衆議院

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第9号 平成25年11月8日(金曜日)

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平成二十五年十一月八日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 額賀福志郎君

   理事 今津  寛君 理事 岩屋  毅君

   理事 城内  実君 理事 左藤  章君

   理事 中谷  元君 理事 大島  敦君

   理事 藤井 孝男君 理事 上田  勇君

      池田 道孝君    大塚  拓君

      大野敬太郎君    小池百合子君

      鈴木 馨祐君    薗浦健太郎君

      津島  淳君    辻  清人君

      寺田  稔君    中谷 真一君

      中山 泰秀君    西銘恒三郎君

      野中  厚君    橋本  岳君

      星野 剛士君    牧島かれん君

      町村 信孝君    松本 洋平君

      近藤 昭一君    長島 昭久君

      渡辺  周君    今村 洋史君

      丸山 穂高君    山田  宏君

      大口 善徳君    浜地 雅一君

      畠中 光成君    赤嶺 政賢君

      玉城デニー君

    …………………………………

   議員           枝野 幸男君

   議員           後藤 祐一君

   国務大臣         森 まさこ君

   内閣官房副長官      加藤 勝信君

   内閣府副大臣       岡田  広君

   内閣府大臣政務官     福岡 資麿君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  能化 正樹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鈴木 良之君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  若生 俊彦君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 真部  朗君

   衆議院調査局国家安全保障に関する特別調査室長   室井 純子君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月八日

 辞任         補欠選任

  遠山 清彦君     浜地 雅一君

  井出 庸生君     畠中 光成君

同日

 辞任         補欠選任

  浜地 雅一君     遠山 清彦君

  畠中 光成君     井出 庸生君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件 

 特定秘密の保護に関する法律案(内閣提出第九号)

 行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案(枝野幸男君外二名提出、衆法第一号)


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     ――――◇―――――

額賀委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、特定秘密の保護に関する法律案及び枝野幸男君外二名提出、行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りをいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官能化正樹君、内閣官房内閣審議官鈴木良之君、総務省行政管理局長若生俊彦君、防衛省防衛政策局次長真部朗君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

額賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

額賀委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。町村信孝君。

町村委員 町村でございます。

 きょうは、特定秘密保護に関する法律案、自民党のトップバッターで質問をし、かつ、一時間も、たくさんの時間をいただいて、理事の皆さん、また関係の皆さん方に感謝を申し上げます。

 私は、この問題を検討いたします自民党のインテリジェンス・秘密保全等検討PTというのがございまして、その座長を務めさせていただきました。副座長には中谷筆頭理事も御参加をいただいておりますし、岩屋理事にも御参加をいただいておりました。

 そして、法案をまとめる立場ということで、このPTは、八月下旬から十月上旬まで、九回の会議を開催いたしましたし、また、この間で、公明党の皆さん方とも直接お話をする機会を何度かいただいたところでございました。

 私は、このインテリジェンスの問題というのは、非常に重要な問題だと長く考えてきたテーマでございました。なぜかといいますと、二〇〇一年の九月十一日、例の九・一一の事件、あの米国同時多発テロのことを思い出すわけであります。

 きょうは、私の資料の一番上のところに、インテリジェンスの重要性というものを感じた過去の経緯が若干書いてございますけれども、例の九・一一のときに三千二十六人が亡くなった、そして、その中には日本人も二十四人、亡くなられた方がいる。私の親友の親戚の方もその二十四人のうちの一人であったということで、こういう事件を見たときに、日本人ばかりではなくて、やはり国民の、全ての人間の生命の重要性というのをどうやって担保するのかということ、そして、それは翻って、国家の安全というものがないと個人の生命も担保できないんだということを非常に強く感じたときでございました。

 その後、私が外務大臣を務めておりましたときにイラクの人質事件というのがありまして、これも、二〇〇四年の四月からかなり長い間、人質にされていた事件でございました。このときも、イラクはもとよりでありますけれども、近くのヨルダンとかイギリス等からの情報は断片的には入ってきたけれども、外務大臣として十分な情報がそのとき確保できたかというと、実は不十分であったなということを今でも思い出します。

 そして、ごく最近でいえば、ことしの一月、アルジェリアの人質事件がありました。あのときも、犠牲者の数三十九人、そのうち十名の方々が、日本の企業の社員、職員等々が亡くなってしまった、大変残念な事件でございました。

 当時も、アルジェリア、あるいは、もとの植民地の宗主国であったフランス、あるいはイギリス等々からの情報も入っていたと思うんですけれども、しかし、どれだけ十分な情報があったのかということは私どもはわかりませんけれども、必ずしも十分ではないのではなかっただろうか、こう思ったりもいたします。

 やはり、あのときでも、人の命の重要性ということを強く強く感じさせられた事件でございました。

 でありますから、ごく数カ月前のことでありますから御記憶が新たにあると思いますけれども、官房副長官、このアルジェリアの事件というものについて、その後いろいろ検証されたと思うのでありますけれども、どういう点に問題があったと御認識であるか、冒頭、伺いたいと思います。

加藤内閣官房副長官 町村委員にお答えさせていただきます。

 今年の一月に発生いたしましたアルジェリアのテロ事件、日本人の方が十名亡くなるという、本当に痛ましく、本当に残念な事件でありました。

 この事件を受けまして、政府として、対応の検証、そして報告書を取りまとめたわけでありまして、まずその事実関係としては、我が国の関係機関も、当時、マリ情勢が緊迫化している、あるいはアルカーイダ関連組織が外国人を狙った誘拐事件を起こす危険性、こういったことは認識をしていたわけでありますけれども、これは我が国だけじゃなくて、ほかの国の治安・情報機関もそうでありましたけれども、具体的にこういう事件に関する情報には、残念ながら接するに至らなかった。

 そういう意味で、平素から国際テロ情勢に関する分析体制の強化や海外における情報収集能力の強化のための方策をしっかり検討していくということで、具体的には、関係省庁及び在外公館の情報収集・分析体制の拡充、担当者の現地への派遣、あるいは現地関係者の本邦への招聘の充実等を図ること、あるいは、情報収集能力のさらなる向上に向けて、引き続き情報収集衛星の機能の拡充強化に努めること、あるいは、在外公館などにおいて、外務省出身の地域専門家とあわせ、警察出身のアタッシェ、警備対策官の体制の強化、さらには防衛駐在官の体制を強化拡充する、あるいは、現地の言葉でありますアラビア語に精通している、そうしたことも含めて公開情報収集体制を強化する、こういったことを挙げているところでありまして、引き続き、政府として、国際テロ情勢を初めとして、さまざまな情報収集の、あるいは分析能力の強化に努めていきたい、こういうふうに考えております。

町村委員 数多くの問題点が、一生懸命なさったけれども、十分な体制がとり切れていなかったということはやはりあったんだろうな、こう思うわけであります。

 実は、私自身、九・一一後、この問題について自民党でPTをつくりまして、そのときも私は座長を務めました。そして、岩屋先生その他と一緒にイギリスに行って、MI6、あるいは向こうの国会議員さん等々とも会って、組織とか法令の整備の状況とか、あるいは国会のかかわり方等々について意見交換をし、いろいろなお話を聞いてきたことを今でも覚えております。

 その後、私はたまたま、外務大臣あるいは官房長官というインテリジェンスにかかわりを持ち得る立場にいたものですから、そのとき、できるだけのことはやったつもりでありますが、必ずしも十分ではなかった。特に、やはり基本的な、今回出していただいております特定秘密の保護に関する法律、こうした法令の整備の重要性ということは、そのときも随分意見をまとめ、そして当時の総理大臣にも御相談をしたこともございましたけれども、残念ながら、ほかの案件もこれありだったんでしょう、こうした法令の整備というものを政府全体でやろうということにはならなかったわけであります。

 今回、安倍政権のもとで、こうした法制の整備をやろうという御判断をされたこと、私は高く評価をしております。長らくの案件を、安倍総理初め、森大臣、また関係する方々がこういう形で前向きに取り組んでいただいたこと、本当にありがたいことだと思っているわけでございます。

 そして、今回の法案の根っこはどういう形でつくられたかというと、これは民主党の菅総理のもとでおまとめになられた、有識者会議によります秘密保全のための法制のあり方という報告書が平成二十三年の八月にまとめられました。私ども、あのとき野党でございましたが、こうした有識者の会議が集まったということを受けて、民主党も法案を出すんだろうと思ったものですから、自民党でも、これはやはり真剣に、改めて考えなければいけないということで、検討会を自民党でもつくって、当時の民主党政権のもとでのこの報告書というものを自民党でも積極的に検討させた記憶があるわけであります。

 私は、民主党政権、あのとき何で出さなかったのかなと。確かに、原発事故あるいは大津波等々あったから、そこまで手が回らなかったのかもしれませんけれども、しかし、民主党が、どちらかというと今まではこういう問題はもうはなからだめという民主党の中で、ああいう問題に積極的に取り組まれた、その姿勢を、私は当時、大変高く実は評価をしたわけでございます。

 でありますから、そういう経験のある民主党の皆さん方、前政権を担当しておられた方々は、今回、政府が出された法案については、ぜひ積極的な対応をしていただけるのであろうかな、こう思って期待をしているところでございます。

 加藤副長官にもうちょっと伺いたいのであります。

 先ほど、我が国のインテリジェンスの不十分である点について幾つかお話をいただきました。そのことについてもうちょっとお伺いをしたいのでありますが、この法的整備でかなりよくなることは間違いがありません。しかし、これで日本のインテリジェンスが非常に十分かというと、私は、まだまだ不十分だ、こう思います。

 一つは、情報を受ける体制はできた。しかし、これは、ギブ・アンド・テークというと表現が適切かどうかわかりませんけれども、ギブしてくれたところ、それに対して日本人がどういう情報をギブするか、提供できるかということもやはり相手の国は見るわけであります。そういう目で見たときに、やはり日本国は海外でこうした情報収集を専門的にやる機関がないということが大きな欠陥である、こう思っております。これについて官房副長官、どうお考えなのかな。

 あるいは、やはり人を通ずる情報の収集。ヒューミント、こう言っておりますけれども、先ほど、これも副長官、おみえになりましたけれども、やはり人材が必ずしも政府に十分あるわけではない。あるいは分析する能力が十分トレーニングできているかというと、必ずしもそうでもない。

 そして、インテリジェンスコミュニティーというのが、これは私、官房長官のときにかなり意図して、コミュニティー、コミュニティーということを強く言って、かなりお互いの関係がよくなってきたとは思うんですけれども、内調を中心として、防衛省、外務省、あるいは公安調査庁、警察等々の人の養成というものが、人事の面で運用がうまく、十分できているかというと、必ずしもそうでもないんじゃないかな。

 そして、政府全体でこのインテリジェンスの問題に取り組むという意識が十分高まっているだろうか。今度、NSCというのができるということは、そういう意味では、政府全体がこういうインテリジェンスの重要性というものを改めて認識するいいきっかけになるんだろうということも期待をしておりますが。

 以上、日本のインテリジェンスの幾つかの問題を申し上げましたけれども、幾つかで結構ですから、副長官のお考えをお聞かせいただければと思います。

加藤内閣官房副長官 情報収集機能の強化という意味において、これまでも、官邸における情報機能の強化の方針、これは平成二十年に出しております。また、今お話がありました、今回のアルジェリアのテロ事件の検証も踏まえて、これまでも機能強化には取り組んできているところでありますし、また、今回出させていただいております、特定秘密の保護に関する法律は、今御指摘がありましたように、海外との情報機関等における情報の共有という意味においては大きく資するもの、こういうふうに考えております。

 その上で、我が国として情報の収集というものをどう図っていくのか、こういった面について、正直申し上げて、国際テロあるいは大量破壊兵器等について、関係する国や組織の内部の情報の収集ということになりますと、これはなかなか、そうした国自体が大変閉鎖的でありますし、非常に困難を伴うものでありまして、そうした意味からも、専門的、組織的な対外人的情報収集の手段、方法及び体制のあり方については、しっかり研究をしていきたいというふうに思っております。

 さらに、人的養成につきましては、御指摘のように、情報に精通した人材を育てていくことが大変重要でありますので、情報コミュニティー内における研修や人事交流を推進するなど、それぞれの人の能力を高くしていく、あるいは、人事交流等を通じて、政府内においてのみならず民間からも専門的な分析能力を有する人材を得るなど、人的な体制をしっかりと充実し、また、政府内におけるそれぞれの情報コミュニティー内における連携をしっかりとっていきたい、かように考えております。

町村委員 ありがとうございました。

 何から何まで一遍に全部やるのは難しいと思いますから、今回はこの法案の成立をぜひ実現したい、こう思いますが、その暁には、その次の課題というものもぜひ安倍政権全体で取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 副長官、どうぞ。お立ちいただいて結構でございます。

 この後は、主として森大臣にお伺いをしたいと思います。

 きょうは、法律の話でございますから、法律に絞って何点かをお聞きしたいと思います。まず、法律の意義あるいは必要性という、一番重要な出発点のことを伺います。

 先ほど申し上げましたように、私は、国民の生命、安全、そして国家の安全というものが何よりも重要である、こう考えるものでございます。そういうことはもちろんこの法律の目的のところにちりばめて書いてあると思うのでありますけれども、大臣の方から、ぜひ、この法律の意義、必要性というのはどこにあるのかということについて、まず御発言をいただければと思います。

森国務大臣 私も、九・一一の直前までニューヨークにいたわけでありまして、一年間、ゼロ歳の長女と私の二人で留学をしておりました。いつ帰国するかということだったんですが、早めて帰国したんですが、その直後に九・一一がございまして、夜、テレビを見ているときにその映像を見て、本当にとうとい人命が、我が国の方々も含め、多くの方々がお亡くなりになったこと、大変悲しく、そして悔しかった。あの近くをいつもゼロ歳の娘と一緒にお散歩もしておりましたし、そういう意味では、本当に身に迫る危険というものを感じたわけでございます。

 海外にいるときに、私ども日本人はやはり、情報というものは、大使館、国からいただく情報を大変頼りにしております。

 近時は、国際情勢が複雑化、多極化しておりますし、国をまたいだ国際テロというものでさまざまな国の方が多数犠牲になるということも多く起きておりますので、やはり、我が国の国民の安全、生命の安全をしっかり守っていくということ、そして、国家をしっかり守っていくということ。

 今、海外にいるときのことを申し上げましたが、国内にいるときでも、もちろんそれは、テロ等の危険には常にさらされているわけでございます。またさらに、最近は高度情報通信ネットワーク社会ということで、インターネットの発展に伴って、情報が一旦漏えいされた場合に、即時に拡散されるということで、そのこうむる損失が非常に深刻かつ大きいわけでございます。

 そこで、本法案では、我が国の国民と国家の安全を守るために、安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護するという体制を確立したわけでございます。

 また、もう一つ申し上げれば、情報収集、海外との、他国との情報共有。国際テロなどは本当にその最たるものであると思いますが、情報共有をする上で、我が国の中の秘密保護の体制がしっかり整えられているということが前提でございますので、そういった意味でもこの法律が必要であるというふうに考えて、法案を提出したわけでございます。

町村委員 大臣がおっしゃるとおりだと思います。

 例えば、自衛隊というものがある。もちろん熱心な活動をしておられますが、考えてみますと、我が国は専守防衛というものが基本であります。であるから、日本から攻めることはない、専守防衛ということを考えたときに、そういう国であればあるほど大きな耳、ウサギの耳という言い方をいたしますけれども、やはり、海外でどういうふうに物事が進んでいるのか、どこに日本の危険があるのかということについては、専守防衛である以上、より敏感に、そうした情報収集の必要性というものをより強く受けとめなければならないし、努力しなければいけないし、みずからも努力すると同時に、海外からの情報を関係諸国から受けとめるということが必要なんだろう、こう思います。

 ですから、きのうの国会でのやりとりを見て大変驚いてしまったんですけれども、この法律をつくると何か戦争への道をまた歩くという、まあ何ということを言う人がいるんだなということで私はびっくりいたしましたけれども、そうではなくて、専守防衛の日本であるから、こういう法律が逆により重要になるんだということをもっと強く国民の皆様方にも御理解をいただきたい、こう思っているところであります。

 この第一条にも書いてありますけれども、また、今もお話がありましたが、確かに、ネットワーク社会の中で情報漏えいの危険性が高くなってきているんだということが書いてあります。

 これは、もうちょっと具体的に言うと、どうしてネットワーク時代になると漏えいの危険性が高まるのかなということが必ずしもはっきりしないのでありますけれども、この点はどういうお考えでございましょう。

    〔委員長退席、今津委員長代理着席〕

森国務大臣 今、前半で御指摘されたとおり、戦争への御指摘がきのうも本会議でございましたけれども、決してそういうことではなく、防衛のためにということを改めて強調しておきたいというふうに思います。

 そして、今御質問の、情報漏えいの危険性の高まりということでございます。

 これまでも、外国情報機関等から工作を受けた公務員による情報漏えい事案というのも発生していたわけでございますけれども、近年のネットワーク社会の発達に従って、また国際情勢の複雑化に従ってもそうでございますけれども、一旦情報が漏えいされるということになりますと、その重大な情報がインターネット等を通じて瞬時に多くの国に拡散していくということが懸念されるわけでございます。そして、それに対する、一旦漏えいされた場合の被害、損失というものは甚大でございます。

 ですので、やはりこういった情報漏えいの危険性が高まる中、しっかりと秘密を保全する必要性が高いということでございます。

町村委員 よくわかりました。

 私も、大臣のおっしゃるとおりだ、こう思います。

 やはり外国との情報共有が必要であるということはもとよりでございますし、最近余りはやらなくなってしまったかもしれませんが、相も変わらず、我が国が外国人の目から見るとスパイ天国であるという事実は何ら変わっていないわけですね。

 ですから、そういうことをほっぽらかしておいて本当にいいのかということは、やはり我々、国の安全、そしてそれは、この法律の第一条にも書いてありますが、「漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資する」、国家及び国民の安全に資するんだと。

 国民一人一人の、先ほど、九・一一を初めとして、アルジェリアの事件等々でわかるように、国民の命が脅かされる、それを防止するためにこの法律をつくるんだということがこの第一条の最も重要なポイント。この法律の意義はそこにあるんだということを再確認したいな、こう思います。

 時間も限られておりますから、法案の中身に少しずつ入ってまいりたいと思います。

 この法案の骨子は、秘密の指定と解除、それからもう一つは、情報を扱う人の選択、適正化、クリアランスと呼ばれている問題、それから三点目は、それに反する場合の罰則、これがこの法律の骨子である、こう考えますから、その順序に従ってお伺いをしたいと思います。

 資料の二、こういう資料をきょうは皆様方にもお配りをしてありますが、これは、自民党のPTで政府から配付された資料の一部でございます。

 この中に図が書いてありますが、国家公務員法上の秘密の中で、一部を特定秘密として指定します。特定秘密は、安全保障に関する情報で、一、防衛、二、外交、三、特定有害活動の防止、これは諜報等々が当たると思います、それから四番目、テロの防止、この中で特段に秘匿の必要性が高いものを特定秘密といたします、こういうことであると思います。

 今回のこの法律で、私は相当絞られてきているんだろうと思いますけれども、一部のマスコミを見ると、この特定秘密の範囲が無制限に広がっていくんじゃないかというような、まことにためにする議論を言う人たちがいるわけでありますけれども、私は、この別表に書いてあるように、秘密の範囲がこれで広がることはない、むしろ限定されてきているんだということがこのポイントではないかと思っておりますけれども、大臣、どうお考えでしょうか。

    〔今津委員長代理退席、委員長着席〕

森国務大臣 御指摘のとおり、秘密の範囲を限定しております。

 特定秘密は、国家公務員法等において秘密とされる情報、その別表に、四角の箱がありますが、そのうち、さらに、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるもののうちから指定をするということで、従来の秘密の範囲を拡大するものではありません。

 また、別表に掲げる事項については、特定秘密の指定が適正に行われるように、単に防衛に関する事項とか外交に関する事項と大くくりに規定するのではなく、例えば「自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究」という形で、さらに詳細に事項を限定して規定をしております。

町村委員 さっき申し上げました、民主党の書かれました報告書と比べてみたのでありますけれども、その民主党の報告書よりもさらにこの法律は限定が加わっている、私はあれを読んだときにこう理解いたしましたが、そこはどういうふうにあの民主党報告書との違いがあるのか、伺います。

鈴木政府参考人 お答えします。

 平成二十三年八月の秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議の報告書におきましては、特別秘密として取り扱うべき事項につきまして、国の安全、外交、公共の安全及び秩序の維持の三分野を対象とすることが適当であると報告されております。

 本特定秘密保護法案におきましては、防衛に関する事項、外交に関する事項、特定有害活動の防止に関する事項及びテロリズムの防止に関する事項の四分野に分けております。

 このうち、防衛に関する事項は先ほどの報告書の国の安全を、外交に関する事項は先ほどの報告書の外交を踏襲しておりますが、報告書におきます公共の安全及び秩序の維持につきましては、対象となる範囲をさらに限定した上で、特定有害活動の防止に関する事項及びテロリズムの防止に関する事項に分割しているところでございます。

町村委員 公共の安全というのは相当広い概念であったと思います。それを今回、特定有害活動とかテロというふうに限定をしてあるというだけでも、実は秘密の範囲が広がるのではなくて、むしろ狭まっているというふうに私は理解をしております。

 それから、これも私は悪意のある人の話だと思いますけれども、事原発に関する情報を政府は全部流すんだといって、だからよろしくないという批判をする人がいますけれども、これはとんでもない、意図的な、悪意に満ちた例示ではないか、こう思っております。

 例えば、福島の原発事故の話。SPEEDIが直ちに国民に流布しなかった。SPEEDI、緊急時の放射能影響測定ネットワークシステムでありますけれども、これなんかは、例えばこの法律の対象には私は全くなり得ない性格のものだ、こう思っております。

 逆に、テロに対して、例えば近隣の国、あるいはテロ団体が、日本海側であれ、また太平洋側であれ、原発を破壊するということで日本の経済社会に大変な影響が出るということは、あの三・一一でわかったわけです。これがもしあったときにどういう警護を図るか。これは警察の仕事になると思いますけれども、場合によっては自衛隊の力もかりることもあろうかと思いますけれども、こういうものをどういう方法で警備するかということを全部公表すると、それを見て、テロリストは安心して、ここは穴があるなといってついてくると思うんですよ。

 だから、こういうものは、例えば原発に関することでも特定秘密に該当するんじゃないか、こう私は思っておりますけれども、どうでしょうか。

森国務大臣 私、福島県出身でございますけれども、当時、原発事故情報であるSPEEDIの情報が知らされませんで、適切な避難ができなかったということを、この国会でも何回も質問させていただきました。当時、民主党政権下でありましたけれども、浪江町の子供たちを含む皆さんが、すぐ近くで、二回の爆発のときに待機をさせられる結果になった。一番濃い地域にいたわけです。

 このSPEEDIというのは、そもそも、原発事故があったときに住民を避難させるために使うということが書いてあり、法律上、内閣総理大臣がそれをしっかりと住民の避難のために使うことが決められているわけでございます。

 このようなものは、別表のいずれにも該当せず、特定秘密の指定の対象とはなりません。当然のことでございます。

 一方、テロリズムの防止のために警察等の警備をする、その実施状況、実施計画について、それを公表してしまったら、テロがそれを知ってしまうわけでございますから、それについては、別表に当たる場合には特定秘密に指定されるということになります。

町村委員 したがって、原発だから全部特定秘密になるというような大ざっぱなことを言う一部の人がいますけれども、そうではないんだということを今大臣言われました。私もそのとおりだろう、こう思います。

 それから、TPP。非常に国民の関心の高い事項でありますけれども、政府の手を縛ることになるかもしれないからTPPの報道は一切言わないんだといって、今、私の理解するところ、このTPPのメンバーの、交渉に参加をする政府の一部しかこれは知り得ないと。

 私も自民党の議員の一人として、北海道的な立場からすると、もう少し情報を出せばいいのにと思って、非常にいらいらすることもあるのでありますけれども、それはそういうルールで全てが動いているから、そのTPPのプロセスのことはなかなか出ない。しかし、こう決まったというのは、もちろんのことですけれども、これは対象に出てくると思います。

 しかし、これは、TPPが特定秘密に該当するかどうかという観点ではなくて、それは国際的な合意でそうなっているんだというふうに理解をしておりますけれども、それでいいんでしょうか。

森国務大臣 そのとおりでございます。TPPに関する情報は、別表のいずれにも該当しませんから、特定秘密の指定になることはありません。

町村委員 明快な御発言を多といたします。

 それから、指定とか、あるいは有効期限の延長の問題であります。

 これについても、政府とかあるいは大臣が指定をするわけでありますから、政府やら大臣が恣意的に決めてしまうのではないかというような議論があります。これは自民党の中の議論でもありまして、自民党や公明党の意向もあって、最終法案の中で第十八条というものが追加をされたと私どもは理解をしております。

 そうした恣意的に指定や延長というものが決められない仕組みというものを、今回、法律上担保できたのかな、こう思っておりますが、その中身について御説明をいただきたい。

森国務大臣 特定秘密は、国民の生命、国家の安全のために指定をするものでありますが、やはり行政の恣意というものはしっかり排除していかなければならないと思っています。

 そのための仕組みでございますけれども、特定秘密は、法律の別表に限定列挙された事項に該当するものに限って、大臣等の行政機関の長が指定をするものです。また、その基準は、有識者の御意見を聞いてしっかりと公表してまいります。

 また、行政機関の長は、指定の有効期間が満了するごとに、指定の要件を満たしているか否か確認をしなければならないことに加えまして、特定秘密の指定期間が三十年を超える延長には内閣の承認を要する制度を設けることとしておりまして、特定秘密として保護することを要しないものについては、それぞれその時点で指定が解除されるということになります。

 これら特定秘密の指定、有効期間の設定、解除、延長等は、先ほど申し上げましたとおり、外部の有識者の意見を反映された基準に基づいて行われることとされております。

 このように、特定秘密の恣意的な指定等が行われることがないように重層的な仕組みを設けておりまして、適正な運用が確保されるものと考えております。

町村委員 大臣がかわる、あるいは、場合によっては政権がかわるということもあり得るわけです。しかし、それがかわると指定の考え方が変わるとか、人がかわればころころ中身が変わるというのは、そうだとすると、私は、この内容、国民の生活への安定性あるいは行政の安定性、いろいろな面から見て、ころころ変わってはいけない分野の内容だと思うので、そういう意味で、統一的な運用基準をつくる、しかも専門家の意見を入れてつくるということは大変重要なプロセスだ、こう思っております。

 それから、有効期間についてもう一点申し上げますけれども、三十年を原則といたします、しかし、さらにそれを延長する場合には内閣の承認が必要ですというお話がありました。

 私は、原則三十年だけれども、それを超えるケースもあると思います。アメリカの決定を見ても、五十年とか七十五年とか、あるいは七十五年を超える場合にもということも書いてあるんですね。

 例えば、某国の、A国のBさんという人が、日本が必要な情報を、提供を受けてきた、しかしそれは、もちろん本人は、その国で、日本に対して協力をしているなんということは絶対に言わない話であります。ですから、例えば、そういう個人に関する情報、これは、その方が生きている間は絶対に公表してはならないし、それから、御家族もいますから、その情報提供者が亡くなった後でもさらに長く秘密として公表しないというケースもあるだろう、私はこう思うのでありますけれども、この点はどういうふうにお考えでしょうか。

鈴木政府参考人 お答えします。

 有効期間につきましては、先ほど先生御指摘のとおり原則三十年という考え方でございますが、三十年を超える場合でも、それを公開することによりまして、相手国が対抗措置をとることによって、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼす場合がある情報というのも想定され得ますので、そういったものにつきましては三十年を超えて指定することが考えられます。

町村委員 したがって、これは個別に判断をしていくしかないんだろうなと思います。あらかじめ、こういう場合は、こういう場合はということは、確かに決め切れない部分もあるんだろうな、こう思いますから、そういう意味での判断する余地というのはあっていいんだろう、私はこう思っております。

 それから、二番目のポイントであります適性評価、クリアランスの問題であります。

 中身は余り説明を要しないと思いますけれども、情報に接することが可能な国家公務員、あるいは、例えば、防衛省と契約を結んでロケットをつくる会社の、その事業を担当する会社の担当職員、これは民間人でもこの情報に接することが可能であるわけでありますけれども、それは全ての者がいいというわけではなくて、公務員でA局長さんであってもこの人は不適切であるということもあると私は思っております。

 むしろ、問題は、いろいろな項目でチェックする、これは法律に書いてあるからいいのでありますけれども、これで何かプライバシーの侵害が発生するのではないかということを懸念する声もあったり、あるいは個人の、政治的に私は共産主義が好きであるとか、ちょっと個別のことはやめましょう、政治活動であるとか組合活動であるとか、個人の思想、信条なども調べられちゃうんじゃないかということを心配するんだという向きもあるのであります。そこまでは私は入っていないと思うんですけれども、どうでしょうか。

鈴木政府参考人 お答えします。

 本法案におきましては、適性評価を実施するに当たりまして、あらかじめ評価対象者の明示的な同意を必要としているほか、適性評価におきましては、調査の対象となる事項を法律上明記いたしまして、行政機関の長が無制限に個人情報を収集することができないこととしておりまして、プライバシーを侵害するものではないと考えております。

 また、先ほど申し上げましたように、対象事項は限られておりますので、政治活動、組合活動、個人の思想、信条は調査事項でないことから、適性評価の実施に当たり、これらを調べることはございません。

町村委員 そういう意味で、私は、何でもかんでも調べて、それがまた何かネットを通じて広く国民に流れてしまうことはないということだと、今の答弁を受けとめました。

 それから、この法律の内容で三番目の、罰則についてであります。

 これについて伺いますけれども、現在の国家公務員法、一年以内、あるいは自衛隊法、五年以内、これで十分ではないかという意見があります。

 私は、一年というのでは全く抑止力がない。そして、自衛隊が扱っている情報は一定程度カバーできますけれども、自衛隊以外が扱う必要な情報もあるわけでありますから、そういう意味で、私は、今回の罰則に関する規定というものは適切ではないかと思っております。

 また、十年は厳し過ぎるのではないかという意見もありますけれども、これらの点についてどうお考えか、伺います。

鈴木政府参考人 お答えします。

 現行の国家公務員法上の守秘義務につきましては、一般職の公務員を対象とするものでありまして、特別職の公務員や契約業者には及ばないものでございます。また、自衛隊法は自衛隊について規律するものでございますので、防衛以外の安全保障に関する事項であって特に秘匿することが必要な情報の保護についての規定を置くことができないものでございます。

 このように、安全保障に関する事項でありまして、特に秘匿することが必要な情報の保護についての規定を定めるためには、国家公務員法あるいは自衛隊法以外の新しい立法が必要であると考えております。

 また、十年の刑罰につきましては、他の法令であります、特別防衛秘密の漏えいや、営業秘密を不正に開示する行為、あるいは窃盗罪の法定刑が十年以下とされていることに比べまして、国の安全保障に関する特定秘密の漏えいが国家公務員法上の一年以下の守秘義務違反にとどまることはバランスを失し、特定秘密の漏えいを抑止する観点からも十分でないと考えております。

町村委員 私の知り得る限りでも、諸外国でも十年というケースが非常に多うございますし、また、国内でも、安全保障に関することではない、経済行為を律する不正競争防止法でも一番厳しい部分は最高十年ということで、経済行為でも最高十年という、現在そういう罰則があるわけでありますから、今回のこの罰則十年というのは、決して厳し過ぎるという指摘は、私は当たらないんだろう、こう思っております。

 むしろ、逆に、こういう意見も私のところに届いております。

 アメリカでは、外国を利する意図を有する者による外国政府への国防情報の漏えいは、死刑、無期、有期刑という法律があります。まさにスパイですよね。これらについては最大死刑だという規定まであるのに対して、日本は最大十年だということであります。

 したがって、そういう海外の利益のために海外に情報を流す人に対しては、十年よりももっと長くすべきではないか、例えば十五年とか二十年とか、長くしろという意見さえ出ているわけでありますけれども、これについてはどうお考えですか。

鈴木政府参考人 お答えします。

 本法案におきましては、特定秘密の取り扱いの業務に従事する者が特定秘密を漏えいした場合の法定刑を十年以下の懲役としておりまして、現行の国家公務員法の守秘義務違反の一年以下の懲役や自衛隊の防衛秘密の漏えい罪であります五年以下の懲役と比較しましても、相当重い法定刑を定めていると認識しております。

 したがって、十年以下の懲役という法定刑の範囲内におきまして、漏えいの目的や態様等に応じまして具体的な量刑を判断することが可能となっておりますので、通報目的も含めまして、悪質な特定秘密の漏えいの抑止にもつながると考えております。

町村委員 ちょっと、いいのかなと思ったりもいたしますけれども、そういうお考えであれば理解をしておきます。

 最後に、十分間近く残っておりますが、この二十一条、「この法律の解釈適用」という項目がございます。これは、知る権利であるとか、出版、報道の自由等々について書かれたものでございます。

 これは、一番最初の、八月末の原案では、報道の自由に十分配慮し、国民の基本的人権を不当に侵害してはならないという一行しか書いてありませんでしたが、自民党あるいは公明党からのいろいろな意見を反映して、現在のこの二十一条第一項、第二項という内容に充実をされてきた、こう理解をしております。

 私は、これで十分ではないかな、こう思っておりますけれども、そもそも、国民が知る権利というものは、知る権利は担保しました、しかし、個人の生存が担保できませんとか、あるいは国家の存立が確保できませんというのでは、それは全く逆転した議論ではないだろうかと思うのであります。

 やはり、知る権利が国家や国民の安全に優先しますという考え方は基本的な間違いがある、こう考えるものでありますけれども、こういう基本的な考え方について、大臣、どうお考えでしょうか。

森国務大臣 私、報道と取材について書き込んだ原案を御提示し、その上で、公明党さん、そして自民党の御審議を経て、国民の知る権利、これを条文上、恐らく初めて規定をさせていただきました。

 この国民の知る権利というのは、憲法上、明文の規定が設けられているわけではございませんけれども、やはり私は、憲法第二十一条の保障する表現の自由と結びついたものとして、十分尊重しなければならない大切な権利だというふうに思っております。

 他方、やはり、今御指摘の、個人の生存、国民の生命、そして国家の安全ということ、こちらも最も重要なものであることは論をまたないわけでございますので、国の安全等に関する情報について、その漏えいを防止、保護することというこの法案の目的も達成をされなければいけないわけで、その二つのバランスをいかにとっていくかということを考慮しながら、この法案をしっかり検討し、国の秘密の保護のための方策を検討してきたという経緯でございます。

町村委員 今、大臣はバランスという表現を言われました。いい答弁かなと思いますが、ちょっと私とは違う部分かなというふうに今のお話は伺いましたが、そういうお考えがあることはわかりました。

 きょうは、資料三というもので、どういう取材が問題であり、どういう取材が問題ではないのかということを、これは政府がおつくりいただいた、提出された資料、わかりやすいコピーだなと思ったので、きょうお配りをいたしました。

 例えば、ここに書いてあるような、執拗な取材とか、あるいはお酒を飲みながら取材をしたケース、あるいはたまたま又聞きしてしまったケースとか、あるいは特定秘密を拾ってしまったケースとか、あるいはたまたま置いてあった特定秘密を見て、それを他人に伝えた場合、こういうケースはいずれも、もちろん漏えいした公務員は処罰されますけれども、それをやった、取材をした方等々については、これは法律上もちろん白でありますということがこのポンチ絵に書いてあるかな、こう思いますけれども、これはそう単純に受けとめてよろしいんでしょうか。

森国務大臣 御指摘のような取材行為は、通常の取材行為でありますので、処罰対象となるものではございません。

 このことは、最高裁決定であります、報道機関が公務員に対し根気強く執拗に説得ないし要請を続けることは、それが真に報道の目的から出たものであり、その手段、方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものとして社会観念上是認されるものである限りは、実質的に違法性を欠き正当な業務行為であるとされておる、この最高裁決定からも明らかであると考えております。

町村委員 非常に明快になったかなと思います。

 今、例の西山事件、昭和五十三年の最高裁判決で確定したもの、これがきょうの資料四でお配りをしてありますけれども、下の三行、四行をごらんいただきますと、取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しくじゅうりんする等法秩序全体の精神に照らし社会観念上是認することのできない態様のものである場合には、これは正当な取材活動の範囲を逸脱し違法性を帯びる、こういうことで、最高裁の判決が非常に明確に書いてあるなと思います。

 西山事件、西山事件ということを盛んに例に出されますけれども、あの西山さんのやり方が今でもよかったんですかと逆に聞きたいし、あれは明らかにだめだということがこの最高裁の判決で明らかになったことが、今回法律にも明記を、二十一条一項、二項にそのことが書かれるんだろう、こう私は思っております。

 もう一点、伺います。

 専ら公益を図る目的の出版あるいは報道ということが書いてありますけれども、例えば、テロリストが報道を装って団体をつくって、そこの従事者として情報収集をするというケースも考えられるわけですよね。あるいは、個人のフリーランスが記者の取材行為をする。

 フリーランス、ジャーナリストなんだから何をやってもいいのかということが聞かれると思いますけれども、これは何でもかんでもいいというわけではないと私は思うのであります。その点をクリアに御説明いただきたい。

鈴木政府参考人 お答えします。

 専ら公益を図る目的が認められない場合でございますが、先ほど先生御指摘の、テロリストが報道機関と偽り、テロのために情報を収集しているような例外的な場合には、専ら公益を図る目的と言えない場合もあると考えます。

 また、個人のフリーランスにつきましては、報道の業務に従事する者とは、不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせることや、これに基づいて意見または見解を述べることを、職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う者をいうと定義されます。具体的には、放送機関、新聞社、通信社の記者に限られず、個人のフリーランスの記者もこれに含まれると考えております。

 ただ、報道の業務に全く従事していない個人につきましては、これに含まれないと考えております。

町村委員 あと若干、情報公開法との関連等も伺いたいと思いますが、時間ですので終わります。

 どうもありがとうございました。

額賀委員長 次に、大口善徳君。

大口委員 公明党の大口でございます。

 特定秘密保護法案につきまして、お伺いさせていただきます。

 この時間をいただきまして、本当に、自民党の理事、皆さん、ありがとうございます。

 まず、私も、この特定秘密保護法案、公明党のプロジェクトチームの座長をさせていただきまして、集中的に、十三回、ヒアリング、審査等をやらせていただきまして、そして、政府、また自民党の町村先生初め、皆さんともいろいろと意見を交わさせていただきまして、この法案に相なったわけでございます。

 そういう中で、やはりこの特定秘密保護法案の必要性、これにつきまして、いろいろと今報道されているわけでございます。

 昨日も、総理が、私の質問に対して、やはり今、情報漏えいに関する脅威が高まっている状況、そして外国との情報共有が適切な情報保全を前提としていることに鑑みれば、秘密保全法の整備が喫緊の課題であると。

 そして、政府部内の情報の共有の促進、あるいは防衛省のを外務省になかなか出せないというようなこともあったと思うんですね。そういうことも共有化が進む。そして、それは、やはり国家安全保障会議というものが、これが中で非常に、情報をしっかりと吸い上げて、正しい判断をしていく。そのことが、例えば紛争の未然防止でありますとか、我が国の国民の生命財産、そして国家の存立の危機を回避することになるということで、非常に大事だと思っているわけでございます。

 この一月にアルジェリア人質事件がございました。町村先生からもありましたように、三十九名が犠牲になり、日本人が十名犠牲になった。私は、やはり国民の生命身体、国の存立にかかわる情報というものをしっかりと、インテリジェンスコミュニティー、他国とのあるいは国際機関との連携によって入手をしていく、そのためには同程度の秘密保護措置が講じられなければならない、でないと重要な情報は得られない、入手できない、そう思っているわけでございます。

 今、我が国は、現行の秘密保護措置を見ますと、既に、自衛隊法では防衛秘密が、MDA法では特別防衛秘密が保護されている。国家公務員法の守秘義務もある。さらに、運用上、内閣情報室のカウンターインテリジェンス・センターが中心となって、各省庁で特別管理秘密が指定され、その取扱者に対する秘密取扱者適格性確認制度というのが行われている。

 ですから、これで十分じゃないか、こういう意見もあるわけでございますけれども、大臣に改めて、この秘密保護法の必要性についてお伺いしたいと思います。

森国務大臣 防衛秘密制度は自衛隊のものについて定められておりまして、また、MDA秘密保護法は米国から供与された装備品等を特別防衛秘密として保護するものでありまして、いずれも、防衛以外の安全保障に関する事項は定められておりません。

 また、国家公務員法上の守秘義務については、一般職の公務員を対象とするもので、特別職の公務員や契約業者には及んでおりません。

 したがって、安全保障に関する事項であって、特に秘匿することが必要な情報の保護については、今の足りないところを規定していく必要がありまして、本法案によって必要な規定を定めた次第でございます。

 また、現行の特別管理秘密制度は、カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針に基づいて各行政機関が作成した物的及び人的管理に関する規程により運用されているものでして、これは各省の申し合わせ事項でございまして、法律に基づいているものではございませんし、政府全体の共通のルールとして秘密の保護を図るということでは、十分ではないと考えております。

 ですので、今回、この法案を提案させていただいたという次第でございます。

大口委員 もう一点でありますけれども、これは日弁連の清水先生なんかも御指摘をされているわけですが、本法案は、厳格な適性評価を実施して、業務上特定秘密を取り扱う者からの漏えいを防止している、しかし、最近の漏えい事案を見れば、いずれも秘密の取り扱いを業務としていない者が漏えいしている、また、現在では紙の資料に加えて膨大なデジタルデータが作成されており、これらの状況に対応した情報管理体制の整備こそ重要ではないか、これをしっかりやるということがあればこの秘密保護法は要らないんじゃないか、こういう指摘もあるわけです。

 私は、その前半の情報管理体制の整備、これはもっとしっかりやらなきゃいけないと思うんですが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えします。

 本法案におきましては、我が国の安全保障に関する情報のうち、特に秘匿することが必要であるものの保護に関して必要な措置を盛り込んでおりまして、その中で、先生御指摘の情報管理体制の整備が行われるものと考えております。

 また、高度通信ネットワーク社会の発展する中、各行政機関において膨大なデジタルデータが作成されておりまして、その漏えいの危険性を低下させるために、御指摘の情報管理体制の強化、整備を政府においてさらに一層推進することが必要であると考えております。

大口委員 私どものプロジェクトチームで、早稲田大学大学院の春名幹男教授からお話をお伺いしました。

 アメリカ情報安全監視室、ISOOによりますと、アメリカの二〇一〇年の国家安全保障機密化システムの年間予算は百一億七千万ドル、機密文書防護の民間委託費は十二億五千万ドル、合わせて百十四億二千万ドル、一兆を超えるわけですね。そしてまた、機密指定責任者が二〇一二年で二千三百二十六人。膨大な、大規模な予算そして人員をかけています。

 また、アメリカの場合は、あの九・一一の反省もあって、やはり情報の共有化ということを進める、その結果、コンフィデンシャル、それからシークレット、トップシークレット、あるいはその上、これにアクセスできる人が五百万人ということになっている。非常にそういう点ではコストがかかる。秘密を保持するというのはコストがかかるということは覚悟しなきゃいけないと思うんです。

 ですから、むやみに指定するということは、いかがなものか。やはり他国の状況も勘案しながら、必要なものを限定して指定していく、そして件数を適正なものとする必要がある、私はこう思うわけであります。

 そのあり方も、今回私どもが提案いたしました、この指定や解除や更新等、もろもろの統一基準を定めるに当たっての有識者会議、ここでも大いに議論されていくべきじゃないかなと思いますが、これは大臣にお伺いしたいと思います。

森国務大臣 委員のおっしゃるとおりであるというふうに考えます。

 特定秘密は、大臣等の行政機関の長が、法律の別表に限定列挙された事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものを指定するということになっておりますが、むやみに指定することを防いでいく、また、コストの観点もございますので、他国の指定の状況も勘案しながら、この指定のあり方については有識者会議の場でしっかりと議論をされていくようにしたいと思っております。

大口委員 今回の法案の三条二項には、指定に関する記録、指定書が作成されます。そこには、指定番号、指定年月日、情報の内容、該当する別表の号といった指定に関する事項が記録されています。この指定書は何のために作成をされるのかということが一点。

 そして、特定秘密そのものは公開できないといたしましても、この指定書を国民への説明責任あるいは特定秘密の恣意性の排除ということのために供することはできないのか。そしてまた、この指定書というのは、行政文書に当たるわけでありますから情報公開請求の対象となるわけでございまして、そういう点では、その存在そのものが特定秘密に該当する場合等がある場合はともかくといたしまして、これを公開するということも大事ではないか。

 この二点、大臣にお伺いしたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えします。

 特定秘密の指定をした場合、本法案第三条第二項によりまして、行政機関の長は、指定に関する記録を作成するものとされております。これは、先生御指摘のような、指定番号、指定年月日、情報の内容、該当する別表の号といった、指定に関する事項を記録するために作成するものであります。

 この記録につきまして情報公開請求がございました場合につきましては、情報公開法に基づく不開示事由に該当する部分を除き、開示されることとなると考えております。

大口委員 次に、今回の特定秘密につきましては、情報公開法によって、インカメラ審査というのができるわけでございます。いわゆるインカメラ審査と特定秘密の関係についてお伺いしたいと思うんです。

 特定秘密を記載した行政文書について情報公開請求がなされた場合、通常、不開示情報に該当するとして不開示決定がなされる可能性が高いわけですね。この不開示決定に対しては、不服申し立てをすることができる。申し立てがあった場合は、行政機関の長から情報公開・個人情報保護審査会に諮問されます。この審査会では、必要があると認めるときは、当事者を立ち会わせずに対象文書を閲読できるインカメラ審査を行うことができるわけです。

 特定秘密の恣意的な指定に対するチェック機能を果たすという点では、この審査会によるインカメラ審査というのはその機能が期待できる、こう思いますが、いかがでございましょうか。

若生政府参考人 お答えいたします。

 情報公開・個人情報保護審査会は、行政機関等からの諮問に応じ、不開示決定等に係る不服申し立てにつき、不開示情報への該当性、あるいは開示、不開示の判断の妥当性について調査審議を行う第三者機関であります。

 特定秘密が記載された行政文書につきましても、必要に応じインカメラ審理を行った上で、情報公開法第五条に規定する不開示情報に該当するかどうかを審査することとなります。

 このように、情報公開・個人情報保護審査会が審査するのは、情報公開法に規定する不開示情報への該当性でありまして、不開示情報を構成する特定秘密の指定自体の適正性まで直接判断するものではありませんけれども、仮に、特定秘密を含む情報が審査会において不開示情報に該当しないと判断されれば、秘密指定を解除して当該行政文書を開示することとなるというものでございますので、そのような意味では、委員御指摘のとおり、審査会による審査が特定秘密の指定の是非のチェックにつながる場合があるというふうに考えております。

大口委員 民主党の枝野議員初め、お伺いしたいんです。

 前政権におきましても情報公開法の改正を出されましたが、廃案になりました。今回、同じものを出されるということでございます。

 私どもも、情報公開を進めるということでは非常に前向きに検討して、昨日もそういうことを私も発言させていただいたわけでございますけれども、これにつきまして、情報公開改正法案が、平成二十三年に民主党政権下で提出された法案、それと今回提出された法案は同じ内容だ、こういうふうに認識しております。

 当時の法案の立案に当たって、内閣官房が作成した逐条解説資料というのがここにあるわけです。そして、この逐条解説資料につきましては、やはり、いわゆるインカメラ審査というのは、公開主義ということの例外の、口頭弁論期日外の証拠調べとなると。

 そうしますと、一つは、民事訴訟法の基本原則であります双方審尋主義、やはり、裁判の材料になる証拠につきましては、当事者が立ち会って、そして吟味し、弾劾をする、それを、証拠調べの結果として裁判の認定の基礎とする。そして、その点では、当事者の立ち会い権、これは非常に、極めて基本的な権利だ、それを制限するという場合は、やはり、最高裁の決定にありますように、当事者の同意が必要である、こういうこと。そしてまた、公開主義という憲法の要請があります。これにつきましては、弁論に簡略に顕出するという形で、民主党政権のときに、枝野先生も御苦労されて、こういう二十四条の条文をつくり上げられた、こういうふうに思っているわけでございます。

 この解説におきましては、インカメラ審査の実施の同意を被告、政府が拒否する場合に関して、国の重大な利益を害する場合に該当するかどうかの判断権は被告、行政にある、こういう解説になっているわけです。

 この点について、総務省に確認いたします。

若生政府参考人 お答えいたします。

 平成二十三年当時の逐条解説資料の記述につきましては、委員御指摘のとおりでございます。

大口委員 そういうことで、この判断権は、被告、行政の側にあるということでございます。

 昨日の民主党さんの情報公開における趣旨説明におきましては、インカメラ審査を導入することとしていると。そして、インカメラ審査については、被告たる行政の側が、行政文書を裁判所に提出し、または提示することにより、国の防衛もしくは外交上の利益または公共の安全と秩序の維持に重大な支障を及ぼす場合その他、国の重大な利益を害する場合であることを主張することで、同意を拒否することとされているわけですが、この点につきまして、枝野議員は、国の重大な利益を害する、この立証責任は政府にある、こういうふうに説明をされたわけでございます。

 ただ、この立証責任という言葉は、判断権が裁判所にあることが前提となっていると考えます。その場合に、被告の行政の側が立証責任があるとすれば、主張を立証できない場合は、裁判所の判断で行政文書を提出させることになります。

 しかし、今、それこそ総務省の確認がありましたように、国の重大な利益を害する場合であるかどうかという判断権は、被告である行政の側にあるわけでありますから、行政の側が国の重大な利益を害する場合であると判断したと裁判所に主張すれば、裁判所は実質的に判断することなく、インカメラ審査は行われないということがこの解説書に書いてあるわけです。

 その点について、民主党の提案者に、立証責任という言葉を使われたことについては私は適当でないと考えますが、いかがでございましょうか。

枝野議員 御指摘のうち、私どもの提案しました改正案で、インカメラについては、被告、行政側の同意が必要であり、ただ、同意を拒否する場合の要件を厳しく限定しております。

 ただ、その判断権は行政側にあるというのは、私どもが与党当時に総務省がつくった解説書のとおりでありますが、政府が、これは実は、重大な利益を害するということでいつもいってしまいますと間違えまして、重大な利益を害することが何がなので、公開することがではなくて、裁判官にだけ見せることであっても、それでも重大な利益を害することになるというようなことについて、単に主張するだけでは、これは法を守るべき行政機関としては許されない。

 つまり、それが本当に、裁判官に見せることで重大な利益を害することになるのかということを説得力を持って説明をしなければなりませんし、その説明について、それを裏づける証拠等があれば、余り具体的なことを申し上げるべきではないのかもしれませんが、この条項に当てはまるケースがあり得るとすれば、裁判官にだけインカメラで見せて、それでいわゆる情報漏えいのような形で国の重大な利益が害されるおそれというのは普通はありませんから、他国との間で特定の手続を経た人以外には見せないという約束、しかも、その約束自体も合理的な約束に基づいて提供を受けたものであるというようなことが説明されたケースぐらいしか当てはまらないと思います。

 その場合には、その合意自体については、当然公表できる合意だというふうに思いますので、その外交上の合意文書があれば、そうしたものはしっかりと証明をしていただきたいという意味では、自分たちの主張を裏づける立証をしていただかなければならないという意味で立証責任があるというふうに申し上げました。

 一般的に、立証責任があれば、立証責任を果たさなければ反対側に有利な決定がなされるという意味と捉えられたとすれば、そういう意味ではございませんが、もし、それがなされずに、単に嫌だ嫌だと言っているだけであれば、インカメラを入れるかどうかという手続自体は公開のものでありますし、十分な説得力なくインカメラに同意しなかったということで判決に至れば、そのこと自体が当然判決に影響を与えるし、また、判決文の中にそのことについての裁判所の判断が示されるだろうと思いますので、そのことによって、説得力ある、あるいは証明できるものがあるにもかかわらず、その証明もしないということで拒否するということは許されないということになると考えています。

大口委員 枝野議員も法律家でございますから、立証責任というふうに法律用語として使われているものと、今おっしゃったことは違うと思いますが、その点はどうですか。

枝野議員 ここで、せっかく好意的に我が法案を受けとめていただいている先生と論争をする必要はないと思っていますので、立証責任、多義的な言葉だとは思いますが、もし、法律的な、狭義の立証責任と受けとめられるとしたら、それは、今私が申し上げたような趣旨ですので、そういうふうに受けとめていただければと思います。

大口委員 立証責任という使い方は、法律家としては避けていただきたい、正しい用語を使っていただきたい、こういうふうに思っておるところでございます。

 それで、そういう場合、行政は、それは、漏えいが我が国の安全に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要である情報であると判断して、特定秘密を含む行政文書について、国の重大な利益を害する場合に該当するとして、インカメラ審査の同意を拒否すると思われるわけであります。

 この解説書におきましても、最終的には判断権は被告にありますものですから、「被告が同意を拒む場合には、裁判所もこれをそのまま受容するほかない。」、こういうふうに書いてあるわけであります。

 ですから、もちろん、この規定が特定秘密との関係で全く意義がないとは私は申しません。ですが、被告である行政が、これは国の重大な利益を害する、こういうふうに主張し、同意を拒んだ場合は、裁判所としても、いたし方ない、こう思うわけですが、いかがでございましょうか。簡潔にお願いいたします。

枝野議員 実際にこの法律が運用されて訴訟になったケースを想定していただければと思うんですが、当然、まず、行政側の主張で、これは一般に公開するといろいろ重大な支障が生じるということが証明されれば、インカメラとかする以前の問題として、被告勝訴の判決が出るわけであります。

 一方で、これは明らかに隠しているのはおかしい、こんなものは特定秘密に指定しようが何しようが、こんなものは隠すのはおかしいということがはっきりしているものであれば、それは、インカメラをやることなく、公開しろという判決が出るわけであります。

 そうしたことの中で、これは裁判官としてもどちらなのか、両者の主張、立証を見ても判断に迷うケース、それについて、裁判官が、当事者の申し立てによってインカメラをやりたいということに対して、被告の側が、十分な説得力なく、裁判官にすら見せられないんだということを徹底して抗弁し、それに対して、当然、求釈明とかがなされると思いますので、そうしたことにも十分に答えられず、つまり、拒否事由があるということについて十分な説得力ある説明ができなければ、これは、一般論として余り言い切れるものではありませんけれども、本来隠さなければならない、秘密にしなければならないものを守っているのではなくて、そうではない事情があるのではないかという相当高い推定が働きますので、最終的な判決に大きな影響を与えるというふうに私は思っています。

大口委員 双方審尋主義という原則等もありまして、当事者の同意というものを、やはり最高裁もこれを一番重要視しているということもございます。

 今御答弁いただいたことも含めて、私どももまた、この二十四条の条項につきましては、私は前向きに考えておるところでございますけれども、やはり正確な法律の議論をしていきたい、こういうふうに思っております。

 では、結構です。ありがとうございました。

 次に、四条の三項でございます。ここの「やむを得ないもの」の意味ということで、三十年超の原則指定解除についてお伺いします。

 指定の更新について、延長の結果、指定の有効期間が三十年を超える場合、昨日も総理から、どういう場合なのかということにつきまして、指定を解除すれば相手国が対抗措置を講ずるおそれがある場合ということを例に挙げていただきました。これも一つの例だと思います。

 また、今、町村先生からも、ある国の情報源の方、そこを明らかにすると、その方の生命に影響を及ぼすということですから、その情報源は守るということも必要だと思います。

 等々があるわけでございますが、しかし、それは極めてレアケースである、基本的には、原則三十年が経過すれば指定が解除され、公文書管理法の適用を受けて、これは国立公文書館に移り、そして、いろいろな秘密の程度によるとは思います、アメリカの七十五年超という場合もありますから、それは考慮しなきゃいけないとしましても、公文書管理法の適用を受けていくというふうに考えておりますが、大臣の御答弁をお伺いします。

森国務大臣 委員御指摘のとおり、五年でずっと延々いってしまうんじゃないかというような御指摘も受けておりまして、五年ごとも、もちろん、原則、そこで満了するわけでございますが、さらに、三十年のときには、ここで有効期間は終わるという原則を置きました。その基本的考えのもと、それを延長したい場合には、内閣の承認を要することとしております。

 ですので、三十年で延長しない場合には、もちろん公文書管理法の適用を受けていくということになります。

大口委員 それで、その指定期間が五年以内ということなんですが、三年で済むものもあると思うんですね。だから、秘密の種類によってある程度の基準を示していただいた方が私はいいと思うんです。

 このあたりは有識者会議で検討していただくことになると思いますが、大臣の御見解をお伺いします。

森国務大臣 五年以内でございますので、何でもかんでも五年ということではなく、その事柄の性質に応じて、四年もあれば三年もあれば、さまざまなことがあると思いますので、それについては、有識者会議の中でしっかりと運用基準を定めてまいりたいと思います。

大口委員 次に、国会との関係をお伺いしたいと思います。

 国会に対する特定秘密の提供は、法第十条一項一号イにおいて、国会に対する特定秘密の提供を認めるということになっているんですが、その条件が、特定秘密を利用し、または知る者がこれを保護するために必要なものとして政令で定める措置を講じ、かつ、行政機関の長が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたときに限定しているわけですね。

 これは、他の機関への提供に比較して厳しい要件ではないか、なぜこのような厳しい要件を課すのか、国会は国権の最高機関ではないか、こういう疑問がありますが、それについて、いかがでございましょうか。

森国務大臣 言うまでもなく、国会は、国権の最高機関でございます。他の機関に対しては、「提供」ではなく「提示」となっておりまして、また持ち帰ります。国会に、秘密会に対しては、「提供」でございまして、そのまま置いていきます。そこで、その置いていった特定秘密をどのように保護するのか、その保護措置は講じていただきたいというふうに思っております。

 ただ、どのように具体的にその文書を管理して保護していくのかということについては、国会の御判断に任せたいと思っております。

大口委員 この件は、昨日、安倍総理も答弁していただいています。本法案が実施されれば、国会の求めに応じ、特定秘密を提供することが可能となる、これまで行政から国会に提供されてきた情報が提供されなくなることはない、こう答弁をされています。

 現在提出されていない秘密について、本法案の施行後、国会の保護措置が講じられれば、これまでは提出できなかったものが、これからは提出できる場合があるのでしょうか。その場合、保護措置が講じられても、なお我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあるとして、提出できない場合もあるのでしょうか。保護措置のレベルと、我が国の安全に著しい支障を及ぼすおそれとの相関関係についてお伺いしたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えします。

 本法案におきましては、一定の条件のもと、国会に特定秘密を提供することができる仕組みが盛り込まれておりますが、本法案が施行され、国会におきまして特定秘密を保護するために必要な措置が講じられましたならば、国家の重大な利益に悪影響を及ぼすものではないとして、国会法百四条三項に基づく声明を出すことなく、国会のお求めに応じまして、秘密会に特定秘密を提供することが可能となります。

 また、保護措置が講じられている場合に、通常、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれはないものと考えられますが、例えば、外国から第三者への提供を制限することを前提に提供を受けた情報につきましては、なお我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあるとして、提出できない場合が例外的にあり得るものと考えております。

大口委員 ところで、知得者の範囲の問題なんですが、我々が、例えば秘密会で、国会議員が、その委員会の委員が特定秘密の情報を入手した、知ることになった、それを、例えば我が党の代表、幹事長、政調会長、国対委員長と相談していろいろと方針を決めなきゃいけない、しかし、それが知得者による特定秘密の漏えいとして罰せられると、これは非常に、国会の運営上、政党の政策決定に悪い影響を及ぼすことになるんですね。

 このようなことについて、保護措置をどうするかということになるんですが、これはやはり国会が自律権に基づいて決めるべきだ、こういうふうに考えますが、いかがでございましょうか。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 国会の秘密会に特定秘密を提供する場合、国会において所要の保護措置が講じられていることが必要でございますが、特定秘密を利用し、または知る者の範囲をどのように制限するかを含めまして、具体的にどのような保護措置を講ずるかにつきましては、特定秘密の提供を受ける国会において検討されるものと考えております。

大口委員 適性評価についてお伺いしたいんです。

 今、適性評価について、秘密取扱者適格性確認制度によりますと、適性を認められた各省庁の職員が約六万四千人と聞いております。これに都道府県警の職員あるいは適合事業者の職員を加えると相当の数となりますが、大体どれぐらいの規模、数になるのかをお伺いしたいのが一点でございます。

 それから、そういう点では、大変多くの対象者になるわけです。それを二年間でやるということなんですが、質問票をしっかりと出して、質問票ベースできちっとやっていくということが大事だと思います。現行の秘密取扱者適格性確認制度ではこの質問票が公表されていないんですが、今回、やはり公表することによって手続の公正性を担保するというのが大事だと思いますが、いかがでございましょうか。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 適性評価の評価対象者の数につきましては、委員今御指摘のように、現在の秘密取扱者適格性確認制度における対象者が六万四千五百人であることに加えまして、都道府県警察の職員や適合事業者の職員も含まれるものでございますので、相当数の職員が対象となることが見込まれますが、現時点においては、確たる数を申し上げることは困難でございます。

 また、適性評価を実施するに当たりましては、調査対象者本人の同意を得た上で、まず評価対象者に調査事項が記載された質問票を提出させ、その内容について、必要な範囲内において、公務所または公私の団体への照会等も含めた調査を実施することを考えております。

大口委員 次に、二十一条の件でお伺いしたいと思います。

 「出版又は報道の業務に従事する者」の意味なんですが、これにつきましては、岡田副大臣が、不特定かつ多数の者に対して、客観的事実を事実として知らせることや、これに基づいて意見または見解を述べることを職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う者、こういうことで、具体的には放送機関、新聞社、通信社、雑誌社の記者に限らず個人のフリーランスの記者もこれに含まれる、こういう説明があるわけです。

 この規定に関しまして、ちょっと一部報道で、政党や各種団体が発行する機関紙による取材行為が含まれるかどうかということでございますが、私は当然、この二十一条二項の「出版又は報道の業務に従事する者」に含まれる、こういうふうに考えております。

 二点目に、「専ら公益を図る目的」の意味ということでありますけれども、これにつきましては、出版、報道を伴う取材行為であれば、当然、「専ら公益を図る目的」というふうに推認できる、こう考えています。

 この二点、お伺いします。

森国務大臣 一点目でございますけれども、委員御指摘のとおりでございます。一部報道でそういう報道があったことは承知しておりますけれども、機関紙による取材行為も、広く不特定多数の方に客観事実を事実として知らせるものでございますので、これは報道等に該当するものと原則として考えております。

 それから、「専ら公益を図る目的」についても、御指摘のとおりでございまして、もう本当に例外的に、テロリストが報道機関と偽ってテロのために情報を収集している場合などの例外的な場合のみでありまして、「専ら公益を図る目的」に通常の場合は当たるというふうに考えられます。

大口委員 次に、法案の二十一条の第二項は、公明党が主張させていただきまして盛り込ませていただいたわけでございます。これは、外務省機密漏えい事件の最高裁判決の判例法理を条文化したわけでございます。こういう文言を私どもは提案させていただいたわけです。

 取材行為の罰則の対象となるのは、「法令違反又は著しく不当な方法によるもの」と認められる場合に限っており、この「著しく不当」とは、相手が心理的に拒めない状態に陥らせ、その状態を利用するなど、取材対象者の人格、人権をじゅうりんするような取材行為が行われた場合がそれに当たる、こういうふうに考えておりますが、この点どうかが一点でございます。

 そして、「正当な業務による行為とするものとする。」という意味でございますけれども、昨日の本会議で安倍総理は、報道機関による通常の取材行為は処罰対象となるものではありません、こう答弁をされたわけであります。この処罰対象となるものではないというのは、記者とか報道機関に対し任意、強制いずれの捜査も行われない、こういう意味と私は理解しております。この点、大臣にお伺いしたいと思います。

 アメリカでも、オバマ政権になってから、メディアに情報漏えいを行った公務員に対するスパイ防止法の適用件数が六件と増加しているわけです。そういう点で、日本でも取材相手の公務員が特定秘密を漏えいしたとして逮捕されたり捜査の対象となった場合に、この場合、正犯がこういう形で捜査の対象になったり強制捜査の対象になったりした場合、例えば、証拠の収集のため、この取材者の職場である報道機関のオフィスやあるいは自宅を捜索する、捜査の対象とする、捜査の手が及ぶということはない、こういうふうに私は解しておりますけれども、いかがでございましょうか。

鈴木政府参考人 お答えします。

 著しく不当な方法につきましては、先生御指摘のとおり、取材対象者の個人としての人格を著しくじゅうりんするような対応のものがこれに当たるものと考えております。

 また、漏えい事件が生じた場合の捜査の対象の話でございますが、通常の取材行為は正当業務行為として処罰対象となるものではございませんが、特定秘密の漏えいを行った公務員本人は本法案の処罰対象となり得ます。この場合行われる捜査につきましては、あくまでも個別具体の事例に即して判断をする必要がありますので、一概にお答えすることは困難であると考えております。

 しかしながら、捜査機関においても、本法案に規定するとおり報道または取材の自由に十分に配慮がなされているものと考えておりまして、過去の中国潜水艦の防衛秘密の漏えい事件におきましても、取材提供を受けた報道関係者が取り調べられたということはございません。

大口委員 大臣、今の答弁でございますけれども、やはり法令違反でない、また著しく不当な方法でない、そういう場合については正当業務行為だということですから、報道機関のオフィスにガサ入れが入るというようなことになりますと、これは著しい取材の自由の侵害になると私は思います。

 ですから、これは、大臣、その捜査の対象にならないということを明言していただきたいと思います。

森国務大臣 委員御指摘のとおり、国民の知る権利に資する報道、取材の自由をしっかり尊重してまいるということを条文にも規定したわけでございますので、報道機関のオフィス等にガサ入れが入るというようなことはないというふうにお答えをいたします。

大口委員 ガサ入れということで、ちょっと。捜索、差し押さえということでございますけれども。(森国務大臣「質問のとおりにお答えしていますから」と呼ぶ)業界用語で申しわけございませんが、今、明快に森大臣にお答えいただきました。

 さすが法律家でございますので、非常に今の答弁は重いし、そしてまた、捜査機関は、肝に銘じて、今の森大臣のこの答弁というものを、これは内閣の方針でございますので、しっかりとこれは遵守すべきだ、こういうふうに考えます。

 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

額賀委員長 次に、岩屋毅君。

岩屋委員 自民党の岩屋毅です。

 大臣、どうもお疲れさまです。また、民主党提出者の皆さん、よろしくお願い申し上げます。

 きのうの本会議でNSC法案が可決をいたしました。ここに至るまでの当委員会の各党の皆様の真摯な議論に対しまして、私は心から敬意を表したいというふうに思います。また、昨日の本会議での後藤委員の御発言には、私は非常に感銘を受けました。心から敬意を表したいと思います。

 私は、初当選直後から政治改革の運動に没頭いたしました。目標は、やはり政権交代が可能な緊張感のある政治構造に変えなければ、本当に大事な問題に向き合っていけない、そして解決をしていけないということを思って、当時、一生懸命、政治改革の運動をやりました。

 あれから約二十年近くがたちました。二度の本格的な政権交代が起こりました。民主党さんという政党ができて、政権も担っていただきました。私は、そういうことの成果が今出てきているというふうに思うんですね。自民党も三年間の野党を経験しましたが、これは自民党再生にとって必要な時間だったと思います。

 この間、ほとんどの政党が政権を経験するということになりました。これは日本政治の大きな財産だと思うんですね。その財産の上に立って、さまざまな議論が真摯に闘わされて、そして答えが出ていくということが大事なんだと思います。

 私は、NSCの法案の審議の経過そして結果というのを見たときに、その政権交代の成果というものを強く感じました。特に安全保障の問題は、与野党が垣根を乗り越えて、共通の基盤に立って議論ができなければいけないと思います。

 NSCについても、民主党政権時代のお取り組みもあったからこそ合意に至ることができた、こう思うわけでありまして、きょうから始まったこの委員会での特定秘密保護法の議論に関しても、やはり、共通の認識、基盤の上に立って真摯な議論を行って何かしらの答えをしっかり出していく、そういう気持ちでこれから議論をさせていただきたいと思っているところです。

 器はできました。ここに中身を入れていかなければいけません。中身とは何か。それは情報でございます。入った中身が漏れないようにしなければなりません。そのための立法がこの特定秘密保護法だと私は考えておるのでありますが、大臣の御所見を承りたいと思います。

森国務大臣 NSCができて、その目的に沿うようにしっかりと運用がなされなければならないと思っております。

 そして、秘密保全に関する法制を整備することも喫緊の課題であると認識しておりますが、御指摘のとおり、秘密保全に関する法制が整備されますと、外国との情報共有がより円滑に進むこと、そして、政府部内での情報共有が促進されるという効果が期待をされます。そして、それが漏えいをされないということもしっかり規定をされているわけでございますので、新たに設置される予定の国家安全保障会議の審議がより効果的になされるものと考えております。

岩屋委員 おっしゃるとおりだと思います。ただ、この間、どうも報道等を見ておりますと、非常に国民の皆さんの中にまだいろいろな御懸念があるということも事実だと思います。したがって、我々は、これからの議論を通じて、または説明を通じて、その御懸念を晴らすように努力をしていかなければいけないと思っています。

 ちょっと過敏になり過ぎているのかなという感じがするんですね。今までも、防衛機密なり外交機密なり、政府が守るべき機密というものはあって、しかも、それがありながら、国会でできるだけ闊達な議論ができるように、みんなが努力してきたわけでございます。

 特に重要なのは、対外情報というか、入手した情報が漏れないという体制をつくることが、NSCという装置をつくった以上は今まで以上に大事になるんだ、そのためにこういう立法が必要なんだということなんだと私は思います。同盟国の米国ですら、日本に情報を提供することについては非常に心配をしているというような状況なわけですから、そういうことがないようにきちんと手当てをしようということなんだと思うんですね。

 だから、何といいますか、戦前に回帰するんだとか、戦争準備なのだとか、第二の治安維持法なんだなどという、何か空想みたいな話に基づいてこの議論は進められるべきではないと私は思っているところです。

 そこで、今の状態が大体どうなっているのかという話を政府に説明してほしいんですね。今の外交機密、まあ防衛機密は自衛隊法の九十六条に規定があり、また、アメリカとの間のものはまた特別な法律があるということになってきているわけですが、これは、さっきも説明がありましたカウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針、内閣総理大臣決定に基づいて各省がばらばらに決めてきた、これが今の風景であるというふうに考えてよろしいですか。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 各行政機関におきましては、カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針に基づきまして、物的、人的管理等に関する規定等を作成し、平成二十一年四月から実施しているところでございます。

岩屋委員 だから、このカウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針とは一体何なのか、内閣総理大臣決定というのは一体何なのかということですよね。実は非常に、情報に関する我が国の制度の基盤はしっかりあるのかないのかよくわからない、脆弱なものだったということを我々は認識をしなければいけないのではないかなと思います。

 ばらばらの設計で、ばらばらに家が建っていて、基盤が脆弱だったということを、今回の立法によってしっかりしたものにつくり直していくのだ、統一したルール、統一した基準というものをつくり上げていくんだというための立法だということも言えると思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

森国務大臣 おっしゃるとおり、この基本方針に基づいて、あとは各省でばらばらに決められているわけでございまして、政府全体に共通するルール、明確なルールというものはございませんでした。しかも、それは省庁間の申し合わせ事項にすぎませんで、法律で定められた、法定されたものではないんですね。ですので、それをきちっと、特定秘密に限っては政府内で共通するルールで法定していこうというものでございます。

岩屋委員 そういう意義が今回の立法には私はあると思うんですね。これもぜひ国民の皆さんに御理解をいただいておきたいことの一つでございます。

 国民の皆さんの御懸念というのは、大きく分けて四つぐらいに分類されると思うんですね。

 一つは、秘密指定がそもそも適切になされるのか、恣意的に役所の都合で勝手に決められることはないのかということですね。二番目は、取り扱う人の適性調査の方法というのは、果たして今考えられている方法が適切なんですか、これが二番目ですね。三番目には、特定秘密の解除あるいは公開ということが適切にされる仕組みが整っていますか。四番目には、これは国民の知る権利にも深くかかわる、取材、報道の自由というものは確保されているかどうか。大きく分けると、この四つではないかなというふうに思います。

 そして、我々も、この観点に沿って、我が党の場合は町村PTでしっかりと議論をさせていただいたつもりです。私もメンバーの一人でございました。それぞれに、結果としてかなり配慮されたものになっているというふうに思っているところです。

 特に重要な点は、私はPTの中でも強く主張してまいりましたが、国民の皆さんも、特定秘密みたいなものはやはり必要なんだろうな、だけれども、それはすぐ知らせろなんて言わないよ、ただ、将来はわかるんでしょうね、それに基づいて過去の政策決定を検証できる権利は国民に残っているんでしょうね、これが国民の皆さんの願いというか思いということだと思いますので、国民が後に知る権利が担保されているかどうかが大事だということを言い続けてまいりました。

 その結果、導入されたのが、三十年という規定でございます。最初はなかったんですよね。五年ごとに更新して何か無限更新みたいな話だったので、それはだめだということを、私のみならず自民党の中で激しく言って、この規定が設けられました。

 これは、私は、基本的に三十年公開原則だ、こう申し上げたいと思っているんですが、それでよろしゅうございますか。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 指定の有効期間につきましては、原則三十年という考え方のもとで、内閣の承認制度を設けておるところでございます。

岩屋委員 せっかく聞いているのに、もうちょっと大きい声でしっかりそこは答えてほしかったなと思ったんですけれども。

 三十年というのは、私は、適切なことではないか。もちろん、解除してもいいというものは、そこに至らずとも、五年で解除されるものもあるし、十年で解除されるものも当然大臣の判断で出てくるわけです。

 米国では、御案内のとおり、大統領令で、二十五年、五十年、七十五年、七十五年以上なんという区分けをしているということを考えれば、三十年たったら、さらに更新しようと思ったときに、内閣全体でこれを承認しなければならないという高いハードルを置いたというのは、私は大きな前進だったと思っているところです。

 そこで、国民の知る権利、後に検証する権利を確保するためには、では具体的にどういう方法があるかということでございますが、これは五つぐらいの方法があると私は思うんですね。

 まずは、法文上でしっかり措置できるものは措置をする。それは、別表において類型をしっかり明示をするということ、それから、有識者によって統一した基準を明確にするということ並びに今申し上げた三十年原則、さらには、法文の中で、知る権利、報道の自由の確保ということをしっかりと書き込むことなどでございます。

 それから二番目には、情報公開法との接続ですね。これは、情報公開審査会への特定秘密の提供ということで、きちんと接続をされているわけでございます。

 三番目には、公文書管理法上での措置ですね。これは当然、解除されたものは公文書管理法にのっとって対応がなされるということで、きちんと接続をされています。

 四番目は、我々立法府、国会への接続ですね。これも法文上にきちんと規定がございまして、秘密会へ特定秘密を提供することができるようになっております。

 五番目に、司法上の措置というか、司法への接続ですね。これは、さっきも大口先生から詳しくお話がありましたように、刑事、民事裁判でのインカメラ審査の導入ということで接続がなされております。

 それぞれ今回の法案において対応が私はなされているというふうに考えておりますけれども、この点について、政府の見解をもう一度きちんとここで聞かせていただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 特定秘密は、法律の別表に限定列挙された事項に該当するものに限りまして大臣等の行政機関の長が指定するものであり、かつ、その指定は、外部の有識者の意見を反映させた基準に基づいて行われることになっております。

 また、本法案におきましては、特定秘密の指定の際に五年以内の有効期間を定めることとなっておりまして、それに加えまして、特定秘密の指定の有効期間は三十年が原則であるとの基本的考え方のもと、三十年を超える有効期間の延長の際には内閣の承認を必要とすることとしております。

 次に、特定秘密が記録された文書につきましても当然に情報公開法が適用され、不開示決定について不服申し立てがなされた場合には、情報公開・個人情報保護審査会がいわゆるインカメラ審査を行う場合には、特定秘密を提供できる旨の規定を設けているところでございます。

 また、国立公文書館等への移管につきましても、他の行政文書と同様に公文書管理法が適用され、保存期間が満了した歴史公文書等は、国立公文書館等に移管されることとなっております。

 さらに、本法案におきましては、一定の条件のもと、国会に特定秘密を提供することができる仕組みが盛り込まれておりまして、本法案が施行されれば、国会の求めに応じまして、秘密会に特定秘密を提供することが可能となります。

 さらに、司法との関係につきましては、裁判所の刑事、民事のいわゆるインカメラ審査に対しまして、特定秘密を提供できる旨の規定を本法案に置いているところでございます。

 これらの制度が有機的に機能することによりまして、国民の知る権利に十分に配慮した運用が確保されるものと考えているところでございます。

岩屋委員 そのとおりに大体でき上がっていると私どもも思っております。しかし、それでもまだ国民の皆さんの間に懸念もあるでしょうし、野党の皆さんの御意見もありましょうから、そういうものもしっかり聞かせていただいて、より充実したものにできればなと思っております。

 今の中で、ちょっと不安が残っているのは、国会との接続だと私は思っているんですね。つまり、受け取る側の国会の体制が整っているとは言いがたい状況にある。

 これは、大口先生がおっしゃったように、また政府がさっき答弁したように、それは国会が決めることです。国会が決めることですが、法文の中で、国会に特定秘密を提供するということを予定して法案をつくった以上は、政府の側として、言いにくいかもしれませんが、立法府側にどのような仕組みづくりを期待しているのか、もし話すことができれば答えていただきたいと思います。

森国務大臣 三権分立でありますから、また国会は国権の最高機関でありますから、しっかりそこを確保しながら、秘密会に提供する場合には、その知得者の範囲を決めてくださいよと。つまり、誰が知るんですかということを国会が決めてくださいということ。それから、当該業務以外に、つまり目的外の使用、特定秘密が業務以外に利用されたり使用されたりしないようにしてくださいよということはお願いをしたいと思っております。

 ただ、それを具体的にどのような形で定めていくのか、これは国会において検討をされるものというふうに考えております。

岩屋委員 そこまでしか政府としては言えないだろうと思います。

 だから、これは国会で皆さんやらなきゃいけないと思うんですよね。今さまざまな国会改革の議論をしていますけれども、この特定秘密というものを提供してもらって審議をすることもあり得るという前提に立って、ではどういう仕組みをつくっていったらいいかというのは、やはり、ある意味、国会改革の一環として、きちんと我々が主体的にやっていかねばならないことだと思います。

 ただ、国会審議のイメージというのは、何か何十万件にも及ぶ特定秘密の指定の是非を国会において議論するということではなくて、例えば、安全保障上極めて重要な事態が起こった、これは国会においても特定秘密を提供してもらわないことには本当に真相に迫る審議ができないというような場合に、秘密の提供を受けて、秘密会において審議をするとか、それから、情報を集めるのにはお金がかかるというお話もさっきありましたが、各国も大体、情報委員会みたいな秘密会を国会の中に持っています。

 何をやっているかというと、情報機関が使っている予算でありますとか、我が方でいうと機密費などになるんでしょう、こんなものは公開してなかなか議論ができない。そこで、秘密会において、しかし国会、立法府は政府が使っている情報予算についてもしっかり見るところがあるんだというような秘密会のつくり方をしている、委員会のつくり方をしているところがありますので、そういうことも含めて、これからしっかり国会において改革案をつくっていくべきだと思います。

 さて、民主党の提出者にお伺いしたいと思います。まず、真摯にこういう案を提出していただいたことに敬意を表したいというふうに思います。

 その上で、最初にお聞きしたいのは、きょう私、冒頭からるるいろいろなことを申し上げましたが、NSCというものを立ち上げた以上、何かしらの形の情報保全のための立法が必要だという認識は御党とも共有させていただいている、こういうふうに考えてよろしいですか。

枝野議員 情報保護のあり方について、さまざま検討して、場合によっては見直さなければならないだろうということの必要性については、私ども政権与党のとき、まさに私のもとで、情報保護のあり方に関する会議を設けまして議論をいたしましたので、その点については共有していると思っておりますが、果たして新規立法が必要なのかどうか、あるいはその新規立法がどういう中身であるのかということについては、これは、実は当時の政府の有識者会議での御議論でも、立法した場合には、運用を誤ると、知る権利や取材の自由などに重大な影響を及ぼすおそれがあるという指摘も受けておりまして、そうした点を含めて慎重な検討をしている途中であるというのが現状でございます。

岩屋委員 政府提出の法案に対する態度はまだ御党もお決めになっていないと思うんですが、基本的には、情報保護のための立法と、それでも恐らく足らないものがあるだろうから、今度お出しになった情報公開法の改正案、これはセットでなければいけないからこういう提案をなされている、こう理解していいですか。

枝野議員 私どもの情報公開制度に対しての考え方は、この特定秘密の保護のあり方についての議論いかんにかかわらず、これまでの情報公開法の運用等を踏まえて、さらに充実させなければならないという考え方のもとで、与党時代にも今回と同じ趣旨の法案を政府として提出いたしました。

 その上で、今回、秘密保護についての法案が現在の内閣から提出されまして、こうしたことを議論するに当たっては、情報公開制度をさらに充実させるということが少なくとも同時に進まなければバランスを欠くことになる、知る権利や取材、報道の自由との関係でさまざまな危惧を払拭することはできないということで、私ども、一旦廃案になった法案をもう一度提出させていただいたということでありますので、きのう本会議での答弁でも申し上げましたが、セットということの意味は、情報公開制度が改善されることが必要条件である、情報保護についてのさまざまな制度改革を行うに当たっての必要条件であると考えておりますが、十分条件であるとは考えておりません。

 そうした意味では、セットであると言えるのか言えないのかというのは、まさにセットの定義によるのかなと思っております。

岩屋委員 最後は何かあやふやでしたよね。しつこいようですけれども、その認識をちゃんとお聞きしておきたいんですね。

 今、枝野さん、同時に進めなければならないとおっしゃいました。まさにこの二つの法案を我々は同時に今審議しているわけでありますが、政府提出の法案に対する賛否を今聞いているのではなくて、やはり特定秘密保護法制的な情報保全のしっかりした仕組みが必要だ、しかし、それでも足らざる分については情報公開法を改正してもっと充実したものにしなければいけない、こういう考え方でよろしいですか。

枝野議員 あえて申し上げれば逆です。情報公開法は改正をしなければ、国民の知る権利を十分に担保するという意味から、従来のものは二〇〇一年施行だったと思いますが、その当時の状況としては大変画期的ないいものがつくられたと思っていますが、その後の状況、運用状況などを踏まえれば、これは相当改善をしなければならないということが前提としてまず存在します。

 その情報公開がしっかりとなされていくということを前提にする中で、秘密保護についてのあり方が現状でいいのかどうかということについては慎重な検討が必要であろうということなので、まさにそれについての法案が出ていますから、本来であれば先行して、少なくとも同時に御議論をいただきたいということで申し上げてきているということであります。

岩屋委員 これは何回やっても同じことの繰り返しになると思うので、では、その提出された法案、民主党さんの法案、ざっと私拝見しましたが、ちょっと幾つか懸念がありますので、聞いていきます。簡潔に答えていただきたいと思います。

 まず、安全情報の不開示要件を、相当の理由というところから十分な理由というふうに変更されておられますが、私は、このことによって不開示の判断基準に特段変更が生じることはないのではないか、法的な効果に余り変わりはないんじゃないかな、こう思うんですが、いかがですか。

後藤(祐)議員 お答え申し上げます。

 まず、先ほど温かいお言葉をいただいたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。

 今の、国の安全、公共の安全等に関する不開示情報の規定は、大変特殊性が高いということから、「おそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」という形で、行政機関の長の第一次的判断権を尊重する規定となっております。ただ、そのために、現行の運用において、本来ほかの不開示理由、情報公開法五条に定めるほかの理由を適用すべきようなものであっても、いわゆる三号だとか四号だと思いますが、行政機関においてこの規定の適用を主張するケースが多々見られます。

 このために、今般の改正案におきましては、情報公開法五条の三号、四号という安全に係る部分、これが行政機関の長の裁量判断を尊重するのにふさわしいものだけに限定して適用されるようにするために、また、情報公開訴訟になった場合に行政機関がその判断について十分に説明ができるようなことを前提に、行政の段階で厳格な審査をしてほしいという観点から、現在は「おそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」を、「十分な理由」というふうに改める案を出させていただいているところでございます。

 なお、今、刑事訴訟法におきましては、逮捕状による逮捕の要件として、疑うに足りる相当な理由が求められる一方で、逮捕状を必要としない緊急逮捕の要件としては、疑うに足りる十分な理由が求められておりまして、十分な理由というのは、相当な理由より、より強い根拠が求められるというふうにされております。

 判断基準が変わるのかどうかということについては、不開示理由の該当性の判断は、そのときの社会情勢、信頼関係、多様な要素を踏まえて判断することになるので、判断基準そのものがどう変更されるかどうかは今の時点で具体的には示すことは難しいですが、少なくとも、相当の理由というものは、十分な理由に改められることによって、より厳格な理由が求められるということについては間違いないと思います。

岩屋委員 もうちょっと簡潔に答弁してね。

 時間がだんだんなくなってきましたので、民主党の改正案に、私、十点ぐらい疑問点があったんですが、コアな部分は、要は、情報公開訴訟にインカメラ審査を導入するというところですよね。それが、特定秘密保護法において国民の知る権利等を補強することにつながるという考え方に基づいて、こういう提案をされたんだと思いますから、そこに焦点を絞って、残された時間、聞いていきたいと思います。

 まず、裁判官が、安全保障に特化した秘密指定の是非というものを適切に審査するということが果たして可能なのかなという疑問がございます。この点については、いかがお考えですか。

    〔委員長退席、今津委員長代理着席〕

枝野議員 今の後藤提出者の答弁にもありましたとおり、あくまでも裁判所が判断をするのは、裁判所として、これが例えば外交、防衛上、国益を害するかどうかという判断ではなくて、政府、行政機関の長において国益を損なう十分なおそれがあると判断したことが適切であるのかどうかということでございますので、これはやはり法律的には相当意味が違います。

 だから不十分だという御批判も一方からあるわけですけれども、しかし、あくまでも行政機関、つまり、それについての専門的な知識、情報を持っている行政機関がそういう判断をしたことに十分な根拠があるんだということさえ政府が証明すればいいわけでありまして、裁判官自身が、みずからの知識、情報に基づいて、これが国益を損なうのかどうかという判断をするわけではありません。

岩屋委員 行政がこれは国益を損ねるおそれがある情報提供になるんだという判断をしたことが適切だったかどうか判断をするということのためにも、私は、相当の知見というものを要するというふうに思いますので、今議論しているのは特定秘密、国家安全保障上の秘匿されるべき情報の問題について議論をしているわけでありますから、逐一というか、こういう形で司法に接続することが本当に適切なのかどうかなんということは、これからまた時間をかけて議論をさせていただきたいと思います。

 それから、その情報公開訴訟ができる裁判所をふやす、五十カ所ぐらいにふやすんだ、こうなっておりますけれども、それによって、濫訴というものに陥るおそれはないんでしょうか。

 そうなってしまえば、今度、それに対応する行政機関の負担が著しく増大するということになるおそれがあると私は懸念いたしますが、その点、いかがですか。

枝野議員 私も行政の内側でも仕事をさせていただきまして、だから、本当に情報公開、知る権利のためなのか、それとも何か行政を困らせたいのか、ちょっと判断に迷うような、超大量な情報公開請求なども現実にはごく一部あったり過去にはしています。そういったことに対しては、実は我々の法案でも、適切な対応ができるように、訴訟以前の段階で実は制度を幾つか組み込んだりもしております。

 そうしたことを受けた上で、裁判まで起こして本当にこれを公開させたいというような案件というものが、現実的にも、これまで裁判所の数が絞られていたこともありますけれども、それにしても、それほど大きく出ていると。むしろ、まさに真摯に、本当に争いがあって、これは公開すべきだろうかということについて裁判所に持ち込まれているというのが実態であります。

 実際に、これは知る権利で、個人の利益、利害というよりも公益的な目的で、裁判で本来公開すべきものを公開させたいということが一般的には原告側の立場でありますので、それを、例えば沖縄に住んでいる方に、福岡地方裁判所で裁判を起こさなきゃ起こせませんよということが適切であるのかどうか。

 そして、今申し上げたような、これまで全くゼロとは言いませんけれども、濫訴で大変なことになるという現実は生じていないという状況を踏まえたときには、これはまさに知る権利のために争う余地を、現在の八カ所から、遠い地域に住んでいらっしゃる方にも十分に保障することの方が優先する理由であると思っています。

岩屋委員 これは高裁から地裁レベルにまで拡大しようということですが、私は、これは濫訴という状況を招くおそれが非常に強いと思っています。

 それから、民主党の提案どおり情報公開法を改正した場合には、当然、今出されている政府案の特定秘密保護法の当該条項、つまり、公益のために特定秘密を提供するというオプションの中の一つにこれを入れていく、そういう改正をするということになる、こう考えてよろしいですか。

枝野議員 両法案とも、今、国会で審議をされているところでございますので、もし我が党提案の情報公開法改正に御党初め御賛同いただき成立をした場合には、政府において政府提出の法案について適切な対応をなされるのではないかと思いますので、私が申し上げるべきことではないと思います。

岩屋委員 そして、さっき大口委員からも質問がありました。ここが肝心なところだと思うんですね。民主党の改正案でも、行政機関が特定秘密の提供に同意しないということが予定されているわけですよね。

 特定秘密というものの性質に鑑みれば、これはもう同意しないことがほとんどのケースになると私は思います。それでもなおかつ、こういう改正をするということの理由は何なんですか。

枝野議員 これは、裁判手続を含めて情報公開手続で、何が公開の対象になるかというのは、まさに不特定多数に公開、公表することによって、一言で言えば国益を害する十分なおそれがある場合ということになるわけでございますが、インカメラの手続の要件は、裁判官にだけ見せる、不特定多数に漏らすわけではない。裁判官に見せることでも、それでも国益を害するという要件は、決定的に違います。

 現在のさまざまな政府における秘密指定においても、それは一般には漏らしてはいけないものを指定しているわけですし、私も官房長官としてそういう秘密にたくさん接しました。今の立場になっても、それは外に言うことはできません。

 でも、その中の大部分は、裁判官にだけ見せていただいて、それで、これは確かに外には出せませんねという判断をしていただいても何の問題もないものが、恐らく政府の提出の特定秘密に該当するであろうなと想像されるようなものについても、むしろその方が大部分でありますので、政府においては、当然、もし我が方の法案が成立しましたら、法に基づいて、同意をしないものについては非常に限定的になる、そして、限定的になっているその理由をしっかりと説明しなければならない。

 拒否をする場合の理由が限定されていますので、しっかりとそれを説明しなきゃならない責任が課せられていますので、十分に機能すると思っております。

岩屋委員 いや、そもそも、厳格なルールに基づいて明かせない、秘匿すべきだと判断したものが特定秘密になっているわけですから、これは裁判所で争われたとて、出さないという判断をするケースがほとんどになると思います。

 さっき、大口先生とのやりとりの中で立証責任という言葉をめぐっての議論がございましたが、実際には、もちろん立証責任なんかないわけですよね。枝野さんは何か、政府がいかにも説明しなければならない、相当の理由を説明しなければならないというふうにおっしゃっていますけれども、民主党の法案の中にも別にマストの規定はないわけですね。

 私が想像するに、情報公開訴訟ができる裁判所をばんばんふやす、そこで特定秘密が争われたら、ほとんどの場合、政府が不同意だ、不同意だ、不同意だということが続く、そういう状態に立ち至れば、それが政府に対する、行政機関に対するプレッシャーになる、だから抑止力になるんだ、こういうお考えですか。

枝野議員 繰り返しになるんですが、最終的に情報公開訴訟で被告が負けて、情報を広く一般の皆さんにも公開しなさいとするかどうかというその基準と、それと、裁判官にだけ見せることが是か非かという基準は、相当水準が違う。

 特定秘密の法案についてはこれから御審議を我が党からもするわけですので、それについて直接の評価は下しませんが、現行でもさまざまな秘密が指定されているわけですね。それらの秘密も、広く一般の皆さんに、あるいは、そこを通じて特定の外国に伝わってしまうおそれがあるから、だから秘密に指定をして、そして現状でも公務員法や自衛隊法で守っているわけですよね。

 しかし、裁判官という、別のルールで守秘義務が課せられていて、現に、裁判官だけに見せたものが外に漏えいするだなんということは、少なくとも戦後の日本において現実問題として生じてきていません。

 裁判官にだけ見せるということの是非についてはインカメラの要件になっているわけで、それについては拒否をできる余地は残っていますけれども、拒否するには、裁判官にすら見せられないんだということが条件なんです。裁判官にすら見せられないんだということを、単に、仮に特定秘密保護法のような法律があろうとなかろうと、例えば現状で自衛隊法上の秘密なんだと言っても、そのことでは全く理由にはならない。そのことだけ言ったら、それこそ確かに世論のプレッシャーを受けて、とてもじゃないけれども、僕は政府は立っていられなくなると思います。

 どうしてもこれは裁判官だけにでも見せられないんだ、裁判官にだけということは、基本的には一般国民の皆さんや他国に伝わるおそれはないけれども、それでも裁判官にだけでも見せられないんだということについては、きちっと説明ができなければ、それは確かに世論の大きなプレッシャーを受けることになるでしょう。それはやはり大きな意味を持つだろうというふうに思います。

岩屋委員 ですから、ほとんど実行されないというか、具体的な成果が上がらないだろうと予想されるものを埋め込むことによって、しかし、それが行政に対する抑止力になり得るんだという考え方に基づいて情報公開法をこういう形で改正するというのが、果たして本筋なのかどうかなというところに疑念があります。(枝野議員「短く」と呼ぶ)本当に短くやって。

枝野議員 このインカメラも、原告が申し立てたら自動的に同意するのかどうするのかという話ではありません。これはどうしてもインカメラをやらないと判断に困るということの必要性を裁判所が判断したときだけですから、そもそもインカメラに行くこと自体がそれほど多いケースだとは想定していません。

岩屋委員 もう一点、特定秘密を知り得た裁判官が守秘義務を犯した場合は、これは特定秘密保護法上の罰則の対象になる、最長五年ということになるわけですが、特定秘密に指定されていない秘密の中にも、私は、安全保障上重要な情報が含まれている可能性があると思うんですね。それに関して守秘義務を裁判官が犯した場合には、弾劾裁判や分限裁判が適用されるにすぎない。

 私は、この量刑の差は非常にバランスがとれなくなってしまうのではないかな、こう思うんですが、いかがですか。

枝野議員 私どもの法案は、政府提出の特定秘密保護法が成立することを前提としているものではございませんので、今のお尋ねに直接お答えをすることは避けたいと思いますし、これから申し上げることは、私、別の立場で、そちらに座って森大臣に聞くべきことかもしれませんが、政府提出の法案でも、現行の民事訴訟法の文書提出命令に関して、インカメラの手続が規定されています。

 そのインカメラの手続に基づいて裁判官だけが特定秘密を見ることが想定されていて、それを漏らしたら懲役五年で、それ以外の場合のインカメラの場合は分限処分ということは、むしろ政府提出法案の中にインカメラの場合とそうでない場合とのアンバランスというのは組み込まれているものでございますので。繰り返しますが、私どもはそのことを前提としておりません。

岩屋委員 私どもは、何もこの段階で民主党提案を否定しようと思って聞いているのではなくて、せっかくの御提案ですからよく聞かせていただきたいということで、質問させていただいた次第であります。

 いずれにしても、お互いの努力でNSC法を可決したわけでございますから、やはりそれに伴う情報保全の仕組みも、お互いに真摯な議論を重ねて、最善の答えを見出していこうではありませんか。大臣も頑張ってください。

 そのことを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

今津委員長代理 次に、橋本岳君。

橋本(岳)委員 自由民主党の橋本岳でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。いろいろ御配慮いただきました委員長を初め、御関係の皆様方に感謝を申し上げたいと思いますとともに、私も、当選二回目にして初めてこの場所で質問をする機会をいただきました。国会に送っていただいた皆様の御期待にしっかり応えるように頑張っていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 さて、先ほど来いろいろ議論がありますように、今議題になっております特定秘密保護法案、いろいろな議論がございます。多くの団体とかあるいは個人の方、ファクスが事務所にいっぱい来ているのはうちだけではないと思います。あるいは、さまざまなメディアからも注目が集まっているところであります。また、昨日の代表質問でも、多くの会派から質疑がありまして、いろいろな御懸念も表明があったというところであります。

 この特別委員会でしっかりと議論をさせていただいて、私としては、この法案に対するいろいろな懸念がきちっと払拭をされて、法案の必要性をまた多くの皆様に共有していただくように、丁寧に議論をしていくことが大事なんだろうなと思っておりますし、ぜひ、大臣、副大臣を初め、政府の皆様にもしっかり御答弁をいただけますようにお願いを申し上げたいと思います。

 さて、これまで三名の方が質疑に立たれておりました。それぞれの党の中で、PTの座長でありますとかいろいろな形で、党内議論に重きをなしておられた議員の方々の質問だったと思います。

 私は、実は余り党内の議論のときにはタッチをしておりませんでして、質疑をするようになるかもしれないという時点で改めて法案全体を見させていただき、勉強させていただき、また、いろいろなメディアの切り抜きですとか、そういうところで周りの方々の反応なども拝見をさせていただいたところであります。

 そうすると、メディアの論調が特にでありますけれども、要するに、こんな懸念があるよねとか、あんなおそれがあるよねというような、言い方を悪く言えば、抽象的過ぎるんじゃないかとか、オーバー過ぎるんじゃないかというような反対論も見受けられるような思いもするのは否めないところでございます。

 ですから、今回のこういう質疑の場をせっかくいただきましたから、単に、萎縮するんじゃないですかとか権利が侵害されるんじゃないですかというだけではなくて、具体的な場合を挙げて、こういう場合はどうなのだ、ああいう場合はどうなのだ、具体的な状況とか事例を挙げて冷静に議論を深めていく、そういうような質疑をしていきたい、こう思うわけであります。

 先ほど、けさのある新聞の朝刊を見たら、一面に、廃案にすべし、こう書いてあるわけですね。いやいや、審議もしていないのに結論を出すのはおかしいでしょうと。やはりそのような思いがするわけでございまして、しっかり充実をした議論をしていきたい。

 例えば、報道の自由が、報道の取材をする、それが萎縮をするおそれがあるんだ、こんな懸念もよく目にするわけであります。けれども、もう質疑はいたしません。二十一条で、法令違反または著しく不当な方法によるものと認めない限り正当、こういうふうに書いてあるわけですから、単に面会して質問をする、いわゆる一般的な取材ですね、これが違法になるものではないのは明らかであります。

 あるいは、以前、森大臣が、産経新聞さんだと思いますが、居酒屋で少子化対策について語っておられた記事を拝見いたしまして、うらやましい企画だなと思った覚えがございますが、例えば、そんな機会で、森大臣が特定秘密を扱う立場におられて、うっかりとお話しになってしまわれた、それを取材した側が罰せられるわけではないですね。そういうことは明らかなのであります。

 では、逆に言うと、どんな取材の方法は萎縮しちゃうのかなというイメージが、個人的にはつかないなという思いがあります。例えば、暴力を振るって言えと言う、それは不当ですよね。当然であります。だから、逆に言うと、萎縮するような取材の方法というのはどういうことを考えておられるのかな。例えば、もしそういう議論をされる方がおられれば、そういうことをきちんと例示してお話をしていただきたい、このように思うところでございます。

 きょうは、私はその話には触れませんけれども、私なりの一つのテーマを持って質疑をさせていただきたいと思っております。

 それは、ちょっと特殊な例になるのかもしれませんけれども、ついこの間までNSC法の審議をこの委員会でされておりました。そうすると、有事の場合はどうなんだとか、あるいは、有事と言えるのかどうかわからないグレーゾーンの場合はどうなんだ、こんな議論もされていたわけでございます。では、こういう場合において特定秘密保護法案がどうなのか、そして国民の知る権利というのはどうなのかということにちょっと焦点を当てた質疑をさせていただきたい。

 まず、その具体的な話に入る前に、前提として、国民の知る権利というものについてお伺いをしたいと思っております。

 この国民の知る権利という言葉も、この法案を議論される中で、侵害されるおそれがあるんだというような文脈でよく使われる言葉であります。しかし、やはり、どういうことを指して知る権利と言っているのかなというのは、具体的な議論をもう少ししていただきたいなと思う場面が多いわけであります。憲法に保障されているという言葉書きもよくつきますが、はっきりと言葉で書いてあるわけではないですね。

 もちろん、民主主義の国ですから、行政が持っている情報だとかいろいろなものが公開をされて、チェックを受けていくべきである、これも当然なことであります。

 そんなような状況の中で、ぜひ、この法案を所管される大臣として、森大臣のお考えで結構でございますが、一般に、日本国の憲法上、国民の知る権利があると言われていますが、その根拠についてどのように考えておられるか、教えてください。

    〔今津委員長代理退席、委員長着席〕

森国務大臣 国民の知る権利については、憲法上、明文の規定が設けられているわけではございません。しかし、私も、憲法第二十一条の保障する表現の自由と結びついたものとして十分尊重されるものというふうに思っております。

 総務省行政管理局の出している「詳解 情報公開法」には、憲法二十一条の保障する表現の自由は、国民が広く思想や情報を伝達し、また、それを受け取る自由のみならず、政府が保有する情報の開示を求める権利をも含むと理解されており、この権利が特に知る権利と呼ばれておるというふうに書かれております。

 私は、この知る権利もしっかり保障をしていくべきだという考えで、この法案に、初めてでございますが、知る権利という言葉を条文の中に書き込ませていただいたところでございます。

 本法案については、国民の生命そして国家の安全を守るために、特定秘密を保護する必要性と知る権利とのバランスを考慮しつつ、本法律案を適用していくことが必要だというふうに考えております。

橋本(岳)委員 この知る権利については、今大臣が挙げていただいた、二十一条の表現の自由に関するものと裏表のものというような言い方もされますけれども、そういうことでも言われることもありますし、あるいは、人によっては、前文で、日本国の主権は国民にあるのだという主権在民がうたわれています、ですから、国民にきちんと全てを知らせるのは当然なのだというところに派生をして解釈をされておられる方もおいでなんだろうなと思います。

 ただ、いずれにしても、大臣、もう一回、しっかり答弁いただいているとは思いますが、大事なことだ、この法案に書き込むぐらいだと思っていらっしゃるということを改めて確認させてください。

森国務大臣 知る権利については、憲法二十一条の保障する表現の自由と結びついたものとして理解をしておりますので、しっかり保障する、そういう考えのもと、この条文に書き込ませていただきました。

橋本(岳)委員 では、具体的にこの特定秘密保護法案について、今、保障すると書き込まれたという御答弁がありましたけれども、それも含め、あるいはそれ以外に、この知る権利をどのように保障しておられるかということを教えてください。

岡田副大臣 お答えをいたします。

 国民の知る権利につきましては、ただいま森大臣からも答弁をさせていただきました。そして、さらに橋本委員からも御指摘がありましたように、憲法上明文の規定が設けられているわけではありませんが、憲法第二十一条の保障する表現の自由と結びついたものとして十分尊重されるべきものと考えております。

 本法案では、第二十一条で、「国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。」と規定し、本来報道されるべき情報が隠されたり、報道機関の正当な活動が制限されることがないよう、本法案の解釈や運用には慎重な態度をもって当たることとしており、国民の知る権利についても十分に配慮されていると考えます。

 以上です。

橋本(岳)委員 二十一条によってということでございました。

 ただ、これまで岡田副大臣も、いろいろな機会で今おっしゃったような答弁というのはされているんだと思うんです。にもかかわらず、いろいろな報道とか、いろいろな懸念というのが必ずしも払拭されていないというのも残念なところだろうと思います。先ほど町村委員が資料で配付されましたQアンドAなんかもございました。あんなものも使って、ぜひ払拭をしていく努力というのはさらに必要なんだろうなと思うわけです。

 ただ、僕は、そういう一般論だけではなくて、個人的に、日本が繰り返してはならない過去ときちんと向き合うということが必要なのではないかと、このことについては思っております。

 これにつきまして、資料が配付をされておりますので、ごらんをいただきたいと思います。この紙一枚、「昭和の三傑 憲法九条は「救国のトリック」だった」という文庫本のコピーでございますが、この本は憲法の議論をするときにはごらんになっていたらおもしろいと思いますが、きょうは憲法審査会ではございませんので。

 この本の中で、コピーをしたページは、憲法制定時に首相を務めた幣原喜重郎が体験をした、終戦の玉音放送を聞いた後の光景の描写がございます。読み上げさせていただきます。

 幣原喜重郎は、「終戦の玉音は日本倶楽部で聞いた。」ちょっと飛びますけれども、「帰途の電車の中、乗客が一人、涙ながらに悲憤慷慨する。「我が国が何故に今回の戦争に突入しなければならなかったのか、納得し得られない。政府や軍部の発表せる所は事態を糊塗して、国民を愚弄するものである。又戦局の進行に付ても、着々順調な経過を辿っているが如き楽観の報道のみを掲げ、無条件降伏を必要とするような悲惨な情況に迫っていたことなど、一言も公表せられたことがない。国民は目隠して屠殺場に追い込まれる牛馬と同様の取扱を受けているのである」」、このような声があった。「これを聞いて「満車の乗客は悉く同感の叫声を揚げた」」こういうような記述があって、これを聞いて、幣原喜重郎は深く心に期するところあってということになるわけでございます。

 先日のNSC法の審議の際に、共産党の赤嶺先生から、これは大本営をつくるものではないですかというような質疑がございました。決して国家安全保障会議はそのようなものではないと思いますが、一方で、この法案によって、戦時中という表現が適切かどうかわかりませんが、安全保障上重大な危機にあるときに、もし、包括的に情報が全て特定秘密に当たるとかいうような形で伏せられてしまって、何にもわからない、国民や国会に本当の状況が示されない、国の方針について議論も判断もできるような情報が与えられないようなことになるのであれば、それはいわゆる大本営発表と言われるようなものの再来になってしまうのではないかなというような御心配の向きも、この法案について、もしかしたらつきまとっているのではないかなと思うわけであります。

 例えば、自衛隊の持っているミサイルの性能がどうだとか、外務省が使っている暗号がどうだとか、そんなことは秘密にするのが当たり前なのであって、技術的な情報をしっかり守っていただいて、かつ、それを例えば我々国会議員が知らないからといって、国の大事を誤る、そんなことではない。ですから、この法律は必要だと思います。

 しかしながら、二度と我が国は、国民は目隠しして屠殺場に追い込まれる牛馬と同様の取り扱いを受けているなんというような状況をつくってはならないのでありまして、これは平時でも当然ですし、有事の際においても、国民主権の国として適切に情報提供がなされなければならない、二度と大本営などというものはつくってはならない、これはこの場にいる全ての人が共有していただけるのではないかと思うわけであります。

 そこで、具体的な状況を示して幾つかお伺いをしたいと思っております。

 まず、枠組みについてお尋ねをしたいと思います。

 先ほど来お話をしているような、周辺事態ですとかグレーゾーン事態でありますとか、そんな状況を想定した場合に、実際にそんなことが起こると、外務省なり、海上保安庁なり、警察庁なり、あるいは自衛隊、それぞれの政府機関が状況に応じて活動することになります。そうすると、その中で、特定秘密に当たる情報というのも生じてくるでしょう。その場合、特定秘密に当たる情報というのは誰が指定をするという枠組みになっているんでしょうか、お尋ねします。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 特定秘密は、大臣等の行政機関の長が、当該行政機関の所掌に係る法律の別表に限定列挙した事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものを指定するものであります。

 したがいまして、自衛隊に関して防衛省が有する情報を防衛大臣が、外交に関して外務省が有する情報を外務大臣が、法律に定める要件を満たすことを確認の上、特定秘密として指定することになります。

橋本(岳)委員 今回の枠組みでは、要するに、各省庁が持つ秘密については、その特定秘密の指定はその各庁の長が行うということで、自衛隊が持っている情報については防衛大臣がとか、外務省が持っているものについては外務大臣が、こういう話でございます。個別に指定するんだということでございます。もちろん、それは共通のガイドラインがあってということではありますけれども、そのようなことですね。

 では、きょうは防衛省の政府参考人にお越しをいただいておりますので、防衛省に伺います。

 私、当選一回目のときから、当時は衆議院テロ・イラク特別委員会と言っておりました、今は海賊・テロ特別委員会になっていますが、所属をしておりまして、テロ特措法でありますとかイラク特措法でありますとか、そのような審議に立ち会っておりました。

 例えば、イラク特措法の議論であれば、自衛隊が出ておりましたサマワの地域は、あれは戦闘地域なのかどうかとか、あるいはバグダッドの上空は戦闘地域なのかどうかとか、そんな議論をしていたような記憶がございます。

 このような議論をするに当たって、我々が出かけていって現地を見ることが必ずしもできたわけではございませんので、やはり外務省とか防衛省などが知り得た現地の情報、出来事などを報告していただいて、それに依拠して議論することが多かったように記憶をしております。もちろん、それだけではございませんけれども。

 今後も、平和貢献のために自衛隊が海外に派遣をされるということは十分あるんだろうと思うわけですけれども、そうすると、やはり、我々国会としては、そのような議論をしなければなりません。

 そのような状況において、自衛隊が認識をした現地の情勢、事情のようなものでありますとか、あるいは自衛隊自身がどのような状況であるのか、そのようなことというのは特定秘密に含まれるのでしょうか。あるいは、自衛隊が持っている、そのときに何を持っていたのかという装備についてでありますとか、あるいは、宿営地の警備はどんなぐあいにしているんですか、そんなことについて、特定秘密に当たるのかどうか、教えてください。

真部政府参考人 まず最初に、この法案そのものにつきましては内閣官房が主管しておりますので、あくまで私ども防衛上の観点からということで御答弁申し上げたいと思います。

 今委員が御指摘の、さまざまな現地の事情とか、装備品の関係、あるいは部隊の状況といったものにつきましては、それらが特定秘密に該当するか否かということにつきましては、率直に申し上げて、個別具体的に判断していく必要があると存じますので、現時点において一概にお答えすることはなかなか難しい面がございます、正直なところですが。

 しかし、その上で一般論を申し上げますと、この特定秘密保護法案の別表の第一号のイにございます「自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究」、あるいはロでございますけれども、「防衛に関し収集した電波情報、画像情報その他の重要な情報」、こういったものなどに該当する可能性はあるというふうに考えられるところでございます。

 ただ、いずれにいたしましても、特定秘密の指定は、特定秘密保護法案の規定とそれから外部の有識者の御意見を反映させた基準、これに従って適正に行われるということだろうというふうに理解しておるところでございます。

橋本(岳)委員 重ねてお尋ねをします。

 自衛隊の装備だとかは、それは当たるのかもしれません。ただ、自衛隊が見た、知った現地の事情みたいなものは当てはまると思われますか。

真部政府参考人 今おっしゃった点、現地で見聞きした事情ということでありますと、これもまた、申しわけありません、先ほど申し上げた同じ前提の上で、一般論で申しますと、一部繰り返しになるかもしれませんが、先ほどの、別表第一号ロの「防衛に関し収集した電波情報、画像情報その他の重要な情報」、これなどに該当する可能性はあるものというふうに考えております。

橋本(岳)委員 では、別の状況を想定してみましょう。

 尖閣諸島にどこか特定の国の軍艦がやってきて上陸をしようとしているでありますとか、あるいは、どこの国かよくわかりません、軍艦でもありませんが、武装勢力がやってきて上陸をしようとしているというような、有事とかグレーゾーンとか呼ばれる場合、自衛隊が知った時々刻々の情勢であるとか、あるいは、不幸にして自衛権を行使しなければならなくなった、戦闘に至ってしまった場合の状況でありますとか、そのときの自衛隊の配置、あるいは彼我の損害、そんな情報というのも特定秘密になるんですか。

真部政府参考人 今委員御指摘の、いわゆるグレーゾーンの事態が起こったときに現地においていわば取得された各種の情報ということにつきましては、これも、申しわけありません、先ほど前提として申し上げた点をもう一度確認申し上げた上で、それが当てはまるということを申し上げた上で、今の情報等につきましては、一般論でございますが、この秘密保護法別表の第一号イあるいはロ、先ほど内容につきましては申し上げましたが、こういったものに該当する可能性はあるものというふうに考えております。

橋本(岳)委員 可能性を言い出したらそうなるんだろうなと思うわけですけれども、実際のところ、これまでのテロ特措法とかイラク特措法とかの審議のときには、それぞれ、自衛隊から、要するに該当しないものという範囲ででしょうけれども、情報をいただいて審議をしてきたわけであります。もちろん、含まれることもあるでしょうけれども、そうでないものはそうでない。したがって、出せるものは出していただくのだという前提でお話をいただきたいとぜひ思うわけであります。

 個々の細かい、先ほど申しました、特に有事のときという想定で話をしていますから、リアルタイムに全てを出せというのは必ずしも日本の国益にかなうものではない、国民を守れないかもしれないおそれが高いということもあり得ますので、そうしたものについて、うまくどう仕切っていくのか、情報を出していくのか出さないのかというのは大変難しい議論なんだろうと思うわけであります。

 ただ、今のように、可能性があります、可能性がありますというと、では全部ですかという気持ちにもなってしまいかねないような答弁ぶりもあったなという思いもいたしますけれども、森大臣にお尋ねをします。

 今回の法案は、包括的にそうした状況を全て特定秘密に当ててしまうのだ、そしてベールに隠してしまうのだ、そんなことになってはならないと私は思いますけれども、そういうようなものを目指した法案ではないということをしっかりとお話しいただきたいと思います。

森国務大臣 そのような御懸念はないものと答えます。

 この法案をつくるそもそもの趣旨ですけれども、国民の生命、国家の安全を守るためのものであります。それが今まさに脅かされようとしている有事またはグレーゾーンのときに、国民にそれを知らせなくて、どうやって守れるのか、どうやって逃げるのかということになってまいります。ですから、当然それは国民に知らされるべきものです。

 本条文の一条にも書いてありますとおり、もちろん、別表に当たるもの、そして、さらにそれが非公知性、まだ明らかになっていない、報道等にも出ていない、そして、特に秘匿するものが必要である、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿するものが必要であるという、特に必要性というものがあるわけです。

 この特に必要性というのは、まさにそういう事態があったときに、その警備のためにどこに何台、防衛のための設備を設けるとか、そのような細かいことに対しては、機微情報については、もちろん詳細にお知らせすることはできない。そのことをもって国民を守ろうとしているわけでございますから、それはそうでございましょうけれども、今、橋本委員が御指摘のような、御懸念になるように、全て目隠ししてしまうんだとか、全てわからなくしてしまうんだということはあり得ないということをはっきりお答えしておきたいと思います。

橋本(岳)委員 ぜひ森大臣の答弁を信じたいと思っております。

 先ほど、衆法の提出者として枝野議員がそちらにおられました。有事というわけではなくて災害時ですけれども、東日本震災のときに、官房長官として、よくテレビにお出ましになっていろいろな広報をされておられた。よく拝見をいたしました。官房長官は、日々、目の下にくまがふえていくので大変だなと思いながら、職業的使命感というのはすごい立派だなと思いながら拝見をしていた覚えがあります。

 そういうときにどうやってきちんと国民に正しいことを伝えるのかということは、それはそれで、この法案とは別に、例えばNSCあたりで議論されるべきことなんだろうと思いますし、そうしたことも含めて、今後、日本の安全がしっかりと守られていくべきである。しかしながら、過去の過ちを再び繰り返さないように、これからもそのような思いを皆様と共有させていただきたいということを申し上げまして、少し早いですけれども、質問を終わります。

 以上です。

額賀委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会をします。

    午前十一時五十八分散会


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