衆議院

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第26号 平成26年6月6日(金曜日)

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平成二十六年六月六日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 後藤 茂之君

   理事 あべ 俊子君 理事 金子 恭之君

   理事 北村 茂男君 理事 とかしきなおみ君

   理事 丹羽 雄哉君 理事 山井 和則君

   理事 上野ひろし君 理事 古屋 範子君

      青山 周平君    赤枝 恒雄君

      今枝宗一郎君    大久保三代君

      大串 正樹君    金子 恵美君

      小松  裕君    古賀  篤君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      高鳥 修一君    高橋ひなこ君

      豊田真由子君    中川 俊直君

      永山 文雄君    船橋 利実君

      堀内 詔子君    牧島かれん君

      松本  純君    三ッ林裕巳君

      宮崎 謙介君    村井 英樹君

      山下 貴司君    大西 健介君

      中根 康浩君    長妻  昭君

      柚木 道義君    足立 康史君

      浦野 靖人君    清水鴻一郎君

      輿水 恵一君    桝屋 敬悟君

      中島 克仁君    井坂 信彦君

      椎名  毅君    高橋千鶴子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   内閣府副大臣       岡田  広君

   文部科学副大臣      西川 京子君

   厚生労働副大臣      土屋 品子君

   内閣府大臣政務官     福岡 資麿君

   厚生労働大臣政務官    高鳥 修一君

   厚生労働大臣政務官    赤石 清美君

   政府参考人

   (内閣官房日本経済再生総合事務局次長)      赤石 浩一君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    岡田 憲和君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           義本 博司君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  原  徳壽君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  佐藤 敏信君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            今別府敏雄君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       石井 淳子君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  原  勝則君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  木倉 敬之君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 唐澤  剛君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月六日

 辞任         補欠選任

  金子 恵美君     宮崎 謙介君

  中川 俊直君     牧島かれん君

  井坂 信彦君     椎名  毅君

同日

 辞任         補欠選任

  牧島かれん君     中川 俊直君

  宮崎 謙介君     青山 周平君

  椎名  毅君     井坂 信彦君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     金子 恵美君

    ―――――――――――――

六月五日

 障害者福祉についての新たな法制に関する請願(馬淵澄夫君紹介)(第一一八〇号)

 同(長坂康正君紹介)(第一二一四号)

 同(菅家一郎君紹介)(第一二七〇号)

 同(杉本かずみ君紹介)(第一二七一号)

 同(武村展英君紹介)(第一三〇〇号)

 過労死防止基本法の制定に関する請願(今枝宗一郎君紹介)(第一一八一号)

 同(玉城デニー君紹介)(第一一八二号)

 同(佐藤英道君紹介)(第一二七二号)

 同(馳浩君紹介)(第一二七三号)

 肝硬変・肝がん患者の療養支援の推進に関する請願(荒井聰君紹介)(第一一八三号)

 同(井上英孝君紹介)(第一一八四号)

 同(伊東良孝君紹介)(第一一八五号)

 同(大熊利昭君紹介)(第一一八六号)

 同(城内実君紹介)(第一一八七号)

 同(桜内文城君紹介)(第一一八八号)

 同(清水誠一君紹介)(第一一八九号)

 同(武井俊輔君紹介)(第一一九〇号)

 同(橘慶一郎君紹介)(第一一九一号)

 同(辻元清美君紹介)(第一一九二号)

 同(永山文雄君紹介)(第一一九三号)

 同(西野弘一君紹介)(第一一九四号)

 同(平沼赳夫君紹介)(第一一九五号)

 同(武藤貴也君紹介)(第一一九六号)

 同(村上誠一郎君紹介)(第一一九七号)

 同(山田賢司君紹介)(第一一九八号)

 同(遠藤敬君紹介)(第一二一五号)

 同(河野正美君紹介)(第一二一六号)

 同(谷畑孝君紹介)(第一二一七号)

 同(野間健君紹介)(第一二一八号)

 同(山際大志郎君紹介)(第一二一九号)

 同(うえの賢一郎君紹介)(第一二七四号)

 同(上田勇君紹介)(第一二七五号)

 同(江田康幸君紹介)(第一二七六号)

 同(大畠章宏君紹介)(第一二七七号)

 同(金子恵美君紹介)(第一二七八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一二七九号)

 同(新谷正義君紹介)(第一二八〇号)

 同(原田義昭君紹介)(第一二八一号)

 同(穴見陽一君紹介)(第一三〇一号)

 同(今枝宗一郎君紹介)(第一三〇二号)

 同(上野ひろし君紹介)(第一三〇三号)

 同(小倉將信君紹介)(第一三〇四号)

 同(岸本周平君紹介)(第一三〇五号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第一三〇六号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一三〇七号)

 同(椎名毅君紹介)(第一三〇八号)

 同(塩崎恭久君紹介)(第一三〇九号)

 同(階猛君紹介)(第一三一〇号)

 同(武部新君紹介)(第一三一一号)

 同(馳浩君紹介)(第一三一二号)

 同(福山守君紹介)(第一三一三号)

 同(船橋利実君紹介)(第一三一四号)

 同(山本公一君紹介)(第一三一五号)

 保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一二一二号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一二六九号)

 患者窓口負担の大幅軽減に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一二一三号)

 難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合対策を求めることに関する請願(荒井聰君紹介)(第一二五一号)

 同(稲津久君紹介)(第一二五二号)

 同(うえの賢一郎君紹介)(第一二五三号)

 同(大岡敏孝君紹介)(第一二五四号)

 同(大畠章宏君紹介)(第一二五五号)

 同(奥野総一郎君紹介)(第一二五六号)

 同(金子恵美君紹介)(第一二五七号)

 同(重徳和彦君紹介)(第一二五八号)

 同(新谷正義君紹介)(第一二五九号)

 同(鈴木貴子君紹介)(第一二六〇号)

 同(高市早苗君紹介)(第一二六一号)

 同(冨樫博之君紹介)(第一二六二号)

 同(橋本岳君紹介)(第一二六三号)

 同(福田昭夫君紹介)(第一二六四号)

 同(宮内秀樹君紹介)(第一二六五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一二六六号)

 同(吉川赳君紹介)(第一二六七号)

 同(吉野正芳君紹介)(第一二六八号)

 同(石田真敏君紹介)(第一三一七号)

 同(江田康幸君紹介)(第一三一八号)

 同(大口善徳君紹介)(第一三一九号)

 同(金子恭之君紹介)(第一三二〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一三二一号)

 同(佐田玄一郎君紹介)(第一三二二号)

 同(古川元久君紹介)(第一三二三号)

 同(前原誠司君紹介)(第一三二四号)

 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤改善・大幅増員に関する請願(小川淳也君紹介)

 (第一二九七号)

 憲法を生かし安定した雇用を求めることに関する請願(小川淳也君紹介)(第一二九八号)

 全国一律最賃・時給千円以上の実現に関する請願(小川淳也君紹介)(第一二九九号)

 自己免疫性肝疾患患者の療養支援の推進に関する請願(上野ひろし君紹介)(第一三一六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 労働安全衛生法の一部を改正する法律案(内閣提出第六四号)(参議院送付)

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

後藤委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房日本経済再生総合事務局次長赤石浩一君、消費者庁審議官岡田憲和君、文部科学省大臣官房審議官義本博司君、厚生労働省医政局長原徳壽君、健康局長佐藤敏信君、医薬食品局長今別府敏雄君、雇用均等・児童家庭局長石井淳子君、老健局長原勝則君、保険局長木倉敬之君、政策統括官唐澤剛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

後藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山井和則君。

山井委員 二十五分間、質問をさせていただきます。

 まず最初に、配付資料十八ページ。きょうの朝日新聞の朝刊一面記事、「厚労省不正入札 捜査へ 職業訓練 市民団体が告発」という記事が出ております。さらに、二十七面の同じ朝日新聞には、「入札やり直し、一部業者決定 職業訓練事業 二地域で見送りも」ということが出ております。これは大変な事態になりつつあるということを感じております。

 私たちは、かねてから、このような疑惑のある事業、さらに、そう簡単に入札も進まない、そういう事業というのは、二百五十億円、全額国庫に返納する、事業を中止する、すべきだということを言い続けてまいりました。にもかかわらず、要件を緩和したりしながら、とにかく何としてでも予算を消化しよう、それでもまだ、やってくださる業者も見つからない、こういうやり方というのは、私は、国民からすると、税金の無駄遣いでもあり、とんでもない話だというふうに思います。

 まず、田村大臣にお伺いしますが、今からでも遅くはありません。二百五十億円、国庫返納して、この事業は一旦凍結すべきではないですか。もともと補正予算でと言っても、もう今は六月になっているわけですよ。やはり、無理な事業に予算をつけたわけですから、全額国庫返納すべきだと考えますが、田村大臣、いかがですか。

田村国務大臣 告発をされたということでございます。これは真摯に受けとめながら、その後、どのような捜査状況になるのかどうかも含めて、推移を我々は見守らせていただきながら、一方で、何度も申し上げましたけれども、民主党政権時にすばらしい監察本部というものをおつくりいただきました。そのメンバーの方々、そのままの形で残っていただいておりますので、その公平な方々に調査をしていただいて、その結果、出てきた報告をもとに、厳正なる処分をいたしました。

 それはそれで、我々は真摯に反省をし、また、組織も含めて見直しをしていかなきゃならない、また、今般の入札制度も含めて、これからどうあるべきかということも含めて我々は見直していかなきゃならないというふうに思っております。

 それはそれでありますが、しかし、この事業自体は、必要がある中において我々としては補正予算にお願いをさせていただきました。今般、四つのブロックで委託候補者を選定したところであります。今回は、応札も四つのブロックでしていただきました。このような形で、意欲を持ってこの事業に取り組んでいただく、そういう委託先が見つかってきたわけでございますので、そういうふうな形の中で、しっかりと必要な事業というものを進めさせていただきたいというふうに考えております。

山井委員 そういう、要件を緩和して、日程が大きくずれ込んででも、何が何でも予算を消化しようというのはおかしい。

 それで、私は、この問題の本質は、一部の担当職員の問題とは必ずしも言えないと思うんですね。これは、そもそも、無理な事業を組んだ責任者である田村大臣、あなたの責任だと私は思います。そもそも、JEEDしか受けてくれないような事業を、補正でも受けづらいような事業を組んだ、それで、悩み抜いて、苦しみ抜いて、担当職員がこういう形になってしまった、そういう構図であって、この担当職員が悪いと担当職員だけを責め立てるというのは、私は非常に心苦しいところがあります。

 こういう事業に無理な補正予算を組んだ、予算をつけた、その責任者である田村大臣が私は一番責任は重いと思います。田村大臣、御自分の責任についてはいかが思われますか。

田村国務大臣 入札制度改革というものは、自民党、自公政権からやってきたわけでありますし、その後、民主党政権下でもいろいろなことをおやりになられました。いろいろな経緯の中で、今委員がいみじくも、JEED、高齢・障害・求職者機構以外はできない、そのような事業だとおっしゃられました。であるならば、本来は、これは随契で、特命でお願いしなければならなかったのでありましょう。

 そういうことも含めて、私がこれからやらなきゃならないことは、どのような必要な事業を、実施するためには、どのような形で契約を結ぶか、そういうことも含めて見直さなければならないというふうに思っておりますので、その見直しをしっかりとやらせていただきたいと思っております。それが私の責任でございます。

山井委員 私は、今、田村大臣が決断すべきは、こういう疑惑のある事業なわけですから、国庫に全額返納する、そのことが田村大臣のやるべきことだというふうに思います。

 それでは、次に、残業代ゼロ制度の質問に入らせていただきます。

 この間、私、おかしいなと思いますのは、この残業代ゼロ制度を推進される方々は、いや、この制度を入れると労働時間が短くなるんだとか、賃金が上がるんだとか、生産性が上がるんだとか、すばらしい制度だということをおっしゃいます。

 しかし、私、言われたのは、先週、柚木議員が、では公務員にも導入されたらどうですかと質問したら、そこに座っておられる官僚の方々はみんな、とんでもない、とんでもないと言って手を振っておられたわけですよね、それだけは勘弁してくれみたいな感じで。そんなすばらしい制度だったら、生産性が上がるんですよね、賃金も上がって、労働時間は短くなって、すばらしいじゃないですか。柚木議員がそのことを質問された。そうしたらもう、今までちょっと眠たそうな顔をしていた官僚の方々が、いや、それはやめてくださいみたいな。

 だから、そういう意味では、本当に素朴な国民感情として、そんなすばらしい制度なんですかと。はっきり言って、私は、労働時間は延びて、賃金は下がって、これは深刻な事態になる、幹部候補生といっても範囲が非常に広いですからと思っているわけですけれども、それは成長戦略の目玉だと言うぐらいだから、すばらしい制度だと確信しておられるんですよね。

 では、赤石次長、もちろん、この検討の中には公務員は排除されているなんということはないですよね。当然、今回の残業代ゼロ制度の検討の中に公務員も含まれているという理解でよろしいですか。

赤石政府参考人 お答えさせていただきます。

 私どもの理解でいきますと、労働基準法の適用は国家公務員にはないということでございますので、原則として、この労働基準法を前提とした制度の改革につきましては公務員というものは念頭にはないもの、そのように理解してございますが、長谷川主査のお出しになられた紙においては、国家公務員においても率先垂範してこういった制度を検討すべきだというようなことが書いてございます。

山井委員 ということは、今回の成長戦略の目玉、国家公務員についても残業代ゼロを今検討しているということでよろしいですね、赤石次長。確認です。

赤石政府参考人 お答えいたします。

 主査の提出されたメモの論点につきましては、全て分け隔てなく検討しているところでございますが、それがどのように盛り込まれるか等については、政府部内の調整を経て結果が出ることになるというふうに理解してございます。

山井委員 赤石次長もまさに国家公務員のお一人であるわけですが、幹部候補生残業代ゼロ、そうすると、赤石次長、御自分の周りも見ていただいて、賃金は上がって、労働時間は短くなって、生産性は高くなりそうですか。

赤石政府参考人 お答えします。

 一概にどうなるかはわかりませんので、制度の設計次第であるというふうに考えてございます。

山井委員 今の答弁は危なくないですか。まさにこの残業代ゼロ制度を担当している担当者その人が、賃金は上がるんですか、労働時間は短くなるんですか、生産性は高くなるんですかと言ったら、一概にどうなるかわかりませんと。そんなことを成長戦略の目玉に考えているんですか。それはおかしいですよ。六月中に結論を出して、もうその方向で動き出しているんでしょう。そんな、一概にどうなるかわかりませんと。

 もしかしたら、労働時間が延びて、賃金が下がる、生産性が下がる危険性、リスクがあるんですか、赤石次長。

赤石政府参考人 お答えいたします。

 制度の設計次第ではいろいろな効果が考えられることから、総理の方からも、賃金が下がってはならぬ、長時間残業があってはならぬ、そういう指示をいただいておりますので、そういった総理の指示を前提に制度設計を行っていくことになるというふうに考えてございます。

山井委員 ということは、ますます不安が高まってきましたが、現時点では、賃金が下がるかも、労働時間が延びちゃうかもしれないということですね。

 それで、今、赤石次長は、総理の指示では、賃金が下がってはならぬ、労働時間が延びてはならぬという指示があったと。ここに配付資料がございますが、総理はこう言っているんですね。「「長時間労働を強いられる」あるいは「残業代がなくなって賃金が下がる」といった誤解もありますが、そのようなことは、絶対にあってはならない」と。絶対にと総理大臣は言っています。

 ついては、赤石次長、賃金が下がるということは絶対にあってはならないということは、この発言は、平均ではなくて、この対象者、誰一人として賃金は下がらない、そういう理解でよろしいですか。

赤石政府参考人 お答えいたします。

 総理は、賃金が下がることは絶対にあってはならないということをおっしゃっておりますが、制度の設計そのものが希望者のみに対応するということになってございますので、希望者がいて、希望してこの制度の対象にならない限りにおいては賃金は全く変わらないもの、そのように理解してございます。

山井委員 ちょっと今のは答弁になっていないんですよ。希望者がどうかは関係ないんです。

 適用された人で、一人も賃金は下がらないと理解していいですか。

赤石政府参考人 お答えさせていただきます。

 今回の選択肢は、国民が意欲と能力、創造性を最大限に発揮し、生産性の高い働き方ができるようにすることを目指すものでございまして、働き方の選択肢によって賃金が減ることのないよう適正な処遇を確保するという明確な前提のもと、検討していくことになります。

 絶対に下がることはないとは言い切れないかもしれませんが、基本的には、働き方の選択によって賃金が減ることがないように適正な処遇を確保するという明確な前提のもとに検討していくことになると理解してございます。

山井委員 赤石次長、今すごいことをおっしゃいましたね。安倍総理は、賃金が下がるということは絶対にあってはならないと指示しているのに、赤石次長は、絶対に下がることはないとは言い切れませんがと。言い切っているんですよ、総理は。どっちなんですか。整理してください。

 安倍総理は、賃金が下がることは絶対にあってはならないと言っている。今、赤石次長は、絶対にないとは言い切れないとおっしゃった。これは一番重要なところですからね。どっちなんですか。

赤石政府参考人 総理の御指示は、賃金が下がることは絶対にあってはならないという御指示でございますので、それを踏まえて制度を検討していくことになると思っております。

山井委員 赤石次長、繰り返しになります。

 ということは、平均ですか、それとも一人も下がらないということですか。

赤石政府参考人 お答えいたします。

 総理の指示は、絶対にあってはならないということでございますので、平均であろうと、それから、一人、個々人であろうと、基本的には、総理の御指示を踏まえて制度設計をしていくということになると考えてございます。

山井委員 これもまたすごい答弁ですね。何十万人か何百万人かわかりませんが、一人も賃金は下げない。

 赤石次長、ということは、賃金は上がるんですか。では、上がる人はいるんですか。上がる可能性はあるんですか。今一人も下がらないとおっしゃったから、上がる可能性はあるんですか。

赤石政府参考人 賃金をどうするかは、基本的には会社の判断、制度設計、さまざまなものが絡むことから、賃金が上がる可能性が全くないということは言い切れないというふうに理解してございます。

山井委員 今の答弁ですと、賃金は一人も下がらない、上がる可能性は会社の判断ではあり得ると。本当ですか。

 それではもう一つ、安倍総理は、長時間を強いられることは絶対にあってはならないと言うんですね。ということは、これも平均ですか、一人一人ですか。一人たりとも長時間、制度前よりも、その対象になることによって労働時間が長くなる人は一人もいないんですか、それとも平均の話ですか、安倍総理の指示は。

赤石政府参考人 総理の御指示は、長時間を強いられることが絶対にあってはならないと考えているということでございますので、それを踏まえて制度設計をしていくことになると思います。

山井委員 質問に答えてください。

 今よりも労働時間が長くなる人は一人も出ないということですか。どう理解したらいいんですか。

赤石政府参考人 繰り返しますが、総理の指示は、強いられることが絶対にあってはならないと考えておりますので、強いられることは絶対にあってはならないという考え方のもと、制度設計をしていくことになると思います。

山井委員 赤石次長、今また重要なことをおっしゃいましたね。強いられることはないんだと。ということは、別に強いられていなかったら、労働時間が延びる可能性はあるということですか。

赤石政府参考人 制度の設計次第ではいろいろな可能性はあると思いますが、基本的には、民間議員の御趣旨は、成果ではかられるような仕事の仕方ということでございますので、時間につきまして厳格な定めをして、絶対に延びることがないとか、あるいは絶対に下がるとか、そういった制度設計をすることは民間議員の念頭にはないものと理解してございます。

山井委員 これも総理の趣旨と違っていませんか。

 ということは、担当である赤石次長の解釈は、この総理の長時間労働を強いられることは絶対にあってはならないというのは、やはりこの対象になることによって労働時間が延びる可能性はあるということですか。

赤石政府参考人 この制度を導入することによって労働時間が一分一秒たりとも変わらないということは想定していないと理解してございます。

山井委員 ということは、延びる可能性もあるということでよろしいですか。

赤石政府参考人 労働時間のはかり方、あるいはその母集団をどうするか等にもよると思いますが、労働時間が延びる可能性あるいは減る可能性、いずれの可能性も完全に否定することはできないと理解してございます。

山井委員 私がなぜこんな質問をしているかというと、総理大臣が絶対にあってはならないという指示をしている割には、担当者本人が、いや、労働時間が延びる可能性はありますよと言って、そうしたら、では、総理が絶対とまで言い切っていることというのは何なんですか。総理はこの制度をわかっていないんじゃないですか。

 それで、あと、この九ページの配付資料で、長谷川委員はこうおっしゃっているんです。「特に労働時間管理を行わない制度を導入する場合は、」と。ということは、もし、この制度の対象者が過労死になってしまった、その場合、労働時間を使用者側が把握していないケースは出てくるんですか。

 新しい残業代ゼロ制度になっても、労働時間は把握しているのか、それとも、いや、労働時間は把握していないというケースもあり得るんですか、今の検討では。

赤石政府参考人 長谷川主査の提案は、その点については必ずしも明確ではないと思いますが、基本的には、健康確保の観点から、働いている時間についてはきっちりと把握するということが念頭にあるものというふうに理解してございます。

山井委員 確認します。そうしたら、労働時間は、使用者は、はかるんですね。もう一回確認します。

赤石政府参考人 制度の設計次第だとは理解してございますが、基本的には、働いている時間というものにつきまして使用者側は把握するものと理解してございます。

山井委員 制度の設計次第というから、設計次第では把握しない場合もある。そうなったら、労災認定も受けられなくなってしまいかねません。

 それで、時間にも限りがありますので、もう一つ、成長戦略の目玉で今回入ってきている解雇の金銭解決。配付資料にもありますように、配付資料の十七ページ。去年、安倍総理は解雇の金銭解決というのを一旦否定されているんですね。否定されているわけですが、また成長戦略として出かかってきている。

 それで、その前のページの十六ページの読売新聞にはこう書いてあるんですね。赤線を引きました。解雇の金銭解決制度を申し出る権利を労働者だけに認めるなど具体的な案を温めていると。

 つまり、お金で解決するというのは、確かに、労働者が金を払ってくれと言うんだったら、百歩譲ってというか、そういう議論なら、労働者のためという理屈は成り立つかもしれませんが、使用者が、復職はだめだ、もとの職場に戻さない、お金を払うからもとの職場に戻さないという使用者の申し立て権を認めてしまうと、これは労働者の意に反することになりますが、赤石次長、これは、労働者だけじゃなくて使用者の申し立ても認める可能性はあるんですか、この成長戦略の目玉と言われている解雇の金銭解決で。

赤石政府参考人 今回の日本再興戦略の改定においてどのようなものが盛り込まれるかにつきましては、現在政府部内で調整中でございますが、民間議員の出したペーパーにおいては、どちらかの側に訴える権利を限定するというようなことは特に記載されていないものというふうに理解してございます。

山井委員 そうしたら、これは、使用者が申し立て権を認められたら、不当解雇だといって裁判で労働者が勝ったとしても、金を払えば現職復帰できなくなってしまう、大変なこと、まさにお金を払えば解雇できるということになってしまうじゃないですか。

 これは、私が問題だと思うのは、お金を払えば解雇できる、残業代をゼロにする、なぜこれが成長戦略の目玉になるのか。

 それで、私の配付資料、一面記事、七年前にホワイトカラーエグゼンプション、第一次安倍政権は断念しました。しかし、そのときはまだ、この記事のように、年収九百万円以上ということだったんです。ところが、今回はそれすらないじゃないですか。

 赤石次長、これは年収要件がなかったら、幹部候補生とかだったら、広がり過ぎるじゃないですか。これは年収要件が入らない可能性はあるんですか。そうしたら、どんどん広がっていきます。赤石次長、いかがですか、年収上限について。

赤石政府参考人 お答えいたします。

 総理からは、五月二十八日の産業競争力会議におきまして、職務の範囲が明確で高い職業能力を持つ人材に対象を絞り込むという明確な指示がございました。したがって、それを踏まえてさまざまな要件を検討していくこととなると理解してございます。

山井委員 最後に田村大臣に一問聞いて終わりますが、田村大臣、解雇の金銭解決、残業代ゼロ、これがなぜ成長戦略の目玉になるんですか。私はさっぱり理解できない。国民の雇用不安が増しますよ。いつ首を切られるかわからない、残業代がゼロになるかもしれない。そうすると、雇用不安がふえたら、ますます消費も鈍ります。どう考えてもこれが成長戦略というのはおかしいと思いますが、田村大臣、いかがですか。これで最後の質問にします。

田村国務大臣 我々が提案した、残業代ゼロというのは我々は言っておりませんし、残業代というような概念がないような、成果をはかって評価する、そういう働き方ということでございますので、総理もおっしゃっておられるとおり、職務の範囲が明確で、さらに、高い職業能力を持っている労働者に絞り込む、そういうことを対象にするということは、成果ですから、ある意味、その成果が出れば、非常に短い期間でその労働を終わるわけですね。かといって、長いこと働いていれば成果というものが出るわけでもありません、成果ではかるという働き方でありますから。

 労働時間の概念というものが、今までのように、時間ではかるという概念で当てはまらない、そういうような働き方を我々は今般選ぼうということで提案をさせていただいております。

 そういう意味からいたしますと、そういう方々がその能力を発揮して短く仕事をやれる、もっと言えば、他の成果というものを、その後、次の成果を目指して、次回の労働契約のいろいろな交渉のときには、そういう話になれば、時間の制約の中でといいますか、より多くの成果をその人が得ることができる働き方にもなり得るわけでありまして、そういう意味からすれば、生産力は上がるということになるのでありましょう。

 金銭解雇は、事前的な金銭解雇は総理はやらないとはっきりおっしゃっておられます。事後的な金銭解雇制度、解雇というのかどうかわかりませんが、それに関しましては、現在、裁判でありますとか、それから労働審判、さらにはあっせん、こういうものの和解した部分のいろいろな調査、それから世界各国の調査をさせていただいております。そういう調査をしながら、世界はどのようなやり方をやっておるのか、日本の国では和解というのはどういう形なのかということは、研究は今しておるという状況でございます。

山井委員 時間が来ましたので終わらせていただきますが、引き続きまた議論させていただきます。ありがとうございました。

後藤委員長 次に、中根康浩君。

中根(康)委員 民主党の中根康浩でございます。

 今の山井議員と赤石次長あるいは田村大臣とのやりとりを聞いておりますと、これはまだまだ、全然煮え切っていないというか、詰め切れていない、とても六月の下旬に新成長戦略、骨太の方針に盛り込むような議論になっていないということが明らかになっていると思います。

 しかも、総理が、長谷川ペーパーあるいは田村大臣を初めとする厚生労働省の考え方、それぞれを十分理解しているとは言えない。赤石次長と総理との御発言に相当程度食い違いがある。恐らく、赤石次長の言っておられることの方が真実であって、総理が絶対に云々と言っておられることは、この残業代ゼロ制度を導入すれば到底無理な話であって、無理なことを絶対だとたんかを切ることによって無理やり成長戦略の中に目玉商品として盛り込んでいくということには、まさに無理があるということがだんだんと明らかになってきたのではないかと思います。

 したがって、赤石次長、改めて、お戻りになられたら、総理によく、もう一度、長谷川ペーパーの内容と、それから田村大臣を初めとする厚生労働省のお考えをきちんと整理整頓して御進言をされれば、ああそうか、これはもう成長戦略に入れるのは無理だな、働く人たちに対して御迷惑がかかってしまう、国民に対して無理を強いることになるなということで、これはもう成長戦略に入れるのはやめよう、ほかの方法で成長は考えていこうということになるはずだと思います。

 ぜひ、これは赤石次長の、厚生労働委員会に出て我々と議論していることのまさに成果として、そこは仕事をしていただかなくてはいけない。その成果を出さなきゃ給料は下がりますよ。ぜひ、赤石次長の御活躍を心から、冒頭、御期待を申し上げたいと思います。

 改めて、成長戦略になぜ入れるのかなということなんですけれども、少子高齢化で生産年齢人口が減って、一人当たりの生産性向上が必要だ、これが成長につながるんだということなんですが、派遣法を改悪したり、残業代ゼロ制度を入れたり、今の解雇の金銭解決制度を入れたりと、労働者保護ルールを、改悪と我々は言わせていただきますけれども、改悪をするということは、人口減少を食いとめるためには逆行するということになる、まさに成長に逆行するということになる。

 成長していくためには、人口をふやしていくためには、子供をふやしていくためには、もうこれは何回も繰り返し申し上げておりますけれども、安定雇用が必要だ。正規雇用と非正規雇用の賃金を比べれば、正規雇用の方が倍高いわけであります。

 それで、正規雇用と非正規雇用の結婚している人の状況を見れば、圧倒的に正規雇用の方の方が結婚できているわけであります。これは、つまりは、正規雇用の方がやはり賃金が高く経済力があるということが結婚しやすい状況につながっている。それ以外のケースもありますけれども、基本的には、我が国においては、結婚しなければ子供は生まれないわけであります。

 子供が一人だけでなく二人、三人とふえていくためには、正規雇用をふやして安定雇用にして、賃金も一定水準を確保するということが我が国にとっては最も大切なことであるのに、今回、成長戦略に盛り込まれようとしているさまざまな労働者保護ルールの改悪は、まさにそれに逆行することになるわけであります。

 残業代ゼロ制度というのは、次長、まず冒頭確認いたしますけれども、これは安定雇用ですか、不安定雇用ですか、どちらでしょうか。

赤石政府参考人 お答えいたします。

 残業代ゼロ制度という提案はございませんので、正確にお答えすることは困難かと思いますが、長谷川主査の提案された自由な働き方というものにつきましては、生産性の向上には大変寄与するものだということを認識しておりまして、安定雇用か不安定雇用かということとは直接の関係はないものと理解してございます。

中根(康)委員 総理の御発言から、改めて私も確認をさせていただきたいと思います。

 希望する人だけに適用すると言っておられます。

 長谷川ペーパーによると、先ほど山井さんが配った資料の中にも入っているものなんですけれども、労働時間と報酬のリンクを切り離すというふうに書いてあるわけなんですね。これは本当にきつい話ですよね。とても安定雇用とは言えない。まさにギャンブルのような人生を国民に強いるわけであります。

 業務遂行、労働時間等を自己管理し成果を出せる能力のある労働者に限定して、本人の希望により、この残業代ゼロ制度を適用するということが長谷川ペーパーには書いてあるわけであります。

 本人の希望といっても、上司から見れば、先ほどの、業務遂行、労働時間を自己管理し成果を出せる能力のある労働者に限定してということから読み取れば、希望しない労働者はみずから、自己管理できない、成果を出せないと宣言しているようなものだとみなされて、もうこれは出世意欲なしと認められてしまう、決めつけられてしまうということになるわけであります。

 つまりは、将来、管理職になったり、あるいはプロジェクトリーダーだとか商品開発に携わりたいという考えをお持ちの方は、希望しないということはあり得ない、希望が強要されるということになりはしませんか。

赤石政府参考人 お答えいたします。

 あくまでも本人の希望が前提ということでございますし、主査の考え方も、強制されるというようなことがあっては絶対にならないということを前提に制度設計を組めということでございますので、そういった考え方に基づいて今後議論がなされていくもの、そういうふうに理解してございます。

中根(康)委員 繰り返しになりますけれども、長谷川ペーパー、労働時間を自己管理し成果を出せる能力のある労働者に限定して、本人の希望でしょう。それを希望しないということは、私は自己管理できませんから、成果を出せませんから、だから希望しないんですよと。では、あなたはもうこれ以上出世はしたくない方なんですねと。成果を出せるかどうかわからないけれども、自己管理できるかどうかわからないけれども、とにかく、あなた、希望しておいた方がいいよ、将来出世したいと思えば、まずは希望して、残業代ゼロ制度に適応した働き方をしなきゃ門前払いですよということになってしまうという、これは、理屈ではないんですけれども、そうなっちゃうんですよ。

 対象を絞り込むというふうに書いてありますけれども、例えば派遣法だって、最初は対象を絞り込んでおりましたよね。専門二十六業種、今度、なくそうとしているじゃないですか。この間法案で審議した有期雇用の無期転換権だって、三年から五年、五年から十年、どんどん拡大するじゃないですか。

 対象を絞り込むといったって、最初は絞っていても、後でどんどん拡大されてしまうような、まさにアリの一穴のような制度を、今回、成長戦略の目玉として位置づけようとされておられるわけであります。

 対象はどんどん拡大するおそれは絶対にないと言えますか、次長。

赤石政府参考人 総理の御指示は、職務の範囲が明確で高い職業能力を持つ人材に対象を絞り込むと、明確な指示をいただいてございますので、将来何が起きるか、絶対に何が起きるか起きないかということは言いにくいと思うんですが、少なくとも、総理の御指示は私どもはしっかりと受けとめて、そういった制度設計をやっていくということになると理解してございます。

中根(康)委員 それで、その対象が無限定に拡大していかないためのやはり客観的な一つの基準というのが、先ほど山井議員が言ったような年収要件だと思うんです。年収要件が入らないと、どこまで拡大していくかどうかわからない、おそれがあるということになると思います。

 改めて私の立場からも聞きます。年収要件、入れますか、入れませんか。無限定に拡大していかないためには、年収要件を入れざるを得ないと思います。いかがですか。

赤石政府参考人 総理の御指示はしっかりと絞り込むということでございますし、また、民間議員の提案もきちんと対象者を絞り込んでやるということでございますので、さまざまな目安、要件、いろいろな仕掛けを使って対象者を絞り込んでいくということになるかと考えてございます。

中根(康)委員 年収要件を入れるとはおっしゃいませんでしたが、年収要件以外に、誰もが納得できる絞り込みの方法というのはどんなものがあると今想定されますか。

赤石政府参考人 長谷川主査の提言では、職務内容の明確性、一定の能力と経験を有する者、裁量度が高く、自律的に働く人材、さまざまなキーワードがございます。こういったキーワード、それから総理の指示などを踏まえて、相当程度明確な要件をきちんと考えていく、そういうことになるかと考えてございます。

中根(康)委員 今も、赤石次長がちょっと読み上げたうち、さまざまなというふうになるわけですよ。これはやはりそのこと自体が、絞り込めない、明確に線引きはできないということ。それが、例えば一千万円だとか五千万円だとかということになれば明らかになってくるわけですよ。

 年収要件を入れると言ってくださいよ。だからといって賛成するわけじゃないですけれども。年収要件を入れると言ってくださいよ、その上で考えますから。

赤石政府参考人 どういった要件で対象者を絞り込んでいくかにつきましては、現在政府部内で検討中でございますので、今後、そういった検討を踏まえて、いろいろなものが固まっていくというふうに理解してございます。

中根(康)委員 安倍総理の御発言、三つ目、これも山井さんがさっき言ったこと。

 賃金が減ることがないようにと言っておられますけれども、長谷川ペーパーによると、労働時間と報酬のリンクを切り離すわけですよね。ですから、これはいわゆる成果主義ということなんです。成果が出なければ賃金は減るんじゃないですか。成果が出なくても賃金は減らないというのは、どういう成果主義なんですか。

赤石政府参考人 お答えします。

 長谷川主査のペーパーには、選択をされた対象者に対して不利益変更が発生しないよう、報酬原資イーブンの制度移行、あるいは時間外手当原資を新制度の手当や成果給原資に組み入れるなどのさまざまな工夫の一つの提案がなされておりまして、そういったことなどについても、今後いろいろと議論されていくことになるものと理解してございます。

中根(康)委員 改めて申し上げますけれども、長谷川ペーパーによると、報酬と労働時間は切り離すわけですよ。ですから、やはり、成果が出なければ賃金は下がるし、成果が出るまで仕事をしなきゃいけないということになれば、長時間労働になるわけです。

 だから、そこは正直に御答弁をされて、そのことを正直に国民に投げかけて、それでも国民の多くの方が、ああ、これはすばらしい制度だ、ぜひこういう働き方をしてみたいという方が多ければ、それは、今までのルールを変えて、成長戦略に盛り込んで実現していって、国民の皆様にそういう働き方をしてもらえればいいわけであります。正直に国民の皆様に御説明をされるということが重要だと思います。

 今、制度設計の最中だということでありますが、成長戦略、骨太の方針が出るときには、どういう働き方になるのかという一定の設計結果は示されるんですか。

赤石政府参考人 成長戦略にどのようなものを盛り込んでいくかにつきましては、現在政府部内で検討中でございますが、制度設計の詳細につきましては、いずれにせよ、労働政策審議会においてきっちりと議論がなされるものと理解してございます。

中根(康)委員 労政審に諮る前に、もちろん労政審も大事なんですけれども、国民の皆さんに成長戦略とはこれだというふうに打ち出すわけでしょう。その成長戦略の中で、残業代ゼロ制度と書かれるかどうかは別として、そういった意味合いのものが含まれてくるわけなんです。それを新聞で見た国民は、一体これはどういうものなんだろうと思うのは当然のことであって、それが、これから労政審で諮って決めていきますということでは不誠実だと思います。

 新聞に発表されるときに、一定の、こういうものであります、大体こんなものです、年収要件は、一千万円以上の方には残業代ゼロ制度が適用される、そのことが生産性の向上になって日本はすばらしく成長していくんだという、自信を持って説明できるようなところまで作業を進めていかなきゃいけないんじゃないですか、次長。

赤石政府参考人 一般論として申し上げれば、成長戦略の中身はなるべく具体的なものが望ましいとは思うんですが、ほかの分野も含めて、さまざまなものが後半の検討課題になってくるというものもございますし、どこまでこの短い期間で打ち出すことができるかということもございますので、そういったことも全部ひっくるめて、今政府部内でいろいろと検討しているところと理解してございます。

中根(康)委員 短い期間で無理に出すことはないですよ。きちんと制度設計ができるまで、別に無理に六月の下旬にこれだなんというふうに示そうという目標を立てなくたって、きちんと自信を持って国民に説明できるところまで作業を進めて、その上で御提案されるということをお勧め申し上げます。

 これはよく言われることなんですが、大企業にベースアップしてもらった見返りに、ベアでふえてしまった分を相殺するという形で、人件費抑制のために残業代ゼロ制度が導入をされるという声がよく聞こえてまいりますが、この声に対して、次長はどういう反論をされますか。

赤石政府参考人 お答えします。

 残業代ゼロ制度というものは提案してございませんが、一連の提案の目標は、優秀な人材が働きやすい環境の構築、労働生産性の向上、そういった大きな目標のもとに行われているということと理解してございまして、必ずしも、おっしゃったような御趣旨のもとで提案がなされているものであるとは考えてございません。

中根(康)委員 これまでも、自動車取得税を軽減する見返りに軽自動車税を引き上げたり、今回も、法人税減税をするかわりに中小企業に対して外形標準課税を増税したり、同じようなことが行われているんです。だから、その流れでいえば、やはりベアのかわりに残業代ゼロ制度で人件費抑制という、これは大体、安倍内閣の常套手段なんです。それがやはり行われようとしているということだと思います。いつも弱い人にしわ寄せが行くということであります。

 大体、成果だけを求める人というのは、どうですか。今までの赤石次長の御経験、人生経験でいっても、自分の成果だけを求めるような、人を出し抜くような人、蹴落とそうとする人、だます人、欺く人、こういう人なんですよ。日本人の職場は、大体、真面目で愚直で律儀で、そういったことを大切にして、お互いに支え合って、助け合って、チームで業績を上げてきているんです。

 結局、安倍総理は、労働者を自由に解雇して、残業代を払わずに成果が出るまで際限なく働かせるという制度をつくろうとしているということなんです。これで日本は本当によくなりますか。そういう、成果主義で人を出し抜く、蹴落とす、欺く、だます、こういう働き方が日本全国に蔓延して、日本の教育はどうなるんですか。次長、いかがですか。

赤石政府参考人 民間議員のお考えは、一般的ではございますが、成果をきちんと出すことを通じてきっちりと評価をされるという仕掛けは、国民の意欲、能力、創造性の向上に寄与するのではないか、それを通じて生産性の向上にも寄与するのではないか、そういった考え方に基づいているものと理解してございます。

中根(康)委員 大体、成果はどうやってはかるかということなんですけれども、私は昨夜思いついた、これは適切な事例かどうかわかりませんけれども、例えばゴルフ。ゴルフをするとき、キャディーさんの仕事、グリーン上で難しいラインを読み切った、そのキャディーさんの言うとおりにすればカップインということになるかもしれませんが、当のゴルファー自身が、プレーヤー自身が打ち切れなくてショートしてしまった、残念ながらカップインできない。こういった場合に、キャディーさんは、ラインを読み切ったことが成果に当たるのか、プレーヤーがカップインするところまできちんと指導できなかったことが成果が上げられなかったということになるのか、これはどうですか。

赤石政府参考人 成果の評価の仕方につきましては、産業、まさに職業の特性、企業、それぞれに応じて、適切な基準の内容というのはそれぞれ異なってくるものと理解してございます。

 また、評価を行う人につきましても、今御指摘のように、いろいろな方が考えられて、企業の場合でいきますと、上司による評価のほか、上司の上司による評価、三百六十度評価など、さまざまな手法があるものと理解してございます。

中根(康)委員 やはり成果を客観的に正確にはかるというのは難しいんですよ。だから、その難しさ、いろいろな難しさの議論の積み上げで、労働時間で働く人の報酬を決める、あるいは健康を守る、命を守るという、三者構成の労政審というところで議論が積み上げ積み上げ、もちろん、今の制度がだらだら残業を招くとか、いろいろなことがあるかもしれません。あるかもしれませんが、歴史的なさまざまな議論の積み上げで今の労働法制があるわけなんです。それを、十分な根拠なく、長谷川ペーパー一枚でこれをひっくり返すような乱暴な厚生労働行政であってほしくないということで我々は議論をしているわけであります。

 もう時間がありませんので、そろそろ大臣にもお答えをいただきたいと思いますけれども、いろいろ用意した中で、最後の一問を大臣にどこにお答えいただくかということなんですが、やはり今のところを、大臣、ちょっと御答弁いただけますか。

 成果主義を選択した人でも、長時間労働で健康を損なう場合があるということなんですね。労働時間規制は、成果よりも、成果と同時にと言ってもいいかもしれませんが、成果よりも人の健康の方が大事だ、一人一人のかけがえのない人生を大切にしたいということで積み上げられた議論の中でつくられたものだと思います。健康や命よりも成果の方が大切なんですか。

 ここは、大臣が体を張って、長谷川ペーパーに対して反論できるところはきちんと反論して、きちんとした制度設計ができるまでは成長戦略に無理やり入れないということを、大臣、頑張っていただけないでしょうか。

田村国務大臣 成果よりも健康や命の方が大事なのは当たり前の話でありまして、入院しちゃったら成果は出ないわけですからね。だから、まずはやはり健康です。

 我々が提案しているのは、もちろん、それは仕事ですから一定時間はかかりますが、成果を評価できるような、そういう働き方です。ですから、時間を長く働けば成果が出るという問題じゃないです、我々が提案しているのは。そういう話ではないんです。

 ですから、ワーク・ライフ・バランスをしっかりとれるような、そういうような働き方、対象者、そういうものに絞り込む必要があろうというふうに思っておりますし、総理もそのような形でおっしゃっておられるということであります。

中根(康)委員 たまたま、この後、十時から経産委員会が行われます。私、経産委員会の方に行って、今度は本丸の茂木大臣とこの残業代ゼロ制度について議論してまいりたいと思います。

 またこれは引き続き厚労委員会でもやりますが、よろしくお願いいたします。きょうはありがとうございました。

後藤委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 おはようございます。民主党の大西でございます。

 私も、残業代ゼロ制度について、引き続き、山井委員とも重なるところはありますけれども、質問していきたいというふうに思います。

 お手元の資料の新聞記事ですけれども、まず、現状の残業の実態というのをもう一度確認してみたいと思うんです。

 これによりますと、厚生労働省の調査で、正社員の残業時間、平均月十四時間という数字が出ています。また、労働政策研究・研修機構、ここが調査したところによると、管理職を除く会社員は平均で十三・二時間サービス残業している。合わせると大体月三十時間ぐらい平均して残業している、これが今の実態じゃないかという状況が見えてきます。

 そういう中で、改めて私からも確認をしたいんですけれども、今検討されている労働時間の新しい制度ができると、残業という概念はなくなるのかもしれませんが、総労働時間、これはふえるのか減るのか、この点について改めて日本経済再生総合事務局にお聞きをしたいと思います。

赤石政府参考人 お答えいたします。

 民間議員の方からは、新しい労働時間制度について、労働時間上限等の量的制限の導入といった、健康確保措置などを通じ、長時間、過重労働の防止を図るといったことが提言されておりますし、また、総理からも、長時間労働を強いることはあってはならないとの考え方に立った上で制度を検討するよう御指示があったわけでございますので、そういったことをきちんと踏まえて、今後、制度の検討がなされていくものと理解してございます。

大西(健)委員 私が聞いたのは、総労働時間はふえるんですか減るんですかということなんですよ。そこに端的にお答えをいただきたいと思います。

赤石政府参考人 総理の御指示も踏まえて、一般的に言えば、総労働時間がふえるようなことがないよう、きちんと制度設計をしていくということが重要だと考えてございます。

大西(健)委員 先ほど、山井委員の質問に対しては、いずれの可能性もないとは言えないみたいな話だったと思うんですよ。多分そうなんです。そこぐらいしか言えないんだというのが現実だと思うんですが、それではやはり議論のしようがないんですね。ここで何を聞いても、そういう答えしか返ってこない。

 私は、総労働時間がふえないとは絶対言い切れないと思います。

 続けて、そのことはちょっと後でまた議論したいと思うんですけれども、先ほども話がありましたけれども、産業競争力会議で民間議員は、労働時間と賃金のリンクを切り離すということを言っておられるんですが、これは、労働時間に応じて賃金を払う、そして一日の労働時間は八時間だというのがILOが定めている基本的なルールなんです。これを、労働時間と賃金を切り離すということは、その基本的なルールをもうなしにしてしまうということですので、非常に恐ろしい考え方だと私は思うんです。

 例えば、これは先ほど山井委員からも指摘がありましたけれども、労働時間規制の適用除外になれば、そもそも残業という概念がなくなります。ということは、企業は、社員の労働時間を管理する義務がなくなるんだというふうに私は思います。先ほど健康の部分からという話がありましたけれども、ただ、いわゆる労働基準監督署の取り締まりを受けるような形での、強行法規の適用を受けるような形での時間管理をする義務がなくなってくる。そうすると、結局、過労死や労災の認定というのも難しくなると思います。

 それからもう一つは、今言ったように、今であれば、労働基準監督官が法定労働時間が守られているのか、あるいはちゃんと割り増し賃金が払われているのかというのを調査して、そして違反があれば指導監督に入るんですよ。でも、今回、もし労働時間規制が適用除外になれば、それ以外の最低労働条件というのが定められないと、これは労働基準監督官も取り締まりのしようがないんですよ。そこが一番の大きな問題だと私は思うんですよ。

 そういうふうになってしまうと、たとえいい制度だったとしても、百歩譲って、してもです、それを悪用しようとしたブラック企業があった場合に取り締まりができないんじゃないか、それが野放しになってしまうんじゃないかと思うんですが、ここは大臣、いかがですか。

田村国務大臣 労働時間の適用除外ということになりますと、そもそも残業手当がつかないので、そのような意味での時間管理というものはしないわけであります。

 ただ、これは、安衛法上、労働者の健康は守らなきゃいけないわけでありまして、長時間労働させて、その結果、健康等々に影響が出るということは、これはだめなわけであります。でありますから、そういう場合には医師の面談等々を受けさせなきゃならないということでございますから、そのような意味での労働時間の管理というものは、これは、企業というものはやはり責任を持っている。

 あわせて、この場合、やはり労働時間といいますか、全体として健康管理ということも、これは共通認識として、産業競争力会議の民間議員の方々もおっしゃっておられます。そういう意味からいたしましては、健康管理という面から、例えば労働基準監督署が是正指導等々に入るということは、それは制度設計においてあり得るという形でございますので、どういうたてつけにするかということになろうというふうに思います。

 いずれにいたしましても、全くもって労働時間の管理を企業がしないというわけではありませんでして、やはり安全衛生ということから考えれば、一定の時間管理というものは企業はなされるというふうに認識いたしております。

大西(健)委員 でも、それはやはり、健康面だけだと全然、今とは全く違ってくるんですよね。今の労働基準監督官というのは、法定労働時間が守られていなければ、これはもう警察権をもって入っていくわけですよ。あるいは割り増し賃金が払われていなければ、それはもう本当に強行法規として入っていく。そこと、健康。でも、その健康も、一定の、最低条件というのが明確に示されないと、では、何をもって指導監督に入るのか。私は、それはやはり今の状況と大きく異なってくるんじゃないかというふうに思っております。

 続けて、別の観点でお話をしたいんです。

 この委員会でも、柚木委員とか、ちょっと今いらっしゃらないですが足立委員とか井坂委員も参加をされている若手の超党派の勉強会で、先日、イケア・ジャパンという会社の人事の方に来てもらいました。というのは、九月から、イケアでは、パートタイマーを無期雇用にする、それから同一賃金同一労働を実行していくというお話なので、その話を聞かせていただきました。

 そのときに、私は、例えば、イケアというのはスウェーデンの会社ですけれども、イケア・ジャパンで非管理職でこのような成果、労働時間ではかられないような働き方をしている人というのはいるんですかということと、今、日本で議論されているような制度についてどう思いますかということをお聞きしました。そうしたら、非常に答えは興味深かったんです。というのは、イケアではほとんど残業はありません、ですから残業代ということを余り考える必要がないんですという話だったんですね。それと、そこで言われたのは、残業しないと与えられた仕事がこなせないということは、それは管理職の管理能力が足りないというふうに評価されると。

 ですから、この委員会で、前回でしたか、だらだら残業があるんじゃないかという話がありましたけれども、だらだら残業がもしあるとしたら、それは、こういう制度を入れなきゃそれがなくならないという話じゃなくて、それは管理職のマネジメント能力が欠如している、そっちをまず考えるべきではないのか、それをやはり議論しなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。

 イケアでは、例えば、長期休暇とか有給休暇もたくさんとって、そしてリフレッシュして、そして創造的な仕事をしてもらうという考え方に立っていると。それを聞くと、やはり産業競争力会議で考えられているような、とにかく残業代を払わずにいかに長時間働かせるかという立場とは全く真逆だなというふうに私は感じました。

 つまり、よく欧米ではこうだと言うんですけれども、つまみ食いで、いいところだけ、ある一部分だけを欧米ではこうだと言うんです。でも、実際には、ヨーロッパでは、例えば労働時間の上限規制というのも、これはばちっと決まっていますし、それから休息時間のインターバル規制みたいなのも入っている。では、対して我が国ではどうかというと、三六協定さえ結べば青天井で労働時間を延ばせるという、これが実態なんですね。年間の残業時間が八百時間以上という三六協定も一五%を占めている。

 今回の産業競争力会議では、世界トップレベルの雇用環境の実現と豪語しているわけですから、そう言うならば、この三六協定を結べば幾らでも残業させることができるという、この実態こそまず改めるのが先決であって、それをやらずしてこのような制度が議論されているというのは、私はおかしいんじゃないかと思いますけれども、田村大臣、いかがでしょうか。

田村国務大臣 量的な時間の上限の規制でありますとかインターバル規制でありますとか、こういうものに関しましては、今、労働政策審議会の方で御議論をいただいておるわけであります。

 もちろん、私、産業競争力会議の中でも、やはり日本の働き過ぎの現状等々、こういうものに対して手を打っていかなきゃならないというようなお話もさせていただいておりますが、インターバル規制という話からすると、これはまだ、なかなか労働政策審議会の中で議論として煮詰まってきていないということでございます。

 いずれにいたしましても、やはり働き過ぎというものは是正をしていかなければならないというふうに思っておりますので、仮に、今回、お話をいろいろとしておりますけれども、この適用除外というような働き方、時間というものではからない、成果ではかるというような働き方、これが導入されるということになりましても、しっかりとワーク・ライフ・バランスがとれるような、そういう制度でなければならないわけでございまして、そのようなことを念頭に置きながら制度設計というものを考えてまいりたいというふうに思っております。

大西(健)委員 また、今度は報酬の方に戻っていきたいんです。

 明治学院大学の笹島芳雄名誉教授が、年収一千万円という、仮にそういう年収要件で制度設計された場合という前提に立って、対象者一人当たり年間百三十三万三千二百円の残業代が失われる、こういう試算を出されています。あるいは、今回の産業競争力会議で出ている案というのは、年収要件もついていませんし、場合によっては課長代理みたいな人も対象になるということですけれども、労働運動総合研究所というところが、年収四百五十万円の平均的なサラリーマンが月五十時間、年間六百時間残業している場合には、年間百四十万円、つまり年収の三分の一が失われる、こういう試算も出ています。

 こういうさまざまな試算が出ている中で、先ほど来出ているように、総理は、残業代がなくなって賃金が下がることは絶対にあってはならないというふうに指示を出されていますけれども、残業代ゼロ制度と言われているこの制度が、だから残業代ゼロ制度という指摘は当たらないんだと言っておられるんですけれども、この制度の対象になっても、先ほども少し話がありましたけれども、年収が下がらないという保証が本当にあるのか、どうやってそれを下がらないような保障をするのかということを改めて日本経済再生総合事務局にお聞きしたいと思います。

赤石政府参考人 どのような制度設計をしていくかにつきましては、今の段階では明確にお答えすることは難しいと思いますが、少なくとも、民間議員の紙におきましては、不利益な変更が発生しないよう、報酬原資イーブン、あるいは時間外手当原資を成果給の原資に組み入れるなどの工夫があり得るのではないかといった提案がなされているところでございます。

大西(健)委員 先ほども、例えば総労働時間がふえるのか減るのか、これも制度設計次第、それから、報酬が下がらないという保証があるのか、これも制度設計次第と。結局、先ほど来お話が出ていますけれども、何を聞いても、具体的なことは現時点ではわからないんですね。だから、これは議論しようがないんですよ。具体的な制度設計は、これは成長戦略策定後に労政審の議論を経て決めるというふうに言っておられます。

 私は、今までの委員とはちょっと考え方が違うかもしれませんが、そうであるなら、もう産業競争力会議でこれ以上議論しても無駄なんですよ。労働者の代表も入っていないんです。だから、余計な混乱を招くだけなんです。民間議員がいろいろな思いつきみたいなことを言って、そのたびにこの委員会でそのことがどうなんだ、ああなんだと言われるんですけれども、結局、具体的な制度設計は、成長戦略が出て、その後に労政審を経て決まるんですよ。

 だったら、先ほど来お話があるように、総理は、希望しない人には適用しない、職務範囲が明確で高い職業能力を持つ人材に対象を絞り込む、それから、働き方の選択によって賃金が減ることのないような適正な処遇を確保するという、三点、明確な前提条件を総理はもう言っておられるんですよ。この前提条件を満たすような制度設計が本当に可能なら、私たちはそんな制度設計は無理じゃないかなと思いますけれども、可能ならば、総理の明確なこの前提条件を付した上で、できるだけもう余り枠をはめないで、労働者の代表の入っている労政審に議論を委ねて、そこで早くやってもらえばいいんじゃないでしょうか。

 ここでこれ以上、民間議員が好き勝手な意見を振りかざすのは、私は百害あって一利なしだというふうに思いますけれども、改めてこの点について、日本経済再生総合事務局にお聞きをしたいと思います。

赤石政府参考人 お答えいたします。

 総理の指示は、先ほど御指摘のあったとおり、新たな選択肢について、三点の明確な前提のもとに検討していただきたいということを産業競争力会議の場でおっしゃっていただきましたので、とりあえずは、まずは産業競争力会議の場で検討させていただくということと理解してございます。

大西(健)委員 でも、結局は、細かい制度設計は、労政審に諮って、そこで決めるんでしょう。今何を聞いたって、具体的な話はわかりません、わかりませんなんですよ。だったらもう、こんな、産業競争力会議で民間議員が思いつきのことを言って、ここで皆さんが責められるのもばからしいじゃないですか。

 ちゃんと労働者の代表の入ったところに、総理の指示は明確なわけですから、この総理の指示が全部満たせるような制度設計ができるならやってみてもらったらいいと思いますよ、私は。そこは労働者の代表の入っているところでやればいいというふうに思います。

 もう一つ、先ほど来、もうこれは、大臣、何回もこの委員会で、成果で評価する以上、成果ではかれることが必要だということを言っておられるんですが、さっき中根議員のゴルフの例がありましたけれども、成果を評価するというのは非常に難しいんですよね。その一例をちょっと申し上げたいと思うんですけれども、資料の二というのをごらんいただきたいんです。

 これは、厚労省で、ボーナスの支給に関する職員の査定について、特AとかAとかといういい評価を問題のない職員の間で順番にぐるぐる回していた、結局、特AとかAとかという評価をやろうと思っても難しいから、順番にぐるぐる回していたと。それが内部通報があって発覚して、処分が下っているんですけれども、残念ですけれども、私はこれが現状だというふうに思うんですね。

 だから、田村大臣が言われるように、例えば、本当に年収数千万もあるような為替ディーラー、こんな人だったら、もしかすると成果ははかれるかもしれません。でも、やはり課長代理とか幹部候補というのを成果で評価するというのは、私は非常に難しいんではないかというふうに思いますけれども、大臣、どうお感じになりますか。

田村国務大臣 今委員おっしゃられた案件ですけれども、これは、元人事課長がいわゆる持ち回り的な運用で行ってしまったということであります。これは、平成二十一年度から導入された人事評価制度をもとに勤務評価が実施されている、その前の話でございますので、今は、人事評価は、ちゃんとシステムとしては動いておるということであります。

 これは評価でありますけれども。評価と成果とどう違うのかというのは、またこれはいろいろと議論をするところが出てくると思いますが、評価はちゃんと動いております。

大西(健)委員 でも、やはり成果をどう評価するかというのは、私は難しいんだというふうに思います。

 次に、五月二十八日の長谷川ペーパーの中には、資料三に改めてつけておきましたけれども、一旦諦めたはずの解雇の金銭解決、これがまた入ってきている。

 今検討している新たな労働時間制度について、先ほども話がありましたけれども、本人の希望で出入り自由とは言っていますけれども、立場の弱い労働者が本当に物が言えるのかという心配があります。

 それからまた、課長代理や幹部候補まで対象になった場合に、今その適用除外になっている管理職でさえ名ばかり管理職みたいなものがあったのに、その名ばかり管理職みたいな人が、訴訟で負け出したから、その人たちに、今度は残業代を合法的にカットする仕組みとして悪用されるんじゃないかという心配があるんですね。

 そして、そういうことに対して、例えば労働者が企業側に抗議をしたり改善を申し入れた場合に、その結果、解雇された場合、たとえ裁判所が不当解雇と認定しても、補償金を払えば済むことになってしまうんです。

 ですから、私は、解雇の金銭解決がセットになることで、この残業代ゼロ制度というのがもし実施された場合には、セットになることによって、より労働者が不利な立場に置かれるんじゃないかというふうに心配をしているんですが、この点、大臣がどうお感じになっているか。

 それから、資料の四というのをつけておいたんですけれども、五月二十八日の産業競争力会議の翌日の新聞ですけれども、日経新聞、ここでは、厚労省の方針としては、解雇の金銭解決を見送りをするというふうに出ているんですけれども、見送るのか見送らないのか。

 今のお話も含めて、大臣にお答えをいただきたいと思います。

田村国務大臣 事前の金銭解決というものは、安倍総理は、これは検討しないということでございますので、それに関しましては明確に申し上げております。金銭解決の事後的な対応というものに関しましては、これは確かに、民間議員の方々から、そのような課題、検討するようにということで示されております。

 そもそも、事業主、労働者、大企業、中小企業、それぞれいろいろな考え方があるわけであります。日本の場合は、そういう意味からいたしますと、そもそもが、働き方というものがどうであるかということを考えたりでありますとか、また、司法制度でありますとか、そういうものが世界と比べてどうだということも比較をしていかなければならないわけでございます。退職金制度がある日本と、そういうものが余りないような海外と、いろいろな見方もしていかなきゃなりません。

 いずれにいたしましても、そういうことも踏まえて、今、例えばあっせんでありますとか、それから労働審判でありますとか、裁判でありますとか、そういうものの中においての和解、こういうものを調査、分析、研究をいたしておりますし、海外の事例も研究をさせていただいておりますので、そのような研究をこれからも進めてまいるということであります。

大西(健)委員 諦めていないということなんですけれども、先ほど言ったように、残業代ゼロ制度と解雇の金銭解決がセットになると、これはより危険な感じがしますので、ここは慎重に、ぜひ諦めていただきたいというふうに思います。

 それでは、せっかくの一般質疑なので、ちょっと別の話も聞かせていただきたいんです。

 資料の五、六という、新聞記事と、それからフィンランドのネウボラという母子相談施設の資料をつけさせていただいたんですけれども、この間、神奈川県の厚木市で、ネグレクトで男児が死亡していたという事件もありました。

 どうしても、虐待につながるおそれのある子育ての悩みというのがあって、妊娠しているときから産後の子育て期、あるいは就学前まで、切れ目なく家族を支えるモデル事業というのが厚労省でも始まっています。私の地元の愛知県の高浜市というところがあるんですけれども、ここもそのモデル事業に手を挙げているんです。加えて、妊娠期から就学前まで、子育て家庭を同じ担当者が、同じ人がずっと担当するということをやろうとしています。

 そのモデルというのは、このフィンランドのネウボラという施設なんですけれども、全ての子育て家庭に一人の保健師がついて、妊娠期から就学前まで密に相談を行って、必要な支援につなげている。例えば、妊婦診断、予防接種、そういった妊産婦とその家族にかかわる全ての窓口をワンストップでサービスに結びつけていくというところがこの特徴なんです。

 私は非常にいい制度だと思うんですけれども、この日本版ネウボラ、これをぜひ日本でも推進をしていったらどうかと思うんですけれども、厚労省の御方針をお聞かせください。

赤石大臣政務官 今、大西議員が指摘しましたように、ネウボラというのは、私も調べてみたら、フィンランドの地方自治体が設置するものでありまして、英語名で言いますとマタニティー・アンド・チャイルド・ヘルス・クリニックスという言葉になっております。

 これは、今おっしゃいましたように、妊娠期から就学前までの支援を実施するところでありまして、健診、保健指導、予防接種のほか、子育てに関する相談や、必要に応じて他の支援機関との連携を行うワンストップの母子支援地域拠点となっているところであります。ここには、看護師、保健師、ソーシャルワーカー、心理士らが親子をサポートしている。

 一方、我が国では、近年、核家族化や地域のつながりの希薄化によりまして、母親が孤立感を抱えやすくなっておりまして、こうした中で安心して妊娠、出産できる環境づくりを進めるため、身近な地域において、妊娠期から出産、子育て期へと切れ目のない支援を行える体制づくりを図ることは、先生御指摘のように重要なことであると考えております。

 そのため、今年度、二十六年度予算において、新たに、妊産婦等の支援ニーズに応じ必要な支援につなぐ母子保健コーディネーターの配置、退院直後の母子の心身のケアを行う産後ケア事業、そして、妊産婦の孤立感の解消を図るために相談支援を行う産前・産後サポート事業、こういった各地域の特性に応じた切れ目ない支援を行うための、今先生おっしゃいましたモデル事業を盛り込んでいるところでありまして、今、全国で四十カ所を公募しているところでありまして、三十カ所が手を挙げてこのモデルに取り組んでいるところであります。

 以上です。

大西(健)委員 ちょっと、時間なんですけれども、内閣府に、せっかく来ていただいているので、最後に。

 最後につけた新聞記事ですけれども、私も女性の登用は大賛成です。ただ、ここに「女性登用を義務化」とタイトルで出ているんですけれども、例えば先ほどのイケアみたいな会社は約四三%が女性リーダーだそうです。ただ、私の地元、例えばトヨタさんみたいな自動車産業の町なんですけれども、工学部とか工業高校というのはそもそも学生の一割ぐらいしか女子学生がいない。そうなると、なかなか従業員に占める女性の割合というのも、もちろん頑張っているんですけれども、どうしても限界があるということなんですね。

 そうすると、今後、こういう成長戦略等に女性登用の数値目標を入れていくときには、やはり業種や業態による特徴というのを勘案していただかないと、いきなりどこでも何割やと押しつけられるとすごく戸惑いがあるというお声をいただくんです。このことについて、内閣府の方から御答弁いただければと思います。

岡田副大臣 女性登用の促進に関しましては、昨年取りまとめられた日本再興戦略のKPIにおいても、指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年度までに少なくとも三〇%程度とされており、大変重要であると考えております。

 現在、年央の成長戦略の改定に向けて女性の登用促進策についても検討中でありますが、委員の御指摘も大変重要と考えております。さまざまな観点からの検討を行い、女性が輝く社会づくりに向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

大西(健)委員 終わります。

後藤委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 民主党の柚木道義でございます。

 きょうの一般質疑の機会をいただき、ありがとうございます。

 田村大臣、冒頭、ちょっと通告できていなかったんですが、私も昨晩の報道で初めて知りました、東京女子医科大学の、二歳のお子様が禁止麻酔薬の投与で亡くなられた件、これは通告していないので、本来ちょっと別に回そうと思ったんですけれども、その機会があるかどうかわかりませんので、可能な範囲で、冒頭ちょっとやりとりをさせていただきたいと思うんです。

 と申しますのが、それこそ二歳十カ月の男の子ということでございましたが、我が家は三歳の娘と生後六カ月の息子でございますが、この禁止麻酔薬の投与というのがほぼ常態化しているというような報道です。

 私自身も、昨晩の報道を受けて、知っている医療関係者の方にちょっとお話を伺ったりもしまして、幾つか論点はもう明確になってきている状況だと思っているんですね。

 例えば、なぜ子供への使用禁止の麻酔薬を投与することになったのか。なぜ保護者への説明責任が果たされなかったのか。そして、過去五年で六十三人のお子さんに投与した。これは死亡例はないということですが、重篤な副作用が出たケースがあるかどうかはまだ不明だということでもあります。

 そして、今回のようなことが起こってしまった背景として、例えば、本当に医療界全体の麻酔科不足の問題があるのかどうなのかとか、あるいは、私も昨日ちょっとお話を伺ってみましたが、当該大学病院における麻酔科教育などに問題があるのかないのか。これは、実際に禁止麻酔薬を投与された担当医師も、効果がすぐ出てすぐ消えるというような認識で、本当にこの副作用への認識を十分に持っておられたのかどうなのか。あるいは、経過観察中の体制自体も十全だったのかどうなのか。本当に、既にさまざまな問題点が明るみになっていると思うんですね。

 ですから、田村大臣、この二歳のお子さんの手術というのは、私も医者の方に聞きましたが、亡くなってしまうような手術では全くなかったということでもあります。ぜひこれは厚生労働省としてきちんと調査をしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。

田村国務大臣 今のは二月に起きた二歳児の方の死亡事故ということでありまして、ICUに入っておられるときに、使ってはならない、禁止薬剤といいますか、プロポフォールという薬らしいですけれども、これを使用して、亡くなられた。これに関しては、病院側も、医療安全管理特別部会、これをつくって調査をやっておられるということでございます。その後、中間報告を作成して、遺族の了解を得た上で公開する予定というふうに聞いております。

 そのほかにもたくさんおられるのではないかという病院関係者の方々のお話があるということもお聞きをいたしておりますが、いずれにいたしましても、今、病院側に事実関係を確認させていただいております。病院側からも事実関係の説明があるというふうに思いますが、しっかりと確認をした上で、これは東京都とも連携しながら、その内容に応じて適切な対応をしてまいりたい、このように考えております。

柚木委員 これは当該大学病院に特有の問題なのか、それとも、申し上げましたような麻酔科不足、お医者さんがたくさんおられますから御存じだと思います。ある意味では、もうけを優先した、そういうグループの動きがあるとかないとか、いろいろな問題が、この麻酔科の分野にはあると思うんですね。

 そういったことも含めて、全体の問題も関係しているのかどうなのかなど多角的な視点から、本当に、場合によっては、子供さんたちが死亡リスクにさらされているという見方ができないわけでもありませんし、これは麻酔科ですから、全ての外科手術にかかわる問題でもありますから、ぜひしっかりとした調査をお願いしておきたいと思います。

 それから、きのう少しだけ通告しておいたんですが、薬という関係でここで御質問をさせていただきますが、参照価格制度の導入について。

 これは、この間議論もあって、私も決算委員会で財務大臣ともやりとりをさせていただいてきた経緯もあるんですが、今般改めてこの参照価格制度導入について、財政審の方で強い提言があったということで聞いております。これは、私自身は、当時の決算委員会で、麻生財務大臣とのやりとりの中でも、認識はある程度共有できたと思ったんですが。

 この参照価格制度を導入している国の多くは、我が国のような公定価格制度とは違って、製薬企業が自由に価格設定できる国が多いということでありますので、我が国のように、公定価格制度を導入して、いわば官製価格というか、国家のそういう薬価制度改定とかに基づいて価格が決まっていくという中で、本当に参照価格制度がなじむのか、あるいは必要なのかというような議論、これはそもそも薬価制度全体の議論の中で行うべき議論だとも思っておりますので、この参照価格の是非について、ぜひ所管の厚生労働大臣の御見解をお述べいただければと思います。

田村国務大臣 参照価格制度は、効能といいますか薬効といいますか、それが同じようなものをグループ化して、それに薬価といいますか上限を決めるということでございます。

 これは平成二十四年でありましたけれども、中医協の薬価専門部会で議論を行ったわけでありますが、そのときも、やはり、そうなってくると、上限から超えた金額、仮にこれを患者から取るとすれば、医療機関においてなかなかそういう薬を選びにくいわけであります。そういうような弊害が出るのではないか。また一方で、こういう形になると、製薬会社が結果的に開発費等々をしっかりと回収できないという形になるという中において、新薬の開発に影響が出てくるのではないか。日本の場合は長期収載品の方にこれを適用したらどうだという話でありますが、それにいたしましても、やはり一定程度の期間を見て、製薬会社というのは薬の開発費からいろいろなものを見込んだ上で回収していくわけでありますから、そのような問題点が指摘されたわけであります。

 いずれにいたしましても、これは大変慎重な検討をしなきゃいけない課題だというふうに思っておりますので、我々としては、ドイツ等々でもやはり製薬メーカー等々がなかなか薬をつくりにくくなったというようなお話もお聞きをいたしておりますので、そういう点も勘案しながら議論はしていかなければならない、慎重な話だというふうに思っております。

柚木委員 その点については認識を共有させていただけたと思います。ありがとうございます。

 次に、残りの時間、残業代ゼロの議論もこの間、続いておりますし、私自身は、前回、年金の財政検証の議論もさせていただいておりますので、そのあたりの議論を深めさせていただきたいと思うんです。

 きょう、それぞれの委員から残業代ゼロ適用除外の議論があったんですが、私も改めて、そういう方向に議論がなっていくのかなというのは、半分、意外な部分もあるものですから、これは国民の皆さんの視点も含めて確認をさせていただきたいということで、これは赤石次長に基本的にはお尋ねしますが、場合によっては田村大臣にもお尋ねをさせてください。

 私、ちょっと前回も、残業代ゼロ、公務員の方々は適用除外というやりとりが前回あって、私は、導入すべきだというよりは、公務員の方は、問取りも含めて、深夜労働もあって、非常に気の毒だなという思いの中で、実は発言したわけですね。ところが、今、赤石次長から、公務員の皆さんも議論の対象になっているという御答弁が、山井委員の質疑の中であったものですから。

 では、確認させていただきたいんですが、公務員の皆さんについては、国家公務員、地方公務員、それぞれ、いわゆる労働基本権の制約等もあって、まさに賃金の議論のときにも、さまざまなそういう制約のある議論の中で、この間、議論があったと聞いているんですが、これも残業代ゼロの対象に入ってくるということになれば、これは公務員、基本権も含めた大きな議論になると思うんですが、そういう認識で、赤石次長、よろしいんですか。

赤石政府参考人 公務員の件につきましては、民間議員のペーパーの方に、働き過ぎの防止の総合対策につきましては公務員も率先垂範して取り組むべきだという項目が盛り込まれてございまして、これは労働基準法の適用どうこうということを念頭に置いたものではなく、あくまでも、働き過ぎの防止の対策について、公務員も率先垂範すべきである、そういうものを提言されたというふうに理解してございます。

柚木委員 多分、その議論は成り立たないと思うんですね。

 やはり、そういう公務員の方も対象にするということであれば、本当にさまざまな制度全般にかかわる話ですので、そこをしっかりと明確にした上で民間議員の方も御提示いただきたいですし、そうでないならば、逆に、それこそ、田村大臣の御答弁は、成果がはかれる、はかれないということから、今の赤石次長の御答弁とは違う趣旨の御答弁があったわけで、ここはしっかりと整理していただかなければ、いわゆる民間の労働者の方々からしてみれば、一体何なんだ、これは民間いじめかというような受けとめ方に、今既になりつつあるわけですね。

 それこそ、この後、実は年金の話の中で、GPIFの話も、公務員共済の方はそういう株式運用とかリスクをとるようなことはせずに安全な運用をする一方で、一般国民の皆さん、あるいは、それこそ、きょう私は基礎年金部分の影響についても議論をしようと思っているんですけれども、そういうところにも、GPIFの運用損失が出ればまともに影響が出て、ある意味、弱い者いじめのような結果になりかねない。

 そういうことも含めて、今の政府のこの残業代ゼロの議論、あるいはGPIFの運用、あるいはこの後議論させていただく年金財政検証の話も、どうも何か、経済的に弱い立場の方にしわ寄せが行って、そして、ちょっと言い方は悪いですけれども、公務員の方とかは、年金の運用も残業代ゼロの議論も、これはもう安全地帯で議論をするというような、こういう見え方に国民の皆さんがなってしまうことは、これはやはり、そういう議論を本当にするんだったら、まさに民間も公務員の皆さんもイコールフッティングで議論をするということであれば、まだ国民の皆さんも、そういう議論なのかと思うかもしれませんが、残業代ゼロも、公務員の皆さんは適用するのか適用しないのか、ちょっとまだ意見が定まっていないし、それでGPIFの運用は、公務員共済は安全運用、そうでない方はリスクをとって運用。こういうような流れで本当にいいのかどうなのかと思うんですね。

 田村大臣、今、赤石次長は、公務員の皆さんも適用対象で議論をしているんだということですが、これはそういう理解で私は理解してよろしいんですか。田村大臣、どうですか。

田村国務大臣 適用除外、言うなれば、時間というものではからずに成果ではかる、もっと言うと時間でははかれないというようなものを公務員の方々に導入するという話ではなくて、今、赤石次長がおっしゃったのは、働き過ぎというものに対して、これに対して対応していかなきゃならないという中においては、公務員もそれは率先垂範しなきゃならないというふうに赤石次長はおっしゃったというふうに、私は認識をいたしております。

柚木委員 そうしたら、赤石次長、そもそも、公務員の皆さんを適用対象にするということであれば、まさに田村大臣がおっしゃっているような、成果をどうやってはかるのかという議論を避けては通れないわけですから、そういった議論も含めて今後議論いただくということでよろしいんですよね。

赤石政府参考人 田村大臣がおっしゃったとおり、民間議員のペーパーにおきましては、「「働き過ぎ」防止の総合対策」として、「公務員も率先垂範し長時間労働是正に取り組むべきである」という御提言があったということでございまして、今の、労働基準法の適用をどうこうするという話とは関係ないものというふうに理解してございます。

柚木委員 ちょっと議論がすりかわっていて、働き過ぎへの対応ということの目標、観点から議論するにしても、では、それを実際に実行していくとしたときには当然、スケール、尺度の議論なくしてその議論は進まないわけですから、結果としては、やはり成果をどうはかるのかという議論に踏み込んでいかざるを得ないわけですね。

 そして、その中で、労基法の観点というお話をされましたが、やはり、公務員の現状の一定の制約の中での労働基本権の議論も、この議論を避けては通れないわけですよ、実際にこれを適用するしないの議論をするときには。

 それは、ちゃんとそういう議論も含めてやるということでなければ、逆に言えば、公務員の皆さんは適用の対象にならないし、逆に民間の皆さんにこの議論をちゃんと進めていく、私はそうであるべきでないと思いますが、そうなのであれば、これはちゃんと民間も公務員もイコールフッティングというベースで議論をしていただかなきゃいけないので、赤石次長、そこはちゃんとイコールフッティングの議論をしていくんだということは明確に御答弁ください。

赤石政府参考人 繰り返しいたしますが、民間議員のペーパーにつきましては、公務員については働き過ぎ防止の総合対策として率先垂範をすべきだということでございまして、労働基準法の考え方そのものをどうこうするということにつきましては御提案はなかったものでございます。

柚木委員 やはり、ちゃんと全体を踏まえた議論をしていただかないと、残業代ゼロという形に、結果的に、私は、総理の言われている三原則というのは、この間の議論で、もう既に担保されていないと思っていますが、そうはいっても、残業代がゼロになるかもしれないというような、そういう議論、結果的にそれが本当に時短につながるのかどうなのかというエビデンスについても議論がある中で、この議論が前に進んでいくということであれば、では、民間の方は残業代がゼロになる人も出るかもしれない、公務員の方は、議論の対象にはしますけれども残業代ゼロとは違います、そういう整理で議論が進んでいくというのは、国民の皆さんは理解できないと思いますよ。

 私は、本当に官民格差ということはよく言われるわけですが、残業代の中でもそういう議論になっていくというのは、これは多くの国民の皆さんから見て非常に不信感が募る、そういう状況に今あると思いますので、そこはしっかり、議論するならイコールフッティングで、民間は残業代ゼロ、公務員の皆さんは違います、そういう整理で進まないように、私は、実は公務員の皆さんも気の毒だという前提で言っているんですよ。しかし、議論するんだったら官民イコールフッティングでやっていただきたいと思いますが、赤石次長、いかがですか。

赤石政府参考人 繰り返しになりますが、民間議員の提案につきましては、公務員について労働基準法の適用関係をどうこうするという提案はございませんでした。

柚木委員 そういった御答弁では今後の議論は耐え得ないと思いますので、本当にもう少し国民目線の議論をしっかり詰めた形で、御答弁もお願いしたいと思うんです。

 前回もう一つ、田村大臣からは、ある意味、いい御答弁だったかもしれませんが、新入社員で、うちのインターンのことを言ったときに、対象になることはないということで明言されたんですが、本当にそうなのかどうなのかというのは、私、依然として疑念が残っているんですよ。まさに、いろいろな世界で、スーパールーキーのような方がいらっしゃいますね。学生でも、いろいろな起業経験があったり、いろいろなキャリアを持って就職される方もおられますから。

 ちょっと赤石次長、実際のテクニカルな議論で、どういう見解になるのか述べていただきたいんです。

 例えば、新入社員でも、いろいろなプロジェクトの中でプロジェクトリーダーに任命されたりというようなことはあり得るわけです。そうすると、これは当然、議論の経緯からいうと適用除外にならないとおかしいわけですが、新入社員がプロジェクトリーダーになった場合には、適用除外の対象になるんですか、ならないんですか、赤石次長。

赤石政府参考人 民間議員の提案された新しい労働時間制度の対象者イメージにつきましては、職務の内容だけではなく、対象となる個々人の能力、経験、実績が高いか低いかということも検討すべきであるということでございまして、少なくともイメージの中では、経験の浅い若手職員等は今回の制度の対象の外ではないかという御提案がなされているところです。

柚木委員 そうすると、入社するまでの、それまでの経験や能力、実績、そういうものは加味されないという話になりますよ。そうすると、これは若者だけじゃなくて、例えば中途採用の人だって、いろいろな経験があって、ある意味ヘッドハントも含めて採用されることだってあるわけですから、新しく入った人で、それまでの経験は関係なく、例えば今の話だと、若い人は経験、能力がないかのような言い方をされますけれども、そういう整理だと、非常に運用面で混乱されると思います。

 若い人でも、最近では高校生でも、もう起業して、いろいろなビジネスで成果を上げたりしているわけですよ。では、そういう方が鳴り物入りで企業に新入社員として入ってきて、そういう方は経験、能力、実績がない、そういうことになるんですか、次長。

赤石政府参考人 繰り返しになりますが、民間議員の提言では、経験の浅い若手職員層などは新制度の対象外となることを想定しておりまして、経験の深い若手についてどうするかということについては、これは明示はされてございません。

柚木委員 本当に詰まっていないなという印象を、国民の皆さんは持たれますね。

 いろいろな経験を持った若い方がそれこそ期待をされて入ってきた場合には、エグゼンプション、残業代ゼロの対象にもこれはなり得る、そういうのはまだ議論していないということですから、どういう方がそういう対象になっていくのかというのもまだ詰まっていない中でどんどんこういう議論が前に出てくるということは、これは本当に、若い人だけじゃなくて、今、本当に厳しい中で一生懸命働いている方々の不安を助長するだけじゃなくて、私は、やる気をそぐとか、もっと言うと、本当にメンタルヘルスや過労死にもつながりかねないような議論の中で、モチベーションが下がってしまって、むしろ生産性は下がるんじゃないか、そういうことを危惧するわけであります。

 この議論ばかりやっているともう時間が終わるので、ちょっと年金財政検証の議論に入らせていただきたいと思います。

 前回も議論させていただいて、資料にも、百年安心、募る不信、成長前提が甘過ぎるとか、私がきょう論点にしたいのは、最低保障機能というのが非常に危うくなっているという点。二ページ目以降にも、そういった報道等をるるつけさせていただいております。

 とりわけ今回、私が強く感じますのは、今回の財政検証で、当然といえばそうなんですが、所得代替率五〇%を維持できるかどうなのか、モデル世帯を一つの前提に、そういう試算がされているわけです。

 私の資料の五ページ目以降におつけをしておきましたが、そういった指標に加えて、例えばこれは資料五ページ目、生活保護が百六十万世帯突破、三月、受給者も最多更新、そしてその中で高齢者世帯が伸びている。全体は減っていたり横ばいなんだけれども、高齢者世帯が伸びていて、そしてそこは無年金や低年金などの影響で、生活に困り保護に頼る、転落するという高齢者がふえていると。

 次のページでも、高齢者世帯の増加傾向が続いて全体の伸びを牽引した、貯蓄や仕送りのないケースとか、あるいは最近では、四、五十代から生保を受けていた単身の方がそのまま高齢者となったり、あるいは、御夫婦の片方の方が亡くなって、これは遺族基礎年金の問題もあります。女性の方の方が平均寿命は長いから、そのリスクも高いという現実もあります。そういうことで年金が減って、困窮したりしたケースが目立つということです。

 実際、これは、国民生活基礎調査の中からデータをとりますと、八ページ目を見ていただくと、高齢者世帯、貯蓄ゼロが一一・一%もあるんですね。これは正確に計算するとどういう数字になるのか。ざっくり言うと、二百万世帯前後、世帯人員一・五人ぐらいで換算すると三百万人ぐらいの方、単純計算でも本当にそれぐらいのボリューム。

 そして、いわゆる貧困ライン、貯金があるといっても百万円未満の方が合わせて九・九パーですから、全体を合わせると二割の方が、そういう意味では貧困ラインを割る。

 そういう意味では、大変な数の方々がいわゆる貧困高齢者というような大変に苦しい生活を余儀なくされている、その流れが今加速をされているという中で、私は、ぜひ、この財政検証の視点の中にも、例えばそういう貧困率、高齢者貧困率といいますか、この調査票の中では、最後のページにつけておりますのは、子供の貧困というのが非常に問題になっているわけですね。再分配後の貧困率、これは進学率も含めて、日本は先進国最悪水準ということで、子供の貧困が問題になっている一方で、大人の貧困、高齢者の貧困にも目を向けざるを得ない、こういう現状にあると思います。

 田村大臣、この年金財政検証の議論の中に、例えば貧困率というようなものも一つのテーマ、課題として挙げていただいて、そういった点についてもしっかりと試算、検証いただく中で、例えばオプション試算などの議論もしていただくべきだと考えますが、今後の方向性について、そういった視点をぜひ取り入れていただけませんでしょうか。

田村国務大臣 さまざまな論点をおっしゃられたというふうに思います。

 まず、貧困率はフローの所得だけで見るものでありますから、高齢者は当然、今高齢者の預貯金額はどれぐらいかというお話もありましたが、全体、日本の国民の中の貯蓄、預貯金を見ると、高齢者が過半数以上というような数字もあるわけでありまして、それが大前提で生活をされるわけであります。

 ですから、フローだけ見て決める、つまり貧困率で見るというのは、なかなか難しい指標であろうというふうに思いますし、あわせて、日本は、再分配後は格差が縮小しているというか、そういうふうな形になっておりますので、これはOECDの調査でありますけれども、そういう意味では、年金というのは一定の役割を果たしているんであろうなというふうに思っております。

 それから、生活保護等の関係は、もう御承知のとおり、これは、委員はもう十分に御承知でありますからこれ以上言いませんが、全ての能力を使って、資産も使って、それでもという方々であります。でありますから、フローの収入があれば差し引いて、残りの部分を生活扶助というような形になるわけであります。

 一方で、年金の方は、先ほど言っております現役時代の預貯金等々も含めて生活をするということでございます。ただ、国民年金の方が、基礎年金の方がマクロ経済スライドがかかる期間が長いものですから、これは確かに、厚生年金、二階部分と比べると目減りが多いということは我々も問題意識を持っております。オプション、今回お示しをさせていただきましたけれども、そういうものも検討しながら、どうあるべきかという議論をしなきゃなりません。

 ただ、一方で、これは賃金上昇率の問題でございまして、賃金上昇率で割り返すと数字がかなり下がるんですけれども、物価上昇率で割り返すと、今よりも金額が上がるわけであります。物価上昇率は購買力をあらわすものでありますから、それも含めて検討していかなければならないのであろう、御議論いただきたいというふうに思っております。

柚木委員 最後の御答弁は、新規裁定者を想定した議論だと思うんですが、やはり、今回の将来見通しの中で、既に年金を受給されている方、そして、その新規裁定者も既裁定者の方に移るわけですから、そういう方々への視点というのが、正直、ちょっと薄いと思います。

 ですから、私は、これは八ケース出されていますけれども、今大臣もおっしゃったように、例えばケースEとかで見ると、二〇四三年までにマクロスライドがかかる、この既裁定者の方ですよ。これは、受給額に物価スライドは反映されないために購買力も下がりますし、基礎年金の部分は、所得比例に比べると、スライド期間も長くかかって、これを見ると、所得代替率も十ポイントぐらい下がっている部分も、ケースによって出てきますので、これは、足して代替率五〇パーを満たしていても、その内訳を見ると全然変わってくるわけですね。

 単身高齢者、遺族基礎年金の話もさっき申し上げましたし、基礎年金が、六万四千円がもう四万円台になって、四割ぐらい減って、それで基礎年金という言い方ができるのかどうなのか。

 オランダなどでは最賃の七割を保障したり、いろいろな取り組みをやっていますね。そういうことも含めて、少なくとも、高齢者の方が本当に苦しくて、貧困高齢者が本当にふえていくんじゃないかという専門家の指摘もあって、その方々が生活保護受給世帯にこぼれ落ちていくということになれば、年金財政は好転するかもしれませんけれども、生活保護の公費支出というのは国費も自治体もふえるわけですから、国、地方の財政はむしろ悪化するということが考えられるわけです。

 そういう視点も含めて、この基礎年金対策というものを、マクロスライドから本当に外す、外さない、そういう議論もあり得ますし、いろいろな法律改正の議論も必要ですよ。

 そして、私がこの後、伺いたいのは、例えばGPIFの運用も、もちろんポートフォリオをうまく組んで損失が出ないように運用するということを言われますが、絶対じゃない中で、仮に損失が出た場合に、当然これは基礎年金の部分にも影響が出るわけです。

 これは、私も専門家の方にヒアリングすると、例えばスウェーデンとかカナダでは、リスク運用が、仮に損失が出ても、影響が出るのは所得比例部分ですから、日本のように、二段階で、その基礎年金部分にも影響がダイレクトに出てしまうという国が、そもそもあるのか、ないのか。

 私が聞いたところ、そんな国ないんじゃないかということでもありまして、この基礎年金部分へも運用損失の影響が出てくる、出てこないの議論も含めて、これはぜひ基礎年金への今後の対策を御検討いただきたいと思うんですが、田村大臣、いかがですか。

田村国務大臣 スウェーデンもカナダも、これは税金で基礎年金をやっていますので、目減りはしない。

 あえて申し上げれば、目減りはするわけで、申しわけありませんけれども、民主党政権下でお考えになられておられた制度でも、これはマクロ経済スライドではありませんが、一定のスライドをおかけになられますので、やはり目減りしていくというところでは同じわけでありまして、一〇〇%税でやればそういうことは起こらないかもわかりませんが、ただ、その場合には、税負担をどうするのかというような大きな課題がある。

 いずれにいたしましても、そうはいえども、国民年金の部分、課題であることは私も認識をいたしておりますので、これから、オプション試算も含めて、いろいろな御議論をいただきたいというふうに思っております。

柚木委員 時間が来ましたので、きょうはこれで終わりますが、今、大臣、検討をいろいろしていきたいということでありました。税方式か、組み合わせか、もちろん、いろいろな違いはあっても、やはり最低保障機能についての議論というのをしっかりとしていくべきときに来ていると思いますので、ぜひそのことをやっていただかないと、きょうの議論、本当に、我々のメンバーそれぞれしましたが、残業代ももらえないかもしれない、年金はもらえても、選択制で、先送りになるかもしれない、金額は減るかもしれない、医療の、介護の負担もふえて、そしてサービスはカットされるとか、そんなことでは本当に国民の皆さんはやりきれません。

 ぜひ、そういう視点を細かく持っていただきながら、今後の議論をさせていただくことをお願い申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

後藤委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 ちょっと政局でばたばたしておりますが、政局は手段でありますので、目的は政策実現ということで、きょうもしっかり討論させていただきたいと思います。

 今も民主党の先生方からも財政検証の話が出たかと思いますが、非常に重要なというか、五年に一度ですから、当面はこの財政検証をベースに、厚生労働行政、いろいろな検証が行われ、また政策検討をされていくと思います。

 ぜひ大臣、繰り返しになるかもしれませんが、改めて、この財政検証、報道で伺う限り、大臣の方からは、経済成長と労働参加、これが実現して年金の安定性が保たれる、しかし改革も必要なんだよなと。若干わかったようなわからないような、どっちなんだと。改革がどれぐらい必要なのか、もう一つ私にはよくわからなくて。

 よく、年金については、与野党で、抜本改革が要るというグループと、いやいや、もうマクロ経済スライドも入ったこともあり、百年安心という言葉はともかくとして、この枠組みの中で修正をしていけばいいんだと。

 恐らく大臣は、要すれば、経済成長と労働参加が進めば年金の安定性は保たれるということがわかったんだ、しかし改革も全くしなくていいわけではない、これは大体こういうことですか。

田村国務大臣 根本から制度を変えるということは、我々は考えておりません。例えば、基礎年金の税方式でありますとか、恐縮でございますけれども、完全積立方式というようなものは、やろうと思うと、かなりのエネルギーと、それをやることによって得する人、損する人、かなり出るわけですよね。その利害調整だけで多分すごいエネルギーを使わなければならないであろう。

 全く否定しているわけじゃないんです。今から年金制度をスタートするのであるならば、十分、完全積立方式というものも検討に値するものなんだろうと思いますが、今、これだけ歴史を負って進めてきました年金制度というものを抜本的に全て入れかえると、大変な利害調整が生じて、大変なエネルギーを使う。しかし我々にはそれほど時間が残されていないという中において、今の制度の中で、今般、確かに、経済がよくて、しかも少子化というもの、合計特殊出生率というもの、これがある程度改善をされてくれば、年金というものは一定程度の安定性はある。

 ただし、それでも、先ほど来申し上げておりますとおり、国民年金の方々は、マクロ経済スライドがかかって、年金が今の水準よりかは目減りをしていくということを考えれば、その問題も含めてどうあるべきか。これはオプション試算をいたしました。これをやるかやらないかというのはこれからの議論でありますから、やるというわけではないわけでありますけれども、議論をしっかりしていただいて、何が必要か、問題点がわかりましたから、それに対しての対処というものをこれから検討してまいるということでございます。

足立委員 今回の財政検証、先般もここで年金局長を含めて討論させていただいたんですが、大臣、これは、大臣としては大体わかっていたことだ、一応、わかっていたんだけれども、数字できっちりと国民の皆様に、関係者にお見せをしていく必要があるということで、大体想定内のことなのか。いや、そうなのかと、何か新しい発見がありましたでしょうか。

田村国務大臣 財政検証もせずに大体わかっていたというほど私の頭は理系ではございませんので、そこまでわかっておりませんでしたが、感覚としては、今回、多くのパターンを出させていただきましたので、やはり経済が成長しないパターンはこうなるんだろうな、経済が成長するパターンはこうなるんだろうなという部分はございました。

 一方で、オプション試算というものをやりましたので、幾つか、ああ、そうなのかと思うところ、こんなに影響があるんだと思ったところもございまして、例えば、被用者年金の適用拡大を大幅にやれば国民年金水準がかなり上がるということ、上がるというか落ち込みを防げるということ。こういうことは、私も、こんなに影響が出るのかというのは、新しい発見もありました。

足立委員 今御指摘いただいた被用者年金、私もとても大事だと思いますが、それも、当たり前だという人もいらっしゃって、規模感のことをおっしゃっているんだと思いますが。

 私も、財政検証を拝見して、その点が改めて重要だなということで、いろいろな識者の方と議論をしていても、国民年金問題というのは、要すればその問題だと。

 本来というのは何が本来か難しいですが、本来、被用者年金でカバーされているべき方々が国民年金に入っていること自体が大きな国民年金問題を生んでいる。これは私は、財政検証がなくても、相当なマグニチュードでこれはきいているだろうということは、大臣はわかっていなかったと言いますけれども、大変重要な示唆である、それは私もそう思います。

 オプション試算の話をちょっと先にしますと、もう一つ、今、被用者年金の話をされましたが、私はやはり受給開始年齢の問題はあるだろうな、こう思っています。

 特に、いろいろなオプション、前もここで議論をさせていただいたように、オプションはそれぞれ検討課題だと思います。ただ、その中でも、措置をすればそれでいいんだというものもあれば、あるいは、受給開始年齢の引き上げのように、引き上げるのであれば相当早い段階で、準備を促さないといけないわけですから、私は、例えばオプションの中でも受給開始年齢の引き上げ等については、相当早い段階から、これは検討課題なんだということをはっきりと表明された方がいい、こう思います。

 もちろん選択制の話もありますが、これは質的に違うものでありますから、私は、働き方も含めて、まあ七十歳というのがいいかわかりませんが、受給開始年齢の引き上げ、これはもう検討課題なんだと、この場で大臣が表明されるとは思いませんが、これは早期の表明が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 ここで私がそうですねなんということを言ったら大変なことが起こるわけでありまして、この間、選択制だというだけで、もう大変な騒ぎになりましたので。

 基本的に、私の考え方は、選択制という考え方をなぜ申し上げたかというと、まずは働ける環境をつくらないと、これは幾ら引き上げるといったって無理なんですよね。

 私自身、いろいろとこの間、厚生労働関係の仕事をやってまいりまして、例の、厚生年金の支給開始年齢を六十五歳に引き上げたときに、やはり仕事、定年というものを六十五までというような、普通ならそういう感覚になるわけですね。ところが、それを実現するのに結局は、もちろん、定年をなくすというのもありますし、六十五歳まで伸ばすというのもありますし、それから継続雇用で六十五歳までと。これすら、すごいエネルギーのかかる話だったんです。

 これはまだ完全に実現できておりません、これからまだ十一年かな、かけてやらなきゃいけない話でありますので。これは、それこそかなりエネルギーが要る話。

 それよりかは、やはり、そういう環境を先につくっちゃって、それに合わせて選択していただく方が、私は、国民の皆様方には不安は与えられないということでございますから、そういう環境をどうつくっていくか。

 でも、一方で、御承知のとおり、生産労働人口はどんどん減っていきますので、そういう方々に御活躍をいただかなければ、私は、年金制度自体もまさにそういうような話の中にあっておりますから、そういうものがやっていけるのではないか。

 こんな感覚の中において、今、私の頭の中には整理をさせていただいております。

足立委員 大臣のお考えはよくわかります。

 一方で、危機感というか、やはり、年金財政あるいは社会保障財政に関する危機感というのが私は本当に重要だと思っています。

 働き方が先行する形での改革ができればいいですが、大臣が今おっしゃったように、改革というのは大変ですね。国民の皆様に御理解をいただき、それを受けとめていただく。本当に私も大変だと思っているので、だからこそ、現状を正しく国民の方々にお伝えすることが全ての始まりだと思っています。

 だから、財政検証というのは、そういう意味でも重要なんですが、やはり楽観的に過ぎる。もちろん、あの八つのケースがあるわけですから、まあ八つというのも、どれが基準でどれがあれか、よくわからないんですけれども、私は、マスコミの取り扱いを見ていると、本来国民の方々に理解していただくべき危機感というのはやはり伝わっていない。

 それはなぜかというと、今大臣がおっしゃったようなセンスというかスタンスで財政検証を出しているからだと思います。それは、成長し労働参加が進めば大丈夫なんだということを、半身、大丈夫なんだといいながら、いや、しかし改革もねというのでは、国民にその危機感が絶対に伝わらないと私は思います。

 先般、増田試算なるものが、要すれば、日本の地図があって、これだけの市町村は、近い将来というか将来なくなるんだ、こういう試算がありましたが、あの増田ショックと言われているものは、私は大変敬意を表して見ているわけであります。

 社会保障についても、本来ああいう、いわゆる国民にショックを与えるような、実態がそうなんですから、私の理解では実態がそうなんだから、財政検証についても、ケースを並べて、こういうケースであれば五〇%維持できるんですよね、マルということではなくて、その場合にも、例えばいろいろな問題が起きるわけです。いろいろな問題が起きる。低年金の問題も起きる。

 そうであれば、国民の皆様にはもっともっと危機感を正確に理解していただく必要があると思いますが、ちょっと通告しているのかしていないのかよくわかりませんが、お願いします。

田村国務大臣 質問をいただく足立委員が通告しているかしていないかわからないということは、多分通告されていないんだというふうに思いますけれども。

 今回、八つをお示しして、三つが五〇を切っちゃう。これは結構厳しいお示しの仕方をしたんだというふうに私は思っています。

 そもそも、多分、この中で五〇を超える、もちろん五〇を超えたからいいという話じゃないわけでありまして、いろいろな課題に対応していかなきゃならないんですが、仮に、所得代替率五〇を超えたものの経済状況、それから合計特殊出生率、こういうもの自体を実現することも大変なわけであります。合計特殊出生率は、実のところ、今は実は、この計算よりもいい状況に来ているんですけれどもね。

 そう考えると、これは年金だとか社会保障の問題ではないですね。日本の国の存亡のかかった、これから戦いを、我々はやっていかなきゃならぬわけであります。これは、我々与党だけじゃありません。野党の皆様方の御協力を全面的にいただきながらやっていかなきゃならない話でありまして、そういう意味では、問題意識としては共有をさせていただいております。一年金の話じゃなくて、日本の国のこれからの大きな課題をどう乗り越えていくか、これはともに、やがて与党になられるというお話でございますので、力をあわせていただいて、頑張ってまいりたいというふうに思います。

足立委員 ありがとうございました。

 私は、単に与党になりたいというよりは、大臣と一緒に与党で働きたいということですので、ぜひ。ちょっと党のスタンスと違ってくるかもしれませんが。政権の話をここでしてはいけませんが、本当にぜひ。

 ちょっと話がずれましたね、済みません。

 大臣、本当に、今おっしゃられた経済の問題ですが、やはり社会保障がその真ん中にあると思うんですね。要すれば、国の経済、社会の設計をどうしていくのかという大きな設計の背骨の部分が社会保障制度であり、働き方だと思うんですね。

 かつて私も経産省におりました。それは、経済が一番大事だと思ったから、経済産業省に入ったわけであります。今も大事ですが、やはり政治の役割ということでいえば、何といっても、田村大臣の所掌されているこの分野が背骨でありまして、あとは、後からついてきてもいいわけであります。

 それを何か、財政検証を見ていると、あたかも経済が社会保障をリードするかのように、もちろんそうです、もちろんそうですけれども、政策変数というか、外生的に入れるものはマクロ経済かもしれませんが、政策変数は田村大臣の両手にかかっているわけでありますから。

 本当に、財政検証は楽観的なイメージを与え過ぎている。マスコミが大体半々に割れていると私は思うんです。半々じゃいけません。増田ショックのように、田村ショックを在任中にぜひ、内閣改造を乗り越えていただいて、何かよくわかりませんが、御在任中に田村ショックをぜひ与えていただかないといけないと私は思います。

 例えば八つのシナリオも、一体どれがベースか、よくわからないわけです。

 これはもう時間がないので質問しませんが、八つのシナリオの、楽観的なシナリオは、我々、政治活動をしていてよく申し上げることは、全ては未来のために、あるいは全ては次世代のために、こう言うんですけれども、やはり次世代の利益を相当勘案していくことが政治の役割の一つだと思います。普通にやっていれば、次世代のことは後回しになるんです。それをあえて、次世代のことを後回しにしないんだという立場で合意形成をするのが政治の役割の最大の機能の一つだと私は思っているわけです。

 楽観的シナリオの最大の問題は、そのリスクを次世代がかぶるということです。楽観的シナリオをベースに設計をしていくと、仮にその楽観的シナリオが実現しなかったときのリスクは全て次世代がかぶるのが、この世界であります。

 だから、私は、財政検証についてはとにかく、悲観的になってくれとは言いませんが、もう少し実態が、あるいはこれから我々がなさねばならない改革の難度を踏まえれば、やはり国民の皆様にはもっともっと危機感を持っていただきたい、こう思っているわけであります。

 今、増田ショックの話をしましたが、増田試算というか、あれが光を当てた、非常に評価されているのは、女性に着目をした。特に二十代、三十代の若い女性の皆様に光を当てたということで、興味深い、示唆に富む結果が出ているわけであります。

 そういう若い世代のみならず、いわゆる女性というのは厚生労働行政にあっても極めて重要であり、先般のこの質疑でも、私は何度か、介護の在宅シフトと女性の労働参加の促進というのは舌をかんでいませんか、こう申し上げました。大臣の方から御答弁いただいて、いや、介護離職等があっちゃいけないんだよな、いろいろな、こういう政策もこういう政策もこういう政策もあると、若干、田村大臣らしからぬ役人的答弁だったわけです。

 大臣、これは本当に私、自分で悩んでいるんです、政権とったらどうしようかなと。これは本当にぜひ、尊敬する田村大臣、私が野党の間に、これはどうしたらいいんだと、ちょっと御指導いただきたいと思います。

田村国務大臣 要は、介護が必要になってくる、それに対してどう対応するか。

 一つは、施設に入所していただく、これならば働けるわけですよね。

 ただ、施設といっても、今はふえてきていますよ、例えばサービスつき高齢者向け住宅のようなものもどんどんできてきて、まだ少ないですが、これも特定施設になっていけば、少しばかり重くなってきても、そこの居住者の方々に特養と似通ったサービスを提供していただけるという話になってきます。

 しかし、これから爆発的にふえてくる高齢者の方々に対応するのに十分に追いつくかというと、そう簡単ではありませんし、特に、東京の高齢化というものはこれから加速度的に進んでまいります。ここではなかなか、施設をつくるといっても、場所もなければ、地価も高い。でありますから、そこは、空き家でありますとか空きアパートでありますとか、いろいろなものを利用しながら、そこに対して、やはり、いつも言っておりますような、二十四時間型の定期巡回・随時対応型の訪問介護看護のようなサービス、さらには小規模多機能居宅介護事業のようなものを整備していって、一定の対応ができる。

 でも、そこが、実は特養を、その町で、同じようなサービス、二十四時間、何かあったときに行けるか、こういうサービスをつくれるかどうか。特養と全く同じにはならないかもわかりません。しかし、そういうものをつくれるかどうか。あわせて、認知症という問題が進んでくると、これはどうしても施設じゃないと対応できないということもあろうと思います。

 ですから、認知症をなるべくおくらせるために、認知症の初期集中支援チームというものをスタートさせました。この中において、まずは、どこに認知症の方々がおられるんだ。おられれば、そこに行ってアセスをして状態像を見て、そして家族の方々に心得、例えば介護保険のサービスはこういう手続でありますよとか、いろいろなことをお教えさせていただいて、その後、チームでいろいろな議論をして、あの方にはこういう手を打っていこう、こうやって、その高齢者のところに対して、そのようなアドバイスをしていく。

 場合によっては、認知症を、まず検査をしようということで、認知症疾患医療センターの方でそういうものをやっていただく。そこにはもちろん専門医がかかわってくる。そして、その後、介護サービスや医療サービスにつなげながら、定期的に状況を見る。

 こういうようなこともやって、やはり在宅で、働く方々の負担にならない、両立できるような、そういうような環境をつくっていく以外にはないのであろう。それをやりたいというのが、地域包括ケアシステムなんです。

 まだ緒についたばかりでございますが、それをやらなければ、一方で高齢化という波を乗り越えることはできないと思っておりまして、徹底的にこれも、我々は頭を使って、整備を進めてまいりたいというふうに考えております。

足立委員 ありがとうございます。非常に誠実にお答えいただいたと思います。

 本当に、厚生労働行政、幅が広いのに加えて、さらに経済の問題もあるわけですから、この問題を全体に目くばせをして、確実にこの課題に対処していくのは、本当に高い御見識が要ると思うんですね、この世界は。

 だから、私は本当に、別にリップサービスじゃなくて、私がリップしても仕方ありませんから、田村大臣のような、本当に、商工族でもあられる田村大臣が厚生行政と労働行政全体を見渡して、確実にそこは国民のためにソリューションをつくっていかれる、田村チームでつくっていただくことが本当に重要だと思っていますし、今大臣がおっしゃったような問題意識を、市町村、現場の隅々までが理解して、真剣に地域の包括ケアの体制をつくっていかなければならない、こう思っています。

 きょうは、もう一点だけ、残る時間でどうしても大臣に伺っておきたいのは、外国人材の問題であります。

 これも一度取り上げたことがあります。これも、実は、いろいろなところで議論していますと、もう賛否両論で、移民の問題、あるいは外国人材の問題、介護、家事手伝いの分野へのそういう外国人材の活用、これについては、春ごろでしたか、産業競争力会議でも取り上げられております。

 制度の話を改めてここでする時間はありませんが、例えば、外国人就労制度をどうするか、移民をどうするか。これは、法務省を含めて、大きな大きな政府内での議論があるわけですが、私は、すごく不満なのは、不満というか違和感があるのは、厚生労働行政の中で今一生懸命、きのうも担当の方に私の事務所においでいただいていましたが、EPAですね。

 これも前に一度お聞きしたので同じだと思うんですが、EPAで、たしかベトナムの関係で新しい発表が、きのうかきょうか、あったと思います。この方々は、これは何なんですかね。何なんですかねというのは、研修なんですか、労働なんですか。日本にとって、これは何なんですかね。これは日本にとって、意味はないんでしょうかね。

 要すれば、二国間連携ですから、これは国際協力なのか。労働なのか、研修なのか、これをちょっと端的に。

田村国務大臣 技能実習制度の方は研修でありますが、EPAの方は、就労というような形に向かって介護福祉士の資格を取っていただく、そうすれば日本の国での働ける環境が整うということでございます。

 そういう意味からいたしますと、これは二国間におけるEPAでございますので、言うなれば、日本はこれを門戸を広げるから、あなた方はこれを関税を下げてくださいとかという協定の中においての条件であります。

 逆に言えば、積極的に日本が、就労、人が足らないから、いろいろなところに門戸を広げてきたという発想ではなくて、いろいろな条件を提示する中において、日本もいろいろな経済上の利得というものを得なきゃならない、そうすると相手国もそういうものを得るという中においての交渉の中で広げていったものであります。

足立委員 事実はそうだと思います。

 ただ、若干、取引というか、二国間の協定ですから、ある種のディールが成り立ってそうなっているわけですが、私は、大変貴重な取り組みだと思うし、今、厚生労働省の中で、あるいは関係省庁の中で、このEPAの外国人材の、例えば看護師あるいは介護士、日本で看護師と介護士の方々の分野が非常に問題ない、問題ないというか、量的にも問題ないならいいんですが、私は、課題を抱えていると思うんですね。その一方で、二国間協定で、そういう形で入ってきている。

 私は、やはり何らかの形で国内の、要は、就労だとおっしゃった。研修なら勉強して帰ってくださいということです。もちろん、彼、彼女たちも帰るわけでありますが、私は、やはり、医療制度、介護制度、日本の社会保障制度の中に一定のポジションを持たせてあげないと、一体何のためか見えにくい。何らかの位置づけは考えられないでしょうか。

田村国務大臣 来られている方々が介護福祉士の資格を取られれば、それは一定の地位のもとにおいて在留許可があるわけでありますので、就労いただけるわけであります。それはそれで、今ももう確立されています。

 ただ、今委員がおっしゃられたのは、二国間協定というような、お互いの、それこそディールといいますか、いろいろな二国間の利益、国益というものを考えた中での取引の中において、このような形でできた制度であるのではなくて、多分、そもそも、これから生産労働人口が減っていく中において、働き手が足らないであろう、例えば介護であれば、介護人材が百万人足らないと言っているじゃないか、そういう中で一つの位置づけというものが考えられないかというお話だったと思います。

 介護福祉士という資格を取ってもらうということが大前提でありますが、二国間のみならず、また、いろいろな形で日本に勉強に来られた方が、その後、資格を取る。いろいろな方法はあると思いますが、そういうことも含めて、いろいろな検討というものをやっていかなければならないんだろうというふうに考えております。

 ただ、技能実習制度は、これは、要するに技能を学んで自国で生かしていただくということでございますから、若干色合いは違うのかなというような感覚は持っております。

足立委員 もう時間が参りましたので終わりますが、今大臣がおっしゃったこと、よくわかりました。

 私が申し上げているのは、大臣も御理解いただいていると思いますが、これはもうとにかく大変大きな労力を払って、厚生労働省の中でも力を入れてやってきていただいている分野ですから、私は、もっともっとしかるべき位置づけがあってしかるべきだと、これは改めて訴えを申し上げておきたいと思います。

 もう終わりますが、政局の話をちょっとしましたが、改めて一応、我々はきのう、まあ、こんな話をしても仕方ありませんが、新しい体制になるということが決まりました。恐らく、ここにいらっしゃる方ともまた連携をしてやっていく。しっかりと、我々が政権をとった折には、田村大臣には、何か厚生労働最高顧問として招聘いたしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

後藤委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 よろしくお願いいたします。

 本当に足立さんはおもしろいことばかり言う人だなと、党内でも評判がありまして、結構私は足立さんの質問をいつも楽しみにしていまして、大臣も楽しみにされていると思うんですけれども、政局のことはさておいて、さっきの年金の話なんかは、私たち若い世代は、これは私も過去に質問させていただいたこともありましたけれども、非常にやはり不安だというか、正直なところ、全く信用していないわけですよね、我々の世代は。私の友人でも、周りの人間でも、今の年金制度、ほんまに大丈夫かと、ほんまに信じている人なんて一人もいてませんから、それだけは。

 それをやはりクリアするためには、先ほど言っていた情報の開示ですね。今本当はどうなのか、これからこういうことをしていかないと、それが耳に痛いことであっても、きっちりと伝えていく。その上で、我々政治家はもちろん決断しないといけませんし、国民の皆さんも、その正確な情報に基づいて決断をするということが、必ず、今、先に延ばせば延ばすほど、新聞等では先延ばしや先延ばしやというふうに批判をされている部分がありますけれども、そういった、先延ばしすればするほど、そのときにやらないといけない仕事というのはふえてしまうと私は思っているので、できる限り早期にこの問題は解決をしていただけたらなと思っております。

 もちろん、我々も、考えろ考えろじゃなくて、我々も案を出しています。否定的な見解ではあるというのはもちろんわかっておりますけれども、そういったところも含めて、ちゃんとした姿をやはり国民の皆さんにわかっていただくというのは重要じゃないかなと思っていますので、よろしくお願いします。

 質問に入るんですけれども、一つ目の質問は、報道等で、小中一貫校をしていくという議論の中に、五歳児の義務教育化という話が少し出てきております。新聞報道等で聞くレベルですけれども、その議論が一体どういうふうなことになっているのかというのを少し教えていただけたらと思います。

義本政府参考人 お答えいたします。

 義務教育の年限の問題、あるいは小中一貫の話も含めまして、学制改革のあり方につきましては、現在、教育再生実行会議において議論が行われていると承知しているところでございます。

 しかしながら、文科省として、報道にあるような形で義務教育を五歳児からするというような方針を固めたという事実はないところでございます。

浦野委員 ないということなんですけれども、ニュースでは、これは産経さんだったと思うんですけれども、義務教育化する方針を固めたというふうに報道されてしまっているんですね。だから、報道の内容と国が思っていることが違うのであれば、やはりもうちょっときっちりと反論していただきたいなと思うんです。

 これは、何でこんな話が出てきたかという議論の中で、小一プロブレム、小学校に上がった小学校一年生の子供たちが授業を聞けない、そういったいろいろな問題のことを絡めて、五歳児、就学前の子供からそういった教育をやっていけばいいんじゃないかという議論があったということなんですけれども、果たしてそれでこの問題が解決するのか、私は非常に疑問に思っています。

 といいますのも、保育園、幼稚園にいる最年長の、卒園前の学年の子供たちは、保育園では先生の話も聞けます、平仮名とか読み方、そういうのもちゃんと習っています。保育園、幼稚園では何の問題もない子供たちが大半です。ところが、小学校に行くとそれができなくなる。それを果たして保育園、幼稚園のせいに、せいにとまではしていないかもしれないですけれども、保育園と幼稚園がそういうのをやっていないから小学校一年生で問題が起きるんだみたいなことを言われるんですね。これは非常に不愉快ですね、私たちは。私たちはきっちりやっています。保育園でクラスが崩壊するなんてことは聞いたことが私はありません、正直。

 では、何でこういうことが起こるかといったら、環境が変わるからというだけの話ですよ。保育園の子供たち、幼稚園の子供たちは、別にそのとき突然知り合った先生方に勉強を教えてもらっているわけではないですよね。長い保育園生活の中で先生と信頼関係ができて、その先生からいろいろな話を聞いて、遊んで、いろいろなことを通じて信頼関係を子供たちは築くわけですね。それが重要なわけです。

 ところが、小学校に上がって、子供たちを取り巻く環境はがらっと変わりますよね。保育園、幼稚園では最年長で、一番しっかりしていたお兄ちゃん、お姉ちゃんたちが、小学校では一番下の、一番ちっちゃな子供たちになるんです。その扱いの差も非常に大きいですし、もちろん、小学校に行くという、すごく大きな、子供たちにとっては非常に大きなハードルなわけですよね。

 そういったところに入っていく子供たちをしっかりと見ていく先生たちが、やはり最初は信頼関係もなかなかつくれないでしょうし、子供たちの環境の変化による心理的な影響もあるでしょうし、そういったところをクリアして初めて小一プロブレムという問題が解決していくんだと思うんですね。

 だから、これを、五歳児を義務教育化したからといって、それが解決するなんて本当に思っているのであれば、もうその人たちは全く子供のことなんて見たことがない人たちだなと本当に思います。

 もし、そうであるのであれば、きっちりとした、客観的なデータも私たちは示してほしいわけですね。

 本当に、そういうふうにして、五歳から、就学前からそういうことをやれば、小学校に入ったときにそういう問題が起こらないんだというデータが本当にあるのならば、それは示していただきたいと思うんですが、そういうデータはないですよね。

義本政府参考人 御指摘のように、幼児期の教育におきましては、保育所、幼稚園を通じてでございますけれども、生活や遊びといった直接的な、具体的な体験を通して、あるいは、委員御指摘のように、保育士、教諭あるいはお友達との人間的なかかわりを信頼関係の中で培っていく中で、学びに向かっていく力ですとか、あるいは、文字とか数とか自然への興味や関心を培っていくというふうなやり方をとっているところでございます。

 一方、委員御指摘のとおり、小学校教育におきましては、教科の活動を中心にしまして指導方法等についても異なりますので、学習環境、生活環境が異なってくるということでございます。

 そういう観点から、やはり、特に、その接続面になります五歳の特に後半を中心にしまして、幼児がスムーズに小学校生活に移行できるように、幼児期の教育と小学校教育との円滑な接続を進めて子供の発達や学びの連続性を確保するということについては、幼稚園、保育所を通じて重要な問題だと考えているところでございます。

 文部科学省としましては、厚生労働省とも連携しながら、幼児期の発達状況とか、あるいは特性等を踏まえながら、五歳児の教育の充実に努めていきたいと思っているところでございます。

 なお、五歳の連続性のところについてのデータということでございますが、各それぞれの園での実践的なところもございますので、そういうことを収集しながら、私どもとしては、よりよい円滑な接続ができるような形の取り組みを進めてまいりたいと思っているところでございます。

浦野委員 今現在、地元の小学校とかと、入学前に事前に小学校に遊びに行ったりだとか、また、地域によって、保育園はここだけれども小学校はばらけてしまうということにどうしても子供たちはなってしまうので、小学校、小学校で特徴ももちろん違うでしょうし、先生の質も、レベルも差があるでしょうから、なかなか大変だとは思うんですけれども、いろいろな取り組みをしていただいている、行政の方でも考えていただいているというのは、我々ももちろん、保育園を経営している側として、いろいろな試みをしているというのは存じ上げていますので。

 この報道に出てくるような、本当に、画一的といいますか、余りにも大ざっぱな議論でこういうことを決められると、我々はちょっとかなわないなというふうに思っていますので、ぜひこれはしっかりと議論をしていただいて、導入するのであれば、導入するなりのやはりちゃんとした根拠を示していただいて、それに向けて、我々は、子供によりよい環境をそれでつくれるのであれば、もちろん賛成はします。

 義務教育ということは、お金がかかるわけですよね。もしやるとすれば三千六百億かかるのではないかというふうな報道もありましたけれども、それだけのお金を使うことになるかもしれないわけですから、財政が厳しい中で、それだけの予算をつぎ込むには、やはりきっちりとした検証をしていただけたらと思っていますので、よろしくお願いをいたします。

 これは、保育園に入っている子供たちも五歳児全員義務教育化となると対象になりますのでここで質問をしましたけれども、非常に、これから、多分、今までのパターンであれば前に進んでいくんじゃないかなと思っていますので、厚生労働省としても慎重に考えて、この部分は議論に参加させていただいているのかいただいていないのか、ちょっとわからないですけれども、しっかりと議論をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 二つ目の質問ですけれども、厚木市で、また残念なニュースが、児童の死亡がありました。七年間もその実態がわかっていなくてということがあったわけです。大阪でも二人の子供が餓死をして、死んでしまうという非常に残念な、これはもう本当に日本全国の人がショックを受けた事件でしたけれども、こういうケースというのは、非常にまれではあるんですけれども、往々にして起こっているわけですね。

 では、これが何で行政の手が届かないのかということなんです。これも私、過去に一度質問もさせていただいたことがあるんですけれども、結局は、行政がつくっているセーフティーネットにひっかからない子供たちがこういったことになっているんです。

 大阪の件でも、大阪に引っ越ししてきて、そのときに住民票をちゃんと移していなかった。引っ越しする前の市ではちゃんと把握ができていて、市の方も、行政の方もきっちりと接触ができていたんですね、この大阪の場合は。

 今回の厚木市の子供のことでも、本来なら、生まれたばかりの乳幼児健診があります、一歳半健診もあります、三歳児健診もあります。それで就学前健診というのがありますね。僕が言った段階段階で必ず行政の網にひっかかるように、実はセーフティーネットを張られているわけです。ところが、では、これに一〇〇%全員子供が来ているかというと、実はそうではないというのが現状で、ここに来なかった子供たちがこうやってわからなくなったりとかするケースが多いんです。

 特に私が思っているのは、住民票の異動をする場合に、そこから、これは本当は法律では義務化されているんですよね、この質問をするときに聞かせていただいた。ところが、義務化されているにもかかわらず、それをしていない人がいて、その時点で子供の行方がわからなくなる。

 三歳児健診とかのこういう健診に来なかった場合も、本来は、その来なかった時点で、どうなっているのかというのを調べないといけないんですけれども、調べることも非常に大きな労力がかかっていて、手が行き届いていないというのが現状だと思うんです。

 こういう事件を繰り返さないために、今、国としてはどういった対策をとっているのか、ちょっとお聞かせください。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 またも救えたはずの小さな命を失うことになってしまったこと、この行政に携わる者として大変残念に思っているところでございます。

 今回の事件につきましては、行政の具体的な対応状況等については、まず神奈川県が検証委員会を立ち上げておりまして、今後、早急に検証作業に入るものと承知をいたしておりまして、厚生労働省も、その検証作業を踏まえながら必要な対応を図っていきたいと思っております。

 これまでも、こういう不幸な事件が起こる、あるいは死亡事故が起こるたびに、我々はいろいろ対応は講じてきたところでございます。国の虐待事例の検証を通じて、とりわけ、議員先ほど御指摘ありましたけれども、例えば、乳幼児健康診査が未受診であったり、未就学であったり、それから住民票に登録されている自治体に居住の実態がない、そういったような御家庭については虐待の発生リスクが高いということがわかっているわけでございます。

 こうしたことを踏まえまして、地方自治体に対して、保健、医療、福祉等の連携、このどれかの網にかかってくるような形で連携をしっかり徹底してほしい、そういう要請をしてきたところでございまして、最近におきましては、平成二十四年の十一月、そして二十五年の六月に改めて通知を発出いたしまして、市町村内の母子保健や児童福祉部門、教育委員会、児童相談所などの関係機関が情報を共有して、連携して対応するように要請をしてきたところであります。実は、神奈川県の今回の事件も、これらの要請を踏まえて安全確認の調査を行っている中で発見につながったというふうに承知をいたしております。

 さらに、本年四月には、居所不明児童の所在の把握、そして安全確認に関する市町村の取り組み状況の調査を、これは、関係省庁、文科省とか、あるいは警察のお力もいただきながら実施をしているところでございます。

 今回のような事件を繰り返さないようにするためにも、この調査結果を踏まえて、改めて、先進的な取り組みの紹介を行えると思っておりますので、それとともに、児童の所在把握や安全確認を円滑に進めるための必要な対応につきまして関係省庁との連携も図りながら検討を行いまして、児童虐待防止対策の充実を図ってまいりたいと思っております。

 かなり基本的なところはこれまで示してきたところでございますが、その徹底を図っていく、そして、図っていたつもりで漏れてしまったもの、それをもう一度失敗例としても取り上げて、それを周知していく、こうしたことも必要ではないかなというふうに考えております。

浦野委員 これは、全都道府県がそういう児童の追跡調査というのをやっているんでしたっけ。

石井政府参考人 さようでございます。

浦野委員 ぜひこの件に関しては力を入れていただけたらなと思います。

 私の選挙区、地元の富田林市でも、小学校にずっと来ていない子供がいるということで、結局、いつ、亡くなったか、今どうなっているのかというのがいまだにたしかわかっていない子供というのがいましたね。そういった事件もありました。

 これは、警察だとか、学校、教育現場だとか、福祉現場だとか、そういった本当にいろいろな部分で情報を共有すれば見えてくる子供も多分たくさんいてると思いますので、正直、セーフティーネットにひっかかっていない子供がたくさんいるというのはまれなケースではないというのが現状だと思っていますので、ぜひ本腰を入れて調べていただきたいなと思います。

 やはり、少子化と言われている中で、せっかく生まれてきてくれた子供たちがこういった形で命を失うというのは、本当に、少子化対策も大事ですけれども、せっかく生まれてきている子供たちを守るというのも、それはそれ以上に大事なことだと思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 生まれてきた子供たちを大事にしていくという観点では次の質問も一緒なんですけれども、日本小児科学会さんが、平成二十四年の一月に、子どもの死に関する我が国の情報収集システムの確立に向けた提言書というのを出しています。

 この中で、実は、日本は、乳幼児の死亡というのは非常に少なくて、きっちりと医療的にもいろいろなケアがなされていて、世界でも類を見ないぐらい死亡率が低い国です。ところが、一歳から四歳、乳幼児じゃなくなって少し年齢が上がっていくにつれて、諸外国に比べて非常に死亡率が高くなっているというのがこの国の現状なんですね。

 では、一体なぜそういうことになっているのかということがわかるデータが、実は、ないとまでは言わないですけれども、非常に少なくて、それを分析することができないということなんですね。それではいけないということで、そういう情報を集めないといけないという提言なわけですけれども、この提言については厚生労働省は御存じですか。

原(徳)政府参考人 小児科学会が、子どもの死に関する我が国の情報システムの確立に向けた提言という形で、平成二十四年の一月二十二日付で検証委員会から報告が出されているのは承知しているところでございます。

浦野委員 この提言書の中にもあるんですけれども、結局、いろいろな死亡事例があって、この子供たちは一体どういう理由で亡くなったのかというデータをとるためには、まず、死亡時のさまざまなデータが必要なわけですよね。

 ところが、日本は、死亡診断書の項目、書き入れる項目が三十二しかない。では、アメリカなんかはどうかというと、項目が千七百あるということで、それだけ詳細に、どういった状況だったかということを克明に記録を残しておく。アメリカでは、そういったことはほとんどの州で義務づけをされているそうですけれども、この報告書の中では、日本もこういうことをやっていかないといけないという提案があります。

 この件については、どういうふうに今取り組まれていますか。

原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生の御指摘の、アメリカの千七百にわたる項目の様式というのは、実は、死亡診断書ではなくて、子供の死亡をレビューするためのチャイルド・デス・レビュー、そういうもののための様式ということでございます。ある意味でいえば、その部分は我が国では持っていないということでありまして、アメリカでも、全死亡に関する、いわゆる死亡診断書の項目は、それほど多いわけではないということでございます。

 したがいまして、今回の提言でも出てきていますのは、何か、死亡診断書、その膨大な情報を全ての死亡についてやっていくというのは、これは非現実的な問題ですので、ある意味でいえば、例えばがん登録とか、さまざまな疾病登録と同様に、チャイルド・デス・レビューのための様式、項目を、亡くなられた死亡診断をされた、主として小児科医になると思いますけれども、そういう方々に書いていただくようなシステムをお考えだというふうに聞いております。

 このやり方として、一律、国でどんとやるのか、あるいは、まず地域的にやっていただいた中で、その中でいろいろないい要素をつかまえていただいた上で全国的に広げていくか、そのあたり、ちょっとまた、小児科学会等でもいろいろと考えておられて、東京都の方でまずはモデル的にやっておられるというふうに聞いておりますので、そのあたりを見ていきたいと考えております。

浦野委員 非常に多岐にわたる項目ですので。今、与党の中で議論をされている死亡原因究明のプロジェクトチームがありますね、そこで、Aiを活用してという、こういったこともこの提言書の中には書き込まれております。Aiを実施するというのが重要なことになるんじゃないかというふうにも書かれています。ぜひ、それを前に進めていただきたいと思います。

 東京の方でパイロットスタディーが運用予定だというふうにここには書いていますけれども、それなら、これはもう運用しているということですか。今、東京都では、やっているということですね。ぜひ、それなら、これはいろいろと前に向けてやっていただきたいと思います。

 これは、厚生労働省も、小林班というのがこのチャイルド・デス・レビューに関するいろいろな研究をされているということなんですけれども、今、この人たちはどんな活動をされておりますか。ちゃんと実現に向けて頑張ってはるんですか。

原(徳)政府参考人 小林班というのが、平成二十二年から二十四年度まで、厚生労働科学研究で班をつくっておられました。そこは二十四年で終わっておりますが、そのときの最終的なまとめで、このいわゆるチャイルド・デス・レビューについて、どういうふうにやっていくのかということが、いろいろな仕組みなどについても提言をまとめていただいているというふうに聞いております。

 これについては、後、この班がどうなったかというのは、ちょっと私、詳細は承知しておりませんけれども、それぞれのところで、例えば先ほどの東京都の例なども含めて、活用されているというふうに考えております。

浦野委員 これもですけれども、本当に虐待じゃなかったのか、虐待だったのかということも実はわからない事例が含まれているわけですよね。そういった意味では、私、こういうデータを集める、保存をしておけるという状況をつくるというのは非常に重要なことだと思っています。

 先ほども言いましたけれども、やはり我々は、せっかく生まれてきた子供たちの命をどうやって守っていくか。死亡時のこういうデータも、一体何が原因で、その原因が防げるものであるならば、その子供たちの命を多分守れるわけですよね。でも、そういったデータがないからそれすらも手を打てないという現状ですので、これはぜひ進めていただきたいと思います。

 最後に、僕はいつも答弁は大臣じゃなくてもいいですよというふうに、誰でもいいですよというふうに言っているので、石井さんと原さんがほとんど答えるわけですけれども、ぜひ、大臣、この二つの、先ほどの五歳児の義務教育化の件にしてもそうですし、死亡診断時のチャイルド・デス・レビューの件でも、やはりしっかりと厚生労働大臣も考えていただけたらなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

田村国務大臣 居所不明児の問題は、これは各自治体に今もお願いをしておりまして、調査等々を含めて対応いただきたいということでお願いいたしております。

 あわせて、Aiの話もございました。私も、死因究明はずっと自民党でやってきた課題であります。

 なかなか、どこの所管かということで、今、内閣府の中でやっていただいておるわけでありますが、各省にわたる話でございます。子供のこととなれば、我が省、大変深くなってくるわけでございまして、特に、子供に関しましては、なかなか、そういうものに対して、実態自体がわかりづらいということもございます。こういうことに関しても、しっかりと力を入れてまいりたいというふうに考えております。

浦野委員 ありがとうございました。

後藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

後藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。清水鴻一郎君。

清水(鴻)委員 日本維新の会の清水鴻一郎です。

 きょうは消費者庁の福岡政務官にも来ていただいておりますので、最初はちょっと、一問目はこの間に引き続いた質問をしますけれども、後はまた二問目に、福岡政務官の方に質問したいと思います。

 それと、きょうは、午前中も質疑がありましたけれども、ずっと聞いていますと、JEEDの問題で、きょう午前中に既に他の委員からも質問がありました。現状、それと同時に、四カ所ですかね、四地方は事業を推進するということになったということですけれども、他の二カ所については、新聞報道では、ちょっとなかなか困難かなというような報道もあります。

 その辺のところ、やはり、これはやるなら全国一律にやらないといけない事業だと思いますし、やれないならやれないということになると思うので、ちょっとその辺だけ先に、通告していませんが、きょうの新聞で知ったということで、済みませんが、重なる部分があると思いますけれども、その他の二カ所についてのめどをお聞かせ願いたいなと思います。

田村国務大臣 きょう午前中申し上げましたとおり、六ブロック中四ブロック、これが、委託先候補者を選定したところであります。残り二カ所は残っております。これからも努力を続けてまいりたいというふうに考えております。

清水(鴻)委員 努力はいいんですけれども、やはり結果が出ないと努力は報われませんので、四カ所だけやって二カ所がないというのは、これまた何か、国策としてやるとすればちょっといかがなものかなというふうに思いますので、何としても、やるとするならば、ぜひやれる方向でやっていただきたいし、告発もあったわけですから、その辺のところをしっかり検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。

 もう一方、これも午前中にも質問もありましたけれども、僕は医師の立場でもありますけれども、いわゆる麻酔薬、プロポフォールの投薬について、東京女子医大で、子供さんについては、十五歳未満は禁忌の薬剤であります。

 ただ、現場の医療をいいますと、仮に禁忌であっても、他にかわる薬剤がない場合、ある意味で、非常に監視を厳しくしながら、しかしながら、逆に言えば、禁忌であってもこれを投与しないとその状況を乗り切れないというような場合は、一定の投与量を考えながら投与するということは、現場ではあり得ることなんですね。つまり、かわる薬剤がないとすればですけれども。

 その辺のところも含めて、恐らく、女子医大だけが特殊な状況であったのではないのではないか。もちろん、ニュース等で見ると、コメントされている麻酔科の先生で、一般的にもう今は使わないということがあるはずだけれどもということもありましたけれども。

 こういうことに関して、全国の大学、あるいはこういう小児の厳しい、小児の麻酔というのはもともとリスクもありますし、まして、その腫瘍自体は今回の場合も良性腫瘍というふうにお聞きしていますけれども、部位が頸部ということで、非常に気道閉塞等をしやすい場所ですよね。そういうこともあった特殊な症例かもしれません。

 それについて、現状、わかる範囲で、これから調査を、子供についてこういうものが使用されている現状がないかどうか調査されるというようなことは考えておられますかどうか。それだけお聞かせ願いたいと思います。

田村国務大臣 この二歳のお子さんの件に関しましては、医療安全管理特別部会というものを、これは外部委員も含めておられるようでありますけれども、おつくりになられて、そこで報告書をつくった上で、遺族の了解を得た上で公開する予定というふうにお聞きをいたしておりますが、他の案件もあるというような報道もあるわけでございます。病院の方に、どのような事実状況があるのか、これは我々も説明を求めてまいりたいというふうに思っておりますし、病院の方も、それに対して説明をいただけるものだというふうに考えております。

清水(鴻)委員 この薬剤についての全国調査といいますか、そういう病院の聞き取り調査をやるということで理解していいですか。

田村国務大臣 全国というわけではなくて、この病院の状況を確認させていただくということであります。

清水(鴻)委員 私が申し上げたのは、今申し上げたように、麻酔科という、東京女子医大の麻酔科も、それはそれなりに定評のあるところであります。そして、今申し上げましたように、禁忌であっても、特殊な場合、使い得る可能性というのはやはりあるわけですね。だから、それを、今この例があるわけですから、全国に聞き取り調査等をやはりされた方がいいと思うんですけれども、それはこの病院に限ったことだけで、全国には、ほかにはもうないという確信があるということでしょうか。

田村国務大臣 この病院で事故が起こったわけであります。その上で、一応いろいろと、管理特別部会ですか、つくってやられておられますが、この病院から、他にも同じような例があるというようなことを内部関係者の方々がおっしゃっておられるという記事があるわけでございまして、その事実確認は我々はやらなきゃいけないと思っておりますので、この病院に関してやらせていただくということであります。

清水(鴻)委員 確かに、この病院に関しては、ほかにも六十数例あるというような報道がありますよね。だから、これは調査されるのは当然のことだと思いますけれども、私が申し上げたのは、普遍的にこの薬が使われている可能性は十分あるわけです。あるんですよ。だから、そのことは調査される必要がないんですかと申し上げております。

原(徳)政府参考人 御指摘のように、場合によっては適応になっていない、いわゆる効能が認められていない用法で使われる場合もあるかと思いますけれども、今回のような、女子医大の場合、まだ私どもは詳しく承知しておりませんけれども、多数の方に常用的に、常例として常に使っておられた、そういう例が他にあるとは考えられませんので、この女子医大については詳しく、その後の経過等も、その他の例についてもお聞かせいただきたいというふうに考えているところです。

清水(鴻)委員 では、原局長は、他にはそういうふうに使っている例はまずないという確信を持っておられるということでいいですね。

原(徳)政府参考人 薬事法で一応認められた効能、効果、原則としてそれにのっとって使っていただいているというのが大原則だと思いますし、それが常態である。ただ、先生がおっしゃるように、場合によっては、それから外れた使い方を医師の責任でもって使われることは、それは当然あり得るとは思います。

 ただ、今回の女子医大の例は、この亡くなられた方以外にも、常に小さいお子さんの鎮静のためにこれを使っておられたということなので、そういう使い方をしている例はほかにはないのではないかというふうに考えているということです。

清水(鴻)委員 私もそう信じたいところですけれども、東京女子医大という、ある意味で定評のある病院の麻酔科でされていた。そして、この薬が、ある意味では効能があるということは定評があるわけでありますから、十五歳未満という年齢での禁忌というのはありますけれども、仮に、十五歳未満ですけれども、十四歳、十三歳、この場合は二歳という例で、ちょっとどうかということもありますけれども、体格、体重とか、そういうものも含めて、ほかにも、常用的にとは言いませんけれども、結構使っている例はあるのではないかと私は申し上げているんです。

 それはないというふうに確信されて、特殊な例だ、これは非常に特殊だということで、もうほかのところには聞き取りの調査もしないということですね。

原(徳)政府参考人 ほかで使われていないと言っているのではなくて、使う場合には、当然ながら、医師が厳重な管理のもとに使っておられるだろうと。

 ただ、女子医大の場合は、多くが鎮静目的で常態として使っておられたということなので、そこはやはり問題があるのではないか。

 個々の例についてどうされるかということについては、ほかの病院でもあるだろうとは思いますけれども、それが常態として、それをこのような形で使っているところはないだろうというふうに申し上げているわけです。

清水(鴻)委員 私も、そうであればいいなというふうに思います。

 やはりできるだけ、こういうことが起こったと、一例があるわけですから、そのことについて、聞き取りですから、そんなに難しいことはないわけですから。やはり、そういうことが常態化しているところも、僕は、ないことはないのではないかというふうに思いますので、ぜひ、聞き取りといいますか、そういうことだけはなさった方が、僕は、後々のためにはいいのではないかというふうに思います。

 ただ、もうないという、医師の責任において特殊な例以外はないんだというふうに確信を持っておられるなら、これ以上私は申し上げませんけれども、もしまたそういう例が起こった場合に、ああ、清水さんが言っていたな、やっておけばよかったなということにならなければ、そういうことであればいいなというふうに思います。

 一応、私としては、やはり一般的な使い方の常識みたいなものがあって、もちろん麻酔科によって、好きな薬というか得意な薬があります。だから、ここでは割とこれをよく使うとか、教室によって違います。だけれども、やはりこれの方がむしろ使いやすいよねとかいうことが結構あって、使いなれている、あるいは、その薬は、逆に言えば自分も自信があって使うというケースもありますので、そういうことが常態化とは言いませんけれども、結構ある可能性はあると思いますので、そこは、こういうことが起こったので、また当然、これを見て、いろいろな麻酔科の医局、あるいは病院の麻酔科の先生方も自粛されるとは思いますけれども、こういう事故が起こらないように。

 それから、起こったこと自体は、これも大変なことでありますけれども、その後のやはり事後処理が今回も余りよくなかったということですよね。つまり、だびに付してしまわれてから報告があった。ということは、もう司法解剖等はできない、病理解剖はされたようでありますけれども。やはりそういうことも含めて、全国のいろいろな難しい症例を扱われる大学病院や、ある意味で、国立病院機構等を含めて、注意を喚起していただきたいなと、命を守るということからお願いしておきたいと思います。

 では次に、通告しておりますように、この前もお聞きしましたけれども、医薬分業についてちょっとお聞きをしたいと思います。

 この間も聞いたことと若干重複するかもしれませんけれども、今、非常に医薬分業が進んできた。その中で、この間申し上げましたけれども、その比率の中で、残っている病院、つまり、医薬分業が、今現状で七割弱だと思いますけれども、そこまで来た、だけれども、あと残っているところには残っているだけの、地域的なこととか、いろいろな要素があると思います。

 それについて、今後も医薬分業を進めようという形で、今厚労省としては、医薬分業を進める、そういう政策を進めていかれるという方向性かどうか、あるいは、ここはこれで、院内で出されているところも、これは一定の評価として残すということなのかどうか、そこのところの方向性をお聞きしたいと思います。

今別府政府参考人 お答え申し上げます。

 医薬分業につきましては、今先生がおっしゃいましたように、七〇%弱、六六・一%だったかと思いますが、という水準にまで来ております。ただ、地域的には、秋田県のように八割を超すようなところから、残念ながら、先生の御地元の京都は五割にまだ届いておらないわけであります。

 これは、患者のみならず、医師、薬剤師、それぞれにメリットがある、かかりつけ薬局というものを目指して、時間をかけてやってまいりました。先生のお力添えもいただきながら、引き続き分業の推進に努めてまいりたいと考えております。

清水(鴻)委員 今メリットという点を強調されました。きょうおつけしていますけれども、もちろん医療提供側のメリットというのは、今おっしゃったことなのかもしれません。

 だけれども、一方、医薬分業において一番影響があるというのは、むしろ患者さんなんですよね。患者さんがその病院にかかられる、かかって、今までだったら、過去、医薬分業がないときだったら、雨にぬれることもなく、きょうのように梅雨でちょっと出ても雨が降る、その中で、外に出ることもなく院内でお薬をもらって、そして、いわば責任を病院がきちっと負う。その中でお医者さんがいて、薬剤師さんがいて、そしてお薬をもらって、その病院の責任のもとにお薬がある。そして、お支払いも、今の現状よりは安く済むということです。

 きょう、ちょっと資料をつけさせていただきました。資料をちょっとめくっていただくと三枚目、二ページと書いていますところで、院内処方と院外処方の費用の違い。

 これは、私の事務所で、私の病院とかに聞いたりとか、調剤薬局の方に聞いて、診療所それから中小の病院です。大学病院とかは若干違うと思います。小数点とかは間違っているかもしれませんけれども、おおむねこの保険の点数に合わせて作成をしました。

 そうすると、やはり、一剤ですけれども、一つの薬を一週間分調剤してもらったというようなことで見ると、もちろん調剤薬局さんも、二十四時間やっているとか、そういう特殊な機能を持っているところは想定していません。それはもっと高くなります。だけれども、一般的な調剤薬局さんという形の中で計算しますと、一つの薬剤で、処方料等を含めて、薬代は入れていませんよ、それで三千五百四十円、これに対して四千九百九十円、およそ五千円。

 三割負担として、千六十円と千五百円、おおよそこういう計算。四、五割は高くなるということになります。計算によって三割というのかもしれませんけれども、これぐらいの差ができる。

 これはやはり、メリットはもしかして医療提供側にはあるかもしれないけれども、患者さんにとっては、これはデメリットじゃないんですか。

木倉政府参考人 お答え申し上げます。

 おつけいただいております資料、確かに先生がおっしゃるように、一つのモデルですので、右の方で、保険薬局さんの方で必ずしもこういう加算とかを全部取られるかどうかはいろいろあると思いますけれども、確かに、左側のように、同じ医療機関の中で調剤を全部終える場合、それに比べて、右側のように、処方箋が出て、それを持ってまた移動されて薬局の方に行かれて、そこでまたお時間を少し待っていただいて、こういう調剤をしていただくということ、それは時間的なもの、それから費用的なものがかかるということは事実だろうと思っております。

 ただ、この中にもありますように、基準調剤加算、下の米印の五にありますように、一定の体制、いつでも対応しますというような体制を組んでいただいていて、いつでも相談に乗りますという体制を組んでいただいているとか、それから後発品をきちんと説明してお勧めいただいているとか、それから服用歴の管理指導をされている、飲み合わせとか悪いものがないかとか、ほかの医療機関との問題がないかとかいうこともチェックをいただいている。こういうことをきちんと薬剤師さんがやっていただくことによって、患者さんにもメリットがある。そういうことの御負担に応じたものをきちんと薬剤師さんにも仕事をしていただきたい、そういうふうに思っておる次第でございます。

清水(鴻)委員 いやいや、院内で出しても、薬剤の情報文書を提供したり、何もほったらかしで、ぽんと渡すわけじゃないですよ。同じ程度の情報提供をするんです。

 それから、一定の体制というのですけれども、これは二十四時間体制のことを入れていませんよ。これは普通にいるときに相談に乗れるという、そんな、二十四時間やっている薬局を想定した特殊な高いものをここに入れているわけではありません。

 今、医薬分業になって、そこで患者さんもそれなりに納得されている部分はいいんですけれども、今残っているところは残っているだけの理由があるんですよ。私の友人等でも、広島の尾道の方でやっている、この間も同窓会があって話をしたんですけれども、やはり、とてもうちのところでは、やってくれるところもないし、また出せない、だから、高齢者が多い通院者の中で、俺は損得抜きでずっとやるんだ、そういう人もいるわけですよ。

 これは、メリット、デメリットとかいうのはいろいろありますよ。それは、どちらにもメリットもあるしデメリットもある。だけれども、今残っているところはそれなりの理由があって残っている。だけれども、今、今別府局長は、これからもどんどん行くんだと。清水先生のお力もかりてと言ったけれども、僕はかしませんけれどもね。

 やはりそれは、患者さんのためにも、今ある現状をちゃんと踏まえて、そして本当に一番大事なのは、患者さんという立場、これをやはりひとつしっかり見てもらって、医療提供者の側の都合もありますけれども、やはり患者さんにとって、これからどんどん負担がふえてくる。今度七十歳の方も負担がふえるわけですよ。そういうことも含めて、収入がないけれども、そして年金も厳しいけれども、医療に対して負担をしていくという立場からいえば、やはり安い方がいいんですよ。ある意味ではですよ、安いにこしたことはない。そして、院内でもらって、また何かあったら先生にすぐ聞ける、そういう体制が悪いということは、僕はないと思うんですよね。

 それでも推進するということ、残ったところもどんどん行くんですか、今別府局長。

木倉政府参考人 一つ、私の方からもお答えをさせてください。

 先生おっしゃるように、これからはやはり、かかりつけ医さんが、その方のかかっていらっしゃる医療機関であるとか、出ている薬であるとか、それをちゃんと包括的に見ていただいて、健康指導から服薬指導まで一貫してやっていただくことも望ましいと思っております。

 そういうことで、この春からの診療報酬改定の中でも、主治医機能、これは中小の病院も含めてですけれども、主治医機能の評価ということで、毎月毎月の、そういう生活習慣病なんかを持っていらっしゃる患者さんに対して、服薬の状況なんかも確認しながら、その中で御指導いただく、そういうことに対しても評価を行っているものでございます。

 これは両方相まって、薬剤師さんの調剤薬局での専門性の方を生かしてもらう場合、そういう連携をとった場合にもこれは加算はできますけれども、両方で患者さん本位に進めていくべきものだろうというふうに思っております。

清水(鴻)委員 何か、そう聞いていると、院内でやっているところはちょっと手を抜いているとか親切でないという感じになるんですよね。そうじゃないんですよ。

 それと、この費用の差というのが適正であれば、これはそれでいいんですよ。だけれども、ちょっと資料をつけました。一ページ目を見てください。「膨張続ける調剤バブル 誰がツケを払うのか」。

 次のページは、ちょっと逆さまになっていて申しわけないですけれども、めくってもらったら、いかに調剤薬局の、この間、今別府局長に聞いたときは、チェーン化はどうか、全然把握していないという話でしたけれども、少なくとも七、八割、この間、僕は八割と言いましたけれども、少なくともその程度チェーン化が進んで、高額年収の上位は調剤薬局チェーンの社長さんが結構占めているんですよ。

 これは、例えば、税金や保険料が全然入っていない分野で、創意工夫の中で利益を上げられた、それはそれで結構ですよ。だけれども、少なくとも、今、診療報酬も、病院の運営や何かは厳しいけれども、税や保険料が入っているんだから、そこは我慢しながら、患者さんの負担もあるし、社会保障を持続性のあるものにするという中でやっている。

 だから、ちょっとやはりここには行き過ぎなんじゃないですか。これはもっと適正な価格にしていかないと、ここはちょっと、さっき申しました、三割あるいは四割という、千円と千五百円の差、この差がやはり大き過ぎる、そういうことなんじゃないですか。

木倉政府参考人 お答え申し上げます。

 前回も御指摘をいただきました。今の調剤医療費の中で、二五%ぐらいが技術料、そのほかが薬剤料ということでございます。

 それで、そういう今の診療報酬、薬価の世界と別に、実際の医療経済実態調査の方を見てみまして、費用構造を見てみますと、直近のものでいいましても、薬局の総収入の中の医薬品購入費は、やはり七割弱、六八%ぐらいを占めております。それから、給与費、その他経費にかかっていますのがやはり三割弱、二六%ぐらいを占めております。

 調剤技術料がどの程度をカバーすべきかという議論はあろうと思います、給与費等も含めて。役員の方の給与費が高過ぎるんじゃないか、それから働いていらっしゃる薬剤師さんたちの給与はどの程度なのかということ、それはバランスを見なきゃいけないと思いますけれども、総体としての薬局の経営の中での調剤医療費のあり方につきまして、技術料の今の二五%程度というもの、これは必ずしも高過ぎるものではない。

 これは、経済実態調査をよくまた分析しながら検証していきたいというふうにも思っております。

清水(鴻)委員 この高額所得は別に異常でも何でもない、適正だとおっしゃるわけですね。

木倉政府参考人 役員の方あるいは社長の方に給与費が偏り過ぎておるのではないかということ、そのものについては、恐れ入ります、この調剤医療費そのものがどちらに充てられるかということ自体は、不適正に充てられているということ自体は、必ずしもすぐには言えないものだと思いますが、今回の医療経済実態調査でも、チェーン薬局等の役員の方の報酬が高くなっていないかということで、店舗ごとの役員の給与費等については調べさせていただいています。

 ただ、チェーン展開されている場合の全体での給与費の比率等については、まだ議論ができておりません。この辺はまた、実態をどう把握するかも含めて、よく調査をしてまいりたいというふうに思っております。

清水(鴻)委員 個別にやっているところというのはもう二割ほどしかないんですよ。もう八割ぐらいがチェーン化されているわけですよ。それを個別のところだけ調べて、チェーン店に関しては調査していませんというのは、八割調べていないということになるんじゃないですか。おかしいのと違いますか。

木倉政府参考人 お答え申し上げます。

 チェーン、多店舗を持っていらっしゃる場合の経費率が高過ぎないか、利益率が安過ぎるのではないかということも、中医協でも御指摘がありました。

 そこで、多店舗を持っていらっしゃるものについて、店舗数のレベル、一つの法人で二十店舗以上あるかどうかという、そういうものについての経費率を見ておりまして、確かに、店舗の数が一法人で多いところの方が経費率が高い傾向があることは見てとれました。

 それに対しましての、では、調剤報酬上のどういう対策があるかということで、今回の診療報酬改定の中では、やはり、この先生のつけていただいております資料にもありますように、特定の大型の医療機関の前で、特定のところからだけ集中して処方箋を受け取って、調剤の頻度が偏っておる、そういうふうなところで利益が上がり過ぎていないかというようなことで、そういうところについては調剤基本料等の逓減も厳しくさせていただくというふうなこと。

 あるいは、医薬品の購入を、チェーンの中でなかなか価格を決めないで、ずっと価格を決めないままに購入させておって、我々の薬価調査等もきちんと把握ができないような状態を生んでしまっているようなところ、妥結が遅過ぎるところ、比率が低過ぎるところについても、調剤基本料を下げるというふうなことも今回やらせていただきました。

 総合的な対策で、調剤医療費が適正に使われるように対応していかなきゃいけないというふうに思っております。

清水(鴻)委員 今度も、例えば訪問診療なんかも、まとめてあれば行きやすいということで、一つの建物に、お部屋が別々であっても、それは効率的に回りやすいから、これはあれだろうと点数を下げましたよね。

 それと同じように、例えばチェーン化すれば、それはそういういろいろな合理的なことがあると思いますよ。仕入れの量も多くなるし、単価が下がるかもしれません。だから、それはそれできちっと把握をして、チェーン化されたところに対して、適正な利益といいますか、適正なものが出るように工夫するのが、例えば診療報酬上だって、そういうふうにしたわけですよね。だって、一軒ずつ行くのは、別に、本当に診療に行っているわけですよ。だけれども、近い場所にある、あるいは同じ建物の中にあるから点数を下げようとやったわけですよ。

 同じ発想をすれば適正なものが生まれてくると思うんですけれども、いかがですか。

木倉政府参考人 お答え申し上げます。

 重ねてになりますが、確かに先生の御指摘のようなことはありまして、多店舗で展開しているということに対してどういう対策があり得るかということも、保険者の方、診療側の方もしっかり御議論いただきました。

 それで、特定の大きい医療機関から処方箋が集中してしまっておって非常に効率がいいのに、小さい薬局さんと同じような点数でというのはやはり不合理ではないかということで、そういう集中して利益が非常に上がりやすい構造のところについては、この逓減性をより強化させていただいた、こういうことを同時にやっております。

 この結果も検証して、効果があるかどうかも見ていこうということになっておりますので、よく検証しながら、さらなる対策が必要かどうか、よく見させていただきたいというふうに思っております。

清水(鴻)委員 実際、ある程度の規模の病院を建てようとすると、ほかの報道にも、僕は資料を持っていますけれども、例えば、その病院が建つ一番門前、入り口の前のところは、普通の時価の土地の値段の何十倍で売れるんですよ。そういう例があるんですよね。だから、設計者に、どこが正面、患者さんの入り口になるのかを情報として提供してくれたらという話もあるぐらい、つまり、そういうところでやれば、はっきり言えばもうかるということになっているんですよ。

 三ページ目というか、そのページにも書いていますけれども、医療は非営利が大原則のはずだと。そうですよね。だから、医療法人も、いわゆる持ち分ありからなしへ移行というわけですよね。そういう状況の中で、「調剤大手はそれを忘れている」、これは見出しです。

 鈴木先生は中医協の委員もされている先生でありますけれども、医師はかゆをすすり、薬剤師はすき焼き三昧という言葉。これは僕はちょっと、この言葉が適正とは思いませんよ。思いませんけれども、調剤薬局チェーン店のオーナーのことを指せば、そうなんだなと。とかしき先生とか、真面目な薬剤師さんのことを言っているわけじゃなくて、チェーン店のオーナーについて、私は、ここでこの利益は適正ではないだろうというふうに申し上げているわけです。

 だから、そういうことを踏まえながら、少し考えて、やはり国民の納得できる、医療関係者みんなが納得できるものにしていかないと、真面目な者が報われないというような社会はよくないですし、ぜひともこの点については調査をしていただいて、適正な利益といいますか、適正なものは、ただ、利益というか、そういうものを生む構造というのは医療には不適切でありますから、順調にやれる、健全には運営できるという程度のものは、それは当然のことでありますけれども、ぜひともそういう運営をしていただきたいし、その辺の調査をしっかりしていただいて、余りにも、国民からも、ここに穴があいているな、我々の医療費がここに行っているんだと思えば、患者さんも、病院から処方箋を渡されても、渡されたら調剤薬局に行かなきゃしようがないんですよ、そうすると、院内でやっているところの方がいいなということになります。

 それと、もう一つ申し上げたいのは、経済的なことだけではなくて、院内でもらう、そういう高齢者の方々が多い地域において、無理に医薬分業を進めるという政策は僕は間違っているのではないかと思うので、今別府局長、さっき、これをどんどん進めていくと言ったけれども、これはこれで、必要なところは状況に応じて考えるということだけはちょっとお願いしたいんですけれども、どうですか。

今別府政府参考人 先ほど御紹介をいたしましたように、これは、全体的な数字ではもう三分の二まで来ましたけれども、まだ地域差もございます。

 先生おっしゃるように、必要があって残っているところがあるので、そこは、一〇〇%に向かって限りなくやらなきゃいけない話なのかどうかというのはありますが、まだ所期の目標の道半ばであって、現時点では、特にまだ五割にも満たないような地域については、医薬分業の推進というのが引き続き必要ではないかと考えております。

清水(鴻)委員 まあ、今別府局長も頑固だから、もうこれ以上言ってもしようがないので。

 いや、進めて、周りの、医療提供者もあるいは患者さんもその方がいいという地域は、それはそれでおっしゃるとおりだと思いますよ。だけれども、患者さんの立場に立って、無理に進めるべきものではないという、またいろいろな地域の状況がありますよ。

 だから、そういうことは、本当に、過疎のところとかいろいろなところがあることを考慮して、全部東京じゃないんですよ。皆さんは東京に住んでいるけれども、僕らは京都の中でも田舎の方に住んでいるので、そういう地域の状況というのをよく考えて政策を進めていただきたいし、また、進めるのはいいですけれども、その利益がそういうところにばかり流れて偏在するようでは困るなということをぜひ考慮して、医薬分業についても考えていっていただきたいなと思います。

 大臣、いろいろ聞いていただいたわけですけれども、そういう地域についてはどうですか。それでもやはり医薬分業は、そこでも無理に進めるべきですか。

 もうお疲れでしたら、結構です。

田村国務大臣 そういう地域というのがどういう地域なのかというのがわからないんですけれども……(清水(鴻)委員「過疎ですよ」と呼ぶ)過疎でも、ニーズがあって必要であるところは、医薬分業というものを我々は進めてきておるわけでありますから、進めていくべきであろうというふうに思います。

 どうしても進められない、物理的に進められないというところが全くないというふうには思っておりませんけれども、進め得るところは進めていくというのが方針でございます。

清水(鴻)委員 負担は三割、五割多くなっても進めるということですね。わかりました。

 我々がそういうことに関与できるようなときがいずれ来たら、まあ、それまでに僕も死んでしまいますけれども、万々が一そういうときが来たら、そのときは、そういう人たちに、患者さんに優しい医療政策を進めたいなと思います。まあ、わかりました。

 では、福岡政務官に来ていただいているので、最近、特保、いわゆる保健機能食品というジャンルですよね。時々、患者さんに、こういう健康食品あるいは特保を飲んで、食べているので、もう血圧の薬は要らないんじゃないですか、先生というような質問があったり、これで脂肪の吸収を抑えているので中性脂肪のお薬はもう要らないんじゃないですかと聞かれることがあるんですよね。

 そういうことについて、僕は少し、機能の宣伝といいますか広告についてもいかがかなと思いますけれども、その辺の今現在の、保健機能食品、特に特保等について、今どれぐらいの品目があって、どういうエビデンスで許可基準になっているのか、ちょっと教えてください。

福岡大臣政務官 清水委員には何かと御指導をいただいておりまして、ありがとうございます。

 御質問の特定保健用食品、いわゆる特保でございますが、これは民間の日本健康・栄養食品協会が調査をしておりますが、平成二十五年度、二〇一三年度において、全体の市場規模については約六千二百億円というふうになっておるところでございます。そして、今年の五月末現在で、特保の許可件数は千百三件ということになっておりますが、実際その中で市場に出回っているのは、推測されるところ、その三割程度ではないかというふうに考えられているところでございます。

 特定保健用食品については、その機能性が医学的、栄養的に明らかにされ、適切な摂取量が設定できるものであることが要件とされているというところでございまして、消費者委員会だったり食品安全委員会だったり、またその後、厚生労働省においても、それらの要件についてしっかり審査されているというふうに承知しております。

清水(鴻)委員 エビデンスはもちろんあるから許可されているわけですけれども、例えば薬だったら、いわゆる常用量というか、これだけ飲めば効果がありますよということが明白ですよね、いわゆる範囲が。だけれども、この特保とかの場合、例えば脂肪の吸収を抑えるとか血圧を下げるとか、どれだけ摂取すればというようなことについては余り触れられていないんですよね。

 だから、本当に、例えば、ある飲料水を一本飲めば、それで脂肪の吸収が抑えられて効果があるものなのか、それとも、極端に言えば一日十本、二十本飲まないといわば効果がない、つまりドーズの問題ですけれども、そういうことも含めて効能としないと、そんな十本飲むなんてほとんど考えられないなということで、それが効能があるということになると、これはちょっと何か欺瞞になるんじゃないかなというふうに思うんです。

 その辺のところの、いわゆるドーズといいますか、用量ですね、そういうようなものも含めて、大体、一本なら一本飲めば効果がある、そういうことでも許可されているわけですか、そのエビデンスは。

岡田政府参考人 お答えいたします。

 先ほど政務官からお答えしたことの補足になろうかと思いますけれども、特定保健用食品の許可に当たりましては、どういう効果があるかという機能性を示す資料の提出を求めておりまして、申請者は、まず第一に、最終製品を用いた、人を対象といたします試験で、その食品を摂取するグループと摂取をしないグループで比較をいたしまして、機能性に関して統計学的に十分な有意差を確認できるデータの提出が必要というふうにされておるわけでございます。

 また、機能性の評価に当たりましても、医学、栄養学の専門家から構成される消費者委員会の意見を聞いた上で許可を行っているという手続を経ているというところでございます。

清水(鴻)委員 そうすると、結構、医薬品と同等とは言いませんけれども、それなりの、それと相応する効果があるから、逆に言えば、血圧を下げるそういう食品を食べていれば、血圧の薬と飲んだらオーバードーズになる、そういう心配もあるというふうに理解していいんですか。

岡田政府参考人 お答えいたします。

 当然、許可をする際の条件といたしまして、一日当たりの摂取量とか、あるいはどういうところに気をつけなくてはいけないのかという許可の条件を付しますので、安全性に係る問題点が生じないようにということで許可制度を運用しているところでございます。

清水(鴻)委員 そういうこと、一本だけですよとか二本だけですと言っていますかね。宣伝とかで書いてあるのも余り見たことはないし、そういう何か常用量みたいなものが一般的に広く知られているというのは、ちょっと私としては認識がないですけれども、そういうことが条件になっているんですね。では、どこかにはちゃんと書いてあるということですね、一日一本にしてくださいとか。

岡田政府参考人 具体例で申し上げる方が一番いいのかもしれませんけれども、通常、特定保健用食品の場合は、商品名の表示の記載の中に、一日当たりの摂取目安量、例えばでございますけれども、一日当たり二袋を目安にお召し上がりくださいとか、こういうふうに記載をしておるわけでございまして、基本的な事項については表示の中で全部書くというふうにいたしております。

清水(鴻)委員 では、それを守っていれば、薬と併用と言うとおかしいですけれども、薬が、当然、血圧の高い人には降圧剤が投与されている、さらに特保を服用してもオーバードーズになることはない。つまり、余り効果は関係ないということですかね。つまり、もし本当に効果があるんだったら、これは薬だったら飲み合わせですよね。そういうことですよね。

 時間がないので、もう次の質問に行きたいなと思うんですけれども、そこのところの、広告とか、あるいは、それはそれでいいんですけれども、しっかりと今おっしゃったようなことが徹底されて、国民にちゃんとした認識のもとに特保がいかないと、今、何か健康食品、これはまた特保にもなっていないものでありますけれども、そういうのがすごく健康にいいようなイメージで、そこにはどんどんお金がつぎ込まれるけれども、さっきおっしゃったように六千何ぼ、僕の手元では六千八百億という特保の資料もありますよ。さっき政務官も六千二百億とおっしゃいましたけれども、そういうシェアになってきて、ほかにまだ、いわゆる健康食品という、そこにもいっていない食品も含めて、大きなシェアになっている。これはやはり、ちゃんとした広告の義務とかそういうことをしないと誤解を与えるということをぜひ検討していただきたいと思います。よろしくお願いします。

 政務官、忙しかったら、もうこれで次に行きますので。済みません、ありがとうございました。

 次に、看護補助者について、ちょっと。

 介護の方は、介護ということで、一応介護する人が主役ですので、今またこの法律が変わろうとしていますけれども、従来であれば、三年間介護士として働いて、そして経験を積んで、一定の研修をして、試験を受ければ介護福祉士という資格を取れる、そういう、キャリアアップしていける、そしてやりがいも出てくるということになっているんですけれども、やはり今、看護も、看護師さん等、今度また特定行為もするという、看護師さんの役割もまた大変広がってきます。それを支える、下支えするというか、そういうことに、看護補助者というのがいるわけです。看護助手とか看護補助者と呼んでいます。

 そういう人たちは、保険点数的には若干配慮はされているんですけれども、その人たちのキャリアアップとか、その人たちのものについては何ら認められていないんですよ。そういうものについて、せめて、例えばホスピタルヘルパー資格とか、あるいは病院のヘルパーさんみたいなもので、何か少しその人たちを認めてあげるような制度というのはできないものかなと。

 というのは、いつまでたっても看護助手は看護助手のままで、そうしたら当然、介護士だって離職率が高いわけですから、看護助手も離職率は非常に高いし、だけれども、その人たちがいなくなると、病院というのはなかなか回っていかない。

 そういう現状があるので、ぜひ、その辺のところを何か工夫できないかなというふうに思うんですけれども、担当の方で結構ですけれども、ちょっと考えてみていただけませんか。

田村国務大臣 看護補助者の役割というのはしっかりあるわけでありまして、看護師の方々自体がその負担が軽減されたりでありますとか、患者の方々の療養環境の向上という意味もあるわけであります。

 今も診療報酬の中でその配置を評価しておったりでありますとか、二十六年度は、急性期の夜間等々の配置、これを評価するというような診療報酬の点数をつけました。そういう形の中において、我々も評価をさせてきていただいております。

 もちろん、看護補助者が入る中において、看護師の方々の時間外勤務時間、こういうものが減ったりでありますとか、それから、本来看護師さんがやる業務、これがしっかりやれたりでありますとか、ナースコールの回数が減ったなんという話もあります。

 ただ一方で、やはり、業務基準でありますとか手順というものをしっかり明示するというような課題があったりでありますとか、さらに申し上げれば、そのマネジメント、看護管理者でありますとか看護師さんの、要は、看護補助者に対してマネジメント自体が、いろいろな課題がある。リスクマネジメントの教育も必要である。

 教育という意味からすると、ほとんど全てと言っていいぐらい、各病院は研修等々をやっていると言われるんですが、その差があることは事実でございますので、そういうものに関しては我々でもしっかりと、研修等々、教育ができるように進めてまいりたいと思いますし、今回の例のあの基金もそのような資質の向上等々に使えるというようになっております。

 問題は、言われたような国家資格化となりますと、もう既にこれは診療報酬の中の評価に入っておりますので、それをやるとちょっと混乱が生じますので、言われたような形で、資質の向上という意味では、いろいろな形で、基金のお金を使っていただきながらやっていただければありがたいというふうに思います。

清水(鴻)委員 おっしゃるとおり、我々も、我々というか、私も京都で京都私立病院協会の会長というのを今しているんですけれども、そこでもやはり看護補助者の人の研修をやっています。つまり、やはり病院で働く以上、プライバシーの問題、接遇の問題、さらには感染の問題等、初歩的な知識というものを持ってもらわないといけないということもありまして、そういう研修もやっている。

 僕は、国家資格とかそんなオーバーなことは言っていません。研修修了証とか、その人たちにとっても一つの何かあかしになるようなものを、こういう研修があって、こういうものを受けたら研修修了証があって、御主人が引っ越して、行ったけれども、次のところでまた病院の看護助手をしようと思ったときに、私は今こういう研修も受けていますというようなことがあればその人たちの励みになるかな、そういう意味ですので、そういう御理解のもとに、ちょっと検討していただければということです。

 もう時間が迫ってきました。あと、資料の最後は、もう時間がないので、見ていただくだけで結構です。

 入札不調、つまり、建設費の高騰で、病院の建てかえ、特に耐震構造等で建てかえをせざるを得ない病院、あるいは、予定で、介護保険計画の中でつくる特養等、工事が不調に終わっているという例が非常に多く出ている。その現状をぜひ考えていただいて、医療福祉事業団の貸し付けの枠をぜひやっていただくとか、そういうものも含めて、ぜひ検討していただきたいということ。

 あと、ちょっと新聞報道に出ていたことですけれども、病院、介護施設を一体運営するということについて出ていたということで、これは事実かどうかも含めて教えていただければと思いましたけれども、時間が来ましたので、また機会があれば御質問させていただきます。

 どうもありがとうございました。

後藤委員長 次に、中島克仁君。

中島委員 みんなの党の中島克仁です。

 本日は一般質疑ということで、私にも時間を頂戴したいというふうに思います。

 前回の一般質疑のときに、私からは、高齢化に伴う、年々ふえ続ける社会保障費、特に、高齢化の中でさまざまな病気をたくさん抱えた方々がふえるということで、医療費の増加、高齢化以外の要因ということで大臣の御見解等をいただきました。

 私からは、そもそも、医療市場の問題、医師の開業自由原則とか医療機器導入制度。簡単に言ってしまうと、医師が専門分野にかかわらず自由に開業できて、自由に医療機器等を設定できてしまうことで、今、いいリース制度、うまく回転させるようなリース制度の中で、結果的に我が国にとって、MRIの機器、高度医療機器がたくさんふえてしまった、それが、患者さんのフリーアクセスと、そして出来高払い制度の今の診療報酬体制の中で、いい面、悪い面あるとはいえ、結果的に医療費の増大につながっているのではないか。

 消費税も増税されたわけですが、やはり根本的な医療市場の問題、これは介護分野にも言えるとは思うんですが、その辺の改革というか見直しがなければ、今後さらに進行していく高齢化問題には対応し切れないのではないか、そのような問題提起をさせていただいたところであります。

 それプラス、病院の機能分担も含めて、大きな病院と診療所の役割分担。これは厚生労働省としてもいろいろ工夫はしておるようですけれども、結果的には、大病院と診療所が、患者さん、その外来機能を競い合うような構図になってしまっている。そのために、私は、やはり家庭医、そういったものは必要なのではないかと。

 それに対して大臣からは、日本の医療制度、ある程度効率的にはなっている、そんな中で、GPに関しては、諸々の課題もあって問題もある、今の日本の医療制度の中ではなかなかなじまないのではないか、そのような御答弁をいただきました。

 私も、先ほども言ったように、これから先、次世代に負担を残させない、そのためには、前々回のときには歳入庁の話もしました。今までの歴史の中で、文化という言葉の中で、なかなかこれを取っ払ってやっていくのは難しいという御答弁もいただいたわけですが、やはりそういったことにとらわれず。

 なぜかというと、この日本の超高齢化社会というのは、言うまでもございません、世界に類を見ないということですから、諸外国を例にするというよりは、我々が他国に先駆けて、本当に効率性のいい、そういう制度、見直していく必要。これは私たちが課された、本当に次の世代の子供たちにどういう形で少しでも変えて引き渡していくのか、これはある意味で責任であるんじゃないか、そのように思っているところでございます。

 そのような考えを前提に、きょうは、高齢化に伴う医療費の増大と介護保険、その関連性について御質問させていただきたいというふうに思います。

 先ほどからも言っているように、年々医療費はふえ続けております。医療保険体制も、現役世代の負担は増加していて、現役世代の保険制度、協会けんぽ、組合健保も含めて、後期高齢者への拠出が財政をかなり逼迫させてしまっている。こういう中で、さまざまな取り組みがされておることは承知をしておるわけですが、何度も言うように、これからさらに進行していくとなれば、また少し視点を変えなきゃいけないんではないか、そのようなことを私は思っております。

 実際、私、在宅医としてやっておるわけですが、後期高齢者の部分、現在では七十五歳ということになるわけですが、これは、特養にいても、在宅にいても、一般の外来をやっていても、ある程度の年齢になった後、例えば、がんを抱えた、あるいは骨折をした、あるいは認知症になった、さまざまな病気を抱えていても、その病気の有無にかかわらず、その軸はやはり介護ということなんではないかと思うんです。

 積極的な治療をしたとしても、例えば骨折、これも、骨折というのは死因にはならないかもしれませんが、ある統計を見ますと、骨折した後、五年生存率というのはがくんと下がります。それはなぜかというと、骨折をしたことで、寝たきりのというか、寝た時間が長くなる、そうすると心肺機能が落ちる、結果的に廃用症候群のような状況で死亡率が上がる。そういうことですから、やはり病気の種類とか医療とのかかわりとはかかわらず、介護が主軸になる。

 そういった観点からいきますと、これは私、前から持論のように言っているんですが、後期高齢者の医療制度と介護保険の一元化、一元化というとちょっと語弊があるかもしれませんが、一体化、そのような感覚の中で、医療を受けたいのか、それとも介護を受けたいのか、そのような、患者さんたちにとって、選択できるというとなんですけれども、そういうことの中で検討していく、そういうことが必要じゃないかなと思っております。

 それで、ちょっと厚生労働省にお聞きしたいんですが、介護保険と後期高齢者、高齢者医療制度、その一体化というか、そのような議論がなされておるのか、まずお尋ねしたいと思います。

原(勝)政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、高齢者の場合は医療と介護の両方のニーズを持っている方が多いことから、高齢者医療制度と介護保険制度を一元化すべきとの御意見があることは承知をしておりますけれども、実現をするためには困難な課題も大変たくさんあるというふうに考えております。

 検討状況ということでございますけれども、厚生省におきましては、現在、医療保険制度また介護保険制度の両制度につきまして、それぞれ必要な改革に取り組んでいる途上でございまして、現時点で一元化に関する具体的な検討は行っておりません。

中島委員 厚生労働省ではそのような検討は行われていない。

 私、ちょっと調べたところですと、行政刷新会議のライフイノベーションワーキンググループで一度検討されたことがあるというふうに承知いたしております。

 今も言ったように、制度、財源の問題、後世の問題も考えても、非常に課題があるなということはよく言われるわけですが、実際に感じるところが、例えば特別養護老人ホームや在宅において、例えば在宅医療であれば、介護保険から訪問看護が入ったり訪問入浴が入ったり、さまざまな、多職種で一緒にやるわけですが、そこで一つだけ違うのが、医療で入る医師。特別養護老人ホームにおいても、どこからどこまでが介護で、どこからどこまでが医療なんだという区別が非常にしづらい。そうなってきますと、先ほど言ったように、ある程度の年齢になった場合、全体的にそれを包括していく目が必要なんじゃないか。

 そうなってくると、よく言われます、地域包括ケアシステムの中で、多職種連携、そういったチーム医療というか、そういう包括的に見ていくに当たって、なかなか連携がとりづらい。地域ケア会議等で連携をとりましょうということになるわけですが、なかなか連携がとりづらい。一つの理由は、やはり、制度をまたいでしまう、そういうところにあるのではないかというふうにも思います。

 私、一元化という言葉がちょっと語弊があると言ったのは、そうしたら、何か、もとへ戻っちゃうじゃないか、もともと介護保険を創設した理由は、今後、高齢化が進んで、医療と介護をはっきり分けましょう、そして全国一律のもとに介護サービスを充実させようという趣旨であって、それがもとへ戻るんだったら、何だ、もとさやじゃないかというふうに思われるかもしれませんが、私はそうは思わないんですね。

 なぜかというと、あくまでも老人医療というのが中心だったところへ介護保険ができて、これだけ十何年間の間に各地域に広がって、特別養護老人ホームにおいても、老健においても、一つの確立されたものがある。そして、今度、一体化するという意味は、今度は医療の方がそちらへ偏る。

 そういう、介護施設、介護に必要な医療というのは何なんだろうかというふうなことを見詰め直すという意味では、実は、介護保険が創設されたのをワンクッション置いたことで、また介護の方を軸とした一元化を図るということは大変いい意味じゃないかなというふうに私は思います。

 私が勝手に名前をつけたんですが、高齢者ケア制度というか、そういったもの。先ほども言ったように、大変課題があるのはわかります。ただ、これから、二〇二五年へ向けて、次の世代、そして、今、超党派の議員連盟で尊厳死の問題とか、要するに、がんの終末期であればターミナルケアということになります。一方で、今言われているのはエンド・オブ・ライフ・ケア、要するに、直訳すると生命の終わりということになってしまいますが、がんのみならず、高齢者の医療に関しても、尊厳を保ちながら、その方にとってどういう場所が必要なんだろうかと。

 そのような観点から、私、高齢者ケア制度と勝手に名づけているんですが、大臣、一言御見解をいただきたいと思います。

田村国務大臣 中島委員の問題意識といいますか、多分、現場で在宅医療もなされておられて、非常に使い勝手が悪いなというような、そういう思いの中から、そのような御意見なんだろうと思います。

 私自身、ふわっとはイメージが湧くんですけれども、ただ、実際に制度設計したときに、出来高でやっている医療と、介護は、マルメといいますか、上限があってやっているものですよね。同じ財源でやる制度として、ちょっとイメージが湧かないんですよね。制度設計もかなり難しい。

 同じ制度であったとしても、やはり、お医者様と他の職種の間で溝があったら、結局、一緒の話であって、要は、サービスを受ける患者の方、要介護者の方が、受ける方として境目がなければいいんだろうというふうに思うんですね。

 ですから、そういう意味からすると、在宅医療・介護連携、今回の地域包括ケアの中にも地域支援事業の中に入っておりますけれども、それをやはり強化していって、まさに委員がふだんからおっしゃられているようなことが、矛盾なく、ちゃんとシームレスにつながっていく、そういうようなものを模索する方が、制度を、たてつけを変えて、また大混乱がそこで起こると思うんです、それよりも、この二〇二五年まで余り時間がない中において、そちらをやっていった方が私はいいのではないかと。

 そのためには、また、現場で本当に御活躍をいただいておる委員からもいろいろなお知恵をいただければありがたいなというふうに思っておりますので、お願いをいたしたいと思います。

中島委員 歳入庁のときもそうだったんですが、なかなか課題が多かったり、今の御意見はわかるんです、大混乱を起こすかもしれないと。ただ、歳入庁のときは、えいやと気合いを入れれば何とかなる問題かもしれないぐらいのこと。

 ぜひこれは、私は逆なんですね、やはり、今のそれを強化していくことよりも、むしろ、今後、先ほども言ったように、世界に類を見ない、歴史上でも、これほどの高齢化を迎えたことは、当たり前ですが、一切ないわけです。そうなると、チャレンジという言葉がちょっと合うかどうかわからないんですが、どういうふうにやることが、先ほど言った尊厳死とかエンド・オブ・ライフ・ケアではないですが、資するものなのか。

 先ほども言ったように、私、特養の嘱託医もやっております。どこからどこまでが介護で、どこからどこまでが医療なんだというはざまは非常に難しいんですね。そんな中で、いつも利用者さんや患者さん方、例えば特別養護老人ホームで熱を出しました、では病院に行くのか行かないか、そのはざまというのがあるわけですね。それを患者さんに投げてしまうと、もう病院に行くしかなくなってしまうわけです。

 ただ、そこから一歩踏み込んで、いや、そうではないんだと。ここでこれだけの、例えば、食事がとれないのであれば少しの補液をしましょう、こういうこともできるんです、ああ、こういうことも介護施設でやっていただけるんですか、そういったことを積極的に踏み込むことで、私の感覚でいきますと、ほぼ、十割とは言わないですが九割の方は、病院に行かずに施設にとどまります。これは在宅も同じだと思います。

 そして、一方で、受け手の病院の方ですね、これは私の考え、清水先生はどう思われるかわかりませんが、医者というのは、さっきお医者様と言いましたけれども、お医者様なんて言われるあれはないと思うんですね。なぜかというと、これは職業人でありますから、例えば、病院に来た患者さんに医者が一番言われたくない言葉は、この医者、何もやってくれなかったということなんです。要するに、入院してしまった患者さんに対して、やはり積極的な行為をせざるを得ない、そういう状況があるわけですよね。

 例えば、在宅にいて、私が百歳のお年寄りをみとるときに、これは言い方が間違っていたら失礼に当たるかもしれませんが、三日間お休みになって、そして半日起きる。そしてそのときに御飯を食べて、また三日間お休みになる。これが病院に行ったらどういうことになるかというと、この方は丸一日食べていないから、では点滴しましょうという話になるわけです。

 その結果、終末期、エンド・オブ・ライフ・ケアに対する医療というのは、在宅においては、おばあちゃんはこういうライフサイクルというか、そういったことを認識できるわけです。介護施設においても同様なことが言えて、ただ、それが病院に行ってしまうことで、病院に入院している方がきょうは一日食べませんでした、では点滴しましょう、そういうことになってしまう。その人の人間性というかライフサイクルというのを判断する場所としては、やはり実は、病院ではなくて、御自宅であったり施設の方がいいのではないか。

 そういう観点からいきますと、さっき選択制と言ったんですが、ちゃんとしたそういう説明ができれば、僕は、九割ぐらいの方は介護を選ぶんじゃないか。それで、その中でできる範囲のことをやりましょうと。

 その説明が曖昧になってしまって、ここからここが医療だよ、ここからこっちが介護だよとやることで、結果的には医療へ、希望しなくても医療の方へ送り込まれてしまって、これは無駄だとは言いませんが、もしかしたら望まない医療が志向されてしまう。結果、高齢化に伴ってそういう方の人口がふえることで、後期高齢者の部分の医療費が重なってしまう。患者さんも望まない、医療側も、これでいいのかなと思いながら、結果的にはなし崩しになってしまって、医療費がかさんでしまうというような構図があるんではないかなと。

 そのようなところから、少々の課題はあるにしても、やはり、その患者さんにとってどういう制度がいいのか。

 そして一方では、冒頭に言った、次世代に負担を残させないために、後期高齢者の部分、ある一定の年齢以上の方々、高齢者のさらに高齢化という現状でございますから、その中で、私は、高齢者医療と介護保険を足して、そうしたら二倍、一足す一は二じゃないかというふうに思われるかもしれませんが、先ほど言ったように、僕は、九割ぐらいの方は介護の主軸としたものを選ばれるのではないかと。そうすると、一足す一は一・五ぐらいで済むんじゃないか。そのような発想から、そういったことの検討もぜひ今後していくべきではないかなというふうに思います。

 そこに入っていく医者ということになりますと、医療もやはり、今度は逆に、土俵は介護というところへ医師が入っていく。そうなってくると、また冒頭に戻りますが、家庭医。

 今医師会が言っているかかりつけ医、私は、かかりつけ医という今の日本医師会の位置づけが必ずしも、在宅医療や施設での医療に携わる役割を果たしているかというと、残念ながら果たしていない。それは制度上の問題でもあるのかもしれませんが、そうなると、改めて、イギリスのGPは課題がある、でも、課題がわかっているのなら、最近、日本版何とかというのがはやっていますが、私は、日本版家庭医、この創設に向けて、これも検討していくべきだというふうに思うわけですが、大臣の御見解を改めてお伺いしたいと思います。

田村国務大臣 委員が、日本版家庭医、日本版NIHもどこかに、名前がなくなりましたのであれなんですけれども、日本版家庭医というイメージが、何をイメージをされておられるのか。

 もちろん、かかりつけ医、ホームドクター、いろいろな言い方があります。そういうような形で、一人の方が自分の健康を、主にそのお医者さんに主治医というような形で診ていただくということは、これは我々もこれからしっかりと進めてまいりたいという認識でございますから、そこは同じなんだというふうに思うんですね。

 それを、かかりつけ医というか、かかりつけ医もいろいろありますから、確かに、かかりつけ医といったっていろいろなものがあるんだから、それが、全くもって私が言っている日本版家庭医と違うよと言われちゃうと、そうなのかもわかりませんが、かかりつけ医の中には、そのような主治医機能をお持ちのかかりつけ医もおられますし、あわせて、これから、総合診療専門医、これは開業医だけではなくて中小病院にもおられるというような形になると思うんですけれども、そういう方々も、そういう役割を担っていただくのかもわかりません。

 あわせて申し上げれば、在支診のようなものが、しっかりと在宅を、しかも強化型で連携して対応する。三つぐらいがくっついて、しっかり二十四時間対応できるというような形もあろうかと思います。さまざま、これからの在宅医療に向かっては、我々も方策というものを進めてまいりたいというふうに思っております。

 委員のおっしゃられる日本版家庭医というのが、なかなか私もかちっと理解できていないものでありますから、このような答弁でお許しをいただければというふうに思います。

中島委員 イメージとすると、やはりイギリスのGPだと思うんです。そこで、要するに、今の出来高払いのかかりつけ医が何となくやるようなことではなくて、例えば、二千人なら二千人登録制にして、個人に報酬が払われて、登録人数、その実効性によって、病院に診療報酬が当然だと思うんですが、家庭医に関しては、頑張った家庭医といったら変ですけれども、しっかりやっている家庭医には、個人に診療報酬が払われる。ただ、それは出来高ではなくて、何人を診ているか。

 そういった基準の中で、そうしていくことで、日本版と言った一つの理由は、日本には介護保険といういい制度があります。何度も言うようですが、私は介護保険はいい制度だと思っています。そこの、今の特性、特別養護老人ホームであり、グループホームがあったり、そういったところへスムーズに入っていけるような、そういう制度として、ただ、基本となる考えはイギリスのGPだと思うんですが、それを今の国民皆保険とか、いろいろな、さまざまな日本独自の制度の中に整合性をとっていけるような、そこを目指す。

 そのためには、医者も頑張らなきゃいけないんです。単純に、開業しているから、では、外来で診ているからかかりつけ医ではなくて、そのためには、総合診療医という言葉が出てきましたが、さまざまな高齢者に対して、例えば、目の疾患を持っていたり、肝臓の疾患を持っている、いろいろな病気を複合して持っている方たちを総合的に診られる医者ということで、これは、実はハードルを高くする。その一つのインセンティブ、そのかわり、自分が病院に働いていれば病院に払われる診療報酬が、個人の実績に対して払われるということ。

 なかなかイメージが湧かないのかもしれません。今度ゆっくり話をさせていただければ、そのようにも思います。

 その制度のはざまということで、現場が戸惑ってしまう代表的なのが療養病床だというふうに思います。これはもう御承知のとおりで、平成十二年に介護保険ができてから、今現状で、介護療養病床、医療療養病床。これは患者さんにとってどうかというよりは、財源が介護保険から出る介護療養、そして医療保険から出る医療療養。

 これは何度もほかの委員も御質問しているとは思いますが、平成十八年のときに介護療養は廃止するという方針になった後、なかなか転換が進まない。老健への転換、移行を進めていたわけですが。そして、二十三年の通常国会の介護保険法の改正で、六年間期限を延長するということになって、さらに追加支援、移行しやすくするということになっておりますが、現状でも七万床ぐらいまだ残っておるということで、現在、厚生労働省としてどのような考え方で、二十九年度に向かってお考えになっているのか、お答えいただきたいと思います。

原(勝)政府参考人 お答えを申し上げます。

 今後の介護療養病床のあり方についてでございますが、平成二十三年に成立しました介護保険法等の一部改正法の附帯決議に基づきまして、実態調査をした上で、必要な見直しを検討することとしております。

 したがいまして、見直しの方向性等については、まだ現段階では具体的に申し上げられませんけれども、厚生労働省といたしましては、今後、実態調査によって必要な機能を把握した上で、現に介護療養病床が担っている役割を考慮しながら、今後の施設サービスのあり方について、関連する審議会等で議論をし、方針を取りまとめていきたいと考えているところでございます。

中島委員 時間もないのでこれはそんなに質問しませんけれども、要は、二十九年度に向かって、その先どうするんだという方向性はしっかりと早く決めないと、恐らく、多くの病院で、あるフロアは介護療養病床、その下は医療療養病床、そんな中で、俗に言われる介護三施設の施設基準というのがばらばらの中で、移行したくてもできないところが今残っておる。

 そういうところで、今の答弁からいきますと、恐らく二十九年度も再延長というようなことになりかねない。そうなってきますと、これから高齢化がさらに進んでいくと、その機能分担がさらに煩雑になってしまって、一体ここの施設は何がメーンなんだ、全くわからなくなってしまう。

 はっきりと、さまざまな論点をとおっしゃいましたが、もう十八年から来ているわけですから、早期に、早く明確な方針を示していただきたい、そのように思います。

 ちょっと質問通告してあったのを飛ばしまして、どうしてもお聞きしておきたいことをお聞きさせていただきます。

 資料の一枚目ですが、臓器移植の現状についてお尋ねをしたいと思います。

 これも御承知のとおりで、臓器移植法の改正、平成二十二年に改正をされました。いろいろな議論の中で、A案というものが採択されて、恐らく、党議拘束を外されて、先ほど尊厳死のことも言いましたが、それぞれの死生観も含めた考えの中で、臓器移植法が改正をされた。

 資料の一枚目は、平成二十二年に施行されましたが、その後、二十三、二十四、二十五、二十六年度はまだ途中経過ということですが、全体としてはふえていないわけですね。

 改正して施行されてから四年、この現状を厚生労働省としてどのように分析しているのか、お尋ねしたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 議員の資料の中にもございますように、御遺体からの臓器提供につきましては、分類を分けましたときに、脳死下の臓器提供が微増傾向にある一方で、心停止下の臓器提供が減少傾向にありまして、全体を合わせて見ましても、目立った伸びということにはなっていないという状況です。

 では、臓器提供はどういうときに行われるかということで、タイミングと申しますか、きっかけを考えてみますと、一つは、御家族が日ごろから臓器提供について勉強しておられて、御家族の側から申し出ていただくという場合、それから二つ目は、そういうことはないんだけれども、治療に当たっていらっしゃるお医者さんの側から、臓器提供という選択もございますがいかがでしょうか、こういう二つのパターンがございます。

 臓器移植ネットワークの統計によりますと、御家族の側から申し出というパターンが実は減少しておりまして、むしろ、お医者さんの側から、こういう選択肢がありますよという提示が増加しているということのようです。足し合わせてみますと、結果的には、臓器提供のあっせんが開始される件数が減少しているということです。

 こうしたことを考えますと、御家族の申し出が少しでもふえていただくということが、脳死も含めた全体の臓器提供がふえることだろうと思います。

 そう考えますと、引き続き、臓器を提供する意思、あるいはしない意思も含めて、双方の意思が尊重されるように普及や啓発といったようなことを進めてまいりたいと思っております。

中島委員 時間ですので終わりますけれども、そもそも法改正の意義、先ほど言ったように、理由は、患者さん、家族からのあれではなく救急医療の現場からの要請の方が多くなった、その後の現状は結果的に数はふえていないということなんだと思いますが、そもそも、厚生労働省としてというよりは、我が国として、臓器移植を進めていくという方向性でいいのかどうか。

 二十二年の改正、施行に当たっては、大きく変わった、さまざまありますが、やはり年齢を撤廃したというところは非常に大きい意義だったと思います。それにもかかわらずと言っていいのかどうかわかりませんが、子供の臓器移植が今までで四例にとどまっておる。私は、決してどんどんやれという意味で言っているのではないんです。一方では、やはり海外へ行って移植を待っている子供たちもたくさんいます。

 そんな中で、日本独自の文化、アメリカとは全然考え方も違うという大変難しい背景はわかりますが、そもそも、この数字を厚生労働省としてもっとふやしていくように工夫、先ほど啓発という言葉がありましたが、なかなか啓発だけでは難しいのではないか。もし、どんどん進めて、数を、改正後に見直してふやしていくというのであれば、やはりもっとしっかりとした方向性を位置づける必要があるのではないかなと思いますが、最後にそれに対してお答えいただいて、終わりたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 恐らく、小児からの提供が四件にとどまっているというような現状、つまり、法改正その他をしたにもかかわらずとどまっている状況についてどう思うかという御質問だと思います。

 先ほども申し上げましたことの繰り返しになりますが、大人の場合は、生前に臓器移植についてお話をされていたとか、意思表示カードをお持ちだとかいった、家族からの申し出による臓器提供が進む可能性も多少はありますけれども、子供さんの場合は、やはり、大変お小さい方で、日ごろから生前の意思というものの確認がなかなかしづらい、それから、小さいお子さんを持っている御両親が、この子に万一のことがあったら臓器を提供しようなどという話をするとは余り思えませんので、そうすると、やはりお医者さん側からの、あるいは医療機関側からの提供が中心ということになりますから、子供さんからの提供が進まない理由というのはそういう背景があると思います。

 そうしますと、先生から、普及啓発だけではなかなか難しいという御意見ではございましたけれども、やはり、国民的にこういう問題があるということを御理解いただくように私どもも取り組んでいかなければならないし、ありふれた言い方ですけれども、普及啓発を中心に、臓器移植というものの意義、重要性を御理解いただくように努力していくことだろうと思います。

中島委員 きょうは時間なので、また臓器移植のことに関しては御質問させていただきたいと思います。ありがとうございました。

後藤委員長 次に、椎名毅君。

椎名委員 結いの党の椎名毅でございます。

 本日、初めて厚生労働委員会に参加をさせていただきました。

 我が党の井坂委員と交代ということで、三十分質疑時間をいただきましたことに改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。

 本日は、社会的養護について伺いたいというふうに思います。

 私自身も、地元、神奈川県川崎市麻生区、多摩区でやらせていただいていますけれども、社会的養護にかなり興味を持って、地元の児童養護施設等を訪問させていただき、社会的養護について積極的に今取り組ませていただいております。

 社会的養護について、従前からよく言われている問題ではありますけれども、日本の社会的養護が必要な要保護児童約四万六千人のうちの大体一割ぐらいが家庭的な環境における養護を受けている、いわゆる里親ですけれども、残りは全て施設ということですね。この比率は近年比較的上がっているということでございますけれども、それでも、まだ諸外国と比べると、例えばオーストラリアは九三・五%が家庭的な養護、いわゆるフォスタリングですね、アメリカだと七七%、香港だと約八〇%ぐらい、大体こういう形だというふうに言われています。

 施設内養護から家庭的な養護へというのが、厚生労働省も方針として打ち出していただいていると思いますが、これからのあるべき姿だろうというふうに思っています。

 その中で、幾つか伺ってまいりたいというふうに思います。

 まず、施設内養護の問題点として、幾つか挙げられると思いますが、施設の中で、職員による児童に対する虐待事例というのが多数報告されているかというふうに思います。先ごろ、テレビドラマにもなった、「明日、ママがいない」というドラマもありましたけれども、職員による児童に対する虐待というもの、これは性的な虐待まで含んでいたりもします。さらには、児童同士の性暴力という事案も報告されていたりします。

 やはり、こういった事案を考えると、施設内養護よりも家庭的環境における養護というのは進めていくべき、しかるべきだろうというふうに思いますけれども、まず、とはいえ、今、約九割、八五%から九割程度は施設内養護をしていますので、この虐待事案や児童同士の性暴力などについての対策というところについて大臣に伺いたいと思います。

田村国務大臣 施設内の虐待というのは、これは大きな課題でありまして、こういうものをいかに防いでいくか、重要な問題だというふうに認識いたしております。

 平成二十年でありましたけれども、児童福祉法改正で、虐待を受ける、言うなれば被措置児童に関して、御本人が児童相談所に直接通報できる、そういう仕組みを取り入れました。権利ノートの方に、直接連絡できるような、そういうような情報を入れるということで対応しておるわけであります。

 また、一方で、この問題に関しまして、虐待の対応のガイドラインというものをその年の三月につくったわけでありまして、そういうような形でしっかりと対応いただくというようなことであります。

 本年の三月には、社会保障審議会の児童部会の中に置いている専門委員会、ここで、いろいろと、これから、この夏をめどにワーキンググループをつくろうというふうに考えておるわけでありますけれども、このワーキンググループの中で、例えば、児童虐待が起こる状況、こういう起こりやすい状況の解明というものをしたりでありますとか、早期発見して早期対応する、こういうようなことを、どのようなあり方があるか、取り組みに関しての検討を行ってまいりたいというふうに考えております。

 ショッキングなドラマもあったわけでありますけれども、だからというわけではありませんが、この大きな課題に対してしっかりと我々対応してまいりたい、このように考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 もちろん、ちゃんとやっている施設がたくさんあるのは、それはそのとおりなんだと思いますけれども、やはり、ぜひ、この対応はきちんとやっていただきたいなというふうに思っています。

 児相への直接連絡というのがまずございましたけれども、施設の中に入っている児童というのは、逃げ場が基本的にはないんですね。親子間の関係性が崩れているからこそ要保護児童であり、そして施設の中にいるということで、施設の中での対応が悪かったときに、行き場は児相しかないんです。

 しかし、児相そのものは、内々で話を聞いたりすると、児相の職員なんかも、虐待、そういうのはあって当然なんじゃないのというふうに今感覚として思っているわけですね。だから、それがあるのが当たり前だと思っている人たちも結構いる中で、そこに救いを求めていくというのは、みんな同じなんだからといって、なかなか救いにならない部分もあったりします。

 なので、ぜひ、そういうところのモチベーションというか考え方の変更というところまでも含んでやっていかなければならないことなのではないかなというふうに私自身思っています。児相の職員というのは最後のよりどころであるにもかかわらず、なかなか距離が遠いんじゃないかというふうに思っております。

 引き続いて、次に行きたいと思います。

 先日、二カ月ほど前だと思いますけれども、総理が葛飾区の児童養護施設に行っていただいたというふうに理解をしております。その中でも、こういうところに対する予算をもっとつけましょうみたいな、受け入れ拡大策、受け入れ拡大事業についてもっと予算をつけていきましょうみたいな御発言をされたやには聞いておるわけでございます。

 そこで、少しこの社会的養護関係の予算について幾つか伺ってまいりたいと思いますけれども、やはり、施設偏重型の予算配分ではなくて、里親委託それから養子縁組の促進といった方向性にかじを切っていくために予算を使っていってほしいなというふうに思います。

 今年度の予算としても、九百五十九億だったと思いますけれども、児童入所施設措置費というふうになっています。やはり、これを見るとどうしても、施設内養護の偏重というのが予算の上でも見られるように思いますけれども、今後、児童福祉施設は自治体の自治事務ですから、自治体に対して、施設内養護ではなくて里親委託を進めていく方向性でインセンティブをつけていかなきゃいけないというふうに思います。

 これはやはりエコノミクスこそが全てなんじゃないかなというふうに思うので、税、交付金といった、そういうところなのかなというふうに思いますけれども、このあたり、社会的養護の予算について、特に施設養護と里親委託というところについて局長の御意見をいただければなというふうに思います。

石井政府参考人 社会的養護を必要とする保護者のない子供や虐待を受けた子供を家庭的な環境できめ細かにケアすることができるよう、里親への委託、あるいは児童養護施設等の小規模化や地域分散化を推進しながら、児童の生活の支援のための所要の財源を確保してきたところでございます。総理のさきの御発言も、小規模化というのは重要だねということで御発言されたというふうに受けとめております。

 それで、予算でございますが、平成二十六年度の児童の生活の支援のための予算額としましては、里親、ファミリーホームには六十億円程度、そして児童養護施設、乳児院には六百九十億円程度と積算されております。これは措置されている児童数の見合いというふうに受けとめていただければと思います。

 そして、委員の方から、自治体に対する経済的なインセンティブが何より肝要という御提案をいただいたわけでございますけれども、現在、自治体間の里親委託率、かなり大きな違いがございます。一番高い新潟では四四・三%、対して一番低いところでは五%と、全国平均が一四・八でありますが、相当な開きがある。

 やはり、この辺を見ますと、まずは自治体の里親委託率の違いを例えばグラフ化をして示して、このぐらい差があるんだ、ここまで本来できるはずだとか、あるいは、近年急激に里親委託率をうまく成功させた、活性化させた自治体の取り組みについてまとめた上で周知をするなど、これを行っているわけでございまして、まずは、こうした取り組みを徹底して里親委託の向上を促していきたいというふうに考えております。

椎名委員 好取り組みとして、恐らく福岡だったり大分だったりという話だと思いますけれども、そういう情報を共有し、そして普及活動を行っていただくというのも、それもそのとおりだと思いますが、家庭的な環境の方が子供の愛着という観点で申しますと非常に影響が高いというふうにはよく言われているわけで、最後はやはり、自治体がそれをやりたいインセンティブを持つということになっていただかないといけないんだろうと思います。いずれ、エコノミクスの上でインセンティブを与えていくということも考えていただきたいなというふうに思います。

 今局長から御紹介いただきましたけれども、日本全国で、平成二十四年末で一四・八%というのが里親委託率ということです。数でいうと、委託児童数が約四千六百人ほどということになっておるかというふうに思います。そういう意味では、徐々に徐々にふえてはいるんです。これに対して、先ほどの諸外国の例と比較をすると、そんなに、まだ決して多くはない。これに対して、里親登録をしている人というのは日本全国で九千三百九十二世帯というふうに書かれておりまして、倍ほどはいるわけですね。

 里親登録の数を見ると、もう少し里親委託を進めていくことというのは数の上でも可能そうな気がするわけですけれども、なぜ里親委託というのが進んでいかないのか、要するにボトルネックと、それから、今後どうしていくか、どう改善していくかというところについて、大臣の御意見をいただければなというふうに思います。

田村国務大臣 委員おっしゃられましたとおり、平成二十四年度末現在でありますが、登録里親数九千三百九十二世帯、そして委託児童数が四千五百七十八人ですから、言われるとおり、半分ぐらいの数字しかマッチングされていない。

 これは、自治体等々を調査いたしますと、お聞きをいたしますと、まず、里親の希望と委託児童の条件が合わないということ、それから、実親ですね、実の親が拒否をされるということ、それから、最近、発達障害をお持ちのお子さんが多くなってきておりまして、里親委託に結びつけない、こういうような事情があるわけであります。

 では、これに対してどうしていくかという話でありますが、今局長からも話がありましたけれども、好事例集じゃありませんが、委託率の高い自治体、こういうところの事例等々をいろいろと周知していくということはあります。それからもう一つは、相談員を児童養護施設の方に配置しまして、いろいろな相談に乗っていくということ。

 さらには、里親の交流会ですね。こういうところで、困難事例等々、体験発表なんかをしていただきながら、これは実は、まだ里親を受けていない方々が入っていないので、そういう方々にも案内をしたらどうだという話を私も担当にしたんですけれども、そういうところで、ちょっと一歩踏み込めない里親希望の方々が、実際問題、ああ、そういうようなものにはこういうような形で対応していけばいいんだということを学ばれますと、一歩ハードルが越えられるということもありますので、そういうこともやっていく必要があるんじゃないのかなと思っております。

 平成二十七年から十五年間で、委託率、これを三分の一ということに考えておるわけでありまして、この三分の一に向かって、まだ一四・何%でありますけれども、努力してまいりたい、このように考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 三分の一というのは、今の現状からすると倍近くなので、かなりハードルは高いと思いますけれども、他方で、やはり国際的に見るとそこまで高くはないので、もっともっと頑張っていただきたいというのが私自身のお願いです。

 先ほど大臣おっしゃっていただきました、マッチングの問題というのがあるというふうに理解をしています。

 このマッチングの問題というのは、児童相談所が、この里親登録をしている人は信用できそうだな、ここなら任せてもいいかな、そういう人を探していくのが大変というのと、それから、里親の側でも、やれ何歳の、性別、男、女がいいとか、割と、結構要望がきつい、そういう二つの問題があるかなというふうに思いますが、特に前者の問題として、やはり、児相から見て信頼に足りる里親というのが余りにも少ないという問題が恐らくあるんだろうというふうに思っています。

 逆に、里親登録をして、一回里親を引き受けると、何度も何度も里親を引き受けてくれというような、里親を継続的に行っている家庭というのもあったりするわけですね。だから、児相がきちんと、里親のプールの中で誰が信用できて誰が信用できないかというところを割と慎重に見ているということがあるんだろうというふうに思います。

 当然、子供を預けることですから、慎重にやらなければならないのは恐らくそのとおりなんだというふうに思います。でもしかし、他方で、里親登録をするということは、里子を受けてもいいという意味なわけですね。やはり何かしらの理由があって里子を受けたいと思っているわけですから、そういう方々を活用しない手はないわけです。里親登録をしたけれども何の連絡もないと言っている人たちも、よく話を聞くわけですね。

 ですから、そうした人たちに継続的に児相からマッチングのための呼び出しをするなり、そしてトレーニングをするなりということで、一定程度、里親登録の中で、児相から見て信用できる里親登録をしている人たちのプールをふやしていかなければならないんだろうというふうに思います。

 そういう意味で、マニュアル化をするなり、一定程度、登録した後にさらに継続的に研修をするなり、そういう形で、里親プールにいる人たちとそれから児相との関係を醸成していくということが必要ではなかろうかと思いますけれども、局長の御意見をいただければというふうに思います。

石井政府参考人 里親と要保護児童とのマッチングにつきましては、里親委託ガイドラインの中でも示しているところでございまして、里親の年齢や実子の養育経験、これまでの受託経験など、里親の特性や力量について考慮することなどをお示ししております。

 これを踏まえて、児童相談所におきましては、児童養護施設等へ入所している児童を、例えば週末のみ里親に預ける取り組みを通じて、里親の養育力を高めるとともに、その特性や力量を把握するなどの取り組みを実施しているところでございます。恐らく、こうしたところの取り組みの結果だと思いますが、ここ十年間ほどで、登録里親に対する委託児童数、この割合は一〇%ポイントほど上昇もしているわけでございます。

 議員の御提案につきましては、なかなか、標準化まで行うかどうかはさておきまして、児童相談所におけるマッチングの方法に係る好事例等の収集、あるいは他の自治体への展開をしていくということは大変重要だと思っておりますので、どういった方法がふさわしいか、引き続き研究をしてまいりたいと思っております。

椎名委員 ありがとうございます。

 マッチングというのは、家庭と子供をつなぐので、本当に難しいんだろうというふうに思います。なので、慎重にやらなければならないとは思いますが、とはいえ、やはりこれだけ里親登録をしている人たちがいるというので、ぜひ活用していただきたいというふうに思います。

 他方で、民間にも、養子縁組だったり里親だったりをつなぐ団体というのが実はあったりします。こういう団体では、実は、むしろ、養子に出したい、または里子に出したいという子供の数の方が多くて、養親または里親になる人たちの数の方が少ないという事例もあったりするわけですね。

 まさに、児相ではなくて民間の団体こそが、そういった間隙を埋めるのに、割と比較的自由に動けるというところもあるんじゃないかというふうに思ったりはします。海外でも、諸外国でも、結構そういう民間のソーシャルビジネスを使って、里親と里子、それから養親と養子というところをつなぐというソーシャルビジネスなんかを活用している例なんかもあるやには聞いております。

 こういった、今児相が担っている役割を、より民間団体を活用していくということ、そういったことを検討したらいかがかと思いますけれども、御意見をいただければと思います。

石井政府参考人 まず、厚生労働省では、里親委託ガイドラインにおいて、自治体に対して、行政措置に直接かかわらない、里親登録を受けてはいるけれどもまだ子供が委託されていない里親の意向などの把握や、あるいは、子供に合う里親候補の選定の事前調整などについて、児童相談所に専門の職員を配置して行うほか、あわせて、NPOなどの民間の里親支援機関に委託するなどして、積極的な推進を進めているところもございます。

 議員御指摘があったのは、恐らく英国の取り組みではないかと思うわけでございますが、こうしたガイドラインに基づく民間の里親支援機関の活用に際して大変参考になるものというふうには考えておりますので、今後研究を深めてまいりたいと思っております。

椎名委員 時間もないので、大分飛ばします。

 養子縁組あっせんの話を伺いたいと思います。

 民間で養子縁組あっせんをすると、特に、新生児の養子縁組あっせんをしている業者というかNPO法人というのもあったりするわけですね。

 通告しているところでいうと八番というところですけれども、養子縁組あっせんのあり方について、厚生労働省の方でも、本格的な調査研究に、ことし、来年あたりで入るというふうに聞いております。これについては非常に喜ばしいことだというふうに思いますけれども、どういったことをやっていくのかというところについて、あわせて局長に伺いたいなと思います。

石井政府参考人 養子縁組あっせんに係る調査研究でございますが、支援の質の向上を図るため、基本的な考え方や、基本的な支援方法などについて、本年度と来年度の二年間で明らかにすることを予定いたしております。

 調査研究の具体的な内容でございますけれども、まず、児童相談所や民間事業者における養子縁組あっせんの支援の実態を把握すること。そして、児童相談所と民間事業者の連携方法の好事例、これを収集する。そして、諸外国の実態、こういうことについて調査をいたしまして、その結果をもとにして、児童や実母、養親に必要な支援の内容や具体的な手法、そして児童相談所と民間事業者の連携のあり方などについて明らかにしたいと考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 養子縁組あっせんは、特に新生児、ゼロ歳ゼロカ月の虐待死を減らすに当たって非常に有効だというふうに思っています。

 さらには、今一年間で日本で生まれる子供の数というのは大体百万人ですけれども、年間行われている人工妊娠中絶件数は、その五分の一、二十万件ですね。母体保護法に基づいて行われているわけですけれども、この二十万件のうちのほぼ大半が、身体的または経済的な理由に基づき行われる中絶だというふうに言われております。

 いろいろな理由で中絶がなされているわけなので、必ずしも、望まない妊娠によって中絶をしたお子さんたちが全て生きていていただければなというふうに言うのは、それはおこがましいだろうというふうに思います。

 しかし、経済的な理由で育てられなくなったような子たちが、民間の養子縁組あっせん業者、または児相、こういったところを通じて、養子を望んでいる家庭とつながれることによって死なないで済むのであれば、これほどすばらしいことは恐らくないだろうというふうに思っています。

 この子ども虐待による死亡事例等検証結果第九次報告というのを見ると、平成二十五年だったと思いますが、ここでもゼロ歳ゼロカ月で虐待死をしている児童というのが大体十人ぐらい、十数名いるわけですね。こういったところに対して、やはり、児童相談所などが妊娠中の母親等に対して相談業務を行っていくとかしていかないといけないんだろうと思います。

 こういう虐待を防止していくための厚生労働省の取り組みについて教えてください。

石井政府参考人 国が行っております児童虐待による死亡事例の検証においては、心中以外の虐待死事例はゼロ歳児が多くて、加害者は実母が多いということがわかっております。その背景には、妊婦健診未受診、あるいは望まない妊娠、若年、十代の妊娠といった問題が多いことから、これは妊娠期、周産期からの支援の必要性が提言をされているわけでございます。この提言を受けて、いかに支援につなげていくか、これが重要なんだろうと思っております。

 安全、安心に妊娠、出産できる環境づくりを図っていくための取り組みとして、妊娠期から適切な支援につなげていくということで、既に、平成二十二年からでございますが、通知におきまして、妊娠について悩む者が相談できる体制の充実と、相談できる機関についての周知の徹底を求めております。例えば女性健康支援センター事業などを行っておりまして、これは、今年度におきましては、全国統一の電話番号を設けるなど、相談支援の充実を図ることといたしております。

 そして、もちろん、市町村では母子健康手帳の交付という重要な機会がございます。あるいは、保健指導の機会、妊婦健診などの機会があるわけでございまして、こうした機会を活用して支援ニーズを把握して、適切な支援につなげていただいている、これが重要なんだろうと思っております。

 そして、出産後の養育について、出産前において支援を行うことが特に必要と把握した、そういう妊婦さん、特定妊婦というふうに呼んでおりますけれども、そういう方々については、児童相談所、市町村、医療機関などの関係機関によって構成される要保護児童対策地域協議会、ここで情報共有を行った上で必要な支援につなげていこう、こういう仕組みがあるわけでございます。

 こうした仕組みをうまく使いながら、妊娠などに悩みを抱える方が適切な支援を受けて、それで幼い命が失われることがないようにしていく、これが大変重要ではないかなというふうに思っております。

椎名委員 ありがとうございます。

 その地域協議会というのは、非常に、これからもっと活用していただきたいなというふうに思います。

 同じような取り組みで、いわゆる愛知方式というのがあろうかというふうに思います。新生児を産み落とす直前から、ずっと児童相談所の児童福祉司が、望まない妊娠をされた妊婦の方々とコミュニケーションをとりながら、最後、新生児産み落としと同時に養子縁組を行う、そういう取り組みだというふうに思います。非常に好事例だとして、厚生労働省からも好事例として紹介をしている事例ばかりだというふうに思います。

 やはり、こういった児相を通じた養子縁組あっせんというものを積極的にやっていかなきゃいけないだろうと思いますけれども、なかなか進まないんですね。それは何でなのか。実際進めていくのに障害となる事由というのを教えていただければなというふうに思います。

石井政府参考人 委員御指摘のように、新生児の時期からの里親委託という観点で、この愛知方式は好事例という形で私ども紹介をいたしているところでございます。

 一方で、新生児の養子縁組あっせんを進める上での難しさについても問題が指摘されておりまして、やはり、出産前から心理的に不安定な実母に寄り添って、児童を養子縁組するか否かの意思決定を手助けしていく必要があるなど、これは相当丁寧に丁寧に、きめ細かな支援が必要になるわけでございまして、そういう意味では、支援側の労力が大きいといったような声があるということでございます。

 本年度から開始をいたしました調査研究におきましては、新生児の養子縁組あっせんを進めるに当たっての課題と対応などについても検討していくことといたしておりまして、こうした取り組みを進める中で、推進方策について明らかにしてそれに取り組んでいく、そういう形で進めていきたいと思っております。

椎名委員 ありがとうございます。

 児童相談所も役所ですから、法律上予定されている仕事以外の仕事を自発的にやっていくという、かなり、愛知方式は難しい部分もあるのかなというふうに思います。

 やはり、そういうところのフレキシビリティーがあるのが民間業者なんだろうというふうに思います。今、日本全国でも幾つか民間養子縁組あっせん業者というのがあって、いわゆる愛知方式と同じようなことを民間のNPO団体がお金を取ってやっています。

 しかし他方で、第二種社会福祉事業ということで、営利目的で活動すること自体は禁止をされています。しかし、中で働いている人たちは当然食っていかなきゃいけないのでお金を取らなきゃいけないということで、例えば、手数料、寄附金という形で百万、二百万というお金を取っています。こういうのを見かけた新聞とかが、子供の値段百万円とかセンセーショナルに報道し、こんなけしからぬことをやっていいのかみたいな論調でたたくことになるわけです。

 しかし、でも、子供を望む子供のいない親と、それから望まない妊娠で生まれてしまった子供、この子供をつなぐ役割の人間というのはやはり必要ですし、それを何とかして法規制、法律で明らかにして、ルール化していくことというのが必要だろうというふうに私自身は思っています。

 この間、五月の一日に指導という形でお出しいただいたかと思いますけれども、こういう行政通達ではなくて、やはり立法化していくことは最後、必要なのかなというふうに思います。

 最後に、大臣の御意見をいただければと思います。

田村国務大臣 民間の養子縁組あっせん事業者に対して、今言われたとおり、五月の一日、局長通知という形で指導基準の見直しを出しました。

 これは、まさに事業運営の透明性の確保でありますとか、それから、児童や実親や養親の皆さんへの支援の質の向上、こういうようなことを見直しの基準の中に入れたわけでありますけれども、具体的には、今言われたみたいに、金品等々の徴収の言うなればルール化でありますとか、それから、もともと営利目的で事業運営をすることは禁止でありますとか、さらには、事業をやめるときにいろいろとある書類等々を都道府県に移すでありますとか、そういうことを書かせていただいたわけであります。

 今、法律、法制化という話がありました。これはまだ、指導基準の遵守状況がどういう状況であるか、それから、先ほど局長から話がありましたが、厚生労働科学研究でこの養子縁組あっせんの研究を今始めております、こういう結果を見て、それからいろいろと検討させていただきたい、このように考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 ぜひ、検討の結果、これをルール化して、法整備をつくっていくことが大事だと僕も思っています。引き続きこの問題に取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございます。

後藤委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 五月二十八日の第四回産業競争力会議課題別会合において、田村大臣は、子育て支援員(仮称)ですが、創設を提案したといいます。専業主婦の就労機会をふやすとか、あるいは待機児童対策とか、さまざまなことが言われておりますが、子育て支援員の目的は何でしょうか。そして、どんな場面で、どのくらいの方々に支援員として活動してもらう考えでしょうか。

田村国務大臣 子ども・子育て支援新制度では、保育所、幼稚園だけではなくて、多様なサービスを提供するわけであります。小規模保育でありますとか家庭的保育でありますとか、施設型給付だけではなくて、地域型の事業というものもあるわけでありますし、また、それぞれの地域で、地域子ども・子育て支援事業というような形も進めていくわけであります。

 そのような中において、一定期間子育ての経験のある方々、その経験をもとに、研修を受けていただいて、その力を発揮いただくということでございます。

 仮称でありまして、どういう名前になるかはまだわかりませんが、いずれにいたしましても、一定の研修を受けた中で、お力をおかしいただきたいということでございます。

 規模感は、ちょっとまだ、我々としてもしっかりとどれぐらいの規模かつかんでおりませんが、いずれにいたしましても、そういうような形で活躍をいただきたいということでございます。

高橋(千)委員 新制度で、いろいろな形の保育があるからということなんだと思うんですけれども。

 最初にいただいた資料のところに書いているのは、「子育てが一段落した専業主婦」、こういうふうに書いているわけですね。研修を受けてもらって、子育て支援員になってもらう。どうも私は、その発想が安直で、いただけないです。

 その研修とはどういうものかというのが資料の一枚目にございます。共通研修というのが十時間程度ですね。その上に、保育コースは十時間から十五時間、放課後児童コースと社会的養護コースは五時間。これで、専業主婦で子育て経験者だからという、何か安直な発想が透けて見えるわけです。

 しかし、よく見ると、補助員と書いているもの、補助的職員と書いているもの、また保育従事者という表現を使っているものがあります。同じ子育て支援員であっても、コースによって違う。しかし、補助的職員という場合、保育士と仕事の内容を明確に分けるのでしょうか。どう違うのでしょうか。

石井政府参考人 認可保育所においては、保育の質を確保するため、配置基準において乳幼児の人数に応じて保育士を適切に配置することが求められております。

 小規模保育などにおきましては、小規模な事業であることに鑑みて、保育所と同数の職員配置とはせず、一名の追加配置を求めて質を確保する、そういう形で整理をしております。

 一方、多様な実態にある事業からの移行を想定して、保育士以外の従事者も配置基準に含めることとし、その場合には、一定の研修を義務づけることとしております。その際の研修内容としては、今般の子育て支援員、仮称でございますが、その研修を位置づける方向で検討しているところであります。

 したがいまして、保育士の業務と、仮称の子育て支援員でございますが、この業務を明確に分けるわけではありませんが、これは、しっかりとした研修を受けていただいて、保育の質が確保できるようにしていきたいと考えております。

高橋(千)委員 今、認可保育所については、質の確保のために適切に配置をする、つまり配置基準には子育て支援員が入らないわけですね。だけれども、小規模保育は、ここにも書いてあるように、配置基準の中に入る、こう説明をされました。

 十九名以下ということが条件だということですけれども、しかし、なぜ小規模保育や事業所内保育だったら保育士と同じ仕事ができるんでしょうか。納得いきません。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 やはり、保育所で勤務していただく保育士さんには、集団保育ということについての特別なスキルが必要だということは疑いない事実であるかと思います。

 それに対しまして、小規模保育、これは、保育士であればあるほどいいというお考えはあると思いますけれども、しかしながら、小規模な事業であることでありますから、同数の保育士という形で配置を求めていきますと、これはなかなか、現実問題、既に保育ママというものもございますし、全体の保育の受け皿というふうに見ても難しさが伴うのではないか。

 しかしながら、保育所においての配置というものは現在の姿は堅持をしてまいりたい、そういうことでございます。

高橋(千)委員 私は、小規模であっても、これは同じ質でなければならない、こういうふうに思うわけですね。

 保育士が国家資格とされたのは平成十五年、二〇〇三年です。保育所保育指針では、保育士の専門性について、「児童福祉法第十八条の四の規定を踏まえ、保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものである。」と明記をされています。

 厚労省の解説書によれば、「こうした「専門的な知識・技術」をもって子どもの保育と保護者への支援を適切に行うことは極めて重要ですが、」ここの一行だけでもすごく難しいことを言っているんですよね。要するに、子供だけでなく保護者も支援しなさいということを言っている。「そこに知識や技術、そして、倫理観に裏付けられた「判断」が強く求められます。日々の保育における子どもや保護者との関わりの中で、常に自己を省察し、状況に応じた判断をしていくことは、対人援助職である保育士の専門性として欠かせないものでしょう。」と、かなりハードルが高いけれども、専門性ということが期待されています。

 この保育士の専門性については、新制度になっても変わらないんですか。

石井政府参考人 委員がるる御指摘なさいましたように、保育士は、単に子供を預かる者ではございませんで、子供の発達を支援し、健康や安全を確保し、また、保護者への相談支援などを行うといった、保育の専門職としてさまざまな役割を担っているということでございます。

 保育所保育指針におきましても、「児童福祉法第十八条の四の規定を踏まえ、保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものである。」とされているわけでございまして、このような保育士に求められる専門性は、子ども・子育て支援新制度の施行後も変わるものではございません。

高橋(千)委員 まずは確認をいたしました。

 そこで、なぜ厚労大臣からこのような子育て支援員なるものを提案したのかということですよね。

 これは、もとをただせば、連日議論されています産業競争力会議、雇用と根っこは同じでして、ことし三月十九日に長谷川主査より、保育士不足だから、育児経験の豊かな主婦の力を保育の現場で活用するべきとの提案が出され、民間認証の准保育士という言葉がここに出てくるわけであります。

 これは、介護保険の議論のときと大変よく似ていますよね。介護保険の要支援外しということが議論されたわけですが、生活援助は家事代行と同じだからボランティアでもいいだろう、そういう議論が民間議員の中から盛んにされるわけですよ。同じでしょう。子育て経験があるんだから、保育を少し研修したらできるんだろうと。

 でも、これは主婦に対してもばかにしているんです。なぜなら、その程度の処遇で就労機会の拡大だと。あるいは、これは表に大きなテーマがついていますからね。女性が輝く、女性の活躍促進ですよ。そういうものに対して、この程度でいいんだろうということもばかにしていることなんですね。

 四月四日の経済財政諮問会議との合同会議で、大臣は、准保育士の資格を創設して、仮に認可保育所の配置基準に算入するという場合は、保育の量の確保のために質を犠牲にしたという議論があるので切り分けていただきたい、こう述べています。また、ワーキングプアにもなりかねない、そう指摘されています。そのとおりだと思います。

 多分、そこで、准保育士といつまでも言われるのは困るので、子育て支援員というのをこちらから提案したんだと思いますが、どこが違うんでしょうか。

 合計二十時間程度の研修でよいとなれば、保育士の専門性を否定することにもつながり、引きずられて処遇を低めることにもなりかねません。いずれ、認可保育所だって、配置基準の一部を代替することになるのではありませんか。大臣の認識を伺います。

田村国務大臣 子育て支援員が、お子さんを育てられた経験をもとにやられるという方だけではないわけでありまして、そういうような経験がなければ子育て支援員になれないというわけでもございませんし、男性もなれるわけであります。

 先ほど小規模保育の話が出ましたが、あれも、もとからいろいろと議論しておりましたA型、B型、C型、こういう中において、A型においては、基本的には保育士がやっていくということであります。B型が二分の一、C型は、今までの家庭的保育者のような方々が中心に、三対一、五対二という中において、残りの中、つまり、そうじゃないところにこのような支援員の方々が御活躍をいただく。場合によっては、将来、保育士を目指していただけるということもあるわけでありまして、我々は、そういう中において、お力をおかしいただきたい、経験をそこで積んでいただいて、次のステップアップを含めていろいろと対応いただきたいという思いであります。

 決して、保育所の人員配置基準に入れるというようなものではないというのは、私がその前のときに、そこの産業競争力会議でしっかりと申し上げた、そのままでございますので、そこは一点の曇りも変わりもないわけでございますから、御理解をいただければありがたいと思います。

高橋(千)委員 保育問題は規制改革会議との長い長い闘いをやってきましたので、大臣になる前から、私が厚労委員会に来てからずっと闘っておりますので、彼らの意図はそうであるという中で、いかにこれを担保していくのか。

 しかし、現場では、お手伝い、補助要員といったって、結局は、ずっと資格者がいるわけではない。要するに、勤務時間ずっと、御飯を食べるとかいろいろな時間があるわけで、そういうことを重ねていく中で、別にいいじゃないかというのが狙いなわけですから、やはりそこは、こちらから切り崩すべきではない。十分な体制をとった上で、そういう補助の仕事というのもありですよということは明確に分けるべきだということを重ねて指摘をしたいと思います。

 きょうは、次にもう一つのテーマがありますので、ここは一旦終わるんですけれども、五月三十日、厚木市内のアパートで男児の白骨遺体が見つかり、平成十八年、〇六年ですが、秋、当時五歳だった斎藤理玖君であるということ、アパートの自室に放置し、十分な食事や水を与えず衰弱死させたという事件がありました。またもこのような事件が、しかも、亡くなって七年あるいは八年も放置されていたことに大変な衝撃を受けました。

 まず、文科省の西川副大臣に伺います。

 小学校の入学予定が平成二十年、二〇〇八年三月。その前年には入学時健診がありましたが未受診。また、説明会にも不参加。六年たって、ことし三月、市が住民登録抹消。学齢簿から削除をされています。

 資料の二に居所不明児童数の推移というのがあります。これは、一年以上ということで、居所不明の場合は学齢簿を別に分けて、全く抹消するという意味ではないんですが、別に分けるんだということが説明されているのと、平成二十三年が千百九十一人ということでピークだったということが資料の中でわかっております。

 こういうことをずっと把握というか調査をしてきた。そういう中で、この学齢簿の扱いあるいは前後の調査など、もっと早く対応できることがあったはずだと思いますが、どのようにお考えですか。

西川副大臣 本当に、先生御指摘のように、今回の事件は大変痛ましい事件でございまして、なぜこういうことが長らく放置されてきたのかというのは、本当にいろいろと疑問なところがあるわけでございます。

 今回、児童相談所や教育委員会の対応には、非常に現場での対応に問題点が指摘されております。その中で、正直、まだ本当に、詳しい、詳細がなかなかわかっていないということがありますので、今神奈川県では本事案についての特別の検証委員会を立ち上げまして、この検証委員会の報告をしっかりと待ちたいという思いでおります。

 今回、平成二十年の入学説明会で児童の保護者が参加しなかった折に家庭訪問をしたわけですけれども、空き家となっていたと。空き家という判断のもとに、住民基本台帳の担当者が児童相談所とも情報を余り共有しない中で放置していたということ。多分これは、一つにはDVとの関係がありまして、その情報を得たときに、しっかりと住民基本台帳のその先まで調べて報告するということがためらわれる、そんな配慮もあるのではないかなとは推測できるんですが、どっちにいたしましても、この辺のところはしっかりと検証していかなければいけないと思っております。

高橋(千)委員 資料の三枚目に、平成二十三年の元旦の産経新聞をつけました。この見出しを見ていただきたいんですが、「所在不明の小中生三百二十六人 教委ずさんな調査、毎年度「ゼロ回答」も」。この年がまさに入学の年と重なっているわけです。

 この下の方のアンダーラインを見ていただきたいんですが、「横浜、川崎、新潟の三市は毎年度「ゼロ」と報告。「三月末に学籍から抹消した児童生徒はいるが、五月一日時点はゼロ」」。これはひどい話ですよね。抹消した生徒はいるがゼロと。何の解決もしていないのに、日付が来たらリセットしているということになるわけです。

 なので、一番下に、子どもの虹情報研修センターの川崎二三彦研究部長の言葉を載せていますが、「学校は「去る者は追わず」の姿勢。」だと。本当に厳しい指摘ですが、そのとおりだったのではないかと言わなければならないと思います。

 資料は、その続きで、文科省がその後発出した通知があるわけですけれども、「義務教育諸学校における居所不明の児童生徒の把握等のための対応について」、この中で、なるほどと思うんですけれども、居所不明であることを把握したのはいつからかということで、千四百九十一件中、小学校の入学時からが九百九十八件、三分の二近くですよね。そして、居所不明である期間が三年以上が四百四十九件。これは、一年以上でくくるとやはり九百件を超えて、三分の二以上。つまり、長くということが明らかになるわけです。

 そして、その右の下を見ていただきたいんですが、居所不明である期間が一年以上の件数のうち、学校や教育委員会が民生委員とか児童相談所とかに相談したり連携したりした件数が四百十件。めくっていただくと、相談しなかった件数が五百六十六件。つまり、相談したよりもしなかった件数の方が多いということが明らかになりました。

 居所不明児童はかなり以前から問題になっていますが、どのように考えますか。今後の対策も含めてお答えください。

西川副大臣 本当に、先生の御指摘のとおり、これは文科省が平成二十四年五月一日で調査した結果でございまして、一年以上居所不明が、合計しますと九百七十六件ですかね、本当にすごい件数で、要は、それまでの調査では、調査が現場サイドで、ある意味では、勝手な判断でいろいろと数字を抹消したり、間違ってその抹消した件数の方を報告してゼロにしていたとか、各自治体の報告がかなり曖昧だったということで、平成二十三年度で一気にこれがしっかりした結果、千件以上になってきたという実態があります。

 そういう中で、非常に、日常的に連携体制がなかった。児童福祉関係機関への相談ができていなかった例や、家庭訪問に出向いても居住の実態を確認し切れない状況のまま学校で抱え込み、児童福祉関係機関との情報共有を行わないできた例などの報告を受けておりまして、大変これを重く受けとめております。

 調査結果を踏まえまして、平成二十五年の三月の通知におきましては、児童福祉関係機関による要保護児童の保護などの対応が必要となる事案、こういうことも想定されますので、速やかに児童福祉関係機関との情報共有を図り、相互に連携して適切に対応するよう求めていったところでございます。

 実は、この要保護児童の連携のシステムが、平成十六年ですか、厚生労働省の方のあれで地域の連携システムができておりますね。その中に民生委員の方々や警察や教育委員会も入っているわけですね。でも、地域でこれが、本当に、状況をそれぞれが抱え込んでいて共有していない、この辺が一番問題だと思いますので、ぜひ厚労省と連携をして、しっかりとこの辺の対応をしていきたいと思います。

高橋(千)委員 数字をリセットしたことが命のリセットにもつながった、そういうことは本当にあってはならない、今後は絶対にあってはならないという思いで続けたいと思うんです。

 今紹介した文科省の調査の最後のところに、住民票がない児童生徒、だけれども、やはりDVとかで市町村に駆け込んでくるわけですね。そのときに、学齢簿をちゃんとつくって就学を認めた事例というのは六千九百二十四件。そんなにあるんだということを改めて認識しました。

 とすれば、学齢期になる前、乳幼児のときにどうやって結びついていただろうかということが非常に気になるわけであります。乳幼児のときに何らかの結びつく手段があるはずだと思いますが、どうかということと、今回の事件のように、今回の事件はちゃんと名簿があるわけですよね。育児を放棄している親の場合、相談待ちでは絶対無理ですよね。こちらからアウトリーチ、出かけていく、それで見つけるしかない、これが必要だと思いますが、大臣、どのようにお考えですか。

田村国務大臣 アウトリーチというお話からすれば、乳幼児ですから、乳児家庭全戸訪問事業というものをやっておるわけであります。その中で、ちょっとこの家庭はいろいろと問題がありそうだなという場合には養育支援訪問事業というのをやるわけでございまして、そういう中においていろいろなことを把握していくということであろうというふうに思います。

 言われたように、住民登録と居住実態、これがかけ離れておるということは、結果的にかなりリスクが高い可能性があるわけであります。そういう家庭に関して、やはりそれぞれの自治体間で協力をしていただきながら、その居住実態というものをしっかりと把握していただきたいということで、二十四年の十一月に、これは課長通知でございますけれども、通知を各自治体の方にお配りさせていただきました。

 いずれにいたしましても、今話もございました、要保護児童対策地域協議会というものがあるわけでございまして、こういうものの中において、やはり情報の共有でありますとか、支援の方針、こういうものを検討していただくよう、地方自治体には要請をさせていただいております。

高橋(千)委員 きょう、ちょっと流れの関係で文科省に先に質問しましたけれども、人生からいくと厚労省が先なわけですよね。ですから、厚労省が先に見つけてくれなければ助からなかったんですよ。そういう点では、大臣、最初の答弁にしてはちょっと事務的過ぎますよね。そこを、厚労省の責任をどう考えるんだということをやはりちゃんとお答えいただきたいと思います。

 資料の六は、二〇一三年十二月三十日の読売新聞です。「乳幼児 所在不明四千百七十六人 虐待の懸念も」とあります。実は、この記事が厚労省の大規模な調査につながって、それがきっかけで今回の厚木の事件も判明したと思われます。

 余りに遅過ぎではないでしょうか。その前にずっとチャンスがありましたよね。三歳半健診、あるいは迷子扱い、下着一枚で保護されたときに、お母さんが一日おくれで迎えに来たのを迷子として処理してしまった。死亡する前に救出するきっかけはもっとあったはずです。

 きょうの神奈川新聞で書いているのは、実は、生まれた年の九月に、もう児童手当をもらっているんですね。その後に、児童手当ですから現況届を出さなきゃいけないじゃないですか。出していない。そのときにやはりネグレクトを疑わなければならない。チャンスは何度もあった、そのことをちゃんと認めなければなりません。

 この年の五月二十八日に、私はこの委員会でちょうど同じような質問をしていたんですけれども、虐待死も百例、百二十六名もあったということで、専門委員会の第一次報告、第二次報告、何回勧告しても同じことが繰り返されていることを言ったんです。これは第四次勧告でした。今、第九次まで出ているんですよ。だけれども、毎年変わっていないという、まことに残念だという報告が出ているんです。

 これを本当に、どう思うのか。もういいかげんに、防げた、防げたのではないかと思うような事件はなくしてほしい。大臣、いかがですか。

田村国務大臣 今般の案件は、検証委員会を開いて、今いろいろと検証されておられます。この結果を待たせていただきたいというふうに思います。

 先ほども申し上げました、二十四年十一月、遅きに失したと言ったら、それはそのとおりでありますけれども、やはり、居所不明の子供たちを含めて、実態がかけ離れている、そのようなお子さん、家庭を調べていただきたいということで、これは通知をさせていただきました。なかなかそれがばらつきがあるということもございましたので、昨年、二十五年六月、このときにもう一度我々の方からお伝えをさせていただいた。

 そして、さらに申し上げれば、本年四月でありますけれども、一月から三月でどれぐらいの子供たちが居所不明なのかということも含めて調査をしていただいて、その後、この秋にかけて、それがどのような形なのか実態を調査いただきたいということをお願いさせていただきました。結果も御報告をいただきたいというふうに思っております。

 そのような結果でありますとか、また、先ほどの神奈川のいろいろな検証の中身、こういうものもしっかりと踏まえた上で、我々もこれからいろいろな対応というものを検討させていただきたい、このように考えております。

高橋(千)委員 資料の七枚目、二十五年十二月十三日の毎日新聞が書いているんですけれども、「居所不明児 把握ずさん」ということが指摘をされています。これも独自調査です。

 この中を見ますと、先ほど来議論されている要保護児童対策地域協議会、要対協と略していますけれども、これが全然把握していない。つまり、文科省が居所不明児童を把握しているにもかかわらず、要対協が把握をしていない。ですから、さっき西川副大臣が言ったように、お互いの情報の共有がない。これは、学校も警察も厚労部門も、みんなが地域のネットワークをつくるわけですから、こういうことが指摘をされている、あるという報告がせっかく上がっているのに、要対協の中ではゼロ人、こういう実態は絶対あってはならないですね。

 これは、時間の関係で厚労省にだけ聞きますが、一言お願いします。

石井政府参考人 議員御指摘のように、要対協がしっかり機能していれば防げた命だというふうに思います。

 この要対協の活性化に向けて、一昨年十二月でございますが、好事例について取りまとめて提供いたしております。

 そういったものを地道に積み重ねながら、また、今回のような事例をまた一つのきっかけとしまして、その活動の本当の意味での命を吹き込むというんでしょうか、それに努めてまいりたいと思います。

高橋(千)委員 第九次までの報告のまとめを見ますと、私が質問した第四次のころ、望まない妊娠は一六・四%でした。今は三一%になっています。未受診が三六・二%にも伸びています。驚いたのは、胎児虐待、今や一三・八%もあるんですね。

 思春期教室ということで、保健師さんが妊娠の前から本当に頑張って指導している、そういう取り組みもございます。そうした中、虐待相談はいまだに右肩上がりで、二十四年度で六万六千七百一件にもなっています。

 きょう、私はどうしても人の話をしたいと思うんですね。

 虐待相談は、非常に専門的で、精神的にもきつい仕事です。

 私の地元青森県は、虐待死亡事件をきっかけに、福祉司の配置が全国に比べて大変厚いです。だけれども、それでも病休が多く、補充がありません。被虐待児童の父親から暗いところを歩くなとすごまれて、もう怖くて、それを苦にして運転しているうちに自動車事故を起こした職員もいました。体を張って頑張っても、父母からも社会からも責められる。児童相談所が来ると子供を連れていかれると泣き出す母親もいます。それでも、お母さんたちに協力するんだよと説得して、やはり相談してよかったと思ってくれる、そういう努力をされているんですね。

 だから、こういう緊迫した場面だということをまず知っていただきたい。努力しているということも知っていただきたい。

 しかし、そこに子育て支援員を配置すると今言っているんですよね。最初の話に戻ります。

 私が今言いたいのは、今こそ、児童相談所や、あるいは一時保護としても重要な養護施設など、体制を抜本的に強化すべきなんです。補助職員は要らないなんて言いません。もっとその周りに厚い層をつくるべきだ、ボランティアなり。だけれども、その真ん中のところは、専門家の層は本当に厚くしなきゃいけないと思う。大臣、一言、お願いします。

田村国務大臣 済みません。先ほど一から三月と申しましたのは、一から四月でございまして、訂正させていただきます。

 もちろん、社会的な養護の施設において、心理療法等々を担当する専門職という者、しっかりとこういう方々に御活躍をいただかなければならないわけでありまして、そういう意味では、研修もしていただき、また資質も向上いただかなければならない、大変重要だと思っております。そういう方々の配置というものも大事であります。

 しかし、今回申し上げたのは、あくまでも、その下でお手伝い、働いていただく、そういうような立場での支援員でございますので、委員のおっしゃっておられる意味は重々わかっておりますが、そういう方々の力もそのもとでおかしをいただきたいということでございまして、どうか御理解をいただければありがたいというふうに思います。

高橋(千)委員 終わります。また続きをお願いします。

     ――――◇―――――

後藤委員長 次に、内閣提出、参議院送付、労働安全衛生法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 労働安全衛生法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

田村国務大臣 ただいま議題となりました労働安全衛生法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を説明いたします。

 近年、事業場で使用される化学物質の数が年々増加する中、その危険性または有害性の調査等、事業者の化学物質管理が適切に行われていないことを原因とする労働災害が依然として多く発生しております。

 また、労働者が職場から受けるストレスは増大する傾向にあり、精神障害を原因とする労災給付の支給決定の件数は年々増加をしている状況であります。

 さらに、同一企業の異なる事業場の中で、同様の重大な労働災害が繰り返し発生する事案が生じており、企業全体で安全衛生の改善を図ることが必要となっております。

 こうした最近の社会情勢の変化や労働災害の動向に即応し、労働者の安全と健康を確保するため、労働安全衛生対策の一層の充実を図ることとし、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の内容についてその概要を説明いたします。

 第一に、化学物質による労働災害を防止するため、労働者に危険または健康障害をもたらすおそれのある一定の化学物質について、危険性または有害性等の調査を行わなければならないこととしています。

 第二に、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止するため、事業者は、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査等を行わなければならないこととしています。

 第三に、厚生労働大臣は、同一企業での重大な労働災害の再発を防止するために必要があると認めるときは、事業者に対し、当該企業の事業場全体の安全または衛生に関する改善計画の作成を指示できることとしております。

 第四に、事業者は、職場での受動喫煙を防止するために、実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとするとともに、国が必要な援助を行うこととしております。

 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日としています。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要です。

 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願い申し上げます。

後藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

後藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る十三日金曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る十一日水曜日午前八時四十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二十四分散会


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