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第13号 平成14年3月14日(木曜日)

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平成十四年三月十四日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第八号
  平成十四年三月十四日
    午後一時開議
 第一 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案(災害対策特別委員長提出)
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日程第一 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案(災害対策特別委員長提出)
 都市再開発法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び都市再生特別措置法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議
議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
議長(綿貫民輔君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案(災害対策特別委員長提出)
議長(綿貫民輔君) 日程第一、豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。災害対策特別委員長田並胤明君。
    ―――――――――――――
 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔田並胤明君登壇〕
田並胤明君 ただいま議題となりました豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 我が国の豪雪地帯は、国土の約五一%を占め、これらの地域では、冬季の恒常的な降雪により、地域住民の生活水準の向上や産業の発展が阻害されております。
 豪雪地帯対策特別措置法は、かかる豪雪地帯に対して、雪害の防除その他、産業等の基礎条件の改善に関する総合的な対策を樹立し、その実施を推進するため、昭和三十七年に議員立法により制定されたものであります。その後、特別豪雪地帯における基幹的な市町村道の道府県代行事業による整備などの特例措置及び各種の配慮規定が追加されました。これらの施策により、当該地域の雪害の防除や生活環境の改善等に多大な貢献がなされております。
 しかしながら、豪雪地帯における産業等の基礎条件や生活環境の整備がなお必要な状況にあり、さらに、近年の技術開発や時代の変化に対応した施策が求められております。
 特に近年、雪を冷熱エネルギーとして活用する研究開発は一定の成果を上げ、豪雪地帯においては、これらの研究成果の普及の促進が必要となっております。さらに、情報化の進展に伴い、豪雪地帯における住民生活の向上のため、総合的な雪情報システムの構築も課題とされております。
 このような状況にかんがみ、豪雪地帯対策の一層の充実強化等を図るため、豪雪地帯に対する配慮規定を追加するとともに、本年三月末に期限切れとなる特別豪雪地帯における特例措置の有効期限をさらに十年間延長すること等を内容とする本案を提案する次第であります。
 次に、本案の主な内容について御説明いたします。
 第一に、国及び地方公共団体は、利雪に関する研究開発の成果の普及の促進について適切な配慮をするものとすること。
 第二に、国及び地方公共団体は、雪に関連する多様な情報を適切かつ迅速に提供する総合的な情報システムの構築が促進されるよう適切な配慮をするものとすること。
 第三に、特別豪雪地帯における基幹的な市町村道の改築を道府県が代行することができる期限及び公立小中学校等の施設等に対する国の負担割合の特例措置の適用期限を平成二十四年三月三十一日まで十年間延長するものとすること。
 以上が、本法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 本案は、昨十三日の災害対策特別委員会において、内閣の意見を聴取した後、全会一致をもって成案と決定し、これを委員会提出法律案とすることに決したものであります。
 何とぞ速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 都市再開発法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び都市再生特別措置法案(内閣提出)の趣旨説明
議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、都市再開発法等の一部を改正する法律案及び都市再生特別措置法案について、趣旨の説明を求めます。国土交通大臣扇千景君。
    〔国務大臣扇千景君登壇〕
国務大臣(扇千景君) 都市再開発法等の一部を改正する法律案及び都市再生特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 都市は、我が国の活力の源泉でありますが、今日、慢性的な渋滞、緑やオープンスペースの不足など、多くの課題に直面いたしております。また、近年の急速な情報化、国際化、少子高齢化等の社会経済情勢の変化に十分対応できたものとなっていない状況にあります。
 このため、都市の再生を図り、その魅力と国際競争力を高めることが、我が国の経済構造改革の一環として重要な課題となっております。そのためには、民間の資金やノウハウを都市再生に振り向けることが不可欠であります。
 こうした状況を踏まえ、民間の力が最大限に発揮できるよう、事業手法の改善・充実を行うとともに、民間の都市開発事業の隘路となっている規制の見直し等を行う必要があります。このため、都市再開発法等の一部を改正する法律案により、都市再開発事業の施行者に新たな民間の事業主体の追加等を行うとともに、都市再生特別措置法案によって、都市再生の拠点となる地域を定め、思い切った都市計画の特別措置や金融支援等を講じようとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 まず、都市再開発法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 第一に、民間活力を活用した都市の再開発を推進するため、市街地再開発事業の施行者に、施行地区内の一定の土地所有者等の参画を得た株式会社または有限会社を追加することとしております。
 第二に、民間による土地の高度利用を実現する建築物の整備を推進するため、高度利用地区等をその施行地区に含む土地区画整理事業の事業計画において高度利用推進区を定め、土地の所有者の申し出に基づき、集約換地を行うことができることとしております。
 第三に、土地市場の低迷が続く中、土地の流動化と民間都市開発事業の推進を図るため、民間都市開発推進機構の土地取得業務に係る事業見込み地等の取得期限を三年間延長するとともに、都市の再開発のための資金調達を円滑化するため、一定の要件に該当する株式会社等が施行する市街地再開発事業、高度利用推進区を活用する土地区画整理事業に対する都市開発資金の無利子貸付制度を拡充すること等の措置を講ずることとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 次に、都市再生特別措置法案について申し上げます。
 第一に、都市の再生に関する施策を迅速かつ重点的に推進するため、内閣に、内閣総理大臣を都市再生本部長とする都市再生本部を設置することとしております。
 第二に、都市再生本部の作成した案に基づき、閣議において都市再生基本方針を決定するとともに、都市再生の拠点となるべき都市再生緊急整備地域を政令で定めることとしております。
 第三に、都市再生本部が、都市再生緊急整備地域に関する整備方針を定めることとしております。
 第四に、都市再生緊急整備地域における都市の再生に資する民間の都市開発事業に対する国土交通大臣の認定制度を創設するとともに、認定を受けた事業に対し、無利子貸付、出資、債務保証等の支援を行うこととしております。
 第五に、都市再生緊急整備地域において、既存の用途地域等に基づく規制を適用除外とする都市再生特別地区を創設するとともに、民間事業者等による都市計画の提案制度等を創設することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、都市再開発法等の一部を改正する法律案及び都市再生特別措置法案の趣旨でございます。よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
     ――――◇―――――
 都市再開発法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び都市再生特別措置法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
議長(綿貫民輔君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。伴野豊君。
    〔伴野豊君登壇〕
伴野豊君 民主党の伴野豊でございます。
 本日は、ただいま議題となりました都市再開発法等の一部を改正する法律案並びに都市再生特別措置法案につきまして、民主党・無所属クラブを代表して、質問させていただきます。(拍手)
 エジプトのメネス一世が建立したメンフィス、城壁に囲まれた、宮殿、寺院を中心とした都市であったそうでございます。それが世界最古の都市とされております。また、一般的には、古代ギリシャのポリス、いわゆる都市国家というものでございます。我が国の最古の都市と申しますと、歴史的に残されているものは、日本書紀にございますように、豊崎宮とされております。現在の大阪城の南隣にあったとされております。
 さて、我が国の都市計画制度は、一八八八年の東京市区改正条例から始まり、一九一九年の都市計画法の施行で、主要な都市において都市計画が始められました。その後、戦後復興を経まして、一九六九年、地方自治の尊重と事務分担、スプロール現象の抑制、土地利用合理化という見地から都市計画法の大改正が行われ、さらには、一九九二年には、地価高騰に対応した総合土地政策としての改正、また、昨今では、二〇〇〇年、地域の実情に応じたさらなる運用を目的とした改正が実施され、今日に至っております。
 住み、働き、憩い、移動する。都市計画とは、この都市が持つべき基本要素に対して十分な機能を持ち、満足できる環境を創出していく思想、制度、技術でございます。いわゆるフィジカルプランと言われる施設計画だけでは成り立ち得ません。制度、財源を扱う行財政計画、人口、文化、教育、福祉を扱う社会計画、産業、就業、労働を扱う経済計画のバックアップによる総合計画でなければなりません。
 ところで、都市計画とは一体だれのためのものなのか。都市計画決定権者のものでないことだけは確かでございます。第一義的には、そこで生活する市民の生活水準の向上に資する。しかし、それだけでは十分ではありません。今後、そこで生活を始める人、新しく生まれ育つ子供たち次世代のため、成長社会から成熟社会へ、今、この大転換期の期待にこたえる都市計画でなければなりません。だからこそ、しっかりとした信念、哲学が求められているのです。
 そういった観点で、以下、七項目に絞り質問させていただきます。
 都市にだけ力を注いでも、都市は再生されません。例えば食べ物。都市で生産されているものだけで、都市に住む人の胃袋を満たすことはできません。その周辺、さらには、自然、環境の再生も不可欠と考えます。そういった観点で、上位計画である二十一世紀のグランドデザイン、一極一軸型から多軸型へという方向性との整合性は一体どうなっているのか、また、今、特別委員会で議論されている首都機能移転との整合性はいかがか、さらには、大規模地震対策、とりわけ直下型地震対策との整合性はいかがか、国土交通大臣の御所見をお聞かせください。
 続いて、今回、この都市再生特別措置法というものは、総理大臣を初めさまざまな閣僚で構成される都市再生本部で計画される仕組みになっております。そのことにより、今までの国土交通省だけの枠では解決できなかった、都市再生における課題や社会的都市問題をも解決できるのではないかという期待がございます。
 その一つとして、今ある千四百兆円に上る個人金融資産を、施設計画のみならず、社会計画にもどう最大限に活用させていくのか。例えば、贈与税など税制をさわらなければ本当のイニシアチブは発揮されないのではないかと考えております。そのための税制改革についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、官房長官の御所見をお伺いさせてください。
 日本の都市には個性がないと評されます。その原因の一つは、今までの都市計画が中央官庁主導の画一的な平等主義であったことにあります。一部のエリートやプロだけでは、都市問題は解決できません。そのために、住民の英知を集める。今こそ、住民への情報公開と住民参画のあり方が問われております。
 今回の二法案において、その住民への情報公開は、どこがどう進むのか、あるいは今後さらにどう進めていくのか、国土交通大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 さきにも述べましたように、都市は、住み、憩う空間でもあります。経済都市としてのオフィスビルはできたが、住環境は十分整っていないということでは、人間性を回復することはできません。
 例えば、高齢化社会に対応した高規格介護住宅、男女が働きながら、さらには子供を産み育てやすい、その世代にとって低廉かつ高規格の賃貸住宅の充実、このような快適な住環境をどのように担保されるのか、国土交通大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 また、これらのハードの充実をきっかけに、ソフト面の工夫により、都市において真の男女共同参画社会をどう実現していくのか、官房長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 都市再生本部において、都市再生緊急整備地域の指定ということがなされるわけでございます。ここに、今までのような特定議員の圧力、例えば与党候補者が選挙で負けた選挙区には地域指定をしない、あるいは外してしまう。どこかで聞いたような、そんなことがあってはなりません。
 地域指定における透明性の確保についてどう担保されるのか、あるいは指定の場合に第三者的機関を設置されるお考えがあるのかないのか、官房長官並びに国土交通大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、今回の法案は都市における市場主義に基づく一つのリノベーションということであれば、都市再生のあり方として理解できなくはありません。しかし、市場主義に基づかない、いま一つの都市再生、地域再生のあり方も、本来、議論され、その仕組みを確立すべきではないか。地方都市においては、本来、その方向に進むべきものです。今回の法案は、そちらの方が幾分欠如しているように思えてなりません。
 地域の自立ということと非常に深い兼ね合いがございます。とりわけ、財源について、その財源を地方へ移譲した上での地域主権の確立とともに、理想的にはなされることと思います。しかし、そういった市場主義に基づかない町づくりの仕組みを確立するためにも、今後、地方分権をどう促進させるおつもりなのか、そのスケジュールとあわせ持って総務大臣にお伺いしたいと思います。
 今回の都市再生というものは、都市を舞台として、そこに生きる人、住む人、働く人、憩う人、移動する人、そういった人たちの、言ってみれば、生き方の再生であり、生活の再生、さらには、人間性の回復、再生でございます。
 古代ギリシャにおいて、都市国家、ポリスというものがありました。これは、ポリティックスという英語の語源の一つにもなっております。政治再生なくして都市再生なし。ポリスがポリティックスの語源であることをかんがみれば、政治が変わること、政治が再生することこそ、本来、都市再生の前にやるべきことではないか。
 昨今のさまざまな疑惑、鈴木宗男議員の外務省を初めとする一連の疑惑、あるいは加藤紘一議員の元事務所代表にまつわる疑惑、過日にはKSD汚職もあり、あたかも政治日程に組み込まれているかのごとく、疑惑は自民党の年中行事となっております。(拍手)
 国民の皆さんの信頼を取り戻す政治再生をすぐにでもやらなければ、何も始まりませんし、始めることはできないのです。(拍手)
 都市再生の前に政治再生をやるべき、そのような私の考えに、官房長官並びに国土交通大臣はどのようにお考えか。
 国土交通大臣におかれましては、自民党に失望され、一度は自民党を離れられた方であり、今回の旧北海道開発庁にまつわる疑惑も取りざたされておりますので、その観点も含めて、きょうの服のように、すっきりと、さわやかに、アドリブでお答えいただきたいと思います。(拍手)
 また、官房長官は、今までの自民党をつぶすと言って総裁になられた小泉総理大臣の近くでお仕えなされる、そのようなお立場でどういうお考えをお持ちなのか、いつもの記者会見のように、クールで、すっきりとお聞かせいただきたいと思います。
 野党四党が提出した議員鈴木宗男君の議員辞職勧告に関する決議案、公明党、保守党の皆さんの御協力があれば、すぐにでも本会議に上程することができます。国民の声に耳を傾ける両党の良識ある判断に期待しておりますが、その決議案に対して、官房長官、国土交通大臣は賛成されるのか否か、ガチンコで恐縮でございますが、イエス、ノーでお答えください。(拍手)
 罪を憎んで人を憎まず。たたき上げの刑事であった私の父は、子供のころから、こう教えてくれました。だから、あえて申し上げます。
 役人に手を上げたり、一心同体の秘書にあこぎな金集めをさせた上、脱税させたり、あなた方の御両親は、そんなことをさせるためにあなた方を産んだわけでも、育てたわけでもないはずです。悪いことは言いません。政治家だけが人生ではありません。これ以上、晩節を汚し、醜態をさらすことなく、松山千春もいいのですが、きょうは、さだまさしの「償い」でもお聞きになって、きっぱりと出処進退を明確にされることをお勧めします。それが一番の都市再生につながります。
 私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣扇千景君登壇〕
国務大臣(扇千景君) 今、国土政策と都市再生の融合性、総合性についてのお尋ねがございました。
 効率的な社会資本整備の推進や国際競争力のある国土づくりに向けまして、かねてから、私は、国土交通省として日本のグランドデザインをつくりたいといって取り組んでまいりました。その中でも、我が国の活力の源泉である都市を、災害に強く、また、生活する上でも快適な、活気あふれる都市へと再生することは、極めて重要な課題と心得ております。また、都市再生は、東京など大都市のみならず、地方都市も対象に、その推進に取り組むべきものであり、これにより我が国全体の活力の向上が図られるように努めてまいりたいと思っております。
 このように、都市再生は、国土整備に係る各種施策と整合し、進められるものであると考えております。
 また、情報公開と住民参加についてのお話がございました。
 個性あふれる魅力ある都市再生を進めるためには、官主導による都市計画から、民の多様な創意工夫を生かせる都市計画への転換を図っていくことが必要であると考えております。
 このため、本法案におきましては、これまで官が独占してきた都市計画の発意を民に開放して、民間の知恵と力を発揮した都市の再生が図られるように、都市再生事業を行おうとする者による都市計画の提案制度を創設することといたしております。
 都市計画の提案に当たっては、土地所有者等の三分の二以上の同意をとる手続を要件としておりますけれども、この中でも、住民への情報公開等が十分図られるように、徹底してまいりたいと考えております。
 さらに、都市計画の決定に当たりましては、公聴会、説明会の開催や都市計画案の公告縦覧といった情報公開と住民参加の手続が十分に図られるように、適切に対処してまいりたいと考えております。
 また、都市再生におきます快適な住環境の整備について御指摘がございました。
 都市の再生に当たりましては、経済活動の場だけではなくて、子供からお年寄りまで、多くの人々が住み、憩えるような空間を整備していくことが重要でございますので、多様な住宅の整備を推進していく必要があると考えております。
 この認識のもと、職住近接の確保を図るとともに、高齢者や介護者に配慮した住宅、共働き世帯や子育て世帯向けの良質な賃貸住宅など、多様な住宅の供給を推進し、都市における快適な住環境の整備を図ってまいりたいと思っております。
 都市再生緊急整備地域の指定における透明性の確保についてのお尋ねがございました。
 都市再生緊急整備地域につきましては、都市計画の特例措置や金融支援措置の前提となるものでありますことから、この指定の透明性を確保することは極めて重要なことであると考えております。
 このため、関係地方公共団体の意見を尊重しつつ、閣議決定されます都市再生基本方針において定められる指定基準に基づいて、すべての国務大臣で構成される都市再生本部で地域指定の案を作成して、政令で指定することといたしております。
 このように、綿密な手続を定めて、透明性を担保しているところでございますので、実際の指定に当たっても、法案の趣旨を踏まえて、的確な運用に努めてまいりたいと考えております。
 伴野議員からは、政治に対する国民の信頼を損なう一連の疑惑や旧北海道開発庁にまつわる疑惑の発生に関連して、都市再生の前に政治の再生に取り組むべきではないかという御趣旨のお話をいただきました。
 議員が御指摘のように、民主政治の基本の一つは、政治に対する国民の信頼の確保にございます。この意味におきましては、政治家にまつわる不祥事が毎年のように数多く発生し、政治に対する国民の信頼を損なう事態を招いているというのは、伴野議員が仰せになるまでもなく、まことに残念であり、遺憾なことだと感じております。
 現在、与党三党におきましては、政治倫理の確立に関する協議会において、不祥事の再発防止と政治倫理確立のための抜本策を協議中であると伺っております。早急に具体策がまとめられて、政治に対する信頼を回復し、都市再生を含む政治の諸課題が、国民のバックアップのもとに、円滑かつスピーディーに解決できる体制を築くべきであると考えております。
 また、政と官の関係につきましても、国民から厳しくそのあり方を問われているところであり、重要な課題であると考えております。
 国土交通省としましても、三月十二日に、北海道開発行政に関する調査結果を公表したところであり、また、小泉総理が二月四日の事務次官会議で発言されましたように、耳を傾けるべき意見には謙虚に耳を傾け、筋の通らない意見は断固排除し、個別利益ではなく国益の実現を図るように、今後とも、毅然とした態度で対応していきたいと思っております。
 お出しになられた議案の内容によって、今後よく検討させていただきたいと思っております。(拍手)
    〔国務大臣片山虎之助君登壇〕
国務大臣(片山虎之助君) 伴野議員にお答えを申し上げます。
 お話のように、これからの町づくり、都市計画は、やはり地域からの発想と住民参加が不可欠でございまして、また同時に、個性と活力を目指さなければなりません。そういう意味では、私は、地方団体の役割というのが一層重要になる、こう思っております。
 そのためには、これもお話のように、地方分権の推進でございまして、一つは、事務や権限の移譲をさらに進める、国の関与の縮小を図る。それとともに、地方が一番要望しております、地方に対します税財源の移譲を含む基盤の充実でございまして、私はかねがね、今、国と地方の税の取り分が六〇対四〇だからせめて五〇対五〇にしてくれと。そういうことで、骨太方針にも「経済財政の中期展望」にも、税源移譲が明記されているところでございます。五〇対五〇じゃありません、税源移譲が。
 したがいまして、今後、地方分権改革推進会議や経済財政諮問会議で着実な御議論をお願いし、検討を積み上げまして、道筋をつけてまいりたい、こういうふうに思っております。今後とも、一層の御支援をよろしくお願いいたします。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣福田康夫君登壇〕
国務大臣(福田康夫君) 伴野議員にお答えします。
 まず、個人金融資産の活用と税制改革についてお尋ねがございました。
 都市再生特別措置法案においては、民間から資金を広く集める特定目的会社等に対して民間都市開発推進機構が出資、社債取得等を行う制度を創設するなど、広く個人金融資産を都市再生に活用するための措置を講じているところであります。
 税制改革については、構造改革の一環としてのあるべき税制の構築に向けて、幅広い観点から総合的に取り組んでまいります。
 次に、都市における男女共同参画社会の実現についてのお尋ねがございました。
 政府においては、昨年閣議決定を行った、仕事と子育ての両立支援策の方針に基づき、特に都市部において必要性の高い待機児童ゼロ作戦、それから、保育所等が組み込まれた職住近接のまちづくりの促進など、都市における男女共同参画社会の実現に資する施策を進めております。引き続き、あらゆる施策に男女共同参画の視点が盛り込まれるよう、努力してまいります。
 次に、都市再生緊急整備地域指定における透明性の確保についてお尋ねがございました。
 都市再生緊急整備地域については、閣議において決定する都市再生基本方針の中で、その指定基準を明確に定めることとしております。
 また、その指定に当たりましては、地方公共団体とも十分な調整手続をすることといたしております。さらに、全国務大臣で構成される都市再生本部で案を作成し、政府の意思決定として政令で指定することとしていることから、地域の指定に当たりましては、十分、透明性が確保されるものと考えております。
 最後に、政治再生についてお尋ねがございました。
 政治家やその秘書などが口ききにより公共工事に不当に介入するようなことが、あってはなりません。国民の政治への信頼を裏切る行為が相次いで生じていることは、まことに残念でございます。どうすればこうした事件を防止できるか、法整備も含め、早急に改善策を講じていかなければなりません。真に国民から信頼される政治の再生を図りつつ、都市再生を推し進めてまいりたいと考えております。
 そして、議員辞職勧告に対する対応についてお尋ねがありましたけれども、仮定のことについては、お答えを差し控えさせていただきます。(拍手)
議長(綿貫民輔君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十九分散会


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