衆議院

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第2号 平成28年10月14日(金曜日)

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平成二十八年十月十四日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 塩谷  立君

   理事 うえの賢一郎君 理事 江藤  拓君

   理事 菅原 一秀君 理事 西村 康稔君

   理事 森山  裕君 理事 今井 雅人君

   理事 篠原  孝君 理事 上田  勇君

      あべ 俊子君    赤澤 亮正君

      池田 道孝君    大西 宏幸君

      岡下 昌平君    加藤 寛治君

      勝沼 栄明君    金子万寿夫君

      黄川田仁志君    北村 誠吾君

      坂本 哲志君    武部  新君

      武村 展英君    寺田  稔君

      中川 郁子君    中村 裕之君

      ふくだ峰之君    福田 達夫君

      福山  守君    古川  康君

      前川  恵君    宮川 典子君

      八木 哲也君   山本ともひろ君

      渡辺 孝一君    岸本 周平君

      近藤 洋介君    佐々木隆博君

      玉木雄一郎君    福島 伸享君

      升田世喜男君    村岡 敏英君

      稲津  久君    岡本 三成君

      中川 康洋君    笠井  亮君

      畠山 和也君    小沢 鋭仁君

      松浪 健太君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   農林水産大臣       山本 有二君

   経済産業大臣       世耕 弘成君

   国務大臣         石原 伸晃君

   内閣府副大臣       松本 洋平君

   財務副大臣        大塚  拓君

   農林水産副大臣      齋藤  健君

   内閣府大臣政務官     武村 展英君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  澁谷 和久君

   政府参考人

   (外務省経済局長)    山野内勘二君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         水田 正和君

   政府参考人

   (農林水産省食料産業局長)            井上 宏司君

   政府参考人

   (農林水産省生産局長)  枝元 真徹君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局長)            嶋田  隆君

   衆議院調査局環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別調査室長      辻本 頼昭君

    ―――――――――――――

委員の異動

九月三十日

 辞任         補欠選任

  福井  照君     江藤  拓君

十月十四日

 辞任         補欠選任

  坂本 哲志君     金子万寿夫君

  武部  新君     岡下 昌平君

  宮川 典子君     八木 哲也君

同日

 辞任         補欠選任

  岡下 昌平君     武部  新君

  金子万寿夫君     坂本 哲志君

  八木 哲也君     宮川 典子君

同日

 理事福井照君九月三十日委員辞任につき、その補欠として江藤拓君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

十月十四日

 TPP協定を今国会で批准しないことに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一六三号)

 同(池内さおり君紹介)(第一六四号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第一六五号)

 同(大平喜信君紹介)(第一六六号)

 同(笠井亮君紹介)(第一六七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一六八号)

 同(斉藤和子君紹介)(第一六九号)

 同(志位和夫君紹介)(第一七〇号)

 同(清水忠史君紹介)(第一七一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一七二号)

 同(島津幸広君紹介)(第一七三号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一七四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一七五号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一七六号)

 同(畠山和也君紹介)(第一七七号)

 同(藤野保史君紹介)(第一七八号)

 同(堀内照文君紹介)(第一七九号)

 同(真島省三君紹介)(第一八〇号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一八一号)

 同(宮本徹君紹介)(第一八二号)

 同(本村伸子君紹介)(第一八三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(第百九十回国会条約第八号)

 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、第百九十回国会閣法第四七号)


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     ――――◇―――――

塩谷委員長 これより会議を開きます。

 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に江藤拓君を指名いたします。

     ――――◇―――――

塩谷委員長 第百九十回国会、内閣提出、環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を議題といたします。

 お諮りいたします。

 両案件につきましては、第百九十回国会において既に趣旨の説明を聴取しておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件

 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案

    〔本号(その二)に掲載〕

    ―――――――――――――

塩谷委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 両案件審査中、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、その出席を求めることとし、日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両案件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官澁谷和久君、外務省経済局長山野内勘二君、農林水産省大臣官房総括審議官水田正和君、農林水産省食料産業局長井上宏司君、農林水産省生産局長枝元真徹君、経済産業省通商政策局長嶋田隆君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

塩谷委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部新君。

武部委員 自由民主党・無所属の会の武部新でございます。

 前国会に引き続きまして、今国会におきましてもTPP特別委員会で質問の機会をお与えいただきまして、光栄に存じます。

 トップバッターですので、総論的に質問をさせていただければと思います。

 前の国会でも質問をさせていただいて、確認をさせていただきましたが、これまでの経緯を簡単にお話しさせていただきますと、民主党政権時代の平成二十二年に、菅当時の総理がTPP交渉の参加を検討すると発言されたのが始まりで、包括的な経済連携に関する基本方針を閣議決定されます。この基本方針の中には、センシティブな品目について配慮を行いつつ、全ての品目を自由化交渉の対象とする、こうされました。その後、平成二十三年十一月、現在民進党幹事長でおられる当時の野田総理が、APECでオバマ大統領と会談されまして、TPP交渉参加の方針を表明されます。このとき米国側からは、野田総理が全ての物品・サービスを貿易自由化交渉のテーブルにのせると述べたと発表されたのでありました。

 我々が政権を取り戻しました平成二十五年三月十五日、安倍総理が、オバマ大統領との会談でTPPは聖域なき関税撤廃を前提としないことを確認した、その上でTPP交渉参加を表明されました。前の国会のときの質問で、石原大臣は、私の質問に対しまして、この首脳会談は交渉に参加する上で意味のあるものだったと、その認識を示していただきました。

 衆参の農林水産委員会で、TPP交渉参加に関する決議、いわゆる国会決議を行いまして、政府は、参加十一カ国との間で厳しい交渉の末に、昨年十月五日、アトランタにおけるTPP閣僚会合で大筋合意をいたしまして、ことしの二月四日に参加十二カ国が署名式で署名が取り交わされたわけであります。

 改めまして、TPP協定の持つ意義について石原大臣にお聞きしたいと思います。

石原国務大臣 武部委員にお答えを申し上げたいと思います。

 日本の人口構造を見たときに、生産年齢人口の減少というものは一九九五年から始まっております。武部委員のお地元の帯広、釧路、北海道の東部においても、すばらしい農業があるわけでございます。漁業もある。乳業もございます。そんなところに従事をする方の数が足りなくなっているということは、お地元を訪ねさせていただいたときにも強く感じたわけであります。

 そんなときに、日本が、成長するアジアをどういうふうに取り込んでいくのか。

 TPP協定は、世界のGDPのおよそ四割、人口でいいますと八億人の巨大市場をつくりまして、そんな中で、新たな二十一世紀型の貿易ルールというものをつくるというところが一つポイントでございます。そして、一つの経済圏を構築する。日本にとりましては、また北海道の本当にすばらしい農産品につきましても、この市場を活用することで新たな成長が期待できるのではないか、私はこんなふうに捉えさせていただいております。

 よく、TPPは関税が下がるだけじゃないかというようなお話をされますけれども、もう既に、海外展開を、これまでお聞きしてまいりました中小企業、また農林水産業の方々も、出ていってもルールが変わってひどい目に遭う、そういうことがないルールであるならばやってみよう、こういう方々も出てまいりますし、もう一つ言わせていただくのであるならば、やはり自由と民主主義と基本的人権と法治主義という土台を共有する国々が環太平洋に集まるという中において、これはまだまだ広がる可能性が大変ございます、戦略的な意義というものも十分あるのではないか、こんなことを考えているところでございます。

武部委員 大臣、ありがとうございます。

 今、日本は大変人口減少、特に私の地元もそうでありますけれども、地方創生それから一億総活躍社会を実現するということで一生懸命努力はしておりますけれども、なかなかこの人口減少をとめるのは過疎地では難しい中で、成長するアジアのマーケットをしっかりと取り込んでいくというお話だと思います。

 人口でいえば八億人の市場でありますし、世界の四割を占める経済圏を生み出すわけでありますし、GDP十四兆円の押し上げ効果がこれからずっと続いていくというわけでありますので、何とか国内の人口減少を乗り越えて、日本の経済が中長期的に力強く成長していくその基盤になる、それがTPPというお話だと思います。

 もう一つ、今大臣からもお話がありましたけれども、新しいルールをつくるということも、これも大変重要なことでありまして、やはり同じ価値観を持つ国々と自由で公正な競争を促して、イノベーションを起こしていく、そして、その中で新しいビジネスも生まれていく、ビジネスをしやすい環境もつくっていけるわけであります。このルールというのが、今後、RCEPですとかFTAAPですとか、そのベースになっていくのではないかというふうに思います。

 ちなみに、野田幹事長も、このTPPには反対だとおっしゃっているんですけれども、記者会見で、十月三日だったと思いますが、RCEPはやるべきだ、そしてFTAAPも、道筋をつける上でTPPは有力な選択肢だったと思っていると本音を漏らされているんですよ。ですから、ここはやはり真摯に、皆さん方、野党も一緒になって議論していくべきだというふうに思います。

 このTPPは、単なる貿易自由化の枠組みだけではないわけでありまして、先ほども述べましたけれども、基本的価値を有する、それから米国との安全保障の観点からも大変重要だというふうに、戦略的な意義も有しています。

 そのアメリカなんですけれども、現在、大統領選挙が行われております。民主党も共和党の候補もTPP協定に関しては反対の立場を表明されておられまして、一部ではアメリカのTPP協定の批准が不透明になったのではないかという声もあるわけであります。

 この中で、日本が率先してTPP協定をこの国会の中で手続を早期に進めていく必要性について、大臣の見解をお聞きしたいと思います。

石原国務大臣 ただいま委員がアメリカの大統領選挙について御言及されましたが、その一方で、オバマ大統領も、協定の本年中の議会通過に向けて努力をしているという旨を九月の国際会議でも表明されております。

 先般、私も、アメリカのケネディ大使に呼ばれまして、十二カ国の大使が集まる会議でございますが、そこで、早期承認に向けて各国が互いに国内手続を進めていこう、そういう力強い挨拶を頂戴したところでもございます。

 TPP協定が生み出す効果、先ほど武部議員が御説明いただきましたけれども、これを一日も早く実現していくためにも、我が国が率先して動くことでアメリカも引っ張っていく、早期発効の機運を高めていく、この点が非常に重要なのではないかと思います。

 やはり、大統領選を見ましても、あるいはヨーロッパを見ましても、いろいろなところで保護主義や反グローバリズムの動きが、選挙というものがありますとどうしても内に内に目が向いてしまいますので、そういう機運が出てまいりますけれども、これも総理が昨日の予算委員会でもお話しになられておりましたように、日本の戦後の復興というものは自由貿易のもとで確立してきた、このことを私たちは忘れてはならないと思います。

 もちろん、武部委員のお地元のすばらしい農林水産品をしっかりと守っていくための総合的な対策というものも、昨年の十一月に党の方でお決めいただきましたし、また政府の方でも大綱という形で取りまとめておりますので、こういうものでしっかりと国際的な枠組みづくりの主導的な立場を日本がとっていくということが肝要なのではないかと思っております。

 そして、先ほど若干触れさせていただいたんですけれども、農林水産業の方々も含めて、このTPPに関して新輸出大国コンソーシアムという支援組織をジェトロを中心につくらせていただきましたら、何と、三月十四日の支援受け付け開始以降、十月七日時点で千七百六十一社、これはもちろん北海道から沖縄までなんですけれども、関心を持たれて、ぜひこれが発効したら外に出ていきたい、こんなお話をいただいております。

 やはり、この中で、千七百六十一社のうち二割が農林水産業の方々である。生産者の方もいらっしゃいますし、加工の方々もいらっしゃる。農産品で二百八十社、水産品で五十七社。これが全国にいらっしゃるということを見ましても、TPPによる恩恵を見込んでいる多くの中小企業あるいは意欲的な農林水産業の方々は早期発効を期待している。その上からも、やはりしっかりと早期批准を目指して頑張っていくという我が国の立場は変わらないんだと思います。

武部委員 ありがとうございます。

 たしか官邸にも経済界の皆様方が早期発効を要望されるということで要請にもいらっしゃったというふうに承知しておりますし、後ほど、新コンソーシアムも含めた、特に二〇二〇年までに一兆円農林水産物の輸出を拡大するという大きな方針がありますので、その上でも、このTPPのマーケットというのは、農林水産物にとっても非常に魅力のあるマーケットになったと思います。TPP協定の早期発効に向けて機運を高めていくんだ、そのためにも、参加各国が国内手続を速やかに進めていくように日本がイニシアチブをとっていくということだと思います。

 それと関連するんですけれども、これも大統領選挙で、TPPに反対の立場をとられて、なおかつ、大統領になった場合について再交渉をやっていくんだという候補もいらっしゃって、これについても非常に、一度合意したものについてもう一度やり直しするのかというような懸念も出てきております。

 この国会が閉会している間も、先ほども少し御紹介がございましたけれども、石原大臣、大変精力的に、ケネディ大使との、十一カ国の大使の皆さん方と会談をされたり、あるいはニュージーランドやシンガポール、マレーシア、TPP参加国との会談、意見交換を行われた、そういうふうに承知しておりますけれども、仮に他国から再交渉について求められた場合について、政府の方針としてどう対応されるのか、お聞きしたいと思います。

石原国務大臣 ただいま武部委員が御言及されたもの、再交渉というのは非常に重要なポイントであると認識をしております。

 TPP交渉はマルチの、FTAやEPAと違いまして、十二カ国が互いの産業を考えてさまざまな意見を出し合い、そして妥協すべきところは妥協しつくり上げられたマルチの協定でございます。ですから、複雑に組み合わされている。一つの部分だけを取り上げて再交渉すれば、ある意味では積み木細工なもので、一つ抜いてしまいますと全て崩れてしまう、私はそういう性格の交渉だと思います。

 したがいまして、仮にですけれども、大統領候補がおっしゃられているように、アメリカから再交渉を求められましても、全く応じる考えはない。これはもう総理が本会議でも、衆議院、参議院の予算委員会でも明確に指摘をされている点でございます。

 その一方で、先ほどケネディ大使に呼ばれたという話を伺わせていただきましたけれども、その席でも、アメリカ側から、再交渉はできません、ないですねということを明確に提示されまして、十二カ国がそのとおりだということで認識を一にしたところでもございますし、今、武部委員が御紹介いただきました、寄託国でありますニュージーランドあるいはシンガポール、マレーシアと、短期間ではありますけれども、担当の大臣あるいは政府の首脳と話をしてまいりましたけれども、これは絶対再交渉はしないということで現場も認識を一にしているということを御報告させていただきたいと思っているところでございます。

武部委員 ありがとうございます。

 先ほども大臣から御紹介がありましたけれども、オバマ大統領も任期中に議会承認するように強力に交渉するというお話もありましたし、ケネディ大使も含めて、再交渉はないということの確認をされたということでありますので、ぜひともここの方針はしっかりと持っていただいて進めていただきたいというふうに思います。

 次に、外交交渉の情報開示のあり方についてお聞きしたいと思います。

 前回の私の質問において、二〇一二年十一月の、民主党野田内閣当時の、情報公開法に基づく請求に応じて政府が開示した日本・南アフリカ原子力協定の交渉関連文書について、タイトルが日程調整でありましたけれども、そのような文書でさえも真っ黒に塗られて、交渉過程については開示できないということでありました。今回はそれはもう振りかざしませんけれども、交渉過程について開示されないというのが外交の常識であるということはもう明らかでありまして、これは民主党政権のときも、そのように玄葉大臣も含めて答弁されているわけであります。

 TPP交渉だから開示できないのではなくて、一般的には開示しないことが、これは相手国もありますし、信頼関係もありますから、その信頼関係を損なわないためにも通常開示しないんだ、交渉過程については、そういうことを確認したわけであります。

 TPPについては、いまだ発効もしておりませんので、余計、交渉経緯について明らかにすることはさらに難しいと思います。しかし、合意した内容については、しっかりとそしてわかりやすく国民の皆様方に丁寧に説明していく必要があるんだと思います。影響に不安を感じる方々に丁寧に説明を行うことが、理解を深めていただく上でも大変重要だと思います。

 その意味で、外交交渉に関する情報開示のあり方についての見解を改めてお伺いするとともに、それから、これまで政府がどのように情報を開示されてきたか、取り組みについて伺いたいと思います。

岸田国務大臣 外交交渉、条約、協定等の交渉における対応、これは一般論でありますが、これは、どの国においても、今後、累次の条約、協定を交渉する機会が出てくる、こういったことは想定されます。よって、条約、協定の締結に向けてのやりとりの中身を明らかにすることは、今後の交渉においても手のうちを明らかにすることになります。これは相手の国にとっても同じであります。よって、こうした交渉のやりとりを明らかにすることはお互いの信頼関係のもとに控えるというのが、条約、協定における一般的な考え方であり、常識であると考えております。

 こういった考え方に基づいて、条約、協定の交渉における交渉経過については明らかにしないという対応が国際社会一般においてとられているというのが実情であります。

武部委員 丁寧な御説明ありがとうございます。これが常識である、全ての外交交渉においても、情報開示、交渉過程についてはできないということだと思います。

 次に、国会決議について改めてお伺いしたいと思います。

 当時、甘利TPP担当大臣ですね、私が内閣農林水産合同審査会で御質問したところ、この国会決議が後ろ盾となって厳しい交渉を乗り越えることができた、そのようなお話がありました。また、前回私が質問したんですけれども、当時の森山農林水産大臣に、聖域を守ったかどうかという質問をしましたけれども、その判断というのは、各タリフラインがそのまま維持されたかどうかを個別に見るだけではなくて、品目全体にどのような影響があるかを見て判断をするべきだ、そのお話がありました。

 確かに、重要五品目のうち、関税撤廃したものもあります。たしか三割ぐらいだったと思いますけれども、撤廃したものはありますが、一つ一つタリフラインを精査しますと、輸入実績がないですとか、あるいは国産農産物に代替性がないものがあるですとか、むしろ入れた方がチャンスが広がるとか、そういった品目全体を見て影響が出ないように措置をされたというお話がありました。

 改めて山本農林水産大臣にもお伺いさせていただきますが、国会決議が守られたかどうか、改めて大臣の見解をお伺いしたいと思います。

山本(有)国務大臣 委員御指摘のとおり、TPPにつきましては関税撤廃の圧力が極めて強かったわけでございます。それを品目ごとに中身をしっかり精査いたしまして、国会決議を後ろ盾に交渉ができました。その結果、重要五品目を中心に、農林水産物の約二割を関税撤廃の例外とすることができました。

 特に、重要五品目を中心に、米の国家貿易制度、あるいは豚肉の差額関税制度などの基本的な制度を維持するとともに、関税割り当てやセーフガードの創設、長期の関税削減期間を確保したところでございます。また、関税撤廃をしたものにつきましても、品目ごとに中身をしっかり精査し、品目全体として影響が出ないよう措置しております。

 このような国益にかなう最善の交渉結果が得られたと考えておるところでございます。

 一方で、農業者の方々の不安を受けとめまして、昨年十一月、体質強化対策や経営安定化対策を含む総合的なTPP関連政策大綱を決定し、緊急に実施すべき対策に必要な経費を、二十七年度補正予算、さらには二十八年度補正予算に計上しております。

 重要品目が確実に再生産可能となるよう、交渉で獲得した措置とあわせて、引き続き万全の措置を講ずる構えでございます。

 交渉結果が国会決議に沿っているものかどうかということは、最終的には国会で御審議いただくことになっておりますけれども、政府といたしましては、国会決議の趣旨に沿っているものと評価をしていただけると考えるところでございます。

武部委員 ありがとうございます。

 前の質問のときにもお話しさせていただいたんですけれども、国会決議のコアの部分といいますか目的は、TPPがあってもしっかりと農家の皆様方が再生産可能となることでありまして、この目的達成のために、本来であれば原則関税撤廃の中を、関税や関税割り当て、あるいはセーフガードなど多くの例外を確保することで聖域を守るということができたんだと思います。

 また、実際に日本の食料市場に対して大変攻め込んでこようとした部分がありましたけれども、日本を除く十一カ国の農林水産物の関税が平均すると一・五%だったのに対しまして、日本は約二割を守ったわけであります。豚肉につきましても、差額関税制度を維持するとともにセーフガードを創設しましたし、牛肉につきましても、長期間の関税削減期間を確保して、体質強化を行うのに必要な期間を確保したということだと思います。セーフガードも創設できました。

 今大臣からもお話がありましたけれども、例外措置をとって、体力強化をする期間も含めてしっかりとやっていくのが農家の再生産をしっかりと支えることだと思いますけれども、もう一つ、この間に、やはり生産基盤を強化する、あるいは国際競争力を強化するなどが重要になってくるんだと思います。

 今我々は、党の中でも、農政新時代に向けての流通コストの削減ですとか農業のあるべき姿を、特に若手で議論をさせていただいて、大胆に提案をしていきたいということを今やっている最中であります。

 改めて、今回、予算委員会でも質問させていただきましたけれども、あわせて、北海道が台風の被害に見舞われました。この台風、豪雨被害を見ますと、やはり、農地が浸水されて、なかなか水を抜くことができない。ところが、土地改良をやって、基盤整備をやって、排水機場がしっかりしているところというのは、もう二、三日で水が抜けて、農作物の影響を最小限に抑えることができる。やっているところとやっていないところが、はっきり差が出ているんですね。

 ですから、こういったことも考えますと、しっかりと農業所得を向上させる上でも、土地改良というのは大事だと思いますし、それから防災、減災の上でも、やるとやらないとは、相当の効果があるんだなということを改めて実感いたしました。

 今大臣のお話にもありましたけれども、今回成立した平成二十八年度第二次補正予算においても、TPP関連対策として、農林水産業の体質強化のために三千四百五十三億円措置されています。前のTPP関連対策よりも上乗せして措置されておりますけれども、生産者の皆様方の不安を払拭して、そして影響に十分に対応するためにTPP関連対策の着実な実施が重要だと思いますけれども、政府の対応についてお聞きしたいと思います。

山本(有)国務大臣 昨年の十一月にまとめられました総合的なTPP関連政策大綱で、新たな国際環境におきましても生産者が安心して再生産に取り組めますように、まず一番に、攻めの農林水産業への転換といたしまして、産地パワーアップ事業や畜産クラスター事業などの体質強化対策を集中的に講じるとともに、第二に、経営安定、安定供給のための備えとしまして、協定発効に合わせまして、牛マルキン、豚マルキンの法制化などの経営安定対策の充実等を講じることといたしております。

 また、あわせて、第三に、農林水産業の成長産業化を一層進めるため、検討の継続項目として掲げております、特に武部委員さんのような若手の方が検討していただいておる十二項目につきまして、本年秋を目途に具体的内容を詰めていくこととしております。

 このうち、体質強化対策につきましては、平成二十七年度補正予算において、攻めの農林水産業への転換に向けた緊急対策として三千百二十二億円を確保しております。現在、各地域におきまして具体的な取り組みが進められているところでございますが、先日、十月十一日に成立いたしました平成二十八年度第二次補正予算につきましても、産地の国際競争力の強化などの対策として三千四百五十三億円を確保したところでございます。

 次世代を担う生産者が、新たな国際環境のもとでも、あしたの農林水産業に夢と希望を持って経営発展に積極果敢に取り組み、所得の向上を図ることができますよう、今後とも万全の体制を講じてまいる所存でございます。

武部委員 ありがとうございます。

 私の地元も、大変、産地パワーアップ事業ですとか、あるいは畜産クラスター事業ですね、何とか、TPPもあって大変だけれども、地域でもう一回、特に若い生産者の皆様方が、どうやったらちゃんと地域を守りながら農業を守っていけるかということをいろいろと検討してくださって、中間管理機構もそうですけれども、ではこれをやってみようかというような議論をしていただいています。地域でこのTPPを乗り越えていこうというような機運があります。

 また、自分たちがつくっているものを、品質を、付加価値を高めて、私のところはタマネギの産地でありますけれども、これはTPPではないですけれども、では今度はロシアに向けて輸出をしてみようかとか、TPPがあったからではないとは思いますけれども、しかし、輸出拡大しながら、マーケットをどんどん、どうやって売っていくかということについて積極的に考えて、やろうとしています、農協さんも含めてですけれども。

 ですから、こういった意気込みを、ピンチをチャンスにするんだという思いを、ぜひとも農水省も全力で後押しをしていただきたいと思います。

 最後に、石原大臣もお話ありましたけれども、守るだけじゃなくて、やはり、さっきも言われましたけれども、TPPの参加国の十一カ国の農林水産物の関税がもう一・五%まで下がっています。輸出拡大は二〇二〇年までに一兆円をやるんだという中で、当然、アジア・マーケットもそうなんですけれども、このTPPの協定を結ぶ国にも、我々のおいしくて安全な農産物、水産物、林産物を、攻めていこうということも必要なんだというふうに思います。

 先ほど、大臣の中でも新コンソーシアムのお話がありまして、そのうち二割が農林水産のことだというお話がありましたけれども、ですから、前向きにチャレンジする農家の方々もふえていらっしゃると思いますし、加工業もそうですけれども、また、その新コンソーシアムでも、特に中小企業の皆様方がTPPの国々に対して積極的に展開していくといういいチャンスにもなるんだと思います。

 その上で、やはり我々はしっかりと付加価値の高い農産物を、TPPも含めて世界に売っていくんだということをやっていかなきゃならないと思うんですけれども、例えばアメリカは、牛肉輸出、大変期待が高いんだと思います。和牛ですね。無関税枠も実績の二十倍から四十倍ぐらいまで拡大していただいていますし、十五年後には関税が撤廃されますので、アメリカ、カナダもそうだと思いますけれども、日本のおいしい和牛を積極的に売っていくチャンスがこのTPPの早期発効によって生まれてくるんだというふうに思います。

 そういった意味で、攻めの農林水産業、我が国の農林水産物の輸出拡大にこのTPPをつなげていこうということが重要だと思いますけれども、攻めが得意でいらっしゃる齋藤農林水産副大臣に質問させていただきたいと思います。

齋藤副大臣 これから農林水産業が発展していくために輸出が重要であるという点について、新委員と我が方は全く問題意識を共有しているわけでございます。

 我が国の平成二十七年の農林水産物、食品の輸出額は七千四百五十一億、このうち実はTPP参加国向けは千九百八十三億円ございまして、全体の二六・六%を占めているわけでありますので、農林水産物の輸出先としてTPP参加国は非常に重要だということでございます。

 今回の交渉におきましては、我が国が農林水産物の輸出拡大を図っていく上で重要であると考えておりました品目、牛肉、水産物、米、日本酒、茶、こういった重要品目は全てで相手国の関税撤廃を獲得いたしました。したがって、今後、輸出のチャンスは広がっていくんだろうと考えております。

 御紹介ありましたように、牛肉につきましては、米国で十五年目に関税が撤廃されるんですが、それまでの間、無税枠が今の十五倍から三十倍に拡大をしていくということでございますし、水産物につきましては、近年、輸出の伸びが著しいベトナム、ここにつきまして、ブリ、サバ、サンマなど全ての生鮮魚、冷凍魚につきまして即時関税撤廃ということになっておりますので、ブリ、サバ、サンマの関税が現在一八%であることを考えますと、これも大きなチャンスが広がっていくんだろうと考えております。

 お茶につきましても、ベトナムでは四年目に関税撤廃ということで、現在二二・五%関税がかかっておりますので、これもチャンスが広がっていくなと思っております。

 そのほかにも、ルールの分野におきましても、通関手続の円滑化や、流通、サービスでの外資規制の緩和なども盛り込まれておりますので、こういうものをいかに具体的な輸出促進につなげていくかという次のステップが重要になってくるんだろうと思っておりまして、本年五月に農林水産業の輸出力強化戦略というのを取りまとめさせていただきました。

 これによりますと、五つの柱で大変きめ細かくアクションが規定されておりますので、これに基づきましてしっかりとチャンスを生かしていきたいというふうに考えております。

武部委員 齋藤副大臣、ありがとうございます。

 この前ベトナムに行きましたらサンマがありまして、恐らくこれは日本のサンマだろうなというふうに思いましたけれども、大変、ベトナムの方とお話ししても、もっと日本のおいしいものを食べたいと。彼らも、日本に対する輸出にも興味はあるんですけれども、むしろ日本の食に関しての関心が非常に高くて、ああ、これは水産物、ビジネスチャンスがあるなというのを改めて、お話にありましたけれども、そういったことも感じました。

 そういった意味で、このTPPの協定を早期に進め、そして、この大きなマーケットの中で日本の、もちろん工業製品もそうですけれども、農林水産物もどんどん攻めていただきますように心からお願い申し上げます。

 ぜひとも、TPP協定の合意内容と影響対策についてしっかりとこの委員会で議論していただいて、国民の皆様に理解を深めていただける審議を呼びかけて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

塩谷委員長 次に、大西宏幸君。

大西(宏)委員 おはようございます。

 自由民主党・無所属の会、大西宏幸でございます。

 冒頭に、昨晩、親日国であり、大勢の日本人が居住しておりますタイ国プミポン国王陛下が御逝去されたことに、心より哀悼の意をささげます。

 本日は、TPP特別委員会初日、質疑を賜りまして本当にありがとうございます。

 私、当選をさせていただきまして、分科会以外で質問する機会がほとんどなく、今回が初めての質問ということでございまして、本当に諸先輩方にこういう機会をいただいたことを心より感謝申し上げます。

 私の地元大阪一区は、古くは商人の町、日本経済の中心でした。地元の鶴橋地域でございますけれども、電球ソケットを開発されました松下電器産業、経営の神様である故松下幸之助会長を初め、戦後を生き抜き、日本を牽引してきた先駆者の宝庫でもあります。例えば、地元では、ロート製薬、そしてコクヨという大きな会社もこの町から出てまいりました。

 商売の町、船場のあきんどの町でございます。朝の連続テレビ小説「あさが来た」、もととなった大同生命創始者であります広岡浅子さんも、今の大阪西区そして中央区の、いわゆる土佐堀周辺で商いをされてこられました。現在も、海外展開に挑戦するなど、積極的にビジネスチャンスをつかもうとする経営者の方々が多くおられます。

 そして、忘れてはならないのは、義理人情の下町、そして特に食道楽の町としても全国で有名でございます。その食道楽の町としてだからこそ、食の安全など不安の声も多く寄せられています。

 本日は、それらの観点を踏まえて、国益を守るTPPとしてのスタンスで質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、最も基本的なことでありますが、大変困難な交渉の末合意に至ったTPP協定の意義についてお尋ねいたします。

 なぜ、賛否の声が大きく分かれるTPP条約について、これほど困難な交渉に粘り強く取り組む必要があったんでしょうか。目に見えない膨大な交渉の会議の時間を含め、担当官を初め大勢の皆さんがTPP交渉に心血を注いでこられたと思います。そこまでの価値が本当にあるのでしょうか。それを信じてこられたと思いますが、これはいかがでしょうか。

石原国務大臣 大西議員の御質問は、根源的なところをついているんだと思います。

 やはり先ほども御同僚の武部委員にもお答えしたんですが、やはり日本の人口構造、そしてアジアの成長、アジアはこの人口増加でございます。そういう中で、共通なルールのアジアを、パンパシフィックの経済圏をつくる意義というものは非常に大きいと思います。GDPでいうと世界の四割、人口でも八億人であります。

 さらには、戦略的な意義。北東アジアの不安定さというものは、北朝鮮のミサイル発射に見られますように、緊張感というものは高まっておりますし、中国の海洋進出というものも大きな摩擦を生み出している。そんなときに、自由、民主主義、基本的人権、そして法治主義という共通の価値観を持つ十二カ国が、しかも、アメリカ、世界一のGDP、日本、世界第三位のGDP、こういう国々が集うことの戦略的な意義。

 ルールメーキング。先ほどもここから先のRCEP、FTAAPについても御議論があったわけですけれども、そちらに進んでいく中において、TPPの持つ土俵、ルールというものはこれからも大変意義の深いものになってくる。日本が、ルールメーキング、どちらかというと苦手な分野ですけれども、今回はそのルールメーキングに加わった、そして、それがこのアジア・パシフィックのさらに拡大した自由貿易圏の基本になっていく、こういう意義があるものだと承知をしているところでございます。

大西(宏)委員 ありがとうございます。

 今、大臣がおっしゃいましたように、ルールメーキングでございます。ルールというのはできるだけ統一をしなければいけないということも、我々は理解していかなきゃいけない。

 具体的には、日本企業のベネフィットについてでございますけれども、そのルール分野について、私は、今言及されていたようにメリットがあるのではないかと思っております。

 例えば、現在、マレーシア及びベトナムが一定の産品について輸出税を課しています。これが原則撤廃されるわけでございますけれども、輸出税は、資源流出の防止や自国の加工産業の育成を目的として、資源、原材料等に課せられることが多いものです。これが撤廃されれば、資源、原材料をより安値に輸入することも可能となると期待されます。

 また、これまで我が国が締結した二国間の経済連携協定、EPAでは、協定によって原産地規制が異なります。利用する協定ごとに原産地規定を確認する必要がありまして、企業にとって大きな事務的コストがかかっていることが実情です。

 TPP協定では、貿易について共通の原産地規制が規定されることにより、参加国には原産地規制の確認の負担が軽減され、アジア太平洋にまたがる広域で活躍する企業はコスト削減が見込まれます。

 政府が想定されているメリットについて、ほかにもたくさんあると思います。どうでしょうか。

石原国務大臣 今、大西委員が、ルールが非常に重要だという大変貴重な御意見を言っていただいたと思っております。

 TPP協定は関税を下げるだけかとよく言われるんですけれども、そうじゃなくて、投資、サービス、予算委員会でも野党の皆さん方も、三十章もあるんだよ、多岐にわたる分野についてルールを決めているんだよということを言っていただいたわけですけれども、そんな中でも、今委員が言及されました原産地規則ですか、その物がどこでつくられたかを決めているルールですけれども、十二カ国どこでつくっても関税の優遇を受けられる、どこでも同じルールでやっていけるということが、今回、確保できたわけでございます。例えば、日本の企業が、日本に工場がありながら、世界のGDPの四割、そして人口八億の市場に打って出ていくチャンスがこれによって確立したのではないかというふうに考えております。

 また、投資ルールの明確化、あるいは知的財産の保護、あとアジアの国々でコンビニというのが試験的にできていますけれども、なかなか、うまくいっているところとうまくいっていないところがありますけれども、サービス業の出店の規制緩和というものも含まれておりますので、TPP協定は、これまでのWTO、マルチの枠や、あるいはシンガポールやオーストラリアと結んでおります二国間自由貿易協定よりも包括的かつ水準の高い内容になっているのではないか、こんなふうに認識しているところでございます。

大西(宏)委員 今、石原大臣、御答弁いただいていますけれども、こういうふうにお聞かせいただいたら一つ一つわかっていくものもたくさんありまして、特に、国民の皆さん、TPP、何やろかという意識がすごく今でも多いと思います。

 その中で、野党の皆さんとかは、政府の情報開示について、黒塗りの資料しか出てきていないじゃないかという批判もよく聞きます。

 政府としては、これまで、TPPに関する国民の情報提供についてどのような対応、また、こういう批判に対しての対応について、どうされてこられましたでしょうか。お聞かせください。

石原国務大臣 今、大西委員が大阪弁でTPP何やと、そういう思いがやはりあるので、国会での御質疑の中で国民の皆様方の理解を深めていくということが必要だと思いますし、情報開示していないということは、私は、資料を見ても、そんなことないんじゃないかと思うんです。

 先ほど、武部委員の質問のときに、新輸出コンソーシアムの資料をちょっと調べたんですけれども、どんどんどんどん、批准されていませんけれども関心は高まっていて、私の思っていた数字は千六百社ぐらいが新輸出コンソーシアムに入っていたのかなと思いましたら、十月になったら千七百社を超えていたみたいに、絶えず資料というものはブラッシュアップ、進化させております。

 もう三百カ所で実は講演会とか説明会を開かせていただきまして、そこで御関心のある分野がすぐ見られるようにしてくれということで、インターネットの中のホームページでは、自分たちの関心のあるところを入れていただいて、ぷっと押しますと、輸出に関してどういうことが変わりますよ、どういうルールになりますよと、今、大西議員が御言及されたワーズを引けばすぐ出るみたいにさせていただいております。

 先ほど見た資料はごく一部で、先ほどの資料、A4判で八冊ですから、四千ページ以上の資料を開示させていただいておりますし、また、国会から、御質疑をいただく中で、こういう資料を出せと、細かい部分についても、その中の千七百ページはまた別に各委員の方々のところにもお届けをさせていただいている。

 そして、経緯の御質問がよく出るんですけれども、これは先ほど岸田外務大臣がお話しになられたとおり、外交交渉で、例えばひとり勝ちする外交交渉というものはないわけですから、こういう経緯でこうなったと言ったら、それはとった方は自慢になりますけれども、とられた方は何でだということになるわけですから、経緯というものは明らかにしない。

 しかし、その一方で、決まったことは一つ一つ丁寧に御説明をこれからもしていく。そして、一つ一つ説明をすることによって、先ほどの大西委員のお言葉にあるようなことじゃなくて、なるほど、TPPはこれやと言ってもらえるようなものをつくっていくことが肝要ではないか、こんなふうに考えているところでございます。

大西(宏)委員 大臣、どうもありがとうございます。

 今おっしゃったように、ホームページ、問題ワード、質問ワードがありまして、それを検索すると出てくるということも国民は余り知らないと思うんですね。そのことの宣伝、それも情報開示の一つだと思うんですけれども、御努力賜れれば幸いに存じ上げます。

 そして、外交交渉、全勝はないということです。負けが勝ち、勝ちが負けというのが外交だということもお聞きしたことがありますので、岸田外務大臣もどうぞよろしくお願い申し上げます。きょうは質問がないので、申しわけございません。

 そして、続きまして、いろいろ問題というかお聞きされることがあるんですけれども、例えば、一番最初に私が言及しましたように、大阪というのは頑張っている中小企業がたくさんございます。世耕大臣の隣の大阪で、よくお会いし、地元の近大も、私、学校に行かせていただいていましたので、それも含めていろいろ御存じだと思うんですけれども、TPPは大企業だけしかメリットがないとの批判が実際ございます。

 中小企業にとって、それではどのようなメリットがあるのか、これは具体にあるならば、お聞かせいただきたいと思います。

世耕国務大臣 お答えいたします。

 私の母方の祖父は大阪の船場商人でありまして、そういう意味では、大阪の中小企業にはひときわ思い入れがあるわけでありますけれども、やはりTPPは、大企業だけではなくて地域の中堅・中小企業の海外展開にも大きなメリットをもたらすというふうに思っています。

 幾つか例を申し上げますと、例えば繊維産業、これは今、我が国の繊維産業は、もう機能性の繊維で勝負をしているわけでありますけれども、これが、今回のTPPでアメリカの関税が撤廃をされると、対米輸出の機会がふえる、日本の、涼しいとか、汗を発散するとか、そういった機能性の繊維が出ていくチャンスが出てくるだろうというふうに思っています。

 また、私は先日、ベトナムへ行って、日本企業の現地法人の代表の方々と懇談をしましたが、その中には、これも繊維産業ですけれども、例えばベトナム企業と業務提携をして、日本の技術をベトナムに持っていって、日本の繊維を持っていって、ベトナムで縫製をして、そしてアメリカへ輸出をするというような、そういう、ある種、新たなサプライチェーンを完成させるというような動きも出てきております。そういう意味で、中堅・中小企業にとってはビジネスチャンスが拡大をされるというふうに思っています。

 中小企業にとっては、やはり各国でルールが違う、こういうのはなかなか対応ができないわけです。法務担当のスタッフもそんなにたくさんいるわけではありませんから。今回、TPPによって各国のルールが一元化されることによって、中小企業も各国に輸出ができるチャンスがふえてくるというふうに思いますし、今、中小企業も二割ぐらいはやはり模倣品の被害を受けているわけでありますが、今回のTPPで模倣品への対策が強化をされます。

 あるいは、通関手続、これも、今回TPPによって、原則四十八時間、急送便については六時間で通関させなければならないというルールができました。これも、通関手続に手間をかけるわけにいかない中小企業にとっては大きなメリットだと思います。

 また、情報流通の自由化などのルールも整備されたことによって、インターネットを使ったビジネスをやっている中小企業もたくさんあります。こういったところも海外展開できる環境が整備されたということで、中小企業にとってはさまざまなメリットがTPPを通して出てくるというふうに考えております。

大西(宏)委員 ありがとうございます。

 ベトナムに日本の技術と品物を持っていって、そして加工して輸出する、これがTPPの妙技なのかもしれません。そして、いわゆる中小店舗等々が海外に進出するときに、今までの話ではよくあることで、だまされた、そして、会社を出したけれども、いつの間にか会社がなくなった。これは、その国のルール等々を理解できていなくて、安易にいろいろな問題に直面して、実際に負けてしまうこともあったでしょうけれども、そういうルールの明確化というのがどれだけ中小零細企業に大切なのかというのを今聞かせていただいたわけでございます。

 続きまして、それでは、中小企業に対して、日本経済を支えているもう一つはやはり機械産業、特に自動車分野のメリットについてお聞かせいただきたいと思うんですけれども、この件についてはどうでしょうか。

世耕国務大臣 今、自動車産業は本当にグローバル化をしておりまして、日本の自動車産業といえども、消費地に近い場所で完成車を生産する、まさに地産地消を基本としながら、日本国内の技術や生産能力、あるいは現地の市場規模、輸送コストなども考慮しながら、各社の判断でグローバルに最も最適な生産供給体制の構築が進んでいるという状況であります。

 こういう産業の実態を踏まえれば、完成車の生産のために日本から輸出をする自動車部品の関税の引き下げというのが極めて重要であります。

 今回、交渉の結果、自動車部品については、対アメリカでは約三兆円弱輸出総額があるわけですが、八割以上、そして、対カナダでは約三千億円ある輸出総額の九割弱の関税が即時撤廃されることになりました。これによって、自動車のメーカー及び自動車部品メーカーの競争力を高めることになるというふうに思います。

 加えて、一般に完成車一台で三万点の部品が必要とされている中で、これらの自動車部品メーカーに部素材などを納入する裾野の中堅・中小企業も受注が拡大されるのではないかというふうに思っています。

大西(宏)委員 やはり我々、下町の人間は、今おっしゃったように、三万点に及ぶその部品、そういう中小零細企業が潤うということを第一前提として考えていかなきゃいけないなと思います。関税の撤廃、すばらしいことでございます。

 続きまして、私は、消費者問題特別委員会の委員でもございます。消費者関係の団体や皆様から御意見をいろいろ聞かせていただくことがあります。また、地域の皆さんから質問の多かった問題、それは、TPPによって食の安全が脅かされるのではないかという不安の声です。

 何度も御答弁されていると思いますけれども、私も家族を持って、三人の子供の親でございます。子供の口に入るもの、それは、私だけではなくて、やはり子の親とするならば大切な関心事だと思います。このようなことがないことを再度確認させていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。

塩崎国務大臣 食の安全につきましては、大変大事な問題だと思っております。

 この食の安全に関する措置を定めたTPP協定の第七章では、第七・二条(a)というのがありまして、この章の目的として、まず、貿易を円滑にして、それをまた、及び拡大するということが当然書いてあるわけでありますけれども、それと同時に、締約国の人、動物または植物の生命または健康を保護することというのが規定をされております。

 TPP協定では、従来からの国際的なルール、共通ルールでございますWTOの食品の安全に関する協定、いわゆるSPS協定、これに基づきまして、締約国が自国の食品の安全を確保するために、科学的根拠に基づいて必要な措置をとる権利というのを認めています。

 具体的には、我が国では、コーデックス委員会が設定した食品の安全に関する国際的な基準とか、あるいは日本の食品安全委員会、これによる科学的なリスク評価の結果などを踏まえて、厚生労働省が残留農薬基準などの食品の安全に関する基準などを設定しているわけであります。

 これらの基準などを満たさない食品の輸入とかあるいは販売、こういったことは禁止をしておりまして、厚生労働省や地方自治体においては、基準などに違反をした食品が流通しないように、監視指導や取り締まりを行っているわけであります。

 したがいまして、TPP協定は、こうした我が国の制度の変更を求めるものではなくて、引き続き我が国の食の安全はみずからが守るということで確保をされているというふうに考えているところでございます。

大西(宏)委員 日本のルールは変更しないということを今言っていただきました。

 これはテレビの報道なので別に注意するべきことではないと思うんですけれども、例えば、中国で下水道から取り出した油を使っているとか、異常濃度の農薬の野菜が日本に入ってきているとか、そういう話もあるので、これは再度安全というものを再確認して、再調整して、そして維持をしていただきますようにお願いする次第でございます。子供たちの未来は、食も含めての未来でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 続きまして、TPPが発効されますと、輸入食品もふえることが予測されます。そういった状況で、国内の現在の食品表示、特に心配の声が大きいのは加工食品でございます。現在使われている表示が変わるのではないかという懸念でございます。今も言いましたように、そこら辺がやはり一番お母さん方は心配だということでございますので、いかがでしょうか。

松本副大臣 お答えをいたします。

 結論から申し上げますと、TPP協定におきまして、食品の表示要件に関する我が国の制度の変更が必要となる規定というものは設けられていないというふうに承知をしております。

 食品の表示につきましては、食品を選択する際の重要な判断材料であり、消費者が求める情報が適切に表示されていることによりまして、安心して食品が購入できると考えております。

 平成二十七年度から、食品表示法に基づく新たな食品表示制度が施行されたところでありますけれども、現在消費者庁としては、この制度の内容につきまして、消費者や事業者等の関係者への普及啓発を図るとともに、関係機関とともに連携を図りつつ、食品表示制度の適正な執行に努めているところであります。

 食品表示制度が消費者の自主的かつ合理的な食品の選択に資するよう、制度を適切に運用してまいりたいと考えております。

大西(宏)委員 どうもありがとうございます。

 消費者特でもいろいろ議論はあるんですけれども、例えばペットボトル、百ミリで二十五カロリーという表示ですけれども、実は、五百あるペットボトルが何で百なんだという表示も、やはり日本自体、もう一度考え直さないけないところ、深めなきゃいけない部分もあります。そういうところもやはり今後議論していかなきゃいけないし、それをもって食の安全というのをしていかなきゃいけないのかなと思うわけでございます。

 それでは、ほかにもいろいろ多く寄せられる心配事があります。いわゆる、TPPによって、日本が誇っております国民皆保険制度が崩壊するんじゃないかという心配の声です。

 これも何度も何度も質問、答弁されていると思いますけれども、再度、確認の意味を込めまして質問をさせていただきたいと思います。

 TPP協定の国民皆保険が脅かされることは本当にないでしょうか。

塩崎国務大臣 これは、医療関係者からTPP交渉が始まる際に大分御心配をいただいた点でありますけれども、結論的には、TPP協定には、民間医療保険の参入とか、あるいは混合診療の解禁とか、そういった我が国の公的医療保険制度について変更を生じさせるような内容は含まれていない。国民皆保険は、当然、そうなれば、今後も堅持をされるということでございます。

 附属書の2というのがTPP協定にございまして、我が国が内国民待遇など投資章の一部の規定と異なる措置を将来採用したとしても協定違反とならない分野を明記されています。

 この中で、社会保険、社会福祉、それから保健などの社会事業サービスを留保するということになっておりまして、公的医療保険制度を含む社会保障制度について、将来の制度変更も妨げられるものでは決してないというふうに御理解をいただければと思います。

 今後とも、日本が誇る国民皆保険制度、これは委員御指摘のように堅持をして、安全、安心な医療が損なわれることのないように取り組んでまいりたいというふうに思います。

大西(宏)委員 再度、よろしくお願い申し上げます。

 続いてでございますけれども、私は、日本固有の文化、特に食文化等々がすごく大切、大事だと思っております。

 その中で、習慣などを誇りに思い、大事にしておりまして、例えば、日本のサービス、そしていわゆるおもてなしというのは、海外にとっても高く評価をされております。

 先ほどから言っていますように、安全、安心、おいしいというのがやはり日本の食べ物だと思うんですね。特に、日本食の海外輸出もさらに今現在加速をしてきております。

 実はきのう、参議院の二之湯武史議員とお話しすることがありまして、彼は日本酒のことをいろいろやっておられて、その中で、日本酒というのは世界でもやはり胸を張って飲んでもらえるお酒だ、けれども、一つちょっと問題があるんですよと。何ですかと言ったら、ワインと日本酒の違いは何だといったらラベルにあると言うんですね。このラベルとは何だというと、やはり、海外に売り出していくときにラベルを、ちゃんと表示をしなければ、TPPのメリットの一つを損なうんじゃないか、そう思っているということも話をされていました。

 価値向上に有効な世界共通の表示、例えば、地理的表示とかお米の銘柄、酒蔵の情報、その年の酒蔵のできふできなど統一活用を図ること、それが、私自身、攻めの戦略の重要な部分だと思います。

 これは、政府として何か対応をされてこられたんでしょうか。既に取り組みがあれば、どうぞお聞かせいただきたいと思います。

大塚副大臣 日本酒を応援していただきまして、まことにありがとうございます。

 TPPは、御指摘のように、これは、酒類の関税が北米市場で即時撤廃になるなど、日本産酒類が海外に打って出る格好のチャンスというふうに捉えておりまして、その中で、なかんずく地理的表示の制度、これは今政府としても力を入れて取り組んでいるところでございますけれども、これをしっかり取り組んでいくべきだろうというふうに考えているわけでございます。

 酒類の地理的表示制度は、御存じのように、特定の産地に特徴的な原料や製法などによってつくられた酒類だけが、その産地名、地域ブランドを独占的に名乗ることができる制度でございます。御指摘のヨーロッパ、これは地理的表示制度の先進地域でございますけれども、ワインだけで二千の地理的表示があると言われておりまして、地理的表示、GIといいますけれども、GIがついているワインは、ついていないワインよりも二倍とか三倍というプレミアムがついているという調査研究もある状況でございます。

 こうした中で、私どもとしましても、日本酒を初めとした日本産酒類、これをブランド価値をしっかり高めていく、そのためにこのGI制度を活用していくことが重要だと考えておりまして、昨年の十二月二十五日には、日本酒というものを包括的に地理的表示のブランドを指定したところでございます。

 TPPの中におきましては、具体的には、米国との間で、この酒類の地理的表示を相互に保護する手続を進めるということで合意をいたしております。これが、TPPが発効いたしますと、関税も撤廃、それから、この地理的表示についての合意も進めていくということによって、北米市場を初め、その他のTPPの地域に日本産酒類が大きなチャンスを得ていくというふうに考えておりますので、私どもも積極的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。

大西(宏)委員 日本酒だけではなく、もちろん焼酎もしかり、そうでございますけれども、やはり、日本の食文化の代表、お酒が海外に進む中で、それは本当にラベルを見ただけで、この味はどういう味なのか、甘いのか辛いのか、そして何が入っているのかというのも、それが価値というものになっていきます。

 実は、きのう話をしている中で、何で日本酒というのはこれだけ敬遠されてきたのだろうという話もしております。

 それはなぜかというと、やはり人工酒がふえてきていて、海外から輸入しているお米で、薬品をまぜて強制発酵させてお酒をつくっている。それが、二十代前半の大学生とか学生さんが例えば歓迎コンパとかで飲む、そして深酒をして体調を崩す、二日酔いというものになって、ああ、もう日本酒は飲みたくねえなみたいな感じになってくる。

 けれども、日本酒というのは、本来であれば二日酔いするようなお酒ではない。焼酎もしかり、そうなんですね。特に焼酎なんかでいったら、お酒を飲んでそれが次に残らないようなこと、やはりそういうふうに我々は、胸を張って、自信を持ってお酒を勧めていかなきゃいけないと思っています。

 それも含めて、日本には知的財産等、守るべきことが多々ございます。そういうものを我々自由民主党・無所属の会は守ってまいりたい、そして、TPPの議論を含めて進めてまいりたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。皆さん、どうぞ頑張ってください。

 以上です。ありがとうございます。

塩谷委員長 次に、福山守君。

福山委員 自由民主党の福山守でございます。

 きょうは、発言の機会をいただいたことに感謝を申し上げます。

 また、今まで、本会議あるいは予算委員会等で、このTPPの問題につきましては、総理から、また各大臣の方からそれぞれ意見が出ております。そしてまた、質問三番目になりますと多少重複する点もございますけれども、私なりに視点と観点を変えた形の中で質問をさせていただきたいと思っております。

 まず、少子高齢化、少子化、人口減少傾向、こういう形の言葉が言われ出して久しいものがございます。このままでいきますと、二〇五〇年、日本の人口は今の一億二千七百万から九千七百万に減少する、そういうことが言われております。こうなってきますと、当然、経済活動にも支障を来します。消費活動、これは最たるものだと思っております。

 そういう形の中で、このTPPは、世界のGDPの約四割、そして人口的に言えば八億人、これから、そういう形の中では発展性を秘めたこの環太平洋連携かと思っております。

 そういう中で、プラス面、商業、工業それぞれございます。ただ、どのような交渉においても、プラス面とマイナス面、こういうものがあると私は思っております。

 私も国政に上がらせていただきまして三年九カ月間、TPPのこの議論、特に、前大臣である森山先生が国益を守る会の会長をされておりました。今は江藤先生がしております。私もそういう中でいろいろ、会合の中で議論をさせていただきました。

 そういういろいろな過程の中で、私は、前甘利大臣が交渉してきた、そういう中で、昨年十月に大筋合意、そのときに、各国大体一〇〇%から九九%であるというふうにも伺っております。

 先ほど山本大臣の答弁にございましたように、五項目、いわゆる負の部分である農業の部分である重要五項目、これについては我が国が八二%という数字で、その次の数字がカナダの九五%と伺っております。日本は全体としては九五%なんですけれども、九九、一〇〇という中で、我が国が突出したような形の中で交渉を進めてきたのかなと私は思っております。

 それが、今回のアメリカの大統領選におけるそれぞれの候補者、共和党、民主党のそれぞれの大統領候補者が反対あるいは見直しというふうな形を言っておるのは、やはりその交渉が、私はしっかりとした交渉ができたと思っておりまして、将来を見据えた日本の方向性をつくるときに、このTPPの重要性は私はある、しっかりしたものがあると思います。

 そういう中で、我が国が率先してTPPの協定を承認して、早期発効に向けた機運を高めていくことが非常に重要であると私は思っておりますけれども、TPPの意義と早期承認に向けた石原大臣の決意を改めて伺いたいと思います。

石原国務大臣 ただいま福山委員が、人口という観点からお話をされました。

 私、つけ加えるならば、アジアの人口、多いということとプラス、若い人たちが多い、ここも一つ発展の余地がある分野だと思います。そういう方々にとりまして、やはり日本は、クールジャパンと称されますようにあこがれの地でありますし、日本のものに大変、アニメ等々、文化を含めても関心を持っている方がたくさんいらっしゃいます。そういう皆さんと二十一世紀の共通のルール、そして価値観が一緒であるということが大きいと思います。やはり、自由と民主主義と基本的人権を大切にして、そして法治、法律のもとに全てがある。

 これまで、ともすれば、中小企業の方々が海外に出ていきましても、私も一番初期のころベトナムを訪ねたことがあるんですが、民法がなかったんですね。そうしますと、商業をやっていく上で大変不安である。ちょうど行ったときに、あのときはたしか外務大臣とも一緒に行ったんですけれども、平成の最初のころですけれども、行ったときに急にベトナム通貨とドルの兌換が禁止されたり、ルール変更が往々にして起こる。そうしますと、やはり安心して表に出ていくことができない。

 しかし、共通のルールをつくるということで、安心して、福山委員のところは徳島でございますのでスダチがすぐ頭に浮かぶんですが、スダチはなかなか輸出できないかもしれませんけれども、先ほど来議論のある日本酒とか、いいものを輸出していくということは非常にプラスに働くんじゃないか。

 そういう意味でも、経済性という観点からも重要でありますし、それともう一つは、やはり北東アジアの外交、安全保障上の不安定さというものが高まっているということですね。やはり共通の価値観を持つ者が一つに固まっていく。もちろん、TPPが発効しましたら、さらに、お隣の韓国も入りたいというリクエストがありますし、あるいは、国王陛下が亡くなられたタイ、タイの皆さん方も御関心を持っていらっしゃる。さらには、フィリピンの方々も関心を持っていらっしゃる。そうしますと、そういう共通の価値観を持つ者がそこに一つの経済圏をつくることによる経済的な意義というものは、やはり私たちが想像している以上に大きなものになるのではないかと思います。

 そして、武部委員の議論の中で米国の大統領選挙のお話がございましたが、ケネディ駐日大使に招待されまして行った席で、アメリカ側から、やはりともかく早くみんなで国内手続を進めていこうという御提案があって、それに各国の代表が、全権特命大使の方も含めてそのとおりだということで認識を一にしたわけでございます。

 そういう意味でも、今まさに、日本が世界第三位の経済大国、そしてルールメーキングに加わったわけですから、これを進めていく。今国会で早期の協定の承認と整備法案の成立というものに、もちろんしっかりと説明をさせていただいて、国民の理解を得た上で進めてまいりたいと考えております。

福山委員 今、大臣の方から、新聞紙上にも出ておりますように、韓国がTPPに入りたい、あるいはフィリピンがそういうふうな関心が非常に強いといろいろ言っていただいて、ますますこれはそういう意味では経済圏が広がる、我が国にとってはすばらしい状況ができる。そういうことで、大臣の早期承認に向けたいろいろな活動、行動、やはり私自身の口から聞きたかったものですから、本当にどうぞ頑張っていただきたいと思っております。

 先ほども、オバマ大統領は任期中に承認する明確な意思を示す一方、大統領選云々の話が出ました。このときアメリカが再交渉を求めてくる可能性が高いとして、我が国のTPPの国会承認を逆に急ぐべきではない、こういう意見があるのもあります。しかし、私は、こういう問題はいかがなものかなというふうに思っています。

 仮にアメリカから再交渉を求められても応じるつもりはないとのスタンスに変わりがないことを、改めて大臣の口からはっきりとそのあたりをお聞かせ願いたい。

石原国務大臣 ただいまの点は大変重要な点だと思います。これは安倍総理も最大に関心を持たれている点でございまして、明確に本会議等々でも、再交渉には応じない。

 その理由は、やはりマルチの協定でございますので、一つのパーツを取り出して再交渉しますと、全てが崩れてしまう、そういうガラス細工とでもいうんでしょうか、ぎりぎりの、各国とも、おりるところはおりる、攻めるところは攻めるという中で取りまとまった協定である。

 ですから、大統領候補の方は、選挙戦ということもあるのかもしれませんけれども、わかっていらっしゃって言っているのかわからないで言っていらっしゃるのかは私どもには判断しかねるんですけれども、仮に再交渉してきても再交渉には応じない、それが十二カ国でもう既に確認されているわけでございますので、そこの点はしっかりと私どもはこのスタンスを守っていくということが大切であると認識をしているところでございます。

福山委員 しっかりとそのあたりは、いろいろな賛成、反対の意見、そしてまた国民の間でどういう理解をしていただくか、そういうことによってこれからまだまだ意見も出てくるかと思いますけれども、今大臣が御答弁されたことをしっかりと、我々は期待しておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。

 先ほど来、少し答弁の中にも触れていただいておるんですけれども、アメリカ以外のTPP交渉参加国との、貿易相手国のマレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドといった、協定発効に向けて、こういう国に対して大臣みずからが今どのような形として、対アメリカとかいろいろなことを考えた中で活動、行動されておるのか、伺いたい。

石原国務大臣 ただいま福山委員が言われた国々は、私、訪ねた国もありますけれども、日本のことを見ていますね。すごく日本のことを見ている。

 そして、アメリカの大統領選挙で候補者がああいうことを言っている。しかし、私たちはここまでまとめて、自由と民主主義と基本的人権を守る、また、法治国家である、共通のルールをつくっていこうよという思いは、各国とも全く揺らぎがない。

 そんなことがありますので、十二カ国の大使が、私まで呼んでいただいて、それを再確認する。こういうところに各国の思いというものはすごく象徴されているんだと思います。

 訪ねた国々でも、例えば、ニュージーランドのマクレーさんという、グローサーさんがアメリカの大使になってしまいましたので、新しい、全然若い方ですけれども、おい、石原、再交渉なんか絶対しないぞと、いきなり向こうから話題がぱっとかわっておっしゃられたので、私、そのときはぱっと立ち上がって、すぐ手を握ったんです。握手したんです。それを写真に撮らせてですね。そのぐらい、やはり各国とも今の枠組みに大変苦労されている。

 その中でできたものでありますので、これを成就させていく。国会でその整備法も含めて成立させていただきますと、先ほどの前の質問に返るんですけれども、立法府も、再交渉しない、福山委員が、再交渉はしちゃいけないんだ、その意思を確認するという議論があったわけですから、今度は立法府が意思を主張する。

 行政府と立法府が重ねて、再交渉はしない、これが我々のスタンダードなんだということを示すことの意味というものは非常に私は重要ではないか、こんなふうに考えております。

福山委員 今お話を伺っておりますと、ある意味、アメリカの状況はさっきからお話しのとおりでございますけれども、各国、残りの十カ国にとっては、大臣がとにかく頑張ってほしい、石原大臣頑張れよ、日本が頑張らないとこのTPPはうまいこといかないじゃないか、率先垂範でとにかく頑張っていただきたい、そういうふうな形で動いておるというふうな理解をさせていただきたい、かように思います。

 さて、この協定の活用なんですけれども、TPPは厳しい交渉を今まで経てきて、ここまで参りました。その一方で、これまで我が国が締結した経済連携協定は、必ずしも十分に中小企業を含めた国内事業者に活用されてはいないのではないかと思います。

 TPPを含めた経済連携協定は、国内事業者に活用されて初めて生きるものであります。昨年のTPP政策大綱にも書かれておりますが、TPPは中小企業を含めた国内事業者にいかに活用してもらうかが重要であると考えます。

 この点は、今後、我が国が輸出を伸ばしていくための戦略として重要と考えるわけでありますが、TPPを活用して中小企業などの輸出を伸ばしていく政策の現状について、経済産業大臣にお伺いをしたいと思います。

世耕国務大臣 お答えします。

 先ほど大西委員の質疑でも答弁させていただきましたが、TPPは中堅・中小企業にいろいろなメリットをもたらすわけでありますけれども、やはり、そのメリットを最大限に発揮をするためには、中堅・中小企業を含めた我が国企業がTPPのメリットを理解、活用して海外展開に取り組むことを後押しすることが重要だというふうに思います。

 今委員御指摘の昨年十一月の総合的なTPP関連政策大綱では、TPPを契機とした中堅・中小企業の海外展開の取り組みを支援するための施策が盛り込まれているわけであります。

 この大綱を受けまして、経産省としましては、経済産業局、ジェトロ、中小機構といったところに、六十五カ所の拠点に相談窓口を設置いたしました。また、全国四十七都道府県で百二十回以上の説明会を開催することなどによって、全国の中堅・中小企業に対して、TPPの合意内容やメリットを含めて、幅広く丁寧な情報提供を行ってきているところであります。

 また、ジェトロや中小機構などの機関の参加を得て、ことしの二月に、新輸出大国コンソーシアムというのを設立いたしました。このコンソーシアムには、海外ビジネスに精通した専門家が中心となって、海外事業計画の策定や支援機関の連携の確保、そして現地での商談や海外店舗の立ち上げなどの支援を行うことにしておりまして、既にこれまで申し込みのあった千七百六十一社に対する支援を開始しているところであります。これを今後もさらに広げていきたいというふうに思っております。

 今後とも、中堅・中小企業がTPPで開かれる新しいチャンスをつかんで飛躍できるよう、政策を総動員して支援してまいりたいというふうに思います。

福山委員 千七百六十一社がそういうふうな形でいろいろ応募している。さっきの答弁の中で、たしか、武部先生のときの答弁でしたか、約三百幾らという形で、農林水産業、これから攻めの展開をということを言っておられますので、私もまさにそのとおりだと思っております。

 今大臣が言われましたそういう相談窓口、私、一つ、ちょっと先に、これは例えば農林の形で、農林というか、農業生産者がそういうものを輸出したいというときに、当然、農林省、そして各国の風土、宗教あるいはいろいろな形では外務省、あるいは経済的な問題であれば経済産業省、ジェトロがその中の地域のいろいろ、そういういろいろな形の複合的なそれぞれの組織、そういうものを集約されて、そこに相談が来ておるというふうに私は理解しております。

 やはりそういう組織が、例えば私はふるさとは徳島なんですけれども、その地域の人たちが、正直言って、今やっている中で、恐らく千七百六十一社の中には一社、二社しか入っていないかもわかりませんけれども、なかなか広報あるいは周知がされていないのが私は事実だと思っておりますので、そういうところを、組織がしっかりと構築できているよ、どこの窓口がどういうふうに、あるいは全体としてそういう仕組みづくりの形を、しっかりと広報を流してほしいな、そういうふうにお願いをいたします。

 これは、済みません、一点聞きたいんですが、経済産業省が窓口ということで、大臣、それでよろしいんでしょうか。

世耕国務大臣 これは経済産業省が窓口となって、このコンソーシアムを形成させていただいております。

 参加をしているのは千七百六十一社でありますけれども、一方で、全国の九百七十五の支援機関にも参加をしてもらっていまして、いろいろなところへ入る相談が、なるべくこのコンソーシアムで一元的に対応できるよう努力をしているところであります。

福山委員 ありがとうございました。よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 さて、昨年、たしか十一月の十七日だったと記憶しておりますけれども、自民党の方で、政府大綱の、そういう整理をしたものに対して、党としてまとめて上げたような記憶があります。そのときに、特に農林の方がどうしても非常に難しい部分があるということで、一週間おくれてこれはしたと思っております。

 そういう中で、先ほど言われた重要五項目について、いろいろな各種団体との整理の仕方の中で、私は、一歩前へ進んで、これはそういう形の中で、森山前大臣あるいは江藤国益を守る会の会長、そういういろいろな努力の中で、部会を開く、議論の中で、私もよく拝察をしております。

 ただ、そういう中で、二段階といいますか、昨年の十一月に大綱を政府がまとめて発表され、そして、ことし十一月を目途に次の段階の農業としての成長戦略、あるいは、いろいろこれからの各団体のプラス面、マイナス面の整理をどうしていくかというのが今の状況であると思います。

 特に、輸出の拡大という点について山本大臣にお伺いしたいと思います。

 TPPの意義として輸出の機会拡大が挙げられて、農林水産物、食品について特に言われております。政府は一兆円の輸出目標の前倒しを表明しておりますが、この輸出拡大に向けて、私は、TPP参加国よりむしろ非参加国への対応、こういうことが大事ではないかなと。

 先ほど石原大臣の御答弁にもありましたけれども、参加国に対しては、それぞれの国の方でいろいろな整理はしやすいと私は思っております。でも、非参加国の中ではそれが非常に難しいと私は考えております。当然、検疫や通関など、そういう交渉の中では、参加国は、安易ではないですけれども、比較的話が進みやすいということになりますけれども、非参加国は、実態として人口も多く、輸出先としては魅力があるものの、さまざまな課題がある。

 例えば、先般、水産の部会の中でお二人の先生が話をしました。その中で、サンマの最盛期を迎えているが、日本のサンマ漁船が、サバやイワシの混獲の問題もあり、某国のチェックポイントで十五時間から二十時間にわたって足どめされている、また、いまだサンマ漁船が古釜布に十日間も足どめされているとか、漁獲物の価格低下の問題もさることながら、乗組員の健康や食料の問題が心配される、こういうふうな意見も出たり、関連して、某県のサンマ漁船からも、チェックポイントにおける検査が非常に厳しくなった、そういう問題もいろいろ出ておるわけなんですね。

 また、私、一昨年、政務官をやらせていただいたときに、OECDのNEAの方に行ったときに風評被害対策のいろいろな話をしてまいりました。そういう中で、ことし十一月に福島の方でワークショップを開いていただけるということになっておるんですけれども、そういう輸入規制あるいはこういういろいろな問題というのが各国とも、EUはEUで高いものがあるし。

 だから、そういう問題を含めた、輸出拡大に向けた、TPP非参加国、こういうことに対しても、強く推し進めていくクリアしなきゃいけない問題が多々あると思います。そこらあたりの見解を、どう取り組んでいるのか、大臣にお伺いしたいと思います。

山本(有)国務大臣 畜産振興にお詳しい福山委員でございますので、十分御承知のとおりであろうと思いますが、ことしの五月に策定されました農林水産業の輸出力強化戦略に基づきまして、内閣官房に設置されました省庁横断の輸出規制等対応チームにおきまして、TPP参加国、非参加国を問わず、日本産農林水産物、食料の輸出に関する規制等の緩和、撤廃に向けた取り組みを加速させております。

 その中で、各国との動植物検疫協議につきまして、科学的知見に基づきまして実施していくこととしておりまして、農林水産業の輸出力強化戦略において策定された国・地域別の輸出拡大戦略を踏まえて、今後も粘り強く取り組んでいくつもりでございます。

 また、農林水産物、食品に対する放射性物質に係る諸外国の規制がございます。これまでも政府一丸となって撤廃、緩和を求めてきたところでございます。

 特に、福山委員が御指摘の非参加国の中でも、輸出相手国として一位になっております香港、輸出額の二四%を占めるわけでございまして、この香港の重要性を説くまでもありませんが、背後の中国というものの窓口というような位置づけになっております。

 その意味におきまして、私ども、福島、茨城、栃木、群馬、千葉、この野菜、果実、牛乳、乳飲料、粉ミルク等が規制されておりますので、これに対して交渉を続けております。

 ことしの八月、香港を私もお邪魔させていただきまして、ラム政務長官並びに高食物衛生局長官に、科学的根拠に基づいて輸入規制を早期に撤廃、緩和するよう要請したところでございます。粘り強く働きかけまして、輸出の障害となっておりますものを一つずつ取り除いていく所存でございます。

福山委員 今大臣から御答弁があったように、農林水産物の輸出拡大に向けては、輸出環境の整備を図っていくことが大変重要になってまいります。

 特に、残留農薬基準や動植物の検疫については、相手国や品目に応じた検疫措置を確立する必要があるために、協議に一定の時間を要しておることは事実でございます。このことが、輸出を始めようとする産地にとって輸出拡大の壁となっているのも事実でございます。

 今後、輸出拡大を加速化するためには、政府一体となってこの検疫協議を進め、協議に要する期間も短縮し、早期に輸出解禁できるよう、動植物検疫の体制を強化することが急務ではないかと考えております。

 政府として、輸出拡大を図るための動植物検疫について、今後どう取り組んでいくのかの大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

山本(有)国務大臣 この輸出につきましては、平成三十一年の農林水産物、食品輸出額一兆円目標の達成に向けまして、本年五月に策定されました農林水産業の輸出力強化戦略に掲げた施策の着実な実施に政府を挙げて取り組んでいるところでございます。

 御指摘の動植物検疫の分野におきましても、米国向けの柿あるいは豪州向けの牛肉など、国・地域別の輸出拡大戦略に即しまして、内閣官房に設置されました輸出規制等対応チームによりまして、省庁横断で相手国との動植物検疫協議を進めるなど、早期の解禁に向けて取り組んでいるところでございます。

 御指摘の残留農薬基準あるいはHACCPなど、動植物検疫以外の要件も同時に満たす必要があることでもございますことから、オール・ジャパンで取り組む必要があると考えておりまして、なお鋭意頑張っていきたいと思っております。

福山委員 輸出拡大に向かっては、輸出相手国の輸入規制を緩和、撤廃することが重要でありますが、一方で、我が国の魅力である高品質な農林水産物、食品について、海外市場での訴求力を高めていくことも重要であると考えております。

 その一つとして、制度面では、地理的表示、いわゆるGIの保護も重要であると考えております。輸出相手国においてこれをどのように保護し、輸出拡大につなげていくか、農林水産大臣の見解を伺いたいと思います。

山本(有)国務大臣 いわゆるGI、地理的表示保護制度、これは、地域で生産されて高い品質と評価を得た農林水産物や食品につきまして、その名称を知的財産として保護する制度でございます。

 輸出先国におきましても我が国の地理的表示が保護されることは、農林水産物のブランド価値を守るものでありまして、輸出促進にも資するもの、こう考えております。

 今般、TPP協定で、国際協定によるGIの相互保護の手続に関するルールが規定されました。TPP関連法案として地理的表示法の改正案を提出させていただいているところでございます。

 これによりまして、輸出先国と相互保護を実現し、我が国の地理的表示が保護されることによって、さらなる輸出拡大が可能となってまいると期待するところでございます。

福山委員 今御答弁いただいたように、今般のGI法の改正案により、海外でのGI保護が進み、輸出拡大に弾みがつくものと大いに期待をしております。

 こうした制度面での後押しに加え、我が国において、農林水産物のブランド化を図り、生産者の利益の確保を図るためにも、地理的表示の登録を拡大すべきと考えておりますが、今までもう既にブランド化ということが進んでおりますけれども、今後さらに拡大をということで、見解からちょっとお伺いをしたいと思っております。

山本(有)国務大臣 今月十二日に登録した下関ふくや十勝川西長いもを含めまして、これまでに二十一産品の登録を行っております。四国ではたった一個、愛媛県の伊予生糸だけでございますが。このため、農林省としましては、まずは平成三十二年までに各都道府県最低一品目のGIを登録することを目標としております。GIサポートデスクを設けておりまして、登録申請に向けた助言、相談を受けつけるところでございます。

 これまでに登録された産品につきましては、販路の拡大や価格の上昇など、登録の効果が着実にあらわれてきておるわけでございまして、今後も地理的表示の登録について、より一層推進を図ってまいりたいと思っております。

福山委員 ありがとうございます。

 どうか大臣には、これからもよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 続きまして、齋藤副大臣にチェックオフ制度についてお伺いをいたしたいと思います。

 私、四月のときにも実はこの話を特別委員会で質問させていただきました。改めて伺いたいと思います。

 政府は、昨年のTPP政策大綱を踏まえ、チェックオフ制度を検討するとしており、自民党でも議論を行っているところでありますが、農林水産省では、制度検討に向け、諸外国のチェックオフ制度の目的や特徴などについて調査を行っていると承知をしておりますが、まずは現在までにわかっていることについて御説明をいただきたいと思います。

齋藤副大臣 福山委員がチェックオフ制度の導入に向けて熱心に取り組まれていることについては、まずは敬意を表したいと思います。

 このチェックオフ制度につきましては、昨年決定いたしました総合的なTPP関連政策大綱におきまして、継続検討項目に位置づけられております。これを受けて、ただ、導入するとなりますと、本邦初演の制度となりますので、諸外国の制度をきちんと調査していくことが必要だということで、調査を行ってまいりました。

 この調査結果によりますと、諸外国の制度につきまして、まず第一に、農産物の市場維持拡大を図るために、生産者等が主体的に国内外での販売促進あるいは調査研究等の事業を実施することを目的として、品目別に制度化されているというのが一つであります。

 また二つ目は、業界による拠出金、これは任意徴収から始まっている品目が多いなということでございます。

 それから三つ目は、フリーライダーの防止、あるいは輸入業者からの徴収というものを可能とするために、業界みずからが生産者の合意形成を行って、そして強制徴収、そういう法制化に向かっている、それを政府が制度化してきたということ、これが三つ目でございます。

 そして四つ目が、チェックオフ対象品目に対して、中央政府からの支援というものはほとんど行われていない。

 こういった特徴が、調査の結果、浮かび上がってきているところでございます。

福山委員 ただいま御紹介いただいた諸外国の状況を含め、自民党の会合で勉強させていただいて、チェックオフ制度に関する資料を見ても、ややもすると後ろ向きと見えるような課題や、そういうものが羅列をされております。

 私はこの制度の導入を進めるべきとの立場でおりますが、この問題を議論する前に、まずは、我が国でチェックオフ制度を導入する場合に考えられる論点をどう捉えているのか、これもちょっと御説明してください。

齋藤副大臣 先ほど申し上げましたように、総合的なTPP関連政策大綱におきまして、しっかり検討するということが位置づけられておりますので、導入するに当たってはどうしたらいいかという姿勢で検討していきたいと思っております。

 今委員御指摘の、導入する場合に考えられる論点でございますけれども、一つは、法制化するに当たりましては、生産者から強制徴収で拠出金を出していただくということが不可避だろうと考えておりますので、受益と負担の関係につきまして十分納得できるものであるという、その点の検討が必要であろうと思っております。

 二つ目は、具体的な事業内容が決まった上で、では、それを踏まえて生産者がどう負担していくかということに関して、生産者の大宗の合意が得られていないとなかなか強制徴収には踏み切れないということがあろうかなと思います。

 それから三つ目は、透明性、公正性の確保の観点から、資金を管理する団体について、公的なものとする必要が出てくるのではないかというようなところが論点になろうかと考えております。

福山委員 このチェックオフ制度、これはちょうど森山前大臣が大臣をされておるときに、この導入というのをいろいろ前向きな話を話していただいておりますが、私はそういう会合の中で聞いたことがございます。

 そもそも、このTPPが進んできたときに、このチェックオフ制度、これをやりたいということでスタートした畜産団体がございます。それはやはり、このTPPの交渉がなければ、恐らくこの話はなかなか出てこなかったのではないか。

 農林水産省が出された資料によりますと、アメリカでは十八年かかったとか、カナダでは八年かかったとか、そういうふうな、かなりの時間をかけてこういう形をやってきたと。

 ただ、先ほど、生産者の主体的な立場でこのチェックオフ制度を運用する、またこれを進めていくということでございますけれども、そういういろいろな形の、いわゆる関税撤廃という中、多少の規制はございますけれども、豚とか牛とかそういう場合、多少はありますけれども、それが先に行けばなくなってくるときに、やはり我が国の生産者が、そういう大きな大国、あるいは大型化のそういうものが、輸入豚が入ってくる。今の生産高は、たしか国内は五二%だと思うんですけれども、四八%が入ってくるというふうな形の中で、値段の問題とかそういうことになれば、当然、いろいろな過当競争あるいは競争が始まるわけでございます。

 そういうときのために、今の試算の中で、約千六百万頭で約八億円ぐらい資金としてできる。私は、それは、各協会において、その協会がいろいろな広告宣伝あるいは品種改良、それぞれの形の中で使われる、それはそれですごくいい方向だと思っております。

 今、国がそれに対する補助制度云々というよりも、まず、皆が、団体が、そして個人がとにかく固まって、そういうことをやって対抗していくんだ、そういうものをつくりたいという気持ちがあれば、私は、この言葉が妥当かどうかわかりませんけれども、部会でこういうことを言ったことがある。隗より始めよ、まず、やりたい人がおったらやらせてみたらどうですかと。そのためには、当然、アメリカにしてもカナダにしても時間がかかったのは、アウトサイダーがおる、いろいろな形がおるから、そこに何%の加入率をもってすれば法的に縛れるかということも言われるのが基準になってこようかと私は思っております。

 ただ、そういうことであれば、三年なら三年、五年なら五年、その加入率が七〇%あるいは八〇%ですよ、それが確保できれば、私は、それからの法制化でもいい。ただ、その一つの方向性をやはり示してあげないと、ただ、難しい、ううん、これはなという、はっきりした前を向いた答えがなければ、せっかく一生懸命、民間団体の方からこういうことに取り組んで、まさにこれが先鞭となって、TPP対策として、後の農林水産業の人たちが、我々も頑張ろうという強い追い風になるのではないかなと私は思っております。

 そういう点について、そういう一つの案として、私、今言わせていただいたところでございますけれども、そのあたりを含めた御答弁をお願いできればと思っております。

齋藤副大臣 本件につきましては、私も、副大臣になる前に、自民党の方で養豚業界の皆さんから、とにかく、TPPを契機に、受け身になるんじゃなくて自分たちも攻めていくんだという高い志と、それから若い人たちが夢とやる気を持って取り組めるようにしてほしい、そういう熱い思いの中で、このチェックオフ制度の導入について要望を承ってきておりますので、その高い志の取り組みというものについては我々も大いに応えていかなくちゃいけないと考えているところでございます。

 既に養豚業界におきましては、もう福山委員お詳しいと思いますが、全国レベルや各都道府県レベルで、団体等の会費を用いて消費拡大等の取り組みを行っている。これは自主的に行われているということでございますが、このチェックオフ制度は、やはり強制徴収というところがポイントだろうと思います。

 そうなりますと、ある程度のコンセンサスというものがないと私どもも踏み切れないし、諸外国の例を見てもそういう状況でございますので、まずは、業界の中で、どれだけの人たちがこれに賛同して、強制徴収でもいいよという環境ができるかということが大事だなと思っておりまして、そのために必要な意見交換の場ですとか、あるいは制度導入に向けてどういうことが合意形成で必要だとか、そういうことの我々の知見の提供というものは積極的にしてまいりたいというふうに考えております。

福山委員 副大臣、一番大事なのは、今の御答弁は本当にありがたいと思っておりますけれども、先ほど言いましたように、全体から徴収する、それが、いわゆる加入率が、あるいはそれを実行するのが何人かという形で、私は問題があると言われたように認識しております。

 それであれば、先ほど言いましたように、一〇〇%というのは、これはどこでもあり得ないことなんですね。恐らく、アメリカにしてもカナダにしても、八〇%とかある程度の数字設定をしたと思います。やはり、そういうことを私は示してほしい。それでないと動けないんですよ。いつまでも数字がわからないで、だめだだめだではだめなんです。

 だから、その数字をはっきりと示していただければやはり努力もするし、私は、そういう努力をすることが、みんながその気で、いろいろな形の中で、それぞれの団体の皆さんが大きな波に向かってともに頑張って立ち向かおうよと、強い姿勢ができると思っておりますので、その点、いかがでしょうか。もう一度お伺いします。

齋藤副大臣 目標が必要だということは、福山委員おっしゃるとおりだと思います。それが、数字を示すことが適切なのか、あるいはその数字が幾らなのか、そういう問題はあろうかと思いますが、せっかくの御提案なので、しっかり検討していきたいと思います。

福山委員 しっかりとこれから内部の方で御議論いただきまして、答えを出して、私が御提案させていただきましたように、まずそれを、すぐに法制化云々でなくても結構ですから、そういう数字を出すことによって、みんなが団結してそういう方向に持っていく、そういう方向性をつくっていってほしい、かように思っております。

 時間を少しオーバーいたしましたけれども、これで本日の私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

塩谷委員長 次に、黄川田仁志君。

黄川田(仁)委員 自由民主党の黄川田仁志でございます。

 本TPP特別委員会において質問する機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。

 私からは、TPP締結に向けた各国の動き、並びに外交交渉を中心に質問させていただきたいと思っております。

 先ほど来、自民党の同僚議員の質問に対して、TPP協定のメリットに対する回答がございました。世界のGDPの四割、そして人口八億人の巨大な市場が創出し、そこに日本の企業が打って出ることができるということ、そして、その証拠に、新輸出コンソーシアムにおいては千七百六十一社もの企業が参加をしているということでございました。また、大企業のみならず、中小企業にもメリットがあり、共通のルールのもと、中小企業においても海外に出て企業活動ができるということで、中小、大企業、広く日本の経済にメリットがあるということでございました。

 そこで、石原大臣に御質問したいと思います。総じて、この影響、日本経済にどれくらいインパクトがあるのか、押し上げることができるのかをお尋ねいたします。

    〔委員長退席、江藤委員長代理着席〕

石原国務大臣 細かくはこの後お話しさせていただきますが、GDPを十四兆円かさ上げするという影響があるという試算をGTAPモデルを回しまして計算させていただいております。

黄川田(仁)委員 GDPを十四兆円余り押し上げるというお話がありました。これは、換算しますとGDP二・六%以上を押し上げるということでありまして、具体的な数字をもってお示しいただいたというふうに思います。

 ところで、その十四兆円、そしてGDP二・六%を押し上げるというその数字的な根拠といいますか、どのような計算上に基づいて出したのか教えていただきたく思います。客観的な根拠に基づくものなのか、国民は不安に感じていると思いますので、そのあたりを丁寧に詳しくお答えいただきたいと思います。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年末に公表いたしましたTPPの経済効果分析は、TPPの合意内容であります関税の撤廃または引き下げ、あるいは、それに加えまして、関税以外のルールによるコスト減、これによりまして、我が国経済に期待される政策効果をGTAPというモデルを活用してシミュレーションしたものでございます。

 具体的には、まず、TPPにより貿易・投資が拡大することで生産性が上昇いたします。これは、実証分析に基づいて推計をしているわけでございますが、それによって供給能力が増加する、これで経済が拡大をいたします。次に、関税等により相対価格が減少すること、あるいは、先ほど申しました、生産性の上昇により、賃金さらには実質所得が増加いたします。賃金が上昇いたしますと労働供給が増加いたしますし、実質所得が増加すれば、投資すなわち資本ストックの増加に寄与いたします。こうした労働供給ないし資本ストックの増加がさらなる経済の拡大に寄与する、こういうメカニズムでございます。

 GTAPというモデルの中で、今回の合意内容の数字を投入いたしまして、また、農林水産省の数字もいただきまして、今のメカニズムでTPPをきっかけにこうした一連の成長に寄与する循環が動き出す、そういうモデルの前提で計算をいたしまして、我が国経済が新たな成長軌道に乗った段階で最終的な実質GDPの水準が、TPPがない場合と比較して二・六%、先ほど大臣がお話ししたとおり、十四兆円でございます。その際、労働供給は一・三%、数字にしますと約八十万人増と見込んでいるところでございます。

黄川田(仁)委員 GTAPという、世界で一般的に使われているモデルを使用したということでさまざまな計算をされたということでございます。

 ただ、ダイナミックモデルというものは、いろいろな係数によってかなり数字も振れることがございますので、この計算結果については、どなたか第三者による、専門家に確認等はされているのでしょうか。

    〔江藤委員長代理退席、委員長着席〕

澁谷政府参考人 昨年の末、この経済効果分析を公表した際に、かなり大部のあの報告書、データとともに公表しているところでございますが、その報告書につきましては、事前に国際経済学者三名の方の、いわゆる査読といいますか、事前の確認をいただいているところでございます。

黄川田(仁)委員 その計算結果については、今おっしゃられた国際経済学者三名による専門家の確認をしていただいたということで、今回、第三者による評価も入っているということで、学術的にもたえられるということであると理解をいたします。

 今後とも、TPP協定が発効された以降も、しっかり具体的な数字によって評価をしていただいて、検証を続けることを望みたいというふうに思っております。

 そして、話は少しかわりますが、ちょっと基本的な事項で恐縮でございますが、TPP協定の発効要件を御確認させていただきたいです。

澁谷政府参考人 TPP協定の発効でございますが、全ての原署名国、十二カ国でございますが、が国内法上の手続を完了したという旨を書面により、いわゆる寄託国と言っておりますが、ニュージーランド政府にそれぞれの国が通報した、十二カ国の通報がそろいましたら、その後六十日で発効するというのが原則でございます。

 ただし、署名から二年以内に十二カ国の国内手続が完了しなかった場合は、原署名国のGDPの八五%以上を占める六カ国以上が国内手続を完了したという旨をニュージーランドに通報すれば、署名から二年たった後六十日で発効するというのが発効規定でございます。

 TPP十二カ国の合計GDPに占める割合は、アメリカが約六〇%、我が国が約一七%でございますので、八五%以上という要件がございますので、日米両国が国内法上の手続を完了しない限り協定は発効しないというのが発効要件ということになっております。

黄川田(仁)委員 ありがとうございます。

 二年以内に全ての原署名国が国内法の手続を終えればよいのですが、そうでない場合は、原署名国のGDPの合計八五%が必要であるということで、そうなると、アメリカと日本が承認しなければTPP協定は発効しないわけであります。よって、アメリカの状況がより気になるわけでございますが、アメリカの状況については後ほどお聞きします。

 私の理解では、この八五%に加えて、もう一つの条件であります、少なくとも六カ国が国内法の手続を完了していなければならないというふうに理解をしておりましたが、そのあたりを教えていただきたいと思います。

澁谷政府参考人 おっしゃるとおりでございまして、GDPの合計八五%を占める、少なくとも六の原署名国が国内法上の手続を完了したということでございますので、日米を含む六カ国の国内手続完了の通報が必要でございます。

黄川田(仁)委員 ありがとうございます。

 よって、二年以内に手続を終えなければ、二つ条件があって、GDPの八五%以上、そして六カ国の国内法の手続が完了ということであります。

 アメリカばかり注目をしておりますが、そこで、他の、アメリカ以外の原署名国の国内法の手続の状況について教えてください。

山野内政府参考人 お答え申し上げます。

 TPP協定の締結に向けた参加国、米国以外の国内手続の概況ということについてお答え申し上げます。

 まず、マレーシアについてでございます。二月のTPPの署名式に先立ちまして、特別に招集された議会において協定の承認を取りつけております。

 メキシコについては、四月にTPP協定を上院に提出しているというふうに承知しております。

 ニュージーランドにつきましては、協定の議会承認は不要ではございますが、国内担保法を五月に議会に提出しております。現在審議中というふうに承知しております。

 オーストラリアにつきましても、協定の議会承認は不要ということでございますが、二月に協定と国益分析書というものを議会に提出しておりまして、現在審議が行われているというふうに承知しております。

 さらに、ペルーでございますけれども、七月に協定を議会に提出しております。

 その他の各国、ブルネイ、カナダ、チリ、シンガポール、ベトナムでございますけれども、おおむね承認に向けて国内プロセスを進めているというふうに聞いているところでございます。

黄川田(仁)委員 ありがとうございます。

 日米以外の参加国についてもおおむね国内法の手続をしっかりと確実に進めているという理解でよろしいということですね。もう一回お願いします。

山野内政府参考人 おっしゃるとおりでございます。おおむね承認に向けて国内プロセスを進めているというふうに聞いております。

黄川田(仁)委員 わかりました。

 さて、問題のアメリカについてでございますが、先ほど武部議員、また福山議員についても、アメリカ大統領選挙において、共和党並びに民主党の両候補者ともTPP承認に後ろ向きな発言をしております。しかしながら、光明は、オバマ大統領、現政権においては任期中に承認したいということでございます。

 障壁になってくるのがアメリカ議会でございますが、今後、アメリカ議会でTPPに関する国内手続が大変厳しくなっているということで、日本政府においてはこのアメリカの状況をどのように分析し、またアメリカ政府及びアメリカ議会に対してどのような働きかけを行っているのか、岸田大臣、お答えをお願いいたします。

岸田国務大臣 ただいま委員からもありましたように、オバマ大統領はTPP協定の本年中の議会承認に向けて引き続き最大限努力しているものと承知をしております。

 九月に行われましたG20サミットあるいはASEAN関連首脳会合の際にも、オバマ大統領は、十一月八日の米国大統領選後の米国議会の残り会期で承認を得る、こうした強い決意を重ねて表明しています。

 そして、具体的な動きとしては、八月十二日に、議会に対しまして行政措置に関する説明文書案を提出していますが、これはTPA法に基づく、議会に対して法案を提出するために必要な措置でありまして、この文書案が提出されたことを受けて、九月十二日以降米国議会にも法案が提出できる、こうした環境が整っています。

 こうした取り組みが続けられているわけですが、ただ一方で、御承知のように、米国内でTPP協定について厳しい見方が依然存在している、これも事実であります。

 我が国としましては、米国内に対してもさまざまな働きかけを行っています。外相レベルにおいても、私とケリー国務長官の間でたびたびTPPの早期発効の重要性について確認をしているところですが、大使館あるいは総領事館、こうしたレベルにおいても、TPPの重要性について、さまざまな機会を捉えて米側関係者との意見交換を行っています。

 こういった形で、米国内の早期発効に向けての機運を盛り上げるべく我が国としましてもさまざまな働きかけを行っている、こうした現状であります。

黄川田(仁)委員 ありがとうございます。

 さまざまな働きかけを行っているということであります。

 今、日米両政府の信頼関係は、これまでにない最高に高いものだというふうに私は認識しております。これはひとえに、安倍首相とオバマ大統領、また、岸田大臣とケリー国務長官の信頼関係のあらわれだというふうに感じております。特に、岸田大臣におきましては、カウンターパートであるケリー国務長官とまさに二人三脚で、ことし五月、オバマ大統領によるアメリカ現職大統領の戦後初の被爆地広島の訪問を実現させました。まさに歴史をつくったわけでございます。

 そこで、岸田大臣にお願いしたいと思います。

 アメリカには、先ほど御説明がありましたように、ありとあらゆる働きかけが必要ということで、ぜひ、この後もしっかりと岸田大臣には強くケリー国務長官に働きかけを行っていただき、岸田大臣とケリー国務長官の力でTPP協定発効という歴史的偉業をなし遂げていただきたく思っております。そのあたりの決意をもう一度言っていただきたいと思います。

岸田国務大臣 日米関係ですが、おっしゃるように、今現在、日米関係は大変安定していると認識をしています。

 そして、首脳間の人間関係ももちろんですし、私自身も、三年十カ月で、ケリー国務長官と電話会談も含めて四十六回外相会談を積み重ねてきました。こうした信頼関係に基づいてTPP協定の早期発効の重要性を確認し、そして、ともに協力することを確認しているところです。

 ぜひ、さまざまなレベル、さまざまなルートを通じて、TPPの早期発効の重要性を共有することによって、国際的な機運をしっかり盛り上げていきたいと考えます。

黄川田(仁)委員 ありがとうございます。

 今回、我が国がTPP協定について迅速に承認することについての意義というものは、大臣から説明もありまして、明白でございます。

 さて、報道では、韓国が近々TPP参加を正式決定するということでございますが、日本政府としてこのような報道をどのように受けとめておるのか、お答えをお願いいたします。

岸田国務大臣 御指摘のように、これは十月十日ですが、我が国の経団連の代表団に対しまして、韓国の産業通商資源相が、TPPにつきまして、重要であり、近く公式に参加を決定する予定だという発言をしたことが報じられております。

 TPPは、二十一世紀型の高いレベルの貿易・投資ルールを構築するものであり、今後の経済連携のスタンダードともなるものであると考えますし、ぜひ、こうしたスタンダード、このアジア太平洋地域に参加国・地域が広がっていくこと、これはもともと想定しておりましたし、こうした広がりについては歓迎すべきことであると我々は考えています。

黄川田(仁)委員 韓国以外でもTPP協定について大変関心を示しているというふうに聞いておりますが、ほかにどういう国また地域が関心を示しているのか、今の段階でありましたら教えていただきたいと思います。

岸田国務大臣 今申し上げました韓国以外ですと、台湾、タイ、インドネシア、フィリピン、こうした国々がTPP参加に強い関心を表明しています。

 このことは、まさにTPPの戦略的価値を示すものであり、歓迎すべきものだというふうに思いますし、我が国としましては、TPPの早期発効を目指しつつ、こうした関心国あるいは地域への情報提供を通じてTPP協定への新規加入の輪を広げるべく取り組んでいきたいと考えます。

黄川田(仁)委員 多くの国が関心を示しているということは大変喜ばしく思いますし、このTPPの経済協定は将来大きな可能性を秘めているということだというふうに思っております。

 そこで、少し早い心配でございますが、TPPがまだ発効していない段階で、取り越し苦労になるかもしれませんが、今、台湾も関心を示しているというお話もありましたが、韓国に引き続き、お隣の中国も入ってきたいと言ってくる可能性もあります。

 そこで、台湾と中国、これは同じTPPの枠に入ることも可能なのでしょうか。どのような条件に、台湾と中国以外でも、入ってこれる条件にあるのかということを教えていただきたいと思います。

岸田国務大臣 TPP協定第三十・四条において、一つはAPECに参加する国または独立の関税地域、及び、二つ目として締約国が合意する他の国または独立の関税地域について、TPP協定の義務を履行する用意がある場合に加入のための交渉を行うことができる、こうした旨定められています。

 台湾そして中国、これはともにAPECに参加しておりますので、同規定に基づけば、将来的にTPPへの新規加入の道は開かれているものであると考えています。

黄川田(仁)委員 ありがとうございます。

 日本の隣の両国も友好的に、希望があればしっかりと入れるということでございまして、よくわかりました。

 さて、先ほど来、同僚議員からもTPPに関するメリット等についての質問が種々、るるありましたが、今度、逆説的に、政府が今TPP早期発効に向けて最大限努力をされていて、こういう質問は大変恐縮ですが、万が一TPPが発効しなかった場合のデメリットというものは何でしょうか。石原大臣、よろしくお願いします。

石原国務大臣 先ほど来、メリットは経済的な問題と戦略的な意義の二点についてお話をさせていただいてまいりましたけれども、今の御質問にお答えするならば、経済的なメリットがなくなるということは、我が国の経済成長に悪い影響を及ぼすということが一つあると思います。

 それともう一つ、岸田外務大臣との間で御議論がございました、TPPが発効した後の参加希望国の話がございました。それは、ある意味ではRCEPを意味していたり、あるいはFTAAPを意味している。TPP協定のルールが単にTPP協定の中だけにとどまらないで、その先にありますRCEP、FTAAPのたたき台となっていくとしたら、たたき台が崩れてしまいますので、これも先ほど同僚の議員との間で御議論があった、ルールメーキングの世界でリードしていけなくなる、こんなことが考えられるのではないかと考えております。

黄川田(仁)委員 ありがとうございました。

 私が考えるには、このアジアにおいて日本とアメリカが中心となって経済圏ができるということは、大臣もおっしゃっていましたように、アジアの安定に資するというふうに思っております。逆に、力による現状変更を試みたり国際法を踏みにじる行為を繰り返す国を中心とした経済秩序というものがこの地域にできることというのは、デメリットになるのではないかと思っているところでございます。

 また話題を少しかえますが、さて、先ほど大西宏幸議員の質問の中で、TPP協定により国民皆保険にどのような影響があるのかという問いがございました。塩崎大臣からは、協定書の具体的な記載内容に基づいて影響がない旨、明確な答弁がございました。

 実は、私の地元であります埼玉県越谷市は、国民皆保険制度の核であります国民健康保険制度の発祥の地と言われておりまして、越ケ谷順正会が設立された地域でございます。越ケ谷順正会は、一九三五年に旧越ケ谷町が発足した一般住民を対象とした我が国初めての健康保険制度で、住民の相互扶助の精神をどこよりも早くまちづくりに取り入れたことに対して、越谷市民は今でもこの制度を誇りに思っております。

 我が国には、越谷市における国民健康保険制度のように、日本ゆえに成り立っている誇るべき制度や仕組みが社会に多く存在しております。これらの日本独自のすばらしい制度が後世にしっかり引き継ぐことができるのか、多くの国民が心配していると思います。

 そこで、TPP協定では、第二十七章、運用及び制度に関する規定の中で、各項目について一定期間ごとに見直すことが明記されております。これについては、先ほど武部議員や福山議員が、締結に向けた再交渉、見直しとは論点が違っておりまして、TPP協定の中に見直しの規定が設けられているということでございます。

 そこで、確認をしたいと思います。

 TPP協定の規定上において将来見直しが行われたとしても、この国民皆保険制度はしっかり守られるのか、我が国の根幹をなす相互扶助の精神は守られるのかを明確にお答えいただきたいと思います。

石原国務大臣 詳しくは先ほど塩崎大臣が答弁されたとおり、私どもの制度は変更する必要はございません。それはなぜかと申しますと、これも答えられておりましたけれども、公的保険の部分がいわゆる適用除外となっておりますので、我が国の制度を変える義務は生じないということでございます。

 さらに、社会保険等の社会事業サービス等について、附帯書のところで留保をさせていただいているわけですね。この留保をしている限りそれを変える必要はない、そういう条約の解釈でございます。

黄川田(仁)委員 ありがとうございます。

 この二十七章の運用及び制度に関する規定の中において見直すことが明記されていても、今言ったような除外規定で、日本がしっかりと守るということで、将来的において国民皆保険制度はしっかりと守られるという明確な答弁があったと認識いたしました。

 これをもちまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

塩谷委員長 次に、中川康洋君。

中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。

 今回は、TPP委員会におきまして質問の機会をいただきましたこと、大変にありがとうございます。この議論を一歩でも前に進める、その思いで質問をさせていただきたいと思いますので、各大臣、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 まず初めに、政府の情報開示についてお伺いをさせていただきます。

 今回のTPPの議論、特にさきの通常国会では、その合意内容の資料だけではなくて、その交渉経過やまた交渉過程での各国との具体的なやりとり、これについても資料を開示せよとの議論があったやに記憶をいたしております。その結果出されたのが、さきの国会での通称ノリ弁資料と言われているあの黒塗りの資料かというふうに思います。

 そこで、まず初めにお伺いをいたしますが、日本以外のTPPの参加国において、このような交渉経過やまた交渉過程での各国との具体的なやりとりについての資料まで開示せよとの議論や要求はあったのか、確認をさせていただきたいと思います。

石原国務大臣 結論から申しますと、ありませんでした。

中川(康)委員 ありがとうございます。

 今、石原大臣から、これまでのやりとりについて、日本以外の参加国において議論があったのかという部分においては、そういった要求や開示せよという資料はなかったというお話をいただいたところでございます。

 これはもう当然でございますけれども、我が国を含め十二カ国は、TPP協定交渉に参加するに当たって秘密保護の書簡を交換しているわけでございます。そして、さきにも説明がありましたとおり、過去の民主党政権を含めた答弁においても、外交交渉の過程については、その内容をつまびらかにすることは、明らかにできないという答弁も幾つもあるわけでございます。

 このように、外交交渉においてこういった具体的なやりとりについてそれを明かすことはできない、これはもう世界の常識である、そういった認識でこの国会においてもこのような議論をこれから進めてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 次に、TPP協定に関する各国の国内手続についてお伺いをしたいと思います。

 この国内手続につきましては、さきの代表質問や予算委員会などにおいて、特に米国の動向ばかりがクローズアップされております。今回のTPP協定は、日本と米国だけで進められているのではなくて、参加国は御存じのとおり十二カ国であるわけでございます。この各国の手続状況についても確認をしたいと思っておったわけですが、この件については、先ほど黄川田委員からの質問で答弁が出ておりますので、その答弁をもってお答えをいただいたというふうにさせていただきたいというふうにも思っております。

 その上で、私も、次に、非参加国の動向について改めてお伺いをしたいというふうに思います。

 ここについても少し答弁がありましたが、TPP交渉の大筋合意以降、例えばインドネシアやタイなど、原署名国以外の複数の国や地域が将来的なTPP参加に関心を示しております。

 特に、先ほど岸田大臣からも御紹介がありましたが、韓国などは、周亨煥産業通商資源相が今月十日に、ソウルを訪問した経団連の榊原会長との会談の中で、TPPに近く公式に参加する予定との考えを明らかにしているというふうに聞いております。

 ここでお伺いをしたいと思いますが、これら非参加国の動向やTPP参加に対する意欲について、改めて御答弁を賜りたいと思います。

岸田国務大臣 先ほども少し触れさせていただきましたが、TPPは二十一世紀型の高いレベルの貿易・投資ルールを構築するものであり、今後の経済連携のスタンダードとしてアジア太平洋地域に参加国・地域が広がっていくこと、これをもともと想定しておりますし、歓迎をしているところです。

 その中で、御指摘いただきましたように、韓国、台湾、タイ、インドネシア、フィリピンが参加に向けて強い関心を表明しています。これらはまさにTPPの戦略的価値を示すものであり、歓迎すべきものであると考えます。

 ぜひ、今後とも、情報提供等を通じて、TPP協定への新規加入の輪、こうした輪を広げるべく取り組んでいきたいと考えます。

中川(康)委員 先ほど、本当にこのTPPをアジア地域においてより活性化していく、そういった方向の御答弁をいただいたというふうにも思っております。TPP参加国の国内手続の状況並びに非参加国の動向について、黄川田委員の質疑の答弁も含めて御答弁を賜りました。

 先ほども少し触れましたが、今回のTPP承認に向けては、米国の動向ばかりが、もっと言いますと、米国の大統領選における両候補の動向や意見ばかりがクローズアップされている感があるのではないかというふうにも私は思っております。

 確かに、参加国のGDPを見ると、米国のウエートは六割と大きなものがあり、数字的には無視ができないのは私も理解するところであります。

 しかし、ここで大事にしなければいけないのは、今回のTPP協定は、あくまでも十二カ国でともに進めてきたということであります。ゆえに、間違っても、今回、日本が米国の動向、それも大統領選の両候補の現在の動向だけで、この確認手続の歩みを仮にもやめてしまったりとか、ちゅうちょしてしまったならば、それは、これまでともに時間をかけて複雑で高度な議論を進めてきた他の参加国との信頼を大きく損ねてしまうのではないかというふうにも私は思っております。

 私は、日本がそのような、これまでともに議論を重ねてきた各国に対して信頼を損ねるような態度は決してとるべきではないというふうにも思いますし、先ほど御紹介をいただきました非参加国の今後の動きを考えても、今回のTPPの手続については、日本こそがそのリーダーシップを果たすべきであるというふうに思いますが、改めての大臣の御決意を伺いたいと思います。

岸田国務大臣 TPP参加十二カ国においては、本年五月に開催されましたTPP閣僚会合でも、米国を含む十二カ国はTPPの早期発効を目指す、こういった確認を行っています。

 ぜひ、こうした十二カ国の早期発効に向けての取り組みの意思をしっかりと尊重しながら、全体として機運を盛り上げていかなければなりません。そして、その中で、日本自身もしっかりとした責任を果たしていかなければなりません。

 こうした機運を盛り上げるためにも、この国会においてできるだけ早期に御承認をいただけるよう、政府としても努力を続けていきたいと考えます。

中川(康)委員 ありがとうございます。

 確かに、数字だけ見ると、GDPのウエートを見ると、やはりアメリカというのは無視できないところ、これは誰もが認識をするところであります。しかし、そこだけクローズアップをするというのは、私は、これまでさまざまな議論を十二カ国で進めてきたという経緯の中で、余りにもクローズアップし過ぎるのはどうかというふうにも思いますし、日本が今回のこの承認について、また議論についてやはりリーダーシップをとっていく、これは大変に大事なことであるというふうにも思っておりますので、そういった情報というか思いも各国にしっかりと伝えていきながら、今回、この国会においても議論を進めていくこと、これが大事であるというふうにも思っておりますので、そのことについて改めての確認をさせていただきました。

 次に、あえて、ここでちょっと中国との関係についても私はお伺いをさせていただきたいというふうにも思っております。

 我が国の輸出入総額における貿易相手国の一位、これはここ数年ずっと中国であります。ゆえに、日本の例えば貿易でありますとか経済連携において、中国というのは非常に大事な国であるというふうにも思っておりまして、決して無視ができない国であるというふうにも私は感じております。

 そのような中、今回のこのTPPの議論の一部には、TPPは、中国経済に対峙をし、そして包囲する試みであるという意見も一部に散見されているところでありますけれども、私は決してそうであるというふうには思っておりません。

 ここで一つ紹介をしたいと思いますが、政策研究大学院大学の大田弘子教授が座長を務めております経済成長フォーラム、ここでの提言にはこのように書いてあるんですね。今後、日本がTPPをてこにして日中韓FTAを大きく前進させ、あわせてRCEPやその先にあるFTAAP交渉を牽引していく、そのことは、東アジアにレベルの高い自由経済圏を形成するとともに、将来的には中国も含めたアジア太平洋地域の平和と安定に重要な役割を果たしていくのではないか。

 私もそういうふうに考えますが、この部分についていかがでしょうか。岸田外務大臣の御見解を伺いたいというふうに思います。

岸田国務大臣 御指摘のように、日中間で経済連携を組む肯定的な側面を拡大していく、このことは、両国にとっても重要でありますし、また、地域あるいは国際社会の平和、安定、繁栄にとってもこれは大変重要な取り組みであると考えます。

 そして、我が国は、現在、中国を含む経済連携の枠組みとしてRCEPそして日中韓FTAの交渉にも精力的に取り組んでいるわけですが、TPPの早期発効によりこれらの交渉を促進する、こうした効果も期待できるものであると考えています。

 そして、将来的に中国がTPPに参加するということにもしなったならば、これはまたアジア太平洋地域の安定と繁栄に大きく寄与いたしますし、日中関係を安定させるということにおいても大変大きな意義があるのではないか、このように認識をいたします。

中川(康)委員 大変に示唆に富む大臣の御答弁をいただいたというふうにも思っております。

 TPPの議論においてはさまざまな意見なり議論があるわけですけれども、私は、やはり決して中国を排除するものではないというふうにも思っていますし、現に、日中韓FTA、さらにはRCEPの議論を進めているわけであります。

 そういったところを考えると、私は、今回のこのTPP、これを日本がてこにして、そしてそこを進めていく、そして、このアジアにおいて、また太平洋地域において大きな自由経済圏をつくる、そして、それはひいては両国の関係をより強める、さらには、このアジア太平洋地域の平和と安定に寄与していく、そういったところまで進んでいく要素が大きくあるのではないかというふうにも思いますので、そういった観点からも今回の議論というのを進めていきたいというふうにも思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、ここからは少し具体的なお話をお伺いさせていただきたいというふうに思います。

 まず、農林水産業、特に水産における輸出の拡大策と検疫の問題についてお伺いをいたします。

 政府は、今回の政策大綱の中で、農林水産物、食品の輸出については、平成三十二年の輸出額一兆円目標の前倒し達成、これを目指すというふうにしておりますが、政府が平成二十五年の八月に策定した輸出戦略上の重点品目の中で、水産物は全体の三分の一を占める重要品目でございます。

 先日、私は、地元三重県の尾鷲市で、既に十年前にHACCPを取得し、現在は主に東南アジアや米国にブリの輸出を行っている尾鷲物産株式会社、ここに直接調査に伺ってまいりました。

 そこで、今後のさらなる水産の輸出拡大に向けての課題として挙げていただきましたのは、一つには、HACCPの認証取得の問題でありました。特に、米国HACCPについては国内に既に二百八十の施設がありますが、EU・HACCPについてはいまだ四十一施設にとどまっております。これを今後どう広げていくかということが大事になってくるというふうにも感じております。

 加えて、輸出手続における各種手続の迅速化、さらには簡素化、こういったこともお話として伺いました。具体的には、衛生証明書や産地証明書、さらには放射能証明書などの手続の迅速化、簡素化についても早急に検討していただきたいとの意見が出されたところでございますが、この両意見について山本農水大臣の御見解を伺いたいと思います。

山本(有)国務大臣 先生御指摘のように、水産物は、我が国の輸出額のうち約四割、二千七百六十億円を占めております極めて重要な輸出品目でございます。そして、この輸出を拡大するに当たりまして、対EU・HACCP認定施設、これは対米の認定施設に比べて少ない現状にあるゆえに急がなければなりません。

 このため、水産加工施設の対EU・HACCPの認定の加速化を図るべく、厚生労働省に加え、平成二十六年十月から水産庁も認定業務を開始し、現在までに十一件の認定を行ったところでございます。

 しかし、まだまだ足りません。そこで水産庁は、輸出に取り組む水産加工業者に対しまして、HACCP導入のための研修会開催や現地指導、あるいはHACCP対応のための施設改修等の支援、これをきめ細かく行おうとするところでございます。

 今後とも、このような取り組みを推進しまして、水産加工業における対EU・HACCP認定施設をふやすこと等を通じて、我が国水産物の輸出拡大を図ってまいりたいと思っております。

 また、衛生証明でございます。この衛生証明等、輸出に当たりまして、非常に煩雑、煩わしいことが多くございます。

 このうち、一つ改善できたことは、水産庁が発行する放射性物質検査証明書等につきまして、ことしの三月から、従来郵送等で対応していた申請、発行を電子化させていただきました。

 さらに、本年五月に取りまとめられました農林水産業の輸出力強化戦略に基づきまして、EU向け水産食品の衛生証明書につきまして、輸出時の現場検査の頻度回数を削減するということ、それから、水産庁が発行する全ての輸出証明書につきまして、輸出入・港湾関連情報処理システム、NACCSによる電子的な申請受け付けを本年度中に実施できるよう、準備を進めているところでございます。

 今後も、関係省庁及び都道府県等とも連携し、輸出先国・地域への働きかけや証明書を発行する都道府県等の拡大などにより、輸出関連手続の簡素化、迅速化に取り組んでまいりたいと思っております。

 ぜひよろしくお願いします。

中川(康)委員 ありがとうございました。水産の輸出に意欲のある現場からの意見でございますので、ぜひまた積極的なお取り組みのほど、よろしくお願いをしたいと思います。

 次に、もう一つ具体的なことで、真珠の輸出についてお伺いをしたいと思います。

 真珠につきましては、水産物の輸出の中で二番目を占める主要品目であります。また、私は、真珠養殖で有名なミキモト発祥の地、三重県の出身でございまして、さきの通常国会では、真珠の生産、加工から流通、輸出まで一気通貫で見る真珠振興法というのが成立をいたしました。

 そこで、大臣にお伺いしますが、この真珠の輸出について、我が国としては今後どのような戦略を持って進めていこうと考えるのか、ぜひ御答弁いただきたいと思います。

山本(有)国務大臣 真珠の輸出拡大につきまして、本年六月に成立しました真珠振興法において講ずべき施策として位置づけられております。本年五月に取りまとめられました、さきに申し上げました農林水産業の輸出力強化戦略におきまして、まず、海外見本市を通じた日本産真珠の需要の拡大、次に、母貝育種に係る研究開発による付加価値の向上、これに取り組むこととしております。

 また、輸出産業たる真珠養殖業を育成するとの観点から、例えば三重県で行われております真珠の高品質化技術の導入等を通じた次世代経営モデルの実証の取り組みに対する支援も行っているところでございます。

 農林水産省といたしましては、今後とも、真珠の一層の輸出拡大に向けまして、真珠養殖業への支援を全力で取り組んでまいりたいと思っております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 今回、法律ができまして、法律ができただけで終わるのではなくて、やはり地元が元気になるようなお取り組みをよろしくお願いしたいというふうにも思っております。

 次に、今回のTPP交渉により、ちょっと検疫の問題をお伺いしたいと思うんですが、対日関税が撤廃されても、動植物検疫上の理由から締約国に輸出のできない品目があることについて、我が国の取り組みをお伺いしたいと思います。

 今回のTPP交渉において、我が国の輸出関心品目の大部分は、関税の即時撤廃もしくは一定の削減期間を経て撤廃となりました。しかし、関税は撤廃の方向が決定しても、現段階において、動植物検疫上の理由から、我が国から農畜産物が輸出できない国がございます。今後、この輸出には輸入国との協議を要する品目があるわけですが、具体的には米とか牛乳、さらにはチーズやリンゴなどがその対象となっております。

 そこでお伺いをしますが、対日関税が撤廃をされても動植物検疫上の理由から締約国に輸出できない品目があることについて、我が国の取り組み、それから考え方について伺いたいと思います。

 中でも牛肉については、現在、豪州、マレーシア、チリ、ペルー、ブルネイの五カ国とこの検疫について協議中であると伺っておりますが、その協議の進捗状況についてもあわせて御答弁を賜りたいと思います。

齋藤副大臣 対日関税が撤廃されましても、結局、動物検疫で輸出ができないということでは努力が無に帰することになりますので、積極的に取り組んでいかなくちゃいけないと思っております。

 本年五月に策定されました農林水産業の輸出力強化戦略、これにおきましては、TPPの参加国あるいは非参加国を問わずに、諸外国の規制の緩和、撤廃のために内閣官房に省庁横断の輸出規制等対応チームというのを設置いたしまして、動物検疫を含む規制等の緩和、撤廃に向けた取り組みを加速化させていくということにしているところでございます。

 特に牛肉の輸出につきましては、TPP参加国であります豪州やチリ、ここはまだこれから努力をしていかなくてはいけませんが、それ以外にも、あらゆる国・地域について粘り強く検疫協議を行っていくということがやはり大事だと思っております。

 また、具体的に一つ前進があったのがありまして、先月、TPP参加国ではないんですけれども、タイ向けの牛肉につきましては、これまで三十カ月の月齢未満に限るとの月齢制限があったんですが、これが撤廃されることになりまして、これによりまして、G7伊勢志摩サミットでも提供されておりました松阪牛等の、三十カ月の月齢以上で屠畜されることの多い高級銘柄牛の輸出が一層拡大されていくんじゃないかと期待しているところでございまして、引き続き努力を重ねていきたいと思います。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 先ほど齋藤副大臣に御紹介いただきましたタイにおいての牛肉の月齢の拡大、これは私ども三重県の鈴木知事も大変に要望していたところで、非常にうれしいお話を伺ったところでございます。

 この検疫の問題については二国間で戦略的にこれから協議をしていく必要がありますので、ぜひともまたよろしくお願いをしたいなと思っております。

 次に、加工食品の原料原産地表示について。これは自民党の大西委員も御質問をされましたが、この部分についてお伺いをさせていただきます。

 今は一部にのみ義務づけをされております加工食品に関する原材料の原産国表示について、消費者庁と農水省は、今月五日、対象を原則として国内で製造する全ての加工食品に広げるという素案を提示いたしました。

 今後、TPPが発効いたしますと、外国産の農産物や食品の輸入増加が予想され、食の安全に対する関心が高まる中で原産国表示の対象が拡大をされるということ、これは消費者の不安を解消する上で大きく役立つことは間違いございません。しかし一方で、事業者側の懸念は小さくないとも聞いております。

 そこで私は、今回の原料原産地表示については、消費者の安心、安全というニーズに応えるという前提は大事にしながら、効率的な表示方法の設定を通して事業者の負担をできる限り軽減し、実現可能で無理のない制度にすることが大事ではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。担当大臣の御見解を伺います。

松本副大臣 消費者庁の考え方につきまして、まず御説明をさせていただきたいと思います。

 原料原産地表示についてでありますけれども、現在、消費者庁と農林水産省の共催で、本年一月より、加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会を開催いたしまして、今後の対応方針について幅広く検討しているところであります。

 消費者ニーズからいえば、自主的かつ合理的な食品の選択の機会を確保するために消費者庁として原料原産地表示を拡大することが望ましい、そのように考えているところでありますが、一方で、御指摘のように、事業者側が実行可能な表示方法であるということも大変重要なことであると考えておりまして、現在、消費者、事業者等の貴重な御意見をいただいているところと認識をしております。

 本検討会におきましては、本年秋に中間取りまとめを行うことを目途としておりますけれども、事業者の実行可能性を踏まえつつ、消費者の商品選択に資するよう、新たな加工食品の原料原産地表示制度の拡大に向けまして引き続き検討を進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

山本(有)国務大臣 御指摘の事業者の負担につきましては、重要な論点の一つでございます。

 十月五日開催の第九回会合では、これまでの検討会での議論を踏まえまして、中小の事業者を含め、事業者の実行可能性も考慮した案が示されたところでありまして、今後も幅広い意見を聞きながら、先ほど御指摘の秋を目途に取りまとめを行うところでございます。

 ともかく、中小企業の食品製造業者にとって取り組みやすいマニュアルの作成、新たな表示制度の周知、こういったものを検討してまいりたいと思っております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 両方の側から御答弁いただきましたが、私、今回の議論については、最終的にはバランスが大事であるというふうにも思っております。加工食品を製造している事業者、これはやはり中小企業とか小規模事業者が多いんですね。今大臣に御答弁いただいたように、さまざまなきめ細かな施策を打っていただくのと、具体的には、今後、何らかのやはり支援策、導入に向けての補助、こういったものを御検討いただきたいと思いますので、これは要望にかえさせていただきたいというふうにも思っております。

 最後、残りの時間で、自動車についてちょっと伺いたいと思います。

 具体的には、日米間の自動車分野の交渉結果について大臣の見解を伺いたいと思いますが、今回の米国との自動車交渉については、一部に歩み寄ったのではないかとの意見が散見されるところです。しかし、私は、今回の合意内容については、歩み寄ったどころか、これは日本にとってはむしろメリットが大きかった、このように考えておる一人でございます。

 その根拠を幾つか挙げますと、例えば完成自動車については、米国での日系メーカー販売台数のうち、既に七割が現地生産ということになっております。また、自動車部品、これを見ますと、対米国で輸出総額の八割以上、また対カナダで九割弱の関税が即時撤廃をされる、これが既に決定をいたしております。

 また、今回の協定に盛り込まれた原産地規則における完全累積制度、これについては、現行のサプライチェーンで十分対応できる、こういった内容を確保している、こういったところが一つ一つ見てとれるわけでございます。

 以上のような交渉結果を見ると、今回の合意内容、これは我が国にとってはメリットが大きかった、このように言えることは間違いないというふうに思っておりますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。

世耕国務大臣 中川委員御指摘のとおり、非常にメリットは大きかったというふうに思います。

 特に、アメリカ市場で販売されている日本車というのは七割強が北米で現地生産されているわけでありますから、そういう完成車の生産のために日本から輸出する自動車部品の関税、これが輸出総額ベースで八割以上が即時撤廃されたというのは非常に大きいと思います。また、このことは、コスト低減につながりまして、米国市場における日本の自動車メーカーの競争力を高めることになると思います。

 また、部品メーカーにとっては、日本の完成車メーカーだけではなくて、アメリカの自動車メーカー向けの輸出機会が拡大することになると思います。また、そういった部品メーカーに部素材を納入している、各地の裾野に当たる中堅・中小企業にとっても受注拡大が期待ができます。

 また、今御指摘の原産地規制については、完全累積、すなわち域内の付加価値や加工工程の足し上げを行うことを認められるルールが採用されました。これによって、日本からメキシコに基幹部品を輸出して、そしてそこで組み立てて、それからアメリカへ輸出をするというようなサプライチェーンの構築も可能になりました。

 メリットがあるという証拠に、自動車工業会は一昨日、TPP協定の早期発効を求める声明を発出されました。その中で、このTPPの内容について歓迎するというコメントを出しておられるわけであります。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 私も、この自動車工業会のコメントは認識をさせていただいております。

 今回、TPP交渉で大事なのは、具体的にどういったのを交渉でかち取ったのかという、この具体的な中身を見ていくことが大事でありまして、その上で、やはり日本として、今回のTPPの内容はどうだったのか、ここを判断していくことが大事であるというふうにも思っております。

 公明党といたしましては、これからも、実のある議論を重ね、そしてこの議論を前に進めていく、そういった決意で質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 以上で終わります。大変にありがとうございました。

塩谷委員長 次回は、来る十七日月曜日午前八時三十五分理事会、午前八時五十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    正午散会


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