衆議院

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第17号 平成25年6月5日(水曜日)

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平成二十五年六月五日(水曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 松本  純君

   理事 上川 陽子君 理事 高鳥 修一君

   理事 棚橋 泰文君 理事 冨岡  勉君

   理事 西川 京子君 理事 山井 和則君

   理事 上野ひろし君 理事 古屋 範子君

      赤枝 恒雄君    今枝宗一郎君

      大久保三代君    大串 正樹君

      加藤 寛治君    金子 恵美君

      小林 史明君    小松  裕君

      古賀  篤君    白須賀貴樹君

      新谷 正義君    末吉 光徳君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      高橋ひなこ君  とかしきなおみ君

      豊田真由子君    中川 俊直君

      永山 文雄君    丹羽 雄哉君

      船橋 利実君    堀内 詔子君

      三ッ林裕巳君    村井 英樹君

      山下 貴司君    大西 健介君

      中根 康浩君    長妻  昭君

      柚木 道義君    横路 孝弘君

      足立 康史君    伊東 信久君

      新原 秀人君    宮沢 隆仁君

      伊佐 進一君    輿水 恵一君

      柏倉 祐司君    中島 克仁君

      高橋千鶴子君    阿部 知子君

    …………………………………

   参議院厚生労働委員長   武内 則男君

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   総務副大臣        坂本 哲志君

   文部科学副大臣      福井  照君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   厚生労働副大臣      秋葉 賢也君

   厚生労働大臣政務官  とかしきなおみ君

   厚生労働大臣政務官    丸川 珠代君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    須江 雅彦君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           山野 智寛君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官)          磯谷 桂介君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  原  徳壽君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  矢島 鉄也君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           村木 厚子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    岡田 太造君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  原  勝則君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月五日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     加藤 寛治君

  今枝宗一郎君     小林 史明君

  堀内 詔子君     末吉 光徳君

  横路 孝弘君     長妻  昭君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 寛治君     赤枝 恒雄君

  小林 史明君     今枝宗一郎君

  末吉 光徳君     堀内 詔子君

  長妻  昭君     横路 孝弘君

    ―――――――――――――

六月五日

 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六四号)(参議院送付)

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六五号)(参議院送付)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六四号)(参議院送付)

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六五号)(参議院送付)

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

松本委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省統計局長須江雅彦君、文部科学省大臣官房審議官山野智寛君、科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官磯谷桂介君、厚生労働省医政局長原徳壽君、健康局長矢島鉄也君、社会・援護局長村木厚子君、社会・援護局障害保健福祉部長岡田太造君、老健局長原勝則君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 おはようございます。日本共産党の高橋千鶴子です。

 委員各位の皆さんに、今回、順番のことで御協力いただきましたこと、お礼を申し上げます。

 きょうは、ハンセン病療養所の療養体制の問題について質問をしたいと思います。

 資料の一枚目に、国立ハンセン病療養所における療養体制の充実に関する決議、これは平成二十一年の七月九日に全会一致で上げられたものであります。私の地元青森県出身の津島雄二元厚労大臣が、議員懇談会の会長として、この決議の提出者として趣旨を読みました。まさに、全会一致で、超党派で本当に一緒に力を合わせて進めてきた問題であります。

 アンダーラインのところに書いてありますけれども、

  国は、平成二十年六月に成立したハンセン病問題の解決の促進に関する法律の趣旨も踏まえ、国立ハンセン病療養所における入所者の療養の質の向上を図り、入所者が良好かつ平穏な療養生活を営むことができるようにするため、その責任を果たす必要がある。

  政府においては、国の事務及び事業の合理化及び効率化の必要性は理解しつつ、入所者の実情に応じた定員の在り方及び療養体制の充実に万全を期すべきである。

これは前にもこの委員会で言ったんですけれども、「合理化及び効率化の必要性は理解しつつ、」というこの一文が入ったことを、私、実は議懇で発言しまして、これがあるとなかなか後で響くよということだったんですが、何とか全会一致にするために理解をしてほしいと。しかし、その思いは、やはりハンセン病療養所は定員削減の国の計画から除外してほしいんだという趣旨が込められて、みんなで決議をしたという経過がございました。

 きょう、改めてこの問題を取り上げる理由は、六月二十一日に、下に書いてあります「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の碑」、これの記念日がまたやってくるということがあるのと、五月三十日の総務委員会で、維新の会の議員の方がハンセン病問題について発言をされました。入所者が減っているのだから、介助者、介護員は現状以上の定員を維持しても、事務職員の削減とかは、影響はないのではないか、コスト削減になるんだというふうな質問があったわけです。

 同じ委員会の中で、我が党の塩川議員が、この問題についての経緯など、詳しく取り上げておりましたので、御理解いただけたのかなと思いますけれども、やはり新しい方、若い方がたくさんいらっしゃっている国会ですので、改めて、その意義を投げかけていく必要があるのではないかと思ったからであります。

 らい予防法という国の誤った隔離政策のもとで、どれだけの人生が狂わされ、人間の尊厳が奪われたのか。二万五千七百八名の物故者のうち、亡くなっても、ふるさとに帰れず、納骨堂におさめられている御遺骨は一万六千二百三十体もあるということ、また、当初は、その火葬ですら入所者自身がみずからの手で行っておりました。

 併設されている資料館、これは多磨全生園に四月に行ってまいったんですけれども、そこでたくさんのリアルな資料、たくさんあったんですけれども、その中にあった本当にシンプルな言葉が一番胸に響きました。それは、取り戻せていないもの、四つある、家族とのきずな、入所前の生活、人生の選択肢、社会との共生。この言葉は大変胸に響きました。どれも取り戻せていないのが実態ではないか、このように思っています。

 二〇〇九年から、六月二十二日は、先ほど紹介したように、名誉回復及び追悼の日として、前庭で式典を行っています。しかし、昨年の式典においても、原告団代表の谺雄二さん、これで勝訴したと言えるのかと発言されました。大臣を目の前にしてです。また、全療協の神美知宏会長も、基本法や決議がされたのに何も変わっていないと怒りの声を上げました。

 なぜ当事者たちはそのように述べているのでしょうか。改めて、大臣に、ハンセン病問題の残された課題について認識を伺いたいと思います。

田村国務大臣 今、高橋委員から、本当に、このハンセン病という、大変な、国が反省しなきゃいけない、そういう問題に対して、経緯も含めてお話をいただいたわけであります。

 国によるハンセン病隔離政策でありますとか、さらには、らい予防法等々によって、ハンセン病患者の方々、被害者の方々ですね、被害者の方々に対して、大変な偏見、差別、これはもう筆舌に尽くせぬ苦難、苦痛、そういうものを与えてきたわけでございます。これに対しては、本当に国は真摯に反省をしておるわけでありますし、これからも反省をしなければならない、このように思っております。

 謝罪をしていくわけでありますけれども、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律、これ等々の趣旨を踏まえて、今委員がおっしゃられたとおり、しっかり対応していかなければならないというわけであります。

 ハンセン病患者であった方々などの福祉の増進でありますとか、それから名誉の回復など、本当に、まだまだ解決をしていかなきゃいけない課題があるわけでありまして、その促進に向かって、我々、その認識というものを新たにしていかなければならないわけでありますが、今お話がございました、国のいろいろな、合理化等々、財政的な問題もあるのは確かでございます。

 しかし一方で、このような入所者の方々、今、まだまだ、国立ハンセン病療養所の中には入所しておられる方々がたくさんおられるわけでございまして、そのような意味で、この後遺障害でありますとか、そもそも、高齢化の中で平穏な療養生活をなされるために、いろいろな対応が必要なわけでございまして、その体制等々、これは介護等々の体制も含めてでありますけれども、整備をしていく、そんな必要があるというふうに我々も認識をいたしておるわけであります。

 いずれにいたしましても、この国立ハンセン病療養所の療養体制でありますとか、そもそもの生活の保障、社会復帰の支援、日常生活や社会生活の援助、さらには名誉回復、そしてまた、お亡くなりになられた方々の追悼、そして親族の方々に対する援護、こういう問題に対してこれからも適切に対応していくということが、我々、国、政府に課せられた大きな課題であるということは認識をいたしておるわけでございますので、その趣旨も踏まえて、しっかりとした対応をさせていただきたい、このように思っておるような次第でございます。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 資料館に行ったときに、桝屋副大臣の大きな写真がありまして、坂口大臣、そして小泉総理大臣のときに、熊本地裁判決を終わらせる、そういう決断をされました。まさにその当時の副大臣であったということで、きょうは無理を言って答弁をお願いしたわけであります。

 多くの人は、その地裁判決が終わったことで、ハンセン病問題は終わっていると思っている方もたくさんいらっしゃるわけですよね。だけれども、その後も、改めて基本法があり、さらに決議をするということをやってきました。それでもまだ変わっていないと原告団がおっしゃっているのは、どういうことなのか。

 大臣は、先ほど、本当に心のこもった答弁をしていただきましたけれども、二枚目にあるように、昨年と同数の定員の確保ということで、両議懇の意図も酌んで努力をしてくださったことには大変感謝をしたいと思います。

 ただ、それでもまだ現実は足りない。なぜか。そのことについて御認識をいただきたいと思うのと、昭和五十八年の閣議決定で、技能職はもう不補充なんだということがあるんだということが、ずっと言われてきたんですよね。だけれども、やはり、介護の現場は今三十人ふやしました。それは、真に必要な場合は除くんだということで、厚労省としても意識をしてやってきたということで理解をしてよろしいのか、確認をさせていただきたいと思います。

田村国務大臣 国立ハンセン病療養所の二十五年度の定員に関しましては、昨年七月に、入所者の皆様方の協議会において、この療養所の定員削減が続いているということに対して、強い抗議、これは、それこそ実力行使といいますか、ハンガーストライキも辞さないというような、そんな強い思いの中で決議がなされたわけであります。

 これを受けて、昨年八月に、超党派で議員懇談会という形で、これに対して官房長官への申し入れが行われた、そのように認識いたしております。

 その後、真摯な検討を行われたということでございまして、大幅減少している現状に歯どめをかける必要があるということでございまして、今般、このような形になったわけでございます。充実した介護体制を確保するという意味では、今委員がおっしゃられた、そんな中での今回の決定ということでございます。

 実は、私のところにも、本年一月二十四日、皆様方にお越しをいただきまして、いろいろと御意見をいただきました。私の方からは、今般の体制、定員自体は、削減した上で補充という形で、変わらないというお話をさせていただきました。

 それでもまだ十分に御理解をいただけない点があることも、重々我々も承知をいたしておるわけでございますが、一方、合理化、効率化に配慮しつつといいますか、そういうような、しつつという言葉が委員は気に入らないというお話でございましたが、まさにそのような中においての、今回の、定員数というもの自体は、減らしてふやすという何かわけのわからないいびつな形ではありますけれども、一定の確保をさせていただきながら、一方で、賃金職員に関しても、必要なものに関してはしっかりと対応させていただきたいというような思いも申し上げる中において、十分には納得はしていないけれども、一生懸命頑張っている、その姿勢は理解はする、そのような形の中でのお話でございました。

 こういうようないろいろな問題に関して、これからも、今おっしゃられた国会決議、こういうものもあるわけでございまして、このような形を踏まえつつ、入所者の方々の良好な生活というものを我々はしっかりと確保していかなければならないわけでございまして、二十六年度に関してのことも大分そのときに御要望をいただきました。

 二十六年度でございますから、私の方からはまだ確約的なことは言えないわけでございますけれども、精いっぱい努力はさせていただきますというような御返答をさせていただいたわけでございまして、我々は、この国会での決議を含めて、いろいろな経緯、こういうものをしっかりと認識しながら対応してまいりたい、このように思っておるような次第でございます。

高橋(千)委員 いろいろ突っ込みどころ満載なんですが、ちょっと個別具体の話で進めていきたいなと思います。

 今お話しいただいたように、努力をしていただいて、資料の二枚目にあるように、四十九名の増員に対して定員削減は四十九名、これは欠員の不補充などで削減枠をとったんだということなどがありまして、プラマイ・ゼロではあります。

 それをめくっていただきますと、全国の十三の療養所の定員に対してのプラマイがありまして、行政職(二)のところが、三十プラスで、減ったのも三十ということで、見事につじつまが合っているということになるわけです。

 さらに、今大臣がおっしゃってくださった賃金職員、それから期間業務職員、これは同じことを言っていますけれども、呼び方が変わっただけであります。これが、定員化をお願いしたいということをずっと私は言ってきまして、七百名近い方がまだ残されているんだ。二十四年度が二十六名定員になった、二十五年度は七十九名定員化になった。この点では、田村大臣になってから大きくふえたという点では、大変ありがたいと思っています。

 ただ、大臣自身が一月二十四日に約束をされましたように、賃金職員が定員化して、その後補充をしなければ頭数は変わっていない、そういうことになるわけですよね。この点で、やはりもう一息頑張らないと全体が変わらないよということになりますけれども、いかがですか。

秋葉副大臣 今、田村大臣から答弁させていただきましたとおり、大変厳しい財政状況、定員管理の状況下ではありますけれども、田村大臣のリーダーシップのもと、昨年の二倍に当たる七十九名の賃金職員の定員化を図ったところでございます。

 これからも、先生のお気持ちは本当にそのとおりだと思いますし、私の地元にも施設がございます、入所者の高齢化の進展に伴う介護ニーズというものを十分に勘案しながら、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 しっかりとの中身なんですね。このテンポでいきますと、やはり十年ぐらいかかっちゃうわけですよ。

 それと、これまで長い間、賃金職員として本当に低賃金のもとで患者さんの全てを支えてきたという、まさに、当初は強制労働、全てを入所者自身が行っていた、それをこの賃金職員の皆さんが補ってきたという歴史があるわけですよね。そこもきちんと見てあげて、待遇の面でも、全く新採用と同じではなくて、そういう面でもちゃんと見てあげなければならないし、定員になった分だけ人手がふえたよというのが目に見えないと効果も上がらない、この点でも認識は一致してよろしいでしょうか。

秋葉副大臣 今後とも、高橋委員御指摘のとおり、現場での実質的なマンパワーの強化につながるように検討していかなければならない課題だと認識しております。

高橋(千)委員 時間がなかなかないので、続けて言いますけれども、資料の五を見ていただきますと、さっき私が言ったように、減らすというのは、欠員をそのまま、要するに削減のカウントにしているということなんですよね。それが全国でこんなになってしまっていて、欠員数、看護職員の場合は九十九名にもなっております。そして、育児休業が現在二十五名、病気休職八名。

 ですから、欠員が補えないだけではなくて、年度の途中で退職をされたり休まれたりする人たちに対して、何の手当てもできていない。これでは、プラス、マイナスにしただけでは、つじつまが合わない、まるっきり合わない、こういう現状があるのです。

 ちょっと時間の関係で提案を含めて言いますけれども、例えば、多磨全生園には附属の看護学校があります。看護師さんというのは、不足している、不足していると全国的によく言いますけれども、でも、せっかく附属の看護学校があるんですね。定員が二十名で、昨年度までに八百五十四名の卒業生を出しています。ところが、残念なことに、去年は三名の卒業生が就職しました、ことしはゼロだったんです。

 せっかく附属の看護学校があって、専門の仕事をやっておきながら、そこに残ってくださらない。やはり、それは、残念ながら、待遇の問題ですとか、専門性を磨く魅力の点でもなかなか不十分なものがある。しかし、意義ある仕事なんだという点で、頑張ってほしいという思いがあるんです。

 だから、道はあるんですから、そこにもうちょっと支援をしてあげて、人が残るような手だてをとっていくという点で提案をさせていただきますが、どうでしょうか。

田村国務大臣 どういう状況なのか、よくよく調査してみなきゃわからないわけでありますけれども、一つの提案だということでございます。もちろん、それぞれ、看護学校があるといっても、御自身の意思というものもあるわけでございますので、それを確認しつつ、今いただいた提案というものをいろいろとこちらの方でも精査をさせていただきたいというふうに思います。

高橋(千)委員 よろしくお願いいたします。

 昨年五月一日のハンセン病療養所入所者数は二千百三十四名で、平均年齢八十二・一歳でした。ところが、ことし五月では千九百七十九名になり、八十二・六歳。本当に、残された時間は少ないです。

 全療協の神会長は、毎年の国会請願にも出てこれない自治会長さんがふえたと大変に危機感を感じて、昨年、十三園全部を回り、実態を調査いたしました。そこで浮き彫りになった実態は、寝たきり不自由者が百七十四名、要食事介助者が六百九十八名、失禁やおむつ介助者が四百七十名、認知症は五百二十二名にも上ります。

 なぜハンセン病元患者が一般の高齢者より介護の必要性が高いのか。これは、邑久光明園の青木副園長が解説をしておりますが、ハンセン病後遺症には二つ特徴があるんだ、目、手、足と後遺症が複数の部位に生じている、また、神経の麻痺が、運動麻痺だけではなくて、知覚麻痺や自律神経麻痺も生じるんだと。だから、目が見えなくて食事が不便だというだけじゃなくて、手も使えない、だから皿を動かして介助してあげることが必要なんだ。自律神経の麻痺のために汗が出にくくなって、乾燥しやすいために、お風呂が週三回ではだめだし、逆に、夏になると、麻痺が残っていないところからは大量に汗が出てくるので、頻回の入浴が必要なんだ。あるいは、徘回する認知症患者に対しては、人手がなくて、精神安定剤を多量に投与されて眠らされている、こういう実態がございます。

 だから、本当に入所者の皆さんが繰り返し述べている、たとえ減っていても介護の人手がふえているというのは、そういう実態があるのだということを重ねて指摘したいと思います。

 きょうは、残念ながら、もう一度答弁をお願いしたかったんですが、時間になりましたので。

 しっかり対応していただくという答弁はありました。しかし、そのしっかりの中身を本当に具体的なものにしていただかなければ、本当にもう時間がないんだ、もう誰も国会に出てきて訴えることさえできないんだと言われている現状なんだということで、そこを踏まえていただいて、六月二十一日の記念日を、大臣、しっかりと応えていただけるようにしていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 おはようございます。きょうもよろしくお願いいたします。

 昨日は、サッカーの日本のワールドカップ出場が決まって、私も一国民として非常にうれしく思いますし、ひょっとしたら寝不足の委員の方も多いかもしれませんが、私は質問の準備で若干寝不足ではありますが、どうぞきょうもよろしくお願いいたします。

 ただ、そのワールドカップのうれしいニュースはもちろんなんですが、けさの報道等を見ておりますと、非常に重要な報道が、特にこの厚労委員会にかかわる部分でもたくさん出てきておると思っております。

 例えば、ちょっと通告外なんですが、一、二、ぜひ大臣にお尋ねをさせていただきたいと思って、お許しいただきたいんですが、インターネットにおける薬の全面解禁の報道が、報道ベースですが、出ていたり、あるいは、骨太方針で社会保障について聖域なき見直しを行うというような文言も報じられているところでもございます。

 あるいは、きょうは五日ですからあさってですかね、株価においては、昨日も五百十二円安ですか、あさってアメリカの雇用統計が発表されて、それが日本の市場にどういった影響を及ぼすかなど、いろいろな、そういう意味では、今重要な局面に差しかかっているんだと思うんですね。

 報道ベースでしか私も承知しておりませんので、通告の前に、一、二、ぜひ、これは大臣の今の状況での御認識で結構ですから、まず一つ、薬のネット販売について、確認の意味も含めてお伺いをさせていただくことをお許しいただきたいと思うんです。

 それは、けさ、私も新聞報道でしか見ていませんが、まさに官邸主導といいますか、医薬品のネット販売についての方向性が成長戦略の中に、目玉といいますか、示されるということで、これは私が承知しておるところですと、厚労省内においても、慎重派というか、あるいは推進派というか、ある意味では、いろいろな立場で議論があり、そして、結果的には両論併記という報告書が取りまとめられたというふうに承知をしております。

 まさに両論併記となったこと自体も、行政府として、これは命にかかわる問題でもありますから、ある意味では、これは調整力が本当に機能されたのかどうなのか、私、個人的には非常にそこは残念な思いもございます。ただ、逆に言えば、それだけ議論が分かれている問題なんだと思うんですね。

 私の認識では、何でもかんでも解禁というのはちょっと乱暴ではないのかという思いもございますし、これは、バランス感覚のある大臣のことですから、慎重に、最終的に、秋にルール策定というような報道も出ていますが、軟着陸をさせる必要があるというふうに私自身は認識をしております。

 ただ、きのう、安倍総理が、参議院の経済産業委員会ですか、解禁ありきの答弁をされて、田村大臣も含めた四大臣で、ネットを九九%解禁という方向で合意したという、報道ですよ、聞いておりまして、大臣、省内の検討会ではまだ明確な方向性が出ていないと私は認識しているものですから、これは新たな専門家の検討会を立ち上げて、ルールづくりあるいは内容についても、もう一度詰めるということではないのかというふうに思っているんですね。

 ですから、これは本当に報道ベースなものですから、結果的に、安全性よりも、経済性が優先と言うと語弊があるかもしれませんが、そういったことでネット販売がどんどん進んでいくということについて、私は、そこはちょっと危惧を持っている一人ということでございます。まさに、その検討会においては、専門家から意見を聞くということが重要だからこそ、今そういう状況なんだというふうに思っております。

 国際的には、一般用医薬品は、薬剤師や薬局が関与するという条件でネット販売が認められている国が多いというのも承知はしておりますが、まだ国内の、そういう意味では、世論といいますか、あるいは医療関係者のいろいろな見解も含めて、きょうの段階でこういう報道が出てしまって、今後の検討会などにおける専門家の議論あるいはその先の結論などが置き去りにされたまま、きょうのような報道でどんどん前に進んでいくというのはどうかと思いますし、まさに両論併記で終わっているこの検討会の取りまとめ案については、四大臣の議論とは別に、厚生労働大臣としては、私は非常に責任があると思うんですね、この今の両論併記の結論。

 ですから、これは報道ベースですから、事実関係の確認ということなんですが、一類の医薬品はリスクが高いという判断でされているんですが、これはダブルスタンダードになるということになるのか。新たなリスク分類をするというのも、またわかりにくいところも私はあると思いますし、何のために三区分に分類したのか、意味合いもわからなくなってくる、そういうことでもございます。

 もっと言うと、この間私もちょっと議論させていただきましたが、いわゆるスイッチOTC、OTC医薬品への転用というものも進まなくなっちゃうんじゃないのかという危惧も持っております。

 ぜひ大臣、これは拙速な結論にならないように、丁寧な議論と判断をお願いしたく、私は、歴代厚生労働大臣の中でも田村大臣は本当にバランス感覚にすぐれた方であるというふうに承知しておりますので、ぜひネット販売について慎重な、丁寧な議論と判断をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 歴代厚生労働大臣、バランスのいい方が多かったわけでございまして、その中でもというようなお褒めの言葉なのかどうなのかわかりませんけれども、やはり比較的厚生労働大臣というのは、国民の皆様方の健康、それから薬だとかいろいろなものの安全というもの、これに意識の強い方々がなってきたということでございますので、そのような意味から、委員が私に対して、期待をされておるのかどうかわかりませんけれども、そういう思いというものをお話しいただいたというふうに思います。

 ちなみに、きのうは株は上がりましたので。おととい五百円下がった、そういうことでございます。事実関係でございますので。

 どこまでどうお話ししていいのかというところはあるわけでございますが、そもそも薬というものは、毒にも、本当に薬にもなるわけでございますから、誤った使用をすれば、それは副反応も出るわけでございますから、非常に注意をして使用していただかなきゃいけないものでございます。ですからこそ、薬に対する専門知識をお持ちの薬剤師の皆様方が、しっかりと情報を提供いただきながら、対面という形で今までお売りをいただいてきたというような、そういう経緯があるわけでございます。

 一方で、インターネットという技術は本当にここ十数年出てきた技術でございますから、正直申し上げて、何がどうできるのかというのは今なお検証しながら、そしてまた、一方では、社会問題、いろいろな問題もはらみながら、今、日々進化をしつつある、そういう技術であるというふうに私は認識いたしておりますし、やはりだんだん、回線速度といいますか、その速さとともに、伝えられる情報、こういうものの量、正確さというものも日々向上してきておる、今そういうような状況にあるという認識を持たなきゃいけないわけであります。

 そんな中において、では、インターネット等々で情報を提供するだけではなくて、買う側の方々のいろいろな情報も今度は売る方に伝えるという双方向性みたいな中、それから即時性、こういう問題と、一方で、伝えられる情報というものが、対面、つまり一対一でお店のカウンター等々でやりとりする中での情報といかなる違いがあるのか、また、同じなのかという議論も含めて、実は検討会の中で御議論をいただいてきたわけでありまして、そこで双方の御意見というものがなかなか一致しなかった。

 それは、やはり薬の対面販売というものが必要だとおっしゃられる方々は、顔色を見たり、話しぶり、それから場合によってはにおいといいますか、口臭等々も含めてであろうと思いますけれども、そういうもの。ですから、本当に、一対一で接している中において得られる情報がいろいろあって、そういうものを薬剤師という専門的な立場からどう判断するか。場合によっては受診勧奨ということもあるでありましょう。薬を飲むよりかは、これはお医者様に行かれた方がいいですよということもあろうと思います。

 そういうことをしっかりやっていただいて国民の健康というものを守る必要があるというような、そういう御主張をされ、一方で、いや、そうは言うけれども、それはあるかもわからないけれども、全体として見れば、もうインターネットで十分に、それはやりとりの中で情報交換はできるんですよというような、そういう議論がずっと繰り返されて、結論が出なかったわけであります。

 一方で、薬のインターネット利用の利便性というものは確かにあるわけでございまして、利便性ということを考えた場合に、これに対して、今のネット社会にどう応えていくかという要請、これも一方であるのは確かでございますから、そのような議論を、これは規制改革会議それから産業競争力会議等々で御議論をいただく中において、今の段に至ってきておるわけでございます。

 これからどうなるのか。いよいよ報告書もまとめていかなきゃならない。きょうは総理の方の発表もあるようでございます。これが入るか入らないかわかりません、私は。わかりませんが、いずれにいたしましても、どこかの中において、一定の方向性というものは、これはお示しになられるのであろう。

 これは、厚生労働省が示すのではなくて、そのような検討会、検討会といいますのは、産業競争力会議でありますとか規制改革会議の報告書ですよね、こういう中において示されるのであろうと思いますし、場合によっては総理のお口から、どのような発言があるかはちょっと私は認識をいたしておりませんが、そういうこともあるのかもわかりません。

 いずれにいたしましても、我々は、薬というものが安全に使用される、そのためにはまず取り扱いがあるわけでありまして、それをしっかりと確保していかないことには、薬というものは、本来、売れればいいというものではありません。薬というものは、必要な方々に、必要な量だけ、つまり、必要な安全確認をした上で、必要な取り扱いの上で利用いただくということが必要なわけでございます。

 そのような形で提供をされる、利用をされる、使用されるということが確保できる環境、これをつくることが大事でございますから、そこに全力を尽くして、国民の皆様方の健康がしっかり守れるような、そのような状況にしてまいりたい、そのように努力してまいりたい、このように思っております。

柚木委員 大臣、丁寧な答弁をいただいたと思います。

 私の理解は、今後、後段言われた、規制改革会議、産業競争力会議での方向感は出るでしょうが、検討会での議論、最後の答弁の部分というのは、当然検討会の中でしっかりとお示しいただけると思うんですよ、解禁の除外品目がまだ未決着で、秋をめどにルール策定ということですから。そういったことも含めて、今、大臣が後段、最後におっしゃっていただいた部分、検討会での結論、こういったものを、厚生労働大臣としてそこはしっかりと大事にしていただく、そういう認識で私は受けとめましたので、そこはぜひしっかりお願いしたいと思っております。経済性も重要ですが、命、重要ですから、よろしくお願いします。

 それで、もう一点、骨太方針についてかなりきょうも報道が出ていまして、この厚労委員会で当然大きな関心事でもあります社会保障関係費、これが、聖域とはせず見直すという文言が入るということでございます。

 これはまさに、かつての小泉総理の時代に、自然増は認めない、あるいは毎年二千二百億円の予算削減の中で、救急崩壊、介護難民、いろいろな問題が起こって、我々も、大臣から一定の御評価もいただいた、二〇一〇年、一二年と、それぞれの診療報酬改定で何とかプラス改定をして、現場に頑張っていただき、そして患者さんや利用者さんに安心していただけるような、そういう取り組みを、本当にこれは党内の中で、財政再建、実は我々も、きのうの次の内閣で、財政健全化責任法案といって、これも党内でまとめて、これはしっかりと方向性も示していく、他方で、やはり社会保障についてしっかりと予算を確保する、この両立に本当に呻吟しながらも、何とか前に進めてきた経緯があります。

 社会保障費を聖域とせず見直すという意味合いは、まさに、自然増はもう認めない、あるいは二千二百億円削減というものをまた想起させる、さらに言うと、これから年末に向けて議論される診療報酬改定も、いやマイナス改定なのかというような、これは本当に懸念を生じさせるような文言なので、これはそういう意味合いと受けとめることになるのかどうなのか、大臣、ちょっと御所見をお述べいただけませんか。

田村国務大臣 聖域なくこれは見直すというのは当たり前でありまして、それは聖域はないんだろうと思います。

 ただ、一方で、総理は、一律削減、これはやらないとはっきりと予算委員会でおっしゃられたわけでありますので、一律に削減するような、そういうようなことはやらないと。めり張りはあるんだと思います。

 消費税という議論のときに、これは、御党と公明党と、三党でいろいろな御議論をさせていただいて方向性を出してきたわけでありますが、当然のごとく医療の自然増というものにも対応しなきゃならないですが、一方で、これは皆様方がつくられた大綱の中にも、無駄といいますか、適正化しなければいけないところはしっかりと削減すると皆様方も書かれたわけでありまして、一方で、充実するところは充実する。

 ですから、そのような意味では、適正化するところは不断に、要は見直しを聖域なくやる。しかし一方で、強化充実するところはしっかりと予算をつけていくというふうに私は認識をいたしておりますし、来年度予算、これから概算要求、予算編成と進めていくわけでありますけれども、その中においてはしっかりと、予算要求という意味では、そのような要求はしてまいりたいというふうに思っております。

柚木委員 大臣の現段階の御所見はそういうことなんだと思いますが、ちょっと、今後の行く末は決して楽観できない部分が正直あるのではないかというふうに私は思っておりますので、この点については、今後、詳細な概要等も私もお聞きをした上で、もう少しまた詰めたお話をさせてください。

 それで、ごめんなさい、通告どおり。

 資料もきょうは御提示しておりまして、実は、月曜日に社会保障制度改革国民会議が行われて、田村大臣も、これは最後の段で御挨拶をされておられるわけですね。

 こういった御挨拶、きのう私も調査会でそのペーパーを、テープ起こしのペーパーですが、拝見しまして、ちょっとしゃべり言葉で、私が若干文章にまとめたんですが、こういうふうに言われているんですね。いろいろと課題点、そしてどのような部分を改善するかも含めて議論をいただいたわけですが、いよいよ二巡目に向かって最終の結論が近づいてきている、どうか一定の方向性をお出しいただいて、そしてこの国民会議の帰趨を我々も大変重要に思っております、そういった趣旨の御挨拶をなされておるわけでございます。

 それで、私、五月十七日の国民会議で、まさに私もずっとこの委員会でもやりとりさせていただいている年金の議論、議事録をちょっと入手して、全部拝見しました。特に、駒村先生とか西沢先生などが述べておられます、これは大臣も御認識されていると思うんですが、国民年金部分、いわば低年金者への、これはマクロスライドの影響ということで懸念を示されているわけですが、私も、やはり幾つか非常に重要な視点が述べられていると思うんですね。

 例えば、ちょっと紹介すると、駒村先生からは、マクロ経済スライドがきけば財政的に安定するので問題ないという見方もあるようだが、これは年金財政論にすぎず、社会保障論とはなっていない。あるいは、国民年金一号被保険者である自営業者の方は全年金加入者のおよそ六%弱で、かなり時代が変わってきている。

 これは、まさに、一号勤労者は六百万人を超えて、今、非正規雇用の方、低賃金労働の方の問題とかも含めた御認識を述べられているんだと思います。

 また、こういうことも言われています。低所得者対策を年金ルートで行うのか、制度横断的な総合的な手法で行っていくのかは議論しなければならない。

 また、こういうこともあるんですね。現在、辛うじて基礎年金のみの手取り年金は、まさに実質年金の価値につながっていくわけですが、地方の生活扶助額と均衡しているが、これがマクロ経済スライドと保険料上昇によってかなり割り込む、これによってさらに生活保護を受けるような高齢者がふえてしまう、こういうことも述べられています。

 私、これは以前の委員会で、ある専門家の方の調査で、百万以下の貧困高齢者が二〇五〇年の段階で二五%になるというような調査を、私も非常に衝撃を受けたので、ちょっと御紹介もさせていただきましたが、そういうことも含めて、これは懸念も述べられていると思っています。

 また、西沢先生からは、基礎年金そのもののあり方について、特に強調しておきたいのは、マクロ経済スライドを見直す議論の中で、どうしても厚生年金、基礎年金、全部スライドをかけるのか、あるいは、新規裁定だけにするのか既裁定だけにするのかといったようなきめ細やかな議論が必要。給付が削られていくと、どうしても制度としての性質も変質してくるため、特に基礎年金のところは給付を削って本当にいいのですかといった議論も、財源の裏づけも必要だが、あわせて行っていかなければならないと。

 こういったことで、きょう、西沢委員の資料、十ページ目、あるいは十一、十二ページ目も西沢委員の「エコノミスト」のレポートで、タイトルは「インフレで実質的な年金支給額は減る」。私がこの間議論させていただいていた部分は、専門家の方も指摘をされている文章。

 それから、その前の十ページ目に、これはマクロスライド発動後の、とりわけ基礎年金部分への給付水準の低下懸念ということで、厚生労働省がお示しいただいている資料をもとに日本総研の西沢先生がこれを試算されていて、ちょっと私も心配なのは、これは、〇九年度、基礎年金、六万六千円が、二〇三八年度には四万八千円、一万八千円の減額で、夫婦で三万六千円の減額ということになるわけですが、右下の囲みに、基礎年金への国民の期待に応えるものなのか、高齢者の貧困はどうなるというようなことの懸念が示されているわけですね。

 ちょっと大臣、ぜひそれを伺いたいんですが、先ほどあえて大臣の前回の国民会議での御挨拶に触れさせていただいたのは、まさに、駒村先生や西沢先生、もちろんほかの先生方もそうですが、示されている論点、こういったものをしっかりとこれから、六月十三日にまた年金を議論されるとも聞いていますし、八月二十一日の取りまとめに向けて、こういった駒村、西沢両委員のような課題、論点、これについてもしっかり受けとめていただいた上で議論を取りまとめていただけるという理解でいいのかどうなのか、お述べいただけますか。

田村国務大臣 このマクロ経済調整という制度、これは、前回、十六年でしたか、改定したときに、制度、百年安心というような話もありましたけれども、取り入れた、そういう制度でありまして、そういう意味では、これが年金の財政を均衡する。特に厚生年金という意味からすれば、所得代替率という、一定の所得世帯層で所得代替率五〇%を守るというような、こういうルールをしっかりと守りながら、制度を持続可能にするために、一つの大きな手法であることは間違いないわけであります。

 それは、一方で言うと、保険料を一八・三%で固定する、ここが厚生年金の場合は大きな、実は年金制度の枢要な部分でございまして、そうであるがために給付というものを一定程度減らしていく、適正化をしていく。結果、五〇%は守りますよ、こういう制度であるわけですね。

 これは、年金制度、特に賦課方式の年金制度にしてみれば、年金の財政を持続可能にするためにはどうしてもビルトインしなければいけない、そういう制度であるわけでありまして、昨年の実は三党協議の前のいろいろな社会保障と税の一体改革の御議論の中で、当時、我々は野党であったわけでありますが、このときから我々は指摘をしてきた問題でもあります。

 そして、これは、民主党の年金制度法案、いろいろと私も拝見をさせていただきました、これでも同じ課題を抱えている。つまり、我々はマクロ経済スライドでありますが、皆様方はみなし運用利回りという形で、これは延々と低減されていくんですね。我々は……(発言する者あり)いや、全く違うことはないんです。中身をよく見てください。(発言する者あり)根本も一緒なんですけれども。

 要は、違うところは、我々は、二〇三八年まで国民年金、基礎年金の部分はスライドがかかるんです。厚生年金、報酬比例年金と言っていいかもわかりません、これは二〇一九年で終わるんです。この部分の差が、まさに、基礎年金、つまり国民年金に影響が出てくる部分でありまして、目減りが多いと言っていいんであろうと思います。民主党は延々と続くんですね、目減りが。こういう制度で、ここが違うところであるわけでありますけれども、正直言いまして、大きな課題だと認識しております。

 そして、これに関して、中長期的に何とかこの部分に関しては検討していかなきゃいけない。私はそのときの御挨拶でも申し上げたわけでございまして、そういう意味では中長期的な課題、いろいろと言われている、今物価が上がるからどうなんだという議論ではなくて、これから目減りしていく中において、今委員、生活保護との比較がありましたけれども、それも含めてどのようなことを将来考えていかなきゃいけないかという大きな課題の中では、一定の御議論というものが入ってくるのかもわかりません。

 しかし、いずれにいたしましても、それはおまとめになられる国民会議の皆様方の御判断でございます。先般、私が御意見を申し上げたということは、そういうことの問題意識も含めて御挨拶をさせていただいたということであります。

柚木委員 事務方の方は、委員の皆様が今後国民会議でそういう認識を示されていく中で、それを踏まえた取りまとめをしていくことになると思うということも述べられていますから、これはぜひ、そういったものがまとまってきたときに、厚生労働大臣としてそこをしっかり重く受けとめていただいて、今のような懸念に対する対応も考えていただかないといけないと思うんですね。

 それで、先ほど紹介した西沢委員の十一ページ目の資料も、私もこの間、別にアベノミクスが悪いということではなくて、アベノミクスによって、意図せざるというか、物価上昇分が、まさにマクロスライドをフル発動した上でも、場合によってはそれにオンされて実質年金が減ることもあることへの懸念を申し上げたわけで、これが、まさにこのインフレで実質的な支給額が減ると。

 ちょっと時間がないからもう紹介は避けますが、冒頭、「二%の物価上昇が達成されれば、年金はどうなるか」「今後ほぼ確実に、しかも長期間にわたって下がっていく。」というような結論をいきなり書いております。

 こういった状況の中で、私は本当にこの資料、これまで議論もさせていただきました。もう一遍ごらんいただくと、例えば六ページ目なんかは、これは何度も議論させていただきました。今後の物価上昇、アベノミクスの期待どおりに賃金上昇が上回るケース、ケース2、3、あるいはそうでないケース1のケースを、それぞれ、「今一つのアベノミクス」とか「まずまずのアベノミクス」「目標どおりのアベノミクス」とわかりやすくちょっとラベリングさせてもらいました。

 こういう中で、「今一つ」のようなケースが仮に起こった場合には、大臣、実は、私も、前回のやりとりで大臣がおっしゃったので、いろいろ調べてきました、賃金は上がっているじゃないかと。私は、連合のリリースもちょっと確認したら、実際には、多分、総報酬という意味合いで言われたんだと思いますが、賃金の方は、実は、五月ベースで見ても三月ベースで見ても、どちらも昨年比でマイナスなんですね。

 それで、もっと言うと、資料の九ページ目をごらんいただきたいんですが、きのう年金局の方からいただいた資料で、まさにこれは年金改定率を決める際に用いる物価上昇率と賃金上昇率、インデックスということで、これは初めていただいた資料です。

 大臣が、前回、実質的な賃金が上がっていくことによって改定率も上がっていくんだというような御所見を述べられたんですが、二十五年度も、私は二十五年度はプラスだと聞いていたんですが、物価はプラマイ・ゼロ、賃金はマイナス〇・六%。しかも、現状、ことしも、二十六年度どういう数字が出るのか、二十七年以降にかかわってくるんですね、二年前から三年度分ですから。

 そうすると、右のところに、「??」というふうに名目賃金とか実質賃金が出ているんですが、物価自体も実は二十五年度でマイナスというふうなこともきのう確認しておりまして、本当に大臣が言われているような流れになっていくのかどうなのかというのは、非常に、ちょっと懸念があるな、率直に申し上げて、そういうことなんだと思っております。

 ですから、本当にもし、私がこの間申し上げてきた六ページ目、これはある意味わかりやすくこういうアベノミクスの三類型をお示ししましたが、確認の意味で申し上げますが、賃金上昇率が物価上昇率をどんなに上回っても、既裁定年金の場合は、マクロスライド発動下では必ずマイナス〇・九が発動して、実質年金は減額ということになってしまいます。総理も名目のことを言われたのであってということを言われていましたが、実際は実質が重要で、これは減る。

 もっと言うと、マイナスのところは、賃金上昇が下回る場合は、ここに書いてあるように、マクロスライドをフル発動しても、さらに物価上昇の部分が、トータルで一パー、オンされれば、一・九の減になるということです。

 こういうことが起こったときに、ちょっと時間なので、最後、私からの提言なんですが、これは国民会議の中でもまさに議論されてきたことですが、例えば、低年金対策として、基礎年金部分をマクロ経済スライドの対象から外すとか、これは西沢先生も述べられています。

 あるいは、これは税か保険料かというのはあるわけですが、例えば財源の議論も、実は、きのうの国民会議の報告でいただいた資料の中にも、高所得者に負担を求めることも検討すべきと、これは医療、介護含めてですよ。

 だから、例えば公的年金控除の調整とか、あるいは厚生年金へのマクロ経済スライド機能をより強めるとか、もっと言うと、消費税の部分に対しては、月五千円の給付金、五千六百億円かけて対応する、あるいは、総合合算制度で、一定の所得、一割以上の部分はたしか無料にするという案だったと思うんですが、それぞれ五千六百億円、四千億円、合計一兆円ぐらいかけて、入り口と出口でそれぞれ対策を講じているわけですね。

 ですから、アベノミクスも、まさに、もちろん賃金が上回るという前提での取り組みなんですが、意図せざる結果になったときに、同じ物価上昇という現象によって実質年金が減った場合への対策を、今申し上げたような形でしっかりととっていただきたい。

 ぜひ、大臣、そこは真摯な御答弁をお願いできませんか。

松本委員長 簡潔に御答弁願います。

田村国務大臣 まず、今、物価が足元マイナスだ。マイナスだったら、今の懸念のことは起こらないんです。それでは、我々、困るわけでありまして、物価をプラスにしなきゃいけないということを前提に考えていかなきゃなりません。

 それから、このインデックスは、今マイナスじゃないかと言われるんですが、出ているのは、三年平均がマイナスであって、今、現状は、二十三年、二十四年度は〇・三、〇・三、実質でプラスということでありますから、プラスになる可能性も十分にあるというふうな認識です。もちろんマイナスになる可能性もありますから、その点は、我々、しっかりと頑張っていかなきゃなりません。

 今、最悪の場合が起こったときどうするんだというお話でございますが、物価が上がってマクロ経済スライドがかかるということを前提に、実は前回、皆様方と、福祉的給付というような形で、低年金の方々、低所得の方々に関して、上乗せというような形を一緒になって考えてきたわけでございまして、先ほど私が言ったのは、中長期的に目減りしていく問題は考えなきゃいけませんが、短期の問題は一緒になって議論をさせていただいた中でああいう方策を導入させていただいたわけでございます。

 そのような意味では、今、財源等々いろいろな問題がございますが、お気持ちはわかりますけれども、即座にそれに対して対応するというのはなかなか難しいのではないかというふうに思います。

柚木委員 消費税とは別の影響についてはぜひしっかり対応をお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

松本委員長 午前十時四十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前九時五十七分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時四十分開議

松本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。阿部知子さん。

阿部(知)委員 阿部知子です。

 本日は、与野党の理事の御高配により、また委員長の格別なお計らいにより、質疑の時間をこの国会の中で初めていただきました。ありがとうございます。

 時間が二十分ですので、早速、私の内容に入らせていただきます。

 きょう私の取り上げますのは、いわゆる子宮頸がんワクチンをめぐる、今保護者の皆さんからも寄せられるたくさんの不安の声、いかにして予防接種行政への信頼をかち取っていくかということで質疑をさせていただきます。

 本来、三月にございました予防接種法の改正の中で質疑の時間をいただければよかったのですが、なかなかかないませんで、その後、このいわゆる子宮頸がんワクチン、これの接種後にさまざまな副反応と見られる障害があらわれているのではないかというので、被害者の会というようなものも結成されて、厚生労働省や文部科学大臣のところにも申し入れをなさっていると思います。

 そうした中で開かれました五月十六日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の中の副反応検討部会でございますが、三つの結論というか提案をなさっております。

 一つは、これだけ予防接種についていろいろ御心配はあるが、その十分な副反応についてのデータの集積がないので、このまま継続するということ。二つには、副反応を見きわめるためにも、いろいろ情報収集に努めるということ。三つには、予防接種というのは受ける側との信頼関係に成り立ちますから、接種の際に、接種を受けられる方がワクチンについて正しい情報を得るということ。簡略にまとめると、この三点かと思います。

 まず一点目ですが、副反応と断定するに足る十分な情報がないから接種を継続するという判断についてであります。

 これは、疑わしきは罰せずにするのか。予防原則にのっとって、かなり広範な副反応の報告が多方面から寄せられている、その医学的な判断等についてはまだ暫定的であるとは思いますが、そうした事態に鑑みてしばらく凍結する、これは予防原則の最極端をとったものですが、こういう考え方もあるのかと思います。果たして、この検討部会の報告を受けて厚労省はどう判断されているのか。

 これは、私自身は、やはり予防原則の徹底という意味で、不安が強い中ですから、ある程度全体像が見えて、そのことをお伝えしてからでも凍結再開は遅くはないと思いますが、まず冒頭、大臣の御認識を伺います。

田村国務大臣 心配なお声が上がっておられるということは私も認識いたしております。

 この子宮頸がん予防ワクチン、HPVに感染することを防ぐためのワクチンであります。委員も御承知のとおり、WHOでも推奨される中において、世界各国でこのワクチンを接種しておるわけでありますが、海外でこのような形で副反応等々が多くてこのワクチンの接種をやめたというような話が、まだ我々も確認ができていないという現状があります。そんな中で、日本人だけ、東洋人といってもアメリカでも東洋人はたくさんおられるわけでありまして、日本人だけどういう形でそのような副反応が多いのかというのが、なかなか我々も合理的な理解ができないわけであります。

 ただ、そんな中において御心配のお声がありますので、急遽私は、厚生科学審議会の副反応検討部会をやってくれというお願いをさせていただいたんです。それは、委員がおっしゃられますとおり、いろいろなところでこういう御心配の声があるということでございますから、しっかりと検討して、それに対しての情報公開をしていく必要があるというふうな認識の上で、これをお開きいただくようにお願いさせていただきました。

 その結果、五月十六日に開いていただいたわけでございますが、結果的には、診断の妥当性や因果関係について明らかでない点も多く、直ちに中止が必要と判断するには医学的根拠がないということでございまして、接種は継続というような御判断をいただいたわけでございます。

 そのような意味からいたしまして、やはり、これはもともとは、それぞれ国民の皆様方がこの子宮頸がんワクチンを定期接種化してほしいという大きな要望の中で基金事業になり、そして定期接種化していったという経緯、これは超党派のいろいろな議員の方々もそのような御要望をいただきながら動いていったというような経緯もあるわけでございまして、そんな中で、科学的な知見、判断においてこのような御判断をいただいたわけでございますので、接種を継続するというふうな段に至っておるわけでございます。

 一方で、被害者連絡会の方々からもいろいろな副反応の事例をいただいておりますので、これを重ねて検証させていただいて、もし、本当に副反応というような事実が非常に多い、もしくは重篤なものが多いというようなことがあれば、これに関してはしっかりとした対応はさせていただきたい、このように思っております。

阿部(知)委員 大臣の御認識を伺いましたけれども、私のお尋ねしたように、そうした事案があったときに、一回立ちどまるか、あるいは歩きながら考えるかは、この予防接種というのは非常に問題が私は大きいと思うんです。

 早急にやらねばならないことが二つあると思います。

 大臣は、正確にヒトパピローマウイルス感染症とおっしゃっていただきましたが、これを子宮頸がんワクチンと俗称いたしますのは我が国だけであります。世界がこのワクチンを用いていることは事実です、ヒトパピローマウイルスの感染症に対するワクチン。ところが、我が国においては、これを子宮頸がんワクチンと俗称するところとなりました。

 私は、きょう大臣に、ここに、赤い本ですが、「予防接種の手びき」と申しまして、私たち小児科医がもう何年と使っている、昭和五十年代からの手引書で、ここの中に予防接種にかかわる小児科医の良心がエキスとして詰まっていると思うのですけれども、ここの中でも、このワクチンをいろいろな政治的な要望から子宮頸がんワクチンと呼ぶことへの懸念が繰り返し寄せられております。

 と申しますのも、果たして、子宮頸がんワクチン、がんを予防するワクチンだということの確たるエビデンスがあるんだろうか。ヒトパピローマウイルス感染症についてのある程度のデータは集まっておる。ところが、このワクチンを接種してから、およそ有効期間六年と言われております、抗体の上がっている時間は。そして、十三歳くらいで接種いたしますと、その後、女性の長い人生がございます。

 大臣も御存じのように、肝炎ウイルス、特にB型肝炎、これも、がん化、慢性肝炎からがんになる率が高うございます。しかし、これについては、B型肝がんあるいは肝がん予防ワクチンとは申しません。

 なっていくコースにはあると思うのです、炎症ですから、未然に防止する、ワクチンはその中にある役割は私は果たすと思います。有効期限がどのくらいか、がん化をどのくらい発生抑制するか、その人の遺伝子の個体差もあるでしょう。

 などなどがあるので、私は、ここは諸外国に倣って、ヒトパピローマウイルス感染症へのワクチンであると、きちんともう一度お母さん方や子供たちにも周知していただきたいが、どうでしょう。

田村国務大臣 そういう御議論があることも認識をいたしておるわけでありますが、子宮頸がん予防ワクチン、今、子宮頸がんが本当に防げるの、エビデンスがないじゃないのというお話でございました。

 私が知る限りは、HPVの感染に関してどれぐらいの効果が、持続性があるかというような話の中で、六年というよりかは、サーバリックス、九・何年だったというふうに思いますが、それぐらいの効果しかないというのは、それはまだ始まってそれぐらいしかないわけでございまして、そういう意味からすると、これから、どれぐらいまでその効果があるかというのは検証していく過程であるというふうに認識いたしております。

 それから、子宮頸がんを予防するエビデンスがないというのも、子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス、このワクチンは16型と18型の罹患、感染を防ぐ予防効果という話でありますが、日本人の場合、これで五〇から八〇%ぐらいが子宮頸がんになるというように言われておるわけでありまして、子宮頸がんのカバーをするというふうに言われておるわけでございますので、そのような意味からしますと、日本人においては、この16と18型というものの感染を防げれば、ある程度子宮頸がんを防げるのであろう。

 ただ、子宮頸がんは、将来に向かってでありますから、それは、将来は検証できると思いますが、今はまだその過程であるということで検証ができていない。

 ただ、子宮頸がんになる前の前がん病変に関しては、これは予防効果がある程度は検証されておるということでございますので、確かに、全ての子宮頸がんをフォローできるか、全員を守れるかというと、それはなかなか、予防接種というのは全ての方々を守れるということではないわけでありまして、ただ、確率論として、一定の確率は防げるということでございますので、そのような意味から、わかりやすく、子宮頸がんワクチン、予防ワクチンと言っているわけであります。

 ヒトパピローマウイルス16、18型感染予防ワクチンと言っても、なかなか、何のためのワクチンかわからないということもございまして、ただ、今言いましたような効果、それから、もちろん、これは予防接種でありますから、一方でのリスクもあるわけでございまして、それはしっかりと情報発信をしていかなければならぬと思いますし、その上で親御さん等々に接種の御判断をいただくということでございまして、その点はしっかりと、我々は情報開示の方を進めてまいりたいというふうに思っております。

阿部(知)委員 私が先ほど大臣に御紹介申し上げたのは、諸外国でもそういう知見は一緒なんです、ヒトパピローマウイルスのうち、どの型が、高リスク型と呼ばれるものですが、発がんに結びつくであろうと。しかし、なおかつ、これはヒトパピローマウイルス予防接種なんですね。ここにやはり、等身大であらんという、予防接種についての情報は正しく伝わることが大事であります。

 それから、この高リスク型と呼ばれる炎症あるいはがん化するものも、今、16と18ですけれども、こちらが減ると他がふえる。結局、ウイルスの世界は、インフルエンザでもそうですが、非常に敵は手ごわいわけです。今、当面、ヒトパピローマウイルス、サーバリックスとガーダシルと両方ありますが、それを防ぐためのワクチンである。

 私がここまで申しますのは、実は、ヒトパピローマウイルス感染症とした上で、もう一つ大事な子宮頸がんを本当に予防していくには、検診が非常に重要な位置を占めている。六年であれ九年であれ、これは抗体価で追ったものですから、私は、データの差はあると思いますけれども、こうやって与えたものは、とにかくもう低下はしていくわけです。それが本当に発がんを防止するかどうかは、今後しかわかりません。これからわかってくることでしょう。炎症は、しかるべく軽減するかもしれません。

 そこで、今、国民に、特に思春期の子供たちに伝えなければいけないのは、きちんとしかるべき年齢で検診を受けて、それが一番子宮頸がんの予防なんですよというデータが、あるいは情報が正しく伝わることで、それが私は一番予防なんだと思います。

 きょう、お手元に、これは、「たま広報」と書いてありますが、東京都下の自治体で配られている保護者や子供たちへのアナウンスのものであります。私はこれはよくできていると思います、ただし、一つを除いて。

 これは「新しい子どもの定期予防接種」で、子宮頸がんワクチン、Hibと小児用肺炎球菌を三つ並べた上で、子宮頸がんワクチンのところに、右の真ん中辺ですが、「ごく一部で、感染した状態が長い間続くと子宮頸がんを発症することがあります。」

 普通の人に伝えるのに、私はこれが一番等身大だと思うんです。子宮頸がんワクチンと言われると、何でもかんでもそれが予防されるように受けとめます。特にがんという言葉は、他とは違う重みを持っていますから。また、予算措置されましたために、一挙にたくさんの保護者の皆さんが押しかけたということも事実であります。

 そう考えますと、大臣にぜひ、ここに書いてある、感染した状態が長い間続くと子宮頸がんを発症することがある。しかし、その抗体価は、さっき言った、どこまで保持されるかわかりません。また、抗体によってどこまでがんのスピードが変わるかも、わかりません。だから、この程度の書き方が私は等身大であり、なおかつ、子宮頸がんワクチンというところをヒトパピローマウイルスワクチンと書きかえて、こういう説明をつけられれば、それが一番わかりやすい。なおかつ、定期的な子宮頸がん検診が必要ですということをきちんとここに、真ん中に添えてあるわけです。

 時間の関係で、ちょっとはしょって伺いますが、大臣、子宮頸がんの検診の進捗状況ですね。あと、きょう、せっかく文科副大臣にお越しいただきましたので、時間がなくなるといけませんので、あわせて質問をさせていただきますが、これは学校での子供たちへの教育ともすごく密接だと思うんです。予防接種、打ってしまうことは簡単であっても、その意味と、本当は何が大事なのかということと、そして副反応の綿密な検討という三つが必要と思います。

 大臣には子宮頸がんの検診の進捗状況、そして、文科副大臣には、お母さんたちも要請されていると思います、長期のお休みになっている子供たちの中にこのワクチン接種との関係の子はいるかどうか調べてほしい、あるいは学校教育でちゃんとしてほしい、これについて、おのおの御答弁をお願いします。

田村国務大臣 ちょっと一点訂正します。先ほど、ヒトパピローマウイルス16型、18型で、日本の中で子宮頸がんのカバー率というか、なる率、五〇から八〇と言いましたけれども、七〇でございまして、その点は訂正させていただきます。

 それから、今、進捗状況でありますが、平成十六年が、過去一年間に受診した割合は二〇・八%、十九年が二一・三%、平成二十二年が二四・三%ということで、十六年、十九年は集計できていないんですが、二十二年は過去二年間に受診した割合は三二%ということでございまして、前段は過去一年間でございますので、そういう意味では若干なりとも上がってきております。

 一方で、これは細胞診という話の中でいろいろな議論が進んでおるわけでありますが、ヒトパピローマウイルスの検診の方もモデル事業を実施いたしまして、ヒトパピローマウイルス検診がどのような利点とどのような問題点があるかということを今年度検証させていただくというような形でございます。

福井副大臣 文部科学省でございます。

 厚生労働省と連携をいたしまして、文部科学省としても積極的に対応しております。

 まず、ワクチン接種に関連した症状によって学校を長期に休業するなど、教育活動に影響を受けている生徒の実態を調査するということで、まさに今、調査票を準備いたしまして、通知をすることを進めているところでございます。

 それと、今先生おっしゃいましたように、教職員にも正しい知識を普及させるということ、そして、副反応によって学業に支障が出た児童生徒への支援の徹底、これを文部科学省として積極的に対応してまいる所存でございます。

 ありがとうございました。

阿部(知)委員 時間がありませんでしたので、本来用意いたしました、本当はいかに副反応が広がりを持っているかということをきちんと把握した上での判断が重要だと私は思います。その上で、立ちどまって考えるか、このまま動かしてよいのか、十分田村大臣にはお考えをいただきたいと思います。

 終わらせていただきます。

松本委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 ことしの八月から戦後最大の生活保護費の切り下げというのが実施をされます。その一つの根拠となりましたのは生活扶助CPIということで、生活保護を受けておられる方の実質的な生活保護費が高過ぎるのではないのか、デフレに伴って物価が下落しているので、それを適正な水準に下げようということで、生活扶助を受けている方々の物価というのを調べるという意味で、厚生労働省が生活扶助CPIというのをつくって物価下落率を算出したということでございます。

 平成二十年と平成二十三年を、生活扶助CPI、比べているわけでありますけれども、配付資料で一枚目に、私なりに考えた図を提示しております。この図を利用していただいても結構なんですが、その生活扶助CPIの平成二十年と二十三年の比較の方法について、簡単に説明をいただければと思うんです。

村木政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成二十年と平成二十三年の物価の比較でございますが、いずれも、総務省からCPIの算出に使うデータをいただきまして、基準年であります平成二十二年の基準品目とウエートを用いて、二十三年と二十年のデータを見て比較をしたというのが、厚生労働省の基本的なやり方でございます。

 総合物価指数の中から、生活扶助では対象にならない住宅ですとか、教育ですとか、医療といったものを除いているということでございます。

長妻委員 非常におかしな操作が私は行われていると思うのが、例えば、平成二十年に、生活扶助の方々も買うことができる、生活扶助CPIに入れるべき商品二十四品目がカットされているんですね、削除されている。これは何で削除しちゃったんですか。

村木政府参考人 先生の御指摘の図でございますが、先生がおっしゃっているのは、平成二十年のCPIの計算について、先生の図のところにある二十四品目、ここをどういうふうに扱ったかという御質問だろうと思います。

 私ども、二十二年の、直近の基準年の品目、ウエートを使ったということでございます。そうしますと、二十三年につきましては、このデータがございません、二十二年から後のデータはございません。二十二年基準を使うということは、二十年は十七年基準で品目を見ておりますので、このときの古いデータのうち廃止になったものについては、新しいデータが、二十二年、入っておりませんので、これは計算に入れない、二十二年データで品目、ウエートを見たということでございます。その結果として、それが外れております。

長妻委員 これはどう考えても私はおかしいと思いますのは、平成二十年のときに、四百八十五品目と二十四品目、合わせて五百九品目が生活扶助CPIの品目である。これは後ろにつけた厚生労働省の資料でも明らかなんですが、これは、家計消費支出上、金額にして一万分の一以上の消費をした品目をそこに並べる。

 平成二十年は、この二十四品目がそれに該当するにもかかわらず、これを勝手に落としちゃったというのはどう考えてもおかしいし、平成二十二年の基準でウエートづけもしている。ウエートづけをさかのぼってもこれは意味がないわけで、基準は五年置きに変わりますので、平成二十年は平成十七年のウエートづけ、品目を使わなきゃいけないわけであります。

 ちなみに、きょうは総務省にもお越しをいただいておりますのでお伺いいたしますけれども、総務省がCPIの元締めというか、そういう役所でございますが、例えば、総務省も、通称で言うとコアコアCPIというのをつくっているんですね。

 これはよく聞く方もいらっしゃるかもしれませんが、これは通称名でして、正式名称は食料及びエネルギーを除く総合指数ということで、つまり、変動しやすい食料品を除いて物価の基調をはかるために、通称で言うとコアコアCPIということで、物価の中から中核となる商品をピックアップして、それを比較する。ですから、ある意味では、商品をピックアップしたという意味では、生活扶助CPIと同じような形態なんです。

 総務省にお伺いしますけれども、総務省が例えばコアコアCPIを、平成二十年と二十三年を比較するときに、平成二十二年の基準年でなくなった商品をカットするというような操作というのはするわけですか、しないわけですか。どういうふうに計算するんですか。

須江政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する財及びサービスの価格変動を総合的に測定し、物価の変動を時系列的に測定するものでございまして、家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価変動によってどう変化するかを、基準年を一〇〇とした数値で示したものでございます。

 そういう意味で、消費者物価指数では、消費構造の変化を反映させるために五年ごとに基準を変えておりますが、品目やウエートの見直しを行っておりまして、現在は二十二年基準を用いております。

 御質問の総合の接続指数のつくり方につきましては、前回の委員会でも御答弁させていただきましたけれども、基本的には、十七年基準によって作成された指数を二十二年基準によって作成された指数に接続するためには、基準時点である二十二年におけるそれぞれの基準の指数、全部の品目が含まれている、その指数の比を算出して、これを用いて機械的に十七年基準の指数を二十二年基準の指数に換算する方法によっております。

長妻委員 いや、今私が聞きましたのは、例えばコアコアCPIでありますと、平成二十年は、共通の品目が三百四十一品目、平成二十二年基準でなくなった品目が二十六品目、合計三百六十七品目だと思いますが、そのうちの平成二十二年の基準年でなくなった二十六品目、これをカットして計算はしているのか、していないのかということです。

須江政府参考人 失礼いたしました。

 先生お話しのとおり、消費者物価指数は、総合の指数以外に、天候に左右されて変動の大きい生鮮食品を総合から除き、物価の基調を把握する目的で作成された、生鮮食品を除く総合指数、通称コア指数と言われたりもしておりますが、また、国際比較のために、アメリカなど諸外国で重視されている食料とエネルギーを総合から除いた指数、そういったものをあわせて公表しておりますが、その換算に当たっても、総合の指数と同じ形によっております。

長妻委員 そうすると、いわゆるコアコアCPIでいえば、平成二十二年基準で落ちた平成二十年の二十六品目、これも加えて、しかも平成十七年のウエートで計算しているということで間違いないですか。

須江政府参考人 お話は、多分、平成二十年の総合指数のことについてだと思いますが、平成二十年の指数につきましては平成十七年基準によっておりますので、そういう形で作成しております。

長妻委員 つまり、厚生労働省のやり方というのは非常におかしいわけで、総務省も、コアコアCPIも、平成二十年の指数を出すときには、平成十七年のウエートを使って、しかも品目を削除していない、こういう状況になっているわけであります。

 厚生労働省にもう一回お伺いするんですけれども、これは、なぜ、この平成二十年のウエートを二十二年の基準のウエートで使ったのか、あるいは、この二十四品目を削除してしまったのか、この理由を明確にお教えいただきたいと思うんですが。

村木政府参考人 申し上げます。

 先ほど申し上げたように、厚生労働省のやり方というのは、二十二年基準をベースにして、二十年と二十三年の物価をそれぞれ比較しているということでございます。

 これは、今回の政策目的でございますが、二十年と二十三年、同じような生活を生活保護受給者の方がした場合に、同じような生活水準を維持していただくためにどれだけの扶助費があればいいかということを見るということが大きな目的でございます。

 そういう意味で、二時点間で、できるだけその間の物価の変動だけを上手に取り出そうということを考えたわけでございます。短い期間でございますので、品目やウエートを固定して比較をするというのが一番物価の影響を取り出しやすいということで、こういう手法を用いたものでございます。

長妻委員 非常に不可解なんですね。

 平成二十三年には、三十二品目、増加分は入れてウエートを計算している。しかし、平成二十年は、四百八十五品目だけでウエートを、しかも平成二十二年の基準で計算をして、そのウエートを引き伸ばして一〇〇にしている。これは、どう考えても私はおかしいと思うわけであります。

 これは総務省にもう一回聞きますけれども、総合指数でもいわゆるコアコアCPIでも結構なんですが、例えば平成二十年と二十三年を比べるときに、平成二十年の指数は平成二十二年の基準を使っていないわけですね。なぜ使っていないんですか。

須江政府参考人 これも先ほど来御説明している内容でございますが、平成二十年の平均指数といいますのは、当時、十七年基準しかございません。そういう意味で十七年の基準で作成しているということでございまして、事後に、二十二年基準ができた後、それを接続するために、一定の機械的な手法を用いて接続させているということでございます。

 これは、いずれにしても、個別の政策というよりは、マクロ経済的に見た物価の水準を中長期で比較するために、そういう方法をとっているということでございます。

長妻委員 今の答弁どおり、平成二十年は平成十七年基準のウエートでとっているわけですよ、平成十七年基準の指数でとっているわけですよ。それを、接続指数を入れて平成二十二年を一〇〇として逆算している、こういう計算なんですが、いずれにしても、平成二十年は平成十七年基準でのウエートと指数なんですね。このデータを、二十二年基準で、ウエートを変えちゃだめなんですよ、これは。

 どうしてこういう、これは実は、まあ総務省の方も、なかなかこういう公の場ではおっしゃっていただけないんでしょうけれども、担当のある方は、やはりこれは意味がないんじゃないのか、厚労省の計算はということをおっしゃった方もいらっしゃるわけであります。

 これは下に計算を出しているんですが、厚労省の計算では、平成二十年と二十三年を、二十年は本当は十七年基準のウエートでやらなければいけないのに二十二年のウエート、しかも二十四品目を削除している。そういう計算をしたために異常に高くなって、そして、二十年と二十三年を比べると、右にありますけれども、物価下落が、四・七八%下落をしている。これをきっちりと生活扶助費を削減して、四・七八%の下落で五百八十億円を三年間で削減するということで、もう予算編成もしてしまって、予算も通ったわけですね。

 下のCPI準拠での計算、先ほどのコアコアCPIと同じ、コアCPIもそうです、総務省がやる、一般的にこれが適切な計算方式であるわけであります。これは基準時加重相対法算式、ラスパイレス型というもので、これはもう、こういう決まりで計算をするんですけれども、その基準で計算をしてみると非常に低くなるわけですね。下にありますように、物価下落が平成二十年と二十三年を比べますとマイナス二・二六%、こういうことになる。

 計算をしてみますと、となると、生活扶助費の削減は三年間で二百七十四億円になるわけですね。そうすると、適正な下の計算でやれば、三百六億円削り過ぎちゃっている。上の不適切な計算で計算をしているために、三百六億円も削り過ぎが発生していると私は考えるわけであります。

 そうすると、もう一回総務省に確認したいんですけれども、例えば、平成二十年のいわゆるコアコアCPIは、この共通部分と下の減の部分ですね、ここはそれぞれ、商品数は幾つと幾つですか。

坂本副大臣 廃止した品目が二十二品目、それから追加した品目が二十八品目となっております。

長妻委員 今のはコアCPIじゃないですか。いわゆるコアコアCPIをお伺いしているんですが。

須江政府参考人 失礼しました、手元にちょっとデータがなかったものですから。

 いわゆるコアコア、我々はコアコアと使っているわけではないのであれですが、いわゆるコアコアの指数で、廃止品目でいえば二十六品目が廃止され、二十品目が追加になっております。

 あと、もう一点、大変恐縮ですが、先生、私どもの職員が、要するに、意味がないんじゃないかみたいなことを申し上げたみたいなお話があったかと思いますが、私どもは、厚生労働省で作成されている生活扶助CPIというのは独自に作成されたものでありまして、作成方法や内容について私どもとしては承知していないという意味で、わからないということを申し上げたんだと思っております。恐縮でございます。

長妻委員 いわゆるコアコアCPIで、平成二十年、平成二十二年の基準では二十六品目が落ちたと今おっしゃいましたけれども、そうすると、平成二十年と二十三年を比べるときにその二十六品目は含めて比べているんですか、平成二十年の指数で。

須江政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の品目の価格を追うときには確かに個別の話ではございますが、物価指数全体として見る場合には、先ほど申し上げましたように、二十二年基準時点での両者の比をつかまえて機械的に接続させているということでございますので、品目として見るかどうかという考え方はあるかもしれませんが、指数としては全体が含まれております。

長妻委員 ちょっと明確に御答弁いただきたいんですが、言われた平成二十年の二十六品目、平成二十二年の基準では落ちちゃった、なくなっちゃった品目、平成二十年の二十六品目、これは当然、接続指数の操作はするものの、平成二十年の指数を換算するときには二十六品目も落とさずに含まれているという理解でよろしいわけですよね。

須江政府参考人 そういう意味で、もともと十七年基準に、全体の中に含まれておりますので、含まれております。

長妻委員 ですから、では、この点を厚生労働省にも聞きますが、厚労省は、平成二十年で二十四品目、これが平成二十二年の基準年ではなくなっちゃっている商品ですね。これを、平成二十年と二十三年を比べるときに、二十年の二十四品目をなくして、なしとして計算しちゃっているんですね、削除して。総務省は含めているわけですよ。

 一万分の一以上の消費をしたのに、何でなくしちゃっているんですか。何で総務省と違うんでしょうか。

村木政府参考人 総務省においても、それから私どもにおいても同じですが、まず、二十年のCPIを計算するベースの品目というのは十七年基準、それから、二十三年度のデータというのは二十二年基準でございます。

 総務省のやり方は、十七年基準で二十年を見、今度は、二十三年は二十二年度基準で見る。減るものとふえるものがあるということでございます。それらを修正するために、特別の補正率のようなものを掛けているんですが、これは、十七年の基準で算出をした二十二年、新しい基準年のCPIと、二十二年の基準で算出をした二十二年のCPIで、一定の補正率で、単純に、一つの数字で機械的に全部過去の数字を割り戻すというやり方をやっているわけですね。

 それは、何でそういうことをするかというと、結局、五年ごとに品目が変わってしまうので、それを接続させるためには、何かのやり方でそれを補正して、つなげなければいけないので、そういうことをやっているわけです。

 我々の政策目的で見たときに、二十年と二十三年を比較したい。そうすると、十七年基準というのは今から八年も前の消費構造を反映した数字になるわけですね。それをやるやり方も絶対にないとは言いませんが、二十年と二十三年を比較するわけですから、直近の消費構造、二十二年の消費構造というのをベースにして、それを維持するということを考えたときに、この二十年と二十三年で物価がどれだけ変動したかを見ようということです。

 補正で一律の数字を掛けるというやり方もあるわけですが、我々のやり方は、二十二年の消費構造をベースにして、そうすると、補正数を掛ける必要がなくなりますから。基準が一つなので、補正をする必要、つなぐ必要がなくなるわけですね。

 ですから、二十二年の基準で見て、でき得る限り、どうしても品目に差がありますから、多少の調整をしなければいけないわけですが、二十二年の、今の消費実態に近いものをベースにして、それと同じ消費をしようとしたときに、二十三年の物価はどうか、二十年の物価はどうかということを見るということで、できるだけ直近のデータを反映しようとしてやったということでございます。

 そういう意味では、確かに、十七年という八年前の基準の消費構造というところでは入っていたものを削除したというのは、結果的にはそうやっていますが、それは、新しい消費構造をベースにして物価を見ようということでそうなったということでございます。

長妻委員 この二十四品目を削除しているわけですね、さっきから申し上げておりますけれども。それで、平成二十年の時点では、平成十七年基準でウエートと商品名が決まっている、そして、それぞれの指数も決まっている。それを平成二十二年の基準で、しかも、三十二のふえたところも入れて、それぞれウエートづけをして、しかも、平成二十年は、四百八十五品目を、差があってそこが足りなくなりますから、その不足を埋めるために一〇〇に伸ばすわけですね。そういう操作をしている。

 もう一回繰り返しですけれども、総務省は、二十六品目ですが、減った部分ももちろん含んで指数を計算しているけれども、厚労省は、この二十四品目を削除した、しかも、二十二年のウエートでウエートづけをした。これは明確に、なぜ、総務省の標準、いわゆる日本のCPIの標準と違う操作をされているのか。同じ統計ですからね。それをぜひお伺いしたいんです。

村木政府参考人 確かに、総務省の二十年データというのは、十七年基準のウエートや品目を使っております。ただ、総務省がそれを二十三年と比べようと思ったら、補正率というか換算率ですね、それを使わなければいけない。

 そういう意味では、先生おっしゃるように、十七年データをベースにしたもので二十年はやっていて、先生がお示しになっている二十四品目は入っておりますが、そのかわり、換算率を掛けるということによって、その品目が既に減っているとか新しい品目が入ったということを調整するという作業をやっているわけです。

 私どもは、どうやって見るかですけれども、できるだけ今の生活保護家庭の方々が暮らしておられる消費実態を反映しようと思うと、直近の二十二年データを使った方がいいだろう。実際問題、二十年と二十三年ですから、二十年というのは基準年の十七と二十二のどっちが近いかといえば、二十二の方が時点としては近いわけですよね、それも含めて調整をしている。

 新しい品目を入れるかどうかというのは、確かに先生はそこを多分御疑問に感じておられるだろうと思うので、それはどうするかというのは、選択が確かにあると思います。

 先生の絵でいえば、四百八十五だけで比べるというやり方もあります。四百八十五だけで比べると、今実際に消費をしておられる新しい三十二をネグる形に、それを捨てる形になる。それがいいのか、それはきちんと含んだ上で、二十年にはその新しく入った品目は消費がなかったという結果になるんですが、そういう形で、二十年にはデータとして入らずに、二十三年だけデータの中に組み込むという形でやるかという選択でございますので、これは恐らく一長一短があって、できるだけ今の最新の消費動向をあらわす基準をベースにして、直近の数字、消費の状況をできるだけ反映させようとした結果が今の結果だということでございます。

長妻委員 村木局長はおわかりになって御答弁されているのかどうかわかりませんが、換算率は、厚生労働省の調査でも、このCPIでも換算しているんですよ、二十二年を一〇〇として。十七年基準で二十年が出て、二十年と二十二年の換算率であの総務省の統計表に出ているわけですよ。換算後の数字で比較をされているので、それは換算はしているんです。

 そして、直近でいうと二十二年基準で比べるというのは、そんな統計の考え方があれば、例えば平成二十一年と二十三年を比べる場合は、では二十二年基準で全部やってしまおう、そんなばかな話がありますか。十七年基準で、五年置きに変える、これが統計のルールで、そういう形でウエートと商品名が五年間そこでフィックスして、そのデータを厚労省は使っているわけですから。もし、では二十一年と二十三年を比べるときは、近い方の基準年で全部前後やっちゃおう、こんな話があるんでしょうか。

 これはちょっと総務省にお伺いしたいんですが、では、仮に、厚労省の話ではなくて、コアコアCPIを平成二十一年と二十三年を比べるときに、平成十七年基準は遠い基準だから、二十二年基準でウエートも商品も両方比べた方が適正に比べられるんだ、こういうことであれば、二十二年基準で比べるということもあり得るということなんですか。

須江政府参考人 恐縮でございますが、消費者物価指数は、基本的に、先ほど申し上げましたが、全国の世帯が購入する財及びサービスの価格変動を総合的に測定して、物価の変動を時系列的に測定するものでございます。そういう意味で、消費者物価指数は、家計の消費構造を一定のものに固定して、これに要する費用が物価の変動によってどう変化したかを指数化しております。

 そういう意味で、基準年のウエートを持っているものについては調査をする、それを使ってつなげるということをしているわけで、そのことと、生活扶助というある特定の目的のためにどういう計算方法が正しいかということとは、ちょっと、同じにするかどうかについてはそれぞれの省庁で判断する話だと思いますし、CPIそのものではないと思います。

長妻委員 今、CPIそのものではないというお話があって、私もそう思うんですね。生活扶助CPI、この計算はCPIじゃないんですね。

 時間が参りましたので、これについても、引き続き私もいろいろな機会を通じて粘り強く指摘をしていきたい。これは諦めませんので。おかしいと思います。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 本日は、一般質疑ということで、これまで同様、田村大臣といろいろ厚生労働行政、特に社会保障の大所高所の議論をさせていただきたいと思っておりましたが、質問も用意しているんですが、時間があれば、そうした議論もさせていただきたいと思います。

 けさの新聞に、実はこれは私の地元にも関係していることですが、決してこれは誤解なきよう、私は地元の案件としてここでやっているのではありません。厚生労働行政が適切に行われているかどうか、こういう一点でこの問題を取り上げますが、きょうの朝刊の報道で、いわゆる国立循環器病研究センターの移転問題について報道されています。

 これは四月十二日の予算委員会分科会でも私は取り上げさせていただきましたが、この移転先がきのうの国循の理事会で吹田に決まった、こういうお話が出ております。吹田といえば、とかしき政務官の地元でございますが、決してこれも政務官の地元だから取り上げているわけではございません。厚生労働行政の適正性、これを確認させていただきたい、こういう趣旨でございます。

 まず、これはどなたでも結構ですが、きのうの理事会で移転地が決まった、これは事実でしょうか。

秋葉副大臣 まだ検討中でございまして、決まったという事実はございません。

 先生がごらんになりました毎日新聞の朝刊の二十八面の、同市などに連絡したというような報道がございますけれども、事実ではございませんので、センターから毎日新聞に抗議をしたということの報告が来ております。

足立委員 では、今後の決定に向けた予定を教えてください。プロセスの予定を教えてください。

秋葉副大臣 このセンターの移転に関しましては、これまでずっと検討委員会で検討してまいったわけでございまして、二十四年五月の報告を踏まえまして、センターにおいて、各候補地について、建てかえ計画との整合性や、計画期間内での用地の確保や交通アクセス改善の実現性などの具体的な検証を行ってきているところでございます。

 現在、センターにおきまして、移転先の最終的な検討を行っているわけでございまして、地元の自治体や地権者の皆さんとの調整も踏まえまして、できるだけ速やかに公表をさせていただく、そして会見を行うということを報告いただいているところでございます。

足立委員 改めて、もう少し具体的に、その検討プロセスが今報道でずっと、一昨日の新聞にも、きのうの理事会で決定をする、最終調整をする、こういうふうに報じられているし、けさの新聞には決定をしたと報じられているんですね。速やかという言葉でお茶を濁すのじゃなくて、具体的に、どういう段取りで、いつごろ決めるのか、教えてください。

秋葉副大臣 検討委員会での御議論も最終的な段階に入ってきているという中で、地元の関係自治体やあるいは地権者の皆さん、それぞれ丁寧な説明をさせていただいて、そして、本当に近々には判断をして公表するというふうに伺っているところでございます。

足立委員 理事会をもう一度開くということですか。

秋葉副大臣 理事会も必要に応じてまた開催することもあるかもしれませんけれども、今行っているのは、関係自治体や地権者を含めた皆さんへの説明といいますか、合意を得るための調整作業をさせていただいているというふうに伺っております。

足立委員 予算委員会で四月十二日に取り上げた際にも申し上げましたが、私の理解するところ、今、四案ある、四つの選択肢があると理解をしています。現地建てかえと、それから吹田の岸辺と、箕面の船場と、そして万博の四つです。これは事務方はそういうふうに認めてというか、厚生省の医政局の事務方は、私との関係ではそういう話をしています。

 これは、今、地元自治体との調整をしているということですが、それは特定の案で調整しているということですか。

秋葉副大臣 恐らく、これまでの検討委員会の検討状況を受けた形で、一定の方向性というのを前提にしている部分もあろうかと思います。

 いずれにいたしましても、平成二十四年六月に取りまとめられました建替整備構想検討委員会の報告によりますと、候補地は先生おっしゃるように四カ所ということで、特に箕面市の船場地区と吹田の操車場跡地については、計画期間内での用地の確保や交通アクセス改善の実現性など、適切な候補地を選定するための判断材料というのを得るために実現可能性調査というものを行っているというふうに伺っておりまして、この二つの候補地を中心に検討しているということだと思います。

 他方、前回の御議論でも御指摘ございました、この二つ以外にも、現在地あるいは万博記念公園につきましても、センターの理事会において、建てかえの費用や用地の確保の可能性などから、それぞれ具体的な検討、調査、議論もされているというふうに伺っているところでございます。

足立委員 ちょっと四の五のしてよくわからないんですが。

 そもそも、この移転の問題は五年越しですね。現地建てかえを断念したのは平成二十年九月、独法になる前です。それから、二十一年には吹田市が東部拠点に移転してくれということで手を挙げた、そこから始まるんですね。独立行政法人化をした後、いろいろ市長さんもかわったり、地域の首長もどんどん選挙で入れかわります。

 そういう中で、平成二十三年の八月に、国循の移転先について、誘致意向があるかどうかの照会を国循と厚生労働省がしています。これは配付資料で配らせていただいています。資料二と書いてあるのは、どこかで配られたときの符号ですから、この一番上の私の資料1ですね。

 これは、「国立循環器病研究センターの移転整備について(照会)」ということで、厚生労働省とセンターの連名で、北摂の各市町村の首長のところに国循の担当者が出向いて、二枚目を見ていただいたらわかりますが、誘致の有無、あるなしを丸をつけてくれといって回っています。

 これは何で厚生省がクレジットに入っているんですか。厚生省がこうやって連名でこういう作業をすることは、通常、あるんですか。これは前例はあるんでしょうか。

田村国務大臣 他の国立高度専門医療研究センター等々を調べてみましたが、独立行政法人化する以前それから以後を含めて、こういう移転をした例がないわけでありまして、建てかえに関して、このような、今言われたような、言うなれば誘致意向の照会、そもそも建てかえがないわけでありますから、したことはない、厚生労働省が入ってしたことはないということであります。

足立委員 そもそも比べる例がないという御答弁ですが、これは、誘致意向の照会に各首長のところを回ったのはどなたか、確認されていますか。

原(徳)政府参考人 個々には把握しておりません。

足立委員 これは私の方で複数の首長さんに確認をしていますが、当時、独立行政法人国立循環器病研究センターの企画戦略室長、厚生労働省から出向されている中沢一隆さん、今、九州の厚生局長ですね、幹部です。

 厚生省の幹部が各地域の首長を回って照会をする。それも、これは医政局長、この二枚目、めくってください、誘致希望「有」「無」と書いていますね。首長のところを回って、彼らは、「無」に丸をつけてくださいと回ったんですよ。

 この事実を確認されていますか。

原(徳)政府参考人 当時の中沢企画戦略室長だと思いますけれども、センターの職員として回られたのかもわかりませんが、どのように回答してくれというふうに頼んだかどうか、それは承知しておりません。

足立委員 本当に、田村大臣、これはしようもない話で、あほなことをしていると思いますよ。

 尊敬する田村大臣と、この厚生労働委員会で社会保障政策についてるるいろいろ討論させていただいて、私は、これからもずっとそういう社会保障政策について、特に、きょうは、いわゆる子育て、そして介護、医療、これらの各分野、きょう局長さん方おいでいただいているかもしれませんが、そういうそれぞれの分野において、今、株式会社がどういうふうに御活躍をいただくかということが課題になっていて、特に子育てなんかでは、そもそもの参入が進まないので、厚生労働省として、それを進めようということで政策でお進めいただいている。

 そのプロセスで、では、施設をつくるときに補助金が社会福祉法人しか行かないとかいろいろな課題があって、これはまた子育て新システムで、新政策の枠組みでそれを改修しようとしているとか、非常に大切な話がいろいろあるんです。

 医療の株式会社の問題もそうです。介護もそうです。介護も、そもそも、保険制度のたてつけとして営利企業の参入を認めたけれども、なかなかそこは地域において、営利の会社さんたちと社会福祉法人との間で、その役割分担をめぐっていろいろあるんです。

 こういうふうに、子育て、そして介護、医療の分野における、それを、実際にサービスを提供してくださる、介護と、特に保育なんかに至っては、これは自治体のかわりというか、自治体に成りかわって、さまざまな社会福祉法人の方々あるいは民間会社の方々が協力いただいているわけですから、その方々が十分に御活躍をいただけるような環境整備をせないかぬ、こういう議論を、きょう、しようと思っていたんですよ。

 ところが、先ほどの中沢局長ですか、今九州に赴任をされていますが、これを持ち歩いて、地域の首長さんに、これから移転先が決まるんですと。国循というのは大阪府につくることになっているんです。大阪の北の、北摂の首長さんのところをこの局長さんが回って、厚生省の役人ですよ、これが首長さんのところを回って、こういうことで進めたいので一応これは「無」に丸をつけてくださいと回ったんですよ。これは事実なんですよ。これはまた地域の首長さんに確認していただいたら結構ですけれども、これは事実ですよ。

 これはどう思いますか、大臣。

田村国務大臣 なぜこういうような、厚生労働省も誘致意向の照会に参加したのかということを確認いたしました。これは二十三年八月なので、我々が政権をとっていないときの話でございますから、事実関係を確認しなきゃいけないなというふうに、確認したんです。

 要は、もともと、独法化する以前から移転というような話が出てきておったわけであって、そうなれば、当然、厚生労働省もかかわるわけであります、独立行政法人前でありますから、国立であるわけでございますので。となれば、やはり、それぞれ移転をするに関して、近隣の自治体に声をかけなければ、それは公平性、いろいろな問題があって、だめであろうということで、お声がけをするという方向であったわけでありまして、国立循環器病センター将来構想検討委員会というもので検討が行われ、報告書が取りまとめられたというふうになっておるわけであります。

 その後、独立行政法人になったわけでありますが、そのような経緯があったから、厚生労働省も、初めの経緯、途中から知らないと言えないという中においてこの誘致照会に参加をした、そのような報告でございました。

 なお、今委員が言われたお話が、私は事実関係はよくわかりません。受けない、うちはそんなものは要らないですよというような市長さんのお言葉の中で、では、白紙といいますか、要らないというところに丸をしてくださいというような話だったのか、それとも、いやいや、うちは誘致してほしいですよと言っているのにそのような話だったのか、事の経緯、経過は私はわかりませんので、ちょっと、どう申し上げていいのかわかりませんが、強要したとするならば、それはにわかに信じがたい行為であるというふうには思います。

足立委員 今、田村大臣がおっしゃった、どういうやりとりがあったか、その場にいらっしゃらなかったので仕方ありませんが、実際に、この意向照会があったことに対して、茨木市と箕面市と池田市が誘致意向ありで回答しているんです。

 だから、市長さんと、誘致意向がないなら、ないに丸をつけてくださいよじゃないんですよ。誘致意向はあるんです。茨木市と箕面市と池田市が誘致意向ありで回答しているんです。だから、その後ずっと検討が続いて、この二十三年八月の意向照会から、今に至っても決まっていないんですよ。

 この間の報道は、資料につけてありますが、地元誘致合戦が熱く繰り広げられて、引っ張り合いをしているという報道があり、一昨日は大どんでん返し。この二十四年六月の報告書では、ほぼ大宗は箕面がいいんじゃないかという意見が多かった、こういうレポートが上がっているにもかかわらず、大どんでん返しで、次はやはり吹田に戻った、政権もかわったからか知りませんが。そういう報道が、一昨日そしてきょうと続いているんです。

 それで、きょう、決定と報道されているにもかかわらず、副大臣は、決まっていません、まだ決定したわけじゃないんです、こういうやりとりですよ。

 私は、この問題、決して看過できる問題じゃないと思いますよ。田村大臣、もし、当時の中沢室長、今の九州厚生局長、この方が地域の首長に、誘致意向「無」に丸をつけてくれというように回った事実があった場合は、どうされますか。

田村国務大臣 経過、経緯はどういうものか、確認をさせていただきたいと思います。

 どういうやりとりであったのか、先ほど言いました、無と書いてくれというのも、いろいろな自治体を回って、もともとその気がないところに関して、なかったら無と書いてくださいよという話だったのか、それとも、うちはやりたいんだと言っているのに、いや、無と書いてもらわなきゃだめですよと強要したのかというのは、これは大きな違いでございますので、経緯も含めて確認させていただきます。

足立委員 きょうおいでの方じゃないかもしれませんが、民主党の議員さんとか同僚の皆さんとかいろいろな方と、この独立行政法人の話はよくします。独立行政法人というのは若干問題があると思っているんですね。

 要は、独立だと。だから、実は、この案件を私がいろいろ照会しても、これは独立行政法人がやっているんです、だから一義的には独立行政法人が決めるんですと。だから、まあ言ったら、厚生労働省の関与は限られているような枠組みがもともとあります。

 一方で、今申し上げたように、厚生労働省から出向している人間が、誘致意向を直接自治体を回って調整をする。内容についてはぜひ調べてください。こういう非常に不公正な取り組みをやっているというのは、独立行政法人の名をかりた、言ったら、母屋、離れという話もありますけれども、離れでいろいろ勝手にやっているという疑惑を招きかねないと思うんですよ。

 だから、私は、独立行政法人の仕組み自体、これからまたいろいろ議論をさせていただかないといけないと思いますが、私がきょうこの問題を取り上げているのは、国立センター、ナショナルセンターなんですよ。このナショナルセンターの配置については、これは国益に沿って、法律に沿ってやらなければいけませんよね。

 特に、それは日本で随一の循環器の病気の研究センターをあわせ持った病院の位置であり、これは医療政策、国の医療政策全体、少なくとも大阪、あるいは関西、あるいは日本、全体の医療政策の中で何が一番いいのかということを議論しないといけないのに、この五年間行われてきたことは、地元の自治体の首長さんと、机の上か下か知らないけれども、いろいろ話をして、そして、さあ地域活性化のためにここだ、こっちの市の活性化のためにこっちだ。地域の首長がとり合うこと自体がまず間違っている。

 それから、さっきの四案。副大臣、四つの案とおっしゃった。この四つの案も、結局、万博は早々と落ちているんですよ。何で万博が早々と落ちているか。これは、吹田市長が、万博ではだめだ、岸辺だと言ったからですよ。何でその二つの優先順位を、地域の首長が決めていいんですか。だめですよね。

 これは確認させてください。これはナショナルセンターなんだから、国益に即して、地域の首長の意向に引っ張られ過ぎたらあかんと思うんですが、どうですか、この点。

原(徳)政府参考人 お答えいたします。

 万博用地の跡地につきましては、既に使用用途が決まっているということで、循環器病センターを建てる余地がないというふうに返事をもらっているところでございます。

足立委員 もう余り繰り返したくありませんが、医政局長、では、この点について国循と万博機構はどれだけのやりとりを、検討を、調整をしたんですか。

原(徳)政府参考人 文書でお答えをもらっているというふうに聞いておりますけれども、最終的に、今現在、理事会の中でいろいろと議論されているというふうに聞いております。

足立委員 これは、きょうお配りの、資料4と右下に書いてある資料ですね。いいですか。平成二十四年二月二十八日付で御依頼のありました照会について、照会があったと、これに対して一週間後の三月五日に、中井理事長から橋本理事長宛てに、未利用地はないという回答です。

 これは検討したんですか。一週間で検討できるんですか。

原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。

 先生のお示しいただきましたこの資料につきまして、それぞれ、文書での照会の日付、文書での回答の日付ということでございますが、通常の場合、文書でいきなり照会するというよりも、事前に十分な話し合いがあったものと考えております。

足立委員 どれだけ事前に十分な打ち合わせ、調整をされたのか。今聞いても多分難しいと思いますから、やめておきますが。

 この万博のことを別に特段取り上げるつもりはここではありませんが、四つの案、現地建てかえだって、研究センターを外せば、研究センターと病院は一緒になくてもいいわけだから、それを別々に取り扱えば現地建てかえも可能だ、そういう企画というか、そういう整理をしていたときもあったんですよ、一旦は。ところが、資材が高騰したとかいうことでまた条件が変わっていったわけだけれども。

 私が四月十二日の予算委員会で厚生労働省に求めたのは、四つの案を、ちゃんとおてんとうさまのもとに出しても恥ずかしくないように、テーブルの上に四つの案を並べて、四つの案のそれぞれの利点と欠点、メリットとデメリットをよく並べて、どれが一番、医療にとって、地域医療にとって、あるいは国益にとって、国策として一番意味があるのか、これをしっかりと机の上に載せてくれと言っているんですよ。

 ちゃんと四案、机の上に載せられますか。

原(徳)政府参考人 先生も先ほどから御指摘いただいておりますけれども、構想検討委員会の中で、その四つの候補地についてそれぞれメリット、デメリットを検討した結果、絞り込んでいっているものと承知しております。

足立委員 もう時間がありませんから、詳細はあれですけれども、このレポートを読んでくださいよ。このレポートには、万博については検討していないと書いてあるんですよ。別途の課題なんですよ。現地についても別途なんですよ。この検討会というのは、茨木と箕面と、そして吹田を比べました、こういう報告書になっているんですよ。これは日本語が読めれば、読めばわかります、それは。

 もう時間がございませんから、田村大臣、繰り返し申し上げますけれども、私はこんな話はしたくない。本当は、大所高所の、本来、今、日本の社会保障はこんなことでごたごたやっている暇はないんだから、大臣とよくこの将来について、将来の社会保障政策について議論したい、こう思っているんだけれども、足元でごちゃごちゃわけのわからぬことを、わけのわからぬと言ったら失礼だけれども、この中沢局長が「無」に丸をつけてくれと言って回るものだから、その後、報道合戦というか、誘致合戦ですよ。これは明らかにおかしい。さっき大臣も言っていただいたように、もしそうだったら、これはゆゆしき事態だと思いますよ。

 この事実をしっかりと確認していただくまで、この移転先の決定はやはり留保というか、しっかり整理をして、後でおかしな問題が出てきてひっくり返ったりしないように、ちょっときれいに整頓して、今のこの中沢局長の疑惑を、厚生労働省として、私はあえて疑惑と言いますよ、大臣はまだ詳細を御存じないからわからないかもしれませんが、これはおいおい明らかになります。

 この点について、少なくとも、もし、ここに、「無」に丸をつけてくれと中沢室長が各自治体の首長に持って回ったことが明らかになった場合、その点について、あるいは経緯とかそういうことについての是正というかが図られるまでは、この移転地の決定については留保すること、これを約束してください。

田村国務大臣 ちょっと私、頭が余り整理できていないんです、申しわけないんですが。現地の土地カンもわからないわけでありまして。

 厚生労働省が絡んだというのは、独法になる前からの移転話があった中においての、その責任の中において、絡んだところがあった。それで、なし、ありに丸をつけた、つけなかったというのは、それはもし強要があれば問題がありますが、それはおいておいて、それにいたしましても、一定の基準で、独法が、これを決定するための幾つかの理由を置いて、判断をされるわけですよね。そこには厚生労働省は介在をいたしておりません。

 でありますから、独法が決められることに関して、我々がとめるとかとめないとかというような話は、特別の何かがあれば、それは私も申し上げることがあるかもわかりませんが、現状において、なぜなのか。

 そしてまた、私、これまた、こんなことを言って、委員は、おかしなことを言うなと思われるかもわかりませんが、万博記念機構も、理事長が要らないと言われているんですよね、これは。(足立委員「もう万博はいいです」と呼ぶ)いいんですか。何か、四つ全部もう一回土俵にのせろとかというお話でございましたから、申し上げているんですが。

 さっきから聞いていて、何で、うちはもう場所がないから要りませんと言っているのをまた土俵にのせるのか、ちょっと私、よく理解ができませんので、またちょっと、よく事務方から、どういうような経緯があって、どういう状況でという、詳しくまた話は聞かせていただきたいというふうに思います。

足立委員 もう時間が来ましたが、万博については、大臣、これは一週間ですよ、一週間。

 だから、私はさっき申し上げたように、中沢室長は地域の首長に「無」に丸をつけてくれと言っているんですよ。あらゆる点で同じようなことが行われていた可能性もありますよ。

 だから、いずれにせよ、この中沢室長が、現局長がどういうふうに首長を回ったのか、これはぜひ確認をしていただいて、もし問題があれば、是正をする。お願いします。

田村国務大臣 問題があれば、その中沢さんですか、その方に対して、ちゃんとした対応をするようにというように、もう今かわっちゃいましたけれども、二度とこんなことがないようにという話はしますが、今回のこれは、あくまでも独法が御決定をなされることでございますので、それに対して我々がそれを引き延ばせということは言えないということは御理解いただきたいと思います。

足立委員 大臣の今の答弁は、私がきょう申し上げたとおりです、これは独法が、独法がと。独法がやっているんです、これが今の独法の現実なんです。ところが、今あったように、厚生労働省の役人が出向して、いろいろとよからぬことをやっているんですよ。私は、この問題、必ず今後も取り上げて追及していきます。

 ありがとうございました。

松本委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

松本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。宮沢隆仁君。

宮沢(隆)委員 こんにちは。日本維新の会、宮沢隆仁です。

 実は、約一カ月ぶりの登壇でありまして、ちょっと気合いを入れ過ぎて三つぐらいテーマを用意したんですが、恐らく最初の一題で三十分終わってしまうかなと思っています。

 きょうのテーマは、バルサルタン、商品名ディオバンという降圧剤の一種なんですけれども、それによる利益相反問題から見える日本の臨床研究の問題点というテーマで、ちょっと質問させていただきます。

 このディオバンという薬は、医者の間ではかなり有名な薬でありまして、実は、私自身が十数年前から高血圧の治療として飲んでいた薬なんですね。なおかつ、二〇〇八年ぐらいから、脳梗塞と心筋梗塞の予防にもなりますよといって、いわゆるMR、昔でいうプロパーさんが近寄ってきてそういうことを吹き込まれまして、学会等でも大々的に宣伝されて、それで、私もそれを信じて患者さんにもたくさん処方しました。

 したがって、この事件は、あえてバルサルタン事件と言いますけれども、医者の立場でも患者の立場でも、非常に腹の立つ事件なんですね。

 ちょっとキーワードに沿って、この事件について概説をしたいと思うんです。

 まず、バルサルタン、ディオバンというのはどういう薬かというのを簡単に言いますと、降圧剤というのはいろいろなメカニズムの種類があるんですけれども、アンギオテンシン2受容体拮抗薬と呼ばれる新しいタイプの降圧剤、略称をARBと言います。これをつくっているのはノバルティスファーマという世界的な製薬企業で、百四十カ国に展開している企業です。

 このバルサルタンという薬は百カ国で降圧剤として承認されております。日本では年間約一千億円以上の売り上げのある、本当に、製薬会社にとっては非常においしい薬だったようです。先ほど申しましたように、ただ血圧を下げるだけじゃなくて、脳梗塞、心筋梗塞の予防にもなるよと言われれば、それを信じたら、医者は患者さんのために処方したくなる薬になってしまうんですね。

 それで、このバルサルタン事件のことを簡単にサマライズしますと、まずは、このノバルティスファーマ社の社員が、社員であることを明確にせずに臨床研究の統計解析に関与していた、それを論文上で明らかにしなかったということなんですね。

 それから、研究を主導した京都府立医大の教授は、このノバルティスファーマ社から合計一億円以上の奨学寄附金を受け取っていた。この奨学寄附金というのは使途を問わないお金だそうで、もらう方にとってはかなりありがたいお金ですよね。

 それから、このバルサルタンが心筋梗塞や脳梗塞の予防に有効だよというデータは、相当名高い、国際的にいいジャーナルにぼんぼん発表されまして、日本の臨床研究にとっては画期的なことだと言われていたらしいんですね。

 実は、日本の臨床研究というのは昔から世界におくれをとっていて、国際雑誌になかなか載らないということで、日本の医療従事者、医者にとってはそこが悩ましかったところなんですね。でも、この臨床研究がそれを突き破って、いよいよ世界に羽ばたいたという意味で、研究していた人たちにとっても夢のような結果だったわけです。

 このノバルティスファーマ社は、日本で行われた研究結果、しかも国際雑誌でお墨つきをもらったということで、大々的に宣伝をして、それこそ世界じゅうで大々的に売って、恐らく相当もうけているはずです。ところが、結果として、日本の中であるいは国際雑誌から、この研究結果、データはおかしいんじゃないかという指摘を受けまして、結局、論文を出した研究者は撤回したんですよね。その中で、ノバルティスファーマ社の職員が統計解析にかかわっていた云々という事実がだんだんわかってきて、新聞でも、ここ二、三カ月、大々的に出ていますね。

 要するに、ここで問われている疑惑は、まず、売り上げ増加のために企業が大学に働きかけて、臨床試験の結果をねじ曲げた可能性はないのかということですね、一言で言うと。それが、キーワードで言うと利益相反という言葉が、ここほんの数年ですね、こういう言葉が出だしたのは。僕は、十年前はこの言葉は全く知りませんでしたし、日本の医療従事者もほとんど頭になかったと思います。

 この利益相反とは何かというのを、これもまたちょっと概説しますと、ワンセンテンスで言いますと、企業側と研究者の間の金銭授受が、研究結果やその発表に際して、研究者の公正かつ客観的、科学的判断を損なわせる状況ということですね。要するに、お金をもらったがために、その会社の薬のデータを、少し、いい方向、いい方向へ持っていって、それでデータを出して、会社はいいデータを全面的に宣伝に使って薬を売る、そういう現象です。

 これは、私、医者を三十数年やっていましたけれども、医療界ではほぼ当たり前のようにどの会社もやっていましたし、医者たちもそれを信じてやっていましたし、大学の教授たちは当たり前のように研究費をもらっていたというのは現実であったと思います。これは、この会社とかこの大学の先生たちに限らないと思います。ただ、そこで倫理観がどの程度だったのかということの違いですね。

 それで、この利益相反というのは、実はアメリカでも大問題になったことがありまして、ゲルシンガー事件というのがありました。

 一九九九年に、難病のゲルシンガー君が、これは人の名前ですね、遺伝子治療中の臨床研究で、感染症で死亡したんですね。実は、研究者とその治療にかかわっていた人は、動物実験で同様の現象、感染症を確認していた。でも、それを、治療を受けようとするゲルシンガー君に言わなかった、それが大問題になった。これも同じ現象ですね。

 それから、日本では、タミフル事件というのがありました。これは、例のタミフルで、あのインフルエンザの治療薬タミフルですね、異常行動が出るというのが大問題になりました。そのときに、異常行動を調査する国の研究班の班長が、薬を輸入販売する社長から奨学寄附金を受け取っていたという、実はこれは、さっき、三十分前に知ったことなんですけれども、これも恐らく、厚労省の方々は御存じだと思うんです。こうやって拾っていくと、かなりいろいろな事件が出てくるんですね。この件は、別にきょうテーマにするつもりはないんですが。

 まずは、ここでかかわってくるのは、やはり厚生労働省と、あと大学教授が深くかかわってきて、戻りますけれども、今、大学教授たちも、このバルサルタン事件に関してみずから検証をしているわけです。まだ結果は出ていません。

 結局、文科省ですよね。私が今ざっと概説したことを、もし修正するところがあればしていただいてもいいし、この現実に起こった事件に対して両省庁はどのようにお考えかというのを、まず、ちょっとお聞きしたいと思います。お願いします。

原(徳)政府参考人 お答えを申し上げます。

 概要につきましては、今先生御指摘のとおりだと承知をしております。

 これにつきまして、製薬会社側それから研究者側、それぞれで調査をされていると聞いております。

 製薬会社側からは、先日、結果について報告があり、一定の自律的な対応をしているというふうに聞いております。

 また、利益相反問題につきましては、先生御指摘のとおり従来からもいろいろと御指摘があり、製薬業界の団体においても、自主的なガイドラインを定めて、それぞれの企業に徹底しているというふうに聞いております。

 今回のノバルティス社の事案を受けまして、利益相反管理の徹底について改めて業界団体にはお願いをしたところでございます。

磯谷政府参考人 お答え申し上げます。

 文部科学省の利益相反に対する対応でございます。

 大学や研究者が、みずからの社会的信頼を保持しながら、産学官連携などを通じて社会貢献を行っていくためには、先生御指摘のとおり、大学における利益相反に関する適切な対応が必要だというふうに認識しております。

 少し前にさかのぼりますけれども、平成十四年度に、文部科学省では、科学技術・学術審議会のもとで利益相反ワーキング・グループを置きまして、その報告書を取りまとめました。

 その内容を踏まえまして、各大学において、利益相反ポリシーや委員会等の利益相反に関するマネジメントシステムが整備されつつあるところでございます。

 また、平成十七年度には、特に臨床研究における利益相反の問題に関して、文部科学省の委託に基づきましてガイドラインを作成されております。これを各大学に周知しております。

 今般のバルサルタンの臨床研究に参画していた大学の研究者についても、各大学のルールにのっとり対応すべきものでございまして、文部科学省といたしましては、引き続き、大学において適切な利益相反マネジメントが行われるよう、大学関係者が集まる会議等を通じまして、しっかりと指導してまいりたいと考えてございます。

宮沢(隆)委員 どうもありがとうございました。ほぼ予想どおりの答弁で、これからのやらなければいけないことに関してはそれで結構だと思います。

 もう一つ、この事件が問うている重大なことがありまして、それは何かと申しますと、日本の臨床研究はこれで大丈夫なのかということなんですね。

 その点に関しては、日本医学会の高久先生が記者会見で指摘しているんです。田村大臣もコメントされていると思うんですが、この件は、要するに、日本の臨床研究がそんなレベルなのかというのを世界に示したということでもあるんですね。せっかく、いざジャーナルにぼんぼん出してこれからだというときに、一気にまたもとへ戻されてしまった、引きずりおろされてしまったということでもある。そういう意味で、高久先生は非常に怒っている、医師会も非常に憤慨しているということです。

 ただ、怒っていてもしようがないので、では、これからの日本の臨床研究はどうするのかという話になるんですが、これは、実はアベノミクスも非常に絡んでくる問題だと思うんですね。安倍総理はよく医療を産業化しようといって高らかに言われてはいるんですが、こういうところでつまずいていたら、いずれにしても、もう産業化はできないんじゃないかと思うんですね。

 だから、まずはこのつまずきの原因を検証して、何とかしていかないといけない。

 それで、僕は、次のテーマとして、臨床研究のあり方に入っていきたいと思うんです。

 それについては今局長らもおっしゃいましたけれども、今後、臨床研究を進める戦略というのが厚労省及び文科省であるようなので、その辺をちょっと概説していただけますでしょうか。

原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。

 臨床研究の推進につきましては、現在、文部科学省と協力いたしまして、臨床研究・治験活性化五カ年計画二〇一二というものをつくりまして、臨床研究にかかわるいろいろな職種の方々の育成や、あるいは、そういう人材や設備などを有する拠点としての臨床研究中核病院などの整備を進めております。

 特に、臨床研究は、医師や研究家だけではなく、その研究全体をコントロールするといいますか調整をする臨床研究コーディネーター、いわゆるCRCや、あるいはデータをしっかりと管理していくデータマネジャー、そのほか生物統計家など、さまざまな職種がございますが、その方々の育成や、それから、拠点としての施設整備、そういうものを整備を進めているところでございます。

 いずれにしましても、こうした取り組みを通じて、日本の臨床研究全体の環境を向上できるように努めていきたいと考えております。

宮沢(隆)委員 では、文科省の方からはどうですか。

磯谷政府参考人 お答え申し上げます。

 基本的には、今、厚生労働省の方からお答えがあったとおりでございますが、私どもとしましては、科学研究費補助金を初めとした基礎研究から橋渡し研究にわたるまでのいろいろな取り組みをしておりますが、それを引き続き充実していくとともに、厚生労働省と連携をとりながら対応してまいりたいと思っております。

宮沢(隆)委員 両省のお話を聞いても、戦略とか、お金を出す出し方というんですか、出す額等については、努力はされていると思うんですが、私が一番心配なのは、先ほども、バルサルタン事件にかかわっていたような、いわゆる現場にいる研究者のトップ、教授等に問題はないかということなんですね。

 それで、ちょっと私の拙い経験をお話ししたいんですが、私は、一九八九年から、ドイツのマックス・プランク神経病研究所というところに約二年間、主に脳の研究を動物を使ってやっていました。もちろん、臨床研究にはかかわっていなかったんですけれども、研究所にいるドイツ人とかほかの大学から来る人たち、あるいは、医者じゃなくて、要するに、研究の基礎的なことに、例えば統計解析とか電気的なことの専門家とか、いろいろな専門家がいるんですね。

 そういう人たちから聞いた話を今でも覚えているんですけれども、マックス・プランクという組織は、やることが物すごく大胆で、マックス・プランクを御存じだと思うんですけれども、いわゆるノーベル賞学者をぼんぼこ生んでいる組織なんですよね。アメリカでいえば、NIHみたいな組織なんでしょうか。

 それで、全国にマックス・プランクの研究所が散在していて、各研究所は、例えば、遺伝子あるいは原子力工学、医学、それぞれ専門分野を持って、建物一個の中で研究しているわけですね。お金の集め方というのは僕もちょっと詳細は聞いてこなかったんですが、とにかく物すごい額のお金を持っている。もちろん、国もかかわっています。

 すごいのは金の使い方で、一人、物すごい優秀な研究者なり、これはもう絶対将来ノーベル賞に行くんじゃないかというのを見つけたら、それがドイツ人であろうが、イラク人であろうが、インドネシア人であろうが、引っ張ってきてトップに据えて、建物自体から、全部おまえの好きなようにやれといって、金をぼんと上げるんですね。人材も、もちろん好きなようにやりなさいと。

 それで、ある一定年限、十年、二十年とかやらせてみて、それでだめであれば、途中で審査等があって、お払い箱になる可能性もあるでしょうし、見込みがあればその施設はぼんぼこ大きくなる、そういうやり方でドイツはノーベル賞等をとってきているわけですよね。

 だから、ちょっと話は飛んじゃいますけれども、NIH構想というのが、文科省、厚労省、あと内閣府でしたか、かかわって、これからやろうという発想だと聞いているんですけれども、どういう哲学でそういうのをやろうとしているのかなということですね。

 当然、そういうNIHのような組織ができるのであれば、いろいろな意味で各大学の上でなきゃいけないわけですよね。インターナショナルにももちろんだけれども、各大学をある意味指導するぐらいのレベルでないといけない、日本の研究を全て統合するようなものでなければいけないだろうと思います。

 それはちょっと上の方の話なので余談なんですけれども、そのぐらい大胆な発想で研究というのはやって、世界と対等にやっていけるんじゃないかなというのが僕の今の印象です。

 では、日本の臨床研究の話に戻ります。

 資料の二番、四分の二と書いてあるものです。これは、きのう厚労省からのレクチャーでいただいた資料の一部なんですが、「臨床研究を推進していくための課題」ということで、一番、「臨床研究に精通する医師に加え」、この医師は、もちろん世界的にトップレベルの人間でないといけないと思います。今言ったように、もしそれが外国にいるんだったら、外国から引っ張ってきてもいいだろうと私は考えています。

 それから、もう一つ重要なのは、それを支えるスタッフですよね。二行目にある、「マネージメント」、「被験者ケアを担う人材が不足」していると。不足しているのは現実なんですね。だから日本の臨床研究が進まない。

 さらに、ここに私の拙い手書きで書いてありますが、臨床研究コーディネーター、CRC、それからデータマネジャー、生物統計家、知財管理者、薬事専門家、こういう人たちがプロフェッショナルでなければ、恐らくトップの医者を支えることはできないだろうと思います。

 マックス・プランクというところには、それぞれの専門家がそろっていました。それなりにプライドも高くて、給料なんかも恐らくその辺の大学の研究者よりずっと高かったんじゃないかと思います、これはちょっと推測ですけれども。もちろん、英語は普通に話せます。論文だって、その人たちだけで書いちゃうぐらいです。

 日本のCRCの話をきのう聞きましたら、例えば、看護婦さんでちょっと手のあいているような人をとか、薬剤師でやってくれそうな人を引っ張ってきて、CRCをやってねというようなことでやっているのが、日本の臨床研究のレベルだそうです。これからも、お金を出していくのはいいと思うんですけれども、スタッフのマネジメントの仕方をそのレベルの哲学でやっていたら、何も変わらないだろうと思うんですよね。

 だから、僕がきのう提案したのは、こういう人たちを養成する学校をつくったらよろしいんじゃないかと。要するに、厚労省と文科省で一緒になってやればできるでしょうし、当然、その資格要件もはっきりさせて、いわゆる専門職にしちゃって、給料も、ほかの普通の、例えば看護婦さんとか薬剤師よりは一・五倍か二倍ぐらいにしてあげるとか、そういうインセンティブも与えれば、当然いい人材もそろってきます。

 そういうことで、ちょっと一人でしゃべっちゃっていますけれども、もし本当に、アベノミクスのもとで医療を産業化して、日本の臨床データを世界的に信頼できるものにしていきたいという意思があるのであれば、私が今言ったようなかなり大胆な発想、展開の仕方が必要なのではないかなと今思っています。

 このような考え方に対して、各省庁からちょっとお考えをいただきたいと思います。

原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。

 なかなか、学校をつくってというところまでちょっと発想はまだ熟しておりませんけれども、厚生労働省としましては、治験推進のために、先生のおっしゃられた、病院の例えばナースが少し研究のお手伝いをするという形の方々をさらにブラッシュアップするために、上級のCRCコーディネーターの研修事業というような形のものを従来からやってきております。

 そういう形で、できるだけ人材の育成には努めてきておりますけれども、引き続き、CRCを初め、データマネジャー等も含めた人材の育成についても努めていきたいと考えております。

山野政府参考人 お答えいたします。

 もう先生御指摘のとおり、日本において臨床研究をきちんと推進していく、そのためにはいろいろな人材が必要だということにつきましては、文部科学省としましても、そのとおりだと思ってございます。

 それで、先生御指摘のように、新しい大学をそれ用につくるとかというようなことまでは取り組んでございませんが、何点か最近の取り組み状況を簡単にちょっと説明させていただきます。

 例えばでございますが、最近、東京女子医科大学、これは医科の単科大学なんですが、そこが、近隣にあります早稲田大学と組みまして、お医者さんだけじゃなくて、早稲田大学へ行けば工学部もあればほかの学部もありますから、そこと共同しまして、大学院レベルで先端生命医科学専攻という新しい講座をつくっています。

 そういうようなところで、お医者さんだけじゃなくて、周辺の人も含めて、あわせてそういう人材をつくっていこうという取り組みとか、あと、東北大学の中では、大学院レベルで医工学研究科というもので、医学部と、別にこれは工学部だけじゃなくて、保健であるとか薬学部とか、そこらの学生も一緒に入ってこられるというような専攻科をつくって、幅広い人材養成をしておるようなところでございます。

 また、あわせまして、文部科学省では、今年度より、未来医療研究人材養成拠点形成事業という新しい事業を始めようとしておるところでございますが、その中に二つの柱があるんです。

 一つの柱が、先生おっしゃるような、メディカルイノベーション推進人材の養成ということで、それはもう別にお医者さんだけじゃなくて、まさに治験コーディネーターであるとか研究支援者というような人材も含めて、そういう取り組みをする各大学、今公募をしているところなんですか、そういう大学について、五校から十校程度の取り組みについて、財政的な支援もしていこうというような取り組みをしてございます。

 もう一点でございますが、また、平成十年度から、大学病院に勤務する薬剤師さんとか看護師さんとか臨床検査技師などを対象にいたしまして、いわゆる臨床研究コーディネーター養成研修ということで、五日間、一カ所に集まってもらって、座学だけではなくて、実際に実習もやりながらというような研修をしてきてございまして、平成十年度からでございますから、現在までに千六百名以上の人がそういう研修を受けているというようなこともございます。

 いずれにしましても、先生御指摘のように、まだ不十分じゃないかという指摘もあろうかと思いますが、こういう取り組みを文科省といたしましても強化していきたいと考えてございます。

宮沢(隆)委員 非常に結構だと思います。がんがんいっていただきたいと思います。

 では、アベノミクスそれから先ほどのNIH構想等を念頭に置いて、最後に田村大臣からコメントをいただければと思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 今、医療というものを一つ成長戦略の中で安倍内閣でも考えていることは事実でございまして、健康寿命の延伸というのを一つの大きな眼目に据えながら、一方で、国際展開というものも実はいろいろ議論をいたしておりまして、我が省の中におきましても、医療国際展開戦略室というのをつくりまして、これは我が省だけでできる話じゃございませんから、外務省でありますとか経済産業省とも協力をしながらやる話でありますが、例えば、海外の中において、商慣行がどうであるとか、また、それぞれの審査の基準といいますか、それぞれ、日本は日本で審査体制があるわけでありますけれども、そういうものも含めてどう考えるかということを、データ、情報をしっかりと収集しながら、外に出ていくときにいろいろなお手伝いをしていこうと。

 日本の国は、いい医療機器、特に重粒子線等々があるわけですが、なかなかそれ単体で持っていっても、一つの大きな、機会といいますか、医療展開の機会というのは難しいわけで、医療機器や医療技術もパッケージとして持っていくということが一つ重要であろうと思いますし、そういったときに、それぞれの総合的な展開というものも考えていかなきゃならぬわけでありまして、そういうノウハウというのは余り今まで日本にないわけでありますから、そういうことも含めていろいろと検討したいというふうに思っています。

 一方で、医療機器、それから医薬品、これは、画期的な創薬、新薬というものをオール・ジャパンでやはり支援していかなきゃいけないということでございまして、基盤研等々を通じましてそういう支援もしていきたいと思っておりますし、PMDAに関しましては、今、PMDA―WESTというような構想もいただいてきておるわけでございまして、いろいろな展開の中で、このような、そもそもの基礎研究から臨床応用研究みたいなところの中において、うまく最後、製品としてつながるまでの間の薬事戦略みたいなものをしっかりと立てられるような、そんなことも含めて、全体的に、この創薬、新薬、医療機器も含めて支援をしてまいりたい、このように思っておりまして、アベノミクスの大きな柱ということで、今いろいろ検討をさせていただいておるというようなところでございます。

宮沢(隆)委員 すばらしい構想だと思います。よろしくお願いします。

 終わります。

松本委員長 次に、中島克仁君。

中島委員 みんなの党の中島克仁です。

 お昼の直後ということで、眠くなる時間ではございますが、きょうもまた一般質疑ということもございます、ちょっとおつき合いをいただければと思います。

 先日、以前もですが、自民党の冨岡議員からも有床診療所の件で御質問がありました。きょうはちょっと、有床診療所の件につきまして御質問をさせていただきたいと思います。

 言うまでもなく、超高齢化社会の中で、そのピークはこれから二十数年後だと言われております。さらに、少子化も加わって、年々ふえる医療費初め社会保障関連の費用は、日本の財政を今後もさらに圧迫することが懸念されている。このことから、医療、介護の再構築をすべく、医療分野における基準病床数の削減、機能分化、在宅介護サービスの充実を計画しておることと思います。

 国は、医療と介護の連携を重視しつつ、地域医療の充実、在宅医療の推進、そのための地域包括ケアシステムの構築を掲げているということでございます。私自身は、地域医療の充実、在宅医療の推進、地域包括ケアシステム、その機能を円滑に進めていくために、この有床診療所は非常に重要な役割を果たすというふうに考えております。

 資料の二枚目、これは有床診療所の推移です。無床の診療所は年々増加傾向ではございますが、有床診療所は、一九九〇年には二万三千余りあったわけですが、年々減少して、直近では九千四百七十一施設まで減ってしまいました。有床診療所が急激に減少しているこの現状、原因はどこに、何が原因と考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。

原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、有床診療所は減少してまいりまして、平成二十三年には一万カ所を切って、九千九百カ所。

 要因はさまざまというふうに考えられますけれども、一つには、後継者の確保が困難であること、また一つには、看護職員などについての人件費が負担になるとともにその確保も困難であること、さらには、施設が老朽化しているなどの指摘がされてきたところでございます。

 このため、厚生労働省としましては、僻地にある診療所などに対しましての医療機器の購入や施設整備に対する補助でありますとか、あるいは、有床診療所のネットワーク構築のための施設整備などについての再生基金による支援などを行ってきているところでございます。

中島委員 いろいろ対策を練られていますが、結果的に年々減少しているんですね。

 自分のことを話すのもちょっとはばかられますが、私も有床診療所で始めました。平成十六年に、有床診療所、その目的は、もともと私は外科の医者だったわけですが、自分のふるさとに戻って、なかなか往診する医者が少ないということでしたので、在宅医療を中心とする、それを目的とした診療所、さらに、在宅医療をしっかりと推進していくためには、後方支援、バックベッドを持たなければならない、そういう目的で、非常に厳しいなということは認識しておったんですが、あえてというか、やったんですね。結果、非常に厳しい経営状況でした。

 今も言いました、人件費の問題、そして老朽化、そして後継者の問題、そもそもは、やはり入院基本料にあると思います。これも以前から言われていることだとは思いますが。

 資料の三枚目を見ていただけますでしょうか。本当に、内輪の資料で大変申しわけないんですが、これは私の診療所の平成十六年から十九年までのみとりです。

 先ほども申しましたように、在宅医療、有床診療所を組み合わせ、さらに、私は、介護保険の施設、特別養護老人ホームの嘱託医もやっておりました。在宅医療を充実させるとともに、もともと医療過疎な地域で入院ベッドも少ない、そういう中で、介護施設でも最期までみとれるように、そして在宅でも最期まで住みなれたうちでいられるように、そういう目的で、その真ん中に有床診療所という位置づけでやったわけですね。

 結果、どうなったかというと、平成十六年、開業時は、在宅で最期までみとれた方は三人です。そのほか、介護施設、診療所、翌年は余り変わらなかったんですが、三年目の平成十八年、在宅でのみとりが十九人に急激にふえました。そして同時に、診療所で亡くなる方は十八人、介護施設では余り数は変わらなかったんですが、介護施設、在宅、そして、診療所でみとる方の数は一気に倍にふえたんですね。

 この時点で、私は、やはり地域包括ケアシステムの中で、有床診療所、介護保険の中でも在宅で療養されている方、高齢化が進んでおりますから、当然、一つの病状ではないわけですね、肺炎を繰り返したり、もしくはがんという重い病気を持っていたり、そういう意味で医療的ニーズが高い方、その方たちをしっかりと診ていける。

 結果的に、こういう割合になったという結果だったんですが、その一方で、経営は非常に厳しかったです。初年度から赤字だったわけですが、二年目、三年目と、数字はだんだんよくなってはくるんですが、その反面で、経営状態は非常に悪かった。そういう中で、残念ながら三年で閉鎖してしまったということなんですね。

 涙なくしては語れないというか、そういう実情の中で、私は、機能的に、地域において、さらに地域包括ケアシステムをしっかりとなし遂げていくために、有床診療所の役割は非常に大きいなということを実感した、にもかかわらず経営が難しかった。

 そもそも、この有床診療所の入院基本料、先ほども言ったように、後継者不足や老朽化、人件費ということですが、同じ看護体制、そして医者が診ている病院と、体制的には、これは一番最後の資料、一般病棟の入院基本料と、下が有床診療所の入院基本料の差です。今、七対一という、看護基準の中で一番高い点数になっておるわけですが、一番低い十五対一の入院基本料と比較しても、私の診療所の場合は二番目の、有床診療所入院基本料の二というところだったんですが、やはり半分ですね。

 ここに、そもそもが経営が厳しい状況がある。このことは以前からも問われておるわけですが、こうやって減少していく一方で、地域包括ケアシステム、そして資料の一枚目、これは「医療・介護機能の再編(将来像)」ということで、国が示す厚生労働省の資料でございます。

 この有床診療所の位置づけですね。将来、二〇二五年、機能分担をして、高度急性期、一般急性期、亜急性期、こういうふうに分割されているわけですが、有床診療所はこのうちのどこに組み込まれる、どういうふうに想定していらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。

原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。

 有床診療所につきましては、外来を行いながら入院医療の提供も可能である、また、地域住民の医療ニーズにきめ細かに対応できるという小回りのきく医療施設である、したがいまして、地域で重要な役割を担っていただいていると認識しております。

 先ほどの入院基本料、これは病院との比較はなかなか難しゅうございますけれども、人員の配置でありますとかそういうところの違いが少しあるのかなと。そのために、診療報酬においてはさまざまな機能に着目した改善を行ってきたというふうに承知をしております。

 有床診療所につきまして、先ほどの先生の図でございますけれども、この中で、有床診療所でも、外科的なことをやっておられる診療所から、先生が、ほくと診療所でやっておられたような形の診療所までさまざまございますので、一概にどこというわけにはいきませんけれども、例えば、療養病床を持っておられるような有床診療所でありますと、この長期療養みたいなところにも位置づけられますし、また、普通の急性期的な医療を担っておられる有床診療所でしたら、この亜急性期でありますとか一般急性期などの部分に位置するのではないかというふうに承知しております。

中島委員 私の診療所は、在宅に特化した、在宅の後方支援という役割でやっておったわけですね。

 この図でいきますと、それぞれ診療所によって性質が違うということになると思うんですが、看護基準で今設定されていますよね、入院基本料というのは。そうなってきますと、やはり有床診療所が、将来、機能再編していく中で、どういう位置づけになるかということをやはり明確にしないと、おっしゃるとおりで、確かにそういう背景はあるんですね、四分の一は産婦人科になっておりますので。

 私がきょう提案しているのは、やはり地域の在宅医療。もう一つ、後で時間があれば言いたいんですが、がん対策基本法、そこで、緩和ケア。

 もう一つ目的があったのが、実は私はホスピスがやりたかったんですね、緩和ケア病棟。ただ、緩和ケア病棟の基準は非常にハードルが高いです。もともと、緩和ケア、がん対策基本法の中で推進ということになっておるわけですが、私の山梨県でいえば、緩和ケア病棟は十六床しかないです。

 そういう中で、介護保険が使える年齢であればいいですね。例えば、六十五歳以上、もしくは四十歳以上で特定疾患になっている方は介護保険が使える。

 在宅で過ごそうと思っていても、では、四十歳以下の若年性のがんの方、小さいお子さんも抱えながら、残念ながらがんになってしまった、そして、治療も続けながら、残念ながら終末期を迎えてしまった方、その方たちはみんな自費でやらなければいけない。そういう方たちを、先ほど小回りがきくと言いましたが、やはり地域においてしっかりと診ていく体制というのが診療所にはできる、緩和ケアも含めた在宅医療を有床診療所が担える可能性があるというふうに思っているんですね。

 このまま入院基本料の設定を放置しておきますと、どんどんどんどん減っていくのは間違いないと思います。そもそも、厚生労働省として、有床診療所の役割はもう既に終わったと考えていらっしゃるのか。そうでなければ、やはり入院基本料の設定をもう一度見直す必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

原(徳)政府参考人 有床診療所の位置づけにつきましては、先ほどの病床の位置づけのような、さまざまなタイプがあろうかと思います。現在、病院も含めまして、病床の機能分化を図っていきたいということで、病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会を開催しております。

 その中で、病院も含めました入院医療全体の機能分化の推進に向けた検討を行っておりまして、その中で有床診療所についても御意見を伺う、また、有床診療所についてもその機能をどういうふうに考えるのかの報告もいただくという中で、全体として考えていきたいと考えております。

 また、診療報酬につきましては、それぞれまたさまざまな議論があろうかと思いますけれども、今まで、先ほど申しましたように、例えば二十四年度では、有床診療所の緩和ケアについての点数の設定でありますとか、ターミナルケアについての評価を新しくつくったというふうに聞いております。これらにつきましても、必要に応じて中医協などで議論をしていただくことになろうかと思います。

中島委員 たしか大臣も有床診療所議連、入っておられたと思います。

 先日、冨岡先生の御紹介もあって、自民党の有床診療所議連に話しに行かせていただく機会がありました。多くの自民党の先生からも御賛同を得られまして、地域の弊害、実は、これは一人訪問看護ステーションにもつながる問題なんです。

 要は、大きな病院があったり小さな病院があって、大きな訪問看護ステーション、それもいいでしょう。だけれども、やはり先ほども、くしくも話が出ました小回りがきく、これは非常に大事なことなんですね。

 私の診療所は有床で十九床だったわけですが、個室が三部屋ありました。その三部屋の方に関しては、要するに緩和ケアなんですね。在宅医療から緩和ケア、そうなってきますと、小さいお子さんを抱えている若い方であれば、お子さんと一緒に自由に泊まれたり、ずっとペットと過ごされていた方は、病院だけれども、一緒にペットと最期を過ごされたりとか、そういったことも非常に小回りがきく。

 そういう施設が、がん対策基本法の中にも病初期から緩和ケアの充実とうたわれているわけですが、実際には、やはり住みなれた地域に緩和ケア病棟がない、そういった中で、さらに、先ほども申しました介護保険、要するに、在宅医療をなさっている方、病状が不安定になった場合はどうしましょうかといった場合は、入院という方向になるわけですね。

 ただ、入院の基準というのは、在宅の場合、病状が悪化した云々ではない場合も非常に大きいんです。御自宅の介護をなさっている方が疲労を訴えたり、御本人が不安になったり、そういう方を、医療ニーズが高い方を中心として在宅、介護施設と振り分けて、最終的には診療所という方法もありますが、そういった役割を非常に担えるんですね。ですから、何としても、有床診療所の見直しを前向きに考えていただきたい。

 そして、今、冒頭にも言いました日本の基準病床数というのは、まだ削減というところにあると思います。そもそも、この有床診療所のベッド数が基準病床数の中に含まれているのか。この一年間だけ見ても、年間に約五千床が閉鎖しているわけですよね。休眠している有床診療所のベッドというのは基準病床数の中に入っているのかどうか、お尋ねしたいと思います。

原(徳)政府参考人 医療法の医療計画に基づきます基準病床数といいますか既存病床数の方でございますけれども、その中に、当然ながら、有床診療所のベッドも一般病床なり療養病床の形でカウントされております。

 今お尋ねの休眠病床ということでございますが、なかなかその定義が難しいところがあると思います。

 例えば、一時的には、スタッフが少しいなくなったので閉鎖をしているけれどもまた活用をする、そのような場合には、ベッドをそのまま置いたままで、多分、医療機関を続けておられると思います。そういうベッドをどう考えるかとか、それから、もともと、もう使う必要がなくなりましたという場合には、例えば、十床なら十床のベッドについて、もう要りませんということで、都道府県に届け出ていただくことになっております。

 そういう意味では、今現在あるベッドについては、その既存病床の中でカウントしているということでございます。

中島委員 これも私の経験になってしまうんですが、平成十八年を最後に有床診療所を閉鎖しました。当然、私は、ベッドを返すものだと思っていたんですね。これは、所管は都道府県ということになるんですが、返そうといたしましたら、恐らく、県の方は、いつでも再開できるようにという意味だったと思うんです、返さなくていいということだったんです。私の今持っている診療所のベッドは、有床診療所のままで、実際には閉鎖しているんですね。

 最初にも言ったように、基準病床数の削減をまだ考えていらっしゃるということなんですが、全国で休眠している有床診療所のベッドというのがどのぐらいあるのかというのは、やはり一度精査が必要だと思うんですね。その上で、私のふるさとのような地域は、人口五万人で、もともと一般病床が百四十床しかないんですね。その中に、当時、有床診療所をしていたけれども今は閉鎖している、そのベッドが眠っている可能性は十分あるんです。

 そんなことも考えながら、先ほど、ちょっと戻りますが、私の場合は、経営状態が非常に悪い状態、その中で閉鎖をしたんですね。翌年どうなったかというと、何もしないのに経営が黒字になったんです。要するに、普通の仕事では考えられないですよね。私は、入院の業務がなくなったわけです。仕事は半分に減ったわけですが、何もしないのに、ただ仕事量が減ったにもかかわらず、経営は黒字になる。要するに、そういう現状なんだと思います。これは非常に矛盾している問題かなと。

 冒頭にも言いましたように、これは、有床診療所が、地域包括ケアシステムのど真ん中に入って、在宅、介護施設、そして連携をとる高度機能を果たす病院、その間に入ることによって、緩和ケアも含め、高齢者医療、介護、そこをしっかりと円滑に回していく機能が発揮できるというふうに考えられると思います。

 この経営状態というか、先ほど人材不足と言ったんですが、要するに、もうからないからやろうとしないということなんですよ。先ほども言ったように、有床診療所を何とか、この時代にもう用はないというふうに思っていらっしゃるのでなければ、この問題は、実は大分以前から言われておって、冨岡先生も取り組まれておられますが、なかなか将来像としても見出せない。

 先ほど言いました、緩和ケアの問題、在宅緩和ケア、そして高齢者医療、高齢者福祉、介護、さまざまな問題に、眠っている有床診療所を、高専賃とか新しいものをいろいろつくるより、今既存する有床診療所をもう一度再発掘して、新しい分野として見出していけば、必ず活用できる部分だというふうに思っております。

 資料の三枚目、ちょっと時間になってしまいましたが、平成十八年のこの割合ですね。

 今、亡くなる人の死亡の場所、病院が八二%、そして介護施設が数%、在宅が一四%。高齢化のピーク、年間に亡くなる人のピークが年間二百万人、あと七十万人ぐらいふえてしまう、そういう中で、このままシフトしてしまうと亡くなり場所がないということが懸念されています。

 そういう中で、この十八年の数字、私は、将来日本が目指すべき割合は、これは行き過ぎかもしれませんが、介護施設、そして在宅、診療所や医療機関というふうな割合ですが、こういった設定を着地点として、地域包括ケアシステムでもいいです、しっかりと見出していくことが必要だと思います。

 時間になってしまったので、大臣、ちょっと一言。

田村国務大臣 極めて貴重な御意見をいただいたというふうに思います。

 有床診は、地域によってかなり差があります。もちろん、診療科によっても差があるわけでありますが、比較的西の方に多いという状況であります。ただ、全国的に均等にないからといって、その地域はその地域で、その有床診があるからその医療体制というものが保てているわけでありまして、高齢化が進んでいく中で、在宅療養というものがこれからさらに重要になってまいります。

 今、入院基本料の話も出ましたが、そういう部分を、例えば在宅療養支援診療所という形での加算なんかでつけているんですが、しかし、そもそも加算ではなくて根本的なところでというようなお声は、私どもも本当に関係者の方々からお聞かせをいただいておるわけでございます。

 今度また診療報酬改定があるわけでございますけれども、この中においても検討する課題であろうというふうに思っておりますので、しっかりと各般の皆様方の御意見を聞きながら、中医協と御議論をさせていただきながら、今のきょうの委員のお話、これも含めて対応させていただきたいというふうに思います。

中島委員 ありがとうございます。

 どうか前向きに検討していただくと同時に、一人訪問看護師の件もよろしくお願いしたいと思います。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

松本委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、参議院送付、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。

 なお、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、参議院で修正議決の上送付されたものでありますので、まず政府から趣旨の説明を聴取し、引き続き参議院における修正部分の趣旨について説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

田村国務大臣 ただいま議題となりました障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を説明いたします。

 まず、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。

 我が国は、障害者の権利に関する条約を平成十九年に署名しており、同条約の批准に向け、法整備を進める必要があります。また、精神障害者の雇用の状況を見ると、企業で雇用されている精神障害者の数が増加し、その職域も広がりを見せているため、精神障害者を障害者雇用率の算定基礎に加えることが求められております。

 こうした状況を踏まえ、障害者雇用施策の充実強化を図り、働く意欲及び能力のある障害者の雇用を一層促進するため、この法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。

 第一に、事業主は、労働者の募集、採用、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用等について、障害者に対する差別を禁止するとともに、障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならないこととしております。また、厚生労働大臣はこれらに関して指針を定めることとしております。

 第二に、事業主は、障害者に対する差別等について、障害者から苦情の申し出を受けたときは、自主的な解決に努めることとするほか、都道府県労働局において調停等を行うこととしております。

 第三に、現行の障害者雇用率は、身体障害者及び知的障害者を対象として設定しておりますが、精神障害者の雇用の状況等に鑑み、その対象に精神障害者を加えて設定することとし、事業主はその雇用する身体障害者、知的障害者または精神障害者の数が障害者雇用率以上であるようにしなければならないこととしております。

 最後に、この法律案の施行期日については、平成三十年四月一日としておりますが、障害者に対する差別の禁止等に関する部分は平成二十八年四月一日、一部の規定については公布の日としております。

 次に、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。

 精神障害者に対する医療に関しては、入院期間が短くなっている一方で、入院患者約三十万人のうち一年以上入院している患者が依然として約二十万人に上るとともに、精神障害者の保護者である一人の家族のみが法律上の義務を負う仕組みについては、家族の高齢化に伴い、保護者の負担が大きくなってきております。

 こうした状況を踏まえ、精神障害者が地域における生活へ移行することができるよう、精神障害者に対する医療の見直しを図ることが必要であり、この法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。

 第一に、厚生労働大臣は、精神病床の機能分化に関する事項等について、精神障害者の心身の状態に応じた良質かつ適切な医療の提供を確保するための指針を定めなければならないこととしています。

 第二に、主に精神障害者の家族の一人を保護者とした上で、精神障害者に治療を受けさせ、財産上の利益を保護する義務等を課している現行の仕組みを廃止することとしております。

 第三に、医療保護入院について、現行では、精神科病院の管理者は、精神保健指定医の診察により入院の必要性が認められ、かつ、保護者の同意があるときは、本人の同意がなくても入院させることができることとなっていますが、保護者の同意にかえて、家族等のうちいずれかの者の同意を必要とすることとしております。また、精神科病院の管理者は、医療保護入院者からの退院後の生活に関する相談に応じ、指導を行う者を病院内に配置することや、地域における生活への移行を促進するために必要な体制の整備等の措置を講じなければならないこととしております。

 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成二十六年四月一日としております。

 以上が、二法案の提案理由及びその内容の概要でありますが、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、参議院において修正が行われたところであります。

 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

 以上でございます。

松本委員長 次に、参議院厚生労働委員長武内則男君。

    ―――――――――――――

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の参議院修正

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

武内参議院議員 ただいま議題となりました精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対する参議院の修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 修正の要旨は、この法律の施行後三年を目途として検討を加えるべき事項に、精神科病院に係る入院中の処遇、退院等に関する精神障害者の意思決定及び意思の表明についての支援のあり方を追加することであります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

松本委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

松本委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 両案審査中、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、その出席を求めることとし、日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時一分散会


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