衆議院

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第9号 平成25年4月19日(金曜日)

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平成二十五年四月十九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 松本  純君

   理事 上川 陽子君 理事 高鳥 修一君

   理事 棚橋 泰文君 理事 冨岡  勉君

   理事 山井 和則君 理事 上野ひろし君

   理事 古屋 範子君

      青山 周平君    赤枝 恒雄君

      秋元  司君    石川 昭政君

      今枝宗一郎君    小倉 將信君

      越智 隆雄君    大久保三代君

      大串 正樹君    金子 恵美君

      小松  裕君    古賀  篤君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      末吉 光徳君    田中 英之君

      田畑 裕明君    高橋ひなこ君

      辻  清人君  とかしきなおみ君

      豊田真由子君    中川 俊直君

      永岡 桂子君    永山 文雄君

      丹羽 雄哉君    堀内 詔子君

      牧島かれん君    三ッ林裕巳君

      村井 英樹君    山下 貴司君

      山田 美樹君    渡辺 孝一君

      大西 健介君    中根 康浩君

      柚木 道義君    横路 孝弘君

      足立 康史君    伊東 信久君

      新原 秀人君    西田  譲君

      宮沢 隆仁君    伊佐 進一君

      國重  徹君    輿水 恵一君

      柏倉 祐司君    中島 克仁君

      高橋千鶴子君    阿部 知子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   厚生労働副大臣      秋葉 賢也君

   厚生労働大臣政務官  とかしきなおみ君

   厚生労働大臣政務官    丸川 珠代君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       高倉 信行君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            中野 雅之君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長)  宮川  晃君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  木倉 敬之君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     日原 洋文君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十九日

 辞任         補欠選任

  大串 正樹君     越智 隆雄君

  白須賀貴樹君     秋元  司君

  田中 英之君     石川 昭政君

  田畑 裕明君     末吉 光徳君

  高橋ひなこ君     青山 周平君

  船橋 利実君     渡辺 孝一君

  村井 英樹君     小倉 將信君

  足立 康史君     西田  譲君

  伊佐 進一君     國重  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     永岡 桂子君

  秋元  司君     白須賀貴樹君

  石川 昭政君     山田 美樹君

  小倉 將信君     村井 英樹君

  越智 隆雄君     大串 正樹君

  末吉 光徳君     田畑 裕明君

  渡辺 孝一君     牧島かれん君

  西田  譲君     足立 康史君

  國重  徹君     伊佐 進一君

同日

 辞任         補欠選任

  永岡 桂子君     高橋ひなこ君

  牧島かれん君     辻  清人君

  山田 美樹君     田中 英之君

同日

 辞任         補欠選任

  辻  清人君     船橋 利実君

    ―――――――――――――

四月十一日

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(阿部寿一君紹介)(第三一六号)

 同(浅尾慶一郎君紹介)(第三一七号)

 同(井坂信彦君紹介)(第三一八号)

 同(上野ひろし君紹介)(第三一九号)

 同(大畠章宏君紹介)(第三二〇号)

 同(北川知克君紹介)(第三二一号)

 同(玄葉光一郎君紹介)(第三二二号)

 同(小林史明君紹介)(第三二三号)

 同(後藤斎君紹介)(第三二四号)

 同(後藤田正純君紹介)(第三二五号)

 同(河野太郎君紹介)(第三二六号)

 同(國場幸之助君紹介)(第三二七号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第三二八号)

 同(武井俊輔君紹介)(第三二九号)

 同(中川正春君紹介)(第三三〇号)

 同(福山守君紹介)(第三三一号)

 同(細田博之君紹介)(第三三二号)

 同(松野頼久君紹介)(第三三三号)

 同(宮澤博行君紹介)(第三三四号)

 同(井林辰憲君紹介)(第三四三号)

 同(石崎徹君紹介)(第三四四号)

 同(石田祝稔君紹介)(第三四五号)

 同(うえの賢一郎君紹介)(第三四六号)

 同(江田康幸君紹介)(第三四七号)

 同(小此木八郎君紹介)(第三四八号)

 同(奥野信亮君紹介)(第三四九号)

 同(小島敏文君紹介)(第三五〇号)

 同(田野瀬太道君紹介)(第三五一号)

 同(田畑裕明君紹介)(第三五二号)

 同(中川俊直君紹介)(第三五三号)

 同(西銘恒三郎君紹介)(第三五四号)

 同(額賀福志郎君紹介)(第三五五号)

 同(古川禎久君紹介)(第三五六号)

 同(三日月大造君紹介)(第三五七号)

 同(三木圭恵君紹介)(第三五八号)

 同(山口壯君紹介)(第三五九号)

 同(池田佳隆君紹介)(第三六六号)

 同(岩田和親君紹介)(第三六七号)

 同(岸本周平君紹介)(第三六八号)

 同(小林茂樹君紹介)(第三六九号)

 同(助田重義君紹介)(第三七〇号)

 同(鈴木淳司君紹介)(第三七一号)

 同(高木義明君紹介)(第三七二号)

 同(武部新君紹介)(第三七三号)

 同(船田元君紹介)(第三七四号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第三七五号)

 同(松原仁君紹介)(第三七六号)

 同(望月義夫君紹介)(第三七七号)

 同(山田賢司君紹介)(第三七八号)

 同(山本拓君紹介)(第三七九号)

 同(吉川赳君紹介)(第三八〇号)

 同(遠藤利明君紹介)(第三八六号)

 同(鬼木誠君紹介)(第三八七号)

 同(近藤洋介君紹介)(第三八八号)

 同(田嶋要君紹介)(第三八九号)

 同(高鳥修一君紹介)(第三九〇号)

 同(冨樫博之君紹介)(第三九一号)

 同(馳浩君紹介)(第三九二号)

 同(森山裕君紹介)(第三九三号)

 同(八木哲也君紹介)(第三九四号)

 同(横路孝弘君紹介)(第三九五号)

 同(吉川元君紹介)(第三九六号)

 同(今枝宗一郎君紹介)(第四〇四号)

 同(門博文君紹介)(第四〇五号)

 同(菅野さちこ君紹介)(第四〇六号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第四〇七号)

 同(熊田裕通君紹介)(第四〇八号)

 同(笹川博義君紹介)(第四〇九号)

 同(篠原孝君紹介)(第四一〇号)

 同(関芳弘君紹介)(第四一一号)

 同(田中良生君紹介)(第四一二号)

 同(玉城デニー君紹介)(第四一三号)

 同(渡海紀三朗君紹介)(第四一四号)

 同(長島昭久君紹介)(第四一五号)

 同(根本幸典君紹介)(第四一六号)

 同(葉梨康弘君紹介)(第四一七号)

 同(濱村進君紹介)(第四一八号)

 同(松島みどり君紹介)(第四一九号)

 同(笠浩史君紹介)(第四二〇号)

 同(穴見陽一君紹介)(第四二四号)

 同(井坂信彦君紹介)(第四二五号)

 同(泉健太君紹介)(第四二六号)

 同(岩屋毅君紹介)(第四二七号)

 同(神田憲次君紹介)(第四二八号)

 同(菅家一郎君紹介)(第四二九号)

 同(塩崎恭久君紹介)(第四三〇号)

 同(田所嘉徳君紹介)(第四三一号)

 同(武正公一君紹介)(第四三二号)

 同(西岡新君紹介)(第四三三号)

 同(原口一博君紹介)(第四三四号)

 同(藤井孝男君紹介)(第四三五号)

 同(武藤容治君紹介)(第四三六号)

 同(保岡興治君紹介)(第四三七号)

 同(阿部知子君紹介)(第四四二号)

 同(工藤彰三君紹介)(第四四三号)

 同(小林鷹之君紹介)(第四四四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四四五号)

 同(佐々木紀君紹介)(第四四六号)

 同(武井俊輔君紹介)(第四四七号)

 同(牧島かれん君紹介)(第四四八号)

 同(小川淳也君紹介)(第四五〇号)

 同(岡田克也君紹介)(第四五一号)

 同(坂元大輔君紹介)(第四五二号)

 同(中野洋昌君紹介)(第四五三号)

 同(中丸啓君紹介)(第四五四号)

 同(森英介君紹介)(第四五五号)

 同(伊藤信太郎君紹介)(第四五八号)

 同(伊藤渉君紹介)(第四五九号)

 同(木原稔君紹介)(第四六〇号)

 同(鈴木望君紹介)(第四六一号)

 同(土井亨君紹介)(第四六二号)

 同(長坂康正君紹介)(第四六三号)

 同(船橋利実君紹介)(第四六四号)

 同(御法川信英君紹介)(第四六五号)

 安全・安心の医療・介護実現のための夜勤改善・大幅増員に関する請願(井出庸生君紹介)(第三三五号)

 同(吉川元君紹介)(第三六四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三八三号)

 パーキンソン病患者・家族の視点に立った療養生活と質的向上に関する請願(井出庸生君紹介)(第三三六号)

 同(岸本周平君紹介)(第三六五号)

 同(高鳥修一君紹介)(第三八四号)

 同(橋本岳君紹介)(第四〇三号)

 同(棚橋泰文君紹介)(第四二三号)

 安心の年金制度を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三四〇号)

 一部報道や財政的な都合のみを前提とした生活保護の安易・拙速な改悪を絶対に許さないことに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三四一号)

 建設従事者の就労確保と賃金・労働条件の向上、生活改善に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三四二号)

 保育・子育て支援制度の実現に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第三八五号)

 全てのB型・C型肝炎患者の救済に関する請願(高木義明君紹介)(第三九八号)

 同(玉城デニー君紹介)(第三九九号)

 同(原口一博君紹介)(第四〇〇号)

 同(宮路和明君紹介)(第四〇一号)

 同(保岡興治君紹介)(第四三八号)

 全国一律最賃・時給千円以上の実現に関する請願(玉城デニー君紹介)(第四〇二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四三九号)

 同(桜井宏君紹介)(第四五六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)


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     ――――◇―――――

松本委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房年金管理審議官高倉信行君、労働基準局長中野雅之君、職業安定局派遣・有期労働対策部長宮川晃君、保険局長木倉敬之君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官日原洋文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。足立康史君。

足立委員 おはようございます。

 きょうも尊敬する田村大臣初め厚生労働省の皆様方と、きょうは一時間二十分いただいていまして、この後は、原子力特委にも私所属していまして、またそこで質疑しますが、きょうは午前中で二時間やらせていただくということで、本当にありがとうございます。

 早速でございますが、きょうは健康保険法等改正案の審議ということで、協会けんぽのあり方について討論をさせていただきます。

 私、きょう申し上げる最大の柱は、社会保障改革、特に医療制度改革については先延ばしが過ぎる、また、その先延ばしに当たっては、苦しい保険財政を補填するために、どうしても公費の投入がふえている。

 今、社会保障制度改革推進法、そして国民会議、八月までに政府・与党がさまざまな論点について御審議をされているということでございますが、私は、虚心坦懐に今の国民会議の検討状況を見て、これは、言葉が悪いですけれども、期待はできないなと大変残念な思いで見ております。

 今、国民会議でさまざまなヒアリングを繰り返されておりますけれども、言えばヒアリングをするにとどまっておって、具体的な論点について、民自公、自公民で議論が煮詰まってきている感は全くない。参院選を前に、社会保障については先延ばし感が非常に強まっております。

 今、私、原子力特委と申し上げましたが、私が今力を入れているテーマは社会保障と原子力、この二つのテーマが、実は、政府・与党ができれば先送りをしていきたい二大テーマだと思っております。

 きょうは、この後、原子力特委でも東京電力を追及してまいりたいと思いますが、その前に、きょうは一時間二十分、たっぷりとこの社会保障の政府・与党のスタンスについて討論をさせていただきます。

 まず最初に、社会保障制度改革推進法についてです。

 私、医療保険というのは、医療保険制度というからにはまさに保険だと。どうやってこの保険の性格を維持、まあ、もともと保険なわけですけれども、その保険が、公費がたくさん入ることによってその保険の性格が崩れてきている、こういう認識をしております。

 まず、そういう観点から、最初に、社会保障制度改革推進法、これを読むと、あくまでも社会保険制度を基本として、すなわち保険を基本としてやっていくんだ、これは公費でやる措置ではないんだ、保険なんだ、こういうことが書いてありますが、この趣旨をぜひ厚労大臣の方から端的に御説明いただきたいと思います。

 これは閣法ではございませんが、解釈権は、これは大臣におありだということで、お願いをいたします。

田村国務大臣 解釈権が私にあるかどうかというのはなかなか難しいところでありますが、当時、この法律に若干なりともかかわってきたものでございますから、私の思うところを御説明させていただきたいと思います。

 医療のみならず、いろいろな制度があるんですが、医療に関しましては、税でやっているところも世界の中にはございます。

 日本の国に関して申し上げれば、基本的に我が政党は、自助自立、自助、共助、公助、こういう考え方のもとに社会保障制度を考えてきておるわけでありまして、もちろん、まず、自分自身でしっかりと立っていただける方は立っていただく、御努力をいただく、これは大前提であります。

 ただ、そうはいっても、けが、傷病等々、また失業というものもございます。いろいろなものを考えたときに、人間は一人だけでは生きていけないものであります。家族だけでも生きていけない。そもそも自由民主党は、自助自立というのは個人という考え方よりかは家族というような、そういう考え方のもとに立っておるわけでありますけれども、しかし、家族だけでもなかなか世の中生きていけないわけでありまして、そうなったときに、やはりいろいろな方々とともに助け合いながらという部分が共助という考え方。

 さらにもう一歩進んで、仲間の助け合いだけでもなかなかこれは立てないなという場合も世の中にはあるわけでありまして、そういう場合には公助という、公がいろいろなお手伝いをしよう、こういう考え方のもとで社会保障制度というものも考えておるわけでありますが、特にこの共助、つまり、これは社会保険制度というものになじむものであろうというふうに思っておりまして、受益と負担というもの、このバランスをしっかりとった上で、この共助、社会保険というものを考えていかなきゃならぬということであります。

 そういう意味からいたしましたら、汗をかいた人が絶対損しないというような考え方のもとに、この社会保険制度において社会保障の中の中核的な部分というものを担っていく、もちろん公助の部分もあるわけでありますけれども、特に医療でありますとか介護でありますとか、あとは雇用保険なんかも、そういう考え方のもとに、社会保障の一翼を担っていくというような基本的なスタンスでございます。

足立委員 まさに今おっしゃられたように、自助、共助、公助、この考え方をきっちりと筋目を通しながら、この制度を構築し、また運用していくことが大変重要であると思っています。

 一方で、これは議論をし尽くせないところでございますが、私は、この日本の社会保障制度を見ますと、これは医療だけじゃない、年金もそうですが、皆保険ということが言われます。日本が皆医療保険、皆保険、そして年金についても皆年金を実現してきた、実はその過程で、もともと皆保険を実現する過程で相当な公助を入れてきた、公助なくして皆保険はなかった、こういう歴史はきっとあったんだろうなというふうに思います。

 しかしながら、今、この公費については、公助については、大変厳しい、まさに私がここで数字を並べ立てるまでもなく、日本は財政的に非常にこれから厳しい局面を、既に厳しいけれども、これから二十年、三十年、ますます厳しくなっていく中で、一体、公費をどこに投入するのか、公助をどこに絞っていくのか、これがまさに、これを絞り込んでいくことが政治の役割だと思っています。

 我々日本維新の会は、結党の時点からこの点を特に強調して、これから本当に、本当に助けてさしあげないといけない、そういう本当の弱い方々、本当の弱者を御支援していくためにも、そういう意味では、自立できる、本当は御自分でやっていけるような方については、ある程度、自助、こういう形も取り入れていきながら、本当に救うべき方が救われる社会をつくっていく、このためにはもう改革待ったなし、これが、日本維新の会、私どもの主張でございます。

 そこで、討論を進めるに当たって、医療保険制度において、税と保険料、この保険料と税がどういう割合で投入をされてきたのか、高齢化が進展し、また景気変動もある、こういう中で、公費の投入が、私は、若干場当たり的に行われてきているんじゃないかという問題意識を持っていますが、まず、この保険料と税の割合について御教示をお願いします。

木倉政府参考人 お答え申し上げます。

 国民医療費全体で見まして、この十年ぐらいの変化をちょっと御報告申し上げたいと思います。

 平成十二年、二〇〇〇年でございますけれども、この時点で、国民医療費全体の中で保険料の占める割合は五三・四%でございました。これが、十年後、平成二十二年度で見ますと、保険料の占める割合は四八・五%に若干低下をしております。

 一方で、税財源、公費で負担をしています割合は、平成十二年で三三・二%でございましたが、十年後の二十二年には三八・一%というふうに、やや増加をしておるというふうな状況になってございます。

足立委員 簡潔にお答えをいただきました。

 政府・与党のこれまでの考え方を延長していったら、私は、この税と保険料のバランスはさらに税の方に寄っていって、そして、いずれは、これはもう保険制度とは言えないようなものになっていく。これは、医療、年金。年金はまだ、私は、一定程度そういう公費の投入というものが筋目を立ててやっていける世界だと、これはまた別の機会に論じますが。一方で、医療については、私は、相当注意をしてこの保険制度を維持していく必要があると思っております。

 特に医療制度については、ここで私が紹介するまでもなく、後期高齢者医療制度をつくりました。後期高齢者医療制度については、自民党さん、民主党さん、公明党さん、さまざまな議論があって、特に民主党政権においては、この後期高齢者医療制度についてはもう一回やり直しだ、見直しだという議論もございました。

 私は、逆に、この後期高齢者医療制度というのは、まさに自公政権が精査をして、一生懸命考えて、知恵を尽くして、何とかまとめ上げた、物の言い方はいろいろ議論があったけれども、後期高齢者医療制度の考え方自体はそんなに悪くないと思っています。

 ただ、後期高齢者ということで、やはり七十五歳以上になると、私の親もそうですが、私の親もちょうど今、後期高齢者に入って生活をしておりますが、やはり、これはビデオを後で見ると悲しむかもしれませんが、衰えが見えます。私もそうです。誰しも、人間、年をとれば病気になるし、衰えてきます。そうした意味で、七十五を超えた段階で、やはり、大きなそういう後期高齢者医療保険制度という形で、ある種、公費についても手厚く、ある程度しっかりと措置をして、高齢者の方々をお支えしていくということが、私は重要だと思っています。

 そうした意味で、高齢者の方、そして現役世代、これを立て分けて保険制度を運用していくという考え方自体は、大変重要だと思っているんです。

 ところが、この後期高齢者の方をしっかりとお支えしていくというその制度の考え方を、まあ、おいておきましょう。すると、そこにはまた、国保という、公費をたくさん投入している保険の制度がございます。それをまた横に置いておくと、またそこに協会けんぽという、きょうのまさに法案の審議で討論をさせていただきますこの協会けんぽが出てきて、ここにまた公費が投入をされている。

 実は、先般の二十五年度予算案の審議で、日本維新の会とみんなの党が共同で六十年ぶりの予算の修正案を提出いたしました。少数で否決をされましたけれども、六十年ぶりに提出をした予算修正案、この予算修正案の柱の一つが、実はこの分野の話なんです。

 今、この協会けんぽには、一兆二千億の予算が投じられています。私は、後期高齢者の皆様方に公費を投入する、これは必要なことだ、国保についてもある程度必要なことである、こう思っていますが、被用者保険のこの世界については、後期高齢者医療制度をつくった今、やはりこの被用者保険の、要は七十五歳未満の部分については、これは保険で頑張りましょう。保険で頑張る。そして、保険で頑張った上で、どうしても保険料がふえていくところについては、まだまだ医療には無駄がある。医療の提供体制、保険者機能、こういうところをもっともっと強化をしていくためにも、この被用者保険についてはやはり公費は抑制していくべきである、こういう考え方を私ども維新の会は持っております。

 そこで、まずお聞きしたいのは、後期高齢者医療制度をつくったときに、後期高齢者、七十五歳を、いわゆる縦割りでなっていた保険制度を、高齢の方を切り出して、特に、特別にお支えをしていく、こういう制度をつくられたわけですよね。そうであれば、反対に、若い方については公費を抑制するという発想が、私は、当時、後期高齢者医療制度をつくった時点であったんじゃないのかなと。

 これは、当時、政府・与党の一員でもありませんでしたし、経産省におりましたのでわかりません。ぜひ、厚労省から、この後期高齢者医療制度の趣旨を踏まえたときにそういう考え方はなかったのか、ちょっと御教示をいただきたいと思います。

木倉政府参考人 お答えを申し上げます。

 医療保険制度全体の歴史的な経緯を見ますと、皆保険を達成しようという昭和三十年代にかけまして、やはり、財政基盤が不安定な制度については、きちんと基盤を安定化させた上で皆保険を達成しようということが見られております。そのために、昭和三十年前後以降に、所得格差、その所得の格差に着目をした補助というものを入れていって、その当時の政府管掌健康保険、今の協会けんぽでございますが、そこにやはり一定程度の補助を行うということがスタートしております。

 あるいは、地域保険であります国保につきまして、やはり、事業主がいらっしゃらない、それから低所得者が多いというようなこともありまして、国保についても公費を投入している、こういう歴史で皆保険が始まっております。

 高齢者がどんどんふえていく、今先生御指摘のような中で、老人保健制度をまず考え、それから、それを発展させた形で後期高齢者医療制度ということになってきておるわけでございますが、この間の考え方は、やはり、現役世代、これは比較的所得も高くありまして、医療費も余りかからないという世代でございますから、被用者保険の方に入っていらっしゃって、事業主とは折半で頑張っていらっしゃる。退職して所得も下がって、医療費がやはりかかってしまうという時代になりますと、国保の方に移られる方が多い。

 こういう構造的課題があるということで、今先生まさに御指摘のように、高齢者というものについて制度横断的に支えようということで、一定年齢の方を対象にした老人保健制度をつくり、これを、年齢も七十五歳以上にだんだん上げていって、その間で公費を確かに三割から五割に充当していって、それが後期高齢者医療制度、七十五歳以上、五割の公費を前提にということで、今に至っておるわけでございます。

 しかしながら、一方で、やはり後期高齢者医療制度を支えていただいている現役の各制度、被用者保険の健康保険組合、協会けんぽ、それから地域保険の国保のグループの方につきましても、その構造的な問題、所得格差が、やはり違うという問題と、それから、地域保険であって、事業主の方がいらっしゃらない、無業の方も多くて低所得者も多いということは、やはり変わっていない問題でございますので、この点については、その点に着目をした公費を今も入れておるわけでございます。

 これは当時の議論においても、この点の基盤強化というのは、やはり財政安定は必要だということはずっと維持されておったというふうに理解をしております。

足立委員 想定された御答弁ではあるんですが、タマネギに例えると、タマネギを外から見ると相当な公費が見えている、これを取ると保険が出てくるかなと思うとまた公費が出てくる、これをまた剥がしてもまだ公費が出てくるというのが今の医療保険制度なんですね。

 きょうは、質問通告という形で相当量を通告もさせていただいていますが、ぜひ大臣におかれましては、通告にかかわらず、もうそんなものは必要ないと思いますので……(発言する者あり)通告は必要ですが、今の局長の御答弁、若干言葉は悪いが、私も官僚でしたけれども、官僚答弁としてはそこまでだと思うんですね。

 ただ、大臣は政治家でいらっしゃるので、もう少し、保険制度という意味で、後期高齢者医療制度をつくった、本当にこれからもこの被用者保険のところに公費をつぎ込んでいくのかどうか、ちょっとこの辺の御判断、お考えをぜひお聞かせいただきたいと思います。

田村国務大臣 委員も、国保に公費を投入するのは一定程度仕方がないというようなお話が、今あったというふうに思います。

 特に、非常に景気が悪い中において、今まで被用者保険に入っておられた方々が国保に入っていく、当然その中には、収入というものが激減したりでありますとか、収入自体がないという場合もあるわけですね。そういうような、言うなれば非常に困った状況の中で国保に入られている方々の割合がふえてくる中においては、当然、何らかの形で、国全体でそれを支えていかなきゃならないということも御理解をいただいているんだろうと思います。

 一方で、高齢者医療制度のお話もいただきました。

 旧老人保健制度の問題点は幾つかあったんですが、言うなれば、それぞれの保険者がこの旧老人保健制度にいろいろな拠出をするんですが、その負担が明確じゃない、ルールが。こういう中において、もうちょっと明確化してほしいという中で、新たな制度をつくって負担割合を決めたわけですね、これは。そういう意味では、以前の旧老人保健制度よりかは後期高齢者医療制度、長寿医療保険制度、これは、拠出をする側の若い人たち、保険者の目から見れば、ある程度そこがはっきりとしたということで御評価をいただいたわけであります。

 しかし、先ほど来おっしゃっておられますとおり、高齢化というのは、確かにこれは社会全体の、ある意味、リスクという言い方をしていいのかどうかわかりませんが、負担をしなきゃいけない部分ですね。高齢者というものは医療費がどうしたってかかるわけでありますし、収入が少ない。保険制度自体、高齢者だけではつくれないわけでありますから。

 例えば、よく言われるんですが、七十五歳以上の方々の年間の医療費、これは八十八万円ぐらいかかってくる。それから、七十歳から七十四歳、この方々は大体平均五十五万ぐらい。若い方々は、二十から六十五歳未満の方々は、大体、今、年間、平均しますと十六・四万円ですから、そう考えると、加齢による医療のリスクというものは上がっていくわけでありますから、そこの部分は国全体でやはり負担をするというのが公費であります。

 公費というのは、企業の法人税も入ってまいりますし、それから、所得税ならば累進性が非常に高い。保険料ですと、確かに、収入が多ければその料率に掛けて出す保険料は高いわけでありますが、ただし、累進性はかかりませんから。そう考えると、所得税の方が累進性がかかります部分だけ、社会全体で支えるという意味では意味合いがあるんだというふうに思います。

 そういうようなことを考えますと、高齢者を支えるという意味では公費が入ってもいいと思う。今、大体五〇でありますが、もしかしたらこれがさらにふえてくる可能性もあるのかもわかりません。私も実はそういう認識を持っております。

 では、若人の保険はどうなのかというんですが、実はここに、例えば協会けんぽは、特にリーマン・ショック後、大きな影響がありました。だから、一三%というような国庫補助に一旦下げておったんですけれども、これを一六・四まで引き上げざるを得ないという状況が生まれてきた。これも、もともと本則が一六・四から二〇でありますから、それを暫定措置で一三に引き下げておったのはどうなんだという御議論はあるんですが。

 しかし、これは、後期高齢者医療保険制度、長寿医療保険制度をつくったときに、そういうもの自体を見直すべきであったのではないのかという御議論もあるんですが、一方で、いまだに拠出を、例えば、後期には支援金というような形で、それから前期の方々には納付金という形で出していただいているわけであります。

 そう考えると、これはやはり、かなりのお金を実は若人の保険者から高齢者の方に移しているんです。そこが厳しいものですから、なかなか耐えられないという状況が出てきておりまして、これは実は、協会けんぽだけじゃなくて、今、健保組合、組合健保の方でも同じような状況が出てきておりまして、赤字がふえてきておるという状況になってきておるわけであります。

 実は、そこまで含めて、この高齢者医療制度というものが全体の中で大きな意味合いが出てきておるという中で、所得が低い協会けんぽに対して、では、どうするんだというときに、やはりある程度の国庫補助というものを見ていかないと、協会けんぽ自体が立てないんじゃないかという状況の中で、今回の二年間延長というような形を法案として出させていただいてきておるということでございまして、御理解をいただければありがたいなということでございます。

足立委員 長寿医療制度というんでしたか、今は。後期高齢者医療制度を長寿医療制度。これは、まさに今おっしゃった、明確にするためにやったんですが、ところが、今まさに大臣がおっしゃったように、実は明確になっていないんですね。

 さまざまな支援金が投入をされている。また、その被用者保険、健保組合と共済と、そして協会けんぽが、どういうふうに高齢者をお支えしていくのかということについて、合意が事実上ないんだと思うんですね。それがまさに今般の法案の加入者割、総報酬割の議論になって、恐らくこれから八月の国民会議の取りまとめに向けて最大の論点の一つになっていくと思います。そのときに、各保険者の皆様方の国民会議における御説明を聞いていると、もう全くその合意がないですね。全く合意がない。

 長寿医療制度、後期高齢者医療制度をつくったその趣旨、私は大賛成なんです。ところが、それを、先輩方に申しわけないけれども、政府・与党、自公政権の問題は、唯一の問題は、まあ、唯一と言うと言い過ぎかな、先延ばし体質なんです。

 今、安倍政権、我々も是々非々ということで賛成している部分も多くあります。ただ、私がどうしてもこれはいかぬぞというのは、先送りなんです。難しい問題を先送りする。今、日本が直面している問題の中で二大難しいテーマというのは、私は、原子力と医療、社会保障だと思っているんです。これは絶対に先延ばししたらあきません。

 そういう意味で、この七十五歳に線を引いたんだから、今大臣おっしゃった明確にするということであれば、かつ、おっしゃったように被用者についても厳しい面がある、それだったら、なぜ七十五歳で線を引いたんですか。七十歳でもよかったですよね。六十五歳でもいいんですね。でも、七十五歳に引いたということは、先ほど申し上げたように、その七十五歳以上の方については、公費でしっかりとお支えをしていく部分がやはり多い。

 逆に言うと、今大臣がおっしゃったように、七十から七十四、五、あるいはその前、そのあたりも、前期高齢者についても医療費が多いのはわかります。わかりますけれども、それは被用者保険の中で、保険制度の中で頑張ろうじゃないか、こういうメッセージがこの七十五に線を引いた中に含まれているんじゃないのかというのが、先ほどの局長にお願いをした質問なんですが、この点、もう一言どうでしょうか。

田村国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、これは何で七十五にまず引いたかというのは、明確に七十四歳までと七十五以上で、年間の医療費、かかるものが違うんですね、平均が。七十五歳以上、八十八万五千円、これは平均でありますが、七十から七十四、五十五万円、六十五から六十九歳まで、三十九・六万円。これは、もちろん七十と七十以上とでも違うんですけれども、明らかに、八十五以上になると高齢者リスクから医療費はふえてくる。そこで、後期高齢者医療制度、長寿医療保険制度というのをつくりました。

 ただ、問題は、現役世代というのは、いろいろな見方があるんですけれども、六十、六十五、今、もう継続雇用がスタートしておりますから、六十五までと考えれば、そこまでとの区切りを考えても、これまた医療費が違う。二十から六十四歳までは十六・四万円ですよ。六十五から六十九はその倍以上ですから。

 すると、明確にここもお金がかかるんです。制度をつくったときには、実は、団塊の世代はまだ前期高齢者にもなっておりませんでした。もちろん、予測すべきだったと言われればそれまでだったのかもわかりませんが、この大きなところが、今、前期に入ってきています。この前期も、実はやはりみんなで助けなきゃいけない。

 そもそも、もともとの旧老人保健制度というのは六十五歳以上でありますから、そこの部分をどうするかと考えたときに、一番お金のかかる七十五歳以上、後期の部分と、六十五から七十四歳までの部分と、これとを明確に分けて、両方ともみんなで助け合おうとしたわけであります。前期の部分は保険者だけで助け合おう、後期の部分はここに公費を入れよう、こういうような考え方だったんですね。

 ところが、この前期はある程度何とかなるなというのが、いよいよ団塊世代からどっと入ってきて、これはすごいマスですから、固まりですから、そこで、こちらの方も大変になってきたなというのが、実は、保険者の悲痛な叫びと言うのがいいのかどうかわかりませんけれども、思ったよりも、制度設計を初めにしたときよりも大変じゃないかという流れの中で、それぞれの保険者が、今、苦しんでおられるというのが現状であります。

 でありますから、そういう意味からいたしますと、今、国民会議でもいろいろな御議論をいただいていますけれども、この高齢者医療保険制度、後期高齢者というのは、一つ、制度の中でこれはもう定着しておりますから、全体の枠組みを大幅に変えて全く新しい保険制度をつくろうというふうには思っておりませんが、ここも何らかの直しを入れていかなきゃいけないかもわかりません。

 先ほど言いましたように、さらに公費を投入するということも一つかもわかりません。前期に対しても何らかの対応をしなきゃいけないのかもわからない。これはトータルでどうするべきなのか、高齢者医療制度を。これを考える時期に来ておるわけでありまして、そこが、現実的には、若い人たちが入っている保険者を非常に今苦しめておる部分でもあるわけでありますから、その制度設計というものを、これから国民会議の中でもいろいろな御議論をいただいた上で、我々は考えていかなきゃいけない。

 もちろん、その中には協会けんぽというものも入ってくるわけでありまして、この協会けんぽは、では、どうするんだということも、当然その中の議論として入ってこようかというふうに思っております。

足立委員 まさに今大臣がいみじくもおっしゃったように、わかっていたことなんですね。後期高齢者医療制度をつくった時点から、この団塊の世代の方々が、前期高齢者として、また、いずれは後期高齢者として、大変大きな医療でお支えをしていく必要があるということは、もうわかっていたことですよね。それを指して、私は先送りと、僣越ながら申し上げているわけです。

 多分、きょうは厚労省の方も多く見えられていますが、私も霞が関におりましたのでよくわかります。役人はみんなわかっていたんです、役人はみんなわかっていた。でも、ずっと長らくこの自民党政権が続いてくる中で、政権交代の前ですよ、やはり政治が役所のある種の見識を抑え込んできたんです。そして、その場つなぎの、要は、本当のことを国民に言わずに、今、社会保障あるいは原子力についてもそうです。

 今、政権に最も求められていることは、本当のことをもう言いましょうと。できるだけ本当のこと、これからどうなっていくのかということをわかりやすく国民の皆様にお伝えすることが、私ども維新の会の最大の仕事だと私は思っていますが、それが必要だと思っています。

 そういう意味で、大臣が手を挙げていらっしゃるので、わかっていたんじゃないのかということについて、ぜひお願いします。

田村国務大臣 一点御理解をいただきたいのは、実はいろいろなシミュレーションを当時やりました。そのシミュレーションよりもかなり悪くなってきている部分があるのは、これも我々の責任なんですけれども、もっと所得が上がると思っていたんですね。まさかこんなに、もちろんリーマン・ショックもありました。しかし、その前から続くデフレ、これによる賃金の、要するに、上昇どころか下落みたいなもの、標準報酬月額を見るとよくわかるんですよ。この十数年間、逆に下がっているような状況があるんですね。

 これは、社会保険というものを考えたときに、本来、もうちょっと社会保険料収入が上がっていくはずだったんです。それを、我々自身、我々が政権を握っているときに、これは反省も踏まえて、もっと経済状況をよくして収入が上がっていれば、当初のシミュレーションと比べてここまで悪化することはなかったという部分もあるんだと思います。

 ですから、今、三本の矢を射込む中において、名目経済成長をプラスにする中で、それぞれの方々の収入がふえて、社会保険料全体もふえていくような形で、この皆保険というものを支えようと。そこにも、実は今回の景気回復をしなきゃならないという大きな大きな我々の使命があるわけでございまして、その点、我々も反省しなきゃいけない部分はあったということは御理解をいただきたいというふうに思います。

足立委員 まさに大臣が今おっしゃったことは、全く同感でございます。

 やはり、予想できなかったぐらいひどい経済状態が続いた。そういう意味で、またこれも先輩方がいらっしゃる中であれですが、やはり民主党政権の成長軽視、これは本当に日本にとって手痛い三年間になった、これはそう思います。

 そして、私ども日本維新の会やあるいはみんなの党が、ずっと声高に訴え続けてきたこの金融政策が、やっと実現をして、明るい兆しが出てきている。これも、また一方で、今、野党がいろいろ主張しているように、リスクもあります。アベノミクスというのはリスクもあります。リスクもあるが、政治が責任を持ってこの金融緩和をリードし、財政を投入し、そして構造改革をしていく、これが本当に今重要な局面だと思っています。また、これで一息をついていらっしゃる保険者の方も多くいらっしゃる、こう思います。

 その点は、まさに今大臣がおっしゃった点は九九%賛成です。

 ただ、一%、ぜひ申し上げておきたいことがあるんです。やはり将来推計が甘過ぎる。これは質問じゃないんです、私、自分で申し上げるだけです。

 例えば医療、介護については、二十三年の六月に長期推計をしています。これは二十三年の一月の内閣府の経済財政の中長期試算に基づいているんですが、この財政の政府の推計、これは、慎重シナリオでも、平成三十五年度以降も賃金上昇率名目二・五%となっているんですよ。慎重シナリオで賃金上昇率名目二・五%ですよ。また、年金については、平成二十一年財政検証で、名目賃金二・五%ですよ。

 要すれば、こういう非常に甘い見通しでさまざまな推計をして、それを国民の皆様にお示ししているのが、今、日本の政府・与党なんです。

 私は、もっとこの将来推計については慎重になって、その慎重ケースについて、この慎重シナリオが慎重じゃないんですよ。本当の慎重シナリオをつくって国民の皆様にお示しをしないと、これから一体、保険料が幾らまで上がっていくのか、税金が幾らまで上がっていくのかということをお示しするんです。

 でも、そこで大事なのは改革なんですね。特に医療については出口の改革。この出口の改革をしないと、保険料はこれだけ伸びます、税金はこれだけ増税になりますということを、やはり、田村大臣のときしかこれはできません。なかなか、このことがわかる政治家は少ないんですよ。大臣、ぜひお願いします。

田村国務大臣 何をお願いされているのか、よくわからないんですが。

 年金の議論は、また一度ゆっくりさせてください。年金というのは非常にうまくできている制度なので、あのシナリオ自体がそれほどむちゃなシナリオじゃないということは、また議論をさせていただきたいというふうに思います。

 今、いろいろな成長シナリオ、これは内閣府が出しているものだと思いますけれども、これが余りにも、慎重といいながら大胆なものじゃないかというようなお話でありましたが、我々反省しなきゃいけないのは、成長する方法論というものをちゃんと議論せずにこういうものを出してきたところは、やはり反省しなきゃいけなかったんだと思います。

 しかし、今回は、確かにリスクもあるという御意見もありますけれども、今までずっとやってきたやり方ではだめだったんですよね。何をやってもだめだった。つまり、成長戦略もいろいろやってきました、今まで。いろいろな内閣で、いろいろなものをつくって。しかし、実際、名目では成長はほとんどしていない。そうですよね。それから、財政再建もやりました。しかし、財政再建をやろうと思っても、結局は、何か一つ世界の経済状況のあおりを食らうと、さらにひどい状況になってくる。

 そう考えると、やはりこの金融緩和、これは私の所管じゃありませんから余り多く言うつもりもありませんけれども、新しい次元での政策をやらないことには、成長戦略すら名目経済成長につながっていかないということに我々は気づいたんですね。特に野党時代、それは一生懸命勉強をやってまいりました。その結果、我々は、今回のような政策をもってして、日本の経済というものをもう一度再興しようというステージに入ったわけであります。

 そういう意味からしますと、今回は、これから、多分六月ごろ出てくるんだと思うんですけれども、これは、今までみたいに空論を言っていたのではなくて、大きな手段をもってして、我々はこういうような新しい展望というものを出してくるわけでありますから、ここは現実性のある数字になってくるのではないか。以前と、どういう数字になるかわかりませんけれども、これは現実性のある数字を出してくるのではないのかなというふうに我々も思っております、内閣府に対して。また、安倍政権に対して我々も責任があります。

 でありますから、今回は、手段を持った中において、しっかりとした数字を持って、それにのっとった、これから国民会議で議論をいただきながら、いろいろな制度改正を行っていくわけでございますから、将来に向かって国民の皆様方に信頼をいただけるような、そんな制度設計をしてまいりたいというふうに思います。

足立委員 ありがとうございます。

 まさに御決意をおっしゃっていただいたわけですが、私、今大臣がおっしゃったことができれば、もう私どもが余り頑張らなくても日本は大丈夫かなというぐらい、本当にこの問題は大事なんです。

 私ども、もう一つテーマがあって、分権というテーマがあるからあれですが、実は私、個人的には、分権改革と社会保障制度改革、この二つについてもし政府・与党が本気になれば、今は、やっているふりです。本気になって、この分権改革と社会保障改革を本気でやれば、すばらしいです。私が政治を志した理由はなくなってしまう。それぐらい、今のこのアベノミクスについては、私どもも一定程度評価をしています。

 また、今、私が申し上げた、さまざまな社会保障に関する、国民の皆様にこの社会保障というものをどういうふうにお示しして改革をしていくのかについて、大臣が今おっしゃったように、本当に覚悟を決めて取り組んでくださるのであれば、これは本当に期待、期待と私が僣越ですけれども、国民から見て期待ができるんじゃないかなというふうに思います。

 きょうは保険と税ということで申し上げたので、最後にもう一点、この保険と税について大臣にお聞きをしておきたいのは、きょうは協会けんぽの話でございますが、これから八月に向けて、さっきの総報酬割とかいう議論も出てくるでしょう。いずれ、私、この医療については、もっと保険としての性格を強めていく中で、医療の出口改革もやっていく。

 こういう立場でいうと、例えば、保険というのはどういうことかというと、予期できない事故、予期できない病気に我々一人一人の生活者が直面したときに、それが、どうしようもない、お金がないということで治療を諦めないといけないようなことを絶対避ける。国民全員が、皆保険ですから、あらゆる、日本の国民であれば、病気になる、事故に遭う、必ずしっかりと十分な手当て、治療を受けることができる、ケアを受けることができる、これがやはり皆保険制度だと思うんです。

 ところが、全てを面倒見ていると、さっき申し上げたように、その本当に大事なところが面倒を見切れなくなっていくんです。では、これからどこに重点化していくかというと、私は、やはり大きなリスクだと思うんです。その大きな大きなリスク、要は、大事故に遭う、大きな病気にかかってしまう、そういう大きなリスクは、やはり個人では立ち向かえない。

 この大きなリスクに立ち向かうために、既に高額療養費制度がございますね。月々の負担が一定程度以下におさまるように、どれだけ大きな治療費がかかっても、患者の負担を抑える制度があります。私は、こうした高額療養費制度というのは、保険制度が保険制度であるために、とても大事な制度なんだと。しかし、そうした制度を維持していくためにも、要は低額の、例えば風邪を引きましたとか、ちょっと節々が痛いんです、ちょっとだるいんです、こういうものについては、もうある程度自己負担、患者負担を持ってもらう、こういうような枠組みが必要じゃないかなと思うんです。

 端的に言えば、そういう高額療養費制度のようなものを維持あるいは充実をしていくとともに、患者負担をある程度引き上げていくというようなことが、この国民会議における将来の議論において大変重要だ、こう思っていますが、ちょっと大臣の御見識をお願いします。

田村国務大臣 ここはいろいろと意見の分かれるところなんですけれども、例えば、風邪はもう自己負担にしろという話になれば、多分、皆さん、風邪の症状が出ても病院に行かれませんよね、基本的には。もう薬屋で薬を飲んで治そうかというので、薬局に行って、一般用医薬品を飲んで治しちゃおうというふうに努力する。しかし一方で、風邪というのは本当に、自己判断で素人が風邪の症状だと思って、それで病院に行かずに、生兵法じゃありませんけれども、それをやったときに、実はインフルエンザだった、重症化する、病院に行く、余計に医療費がかかるんですよ。こういうようなものがいっぱいある。

 逆に、今我々が申し上げているのは、一つは予防。しかし、予防だけですと、なかなか予防し切れない分がある。それならば、慢性疾患もそうなんですが、何か症状が出たときには、軽いと思ってもまず病院に行ってくださいと。初期症状でとめていただければ、重症化しないんですよね。ですから、そういう意味からすると、軽いからそれはもう自己負担という考え方が本当に医療費の削減につながるのか、ここはよく検証しないと非常に危ないなと私は思っております。

 でありますから、いろいろな御議論の中でそういう御議論もいただくんですけれども、そう単純に私は割り切れる議論ではないなというふうに認識をいたしております。

足立委員 責任ある立場で行政を率いていらっしゃるので、単純には割り切れない、これはまさにそのとおりだと思うんですが、やはり、政治であれば、一定程度の方向性に沿って、割り切るというよりは、仕切っていくというか、ある程度の筋目に沿って仕切っていかないと、いや、ここも大変、ここも大変、ここも大変、そして、本当に救われるべき人を救えない。これが、近い将来、日本の社会保障が直面する事態だと私は思っていますので、大臣、厚生労働省にも、そういう観点から、英断をぜひお願いしたいと思っています。

 そうした大改革をこれから、私ども、日本の社会保障はやっていかないといけないんですが、今、社会保障制度改革国民会議、私も、毎回ネットで、動画も見られます、資料も全部見られます。ぜひ、国民の皆様も、この社会保障制度国民会議の議論を見ていただきたいと思います。特に次回はおもしろいんじゃないかな、わかりませんが。

 でも、これまでの過去のものを一切見る必要はないですよ、何もやっていません。言い過ぎですね、大臣が首を振っていらっしゃいますが。ただ、今までの議論は、要は、それぞれの関係者の意見を聞きましたと。

 でも、大事なのは政治のリーダーシップなんです。政府・与党がどういう方向にこの議論を持っていくのか。私どもは国民会議派ではございませんので、入っていませんので、外からわあわあ言うだけですが、私は、今の、自公、政府・与党とそして民主党から成るこの国民会議の枠組みでは、絶対にこの改革はできない。それは、これまでの国民会議の議論を見ていたら、そう思わざるを得ないんですね。

 今、私が国民会議の悪口を言いましたけれども、国民会議では八月までどうしていくんだと。選挙が七月。そして、八月の二十何日ですか、この設置期限が来る。これはどうするんですか。ぜひ、ちょっと大臣、御説明をお願いします。

田村国務大臣 社会保障制度国民会議は、昨年の自公民の三党の協議の中から、法律をつくって、そして昨年十一月からスタートをいたしてきております。

 今言われました四月の十九日、二十二日、この二日間、第九回、第十回目でありますけれども、医療、介護を集中的に議論します。

 今までもいろいろなヒアリング等々してまいりましたし、また、委員の先生方からいろいろな御議論をいただいております。中身は、私は、それぞれの主張があられて、意味のある御議論をいただいておるように思っております。

 そういうものをいただきながら、八月の二十一日に向かって、八月の二十一日、これは設置の期限になっておりますから、内容をまとめてまいるわけでございまして、これから急速に、いろいろな御議論を、今までいただいたものを中心に中身をまとめていただいてくるというふうに思っております。

足立委員 今申し上げたように、ぜひ、まだごらんになっていない方は見てください。

 もちろん、国民の皆様に、各関係者の考え方をちゃんとこのテーブルにのせていく、これは大事だと思いますよ。でも、そんなものは十年前から一緒なんですよ。みんな言っていることは同じ、変わっていません。だから、もうよくわかっています。それぞれの関係者が何を考えているか、これはもうわかっています。

 むしろ、今問われているのは、政治サイドなんですよ。政治サイドが先延ばしをせず決めていくということが本当に大事なんですね。

 ぜひ大臣に引き続きお聞きをしたいのは、これは八月の二十一日ですかに設置期限が来る、それを受けて、医療、介護について、関係の法案、これを準備されるんでしょうか。

田村国務大臣 これは、法律の中で、法律的な対応をしなきゃいけないということになっておりますので、法律をいつ出すかというのは、これは当時の国会状況もございますから、そのときに法律をすぐ出すという話になるかどうかはわかりませんけれども、何らかの対応をしなきゃいけないということになっておりますから、そのようなものも準備をいたしてくるということになると思います。

足立委員 しかし、準備とおっしゃるんですけれども、消費税についても、これから御判断ももちろんありますが、予定どおり、恐らく、アベノミクスですから、それも全部踏まえてやっていらっしゃるわけですね。すると、来年の春には消費税が八パーに上がる。

 消費税を上げて、国民の皆様から税金をいただいておいて、改革はできません、こういうわけにいきませんよね。来年の通常国会に法案が出るかどうか、その点がやはり国民からすれば大事な問題で、お金を追加でお出ししました、そのお金がどういうふうに効果的に医療、介護の分野においても使われるのか、これも大変重要なテーマなんですね。

 ぜひ、来年の通常国会に向けて御決意をお願いします。

田村国務大臣 委員が何を指しておっしゃっておられるのかというのは、なかなか難しいところなんですけれども、国民会議でもいろいろな議論はいただいておりまして、それに向かって、実は厚生労働省も今までいろいろな行動といいますか、それぞれの検討会、審議会で議論をいただきながら、医療の改革等々も進めてきておりまして、実は並行して議論をいただいている部分もあるんです。

 例えば、医療提供体制をどうするんだという議論の中で、病院、病床の機能分化、それと機能強化、あわせて在宅医療との連携ですよね。

 一つは、日本の国の医療費はなぜ多いのか。多いのかといいましても、実は、GDP比で見れば、世界の中で決して多くないんですけれども、それだけ医療というのは非常に効率的にやってきていただいているという部分もあるんですよ。そういう認識はあるんですが、ただ、世界に比して見れば、ベッド数が多いというのは確かであります。医師の数は、OECD諸国の中でも、平均しても、日本は非常に低い。看護師の数は、それほど、見て少ないというわけではありませんが、ベッド数が多い分だけ、やはり床数当たりの看護師は少なくなってくるのでありましょう。

 そうなってきたときに、やはり在院日数、こういうものに関してどう減らしていくんだということも含めて、医療の提供体制をどう見ていくんだということを考えれば、例えば、高度の急性期、亜急性期、慢性期、そして在宅医療というものの連携をどうするんだということを適切にしていけば、これは医療費も適正化でき、一方で、患者の方々にしてみれば、適切な医療が受けられるわけでありますから、質を落とすものではありません。

 むしろ、上がるかもわからないという話でございますので、こういうことを今進めようという議論を実はさせていただいてきて、これを、次の医療計画には無理でありますけれども、その次に向かって、いや、その次に向かってというものも、なかなか期間が先になりますから、前倒しも考えていかなきゃならぬかもわかりません。そういうことも含めてやろうとしているんですね。

 それから、専門医制度というもの、これを大幅に見直そうということで、議論をいただいて、一定の方向性を出してきていただいております。

 チーム医療というもの、これも重要でございまして、今までかなり医師に負担がかかり過ぎていた、これをそれぞれの医療専門業種、職種の方々、こういう方々にいろいろなものを担っていただこうということで、議論をいただいて、これも前に進みつつある。こういうものも非常に大きな私は改革であろうというふうに思います。

 臨床研修制度、これも、言うなれば、前回変えた中において、医師不足等々、地域の偏在でありますとか、いろいろなことの問題が起こった。これも今見直しをさせていただいておるわけでありまして、そう考えますと、いろいろな改革を実はやってきているんです。

 でありますから、決して何もやっていないというわけではございませんでして、それを含めて、今度は、この医療保険制度の持続可能性、これをどうするんだということを考えた場合に、一定の消費税という財源は要るであろう、それをもとに、これから将来に向かってどのような形で持続可能性を見ていくか、こういうことも含めて、今般、この国民会議で御議論をいただいておるわけでございまして、この結果をもとに、いろいろな法制度、一つだけじゃないと思います。いろいろな法制度を変えていかなきゃならぬと思いますから、順次これを進めてまいりたいなというふうに思っております。

足立委員 私も役所にいましたので、どれだけのお仕事を厚生労働省が大臣のリーダーシップのもとでやっていらっしゃるか、よくわかっています。

 でも、やはり、場当たり的という言葉はちょっと変だな、要すれば、対症療法的というか、びほう策というか、この医療制度、今現在の医療の提供の、この医療サービスを何とか維持するために、さまざまな改革をやってきているんだけれども、私に言わせれば、それはやはり、びほう策なんですよ。

 本当の改革をこれから医療の提供体制についてもしていくためには、これまで、厚生労働委員会で、あるいは合同審査で大臣にも質問させていただいた、例えば会計の話とか、あるいは情報化。私は、さまざまな医療界の方と医療制度改革についてお話をしますが、いろいろよく見ていらっしゃる方の意見は一致していて、やはり情報化だ、情報化を進めないと、医療の出口改革はなかなか進まない、これが大体、大きな見方の一つです。

 日本維新の会は、よく政策を議論するときに、センターピンという言い方をします。センターピンというのは、ボウリングのときに、こう並んでいますね、ピンが。センターピンをたたけば、全てが倒れる、これがセンターピンなんです。医療制度改革のセンターピンは、私は、情報化だ、こういうふうに思って、先般来、さまざまな討論をさせていただいているわけでございます。

 そして、私ども維新の会が、先ほど冒頭申し上げたように、今回の予算の修正案を出させていただいた。今回、なぜ我々が、六十年ぶり、六十年ぶりに予算の修正案を出したんですね。これは何で六十年ぶりか、わかりますか。これは、予算の修正案というのは大変なんです。霞が関の巨大な官僚機構が予算というのはつくっているんです。これの修正案を一つの政治グループがつくるというのは大変なんですね。

 そこに、元財務官僚の桜内文城議員が、夜な夜な会計士を集めてつくったのが彼のシステムでして、これをたたいて、たたいてつくった修正案だったんです。そして、その修正案の柱が、交付税の話もあれば、年金の話もございますが、その柱の一つが、きょう実は資料でお配りをしているこの被用者保険の一元化なんです。

 資料、三枚ありますが、一枚目をぜひごらんください。これは、協会けんぽと健保組合、そして共済組合の三つについて、現行の保険料率が、一〇パー、八・三パー、九・一パー、こう書いてあります。これは、私が今申し上げるような問題意識で、厚生労働省の事務方に申し上げてつくっていただいた、厚生労働省の試算でございます。

 どういうふうに試算をしてもらったかというと、まず、きょう私が申し上げているように、この被用者保険から国庫は返上してもらう、一兆二千億。したがって、今回の日本維新の会の予算修正案は、一兆二千億をこの点で削減しております。そのお金をもっと必要なところに回す、こういう予算修正案になっているんですね。一兆二千億を返上した上で、協会けんぽと健保組合と共済組合を一元的に運用する、保険料率を平準化させると幾らになるかということをあらあらの計算をしてもらったのが、この九・七パーという数字なんです。

 中小企業の皆様、今、一兆二千億の国庫を投入することによって何とか一〇%を維持するし、また、今回の健保法改正案についても、この国庫補助や、あるいは総報酬割三分の一、そうしたことを延長するという法案なんですけれども、そんなものを延長しなくても、国庫を返上しても、一兆二千億円返上しても、中小企業の保険料率は一〇パーから九・七パーに減らすことさえできるというのが今なんですね。

 既にもう時遅しですが、私は、一刻も早く、こうした被用者保険の一元化あるいは一元的運用、これをやるべきだと思って、これが、実は、先般の日本維新の会、みんなの党の予算修正案の柱の一つの中身なんです。

 申し上げたいことは、あの予算修正案というのは、やっつけで、なめなめやったんじゃないんです。一つ一つの改革をこうして積み上げた、その積み上げの結果として、あの予算修正案があるということなんです。

 田村大臣、この改革について、今初めてこの中身はごらんいただくかもしれませんが、この医療保険制度改革、被用者保険制度改革について、大臣の御評価をぜひお聞かせください。

田村国務大臣 たしか自民党の公約の中に、協会けんぽと共済と、これを一緒にしたらどうだというようなものがあったというふうに記憶をいたしております。それもいろいろとこれから参考にさせていただかなきゃならぬなというふうに思います。

 一方で、組合健保と協会けんぽ等々被用者保険を一つにするという議論は、一つは、例えば、拠出金というものを払っているわけですよね、今、高齢者医療の方に。そういうものをしながら、またさらに一元化という話になれば、これはもう財政的に強制をされるわけですね。

 それぞれ成り立ちというものは、自主自立という形で、特に組合健保の場合は成り立ちがあるわけであります。それを強制的に協会けんぽと一緒にするということが、これは純粋民間ですから、純粋民間というものを一緒にするのが、果たしてできるのか、できないのか。それはやはり、民間で頑張っておられる方々の御議論も聞かなきゃいけないと私は思いますね。

 それと、やはりそれぞれ、保険料の徴収から料率の決定から、さらに申し上げれば、医療費の適正化まで保険者でやっていただいております。保健事業という健康を保つ事業もやっていただいておりまして、健診でありますとか、いろいろなものをやってきていただいておるわけでありますから、そういうものの評価もしなきゃいけないというふうに思います。

 いろいろな部分を勘案して、国が余り強制して一つにするというのはいかがなものなのかな。やはり、民間という立場をひとつ我々も理解しながら、しかし一方で、いろいろな意味で所得の違いというものもあるわけでございますから、総報酬割というものを、一部ではありますけれども、三分の一ではありますけれども、導入したというのが前回の見直しであって、今回これを二年間延長するわけですね。

 これから、この総報酬割をどうするかという議論もやっていかなきゃならぬというふうに思いますが、やはり、御理解をいただく中において、いろいろな意味での公平性というもの、負担の公平性というものも、これから進めていかなければならないのではないのかなというふうに思います。

足立委員 大臣がおっしゃることもわかるんですが、一方で、恐らく多くの方がそれはそうだよなと言っていただくのは、比較的所得の多い層が保険料率が低くて、給料が低い、苦しい中小企業が保険料率が高い。こういう状況は、医療というのは出口は一緒ですよね。出口、すなわち給付は一緒なんですよ、給付はみんな一緒。負担が違うんです。給付と負担の、この負担感の違いというか、不公平感がやはり私はすごくあると思うんですね。

 特に、中小企業と大企業の格差、あるいは官民格差。自民党さんも、今大臣おっしゃられたように、J―ファイル二〇一二というところで、「共済健康保険と協会けんぽの統合を進める」、これは書いていらっしゃいます。

 ただ、やはりこの期に及んで被用者保険の統合を進めるのであれば、健保組合も含めて統合を進めることによって、保険料率の平準化というか公平化を図って、給付と負担のバランスを、公平感をもっと高める。

 もう時間が、たくさんあると思っていたら、だんだんなくなってきましたので、ちょっと急ぎますが、通告したものでできないものがたくさん出てきました。局長さん方、申しわけありません。

 私は、中小企業と大企業、官民格差、これをなくすために、やはり被用者保険の一元化は絶対にやるべきだと思う。

 そのときに、反論がよく出てきます。今大臣もおっしゃられた、健保組合は努力してきたんだ、民間だと。

 でも、私はちょっと違うと思うんですよ。健保組合は努力されていると思います。でも、健保組合の給付が少ない、すなわち保険料率が低くて済んでいる理由は努力だけですか。私は、努力もある程度あるでしょうけれども、そもそも、そういう若い方であったり、要すれば選択をされているんですね、既にそのグループに入ることによって。保険者自体が一定の加入者を選択、すなわち、そうですよ、だって企業に採用するんだから、採用する時点で選択していますよね。そういうところで、やはり加入者を選択することによって、給付の差、そしてその結果としての低い保険料を維持する。

 私は、ちょっと言葉は悪いし、私も立場上余り健保組合のことを言いたくないんですが、立場上と、ごめんなさい、経産省でさまざまな企業の方ともおつき合いをしてきました。でも、このままいけば、これだけ働き方が多様化をしていく、働き方も多様になるし産業構造も変わっていく、その中で特定の企業グループだけが低い保険料率で医療を享受していくというのは、日本が直面しているこの厳しい経済社会の流れにおいて、僕は逃げ切りだと思っているんですよ、逃げ切り作戦。逃げ切ったらあきません、それは。

 私は、これからは、健保組合というのは、やはりある程度さまざまな地域の方も取り込みながらやっていかないといけない、そういう意味では、職域から、もうちょっと地域保険に性格を強めていく、医療保険をもっと地域保険の性格を強めていくことが必要だと思っています。

 ぜひ、この辺はゆっくりまた議論をさせていただきたいと思います。

 最後に、ちょっと法案と離れますけれども、ちょうど先般の厚生労働委員会が流れた日に、週刊誌を余り取り上げるつもりはないんですが、日本年金機構が十カ月間放置した内部告発、こういう記事が出ました。

 ここまでは、この記事に書いてある内容は、一切私は知らなかった。恐らく、世の中の人はほとんどこれを知らなかったと思いますよ。それが、この記事が出ると同時に、ばたばたばたっと分厚い資料がプレスに出てまいりました。

 この年金機構の放置した内部告発、これはちょっと経緯を簡単に御紹介ください。

田村国務大臣 もう時間もありませんので、この前の質問に関しましては、また今度ゆっくりと御議論をさせていただきたいと思います。

 今御指摘いただきましたのは、年金の時効特例法案というものを、これは議員立法で以前国会でお通しをいただいた、その法案の中身の運用が、実は年金機構の中で統一されていなかったという問題でございまして、昨年の十一月に業務監視委員会の方で、これは総務省でありますけれども、これを職員の方から指摘されたということであります。

 私も、大臣になって、その後、一月ごろにこの話を聞いたわけでございますが、調査委員会をつくって調査をしておるということでございます。その調査委員会、実は、業務監視委員会は総務省の第三者的な機関なんですけれども、ここの方から、言うなれば指導といいますか、どういう状況なのか、ちゃんと調査をした上で、今度は対処方法も含めて報告をしろというような、そういう御指示をいただいたということでございまして、一月から、一月、二月、三月と調査をした。

 すると、御指摘のとおり、事務手続上、スタンダードが二つあったといいますか、統一されていなかったということでございまして、その結果、ばらつきが出てきておりますので、これは受給者の方々に大変御迷惑をおかけする話でございますから、これに対してしっかりとした対応をさせていただいて、正しい方法にのっとって、もう一度手続といいますか計算をし直して、これに対しての対応をさせていただくということを、実は年金業務監視委員会の方に、四月十六日開催されるということでございますので、ここにお出しをさせていただいたということでございます。

 なお、なかなかこの情報が開示されなかったではないかという御指摘もあるわけでありますけれども、これはやはり第三者的な委員会の方に、こちらの方から一応指示をされて、報告とそれから対応方針をお示しさせていただいて、その結果、またいろいろと御指示をいただくものでありますから、それまではなかなか情報開示ができなかったということでございまして、これに関しては一定の御理解をいただきたいなというふうに思うような次第であります。

足立委員 この問題は政権交代を挟んで起こった問題でありますが、年金記録については、本当に国民の関心も大きいですね。

 私も、地元でそういう方は多いんです。要すれば、年金記録のことについて、役所に行って、自分はこうだと言っても、要ははねられた。おかしい、絶対に自分はもらえるはずなんだ、働いたんだ、そういう訴えがたくさんあります。今まではそれを泣き寝入りせざるを得なかった。

 ただ、このことは、年金の給付に係ることですから、一人一人の方の思いはやはりすごく深刻で、要すれば、窓口で認められなかったことで、やはりすごくつらいわけですね、本人は。その方々が私のところにも来られます。そして、何とかそれを回復したいということで、さまざまな窓口、役所に行って、それでクレームをつけるわけです。

 ある私の知り合いの方は、クレーマー呼ばわりですよ、クレーマー。私は大阪ですけれども、大阪の北摂、茨木、吹田、とかしき政務官の吹田ですけれども、吹田とかの窓口へ行くと有名、その人は。みんな知っているんです、クレーマーだから。でも、その人は許せないんですよ、その事態が。そういう方が日本じゅうに多分おられると思うんです。

 それで、先ほどあったように、これは、その機構の職員が具体的な事例を示して問題提起をしたのは二十四年の一月。それを年金機構が中でちゃんと取り合わなかったという問題は、これは民主党政権時代であるけれども、これはもう大変な問題。そして、十一月に、年金業務監視委員会委員長等に対して、その職員は、もう中で言っていても仕方ないということで、年金業務監視委員会にいって、そして初めて議論がなされることになった。そして、大臣の御指導もあって、一月に調査委員会を立ち上げて、今日に至る。

 ところが、この報告書、資料でもお配りしていますが、三月三十一日付で年金機構の理事長に上がっているんですね。これは何で即日発表しなかったんですか。

田村国務大臣 今も申し上げましたけれども、十六日に年金業務監視委員会をお開きいただくということで、そこに提出をさせていただいて、調査報告と対処方針、こういうものを御議論いただいて、さらにまた御指示をいただくということでございました。

 先ほども言いましたが、これは厚生労働省の機関ではございませんでして、総務省の中で第三者的な機関としておつくりをいただいております。そのような意味で、そこに御報告するまでは、申しわけなかったんですけれども、情報開示はなかなかするわけにはいかないという判断でございまして、その点、こちらの判断でございますけれども、御理解をいただければというふうに思います。

 なお、先ほど来の問題、これは、もともと発覚したのは我が政権下でございました。自民党政権のもとで発覚した問題でございます。その後、政権交代があって、また我々に政権が戻ってきた後にこのような対処になったわけであります。

 しかし、これはやはり、どの政権であろうと、年金機構がちゃんとした対応をしていなかったことに関しましては、厚生労働省の指導が至らなかったわけでございまして、これに関しましては、厚生労働省の最高責任者として、私、深く皆様方におわびを申し上げたいというふうに思います。申しわけありませんでした。

足立委員 大臣から本当に誠実な御答弁をいただいたと思います。

 ただ、これは体質の問題もあるんですね、やはり長年の。だから、機構については、本当にしっかりと田村大臣のリーダーシップできっちりと御指導いただいて、そして、国民の信頼に応えられる公的年金制度、これをぜひみんなでしっかりと支えていきたいと思います。

 私は、冒頭も申し上げましたように、この医療、介護、そして年金という社会保障制度をどういうふうに維持していくか、そして、今から十分後に原子力特委でまた質問を始めますが、原子力の問題、これは委員会と関係ありませんが、この二つは、日本が直面している、先延ばしをしてはいけない二大テーマなんです。

 田村大臣には、この社会保障改革、医療制度改革を大臣のリーダーシップでぜひ進めていただいて、この八月の国民会議の取りまとめ、そして来年の通常国会に向けて、ぜひ法制措置を含めて対応をいただきますようお願いして、私の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、新原秀人君。

新原委員 ありがとうございます。

 健保法改正の質問ということで、まず、一番最初にお聞きしたいといいますか、社会保障とはどういったことかということですね。

 ちょっとインターネット等で調べると、社会保障とは、個人的リスクである病気、けが、出産、障害、死亡、老化、失業などの生活上の問題点について、貧困を予防し、貧困者を救い、生活を安定させるために、国家または社会が所得移転によって所得を保障し、医療や介護などの社会サービスを給付することとなっております。医療制度というのは、まさにその社会保障制度の一つであります。

 そう考えたときに、今回いろいろ、被用者保険、それから国民健康保険等を調べていますと、もちろん、医療サービスを受けるときには、一応皆さん、いわゆる負担金というのは三割であったり一割であったりでも、受ける側は、払う額は決まっている。こういった面では、非常に平等な制度であります。

 その中で、医療サービスというものを一つの財と考えた場合に、同じ収入であっても掛金が違うんですよね。つまり、保険の掛金が違うんです。しかも、調べると、収入が低い方の方が掛金率が高いんですよ。同じ医療サービスを受けているわけですよね。

 つまり、医療サービスという財に対して、社会保障制度がちゃんと成り立っていないんじゃないか。その点、大臣はどう思われますか。

田村国務大臣 成り立っていないというのか、多分、それは、保険者が違うということのもとだというふうに思います。被用者保険、それから国民健康保険、いろいろありますけれども、それぞれ成り立ってきた歴史があるわけであります。

 例えば、健保組合は、それこそ民間という中で、自主自立でやってこられている部分がございます。御努力によって医療費を適正化できれば、その分だけ保険料の上昇等々を抑えられるというようなインセンティブが働きますから、いろいろな、保健事業でありますとか適正化事業等々をやってくるわけでありまして、それはそれで私は意味があることだと思います。

 もちろん、協会けんぽも協会けんぽでいろいろな御議論をいただいております。協会けんぽはかなり大きなものが一つになっておるわけでありますから、今は都道府県等々でいろいろと御努力はいただいておるわけでありますけれども、都道府県で若干なりとも料率を変えているというのは、そのような意味で、御努力をいただく中で、何とか医療費を適正化していただきたいという思いであります。

 それから、国保に関しては、またこれはちょっと別の、保険料に関しましては全く別の算出方法でございますから、これはまた国保という、最後の受け皿と言っては変でありますけれども、これがあるから国民皆保険制度が成り立っておるわけであります。

 アメリカがなぜできないかというと、やはり国保のようなものをつくれないという中において、今まで歴代の政権といいますか大統領がやろうと思いながらもやってこれなかったという部分、日本に対して非常に羨望のまなざしをお持ちいただいておる部分というのは、この国保でございますから。

 国保という、非常に制約された、所得がなかなか捕捉できない中において、このようないろいろな形での保険料の設定というものに御努力をいただいておるということでございますから、それぞれの成り立ちの中で保険料というものが違ってきておるというふうに認識をいたしております。

    〔委員長退席、上川委員長代理着席〕

新原委員 ありがとうございます。

 そういった中で、私が先ほど言いましたように、医療サービスという財、いわゆる受けるお金は一緒だけれども、掛金が違う。だから、これはまさに受益と負担を一緒にするという、これは維新の考え方の一つなんですけれども、そういった意味で、やはり将来的には一元化をしていく方向が国民にとって一番平等ではないかというのが我々の考え方なんですね。

 資料の二を見ていただきますと、保険料負担率というところを見てもらったら一番わかりやすいんですけれども、つまり、収入に対しての保険料負担率と加入者の所得平均を見ていただきますと、所得平均が多い共済組合、組合健保の方が、四・九、四・八と、言ってみれば低いところよりも安くなっている。

 先ほど申しましたように、社会保障は、国家または社会が所得移転によって所得を保障しということですよね。つまり、社会保障としては、このシステムは、結局、高収入の方が安く医療サービスという財を買えているわけです。

 だから、やはり将来的には、もちろん医療費全体を下げたりする御努力はされているし、それは全然、すばらしいことだと私は認めさせていただきますけれども、そういう同じサービスを受けようとしたときに掛金が違うということは、ここは不平等感が非常に出ているということです。

 だから、今回、健保法改正ということで、医療費が上がって足らないからいろいろな制度をつくって、健保法改正というのは本当に継ぎはぎだらけになっているんです。もうほんまに二年ごとや三年ごとの、足りないからこうしてと、今回のこともそうですね、二年間足して何とかもたせようと。

 そんなことよりも、私自身思うのは、一元化の方向に向けて、保険の掛金は何%ぐらいだとある程度決めてやっていかなければ、医療費というのは毎年二、三%ずつ上がるわけなんです、今上がっているわけなんですよね、全体的に。ということは、普通に考えれば、そのまま公費をふやさなければ、二、三%ずつ掛金は絶対上がっていくんですよ。それならどこまで上がるんですかということですよね。

 もちろん、保険者、会社の方も、被保険者のサラリーマンの方も、それだけ掛金がどんどん上がっていったって、それはもたないわけです。だから、今、国民会議等でやっていますけれども、どれぐらいの掛金がベストなんだというところから始めなければ、何か本当にその場しのぎ、その場しのぎになっているんです。

 だから、社会全体で医療費負担はこれぐらいの割合だなというふうにまず決めてから、お金のやりくりをする方が、本来、言ってみれば将来的に非常に長期的に、いわゆる継ぎはぎだらけではなくて、その場しのぎではなくて、原因療法、先ほども言いましたけれども、医学的に言ったら対症療法で対応しているわけなので、やはり原因、医療保険についてはこれだけの掛金だという割合をある程度先に決めてしまう方が僕はいいと思うんですけれども、その点はどうですか。

秋葉副大臣 先ほど田村大臣の御答弁にもございましたとおり、それぞれの保険の制度にも歴史がございます。被用者保険を一元化して、委員御指摘のとおり保険料率を統一することにつきましては、乗り越えなきゃいけない課題もやはりございます。

 特に、現行の高齢者医療に対する拠出金に加えまして、ほかの保険者に対する財政支援を強制されるということを、これからこれをどう見直し、捉えていくのかという問題。あるいは、健保組合はこれまで、労使協調の枠組みの中で自主自立の運営を行ってまいりました。健保組合としての存在意義が低下をし、保険料率をみずから設定するということや、保険料の徴収あるいは保健事業の効率的な実施、医療費の適正化などの機能が弱まるのではないかといった課題もございます。

 被保険者や事業主など関係者の意見を聞きながら、慎重に検討していかなければならない課題であろうというふうに思っておりますが、問題意識としては、委員御指摘のことを私どもも十分認識しているつもりでございます。

新原委員 ありがとうございます。

 そうなんですよね、もちろん、自助努力でやってきて、健保組合の方も頑張っているところはいっぱい頑張っている、それはいいと思うんです。

 しかし、社会保障の基本に戻りますと、所得移転によって、それなら、そこだけ頑張っておったらそこだけ得してええんかということになるんですよ。私のところはここでお金をもらっていませんから、私のところでやりますよと。それなら、社会保障全体として考えたときに、私のところはやっていますからといって、結局、所得が多いところが自立してやること自体が、これは社会保障の考え方から外れているんじゃないですかね。

 もちろん、自助努力してそこだけやって、率を安くするのはいいですよ。それは正しい。しかし、社会保障という観点から見れば、例えばお金持ちが、私のところはサービスは要らないから、税金も払わないから自分のところでやりますよと言っておるのと一緒ですよね。

 社会保障という面から考えるとそういう一面があるということをやはり御理解いただいて、一元化、もちろん国民健康保険というのはまたちょっと難しいところがありますけれども、被用者保険というのは、やはり方向性としては一元化する方向の方が公平感があるのかなと思います。

 そういった中で、今いきなり、そんな、ひっつけることは、もちろん歴史もあるし、急にひっつけるなんて無理なんです。となったときに、加入者割と総報酬割ということの考え方になったときに、できるだけ、少なくとも、ちょっとでもそういう不公平感を是正する方法として、全報酬割ということがあるわけですよね。

 だから、まずそれを始めて、もちろん、それは健保組合等については、それはおかしい、我々が何で人の保険の負担を負うんだと。それは何でかといったら、社会保障は所得移転なんです。つまり、収入があって所得が多いところは負担が大きくなるのは当たり前なんですよね。

 だから、そこのところをもっと考えて、現在、今やれることですよ。これも対症療法にしかならないけれども、総報酬割ということを、私は、まずそこから始めることによって、いわゆる今回の公費の負担というのは総報酬割になったらほとんどなくなると思うんですけれども、その点、総報酬割になったときの負担等はどのように試算されているんですか。

秋葉副大臣 前回の改正でも、総報酬割を三分の一入れてきたところでございますけれども、今回の協会けんぽへの財政支援措置につきましては、御案内のとおり、補助率を一三%でやってきたものを一六・四%に引き上げを延長するということが一つあるわけでございますが、被用者保険者が負担する後期高齢者支援金の三分の一につきましては、負担能力に応じた負担とするなど、これまでと同様の措置を二十六年度まで二年間延長するものでございます。これによりまして、協会けんぽの財政基盤の当面の安定化を図ることができるというふうに考えております。

 一方、七十五歳以上の医療給付費の約四割を賄う現役世代からの支援金は、各保険者の加入者数で按分することとされておりますけれども、賃金の低い保険者の負担が重くなるという側面がございますので、総報酬割とすることにより、より公平な負担になるという考え方、御指摘のとおりの御意見がございます。

 これにつきましては、社会保障審議会の医療保険部会においても御議論いただいておりまして、将来的には、やはり委員御指摘のとおり、全面総報酬割に移行すべきだという意見が多かったというのは事実でございますが、その一方で、総報酬割は被用者保険者間の負担のつけかえでしかなくて、納得できない、あるいは、総報酬割の考え方自体は理解するけれども、高齢者医療制度への公費拡充等の改革とセットで議論をするということが大事だといった御意見もございます。

 いずれにいたしましても、今、国民会議でも、こういった点も含めて、先般、保険者からのヒアリングの際には私も同席をさせていただいたわけでございますが、御議論いただいているところでございまして、医療保険制度の財政基盤の安定化や、保険料に係る負担の公平の確保などを御議論いただいておるところでございます。

 支援金の負担のあり方につきましても、こうした国民会議での議論を踏まえまして、しっかりと私どもとしても議論していきたいというふうに思っております。

新原委員 厚労省の関係者の方でもいいです、総報酬割にすると、どれぐらいいわゆる補助金、公費が減るんですか。それをちょっとお聞きしたい。

木倉政府参考人 お答え申し上げます。

 今の総報酬割の議論は、後期高齢者に対する支援金の部分を、今の原則、法律に書いてあります加入者割、人数割じゃなくて、報酬に応じた負担にしていったらどうかということで、今三分の一の負担で入っておるわけでございますが、全面的にこの支援金を総報酬割にしますと、同じ料率で負担をいただくということになって、公平だということ、今副大臣が御説明申し上げたことがあります。

 その結果として、では、その部分に対して同じ保険料率でやった場合は、支援金の部分についてだけ見れば、その部分に対する格差是正のための国庫補助は要らないんじゃないかということで、約二千億程度がさらに軽減されるんじゃないかという御指摘があります。

新原委員 そうなんですよね、今回の支援金は入れなくとも、総報酬割にすると、いけるんですね。

 先ほど副大臣からお答えがあったように、保険者間のつけかえじゃないかと。

 もう一遍、社会保障に戻りますね。社会保障は、国家または社会が所得移転によって保障するんですよね。別につけかえは構わないじゃないですか。報酬が多いところが報酬の低いところに持っていく、それが社会保障じゃないですか。つけかえ論は、社会保障にとっては当たり前の話ですよね。

 その点をどう思いますか。

    〔上川委員長代理退席、委員長着席〕

田村国務大臣 まず、先ほどの議論の中で、保険料の上限をどこか設定した方がいいんじゃないかという委員の御質問がございました。

 難しいのは、医療費がこれからどう伸びていくかというのがなかなか推計しづらい。といいますのは、先般もこの委員会で申し上げましたが、医療費の伸びというのは、実は高齢化の伸びよりも、足元を見ますと、医療の高度化の伸びの方が大きいんですね。これからその部分がどれぐらいあるのかというのは、なかなかこれは予想しづらい部分があります。

 それと、保険料の料率の伸び方でありますが、急激に伸びてきております。それはなぜかというと、所得がふえないからでありまして、医療費は伸びてくるんですね、一定程度、三%、四%ぐらい伸びてくる。しかし、所得が上がらないどころか、標準報酬月額が下がっているとなりますと、給料が下がっているのに、医療費を賄うために料率を上げる。

 これは負担感はすごいですよね。所得が減っているのに保険料率が上がる、これが多分、今、国民の皆様方、被保険者の皆様方がきついなと思われている一番の原因。企業もそうです、利益が上がっていないのに取られていくわけですよね。

 これが、経済が成長してきますと、給料がふえてくれば、料率の伸びもある程度おさまってくるでありましょうし、仮に伸びたとしても、料率が上がっても、もとが伸びますから。さらに申し上げれば、全体の国民負担率、所得に対する税の負担率でありますとか、社会保険料はこれだけじゃありません、医療だけじゃない、ほかのものとの兼ね合いでどうなんだということも考えなきゃなりませんから。

 全体のバランスを考えるというのはなかなか難しいわけでありますので、なかなか、ここまでというのを出せと言われても、そう簡単に出ないということは御理解をいただく中において、とにかく、一定程度、保険料の伸び率というものをどう抑えていくか、これを念頭に置きながら、社会保険制度、特に医療、介護というものに対して、持続可能性というものを我々は今、いろいろと議論を国民会議でいただきながら、つくっていかなきゃならぬというふうに思っておるような次第であります。

 さて、今の部分でありますが、実は、おっしゃられるところは我々もよくわかるんです。だからこそ、三分の一は総報酬割という話もあるわけでありますし、健保連の皆様方も、総報酬割を全部入れること自体、全く反対だとは言われていないですね。

 ただ、これはつけかえじゃないかという御議論も一方ではあるわけでありまして、その部分は、実は、国の協会けんぽへの国庫負担も助かるんですよね。そういうものまで健保連が見るのか、健保組合が見るのか、こういう御議論もあるんです。ですから、一定程度やはり国も国庫負担をしなさい、そうすれば我々も考えないことはないよというような御意見もいただいております。

 ただ、一つ申し上げれば、では、健保連の方々、健保組合は全くそういう所得の移転をしていないのか、再分配していないのかというと、そうじゃありませんでして、健保連の中でもそれぞれ組合はかなりの差があるんですよ。そこは、組合の中において、全体の中においては連合会の中で調整をしていただいておるわけでありまして、そこの中ではちゃんとやっていただいておる。

 そこからさらにもう一歩外に踏み出して協力をしていくのには、いろいろな条件を整えていただかないと、我々を、言い方は悪いですけれども、いい財布だと思わないでくれ、国はそこのところはしっかりと覚悟を持ってくれというような御意見をいただいておるわけでありまして、我々も、そういうことをいろいろと念頭に置きながら、国民会議の御議論をいただいて、これからどうしていくかということを決めてまいりたいなというふうに思っております。

新原委員 ありがとうございます。大臣は御理解いただいているというふうに認識いたしました。

 本当に、もちろん、そういった形でいわゆる負担を強いるときには理解をしてもらわなければいけないので、そのためには国も努力する、もちろん協会けんぽも努力するというところを見せなければ、何でなのという、つけかえは納得いかないと言われるのは当たり前なので。

 つまり、医療費をそれぞれ削減するという、健診等のことについては後で御質問させていただきますけれども、そういった努力を保険者でもしている。だから、そういった中で、流れ的にはやはり一元化し、そのある程度一元化した中で、協会けんぽでもやられていますけれども、ある程度、都道府県ごとに差が、保険料率も違う、つまり努力しているところは上げ下げできる。

 つまり、基本を決めて、別に組合は残して、組合ごとに、一応ラインはここでスタートして、それで努力したらそこは下がるというインセンティブは、一元化したとしても絶対つくっていかなければならないと思います。それはできることなので、今都道府県ごとにやっていることが、つまり組合ごとにやればいいことなので。

 だから、それは残していくべきだと思いますけれども、やはり我々維新の会としては、受益と負担が公平という意味での、医療サービスの財という意味での不公平感は直していかなければならないかなと思っております。

 それが、いわゆる収入、つまり入ってくる、収入という側での問題点です。だから、今回、我々は、私としては、まず全部総報酬割にすることによって公費負担がなくなるので、そういった方法もありますよということですね。将来的には一元化するということで。

 そうした中で、被用者保険、この三者の保険をひっつけるのは、簡単とは言いませんけれども、まだやりやすい。ここにまた国民健康保険というのがありまして、ここもひっつけなければ、やはり将来的にはあかんやろう。もちろん、そうですね。それが先ほどの、もとに戻りますけれども、社会保障として、結局、所得移転によってしているわけなので、とりあえず同じサービスを受ける人は掛金も一緒にした方が、同じ所得の場合は掛金も一緒にした方が、社会保障としては正しいというふうに僕は思っています。

 だから、この三つ、被用者保険をひっつけるのがまず一番。国民健康保険をひっつけるときには、やはり六十歳、六十五歳、いわゆる定年を超えた方々、つまり医療費が高くなる可能性のある方々の面倒を見ているわけですから、だから、根本的に、もうそこは外して、言ってみたら、後期高齢者じゃないけれども、高齢者だけは国がある程度面倒を見て、いわゆる若年層の間は、六十五にするのか七十にするのか、その年齢は決めていかなければなりませんけれども、七十以下は、国民健康保険、もうそこを切れば、僕は一元化できると思うんですよね。

 今回、いろいろな制度を勉強させてもらって一番思ったのは、国のお金を例えば協会けんぽにこれだけ入れる、高齢者にこれだけ入れる。それだったら、後期高齢者のところにそのまま直接ぼんと入れた方が早いですよね、これは。何でトンネルを通したり、こういうふうなことを、制度的にわかりにくい制度になっているのかなというふうに僕は感じました。

 一括で後期高齢者だけぽんと入れてしまえば、もうそれだけ、これは国がある程度面倒を見ますよと。医療費のかからない六十、六十五、どちらかというと六十から、今だったら平均寿命が延びてきていますから七十歳ぐらいまではみんなで自助努力でやってくれと言ったら、僕はできると思うんです。

 だから、その辺を、年齢の区切りとか、そういったことはまたいろいろ話し合ってもらったらいいと思うんですけれども、将来的にはやはり国民健康保険も一緒に入れて、お金のかかるところだけ別枠にする方がいいのかなと僕自身は思っています。これはかなり難しい制度なので、根本的に、抜本的に変えていかなければならない。だけれども、今、国民会議等でお話しされていますので、将来的にはそういう方向の方が本当にわかりやすいのかなと。

 そういった意味で、社会保障と税の一体改革で消費税を上げて、そこから持っていくと。

 維新としては、消費税を地方に上げろと我々が言っているのは、消費税といえば累進課税じゃないですよね。つまり、社会保障というのは、あくまでも先ほど言ったように所得の移転によって保つものなので、消費税というところは、皆さん貧富にかかわらず同じに取られる、それを社会保障に充てるということ自体が、ちょっと税の取り方と社会保障に対する考え方に差があるのかなというふうに我々維新は考えています。

 だから、そういう意味では、もちろんどこかからお金を持ってこなければあかんので、一生懸命工夫された結果だと思うし、それは認めます。しかし、考え方が、税金の取り方と使い方と、ちょっと一致していないなと思っています。

 収入についてはそういった問題があるので、今後変えていってもらいたいということ。

 そして、先ほど大臣も言われましたけれども、景気を上げていただく。それは非常に、同じ掛金の率でしたら絶対に上がっていきますから、景気を上げていただいて、給料をふやしていただく。今後、社会保障の今の財政状態を改善する一番の特効薬なので、それは非常にやっていただきたい、政府にやっていただきたいと思います。

 今、日銀を初め政府で頑張って、インフレ目標ということで、もちろん給料も一緒にひっつけていただいて上げていただくと、それは本当に社会全体として、両方上がれば幸せになると思いますので、社会保障も楽になりますから、そういった意味での対策も頑張ってやっていただきたいと思います。

 収入という面ではそういう問題があるということで指摘させていただきました。

 今度は支出の方です。

 今度、医療費がどんどん膨らんでいく。だから、つまり収入はできるだけ一元化して、いわゆる平たくするんですけれども、医療費、つまり皆さんの負担金を抑えるには、今度は出口を抑えるという方法もあるわけですよね。つまり、医療費全体をどないして抑えていくかということです。

 そういったことを考えれば、健保組合の中では、企業によっては非常に特定健診等は一生懸命やっている。それによって医療費が下がっているというところは非常に見受けられます。だから、そのようなことを、やはり協会けんぽ、それに国民健康保険にももっともっと働きかけて、健診。

 予防というのは二つあると思う。なる前の予防と、それから、重症化というか、なってから重くなって、例えば、腎疾患とかは透析にならなければ医療費はがくっと下がるわけなので、その前で抑えるという、いわゆる重症化の予防という二つがあるんですね。

 だから、まず予防という面でももっともっとお金を、国の税金を入れている、公金を入れている限り、協会けんぽ、それから国民健康保険には、もっとそういった健診等を一生懸命やっていくということを、言ってみたら政府から義務的にでもいいですから、何かやっていかなければならないと思うんです。

 いわゆるお金を出していないところが一生懸命努力して、これは出る方の不公平感ですよ、出ていく不公平感があると思うんですけれども、そういった何か対策等は今後行われるんですか。

木倉政府参考人 御説明申し上げます。

 先生御指摘のように、まさに医療費の適正化の努力、これは保険者というものみずからの努力の中でやっていただくことが大前提ということに私ども認識しております。

 今の協会けんぽの仕組みも、全国の一つの協会、法人ではございますけれども、都道府県単位で保険料を設定する考え方をとりましたのは、都道府県ごとの年齢構成の違い、これは全体にならそう、それから所得水準の違い、これもならそうということでありましたが、やはりその地域で、医療供給体制と、それから、住民の方々、加入者の方々が努力されている医療費、健康になろうと予防の努力なども反映した医療費というものに着目した部分は、各都道府県ごとの保険料の差ということで努力を促すような仕組みを入れようということで、協会けんぽの都道府県単位の保険料設定をされております。

 国保の方も、そういうことで、市町村ごとの保健事業をしっかりと地域住民と一体になって取り組もうということで、市町村に取り組んでいただいております。

 それをしっかりやっていただくために、まずもって、国保の方であれば、今の国の調整交付金を交付する場合にも、その地域でどういうふうに国保ごとに努力をいただいているか。まずは早期受診というようなことで取り組んでいただく。それから、まさに重症化予防。生活習慣病等で慢性化していって重度化していく、それが最終的に腎臓疾患等が重くなって透析にも至って、大変な医療費がかかってしまう。それを、早目早目に受診を促し、個人個人の生活指導を丁寧にやって食いとめよう。これは顔が見えるからこそできていると思っております。

 協会の方も同じような仕組みで、協会御自身が、国庫補助に頼らずに、協会の中の予算の事業として、各県の支部ごとにそういうふうなパイロット事業に取り組んでいただき、効果があったものを他の県支部でも導入していくという取り組みを今進めていらっしゃいます。

 これらの努力をもっともっと我々は促していきたいというふうに思っております。

新原委員 ありがとうございます。

 そうですね、やはりそういった努力、医療費を減らしていく努力ももっともっと、費用対効果なので、それに対してインセンティブをつけてやっていただくということも、前向きといいますか、義務化してもいいぐらい、本当にそれぐらいやってもいいのかなと僕自身は思っています。

 そういった中で、例えば、厚生労働省の調査の結果ですけれども、メタボリックシンドロームと判定された人の医療費が、そのほかの人と比べて約九万円高くなっているということを調査で、国レベルの大規模調査はこれが初めてなんですけれども、こういう結果が出ています。

 つまり、特定健診ということを進めることによって、メタボリックシンドロームの方を減らすことによって九万円は減っていくわけですから、特にこの特定健診ということについて、もっともっと、義務化して、それによるインセンティブをさらにつけていく方向がやはりいいと思うので、これを、もちろん団体ごとというのもありますけれども、例えば個人にも、何かそういう特定健診を受けた方のインセンティブとかをつくれば、もっと健診率というのが上がるような、これは診療報酬でするのか掛金にするのか、いろいろな方法があると思うんですけれども、そういったことのお考えはないんですか。

木倉政府参考人 先生御指摘の特定健診、特定保健指導の仕組みでございますが、これは、平成二十年、まさにこの協会けんぽが立ち上がりましたときから、高齢者医療確保法が同時に施行され、後期高齢者医療制度もスタートを切ったわけでございますけれども、やはり若いうちから健康づくりに努力をしていただき、健診もしっかり受けていただき、その予防を、そのデータを踏まえて努力をしていただいた結果として高齢者の医療費が下がっていくということに努力をしていただくということで始めたものでございます。

 今は、保険者ごとに健診を行うということを義務化し、保健指導を丁寧にやっていく、それでメタボリックシンドローム状態にならない、あるいは脱出をするという努力をいただく。このデータをとってみますと、年間で九万円の医療費の差が生じておる。

 これをよくよく、まだ御存じない方もありますので、この努力の結果で医療費は適正化できるということをよく周知を図りまして、お一人お一人にも、しっかり自分の健康をよくすれば、自分の生活ももっと豊かになるし、全体として経費もかからないことをわかっていただこうと思います。

 さらに、先生御指摘のように、各保険者の皆さんの中の、今の個人個人に参加していただくようなインセンティブ、ここのところはまだまだ不十分、我々もまだ知恵が出ていない部分がございますので、そういう、単に今はよく取り組んでいる方を表彰するとかいうふうなことにとどまっておりますが、もう少し何か工夫ができないか、これはともに考えていきたいというふうにも思っております。

新原委員 ありがとうございます。

 前向きに、やはり何でもそうですけれども、ちょっとお金をかける、事業費をかけることによって、事業になるかはインセンティブによるが、それによって医療費が下がればいいわけなので、全体的に、厚労省全体として見ていけばそういった啓発活動で下がるんだったら、そのお金はかけるべきだと思います。やはり費用対効果ということが非常に大事なので、それは堂々と財務省に訴えて、これらの方が、これを一生懸命やることによって医療費が減るんだから、これは協力してくれよという形で、そういったことも訴えていく。

 実際、予防という面に戻りますと、予防という面でも、例えば重症化予防ということになると、重症化する前に予防的に、例えば糖尿病なんて、薬を飲んでおけば、ある程度重症化しないわけですよね。その薬のお金が高いのか、重症化する方が高いのかと考えてきたときに、定期的に薬で抑えている方が絶対に安いんですけれども、だからといって、たくさんいろいろな薬を上げ過ぎると、今度は逆に予防が高くなってしまう。

 だから、やはりその辺の感覚を持って、費用対効果、医療も結局そこなので、薬をどんどん出せばいいのかといったら、医療費全体としてどれぐらいが適正なのかということも、それは診療報酬等で何か手を加えていかなければならないと思います。

 特に、終末期医療のときに、もう本当に終末期なのに、一カ月の診療報酬、この間も僕はお話ししましたけれども、レセプトが非常に高額で、抗がん剤等をががっと入れている。例えば、三十代の子育てしているお母さんががんにかかって一カ月延びるという価値観と、九十五歳で天寿を全うして一カ月延ばすという価値観とは、全然違うと思うんですよね。

 だから、僕は、そういったこともやはりもっと考えて、終末期医療については、いわゆる尊厳死なり安楽死なり、いろいろ、そういうような考え方まではきょうは触れませんけれども、そういったことも医療費の出ていく支出の削減という意味では非常に重要なことだと思っています。

 そういった終末期医療の医療費対策ということでは、どのような対策等を今からやっていこうと思われますか。

とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。

 終末期の医療につきましては、先日、総理の方もいろいろ答弁なさっていらっしゃいまして、これは、財政上の必要性においてというよりも、果たして本当にどう最期を迎えるべきかという観点から議論していくべきではないか、このように総理の方からもお答えさせていただきました。

 そして、医療費の話がございましたけれども、今、現状どうなっているかということでございますが、先ほど大臣からもお話しさせていただきましたように、七十五歳以上ですと一年間約八十八・五万円、七十歳から七十四歳ですと五十五万円、六十五歳から六十九歳までですと三十九・六万円の負担をいただいております。ということは、高齢になればなるほどやはり高額になってきている、この傾向はもう顕著に見えるわけであります。

 では、委員御指摘の終末期はどうなのかということでありますけれども、この終末期という定義がちょっと曖昧でございまして、私もちょっと個人的に興味がありましたのでいろいろ調べてみましたところ、いろいろな意見がございます。

 例えば、ある方は、全老人の医療費の二〇%ぐらいかかっているのではないかとか、このほかには、国民一人が一生に使う医療費の約半分ぐらいが終末期に使われている、こういうふうな意見をおっしゃる方もいらっしゃれば、また、一方には、死亡前の医療費は総医療費の三%ぐらいでしかない、こういうふうに、いろいろ意見も分かれるところであります。

 ということで、平成十九年の終末期医療の決定プロセスのあり方に関する検討会というものをつくりまして、平成二十四年、人生の最終段階における医療に関する意識調査というのを調査をかけておりまして、今、これは集計中でございます。

 ということで、終末期におきましては、いろいろ物の考え方もありますし、現状をしっかりと把握していきたい、このように考えております。

 そして、終末期においては、自宅での療養を希望する方、こういう方も結構いらっしゃいますし、在宅で医療を推進していくということも必要であります。ただ、別に、医療費の観点から在宅を推奨しているわけではございません。そういった国民の皆様のさまざまな思いを終末期でもきちっと反映して、最後に死を迎えていただけるいい環境を、御希望に沿って、尊厳を大切にして、終末期医療を取り組んでいきたいと思っております。

 このような認識のもと、平成二十四年度の補正予算では、地域医療再生基金を積み増しいたしましたし、平成二十五年度の予算案では、在宅医療を担う人材育成等に対する費用も計上させていただきました。こちらは一億円でございます。

 そして、平成二十四年度の診療報酬、介護報酬改定におきましては、在宅介護・医療を重点的に評価をしていくということで、在宅医療を充実させて、しっかりと医療としてサポートしていきたい、このように考えております。

 以上でございます。

新原委員 ありがとうございます。

 政務官は言われませんでしたけれども、やはり終末期医療の医療費を抑えるという意味でも、在宅医療ということが非常に大事なんですよね。もちろん、医療費の削減だけではないですけれども。いわゆる住みなれたついの住みかで亡くなるということは、家族に見守られて亡くなるということは、精神的にも非常にいいことだと思うんですね。

 だから、そういった形で、在宅医療についてもっともっと力を入れていただいて、御自宅で、皆さんで見守って亡くなる、延命治療は行わないということが、やはり終末期医療の医療費削減には一番効果があるのかなと僕は思っています。

 そういった中で、さっきの社会保障の医療サービスの財に戻りますけれども、今、医師の地域偏在があるんですよね。だから、同じサービスを受けたくても、例えば、国民健康保険なら、同じ収入なら掛金は結局一緒ですよね、だけれども、お医者さんがいないから診てもらえない。言ってみたら、行くのに一時間も二時間もかかる。この方々にとって医療サービスというのは、本当に社会保障的に正しいのか。

 そういった意味でも、医師の偏在というのは絶対になくしていかなければ。専門医という問題はなしにして、総合医なり、かかりつけ医ということですね、そういったところはもっともっと力を入れる。医師の中にも、往診屋みたいな、それをもうけにやっているところもある。それよりも、やはり地域の、今までずっと診てもらっていたかかりつけのお医者さんに、自宅で最期は。

 それによって、レントゲンもあったり、全てのことについて、ずっとデータもあったりとか、そういうことで、要らない医療費も減りますし、医療費削減、別にそれは終末期に限らず、かかりつけ医というものをもっと重点的に置いて、かかりつけ医で診てもらった方が、例えば診療費が安くなるとかいう形。いろいろなところに行って、もちろん、セカンドオピニオンという面では、何カ所も行くのはそれは構わないですけれども、ふだんはレントゲンなりあるところに診てもらう方が、絶対に検査も少なくて済む。

 だから、かかりつけ医対策とかは医療費削減につながると思うんですけれども、そういった施策についてはどのように力を入れていこうと思われますか。

田村国務大臣 医療費の削減というか適正化という意味では、一つの方策であろうと思いますし、それ以前に、必要なサービスを必要な患者の方々に提供するという意味では、医療費の無駄という意味では、それをなくしていくということは大事だと思うんです。

 ですから、本来入院をしなくてもいい方々が病院におられると、本来そこで受けなきゃいけない患者の方々が入れないということもございますから、そういう意味では、病院でありますとか、また病床の機能分化というもの、これは必要でありますし、あわせて、在宅医療との連携というもの、これは大変重要であります。

 先ほども申し上げましたけれども、高度な急性期の必要な方々は、そういうような病床に入っていただく。亜急性期やそのような方々、さらには慢性期の方々、在宅の方々、いろいろな方々がおられると思うんです。やはり一番いいところで医療サービスを受けられた方が、患者の方々も安心でございますし、いいわけであります。

 そのような意味からいたしますと、病院から出られて、本来、アンケートをとりますと、やはり自宅で療養したい、昔は畳の上で死にたいなんて話がございましたけれども、今でも、自宅で人生を全うされたいという方々は多いわけでございます。昔は大体そういう方々が八割、九割が、今逆転しまして、一割そこそこしかおられないわけでございますから。二〇四〇年になりますと、百六十万人ぐらいの方々がお亡くなりになられる。今、百二十万人と考えると、四十万人がどこで最後、人生を全うされるか。

 これは、病院をそれだけつくるわけにいかないわけでありますから、そう考えたときには、やはりふだんの療養も含めて、在宅での医療を受ける、もしくは、介護の中で、地域包括ケアという中において介護を受けて、日々の生活をされるということは大変重要だというふうに思います。

 医療のことに関しましては、例えば訪問看護ステーション等々を含めてサービスを受けたりでありますとか、在宅療養診療所、病院等々、これは診療報酬等々で、今ほど来も、とかしき政務官の方からもお話がありましたけれども、例えば救急の加算でありますとか、深夜の加算でありますとか、そういうものも含めて、大幅にこれは前回の改正でも引き上げておるんですね。ですから、最近、そういう診療所はふえてきておりますから、在宅で医療を受けるというものはだんだん進んできております。

 ただ、一方で、本当に地域、田舎という言い方をしていいのかどうかわかりませんけれども、地方の山村等々においてどういうふうなサービス提供をしていくかということは、これから課題でございますから、いろいろと考えていかなければなりません。

 しかし、いずれにいたしましても、在宅というものが、医療費の適正化に関してもそうなんですけれども、御本人にとっても、そういうものを望んでおられる方々がたくさんおられるわけでございますから、そのような意味からして、これを進めていくということは、これからも我々、大きな一つの目標といいますか、政策的目標として進めていかなきゃならないというふうに思っております。これからまたいろいろなお知恵をいただきながら、国民会議の方でもいろいろな御議論をいただいておりますので、それを踏まえて政策を推進してまいりたいというふうに思います。

新原委員 ありがとうございます。

 だから、お医者さんだけじゃなくて、いわゆるスタッフ、看護婦さんとか保健師さんとかを使って、例えば長野県なんかは、自宅で亡くなる方が非常に多いから、医療費もかなり、一番低いですよね、全国的に。だから、そういうモデル的ケースもありますので、そういったこともやはり、いいことは全国的に広げていただいて、御自宅で亡くなるということも一つの選択肢だなということを皆さんにもっと周知してもらうこと。

 それと、ちょっと気になっていたんですけれども、これは通告していませんけれども、死亡診断書です。今は変わったんですかね。

 急に自宅で亡くなると変死扱いになって大変ということなので、地域のお医者さんも、ずっと継続的に診ていたら死亡診断書を書けるようになったんですか。それでなかったら、ぱっと亡くなった後、何時間以内に行かなければ死亡診断書が書けなくて変死扱いになるのでお医者さんが困っているというふうに、ちょっと改正されたんですかね、たしか。

 御自宅で亡くなるということにはそういった問題点もあるので、そういった法改正も含めて、やはりお医者さんが、亡くなる直前、真夜中に電話をかけて、気がついたら亡くなっていたという形になったときに、地域のお医者さんも大変ですよね。だから、その辺、法的には今どうなっているのか。ちょっと難しかったかな、ごめんなさいね。

田村国務大臣 済みません、通告をいただいていなかったものですから、私もそこまで詳しくは存じ上げていないんですけれども、通知を出しております。厚生労働省医政局医事課長からの通知なんですけれども、これは医師法第二十条のただし書きの件なんですね。

 これをちょっと読ませていただきますと、

 医師法第二十条ただし書の解釈については、

医師法第二十条の今の件ですね、

 お示ししていますが、近年、在宅等において医療を受ける患者が増えている一方で、医師の診察を受けてから二十四時間を超えて死亡した場合に、「当該医師が死亡診断書を書くことはできない」又は「警察に届け出なければならない」という、医師法第二十条ただし書の誤った解釈により、在宅等での看取りが適切に行われていないケースが生じているとの指摘があります。

  こうした状況を踏まえ、医師法第二十条ただし書の解釈等について、改めて下記のとおり周知することとしましたので、

その旨及び内容について十分御理解をいただきますようにというようなことでございまして、そういうことではないということでございます。

新原委員 ありがとうございます。

 やはり、地域のお医者さんにとっても、いわゆるみとりをしやすいような、法律改正といいますか、そういう条件のもとに、やはりそういうふうにすべきだと思います。そういった形で、在宅医療なり介護なりということをもっと大切にしていかなければならないと思います。

 そういったら、一応僕は歯医者さんなので、歯科について、そういった医療費適正化という意味で、僕は歯医者さんプラス、ケアマネジャーなんですけれども、一つ気になることがあるんですね、自分が歯医者さんとして、プロとして。

 それは何か。介護保険の、言ってみれば医師の診断書なんです。介護保険の認定を受けるときに、介護度何ぼでと審査されるとき、医師のいわゆる意見書という、診断書みたいなものを持っていかなあかんわけですね。その中に、口腔内の状態というのがあるんですよね。医師の診断書の中に、口腔内の状態というのがあるんです。

 審査会に僕が参加していたときに、この口腔内の状態は、歯医者さんが書くんじゃないんです。内科の先生が診て、口腔内異常ないとかいうふうに判断しているんです。これは介護保険が始まって以来ずっとです。

 そういう医師の診断書なりを歯医者さんが書けるようにしてほしいと言っているんじゃないんです。これでほんまに、特に介護というのは、いわゆる誤嚥性肺炎なり、死因でいえば肺炎が多いわけなんです。口腔内の衛生状態というのは、医療費を適正化するのに、介護費を適正化するのに非常に役に立っているんですね。それを入り口で、医師の診断書のところに、口腔内は異常ないとかいうのを内科や外科の先生が書かれている。

 これはやはり、今後、それだったら、もうその口腔内の状態はなくした方がいいと思うんです。変にそこで異常ないと書かれたら、もうそれでそういうふうになってしまう。それだったら、もう口腔内の状態はなしにする。

 それで、そこのところでまた一人一人歯医者さんに行ったら、お金もかかりますから、だから、そこまでしろとは言わないです。だけれども、要支援とか、いわゆる体が元気な間に、口腔内の状態は非常に介護費や医療費の適正化につながるから、動ける間に、かかりつけ、近くの歯医者さんに行って、診ておいてもらってくださいよと。そうしたら、別に厚労省はお金は要らないでしょう。そうした方が、僕は、かかりつけ医という面も含めて、いわゆる介護の重篤化といいますか、介護費の適正化というふうに思うんですよ。

 だから、非常に僕自身は、ケアマネジャーとして審査会に出て、何で内科や外科の先生が、口腔内異常なしと。虫歯があるなんて書かれているのは見たことがないですよ。わからないですよ。ここをやはり、この項目は、また診てもらうとお金がかかることだから、そこをまた行けとは僕は言わない、今の財政状態で。だから、そこはもうなくして、それで、今、厚労省もやっているんですけれども、要支援の間に近くのお医者さんに健診に行って体の悪いところを全部診てもらってくださいというふうに、今そういうふうに進めているはずですよね。

 だから、その中に、歯医者さんに行ってチェックして、往診したときに一番困るのはレントゲンがないんですよね、だから、もしそういったときに、歯医者さんに行って診てもらって、どこか悪いところがないかとレントゲン一枚撮っているだけで、往診に行ったときに、非常に、ごっつい治療しやすいわけですよ。

 だから、そういった面も含めて、今回は健康保険なのでちょっと違うところになりますけれども、介護費の適正化という意味でも、そういったことを抜本的に見直していただきたい。一応、我々は歯科医師として、プロですから、口腔内を内科や外科の先生に診てもらっていること自体が我々としては悲しい。

 その辺、何かありましたら。

とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。

 高齢者の口腔ケアは、先生おっしゃるとおり、QOLの維持向上に当たって大変重要なものであると認識をしております。

 では、今、現状どうなっているかということでございますけれども、委員御指摘のとおり、かかりつけ医である主治医の診断書の中で、訪問診療、訪問口腔衛生指導の必要性の有無について、今お話しいただきましたチェック項目が設けられております。そして、必要に応じて特記事項の中に口腔内の状態について記載するように求められております。さらに、口腔内の状況につきましては、具体的に提示するとともに、必要に応じて主治医から歯科医師に意見を求めることができる旨、これも書かれております。

 ということで、なぜ主治医の制度にしているかといいますと、やはり全部トータルでその方の健康状態をきちっと把握しよう、そういう意味で書かせていただいているわけであります。

 それをフォローする意味で、介護認定審査会の中では、歯科医師の先生方にも入っていただいております。今、全体の審査会の中で歯医者さんの入っていただいている割合は七九・四%と、ほとんどのところに入っていただいておりまして、口腔機能の評価も十分考慮しているところでございますが、そういった委員の御指摘もございますので、口腔ケアの必要性に鑑みて、歯科医師の先生方に御意見を伺いながら、協力をいただきながら、どういうあり方がいいのか、また考えていきたいと思います。

 ありがとうございます。

新原委員 ありがとうございます。

 本当に、うちはもちろん審査会では参加していますけれども、書いている方が内科や外科の先生だったら、もうここが曖昧だったら、その曖昧な資料を見て話をするわけですから、審査会の歯医者の先生方は審査できないですよね。

 だから、そういったことをちょっと今後考えて、そこのところにまた、歯医者さんのところにも行けという話になると、お金がかかってくる問題だから、それはよしと僕はしない、実際。そこまでは言わないですけれども、ただ、そういったところで、いわゆる一番の死因は肺炎だから、それの原因は虫歯とか口腔内の衛生状態からくることが非常に多いから、長生きするためにも、元気になるためにも行ってくださいよという、いわゆる告知だけでも僕はいいと思うんですよね。

 だから、それをもっともっと徹底してもらって、逆に、ケアマネジャーさんとかにもそういうことをしていただく方が患者さんにとってはいいわけなので、そういうお金を使わない方法もあるので、そういったことを前向きに考えていただきたいということです。

 もう一点、例えば、これはデンソーの健康保険組合が十五年間調べているんです、資料は出していないですけれども。

 そこの資料を見ると、歯科健診を受けている被保険者と受けていない被保険者、つまり、歯科健診を受けている方の方が、医科、歯科合わせた医療費はかなり下がるんですよね。

 しかも、こうも結果が出ているんですよ。健診事業者、つまり健診屋という、言い方はちょっと悪いですけれども、健診を専門にやっているグループなり会社があるんですね。そこに任せるよりも、地域の、地元の最寄りの歯医者さんで健診をしてもらう方が、医療費もなお下がると書いてあるんです。

 つまり、どどっと来て、会社でぱぱぱっと健診屋さんが来て診るよりも、地元の歯医者さんへ行ったら、結局、丁寧に診てもらえるし、すぐ治療もできるという形で結果が出ているんです。

 だから、医療費を適正化するという意味で、そういった歯科健診というのも、今後もっともっと見直していただいて、それぞれの、私は神戸市なんですけれども、例えば神戸市では、妊産婦の方と四十歳の方は、それぞれ券がありまして、その券を持っていけば無料で健診をしてくれて、治療をするときは次回から治すというシステムがある。そうすることによって、結局、地元のかかりつけ医の推奨にもなりますし、それは神戸市が単独でやっている事業なんです。

 だから、そういったことによって、健診ということだったら、例えば一歳半とか三歳児健診は、内科とかお医者さんも一緒に診た方が効率性がいいので、それは集まって診るんですね。だけれども、四十歳の歯周病検診とか、四十歳だけなんですけれども、全体ではないですけれども、四十歳とか、妊産婦の方の、特に妊産婦の方というのはホルモンの影響で歯槽膿漏なり歯茎が腫れやすいという理由で、妊産婦さんは特に歯周病が進みやすいからその健診をしてもらうということで、地元というか、自分の最寄りのところに行ってもらうような健診なんですね。

 だから、全国的にいろいろな方法がありますけれども、歯科健診で早期発見、いわゆる予防ですね、それから重症化の予防をしていくことによって、医療費が安くなりますから、そういった御努力もやはり今後やっていただきたいな。これは要望にとどめさせていただきます。

 そういった形で、今回のいわゆる健保法改正についてですけれども、「平成二十五年度予算編成に向けた考え方」ということで、一月二十一日に、財政制度等審議会から意見が出されているんです。

 その中で「高齢者支援金の負担に対する総報酬割」という項があるんです。これは質問しないですからいいですよ、僕の意見なので。そういった中で、その審議会の中でも、総報酬割を導入していくべきだという意見がここにも書かれている。それが正しい方向だというふうに書かれているんですね。

 だから、完全総報酬割という方が、我々維新としては、今やるべき措置じゃないかという考え方を持っていますので、今回の健保法改正については、ちょっと方向が違うのかなという意見を後で述べさせていただくと思います。

 そういった形で、結局、根本的に、社会保障というのは、所得の分配によって医療サービスという、掛金が給料の高い人の方が安いというのはおかしいよということを我々は訴えたいので。もちろん、後期高齢者医療等に公金を使って補助するというのは、別に、必要なものは必要なものなので、それよりも、何せ今のこの健保法改正は場当たりで、本当に継ぎはぎだらけになって、それこそ景気が上がったら下げて、それで景気がリーマン・ショックによって下がったらまた上げてという形の、本当に場当たり的な改正をしているように感じます。

 だから、今後、やはり国民会議の方で、将来的にもっと見据えて、本当に、私は国民皆保険は必要なことだと思いますので、国民皆保険を守るためにどういったことが必要なのかということを真摯に話し合っていただいて、早くそういった道筋を国民の方々に。社会保障という面、年金も含めて、一番国民の中で今何が興味があるかといったら、もちろん景気対策というのも一つですけれども、それと同時に、医療と年金について、そういったことに対しての皆さん関心が非常に高いところになっていますので。

 大臣はいろいろ勉強されてわかっていらっしゃいますので、そういったことを、国民目線の立場で国民会議のところをまとめていただいて、持続可能な社会保障制度にしていただくことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

松本委員長 次に、中島克仁君。

中島委員 みんなの党の中島克仁です。

 ちょっと時間もお昼前であれですけれども、私にも少し時間をいただきたいと思います。

 本日は、健康保険法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 きょう、維新の委員の皆様からも多くの質問がなされていまして、いろいろな課題の中で、問題は出尽くしているかなという感はあるんですが、健康保険、私も医師でありますから、日ごろ患者さんと接しながらかかわっているわけですが、九〇年代初頭のバブル崩壊以後、医療保険の各制度は、経済成長長期低迷を背景として、保険料の収入の伸び悩みとか医療技術の発展、そういったことで大変財政状況が厳しい、そのことも認識しております。私自身は、今回の法案について、ある程度やむを得ないなというふうな認識を持っておるところではございます。

 しかし、率直に、この保険制度は非常にわかりづらいなと。もちろん、それに携わっている皆さんは、段階式に来ていますから、わかりづらいというよりは、こういう仕組みということなんですが、この健康保険は、国民の皆さんほとんどがかかわっている問題ですから、それぞれの皆さんがこの制度を理解できるのかな、そんなふうに率直に思います。

 まず、根本論ですが、どうしてこのような複雑な仕組みになってしまったのか。国民皆保険でありますから、国民の皆さんが協会けんぽを初め、国保、それぞれの保険の中に組み込まれているということの中で成り立っておるわけですが、この複雑になってしまった経緯について、まず御説明をいただきたいと思います。

木倉政府参考人 御説明申し上げます。

 我が国の医療保険制度、今でも大きく分けますと、職域の被用者の保険と、それから国保、地域の保険と分かれておるわけでございますけれども、これも、戦前、この健康保険制度をスタートしたときから、まず被用者保険からスタートを切りましたが、その直後には、もう戦前から、国保という仕組みも地域保険としてスタートを切っておるわけでございます。

 健康保険制度というのも、制定当時の考え方を見てみますと、大正の末期から企画されて施行されてきたものでございますけれども、諸外国を見ても、自主自立ということで、自主的な組合の方式でやられることが一番望ましいのであろうということであるのだけれども、そういう自分たちの組合での運営というのはなかなか難しい場合もあろうから、政府管掌の健康保険制度もやはり必要だろうということで、その二つの仕組みが被用者の仕組みとしてとられてスタートを切っていった、それが一つのベースでございます。

 それから、やはり農村中心の時代でございましたので、農家の方々を中心に、地域での、事業主の方がいらっしゃらないという形での国保の仕組み、地域保険の仕組みが必要だろうということで、昭和十三年から国保の仕組みがスタートを切ったということでございます。

 これが、昭和三十六年の皆保険を受けまして、戦後、財政基盤の安定化を図った上で、全ての国民がどういう形であっても保険に入れることを義務化しようということで、まず財政基盤の安定を図るということで、昭和三十年前後から、政府管掌の健康保険はやはり財政基盤が弱いということで、そこに公費を重点的に入れながら被用者保険としてきちんと運営をしていただこうということ、それから、国保の方も、全市町村に国保をつくっていただくためにも、国保の安定化を図るためということで、事業主がいない部分についての補助等を入れていく、低所得者の部分に補助等をつけていくということで、この充実が図られた、これが今に至っておる経緯でございます。

 基本は、全体、自主自立の精神でございますが、保険原理がなかなか成り立ちがたいところ、財政基盤の弱いところであるとか低所得者が多いところに入れていく、あるいは、国保の場合には、事業主で労使折半という形がとれない部分について、公費の分の五〇%補助を入れていく、その部分で、今、公費が重点的に充てられると言っているという仕組みであろうというふうに認識をしております。

 以上でございます。

中島委員 それを国民の皆さんに話をしても、多分、非常にわかりづらいんですよね。

 私自身もそうですが、今まで社会保険、今回、国会議員にならせていただいて、初めて国保というふうになりまして、その仕組み自体も、先ほども言ったように、医者でありますから、皆さんにかかわる問題なんですが、その実態がなかなか把握し切れない。

 そもそも、おぎゃあと生まれてから一生涯同じ保険のシステムの中でずっといくというのが、一番、本来あるべき姿かなと。親の仕事によって保険がかわってしまったり、そのはざまの中で、徴収漏れとか、いろいろなさまざまな問題が発生しているんじゃないかな。

 恐らく、それぞれの事業者によって特徴があって、それを守っていくための保険制度として、今御説明あったように、そういう成り立ちだと思うんですが、先ほども言ったように、それぞれの保険制度が財政的に非常に厳しい、さらに、これから迎える後期高齢者のピーク、これもあと数十年後に控えて、これから、このままこの状態を維持していくこと自体が非常に難しいんじゃないかな、そのようにも考えます。

 みんなの党は歳入庁の設置も訴えておりますが、いきなり一元化するというのはなかなか難しい。先ほどからも、御質問の中にもありましたが、第一段階、第二段階、第三段階、そのような段階を踏んで、まずは被用者保険の一元化、先ほども大臣がお答えになっておりますが、まず、そこから進めていくお考え、その辺についてさらに御答弁いただきたいと思います。

田村国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、健康保険、組合健保、健康保険組合、これは連合会の中でそれぞれ調整はしているんですね。それぞれが独立でございますから、それぞれやはり料率が違うというか財政が違うわけでありまして、そこを、どういうような財政状況の中で協力をしながら保険料率を安定化していくかということは、これはやっているわけですね、協力はしっかりやっているということなんです。

 一方で、外に出て協力をするという意味からすると、総報酬割というものを、三分の一を導入するということでスタートして、今回、二年間延長ということで、それぞれの協力は段階に応じてやっていただいているわけです。

 一方で、先ほど来、局長から話がありましたけれども、それぞれの保険というのは、いきなり国がぼんとつくったというよりかは、歴史があってできてきているわけでありまして、そこは、その歴史の中においてそれぞれが努力をされてこられているという経緯があります。

 特に、健康保険組合というものは、まさに、独立独歩といいますか、自助自立でやってきた組合でございますから、そういう意味では、ある意味民間と言ってもいいのでありましょう。そこが今までも、いろいろな意味での、後期高齢者に対して支援金を出してきたりでありますとか、前期の場合は、これはそれぞれ公費が入らない中での調整でありますけれども、前期高齢者の方々に対しての医療保険の中においても、これは、そういう方々が国保が非常に多いということがございます。

 そこに対して、やはり一定の拠出をしてきているわけでありまして、そういうようなものに含めて、さらに一元化ということになると、全部財政が必要になるわけですよね。こういうことを本当に国が強制的にやれと言えるかどうか。

 確かに、国民皆保険制度とはいいながら、公的保険制度とはいいながら、実は、保険者の主体というものはそれぞれ独立してあったわけでありまして、それでもまだ、国保だとか、それから協会けんぽも公費がこれだけ入っておりますから、ある意味、協会けんぽというのは政管健保からの流れですね。国が絡んでおる事業であります。

 そして、共済の方は、私学共済は若干違うのかもわかりませんけれども、公務員共済というのは、これはまさに公がかかわっている職員の方々の共済でありますから、公がかかわっていると思うんですね。

 しかし一方で、健康保険組合、これはどうかというと、やはり民間でありますから、これを強制的にというのが果たしていいのかどうなのか。そこはいろいろな御議論をさせていただいて、徐々にでありますけれども、確かに御協力をいただいてきている度合いがふえてきておるのは事実でございますから、そんな中において、全く保険料が一緒でいいとは私は思わないんです。

 なぜかというと、協会けんぽの中でも、都道府県で努力したところにおいては、一定の範囲ではありますけれども、医療費を適正化すれば、そこに対して料率において差をつけておるという現状があるわけですね。ですが、その差がどれぐらいという、一般的な常識というのはあると思います。

 余りこんなに、倍も料率に差があるという話になってくると、これまた問題になってくるのかもわかりませんけれども、一定の料率の幅の中において、それぞれの保険者が本当に努力をする中において、それは健康診断もそうでありますし、それに対した後のフォローもそうでありますよね、そういうものに対して、それから、無駄な医療があったら、それをしっかりと見つけて適正化していくということも含めて、やはり努力したものの成果というものはしっかりとそれぞれの保険者が享受をしていくというのは、これは、自助努力という意味では私は意味のあることであろうと思いますから、何もかも一緒にして、全て同じ保険料でというのが果たしていいかというと、私はそうは思わないという部分になります。

中島委員 私自身も、決して、誰のせいとかと言っているつもりはないんですね。

 やはり、先ほども言いましたように、健康保険ですから、例えば株式みたいに一定の人たちだけがやっているものではなくて、皆さんがそれぞれかかわっている問題なんですよね。その中で、自助、共助、公助の中で保険制度自体が成り立っている。その仕組み自体に、皆さんにそのことが伝わりづらいんじゃないかな。例えば、先ほど国保の問題も出ましたが、きょうは国保はちょっとおいておいてということですけれども、国保の問題は非常に、さらに大きな問題となりますし。

 そういう中で、自助、公助、共助、それをしっかりと国民の皆さんに理解していただきながら、先ほども大臣の答弁にもありました、民間の部分と、国が本当に公的にやっている部分、これが入りまじっているということ自体、そもそも、国民皆保険という、そんな保険制度はないわけですが、それぞれが集まってそういう名前になってしまっている。ある意味、原発神話ではないですが、世界が誇る日本の国民皆保険という名のもとになっておるんですが、実はその実態は、それに甘んじて、それぞれの保険、民間も入りながら、それぞれが独自の取り組みをしてしまったその結果が、今のわかりづらいシステムなんです。

 やはりそこを、今回の法案は二年間延長ということになるわけですが、そこの部分をしっかりと、これは今後どうあるべきかという議論を始めないと、恐らく二年後もまたさらに延長という結果になり得るんじゃないか、そのように私自身は思っています。

 先ほどから申しております自助、公助、共助のバランスですね。日本の共助の部分、ヨーロッパと比較しますと、実は、今回、協会けんぽは経済的な理由もあって国庫負担をまた延長ということなんですが、ある一方では、共助の部分、企業の方が支出する分、今、保険料率一〇%を労使折半でやっておりますが、まだ低いんじゃないかと言われる部分もなきにしもあらず。

 今後、その再構築も目指しながら、これは大臣のお考えでいいです、自助、公助、共助、そのバランスですね、どうあるべきなのか。いろいろなさまざまな御意見も出ています。国庫負担率がまだまだという部分もありますし、後ほど質問の中にも入りますが、後期高齢者の部分も含めながらですが、現役世代がこれからやっていくに当たって、自助、公助、共助のバランス、日本が世界に誇る国民皆保険というのを持つ以上、どのようなバランスが本来はあるべき姿かなとお考えになるか、お聞かせください。

田村国務大臣 バランスがどうあるべきか、具体的数字を挙げろと言われると、まだそこまで私もはっきりした結論めいたものを持っているわけじゃありません。

 ただ、一つ言えますことは、やはり高齢者がどんどんふえてきておる、特に少子化で支える側が減ってきておるというような世の中の状況の中において、高齢者の方々を支える部分の医療というもの、これは、高齢者だからゆえに医療費がかさむというのはもう必然的にあるわけでございますから、収入がそもそも少ない方が多い、しかし医療のリスクというものは、これは若人から比べてかなり病気になられる確率的には可能性があるという方々を、特有の保険の中で、そこだけの共助でやれというのは、これはもう無理な話であります。

 だからこそ、今も若人のいろいろな保険者の中からお力をいただいて、拠出をいただいておるという形ですね、支援金等々で。

 ということは、逆に言えば、先ほど申し上げましたけれども、そこだけではさらに賄えない、つまり保険者というよりかは社会全体で支えなきゃならないという部分があろうと思います。これは公費という意味であります。

 では、公費と、それから保険者からの、若人からの支え、これとはどう違うんだと言われれば、やはり公費というものは税金でございますから、消費税という部分もあるでありましょうし、当然、法人税とも言えるでありましょうし、所得税であっても、当然、累進性は保険料よりかは高いわけですよね、所得の多い方々は所得税等々の税というのは高いわけでありますから。

 そういう意味からしますと、社会全体で支えるという意味からすれば、やはりそういう税という意味で支えた方が、それはより意味としては正しいのであろうと思いますから、公費というものが、やはり高齢者を支えるという意味での医療保険制度の中においては、ふえてくる一つの考え方というものはあるのであろうな。

 これは、もっと言いますと、後期高齢者医療制度といいますか、高齢者の医療制度だけではなくて、介護も、同じような高齢化に伴ういろいろなリスクに対する保険でありますから、介護というものも同じような考え方があり得るのかもわからないなということで、まだ別に結論めいたことを言うつもりもありませんけれども、一つ、考え方としてはそういう考え方というのはあるのではないのかなというふうに思います。

とかしき大臣政務官 もう一つお答えさせていただきます。各国と比べて、日本が共助の部分が少ないのではないかということについてお答えさせていただきます。

 医療におきましては、ドイツ、フランスは社会保険方式による共助でございまして、イギリス、スウェーデンは税方式による公助が基本になっておりまして、我が国は社会保険方式による共助を基本とさせていただいております。

 では、年金についてはどうかといいますと、イギリス、フランス、ドイツでは無業者等が制度の対象外になっている一方、我が国は皆保険制度でありますので、ヨーロッパと比べて共助が少ないとは単純には言えないのではないか、このように考えております。

 以上です。

中島委員 ありがとうございます。

 今、とかしき政務官、お答えになっていただいて、要は、方向性として、ヨーロッパ方式、今、社会保険方式ですね。それと、アメリカでいえば、アメリカも一応、社会保険方式なんですね。メディケアとメディケード、高齢者向けと低所得者向け、そういったこともあるんですが、実際には加入率は物すごい低い。オバマ大統領は今、国民皆保険制度を何とかしてつくろうと、内政の最重要課題とされておるわけですね。

 そういう中で、日本がこれから、これからの高齢化社会、さまざまな問題を抱えながら、本来、ヨーロッパ式、ヨーロッパ式と言っていいかどうかわからないですが、アメリカ式、ヨーロッパ式という言い方はちょっとおかしな言い方なんですが、日本の国民皆保険制度自体、成り立ってもう半世紀ですから、その中で抱えている問題。そして恐らく、オバマ大統領、アメリカを初め、日本の国民皆保険制度の今後の成り行き、対応策、非常に注目されているんじゃないかと思うんですね。

 そういう意味で、先ほど大臣も、なかなか難しい問題だと思います。年金も含めて社会保障全体、そして介護保険も、高齢者ということであればその整合性も含めて、非常に難しい問題だと思います。

 今、社会保障改革国民会議、そこで議論もされておるようですが、ヒアリング程度で終わっている、なかなか進捗状況がはっきりしないということでございますので、今現在、国民会議でどのような議論がなされているのか、その進捗状況をお聞きしたいと思います。

とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。

 社会保障制度改革国民会議は、今まで八回開催させていただいております。委員や関係団体の皆様から現状や課題について幅広く御議論いただいておりまして、今月は十九日と二十二日、ここは、特に医療と介護の分野を中心に集中的な御議論をしていただく予定になっております。

 六回の国民会議では、基本的な考え方について活発に御意見をいただくということで、社会保障全体についての議論が幅広く行われております。

 とは申しましても、期限がこれは決まっておりまして、八月二十一日の設置期限に向けて、社会保障制度のあるべき姿の改革の具体像をお見せしなくてはいけませんので、もうこれは精力的な議論をお願いしたい、このように思っているところであります。

 以上です。

中島委員 今、期限とおっしゃいました。確かにもう期限が迫っておりまして、つけ焼き刃みたいなことをされても困るんですけれども、やはりここは、しっかりとした方向性をまず見出して、かなり幅広い問題ですから、やはり一つ一つクリアしていく中で、先ほど一元化と言ったのも、なかなか難しいのはわかるんですが、先ほど言った保険収入、その効率化、行財政改革、保険料を上げたりする前に、さまざまなやるべきことはまだまだあるんじゃないかな、その中の一つだと私自身思っております。

 冒頭にも言いました、世界が誇る日本の国民皆保険です。そして、WHOが二〇〇〇年に各国の保健医療システムの達成評価を示した結果、日本の国民皆保険自体は、世界でもトップクラスという評価をいただいている。

 ただ、これは、内容を見てみますと、その割合の五〇%は、良好な健康状態ですね。平均寿命と五歳未満の乳幼児の死亡率、これはもう、恐らく日本は断トツ、トップクラスだと思います。この割合が五〇%。あと二項目のうち、国民の期待への応答性、費用負担の公平性という部分、それぞれ二五%の割合、それをトータルとして評価した結果、恐らく、日本は平均寿命と五歳未満の乳幼児の死亡率が低いということで、いい制度ですねということになっておると思うんですが、それぞれの順位を見てみますと、国民の期待への応答性では六位ですね。財政負担の公平性では十位となっています。

 平均寿命と乳幼児の部分が非常に割合が高いので、結果的にはいい制度というふうになって評価をされることになっておるんですが、医療の現場、先ほども委員の方からも御指摘がありました医師の偏在問題、そして救急車のたらい回し。皆さんがそれぞれ一つのカードを持っていればどこでも受診できるというのが国民皆保険のいいところであるということなんですが、急にぐあいが悪くなった方が十件も二十件もたらい回しにされたり、そして、同じ保険料を払っているにもかかわらず、産科医がいない、小児科医がいない地域がどんどんふえてしまったり、これで本当に世界が誇る国民皆保険制度、本当にそうなのかと言わざるを得ない、今、現状じゃないかなと思うんですね。

 今のお話を聞いて、大臣にお聞きしたいんですが、そういう今の医療現場の状況、これは、看護師さんも含めて、そして介護の現場も含めながら、その上でも、今の日本の国民皆保険制度が世界でもトップクラスと大臣はお考えでしょうか。

田村国務大臣 確かに、日本の医療は、私、頑張っていると思うんですよ。人的な部分を見ましても、決して世界に比して医師が人口当たり多いわけでもない、むしろ少ない中において、これだけの医療サービスを提供いただいておる。また、看護師の皆様方も、薬剤師の皆様方も本当に御努力をいただいて、それだけじゃありません、医療関連職種の方々、本当に御努力をいただいて、日本の医療をお守りいただいておると思います。

 今まで、救急、確かにいろいろな問題が出てきております。一次救急、入院が必要な二次救急、それから救命救急、要するに三次救急というような形で体系づけて今まで整備してきましたけれども、やはり救急に対するニーズがふえてきております。これも、平均寿命が延びてきた一方での結果なのかもわかりません。

 そんな中で、平成十八年、九年ですか、妊婦の方がたらい回しに遭って亡くなられるというような問題も起こりました。また、東京でもそういう事例が起こってきたということがありまして、平成二十一年に消防法を改正いたしまして、とにかく、搬送側ですね、要するに消防事業をやられておられる搬送側と、それから受け入れ側の病院、医療機関、これがしっかり連携してこういうものに対処していく必要があるということで、いろいろな見直しをやってまいりました。

 例えば、救命救急センターに対しての支援、こういうものもやったりでありますとか、そもそも、患者が救急であったときに二十四時間受け入れてくれる、そういうような約束をしていただいた医療機関に対しては空床補償、要するにベッドを常にあけておかなきゃなりませんからね、こういう空床補償でありますとか、コーディネーターのためのいろいろな費用、こういうものを補助したりでありますとか、そもそも、ICTを活用してうまくマッチングできるような仕組みをつくっていただく、こういうこともやってきたわけでありますが、残念なことに、埼玉県でまた今回、救急でお亡くなりになられるというような悲しい出来事が起こったわけであります。

 埼玉は、そうやって見ますと、全国で人口当たり一番医師の数が少ないということがあるわけでありまして、地域の医師の偏在というものは、地方だからというわけではなくて、実は、この関東周辺も、東京の周辺では起こっておるわけでありますから、そういうものに対しての対応もしていかなきゃならぬということでございまして、今、臨床研修の見直しに入っておるわけでありますし、都道府県で受け入れの枠というもの、上限というものを今見直してきておるわけであります。

 そういう意味では、臨床研修、今まで非常に多かった六県とそうじゃないところとの比率というものも大分直ってきておりまして、ただ、これも、正直言いまして、あと何年かからないと具体的にはという問題にもなるかもわかりません。

 ただ、一方で、臨床研修で入ってくる方々がおられれば、結果的には医師としての人数というのはある程度回るわけでありますから、熟練した方々も含めていろいろな配置というものはできてくるわけでございまして、そういうようないろいろなことを考えながら、一方で大学の医学部の入学定員をふやしていく、その中に地域枠をつくる、こういうことを対応していこうということもやっておるわけであります。

 また、今、専門医制度を見直しておるわけでありまして、この中において、第三者機関におきまして、専門医というものをある程度適正に配備していこうということを、これは第三者機関の中において自主的にお考えをいただく話でありますけれども、そういうこともやっていただく中において、必要な医療というものが必要なところに提供できるような努力というものは、これからも不断にしていかなきゃならない。

 ただ、そういうことをすることが前提ではありますけれども、それでも、一方でまだ、しっかりとした結果は日本の医療は出してきていると私は思っておりますから、世界で今も一位かといいますと、それはなかなか、まだ、そういうものを判断する基準が今はないわけでありますけれども、世界の中で誇れる医療保険制度であるというふうには私は思っております。

中島委員 ありがとうございます。

 私自身は、本当に日本の国民皆保険制度は世界に誇ると思っています。長く、だからこそ、今その弊害が、副作用と言っていいか、それをしっかりと解決していくことが、世界に向けて、やはり日本が世界に誇る国民皆保険と言えるんじゃないかなというふうにも思っております。

 二面性があって、先ほど言ったように、制度そのものが、保険料の徴収率が悪かったりとか、いろいろな無駄が出てしまうという、このことについては、さまざまな議論の中で、これから、二年後と言わず長いスタンスでも、どうあるべきかという保険制度のあり方をしっかりと、一つ一つでも構いませんが進んでいかれるように、何としてもお願いしたいなというふうに思います。

 今回の協会けんぽ、財政の問題ですね、先ほども御答弁がありました伸び続ける医療費、その中には、やはり高齢化、後期高齢者の医療費、もしくは医療技術の進歩、そういうふうなことが問題となると思います。そこの部分、後期高齢者医療の問題ですね。

 資料の二枚目に、私、ちょっとお示ししたのが、これは日本特有の医療費増加要因。一、二、三、もっとたくさんあるんですが、大きく、臨床というかふだんの場ですね、これは恐らく日本の特徴だと私自身は思っています。

 一番目が「病床数が多い、」これは今、基準病床数の削減をしながら、諸外国と比較してということで調整をされています。「在院日数が長い」、これも諸外国と比較して非常に特徴的。

 二番目の「薬剤価格が高い、」ですね。もちろん、その後に書いてある「薬剤使用量が多い」、これは、日本は各国から薬好きの国民性とやゆもされるぐらい。これは、恐らく、国民皆保険制度の中で皆さんがリーズナブルに薬ももらえる、そういう中で根づいたものだと思います。薬剤使用量も諸外国に比べると非常に多い。さらに、一番最初に書いたように「薬剤価格が高い、」これは先発薬品ですね。これは、使用量が多いプラス薬剤価格が高いという、これもやはり特徴の一つだと私自身は捉えています。

 三番目の「医療材料価格が高い」、四番目、「検査が多い」、五、「受診回数が多い」、これは、諸外国と比較しますと、日本の病院のあり方というのはやはり外来主導型なんですよね。ちょっと矛盾するようなことになるかもしれませんが、在院日数が長い、要するに、欧米に比べますと、入院するときにはもう手術か、要するに入院でしかできないようなことになるわけですが、日本の場合は外来主導型。病院の経営母体も、やはり、外来の数で収入を安定させよう、そういう傾向があるというふうにも思います。

 この資料を見て、このような御認識があるかどうか、ちょっとお答えいただきたいと思います。

田村国務大臣 病床数は一般的に多いと言われておりますし、在院日数も長い、国際比較でありますけれども、そのような数字が出てきております。

 「薬剤価格が高い、薬剤使用量が多い」というのは、薬剤価格が高いというのは物によりますし、ジェネリック等々の利用率が低いわけでありますから、そういう意味では全体的にこういう数字が言われるのかもわかりません。

 「医療材料価格が高い」は、特に海外から入ってきている比率が多いものでありますから、海外から入ってきているものは非常に高いというふうに言われておりますので、そういう部分もあるのでありましょう。

 「検査が多い」というのは、フリーアクセスというものの中において、病院に、外来へ行かれる患者さんが多いと。ですから、病院に行きますと、比較的、検査をされる可能性といいますか、多いわけでありますから、そういう意味からするとこういうことも言えると思います。

 「受診回数が多い」というのは、フリーアクセスのいいところと悪いところが、もしかしたらこれは混在しているのかもわかりません。一方で、受診回数が多いから健康が保てているというような、そういう見方もできるのかもわかりません。

 よく分析してみなきゃいけないところだというふうに思います。

中島委員 この特有の医療費増加要因なんですが、私自身、さまざま問題意識を持っていて、取り組む方法というのはあるんじゃないか、要するに、医療現場において、まだまだ無駄な部分を削減したり効率化できるところはあるんじゃないか。

 もちろん、さまざまな事情があるんですが、やはり、後期高齢者の部分でいきますと、薬剤比率ですね。日本は今、三十六兆円の二二%ぐらいですか、四枚目の資料、医療費に占める薬剤比率は今二二・三%ですね、八兆円近く年間かかっておるわけです。そのうち、恐らく、後期高齢者、さらにお年を召された方々の薬剤比率というのは、どうしても高くなるんじゃないかと思います。

 よく言われる、先ほど大臣からもお言葉が出ましたジェネリック薬品ですね。いろいろなやり方で取り組まれて、先日も、その目標基準を上げるということも、理解しております。

 そういう中で、日本の医療の特徴、やはり在院日数が長いということを考えますと、そのトータルの薬剤費のうちの入院薬剤費の割合は非常に高いんじゃないかと私自身思っているんですが、ちょっとお答えいただきたいんですが、入院薬剤費の割合、どのくらいになりますでしょうか。

木倉政府参考人 お答え申し上げます。

 入院の医療費の中に占めます薬剤の比率でございますが、これは社会医療の診療行為別調査ということで、一月の調査からの推計ではございますが、これで調べております。

 それで、一般の医療の中で見ますと、入院につきましては薬剤比率は一〇・九%、後期高齢者の医療の方で見ますと若干低い九・五%、これがその統計の数字でございます。

中島委員 先ほど推計というお話が出ましたが、恐らく、これは推計でしかあり得ないと思うんですね。

 なぜかというと、外来薬品でいえば、処方箋で換算できます。入院薬剤費ということになりますと、それぞれの病院の経営ということになって、正確な把握は正直できないんじゃないかと思うんですね。さらに、ジェネリックの部分でいっても、外来薬剤費に関しても、それぞれの保険制度、それによって、はっきりとした統計というのは出しづらいんだと思うんですね。

 そこも、先ほど言った、一元化が必要な理由というのは、こういった、まだまだ効率化できる部分を、今の保険制度の中でなかなか把握し切れないんじゃないかなというところも非常に考えておるんですね。

 資料の三枚目は、ちょっと前後しますが、これは主な薬効別での薬価比較です。米、独、仏、英、四カ国の平均ですね。これは先発薬品です。それに関していきますと、抗うつ剤なんかでいきますと、やはり二倍ぐらいの高さになります。これはアメリカと比較しますと、アメリカとは若干安い部分もあるんですが、ヨーロッパと比較しますと、先発薬品の価格は非常に高いんですね。

 先ほど言ったように、ジェネリックを根づかせようという努力もされておるようなんですが、私自身、外来でちょっと統計をとってみました。

 例えば、一般的に、同じお薬ですよと言って、千円と百円のお薬を出します。そうすると、八割ぐらいの人は、同じお薬であれば百円をとります。ただ、一度、心筋梗塞を起こして、次に再発すると、あなた、死んじゃいますよと、その前提でお示しすると、逆転するんですね。逆に、八割ぐらいの人が千円のお薬をとります。これ自体は、先ほど言った、やゆされるかもしれないですが、これが日本の薬文化なんですね。

 そういう中で、今、ジェネリック薬品をしっかりと根づかせて、医療費削減、要するに、薬剤費の部分を何とか削減しようという努力はわかるんですが、きょうお示ししましたように、日本の医療費の増加、日本ならではの独特の文化、そして特徴があるんですね。

 私自身は、この薬剤費に関しては、もう少し精査が必要じゃないかな。委員長も薬剤師さんでございます。私自身は、製薬業界がどうたらとかと言うつもりはないんですが、その薬事構造にもう少しスマートになれる部分があるんじゃないか。

 これは私がふと思ったことなんですが、製薬会社のMRさん、おりますね。MRさんのお給料、非常に高いんですよ。私、薬剤師さんと話をしますと、薬剤師さんよりもよっぽど高い給料をもらっています。

 MRさんの仕事は、もちろん、適正な薬の使い方、情報を提供するということにあるんですが、でも、実際はトップセールスマンなわけですね。高いお薬、それをしっかりと情報を提供して買っていただくというところにその役割が求められている。その結果、薬剤師さんよりも、下手すると倍ぐらいの値段をもらっている方がいるんです。

 そうなってきますと、日本の医療費はこれからどんどんどんどんふえていく、そういうような事情の中で、もちろん、きょうの法案でもあります、国庫負担をどうするんだとか、共助の部分をどうしようか、そのことをやる前に、しっかりと、今の薬事構造、この次には医療機器構造をちょっと御質問しようと思うんですが、時間がないので次回になると思いますけれども、しっかりとその辺を把握できるような、実際の薬の使い方、後期高齢者の部分、先ほど、とかしき政務官からもございました終末期医療、そういったものに対する使い方も含めて。

 私自身は医者でもございました。先ほど言った、入院薬剤費が把握できない理由は、やはり経営の主体は医療側にあるんですね。自治体病院であれば、その事務方をやっているのは行政ということになるんです。やはりそれは、民間と比べますと、病院のあるべき姿、例えばCTやMRIなんかも日本はやたら多いですよね。諸外国に比べると、まさにそういったものがどんどんある。

 でも、本当にその病院がMRI、CTを必要な病院なのか。薬の使い方も含めて、これから精査をして、そのための精査しやすい状況をつくり出して、社会保障と税の一体改革もございます、消費税を上げる前に、まだまだしっかりと効率化すべきところがあるんじゃないか。

 そういったことも、時間になりましたので、また次回に質問させていただきたいと思いますけれども、御考慮願いながら、今後の保険制度、しっかりと方向性を見出していただきたいと思います。

 時間になりました。ありがとうございました。

松本委員長 午後一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時二十分開議

松本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。よろしくお願いいたします。

 協会けんぽの質問でございますので、最初に、先ほどの午前の質疑でもいろいろな議論がされていたんですけれども、そもそも論で少し確認をしたいなと思うんです。

 全国健康保険協会が設立されたのは平成二十年、二〇〇八年の十月でした。それまでは政管健保だったわけであります。協会けんぽに移行するに当たっての政府側の説明は、被用者保険の最後の受け皿であることを踏まえ、準備金の積み立てや、保険料率に関する必要な国の関与、保険料率の上下限の見直しなど、必要な措置を講ずるとされていました。ですから、被用者保険の最後の受け皿ということを明記されていたのかと思うんですね。

 そのもともとの、政管健保そのものでいうと、大正十一年までさかのぼるわけでありますけれども、この出発点について、政府管掌健康保険の設立の経緯とその意義について、また、その意義が、協会けんぽにかわっても国が関与するという点では引き継がれていると思うんですけれども、見解を伺いたいと思います。

秋葉副大臣 お答え申し上げます。

 政管健保は、今委員からも御紹介ございましたとおり、健康保険法が制定されました大正十一年当時に設立されたものでございます。

 そのときの背景や理由といたしましては、当時の我が国は自治組織の実績がほとんどなくて、保険制度の経験も乏しかったという事情がございまして、労使が合意をした上で健保組合が設立できない場合もあると考えられたために、健康保険制度の安定的な運営を図る観点から、その受け皿として、補完的に政府が保険者となり、政管健保を設立したといういきさつ、経緯がございます。

 また、協会けんぽは、平成二十年の十月に、国から切り離した全国単位の公法人として設立をされました。健康保険法上、健康保険組合に加入することができない者は、被用者保険の最後の受け皿としての機能を持っている協会けんぽに加入することとなるわけでございます。このため、協会けんぽは、健保組合とは異なりまして、解散が原則としては認められておらず、より適切な運営を確保する必要がございます。

 こうした観点から、国では、理事長や監事の任命、役員の解任ができること、あるいは毎年度の事業計画を認可することなど、健保組合と比較いたしまして、協会けんぽに対する監督や規制を強化しているところでございます。

 以上です。

高橋(千)委員 今、経緯を説明いただいて、とても長い歴史を一言で言うのは大変なことだと思うんですが、補完的という表現を使われたかなと思っています。

 明治の十年代から医療保険の考え方が紹介されてきて、経済の急激な膨張や近代化の中で、一部の民間大企業から共済組合という形で保険の形ができていったと聞いております。大正十一年に健康保険法が制定されるに及んで、初めて社会保険の名に値する制度が発足したのである、これは、一九七五年版の厚生白書にこのような経緯が書いてありました。

 ですから、社会保険と社会保障ということがまだ整理されていないときに、企業同士が共済組合という形をして、ただ、それだけではなかなかということで、補完的なという表現をされたんだと思うんですけれども。ただ、当時の政府の提案理由は、労働者の生活上の不安を除去し、労働能率の増進を図るとともに、国家産業の健全な発展を期そうとするものであったと。ですから、やはり、国としてどういうふうに向かっていくのかという思想があったと思うんです。

 そのことをもう少し議論してみたいなと思うんですが、我が国で最初の厚生白書は、昭和三十一年でありました、一九五六年。このときに、戦後の社会保障制度の普及、医学や公衆衛生の進歩によって、平均寿命がすごく改善されてきた、驚異に値するという表現を使っているんですね。まさにそうだと思うんです。

 そのときの指摘が、国民の上位あるいは中位の階層に属する人々の生活が着実に向上しつつある反面において、一部の下位の所得階層に属する人々の生活が停滞し、次第に復興の背後に取り残され、それによって、国民生活の上下の開きが次第に拡大しつつあるという傾向にあると指摘をしているんですね。何かこれは、今読んでも余りおかしくないな、違和感がないなというふうに思える文章ではないでしょうか。

 実は、そこで指摘されているのは、製造業の規模別賃金格差、これは、大企業五百人以上を一〇〇とした場合に、百人以上五百人未満の企業は八四である、百人未満は六七である、こういうふうに比較をして、やはり規模格差が非常にあるので、そこを何とかしようという問題意識。それと、二千九百万人の未保険、未適用が解決していない、これが非常に重要だということが指摘をされて、その後、五年後に皆保険、皆年金の制度ができていくという契機になったのではないかなと思うんですね。

 ですから、きょうも午前から、健保組合と協会けんぽの力の差の話が随分されているわけですが、今もやはり企業の規模別における労働者の賃金格差という背景があって、皆保険、国民年金の必要性、国が関与する上でのその必要性というのが強調されてきたという背景があったと思うんですが、その認識について大臣に伺いたいと思います。

田村国務大臣 今委員から御説明いただいて、大変勉強になりました。ありがとうございます。

 やはり政管健保というものは、中小零細中心の、そういうような保険でございます。大企業中心の健保組合等々と比べると、報酬の格差というのは当然あるわけでありまして、そのような中において、医療保険というものをしっかりと持続可能なものにしていこうというお話の中においては、やはり委員おっしゃられるとおり、政府が一定の関与をしていかなければならないということでございます。

 事実、今言われた昭和三十一年、このときに、国庫補助の基準、規定を置いておるわけですね。この規定を置いて、このときから国庫補助をしておるわけでありますけれども、正直、昭和四十八年度から、それまでは、そのときの財政状況で国庫補助が違ってきたわけでありますけれども、四十八年からは、〇・一%保険料が上がったら〇・八%国庫補助率を上げる、こういうような仕組みで国庫補助は上がってきた。

 ただ、一方で、昭和五十六年になりまして、一六・四%になったころに、ここで一六・四から二〇%の範囲内でというような形になって、それ以降、一六・四で来たわけでありますが、財政がだんだんよくなってきて、積み立てというような形でお金が大分余裕ができてきたものでありますから、平成四年に一三%へと引き下げた後に、今のような状況になってきておるということでございます。

 後段の部分は別にいたしまして、前段の部分は、まさに委員がおっしゃられますとおり、非常に報酬的な格差がある中において、国が一定の関与をしながら、最終的には国民皆保険制度の一翼を担っているという中において、この政管健保、今の協会けんぽでありますけれども、大きな役割を果たしておるというふうに認識をいたしております。

高橋(千)委員 丁寧な御答弁をありがとうございました。

 確かに、創設当初は、政管といっても別に国庫負担があったわけではなくて、予算の範囲内で事務費を維持していただけだ、でも、やはり保険料が上がるに従って、それに合わせて国庫の負担をふやしていた、そういう位置づけでやってきたものが、また予算の都合によって抑制されてきた。

 そういう意味では、一六・四%に戻したんだからと、一言、先読みをして答弁をされたのかなという気がするけれども、現在、協会けんぽ加入の事業所の規模は、百人未満が九八%弱で、四分の三以上が九人以下という、まさに中小零細中心の保険となっております。

 それで、さっきおっしゃった報酬を比べてみると、百八十三万円、平均で差がついている。そうすると、健保一〇〇に対して六六・九なんですね。だから、さっき言った、百人未満は一〇〇に対して六七だった。それで、同じ数字になっちゃう。今、何十年もたって、また六七。だけれども、本当は、ずっとそうじゃないんですよね。差が縮まっていた時期もあって、差が、八割くらいまで持ち直していたんですけれども、また開いてきた。ボーナスも入れるとかなり格差が開いたということがあったわけですので、やはり、これでは、協会けんぽが主張しているように、収入が低い者ほど高率の負担を強いられるという逆進性が際立ってしまうという点でははっきりしているのではないか。

 それで、もう答えたつもりでいると思いますが、改めて伺いたいと思うんですが、国庫負担本則、上限二〇%にするべきだ、これは自民党さんも野党時代に修正案として出していらっしゃったわけですし、高齢者医療の支援金との相殺で、結局肩がわりという形もやめるべきではないか。お願いします。

田村国務大臣 平成二十二年、リーマン・ショックの後、非常に厳しい状況になった中において、先ほども申し上げました、国庫補助負担率一三%から一六・四%に引き上げた、引き上げたというか、戻したですね、これは。本則の下限に戻したという話なんですけれども、同時に、健保組合等々、総報酬割を三分の一導入するという形で三年間やってまいりまして、今般、その期限が来ましたので、さらに、今国会におきまして、この法律の中において、二年間それを延長させていただきたいというお願いを今させていただいているわけであります。

 ちなみに、これで何とか二年間は、協会けんぽの保険料率一〇%、一〇%が高いというお声もあるわけでありますから、それは胸を張って言うわけでもないんですけれども、何とか一〇%は二年間は維持できるということでございまして、百六十万事業所、三千五百万人の方々が何とか今の状況を維持できるということを担保するための法律でございます。

 ただ、では、二年後どうなるんだというお話の中において、二〇%、上限までこの国庫負担率を引き上げればいいではないかというような今御提案であられたというふうに思います。

 午前中もお話ししましたけれども、やはり保険者は非常に厳しい。これは協会けんぽだけではなくて、実は健保組合の方も決して楽な状況ではないということはもう十分に委員御承知のとおりだと思いますけれども、これはやはり、高齢者医療に対する拠出金が非常に厳しくなってきておるという状況の中での話であります。

 そういう意味からいたしますと、高齢者医療制度、これは後期も前期も含めてでありますけれども、これをどう考えていくんだということも実は大きな課題でありまして、これと当然リンクをしてくるわけであります。公費をどこにどう入れていくか、これはなかなかここで一言で言えるような話ではございませんでして、これは今、国民会議の方でもいろいろな御議論を始めていただいておりますので、御議論の結果を見据えながら、どういう形がいいのか検討をさせていただきたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 この問題はあと指摘にとどめたいと思うんですけれども、今おっしゃったように、健保組合も大変厳しい。四年間で七十五の組合が解散をしています。解散すると、結局、協会けんぽに入るわけで、協会けんぽは解散できないからとさっき副大臣がおっしゃったように、やはり最後の下支えになっているわけですよね。そこがもう大変だという話になっている。

 それで、その根っこにあるのは高齢者医療の負担金なんだから、そこがなかなか解決しないんだとおっしゃるんだろうけれども、ただ、これについては、結局、もともと老人医療の制度でも負担金という仕組みはあったわけですから、それをあえてはっきりと見えるようにして、ここは高齢者の分の現役世代からの持ち出しよというのを見えるようにするのが狙いだったんでしょう。それによって、何だか高齢者の皆さんに大変済まないというような思いをさせ、かつ、高齢者医療にお金がかかり過ぎるから、何とか医療の適正化ができないかという議論をしてきたのがこれまでの経緯だったということで、見えるようになっただけであって負担が激しくふえたわけではないということを一言指摘しておきたいと思います。

 そこで、これもまた答えが同じなのかなと思いますが、もう一言言っておきたいのは、協会けんぽに移行した際に、政管健保のときは当然統一だった保険料が、都道府県ごとの保険料率に変えられました。

 今回、平均一〇%を据え置きたいということでやるわけですから、この際ですから、全国の格差もなくしていくように検討するべきではないでしょうか。

田村国務大臣 もう先ほども実は申し上げたんですけれども、確かに、前段の長寿医療保険制度、後期高齢者医療保険制度、これは確かに目測を誤ったところはあります。

 ただ、それは、制度設計自体ということよりも、やはり所得が伸びない、標準報酬月額が余りにも伸びない、それどころか下がっておるというような経済状況まで見越せなかった、もっと言いますと、そういう経済状況をつくり得なかった、そういう我々の反省があるということでございまして、制度としてこれからどうしていくか、もちろん、悪い部分は直していきますけれども、基本は、今の設計の中で持続可能性というものを何とか模索してまいりたいというふうに思っております。

 さて、後段の部分でございます。

 これも午前中申し上げたんですけれども、一定の幅の中ででありますけれども、それぞれの県単位の中で今料率を決めておるわけであります。やはりこれは、医療費の適正化、また、適正化するための予防でありますとか保健事業、こういうものに関して、それなりの御努力をいただくということは私は大事なんだと思います。

 それによって、健康で、本当に被保険者の方々が日々の生活、QOLを高めていくというような意味では大変意味がある話でありますし、結果、保険料を適正化できるわけでありますから、それによって料率が若干なりとも下がる、また上がらないというようなことになれば、それはインセンティブになるのではないかな。

 ただ、一方で、賃金でありますとか年齢でこれが影響が出てくるといけませんので、この部分を排除して、純粋に医療費というような側面にやはり光を当てながら、このような形での、保険者間での一定の、保険者間といいますか県単位での一定の差といいますか、結果に対する、結果といいますか、そういうものをつくって頑張っていただきたいという思いの中での制度であるということを御理解いただければありがたいというふうに思います。

高橋(千)委員 県単位で努力をする、いい意味での、予防ですとか健診をうんとやっていくというのは大事なことで、それはもちろん否定するものではありません。これはもう何度も私議論していますけれども。

 ただ、事業所というのは残念ながら県単位ではなかなかないので、同じ事業所でありながら県をまたいでいて差が出ている、そこにいろいろなどうこうがつきますから、やはりこれは余りいい考え方ではないであろう。しかも、そんなに大きな差でもないですので、むしろ、この際戻していく方がいいのではないか。医療費を努力で減らしていく、予防とか、そういう問題は切り離していくというのがやはり大事だ。

 つまり、努力とまた別の問題もありますから、例えば医療資源ですとか。そういう別の問題もありますので、やはりそこはちょっと一致ができないということを指摘していきたいと思います。

 そこで、きょうは国土交通省に来ていただいております。厚労省とも密接な関係がある課題ですので。

 建設産業、これは二〇一〇年の国勢調査で、十年前と比較して、十五歳から二十九歳の就業者は半分以下になっています。技術や技能の継承が次世代にできない、非常に深刻な事態だと思っています。

 そうした中で、全産業に比較しても、とりわけ社会保険未加入の事業所が多いということが問題となって、関係者で協議会を持って対策をとっておられると聞いています。

 その申し合わせ事項について、一枚目に資料としてつけておきました。昨年の五月二十九日に、社会保険未加入対策推進協議会の申し合わせというのがあったということです。

 それで、まず実態、建設業界の未加入の実態、元請、下請など別に示していただきたいのと、どのような未加入対策を行うのか、ポイントについて伺いたいと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 まず、未加入の状況でございます。

 まず、他産業における社会保険の加入状況につきましては、各種調査からの推計となりますけれども、例えば平成二十三年度時点の製造業における加入状況は、雇用保険が八八・二%、年金保険が八八・一%というふうに推計してございます。

 一方で、建設関係でございますけれども、これは、年金、医療、雇用という三保険について、いずれも加入しているという建設労働者の割合についてでございます。平成二十三年に国土交通省と農林水産省で公共工事を対象として調査を行ったものがございまして、それによりますと、元請、要するに公共事業発注を直接受けている事業者なんですけれども、これが七八%、それから一次の下請が五五%、二次の下請が四四%、三次以下が四四%となっておりまして、他産業と比較して低い加入状況となっているというふうに認識してございます。

 また、委員御指摘のとおり、建設業において現場の技能労働者の高齢化、若年労働者の不足が大きな課題となっております。若年労働者の入職が進まない原因の一つに社会保険未加入の問題があるというふうに考えてございまして、このために、元請団体、下請団体、労働者団体から成る社会保険未加入対策推進協議会というものを設立する、これは今委員から御指摘いただいたとおりでございます。

 この中で情報共有や意見交換を行いながら、特に、今まで、社会保険がどれだけの額というものが、お互いなかなか明示されていない状況がございましたので、標準見積書というものを今作成しておりまして、そういったものを活用して法定福利費の内訳明示というものを推進していくということで、そういったものを示しながら、きちんとお金が流れていく仕組みをつくろうとしているところでございます。

 また、国交省におきましても、昨年の十一月から、建設業の許可及び更新時、それから経営事項審査の際に社会保険等の加入状況を確認いたしまして、必要に応じ指導等を行っているところでございます。

 また、社会保険の未加入対策を進めるためには、そもそも法定福利費がきちんと支払われるということが重要であるというふうに考えまして、三月末に公共工事の設計労務単価というものを決定させていただいたところでございますけれども、その際には、必要な法定福利費相当額というものを反映させていただいたところでございます。

 こうした取り組みを推進しながら、今後とも社会保険未加入対策に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 やはり下請企業が未加入の実態が非常に深刻であるということが示されたと思うんですね。全産業の半分である。四四%というのが二次、三次の実態なわけで、その中で、やはり、自分たちが法定福利費を明示しても、これだけ必要なんだといっても、それが来るお金に入ってこなければ結局だめなんだということで、法定福利費をちゃんと確保できるようにと指導しているという今お話だったのかなと思います。

 もう一つは、下請指導ガイドラインというものを出されていますよね。これは検討会の中で出てきたわけなんですけれども、それを見ますと、未適用企業はいずれ排除する、現場には出さないというふうなことが書かれているわけです。そこがばあんと前に出ちゃうと、これは困ったな、いろいろな事情があるのに、排除が前に出ちゃうと困っちゃうなと思うんですが、そこら辺、事実関係をお願いいたします。

日原政府参考人 お答えいたします。

 申し合わせの中におきましては、五年後を目途に現場から未加入というものをなくそうという目標で進めておりますけれども、慎重に進めているという状況でございます。

 先ほど、許可及び経審におきまして未加入企業につきましても指導等を進めているというふうに申し上げましたけれども、今までこういう状況になってきておりますので、一気に、急激なことで混乱を起こさないように、注意しながら進めているところでございます。

高橋(千)委員 では、この問題について、厚労省としての取り組みをお願いします。

秋葉副大臣 厚生労働省といたしましては、関係の情報を適切に頂戴いたしながら、昨年の十一月からでございますけれども、建設業者の厚生年金等の未加入問題への対策を進めるために、地方整備局等から日本年金機構に対しまして未加入業者の情報を通報する制度を構築したところでございます。

 通報のあった建設業者につきましては、速やかに、一つは、年金事務所への呼び出しや戸別訪問による重点的な加入指導を順次実施させていただいているところでございます。それでもなお適用届を提出しない業者に対しましては、立入検査を実施することといたしております。

 今後とも、国土交通省と十分連携を図りながら、建設業界における未加入対策を推進してまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 最後は職権適用ということができますので、大変厳しい措置になるかなと思うんですね。つまり、未加入の実態がある、そうすると、要するに適用の事業所になる、すると即未払いになっちゃいますからね、黙っていると。そういう権限を持っているので、本当に、排除ではなく、あるいは一方的な差し押さえとかそういう方に行くのではなく、やはりそこをどう救済するかという議論を進めていく必要があるのではないか。

 それで、社会保険の加入を進めることは、労働者を守ることであり、絶対必要だと思っています、もちろんです。ただ、現場では既に、大手ゼネコンなどが下請業者に対し、社会保険に加入していないと仕事はさせない、こういう対応をしているということも聞こえております。

 ですから、社会保険未加入となっている原因を見ないで、工事現場から排除ということが先に行きますと、反省して、未加入を是正します、加入しますというふうにいけばいいんだけれども、全然違う形の解決になっている。というのは、従業員を、雇用という形から、一人一人と請負契約を結ぶ労働者、一人親方が進んじゃう。だから、実態は労働者なのに労働者ではなくなる、これは幾ら何でもまずいのではないか。

 資料の二枚目に、労働の形態に応じて社会保険がどうなっているかというふうなことの表があるんですけれども、一番下です、一人親方は何にもありません。労災は特別加入もありますけれども、要するに全部自分がやらなければならないということ、労働者であって労働者の権利を得られない、こういう実態。

 みずから望んでなる場合ではなくて、そうではなくてこういう一人親方にさせられてしまうというのはやはり問題だと思うんですが、大臣、この点、認識していただけるでしょうか。

田村国務大臣 労災保険は、事業主の責任において労働者のために保険を掛けるわけでありますから、そういう意味では、一人親方といえども事業主性があれば、それが労災保険の適用にはどうしたってならないわけであります。ただ、そうはいいながら、やはりその立場というのは非常に不安定であるということは委員がおっしゃられますとおりでありますので、特別加入というような形で労災保険に加入ができるという仕組みになっております。

 ただ、一方で、形上は一人親方のように見えて、実際はそこは労働者性があるというふうに現実として見られるものに関しては、これはよく取締役なんかも労災保険に入れないんですけれども、しかし一方で、これも労働者性があるというふうに認められた場合には、これは労災保険に加入が認められているわけでございますので、そこの現実的な部分というものをしっかりと見た上で最終的には判断をさせていただくということになろうというふうに思います。

高橋(千)委員 しっかり見た上でという答弁をいただいたと思います。

 これは実は、さっき紹介した下請指導ガイドラインの中にも、「労働者であるにもかかわらず社会保険の適用除外者である個人事業主として作業員名簿に記載する」、こういう実態があると。ですから、国交省だって実態をわかっているわけですよね。ですから、それをそのままにして、ただ未適だからだめよということではやはり済まないんだということをぜひ指摘させていただきたいと思います。

 そこで、ちょっと局長に事務的に伺いたいんですけれども、法人化した事業所が現に国保組合の被保険者である場合などは、二〇〇五年に国保課長通知が出ていて、健康保険適用除外ということがあると聞いています。

 例えば、協会けんぽに、法人だから協会けんぽの適用になるんだけれども、そこを移行しなくても国保組合に残ることは可能になっている、この趣旨を少しお話しいただきたい。

木倉政府参考人 御指摘のように仕組みがなっておりますが、簡単に申し上げますと、法人、これは基本的に健康保険の方の適用であります。ですので、そこに勤めていらっしゃる方も健康保険の被保険者と。

 国保組合に入っていらっしゃった事業所が途中から法人になったということになりますと、本来であれば健康保険に加入すべきでありますけれども、国保組合の全体の、国保組合としての事業の継続性ということから考えますといかがなものかということで、例外的に、大臣の承認を受けて、引き続き国保組合の中にとどまれるという仕組みをとったものでございます。

 ですので、今もお声があるんですが、新しく事業を起こされた方が、法人として起こされた方が、国保組合の方に途中から参加しないというものとちょっと趣旨が違いまして、従来からいらっしゃった方がとどまれるという趣旨で、こういう仕組みをつくっているものでございます。

高橋(千)委員 国保組合の継続性ということで、健康保険の適用除外という制度があるんだということでありました。ここを何とか少し広げられないのかなというのが、一つ、ちょっと課題としてあったんです。いきなりですのできょうはちょっと答弁が難しいだろうなということで、これは要望にとどめて、ぜひ、少し研究していただきたいということで申し述べさせていただきました。

 そこで、さっきから議論しているように、法人になると適用になっちゃう、協会けんぽに入るのが絶対ですよという話なんですが、資料の三枚目を見ていただくと、一人親方が、これは労災の特別加入で数字を拾っておりますので、二〇〇一年から二〇一〇年までに大きくふえているというのがおわかりだと思います。十四万人以上ふえていますよね。

 それで、真ん中なんです、問題は。従事者が一人の法人事業所、一人親方なんだけれども法人になっている。これが、二〇〇六年、一万三千四百五十六社から、二〇〇九年、二万八千六百三十一社ということで、倍以上になっております。これは何でそうなのかというのは、多分、見当がついていると思うんですけれども、〇六年、新会社法がありまして、一人でも法人というので、大幅に緩和になったわけですね。これは、一人親方に対して法人化ということでの、また、現場での大手のパワーが働いているということが指摘をされているわけなんです。

 そうすると、これはまたさっきの資料に戻ってみますと、一人親方で一人法人になっちゃうと、いよいよもって、事業主負担も全部自分で払うわけですから、本当に、実態は労働者でありながら全部自分で負担をしなければならないということで、権利を奪われてしまうわけですね。だから、これはちょっとどうなのかということになるわけです。

 ですから、みずから進んで法人化を目指すのは当然問題がないと思います。しかし、法人化じゃないと仕事がもらえないとか、仕事を干される、それしか道がないというのではなくて、やはり最初、さっき一人親方のときに大臣が答弁をされましたけれども、労働者性ということをきちんと見て指導していかなければ、そこは法人化を迫るようなことになっては違うのではないかと思いますが、もう一言いただきたいと思います。

田村国務大臣 あくまでも労働者性というものをしっかりと確認をさせていただいた上で、労災加入になるのかどうなのかということを判断させていただくわけでありまして、外形上を見て、一人親方であるからといって、それで加入を一義的に全て断るという話ではない。

 ただ、形がそうなっておりますと、なかなかこれは見づらいのも確かでございますので、そういう意味では、やはりしっかり確認できるような、そういうような対応というものは必要になってこようというふうに思います。

高橋(千)委員 これはやはり法人になっちゃいますと、経過がどうであれ、結局、法人なんだから適用でしょうということになっちゃって、さっき言ったように、いずれ五年後には現場に出られなくなっちゃうし、あるいは、職権での厳しい徴収もあるということになっていきますから、そうではなくて、やはり法人化ということの、されている実態というか、なぜそうなっているのかという、なぜ一人親方であり一人法人になっちゃったのかということもよく見ていただいて、それはちょっと関係省庁ともぜひ協力をしていただいて、検討していただきたいと思います。

 それで、こうした問題を解決する上で、やはり公共工事の労務単価が非常に下がってきたということが背景にあると思うんですけれども、二〇一〇年、千葉県野田市で最初につくられた公契約条例、これが、現在、東京、神奈川など七市に広がっています。低入札が広がり、労働者の賃金低下が問題となっている中で、適正な労働条件を確保しようと。

 野田市の公契約条例第六条には、適用労働者に対し、市長が別に定める一時間当たりの賃金等の最低額以上の賃金等を払わなくてはならないと明記をしています。これを担保するための、受注者による労働者への周知義務とか連帯責任、是正措置などを定めております。

 現在、公契約条例制定を求める意見書は二十四県七百五十四市町村、検討とか同趣旨を入れますと三十五都府県八百六十七市町村で採択ということで、大変広がっています。ぜひこれを国としてもやるべきだと思います。

 最後に大臣に伺いますけれども、先に国交省として、入札制度の改革などをさまざまやってこられたと思います。そういう中で、やはり建設労働者の労働条件の確保や雇用の安定のために公契約条例をつくるという自治体がふえていることについて、当然、公共工事が労働条件が確保されることによって、民間の契約にもやはり影響があるわけですよね。そういう意味でも非常に大きな意味があると思うんですが、その認識についてぜひ伺いたいと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 地方公共団体におきまして公契約条例がつくられているという実態については承知しております。ただ、具体的にそれについてコメントする立場にございませんが、基本的に、労働者に対しましてきちんと適正な賃金が支払われるということは大変重要であるというふうに認識しております。

 先ほども御答弁させていただきましたが、将来の担い手の確保、育成というものは大変喫緊な課題というふうに認識しております。

 そのため、先ほど労務単価のお話をいたしましたけれども、これがきちんと支払われるようにということで、単価の発表と同日付で、建設業者団体に対しまして、技能労働者への適切な水準の賃金の支払い、社会保険等への加入の徹底、若年労働者の積極的な確保、ダンピング受注の排除ということを要請させていただいたところでございます。

 また、昨日には、大臣から直接、団体の代表に対しまして、これらのことについて再度要請をさせていただいたところでございます。

 以上でございます。

高橋(千)委員 ありがとうございます。かなり条件整備はできてきたのではないかと思うんですね。

 それで、最後に大臣に伺いたいんですが、公契約法は、一九四九年、ILO条約第九十四号、それと勧告八十四号がございます。ことし一月現在、六十二カ国が批准しているものの、まだ日本は批准をしていません。

 歴史的には、労働省だったときに、一九五〇年に法律案を一度つくっているんですよね、ILO条約に則して。そうしたら、経済界からの強い反発を受けて、提出まで至らなかったという経過がございます。

 しかし、もうかなりの条件整備が、今、国交省の答弁もそうだったと思うんですが、できております。また、地方の動きもあります。公契約をぜひやるべきだと思いますが、大臣にお願いします。

田村国務大臣 ここ十数年来の設計労務単価の下がり方といったら、ひどいものがございまして、若干、今、大震災の後の復興需要等々で、地域的に引き上がってきているところがあるのは事実でありますけれども、そもそも、もう今から十数年前、二十年近く前になるでありましょうか、入札制度改革の中において、一般競争入札を中心にいろいろな制度改革が行われました。結果的にデフレスパイラルの片棒を担いだみたいなところがあると私は思っております。

 そういう意味からいたしますと、適正な価格でちゃんとした発注をする責任が私は発注者にはあるというふうに思っておりますが、ただ、一方で、その賃金というものは、これは労働契約でございますから、事業主と労働者との間で決まってくるわけでございまして、もちろん、一定の価格で発注ができれば、また受注ができれば、当然のごとく、それは労働者の賃金にも影響してくるわけでありますけれども、それが即比例してというわけではないというのも事実でございます。

 ですから、そういうようなところ、我々厚生労働省としてはどういうやり方で労働者の方々の賃金の水準というものを上げていくことができるのか、そんなことも考えながら、この公契約制度というものを見守ってまいりたいな、このように思っております。

高橋(千)委員 だから、多分、公契約なんだと思うんですね。

 賃金は確かに契約だからなかなか決められない。だけれども、公共事業は公がやる契約でございますから、やはりそこで、労働者の適切な労働条件や、それから労働基準法、憲法に則した人間らしい労働生活を守ろうという立場での価格の設定というものがあって、そこから発してくるわけですから、そこに一定のルール、あるいは発注者の意思を込めていくことが全体の底上げに絶対つながるであろう、そういうことで、各自治体でも取り組みが広がっていますので、ぜひ前向きに検討されて、早く実現をしていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、中根康浩君。

中根(康)委員 民主党の中根康浩でございます。

 きょうは、健康保険法等の一部を改正する法律案について、田村大臣と四十分、議論をさせていただきたいと思います。

 それで、余り申し上げたくないんですけれども、三月十五日の、大西委員とのここでの大臣の議論ですね、TPPに関すること。これは、大臣、本音ではあろうかとは思いますけれども、いささか大臣らしからぬ、品のない御答弁だったと今感じるんですね。この時点では反対でございました、なぜかといいますと、民主党政権でございました、民主党政権下におけるTPP交渉には反対をしておったわけでございますという御答弁。

 TPP交渉に参加すること自体は、私も、実は、積極的に是とする立場でございます。ただ、いわゆる聖域、厚労部門でいえば国民皆保険、これを堅持することができるかどうか。

 ところが、この間、いわゆる事前交渉というものがまとまった、その内容を見ると、余りにも高い入場料と言われたり、あるいは頭金と言われたりするものを支払うことになってしまったのではないかと言われております。関税撤廃の先送りと、簡易な手続による外国車輸入枠拡充という形で、自動車分野で早々と米国の要求を丸のみしたのは、国民皆保険など日本の聖域を守るためのカードを、ある意味、もう既に失ってしまったということになりはしていないかと危惧をさせていただきます。

 自民党は、聖域が認められなければ交渉から脱退するとしていたわけでありますので、もう、残されたカードは、交渉脱退しか残されていないということになってしまいませんか。

 民主党政権下での交渉力は反対だが、自民党政権の交渉力ならTPP交渉に賛成していると御答弁をされた田村大臣、いきなり切れるカードがなくなってしまった、自民党の交渉力もかなりクエスチョンマークがつくんじゃないかというふうに言わざるを得ないんですが、この交渉力、自民党の交渉力だと、田村大臣、やはり反対ということになりますよね。大臣、いかがでしょうか。

田村国務大臣 済みません、ちょっと品のないというお話をいただきました。

 本当に心苦しいところはあったんです、ああいう答弁をするのは。当時、野党でございまして、本当にそういうことを我々言ってきたんですね。そういう中において、政権が交代して、大西委員の方からそのような御質問があったものでありますから、本当に心苦しい答弁であったんですけれども、うそをつくわけにいきませんので、当時そうやって言っておったということを申し添えさせていただいたわけでございまして、その点は、もし失礼の段があったら、お許しをいただきたいというふうに思います。

 では、自民党の交渉力はいかがだという話なんですが、基本的に、自動車ですね、二・五%関税が残る、ピックアップトラック等々二五%の関税が残るという話があります。

 もともと、日本はもう関税はないわけでありますから、そこは何ら譲歩するところはないわけでありまして、ある意味、では、二・五%というものが、関税がアメリカに対して残るということがどうかと考えると、正直、私、これは所管外でありますから、私の率直な、門外漢の感想だというふうにお聞きをいただければありがたいんですけれども、これだけ為替の適正化が進みますと、ほとんどなくなっちゃうんですね、そういう意味合いというのが。

 一方で、二五%のピックアップトラック等々への関税というものに関しては、かなりの部分、ほとんどに近い部分、日本の場合、アメリカでつくっておることが多いわけでございまして、余り影響がないのであろうというふうに思うんです。

 すると、結果的には、そんなに失うものというよりかは、私は、なかなかいい交渉をする中において、次に向かって、といいますのは、TPPはアメリカだけではありません。これは、これからアジアの国々、まだまだ自動車の関税が残っている国々に対して、この関税に対しての撤廃も含めていろいろな議論をしていかなきゃいけないわけでありまして、これに参加するという意味では、私は意味があったというふうに思います。

 なお、今までずっと言ってきておりますけれども、では医療保険に対してはどうだという話なんですが、これはもう民主党政権下のときでありますから皆様方御承知だと思いますけれども、去年の二月、このときにもう早々と、日本の皆保険制度に対して物は言わないとはっきり言っていただいておるわけであります。

 その後、USTRの代表補カトラーさんが、日本でのこれは講演ですか、この中において、TPPは日本や他の国の医療保険制度を民営化することを強いるものではない、いわゆる混合診療を含め、民間の医療サービス提供者を認めることを要求するものではない、ここまでおっしゃっておられるわけであります。

 そのような意味からいたしますと、根幹に対してアメリカがいろいろなことをおっしゃってこられることはまずないのであろうというふうに認識をいたしております。

中根(康)委員 繰り返しになりますけれども、この国民皆保険、けさからの議論も出ておりますように、これはいささかなりとも譲ることがないように、ぜひ大臣としても懸命の、懸命の努力をする必要が、そういう状況になっては困るわけなんですけれども、ごく自然体にこれは流れていってもらわなきゃいけないわけなんですけれども、ぜひ、そういう姿勢で臨んでいただきたいと思います。

 それと、アベノミクスの三本の矢ということでございますけれども、この三本の矢のうち、最も大切だというのが、やはり三本目の成長戦略ということになると思います。六月にも取りまとめられるということでございますが、健康長寿という分野も当然この成長戦略に入ってくる。

 医療や介護を成長戦略として位置づけようとするとき、さまざま、乗り越えなければならない、あるいは整理をしておかなければならない議論が数多くあるんだろうと思っております。高齢社会、医療の高度化、こういったことによって医療保険財政がある意味ぎりぎりの状況にある。公的保険を守ろうとすれば、保険料の引き上げ、あるいは患者負担の引き上げ、また財政支援の追加、もしくは予防医療などによって医療費そのものを削減する、こういう課題に直面をしていくわけであります。

 そこで、またここで出てくるのが政府の産業競争力会議というものでありますけれども、ここで大変なことが議論をされております。

 皆さん、配付をさせていただきました資料一をごらんください。

 線を引いてくるとよかったんですけれども、「(6)社会保障負担の削減に向けて」ということの中に、風邪は七割負担。あるいは、自己負担増も段階的に行う、例えば三年ごとに一割アップ。あるいは、自己負担の最低限度額を設定する。あるいはまた、一月当たりの窓口負担の上限額の比例増部分、これは高額療養費の比例部分、今の一%、ここを引き上げる。あるいは、七十歳から七十五歳、これを一割のままにしておくか二割にするかということを、議論がまだ決着がついていないのに、七十五歳以上を一割から二割にする。こういうことが、大変なことが、これは国民が聞いたら腰を抜かすような議論が行われているわけであります。

 これは、医療を成長戦略と位置づけるといいながら、患者負担、自己負担をふやせば、その分だけ当然消費が減退をし、将来不安が引き起こされ、景気にも悪影響を及ぼすということにもつながるわけであります。

 今の政府の動きを見ると、アベノミクスが国民生活に恩恵をもたらす前から、例えば、このほかにも、かねてからこの間議論しております解雇の金銭解決制度、あるいは生活扶助の切り下げ、こういったものによって、暮らしや雇用のセーフティーネットを大変粗いものにしてしまったり、医療の自己負担をふやして、安心して医者にもかかれないような方向性を打ち出そうとしたりと、とても危うい議論が行われているような気がいたします。

 その議論の主な舞台がこの産業競争力会議でありまして、競争力会議で何を議論しても、それは自由なのかもしれませんけれども、ここでやはり問題視しなければならないのは、この競争力会議に、茂木経産大臣はレギュラーメンバーとして入っていらっしゃるけれども、肝心の田村厚生労働大臣がこの競争力会議に入っていない。あるいは、経営者側のメンバーは入っているけれども、労働者側のメンバーは入っていない。

 こういうことの中で行われている議論だからこそ、こういう国民の暮らしや命、健康というものをないがしろにしかねない議論が行われてしまうということになるわけですので、大臣、これは、大臣そのものが内閣の中で実はないがしろにされているんじゃないか、あるいは厚生労働行政が置き去りにされているんじゃないかと我々どうしても感じ取らざるを得ない、そういうような状況になりつつあるんじゃないかと思いますが、大臣、いじめに遭ったりしていませんか、内閣で。無視されていませんか。いかがですか。

田村国務大臣 御心配をいただきまして、まことにありがとうございます。

 必要なときに呼ばれておりますので、常時のメンバーではありませんけれども、当然、物事を決める上において、節目節目で私も呼ばれております。

 ちなみに、きのうもインナーの会議に呼ばれました。いろいろと皆様方の御支援もいただきまして、私もいろいろな主張をしてまいりまして、きのうは、比較的、これから労働者の立場に立った制度にしていかなきゃならぬねというような、そういう大変ありがたいお言葉を委員の皆様方からもいただいておるわけでございます。

 いろいろな意見が出ます。もちろん、それは、制約をかけて、これは言っちゃいけない、あれは言っちゃいけないなんて言えば、もともと、新しい発想の中で、今までにないような、そういう発想でこれからの日本の経済を、産業を成長させていこう、そういう競争力を持たせるための会議でありますから、そこはやはりいろいろな御議論があっていいんだと思います。

 しかし、最終的に意見が取りまとめられてくる中においては、それ相応の中においての議論になってくるのであろうと私は思っておりますし、私は私の立場の主張をさせていただいておりますが、それに対して比較的御理解をいただいておりますので、大変御心配をいただいておるようでございますけれども、決していじめには遭っておりませんので、御心配いただきませんように。

中根(康)委員 ぜひ、こういう、本当に厚生労働行政に深く立ち入る、かかわる議論が行われているわけでありますので、大臣の方から、私もこのメンバーに入れてくださいというぐらいの姿勢でこの会議に臨んでもらわなくては、本当に政府の方針が誤った、間違った方向に行きかねない。こういったことが議論されていることがマスコミでだあだあと垂れ流しをされて、あたかも政府の方針がそのように決まったかのような既成事実化されていってしまうというようなことを心配させていただいております。

 安倍総理が、最近、何かというと、結局、円が安くなって株価が高くなっているから、それでいいじゃないか、結果は出ているじゃないか、参ったかというような、こういう答弁をされるわけであります。国民が期待しているのはそういうものではなくて、きちんと雇用が守られて、賃金が上昇し、ひいては税収も上がって、社会保険料収入もふえる、そして、増税が最小限のものに食いとめられたり、社会保障の国民負担がこれ以上重いものにならない、こういったことをアベノミクスに期待しているということであろうと思っております。

 この産業競争力会議で議論されたことが、あたかも既成事実化というようなことがないように、大臣としても、ぜひ、総理官邸にしょっちゅう行って、物申していただきたいと思います。

 今、大切だと言われている道徳教育、これで教えられるのは、こういう、弱者を切り捨てにする、弱い立場の人を置き去りにするということではないと思います。子供たちに中学校で武道を必修化させるということが平成二十四年から始まったということでありますけれども、株が上がって円が安くなればそれで全てよしというようなことではない、その反対のことを、もっと、礼儀作法だとか、相手を尊重するとか、謙虚な姿勢であるとか、こういったことを教えるために武道だって必修化したわけでありますので、株が上がって、円が安くなって、どうだというようなことではないというふうに思います。

 この厚生労働行政が、本当にこの国の最後のとりでというか、かなめでありますので、これはアベノミクスの暴走ということにならないように、山井議員がいつも言うように、アベノリスクというようなことにならないためにも、ここは田村大臣の踏ん張りが必要だと私は考えさせていただいております。

 それで、先ほど指摘をいたしました高額療養費の上限の比例部分の引き上げ、これは資料二をごらんいただければわかるように、厚生労働省の考えは、「国民会議の議論も踏まえつつ、検討を予定。」ということになっているんですね。これは本当に検討するんでしょうか。

 これはお配りはしておりませんけれども、私の今手元にある資料を見ますと、例えば、疾病の種類に応じた自己負担割合の導入、さっきの風邪だったら七割、こういうもの、これは、厚生労働省の考え方は、「実施困難」ということが書いてあるわけです。

 これに比べて、高額療養費の引き上げは「検討」と書いてある。それから、七十五歳以上の自己負担を二割にするということも、これも「検討」と書いてあるわけであります。

 その一方で、例えば、病床規制、介護総量規制を撤廃すべきというような提案については、厚生労働省は「困難」という表現をされておられる。

 この「実施困難」あるいは「困難」とは違って「検討」と記されているということは、まさにこれは実現を視野に入れて議論が進められているのか、厚生労働省自体も、これは本当に検討しているのか。どうですか、検討しているんですか。

田村国務大臣 例えば、疾病によって、自己負担がこれは三割だ、これは七割だ、これはちょっと幾ら何でも保険制度じゃないですから、笑って申しわけないんですけれども、これはもうさすがに検討もさせていただけないなという話ですよ。それは委員も同感だというふうに思います。

 高額療養費の負担、一%かどうかは別にして、一%以外の部分もありますよね、これに対してはいろいろな議論があります。例えば、今、一定収入がある方々、区分で分かれていますね。区分で分かれていますけれども、それでも、その区分が粗いんじゃないか、こういう議論もありますよ。それは、二百万強から七百九十万までが真ん中の層であるわけですね、これが全部一くくりでいいのかという御議論もありますよね。

 さらに申し上げれば、例えば、収入が多くても、七百九十万以上あっても、がん等々で長期的に医療費がかかる方々に対しては、本当に今のような分け方でいいのか、制度でいいのか、こういう議論もある。低所得者はもっと考えなきゃいけない。いろいろな議論があります。

 その中に、一方で、高所得者でそれなりに収入のある方々からはちゃんとした実費負担分をいただく、高額療養費の上限率を上げるという御議論、これは何をもって上げるかは別にしまして、そういう御議論もあるのも事実であります。

 でありますから、そういうことを含めて検討をするということでございます。

 ちなみに、今委員、上げることを、言うなれば、方向性にして検討するのかというふうにおっしゃられましたけれども、大体いつも、私が検討するとここで言いますと、皆さんは、大体役所が検討するということは、やらないということじゃないかとおっしゃられるわけでございまして、検討というのはいろいろな意味があるわけでございますから、そこのところは御判断いただければありがたいなというふうに思います。

中根(康)委員 それは、大臣としてはなかなか示唆に富んだといいますか、重大な御答弁だったと思います。検討というのが、やらないということを実は示唆しているということであれば、そのとおり答弁を受けとめさせていただきたいと思います。

 それと、例えば風邪だったら七割というのは、これは午前中の議論にもありましたけれども、こんなことをおっしゃる、幾ら民間の議員であっても、余りにも政府あるいは今の政治の状況とかけ離れた御意見を言われる方が、産業競争力会議という重要な会議で、自由だとはいっても、いらっしゃるというのはいかがなものかという感じがいたします。

 それと、今改めて、所得の幅がそのままでいいのかというようなことがありました。

 確かに、所得段階に分けていろいろなことを考えるというのは必要だと思いますが、いずれにしても、恐らく、さっきの大臣の答弁とはまたこれは違って、今回の「検討」は本当に引き上げということを真面目に検討されておられるということと、やはり警戒心を持って私どもは受けとめざるを得ないと思っております。

 このことについては、きょうは民主党議員四人、質問に立たせていただきますので、私は起承転結の起の部分でございますので、このあたりにとどめさせていただきたいと思いますけれども、この後の二番バッター、三番バッター、四番バッターはさらに強力なバッターが次々と登場いたしますので、ぜひ議論を深めていただきたいと思います。

 それで、医療分野を成長の柱に据えるということは、ここからまた少し議論がかわりますけれども、ここで雇用をふやして税収を上げる、あるいは稼ぐということで理解をしていいと思っております。

 例えば、収益事業のできない医療法人が株式会社を別につくる、この株式会社で食事サービスやフィットネスクラブなどを経営する。つまりは、保険外の疾病予防や健康づくりを稼ぎながら推進する。このことが、ひいては医療費の削減、あるいは保険の負担軽減になる。

 あるいは、これはいわゆるアウトバウンドというものでございますけれども、海外に展開して、世界の医療市場、これが、この十年ほどで毎年九%近くずつ成長している。市場規模は、医療機器で二十兆円、医薬品で七十兆円、医療費で四百三十兆円と言われております。特に新興国におけるニーズが大変大きいものになっている。

 この世界の医療の市場を取り込む、そして稼ぐ、稼いだお金で医療機器や医療周辺サービスに充てる。これが日本の医療水準の向上や、医療費削減につながる。そしてまた、人気のある日本式医療を、システムごと、人間の安全保障という観点からも、新興国などに輸出をする、海外展開をする。

 医療を成長戦略と位置づけるということは、こういうことを意味しているんだろうと思いますけれども、他方、こういったことを展開すると、規制の及ばない海外展開が中心となると、国内の医療水準が低下をしたり、国内医療の空洞化を招くという懸念も当然生じてくるわけであります。

 医療を成長戦略の柱として位置づけると、こういう議論に直面せざるを得ないということだろうと思いますけれども、このあたりについて、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

秋葉副大臣 日本の経済の成長ということを考えましたときに、この医療分野、大きな可能性を持っている分野でございまして、厚生労働省といたしましても、医療・介護分野の成長戦略といたしまして、医療関連イノベーションの一体的な推進、そして予防の推進などによる健康長寿社会の実現という二つの分野を柱といたしまして、取り組みを推進するということといたしております。

 具体的には、日本経済再生本部における総理の御指示、四月二日に田村大臣にございました。再生医療の迅速な実現を図るとともに、医療機器の開発スピードを引き上げるために、関係法案を今国会に提出すべく、作業を進めているところでございます。

 また、国民の疾病等予防、健康増進活動への取り組みを促すために、社員の健康づくりに取り組む企業への支援などによりまして、健康関連産業を育成そして拡大することなどに取り組むことといたしております。

 いずれにいたしましても、医療・介護分野を成長戦略の重点分野として位置づけることは、健康寿命の延伸と関連産業の育成に資すると考えておりまして、政府一丸となって取り組みを推進していかなければならない課題だと認識しております。

中根(康)委員 医療の空洞化あるいは国内医療の低下に対する心配、これを十分払拭するという内容の答弁としては、ちょっと不十分だったかなというような感じがいたします。

 同じような質問を重ねて申し上げますけれども、先ほどアウトバウンドということで申し上げましたが、今度はインバウンドでありますけれども、保険の適用をされない外国人に来日してもらい、日本のすぐれた医療を使ってもらう、これによって、またここで、成長戦略と位置づけるならば、稼ぐというような表現が当てはまるかもしれませんが、これが成長戦略だということになるかもしれません。

 これによって、二〇一一年にはこのことを、既に民主党政権下でも、医療滞在ビザというものを創設したり、あるいはメディカル・エクセレンス・ジャパンという機関をつくって事業展開をしたりということも行っておるわけでございますけれども、アウトバウンドもそうなんですが、こういうインバウンドによっても日本人がないがしろにされる、ドバイの石油王だけが優遇されて、金持ち外国人だけが優先されて、肝心の日本人が後回しにされてしまう、こういう心配がささやかれているということは事実だろうと思います。

 ドバイの石油王よりも日本人を大切にするということになるのか、あるいは、成長戦略だからドバイの石油王の方が優先だということになるのか。大臣、いかがですか。

田村国務大臣 まず第一点、先ほど、医療の自己負担七割などというような意見を言う委員がいるのはけしからぬ、そういう委員からのお話がありましたが、私は、いろいろな発想があっていいんだと思うんですよ。それを採用するかどうかは別ですよ。でも、そういうような、談論風発するような、そういう議論がある中において、新しい産業競争力というものを生むための知恵といいますか発想が出てくるわけでありますから、その点は私は否定するものではございません。

 今のお話でありますけれども、これはどういうようなものになるのか、インバウンド。これは具体的なものが、まだ私もイメージが浮かんでおりませんが、基本的に、海外から来る、そういう医療ツーリズムみたいな話の中において、患者の方々に対して、日本の腕のいい医師が全部そちらの方に行くようなことがあったら、これはもう大変ですよね。

 やはり、公的医療保険制度の中で、医療人材として一定の方々がちゃんと確保された上で、そういうものがしっかりと進んで外貨を稼げるというのは、それは私はいいと思いますけれども、そういうものがたくさんできる中で、何か、執刀する医師が日本人に対してはいないなんという、そんな世の中になったら、これはもう目も当てられないわけでありまして、そんなことにはならないように制度設計を考えなきゃいけないわけであります。

 そもそも、どういう制度設計なのか、具体的に私はイメージが湧いていないものでありますから、よくわからないわけでありますけれども、ちゃんと、日本の公的医療保険制度、そして非常にすぐれた医療人材、こういう方々が日本の国の医療、国民の医療を担っていただくということが大前提だということだけは、大きく申し上げさせていただきたいというふうに思います。

中根(康)委員 アベノミクスの三本目の矢の成長戦略ということで、成長戦略の中に健康とか長寿とかということを位置づける、医療や介護の分野を位置づけるということは、言うはやすいんですけれども、実際にはさまざまな課題に直面をする、こういったことを今申し上げたくて、決して、紙に書いたから、それでそれがすぐに成長分野として発展していくとか稼ぎ出していくとかということには必ずしもならない、そこには、忘れてはいけない、置き去りにしてはいけないものがたくさんあるんだということを今申し上げたくて、こういったことを御提起させていただいておるわけであります。

 医療機器、あるいは再生医療、再生医療製品、これもまた同じようなことが言えるわけで、これまで治らなかった、治せなかった疾患を治せるようになるという意味では、この分野、大変期待が大きいわけであります。しかし、その一方で、これも同じような議論の繰り返しなんですけれども、その多くをどんどんと保険適用、保険収載すると、医療費はまたどんどん増大をするということにつながりかねない。特に、再生医療とか医療機械というものは、個別性が大変強いものでもあるわけでありますので、どこまで保険収載するかということは、なかなか実際には難しい問題であろうと思います。

 同じような質問の繰り返しになってしまいますけれども、再生医療や再生医療製品、あるいは医療機械は、ドラッグラグあるいはデバイスラグ、こういったものを解消しながら、薬事法を改正して、普及させていく、成長力をつけさせていく、国民にとってなるべく多く活用してもらう、こういう方向性で今動いているというのは、それはそれでいいと思うんですけれども、成長戦略として位置づけた場合、どこまでを保険の対象にしていくか、保険収載していくかということについては、今大臣、どのようにお考えでしょうか。

秋葉副大臣 まず、先ほど、医療のインバウンドの点について、大臣がお答えになったとおりなんですけれども、国内の国民への医療サービスの阻害にならないように留意していくという答弁のとおりでございますが、一方で、在日の外国人に対しましては、必要な医療を受けやすい環境を整備していくことは必要だと考えております。

 厚生労働省といたしましては、日本で医療機関の受診を希望する外国人に加え、例えばビジネス等で来日した外国人や、日本に在住する外国人が安心して医療機関を受診できますように、昨年の七月から、外国人患者受入れ医療機関認証制度というのを開始いたしました。まだ少ないんですけれども、先般、三つの医療機関が認証を受けたところでございまして、特に、外国人に対するそうした医療サービスの水準も上げていこうというふうには考えております。

 そして、ただいまの質問でございますけれども、まさにこの再生医療の分野、医療費との相関関係でいつも大臣も御答弁いただいているわけでございますけれども、私も成育医療研究センター等も視察をしてまいりましたけれども、大変国民も期待をされている分野でございます。

 先ほども少しお答えしましたとおり、厚生労働省といたしましても、安全面でありますとか倫理面等の課題に留意しつつも、迅速な実用化を推進するために、制度面での法制化を図っていこうということで、具体的には、再生医療製品の特性を踏まえた条件、期限つきの早期承認制度を導入するということを主な内容にいたしました薬事法の改正案も今準備中でございます。

 また、再生医療のリスクに応じて適切に安全性確保を図るとともに、細胞培養加工につきましても医療機関から外部への委託を可能とする再生医療新法案の二つの法案について、今準備をしているところでございまして、精力的に作業を進めてまいりたいと考えております。

 また、一方で、我が国の医療保険制度におきましては、必要かつ適切な医療につきましては基本的に保険診療で確保するという国民皆保険の理念を基本としているところでございます。

 再生医療のように、いまだに保険診療の対象ではないものの、将来的に保険適用すべきものであるかどうかの評価を行う医療技術につきましては、安全性そして有効性等の確保が期待される等の一定の条件のもとで、保険外併用療養費として保険診療との併用を認めておりまして、再生医療につきましても、必要に応じてこうした仕組みを活用していくことになるだろうというふうに考えております。

 なお、高度な医療技術の増加を踏まえました医療技術の費用対効果評価のあり方につきましては、現在、中医協に費用対効果評価専門部会を設置いたしまして、議論を行っていただいているところでございます。

 いずれにしても、今後とも、国民皆保険制度を将来にわたって維持していけるように取り組んでまいりたいと考えております。

中根(康)委員 もうこれ以上医療費はふやせない、公費負担も限界、保険料も限界、そういった中で医療を成長戦略と位置づけるとすると、いわゆる混合診療、その言い方がだめだとすれば先進医療、これを拡充していくということを考えざるを得なくなってしまうのかもしれない。しかし、ここでも、これまた今までと同じように、金持ち優遇あるいは不公平、保険診療の空洞化、こういったものを心配する声にこれは直面をするわけでございます。

 高度医療、疾病予防、ヘルスケア、終末期医療、緩和ケア、あるいはみとり、国民の医療の分野に対するニーズは大変多種多様であるわけで、これを全部保険で扱うわけにもいかない。

 とすると、本当に繰り返しになって恐縮なんですが、医療を成長分野として考えると、先進医療の拡大、混合診療という言い方をすれば混合診療の解禁、これを検討せざるを得なくなるということになりはしませんか。大臣、いかがですか。

田村国務大臣 今、医療の高度化にどう対応していくかという問題でございました。

 もちろん、成長戦略の中では、国内の部分もありますが、当然、新しい新薬ができれば海外で外貨を稼ぐということにもなる。医療機器もそうでありましょう。再生医療は、特にiPSに関しては、我が国が一番初めにもしかしたら、今既に加齢黄斑変性の申請が出てきておりますから、こういう意味からすれば、新しい医療技術として、これが世界に向かって日本から発信するものになるかもわからない。介護ロボットなんかもそうかもわかりません。

 ですから、海外に向かう部分に関しては、早く開発した方が、当然、日本の、外貨を稼ぐための強力な競争力を持った戦略的な成長分野になると思うんです。

 では、国内はどうか。

 これは、委員、仮に日本で成長戦略で開発しなくても、海外も同じことをやってくるんですね。海外で新しい医薬品ができる、再生医療製品ができる。

 そのときに、日本の国が、では、日本はもう鎖国して、そんなものは一切、医療技術や薬は使わないんだなんて言えば、それは今の範囲でやれるかもわかりませんよ。だけれども、それをまた、今、治らない不治の病の方々、難病の方々、治療方法がない方々、新しい治療方法が仮に海外で開発されても、日本でこれが審査されて適切だという話になれば、それを使いたいという話になってくる。それを使うなとは言えないんですよ、これは。

 だから、これは、どこでつくるか、どこで開発するか、そんなことは関係ない。患者さんとしてのニーズなんです。それを受けとめることを考えれば、これは成長戦略とはまた別の話でありますね。

 そして、そのためにはどうしたらいいかというのは、保険というものは、やはり、これはみんなが保険料を払って成り立っている制度でありますから、一般化をしていくような、そういう分野のものを保険に収載を目指していく。

 そして、保険に収載を目指していくという中において、費用対効果というものは当然あります。初めは非常に高い医療技術、医薬品、こういうものが、だんだん一般化されてくると安くなってくる。こういうのを待ちながら、また必要度、それによって本当にもっとかかる医療費がそこで安くなるのならば、仮にそれ自体は高い技術であったり薬であっても、後のことを考えれば費用対効果でそっちの方がいいという話になる。

 そういうことを勘案しながら、例えば先進医療に載っておるようなものをいつ保険に収載するか、これは保険財政ということも考えながらやっていかなきゃならぬというふうに思いますから、この部分は、成長戦略ともかかわりはありますけれども、成長戦略以外であったとしても、同じことを我々はこれから考えていかなきゃいけない、大きな問題だというふうに思っております。

中根(康)委員 きょうは、アベノミクスの三本目の矢の成長戦略という切り口から、大臣にさまざま質問をさせていただきました。

 つまりは、産業競争力会議や規制改革会議で議論されているような、あんな乱暴なものではないわけなんです。あちらを立てればこちらが立たずというようなところが厚労分野の課題には必ず存在するわけでありますので、単に、成長戦略というものの中に盛り込んだからそれでいいということにはならない。

 必ずそこには、弱者に対する気配り、難病と闘っている人、あるいは障害を持っている人、子供たち、お年寄り、さまざま、この社会を構成する多くの、全ての人たちに対する目配り、こういったものがなければ、厚生労働行政というのは健全なものにならない。これが産業競争力会議の方々は全くわかっていない、そのことをきょうは申し上げたい、そんな思いで質問に立たせていただきました。

 株が上がって円が安くなればそれでいいというような総理のもとで、健全な厚生労働行政が行われていくとは思えない、このことを申し上げまして、次のバッターに引き継がせていただきます。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 中根委員に続いて、二番バッターとして質問に立たせていただきます。

 健康保険法等一部改正案について、質問の機会を賜り、ありがとうございます。

 今回の法案というのは、これまで三年間続けてきた協会けんぽへの財政支援の特例措置をさらに延長するということでありますので、その内容については私もいたし方がないんじゃないかなというふうに思っております。

 ただし、私、これまでも、この委員会でも、それから予算委員会でも質問したことがありますけれども、これまで繰り返し、組合健保の財政というのも大分厳しくなってきているということを申し上げてきました。そういう中で、保険者間で負担の押しつけ合いをするのも、もう限界に達しつつあるんじゃないかということを申し上げてきました。これはちょっと午前中の委員とは少し考え方を異にするところでありますけれども、高齢者の医療については、やはり必要な公費というのをきちんと入れていくことが大切じゃないのかということを申し上げてきました。

 そういう中で、きょう、お手元に資料をお配りさせていただいていますけれども、いま一度、では、健保の財政がどうなっているか、ぜひ確認をしておきたいというふうに思っています。

 お手元に、昨年九月に健保連が発表した、平成二十三年度決算見込みの概要というのをお配りさせていただいています。

 いろいろな数字が並んでおりますけれども、例えば、八割の組合が既に赤字になっている、それから、四割の組合については保険料率を引き上げている、また、よく協会けんぽよりも保険料が安いじゃないかという話が出るわけですけれども、協会けんぽの平均保険料率以上の組合も百五組合もあるということであります。この赤字の理由が何かというと、結局は、保険料収入の、今、四四・一%とここに書いてありますけれども、支援金、納付金、これが赤字の原因になっているということなんですね。

 きょうは、本当は法案の担当じゃないということでありますけれども、丸川政務官に来ていただいたのは、私、過去の会議録を見ていますと、丸川政務官が非常にいいことを言っておられる。それをちょっと紹介したいと思うんです。

 平成二十二年の五月十一日、参議院の厚生労働委員会、当時、厚生労働委員会の委員でいらっしゃった。そのときに質問の中で、丸川政務官、当時の丸川委員がこうおっしゃっているんです。「ほかの保険者に負担を強いているということは、これは紛れもなく肩代わりでありまして、」「保険者間でツケ回しをしてしのぐというのは私は選択として間違っていると思います」、私の考えと全く同じなんです。ここは考えが一致している。労働分野ではちょっとわかりませんけれども、一致をしているということだというふうに思います。

 私、基本的に同じ意見なんですけれども、丸川政務官、担当ではないということでありますが、今の厚生労働政務チームの一員として、この考え方というのは今も変わっておられないでしょうか。

丸川大臣政務官 今、政府としての考えを御質問になったのかどうかということ、ちょっと私は今質問の趣旨がよくわからなかったのでございますけれども、少なくとも、医療保険制度をどうやって支えていくか。財源は保険料と、公費と、そして患者負担しかないわけでございますので、この中でどういう組み合わせをしていくのか。国民皆保険を維持する中で、どういう組み合わせでやっていくのかというのは非常に重要な問題で、これは、我々全ての議員に、議員というか、政府にとっても当然そうでございますけれども、大きな課題であることは変わりませんし、こういう考え方に基づいて、今回、協会けんぽの国庫補助率を一三%から一六・四%に引き上げること等を内容とする今回の法案の提出をお願いしたところでございます。

大西(健)委員 まさに、その三者の中でどう負担し合うかということなんですよね。だから、協会けんぽの方にも負担も我慢してもらう、そのかわり、組合健保にも我慢してもらう。でも、では、公費はどうなんだと。だから、先ほど申し上げたように、必要な公費というのは最低限きちんとやはり入れていくということを国の姿勢として示すべきではないのかなというふうに私は思っています。

 そういう意味で、まさに保険者間の押しつけ合いというか、中で、保険者間でやるというのはちょっと限界に達しつつあるんじゃないかなというふうに思っています。

 次に、私は、そういう中で、重要なことというのは保険者機能だというふうに思っているんです。

 これも長妻大臣にも質問したことがあるんですけれども、総理はよく、頑張っている人が報われるというふうに言われるんですけれども、私は、健保組合で医療費を適正化するために、頑張った場合にはそれがしっかり報われる、そういう仕組みがやはり必要だというふうに思うんですね。これは、ほかの委員の先生方も同じようなことは言っておられますけれども。

 その中で、健保組合のすぐれているのは、事業主と連携して保健事業等を推進して、そして頑張って、医療費を抑えれば、自分たちの保険料も上げずに済む、積立金を崩さずに済むということだというふうに思うんです。

 ところが、その頑張った分が全部、全部じゃないですけれども、支援金として、今、四四・一%ということですけれども、組合によっては半分以上、頑張っても半分持っていかれる。では、何のために健保組合をつくっているか、意味がないじゃないかというふうになっちゃいけないと思うんです。そういう意味での保険者機能というのをしっかりきかせていくべきだというふうに思うんです。

 その中で、頑張った人が報われる仕組みの一つとして、これは先日の委員会でも、たしか、大臣が答弁の中でお答えになっていましたけれども、特定健診、これについて、今回、健診とか保健指導の目標の達成度合いによって加算、減算という仕組みを入れたんです、だからインセンティブを与えたんですと言われています。これは私はいいことだと思っているんです。

 きょう資料をお配りしていますけれども、そこに図が描いてあるように、二枚目ですけれども、実質的に〇%の保険者、つまり、やらなかったところはこれは〇・二三%加算される。目標達成をしたところは減算をされる。この減算は、その加算の予算の割合の中で、達成できた人たちで分け合うという仕組みなんですけれども、これはいいことなんですけれども。

 ただ、これを見た場合に、では、厚労省に御説明を聞くと、全体で大体三千四百ぐらいの対象保険者がいる、そのうちで加算対象になるのは四百、減算対象になるのが大体九十。そうすると、三千四百のうち四百九十を抜いた三千弱、真ん中の加算、減算なしというところですけれども、零点の人はペナルティーですよ、百点の人はインセンティブを与えますよ、でも、零点と百点の間にある領域は、これは加算、減算なしなんですね。

 ですから、私は、これでは、頑張った人が報われる仕組みになっているとはまだまだ言えないんじゃないかなと。特に、頑張って百点を達成したところは、それなりにいろいろ大変な中を、事業主にも協力してもらって、事業主に、これは目標を達成するためにということで、会社にも説得してやった。でも、会社側からすると、何だ、では、零点のところは確かに加算されているけれども、でも、ほとんど、全体の八五%以上は、加算も減算も、対象にもなっていない。これではまだまだめり張りがきいていないと思うんです。

 ですから、何回も言いますけれども、こういう制度が入ったこと自体は評価します。だけれども、大臣が入れたんですと胸を張るんだったら、もう少しめり張りをつけていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 大変いい御指摘をいただきました。まさに、同じことを産業競争力会議でも言われたんですよ。ですから、産業競争力会議は全て悪いとあなた方は言われますけれども、同じような御意見も言われているんです。それは我々も、もっともだなと思うところがあるわけであります。

 〇・二三というのは、私も見たときに、これはスタートだからといって、ちょっと低過ぎるんじゃないのかなという気もいたしました。ただ、経緯を聞いていますと、これすらなかなか入れるのは大変だったんですね。

 といいますのは、当然、健保組合はやりやすい。やりやすいというのはなぜかというと、もちろん健保組合にもよりますよ、事業者と保険者がほぼ一体的に運営できますよね。ですから、例えば、事業所内での健診をやったものが、そのままデータとして保険者は使いやすい、連携がとりやすいんですね。

 ところが、協会けんぽはそうじゃありませんから。中小零細で、安衛法にのっとって社内健診をやる。ところが、それが今度は保険者の方になかなかデータが行かない。いや、本当は使っていただきたいんですけれども、そこがうまくいっていない部分があります。そこは、これからいろいろな知恵を出していかなきゃいけない。結果的には、やはり特定健診は代替できますから、実施率が低いという話になっちゃう。

 もっと低いのは、やはり国保です。国保は、そもそもアクセスがなかなかできないですよね。自治体等でいろいろな努力をされて、広報なんかでやっていただきますよ。ですけれども、なかなかここは、そう簡単に特定健診、保健指導、うまくアクセスできていけない。ということは、実施率はどうしても低くなっちゃう。

 これを同じ基準でやって、大々的にいきなりスタートさせますと、これはやはり不公平じゃないかという御議論になるのは当たり前でありまして、そこら辺の仕組みをよくよく考えなきゃならぬなというのが今の課題でございます。

 いずれにしても、これでいいとは思っておりませんので、各保険者がそれぞれ御納得いただく形で、努力したところにはやはりしっかりメリットがあるというような、そういう制度をつくってまいりたいというふうに思っております。

大西(健)委員 まさに、今、ペナルティーを受けるところは、加算されるところは、零点、全くやっていないところだけなんですよね。だから、そこはぜひお願いをしたいというふうに思います。

 それから、保険者機能がうまくきいている事例として、先ほど、午前中にたしか新原委員もデンソー健保の話をされたんですが、実は、デンソーというのは私の選挙区にある会社ですので、私にも言わせていただきたいなと思うんですけれども、皆さんのお手元に資料をお配りさせていただきました。

 先ほど少しお話がありましたけれども、ここに実際に数字が出ていますけれども、三十年以上、歯科健診事業を健保として実施してきている。これは地元の刈谷の歯科医師会とも連携をしてやっています。

 それから、二〇一一年に、十五年間に及ぶその費用対効果検証というのを、相関分析というのを発表されています。

 時間がないので、詳しくはぜひごらんをいただきたいというふうに思いますけれども、歯周疾患の有無による年間医療費の差、先ほど数字を新原委員は言われませんでしたけれども、二万二千七十二円ということです。

 歯周疾患がある人で糖尿病を併発している割合、年齢が上がるほど高くなるけれども、六十歳代では二五・四%がそういうふうな相関関係が出ている。

 あるいは、歯科健診を実施した事業所と実施していない事業所でずっと医療費というのを追っていくと、十五年間で、歯科健診をちゃんとやっている事業所は一六%減少しているけれども、実施していない事業所では三%しか減少していないというように、はっきり数字であらわれているんですね。これは私はすごいデータだというふうに思うんです。

 こういうレセプトデータというのを持っているのは、本当に健保組合だけなんですね。ですから、こういう保険者機能の強みというのを、ぜひ大臣には大切にしていただきたいと私は思っているんです。また、こういうものを広く共有していただきたい。これは健保組合さんから厚労省にも言っていただいているらしいですけれども、ぜひ共有していただきたい。

 そして、先日、河野太郎代議士らが国会版社会保障国民会議というのをやられていて、そこにも実はこのデンソー健保の方が来られていました。この委員の中にもその場にいらっしゃった方がいますけれども、そのときにも、デンソー社員はもともと健康リスクが低い集団なんじゃないか、だからじゃないかという議論があります。それは、そういう部分がないとは私も言えないと思います。だけれども、ここにあらわれているように、やはり事業主と一体になって保健事業をしっかりやって保険者機能を発揮すれば、これは医療費の適正化につながる、これも間違いない事実だというふうに思うんですね。

 だから、ぜひ、保険者機能、これが重要なんだ、それは今後いろいろな制度改正をやっていくに当たっても、この保険者機能を大切にしていくんだということについての大臣の御見解をいただきたいと思います。

田村国務大臣 やはり、保険者が特定健診や保健指導をしっかりやっていただきながら被保険者の方々の健康を守る、これは大変重要なことだというふうに思います。

 あわせて、今委員から、非常にいい事例をお聞かせいただきました。いろいろな事例があると思います。特に健保組合の場合は、先ほども言いましたとおり、非常に事業主と連携しやすいということもございます。特定健診のデータ、またさらには、いろいろなレセプトデータ、こういうものも含めて分析しながら、いろいろな保健事業をやっていただく。

 これは、好事例集もいろいろあると思います。こういうものを我々も集めながら横展開をしていって、もちろん、健保組合にも広げさせていただければありがたいんですが、若干やはり、協会けんぽはそこのところの連携が難しいところもあるんですが、そこをうまく連携していただくようにしていただきながら、協会けんぽにもそのような事例を横展開させていただければなというふうに思っております。

大西(健)委員 前向きな御答弁、ありがとうございます。

 今、歯の、口の健康のお話をしましたので、山井委員も我が党の歯科医療議員連盟をやられていますけれども、この間、歯科口腔保健法のことに関して議連でお話を聞く機会があったんですけれども、歯科口腔保健法が成立した結果、基本的事項に関して目標というのを定められています。

 その中で、一つ私はそこの場で疑問に思ったことがあったので、そのときも質問したんですけれども、私の地元の愛知県でも、歯科口腔保健推進に関する条例の制定作業というのを今進めています。お手元に資料をお配りしたんですけれども、ここでは、条例の制定に関して、平成三十四年度に三十六都道府県という目標になっているんですね。

 何でこれは四十七都道府県じゃなくて、三十六という中途半端な数字になっているのか。三十四年ですよ。まだ大分時間はありますから。それで、何で四十七都道府県という目標にしないんですかと聞いたら、その場でお答えになった役所の方は、委員の中にもそういう意見があったけれども、四十七にして、もし全部で条例ができなかったときに、目標を達成できなかったといって怒られますからというような感じの答弁だったんですよ。それは志が低いなと。

 歯科口腔保健法ができても、やはり各地域に条例ができて、そして基本計画ができて、推進されないと、法律だけできたって、これは何の意味もありませんから、基本的には、厚労省の立場としては、全都道府県に条例をつくってもらう。結果、いろいろな事情があって、一、二県でちょっとできませんでした、それで怒りませんよ。それで私は、ここの厚労委員会で、目標が達成できていないじゃないかとはやりませんから。

 これは、だから志を高く持って、大臣としては、それは十年あるんだから、全都道府県で条例をつくってもらう方向でお願いしていきたいというふうに思いますというふうには言えないんでしょうか。

田村国務大臣 この三十六が本当に、今先生がおっしゃったような理由で三十六ならば、ちょっと首をかしげるところがあるわけでありますが、また後ほど、この三十六の目標値、どういう、いかなる理由か、私も確認をさせていただきたいと思います。

 ただ、これは四十七都道府県つくっていただきたいというのが我々の思いでございますので、そのような形で、厚生労働省、お手伝いできることがあれば、それはしっかりとお手伝いさせていただきたいというふうに思っています。

大西(健)委員 通告のときに来てもらったときにも言ったら、でも、目標として、例えば三歳児で齲蝕のない者の目標値も九〇%になっていますけれども、これも理想を言えば一〇〇なんですと言うから、いや、それとは違うでしょう、それと条例は違うでしょうというお話をしたんだけれども、もう一度ぜひ担当の方に御確認をいただきたいというふうに思います。

 それでは次に、この機会に、産科の医療補償制度ということについてちょっとお伺いしておきたいと思うんです。

 次の資料でございますけれども、これは分娩時の医療事故の補償を行う制度でありますけれども、これを見ると、非常に、事務経費が保険金を上回っている年があったりとか、毎年、多額の剰余金が支払い備金として計上されているんですね。これを見ると、単純に、普通に見ると、これだったら保険料を下げられるんじゃないのと思うと思うんです。

 この産科の医療補償制度というのは、例えがちょっといいかどうかわからないですけれども、自動車保険でいうと、自賠責保険みたいなものですよね。ですから、自賠責の保険だと、これは利潤や不足を出さないようにノープロフィットで運用するというのが原則ですけれども、そう考えると、これは五年後をめどに見直しするということになっているんですが、ぜひ、この見直しの機会に、保険料の引き下げも含めた見直しというのをしていただけないかなというふうに思っていますが、大臣、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

秋葉副大臣 今御質問いただきました制度の補償申請期間は、該当するお子さんが満五歳になるまでといたしておるために、平成二十一年生まれの補償対象者数の確定は平成二十七年以降という形になるわけでございます。したがいまして、現時点において財政状況に余裕があるとは必ずしも判断できないという面もございます。

 一方で、五年後の制度の見直しを迅速に行うために、現在、補償対象者数の推計を行っておりまして、本年六月ごろに取りまとめられる予定の推計値をもとに、補償対象範囲や掛金の水準などの項目についても検討を開始いたしまして、平成二十七年の一月を目途に見直しを実施する予定でおります。

 厚生労働省といたしましても、この制度がよりよいものとなるよう、引き続き検討状況を注視してまいりたいと考えております。

大西(健)委員 確定するまでに時間がかかるというのはわかりますけれども、これを見ると明らかだと思うんですよね。これで下げるか下げないかは、そのとき、五年後の見直しのとき、しっかりやってもらえばいいと思いますけれども、私は、やはり、これだけ支払い備金が出ていて、これで保険料が下げられないなんということはないんじゃないかなと思いますので、これはしっかり、五年後の見直しのところに、保険料の引き下げも含めた検討をお願いしておきたいというふうに思います。

 それでは、先ほど中根委員からお話があった高額療養費制度について、私も質問させていただきたいというふうに思っています。

 先ほど中根委員がお配りになった資料のように、これを第五回の産業競争力会議の場でお配りになって、そして厚労省としての対応、考え方を示したということですけれども、まず事務方の方に確認として、厚労省として、三月二十九日の第五回の産業競争力会議で民間議員からあった高額療養費の上限額の比例増額部分の引き上げということについて、どうお答えになったのか、厚労省の考え方はこうですよということをお答えになっているか。再度、確認のために、御答弁をお願いします。

木倉政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども大臣が申し上げたとおりですが、産業競争力会議の方の民間議員の皆さんから、この一%部分を挙げての指摘、こういう御意見が出たわけでございます。

 それに対しまして、この高額療養費制度、いろいろな御意見がある中で、検討していくという表現を使っておるわけでございますけれども、そういう負担能力に応じた見直しをすべきであるという御意見とともに、長期にわたって高額な医療費がかかる、がんのように、がんと併存しながらでも社会生活を営んでいけるという時代になりましたので、そういう長期にわたっての治療等が必要な場合にどう考えるか。それからまた、低所得者に対して、負担をさらに軽減すべきであるという御意見もあります。

 そういう総合的な御意見がある中で、高額療養費制度のあり方そのものについては検討を多面的にしていくべきだろう、そういうふうに考えておる次第でございます。

大西(健)委員 これも繰り返しになりますけれども、先ほど中根委員が示されたとおりで、これ以外にもいろいろなものについて民間議員から提案があって、それぞれについて厚労省は答えを出しているわけですね。

 私、今、手元に当日の議事概要というのをいただいたのを持ってきました。田村大臣の発言の部分の議事概要というのがあるんですけれども、ずっといろいろなことを述べられていて、最後の部分ですけれども、「その他、民間議員の皆様からご提案いただいた事項に対する厚生労働省としての考え方については資料にまとめたとおり。社会保険制度の根幹にかかわるようなご提案について、対応が困難なものも含まれるが、その他の事項について、できる限り対応したいと考えている。」

 つまり、困難なものは困難なんですよ。だから、さっきも中根議員が言われたように、困難なものは困難と答えているし、慎重な検討を要するというものは慎重な検討を要すると答えているんですよ。

 ですから、だったら、私が思うに、ここは「検討を予定。」じゃなくて困難なのかなと私は思いますし、百歩譲って、例えばこんなのはどうですかね。これまでの高額療養費についての議論や各党各会派の主張を踏まえて慎重な検討が必要とか、これぐらいがいいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですかね。

田村国務大臣 できる限りでございますので、できないものはできないということでございます。

大西(健)委員 そうなんですよ。できないものはできないと、ちゃんと言わなきゃいけないということを私は言いたいんですよ。

 それでは、次に、お手元にもう一つ資料を配らせていただいているんですけれども、これは、昨年の総選挙の三党のマニフェストの中から高額療養費に関する記述を抜粋して、私の方で整理してみました。(発言する者あり)下げると書いてあるんですよ。

 まず、民主党ですけれども、云々「負担軽減を図る。」と書いてあります。自民党も、「高額療養費の限度額を引き下げる」と書いているんですよ。公明党もいろいろなことを提言されていますが、これは後ほどお話ししますけれども、やはり引き下げると書いているんです。三党みんな、高額療養費については引き下げるという話をしているんですよ。

 だから、引き下げるという話をしているのに、やはりそれは、違うんだったら違うと言わなきゃいけないんじゃないかというふうに私は思うんですね。つまり、民間議員の提案を検討するのは、これはやはり私もマニフェストに違反していると思うんです。だから、当日、産業競争力会議に大臣はいらっしゃったわけですから、いらっしゃったんだったら、これはやはり違いますよと言わなきゃ、何のために出ていただいているのかわからない。せっかく出ていただいているわけですから。

 だから、さっきも私も自席から、大臣、頑張ってくださいと。みんな大臣に頑張っていただきたいわけですよ。だから、産業競争力会議で、いい提案はいい提案ですよ、私は、それは縛る必要はないと思います。ただ、間違ったことを言っているんだったら、それは違いますよと言うために出席されているわけですから、何でそこで異論を挟まれなかったんでしょうか。

田村国務大臣 御声援をいただいて頑張っているわけでありますけれども、自民党のマニフェスト、マニフェストというか、我々は政権公約と呼んでいるんですけれども、読んでいただければわかりますとおり、「「現行の高額療養費の限度額は高い」との声に応え、誰でも安心して医療が受けられるように高額療養費の限度額を引き下げるとともに、」と書いてありますよね。

 ということは、要は、先ほど来言っていますとおり、それぞれ負担感がある方々がおられるんです。例えば、がん等々で長期にわたって高額な医療を受けられる方々、それから低所得者の方々、こういう方々は、やはり現行の高額療養費の限度額は高いとおっしゃっておられるんですね。

 そういう方々に対して、やはりしっかり応えていかなきゃならないという意味で、「引き下げるとともに、」という言葉が入っておるわけでありまして、では、一方で、すごく年収を稼いでおられる方々に対してどうかというと、そこは、自民党的な考え方では、そこを引き下げるというような認識はないというふうに私は思っております。

 そこを引き上げるかどうかというのは、これはまさに議論の中の話でありまして、引き上げろというようなことを言われる方もおられますし、それから、今のままでいいんじゃないかと言われる方々もおられる。しかし、その方々まで引き下げろというようなことは自民党では申し上げていない。ですから、こういう書きっぷりになっておるということを御理解いただければありがたいというふうに思います。

大西(健)委員 本当に、ここに書いてあることは、あくまで、負担を軽減するなんということは、民間議員は一言も言っていないわけですよ。

 いずれにしても、自己負担を重くするという方向の議論をしていることに関して、「検討を予定。」としたら、ああ、自己負担を引き上げるということを検討するのかな、マニフェストには自己負担は引き下げる方向でとみんな、自民党も公明党も民主党も言っているのに、あら、話が違うじゃないのというふうに思うと私は思いますよ。

 それと、あわせて、先ほどの中根議員の話にもありましたけれども、私は、田村大臣言われたように、別に議論を縛るんじゃなくて、民間議員にいろいろな意見を言ってもらっていいと思いますよ、そこがちょっと考え方が違う人がいるかもしれませんけれども。

 ただ、産業競争力会議の議員というのは、別に、医療とか社会保障の専門家でも何でもないわけですよ。経済人として、こういうことできないのか、ああいうことできないのかとかアイデアをぶつけておられるだけなんですよね。余り、責任を持って発言しているというか、アイデアとしてぶつけておられるわけですよ。

 だから、そのアイデアに対して、厚労省の立場を、いや、それは確かに一つの御提案ではありますが、でも、過去こういうふうに議論をされてきた経緯があるんですよ、あるいは厚労省ではこう考えているんですよと言うために出席していたんじゃないんですか、大臣。そこはやはり、私は、きっちり言っていただく必要があるんじゃないかなというふうに思うんです。

 だから、きのうは言ったという話でしたけれども、ぜひここは、先ほど来話が出ているように、産業競争力会議で自由な議論をされるのは結構です。だけれども、そこでやはり、我々、社会保障や医療にかかわっている立場としては、それはアイデアとしてはおもしろいけれども、ちょっとそこはなかなか厳しいですよねというのはやはりきっちり言っていくことが大臣の役割ではないかというふうに思います。

 そういう中で、高額療養費制度というのは、私、ビッグリスクに備えるものだというふうに思うんですね。足立委員が午前中に、保険とは何かという話をされていましたけれども、やはり、もしものときのリスクに備えるのが保険なんですね。その中で、この高額療養費制度というのが我が国の医療の中で担っている役割というのは非常に大きいと私は思うんです。先ほども話に出ている、がんになったりとか難病になって非常にたくさんの医療費を払わなきゃいけない、そうすると、ある程度所得が高くても、やはり毎月の、あるいは毎年の医療費がすごく大きくなるけれども、そこにしっかり上限が課せられていて、それ以上は払わなくていいということですから。

 ただ、これがまだ一%云々という話だったらあれですけれども、これは、どんどんどんどん自己負担をふやしていくという話になると、結局、民間保険で補わなきゃいけなくなるわけです。だから、ここがまさに、がん保険がそうですけれども、この部分がまさに外資の保険からすればビジネスチャンスになるわけですよね。

 ですから、先ほどTPPの話もありましたけれども、保険分野が懸念事項として上がってくるのは、やはり産業競争力会議でこういうことが議論されて、厚労大臣も異論を挟まないままにどんどんそういう方向になっていく。それはいつも医療保険部会でちゃんと後で議論しますからと言いますけれども、でも、経済財政諮問会議で大きな方向性を決めて、それがどんどんどんどんいろいろな政策になっていくのを思い出すと、大丈夫かなというふうに思っちゃうんじゃないかと思うんです。

 だから、まずTPPに関して言えば、この高額療養費の制度というのは、私、これは日本にとって非常に重要な制度だ、安心の備えだと思うんですけれども、この部分についてはTPPの中でもしっかり守っていくということでよろしいでしょうか。

田村国務大臣 これは、検討するというふうに書いてあるので、やると私が言ったわけではないということは御理解をいただきたいと思います。

 その上で、私、国会の質疑でもいつも申しておるんですけれども、よく、七十歳から七十四歳までを二割負担に戻すのか、本則に戻すのかという御議論をいただいたときに、これは本則に戻すべきことでありますから、その方向でありますが、一方で、急激なことをやるといろいろな問題も起こる、そして、もう一方で、低所得者対策をやらなきゃいけない、この中に高額療養費の部分もしっかり考えなきゃいけないと私は何度も申し上げているんですね。

 これはまさに、高額療養費の中で、低所得者の方々に対して、今よりももう少し手当てをしなきゃいけないという意味でありますから、そういうことの財源をどう確保するかということも含めて、今いろいろと検討しておるんですというようなことを日ごろから申し上げていることを考えていただければ、決して逆の方向に行くというようなことはまずないわけでありまして、低所得者や低い方々に対しては、そんなものを、TPPが入ってこようが何しようがなくすなんてことは、まず我々としては考えてはいないということでございますので、どうかその点は御理解をいただければありがたいというふうに思います。

大西(健)委員 大臣が今言われたように、大臣も今までそう言ってきたし、そういう議論をしてきたんだ、なのに、ここで言われているのは、一部ですけれども負担を引き上げるという話なんです。今までの高額療養費の話で出ている話は、全部、負担を引き下げるという話なんですね。

 それで、次の、資料につけた会議録を見ていただきたいんですけれども、これは、三月五日、ついこの間ですよね、本会議で公明党の井上幹事長が質問をされている。

 ここで何と言っているかというと、まさに先ほど来大臣が言われているように、この高額療養費の制度です、これについて抜本的に見直す、どういう方向で見直すというのは、これは負担を引き上げるという話じゃなくて、負担を下げるという方向で見直す、低所得者への配慮をまず第一にやるべきだと。それから第二は、負担上限額の年間の上限額を設けるように、あるいは世帯で合算するとか、そういうような話が書かれているわけです。それは全部、負担を引き下げるという方向での提案なんですよ。

 そこに総理が答えられているのも、ここに書いてあるように、「高額な医療費がかかるがん患者などの負担を軽減するため、低所得者に配慮しながら、」これも負担を引き下げるという話ですし、最後に、「財源の確保とあわせて検討を進めます。」財源を確保しなきゃいけないということは、負担を引き下げるんですよ。

 だから、今までの議論は全て負担を引き下げる話なのに、この産業競争力会議で負担を引き上げるという話に検討というのは、ちょっとおかしいんじゃないですか。慎重に検討とか、今までの経緯を踏まえてとかという話じゃないんですかと思うんですが。

 ここでは大臣にお聞きしたいんじゃなくて、あえて、忙しい中、きょう副大臣に来ていただきました。それは、公明党さんもずっと、先ほどのマニフェストもお示ししましたし、井上幹事長も、ついこの間、負担軽減をすると。まさに低所得者の皆さんとか困っている人たちのために、この高額療養費の制度については負担軽減をして、そして厚くしていこうというのが公明党さんのお立場でもあると私は思うんですけれども、副大臣から、この部分についての御意見、御見解をいただきたいと思います。

桝屋副大臣 副大臣としての見解をと問われましたので、副大臣としての見解を申し上げたいと思います。

 私の知る限り、今委員からお尋ねがあっておりますように、この資料もありがとうございます、わかりやすくまとめていただいて、まさに公明党の自来の主張でございます。

 この心は、大臣もお答えになりましたけれども、がん患者あるいは長期にわたって医療費が高額になる方々がいらっしゃる、とりわけ公明党の中でいつも議論しているのは、例の八万百円のところですね。非常に幅が広いということで、かといって、なかなか低所得にはならない、あるいは多数該当にもなかなか該当しないというような難しいケースがありまして、ここはできるだけそうした方々の医療を支えていきたい、こういう思いで、公明党はこういうマニフェストで主張をされている。それに対して、まさに三月五日の質問と答弁の御紹介もいただいたわけであります。

 いずれにしても、この部分は、公明党の歴史の中で、例えば高額療養費の制度について言いますと、例の一%比例増部分のこの制度も、実は、公明党は賛成をしたわけであります。患者負担をできるだけ軽減したいという思いと同時に、いわゆるこの一%の比例増部分については、コスト意識を少しでも持っていただこう、両方の部分があるわけであります。

 この部分は、まさに大臣がおっしゃったように、財源と絡めてなかなか難しい問題があるだろう、二つの意見があるんだろうと思うんですね。その辺を、民間の議員の方がこうやって意見としておっしゃるということは、これはあっていいことだと思います。

 いずれにしても、今、この資料にまとめていただいたとおり、民主党も自民党も公明党も、昨年の選挙でそれぞれ主張されたように、この部分は極めて大事な点だということがあるわけでありますから、高額療養費の見直しは重要な課題である、こういうことだろうと思います。

 時あたかも、今まさに社会保障制度改革国民会議で議論していただいているわけでありますから、この議論の中身もしっかり期待をして、私も見守ってまいりたいと思っている次第でございます。

大西(健)委員 副大臣が言われたとおりだと私も思うんですね。三党のマニフェストに、みんな、低所得者対策を含めて高額療養費制度をしっかりやっていこうということを言っているわけですから、その方向で私もやるべきだというふうに思うんですね。

 財源のことについても、思い返していただくと、我々のときにやり切れなかったことでありますけれども、受診時定額負担を取ってでも、その分の財源を高額療養費の制度のさらなる低所得者対策とかの充実に回そうみたいな議論もしていたわけですよ。

 ですから、繰り返して言いますけれども、今までの流れというのは、まさにこの高額療養費の制度については、各党共通して、下げようという議論をしていた。下げようという議論をしていたのに、この産業競争力会議で言っているのは、少なくとも上げようと。下げようの話は、この民間議員から出ていないわけですから。

 だから、何回も言いますけれども、大臣には、そこをしっかり、これからも出ていただいて、だから、自由ですよ、民間の方がいろいろなアイデアをぶつけられることは自由だけれども、でも、それは専門家じゃないわけですから、その方々がいろいろなアイデアをぶつけたときに、いや、それは違いますよというのを言うのがやはり大臣の役割だと私は思いますので、ぜひそこはお願いしたいと思います。

 それで、この問題について最後にしますけれども、平成十四年の健保法改正法の附則、ここには、将来にわたって七割の給付を維持するとしており、現在でも、高額療養費によって、患者負担は定率負担よりも低い水準に抑えられているんだと、ずっと従来、厚労省は説明されてきたんですね。

 このことと、一月当たりの窓口負担の上限額を引き上げることというのは、私は、矛盾する部分があるんじゃないかなというふうに思いますけれども、大臣、そこはどうなんですか。(田村国務大臣「ちょっともう一度お願いします」と呼ぶ)

 十四年の健保法改正の附則は、将来にわたって七割の給付を維持するということですよね。自己負担がふえていくということは、今まで患者負担が抑えられているのは、こういう高額療養費制度というのがあって、定率負担よりも低い水準に抑えられているんだということを厚労省は説明されてきたと思うんですよ。

 だから、このことと、これから高額療養費制度の上限を引き上げていくということは、私は、今までの厚労省の立場とは違うんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがなんでしょうか。

田村国務大臣 全体として三割という話ですから、三割と高額療養費というものが直接どう影響してくるかというのは、この一%部分をどう上げていくかにかかわる部分だとは思うんですけれども、決して、三割というものを超える負担にならない限りは、そうはならないんだと思うんですね。

 ただ、一方で、産業競争力会議でいろいろな議論があるのは事実ですけれども、中の議論では、例えば高所得者に関しては、何らかの高額療養費の上限額の引き上げというような物の考え方はないのか、こういう御議論もございまして、必ずしも、一般の方々の一%を上げるだけではなくて、高所得者の議論を特に言われている部分もあるんです。

 これに関しては、産業競争力会議だけではなくて、いろいろなところでそういう御議論もいただいております。しかし一方で、例えば七百九十万円というモデルケースの場合の所得、これで本当に、では、それ以上の方々に対して高額療養費の上限を引き上げていいのか。

 それはなぜかというと、とはいっても、がんのような非常に高額の医療費が継続的にかかる、こういう方々もおられるわけでありまして、一律にそれがいいのかどうかということも含めて、いろいろな検討をしなきゃいけないなというふうには思っております。

大西(健)委員 では、少しだけ時間が残されていますので、先日の予算委員会で、私の質問に対して丸川政務官が御答弁されたことについて若干の疑問がありますので、ぜひ確認をさせていただきたいんです。

 審議会の構成メンバーは有識者と労働者と使用者の三者です、そこに派遣元企業の意見が入っていないことは大問題ですという発言ですけれども、派遣法の改正は労政審に諮問されるのが普通の手続で、そして公労使の三者構成の場で雇用政策のあり方が審議されなければならないという原則にのっとったものだというふうに私は思いますけれども、私が今言っていることが間違っているかどうか。

 あわせて、もう一つ申し上げます。

 第二正社員というのはどういう意味ですかということを聞いたのに対して、民主党政権時代に労働契約法の改正を行ったときに、派遣社員を五年で契約するときは、雇用契約だけを無期にする第二正社員みたいな形ができるという説明を受けたと答弁されています。

 そこで、厚労省に確認したいんですけれども、労働契約法改正のときでもいいですし、それ以外のときでも結構です、民主党政権時代に、国会答弁でも部門会議でも何でもいいですけれども、厚労省が、第二正社員という言葉を使って、政務官が言っておられるような説明をしたという事実があるかないか。事実があるかないかについて、お答えをいただきたいと思います。

宮川政府参考人 まず、労働政策審議会の関係でお答えさせていただきます。

 労働政策審議会は公労使の三者から構成されておりますが、労働政策審議会におきまして、構成する委員のほかに、オブザーバーの形で議論に参画している例がございまして、かつて労働者派遣法の見直しを審議した際にもそうした例がございました。

中野政府参考人 労働契約法改正案の審議に先立ちまして、厚生労働省の事務方が丸川議員に法案の内容を御説明した際に、無期転換ルールについて、原則として、有期契約労働者のときの労働条件のままで無期契約労働者となるとの説明に関し、当時の丸川議員の認識として、非正規有期労働者が無期雇用になった状況を第二正社員と述べられたものと承知しております。

大西(健)委員 後者の方の、もう一度確認ですけれども、厚労省で第二正社員という言葉を使ったことがあるんですか。あるなら証拠を見せてほしいんですけれども。

中野政府参考人 厚生労働省が、この法案が第二正社員をつくるものと説明したことはございません。

大西(健)委員 今の答弁で明確なように、そんな事実はないんですよ。

 そんな事実はないのに、丸川政務官は、勝手な解釈と自分の思い込みで、そんないいかげんな答弁を私は国会でしていただきたくない。第二正社員なんということを使って民主党政権時代に説明したという事実はないということをはっきりと申し上げておきたいというふうに思っています。

 ただいまの厚生労働省の御答弁を聞いても、やはり丸川政務官の基本的な考え方、私は、若干、労働者を保護するという厚労省の立場とは違うような感じを受けております。

 一方では、きょうもお話ししましたけれども、先ほどの高額療養費の問題だとか、あるいは、ここでも繰り返し述べられている解雇の金銭解決とか、厚生労働省が本来所管をしている医療や雇用など国民生活に重大な影響を及ぼす課題について、産業競争力会議という、厚労省とは違う場所で議論されて、それがいつの間にか安倍内閣としての方針になっていくということに対して、我々は非常に危惧を感じているわけです。

 そのことを強く申し上げて、そして、三番バッターが控えていますので、次に譲りたいというふうに思います。

 ありがとうございました。

    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

松本委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 民主党の柚木道義でございます。

 ちょっと棚橋筆頭のお声がいろいろ耳に入ってくる中で、私も、健保法をもちろん中心にやらせていただきたいと思いますし、そう認識しているんですが、ぜひ、この健保法にも関係するという分野かつ緊急性の高い分野については、関連質問をお許しいただきたいんですね。

 その意味では、私は大臣に、この間、予防接種法改正のときに、ちょっと風疹のことを聞きたいんですけれども、私は、そもそも予防接種法とか健保法とか医療法を抜本的に見直して、まさに産業競争力会議も指摘をしている予防について本当に重点的な取り組みをやりたいと思っていて、そういうことも含めながら、ちょっと風疹の、これは本当に緊急性の高いところなので、通告もしておりますので、少しこの対策について、これは健保法とも絡む部分なのでお伺いをさせていただきたいんです。

 どういうことかと申しますと、今、風疹が過去五年の中で、これまでの五年間の中では非常に流行していて、それに対して危機感を持たれている厚生労働省も、いろいろなメディア等も通じて受診を、予防接種を呼びかけておられる、そういう状況の中でございますので、私はぜひその後押しをさせていただきたいんですね。

 どういうことかと申しますと、例えば、協会けんぽとか組合健保とかもそうなんですが、いろいろなお知らせが来るんですね、後発品の使用促進だったり、当然、医療費のお知らせだったり。これは、協会けんぽとか健保連とかの、そういういろいろな周知の枠組みを使ってとか、あるいは、風疹の対策という意味で、予防接種の受診を促すという意味でいろいろなスキームが考えられると思うので、検討していただきたいという意味で申し上げるんです。

 例えば、婚姻届等を出される際に、今こういうことが流行しているので、特に東京中心、大都市圏ですね、そういった際に、ぜひ、これからお子さんが生まれられる可能性が高いという意味も含めて、そういった場で周知をしていただくことを考えるとか、もっと言うと、この間、結婚情報誌でもそういうのをされたと聞いていますが、そういう情報誌、育児雑誌など、やはり訴求力のある媒体を通じて、のべつ幕なしにメディア全般ということだけじゃなくて、そういったことも御検討いただきたい。

 さらには、市町村のいろいろな受診の際にも、例えばがん検診の対象年齢層なども、ちょうど風疹の予防接種の部分と関係をする、いろいろな施策の中で絡む年齢なんです。

 ですから、それぞれいろいろなフェーズやスキームを通じて、ぜひ受診に向けた取り組みを、工夫を行っていただきたいんです。

 行っていただきたいということと同時に、そういうことを検討するための、大臣、いわば今のような申し上げたことというのは、部局でいえば健康局であったり、児童家庭局とかも入るかもしれませんし、労基局とか、そういうところもそうでしょうね。

 ですから、部局横断型で、今これだけ、過去五年の中で一番流行してしまっている状況の中で、ぜひ風疹緊急対策チームというような形で、これは別に予算がかかるという話じゃなくて、現場の皆さんの仕事はちょっと忙しくなるかもしれませんが、期間限定ということでも結構ですから、ぜひこういう部局横断的なプロジェクトチームをつくって、そして、今申し上げた事例、これは私が考えるだけでもこれだけ思い浮かぶわけですから、ぜひ今言ったようなことをやっていただくということも含めて、御答弁をお願いできますか。

秋葉副大臣 今、風疹のさらなる普及啓発ということで、大変貴重な御意見、御提言を頂戴したというふうに認識をいたしております。

 委員御指摘のとおり、ことしは首都圏を中心に大変大流行になったわけでございまして、これまでも、自治体に対する通知や、ポスター、メールマガジン、ホームページなどを通しまして流行状況の情報提供、また、学会等と連携いたしました予防接種の普及啓発などを行ってきたところでございます。

 これらの取り組みに加えまして、現在、特に、妊婦とその家族の皆さん、また妊娠を考える世代の御夫妻、あるいは職場、ターゲット層を絞って普及啓発を進めていこうということで、今、準備をいたしているところでございます。

 委員からも貴重な御指摘をいただいたと認識をしておりますので、御意見を参考にしつつ、関係者とも十分連携をして、風疹への対応について、一層効果的な普及啓発を行っていきたいというふうに考えております。

 また、我が省内に対策チームをつくったらどうだという御意見でございますが、チームまでつくるかどうかは別にしましても、御指摘の健康局だけに限らず、関連の部局と常日ごろからやりとりをしながら対策を検討させていただいているところでございまして、委員からいただいた御意見を参考にしながら、より効果的な普及啓発方法を検討し、実施をしてまいりたいと考えております。

柚木委員 今、副大臣、前向きな答弁をありがとうございました。

 ただ、この次は大臣にぜひお願いをしたいと思っておりまして、実は私も、そういう意味では、娘が二歳で、次の子供がという別に予定が決まっているわけでも何でもないんですが、やはり妻にもぜひ予防接種に行ってくれと。それで、私の場合、別に抗体の測定をする云々じゃなくて、一度よりは二度という話も伺っていますから、先週月曜日に行ってきたんですね、こちらで。

 ちょっと驚いたのが、これは港区のクリニックですが、一万五百円お支払いをしてということで、都内でも、江東区のように無料でやっているところもあれば、一部自己負担、港区とかはそうでしたね、住民であれば後で返ってくる部分もある。こういうことだと、やはり、当然これは接種率に差が出てくるわけですよね。

 私は、非常にいいお医者さんで、いろいろ話を聞かせていただきましたら、圧倒的に男性、夫が多い、結婚されて奥様が妊娠をされたとか。そういう中で、そうは言っても、どこに住んでいるかによって、それは正直、当然接種率に差が出ると思うよ、そういうことを率直にお医者さんもおっしゃっていました。

 今、私がお聞きする中では、今回の流行によって、八人、先天性の風疹症候群に罹患をされてというようなお話もお聞きしていますし、過去には、娘さんがそういう形で生まれてこられて、娘さんを亡くされて、受けておけばよかったという自責の念にさいなまれながら生きていらっしゃる方が、今、接種の無償化の署名活動をされていて、これは、メディアの皆さんも、そういう運動を、まさに、ある意味側面支援する意味も含めて、やりましょうという報道もされている、こういう現状があるわけですよね。

 そう考えると、今後のさらなる感染拡大などがもし起こった場合、あるいは想起される場合には、大臣の現段階での国としての助成はないというコメントはお聞きしていますが、今後の流行の度合いによっては、例えば、七九年から八七年生まれの方を、〇一年の予防接種法改正で時限的に無償接種化の対象にした、もちろん、なかなか成果が上がらなかったんだというようなお話もあるわけですが、何もしないというわけにもいかないと思うんです。

 ぜひ、今後の推移を注視しながら、例えばそういう臨時の法改正なども選択肢として、必要なときには、これは余り遅くなると意味はありませんから、まさに今回三種を定期接種化した、基金でやったということも含めて、いろいろなスキームも含めて、そういうときにはちゃんと対応する、大臣、そういうお考えをお述べいただけませんか。

田村国務大臣 いろいろな予防接種があります、今、任意接種のものを含めれば本当に多い接種があるわけでありまして、その中で風疹だけを抜き出して今やるのはなかなか難しいというのは委員も御理解をいただく中での御質問だというふうに思います。

 もちろん、社会的な状況で、これはもう国家的な問題になってくるというような話になれば、それは、いろいろなかたいことはあるにしても、行政というものは対応していかなければならないわけでありますから、これからいろいろなことを想定しながら、もし必要なことがあれば、そのときには検討をさせていただきたいというふうに思います。

柚木委員 ありがとうございます。

 本当に、大臣がそういうお考えを述べていただくだけでも、やはり、報道もありました、妊婦さんが二度目の妊娠で、一度目の妊娠との間に打っておけばよかったんだけれども、そういうことができなくて、実際妊娠して抗体値をはかってみたら、感染のリスクがあるような値になっちゃっている、もう本当に心配で外出もできない。外出どころか、妊婦健診を受けに行くために外出しなきゃいけないわけですから、そういう不安な思いで過ごされている方々はたくさんおいでになるわけですから、ここは、本当にそういう状況が、これは本当に後手に回らないように。

 ぜひ、場合によっては、まさに三種の基金事業ということは例示として申し上げたわけですが、別にこの風疹だけがという意味じゃないんですね、おわかりのように。これが今、過去五年の中でこういうトレンドになっているからこそ、ここという話ですから。今後、我々、その他四種プラス、ロタウイルスぐらいまでを視野に入れながら、今一緒に取り組んでいこうという流れの中ですから、財源のことはわかっていますが、この動きについてはぜひ注視いただいて、今、必要に応じてそこはしっかりやるとお答えいただきましたので、そこはしっかりと受けとめさせていただきたいと思います。

 健保法に入りますが、大分それぞれの議員さんが質問されたので、多少順番を調整させていただいて、協会けんぽの立入調査権の権能について、まず質問をさせていただきたいと思います。

 これは、まさに立入調査権の権能というのが実効性を担保するという部分について、私は非常に重要だという認識のもとで質問をさせていただきたいんですね。

 これは、御承知のように、協会けんぽが事業主への調査権限を委任することができる中で行われるということで、これは確認ですけれども、この委任というのが行政権限としては非常に強い強制力を持つ、いわば立入調査権なんだというふうに私は理解をするんですが、それでいいのかという確認。

 と同時に、仮にこの権限が中途半端な形で運用されて、場合によっては事業者の、ちょっと言葉は強いですけれども、拒否権のようなことがなされるようなことがあったりすると、実際に事業主健診とかいろいろなことをされている、されていない、当然されていることが前提なんですけれども、そういうことを調査するときにも、その資料を提出する、しないのことがどうなのかとか、いろいろなところに私は波及していくことがあり得ると思っているものですから、その調査権限についてはしっかりとした形で今後運用されていくという理解でいいのか。

 これは局長ですか。お願いします。

木倉政府参考人 お答えいたします。

 今回の協会の方に付与します立入調査権、これは、大臣が有しております行政権限としての立入調査権、今は日本年金機構にだけ委任をしておる例があるわけですが、これを協会けんぽに対しても委任するものであります。

 したがいまして、今先生御指摘ありましたように、仮に事業主が立入調査を拒否するというような場合にも行政罰が科せられる仕組みになっておりまして、具体的には、健康保険法の規定に基づきまして、六月以下の懲役または五十万円以下の罰金というような行政罰の規定がございます。

 ただし、今、年金機構におきましても、きちんとそれは理解を得た上でやっておりますから、ただ単にこれを発動するということではありませんが、きちんと報告徴収をし、立入調査もさせていただくというための担保措置でございます。

 また、適正にこの立入調査権を行使するために、検査のための手順、マニュアルというものをきちんと準備する、あるいは体制も充実させまして、きちんとしたノウハウを持って必要不可欠な範囲での調査をしていただくということで、委任をする場合には、厚生労働省の方としても協会けんぽを適切に指導してまいりたいというふうに思っております。

柚木委員 今後の質問につながる部分で、ちょっと重要な確認を今させていただきましたので、ありがとうございます。

 それで、それぞれの委員の先生方からの御質問の中で、当然、これだけ公費を入れてこういった形で支援をしていくわけですから、いわゆる財政健全化努力というのをしていただかなければ、なかなかこれは被保険者、国民、納税者の皆さんの御理解をいただけないという中で、重複するところははしょりますが、協会けんぽの特定健診の受診率向上への努力について、御示唆もあったとは思うのですが、私の方からも質問をさせていただきたいと思います。

 これは、当然、組合健保と比べた場合にも、どちらかというと中小事業者さんが加入をしている方が多いという協会けんぽの中で、年齢構成といいますか、従業員の方々の高齢化という部分も、他の保険者の構成員に比べて進んでいるということもお聞きをするわけです。定年制もいろいろな形で、今、変動、流動期にある中ではありますが、そうはいっても大企業さん中心の健保連とは異なって、中小企業の方が、そういった部分での年齢の、いわゆる被扶養者の高齢化も含めて進んでいるというふうに認識をしております。

 ただ、他方で、そういった方々が働ける場を提供いただいているという意味合いをとれば、事業者の多くは、組合健保に加入する大企業さんとは違った視点で、雇用の受け皿として社会貢献していると言えなくもない、私はそんな見方もしているところでございます。

 そこで、高齢化に伴い、生活習慣病やさまざまな疾病などとも折り合いをつけながらお仕事をされたり、場合によっては、それこそ子育てなり介護なり、いろいろなことをしながら働かれている。制度的には、そういう意味では、大きな企業さんに比べれば、なかなかそうも言えない状況の中で頑張っておられる。そういう協会けんぽの特性といったことを考えた場合には、私は、そういった視点に対しての支援という意味合いも含めて、今回のこのスキームというものも考えることもできるのではないかというふうに思います。

 そんな中で、健診、保健事業というものの重要性について伺いたいと思うんです。

 これは、特定健診、特定保健指導が〇八年に始まりまして五年が経過をいたしました中で、この五年間の受診率、それから保健指導の実施状況などによって、質問もあったかと思いますが、後期高齢者医療制度への財政負担が軽減されるようにもなっている。

 それで、今、資料にお配りしている二ページ目だったと思いますが、メタボ健診の受診率ですね、お手元の資料二ページ目に、こういった形で「特定健診・特定保健指導の実施状況」というようなことで書かせていただいております。その次のページには、この定期健診の中で、いわば要注意というか、所見があった方が半分を超えている、こういった状況もありまして、さっき言ったメタボリックシンドロームの該当者、予備群と年間平均医療費の関係で、平均して年間九万円程度医療費が高い傾向にあるというような、そういったデータも出ておるところでございます。

 そういった中で、協会けんぽが、二ページ目、受診率を見ていただきますと、大体三割台ですよね。組合健保が六割台ということを考えても、半分ぐらいということですよね。

 なぜ、そういうことになっているのか。特に、今、るる申し上げておりますように、従業員の高齢化が進んでいるわけですから、生活習慣病予防の取り組みは非常に重要だと思うんですが、協会けんぽとしての受診率向上のための施策をどのように考えているのか、御答弁をお願いします。

とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。

 協会けんぽと健保組合の受診率の違いでございますけれども、委員御指摘のとおり、協会けんぽは被扶養者を含めまして三七・四%、健保組合の方は六九・七%と、協会けんぽの数値の方がかなり低くなっております。

 これは、やはり、小さな中小の会社が多くて、それがあちこちに散っておりますので、なかなか受診していただけないということで受診率が伸びないところに、大きな原因があるのではないかと思います。

 健保組合に関しましては、比較的大きい企業でありますので、会社の組織の中で実際受診をしていただくということで、比較的受診率が高くなっているのではないか、このように考えます。

 そこで、受診率の向上のためにやっておりますことは、まずは、受診の委託機関を拡大していこうということであります。平成二十二年の九月末の段階で二千六百二十機関でありましたが、これを、二十四年の九月末で二千八百四十機関まで拡大をさせていただきました。

 このほか、健診結果情報の事業主からの取得の促進、ほかには、インターネットを活用した特定健診の申し込み手続の簡素化、こういったことを行っております。

 そしてまた、もう一つの問題は、被保険者本人と比較して、もっと受診率が低いのが実は被扶養者の方でございまして、例えば協会けんぽの方では、被保険者の方は受診率四四・九%、被扶養者におきましては一三・八%と、かなり低い状況になっております。

 ここも改善していきたいと思いまして、今まで、被保険者が受診券を自宅に持ち帰る方式でしたけれども、これを自宅へ直接送らせていただく、こういう方式に平成二十五年から変えさせていただきました。

 さらに、自己負担の軽減のために、協会けんぽからの補助額の増額ということで、平成二十五年からは、五千四百円から六千三百二十五円、こういった取り組みをさせていただいております。

 受診率の向上に向けて、協会けんぽの一層の取り組みを支援していきたい、このように考えております。

 以上です。

柚木委員 政務官、ありがとうございます。

 そういったことも進めていただく中で、いわゆる事業主健診、これは特定健診項目を含む事業主健診の活用について、もう少しぜひお知恵をお出しいただくことも私はあっていいのかなと思うんです。

 これは、多分、大臣に通告しておると思いますが、組合健保の場合には労安衛法で定める年一回の事業主健診で特定健診も課している。これを、今るる政務官御答弁いただいたんですが、例えば、協会けんぽでの状況も含めて、仕組みとして、相互乗り入れというか、事業主と保険者で情報共有が正確に図られているかどうかというと、先ほどの資料の数値も含めてどうなのかという見方もあるわけです。

 ですから、この情報共有をうまくするということも含めて、私は、組合健保における事業主健診のやり方というものを、これは例えば協会けんぽだけじゃなしに、恐らく船員保険とか共済ぐらいまでは同じようにそういったことが成り立ち得ると思うんですが、ぜひこれは、労安衛法上で事業主健診が年一回行われるわけですから、協会けんぽでも当然同様の状況ができないはずは、本来はないんですね。

 ですから、事業主健診の検査項目には特定健診で指標となる項目も含まれているわけですから、このデータを協会けんぽにもしっかり提供していただいて、特定健診の受診率を向上させる。特に、医師の所見がある場合には適切な措置をとらなきゃならない、事業者はそういうふうな立場にあるわけですから、こういったことも含めて、生活習慣病のリスクグループに対していろいろな周知徹底を、このデータの共有とかの中で行っていただけるのではないかというふうに思うんです。

 ところが、いろいろレクもいただきましたけれども、なかなかそういうところにまで踏み込んで進んでいくというようなトーンのお話が聞こえないものですから、先ほど資料にもおつけしましたように、五十人以上の中小企業の事業主健診の結果が、五二・七%が医師からの所見があるという状況なんですよね。

 ですから、これはぜひ、ちょっと私のこういう提案も御検討いただきたいんですね。事業主健診をしっかりやっている部分、そして協会けんぽにおける健診、それぞれやっているものを、場合によってはデータを融通できるような、一本化するというような、そういう仕組みづくりも含めて、ビッグデータの活用みたいなのもきょう報道で出ていましたけれども、そこまで大きな話ではもちろんないんですが、そういったスキームをちょっと検討いただけないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

田村国務大臣 なかなか私が理解力がなくて、申しわけありません。

 これを見ていますと、事業者健診は、十人から二十九人の事業所でも八八・七%やっておる。もちろん、あとはそれ以上でありまして、五十人以上ですと九八・五%から一〇〇%ということでありますから、事業者健診はかなりの確率でやっておられる。

 しかし一方で、協会けんぽ特定健診になりますと三七・四、組合健保は六九というのは、この差は何なんだ。さらに、共済組合は七三%という非常に高い特定健診率ですね。

 これは先ほども申し上げましたけれども、組合健保は、健保組合は、言うなれば、まあ大きい企業が多いわけでありまして、保険者と企業とがほぼ重なってくるというところが多いわけでありますね。ですから、事業者の健診を特定健診にそのまま使えるということでありますから、そういう意味では、非常に高い特定健診率になってくるんだろうと予測をするわけであります。

 では、協会けんぽはどうかというと、これはもう中小零細でありますから、たくさんの全国の中小零細企業が協会けんぽに入っている。すると、やはり、それでもやっているんですよね、事業所内での健診は、ところが、そのデータが特定健診にうまく使われていない。かぶっている部分がありますから、本来使えばいい。

 いろいろと聞きますと、例えば、個人情報のことを気にして、本人に同意を得なければデータを協会けんぽに出せないと思っておられるような、そういうような事業主、事業者がいるんですね。こういうところに対しては、一応、我が方といたしましても、それではいけないということで、保険局長通知で、そんな必要はないんですよというような通知は出させていただいておりますが、まだ十分にそれが伝わっていない。どうすればいいのか、ちょっと頭をいろいろとひねらなきゃいけないところであります。

 あわせて、データ様式が違うんですね。ですから、そのまま使えないというようなことがございますので、これは、どうすればこれをそのまま使えるか、使いやすくなるのか。これも関係者で今協議をいただいております。

 こういうところも我々も出張っていって、せっかくやっていただいているものが保険者で利用できていない、そしてそれが次の指導につながっていないというのは、これは本当にもったいないことでございますので、また委員からもいろいろなお知恵をいただきながら、やっている検査のデータを保険者で御利用いただけるような、そんな努力をしてまいりたいというふうに思います。

柚木委員 ありがとうございます。

 先ほどもあったと思いますけれども、国会版社会保障国民会議というのに私も参加させてもらっているんですが、そこの中でも、そこは本当に予防という枠組みの中で非常に重要な部分だという議論、取りまとめも今そういう方向でやっているようですから、ぜひ厚労省におかれましても、我々の提言を待つということでなくて、しっかりと、今おっしゃっていただいたようにお取り組みをいただきたいと思います。

 それから、後発医薬品の使用促進についても、ちょっと質問がありましたが、私の方からもさせていただければと思っております。

 後発医薬品の使用促進は、言うまでもなく、保険者の努力だけでなし得るものではないということだと思います。まさに政府が、保険者あるいはエンドユーザーである国民の皆さんと一体となって、さらには処方者や販売者である医療従事者の皆さんの御理解もいただきながら、環境整備していかなきゃならない。

 そういう中で、今月五日に公表された後発医薬品ロードマップによりますと、これはシェアを平成三十年までの五年間で六〇%まで引き上げと書いている。このロードマップもお示しいただいたわけでございまして、この中には後発医薬品の安定供給や品質向上についても言及いただいておりまして、非常にこれは重要な視点だと私も認識を共有しておるところでございます。

 そこで、安定供給、品質向上に関連して質問したいんですけれども、これは、当然、一般論として後発医薬品の品質については、PMDA、厚労省の承認を受けているわけですから、そこをクリアしてきている、つまり、クオリティーが保たれているというのが前提なんです。

 ただ、この数年のいろいろな状況を見ていると、例えば日本の製薬会社で製造上の届け出が不備があったとか、あるいは製品としての質が担保されていないとか、あるいは、海外企業でも、原材料の手配が追いつかないとかの理由で製造をもう中止しなきゃいけない、こんなようなことがあれば、医療従事者あるいは患者さんからしてみても、ずっと処方していたものが突然入ってこないとか、品質が怪しいとか、使えないかもしれないとか、そんなことになったら、幾ら価格が安くても普及なんか進むわけがないわけですね、使う立場に立てば。そんなものはもう出せないし、もらいたくもない。

 そういうようなことになってしまっては、せっかくの後発医薬品の普及促進、そして協会けんぽの財政健全化努力等も含めて、いろいろなマイナスの影響が出てくるわけでございますので、これは安かろう悪かろうというようなことを意図的にやっているとは思いませんけれども、仮にそういうようなことが横行するようなことになっては実際の目標達成もおぼつかなくなる中で、何らかの、罰則というとあれかもしれませんが、とにかくそういうことが起こらないような仕組みづくりを検討いただきたいんですね。

 そうじゃないと、実際の保険者の財政健全化、あるいは後発医薬品の普及も進まない、そういうふうに私は思うわけで、ペナルティーどころか、場合によっては、そういうことが複数続くようなメーカーさんとかにはもう市場に参入していただけませんよぐらいの、何らかの仕組みを考えないと、私はこれは本当に前に進んでいかないんじゃないか、そういう懸念を持っておりまして、大臣の御見解をお述べいただけますか。

田村国務大臣 これだけ後発品を使うようにということで我々もお願いをしてきたわけでありまして、今回、六〇%というロードマップで、大きな目標といいましても、今までと母数が違うものでありますから、そんなむちゃくちゃな数字ではないわけでありますけれども、後発品がある医薬品の中で六〇%という話でありますけれども、そういう目標を掲げさせていただきました。

 一方で、今委員が御指摘をいただきましたように、安定供給ができない、また、品質管理の問題で心配をいただいておるのも事実でございます。

 そこで、やはりそういうことを考えますと、業界団体には一つガイドラインというものをつくって、その中でいろいろと方向性をお示しさせていただく。一方で、医薬品メーカー等々に関しましても、マニュアルの作成等々という中において、こういう安定供給というものをしっかり守っていただこう。

 品切れがないようにするということが大事でありまして、品切れになっちゃうということ自体が問題があるわけでありまして、そこに関しては、厳しくこれからも我々はチェックをしてまいりたいと思っております。

 それから、品質に関しましても、海外での今言われました原材料等々、こういうものに対していろいろな心配があるわけでありまして、やはり品質等々に対してもしっかりとしたチェックをしていかなきゃいけない。

 いずれにいたしましても、安定供給できない、それに対して、なぜできないんだということで、是正措置等々、いろいろと再発防止に関しての改善方法等々もいただくわけでありますけれども、それをいただいたにもかかわらず是正できないというようなところに関しましては、そもそも薬価収載希望書、これ自体をもう受け付けないというぐらいの厳しい対応をしないと、ジェネリックに対する信頼性というものは保てない。

 何としてもこの安定供給と品質というもの、これはジェネリックの信頼性にとっては大変重要なところでございますから、そのような方向性でこれから行政の方を進めてまいりたいというふうに思っております。

柚木委員 ありがとうございます。

 ぜひ、そういった形でしっかりと厚生労働省としてチェック、管理をお願いしたいと思います。

 さらに伺いますと、このロードマップ、スペインとかフランスとかの先行事例に言及もいただいておりまして、私も、若干その次の質問と関係するのかなと思ってお聞きするんですが、この二カ国というのは参照価格制度を導入されているわけですよね。それで劇的に後発医薬品の使用率が上昇して、使用率が今六〇%前後で推移している。私もかつて財政審にも出席していたわけですが、この話題が上がっているわけですね。

 これは見方はいろいろあると思うんです。例えば、たしかこれは自民党さんのお考えでは、生活保護受給者の方が先発医薬品を使用する場合には後発との差額を御負担いただくというようなことも御検討されているやに、皆さん、これは私の認識ですよ、伺うわけで、確かに医療扶助の適正化の必要性は私も共有していますが、いきなりここに行くのか、その差額の一部なのか、そこはよくよく議論をいただくところだと思います。

 ともすればこういった議論が今あるという事実の中で、ひょっとして、医療保険制度にまで参照価格が入ってきて広がっていくというようなことが、私は、ないというふうに、もちろん仕組み自体も全然違うわけですから、ちょっとここが懸念としてあるものですから、参照価格というのはそういう議論の中とは違うんだ、つまり導入は考えていない、これをちょっと確認したいんですが、これは局長ですか、お願いします。

木倉政府参考人 お答えいたします。

 まずもって、スペイン、フランス並み、六〇%を目指すという意味でありますが、今大臣が申し上げましたように、従来は、全部の医薬品についての分母、分子で見ておりました。

 それで三〇%を目指すということで、それのぎりぎり、近くまでは行っておるわけなんですけれども、諸外国との比較のときに、諸外国のとり方と同じように、分母の方を、後発品が存在する、あるいは存在し得る先発の分野、先発でもう特許切れになって後発が出てもおかしくない分野プラス後発品があるもの、それを分母に置きまして、そのうち実際に後発品が出ているものということで見まして、諸外国と比較ができるということでございます。

 そうしますと、日本の今の現状から見て、当面まず目指すべきレベルのものとして、スペイン、フランス並みの六〇%、それ以上に高い国もあるわけですが、そういうものを御議論いただき、まずもって目標とし、さらなる使用促進策を打ちながらモニタリングをして、さらなる努力を重ねていこうということにしたところでございます。

 今先生御指摘のように、この二カ国、確かに参照価格制度、すなわち、先発の保険償還価格を後発の価格と同じようにして、その差額の分は自己負担になるというようなことで、その仕組みをとっている国ではありますけれども、しかし、さらに非常に高いシェア、九〇%台になっておりますような米国なんかでは、このような仕組みをとっていなくても後発品の理解が進み、先ほど先生がおっしゃるように、品質安定性等についての理解が進み、医療の現場で使われておって、九〇%というレベルが達成できておるということもございます。

 ですので、この達成の仕方につきましては、必ずしも参照価格制度を前提にするということではなくて、どのような促進策をとることによって、実際に医療の現場で理解が得られ、患者にも理解が得られて使っていただけるのかということをさらによく検討して進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。

    〔委員長退席、上川委員長代理着席〕

柚木委員 ぜひ、そういった形で、それぞれの後発品の促進のスキームと、参照価格をやっている国があるからそこに近づくということではない、今、私は一つ整理をさせていただきましたので、そこはしっかりお願いしたいと思うんです。

 後発促進と同時に、他方で、先発創薬メーカーに対する支援も非常に同時進行で重要なわけですよね。この間、新薬創出加算、これの恒久化に向けた議論もある。医薬品メーカーというのは、そういう意味では納税額も高くて、非常に国の税収上も重要だという観点からすれば、そういったところの研究開発減税の幅を拡大していくとか、そういったことの中で全体としての薬価制度をどう考えるかという議論なんだと思うんです。

 そこで、そういう意味では、創薬メーカー等への支援というものも非常に重要だと思うんですが、これはまさにアベノミクスでも三本目の矢の部分に該当するのかと思うんですが、そういった日本発の、これは創薬だけじゃなしに医療機器の分野もそうですけれども、そこら辺をしっかりと進めていくことが今の議論の中でも担保されなければ、要は適正化の部分だけが進んでいくと縮小均衡にもなりかねない。

 私はそういう視点を持っておるものですから、これは大臣、今後の御決意というか御見解で結構ですから、今後、創薬メーカーへの支援としてどういったことを考えていきたいと思っているのか、ちょっと御答弁をお願いできますか。

田村国務大臣 いろいろな画期的な新薬に対する加算等々、一方で、未承認薬や適応外薬に対するいろいろな配慮もいただきながらでありますけれども、そういうものも今導入してきて、これをどうするのか、これからの議論になってくると思います。

 実際問題、これ自体、いろいろな製薬メーカーからも御議論をいただく中において、この制度自体を定着させるかどうかということを考えていかなきゃならぬ。一方で、税制上の優遇というものも当然あるわけでありますし、それから、臨床研究拠点病院等々、そういうものを指定する中で、新薬も含め新しい医療技術等々が開発されやすいような、そんな環境整備もしていく必要があろうと思います。

 一方で、ドラッグラグが言われておりましたが、審査ラグの方は、もうかなりアメリカとの差はなくなりました。開発ラグの方が、これは諸事情があって、だからこそ、先ほど言いましたような画期的な新薬に対する加算で、この部分はお助けをいただこうという部分もあるわけであります。いろいろな努力をしておるんですが、まだ若干これは残っておりますけれども、審査ラグ自体がここまで縮まってきたということは大きな成果だというふうに思っております。

 あわせて、基礎研究、日本はいろいろな研究をやっているんですが、応用研究でつまずいちゃうんですね。よくデスバレーなんて呼ばれておりますけれども、いいシーズはあるんですが、それがいよいよ臨床研究されて、治験されて、審査を受けて、そして物になっていくというところまでつながらない。ここで、例えば医薬基盤研究所、基盤研等々で、こういうようなものをオール・ジャパンで何とか創薬支援できないか、こういうことも今進めております。

 あわせて、薬事戦略相談機能というものを強化していって、シーズから製品まで、どのようなルートで、どういうところと連携をとりながら製品化していくか、こういうところにも力を入れていかなければならないというふうに思っております。

 あわせて、再生医療製品、これも、今国会、何とか法律を出させていただきたいというふうに思っておりますけれども、法律等々、議員立法の方も出てまいって、これは衆議院でも議論されたわけでありますけれども、このような議員立法とも相まちながら、そういうような新たな医療機器、そしてまた再生医療製品、こういうものに対してもしっかりと我々支援をしてまいりたい、このように思っておるような次第であります。

柚木委員 大臣、ありがとうございます。

 まさに、超党派議連で一緒に取り組ませていただいてきたことの成果も今述べていただきましたので、そういう意味では、さらなる前進を私も応援したいと思っていますので、お願いします。

 最後に、ちょっと後発医薬品の関係でもう一つだけ伺いたいんです。

 このロードマップを拝見していて、先ほど、たしか中島委員も同様の言及をされていたので御質問されるかと思ったんですけれども、多分、最後、質問されずに終わられたと思うので、私の方から、重複になるかもしれませんが、若干視点も違うところも含めてちょっと質問をさせていただきたいと思うんですね。

 医薬品の情報提供についてのMSのお話があったと思うんですが、実は、医療従事者の方からの視点で見れば、後発品を使いたくない理由の一つに、製造メーカーからの情報提供が少ないというお話を私もよく伺うわけです。

 確かに、そういう意味では、卸業の中でのMSの方々に頑張っていただくというような視点も私は有意義だとは思うんですが、他方で、そういった状況を、お医者さんも多忙だし、そういうスキームの中で情報収集を行うことでよしとするということも、私はどうなのかなという視点を持っております。

 例えば、大きな病院であれば、新薬を採用する際に、製薬メーカーから資料をもらって、その内容を病院の委員会で吟味、精査などして採用することを決めるとお聞きしていますけれども、その際の情報については、もちろん提供してもらうんだけれども、院内できちんと中身を議論する、検討する。その際には、製薬メーカーさんからの資料だけじゃなくて、みずから文献検索などもして、場合によっては、その文献に対する批判的なレビューとかも含めて検討して、そして最終的には決めていく、こんなことをお聞きしているものですから、そういうことがロードマップに書き込まれているということに関しては、若干違和感を持つというのが私の認識です。

 そうした場合に、やはり医療現場の専門職の方々の情報への自律と責任、これは余り例として適当じゃないかもしれませんけれども、イレッサ訴訟なども、そういう裁判の中における言及もなされていると思うんですね。

 ですから、ここはぜひ、そういう後発品、これは後発品の話ですが、医療現場における情報への自律と責任という観点からした場合に、これはぜひ、中身を専門家の目で精査して採用、不採用を決めていただく。

 その際に活用できると思うのが、実は、医療品の情報提供における中核病院などでのいわゆるDI、医薬品情報室の活用など、そういう専門家がちゃんと判断をして、そして使う、使わないというものを決めていく、そういった体制を医療機関の中でしっかりとつくっていく、その専門職を活用させていただく、こういったことの方がむしろ私は本来あるべき視点だと思うんですが、そのあたりの見解、大臣、いかがでしょうか。

    〔上川委員長代理退席、委員長着席〕

田村国務大臣 後発医薬品の使用促進をしているわけでありますけれども、なかなか、医療関係者の方々にまだ十分に御理解いただけないところもあるんですね。

 例えば薬効成分の量等々、それから、それだけじゃなくて、時間に伴う血中濃度、こういうものをしっかりとあらわす中において、同じですよというふうにお伝えさせていただいても、いや添加物が違うじゃないかとか、まあ形や味が違うのは仕方がないんですけれども、そういうふうな御議論の中で、やはり違うんだと。しかし、本来、血中濃度が時間とともに経過が同じであるならば、同じように効いていくはずだろうと思うわけでありますが。

 いろいろな情報をやはりしっかりと伝えていかなきゃならないという意味では、ロードマップの中においてMSの活用というものも挙げさせていただいておるのも事実でございます。それは、やはり専門情報をよく知ってみられますから、MSを活用しながら、この情報を医療機関等々、また医師等々にしっかりとお伝えいただくという役割、これは重要だというふうに思います。

 しかし一方で、中核病院においては、やはりたくさんの薬剤師さんがおられるわけでありまして、そういう方々に後発医薬品の一般的に処方されているリストを作成していただくということも大事であろうと思いますし、また、中核病院のみならず、地域の医療機関に対して情報提供、薬局に対しても情報提供、こういうものもしっかりとしていただきたいというふうに思っております。

 あわせて、都道府県協議会への参加もしていただく中で、この後発医薬品に対しての意義というものをしっかりとお伝えいただく中において、さらなる使用率の上昇といいますか増加というものを我々としても望んでおるわけでございまして、大変期待しておるところでございますので、我々もそういう観点からまたお願いもさせていただきたいな、このように思っております。

柚木委員 ありがとうございます。

 ぜひ、薬剤師さんの専門性も高まってきている中でありますから、DI室の活用も含めて、しっかりそこは進めていただきたいと思います。

 それで、三番バッターということだったんですけれども、私も一つ、産業競争力会議でちょっと気になる点もあるので、保険料を納めてちゃんと必要な医療が受けられるということを前提で納めておいでだということを考えたときに、多少私の中でも整理をさせていただきたいところがあるので、幾つか伺いたいんです。

 一つは、いろいろな先ほどの事例、きょう紹介もされ、大臣の御見解も大分、私も認識を共有させていただける部分もあるんですが、ちょっと改めて確認をしたいんです。

 一つは、もちろん財政健全化スキームというものもまとめなきゃいけない中で、IMFのそういうレポートも出ていますよね、そんな中で私が心配するのは、今これだけ、とにかく景気をよくするんだということで公債も発行してやっている中で、その反動がどこかのタイミングで社会保障に来るんじゃないかということが心配なんです、はっきり言えば。

 それで、個別の先ほどの項目もありましたが、まず大枠として、診療報酬も、我が党もいろいろある意味苦労もしながら、二回プラス改定もしてやってきました。自然増部分ものみ込んで、ほかのところ、はっきり言えば公共事業もちょっと削減させていただいて何とか手当てしてきた。

 しかし、私、この先ひょっとしたら、どこかで反動が来たときに再び、これは本当に私も当時この委員会でも厳しく質問させていただいたんですが、かつて、二千二百億円ずつ毎年削減をして、診療報酬も十年間ずっとマイナス改定という流れの中で、救急のたらい回しとか現場のお医者さんがいなくなってしまうとかいろいろな問題が起こって、私たちはそれも大転換をしたという経緯があったわけですが、今後、年間二千二百億円削減で五年間でしたか、そういう伸び率管理というのか定額削減というのか、そういうことに、よもやつながらないとは思っているんですが、まず、そういうお考え、大臣、今の段階でおありかどうか。

田村国務大臣 いろいろなことがございました。当時のことは余り思い返すつもりもありませんが、我々も党内の中で、社会保障を専門とする議員としていろいろなところと戦ってきた、そういうような歴史もあったわけであります。

 いずれにいたしましても、総理も、一律に社会保障費を削減することはないとはっきりと予算委員会でもおっしゃっておられるわけでありますから、そのような方向で、一律に社会保障をシーリングを決めて削減するようなことはないというふうに私も思っておりますし、そうあってはならないというふうにも思っております。

柚木委員 それでは、そういう前提で伺いますが、先日の予算委員会で、安倍総理が、前期高齢者の窓口自己負担二割本則化については、これはやるというふうな答弁をされておられましたが、やると答弁されたということは、これは来年度から本則に戻すという理解で、大臣、認識されているということですか。

田村国務大臣 私も以前から、本則には戻さなきゃならないという話は、至るところで、国会の答弁でもさせていただいてきております。問題点が幾つかあるということは申し上げたつもりでありますし、きょうもその話をさせていただきました。

 一方で、低所得者はどうするんだ、これは高額療養費に絡んだ部分もあると思います。そういう問題、財源確保しながら、しっかりやらなきゃいけないという問題もあります。

 来年必ずやるかと言われると、なかなか、今ここで、はい、やりますと言うのは、私にとっても難しいわけでありますけれども、しかし、以前から言っておるとおり、なるべく早く本則に戻さなきゃいけないというふうな思いの中で、今いろいろな検討をさせていただき、いろいろな話し合いをさせていただいておるということでございますし、これは国民会議の方でもいろいろな御議論をいただきながら、できるだけ早くこれを実現してまいりたいというふうに思っております。

柚木委員 あと、これは確認なんですが、競争力会議で単にこれは議論をしているんだという認識でスルーするのは、ちょっと私もなかなかそこは抵抗がありまして、さっき明確にこれは無理だろうと言われたのは、疾病ごとの自己負担割合導入、これはさすがにという御答弁だったんですね。

 それ以外についてもちょっと確認をしたいんですが、私も、大臣の、きのうのは見ていませんけれども、その前の議事録は拝見していますので、実施困難という表現と、それ以外のところについては、できるところは対応したいというお言葉を述べられているんです。

 実施困難なのが先ほどの疾病ごとの自己負担割合の導入だとすると、自己負担の最低限度額の設定、それから七十五歳以上の二割、これは、実施困難というふうにコメントされた中に含まれると考えてよろしいんですか。

田村国務大臣 まず、七十五歳以上の二割負担、これは、ここで絶対やりませんと言ってしまうと、検討したという結果にはならないので、なかなか言い方が難しいんですが、先ほど来言っておりますとおり、七十五歳以上は、やはり九十万近い年間の医療費がかかる。七十から七十四歳とは明確に違うんですね。七十から七十四歳は五十五万ぐらいだったと思いますけれども。そう考えると、やはり負担というのは、かなり年間の医療費が違うわけでありまして、そこには私は段階があってしかるべきだというふうに思ってはおります。

 ただ、検討はすると言っておりますから、検討はさせていただきたいというふうに思いますが、実現をするかどうかということは、そう簡単ではないというふうに私は認識はいたしております。

 それから、何でしたか……(柚木委員「自己負担の最低限度額」と呼ぶ)ちょっとこれもよくわからないんですが、免責制のことを言っているんですかね。

 これも、今までいろいろな議論の中では出てきた話でありますけれども、そうなれば、初期の医療というもの、これへなかなか行かなくなっちゃう可能性がある。

 これも先ほど申し上げましたけれども、それでもいいじゃないかという御議論があるのも承っております。ただ、一方で、初期に行かなければ重症化する可能性がある。ましてや、症状は普通の風邪と変わらないというのが、大体インフルエンザ等々でございますから、そういうものが重症化すれば、余計に医療費がかかってしまう。

 一つは、健診等々でまず病気を予防する、疾病を予防するということも大事なんですが、私は、疾病にかかった場合、これは慢性疾患もそうなんですけれども、生活習慣病等々は特にそうなんですけれども、なるべく早く医療機関にかかって、なるべく軽症でこれを抑えるということ自体が医療費を削減する大きなポイントであろうと思いますし、これは本人のQOLを考えても非常にいいわけであります。

 そういう意味からしますと、この免責制というのもなかなか難しいのかなというのが、今、率直なる思いであります。

柚木委員 ありがとうございます。

 あともう一点、大西委員が聞かれるかと思ったら別の視点から聞かれたので、健保法に自己負担上限三割と附則にある部分が、高療制度と関係して聞かれたので、私はちょっと違う視点で確認なんですけれども。

 窓口自己負担割合を三年ごとに一割アップというのも競争力会議で指摘が出ているんですが、そうすると、これは健保法の中に上限三割と決めたことを撤回するのかという話になるので、そんなことになるんですか。これもちょっと確認したいので。

田村国務大臣 いや、検討すると言っていたのかなと思って、ちょっとびっくりしましたけれども、実施困難とお答えをしておるようでございます。

 保険というのはどういうものかという考え方はいろいろあると思うんですけれども、やはり、四割、五割とどんどん自己負担が上がっていくと、もうほとんど保険の意味を持たなくなってくるんじゃないのかなということで、当時、三割という一つの敷居をつくったわけです。

 ですから、今厚生労働省として考えておりますことは、やはり三割を超えるということはなかなか難しい。それは、場合によっては若干超えるなんということがあるのかもわかりませんけれども、基本的に、三割というものを大幅に超えるということは保険として難しいという認識でございますから、三割というものをしっかりと守ってまいりたいというのが今の思いであります。

柚木委員 ありがとうございます。

 本当にそこを担保できるかどうか、我々も注視しておりますので、今、それについて認識は伺いました。

 それで、あと、たしか午前中の足立委員でしたか、資料をつけられていたと思いますが、年金のことで最後ちょっとだけ、二、三確認させてください。

 医療保険も年金保険も、当然、納めた保険料に対して返ってくると思うから納めるのであって、それが何か、せっかく時効特例の法律をつくったのに、実際、運用状況が全然伴っていなくてもらえないとなると、それこそ、まさに現行の年金制度に対してもまた不信感が募ってしまうのではないかという危機感を私も持っていまして、これは説明もいただいたんですが、ちょっと二、三、端的に、細かい話はまた改めますので、伺えればと思っています。

 今回、十億円の未払いということで、約八千件の中での一千三百件が約十億円、その大半が業務処理に不統一が認められるケースによる、これが八千件の中の一千三百件だと聞いているんですね。その中には最高で三千三百万円ぐらいの未払いがあって、多分、相当御高齢の方になるんだと思うんです。これを、この七月から順次追加支払いを行うということなんですね。

 年金記録問題のときにもあったんですけれども、余り期間があくと、もちろん、亡くなられても御遺族が請求して受け取れるスキームではありますが、御本人が生きていらっしゃる間に受け取れるということが基本的に前提なわけですから、これは、七月から順次追加払いをし始めて、いつまでに完了するのか。

 この千三百件だけじゃなしに、その他の八万件とか、あるいは、全体の時効特例給付三百十万件のうち半分ぐらいはこれから手作業でやるといったら、百五十万件、百六十万件ぐらいあるわけですが、これも、では、いつになったら完了して、追加給付が必要であればそれを行うのか。場合によっては、これは本当に後から後から出てくる、氷山の一角の可能性もあり得る中で、いつまでに完了するという見通しを持ってやるのか、これはぜひ見通しを。

 そして、私は、今年度を集中期間としてやるべきだと思いますが、どうでしょうか。

田村国務大臣 政権を、我々の政権、そして政権交代した後の政権、そしてまた我々の政権と、事実上二つでありますけれども、三回にわたって実はこの案件がずっと続いてきておるわけでありまして、そういう意味では、どの政権下であっても年金の信頼性というのは継続的でなければならぬわけでありますから、多分、民主党政権下でも、かなり年金機構に対して、いろいろな意味で、今までと意識を変えろというような指導をされたんだと思うんです。されたんですけれども、まだ変わっていなかった。

 そして、我々の政権になって、これが発覚してきて、今こういう形になったわけでございますので、これは引き続き、政権がかわっても、さらに意識を変えるように、なかなか変わらないところでありますから、我々も努力をしてまいりたいというふうに思いますので、どうかその点は民主党も御尽力をいただきたい、お力添えをいただきたいというふうに思います。

 それで、なるべく早くやらなきゃいけないと思っておりますが、まず、検証を夏ごろまでに済ませなきゃなりません。

 まだ、これは千三百件、十億円でありますが、全体十ケース、八万七千五百件あるんですね。残りの六ケースに関しては、まだ可能性が認められるということでありまして、これは全部チェックをしなきゃならないわけでありますから、この中から、どういうものがあるのか、まだこれからしっかりチェックをさせていただきたいというふうに思います。

 あわせて、今までの記録と違う方々に関しては、なるべく早くお返しをしなきゃならぬわけでありますから、それはできるだけ早く我々としても対応をしてまいりたいというふうに思っております。

柚木委員 これは、どちらの政権のときと言っても本当に仕方のない話で、安倍政権、第一次のときに本当に突貫工事でつくって、はっきり言って、現場が本当に対応ができていなかったというのは一つ確かにある。しかし、運用面で我々がどこまでそこをチェックできたかもあるでしょう。ですから、どちらがどうと言っても仕方ありません。

 年金をいただく方の立場に立てば、一日も早くというのが全てですから、ですから、そういう意味では、私、今回けじめも必要だと思うんですよ。

 これは、今後の対応の中に、「機構及び年金局の責任の明確化」と。これは、報告書の指摘を踏まえて必要な処分を行うと書いているんですね。必要な処分というのはどういう処分を行うかという視点が一つと、もう一つ、そういう意味では、責任の明確化ということでいえば、年金機構の職員の皆さんはみなし公務員でありまして、同法四十八条に大臣の監督責任というものがあるわけでございます。

 ですから、今回この調査報告をまとめていく中で、これはぜひきちんと、監督規定というのがある中で、今後の対応、マニュアルの統一化とかいろいろあるわけですが、指針を明確化、明文化していただいて、そしてそれを、それぞれ通知を出すとか、そういった本当に具体的な対応をとってくれないと、まさに、政権がどうであれ、しっかりやる仕組みをつくる。

 これは、現政権に今あられる中で、その責務は当然現政権の中でお取り組みいただかなければ、これは本当に年金制度自体の信頼性がまた今大きく問われている、そういうふうに思いますから、必要な処分をどういう形で、いつぐらいまでに行うのかという視点。それから、まさに大臣の監督規定、これがある中で、指針の明確化、明文化、これを行っていただく。この二つについて、最後、お答えください。

田村国務大臣 私が大臣になってすぐ、この事実がわかってきたわけでありまして、そういう意味では、これはもう、政権交代して、私が大臣になった使命だというふうに、改めて運命的に感じております。

 この第三者的な業務監視委員会、これができたのも、ちょうど私が総務副大臣のときでございましたから、みずからでつくったものを、みずからで今度はお叱りをいただいておるという状況でございますから、本当に運命的なものを感じるわけであります。

 処分も含めてでありますけれども、何よりも、処分だけしたら済むという話じゃありません、二度と起こらないことをするためには、このようなダブルスタンダードが生じたときに、疑問があれば、それを上に上げて、意見を統一して、その上でまた全体へと統一した方針を伝えるという組織の基本中の基本、こういうものができるような組織につくりかえていかなきゃなりません。

 自分たちが専門家だから自分たちがやっていることが正しいんだ、そういうような思い込みが、実は今回のようなダブルスタンダードを生んだ。一方で、それでもいろいろな意見は上がってきたんだと思います。その上がってきた意見に対して、疑問を持って、厚生労働省としても、また年金局としても、ちゃんと指導ができなかった。これは年金局の責任もあろうと思います。でありますから、そのようなものが二度と起こらないような体制を整備するということ、これが一番だと思います。

 あわせて、もちろん責任問題もございますから、ここはしっかりと調査した上で、しかるべき時期に、しっかりとした責任の対処をさせていただきたいというふうに思っております。

柚木委員 終わります。

松本委員長 次に、山井和則君。

山井委員 三十五分、健保法に関連して質問をさせていただきたいと思っております。

 この協会けんぽ、今回延長した後、二年後に保険料がまたどれだけ上がるのかというのが最大の問題だと思うんですね。今回、私たちはこの法案には賛成をいたしますが、そういう意味で、朝から、るる、どうやって今後の医療、医療保険制度をやっていくのかという議論になっております。

 そこで、今私が非常に心配しておりますのは、現在、産業競争力会議の中で、非常に自己負担のアップが議論されているということなんです。

 先ほどからも議論がございましたけれども、きょう配付資料をお配りしておりますが、順番に見ていただきますと、三月二十九日、産業競争力会議テーマ別会合の中で、この二ページ、線を引いてありますように、「社会保障負担の削減に向けて、自己責任の範囲を考慮し自己負担を拡大」という中で、次のページにありますように、先ほど柚木議員、大西議員、中根議員からも質問がありましたように、二つ、私がやはり大問題だと思っているのが、高額療養費の自己負担の限度のアップ、それと七十五歳以上の一割から二割への負担なわけです。

 先ほどの民主党議員の質問とも同じなんですが、ほかの項目も検討すると言っているならばまだわからないではないんですが、ほかの項目は、ここにもございますように、実施が困難あるいは慎重にということが書かれているわけですね。

 ですから、そういう意味では、なぜこれを検討と答えたのか。先ほどの大西議員にも話があったように、これは明確なマニフェスト違反なんですね。高額療養費の自己負担限度額を引き下げますと言って選挙をやりながら、選挙が終わったら、引き上げるということを検討すると正式に答える。これは、ほかと同じように、困難とか慎重と答弁したらよかったじゃないですか。なぜ検討という答弁をされたんですか、田村大臣。

田村国務大臣 先ほど、高額療養費は自民党の政権公約を読んで詳しく御説明をさせていただいたので、おわかりだというふうに思いますけれども、要は、高額療養費が高いと言われる方々がおられます、負担が。それは、先ほど言いましたとおり、一定の所得があっても、がん等々、高額療養が長期間続く方々に対しては、これはやはり負担感があるんですよ。

 それから、低所得者の方々、こういう方々には当然、それは低所得者ですから一定程度ではありますよ。しかし、今の高額療養費のその所得の割り方を見れば、それは二百万円ちょっとから七百九十万というのが一般であるというのを見れば、そこが同じカテゴリーに入っていいのかどうかということを考えますと、そこにもやはり負担感はあるであろうと。

 そういうことを踏まえた上で、これは引き下げるということも考えなきゃならないというような議論を政権公約の中でさせていただいたわけであります。

 一方で、では、高所得者をどうするかという議論は、これはいろいろな議論があろうと思います。それは今も、各地でいろいろな御議論をいただいておりますし、政党間でもいろいろな御議論があると思います。事実、民主党も、年金に関しては高所得者の方々は給付を下げようというようなお考え方があります。

 ですから、幾らが高所得者かという問題はまたありますよ、これは。七百九十万といったって、がんでお苦しみになっておられれば、それは、所得は一定あるかもわからないけれども、一方で、かかる医療費が高額だというふうになれば、生活の負担感というものは当然あるわけでありますから、そこは慎重に考えなきゃなりませんが、あらゆる考え方がある中において、そういうものも含めて一応検討はさせていただこうということで、こうやって申し上げたわけでありますので、自民党が政権公約で申し上げた内容というものに関して、そこの部分に関しては引き上げるということを我々は検討するつもりはございません。

山井委員 これは五ページに高額療養費の額が入っておりますけれども、ということは、田村大臣、今の答弁を聞いていると、高額療養費の自己負担限度額を引き上げる可能性があるということですか。

田村国務大臣 高所得者の高額療養費、こういうものに対しての引き上げるか引き上げないかということは、それは議論はしてもいいのではないかというふうに思います。

山井委員 質問に答えてください。

 ということは、引き上げる可能性もあるということですか、議論するということは。

田村国務大臣 検討をすると私は言っておりますから、検討をするということであります。

山井委員 質問に答えてください。

 引き上げる可能性もあるということですか。

田村国務大臣 私は、産業競争力会議で引き上げる可能性があるとは言っていないんですね。検討するというようなお答えを出させていただいております。ですから、正確に、検討をするということであります。

山井委員 これは、「国民会議の議論も踏まえつつ、検討を予定。」と。

 この国民会議というのは八月二十一日までですが、いつまでに検討して、いつ結論を出される予定ですか。

田村国務大臣 国民会議の議論とこれがどうリンクしていくのかは、ちょっと私も頭の中で結びつきが今すぐにはわからないわけでありますが、一方で、産業競争力会議というのは、一定期間内に一定の取りまとめがなされるわけでございますから、それまでの間には、検討した上で、結論をお出しさせていただくことになろうと思います。

山井委員 ということは、取りまとめ、年央と、つまり、年央というのは六月ぐらいとなっていますが、その六月の取りまとめのときには結論を出すということでいいですか。

田村国務大臣 それは、取りまとめられるのでありましょうから、それまでに結論を出さなかったら、もうやらないということですよね。取りまとめのときに何も出なかったら、それはやらないということでありましょうし、取りまとめのときに、やらないという答えになるかもわかりません。検討ということであります。

山井委員 念のためにお聞きしますが、やらないという結論かもしれないし、やるという結論かもしれないということですか。

田村国務大臣 検討をさせていただいております。

山井委員 この高額療養費の問題は非常に深刻な問題でありますし、同時に、私はもう一つびっくりしたのが、七十五歳以上の二割負担です、先ほど同僚議員からもお話がありましたが。

 七十歳から七十四歳も決まっていないときに、七十五歳以上を実施困難とか慎重と答えるに、普通決まっているじゃないですか。それを検討と答えるというのはなぜですか。これも、そうしたら今と同じように、年央、つまり六月ぐらいの取りまとめのときまでに結論を出すということですか。

田村国務大臣 おっしゃるとおりで、今、七十から七十四歳のところをいろいろと議論しているわけですからね。それで一定の方向を出してくる中において、いきなり七十五歳以上をどうするんだというのは、結構先を行った議論だなというふうには思いますけれども、検討はさせていただくということであります。

山井委員 いや、そこが理解できないんです。ほかは「困難」とか「慎重」と書いてあるんだから、七十四歳までも決まっていないのに、七十五歳以上は困難と答えるのが、私は普通だと思いますよ。

 それに、補正予算で建設国債をたくさん発行して公共事業をたくさんやって、私たち民主党政権のときには、本当にこれは必死になって無駄削減をやりました。公共事業も、必要性は認めつつも、スリム化せざるを得ない。それはなぜかといったら、社会保障にお金を回さないとだめだと。先ほど柚木議員も質問しましたが、医療崩壊を救うために診療報酬も上げねばならない、ほかの介護や子育てにもお金をあげないとならない。歯を食いしばって公共事業を我慢したというところが私たちはあるんですよ。

 だから、私たちが非常に心配しているのは、景気対策ということで公共事業にお金を使っておられますが、その暁には、七十五歳以上の二割負担に引き上げを検討する、そして、選挙で引き下げると約束した高額療養費の上限の負担も検討する。結局、そうしたら、公共事業に金を使い過ぎて、そのしわ寄せが社会保障に来るということになりかねないということになってしまうんですよ。

 これは本当に検討するんですか、七十五歳以上二割負担というのは。どういうスケジュールで、どこで検討されるんですか、田村大臣。検討の必要ないよ、こんなもの。

田村国務大臣 公共事業とは余り関係ない話ですね、これは。これで医療費が削減になれば、それはそういう話になるでありましょうけれども、医療費削減になるとは、まず私は考えておりませんから。

 公共事業はあくまでも、アベノミクスとよく言われておりますが、三本の矢の中の二番目の機動的な財政政策、これは、一方で、防災対策という意味で、老朽化した橋であるとか道路であるとか堤防であるとか、いろいろなものをやはり直していくということは、これだけ災害が今多い中において、私は、やるべきときには必要なことだと思いますよ。

 そして、今それが、景気対策という中で、やれる機会があるのであるならば、それはそれで私はやるべきであろうと思いますし、それによって医療費が削減されるというのであるならば、ただでさえ医療費は自然増であるのに、それを削減するなんということになったら、私もそれは一言も二言も言いますけれども、医療費を削減するなどというようなミスリードはやめていただきたいというふうに思います。

 必ず、医療費というものは、自然増も含めて伸びていくわけであります。その中において、産業競争力会議でいろいろな、山井委員も、政務三役もやられて、審議会、いろいろなところに出られていると思いますよ、それは。そのときに、何もかも、だって、お招きした専門員であったりとか有識者ですよね、そういう方々に対して、いや、あれはもう一切やりません、これもやりません、あれもやりませんなんということは、まずあり得ないわけであります。検討もしないというものは、例えば先ほども言いました、保険制度という中で、七割自己負担というようなものはそもそも保険にそぐわないでしょうから、だからこれは検討をしないということを私はその場で申し上げて、結論を出したわけであります。

 しかし、こういうものに関しては、やはり、せっかく有識者の方々が御提案をいただいたんですから、それは一定程度検討はさせていただくというのが、それが礼儀であろうと思いますし、その上で、スケジュールというのは、先ほど御本人が言われたじゃないですか、この産業競争力会議、これが一定の報告書を出すまでにはちゃんと結論を出させていただいて、御返答させていただくことになろうというふうに思いますよ。

山井委員 確認ですが、年央の六月の取りまとめまでにこの二割負担も結論を出すということでいいですか。

田村国務大臣 先ほどそう申し上げたつもりなんですけれども、それまでに出せなかったら、自動的に、何も結論を出せなかったということになるんでしょうね、これは。

山井委員 田村大臣、私、今答弁を聞いてよくわかりましたけれども、そこが民主党政権と違うんです。私も政務三役をやりましたが、民主党政権だったら、高額療養費の自己負担の引き上げ、マニフェストに引き下げと書いたのに、引き上げてくれと産業競争力会議から言われたら、拒否をします。さらに、七十五歳以上の二割の自己負担引き上げも、検討なんて答弁はしません。つまり、検討と答弁している段階で、もう押し込まれているわけです、そこは。そこは毅然としてちゃんと断らないと、もう押し込まれてしまっているわけですよ。

 自民党政権の姿勢が今のでわかりましたが、もう一つ、この高額療養費に連動して、深刻な問題がございます。

 この七ページにもございますように、この高額療養費、今の比例一%部分引き上げだけじゃないんですね。このままいくと、生活保護の引き下げに連動して住民税非課税限度額に、実は、この資料を見ていただきたいんですけれども、七ページ、下線を引いてあります、二十一万人、医療保険制度の高額療養費の所得区分。つまり、非課税であれば月に三万五千四百円、ところが、ここが課税になると八万百円に、倍以上になるんですよ。課税か非課税かというのは、これは本当に大問題なんですね。

 ところが、今回、六・五%、最大一〇%生活保護水準を下げるという中で、田村大臣、生活保護基準を引き下げると住民税の非課税限度額の引き下げにつながって、生活保護の水準引き下げに従って、ここにありますように、三万五千四百円から八万百円プラスアルファに上がる人というのが、来年の四月以降、出てくる可能性はあるんじゃないですか。

田村国務大臣 まず、そこが自民党と民主党の違いなんだよとおっしゃられますが、結構、民主党さんも事業仕分けで粗っぽい御議論をされておられたと思いますよ、責任のある方々が。ですから、余りそういうことはおっしゃられない方がいいんだというふうに思います。

 それから、今のお話でありますが、以前からこれは山井議員ともう何度も何度もやらせていただいておりますけれども、我々は、そういうふうな形で住民税非課税限度額になるべく影響が出ないような形でいろいろな対応をしていこうということで、総務大臣にもそういうお願いをさせていただいておりますし、一方で、与党の場合は、我が自公の政権の場合は与党が税制に関してはかなり影響力をお持ちでございますから、そのキーマンに対しましてもそのような形でお願いをさせていただいて、一定の御理解はいただいておるというふうに思っております。

山井委員 この八ページに今の答弁に関する議事録があるんですが、私は、田村大臣が今まで事実と違う答弁をこの委員会でされてきたんじゃないかな、そういう疑問を持っております。

 どういうことかといいますと、下の方、三月十九日、長妻昭議員が、「では、地方税の非課税のラインを引くときに、」この下線を引いた部分ですね、「低所得者対策に配慮する、今回の生活保護と連動させないようにしてください、こういう閣議や閣僚懇の申し合わせというのはあったんですか。」というのに対して、田村大臣は、「影響を極力なくすようにという閣僚間での合意をさせていただいた」と。

 それで、この上の議事録、その合意があったというのは私は聞いていませんでしたから、初耳だったのでびっくりして、もう一度、四月十二日に確認しました。

 上にありますように、田村大臣は私に対して、四月三日の質問でも、今の生活扶助基準引き下げを、住民税非課税限度額への影響を極力なくすと閣僚間で合意していると答弁されているんです、田村大臣、それは総務大臣と合意をされているということでよろしいですかということを聞いたら、閣僚懇、閣議後の懇談会で我々が一応合意した内容の中に、三番目にこう書いてあるんです、今回の生活扶助基準の見直しに伴い、他の制度に影響ができる限り及ばないよう、引き続き、各府省に協力をお願いしますと、私はこれをもって合意したというふうにお答えしたということですと。

 今ここにフリップもございますが、つまり、これが合意の文章なんですね。

 それで、この下、九ページにございますが、ここに書いてありますように、「各府省のご協力をお願いします。」なんですよ。合意はしていないんですよね。合意をしたのは何かというと、この二に書いてある、その他の生活扶助基準の見直しについては、できる限り影響が及ばないよう対応すると合意しているんです。

 逆に言えば、一番目の個人住民税の非課税限度額は、影響が及ばないようにとは書いていないんです。除かれているんです。さらに、三番目の子供の教育の就学援助、この部分にも、各自治体で判断となって、影響が出ないようにという文言は外されているんです。

 田村大臣、ということは、新藤大臣とは、非課税限度額については、連動しないようにという合意はできていないんじゃないですか。お願いしているだけじゃないですか。

田村国務大臣 いや、これは二番もお願いしますなんですね、次の「ご確認いただくようお願いします。」と。だから、両方ともお願いしますなので、何をおっしゃっておられるのかよくわからないんですが。

 文章は、これを合意したんですよね、ここに書いてある文章を。「生活扶助基準の見直しに伴い他制度に生じる影響について」ということで、私が閣僚懇談会でお願いをして、合意したんですよね。それで、一番、二番、三番とあって、二番もお願いします、三番もお願いしますですが、その三番に、今回の生活扶助基準の見直しに伴い、他の制度に影響ができる限り及ばないよう、引き続き、各省庁の御協力をお願いしますということで合意をいたしたわけでありますから、これをしていないと読まれるのは山井先生の勝手でございますけれども、私はこれで合意をいたしておるという認識でございますから、合意をしたというふうに申しておるわけであります。

山井委員 確認しますよ。

 新藤大臣と、個人住民税の非課税限度額等について、生活扶助基準の引き下げが連動しないように合意をしたんですか、本当に。本当に合意をしたんですか。

 このペーパーには書かれていませんよ、連動しないようにということは。次の二の項目にしか書かれていませんよ。本当に合意したんですか。お願いしただけじゃないですか。そこ、合意とお願いは違いますよ。お願いは、連動しないようにお願いしますと一方的です。相手がイエスと言おうが、ノーと言おうが、お願いしましたと。しかし、合意というのは、新藤大臣も、極力連動させないようにしますと答えないと合意になりませんから。

 田村大臣、そちら、どちらなんですか。お願いだけですか、新藤大臣も合意したんですか。明確に。

田村国務大臣 新藤大臣の答弁だと思うんですが、こう言っているんですね。先日の私の答弁は、こうした内容についてお答えしたものであります。総務省からも、今回の生活保護基準の見直しに係る非課税限度額のあり方については、厚生労働省の考え方も十分に聞きながら、平成二十六年度以降の税制改正において、与党の税制調査会の議論も踏まえ、検討するとの答弁があったところであり、そごが生じるものではないと考えている。

 新藤大臣がこうやっておっしゃっているんですから、私もそうやって言っていて、新藤大臣もそう言っていて、これで、山井さんが合意していないと言うのは御自由でございますので、どうぞそう思ってください。

山井委員 その答弁、ですから、違うんですよ。厚生労働省の言い分を聞きながら検討するとしか言っていないんですよ。合意したとはあえて言っていないんです。

 田村大臣、田村大臣は、個人住民税の非課税限度額に生保の引き下げが連動しないように合意したと言っているんですよ。でも、新藤大臣は、厚生労働省の言い分を聞きながら検討すると。合意したとは言っていないんですよ。

 本当に合意したということでいいんですか。連動しないようにするということを新藤大臣が合意したということでいいんですか。

田村国務大臣 でき得る限りということは申し添えておきたいと思います。

 その上で、まず、新藤大臣の答弁は、そごが生じるものではないとおっしゃっているんですね。それは、日本語がわかられれば御理解いただけるというふうに思いますよ。

 それから、もう一方で、先ほど来言っているのは、実は、二番も、「ご確認いただくようお願いします。」とお願いしているんです、二番のところも。三番もお願いしているんです。お願いは合意でないとおっしゃられれば、そもそもこれ自体全部合意じゃないという話になっちゃいますので、そこは、日本語をよくよく見ていただければ御理解いただけるんだというふうに思いますよ。

山井委員 田村大臣、私、実はこの質問を三回ぐらいしているんですが、なぜしているかと言ったら、これは連動する人が非常に多いんです。

 なぜならば、介護保険、今、非課税で減免を受けている方、一千七百二十七万人ですよ、これは。六・五%にはねたら、下手したら百万人が課税になる上に、介護保険料は引き上げになって、一割自己負担は二万五千円から三万六千円になって、特養のホテルコストも引き上げになる。大変なことなんですよ、これは。ですから、これが連動するかどうかというのは、日本の低所得者にとっては大変深刻な問題なんです。

 田村大臣は言い張られるかもしれませんが、このペーパーが全てなんです。真実を物語っているんです。非課税限度額のときには、影響を与えないという言葉は除かれています。就学援助についても、影響を与えないという言葉は除かれているんです。ですから、このペーパーだけを読めば、残念ながら、田村大臣は、文科大臣や総務大臣に、できる限り影響を与えないようにということをお願いしたけれども、合意には至っていないからその文言が入っていないということになるというふうに私は思っております。

 とにかく、このことについては、来年四月には答えが出ることであります。ですから、私は田村大臣に言いたいのは、わからないならわからないと言わないと、下手に、極力影響を与えないように合意したなんということを言うと、後でうそになりかねないということを言っているんですよ。少なくとも、私は、この文章を普通に読めば、合意したという文章にはなっていませんから。

 それに、おまけに、もっと失礼な言い方になるかもしれませんが、非課税限度額に連動させるかどうかの最終決定は、これは総務省の管轄なわけですから、やはり田村大臣が、連動させない、連動させないということをおっしゃるということは、ちょっと私、それは願望としてはわかりますけれども、権限がないのに余りそれを言って、何か変に多くの低所得者の人に、ああ、大臣が連動しないと言っているから大丈夫なのかなと思ったら、実は田村大臣は権限はありませんでしたということになったら大変だということを言いたいと思います。

 それでは、時間も限りがありますので、診療報酬の話を聞きたいと思っております。

 この診療報酬、きょうの配付資料にもありますが、健保連が先日の国民会議でこういうペーパーを配っております。

 どういうことかというと、民主党政権では、過去ずっと診療報酬が下がってきましたのを、これでは医療崩壊は防げないということで、二回連続ネットプラスで改定をいたしました。この間、私も十四年前から厚生労働委員会におりますから、医師不足の問題、産科の問題、救急の問題、何とかせねばならないということをずっとずっと議論してきました。そういう思いを込めて、何が何でも診療報酬をネットプラス改定ということで、少しではありますが、二回連続ネットプラスに持っていきました。その方法としては、薬価の改定分を診療報酬本体の引き上げ財源とするという方法だったんですね。

 ところが、今回のこの国民会議での健保連の意見陳述によると、そういうやり方はしないでくれということを言っているわけです。

 先ほどの柚木議員の質問にも関連しますが、来年四月、診療報酬改定があります。消費税の増税部分、それはおいておいて、民主党政権のときと同じように、診療報酬のネットプラス改定を田村大臣としては目指されるわけですか。

田村国務大臣 診療報酬改定に関しましては、前回の改定で、〇・〇〇四%でありましたけれども、マイナス改定にならなかったということに関しましては、御努力をいただいたというふうに思います。

 その上で、政務官をおやりになっておられましたから、これはもう御承知のとおりだと思いますけれども、当然、この診療報酬に関しましては、まず、総額をどうするかという問題は、その当時の物価でありますとか賃金でありますとか、それから医療経済実態調査、医療機関の経営がどうなっているか、こういうことを鑑みながら、もちろん、その時期の医療がどういう状況かということも踏まえながら、最終的に総額をどうするかということを決めた上で、中医協におきまして細かい部分の診療報酬が決まってくるということでございます。

 でありますから、これからしっかりと検討をさせていただきながら、医療が後退しないように、前に進むように頑張ってまいりたいというふうに思っております。

山井委員 ちょっと不明確な答弁なので、改めて聞きます。田村大臣の意思を聞いているんです。

 私たち民主党政権のときは、財務省とも戦いました。財務省は引き下げると言ったのを、私たちは、長妻大臣を先頭に、何が何でも今の医療崩壊を防ぐには診療報酬のプラス改定は必要なんだ、そういうふうなことで戦いました。政務三役が先頭に立って、引き上げるということを言って、戦いました。すごいバトルを展開してネットプラスをかち取りました。

 ですから、田村大臣は厚生労働省のトップなわけですから、その決意を聞いているんです。ネットプラスを目指しているのか、目指していないのか、どっちですか。

田村国務大臣 それは、医療が、やはり質も含めて前に進んでいかなきゃならぬわけであります。そのために必要な診療報酬をしっかりと我々は要求してまいりたいと思います。そういう意味では、しっかりと戦ってまいります。

山井委員 しっかりとネットプラスを実現するために戦っていくということですか。

田村国務大臣 聞いていただければわかると思いますので、大体皆さんわかっておられると思いますよ。

山井委員 田村大臣、私、不思議ですね。ネットプラスを目指すとおっしゃったらいいじゃないですか。なぜそのワードを出せないんですか。ネットプラスを目指すということを言ってください。

田村国務大臣 何をもってしてネットプラスというのかということも考えますけれども、少なくとも、今の医療が後退しない、前に進む、そういうような診療報酬改定にしていかなきゃならぬと思いますから、戦ってまいるということであります。戦ってまいるということはどういうことかは、もうわかっていただけると思いますね。

山井委員 いや、私、わからない。もうちょっと明確に言ってください。ネットプラスを目指すのか、目指さないのか。

 要は、大臣がどれだけの決意を持っているかということが今問われているわけですよ、それは。片や、先ほども言ったように、厚生労働省から出てくるメッセージは、七十五歳以上の負担を一割から二割にします。びっくり仰天ですよ、それは。七十歳から七十四歳も決まっていないのに。おまけに、高額療養費も、選挙で約束したから下げてくれると思ったら、逆に引き上げを検討しますと言う。

 それで、逆に、医療充実のための診療報酬をネットプラス、民主党は二回やったんですから、それを続けるだけの話ですよ、それをやるんですかと言ったら、なぜ充実の方は明確に答えないんですか。ぜひ明確に答えてください。

田村国務大臣 充実しない方も明確に答えられているとは思っていないんですけれども。

 ネットプラスという言い方が何なのかなという、そういう思いはあるんですよ、そういう思いは。しっかりと医療が充実するような、そういう診療報酬改定にしなきゃいけないというふうに思っております。マイナスにはしちゃいけないなというふうに思いますけれども、それでいいのかなという気もいたしております。

 いずれにいたしましても、民主党さんが二回ほどの診療報酬改定で御努力していただいてきたことには、私も評価をさせていただいておりますし、それも見ながら、しっかりと我々も、医療の充実のために、診療報酬の確保に努力するように戦ってまいりたいというふうに申し上げておる次第であります。

山井委員 何でプラスを目指すと言えないんですか。マイナスにはしたくないとか。

 なぜかというと、全国の医療関係者とかも固唾をのんで、日本の厚生労働省、日本の国会議員は党派を超えて医療の現場のことを考えているかというのは、みんな見守っているんですよ。それに対して、まさにそのメッセージを発するのは大臣じゃないですか。大臣がこんなに聞かれてもプラス改定と言えない。そんな大臣で医療が充実するはずないじゃないですか。

 プラス改定すると約束してください。

田村国務大臣 マイナスにならないように頑張ると言っているんですよ。(山井委員「では、ゼロじゃないですか、そうしたら。ゼロじゃだめでしょう」と呼ぶ)では、〇・〇〇〇〇〇〇〇一ならいいんですか。何を言っているかよくわからないですね、私、もう。

 あなた方が胸を張ってやられたことは私も評価していますよ。評価していますけれども、ネットプラスだとか、そういう話じゃないんじゃないかと。要するに、マイナスはすべきじゃないと思いますから、私どもも一生懸命努力してまいりますし、さらに高い目標を持って私は戦ってまいるというふうに申しておるわけでございます。

山井委員 拍手している場合じゃないですよ。

 民主党は二回連続プラスで上げたんですよ。そのためにどれだけ戦って、どれだけ必死な思いをしたか。長妻大臣が総理官邸に行き、財務省と何カ月もけんかをし、プラス改定するというのはそんな簡単な話じゃないんですよ。

 まさに、日本の医療をプラスに持っていけるかどうかのシンボルなんですよ、一つの。その一つのシンボルのために政治家は戦っているんですよ。そのことぐらいしっかり明言してもらえないと、日本の医療の将来は暗いと思います。

 以上で質問を終わります。

松本委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

松本委員長 この際、本案に対し、高鳥修一君外一名から、自由民主党及び公明党の二派共同提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。高鳥修一君。

    ―――――――――――――

 健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

高鳥委員 自由民主党の高鳥修一でございます。

 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 修正の要旨は、原案において「平成二十五年四月一日」となっている施行期日を「公布の日」に改めることであります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

松本委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

松本委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。新原秀人君。

新原委員 日本維新の会の新原秀人でございます。

 我々日本維新の会は、与党が提出しておられます健康保険法等の一部を改正する法律案、すなわち、協会けんぽの財政対策として、平成二十五年度及び平成二十六年度の二年間、国庫補助率を一三%から一六・四%に引き上げる、後期高齢者支援金の三分の一に総報酬割を導入するという二つの施策を引き続き実施することに対し、反対の意を表明いたします。

 理由は、以下の三つでございます。

 一つ目は、本来、保険料で賄われるはずの被用者保険に対して、補助金を投入し続けるということは、補助金体質の温存につながり、協会けんぽの自立を阻害してしまうからです。

 後期高齢者医療制度の趣旨に対しては、我々も賛成です。しかし、現役世代の保険、特に被用者保険に関しては、本来、保険料のみで自立運営されるべきものであって、ここに公費を入れるべきではないと考えております。本日、質疑させていただきましたように、今の医療費は、終末期医療や、予防医療、在宅医療への転換など、まだまだ適正化の余地があります。その流れを促進させる意味でも、被用者保険に公費を投入すべきではないと考えております。

 二つ目、そもそも、今の保険制度は受益と負担のバランスが崩れてしまっており、社会保障制度として抜本的に変えるべきだと考えているからでございます。

 今の保険制度の最大の問題点は、同じ医療サービスを受けるにもかかわらず保険料率が異なる、すなわち負担が異なってしまっているということでございます。しかも、所得が低いほど負担の割合が大きく、不公平感が否めません。

 社会保障とは、貧しい人を救い、国家または社会が、所得移転によって所得を保障し、医療や介護などの医療サービスを提供することをいいます。にもかかわらず、所得の低い人ほど負担感が高いという点を私は一番問題視しております。

 三つ目、根本的な問題を直視することなく、先送りをして、継ぎはぎだらけの制度を放置してしまっていることに対して、維新の名を掲げる我が党といたしましては、とても賛成することはできません。

 午前中の質疑の中で、田村厚生労働大臣は、過去の推計に対して甘かった部分もあるということを謙虚に、誠実に認めておられました。今の制度は、そういった見通しの甘い状況でつくられた、継ぎはぎだらけの制度でございます。

 この三つの理由により、協会けんぽへの公費投入延長に対しては、強く反対させていただきたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

松本委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

松本委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、高鳥修一君外一名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

松本委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

松本委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

松本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時十分散会


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