衆議院

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第8号 平成25年5月16日(木曜日)

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平成二十五年五月十六日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 後藤田正純君

   理事 あかま二郎君 理事 伊藤信太郎君

   理事 小里 泰弘君 理事 土井  亨君

   理事 西村 明宏君 理事 黄川田 徹君

   理事 椎木  保君 理事 高木美智代君

      石川 昭政君    小田原 潔君

      大久保三代君    勝沼 栄明君

      門  博文君    菅家 一郎君

      菅野さちこ君    黄川田仁志君

      小泉進次郎君    小林 鷹之君

      今野 智博君    佐々木 紀君

      桜井  宏君    島田 佳和君

      鈴木 憲和君    瀬戸 隆一君

      高橋ひなこ君    津島  淳君

      冨樫 博之君    中川 俊直君

      橋本 英教君    藤原  崇君

      前田 一男君    三ッ林裕巳君

      郡  和子君    階   猛君

      吉田  泉君    小熊 慎司君

      三木 圭恵君    村岡 敏英君

      石田 祝稔君    中野 洋昌君

      柿沢 未途君    林  宙紀君

      高橋千鶴子君    畑  浩治君

    …………………………………

   国務大臣

   (復興大臣)       根本  匠君

   復興副大臣        谷  公一君

   文部科学副大臣      谷川 弥一君

   厚生労働副大臣

   兼復興副大臣       秋葉 賢也君

   農林水産副大臣      加治屋義人君

   国土交通副大臣      鶴保 庸介君

   文部科学大臣政務官    義家 弘介君

   経済産業大臣政務官    佐藤ゆかり君

   経済産業大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    平  将明君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局審査局長)        野口 文雄君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     岡本 全勝君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     上田  健君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 萩本  修君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 五嶋 賢二君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          布村 幸彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           西藤 公司君

   政府参考人

   (水産庁長官)      本川 一善君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         深澤 淳志君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        足立 敏之君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局長)            白石 順一君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       佐藤 敏信君

   衆議院調査局東日本大震災復興特別調査室長     宮部  光君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十六日

 辞任         補欠選任

  佐々木 紀君     三ッ林裕巳君

  津島  淳君     前田 一男君

同日

 辞任         補欠選任

  前田 一男君     津島  淳君

  三ッ林裕巳君     佐々木 紀君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 委員派遣承認申請に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 東日本大震災復興の総合的対策に関する件


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     ――――◇―――――

後藤田委員長 これより会議を開きます。

 東日本大震災復興の総合的対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として公正取引委員会事務総局審査局長野口文雄君、復興庁統括官岡本全勝君、復興庁統括官上田健君、法務省大臣官房審議官萩本修君、外務省大臣官房審議官五嶋賢二君、文部科学省初等中等教育局長布村幸彦君、厚生労働省大臣官房審議官西藤公司君、水産庁長官本川一善君、国土交通省大臣官房技術審議官深澤淳志君、国土交通省水管理・国土保全局長足立敏之君、環境省総合環境政策局長白石順一君及び環境省総合環境政策局環境保健部長佐藤敏信君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

後藤田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小田原潔君。

小田原委員 自民党の小田原潔でございます。

 本日は、質問の機会を賜り、まことにありがとうございます。

 私は、東京に住んでおりましたが、三年前の参院選に落選をいたしまして、浪人中に震災に遭いました。テレビで惨状を見るにつけ、健康な成人男性が、この国難に当たり、テレビを見ているだけでいいのかという気持ちになりまして、東北自動車道が開通した翌日、単身で車を運転し、被災地に入りました。宮城県七ケ浜町でテント生活をしながら、一年超にわたり、町民の皆様とともにシャベルでヘドロをかき出し、だめになった家財道具を運び出す、そういう日々を続けておりました。

 当時の政権与党の先生が視察に来られました。きれいな背広を着て、バッジをつけて、数分で帰られました。また、新品の、刺しゅうもまばゆい作業服を体裁程度に着たような人が見回りに来たこともありました。

 視察に来てくれるのはありがたかったですが、バッジをつけたまま被災地を見て回ることがどれだけ被災地の人たちの心を傷つけたか。新品の作業服を着たまま避難所を訪れることがどれだけ避難所の人たちの神経を逆なでしたか。どうせ来てくれるのであれば、一時間でもいいから作業をしてほしい。どれだけ寒くて、汚くて、危険な作業であったか。一泊でいいから、避難所で、あのかたい床で毛布一枚で寝てみてほしい。そうすれば、ここまでほっておくことはなかったであろう。そういう思いで、私、小田原潔は、町民の皆様と心をともにしたい、復興を見届けたいという思いで、この委員会に入らせていただきました。

 本日は、なかんずく、私が接した宮城県における堤防の建築に関し、質問をさせていただきたいと思います。

 まず、宮城県では、百六十三キロにわたる堤防の建設が進んでいると認識をしております。

 お手元に配りました資料のうち、最後の二枚、これは村上正邦先生の書かれたブログであります。御本人にお目にかかり、お話を伺い、了承をいただいて添付をさせていただいております。費用対効果、それから環境の保全という点から懸念を表明されています。

 ここで質問です。

 まず、この百六十三キロにわたる堤防、総コストがどれぐらいなのか。前回の当委員会では、耐用年数は五十年、保守保全をきちんとやればそれよりも長くもつということでありましたが、再度確認をさせてください。

足立政府参考人 お答えを申し上げます。

 宮城県が施工する総延長百六十三キロメートルの海岸堤防の復旧に係る総事業費は、約三千百四十億円と宮城県からは聞いております。

 それから、コンクリートの耐用年数のことでございますけれども、鉄筋コンクリートの堤防、防波堤の耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する財務省令で、五十年というふうにされてございます。

 施設管理者が適切に維持管理を行うことによりまして、委員御指摘のとおり、五十年以降も施設としての機能を発揮し続けることは可能と考えておりまして、現にそういう施設が、我が国でも、さらには世界じゅうを見ても、たくさん見られてございます。

 以上です。

小田原委員 ありがとうございます。

 お手元の資料、三枚目をごらんください。

 宮城県でカキの養殖をされている方が代表のNPO法人、森は海の恋人というところがあります。この方には、自民党の経済再生本部においても一度講演をいただいたことがあります。

 この方のお話によると、三陸沖の豊かな漁場というのは、地下水が海の中で海水とまじる、この環境が、恵まれた漁場をつくっているということだそうです。

 また、震災で地盤沈下をした、三面コンクリートで固められていた川にひびが入った。これは不幸なことではあったんだけれども、おかげで、その地盤沈下したところが浜になり、アサリがたくさんとれるようになった、ひびが入ったところにはウナギが戻ってきた。しかし、これはしばらくすればコンクリートでまた埋め直すことが決まっている、大変せつない。こういうお話を聞きました。

 この堤防建設に関しては、環境アセスメントをしたのか、また、もししていないのであれば、するべきではないのか、今後する予定があるのか、この点について教えていただきたいと思います。

白石政府参考人 お答えいたします。

 法律の問題でございますが、防潮堤につきましては、環境影響評価法の対象事業ではございませんので、法律に基づいたアセスメントというものは求められない事業でございます。

 しかしながら、おっしゃられますように、本件につきましては、事業の規模が大きく、いろいろな影響も懸念されることから、自主的にさまざまな配慮をなされるということは望ましいことだと考えておりますが、法律の対象ではございません。

小田原委員 ありがとうございます。

 これはたしか、事業者がアセスメントをするかしないかを判断するということだと思いますので、事業者である宮城県におかれましては、どうか住民の声を酌み上げていただき、この世界三大漁場と言われる環境を守っていただきたいと思います。

 そこで、この類いまれなる恵まれた漁場を守る工法を堤防建設に関し検討されているのか、教えてください。

足立政府参考人 環境を守る工法について御説明を申し上げたいというふうに思います。

 先ほど、環境に対する懸念が委員からございましたけれども、海岸堤防の復旧に伴いまして、地域の水循環を大きく改変したり地下水の流動を阻止することがないように配慮して施工するというふうにしておりまして、先ほど御指摘の、漁場環境に対して、海岸堤防の復旧によりまして大きな影響がないように努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 また、海岸の堤防につきましてでございますけれども、実際に施工する際に、モニタリング調査、これは学識者の指導を得ながらしっかりモニタリング調査を行いますとともに、現地の工事に当たりまして、海浜に生息する生物や昆虫などに配慮して、重要種の生息域は回避するとか、それから、施工時期や工事用の道路ルートを調整するなどの取り組みも行ってございます。

 以上でございます。

小田原委員 ありがとうございます。

 特に、浜とともに生きている漁業従事者の方々、それから海を愛している方々のお気持ちを酌んでいただき、環境保全に努めていただきたいと思います。

 個別の話になりますが、七ケ浜町のボランティアセンターには、黙って働いている町会議員の方々もいらっしゃいました。今、その七ケ浜町でも堤防の建設が進んでいるわけでございますが、中には、実際の堤防建設を目の当たりにして、同意はしたけれども、こんなになっちゃうのかという動揺の声を上げている方々もいらっしゃいます。

 地域の方々の理解をどのように得たのか、堤防建設の合意を十分とお考えになった根拠について教えてください。

足立政府参考人 七ケ浜町の海岸について御質問がございました。

 こちらにつきましては、海岸管理者である宮城県が災害の復旧を行ってございますけれども、七ケ浜海岸のうち、菖蒲田浜は、被災前の堤防高五・〇メートルに対して計画堤防高六・八メートル、それから花渕浜は、被災前の堤防高三メートルに対しまして計画堤防高六・八メートルで復旧する計画と聞いております。

 海岸管理者でございます宮城県につきましては、七ケ浜町の広報誌等で住民の方々に事業説明会の開催を周知し、平成二十四年の十一月二十八日と承ってございますけれども、海岸堤防の復旧計画、これにつきまして地元の方々に説明したというふうに聞いてございます。

 ただ、その後、住民の皆様から、景観や環境に配慮してほしいとの要望があるというようなことも承ってございまして、現在、宮城県と七ケ浜町が、公園計画や保安林、それから土地利用、町づくり計画との調整を図って、景観や環境にも配慮した整備を進めていく考えだというふうに承ってございます。

 以上です。

小田原委員 ありがとうございます。

 既にコンクリートの土台をつくり、建設を始めてしまったところについては、もう仕方がないと思います。また、港湾施設についても、丈夫なものをつくらなければいけないので、仕方がないと思います。ただ、その百六十三キロにわたる沿岸を全てコンクリートで一律に堤防をつくってしまうということはとめられないのか。前回の委員会では、高橋ひなこ委員が、無堤地域の被害が非常に大きかったというお話をされました。私もそのとおりだと思いますが、本当に全部コンクリートにしなければいけないのか、この点について教えてください。

足立政府参考人 海岸堤防の復旧についての考え方について御説明を申し上げます。

 堤防の高さ自体は、数十年から百数十年に一度程度の頻度で発生する津波、比較的頻度の高い、いわゆるL1津波というものでございますけれども、これに対して守ることを基本として、高さを設定してございます。それを上回る東日本大震災のような津波に対しましては、巨大な堤防で守るのではなくて、避難などのソフトの施策を地域ごとの特性を踏まえて柔軟に組み合わせた、いわゆる多重防御ということで対応することといたしております。

 一方、堤防の構造につきましてでございますが、先ほど言ったような設定でございますので、津波が海岸堤防を越えるということも想定をいたしまして、波が直接当たる側のみならず、裏のりと言っておりますが、陸地側や、天端と言っておりますけれども、上側、こういったところのコンクリートの被覆を厚くしたり、裏のり尻部に保護工を設置して洗掘を防止するなど、粘り強い構造で整備することが重要だというふうに考えてございます。

 以上です。

小田原委員 ありがとうございます。

 お配りいたしました資料の一枚目、二枚目をごらんください。

 現在、折衷案として、陸側に土を盛って木を植える案があるというふうに認識をしております。外側がコンクリート、内側に土を盛って木を植えるということだと思うのですが、この木の根っこが、コンクリートに土の接点でしっかりと根づくものなのか、津波が来ると土の部分だけが流されて、かえって被害を大きくするだけではないのか。この一、二枚目は、「いのちを守る森の防潮堤」というアイデアでございます。必ずこれにしろというわけではないのですが、大変評価が高いアイデアというふうに認識をしております。

 コンクリートだけではなくて、瓦れきを下に埋め、盛り土をして高さの違う木を植える、こういったアイデアを採用するおつもりはないのか、教えてください。

足立政府参考人 堤防の構造についてお答えを申し上げます。

 海岸堤防の復旧に当たりましては、私どもの太田大臣からも、津波等に対する安全性の確保は当然のことだけれども、景観や環境にもしっかり配慮して整備を進めるように御指示をいただいておるところでございます。

 現在、国土交通省では、直轄で仙台湾南部海岸の災害復旧、これを行ってございますけれども、大臣の指示を踏まえまして、環境、景観に配慮するために、御指摘のありました植生を活用するという横浜国立大学宮脇昭名誉教授の御提案を取り入れまして、コンクリートの海岸堤防の背後に盛り土を行いまして、そこに植樹を行う整備をモデル的に実施することといたしております。

 根がコンクリートに届いてしまって、活着といいますけれども、ちゃんと育たないのではないかという御指摘でございましたけれども、実際に、盛り土高を調整しまして、現地でも宮脇先生からの御指導もいただきまして、樹木の成長に支障がないように実施をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上です。

小田原委員 ありがとうございます。

 この百六十三キロの堤防に関しては、村上先生のブログを見ましても、宮城県議会の全議員五十九人が反対をしたというふうに聞いております。この事実をもう少し重く受けとめた形跡というようなものがないのかどうか。また、生態系を守り、地下水の流れをとめない工夫をされているということではありましたけれども、地域の皆さんの一部には、知らないところで物すごい勢いで今までよりも高い堤防が建っているということに、やや、恐怖感とは言わないまでも、戸惑いがあるように思います。

 今後、地域の代表や住民に対してさらなる丁寧な説明及び意見聴取の機会を設けるおつもりがあるかどうか、教えてください。

足立政府参考人 海岸管理者である宮城県でございますけれども、それぞれの海岸において地元説明会を開催するなど、復旧計画につきまして地域住民の意見をお聞きして進めてきているというふうにお伺いはいたしております。

 また、県議会の皆さんのお話がございましたけれども、これまでも国や宮城県が意見の交換を行っておりますし、今後とも、地域の理解を得ながら、景観、環境にも配慮した復旧を進めていくというふうに聞いております。

 国土交通省といたしましては、現地の復旧状況や課題を把握しまして、必要に応じまして、改めて海岸管理者が地域住民の意見を聞く場を設けるなど、復旧事業の実施に当たりまして、地域の意見をしっかりと反映させるように支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。

小田原委員 ありがとうございます。

 最後に、根本復興大臣にお伺いしたいことがございます。

 私は、東日本大震災の後に寝食をともにした七ケ浜町の皆さんとともに、復興する姿を一緒に見届けたいと思っております。

 一昨年夏でしたか、当時のある大臣が、視察に行った後に、放射能つけちゃうぞという発言をしたことがありました。私たちは作業中でしたが、力が抜けました。私の作業着は泥だらけ、何がついているかはわかりませんが、自宅の洗濯機で洗っていました。全く不安は感じていません。もし万が一、有害物質を幾ばくとも体内に取り込んだとしても、町民の方々が浴びているのであれば、私は喜んで一緒に浴びる。その結果、数年後発病するのであれば、私は喜んで一緒に発病します。そういう人が被災者の代表として国で声を上げなくてどうするんだという思いであります。

 ことしの三月十一日も七ケ浜に行ってまいりました。私は、当然バッジもせず、ボランティアのみんなと一緒に献花をし、誠をささげてまいりました。

 どうか、東日本大震災からの復興の加速化に向けた大臣の決意を改めて問わせていただきたいと思います。

根本国務大臣 小田原議員におかれては、被災地で復旧活動に参加されて、そして、私も今聞いていて、ぜひそういう政治姿勢でこれからも頑張ってもらいたいと思いました。

 やはり大事なのは、我々は政治家ですから、国民の声をいかに国政に反映するか、そして、小田原議員は現地で被災者の皆さんとともに活動してこられた、その体験の中から、今、具体的に政策論を展開されました。やはり、そういう小田原議員のような姿勢でこれからも頑張っていただきたいと思います。

 私も、三・一一のときには、小田原議員と同じように被災地におりました。私も感じました、この災害からの復旧復興、いかに政治の責任で、力で動かしていくか、加速化させるか、私もそんな思いでやってまいりました。

 震災からの復興は安倍内閣の最重要課題の一つで、閣僚は全員復興大臣、そのつもりで取り組んでおります。

 簡潔に申し上げたいと思います。復興の加速化のために何をやるか。

 私も、年末年始を返上して、施策の総点検をいたしました。そして、その中で三点、一つは、復興庁の司令塔機能の強化と現場主義の徹底。やはり、災害は現場に解があると思います。そして、中期フレームの見直し、復興の加速化の具体化、推進、これをやってまいりました。そして、例えば、住宅再建・まちづくりタスクフォース、やはり、具体的な制度をいかに迅速に手続を早めて加速化させるか。私が大臣として、関係省の局長を集めたタスクフォースをつくって、縦割りの弊害を排除して復興庁が引っ張っていく、その加速化に努める、そんなつもりでやってまいりました。

 小田原議員とともどもに、これからもしっかりと復興の加速化に取り組んでいきたいと思います。

小田原委員 ありがとうございました。質問を終わります。

 町民も喜ぶと思います。

後藤田委員長 次に、橋本英教君。

橋本(英)委員 自民党の橋本英教でございます。

 私は岩手県大船渡市の出身、今回の東日本大震災で大きな被害を受けた地域であります。震災から二年二カ月が過ぎましたが、復興は緒についたばかり、これからどうやってふるさとを再興できるのか、本当に厳しい道のりが目の前にございます。それでも前を向いて新しい道を切り開いていかなければならない、そういった思いで復興に取り組んでおります。

 さて、現地では、瓦れきの処理が進み、復旧工事が始まっております。釜石の湾口防波堤、大船渡の湾口防波堤、あるいは防潮堤、道路の復旧、高台移転の工事も始まりました。そんな工事ラッシュの中で、今、住民は一体何を望んでいるか。ずばりそれは住宅の再建であります。防波堤も大事、道路も大事、大事なのは皆わかっております。しかし、それでもやはり住むところが欲しい、それが住民の本音であります。

 衣食住足りて礼節を知るという言葉がございます。人間は、着るもの、食べるもの、住むところ、それがそろってようやく人間らしい生活ができる。やはり、住むところの確保が最重要課題であると思っております。

 現在、多くの方々はまだ仮設住宅に住んでおります。一体いつになったら新しい家に入ることができるのか、不安な毎日を余儀なくされております。

 安倍政権にかわり、多くの新しい試みを行っていただいておりますが、ここで改めて、高台移転のスピードアップのためにノウハウとなり得る野田村の例について、どのようにして期間を短縮できたのか、その手法をお聞かせいただきたいと思います。

根本国務大臣 橋本議員、いつも復旧活動に現場で大変御尽力をいただいて、私に対してもさまざまな政策提言を提起していただきまして、心から感謝を申し上げます。

 今の岩手県野田村の例、これは、高台移転のために必要な保安林解除、これについて迅速に対応したという事例であります。これは一つは、復興特区法を活用して、復興整備計画によって、これを活用して迅速な対応を行いました。

 具体的には四点申し上げたいと思いますが、一つは、他府県から岩手県への人員の応援、この体制強化を図りました。それから二点目は、構想段階から村との間で、国が、復興庁が事前相談をする、丁寧に事前相談をいたしました。そして、添付書類や記載事項についても必要最小限なものに限りました。また、具体的な伐採に当たっては、伐採許可によって、移転予定地での先行伐採や、埋蔵文化財本調査に係る伐採について、保安林解除前に伐採をする、こういう迅速化措置を講じました。

 この具体的な迅速化措置によって、従来であれば百三十日間ぐらい要したであろう保安林解除手続、これを二十七日間で終了いたしました。

 私は、この秘訣は、構想段階から村との間で、国が入って議論をして、丁寧にやった、ここでかなりスムーズにやれるようになりましたから、この事前相談というのは非常に大きかったのではないか。それから、現行制度を、特区法による復興整備計画によって特例措置を講じて、そして短縮化したということであります。

橋本(英)委員 この野田村の例は、それ以外の地域にどんどんどんどん導入していただいて、一日も早く高台移転が進むようにやっていただきたいと思っております。

 次であります。

 釜石に鵜住居町という地域がございます。釜石の中でも、とりわけ被害が大きかった地域であります。現場を見ていただけばわかりますが、全滅というのはまさにこのことというぐらい、町が壊滅しております。よく人が生き残ったなというふうに思うぐらいな地域であります。

 もちろん、町を守るために築かれていました六・四メートルの防潮堤も、跡形もなく破壊されております。県は、この防潮堤を十四・五メートルに直す計画とお伺いしております。形状が台形でありますから、防潮堤の幅も六十メートルぐらいになっちゃうということであります。

 そうなりますと、もちろん防潮堤の周辺に新しい土地を購入しなければならないことになるのでありますが、県が調べましたところ、多くの問題があることがわかりました。例えば、地権者が亡くなって、いないとか、あるいは明治時代から相続の手続がされていないとか、あるいは共有地で、三十人ぐらいの共有地になっているとか、そういうのがございました。

 そこで、根本大臣は、就任以来、被災地の復興加速化のために、幾つかの新しい試みにチャレンジされております。その中で、この鵜住居の片岸地区で土地の取得について取り組んでいる新しい手法について、お聞かせいただきたいと思います。

根本国務大臣 高台移転の促進のために、住宅再建・まちづくりタスクフォース、これをつくりました。

 第一弾は、特に発注サイドでの施工の人手不足、資材不足対応というものに重点を置いてやりました。そして、第二弾は、今、橋本委員が御指摘のように、所有者不明の土地がある、あるいは相続人がたくさんいる、この用地取得の困難な問題、これをいかにスピーディーにやるか、この用地取得の問題に焦点を当てて、四月九日に、住宅再建・復興まちづくりの加速化措置、第二弾を打ち出しました。

 ここで具体的にやりましたのは、一つは、自治体が用地業務をやるわけですが、ここの用地業務については補償コンサルタントへ外注する、これはかなり早くなりますから、この促進をしようと。それから、土地収用手続、民法の財産管理制度、この二つの制度について、それぞれの迅速化措置を講じました。土地収用手続については、事務手続の簡素化や審査の迅速化、審査期間を三カ月を二カ月にするなど等々で大幅な期間短縮が可能となる措置を講じました。財産管理制度についても、弁護士や司法書士などの管理人のなり手を確保する、あるいは、最高裁においては、書記官等の増配置、これは二十五名の増配置、震災対応窓口の設置、こういう取り組みを行いました。

 現行制度において可能な限りの迅速化措置を講じました。これは関係省庁の局長を集めて、具体的な、徹底的な議論をして制度改善をやらせた、これはやりました。もう一つは、復興庁、法務省、国交省の実務支援チーム、これをつくりました。

 そして、我々、制度論はしっかりやったんですが、もう一つ、具体的なモデルケースを取り出して、そしてその中から迅速化措置を試行的にやってみる、こういうのも必要なので、今お話しの鵜住居地区、これをモデルケースで検討を続けてまいりました。

 鵜住居地区のモデル事業で具体的な成果ですが、用地業務の外注、これは国交省から県に外注ノウハウを提供しました、具体的な外注ノウハウ。それで、外注準備が今完了をしております。土地収用手続については、一つは、岩手県が、要は申請書の作成、一年から二年かかるのではないか、こう思っていたんですね。これは約一カ月で概成をいたしました。二点目は、土地収用法に基づく説明会、これは他の事業の説明会と兼ねて開催するということを可能にして、これで約三カ月前倒しをいたしました。

 財産管理人制度についても、地権者調査の結果、二件の申し立てを行うことと整理して、そのうちの一件について、盛岡管内の家庭裁判所が、岩手県による相続財産管理人の選任申し立てを四月二十六日に受理して、ゴールデンウイークを挟みましたが、五月十四日に管理人が選任されました。

 私も釜石は直接行って見てまいりましたが、やはり具体的なモデルケースで法制度の運用を、改善策を打ち出していくという現場からのアプローチと、それから、制度を所管する関係省庁が集まって、具体的にいかにして制度を改善する措置を講ずるか、その合わせわざで、これからもしっかりと迅速化措置を講じていきたいと思います。

橋本(英)委員 ありがとうございます。根本大臣は、現行制度の中でなかなか進まないところでいろいろな新しいことをやっていただいて、本当に感謝いたしております。

 大槌町は実は震災前の十倍以上の予算を抱えておりまして、全国から百名以上の職員を応援してもらっております。それでもまだ自治体発注の業務を軽減することはなかなか難しいわけでありまして、いわゆる発注者支援というのも新しくやっていただいております。この中身についても、簡単にお聞かせください。

根本国務大臣 全体、いろいろな課題があるわけですが、委員おっしゃるように、発注者支援、自治体の支援、これも私も大変重要だと思います。いわゆるマンパワー不足、ノウハウ不足、こう言われておりますので。

 発注者支援については、まず、国や自治体からの職員派遣。

 職員派遣については、新たに復興庁が採用して直接応援する。例えば海外青年協力隊の皆さんなどを対象に応援するということと、発注業務の負担をいかにして緩和するか。これは私は、今具体的にやってみて、そして一番効果が上がっているのは、発注地区、たくさんの地区がありますから、その複数地区の設計業務等工事、これを一括して発注するCM方式、これはコンストラクションマネジメント方式といいますが、これはかなり実際の業務量の軽減に役立って、しかも期間も短縮できていると思います。

 ここで今非常に自治体からも喜ばれているのは、UR、都市再生機構。都市再生機構は、こういう業務のノウハウもありますし、CMをやるには、公的な機関でもあるし、非常に最適な機関だと私は思いますが、このURを活用して、全体の複数地区の設計、施工を自治体と協議しながら一括して自治体にかわってやるという措置を講じていまして、URについても、自治体からの要望が非常に強いものですから、この支援体制、三月時点では二百二十名でしたが、この四月には三百三名、大幅増員をいたしました。

 また、不明地権者調査、これは補償コンサルを活用する。これも発注者支援として非常に効果があると思います。

 こういう具体的な取り組みを、いかにして問題を解決するかという視点で、住宅再建・復興まちづくりの加速化のためのタスクフォース、これをさらに活用して、これからの復興の加速化を図っていきたいと思います。

橋本(英)委員 URを利用するというのは大変よい試みだと私は思っております。ぜひその導入を進めるべきだと思っておりますが、最近、この土曜日に小泉青年局長と一緒に大槌に行ってまいったのでありますが、地元業者の方々が、URの方々となかなか接点がなくて、事前協議だとかあるいはいろいろなマンパワーだとか、そういうことを協議する機会が余りないというような話をおっしゃっておりましたので、ぜひ復興庁には、URに、もうちょっと地元の方々と、地元の業者と情報交換をするような機会を持っていただきたいなというふうに思っております。

 さて、私の地元大船渡には、三陸鉄道南リアス線というのがございます。先日、二年ぶりに、一部ではありますが、営業を再開いたしました。

 実は、その新しい車両の購入費は、クウェートからいただいた原油を現金に換金して、新しい車両を買ったということでありました。

 東日本大震災に当たって、我が国は、いろいろなところから多くの義援金をいただきました。直接自治体に来たもの、あるいは団体が受け皿になったもの、ありますが、その中で、日本赤十字が受け取った義援金というのは大体幾らで、そして、どのように使われたかということを政府は把握しているのかどうかということをお聞かせいただきたいと思います。

西藤政府参考人 お答えさせていただきます。

 東日本大震災に係る義援金につきましては、本年二月末の整理そして公表されている数字で申し上げますと、三千六百四十九億円が、日本赤十字社、中央共同募金、日本放送協会、NHK厚生文化事業団の義援金受け付け四団体に寄せられておりまして、そのうち被災県に三千六百三億円が送付され、また、そこから市町村に三千五百三十九億円が送金され、被災者のお手元には三千三百九十八億円、総額の約九三%が送付済みとなっております。その差は、タイムラグがあるということで御理解をいただきたいと思います。

 また、このほかに、海外赤十字社等から日本赤十字社に寄せられました海外救援金は五百九十九億円となっておりまして、その使途は、被災者への生活家電セットの寄贈などの生活支援、あるいは医療支援、教育支援などの事業に活用されていると承知しております。

 それから、そのほかにも、先ほど議員からも御紹介ございました、クウェートからの原油無償提供による復興支援として約四百億円があるというふうに承知いたしております。

橋本(英)委員 わかりました。

 現在、国会図書館が、震災のときの画像だとか動画だとかそういうのを集めて、アーカイブにして後世に残そうという作業をしております。

 海外からいただいた御支援、国内からいただいた御支援、どこに幾ら行ったかを、当然、政府として、全体として把握しておくべきじゃないかなと私は思うんです。

 例えば、例がいいかどうかわかりません、根本大臣が海外に行ったときに、岩手県にその国が支援をし、義援金をくれていたのをわからないということであれば、その国に対して大変な失礼になりますし、我が国の恥になりますので、ぜひ、全体として、国として把握しておいてほしいなというふうに思っております。

 さて、時間がありませんので最後になりますが、被災地では資材不足が懸念されております。大船渡市でも、生コンを頼んでも納入時間が守られないという事態が起きております。

 確かに、資材は当然不足しているんだと思いますが、私は、理由はそれだけではないんじゃないかなというふうに思っております。

 例えば、県外から来た業者には資材を売らないとか、あるいは、震災後に新しい同業者の組合をつくって、その組合からしか売らないとか、そういった商社もございます。商売ですから、売るとか売らないとかは企業間の話であります。しかしながら、それが復興事業の妨げになっているのであれば、これは大変ゆゆしき事態ではないかなと私は思っています。

 私は、復興庁、国交省、公正取引委員会などは、情報を共有して、カルテルと言っていいか、事実関係はわかりませんが、そのようなことを監視するべきじゃないかなというふうに思っております。これについて御意見をお聞かせください。

野口政府参考人 お答えいたします。

 復興に必要な各種の資材に関しまして、関係省庁から寄せられるいろいろな情報を含めまして、カルテルなどの独占禁止法に違反する疑いのある情報に接しました場合には、同法に基づきまして厳正に対処してまいる所存でございます。

橋本(英)委員 今は土木の工事だけですが、これからどんどん建築工事、いろいろなことも出てきます。そのときに、仕事があるわけですから、絶対とれるわけですから、ぜひ監視していただきたい。小さい情報は私も集めて、ぜひ提供したいと思っております。

 最後になりますが、グループ補助金の遡及請求がなくなったとか、仮設店舗の撤去費用をどうしようかとか、あるいは、大槌町の三枚堂―大ケ口トンネル、これは、小鎚川と大槌川の奥に町が移っちゃうものですから、その間にトンネルをつくりたいとか、あるいは、釜石市の和山牧場のところに風力発電、今一千キロが四十三基ありますが、これを倍にふやしたいとか、全体にわたる案件や個別にわたる案件がまだまだございます。

 ですから、これから、根本大臣初め復興庁におかれましては、地元のニーズを酌み上げていただいて、さらなる復興の加速化に向けて御尽力をお願いしたいと思いまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

後藤田委員長 次に、中野洋昌君。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。

 兵庫第八区、尼崎市選出の新人でございます。東日本大震災の発災時には、国土交通省の職員として、災害復旧業務に従事しておりました。

 本日は、根本大臣、また、文科省から義家政務官にも来ていただいております。どうかよろしくお願いいたします。

 さて、昨日、平成二十五年度本予算が成立をいたしました。復興の加速化に向けて政策をさらに前に進めてまいりたい、このような決意でございます。しっかりと頑張ってまいります。

 さて、初めに、復興予算の流用の問題について質問をさせていただきます。

 先日、東日本大震災の復興予算の一部が、自治体の基金などを通じて被災地以外で使用されている、こうした指摘があったところでございます。私も大変に遺憾であるとは思いますし、先日、党の方でも復興加速化本部を開かせていただいて、そこでは、まず実態を調査する、こういうお話を伺ったところでございます。

 私は、基本的には、被災地以外への支出が確認された場合には、やはりその事業はストップするであるとか、あるいは予算の返還を求めるべきであるとか、こうした措置を講じるべきである、このように考えます。

 前回、この予算の流用問題について整理を行った際に、基金についてはどのような整理を行ったのか、また、今後政府としてはどのように対応されるおつもりなのか、大臣の御答弁を求めたいというふうに思います。

根本国務大臣 中野委員から、今の流用問題、御指摘をいただきました。

 この基金問題、今、一連の流れの中で整理をいたしますと、全国向けの事業に係る基金、これは、ほぼ全て二十三年度第三次補正予算において措置されたものであります。その時点において、復興とともに日本経済の再生という緊急性、この観点から、復興予算として当時計上されたもの、そういう位置づけと理解をしております。

 前政権においては、この問題、昨年十一月に使途の厳格化が行われました。その際に、関係者に混乱を生じさせないよう、執行状況等に応じて適切な対応をとる必要がある、こういう判断で、執行済み、契約済みの支出は除かれたと承知をしております。基金についても、その時点で執行済みの予算だということで整理をされたと承知をしております。

 私が復興大臣になって、使途の厳格化、これは当然のことですから、二十四年度補正予算、二十五年度予算については、復興予算の使途の厳格化をしっかり図ったところでありました。予算についてはしっかりとした対応がなされているものと考えております。

 基金については、四月五日に「行政事業レビューの実施等について」、これを閣議決定いたしました。基金シートによって執行の段階で適正な活用ができるような取り組み、これを設けました。

 これに加えて、現在、復興予算から支出した基金のうち、全国向け事業を対象としているものについては、今財務省と共同して調査を行っております。

 全国向け事業を対象としている基金への今後の対応につきましては、復興予算の使途の厳格化の観点を踏まえながら、内容を精査して、執行を見合わせるものは執行を見合わせるなど、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

中野委員 大臣、ありがとうございます。

 現在、調査をされているということでございます。この調査を早急に行ってしっかりと対応していただきたい、このように御要望させていただきますので、どうかよろしくお願いをいたします。

 続きまして、復興事業の着実な実施に向けた質問をさせていただきます。

 昨日成立いたしました予算には、東日本大震災復興交付金を初めとして、災害公営住宅をさらに整備していく、また防災集団移転促進事業の実施の本格化など、さまざまな予算が盛り込まれております。これからまさに復興に向けた工事が加速をしていく、こういう段階である、このように考えております。

 しかし、その大きなハードルとなりますのが、先ほどもお話が出ましたけれども、用地の取得でございます。私は、国土交通省におりましたときに、北陸地方整備局というところで勤務をしたことがございました。用地企画課長、用地買収をまさに行う課長をやっておりました。用地取得というものに手間取ると、公共事業の進捗というのは大変におくれてしまいます。通常の公共事業であれば、確かに、少しおくれてしまった、こういう場面も出てくるかというふうに思いますけれども、しかし、復興の事業というのはまさに時間が勝負である、このように思います。事業の進捗をおくらせるわけにはいかない。他方で、地方自治体の方からは、先ほども御質問ございましたけれども、職員の人手が非常に足りていない、こういう御指摘もあるわけでございます。

 そこで、現在、用地取得の迅速化に向けてはどのような取り組みを行われているのか、お尋ねをいたします。

上田政府参考人 御答弁申し上げます。

 復興事業の加速化を図る上で、所有者の不明土地などを含めまして、用地取得の円滑化が重要だというのは御指摘のとおりだというふうに存じております。このため、根本復興大臣のもとに設けましたタスクフォースで、二度にわたりまして、具体的な加速化措置を取りまとめて公表いたしているところでございます。

 具体的に申し上げますと、一つは、相続人とか不在所有者とかそういう調査が非常に手間がかかりますので、こういう用地業務を補償コンサルタントに発注することを促進していただくということで、仕様書などの外注ノウハウを国土交通省から自治体に提供させていただいております。

 二つ目に、土地収用でございますけれども、手続に要する期間を短縮するために、事務手続の簡素化、審査の迅速化を実施しておるところでございます。

 三番目に、民法の財産管理人制度でございます。これも、円滑な活用のために、弁護士などなり手の確保、それから裁判所の窓口の明確化、体制の強化等をお願いしているところでございます。

 さらに、復興庁、国土交通省、法務省、この関係省庁と、県など自治体の連絡協議会の中で、釜石市の防潮堤事業の用地取得をモデルケースといたしまして、これらの制度の円滑な運用について取り組んでいるところでございます。例えば、土地収用につきましては約一カ月で事業認定の申請書案が作成できたり、それから、事業説明会と土地収用法の説明会を兼ねて実施することによって期間が三カ月短縮できたりしておりますし、財産管理人の選任につきましても、二件、実際に申し立てて、既に速やかな処理が進んでいるところでございます。

 このような取り組みによりまして、迅速に土地が取得できるということをモデル的にお示しいたしまして、自治体の懸念を払拭しながら用地取得の迅速化に努めてまいりたいというふうに考えております。

中野委員 ありがとうございます。

 私も用地取得をやっておりましたので、まさに私人の権利をどうするか、こういう問題でもございますし、特効薬というものが余りない非常に難しい分野である、このように承知はしておりますけれども、また、モデル事業の結果をしっかりと検証していただいて、もし制度的な隘路があるのであれば、政治の側でそれもしっかり変えてまいりたいと思いますし、引き続き、さらなる用地取得の迅速化に努めていっていただきたい、このように考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

 三番目でございますけれども、復興事業におきまして、当然、現地の作業をされている方だけでは人手が足りない、こういうことで、全国から、工事を行う際にも応援をいただいて施工している、こういう状況であると聞いておりますけれども、実際に作業をされている方々から伺うと、現地で宿泊施設が足りなくて困っている、そういう場面もある、このようにおっしゃられます。これに対してどのように対応されているのか、国土交通省にお尋ねをいたします。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 被災地における一日も早い復興がなされるためには、委員御指摘のように、公共工事の労働者のための宿舎の利用、建設に要する費用の手当てが重要な課題の一つだと認識しております。

 そのため、国土交通省におきましては、既存の旅館、ホテルといった民間の施設の利用に必要な経費につきましては、昨年の六月に、工事の積算におきまして追加で計上できるように措置したところであります。また、こうした宿泊施設がない場合には、各工事の積算の中で宿舎の新設の費用が計上できるように措置しているところでございます。

 さらに、こうした国土交通省の取り組みにつきましては、岩手県、宮城県、福島県の三県及び県内の市町村に対しましても私たちの取り組みを御紹介いたしまして、同様の取り組みが進められているものと認識しております。

 以上でございます。

中野委員 ありがとうございます。

 あわせて、同じような要望として、災害公営住宅が整備されていく中で、仮設の住宅の方にはあきが出てくるのではないか、そうした場合にこれに宿泊できないか、こういう御要望もいただいておるところでございますけれども、これについてはどのように対応されるのか、厚生労働省の方にお伺いをしたいと思います。

西藤政府参考人 お答えさせていただきます。

 応急仮設住宅につきましては、災害救助法に基づきまして、基本的には、災害により住家が全倒壊し、居住する住居がなくなった被災者の方々に、一時的な住まいを確保するために提供されるものでございます。

 しかしながら、委員からもお話ございましたように、入居者の方々が、災害公営住宅などの恒久住宅への転居、あるいは自宅の再建など、こうしたことが進みまして、仮設住宅が空き住戸となり、使用する見込みがない場合も出てまいります。このような場合には、仮設住宅の所有者である自治体の御判断で、建設工事に従事される方や、あるいは医療、福祉施設で働く方の宿泊場所など、他用途に活用することが原則可能である旨、先般通知したところでございます。

中野委員 ありがとうございます。

 現場のさまざまなニーズがあるというふうに思います。さまざまな対策を検討していっていただければというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いをいたします。

 続きまして、福島の教育の再生についてお尋ねをいたします。

 原子力災害によって避難を余儀なくされた、いわゆる避難区域内にあった学校、これについては、避難区域外のほかの学校の校舎ですとか、あるいはほかの土地などを利用して、サテライト方式で運営がされていると聞いております。

 震災から既に二年が経過をいたしました。サテライト校については、通学ができないために民宿などを利用して寄宿舎生活を行っている、こういう現状も聞いておるわけでございます。こうしたサテライト校の現状はどうなっているのか、あるいは、寄宿舎生活を行っている、こういう生徒に対してはどのように支援を行っているのか、文部科学省にお伺いをいたします。

布村政府参考人 お答えいたします。

 福島県の双葉地区、相馬地区の八つの県立高等学校につきましては、震災後、県内の他の地域の高等学校の施設を活用し、在籍校の教員が中心となって授業を行うというサテライト方式により運営されており、平成二十五年四月十日現在で、九つのサテライト校において教育活動が行われ、八百八十六名の生徒が在籍しているという状況でございます。昨年は千九十五名でございましたので、少しは減ってございますけれども、一年生はふえているという状況でございます。

 これらサテライト校への通学が困難な生徒に対しましては、福島県の教育委員会において、宿泊施設を確保し、食費を除く宿泊費について全額を負担するという支援を行い、国としても、スクールバスで通われる高校生に対する支援を行っているところでございます。

中野委員 ありがとうございます。

 サテライト校についての現状をお伺いいたしました。

 今回の国会では、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律、これも議論をさせていただきました。長期にわたって避難を余儀なくされている方々のための生活拠点をこれから形成していく、こういう制度も始まるわけでございます。

 こういうものが今後整備をされていきます。しかし、サテライト校については、いまだほかの高校の場所を間借りするであるとか、あるいは土地を借りるであるとか、そういういわゆる仮設の状況というか、そういう状況が続いているのではないかな、このように考えます。

 生徒の側からは、設備が不足している、そういう中で、例えば部活動であるとか学校の行事であるとかさまざま、ほかの高校であればできることが制限をされる、そういうお話も伺っております。

 このサテライト校について、今後、国としてどのように支援をしていくおつもりなのか、義家政務官にお尋ねをしたいと思います。

義家大臣政務官 お答えいたします。

 委員御指摘のとおりの状況であります。

 サテライト校の扱いについては、震災後、双葉地区、相馬地区内の生徒の学習の場をとにかく確保しようと、福島県教育委員会が保護者の希望等を踏まえた上で、県内他地域の高等学校の施設等を使い教育活動を行っているところであり、まず、国としては、被災によってサテライト校への遠距離通学を余儀なくされた生徒を送迎するためのスクールバスの運行費を措置しているところであります。

 このサテライト校を含む福島県内の高等学校の配置については、これは法律上も、地域の実情や志願動向等を踏まえて福島県教育委員会において判断される必要がありますけれども、そこに丸投げではなく、文部科学省としましては、双葉地区、相馬地区の子供たちの高等教育の場が適切に確保されるように、宿泊費やサテライト運営管理費の支援を行っている福島県教育委員会からの相談に誠実に応じて、必要な協力を行ってまいりたいと思っております。

中野委員 義家政務官、ありがとうございます。

 県に丸投げするのではなくと、大変力強いお言葉をいただきました。今でも八百八十六名の生徒がサテライト校で学んでいる。彼らにとっては本当に大切な高校生活の三年間であるというふうに思います。国としてしっかりと支援をしていっていただきたい、このように御要望させていただきます。

 最後でございますけれども、私は、学校というのは地域のコミュニティーにおいて非常に大きな核になるのではないか、このように考えております。

 先日も、復興特別委員会で参考人の御意見をお伺いいたしまして、質疑を行わせていただきました。川内村の遠藤村長が、通える高校がなくなってしまった川内村、ここに果たして若い人が戻るのか、こういう御懸念を示されておりました。そんなお話もございます。

 また、例えば、楢葉町からは、双葉郡の子供たちのために将来にわたって充実した教育環境を整備したい、このため新しく高校の整備を行いたい、こういう御要望もいただいているところでございます。

 福島を再生していくためには、やはりコミュニティーを再生していかないといけない。そのためには、若い人が戻ってくる、そこで子供たちが育っていく、こういう環境整備をする必要があるのではないかというふうに思います。

 こうした御要望に対してどのように対応されるのか、そして、今後の福島における教育再生に向けた御決意を、義家政務官にお伺いしたいというふうに思います。

義家大臣政務官 お答えいたします。

 御指摘のとおり、福島県においては、仮設校舎や避難先等での学習を余儀なくされている子供たちが多数いるなど、教育現場も復興途上であります。子供たちが以前と同様、落ちついた環境の中で安心して学べるよう、継続的な支援が何よりも重要と認識しております。

 ちなみに、仮校舎、間借り等で対応している警戒区域等の公立学校、幼稚園から高校までですけれども、四十一校。福島県の幼児、児童生徒でほかの都道府県の学校において受け入れた数、平成二十四年のデータですが、一万二千三百十六名。福島県において福島県内の別の学校から受け入れた児童生徒の数、六千三十一名、平成二十四年五月のデータであります。

 このふるさとから離れた子供たち、しかし、その子供たちがつくっていく未来こそ福島復興の未来である。そのため、まず文部科学省として何をすべきか。福島県からの要望をしっかりと受けとめた上で、学校施設の復旧、それから教育環境の充実、さらには就学機会の確保のための経済支援や心のケアの継続的充実、被災地の教育活動への支援、地域の教育力、これは先ほど委員が御指摘してくれたところですけれども、まさにこれが核となっていくと思いますが、地域の教育力を活用した子供たちの学習支援により、コミュニティーの再生を子供たちとともに行っていく等の整備を一層進め、応援してまいりたいと決意しております。

中野委員 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

後藤田委員長 次に、郡和子君。

郡委員 民主党の郡和子です。

 まず、小田原委員、先ほど御質問の中で、七ケ浜町で被災直後から被災者の方々への御支援をされたこと、復旧に携わってこられたこと、御紹介がありました。改めて敬意を表し、そして感謝も申し上げたいと思います。

 しかし、中にちょっと心外な御発言もあったものですから、私ども民主党政権下では、毎週末、大型バスを仕立てて、被災地、東松島、石巻、気仙沼等に赴き、一緒に泥かき作業等にも当たらせていただいたということも改めて付言させていただきたいというふうに思います。

 まず、おとといになりますけれども、大臣、二〇一五年の国連の世界防災会議の開催地を仙台に閣議決定いただきましたこと、本当にありがとうございます。大きな被害を受けた被災地での開催というのは意義深いものですし、ぜひとも成功させなければならないというふうに私自身も思っているところです。よろしくお願いいたします。

 ところで、この十二日日曜日に、安倍総理ともども、根本復興大臣、宮城に入られまして、女川町そしてまた東松島市、仙台などにも入られて、いろいろな声をお聞きになられたというふうに承知をしております。この復興特別委員会でも、五月の八日には参考人質疑を行いました。その折に、女川の須田町長にも御出席をいただいて、いろいろな課題について御発言をいただいたところでございます。

 この間も議論の中にございましたけれども、土地問題というのが、やはり復興を加速化する上での大きな根幹にかかわる課題だというふうに私自身も思っているところです。

 先ほどは、施策のパッケージ第二弾として、四月の九日に発表された新しい取り組みについてお話があったところだと思いますけれども、要すれば、復興事業予定地の所有者が行方不明の場合は、特に財産管理人制度を利用し、円滑な活用をして対応するということでありまして、これは既に民法に規定をされているものだというふうに承知をしております。先ほど根本大臣も、現法下ででき得る限りのというふうに御発言になったのも、そのことだろうというふうに思います。

 説明資料を見た限りでは、法務省が、最高裁事務総局家庭局及び日弁連、司法書士連合会に対して、既存の財産管理人制度を活用する、これを促進するように要請をするという内容であった。また、被災地の裁判所は、地域の弁護士会や司法書士会に対して管理人候補者の選定を要請して、その候補者を確保してくれというようなものだったと思います。

 先ほどは、管理人の選任の申し立てが二件あったというふうな御報告もいただいたわけですけれども、私自身は、これでは、不在者の所有している財産や相続財産の管理業務が円滑に本当に進むのだろうかと、やや懐疑的な見方をしております。

 候補者のリストアップはどの程度進んでいるのでしょうか。そしてまた、この財産管理人制度を運用する費用はどれぐらいというふうに見積もっていらっしゃるのか。その費用は国が負担するのか、それとも自治体なのか、あるいはまた地権者の負担なのか。どうでしょうか。まず、その点について確認をさせていただきたいと思います。

萩本政府参考人 まず、復興事業に関連する財産管理人候補者の確保についてですけれども、例えば岩手県では、盛岡家庭裁判所が岩手弁護士会及び岩手県司法書士会に対して協力要請をしたところ、両者ともこれを了承し、既に財産管理人候補者リストを作成しており、岩手弁護士会では六十三人、岩手県司法書士会では二十六人の候補者を確保したと聞いております。

 それから、費用に関するお尋ねですけれども、費用の大半を財産管理人に対する報酬が占めるのが通例でして、この管理人に対する報酬は、民法上、不在者財産管理制度については不在者の財産の中から、相続財産管理制度については相続財産の中から、それぞれ家庭裁判所が相当な報酬を管理人に与えることができるとされているところでございます。

 費用の見通しについてお尋ねがありましたけれども、管理人に対する具体的な報酬の額は、家庭裁判所の裁判官が事案に応じて判断することになりますので、その見通しを申し上げることは難しいということを御理解いただきたいと思います。

郡委員 ありがとうございます。

 すぐさま見つかればいいのですけれども、もう本当に長いこと見つからないとなった場合にどういうふうに対応するかなど、まだ課題は残っているんじゃないだろうかというふうに思っています。

 私どもの党も、復興調査会で、黄川田会長を初め国会議員、衆参合わせて七人が参加をいたしまして、先月の八日ですけれども、岩手を訪ねさせていただきまして、釜石市と大槌町で、市長、町長、関係者らから、土地収用手続の簡素化など復興事業用地の確保の円滑化について、さまざまな要望を伺わせていただきました。

 今、いろいろな手当てをされているというお話でしたけれども、自治体の首長さんたちは、この財産管理人制度にかわって、市町村が管理の権限を持つ制度の創設、あるいはまた何かないだろうかという、手続の迅速化を図れる新たな対策について御要望があったわけですけれども、これについては、国としてどういうふうな対応を考えておられるでしょうか。

根本国務大臣 財産管理制度の具体的な運用については、今、法務省からお話がありました。

 我々、財産管理制度、よりここを突っ込んで議論して具体的な制度改善あるいは運用のスピードアップを図らないと、この所有者不明土地などの問題が解決しないということで、法務省の民事局長とも私も直接随分突っ込んだやりとりをいたしました。そして、法務省でも、ただいまお話がありましたように、法務省としての対応をやっていただきました。

 私は、財産管理制度、要は、自治体においては財産管理制度の経験、ノウハウを余り持っておられませんから、だから、そこのノウハウをきちんと我々が提供していくということで、具体的な突っ込んだやりとりの中で、財産管理制度というのが現に民法上あるわけですが、これを具体的に運用したらどうなるか、そういう観点から、後押しのための加速化措置を講じたところであります。

 今、郡委員のお話の、今は財産管理人がやるわけですが、市町村が所有者不明土地を例えば一定公告して、誰もいなかったら市町村が管理処分権限までを持つ。そういう制度があったら私もそれはいいなと思うんですが、では、実際にこれを具体的に法律として仕立て上げるということを考えた場合に、一つは、これは私も随分考えました、個人の財産権の保護、憲法の要請がありますから、この財産権の保護をどう制度的にクリアしていくか。

 土地収用制度と財産管理制度と二つあるわけですが、土地収用制度にしても、事業認定ということで、まず事業の公益性を客観的に認定する。その上で、土地を処分しようと思うと、またこれも収用裁決という手続を経て処分するわけですね。それから、財産管理制度も、財産管理人が管理している土地を具体的に処分しようと思うと、裁判所の許可を得なければいけない。

 実は、土地収用法あるいは財産管理制度、それぞれそういう丁寧な手続を踏んでいるものですから、東日本大震災で確かに膨大な土地取得需要が出てくる、あるいは震災だ、その公共性、公益性を踏まえて、それぞれの制度が用意している措置を省略してやれるような法制度が果たして可能かというと、かなりこれは、具体的な検討、立法上可能かという議論が、特に個人財産権の問題と絡んでですね、そういうことは十分検討しなければいけない。

 気持ちはよくわかるんですけれども、ここはなかなか、この立法措置はかなりハードルが高いのではないかというのが今の私の考えであります。

郡委員 真摯な御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。

 女川町では、須田町長が参考人としてお話しになられていましたけれども、区画整理区域内で、整理をして八百ぐらいの地権者になった、しかし、その中でも三十ぐらいがどうにもこうにも連絡がつかない、区画整理以外のところでも出てくるんじゃないだろうかと想定しているということでした。何らかのさらなる踏み込んだ施策を出していただければ大変ありがたいというふうに話しておられました。そのとおりだろうなというふうに私も思います。

 今、新たな立法はなかなか難しいというお話でしたけれども、財産管理人制度等々で、民法の規定でちょっと気になるところがあります。

 被災地の土地には、登記名義がかなり以前に亡くなった被相続人のままで、現在、相続人が多数にわたっていて、しかも、その中に複数の行方不明者がいるという事例がかなりございます。この土地を売買するには、その前段階で遺産分割を行う必要が出てくるわけです。遺産分割を行うためには、その行方不明者について不在者財産管理人を選任する必要が出てくるわけですね。しかし、遺産分割を行う共同相続人の中には複数の行方不明者がいるというケースも考えられると思うんです。

 こうした事例においては、現行の財産管理人制度では、民法百八条の自己契約、双方代理の規定があって、不在者と不在者の間で利益が相反する場合は、財産管理人は複数の不在者を代理することができないことになっております。また、仮に、複数の不在相続人一人一人に別々に不在者管理人を選定するということを想定してみますと、被災地の多数の不在者の財産管理人を確保するというのは、これは本当に大変なんじゃないだろうかと推測するわけでございます。現行制度のままでは、この制度で適切に対応することは困難ではないかというふうに思っているわけです。

 未曽有の大災害によって生じたこの非常事態に対処するためには、この民法百八条の規定を、平時の運用を念頭に置くということでは到底だめだということ。文字どおり、非常事態における臨機応変の措置が必要だというふうに私自身は思っているわけでございます。

 財産管理人のなり手をより積極的に確保したり、また、複数の不在者を一括して代理することができるようにする民法上の工夫というのを考えるべきではないかというふうに思っているわけですけれども、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、土井委員長代理着席〕

萩本政府参考人 委員から御指摘いただきましたとおり、共同相続人の中に複数の不在者がいる場合には、不在者相互間で利益が相反することもあるため、原則として、不在者ごとに異なる管理人を選任する運用がされているというふうに承知しております。

 ただ、その点につきまして、委員御指摘のように、例えば、一人の管理人が複数の不在者を一括して代理することができるような扱いができないか、そういった特別措置ができないかということを考えてまいりますと、やはり、不在者相互間で利益が相反する場合には、不在者の財産を十分に保護することができなくなるおそれがあるなど、さまざまな問題が生じ得ることになりますので、先ほど根本大臣からも御答弁がありましたとおり、なかなか難しい面があるのではないかと考えております。

 ただ、法務省としましても、復興庁を中心とする政府内のさまざまな検討や取り組みに、引き続き積極的に協力してまいりたいと考えております。

 それから、財産管理人のなり手の確保についてですけれども、その点を含めまして、財産管理制度が円滑に運用されるよう、先ほど御紹介いただきましたとおり、最高裁判所事務総局や日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会などに対して必要な協力を依頼するなどの対応を進めているところでございまして、現時点におきましても、財産管理人の候補者は一定程度確保されているところでございます。

 ただ、今後、被災地におきまして、財産管理人の候補者が不足するような多数の申し立てが見込まれる場合には、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会などにさらに働きかけをするなどしまして、候補者の確保に努めてまいりたいと考えております。

郡委員 法務省の御答弁は、あくまで、この民法百八条を守らなくちゃいけない。そういう墨守、拘泥するようなことではなく、まさに非常事態だという態度で、新たな取り組みについてもお考えいただけるようにしていただきたいと思います。

 私ども民主党といたしましては、この辺の解決策を探るための議員立法を考えさせていただこうというふうに思っているということを申し述べさせていただきます。

 次に、ちょっと話題をかえさせていただきまして、被災市町の居住地の活用に対する支援ということですけれども、今度は、土地の利用の方で観点をつけてお話をさせていただきたいと思います。

 宮城県内、災害危険地域に指定されているところというのは、十二の市町、およそ一万三百五十ヘクタール、今後も追加指定予定というふうに承知をしております。各市町では、買い取った防災集団移転の跡地をモザイク状に本当に大量に有することになる。

 そこで、面的な活用が望める地区ごとに、産業用地ですとか農業用地、公園、緑地など、利用計画を提出したいというふうに考えているんですけれども、これが大変難しいということです。ネックは、モザイク状に点在する大量の公有地の集約手法がないんですね。直接被災した土地にまた事業を始めようという主体者がなかなか申し出てくれない。これらが利用計画の策定の遅延の理由だというふうに思っております。

 具体的な利用計画がまだ立てられない、もしくは、面的整備事業によらずに跡地の整備を行いたいというふうに考えた場合に、土地の集約の手法がない。虫食いになった賠償した移転元地、跡地の利用計画、これを立てるには余りにも制約が大き過ぎて、前に進めないわけです。交換分合などを含めて調整する機関をつくるべきではないか、あるいは県や市町に権限を付与すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

根本国務大臣 委員おっしゃられるように、防災集団移転事業は、今回の大震災で具体的なかなりの数の事業をやっております。その点でも、この跡地利用、私は、復興まちづくりが進む中で、今後ますます主要な課題になると認識をしております。

 復興庁として今まで取り組んでいる対策、これらの跡地の利用方策については、公園整備あるいは漁業集落のかさ上げなどの事業を採択できるように、復興交付金の運用の柔軟化に取り組んでおります。

 今委員がおっしゃられた、虫食い状態になった土地をどう整序するか、これについては、基本的には、土地区画整理事業がありますので、土地区画整理事業などを活用して集約や有効活用を図ることが可能でありますので、市町村のこのような取り組みについて、計画策定支援などを行ってきているところであります。

 ただ、委員おっしゃられるように、たくさん、いろいろな状況がそれぞれありますから、さらに円滑な土地利用が進められるように、市町村等の御要望を丁寧にお伺いしながら、関係省庁と連携して検討を行ってまいりたいと思います。

郡委員 そうなんです。本当に大変なんですよ。ここがうまくいかないことには、復興が目に見えて進まないことになります。跡地そのままでは、いつまでたってもあの三・一一、あのままだということになりますので、ここに対して、やはり迅速に進められるような対応をしっかりと図っていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 跡地に企業を呼び込もうとして特区制度等もつくっていただきましたし、頑張っておられるわけですけれども、何しろ移転元地、跡地に産業立地する企業がなかなか出てまいりません。マンパワーが絶対的に不足している中で、住宅移転などの計画を急務とする県なり市町なりが企業訪問して誘致活動をするというのも、これも本当に大変なことです。大きな負担になっているというふうに言わざるを得ないと思います。

 企業誘致のための企業に対する支援施策情報、これを一元的に情報提供するなど、国が全面的に支援を行うべきではないかというふうにも考えていますが、この点についてはどうでしょうか。

    〔土井委員長代理退席、委員長着席〕

根本国務大臣 委員がおっしゃるように、企業立地の促進、これは新たな雇用創出を含めて、産業復興を図ることは非常に重要だと思います。住宅再建、さらに産業再生、産業復興、これが何よりも大事だと思います。

 これまで、この産業再生、産業復興の観点から、復興特区制度に基づいて復興産業集積区域を設定する、これに対する企業立地を促進する、こういう対策をやってまいりました。さらに本年度からは、委員御案内のことですが、津波被災地域及び原子力災害被災地域を対象にして企業立地補助金、要は津波被災地にも拡充をいたしました。それで、ぜひ産業立地を促進しよう、こういう対策に取り組んでまいりました。

 委員がおっしゃられるように、制度は整えていますけれども、確かに、市町村がそれぞれの企業に当たる、これは本当に大変な作業ですから、大事なのは、委員がお話しになったように、要は、情報提供、情報を集約する、そういう窓口を一元化する、私もこれは非常に大事なことだと思います。

 具体的には、経済産業省及び自治体などと連携して、各復興局の産業担当セクションに情報を集めて、そしてこの情報をワンストップで提供する、こういう情報集約、一元化の仕組みをつくる中で被災地の産業復興を図ってまいりたいと思います。

郡委員 マンパワー不足について、さらに伺いたいと思います。

 さまざまな取り組みが行われているわけですけれども、今なお、都市計画にかかわる用地や土木などに精通した職員の増員要望が各市町から上がっています。きょうは、皆様方のお手元に、どれほどの要望が上がっているのかという表を、四月一日現在のものですけれども、宮城県の状況をお配りさせていただきました。

 宮城県は独自に、これも復興庁、大臣も御承知のことと思いますけれども、任期つきの職員代行採用を行っているわけでございます。復興庁でホームページでも御紹介いただいていて、ありがたいと思いますけれども、しかし、この県の職員の事務作業というのは大変な労力でして、限界に近いというような声も上がってきております。

 国としても、URを活用したCM方式、また総務省スキーム、あるいはまた復興庁でも、民間企業から職員の採用、国家公務員のOB、また青年海外協力隊の帰国隊員を採用して被災地に派遣していただいているなど、大変な御努力をいただいているということも承知した上でなんですけれども、県レベルでの募集も手だてが限られているわけですね。国による支援というのをさらに拡大すべきではないかというふうに思っております。

 全国レベルで、大学や教員OBを通じて専門職についている官民の人材に募集案内を周知したり、あるいは民間の建設業界の従業員やOBなどに募集をかけるなど、あらゆる方面へ人材を求めて、国による採用、派遣を拡大すべきだと考えます。ホームページで募集していますというお知らせだけではない、実質的なそういう取り組みというのを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

谷副大臣 被災自治体のマンパワーの確保ということは大変大事なことで、委員御指摘のとおりだと思います。

 そのため、全国の自治体からの職員派遣がおととしから推進されているわけでございますけれども、その後、一層幅広い方面からの人材確保を図るために、今御指摘のございました被災自治体における任期つきの採用とか、あるいは被災自治体に派遣するという前提での採用、今、宮城県の例を出されましたが、被災三県はもとより、東京都、それから私の地元の兵庫県でも、相当数やっております。

 それに加えて、国、復興庁におきましても、国の職員として、青年海外協力隊の帰国隊員あるいは公務員OB、民間実務経験者、さらには現役の民間に勤めておられる方々、そういう方々を採用して、市町村に常駐させて関連業務をやっていただく、そういう取り組みを開始しているところであります。

 委員御指摘のように、幅広く、我々も精いっぱい努力しているつもりでございますけれども、さらに工夫をしながら、足も運んで、経済団体に頭を下げながら協力を求めているところでございますが、我々自身も努力し、また全国の自治体にも、これはそこそこの自治体でないとなかなか難しいところがございますけれども、それぞれの地域で派遣を前提に任期つき職員を採用していただく。そして、それは御承知のとおり復興特別交付税で全額補填されるわけでありますから、そういうことも引き続きしっかり働きかけをして、強めて、マンパワーの確保に努めてまいりたいと思います。

郡委員 よろしくお願いいたします。

 次は、仮設住宅のことで伺います。

 原則二年とされている応急仮設住宅の供与期間延長について、これも認める方向でありますが、二十四年度の予備費で、風呂の追いだき機能や物置の設置、それから、ひさし、軒などの追加工事の経費を中心に、復興特会に災害救助費等負担金五百九十六億円を計上いたしました。二十五年度予算では、さらに、民間賃貸住宅活用の応急仮設住宅の家賃、あるいは建設した応急仮設住宅の基礎などの補修工事などの経費として五百二十九億円が予算措置をされました。そのうち、建築基準法をクリアするための基礎、床、壁などの補修工事の経費の予算額は四十三億円だというふうに聞いておりますけれども、その積算根拠について伺いたいというふうに思います。

 余り時間がありませんので質問を続けますけれども、そもそも二年の設定で建築をしたプレハブ仮設住宅で、湿気や結露にさらされて、畳がゆがんだり変色したり、床のベニヤ板がふやけてシートを盛り上げるなど、いろいろな状況も生じてきて、また、地盤沈下で基礎をジャッキアップするなどの補修が必要になっている住宅も出てきているんです。宮城県では、昨年度、およそ二百件の、床のたわみなどのふぐあいに係る補修工事を行ったというふうに承知をしています。

 仮設住宅の入居期限について、自治体の判断で、安全性の問題がない、あるいは住宅が不足、この二点を満たした場合には、更新、一回の更新は一年ということですけれども、これを繰り返す形で延長できるとしていただきました。恒久住宅に移るまでにはまだ一定の時間がかかると見込まれるわけですから、仮設住宅の安全性を確保するために総点検や補修、改修に取り組むことになるんだと思いますけれども、これまでの追加工事に要した時間を考えますと、これもまた大変な時間がかかるんじゃないかと心配をいたしております。

 既に防災集団移転地に編入されるために閉鎖された仮設住宅もございますし、民有地に建てられた土地を返還しなくちゃならなくて、住民が移転を余儀なくされる仮設団地も宮城県では二カ所出てきました。復興が進めばこうした事例もふえてくるわけですけれども、先ほど例を挙げました地盤沈下の激しい仮設団地、例えば宮城県の石巻バイパス用地団地なんですけれども、二百三十六戸中九十戸についてジャッキアップをした補修工事、これまで千六百万円ほどかかっているんですね。

 今後、こういうような工事を進めていかねばならない、経年劣化などに対応していかなくちゃいけないわけですけれども、これらの工事をしてもらう、入っていらっしゃる住民の方々の、仮設にお住まいの皆さんたちの精神的な負担も大変なものだというふうに思われます。

 この経年劣化の状態を点検して速やかに補修等の対策を講じるとともに、そしてまた、復興住宅の建設、入居が一定程度進んだ段階で、応急仮設住宅についても、住民の皆さんたちの意向調査などを実施した上で統廃合も含めて改善策を講じるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

岡本政府参考人 前段、予算についてお答えいたします。

 四十三億円計上いたしました基礎は、被災各県から必要な見込み額を御報告いただきまして、それをもとに積み上げた金額でございます。

根本国務大臣 郡先生の後段の方の質問にお答えさせていただきます。

 仮設住宅の供与期間の延長に伴う補修、これはもう、先生先ほどお話がありましたように、二十五年度予算についても措置しております。現況を確認の上、今後、被災県において安全上、防火上、衛生上必要な補修工事を実施することになります。

 さらに、翌年度以降においても、供与期間の延長を行う必要がある仮設住宅、これは同様に、被災県からの要望を踏まえ予算措置を行って、とにかく入居者の方が安心して生活できるような、必要な財政支援措置を講じるように対応していきたいと思います。

 今、もう一点お話のありました住宅の集約化、これにつきましては、過去の大規模な災害においても課題となっておりまして、入居されている皆さんを含めて、被災者の意向を十分に踏まえながら被災自治体が適切に対応すべき問題でありまして、関係省庁と連携して、必要な助言、後押しをしていきたいと思います。

郡委員 終わります。ありがとうございました。

後藤田委員長 次に、三木圭恵君。

三木委員 日本維新の会の三木圭恵でございます。

 今回、東日本大震災復興特別委員会で初めての質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず初めに、安倍総理大臣初め復興大臣、精力的に復興に取り組んでくださっていることに敬意を表したいと思います。また、前民主党政権時代より、与野党を問わず、国会議員として、皆様、復興に全力で取り組んでくださっていることに敬意を表します。

 私自身は兵庫県の出身でございます。実は、阪神大震災の被災者でもございます。自宅が全壊をいたしまして、阪神大震災の次の日から実家の方に避難をいたしまして、自宅で住めなくなった人間の一人として、東日本震災の復興に少しでも自分の経験を生かしたい、また尽力をしていきたいということで、この特別委員会の方に希望を持って参加させていただいております。

 また、日本維新の会の方では、七割を新人議員が占めているわけでございますけれども、この一回生議員を中心としまして、被災地の方にも二回、三回と足を運んで、被災地の皆様のお声を聞くということを今始めておりまして、被災者の皆様方のお心に沿った震災復興というものに党を挙げて取り組んでいきたいと思っておりますので、どうぞ私の質問に、大臣の方から与野党を超えた御答弁をいただけたら幸いでございます。

 まず、第一点目の質問に入らせていただきます。子ども・被災者支援法に関する質問でございます。

 本法律の制定については、震災発災後に迅速に与野党協力のもとで議員立法として全会一致で成立をして、被災された方々の復興に対する政府としての方針が決まったということで、期待が高まったところではございます。

 しかし、その後の進捗については、本委員会でもたびたび多くの委員の皆様方から取り上げられておりますけれども、本法律五条に明文化されております基本方針の策定がいまだなされておりません。被災地の、被災された皆様方のお気持ちを考えますと、この基本方針の策定がまず急がれると思うのでございますけれども、被災された皆様方、今この時点でも不便で不安な生活を送られている方々も多いと思います。

 本法律の一刻も早い実効性を確保することは、我々国民を代表する者に課せられた極めて重要な責務でございます。また、国会議員の全員が賛成した法律でございますので、一年弱もこの基本方針が策定されていないということ自体が国会としてどうなのかという御批判も受けるのではないかと思うのでございます。

 本年三月十五日、政府は、「原子力災害による被災者支援施策パッケージ 子どもをはじめとする自主避難者等の支援の拡充に向けて」を発表されたところでございます。この施策パッケージというのは非常に考えられたパッケージであると思うのですけれども、本法第五条で法の基本理念に基づいて定めるとしている基本方針の策定なくしては、一歩も前に進んでいかないのではないか、被災された方々の不安というものは解消できないのではないかということを考えまして、子ども・被災者支援法の成立についての、具体的なスケジュールというものについてお伺いしたいと思います。

根本国務大臣 子ども・被災者支援法、私も子供が何よりも大事だと思います。ですから、不安を和らげるような施策、これを講じていかなければならない、そう思っております。

 子ども・被災者支援法に基づく基本方針、これは実は、基本方針の中に政策支援地域というのを決める、そしてこれからのさまざまな基本的な考え方あるいは施策を盛り込む、こういう基本方針をつくる、法律ではこうなっているんですね。

 なかなか難しいのは、基本方針のベースになる政策支援地域、これは空間放射線量が二十ミリシーベルト未満であって一定の基準以上のもの、こういうことになっていて、この一定の基準というのをどう考えるか。実はここが我々も非常に悩ましい問題で、この一定の基準については、放射性物質の影響という専門的な内容を含みますので、これは専門的、科学的、技術的観点からの検討が必要である。政治がえいやと決めることはなかなか難しい。

 やはりここは国内外の英知も結集して、要はかなりこれは深い問題ですから、この一定の基準については専門的、科学的、技術的観点からの検討が必要ということで、今、原子力災害対策本部の中で、原子力規制委員会に、どの程度の放射線量ならどの程度の放射線防護措置が必要か、その考え方を検討していただいております。

 このような知見も活用しながら、できるだけ早く、一定の基準を含めて、基本方針の策定に努めてまいりたいと思います。

 今、施策の実効性という話がありました。これは、この基本方針の策定を待つことなく、被災者支援についてはやはり具体的な施策を打ち出していく必要がある。その観点から、三月十五日に、これらの施策をまとめた原子力災害における被災者支援パッケージを発表しました。

 ですから、具体的な施策はどんどん進めようと。ただ、法律に基づく基本方針は、一定の基準というところがありますので、その一定の基準の考え方については今検討している、こういうことであります。

 具体的な施策、例えば自主避難者の方のための高速道路の無料化措置も今回講じました。これも、子ども・被災者支援法の趣旨もありますから、その理念を受けて、連休前に間に合うように無料化措置を講じましたが、そういうことで、具体的な施策は前に進めているということであります。

三木委員 大臣、ありがとうございます。

 今お答えをいただいたんですけれども、基本方針の策定の時期の目安といいますか、大臣の中のお考えでは、いつぐらいに基本方針を策定する御予定であるのか。今、さまざまな知見を集めて、それに基づいて策定していこうというお答えだったと思うんですけれども、そちらの方はいかがでしょうか。

根本国務大臣 支援対象地域に関する一定の基準、これは、繰り返しになりますが、放射性物質の影響という専門的な内容を含むため、専門的、科学的、技術的な検討が必要だと考えております。

 先ほど申し上げました、原子力災害対策本部における検討の進展状況、これを踏まえつつ、得られた知見を活用し、原子力災害対策本部では年内を目途の取りまとめということでありますが、年内を目途の取りまとめまで待つということではなくて、できるだけ早く一定の基準を定めて基本方針の策定に努めていきたいと思います。

三木委員 確かに、内外の知見を集めて、二十ミリシーベルト未満で一定の基準というものを定める必要というのはあると思うんですね。だけれども、法律の目的のところにまず書かれていることというのは、「放出された放射性物質が広く拡散していること、」そして「当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分解明されていないこと等のため、」というまず大前提があると思います。そして、第一条の最後には、「もって被災者の不安の解消及び安定した生活の実現に寄与することを目的とする。」というふうに書かれております。

 私が言いたいことは、放射線の本当に人体に及ぼす危険性というのは、いろいろな学説がございますし、いろいろな知見がございます。そういったものを広く集めても、最後には、どの基準が一定安全なのかということに関しては、これを定めるには、まだあと何年も何十年ももしかしたらかかるかもしれない。被災されたときに例えば妊娠されていて、その胎児だった赤ちゃんが生まれて十年先、二十年先にならないと、この結果がわからないものかもしれない。

 そういったことを考えますと、知見を集めて方針を定めていくというのは確かに正しい論法であるとは思うんですけれども、どこかでやはり政治的判断が必要だと思います。そのことについて、根本復興大臣はどのようにお考えでしょうか。

根本国務大臣 政治は責任ですから、我々がこれを決めるのは、相当本当に検討しなければいけないと真面目に私は思いますよ。

 一定の基準に当たっては、繰り返しになりますが、放射性物質の影響という専門的な内容を含みますから、これは専門的、科学的、技術的観点からの検討が必要だろうと思います。

 具体的に言いますと、例えば、今、空間放射線量で言っていますよね。その線量の測定方法について、線量指標として、空間線量か、あるいは個人別実測値などに着目すべきか。放射線の健康に与える影響については、放射線そのものの影響をどう評価するか、一方で、放射線そのもの以外の影響、今いろいろなストレスなんかもありますから、その比較考量をどう考えるか。あるいは、線量ごとの適切な防護措置は具体的に何か。こういう検討をしなければいけないと私は思います。

 このために、原子力規制委員会等、原子力災害対策本部において、福島県でも、二十ミリシーベルト未満のところは避難指示解除区域にしていますからね。避難指示解除準備区域といいますけれども、避難指示を受けた地域の区域再編をして、避難指示解除準備区域という二十ミリシーベルト未満の地域がありますから、この避難指示解除に向けた検討としても、線量水準に応じて講じるきめ細かな防護措置の具体化が必要で、国際的な知見の活用も含めて検討を行うことが必要だろうと思います。

 それで、防護措置の具体化とは、防護措置とは何か。

 例えば、日本とチェルノブイリは随分様相が違っていると私は思いますが、チェルノブイリは日本の六倍の事故でした。いろいろな放射性物質も拡散した。そこで、例えばコルホーズ、集団農場がありますから、ここに放射性物質が付着した。五年間、ソ連の中で情報も十分に与えられずに過ぎた。そして、チェルノブイリ法というのをつくりました。

 その中での防護措置は、要は、食品の、特定の食物の摂取制限、こういうものが防護措置ですし、防護措置というのはいろいろあって、モニタリングシステムもそうですし、健康管理、健康診断もそうですし、ガラスバッジを装着してもらえば実際の個人の線量がわかりますから。

 要は、さまざまな検討、そしてICRPの勧告なども参考にしながら、整合性もとりながら検討する必要があると思っておりますので、いずれにしても、できるだけ早く一定の基準について検討して基本方針の策定に努めてまいりたいと思います。

三木委員 大臣、ありがとうございます。御丁寧に答弁をいただいたと思っております。

 大臣は、さきの会見で、被災者支援政策パッケージで、子供を初めとする自主避難者等の支援の拡充で、政策支援地域の一定基準を決める前に施策としてどんどんやりたいということを御発言されておられます。

 今、政策パッケージ、福島県内に限られた施策も多分たくさんあると思うんですけれども、基準を決める前の政策支援地域というのは、どの地域を指して、どのような施策を行うのか、お答えいただいてよろしいでしょうか。

根本国務大臣 政策支援パッケージ、さまざまな支援パッケージを盛り込みました。これは、例えば福島県内を対象とするものもありますし、福島県を越えて県外に採用される措置もあります。

 幾つか事例を申し上げますと、例えば高速道路の無料化、これはやはり福島県中心ですよね。福島県内のある一定のエリア、ここは人口流出もしておりますし、非常に避難が多かった。そこはそういう対象地域になりますが、例えば学校給食の検査、これは福島県だけではなくて九県にまたがっております。あるいは震災に伴う就学支援、これも必要な地域にまたがっている。

 要は、我々が政策パッケージでいろいろな施策を講じました。一つ一つの施策を見ていると、一つ一つの施策ごとの対象地域があるんですね。かなり幅広に政策パッケージをやりましたから、実質的には、これから決まるであろう政策支援地域は、その政策パッケージのそれぞれの施策を見ていると、それを積み上げると実は政策支援地域はカバーすることに結果的になります。

 その意味では、政策パッケージの施策については、その施策が必要な地域について、自然体験活動なんかもそうですけれども、要は、それぞれの施策を見ると、必要な地域に必要な施策が打たれている。その全体として、子ども・被災者支援法の趣旨を踏まえて、我々、政策パッケージとして、こういう政策をやるんですよ、実際に予算もつけていますよということでお示しをしたということであります。

三木委員 ありがとうございます。

 それでは、例えば甲状腺がんの検査、子供に対する超音波の検査であるとか、内部被曝をしたかどうかという尿検査とか、いろいろあると思います。甲状腺に関する検査に関しては、福島県では検査対象となっているわけでございますけれども、三・一一のときに、福島県に限らず、ホットスポットになったところは他県にもたくさんございました。それで、やはり、その地域に住んでいて、福島県以外でも妊娠されていらっしゃる女性の方もたくさんいらっしゃいました。また、子供さんもたくさん生活もされておられました。

 最初に申し上げたように、当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分解明されていないということが、まず大前提であると認識しております。そして、もって被災者の不安の解消をするということが、この法律の策定のメーンの目的であったと私は思っております。

 ですので、例えば福島県以外でも、ホットスポットにそのときいらっしゃった妊婦さんであるとかお子さんであるとか、そういう方々に対する健康被害の調査であるとか、そういったものに対するお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 発災後、福島県を含めて、また福島県の近隣県においても、各県が主体となって有識者会議を開催いたしまして、健康管理あるいは健康調査をどういうふうに進めていくかという議論がなされたと承知をしております。

 また、その結果、福島県におきましては、県民健康管理調査という形でスタートして、今議員から御質問がありましたように、超音波検査を含めたトータルな健康管理、健康調査がなされるという形式になっております。

 一方、御質問の福島県の近隣県ですが、これも、先ほど申しました各県の有識者会議が開催されました。議論の過程では、ホール・ボディー・カウンターとかあるいは個人線量計を用いた被曝線量の把握といったものをサンプル的に行っていただきました。その中には、尿を使ったセシウムの検出なども含まれていたと承知をしております。そうした総合的な検討の結果、健康影響が観察できるレベルにはないのではないかということで、科学的には、放射線と健康という点に着目をした特別な健康管理は必要がないという結論が現時点では出ていると承知しております。

 もちろん、それ以降も、本年の二月の末のことですけれども、WHOが健康リスク評価専門家会合報告書などを出しておりまして、この報告自体をちょっと紹介しておきますと、過小評価にならないようにということで最大限の見積もりをし、大胆な仮定を置いて線量を推計したものでございますけれども、その結果として、こういう仮定を用いたとしても、福島県外においてがんの増加が確認される可能性は小さいという報告が出ております。

 そうしたことから、繰り返しになりますが、現時点では特別な健康調査は必要ないと思いますが、これまで、学校健診を含めて特定健診など既存の健診が実施されておりますので、これはこれできちっと受けていただくということになりますし、また、不安を抱いておられる方がいらっしゃるということも認識しておりますので、こうした方については、いわゆるリスクコミュニケーションの形で、情報の提供やコミュニケーション自体の場の提供なども考えていきたいと考えております。

 以上でございます。

三木委員 今のお答えなんですけれども、おおよそ、科学的見地をもってして、そして大幅に甘く見積もっても健康被害というものは起こらないという御答弁だったんですか。健康被害の調査をしなくても、病院に行って例えば甲状腺の超音波の検査をしなくても大丈夫だというような、国際的な見地からのお答えだったというふうな解釈でよろしいんですか。

佐藤政府参考人 お答えをします。

 先ほどのお答えの繰り返しになりますけれども、まず、各県において、医師を含めていろいろな専門家の方による有識者会議が開催されて、早い段階で、健康影響が観察できるレベルにはないということは確認されたと承知をしております。まずそれが一点目です。

 それから二つ目は、こうした福島県以外の取り組み、例えば今申し上げましたWHOにおける報告書の中でも、大きく見積もったとしても、県外においてがんの増加が確認される可能性は小さいというような報告が出たと承知をしております。

 また、これ以外にも、チェルノブイリにおける経験その他を総合的に判断すると、現時点で、いろいろな専門家の考え方をお伺いすると、福島県を中心にしっかりやっていくというところが当面の取り組みかというふうに承知をしております。

三木委員 今のお答えで、本当にもしそれが事実で、それが国の方針で、福島県以外は、そういった医学的な見地から、またWHOの御見解から、福島県を中心にしていくんだというのであれば、本当に基本方針を策定して福島県内に決めたらいいと思うんですよね。でも、そうじゃなくて、今、この基本方針の中では、放射線が人の健康に及ぼす危険については科学的に十分に解明されていないと。

 それと、千葉県とか茨城県とかでも、事故以来、高い空間線量が測定されている地域も実際にありますでしょう。ありますし、追加被曝線量が年間一ミリシーベルトを超えるところも実際にあるわけです。

 今のお答えだと、健康被害の調査に関しては、明確に基準があって福島県内に絞っているというふうに聞こえなくもないんですね。一体、それは数値的にはどのような数値でおっしゃっているのか、ちょっとお聞かせくださってもよろしいですか。

佐藤政府参考人 二つの話を御質問されたと思っています。

 まず前段についてですけれども、復興庁が中心になって政府全体で基本方針を策定する、それに当たって資料を準備し、また検討していくということについては、環境省もその一員として対応していきます。その過程で新しい知見がわかってきたり新しい概念が入ってくれば、それは随時取り寄せていくということだろうと思います。

 ただ、基本方針ができるまでの間じっとしているということではありませんので、今得られている知見とか過去にチェルノブイリ等で得られた知見、こういったものは活用しながら、今できることはやっていくということでございます。そういう意味では、現時点ではそういう判断をしているということになります。

三木委員 今、チェルノブイリのお話が出たんですけれども、チェルノブイリと福島は全く状況が違うということは私も承知をしております。ですが、このチェルノブイリ法なんですが、年一ミリシーベルト以上の被曝量地域を移住の権利地域と定め、在留者と避難者それぞれにさまざまな支援が行われている、これがチェルノブイリ法なんです。

 チェルノブイリ法が定める移住の権利地域の住民への補償の主なものとしては、国家の負担による追加医療保障、非汚染地帯でのサナトリウム治療と追加の休暇、妊婦に対する居住地域外での延長休暇。月に百米ドル相当の支払い、健康増進用、追加食品用、これは後に減額をされております。年金の三〇%割り増し。こういったものが全てチェルノブイリ法では書いてあります。

 ロシアでは、ウクライナですか、年五ミリシーベルト以上であれば移住が義務づけられる地域になっているんですよ。

 今おっしゃったチェルノブイリの観点からも、基本方針が定まるまでは福島中心にやっていくんだということをお答えだったと思うんですね。これは、環境省の方にるる申し上げても仕方がないことだとは思います。ただ、だからこそ、早く基本方針を策定して、二十ミリシーベルト未満の地域で何ミリシーベルト以上の地域を施策対象としていくのかということを早急に決める必要があると思うんですね。

 施策パッケージとしてどんどん施策をやっていけば、もちろんそれは先に進んでいるということだとは思うんです。だけれども、被災者の方々の心配というか不安というのは解消されないと思うんですよ。根本大臣、いかが思われますか。

根本国務大臣 私が先ほど申し上げましたとおり、まさに一定の基準というのは、先ほど来申し上げておりますが、繰り返しは避けますけれども、一定の基準の考え方は私が先ほど申し上げたとおりですよ。

 そして、確かに、健康への影響に対する不安、これはありますから、その意味では、私はリスクコミュニケーションというのも非常に大事だなと思っております。チェルノブイリでも、要はさまざまなカウンセリングや相談機能の拠点施設をつくってやっていますから、そういう対応も私は必要だと思っております。

三木委員 ありがとうございます。済みません、環境省の方もありがとうございます。

 私は、自分が妊娠をして、子供を二人産んできました。その子供が今十九歳と十七歳で、二人とも女の子です。福島県もそうですけれども、福島県以外でも、自分たちはそのときに被曝をしてしまったんじゃないかという不安をたくさんの女性がやはり抱えていると思うんですね。それを解消するためには、甲状腺の検査であるとか尿検査であるとか、そういったことを実施していかない限りはそういった不安は解消されないんですね。

 だからこそ、基本方針策定に対する期待というものが日本国じゅうから集まったんだと私は思っております。県議会や市議会などからそういった意見採択もたくさんされております。だからこそ、今、基本方針の策定というものを急いでやって、被災された方々の不安というものを解消していくことがまず必要だと思うんですね。

 この次の世代を支えていく日本の子供たち、そして女性という、子供を産んでいくという性のあり方、その中で、自分が被曝をしたのではないかという不安を抱えながら、これから、十八歳、十九歳、十七歳、そして小学生の子供たちも含めて、みんな女の子たちが、もしかしたら自分は危険なところにいたんじゃないかという不安を抱えながら生きていくというのは、やはり非常につらいことだと思うんです。

 だからこそ、この基本方針、先ほど私も何回も申し上げております。科学的に十分解明されていて、例えば一ミリシーベルト以下だったら安全だよということが本当に解明されているんだったら、それでいいんですよ。でも、解明されていないからこそ、未満のところ、一定の基準というものを早く定めて、そういった不安を解消していく必要というものがあると思います。

 また、基本方針の策定を急ぐというのは、施策をどんどん行っていく、それは非常に大切なことだと思うんですけれども、子ども支援法以外でも、被災地の方々は非常に不安に思っているということが新聞記事にもたくさん出ているんですね。

 例えば漁業の問題です。漁業だと、賠償をまとめて請求できない。六年間をまとめて請求することができるけれども、面倒でも三カ月ごとに賠償金というものを請求しています。それは、これから先の被害ももしかしたら大きくなるんじゃないか、そういった不安も持たれているわけです。

 また、時効特例法案に関しても、その中身をよく知らない被災者の方々が、自分たちの被災したときの賠償の権利というものがなくなってしまうんじゃないかということで、不安に思われている方もたくさんおられると思うんですね。

 そういったことで、本当に施策だけをしていけばいい、もちろん施策をしていくことは必要だと思うんですけれども、法律できちんと基本方針を定めると書かれている以上、基本方針をきっちり定めて、被災者の方々を本当の意味で安心して暮らしていけるような状態に持っていくことが、やはり政府の、国会議員としての、また特別委員会の役割だと思いますので、そこを根本大臣にお願い申し上げまして、最後に一言、思いを聞かせていただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。お願いいたします。

根本国務大臣 子供たちの健康、これは何よりも大事であります。ですから、福島県でも健康管理調査をしっかりやって、そしてホール・ボディー・カウンターも受けてもらって、本当に安心感を持ってもらうように今取り組んでおります。

 いずれにしても、やはり子供の健康、そしてさまざまな、私もたくさん聞いていますよ、ずっと三月十一日以降いましたからね。小さな子供を持つ母親の皆さん、私もいろいろな意見を聞いてきた。だから、安心をしてもらわなければいけない。そのためにはリスクコミュニケーションも必要だし、福島県では健康管理調査をすぐにやっていますから。

 そういう対応をして、あとはもう一つ、私の体験で言うと、いろいろな不安を感じられているお母さん方、親の世代、小児科の先生が一番よく聞きますから、そういう小児科の先生に対して相談してもらうような場の拡充、そういう具体的な対応も必要だなと私は思っております。

 いずれにしても、しっかり、不安のないように頑張っていきたいと思います。

後藤田委員長 次に、柿沢未途君。

柿沢委員 みんなの党の柿沢未途でございます。

 大型連休に、ドイツとデンマークに視察に行ってまいりました。かの地では、原発ゼロと再生可能エネルギーへの転換が急速に進んでおります。

 ドイツは、五、六年前は一〇%以下だった再エネの比率が今や二五%、二〇二〇年には三五%、二〇五〇年には経済大国ドイツの電力消費の八〇%を再エネで賄う計画であります。この再エネの伸びもあって、三・一一以降も、原発稼働を停止しながらドイツは電力の輸出超過を続けております。

 一方、デンマーク、世界一の風力発電大国であり、消費電力の三〇%を風力で賄っております。それを、北欧四カ国の電力市場と送電網を通じて輸出している。再エネは経済の足かせだ、こういうことがよく言われますけれども、しかし、デンマークは、再エネへの転換と、エネルギー消費を減らしつつ経済成長を続ける、むしろ再エネへの重点化が経済成長の牽引車となっている、いわゆるグリーングロースを実現している国だと言っていいと思います。

 加えて、デンマークの例を挙げると、私もインターネットで随分書いたんですけれども、人口五百六十万人の国だから、小さな国だからできるんだ、日本では同じことはできないよ、こういうお話がよく出てくるんですが、しかし、本当にそうか。

 これは、人口規模でいうと、デンマークの五百六十万人というのは、実は、福島、宮城、岩手のいわゆる被災三県の人口を足した規模にちょうど当たっております。面積でいうと、デンマークは四万三千平方キロ、被災三県、福島、宮城、岩手は三万五千平方キロ。もちろん、これは地形が随分違うんですけれども、面積的にもまあ同等と言っていい。つまり、一地方として考えれば、日本でも同じことができるはずだ、こういうふうに思うんです。

 復興基本法に、二十一世紀半ばの日本のあるべき姿を目指す、こういう基本理念が書かれております。実際の復興政策が全然そうなっていない、先日の質疑でも指摘をさせていただきました。そのときに取り上げたコンクリートの防潮堤については、きょうは与党自民党の議員さんからも見直しを求める声が上がる、大変心強いことだと思っております。

 それはともかく、ぜひ、被災地における再生可能エネルギーの拡大を、日本の次の未来を先取りする復興政策として強力に進めていただきたいというふうに考えますが、復興大臣の基本的な御所見をまずお伺いしたいと思います。

根本国務大臣 柿沢委員、本当によく勉強されて、今、質問をいただきました。

 私は、デンマークと東北被災三県、おっしゃるとおりだと思います。やはり、再生可能エネルギーの導入、これはこれからの復興の柱だと思っております。

 東北地方には、風力発電あるいは太陽光発電、大きな可能性があると思っておりますし、今委員おっしゃられたように、被災地におけるいわば経済成長、新産業の創出、あるいは災害への対応力の強化、この観点からも、再生可能エネルギーの拡大は非常に重要だと思います。

 この導入を加速するために、今、復興特区法に基づく税制上の優遇措置、あるいは迅速な土地利用方針の変更を可能とするような特例措置、施策としてはこれを講じております。

 あるいは、グリーンニューディール基金や再生可能エネルギー発電施設等導入補助金による導入支援、あるいは固定価格買い取り制度も導入されていますから、とにかく政策を総動員して取り組んでいく必要がある。

 福島県においては、例えば、再生可能エネルギー先駆けの地ということで、今、浮体式洋上風力発電の実証実験、効率の高い太陽電池などの革新的エネルギー開発拠点、こういう整備も進めております。

 柿沢委員おっしゃられるように、今、復興推進委員会で、新しい東北の創造ということを掲げて、復興加速策とあわせて、新しい東北をつくる、その五つのテーマの中に、持続可能なエネルギー社会、こういうものを盛り込んでおりますから、ぜひ、我々、委員の提案のあったような再生可能エネルギー、自律分散型エネルギー、この新しい社会のテーマとして取り組んで、モデル的な事業の実施等々に、これからもそういう政策を打ち出していきたいと思います。

柿沢委員 この再生可能エネルギーを拡大していく上でとても重要なのは、ヨーロッパの経験から見ても、発送電の分離であります。そして、送電会社に対して送電系統に対する優先接続をきちんと担保する、このことが極めて重要だと思います。この話に立ち入っていくと、この委員会で取り扱うのが適当でない話になりますので、きょうはそこには踏み込みませんけれども。

 復興大臣、一時離席をされるということですから、このタイミングでどうぞ離席をされていただいて結構です。

 復興大臣は、今、再生可能エネルギー、復興の柱です、やっていますと。特区だ、税制だ、補助金だ、こういうお話をされました。

 しかし、お配りをした資料を見てもらいたいんです。各都道府県における再エネの発電施設の認定設備容量、まあ運転開始容量はどこも低いんですけれども、認定設備容量、つまり、これからつくる、こういう計画の量と言っていいと思います。これは、高いのは北海道や鹿児島県、九州地方、こういうところで、東北地方あるいは被災三県は他地域に比べて高くないんです。特に岩手は認定設備容量でいくと四・六万キロワット、北海道と比べるともう全く立ちおくれていると言っても過言ではありません。福島も宮城も、全体の中では中位以下、こういうことであります。

 やっていますと言っても、残念ながら、数字が全然ついてきていないわけです。しかも、ここ一、二年でどの都道府県も急速に伸びているわけですので、これは、震災後はそうではないんだよということでもないんだと思います。

 なぜ、東北において、あるいは被災三県においてこのような、力を入れているといいながら、再エネの認定設備容量の伸び悩みが起きているのか。

 経産省からおいでいただいていますので、御答弁をいただければと思います。

平大臣政務官 お答え申し上げます。

 まずは、再生可能エネルギーの中で、太陽光は比較的分散型で、投資がしやすいというところがあります。東北は比較的に、上位の県に比べると適地ではないということで、太陽光が先行する地域が再エネ設備認定容量がふえていくという傾向がまずあろうかと思います。

 二つ目は、被災三県は復興需要がありますので、建材や技術者などが復興関係の工事に集中的にとられてしまって、他地域に比べておくれている要因になっている、そういう声も聞かれてきます。

 一方で、東北は風力発電の可能性が高い地域でもあります。交付制度の適用を受けた全風力発電設備の約三割を東北が占めておりますので、今後、風力発電の導入が進んでいくということになれば、また様相が変わってくるのではないか、そのように思っております。

 いずれにしても、被災地については、再生可能エネルギーの利用促進をして復興の実現を図っていかなければならないと考えておりまして、委員御承知だと思いますが、固定価格買い取り制度と併用が可能な設備導入の補助金、十分の一の補助金がありまして、これは被災地限定でありますが、非常に好評をいただいている措置でございます。

 また、福島県を再生可能エネルギーの先駆けの地とするために、浮体式洋上風力発電の建設、技術開発、実証などの取り組みも進めているところでございます。

柿沢委員 御答弁をいただきました。

 今回の視察で最も印象的だったのは、ドイツもデンマークも、農村部のバイオマス熱電併給、これが盛んに行われていることです。

 デンマークは、電力供給のうち熱電併給のコジェネが占める割合が、一九八〇年は一八%だったのが、二〇一三年、ことしは六三%。その燃料の六五%は再エネ、特にバイオマスだということであります。ドイツも、二〇〇五年のゲッティンゲン郊外のユーンデ村、千人の村ですけれども、ここの取り組みを先駆として、今や小規模なバイオマスコジェネプラントが七千五百カ所、全国に立地をしているということであります。

 きょうは、二枚目の資料で、このユーンデのバイオエネルギー村の仕組みを紹介させていただいております。

 これはもう、見ていただければ仕組みはおわかりいただけると思います。牛や豚の家畜ふん尿でバイオガス発電と地域暖房のコジェネを行って、残りかす、これは肥料としてさらに農村部に還元をする、こういうことで、農民がエネルギーの消費者だけでなく供給者になって、村の消費量の二倍の発電量、売電収入や地域暖房の利用料で、年間売り上げ一・四億円、開始翌年から黒字経営、そして、各家庭が電力と熱供給で年間百万円近くの経費の節約になっている。だからこそ、これは、人口千人の村で始まったバイオマスコジェネの取り組みが、瞬く間にドイツ全国七千五百カ所で広がっているんですね。

 バイオマスの特性というのは、都会より農村部の方が優位性があるということなんです。燃料となる家畜ふん尿や木質チップ、こういうものは都会では得られないわけです。しかも、売電による副収入を得ながら農業を続けて、そして、使った家畜ふん尿やその他の原料も肥料として農業に還元をされる。地域の特性と地域の産物を生かして新たな産業と収入を生み出して、そして、やってもやっても今までうまくいかなかった、過疎と人口減少の進む農村地域の活性化を進めていくことができる。まさに農林漁村の立地する被災地の復興にこれはうってつけだというふうに思うんです。

 被災三県で、このようなバイオマスについてどのぐらい進んでいるのかということについて御答弁をいただければと思います。

平大臣政務官 お答え申し上げます。

 被災三県におけるバイオマス発電設備の現状というお尋ねでございます。

 被災三県、岩手、宮城、福島におけるバイオマス発電施設については、昨年七月の固定価格買い取り制度施行前から運転を行っているものが十八件存在をしております。出力の合計は約七万キロワットとなっております。

 また、昨年七月の固定価格買い取り制度開始後については二十四件、合計約一・九万キロワットが設備の認定を受け、このうち、一件の設備、五千八百キロワット、これは福島県でございますが、既に運転を開始しているところでございます。

 なお、バイオマス発電設備が運転開始するまでには、燃料の調達先の確保や設備の建設工事を含め三年程度を要するため、現時点では新たに運転を開始している設備がそれほど多くないのも現状でございます。

 今後とも、農水省と連携をとりつつ、バイオマス発電の普及拡大に取り組んでいきたいと思います。

柿沢委員 ありがとうございました。

 今の日本で導入されているバイオマスは、発電だけで、熱供給を捨てているものが多く見られます。しかし、エネルギー効率でいえば、発電は二〇%、残りの八〇%は熱供給なんですね。しかも、発電規模が五千キロワットアワーとか大き過ぎて、木質バイオマス発電を動かすために山から木を伐採するような、あべこべの話になってしまう、そんなことも言われています。

 補助金をとってプラントだけつくっても、バイオマスは機能しないんです。地域住民の意思を重視して、そして、このユーンデ村もそうですけれども、住民みずからが主体的に、地域暖房のパイプラインを自分たちの集落に通して、村単位の小規模なバイオマス熱電併給を進める、これがドイツのやり方なんですね。

 今まさに被災地では、集落や住宅群をいわばゼロから再建するプロセスが進められているわけです。今まで住宅の暖房というのは、戸別のヒーターやあるいはエアコンや、こういうことで、各戸別々に、ばらばらにやってきた。極めてエネルギー効率の低いやり方を、非効率なやり方を日本はとってきたわけです。

 今回、集落をゼロから再建するに当たって、ぜひ、地域暖房を基本とする、こういう町づくりの考え方を持っていただきたいと思います。復興大臣、御所見をお願いします。

根本国務大臣 委員の御提案は、バイオマスに加えてコジェネシステムを複合的に加えた、こういうことですよね。

 私は、東北は潜在的な地域資源がたくさんある、可能性は非常にある。ですから、地域ごとにバイオマス発電と、このコジェネというのは、私の記憶では、例えば東京の臨海部とか、都市部ではコジェネシステムはもう組み込まれているところがありますけれども、これを農村部でも複合的にやったらどうか、こういうことだと思うんですが、やはり、こういうさまざまな工夫を、地域資源を生かしながら新しいエネルギー、再生エネルギー拠点をつくっていく、これが実は例えば村づくりの大きな政策テーマになる、あるいは売り物になるということが必要なんだと思うんですね。

 ですから、バイオマス発電、この例も非常に好例だと思いますが、あるいは小規模水力発電と組み合わせる、あるいは太陽光発電と組み合わせてエネルギー自立の村、町をつくっていく、そういう取り組みも必要だと思います。

 我々もそういう視点は持っていまして、先ほども申し上げましたけれども、新しい東北の地の創造という、これからのテーマの中の一つが再生可能エネルギーですから、委員の御提言も参考にしながら、我々もよく研究して考えて、施策に反映するようなことを考えていきたいと思います。

柿沢委員 先ほどドイツの第一号のユーンデ村の話をいたしました。このときにやったのは、まさに公募の手挙げ方式をやったんです。集落が密集していて、小規模ですけれども、熱供給のパイプラインを通しやすい、そして農村部の集落である、こういうところの条件に合ったところを選んで、五十四の村から手を挙げさせて、十七の村が手を挙げて、そこからヒアリングをやったり住民の意向調査をやったりして、ユーンデというのが選ばれた。第一号のバイオエネルギー村になりたいということで、大変、争奪戦みたいなものが起きたらしいんですけれども。

 こういうプロセスを行うことによって、そのプロセスを進める中で住民の合意を取りつける。一定の負担が必要です。やはり、パイプラインを通すと五、六十万かかります。こういうことを進めていく中で、日本の先駆けとなる、住まい方そのものの変革にもつながるような地域暖房を基本とする集落のつくり方、これを、ゼロから再建する被災地の集落でやっていただきたいと思うんです。

 このユーンデの、ドイツの取り組みを参照して、ぜひ被災地で手挙げ方式でこういった選定プロセスを動かしてみる、これが一つあるんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。

根本国務大臣 ある政策を打ち出して、それを公募方式で、いいアイデア、いい知恵を出してもらって、そこで推進する。私は、その手挙げ方式、公募方式というのは、政策の手法としては非常に効果的な手法だと思います。

 柿沢委員おっしゃるように、その手を挙げるに当たっては、当然、地域住民の皆さんと話し合って、これは地域全体の話ですから、その意味では、政策を導入するのなら、やはり公募方式で競っていい知恵を出してもらう、いいものをつくってもらう、これは非常に効果的なやり方だと思います。

柿沢委員 ぜひ、資料をお届けしますので、御研究をしていただければと思います。

 最後になると思いますが、バイオマス熱電併給、ドイツでは、先ほど言ったような、大規模で、山から切ってわざわざ燃やすような、そんなあべこべな形にならないように、集落の規模に合った小規模なバイオマス発電施設を優遇的な固定買い取り価格にしています。また、今や、熱電併給、コジェネが一緒についていないと、地域暖房と一緒でないと、そもそも固定価格買い取りの対象になりません。こういう形で小規模な、また熱電併給のコジェネを誘導するようなFITの制度にしている、こういう取り組みに、やはり参考になるところがあるのではないかと思います。

 経産省に御答弁をいただいて、終わりにしたいと思います。

平大臣政務官 まず、委員にお示しをいただいたユーンデのその例は、大変参考になると思います。

 地域金融機関の預貸率が低い部分があって投資先がない、エネルギーも県外に全部流出してしまうということがありますので、地域で雇用を回す、エネルギーを回す、資金を回すというのは、パッケージでやるべきと思います。

 その上で、今の御質問でございますが、まず、ドイツは、大きく俯瞰をしてみると、ロシアに余りガスを頼りたくないというような個別の国のエネルギー政策もございますし、また、もともと、暖房用に熱需要が大きくて、パイプラインの整備は進んでいたということもございます。それをそのまま我が国へ持ってくるのはなかなか難しいかなと。今御提言の熱源供給を義務づけるということは、逆に言えば、そういったインフラが整っていないところでそういうのを導入すると、バイオマス発電の導入そのものを阻害するおそれがあるというふうに考えております。

 しかしながら、平成二十五年度予算においては、再生可能エネルギー由来の熱供給設備の導入に対して補助を行う予算、四十億円についても計上しているところでございますので、ドイツの仕組みをそのまま持ってくるというよりは、ドイツを参考にして、地域に合った政策に取り組んでいきたいと思っております。

柿沢委員 ありがとうございました。

後藤田委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 八日の参考人質疑で、二人の参考人から水産特区についての意見が出されました。

 石巻魚市場社長の須能氏は、対立のまま実行すれば、現場で衝突などの悲劇を生み、本来の目的と違った結果を招くと指摘しました。みやぎ県民センターの綱島氏は、手続に瑕疵があると指摘をいたしました。残念ながら、今も浜の混乱は続いており、拙速だったという感は拭えません。

 まず、水産庁に伺います。

 五月十四日の宮城海区漁業調整委員会の決議では、県の区割りに条件つき同意となりました。これは、宮城県漁業石巻地区支所からの要望とは異なる区割りであることから、当該漁場の秩序に無用の混乱が生じないよう、必要な県の関与を行っていくこととして、指摘をされていた航路については、県漁協の要望については航路も含め尊重し、適切に処理してほしいとの意見が出されております。

 このような指摘がされた背景について、農水省の認識を伺います。

本川政府参考人 御指摘のとおり、その一つ前の四月二十四日の宮城県海区漁業調整委員会におきまして、委員の方々から、例えば航路につきましては、二百メートル以上の航路幅が確保されていない県の漁業計画は違法ではないかと。これは百五十メートルの確保ということになっておりました。それから、航路が曲がっており航行に危険である旨の指摘があった、こういうふうに承知しております。

 これに対して、先ほど御指摘になった五月十四日の海区漁業調整委員会におきましては、宮城県の側から、桃浦地区の隣接浜の震災前の漁業実態を考慮して、もう既に百五十メートルで運用されていたといったようなこと、そういうようなものを踏まえて区割りを行ったことであるとか、航路を利用する一般船、定期船はほとんどいない、あるいは、漁場内における漁船の移動にも、いかだの間を移動しておられるので支障はないのではないかといったような見解が表明されたと承知しております。

 このようなことが委員会の答申の背景にあったというふうに承知しております。

高橋(千)委員 今、四月二十四日の議論を紹介されたんですけれども、それを踏まえて、本来の案は、漁場計画案は漁業法に照らして審議した結果認められない、こういう案があった。その上で今回の答申になったわけですから、決してもろ手を挙げて賛成ではない。今おっしゃった二百メートル、百五十メートルの話も、協議会の中ではるる、漁協からの反論はされている、そういうことを踏まえて今、質問しています。

 それを受けて、結局、海区の畠山会長は、地元紙、河北新報に対して、県がつくる修正案を見たいと発言しております。つまり、今の提案も含めてみんな了承したという意味ではないのだ、修正案を期待しているという意味に当然受け取るべきだ。記事の見出しも、条件つき同意となっていますから、まさか、このまま何の修正もなく進むという意味ではないと私は思いますが、いかがですか。

本川政府参考人 海区漁業調整委員会は、漁業権の免許に当たっての県の諮問機関でございますので、その答申を受けて県が適切に判断していくということになると思っております。

高橋(千)委員 多分これは、県と海区との関係だから、それ以上国は踏み込まないんだというふうな趣旨でおっしゃっているんだと思うんです。次にまた伺うことがありますので、次に進みます。

 大臣に、四月十日にこの特区の申請が出され、十七日には県漁協、全漁連からも意見が出ています。協議会は、四日に一度開かれたのみです。これで二十三日に認定されております。拙速過ぎるのではないか。

 関係漁民の理解が本当に得られたと思っているのか、伺います。

根本国務大臣 宮城県から申請のあった漁業法の特例に関する復興推進計画、これにつきましては、認定に必要な要件を満たすということで、農林水産大臣の同意も得られたので、二十三日に認定をいたしました。

 この復興推進計画については、昨年九月以降、宮城復興局、復興庁が、宮城県と意見交換や計画の事前調整を行ってまいりました。そして、宮城県は、昨年十一月下旬から地域協議会直前の本年三月下旬まで、県漁協や地元漁業者に赴いて、漁業権特区についての理解を得るための努力を重ねてきたと考えております。

 今いろいろお話がありましたが、国としても引き続き宮城の水産業の復興をサポートしていきたいと思っておりますので、被災地の漁業の復興のために、県や漁業者など、地域一体となった取り組みをお願いしたいと考えているところであります。

高橋(千)委員 基本的に、今の答弁は、四月二十五日の本委員会の質問に対する答弁と同じなわけですね。

 私が質問したのは、関係漁民の理解が得られたと感じているのかということを質問しました。プロセスが、十分な時間があったとか農水大臣の同意が得られたとか、そういうことを、いわゆる形式的におっしゃっているだけなんですね。

 ここに、県が行ったアンケートの写しがございます。マル・バツで賛成、反対とつける欄はないわけです。なので、反対という意見がなかったかのように言われております。だけれども、ほとんどの方が特区に反対だと書いておる。また、特区の区割りを了承した覚えはない、このように書いているわけです。なぜそうかというと、何の説明もなく洋上調査に連れていかれて、後になって、それは区割りを決めるものだったんだと。そんなことは一言も聞いていないということを非常に強い口調で皆さんがおっしゃっているんです。

 そういうことを踏まえた上で、十分な理解が得られたと思っているのかということを指摘しています。このような経過があったことを御存じでしょうか。

根本国務大臣 私は、宮城県において、漁業者の皆さんとさまざまな話し合いを行って、そして理解を得られるように努力してきたものと承知をしております。

高橋(千)委員 だから、だめなんですよ。県の言い分を聞いているだけだから、それはそうなったということになるじゃないですか。

 これは、特区法の審議をするときから私は指摘してきたことです。住民の意見を尊重してと一行書いたけれども、どうやってそれを酌み尽くす体制をとりますかということを何度も聞いてきました。そのときは政権が違っていましたけれどもね。首長さんから意見を聞けばいいんだということを言って、推進したい人の意見を一方的に聞くだけではそうはならないわけなので、だから指摘をしています。

 水産庁にもう一度聞きますけれども、平成二十三年の十二月二十六日の水産庁長官の通知一五六三号に、計画について、地元の漁協による漁業権管理では対応が困難と考えられる理由にも触れながら詳細に記載することが必要であるとあります。地元漁協では困難、この理由はありますか。

本川政府参考人 この復興推進計画によりますれば、この桃浦地区は震災によりカキのいろいろな施設であるとか住居が破壊し、当初、その桃浦地区のカキ養殖の再開を希望した方は、十九名の中で三名しかおられなかった。この三名の方々も少人数での再開のリスクを懸念しておられて、他の地元漁業者は高齢で後継者もいないといったような、なかなか養殖の再開を決断できないという状況でございました。また、住民の多くが桃浦地区を離れたということで、カキむきの人材もなかなか確保できないというようなことで、桃浦地区の漁民のみでは、必要な養殖施設などの整備、人材の確保を行うことは困難な状況にあったということが書かれております。

 こうした中で、従来の地元漁協による漁業権管理のもとで個々の漁業者が再開をするというのはなかなか選択ができない、地元漁協の管理下では選択ができないということで、漁民グループと民間企業が連携した法人をつくって再開をしていくという選択がなされたというふうに承知しております。

高橋(千)委員 後継者がいないとか被災が深刻だというのは、これはもう宮城県全体の問題なわけですよね。

 そういう中で、私が今指摘したのは、長官の通知ですよ、担当がかわっているかもしれませんけれども。自分たちが通知で出している中身は、漁協による漁業権管理では対応が困難と。

 漁業権管理ができませんかということを聞いています。ほかの漁業者が桃浦の周りにもいっぱいいて漁協で管理をしているのに、ここだけ管理ができない、そういう理由がありますかと聞いています。

本川政府参考人 繰り返しになりますが、十九名の中で三名の方、その方々も非常に不安に思っておられた。そういうことで、漁協が管理をするということは、その漁協管理下のもとで、個々人が免許を受けて、個々人が漁業権を行使するという形になるわけでありますが、それでは再開が困難であったというふうに判断をしたということでございます。

高橋(千)委員 既に漁協に加盟して再開しているじゃないですか。再開が困難だといったって、特区が認定される前に再開しているんです。そんなのは理由になりませんよ。

 同じ通知で、特例の適用が想定される法人だけでなく、地元の漁協のもとで養殖業を営む漁業者も含めた、要するに、特区が適用される人以外の人も含めて、当該地元地区の全体としての復興の姿を示すことが必要であると。

 これは全然、復興の姿を示されていませんが、どう判断されましたか。

本川政府参考人 これも、宮城県の復興推進計画によりますと、桃浦地区の復興の具体的な全体図につきまして記載されております。

 民間企業の技術、ノウハウなどを生かし、カキ養殖生産から加工、販売まで一貫した取り組みを行うために設立されたこの合同会社によって六次産業化などの取り組みをやる。これを通じて漁業生産をまず増大させる。震災前は大体二億弱だったものを、一・五倍にして、三億にする。それから、地元漁民の生業の維持を図っていく。個人経営から法人経営へ。それから、非参加の漁民の方についても生業の維持に支障がないようにしていく。さらには、雇用機会の創出を図るということで、合同会社に参加されている十五名の方の雇用、さらには、加工などでさらに四十名の雇用を図る。

 このようなことが全体図として、復興推進計画に記載されているということでございます。

高橋(千)委員 四十名の雇用を図る、それはいずれそうなるかもしれません。それはしかし、今の合同会社の話でしょう。地元地区全体の復興の姿はどうやって描くんですか。生産量が増大するんですか、全体として。

本川政府参考人 先ほども申し上げましたが、地元漁民の生業の維持という項目で、非参加の漁民の方にも生業の維持に支障が生じないようにするということで、例えば、区割りをめぐっては、非参加の方の意向を最大限尊重して区割りを行うといったようなことにしておりますし、今は漁業をしておられない方についても将来的に区割りを行える、そのような形で非参加の方々にも漁業権が設定できるように区割りをする、そのような工夫がされていると承知しております。

高橋(千)委員 今、合同会社に入らないけれども続ける意向がある方はたった一名であった、しかし将来のことも含めて一部漁場を確保しましたよ、それだけの話なんです。せっかくのこれだけの通知を出しておきながら、自分たちが指示したことに対して何の回答も得られないで認可をしている、それが実態ではありませんか。復興の姿は全然見えてきません。

 九月一日が免許の更新で、免許は知事の権限であります。しかし、そのための五要件は、特区法に基づくものです。国会が決めたことです。水産庁として、免許の基準にかかわってどのような指導を県に求めたのか、具体的に伺います。

本川政府参考人 御指摘のように、復興特区法の第十四条では、この特区の免許をするに当たって五つの要件を課してございます。一つは、事業を開始する具体的な計画を有する者であること、技術的能力を有する者であること、社会的信用を有する者であることといったような五つの要件が課されております。

 これにつきまして、この要件の趣旨、解釈につきまして、水産庁の方から宮城県知事に対して、復興特区法に基づき漁業権の免許をする際に知事が特に留意すべき事項として通知をさせていただいておりまして、まず、復興特区法の成立と同日の平成二十三年十二月二十六日、それから、同意をさせていただいたことしの四月二十三日、そのような指導通知を発出しまして、指導させていただいているということでございます。

高橋(千)委員 次に、農水副大臣に質問しますけれども、大臣にもよく聞いていただきたいと思います、次の質問を。

 今紹介をした免許の基準にかかわっての通知、これにはこのように書いています。衆参の特別委員会において、「国は浜全体の資源・漁場の管理に責任を持ち、万全を期した措置を講ずること。」との附帯決議がなされたことを踏まえ、今後、必要に応じ、国として復興特区法の規定に基づく報告の徴収や措置の要求等を行うこととしています。

 ですから、もう認定したし、国の手は離れたということではなくて、免許を与えるに当たっても要件を満たすこと、また、その後も国としてきちんとフォローアップしていくんだということを言っていると思うんですが、その点について確認をさせていただきます。

本川政府参考人 まさに御指摘のとおり、同意をした、あるいは認めたからといって、それで終わりではございません。国としても、必要が生じれば、復興特区法に基づく報告の徴収あるいは措置の要求を行うというような万全なものを期していきたいということでございます。

 これらとは別に、附帯決議を踏まえまして、今回私ども、同意するに際しましては、復興庁に対して、引き続き連携協力してやっていきたいということを確認すると同時に、復興庁による認定後は、先ほども申し上げましたように、県に対して、漁業秩序の無用の混乱を生じさせないために必要な関与を行うように、通知でもお願いしているということでございます。

高橋(千)委員 ようやっと、附帯決議を踏まえということで答弁があったかと思います。

 この議論の中で、前にも言いましたけれども、私は、十四条、漁業法の特例を削除する修正案を出しました。やはり、全漁連なども、少なくとも附帯決議においてここをしっかり確保してほしいということを強く要望されて、与野党が一致してこの附帯決議がなされたわけです。だから、初めてのいわゆる特例という形でやるわけですね、漁業法を変えると。そういうことでの今回の決議だったわけですから、それを本当に重く見て、しっかりとフォローアップをしていただきたいと思っております。

 そこで、桃浦かき生産者合同会社に対して、宮城県がどのくらいの直接、間接の補助をしていますか。

本川政府参考人 昨夜、宮城県から聞き取ったところによりますと、合同会社に対しまして、一つは養殖用資機材等緊急整備事業という、二十四年度の九月補正で県単独事業で措置をした事業から、二億四千四百万円の交付決定がなされております。それからもう一つは、養殖業再生事業という、これも同じく平成二十四年九月補正で県単独事業で措置した事業から一億五千九百万、合計で四億三百万円の交付決定がされていると聞いております。

高橋(千)委員 今、トータルで四億三百万円と言いましたけれども、もとの事業は、養殖用資機材緊急支援費は三億九千万円、県単の事業で。それで、養殖業再生支援費は二億六千万円。六億五千万の予算なんですね。そのうち四億三百万円が桃浦に使われている。これは余りにもいびつですよ、十五人プラス、仙台水産を加えると十六人の会社に。そういうことなんです、実態は。

 ですから、本来であれば、これだけの支援ができるのであれば、私たちは最初から言ってきました、漁業の再生のために国が直接支援をするべきだと。それだけの支援ができるのであれば、本当は自立して十分な再開ができるんですよ。仙台水産と合同会社をつくってもいいです。別に、漁業法の仕組みの中で、七人以上の生産者がいるわけですから、当然、参入はできた。つまり、特区を要しなくても十分な参入ができたということになるではありませんか。

 まして、先ほど紹介した通知の中では、公的融資などによって自力での再開が可能となる場合には特例の対象とならない、わざわざそういう指摘をしておきながら、県は、通知なので法的拘束力を持ったものではない、こういうことを協議会の場で言っています。そこまで言われて平気なんですかということを改めて指摘させていただきます。

 残念ながら時間が来ましたので、これまでの経過を踏まえて、大臣にもう一言伺いたいと思います。

 復興庁として、やはり、こうしたプロセスを含めて、十分な検証が必要ではなかったか。これは拙速過ぎるということを私は指摘してきましたけれども、そうじゃないというのであれば、改めてもう一度見直すべきだと思うんです。漁業法の第一条には、漁業の民主化を図ることを目的としています。そういう立場に立って検証していただきたい。一言お願いします。

根本国務大臣 この特区法に基づく復興推進計画、これは、先ほどお話をいたしましたが、認定に必要な要件を満たすと認められて農林水産大臣の同意を得られたことから、二十三日に認定したところであります。

 今、水産庁長官からのさまざまお話がありましたが、今後の桃浦におけるカキ養殖の取り組みの復興状況あるいは特区制度の効果について、復興庁、宮城復興局としても、適切にフォローアップをしてまいりたいと思います。

高橋(千)委員 終わります。

後藤田委員長 次に、畑浩治君。

畑委員 生活の党の畑浩治でございます。

 まず、今、いろいろな場で申し上げておるんですが、NHKの朝ドラ「あまちゃん」がはやっておりまして、被災地に元気を、そして全国に笑いを与えている、そういう状況でありまして、これを見ていると、ハードの部分もさることながら、やはり地域の文化というか、そういうものを活用した復興の推進が重要だなと、つくづく思っている次第であります。

 地域再建のためには地域の誇りが大事で、これについては、祭りとか芸能ということなんだと思います。「あまちゃん」では、地元の久慈市の秋祭り、大変雄大な山車も出てまいりました。やはり文化財を守るとかそういう観点じゃなくて、農林水産業分野だと攻めの農林水産業と言われていますが、文化においても、守るのではなくて、しっかりと攻めるというか、打ち出す、PRする、こういうものを活用する、そういう視点が大事だろうと思っております。

 そういう観点から申し上げますと、地元で実はかなり言われていますのが、普代村の鵜鳥神楽という神楽がありまして、これを国指定の重要無形文化財にしてほしいという声があります。従来、実は同等の価値がある、また私の地元の宮古でいえば黒森神楽というのがあって、これは国の重要無形文化財になっておるわけです。

 このバランスからしても、地元から、おかしいなという声があるんですが、実は、学識経験者、いろいろとその道の大学の先生に聞くと、黒森が指定されるのであれば、鵜鳥神楽も同じ、まさるとも劣らないというか、もっと重要な文化的な価値があるということで、本当はこれが早く指定されてしかるべきだったというふうに言われております。

 こういうことで、震災後の復興の象徴として、まさに被災地の神楽を非常に活用して売り出していきたいという思いもあったり、地域に誇りを与えたいという思いもございます。そういうことで、この鵜鳥神楽について、国の重要文化財としての指定をぜひともお願いしたいという声を、地元を踏まえてかなり聞いておりますが、いかがでしょうか。

谷川副大臣 お答えします。

 鵜鳥神楽は、東北地方に伝承されている、獅子頭を奉じ、演じる神楽の一つで、三陸沿岸の地域を約二カ月間かけて巡行し、家内安全を祈祷する点に特徴があり、文科省では平成七年に、同様の特徴を有する鵜鳥神楽と黒森神楽をあわせて、陸中沿岸地方めぐり神楽と称して、記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択しました。

 さらに、平成二十三年には、鵜鳥神楽が岩手県指定無形民俗文化財に指定されました。しかし、鵜鳥神楽は、東日本大震災の影響により、平成二十四年及び平成二十五年の巡行を自粛していると伺っております。

 鵜鳥神楽は、権現舞など五十三演目を伝承し、広域を長期間にわたり巡行する点に価値があることから、文部科学省としては、保存の措置を講じる必要があると考えており、来年以降、巡行が再開された際には、伝承状況を確認して、適切に対応してまいりたいと思っております。よろしくお願いします。

畑委員 これは、私以上に副大臣からPRを、その中身を含めて、いろいろとありがとうございました。これは全国の皆さん、委員の皆さんもお聞きになったと思います。

 文化財的な価値は抜群だ。巡行していないというのは、被災だから仕方ないんですよね、この一、二年、できていないのは。そこのところがクリアされれば前向きだというふうに承りましたので、地域に非常に勇気を与えたと思います。ありがとうございます。

 次に、ちょっと分野をかわりまして、前回、参考人の質疑をさせていただいたわけですが、その中で、水産加工業の方々から若干というか、かなり聞いたことを取り上げて、きょうお伺いしたいと思います。

 放射性物質の検査費用についてなわけですが、水産加工業者にとっては、水産物の風評被害を防ぐことが大変重要であります。これは取引先からも要望されていて、ちゃんと調査しないとなかなか受け入れてくれないし、売れないわけですね。

 これは、実は生産者段階、水揚げした段階では、はかっております。ここに対しての制度もある。ただ、問題は、流通段階というか、こういう加工業者が製品にしてそれを出荷する段階で、やはりそういう、大丈夫だという証明が求められるわけです。ここに対する支援が実は欠けているということで、前回、参考人の方から、そこの助成措置を講じてほしいという話がございました。それについていかがお考えでしょうか。

秋葉副大臣 本当に、先生の御地元も水産県でありますし、私の地元も宮城県で水産県でございます。

 今、基準値を超えているような生産物というのはほとんどないわけでございますけれども、地元産ということで全く売れないというような風評被害が続いております。これを本当にしっかり、今後払拭していかなければならないと思っております。

 また、今先生から御指摘いただきました検査体制に係る国の支援でございますけれども、国は基本的には、自治体がモニタリング検査を行うことにつきまして、その機器の助成なんかをやっているところでございます。こうした中で、取引のために事業者が独自に行う検査については、国が直接支援をするということは難しいというふうに考えております。

 この問題は、もともと、第一義的には東京電力の問題だろうというふうに思います。もちろん、一部の自治体におきましても、検査の支援を行っている自治体があるとも聞いておりますけれども、基本的には東京電力がその賠償責任の中で検査体制についての支援も行っているというふうに聞いておりますので、そちらの方でしっかりと、こうした事業者が行っている支援体制についても手当てをしていくということが望ましいというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、地方自治体における適切な検査体制の確保に加えて、国民の方々に放射性物質の問題について正しく理解をしていただくということが大変重要だというふうに思っておりますので、関係省庁とも連携しながらしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

畑委員 消費者にとっては、川下、近いところほど検査をしっかり直前にしてもらって、それがないと安心できないということがあって、事業者の責務だということなんですが、ただ、そこは実は事業者が持ち出しが多くて、その都度、自分で自腹を切ってやっている部分があります。

 これは、後ほど賠償でお金が戻ってくるということだという答弁だと思うんですが、であれば、本当は、そういう賠償も当て込んで、そういう支援を事前にお金を渡しながらやってもらって後で求償するような措置とか、制度的な組み方はあるんだろうと思うんですが、東電の賠償になると、いろいろなデータをそろえて後になってまとめてもらうという形なので、なかなか機動性がないんですね。

 そこのところの問題意識が私はありまして、きょうは問題の指摘にとどめさせていただきたいと思いますが、引き続き、そのやり方を御検討賜れれば幸いでございます。

 引き続き、この分野でいうと電力料金ですね、電気料金について。

 被災地は、当然のことながら、今、資材費の高騰で大変だとか、そういう話はございます。既に、ガソリン価格とか小麦価格とか油脂価格とかが上がっている。水産加工業者だと、こん包資材や調味料の価格も上がっているんだ、非常に大変になってきていると。これはこれで大変なわけですが、何の対応が必要ですかとお聞きしたところ、この前の参考人質疑で、電力です、電力料金を何とかしてほしいという話をしておられました。

 電気料金というのは、本年の七月から、従来の電気料金が平均一一・四一%から一七・七四%の値上がりになっているというんだそうです。

 電力については、いろいろ事務方から聞くと、大口事業者に対しては自由化された中でやっているというところで、業者の判断という部分もあるんですが、ただ、電力料金の決め方が、例えば水産加工業だと、盛漁期、漁が盛んな時期は電気料金がかかるわけですが、そこと盛漁期じゃない時期の電気料金は大きく違う。基本料金は、この盛漁期の料金をベースにして決められているということなんだそうです。だから、結局、基本料金というのは高いときの料金を基準に決められているわけですね。そこは本当は、電気料金の決め方というのは、大口事業者に対しては、かかるところとかからないところ、議論はあるだろうと思いますが、その中間だとか、いろいろ考え方があるんだろうと思います。

 こういうことを申し上げますと、いや、電気というのは最大需要のところを想定して準備しているんだから、盛漁期というか、かかるところでしようがないんだよという議論になりますが、それは平常時の議論であって、被災地の事業者を助けるということが今求められるとすれば、しかもいろいろな物価高で苦しんでいる。この電気料金についても、やはり、被災地の支援という観点から算定方法を見直して、そこを軽減してあげるということが必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

佐藤(ゆ)大臣政務官 畑委員にお答えを申し上げます。

 被災地におけます水産加工業者の復興は重要な復興課題であると認識をいたしております。今、電気料金の御指摘をいただいたわけでございますが、現行の電気事業制度におきましては御指摘のとおりでございまして、水産加工業者等が対象となります自由化部門でございますが、これは、一般電気事業者や新規参入の新電力の競争の中で価格が基本的には決定されていくという仕組みになっております。したがいまして、顧客と供給事業者との間の交渉によりまして料金が決められていく、基本的にはこれが自由化部門の設計でございます。

 したがいまして、その具体的な料金のあり方について、今すぐに電力会社に対して何らかの指導を行うですとか、そういった議論というのはすることはできないわけでございまして、少なくとも、電力会社に対しまして、従来から私どもは、顧客との丁寧かつ誠実な交渉というものを指導してきているというのが現状でございます。

 また、需要家の方でございますけれども、節電やピークカットができますれば料金の削減につながるというところがございまして、このために、例えば、平成二十五年度の予算では、節電や省エネ効果のあります設備を導入する際には一定の補助を行うということで、補助制度を三百十億円計上いたしております。これは、中小企業二分の一、大企業三分の一の補助率でございます。

 そして、さらに、ことし四月には、東北経済産業局と東北電力が連携をいたしまして、水産加工業者等を対象としました省エネセミナーというのを開催いたしました。冷凍庫ですとか冷蔵庫の稼働時間の変更ですとか、蓄電池の導入、また、有効な省エネルギー手法ですとか、国の省エネ補助事業等について紹介をさせていただいたところでございます。

 こうした施策を通じまして、極力、電力料金の引き上げの影響の緩和を図ってまいりたい、そのように考えております。

畑委員 今の答弁を聞いて、私は、じぇじぇじぇと言いたくなりました。驚きましたね。

 だって、今、被災地の企業というのは大変苦しい中で経営しています。平時のベストな施策としては、節電の機材を導入して、それで電力低減に反映させることは当然のことです。あと、丁寧に指導してくれているというのもそのとおりですが、その結果が今こういうような苦しい状況になっているわけで、反映していないわけですよね。

 私が言いたいのは、そういう省エネの努力の反映ということではなくて、今、被災地の復興のために何らかの措置をとれないのかという観点でお聞きしたわけです。

 主に電力については、例えば、自由で当事者間の交渉だということを百歩譲って認めたとしても、では、低減するための国の支援、補助を電力会社に入れて、そして被災者については安くするということも含めてとれると思うんですが、ちょっと被災地の企業という観点から、もう一度お答えいただきたいと思います。

佐藤(ゆ)大臣政務官 お答え申し上げます。

 電力料金の引き上げにつきましては、各電力会社から申請も出ているところでございますし、これはきっちりと、できるだけ国民負担が上昇しないように、規制部門につきましてはコスト節減努力というものを求めているところでございます。したがいまして、その努力にのっとった形で、自由化部門につきましても何らかの好影響が出てくるもの、そこを期待するところでございます。

 その一方で、被災地に関します電力料金の抑制をしてはどうかという御議論もよくございます。これは重要な観点ではございますけれども、しかしながら、被災地におけます特定地域の電力料金について、国民全般の負担でそれを抑制するという施策についてはなかなか難色があるという事実もございます。

畑委員 時間の関係もあるので、議論はちょっと、きょうはここまでにさせていただきますが、東電というのは被災地に非常に迷惑をかけている。この前の参考人質疑でも、非常に東電に対する不満が、福島の方、岩手、宮城の方は多かったわけです。それに対して、通常の制度をこうやって導入して云々ということで考えているというのが、やはり被災地感覚に沿わないんだろうと思います。やはり、被災地に寄り添う復興というのは今の政権でも言っていることですから、もうちょっと被災地に寄り添った工夫をしていただきたいなというのを申し上げて、次の質問に行かせていただきたいと思います。

 次は、住宅の件なんですけれども、住宅について、やはり大家族で、そして広いところに住んでいたわけですから、その復興もなかなか大変だということは、これまでるる申し上げております。

 その中で、災害公営住宅について、この前、災害対策特別委員会で、地元の事情に応じた、広い、基準を緩和したような形で整備したらどうかという話をしたところ、最低基準は決まっているんだということをお聞きしましたので、そこは地方の自由なんだろうと思います。

 ただ、問題はお金ですよね。補助枠がやはり限定されているというか、これ以上出ないというのがあるので、地方の持ち出しを考えると、地方財政の厳しさを考えると、やはりおいそれと簡単にはつくれないんだろうと思います。

 そういう意味で、災害公営住宅の広さに対する支援の拡充ということも必要だと思うんですが、いかがでしょうか。

鶴保副大臣 委員御指摘のとおりであります。

 地域の実情に応じた災害公営住宅の建設を旨といたしまして、国土交通省といたしましては、これまで県と情報のやりとりを密に重ねてまいりました。その結果、県営の住戸タイプ供給イメージ等々のモデルを参考にしながら、現状の制度に至っておるわけでございまして、地域からのニーズが、戸当たりの床面積の上限緩和についての要望が今後重なるようであれば、前広に検討させていただきたいと思いますが、何分、被災者の今後の生活再建の支援、そしてまた今後被災者に対しても家賃をいただくということとのバランス等々を考え、慎重に検討しなければならない面もあろうかというふうに考えております。

畑委員 実は、おっしゃるとおり、いろいろな事情はありますが、住宅の自力再建ができれば、それが一番、こしたことがないわけですね。そういう観点から、自力再建を促進する方法が私は必要だと思いまして、そうすることが実は公的負担も少なくなるわけなんですよね。災害公営住宅だと、つくった後の管理まで考えると、どうしても負担が大きいんだろうと思います。

 そういうことで、住宅再建を自力でやる場合の方法ということで、これは結局は防災集団移転促進事業というのがあって、そこの支援があるんですが、そこに当てはまらない人は、そこまでの支援がないから、同じ被災者なのにどうしてなんだという不満が大きいわけです。そこを埋めなきゃいかぬということ。あるいは、個人財産でありますが、住宅の自力再建にできるだけ厚いような支援ができないかという、いろいろな問題意識が言われております。

 これの対応方法は、一つは取り崩し型基金を使うということであります。ただ、これは補完的な政策でありまして、やはり絶対額は少ない。結局、ほかの政策順位に使ってしまうと、住宅の方まで回らないということがあるわけです。

 ではどうするかというと、もう一つ、やはり考えられるのは復興交付金なんだろうと思います。復興交付金をもっと自由度のあるような制度にできないかというのは私、従来から申し上げていますが、実はこういう問題意識があります。

 今、復興交付金というのは、実は私も前政権のプロジェクトチームで立案に参画したんですが、制度をつくったときの本来の趣旨は、自由度の高い、自由に使えるようなお金だというイメージでつくったんですが、結局、結果としては、面整備の事業の補助金を合体した。個々の農水省、国交省に対して補助申請するんじゃなくて、復興庁にワンストップにするということになった。結局、補助金の合体にとどまったということが私は問題だと思っております。

 きょう新聞をお配りしたんですが、地元の岩手日報の、片山元総務大臣がおっしゃっているインタビュー記事ですが、個人住宅に対する再建に支援をするためには、基金を積んだらどうだと。これは復興基金とはまた別の大きい基金だと思いますが、地方も基金を積む。そこの金をどうやって出すかというと、復興交付金を充てたらどうだという提言なわけです。

 結局、こういうことも踏まえて、復興交付金、線を引きましたが、「現場で優先度の高いものに数年間細かい基準なく使える包括的な補助金に、今からでも変えるべきだ。」と。これは、問題があるかどうかというのは事後の会計検査院でチェックすればいいわけですから、そういうことにすべきだという提言があるんですが、これについての復興大臣の御所見を伺います。

根本国務大臣 復興交付金の制度の中身については、委員全て御承知だと思います。

 復興交付金の目的は、著しい被害を受けた地域の復興、地域づくりを支援する。要は、津波被災の、だあっと地域がやられたようなところの支援。

 そして、特徴は三点ありますよね。幅広い事業を一括化する、対象事業四十事業を一括して申請ができる。そして基幹事業に対しての自由度の高い効果促進事業、これは私はかなり自由度が高い事業だと思いますし、一方で、復興交付金を交付して、繰り越し手続が必要のないように自治体として基金化して執行の弾力化をする。いろいろな制度がこれまでもありましたが、私はこの復興交付金の制度は非常に、極めて柔軟な制度だと思います。

 一方で、復興のステージが高まってきて、被災地からさまざまな新たな要望がなされておりますので、採択対象範囲の拡大や効果促進事業の見直し、これは本年三月にさらなる運用の柔軟化を行いました。

 一方で、住宅再建の問題。やはり復興交付金はそういう趣旨。そして、委員もおっしゃられましたが、一方で取り崩し型基金というのがありますから、これは災害特交で、財源にしてやるわけですよね。

 今の住宅再建の問題については、自立再建の支援、これは被災地からさまざまな要望がありましたので、もう委員御案内だと思いますが、平成二十四年度の補正予算、これは住民の定着促進のために取り崩し型基金に一千億円の上乗せをする、そして、防集の対象地域以外の住宅という話もありましたが、そういう対象地域以外のところの住宅再建にも柔軟に対応できるようにということで一千億円の積み増しをいたしましたので、これは委員の今の御提言の趣旨、必ずしも全く同じではありませんが、そういう趣旨で我々も対応しております。

 このほかにも、社会資本整備総合交付金の復興枠、さまざまな制度がありますから、それらを総合的に活用して、被災地の復興の加速を図っていきたいと思います。

後藤田委員長 質疑時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

畑委員 はい、質問ではありませんので。

 これは、現行の制度を根っこにやっていくということは、今の段階ではやむを得ないと思いますが、できるだけ柔軟な対応と、そして復興基金も、そうであれば、また今後、予算措置で積み増しも含めて、いろいろ御検討、御相談をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

後藤田委員長 この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。

 東日本大震災の復旧・復興状況等調査のため、福島県並びに岩手県及び宮城県にそれぞれ委員を派遣することとし、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、派遣委員の人選、派遣期間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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