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第4号 平成28年4月6日(水曜日)

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平成二十八年四月六日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 谷川 弥一君

   理事 青山 周平君 理事 池田 佳隆君

   理事 石田 真敏君 理事 木原  稔君

   理事 山本ともひろ君 理事 太田 和美君

   理事 長島 昭久君 理事 浮島 智子君

      安藤  裕君    石原 宏高君

      岩田 和親君    小田原 潔君

      尾身 朝子君    大隈 和英君

      大見  正君    加藤 鮎子君

      門山 宏哲君    神山 佐市君

      工藤 彰三君    小林 史明君

      櫻田 義孝君    下村 博文君

      鈴木 憲和君    谷川 とむ君

      豊田真由子君    永岡 桂子君

      鳩山 邦夫君    福井  照君

      藤井比早之君    船田  元君

      古川  康君    宮路 拓馬君

      簗  和生君    菊田真紀子君

      郡  和子君    坂本祐之輔君

      平野 博文君    松田 直久君

      笠  浩史君    國重  徹君

      吉田 宣弘君    大平 喜信君

      畑野 君枝君    伊東 信久君

      吉川  元君    松本 剛明君

    …………………………………

   文部科学大臣       馳   浩君

   国務大臣

   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       遠藤 利明君

   文部科学副大臣      冨岡  勉君

   文部科学大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    豊田真由子君

   政府参考人

   (内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局総括調整統括官)   芦立  訓君

   政府参考人

   (内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官)  高原  剛君

   政府参考人

   (内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官)  岡西 康博君

   政府参考人

   (内閣官房新国立競技場の整備計画再検討推進室総括審議官)         中川  真君

   政府参考人

   (スポーツ庁次長)    高橋 道和君

   文部科学委員会専門員   行平 克也君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月六日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     鈴木 憲和君

  工藤 彰三君     大隈 和英君

  小林 史明君     加藤 鮎子君

  船田  元君     簗  和生君

  古川  康君     岩田 和親君

  古田 圭一君     宮路 拓馬君

  宮川 典子君     藤井比早之君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     古川  康君

  大隈 和英君     小田原 潔君

  加藤 鮎子君     小林 史明君

  鈴木 憲和君     神山 佐市君

  藤井比早之君     永岡 桂子君

  宮路 拓馬君     古田 圭一君

  簗  和生君     船田  元君

同日

 辞任         補欠選任

  小田原 潔君     工藤 彰三君

  永岡 桂子君     宮川 典子君

    ―――――――――――――

四月六日

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(堀内照文君紹介)(第一二〇〇号)

 同(大串正樹君紹介)(第一二三六号)

 同(田島一成君紹介)(第一二三七号)

 同(濱村進君紹介)(第一二三八号)

 同(田島一成君紹介)(第一二七四号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一二七五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一二九一号)

 同(小川淳也君紹介)(第一四〇八号)

 同(郡和子君紹介)(第一四〇九号)

 同(吉川元君紹介)(第一四一〇号)

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(佐々木隆博君紹介)(第一二〇一号)

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育に関する請願(吉川元君紹介)(第一四〇六号)

 学校現業職員の法的位置づけに関する請願(郡和子君紹介)(第一四〇七号)

 国の責任による三十五人以下学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善に関する請願(吉川元君紹介)(第一四一一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三一号)


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     ――――◇―――――

谷川委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局総括調整統括官芦立訓君、企画・推進統括官高原剛君、企画・推進統括官岡西康博君、新国立競技場の整備計画再検討推進室総括審議官中川真君及びスポーツ庁次長高橋道和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

谷川委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木原稔君。

木原(稔)委員 自由民主党の木原稔です。

 ではまず、私の方から、いわゆるJSC法及びtoto法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 本年八月五日より、いよいよブラジルのリオデジャネイロにおいて、第三十一回オリンピック競技大会及び第十五回パラリンピック競技大会が開催されます。現在、国内では代表選手の選考会が実施され、大会に向けた機運が高まっています。晴れて代表となった選手の皆さんには、四年間の厳しい練習の成果を遺憾なく発揮され、ベストの成績をおさめていただきたいと心から念じるものであります。

 また、リオでオリパラが行われるということは、次は東京ということにほかなりません。三年前の九月に東京大会の招致が決定しましたが、その際、安倍総理から、あと七年ではなく、もう七年しかないとの発言がありました。今ではもう四年しか残されておらず、大会に向けていよいよ待ったなしの状況となっています。

 また、東京大会の成功、そしてその効果というものは、東京だけではなくて、被災地を初めとする全国各地に波及することが求められています。地域や経済の活性化、観光の振興や国際交流、日本の文化や最新の科学技術の対外発信など、大会に関連する施策を戦略的に推進し、我が国全体をもっと元気にしていただきたい、そのように思っております。

 それでは、法案に関連して質問させていただきます。

 二〇二〇年東京大会のメーンスタジアムとなる新国立競技場は、全ての国民から愛される競技場でなくてはなりません。しかしながら、白紙撤回された従前案では、建設費が当初から膨れ上がり、国民の厳しい批判を受けて白紙撤回されることとなりました。

 白紙撤回後、文部科学省に設置された検証委員会の報告書によると、工事費の上限がないに等しい状況だった、また、多くの関係者間や関係組織間の役割分担、責任体制が不明確であったため、意思決定プロセスの透明化が確保されていなかった、あるいは、国家的プロジェクトを念頭に置いた進捗管理体制が構築されていなかったといった問題点が指摘をされております。

 これを踏まえて、関係閣僚会議の議長である遠藤大臣のリーダーシップのもと、昨年十二月に、隈研吾氏がデザインを手がけた日本らしい案が選ばれたと私は思っております。

 新国立競技場の整備に当たっては、役割分担を明確化し、意思決定プロセスの透明化を図る必要があると考えますが、政府全体の責任体制はどうなっているのでしょうか。また、着実な整備を図るため、進捗管理をしっかりと行っていく必要があると考えますが、竣工までの間、政府としてどのように責任を果たしていくのでしょうか。改めて遠藤大臣の御見解を伺います。

遠藤国務大臣 おはようございます。

 お答えいたします。

 新国立競技場につきましては、私が議長を務めます関係閣僚会議において決定した整備計画に基づいて、JSCを所管する副議長の馳文部科学大臣とも連携をしながら、私が責任者としてしっかりと整備を進めていくこととしております。

 今後、関係閣僚会議においてJSCによる整備プロセスを点検し、着実な実行を確保してまいります。

木原(稔)委員 とにかく大会に間に合うようにだけしっかりとお願いをしておきたいということで、この質問はここまでとさせていただきます。

 次に、聖火台についてであります。

 聖火台の設置場所が決まっていなかったとの話題がマスコミで大きく報道され、世間を騒がせたわけですが、私としては少し違和感を感じておりまして、というのは、聖火台への点火式というものは、これは遠藤大臣もおっしゃるように、東京大会のメーンイベントである開会式の一番重要な見せ場である、そういうふうに私も考えていたからです。その場にいる各国の選手たちやVIPを含めた観客の皆さん、そしてテレビの前で見守る世界じゅうの多くの視聴者の皆さんにとって、大変に楽しみにしているのが開会式であり、聖火台における点火式であろうと思うんですね。

 皆さんも思い出していただくとわかりますように、二〇〇〇年のシドニー大会では、円形の聖火台の中で水中点火が行われて、聖火台がスライドしてスタジアムの最上階まで上っていく、そういうイベントがありました。また、前回の二〇一二年のロンドン大会では、スタジアムの真ん中で二百四個の花びらによって点火をされるという非常に珍しい催しがありました。

 これまでも、聖火台は、オリンピック大会の開会式には、初めてその場で世界じゅうの人々に披露されるものであって、いわばトップシークレットのような扱いで運営がされていたのではないかなというふうに推察をされます。

 そこで、遠藤大臣に確認をいたします。

 私は、開会式のセレモニーなどをどのような演出で行うのかを決めてから、その中で聖火台の具体的な設置場所、どのような形の聖火台を使うかなどについて、仮設なのか移動式なのか、そういったことを含めて、弾力的な対応を含めて考えていくべきだと思っております。したがって、聖火台の具体的な検討は、今後、東京大会のもっと近づいた時期に、開会セレモニーの内容とともにしっかり検討すれば十分に間に合うのではないかと思っていますが、遠藤大臣、いかがでしょうか。

遠藤国務大臣 今回の聖火台につきましては、皆さんに大変御心配をおかけいたしました。改めておわびを申し上げたいと思います。

 その上で、今、木原委員御指摘のように、開会式の演出や聖火台に関するスケジュールについては、組織委員会によりますと、IOCからの推奨では、開会式のセレモニーの活動開始は大会の二、三年前、そして、演出内容については最終的にIOCの承認を受けなければならないとされておりますし、ロンドン大会では、開会式及び聖火台については大会の二、三年前に検討を開始したというふうなことを聞いております。

 今後、組織委員会において、過去の大会を参考として検討していくことと聞いております。何よりも、セレモニーの最大の花でありますから、こうしたことをしっかり考えながらこれから進めていきたいと思います。

 ただ、先ほどもお話し申し上げましたように、皆さんに大変御心配をおかけしましたので、こうしたスケジュールのもとで、私のもとにワーキングチームを設置し、まずは設置場所に関する基本的な考え方だけを取りまとめ、四月末までに調整会議に報告したいと思っております。

木原(稔)委員 聖火台の点火式を含めた開会式のセレモニー、これが世界じゅうの人々にとってわくわくと心躍るようなものとなることを心から祈っております。

 続きまして、新国立の後利用についてでございます。

 二〇二〇年東京大会後においても、新国立競技場がスポーツの聖地として、以前の国立競技場と同じように、我が国のスポーツの振興や国際大会の招致に貢献できるよう有効活用をしていかなければいけないと考えております。

 一方で、競技場を維持管理するための多額のコストが必要となるため、運営に当たっては、稼働率を高めていくこと、そして民間の活力も導入して、事業収益を上げられるようにすることも重要であるというふうに考えております。

 東京大会後に新国立競技場をどのように活用していくのか、スポーツの聖地として有効に活用すべきなのではないか、また、収益を高めるためにどのような方策を考えているのか。現在、冨岡副大臣のもとでさまざまな検討が行われておると聞いておりますが、その進捗状況、今話せる段階においての報告を求めます。

冨岡副大臣 ありがとうございます。木原委員の質問にお答えいたします。

 新国立競技場は、二〇二〇年の東京大会のメーンスタジアムになります。しかし、それだけで終わるのではなく、大会のレガシーとしてどのように残していくか、御指摘のように今検討をしているところであります。

 この大会後は、スポーツの振興の場であるとともに、周辺地域の活性化や観光の振興あるいは防災機能の面など、さまざまな役割が期待されているのは御存じのとおりであります。したがいまして、東京大会後の運営管理については、昨年八月に定めた新国立競技場の整備計画において、「周辺地域の整備と調和のとれた民間事業への移行を図ること」とされております。現在、私を中心としたワーキングチームにおいて、実務的な検討を進めているところであります。

 具体的に申せば、今後進められる整備プロセスを前提として、例えば、大会後の利活用のあり方や大会後に収益を上げる手法などについて検討を行っているんですが、国内外のスポーツビジネスやスタジアムの利活用に関する学識者のお話をいただいたり、国内のスタジアムにおける収益向上政策等の現状や課題等に対するヒアリングを続けているところであります。

 今後は、PFI事業者やスポーツビジネスの関係者との意見交換、さらには、スポーツ団体や東京都からのヒアリングなどを実施し、本年夏ごろに論点整理を行う予定でございます。

 今後とも、ワーキングチームの座長として、馳大臣はもとより、遠藤大臣や舛添都知事にも相談しながら、大会後の運営管理について検討を進めてまいりたいと思います。その際には、政党を問わず、超党派の議員連盟など、さまざまな方からの御助言を参考にしていきたいと思っております。

木原(稔)委員 副大臣、ありがとうございました。

 関連した質問ですけれども、スポーツの市場規模の拡大についても引き続いてお伺いしますが、我が国では、スポーツというと、これまでは教育の一環という意識が強くて、スポーツで稼ぐという言葉に抵抗感を感じている人も多かったのではないかと思います。私もその一人であります。

 子供を初めとして多くの人々がスポーツを身近なものとして感じて、実際にスポーツをしたりスポーツを見て楽しんだりするスポーツ環境の充実のために、スポーツで稼ぎ、その収益をスポーツへ再投資する、還元していくという自立的な仕組みを我が国スポーツ界に構築していくことは極めて重要なのではないかというふうに私も思い始めました。これを自民党ではスポーツGDPの拡大というふうに表現をしているところです。

 また、スポーツのビジネスとしての価値を考えた場合には、健康分野や、またIT等のスポーツテクノロジー分野など、さまざまな産業領域との融合の可能性も高く、スポーツをコアとした新たなビジネスの創出にも期待が高い分野であると考えております。

 安倍政権が掲げるGDP六百兆円を実現するため、成長産業の一つの柱としてスポーツ産業の促進策を打ち出し、スポーツ庁を初めとして関係省庁が一丸となって取り組み、スポーツ産業が我が国の基幹産業の一つとなるよう、活性化を大胆に進めていくべきだと考えておりますが、文科省の見解をお聞かせください。

冨岡副大臣 お答えします。

 委員御指摘のように、スポーツ関連産業が活性化すれば、その収益をスポーツ団体や環境の充実に再投資する、こういう好循環を生み出すことができます。国民の健康増進や地域の活性化を図るために必要なことだと認識しております。

 自民党のスポーツ立国調査会においても、スポーツ市場規模の拡大に向け、御議論いただいていると承知しております。文部科学省としても、スポーツの発展のためにはスポーツ産業の拡大が重要だと考えております。

 そのため、文部科学省では、経済産業省と合同でスポーツ未来開拓会議を開催し、スポーツ施設の収益化やスポーツに関連する新事業の開拓、IT、食、観光といった他分野との連携、さらには障害者のスポーツ参加支援など、二〇二〇年以降を展望した戦略的な取り組みの展開に向け、有識者を交えた議論を行っているところでございます。

 今後とも、スポーツを通じたGDPの拡大を目指して、関係省庁やスポーツ関係者等の連携を図っていき、スポーツ環境の充実に取り組んでまいりたいと思っております。

木原(稔)委員 国民ばかりではなく、企業もスポーツへの関心が高まってきておりまして、政府としても、この機運をしっかりと捉えて、新たなスポーツの価値というものを創出していく取り組みをぜひともお願いいたします。

 それから、次に移りますが、スポーツ振興くじ、いわゆるtotoについて質問をさせていただきます。

 今回の法改正は、新国立競技場の整備に必要な財源を確保するため、totoの売上金額のうち新国立競技場の整備に使う費用、いわゆる特定金額について、これまで五%が上限だったところを、平成二十八年度から平成三十五年度までの間を区切って、一〇%を上限とするものであります。

 現在、totoの売り上げから、この特定金額や販売にかかった費用などを除いたいわゆる収益のうち、三分の一が国庫納付され、残りの三分の二が地方公共団体やスポーツ団体への助成に充てられていると承知をしております。

 今回の法改正により特定金額が一〇%に引き上げられることにより、地方公共団体やスポーツ団体に対する助成金が減額にならないのかといった関係者からの不安の声を私は聞きます。

 この点、法改正では、特定金額の上限の変更とあわせて国庫納付金の割合等を変更することによって、地方公共団体やスポーツ団体に対する助成金を現行とほぼ同水準に維持することができると聞いているところですが、いま一度、今回の法改正によってスポーツ団体への助成は減額されないとの明確なメッセージを、これは馳大臣からいただきたいと思います。

馳国務大臣 おはようございます。

 スポーツ振興くじによる助成は、一、地方公共団体が行う地域のスポーツ施設の整備、二、スポーツ団体が行う各種事業、三、総合型地域スポーツクラブの活動など、スポーツの振興に重要な役割を果たしております。

 このことを踏まえて、今回の改正案では、助成金の総額にできる限り影響が出ないよう、特定金額の上限割合を、売上金額の五%から一〇%に引き上げることとあわせて、くじの収益のうち国庫納付に充てる金額の割合を、現在の三分の一から四分の一に引き下げることとしております。また、今回の法律改正とあわせて省令改正を行い、くじの運営費を二十億円削減する予定であります。

 これらの措置により、助成金の総額は現行とほぼ同額を維持する仕組みとなっておりまして、平成二十六年度の実績は、スポーツ助成金百九十五億円、改正案におきましては、スポーツ助成金百九十三億円を見込んでおります。

 このような法律改正の内容については、これまでも関係者に対して説明を行い、おおむね理解を得られたと考えておりますが、今後ともさまざまな機会を活用して、今回の法改正の仕組みについてしっかりと説明してまいりたいと思います。

木原(稔)委員 馳大臣から明快なメッセージをいただけたものと思います。

 二〇二〇年の東京大会までの期間にもさまざまな国際大会が行われるわけですから、さまざまなスポーツ団体へのこういう配分というものが同水準であるということは非常に大事なことだというふうに思います。

 来年の二〇一七年二月には、北海道の札幌市及び帯広市において冬季アジア競技大会が行われ、また、二〇二〇年の前年の二〇一九年には、全国十二都市でラグビーワールドカップが開催をされることになっています。さらに、二〇一九年、同年の十二月には、私の出身の熊本県において女子ハンドボールの世界選手権大会が開催されるなど、二〇二〇年までにはさまざまな国際競技大会が予定をされておりますから、それらの大会全てを順調に成功に導くことは、四年後の二〇二〇年東京大会を盛り上げるために必須であろう、極めて重要であろうと考えます。

 このような中、二〇二〇年までに開催を予定しているさまざまな、今私が申し上げたような国際競技大会を必ず成功に導くために、政府の決意と現状の取り組み状況をお聞かせください。

馳国務大臣 高校時代にハンドボール部のキャプテンを務めていた委員には大変関心の高い、また国民の皆さんにとっても重要なポイントだと思います。

 我が国で国際競技大会を開催することは、単に国際競技力の向上のみならず、広く国民のスポーツへの関心を高めるほか、国際親善、地域振興などに大きな意義を有するものであると考えております。

 二〇二〇年に向けては、二〇一九年に全国十二都市でラグビーワールドカップ二〇一九、また、木原委員の御地元である熊本県内の四カ所から五カ所を会場として女子ハンドボール世界選手権の開催を予定しております。

 各自治体を初めとした日本国内のスポーツに対する期待や機運は高まってきております。スポーツ庁としても、こうした機運をさらに高めることが重要であると考えており、今後我が国で開催されるさまざまな国際競技大会の円滑な開催とその成功に向けて、関係省庁、開催自治体及び関係団体等と連携しながら、toto助成など、ニーズに対応した形で多面的な支援に努めてまいりたいと思います。

木原(稔)委員 ありがとうございました。引き続いて、二〇二〇年の東京オリンピックよりも以前に開催されるさまざまな国際競技大会への御支援をお願い申し上げます。

 東京大会が開催されることが決まって以降、世界の耳目が我が国に集まっておりまして、多くの選手や観光客が我が国に来訪してくることが期待をされるわけでありますが、東京一極集中に拍車がかかるとの懸念もあわせて聞こえてくるところであります。

 私としては、今回の大会はむしろ地方創生の実現に向けた絶好の機会であると逆手にとって捉えたいというふうに思っておりまして、例えば日韓ワールドカップ、二〇〇二年の際には、カメルーンのチームが大分県の中津江村で事前合宿をいたしまして、チームの到着がおくれるなど、そういったハプニングもありましたけれども、選手と住民の触れ合う模様が全国で報道されて、村の名前、中津江村という名前がその年の流行語大賞に選ばれるなど、大分県の小さな山村が全国で大きな話題を呼んだことは皆様方の記憶に新しいところであります。

 東京大会についても、事前合宿に向けた動きが聞こえてまいりましたけれども、例えば、本年一月には、横浜市、川崎市が英国の選手団の事前合宿を受け入れると報道がありました。こうした動きは、人口約三千人の青森県の今別町がモンゴルのフェンシングチームの誘致に成功するなど、都市の規模を問わず全国に広がりつつあるというふうに感じております。

 ことしの夏のリオ大会以降、事前合宿の誘致が本格化していくことが見込まれます。私としては、事前合宿を単に練習場所の提供にとどめるだけではなくて、地域を訪れる選手や来訪客との交流を通じて、地域の名産品を磨き上げるということであったり、また、インバウンド旅客をさらに呼び込んでいくなど、そういったイベントを新たに創出していくなど、そういうさまざまな自治体の取り組みも期待しているところであります。

 そこでお伺いしますが、この二〇二〇年東京大会を、東京だけのイベントにするのではなく、日本全国の祭典として、スポーツによる地方創生を実現するためにも、大会の事前合宿の誘致など、オリンピック・パラリンピックに向けた機運の醸成を全国的に展開すべきと考えますが、その点について、いかがでしょうか。

遠藤国務大臣 お答えいたします。

 私は、今回の大会は、もちろん東京オリンピック・パラリンピック大会ではありますが、同時に復興オリンピック・パラリンピックでもあり、何よりも日本オリンピック・パラリンピックとして位置づけて、開催効果を全国津々浦々にまで波及させていきたいと考えております。

 この一環として、今御指摘ありましたように、事前合宿の誘致等を通じ、大会参加国との相互交流を図る自治体をホストタウンとして全国各地に広げる取り組みを推進しており、本年一月に第一次登録団体となる四十四組を公表いたしました。本年度は第二次及び第三次登録を予定しており、委員の御地元であります熊本県を初め、今回登録が決まりました第一次登録団体には、オリパラに向けた全国的な機運醸成の牽引役になっていただくことを期待しております。

木原(稔)委員 ありがとうございました。

 では、もう最後になりますが、東京大会に関するガバナンスについて短くお尋ねします。

 今後の大会準備に当たっては一層のガバナンス強化や透明性の確保が求められているものと思います。政府の取り組み状況を定期的に公表するなど、情報公開を積極的に進めるべきだと考えますが、最後に遠藤大臣の所見をお伺いして、質問とさせていただきます。

遠藤国務大臣 新国立競技場やエンブレムをめぐっては、国民の皆様から大変厳しい御意見をいただきました。こうしたことを真摯に受けとめ、昨年十一月閣議決定をいたしました、いわゆるオリパラ基本方針に掲げておりますが、明確なガバナンスの確立に向けた関係機関との連携、オープンなプロセスによる意思決定、関連施策の点検などについて、しっかりと取り組んでまいります。

 このように、明確なガバナンスの確立に向けた関係機関との連携などは非常に重要なものであると認識しておりまして、先週木曜にも行いましたが、政府代表であるオリパラ大臣、そして大会の運営主体である大会組織委員会の森会長、開催都市である東京都の舛添知事の三者が定期的に直接会談し、情報を共有するなどの取り組みを通じ、大会の成功に向け、関係者が一体となって取り組んでいけるよう、さらに努力をしてまいります。

 また、情報公開についても、オープンなプロセスによる意思決定に努めることなどは極めて重要な課題であり、二〇二〇年大会の準備及び運営の状況について、定期的に公表することなどについて十分配慮してまいります。

木原(稔)委員 多くの国民が知りたい、知りたいと思うのは、私は期待の裏返しだというふうに思います。その国民の期待を裏切ることのないように、この二〇二〇年東京大会が大成功に終わることを心から祈念しまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

谷川委員長 次に、國重徹君。

國重委員 おはようございます。

 今国会から文部科学委員会に所属することになりました公明党の國重徹でございます。どうかよろしくお願いいたします。

 早速質問に入らせていただきます。

 今般の独立行政法人日本スポーツ振興センター法、いわゆるJSC法の改正法案におきましては、新国立競技場の整備に必要な資金を確保するために、平成二十八事業年度から平成三十五事業年度までの八年間、特定業務に充てる金額の上限を、totoの売上金額の五%から倍の一〇%に引き上げる、そして、それによってスポーツ振興のための助成金の削減が生じないように、法改正とともに省令改正を行ってtotoの運営経費の削減を図るなどして対応しようとしております。

 ただ、この運営経費の削減、平成二十六年度の実績に基づくシミュレーションによりますと、現行で二百十一億円あった経費が本改正案によって百九十一億円に減ります。大臣、二十億円もの削減になります。これまでこんなにも、二十億円もの経費の削減、こういったことはやったことがないというふうに聞いておりますけれども、その中でtotoの売り上げを維持していく、これはなかなか大変なことであると思います。

 そこで、大臣にお伺いいたします。売り上げを維持しながらどのように運営経費を削減していくのか、大臣の答弁を求めます。

馳国務大臣 まず、くじの運営経費について詳しく申し上げます。

 一、くじの売上金額に応じて必要となる販売手数料等に八十六億円、二、売り上げの状況に応じて裁量的に発注する広告宣伝費が四十九億円、三、くじの発売などのために必要となる情報システム経費に三十六億円、四、顧客対応のためのコールセンターの運営などの業務に四十億円、まず、平成二十六年度実績でこのように構成をされております。

 今回の法改正に伴い、これらの運営経費のうち、広告宣伝費について約十五億円程度、業務経費のうち、totoの理念を周知するための広報費について約四億円程度、その他の経費について約一億円程度の計二十億円を削減する予定であります。

 日本スポーツ振興センターにおいては、組織体制や業務内容の見直し、広告宣伝方法の工夫などにより、売上金額が減少しないよう配慮しつつ運営費の削減に取り組むこととしており、文科省としてもJSCの取り組みが着実に進むように取り組んでまいりたいと思います。

國重委員 ぜひしっかりと売り上げを維持確保できるような取り組みをよろしくお願いいたします。

 続きまして、JSCの体質改善についてお伺いいたします。

 昨年、平成二十七年の九月、当時の下村文科大臣は、JSCに対する平成二十六年度の業務実績評価で、業務の廃止を含めた抜本的改善が必要な最低ランクのDとの評価をいたしました。平成十三年度に独法の制度が導入されて以来、最低ランクの評価が出るのは全省庁で初めてでございます。

 また、昨年十一月には、JSCは、契約手続等の会計処理に関する不適切な処理に対し、会計検査院から指摘を受けております。

 具体的には、JSCの会計規則二十一条に関して指摘を受けておりますけれども、この二十一条によりますと、契約担当役、つまり理事長は、競争により落札者を決定したとき、または随意契約の相手方を決定したときは、契約書の作成を省略できる場合を除いて、必要事項を記載した契約書を作成しなければならず、契約担当役が契約の相手方とともに契約書に記名押印しなければ、当該契約は確定しないとされております。

 そこで、まず、この契約書に記名押印しなければ契約は確定しないとした趣旨及び契約が確定しないとの法的意味、法的効果についてお伺いいたします。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 当該規則は、会計法の規定を踏まえて、その会計法の規定と同様の規定としたものであります。

 会計法のコンメンタールによりますと、民法の原則によれば、申し込みと承諾という意思の合致があれば契約は成立するが、その特例的な規定として、落札の決定によって部分的な契約が成立するが、押印を含む契約書の作成によって全ての条件が満たされ、完全に契約が成立すると解されております。

 このような趣旨を踏まえて、JSCにおいても、契約上の紛争や疑義による不測の損害が生ずることを防止するため、このような規定を設けているものと解しております。

國重委員 趣旨等、今説明がありましたけれども、では、そうした会計規則二十一条、会計法に基づくこういった規則があるにもかかわらず、平成二十四年四月から平成二十六年十二月までの間に、この規則に定められた契約手続を経ることなしに契約業務を実施した案件、これは、四十七契約、契約金額にして約四十九億四千万円もあります。

 このような不適正な処理をした原因は一体どこにあると考えているのか、答弁を求めます。

高橋政府参考人 先生からただいま御指摘いただきましたように、平成二十六年度の会計検査院の検査報告におきましては、四十七件、契約金額で四十九億円の不適切なものが指摘をされました。

 また、これにかかわりまして、平成二十二年度と二十三年度における同様の事例についてJSCが自主的に調査したところ、さらに、契約数で四十四件、契約金額で百八十五億円の不適切な事例が発見されたところでございます。

 これらの発生原因につきまして、JSC内においては、規則等を遵守して適正な会計処理を行うことについての意識の徹底が欠けていたこと、契約事務等の会計手続におけるチェック体制等に不備があったこと、こういったことが原因であったと認識をしております。

國重委員 今答弁がございました、このずさんな処理をしていたものは、五年間で合わせて二百三十五億五百万円にも上る、非常に大きな金額でございます。

 今、規則等を遵守する意識徹底とか風土醸成が欠けていたと簡単に言いましたけれども、では、そういった意識が欠けていた、そのもっと背景にある抜本的な原因というのは、そこにある理由というのは一体どこにあると考えているのか、答弁を求めます。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の不適正な会計処理の背景として、JSCにおいては、早く業務を進めなければいけないという思いが強かったこと、また、適正な会計処理を行うことについてそもそも職員の意識が低かったこと、こういったことが挙げられております。

國重委員 今の答弁でも非常に抽象的であると思います。もっとえぐって分析しないといけないと思います。

 現行法ではtotoの収益の三分の二が、本改正案ではtotoの収益の八分の六がスポーツ振興のための助成金として競技団体とか自治体、ここに配分をされます。これを平成二十六年度の実績で見ますと、スポーツ振興のための助成金として、現行で百九十五億円、改正案であったとしても百九十三億円配分されることになります。非常に大きな金額です。

 助成には条件とか審査がありますけれども、JSCの裁量というのは大きい。そういったことで、JSCを、独自の収益源を持つミニ財務省のような存在だと言う方もいらっしゃいます。

 だからこそ、今回の件を契機に、JSCがスポーツ振興とか子供たちの健康増進等を図っていく役割を真に果たしていくためにも、今の答弁にあったようなちょっと抽象的なもの、何か早く業務を進めるとか、早く業務を進めるといったって、記名押印なんて簡単なものなんですから、そうしたことではなくて、今回の件を通して、JSCの抜本的な改革、また体質改善していくことが極めて重要だと思いますけれども、今後どのような改革等をしていくのか。大臣でいいんですか、どちらでも結構ですけれども。では、大臣、よろしくお願いいたします。

馳国務大臣 本当に、今回の事案については、先ほど高橋次長からも事情を説明いたしましたが、やはり助成を期待している皆さん方や、なかんずく国民の皆さんにとって看過できる問題ではない、こういう認識で私もおります。

 今後二度とこのようなことがないように、万が一こういうことが起きそうだ、そういうことすらもないように厳しくJSCに対して指導していきたいと思いますし、万が一の場合には厳罰に処していきたいと思います。

高橋政府参考人 大臣の答弁に少し補足させていただきます。

 今回の事件が生じたことはJSCとしても大変重く受けとめておりまして、まず役職員に対して文書による注意を行うとともに、契約手続の進捗管理の徹底、出納担当部署や内部監察部署による内部牽制体制の強化、また役職員に対する意識の啓発等の改善を行ったところでございます。

 大臣の答弁にもありましたように、このようなことが決して二度と起きることのないよう、文部科学省としても、JSCの再発防止策をしっかりと見守り、指導をしてまいりたいと考えております。

國重委員 大臣からも今力強い答弁もいただきましたので、ぜひよろしくお願いいたします。

 続きまして、引退後の人生も視野に入れた、アスリートが競技に安心して取り組めるための支援についてお伺いいたします。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、選手の方も懸命に、真剣にこれから努力をされていくんだろうと思います。その際、引退後の人生に不安を抱くことなく競技に取り組んでいける環境づくりというのは極めて重要だと思います。日本とか世界のトップクラスを狙える選手なのに、年齢を重ねて、その後引退したら就職が難しくなるんじゃないかということで、まだ伸び盛りの時期にやめていった選手というのを私も見たことがございます。

 また、一流選手は、小さいころからスポーツに特化した能力を磨いていく、その一方で、どうしても視野が広がる機会というのが限られている。引退後に、もっと早くからいろいろなことを勉強しておけばよかったというような声も聞きます。

 アスリートを対象にした再就職支援の会社もありますけれども、仕事を紹介するだけで、その人の定着、成長を促す仕組みになっていない。雇用主も、アスリートの知名度に期待して広告塔として活用するだけで、キャリアとして積み重なるような仕事にはつけないケースもあるというふうに聞きます。こういったところは国としてもしっかり考えていかないといけないと思います。

 そこで、冒頭にも言いました、引退後の人生も視野に入れて、アスリートが競技に安心して取り組めるような支援、環境づくりを国としてやっていくことは極めて重要だと思います。これについての現状、また今後の取り組みについてお伺いいたします。

高橋政府参考人 御指摘いただきました、アスリートへのキャリア形成の支援につきまして、平成二十二年に、JOCが強化指定選手やオリンピアンのセカンドキャリアに関する意識調査をしたところ、強化指定選手などの約半数が引退後の就職先に不安を抱えている、一方で現役時代から計画的に準備する者は三割程度にとどまっている、こういった結果が出ておりまして、現役引退後のキャリアについて計画的な準備を行うことは重要であると考えております。

 文部科学省といたしましては、平成二十七年度よりスポーツキャリアサポート戦略を実施しており、選手としてのキャリアと、引退後を含む人生設計全体を考える、いわゆるデュアルキャリアという考え方のもとでアスリートのキャリア形成を支援することとしております。

 特に、アスリートを個別、具体に支援するアドバイザーの育成、スポーツ団体や大学、企業、スポーツクラブ等多様な関係者が連携することで、各主体が持つ資源を活用しながら関係者一体となってアスリートをサポートしていくためのコンソーシアムを構築する取り組み、こういったことを行っております。

 より多くの若い方々がアスリートとしてのキャリアを安心して選べる環境が整い、結果的にアスリートの裾野が広がっていくことにつながるよう、スポーツ関係団体等と連携し、引き続き、アスリートのキャリア形成支援に取り組んでまいりたいと考えております。

馳国務大臣 トップアスリートについてのデュアルキャリア事業といったことは、今、高橋次長が申し上げたとおりで、スポーツ庁においてやっていただきますが、そもそも、我が国には、横文字ではなくて、文武両道という考え方がありまして、これはやはり小中高校の段階から、トップアスリートを目指している選手や児童生徒ばかりではなく、誰もがスポーツ、運動も楽しみ、勉強もしっかりし、同時に生涯の人生設計をするということは当然のこととして取り組めるようにならなければいけないと思っています。

 加えて、特に、スポーツクラブや、強いと言われている部活動の指導者が、スポーツ指導一辺倒で、勉強なんかしなくたって何とかなるんだと間違った意識を植えつけることもある、このように聞いております。まさしくそういう考え方は間違っておりますので、小学校、中学校、高等学校あるいはクラブスポーツなどにおいても、デュアルキャリア、人生設計を踏まえて、どのような就職をし、どのような生き方を望むのか、この考え方を教育行政においても浸透させていきたいと思っています。

國重委員 大臣、ぜひよろしくお願いいたします。文武両道と言われましたけれども、私も中高時代、剣道をやっておりまして、その道場のところに文武両道という額が掲げられていたのを思い起こしました。ぜひよろしくお願いいたします。

 続きまして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを契機とした生涯スポーツの普及、スポーツを通じた地域活性化についてお伺いいたします。

 東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、一般の方たちにももっともっと気軽にスポーツに取り組んでいただく、こういった環境づくりも大切でございます。

 近年、大学や民間企業、地方自治体等によって、スポーツや運動と医療費抑制の相関関係の研究がさまざま行われております。例えば、東北大学大学院の辻一郎教授が行った、医療費分析による保健医療の効率評価に関する実証研究、これによりますと、一日に一時間以上歩いた人に比べて、そうでない人は、およそ七・七%、過剰に医療費を支払っているということが明らかになりました。高齢化がどんどん進んでいく中で、適度な運動によって健康寿命を延ばしていく、これは極めて大切なことです。

 また、スポーツは人と人が交流するきっかけにもなります。例えば、三重県いなべ市では、介護予防、健康増進活動として、元気づくりシステムという運動体験プログラム、これを行っております。週に二回のストレッチ体操またウオーキングなどを通じて、参加者の約八割が友人や地域のつき合いが活性化したというふうに感じております。

 スポーツ政策に関しましては権限や財源が一元化されておりませんけれども、その中にあって、スポーツ庁には、スポーツ政策の司令塔としてぜひリーダーシップを発揮していただきたいと思います。

 そこで、大臣、二〇二〇年のオリパラが見せ物としてのイベントに終わってしまわないように、これまでの国とか地方自治体の取り組み、また諸外国の取り組み、こういったものを参考にしながら、生涯スポーツの振興、またスポーツを通じた地域社会の活性化、これに対する支援をより一層強化していくべきだと考えますが、今後、具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

馳国務大臣 委員御指摘のとおりでありまして、関係省庁と連携して取り組んでまいりますということを最初に宣言させていただきます。

 そして、具体的に、地方公共団体、スポーツ団体、スポーツ産業、観光産業などが一体となって地域活性化を推進する組織である地域スポーツコミッションなどへの支援を通じて、スポーツを目的とした旅行の推進や地域スポーツの活性化にも取り組んでいくこととしております。

 そもそも、スポーツ基本法を制定した際に、する、見る、支えるといったいわゆるスポーツ権を規定した上で、国民が享受すべき一つの権利としてこれを国としても支えていく、こういうふうな、スポーツに対する価値観の政策的な意味づけをしたものでありますので、その趣旨にのっとって、また委員御指摘の趣旨を踏まえて、今後とも関係省庁と連携して取り組んでまいります。

國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次の質問に移ります。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、スポーツの祭典だけではなくて文化の祭典でもございます。全国津々浦々でさまざまな文化プログラムが行われると聞いております。

 二〇一二年に開催されたロンドン・オリンピック・パラリンピック、ここでは、障害のあるアーティストの創造性あふれる活動を支援する大規模なプログラムとして、アンリミテッド、これがイギリス全土で展開されました。このアンリミテッドは、障害のあるアーティストによるすぐれた芸術活動に対する認知度の向上とか、またアーティストの活躍の場の拡大に大きく貢献して、その成功を受けて、オリンピックの後も継続して、新たなアーティストの育成、また作品の委託等が実施されております。

 日本においても、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会、またその後の未来を見据えて、障害者の方たちが持っている才能を開花させるような、そういった方たちの才能が表現できるような取り組みを力強く推進していくことが必要だと考えます。

 それから、こういった文化プログラムには、超一流の文化に触れることがなかなか困難と思われる子供たち、例えば、親から虐待等を受けて心身傷ついて児童養護施設にいる子供たちとか、一人親家庭で経済的に非常に困窮している子供たち、こういった子供たちが超一流の文化に触れることのできるような企画をぜひ実施していただきたい。そして、その子供たちの心が少しでも潤うような、また生きていく力が育つような、また眠っている才能がそれによって開花するような、そういった企画をぜひ実施していただきたいと思います。

 オリンピックは夢の祭典でもございます。しんどい環境にある子供たち、こういった子供たちに、夢のある、また希望のある取り組み、プロジェクトを国としてもぜひ推進していっていただきたいと思いますけれども、これに関する大臣の見解をお伺いいたします。

馳国務大臣 リオデジャネイロ・オリンピックが終わりました後、ことしの十月に、東京と京都でスポーツ・文化・ワールド・フォーラムを開催し、文化プログラムのキックオフイベントとしているところであります。これも前大臣の下村博文大臣から私も受け継いでいるところでありますが、このキックオフイベントにおきましては、いわゆる障害者に対する文化プログラムの共有また支援、こういったこともテーマとして盛り込んでいるところであります。

 委員御指摘のとおり、今までも文科省では、障害者のすぐれた芸術活動に対する支援や、映画制作支援事業における字幕、音声ガイドの製作への支援など多岐にわたる芸術鑑賞活動の支援の充実に取り組んでまいりました。

 今後とも、文化プログラムを通じて、二〇二〇年以降に向けて、日本全国に、障害者、また児童養護施設にお住まいの子供たちや、あるいは一人親家庭など、なかなかふだん本物に触れる機会のない方々にもやはりアプローチをして、参加をいただけるように、丁寧に取り組んでまいります。

國重委員 ありがとうございます。

 文化というのは一種の特権階級だけのものではありませんので、ぜひ、そういう、超一流の文化から遠い存在にある子供たちにこそ、夢の祭典として、優先的に招致するとか何らかのことを、まだ時間がありますから、しっかりと考えていただいて、ぜひそういった夢のあるプロジェクトを実施していただきたいと思います。

 続きまして、今、文化に触れるということで申し上げましたけれども、次は、一流アスリートとの交流という観点からお伺いいたします。

 繰り返しになりますけれども、オリンピック、パラリンピックというのは夢の祭典です。そこで、オリンピックとかパラリンピックに出場経験のある選手、これは何も現役選手に限る必要はないと思っております、こういった方々と子供たちとの交流の機会を設ける、こういったことも、子供たちのその後の人生を豊かにするために極めて重要なことだと思います。

 NPO法人パラキャンという団体があるんですけれども、これは障害者アスリートの派遣事業に継続して取り組んでこられた団体なんですけれども、このパラキャンの訪問事業を受けたある中学校の校長先生は、次のような感想をおっしゃっております。人生が違ってくるほどの効果、実際にアスリートの皆さんに触れ合い、車椅子バスケットを一緒にプレーしてみることで、生活スタイル以外何も違わないことを生徒たちは感じ取っています、それ以上に、アスリートの皆さんが物すごく前向きに明るく楽しく生きていることに感銘を受けています、授業を受けた生徒は明らかに何かを感じて行動に移しています、すぐにはできなくても頭の中に深く刻まれたことは確かで、将来的にいろいろな場面で行動に移すと想像できます。

 さまざまな困難を乗り越えて、自分自身に打ちかってきた、さまざまなトレーニングを続けてきた、こういった障害者アスリートの方々のたくましい人生の生き方、これに触れることは、子供たち全般、とりわけ、先ほども挙げましたけれども、虐待等を受けて心身ともに傷ついて、生きる力とかも失いつつあるような子供たちもいる児童養護施設の子供たちとか、経済的に苦しい家庭環境にある子供たち、こういった厳しい状況にある子供たちにとって、まさに生きる希望、生きる力になります。

 そこで、大臣にお伺いいたします。

 今後、子供たち全般もそうですけれども、とりわけ、今申し上げたような厳しい環境下にある子供たちとオリンピアン、パラリンピアンの皆さんとの交流を促進していっていただきたいと思いますが、これに関する大臣の見解をお伺いいたします。

馳国務大臣 文科省では、平成二十八年度にオリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業を行うこととしております。

 この事業を通じて、オリパラと表現させていただきますが、二〇二〇年のオリパラまで、委員御指摘のような子供たち、児童養護施設にいたり一人親家庭であったり、より厳しい環境に置かれている児童生徒に対して、実際にオリンピック選手、パラリンピック選手と交流をしたり、また競技体験をしたり、そのことを通じて一体感を醸成していくことがやはり必要だと思っています。

 そういえば私もオリンピアンでありましたので、できれば私もこういった事業を通じて全国の児童養護施設などを訪問して、激励するとともに、またオリンピック、パラリンピックの価値観といったものを伝えていければいいな、こういうふうに思っております。

國重委員 今大臣からも力強い答弁をいただきました。

 こういった取り組みをすることによって、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックがより彩りのある、夢のある祭典になると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

谷川委員長 次に、太田和美君。

太田(和)委員 民進党の太田和美でございます。

 本日は、JSC法改正案について、特にパラリンピックについて質問をさせていただきたいと思います。

 質問通告で一番最後に質問通告をしたものを、ごめんなさい、ちょっと時間の都合上、一番最初に聞かせていただきたいと思います。

 まず初めに、JSCの主要事業の一つに災害給付制度がございますが、この制度では、学校に起因する自殺などを含む死亡事故が起きた際、小中学生に対しては無条件に死亡見舞金が支払われます。高校生になると、「生徒・学生の自己の故意による死亡は給付の対象とはならない。」というふうに書いてありまして、無条件ではなくなります。

 このことに対して、平成二十七年の九月二日の文科委員会で、初鹿委員が当時の下村文科大臣に、高校生も無条件に対象とするべきと質問をしたところ、下村文科大臣からは、柔軟な見直しを行うといった答弁がございました。しかし、その後、見直しがまだなされておりません。

 初鹿委員は、自殺基本法が改正されることなどからも、先日の三月十八日に厚生労働委員会で、見直しの状況について再度質問をしております。堂故政務官からは、作業を進めているとの答弁がありました。

 昨年の下村大臣の御答弁からは既に七カ月が経過しており、自殺基本法の改正はこの四月に施行されます。この作業は早急に進めなくてはならないものでありますが、どのような状況になっているのか、馳大臣にお伺いしたいと思います。

馳国務大臣 下村前大臣の答弁を踏まえて、現在、文科省では、高校生などに係る給付の範囲の見直しに向けて、独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令の改正を含む必要な検討を行っているところでありますが、ちょっと詳しく申し上げます。

 まず一つ目は、高校生などに係る給付の範囲を変更するためには、独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令の改正が必要であること、二つ目として、給付範囲の変更による給付件数の増加に伴い、所要の措置が必要となり得ること、これはいわゆる掛金増額の検討などであります。

 こういう検討条項があるということで、若干の時間を要していることは事実でありますが、速やかに取り組みたいと思います。

太田(和)委員 ありがとうございます。

 政令改正なども含めて、ぜひとも早急に取り組んでいただきますよう要望させていただきたいと思います。

 さて、法案の質問に入ります。

 特定金額についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 本法案では、国立競技場の建設費用に充てる特定金額を、収益の五%から一〇%に増額するとしています。

 国立競技場建設をめぐっては、これまで、不透明な計画決定過程や、膨大な建設費について説明できず、国民は大きな不信を抱き、最終的に白紙撤回された経緯もございます。さらに、その後にエンブレム問題も発生し、最近では聖火台の設置も混迷をきわめています。そして、相変わらず、責任者は誰なのか、曖昧な状況でもあります。

 このような経緯の中で、国民の不信を払拭するためには、今後は、特定金額の使途、決定過程に関する情報公開や透明性の確保も重要かつ必須であるというふうに考えておりますが、どのようにして透明性を図っていくのか、お聞かせください。

馳国務大臣 まず、情報公開の重要性や、その間の経緯の説明、透明性が重要であるということの認識を持った上で、答弁をさせていただきます。

 従前の新国立競技場の整備計画については、昨年九月の検証委員会の報告において、国民の理解を得るための、工事費の推移等に関する情報発信が十分でなかった、専門的知識を持ったスポークスマンが配置されておらず、広く国民に対して積極的に発信していたとは言えなかったといった問題点が指摘されております。

 これらのことを教訓とし、今後、日本スポーツ振興センターが新国立競技場の整備事業を進めるに当たっては、プロセス全体について関係閣僚会議による点検を受けつつ、事業の進捗状況や、これに応じた事業費の執行状況等について定期的に公表を行うこととしております。

 現在、JSCにおいて、毎月一回程度の定例ブリーフィングを開催し、整備事業の進捗状況を公表しているところであり、引き続き、情報発信の取り組みが適切になされ、国民の理解と納得が得られるよう努めてまいりたいと思います。

 文部科学省としても、この点については、検討委員会の御指摘もありますので、しっかりと目を光らせて取り組んでまいります。

太田(和)委員 民進党は、今国会で、情報公開、透明性の確保による国民の理解と支持を得るために、半年に一回、国会に報告を義務づける法案を提出させていただきました。政府の閣法としての今回のJSC法改正案、そしてtoto法改正案ではこの点が欠けているというふうに思っております。ぜひともこの主張を取り入れていただくようにお願いを申し上げたいと思います。

 次の質問に移りたいと思います。

 私の地元でありますが、パラリンピックで人生が変わったとおっしゃっている、車椅子テニス男子でグランドスラム四大大会を制覇、シングルス十六回優勝、ダブルス十五回優勝の男子世界歴代最多記録を持ち、パラリンピックでも、シングルスで二個、ダブルスで一個の金メダルを獲得しているスーパースターの国枝慎吾選手がいらっしゃいます。その実力はスイスのロジャー・フェデラー選手も認められるほどで、九年前にフェデラー選手が年間グランドスラムをいつ達成するのかについて聞かれた際、僕より国枝の方が近いと答え、その後、国枝選手は、男子の車椅子テニス史上初の年間グランドスラムを達成いたしました。

 その国枝選手が二〇二〇年度東京パラリンピックの成功の鍵について答えたインタビューの中で、二〇二〇年のパラリンピック会場を満員の観衆で埋めることが夢だというふうにおっしゃっています。また、鳥原日本パラリンピック委員会、JPC会長も、二〇二〇年パラリンピック大会の意義と課題に関する会見の中で、成功するための条件の一つに、チケットの完売と全競技場満員の観客を実現ということを挙げております。

 成功したロンドン大会では、二百七十八万枚のチケットが完売し、購入者の五五%が女性で、観客の七五%が家族同伴、そして、教育期の子供を持つ世代が中心であったとのことであります。

 残念ながら、現在、我が国で開催されている障害者スポーツ大会は、観客席はまばらであることが多いのが現実であります。

 そういった状況で、鳥原JPC会長は、障害スポーツの認知度を高める活動や啓発活動、ファンづくりが必要であり、小中学生を中心とした若い世代に障害スポーツへの理解と関心を高めることに特に力を入れるべきであるというふうに提言をしております。

 そこでお伺いしたいと思いますが、学校教育の機会に、障害者スポーツの啓発についてどのような取り組みをしているのでしょうか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 子供たちがパラリンピアンと交流することでパラリンピックについて学び、体験することは、パラリンピックを盛り上げるのみならず、障害者スポーツへの理解や関心も深まるものと考えております。

 このため、文部科学省では、平成二十八年度において、オリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業として、パラリンピアンと子供たちの交流活動や、パラリンピックの競技体験などを推進することといたしております。

 今後とも、二〇二〇年東京パラリンピック競技大会の盛り上げを図るとともに、障害者スポーツの普及振興に努めてまいりたいと考えております。

太田(和)委員 ありがとうございます。

 イギリス・ロンドンでも、学校授業で障害者スポーツの啓発に取り組んだことが満員の観客の実現につながったというふうに言われております。

 子供たちにとっても、勇気をもらえるとか、頑張れば何でもできるというような気持ちになってくれれば、それは本当にかけがえのない財産になるものだというふうに思っております。引き続き力を入れていただきますよう、お願いをしたいと思います。

 次に、二〇二〇年度東京パラリンピックを成功させるための課題について幾つかお伺いしたいと思います。

 鳥原JPC会長は、成功させるための条件として、施設と運営の両面において最高の競技環境を整えることということも掲げております。

 新国立競技場に関してお伺いいたしますが、IPC基準では、大会競技場の車椅子座席数は一%以上です。現行案では収容人数が六万五千人のため、車椅子対応席数は六百五十以上なくてはならないことになりますが、現在の新国立競技場の整備計画における障害者対応はIPCの基準を満たしているのでしょうか。

 加えて、ロンドン大会では七五%が家族同伴であったことからも、車椅子対応席が特定の場所に設置されているだけではなく、車椅子の方々が家族とともに観戦できるような配慮が設計上なされているというふうに思いますが、その点についても確認をさせてください。

高橋政府参考人 新国立競技場の整備計画では、世界最高のユニバーサルデザインを基本理念の一つに掲げております。また、整備事業の業務要求水準書においても、IPC、国際パラリンピック委員会のアクセシビリティーガイドを踏まえて計画することが盛り込まれております。

 これを踏まえ、大成建設等共同事業体の技術提案書では、車椅子席の配置計画として、パラリンピック開催時においては、一層目スタンドに三百三十席、二層目スタンドに三百三十三席、三層目スタンドに四十席の計七百三席を配置することとなっております。

 オリンピックに比べて、パラリンピックの場合は、車椅子の座席がふえることで全体座席数が少し減りまして五万七千七百五十席となっておりまして、これに占める割合は、IPCの基準を上回る一・二一%となっております。

 また、先ほど御指摘がございましたけれども、このほかにも、どこからでも観戦できるよう、特定のエリアに配置するのではなくて、スタジアム全体にバランスよく車椅子席を配置する計画、また、感動の瞬間を分かち合えるサイトラインの計画、あらゆるサイズの車椅子でのアクセスが可能な計画など、新国立競技場については車椅子使用者への配慮が盛り込まれております。

 現在、大成建設等JVにおいては、車椅子使用者を初め、高齢者、障害者団体及び子育てグループ等の関係者から意見をお伺いするユニバーサルデザインワークショップを実施しながら、事業を進めているところでございます。

 新国立競技場が全ての人にとって快適に楽しむことができる施設となるよう、世界最高のユニバーサルデザインに努めてまいります。

太田(和)委員 ありがとうございます。

 次の質問に入りたいと思いますが、国枝選手は、北京で金メダルをとったのをきっかけに、日本初の車椅子テニスプロ選手になりました。そして、日本では企業のスポンサーシップは進んでいるが、国の支援はオランダやイギリスなどの欧州に比べて低いというふうにも言っております。

 一般社団法人日本パラリンピアンズ協会が行ったパラリンピック選手の競技環境調査というのがありますが、選手一人当たりの競技のために個人負担した年間費用額は平均百四十万円を超えるといった結果が出ています。

 また、現在の競技スポーツを行ってきて苦労したことは何かという質問に対して、選手の六四%が費用がかかるというふうに答えております。そして、オリンピック選手との違いについて聞いたところでは、五一・二%が競技団体の組織力や経済力が違うというふうに答えております。

 コーチやスタッフへの調査では、選手を継続的に支援する上での課題について尋ねたところ、約六〇%が、やはり費用がかかるというふうに答えております。

 選手ももちろん、選手を支える側のコーチやスタッフも大変資金的に厳しい状況に置かれており、その中でも、約八割が無償のコーチであるというのも実態であろうかと思います。そして、あの国枝選手も、経費がかかるのでアテネでやめようと思っていたというようなこともおっしゃっていたこともございます。

 このように、パラリンピック選手は、競技を続けるに当たっての一番の悩みはやはり経済面ということが、一番苦労しているということが実態でございます。

 鳥原JPC会長は、二〇二〇年東京パラリンピックを成功するために挙げたもう一つの条件に、メダルの獲得とメダルランキングを上位にするということがございます。

 しかし、日本のメダル獲得数は、アテネ以降、下降しております。この二十年間でメダル獲得数は、二・〇%三十個から、一・一%十六個へと下がっています。一方で、中国では、一・七%二十五個から、一五・二%二百三十一個へと急上昇しているという実態です。この原因は、日本の強化策がやはり十分でなかったということが原因であることは明らかであるというふうに思っております。

 そこで、メダル獲得の実現には、選手の経済的負担を軽減し、そしてスポーツ団体等の組織強化策が必要であります。

 平成二十八年度の選手強化予算は、オリンピック選手に七十三億円、しかし、パラリンピック選手に対しては二十億円です。パラリンピック選手強化予算は、確かに昨年よりふえておりますが、一般社団法人日本パラリンピアンズ協会の調査結果にもあらわれているように、やはり競技団体の組織力や経済力を高める必要があり、強化策、支援対象についても、スポーツ選手、スポーツ団体だけでなく、現場で選手の強化を行っているナショナルトレーニングセンター、いわゆるトレセンに対してもさらなる支援の充実が望まれます。

 そこで質問でありますが、メダル獲得にはさらなる強化策が必要という観点から、現在の予算で十分と考えているのか。また、支援対象先を初め規模についても、二〇二〇年東京パラリンピックの成功にはさらなる拡充が望まれますが、どのような検討状況であるのでしょうか。

 また、メダル獲得には、現場のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設の指定も進んでいるというふうにも理解しておりますが、どのような検討がさらになされているのかについてお伺いをさせていただきたいと思います。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十六年度より、スポーツ振興の観点から行われる障害者スポーツに関する事業が厚生労働省から文部科学省に移管されました。この移管に合わせて、選手強化について、文科省スポーツ庁では、従来はオリンピック競技のみを対象としていた施策について、二十六年度からはパラリンピック競技も対象とするなど、国際競技力の向上のための施策を現在一体的に推進しているところでございます。

 予算につきまして、先ほど委員から御指摘いただいたような金額ではございますが、ただ、二十八年度の予算につきましては、オリンピック競技関係は全体として約一割程度の増に対して、パラリンピック関係は約五割程度の増を図るなど、その伸び率においては、よりパラリンピックに重点を置いた予算の編成になるように努めているところでございます。

 また、平成二十八年度予算におきまして、具体的には、各競技団体の大会遠征や強化合宿の実施、先ほど御指摘がありました、コーチなど専任指導者の設置等に係る支援の充実を図る、次世代競技者の発掘、育成強化に係るパラリンピック競技への支援を新たに新設する、また、メダル獲得が期待される競技への競技者支援や研究開発に係る多方面からの専門的、高度な支援の充実を図るなど、こういった費用を計上しておりまして、二〇二〇年東京大会を見据え、さらにこれまで以上にパラリンピックにおける選手活動の支援を図っておりまして、これは今後ともしっかりとやっていきたいと思っております。

 また、ナショナルトレーニングセンターについての御質問をいただきました。

 オリンピック競技、パラリンピック競技が共同利用するナショナルトレーニングセンターの拡充に向けた取り組みを現在進めております。平成二十八年度予算では実施設計をすることにしております。さらに、NTCのみでは強化活動が困難な屋外系競技等の強化活動拠点については、NTC競技別強化拠点として指定を進めているところでございます。

 文科省としては、引き続き、パラリンピックの選手強化への支援の充実に努めてまいります。

馳国務大臣 パラリンピックの選手への支援は、現状、十分であるとは考えておりません。したがって、今後とも、今、次長の申し上げたようなことに取り組んでいきます。

 一点だけ報告しますが、昨年来、鈴木スポーツ庁長官のもとで五者協議を定期的に開催しております。これは、鈴木長官とJOCの竹田会長、JPCの鳥原会長、日体協の張会長、そしてJSCの大東理事長、関係者がお互いによい事例などを共有し合いながら、特にパラリンピアンに対する支援、強化スタッフという、スタッフ自体がいないところもありますので、そういったところをお互いに支え合う、そのための情報共有の場、特に競技力強化に向けては、三月の五者協議の段階においても課題となって、お互いに了解をしながら進めている、こういう現状であるということもお伝えしたいと思います。

太田(和)委員 ありがとうございます。

 大臣から大変心強い御答弁をいただきました。

 やはり、オリンピック・パラリンピックを成功させるためには、政官産学民が英知を結集してオールジャパンでやっていくことが必要であると思いますので、ぜひともそのようにリーダーシップを発揮して進めていっていただきたいというふうに思っております。

 このように、パラリンピックを成功させるためには、大変課題は山積しております。

 そこで、最後に遠藤大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますが、二〇二〇年東京パラリンピックの意義と、成功に向けての決意をお伺いさせていただきたいというふうに思います。

 パラリンピックは、障害の不可能を意味するものではなくて、障害を不可能にさせているのは分け隔てのある社会そのものであるというふうに、これは鳥原会長がおっしゃっていました。大変この言葉に私も感銘をいたしました。パラリンピックを通じて障害者スポーツへの関心が高まることを非常に望んでおります。

 私の地元の柏には、国枝選手が本拠地としている吉田記念テニス研修センターがございます。そこでは、豊かな社会生活を送るための場として、障害者を問わず、全ての人が利用できるプログラムがあります。こういった環境を提供できる施設は国内ではまだ少数でありますが、障害者も健常者も問わない全ての人がともに社会生活を送れる環境の整備こそがこれからの目指すべき社会であることからも、将来的には、オリンピック、パラリンピックと別々の開催ではなく、統合されることを期待しております。

 そこで、大臣に、このパラリンピックの意義と、成功に向けての御決意をお聞かせいただきまして、質問を終わりたいと思います。

遠藤国務大臣 今、太田委員からいろいろ御質問をいただきましたが、全く思いは共有をしております。

 まず、何よりも、今度の二〇二〇年の大会はオリンピック、パラリンピックを一体として運営するということが大変重要な課題でありますし、それ以上に、パラリンピックの成功こそがこの大会の成功につながると確信をしております。

 昨年、ロンドンにお伺いしたときに、発祥の地でありますストークマンデビル病院にお伺いして、どういう経緯でパラリンピックがスタートしたのか、そしてまた、どういう経緯でその後皆さんが努力をされてこられたのか。また、ロンドンの組織委員会の会長でありましたセバスチャン・コーさんも、今は世界陸連の会長でありますが、彼も、やはりパラを成功させることが大会の成功ですよ、ぜひ東京も頑張っていただきたい、そんなお話もありました。

 私たちもそんな思いで今取り組んでおりますが、同時に、この大会の成功がレガシーとしてその後の日本のユニバーサルデザインの社会をつくる、障害者の皆さんも健常者も、そして高齢者の皆様方も一緒に共生できる、まさにそんな社会づくりのレガシーとして取り組んでいきたいと思っております。

 いろいろ御意見はありましたが、私も何回か大会に行って、改めて、激しいといいますか、どちらかというと、それまでは若干、やはり障害がありますから皆さんで支えなきゃならない、これはもちろんそうでありますが、車椅子のバスケットなんかに行くと、通常のバスケットよりも激しい、格闘技のような熱い戦いをされています。選手の皆さん方も、私たちもアスリートですと言い切って、私たちの気持ちは健常者に負けません、そんな気持ちでプレーをされていらっしゃいます。

 IPCのクレーバン会長からも、ロンドンでは、オリンピックは二百四カ国・地域、そしてパラリンピックは百六十四カ国・地域であった、まだ四十カ国の差があります、ぜひその差を詰めて、できれば同じ数の参加国・地域にしていただきたい、こんな要望がありましたので、そんな取り組みもこれからしていきたいと思っておりますし、何よりも、全国各地において障害者スポーツをしっかり推進して、メダルもしっかりとっていきたいと思います。

 そしてもう一つ、先ほど来話があった、やはり観客の皆さんがいっぱいで盛り上がる、これが大変大きな皆さんへの支えかと。そういうことを考えますと、小学校や中学校の皆さんに参加をしていただく、あるいは、そうしたパラリンピアンの皆さんに行っていただいて実技をしていただいて、そういうことも学校教育の中でしっかり取り組むことによってすばらしい大会ができると確信をしておりますので、ぜひ太田委員にも、なお一層御支援いただきますようにお願い申し上げます。

太田(和)委員 ありがとうございます。終わります。

    〔委員長退席、木原(稔)委員長代理着席〕

木原(稔)委員長代理 次に、長島昭久君。

長島(昭)委員 民進党の長島昭久です。

 午前中最後の質疑でございますので、頑張っていきたいと思います。

 連日、夏のリオに向けて出場選手が続々と決まっておりまして、きのうは水泳で、先ほどの太田さんの地元の国枝さんではありませんが、東京都江戸川区出身の池江璃花子さん、百メートルバタフライ、見事でしたね。本来は東京オリンピックを目指していたんだけれどもリオに間に合っちゃったという、本当に十五歳のすばらしいエネルギーを感じさせていただきました。

 私どもも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、史上最高の大会にしていくために、党派を超えて心から支援を惜しむつもりはございません。ぜひ、遠藤担当大臣そして馳大臣、政府の一段のリーダーシップを発揮していただいて、その目的に向かって国民を大いに盛り上げていただきたい、このように思います。

 それでは質問させていただきたいと思いますが、せんだって本会議で質問させていただく機会をいただきまして、そのときに両大臣からも御答弁いただいたんですが、そのフォローアップを少しさせていただきたいというふうに思います。

 私から、ガバナンスの問題、いろいろなことが迷走したと。これによってガバナンスの問題というのがさまざまな専門家から指摘をされてきたわけです。そして、昨年の十一月に閣議決定がされまして、オリパラ基本方針、ここにも「明確なガバナンスの確立」、こういう文言がありました。

 遠藤大臣からは、今後、政府代表であるオリパラ大臣、これは遠藤大臣、大会の運営主体である大会組織委員会の森会長、そして開催都市である東京都の舛添知事の三者が定期的に直接会談し、情報を共有するなどの取り組みを通じ、大会の成功に向け関係者が一体となって取り組んでいけるようさらに努力してまいります、こうおっしゃっていた。

 端的に伺いたいんですけれども、それまでは、つまり、この閣議決定で基本方針がもう一度確認をされ、明確なガバナンスの確立ということがうたわれる前と後ですね、それまでは必ずしも、遠藤大臣から見て、スムーズな、円滑な三者間の連携がなされていなかった、そこをもう一回たがを締め直して、遠藤大臣を中心にやっていこう、このビフォー・アフター、これは、前と後ではどう違っているのか、少し具体的に御説明いただければと思います。

遠藤国務大臣 私、昨年の六月二十五日に就任をさせていただきました。それまでも下村大臣が、兼務でありましたが、担当大臣として取り組みもされてこられましたし、組織委員会の森会長そして舛添知事、いろいろな連携をしっかりとられたと思います。

 ただ、前例がない、新しいものに挑戦していく仕事でありますから、そのたびそのたびどうしても、想像もつかなかった、あるいは考え及ばなかった、そういうこともあったことも事実だと思います。新国立競技場にしてもいろいろな状況があって、またエンブレムの問題につきましても、皆さんに大変御心配をおかけいたしました。

 そこで、就任をして、新国立競技場あるいはエンブレム等の問題もあり、公式もあれば非公式もありますが、たびたび協議は進めてまいりました。

 しかし、やはり、例えば、ことしの四月から組織委員会の職員がおよそ五百名から七百名になるんでしょうか、そうやって仕事はどんどんどんどん拡大をしてきておりますから、なお一層そうした連携が必要だ、そういう思いで、先週の木曜日、聖火台等もありましたので、改めて、三者で集まって、そしてこれから、事務担当者の協議も含めてしっかり取り組んでいこう、そんな思いで、固めの杯ではありませんが、しっかり皆さんで話をさせていただいて、そして取り組みをさせていただきました。

 漏れがないようにしっかり取り組んでまいります。

長島(昭)委員 しっかり取り組んでいただきたいんですが、そこで、ちょっと伺いたいんですけれども、聖火台の問題というのは、たがを締め直した後発覚をして、その対応ぶりも、多少失礼な面もあったかもしれませんが、本会議で、さまざまなアクターの方の、プレーヤーの方の発言を引用しながら私は質問させていただいたんですけれども、たがを締め直して明確なガバナンスを確立するとうたい、そして遠藤大臣がリーダーシップを発揮された後起こって、国民から見たら迷走に映ってしまった。ここはどう御説明なさるんでしょうか。

遠藤国務大臣 過般の本会議で申し上げましたが、確かに事務連絡等の不手際はあったと思います。思いますというか、ありました。

 いろいろな協議をした中で、セレモニーについては、先ほど答弁させていただきましたが、二、三年前にそうした計画を進めていき、そしてその中で聖火台をどんな形でどんな場所にということを決めていくということは事務的な議論をしておったんですが、情報の連携がしっかりできていなかった、これは反省をしております。

 そこで、そうした点を踏まえて、今回、私のもとでチームをつくって、まずは最低限度、今、決めなきゃならない中で、点火をどこでやるか、あるいは設置をどこでやるか、これだけは決めていきたい。その上で、多分二、三年前に、新しい総合的なプロデューサーが決まって、セレモニーのいろいろな形が決まって、そして聖火台が決まっていくわけでしょうから、そういうふうにつなげていきたいと思っております。

長島(昭)委員 今おっしゃったように、開会式の演出は極めて大事、それに、先ほど木原委員も御指摘になりましたけれども、聖火台の位置などは当日の演出とも密接にかかわってくる問題ですから、そう簡単に決まるわけではない、そこはきちっとプロデューサーがやる、こういうお話だったんですけれども、問題は、準備段階のプロデューサー、私はプロジェクトマネジャーという言い方を本会議でさせていただきましたが、どうも先ほどから伺っているのは、組織委員会の五百人から七百人に拡大をしていく、情報の連携が不十分だった。これは、やはりきちっとした制度的な枠組みをつくり直さないと、私から見ると船頭がやはり多い感じがするんですよ。

 一つは、東京大会の準備及び運営に関する事業を行う、これは大会組織委員会、そうですね。そして、国立競技場の建設の事業も含めて、運営するのがJSC。そして、開催都市は東京都。そして、組織委員会というのは東京都とJOCが設立をしたということになっていますし、JSCは所管官庁が文部科学省。

 これだけでも大変だな、連携するのは大変だろうと思うんですが、それに今度はたがをはめよう、きちっと今度は政治主導でやっていこう、こういうことで、関係閣僚会議がその上になって、遠藤大臣が座長を務めている。その上に、東京オリンピック・パラリンピック推進本部というのが、総理大臣が本部長となってある。こういう仕組みですよね。

 そして、事務方の統括は、整備計画再検討推進室というのが官邸につくられて、室長が事務の副長官、杉田さん。そこに省庁が連なっていく。加えて、聖火台の検討ワーキングチームがつくられて、これは、関係閣僚会議の座長である遠藤大臣がこちらの議長も兼ねる。スポーツ庁や東京都やJSCの皆さん、十人ぐらいのメンバーでそこが運営される。

 私、今紹介しているだけで目が回りそうなんですが、新国立競技場も大事、聖火台も大事、加えて、大会開催に伴う周辺の整備事業あるいは交通インフラ、他の施設整備、これ全部かかってくるわけですよね。そこで、私は本会議で、ロンドン・オリンピックのときのODA、オリンピック・デリバリー・オーソリティーという組織体を具体的に事例として挙げて、そこは、国とロンドン市が一体となった組織体をつくって、関係予算も権限も指揮命令系統も一元化していった。どうも、そういう形にはまだなり切っていない気がするんですね。

 しかも、政治の役割というか国の役割というのが、今までは、招致までは、JOCとか、そこを支援するような形だったと思うんですけれども、これからはやはり政治的なリーダーシップというのをきちっと発揮していって、どうもごたごたする、足りない、こういうところをびしっと遠藤大臣を中心に取りまとめていく、そういうガバナンスというのか政治的なリーダーシップというのか、そういうものが必要になってくると思うんですが、その辺のところをどう、改善に向けた具体的なビジョンというか構想、あるいは実効性のある具体策をお示しいただきたいと思います。

遠藤国務大臣 まず、今幾つかの話がありましたが、新国立競技場につきましては、私が就任したときに、一旦案があって、白紙撤回をして、そこで、新国立競技場の建設につきましては、関係閣僚会議を開いて、私が議長として取り進め、推進室をつくって、そして整備計画のもとに、JSCにおいて今設計の契約をし、そしてこれから建築の契約をし、二〇一九年の十一月三十日に完成させるという工程で、これは私が責任者として進めております。

 聖火台も含めて、今、東京都あるいは組織委員会、国、若干混乱しているんじゃないか、そんな御指摘かと思いますが、このことにつきましては、改めて今、先ほど申し上げましたように、この三者がしっかり連携をとって、もちろん、私は、大臣というのは調整役としてこのポストがあるわけですから、私がもっと努力をしてその連携をしっかり進めていきたいと思っております。

 今委員から御指摘がありましたロンドン大会のODA、オリンピック開発公社でありますが、これは、競技会場、施設整備等のインフラ整備を担当したわけでありますが、その役割は、東ロンドン地区という一つの地域の建設準備等を任務としておって、再開発をする、そんな観点から、大規模なインフラ整備が大会の重要な要素であったロンドン大会固有の事情に基づいて設立されたものだと認識をしております。

 東京大会においては、そうした地域の再開発ということについては伴う状況にないため、現在、ODAのような組織は設置されておりませんし、東京都についてもそんな認識であると思っております。

長島(昭)委員 だけれども、新国立競技場周辺の再開発はなされるんだろうというふうに思っていますし、確かにロンドンは一地区のということだとおっしゃいましたけれども、いい手法であれば我が東京オリンピック・パラリンピックでもそれは参考にしたらいいと私は思っておりますので、ぜひ御努力いただきたいと思います。

 時間がないんですけれども、やはり費用の問題です。

 固めの杯と大臣はおっしゃいましたけれども、三者会談を三十一日に行った、こういうことでありますが、そこでも森会長の方から、費用分担の見直しをやってくれ、こういう提案があったように報道されております。

 確かに、これは国会図書館の「レファレンス」という、ロンドン・オリンピックの検証をした報告書があるんですけれども、こういうくだりがあるんですね。

 歴史的に見ると、総じてオリンピック予算は、費用が制御不能な状態で連鎖的に増加し、オリンピック組織委員会へ公的資金の投入が必要な状態に陥ってしまう、一九六〇年以降二〇一二年までに開催された全てのオリンピック開催費用は、招致時の想定費用をはるかに超越していると。参考までに申し上げますと、ロンドン・オリンピック予算が当初予算より大幅に増加した理由については、一、政府部内の意思決定者のリスクに対する関心の低さから生ずる費用推計の乖離、二、立候補資料の作成過程における過度に楽観主義に偏った費用推計、三、外部環境、例えば経済情勢や安全保障環境の変化に起因する制御不能な費用の増加。

 三番はしようがないですよ、これは不測の事態ですから。やはり、ぜひ一と二について緊張感を持ってやっていただきたいと思うんです。

 実際、二〇一三年の立候補ファイルでは、組織委員会予算、いわゆる大会運営費、これは三千十三億円、それから非組織委員会予算、東京都や国などが競技施設などを新設、改修する予算ですが、これが四千三百二十七億円、七千億円ぐらいだったわけですね。それを森会長は、いや、実は三倍かかる、それから舛添都知事は、三兆円を超すだろう、そして、去年の十二月には、大会運営費、つまり、三千億円とされた大会運営費だけで当初予算の六倍に当たる一兆八千億円というふうに報じられた、こういうことなんです。

 この問題に対する、先ほどの三者会談も含めて、費用の全貌を明らかにして、しっかり抑え込んでいく、しかし、それでもしみったれた大会にしてはいけない、こういうジレンマを抱えながらどうコントロールしていくか、方針をお聞かせいただきたいと思います。

遠藤国務大臣 先ほど話がありましたように、三月三十一日に、組織委員会におきまして、開催都市であります東京都の舛添知事、そして組織委員会の森会長、そして政府代表であります私の三人で三者会談を行いました。

 会談では、まず森会長から、役割分担、業務分担の明確化などについての提案があり、リオデジャネイロの大会の状況、必要なものあるいは必要でないもの、これまでの認識が違ったもの、いろいろ出てくるかと思います、そうしたものを踏まえながら、実務者も含めて検討していくことといたしました。

 そしてその中で、現在、リオ大が近づき、新年度を迎える中、東京大会を多くの国民の皆さんに祝福された大会にしたいと思いますから、そうしたことについてはしっかりとスクラムを組んで進めなきゃならないと思っています。

 組織委員会では、今、二〇二〇年の大会成功に必要な全ての業務の洗い出しを行っており、大会組織委員会が赤字にならないようにするため、私たちも大会組織委員会のコスト削減の取り組みについてしっかりと目を光らせてまいります。

長島(昭)委員 最後に文科大臣に伺いたいんですが、私はこれは本会議でも質問させていただきました、新国立競技場のスペックがFIFAの基準にきちっとかなっているかどうかという問題。

 大臣は、新国立競技場の整備事業において、サッカー、ラグビー、陸上競技等の国際基準に適合することを要件としておりますから大丈夫です、こういうお答えだったんですけれども、関係者の皆さんのお話を聞くと、新国立競技場、今の設計でいくと六万八千人収容。FIFAは八万人、こう言っているわけですね。それを、ピッチの周りにある陸上のトラックを開放して、そこに客席を設けるということなんです。

 ただ、客席、町の運動会じゃないんですから、何にもない、一番先頭の人の前がいきなりピッチというわけにはいかないですから、しかもバナーの広告なんかのスペース、高さはある程度必要だと思いますので、そうすると、斜度というか、観客席の斜面の角度からいうと、なかなかみんながピッチの動きを奥まで見られないんじゃないか、そういう心配の声があるようなんです。

 これはやはり、ワールドカップを日本に招致するとなれば、そういうところもきちっと整備をしていかなきゃいけないんですが、最後に文科大臣から、この点について明快な御答弁をいただきたいと思います。

馳国務大臣 先般新しい日本サッカー協会の会長になられた田嶋さんが来られたときに、このことについて話し合いをしたということをまず冒頭にお伝えいたします。

 新国立競技場の観客席数については、関係閣僚会議が定めた整備計画において、オリンピック・パラリンピック開催時に約六万席を整備するとともに、大会後には、サッカーワールドカップの招致を見据え、陸上トラックの上部に増設することで八万席を確保し得ることになっております。

 また、JSCが定めた業務要求水準書では、サッカー、ラグビー、陸上競技等について、国際競技連盟が定めるスタジアム基準等に合致することを要件としていることから、今後とも、JSCにおいて、これらの規定にも十分留意し、日本サッカー協会等のスポーツ団体と連携しながら、着実に整備事業が進むように努めてまいりたいと思っております。

 国際サッカー連盟が定めるサッカースタジアムの施設基準において、観客席のサイトラインは競技エリア周辺に設置可能な広告看板によって妨害されてはならないと規定されております。このことから、現在JSCにおいて、観客席を八万席に増設する場合の観客のサイトラインについても検討を行っている、このように承知をしておりますし、先般田嶋会長とも、この件についてはお互いに状況を把握しながら進めるべきである、こういうふうな話をしたことをお伝えしておきます。

長島(昭)委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

木原(稔)委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時四十八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。大平喜信君。

大平委員 日本共産党の大平喜信です。

 きょうは法案の審議ではありますが、冒頭に、若干の時間を使って、昨年十二月、広島県の府中町で男子中学生が自宅で自死をするという大変痛ましい事件が起きたことにかかわって質問したいと思います。

 亡くなった御本人と御遺族の方に対して、まず冒頭、心から哀悼の念を申し上げたいと思います。

 実は、府中町は私自身の居住地でもありまして、ことし中学生になる息子がこの新年度から通う学校でもあります。あしたは入学式も行われるということになっております。

 この間、御近所で子供を通わせているお父さんやお母さんたちからもお話を聞きました。下の子も入学するし、これからどうなるのか、とにかく先生が忙しそう、もっと子供と向き合ってほしいなど、さまざまな不安の声が寄せられております。私自身も、保護者の一人として、御近所の皆さんとともに、深い悲しみと不安な思いを抱えながらあしたを迎えようとしております。

 何よりも、御遺族の方たちの思いに心から寄り添い、その思いに応えるという姿勢で今後の取り組みは行わなければなりません。

 御遺族が地元紙の中国新聞に寄せた手記には次のように述べられております。一部の引用ではありますが、紹介したいと思います。「どうしたら大切な子供を守れるか。学校という組織の実態が伝わることによって、改善され、生徒が内申点にとらわれ過ぎない、弱い立場の者が守られる社会になってほしいと願っています。」「学校はこのことについて何がいけないのか、なぜこのようなことが起きたのか明確に示してこないまま前に進もうと言うのは順番が違います。」「学校、教育の現場のずれた感覚を改善するすべがあるのか分からないほど、根が深いものだと痛感しました。」など、るる述べておられます。大変強い不信感を抱えておられます。

 そこでお尋ねしますが、先月末には、事実の究明などを進めるために第三者委員会が立ち上がりました。今後、こうした御遺族の意向に沿った徹底した調査が求められていると考えますが、大臣の御所見をお伺いします。

馳国務大臣 文部科学省が策定した子供の自殺が起きたときの背景調査の指針においては、自殺の調査に当たっては、「遺族が背景調査に切実な心情を持つことを理解し、その要望・意見を十分に聴き取るとともに、できる限りの配慮と説明を行う」こととしております。

 現在、府中町教育委員会で行われている外部専門家による調査においても、同指針にのっとって、事実関係と真摯に向き合い、御遺族の要望に十分配慮していくことが強く望まれると考えております。

大平委員 よろしくお願いしたいと思います。

 亡くなった男子中学生は、どうせ言っても先生は聞いてくれないという思いを以前から保護者に話していたとのことでした。本当に重く受けとめなければいけない言葉だと思います。

 二度とこのような悲しい事件を、当該中学校はもとより全国のどこでも繰り返させてはならないし、そのためには、今度の事件がなぜこの中学校で起きてしまったのか、その事実の究明、そして、彼の言葉にあるような、どうして先生と生徒の信頼関係が築けてこれなかったのか、学校と教育行政の対応のあり方を含めて徹底的に明らかにする必要があると思います。だとすれば、単に校長や教員の不適切な対応の指摘や責任追及だけに終わらせず、その背景にある根本的な原因にまで踏み込んで明らかにすることも必要不可欠だと考えます。

 お尋ねしますが、昨年十二月に事件が起きて、公表されるまでの三カ月の間、学校はもとより、町教委と県教委も、担当者を学校に派遣し、状況をつかみ、ともに対応に当たってきました。さらに、県教委は、当該中学校を以前から県の生徒指導の指定校にもしておりまして、事件以前の状況も日常的にもつかんできたと思います。そうした点からすれば、今後、当該中学校の対応とともに、町教委そして県教委のこれまでの対応についても調査が必要であると考えますが、大臣の見解をお伺いします。

馳国務大臣 調査の対象については、調査組織の設立主体や調査組織自身において判断されるべきものであります。

 現在行われている、第三者によって構成された府中町学校運営等についての調査検討委員会においては、自死の背景及び原因、再発防止策のみならず、当該学校及び町教育委員会の対応についても調査検討がなされるものと聞いておりますが、町教育委員会を指導する県教育委員会も、必要に応じ検証の対象になり得ると考えております。

大平委員 それぞれの教育行政機関が我がこと、我が問題として今度の問題を捉え、今後の教訓にしていくという立場に立つことが再発防止策を講じていく出発点になると私は考えております。

 さらにお伺いします。

 二月の二十九日に発表された当該中学校が行った調査報告では、当時の制約があったことも承知をしておりますが、教員からの聞き取りのみで作成をされております。子供たちからの聞き取りは行われていないものでございます。

 真相の解明のためには、当然、子供たちから直接聞くことが必要不可欠だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

馳国務大臣 子供への聞き取り調査等の実施については、府中町学校運営等についての調査検討委員会において、文部科学省が策定した子供の自殺が起きたときの背景調査の指針にのっとって、その必要性や方法等について適切に判断がなされるべきものと考えております。

 この指針においては、子供に調査への協力を求める場合は、子供の心への影響からも、調査は専門的な見地から適切かつ計画的に実施されるべきこと、調査への参加を無理強いせず、子供や保護者の意思を尊重すること、心理の専門家等による相談体制の確保やケア体制をあらかじめ確立しておくことなどに配慮が必要であることが示されております。

 当該学校においては生徒を対象としたアンケート調査を実施しておりますが、聞き取り調査など、さらなる生徒を対象とした調査の実施に当たっては、当該アンケート調査の結果などを踏まえ、適切に判断がなされるべきものと認識をしております。

 また、当該生徒は当時中学校三年生でありました。今は同学年の生徒は、卒業し、高校生になろうとしておる段階でありますので、当該学校にはおられません。したがって、こういう事情も踏まえて、指針に沿って適切に配慮がなされるべきと考えております。

大平委員 やはり、第三者委員会の姿勢として、子供たちの生の声を聞くという姿勢をぜひ持っていただきたいというふうに思います。

 四月一日付の中国新聞では、御遺族の方の第三者委員会に対するコメントとして、「大人としての見地からのみならず、十五歳の目線からの検討を試みていただきたい」と述べておられます。こうした声にも応えて、先ほど大臣からありましたアンケートと同時に、子供たちから委員の皆さんが直接聞くということも含めて、ぜひ行っていただきたいというふうに思います。

 既にこの間の調査報告などでも明らかになっているところでも、今度の事件で自死に至ってしまった原因の一つとして、高校入試への推薦・専願基準の問題が挙げられています。つまり、三年間で一度でも万引きなどを行えば推薦はしない、こうした基準の問題です。

 文科省は、タスクフォースの中間取りまとめの中で、その基準が曖昧で、変更を徹底するのもおくれた、だからもっと明確にしなければならないと述べておりますが、私は、そもそもこの基準そのもの、もっと言えば入試制度のあり方自体がどうだったのか、どうあるべきなのか、これを正面から問わなければならない、そういう事案ではないかというふうに考えますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

馳国務大臣 進路指導は、生徒の能力、適性等を見きわめ、生徒が自主的に進路を選択して自己実現を図れるようにするために必要な能力、態度を育成することを目的としており、各学校の実情に応じて適切に行われるべきものと認識しております。

 このたび、広島県府中町で生じた生徒の自殺事案に対応するため、文科省にタスクフォースを設置し、先月末に中間取りまとめをまとめたところであります。

 具体的には、府中町の中学校では、生徒の将来に重要な影響を与える進路決定を行う際に、一年生時の触法行為のみをもって機械的に判断が行われたことや、変更後の推薦・専願基準が遡及的に適用されたことなどに課題があったことから、推薦・専願基準に関しては、今後、文言の明確化や適正化を図るといった基準の見直しを行うとともに、変更の手続や時期、周知の方法など基準の運用プロセスの見直しを行う必要がある旨示したところであります。

 さらに、各都道府県教育委員会等に対しても、生徒指導、進路指導に係る確認事項を示し、所管の学校等において確認するなど適切な対応をお願いしたところであります。

 文科省としては、府中町教育委員会が設置した第三者委員会における全容解明等の結果なども踏まえて、府中町はもとより全国的な生徒指導、進路指導の改善充実につながるように、必要な政策を推進してまいりたいと思います。

大平委員 私は、たった一回の過ちをもって、三年間の総仕上げとして希望する進路の道が断たれてしまうという、このあり方が果たして中学校という教育現場であるべき進路指導なのか、こういう点を含めて、推薦制度のあり方を根本から見直す必要があると感じております。

 この問題の質問の最後です。

 調査報告の「結びに」の中で、当該中学校の校長先生は、本校の生徒指導が「規律維持を求めるあまり、押さえつける指導になっていたのではないか、過ちを犯した生徒や反抗的な生徒を排除するような指導になっていたのではないかと、猛烈に反省しております。」と述べています。

 真相究明はこれからだと思いますが、この校長が猛烈に反省しているとした、規律で抑えつける指導、排除する指導となってきた背景には一体何があったのか。県の生徒指導の指定校として長らく当該中学校の実践が行われてきたことからしても、私は、広島県教委や、あるいは文科省自身も、これまで推進してきた、ゼロトレランス方式とも言われるような、規律を何よりも重視する生徒指導のあり方がその背景にあったのではないか。

 ぜひこの機会に、大臣、文科省も、みずから示してきた生徒指導のあり方がどうだったのかについての検証を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

馳国務大臣 生徒指導は、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めるよう指導、援助するものであり、適切な児童生徒理解を基本に学校全体が組織的に対応することが重要であります。今回の事案においては、学校の組織的対応がとられていなかったこと、情報管理が不徹底であったことなどの課題が確認をされております。

 進路指導の目的は、生徒の能力、適性等を見きわめ、生徒が自主的に進路を選択して自己実現を図れるようにするために必要な能力、態度を育成することにあります。今回の事案では、進路指導上の重要な情報を伝える時期や方法について十分な配慮や適切な環境の確保がなされなかったなど、不適切な進路指導が行われたことが課題であると認識しております。

 文部科学省は、府中町自殺事案に関するタスクフォースを立ち上げ、これらの課題及び課題解決に向けた方向性について中間取りまとめを行い、各都道府県教育委員会などに通知したところであります。

 府中町における全容解明等の結果なども踏まえて、全国的な生徒指導、進路指導の改善充実につながるよう、必要な政策を推進してまいりたいと思います。

    〔委員長退席、木原(稔)委員長代理着席〕

大平委員 大臣、私が伺ったのは、真相究明はもちろんこれからだと思いますが、それも含めて、文科省自身が進めてきたこの間の生徒指導に問題があったのではないか、そこの見直しの検証をみずから行うべきじゃないかという質問をしました。

 馳大臣がこのタスクフォースの会議の第一回のときに意見、指示として述べている、より根源的な対策、取り組みについてまとめよという指示をされたというのも見ました。私は、この指示というのはそういう問題意識なのかと思いましたが、もう一度お答えいただけますか。

馳国務大臣 文科省としてのこれまでの取り組みについて私はもちろん否定するものではありませんし、今回の事案を具体的な事案として踏まえて私が指示をしたことはこういうことであります。

 管理型というふうな教育は、現場に参りますと、児童生徒あるいは保護者、また教職員等を取り巻いておる連携などを看過せずに、一方的に指導、管理さえすればそれでよいのではないかという間違った認識がとられる場合があるのではないか。そうではなくて、なぜこういうことをしてはいけないのか、いけないことをした場合の自覚を促し、改めるような態度も促し、当然、その後の成長を見守ることも教職員の責任であり、また管理職の責任であると思います。同時に、それについては、教員が、中学生ですから教科担任制ですから、各教科の先生方の情報も集めながら、十分にやはり成長を認めることができるか、その成長を支えていくことが教職員としての役割である、私はそういう認識を持っております。

 したがって、管理型という、言葉とか表現を本当に上から抑えつけるような形で、児童生徒の意思や保護者の意見も全く取り入れずにやってよいと思っていたらまさしく大間違いであります。

 私は、今般の事案は大変重大な事案である、なぜならば、その指導を受けて、その指導を踏まえて、児童生徒が大きな心の揺れ、それが今回の自死につながったのではないか、こういうふうに言われておる中での反省を踏まえなければいけないと思っております。

 したがって、改めて申し上げれば、全国の、特に進路指導にかかわる中学校の先生方には、今回の関係者がどの段階でどのようなことが行われていてこういう結果になっていってしまったのかということをまず十分に見た上で、そして理解した上で、二度とこのようなことを起こさせない、そのような指導のあり方についてよく考えて対応していただきたい、そういうふうに考えており、まずは中間報告、そして第三者調査委員会の報告も受けて、最終的に、我々も見直すべきは見直したいと思います。

大平委員 文科省が進める生徒指導の中で、今、中学校を含め学校現場でどんな実態になっているのか、その実態も、私たち、たくさん聞いてもきておりますので、そういうことを紹介しながら今後もこの問題を取り上げていくことを述べまして、法案についての質問に移りたいというふうに思います。

 新国立競技場の問題は混迷を繰り返し、二千五百二十億円もの桁外れの巨額の費用に国民の怒りが集中し、白紙撤回に追い込まれた末に、今の千五百五十億円を上限とした整備計画が決定されました。

 しかし、この間のオリンピックが行われた、例えば北京の国家体育場が約五百億円、ロンドンが約八百億円などのメーンスタジアムの建設費と比べても、まだ二倍、三倍という額であります。オリンピック・アジェンダ二〇二〇でも運営経費の削減が求められており、また、多くの国民が求めている簡素で無駄のない運営という点からも、まだ極めて巨額であるという点は私ははっきり申し上げておきたいと思います。

 さらに、問題は、千五百五十億円で終わるのかという点も大変不透明な点であります。昨年十二月の関係閣僚会議で了承された財源スキームでは、経費がさらに膨らむ可能性として、賃金または物価等の変動と、消費税率一〇%への増税が既に想定をされています。

 お伺いしますが、安倍政権は来年四月に消費税を一〇%に引き上げると言っておりまして、法律でも既に決めております。私たちは増税すべきではないという立場でありますが、皆さん方の方針どおりにいけば、遠藤大臣、もうこの金額はこれでは済まないということははっきりしているんじゃないでしょうか。必ず経費は膨らむんだということを国民にどのように説明されるんでしょうか。

遠藤国務大臣 お答えいたします。

 まず、新国立競技場の工費につきましては、昨年八月に関係閣僚会議において決定した整備計画における千五百五十億円の上限額を踏まえて公募を行い、発注者であるJSCと、事業者である大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体との間で、千四百九十億円を上限とする協定が結ばれております。

 ただし、この整備計画の中にも明示しておりますが、賃金または物価等の変動が生じた場合は、公共工事標準請負契約約款第二十五条に準拠し、工事請負代金額の変更を行う可能性がある。また、消費税率につきましても明示しておりますが、八%で計算しており、平成二十九年四月一日以降の消費税率一〇%が適用される場合には、八%で計算した金額との差額が別途必要となる。両方とも、この整備計画の記者会見の中でしっかりと報告をさせていただいております。

 今後とも、整備計画に基づき、私が議長である関係閣僚会議においてJSCによる整備プロセスをしっかりと点検し、着実な実行を確保していきたいと思っております。

大平委員 つまり、先ほどの答弁は、千五百五十億円にとどまらないということを大臣みずから認められたと思うんですね。昨年の八月に関係閣僚会議で決めた整備計画に言う「千五百五十億円以下とする。」という約束をもこれはほごにするものになるんじゃありませんか。大臣、いかがでしょうか。

遠藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、千五百五十億円を上限とする、ただし、先ほどの、公共工事標準請負契約約款第二十五条あるいは消費税については、その変更が必要になるということをこの中でしっかり明示して発表させていただいております。

大平委員 つまり、千五百五十億円では終わらない、しかも、その経費はどこまで膨らむのかもわからないということになっているということです。極めて無責任な姿勢だと言わなければなりません。

 こうして大きな不安と不信が国民の中に広がる中、この極めて巨額な整備経費を、サッカーくじへの依存度をさらに大きくしながら賄おうというのが今度の法案であります。

 改めて確認ですけれども、財源スキームでは、整備費などの分担対象経費千五百八十一億円を国費と東京都の負担とサッカーくじで賄おうとしていますが、その三者の負担割合と額を説明してください。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年十二月二十二日の関係閣僚会議において決定した財源スキームにおきましては、御質問の、分担対象経費千五百八十一億円程度を、国の負担とスポーツ振興くじの特定金額と東京都の負担の割合を、二対一対一の割合で負担することとしております。

 金額は、国の負担が七百九十一億円程度、スポーツ振興くじの特定金額が三百九十五億円程度、そして東京都の負担が三百九十五億円程度となっております。

大平委員 国が半分を賄い、残り半分を東京都とサッカーくじで折半するという説明でした。

 しかし、財源スキームをよく読んでみますと、分担割合二対一対一のところに小さな字で注が書かれてあります。何と書いてあるか、説明してくれますか。

中川政府参考人 御説明申し上げます。

 引用させていただきます。

 御指摘の注記におきましては、

  スポーツ振興くじの特定金額をJSCの特定業務勘定に繰り入れること及び収益(センター法附則第八条の三の規定による読替え後の第二十二条第一項に規定する収益をいう。)の一定割合とされている国庫納付金の割合を見直すことについては、いずれも国庫納付金の減少につながる。このため、「スポーツ振興くじの特定金額」のうち、国庫納付金の減少見合いの額については、「スポーツ振興くじの特定金額」ではなく、「国の負担」に含める。

と記載しております。

 引用終了です。

大平委員 今の引用の中にある「国庫納付金の減少見合いの額」とは幾らですか。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の国庫納付金の減少見合いの額は、四百三十二億円程度を見込んでございます。

大平委員 その四百三十二億円がこの財源スキームで国費としている七百九十一億円の中に入る、この注はそういう意味でしょうか。確認です。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御説明させていただきましたとおり、スポーツ振興くじの特定金額をJSCの特定業務勘定に繰り入れること及び収益の一定割合とされている国庫納付金の割合を見直すことにつきましては、いずれも国庫納付金の減少につながりますことから、国庫納付金の減少見合いの額、御指摘のとおり四百三十二億円でございますが、これにつきましては国の負担に含めているところでございます。

大平委員 本来国に入るはずだったお金が入らなくなる、だからそれは国の負担に認めるんだという説明でした。

 その国に入るべきお金というのは、もともとその財源は何でしょうか。確認です。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 国庫納付金の減少見合いの額につきましてはスポーツ振興くじの収益を財源としております。これまでの御質問でも御説明しましたとおり、特定金額の五%から一〇%への引き上げ及び国庫納付率の引き下げがなかりせば、国庫納付金として国庫に収納され、そして新国立競技場の整備費として国庫より支出されたことになったであろう、そういうものだと整理をしております。

大平委員 答弁にあったとおりです。国にもともと入るはずだったとした財源も、これはサッカーくじの売り上げからのものであるということです。

 つまり、財源スキームでは国が半分を持ちますと大きく見せ、そして、今度の改正案では国の取り分を三分の一から四分の一へと減らしますとしながら、しかし、その減少分はサッカーくじの財源なんだけれども国費の中に入れると。

 一枚、配付資料を皆さんにお配りいたしました。ごらんいただきたいと思うんです。

 結局、実態としては、サッカーくじの売り上げと東京都に整備費の大部分を賄ってもらうというものになっています。実際の負担割合は、二対一対一ではなく、そこに金額も書きました、国三百五十九億、東京都三百九十五億、toto財源八百二十七億という、これは一対一対二ではないか。

 遠藤大臣、これは国民、都民にどのように説明されるんでしょうか。

遠藤国務大臣 まず先に申し上げますが、かつて私は、このスポーツ振興くじの導入あるいは改定、そして特定納付のPTの座長をしておりました。そのときに、多くの皆さんに御協力いただいてスポーツ振興をしよう、地方のスポーツ振興あるいは強化、施設整備、そうした観点からスポーツ振興くじの利用を考えてまいりました。

 そういうことを考えますと、今回、スポーツ振興くじ制度においては、売上金額から当せん払戻金及び運営費を控除し、さらに特定金額を控除したものの残額が収益となり、国庫納付及び地方公共団体、スポーツ団体への助成に割り当てることとしております。すなわち、この特定金額は、国庫納付金の減少、地方公共団体とスポーツ団体への助成金の減少によって構成されております。

 これを踏まえて、今回の財源スキームでは、特定金額のうち国庫納付金の減少に当たる金額を国の負担と整理したものであります。具体的には、特定金額から総額四百三十二億円程度を国庫納付減少見合い分として国の負担の一部として整理をしており、その結果、国の負担は全体の半分である七百九十一億円程度としております。

大平委員 いや、先ほどの内閣官房の答弁を繰り返しただけでした。

 私は一つ疑問でした。サッカーくじの財源を三百九十五億円と想定しているのであれば、今度の法改正で、一年で百十億円入ることが見込まれているんだから、四年間で四百四十億円が見込まれ、これで賄えるではないかと思っていました。それなのに、一〇%へと引き上げる期間を八年間としています。そうではなくて、国費に入っている四百三十二億円も合わせた八百二十七億円を賄うために八年間必要なんだという説明を私はレクで初めて聞いて、驚いたし、納得もいった。極めてだまされた気分になりました。

 こうしたやり方は、大臣、都民や国民に対して極めて不誠実だと言わなければなりません。

 もう一度答弁をお願いします。

遠藤国務大臣 新国立競技場については、国の施設でありますから、新整備計画に基づいて国が責任を持って整備を進めることでありますから、国が負担することが基本であります。

 一方、東京都も、二〇二〇年東京大会の開催都市として、メーンスタジアムである新国立競技場が大会の準備や開催に支障なく整備をされ、大会後もレガシーとなるよう、全面的に協力をしていただいております。このため、東京都に負担していただくこととしているが、国と東京都の費用負担については、国の直轄事業の考え方に準拠して決定することが適当だと考えるため、国の負担額の半分の額を東京都が負担することとしております。

 こうした観点から、スポーツ振興くじについても、独立行政法人日本スポーツ振興センター法にのっとって新国立競技場の整備等の費用を負担するものでありますが、競技力の向上や地域におけるスポーツ振興といった目的をそがない範囲で引き上げて、国の負担額の半分の額をスポーツ振興くじが負担することといたしました。

 これらを合わせると、国、スポーツ振興くじ、東京都の負担割合は二対一対一になり、国の担うべき責任は十分果たしていると考えております。

大平委員 全く答弁になっていない、全く都民、国民は納得しないと私は思いますね。

 国が責任を持ってというのは私もそのとおりだと思うんです。

 では、実際にこの整備費に対する国の負担はどうなるのか。七百九十一億円のうち、先ほどあった四百三十二億円はサッカーくじからの充当となる。では、残り三百五十九億円はどのように確保するんでしょうか。

高橋政府参考人 ただいま御指摘いただきました約三百五十九億円のうち、二百三十四億円については、平成二十四年度補正予算、平成二十五年度当初予算、平成二十五年度補正予算、平成二十六年度の補正予算において、既に、国からJSCに対する政府出資金や運営費交付金により予算措置をされ、現在、JSCの特定業務勘定に確保されております。

 残りの百二十五億円につきましては、今後の工事の進捗状況を踏まえ、スポーツ振興基金を取り崩して確保する予定としております。

大平委員 七百九十一億円のうち、約半分をサッカーくじの売り上げから充当する、残りの部分についても、先ほどありましたスポーツ振興基金を取り崩して手当てすることとなっている、あとは補正予算などで既に確保している。

 つまりは、総額が今後膨らまない限りは、もうこれ以上国の一般会計から支出することはないということでよろしいですか。

高橋政府参考人 先ほど内閣官房の方からも答弁がありましたように、これらの経費については、消費税率が引き上げられた場合や、賃金または物価の大幅な変動に伴い、公共工事標準請負契約約款に準じた規定により請負代金が増額された場合においては追加負担が生ずることになっております。

 これ以外の要因で工事費に追加負担が生じることは予定をしておりません。

大平委員 いや、そういうことを聞いているんじゃなくて、もうこれ以上国の一般会計からの支出はないのかということを聞いたんですが、もう時間がないのでいいです。

 つまり、もうこれ以上の支出はないのであります。

 遠藤大臣がおっしゃられたとおり、そもそも国立競技場は国の施設であり、当然国費でその全額を整備するべきであります。

 しかし、そこに、多様な財源でとのかけ声のもとに、サッカーくじを導入し、その売り上げと、そして東京都にも負担を負わせながら、建設費、整備費を捻出しようとしてきた。そうやって、国費、国の予算だけで賄わなくてもよいとしてきたことが、きょう冒頭にも指摘したような、千五百五十億円という巨額の建設費が許されていく要因になったんじゃないか。

 費用の面で国の責任を果たしていないと言われても、遠藤大臣、仕方がないんじゃないでしょうか。御説明、どうですか。

遠藤国務大臣 私は、昨年の七月、安倍総理からの白紙撤回の後に、関係閣僚会議の議長として推進室をつくり、その中で整備計画を策定いたしました。それは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会のメーン会場として、開会式、閉会式、あるいは陸上競技、そしてサッカー大会、こうした大会が確実に安定して運営できるということを条件として整備計画をつくらせていただきました。それが、上限額が千五百五十億円であります。

 その千五百五十億円をどのように負担をするかといったときに、先ほどありましたように、開催都市であります東京都、あるいはスポーツ振興のために設立されたサッカーくじ、スポーツ振興くじ、そして、国が二、そしてスポーツ振興くじが一、東京都が一というようなことで決定をしたわけでありますから、まずはその上限額をしっかりして、その上で配分を決定させていただいたということであります。

大平委員 時間が来ましたので質問を終わりますが、まさに我が党がこれまで一貫して反対し続けてきた道、つまり、本来国が国費で確保するべきスポーツ振興のための予算を、専らくじの収益、つまりギャンブルに頼り、そして予算が必要になるたびにその拡大に走ろうとする、その道に今度の法案も進めようとしている。断じて認められないということを述べて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

木原(稔)委員長代理 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 おおさか維新の会の伊東信久です。よろしくお願いいたします。

 私、一九六四年、さきの東京オリンピックの年に生まれまして、このままでいくと、私の生まれた年と、二回も東京でのオリンピックが開催されるということで、本当に今回のオリパラを喜ばしく思っております。

 ちょっと一分ほどお時間を頂戴いたしますと、先ほどお昼休みに、与野党を超えて、医師である私の専門分野についてお聞きいただきまして、私は椎間板ヘルニアのレーザー治療というのをやっているとお答えしまして、このレーザー治療というのはやっている医師が非常に少なくて、今までに一万例ほどやっているという話をしたんですけれども、口々に、お昼のリップサービスだと思うんですけれども、褒めていただいたんですね、神の手とか。

 ただ、ここで外科医として思うのは、幾らうまい手術をしても、患者さんが満足しなければいけないわけでして、医者が満足していても仕方がないわけなんですね。つまり、目標は何かというと、患者さんを治すということです。

 今回の委員会も、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、与野党しっかりした議論をということで、早速、新国立競技場の整備にかかわる質問をさせていただきます。

 くしくも、先ほど大平議員が財源負担について御質問されていたんですけれども、私も財源負担について御質問します。幾分かぶるところもあると思うんですけれども、またちょっと違う切り口で御質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 条文には、当該都道府県の負担割合を三分の一以内と書いています。まず、この三分の一以内という法的な根拠についての御説明をお願いいたします。

馳国務大臣 本法案において、独立行政法人日本スポーツ振興センター法に新設する附則第八条の十第一項においては、「特定業務に係る施設のうち、地域の発展に特に資するものとして政令で定める施設の整備に要する費用は、当該政令で定める施設が存する都道府県が、その三分の一以内を負担する。」と規定しております。

 このように、都道府県の負担割合の上限を三分の一としているのは、国道や都市公園の新設などの国の直轄事業では都道府県の負担率を三分の一としており、国道や都市公園の新設の場合の水準を超えて都道府県に負担を求める特段の理由はないためであります。

伊東(信)委員 済みません、先ほどの御答弁に関することなんですけれども、その条文中の「特定業務に係る施設」というところでしたけれども、具体的な施設名を幾つか教えていただいたんですけれども、さらに今回、他の施設もこれから対象にする予定があるのかないのか、お尋ねいたします。

高橋政府参考人 ただいま御質問いただきました特定業務に関しましては、独立行政法人日本スポーツ振興センター法附則第八条の三におきまして、「国際的な規模のスポーツの競技会の我が国への招致又はその開催が円滑になされるようにするために行うスポーツ施設の整備等であって緊急に行う必要があるものとして文部科学大臣が財務大臣と協議して定める業務」、このように規定されております。そして、文部科学大臣決定として財務大臣協議を経て決定しているものは、現在は新国立競技場のみが定められております。

 現在のところ、他の業務を追加する予定はございませんが、今後この条項に該当する業務が発生した場合には、また財務大臣と協議を行うことになります。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 ここまでの過程、よくわかるんですけれども、最初の質問で、当該都道府県の負担割合が三分の一となりまして、その中に特定業務に係る施設というのがあって、その中に新国立競技場が限定されて法改正になったと。しかしながら、実際の負担割合、国が二、東京都の負担が一、スポーツ振興くじの財源が一ということで、二対一対一となっています。

 話の整理のためにお聞きするわけですけれども、ここの二対一対一、どういう協議を経てこのような負担割合になったかというのを、もう一度教えてください。

遠藤国務大臣 お答えいたします。

 新国立競技場については、先ほど申し上げましたように、国の施設でありますし、新整備計画に基づき、国が責任を持って整備を進めるものでありますから、国による負担が基本であります。

 一方で、東京都も、二〇二〇年東京大会の開催都市として、メーンスタジアムになる新国立競技場が大会の準備や開催に支障なく整備され、大会後もレガシーとなるよう全面的に協力いただくこととなっております。このため東京都に負担していただくこととしているが、国と東京都の費用分担については、国の直轄事業の考え方に準拠して決定することが適当と考えられたために、国の負担額の半分の額を東京都が負担することといたしました。

 さらに、スポーツ振興くじについても、独立行政法人日本スポーツ振興センター法にのっとり新国立競技場の整備等の費用を負担するものでありますが、競技力の向上や地域におけるスポーツ振興といった目的を損なわない範囲で引き上げて、国の負担額の半分の額をスポーツ振興くじが負担することといたしました。

 これらを合わせますと、国、スポーツ振興くじ、東京都の負担割合は二対一対一となります。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 ということで、今回の特定業務経費を五%から一〇%にした。地方公共団体、スポーツ団体に資するところ三十七億円、そして国庫納付が十八億円、合わせて五十五億円というのが今までの現行だったと思うんですけれども、そのままそれぞれ三十七億円、十八億円ふやすわけではなく、地方公共団体を十七億円、国庫納付を三十八億円まで上げた。その国庫納付の三十八億円と今までの十八億円を合わせて五十六億円、これが八年間で四百四十八億円。この四百四十八億円から国費の中の四百三十二億円、若干の誤差がありますけれども、七百九十一億の中の四百三十二億円を負担するというぐあいに承知しているんですけれども、それで間違いはないでしょうか。

高橋政府参考人 御指摘のとおりでございまして、国の負担額七百九十一億円のうち、約四百三十二億円が国庫納付金の減少見合い分、これは特定金額でございますので、実際に国が予算措置をして負担する金額としては三百五十九億円程度ということになります。

伊東(信)委員 冒頭も述べさせていただいたように、二〇二〇の東京オリパラを成功させるために我々は議論を重ねていっているわけですので、我々おおさか維新としては、やはり国民の皆さんの税金だけでなく、民間でできるところ、もしくは事業でできるというところの立場で御質問をさせていただいているわけなんですけれども、その際、七百九十一億円のうち四百三十二億円が国費に入るのであれば、予算措置の三百五十九億円と合わせて七百九十一億円だから、大体半分の東京都の負担というところで、二対一が決まったような気がするんですね。

 ということは、東京都の負担と国の負担を二対一にするためにスポーツ振興くじの財源が移動しているように感じるんですけれども、そのことは間違いないでしょうか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど遠藤オリパラ大臣からも御答弁がありましたように、まず国による負担が基本であるということで、国の負担の二分の一を東京都にお願いする、そしてまた、スポーツ振興くじの目的を損なわない範囲でスポーツ振興くじからも負担をしていただくということで、おおむね国の半分程度ということで、結果的に二対一対一になっている、こういうことで御理解いただければと存じます。

伊東(信)委員 わかりました。私の指摘が正しいということで理解しましたので。そのことがよくないと言っているわけじゃないということを御理解いただきたいんですけれども。

 それに伴って、地方公共団体、スポーツ団体を、収益の三分の二を四分の三にして、国庫納付を収益の三分の一から四分の一にする。そうなる財源を埋めるために、今度は運営費、二十億円を捻出して、それぞれ地方公共団体、スポーツ団体十五億円、国庫納付に五億円をかぶせて、その減少分を補っている、この解釈も正しいでしょうか。

    〔木原(稔)委員長代理退席、委員長着席〕

高橋政府参考人 委員御指摘のとおりでございます。

 今回、特定金額を五%から一〇%に引き上げることによりまして、地方公共団体やスポーツ団体に対する助成金に影響を及ぼすことがないように、あわせて国庫納付金の割合を三分の一から四分の一に引き下げる、また、運営に係る経費について二十億程度の削減を行う、こういった措置を講じたものでございます。

伊東(信)委員 東京オリンピックに向けて新たに新国立競技場を建てる、そのための財源をどうするか。やはり日本の財源というのは非常に厳しいものだというのは与野党を超えて認識をしているところだと思います。そのためにスポーツ振興くじに、JSCに頼っている。このことは事実なわけですから、今回のスキームなりこの法案に関して国民の皆さんにわかりにくいところがあると思うので、本当に、私は幸いにして、ワールドカップでしたけれども、南アフリカ戦をブライトンの競技場で見せていただきまして、これがやはりスポーツによる国おこしかというところを見せていただいたので、いいことなんですから、しっかりと広報をしていただきたいわけなんですね。

 この思いをわかっていただきたいのと、先ほどの午前中の大臣の御答弁にあったように、その運営費の中から二十億円を減らす。そうなると、話が僕の冒頭に戻るんですけれども、私のレーザー治療というのは自費診療なんですよ。自費診療なので広告宣伝費というのが非常にかかっていまして、経費を減らそうと思ったら広告宣伝費を減らすというのも一つの手法なんですけれども、そうすると売り上げが下がる、このジレンマに陥っているわけなんです。

 totoの売り上げを見てみますと、やはりBIGが登場してからの売り上げの伸びというのは目覚ましいものがあったと思います。平成十八年度末、十九年度からBIGが導入されて売り上げも収益も上がっておるんですけれども、スポーツ振興くじを進めていくための、売り上げ、財源を確保するためのスキームとして、今度は逆に広告宣伝費を下げたことによる売り上げの減少というのを危惧しているわけなんですけれども、そのあたりのしっかりとした議論はされているのでしょうか。

馳国務大臣 まず基本的に、売り上げを維持していかなければ、財源についてもとらぬタヌキの皮算用になってしまうという、その自覚を我々は持たなければいけないと思っています。同時に、苦しい選択ではありましたが、やはり維持運営経費を少々削りながらでもしっかりとした財源を建設財源として充てていかなければいけない、こういう認識でおります。

 したがって、まず、売り上げを伸ばすように現状を維持していくような取り組みは、それはそれとしてしなければいけませんし、委員御指摘のように、広報経費といったものについても限られた予算の中で効率よくしていきたいと思っています。

 これまでもコマーシャルなどで、結構、やはり大変知名度のある方にも参加いただいておりますが、これからはそういったことも言っておられませんので、あらゆる手段を講じてでも制度の趣旨を理解いただき、国民にあまねくこれを買っていただき、toto制度といったものを楽しんでいただき、そして、この売り上げの中からスポーツ団体への助成や施設整備に使われているという趣旨を説明していかなければいけないと考えております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 日本のため、国民の皆さんのために、ぜひとも馳大臣、遠藤大臣、きちっとしたスキームに関して、totoに関して、堂々と広報していただくように望む次第です。この二十億円の減少をお二人で埋めるような活動をお願いいたします。

 ラグビーの話をさせていただいたわけなんですけれども、オリパラ中というのは新国立競技場、具体的にどのような競技まで利用できる設定で建設が予定されているのでしょうか。今の計画状況を教えてください。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 新国立競技場は、二〇二〇年東京大会の競技会場として、オリンピックでは陸上競技とサッカー、パラリンピックでは陸上競技が実施される予定であると承知をしております。このことを踏まえ、新国立競技場の整備事業においては、陸上競技、サッカーのほか、サッカーとほぼ同じフィールドで行われるラグビーについて、それぞれの国際連盟が作成した基準を満たすことを要件としております。

 また、関係閣僚会議が決定した整備計画においては、大会後は周辺地域の整備と調和のとれた民間事業への移行を図るとされたことを踏まえ、大会後の国立競技場の運営管理について、現在、冨岡副大臣を座長とするワーキングチームにおいて、スポーツ等における利活用のあり方の検討を進めているところでございます。

 いずれにいたしましても、新国立競技場が大会のレガシーとして多くの人から活用され、親しまれるよう、スポーツ団体等とも連携しながら、今後の利活用のあり方についてしっかりと検討してまいりたいと考えております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 陸上とサッカーというお答えをいただいたわけなんですけれども、ちらっとラグビーとおっしゃったような気がしたんですけれども、オリンピックの場合、七人制ラグビーになります。私は七人制も十五人制もどちらもやったことがあるので、知っていながらあえて聞くんですけれども、十五人制のラグビーに対応できるようにするのか、七人制ラグビーに対応できるようにするのか。そのことも踏まえて、ラグビーの競技も新国立競技場で行うという今計画になっているのでしょうか。

高橋政府参考人 失礼いたします。

 まず、もう一度繰り返しますが、東京大会の競技会場として、オリンピックでは陸上競技とサッカーでございます。

 ただ、整備事業においては、陸上競技、サッカーのほか、ラグビーの国際基準も勘案しながら整備計画を進めている、こういうことでございます。

伊東(信)委員 済みません、意地悪をするつもりはないんですけれども。

 実は、近くにある秩父宮競技場は、一九六四年、昭和三十九年の東京オリンピックにおきましてはサッカーの競技が行われているんですね。

 つまり、ラグビー競技場というのはサッカー競技場として使えるんですけれども、サッカー競技場というのは、午前中の長島議員の質疑にちょっと関連するんですけれども、ゴールがあって、後ろには何もないわけですね。ですので、Jリーグしかり、ヨーロッパのプロサッカーリーグでもしかりなんですけれども、かなり近くまで観客が来られるようにしているんです。ラグビーの競技というのは、インゴールといいまして、後ろにも芝生がなければいけないので、ラグビー競技場でサッカーはできますけれども、サッカー競技場ではラグビーはやりづらいんですよね、工夫をすればできますけれども。

 つまりは、何が言いたいかといいますと、予算をかけて整備計画しているので、そういった計画性を持ってやっているのか否か。そうしないと、また後から余分な費用がかかるんですけれども。

 ラグビーをするのかどうかお聞きしても同じようなお答えになるのでそれはおきまして、大会後に、陸上に関して言いますと、国際大会の開催基準を満たさなくなるというようなお話も聞いたんですけれども、せっかくの新国立競技場がなぜそのような国際大会の開催基準を満たさなくなったのか、その整備計画について御説明いただきたいんです。

馳国務大臣 まず、関係閣僚会議が決定した整備計画においては、大会後は周辺地域の整備と調和のとれた民間事業への移行を図るとされたことを踏まえ、大会後の新国立競技場の運営管理について、現在、冨岡副大臣を座長とするワーキングチームにおいて、スポーツ等における利活用のあり方等の検討を進めているところであります。

 そこで、今御指摘のことでありますが、陸上競技に関して申し上げれば、サブトラックがないと国際競技大会を開催することができず、ましてやインターハイすらも開催することができません。このサブトラックは、オリンピック後は一旦撤去することになっておりまして、その後どうするかについては関係者においていまだ協議中ということでありますので、そこで、関係団体から、特に陸上競技の団体からも、オリンピック後も活用することができるようにというふうな、こういう要望が継続してある、こういう実情であります。このことについては、引き続き協議を関係者の方とさせていただきたいと思います。

伊東(信)委員 単純に政府にお聞きしたいんですけれども、サブトラックを取らなくてはいけない何か理由というのはあるのでしょうか。そのまま置いておくことに何か問題があるのでしょうか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 例えば、世界陸上のような国際大会ですと、競技本体については一種公認のトラック、そしてサブトラックとして三種公認といったものが規定されておりますので、サブトラックがないとそういった規格に外れますので、国際大会が開けない。これは、国体とか国内の大きな大会についても同様のような規定がございます。

伊東(信)委員 わかりました。

 整備計画に関しては大体姿が見えてきたんですけれども、この分担対象経費には今回含まれていないその他の経費として、日本スポーツ振興センターが負担する埋蔵文化財の調査費とか、日本青年館、JSC本部などの移転経費など、また、東京都が負担する経費として、道路上空の連結デッキや東京体育館デッキ接続及び現在の都営住宅公園整備の費用等あるんですけれども、新国立競技場整備計画全体として見ると、これの総額、どれぐらい膨らむ金額なのか教えていただけますでしょうか。

遠藤国務大臣 新国立競技場を一千五百五十億円の範囲内で建設いたしますが、その後、大会を運営するに当たって必要なものが、オーバーレイ等、またこれから出てまいりますので、今後、IOCあるいは組織委員会の中で協議をし、どの程度のものが必要かということで、これから数字が確定されるものと思っております。

 ただ、例えば、先ほど言いました千五百八十一億円、当初の設計監理等を含めて、そのほかに上下水道工事およそ二十七億円、埋蔵文化調査費十四億円等々も計画をされているところであります。

伊東(信)委員 そういった費用のこともきちっと調べていただいて、もうできるだけ早く国民の理解を得るように広報していくと。

 その上で、やはり国会という場は、こういったところをチェックするのに必要な機関であると改めて認識するわけなんですけれども、その周りの環境整備というところで、昨日なんですけれども、関東圏においては、東京ドームにおきまして阪神・巨人戦がありまして、私は大阪ですので、阪神タイガースが勝ったわけなんですけれども、神宮球場では野球は行われなかったんですけれども、この神宮球場に、JOCがオリパラ期間中の神宮球場の使用中止を求めたというニュースが報道でございました。野球のファンの方にはなかなか複雑な心境とありますけれども、同じように、ラグビーに関しまして、近くにある秩父宮ラグビー場というのはどうなるんでしょうか。

 大会前後に、この秩父宮ラグビー場というのは、駐車場になるだの、取り壊して広いスペースになるだの、いろいろな話も出ているんですけれども、この秩父宮ラグビー場の具体的な活用計画というのを教えてもらえますでしょうか。

馳国務大臣 二〇二〇年東京大会時においては、秩父宮ラグビー場の敷地はオリンピック・ホスピタリティー・サイトとする計画とされておりますが、大会組織委員会によれば、敷地の具体的な使用期間や使用方法は現時点で未定であり、今後、関係者間で協議を行うこととしていると聞いております。

 一方、東京都が平成二十五年六月に決定した神宮外苑地区の都市計画においては、秩父宮ラグビー場の敷地を含む区域は再開発等促進区を定める範囲とされ、東京都と秩父宮ラグビー場を所有するJSC等の関係地権者との間に、神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書を締結して、スポーツクラスターと魅力ある複合市街地を実現することを目標に、再整備に向けた協議を進めていると承知しております。

 二〇二〇年東京大会後の秩父宮ラグビー場の整備のあり方については、現時点において具体的な内容は承知しておりませんが、今後、明治神宮外苑地区の再整備に向けた協議の状況や関係者の意向を踏まえつつ、適切に対応してまいりたいと思います。

伊東(信)委員 同時に、開催地にはなっていないんですけれども、二〇一九年にはラグビーのワールドカップが日本においても行われます。こんなことを言ってはなんですけれども、新国立競技場が間に合えば、秩父宮はその間閉めても仕方がないかなと思っていたんですけれども、今となっては、どっちも使えないとなると、やはり関東圏のラグビープレーヤーにとっては大変困ると思います。

 二〇一九年の十一月に新国立競技場が完成する。それも、一、二カ月、年をまたいで二〇二〇年の初頭になるところが、十一月に完成予定ということなんですけれども、改めてお聞きします。この計画に変更が生じる可能性はどうでしょうか、もっと早くなって、ラグビーワールドカップには間に合いませんでしょうか。

遠藤国務大臣 委員と同じように私もラグビーをやっておりましたので、気持ちとしては、もう少し早く完成できればありがたいとは思っております。

 が、これは、公募して、そして入札をいただいた共同企業体の皆さん方が、最大の知恵と技術力を発揮して二〇一九年の十一月三十日までに完成させるということですから、日本の技術は大変すばらしいものがありますが、何カ月か前倒しをしてラグビーに間に合わせるというのは、なかなか、残念ながら難しいのではないかと思っております。

伊東(信)委員 超党派のラグビーワールドカップ成功議連の事務局次長としては、まことに残念だと思いますし、遠藤大臣も馳大臣も役員をしていただいていますので、同じような残念な気持ちだと思いまして、ただ、一縷の望みはまだ私は捨て切れないんですけれども。

 その際、それよりおくれることになってはやはり問題があると思います。燃料費の高騰が続く、資材調達などの費用が予定よりも高額になるおそれもある。物価変動もありますし、そして何よりも、我が党が申し上げています消費税の問題がございます。

 改めて申し上げますけれども、我々は、消費税の増税自体には反対じゃありません。社会保障の充実というのは非常に大事なものだと思いますし、少子高齢化を迎えるに当たって必要不可欠になるであろうと思ってはおるんですけれども、やはり今の経済的状況を考えると、一〇%というのは今回見送りだと思うんです。

 おおさか維新の会は従来より消費税増税の延期を求めておりますけれども、ここは文部科学委員会ですけれども、新国立競技場のために、オリパラのために、消費税の増税はやはり延期が必要だと思うんですけれども、どのように捉えておられるでしょうか。

馳国務大臣 定められた財源スキームにおいてしっかりと財源を確保していく必要があると考えております。

 消費税の問題については、政府として既にお示しをしているとおりであります。

伊東(信)委員 時間となりました。ありがとうございました。

谷川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時十五分散会


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