衆議院

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第19号 平成25年11月26日(火曜日)

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平成二十五年十一月二十六日(火曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 額賀福志郎君

   理事 今津  寛君 理事 岩屋  毅君

   理事 城内  実君 理事 左藤  章君

   理事 中谷  元君 理事 大島  敦君

   理事 藤井 孝男君 理事 上田  勇君

      池田 道孝君    大塚  拓君

      大野敬太郎君    神山 佐市君

      小池百合子君    小松  裕君

      鈴木 馨祐君    薗浦健太郎君

      津島  淳君    辻  清人君

      寺田  稔君    中谷 真一君

      中山 泰秀君    西銘恒三郎君

      野中  厚君    橋本  岳君

      星野 剛士君    牧島かれん君

      町村 信孝君    松本 洋平君

      宮崎 政久君    山田 賢司君

      後藤 祐一君    近藤 昭一君

      長島 昭久君    渡辺  周君

      桜内 文城君    丸山 穂高君

      山田  宏君    大口 善徳君

      遠山 清彦君    畠中 光成君

      赤嶺 政賢君    玉城デニー君

    …………………………………

   議員           後藤 祐一君

   議員           渡辺  周君

   議員           長島 昭久君

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   外務大臣         岸田 文雄君

   防衛大臣         小野寺五典君

   国務大臣         森 まさこ君

   内閣官房副長官      加藤 勝信君

   内閣府副大臣       岡田  広君

   内閣府大臣政務官     福岡 資麿君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  能化 正樹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鈴木 良之君

   衆議院調査局国家安全保障に関する特別調査室長   室井 純子君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十六日

 辞任         補欠選任

  大塚  拓君     小松  裕君

  西銘恒三郎君     宮崎 政久君

  山際大志郎君     山田 賢司君

同日

 辞任         補欠選任

  小松  裕君     大塚  拓君

  宮崎 政久君     神山 佐市君

  山田 賢司君     山際大志郎君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     西銘恒三郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 特定秘密の保護に関する法律案(内閣提出第九号)

 行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案(枝野幸男君外二名提出、衆法第一号)

 特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律案(渡辺周君外二名提出、衆法第一一号)

 情報適正管理委員会設置法案(渡辺周君外二名提出、衆法第一二号)

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

額賀委員長 これより会議を開きます。

 この際、内閣提出、特定秘密の保護に関する法律案、枝野幸男君外二名提出、行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案、渡辺周君外二名提出、特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律案及び渡辺周君外二名提出、情報適正管理委員会設置法案審査のため、昨二十五日、福島県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員を代表いたしまして、私からその概要を御報告申し上げます。

 派遣委員は、団長として私、額賀福志郎と、理事今津寛君、岩屋毅君、左藤章君、中谷元君、大島敦君、藤井孝男君、上田勇君、委員近藤昭一君、渡辺周君、今村洋史君、丸山穂高君、遠山清彦君、畠中光成君、赤嶺政賢君、玉城デニー君の十六名であります。

 会議は、昨日、福島市内のホテル辰巳屋において開催し、まず、私から派遣委員及び意見陳述者の紹介等を行った後、浪江町長馬場有君、福島県弁護士会副会長槇裕康君、桜の聖母短期大学キャリア教養学科教授二瓶由美子君、株式会社東北エンタープライズ会長名嘉幸照君、いわき短期大学特任教授畠中信義君、弁護士荒木貢君、いわき市議会議員佐藤和良君の七名の方から意見を聴取いたしました。

 その意見内容につきまして、簡単に申し上げます。

 まず、馬場君からは、特定秘密の範囲とその不明確さに対する懸念、情報公開を原則とした法整備の必要性などの意見が、

 次に、槇君からは、ツワネ原則から見た特定秘密保護法案の問題点、厳罰化により取材活動が萎縮する可能性などの意見が、

 次に、二瓶君からは、特定秘密の指定範囲について拡大解釈が行われる懸念、国会への特定秘密の提供が制限され、国会が議論の場でなくなる可能性などの意見が、

 次に、名嘉君からは、特定秘密保護法案が原発労働者に与える影響、内部告発者の保護の重要性などの意見が、

 次に、畠中君からは、人権と情報公開の関係性、司法によるチェック体制の重要性などの意見が、

 次に、荒木君からは、特定秘密保護法案による人権侵害の可能性、適性評価の実施が国民のプライバシーを広範に侵害する可能性などの意見が、

 最後に、佐藤君からは、原子力発電に関する情報が特定秘密として秘匿されることへの懸念、情報公開の範囲を拡大することの重要性

などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から意見陳述人に対し、福島原発事故の際に提供されなかった情報と特定秘密に指定される情報の違い、特定秘密により裁判の公正性が損なわれる可能性、原子力発電所に対するテロ防止策と情報公開の関係性、恣意的な拡大解釈による運用を禁止する条文の評価、特定秘密保護法案と国民の知る権利の関係性、安全保障に関する情報を特定秘密とすることへの懸念、緊急事態時における基礎自治体への迅速な情報提供の必要性などについて質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議の開催につきましては、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、申し上げます。

 この際、お諮りをいたします。

 ただいま御報告いたしました現地における会議の記録は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

額賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕

    ―――――――――――――

額賀委員長 内閣提出、特定秘密の保護に関する法律案及びこれに対する中谷元君外七名提出の修正案、枝野幸男君外二名提出、行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案、渡辺周君外二名提出、特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律案及びこれに対する渡辺周君外二名提出の修正案並びに渡辺周君外二名提出、情報適正管理委員会設置法案を議題といたします。

 この際、お諮りをいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官能化正樹君、内閣官房内閣審議官鈴木良之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

額賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

額賀委員長 これより内閣総理大臣出席のもとで質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。町村信孝君。

町村委員 きょうは、安倍総理の御出席をいただきましての、私は、これは締めくくり総括だ、こう理解をしているわけでございますけれども、総理大臣のこの法案に向けての決意、また大変な御努力というものを高く評価しているものでございます。

 自民党も、八月下旬から、インテリジェンスのPTをつくりまして、再三にわたり熱心な議論をしてまいりました。

 国会でも、十一月七日の本会議以降、委員会で、十一月七日から十一日間、四十二時間五分の審議を行ってまいりました。

 これは、例えば国家安全保障会議、NSC法案の審議のちょうど二倍の審議であるということなどを見ても、私は、十分な審議がこれまで行われてきた、こう思っております。また、質問もかなり重複しているなということを強く感じているところでございます。したがって、採決する環境は十分できてきた、このように考えているところでございます。

 また、この間、公明党の上田理事、大口先生を中心に、また自民党では中谷筆頭理事を初め理事の皆さん方を中心に、精力的に審議を進めていただきましたし、また、維新の会、みんなの党などともかなり詰めた修正協議を行うことができたかな、こう思っております。

 今回、きのうの報告を見て、十二項目にわたる修正が行われた。私は、三十年この方国会におりますけれども、内閣が出した法律が十二項目も修正をしたということを経験したことがございません。非常に政府・与党がフレキシブルに対応してきたということのあらわれである、こう考えているところでございます。

 そこで、きょうは、総理に御出席をいただいての審議でございますから、まず総理に質問をさせていただきますけれども、この法案の目的、何のために今この法案を必要とするのかということを改めて確認させていただきたいと思います。

 私は、冒頭から、質問の際にも申し上げました。国民の命と安全、そして国家の安全を守るためにこの法案が必要なんだということを再三申し上げてまいりました。先般、ある参考人も全く同じことを言っておられました。この点につき、私は、総理大臣のお考えを伺いたいと存じます。

安倍内閣総理大臣 町村先生が、NSCそしてまた特定秘密保護法について、官房長官当時、そしてまた党において、この問題にずっとかかわってこられ、法案作成に大きな御貢献をいただいたことにまず感謝申し上げたい、このように思います。

 我が国をめぐる安全保障環境が悪化をする中、国家国民の安全を守るためには、安全保障や国民の安全に直接かかわる情報の収集が極めて重要であります。あるいは、例えば、ある国が特定の活動、行動、あるいは我が国の領土、領海に挑発的、挑戦的な行為をとったときに、その真意がどこにあるかということを分析した上において対応していく必要があるわけでございます。

 そして、我々の対応に対してどう相手国があるいは関係国が判断するかということについても、あらかじめ分析、予測をしていく必要があるわけでございますが、そのためにも、情報収集、そして、収集された情報を分析し、政策決定をしていくNSC、これは一体のものであると言ってもいいんだろうと思うわけであります。

 国際テロ、大量破壊兵器拡散について、関係する国や組織の内部情報の収集は、同時に極めて重要であります。そしてまた、一方で、それらの国や組織は閉鎖的であるため、情報収集活動は相当の困難が伴うものでもあるわけでございます。

 しかし、そういう中において、そうした情報についてしっかりと我々は保全をしていくということによって海外からの情報の提供もあるわけでございまして、情報漏えいに関する脅威が高まっている状況や、外国との情報共有は情報が各国において保全されることを前提に行われていることに鑑みると、秘密保全に関する法制を整備することは喫緊の課題であります。

 また、政府内部で情報共有が促進されるためにも、秘密保護に関する共通のルールの確立が必要であり、新たに設置される予定の国家安全保障会議の審議をより効果的に行うためにも、秘密保全に関する法制が整備されていることが極めて重要である、このように認識しております。

 政府としては、こういう認識のもとに本法案を作成し、そして、現場におきましては、多くの党派が賛成していただけるような御努力がなされたものと承知をしているわけでございますが、早期に本法案が成立するよう努力してまいりたい、このように考えております。

町村委員 明快な御答弁を感謝いたします。

 今お話があったとおり、海外からの脅威あるいは侵略、そして、実は、テロであるとか諜報であるとか、そういう問題が国内だけをとってもあるんだということを、今答弁を明確にしていただいたところでございます。

 もう一つ総理に伺います。

 九・一一、二〇〇一年のことでありますけれども、自来、このインテリジェンスの強化に何が必要なのか、こういう法制の整備も必要であるということに加えまして、対外の情報をもっとしっかりと収集する、そのための特別の機関が必要であるということを私は申し上げ続けてまいりました。また同時に、専門家の人員の増加とかレベルアップとか、あるいは国内での人事改革等が必要なんだろう、こう思っております。

 一遍に全てをやるわけにはいきませんので、まずこの法案をきちっと整備した後、その次に、海外情報機関の創設ということもぜひこれは総理にお取り組みをいただきたい、こう思っておりますけれども、総理のお考えを伺います。

安倍内閣総理大臣 ことし、例えば、アルジェリアにおいて邦人が殺害されるという大変残念な出来事もございました。こうした地域において広く情報を収集していくことは、国民の安全、命を守る上において、極めて重要であります。そしてまた、テロ組織、そうした大量破壊兵器を保存しようとしている国や組織に対して、情報を収集することも重要であります。

 しかし一方、先ほど申し上げましたように、そうした組織、国から情報を収集することは、そうした組織や国は当然極めて閉鎖的でございますから、大変困難が伴うものでございます。こうした認識のもと、内閣の戦略的な意思決定に資する情報機能を強化することは、極めて重要であると考えております。

 こうした観点から、より専門的、組織的な対外人的情報収集の手段、方法及び体制のあり方について、委員の御指摘も参考にさせていただき、さらに研究を深めてまいりたいと思っております。

 また、情報に精通した人材を育成するため、情報コミュニティー内における研修や人事交流を推進するなど、人的な面での情報機能の強化に努めてきております。

 政府全体の情報収集・分析能力の向上は喫緊の課題であるとともに、常にレベルアップを図る努力を継続すべきものであり、町村先生の御指摘も踏まえまして、しっかりと検討を進めてまいりたいと思います。

町村委員 ぜひよろしくお願いをいたします。

 次に、森大臣に伺います。

 最近は、マスコミの森大臣に対する、まさにマスコミによる言葉狩りにあなたは遭っていますね。私は、非常に、森大臣は一生懸命いい答弁をしておられると。何か、ぶれている、ぶれているという批判もあるけれども、どこがぶれているのかなと、私は聞いておりましてそう思ったから、どうぞ、ひとつ自信を持って、これからも参議院に向けて頑張っていただきたい、こう思っております。

 ところで、これも、ありとあらゆる批判がマスコミあるいは一部の野党からも出ておりますけれども、あたかも行政の長が自由に特定秘密を指定できるんじゃないかというような、そしてそれがもう無制限に広がるというような誤った、私に言わせると悪意に満ちた、そういう声が盛んに出されております。

 これは、前田参考人がこの場で言っておられました。そんなことは明確にありませんということを彼は専門家として否定しておられたわけでございますけれども、こうした行政の長が自由に指定できないんだということについて、森大臣のお考えを伺います。

森国務大臣 行政の長が恣意的に特定秘密を指定できるかのような御指摘については、全く違いますというふうにお答えをさせていただきます。

 本法案では、法律の別表に限定列挙された事柄のみでございます。さらに、別表に加えて、非公知性、そして、特に秘匿する必要性という要件も加わって、三要件を満たしたときのみに行政機関の長が指定をするものです。そして、その指定は、外部の有識者の意見を反映させた基準に基づいて行われることになっておりますし、この外部の有識者の御意見を反映させた基準は、しっかりと国民の皆様に公表してまいります。

 また、指定をした件数、指定をしてきたものが別表のどの事項に当てはまるのか、そして、その有効期間がどれくらいであるのか、その期間内に解除したものの件数、こういったものもしっかりと国民の皆様に公表をしていきます。

 また、行政機関の長が、有効期間の五年以内、その有効期間ごとに、指定の要件を満たしているか否か確認しなければならない。この五年以内という期間は、諸外国の中でも最も短い期間であります。例えばアメリカでは十年でございますので、その短い五年以内の有効期間ごとにチェックするシステムになっておりまして、有効期間は三十年が上限とされておりまして、これを超えて延長するには内閣の承認を要することとしました。

 また、三十年を超えて有効期間を延長することにおいて内閣の承認が得られなかった場合、保存期間を満了した場合には、全てこれは国立公文書館に移管をするという公開ルール、廃棄ルールを、しっかりとこの修正協議によって明確にしていただきました。

 ですので、御指摘のような、あたかも恣意的に指定されるという御懸念には及ばないものと考えております。

町村委員 そういう明確な答弁を言っておられるのに、ところが、マスコミはわざとそういうあなたの発言を載せないという、まさにそこが、私に言わせると悪意に満ちたマスコミの報道だな、こう思うわけであります。

 もう一つ、森大臣に伺いますけれども、特定秘密の範囲を、ある提案においては、防衛関連に限定をするという御提言もありました。他方、逆に、外交と国際テロに限定をするという提案もありました。これは、外部からの侵略だけではなくて、国内での有害活動とか、あるいは国内でのテロというものもあるわけですから、そうしたものも全てやはりこの法律の対象にすべきである、こう私は考えますけれども、森大臣、いかがでしょうか。

森国務大臣 まず、防衛関連だけに限定するという御意見については、外交に関する事項や、それから特定有害活動、スパイ等の防止、それからテロリズムの防止、こういった観点からも、やはり漏えいの脅威にさらされているわけでございますので、我が国及び国民の生命の安全を確保する観点から、本法案に限定された事項に限って保全措置の対象とする必要があるということから、これを含めさせていただきました。

 また、民主党さんからは、防衛を除くという御意見もあって、現行法でできるものはなるべくしていこう、そういう御趣旨であると伺ってはおりますが、やはり私としては、防衛秘密というのが安全保障の中核を占めるところでございますので、ここは、現行法で足りないとされている部分の保全措置をしっかりと施して、全部共通のルールにしていくことがやはり外国との共有ということにも資するのではないかというふうに考えております。

町村委員 あと五分ということですから少し質問を短くしてまいります。

 知る権利、あるいは報道、取材の自由、それはそれぞれ重要なことだろうと思いますけれども、しばしば西山事件を引用して、違法な密約を暴くのだからその手段は不当な取材でも構わないという、極めて非常識なことを言う一部のメディアがあるようであります。これは本当に非常識だ、こう思うし、だからこそ、今回の二十一条第二項では、西山事件に関する最高裁判決、これを、確定しているものを半ば引用しているのが二十一条二項だ、こう思っておりますけれども、改めて森大臣のお考えを伺います。

森国務大臣 過去の事件については、言及をすることは控えさせていただいております。

 また、一部の報道について、町村委員からも配慮のあるお言葉をいただきましたけれども、やはり、報道機関の皆様は、取材、報道の自由が脅かされるのではないか、そういう御懸念が強いのだと思います。それで、私もできる限り明確な言葉でしっかりと御説明に心がけてきましたし、これからもしっかりと御説明を差し上げてまいろうかと思っています。

 報道の自由、取材の自由というのは、国民の知る権利に資するものでございますので、十分に配慮しなければならないことは言うまでもないことでございます。

 この法案においては、個別事件ではなく判例法理となった部分を参考にして、取材行為については、法令違反または著しく不当な方法によるものと認められない限りは、正当な業務による行為とするというふうにしておりまして、一般の、通常の取材行為はこの法案で処罰されることはないということをしっかり規定した、そういう趣旨でございます。

町村委員 総理に、最後一問、質問をいたしますけれども、今回、国会の関与というものがかなり追加をされております。十九条では、指定等の実施状況を国会へ報告、公表いたします。それから、附則十条では、国会が特定秘密の提供を受けた場合は、その保護方策を国会で検討して、必要な措置を講ずるという新たな項目が加えられました。

 これは国会で決めるべきことでございますから、ここで総理がこう言われたからということでは、そのとおりではないかもしれませんけれども、私は、これまで、国会で委員会が行われ、それを秘密会にしたこともございますけれども、驚くなかれ、これは国会法五十二条に基づく秘密会であるにもかかわらず、その委員会が終わったらすぐにマスコミに出てしまうということが何度も繰り返されたというあしき経験があります。

 したがって、今後、国会が関与することはいいことではありますけれども、その前提として、やはり議員のモラルの改善とか、あるいは国会法あるいは衆議院規則の改正というものが、厳しく改正をしなければいけない、こう思いますけれども、総理大臣のお考えを伺います。

安倍内閣総理大臣 今委員が御指摘になられた点、二点あると思うんですが、こうした秘密について国会が国民の代表としてしっかりと精査をしていくということの重要性、一方、その中身が外に出ないということが前提条件であるということなんだろう、このように思います。

 米国においてもそうした秘密会が開かれるわけでありますが、これは全く外には出ない。なぜ出ないかといえば、それを漏らせば、国民の生命や財産、あるいはそういう情報をとっている人々、あるいは兵士の命にかかわるということが共通認識としてあり、それを外に漏らすということは、事実上、国会議員としてその政治生命が絶たれる、そういう常識が共有されている中において決して漏らされないということではないか、このように思います。

 修正案によって、「特定秘密の提供を受ける国会におけるその保護に関する方策については、国会において、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるもの」とされているところでございまして、今、町村先生がおっしゃったように、まさに国会において御議論をいただきまして、御検討をいただきたい、このように思うところでございます。

町村委員 終わります。どうもありがとうございました。

額賀委員長 次に、大口善徳君。

大口委員 公明党の大口善徳でございます。

 今回の特定秘密保護法案につきましては、やはり、国民の知る権利にしっかりと資するために、報道の自由、取材の自由を守っていく、それと、国家には、国民の生命身体を守るため、あるいは国家の安全のために国家の秘密を保護する、この二つの要請のバランス、これに努めていかなきゃいけない、こういうふうに思っています。

 今回、民主党さん、そして日本維新の会さん、みんなの党さんとも、この方向性は一致していると思うんです。そこでいろいろと議論をさせていただきまして、みんなの党さん、そして日本維新の会さんとは修正に合意をさせていただきました。

 そして、その中で、今、町村先生からもおっしゃいましたように、国会によるチェックというのは大事だ。当初の案では、この保護措置、これは政令で定めることになっていました。これを、国会が定める措置、こういう形で、国会の自律権、国権の最高機関としての国会が決めるんだという形にさせていただきました。

 また、「提供することができる。」というのを、「提供するものとする。」という形で義務化をさせていただきました。ですから、しっかりと国会で決めた保護措置をやれば、これまで出せなかった秘密も国会に提供できる、こういうことになったわけでございます。

 それから、これは維新の会さんともいろいろ協議しました。維新の会さんは、スパイ行為目的については、手段が違法でない場合でもやはりこれは罰すべきではないか、こういう提案がありました。私どももそれも真剣に考えました。むしろ、そうではなくて、この取得行為につきましては、スパイ目的等の目的を課しまして、その目的がなければ罰しないという形で処罰の対象を狭める、こういうことにつきましても合意をいたしまして、これで報道目的につきましては取得行為の対象にならない、こういうこともさせていただいたわけでございます。

 そこで、御質問をさせていただきたいと思います。

 マスコミでいろいろ報道されているわけですが、指定の有効期間、これは第四条でありますけれども、まず五年でちゃんとチェックをする、三十年を超えることはできないとしているんですね。そして、例外として、内閣の承認を得た場合、こうしているわけです。さらに、六十年を超えた場合につきましては、さらに七項目に絞るという形になったわけであります。

 そこで、まず御質問でございますが、私ども、三十年の内閣の承認を得た場合については、六十年超の、この七項目の限定列挙があるわけでありますが、これを基本としていくべきじゃないか、これが一点でございます。

 もう一つは、三十年超のものについては、内閣の承認がなければ全て国立公文書館に移管する、こうなっています。ただ、三十五年目に内閣の承認を求めないで指定を解除した場合はどうなるのか、こういう疑問があります。これも含めて、全て公文書館に移管するということを確認させていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 それではお答えをいたします。

 今回の修正案では、「指定の有効期間は、通じて三十年を超えることができない。」と明記をし、三十年を超えて延長する場合には、理由を示して、内閣の承認を要することとし、さらに、六十年を超える場合は、例外的に法律に限定列挙する七つの事項に関する情報のみが延長できるとしています。

 このような修正案の趣旨から、三十年を超える指定の延長についても、内閣の承認がなされる場合は七つの事項に関する情報である場合に限ることを基本とし、現時点では、それ以外の場合は想定していないものと考えております。

 次に、国立公文書館等への移管についてでございますが、三十年という長期間にわたって特定秘密として指定を継続してきた文書であることを踏まえますと、当該特定秘密を記録した文書は、通常、歴史公文書等に該当するものと考えます。

 その上で、修正案が、内閣の承認を得られなかった場合にあえて関係文書を国立公文書館等に移管すると明記しているのは、不承認の結果、特定秘密としていた情報が明らかになることをおそれた行政機関が、恣意的な判断でこれを廃棄することを防止することにあると承知をしております。

 したがって、三十年という長期にわたって特定秘密として指定を継続してきた文書について、みずから指定を解除する場合にも、全て歴史公文書等として国立公文書館等に移管されるよう、運用基準に明記してまいります。

大口委員 次に、十八条で、有識者会議というものをしっかり活用する、この運用基準も総理が作成をして、閣議決定できっちりやるということで、本当に、かなり有識者会議も権威あるものになりましたし、総理が責任を持って全面的にチェックしていく、事後的チェックをしていくということになったわけでございます。

 アメリカの省庁間の上訴委員会、あるいは大統領令一万三千五百二十六号の情報保全監督局、これの活用について、朝日新聞の社説でも指摘をしておりました。これは行政権の内部に置かれたものですから、純粋な第三者機関ではないんですが、一定の機能を果たしています。私はこういうのを参考にすべきではないかなと思っているんですね。

 その上で、この十八条の内閣総理大臣による指揮監督、これは、憲法七十二条あるいは内閣法六条を体現したものと考えますけれども、その総理による指揮監督、また、特定秘密もみずから見ることができる、そして、チェックをして、有識者会議の意見を聞いて、事後的に行政各部をチェックしていく、そして、恣意的な指定ですとか、あるいは恣意的な更新ですとかというものを排除していく、こういう仕組みは私は効果があると思うんですが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 ただいま委員が御指摘になられた恣意的な指定や解除は、これは決してあってはならない、私もこのように思います。

 今、例として挙げられました米国の省庁間上訴委員会は、行政機関からの自動秘密指定解除の適用免除についての申請に対し、その認容、棄却等を行っているものと承知をしております。

 また、情報保全監督局は、秘密指定の実施等が適切に行われているかについて監督等を行っているものと承知をしております。

 ただ、これら二機関のいずれも、行政権の内部に置かれておりまして、行政権から独立した立場にある第三者機関ではありません。しかし、それぞれ一定の機能を果たしているものと認識をしています。

 今回の修正案により、例えば、防衛大臣や外務大臣の指定、解除等が適切に行われているか否かを、有識者の意見を踏まえ、内閣の首長たる内閣総理大臣がチェックすることとなりますが、秘密指定をした者以外の者であり、かつ、行政全体を統べるという立場から、米国と同様、改めて確認を行うことが可能となると考えております。

大口委員 十一月の二十二日に、国連人権高等弁務官事務所の二名の特別報告者により、本法案に対して、本法案は、秘密の対象がとても幅広く、曖昧なものにするだけでなく、告発者や秘密について報道をするジャーナリストへの脅威も含んでいるということで、重大な懸念を表明されました。

 かなり誤解があるのではないかな、こう思っておるわけでございますが、ここで、総理は、世界に向けてしっかりと、この重大な懸念について払拭する答弁をいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 率直に申し上げまして、かなり誤解があると言ってもいい、このように思います。

 特定秘密は、法律の別表に限定列挙された事項に該当するものに限って大臣等の行政機関の長が指定するものであり、かつ、その指定は、外部の有識者の意見を反映させた基準に基づいて行うこととするなど、特定秘密の恣意的な指定が行われることがないよう重層的な仕組みを設けているわけであります。

 また、本法案では、通常の取材活動は正当な業務行為であることを条文上しっかりと明記をしているわけでありまして、ジャーナリストの通常の取材行為が本法案の処罰対象とならないことは、これはもう明らかであるわけでございますので、ここははっきりと申し上げておきたいと思います。さらに、法令違反行為等は、そもそも指定の対象とはなりません。

 したがって、二名の特別報告者の懸念は全く当たらず、本法案は適正な運用が確保されている旨、先方にも速やかに回答したいと考えております。

大口委員 時間が参りましたので、以上で終了させていただきます。ありがとうございました。

額賀委員長 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 おはようございます。民主党の近藤昭一でございます。

 きょうは、こうして質問をさせていただくことを感謝申し上げたいと思いますが、私はやはり、まず抗議を申し上げたいと思います。

 先ほど与党の委員の方から、採決を前提としたかのような、総括の質疑だ、そんなような御発言がありました。私たちはそのことに同意をしておりません。きょうも、この委員会は職権で立てられているわけであります。国民の知る権利を制限することになる、そうした特定秘密保護法案について、十分な審議が必要にもかかわらず、今、あたかもそうしたことを前提としたような発言がある、私は重大な抗議をしたいと思います。委員会の、理事会のあり方にも、そこで合意していないのにここが進められているということであります。

 そして、総理、私は、今申し上げましたように、慎重な審議が必要だと。そのことを申し上げたことの前提は、昨日、福島で委員派遣による地方公聴会というものが行われたわけであります。本日の新聞等々でも、また先ほど額賀委員長の報告にもありました。七人の陳述人の方の意見は全て、反対か慎重な意見であったはずであります。陳述人の方の中からは、この福島での公聴会が採決に向けての通過地点にならないように、言いわけにならないように、こういう発言もありました。

 そうしたことに対して、安倍総理、いかがお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 この法案につきましては、もう既に四十時間の審議がなされているということでございまして、他の法案と比べてはるかに慎重な熟議がなされているものと承知をしているところでございます。

 そして、公聴会というのはさまざまな御意見を謙虚に承るわけでございまして、そこではさまざまな御意見が出たということではないか、このように思う次第でございます。

 いずれにせよ、例えばある種の福島の方々の御心配の一つは、恐らく、原発の関連の情報が外にしっかりと出てこないのではないか、そういう御懸念があるわけでございますが、そうした情報は、まさにこのたびのこの特定秘密になることはないということはもう再三答弁しているとおりでございまして、今後とも丁寧な説明に心がけていきたい、こう思っておる次第でございます。

近藤(昭)委員 総理、昨日の陳述人の方の意見にこういう意見もありました。きょう私が陳述したこと、そしてこの地方での公聴会、このことが反映されるのかどうか、このことを危惧していたわけです。昨日陳述が行われて、きょう採決するなんということがあったら、それは問題ではないでしょうか。

 そして、今総理がおっしゃいました。自民党が推薦をした陳述人の方であったと思います、浪江町の馬場町長。馬場町長は、今総理がおっしゃられたことと同じようなことをおっしゃられました。原発の警備についての情報は特定秘密に当たらない、だから安心してくださいよというような言い方がありました。しかしながら、それに対して馬場町長は、いや、自分たちは、あの事故が起きた直後に発電所に対して警備が行われていた、そのことに対して、しっかりと町に対して、なぜそこに警察官の人がいるのか、そのことの情報開示がなかった、こういうことをおっしゃっているわけです。だからこそ、きちっとこれからは公開をされていかなくちゃいけないんだ、そういう町長のお話でありました。

 いかがでありましょうか。(発言する者あり)

額賀委員長 御静粛にしてください。

安倍内閣総理大臣 これは明確にしておく必要があるんだろうと思います。

 発災後、さまざまな出されるべき情報が出されなかったのは事実でありますが、それは時の政府が判断を間違えたんだと私は思いますよ。それは、SPEEDIの情報等は、まさに出すべき情報を出さなかった。これは特定秘密とはそもそもかかわりがないわけであります。まだ法律ができていないわけであります。あの発災のときの……(発言する者あり)

額賀委員長 大事な答弁ですから、静かにしてください。

安倍内閣総理大臣 そして、発災のときの対応については、まさに、まだこの特定秘密保護法案ができていないんですから、全くかかわりがないわけでありまして、適切な対応がもしかしたらとれていなかったのかもしれない、このように思うわけであります。

 いずれにせよ、いわば原発をテロから守る上において、警察がテロから守るためにとる対応、どこでどのように警備をするということについては特定秘密に当たるわけでありますが、一方、警察がとる対応でない対応については、これは当たらない、こういうことになるわけであります。

近藤(昭)委員 総理、今おっしゃられたこと、きのうの陳述を聞かれていて、本当に福島の皆さんが一番懸念をしていることは、確かに当時は特定秘密保護法というかこの法律はないわけであります、しかし、ない中でもいろいろな情報が隠蔽をされてきた、だからこそ、これからも、この特定秘密保護法でさらに秘密が拡大されるようなことがあってはならない、こういう意見だったわけです。きちっとした情報公開のシステムがないではないか、こういう懸念であったわけであります。

 福島の皆さんがおっしゃっていた。この特定秘密の法案によって知る権利が制限されていくのではないか、情報公開が十分に進まないのではないかという懸念と、そうしたことの前にしっかりとこの福島の復興にもっと当たってほしい、優先順位が違うのではないか、こういう意見もあったわけであります。

 総理、情報公開、私たち民主党も対案を出しています。私は、民主党の対案と政府が出している法案の最も違うところは、まず情報を隠すかではなく、情報というのは国民のものであって、知る権利があって、まず知らせるべきものなんだ、大前提があって、そして限られたものだけ保護していく、もう全く違うと思います。

 そういう意味で、国際基準の一つとしてツワネ原則というのがあるわけであります。そういう中で、森大臣は、ツワネ原則は読んだことがない、こうおっしゃっていた。総理は、このツワネ原則をごらんになっているのか、そして、ツワネ原則に対してどのように認識していらっしゃるのか。

安倍内閣総理大臣 まず、あの原発発災のときには民主党政権でした。菅直人総理のときに、枝野さんが官房長官だった。出すべき情報を出さなかった。これは法律があろうとなかろうと、まさに時の政府が対応を誤ったんですよ。しっかりと国民を信じて、出すべき情報はちゃんと出していればよかった。ですから、その行為とこの特定秘密は全くかかわりがない。これは当たり前ですね、当時まだ法律がないんですから。

 今度はしっかりと法定して、そして秘密に当たるもの、ないもの、これは当たるか当たらないかを限定列挙していくわけでございまして、そして、その秘密の指定、解除についても有識者の意見を参考にしながら決めていくということになっているわけでございまして、むしろそこを混同されてここで議論されるということは不正確な情報を国民に垂れ流していくことになるので、私ははっきりとまず申し上げておきたい、このように思います。

 その上において、ツワネ原則についてお尋ねがありました。ツワネ原則については、私的機関が本年六月に発表したものでありまして、国際原則としてオーソライズされたものではないというふうに認識をしております。現時点でその意義について評価することは適切ではないと考えています。

 他方、特定秘密は、法律の別表に限定列挙された事項に関する情報のうちから指定されるものであり、これに該当しない情報は特定秘密とはならないことは明らかであります。先ほど福島の状況についてさまざまな御懸念が示されたわけでありますが、それは当たらないということははっきりと申し上げておきたい、このように思うわけでありますし、また、法案化作業に当たっては、国民の知る権利や取材の自由に十分配慮しつつ検討を進めてきたところでありまして、本法案はこれらに十分配慮したものとなっております。

 このように、本法案は適正な運用が確保されているもの、このように認識をしているわけでございます。

近藤(昭)委員 私は、きのうの陳述人の方にも質問させていただきました。当時政権にいた者としても、私は、そのことは反省とおわびを申し上げた。しかし、大事なことは、これから二度とそういうことがあってはならない。私は、総理がおっしゃった、混同しているわけではありません。秘密というものをとにかく公開していかなくてはならない、それが大前提であります。

 そして、そういう中で、特定秘密保護法ができる前かもしれませんが、いろいろなことが隠されてきた。福島の健康調査のことも申し上げました、裏会議が行われていたということ。そして、国会事故調査会の報告も、今、残念ながらまだ公開をされていない、国会図書館の中にある、そうしたこと。

 そこで私が申し上げたのは、権力を持っている、力を持っているところがどうしてもそういう情報を隠そうとするところがある、だからこそ、しっかりと仕組みをつくらなければならない。与党であろうが野党であろうが、行政であろうと立法機関であろうと、そして司法であろうとであります。

 私は、そういう中で、しっかりとした情報公開がされていくための、今、国際的に認知されたわけではないとおっしゃりましたが、ツワネ原則に書かれていること、私は本当に大事なことだと思います。

 そういう意味で、このツワネ原則に関係して、今民主党が出している情報公開法また公文書管理法については、こうした原則についての反映がなされているのか、お聞きをしたいと思います。

渡辺(周)議員 昨日の地方公聴会の会場を福島に決定したという委員長の御英断、そして、これを進言したのは私ども民主党でもありました。

 先ほど安倍総理からもありました。与党席からもありました。民主党政権の責任ではないかと今指摘がありました。そのとおりであります。民主党政権は大きな十字架を背負っている。これはやはり、東日本大震災の直後に起きた福島原発のあの事故とその対応をめぐって、今も我々は大きな十字架を背負っている。だからこそ、あの大きな犠牲の上に立って、我々は本当に猛省をし、福島で率直な意見を伺いました。

 権力者による、為政者による情報支配、情報の独占というものをさせてはならない、そして何よりも、知らなければいけないことが隠されることがあってはならないということで、民主党の対案には、ここに、秘密にしてはならないことというものを明記しました。そして、情報公開法には、不開示、開示できない情報というものを範囲を限定いたしました。それによって、国民がアクセスできる権利というものを格段に高め、そして、アクセスしないまでも、必要な情報は政府側から出す、このことを明記しました。

 何よりも、民主党の対案にも情報公開法にも国民の知る権利ということを法律の中に明記したということが、私どもが、福島原発、東日本大震災、今も苦しんでいる方々に対して、その思いの中から、だからこそ、しなければならない、書かなければならないということを明記したわけでございまして、この点につきまして、政府案との大きな違いはそこにある。

 政府の、政府による、政府のための情報独占をさせてはならない、そのことを我々は経験から作成をしたわけでございます。

近藤(昭)委員 今、情報公開法についての、情報を公開する、このことをしっかりと仕組みとしてつくっていかなくちゃいけない。自分たちの反省、しかし、これから同じようなことが起こってはならない、だから、しっかりと仕組みをつくっていく。

 公文書管理法についてはいかがでありましょうか。

長島(昭)議員 公文書管理法の改正案について御説明申し上げたいと思います。

 先ほど大口委員もお触れになったように、秘密の保護というものは、主権国家にとって大変重要であります。それと同時に、私たちは、知る権利に資するために、行政文書、公文書の適切な管理というものも求められているというふうに考えております。

 そういう観点から、私どもの改正案では、三点申し上げたいというふうに思っています。

 一つは、現行の公文書管理法では適用除外になっております防衛秘密そして特別防衛秘密、これも公文書管理法の適用にさせるということに決しました。これは、みだりに情報を廃棄されないようにということの観点からでございます。保存義務を課すということであります。

 それから第二番目は、これは安倍総理も再三御答弁の中でおっしゃっておられましたけれども、この委員会でも相当議論いたしましたけれども、NSCにおける議事録、あるいは、これまで作成されてこなかった閣議あるいは閣僚懇談会での議事録、こういったものの作成義務を課すというものであります。

 第三番目は、国立公文書館等に移管された歴史公文書の取り扱いについてであります。行政文書として作成、取得されてから三十年を経過している場合には、時の経過を考慮してもなお利用を制限するに足りる特段の理由がある場合を除いて、全て利用できるようにしなければならない。

 このように、公文書の管理、そして国民による利用、こういったものも十分に配慮した制度とともに、私は秘密保護の制度もとる必要があるというふうに思っておりますので、その辺のところはぜひ、この修正案も、この委員会で真剣に引き続き議論していただきたいというふうに思います。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 情報公開法そして公文書管理法、やはり秘密の問題については、指定があり、解除があり、それを保管、いわゆるむやみに廃棄をしてはならない、しっかりと保管をする、そして保管されたものが公開される、こういう仕組みがないといけないんだと思います。指定がむやみにされない、しっかりと解除をされる、そして保管をされ、公開をされていくということだと思います。そうしたシステムを、情報公開法あるいは公文書管理法、こうしたことで担保していくことが重要だと思います。

 ツワネ原則について、先ほど総理は、国際的には認知をされていないとおっしゃった。しかし、この委員会の中でよく森大臣がおっしゃる、海外から提供された情報をしっかりと保護する仕組みがないから、そのことについてしっかり担保していかなくてはならないからこの保護法がある、こういう言い方をよくされたわけであります。しかしながら、一昨日の新聞でありましたけれども、政府の裁量が広過ぎ、知る権利と秘密保護のバランスを定めた国際原則、ツワネ原則を逸脱している、こうおっしゃっている。

 これは、米国の核戦略の専門家で、国防総省やNSCの高官を務めたモートン・ハルペリン氏という方であります。神奈川新聞にこのことが掲載をされておりました。こうしたことについて、米国のNSC、国防総省の高官を務めた方からもこういう懸念が出ているということであります。私は、そのことをしっかりと認識をしていただきたいというふうに思います。

 そして、そういう中で、第三者機関について改めてお聞きをしたいというふうに思います。

 まず、対案を出された民主党の担当者の方に、第三者機関は諸外国でも設置をされている、必須のものである、民主党の案ではどのような機関を設置するのか、その権限とともにお答えをいただきたいと思います。

後藤(祐)議員 お答え申し上げます。

 委員が先ほど御指摘されたツワネ原則の中でも、原則三十一というのがございまして、国家が安全保障部門の組織を監視するための独立監視機関を設置していないならば、これを設置すべきであるとツワネ原則であります。

 我々の今回提出している法案の中では、国民の知る権利の保障に資する報道や取材の自由を十分に尊重しつつ、特別安全保障秘密の適正な管理、これを目的とする情報適正管理委員会というものを設置する法案を提出しております。

 これは、国の保有する情報というのは本来国民のものである、こういう思想からつくっているものでございまして、確かに行政の中に設置するものではございますが、国民の代表である我々国会議員がこの委員会の委員長そして六人の委員を指名するという、今までにない画期的な形で委員会を組織することとしております。

 こういった形に対して、与野党協議の中で、国会議員が指名する委員によりこういった監視をするのは危険きわまりないというお言葉が与党側からあったことは、大変残念なことだというふうに考えております。

 そして、具体的な権限として、まず、秘密指定の基準、これを、我々の案では、この委員会がそもそもつくるということにしております。また、違法行為を政府が隠蔽したり、あるいは秘密指定すべきでないというようなものを行政の中の方が発見してしまうときがあるんですね。こういったときは、この方は、我々が設置した委員会に通知しなくてはならないということを義務づけています。この通知を受けた委員会は、きちんとこの報告を受け、場合によっては勧告するという権限も与えております。

近藤(昭)委員 第三者機関を設置する、そして、そこにしっかりとした権限を持たせていく。ある種の告発の仕組みを、ツワネ原則の中でも触れられているわけでありますが、こうしたものを担保したシステムをつくっていくということだと思います。

 そこで、総理にお伺いをしたいと思うわけであります。

 修正案の中では、附則第九条において、新たな機関の設置に必要な方策について検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすると書かれているわけでありますけれども、総理、この第三者機関には、先ほど民主党案の提案者から説明があった法的な権限を持たせるのかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 修正案で行うこととされております、特定秘密の指定等の適正を確保するために必要な方策について検討するため、本法案成立後、内閣官房に準備室を設置して、そして、統一基準の原案作成等の本法案の施行準備とともに必要な検討を開始することとしておりまして、その検討結果を踏まえて、具体的な措置を講じてまいりたいと考えております。

近藤(昭)委員 総理、検討するということでありますけれども、第三者機関に法的な権限を持たせるつもりでいらっしゃるのかどうかということであります。

安倍内閣総理大臣 今申し上げましたとおり、必要な検討をこれから開始するわけでありまして、その検討結果を踏まえて、具体的な措置を講じていく考えでございます。

近藤(昭)委員 総理、そのことにやはり昨日の福島の方がおっしゃったのは、懸念を表明されたのは、特定秘密が指定されていく、それがどんどんどんどん拡大をしていくのではないか。そのことに対して歯どめが必要だから、私も、党としても、第三者機関を設置する、そして、先ほど説明がありましたように、そこに法的な権限を持たせるということなんです。

 こうしたことをしないで、検討する、そしてそれが附則に書かれている、これではやはり、福島の方だけではない、国民の多くの人が納得できないんだと思います。いかがでありましょうか。

森国務大臣 まず、この第三者機関、附則に書いてあるものは、準備室をつくって、迅速にその中身をどういうものにするか検討していきます。

 その内容は、米国の省庁間上訴委員会や情報保全委員会などを参考に、第三者機関がしっかりと行政の恣意のないようにチェックする仕組みにしてまいりたいと思います。その仕組みが具体的に明らかになりまして、法的措置が必要になりましたら、それはもちろん法的措置をしていきます。

近藤(昭)委員 いや、法的措置が必要ということで、なりましたらじゃないんです、法的措置が必要なんです。そして、それが今、特定秘密保護法を通過させようとしているその前提として私は必要だと思います。

 これから検討するではわからないわけじゃないですか。そのことに対する懸念を多くの人が示している。だから、きちっとして、そこは知る権利を守るために、特定の秘密保護はするけれども、しかしながら知る権利はしっかりと守っていく、そのことを今明らかにすることが必要だと思います。いかがでありましょうか。

安倍内閣総理大臣 今、近藤委員がおっしゃったような懸念に応えていく上において、しっかりと我々はこの準備室において検討作業を進めていくわけでございまして、そしてその検討を受けた結果、ただいま森大臣が答弁したように、必要であれば法的措置を行っていくわけでありますし、まずは検討結果を見て判断し、必要な措置を講じていく考えでございます。

近藤(昭)委員 総理、繰り返しになりますけれども、検討ではなく、ましてや附則に書かれているわけでありますし、しっかりとそのことをやることによって、福島の方は、自分たちが捨てられている、棄民だという言葉も……(発言する者あり)

額賀委員長 御静粛に。

近藤(昭)委員 きのうの陳述の席でおっしゃられたわけであります。きのうのきょうなのであります。

 そして、まさしくそこで、我々がここで言ったことが反映されるのかということが言われたわけであります。きのうのきょう。そして、そのことに多くの人が、情報公開がちゃんとされるのか、知る権利が守られるのかと。

 憲法に保障されているわけです、国民主権、基本的人権そして平和主義。民主主義をしっかりと守っていくためにはこの知る権利が必要なんだ、それを、利用しているのではなくて、一番はっきりと、一番今厳しく感じている、だから我々は委員会としても福島で公聴会をやったんじゃないですか。

 総理、いかがでありましょうか。

森国務大臣 今、福島県のことをおっしゃいましたけれども、私ども福島県は、当時やはりSPEEDIの情報が出なかったこと、本当に心に重くのしかかっております。しかし、あれは秘密文書でも何でもなかったんです。

 現在でも秘密文書というものが政府の中にあります。しかし、その秘密文書にさえ指定されていないのがSPEEDIであります。住民の避難に必要な情報は、秘密文書になっていません。しかも、国家の災害基本計画で、総理大臣が住民にその避難情報は開示しなければならないと決まっているんです。それに違反して、開示をされておりませんでした。

 私どもは、しっかりと住民の避難に必要な情報は出していきます。SPEEDIの情報も出していきます。SPEEDIの情報は特定秘密にはなりません、別表に該当しませんから。

 それと同時に、やはり長い廃炉作業を抱えていく中で、テロの脅威、北朝鮮のミサイルの脅威は福島県にもあるんです。しっかりと国民を守っていくためにこの法律が必要であるということです。

近藤(昭)委員 森大臣、そのことはよく、私も何回もこの委員会の中で聞かせていただいております。しっかりと胸に刻み込んでいます。

 ただ、その中で、福島の人たちが不安を感じているから、懸念を感じているから、そのことを解消するためにしっかりとした第三者機関を設定する、法的権限を持たせる、こうしたことをやるべきだ、こう申し上げているわけであります。

 以上であります。

額賀委員長 次に、山田宏君。

山田(宏)委員 日本維新の会の山田宏でございます。

 きょうは、総理御出席のもとでの審議となります。修正協議も、我々の要求に応じて、与党の皆さんにも、交渉担当者の方々、もう二十時間近く、相当かんかんがくがく、お互いやり合って、一つの修正案ができ上がりました。それぞれ御努力があったということに、まず敬意を表したいと思っております。

 今回の総理御出席のこの委員会で、我が党は、やはり総理の御答弁の内容によって、この修正案、どういうふうに、我々は出してきたけれども、内容をもう少し詰めてからきちっと判断をしていくという立場でございますので、どうか明快な御答弁をお願いしていきたい、こう思っております。

 まず、私たちは、一定の強い保護、保全を受けるべき国家の秘密というものは当然存在するというふうに考えております。ですから、こういった趣旨の法律の必要性というものについては理解をしております。

 ただ、問題は、この特定秘密の指定に当たって、それが必要最小限なものなのかどうか、それから、その秘密が指定された後、一定期間が経過した後、この秘密が解除された後、基本的にこれが公開をされる、国民の前に明らかになる、全て公開されるということが大事だということを主張してまいりました。

 国民の声の中には、当時の政府にとって、これから先ですよ、都合の悪い情報は秘密指定をされて、これが国民の目にさらされないのではないかという危惧、どこまで秘密になるのか、これが政府の恣意によるものがあるのかないのか。

 確かに、我々、前政権のときに、あの尖閣諸島のビデオの問題、あの程度でも出てこないようにしたわけですから、どの政府がどんなことをするかわからないわけです。ですから、そういった意味では、こういったものを、秘密の指定が最小限であるべきということはきちっと担保をしてもらわなければならない。

 それから、国民の知る権利が今後制限されていくのではないかというような危惧も国民の中にあります。そういった危惧のもとに修正協議に我々は臨みまして、与党の方々と協議をしてまいりました。

 今、御質問をお聞きしておりますと、与党の方々の御質問の中でも、この修正によってかなりよくなったという評価をいただいております。逆転させれば、もともと原案はやはり、それから考えれば不十分なものであったということでありまして、そういった点で、修正をされたということは、相当、我が党の主張も踏まえていただいたということであります。

 そこで、今回修正された項目について、我が党が非常に関心を持っている、また、国民の皆さんも関心を持っている、メディアの皆さんも関心を持っているということについて、法文上には書かれていなくても、一体、これからこの法案を通過させて、政府としてどう具体的な行動をとるのかということを、ある程度それを明確にしていただかなければなりません。

 それはなぜかというと、法文に書けるものと書けないものがあるということはよくわかっております。しかし、修正協議の中では、かんかんがくがく、法文の字句をやっただけではなくて、まず、その内容を我々は議論して、それを法文にするにはどうしたらいいかということを検討してきたわけで、もともと、こういうものが必要なんだというものはかなりはっきりしているんですよ。それをきょうは御確認させていただきたい、こう思っております。

 まず、これまでもお話がありました、この特定秘密は、有識者会議によってアドバイスを受けて、総理がこの選定の、指定の基準をつくります。この基準は、国民にオープンになります。この基準に適合した指定が行政機関によって行われているかどうかというのは、当該行政機関や総理が判断するのではなくて、やはり独立した第三者的な目を持った機関が、指定がきちっと基準どおり行われているかということをチェックする。こういった仕組みが原案にはなかったんですよ。

 これを、我々は強力に主張しまして、附則九条に盛り込みました。この中で、この法律の附則第九条では、この法律の施行までに、独立した公正な立場で検証し、監察する新たな機関を設置するということを検討する、こういうことが盛り込まれております。

 これは、ちゃんと設置するんですよね。検討すると書いてありますけれども、設置するんですよね。いかがでしょう。

安倍内閣総理大臣 御指摘のとおり、日本維新の会の修正案を与党が受け入れたことにより、特定秘密の指定及びその解除に関する基準等が真に安全保障に資するものであるかを、独立した公正な立場において検証、監察する新たな機関の設置を含め、特定秘密の指定等の適正を確保するために必要な方策について検討することとされました。

 本法案が成立した場合には、内閣官房に準備室を設置して、統一基準の原案作成等の本法案の施行準備とともに、附則第九条に基づき本法案の適正な運用を図るための方策について検討を開始することとします。その検討に当たっては、有識者の御意見を伺うとともに、諸外国の制度、特に米国の省庁間上訴委員会や情報保全監督局を参考としてまいりたいと思います。

 本法案の施行までに、新たな監査、モニタリング機関の設置については、本法において、内閣総理大臣が、特定秘密の指定、解除等について、チェック機関としての役割を果たすことに資するものとしてまいりたいと思います。

山田(宏)委員 いや、それではわからないんですよ。

 今、最後の方に、内閣総理大臣がチェックするかのような文言がありましたけれども、これは自分で指定しておきながらチェックするということなんだから、これはだめなんです。そうじゃなくて、行政機関の中でもいいんですよ。私も杉並区長をやりましたから、杉並区役所の中には、各役所の仕事を監視するための監査委員会事務局というのがありましたよ。これが、やはり独自に、それぞれの仕事がちゃんと行われているかどうかを、権限を持って調べていました。こういった第三者的な独立した機関がチェックをする仕組みでないといけないんです。総理大臣がやるんじゃないんです。今、アメリカの例もございましたけれども、こういった独立した機関をちゃんと設置しなきゃいけないんです。

 今回の附則は、この附則はこれで我々も我慢して読みましたけれども、しかし、この附則の中に書かれていることにいくには、相当、我々は与党と議論したんです。その中で、やはりここに記する内容というのは、きちっと、そういった独立機関をこの法律の施行までに設置するということを約束してもらったと我々は認識しているんですよ。

 この附則というものは努力規定であって、やるかどうかわからぬというような、こういった指摘も新聞ではありますけれども、とんでもない話であります。これは努力規定じゃないですよね。これはちゃんと設置してもらわなきゃ、我々は賛成できないんですよ。

森国務大臣 附則に書いてありますとおり、山田委員の御指摘どおり、この附則の最後の方の文言でございますけれども、「必要な方策について検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずる」というふうに書いてありますから、私は、その方向に向けてしっかりと準備をしてまいりたいと思っております。

山田(宏)委員 いや、これは総理に答弁してもらわないと困るんですよ。

 設置するんですね。お願いします。

安倍内閣総理大臣 我々は、設置すべくしっかりと、これは今ここで答弁をするわけでありますから、設置すべく努力をしてまいります。

山田(宏)委員 いや、努力じゃなくて。

 では、設置しない場合もあるということですか。

安倍内閣総理大臣 今、設置すべくというふうに申し上げているわけでありますから、これは、設置をしないということではなくて、設置すべくしっかりと努力をしてまいります。

山田(宏)委員 もう一度御答弁いただきますが、設置すべきだと考えている、こうお答えですね。

安倍内閣総理大臣 私は、設置すべきだというふうに考えております。

山田(宏)委員 それでは、今も御答弁ありましたように、私たちが修正協議で求めてきた機関というのは、例えば、米国の情報保全監察局、これは国立公文書館のもとにあります。国立公文書館というのは政府の機関です。政府の機関にある情報保全監察局のようなものを求めてきております。

 この情報保全監察局というのは、大統領令に基づいた基準に合った秘密指定がなされているかどうかを独立した立場で監察して、不適切な場合は、行政機関に対して指定解除を請求できる権限も有しています。

 このことについては、十一月十八日の毎日新聞でも、情報保全監察局のフィッツパトリック局長のインタビューを載せています。この監察局がなければ秘密指定がふえ、市民の知る権利が侵害されると。同時に、日本でも強力な権限を持つ監察機関の設置が有効だと強調されています。この監察局は、どこにでも行き、何でも監察する権限がある、これがなければ、政府機関は前向きに協力しなくなると。

 さっき、区役所の例を申し上げましたけれども、監査委員会事務局でも、やはり、全部の仕事を全部見るわけじゃないんですよ。各局や各部のこれだと思う特定の事業、これを狙いを定めて、この資料を出しなさい、これをどうしなさいということを調べて、そして監査報告書を出していくわけです。

 私は、こういった機関が、特定秘密の情報の指定基準に合っているかどうか、また、合っていないという場合は、これは解除しなさいということを総理大臣にきちっと提言をする、こういった機関が絶対に必要だと思うんです。

 こういった権限、先ほどもお話がありましたように、一つは、監察する権限ですね。いろいろな行政機関に入っていって、資料を出しなさい、これはどうですかと質問していく。そして、それをもとに報告書を書いて、秘密指定がきちっと基準どおり行われているならばそれでよし、そうでないという危惧がある場合は、これはおかしいんじゃないかということをきちっと総理大臣に報告する、または提言する、開示を請求する。こういった権限まで持たせないと、ただただ見ているだけではだめなので、そこまでぜひ考えて検討していただきたいと思っておりますが、いかがでしょう。

安倍内閣総理大臣 まさに今委員がおっしゃったようなことも含めて、これからどういう機関にしていくかということについて検討していかなければならない、このように思っております。

山田(宏)委員 このアメリカの機関も、実は、あれだけ膨大な秘密を持っているアメリカでも、二十八人の職員なんですよ。ですから、そんな膨大な数の職員がいるわけじゃないんです。だけれども、そういったところが、きちっと権限を持ったところが、時々入りますよ、監察に入りますよということを、きちっと持っているということがすごく、やはり抑止力になるんですね。

 ですから、こういった機関を設置しなければ、この法律は施行してはなりませんよ。ぜひ、その点はもう一度確認をしていきたいと思います。

森国務大臣 この米国の省庁間上訴委員会や情報保全監督局というのは、行政の恣意的な作用を抑止するために効果的に作用しているというふうに伺っておりますので、私も、総理の方に、こういった機関を参考としていただいて、今後設置していただくようにお願いしているところでございます。

山田(宏)委員 ぜひ日本版情報保全監察局を設置していただきたいと、改めて要望させていただきます。

 次に、最初の原案から変わったところの一つとして、特定秘密を指定できる行政機関の長の範囲、これを、原案は三条ですけれども、不必要に広過ぎるということを我々が主張してまいりました。

 当初の原案どおりいきますと、これは第二条第一号から第六号までということで、どんなものがこの政府の機関としてあるのかというと、内閣官房から始まって、だあっと、都市再生本部、構造改革特別区域推進本部、地球温暖化対策推進本部、地域再生本部、郵政民営化推進本部、中心市街地活性化本部、文化庁、林野庁、水産庁、観光庁、気象庁、環境省、こういったものがずっと挙がって、五十七も、政府の行政機関の長が特定秘密を設置できるようになっていたんですよ。

 一体、郵政民営化推進本部がどんな特定秘密を持つんですか。また、林野庁はどうですか。観光庁はどうですか。こういった省庁が、本当に特定秘密を指定できる行政機関として当初から設置されているということが、実は国民の中に、いろいろな秘密を自分の役所の都合よくやってしまうのではないか、過去そういう事例がありましたから、やってしまうのではないかということを、我々はやはり心配するわけです。

 ですから、安全保障上特に重要なもので、今まで秘密になっているもので、四条件、四つの別表に定めるものということで指定してきて、この法律には書いてありますけれども、そういったものであれば、ここまで、五十七の行政機関をあらかじめ全部指定機関として定める必要はないんじゃないかということで、三条と附則三条に、首相は有識者会議の意見を聞いて不必要な行政機関を政令で排除する旨、法文化してもらいました。さらに、権限のある行政機関であっても、五年間特定秘密の指定がなければ指定行政機関からは除外されるという規定が附則に盛り込まれました。

 こういった附則が盛り込まれて、ぜひ、できる限り、総理の判断で、この法律が施行するまでに行政機関を限定していただきたい、こう考えているんですけれども、いかがでございますか。

安倍内閣総理大臣 山田委員の御指摘のとおり、日本維新の会の修正案を与党が受け入れました。

 その結果、総理である私が有識者会議の意見を聞いて政令で定める行政機関の長には、特定秘密の指定権限を付与しない仕組みとされました。恣意的な特定秘密の指定を防止するため、指定権限を有する行政機関をできる限り限定すべきなのは、当然でございます。

 建設的な修正案を御提出いただいた、このように思うわけでございまして、特定秘密の指定を行うことのできる行政機関の長の範囲については、専門家によって組織される有識者会議の意見に謙虚に耳を傾けながら、恣意的な特定秘密の指定を防止するため、できる限り限定すべく、適切に判断したい。

 今、山田委員が例として挙げられたように、役所に言いますと、もしかしたらそうなるかもしれないということで、ずらずらずらずら出してくるわけでありますが、確かにそれは国民の不信を招くことにもつながるわけでありますから、しっかりと今言った趣旨で対応していきたい、このように思います。

山田(宏)委員 総理の思いとしては、この法律施行までに、有識者の会議の御意見を聞いて、できる限り必要最小限の行政機関に限定していきたいというお考えとして承ってよろしゅうございますか。

安倍内閣総理大臣 そのとおりでございます。

 その省庁自体の秘密というよりも、例えば、衛星写真等を撮ったものを提供した結果、その衛星写真の能力が明らかになることは問題でございますから、その結果、それが秘密になるということがあるということも含めて、恐らくこれはかなり広く見たのではないかというふうに考えております。

山田(宏)委員 必要があれば、政令でまたその機関を復活させていけばいいわけでございまして、ぜひ、その辺ははっきり、国民の不信感、不安感をよく配慮した形で、きちっとオープンに、行政機関の指定をなるべく限定的にしていただきたい、こう思います。

 それから次に、原案の問題点として、我々は、特定秘密の指定期間、これが最長三十年になっていた。三十年を超える場合は、内閣の承認で超えさせる。そして、三十年後は、三十五年、四十年、四十五年と、五年ごとに内閣の承認を得て特定秘密の指定延長が図られていく、当初はこういう原案でした。そうしますと、内閣の承認を得たものは引き続きずっと秘密、永遠に秘密になっちゃうじゃないかと。

 そしてもう一方で、内閣の承認を得なかったものについては、先ほどもお話がありましたように、当初は、歴史的な価値のある文書は公文書館、しかし、そうでないものは総理の承認を得て廃棄、こうなっていたわけで、これはとんでもないだろうと。

 やはり秘密解除されたものはきちっと全部公文書館に渡して、特定秘密となるぐらいなんだから、どんなものが秘密になったのかということを、歴史家や研究者、後世の人たちに判断してもらうということをやって初めて、今の秘密指定が緊張感を持って行われるということになるわけですから、これは欠かせないんですよ。我々はそれを主張して、そのように盛り込んでもらいました。

 秘密が秘密のまま葬り去られることのないように十分注意をしていかなきゃいけませんけれども、全ての情報が、基本的に秘密解除の後、これは全て公開するということが原則であるということは、改めて確認をさせていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 我々、今、山田委員そして維新の会によって指摘された点、これは極めて重要な御指摘である、このように受けとめたわけでございまして、その結果、修正案を与党が受け入れたわけでございます。そのことによって、一定期間経過後は全ての情報公開が原則とされたものであります。

 その意味において、秘密指定の有効期間は、原則三十年を上限として、その延長について内閣の承認を得たとしても、暗号や人的情報源に関する情報等、例外中の例外を除き、通じて六十年を超えることができない仕組みに修正されたわけでございまして、これはしっかりと、闇から闇に葬ることができないようにしたということで高く評価したい、こう思うところであります。

 また、暗号や人的情報源に関する情報等に準ずるもので政令で定める重要な情報との規定ぶりでは、政府の裁量で永遠に秘密指定が継続するものが続出するのではないかとの懸念も伺っておりまして、しかし、同規定は極めて限定的に解するべきものであり、現時点では想定しがたい、こう考えております。

 また、三十年を超える指定の延長について、内閣の承認が得られなかったときは、当該情報が記録された文書について、保存期間の満了とともに、全ての文書を国立公文書館等に移管する修正が行われました。これにより、内閣の承認が得られなかった全ての文書について、秘密指定の是非を含め検証可能な仕組みに修正されたことは、建設的な改善であったと考えております。

山田(宏)委員 三十年を超えた特定秘密で指定されなかったものについては公開ということになるんですけれども、さっき、森大臣の御答弁の中で、公開ないし、公文書館に行くものもあれば廃棄されるものもあるような、廃棄ルールとかいうお話もあったんですけれども、廃棄されるものはあるんですか。

森国務大臣 廃棄ルールというのは、廃棄されないことを定めたルールという意味でございます。

 廃棄がどうなるのかというのをしっかりルールとして明確化してはどうかというような御意見が審議の中でありましたので、それをルール化して、秘密指定が解除されたものは全て公文書館に移管するということに決まったものでございます。

山田(宏)委員 そうすると、もう一点だけちょっとお聞きしておきたいんですが、三十年を超える特定秘密の解除については規定されました。そうすると、三十年を超えないもの、例えば二十五年とか二十年、こういう特定秘密が秘密指定を解除された場合は、どういう取り扱いになるんでしょうか。

森国務大臣 三十年を超えない場合については、これまでどおりと同様の解釈だと思われます。内閣の承認を得ないものでございますので、秘密指定が解除された場合には通常の行政文書になります。

山田(宏)委員 そうすると、通常の行政文書というと、基本的には廃棄ということになるんですか。

森国務大臣 いえ、基本的に廃棄というのは違います。

 通常の行政文書においては保存期間が定められておりまして、保存期間が満了した場合には、公文書館に移管するか、それとも廃棄するかというのを総理大臣の同意を得て決めるということになっております。

山田(宏)委員 そうすると、三十年、二十五年の差なんですけれども、二十五年または二十九年というものが出てきた場合、これがやはり、今の場合は総理大臣の承認を得て廃棄という可能性が残っているということであれば、三十年たてば公開されてしまうんだから、二十九年のときにということも、政府によってはですよ、時の政府によってはあり得るんじゃないか、こういう懸念についてはどう答えますか。

森国務大臣 委員の御指摘、重要な御指摘だというふうに思います。

 これについては、有識者の御意見を聞いて、秘密の指定のあり方、解除のあり方等を決めていく中で、しっかりとルールを明確化していきたいと思います。

山田(宏)委員 総理、この辺はやはり重要なことなんですけれども、三十年を超えないものについて、やはり、三十年を超えたものと同じような趣旨にのっとって、きちっと公開のルールを決めていくべきだと考えておりますけれども、今後、その点を御検討いただきたいと思いますが、いかがでございますか。

安倍内閣総理大臣 三十年を超えない、例えば二十五年であれば、今、森大臣から答弁したように、一般の公文書と同じ扱いになるわけでございますが、他方、今委員が指摘されたように、特定秘密に指定をされてきたというものは、当然それは重いものであるというふうに考えなければいけないわけでありまして、いずれにしても、総理大臣である私がそれを了解しない限り、これは廃棄ができないということでありまして、私は、当然、それを廃棄すべきでないと考えておりますから、私は、廃棄はしません。

 しかし、それは、ルール化する必要があるということも含めて、検討していきたいと思います。

山田(宏)委員 安倍総理は信頼しております。その後、X総理、Y総理が出てきた場合、これはわからない。やはり将来のルールを、ぜひ安倍総理の、そうお考えならば、きちっとその総理の代のときにつくっておいていただきたいと要望をいたします。

 それから、秘密指定、六十年を超える場合の、例外中の例外の文書の中で、第七号目に、今総理もお触れになられましたけれども、前号の事項に関する情報に準ずるもので政令で定める重要な情報は引き続き秘密ということになるんですけれども、これは、今の段階では考えられないということでよろしいですね、七号目は。

安倍内閣総理大臣 先ほど答弁したとおりでありまして、考えられないということであります。

山田(宏)委員 るる、いろいろとお話をお聞きしてまいりました。ちょっと時間の制限があるんですけれども、私、ちょっと心配なことがありまして、この特定秘密の議論をしながら、特定秘密については、みんな、特定秘密、こう思って議論をしていたんですけれども、やはりそれ以外の秘密みたいなもので、永遠に国民の目に触れないものというのはかなりあるんじゃないか、こう思っているんですよ。

 例えば、この委員会でも私、お話しいたしましたけれども、かつて慰安婦の聞き取り調査をやりましたね。あの聞き取り調査のもとで河野談話がつくられたわけです。この慰安婦十六名の聞き取り調査の内容というものは、今、一部のマスメディアでは報道されています。

 私は、先日、これは特定秘密に当たるのかと聞いたら、特定秘密には当たりませんということでした。では、これを開示してください、こう申し上げましたら、いや、個人が特定される可能性があるからだめです。第二番目は、これは聞き取りのところで非公開を前提に調査したんだからだめです、こういうことなんですね。

 個人が特定されるといっても、報道されているものを見ると、名前の明らかじゃない人はいっぱいいますよ。名字だけとか、片仮名で書いてあるとか、それから名前だけじゃなくて生年月日、出身地すら不明な人たちばかりなんです。どうやって個人が特定されるのかねと、私は、まずこの点を疑念に思っています。

 さらに、この聞き取り調査の後、韓国の新聞に、何名かの元慰安婦の方々がインタビューに答えています。こういったことを見れば、どこまでが個人特定性があるのかというのは非常に疑問です。

 それから二つ目は、非公開を前提に調査したんだということは、そうすると、そういうことを文書にしたんですか。非公開を前提だったら、それは永遠に、百年、千年、一万年もこれは秘密なんですか。冗談じゃないですよ。これだったら、特定秘密よりひどいじゃないですか。こういう不明朗なものがあるというのは、私は非常に問題だと思っているんですよ。日本国の名誉がかかっているんです、これは。

 この慰安婦の問題についての聞き取り調査の内容について、例えば、例を挙げましたけれども、これは今後どうされるか、お聞きをしておきたいと思います。

加藤内閣官房副長官 今、委員から御指摘のありましたように、この証言については、安全保障の条項には該当しないので、特定秘密には当たらないと。

 その上で、情報公開については、この聞き取り調査の結果については、今御指摘もありましたが、特定の個人を識別することができる情報を記録しているということと、また、非公開を前提として聞き取ったということで、その内容については公表しないということ、前回も御議論させていただいたところでありますし、また加えて、その一部についてということもありますけれども、たとえ氏名を伏せた等々、一部を非公開とする形であっても、他の文書や資料とあわせて個人を特定することが可能になるおそれがある、そういうことで、公表はしないということで対応させていただいているところでございます。

山田(宏)委員 ちゃんと答えていただいていないんですけれども、質問時間が来ました。

 ということは、これは永遠に秘密ということですよ。特定秘密以上のものじゃないですか。こういうものは何とか基準をつくっていただきたいと改めて要望させていただきます。

 今回、総理出席のもとで委員会が開かれました。二時間、修正案について議論しましたけれども、我が党としては、やっと修正案の議論になったところだ、こう考えておりまして、この問題については引き続き十分な審議時間をとっていただきたいと改めて要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

額賀委員長 次に、畠中光成君。

畠中委員 この特定秘密保護法案、毎日毎日議論する中で、国会でもさまざまな意見が出てきました。秘密の指定の範囲が際限なく広がるのではないかといった不安や、指定にも恣意性が残るのではないかといった懸念もありました。指定の解除のあり方や、情報を取り扱う者の適性評価のあり方にも、さまざまな意見が出ました。

 私どもみんなの党は、そういった懸念を解消するために、与党に対して修正案を提出しました。それでもまだ、国民の間でも慎重に審議をしてほしいという声も多く、この法案は相当不人気なのだろうと思います。しかしながら、不人気であっても、真に国益にとって必要なものや国民の生命にかかわるものについては我々は決断をしていかなければならない、そのように思います。

 ただ、国民に対する説明は極めて重要です。依然として、この法案に不安や懸念を抱かれている方も多いと思います。

 まず、総理から、こういった国民の皆様に向けて、この法案の必要性について改めて御説明をお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 この法案につきましては、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものの漏えいの防止を図り、我が国及び国民の安全の確保に資することを目的としております。

 NSCが設置をされ、各国のNSCに相当する機関と議論し、あるいは情報の交換をしていく、分析の交換をしていく上においても、秘密が保全をされているということが前提であることは言うまでもないわけでございまして、同時に、情報漏えいに関する脅威が高まっているという状況もあります。外国との情報共有は、情報が各国において保全されることを前提に行われていることに鑑みますと、秘密保全に関する法制を整備することは喫緊の課題であります。

 また、政府部内で情報共有が促進されるためにも、秘密保護に関する共通ルールの確立が必要であり、新たに設置をされる予定の国家安全保障会議の審議をより効果的に行うためにも、秘密保全に関する法制が整備されていることが重要であると認識をしております。

 特定秘密の件数が恣意的に拡大するのではないかという懸念があることも私は承知をしているわけでありまして、政府があたかも、自分たちに都合の悪いものはどんどん秘密に指定していくのではないかという懸念だろう、このように思います。

 その中におきまして、既に政府が保有する特別管理秘密文書等の総数が四十二万件に上っておりまして、そして、今度できる法律によって対象となる秘密も四十万件を超えていくのではないかという、この数が大分流布をされておりましたが、それはちょっと多過ぎるのではないかという印象があるのも事実だろう、このように思います。

 やはり、そういう意味においては、国民の皆様にもきっちりと御説明をしていく必要があると思いますので、あえて申し上げますと、この四十二万件に上るものの実情を申し上げますと、四十二万件のうち約九割は、実は、我が国の情報収集衛星に関するいわば写真でありまして、九割が写真であります。さらには暗号になるわけでございますから、これは相当数が限られてくるわけでございまして、このことについては国民の皆様にも御説明を申し上げたい。

 我々がどれぐらいの件数の写真を持っているかということ自体についても、これは秘匿性が高かったわけでありますが、この法案の重要性に鑑みまして、中は大体どういうことになっているかということは御説明をしておいた方がいいと思いまして、あえて今お話をさせていただいているところでございます。

 つまり、四十万件ではなくて、その九割は、今申し上げましたように、いわば衛星写真になるわけでありまして、衛星写真で撮ったものは、この中身そのものも重要な場合もありますが、そもそも情報関心を示している場合もありますし、解像度そのものがこれは秘密になりますから、いわば、写っているものがもう秘密ではなくなったとしても、解像度をどれぐらい我々が持っているかということがまさに極秘でありますから、これは特別秘密になりますから、その解像度を示す写真は当然その中に入ってくるということであります。

 現時点で確たることを申し上げるのは困難でありますが、特定秘密は特別管理秘密よりもさらに対象範囲を限定しているわけでございまして、特定秘密の対象文書等の件数は特別管理秘密よりも限定されるものではないか、このように考えております。

 いずれにせよ、恣意的な指定をさせない、そういう仕組みについては既に重層的なものができているわけでありますが、さらに、この委員会において、みんなの党、そして維新の会の皆様からいただいた御提言を受け入れることによってしっかりとしたものにしていきたい、このように考えているところでございます。

畠中委員 この特定秘密、今総理もおっしゃっていただきましたけれども、さらにどのようにこういったしっかりとした規定を設けていくかということは重要だと思っています。

 運用において、この特定秘密を一体誰が監視するのかといった問題があります。第三者機関の設置、これはこれでもちろん悪くないのですが、監視者を一体誰が監視するのかといった問題も起こります。ですから、私は、最終的には主権者である国民が監視できるようにすべきというのが筋であろうと思っています。

 だからこそ、知る権利には十分配慮する必要がありまして、マスコミの皆さんの任務、これは大変重いわけであります。また、主権者たる国民から直接選挙で選ばれた国会議員が集まるこの国会における監視も極めて重要であるというように思います。

 くしくも、国会の長である伊吹衆院議長も、特定秘密の問題について国会で取り扱うことのできる独立した権限を設けるべきであるという趣旨の御発言をされています。

 民主的統制をいかにとっていくかという観点からも、立法府であるこの国会において監視及び審議できる委員会を設けるべきだと考えていますが、総理の御所見をお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 本法案には、一定の条件のもと、国会の秘密会に特定秘密を提供するものとする仕組みが盛り込まれておりまして、本法案が施行されれば、国会の求めに応じ特定秘密を提供することが可能となり、国会で必要な議論ができるようになると考えます。

 さらに、修正案では、特定秘密の指定等の実施状況について、有識者等の意見を付して国会に報告されるものとされており、国会が定期的に本法の運用状況をチェックできる仕組みとなっているものと承知をしています。

 他方、御指摘の特定秘密について監視できる委員会の設置については、さまざまな御意見があると承知をしておりますが、これは国会の運営に関する事柄でございますので、国会において議論が行われるべきものであると考えております。

畠中委員 ありがとうございます。

 もちろん、これは国会のことでありますので、修正提案者からも御説明をお願いしたいと思うんですが、この委員会の設置について、政府から特定秘密の提供を受ける場合における国会での特定秘密の保護に関する方策についての、本法附則第十条の規定に基づく検討に当たって、どのような考えにおいて行われるのか、修正提案者の方、御説明をお願いいたします。

大口委員 畠中委員にお答えをいたします。

 委員もう御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、特定秘密を取り扱う関係行政機関のあり方及び特定秘密の運用の状況等について審議し、及び、これを監視する委員会その他の組織を国会に置くこと、国会において特定秘密の提供を受ける際の手続その他国会における特定秘密の保護措置全般について、早急に検討を加え、本法施行までに結論を得るようにしてまいりたいと思っております。

畠中委員 ぜひこれはやっていく必要があると思いますので、一緒にやっていきたいと思います。

 さて、先日の総理への質問の際に、私は、我が国の官僚主義、セクショナリズムの弊害について述べさせていただきました。我が国は、戦時中、陸軍と海軍がお互いの暗号を読解しないといけないと言われるほどセクショナリズムはひどかった。それが失敗への道を歩む大きな原因となったとも言われています。

 しかし、現在の我が国政府においても、この縦割りセクショナリズムの仕組みは残されたままであるように思います。総理、この縦割りの弊害は果たして破られるのでしょうか。

 今、外務省、防衛省を初め、内閣情報調査室、警察、公安と、それぞれ、餅は餅屋の利点はあるものの、縦割りは依然強いままであるように思います。取りまとめであるはずの内閣情報調査室の権限もまだまだ小さく、六名いる内閣情報分析官の身分も、あくまで出身省庁に縛られていて、縦割りの弊害が破られていないと言えます。

 みんなの党は、こういった、各省ばらばら、縦割りの弊害を破るためにも、内閣が情報を一元管理し、その指定などに際しても主導していく仕組みが大切だという観点から、総理大臣の指揮監督権限の強化について、修正協議を通じて主張いたしました。総理が第三者機関的に関与するといった誤解も出ましたけれども、我が党がそのような主張をしたことは一切ございませんので、念のため申し上げておきます。

 総理、この縦割りばらばらではなくて、秘密保護における内閣主導を明確化する仕組みが必要だと思いますけれども、改めて、この件に関して、総理の御見解をお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 現在の情報コミュニティーは、内閣直属の情報機関として内閣情報調査室が設置をされ、また情報コミュニティー各省庁が、内閣のもとに相互に緊密な連携を図りつつ、情報収集・分析活動に当たっています。

 具体的には、内閣情報会議や、そのもとに置かれる合同情報会議を通じるなどして情報コミュニティー各省庁が収集、分析した情報が集約され、総合的な評価、分析を行う体制が整備されており、情報コミュニティーとして機能していると認識をしております。

 御指摘の内閣情報分析官については、情報コミュニティー各省庁から集約された情報をもとにオール・ソース・アナリシスを行っているところでありまして、また専門的な分析能力を有する人材を民間からも採用するなど、人的な体制の充実に努めているところであります。

 情報コミュニティーのあり方についてはさまざまな議論があるものと認識をしておりますが、今後とも、内閣における情報の収集、集約、分析の一層の充実強化に取り組んでいきたいと思います。

 そして、その上において、修正案では、内閣総理大臣は、特定秘密の指定等が運用基準に従って行われていることを確保するため、行政機関の長に対して、改善すべき旨の指示をすることができることとされておりまして、行政全体を統べるという立場から、内閣総理大臣が指定等について指揮監督を行うことが明確になりました。

 また、修正案では、新たな機関の設置を含め、特定秘密の指定等の適正を確保するために必要な方策について検討することとされており、検討に当たっては、御指摘のとおり、諸外国の制度、特に、米国の省庁間上訴委員会や情報保全監督局を参考とすることも必要であると考えています。

 このようなさまざまな取り組みにおいて、内閣総理大臣がリーダーシップを発揮できるように努めてまいります。

畠中委員 時間が参りましたので終わりますが、この法案の採決があったら終わりではなくて、情報に対する懸念点を常にチェックしていく仕組みを国会でつくる、この委員会について、ぜひ多くの皆様の御賛同をお願いしまして、私の質問といたします。

 ありがとうございました。

額賀委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 秘密保護法案について、総理に質問をいたします。

 総理は、外国と情報を共有するために秘密保護法が必要だ、このように言いますが、保護しなければならない秘密とは何なのか、これが問われなければなりません。

 そこで、取り上げたいのは、昨年十月、普天間基地に配備された米軍の垂直離着陸機オスプレイの問題であります。

 政府が沖縄の地元自治体に対しオスプレイの配備計画を初めて伝えたのは、二〇一一年六月のことです。それまで、政府は、米軍自身の計画や司令官の発言で何度配備計画が明らかになっても、何度国会で聞かれても、通報はない、このようにして一切認めてきませんでした。しかし、実際には、そのずっと前から政府は配備計画を知り、日米間で協議していたことがアメリカの公文書から明らかになりました。

 その文書を持ってきております。二〇〇七年、共同通信が入手したSACO最終報告の草案であります。

 SACO最終報告は、一九九六年十二月に日米両政府が合意したもので、普天間基地にかわる新たな基地を建設することなど、米軍基地のたらい回しを取り決めたものであります。

 最終報告には、新基地に配備する機種として、「短距離で離発着できる航空機」と曖昧な表現で書かれておりますが、この草案には、オスプレイを配備することが明記されています。「この施設はヘリコプター及びMV―22(オスプレイ)の部隊の所属基地として設計されることになる。」このようにはっきりと書いております。

 総理に伺いますが、SACO最終報告に至る過程で、オスプレイ配備が話し合われていたのではありませんか。

小野寺国務大臣 まず、オスプレイにつきましては、沖縄の負担軽減のために、現在、さまざまなところで訓練移転等の努力をさせていただいております。

 先月には、滋賀県そして高知県におきまして、御理解をいただき、訓練ができることになりました。また、私ども、全国知事会でも、オスプレイの沖縄県外の負担についてお願いをしておるところでございます。また、現在、フィリピンにおきましては、これは、沖縄に配備しておりますオスプレイ最大十四機が災害に対応しております。

 その中で、今御指摘がございましたが、政府としましては、昨年六月のオスプレイ配備に関する米国からの通報以降、具体的な配備計画や訓練等で本土へ展開する場合の飛来情報など、米側から得られた配備や飛行にかかわる情報については、その都度速やかに地元自治体にお知らせをしております。

 今後とも、米軍からの運用にかかわることについては、私ども、しっかり地元自治体に通報できるよう努力をしていきたいと思っております。

赤嶺委員 大変でたらめな答弁であります。

 私が聞いたのは総理であります。しかも、SACOの最終合意をつくる過程の中で、オスプレイが配備されることを政府は知っていたのではないか、こういうことを聞いたのであります。そのことをはっきり総理は答えてください。

 総理ですよ、総理。総理、何で答えないんですか。

額賀委員長 小野寺防衛大臣。大臣、簡潔に答弁してください。

小野寺国務大臣 繰り返しお話をしますが、政府としては、昨年六月、オスプレイ配備について米側から通報があったということであります。

赤嶺委員 私、この問題について、既にアメリカで発表されたいろいろな公文書も持ってまいりました。

 これまで、防衛省は、当時は配備方針がアメリカにおいてはっきりしていなかったから明記されなかったような答弁をしてきましたが、実は、オスプレイの配備については、日米政府が明らかにしないようにアメリカに求めていたのであります。

 アメリカで、ジュゴン裁判、これが行われました。このジュゴン裁判にアメリカ政府から別の文書が提出をされました。これはアメリカ政府の文書で、防衛省でこの問題を担当し、現在、内閣官房副長官補を務める高見澤氏が在日米軍に宛てて送った文書であります。オスプレイの機能についてアメリカ側に照会したものですが、その中で、新基地について、オスプレイの基地としてではなく、あくまでもヘリポートとして説明したいという日本側の要望を伝えております。

 総理に改めて伺いますが、日本政府がオスプレイの配備方針を明らかにしないようアメリカに求めたのではありませんか。総理。

小野寺国務大臣 あくまでも、政府としては、オスプレイ配備に関する通報は米側から昨年六月にいただいているということであります。

赤嶺委員 防衛大臣はでたらめな答弁ばかりを繰り返しております。

 大体、アメリカの文書で明らかになっているにもかかわらず、一切そのことについて触れようとしない。触れると怖いからであります。防衛大臣は、真実を語ったら沖縄県民の怒りが広がることを恐れているからであります。

 歴代自民党政府は、核密約、沖縄返還密約について、アメリカの公文書や外務官僚の証言が明らかになっても、ひた隠しにしてまいりました。いまだに密約があったことを認めていません。日米安保の秘密は隠し通すというのが、今度の政府の姿勢の根本にあるのであります。その上で、法案で秘密体制を強化するなど、とんでもないと思います。

 総理、政府がやるべきことは、秘密保護ではなくて、情報を公開し、国民に隠してきた事実を明らかにすることではありませんか。

安倍内閣総理大臣 秘密保護については、我が国をめぐる安全保障環境が厳しさを増しているわけでありまして、また、情報漏えいに対するおそれも高まっている中において、国民の生命と安全を守るために、しっかりと情報収集し、それを保全する、そして保全を前提に各国のNSCとの協議も可能になってくるというわけでございますから、そういう意味において、秘密をしっかりと保全していくことは、極めて国民の命、日本の安全を守るためには必要であろう、このように思います。

 一方、国民の知る権利、報道の自由については対応していくのは当然のことでございまして、そして、恣意的に秘密が指定されてはならないという観点から重層的な対応がこの法案においてはとられているところでございますし、また、国会に対しても、報告ということについて検討していくことになっているところでございます。

赤嶺委員 情報漏えいといいますが、アメリカの公文書で全て明らかになっているんですよ。全て明らかになっている事実、県民にとって一番不安に思っているような安全保障上の問題を一切秘密にして、これで県民の命と人権を守れますか。

 私は、きのうの公聴会に行きまして、福島も沖縄も同じだ、このように思いました。やはり今必要なのは、そういう隠してきた、アメリカで明らかになった事実は全部国民に明らかにする、こういうことが求められている。

 秘密保護法は絶対に認められないし、きょうその質疑を打ち切って採決に臨むようなことは、これは絶対に認められない、こういうことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

額賀委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党の玉城デニーです。

 本法案について質問をさせていただきます。

 総理、この間、我々も慎重に審議を進めて、あらゆる問題について、特に国民主権の立場から、まず国民の知る権利をしっかりと確保し、情報公開を進めていくということで、既存の法律についてしっかりと見直しをしていくということについて議論をさせていただきました。

 昨日、私たちも福島の地方公聴会に参りまして、その地方公聴会で皆さんの意見を伺ってまいりましたが、昨日の朝日新聞に各意見陳述人の発言が載っておりますので、紹介をしたいと思います。

 馬場有浪江町長は、法案は特定秘密の範囲が非常に広くて明確でない、十分に国民のために論議を尽くすことが大切だとおっしゃっています。槇福島県弁護士会副会長は、原発事故の教訓に鑑み、特定秘密を指定し、重要な情報を秘匿する方向ではなく、情報公開を積極的に進める法制度が重要だということです。そして、二瓶教授に至っては、パブリックコメントは七七%が反対だったという御意見です。

 実は、原発について、沖縄県出身の民間会社の名嘉会長もきのう陳述人に参加をしていただきました。原発労働者は安全性を知る立場にあっても家族でも話せない、原子力の安全神話を生み、取り返しのつかない事故につながってしまった、そういうことを思い、福島を忘れるべきではないというふうに意見をしています。

 さらに、この名嘉さんは、地元の沖縄の新聞の投書にも、沖縄県が復帰以前あるいは復帰以降、まるで日本政府から棄民政策をとられていたかのようなそういう状況の中にあって、この福島の原発の問題は大きな安全保障上の問題をはらんでいるということを発言しています。

 そのことについて、総理の見解をお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 まず、この法案によって秘密が際限なくどんどん広がっていくということは、全くその懸念は当たりません。むしろ、秘密が限定的になっていく、限定列挙した事項にのっとって秘密を指定していく、恣意的な指定が行われないということになるわけでございます。

 先ほどのみんなの党の答弁にお答えをさせていただきましたように、特別管理秘密が約四十万件ちょっとあるわけでございますが、この四十万件という数字によって、大体、今度の法案でできたものもそれぐらいになるのではないか、それは多過ぎではないかという御批判があったわけでございますが、先ほど答弁させていただきましたように、この四十万件の約九割は衛星写真でございまして、それにプラスアルファで暗号等も多くあるわけでございます。

 さらには、これはもちろん当然特定秘密になっていくわけでありますが、それ以外のものにつきましてはさらに項目に厳格に当てはめていくわけでございますから、今確たることを申し上げるのは難しいわけでありますが、当然絞られていくということになるわけでありまして、そして、恣意的な指定、解除にならないように、しっかりと重層的な仕組みが組み込まれていることも申し上げておきたいと思います。

玉城委員 答弁は簡潔にお願いしたいと思います。時間がありません。

 総理が、別表に掲げている事項以外は特定秘密に指定しないというふうにおっしゃっています。この別表というのは、一号から四号までをあらわしているというふうに思います。

 先ほど赤嶺政賢委員の答弁の中にもありましたが、別表の第二号は外交に関する事項であります。そのイは、「外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの」というふうにあります。これはまさしく、沖縄におけるアメリカと日本政府との密約に関する条項がこの中に織り込まれているということが読み取れるのではないかと私は思います。

 歴代の政府の外務大臣らは、このことを一貫して否定してまいりました。しかし、民主党政権になり、岡田克也外務大臣のときに、外交記録公開に関する規則ということで、「原則として作成又は取得から三十年以上経過したものを一般に公開するための手続等を定める」ということで、その方向性が示されています。そして、そのことによって、密約はあったということが実際にオープンになったわけですね。これは、アメリカの公文書館では既にオープンになっていることです。

 今後、例えば沖縄において外交問題が、互いの、例えば周辺諸国が危険な状態だというふうなことが前提にあって、日本とアメリカ政府が話し合われていること、これを国民に知らせずに、どういうことが行われているかということがこの特定機密の中で話し合われていく以上、我々は、七四%もの米軍基地を持っており、そこにまたさらに自衛隊とともに一緒に活動するということを考えると、国家の安全保障について、沖縄県民そのものに対してしっかりと情報を出すべきであり、オープンにできるものはオープンにする、そして、機密のその内容に関してはできる限り国民に知らせていくということをしっかり示していくべきなんです。

 ところが、この第二号のイについては、限りなく、そこで指定される際限がとどまらないということになっているんですね。そのことについての見解をお聞かせください。

森国務大臣 別表に規定されている事項は限定をされておりまして、現行の特別管理秘密、いわゆる特管秘よりもさらに限定をしております。これは、諸外国の同様の保全体制の中でも相当限定をされた規定でございます。そしてさらに、そこに詳細に記載されている事項一つ一つについても、有識者会議の御意見を聞いて、どういうものが当てはまっていくかということを基準を決めていきます。その基準は国民に公表していきます。

 ですので、御懸念のようなことは当たりませんし、違法なものは、別表に当たりませんので指定をされません。違法なものを指定しても無効になります。

玉城委員 何が違法であるかということを問う前に、何が国民にとって必要な情報かということをしっかりと議論するべきなんですよ。

 ごらんください。こうやって国民から、もっと慎重に審議をしてくださいというコピーが山のように議員の皆さんの事務所にも届いていると思います。(発言する者あり)よくお聞きください。

 この審議をもっと慎重にすべきであるということを我々は一貫してこの委員会でも主張してまいりました。しかし、昨日の理事会の中でも、きょうのこの討論の時間のスケジュールもあらわされず、なおかつ、この後、強行に採決をする、さらには反対討論も許さないというような、言論を封殺するというふうなことがあってはいけないと思います。

 我々は、常に議論をして、しっかりと国民が見守る中で立法府としての責任を果たすべきだと思います。そのことを強く申し上げて、私からの意見とさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。ニフェーデービタン。

額賀委員長 これにて内閣総理大臣出席のもとの質疑は終了いたしました。

 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。

 今津寛君。

今津委員 動議を提出いたします。……(発言する者、離席する者多く、聴取不能)

額賀委員長 今津君の動議に対しまして、賛成の諸君の御起立を求めます。(発言する者あり)

    〔賛成者起立〕

額賀委員長 起立多数。可決いたしました。(発言する者あり)

 今の今津君の動議のように質疑を終了し、討論を省略し、採決をいたします。(発言する者あり)

 まず、今、動議の中の特定秘密法案の修正案につきまして採決をいたします。

 賛成の諸君の御起立を求めます。(発言する者あり)

    〔賛成者起立〕

額賀委員長 起立多数。可決いたしました。(発言する者あり)

 続きまして、修正案を除く原案に対しまして採決をいたします。

 御起立、採決をいたしますので、賛成の諸君の御起立をお願いします。(発言する者あり)

    〔賛成者起立〕

額賀委員長 起立多数。可決いたしました。(発言する者あり)

 最後に、この問題の委員長報告については、委員長に御一任をいただきたいと思います。御異議ありませんか。採決をいたします。(発言する者あり)

 委員長に御一任をいただきます。ありがとうございました。(発言する者あり)

 以上をもって委員会を散会いたします。

    午前十一時十五分散会

     ――――◇―――――

  〔本号(その一)参照〕

   派遣委員の福島県における意見聴取に関する記録

一、期日

   平成二十五年十一月二十五日(月)

二、場所

   ホテル辰巳屋

三、意見を聴取した問題

   特定秘密の保護に関する法律案(内閣提出)、行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案(枝野幸男君外二名提出)、特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律案(渡辺周君外二名提出)及び情報適正管理委員会設置法案(渡辺周君外二名提出)について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 額賀福志郎君

       今津  寛君   岩屋  毅君

       左藤  章君   中谷  元君

       大島  敦君   近藤 昭一君

       渡辺  周君   今村 洋史君

       藤井 孝男君   丸山 穂高君

       上田  勇君   遠山 清彦君

       畠中 光成君   赤嶺 政賢君

       玉城デニー君

 (2) 意見陳述者

    浪江町長        馬場  有君

    福島県弁護士会副会長  槇  裕康君

    桜の聖母短期大学キャリア教養学科教授     二瓶由美子君

    株式会社東北エンタープライズ会長       名嘉 幸照君

    いわき短期大学特任教授 畠中 信義君

    弁護士         荒木  貢君

    いわき市議会議員    佐藤 和良君

 (3) その他の出席者

    衆議院調査局国家安全保障に関する特別調査室長 室井 純子君

    内閣官房内閣情報調査室内閣審議官       桝田 好一君

    内閣官房内閣情報調査室内閣参事官       橋場  健君

     ――――◇―――――

    午前十時開議

額賀座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院国家安全保障に関する特別委員会派遣委員団団長の額賀福志郎であります。

 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。

 この際、派遣委員団を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。

 まず、改めて、東日本大震災によりお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御遺族や被災された方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。

 また、被災地の復旧復興、さらに福島原発事故の対策のために御尽力をいただいている関係者の皆様方に対しまして、改めて、心から感謝を申し上げ、敬意を表する次第であります。

 当委員会におきましては、特定秘密の保護に関する法律案、枝野幸男君外二名提出、行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案、渡辺周君外二名提出、特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律案、渡辺周君外二名提出、情報適正管理委員会設置法案の審査を行っているところでございます。

 本日は、各案の審査に当たり、国民各界各層の皆様方から御意見を承るため、当福島市におきましてこのような会議を催しているところでございます。

 御意見をお述べいただく皆様方におかれましては、御多用中にもかかわりませず御出席をいただきまして、心から感謝を申し上げます。どうか忌憚のない御意見をお述べいただきまして、よろしく御審議がはかどるようにお願いを申し上げます。

 それでは、まず、会議の運営につきまして御説明を申し上げます。

 会議の議事は、全て衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いを申し上げます。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御了承をいただきたいと思います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述者の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えを願いたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、自由民主党の中谷元君、岩屋毅君、今津寛君、左藤章君、民主党・無所属クラブの大島敦君、近藤昭一君、渡辺周君、日本維新の会の藤井孝男君、今村洋史君、丸山穂高君、公明党の上田勇君、遠山清彦君、みんなの党の畠中光成君、日本共産党の赤嶺政賢君、生活の党の玉城デニー君、以上でございます。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。

 浪江町長馬場有君、福島県弁護士会副会長槇裕康君、桜の聖母短期大学キャリア教養学科教授二瓶由美子君、株式会社東北エンタープライズ会長名嘉幸照君、いわき短期大学特任教授畠中信義君、弁護士荒木貢君、いわき市議会議員佐藤和良君、以上七名の方々でございます。

 それでは、まず馬場有君に御意見をお述べいただきたいと存じます。

馬場有君 ただいま御指名をいただきました福島県浪江町長の馬場有と申します。

 皆様方には、震災から二年八カ月経過いたしましたけれども、その間、御指導と御支援をいただいておりますことを、まずもって御礼申し上げます。

 この意見を述べるときに、先日、私どもの町民、あるいは識者の方からいろいろお話をお伺いしてきましたので、二、三そのお話をさせていただいて本論に入っていきたい、このように思っています。

 まず一つは、秘密の保護ではなくて情報公開が原則ではないのかということをお話しされた被災者の方がおります。さらには、国に守るべき秘密があるのは同意をいたしますが、秘密の範囲が不透明な新たな法律をつくることが必要だとは思えないというようなお話もございました。さらに、私ども浪江町民にかかわることですけれども、SPEEDIの情報が適切に公開されなくて、私ども町民の避難にSPEEDIが生かせなかった、したがって、国民の命を守るのが一番大切で、秘密はいけないのではないかというような御意見です。そういう町民、識者からの声を聞きまして、きょう、この場に臨んでおります。

 十月九日に福島県議会が、特定秘密の保護に関する法律案に対して慎重な対応を求める意見書を衆議院、参議院両議長、そして内閣総理大臣宛てに出しておりまして、この意見書は至極当然な意見書であるというふうに思っています。

 この法案の中で、防衛、外交、外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止、テロ活動防止の四分野という国の存立にとっては非常に重要な法案でありますけれども、先ほど申し上げましたように、その範囲が非常に広くて明確ではないのではないかということであります。

 本当に、私ども浪江町民が、SPEEDIの非公開のために、飛散する方向に私どもは避難してまいりました。それをいち早く情報公開していただいて、そして政府の方から、どちらの方に避難して、そして避難経路はこういう経路をたどっていく、そういう道筋をやはり明らかにしていただければ、私どもは低線量の被曝を避けることができた。これはやはり情報公開そのものの事象だと思うんですね。

 その前に言わせてもらえば、おととしの三月十一日です、原発で事故が起きて、原災特措法の第十条の全交流電源喪失が起きているわけですね。それから矢継ぎ早に、十五条の、いわゆる冷却水の注水不能になったんです。この十条、十五条通報すら私どもにはなかったんです。そして、初めて、三月十二日の朝、首相官邸から、十キロ圏外の避難指示が出たわけです。そういうふうにびっくりした中で、私どもは避難を余儀なくされてしまったということです。

 これは、そういう情報公開さえしていただければ、私どもには何らかの手法があった、このように思っています。したがって、これは秘密ではなくて、やはり情報公開ということが一番大切なことではないのかなというふうに思っています。

 この情報提供の不備については、いろいろあります。私どもは東京電力とも通報連絡協定を結んでいました。その通報協定さえも守らなかったんですね。そういう状況で私どもはどこから情報を得たかというと、マスコミの報道しか頼りがなかったんです。

 これはやはり、私ども国民の命を守るためには、国から、政府から的確な判断が必要ではなかったかというふうに思います。したがって、私は、情報公開、これが一つ原則だということです。

 それから、申し上げたいのは、やはり民主主義の根幹である法律、特に憲法です。

 私どもは、憲法十三条、幸福追求権、それから憲法二十五条の生存権、そして二十九条の財産権、全て侵害されています。

 私どもは、権利回復のために、これからいろいろと皆さん方に申し上げていきたいというふうに思っていますが、この特定法案につきましても、そういうものを踏まえながら、基本的人権を守って、そして情報公開をしていただいて、私ども国民に明るみにされるところはしていただきたい、そういうことであります。

 したがって、現在の状況を見ていますと、やはりもうちょっと慎重なる対応をしながら、国民のために十分に論議を尽くすことが大切ではないか、このように思っています。

 私の意見としてはこのとおりでありますので、よろしくお願いしたいと思います。

額賀座長 ありがとうございました。

 次に、槇裕康君。

槇裕康君 福島県弁護士会の副会長をしております、弁護士の槇と申します。

 お手元に、日本弁護士連合会の会長声明、あと、当弁護士会、福島県弁護士会の会長声明の写しを配付させていただいております。こちらを御参照いただきながら、私の意見陳述をお聞きいただければと思います。

 本日は、福島県弁護士会など弁護士としての立場、こちらからもお話ししたいと思いますが、原発事故を踏まえた福島県民としての思いも含めてお話ししたいと思います。

 まず、国が扱う情報は、国民全員の財産であり、国民に公表、公開されるべきものであります。

 皆様も御存じのとおり、平成二十三年三月十一日の東日本大震災及びその後の原発事故により、福島県民は、その情報の不開示により、生命身体の安全を脅かされました。今、浪江町の馬場町長もおっしゃっていたとおりでございます。

 事故直後、多くの浪江町の町民の方々は、福島第一原発から少しでも遠くに避難しようと思って、福島第一原発の北西にある津島地区、こちらの方に避難して、一時滞在されました。しかし、後に公開された緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、通称SPEEDI、こちらによる放射性物質の拡散予想は、まさに津島地区の存在する北西方向に向かって放射性物質が拡散するというものでありました。

 政府が、国民の財産たるSPEEDIによる情報をきちんと開示していれば、浪江町の多くの方々は、北へわずかな距離を避難することにより、かかる初期被曝を防げていた可能性が極めて高いものであります。

 我々地元の弁護士が、避難所や仮設住宅を回って、浪江町の方々の御相談を受けてきております。この際、お子さんを抱えていた方々が一様に、あのとき津島で子供を被曝させてしまった、悔やんでも悔やみ切れないと自分を責めています。

 このSPEEDIによる情報が開示されれば、何の責任もないこういった方々が、自分の子供に対する後悔、悔しさ、そういったことを弁護士に吐露する必要は全くなかったわけです。

 確かに、政府は七日の衆院本会議で、原発事故に関する情報や核廃棄物処分場の交渉、原発の設計図は、法案の別表のいずれの事項にも該当せず、特定秘密の対象にならないと明言しております。SPEEDIについても、特定秘密にならないとの見解を委員会審議で示しております。

 しかし、原発の警備に関しては、政府は当初、警察による警備の実施状況はテロリズムの防止のための措置に当たると答弁し、後に、通常警備は当たらないと軌道修正、特定の原発に対するテロの情報に対する警備計画は該当する場合もあるなどと使い分けております。

 政府の説明が二転三転するのは、法律が実際に動き始めたら、それこそどうなるかわからないことを示しております。

 裁判で政府答弁を証拠として提出しても、最終的な法解釈者である裁判官は、当然、独自に解釈をします。これが三権分立です。これとは裏腹に、いわゆる西山事件のように、政治的な判断であると評価されるような判例もあります。

 いずれにしても、その危険性は、余りにも曖昧かつ広範な特定秘密の指定にあると考えます。政府は、罰則規定の拡大解釈、運用はないと繰り返し断言していますが、法律が一旦できてしまえば、あとは現場での解釈、運用です。しかも、何を秘密にするかわからない仕組みになっていますので、秘密は拡大の一途をたどることになると思われます。

 SPEEDIの情報についても、政府が特定秘密に当たらないと過去に答弁したとしても、今後、あってはなりませんが、仮に同様の事故が発生した場合、原発に関連する情報として特定秘密に当たる可能性があるとその情報を持っている当事者が考え、いわゆる萎縮効果により、その情報が適切に開示されないおそれが十分あると考えます。

 再び福島の話に戻せば、例えば先般の原発事故汚染水の問題のような、国民及び県民の安全のために必要な情報が、特定秘密指定で、逆に国民の目から隠される危険性もはらんでいます。すなわち、秘密指定の四分野のうちテロ防止事項には、テロ活動による被害の発生、拡大の防止のための措置またはこれに関する計画もしくは研究、これも特定秘密の対象とされております。

 原発はテロの警戒対象であり、設計図など原発の弱点を示す情報が特定秘密に指定されれば、国民の安全確保のために開示されるべき汚染水タンク破損の事実そのものまで一切明らかにされない可能性が高いものと言えます。大量の使用済み核燃料棒を保管しながら津波で甚大な被害を受けた福島原発第四号機、こちらがどうなっているのかの情報も極めて高い確率で秘匿される可能性が高いと言わざるを得ません。

 この法律が成立すれば、そのような国民、県民自身の生命身体の安全の基本となる情報も知らされない状況で、国民、特に福島県民は今後も暮らし続けていかなければならなくなります。

 むしろ、原発事故の教訓に鑑みれば、特定秘密を指定し重要な情報を秘匿する方向ではなく、重要な情報の公表、公開を積極的に進める法制度こそが重要ではないかと考えます。政府や企業にとっては秘密にすべき重要な情報であっても、国民、県民の生存や生活にとって切実な情報は、迅速に、積極的に公表、公開されなければなりません。そのことについての反省が政府や東電にあったでしょうか。反省に基づいた制度ができたでしょうか。適切に運用されているでしょうか。

 日本が海外に信頼されるためには、その前に、国民、県民に信頼される必要があります。国民、県民を犠牲にした外国政府との信頼は、政府の独善であると言わざるを得ません。仮に、政治的に対立する国が近隣や世界にあったとしても、それらの国との関係は、情報共有による信頼関係の形成こそが重要であって、これをおろそかにして秘密の壁ばかり厚くすることは、相互関係を悪化させるばかりです。

 さて、特定秘密保護法について、お配りしましたとおり、日本弁護士連合会はこれに反対する立場から、直近で五つの意見書、会長声明を発出しております。きょうお配りしておりますのは最新のものでございます。

 また、現時点で、福島県弁護士会を含むほぼ全てに近い単位弁護士会、こちらからも反対の声明、意見書が公表されております。福島県弁護士会の会長声明についてはお配りしております。東北弁護士会連合会、北海道弁護士会連合会、こういった地域の弁護士会連合会、こちらも同様の状況でございます。これは、弁護士たちが、いかにこの法案の成立が国民の権利を侵害するものであるかを理解し、強い危機感を持っていることのあらわれだと思います。

 本日配付させていただいているのは、日弁連の最新の会長声明と福島県弁護士会の会長声明です。

 いずれも、いわゆるツワネ原則に照らして、本特定秘密保護法案の問題点を指摘するものであります。詳細は配付の各資料をごらんいただきたいと思いますが、その内容は、本法案が、ツワネ原則との関係で、これから述べる一から七の問題点があることを指摘するものであります。

 一、公的機関の情報へのアクセス権や、これに対する制限の正当性の証明の政府負担の原則が明示されていないこと、二、政府の人権法違反の事実や環境破壊など、政府が秘密にしてはならない情報に係る規定がないこと、三、秘密指定の期間に関して問題があること、四、市民が秘密解除を請求するための手続規定がないこと、五、安全保障部門に関する独立した必要十分な情報アクセス権を有する監視機関に関する規定がないこと、六、内部告発者の保護に関する利益衡量規定がなく、公益通報者が漏えい罪によって処罰される危険が極めて高いこと、七、公務員でない者の処罰が広く規定されていることなどの問題点を指摘しております。

 法案については、その後の修正協議で一部修正になっているものの、いまだ、これら指摘される問題点は到底解消されたものとは言えません。

 以上の問題点を踏まえ、日弁連は、政府が安全保障上の理由によって一定の事項を一定の期間秘密とする必要があると判断し対応していることを、全面的に否定するものではないとしつつも、このような対応を許容することによって、国民の基本的人権である言論の自由、プライバシー権が侵害されるべきではないとしております。

 そして、法案に構造的な問題があることが明らかであるので、政府は、法案を一旦白紙に戻し、現存する国家公務員法や自衛隊法などの中に含まれる秘密保全法制も含めて、秘密保全法制のあり方を根本的に見直すべきであるともしております。

 福島県弁護士会ももちろん同様の考え方でございます。

 以上を踏まえ、本法案に関しては、一旦白紙に戻し、情報の統制により福島県民がこうむった惨禍も十分考慮し、秘密保全法制のあり方を根本的に見直すべきであると考えます。

 本法案に反対の立場から意見を述べさせていただきました。ありがとうございます。

額賀座長 ありがとうございました。

 次に、二瓶由美子君。

二瓶由美子君 二瓶でございます。

 私は、きょうここに参りましたのは、この法案の廃案を求めるということと、それから、継続審議をする上では、全国で公聴会を開き、多くの市民の意見を聞く、多くの国民の意見を聞くということを改めて考えていただきたいと思いまして、その意見を述べるためにここに参った次第です。

 三月十一日、私たちは、短期大学の学生とともに東日本大震災を経験いたしました。その後、私たちは、たくさんの情報が隠されていたのではないか、こんなこともあった、あんなこともあった、さまざまな情報が交錯する中で、ここで若い女性たちを教育していいのかどうか思い悩む日々を送って、二年八カ月過ぎております。この思いは、恐らく、東京に暮らす人たちには想像ができないものだろうと思います。

 町の真ん中に信夫山という山があります。ここは、花見の名所で、短期大学から近いので、授業をきょうはやめて、ちょっとお花見に行ってこようというような市民の憩いの場所です。近くにある小学校は、そこに行って粘土を掘ってきて子供たちが美術の時間に使うなど、本当に憩いの場所でした。ここが線量が高く、今は、花見に行くことも、子供たちが遊ぶこともためらう場所になってしまいました。美しい福島県の景色は、さまざまな面で汚染されてしまいました。

 この状況の中で生きる上で、私たちは、何より求めているのは情報の公開です。これは、この二年八カ月、どれほどつらい思いをしてきたかということをお伝えしなければならないと思います。

 二〇一一年の十月の終わりから十一月にかけて、私は、他の研究者や農協関係、林業関係、さまざまな方たちと一緒にチェルノブイリに参りました。福島から来たということで、ベラルーシ政府にもウクライナ政府にも大変よくしていただきました。そこで私が学んだことは、情報の大切さと教育の重要性です。

 その後、短期大学において共通教育を担当する中で、私は、この二つを置きながら、学生たちにこのようなことを言っています。一定のメッセージを他人に伝えていくという行為は、社会的存在である人間の本質的な行為である。相互の討論や批判を通して問題を解決することなくして、民主主義は成り立たないのだ。だから、権力によって禁圧されてきた人類の歴史を振り返って、それを教訓として、憲法は表現の自由を明記しているんだ。そして、その権利が担保されるには、情報へのアクセス権が必要である。

 平成十一年に成立した情報公開法の第一条は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めることによって、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り云々というふうにうたっています。特定秘密保護法制定は、時の流れを逆行させるものだと思っています。

 国家公務員法百条は、公務員に秘密を守ることを義務づけています。たとえ秘密保護法をつくったとしても、秘密の漏えいや内部告発は起きるはずです。それが、人類の歴史が証明している事実だと思います。

 そうした内部告発者の存在も、例えば、私はしみじみ思い出しますが、平成十四年八月二十九日でした。福島第一原発が非常に危険な状態にあるということを告発したアメリカの企業の社員がいました。このときは、原発の点検記録に改ざん、不正の事実がある、第一原発、第二原発は二十九件もひび割れているというような、こうした事実が改ざんされていたということが内部告発によって知らされました。

 私たちは、そういう中で十基もの原発を抱えて生きてきたということ、そのとき声が出せなかったということ。私は、今回の件においては、私も加害者の一人である、そういう立場に立っています。子供たち、孫たちの未来のために、私たちは何もなせなかった。そのことを踏まえた上で、今なすべきことをしていかなければならない。したがって、情報公開を阻むものについては私は反対したいと思っています。

 具体的に理由を申し上げたいと思います。

 この法案について、特定秘密の指定について拡大が危惧されるということを案じております。

 二番目、特定秘密の提供に関して、ここの部分では、釈迦に説法ですから詳しいことを申し上げませんが、国会が議論の場でなくなってしまうのではないかということが危惧されていると思います。

 三番目、特定秘密の取扱者の制限について、適性評価ということがあります。

 憲法の十四条は、さまざまな面について、人々が法のもとに平等であることをうたっています。しかしながら、家族や飲酒の癖、さまざまな借金など、こうしたものがどんどん拡大していくと、一人の人間にとってさまざまなチャンスが制約されるということが危惧されるわけです。

 皆さん御存じかと思いますが、福島県というのは非常に貧しい県です。最低賃金がこの十月で六百七十五円、二十四年は六百六十四円、二十三年は六百五十八円でした。豊かな自然と質素な暮らしがここにはあります。学生たちの家庭も決して豊かではありません。なぜ短期大学がまだ維持されているかというと、四年も高等教育は受けさせられないけれども、せめて自分たちが受けることができなかった高等教育を二年は受けさせたいという保護者の方がとても多いのです。

 原発を受け入れてきた福島の歴史は、貧しさを象徴しています。明治政府以来の中央集権的な富の一極集中が格差を生んできたという事実があります。それを私たちは日々実感しながら生きています。

 このことを考えますと、適性評価についても、さまざまなチャンスが狭められるのではないかということを非常に危惧している次第であります。

 その他、民主主義は市民の自由な討議と政治への市民参加によって実現されるということを考えたとき、この秘密保護法案というものが非常に危険であるということ。

 これは、皆さん御存じのように、例えば、共同通信が世論調査をしたところ、六二・九%が反対しているということを言っています。また、二十三日付の朝日新聞では、政府のパブリックコメントが、通常は三十日間のものが、九月三日から十七日まで十五日間だった、これに対して九万四百八十件の回答が来た、その七七%が反対意見だったということを報道しています。その他さまざまな報道が、過半数、恐らく六割から七割、多い場合は八割という国民の反対があるという事実を伝えています。

 これを無視して強行採決、私はふと思い出しました。幼いころに、六〇年安保、白黒映像のニュースを今でも思い出すのですけれども、強行採決の場面、そして、国会を渦巻くようにたくさんの大人たちが集まって反対のデモを行っている。そして、黒枠の写真の東大生、樺美智子さんの遺影の写真を胸に抱いた人たちがデモをしている。そのとき、幼い私は思いました。立派な大人たちのすることにも間違いがあるかもしれない、私はしっかり学んでいかなければならないということを、その場面を思い出すたびに思いながら生きてまいりました。

 私は、皆様に、意見陳述というよりも、お願いをしたいと思っています。

 この法案は、ストップをかけてください。もう一度、国民的な議論の末にこれを考えていただきたい。私たちは皆様に信託をしました。全てを委ねているわけではありません。ある意味、パターナリズムのように見える今回の手続のぐあいについては、私は到底納得できるものではありません。

 学生たちを守り、子供たちを守っていく上でも、民主主義の根幹を揺るがすような今回の手続についてはもう一度考えていただきたいというふうに考えております。

 以上で終わります。

額賀座長 ありがとうございました。

 次に、名嘉幸照君にお願いします。

名嘉幸照君 ただいま紹介されました双葉郡富岡町から来た名嘉と申します。

 私は、約四十年間、福島の原子力、要するに、BWR、沸騰水型原子力発電所に携わりました。私は原子力工学の学者でもありません。ただ、現場の一技術屋として、長年、福島第一原発、第二原発に携わってきました。

 当法案の原子力以外の分野については、私は全くの素人で、コメントする立場にはありません。したがって、主に原発に関係したことについてお話しします。当法案が原発労働者に与える影響、かかわり、その点についてお話しします。

 振り返ってみますと、原子力発電所というのは、安全についてコメントするのは非常にタブー視されたわけです。特に原発労働者は、現場に出れば、いやが応でも、原子力の安全性、いろいろな事象の問題を知る立場にあるわけです。そういう原発労働者が知る立場にあっても、外部にその安全性について話すことができない、家族にも話せない、そういう環境が長年続いてきたわけです。したがって、原子力の安全神話を生み、取り返しのつかない事故につながったわけです。

 関連がありますので、今回の第一原発事故をちょっと振り返ってみたいと思います。

 まず第一点、東電と政府の危機管理、それから第二点、事故後の収束に向けた対応、三点、福島県の復興に向けた対応、いずれも、先進国で技術開発国の、民主主義の国の日本にはあってはならないことです。

 では、もう少し具体的に、この原発事故の一番大事なことを話しましょう。

 この原発は、アメリカGE、ゼネラル・エレクトリックが開発して、東京電力の第一号機、二号機、六号機は、GEのターンキーコントラクトプロジェクトでつくりました。そして、敦賀一号機、東海二号機もそうです。いずれも、設計から建設、保守管理、運転管理まで携わりました。

 振り返ってみますと、日本の原子力は発展途上でありました。アメリカでもそうです。したがって、GEの設計ミス、品質保証・管理の欠陥、東京電力の運転管理、保守管理、いずれも問題があって、その都度、改善、改良をやって今日まで来ました。今日でも、私は発展途上の産業だと思っています。

 今回の当法案で、原発労働者の情報がどれだけ大事かということを述べたいと思います、原発労働者の告発も含めて。先ほど二瓶さんからのお話にもありましたように、これは非常に大事なことです。

 振り返ってみますと、今から十年前、第一原発で、重要な炉内構造物をシュラウドというんですけれども、それとスチームドライヤーのデータ改ざん、隠蔽が発覚しました。これは現場からの告発によってであります。

 最初、監督官庁に告発されました。これは一通だけじゃなくて二十通以上も、それもアメリカからも。その中で、監督官庁はなかなか動きませんでした。そのうち、この告発状が福島県知事に届きました。福島県知事は、今まで原発を推進してきた、その当時の知事でありました。名前を言えば、佐藤栄佐久さんだった。

 彼は、その当時の状況が繰り返し隠蔽されていることを知り、このままではこの原発は大変なことになるということで、全国の原発立地県の知事としては初めて監督官庁に進言し、調査し、そのデータ改ざん、隠蔽工作を東京電力は認めたわけです。さらに、東京電力の社長は、県庁に来て、当時の佐藤知事に隠蔽を認め、謝罪し、今後の原子力の安全については万全を期すというコメントをしました。

 一連の流れの中で、今、原発はマンパワーも不足しています。一定にある技術のマンパワーも、技術力も低下しています。その中で、これから廃炉に向けた収束をしなくちゃいけません。原発の安全性、長期の廃炉に向けたロードマップ、その中で非常に大事なことは、告発者がいるということが非常に大事なことなんです。

 そして、この事故が起こる前に、東京電力は、二十年前に一、二号機のディーゼル発電機が水没したのを教訓として、丘の上にディーゼル発電機を上げる、五、六号機と一号から四号機の共通電源をとる、五円玉、海抜五メートルにある海水ポンプを保護する、それを既に計画していました。我々も、これをやるものと思っていました。たった十億円から十五億円かかる工事を何で十年間も放っていたんですか。これは皆さんが反省すべきです。

 それから最後に、私も、沖縄県の小さい島の漁師の生まれです。今、沖縄出身の赤嶺政賢先生とか玉城デニー先生がいらっしゃいますけれども、戦後の沖縄は、本土の人によく言いました、私たちは日本人ですかと。今、浪江町長の馬場有さんからも話がありました。私たち福島県は、これから負の遺産をずっと担いでいかなくちゃなりません。福島県の人に、私たちは日本人ですかと絶対言わせたくありません。

 国会の皆さんも、マスコミの皆さんも、国民の皆さんも、どうぞ福島を忘れないでください。お願いします。

 以上です。

額賀座長 ありがとうございました。

 次に、畠中信義君。

畠中信義君 私は、大学で教えている学生に対して日ごろ伝えている観点から、お話をさせていただきたいと思います。

 要は、人権というものは、長い長い歴史を持っております。我が国ではまだ百年そこそこですが、一二〇〇年以来、六百年も八百年も続いている人権が何をもとに成り立ってきたかということを学生に伝えているのであります。全て争いの中で、何を求めて人々は闘ってきたのかということです。

 人権とは、人が人で生きるためのものであります。秘密にして人権が成立するでしょうか。公開されて初めて人は判断することができます。情報はインテリジェンスと言われますが、その情報を公開されて、同じくインテリジェンス、知識として国民は得られるのであります。情報を隠して、国民の知識がふえるわけがないのであります。我々にとって大事なことは、人権を失ってしまえば二度とその人権を戻すことができないということを肝に銘ずるべきであります。

 喫緊、我が国で、皆様は衆議院の先生方ですから一票の格差の問題を御存じだと思いますが、三権分立で司法が出す判断が唯一国民が争える問題だとするならば、違憲判断が出ない司法の中で、国民の人権はどのようにカバーされるんでしょうか。はたまた、憲法第八十一条による違憲審査権はあったとしても、具体的争訟事件でなければ認められない我が国司法裁判所の制度のもとでは、我々が失った知る権利はどのようにカバーされるんでしょうか。一票の格差ですら、違憲状態にあるとはいっても、ある議員によれば、二票まではオーケーだというようになります。

 国民が自己の判断をどのように出すかは大事な問題であります。それを無視して判断されるならば、我々は何を糧に知識をふやすんでしょうか。

 知識を得るためには、情報を得るためには、積極的情報収集活動と消極的情報収集活動があると思います。積極的というのは、マスコミ関係者を含めて、みずから選ぶ情報を収集する活動を言えると思います。そして、それを表現するからこそ、自由があるからこそ、国民に何が問題なのかを伝えることができると思います。

 確かに、国防や外交は政府の専権事項ではありますが、国民が知らずして、どうやって国民の公益を図るんでしょうか。秘密、秘密、秘密で秘匿されれば、どのように公益は図れるんでしょうか。それが一番の問題だと思います。

 我々は、昔の江戸時代のように、教えず、知らしめられずで判断するのでしょうか。百年前に戻るべきでしょうか。そうではなくて、新しい方策として生きていきたいと思います。

 以上であります。

額賀座長 ありがとうございました。

 次に、荒木貢君。

荒木貢君 お手元に意見陳述書を用意してございます。

 特定秘密保護法案には、私は、皆さんと一緒に断固反対する所存でございます。

 一九八五年に、いわゆる国家機密法案が出されておりました。私は、その当時からこの法案に反対していた弁護士でございます。

 当時、日米ガイドラインというようなものがございましたけれども、背景として、西山事件というのがありました。この西山事件における秘密といいますのは、当時の佐藤栄作内閣が、沖縄の地権者に支払う原状回復費をアメリカが負担すると公式発表しながら、実際は日本政府が肩がわりして支払うという密約でした。これは国民を欺く秘密でありまして、本来の意味で国家の利益として保護に値するような秘密ではございません。西山記者が処罰されましたことは、国民から大きく批判されました。最近も、山崎豊子が「運命の人」で書いているとおりでございます。

 国家機密法案は廃案にされました。私は、今回の特定秘密保護法案は、その蒸し返しであるというふうに感じております。

 特定秘密保護法案は、日米同盟をさらに一層推進すべく、集団的自衛権の行使を可能ならしめ、国民への重罰化のもとに、日本の軍事警察国家化をさらに強力に推し進めようとする人権抑圧法案であるというふうに考えます。

 今回、一体いかなる理由によって法案が提出されたのか、極めて漠然としております。推測しますに、国は、集団的自衛権を実効あらしめるため、この法案を成立させ、アメリカからより一層情報が得られるようにしたいと考えているようでございます。

 しかし、核による支配を中核に据え、他国まで侵略、占拠するアメリカと、専守防衛を旨とする我が国とが、同盟関係を推進、強化した場合、攻撃的な同盟関係となってしまうことは避けられません。我が国が他国への侵略や占拠に加担する結果を招来しかねないということであります。すなわち、イラク訴訟の名古屋高裁判決が重大な憲法違反と断じたような事態を再び引き起こしかねないわけでございます。

 したがいまして、安倍内閣が集団的自衛権を唱えていることは、憲法の空洞化を狙った、日本にとって極めて危険な行為と言わざるを得ず、重大な憲法違反を招来する可能性があると考えます。

 また、どの国であれ、自国の利益がないのに、多額の資金と労力を費やして収集した情報を、ただ黙って他国に提供したりはしないものです。そのようなことをすれば、背任行為として責任を追及されるおそれがあります。

 アメリカも例外ではなく、アメリカは、日本が中国等の前線にある国として、アメリカの防衛に役立つ情報しか提供しないであろうことは容易に推測されます。したがいまして、アメリカからより一層情報が得られるようになる可能性もほとんど期待できそうもありません。

 以上に加え、日本に秘密保護法制を迫るアメリカは、世界じゅうの情報を歯どめなく盗聴していたことが明らかになっております。このようなアメリカが日本に対して秘密保護法制の制定を迫ることは、その資格を欠いていると言わなければなりません。

 国民に何が秘密かも知らせないまま、厳罰をもって臨み、畏怖させ、萎縮させ、沈黙させる法案であるというふうに考えます。

 今回の法案では、指定される特定秘密は、網羅的であることに加えまして、その他の安全保障に関する重要なものとか、それから、その他の重要な情報というように、その他の重要なもの、その他の重要な情報という言葉を多用しております。これらが何を意味しているのか、国民にとっては不明であります。政府機関が収集した情報を、重要なもの、あるいは重要な情報と言いさえすれば、広範に何でも含まれてしまうおそれがあります。

 もし今回の法案が通るならば、北朝鮮との問題、竹島との領土問題、中国との尖閣諸島の領土問題などの外交問題に加え、今問題になっている原発問題についてまで、軒並み秘密指定がなされる可能性が高いと言わざるを得ません。そして、国民は、何が特定秘密として指定されているのか、あるいは指定されていないのかを知り得ず、その点を行政機関に確認することもできません。

 現在、福島県におきましては、国や東電を相手として、原状回復を求める訴訟が複数提起されております。私もそのうちの一つの副団長を務めております。

 こういう訴訟の遂行のためには、事故を起こした原因と目される原子力発電所の施設、機器、系統などの仕組みを詳細に調査し、原因を特定しなければなりません。しかるに、その一部が、テロリズムによる被害の発生もしくは拡大防止のための措置に該当するとして、特定秘密保護法に抵触したとされますと、厳罰を免れず、責任の追及も不可能になってしまいます。

 そして、それ以上に、同法によって処罰されるのではないかという恐怖心は、萎縮効果をもたらし、原告ら及びその代理人らの調査を控えさせることになりかねません。これでは、甚大な被害をもたらしながら法的責任を認めない国及び東電を事実上免責するに等しく、効果的な被害者対策を求めることが不可能になってしまいます。

 しかも、今回の原子力発電所事故におきましては、メルトダウンしていた事実が二カ月もたってから発表されました。これは、戦争が起こった場合に例えますと、戦争が始まって二カ月もたってから戦争開始の事実を知らされたようなものでございます。それに加えて、SPEEDIの情報が住民に迅速に知らされず、住民は放射線の高い地域に避難してしまいました。これも、爆弾の投下の激しいところに避難したようなものでございます。

 このように、重要な情報が秘匿されるという事実は、国民に多大な犠牲を強いるものであります。

 今回の法案は、国民のプライバシーを広範に侵害する法案であります。

 今回の法案におきましては、特定有害活動それからテロリズムとの関係に関する事項について、行政機関の職員のみならず、適合事業者の従業員まで含む評価対象者の一定範囲の親族や同居人についてまで適性評価を実施することとされております。

 このような調査は、行政機関の長のみの判断で、特定有害活動及びテロリズムとの関係に関する事項についての調査であるという名のもとに、行政機関の職員のみならず、適合事業者の従業員、それらの者の一定範囲の親族や同居人、さらにはそれらの者と接触する知人その他の関係者にまで及んで、広範にプライバシーを侵害する可能性があります。また、これらの者が抱く萎縮効果も絶大なものがあります。

 仙台地方裁判所は、陸上自衛隊情報保全隊が、イラク派兵に反対する全国の広範な団体、市民の集会、デモ等の動向を組織的かつ日常的に監視し、個人の実名を含む情報を収集、管理していた、こういう事件につきまして、国に対して国家賠償の支払いを命じました。こうした行為が、特定有害活動及びテロリズムとの関係に関する事項についての調査であるという名のもとに行われた場合、こうした行為が全て免責され、野放しとされてしまう可能性があります。

 国民が、何も知らされないで逮捕され、勾留され、暗黒の裁判によって厳罰に処せられる法案であります。

 以上述べてきましたように、国民は、何が特定秘密として指定されているのかを知り得ません。そのため、特定秘密保護法に触れたとして、突然、逮捕、勾留されたり、捜索、差し押さえを受けたりするおそれがあります。しかも、未遂罪、それから独立教唆罪、独立共謀罪、独立扇動罪、過失犯まで、広範に及ぶ規定が置かれております。そうした場合、何が指定された特定秘密かが明らかにされないため、弁護人としても弁護の施しようがありません。これは裁判になっても同様で、まさに暗黒裁判と言わざるを得ません。

 結論ですが、我が国には既に、自衛隊法に防衛秘密についての規定が存在しております。そのほか、国家公務員法や地方公務員法も存在して、公務員に守秘義務を課しております。これで十分であるというふうに考えます。

 今回提出された特定秘密保護法案には、いかなる合理性も認めることができません。説得力のある立法事実もなく、我が国の平和主義、民主主義を大きく侵害し、多大な人権抑圧を招く法案であります。今現在、全国の多数の国民が反対しておりますとおり、私もこの法案には断固反対であります。

 以上でございます。

額賀座長 ありがとうございました。

 次に、佐藤和良君にお願いをいたします。

佐藤和良君 私は、原発震災の渦中にある自治体議員として、住民の生命と財産を守るという立場から発言させていただきたいと思います。

 原子力発電に関しては、これまで、馬場浪江町長さんを初めとして、被災県である私どもの本当の悲痛な叫びが今語られたのではないかと思います。御案内のとおり、十四万から十五万余に及ぶ我々福島県民が全国各地に今なお避難している。この原因が一体何であったのかということを捉えていただきたい。

 その上で、きょうの公聴会が実り多いものに、あすの採決のための通過儀礼としての公聴会ということではなくて、本当に、国民国家である限りは、国民の共有の財産である情報をきちんと国民に提供する、情報を拡大するという立場から、ぜひともこの公聴会を実りあるものにしていただきたいということを、党派を超えてお願いしたいというふうに思うところでございます。

 それで、私は、具体的には、原子力発電に関しまして、これまで事故や津波の予測などの情報が、公開の基本原則を貫かれなかった、原子力基本法の自主、民主、公開の、公開の部分がいわば秘密主義に陥り、その結果、安全神話を助長したということが、これまでの福島原発事故の経過を見ると、大きな原因の一つとしてあるのではないかというふうに思います。やはり、事故発生後も情報の操作、隠蔽というものもありまして、その結果、極めて重大な被害を県民初め東日本全域にもたらしたということがあると思いますので、その現実をぜひとも直視していただきたいという立場でございます。

 今般の法案について申し上げれば、原子力発電に関する情報が特定有害活動の防止やあるいはテロリズムの防止の名のもとに特定秘密として秘匿され、市民の安全にかかわる情報が非公開ということになりますと、国民の基本的人権を侵害する結果を生むのではないかということで、ここは、この秘密法の制定よりも、情報公開法の拡大ということを適切に判断されるのが肝要ではないかというふうに思います。

 具体的な事案としては、先ほど来お話が出ておりますように、二〇〇二年の東京電力の原発記録の不正事件。この件は、炉心シュラウド等の原子炉の心臓部の点検記録の組織的な改ざんと隠蔽事件ということでありまして、当時の南社長以下、東電の取締役が辞任する、あるいはさまざまな経済団体の長をおやめになるというような波紋がございました。

 現実的には、今、お話も先ほどもありましたが、二年間、内部告発したものが秘匿されたということで、二年後になってようやくこれが情報公開になり、さらには原子力安全・保安院などの国の監督責任が問われるということであったわけです。

 そういう意味では、この時点から福島県が大きくかじを切って、国の原子力政策には一切協力しないという立場を知事が表明するということで、県として原子力行政の体質改善と見直しを国に求めるという大きな事件でございました。

 それから、今般の、二〇一一年以降の原発事故においては、先ほど来お話が出ておりますように、メルトダウンの事実が隠蔽されて、さらにはSPEEDIの情報公開がかなりおくれたということです。

 原子炉が炉心溶融を起こして、放射性物質が大量に、しかも広範に拡散するという危険性を基本的には秘密にしたということ、さらに、SPEEDIによる拡散情報が適切に公開されなかった、速やかに公開されなかった。このことによって、馬場町長さんの浪江町住民を初めとして、福島県民、国民が無用の放射線被曝を受ける結果になったということで、これは痛恨のきわみだというふうに思います。

 このように秘密扱いにされた結果が今日の被害の拡大になっているという現実は、ぜひとも押さえていただきたいなというふうに思います。

 さらに、もう一つの事案は、東京電力の津波予想。これは、震災直後に、当時の清水東電社長を初め、想定外の津波による事故でこのような過酷事故に至った、こういうことを主張して、法的には責任ないんだということを東電側は依然として主張しているわけです。

 しかし、実際は、二〇〇二年の政府の地震調査研究推進本部の長期評価に対応した断層モデルを提出せよという指示のもとに、二〇一一年の三月七日、三月十一日の直近です、三月七日に、東京電力は、福島第一原発及び第二原発の津波評価というものを原子力安全・保安院の方に提出しております。

 そこでは、先ほど申し上げました推本の断層モデルに基づいて津波高の試算をした結果、明治三陸地震で小名浜ポイントプラス十三・七メートルから十五・七メートル、江戸時代の延宝房総沖地震、小名浜ポイント十三・六メートルということで、確実に、三・一一の東北地方太平洋沖地震の津波高、小名浜ポイント十一・五から十五・五を想定していたという事実が判明しております。

 これは実際、国の方、つまり保安院の方もこの報告を受け取っていながら八月に読売新聞がスクープするまでこの事実を確認しなかったということで、明らかに隠蔽であったのではないかというふうに思われます。

 こうしたものの積み重ねが、今日の原発事故による被災の拡大というものに原因としてはつながっているということがありますので、原子力発電に関する情報の隠蔽は許されず、拡大こそが基本であろうかというふうに思います。

 その意味で、福島県議会の意見書を添付しました。

 福島県議会の意見書というのは、まさに県民の意思の表明だろうというふうに思いますので、このことは、福島県挙げて、オール福島で国会の皆さんに要望しているんだということを肝に銘じていただきたいというふうに思います。

 文章では、情報の隠蔽を助長する可能性がある、もし制定されれば、民主主義を根底から覆す瑕疵ある議決となることは明白である、ここまで申し上げておりますので、このことは重く受けとめていただきたいと思います。

 さらに、国際連合の特別報告者の表明というのが、十一月二十一日、ジュネーブで出ております。

 国連の特別報告者というのは、加盟国から選出された人権理事会が特定の人権問題に対して調査及び報告するということで任命した、独立した専門家でありますが、この方たちが日本政府に、主に四点ほど、法案の範囲が広範囲であること、さらには、公益性の関係で秘密にすることの正当性の問題、それから、独立機関の審査が不可欠である点、さらには、情報公開した人の罰則について、それが個人まで及ぶということは、いかなる処罰も受けてはならないという点が、国際連合の特別報告者から出ております。

 したがいまして、これらの日本政府に対する質問に対する回答を、ぜひ特別委員会として回答の促進を図っていただいて、その上でこの採決の問題というのは取り扱っていただきたいなというふうに思います。

 先ほどから出ておりますように、慎重に取り扱う、あるいは反対、廃案を求める声の方が国民の圧倒的な声でございますので、慎重の上にも慎重に審議を重ねていただいて、全国で公聴会を開催して国民の声を聞いていただきたいということを最後に委員長に申し上げまして、私の発言とさせていただきます。

 ありがとうございました。

額賀座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述者からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

額賀座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今津寛君。

今津委員 きょうは、本当に御苦労さまでございました。地方公聴会、国民の皆様方の声を聞かせていただくために、私どもは、きょう福島にお邪魔をさせていただきました。

 なぜきょう福島なのかということでありますが、今、皆様方の声を聞かせていただいて、やはり福島でよかったんだということを感じた次第であります。

 今なお、二十八万人を超える方々が自分の家に帰ることができない。そういう状況の中で、馬場町長からもお話がありましたが、お一人も地元に帰ることができないということを考えたときに、政治として、やれることは、言葉だけではなくてしっかりと、早くやらなければならないということを改めて感じた次第であります。

 私自身、昭和五十八年から平成二年まで北海道で議会議員をしておりました。御承知だと思いますが、北海道では幌延というところで核燃料の深地層試験場がございまして、私もそのことに携わりましたことがありました。フランス、イギリス、ドイツなど視察をし、私自身としては、日本の原子力技術というのは非常に高いものがあって、これは国際的にも誇るものである、日本の原子力発電所で事故はあり得ない、こう思っておりましたが、今回の事故になったわけであります。

 自分自身の非才を恥じるとともに、今の政治の責任で、核燃料サイクルのことも含めて、今、一時立ちどまり、そして、日本のエネルギー政策はどうあるべきかということをしっかりと考えて、国民の皆様方にお示しをしなければならない政治の責任を、改めて今、痛感しているところであります。

 さて、きょうは本当に貴重な御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございました。

 ただ、私は、この法案について、国民の皆様方の中にかなり誤解があるということを懸念いたしておりました。

 確かに、この法案が新聞紙上に載るころには、反対だ、認められないという方が多かったのですが、御承知のとおり、最近の報道機関の調査によりますと、実は、反対よりも賛成だという人の方が、若干でありますが、大体の調査では上回っております。しかし、ただし書きがありまして、これは慎重に審議をするべきだ、国民の声をできるだけ聞いてほしい、こういうことも事実でありますから、きょう福島に来させていただいた原因はそこにもあると思うんです。

 この秘密保護法というのは、御承知のとおりでありますから繰り返しませんが、我が国は戦後一貫して経済至上主義でありまして、国民の安全、安心を守る外交、防衛につきましては、日米安保条約によるアメリカの核の抑止力にずっと頼ってきたわけですけれども、今、我が国は国際協調主義で、他の国と一緒に世界の平和に貢献をしたいと思うし、また、そのためには、例えばフランスでもイギリスでもドイツでも、もちろんアメリカでもあるように、お互いの情報を共有しながら、国際的にも、あるいは日本国民の安全、安心を守るということを私どもはしっかりとしなければならないということで、この法律案を出させていただきました。

 メルトダウンが、二カ月たってから事実が明らかになった、これは本当に反省すべき点、言いわけにならないことだというふうに思います。政府にも、あるいは政治にも、それから東京電力に、もちろん大きな責任があります。

 また、SPEEDIのことについてもお話がございまして、浪江町長初め、大変な御迷惑というか、大変なことだったわけでありますが、その中で、やはり町長さん、誤解があるのではないかというふうに思うんですよね。

 このSPEEDIのことについては、いち早く国民の皆様方にその情報をお伝えするということに欠けていた結果だと思うんですね。

 これは時間の関係で省かせていただきますが、今この法案の担当になっています地元出身の参議院議員の森大臣も決算委員会で質問をしているのですが、政府の答弁として驚くべき答弁が出てきたんですね。情報というものはもう三月の十一日、十二日に得ているのだけれども、しかしそれを公表しなかったということは、現に認めているわけであります。

 ですから、私どもは、国民に安全に避難していただくための情報を、当然、できるだけ早く、敏速に、隠さずに国民の皆さん方に知らせるべきであって、そのことが敏速にできなかったことに問題があるんだというふうに思うんですね。

 そこで、この秘密保護法というのは、先ほどもお話に出ておりましたが、防衛、外交、それからスパイ行為、テロ、この四点の二十三分野に限っているわけでありまして、原発の事故のことについてはこの秘密保護法の対象にはならないんですよね。それはもう政府の答弁でも今回明らかにしているのですが、何か、この秘密保護法が原子力発電所のことについてもかかわりがあって、そしてそれが情報の隠蔽につながっていくのではないか、こういう誤解が随分あるわけです。

 それは町長さんが、公式の、日本記者クラブで会見したときもおっしゃっていますし、また、今お話がありました名嘉さんなんかの御発言の、地元福島民報の記事の中にも同じようなことが書かれているんです。

 秘密保護法の対象にならないということをきちっとした政府答弁で言っているのですが、それについては誤解があるのではないでしょうか。お二人にお聞きをしたいと思います。

馬場有君 先生、私が心配しているのは、いわゆる核物質を扱うわけですね。

 今回、燃料棒の取り出しが始まりました。その経過については、逐次東京電力が公表して、いわゆるキャスクに載せて別のプールに入れたことを話していましたけれども、その二回目の情報については、東京電力は公表は差し控えると。それは、核物質上の保護の観点から公開しない、要するに、キャスクに入れてプールに運び込んだときには公表するという。私は、やはりそのプロセスが大事だと思うんです。

 例えばSPEEDIもそうなんですけれども、大気に放射性物質が放出された量が確定されない、いわゆる正確な値が出ないから公表しなかったという話をしているんです。それからもう一つは、パニックが起きるから公表しないということだったんですね。

 しかし、それはとんでもない間違いで、パニックは起きているんですよ、避難からもう起きているわけですから。正確な値も出なかったというのも、やはりこれは、本当に情報隠し、隠蔽そのものだと思うんですよ。

 文部科学省は私に謝罪にも来ませんよ。私どもが指摘しておいて、そして、事実はどうだったんだと言ったら、いわゆる原発災害対策本部には文科省の責任として出したけれども、その運用については防災の方でやるんだという話だったんです。それじゃ運用そのものができないですよね。それ以前に、私どもの命と、それから極めて高い線量のところに避難するということのあれが起きたわけですから。

 ですから、先生、放射性物質を扱っているということについては、やはり慎重にやっていかなくてはならないんじゃないかというのが私の意見です。

名嘉幸照君 私が先ほど言った、第一原発事故からの政府の対応、東京電力の対応、三点を申し上げたわけなんですけれども、ちょっと時間がなくて触れなかったんですけれども、今、御指名ですので。

 まず第一点、東電と政府の危機管理。これは、今、浪江の馬場有町長が言ったことも、その他の委員の中にも話がありましたけれども、まず、これだけの先進国で技術大国の日本が、ああいう危機管理でいいのか。

 これは挙げれば幾らでもあるんですけれども、例えば、一つ。事故が起こって、十二月ごろ、総理大臣が収束宣言をしました。収束宣言すると同時に、労働者の被曝水準を下げました。現場がまだ燃えていて、鎮火していないのに収束宣言をする、これは、国内はもとより、海外の良識ある人、あるいは特に原発技術のシンクタンクの皆さんから非常にひんしゅくを買っています。

 時間がないので、それで終わります。

今津委員 済みません、こちらから発言をお願いしておいて、時間の関係ではしょってしまいまして、大変申しわけなく思います。

 今、お二人からお話がありましたことは、やはり危機管理、情報の公開の問題でありまして、秘密保護法の対象にはなっていないんですね、原発の事故については。これはもう政府の責任において、民間会社ではありますけれども、きちっと事実を御説明し、最善の対処をするということは当然のことでありまして、それが行われなかったことに問題があるというふうにぜひ御認識をしていただきたいと思うんです。

 現に、森大臣は、当時野党でしたけれども、委員会の質問において、情報公開というのは妨げられている、国民の知る権利なんだと、情報公開ということを強く要望いたしておりますから、その姿勢は与党になってさらに責任を感じながら貫くので、どうぞ御信頼をいただきたいというふうに思います。

 ただ、原発に関しましては、テロ行為などが起こり得る可能性というのはゼロではないですよね。しかし、そういうテロリストの情報については、これは秘密保護法の対象になるんですね。国際的に情報を共有して、そしてテロが起きないようにするというのが秘密保護法の目的ですから、これはやはり対象になるというふうに御認識をしていただきたいと思います。

 逆に言うと、そういう情報というのをある程度みんなで共有する、国際的に重要な情報を共有するということを秘密保護法でしっかりするわけでありますが、それがもしだめだというならば、どういう形にして、例えば、テロリストの行動の情報などはどういうふうにして守るべきだというふうにお考えになるんでしょうか。

 佐藤議員にお聞きをしたいと思いますが、それでは、それはどういうふうにしたらいいでしょうね。

佐藤和良君 基本的に、テロリズムの防止の名のもとにどの範囲まで網をかけるのかということだと思うんですね。

 そのことによって、今、馬場町長さんがおっしゃったように、結局、現時点でも、核防護上は、四号機の燃料プールからキャスクを取り出すときに、キャスクの下にIAEAがナンバーを振るんですよね、封印する。それは、テレビの画像、絵でも、そこは網がかかってくるわけですよ。だから、今だって、そういうふうにきちんと核防護上の対応はしている。

 ところが、例えば今問題になっている、取り出しの際の作業をいつ幾日からやる、何時にやるというようなことは事前には報道しない、これからは、二回目からやらないんだと。

 ということは、今実際は、福島県民、例えばいわきの住民が、十七日から、キャスクに入れて取り出しするといったときに、結局、ガソリンスタンドに車がいっぱいその前日の夕方に並んだんですね。何ででしょうか。それは、避難する事態が起きるんじゃないかと思っているんです。そういう不安があるわけなんですね。だから、適切にやはり情報開示しないと、そういうことがこれからも起きる。

 それで、テロリズムの防止については、現行法で防いでいるはずで、それがこれからできなくなるのでしょうかという疑問が、今の話には、質問はできないそうですから、かえって、現行法でできているんじゃないでしょうかということです。

額賀座長 今津君、時間が来ておりますから、手短にお願いします。

今津委員 時間の関係で不十分な質問になりまして大変申しわけなかったんですが、あたかも、戦前不幸なことがありました治安維持法とか、そういうものと一緒でないかなというような報道がありまして、それで誤解されている方もいるようなので、決してそういうことではないということを申し上げて、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

額賀座長 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。

 きょうは、各陳述人の方、お時間をいただきまして貴重な意見をいただいたこと、まず感謝を申し上げたいと思います。

 また、私自身も、あの東日本大震災が発災をしましたときに政権の中におりました。先ほど来から御指摘がありますSPEEDIの情報の公開がおくれたことを、きちっとされなかったことを本当におわび申し上げたいと思います。

 そして、今なお多くの方が厳しい避難生活を送っておられることに、お見舞いとおわびを申し上げたいと思いますし、そういう中で、立法府の場で仕事をしている者として、しっかりと仕事をしてまいらなくてはならない、そう思っております。

 この特定秘密保護法案の問題、先ほどちょっと言及もありましたが、いろいろな世論調査というものがあると思います。確かに、拮抗している、そういう調査もある。しかし、多くの方が、まだよくわからない、慎重審議をすべきではないか、これは物すごく大きいと思います。そしてまた、私が最近見た調査も、確かに賛否は拮抗してきた、しかし一方で、まだよくわからない方がいらっしゃる。そして、その中で、この法案で知る権利が守られるかどうかということに対しては、守られないのではないかということが六〇%以上の方であった、そう思うわけであります。

 そういう中で、きょうも改めてお話を聞かせていただいて、私はやはり、現場で、情報が公開されないことによって多くの困難の中にいらっしゃる皆さんの声を聞くことは本当に大事だと改めて思いました。

 そういう意味では、今回福島で公聴会が行われておりますが、やはり、特定秘密保護法案の中でも非常に関連をしてくる外交、防衛の問題等々もありますので、より広い全国で、あるいは沖縄等々でも、公聴会が開かれるべきだ、私はこういうふうに思いました。

 私は、この法案の審議をしておりまして非常に感じることは、政府に対して質問をしても、そのことに対してはきちっとやる、広がっていくことはあり得ない、こういう答弁が多いわけであります。しかし、そのことはきちっとした法の仕組みの中で担保されていかなくてはならない、決意だけではだめであって、それはしっかりと法の中で担保されていかなくてはならない、こういうふうに思います。

 そして、今もいろいろと御報告がありました。私は、これまでのことをもっても、また特に福島のことで関連して申し上げますと、立法府、行政、そして司法、三権分立という中で、それがよい意味でチェックをし合い、そして牽制をし合って正しい道に結びつけていくんだと思います。しかし、そういう中では、やはり情報公開がきちっとされなければ、きちっとしたチェックもできない、議論もできない、そういう御指摘があったと思います。

 畠中先生の方からは、司法のチェックがあるといって、いわゆる違憲判決というのはないではないか、そうしたチェックが働いていないではないか、こういう御指摘もありました。

 私は、この間のことを見ていても、私が国会で仕事をさせていただいて情報のことで感じることは、今のSPEEDIのこともありました。そしてまた、本当に福島の皆さんの御心配である、福島の県民健康調査のことがありました。残念ながら、そのときにも裏会議というものが開かれておりました。

 私は、いろいろなところで、権力を持った者がそうした情報を隠蔽する、先ほど御指摘もありました、パニックになるのではないか、無用な、無用なというと失礼かもしれません、不安をあおってはいけない、そういう名のもとで隠蔽をされてきた、そういうところが多々見受けられる、そういう気がいたします。

 これは、私も立法府におりますので、立法府の責任でもありますが、国会事故調査会の調査の報告というものがあります。これは国会図書館の中に今保管をされておりますが、この国会事故調査会の報告の公開も、私は求めてまいっておりますが、残念ながら、今のところまだ公開をされておりません。調査をしたときの相手との関係もある、こういうふうに言われておるわけであります。

 しかし、この大きな事故を起こし、そしてまた、多くの方が今なお厳しい避難生活を送っていらっしゃる中で、私は、やはり国会事故調査会の報告というものはしっかりと公開をされていかなくてはならないというふうに思っております。

 子ども・被災者支援法のこともありました。基本方針というものがやっとできた、こういうふうになっております。しかし、では、そこに福島県民の皆さんあるいは関係の皆さんの声が本当に反映されているかというと、まだまだ不十分だというふうに私は思っております。

 そういう意味で、そうした議論をしっかりとしていくためには、情報というものがきちっと公開をされなくてはならない。それは日本国憲法が保障してきた権利であり、そして、先ほど来からも話がありますように、国民が知らずしてどう公益が守られていくのか、まさしくそういうことだと思います。

 そういう意味で、お答えをいただければと思いますが、時間が限られておりますので指名をさせていただきますが、馬場町長、そしてまた二瓶先生、また佐藤市議、それぞれの方が今まで得ようとしてなかなか得られなかった情報、そうしたもので具体的に挙げていただけるものがあればと思います。

馬場有君 やはり、今までの事故の対応については、私ども基礎自治体には全て連絡は後からなんですね。全てそうです。

 先日のキャスクに燃料棒を入れる話も、これは、東京電力当事者から作業工程については発表になりましたけれども、ただ、第二回目から公開は差し控えるということの情報ですね。

 それから、今先生がおっしゃった、健康管理の問題の会議が裏の話をして、何とか、シナリオを書いて結論に持っていく、データをきっちりしていないところが非常にあるんです。そういう情報が、我々が知るというのは、全然わからないような状況の中で、マスコミで報道される、そういうものが非常にありました。

 これからは、私は、秘密保護法案よりは、やはり、原発事故子ども・被災者支援法の基本方針の見直しとその充実、そっちの方が先じゃないか、最優先化するものじゃないかなというふうには思っています。

 以上です。

二瓶由美子君 事故直後にさまざまなうわさが流れました。例えば、大手企業はバスを出して社員や社員の家族を一週間避難させた、こういったうわさが流れて、地元にとどまった方たちは、後でこういう情報が入るたびに、自分たちは要らない被曝をしたのではないか、こういう思いにさらされて生きてきています。

 こうしたときに、どこかには情報が流れているのに、多くの県民にとっては、愚民のように扱われて、正しい情報が与えられなかったのではないかという不安を持ち続けています。これが、今おっしゃったことに対して拡大されるのではないかという不安に明らかにつながっているというふうに思います。

 私は、歴史が証明しているのは、やはり権力というのは腐敗するものであると思っています。拡大解釈に対して国民が非常に危惧を抱いているということを踏まえて、もう少し議論を詰めていただく必要があるということを冒頭に申し上げました。

 一つ、学生のエピソードをお話ししたいんですが、私は国際平和論という科目を担当して、平和について学生たちとともに学び、最終的に沖縄研修に行っています。沖縄で毎年いろいろな方たちのお話を伺うんですが、学生たちが最も衝撃を受けるのが一九五九年の宮森小事件です。これは箝口令がしかれていたので、長い間、多くの人たちに知らされませんでしたが、米軍の飛行機が小学校に墜落した。多くの子供たちが亡くなった。

 それを研究している沖縄国際大学の学生、院生になった方ですけれども、この人は、一人一人のオーラルヒストリーを集める中で、一度黒焦げになった子供を焼くのは嫌だと言って遺体を焼くことを拒絶した母親の話、そういう話を聞きながら学生たちは涙を流します。

 そして、その話をしてくださった方は、学生時代に我が母校である沖縄国際大学に戦闘ヘリが墜落した、難を逃れたけれども、そのときに米軍が土ごと全部運んでいった、あのときの放射能の拡散はどのぐらいだったのかということを、若い女性ですけれども、今でも不安に思うということをおっしゃいました。

 私たちは何も知らなかった、知っていれば対処の方法もあった、こういう声を聞くたびに、学生たちは、今自分が置かれている状況の中で私たちは情報を得ているのかどうかということに不安を抱くわけです。

 ですから、議論をもっともっと深めて、国民が納得するような形で、もちろん、国防や外交が国家の大事な柱であるということは私も承知しております。でも、唯一の被爆国である日本は、非暴力、不服従で、私たちの平和、命を守るということを貫いてもいいのではないかというふうに思っています。テロリスト対策を考えるよりも、非暴力、不服従で、被爆国として世界に何を発信していくかということを私は考えていきたいというふうに思っています。

佐藤和良君 情報隠蔽の話でありますけれども、二〇〇二年の不正は非常に顕著な例でありますが、ほかにも、いわゆる福一の三号機でプルサーマルを始めたときに、実際に、MOX燃料のペレットの品質管理という問題がありまして、このペレットの情報をベルギーのベルゴニュークリアという燃料会社の方からきちんと出してほしいということを東京電力にも申し上げました。また、それを保安院にも申し上げましたけれども、そのことが、結果として出てこないということが一つありました。

 それは、例えば、御案内のように、三月十四日に一F三が爆発した状況を見ると、水素爆発といいますけれども、火柱高く核爆発のような状況になっている。あそこにMOX燃料が入っていたわけで、そういう意味では、私ども、震災前からそういう情報を秘匿されてきたのではないか、それが結果としてさまざまな状況を生んでいるのではないかということが一つあります。

 それと、震災後でいえば、今、県民健康管理調査のお話がございました。今、震災時に十八歳未満であった三十六万人の子供たちの甲状腺検査をやっておりますけれども、それについても、検査をしたときに受検者に対して電子画像を配らないで、後でABC判定で判定だけよこすというようなことで、結局、当事者である子供たち、そして保護者の方がきちんと情報を持って健康管理していくんだというふうなことが現実的に行われていないんですね。それが後づてに判定だけ出てくるというあり方では、みずからの健康をみずからが守っていく、子供たちの健康を守っていくという親の基本的な権利さえ行使できないじゃないかということがあると思います。

 馬場町長がおっしゃったように、秘密法の採択よりも、やはり、原発事故子ども・被災者支援法の充実ということをぜひとも私どもはお願いしたいなというふうに思うところは、同感でございます。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 それでは、時間も限られてまいりましたので、ごくごく簡単にお答えいただければと思います。

 裁判の問題についてお聞きをしたいと思います。

 畠中先生にちょっとお伺いしたいんですが、特定秘密、何が特定秘密であるかも秘密であると。そうすると、憲法で保障された裁判の公正性というものが損なわれるのではないか。裁判のときにも明らかにされない、このことについてはどう思われますでしょうか。

畠中信義君 私は、そのとおりだと思います。

 裁判をやるということは、訴える側が全ての情況証拠を含めて提出しなければならないと思いますが、これは原告と言われていますが、原告が何にも知らないのに裁判が打てるのかということです。だから、自分の財産すらなくなってからだって闘えないという状況があり得る。要するに、国防であれば何でもいいのかということですよ。

 だから、秘密の定義がきちんとされず、国民の生命、身体、財産が侵されたときに、憲法裁判所があるのならまだしも、具体的争訟事件でなければ受け取らない現行の憲法裁判の方法では、国民の権利は守れないのではないかという意見であります。

近藤(昭)委員 ありがとうございました。

額賀座長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 まずもちまして、本日は、参考人の皆様、お時間を賜りましてありがとうございます。

 そして、三・一一で被害に遭われた方と今も避難生活を余儀なくされている方に心からお見舞い申し上げますとともに、立法府に属する議員の一人としまして、私、丸山穂高も、復興のためにしっかりと、党としても復興のために取り組んでいくことをお誓い申し上げたいと思います。

 先ほど来、陳述人の先生方からお話のありました原発の情報につきましては、我が党においても、常に国会の中でも、福島、当県選出の小熊委員を筆頭にしっかりと、きちんと出てくるのかどうか、あの三・一一の教訓を生かして、きちんと開示されていくのかどうかというのを非常に危惧しながら審議を進めて、そして政府の答弁を求めてきたところでございます。

 まず、現場で四十年見てこられた名嘉陳述人にお伺いしたいんですが、現場で原発の安全性への疑問を口に出すのがタブー視されてきた、そしてこれが安全神話をつくって、そして事故やトラブルを生んできたというのは、非常に示唆に富む御意見であると思います。

 そうした中で、一方で、先ほど少しほかの委員からお話がありましたように、原発はやはりテロに弱いという側面も備えていると思います。日本に潜伏している工作員に機微な情報が入ってしまえば、それは大変なことになるという可能性もあります。

 そういった中で、どうやってテロを防止していくか、警備のあり方をつくっていくか等、また、情報公開との関連というのは非常に難しいところがあると思うんですが、現場で四十年見てこられて、名嘉陳述人の御意見をもう少し詳しくお伺いしたいのですが、お願いいたします。

名嘉幸照君 先ほどもちょっと触れましたけれども、基本的に、日本国民ほど放射能に敏感な国はないと思います。したがって、命にかかわる原発の安全性、これについて、国民は正しい情報を得る権利があると思います。

 その権利というのは、国会の皆さんや専門家が検討することだと思うんですけれども、まず、一つの例を挙げてみましょう。

 今、第一原発でどういうことが行われているか、一番やらなくちゃいけない優先順位は何なのか、必要なものは何なのか、そういうことも国民の財産や健康を守るために非常に大事なことだと。

 先ほど三点挙げたんですけれども、原発事故が起こってから、その収束に対する対応の件について。

 この事故が起こって六カ月もしないうちに、東京電力は財務改善アクションプログラムというのをスタートしました。このことで、既に現場は混乱しました。というのは、メーカーもゼネコンも協力業者も収束のための大胆な技術提案をやっても、東京電力の技術スタッフが一生懸命検討して稟議を書いても、予算が通りません。この非常事態に、現場を置き去りにして、東京電力の財務改善アクションプログラムが今でも尾を引いています。

 国も予算を担保するという声明をやっと出したけれども、これは非常にありがたいことで心強いことなんだけれども、でも、今現場で起こっているのは、これだけのマンパワーなんです。一定の技術のあるマンパワーが必要なんです。我々地元の若い衆はみんな、放射能でほとんどパンクしています。事故が起こってから地元の作業員は、ふるさとを取り戻す、そういう使命感で頑張ってきました。でも、現場は、相変わらず経済優先、これで混乱して、この後遺症がずっと残っています。

 今、浪江の馬場有町長が四号機の燃料のことを言ったけれども、何でこれだけの危機的状況で、二十四時間シフトで仕事をやらないんだ。マンパワーがいないんですか、マンパワーが要るんだったら調達すればいいじゃないですか。何で新燃料から先に取り出すんですか。その理由は何ですか。作業員が訓練されているんだったら、二Fの六階フロアでも、幾らでも訓練できるでしょう。東電の技術職員が足りないんだったら、電事連と協力して、全国から原発の技術者を協力させればいいじゃないですか。

 最初は各電力会社も後方支援で来ていましたけれども、今は全くいません。今福島で頑張っているのは、相変わらず全国から来ている警察官です。本当に心から感謝します。同じようなことをやってほしい。

 以上です。

丸山委員 政府の対応が非常に遅いということとマンパワーのお話、非常に感じ入るところがありました。私は、経済産業委員会にも所属しておりますので、この問題、しっかりとそちらの委員会でも審議をやってまいろうと思います。

 そういった意味で、先ほど来、政府側の対応が遅い。そしてまた、たしか槇陳述人から、政府側の答弁が二転三転する。特に、森大臣。私も、今回の委員会でさんざん、ずっともう何時間も森大臣に質疑させていただいた中で、どうしても、二転三転している、また、はっきりおっしゃらない、そういったところにもどかしさを感じてきた一人でございます。

 まさしく福島は、森大臣は地元の選出でございますし、また、弁護士ということで、このあたりの点につきまして、もう少し詳しく槇陳述人から、どのように思われているのか、先ほどの答えに重ねてお話をいただければと思います。

槇裕康君 政府答弁が二転三転している、この点につきましては、やはり二転三転する理由があるんじゃないかなと思っております。

 それは、やはり法律の条文が曖昧かつ広範であるからだと思うんですね。要は、二転三転する余地が十分与えられているんじゃないか。やはり、これだけ特定という文字がついているわけですから、秘密をもっともっと特定して、かつ、処罰されるべき犯罪、過失犯まで処罰ですよね、独立教唆まで処罰ですよね、そういった法律上の構造の問題点、これが、政府答弁が二転三転する一番の大きな理由だと私は考えます。

 よろしいですか。

丸山委員 ありがとうございます。

 まさしく、曖昧な範囲であることが一つ大きな問題だというお話は、私もそう考えております。

 この問題、この法案の一番厄介な部分は、国家として本当に守らなければいけない情報、例えば外交上の暗号の情報だとか、潜水艦のスクリュー音の機密情報だとか、テロリストがどこに潜伏しているかもしれない情報だとか、本当に、スパイ天国と言われる我が国においてどうしても守らなければいけない情報がある中で、一方で、この法案が非常に恣意的に運用されるんじゃないかとか、適用がそれ以上のところに拡大されるんじゃないかという危惧の声、そのバランス、では、どこにそれがあるんだというのが、まさしく政府側のところが見えにくかった、見えにくいままずっと来ているところに非常に問題があるんじゃないかと痛感しております。

 そうした中で、我が党がずっと申し上げているのは、やはりこれは一つ、政府が恣意的に適用しないために、第三者機関という形で、しっかりとチェックしていくような機関が必ず必要じゃないかというのを我々は主張してまいりました。そうした中で、まだ、政府の中では、検討するという答弁しかいただいていないところですが、これはしっかり、今後の審議の中でも必ず設置していただくように求めていかなければならないと考えているところです。

 また、もう一つとしましては、やはり最終的にはオープンにならなければ、これは政治家としてどうしても隠したいところが多くなる、官僚として隠したいところが多くなる中で、最終的にオープンにならなければ、結局、恣意的な運用がされると考えています。そうした中で、我々は、最終的には必ず公文書館に移管する、必ずオープンになるというのが、これは最終的に後世の史家に歴史の審判を委ねるという意味でも必要なものだというふうに考えておりまして、ただいま修正案を出しておるところでございますが、これは非常に難しい問題だと思います。

 いろいろな御意見があると思いますが、政治家として、そして、この原発の問題で歴史的にも一番大きなお立場に立たれている馬場陳述人の、この点につきまして、第三者機関を置くということ、そして最終的にはオープンになるというのが、やはり歴史上、政治家の使命としてあるべきじゃないかと私は考えるんですが、御意見をいただければと思います。

馬場有君 今委員御指摘のとおり、やはり第三者機関というのは、本当に、設置をして、正しく判断できる、そういうものが必要だというふうに考えています。したがって、私どもも、いろいろこれから難しい問題も出てきますけれども、やはりそういう監視するような立場の人、公平公正な形の中でしっかりと監視するということが必要だというふうに考えています。

 以上です。

丸山委員 ありがとうございます。引き続きしっかりと政府の方に求めていきたいと思います。

 時間もなくなってきましたので、最後お伺いしたいのが、やはり、原発の問題、情報が出てこないというのは全くもって問題だと思っております。そういった意味で、引き続き国会の方でも言っていかなければならないと思っておるんですが、佐藤陳述人にお伺いしたいと思います。

 先ほどのお話で、東電や政府による情報の非公開の問題を指摘されておりました。二〇〇二年の不正の事件のお話、そしてメルトダウンの隠蔽と、そして事故のときのSPEEDIの公開のおくれのお話、非常に問題だと思いますし、これはしっかりと言っていかなければならないところでございますが、事故後の公開について少しお伺いしたいんです。

 それは、事故からたって、今の段階で、議会や地元の方が東電や政府に情報公開を求めることは多いと思います。その後の対応につきましては今どういう状況なのか、そういった点につきまして、陳述人の方から御意見を伺いたいと思います。

佐藤和良君 まず、事故直後の話は、先ほども馬場町長さんがおっしゃっていましたけれども、我がいわき市にも、市長にも何の連絡もなく、国からも東電からも県からもなく、実質、テレビを通じてしか情報は入ってこなかったというのが実態でございます。

 初動がそんな形ですから、我が方としては、いわき市としては、安定沃素剤の配付を実は十八日からはやったんですけれども、結局、最初の十五日のプルームには間に合わなかったということで、災害対策本部が三月末にやった小児甲状腺のスクリーニングでは、いわきの子供さんが一番高い値が出たというふうなこともありまして、やはり、初期被曝の問題についての責任は、当然、国の情報の出し方の問題に大きく左右されたんじゃないかなというふうに思っております。

 それから、その後でも、例えば直近のものでいえば、高濃度汚染水の海洋放出の問題も、結局、七月二十一日の参議院選が終わった途端に、七月二十二日に東京電力は、海洋に高濃度汚染水が漏れておりますと認めるということで、これは極めて重大な汚染水の隠蔽であったろうというふうに思っております。

 そういう意味で、我々は、汚染水の海洋放出をやめるようにということで、議会としても、一昨年の十二月から、決議を上げて、東電本社に行って要請したりしておりますが、全然これもとまらない、情報も非常に後追い的にしか出してこない。そしてまた、七月二十二日まで、参議院選後まで認めないというような、東電なりの政治的な対応というんですか、私らからすればちょっと考えられないような対応を依然としてしているということであります。

 御案内のとおり、汚染水については、二〇一一年の六月の時点で四面遮水壁をつくっていれば、今日のような、タンク群にあれだけ汚染水をためて、しかもなおタンクが漏えいするというような事態にはならなかったわけで、この点もやはり非常に悔やまれる。ですから、そこも結局、汚染水情報を隠した結果、後手後手になってきている。

 しかも、名嘉さんがおっしゃったように、東京電力は、福島のサイトにはこの問題が起きてから柏崎から二十人しか移動していないということで、柏崎の再稼働には、二千三百億、これからまた五千億を目指して投入すると言っていながら、肝心かなめの事故処理、事故収束ということについては、非常に情報を隠蔽し、財政的にも投入しない。

 そういうことで、国が前面に立ってくれるというお話もありますけれども、まず、国にも東電にも、そこの情報をきちんと出していただかないと、沿岸漁業壊滅ということが、ようやく試験操業が始まりましたけれども、このままそういうことが垂れ流しされたのでは全く前に進めないというのが、やはり漁民を初め福島県民の率直な心情であります。

丸山委員 もう時間が終わってしまいましたので終わらせていただきますが、この問題は非常に大事なことだと思っています。

 我が党としては、中央公聴会も含めましてしっかりと審議を求めてまいりますので、そのことを申し上げまして、私、維新の会を代表しましての質疑を終えさせていただきます。

額賀座長 次に、遠山清彦君。

遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

 私からも、同僚議員と同じように、きょう、お忙しい中、このように御参集賜りまして、貴重な御意見をいただきました意見陳述人の皆様に、心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。

 また、私ども公明党も、三・一一の震災後に、国会議員団で担当地域を決めまして、私は岩手が、三陸沖が担当でございますけれども、手分けをして現場に入って支援を続けてまいりました。

 福島につきましては、私、きょうで五回目ぐらいになるわけでございますけれども、被災者の皆様、その関係の皆様、そして、特に福島は原発事故があったということで、いろいろな問題が大変長期化をしていると認識をしております。引き続き、きょうの機会をかりまして、我が党としても全力で皆様の御支援をさせていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 その上で、時間に限りがございますが、何人かの参考人にお話を伺いたいと思います。

 まず、馬場町長のお話を私も伺いまして、一言で言うと、お怒りごもっともというふうに思っております。ただ、一点だけ、少し、情報というものについて、あるいは秘密というものについては、これは私ども政治家も、そして国民の皆様も、しっかり整理をして議論しなければいけないなと、町長のお話を伺って感じました。

 というのは、町長が怒りを込めておっしゃっていたお話というのは、例えば、東電と通報協定を結んでいたのにその協定どおりに情報が提供されなかったという問題、あるいは、政府がSPEEDIの情報をしっかりと迅速に伝えなかった結果、被害が拡大したのではないか、あるいは十条通報のことにも言及をされておりました。

 こういった情報の扱いと今回の特定秘密保護法案で保護しようとしている情報は、私は、基本的に違うんだろうと思っております。つまり、今回の法案で保護の対象にしようとしている情報は、国が扱う情報の中で、もちろんこれは後で弁護士会の皆様とも御議論したいと思いますけれども、国が持っている情報は原則として国民のものであるということは、これは我が党の中でもそういう考え方に立っている人は多いです。

 ただし、例えば個人において言えば、自分のクレジットカードの暗証番号は人に伝えません、公表もいたしません。それから、恐らく銀行通帳のありかも人に公開する必要はないし、してはならないと思っている人が大半だと思います。

 そうすると、国におきましても、もちろん基本的には国民に情報は属するといいながらも、万が一、ある情報が外国やあるいは危険な団体、個人に漏れたことによって、大きく国益を損する、国民の安全を損した場合、これは、国民の生命財産を守るというのはある意味国の憲法上の義務でございますから、この義務を果たさなかったというそしりをどうしても受けてしまう。よって、ごく限られた情報だけれども、漏れてしまうことによって国民の生命財産を脅かしてしまう場合には、そこは最低守らなきゃいけない。

 これは、個人においても御家庭においても、企業、団体、どのような組織においても、ごく限られた情報については守らなきゃいけないものは当然にあると思うんですね。それらの情報をどう特定し、守っていくかということが今回の法案の主目的でありまして、その他の情報については、私は、時の為政者、政治家の判断で、出すべきものは迅速に出す、公表すべきものについては国民に出すということだと思っております。

 そういう意味で、馬場町長がおっしゃったほとんどの情報は、私は、今回の法案の対象ではないと思います。対象ではないということは、実は、違う次元で、どうやって縦割りの行政の弊害を排して関係の自治体や国民の皆様に情報公開を迅速にするかという情報公開制度の仕組みはしっかりとやりながら、そして、国益を守るために、国家国民を守るために、保護されなければいけない情報は保護していくというような整理をしていく議論を、私は、この法案の審議を通してしていかなければいけないと考えておりますけれども、この点について、町長の御見解を簡潔にいただければと思います。

馬場有君 今の御指摘のとおり、直接的なものには関係していない、それから、今津先生から先ほど話がありましたように、いや、原発の問題についてはある程度検討している、法案に、いわゆる特定のものには入っていないという御説明がありましたけれども、やはり四つの分野の中で、テロ活動の防止ということがあるわけですね。

 いわゆる事故が起きる前に、警察の方が、一号炉それから二号炉、毎日決まったように時間を設けて、交代で、福島市に機動隊の方が駐在していて、それで、テロ防止のために、毎日うちの百十四号線を下って浪江に入って、第一原発、第二原発に入っていきました。それはテロ活動防止です。

 その件についても、私どもは、やはり相当なる危機感を持っているなということで認識はしていましたけれども、これと、核の問題を扱っていく場合には、私どもに、何で警察官が定期的にああいうふうに交代して厳重にやっているのか、それは公開がないですよ。現象だけです、見ているのは。したがって、そういう問題についての公開、これはやはりしていただかないと。

 ただ、国家的な秘密といいますか、それは当然あると思うんです。私どもの生命と財産を守るためにそういうことは必要だと思うんですけれども、特定ですから、それをどういうふうに定めたらいいのかどうかということを絞り込んだ中でこの法案をつくっていただきたいなというふうに思っています。

遠山委員 馬場町長、明快な御説明、ありがとうございます。

 それで、槇陳述人にお伺いをしたいと思います。

 私は今、公明党の法務部会長をやっておりまして、日ごろから日弁連の皆様と意見交換しながら法務行政の方はやっておりますが、この件については、二点、大事な点についてお伺いをしたいと思います。

 まず一つは、この法律の最大の論点の一つは、今町長もおっしゃっていただいたように、国家にとって守らなきゃいけない秘密があるということについては、これは恐らく国会でも与野党を超えて共通理解があるわけでございます。ただ、問題は、この法律に基づいて指定する秘密が、政府あるいは特定をする大臣によって恣意的に拡大解釈をされて、何でもかんでも、つまり、秘密にしてはいけないものも秘密になるんじゃないかという拡大解釈、拡張解釈の問題が大きな論点の一つだと思います。

 この点について、実は、きょうのお話を聞いていても、あたかも拡張解釈について法律の中に条文がないかのような御意見を述べられた方もいらっしゃいましたけれども、我が党も法案審査のときにはっきりとこの点を申し上げて、条文の中に入っております。ちょっと引用しますが、法の適用に当たっては、これを拡張して解釈をしてはならず、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことはあってはならないということは条文に書いております。

 もしこれに反する行為を政府が法案成立後に行った場合は、違法行為のそしりを受けるわけでございます。こういう条文があっても拡張解釈の懸念が消えない理由とは何なのかということが一つ。

 それから、もう一つ槇参考人にお伺いをしたいのは、実は、今から十四年前に、国会で大きく混乱を生じた法案がございました。通信傍受法案。当時はマスコミで盗聴法案と言われまして、恐らく日弁連の皆様も大反対をされていた。

 私、今回の法案審議に当たりまして、十四年前の新聞記事を見てみました。そこに何と書いてあったかといいますと、この通信傍受法、盗聴法案を通せば、また拡大解釈をされて、組織犯罪とか反社会的勢力の幹部の盗聴だけではなくて、一般国民の電話会話も盗聴されることになるといって大騒ぎになりまして、残念ながら国会では強行採決という形になって、大変な混乱がテレビで放映されたのを、私も当時を覚えているわけでございます。

 しかしながら、それから十四年間たちまして、この通信傍受法に基づく盗聴、毎年欠かさず行われております。昨年の例で申し上げますと、三十七件の盗聴が薬物犯罪組織あるいは反社会勢力に対して行われまして、その結果、三十数人の逮捕者に結びついております。今日、この通信傍受法に基づいた運用について、国会にも毎年報告されておりますし、マスコミにも報道がされておりますが、特段、国民の会話を盗聴しているなどという批判はない状況になっております。

 私は、この通信傍受法案が成立した後の抑制的な政府の運用というものをきちんとしていけば、今回の法案についても、国民の皆様から見て理解を得られる運用をすることは不可能ではないと感じておりますけれども、この二点について、槇参考人の御意見を伺いたいと思います。

槇裕康君 二点ございました。

 まず、拡張解釈をしてはならないというような条文があるということで、私も存じておりますけれども、先ほど来、陳述人の方からもお話が出ているように、こう言うと大変申しわけありませんが、歴史から踏まえますと、権力は腐敗するという、残念ながらそういう歴史があろうかと思います。

 今の通信傍受法のお話もありましたが、現時点で、今まで、十四年間ですか、恣意的な運用がなされていないということが、その事実関係はわかりませんが、仮にあったとしても、では、未来永劫それがなされないままいくのかということに対して、極めて強い危惧を抱いております。

 やはり、拡張解釈を許さないの前に、拡張解釈ができない、余地をきちんと狭めるべきだと思っております。

 また、先ほどから申していますが、広範かつ曖昧な法律であるがゆえに、萎縮効果があると思っております。そういった萎縮効果という観点も十分考えていただいて、拡張解釈云々というのではなくて、もっときちんと明確化した法律にしていただくことが必要であろうかというふうに考えております。

 二番目の質問の点についても、今のでお答えしたつもりでございます。

 以上でございます。

遠山委員 ありがとうございます。

 萎縮効果という御指摘がありました。これも、ちょっと流れ上、槇参考人に簡潔にお答えいただければいいと思うんです。

 実は、今回の法律の中で、国が指定をした、つまり、国家公務員が漏えいした場合は刑罰の対象になる特定秘密の取得行為、つまり、マスコミの皆さんが取材をする、これはちなみに、公明党が法案審査のときに、それまではなかった取材の自由、報道の自由というのを法案の中に書かせていただいております。

 それだけではなくて、今回の法律は、その特定秘密を取得するときにどういう方法で取得したかによって扱いが違うわけでございます。正当な取材によって特定秘密を仮に入手したとしても、それを報道したとしても、その報道した人たちは罰せられない。その取得の仕方で問題性があれば、これは当然刑罰の対象になるわけです。

 ちょっと関連条文を読みます。引用です。

 人を欺き、人に暴行を加え、または人を脅迫する行為、あるいは財物の窃取、盗むことですね、施設への侵入、あるいは不正アクセス行為、ハッキングをして不正に暗証番号を盗んでコンピューターでアクセスする、その他の特定秘密の保有者の管理を害する行為による特定秘密の取得行為に対しては罰せられる。

 これは、実は国民の常識から見て当たり前なんですね。情報を持っている人に暴行を加えたり、欺いたり、脅迫をして情報をとったら、それは罰則の対象になる。それはもう、そういう行為自体がそもそも刑罰の対象になるわけでございますから。これ以外の取材方法によって得た情報については、その情報を得た人は処罰対象にならないわけでございます。

 こういった形の規定ぶりになっていても、どういう萎縮効果があるのか、槇参考人、先ほど萎縮というお話をされたので、少し、イメージが湧くように御説明をいただければと思います。

槇裕康君 今、いろいろ列挙されていたかと思います。済みません、私も、もし誤解があれば御指摘いただきたいんですが、要は、著しく不当な方法というところに絡んでくるのかなと思うんです。

 条文のたてつけ上、恐らく、今列挙したこと以外に、いわゆる一般規定としての著しく不当な行為、方法、こちらも含めて処罰の対象になるんじゃないかなと思います。必ずしも、今列挙されたことに限定する、そこでとどまるんだということではないんじゃないかなというふうに、済みません、私の理解ではそう思っております。

 であれば、やはりそこに判断権者の恣意的な解釈が入ってきますので、萎縮効果、こちらは十分あるのではないかなというふうに思われます。

 また、報道関係者、こちらの萎縮効果も当然ありますが、情報を提供する側、こちらについても萎縮効果があるんじゃないかなというふうに考えております。

 先ほど、原発事故については特定秘密に該当しないんだから問題ないんじゃないかというような御趣旨、済みません、私には少なくともそういうふうに捉えられたんですが、そういう御趣旨の発言がございました。

 ただ、仮に特定秘密に当たらないというふうになったとしても、原発とテロの問題というのはある程度結びつく中で、ではグレーのところはどうなんだ、黒ではないんだけれどもぎりぎりのところについて、情報を出しづらくなってくる。その結果が、特定秘密に当たらないSPEEDIの情報であり、汚染水の情報であり、それが仮に当たらないとしても、そこで、出す側の問題として萎縮効果が生じるのではないか、そういうふうに考えております。

 以上です。

遠山委員 時間が来ていますので、一言だけ。

 最後の、特定秘密に当たらない情報の政府からの出し方については、この法案の対象じゃありませんので、これは総合的に、政府全体、国会全体で議論をして改善していくべきだというふうに思っております。

 それから、先ほどの、法律に列挙されている、暴行を加えるとか、脅迫するとか、侵入するとか、盗むとか、不正アクセスをする以外の著しく不当な方法というのは、常識的に、普通の人はなかなか浮かばない方法のことを言っているわけでございますから、これは、そういったここに載っていないような方法で不正に情報をとること自体が極めて特異で難しい例であると思いますので、その辺は、批判をする側も、賛成をする側も、慎重に議論を進めていかないといけないと感じました。

 以上、御指摘申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございました。

額賀座長 次に、畠中光成君。

畠中委員 みんなの党の畠中光成です。

 きょうは、陳述人の皆さん、本当に参考になりました。ありがとうございます。福島で公聴会を開いてよかったというふうに思っております。

 実は、私ごとでありますが、私も阪神・淡路のあの震災を経験しまして、家が全壊しまして、当時、大学生だったわけでありますが、仮設住宅での暮らしも経験をいたしました。

 ただ、津波あるいは原発、こういったことがやはり阪神のときと違うというふうに思っておりまして、復興のあり方にもそれが大きく影響しているように思っております。

 当時は私は学生でありましたが、今は小さな子供を持つ父親として、国政の場に携わらせていただきながら、当時のことも思いながら、復興に向けてしっかりと取り組む役目を果たしていきたいというふうに考えております。

 さて、きょうは特定秘密の話で皆さんに質問をさせていただくわけでございますけれども、皆さん御承知のとおり、国会でもさまざまな議論やあるいは意見が出ておりまして、私自身も、また国民の間でもたくさんの懸念や不安があるというのは十分承知をしているわけでございます。

 本日、陳述人の皆さんからも、本当に福島の立場でそういった御意見をいただきました。例えば、秘密の範囲が際限なく広がるのではないかという不安であったり、秘密の指定に対して恣意性が残るのではないかであったり、あるいは適性評価のお話も出ました。こういった話も、当然ながら、国会の中でさまざまな議論を交わしておりまして、我が党も、政府・与党に対して修正案を提出していきながら、こういった懸念や不安が少しでも解消できるように取り組んできた経緯がございます。

 ただ、根本的な話としまして、この秘密という問題、先ほど同僚議員からも話がありましたが、秘密といえば、どちらかといえば、ないしょにするようなものというネガティブな印象を持ってしまうように思いますけれども、しかし、大切なことというのは、必要な情報が必要なところにしっかりと行き渡るということ、このことが一番大切だと考えております。

 皆さんも御承知のように、まず、我が国の状況、私ども、我が党も党の考え方の根幹に訴えておりますけれども、役所の組織がいわゆる縦割りになってしまっている。各省が持っている情報が、本来は各省間で共有をしていかなくてはならないわけでありますが、情報の取り扱い、言いかえるならば、秘密の取り扱いに関するルールが明確でないことによって、かえって各省にとどまってしまう。よって、本来行き渡るべき情報がきっちりと行き渡らないということが、我が国の国内の、この政府部内においても起こるわけであります。こういった観点から、やはり情報の取り決めについてのルール化というのが必要であるわけであります。

 また一方、国際社会においても、皆さん御承知のように、我が国というのはまさに専守防衛、経済大国、軍事小国でありまして、だからこそ、いかにしてほかの国から情報を得ていくかということが大切なわけでありますが、我が国のこういった情報に関する取り決め、ルールというのが整備されていないことによって、これもまた、国際社会の中で、我が国の立ち位置から必要な情報というのが行き渡らなくなってしまう。

 繰り返しになりますけれども、秘密といえば、ないしょにするという印象を受けてしまうかもしれませんが、必要な情報が必要なところに行き渡るルールをつくらなくちゃいけないというふうなことを、まず申し上げたいと思っております。

 しかしながら、この秘密保護法案、私、一番の問題点だと思っておりますのは、いかにして監視をするか、特定秘密に対してどのように監視をしていくかということが一番のポイントかと思っております。

 そこで、陳述人の方にお伺いしていきたいんですが、私は、この監視について、つまるところ、最終的には国民が監視すべきであろうというふうに考えております。主権者である国民が、しっかりと政府に対して監視していく。その立場から、まず、弁護士でいらっしゃいます槇陳述人にお伺いしたいんですが、本法案と知る権利の関係から、御意見を少し述べていただけませんでしょうか。

槇裕康君 本法案と知る権利の関係、済みません、ちょっと質問が抽象的かなと思うんですが。

 これは先ほど陳述人からもお話が出ておりますけれども、事震災、原発の関係でいえば、我々は本当に、知る権利がまさに害されてきたんじゃないかなというふうに考えております。この知る権利が害されてきたことが、少なくとも我々のいろいろな選択を狭めてきている。その選択を狭めたことによって、さまざまな人権侵害が生じてきているのかなというふうに思っております。

 また、そういった知る権利が保障されなければ、当然、当たり前のことですけれども、それを基礎にした民主主義が成り立たない。知る権利は、きちんとした情報を得た上で、先ほど言ったような選択ができるわけで、先ほどおっしゃったように、国民がきちんと監視をする、議員の皆様の活動を監視するために基礎となるもの、こちらが知る権利だと思います。原発においてもそうですし、もっと広く考えて、国家全般においても、知る権利が充足されなければ民主主義は成り立たないというふうに考えております。

 その基礎となるのは、まさに報道機関の報道になってくると思います。さらにその根源としては、取材になってくるかと思います。

 こちらについて、報道機関に関する条項ですか、配慮規定というものが盛り込まれたというふうに報道でも聞いておりますが、やはりこちらも、先ほど話に出たような、著しく不当な方法とか、そういったようなところでまだまだ抽象的に過ぎるかと思います。また、その報道機関が取材する対象の、情報を出す側、こちらについてまではその配慮規定ではフォローされていないと私は理解しております。

 そのような関係で、知る権利については、民主主義の基礎となる、国民の監視の基礎となるものであると思います。

 以上でございます。

畠中委員 ありがとうございます。

 今、知る権利、取材のお話もしていただきました。先ほど申し上げましたように、やはりこの法案に対する監視というのは、主権者である国民がしっかりと監視していくべきものだというふうに思います。

 また、私どもが主張しておりますのが、主権者である国民から直接選挙で選ばれた国会議員が集う国会の場において、しっかりとこの法案に対して、また情報の取り扱いに関して監視できるような委員会を設置すべきだということも訴えておりまして、二瓶陳述人から国会が議論の場でなくなってしまうとおっしゃっていただきましたけれども、私も同じような問題意識を持っておりまして、そうならないように、これからも意見をしっかりと言ってまいりたいと思っております。

 さて、きょう大変興味深いお話もいただきまして、例えば公益通報あるいは内部告発のことについておっしゃっていただきました。

 実は、我が党も同じような問題意識を持っておりまして、名嘉陳述人からは、原発の労働者の内部告発はどうなるんだということをおっしゃっていただきました。また、荒木陳述人からは、資料の中にもありますけれども、危険性が情報を公開することによる公益性を上回る場合だけ、そういったことが許されるというお話をいただきました。

 この件に関して、もう一度、名嘉陳述人、そして荒木陳述人から、公益通報や内部告発について、少しずつお話しいただけないでしょうか。

名嘉幸照君 御質問の趣旨をまだはっきりつかんでいないので、もう一回お願いします。

畠中委員 原発労働者の内部告発の話をされましたけれども、もう一度、もし詳細でおっしゃっていただくことができたらと思っております。

名嘉幸照君 先ほど申しましたように、これから政府が収束に向けての予算を担保すると総理大臣も明言していますので、そのあたりは非常に心強いと思うんですけれども、これからの問題は、一定の技術のあるマンパワーの確保です。東電の社員も含めて、メーカーもゼネコンも我々地元の協力企業も、大体、技術のある社員が線量満杯になって配置転換とか、そういう事態になって、深刻なマンパワーがこれから予想されます。しかも、技術力はますます低下していくばかりです。どんな設備、どんなお金を出しても、そこで収束するのは人間が行かなくちゃいけませんから、この技術がなくちゃ、私は収束も前に進まないと思います。

 私はかねがね、原子力の九〇%以上はヒューマンエラーだと主張してきました。どれだけ人材の育成が大事か、これは統計的に見てわかっています。そういうことで、ぜひ国会の皆さんも、政府も、今、東京電力を助けてください。彼らも、技術スタッフも、困っています。

 以上です。

畠中委員 荒木陳述人、一言お願いいたします。

荒木貢君 荒木でございます。

 私の方で書いたというのは、出版、報道の問題じゃないかという気がするんですが、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反または著しく不当な方法によるものと認められない限りは正当な業務であるというわけですが、これは、現場で取材に当たる人が一々こういう判断をしないと取材ができないわけですね。これを誤った場合には逮捕されるおそれがあるわけです。

 人を欺きとか、施設への侵入とかあるわけですが、こちらの考え方と相手方の考え方が違うというのはよくあるわけですが、その点で、うそをついたとか、あと、チラシ配りに行っただけで住居侵入だ、そういう事例は幾らでもありますので、あっという間に成立しちゃうんですね。

 今回も、バッグをぶつけたのか、渡そうと思って、そこに金属的なものがあって傷ついたのかなんて問題になっているんですが、ささいなことで暴行、脅迫も成立し得るわけで、非常に簡単に成立しやすいわけです。そういう中での取材という形ですから、取材に当たられる方は本当に怖いと思いますね。

 私も、条文でこう書いてありますから、では、例えば、原発の非常用ディーゼルエンジンの冷却するポンプは、これは秘密の物質なのかそうなのかというのは書いていないですから、こんなの一々判断できるかどうか。原発が一カ所に、十個も福島県の場合にはありますけれども、狙われますと、こんなのは一番危険なわけですね。十個だなんてしゃべること自体も処罰されるのかとなると、こんな重要なことは当たらないのかとか、条文を見ても全然わからないです。

 そういうことからいって、取材に当たられる方、僕らも、調査する場合に、本当に逮捕されるような覚悟でやらないとできないという状況だと思います。

畠中委員 時間が参りましたので、これで終わりますが、一言だけ。

 福島第一原発の汚染水の問題も、私どもも、現場の皆さんの意見も聞きながらしっかりと対応していきたいと思っておりますし、また、子ども・被災者支援法、佐藤陳述人は共同代表をしていらっしゃって、先日国会の方に請願を届けていただきましたし、この問題についてもしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 時間が参りましたので、これにて終わらせていただきます。ありがとうございました。

額賀座長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 きょうは、意見陳述の先生方、本当にありがとうございます。

 私は、この秘密保護法について、過去の国会での安全保障関連の法律でいえば、審議が一つの国会で終わらずに、国会の会期をまたいで審議したこともありました。秘密保護法というのは、まだ審議に入ってわずか二週間ちょっとであります。短時間でこれを採決に付するということは絶対に容認できませんし、そして、福島の皆様がおっしゃった、やはり全国各地で地方公聴会をやってくれということが本当に大事になっているなということを、きょう福島に来て強く感じたところであります。

 最初に、浪江の馬場町長にお伺いをしたいんですが、実は、馬場町長には、被災直後の四月二十九日に二本松の仮役場を訪問して、町長からお話を伺ったことがあります。当時は、町長、副町長、そして議長、三役の皆さんがその仮役場に寝泊まりをして、本当に大変御苦労なさっているということをこの目で確認して、そして避難所も回ってきたわけです。

 あれ以来、町長が浪江町のホームページを通じて発信しておられる浪江町民への訴えを、実は沖縄にも浪江町から避難してきた方がいらっしゃるものですから、読ませていただいております。本当に、美しいふるさとが放射能によって帰れなくなっているというこの怒りを実感してまいりましたが、きょう改めて、その実感というのはまだまだ足りなかったなという思いであります。

 そこで、先ほど来出ているのは、SPEEDIは特定秘密にならないだとか、原発は特定秘密を指定している別表に書かれていないとか、こんなのは対象にならないよという御意見がるるありました。

 私は、十一月二十日の国会で、政府の情報収集衛星について、実は、三月十一日、原発を撮影していたのではないかという質問をいたしました。情報収集衛星というのは、安全保障、外交の情報を集める、同時に大災害についての情報も集めるということでしたが、では、その画像を被災地の首長やそういう皆さんに提供したのか、このように聞きましたら、いや、被災地の自治体の首長などは秘密を扱うそういう手続をとっていないので、画像は提供しませんでしたと。

 きょうの毎日新聞にも、礒崎首相補佐官が、情報収集衛星の画像の一枚一枚は特定秘密になります、こうおっしゃっているんですね。

 つまり、原発そのものが特定秘密になるかどうかという議論よりも、安全保障という切り口が原発についても言えるのであれば、それは特定秘密になる。テロという切り口ができるのであれば、それは特定秘密になる。原発などは、やはり政府の秘密主義が今日の悲惨な結果を、安全神話が悲惨な結果をもたらしたのではないかと考えておりますが、町長の御意見を伺いたいと思います。

馬場有君 そうですね。切り口がテロの活動防止だということになれば、やはり原発もこれは対象になってくるわけですね。

 私どもは、今まで原発の事故でいろいろと情報を隠蔽されまして、我々には公開されなかった点が非常にあります。それは、いわゆる健康管理の問題で、放射線が、どれだけ線量を浴びたかとか、そういう初期被曝までもわからない状況でいました。それをやったのは、三カ月、四カ月過ぎてからです。したがって、初期被曝の線量なんていうのはわからないですよ。そうですね。ですから、そういうふうにいろいろと。

 例えば、私どもは、いわゆる原発で事故が起きたから十キロ圏外に出て、そして二十キロ、三十キロと避難しました。その中に、あの三月の十二日の夜中、防護服を着た警察官がいるんですよ。それで、私どもは、見て、何だ、あの宇宙服はというふうに思ったんですが、タイベックスを。私どもは、そんなものはないだろう、そんなに厳しい事故にはならないだろうということを思っていますので、タイベックスなんかを見ると、やはり、おかしいと、恐怖感を生じます。だから、町民の人は、何で警察官の方がああいうものを先に身につけているんだ、我々は丸裸じゃないかというふうに言われたこともあります。

 そういうふうに、何が起きているかわからない。それは、情報が全然伝わらなかったということの責任があると思うんですよ。ですから、そういうふうな意味からいって、いろいろな切り口からいって、原発は核物質を扱う場所ですから、厳しくコントロールされることはもちろんですけれども、そういうものを、やはりある程度の事象、事項については情報開示というものは必要だというふうには思います。

赤嶺委員 ありがとうございました。

 名嘉陳述人に伺いたいと思います。

 名嘉さんも沖縄県の出身で、私たちも沖縄県の出身で、故郷を一つにするわけですが、先ほど二瓶先生からお話が出ました宮森小学校の墜落事故を我が事の体験として持っている、そういう世代だと思いますけれども、名嘉さんのいろいろなインタビューが沖縄の新聞にもよく載ったりいたします。名嘉さんを通じて、沖縄の人は原発事故の問題というのを知る機会を得ているわけです。

 きょうもおっしゃいましたし、沖縄の新聞にも出ていたんですが、沖縄の人たちは日本国民として扱われていないということを思ったのと同じように、福島のこの原発事故にぶつかって、国民扱いされていない、棄民だというような認識を持たれたということがあったんですけれども、この辺について、もうちょっとお話を聞かせていただけたらと思います。

名嘉幸照君 今福島県が置かれている状況と、戦後、また現在も置かれている沖縄県のいろいろな問題が、非常に共通していると私は認識しています。

 私は、双葉郡の富岡に来て、四十年間ぐらいおつき合いしています。先ほど二瓶さんの話にもありましたように、双葉郡は、温厚な、非常に自然豊かな土地です。政治家の皆さんやいろいろな政府の皆さんが、この地方は東北のチベットと呼ばれた、原発を誘致したからこれだけ発展した、こういう発想の仕方に、私は、青春時代、沖縄に育って、何かしら、沖縄が戦後置かれた、本土政府から予算をもらってずっとやった、また、原発関係も、国から電源三法をもらっていろいろな箱物をつくった、そういう予算の使い方、考え方も、状況も、非常に共通性があるというふうに考えたわけです。

 もう一つ。そういう面で、我々は、先ほども馬場町長のお話にもありましたように、双葉郡の若い人も原発と共生してきたわけなんです。我々は、先ほど言ったように、安全神話を信じて、しかし、我々は、被災者でありながら、ふるさとを壊し、これだけの国民に多大な迷惑をかけたという加害者という意識も強く認識しています。

赤嶺委員 ありがとうございました。

 それでは、荒木先生の方にお伺いをしたいんですけれども、結局、今政府がつくろうとしている特定秘密というものは、これまでももう十分過ぎるぐらいの秘密国家であると思うんですよね。もう両手に余る秘密ばかり持っている、そういう官庁を抱えていますので、その上に秘密というのはどんなに大事なものかというスーパー秘密をつくって、これに触れた者は重刑に処するというのが今度の法律じゃないかと。

 そのスーパー秘密というのは、我々の暗証番号のように限定されているものかといえば、今三十万、四十万と言っているのが、別表に書かれているのは概念だけですから、幾らでも当局の恣意性によって膨れ上がっていく、そして、報道の自由や言論、表現の自由などもこの法律では担保されないと思っておりますが、その辺を、先生の御意見をお伺いしたいと思います。

荒木貢君 私は、できる限り国民はそんなに処罰すべきじゃないと思っておりますので、これまである法律で十分であるというふうに考えているわけです。

 今はいろいろな情報が国家に集中しますので、それを国民が提供されて、成長していって、国を豊かにしているわけです。そういうところを、情報をとめちゃいますと、やはり国民は全然進歩しなくなっちゃう。お隣さんに中国とか北朝鮮とか、テレビで流れてきますけれども、戦前の我が国のことですから、笑えたりもできないんですね。

 ですから、可能な限り有益な情報は国民へ提供して、国民が成長して豊かな国になる、世界に伍していくという方がふさわしいと私は思っておりますので、秘密を、重罰をもって科すということについては反対でございます。

赤嶺委員 ありがとうございました。

 先ほど馬場町長の方から、突然、宇宙服のようなものを着た人たちがあらわれていろいろやっていったということに大変驚いたという話がありましたが、沖縄国際大学でヘリが墜落したときも、突然、米兵が防護服姿であらわれて、そして調査をしていったんですが、何を調査したのか、今日までまだ何も明らかになっていない。

 この間、宜野座村でヘリが墜落したところは、地方自治体が土砂を採取してはならない、その条件つきで現場に入れるということがありましたが、やはり、防衛、安全保障関係を秘密にするということは、先ほど出ましたけれども、戦前の軍機保護法やあるいは治安維持法といった懸念を私は強く持っているので、先生、時間になりましたけれども、御意見をちょっとだけお願いします。

荒木貢君 途中で終わられたので、ちょっと、簡潔にどういうことなのか、もう一度お願いします。(赤嶺委員「もう時間が来ているものですから、どうぞ、続けてください」と呼ぶ)

 原発につきましても、まだ原因も明らかにされていない。ですから、調査はこれからもっと進めるべきだろうと私は思っております。国会の事故調は本当に立派な内容でできております。ただ、残念ながら、それを生かしているかというと、全然生かしていないように見ております。

 いろいろ調査がなされて、その結果が明らかにされない、そういう重要な情報につきましては可能な限り国民に提供していくということは、やはりそれは努力していく必要があるだろうというふうに私は考えております。

額賀座長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党の玉城デニーでございます。

 陳述人の皆様、きょうは、貴重なお時間、そして御意見を本当にありがとうございます。最後の質問者ですので、ぜひ皆様の忌憚のない御意見を伺いたいと思います。

 まず、馬場町長。

 私も委員会で、基礎的自治体が真っ先に国民の生命財産を守るために行動する、最初に動くのは、自治体と消防がやはり動くだろう、そしてそれに各所轄の警察が最初に動いていくというふうな形を考えると、まず情報がもたらされるべきところは自治体であるということで、その答弁を少し求めたんですね。

 例えば、秘密保護の規定の中で、その町の町長が緊急に住民を避難させようといった場合に、その情報を持っている警察官なり自衛官に、いつ、どこで、何が起こるかその情報を話せといって情報をとって避難させた場合には、それは特定秘密の取得に当たらないという答弁だったんです。

 やはり、非常事態が起こることを想定して、基礎自治体の皆さん、訓練もそうですけれども、日ごろからいろいろなことを想定していらっしゃると思います。しかし、日本という国のシステムは、市町村や都道府県に真っ先に情報を渡さない。それは、パニックになるということと、情報を整理、分析して後に正しい情報を上げないと混乱するからという、もっともらしいたてつけがあるわけです。

 しかし、この間、町長の話を聞いていますと、まず、自治体における情報提供というものがいかに大事であるかということを改めてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

馬場有君 御指摘のとおり、私どもは、住民の福祉と命を守らなくちゃならない、本当の基礎自治体ですので、やはり、いかなる事象があったとしても、皆さんをどういうふうに事故から、あるいは事件から防ごうかというのが当たり前のことなんです。

 今回の原発事故においても、やはり全然連絡がなくて、翌日の三月十二日の十キロ圏外避難指示ですよ。でも、その放送を、私どもはテレビで知って、しからば、どこに避難すればいいんだ、そして避難先と連絡はどういうふうにすればいいんだという問題が必ず出てくるんですね。そういうことを、全然わからない中で、私どもの災害対策本部がいろいろ、けんけんがくがく論議をして、そして、ここは危ないんじゃないか、もうちょっと事故の方から離れた方がいいだろうということを判断しながら避難していった。その間も全然連絡が来ないですよね。

 要するに、これは情報隠しですよ。だって、後からの文献とかいろいろなものを見ますと、全ての方が知っているんですよ。私どもの避難しているところにも、文部科学省の委託先の方が、モニタリングして、来ているわけです。八千人も一万人もいるところに、町長、ここは放射線が高いから移動した方がいいよと一言言ってくれれば、移動できるわけです。それを、ただデータを持ち帰ってやっているわけですよ。

 そういうように、小さなことでも情報はきちっと公開をして、我々基礎自治体に連絡をしていただく、私どもは、町民の命、そういうものを守っていかなくちゃならない立場ですので、ぜひこれは、情報公開そのものが原則だというふうに思います。

玉城委員 ありがとうございます。

 佐藤議員、きょうは陳述人をお引き受けいただきまして、ありがとうございました。

 私も、政治のきっかけは、市議会議員から始めさせていただきました。市議会では、今町長がおっしゃったようないろいろな情報といいますか、国や都道府県からもたらされる情報を、では、我々の町ではどういうふうにして動くべきかということは、議員それぞれの皆さんにとっても大変重い責任も伴うものと思います。

 きょうのお話を聞いていても、情報が隠蔽されることによって、国や、あるいは国がやっている諸外国との連携についても、いわき市では、いわき市議会が考えるようなことではないかもしれないようなこと、例えば沖縄だったら沖縄市議会が米国と日本政府との協定について考える、密約について考えるというような形で、いわき市議会でも、やはりここは政府の姿勢は問題があるのではないかということが議論されたこともあると思います。

 原発の問題についてでも構いませんので、そういう点がありましたら、ぜひお聞かせいただきたいなというふうに思います。

佐藤和良君 原発事故の経過について、皆さんそれぞれ、陳述人の方がるる陳述いたしましたけれども、危機管理というか安全神話というものをつくってきたのが、結局、情報の非公開、隠蔽体質であったのではないか。したがって、過酷事故に対する備えというのが原子力事業者である東電もなかったし、まして、国側もそういう態勢がとられていなくて、全く危機管理がなっていなかった。

 いろいろ、原災法があるにしても、やはり、馬場町長もそうですけれども、結局、一義的には、我々基礎自治体が住民に対してどういうふうに生命と財産を守るかということになるわけですから、その点で、全く情報がなかったということが大変難儀をしたことです。

 一方では、第七艦隊が女川沖に展開して、ヘリが被曝したことによって撤収するということが現実的に、あれはもう十三日の時点で起きているわけで、それで米国民の百マイル避難というのが出てくる。そのときに、我々は何の、三十キロ圏内のところまではある程度出てきますけれども、結局、米国自体は、四号機の燃料プールの破損によるジルコニウム火災を含めて、大変な惨事を想定したわけで、そのことさえ我々は全然聞かされていない。

 そういう意味では、先ほど赤嶺先生の方から棄民という話が出ましたけれども、本当に捨てられたのかと思うような状態になっていた。ですから、もう自主避難で、いわき市民であれば、十五日までに、三十二万の市民が半分まで自主避難をするというようなところまでいくということでありました。

 ですから、今回の事案を考えれば、いかに情報の適切な提供というものが必要であって、災害時に情報を出さないということがいかに被害を拡大するのかという実例が今回の福島原発震災だったと思いますので、その点で、テロ防止あるいはスパイ防止というような二項でくくられて、そこでぎゅっと特定秘密にされてしまって出さなくなるものがあるとすれば、それは原子力災害に対する障害になるのではないかというふうに思います。

玉城委員 ありがとうございます。

 次は、槇先生にお伺いしたいと思います。

 特に、今の安倍政権は、国際協調に基づく積極的な平和主義ということをうたっております。ところが、国際協調という面を見ると、日本は、世界のレベルからやはり、それを無視しているかのように、スルーしているところがあるんですね。

 私が言わんとしているところはツワネ原則の件なんですが、世界は、国がある一定の、特定の秘密を持つということは、それはもちろんですよ、しかし、人権や、さまざまな国民を毀損するようなことがあってはいけないので、その情報はしっかりと出しなさい、それは国民の権利でもあるというふうに言っております。そういうことを考えると、さらに慎重に、世界各国が今どういう状況にあるのかということを考えて法案を議論すべきではないかということも、私は委員会で質問させていただいたんですね。

 先生の見解で構いませんので、法律家として、こういうことはまず真っ先に行われなければならない、この法案の中での問題点、国際関係の中においての問題点があれば、ぜひその点をお聞かせいただきたいと思います。

槇裕康君 ツワネ原則に関して、日弁連の会長声明を抜粋する形で御説明させていただきました。

 特にと言われましたが、ここにも書かれていること、お配りした会長声明の一から七という項目、こちらをきちんと御検討いただきたいというのが一番端的なお答えになろうかと思います。

 では、その中でどれを重視するかと言われると本当に困ってしまう部分があるんですけれども、先ほど荒木陳述人もおっしゃっていましたが、不当に国民が罰せられる、それが弁護士の立場としては一番重いと思っておりますし、ひいては、そのことによって萎縮効果が生じる、その萎縮効果が生じることによって民主主義の屋台骨が揺らぐ。もちろん、スパイ防止、テロ防止は大事なことだと思いますが、より重要な法益が毀損されるのではないか、そういう危惧を持っております。

 テロ防止、スパイ防止については、ほかにもいろいろやり方もあるでしょうし、法案の規定の仕方もいろいろある。そういった工夫を尽くして、このような短い期間ではなく、国民的議論をきちんと喚起してやっていただきたい。

 日弁連も、そういったテロ防止、スパイ防止について必要性を認めていないわけではないです。こちらを見ていただければわかるかと思います。そういった観点でのお話になろうかと思います。

 済みません、お答えになったかどうかあれですが、以上になります。

玉城委員 ありがとうございます。

 名嘉さん、現場のお話をたくさん聞かせていただき、これまでにもたくさん、政府にも直接いろいろなことを、現場から声を上げたというふうなことも私は仄聞させていただいております。

 原発問題のような隠蔽体質をとっていたら、やはり、これ以上モチベーションが上がらないどころか、原発問題は収束しないというのが名嘉さんのお立場だと思います。ぜひ、そのことについて、政府にはこうあるべきということを、改めておっしゃっていただきたいと思います。

名嘉幸照君 デニー委員とは、原発が起こった年、暮れごろだと思うんですけれども、私が東電の勝俣会長と細野担当大臣に、現場の収束に対して緊急提言を、分厚いものを上げたんです。そのコピーの一部をお上げしたんですけれども、技術的なことがいっぱいあったから、その後、名護、辺野古の、キャンプ・シュワブでちょっと忘れてきたかもしれません、返事がないですから。

 そういうことで、先ほどのデニーさんの質問なんですけれども、先ほどから言ったように、やはり、どんな設備をくれても、それを動かすのは人間なんです。その人間がしっかりしていなくちゃ、どういう設備を預けても、設備は言うことを聞きません。

 したがって、今度の汚染水漏れの話も、タンクの漏れについても、これはもともと人間が、考えたら、全部ヒューマンエラーです。

 例えば、日本じゅう、タンクをつくるメーカーが何百社とあります。でも、溶接タイプのものをつくらなかった。組み立て式の方が安くて、ある一定のメーカーだけに発注したら安くなります。これもヒューマンエラーの一つです。

 我々は、知恵を生かして、これから福島第一の廃炉に向かった長いロードマップを、国を挙げて、ぜひ、世界に誇れる廃炉技術を確立し、この廃炉技術は本当に夢になると思います。

 これから、我々作業員は、なおかつ頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

玉城委員 ありがとうございました。

 もう時間的に最後の質問になるかもしれませんが、二瓶先生。

 この問題の、法案の一番大きな点は、やはり、憲法であるとか人権であるとか、そういう人間の生活や生きていく上での根幹が脅かされていくのではないか、そのことに尽きると思います。

 先ほど先生が、沖縄で実習をなさった生徒さんたちの実例を挙げていらっしゃいましたが、例えば、先生のお立場から、人権を守ること、そして、そのためにはしっかり情報も提供し、公文書として必要なものは保管をし、国が省庁の壁を越えて、それを教育の分野にまでしっかりと広げていくべき根本的な問題であるというふうに私は受けとめさせていただきました。

 そのことについて、改めて、この法案の持っている先生が最も危惧する点、そして、ここはこうするべきであるというふうな御意見を最後にお伺いしたいと思います。

二瓶由美子君 私たち福島県民にとって、やはり、この法案によって、原発事故は原則公開だけれども、原発関連情報はテロ対策によって対象外になるというような、この曖昧な線引きに対して非常に危機感を持っているというのが一点です。

 それから、憲法の自民党草案の中では、基本的人権の後退ということが危惧されています。二十一条は守られるのかという点において、不安を持っている国民も多数いるということです。

 これを受けて、私たち教育の現場にいる者は、やはり有権者として、主権者として、学生たちをどう育てていくかということが大きな課題であるというふうに認識しております。私たちも当事者として頑張っていきたいというふうに思いますが、国民的議論、国会が常に民主主義の場であるようにということをお願いしたいと思います。

玉城委員 ありがとうございました。

 荒木先生、畠中先生、時間の関係で質問できなくて、大変失礼をいたしました。

 以上で終わります。ニフェーデービタン。

額賀座長 以上で委員からの質疑は終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 意見陳述者の皆様方におかれましては、御多忙の中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。

 本日拝聴させていただきました御意見は、当委員会の審査に資するところであり、極めて大きな意味を持っているものであります。厚く御礼を申し上げる次第であります。

 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、心から感謝を申し上げます。

 これにて散会をします。

    午後一時六分散会


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