衆議院

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第23号 平成26年6月11日(水曜日)

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平成二十六年六月十一日(水曜日)

    午前十時四十分開議

 出席委員

   委員長 小渕 優子君

   理事 中根 一幸君 理事 丹羽 秀樹君

   理事 萩生田光一君 理事 山本ともひろ君

   理事 義家 弘介君 理事 笠  浩史君

   理事 鈴木  望君 理事 稲津  久君

      青山 周平君    池田 佳隆君

      小此木八郎君    大串 正樹君

      神山 佐市君    菅野さちこ君

      木内  均君    工藤 彰三君

      熊田 裕通君    小林 茂樹君

      桜井  宏君    新開 裕司君

      冨岡  勉君    野中  厚君

      馳   浩君    比嘉奈津美君

      宮内 秀樹君    宮川 典子君

      菊田真紀子君    細野 豪志君

      吉田  泉君    遠藤  敬君

      椎木  保君    三宅  博君

      中野 洋昌君    柏倉 祐司君

      井出 庸生君    宮本 岳志君

      青木  愛君    吉川  元君

      山口  壯君

    …………………………………

   議員           笠  浩史君

   文部科学大臣       下村 博文君

   文部科学大臣政務官    冨岡  勉君

   文部科学大臣政務官    上野 通子君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 青木 信之君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          前川 喜平君

   文部科学委員会専門員   久留 正敏君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十一日

 辞任         補欠選任

  永岡 桂子君     大串 正樹君

同日

 辞任         補欠選任

  大串 正樹君     永岡 桂子君

    ―――――――――――――

六月十日

 学校図書館法の一部を改正する法律案(笠浩史君外六名提出、衆法第三三号)

同月十一日

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(津村啓介君紹介)(第一三四二号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一四七四号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一五一四号)

 同(小此木八郎君紹介)(第一五九一号)

 教育無償化を進め給付制奨学金を実現することに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一五八九号)

 奨学金被害をなくし、真に学びと成長を支える奨学金制度を求めることに関する請願(宮崎政久君紹介)(第一五九〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 学校図書館法の一部を改正する法律案(笠浩史君外六名提出、衆法第三三号)


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     ――――◇―――――

小渕委員長 これより会議を開きます。

 笠浩史君外六名提出、学校図書館法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。笠浩史君。

    ―――――――――――――

 学校図書館法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

笠議員 おはようございます。

 ただいま議題となりました学校図書館法の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 学校教育において、児童生徒の確かな学力の育成には、言語活動や探求的な学習の充実が必要であり、同時に、読書活動等を通じて児童生徒の豊かな人間性を形成していくことが求められております。これらの活動の充実のためには、学校図書館を利活用できるよう、整備を進めることが重要であります。

 本法律案は、この重要性に鑑み、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童生徒及び教員による利用の一層の促進に資するため、司書教諭等と連携しながら、その機能向上の役割を担う、専ら学校図書館の事務に従事する職員を学校司書として位置づけ、これを学校に置くように努めること等について定めるものであります。

 まず、第一に、司書教諭のほか、専ら学校図書館の職務に従事する職員を学校司書として位置づけることとし、学校に置くよう努めなければならないこととしております。

 第二に、国及び地方公共団体は、学校司書の資質の向上を図るため、研修の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。

 第三に、この法律は、平成二十七年四月一日から施行することとしております。

 第四に、附則において、国は、この法律の施行後速やかに、施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格のあり方、その養成のあり方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。

 以上が、本法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

小渕委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

小渕委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官青木信之君及び文部科学省初等中等教育局長前川喜平君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小渕委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中野洋昌君。

中野委員 おはようございます。公明党の中野洋昌でございます。

 学校図書館法の一部を改正する法律案、そして、それに関連をして質問させていただきたいと思います。

 私も、読書というのは教育において大変に重要な役割があるというふうに考えております。思い起こせば私自身も、子供時代、いろいろな先生から読書をしっかりしなさいということをよく言われたことを思い出します。いい本を読みなさい、良書に親しみなさい、いろいろなことを言われまして、さまざまな本を読みましたことが人生の財産になっているなというふうに思います。

 それを支えておりますのが学校図書館でありますし、また司書教諭、そして、今回新しく制度改正が行われる学校司書であるというふうに思いますので、しっかりと実りある質疑にしてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

 今回、学校図書館法の一部を改正する法律案、改正する条文としては条文数は少ないです。大きく分けて二点だというふうに考えておりますので、この二点についてまず質問をさせていただきます。

 まず提出者に質問をさせていただきたいんですけれども、今回、附則の第二条、これについて質問をさせていただきます。

 附則の第二条については、学校司書の専門性を配慮しつつ、今後、資格のあり方あるいは養成のあり方、これについて検討を行う、こういう条文になっております。

 これを具体的にどのように進めていくのかというところが気になっておりまして、なぜかと申しますと、例えば私の地元だけでも見ますと、尼崎市でございますけれども、図書館司書の資格を持った方を嘱託職員として採用している、そういう状況でございます。

 ただ、必ずしもそうでない場合もあるというふうに聞いておりまして、さまざまな資格の方が働かれている現状がある。他方で、専門性をしっかり確保してほしい、こういう御要請もある。

 こういういろいろな意見を踏まえて、今後の資格あるいは養成のあり方について検討を進めていっていただきたい、このように考えておるんですけれども、具体的にはどのように進めていくおつもりなのか、提出者にお伺いをしたいというふうに思います。

笠議員 御質問ありがとうございます。

 学校図書館議員連盟において、これまで関係団体からさまざまヒアリングも行いながら、その結果を踏まえて今回の改正案を取りまとめさせていただきました。

 この際、関係団体の多くから学校図書館の専門性に関する御意見をいただいたことから、昨年度の骨子案の内容を修正いたしまして、今御指摘ありましたように、学校司書の配置の目的、内容を明確にするため、本則の第六条第一項に「学校図書館の運営の改善及び向上を図り、」との文言を加えるとともに、附則において「学校司書の職務の内容が専門的知識及び技能を必要とするものであること」を明記し、この附則において「この法律の施行後速やかに、新法の施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」という検討規定を盛り込み、専門性に十分配慮した内容としたところでございます。

 そして、関係団体のヒアリングの中で、この専門性に対する具体的な御意見、さまざまございました。また、学校司書の配置については地方自治体の自主的な取り組みが先行しており、御指摘のように、現在、いろいろな形でさまざまな資格の方が働かれている現状にございます。

 このため、この附則第二条の検討に当たっては、地方における取り組みの実情をまず十分に把握をするとともに、関係者からも御意見を十分伺いながら、一歩ずつ前に進めていくような対応が必要になるというふうに考えております。

中野委員 御答弁をいただきました。

 さまざまな御意見がある背景には、私一つ思うんですけれども、私の地元もそうなんですけれども、学校司書の方、今、市の単独事業で嘱託員ということでやっておられます。不安定な仕事だという御意見もございます。しっかり安定をした形でやりたい、こういう話もあるんだろうというふうに思います。

 確かに、学校現場におきましては司書教諭という方はもちろんいらっしゃいますけれども、実際にはクラスを持っておられたりするわけでありまして、図書館の仕事に集中できるかというと、なかなか難しいんだというお声もございます。

 ですので、学校司書の方に図書館の管理をしていただくであるとか、あるいは、どういう本がいいのかというのを薦めていただくであるとか、あるいは本を整理していただく、ボランティアの方も手伝っていただきながらさまざまな仕事をやっていただいておりますけれども、しっかり安定して職務に専念をしていただけるようなやはり環境整備、しっかり予算をとっていくことも含めてこれはやっていっていただきたい、このように考えますけれども、文部科学省の御意見を伺いたいというふうに思います。

前川政府参考人 学校図書館は、児童生徒の確かな学力や豊かな人間性を育むため重要な役割を有しているものと考えております。また、近年では、学校図書館を学校内の心の居場所としてその機能を充実させていくことが期待されているところでございます。

 このような状況を踏まえまして、学校図書館における学校図書館担当職員の配置状況は、小学校では四七・八%、中学校では四八・二%と進んできておりまして、政府といたしましても、学校図書館担当職員の配置に係る経費といたしまして、平成二十四年度から約百五十億円の地方財政措置を講じているところでございます。

 また、今回の法案におきましては、国及び地方公共団体が学校図書館担当職員の資質能力の向上を図ることとされておりまして、このことが、ひいては地方公共団体としての継続的、安定的な配置にもつながり得るものではないかと考えているところでございます。

 今後とも、地方公共団体における取り組みの促進を図りつつ、学校図書館担当職員の資質能力の向上策について検討してまいりたいと考えております。

中野委員 しっかりと検討をお願いをしたいというふうに思います。

 今回、ちょっと関連して、学校図書館の担当している部局が児童生徒課だということで、同じ部署のやっている施策ということで、関連してまた前川局長にお伺いをしたいんですけれども、不登校対策について一問、質問したいというふうに思います。

 と申しますのも、現在、不登校児童に関する追跡調査を行っているということを聞いておりまして、これは平成十三年に取りまとめて以降大分時間があきまして、今またやっているということでございます。これを取りまとめた後、どのように不登校対策を進めていくのかということをお伺いをしたいと思います。

 特に私が御要望をいろいろ聞きましたのは、フリースクールの関係、これをもっとしっかりと位置づけてほしい、こういう御要望があるというふうにお伺いをしました。

 確かに、不登校対策というのは、あくまで学校に来なくなったわけですから、それがもう一回学校に戻ってくる、不登校の方を学校に戻す、こういう前提をした対応になっているのではないかなというふうに思います。

 ただ、現場の実際のケースを見ますと、戻ると必ずしもうまくいかなくて、新しい選択肢として、フリースクールであるとか、そういったものをしっかりと位置づけてやっていった方が私はいいのではないかなというふうに考えております。

 こうした点も踏まえながら、今後どのように進めていかれるのか、どう検討していただけるのかということを最後にお伺いをしたいというふうに思います。

前川政府参考人 御指摘のとおり、文部科学省におきましては、不登校に対する追跡調査といたしまして、平成十八年度に中学校三年生に在籍し不登校であった方を対象にいたしまして、不登校当時や現在の心境、支援のニーズなどにつきましてアンケート調査等を実施し、現在、その結果の取りまとめと分析を行っているところでございまして、今月中にも公表できる予定でございます。

 これらの調査結果を踏まえまして、今年度中に不登校施策に関する調査研究協力者会議を立ち上げまして、不登校児童生徒の社会的自立の観点を含めまして、これまでの不登校施策を検証し、より効果的な不登校施策を検討してまいりたいと考えているところでございます。

 その検討に当たりましては、フリースクールの方々の御意見も十分参考にしながら、フリースクールをどのように位置づけていくか、学校等との関係をどのように捉えるかということも含めまして、効果的な不登校対策のあり方について検討してまいりたいと考えているところでございます。

中野委員 以上で終わります。ありがとうございました。

小渕委員長 次に、吉田泉君。

吉田委員 おはようございます。民主党、吉田泉です。

 私からも、学校図書館法改正案について何点か質問をしたいと思います。

 本を読んでそれを理解する、いわゆる読解力というのが全ての学問の基本だということは論をまたないと思います。そのために、小さいうちから読書の習慣を養おう、そのための場所が学校図書館であるというふうに思います。

 これまで、昭和二十八年に学校図書館法が制定され、平成九年、同法改正、平成十三年、子どもの読書活動の推進に関する法律の制定、さらには平成十七年、文字・活字文化振興法の制定、こういった、読書に関連する法律の整備充実が超党派の議員立法で進められてきたわけでございます。

 今回も学校司書の法定化を目指すための改正案が出されたわけですが、各党の議員さんが参加する学校図書館議員連盟で検討されて取りまとめられたということであります。参加された議員各位の御努力に深く敬意を表したいと思います。

 まず最初に、法案の提出者にお伺いしたいと思います。

 今回、この学校図書館法の一部改正法案を提出したそもそもの趣旨を伺います。

笠議員 お答えいたします。

 児童生徒の豊かな人間性を育む読書活動や確かな学力を育成する言語活動、探求的な学習の充実を図るためには、豊富な図書を有する学校図書館の利活用を図ることが極めて重要である、今委員も御指摘のとおりでございます。

 このような学校図書館の利活用の促進を図るため、現在、多くの学校において、司書教諭と連携しながらその機能向上の役割を担う、いわゆる学校司書が配置をされているところでございます。

 これまでも、小中高等学校の校長会を初めとする関係団体からは、こうした学校司書を学校図書館法に位置づけ、その充実を図ることについて要望をいただいているほか、学校図書館関係団体のヒアリングも行わせていただき、私、この中で特に印象に残っておりますことが、学校司書は、学校図書館の現場で活動を行う実態があるにもかかわらず、学校図書館法には位置づけのない、幽霊のような存在であり、そのような状態は何とか解消してほしいというような要望もあったところでございます。

 以上のような状況を踏まえ、学校司書を学校に置くよう努めなければならないこととするとともに、国及び地方公共団体が学校司書の資質の向上を図るための研修の実施等に努めなければならないこととする学校図書館法の一部を改正する法律案を超党派から成る学校図書館議員連盟で取りまとめ、各会派御賛同のもと、今回提出をさせていただいたところでございます。

吉田委員 学校司書の位置づけについては、昭和二十八年、学校図書館法が制定されたときからの課題だったというふうにも聞きました。もう六十年前の話であります。つまり、六十年間にわたってなかなか実現できなかった。今の御答弁の言葉ですと、幽霊の状態が六十年間続いた。相当な、さまざまな課題があったんだろうというふうに思います。

 昨年度も実はこの議員連盟から骨子案が示されたわけですが、そのときも、関係の方々からさまざまな懸念の声が示されたというふうに伺っております。

 そこで、昨年はどのような懸念が示されたんでしょうか。そして、今回のこの提出法案によってそれに対してどのような対応がなされているのか、それをお伺いします。

笠議員 今御指摘のとおり、学校図書館法の一部改正については、昨年度の通常国会において子どもの未来を考える議員連盟において議論が進められまして、一度、骨子案がまとめられたところでございます。

 この骨子案に対しては、今申されたように、いろいろな関係団体から、例えば、学校司書の専門性に関し、法律に資格要件等を定めず、単に配置を促進するだけでは学校司書の質が低下するのではないか、あるいは、配置が努力義務にとどまると、いまだ配置が進んでいない自治体には追い風になるものの、全校配置等、既に先進的な取り組みをしている自治体が配置を取りやめることにつながるのではないか等の懸念が示されたところでございます。

 このような懸念のうち、特に専門性の位置づけについては、関係団体や学校図書館にかかわる議員の間で共通の課題として認識されることに至ったため、昨年度の骨子案の内容を今回修正をいたしまして、学校司書の配置の目的、内容を明確にするため、本則の第六条第一項に「学校図書館の運営の改善及び向上を図り、」との文言を加えることとするとともに、学校司書の職務の専門性に十分配慮して、附則において、「学校司書の職務の内容が専門的知識及び技能を必要とするものであること」を明記いたしました。

 この附則において、「この法律の施行後速やかに、新法の施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」という検討規定を盛り込んだところでございます。

 今回の改正では、まずは学校司書を法的に位置づけることとし、これを第一歩として、また残された課題についても、提出者共通の課題として引き続き今後も検討を続けてまいりたいというふうに考えております。

吉田委員 今の御説明にもありましたけれども、附則で検討条項というのが盛り込まれたわけでございます。繰り返しますと、「国は、」「この法律の施行後速やかに、新法の施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、」「必要な措置を講ずるものとする。」こういう条項が入ったわけです。

 そこで文科省、きょうは上野政務官に来ていただいておりますが、この附則の検討条項を踏まえて今後文科省はどのように取り組むおつもりなのか、お伺いしたいと思います。

上野大臣政務官 吉田先生にお答えいたします。

 今、提出者の笠議員からもお話がありましたが、文科省においては、学校図書館担当職員、いわゆる学校司書の役割及び資質の向上に関して、調査研究協議者の会議を設けて検討し、本年三月に報告書をまとめたところでございますが、その中でも、学校司書に求められる資質能力については、図書の管理等学校図書館の運営管理に係る知識、技能に加え、学習指導要領や児童生徒の発達に関する理解等、児童生徒の教育に係る知識、技能が必要とされているとなったところでございます。

 また、文科省としましては、このような学校司書についての今回の改正案の施行を受けて、附則の規定を踏まえて、地方自治体の自主的な取り組みを十分に把握しつつ、学校司書としての資格のあり方、その養成のあり方等の検討を早急に開始してまいりたいと思っております。

吉田委員 まず早急に検討を開始するという御答弁でしたが、ちょっと確認をさせていただきます。

 先ほど、中野委員の質問にも出てまいりましたけれども、既存の資格として図書館法に基づく司書資格というのがありますが、今回文科省の方で検討されるときに、この司書資格とは別途に学校司書資格というもののあり方を検討されることになるんでしょうか。

上野大臣政務官 御指摘の件ですが、学校司書としての資格のあり方については、図書館法の司書資格が基本となるべきという意見と、全く新しい資格が必要だという意見など、学校図書館関係者の間でもさまざまな意見があると承知しております。

 そこで、附則第二項の検討を行うに当たっては、さまざまな関係者の意見を丁寧に伺いながら、もちろん現場の声も十分に把握しながら、進めていく必要があると考えております。

吉田委員 ありがとうございました。

 再び提出者の方にお伺いいたします。

 関係者の方々からの要望の中で、学校司書については、今話題になります専門性というのが必要だという御意見、そして、それと同時に専任であるべきだ、さらには正規の職員であるべきだ、こういう御要望が長い間出されていると思いますが、提出者の方ではどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

笠議員 今御指摘ありましたように、このいろいろな関係者の皆様方からは、学校司書の専門性とともに、専任で、正規の職員としての処遇を求める御要望も強いことは十分承知をしておりますし、これは全議員が同じような認識を持っているところだと思っております。

 提出者としては、このような御要望を強く受けとめるものでございますが、学校司書については、学校図書館の運営に必要な職員として、今は、地方自治体の自主的な取り組みとしてさまざまな形態で配置が進んできたという経緯もあることでございます。

 このため、まずは、政府及び地方公共団体がその職務の重要性を踏まえ、学校司書が継続的、安定的に職務に従事する環境に努めることが重要であると考えており、本改正にあわせて、政府及び地方公共団体に私どもとしてもしっかりと働きかけをしてまいりたいと思っております。

吉田委員 いわゆる財政制約というものの中ではありますけれども、ぜひ、学校司書が継続的、安定的にお仕事をされるという環境づくりに努めていただきたいと思います。

 また上野政務官の方にお伺いしますが、今度は司書教諭との関係でございます。

 学校図書館については、これまで、法律に基づいて司書教諭が配置されていたわけであります。それで、今回の改正に関して、これは努力義務ですが、彼らの中から学校司書というのが置かれるようになると、司書教諭の存在意義というのが薄まるのではないか、あるいは司書教諭が配置されなくなるのではないか、こういった懸念の声も出ているように聞いております。

 また、従前から兼任で司書教諭をされている先生が多いわけですが、その専任化を求める声も強いわけでございます。

 そこで、司書教諭の職務の重要性、そして現在の実態、さらに、専任化の要請についての見解をお伺いしたいと思います。

上野大臣政務官 お答えします。

 司書教諭は、学校図書館法において、学校図書館の専門的な職務をつかさどる者として位置づけられており、その職務の重要性に鑑み、平成九年の本法律改正によれば、十二学級以上の学校においては必ず置かなければならないこととされたところでございます。

 実は私も高校の教員をしておりまして、司書教諭として図書館の方に籍を置いておった一人でございますが、高校は専任制なので、自分の授業以外のときは図書館の方に勤務しておりました。時代とともに子供たちのニーズが、先ほど提出者からもありましたように、本のことばかりでなくて、子供たちそのものへの指導とか相談等も必要になってきまして、司書教諭一人では十分にその役職をできないなということを実感しておりました。

 それで、司書教諭と学校司書については、学校図書館の運営に当たって、それぞれに期待される役割を踏まえつつ、各学校における状況等にも鑑み、実際には協働して職務に当たることが期待されているものでございます。

 このうち司書教諭については、教諭等をもって充てることとされておりますが、学校図書館の経営に関する業務の総括、学校図書館を活用して教育活動の企画など、重要な役割を担っていると認識しております。

 このような司書教諭について、一部では専任的に配置している学校もあると承知しているところでございますが、司書教諭全体では、学校図書館を担当している時間数として、平均で週当たり約一時間となっております。恐らく小中学校の先生方は担任を持っての兼務が多いと思うので、一生懸命やっても、やはり平均は一時間程度になってしまうんじゃないかなと思われるところでございます。

 文科省といたしましては、司書教諭が学校図書館の運営、活用に十分な役割を果たすことができるよう、教職員の協力体制の確立や校務分掌上の工夫など、教職員配置における配慮をこれからしてまいりたいと思っております。

吉田委員 司書教諭は、法律上、必置義務のあるある職種ですが、今のお話ですと、平均で一週間で一時間ぐらいしか図書館にいることができないという実態だと承りました。

 先ほど提出者の方からの答弁でもありましたが、今回の改正は、学校司書を法律の中に位置づける第一歩である、資格の問題、養成の問題、いろいろあるが、とりあえず第一歩を踏み出すんだということだと思います。さまざまな課題がこれからあるわけですけれども、ぜひ、子供たちの読書力向上のために力を合わせてこれからも検討を進めていただきたい、お願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

小渕委員長 次に、鈴木望君。

鈴木(望)委員 それでは、質問をさせていただきたいと思います。

 学校の図書、これは必要で、その充実というのは非常に有益であるというふうに認識をしております。そういった観点から、今回の改正法について、三点ほど確認的な質問をさせていただければというふうに思っております。

 一点は、「学校図書館 つかいやすくなったね!」、こういう文科省でつくられているパンフレット、それでもまだまだ不十分であるという根拠の一つとして、地方交付税の基準財政需要額に、図書の充実、また学校司書の関係の経費が算定されている、それに比べて充実していないんじゃないのかというのが大きな根拠になっているわけであります。

 私は個人的にも、充実することは必要だ、繰り返しになりますけれども、そういうふうに思っておりますが、その根拠として地方交付税を持ち出すのはいかがなものかなというふうに思っているわけであります。

 地方交付税で基準財政需要額の算定根拠の中にある金額を一つ持ってきて、あなたの市、またあなたの町の予算の額はこれだけ少ないよというような、そういった指摘も関係団体から私も受けたことがあります。ちょっとおかしいんじゃないのかなというふうに思うわけであります。

 というのは、地方交付税というのは、要するに、私どもの考えでは、これは地方のある意味では固有の財源であって、決してひもつきの補助金ではないというふうに思っているわけです。同じ教育関係にお金を費やすということであっても、各地方自治体にさまざまな固有の理由があって、例えば、図書館も充実したいんだけれども、まずは校舎の建てかえが必要なんだとか、耐震化をやらなきゃいけない。また、私が首長をしていたときに、国に先駆けて三十五人学級を実施しました。そのために市町村で、基礎自治体でお金を出していかなきゃいけない。さまざまな理由があって、そういった行政需要に使えるものが地方交付税、足らず前を一括して、ひもつきじゃなくて交付されるものが地方交付税というふうに認識をしているわけであります。

 もちろん、図書の充実にお金を使うということは有益であるし、そういうことにお金を使うということも必要性はあるでしょう。だけれども、その根拠として、地方交付税の基準財政需要額に幾々ら入っていて、その観点で、あなたのところはまだまだ不十分ですよというような言い方で充実を迫るというのは、そろそろやめてもいいんじゃないのかなというふうに私自身は考えております。

 その点について、時間が十分しかありませんので、簡単に、もう一回確認の意味で、地方交付税の性格というものはそもそもどういうものなのか、総務省の方に答弁をお願いいたします。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 地方交付税の算定に当たりましては、各行政項目ごとの標準的な水準における行政経費を基準財政需要額に算入しておりまして、学校図書館に係る経費についても算入をしているということでございます。

 御指摘にもございましたとおり、この交付税は地方団体の固有の財源でありまして、地方交付税法第三条第二項において、「国は、交付税の交付に当つては、地方自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」こう規定されているところであります。つまり、交付税は使途を特定されない一般財源でありまして、算定の結果として交付される地方交付税の具体の使途については、それぞれの地方団体の判断に委ねられているものというふうに考えております。

鈴木(望)委員 ありがとうございました。

 そういった地方交付税の性格をきちんと踏まえた上で、学校図書の充実ということに邁進をしていけるというような充実の仕方にぜひかじを切っていただきたいなというふうに思うわけであります。

 第二点目の質問ですけれども、学校図書を充実するということは、これはもう繰り返し、再三言っているところでありますが、私も私どもの会派も、必要であるというふうに思っております。有益である。

 ただし、その前に、現状はどうかというと、無駄や非効率な図書の利用、また、偏向図書の問題があるのではないのかなという指摘も出ているわけでありまして、無駄な図書の充実に、限りある財源、私どもの血税、税金がどんどん使われていいというわけにはならないというふうに思います。

 充実の前に、無駄がないのかどうか、非効率な図書の利用がないのかどうか、偏向図書の問題がないのかどうかということはきちんとすべきであるというふうに思います。そのために、指針のようなものをきちんとつくって、図書の充実に資していくということが必要ではないのかなというふうに思います。

 例えば、小さい市町ですと、市立とか町立の図書館との連携はどうなっているのかどうか。また、不易流行という言葉がありますけれども、やはり、アンケートをとったり何かすれば、流行に類する本、今でいったらワールドカップが近いものですから、サッカーの選手が書いたような本だとか、そういうのをみんな読みたい読みたいと。では、そういうのをどんどん買うというようなことで果たしていいのかどうかということですよね。

 やはり、学校図書館で充実すべきものは、基本は、長い風雪に耐えた、年月がたっても読むべき本、そういったものが中心になってしかるべきだろうというふうに思うわけですが、そういった不易流行の観点での図書の充実といった指針であるとか、やはり発達段階に応じて、例えば性の問題といったものについても、当然表現の自由との関係はありますけれども、学校図書の充実にはそれ一つの基準があってしかるべきというふうに思います。

 そういった基準は現在ないというふうに聞いているわけですけれども、なぜないのか、また、つくる必要性は感じていないのか、つくるとしたらどういうものをつくっていくのかについて、担当の見解をお伺いしたいと思います。

前川政府参考人 豊かな人間性を育む読書活動のみならず、確かな学力を育成するための言語活動でありますとか探求的な学習のためにも、学校図書館の活用を図ることは大変重要でございます。今後、各学校におきまして、児童生徒の発達段階に応じて、授業での学校図書館の活用を見据えた図書の整備を図っていただくということが大変重要であるというふうに考えているところでございます。

 文部科学省といたしましては、このような学校図書館の活用の重要性を踏まえながら、各学校において学校図書館の図書の整備を図っていく上で必要な情報を提供していくことは重要であるというふうに考えております。

 今後、文部科学省といたしましても、すぐれた取り組み例を紹介するなど、各学校や教育委員会の参考となるような情報の提供のあり方につきまして検討してまいりたいと考えております。

鈴木(望)委員 質問時間が終了してしまったんですが、あと一問だけ提案者に質問をさせていただきたいと思います。

 学校図書の充実は必要、有益である。けれども、その財源は当然のことながら国民の血税であるわけでありまして、今、財政状況が非常に先行き不透明ということも強く言われておりまして、無駄なお金は使うべきではないという観点も一方にあります。でも、私の個人的な意見でも、やはり、苦しいときこそお金を教育、将来の投資に使うべきだという観点もあります。ぜひ両方の観点を両立させるような図書の充実というものに方向性を持っていっていただければと思いますが、そのような観点から提案者に質問をさせていただきたいと思います。

笠議員 私も鈴木委員と同様に、やはり将来を担う子供たちの教育に対する投資は、いわば未来への投資とこれは考えられるものであり、特に学校図書は、子供たちの豊かな人間性やあるいは確かな学力の育成のために重要であるため、厳しい財政状況の中ではありますけれども、やはり政府やあるいは地方公共団体においても、効率的な運用の工夫をしながらも、できる限り配慮をしていただきたいというふうに考えております。

鈴木(望)委員 質問を終わります。ありがとうございました。

小渕委員長 次に、宮本岳志君。

宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。

 もちろん、私たちも、子供たちの読書、学習への支援を学校図書館を活用して行うためには、学校図書館法に基づき配置されている司書教諭のほかに、学校図書館の日常業務を専門的に行う学校司書の配置を進めることが必要だと考えております。そういう立場で、今回の議員立法の検討の場となった学校図書館議員連盟に加わり、議論にも参加をしてまいりました。

 そこでまず、現状を確認するんですが、文科省、学校司書の配置状況をお答えいただけますか。

前川政府参考人 学校司書の配置は、平成二十四年五月現在で、小学校四七・八%、中学校四八・二%、高等学校六七・七%となっております。

 小中学校での配置は増加しておりまして、また、非常勤の割合が高く、複数校兼務しているという場合もあるという状況でございます。

 高等学校での配置は、従前に比べやや近年減少しているという現状がございます。

宮本委員 そこで、法案提出者に聞くんですけれども、この法案は、学校司書の配置率を向上させ全校配置を目指す、このために学校司書を法的に位置づけるというものでございますね。

笠議員 今、宮本先生から御指摘ありましたように、今回の改正は、学校司書を法律上明確に位置づけるとともに、学校司書を置くことの努力義務を課すことにより、学校において学校司書が置かれるべきであるとの方向性を明確にしたところでございます。

 そして、今文科省からもあったように、現在、学校司書の配置率は高校で七割、あるいは小学校、中学校は五割を切る状況でございますので、今回の改正により、より多くの学校図書館に学校司書が置かれるようになると考えておりますけれども、これはあくまで今回第一歩であって、学校司書の配置率が向上するよう、今後とも学校司書の配置をしっかりと働きかけていきたいというふうに考えております。

宮本委員 文部科学省は、昨年八月に学校図書館担当職員の役割及びその資質向上に関する調査研究協力者会議というものを設置して、ことし三月に報告をまとめておられますけれども、学校司書の役割として、この報告書ではどのように記述されておりますか。

前川政府参考人 御指摘の報告書におきましては、学校図書館には大きく読書センター、学習センター、情報センターという三つの機能があるとした上で、これらの役割に沿って、学校司書には、子供たちがくつろぎ、進んで読書を楽しむために訪れるような読書活動の拠点となる環境整備や、学校における読書活動の推進及び読む力の育成の取り組みを司書教諭と協力して行うこと、また、授業の狙いに沿った資料を司書教諭や教員と相談して整備すること、また、チームティーチングの一員として、教員の主導で行う学校図書館を活用した授業において、児童生徒に指導的にかかわりながら学習を支援すること、さらに、図書館資料を活用して児童生徒や教員の情報ニーズに対応することなどが求められるとしているところでございます。

宮本委員 文科省のこの調査研究協力者会議報告書でも、学校司書の大きな役割が認められております。

 そこで、文部科学省に聞くんですけれども、学校司書の配置されている学校といない学校では、子供たちの読書、学校図書館の活用において、また、学力テストの結果において、どのような違いがございますか。

前川政府参考人 平成二十五年度の全国学力・学習状況調査の結果によりますと、学校図書館担当職員を置いている学校と置いていない学校を比べた場合に、置いている学校において、学校図書館や地域の図書館に行く頻度が高く、また、子供の読書量が多いということが示されております。

 また、同じく全国学力・学習状況調査におきましては、読書が好きな子供の方が正答率が高いという傾向が見られております。

宮本委員 私たちは、文部科学省が実施している全国学力・学習状況調査が真の学力をはかるものとなっているかどうかについては異論がございます。しかし、その文科省の調査でも、「「学校司書」等を置いている学校の方が、正答率が高い傾向が見られました。」とこの文部科学省のパンフレットにも書いてございます。

 こうした学校司書の役割からして、学校司書に求められる資質能力として、先ほど触れた報告書ではどのように記述をしておりますか。

前川政府参考人 御指摘の報告書におきましては、学校司書に求められる資質能力といたしまして、学校図書館の運営管理に関する職務に携わるための知識、技能、また、児童生徒に対する教育に関する職務に携わるための知識、技能が必要と整理しているところでございます。

 その上で、運営管理につきましては、情報機器やネットワーク、情報検索に関すること、著作権や個人情報等の関係法令に関することなど、また、教育につきましては、各教科等における指導内容に関することや発達段階に応じた読書活動の指導の方法等についての知識、技能を習得することが求められているとしているところでございます。

宮本委員 学校司書には、今お話があったように、相当高度な資質や能力が求められていると思うんです。

 そこで問題になってくるのが、学校司書の資格のあり方、養成のあり方だと思うんです。法案の附則を見ますと、本法施行後速やかに、「学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」というふうにされております。

 これは、もしこの法案が成立いたしましたら、文部科学省として法施行後直ちに検討に取りかかるという必要が出てくると思うんですが、文科省、そういうことでよろしいですか。

前川政府参考人 本法案が成立いたしましたら、この附則の定めに従って速やかに検討してまいりたいと考えております。

宮本委員 同時に、法案提案者にもお伺いしたいと思うんです。

 議連での検討においても、私も参加させていただきましたが、関係団体から相当ヒアリングをさせていただき、法案化作業を行いました。

 提案者としても、文科省だけに任せるのではなく、関係団体との意見交換の場を今後も引き続き設定するなどの取り組みを進めていくべきだと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

笠議員 実務者の各党の協議の中では、宮本委員にも本当に御尽力をいただいたこと、感謝を申し上げたいと思います。

 今御指摘がありましたように、この法律案の附則の第二項の検討条項において、検討の主体を私どもは国としております。つまりは、政府だけでなく、立法府である国会も引き続き学校司書の資格のあり方、養成のあり方等について検討を行う必要がある旨を規定しております。

 今般の法改正は議員立法によりなされるものであり、改正後の状況については我々も責任を負っていることを認識し、今後の取り組みを進めるべきと考えており、今後、今御指摘がありましたように、議連等の場において関係団体としっかりと意見交換を行いつつ、よりよい学校図書館の運営が行われるように努力してまいりたいと思っております。

宮本委員 検討を進めるわけですけれども、検討の前提として、学校司書の現状がどうなっているのかが問われてくると思うんです。

 現在配置されている学校司書がどのような資格を有しているのか、文科省としては、これを調査し、把握しておりますか。

前川政府参考人 現在、全国的な状況を把握しておりません。

宮本委員 この全国的な状況がわからなければ、検討のしようがないわけです。まずこの調査から行うべきだと私は思いますが、文科省、よろしいでしょうか。

前川政府参考人 今後、しっかり調査してまいりたいと考えております。

宮本委員 学校図書館を学校全体で組織的に対応していく取り組みが大事だと思うんですね。そのためにも、学校司書と教員が共通認識を持って取り組むことが必要だと思います。

 そのために、学校図書館にかかわる校内組織あるいは職員会議などに学校司書が参加すべきだというふうに思うんですけれども、先ほどから触れております調査研究協力者会議の報告書では、この点、どう述べておりますか。

前川政府参考人 御指摘の報告書におきましては、「学校図書館担当職員が、その役割を果たすためには、学校図書館に関する計画等の策定や学校図書館経営委員会等の活動に参画することはもとより、職員会議や学校に置かれる各種組織に参加し、学校の教育活動全体の状況を把握した上で職務に当たることが有効である。」とされているところでございます。

宮本委員 そういう学校図書館の職員がさまざまな学校の会議、職員会議等に協力する、参加することが大事だ、こう述べられております。

 そこで、私はここに、我が党の新潟市議会議員団が独自に取り組んだ新潟市学校図書館司書アンケートの集計結果を持ってまいりました。市内百七十校に配付して、約四三%から回答が寄せられております。

 このアンケート結果の「学校の先生方との連携」という欄を見ますと、非常勤の学校司書からの声では、一日六時間勤務のため、放課後しか先生方と打ち合わせできないのに、その放課後は自分の退勤時間になってしまう、あるいは、正規雇用ではないため、勤務時間が短く、また、中学校教諭は多忙で、報告、連絡、相談をする時間は部活動後であるため、なかなか時間がとれない等々。また、臨時の学校司書の声としては、先生方の時間がある程度自由になる放課後には私は勤務時間を過ぎているので、なかなか詳しく話をする時間がとれず、放課後以前は先生方が忙しそうで、話しかけるのを遠慮してしまいますとか、休み時間は図書館にいなければならないし、放課後は勤務時間を過ぎてしまうため、先生方との連絡がとりにくい、そういう声がたくさん出されております。

 文部科学省にこれも聞くわけですけれども、報告書では、学校司書の配置について、職務が十分に果たせるように、どのように述べておりますか。

前川政府参考人 御指摘の報告書におきましては、「学校図書館担当職員の配置については、職務が十分に果たせるよう、その充実に関する前向きな検討とともに、学校図書館担当職員の職務の特性から、継続的な勤務に基づく知識や経験の蓄積が求められることを踏まえ、その配置や支援を継続して行うことが大いに期待される。」と述べられているところでございます。

宮本委員 報告書でも、学校司書の職務の特性から、配置や支援を継続して行うことが大事だ、こう指摘をされております。

 そこで、今度はここに、岡山市の学校司書の皆さんが行った調査結果があるんです。この調査結果を見ますと、歴然としております。

 岡山市では一校一名の正規学校司書が配置されておりますけれども、岡山市内の学校の一年間の子供一人当たりの平均貸し出し冊数というのは八十三・三冊となっております。ところが、岡山県内で、他の自治体ですけれども、三校兼務となっている非正規学校司書配置校では、子供一人当たりの年間貸し出し冊数は、例えばD小学校では四十七・八冊、E小学校では三十一・五冊と、岡山市内の先ほどの一校一名の正規学校司書配置校の半分以下という結果になっております。

 それから、子供たちの予約を処理した件数というものも比較されていますが、こちらではさらに差が開きます。先ほどの三校兼務の非正規校では、D小学校が二百五十八件、E小学校が百三十二件ということでありますけれども、一校一名の正規学校司書配置の岡山市内の学校では、A小学校は二千九百十六件、B小学校は二千七百九件、C小学校は何と五千二百三十件と、十倍から四十倍の開きがこの報告によると出ているわけです。

 そこで、提案者にお伺いをいたします。

 報告書でも、学校司書は「継続的な勤務に基づく知識や経験の蓄積が求められる」と述べておりますけれども、やはり学校司書の配置は、複数の学校をかけ持ちしたり、他の学校の業務と兼ねるということではなく、学校図書館の業務に専念できる専任、図書館を運営していくために必要な専門性、司書教諭など学校の他の教職員との連携を図る必要からもやはり正規といった、専任、専門、正規での位置づけが必要だろうと私は考えるんですけれども、提案者、いかがですか。

笠議員 そうした認識、同じような思いを持っておる中で、先ほど来も答弁をしておりますように、今回の改正においては、学校司書の専門性について、本則及び附則の文言において配慮をしたところでございます。

 御指摘のとおり、学校図書館関係団体の方々からは、学校司書について、専任、専門、正規の職員としての処遇を求める御要望が強いことも承知をしております。学校司書を専任及び正規の職員として処遇できるかについては、提案議員としてはこのような御要望を強く受けとめるものではございますが、学校司書については、学校図書館の運営に必要な職員として、地方自治体の自主的な取り組みとしてさまざまな形態で配置が進んできたという経緯も一方であるわけでございます。

 このため、まずは政府及び地方公共団体が、その職務の重要性を踏まえ、学校司書が継続的、安定的に職務に従事する環境に努めることが重要であると考えておりまして、本改正に合わせて、その点は政府及び地方公共団体にもしっかりと働きかけてまいりたいと思いますし、さらに、議員連盟などを中心にしながら、今後もまた宮本先生とも検討を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。

宮本委員 私も議連で作業に参加しましたから、そういう議論がずっと続けられてきたことはよくわかっております。

 私どもはこれまでも、学校司書の法制化に当たっては、専任、専門、正規での全校配置を求めてまいりました。きょうはこの後、専任、専門、正規での全校配置を進める我が党としての修正案を提起することにしております。ぜひともその点での御協力もお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

小渕委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

小渕委員長 この際、本案に対し、宮本岳志君から、日本共産党提案による修正案が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。宮本岳志君。

    ―――――――――――――

 学校図書館法の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

宮本委員 私は、日本共産党を代表して、学校図書館法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。

 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。

 修正案提案の理由及びその内容について御説明申し上げます。

 学校図書館は、学校教育をより豊かにする上で欠くことのできない基礎的な設備であり、学校における図書活動の中心として大きな役割を発揮することが期待されています。

 学校図書館を図書館として十分に機能させるには、専任の人の配置が望まれます。そのためには、国の責任で学校図書館の専任職員を配置し、既に配置されている職員については、正規の専任職員として身分の安定を図るとともに、給与や研修の保障など処遇の改善を図るべきであります。

 この点、今回の改正案は、学校司書を法律上位置づける点では一歩前進ではありますが、学校司書を置くよう努めることとすることにとどまり、専任の職員の配置義務づけまでは踏み込んでおりません。学校図書館の関係団体からは、学校司書を法律上位置づけるとともに、各校に専任、専門、正規の学校司書の配置を求める要望も出されております。

 そこで、豊かな学校図書館活動をより発展させるために、司書教諭と協力して学校図書館の運営に当たる専任、専門、正規の学校図書館担当職員としての学校司書の配置を義務づける修正案を提出するものでございます。

 次に、修正案の内容について御説明申し上げます。

 第一は、学校には、司書教諭に加えて、学校司書を置かなければならないこととし、その職務は、司書教諭と協力して学校図書館の専門的職務に従事することとしています。

 第二は、学校司書の資格及び講習について規定を設けています。その際、現に学校図書館職員である者については、雇用形態のいかんを問わず、一定の経験年数と講習で学校司書に移行できるようにしています。

 第三は、学校司書は、高校、中等教育学校、特別支援学校に必ず置くこととし、小学校、中学校においては特別の事情のあるときを除き必ず置くこととし、三年間で段階的に配置することとしています。義務教育諸学校においては、県費負担職員としています。

 第四は、学校図書館及び学校教育において学校司書の果たす役割を勘案し、改正法施行後三年以内を目途として、学校司書の職務に応じた給与、研修その他の処遇に関し検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとしています。

 これによる平年度の国庫負担の増額は約百五十億円を見込んでいます。

 以上が、修正案提案の理由及びその内容でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。

小渕委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 この際、宮本岳志君提出の修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。下村文部科学大臣。

下村国務大臣 学校図書館法の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としては反対であります。

    ―――――――――――――

小渕委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 笠浩史君外六名提出、学校図書館法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、宮本岳志君提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小渕委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。

 次に、原案について採決いたします。

 原案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小渕委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

小渕委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、丹羽秀樹君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党、結いの党、生活の党及び社会民主党・市民連合の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。丹羽秀樹君。

丹羽(秀)委員 私は、提出者を代表いたしまして、本動議につきまして御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    学校図書館法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府及び地方公共団体は、次の事項について特段の配慮をすべきである。

 一 政府及び地方公共団体は、本法の施行に当たっては、学校司書の重要性に鑑み、必要な学校司書の配置を進めることとし、その際、現在の配置水準が下がることのないよう留意すること。

 二 政府は、学校司書の配置の促進のために現在講じられている措置の充実に努めるとともに、地方公共団体に対し、その趣旨を周知するよう努めること。

 三 政府及び地方公共団体は、学校司書の職務の重要性を踏まえ、学校司書が継続的・安定的に職務に従事できる環境の整備に努めること。

 四 政府は、学校司書の職の在り方や、配置の促進や資質の向上のために必要な措置等について、地方公共団体が自主的に推進している取組に十分配慮しつつ、検討を行うこと。

 五 政府及び地方公共団体は、司書教諭の職務の重要性を踏まえ、十一学級以下の学校における司書教諭の配置の促進を図ること。

 六 平成九年の学校図書館法の一部改正時の衆参両院における附帯決議等を踏まえ、司書教諭及び学校司書の職務の在り方について、その実態を踏まえ引き続き検討を行うこと。

以上でございます。

 何とぞ御賛同くださいますようよろしくお願いいたします。(拍手)

小渕委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小渕委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、ただいまの附帯決議につきまして、文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。下村文部科学大臣。

下村国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

小渕委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

小渕委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十六分散会


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