衆議院

メインへスキップ



第22号 平成27年7月15日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十七年七月十五日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 浜田 靖一君

   理事 今津  寛君 理事 岩屋  毅君

   理事 江渡 聡徳君 理事 松本  純君

   理事 御法川信英君 理事 長妻  昭君

   理事 下地 幹郎君 理事 遠山 清彦君

      小田原 潔君    小野寺五典君

      大西 宏幸君    大野敬太郎君

      勝沼 栄明君    木原 誠二君

      笹川 博義君    白石  徹君

      武井 俊輔君    中谷 真一君

      橋本 英教君    原田 義昭君

      平沢 勝栄君    星野 剛士君

      宮川 典子君    宮崎 政久君

      宮澤 博行君    武藤 貴也君

      盛山 正仁君    簗  和生君

      山口  壯君    山田 賢司君

      若宮 健嗣君    緒方林太郎君

      大串 博志君    後藤 祐一君

      辻元 清美君    寺田  学君

      長島 昭久君    青柳陽一郎君

      太田 和美君    柿沢 未途君

      村岡 敏英君    吉田 豊史君

      伊佐 進一君    佐藤 茂樹君

      浜地 雅一君    赤嶺 政賢君

      宮本  徹君

    …………………………………

   議員           柿沢 未途君

   議員           今井 雅人君

   議員           丸山 穂高君

   議員           大島  敦君

   議員           小沢 鋭仁君

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   外務大臣         岸田 文雄君

   防衛大臣

   国務大臣

   (安全保障法制担当)   中谷  元君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   防衛大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    石川 博崇君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君

   衆議院調査局我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別調査室長     齋藤久爾之君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月十五日

 辞任         補欠選任

  原田 義昭君     簗  和生君

  青柳陽一郎君     村岡 敏英君

  吉田 豊史君     柿沢 未途君

  志位 和夫君     宮本  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  簗  和生君     原田 義昭君

  柿沢 未途君     吉田 豊史君

  村岡 敏英君     青柳陽一郎君

  宮本  徹君     志位 和夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七二号)

 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案(内閣提出第七三号)

 自衛隊法等の一部を改正する法律案(江田憲司君外四名提出、衆法第二五号)

 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する人道復興支援活動等に関する法律案(江田憲司君外四名提出、衆法第二六号)

 領域等の警備に関する法律案(大島敦君外八名提出、衆法第二七号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

浜田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案並びに江田憲司君外四名提出、自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する人道復興支援活動等に関する法律案並びに大島敦君外八名提出、領域等の警備に関する法律案の各案を一括して議題といたします。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江渡聡徳君。

江渡委員 自由民主党の江渡でございます。

 時間の関係もありまして、早速質問の方に入らせていただきたいと思うわけであります。

 今回の平和安全法制につきましては、本委員会におきまして既に百十時間を超える審査を行ってきたわけであります。各党の意見というのは明確になってきておりまして、政府案についても十分な説明が政府側から得られていると私は考えております。

 私は、政府案につきまして、特に国民の方々に御理解を深めていただくべきと考える点に絞って、総理のお考えを伺いたいというふうに思っております。

 まず第一点においては、国際社会の平和と安全を確保することの重要性についてであるわけであります。

 安全保障環境が厳しさを増す中におきまして、どの国も一国のみでは自国の安全を確保できないという時代になってきております。政府は、今回の法整備におきまして、国際社会の平和と安全の確保を目的とする国際平和支援法を提案するなど、国際情勢の変化に切れ目のない対応を可能とすることを目指しておられるわけであります。

 そこで、なぜ今、国際社会の平和と安全を確保する法制を整備することが我が国自身の平和と安全の確保にとって重要なのか、まず、この点、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 私たち政治家は、国会あるいは政府は、国民の命を守る、幸せな生活を守ることに大きな責任を有しているわけであります。その意味において、必要な自衛の措置とは何か、このことを考え抜かなければいけない。その上においては、国際社会の情勢、安全保障環境の変化に目を凝らさなければならないと思います。

 アジア太平洋地域を含むグローバルなパワーバランスは大きく変化をしつつあるわけであります。そしてまた、北朝鮮は日本の大半を射程に入れる数百発もの弾道ミサイルを保有している、あるいはまた自衛隊のスクランブルの回数は十年前と比べて七倍にふえているという現実があります。

 そして、東シナ海においては尖閣諸島周辺海域において中国公船による領海侵入が繰り返されていますし、南シナ海においては中国が活発な活動を展開しているわけでありますし、大規模な埋め立ても行ってきている。

 そして、アルジェリア、シリアそしてチュニジアで日本人がテロの犠牲となるなど、ISILを初め暴力的な過激主義が台頭しているわけであります。

 このような、今私が例として挙げた情勢の変化は昭和四十七年政府見解をまとめたときとは大きく変わってきているわけであります。そして、もはやどの国も一国のみで自国を守ることができない、その中で、私たちは、国際協調主義のもと、積極的平和主義の旗を掲げながら、地域や世界をより平和で安定した地域にしていくことが日本国民の命を守り、平和な暮らしを守り抜くことにつながっていく、こう確信しているところでございます。

 その中において、切れ目のない対応を可能とする今回の平和安全法制が必要である、こう考えるに至ったところでございます。

江渡委員 今まさに総理がおっしゃられたとおり、本当に国際環境というものはここ十数年で劇的に変化してきたわけでありますけれども、だからこそ必要であるということをしっかりと御答弁いただいたというふうに思っております。

 次に、よく議論されております歯どめについてお聞かせいただきたいと思います。

 本委員会におきましては、安全保障上の対応につきまして、法制上、国会承認を通じての歯どめが重要であるということが指摘されているわけであります。ホルムズ海峡の機雷封鎖に起因する存立危機事態につきましては、政府は基本的に国会の事前承認を求めるべきであるとの指摘があったわけであります。また、重要影響事態で自衛隊の部隊等が実施する措置についても、原則的にできるだけ国会の事前承認を得るべきとの意見も出されました。

 このようなケースについてどう対応されるか、この点は非常に重要だと思っておりますので、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 ホルムズ海峡における機雷封鎖に起因して存立危機事態を認定し、自衛隊に防衛出動を命ずる場合には、基本的には国会の事前承認を求めることになると想定しています。また、重要影響事態において自衛隊の部隊等が対応措置を実施する必要があると認められる場合には、可能な限り国会の事前承認を追求していく考えでございます。

江渡委員 ありがとうございました。

 できるだけ丁寧な形の対応というのが求められるということで、そのことに対して政府としてもしっかりと対応していくということを今お聞かせいただいたわけであります。

 次に、安全保障政策というのはさまざまな想定外の事態に対応する備えでなくてはならないというふうに私は考えておるところであります。また、多くの委員の方々も同じような考えであろうと思っております。

 現実の安全保障環境というものはますます予想することが難しくなってきております。あり得る全ての事態をあらかじめ示すことは困難であります。また、相手にこちらの手のうちを明らかにしないのは当然であるわけでありまして、各国におきましても、武力行使の具体的な要件等を全て明らかにしている国などないわけであります。

 重要なのは、いかなる事態に際しましても迅速に対応できるような法律というものを整備し、実際にその法律を用いる場合には、内閣の判断だけではなく、しっかりと国会のチェックをするという仕組みを設けること、このことこそが民主主義の姿でありまして、私はシビリアンコントロールであるというふうに考えておるわけであります。

 この平和安全法制により、与野党を問わず、国会議員としての矜持というものが私は問われているのではないのかなと考えております。厳しい安全保障環境の中で国民の命を預かる我々国会議員は、その判断から逃げてはならないと思っております。自衛隊を動かす際の国会承認につきましては、国民の負託を受けた国会議員として、信念に基づいて国会において判断すべきと考えております。

 安倍総理にも、総理としてのお立場に加えまして、一人の政治家としての御認識ということをお伺いさせていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 平和安全法制においては、存立危機事態や重要影響事態等における自衛隊の活動について、民主的統制を適切に確保するため、国会承認に係る規定をしっかりと定めています。したがって、実際に自衛隊に活動を命ずるに際しては、法律の要件に従って政府が判断するのみならず、国会の判断も仰ぎ、民主主義国家として慎重の上にも慎重を期して判断されることになります。

 我々政治家は、国民の命と幸せな暮らしを守る大きな責任を国民から負託されているわけであります。その責任を果たす、これは政府だけではなくて国会もその責任を負っているわけでありまして、その中において国会の判断を仰ぐ、これはまさに民主主義国家として民主的統制がしっかりと機能しているということを示す極めて重要なことだろう、こう考えているわけでございまして、信念に基づいて国会議員の皆様にはその際には御判断をいただきたい、こう思う次第でございます。

江渡委員 ありがとうございました。

 終わります。

浜田委員長 次に、遠山清彦君。

遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

 総理、また中谷大臣、岸田大臣、大変御苦労さまでございます。

 私ども公明党は、与党協議で一年間、二十五回議論をいたしました。この委員会でも百十時間を超える審議を重ねてきたわけでございます。

 私どもといたしましては、今回の平和安全法制は憲法の平和主義の基本的な論理の枠の中で考えられ制定されたものであり、専守防衛は堅持、そしてほかの国に脅威を与えるような軍事大国にならないという、戦後七十年間の平和国家日本としての歩みをより強固にすると同時に、国民の命、自由、権利に責任を持つ政府としてしっかりとした法案を出す、また日本にふさわしい国際社会の平和と安定のための貢献により資していく、そういう趣旨で制定されている大事な法案だと思っております。

 そこで、本日、短い時間でありますが、三点お聞きしたいと思います。

 まず一点は、我々公明党が与党協議で強く主張させていただいた三原則の一つであります民主的統制の確保、これが法案の全体に貫かれているということを確認させていただきたい。

 国際平和支援法では例外なき事前承認が盛り込まれ、ほかの法案でも例外的には事後承認は可能でございますが、原則として国会の事前承認を義務づけております。これにはPKO法におけるPKF本体業務も含まれているわけであります。

 法理上、事後承認というのは可能ではありますけれども、現実には原則である事前承認の手続がとられることが多いと認識しているか。総理、間違いはないでしょうか。

 また、国会承認に際して、政府はその国会の判断の基礎となる十分な具体的かつ詳細な情報提供を国会に対して行う、このことでよろしいでしょうか。答弁をお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 委員御指摘のとおり、今般の平和安全法制の中には、事前の国会承認によりがたい場合に事後承認が認められているものがあります。そのような手続が認められているものについても、原則はあくまでも事前承認であることから、政府として可能な限り国会の事前承認を追求していく考えであります。

 また、自衛隊の活動の実施に関する情報の開示について、政府としては、国会及び国民の御理解を十分にいただけるよう、可能な限り最大限の情報開示を行い、丁寧に説明する考えであります。

遠山委員 ありがとうございます。

 次に、改正自衛隊法に盛り込まれました武器等防護の実施、今回対象が拡大されます。また、海上警備行動の発令などは国会報告の対象にはなっておりません。

 しかしながら、国会から説明を求められたときには、これらの報告対象事項になっていないことについても丁寧に国会に説明していただける、このことでよろしいかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 現行自衛隊法に基づく海上警備行動の発令や新設する米軍等の武器等防護の実施等については法律上国会報告の対象とはされていませんが、国会及び国民の皆様に対する説明責任を果たすため、可能な限り最大限の情報を開示し、丁寧に説明する考えであります。

遠山委員 しっかりと説明をしていただき、最後はこの国会で承認して自衛隊の動きを決める、民主的統制がしっかり確保されている、これは法律に明記されているわけですから、そのことを国民の皆様にしっかりと理解していただきたい。我々国会も、政府だけじゃなくて責任を共有する、それが議会制民主主義の本質であります。

 最後の質問をさせていただきます。

 存立危機事態と武力攻撃事態等は異なる法的評価をするため、ある事態が両方の事態として認定されることはあり得るわけでございます。すなわち、日本と密接な他国に対する武力攻撃の発生を契機として始まった事態であっても、日本に対する武力攻撃が予測されたり切迫していると判断される場合には、存立危機事態であると同時に武力攻撃事態等とも認定され得る。ことしの与党協議の最終局面で政府が示した見解では、この二つの事態が重なることは多いという見解が示されました。

 この点について、改めて政府の説明を求めたいと思います。

安倍内閣総理大臣 存立危機事態と武力攻撃事態等とは、それぞれ異なる観点から評価される概念である一方、国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという根幹において共通する考え方に立脚しているものであります。

 このため、現実の安全保障環境を踏まえれば、存立危機事態に該当するような状況は同時に武力攻撃事態等にも該当することが多いと考えられます。

遠山委員 総理の最後の御答弁、大変重要だと我々は考えております。

 存立危機事態というのは日本と密接な関係にある国に対する武力攻撃の発生を契機といたしておりますが、やはり、私ども日本国民の生命、自由、権利が根底から覆されるような急迫不正の事態というのは、我が国に対する武力攻撃が切迫していることも多い。

 しかし、法的な評価の仕方が事態によって違うわけでありますから、ある事態が二つの事態に認定され得ることは大いにあり得るという認識をしっかりと共有させていただき、そして、総理、中谷大臣、岸田大臣、これからも国民の皆様の理解が深まるように、わかりやすく丁寧な説明を政府において心がけていただきたいということを申し上げて、簡単ではございますが、私の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

浜田委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 安倍総理、きょう強行採決するんですか、きょう。安倍総理、本当に、国民の皆さんがこの法案を十分理解されている、説明を尽くされたというふうに総理はお思いでいらっしゃいますか。きょう強行採決を、浜田委員長、するんですか。こんな、国民の理解がまだ得られていない中、強行採決というのは到底認められない。きょうの採決の撤回を求めます。

 そして、時間数をいろいろ強調されるんですが、我々ずっと委員会に出ていて本当に感じますのは、質問を十分聞かれていなくて、後ろから出てきた紙をそのままお話しになる。

 本当に意味のある答弁というのは全時間の中で非常に少ないんですよ。それで何度か確認答弁を、とめて、それでちょっと出てくる。(発言する者あり)自分がとめているというやじが今ありましたが、そんな曖昧な答弁を続けるから、とめざるを得なくなるじゃないですか。漠とした答弁のまま見過ごしたら、定義も要件も漠のままこの法案が通ってしまいますよ。そういうことも説得しようというお気持ちが非常に少ない。

 法案のデメリットをお伺いしても、それはおっしゃらない。何度聞いてもおっしゃらない。自衛隊員のリスクも上がらない、つまり全部バラ色、全てマイナスはない、いいことずくめの法律。こんな説明を繰り返しているから、国民の皆さんの理解が進まないんですよ。

 私は、最大の問題は、総理がアメリカの議会で、夏までにこの法案を成立させる、こういうふうに明言をされたことから始まっているんじゃないかと思うんです。海外でそういう公約的なことをおっしゃって、夏までに成立させるというのがそこで決まってしまって、そこに突っ走っている。これは、今、日本の国会ですよ。日本の国民の皆さんをないがしろにして、何でアメリカ議会、そこで公約しちゃうんですか。そこから話がおかしくなっているんじゃないのか。

 ここの質疑の中でもいろいろな懸念が表明されました。つまり、アメリカから、これは日本の存立危機事態だから集団的自衛権を発動してほしい、そういう依頼があったときには流されてしまうんじゃないかという質問もありましたが、総理は、主体的に判断する、米国に流されない、こういうふうにおっしゃいましたが、私は、米国議会で先に法案の成立を公約して、そういう姿勢であればそれは信用できないんですよ。

 総理、総理もおわかりだと思いますが、言うまでもなく、自衛隊の最高指揮官は安倍内閣総理大臣。自衛隊に防衛出動を下令して武力行使を命じられるのは、日本広しといえども安倍総理お一人です。当然閣議決定はありますけれども、安倍総理お一人なんです。最高の意思決定、他国に対して武力行使をするというのは国家の最も重い意思決定であります。そのときに今度は新たな要件が加わったわけです。

 中谷大臣もかつてお持ちだったと思います自衛隊の「宣誓」、これは全ての自衛官が胸のポケットに入れている。私もこの質疑中はずっと胸に入れていようと思って入れているんですが。ここには、事に臨んで危険を顧みず、身をもって職務の完遂に務めと書いてあるんです。命令があれば危険を顧みずに頑張って戦うんだ、こういうふうに「宣誓」で書いてある。

 つまり、今までは、我が国が攻撃された、あるいは我が国に対する武力攻撃の着手があった、そのときに誰かに日本を守ってもらわないと困る。これは多くの国民の納得性が高いと思います。自衛官の方も納得される。しかし、今度は、我が国は攻撃されていない、しかし国民の権利が根底から覆される明白な危険がある、そのときは自衛隊員は命をかけて海外へ行って戦う。しかし、これは漠としているんですよ、要件が。

 総理にお伺いしたいんですが、ここでのるる一般質疑初め答弁の中で、つまり存立危機事態の新三要件について、例えば攻撃国に日本を侵害する意図、意思がない場合、あるいは日本に火力、戦火ですね、火の方、それが及ぶ可能性がない場合、そういう場合でも集団的自衛権が認められることがあり得るという答弁があるんですよ。日本に戦火が及ばない、火の方ですよ、火力の。しかも、攻撃国の日本を侵害する意図、意思もない。その場合も武力行使ができる、でき得る、こういう答弁があるんですが、総理、一体、我が国の国民の権利が根底から覆される明白な危険というのは具体的にどういう危険なのかというのが非常に漠としていて、閣僚の答弁も二転三転されておられるんですよ。

 端的に、最後、明確に具体例をお示しいただきたいんです。

安倍内閣総理大臣 明確にお答えをいたしましょう。

 それは、まず武力行使の三要件、これは今まで一貫して申し上げているとおりでございますが、最後でございますからもう一度申し上げますと、我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること。これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと。必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。これが新三要件であります。

 この新三要件の第一要件についての御質問だと思いますが、他国に対する武力攻撃が発生した場合において、そのままでは、すなわち、その状況下、武力を用いた対処をしなければ、国民に対して我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であるということであります。この要件に該当するか否かは、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることになる犠牲の深刻性、重大性などから判断するわけでございます。

 そして、典型例としては、従来から申し上げておりますように、例えば日本の近隣において米国への攻撃が発生した、そして我が国への武力攻撃が切迫している、その中でミサイル警戒に当たっている、あるいはまた邦人輸送中の米艦が攻撃される明白な危険があるという中においては存立危機事態の認定が可能であるということであります。

 これは今まで申し上げているとおりでございまして、これが私たちの基本的な考え方でありまして、今申し上げたことがいわば典型例として、これがもちろん全てではございませんが、典型例としてあり得るということでございます。

長妻委員 今、例をおっしゃいましたけれども、初めは典型例がホルムズ海峡とおっしゃって、今度は日本周辺になって、しかも今は米艦船に対する武力攻撃の明白な危険というふうになった。以前、岡田代表への答弁では、米艦船に対する武力攻撃があった、そんなような趣旨のお話もされておられて、つまり個別的自衛権の場合は我が国が攻撃されるあるいは着手があるということである程度明確なんですが、一体どの時点で存立危機武力攻撃なのかということが本当に漠としている。

 そして、もう一つは専守防衛なんですね。

 やはり戦後の歩みの中で憲法の制約もあって、我が国は専守防衛ということで政策を積み上げてまいりました。敵基地攻撃ができないなどの専守防衛の理念の中で、我々の自衛隊の装備なども限られている。

 しかし、総理は、今回の安保法案が通っても、集団的自衛権を認めても、地球の裏側まで要件さえ整えば米国と武力行使をするということが可能になるこの法案が通ったとしても防衛の予算はふやさない、しかも自衛隊員もふやさない、装備も変えないと。本当に人、物、金が限られた中、地球規模で活動することでかえって日本周辺の守りが危うくなるんじゃないか、そういう懸念は、今お笑いになりましたけれども、専門家の方も指摘しているんです。

 やはり日本は、一つ一つ、一歩一歩、歩を前に進めてまいったわけです。

 例えば、総理、日本は言うまでもなく、治安出動がある、防衛出動待機命令がある、そして防衛出動があるということで、ほかの国に比べて相当縛りが武器使用の基準も含めて厳しくなっています。これはなぜか。戦後七十年、七十年前の戦争の反省に立って憲法がつくられ、国の全ての法律、これは戦争の反省に立ってつくられたと言っても過言でない、そういう縛りがあって日本は一つ一つ進んできた。つまり、敗戦国の戦争観に基づいて抑制的に抑制的に進めてきたんです。そういう意味で、それを一足飛びに今回たがを外してしまう、しかも装備も、防衛力、防衛費も変わらない、人員も変わらない、本当にそれで大丈夫なのかということもやはり大きな疑問としてあるんですよ。

 総理はよく、六〇年安保、五十五年前でしたね、あるいはPKO法案、これも相当反対があった、憲法学者の方も違憲とおっしゃっていた、反対は大きいけれども今は理解が進んでいると。何か、反対が大きい法案ほどいい法案のような、言わんばかりの話がありました。

 ただ、今回が前回と異なるのは、総理、法制局長官のOBが悩まれたと思いますが国会に来られて、これは憲法違反だ、よくないと内部の方もおっしゃっておられるし、あるいは官僚の方で、安保法制、安保政策を中枢で担った官僚OBの方も国会まで来られて、本当に決断をされて来られて異議を唱える、あるいは自民党の安保族と言われる重鎮のOBの議員も、この法案は待った、この法案は一旦立ちどまるべき、こういうことをおっしゃって、内部から相当疑問の声が来ているということが私はこれまでと違うというふうに考えているんですが、総理はいかがお考えでございますか。

安倍内閣総理大臣 短い質問の時間の間に随分間違った御指摘をされました。

 例えば、私はホルムズの例を典型例として挙げたことはございません。これはまさに私が、まず、質問……(発言する者あり)済みません、少し静かに。大切な質疑ですから、質問者以外の方はちょっと黙っていていただけますか。皆さん、冷静な議論が必要ですから、少しおとなしく冷静な議論をしましょうよ。よろしいでしょうか。

 そこで、私が例として挙げましたのは、いわば他国の領海、領土に入っていくということについての例外的な、一般に海外派兵は禁じられているという中において例外的な例として私の念頭にあるのはこれだ、そしてこれしか念頭にないということでこの委員会で再三答弁をさせていただいているわけでございまして、私の答弁をまず聞いていただかなければ、議論がかみ合わないのは当然のことでございます。

 まさに一般に海外派兵は禁じられている、これは必要最小限度を超えるものである、しかし、その中においてホルムズの例については限定的、受動的であるからという話を何回もさせていただいているわけでありますから、そこはよく、ちゃんとまず聞いて、指摘するなら指摘をしていただきたいということははっきりと申し上げておきたい、こう思うところでございます。

 そしてまた、PKO等について申し上げました。これは、反対が大きければ大きいほどいいと私が答弁したことはございますか。一度もございませんね。私が言ってもいないことを言ったと言う、あるいは典型的な例として挙げていないものも典型例として挙げたと言う、こういう間違った御指摘をされると、まさに議論が残念ながらかみ合っていかないということにならざるを得ないのではないか、こう思うところでございます。

 そして、PKOのときもそうだったのでありますし、また安保のときもそうでございました。実は、日米安保条約のときにも自民党の中でも随分反対論もあったのでございまして、これが自民党の中において相当な高まりを見せていたのも事実でございます。

 当然さまざまな議論があるわけでありまして、自民党の中でも相当な議論を行ったのは事実でありますし、また与党においても一年間、二十五回にわたって協議を重ねてきた結果でもあるわけでございます。そして、まさに今回もさまざまな御議論がございます。当然、我々はそれを真摯に受けとめなければならない。

 しかし、まさに砂川判決で示された必要な自衛の措置とは何か、これを考え抜く責任は私たちにあるわけであります。まさに国民から選挙によって選ばれた私たちはその責任から逃れてはならない、その責任から逃れるということは国民の命を守り幸せな暮らしを守り抜くという責任を放棄することと同じであります。だからこそ、私たちは考え抜いていかなければいけない。そのときには当然批判もあります。しかしその批判に耳を傾けつつ、しかし確固たる信念があれば、みずから省みて直くんばという信念と確信があればしっかりとその政策を前に進めていく必要があるんだろう、こう思うわけであります。

 そして、先ほど、アメリカの議会において私がいきなり約束をした、そうおっしゃった。これも明らかに間違いであります。二〇一二年の総選挙においてもいわば集団的自衛権を含めた安保法制を進めていくという約束をさせていただいた、また参議院の選挙においてもそうであります。そして昨年の衆議院選挙においても我々は公約として掲げ、そして第三次の内閣を発足するに当たりましてもそうお約束をさせていただいたわけでありまして、御指摘は全く当たらないということも申し上げておきたいと思います。

長妻委員 総理、総理も相当間違ったことを今おっしゃっていますよ。

 まず申し上げると、その前に、責任から逃れられない、逃れてはだめだということ、安保政策を立てる、これは政治家の責務、それはそのとおりなんです。ただ、やはり憲法の制約の中でというのが前提条件であるんですよ。その制約がある。それが問題だと思うのであれば手続をやはりしないといけないんですよと私は思うのと、総理が米国議会でいきなり言ったのがけしからぬと、私はいつ言いましたか。今総理は、長妻さんがいきなりと言った、それは前からの公約があると。いきなりなんて言っていませんよ。米国議会で夏までに安保法制を成立させるということを言ったことが問題だと言っているんですよ。曲解しないでください。

 そして、典型例がホルムズ海峡、そんなことは言っていないと言うんですが、国民の皆さん、審議に参加する我々は、総理が典型例としてホルムズ海峡を出している、何度も何度も答弁されていて、そういう印象を非常に強く持っているわけでありますし、そういうようなことについて本当に総理も間違ったことをおっしゃっておられるわけであります。

 そして、安保とかPKOは反対が多ければいいんだみたいなことを言ったと。私は、そういうふうに言わんばかりのことをおっしゃったと申し上げたんですよ。そういうふうにやはり印象を与えるんですよ。反対が大きい、反対が大きくても今はいいんだということは本当に、それを言い過ぎるとよくないということを私は申し上げたわけであります。

 そして、もう一つ私が総理に懸念を持つのは、さっきも申し上げました、総理は自衛隊の最高指揮官、唯一の武力行使を自衛隊に命じる人物でありますし、防衛出動、武力行使を命ずるときは緊急の場合は国会の事前承認が要らないんです、事後承認なんです。そういう意味では非常に重い決断をされる総理。私は、総理が戦争の教訓を正しく胸に刻んでいるか否かが、間違った戦争をするか否かにかかってくると強く思うんです。私は、間違った戦争を始めないためには、間違った戦争を起こさせない国や社会の仕組み、例えば言論の自由が揺るぎなく認められ多様な価値観が保障される環境が確保されていることが重要、そして最も重要なのは最高指揮官の総理大臣が適切な歴史認識を持っているか否か、これが大変重要だというふうに思っているんです。

 きょうぜひ質疑を打ち切りいただきたくないのは、この歴史認識についても、来月、八月で戦後七十年の節目です。日本国の戦争が経験から歴史に変わる、つまり少年兵で戦場で戦った方も最年少でも恐らく今八十五歳ぐらいになっておられるわけでありまして、そういう大切な節目に、やはりこの問題も私は安保法制と密接不可分だというふうに思うわけであります。

 私、ことしの一月、総理と予算委員会で過去の我が国の戦争について、総理はあれは誤った戦争だと思われますか、国策を誤ったものだというふうにお考えですかということをお伺いしたんですが、何度聞いてもお答えにならないんです。だから、私自身、相当これは心配であります。

 ちょっと角度を変えてお伺いすると、例えば日本が戦争に突き進むいろいろな局面があったと思いますが、昭和六年、柳条湖事件があって、そして満州事変があった。これは関東軍の謀略だと。しかも、マスコミもそのときは知っていたけれども、報道がなかった。日本国民は戦争が終わるまで中国軍のしわざだと信じて、満州に出兵しろ、増派しろ、こういう声が熱狂的に上がってしまって戦争に突入した、こういう苦い経験もある。そして昭和十一年、軍部大臣現役武官制。大臣は陸軍、海軍から、現役の武官でないとだめだ、気に食わない内閣があれば、大臣を出さなければ内閣を崩壊することができる、こういう制度もあった。昭和十五年、政党が解散されて、議事録削除、そしてこの事件をきっかけに大政翼賛会が結成された。

 総理、さきの戦争について誤ったか誤っていないかというのはおっしゃらないんですが、例えば今三つ申し上げましたけれども、これについては間違いだったというふうには明言していただけるわけですか。

安倍内閣総理大臣 歴史的な事象について一々私がここで論評することは控えますが、いずれにいたしましても、今の民主主義そして自由、言論の自由そしてまた基本的人権がしっかりと確立をした日本ではあり得ないことでございます。まさに今委員が御指摘された、現役の軍人が閣僚になる、こういう仕組みを使って内閣を崩壊させた、まさにそれは現在憲法で禁止されているところでございます。

 大切なところは、今の時代においてはまさに民主主義が確立をされている、言論の自由が確立をされているということであります。そして、基本的な人権を守り法の支配をたっとぶ、これこそが大切ではないだろうか。

 そして同時に、国際協調主義のもとで我々は積極的平和主義を推し進めていく考え方であります。いわば国際社会との協調を見失ってはならない、これは当然のことであります。その中において外交を我々は積極的にただいま展開しているところでございます。

長妻委員 間違いということはおっしゃらないんですが。そうしましたら、さきの大戦、我が国が経験した、これはやはり国策の誤り、つまり政策の誤り、間違いだったということはおっしゃることはできないんですか。

安倍内閣総理大臣 るる申し上げておりますように、我々は歴代の内閣の立場を基本的に踏まえているわけでございます。歴史認識において歴代の内閣の立場を踏まえているということは、引き継いでいるということは今まで繰り返し申し上げているとおりでございます。

長妻委員 私が何でこういうことを聞いているかというと、七十年前の昔の話じゃなくて、これから、我々が安全保障法制を今審議しているわけで、それを使うのは、一番重い決断をするのは総理御自身なんです。この貴重過ぎる経験をどう捉えているかというのは大変重要なわけでありまして、そうすると、歴代の総理大臣の認識を引き継いでいるということは、さきの大戦は誤りだったというふうに総理は理解しているわけでありますか。自分の言葉でおっしゃっていただきたいんです。

安倍内閣総理大臣 従来から申し上げておりますように、歴史認識においては従来の内閣の立場を受け継いでいるということでございます。

 そして、いずれにいたしましても、我々は、さきの大戦の反省の上に立って、戦後、平和国家としての歩みを進めてきたところであります。同時に、自由で民主的な国をつくり、基本的人権を守り法の支配をたっとぶ国としてアジアや世界に貢献しているわけでございます。同時に、まさに地域の平和と安定に貢献することによって日本人の命、幸せな暮らしを確固たるものにしなければならない、これも我々の信念でございます。

 こうしたことを一つ一つ積み重ねていくことによって、日本は国際社会の大きな信頼を得たわけでございます。我々は、さらに国際社会と協調しながら、国際社会と協調するということは、まさに世界をより平和で安定した場所にしようとしている国際社会と協力していく、またその努力をしている国際社会とともに努力していく必要も当然あるのではないか、こう思う次第でございます。

 まさに今回の平和安全法制におきましても、さきの大戦の反省の上に立って、二度と戦争の戦禍を繰り返してはならないとの考え方のもとにつくり上げられたものであり、当然また今回の三原則においてもその考え方から導き出されてきている、このように考えるところでございます。

長妻委員 私は、あれほどの貴重過ぎる戦争の経験、これについて御自身の言葉でそれをおっしゃらないというのは本当に深刻だと思います。

 私は、あの戦争にはいろいろな教訓があると思いますが、やはり日本という国は情報を制限して空気さえつくり上げれば一気に極端な方向に動く、これは七十年前の戦争の教訓だと思いますし、あるいは政治指導者があの国は悪い、あの国はおかしいと勇ましく演説すると支持は高まるかもしれないけれども、しかし、あおったナショナリズムが大きくなり過ぎて、その政治家自身もそのナショナリズムをコントロールできなくなって国があらぬ方向に行ってしまった、これは七十年前の戦争の反省です。

 私は、日本という国は、今回の、総理がきちっとやはり御答弁をしていただいて、マスコミを懲らしめるとか、そんなことは本当に厳重に、発言をまだ撤回はされていないと思うんですが、撤回をさせて、そういう雰囲気に絶対ならないように、多様な価値観が押し潰されないように不断に指導者が見ていくということが大変重要だと思います。

 時間もないので、最後に、もう一回同じことをお伺いします。

 我が国が経験したさきの戦争は間違いだったというふうに総理は考えておられるのかどうか。そこから教訓や反省というのは本物が生まれると思っているんです。どうですか。

安倍内閣総理大臣 まさに今の日本の国民が、指導者がいいかげんなことを言えば烏合の衆のようにそちらに従っていく。それは、長妻さん、国民に対して失礼じゃありませんか。戦後の歩みというのはそんなものだったのですか。

 日本は戦後七十年、まさに民主主義を徹底し、自由をたっとび、報道の自由があります。報道機関もしっかりと勇気を持って報道している、国民の皆様もさまざまな情報を手に入れながら判断をしているんです。私は、国民の皆様の判断、英知を信頼しているんです。その中において私たちはしっかりと国民の皆様に理解をしていただくための努力を積み重ねなければならない、こう思っているんです。我々政治家も国民の皆様に対してそうした謙虚な姿勢を持たなければならないんだろう、このように思うわけであります。まさにその意味において、我々は、まさにさきの大戦の反省の上にこの戦後の日本をつくってきた。

 しかし、国際情勢は大きく変わっています。国際情勢が大きく変わっていく中において果たして今のままで国民を守り抜くことができるかどうか、この誠実な問いかけをみずからに何回も繰り返し問いかける、この責務から、長妻さん、逃れてはならない、私はこのように思うところでございます。(発言する者あり)

浜田委員長 一言申し上げます。

 委員以外の方の不規則発言は厳に慎むように、よろしくお願いいたします。

長妻委員 総理、総理はまた決めつけなんですよね。私がいつ日本国民が烏合の衆だと言いましたか。七十年前の戦争の教訓を申し上げたわけで、私は日本国民は烏合の衆だとは思いません。しかし、マスコミ報道や言論の自由が統制されて間違った情報が国民に伝わって、それが一つの方向に動いたときに私は国民も間違えた判断をするというふうに思いますから、だからマスコミや言論の自由というのは大変重要なんです。

 総理は何度聞いても、あの戦争が国策の誤りということはお認めにならない、これは本当に深刻だと思います。

 いずれにしても、きょう採決は到底容認できませんので、委員長、ぜひ質疑を終局しないでいただきたい。強く抗議をいたしまして、私の質問といたします。よろしくお願いします。

浜田委員長 次に、大串博志君。

大串(博)委員 民主党の大串博志です。

 早速質問に入らせていただきます。

 先ほど、長妻委員との議論を聞いていても、私、非常に思いました。長妻委員の最後の言葉は、採決はきょう到底認められない。私も同じ思いであります。なぜなら、今、三十分間にわたって長妻委員が質疑したこと、一つもまともに真正面から答えられているとは私は思われない。そういう中で、国民の皆さんの理解が全く進んでいるとは思われない中で採決をするというのは、国会にあるまじき行為だと私は思うんです。

 特に、先ほど総理は言われました。国民の皆さんは烏合の衆ではない、国民の皆さんは正確な判断力をお持ちなんだというような流れのことをおっしゃいました。私もそう思います。国民の皆さんは的確な判断力をお持ちだから、今回の法案に関して多くの方々が、反対だ、違憲だ、よくわからない、こんな中で採決は困ると言われているじゃないですか。

 そんな中で採決は絶対あり得ないと私は思いますけれども、総理、御見識をいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 先ほども答弁をさせていただいたように、我々自由民主党は、二〇一二年の総選挙において、今回の平和安全法制、つまり集団的自衛権の行使を認める、一部容認も含め、こうした法制を進めていくということをしっかりと国民の皆様にお示ししながら総選挙を行い、政権に復帰をしたわけであります。そして、参議院選挙においてもそうであります。そしてまた、その後の昨年の衆議院選挙においてもそうであります。こうした責任も持っている。同時に、現在まだ国民の皆様の御理解が進んでいないのも事実であります。ですから、だからこそ理解が進むように努力を重ねていきたい。

 同時に、私が先ほど来申し上げておりますように、国民のまさに声に耳を傾けながら、同時に国民の命そして幸せな生活を守り抜いていくという責任も私たちは持っている。この責任を国民の皆様から負託されているわけでありまして、そのことからも我々は目をそらしてはならないんだろう、こう思う次第でございます。

 ですから、私たちもかつての例として申し上げました一九六〇年のあの安保改定時、あのときも残念ながら国民の皆様の理解はなかなか進まなかった。PKO法案のときもそうです。しかし、その後の実績を見て、多くの国民の皆様から御理解や御支持をいただいているのも事実であります。

 このように、私たちは、果たして私たちの使命とは何かということを沈思黙考しながら進めていくということでございます。

 そこで、さらに申し上げれば、先ほどの長妻委員の御指摘は、リーダーが右と言えばいわば大衆はそちらの方に大きく流れてくるという御指摘でございまして、私は、その意味において、そうではないということを申し上げているわけであります。残念ながら、私はこれは必要だということを申し上げているわけでありますが、まだ国民の皆様の御理解はない、今後も丁寧に進めていきたいと申し上げております。

 その上において、採決についてはまさにこの委員会においてお決めになることでありまして、そこを行政府の長である私がどうこう言うことは差し控えるのが当然のことではないか、こう思う次第でございます。長い間議論を重ねてきたのは事実でございます。

 昨日の委員会において残念ながら御出席をいただけなかったことはまことに残念なことではございますが、きょうもまさにこの貴重な時間を使ってしっかりと審議を進めていきたいと思います。

大串(博)委員 今総理が言われることは、私、本当に矛盾があると思うんですよ。

 国民の皆さんの判断力、考える力、それは信頼しているとおっしゃいました。しかし、繰り返し繰り返し、例えば安保改定のときの議論、あるいはPKO法案のときの議論を持ち出される。当時はみんな反対だった、しかし、あの後、自分たち政治家側が正しいと気づいてくれた、今、国民の皆さんは反対反対と言われているけれども、後から私たちが正しいとわかってくれる、それは私たちが判断する方が正しいんだと、極めて上から目線で、俺たちの判断だけが正しいんだと言わんばかりの態度じゃないですか。これが問題なんです。

 しかも、この審議、時間数もたちましたと言われました。しかし、先般私がこの委員会でも申し上げましたように、議論されていない論点はたくさんあります。集団的自衛権が憲法違反かどうかという議論、あるいは重要影響事態の定義の問題、これらの議論のほかにも恒久法の問題や武器等防護の問題、あるいはPKO法の問題、先般私はパネルで示しましたけれども、この国会の中で議論された回数はまだ少ないんですよ。まだまだ少ないんです。

 さらには、先般私はこれもお示しさせていただきました。一つ一つの条文ごとに、いっぱい議論しなければならない論点がまだまだあるんです。数日間で挙げただけでも八十七項目ありました。それはまだ今でも、答弁を受けるたびにまだまだわからない点がふえ続けている、そういう状況なんですよ。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

大串(博)委員 しかも、この国会の中でも、いろいろな方々が議論したいという思いも持たれています。

 例えば、ここには、我が党、維新の党あるいは共産党、野党の方々がいらっしゃいます。しかし、野党には、ほかの党の方もいらっしゃいます。社民党や、生活の党と山本太郎となかまたちの皆さんなどもいらっしゃいます。これらの皆さんのためにも議論の場を設けるべきだと私たちは国対の場でも再三申し上げてきましたけれども、これに対する与党の皆様からの寛容な声はなかった、こういった中の議論でもあります。

 そして、私はこれが非常に気になる言葉なんですけれども、菅官房長官はこう言われていますね。いつまでもだらだらと議論を続けているわけにはいかない、こうおっしゃっている。だらだらとした議論ですか、これが。だらだらとした議論ですか。

 大臣が、あるいは総理が答弁に詰まられて、この議会、国会の審議がとまったのが百四回もあるじゃないですか。とめられた時間を全部足すと四時間二十四分。こんなに答弁に苦しい状況に追い込まれて、すなわち、内容自体が詰まっていない、明らかでない、検討が不十分である、こういったことが明らかになるような議論をしている中で、だらだらした議論なんかしていないじゃないですか。だらだらした答弁をしているのは政府の方じゃないですか。

 そういう中で採決をきょうするというのは、私はあり得ないと思う。しかも、国民の皆さんの反対の声は日増しに強まっていると私は思うんです。

 例えば、市民の皆さん、きのうも日比谷野外音楽堂に二万人を超える皆さんが集まられたというふうに言われています。多くの皆さんが今、国会の外でも集合され声を上げられ、全国でも動かれています。女性の皆さんも、子供たちの将来を思い、立ち上がられています。SEALDs、若い世代の方々も、自分たちの将来が心配だと、立ち上がっていらっしゃいます。もちろん学者の皆さん、自民党が呼ばれた学者の皆さんも含めて違憲だという声を上げていらっしゃる。学識者の皆さんもそう。地方議会においても、三百近くの地方議会が慎重あるいは反対という意見書を提出してきているじゃないですか。

 そういった中で、先ほど申しましたように、いろいろな世論調査を見ると反対、違憲だという声が過半を大きく超え、かつ、審議が尽くされていないなという声が八割。しかも、安倍内閣の閣僚の中でさえ、石破大臣はきのう、国民の理解が進んでいるかどうか、各社の世論調査どおりで、進んでいるとは言えないと思う、あの数字を見て国民の理解が進んできたと言い切る自信は私にはないと。閣内でおっしゃっている方がいらっしゃるじゃないですか。

 こんな中で採決を行うということの是非に関して、先ほど総理は国会で決める話だとおっしゃいましたけれども、しかし、それでも総理は自民党総裁でいらっしゃいます。自民党の国会対策委員会にも指示を出される立場にあります。このように、自分の内閣の方が国民の理解が進んでいると言える自信はないとおっしゃっているような中で、きょう、審議を打ち切って採決はあり得ないというふうに思いますが、総理、感想はいかがですか。

安倍内閣総理大臣 大串委員も、論点を先般も挙げられました。しかし、あの質問の最中にも、今回もそうでありますが、その論点についての質問をやはりしていただきたい、こう思うわけであります。

 きょうもそうでありますが、与党はまさにきょうも九分ずつしか三時間において質問時間が割り当てられていないわけでありまして、百十時間のほとんどは野党の皆さんに振り向けるという、委員会としても、また与党としても誠意ある対応をしているのではないかという印象を私も持っているところでございます。

 まさに一人当たり三時間、四時間ですか……(発言する者あり)一人当たり六、七時間の質問時間があるのであればその中で論点を、これをしっかりとこなしていくということもあるのではないか。これは一人当たりの質問時間でありますから、何人かで手分けしていけばいいんだろう、こう思う次第でございます。

 まさにその意味におきましても、きょう、せっかくの時間でございますから、法案そのものについての御議論がある、こう思っていたところでございますが……(大串(博)委員「採決はきょうはないでしょう」と呼ぶ)

 採決については、まさにこれは委員会においてお決めになることではないか、こう思うことでございます。(大串(博)委員「石破大臣の発言に関して」と呼ぶ)

 今、私への質問は、石破大臣への印象ということについて質問をされなかったというように私は理解をしたんです。採決をすることについてどのような感想を持っているかということで、私は感想を申し上げたわけでございます。ですから、石破大臣ということであれば、石破大臣ということを質問していただきたい、こう思う次第でございます。

 石破大臣の発言につきましては、私も今まで答弁させていただいておりますように、残念ながらまだ国民の理解は進んでいる状況ではないということは申し上げているとおりでございます。これからさらに国民の理解が進むように努力をしていきたい、こう申し上げているわけでございます。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

大串(博)委員 看過できない発言ですね、総理大臣としては。総理大臣御自身も、国民の理解が進んでいるとは言えないと今お認めになりました。

 総理大臣御自身が国民の理解が進んでいないというふうに言われている中で、少なくとも二院制のうちの一つである衆議院において法案に関して採決が行われる。国民の皆さんの理解がないままに、理解がないままに採決が行われるということはいいという考えなんですか。どうですか、総理。

安倍内閣総理大臣 私も今まで申し上げているとおり、世論調査等の結果から、残念ながらまだ国民の皆様が十分に御理解をいただいているという状況ではないということは答弁してきている、再々答弁してきているとおりでございます。

 その中において、国会議員はまさに国民から責任を負託されているわけでございます。そして、国会議員はその中において、しっかりとこの私たちの出した法案は何かということをまさに理解しながら、その理解した上においてこの国会で議論をするわけであります。問題点について議論をしていくわけでございます。

 まず、委員会の皆様方におきましては、当然、私たちの出した法案について、この法案の意味するところを理解する、あるいはここに問題点があるということについてこの委員会において議論をするわけでございます。

 この議論の上において百時間を超える議論を行ってきたという中において、いずれにいたしましても、この委員会で採決をするかどうかということについては委員会でお決めになることだ、これは従来から申し上げているとおりでございます。

大串(博)委員 委員会で採決するか決めてくれるべき問題だというふうにおっしゃいますけれども、先ほど申しましたように、総理は、自民党総裁でもいらっしゃる、自民党の国会対策に対して指示を出される立場であられる。その総理御自身が、国民の皆さんの理解が進んでいないという中で採決をするということに対してゴーサインを出される。私は、とてもあり得ない、考えられないことだと思います。このような、つまり国民の皆さんの意見を十分承らないという考え方自体が私は非常に気になるんです。

 だから、議論したい論点はたくさんありますよ、総理。まだまだ山ほどあるんです。ただ、その前に、きょう議論を打ち切られるかのごとき動きになっているがゆえに、議論を打ち切らないでください、議論を続けていただければ、山ほどまだ論点はございますということをまず申し上げているわけでございます。

 先ほど総理が、国民の皆さんの理解が進んでいない中で採決をすることに関して発言されました。国民の皆さんより、政治家の責任とよくおっしゃいます。この発言も私は非常に気になるんです。

 立憲主義、憲法との関係です。

 一年半前の二月に、私、予算委員会で総理と議論させていただいたときに、憲法解釈を閣議で変更して集団的自衛権を認めるというのは問題ではないかということを何度も問わせていただいたとき、総理からの発言は、自分が総理大臣なんだから、法制局長官に聞くんじゃなくて、自分が国民の信を得た総理大臣なんだから自分が答えるんだ、自分が決めればというようなことをおっしゃって物議を醸したことが昨年二月にありましたね。

 それに加えて、私が非常に今回気になるのは先ほどの話なんです。今回、憲法の議論に及んだときに必ず言われる言葉が、憲法学者の皆さんはいろいろ言われる、しかし私たちは政治家の責任がある、安全保障環境の変化を捉まえて、何を自衛の措置として考えなければならないのか、考え尽くす責任があるとおっしゃいます。

 私、それは賛成するんです。そして、政治家の責任として、もし本当に、自衛の措置が何かということを考え尽くした後、集団的自衛権が必要だというのであれば、正々堂々と憲法改正を国民の皆さんに問うて、責任を持って提案していくということを真正面からやられればいいじゃないですか。それをやられずに一閣議の決定だけをもってして憲法解釈を変えられる、これは憲法との関係で、立憲主義、大問題だと言わざるを得ない。

 しかも、先般カフェスタで総理は言われましたね。憲法との関係が議論になったときに、立憲主義との関係で問題だというふうな話が出ていますねという流れの話の中で、こう総理はおっしゃいましたね。七二年見解は閣議決定していない、政府見解は閣議決定していない、今回は、集団的自衛権を認める、これを昨年七月一日に閣議決定した、閣議決定したから立憲主義に反していないというふうに言われた。憲法、立憲主義を理解されていないというのも甚だしい。

 まさに立憲主義とは、権力者が憲法の考え方をないがしろにして国民を抑圧しない、戦争とか、あるいはいろいろなほかの政策を通じて国民に難儀を押しつけない、そのために国民側が権力者を縛るものとしてあるのが憲法なんです。今総理は、私たち政治家が判断しなきゃならないんだという言葉のもとに、独走、独善的な進め方をされていると私は思います。まさに憲法というのは、立憲主義というのは、安倍総理のような独走を抑えるためにあるものじゃないですか。

 総理の立憲主義に対する御見識をいま一度お聞かせいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 先般の私の発言をかなり正確に理解しておられない上において簡単な御紹介をいただいているので、そこをまず訂正させていただきたいと思います。

 憲法との関係においては、まさに違憲立法かどうかということも含めて、最終的な判断は最高裁判所が行う、これは憲法にも書いてあることであります。その上において、まさに砂川判決がなされた。これによって、自衛権があるということについては、まさに必要な自衛の措置をとり得べきことは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならない。この必要な自衛の措置とは何かということについてまさに考え抜いた結果、四十七年の政府見解がありますよと。この政府見解のときは閣議決定を行っていないんですが、今回は閣議決定を行って、必要な自衛の措置について、まさにあのときの当てはめを変えたんですよという説明を私はさせていただいたわけであります。

 この立憲主義というのは、憲法というのは国の最高法規でありますが、これはまさに権力を縛るためのものであるわけでありまして、まさに憲法にのっとって国の行政はなされなければならないわけでございます。この上において、まさに我々は、当然憲法を遵守するという責任の中において行政を行っているわけでございます。

 閣議決定と立憲主義との関係は、大串さんが誤解をされていますから、今私が申し上げたとおりでございまして、今まさに立憲主義との関係におきましては、自衛の措置については、自衛隊の存在ということについて、まずはこれは違憲か合憲かという議論があった中において、砂川判決があり、自衛の措置は憲法上認められているというものがあって、そしてその上において四十七年の見解があった。それで、この……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。(発言する者あり)静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 この当てはめについて、集団的自衛権が、これは全てだめだということがあった。

 そして、その上において我々が今回の閣議決定を行ったということでありまして、いわば四十七年見解とは違うということについて、今回の我々の考え方については、憲法解釈の変更については閣議決定を行ったということでありまして、それが立憲主義だということを私は番組でも申し上げていないということは申し上げておきたいと思います。

大串(博)委員 先週金曜日のカフェスタにおいては、総理は明確におっしゃいました。立憲主義というものに関して疑問がありますがという流れの話の中で、七二年見解は閣議決定していませんでした、しかし今回、七月一日、この閣議決定は閣議決定しています、だから立憲主義に反しないんですというふうにはっきりおっしゃいましたよ。総理、これは、全国民の皆さんがそのインターネット中継を見られますから。

 総理、この委員会の中でも、あるいは委員会の外でも、話をころころ変えられるから国民の皆さんの理解は進まないんですよ。

 例えば、さっきのホルムズ海峡のこと、典型例のこと。

 先ほど総理は、ホルムズ海峡は典型例ではないとおっしゃいましたね。しかし、二月十六日の本会議、我が党の岡田代表がこう聞かれているんですね。「国会をごらんになっている国民の皆さんにもわかるように、幾つかの具体例をお示しください。総理の答弁を求めます。」と。「幾つかの具体例をお示しください。」こう言われているんですよ。それに対して総理が答えた答弁は、自分で、「三要件を満たす状況について具体例を示すべきとお尋ねがありました。」とおっしゃって、「一つ目は、」と言って「邦人輸送中の」と答えられ、そして「二つ目は、ホルムズ海峡での機雷敷設です。」と、典型例と自分で言って、二つ目とおっしゃっているんですよ。しかも、自分で典型例とおっしゃっているんです。議事録にあります。自分で典型例と言って……(発言する者あり)具体例です。具体例と言って、答えられています、具体例と言って。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

大串(博)委員 しかも、このホルムズ海峡の中で、これが海外での武力行使の、例外的に認められるという言葉は一つもないんです。具体例として、こういう場合に機雷掃海するのは集団的自衛権の行使に当たるんだということをこの中でおっしゃっているのみ。海外での武力行使に関する例外だなんということは、このときに一言もおっしゃっていないんです。こういうふうに、発言がそのときそのときで変わってくる。

 この間、私が指摘しました自衛隊のリスクに関してもそうですね。

 先般、議論のスタートの段階では、自衛隊のリスクに関して、リスクはふえないというふうにおっしゃった。それに対して、長い議論を経た上で、新しい任務に伴うリスクはふえる可能性はあるけれども、法制の中を通じてこれを局限化していくんだという答弁で、大体みんな、ああ、なるほど、そういう方向だな、さらに議論をしていかなければなというふうになってきていたんです。しかも、それを総理は先般のカフェスタで、リスクは少なくなると思いますと明言されているんです。こういうふうに、答弁が二転三転される。

 さらに、まだありますよ、総理。

 集団的自衛権の具体例の中の一つ、米艦を防護する、周辺からミサイルで撃たれるかもしれない米艦を防護するということに関して、どの段階で存立事態になるのかという点に関して、周辺で武力攻撃が、周辺国と米国の間で行われている、その中で日本を守ってくれている米艦がいる、これに対してミサイルがたくさん用意されていて、日本、東京も火の海にするというような発言がある、そういった状況の中で日本を守ってくれているこの米艦が一撃されるかもしれない、この一撃される場合に、一時期総理は、これに対する攻撃があったときは存立事態になるんだというふうにおっしゃいましたけれども、先般、岡田委員との議論の中では明白な危険、つまりこの艦船に対する攻撃が明白な危険となったときには存立危機事態だというふうにおっしゃったんです。

 これは大きな違いです。なぜなら、この艦船に対する攻撃が明白になった場合に存立危機事態ということになるのであれば、存立危機事態に対応する存立危機武力攻撃というのが法律の中で決められています、一体何が存立危機武力攻撃なのかというのが極めて不明確になるんです。しかも、存立危機武力攻撃を速やかに終わらせるために必要最小限の措置をとらなければならない、こういうふうに言われているんです。

 こういった重要な点で答弁が二転三転されていることに対して、総理自身の反省の弁はありませんか。

安倍内閣総理大臣 先ほど来、私の発言をまさに誤解を生むような形で紹介しておられるわけでございますが、例えばカフェスタの発言で、閣議決定をしたから立憲主義に合うと言ったわけではなくて、先ほど御説明をしたように、砂川判決からずっと引いて、まさにその全体において、これは立憲主義にかなう、こう言ったわけであります。それを、まるで最後のところだけを引いてきてというのは間違いであります。

 また、先ほど来、私は典型例だと言ったことはない、そのとおりだったじゃないですか。具体例と典型例は違うじゃないですか。誰が考えたって典型例と具体例は違う、こういうことであります。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 ずっと先ほど来、典型例、典型例と述べてこられたけれども、その前提も違っていたということは申し上げておきたい。

 皆さんが否定されたら、間違ったからといって、そんなに騒がないでくださいよ。少しちょっと、委員長……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 委員長の注意にはしっかりと、ちゃんと応えていただきたい、従っていただきたいと思います。

 そこで、米艦につきましては、これは一つの典型例として先ほど申し上げたとおりでありまして、これは典型例であります、米国への攻撃が発生をして、そして我が国への攻撃が切迫している中においてミサイル警戒に当たっている米艦が攻撃される明白な危険、つまり、まずは米国への攻撃が発生しているということであります。これがまさに他国への攻撃が発生をしたということ、密接な関係にある他国に対する攻撃が発生をしたということであります。そして、その上において今申し上げましたような明白な危険があるということになれば、これは存立危機事態になるということでございます。

 答弁は我々は一貫して申し上げているわけでありまして、答弁が今まで二転三転したことはないということは、はっきりと申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 それではもう一度、安倍内閣総理大臣、答弁願います。時間が来ておりますので、簡潔に願います。

安倍内閣総理大臣 大串委員は、別の例について私が説明したことについて、それぞれについての御理解が十分でなかった、こう思うわけでございます。

 例として二つあるわけでございまして、一つは、まず、米軍に対する武力攻撃が既に発生しているという状況であれば、ミサイル警戒に当たっている米艦に対するさらに攻撃される明白な危険があるということが足されれば、これは総合的に判断して存立危機事態ということになるわけであります。

 同時に、米国にまだ攻撃が発生されていないという中にあっては、日本を警戒している米艦に対する明白な危機だけではなくて、そこに攻撃があるということにおいては、これは存立危機事態になるということであります。

 いずれにいたしましても、第一要件にありますように、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したということが満たされなければならない、こういうことであります。

 つまり、最初の要件でいえばそれがもう既に満たされているわけであって、米国に対する武力攻撃が発生しているという条件が満たされていることによってこれは満たされているんです。さらに、しかし、それだけではまだこの存立にかかわることかどうかということはわかっていない、その中において公海上において米艦に対する武力攻撃が発生する明白な危険が重なれば、これは総合的に判断して当たるということでございます。

 もう一つの方の例としては、まだ米国に対する武力攻撃が発生していない中においては、日本を警戒する米艦船に対して武力攻撃が発生したという段階においてはこれは明確に当たるということでございまして、両方とも存立危機事態に当たるということでございます。

大串(博)委員 存立危機武力攻撃という極めて中核の概念ですら明確に答弁されない。それを排するための必要最小限度の武力行使を日本はすることになるんです。その中核的な概念たる存立危機武力攻撃すら、典型例に関して明言されない。こういった中では採決には到底応じられない、このことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

浜田委員長 次に、辻元清美君。

辻元委員 辻元清美です。

 総理、これをごらんになったことはありますか。きのうも二万人と言われる人たちがデモを行いました。これは、今、全国のコンビニで二十円出せばプリントアウトできるんです。これは澤地久枝さんがお書きになったもので、これを全国の人たちが今プリントアウトして、きのうも二十カ所以上でデモが起こっています。この事態をどう受けとめるかなんです。

 総理、これを見たことはありますか。どうですか。どうぞ。見たことがあるかないかでいいです。

安倍内閣総理大臣 それに似たようなものを見たことはあると思います。現物を目の前で、いわば報道等で見たことはございます。

辻元委員 見に行った方がいいですよ、何をみんなが叫んでいるのか。

 そして、総理は、カフェスタというのを始められました。おとといのカフェスタ、自民党のインターネットで国民にわかりやすく説明するというのが、きのう削除された。そして、ユーチューブでも非公開画像になったことを御存じですか。理由も御存じですか。

安倍内閣総理大臣 削除されたというか、これは、インターネット放送の際に、インタビュアーの議員からピースボートについての言及があった、そこに正確性が欠けていたということであります。

 インターネット放送の際に、ピースボートを創設したのは民主党の辻元議員と紹介すべきことを、ピースボートに乗っていたのは民主党の辻元議員と。いわば、創設したのはというところを、乗っていたというふうにこのインタビュアーが発言したということでございます。

 これは、現在、自衛隊はソマリア沖・アデン湾で海賊対処行動を行っておりますが、当初は、自衛隊法に基づく活動でありまして、日本関連の船しか守れなかったのでありますが、その後、海賊対処法の制定によって、各国と共同して世界の船を守ることができるようになったわけでございまして、各国と協力することでより効率的に守ることができて、日本の船員の安全も一層確実になったと思います。実際、自衛隊を派遣した当初は年間二百件を超えていた海賊による襲撃事案は、ことし上半期にはゼロになっているわけであります。

 このように極めてすぐれた抑止効果を発揮している海賊対処法の制定について民主党が反対をしたという事実を紹介する中において、質問者が、今申し上げましたようにピースボートを、実際、ピースボートに対する護衛を申請し、自衛隊の護衛を受けているという事実があるわけでありますが、そこで創設者が辻元さんだったと言うべきところを、乗っていたと。これは誤った発言であったわけでありますから、削除したということだと思います。

辻元委員 総理、今みたいな態度が、国民に、はっきり言えば安倍疲れという言葉まで出てきているんですよ。

 言いわけをだらだらするんじゃなくて、謝るべきところはしっかり謝る。沖縄の皆さんに対しても、マスコミ懲らしめ発言のときも、私はすぐ謝った方がいいとこの場所で申し上げたが、自民党議員にも言論の自由があるとか、言いわけばっかりしているんですよ。自分の言いたいことさえ言っていれば政治が前に進むというのは、改められた方がいいですよ。

 私は、今、国民の皆さん、憲法の存立危機事態だと思っているんですよ。そして、国民の声を聞かない、国民主権の存立危機事態だと思っているんですよ。そして、民主主義の存立危機事態だと思っているんですよ。そして、何よりも、戦後、平和主義を貫いてきた日本のありようを根底から覆す、日本の平和主義の存立危機事態だと思っているから、(資料を示す)これは、安倍政権を許さないじゃないんですよ、「アベ政治を許さない」わけですよ。トータルに言っているわけですよ。きょう採決するのは、私は、これは本当に愚かな、愚行のきわみになると思います。

 この委員会は、私へのやじから始まって、そして、先ほど間違えましたと言いますけれども、拡散しちゃったんですよ。私へのやじから始まって、私へのカフェスタのデマで終わらせようとするんですか。私は断じて認められない。これは私個人の話ではないんです。これは、国民の皆さんに対して非常に軽率、そして不誠実な態度をしているということを、総理はこの期に及んでもだらだら言いわけ。その安倍政治そのものがおかしいと言われているんです。

 具体的に、総理の答弁を例に幾つか質問したいと思います。

 まず、集団的自衛権の行使。

 総理は、何回も何回も集団的自衛権の行使について、今日に至るまで、十年以上前から質問されてきました。そして、官房長官のとき、こうおっしゃっています。これは二〇〇六年四月十七日の答弁です。集団的自衛権の行使は、このとき官房長官でした、必要最小限を超えるものである、つまり、絶対概念としてそのものがだめということではなく、量的概念としてそれを超えてはいけないということであれば、それは行使できる集団的自衛権もあるのではないか、そういう意味においてと答弁されているんですよ、総理は。

 ところが、総理大臣になったときも、集団的自衛権は量的概念でちょっとだけだったらできるんだと答弁しているんです。

 総理、しかし、これは既にその前、総理が幹事長のときの十一年前に同じような趣旨の質問をして、当時の秋山法制局長官に、量的な概念ではございません、そしてこう言っています、必要最小限を超えるか超えないかというのは、いわば数量的な概念なので、それを超えるものであっても、我が国の防衛のために必要な場合にはそれを行使するというものも解釈の余地であるのではないかと安倍総理はお尋ねでございますが、集団的自衛権の行使は、我が国に対する武力攻撃が発生したことを満たしていないとだめ、数量的な概念で申し上げているのではございませんと。

 十一年前に否定されているのに、自分が官房長官になったら、総理大臣になったら、一旦否定されていることを、いや、数量的概念でちょっとだけだったらできる集団的自衛権もあるんだと、公的な立場であなたは答弁しているんですよ。これこそ、自分の思いどおりに憲法をねじ曲げようと。

 そこで、総理にお聞きします。

 今、一九七二年見解、砂川判決のことを根拠に挙げていらっしゃいますが、十一年前から総理は集団的自衛権について何回も質問したり答弁していますが、砂川のスの字も、一九七二年見解、四十七年見解の一文字も出てこないんですよ。

 総理はいつ、一九七二年、昭和四十七年の見解や砂川判決が集団的自衛権の行使を、私は認めておりませんが、一部なら認められる根拠になると誰から教えてもらったんですか。いつ気づいたんですか。一回も言ったことがないんですよ、ずっと集団的自衛権の行使のことを言って。いつですか、それをはっきりしてください。五月八日の答弁でも砂川判決のことは言っておりません。いつですか、総理。はっきりしてください。

安倍内閣総理大臣 これは、いつですかという私の内面のことについての御質問だと思いますが、そもそも、いわば自衛権があるということについては、最高裁の判決としては砂川判決であるということは常識でございます。

 従来から申し上げているとおり、必要な自衛の措置をとり得るべきということは国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないとのいわば砂川判決があるわけでありまして、これはもう随分前から私は当然知っているわけでございます。この砂川判決の上において、軌を一にする形で昭和四十七年の政府見解があるわけでございます。この政府見解において、この当てはめがどうなのかということについての疑問があるからこそ、私は質問をしているわけでございます。

 いわば軌を一にする形での昭和四十七年の見解があるわけでありますが、この必要な自衛の措置の当てはめとして果たして全ての集団的自衛権の行使が認められないのかどうかという観点から私はこの質問を繰り返してきたわけでございまして、自衛の措置の中で、必要な自衛の措置は何かという中において、果たして全てそれは集団的自衛権の行使が入らないのかどうかという観点から質問をしているということでございます。

辻元委員 後づけですよ。

 というのは、横畠長官がこの間の答弁で、砂川判決や一九七二年見解の、今までの法制局長官で聞いたことがないと。この間、法制局長官のお一人が来られて、黒を白に言いくるめるようなものだと宮崎長官がおっしゃった。横畠長官はこれに対して、見解が違うと。

 法制局というのは、時の長官によってころころ見解を変えていいわけですね。ですから、横畠長官が去った後、別の法制局長官がまた見解が違うと変えていいということになるんですよ。わかりますか。

 あなたは、青いバラが開発されたと。では、黒いバラが開発されたらいいんですか、また変えて。そういうことをしているから、国民は不信感があるんです。

 総理にもう一問聞きましょう。

 自衛隊のリスクの問題をこの間議論してきました。ジュネーブ条約、捕虜の取り扱いについて私は質問をいたしました。後方支援に行ったときです。

 岸田大臣はこうお答えになっています。「紛争当事国の軍隊の構成員、戦闘員ではありませんので、これはジュネーブ条約上の捕虜となることはありません。」と言っているわけです、後方支援で。

 総理はかつてこういう答弁をしていらっしゃいます。ことしの三月です。「捕虜となった場合は軍人として扱われなければ、これはまさにテロリストと同じことになってしまう」わけでございますと。

 ということは、我が国の自衛隊を後方支援に出して、いわゆる軍人として扱われない、紛争当事国の軍隊の構成員、戦闘員ではないときはジュネーブ条約が適用されないと言っているわけですから、総理の論理であれば、テロリストと同じに扱われても仕方がないということですか。いかがですか。総理です。これは総理の発言ですよ。だめ。きょう、こんなことも逃げるようで採決するの。堂々とやってください、総理。

浜田委員長 後に内閣総理大臣が答えます。順番。

岸田国務大臣 委員長の御指名です。(辻元委員「岸田さん、あなたの答弁はもう聞いた」と呼ぶ)いえ、委員長の御指名ですから、一言申し上げます。

 おっしゃるように、我が国が後方支援をするのは、適法な行為を支援するわけですから、武力の行使とは認められません。よって、我が国は紛争当事国ではありませんので、自衛官に対しましてジュネーブ諸条約は適用されない、捕虜として扱われない、それはそのとおりであります。

 そして、この捕虜として取り扱われないとしても人道的な取り扱いがされない、そういったことを申し上げてはおりません。紛争当事国ではありませんのでこの捕虜として取り扱われませんが、そのことによって、我が国はこうした拘束等を認めることができないわけですから、直ちに解放を求めることになりますし、人道的な取り扱いはできます。

 そして、テロリストと同じではないかということですが、テロリストは、不法行為、法律に違反した行為であります。我が国の行為は国際法上適法な行為であります。不法行為を行った、法律、国際法に従っていない、こうした行為と同一視することはできないということはしっかりと御説明させていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 ただいま岸田大臣が国際法の観点から、いわば有権解釈をする外務省を代表して外務大臣が答弁をさせていただきました。

 私がテロリストとこれは認定されてしまうと言うのは、我が国が武力行使を行った際にいわば自衛隊員が捕虜となったときには当然軍隊として取り扱われなければならないわけでありまして、そうでなければ、そもそも、まさに紛争の当事国になっているわけでありまして、そこで武力攻撃、武力行使をしているわけでありますから、まさに人を殺したり、せん滅的な活動を行っているわけでありますから、これは当然テロリストとして扱われる危険性がある。

 しかし、他方、武力行使と一体化しないという後方支援においては、これはそもそも紛争当事国ではありませんから、直ちに捕虜というか、向こうが捕らえること自体が間違っているというのが我が国の立場でございます。

辻元委員 中谷さんにお聞きしたいんですが、今の総理の話で申し上げますと、前回、私はイラクでの自衛隊の派遣についてのこの資料に基づいて質問しましたが、ここで、派遣地域、治安情勢、宿営地が所在する地域の治安情勢は不安定で、自衛隊に対するテロの可能性があると書いてあるんですよ、報告書に、あのイラクでも。

 中谷さんにお聞きします、違う観点から。

 専守防衛だとずっとおっしゃっていますね。停戦前にホルムズ海峡に機雷除去に行くことは専守防衛ですか。お答えください。

中谷国務大臣 これは武力行使に当たるわけでありますが、今回、存立危機事態ということを設けまして、これは、従来の憲法の基本的論理、すなわち、我が国の存立を脅かし、そして自国の国民の権利を根底から覆すというような場合において三要件を判断してかけるわけでございますので、我が国の防衛、安全保障上の専守防衛、専守防衛の一環でございます。

辻元委員 私、この前、この資料は黒塗りが多いと中谷大臣に申し上げましたね。それで、既にもう黒塗りじゃないものも出回っているわけです、一般の方に間違ってお出しになったようで。

 この委員会に、皆さん、思い出してください、この黒塗りの、イラクでの活動の中身が出ないと、どういう点がイラクで問題があったのかということで、全く実質的な審議ができないじゃないかと。中谷大臣は、検討しますと言っていますね。これを出していただかないと採決なんか、審議なんか進んでいないわけですから、できないと思います。

 委員長、理事会で協議するとおっしゃって、きょうに至るまで出ていないじゃないですか。私は、今から休憩して、もう一回理事会を開いて、この黒塗りを全部出していただくまで質問はできません。委員長、どうですか。

中谷国務大臣 その資料というのは、イラク復興支援活動行動史、イラクでの活動をまとめたところでありまして、これまで一部不開示としてきたところでありますが、今回、委員からの要請もありまして、これの開示につきましては、今、全面開示する方向で検討いたしておりまして、委員会の要求に従って回答したいと思っております。

辻元委員 だめ。全部出してもらわないと、できない。できません。(発言する者あり)

浜田委員長 基本的に、委員長から申し上げます。

 七月十日の日に、この件について我が理事会で協議するということを申し上げました。そして、その後、今に至って、いろいろな形でいろいろな私に対する要求がございましたので、それを順次お応えしているさなかでございました。そしてまた、きょう、辻元委員から御指摘があって提示があったということでございますので、理事会の際には、この十日の日に出てきたときにお話があっただけでございますので、私とすれば、このまま審議を続行していただいて、検討させていただきたい、このように思います。

 辻元清美君、質疑を続行してください。

辻元委員 委員長、今、審議を続行していただいて、検討したいということは、委員長にお聞きします、この黒塗りの部分が出てこない限り、採決は認めないということでいいですね。

浜田委員長 そうではありません。これはあくまでも理事間で検討していただくということでありますので、そのことによっていろいろなことを拘束するものではありません。

辻元委員 こんな真っ黒けのままで何を審議できるんですか。だめですよ。もう一回、ちょっと理事、集まって協議してください。だめだよ。だめ。(発言する者あり)

浜田委員長 辻元清美君、質疑を続行願います。(発言する者あり)

 辻元清美君、審議を実行してください。

辻元委員 これは後方支援という、今回、非常に大きな、重要影響事態もそうですし、それから、いわゆる恒久法も一番大きな争点だったわけですよ。今までの活動の経験にのっとって、非戦闘地域も外すとか、そして兵たんと言われているところに踏み込むと言っていた。だから、この資料を出してくれ、私たち審議できないじゃないかと言ってきたわけですよ。

 こんな状況で採決、委員長、絶対やっちゃだめですよ。委員長、そう腕組みしているだけじゃなくて、私は、名委員長になってほしい。

 最後に、総理にお聞きしましょう。

 総理は、先ほど歴史認識の話をされました。去年、侵略戦争に絶対日本は行かないんですかという質問をされて、日本が侵略戦争に加担することは絶対ないと総理は言い切っています。しかし一方で、侵略戦争の定義を聞かれて、侵略戦争の定義については国際的にも定まっておりませんとか、国と国の関係において、どちら側から見るかということにおいて違うわけでございますと答えているわけですよ。

 侵略戦争には絶対行かないと一方で言い、侵略戦争は見る側によって違うから定義もわからない。あなた、どうやって、侵略戦争をしないかどうか、あなた自身が判断するんですか、お答えください。

安倍内閣総理大臣 国際法的に定義が定かでないというのは、これは政府として一貫している、答弁が一貫しているわけでございまして、これはかつての村山政権時代にもそうでありますし、当時の村山総理もそういう趣旨の答弁をしておられるわけでございます。

 そこで、私がいわば侵略戦争に加担しないということを申し上げたのは、このやりとりの中での文脈における辞書的な定義としての侵略戦争、いわば侵略に加担しないという意味において申し上げたわけでございます。これはまさに、武力でもって他国に乗り込んでいって他国をいわば自分の主権下に置くあるいは領土にする、こういう意味におけるいわば辞書的な意味において申し上げたということでございます。

辻元委員 総理、過去の自分の国の戦争について国策の誤りかどうかも言えない、そんな人に将来の武力行使について判断できるかということを国民は感じ取っているんですよ。

 憲法についても押しつけ憲法だと、何か屈辱的だと言わんばかりの意見もおっしゃっていますけれども、アメリカの議会に行って、国会や国民に法案を示す前に、夏までに成就させるとアメリカの議会でこの議会よりも先に言ってこられる、その姿勢の方が国民にとっては屈辱的だということをあなたはわからないんでしょうかね。

 憲法九十九条で、私たち立法府みんなが憲法を尊重し擁護するという義務がございます。憲法違反だとわかっている法律を私たち立法府の議員が見過ごすというのは、これに加担することになる。

 だから、どうぞ皆さん、憲法九十九条違反にならないように、歴史に恥じないように。採決は、委員長、きょうはやめる。そして、勇気を出して、総理、この法案をきょう撤回してください。それが総理にできる最大の国民の声を聞くということだと申し上げて、終わります。

浜田委員長 次に、下地幹郎君。

下地委員 維新の党の下地幹郎でございます。

 もう百十時間を超える審議をしてまいりました。この審議、百十時間、ここにいる委員の皆さんもこの席に座りながら、総理の答弁、外務大臣の答弁、防衛大臣の答弁、そしてきょうお座りになっている民主党、維新の党の提出者の答弁と聞いてきたわけです。この聞いてきた意見が今、国民の間の中で十二分に理解されているかどうかが大きなポイントになっているんです。

 今、充実した審議という一つの基準がありますけれども、総理がお考えになっている充実した審議というのは、何をもって、定義をもって充実した審議とおっしゃるのか。まず、そのお話を聞かせてください。(発言する者あり)

安倍内閣総理大臣 充実した審議というのは、まさに委員の皆様はずっとこの席に座って質疑を見守り続けているわけでありますし、時には質問者として政府側との質疑を行うわけでございます。委員会において質疑が充実しているという御判断をされる、そして質疑が熟してきたという御判断をされるときが、まさにこれは質疑が熟したということではないか、こう思うところでございます。

下地委員 自民党の後ろの方から、時間と質疑の内容だよと。そのとおりなんですよ。時間が十二分になければ質疑は深まりませんよ。しかし、内容のどこをもってこれが充実したかというと、どの声を私たちが大事にすべきかといったら、それは国民がこの審議を聞いて十二分に納得しているかどうか、このことをもって私たちは充実した審議と言わざるを得ないんじゃないかと思います。

 誰のために政治をやっているのかということになると、間違いなく国家国民のために私たちはやっているわけです。この重要な法案が世論調査を見てなかなか前に進まないというようなところは、充実した審議に当たらない、そう解釈されてもしようがないんじゃないかと思います。

 客観的に、総理もなかなか世論調査が上がらないなということをお考えになってインターネットに出たりテレビ番組に出たり、いろいろなことの工夫をなされていると思いますけれども、充実した審議にならない最大の要因は、総理から見て、この数字を見て何が原因だと思われますか。

安倍内閣総理大臣 質疑の中身でございますが、基本的に、この委員会においても申し上げてきているわけでございますが、一つは憲法上の制約の問題、同時に国際法との関係もございます、そして安全保障上の必要性の観点もあるわけでありまして、こうした三つの観点からの議論でございますが、それゆえに大変理解するに困難な点があるのも事実であろう、このように思うわけでございます。その中から我々もできる限り具体例を挙げながら御説明させていただいているところでございまして、今後も国民の皆様に御理解いただけるよう努力を重ねていきたい、このように思います。

下地委員 この百十時間の審議を聞いている中で、私は大きな分岐点が二つあったと思うんです。

 一つは、憲法審査会において憲法学者の方々がこの法案を違憲と言ったときに、やはりこの委員会の雰囲気が変わりましたね。どういうふうな憲法学者の判断があるか、発言があるかというのを注視していましたけれども、あの発言の場で憲法学者の皆さん、元内閣法制局長官の皆さんがやはりここは違憲だというようなことをおっしゃったというところが、この空気が変わった一点目になります。二つ目は、自民党の勉強会での百田発言。これはこの委員会でも総理も陳謝なされて処分もなされてとありましたけれども、あの二つの出来事が私はこの委員会において物すごく影響を及ぼしたなというふうに思うんです。この二つがまだ解決されていないんですよね。

 この違憲の問題は、そのままこの法律が通った、衆議院も通った、参議院も通った、この質疑の中でありましたけれども、最高裁の判決でこれが違憲と出た場合にこの安全保障そのものがまた一からやり直しになるんじゃないか、こういう不安を抱えながらこの法案を審議していいのかな、こういうふうな声がまだ国民の中で相当強くて、これがおさまらないというところが問題なんです。

 二つ目には、長妻さんもよく話をしますけれども、戦前のこの国のマスコミの統制の問題、大本営発表、こういうイメージがまだ七十年前のものが残っていて、あの百田さんの発言があったときの、この発言と同じようにマスコミの統制が、広告代を出さなきゃいいんじゃないかとかというあの発言が、やはり僕は重くのしかかってきているんじゃないかと思うんです。

 そういう意味でも、この二つのことについて総理がもう一回明確に、違憲に関して最高裁の判決が下された場合、自分たちは何をするのか、それと、マスコミに対するこれからの安倍総理としての対応はどうあるべきか、この二つを明確に言っていかないと、私は本当の意味での理解が深まらないのではないかと思うんです。

 そのことについて、総理のお考えを聞かせてください。

安倍内閣総理大臣 日本国憲法の中においては、自衛権がある、自衛隊は合憲であるということは明文に規定されていないわけであります。そこでまさに、それは果たして合憲なのかどうかと議論がありました。憲法学者の多くは、自衛権はないんだという、いわば個別的自衛権すら否定する意見が主流であったのも事実であります。

 その中において、三十四年の砂川判決がありました。必要な自衛の措置をとり得ることは国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならない。つまり、自衛権の最終的な判断をする、これは憲法にも書いてありますが、最高裁判所が判断として定めたわけであります。その上において、個別的自衛権、集団的自衛権、二つあるわけでありますが、この整理をする四十七年の政府見解、これは砂川判決と軌を一にするものでございますが、当時の情勢に鑑み、必要な自衛の措置をとれるのは砂川判決と軌を一にしておりますから全く論理は同じでありますが、しかし、集団的自衛権の行使は違憲としたところでございます。

 あれから長く時間が経過をした中において、我々は常に必要な自衛の措置とは何かと考え続けるわけでありますが、そして今回、国際情勢は大きく変わって、一国のみで自国を守り切れる国はないわけでございます。残念ながら、兵器も相当進歩している、北朝鮮は数百発の弾道ミサイルを持っているわけでございますし、同時にこのミサイルを阻止できるというミサイル防衛という仕組みもできた。この中で、日本とアメリカが協力してミサイルからの攻撃に対して日本国民の命を守ることができる。同盟国である米国のミサイル防衛の機能が失われるということは、まさに我が国が存立の危機に陥っていく。こういう新しい事態になった中において、三要件のもとに集団的自衛権の行使があるという判断を我々はしたのでございます。つまり、その意味においては我々は合憲であるという絶対的な確信を持っているところでございます。

 そして、その時々、まさに必要な自衛の措置とは何か、これは国会と政府が考え抜かなければならないわけでありますし、また憲法学者の皆様の御意見は常に傾聴しながら我々も考えていく必要もあります。同時に、今でも自衛隊においては憲法違反だという声が、実は憲法学者の中でかなり多数の意見があるのも事実でございますし、PKO法のときにも、自衛隊の海外への派遣は違憲だ、これは朝日新聞が行ったアンケートで七割の方々は違憲だということであった。しかし、あのときに国会も政府も私たちがやるべきことは何かを考え抜いて結論を出したのでございまして、今はおおむね多くの国民の皆様に御理解をいただいている。

 と同時に、正しい議論を行っていく上においては言論の自由そして報道の自由が守られる、これは憲法にも保障されているわけでございますが、当然私たちは、この言論の自由、報道の自由を守り抜いていく、これを貫徹していくことは民主主義の根幹であろう、このように思っているわけでありまして、今までもそうであったように、これからもそれが変わるということは決してありませんし、変えてはならない、このように深く決意をしているところでございます。

    〔委員長退席、御法川委員長代理着席〕

下地委員 よく総理も菅官房長官も、自衛隊が創設されたときの憲法違反の話と、PKOのときの国民世論がなかなかついてこなかった、この話をするんですよね。

 自衛隊が創設されたとき憲法違反だというふうに言っていても、自衛隊の役割を明確に専守防衛とやっていたから結果的には国民の理解が深まる要素があったと思うんですよね、ある要素があった。しかも、PKOに関しても、自衛隊を派遣するといいながらも、この大きな趣旨が国際貢献。ODAもあれだけ日本は拠出をした国家でありましたから、そういうふうな一つの大きな背景があって、これは時間をかけていけば十二分に理解できるのかなというような素地があったと私は思うんですよね。ただ、今回の法案をこの二つの例をもって、時間がたてばこの法案への理解が深まって世論の中で構築されていくというようになるのかというと、私の頭のサイクルで、そうなるんじゃないかというサイクルがなかなか出てこないんです。

 それはなぜかというと、きょう総理に御答弁いただきましたけれども、砂川判決そして四十七年の政府見解、この百十時間の論議は大体この論議で来たんですよ。憲法、集団的自衛権に関してはこの論議で来たんです。防衛大臣も外務大臣もずっとこの論議で来ましたけれども、この論議で深まらなかったら別の根拠が何か、総理の方から砂川判決や四十七年の統一見解と同じように別の説得する話が出てくるかというと、なかなか出てこないんですよね。

 これは何かないですか、国民が理解する上で。百十時間この論議をやってもなかなか理解がされない、それならばもう一つ何か国民を理解させるための新たな論理構成をもって国民を理解させようという、百十時間やっていてもこれがなかなか見えてこないんですよね、総理。それについて、もう一つ、この論議をもって説得するという論議、お考えになっているものはありますかね。

安倍内閣総理大臣 いわば憲法との関係で、今、国民の理解という御議論もありました。専守防衛の中で国民の理解が深まった、PKOについては国際貢献という中で国民の理解が深まったというのはまさにそのとおりなんだろうと思いますし、同時に、しかし、憲法学者との関係においてはこれはまさに純粋な理論でありますから、憲法学者の多くの皆さんは今でも自衛隊は違憲という立場であり、その結果、例えば多くの教科書にもその意見が紹介されているというのが今の現実であるということも、我々は踏まえておく必要もあるんだろうと思います。

 同時に、具体的な例を御説明することによって国民の皆様の御理解も深まるのではないかと思うわけでありますが、その中において、例えば日本の近隣において米国に対する武力攻撃が発生した、そしてその後、日本に対するミサイル攻撃が差し迫っているかもしれないという中で警戒に当たる米国の艦船を攻撃するという明白な危険があるというときについては、先ほど申し上げましたような例として、これは存立危機事態に認定し得るというお話をさせていただいたのであります。あるいはまた、突然、米国に対する攻撃がある前に日本近海で警戒に当たっている米国の艦船を攻撃してきたということにおいても存立危機事態に当たるということは、先ほどのやりとりで説明をさせていただいたとおりでございます。

 維新の党の皆様方は対案として出され、それは集団的自衛権としてということではなくて、いわば自衛権というくくり方で一つの考え方を示されたということでございます。

 その中で、小沢鋭仁議員もお答えになったように、国際法的にはそれは集団的自衛権の行使とみなされるというわけでございますから、そこで大切なこと、やるべきこと、やらなければいけないことは何かということについてはある種大分意見は集約している、しかし、国際法的な観点からはそれはまさに集団的自衛権の行使に当たるというふうに我々は考えるわけでありますし、小沢鋭仁議員もそのように見られる可能性があるということについてはそのように答弁をされているわけでございまして、どう整理するかということについては我々の考え方を変えるわけにはいかないのでありますが、だんだん、何が必要か、これがやはり必要だという観点においては御党もその考え方を示されたということについては敬意を表したい、こう思っているところでございます。

    〔御法川委員長代理退席、委員長着席〕

下地委員 総理、対案じゃないんです。独自案。

 今、総理からお話がありましたけれども、私たちの党の考え方としては、総理がこの前も答弁でおっしゃったように、私たちの独自案はこの委員会での積み上げによってできたんじゃないかと言っていますけれども、そのとおりなんですよ。この委員会の積み上げをもって独自案をつくってきたんです。その内容というのは何かといったら、やはり砂川判決の話と四十七年の統一見解の話をしても憲法違反というような論議がなかなか数字的に理解が深まらない、そういう中においては、ここは私たちは、合憲の範囲の中で物事を何ができるか、日米安保を伴って何ができるか、そういう論点でこの独自案をつくらせていただいたんです。

 だから、総理、今うちの柿沢未途提案者から、この論点から積み上げた、私たちが何でこの独自案をつくったのかということを御説明させていただきますからぜひ聞いていただいて、この積み上げの中の私たちの、合憲であり国民の理解が深まるというところの意義をぜひ御理解いただきたい。短く。

柿沢議員 お答えいたします。

 我々は、日本を取り巻く安全保障環境の変化の中において今のまま何もしなくていい、こういうふうには考えておりません。その一方で、日米同盟を基軸としながら、憲法適合性を確保しつつ、やれることはやれるようにする、これが大切だというふうに思っております。

 したがいまして、二〇〇三年五月の秋山内閣法制局長官答弁、つまりは、日本周辺において日本防衛のために活動しているアメリカの艦船に対する攻撃があった場合、それを日本に対する攻撃の着手、端緒とみなして、第一撃とみなして武力行使を含めた事態対処をアメリカと共同で行うことは自衛権の行使の範囲ということで憲法に適合したものとも認められる、この答弁を根拠といたしまして武力攻撃危機事態というものを規定させていただきました。

 それに比して、政府案の存立危機事態というのは、これは私たちが言っているわけではなくて内閣法制局長官経験者、横畠長官の先輩、師匠に当たる方々です、そして憲法学者の権威ある皆さんがこぞって、まさに拡大解釈の余地が余りにも大きく、歯どめはないも同然であるということで、憲法違反という大変厳しい評価を受けているわけであります。

 この部分の評価をしっかりと受けとめた上で武力攻撃危機事態という規定をさせていただいて、当面日本がやらなければいけないことは、日米安保条約を基軸としてアジア太平洋における平和と安定を守る、それをもってひいては日本の自国防衛を万全としていく、そのことだというふうに思いますので、その限りにおいて、座して死を待つのではなく、日本の直接攻撃を待っているのではなくて事態対処を行えるようにした、これが私たちの考え方であります。

下地委員 今井提案者、三本の法律を出しましたけれども、この三本の法律を出されて、政府との見解の大きな違い、うちの独自案と政府との見解の違い、そして自分のところはここがいいんだというようなことを答弁してください。

今井議員 まず、今の柿沢提出者の話を少し補足させていただくと、私たちは議論の中で、自分たちは合憲だとは思っているけれども、客観的に見られると違憲だと言う方がたくさんおられるという状況は回避しなければいけないということでやってまいりました。

 さらに、大変心配しておりますのは、一昨日も答弁させていただきましたけれども、歴代の内閣法制局長官のOBが違憲とおっしゃっているということは、内閣法制局長官というのはまさに政府ですから、法の安定性ということで考えれば、歴代の方たちが違憲と言ってしまうと法の安定性が保てないという懸念がありまして、そういうところを私たちは十分やってきたということです。

 基本的な考え方としては、今、柿沢委員がおっしゃった考え方のもとに、我々は、今現実的に環境が変わって日本がやらなきゃいけないことを明確に法文に書き込んで、そのことだけをやりましょうという考え方をしております。ところが、政府の方はどちらかというと、できる限り法理上はいろいろなことができるようにしておいて、でも私たちは解釈上ここまでしかやりませんというやり方をしておりますので、それであれば、解釈を変えてしまえばもっと広いことができてしまうんじゃないかという、この懸念が払拭できないということなんですね。それを回避するために、我々は、できる限り法文に明確に書くということでやらせていただいております。

下地委員 具体的なことについてちょっとお聞きしたいんですけれども、丸山提案者、周辺事態法、政府が出されている存立事態とうちの武力攻撃事態法、この明確な違い。このことが一番重要なところなので、それについて国民にしっかりとわかるように説明をお願いしたいと思います。

丸山議員 お答えいたします。

 この違い、非常に明確でございます。

 政府案におきましては、法案上の構成要件も非常に曖昧であります。具体的には、密接な関係にある他国に対して武力攻撃がなければしないとおっしゃいますが、では密接な関係にある他国とはどこだというと、この委員会でもたびたび御答弁がありますけれども、明確ではございません。これに関しましては、我が党の法案では、条約に基づいて、そして我が国の周辺で我が国の防衛のために活動している外国の軍隊に対して攻撃があった場合にと、かなり明確にしております。

 そしてもう一つ、いわゆる第二要件においても、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険と、政府案は非常に曖昧な法文上の構成要件になっております。こちらに関しても、我が党案では、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険と、かなり歯どめをかけていく。

 しっかりと構成要件を法律の中で明記していくことで、国民の皆さんが不安にお考えになるところにお応えできる、そんな内容になっていると自負しております。

下地委員 総理、今、我が党の提案者が三点にわたって、政府案との違いであったり、趣旨であったり、周辺事態に対する考え方であったり、こういうふうな三点を国民の前で発言させていただきました。総理、これを聞いてどう思いますか。

安倍内閣総理大臣 存立危機事態に対して皆様が出された法案については、そうした独自案を出されたことについては先ほど申し上げましたように敬意を表したいと思いますが、私どもの考え方としては、憲法との関係そして国際法との関係について整理をし提出させていただいたところでございまして、与党で審議を重ね政府案となったのでございますが、我々はこの政府案によって切れ目のない対応が可能になると思っているところでございます。

 また、領域警備につきましては、いわば警察権において対応すべきところに対して、例えば海上保安庁が対応しているところに同じ警察権を自衛隊にも与えていることによって、ミリタリー対ミリタリーになる前に海上警察たる海上保安庁と相手方もそういうことに対応する機関が出ているところを、我が方がそれをエスカレートさせている、このように捉える危険性があるのではないかということであります。また、それを判断するに際して、果たして警察力で不十分なのかどうかということについて防衛大臣だけで判断していいのかどうかという問題もあるんだろうということでございます。

 潜没潜水艦の例を先般挙げられたのでございますが、潜没潜水艦については海上保安庁ではとても対処できないということは明白でございますから、我々は潜没潜水艦に対してはまさに海上保安庁で対応できないという対処方法、いわば閣議決定を簡略化するものにしているわけでございます。しかし、海上警備行動が必要かどうかということについては、我々は電話でスムーズな対応を可能にしているところでございますが、これはやはり形として閣議に諮るということが必要ではないのか、警察力で十分かどうかということについては内閣において検討する必要があるのではないか、こう思っているところでございます。

下地委員 私たちは、合憲か違憲か、そして領域警備法の問題、そしてPKO、国際協力の問題について三本の法律を出させていただきましたけれども、この独自案を出すときにもなかなか党内においてもやはり難しいところがありましたよ。なぜかというと、今政府が出している法案がなかなか国民の理解が得られない、なかなか世論調査を見ても数字が上がってこない、こういう中において独自案を出すことは政府案をアシストすることになるんじゃないかという声が党内においてもいっぱい出てきました。

 だけれども、私たちの松野代表や、そして前の橋下代表、江田代表はこういう結論に達しているんです。政府案が理解できなければ、政府案にかわる理解を得るものを出していくような野党じゃなければこれからの新しい野党にはならない、これが今から私たちの新しい野党としての姿なんだと。革新的な野党じゃなくて保守的な野党、安全保障政策に対してもしっかりと私たちは方向性を示す、そういう野党の姿の試金石が、今回の平和特における独自案を出す私たちの党の、大きなある意味踏み絵だったと私は思うんです。これをしっかりと出して与党と協議する、こういうことをやっていく中でやはり最後は政権をとるような野党になっていく、そういうふうな思いが私たちの党の大きな根幹にあるというふうに思うんです。

 そういう意味でも、きょうこれから審議を終局して採決する、こういうふうなことになるかもしれませんけれども、私たちとしては、私たちが出した八日、十日に一回目の審議をやり、十三日には中央公聴会をやり、十四日には民主党や共産党が定例日じゃないといって出られない、その気持ちもわかります。しかし、独自案を出した以上は審議をしなければいけないといって、まだ三回しかやっていないんですよね。この三回の中で、きょうの十五日に採決だと言われても、私どもにとってはすとんと落ちないんですよ。落ちない。

 だから、私は委員長にも申し上げていますけれども、審議を拒否するものではないから審議をやりましょうよ、そういうふうなことをやりながら私たちの独自案を国民の前でもう一回、安倍総理がおっしゃったように、どっちが本当に説得力があるのか十分に論議していきましょうよと。私は、きょうの十五日の採決というのはそれを国民から奪う行為になっちゃうんじゃないかと思うんです。だから、この審議をもっと進めていただきたいということをぜひ皆さんにお願いさせていただきたいというふうに思っています。

 最後になりますけれども、繰り返しという話がありますけれども、繰り返しはあるんですよ。納得がいかなかったら何回も繰り返すんです。自分が納得していても、人が質問で聞いて納得しなければ、何回でも同じ質問が来るんです。これをだめだと言ったら与党じゃないんです。私は、そういう意味でも、繰り返しでも何度でも説得力があるまでやっていくというような姿勢を見せていかなければいけないと思います。

 最後になりますけれども、柿沢提案者に聞きます。

 独自案を出した、独自案を出すとき巨大与党と交渉する。巨大与党と交渉するとき、独自案を出したときに、絶対に通そうという腹構えがあって野党が独自案を出していかないと、いつまでたっても野党なんですよ。出すことが目的、成立させることが目的じゃない、そういうふうな独自案の出し方をしていたら、私は政権をとる与党にはならないと思いますよ。

 この審議を通して、維新の党の幹事長として、提案者として、どういう方向で維新の党のこれからの政策の方向性を持っていこうとしているのか、そのことを最後にお聞きしたいと思います。

柿沢議員 下地先生が、政府に対してのみならず、安倍総理に対してのみならず、私たちにも厳しい方だということがよくわかりました。

 まさに今回、私たちが独自案を提出する、それをまとめるに当たって一番念頭に置いたのは、私たちが政権をとったときにこれをそのまま実行できるかどうかであります。

 橋下最高顧問と大阪で議論をさせていただいた際にも、与党になったときにこれができるんですか、野党だからという気楽な立場で非現実的なことを言っているのではない、そういう内容にきちんとなっていますか、こういう観点から議論をさせていただきました。その結果、専門家の皆さんから高い評価をいただき、憲法学者、内閣法制局長官経験者の皆さんから、これは憲法の範囲を逸脱しているものではない、合憲という判断をいただいております。

 そういう意味で……(発言する者あり)成立しなかったら意味がない。残念ながら数がありませんから。私たちは政権をとるために、これからしっかり私たちの政策の内容を訴えて、国民の御支持をいただいてまいりたいと思っております。そして、皆さんが野党の立場から十分にやじを飛ばしていただけるように、しっかり私たちも頑張っていきたいというふうに思います。

 以上です。

下地委員 参議院に行ってもまたこの審議は深まることになりますから、この独自案をしっかり国民にアピールしていく。

 まあ、私がいつも言うように本気度ですよ、本気度。案を出したら本気度、とにかくねじ伏せてでも自分が出した案を通していく、そのぐらいの迫力を持って出さないと与党にはなれない、そういう思いを持って、一緒になって頑張っていきましょう。

 ありがとうございました。

浜田委員長 次に、青柳陽一郎君。

青柳委員 維新の党の青柳陽一郎でございます。

 本日、この重要な安保法制が採決されるのではないか。しかも、委員長の職権で採決するということを決められたということでございます。

 これまでの浜田委員長は、この安保法制が始まってから百回以上速記をとめてくださいということで進められて、大変丁寧で公平な議事の運営をされてきたと思います。しかし、きのうからその姿勢が豹変されて、委員長職権で委員会を立て、そして委員長職権で採決の日程を決めたというのは、今週の月曜日までの浜田委員長の姿勢と全く違うのではないかと思います。

 ぜひ、採決するというのを再考していただきたいと思います。委員長、どうでしょうか。

浜田委員長 今、私がお答えするあれではございません。

 この質疑が終わった段階で判断をさせていただきます。

青柳委員 せっかく九十五日も国会を延長された。これも過去最大です。ぜひ徹底した審議をこれからもお願いしたいと思いますので、申し上げておきたいと思います。

 我々は、まだまだ国民の理解が進んでいるとは到底思えない。これは各種の世論調査の数字で明らかになっていることであります。そして、専門家や有識者の強い懸念、これも全く拭えていない。本当にこうした状況で採決できるのか、国民の不安、懸念は増大するばかりであります。

 そして、決定的だったのは、昨日、安倍内閣の主要閣僚である石破大臣そのものが、国民の理解が進んでいるとは思えないと発言されております。私は、この発言を大変重く受けとめるべきだと思いますし、安倍内閣の主要閣僚からこういう発言が出ている、これは大変重要な問題ではないかと思っております。

 安倍総理自身は、十三日月曜日、自民党役員会で法案の理解が進んできていると思うというふうに発言されたそうでございますが、これは、安倍総理、何をもって国民の理解が進んでいると思われたのか。そして、同じ内閣で石破大臣がこのように発言されているということについてどのように思うんでしょうか。お答えいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 先ほども答弁させていただきましたが、世論調査の結果を見れば残念ながら国民の理解は進んでいないということでございまして、我々は、国民の理解が進むように、深まっていくようにさらに努力を重ねていきたい、このように考えております。

青柳委員 石破大臣の発言についてはどのように思いますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 石破大臣も、残念ながら今、世論調査の結果から見て国民の理解が進んでいないという状況にある中において、これは政府においても、また与党においても国民の理解が深まっていくように努力をしていかなければいけない、こういう観点から御発言されたのではないか、このように思います。

青柳委員 それでは、安倍総理は、この安保法制、機は熟している、決めるときには決めるという発言をこれまでされております。きょうはまさにその決めるときは決めるというタイミングになるんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 まさにこれは委員会においてお決めになることであろう、このように思います。

青柳委員 いやいや、総理はどのように考えられているか。決めるときには決めるというふうに総理はもう発言されておりますが、総理はまさに今がそのタイミングだと思われているかどうかについてお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 私は決める立場ではございません。まさにこれは三権分立の考え方から、私が今、いつ決めるということをこの場でどうこう言うべきではない、このように思います。

青柳委員 それでは、もう一つ伺いたいと思います。地方議会の件について伺いたいと思います。

 今週十三日、この委員会で中央公聴会が開かれました。そこで、与党推薦の公述人、村田公述人は次のように意見を述べられております。

 今回の法案につきまして、地方の議会などからも懸念の声が上がっているやに報道で承っておりますけれども、安全保障や外交の問題は東京だけの問題ではございません、日本全体で、深く、そして常に議論されなければならない問題でございます、そういう意味では、安全保障の問題を地方でもしっかりと議論できるような環境を整備していかなければならない、外交、安全保障は首都だけでの問題ではない、これを考えていただきたいというのが与党推薦の公述人の……(発言する者あり)いやいや、ここに明確に言っています。地方の議会も懸念の声が上がっている、これに理解を求めることが重要だというふうに明確に述べられているわけでございます。

 総理、地方議会の理解、これは進んでいると思われますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 もちろん、地方の方々に対して御理解を得るように我々も働きかけていく、あるいは努力をしていくことも当然必要だろう、このように思うわけでございますが、同時に、国会は国会としての大きな責務があるわけでございます。自衛隊に対して、今回の存立危機事態においてもそうでありますが、重要影響事態においてもそうでありますが、政府とそしてまた国会がこれを判断するわけでございまして、国会こそがしっかりと議論していくことが求められていくんだろうと思います。

 その中において地方の方々においても理解が進むように努力を重ねていかなければならない、このように思っております。

青柳委員 まさに努力を重ねるべきだと思いますので、まさにその努力がこの国会の審議だと思いますので、再考を求めたいと思いますが、中谷大臣にも同様にお伺いしたいと思います。

 地方の議会の理解、これは重要視されていますでしょうか。

中谷国務大臣 地方からは法案の閣議決定以降、全国の地方議会から合計で二百三十三件、地方自治法に基づく防衛大臣宛ての意見書を受領しております。

 意見書の多くは、法案のわかりやすい説明を求めたり、また慎重な審議を求めるもの、撤回を求めるもの等がございますが、さまざまな御意見があることは承知しておりますので、政府といたしましても、このようなさまざまな御意見に耳を傾けながら、幅広い御理解と御支持を得られるよう引き続き努力をしてまいりたいと思っております。

青柳委員 今、中谷大臣も数字をおっしゃられましたけれども、東京新聞の数字を用いれば、地方議会、反対、廃案、これは百二十四議会です。慎重審議、百六十八議会です。賛成する議会はたったの五議会だけでございます。

 さらに、なぜ中谷大臣に聞いたか。中谷大臣の御地元、まさに御地元である高知県馬路村の議会は、全会一致で法案の制定中止を決議しています。中谷大臣の御地元です、全会一致です、制定中止を求めている。

 今、中谷大臣は、地方の議会の理解を求めることは重要だ、努力を重ねたいと言っています。中谷大臣の御地元が全会一致で反対されているんです。それでも、このまま数の力で押し切って、この法案を修正せずに進めていくおつもりですか。

 もう一度、大臣、大臣の地元で全会一致ですよ、全会一致で中止を決められているんです。このことについてどう思われますか。

中谷国務大臣 その後、村長さんともお話をさせていただきましたけれども、地方には地方のさまざまな御意見がある、また議会でもそういうような決議があるということは承知をいたしておりますので、そういった皆様方にもより理解がされますように、今後、私なりにまた努力を続けていきたいと思っております。

青柳委員 結局、地方の議会の理解も得られていない、国民の懸念、不安は日に日に高まる、有識者、専門家の疑念も全く払拭できていないということ、これが今の現状であります。

 私は、今回の法案の理解が進まない理由、不安が多いという理由は、当委員会でもそうです、先ほど申し上げたように百回以上審議がとまる、これは答弁が曖昧だからであります。そして、法律の要件。これは、この委員会の参考人の方の多くが言っています。この法律の要件が曖昧過ぎる、これでは解釈の余地が大き過ぎる。法理上できること、そして政府の答弁、総理の答弁に乖離があるわけであります。法理上は海外派兵ができるわけです。しかし、総理は答弁ではやらないと言っている。こういうことでは全く納得ができないということだと思います。

 そして、安保環境が変化している、これは確かにそうです、我々も同じ認識です。しかし、この安保環境の変化と法律で今回決めていること、これをしっかりと正面から説明し切れていない、あるいは説明を逃げているんじゃないか、こういう姿勢が目立つわけであります。そして何よりも、専門家が言うように、憲法学者が言うように、この法案は違憲だということに対して合憲だという明確な根拠を示せていないところが国民の不安を増大させているんだと思います。

 一方、我が党の案は自国防衛だという軸が全くぶれていない、日米同盟だというのが軸になっている、肝だというのが全くずれていないわけであります。

 そこで、再度改めて、きょうは衆議院では最後の機会になるかもしれません、維新の党の提案者に伺いたいと思います。維新の党の独自案の基本となる思想、そして政府案との明確な違いについて、これを答弁いただきたいと思います。

丸山議員 お答えいたします。

 維新案の思想は明確でございます。中国の軍事力の増強、北朝鮮のミサイルの問題、あらゆる日本が囲まれている国際情勢が変化している中で、日本周辺の防衛は日本一国だけでは実現困難であって、例えば日本を防衛している外国の国、具体的に米国、こういった国が攻撃を受けたときに見て見ぬふりをするのか、そういった点では看過できない。防衛力を上げて抑止力を上げていく、日米同盟の信頼関係を強化していく、チームワーク防衛で日本をしっかりと守っていく、合憲性の枠内で日米同盟を基軸に自国防衛を強化する。非常に明確な思想が根底にあります。

 一方で、政府案では、今の日本に何が足りなくて、この法案で何をしようとしているのか、この立法事実とその思想がぼやっとして曖昧な部分があるからこそ、法案が曖昧であって、構成要件が曖昧、そして国民の皆さんの理解が得られていないところでございます。

 前半は委員として、後半は提出者として、この議論をずっとずっと聞いてまいりました。しかしながら、武器等防護、船舶検査、邦人救出、あらゆる点でまだまだ議論が不足しています。そして何より、先ほど辻元委員からお話があったように、資料も全く出てきていない。しかも、総理も国民の理解が進んでいないとみずからおっしゃっている。

 この段階で徹底した審議もなしに締めるということは、提出者の一人として……(発言する者あり)提出者の一人として受け入れがたく、何よりお願い申し上げたいと思います、委員の皆様に徹底した御審議をお願い申し上げたい。よろしくお願い申し上げます。

青柳委員 ありがとうございます。

 今、たくさんのやじの中、丸山提出者に答弁をしていただきました。今やじが出るのであれば、もっと審議時間を確保して、維新案を徹底的に政府案同様たたいていただければいいんじゃないかと思いますので……(発言する者あり)いやいや、もっともっとたたいていただければと思いますよ。

 今、政府案と維新案の違い、明確な違いを丸山提出者に答弁いただきました。チームワーク防衛が重要だ、そして自国防衛が軸になっているという明確な違い。そして、政府案では曖昧になっている密接な関係国。岸田大臣は、北朝鮮以外の国は全て密接な関係国になり得る、こういう答弁もあるわけです。地理的な概念もありません。こういう状況の中で維新案というのは明確な違いがあるということがわかったと思いますが、まだまだ維新案についても国民の皆さんにこの委員会で、国会で説明する時間をいただければありがたいと思います。

 もう一つ、最後にお伺いしたいと思います。

 グレーゾーン事態への対応。そもそも安倍内閣の問題意識にはグレーゾーン対応があったんだと思いますが、結局この部分での法案提出はございませんでした。我が党は、明確にこのグレーゾーン事態に対応する領域警備法というのを提出しております。この領域警備法の狙い、これも提出者に伺いたいと思います。

丸山議員 お答え申し上げます。

 政府案では、この点、電話閣議等の迅速化でいわゆるグレーゾーン事態に対応するというお話が出ております。しかしながら、我が党としては、それでは不十分じゃないか、特に現場の迅速性に欠けるんじゃないかという判断で法案を出させていただきました。中国による尖閣の問題、そしてサンゴの密漁の問題、本当にこのままでいいのか、そういう意味で、いわゆる警察と自衛隊の百年戦争と言われるものに終止符を打つために政治の側からきちんとこれらの連携を整えていく、そうした法案として我が党はこの領域警備法を出させていただいた次第でございます。

 具体的には、国交大臣、防衛大臣の要請、指揮のもとに具体的な区域を決めたり、また準備行動という形で明確に法律の要件に落とし込んだ上で、警察と海上保安庁の連携をきちんとしてこの国の周辺のグレーゾーン事態に対応できるようにしていく、そうした明確な法案となっております。

青柳委員 ありがとうございます。

 引き続き政府案、維新案ともに徹底した審議を求めることをお訴えしまして、質問を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

浜田委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 イラクでの陸上自衛隊の活動の教訓をまとめた行動史、中谷大臣は提出するとおっしゃりながら、いまだに全面開示された資料は提出されておりません。いつまでに提出をする予定ですか。

中谷国務大臣 ただいま、委員会の求めに応じまして、全面開示できるように準備をいたしております。委員会の決定に従いたいと思っております。

赤嶺委員 検討しているというお話は、先週の穀田議員の質問以来、繰り返されております。

 私は、今、いつまでに提出するのですかということを伺いました。いかがですか。

中谷国務大臣 理事会の決定に従いたいと思います。

赤嶺委員 理事会の決定ということは、やはり質疑は継続して、理事会も開かれるようにしていかなきゃいけないということだと思います。

 ちょっと理事の皆さんで協議していただきたいと思います。

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 再度、中谷防衛大臣、答弁願います。

中谷国務大臣 全面開示する方向で準備をいたしておりまして、これを進めております。

 理事会の決定におきましては、現時点において聞いておりませんでしたので、この場でということについては無理でございますが、理事会の御指示に従って対応したいと思っております。

赤嶺委員 大臣、大臣が出す方向で検討すると言っているのを、言論の府である委員会の理事会がこれは出しちゃいけない、そういうような話になりませんでしょう。

 だったら、今から理事会を開いてくださいよ。それでやってください。

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 では、資料を出させますので、そのようにいたします。出すだけは決めます。

 どうぞ、赤嶺先生。

赤嶺委員 今、委員長の御発言は、委員長として資料の提出を、出すことを求めたという理解でよろしいわけですね。

 それでは……(発言する者あり)今持ってきてもらうということでありますので、ちょっと待ちたいと思います。

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 現在防衛省が対応しておりますので、赤嶺政賢君、質疑を続行してください。

赤嶺委員 今のは陸上自衛隊の資料であります。白い、情報公開、全面開示した資料が出回っている中で、私と辻元議員には黒塗りの資料が渡された。これは、大変国会を、法案を審議する上で国会議員に情報を隠蔽するやり方ではありませんか。だから今、怒りを持って質問しているわけです。

 それで、陸上自衛隊だけではありません。航空自衛隊の教訓資料もあります。提出を求めていますが、これも提出されておりません。

 この航空自衛隊の資料はいつまでに提出するんですか。

中谷国務大臣 航空自衛隊のイラク派遣の教訓資料につきましては、今週に入りまして御党の議員から資料要求があったところでございまして、既に開示の検討を行っておりまして、速やかに結論を得たいと考えております。

赤嶺委員 私たちの党だけではありません。この委員会でも民主党の議員の方々から求められ、理事会では岡田代表が繰り返し空自の資料の公表を求めておりました。

 ですから、この点について、私、大臣の認識を伺いたいんですが、なぜ教訓資料の提出を求めるか。これは今回の法案審議の大前提だから求めているわけですが、大臣の認識はいかがですか。

中谷国務大臣 政府としましても、説明責任を果たしていくために適切に情報を公開していくことが重要であるという認識を持っております。

 ただ、このようなものの内容につきましては、保全を要する事項とか安全に関する事項とかそういうものがございまして、そういう点におきまして、やはり我が国の自衛隊また安全保障に支障がない限りということでございまして、その辺の検討、検証を進めているということでございます。

赤嶺委員 防衛省が出す資料というのは、我々は何度も検討しておりますが、検討、精査の上出させてくださいと言って、ある資料のごときは一年間検討してほとんどのページが真っ黒、こういう資料を何度も私は経験しているんですよ。ところが、ずっと見ていったらわかるような資料であります。

 空自の情報公開が何で必要か、これまでの審議に基づいてちょっと問うていきたいと思います。

 今回の法案は、従来の非戦闘地域の枠組みをなくして、戦闘現場以外での米軍支援を可能にするものであります。非戦闘地域を建前としていたイラクでの活動がどうであったか、これは今法案の審議の大前提です。

 具体的に何点か聞きますが、航空自衛隊はバグダッドに米軍の兵員、物資を輸送いたしました。その際、頻繁にミサイル警報装置が鳴り、攻撃を避けるための回避行動をとっていたことが報じられております。バグダッドへの飛行任務を開始して以降、何回の離着陸を行い、そのうち、警報装置が鳴り、回避行動をとったのは何回ですか。

中谷国務大臣 イラクにおきまして活動していたのはC130輸送機でありまして、これは安全確保のためにミサイル警報装置またチャフ、フレアなどの自己防御装置を装備いたしておりました。これらの装備は、一般的に、脅威を探知する、発出するなど、直接的な脅威の有無にかかわらず、予防的に射出、出されることによりまして航空機の安全を確保する装備でありまして、イラクの活動においても日常的に使用してまいりました。

 これらの装置は、ミサイルによる攻撃のみならず、雲によって反射される太陽光にも反応するものでありますので、実際の運航においても作動することは珍しいことではないということで、警報装置が反応した場合には目視で状況を確認することとしておりまして、その結果、約五年間の派遣期間を通じて、直接機体に対する脅威を確認した事例はありませんでした。隊員の安全確保に日々努めつつ、延べ八百二十一回に及ぶ任務運航を無事に完遂したということでございます。

赤嶺委員 ありませんでしたというお答えでありますが、イラク特措法に基づく対応措置の結果報告があります。これによりますと、二〇〇六年度に十回、二〇〇七年度に十二回、脅威情報に起因する運航の取りやめがあった、このようにしております。

 どういう情報があって運航を取りやめたんですか。これは公開されている情報ですよ。

中谷国務大臣 回数につきましては、赤嶺委員の御発言のとおりでございます。

 中身につきましては、相手国のあることでございまして、それを開示いたしますと支障があるということで、お答えは差し控えさせていただきます。

赤嶺委員 私、米軍のことを聞いているんじゃないんですよ。派兵された自衛隊のことを聞いているんですよ。それが、戦闘地域、非戦闘地域、現に戦闘が行われていない地域だとか、今度の法律に密接にかかわるから聞いているわけですよ。何で自衛隊のそういう情報を答えられないんですか。

中谷国務大臣 先ほど申し上げましたが、運航においての安全また警戒の要領、こういった我が国の安全体制等の手のうちの一つでございまして、こういうことを明らかにすることによって我が国の行動に対する危険度も上がってくるわけでございますので、その点につきましては公表を差し控えているということでございます。

赤嶺委員 私、今、脅威情報のことを申し上げました。米軍に対する脅威情報じゃないです。自衛隊に対する脅威情報です。それを、回数も認めました。どんな脅威情報であったか、こういう資料が出されないということは、審議の大前提となる資料もない状態で我々は国会審議に臨まされている。これでは採決できないじゃないですか。

 総理、やはり空自の情報、陸自の情報はすぐ持ってくるということですが、を含めて、今の脅威情報の中身も含めて、政府は国会に、議院の審議に資するために全ての情報を明らかにする、今度の法案にかかわって私が質問した中身について、そういう姿勢を持つべきだと思いますが、総理はいかがですか。

安倍内閣総理大臣 基本的には、中谷大臣が政府の姿勢として答弁をさせていただいております。その中でも明らかにさせていただいておりますが、危機にどのように対処するかという基本的な我々の姿勢については、これを開示することによって、今後、さまざまな自衛隊の海外での活動に対して危険が及ぶという可能性があるわけであります。

 また、さまざまな情報等について、例えば米軍との共有、あるいは他国からの情報の提供があったものについての対応等については、相手があることであれば当然それは発表を控えなければならないという観点もあるだろうと思います。

 こういう観点から全て公表することは難しいのでございますが、その中において、委員会から求められた情報におきましては、出せるものは出していくということではないかと思います。

赤嶺委員 まさに、出すべきものも出さなくて、きょう審議をして、そして採決までというような与党の提案は、これは絶対に受け入れられないということを申し上げておきたいと思います。

 改めて、今回の資料、提出すべきものはすると言っておりましたが、脅威情報についても、米軍側からの情報なので明らかにできないということでありますが、私は、この空自の資料についても、本委員会として、国会法の百四条に基づいて内閣に対して資料の提出を要求する、これも重ねて申し上げておきたいと思います。委員長、どうですか。

浜田委員長 理事会で協議させていただきます。

 済みません、委員以外の方、もう少し後ろへ下がっていただけますか、席にちょっと近過ぎますので。申しわけございません。

赤嶺委員 きょうは、この委員会の質疑が終わったら理事会が開かれて、質疑に資するさまざまな資料の提出について検討が行われなければいけないというぐあいに私は思います。

 それで、今回の法案ですが、兵たん支援の内容も拡大しております。新たに弾薬の提供も可能としています。

 イラクでの活動を通じて聞きますが、航空自衛隊がバグダッドへの輸送任務についていた時期は、当時のブッシュ政権による米軍増派の時期と重なります。外務大臣、当時、米軍はバグダッド周辺でどのような軍事作戦を行っていましたか。

岸田国務大臣 まず、御指摘の航空自衛隊派遣部隊は、二〇〇四年三月三日から二〇〇八年十二月二日までの期間において、C130H機によるバグダッドへの人道支援関連物資、人員の輸送を行いました。

 この期間についてでありますが、米軍を初めとする多国籍軍、この時期は、国連安保理決議一三八六等に基づいてイラクの安全及び安定の維持、あるいは復興の支援、こうしたものを行っていたものと承知をしております。

赤嶺委員 今の外務大臣の答弁で、米軍が当時バグダッド周辺で行っていた軍事活動を誠実に答弁しているとはとても思えないものであります。

 米軍の陸軍士官学校で教えた経験のある軍事史の研究者、この方が当時の米軍の活動をホームページにまとめています。それによりますと、二〇〇七年六月以降、バグダッドへの武装勢力の流入を防ぐために、軍団規模の軍事掃討作戦を行い、六千七百二人の容疑者を拘束し、千百九十六人の敵を殺害し、そして四百十九人を負傷させたとしております。八月以降も、武装勢力がバグダッドとその周辺で部隊を再構築するのを阻止するために、空爆を含む軍団規模の作戦を行ったとしています。

 航空自衛隊は、こうした軍事掃討作戦を行う米兵を輸送していたということではありませんか。

岸田国務大臣 先ほど答弁させていただいたときに、安保理決議一三八六と申し上げたようですが、実際は一四八三の間違いでありました。訂正しておわび申し上げます。

中谷国務大臣 航空自衛隊は、イラク特措法に基づき、平成十六年三月から平成二十年十二月までの間、クウェートを拠点といたしまして、イラク国内の飛行場との間で人員、物資を輸送いたしました。

 輸送した米兵につきましては、イラク国内において復興支援または治安維持のいずれかの活動に従事していたと認識をいたしております。

赤嶺委員 こんな答弁をするから法案の質疑が全く深まっていかないわけであります。

 当時、どういうことを米軍がやっていたか。イラクやアフガンの帰還兵の証言をまとめた「冬の兵士」という本があります。そこでは、米兵が、キル、キル、殺せ、殺せ、こういう言葉を連呼しながら訓練を行い、イラクの人々を差別的な表現で呼び、非人間化していたことが書かれております。そして、事態が泥沼化するにつれて交戦規則は次第に緩くなっていきました、ついには事実上なくなって、相手が民間人であろうと、動く者は全て殺りくした、動くな、動いたら殺すと言って、もう交戦規則も何もあったものじゃない状態に米軍は陥っていたと。

 今回の法案によって、こうした軍事掃討作戦を行う米軍に対して弾薬を提供することが可能になるのではありませんか。

中谷国務大臣 イラクの活動等におきましては、あらかじめ多国籍軍や国連にも、また米軍にもこの特措法の活動の趣旨、目的、輸送の対象の範囲を説明して理解が得られた。そして、その上で多国籍軍また政府と政府の間で、いかなるものを運ぶかについてあらかじめ基本的な調整をしておりまして、現場においてもその範囲内で個別の輸送支援の調整を行いました。

 したがいまして、この活動におきましては、他国の兵員の輸送を含めて、それ自体としては武力の行使または武力の威嚇に当たらない活動ということで、その実施する地域をいわゆる非戦闘地域に限るなどいたしておりまして、他国の武力行使と一体化しないということを制度的に担保した上で実施したということでございます。

赤嶺委員 先ほど私が述べたような米軍の行っている軍事掃討作戦、こういう作戦を行うような米軍の活動には弾薬の提供はしないと今法案でなっているんですか。

中谷国務大臣 平成十五年にブッシュ大統領が戦闘の終結を宣言して以降、米軍を含む多国籍軍は、政治・復興プロセスを支援していくということで、現地の治安維持、人道復興支援に携わったということでございます。

 平成十八年以降、対立が激化をして治安が悪化し、また障害となりまして、平成十九年一月にブッシュ大統領は、米軍約三万人のバグダッドへの追加派遣など、イラクによる治安回復を支援するためのイラク新政策を発表したということで、不法行為の取り締まりなどの治安対策として行われたものでございまして、こういった対応、一連の作戦が最終的には成功して部隊規模を縮小したわけでございますけれども、このような状況の中で、法律に従って支援をしたということでございます。

赤嶺委員 全然違う答弁をしておりますが、今、私の問題提起は、一体化の議論の上で大変大事なポイントであります。日本が提供した弾薬を使って米軍が人を殺傷することになるわけです。これが武力行使との一体化でなくて何なのか。これが許されるというんだったら、一体化の議論など全く意味は持たないということになってしまいます。非常に、これまでの議論を根本から解明されないままに質疑を打ち切ってやることについては、私は反対であります。

 そこで、委員長に提案をしたいと思います。

 きょうの議論を通じても、資料もこれからであります。審議は尽くされていません。審議を続行すべきであります。十七日金曜日に委員会を開き、本法案の審議を行う動議を提出いたします。

浜田委員長 ただいまの赤嶺政賢君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浜田委員長 起立少数。よって、動議は否決されました。(発言する者、離席する者あり)

 この際、お諮りいたします。

 ただいま議題となっている各案中、内閣提出、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊に対する協力支援活動に関する法律案並びに江田憲司君外四名提出、自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する人道復興支援等の活動等に関する法律案の質疑を終局することに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浜田委員長 起立多数。よって、そのように決しました。(発言する者あり)

    ―――――――――――――

浜田委員長 これより各案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。御法川信英君。

御法川委員 自由民主党の御法川信英です。

 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となっております政府提出二法案並びに維新の党提出二法案について討論をいたします。

 我が国を取り巻く安全保障環境は激変しております。北朝鮮のミサイル配備の進展、核開発の継続、中国の不透明な軍備増強、東シナ海、南シナ海への進出、国際テロの脅威拡大など、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることについては、広い共通認識があると考えます。

 問題は、こうした現実にどのように立ち向かうかということであります。政府提出の平和安全法制は、集団的自衛権の行使を限定容認し、日米同盟の抑止力を強化するものです。また、世界のどの地域で発生する事態であっても、我が国の安全保障に直接的な影響を与える時代になっていることを踏まえ、国際社会の平和と安全にさらに貢献するための法整備が実現いたします。

 野党提出の法案は、審議終盤に提出されましたが、切れ目のない対応を可能とするためには不十分な内容であり、日米防衛協力の強化についての効果も乏しいものであります。

 これまで、本委員会では、平成以降の安全保障関連法制でこれまで最長の周辺事態法を超える百十時間にも及ぶ長時間の審議が行われ、新三要件や自衛官のリスクの問題が幅広く審議が行われ、主要な論点は出尽くしております。

 我々政治家の使命は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、決断するときには決断することにあります。これまでの安全保障政策は、さまざまな批判がありつつも、政治の世界で必要な施策を行ってまいりました。国民の平和な暮らしを守り尽くす責務を有する政治の責任を果たすために、政府提出の平和安全法案には賛成、維新提出の法案二法には反対の意見を述べ、私の賛成討論といたします。(拍手)

浜田委員長 次に、柿沢未途君。

柿沢委員 維新の党を代表して討論いたします。

 五月二十六日の審議入りから一カ月半、戦後七十年、平和国家としての道を一貫して歩んできた日本のあり方が大きく変わる可能性のある安倍政権の安保法制に、真剣勝負で徹底審議に臨んでまいりました。

 特別委員会の冒頭から、安倍総理、中谷大臣がみずからの答弁や不規則発言に関して釈明するところから始まり、いわゆる武力行使の新三要件や重要影響事態をめぐる閣僚の答弁で、審議はたびたびストップしてまいりました。

 たび重なる質疑の結果、政府の武力行使の新三要件における存立危機事態、すなわち、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、それにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態、これはまさに集団的自衛権の限定容認といいながら、その実、石油の途絶でも経済危機でも武力行使が可能になる、石油のみならず天然ガスでもウランの途絶でも武力行使が可能になる、サイバー攻撃でアメリカ社会ががたがたになり日本に危機が及べば武力行使が可能になる、極めて曖昧で、歯どめがないも同然で、時の政権が日本の存立の危機と判断すれば武力行使ができるという、時の政権にフリーハンドを与える、そういう規定になっていることが国会答弁で次第に明らかになってまいりました。

 その結果、衆議院憲法審査会では、自民党推薦の長谷部先生までがこれを憲法違反だと痛烈なだめ出しを出すという事態になりました。阪田雅裕氏、宮崎礼壹氏、そして大森政輔氏と、歴代内閣法制局長官経験者からもそろって憲法の範囲を逸脱していると懸念が表明される事態となりました。国民の不安も高まる一方、結果、審議日数を重ねれば重ねるほど、国民の理解は深まるどころか、今国会での法案成立に反対の声が日増しに増している状況ではありませんか。

 維新の党は、何でも反対の抵抗政党をやるつもりはありません。我が国を取り巻く安全保障環境の変化の中で、今のまま何もしなくてよいという立場はとっておりません。したがいまして、私たちの考え方に基づく安保法制の独自案を国会に提出させていただき、政府案と並行審議を行わせていただいてまいりました。維新の党案に対する法案提出者への質疑は、時間数にしてまだ五時間余りにしかなっておりません。

 そして、国際法違反ではないか、こんな問題提起もいただいておりますので、委員長には、この委員会において国際法の専門家をお招きして参考人質疑をやるべきだ、理事会協議をいただいております。

 こうした状況の中、国民の理解も深まっていない、そして並行審議の時間も十分とっていない、また、六十日ルールから逆算すれば、七月末までこの並行審議を進めても十分に時間があるはずの状況の中で、なぜこの七月十五日に審議を打ち切って採決を行わなければいけないのか、全く理解に苦しみます。七月十五日という日付にそれだけの意味があるんでしょうか。

 五十五年前のきょう、七月十五日、安保条約改定で国会を取り巻くデモ隊の怒号の中、岸内閣は総辞職をしました。その無念を晴らす、そのような動機でこの七月十五日という採決日を設定されたんでしょうか。

 国民への丁寧な説明に努めていくといいながら、こんな採決のやり方は到底認められるものではありません。

 維新の党独自案の提出会派として、みずからが出した法案の採決には責任を持って立ち会わせていただきますが、その後は、断固抗議の意味を込めて退席させていただくことをあらかじめ申し上げさせていただいて、討論にさせていただきます。

 皆さん、こんな状況の中でこの安保法制の採決を行う、私たちは、国会議員として歴史的な使命を果たしていると言えるでしょうか。そのことを与党の先生方にも考えていただきたい、お願いを申し上げます。

 以上です。(拍手)

浜田委員長 次に、浜地雅一君。

浜地委員 公明党の浜地雅一でございます。

 私は、ただいま議題となりました政府提出二法案に対して賛成、野党提出三法案について反対の立場から討論をいたします。

 我が国を取り巻く現在の安全保障環境が厳しさを増していること、これは誰の目にも明らかであります。数百発の弾道ミサイルを保有する隣国もあり、また、頻発する地域紛争、テロの脅威から国際社会が一丸となってこれに対処すべき時代となりました。

 現在の環境下でどうやったら日本の平和を守れるか、国際社会で紛争が起こらないようにするのか、そのためには抑止力を高めること、これが重要であります。

 例えば、現在は日米共同でミサイル防衛システムを構築しております。公海上で警戒監視する米艦へ第一撃目の攻撃があった場合、我が国にいまだ武力攻撃がなくても、米艦の防護ができなければ我が国のミサイル防衛は有効に機能しない。これを可能にする内容を含むのが今回の法案であります。切れ目のない防衛体制をしき、抑止力を高めるために成立させる必要があると私は思っております。

 次に、本法案は、これまでの政府の憲法解釈との論理的整合性、法的安定性を確保し、憲法に適合した法制であるということです。

 自衛の措置の基本的論理を示した昭和四十七年見解の根幹、それは、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される急迫不正の事態に対処すること、これが根幹部分です。この基本的論理との論理的整合性を追求し、昨年の閣議決定において新三要件が定められました。

 今回の法案はこれを忠実に反映しており、憲法に適合することは明らかであります。

 公明党が示した自衛隊の海外派遣の三原則、正当性の根拠、国会の関与、そして自衛隊員の安全確保、これら三つの原則は国際平和支援法を初めとしてさまざまな法案に盛り込まれており、高く評価をいたします。

 そして、最後は歯どめです。

 今回の法案は、しっかりと歯どめがきいております。一部懸念されるような、政府による恣意的な運用はできない仕組みとなっております。

 新三要件は過不足なく法案に盛り込まれ、国会承認の対象の対処基本方針、この中に事態認定の前提となる事実が記載されます。第二要件の、国民を守るために他に適切な手段がない理由も明記することが義務づけられました。

 後方支援においても、しっかりと基本計画において事態認定の記載事項が記載されており、国会が適切に判断できる仕組みになっております。

 PKO活動においても、PKO五原則を堅持し、新たに加わる安全確保業務についても、必ずNSCの審議を経た上で閣議決定をし、原則国会の事前承認が必要とされており、高く評価します。

 最後に、我が国が平和国家としての歩みをこれからも堅持するためには、抑止力を持った平和外交に当たることが重要です。公明党はこれまで以上に不断の平和外交の努力をすることをお誓いし、私の討論にかえます。

 以上です。

 一部訂正いたします。

 訂正。野党提出三法案を訂正し、維新提出の二法案について反対をいたします。

 以上です。

浜田委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 これより採決に移ります。

 江田憲司君……(発言する者、離席する者多し)江田憲司君……(発言する者あり)江田憲司君外四名提出、自衛隊法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。起立を求めます。(発言する者あり)起立を求めます。起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浜田委員長 起立少数。よって、本案は……(発言する者あり)本案は少数をもって否決いたしました。

 次に……(発言する者あり)次に、江田憲司君外四名提出……(発言する者あり)四名提出……(発言する者多く、聴取不能)起立少数。本案は否決されました。

 次に、内閣提出、自衛隊法の……(発言する者あり)自衛隊法の一部を改正する、我が国及び国際社会の平和安全及び……(発言する者あり)平和安全及び……(聴取不能)します。

 自衛隊法の……(聴取不能)する法律案の賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浜田委員長 起立多数。本案は賛成多数をもって成立いたしました。(拍手)

 次に、国際平和共同対処事態における我が国が実施……(聴取不能)賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浜田委員長 起立多数。よって、本案は成立をいたしました。(拍手)

 次に、我が国の、本案に関する、本院に対する、本案に関して私に一任願いたいと思います。賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浜田委員長 起立多数。起立多数をもって……(聴取不能)は成立いたしました。

 以上をもって、本委員会は終了いたしました。散会いたします。

    午後零時二十五分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.