして御指摘のございました人権に直結する運営基準、こうしたものを従うべき基準として残しているところでございます。

塩川委員 生命や健康や生活に影響を与える、そういったものについて措置することが必要であり、こういった質の確保、こういう点が重要だ、全国における共通した質の確保ということが求められているということであります。つまりは、セーフティーネットとしての役割、またナショナルミニマムとしての役割があるということを示しているものであります。

 厚生労働省に続けてお尋ねしますが、個別の法律に関してお聞きしますけれども、例えば第二次一括法では医療法の改正がありました。その中で、医療法における医療従事者の配置に関する基準を従うべき基準としている理由はどのようなものなのか、この点について簡単にお答えください。

唐澤政府参考人 医療法の関係する基準でございますけれども、医療機関における看護師などの人員配置基準につきましては、医療法に基づきまして都道府県が条例で定めることとされているわけでございますけれども、その際には、厚生労働省令で定める基準に従うこととされているところでございます。

 このように、看護師などの人員配置基準につきまして従うべき基準を国が設けておりますのは、配置すべき医療従事者やその数が、提供される医療サービスの質に直結しておりますことや、国民の生命や健康に大きな影響を及ぼすためでございます。

 このため、平成二十三年の地方分権第二次一括法で条例に委任した際にも、引き続き医療法におきまして統一的な基準を定めることとしたものでございます。

塩川委員 国民の生命あるいは健康に直結をするという意味での基準となっていることでのお話がありました。

 こういった配置すべき者あるいはその数というのが、提供される医療サービスの質に直結をする、国民の生命に重大な影響を及ぼすものであるため、統一的な基準が必要としているものであります。そもそも、義務づけ・枠づけの見直しを行う対象ではなく、国民の生命等への危険に対する保護等に当たるその性質上、義務づけを残すべきもの、こういうものであるはずであります。

 次に、障害者総合支援法、旧障害者自立支援法において改正も行われたわけですが、従うべき基準と定めているものはどのようなもので、その理由は何なのかについてお答えください。

村木政府参考人 お答え申し上げます。

 障害者総合支援法におきましては、障害福祉サービス事業者等の基準を定めてございます。この中で、一人当たりの居室の床面積、従事する従業者及びその員数、人権侵害の防止に係る基準等が従うべき基準として定められているところでございます。

 これらは、利用者一人一人に対する障害福祉サービスの質を確保するという観点、またナショナルミニマムを確保するという観点から、全国統一の基準を定めることが適当と考えて、従うべき基準として整理をしたところでございます。

塩川委員 面積基準や人員配置基準についての定め、あるいは人権の確保に関する基準としているもので、その質の確保やナショナルミニマムの確保という点で全国的な一律の基準が必要だということであります。

 一方で、実際には、この改正によって居室の定員については緩和がされたわけであります。また、市町村が障害福祉計画を策定する際に住民の意見聴取義務がかかっていたものを、これを外すという改正も行われていたわけで、この間、障害者の皆さん、障害者団体の皆さんが、私たち抜きに私たちのことは決めないでと、こういう趣旨に反するようなことがこの一括法の中で行われてきたということも極めて重大だということは指摘をしておかなければなりません。

 続けて、従うべき基準に関して、生活保護法においてはどのようなものを定めとしているのか、また、その理由は何なのかについてお答えください。

村木政府参考人 お答え申し上げます。

 生活保護法につきましては、要保護者に対して生活扶助等を行うことを目的としている保護施設の基準等を定めてございます。これに関しまして、やはり、障害と同様でございますが、職員配置基準でございますとか、居室の床面積の基準、また、利用者の適切な処遇、安全の確保並びに秘密の保持に密接に関連するもの、例えば授産工賃の支払い等でございますが、これらについては従うべき基準としているところでございます。

 これはやはり、生活扶助等を一人一人に対して適切に行うという観点から、設備や運営に関して一定の水準を保ち、サービスの質の確保を全国的にするということが必要だという観点から、従うべき基準としたところでございます。

塩川委員 いずれも、施設利用者の方などの生活と権利を保障するための基準となっております。

 そこで、大臣にお尋ねいたします。

 今紹介がされましたように、従うべき基準とされているものの中身、またその理由というのが、国民の最低限の生活と暮らしを守る、その権利を守るナショナルミニマムに深くかかわるものである。このナショナルミニマムを後退させることにつながるような、従うべき基準の見直しを行うのは、これは間違っているんじゃないでしょうか。いかがお考えですか。

新藤国務大臣 まさにそこをきちんと議論しなきゃいけないということだと思います。

 そして、この制度の精神においても、従うべき基準を国が設定するのは真に必要な場合に限定すべきということがあります。第一次見直しにおいて、第一次一括法の附則において、改正後の法律の施行の状況等を勘案し、そのあり方についての検討を加え、必要があると認めるときは必要な措置を講ずる、この旨が入ったのもその精神だと思います。

 ですから、御心配があると思いますし、ナショナルミニマムに尽きるわけでありますが、こういったものをきちんと議論することが必要。

 一方で、地方分権の進展、国民意識の変化、社会状況の変化、こういったものも踏まえながらの検討がなされていると思っておりますし、私としてもしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えます。

塩川委員 ナショナルミニマムにかかわるようなこういう基準について、あたかも国が地方を縛るような中身だ、こういうことを考えることが間違っているんじゃないかと考えるわけです。

 例えば、生活保護法の一条についてちょっと説明してほしいんですけれども、生活保護法の一条に目的が書かれております。その目的にはどういうことをうたわれているのか、簡単に御紹介いただけますか。

村木政府参考人 御答弁申し上げます。

 では、一条をそのまま読み上げさせていただきます。「この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。」という規定でございます。

塩川委員 つまり、生活保護法というのは、憲法二十五条に基づく法律であります。国民の最低限度の生活を保障する、こういう立場で設けられた法律でありまして、そこで定められる基準というのがまさに憲法二十五条の要請に基づくものなんだということこそ問われているわけです。

 ぜひこの点については改めてお尋ねしたいんですが、この地方分権の一括法について言えば、国の地方に対する縛りをなくすんだという理屈でずっと行われてきているわけですけれども、私は、今は従うべき基準の話をしてきましたけれども、そもそも、国が地方を縛る規定ではなくて、国民が国を縛る、憲法の要請に基づいて国民が国を縛るという規定として、基準として設けられているんじゃないのか、これこそ問われているんじゃないですか。

新藤国務大臣 国民がひとしく健康的な生活を送る、そしてまた、国は国民の命を守る、これは基本であります。そういうミニマムを実現するための制度というものがあって、それを保障するのは、国家的な保障は国が行うわけであります。そして、それに加えて、地方の暮らし、地方の自治の自主性というものがございます。それとの兼ね合いをよく考えていくことだと思います。

 ですから、これは見直しを行うに当たっても極めて慎重に行わなければいけないし、かつ、従うべき基準を限定しているというのは、そこに精神があるということだと思います。

 ですから、あとはきちんと議論を一つ一つ注視していかなくてはならない、こういうことだと思います。

塩川委員 一括法で行われてきたという規制緩和の中身というのが、私は、国が地方を縛るということではなくて、そもそも憲法の要請に基づいて国民が国を縛る規定としてある、そういうものも含まれている。見直すべき中身もあると思いますよ。しかし、一律にこれをなくしていくという方向のやり方そのものが乱暴で、これでは本来確保すべきナショナルミニマムそのものも掘り崩すことにつながる、このような規制緩和というのは認められないということを申し上げます。

 生活保護法の関係でいえば、今参議院で審議が始まろうとしています生活保護法の改正案について、そのものが憲法二十五条に反するような、保護が必要な人を窓口で追い返すような水際作戦を合法化する、こういう中身であるわけで、こういった生活保護法の改悪もやめるべきだということもあわせて申し上げておくものであります。

 次に、今回の法案でも出ております民生委員法の改正についてお尋ねをいたします。

 職員等の資格・定数等についての見直しですが、今回改正対象になっている職員等は、住民の命や暮らし、安全を支える重要な役割を担っております。地方分権、地域主権改革の名のもとに、そうした役割に後退をもたらすことがあってはなりません。

 そこで、民生委員法の改正についてですが、今回の法案ではどういう内容が改正の対象となっているんでしょうか。

村木政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の地方分権一括法案で民生委員法の一部改正を行いますが、その内容でございます。

 まず第一に、民生委員の定数について、都道府県の条例により定めることとし、厚生労働大臣の定める基準は参酌すべき基準とすることとしております。

 二つ目でございます。都道府県知事が厚生労働大臣に対して民生委員の推薦を行う際に必要とされている地方社会福祉審議会への事前の意見聴取については、努力義務とすることとしてございます。

 第三点目でございます。民生委員推薦会の委員の資格及び資格ごとの定数に関する規定を削除することとし、地域の自主性及び自立性を高め、地域の実情に応じた対応を図ることとしているところでございます。

塩川委員 民生委員は、児童福祉法により児童委員も兼務しております。全国に約二十三万人、基本的にボランティアで活動され、都道府県知事の推薦によって厚労大臣が委嘱をしております。児童虐待や悪質商法の被害、自然災害被害、孤独死、児童の犯罪など、さまざまな地域社会のきずなやセーフティーネット、これを確保する上で大きな役割を果たしておられます。ほかにこうした全国的な組織はございません。

 大臣にお尋ねしますが、こうした民生委員の果たす役割は大変大きいと思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。

新藤国務大臣 私も地元において民生委員の皆さんとのおつき合いがございます。まさに社会奉仕の精神をもって、住民の生活状態の把握、それから援助を必要とする者への生活相談に応じる等、その役割をボランティアで行っているということであります。

 住民福祉の増進を図るためにもこの役割は極めて大きいし、これまでも大きな功績を残していただいている、このように思っています。

塩川委員 こういった大きな役割を持つ民生委員にかかわって、今回、改正の中身が出てきています。

 その内容について、民生委員を組織しております全国民生委員児童委員連合会から意見書が二〇一一年の十二月の時点で出されております。その中身では、今般の見直しは厚生労働大臣の委嘱による全国一律の制度をなし崩しにするものであり反対、国民の生活基盤を支える全国制度の後退見直しを行わないよう要請しますとしており、この三月にも、連合会から厚生労働省に対して、懇談が行われ、同趣旨の要請が行われたと承知をしているところであります。

 そういう点で、厚生労働省にお尋ねしますが、特に民生委員推薦会について、民生委員の職務遂行に鑑み、公平中立的立場の委員で構成される現行どおりとしてほしいということを求めておられます。こういった連合会の心配の声に対してどのようにお考えか、お答えください。

村木政府参考人 民生委員の方々が地域の住民を支えてくださっているということは、厚生労働省としては本当に実感をしているところでございます。この活動というのはこれからも大切にしていきたいというふうに思っております。

 先生御指摘のように、平成二十三年に要望書をいただきまして、特に、定数基準は国が示してほしいということと、それから推薦会については、公平中立的に民生委員を推薦するためのものなので現行どおりの制度を維持してほしいというお話がありました。

 民生委員会の御要望も、私どもも非常によくわかるところがございます。ただ一方で、今度の地方分権の一括法は、やはり地域の自主性、自立性を高めるということ、それから、自治体の事務の簡素化というものにもつながるということで、これもまた非常に大事なことだというふうに考えております。

 そういったこともありまして、私どもも関係者の方にかなり丁寧に今回の改正の内容について御説明をさせていただき、趣旨については御理解をいただけたものと考えております。もちろん、賛成ですとか、いいですよと言っていただけるかどうかということは別として、一定の御理解をいただいたものと思っております。

 ただ、制度が変わって混乱をしたりすることがないように、しっかりといい形で運営ができるように、環境整備は我々もしっかり努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。

塩川委員 環境整備ということで今考えておられることはどのようなものですか。

村木政府参考人 まだ具体的に内容を決定しているところではございませんが、関係者の御要望も聞きながら、推薦会等の運営のルールなどについて自治体に技術的な助言などができればというふうに考えているところでございます。

塩川委員 昨年三月の厚労省内の会議でも、今回の民生委員法の改正では、民生委員、児童委員の重要性に対する認識の低下や質の低下、住民に対するサービスの低下を来すことのないよう、十分に留意の上対応する必要があるとしています。そういう意味では、懸念も当然あるわけですし、会の皆さんも了解をしているわけではありません。二〇一一年の要望は要望のままだということもおっしゃっておられるわけで、そういう点で実際懸念が生まれるようなことが、一括法の中で、一律の基準を当てはめることによって生まれている、これがおかしいのじゃないのかという声というのが現にあるわけです。

 最後に大臣にお尋ねしますが、こういった地域のきずなの役割を果たすという使命感で、民生委員の方々は頑張っておられます。そういう現場の方から懸念が出ているわけですから、こういった改正そのものはやはり行わずに、そもそも、国の責任で民生委員の数をふやすとか、しっかりとしたサポートをするとか、こういうことにこそ全力を挙げるべきだと思うんですが、いかがですか。

新藤国務大臣 ただいま局長の方からも答弁がありましたように、所管する厚労省においても大変な議論があって、丁寧な話し合いが行われた、こういうことでございました。

 私も、この全国民生委員児童委員連合会からの厚労大臣に対する意見書というのは承知をしておりますし、また、その上で、厚労省と連合会との意見調整があったということであります。その改正を行うに至る経緯、こういったものがあって、その上で、都道府県、市町村が地域の実情を踏まえて民生委員の定数や民生委員推薦会の委員の資格、定数を定めるということであります。

 崩してならないのは、これによって民生委員制度の後退が起きてはならないということであります。きちんと、本来の目的を達成しつつ、地域の声を踏まえた、そういった検討、改正がなされるものではないか、これを期待しております。

塩川委員 当事者の民生委員の方々がやらないでくれと言っているものをやる、それが一括法の一律機械的なやり方で、こういうやり方が間違っているということを最後に申し上げて、質問を終わります。

北側委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時五分休憩

     ――――◇―――――

    午後零時十分開議

北側委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

 次回は、明七日金曜日午前十時四十分理事会、午前十時五十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十一分散会


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