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第21号 平成13年4月5日(木曜日)

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平成十三年四月五日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十一号

  平成十三年四月五日

    午後一時開議

 第一 通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律案(内閣提出)

 第二 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第三 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案(内閣提出)

 第四 環境事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第五 国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十四年京都)において採択された改正)及び国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十四年京都)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件

 第六 全権委員会議(千九百九十四年京都)において改正された国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十八年ミネアポリス)において採択された改正)及び全権委員会議(千九百九十四年京都)において改正された国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十八年ミネアポリス)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件

 第七 平成十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 第八 平成十年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 第九 平成十年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 第十 平成十一年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 第十一 平成十一年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 第十二 平成十一年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 第十三 基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第十四 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(筒井信隆君外二名提出)

 第十五 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律案(内閣提出)

 日程第二 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第三 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案(内閣提出)

 日程第四 環境事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第五 国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十四年京都)において採択された改正)及び国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十四年京都)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件

 日程第六 全権委員会議(千九百九十四年京都)において改正された国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十八年ミネアポリス)において採択された改正)及び全権委員会議(千九百九十四年京都)において改正された国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十八年ミネアポリス)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件

 日程第七 平成十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第八 平成十年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第九 平成十年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第十 平成十一年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第十一 平成十一年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第十二 平成十一年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第十三 基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第十四 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(筒井信隆君外二名提出)

 日程第十五 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 水産基本法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑




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    午後一時四分開議

議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律案(内閣提出)

 日程第二 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(綿貫民輔君) 日程第一、通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律案、日程第二、電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長御法川英文君。

    ―――――――――――――

 通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律案及び同報告書

 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔御法川英文君登壇〕

御法川英文君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、両案の要旨について申し上げます。

 通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律案は、インターネットを利用する電気通信の送信及びデジタル信号による放送の役務をあわせて利用することができるようにするための基盤となる通信・放送技術の開発を促進しようとするものであります。

 その主な内容は、通信・放送機構の業務として、通信・放送融合技術の開発を行う者に対する助成金を交付する業務等を追加すること等であります。

 次に、電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案は、同法の廃止期限を五年間延長するほか、信頼性向上施設及び高度通信施設整備事業に係る助成金交付対象施設の範囲を拡大するとともに、人材研修事業の要件の改正等を行おうとするものであります。

 両案につきましては、去る三月二十七日本委員会に付託され、同月二十九日片山総務大臣から提案理由の説明を聴取し、四月三日質疑を行い、討論、採決の結果、両案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律案に対し附帯決議を付することに決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) 両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案(内閣提出)

 日程第四 環境事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(綿貫民輔君) 日程第三、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案、日程第四、環境事業団法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。環境委員長五島正規君。

    ―――――――――――――

 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案及び同報告書

 環境事業団法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔五島正規君登壇〕

五島正規君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案について申し上げます。

 本案は、我が国においてポリ塩化ビフェニル廃棄物が長期にわたり処分されていない状況にあることにかんがみ、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管、処分等について、国における基本計画の策定、保管等の状況の届け出、期間内の処分、処分の命令その他の措置を講ずることにより、その確実かつ適正な処理の推進を図ろうとするものであります。

 次に、環境事業団法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、最近の我が国の環境保全の状況にかんがみ、その一層の推進を図るため、環境事業団の業務にポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理を行う業務等を追加するとともに、同事業団にポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金を設けることとし、あわせて、同事業団の業務に要する資金の調達手段を多様化する等の措置を講じようとするものであります。

 両法律案は、去る二月二十日本院に提出されたものでありますが、環境事業団法の一部を改正する法律案については、三月十六日本会議における趣旨の説明とこれに対する質疑が行われた後、同日本委員会に付託され、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案については、二十三日本委員会に付託されました。

 本委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、三月二十七日に川口環境大臣から提案理由の説明を聴取した後、三十日に質疑に入り、四月三日参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行い、同日質疑を終了いたしましたところ、環境事業団法の一部を改正する法律案に対し、民主党・無所属クラブより、環境事業団の行う建設譲渡事業の廃止等を内容とする修正案が提出され、提出者から趣旨の説明を聴取した後、原案及び修正案を一括して討論を行いました。

 次いで、まず、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案について採決を行った結果、全会一致をもって可決すべきものと議決いたしました。次に、環境事業団法の一部を改正する法律案及び本法律案に対する修正案について採決を行った結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。

 なお、両法律案に対しそれぞれ附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。

 まず、日程第三につき採決いたします。

 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第四につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第五 国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十四年京都)において採択された改正)及び国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十四年京都)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件

 日程第六 全権委員会議(千九百九十四年京都)において改正された国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十八年ミネアポリス)において採択された改正)及び全権委員会議(千九百九十四年京都)において改正された国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十八年ミネアポリス)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件

議長(綿貫民輔君) 日程第五、国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十四年京都)において採択された改正)及び国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十四年京都)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件、日程第六、全権委員会議(千九百九十四年京都)において改正された国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十八年ミネアポリス)において採択された改正)及び全権委員会議(千九百九十四年京都)において改正された国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十八年ミネアポリス)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。外務委員長土肥隆一君。

    ―――――――――――――

 国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十四年京都)において採択された改正)及び国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十四年京都)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件及び同報告書

 全権委員会議(千九百九十四年京都)において改正された国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十八年ミネアポリス)において採択された改正)及び全権委員会議(千九百九十四年京都)において改正された国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーヴ)を改正する文書(全権委員会議(千九百九十八年ミネアポリス)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔土肥隆一君登壇〕

土肥隆一君 ただいま議題となりました両件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、一九九四年に京都で開催された全権委員会議において採択された国際電気通信連合憲章及び条約の改正について申し上げます。

 近年、通信技術の飛躍的進歩、各国における電気通信の民営化等の進展、電気通信に関する地域的機関の台頭など、国際電気通信連合を取り巻く環境に変化が生じました。この変化に対応するため、平成六年十月、京都の全権委員会議において、同連合の組織の効率化、同連合の活動への民間の電気通信事業者等の参加の促進、他の国際機関との連携の強化等について定める本憲章及び条約の改正が採択されたものであります。

 次に、一九九八年にミネアポリスで開催された全権委員会議において採択された国際電気通信連合憲章及び条約の改正について申し上げます。

 一九九四年の憲章及び条約の改正以降も、さらなる通信技術の進歩、各国における電気通信の民営化及び自由化の進展、それに伴う分担金総額の減少等の環境変化に対応するため、平成十年十一月、ミネアポリスの全権委員会議において、同連合の活動に参加する民間の電気通信事業者等の権利、同連合の会計手続及び組織の変更等について定める本憲章及び条約の改正が採択されたものであります。

 両件は、去る三月二十八日外務委員会に付託され、同日河野外務大臣から提案理由の説明を聴取し、昨四月四日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、両件は全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) 両件を一括して採決いたします。

 両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第七 平成十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第八 平成十年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第九 平成十年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第十 平成十一年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第十一 平成十一年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

 日程第十二 平成十一年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)(第百五十回国会、内閣提出)

議長(綿貫民輔君) 日程第七ないし第十二に掲げました平成十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)外五件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。決算行政監視委員長持永和見君。

    ―――――――――――――

    〔報告書は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔持永和見君登壇〕

持永和見君 ただいま議題となりました各件につきまして、決算行政監視委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、平成十年度の予備費等でありますが、一般会計予備費は、災害廃棄物処理事業に必要な経費等十一件で、その使用総額は三十九億八千八百万円余であります。

 また、特別会計予備費は、農業共済再保険特別会計に必要な経費等二特別会計の三件で、その使用総額は三十六億九千三百万円余であります。

 また、特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額は、道路整備特別会計に必要な経費の増額等五特別会計の五件で、その経費増額の総額は三百七十四億八百万円余であります。

 次に、平成十一年度の予備費等でありますが、一般会計予備費は、主要国首脳会議開催準備に必要な経費等十九件で、その使用総額は百六億五百万円余であります。

 また、特別会計予備費は、食糧管理特別会計に必要な経費等二特別会計の三件で、その使用総額は十三億七千百万円余であります。

 また、特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額は、道路整備特別会計に必要な経費の増額等八特別会計の三十件で、その経費増額の総額は五千六百八十四億四千万円余であります。

 委員会におきましては、昨四日これらの各件を一括議題とし、宮澤財務大臣から説明を聴取した後、直ちに質疑を行い、質疑終了後、討論、採決の結果、各件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決いたしました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。

 まず、日程第七及び第九の両件を一括して採決いたします。

 両件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承諾を与えることに決まりました。

 次に、日程第八につき採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承諾を与えることに決まりました。

 次に、日程第十及び第十二の両件を一括して採決いたします。

 両件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承諾を与えることに決まりました。

 次に、日程第十一につき採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承諾を与えることに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第十三 基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(綿貫民輔君) 日程第十三、基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。経済産業委員長山本有二君。

    ―――――――――――――

 基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔山本有二君登壇〕

山本有二君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、民間において行われる基盤技術に関する試験研究を促進する体制の強化を図るため、当該試験研究を政府等以外の者に委託して行う等の支援体制を新たに設けるとともに、基盤技術研究促進センターを解散する等の措置を講じようとするものであります。

 その主な内容は、

 第一に、総務大臣及び経済産業大臣は、民間において行われる基盤技術に関する試験研究の促進に関する基本方針を定めること、

 第二に、民間において行われる基盤技術に関する試験研究を促進するため、当該試験研究を政府等以外の者に委託する等の業務を、通信・放送機構及び新エネルギー・産業技術総合開発機構に行わせること、

 第三に、基盤技術研究促進センターは公布の日から二年以内に政令で定める日において解散し、その一切の権利及び義務は、通信・放送機構及び新エネルギー・産業技術総合開発機構が承継する等の所要の措置を講ずること

等であります。

 本案は、去る三月二十八日本委員会に付託され、同日平沼経済産業大臣から提案理由の説明を聴取し、同月三十日及び昨日質疑を行った後、討論を行い、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第十四 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(筒井信隆君外二名提出)

 日程第十五 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(綿貫民輔君) 日程第十四、筒井信隆君外二名提出、農業者年金基金法の一部を改正する法律案、日程第十五、内閣提出、農業者年金基金法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。農林水産委員長堀込征雄君。

    ―――――――――――――

 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(筒井信隆君外二名提出)及び同報告書

 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔堀込征雄君登壇〕

堀込征雄君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、筒井信隆君外二名提出の農業者年金基金法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、農業者年金制度について検討を加え、その結果に基づいて、既裁定の年金給付を現行の水準とする等の措置を講ずる法制の整備を行うこととする検討条項を附則に追加しようとするものであります。

 次に、内閣提出の農業者年金基金法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、農業者年金制度を農業者の確保に資するものに改めるとともに、現行制度の受給者等に係る年金給付について適正化措置を講じた上で、その費用を国庫で負担する等の措置を講じようとするものであります。

 両案は、去る三月二十二日本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、本委員会に付託されました。

 委員会におきましては、同月二十七日両案を一括議題とし、谷津農林水産大臣並びに提出者筒井信隆君からそれぞれ提案理由の説明を聴取し、翌二十八日から質疑を行い、四月三日には参考人から意見を聴取する等、慎重に審議を行いました。

 かくて、昨四日両案に対する質疑を終局し、討論の後、まず、筒井信隆君外二名提出の農業者年金基金法の一部を改正する法律案について採決の結果、同案は賛成少数をもって否決すべきものと議決いたしました。次に、内閣提出の農業者年金基金法の一部を改正する法律案について採決の結果、同案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。

 まず、日程第十四、筒井信隆君外二名提出、農業者年金基金法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。

 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立少数。よって、本案は否決されました。

 次に、日程第十五、内閣提出、農業者年金基金法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 水産基本法案(内閣提出)の趣旨説明

議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、水産基本法案について、趣旨の説明を求めます。農林水産大臣谷津義男君。

    〔国務大臣谷津義男君登壇〕

国務大臣(谷津義男君) 水産基本法案の趣旨につきまして、御説明申し上げます。

 我が国の水産政策は、これまで、昭和三十八年に制定された沿岸漁業等振興法に示された方向に沿って、他産業と比べて立ちおくれていた沿岸漁業及び中小漁業の発展とその従事者の地位の向上を図ることを目標として展開され、関係者の多大な努力もあり、漁業の近代化、生産の効率化等に一定の成果を上げてきたところであります。

 しかしながら、我が国経済社会の変化や国際化の進展等の中で、我が国水産をめぐる状況も、国連海洋法条約の締結や日韓及び日中の漁業協定の発効等による本格的な二百海里体制への移行、周辺水域の資源状態の悪化等による我が国漁業生産の減少、漁業の担い手の減少と高齢化の進行等、大きく変化しております。

 水産業や漁村に対しては、こうした諸情勢の変化に的確に対応し、国民に対する水産物の安定供給を初め、豊かな国民生活の基盤を支えるものとして、その役割を十分に果たしていくことへの期待が高まっており、その期待に的確にこたえていくためには、沿岸漁業等振興法を初め水産政策全般を総合的に見直し、早急に今後の水産政策に関する基本理念の明確化と政策の再構築が行われなければなりません。

 このような新たな政策体系を確立することにより、水産業や漁村が我が国の経済社会において果たす役割を明確にすることができ、漁業者を初め水産関係者が自信と誇りを持つことができるものと考えております。

 また、新たな海洋秩序のもとで、水産資源の適切な管理により水産資源を持続的に利用する新たな政策の枠組みを示すことは、国民の食生活に安全と安心をもたらすとともに、国際的にも我が国が真の水産大国であることを示すことになります。

 さらに、水産資源が適切に管理されなければ枯渇する有限天然資源であることを国民全体で再認識することは、人間と自然、生産者と消費者、都市と漁村の共生にも結びつくものであると確信しております。

 本法案は、このような基本的考え方のもとに、水産に関する施策についての基本理念と、これに基づく基本的な施策の枠組みを国民的合意とするべく、提案したものであります。

 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、水産に関する施策についての基本理念を明らかにすることであります。

 水産物の安定供給の確保と水産業の健全な発展という二つの基本理念と、国及び地方公共団体の責務等を定めております。

 第二に、基本計画を策定することであります。

 水産に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、水産基本計画を定めて、施策についての基本的な方針、水産物の自給率の目標、総合的かつ計画的に講ずるべき施策を国民の前に示すこととしております。

 第三に、水産に関する施策の基本方向を明らかにすることであります。

 まず、水産物の安定供給の確保に関する施策として、水産資源の適切な保存及び管理、水産動植物の増殖及び養殖の推進、水産動植物の生育環境の保全及び改善等の基本的なものを定めることとしております。

 また、水産業の健全な発展に関する施策として、効率的かつ安定的な漁業経営の育成、水産加工業及び水産流通業の健全な発展、漁村の総合的な振興、多面的機能に関する施策の充実等の基本的なものを定めることとしております。

 第四に、国に水産政策審議会を設置すること等について定めることであります。

 以上、水産基本法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)

     ――――◇―――――

 水産基本法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(綿貫民輔君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。永田寿康君。

    〔永田寿康君登壇〕

永田寿康君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました水産基本法案につきまして、農林水産大臣に御質問いたしたいと思います。(拍手)

 さて、忘れもしない昨年十一月二十日、まさに加藤政局と言われたコップの中のごたごたの中で、神聖なる本会議場の演壇の上から、このコップの中の水をどうこうするという事件が起こり、私はその事件に巻き込まれました。本日は、その当事者もう一方、お休みなさっていらっしゃいますが、本日、この本会議場に初めて立つに当たり、私、水産基本法に関する質問をするということで、つくづく水に御縁のある仕事だな、このように思っております。

 本日は、原稿を見ずに質問をいたしたいと思いますので、農林水産大臣におかれましては、水かけ論にならないよう、格調高い御答弁をお願いしたいと思います。

 さて、水産基本法案は、大変問題のある法律です。

 まず第一に、自然環境の保護という観点が全く不足をいたしております。

 例えば、一見、水産物とは無縁に見える森林、この森は、川を生み、そして海をつくり、水に関する生態系全般にかかわる、大変大切な生命の源であります。しかしながら、この森の役割を全く軽視しておる水産基本法、森の仕事というのは、スキャンダルあるいは失言を垂れ流し、世界じゅうに恥をさらし続ける、そんなことばかりではないのであります。あっ、これは森総理大臣のことでありましたね。

 しかし、この大変大迷惑な森内閣、それを補って余りある有益な森林資源、その有益な価値を認めれば、やはり水産基本法には、もう少し、水産資源のみならず、森まで含めた自然環境の保全というものが盛り込まれてしかるべきではなかったかなと、私思っております。

 どうか、大臣、この点に関しまして、もう一歩踏み込んだ概念を盛り込んでいただきたい、その思い、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。

 第二に、この水産基本法案に盛り込まれております目標自給率の設定、この大変問題のある政策について言及をいたしたいと思います。

 目標自給率の設定というものは、水産物の自給率がなぜ現状において低下してきておるのか、その原因を見誤った、大変ちぐはぐな政策であります。この水産資源の自給率の低下、その原因は、とりもなおさず、この数十年の間に起こった日本の食卓の劇的な質的変化、これにあると言わざるを得ません。

 振り返ってみれば、私たちの食卓は、かつて、イワシ、アジ、サバなどの日本近海でとれるいわゆる大衆魚、これが中心であったのに、今や、エビやマグロ、そしてアラスカ産のキングサーモンなど、大変高価な高級魚にその主役を譲っています。果たして、このような状況の中で目標自給率を達成しても意味があるのかという御指摘でございます。

 昭和三十五年当時、事実上輸入額はゼロであったマグロ・カジキ類、これは、平成十年にはその輸入額が二千三十億円にもなるという、大変な金額になっています。そして、エビ類に至っては、日本の商社がインドネシアに行って大量に養殖し、そして日本に輸入する、こういうことを続けた結果、昭和三十五年には事実上ゼロであった輸入額が、今や三千六百四十億円に達しています。

 このことは、日本の食生活、日本人の水産物に対する嗜好が大変大きく変化してきたということを裏づけています。そこに目標自給率を設定しても、どうやって達成するのか。日本近海で大量にマグロがとれるようになったり、あるいはエビの養殖が大量にできるようになったり、そのようなことが起こらなければ、目標自給率を設定しても、これは絵にかいたもちと言わざるを得ません。

 そういう意味でいえば、この目標自給率の設定、まさに役人の悪巧みの産物でありましょう。これを根拠にして意味のない政策を実施し、そして、役にも立たない政策にむだな予算をつぎ込み続ける。そんな根拠をつくるために役人が悪知恵を働かせたのがこの政策であります。

 ですから、このような場当たり的な政策ではなく、見かけ倒しの政策ではなく、まさに、日本人の嗜好と需要に合った政策に徹するべきだと私は考えています。この提案についてどのようにお考えになるのか、谷津農水大臣の格調高い御答弁をお願いしたいと思います。

 さらに、この水産基本法の柱としてうたわれています、いわゆる元本と利子理論、これについて、私、問題を提起いたしたい、このように思います。

 水産基本法では、ここに、漁場の管理そして水産資源の管理、こうしたものを行う背景としていわゆる元本と利子理論というものがあると水産庁は説明をいたしております。この元本と利子理論といいますのは、漁場を適切に管理することによって水産資源の量を最大の状態にいたし、そして、いわゆる元本の部分には手をつけず、毎年生まれてくる利子の部分だけ、ここだけをとることによって安定的に水産業を営んでいきたい、これが水産庁の言い分であります。

 しかし、皆さん、これは、預金、これは元本も利子も同じ特性を持つお金です。この元本と利子が同じ特性を持つお金というものと全く異なる特性を持つ水産物というものを同一視した、完全に誤った考え方であると言わざるを得ません。

 なぜか。元本も利子も同じお金ですから、一たび銀行預金に入れば利子を生みます。しかし、例えば魚の場合には、生まれたばかりの幼魚から、子孫を残す能力を持った成魚、そして老魚、要するに子孫を残す能力を失った老魚に至るまで、さまざまであります。一たび網を入れれば、幼魚から老魚まで全部、区別なく網にかかってしまう。どんなに現場で選別をしても、これから子孫を残そうとする若い世代を網に入れてしまうことは避けようがありません。そうであるならば、元本は間違いなく毀損をするのであります。

 もう一度言います。どこかの内閣のような死に体、もとい、子孫を残す能力を失った老体だけをとるならば、元本と利子理論は成立をするでしょう。しかし、そのようなことが不可能である以上、元本と利子理論は間違っていると言わざるを得ません。結果として、いわゆる人口ピラミッドは、上が狭く、下が広いものにならざるを得ないでしょう。あたかも、今の民主党のようであります。そして、このような、これから子孫を残そうとする元本を毀損することを続け、何万トンもの漁獲を毎年続ければ、いつの日か必ず、個体数全体が大幅に減少し、そして、漁業が立ち行かなくなることは明らかであります。

 ですから、ぜひ農林水産大臣には私の提案を聞いていただきたい。農業に例えて言えば輪作のように、しばらく、ある種目をとり続けたら個体数が激減する、そうしたら、個体数が回復するまで、しばらくの間、当面の間はその種目に対する漁を控える、そしてその間、漁業従事者はほかの種目をとり続ける、こうして生計を立てていく。このような、農業に例えて言えば輪作のようなシステムをこれから行っていくべきだと考えますが、農林水産大臣の御所見をお願いします。

 最後に、この水産基本法は、全くもって場当たり的な、あたかも今の与党政権のようですが、場当たり的な、ちぐはぐな政策の羅列になっているということを御指摘申し上げたい。

 この水産基本法案の柱になっている水産資源の管理とそして漁場の管理、こうしたものは、当面の間は、少なくとも当面の間は、漁獲高を抑制する方向に働くことでしょう。しかし、一方で、漁業経営の近代化、そして担い手の育成など、漁獲高をふやす効果を有する政策も含まれています。さらに、水産物の流通・加工インフラを建設し、そして近代化を進めていくということになれば、漁獲高を抑制する中で、このようなインフラが十分に活用されないような事態を招くことは明々白々であります。

 一体、そこにつぎ込まれたむだな予算の責任はだれがとっていただけるのでしょうか。いつの日か、野党が政権をとったとき、私たちがしりぬぐいをするのは全くもって不本意でありますから、ぜひその点は、皆さん、御考慮をお願いしたいと思う次第であります。

 そして、この水産基本法案をつらつら読みますに、どうしても私が思うのは、個別の問題、確かに日本人の水産物に対する嗜好が変化をしてきて、そこで水産事業者が苦しい立場に置かれている、そのこと一つ一つにはきちっとした対応をしなければならない。しかし、その一つ一つの個別な問題をそれぞれ取り上げて政策にまとめ、羅列をし、そして、水産業の健全な発展、漁場の管理、水産資源の適正な管理など、そういうホッチキスでくくった、大変場当たり的で、ちぐはぐな政策であると言わざるを得ず、せっかくの理念法案でありながら、全くもって理念が見えないのであります。

 理念法案というのであれば、少なくとも、日本のこれからの水産業、そして日本の食卓をどうしていくのか、そのようなことをはっきり感じ取れるような政策にしなければなりません。願わくば、水産業として漁獲高は年間どれくらいが適正である、それに対応する漁業従業者はどれぐらいの数が適正だ、具体的な数を述べることができない場合であっても、今の漁業従業者が過剰なのか不足をしているのか、それぐらいのことは、政権の責任を持つ発言として、ここに表明すべきではないかと私は考えております。

 理念が見えないのは森内閣の最大の特徴でありますから、このような質問をするのは大変酷ではありますが、しかし、政権与党として責任ある行動をするのであれば、少なくとも、何だ、この程度の理念しか持っていないのかと笑われないようなイメージをぜひお示しいただきたいのであります。

 最後に、私は、北海道の漁民でありました高田屋嘉平の血を引く者であります。この世に生を受け、そして、ここに立っているのも、まさに、日本の豊かな海からとれる水産資源のおかげであります。総理大臣がノルウェーの国王のレセプションを欠席してまで食べたくなるようなおすしのネタが今でも残っていることに心から感謝をいたし、水産庁が大変な努力をいたしたことを心より感謝を申し上げ、質問を終わりにいたしたいと思います。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣谷津義男君登壇〕

国務大臣(谷津義男君) 永田議員の質問にお答えを申し上げます。

 人間の生活が自然環境や生態系によって守られていることは、御案内のとおりであります。

 森は海の恋人という言葉がありますが、御存じですか。わかっていますか。そういうことで、全国ではそういった面でいろいろと、森からいろいろな栄養分というのが海に流れてきます。海の生物がそれを食べて生育している。

 ですから、今、資源が非常に枯渇をしてきたその一つの原因に森というのを考えた方がおりますし、私もそう思っているわけでありますが、そういうことで、森林をだんだんふやしていく、これがまた水産に非常に大きな貢献をしているということで、今、そういう体制もいろいろとっているところでありまして、永田議員がおっしゃるようなそういう点については、何といっても、森と海との関係というのは極めて重要でありますだけに、そういう対策も打っているということ、そして、基本法の中でもそれをうたっているということを御承知おき願いたいと思うわけであります。

 それからまた、自給率についてのお尋ねでございます。

 我が国は、約四百五十万平方キロメートルに及ぶ、世界で六番目の排他的経済水域を持っております。この漁場を高度に利用することによりまして、国民の需要に応じた水産物の安定供給は相当程度可能であると私は考えております。

 一方、水産資源の持続的な利用を確保することも重要でありますが、これらを両立させ得る政策目標として自給率目標を設定することも必要でございまして、今、永田議員もその点についても御指摘がございましたけれども、その辺もこの基本法の中でうたっておるわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。

 また、この実現のためには、これは政府だけではだめです。漁業者あるいは消費者等の関係者がそれぞれの課題に一体となって取り組んでいくことが大事でございますので、この施策の充実とともに、関係者の意識の啓発等にも努めなければならないというふうに考えておるところであります。

 それから、先ほど、農業でいう輪作に近い手法をとれというお話でございました。

 次世代の資源をはぐくむ上では、親魚の確保、そして稚魚の保護は、資源管理上、重要な問題であります。これまでも、雌ガニ等の採捕規制のような、いわゆる産卵群の保護をやりました。あるいは、漁具の網目を大きくいたしまして稚魚をとれないようにしたということで保護を行ってきたところであります。

 さらに、今回の漁業法等の改正によりまして、広域漁業調整委員会の設置や、あるいは漁獲努力量管理制度を導入することとしておりまして、これらの措置を総合的に実施することによりまして、資源の再生産が可能になってくるというふうに考えております。

 先ほど、一定期間とらなかったらいいじゃないかというお話がございました。実は、これは、秋田のハタハタが、三年間とらないで資源の回復をしたという例もございますので、そういうことも有効であるというふうに考えております。

 以上でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

    〔議長退席、副議長着席〕

副議長(渡部恒三君) 中林よし子君。

    〔中林よし子君登壇〕

中林よし子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました水産基本法案について、農水大臣に質問をいたします。(拍手)

 今、我が国の漁業は、漁獲量の減少と魚価の低迷、漁場の環境悪化など、厳しい事態が長らく続いています。そのため、沿岸漁業者の所得は下がり続け、中小漁業会社も厳しい経営を余儀なくされています。就業者は毎年一万人近くも減り続け、高齢化、後継者不足と相まって、近い将来、担い手の面から漁業の存立が危惧されています。

 このような中で、漁業政策を抜本的に見直し、しっかりと立て直すことは、水産物が重要な比重を占める我が国の食料安全保障にとって不可欠であり、周囲を海に囲まれた我が国の国土と産業のつり合いのとれた発展にとって、その基盤となるものです。まさに、二十一世紀の国民的課題と言えます。

 七〇年代後半、資源の保存管理を国の義務としてうたった新海洋法秩序の時代に入ったとき、我が党は、当時発表した「日本経済の提言」で、新しい情勢に合った漁業への基本法が必要だと主張しました。今日に至り、国民的視点から漁業、水産業の意義を明確にし、充実した施策を盛り込んだ基本法を制定することは、いよいよ緊急な課題となっています。

 そこで、大臣にお伺いします。

 一九八五年のプラザ合意以後、急激な円高で、輸入が促進され、この十五年間で水産物の輸入量は二・二五倍、三百五十四万トンにもなりました。そして、不況の長期化と重なった魚価の低下が漁業者を直撃しています。

 本法案で、水産業が国民に水産物を供給する使命があり、自給率を向上させるというのなら、今まで、輸入水産物の急増によって国内生産を圧迫し、漁業を困難にしてきた市場原理優先の政治をどのように反省しているのですか。まず、お聞きします。

 一方、沿岸の漁場や環境の破壊は深刻の一途をたどっています。その象徴は、有明海の子宮と言われる諫早干潟をつぶした諫早干拓事業です。本来、世界有数の漁場である我が国の周辺水産資源が衰退している大きな原因は、開発優先の政治のもと、次々と海洋環境と漁場が荒廃してきたことにあります。

 大臣は、我が国の経済産業政策が漁場と環境を破壊してきたこの事実をどのように認識されているのですか。見解を伺います。

 一九九八年の新しい全国総合開発計画、五全総では、伊勢湾口、紀淡連絡道路など六海峡横断プロジェクトを初め、海の大型開発、公共事業計画がメジロ押しです。この法案でいう水産動植物の生育環境の保全を言うならば、開発優先の政治を転換すべきです。明確にお答えください。

 私は、離島や全国の漁村を調査してまいりました。漁業者がそこで漁業を営んでいることが、国土や環境、海域を保全するし、地域経済、集落、伝統文化を維持する上でかけがえのない役割を果たしていることを改めて認識しました。さきの水産基本政策検討会報告でも、水産業、漁村の基本的位置づけとして、そうした多面的機能を持っていることを明らかにしました。

 ところが、本法案では、単にその情報を提供するというにとどまっています。大臣は、漁業、漁村の位置づけとして多面的機能を認めていないのですか。なぜ、法案の理念の中に盛り込み、その役割への支援をしないのですか。その理由をお伺いします。

 次に、基本的な施策にかかわってお聞きします。

 国民の多くは、食料は国産でという強い要求を持っています。水産物についても同様です。農水省自身が昨年六月に行った水産基本政策大綱に関する消費者アンケートでも、水産資源が回復する過程で漁獲規制等により価格が上昇した場合でも、ほかの水産物を購入することも含めて国産を求めると答えた人が、合わせて八一・一%に上りました。

 基本計画で定める自給率の向上目標を示し、その実現を図ることは国の責務であります。その点で、既に食料・農業・農村基本計画で示した食用魚介類の自給率目標は、十年間で五七%から六六%へ引き上げることとなっていますが、必ず実現するつもりがあるのですか。改めて御答弁を願います。

 さらに、現在、ワカメ、昆布、ウナギ、カツオ等の輸入によって産地が重大な打撃を受け、このままなら自給率向上もおぼつかない事態に至っています。一刻も早くセーフガードの発動を行うべきだと思いますが、その後の検討状況と大臣の発動に向けての決意を伺います。

 私たちのもとに、浜の人たちの声として、漁業基本法をつくらないと漁業者の生活は向上しない、何としてもつくってほしいと、基本法への期待が寄せられています。問題は、現在の漁業者の経営と暮らしがどうなるのかであります。

 法案で、水産政策の中心を資源の保存管理に置くのは妥当なことです。限りある資源を対象にする漁業では、早い者勝ちの漁獲競争はその存立そのものを脅かします。したがって、以前から漁業者は、自主的な規制、協定をつくって資源を管理してまいりました。しかし、それが全体としてうまくいかなかったのは、漁獲制限による生活への影響を緩和する措置がなかったからです。

 今回、漁獲の管理、制限を進めるというのなら、当然、休漁保障や収入保障などの措置がとられるべきです。法案で、影響緩和の「必要な施策を講ずる」とありますが、漁業者は、この条文が期待の持てるものなのか、具体的な構想を示してほしいと願っています。農水大臣、資源管理促進のための国の責任による支援策の構想をお示しください。

 漁業者の最大の要求は、魚価の安定です。法案では、「価格の著しい変動を緩和するために必要な施策を講ずる」とあります。水産物には、何ら価格保障制度がありません。調整保管という事業に、水産予算のたった〇・四%にすぎない十三億円余りが組まれているにすぎません。しかし、この条文を入れたからには、価格もしくは所得保障という経営安定対策を目指すべきです。はっきりとお答えください。

 次に、法案は、「効率的かつ安定的な漁業経営を育成する」としています。資源を乱獲しない、コストも安い、経営も安定だ、それはだれでも願っています。しかし、ここで言うその育成は、さきに水産庁が発表した政策大綱にある、法人や一定の力のある経営に施策を集中するということで、ほかの零細な漁業者、高齢者への対策がおろそかになることはないのでしょうか。私は、すべての漁業者を視野に、それぞれの条件に応じて経営の育成・安定策を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、後継者の問題ですが、今、全漁業集落六千二百四十五のうち、四分の一の集落では四十歳以下の就業者は一人もいません。沿岸漁業の六十歳以上のリタイアが迫れば、一挙に従事者は半減します。漁業で生計が立てられ、行政の支援があれば、荒波に立ち向かう若者は必ず出てくると言われています。青年漁業者参入へ、収入面を含めた直接的な助成制度など、思い切った対策を検討するべきではありませんか。大臣の御見解をお聞きします。

 最後に、水産予算の問題です。

 水産庁の予算は三千五百二十三億円ですが、このうち七割が公共事業です。経営対策などを含む非公共は三割です。この関係は、漁業情勢がどんなに変化しても、三十年来、ほぼ固定しています。基本法の実行を契機に、最も緊急に必要な、魚価や経営安定対策、後継者育成、資源の調査研究などの予算に多くを振り向け、公共事業はおくれている中小の漁港や下水道の整備などに重点化することを要求します。この点での大臣のお考えをお聞きします。

 以上、基本法案について質問してまいりましたが、食料の安定供給、国民生活や経済に果たす漁業、漁村の位置づけにふさわしく、漁業者、水産関係者が希望の持てる基本法になることを強く期待して、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣谷津義男君登壇〕

国務大臣(谷津義男君) 中林議員の御質問にお答えします。

 質問が多岐にわたっておりますが、まず、これまでの政策が輸入を急増させ、漁業を困難に至らしめたのではないかとのお尋ねでございます。

 水産物の輸入の増加は、周辺水域の資源状態の悪化などによる漁獲量の減少や、所得水準の向上等に伴う消費者ニーズの変化等の事情によるものでございます。

 他方、水産物につきましては、我が国沿岸で漁獲される魚種を中心としたIQ制度によりまして適切な輸入限度の枠を設定するなど、市場原理だけで律するような政策をとってきたわけではないところでもございます。

 次に、経済産業政策が漁場と環境の破壊につながったのではないかとのお尋ねでございます。

 高度経済成長を背景に、海面の埋め立てによる漁場の喪失や水質汚濁等による漁場環境の悪化が進み、これらが漁業に対して大きな影響をもたらした面もあったのではないかというふうに認識をしているところであります。

 このような状況に対処しながら、漁場の生産力の維持あるいは増大を図るため、これまでも、増養殖場や、まあ、ふやしていくということなんですけれども、そういう養殖の場や、それから藻場、藻の場ですね、それから干潟の造成等を進めるとともに、関係省庁とも一体となって、水質の保全等の漁場環境の保全対策を講じてきたところでもございます。

 関連して、水産動植物の生育環境の保全についてのお尋ねがございました。

 水産資源の維持増大を図るためには、生育環境の保全及び改善が重要であるというふうに考えております。このために、これまで講じてきた漁場保全対策を今後とも適切に実施するとともに、開発行為の実施に当たっては、水産動植物の生育環境に与える影響が極力抑えられるよう調整を行うことによりまして、生育環境の保全を図ってまいりたいというふうに考えておるところであります。

 次に、水産業、漁村の有する多面的機能についてのお尋ねがございました。

 水産業や漁村につきましては、水産物の供給以外にも、健全なレクリエーションの場の提供、伝統文化の伝承等の多面にわたる機能を有しておりまして、こうした機能は、今後、豊かで安心できる国民生活の実現に向け、その重要性はますます増大しているものと考えております。

 このため、今回の水産基本法案においては、水産業や漁村が多面的機能を有することを明確に規定するとともに、その多面的機能が国民生活及び国民経済の安定に果たす役割等に関する国民の理解と関心を深めるため、まずは情報提供を行うこととするなど、国民の理解と支持を得るために必要な多面的機能に関する施策を充実させていくとの方向を明らかにしているところでございます。

 次に、食用魚介類の自給率目標についてのお尋ねがございました。

 水産基本法案第十一条に基づく水産基本計画において、漁業者等が取り組むべき課題を明らかにした上で、自給率目標を設定することとしております。この自給率目標の達成のため、資源の計画的な回復への取り組みや、つくり育てる漁業の推進、漁業の担い手の確保と経営の安定化のほか、消費者に対する水産物の栄養特性等についての知識の普及など、生産及び消費の両面にわたる各般の施策に取り組んでまいる所存でございます。

 続いて、水産物のセーフガードについてのお尋ねがございました。

 ワカメ、ウナギについては、関係生産者が極めて深刻な状況にあることから、三月十四日に、財務大臣及び経済産業大臣に対しまして、セーフガード発動に向けた調査を開始するよう要請したところでございます。今後、可能な限り早期にその結論を得るよう対処してまいります。

 なお、カツオについては、セーフガードの検討に必要な情報を常時収集していく監視対象品目に選定いたしまして、輸入状況等を監視しているところでございます。

 次に、資源管理促進のための支援策の構想についてのお尋ねがございました。

 本年度から資源回復を図るための計画の作成に取り組み、平成十四年度からこれを実施することとしております。この計画に沿って行われる減船、休漁等の措置については、中長期的には、資源状況の回復により漁業経営の改善に資するものでありますが、短期的には、漁業経営に著しい影響を及ぼす場合もあり得ると考えております。

 このため、資源回復を図るための計画に基づく減船、休漁等の実施にあわせ、その影響を緩和するための施策を講ずることを検討しております。

 次に、経営安定対策についてのお尋ねであります。

 近年、漁獲量の減少、魚価の低迷等により漁業経営が悪化していることから、水産物の価格安定対策や経営安定対策が重要な課題となっております。

 このため、漁業者の創意工夫を生かした経営展開を図る観点からの経営基盤の強化に向けた条件整備や、漁業共済等を通じた災害による損失の合理的な補てんと水産物価格の著しい変動の緩和のほか、資源管理が経営に与える著しい影響の緩和等の施策を総合的に講ずることとしておりまして、意欲を持って漁業に取り組む方の経営の安定と発展を図ることとしているところでございます。

 次に、漁業経営に対する施策についてのお尋ねでございます。

 我が国においては、多様な漁業生産が行われている中で、小規模の沿岸漁業者や高齢者も重要な役割を果たしているところでございまして、漁業の種類及び地域の特性に応じまして、経営意欲のある漁業者が創意工夫を生かした漁業経営を展開できるようにすることが重要であるというふうに考えているところであります。

 このような観点から、この水産基本法案におきましては、小規模の沿岸漁業者をも想定した事業の共同化の推進や、水産業に従事する高齢者の活動の促進等の施策を規定しているところでございます。

 次に、青年漁業者参入対策についてのお尋ねがございました。

 次代の漁業の担い手となる漁業就業者の確保、育成を図っていくことは極めて重要な課題と認識をしております。

 このために、新規就業希望者に対する求人情報の提供や、将来の地域漁業の中核となる青年漁業者の育成等を支援しているところでもございます。

 さらに、本年度からは、沿岸漁業改善資金の融資対象となる小型漁船の範囲の拡大、漁業経営を開始するために必要な無利子資金の貸付限度額の引き上げ等の対策を新たに講じることとしておるところでございます。

 最後に、水産予算の見直しについてお尋ねがございました。

 漁港、漁村等については、依然としてその整備はおくれており、特に、漁場と一体となってつくり育てる漁業等に資する漁港や、都市に比べて立ちおくれている集落排水等の生活環境については、引き続き、重点的な投資により整備をしていくこととしておるところであります。

 こうした水産公共事業の推進のほか、非公共事業についても、水産物の調整保管等の魚価対策や減船等の経営安定対策、さらには、無利子融資等の担い手対策、資源調査等を含め、水産業の振興のため必要な施策を重点的に推進することとしております。

 以上でございます。(拍手)

副議長(渡部恒三君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(渡部恒三君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時十五分散会




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