衆議院

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第20号 平成27年7月13日(月曜日)

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平成二十七年七月十三日(月曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 浜田 靖一君

   理事 今津  寛君 理事 岩屋  毅君

   理事 江渡 聡徳君 理事 松本  純君

   理事 御法川信英君 理事 長妻  昭君

   理事 下地 幹郎君 理事 遠山 清彦君

      小田原 潔君    小野寺五典君

      大西 宏幸君    大野敬太郎君

      加藤 寛治君    勝沼 栄明君

      木原 誠二君    笹川 博義君

      白石  徹君    武井 俊輔君

      中谷 真一君    長尾  敬君

      橋本 英教君    原田 義昭君

      平沢 勝栄君    星野 剛士君

      堀内 詔子君    宮川 典子君

      宮崎 政久君    宮澤 博行君

      武藤 貴也君    盛山 正仁君

      八木 哲也君    山口  壯君

      山田 賢司君    若宮 健嗣君

      緒方林太郎君    大串 博志君

      後藤 祐一君    辻元 清美君

      寺田  学君    長島 昭久君

      横路 孝弘君    青柳陽一郎君

      太田 和美君    水戸 将史君

      吉田 豊史君    伊佐 進一君

      角田 秀穂君    浜地 雅一君

      赤嶺 政賢君    宮本  徹君

    …………………………………

   議員           大串 博志君

   議員           今井 雅人君

   議員           丸山 穂高君

   議員           後藤 祐一君

   議員           大島  敦君

   外務大臣         岸田 文雄君

   防衛大臣

   国務大臣

   (安全保障法制担当)   中谷  元君

   国務大臣         石破  茂君

   防衛大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    石川 博崇君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  前田  哲君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  土本 英樹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  藤山 雄治君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 滝崎 成樹君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   可部 哲生君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    佐藤 雄二君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  黒江 哲郎君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  深山 延暁君

   衆議院調査局我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別調査室長     齋藤久爾之君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月十三日

 辞任         補欠選任

  中谷 真一君     堀内 詔子君

  宮川 典子君     八木 哲也君

  宮澤 博行君     加藤 寛治君

  盛山 正仁君     長尾  敬君

  大串 博志君     横路 孝弘君

  青柳陽一郎君     水戸 将史君

  吉田 豊史君     柿沢 未途君

  伊佐 進一君     岡本 三成君

  佐藤 茂樹君     角田 秀穂君

  志位 和夫君     宮本  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 寛治君     宮澤 博行君

  長尾  敬君     盛山 正仁君

  堀内 詔子君     中谷 真一君

  八木 哲也君     宮川 典子君

  横路 孝弘君     大串 博志君

  柿沢 未途君     吉田 豊史君

  水戸 将史君     青柳陽一郎君

  岡本 三成君     伊佐 進一君

  角田 秀穂君     佐藤 茂樹君

  宮本  徹君     志位 和夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七二号)

 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案(内閣提出第七三号)

 自衛隊法等の一部を改正する法律案(江田憲司君外四名提出、衆法第二五号)

 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する人道復興支援活動等に関する法律案(江田憲司君外四名提出、衆法第二六号)

 領域等の警備に関する法律案(大島敦君外八名提出、衆法第二七号)


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     ――――◇―――――

浜田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案並びに江田憲司君外四名提出、自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する人道復興支援活動等に関する法律案並びに大島敦君外八名提出、領域等の警備に関する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官前田哲君、内閣官房内閣審議官土本英樹君、内閣官房内閣審議官藤山雄治君、外務省大臣官房参事官滝崎成樹君、財務省主計局次長可部哲生君、海上保安庁長官佐藤雄二君、防衛省防衛政策局長黒江哲郎君、防衛省運用企画局長深山延暁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩屋毅君。

岩屋委員 自民党の岩屋です。

 午前中の公聴会、非常に有意義だったと思います。これまでの参考人質疑、地方参考人質疑等々を含めて、非常に充実した審議を進めてくることができた、できているというふうに思うわけでございます。

 このたび、維新の党さん、そして民主党さんから対案が提出されたこと、心から敬意を表させていただきたいというふうに思います。

 きょうは、維新の党さんから御配慮いただいて質問時間も頂戴しました。ありがとうございます。民主党さんもぜひ御配慮いただければありがたいというふうに思いますが。

 そこで、せっかく提出をしていただいた案について質問させていただきたいと思います。

 先週の段階で三十問ぐらい丁寧に通告をさせていただいたんですが、時間が短いので要点を絞って、かなりはしょって聞いていきたいと思いますので、政府の答弁も結構長いですけれども、提出者もかなり長いので、ぜひ簡潔に答弁をしていただきたいと思います。

 私は、安保、外交については与野党ができるだけ共通の基盤に立つ、これが何より大事なことだとかねてから思ってまいりました。既に政権交代ができる時代に入っているわけですね。そういう安全保障政策の根幹が政権交代のたびにころころ変わるということではいけないわけであって、そういう意味でいうと、余り違いを強調するんじゃなくて、共通の認識をさらに深めていくという議論を我々はしていかなくてはいかぬと思っています。

 そこで、これまでの審議を通じて、与党と、民主党さんも維新の党さんもかなり共通の認識に実は立っているのではないかと私は感じているんですね。

 例えば、ミサイル防衛について、長島委員もしばしば指摘をされておられます。私も指摘をしました。公明党の北側委員からも指摘がありました。そういう現実がもう目の前にあるわけですね。そういう場合に、我が国の防衛のために活動している米国の艦船が攻撃をされた場合に、我が国も武力の行使を行ってこの攻撃を排除しなければいけない場合がある。

 必ずそうするということではなくて、そういう場合があるということについてはお互い共通の認識に立っているんじゃないかと思いますが、それぞれ簡潔に、民主党さん、維新の党さん、お答えいただきたいと思います。

大串(博)議員 お答え申し上げます。

 先ほどおっしゃいましたように、安保環境が変化する中で、それに的確に応えていく責任を政治が負う、ここは異論のないところでございまして、それぞれが責任を持った案を考えていかなきゃならないということだと思います。

 今おっしゃったように、ミサイル等々新しい安保環境がある中でどういうふうに対応していくかということに関しまして、政府側からは集団的自衛権を可能とする法案が提出されているわけでございますけれども、この委員会でもこの点に関してはるる議論があったところでありますし、まだまだ実は議論を深めていかなきゃならないところもあるかなというふうに思っています。

 といいますのは、ミサイル防衛の中でも、やはり個別的自衛権における着手の概念を、拡大と言っているのではなくて、整理するというようなこともあっていいのではないかという議論もあったように思います。きょうの朝の公述人の方々からも、そういった議論もございました。もちろん、個別的自衛権の着手の考え方を見直した場合に国際法との関係でどうかといったような議論もありました。

 しかし、そこは、例えば各国におきましても、着手、個別的自衛権をどう捉えるか、国によって広い狭い、相当違いがあるような議論もここでありました。その点に関しまして、例えば標準的な交戦規定がどうなっているか、この辺も検討していくべきじゃないかという意見もあった。

 そういったところも捉まえて、私たちは、着手の議論も含めて、個別的自衛権でどれだけのことが、やれるところがあるのではないか。特に今回、ミサイル防衛に関して、総理が述べられた事例も含めて考えると、相当我が国に対する攻撃がもう迫っているに近い感じがします。

 そういったところも含めると、着手の議論をもう少し深めていくというのが、私としてはあり得べき手段ではないかなというふうに考えておるところでございます。

今井議員 まず、岩屋委員の、こういう問題は与野党関係なく、やはり国のために一緒に考えるべきだというのは大変すばらしい見識だと思います。

 その上で、先週の金曜日も申し上げましたけれども、我々も、尖閣の問題、北朝鮮あるいは南シナ海の問題、取り巻く環境が変わっていますので、我が国の防衛のために防衛力を強化することは必要であるということはお話しさせていただいたと思います。そういう意味におきましては、方向性としては共通の認識があるんじゃないかなというふうに思います。

 ただ、その範囲について、例えば言葉ですけれども、センカという言葉を禍という言葉で置いているか、火ということで、武力攻撃以外のものも認めるか認めないか、その辺のところの考え方が少し違うということではないかと思いますけれども、基本的な問題意識というのは共有しているというふうに思います。

岩屋委員 問題意識が共有できているということは確認できたと思います。

 民主党さんは、さらに着手についての議論を深めていくべきだと思っておられるということなんですが、三年前は政権を持っておられたわけですから、やはり現在の安保環境については同様の認識に立てていると思うんですね。しからば、もっと具体的な案をやはり民主党さんも私はしっかりと固めて提案してほしかったなというふうに思っております。

 そうすると、認識は共有できている、では説明の仕方をどうするかというところで差異があるということだと私は思うんです。

 さっき申し上げたような場合も個別的自衛権で説明できるのではないかという議論は、実は与党協議の初期の段階でありました。友党公明党さんが主にそういう御意見を主張されたんですね。そして、真剣に議論を詰めていった結果、確かに、確かに個別的自衛権で説明できる場合がないわけではない。ないわけではないが、すべからくこれを個別的自衛権で説明するには無理がある。したがって、国際法上はかかる武力行使は集団的自衛権の場合もあるというのが、与党で協議した結果の結論だったわけです。

 資料にあります一ページ目、維新の党さんの武力攻撃危機事態という定義がございますけれども、ここで言う武力攻撃危機事態における武力の行使というのは、何度も申し上げますが、確かに個別的自衛権で説明できる場合もあるが、そうでない場合もある、それはやはり集団的自衛権としてしか説明できないものもある、こういうふうに我々は思うんですけれども、いかがでしょうか。

今井議員 お答えします。

 まず、この議論は、一つは憲法に適合しているかどうかという議論と、今御指摘になられた国際法上どうなのかという問題と、議論は同じなんですけれども、そこの両方を少し切り分けることも必要なのかなというふうに思います。

 その上で、我々は、まず前提を申し上げますけれども、自衛権というのを、あくまでも我が国を防衛するための自衛権というので再定義しようということで、それが憲法に適合する基本的な考え方であるということで整理をしてまいりました。

 先日、高村副総裁、北側副代表とお話しさせていただいたときも、今お話のあったような、集団的、個別的ということを実は与党の中で随分と詰められたというふうに伺っております。

 実は我が党の中でもその議論はございまして、まず自衛権の再定義というので憲法適合性ということをした上で、国際法上の議論をしてまいりました。

 その中でニカラグア判決のことが議論に出まして、ここでは、いわゆる他国防衛というのは集団的自衛権の定義というのが通説になっている、この観点から考えれば、我々の考え方というのは個別的自衛権で整理できるのではないかという考え方を大もとにしているわけであります。

 政府の今までとってきた解釈というのは、私が理解しておりますのに、死活的利益防衛説という、いわゆる他国を防衛するのがひいては自国の危害を除くための自衛権であるというような考え方に立脚しているのではないかというふうに理解をしておりまして、そういう従来の政府の考え方あるいは従来の解釈という観点で考えれば、見る方によっては集団的自衛権というふうに思われる方もおられるということではないかという整理をしております。

岩屋委員 今先生がおっしゃった憲法適合性そして国際法の適合性というのは、切り分けて考えるというんじゃなくて、これは両方満たさなければならないというふうに我々は考えているんですね。だから、自衛権というのを再定義したいというお気持ちはよくわかります。よくわかりますけれども、それが国際法上説明できないようなことでは適切な立法とは言えないというふうに私は思っているわけでございます。

 したがって、さっき公述人の首都大学の木村先生がおっしゃった、維新の党さんがおっしゃっているのは、これは武力攻撃事態の一形態を確認する規定なのかなと。つまり、武力攻撃事態の中の一形態を武力攻撃危機事態と称して、ただ確認をするというだけなんですか。そうじゃないでしょう。薄皮一枚残っているはずでしょう。その残っているところは、集団的自衛権でしか国際法上説明できないんじゃないでしょうか。

今井議員 お答えします。

 必ずしもそういう理解ではございませんでして、国際法上も諸説あり、確定されたものがないというふうな理解、我々はニカラグア判決というのを見る限り集団的自衛権というのは他国防衛説をとっているんだろうなという理解をしておりますので、その観点でいえば、自国を守るための自衛権というものは、その考え方でいけば個別的自衛権の範疇というふうに整理されると思います。

 繰り返しになりますけれども、先日の外務省の方の答弁をお伺いしている限りは、ずっとこれまでの政府は違う考え方をもとに整理をされてこられていると思いますので、従来の政府の解釈ということでいえば集団的自衛権というふうに考えられることもあり得るのかなというふうに思います。

岩屋委員 集団的自衛権についていろいろ学説があるというのは私どもも承知をしておりますが、少なくとも我が国の国内法は集団的自衛権の定まった定義に基づいてつくられてきたわけであって、そことやはり整合することが大事だということを指摘させていただきたいと思います。

 ちなみに、国際法上、集団的自衛権を行使する場合には、まあ集団的自衛権とは認められていないわけですが、被害国からの要請または同意が必要とされているわけですね。維新案の武力攻撃危機事態における武力の行使は、条約締結国からの要請または同意を必要としているんでしょうか。

今井議員 金曜日の質疑のときもこの質問をいただいたと思います。

 あのとき柿沢提出者の方からもお話しさせていただいたとおり、相手国からの同意あるいは要請が必要かどうかということに関しては、法文上は、我が党ももちろん書いてございませんし、政府案にも書いていないということはまず確認させていただきたいと思います。

 その上で申し上げたいんですけれども、我々が今想定しているのは、条約に基づいて我が国を防衛してもらっている外国の部隊、具体的に言えばアメリカ、米軍の部隊だということだと思いますけれども、米軍の部隊が日本を警護というか擁護している状態というのは恐らく自衛隊と一緒に行動しているという状態で、そこで攻撃を受ける、こういう事態だと思います。

 このケースは、もう連携してやっておりますので、いずれにしても日本国に要請というものは来ているはずなんですね。それ以外の状態というのはまず考えられないというふうに考えておりますので、そういう意味においては、これを個別ととるのか集団ととるのかということの議論に入らなくても、いずれにしても、現象面は同じですから、それほど大きな問題ではないというふうに思っております。

岩屋委員 要請や同意は前提なんだということになると、要請、同意があるというのは、それこそ集団的自衛権と説明するしかないんじゃないかなと思うんですけれどもね。

 それと、我が国に対する攻撃の着手とみなせるケースというのは、私は、ある意味でいうとレアケースなのではないかなと思うんですね。それこそ明示的に日米同時に攻撃をするんだ、最初は米国だけれども、すぐさま日本だ、そういう明示がされていて、準備態勢等々を見て総合的に判断すると確かにそうだと思われるケースでなければ、すぐさまこれを日本に対する攻撃の着手だとみなすことは難しいと私は思うんですね。

 我々が法案をつくる目的は抑止力の強化でございますから、かかる状態に立ち至った場合は日本は我が国防衛のために限定的に集団的自衛権を行使する場合もありますよということを示しておくことが抑止力を構成することになると私は思いますので、我が国に対する攻撃の着手かどうかということを一々判断してその対処をする、その判断も非常に難しい、相手国から意図的に欺かれた場合は対処できない、こうなるわけであって、やはり法律をつくる目的からいうと、お気持ちはよくわかるんですけれども、いかがなものかなという感じがちょっとするわけでございます。

 それから、維新案では条約締結国に対象を限定しているわけですが、この条約というのは今日ただいま日米安保条約のことだろうと思うんですけれども、これは米国しか対象にしないということでしょうか。それなら、なぜ日米安保条約と書かなかったんでしょうか。将来的には同種の条約を米国以外の国と結んでいくべきだ、こういうお考えなんでしょうか。

今井議員 条約に基づきという言葉を書いたのは、一つは、やはり我が国と密接な国という言葉の定義が少し曖昧だなということで、もう少しこれを明確にした方がいいという考え方に基づいています。

 日米安保条約と書かなかったのはなぜかということなんですけれども、御指摘のとおり、現在は、日本はアメリカと日米安保条約を結んでいるだけということであります。

 るる政府の御答弁を聞いておりますと、オーストラリア軍あたりのところの名前が出てくると思いますけれども、今後、例えばオーストラリア軍と共同でということは十分考えられることだと思います。我々は、やはりその際には、ぜひオーストラリアとも同様か、それに準ずるような条約を結んで防衛関係を結ぶ、協力関係を結ぶということをするべきではないかという考え方に基づいております。

岩屋委員 日米安保と同様の我が国の防衛義務を課すような安保条約というのは、なかなか簡単には締結していけないのではないかなと思っています。我々は、もちろん米国が中心なんですけれども、米国以外の我が国に対する支援国というものを排除するのはやはり問題があるのではないかという考え方に立っているわけでございます。

 それから、維新案では、定義の中で、我が国周辺の地域と。これは当然地理的な概念なんでしょうが、地域を限定するということなんです。

 我々は、地域も、それはほとんど我が国周辺だと思っていますよ、しかし、それ以外を排除するということは適切ではないのではないかなと思っているんですが、どうしてここは限定されているんですか。

丸山議員 お答えいたします。

 そもそも我が党提出の問題意識としまして、政府案について議論しておりますと、かなり地域的な概念が曖昧である、それがゆえに多くの御質問も委員からいただいておりますし、なおかつ、それに対して国民の皆さんが不安に思っていらっしゃる部分にもつながっているんじゃないかなというのが、そもそもの我が党案の問題意識でございます。

 そうした中で、我が国周辺の地域というふうに限らせていただくことで、先ほど岩屋委員より、政府案でもかなり絞られているというお話でございましたが、我が党は、さらに法案上に明記することで、こういった先ほど述べたような不安を払拭していく。しかしながら、我が国周辺地域というのは地理的概念かといえば、それは、我が党案でも地理的な概念ではもちろんありません。ただし、周辺事態法の考え方と同じく、日米安保条約の極東条項を捉えまして、昭和三十五年、政府の統一見解で示された地域を基本的に想定しているということでございます。

 そういった意味で、政府案ではかかっていない地理的な概念をこれまでの我が国の運用に基づいて地理的な形として落とし込むことで、法案上は我が国周辺の地域と書き込ませていただいているということでございます。

岩屋委員 何か、どっちなのかよくわからない御答弁だったと思うんですね。地理的概念ではないとおっしゃりながら、いわゆる極東条項の範囲内だということは、要は地理的概念だということでしょう。

丸山議員 お答えします。

 まさかその御質問を与党の方からいただくとは思いませんでしたが、要は、その御質問をさんざん我々がこの委員会で申し上げてきたことだと思います。我が国周辺の地域というふうに我々は定義を明確に法案上書き込んでおりますけれども、一方で、政府案は曖昧だという話が出ている。それに対して法案上きちんと書き込むという話だが、では、これまでの政府の周辺事態法の周辺はどこなんですかと申し上げてまいりました。それに対して、地理的概念ではない、けれども、これまでの周辺の地域できちんと日本を守れるように運用していくという表現をされております。

 では、それを法文上なぜ書き込んでいかないんだと言うと、我が国と密接な関係にある他国云々、存立危機の事態云々と曖昧に書かれるからこそ、その概念をきちんと我が法案では書き込んでいくということでございますから、そういった意味で、きちんと書き込まれているのが我が党の法案だと思いますけれども。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

岩屋委員 今、武力攻撃危機事態の話と周辺事態の話がちょっとごっちゃになっちゃいましたが、我々は、周辺というのが地理的概念ではないということを明確にするために、周辺事態法でいうと重要影響事態という名称に変えたわけでございますので、そこはよく御理解をいただいておきたいと思います。

 申し上げたいことは、きょう午前中の公聴会の中で岡本先生からもお話がありましたが、今や、世界のどこで起こる事案であっても、場合によっては我が国の安全に重要な影響を及ぼすような時代になってきたと思うんですね。

 そこで、やはり幅広く安保協力関係を構築していって、お互いがお互いを守り合うという体制をつくっていくべきだという問題意識が我々はあるわけです。だから、将来はアジアにおいても、例えば中国、北朝鮮も含め、どの国も排除しない、安全保障の大きな屋根をかけていくというぐらいのビジョンを我々はしっかり持っていなきゃいかぬと思うのです。

 維新さんの定義を見ると、とにかくそれを一生懸命限定しようとしておられるわけですね。条約に基づき、我が国周辺の地域、我が国防衛のために活動している、外部からの武力攻撃が発生すると。政府案をできるだけ絞り込みたいというお気持ちはわからないではないんですが、それは、今日そして将来を展望したときに、正しい考え方であるのかというところにちょっと我々は疑問を持っているわけでございます。

 済みません、時間がなくなってきたので、一点指摘をしたいと思います。

 武器等防護については、ガイドラインの中でも平素からのアセット防護は非常に重要な協力項目となっておりますので、維新案では米艦防護の必要はないというようなことになっておりますが、それでは有効な警戒監視体制を築くことはできないのではないかということを指摘させていただきたいと思います。

 そして、もう一つ。両党共同提出、これも重要な法案だと思いますが、これを見ると、領域警備区域というものを指定することになっています。これは、我が国領域においてここが手薄ですよということを示すような話になって、私は極めて問題なのではないかなと思います。

 それから、もっと問題だと思うのは、要は、警察機関と自衛隊の基本的な役割分担を変更するような内容になっているのではないかということでございます。これは極めてセンシティブな海域の事態を逆に我が方からエスカレートさせることになりはしないか、こう懸念されるわけでございますが、これは民主党さんからお答えいただければと思います。

後藤(祐)議員 お答え申し上げます。

 この基本的な役割分担は変わりません。これまでどおり海上保安庁や警察というものが第一義的に出るわけでありまして、ただ、海上保安庁、警察だけではどうしても守り切れない場合に、自衛隊がどういう場合に出ていくかということについては、これは大変悩ましい話であります。

 当然、自衛隊を出すことで軍対軍の関係にならないようにするということは最大限考えていかなきゃいけないということについては、この両者の関係については、今の法律でも、そしてこの法律を仮に通していただいた場合でも同じように悩ましい問題だというふうに思いますし、岩屋理事もこの点はよく御理解があるのではないかと思います。

 二〇一三年六月四日に自民党の安全保障調査会長として新防衛計画の大綱策定に係る提言というのを出されていると思いますけれども、この中でも、「武力攻撃と評価するには至らない侵害行為への対処(例「領域警備」)など、わが国の領域を確実に警備するために必要な法的課題について不断の検討を行い、実効的な措置を講じる。」という御提案を岩屋会長がされているというふうにお聞きしております。

 ただ、我々の案は、さまざまな多様な選択肢を用意するということと、いざ決断したら迅速な自衛隊を出せるという対応を可能にするということと、あとは自衛隊と警察、海上保安庁の間のコミュニケーションを改善するということで、必ずしも早い段階で出すという意味ではなくて、いざ決断したらすぐ動けるようにする。

 特に治安出動、海上警備行動については、一々個別に閣議決定していますと時間がかかりますので、我々の場合は、事前にあらかじめ閣議決定をして、総理が決断すれば早く出せるようにしておりますし、あるいはコミュニケーションの話について言いますと、自衛隊と海上保安庁、警察の間で協力、円滑な対処を可能にするために、合同の訓練ですとか職員の相互交流ですとか、こういったものを大いに活用していこうということでございますので、御心配には及ばないというふうに申し上げておきます。

岩屋委員 時間がなくなってきたので最後の質問になると思いますが、我々も確かにそういう問題意識をずっと持っておりました。その上で、与党協議をしっかり重ねた結果、ここは、あえて言えば運用改善で対処することが、さまざまな外交的な配慮等々も総合的に勘案した結果、適切だという結論に達したところなんですね。やはり自衛隊の艦船は一歩外に出れば軍艦ですから、最初に軍艦を出したのはおたくじゃないかというようなことになっては絶対にいけない、こういう問題意識を強く持ってそういう結論を出したということをぜひ御理解いただいておきたいと思います。

 この法案の中で、領域警備区域内の特定の海域において船長等に船舶の航行に際して事前通報義務を課すという項目がありますが、これはやはり国連海洋法条約に照らしても問題があるのではないかと思うし、これは間違えば中国が勝手に防空識別圏を設定して通報しろと言ったのと同じような話になりますよ。だから、むしろこれこそ戦争法案になりかねない危険性を秘めているんじゃないかと思いますが、いかがですか。もう時間が来たので、簡潔にお願いします。

丸山議員 お答えいたします。

 まず、この事前通報義務を課すのは民間船舶のみで、公船は対象外だということ、そして通報制度は、実は幾つかの国が採用している制度でございます。マラッカ海峡など、主に海上における安全確保の観点から行われていて、領海における無害通航を保障した国際法に違反するものではないと述べさせていただきたいと思います。

岩屋委員 終わります。

浜田委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 公明党の伊佐進一です。

 本日は、維新の党から提出いただきました独自案について、私も主に質問をさせていただきたいと思います。

 政府案との比較、きょう資料を配らせていただきました。これは維新の党の作成した資料であります。こうした政府案との比較をしていくというのは、私も、議論を深めていくという意味で非常に重要だと思っております。きょうは、より掘り下げて議論をさせていただきたいと思うんです。

 まず、先ほど岩屋委員から質問がありました。そもそも維新の党のおっしゃる武力攻撃危機事態が集団的自衛権に当たるのかどうか、今まで議論をしていただきました。私もちょっとその続きをさせていただきたいと思っておるんです。

 先ほどの提出者の方の答弁の中では、集団的自衛権か個別的自衛権か、これは見る方によっては変わるんですというような説明がございました。でも、私、どちらか説明しなきゃいけないのは、我が国が説明する義務を負っているというふうに思っております。

 といいますのは、皆さん御案内のとおりで、そもそも我が国がなぜ説明しなきゃいけないかというと、こういう事態に至ったときに、国際法上違法かどうか、違法性を阻却できるかどうか、それは我が国の説明にかかっているわけです。そういう意味では、戦争が国連憲章二条で禁止されている、ところが違法性阻却事由として個別的か集団的か、あるいは集団安全保障かというところだけが許されているわけですから、ここは我々はちゃんと説明をしなきゃいけないと思います。

 そういう点では、もう一度確認をしたいと思いますが、この武力攻撃危機事態、今おっしゃった意味というのは、全てが集団的自衛権とも言えない、全てが個別的自衛権とも言えない、そのどちらも混在するんだ、そういう理解でよろしいでしょうか。

今井議員 お答えいたします。

 先ほどもちょっと御答弁させていただきましたけれども、与党の皆さんでもここの議論は随分なさったということだと思いますが、我々も、どの考え方に立ってやる必要があるかということで議論してまいったわけであります。

 一つの根拠としては、やはりニカラグアの判決というのを一つの根拠とし考え方を整理しようということでありまして、その考え方に立てば、他国を守るための自衛権と自国を守るための自衛権というラインが一つあり、我が党の案は、あくまでも自国を守るため。自分の国に攻撃が来る。もはや一国だけでは守れないのはわかっておりますので、当然、我が国を防衛してくれている具体的には米軍ですね、ここに攻撃が来て我が国にも武力攻撃が来るという事態だということなので、これは自国を防衛する事態ですから、他国防衛、自国防衛という考え方でいえばこれは個別的自衛権という範疇に入るのではないかという整理をしたわけであります。

 ただ一方で、これまで政府のとってきた解釈ということから見れば、従来の自衛権というところを一歩踏み出していることは事実でございまして、それは従来の政府解釈から見れば集団的自衛権というふうにとられるという見方もあるのではないかというふうに思います。

伊佐委員 集団的自衛権というそもそも定義が何か、諸説あるというふうにおっしゃったと思うんですが、我々政府の集団的自衛権はどう定義しているかというと、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が攻撃されていないのに実力をもって阻止する。この定義に立って、我々はこれは集団的自衛権と評価され得る、そういう部分も一部あると。

 こうやって国際法上の評価というものを我々は見定めたということですが、今のお話だと、自分を防衛するという目的なんだったら全部自衛権だ、ほかを防衛するんだったら集団的自衛権だ、こういう立て分けなのかなと。そちらこそ、以前、我々が集団的自衛権の話をしたときに珍説、奇説、少数説だと言われたことがございましたけれども、どちらが本当に国際的な集団的自衛権の考え方に立っているかというところをしっかりと判断していく必要があると思います。

 では、もう少しさらに質問させていただきます。

 ニカラグア判決もおっしゃいました。先ほど、ニカラグア判決で二つの構成要素があると。一つは、自分は他国から攻撃を受けました、こういう宣誓、自分で宣誓しなきゃいけないという部分がある。もう一つは、攻撃を受けた国から明示的に援助要請が必要だということになりました。

 今の御答弁では、いやいや、そもそも来ているはずだ、両方とも実態上、現象面は変わらないんだということをおっしゃっていただいたんですが、では伺いたいのは、来ているはずだとおっしゃるけれども、要請がもし来なかった場合、来なかった場合は集団的自衛権の構成要素が満たされないのでやらないということでよろしいんでしょうか。

今井議員 先ほども申し上げたとおり、我々が想定しているのは、自国、日本の国が武力攻撃を受ける、そういう危機的な状況において米軍が我が国を一緒になって守ってくれているという状況でありますから、当然、事前にずっと一緒に行動しているわけです。突然米軍が攻撃を受けて、そこで日本に助けてくれという状況ではなくて、既に日本に来そうだという状況の中で一緒に行動しているわけですよ。であれば、それはお互いにもう連携をとっているという状況以外は我々は想定しづらいと思っておりまして、ですから、そこから要請あるいは同意がないという事態は想定しづらいというふうに考えております。

 我々はこれは個別的自衛権ということで整理しておりますけれども、仮に例えば国際司法裁判所に行ったときに、いやいや、あなたたちが言っていることは違ってこれは集団的自衛権じゃないかということで提訴なり何なりを受けた場合においても、先ほど要件という話がありましたけれども、これは集団的自衛権かどうかを判断する要件ではなくて、仮に集団的自衛権であった場合には満たさなきゃいけない要件がある、そういうことだと思うので、であるとすれば、仮にそういうケースであっても要件は満たすであろうというふうに考えております。

伊佐委員 少しちょっと正面から答えていただけなかったんですが、先ほどおっしゃった二つの要件が満たされているか満たされていないかというのは後づけの話で、そんなものは武力行使をする上においてはある意味どちらでもいいんだということになってしまうと、そもそもの違法性阻却の観点で、もし個別的自衛権というものでできるんだというのであるとすれば、集団的自衛権は、だから二つの要件があるわけです、ニカラグア判決に示された二つの要件があって初めて使える。ところが、今のお話だと、個別的自衛権だったらそれがなくても、後づけでもいいということになれば、では一体どこに歯どめがあるのかという議論になってしまうと思うんです。では、歯どめをどう考えられるんでしょうか。

今井議員 そこの考え方は、先ほど繰り返し申し上げておりますけれども、我が国が攻撃を受けるかどうかという問題なんですね、我が国が。ですから、他国が攻撃を受けていて、それが日本に来る攻撃かどうかわからない場合に要請が来る、これは明らかに集団的自衛権ということになろうかと思いますので、我々が言っている他国防衛という考え方ですから、これは行使はできないということだと思います。

 我々はあくまでも自分の国に攻撃が来るということで想定をして考えておりますので、ですから、その現象というのは我々は個別的自衛権で整理できるのではないかというふうに考えておりますけれども、今議論があるとおり、諸説ありまして、諸説あるわけですから……(発言する者あり)いやいや、我々は、ですから、維新説ははっきり言っています、個別的自衛権で整理できるんじゃないだろうかということを言っております。しかし、諸説ございますので、政府の従来の解釈では集団的自衛権というふうに見られるということも否定はできないということだと思います。

伊佐委員 諸説あるということでしたので、少なくとも今の意味というのは、我々政府が解釈するような定義、つまり外国に対する武力攻撃を自国が攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止する権利、ここには立っていない、目的がどうかというのが大事だということだというふうに理解をしたんです。

 それであれば、今回我々与党の中でもさんざん突き詰めて議論したのは何かというと、自衛の限界というのがどこまでかという議論だったわけです。それが最終的には一部集団的と国際的に評価されることがあったとしても、我々の目的は自衛のために何ができるか、ここをしっかりと確保した上で議論してきたわけですから、そういう意味では、目的が同じなのであれば、合憲性バツと我々の政府案に書かれるのは逆におかしくなるんじゃないですか。

今井議員 先週の金曜日にも申し上げましたとおり、各憲法学者あるいは元法制局の長官の皆さんの御意見、さまざまありますけれども、一つ大きな御指摘、やはり構成要件が曖昧だから、表現が曖昧だから違憲であるという意見がたくさんある。

 しかも、私が御指摘申し上げたいのは、憲法学者の方の意見はもちろん大事なんですけれども、それよりも大事なのは僕は元法制局長官だと思うんです。こういう方は言ってみれば政府だったわけです、政府そのものだったわけです。政府そのものだった方が違憲だとおっしゃっているということは私は非常に重いと思いまして、法の安定性ということをずっとおっしゃるのであれば、法理的な論理立てをされることもとても大事ですけれども、やはり従来、法の番人としてこられた方がこれは合憲であるということをちゃんと担保をとるということは、私は内閣の法の安定性を保つためには必要なことだろうと思いますよ。

 ですから、済みません、ちょっと話がずれましたけれども、あくまでも我々は、例えばさっきも申し上げたとおり、センカのカが禍なのか火なのか、よく例に出させていただいておりますけれども、ホルムズ海峡まで行って、一般的な海外派兵じゃないから、限定事例だからいいというふうにおっしゃられますけれども、直接我が国が武力攻撃を受けていない事態でも、その他のさまざま、新三要件に当たっていれば適用できるというところの構成要件がやはり広過ぎるのではないかという問題意識で、我が党の案を考えさせていただいています。

伊佐委員 構成要件が曖昧だという話と、国際法上どう評価されるかというのはまた別の話だと私は思っております。

 そこまでおっしゃっていただいたので、構成要件が果たして曖昧かどうかというところをちょっと質問させていただきたいと思います。

 では、維新案、二枚目をめくっていただいて、武力攻撃危機事態を定義していただいております。特に第二要件、これは一番、恐らく維新の党としても肝だと思っておられると思うんです。つまり、第二要件というのは、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険があると認められるに至った事態。つまり、明白な危険があると認められる、戦禍じゃなくて火なんだということだと思うんですが、この明白な危険があると認められる事態、これをどう判断するか。その構成要件、基準について伺いたいと思います。

今井議員 お答えしたいと思います。

 まず、維新案では、政府が前提とする昭和四十七年の見解における権利が根底から覆される急迫不正の事態という、権利覆滅の要件を密接性と発生蓋然性の二つの要素に分解させていただきまして、ともすればそこが曖昧になっていると指摘されている政府案の権利が根底から覆される明白な危険の要件をより具体化、明確化した点に配慮したということが基本的な考えだというふうに考えていただきたいと思います。

 すなわち、維新案では、密接性の要件が、政府案の我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したという場合を極めて厳格化しているということです。先ほどからも議論がありますけれども、密接的な国ということではなく、条約に基づいているということ、それから我が国周辺というさまざまな条件を入れているということ、それから発生蓋然性ということでいえば、我が国に武力攻撃が迫っているというか、今もうほぼ着手に近い状態になっているという状況のところで厳格化をしているという点でございまして、発生蓋然性と密接性についての内容をより厳格にさせていただいたというところが我が党の基本的な考え方でございます。

伊佐委員 私の質問をもう一度はっきりと申し上げると、この資料の一番最後のページを見ていただくと、政府案における判断要素というのは何か、何をもって存立危機事態を判断するのか、どう判断するかと答弁があるわけですよ。攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮して、しかも、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることとなる犠牲の深刻性、重大性。こうして具体的な要素を挙げていっているわけです。それをもって国会で審議しましょうと言っているわけなんですが、そこは維新案はどうなんでしょうという質問です。

今井議員 済みません、ちょっと説明が足りませんでして。

 政府案がおっしゃっている総合的な判断、ここは共有したいと思います。その上で、我々は条件を二つに分けてより具体的に書いているという点が政府案と違うというところでございまして、そういう意味においては、総合的な判断をするという政府の見解がありましたけれども、この部分は共有しているということでございます。

伊佐委員 二つに分けているというのは政府案も同じでして、そこは差がないと思っています。

 要は、構成要件、判断要素というものをどう置いているかというところで、我々はかなり細かく政府案を与党の中でも詰めてやってきたわけですが、そこがどうなんですかという質問です。

今井議員 先ほど岩屋委員がおっしゃっておられましたけれども、アメリカだけじゃなくていろいろな国と一緒に防衛をしていく、そういうことをこれからやっていかなきゃいけないんだという、それが政府案の考え方だと思います。

 我々は、条約に基づきという言葉を入れて、国を限定するとか、そういうことを明確化しているわけでありますから、その点は政府案とは違うということは申し上げておきたいと思います。

伊佐委員 第二要件の話でして、もしここのところもはっきり答弁できないということになれば、政府案が曖昧だと言うんですが、それこそ維新案の構成要素、その要素すら言えないと、もしよろしければ、政府案のような、相手の意図であるとか蓋然性であるとか、そういうようなものも同じように採用されるという意味なんでしょうか。

今井議員 先ほどから申し上げておりますが、総合的な判断というところの考え方は共有しております。

伊佐委員 わかりました。私も同じだというふうに捉えました。

 この国会、委員会でも何度もいろいろ委員の方々が質問したとおり、結局は、千差万別、あらゆるケースを具体的に全て法律上に書くことなんてできないわけですから、判断要素をいかに明確化して、それを国会でいざ事態が起こったときにしっかりと審議する、これを担保するのが大事だと我々は思っておりますので、そういう意味で、きょうはそこまで示されませんでしたが、我々政府案としては、しっかりとできることは歯どめをかけているということを申し上げたいと思います。

 時間もなくなってまいりましたので、次の質問。一体化論について質問させていただきます。

 少し提出者の混乱もあったようですが、一体化論というのは国際法上の問題ではない。この一体化論の話というのは憲法九条がある我が国の問題、我が国でこの一体化論をどう判断していくかという議論だと私は理解しておりますが、今回の維新案、弾薬は入りませんというふうにされました。先日の答弁では弾薬は一体化するんだというふうに判断するとおっしゃいましたが、では、弾薬が一体化して、例えば食糧とか医療とか、こういうものが一体化しないというその根拠、判断基準は何でしょうか。

丸山議員 御質問ありがとうございます。

 恐らく我が党案と政府案の違いは、弾薬の部分と、あと大きなところでいえば、発進準備中の戦闘機に対する給油の部分でございます。

 委員の御指摘、食糧や医療と弾薬を提供するのはどこが違うんだという御指摘ですが、政府答弁でもこれまで弾薬の提供や発進準備中の航空機への給油に対して、現行法です、あくまでも現行法の周辺事態法に盛り込まれていない理由について、当時の国会答弁ではアメリカ側からのニーズがないことが直接の理由とされてきたところですけれども、一方で、同時に憲法上慎重な検討を要する問題とされておりました。

 この点についても、今般、政府案に対しては、かなり違憲の疑いがあると多くの憲法学者の方から御指摘が出ています。そして、この点について、ここも武力行使との一体化に当たるんじゃないかという御意見も多い中で、我が党としてはこれは憲法上問題がある、疑義があるということで、維新の党案は、弾薬の提供や発進準備中の航空機への給油については一体化の危険を高める、医療の分野や薬品などの提供に比べて武力行使との一体化として危険を高めるものだと認識しておりまして、現状どおりこれらの支援は認めないものとしているところでございます。

 医療は現状と同じでございますので、変わらないということでございます。

伊佐委員 私が伺っていますのは、結論ではなくて、それに至った過程といいますか基準、なぜそういう線引きになったんですかと。今までは、ニーズがないというのが政府の答弁だったんです。だから、議論が突き詰めてこられなかったんです。今回は、議論を突き詰めた結果、現に戦闘行為が行われていない現場ということになったわけです。ここには理論の積み上げがあるわけです。

 もう一度、その根拠、判断基準は何か。結論は結構です。根拠について教えていただきたい。

丸山議員 戦争において、これまで現行法でも弾薬と発進準備中の航空機に対する給油はできなかったという現状がまずございます。そして、ロジスティック、兵たんにおいてどのようなものが相手国からどうとられるかというのは、非常に判断があるところであるというのはおっしゃるとおりだと思います。

 しかし、現行法上できなかったものである、なおかつ多くの憲法学者の皆様、専門家の方々もこれについては武力行使との一体化のおそれがあるという判断をしている、そして我々としても、この弾薬の提供、発進準備中の航空機に対する給油に関しては恐らく相手国から見ても明らかに武力行使との一体化とされてしまう、判断を超えてしまう部分だということで、落とさせていただいたということでございます。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

伊佐委員 これ以上質問しても根拠が出てきそうにありませんが、食糧とか、例えば医療だってそうなんですよ。例えばハンバーガーを、食糧を提供しました。そのハンバーガーを食べて血と肉となった兵士が戦いに行くわけですよ。あるいは医療だってそうですよ。傷ついた兵士が後方に送られてくる、後方で送られてきた兵士を治療して、完治したらまたその方が戦いに行くわけですよ。

 だから、結局、我々の判断、政府の判断は、物では判断できませんね、そこはできませんねということなんです。そういう意味で、今回は、現に戦闘行為が行われている現場では実施しないという基準を我々は区切りたい。どうぞ。

丸山議員 お答え申し上げます。

 今の御説明であれば、あらゆる支援が可能になってしまうと思うんですけれども。そういうわけではなくて、直接的に相手に対して武器で、武器弾薬もそうです、今回政府案には武器は入っていませんけれども、攻撃していくことに対して明らかに武力行使との一体化であるという判断をしているのであって、そういった意味で、政府案はそれを何でも広げてしまうというものでありますから、逆に曖昧になってしまうんじゃないかということで、我々維新案は絞り込んだということでございます。

伊佐委員 直接とおっしゃいましたが、だから、この直接の判断基準が何かというところも大事な点だと思います。

 時間がなくなってきましたので、最後に、国際平和支援法について幾つか質問させていただきたいと思います。

 今回、国際平和支援法の平和共同対処事態となるいわゆる正当性の要件として、二つ、政府案では書かれております。一つが、いわゆる国連決議。第三条第一項第一号イになります、決定し、要請し、勧告し、または認める決議。政府案はロもありまして、平和に対する脅威または平和の破壊であるとの認識とともに、加盟国の取り組みを求める決議。これがロに当たる部分です。

 今回、維新案ではロを削除して、ロがない、イだけだと。つまり、関連決議はなくて、国連決議だけだというような法案になっておりますが、その理由について伺いたいと思います。

丸山議員 お答えいたします。

 我が党案としましても、自衛隊の海外活動について、国際法上の正当性がまず要るというふうに考えております。

 そして、国連憲章の二条七項で内政不干渉の原則が挙げられている。原則として、どの国も他国の領土に軍隊を派遣することができない。そもそも日本の場合は、憲法上の原則からまず海外派兵はできないという共通の認識にはあると思います。

 その中で、国際法上唯一の例外として認められるのが七章の強制措置でございます。平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為の存在を決定し勧告を行う権限を有するのは安保理のみであるという国際法上の原則を遵守するために、この七章決議に基づく多国籍軍が行う活動のみを支援すべきだ、我が党案はその理念に基づいてこの法案をつくらせていただいております。

 そういった意味で、国連の正式な授権決議に限るものとすることで歯どめとして、日本が単独で出る、もしくは国際社会上の理解を得られずしてこういった活動に参加するということに歯どめをかけていくという趣旨でございます。よろしいでしょうか。

伊佐委員 ありがとうございます。

 それでは、大臣に伺いたいと思います。政府案においては、ロ、つまり関連決議まで含めたその理由、立法事実を伺いたいと思います。

中谷国務大臣 ロの決議は、国際法上、自衛権もしくは領域国または旗国の同意に基づいて適法に行っている活動につきましても、事態が平和に対する脅威または平和の破壊であるとの認識を示して、そのような事態に関連して国連加盟国の取り組みを求める国連決議がある場合であれば、こうした活動は国際的な正当性を有しているものと認められるものであります。

 例えば、二〇〇一年の同時多発テロ後の国連決議一三六八、これでテロ特措法でインド洋の補給支援活動を行いました。イの決議のように我が国の支援対象となる諸外国の軍隊の活動の直接根拠となるものではありませんけれども、国際社会が共同で対処する事態において、国連が決議という公式な形で平和に対する脅威、平和の破壊であるという認識を示しつつ当該事態に関連して加盟国に何らかの取り組みを求めるという明確な要件が課せられておりまして、国際的な正当性を確認する上で十分なものでありまして、このような国連決議は我が国の支援対象となる外国の軍隊等の活動そのものが国連決議に基づいている場合以外にも国際的な正当性を確認する効果を持つものだと考えております。

伊佐委員 時間になりましたので。

 私がここで聞きたかったことは、イの部分でよく言われる例として湾岸多国籍軍とかあるいはアデン湾というのがあって、ロの部分で同時多発テロ。同時多発テロの場合は、そもそもアメリカがもう既に自衛権で活動していて、そこにイギリスがさらに集団的自衛権で入っている、そういう状況の中ではイというよりもロのような関連決議になるケースが多いんじゃないかと私は思っておりまして、こういう場合には維新としても、やらない方がいいと思わないとは思うんです。

 では、最後にそれだけお答えいただければ。

今井議員 我々は、恒久法でやらなきゃいけないところ、それ以上のところは特措法でやりましょうという、そこの区分けをしているわけでありまして、恒久法でやるところはあくまでも七章決議、それ以上のことをやる場合はこれは特措法で対応すべきだという考えで整理をさせていただいております。

伊佐委員 もう終わりますが、結局、特措法でやるのであれば、例外なき事前承認ですから、同じように国会審議をするんだということだけ申し上げたいと思います。

 ありがとうございました。

浜田委員長 次に、横路孝弘君。

横路委員 まず、今まで委員の皆さんが大変熱心に議論されてこられたことに心から敬意を表したいと思います。しかしながら、総論の議論は非常に進みましたけれども、これからまだ個別的、具体的に明らかにしなければいけない課題というのはたくさん残っているというように思っております。

 憲法で、今日まで九条に反するものとして違憲とされてきた集団的自衛権をあえて始めようとする理由は何なんだろうか。いろいろ考えてみましても、どうも安倍総理の思い以外に余り浮かんでこないんですね。

 そして、私ども、今までは自衛権行使の三要件に基づいて、専守防衛、国際的な紛争に軍事介入はしない、そして周辺の国に脅威を与えない、こういうようなことを政策として進めてきましたが、これを変えて、いわば世界の国際紛争に軍事介入するんだ、そして米軍とともに世界じゅうで、いわば、私に言わせれば、アメリカの保安官の助手みたいな活動を世界的に行うということが一つ。

 もう一つは、これがこれから質問する一つの点ですが、日本の自衛権の発動を今までの枠組みを超えて早目に行う、今までの自衛権は武力攻撃がなければ自衛権を行使できませんから、行使するために集団的自衛権をいわば違法性阻却事由として使うというのが今度の法体系ではないのだろうか。だから、非常に無理な構成をしていますから答弁も混乱しているのではないかな、人々がわからないんじゃないかな、このように思います。

 ニカラグア判決とオイルプラットホーム事件の判決を中心にしながら、初めに岸田外務大臣にお尋ねしていきたいと思います。

 まず最初は、今までの国会答弁の中で、被害国のいわば要請と同意が必要であると。要請というのはわかりますよね。これは助けてくれという話です。同意というのはどういうことなんでしょうか。

    〔委員長退席、御法川委員長代理着席〕

岸田国務大臣 まず、集団的自衛権の国際法上の要件として、今御指摘がありました、武力攻撃を受けた国からの要請と同意、そしてあわせて必要性、均衡性が挙げられております。

 そして、この同意とは何かという御質問でございます。

 これは、御指摘のニカラグア判決の中において、要請、同意、こういったものが求められるという判決内容があるわけですが、その同意の部分につきましては、集団的自衛権を行使することについて事前に同意を与えておく条約を排除する趣旨ではないと考えられます。ですから、例えばそのような条約がある場合は、別段の定めがない限り、具体的な武力攻撃発生時に、改めて武力攻撃を受けた一方の国の要請がなくとも他国の国は集団的自衛権を行使できる、こういった考え方に基づいております。

 こういったことから、同意というものも要件に挙げていると考えております。

横路委員 それは違うんですよ。

 例えば、米韓条約とか米比条約とか、相互防衛条約は言えますよ、そういうことが。ところが、日米安保はそうなっていないんですから、やはりしっかりとした要請がなければだめじゃないですか。

 今の話は相互防衛条約の話ですよ。お互いに、米韓はありますでしょう。アメリカとフィリピンもそうなっていますよね。そういう場合は、同意どころか要請も要らないんですよ、要請も実は、相互防衛条約の場合は。日本の場合は相互防衛条約になっていないんですから。なっていないでしょう、日米安保は。相互防衛条約じゃないじゃないですか。

岸田国務大臣 おっしゃるように、日米安保条約につきましては、日本とアメリカ、それぞれの義務は異なります。五条と六条において内容が異なっておりますが、ただ、バランスはとれているという解釈がされております。

 一般国際法上、集団的自衛権の要件として要請そして同意が求められているわけでありますが、政府としましては、この国際法上の要件について説明をさせていただいております。要請、同意ということにつきましては、具体的な事案に当てはめて判断することであると考えます。

横路委員 私は、あのニカラグア判決に反すると思いますよ。被害を受けた国の助けてくれという要請に応じて行動するというんです。事前に相互防衛条約でお互いに助け合おうというように決まっているものは、事態が起きたときに相談すればそれで済みますよ。しかし、日米安保にはそれがないんですから。

 だから、同意というのは、結局はどうかというと、人の考えに賛成するということですから。日本の方から、集団的自衛権を行使するから同意してくれという話になるんでしょう、これは。

岸田国務大臣 日米安全保障条約ですが、これは、まず五条において、既に米国が集団的自衛権を行使することにつきまして日本が同意を与えている、こういった内容になっております。この五条そのものに、米国が集団的自衛権を行使することにつき日本が同意を与えている、こういった内容になっておりますので、日米間で緊密に連携の上、同条に該当する状況になれば米国は同条に基づいて日本の同意を得た形で武力行使を行う、こうした内容になっております。(発言する者あり)

御法川委員長代理 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

御法川委員長代理 速記を起こしてください。

 岸田外務大臣。

岸田国務大臣 もう一回整理して申し上げますと、まず、現状の日米安全保障条約五条において、米国が集団的自衛権を行使することにつきましては日本が同意を与えている、こういった内容になります。

 そして、その逆はどうかという御指摘であるならば、その際には改めて要請、同意というものが求められるということになると考えます。

横路委員 だって、日米安保は、日本から米国を守る義務というのは別にないわけですよ。五条というのは、日本の施政下において日本が攻撃されたときに米軍はそれを防衛するというだけの話ですよ。同意というのは相手の意見に賛成するということなんですから、アメリカ側が日本の意見に賛成するということですよ。つまり、日本が集団的自衛権の行使をしたいと言うわけでしょう。そして、アメリカが同意を与えるということになるんですよ。だから、これは違ってくるんです。

 では、一つ、国際司法裁判所のこういう判決の部分があります。第三国がみずからの状況判断に基づいて集団的自衛権を行使することを認めるような慣習国際法は存在せず、集団的自衛権によって利益を受ける国家が武力行使の犠牲になったことを宣言することが期待されるというように言われています。

 つまり、第三国がみずからの判断で集団的自衛権を行使するなんという、そんな慣習国際法はないというのがニカラグア判決ですよ。だから、同意というのは、アメリカの方から日本に対してじゃなくて、日本の方がアメリカに対して同意を求めるという感じでしょう。だって、同意をする、それから要請をするというのは、攻撃を受けたアメリカ側から日本に対して求める話でしょう。違いますか。

 だから、やはり五条の判断から、そんな事件は出てきませんよ。今までまさに日米安保の双務性ということで議論されてきたのは、そこじゃないですか。

    〔御法川委員長代理退席、委員長着席〕

岸田国務大臣 まず、委員御指摘のように、国際法上、集団的自衛権の行使に当たっては、武力行使を受けた国が要請、同意を行う、こうしたことが要件とされています。

 そして、日米安全保障条約について御指摘がありました。安保条約に定められているのは、この五条の中で、米国が集団的自衛権を行使することについて日本が同意を与えている、ここの内容のみであります。

 よって、逆の場合は、改めて武力攻撃を受けた米国が日本に対して要請や同意を与える、これは当然のことであると考えます。

横路委員 だから、その同意を与えるというのはどういうことなんですか、同意を与えるというのは。つまり、日本の方から申し出るわけでしょう。同意というのは相手の意見に賛成するということなんですから。要請というのは、要請することでしょう、お願いしますといって。同意は、あなたの意見に賛成しますよということでしょう。

岸田国務大臣 要請または同意を与える。この同意を与える、この具体的な過程についての御質問でありますが、どちらが同意を求める、どちらから同意を与える、その具体的なケースをちょっともう一度整理しなければならないと思いますが、結果として、武力攻撃を受けた国の同意が集団的自衛権を行使する国に伝わる、これが核心であると考えます。そうしたものがしっかり伝わる、そのやりとりがしっかり行われる、これが重要であると考えます。

横路委員 つまり、伝わるというのは、日本が集団的自衛権を行使しますよということでしょう。だから、日本が、集団的自衛権を行使するから同意してくれと言われて、同意を受けることになるんじゃないの。

 だから、先ほど話しましたように、第三国、つまり日本がみずからの状況判断に基づいて集団的自衛権を行使することを認めるような、いわば慣習国際法は存在しないと言っているんですから。

岸田国務大臣 要請、同意を与えるということ、慣習国際法は存在しない、そしてさらには条約をあらかじめ締結する、それも求められてはおりません。集団的自衛権、国際法上におきましては一つの要件として、武力攻撃を受けた国の要請または同意というものが要件とされている、それだけであります。(発言する者あり)

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 横路孝弘君、よろしくお願いいたします。

横路委員 混乱しているようでありますので。

 この問題は非常に大事な問題なんです。つまり、アメリカの方は、日本に対して助けてくれというのは言いづらいんですよ、きっと。だから、同意という言葉が初めて出てきたのは今回ですよ。判決の中に同意なんて言葉はありませんからね。だから、これはひとつ整理してもらいたい。私、この点に関して、ニカラグア判決に関してまだ四、五点質問しますので、それをまとめて最後にちょっと申し上げます。

 一つは、我々の今回の法律というのは、要するに、他国の防衛を目的とする集団的自衛権の行使はないんだという答弁を再三されておられます。しかし、例えばガイドラインを見ると、他国が攻撃されたときに日米はどうするかということで、当該武力攻撃への対処、それからさらなる攻撃の抑止、これをお互いやるんだということになっていますよね。これはもちろん、攻撃を受けている米軍を守ることになるんじゃないですか。

岸田国務大臣 御質問の趣旨、要するに日本がアメリカを守ることになるのではないか、こうした御質問でございますが、日本が武力行使をするのは、あくまでも新三要件に該当した場合のみであります。我が国国民の命や自由や幸福追求の権利が明白な危険にさらされている、こうした事態に対して、日本としてその新三要件に該当する場合に武力行使を行うということであります。あくまでも日本が武力行使をするのはその範囲内でありまして、その範囲内において日本は行動するという趣旨であると考えます。

 新ガイドラインそのものが、それぞれの国の憲法そして当該適用される法律の範囲内で行われると明記されております。今、その法律の範囲内、要は今申し上げました範囲内で日本は武力行使をするということであると考えます。

横路委員 理屈は別に、とりあえずはともかく米軍を防衛することになるんでしょう、攻撃を受けている艦艇があった場合に。それに対して日本が反撃するわけでしょう。米軍を守ることになるんでしょう。

岸田国務大臣 今、国会に御議論をお願いしている日本が武力行使を行う条件、新三要件において限定されているわけでありますが、この限定された集団的自衛権は、他国防衛自体を目的にする集団的自衛権は含まれないということ、これは再三御説明をさせていただいております。

 我が国が武力行使を行うのは、あくまでも我が国の国民の命や暮らしに対する明白な危険がある場合に武力行使を行う、こうした目的における武力行使であるというふうに考えます。(発言する者あり)

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 岸田外務大臣、答弁願います。

岸田国務大臣 存立危機事態において、我が国が米艦を防護することはあり得ます。しかし、それは、米国を守ること自体を目的とするものではなくして、あくまでも新三要件に該当する場合、我が国の存立、そして国民の命、自由、幸福追求の権利が危険にさらされる明白な事態がある、こういった場合に限ってこうした行動を行うということであります。

横路委員 中谷防衛大臣にお尋ねします。

 七月一日の委員会で、日本が武力攻撃を受けない場合、受けるようなおそれが全くない場合でも新三要件に合致し得るかという寺田委員の質問に、それを認めておられます。

 そうすると、新三要件に合致すれば武力行使が可能になります。しかし、武力攻撃事態でも切迫事態でも予測事態でもないときに自衛隊を出動させるということは、アメリカを守る、アメリカの艦艇でも何でも、他国防衛以外の何物でもないのではありませんか。

中谷国務大臣 あくまでも新三要件に当てはまる場合でございまして、その判断におきましては、他国の意思とか、また規模とか態様とか、それを含めまして、我が国に対する攻撃の蓋然性、そして国民が被害を受ける深刻性、重大性などを総合的に判断して決まるわけでございます。

横路委員 だって、質問そのものが、武力攻撃を受けていない場合、受けるおそれが全くない場合、これを前提にしての質問になっているんですよ。答弁が矛盾していますよ。

中谷国務大臣 存立事態というのは、こういった我が国の存立にかかわる明白な危険がある事態でございまして、これの判断といたしましては、攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、事態の規模、態様、推移など要素を総合的に考慮して、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることになる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断をいたします。

 これはどういうことかというと、他国に対する武力攻撃が発生したとき、そのままでは、すなわち、その状況のもとに我が国が武力攻撃を用いた対処をしなければ国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大、こういうような被害が及ぶことが明らかな状況であるという状況でございます。(発言する者あり)

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 中谷防衛大臣。

中谷国務大臣 まさに存立事態でありまして、この定義が、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態でございます。

 そこで、以前答弁をいたしておりますけれども、攻撃国の意思として我が国に対する武力攻撃の意思の有無も考慮されますけれども、攻撃国の我が国を攻撃する意図が認定できなかったとしても、攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、規模、態様、推移など総合的に考慮して、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることになる犠牲の深刻性、重大性があると判断すれば存立事態に認定し得るということでございます。(発言する者あり)

浜田委員長 横路孝弘君、もう一度質問願います。

横路委員 質問は、日本が武力攻撃を受けない場合、受けるようなおそれが全くない場合でも新三要件に合致し得るんですかという問いに、そうですという答えをしているわけですね。そうすると、いわば存立事態、明白な危険がない場合はどうなのかと聞いているのに対して適用できるという答弁をしているから、矛盾しているんじゃないですかと私は言っているんです。だって、そうでしょう。全くない場合で存立事態なんだと言っているわけだから。

 そうすると、結局それは、日本を守ることではなくて、アメリカ軍、アメリカを守ることにしかならないんじゃないですかという趣旨なんです。だから、答弁が矛盾しているんです。これもちょっと混乱しているようです。

 集団的自衛権の保護法益について、ニカラグア判決は、集団的自衛権の行使は被攻撃国の利益のためになされるんだと、攻撃を受けた国の利益のために。行使国の利益というより、被攻撃国の利益のためであり、だから要請なんかが必要になるわけですね。つまり、行使国による恣意的な認定を封じるために援助要請を必要としたわけであります。

 過去の集団的自衛権の行使を国連の安保理事会に報告したケースを見ると、大体、行使国は大国ですよ。アメリカ、ソビエト、そしてイギリス、フランス。行使国の都合で武力行使をしているわけですよ。だから、ニカラグア判決は、行使国のそういう恣意的な行動を規制しようということでできているわけですよ、三つの要件が。

 だから、それに関して今の御答弁、日本に対する攻撃のおそれが全くない場合もやるんですよということ自身が、存立事態云々という答弁と矛盾しているというわけであります。これも、委員長、後でちょっと整理しますので。

 次の質問。もう一つは、第三要件について安倍総理は何と答えているかといいますと、他国への武力攻撃が客観的に存在している以上、具体的な限度は武力攻撃の規模、態様に応じて判断することができる、このように考えていると。つまり、武力攻撃の規模、態様に対して日本は対応するんだ、こういう答弁になっています。

 しかし、国会の議論の中では、特に公明党の北側委員が、他国に対する武力攻撃がある、その他国に対する武力攻撃を排除する実力行使をするんですけれども、その実力行使と他国に対する武力攻撃との均衡性という話じゃないんだ、こういう質問をして、そして、それに対して横畠さんが、そのとおりでございますと答弁しています。

 つまり、問題は何か。総理の答弁は、他国に対する武力攻撃を排除するための必要最小限度の武力行使だと言われ、ほかの皆様方は、存立危機事態の状況を排除するための必要最小限度だと答えられて、これは矛盾した答弁になっています。

 問題は……(発言する者あり)いや、矛盾しています。これは総理も呼んで話を聞かなきゃなりませんが。

 問題は、オイルプラットホームの均衡性の基準です。これは岸田外務大臣がしっかり答弁されていまして、七月八日、国際法上の集団的自衛権の要件としては、武力攻撃を受けた国からの要請、同意とあわせて必要性と均衡性の要件が求められている、そして均衡性の部分が必要最小限度というふうに表現されているわけですが、我が国が武力を行使する際には、こうした国際的な要件に加えて必要なんだというお話をして、国際的な要件として均衡性を認めておられます。

 しかし、今までの議論だと、つまり、他国に対する、あるいは米軍に対する攻撃に対して均衡性が求められているわけですよ、日本の対応としては。それがそうなっていないですよね。つまり、米艦に対する武力攻撃があった。本当はそれに対する均衡性が求められるにもかかわらず、それ以上の、つまり存立事態の状況を排除するためなんだ、こういう答弁になって、ここも混乱しているんですよ。この点についてはいかがですか。

岸田国務大臣 御指摘のように、以前答弁させていただきました。

 国際法上、攻撃を受けた国からの要請、同意、そして必要性、均衡性が要件とされています。ただ、必要最小限ということにつきましては、我が国の場合はそれに加えて新三要件という極めて厳格な条件をつけています。そして、その中で、国の存立、そして国民の命、自由、幸福追求の権利を根底から覆す明白な理由が存在する場合に日本の国として武力行使を認めるということでありますが、国の存立や国民の命、自由、幸福追求の権利を根底から覆す明白な危険を排除するために最小限の対応が求められる、これが新三要件における最小限というものであります。

 国際的な最小限に加えて我が国の新三要件の条件が加わっている、我が国の対応はこうした二つの条件をクリアしなければならない、こういった説明をさせていただいたと記憶しています。

横路委員 オイルプラットホームの判決は、自衛は武力攻撃に均衡する措置のみを正当化すると、他国に対する武力攻撃との均衡性が問われているわけであります。

 今の答弁だと、これがそうじゃないわけですよ。つまり、他国の武力攻撃と均衡する反撃は許されるというわけですよ、均衡性は。しかし、皆様方の答弁は、存立事態に対応するようにしなきゃいけないというわけでしょう。これが北側委員が何度も議論しているポイントですよね。単にバランスをとるんじゃないんだと。それ以上に、存立事態をと言うから、範囲が広くなっているわけですよ、これは。そこが問題なんです。要するに、これも私は、やはりニカラグア判決、オイルプラットホームの均衡性の基準に反するものだと思います。この点がもう一点。

 それからもう一点は、違法性阻却事由の問題です。

 憲章の五十一条は、違法性阻却事由としての側面を持っています。

 自衛隊は武力攻撃の発生が要件になっておりますが、今回の法的構成は、日本の武力行使の違法性を阻却するために、一種の便法として集団的自衛権という手段を利用して個別的自衛権を行使しようとするものだと私は思います。

 北側委員も質疑の中でこういう質問をされています。北側さんはやはり当事者ですから、よくわかっています。「やはりこれは国際法上は集団的自衛権の一部として、それを根拠として対処しないと違法性が阻却されませんから。」こう言っていますよ。だから、違法性阻却のために使っていると言うんですよ。

 これはやはり問題なのでありまして、つまりニカラグア判決の、先ほど冒頭から何度も繰り返しておりますように、第三国がみずからの状況に基づいて勝手に集団的自衛権を行使することを認めるようなものはだめなんですよという趣旨に反しています。

 そこで、今回の、今の違法性阻却事由として使うんだということも含めまして、同意の問題、これは日本の都合でアメリカにある意味でいうとお願いするような話ですから。それから、保護法益の問題、これはやはり他国防衛、そういうアメリカ軍を守るという法益を持っています。それから、他国に対する武力攻撃との均衡性の問題。それから、違法性阻却事由ということでこういうことを使っていいんだろうかという点。これらの点について、ちょっとやはり混乱しています。

 私は、質問は答弁書をずっと精査して質問しているわけでありまして、これが今回の法律体系と一体整合するのかどうなのか、ニカラグア判決とオイルプラットホームとの関連について、委員長、ぜひ明確にしていただきたい。

 私が今言った四つの点、同意の問題、保護法益の問題、均衡性の問題、違法性阻却事由の問題、これはやはり非常に問題がありますので、明確にして委員会に報告をしてもらいたいと思いますし、これはやはり総理にちゃんと説明してもらわなければ、どうも混乱しているようですので、それを、ぜひ委員長、お願いしたいと思います。

浜田委員長 理事会で協議いたします。

横路委員 残り時間で、次の問題、ガイドラインについてお尋ねします。

 日本有事の際の米軍の行動について、九七年のガイドラインでは、航空侵攻への対処、海域の防衛などについて、米軍は打撃力の使用を伴う作戦を行うというのが、今回の日本有事の作戦構想では、米軍は自衛隊の作戦を支援し及び補充するための作戦を実施するということで、打撃力の使用という言葉がなくなりましたね。これは、中谷大臣、どうしてですか。

中谷国務大臣 もう一度お伺いしますが、打撃力の使用というのは、その主語はどこでしょうか。(横路委員「米軍、米軍。ガイドラインですよ、ガイドライン」と呼ぶ)

 今度のガイドラインにおきましては、日本に対する武力攻撃への対処の行動について考え方をより明確にして、作戦構想についても、作戦の様相に応じた日米間の協力をより具体化させております。

 その上で、米軍は自衛隊を支援、補完するため打撃力の使用を伴う作戦を実施することができること、米軍がそのような作戦を実施する場合に自衛隊は必要に応じて支援を行うことができること、これらの作戦は適切な場合に緊密な二国間調整に基づいて実施されること、これが明記をされておりまして、米側のコミットメントが低下しているとの御指摘は当たらないということでございます。

横路委員 私が言ったのは、航空侵攻や海域の防衛については落ちていますよと言ったんですよ。入っているのは領域横断的な作戦でしょう。その場合に今答弁したような記述があるんです。

 それで、この領域横断的というのは、例えば朝鮮半島から波及してきて日本有事になった、その場合に日本の自衛隊と米軍と韓国軍とが共同作戦を行うというような意味なんですか。この領域横断的な作戦というのはどういうことですか。

中谷国務大臣 これは、作戦構想についても、作戦様相に応じた日米間の協力をより具体化いたしておりまして、これらの作戦は適切な場合に緊密な二国間の調整に基づいて実施されるというようなことで、より緊密に協力するということをうたっているつもりでございます。

横路委員 いや、この領域横断的というのはどういうことなのか。例えば、日本の自衛隊と韓国軍と米軍とが一緒に行動するというようなことですか、領域を横断しているんですから。そういうことなんですかと聞いているんです。

中谷国務大臣 先ほど答弁したとおりでありまして、作戦構想、作戦様相に応じた日米間の協力をより具体化させていくということでございます。

横路委員 ここで、打撃力を実施するときに、自衛隊は必要に応じて支援を行うことができるとありますよね。

 例えば、米艦が攻撃されている、日本はそれに対して自衛隊が反撃をする、それに対して相手国からは例えば日本に対してミサイルが飛んできた、では、日本側はそのミサイルの発射基地をたたこうと。打撃力に対して日本が協力するというのは、そういう場合に例えばアメリカがF16を使って対地攻撃をする、そのF16に対して日本のF15が援護、警戒をする、そういう場合も含みますか。それから、アセット防護のところでも同じように、弾道ミサイルに対する防衛としてアセット防護を言っています。これはそういう航空機を防護することじゃないんですか。違いますか。

中谷国務大臣 総合的にお答えいたします。

 領域横断的な作戦というのは、作戦構想において記述されている、空域を防衛するための作戦、弾道ミサイル攻撃に対処するための作戦、海域を防護するための作戦、陸上攻撃に対処するための作戦のうち、いずれか二つ以上に共通するような作戦ということを言っておりまして、この新ガイドラインにつきまして、協力においては、ISR、情報の協力、それから米軍による打撃力の使用を伴う作戦、宇宙、サイバー空間における脅威への対処、特殊作戦部隊による協力、こういうことが含まれているということでございます。

横路委員 中谷さんもいわば敵基地攻撃力を新三要件に該当すればと認めておられますが、安倍総理が、日本戦略フォーラム設立十周年記念シンポジウム、「戦後レジームからの脱却」ということの中で、北朝鮮の脅威をずっと話をして、日本も打撃力を保有すべきであるということを議論して、こういうことを言われています。

 三沢のアメリカ空軍基地のF16が敵基地攻撃に行くときに、当然日本側にはこのF16の援護や周辺空域警戒任務が生ずるでありましょう、アメリカ側としても、日本にエスコート戦闘機を飛ばしてもらいたいという共同作戦発動の要請が予測されます、日本はF15戦闘機を二百機余り保有しています、この作戦時、北朝鮮の領空における武器の使用が必要になる、これができないのでは血の同盟にならないというように発言されていますが、この総理の発言はどのように思われますか。今度のガイドラインの規定を見ると、その二つ、つまりアセット防護といわゆる領域横断的な作戦の規定を見ると、まさにこのことをやろうとしているんじゃありませんか。違いますか。

中谷国務大臣 まず第一点、敵基地攻撃のお話が出ましたが、現在、我が国は敵基地攻撃を目的とした装備体系を有しておらず、個別的自衛権の行使としても敵基地を攻撃することは想定していない、ましてや集団的自衛権の行使として敵基地を攻撃することはそもそも想定はしていないということでございます。

 そしてもう一点、米空軍の打撃力の使用を伴う作戦への自衛隊の支援の対応等につきましては、これは現実の事態に即してさまざまでありまして、一概に申し上げることは困難ですけれども、ここで言う支援というのは、自衛隊自身が打撃力の使用を伴う作戦を行うことを意味するものではないということでありまして、情報収集、警戒監視、偵察、ISR、後方支援、こういった支援のことを言っているということでございます。

横路委員 御了解をいただきましたので。

 では、その場合、安倍さんが言っているF16の対基地攻撃の援護と警戒監視で一緒に飛んでいくというのはどういうことなんですか。これはいいんですか、悪いんですか。

 今度のガイドラインの規定でいいますと、ありますよ、これは。安倍さんの講演は、今さっき言ったように、F16が北朝鮮を攻撃に行くときにF15が援護と警戒をして、北朝鮮の上空で向こうの戦闘機と撃ち合いになる場合もあり得るという話をされています。

 今度のアセット防護と領域横断的な航空、特に弾道ミサイルに対する対応でこういうふうに日本が支援するというのがありますから、それはこの日本の支援とアセット防護になりますね、F15が一緒に飛んでいくというのは。違いますか。これはやはり安倍さんを呼んでこないとだめですか。

中谷国務大臣 今回の新ガイドラインに記述される協力につきましては、偵察、ISR、米軍による打撃力の使用を伴う作戦、宇宙、サイバー空間における脅威への対処、特殊部隊による協力が含まれているということでございます。

横路委員 では、時間ですから、最後に、安倍総理を呼んでください。これは総理に聞かないとわかりません。それから、実際は今回のガイドラインの記述の中でできるようになっています。それから、日本自身も敵基地攻撃力を持つというようにいろいろとやってきているじゃないですか、F2含めて。

 ぜひ、委員長、それをよろしくお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

浜田委員長 次に、緒方林太郎君。

緒方委員 民主党、緒方林太郎でございます。

 今、横路委員の方からありました件、最後、確認事項でありますが、理事会の方で御協議いただければと思います。

浜田委員長 理事会で協議いたします。

緒方委員 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。

 まず一番最初に、今回の安保法制で何度も出てくるのが、砂川判決という言葉、軌を一にしているということでありまして、そういう表現で、根拠を支える根拠みたいな、そういう言い方をしていたと思います。

 砂川判決をあれだけ出して、最高裁判決で出ているから、最高裁判決で出ているからと、だからその考え方と軌を一にということでありますが、その最高裁判決の重要性について、中谷大臣、御答弁いただければと思います。

中谷国務大臣 砂川判決につきましては、戦後唯一最高裁が下した事件の判決でありまして、ここにおきましては「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のことといわなければならない。」というふうに述べているわけでございます。

 これが、同じように、昭和四十七年の政府見解で示した憲法解釈の基本的な論理と全く変わっていないということで、この論理というのは砂川事件に関する最高裁の判決の考え方と軌を一にするものでございまして、それによって、新三要件で認められる限定的な集団的自衛権の行使は我が国の自衛の措置に限られるものであって、砂川事件の判決内のものであり、その意味で、砂川判決は限定容認する集団的自衛権の行使が合憲であるとの根拠たり得るものだと考えております。

緒方委員 最高裁判決にも裏打ちをされたということで、その最高裁判決を非常に重んじる答弁であったと思います。

 若干議論が脇にそれますけれども、現在、参議院での定数の是正の話が上がってきております。これは、最高裁判決におきまして都道府県単位とする定数を設定する現行制度をできるだけ速やかに見直すべきというような議論でありまして、それに対してさまざまな案が議論されている。合区した上で定数をできるだけ是正しようというようなことも上がってきております。

 この案に対して石破大臣、さらには中谷大臣は異議を唱えているわけでありますが、最高裁で非常に厳しい判決が出ている中、それを是正しようという取り組みに対して異議を唱えること、ちょっと違和感を覚えるわけでありますが、いかがでございますでしょうか。石破大臣。

石破国務大臣 御通告もございませんし、当委員会でそういうようなことについてお答えすることはいかがなものかというふうに考えております。

 最高裁が求めていることというのは、限りなく一票の平等ということを求めねばならないということであります。それは当然のことだと私は考えております。しかし、そこに至るまでのやり方というものについて、どうやって広く理解を得るかというようなことについてはいろいろな議論がございます。

 いずれにいたしましても、当委員会の所管されること以外かと思っておりますので、これ以上のお答えは差し控えます。

緒方委員 それでは、質問したいと思います。今回の……(発言する者あり)やるべきであればやりますよ。

 今回の委員会の中で、岡田代表の方から、イラク戦争時のさまざまな活動について情報開示を要求いたしております。航空自衛隊の安全確保活動。人道支援活動につきましては、第一輸送航空隊の教訓文書、これは全体で百九十ページあるようですが、情報公開請求をしても出てこない。さらには、カタールに置かれていた多国籍軍航空作戦指揮所に空自が派遣していた空輸計画部の成果報告書というものについても提出いただきたい。

 この三つについて審議に資するように提出をいただきたいというふうにこれまで求めてきたわけでありますが、これは出していただけますね、中谷大臣。

中谷国務大臣 これまでの自衛隊の活動につきましては適切に情報を公開して、しっかりとした議論を行うことが重要と考えております。

 御指摘の文書の公表につきましては、既に情報公開法に基づいて検討を始めておりまして、速やかに結論を得たいと考えております。

緒方委員 航空自衛隊が行ったさまざまな活動に対する文書、これは岡田代表の方からもさまざま要求しているわけでありまして、今、検討を始めているということでありましたが、この委員会での審議を進める上において非常に重要な文書であるというふうに思います。

 これにつきましては、では、委員長にお願いをいたしたいと思います。速やかに、しかも、出した後にきちっと審議時間がとれるような形で提出いただくことを要望したいと思います。

浜田委員長 理事会で協議いたします。

緒方委員 それでは、質問をかえていきたいと思います。

 これまで、邦人輸送中の米輸送艦の防護ということで、きょうも、何度も何度も配られている総理が使われたこの資料と存立危機事態の要件との関係について質問していきたいと思います。

 まず、中谷大臣にお伺いをいたしたいと思います。

 この図の中で我が国と密接な関係にある他国、存立危機事態の第一要件にある我が国と密接な関係にある他国というのはこの図の中のどれですか。

中谷国務大臣 まさに密接な関係にある他国ということで、その事例におきますと、米国が邦人を救出しているということで、米国に対する武力攻撃が発生したという前提の事例ではないかと思います。

緒方委員 この図を見る限り、有事と書いてあるのは、大臣、このパネルの図を見ていただければと思います。攻撃国から被攻撃国に有事が起こりということで、図ではこれとは全然違うところに米国政府と書かれているわけですが、もう一度聞きます。この図における我が国と密接な関係にある他国、攻撃を受ける我が国と密接な関係にある他国というのはこの図でいうとどれですか、大臣。

中谷国務大臣 その図のもとの根拠になりますのは昨年の事例の八でございますが、その解説に書いていることは、我が国近隣で武力攻撃が発生し、米艦は公海上で武力攻撃を受けている、我が国への武力攻撃がなされたとは認定されないものの、攻撃国の言動から我が国にも武力攻撃が行われかねない状況であるということで、まず我が国近隣で武力攻撃が発生した、そして米艦は公海上で武力攻撃を受けているということでございます。

緒方委員 済みません。我が国と密接な関係にある他国ということでありまして、有事が起こっているのは近隣というふうに言われました。近隣であります。この図を見る限り、きっと近隣だろうなと思うわけでありますけれども、もう一度、大臣、お伺いをいたします。

 この存立危機事態、今、第八事例での説明をされましたけれども、この図の中で武力攻撃を受ける我が国と密接な関係にある他国、これは基本中の基本であります、この図の中のどれとどれとかいうことを指していただければというふうに思います、中谷大臣。

中谷国務大臣 密接な関係にある他国の定義といたしましては、外部からの武力攻撃に対して共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国でありまして、これの解説も米艦は公海上で武力攻撃を受けているということでありますので、私の認識といたしましては、米国であると認識しております。

緒方委員 これのケースにおいては、これを見る限り、攻撃国があって被攻撃国があるんですが、この被攻撃国というのはアメリカですか。大臣、もう一度お伺いいたします。

中谷国務大臣 私の認識といたしましては、米国であると認識しております。

 それは別に描いていないわけでありますが、事例におきましては米艦が公海上で武力攻撃を受けているということでありますので、米国への武力攻撃があるという前提の話だと思います。

緒方委員 地理的に見ても、この図でいうところの被攻撃国というのは、これは物理的にも米国だということですか。大臣、ここは非常に重要なところというか基礎中の基礎でありまして、安倍総理がパネルで掲げたもので、攻撃国があって被攻撃国があって、そこで有事が生じているということなんですけれども、この被攻撃国は米国だということでよろしいですね、大臣。

中谷国務大臣 この図では矢印が同じところに出ていまして、私の認識といたしましては、米国がやられたということでございます。

緒方委員 済みません。米国というのは、この図を見ると、攻撃国があって被攻撃国があって、米国はこっち側にあって、こっちから要請という感じに描いてあるんですが。この被攻撃国というのは、先ほど日本近隣だというふうに言われました、日本近隣で武力紛争が起きているということを言われていて、けれどもそれが米国だということ、大臣、それを論理的にきちっと説明してください。多分わかりにくいと思いますので。

 大臣、これは総理が掲げたパネルですよ。被攻撃国というのが米国だというときの、わかりやすい説明をお願いいたしたいと思います、中谷大臣。

中谷国務大臣 この図の事例の説明で、米艦が公海上で武力攻撃を受けているということでありまして、この事例も邦人輸送中の米輸送艦の防護と書いておりますので、当然この攻撃というのは米国に向けられた攻撃で、米国に対する武力攻撃であると私は認識しております。

緒方委員 済みません。私、これはすっと答えが返ってくるものだと思っていて、この後に質問をたくさん用意しているんですけれども。

 では、被攻撃国というのは米国だと言われました。もう一度聞きますよ。これは米国本土ですか、大臣。

中谷国務大臣 何も描かれておりませんが、私は米国本土ではないと認識しております。

緒方委員 それでは、米国本土でない米国に対する攻撃というもの。これはそんなに難しくないと思いますので。米国本土が襲われているわけじゃないけれども、米国が武力攻撃を受けている、これはどういうことですか、中谷大臣。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

中谷国務大臣 このタイトルが邦人輸送中の米輸送艦の防護ということで、この攻撃が米艦に向けられていますよね。ですから、米艦に対する攻撃であるということでございます。

緒方委員 これは、まず最初に陸で攻撃があって、そこで武力紛争が起こり、その結果としてこういうことが起きてくるということが描かれているんじゃないかと思うんですけれども、その認識は間違っていますか、大臣。

中谷国務大臣 これにつきましては、どういう目的でつくられたかといいますと、我が国周辺の事例といたしまして、こういうケースにおいて、個別的自衛権だけではこれは対処できないというケースを挙げております。

 すなわち、やはり限定的な集団的自衛権を認めないとこういう事態には対応できないというケースでやられておりますので、当然、ここに米国が描かれておりますので、これは米国に対する武力攻撃が発生したというケースでございます。

緒方委員 米艦輸送が生じるということは、どこかで、これは陸で有事が起こったことを想定して描かれていますが、攻撃国から被攻撃国に攻撃が行われ、そこで武力紛争が生じて、その結果として在留邦人、米国人輸送が生じるというふうに、時間的なギャップが少しあると思うんですね。

 私が聞きたいのは、何が聞きたいかというと、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の着手行為は、ではこの図の中でいうとどれですかというふうに聞きたいわけであります、大臣。

中谷国務大臣 まず、我が国近隣で武力攻撃が発生し、米艦艇は公海上で武力攻撃を受けている。やはり集団的自衛権に基づいて対処するということでございますので、大前提はこの場合は米国に対する武力攻撃が発生したというケースだと思います。

緒方委員 私が今聞いたのは質問が少し先に行っておりまして、この図で見る限り、どこかの陸で攻撃国から被攻撃国に対する武力攻撃が生じて、それが我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃であり、その結果として在留邦人、米国人輸送というものがオペレーションとして生じて、そこで攻撃が生じるということで、最初の武力攻撃の着手というのは米艦に対する攻撃よりも時系列的に見ると少し前なのではないかというふうに聞いているわけです。

 もう一度聞きます。この図におけるところの我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃というのは、矢印でいうとどれを指していますか、大臣。

中谷国務大臣 これは、図の左上の太い矢印でございます。先ほども御説明いたしましたが、個別的自衛権ではこういう事態に対処できないという事例でありまして、集団的自衛権、三要件が認められる場合は、総理も説明していますが、そういうことは実施できるということで、まさに我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、発生しでございます。

緒方委員 今、答弁がありました。米艦輸送のこの資料におけるところの、陸で行われている攻撃国から被攻撃国への攻撃が我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃だ、それでよろしいですね。

 要件というのは、これによりと書いてあります。これにより根底から覆されるという表現がそこにありますが、その「これ」というのは上の、攻撃国から被攻撃国に対する、太線で描いてある矢印の攻撃だということでよろしいですね、大臣。

中谷国務大臣 正確には、これは文書で出しておりますので、これを全てお読みください。

 我が国近隣で武力攻撃が発生し、米艦は公海上で武力攻撃を受けているということで、我が国への武力攻撃がなされたとは認定されないものの、攻撃国の言動から我が国にも武力攻撃が行われかねない、こういう状況で、取り残されている多数の在留邦人を我が国に輸送することが急務であるということでありまして、これまでの整理では、米艦に対する武力攻撃を察知したとしてもその防護を行うことは武力行使に当たり得るということで、できない事例を挙げているわけでございます。

緒方委員 だから、もう一度答えてください。この事例において、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃とその着手行為が行われている、その着手行為が行われた攻撃というのはどれを指していますかと。明確に示していただければと思います、中谷大臣。

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 中谷防衛大臣。

中谷国務大臣 この図の解説のとおりでありまして、我が国近隣で武力攻撃が発生し、米艦は公海上で武力攻撃を受けているということでございますので、この米艦に対する武力攻撃があったということでございます。

 先ほど、被攻撃国への攻撃とありましたが、この解説のとおり、我が国近隣で武力攻撃が発生したということでございます。

緒方委員 ということは、総理が掲げられた図で、攻撃国から被攻撃国への有事が起こったというこの矢印は別に必要ないということですかね。

 つまり、攻撃国からの船に対する攻撃が最初の着手行為だというのであれば、上の、攻撃国から被攻撃国への武力攻撃が行われたという、その有事の部分というのはそもそもこの図を説明するのに必要ないというふうに考えられますか、大臣。

中谷国務大臣 これは、武力攻撃が発生した状況を説明するわけでありまして、そういうことがないと邦人は日本に避難しないわけでありますので、そういう状況を説明したということでございます。

 それからもう一点は、存立危機事態というのは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これが第一要件の大前提ということでございます。

緒方委員 ということは、今の説明だと、攻撃国から被攻撃国への有事というのはあくまでも前提であって、存立危機事態を説明するときの、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の武力攻撃というのはあくまでもこちらの米艦に対する攻撃であって、上のところの部分というのは存立危機事態を説明する第一要件の武力攻撃ではないということでよろしいですね、大臣。

中谷国務大臣 この事例におきましては、米国に対する攻撃というのは、米艦の戦艦、これに向けられた攻撃ということでございます。

緒方委員 大臣、それは私も今言葉で言ったとおりです。

 図でいうところの攻撃国から被攻撃国に攻撃が行われた、その有事というのは第一要件におけるところの我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃ではないということでいいんですね、大臣。今の説明を聞く限りそうでありますけれども、それでよろしいですね、大臣。

中谷国務大臣 我が国近隣で武力攻撃が発生したというケースでございます。

緒方委員 大臣、事例だけれども、これは国民に説明したときに使った大事な資料ですよ。

 つまり、存立危機事態が起こるというのに、こういう事例だからといって説明しているけれども、最初の我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃というのはどれですかと聞いたら、米艦に対する攻撃だというふうに大臣は言われた。それはわかりました。では、そうでしょう。多分そうじゃないとは思いますけれども。

 では、そうすると、それよりも時系列的に前のところにあるはずですよ、攻撃国から被攻撃国に対する攻撃、有事というのは。それは全然、あくまでも前提にすぎなくて、存立危機事態を説明するときの我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃は、一番最初の攻撃国から被攻撃国に対する武力攻撃ではないということで、大臣、よろしいですね。これは、はいかいいえでお答えください。

中谷国務大臣 そういうことでございます。

緒方委員 しかしながら、先日、岡田代表の質問に対する答弁で安倍総理は、必ずしも米艦に対する実際の武力攻撃がなくとも、明白な危険のみでこれをやり得る、存立危機事態を発動し得るということでありました。そうすると、何が着手行為で、根底から覆されるというのは何で、そこに生じている明白な危険というのは何なのかということ、これがよくわからないんですね。

 安倍総理は、米艦が襲われることについては、実際の着手行為がなくとも、明白な危険があれば我が国は攻撃国に対して武力攻撃を集団的自衛権の行使としてやり得る、そう答弁しているんです。それとの関係でいうと、今大臣は、攻撃国から米艦船に対する着手行為がなければ、攻撃がなければ存立危機事態が発動できないというふうに言われた。しかし、実は、存立危機事態におけるところの我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃というのは、明白な危険だけでもこれを発動し得るということになるわけですよ。

 おかしいじゃないですか、大臣。答弁ください。

中谷国務大臣 何度も言っていますが、大前提といたしましては、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した、ここからスタートするわけでございます。

 安倍総理が言われたのは一つのケースでありまして、発生した以降、明白な危険というケースでございます。

緒方委員 それだと、さっきの答弁と矛盾するわけですね。

 着手行為がどれですかと聞いたときには、攻撃国から米艦船に対する攻撃、これをもって存立危機事態の着手行為だと大臣は言われたわけですよ。しかし、安倍総理は、攻撃国から米艦船に対する攻撃というのを明白な危険で、着手行為がなくとも存立危機事態の発動がし得るというふうに言われたわけであります。そうすると、どんどん存立危機事態の発動要件が、我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃といいながら、実は、攻撃が実際に生じていない、明白な危険、切迫事態もしくは予測事態ぐらいのときでも発動し得るというふうに判断できるじゃないですか。大臣、おかしいでしょう。もう一度答弁ください。

中谷国務大臣 着手の前にできると言った覚えはありません。

 まずは、米国、米艦艇に対する……(発言する者あり)が発生した以降、総理が言われたのもそれ以降、明白な危険があると言われましたが、それは一つのケースでありまして、全てのことは武力攻撃が発生したというのが大前提でございます。それ以降の話でございます。

緒方委員 武力攻撃が発生した後と言いましたが、さっき大臣は言われたじゃないですか。私が何度もしつこく聞いたんです。この事例における武力攻撃の着手のところはどこですかと聞いたら、そのキックオフのところは攻撃国から米艦の艦船に対する攻撃、これが最初の我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃、これが存立危機事態のスタートのところに当たるということを言われたわけでして、それと安倍総理の言われた、明白な危険があれば攻撃国に対する集団的自衛権を発動し得るというのは非常に大きな乖離があると思うんですね。非常に大きな乖離がありますよ。

 存立危機事態の発動要件として、まず着手行為が何かと聞いたときには米艦に対する攻撃だと言った。けれども、安倍総理は全然違うことを言っているわけです。まさにこのケースですよ。このケースで聞いているわけですよ。このケースがそれでうまくいかないから、聞いているんです。

 大臣、もう一度、何が着手行為で、そして、どういうことが米艦の艦船に起こったら日本は自衛権を行使し得るのか、集団的自衛権の行使をし得るのかということについて明確な答弁を求めたいと思います。

中谷国務大臣 大前提が、米国に対する武力攻撃が発生した、それ以降なんですね。ですから、たまたまこのケースでは米艦に攻撃が向かっていますが、この前に米国に対する武力攻撃が発生している場合もありますし、この図がどういうケースか、それは近隣で武力攻撃が発生したということですが、存立危機事態の定義のとおり、武力攻撃が発生しというのが大前提でございまして、総理が言われたもの、またこの図というのはそのケースの一つであって、大前提は発生した以降の話でございます。

緒方委員 七月十日の特別委員会の記録で、こういうふうに安倍総理は答弁しています。例えば日本を警戒する米艦艇、あるいは日本に邦人を初めそういう人を運んでこようという船に対する武力攻撃があるということが明白な段階においては、これはまさに我々は事態を認定するということになるということになりますと書いてあります。

 着手行為がなくても、総理大臣は、集団的自衛権を発動するための存立危機事態を認定すると言っているんです。大臣、全然、先ほどから言っていることとかみ合っていないですよ。何が着手行為であって、そして着手行為は明白な危険があるだけで認定し得るのか、それとも実際に危害が生じるときまで待つのか。そういったことについて整理がついていないですね、大臣。もう一度答弁いただければと思います。

中谷国務大臣 私の整理は、着手とか明白な危険というのは我が国に対するものでありまして、それはできません。総理が言われた事例というのは、あくまでも存立でありまして、我が国と密接な国に武力攻撃が発生した、着手があった、それ以降のケースの話をされたということでございます。

緒方委員 大臣、さっき武力攻撃が生じたと言いましたけれども、先ほどの大臣の答弁は、存立危機事態の事態が始まるそのスタートが何かと聞いたら、攻撃国から米艦船への攻撃だ、その着手行為があったときだというふうに言ったわけですよ。

 だから、もともと武力攻撃が行われているかどうかというのは前提なわけであって、そうすると、その攻撃がない限りは存立危機事態が認定できないにもかかわらず、総理大臣は、明白な危険があるだけで、相手に集団的自衛権を行使しに行くと言っているんです。大臣、かみ合っていないですよ。この事例、先ほどからずっと聞いてきましたけれども、全くかみ合っていないですね。

 先日、私に中谷大臣が答弁したときに、まず存立危機事態を認定する際に相手の意思がどうかとか、そういうことが起こる蓋然性が必要かというふうに聞いたところ、これまでの答弁で、我が国に武力攻撃が実際に生じる蓋然性がなくても、そして相手に我が国を武力攻撃する意思がなくとも、それでも存立危機事態は認定し得るというふうに大臣は言われましたけれども、大臣、それでいいですね。

中谷国務大臣 これは仮定の話で、断片的に申し上げることは困難でありますが、その上で、我が国の近隣で武力紛争が発生した場合において、例えば攻撃国が敷設した機雷が公海に浮流して、我が国の船舶の航行の安全に影響を与える場合が考えられます。

 このような事例があったとして、我が国に対する攻撃の意図、攻撃の意思が全くないということが現実的かどうかという点はありますが、いずれにせよ攻撃国の意思として我が国に対する武力攻撃の意思の有無も考慮されますが、攻撃国の我が国を攻撃する意図が認定できなかったとしても、それぞれ攻撃国の意思、能力、その他の要素を総合的に考慮いたしまして、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることとなる犠牲の深刻性、重大性があると判断すれば存立危機事態に認定をし得るということでございます。

緒方委員 この件について、最後に一つだけ。最後、石破大臣に質問いたしますので。

 今の事例を、この間、安倍総理がカフェスタで言われた事例に当てはめて言うと、安倍は不愉快だから、けしからぬやつだからぶん殴ってやるというその意図が不良の側にまずない、不良の側にその意図がない。目の前から不良が歩いてきた、そして、まだ不良がアソウ君に殴りかかっているわけでないにもかかわらず、不良に殴りかかる、そこまでいっちゃうわけですよ。そこまでいくわけですよ。

 相手の意図がないというのと明白な危険だけで行くということになると、完全に、最初の意図がなくて、しかも実際に相手が殴りかかってこないときでもこっちから殴っていいと、むちゃくちゃなわけですよ、大臣。本当にこの件、さらにしっかりと質問していきたいと思います。

 最後に、石破大臣、一つだけ。質問のトーンが全く違いますけれども、最後に一つ、与党の方からも御評価いただけるいい質問をしたいと思います。

 先般、世界遺産の登録の関係で細野委員が質問いたしましたフォースト・レーバーという言葉とフォースト・ツー・ワーク。ちょっとうんちくを垂れるようですけれども、私、フランス語が専門でありまして、フランス語に直してみるとこの二つは全く同じ言葉を使います。トラバイユ・フォルセという言葉とフォルセ・ドゥ・トラバイエ、全く同じです。ユネスコのあるのはパリです。そして恐らくフランス人からすると何のことを言っているかわからない、これが多分実態だろうと思います。

 これは指摘にとめさせていただいて、最後に一つだけ。

 この事例で、実は私、福岡県北九州市が選出でありまして、官営八幡製鉄所がございます。今回の佐藤大使のステートメントの中で、犠牲者を追憶するための情報センターの設立等も検討するというか、そのことについてコミットしたかのような発言がありました。今、私の地元で非常に盛り上がっています、うちの地元につくるんじゃないかと。

 このインフォメーションセンターというのは何を意味していて、そしてこれが、例えば私の地元なり、長崎の三菱重工業のところなのかもしれませんけれども、いろいろなところでそういうセンターをつくって、箱物をつくって、そういうことがあるんじゃないかという実は危惧がございます。

 このインフォメーションセンターの設立については石破大臣が御担当だというふうにお伺いをいたしました。これは、何を、どこに、どういうものをつくろうとしているのか、大臣の御答弁をいただければと思います。

石破国務大臣 お答え申し上げます。

 このインフォメーションセンターというものがどういうものになるか、これは歴史を記憶にとどめるために適切な措置をしなければならないと思っています。

 このようなインフォメーションセンターを含めまして、いかなる措置を講じていくかということについて、今、いつまでに、どこに、どのようなものをということを断言する段階にございません。

 これは、ここが大事なところですが、今後、政府の判断のもとで、イコモスの専門家、世界遺産センター等の助言、参画を得まして、具体的な内容を、地方公共団体、あるいはそれが民間の所有であることもございます、そこといろいろな連携を図りながら検討していきたいということでございます。

 ここにおいて、くどいようですが、政府の判断のもとでということでございまして、今委員がフランス語のいろいろな見識を御披瀝になりましたが、そういうこともよく認識をしながら、政府として、我が国の今までの立場というものがきちんと国際社会に理解されるように、今までの政府の立場というものを踏まえながらやっていくということは当然のことだと考えております。

緒方委員 質問を終わります。ありがとうございました。

浜田委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 後藤祐一でございます。

 今の緒方委員の続きを詰めたいと思います。

 邦人を輸送している米艦に対する攻撃の件は、存立危機武力攻撃は一体どれなのかということなんだと思います。

 武力攻撃事態法三条四項に、密接な関係にある他国に対する武力攻撃であって、存立が脅かされる明白な危険のあるもの、これを存立危機武力攻撃と定義しています。先ほどの米艦による邦人輸送の中で、攻撃国から被攻撃国、これは恐らく在韓米軍のことだと思いますが、に対する攻撃のことを言っているのか、攻撃国から米艦に対する攻撃のことを言っているのかということについて、先ほど中谷大臣は、米艦に対する攻撃が存立危機武力攻撃であるという答弁がありました。その場合には、米艦に対する存立危機武力攻撃は、着手がなければいけないはずであります。なので、大臣は、着手がなければいけないという趣旨の答弁をされました。

 しかるに、総理大臣はそうではないんですね。安倍総理は七月十日の本委員会において、「例えば日本を警戒する米艦艇、あるいは日本に邦人を初めそういう人々を運んでこようという船に対する武力攻撃があるということが明白な段階においては、これはまさに我々は事態を認定するということになるわけであります。」このように答弁しておるわけでございます。

 この総理の答弁と先ほどの中谷大臣の答弁は明らかに矛盾しておりますが、これを整理して説明していただけますでしょうか。どちらが存立危機武力攻撃なんでしょうか。

中谷国務大臣 総理が言われたのは一つのケースでございます。

 あくまでも、存立危機におきましては、我が国と密接な関係に対する武力攻撃が発生をする、そこからスタートで、その後でありまして、総理はその後のケースとして我が国に対するミサイル攻撃の明白な危険と言われたわけでありまして、全ては、我が国と密接な関係の国に対する武力攻撃が発生したその後の話でございます。

後藤(祐)委員 つまり、大臣は、総理が説明したケースと先ほど大臣が説明したケースは、別のケースであるということなんでしょうか。

 すなわち、総理が言ったのは、攻撃国から被攻撃国に対する攻撃が存立危機武力攻撃であって、その着手がありさえすれば、攻撃国から輸送艦、米艦に対する攻撃は着手がなくても明白な危険で、日本は存立危機として反撃できるというケース、それは総理が言ったケースです、それと、先ほど中谷大臣は存立危機武力攻撃は米艦に対する攻撃であると、こちらの被攻撃国に対する攻撃は切り離されました。

 それはまた別のケースであって、攻撃国から米艦に対する攻撃を存立危機武力攻撃とみなす場合はこちらに着手がなければいけないということで、総理が七月十日に説明したケースと先ほど中谷大臣が説明したケースは、別のケースのことをおっしゃっているということなんでしょうか。

中谷国務大臣 全く矛盾はしておりません。

 総理は、我が国の近隣において、我が国と密接な関係にある他国、例えば米国に対する武力攻撃が発生した、これを大前提で言われております。

 だから、その武力攻撃が発生したというのが大前提で、総理は、我が国の近隣において、我が国と密接な関係にある他国、例えば米国に対する武力攻撃が発生した。その時点ではまだ我が国に対する武力攻撃が発生したとは認定されないものの、攻撃国は我が国をも射程に捉える相当数の弾道ミサイルを保有しており、その言動などから我が国に対する武力攻撃の発生が差し迫っている状況にある。他国の弾道ミサイル攻撃から我が国を守りこれに反撃する能力を持つ同盟国である米国の艦艇への武力攻撃を未然にとめずに、我が国に対する武力攻撃の発生を待って対処するのでは、弾道ミサイルによる第一撃によって取り返しのつかない甚大な被害をこうむることが明らかな危険があるということで、このような状況は存立危機事態に該当し得るものですと。

 ですから、私が言ったものと全く矛盾していなくて、こういったケースは、総理も言われたように、例えば米国に対する武力攻撃が発生した、その後のケースで言われたということでございます。

後藤(祐)委員 総理が言ったケースと中谷大臣が先ほど説明したケースは、別のケースなんですか、それとも一つのケースなんですか。存立危機武力攻撃はどっちのことなんですか。説明してください。

中谷国務大臣 まさに存立を構成するのは三要件でありまして、この事例は、申し上げます、米国への武力攻撃の発生、そして我が国に対する武力攻撃の切迫、米艦が攻撃を受ける明白な危険、この三つが相まって総合的な判断として存立危機に該当するものです。

 該当するのはこのケースだけじゃないんですよ。政府が具体的にこういうケースと言ったのはあくまでも一つのケースでありまして、基本的には三つの条件を満たす場合でありますが、総理はよりわかりやすい事例として挙げたものでございます。

 いずれにしましても、我が国と密接な関係に対する武力攻撃が発生した後の我が国の存立にかかわる事態、そういうことで認定をするということでございます。

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 中谷防衛大臣。

中谷国務大臣 今、総理の発言を確認いたしました。

 そこで総理が言っていることは、まず、米国への攻撃が発生している、これを言っています。そして同時に、我が国への攻撃が切迫をしているという状況もあると。これは、切迫事態であるか予測事態であるかまだ今ここで明言することはできません。諸々の状況によればこれは予測事態であり、またいろいろな状況が加わってくれば切迫事態なんだろう、こう思います。

 そういう状況がある中において、邦人輸送中の船、あるいはミサイルの警戒に当たっている米艦艇、これは両方、どちらでもいいんですが、邦人輸送中の船でありますが、その米艦攻撃をされる明白な危険という段階におきましてまさに根底から覆される明白な危険が存在する、つまり存立危機事態が認定されることが可能であるということですから、まずは米国への武力攻撃が発生した、その後の認定の話で、それはまさに米艦に対する攻撃が切迫しているとか明白な危険があるとか、その後の出来事でございまして、総理はこのことで、総合的な判断として存立事態に該当し得るということをわかりやすく説明するための一例として申し上げたとおりでございます。

 何度も御説明しておりますけれども、存立事態に当たるかどうかということにつきましては、それぞれの要素を総合的に判断するということで、大前提としては、米国に対する武力攻撃が発生したということの後の話でございます。

後藤(祐)委員 では、総理の例で説明しましょう。

 攻撃国から被攻撃国たる米国に対する攻撃がありました、しかし、攻撃国の米艦に対する攻撃はまだ着手に至っていない、明白な危険しかない、これは総理の言った事例ですね、その状態で、存立危機武力攻撃は、明らかにこの被攻撃国に対する攻撃になりますね。

 では、それに対して、武力攻撃事態法三条四項に基づく存立危機武力攻撃に対して反撃できるというのは一体どういうことなんでしょう。つまり、三条四項は、存立危機武力攻撃を排除しつつ、その速やかな終結を図るとあるんですね。船じゃないですよ。今、存立危機武力攻撃は攻撃国から被攻撃国への攻撃ですから、この排除を日本が図ることはできるということですか。

中谷国務大臣 存立危機事態というのは、存立危機が認定された場合における我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃であって、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福の追求の権利が根底から覆される明白な危険があるということをいいます。

 すなわち、存立危機事態において我が国が排除しなければならない他国に対する武力攻撃のことでありますので、どのような状況を我が国が存立危機事態として認定しているかによって異なるものであります。

 何が存立危機武力攻撃であるのかについては一概にお答えすることは困難ですが、仮に米艦艇に対する攻撃が存立危機武力攻撃であれば、存立危機事態を終結させるため、我が国はこれを排除するために必要な措置を実施することになります。

 他方、米艦艇に対する攻撃が存立危機武力攻撃でなければ米艦艇を防護することはできない、新三要件を満たしている以上、必要最小限度を超えることはできないというのは言うまでもないということでございまして、この三つの要件に対して、我が国の存立を脅かしている事態を存立危機武力攻撃と申しまして、それを排除するということでございます。

    〔委員長退席、御法川委員長代理着席〕

後藤(祐)委員 この場合についてお答えください。

 今、存立危機武力攻撃は、攻撃国から被攻撃国に対する攻撃です。これはよろしいですね。まだ攻撃国から米艦に対する攻撃は、明白な危険の段階で、着手がありません。今、中谷大臣がお答えになったように、米艦に対する着手がまだありませんから、日本はこの米艦に対する攻撃への反撃はできません。今答弁されました。

 ということは、存立危機武力攻撃を排除しつつ、その速やかな終結を図らなければならないという武力攻撃事態法三条四項に基づいて行う日本の集団的自衛権の行使は、この攻撃国から被攻撃国への攻撃に対する反撃をするということだけですよね。具体的に何ができるんですか。このケースについてお答えください。

中谷国務大臣 まず、物事のスタートは米国に対する攻撃です。その以降ですよね。それから物事が始まるわけでありまして、そういった存立危機をもたらしている武力攻撃に対して、それを排除する。(後藤(祐)委員「この事例についてお答えください」と呼ぶ)その事例というと、その攻撃が起こった後ですね。

 我が国の存立を脅かすかどうか、これを認定するわけです。(後藤(祐)委員「認定した後の話です」と呼ぶ)認定した後は、それをもたらしている原因の武力攻撃を排除するという内容でございます。

御法川委員長代理 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

御法川委員長代理 速記を起こしてください。

 中谷防衛大臣。

中谷国務大臣 もう一度答弁させていただきますが、まず、我が国と密接な関係にある米国に武力攻撃が発生をした、その後です。その後、米艦艇に対する攻撃が我が国の存立を脅かすということで、存立危機武力攻撃であれば、存立危機事態を終結させるために我が国はこれを排除するに必要な措置を実施することになりますが、他方、米艦艇に対する攻撃が存立危機武力攻撃でなければ、米艦艇を防護することはできません。

 つまり、新三要件を満たしている以上、必要最小限度を超えるものではないのは言うまでもありませんし、第二要件について言えば、我が国の存立を全うし、国民を守るために我が国として講じる適当な手段が武力行使のほかにあるか否かを判断するものであります。

 いずれにしましても、存立危機事態は、個別具体的な状況に即して政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断するものでありまして、その米艦艇への攻撃の着手の有無も含めて、米艦艇にどのような事態が発生すれば存立危機となるかについては、個別具体的な状況によるために、一概に申し上げられないということでございます。

 総理が申し上げましたのは、そういうケースがあるという一事例を申し上げたものでありまして、基本的には、米国に対する武力攻撃が発生した後、この存立危機に認定できるかどうか、そういうことを総合的に政府が判断して決めるということで、政府が申し上げたことはその中の事例の一つであるということでございます。

後藤(祐)委員 今まさに中谷大臣が言っているように、攻撃国から米艦に対する攻撃がまだ着手に至っていないときは、米艦を守るための日本からの反撃はできません、これはいいですね。(中谷国務大臣「はい」と呼ぶ)

 そういう状態の中で、攻撃国から被攻撃国に対しては、アメリカたる被攻撃国に対する攻撃は既に着手があります、その攻撃が存立危機武力攻撃に該当して新三要件を満たす場合に、日本ができる武力行使とは何ですか。武力攻撃事態法三条四項に基づく、存立危機武力攻撃を排除しつつ、その速やかな終結を図らなければならないというのは、まだ米艦に対する攻撃の着手がありませんから、何ができるんですかということを具体的に聞いているわけであります。何度聞いても同じ質問ですが、ちゃんと答えてください。

中谷国務大臣 それはいろいろなケースがありますが、存立危機を終結させるために、我が国がこれを排除するのに必要な措置を実施するということでありまして、存立危機をもたらしている武力攻撃を排除することでございます。

 これはどういう内容かと言われますと、いろいろなケースがございますので一概に言うことはできませんが、何度も申し上げますが、存立危機事態をもたらしている武力攻撃を排除する範囲でございます。

後藤(祐)委員 今明確に、米艦に対する攻撃の着手はないけれども、攻撃国から被攻撃国たる米国に対する攻撃の着手がある段階で、存立危機武力攻撃を排除しつつ、その速やかな終結を図らなければならないという形での集団的自衛権の行使ができるという答弁がありました。

 ただ、具体的には何ができるのかということはわからないというお話がありましたので、今のケース、すなわち、攻撃国から被攻撃国たる米国に対する攻撃は既に着手がありますが、攻撃国から米艦に対する攻撃はまだ着手がない段階で、日本が、武力攻撃事態法三条四項に基づく存立危機武力攻撃を排除しつつ、その速やかな終結を図らなければならないとしてできる集団的自衛権の行使とは具体的に何かということについて、委員長、紙でまとめて提出していただけるよう、理事会で御協議ください。

御法川委員長代理 理事会で協議いたします。

後藤(祐)委員 では、ようやく私の質問に入ります。

 イラク特措法の話について聞きたいと思いますが、サマワで行った給水活動というのがございました。これについて、ことしの四月二十一日の閣議後の中谷大臣の記者会見によれば、公明党の北側副代表が、イラク特措法でやったサマワでの復興支援については、今回PKO法を改正してもできない、同じような活動をする場合には特措法が必要だという発言がありましたけれども、大臣の見解も同じでよろしいでしょうかというふうに記者から聞かれて、大臣はこういうふうに答えております。

 派遣当初、イラク全土において停戦合意があったとは言えず、当時の国際平和協力法では、イラク国内で支援活動を実施することは困難であったと考えております、PKO参加五原則を満たすか否かの判断をするためには、イラク全土に評価をせざるを得ないためだったということですがというふうにお答えしています。同種の活動に当たっては、改正法に基づいて適切に対応することができるものと考えておりまして、特措法で対応することは考えていないということです、このように記者会見でお答えになられていますが、お聞きします。

 イラク特措法に基づいてサマワで行った給水活動について、その当時はPKO法ではできないということで特措法で行ったわけでございますが、今回の法案が成立した暁には、これはPKO法の改正案でもって行けることになるんでしょうか。

中谷国務大臣 おっしゃるように、イラクでの給水活動の人道復興支援活動について言えば、当時のイラクの状況においては、従来のPKO法に基づく自衛隊派遣の検討対象になる国連PKO活動そのものが存在せずに、派遣の前提を欠いていたということであります。

 今回、平和安全法制を整備するに当たりまして、国連の統括しない国際的な平和協力活動をこれまで以上に支障なく実施できるために、活動を行う区域の安全確保が必要な場合があると考えております。

 そのような場合に、他国軍隊に安全確保を依存するような形でなく、みずから安全確保の任務を行うことが適当と判断しておりまして、その安全確保業務を実施するために任務遂行型の武器使用が必要となるために、停戦合意を初め、参加五原則と同様の厳格な原則、また領域国の受け入れの同意の安定的維持といった要件を満たすことが必要でありまして、PKOと同じ枠組みにおいてこのような支援を行うと決めたわけでございます。

後藤(祐)委員 ということは、イラク特措法のときにはPKO五原則を満たしていませんでしたけれども、この法案においてはPKO五原則を満たすことになるということは、PKO五原則が変わったということですね。

中谷国務大臣 これは、PKOの五原則を満たす場合でないと実施しないということでございます。

後藤(祐)委員 停戦合意がなければいけないというPKO五原則そのものが変わったということですね。それでなければ、結論が変わるということにはならないと思いますが。

中谷国務大臣 この五原則を満たす場合でないと実施しない、またできないということでございます。

後藤(祐)委員 少なくとも停戦合意ということの解釈が変わったということですね。

中谷国務大臣 全く変わっておりません。

後藤(祐)委員 そうすると、当時は、まさに大臣はこう言っているわけですね。イラク全土に評価をせざるを得ないためだったということですがと言っているわけです。イラクのどこかで戦争が終わっていない状態がある場合には五原則を満たさないというのが当時の判断だったわけですが、今回の法案では、イラクのどこかで戦争が行われていてもこれはできるというふうに、停戦合意に関する解釈が変わったということでよろしいですね。

中谷国務大臣 変わっておりません。あくまでも、政府として、五原則を満たすかどうかということでこのような支援活動を行うということを検討するということでございます。

後藤(祐)委員 停戦合意の解釈が変わっていないというのはどういうことなんでしょうか。そうしたら、結論が変わるわけないじゃないですか。

 国内のどこかで戦争が行われていたら停戦合意が成立していないので出せないという解釈から、国内のほかのところでは、遠いところでは戦争があってもいいけれども、PKOをやろうとしているところの近くでは戦争はないから、だから出せるんだという、停戦合意の解釈が変わったということではないんですか。

中谷国務大臣 五原則を満たせば行うことができる、先ほど答弁したとおりでございます。

後藤(祐)委員 だから、停戦の解釈が変わったということですか。変わっていないんだとしたら、何で結論が変わるんですか。ちゃんとお答えください。

中谷国務大臣 結論は変わっておりません。当時のイラクの……(後藤(祐)委員「結論が変わっているんですよ」と呼ぶ)いや、政府においても、これはPKO活動もなかったわけでありますし、PKO活動の枠組みでは実施できない、そう判断をしていたわけでございます。

後藤(祐)委員 いや、全く同じ基準であれば、結論が真反対になっているわけですよ。だから、基準の何かが解釈が変わったから、イラク特措法のときにはPKOで出せなくて、今回は出せるようになるわけでしょう。どこが変わったんですか。

中谷国務大臣 まず、当時のイラクは、現行のPKO法に基づいて自衛隊の参加を検討するような活動がまず存在していなかった。今日の視点で改めてイラクの状況を再現して新たな基準に基づいて再評価を行うということは困難でありまして、またその再評価を行う実益もないわけでございます。

 当時、福田官房長官が、当時のイラクにおいて停戦の合意があると認めることは困難であり、当時のPKO法に基づいて自衛隊がイラク国内で活動することはできない旨答弁しておりますが、この認識につきましては今も変わっておりません。

 ただし、これは、当時のイラクには従来のPKO法に基づいて参加を検討するような活動が存在せずに、現地の情報も限られる中で、イラクの国内の紛争当事者の存否等の状況を、地域を分けて細密に評価することができなかった結果であると認識をしております。

後藤(祐)委員 実益がないというのはちょっとひどい答弁じゃありませんか。

 つまり、今回、新法ですとかあるいはPKO法の改正というのは、あのイラクで何があったか、あるいはアフガンでISAFというところに出せたのか出せないのか、今回の法案でどうなのか、こういったところについて、既に起きたこと、あるいはほかの国が何をやったのか、こういったことを分析して、この法案でできるのかできないのかということを当然、実益があるじゃないですか。

 何ら基準が変わっていないのに結論が真逆になるというのは、これは答弁になっていませんよ。何が変わったから今回の法案では、イラクの中のほかのところでは戦争は行われているけれども、PKO五原則を満たすんだというふうに読めるんですか。そこをちゃんと説明してください。

中谷国務大臣 福田長官が答弁したのは新法ですね。それで困難だと申し上げました。

 当時のイラクの状況を再現して新たな基準に基づいて再評価を行うことはなかなか難しいわけでございますが、今回、停戦合意を初め参加五原則と同様の厳格な原則、また領域国等の受け入れの同意の安定的維持といった要件を満たすことが必要であるということで、PKOと同じ枠組みのもとに置いたわけでありまして、紛争当事者の停戦合意の存在、武力紛争が終了して紛争当事者が存在しなくなった状況について、政府が客観的な情報に基づいて適切に判断の上決定することとなりますが、正式な停戦もしくは戦闘の終結を確認することになるということで、この法律に基づいて厳格に条件を検討してそれに参加するかどうかを検討するということでございます。

後藤(祐)委員 何度聞いても質問にお答えにならないので、基準が変わっていないのに結論が真逆になるということは説明になっておりません。基準がどのように変わってPKO五原則が満たされているのかについて、きちんと紙でこの委員会に提出していただけるよう理事会で御協議いただきたいと思います。

御法川委員長代理 理事会で協議いたします。

後藤(祐)委員 PKO法は余り議論になっておりませんので、少し続けたいと思います。

 次はアフガンの件でございますけれども、これは前のテレビ入りのときにも用意してあったものでございますが、アフガンのISAFに、ドイツは二〇〇三年、戦後初めてNATOの域外に軍を出しました。その中でドイツがどういった仕事をしていたかということをまとめたのがこちらでございます。

 これは、既に役所の皆様に協力いただいて、こういった活動をしているということでございます。人道復興支援、公的行政制度の構築支援、治安部隊の構築支援、あと治安維持業務、大まかに分けるとこういったものがあって、今回の法案で唯一できないのはこの中の治安維持業務の中のせん滅掃討作戦、これだけは参加ができない。ですが、それ以外のことは全てできるというふうに事務方から説明をいただいておりますが、間違いないでしょうか。

中谷国務大臣 はい、そのとおりでございます。

後藤(祐)委員 七月一日の参考人質疑で、世界各国のPKOの現場で大変重大な任務を担っておられた伊勢崎参考人によれば、「昔と違って、停戦合意が破られたからといって撤退することはできません。そんなんだったら、最初から来るなということです。」「住民に銃口が向けられているというふうに目撃したら、たとえその銃口が自衛隊員に向けられていなくても、自衛隊員はこれに対して応戦しなければなりません。」このように伊勢崎参考人はおっしゃっておられます。

 ここにありますように、例えばドイツがISAFの中の、アフガンの中のある県を仕切っている、この中ではPRT、県復興チームといったものを責任を持ってやっている、そのもとで例えば日本が、医療だとかライフラインだとかあるいは司法制度ですとか、こういったものをやるということについては、私は積極的な意義があると思います。

 ですが、この中の四番目、治安維持業務そのものをやるというのは、例えばアフガンのある県の県警察をやるということなんです。法律上、今回できるわけです、今のお答えですと。これをやっていながら、実際にタリバンみたいなものが出てきて、国に準ずる組織が出てきて組織的、計画的な武力を用いるというような状態になった場合には、日本は撤収しなければなりません、法律上。

 ある県の警察を日本が担っていたときに、本当に撤収して帰れるんですか、大臣。

中谷国務大臣 まず、改正後のPKO法に基づく派遣というのは、国連が統括しない活動であって、参加五原則と同様の厳格な原則を満たすことを要件としておりますが、ISAFが派遣された当時のアフガニスタンにおいて、参加五原則に該当する停戦合意は存在をしませんでした。

 そこで、アフガニスタンでのISAFには我が国は参加しておりませんが、一般論として申し上げれば、五原則を満たす条件でどのような業務が実施できるかということについては、おおむね御指摘のような業務は実施が可能ですが、治安維持業務そのものはできません。つまり、我が国が実施できるいわゆる安全確保業務というのは、防護を必要とする住民の生命、身体、財産に関する危害の防止、またその他の保安のための監視、駐留、巡回、検問、警護を行うものに限られて、お尋ねの治安維持業務そのものとは異なるということでございます。

 その上で、参加する前に、この五原則が満たされているかどうか、そして受け入れ同意が業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められることが前提となります。つまり、敵対する国または国準が登場しないということが確保されているかどうか。そして、この安全確保業務はミッションの要員の安全確保を含む業務でありまして、途中で離脱した場合には国連のPKO等の活動全体に支障を招きかねないために、そのようなことがないように、当該業務の実施を判断する際に、当該業務が行われる期間を通じて受け入れ同意が安定的に維持されることについて慎重に判断するということをいたしております。

 あくまでも参加五原則をしっかり満たすということがISAFの活動について大事なことでございますが、基本的に、当時のISAFというのは参加五原則を満たしていなかったわけでございますので、同列に考えることはできないということでございます。

後藤(祐)委員 最初、中谷大臣は、この表は正しいと言いました。4の治安維持業務はできる、せん滅掃討作戦以外の治安維持業務はできるという御答弁でした。ところが、今の答弁ではできないということであります。治安維持業務はできるんでしょうか、できないんでしょうか。

 もう少し言いますと、PKO法第三条第五号ト、防護を必要とする住民その他の生命、身体及び財産に対する危害の防止及び抑止その他特定の区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問及び警護ということがこの法案でできることになっておりますが、これは治安維持業務は含まないということなんですか。では、逆に言うと、何ができるんですか。治安維持業務でないこのト業務とは一体何ですか。

中谷国務大臣 ちょっとその表が見えなかったんですけれども。

 この治安維持業務そのものはできない。できる内容は、先ほど説明をした内容でございます。法案にも書いております。

 この安全確保業務というのは、派遣先国の受け入れの同意等が安定的に維持されることを前提、そして派遣先国の警察権の補完や代行として行うものでありまして、犯罪の捜査、犯人の逮捕といった派遣先国の警察権そのものを執行するような内容の業務は含まれていない、それには入らないということでございます。

後藤(祐)委員 実はこの答弁、大変大事な答弁なんですね。実は、事務方に私が説明いただいたときは、これはできるということをお答えされておりました。

 これはできないというのは、少なくとも、アフガンでのISAFでドイツがやったような治安維持業務、ある県なりある地域の警察業務みたいなことをやるということはこの法律ではできないというのは、今初めて明らかになった事実であります。これはト業務の解釈として大変重要でありますが、逆に言うと、ト業務を言葉だけで読むと、警察業務そのものが書いてあるわけです。

 治安維持業務はできないけれども、このト業務としてできることは一体何なのか。これはできるけれども、これはできないということについて、せん滅掃討作戦には参加できないということだけではなくて、治安維持業務というのはせん滅掃討作戦以外にもたくさんあるわけですよ。というよりは、せん滅掃討作戦というのは相当特殊な状況であって、特にドイツは、アフガンに行ったとき、比較的安全な北部に行ったわけです。その北部の安全なところの警察業務をやっていたわけです、治安維持業務を。これができないということは、せん滅掃討作戦以外にどういった業務ができないのかということについて、今のお答えだと出てこないようでございますので、これもきちっとわかりやすく紙で提出していただきますよう理事会で御協議いただきたいと思います。

御法川委員長代理 理事会で協議いたします。

後藤(祐)委員 それでも、このト業務みたいなことをやっていますと、実際にはタリバンみたいなものが出てくる可能性があります。

 きょう午前中も参考人の方で、イスラミックステートは国に準ずる組織だというようなお話もありました。

 実際、国に準ずる組織による戦闘行為が起きた場合には本当に撤収するんですか。

 というのは、PKO法六条十三項というのがありまして、これが撤収に関する規定なんですが、これは義務づけされていません。お配りの資料にもありますけれども、三ページ目ですね、ちょっと柱書きがないので読みますが、内閣総理大臣は、実施計画の変更をすることが必要であると認めるとき、または適当であると認めるときは、実施計画の変更の案につき閣議の決定を求めなければならないとあって、その三号と六号というところに、そこに書いてあるような武力紛争の発生を防止することが困難になった場合というのがあるんです。

 つまり、武力紛争の発生を防止することが困難となった場合も、実施計画の変更をすることが必要であると認めるときは閣議決定を求めなきゃなりませんが、撤収しなければならないという義務的なことはここに書いておりません。

 この法案で、武力紛争の発生を防止することが困難となった場合、撤収義務は法律上課せられているんでしょうか、課せられていないんでしょうか。

中谷国務大臣 先ほども御説明いたしましたように、業務の実施を判断する際に、業務が行われる期間を通じて受け入れ同意が安定的に維持されることについて慎重に判断をするということで、やはり五原則をしっかり満たしておくということが必要でございます。

 そこで、参加五原則が満たされなくなった場合におきましては、国際平和協力業務を中断の上、内閣として実施計画の変更を閣議決定いたしまして派遣を終了することになる。この派遣の終了については、現行法と何ら変更はございません。すなわち、改正PKO法第六条第十三項におきまして、停戦合意等が満たされなくなった場合に行うべき派遣の終了を含む実施計画の変更として規定をされております。つまり、停戦合意等が満たされなくなった場合の実施計画の変更は、総理大臣は当然に実施計画の変更を必要であると認め、派遣を終了することを義務づけられていることになるから、修正ということはしないということでございます。

    〔御法川委員長代理退席、委員長着席〕

後藤(祐)委員 どこに義務と書いてあるんですか。

中谷国務大臣 PKO法第六条、内閣総理大臣は、実施計画の変更、これは一号から八号までに挙げる場合に行うべき国際平和協力業務に従事する者の海外への派遣の終了及び九号から十一号までに挙げる場合に行うべき規定する業務の終了に係る変更を含む場合です、をすることが必要であると認めるときは、または適当であると認めるときは、実施計画の変更の案につき閣議の決定を求めなければならないということでございます。

後藤(祐)委員 その最後の、閣議の決定を求めなければならないは、手続として閣議決定しなきゃいけないという義務のことを言っているのであって、必要であると認めるときというのは、これは裁量的な書き方だというふうに事務方から説明をいただいています。この場合は、撤収義務が法律上かかっているということを、この条文でははっきり読み取れません。なぜこれが義務なのかどうか。これは、重要影響事態法六条五項、そして新法の七条五項も同じであります。

 こういった、まさに武力紛争に巻き込まれる可能性があるときは撤退しなきゃいけないんです。これが法的義務になっているかどうかについて、きちっとこれもわかる資料を提出していただきますよう委員長にお願いしたいと思います。

浜田委員長 理事会で検討させていただきます。

後藤(祐)委員 時間が来たので終わります。ありがとうございました。

浜田委員長 次に、水戸将史君。

水戸委員 維新の党の水戸将史でございます。お疲れさまです。

 今回、持ち時間も三十分でございますので、一点だけ、我が党と民主党さんがタイアップして提案させていただいた領域警備法につきましての質問を中心として、防衛大臣を中心として問いただしていきたいと思っています。

 まず冒頭なんですけれども、我が党また民主党両党が提案したこの領域警備法について率直な、防衛大臣、よくできたな、頑張ったなという前向きな評価のお言葉を賜りたいんですが、どう思いますか。率直な感想をよろしくお願いします。

中谷国務大臣 安全保障というのは党派を超えて与党も野党も真剣に考えなければならないわけでございまして、現状の状況についてどうあるべきか検討を重ねられまして国会に提案されたということにつきましては、敬意を表したいと思っております。

水戸委員 形式的な答弁よりも、安倍総理も好ましいスタイルだという形を何かのぶら下がりの記者会見でも言っておりましたけれども、率直に中身的にはどう評価されていますか。

中谷国務大臣 この点につきましては自民党でも長い年月をかけて検討してきたわけでございますが、昨年閣議決定をした後、法案を作成する前に改めて、警察作用、防衛作用というものにおいて自衛隊、警察、海保はどうあるべきなのか、こういうことを検討いたしまして、その結果、それぞれの手続を迅速に行い、各機関の能力を向上させ、そして連携してそれぞれの特色を生かした対応をするということによって対処し得るし、また、一番危惧されることにつきましては、相手に対して防衛作用というか、国防組織が出てくることによりましてエスカレート、また不測の事態を生じる、そのような危惧の念もありまして検討した結果、現在の対応になったということでございます。

水戸委員 そうなんですよ。今防衛大臣がおっしゃったように、自民党さんみずからも、野党時代からもずっとこの問題に関しましては見識を高めておりまして、まさに自民党さんがやりたいことを体現したような法案ではないかと我々は自負しているんです。

 昨年も、五月二十七日に総理が示された十五例の事案がありましたよね。真っ先に、第一から第三の事例は、まさにグレーゾーンに対して対処すべきという、この懸案事項をああいう形で述べられているんですね。その前にも、昨年の五月十五日に安保法制懇の報告書におきましても、このグレーゾーン対処に関しましては速やかなる法制化が必要だという必要性も指摘をしているんです。

 だから、安保法制というならば、そもそもこういうグレーゾーンに対する対処に関する法制化の方が優先順位は高いんじゃないか、私はそう思っているんです。先週もそういう話もありましたけれども、実際はこれに関しましては結局、ことしの五月十四日の閣議決定におきましても運用変更だけですよね。なぜこうした運用変更にとどめるんですか。率直な御意見を。

中谷国務大臣 これは、検討を重ねまして、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するということで海上警備行動、治安出動等の発令に係る手続の迅速化のための閣議決定を行い、そして警察、海保などの関係機関がおのおのの対応能力を向上、また相互の連携を強化するほか、訓練を充実させて各般の分野における取り組みを一層強化する。そういうことによって切れ目のない十分な対応を確保するための体制が整備できたということで、新たな法整備が必要であるということは考えていないということでございます。

水戸委員 余りよくわからない言い回しなんですが。そもそも、グレーゾーンに対する防衛大臣、総理もそうかもしれませんけれども、その認識が非常に甘いのではないか、私は残念ながらそう思っているんですね。

 そもそもこのグレーゾーンをどう認識されているかということが第一点と、続けて聞きますけれども、昨今はグレーゾーン事態の増加、長期化、深刻化というのがある。この安保法制の必要性につきましても、防衛大臣みずからも安全保障環境の根本的変容というような言葉を持ち出しておりますけれども、グレーゾーン事態の増加も長期化、深刻化もこの変容の一つとして捉えていらっしゃるんですか。明確に、簡潔にです。

中谷国務大臣 二十年前とか十年前とかに比べますと相当、自衛隊と海上保安庁、警察の共同連携とか訓練とか機能強化が図られるようになりました。そして、情報におきましても、官邸において事態対処を中心に情報が各組織に流れるようになってきておりますし、一番大事なのは意思決定でありますが、NSC、国家安全保障局をつくりまして速やかに政府として意思決定ができるようになったというようなことで、それぞれの組織の機能を組み合わせをいたしまして、それぞれの能力が発揮できるような体制ができたということも一つの要因でございます。

水戸委員 安全保障環境が変化をしている、これは認識されていますよね。ですから、やはり法制化が必要なんだと。まさにグレーゾーンも、先ほどいみじくも大臣がおっしゃったとおり、日本近隣を取り巻く、はっきり言えば中国や北朝鮮です、そういうところがいろいろな形で不穏な動きを醸し出してきているものですから、結局そういうような事態に対応するためには、やはりこのグレーゾーンという定義ももっともっとし直した方がいいという必要性を私は十分に認識しているんですね。

 だから、グレーゾーンといったって、薄いものもあるけれども濃いものもある。グレーゾーンでもいろいろな段階をつけて、それに対してどういう形で対応していけばいいのかということでやっていく必要があると思うんです。その必要性と、やはり今言った現在の手続だけの対応では、運用の変更だけではだめだと思っているんです。

 もう一度、グレーゾーンがこんなに変わっているからこそ段階的に、こういう濃い、非常に危険が切迫しているようなグレーゾーンが仮にある場合に、それに対してやはり法制的な整備で対応していった方がいいということはどうでしょうか。

中谷国務大臣 これも与党でも検討いたしましたが、やはり発令の手続の迅速化、それから内閣官房を含む関係省庁が事案の発生前におきまして連携を密にして、訓練等を通じた対処能力の向上を図るということも規定をいたしました。

 その中で、仮に自衛隊が平時から警察機関とともに警察権を行使した場合に、日本の側が事態をミリタリーのレベルにエスカレートさせたという口実を与えるおそれもあると考えておりまして、他国の警察組織や民間の船舶などに対してまず警察機関が対応して、それで無理があれば自衛隊が対応する。そして、大事なのは、速やかな移行が可能になることが大事でありまして、こういった検討の結果、運用の大幅な見直しをいたしたということでございます。

水戸委員 よく総理も、防衛大臣も今言われたとおり、いわゆる軍対軍の対応にエスカレートするんじゃないかということに対して、非常にそれを懸念しているんですね。取ってつけたような不安材料を持ち出して、これに対しては法制化すべきでないという否定的な見解を述べられているんです。

 そういう中で、では仮に運用を変更する。今回の閣議決定におきましても、御案内のとおり、電話閣議というものをするんですね。仮にグレーゾーン事態が生じた場合には電話閣議をして、内閣の承認を得た場合においては防衛大臣が海上警備行動を発令する、そういうような手続、段取りとなっているわけでありますけれども、電話閣議というもので果たして、グレーゾーンという危機的な、迅速に対応しなきゃいけない場合が生じたときに、本当に迅速かつ的確に対応できるのかということです。

 我々維新が言っているようにやはり一つのルールをしっかりと設ければ、わざわざ一々電話閣議をして閣僚全体に意思確認をする、その合意をとるということが非常に手間暇がかかるわけですよ。だから、そういうことを含めてやはり法制化した方がいいというのはもう歴然としているものだと思いますけれども、これに対してどうですか、電話閣議で本当に迅速にできるんですか。

中谷国務大臣 事柄が海上警備行動とか治安出動とか、これにつきましてはシビリアンコントロール上やはり閣議決定というものは必要でございます。また、国会の承認事項でも入っている事項もございますけれども、やはり手続だけはしっかりしなければならないということで、これを迅速に行うために電話等の連絡手段を考えたということでございます。

水戸委員 ちゃんと手続は踏む必要がある、全閣僚に対して一定の確認をする、一定の合意をとるというんですけれども、結局、確認がとれなかった場合は事後報告ですよね。事後で対応を決めるという話になっていますけれども、それは事実ですね。

中谷国務大臣 緊急の場合は事後も認められるということでございます。

水戸委員 結局、今、前提として閣議決定も閣議の合意を必要としながら、連絡がとれない場合は事後でいいと。どこまでが連絡がとれて、どこまでが連絡がとれないかという、その曖昧さも非常に残っているわけですね、今回のこの手続に関しましては。

 これに対して、結局、では、どの程度まで閣議で確認をとればいいのか。極端に言えば一人だけでも閣議決定、あとはとれなかった、そういう形で済ます、そんなこともある可能性もあるけれども、これはどうなんですか。

中谷国務大臣 閣議という意思決定はやはり内閣総理大臣主宰のもとに各大臣が一堂に会して行うということが原則でございまして、今回の閣議決定は、特に緊急な判断を必要として、国務大臣全員が参集して速やかな閣議決定が困難な場合に、内閣総理大臣の主宰によってこれを電話等によって行うということであります。

 お話のとおり、連絡をとることができなかった国務大臣に対しては事後速やかに連絡を行うといたしておりまして、御指摘のようなやり方で国家安全保障上の問題が生じないように実施をしてまいりたいと考えております。

水戸委員 例えば、いろいろなことが想定されると思うんですけれども、海上保安庁の巡視船が外国軍艦から、仮に敵国から、敵の軍艦から攻撃を受けようとするとき、それでまた乗組員が犠牲になることもある。それが明白な場合であったといたしましても、海上警備行動が発令される前であれば自衛官はその巡視船を守ることができません。また、武器を使用することができませんよね。

 結局、タイムラグが生じることによって、安全保障上のやはり切れ目がどうしても生じてくるんですよ。そのときに閣議決定を一々電話確認して、どこまでやるかもはっきりわからない、それで本当にできるんでしょうか。本当にこれは対処するのが困難であると私は思っているんですが、いかがでしょうか。

中谷国務大臣 これはやはり手続だけはしなければいけませんが、実際におきましては、自衛隊、警察、海上保安庁は平素から警戒監視活動を実施しておりまして、その際に得られた情報につきましては適時適切な情報の共有というものも行っておりますし、また共同訓練などを実施することによって各機関でさまざまな意思疎通の練度等も向上しているし、また不法行為に対処するための取り組み、こういうことの能力等も向上させているわけでございます。手続は手続といたしまして、やはり各組織、機関の連携を密にいたしまして、こういった事態に迅速に対処し得る体制も構築をしつつあるということでございます。

水戸委員 その体制が構築できないと思っているから言っているんです。結局、手続、手続とおっしゃるけれども、では仮に何かグレーゾーン事態が生じた場合、非常に急迫な危険が我が国にも及んでくるというような状況があった場合、海上警備行動を発令する、その前の段階の話、手続の話を今しているんです。

 全員の閣議の電話確認が必要。しかし、その前に結局、原則として国家安全保障会議も開かなきゃいけないんですよ。国家安全保障会議、これは原則として開くんですよね。

中谷国務大臣 現在でも、四大臣会議また九大臣会議等がございまして、閣議の前に国家安全保障会議を実施することになっております。

水戸委員 仮に、先ほど言った十五事例の一とか二の事態が発生した場合、グレーゾーン事態が発生した場合に、どういうレベルの安全保障会議を開くんですか。

中谷国務大臣 いろいろな事態が予想されますので、それぞれの事態等に関連いたしまして、関係閣僚が安全保障会議に招集されるということでございます。

水戸委員 安全保障会議の性格にもよるんですね。いろいろな会議の構成メンバーがあるんですけれども、今言ったように、十五事例を出したが、グレーゾーン、あの一と二、ああいう場合はどのレベルの安全保障会議を開くんですか。

中谷国務大臣 基本的には総理、官房長官、外務、防衛、この四大臣に加えて海上の場合は国土交通大臣とか、また関係によりまして法務大臣とか、そういう関係閣僚が予想されます。基本的には総理、官房長官、外務、防衛、この四大臣ですが、それに必要な大臣も当然招集をされるということでございます。

水戸委員 結局は、安全保障会議の性格をよく防衛大臣は御存じないですよね。事務方が答弁しても構わないんだけれども、こういうグレーゾーン事態が生じた場合に招集される安全保障会議は九大臣なんですよ。

 外務大臣に質問しますが、それは外務大臣は認識されていますか。

岸田国務大臣 御指摘のようなケースで招集されるのは九大臣会合だと存じます。

水戸委員 結局、防衛大臣が言っていることと認識が違うんですよ。九大臣が出席しなきゃいけないというのは、明快に国家安全保障会議設置法には書いてあるんですね。こういうグレーゾーン事態、よく覚えておいてくださいよ。防衛大臣、勉強してください。こういうことなんです。こういう事態におきましてはやはり九大臣が顔を出して、これをどうするか、どう対応するかということを会議しなきゃいけない。

 しかし、今回これは迅速性でやるわけでありますので、電話でもいいという話ですね。九大臣が電話で審議を行うというのは、どういうことを想定しているんですか。

中谷国務大臣 九大臣ということで、先ほどの答弁を修正させていただきます。

 基本的には閣僚が出席の上、結論を出すわけでございますが、電話で行う必要のある場合等におきましては、それぞれ総理、官房長官に相談の上、国家安全保障会議として結論を出す。その際、各閣僚の見解も集約して、実質的な審議を確保するということが可能であると考えております。

水戸委員 僕が言っているのは、実質的な話をしているんですね。

 結局、電話閣議という形で、電話で持ち回りで聞いて確認するならいいんです。しかし、国家安全保障会議の場合は審議を行わなきゃいけないんですよ。電話で審議を行うというのはどういうような状況を言っているのかという話をしているんです。

中谷国務大臣 まず、事態が緊迫する等の段階で、関係省庁の職員による会議を開催するなど、事前に政府内で情報の共有、意思疎通、これの確保を行います。また、各省庁においても把握した情報等を大臣に報告しておくことになりまして、電話等による国家安全保障会議を開催する場合であっても、事前にこのようなプロセスを経た上で開催するということでございます。

 また、海上警備行動、治安出動等を迅速に発令するため審議を電話等によって行う必要のある場合におきましては、判断の前提となる情勢、また自衛隊が行動した場合に想定される影響等については各閣僚に伝達をして、各閣僚の見解を集約して、総理、官房長官に相談の上、国家安全保障会議としての結論を出すということで、実質的な審議を確保するようにしたいということでございます。

水戸委員 絶対、実質的なものができるわけないんですよ。

 結局、僕が言いたいのは、こうやっていわゆる運用変更をしているわけであります。電話会議で閣僚会議を開くとか、国家安全保障会議、九人の大臣が、テレビ電話でやるのかどうかわかりませんけれども、電話で審議をするなんというのは現実的でないですよ、やることが。しかし、現実的でないことをあたかもできるような話をして、手続だけはしっかりやるんだということは、非常に認識が甘いんじゃないかというより、もう本当にこういうのは現実的じゃないと思っているんですね。

 そこで、我々維新が提案したのは、まさにこういうような皆さんのやり方が非常に非現実的であるし、また電話会議も含めて形骸化するわけですよ。結局は何もしなくて、何となく確認をとって発令しちゃうというような危険性があるのかなと私は思っているんです。それで、維新提案者に聞きますけれども、今回我々が領域警備法をつくったという話は、やはりこうした今までの手続ではだめなんだ、しっかりと法制化した方がいいということですよね。こういうような形でつくったと思うんですけれども、もう一度提案の趣旨を御説明してください。

丸山議員 御質問ありがとうございます。お答えします。

 そもそも、判断の部分の迅速性と、現場での連携の迅速性というところがございます。

 先ほど来、電話の閣議が現実的かどうかという話、御議論がありましたけれども、そちらも現実的かどうかという議論はありますが、それはあくまでも判断の部分の迅速化でございます。

 一方で、我々は、さらに疑問視しているのは現場での連携の迅速化の部分でございます。果たして海上保安庁含め警察が対応できないものに対してスムーズに海自が対応できるのかというと、現に尖閣の問題にしても、また小笠原のサンゴの密漁の件にしても、かなり政府側の現場での連携の部分にも不備があるんじゃないかということがございます。そういった意味で、かつて一度もない治安出動等の前に中二階的に我が党案の海上警備準備行動等を設けることで連携をスムーズにしようという趣旨でございます。

水戸委員 防衛大臣、よくお聞きとめいただきたいと思うんです。

 では、今、丸山答弁者の方からお話がありましたとおり、小笠原諸島近海で、この論議はいろいろとこの委員会でもされたと思いますけれども、昨年の十一月以降、いろいろな形で報道もされておりましたけれども、今回の中国船籍の密漁行為についてどのような総括を防衛大臣はされているのか。

 実際、二百隻を超えるような船団が押し寄せてきた、密漁を繰り返してきた。検挙されたという話もありますけれども、どのような実績が挙げられたのか、そして被害総額がどの程度なのかということ。それに対して我が国日本として損害賠償請求をするのかどうかに関しましては、防衛大臣はどのような御認識ですか。

中谷国務大臣 被害等は水産庁関係にお答えいただきたいと思いますが、海上における漁船の監視、取り締まりにつきましては、一般論として申し上げれば、水産庁及び海上保安庁等において実施をいたしております。

 御指摘の事案につきましては、関係機関が連携しつつ十分な対応をしたと承知しておりまして、海上警備行動の発令が必要な状況ではなかった。

 その上で申し上げれば、現行法のもとにおいて、自衛隊は平素から所掌任務の遂行のために、我が国周辺の海空域において柔軟に警戒監視活動を実施している。さらに、領土、領海の治安の維持等については、第一義的に責任を有する警察機関では対応が不可能もしくは著しく困難のある場合においては、海上警備行動等の発令を受けて、海上保安庁と連携して対処するということでございます。

佐藤政府参考人 お答えします。

 先ほどの被害総額でございますが、水産庁の方でも把握されていないと思いますが、今、被害の全体像は調査されております。

 昨年の九月中旬以降、小笠原諸島周辺海域におきまして違法操業が疑われる中国サンゴ漁船を確認いたしました。海上保安庁では、水産庁などの取り締まり機関と連携し、これまでに十隻、十一人を外国人漁業の規制に関する法律違反などで逮捕したところであります。

 この取り締まりに当たり、小笠原諸島周辺海域は本州から約一千キロメートルの遠方にあり、かつ領海の面積が約八千平方キロメートルと広大であるため、対応できる巡視船、航空機が限定されること、現地で燃料補給ができないことなどが課題でございました。こうした課題を踏まえ、全国規模での運用調整を行い、広大な現場海域に大型巡視船や航空機を集中的に投入した特別な体制を整え、水産庁などの取り締まり機関と連携して中国サンゴ漁船の取り締まりを行ってきたところであります。

 また、政府として、外交ルートを通じた累次にわたる中国側への申し入れなどを実施したほか、議員立法により外国漁船の違法操業の罰金の上限が最大三千万円まで引き上げられたところであります。

 こうした対応の結果、小笠原諸島周辺海域の領海内での中国サンゴ漁船と見られる外国漁船は、昨年十一月下旬以降はほぼ確認されなくなりました。その後、一月二十二日を最後に確認しておりませんが、引き続き、警戒を緩めることなく、水産庁や東京都などの関係機関と連携して監視、取り締まりを行ってまいります。

水戸委員 防衛大臣は先ほど、海上自衛隊を派遣する必要性はなかった、不必要だったという話をされたんですけれども、いろいろな批判はありまして、やはり海上警備行動を発令して自衛隊の支援を仰ぐべきであった、そうした意見もありました。では、自衛隊を派遣しなくても被害というのはある意味最小限に防ぐことはできた、海上保安庁だけでこれは十分対応できたと防衛大臣は思っていらっしゃるんですか。

佐藤政府参考人 海上警備行動の発令につきましては、海上保安庁である私どもがお答えする立場にはないものと承知しておりますけれども、今般の事案につきましては、中国サンゴ漁船による密漁であり、犯罪取り締まりの対象であると認識しております。

水戸委員 被害を受けるのはやはり島民であり、漁民であるわけですね。それに対してやはり国としてしっかりとした形で、相手をはねつける、はね返すというような、ある程度のこちらの力というものを相手に見せないといけないというのはあるんです。

 我々維新は、維新・民主党案といたしましては、海上警備準備行動というものを規定しながら、まさにこういう事案に対して対応するような形でいわゆるシームレスというか、切れ目が生ずることをなくしていこうという話になっているんですけれども、まず提案者の方から、こういう事案に関しまして、どういう形でこの法案は対応できるのか、お答えください。

丸山議員 お答えいたします。

 我々が提出しました法案におきましては、こういった事態におきましては、海上自衛隊と海上保安庁、第一義的には海上保安庁によって対応する中で自衛隊が補完をしていくという形になります。もし警備区域内であれば警察権の行使も含めて実際に補完していく中で、また一緒に対応していく中で、これらに対してきちんと対処することができるものと考えております。

水戸委員 だから、防衛大臣、我々維新の提案というものは非常にシームレスに機動的に対応できるという形で提案しているんですよ。これについてどう思いますか。もう一回、率直な意見を。

中谷国務大臣 漁船の監視、取り締まりにつきましては水産庁及び海上保安庁等において実施をされておりますし、領海、領土の治安等につきましても第一義的には警察機関が対応する、それで困難な場合においては海上警備行動等の発令を受けて海上保安庁や水産庁とともに緊密に連携して対処するということができておりますので、今後、海上保安庁や水産庁と適切な役割分担のもとに、海上における連携をとって、必要な場合におきましては自衛隊が適切に対応できるような仕組みをつくっておきたいと思っております。

水戸委員 結局、我々維新は法整備の必要性を論じているんですけれども、この法整備をすることによって緊急の事態に備えて、自衛隊が出動することを目に見える形で国際社会に示すことによって、それこそやはり他国の自制を促す、いわゆる抑止力を高めることになるわけですね。

 最後、もう最後の質問にしますけれども、提案者として、この必要性をもう一度、自制力を高めるということを含めて、もう一度お述べいただいて、私の質問を終わりにいたします。

丸山議員 お答えいたします。

 先ほど来お話がありましたように、政府は、治安出動等の迅速化のために、電話による閣議決定など、かなり運用面のわずかな変化にとどめております。そういった意味で、現場の迅速性が必要だということには変わりございません。この迅速性の観点から、大臣の判断で、きちんと枠を設けた上で発令が可能だという、我が党そして民主党両党で出した法案の方がすぐれていると考えております。

 以上です。

水戸委員 終わりました。どうもありがとうございました。

浜田委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 先週の審議で、イラクでの自衛隊の活動記録をまとめたイラク人道復興支援行動史が取り上げられました。国会審議のために資料請求した国会議員に対して、黒塗りだらけで出てきたわけです。

 中谷大臣は、これまで不開示としていた部分の公表につきましても検討を始めており、速やかに結論を得たいと述べられましたが、きょう出てくるのかなと思ったら、まだ出てきておりませんので、黒塗りで何を隠していたのかというのを、穀田議員に引き続いて、私も黒塗りの部分を幾つか紹介したいと思います。

 一つ、家族支援に関する提言とあります。真っ黒ですが、こう書いてあります。家族の意識改革醸成措置、軍事組織においては、隊員は身の危険を顧みず任務を達成することが求められ、家族にもその覚悟が求められるが、現実はそうではない面があった、例えばイラク派遣を地連の担当員から初めて聞かされてうろたえた両親や、被通報者の居所を明確にしない家族があった、自衛隊がやや曖昧にしてきた家族の意識改革醸成措置を行うべきである、こういうことなどが書いてあります。

 それから、これはメンタルヘルスの問題の提言ですね。今後の派遣においては、蓄積されるストレス以外にも惨事発生時のストレスに早期に対処する必要があり、戦闘力回復所を開設し、そこに医官などを常駐させ対応するといった惨事ストレス対処の体制をさらに検討する必要があると。

 黒塗りのところはたくさんあるわけですけれども、軍事秘密だとかそういうことじゃないわけですよね。なぜこうしたところを黒塗りにして国会議員に対して出したのかということだと思うんですよ。

 本委員会が始まって以来、今度の法制で自衛隊員が殺し殺されるのではないかということが議論されてきました。派遣後の自衛隊員の皆さんのPTSDの問題、自殺の問題も議論が重ねられてきました。先日、安倍首相がインターネットで自衛隊員のリスクは小さくなると言いましたが、今紹介したようなところをこういう形で黒塗りで国会議員に対して審議の最中に出してきたというのは、結局、イラク派遣の実態を隠して、この法案の危険性を小さく見せようとしたんじゃないか、こういう疑いが持たれるわけですけれども、大臣、なぜこういうところまで隠して出したんですか。

中谷国務大臣 御家族に対する支援につきましては、隊員の安全確保とともに大変重要でございます。また、ストレス、惨事発生等につきましても、派遣前、派遣中、派遣後の対応等も非常に大事なものでございます。

 こういった点につきまして、機微に触れるような問題等があったかどうか、それはわからないわけでございますが、一応部内で検討いたしましてその部分は非開示としていたわけでございますが、国会の求め等もございますので、開示できるところはできるだけ開示してまいりたいと思っております。

宮本(徹)委員 いや、だから、こういうところを非開示にしたのは、なぜ非開示にしたのかというのが不思議でしようがないわけですよ。機微に触れる軍事機密でも何でもないですよね。そう思われませんか、大臣。

中谷国務大臣 自衛隊の活動につきましては、適時に情報公開をいたしまして、しっかりと議論を行うことが重要と考えておりまして、速やかに結論を得ていきたいと考えております。

宮本(徹)委員 速やかに全文を出していただきたいですけれども、とにかくこういう形で審議中に黒塗りでいろいろなことが出てくるということだったら、我々に対して、与党も含めて、いろいろなものが隠されたままこの審議が続いているんじゃないかという疑問が拭い去れないわけですよね。こういう中で、もう審議は十分だ、採決強行などというのは絶対に許されないということをまず初めに申し上げておきたいと思います。

 そして、きょうの質問ですけれども、まず防衛費についてお伺いしたいと思います。

 安保法制で軍事費がふえるんじゃないか、こういう心配が広がっております。

 首相がこの法案を閣議決定したときの記者会見でもこのことは問われました。首相は、安倍内閣でふやしたのは、消費税増税分を除けば〇・八%だ、この法制によって防衛費自体がふえていく、あるいは減っていくということはないというふうにおっしゃっておられましたけれども、私はこの説明には随分ごまかしがあるんじゃないかと思っております。

 現実には、当初予算以外に後年度負担という形で、この法案を実行し得る兵器の購入契約がぐんとふえているんじゃないでしょうか。後年度負担、わかりやすく言えばローン払いですね、この残高はこの数年で飛躍的にふえております。

 財務省にきょう来ていただきましたけれども、後年度負担の合計額は十年前と比べてどれだけふえているでしょうか。とりわけ安倍政権のこの二年間でどれだけふえているでしょうか。

可部政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねのございました二〇一五年度予算における後年度負担につきましては四兆三千六百三十五億円となっており、長期契約による一括調達あるいはイージスシステム搭載護衛艦、F35Aの取得等もございまして、十年前と比べますと一兆三千八百七億円、四六・三%の増加、二年前と比べますと一兆一千三百二十七億円、三五・一%の増加となっております。

宮本(徹)委員 今、数字を述べられたもの、うちのグラフは八年前しかちょっとつくれなかったんですけれども、グラフをつくりました。このグラフを見ていただけばはっきりしておりますけれども、安倍政権が誕生するまでは後年度負担の合計額というのは三兆円前後で推移していたということになりますが、この十年間でふえた一兆三千数百億円のうち一兆一千三百億円が安倍政権がふやした後年度負担ということになります。安倍政権のもとで一三五・一%になったということであります。

 しかも、これまでローン払いは五年払いということになっていたわけですけれども、今国会で十年ローンを可能にする法律が制定されて、同じ元手で二倍の兵器を購入する契約ができるということになっております。

 このグラフを見ても、安倍政権が未来の予算を兵器購入で大きく先食いし始めているというのは明らかだと思うんですよね。

 先ほど、F35だとかイージスシステムの話がありました。それから、大きな購入としてはP1がありますよね。南シナ海まで飛んで警戒監視することも可能な航続距離を持っております。そして、オスプレイや水陸両用戦闘車、こういうものも新たに今年度から購入することになりました。外国からは、海外侵攻能力を持った兵器だというふうに言われているわけであります。そして、ことしの一般会計では、海外での活動を想定してオスプレイや水陸両用戦闘車を積み込む大型な強襲揚陸艦の調査費もつけられるということになっておりました。もし今回の法案が通っていけば、装備体系もさらにアメリカの戦争支援がいろいろな形でできるようになっていくということになります。

 中谷大臣、日本の厳しい財政状況の中で地球規模でアメリカの戦争の支援に乗り出せば、未来の世代にまでしわ寄せが行くということじゃないですか。

中谷国務大臣 防衛というのは我が国における国民の皆様方の安全、命、生活を守らなければなりませんが、非常に安全保障環境は厳しさを増しておりまして、防衛大綱、中期防に基づいて、中長期的に計画的に防衛力を整備いたしております。

 中期防におきましては五年間の計画の実施に必要な所要経費を明記しており、また各年度の防衛関係費をこの枠内で計上しております。また、当該年度の歳出予算と新規の後年度負担額につきましても国会の議決を経て提示しておりまして、歳出予算と後年度負担の金額は毎年度公表いたしております。さらに、財政状況が非常に厳しい中でございまして、長期契約の導入など、一層の効率化、合理化を図っております。

 国民に見えにくい形で未来世代の負担をふやしているということはなくて、常に公開しながら防衛力の整備をしているということでございます。

宮本(徹)委員 いろいろ言われますけれども、安全保障環境が厳しいから兵器をどんどん購入して未来世代にまでツケ払いをお願いするんだというやり方は間違っていると思いますよ。こんなに厳しい財政状況で、消費税増税までして、介護報酬も切り下げて、年金もマクロ経済スライドで切り下げて、保育園に入れない人はいっぱいいるわけですよ。そういう中で安全保障環境の変化に対応するということで、まさに軍拡の悪循環がこの東アジアで起きているんじゃないですか。

 私たちは、こういう軍拡の悪循環を断っていくことこそ必要だと思いますよ。そうしないと、日本にとって財政的にも未来がないと思いますよ。安倍政権で、たった二年でこんなに、一兆一千億円以上も防衛費だけで後年度負担をふやしているわけであります。

 ですから、この法案で地球的規模でアメリカの戦争の支援に乗り出していくということは、財政面からいっても未来世代に責任が負えない道だということを厳しく指摘しておきたいというふうに思います。

 そこで、次に、きょうは南シナ海の問題について取り上げたいと思っております。

 この間政府は、本法案が必要になった説明として、パワーバランスが変化したんだ、その中で中国が非常に軍事力をつけた、南シナ海における活動を急速に拡大、活発化しているということを強調されております。南シナ海での中国の進出が軍事的脅威として語られているわけでありますが、きょうは、南シナ海の領有権の争いがどう起きてきたのかという認識を伺っていきたいと思っております。

 まず、その大前提として、今、五国一地域が南沙諸島、スプラトリー諸島の領有権を主張しておりますが、これは一体どこの国の領土なのか。南沙諸島の領有権についての政府の立場を端的に述べていただきたいと思います。

岸田国務大臣 まず、南シナ海においては、いまだ領有権の確定していない島嶼を含む海域が存在しております。

 南沙諸島については、中国、台湾及びベトナムが領有権を主張しております。スカボロー礁については、中国、フィリピン及び台湾が領有権を主張しております。南沙諸島については、中国、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア及びブルネイが領有権を主張しております。

 我が国としましては、こうした南シナ海の現状について注視をするとともに、大規模な埋め立てや軍事目的での利用を含めて、現状を変更し緊張を高めるあらゆる一方的な行動について懸念をしております。

 各国が、緊張を高める一方的な行動を慎み、法の支配の原則に基づき行動することが重要だと認識をしております。

宮本(徹)委員 ですから、この地域は領有権は確定していないというのが政府の公式な立場でいいということでございますね。

岸田国務大臣 冒頭申し上げましたように、いまだ領有権が確定していない海域が存在していると認識をしております。

 それから、先ほど答弁の際に、南沙諸島を二回申し上げたようであります。冒頭、中国、台湾、ベトナムで領有権を主張しているのは西沙諸島でございます。訂正しておわびを申し上げます。

宮本(徹)委員 それで、日本政府は領有権についてニュートラルな立場に立っているということだと思います。

 そこで、南シナ海における領土問題の歴史を振り返りたいということで、きょうは、私も年表を作成してまいりました。

 もともと海上交通の要衝だったところに、フランスが植民地支配を広げる中で、インドシナ半島にまでフランスの支配が及ぶ。そういう中で、この地域に附属する島々としてフランスが主権を求めた。そして、一九二〇年代、三〇年代にかけては日本とフランスが南沙諸島の帰属を争って、第二次大戦に伴って日本が併合したという歴史かと思いますが、まず、第二次大戦までの経緯、この地域についてお伺いしたいと思います。

滝崎政府参考人 事実関係に関することですので、私の方からお答えいたします。

 我が国は、サンフランシスコ平和条約により南沙、西沙諸島に対する全ての権利、権原及び請求権を放棄しており、その帰属先について云々する立場にはないというのがまずは基本的な立場でございます。

 その上で、あくまで歴史的な事実関係として、公開情報などに基づいて南沙諸島をめぐる第二次世界大戦までの歴史的経緯につきお答えすれば、以下のとおりになるかと思います。

 一九一〇年代の後半から、日本人により燐鉱の収集等の事業が進められていったという経緯があります。そうした中、先ほど委員の方からも御指摘があったように、一九三三年、フランスが、これら群島が自分の国に属する旨日本政府に通知をしてきました。これに対して日本政府は抗議を行っております。そして、一九三八年の十二月、日本政府は、新南群島と名づけられました南沙諸島の領土編入を閣議決定した、このような経緯がございます。

宮本(徹)委員 それは戦前の経緯です。

 日本が領有した後、日本は一九四五年に戦争に敗れるわけですが、それから、サンフランシスコ講和条約で、先ほどお話があったとおり、正式に領有権を放棄するということになります。

 一九四五年の日本の敗戦後からサンフランシスコ講和条約まで、この地域の領有をめぐってはどのような動きがあったでしょうか。

滝崎政府参考人 まずは、先ほども申し上げたとおり、我が国は、これら諸島に対する全ての権利、権原及び請求権を放棄しているということで、その帰属先について云々する立場にないということを申し上げた上で、歴史的な事実関係というのを申し上げたいと思います。

 第二次大戦の終戦後、南シナ海の沿岸国などはそれぞれ、南沙諸島や西沙諸島に対する調査などの活動を行ったものと承知しております。

 その後、例えばサンフランシスコ講和会議においては、ベトナムが南沙諸島それから西沙諸島の領有権を主張したのに対しまして、当時のソ連が南沙諸島に対する中華人民共和国の主権を認めるように主張したというふうに承知しております。

 そして、こうしたやりとりを経まして、一九五一年九月に署名されたサンフランシスコ平和条約では、我が国は、南沙、西沙諸島に対する全ての権利、権原及び請求権を放棄することとなったということです。

 ただし、日本が放棄した権利や権原の帰属先については、関係国の間で一致した見解はなく今日に至っているというふうに認識しております。

宮本(徹)委員 私の方も年表をつくりましたけれども、一九四五年にフランスがいち早くこの島々を占領しますが、すぐ撤収するということになります。その後、中華民国が一九四六年までに重立った島々を接収して、四八年にいわゆる公式な地図と言われるものを作成して、これが今、U字線と言われるものが描かれているものであります。今、中国が領有権を主張する論拠としているのがその地図になります。

 先ほどお話があったとおり、この時期は、いろいろな国が、それぞれが自分の領土だということを主張するということになりました。

 そして、ちょっと飛びますけれども、一九六九年に南シナ海の大陸棚に豊富な石油、ガス資源が埋蔵されていると指摘されてから、ここは権益争いの場になったというふうに言われております。

 これ以降、各国が何年ごろからこの南沙諸島での島嶼の占拠、実効支配を進めたのか、ちょっと紹介していただきたいと思います。

滝崎政府参考人 我が国は、南シナ海における領有権問題に関する直接の当事国ではないということから、沿岸国による島嶼の支配の現状、あるいはそこに至る過程について詳細にわたり御説明する立場にはないということをまず申し上げたいと思います。

 その上で申し上げれば、例えば一九七四年には、西沙諸島において中国とベトナムが交戦をし、その結果、中国が西沙諸島の全域を事実上支配下に置くという経緯があったものと認識しております。

 また、一九八八年には、南沙諸島におきまして中国とベトナムが交戦をし、その結果として、中国が南沙諸島のジョンソン南礁を事実上支配下に置くという経緯があったものと承知しております。

 さらに、一九九五年、この年には、フィリピンが実効支配していたミスチーフ礁を中国が占拠し、施設の建設を行ったという経緯があったものと認識しております。

宮本(徹)委員 中国の動きについてだけ紹介されたわけですけれども、私は年表の方をつくっておきましたけれども、一九六九年以降でいえば、一九七一年、フィリピン軍がスプラトリー諸島のコータ島、パガサ島に駐留して自国領土に編入する。そして、二年後、南ベトナムが開発事業に乗り出していく。

 それから、一九七四年、先ほど紹介があった中国がパラセル諸島全体を支配下に置いた直後には、ベトナムがスプラトリー諸島の六島、フィリピンが五島を占拠するということになっております。

 そして、先ほどあった一九八八年に、中国がいよいよといいますか、スプラトリー諸島のジョンソン礁に来るというときに緊張関係が高まるということになりましたが、この中で、防衛省の資料を見ますと、ベトナム、フィリピン、マレーシア、台湾などが一九八〇年代から九〇年代にかけて滑走路をつくるということとなっております。

 そして、一九九八年にはベトナムが二つ、一九九九年にはフィリピンが二つの島礁を新たに占拠するという経過だというふうに思います。

 ちょっと岸田大臣にお伺いしますが、この時期を振り返ってみますと、各国それぞれがいろいろな島を占拠して実効支配を強めてきたという理解でよろしいんですよね。

岸田国務大臣 先ほど外務省からも答弁させていただきました。また、委員の方から今御紹介もありました。さまざまな動きがあり、それぞれが領有権を主張した、こうした動きがあったと認識をしております。

宮本(徹)委員 さまざまな動きがあって、さまざまな実効支配が行われたわけですけれども、そういう中で、この緊張の高まりの中、やはりこの地域はこのままじゃよくないということで、何回もいろいろな話し合いが行われてきましたけれども、二〇〇二年に、中国とASEAN諸国は南シナ海行動宣言を表明するということになりました。

 この南シナ海行動宣言が生まれた経過と中身についても簡単に紹介していただけるでしょうか。

滝崎政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねのあった南シナ海における関係国の行動に関する宣言は、一九九五年の中国によるミスチーフ礁占拠をきっかけとして中国による海洋進出に対する国際社会の懸念が高まる中、中国とASEANとの間で交渉されたものです。最終的に、二〇〇二年の中国とASEAN首脳会議の機会に採択されたものであると認識しております。

 具体的には、以下のような点を合意したものと承知しております。

 まず、国連憲章の目的と原則、一九八二年の国連海洋法条約、その他普遍的に定められた国際法等に対する約束を再確認すること、二つ目に、南シナ海の航行及び上空通過の自由を尊重すること、三つ目に、領有権などの争いを国際法の原則に従い平和的手段で解決すること、さらに四つ目といたしまして、紛争を複雑化、激化させ平和と安定に影響を及ぼす行動を自主的に抑制し、意見の相違を建設的な方法で対処すること、最後に五つ目といたしまして、南シナ海の行動規範の採択がこの地域における平和と安定をさらに促進することを再確認し、その達成に向けて作業するということとなっております。

宮本(徹)委員 私は、この南シナ海行動宣言は非常に大事だと思うんですよね。平和的手段で、友好的な協議を通じて解決に当たる、そして紛争を複雑化、激化させるような行動は自制すること、そして行動規範をつくっていこうということが確認されたわけです。

 岸田大臣もこれは非常に大事な宣言だと思われると思いますが、この南シナ海行動宣言についてはどういう認識でしょうか。

岸田国務大臣 地域の平和や安定のために、このDOC、行動宣言は大変重要な宣言であると認識をしております。

 そして、これに引き続いて、今、COC、行動規範の議論が行われています。法の支配を重視する立場から、こうした行動規範につきましても、早期に合意されることを我が国として重視しておりますし、早期合意に至るよう呼びかけていきたいと考えます。

宮本(徹)委員 また実際の歴史の経過を引き続き見ますけれども、南シナ海行動宣言に続いて、一旦はこれに基づいて、二〇〇五年には、論争棚上げ、共同開発の原則で、海底資源の共同調査の協定が結ばれるということもありましたが、実際はそのとおりうまく進まなかったのは皆さん御承知のとおりであります。ベトナムとインド、イギリスの企業が海底資源開発に乗り出したことを一つのきっかけに再び衝突が繰り返されて、各国は埋め立てや構造物、滑走路建設を進めていくということになりました。

 外務大臣、南シナ海行動宣言以降、どの国・地域がいつ空港をつくったでしょうか。

滝崎政府参考人 事実関係ですので、私の方からお答えさせていただきます。

 先ほども申し上げたように、我が国は南シナ海における領有権問題に関する直接の当事者ではないということですので、それを前提に御説明させていただきます。

 どのような埋め立てとかあるいは拠点建設をやっているかということですけれども、例えば最近でいえば、中国は、南シナ海において大規模な埋め立てを急速に実施するとともに、滑走路や関連施設の建設などもあわせて進めているというふうに認識しております。

 具体的には、中国は、昨年末の時点で約二百万平方メートルの埋め立てを行っていたというふうに言われていますけれども、その後の四カ月の間にこれを約八百万平方メートルにまで広げたというふうにアメリカの国防省は指摘しているというふうに承知しております。

 それから、アメリカのシンクタンクは、中国が例えばファイアリークロス礁というところにおいて三千メートル級の滑走路の建設を進めているということを指摘しているというふうに承知しております。

 ほかの国ですけれども、例えばベトナムは、二〇〇九年から一四年にかけて、約二十四万平方メートルの埋め立てを行ってきているというふうにアメリカの国防省の関係者は証言しているというふうに承知しております。

 さらには、アメリカのシンクタンクは、ベトナムがウエスト礁及びサンド礁において計約八万六千平方メートルの埋め立てを行ったというふうに指摘しているというふうに承知しております。

 しかしながら、中国はそれをはるかに上回る規模と速さで埋め立てを実施しているというふうに我々は考えておりまして、我が国としては、大規模かつ急速な埋め立てを含めて、現状を変更して緊張を高めるあらゆる一方的な行動を懸念しているということ、それから、先ほど大臣の方から申し上げましたけれども、法の支配が貫徹されるように、アメリカや他の同志国と緊密に連携していきたいというふうに考えております。

宮本(徹)委員 今、各国の埋め立ての状況が報告されました。一国だけではないということであります。そして、ベトナムや台湾なども、南シナ海行動宣言以降も滑走路をつくる、あるいは延長するということもやっているということであります。

 南シナ海行動宣言がありながら、宣言に背く動きがこういう形で起きているということがこの地域の緊張をもたらしているんじゃないかというふうに私は思いますが、そういう認識でしょうか、岸田大臣も。

岸田国務大臣 まず、南シナ海は、我が国にとりましても、航行の自由ですとかあるいはシーレーンの確保、こういった観点から重要な関心事項であり、ぜひ外交を通じて平和的に解決を追求していかなければならないと思っていますが、国際社会における法の支配という観点からも、こういった南シナ海の動きを注視していかなければならないと思います。

 昨年、シャングリラ・ダイアログにおきまして、安倍総理から、海洋における法の支配三原則というのを発表いたしました。多くの国々から賛同を得たわけですが、主張するときは国際法に従って主張するべきである、威圧や力による現状変更は行ってはならない、あるいは問題を解決する際には平和的に国際法に従って解決する、この三原則、ぜひ我が国としては、自身も大事にいたしますが、国際社会においてもしっかり訴えることによってこの地域の平和や安定に貢献していくよう努力をしていきたいと考えます。

宮本(徹)委員 岸田大臣がおっしゃったとおり、外交を通じて平和的に解決するというのがこの地域の問題では一番大事な問題です。それしか道はないんじゃないかというふうに思っております。

 中谷大臣も参加されたアジア安全保障会議では、インドネシアのリャミザルド国防大臣は、南シナ海の紛争回避に向けて、中国とASEAN諸国での共同パトロールの提案も行われましたよね。それから、ASEAN諸国の中でも、とにかく緊張が高まる悪循環を断とうというさまざまな努力が行われております。

 同じアジア安全保障会議で、シンガポールのリー・シェンロン首相は基調講演の中でこう述べております。現在の動きが続くなら悪い結果につながる、係争はコントロールされ封じ込められなければならない、アジア諸国は前向きな米中関係を望んでいる、米国か中国かどちらかを選びたい国はないんだと。そして、行動は対抗を引き起こすと言われました。こう言って、南シナ海での中国による埋め立てなどの一方的行動に米国が反応して監視、偵察活動をふやしていることが新たな対抗措置を生んで悪循環に陥りかねないという懸念を表明されました。そして、物理的な衝突が起き、大きな緊張や紛争にエスカレートしないように、可能な限り早く南シナ海行動規範を制定し、国際法を遵守すべきだ、こういうふうに訴えられたわけです。

 岸田大臣、このリー首相が主張されている方向こそ、この問題の解決では一番大事なことではないかと思いますが、いかがでしょうか。

岸田国務大臣 先ほども申し上げましたが、法の支配を重視する立場から、この行動規範、COCにつきましては、早期妥結されるべきだと我々も考えております。ぜひ早期妥結に向けてこうした取り組みが進むよう、我々としても環境整備に努めていかなければならないと考えます。

宮本(徹)委員 その立場を貫くのは非常に大事だと思うんですよね。平和的、外交的解決が大事だということを繰り返されているわけですけれども、実際は、この委員会でも政府は、本法案が必要な安全保障環境の変容の一つとして、南シナ海での中国の行動というのを何回も挙げられているわけであります。外交的、平和的解決が大事だというんだったら、アメリカの求めるような南シナ海での警戒活動には参加すべきじゃないんですよね。

 そして、今回、法案の審議の中では、重要影響事態の地域としても南シナ海が排除されないということを答弁されております。そして、法案では、平時でも、南シナ海での共同訓練、警戒監視を行う米軍などの武器が防護できるということになっているわけですよ。本当に外交的、平和的に解決するといったら、リー首相が言っているとおり、緊張を高めるようなアメリカの行動を応援していくような方向というのは、違う方向なわけですよ。両立しないわけですよ。

 ですから、この問題で本当に平和的、外交的解決が大事だというんだったら、この法案の進む方向というのは間違っていると言わざるを得ないですよ。この法案を撤回してください。

中谷国務大臣 現在、自衛隊は南シナ海において常続的な警戒監視を行っておりませんし、また具体的な計画もありません。大綱、中期防におきましても、警戒監視能力、情報機能の整備強化、またアジア太平洋地域における二国間、多国間による共同訓練、演習、キャパシティービルディングの推進などを行っておりますが、今後とも、南シナ海における情勢が我が国の安全保障に与える影響を注視しつつ、検討を行ってまいりたいと思います。

 なお、南シナ海におきましては、現在の情勢について政府としても特に注視をしているところですが、あえてこの地域を取り上げて、どのような状況になれば重要影響事態に当たるかといった具体例をお示しすることは差し控えさせていただきたいと思っております。

宮本(徹)委員 一方の側に立ってキャパシティービルディングをしていくということが緊張を高めていくことになるわけですよ。平和的、外交的解決とは違う道を今中谷大臣はおっしゃっているわけですよ。平和的、外交的解決に徹しなきゃいけないですよ。

 なぜならば、歴史を初めに振り返りましたけれども、この地域の領有権争いが起きた歴史的経過を見たら、日本が大きくかかわっているわけですよね。日本が占領した、その後、本来ならば講和条約で領域は画定しなきゃいけなかったわけですよ。国境は画定しなきゃいけなかった。だけれども、全面講和じゃなくて、アメリカ中心の単独講和という形で、中国も入らない形で講和を結んだことが、ここの地域が、戦後、領有権が定まらないまま来る大きな出発点になっているわけですよ。

 その責任からいっても、責任の一端を担っている日本がアメリカと一体になって一方の側で軍事的に関与していく、こういう道は絶対通ってはならない、平和的、外交的解決に徹するべきだということを重ねて訴えまして、きょうの質問を終わります。

浜田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時十九分散会


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