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第35号 平成14年5月17日(金曜日)

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平成十四年五月十七日(金曜日)
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  平成十四年五月十七日
    午後一時 本会議
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本日の会議に付した案件
 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議
議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣坂口力君。
    〔国務大臣坂口力君登壇〕
国務大臣(坂口力君) 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 近年における離婚の急増など母子家庭等をめぐる諸情勢が変化する中で、母子家庭等の自立の促進を図りながら、その児童の健全な成長を確保することが重要な課題となっております。
 今回の改正は、こうした状況を踏まえ、母子家庭等に対する子育て支援の充実、就労支援の強化、扶養義務の履行の確保、児童扶養手当制度の見直し等の措置を講ずることとし、総合的な母子家庭等対策を推進するものであります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、母子家庭、父子家庭に対する子育て支援の充実であります。
 市町村は、保育所への入所に関し、母子家庭等に対する特別の配慮をしなければならないこととしております。
 また、保護者の疾病等の場合に児童の保護を行う子育て短期支援事業を法律に位置づけるとともに、母子家庭等に対する日常生活の支援の充実を図ることとしております。
 第二に、就労支援の強化であります。
 都道府県は、母子家庭の母等の雇用の促進を図るため、母子福祉団体との連携のもとに、就職に関する総合的な支援を行うことができることとし、都道府県等は、母子家庭の母または事業主に対し、母子家庭の職業生活の安定及び技能の習得のための支援を行うことができることとしております。
 第三に、扶養義務の履行の確保であります。
 母子家庭等の児童の親は、児童が心身ともに健やかに育成できるよう、扶養に必要な費用の負担等、児童に対する扶養義務を履行するよう努めるとともに、国及び地方公共団体は、その履行を確保するための措置を講ずるよう努めることとしております。
 第四に、母子寡婦福祉貸付制度及び児童扶養手当制度の見直しであります。
 母子寡婦福祉貸付金の貸し付け対象として、母子家庭の児童本人及び母子家庭の自立の促進を図るための事業を行う母子福祉団体を追加するとともに、特定の貸付金の貸し付けを受けた者について、所得の状況等によりその一部の償還を免除できることとしております。
 また、児童扶養手当の受給開始から五年間を経過した場合には、三歳未満の児童を監護する者、障害者等に適切な配慮をしつつ、手当額の一部を支給しないこととするとともに、手当の受給資格の認定の請求期間を五年間とする規定を廃止することとしております。
 第五に、国及び地方公共団体における総合的な施策の推進であります。
 厚生労働大臣は、母子家庭等の生活の安定と向上のための措置に関する基本方針を定めることとし、都道府県等は、母子家庭及び寡婦自立促進計画を策定することができることとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、平成十五年四月一日としております。
 以上が、母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 ありがとうございました。(拍手)
     ――――◇―――――
 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
議長(綿貫民輔君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。中津川博郷君。
    〔中津川博郷君登壇〕
中津川博郷君 民主党の中津川博郷です。
 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました母子及び寡婦福祉法等の一部改正案に対し、坂口厚生労働大臣並びに関係大臣に質問いたします。(拍手)
 さて、日本の中小企業経営者はなぜこれほど多く自殺してしまうのか、ここ数年、外国の友人からよく問われる質問であります。我が国の自殺者は、年間三万人を超えております。中には、リストラに遭われた方ももちろんいらっしゃいます。ほかの理由の方もあるでしょうが、圧倒的に多いのは、中小企業や個人経営者で倒産を余儀なくされた方々であります。
 日本でこうした異常事態が生じるのはなぜでしょうか。それは、単に景気が悪いからといった表面的な理由では説明できません。
 日本では、ここ十数年、ゆとり教育の結果、学力低下と教育の荒廃が日本じゅうに蔓延し、同時に、経済もどん底に至っています。一方、その間、アメリカは、日本とは逆に、国が教育に力を入れ、その結果、教育が再生し、経済も大繁栄しました。
 アメリカの経済繁栄の原因は、ちまたで言われておりますようなITの振興という面もありますが、より重要なのは、アメリカ社会が、倒産などの失敗を経験した人が再チャレンジし、やり直しできるような法的、文化的、歴史的な土壌を持っている点であると私は考えております。欧米では、会社と個人の間に明確な一線が引かれており、米国では、倒産した人が社会をつくると言われているほどであり、失敗の経験を積むことがキャリアと見る側面もあるほどであります。
 ところが、日本では、中小企業経営者は、自宅を担保にしなければ銀行からお金を借りられない、本人のみならず妻の連帯保証までとられる、一度経営に失敗すれば、家族だけでなく、周囲も巻き込んで路頭に迷ってしまう、すべてをはぎ取られてしまうのが悲しい現実であります。業を起こす起業支援が進まない理由もここにあると言っても過言ではありません。
 つまり、日本は、一度失敗するとやり直しのきかない社会、立ち直りが難しい社会だと言えます。こんな冷たい社会でいいのでしょうか。
 英国では、ブレア首相が、失業や低所得、家族の崩壊など、やむを得ず社会的に排除された人たちが自力で抜け出せないならば、政府が助け船を出して、再び社会に戻すという政策を打ち出しています。具体的に、若年失業者や長期失業者あるいは一人親世帯の就業に向けたプログラムを組むニューディール政策、セーフティーネットではなくトランポリン型の福祉政策、どうしても低所得から抜け出せない層に対する手厚い保障などです。
 私は、例えばこうした「第三の道」の考え方から日本も学ぶべきことはたくさんあると考えますが、坂口大臣の見解を伺います。
 現在、五・二%の高失業率、若年層の就職難、二十二万八千人と激減する高卒求人数、八六・三%と過去最悪の高卒者の就職率など、雇用を取り巻く環境は依然厳しく、先の見えない状況にあります。
 小泉内閣発足以来この一年間、一体どんな明るい経済、雇用に関するニュースが流れたでしょうか。何にもないじゃないですか。
 このような大変厳しい経済状況の中で、小泉内閣は、本法律案を提出されました。児童扶養手当の見直しを初め、働きながら親一人でも子供と頑張っていこうという多くの母子家庭にまさにむち打つような厳しい内容ではありませんか。
 坂口大臣、なぜ、この時期にこのような法案を出されたのか、その理由を伺います。経済・雇用状況が最悪、ただでさえ厳しい生活を強いられている多くの一人親家庭にとって、余りにもタイミングが悪過ぎます。納得できる答弁を求めたいと思います。(拍手)
 さて、母子家庭など一人親家庭の実態は、平成十年度の調査によりますと、母子世帯は約九十六万世帯、父子世帯は約十六万世帯で、特に母子世帯は、前回調査に比べ二〇・九%も増加しています。一人親になった理由は圧倒的に離婚が多く、母子世帯では全体の八割を占めています。
 そうしたお母さんの八五%は働いており、正社員として働く常用雇用が全体の半分、臨時雇い、パート労働などが約四割おられる。年間収入は、世帯平均で二百二十九万円、一般世帯の平均六百五十八万円に比べ三分の一強という極めて低い水準にあることも、改めて認識しなければいけません。
 調査結果からは、離婚の急速な増加、一人親世帯の多くが母子家庭であること、経済的貧困、子育て問題の深刻化が読み取れます。政府は、戦後の未亡人対策以来五十年の歴史を持つ母子寡婦対策を根本的に見直し、新しい時代の要請に的確に対応できるように云々と、今次改正案をまとめたとしていますが、果たして、多くの母子家庭が抱える切実な問題に対応できると本気で考えておられるでしょうか。
 先ほど申し上げましたように、私は、日本をやり直しのきく社会、再チャレンジができる社会にしたいと考えております。(拍手)一度や二度の挫折や失敗をしても新たな再出発ができる社会をつくらなければいけません。
 私は決して離婚を勧めるわけではありませんし、幸福な家庭生活が長く続くことが望ましいことは、言うまでもありません。とはいえ、再チャレンジできる社会をつくるには、不幸にして離婚というつらく悲しい経験をしたとしても、単純にマイナス、汚点としてはいけないと思います。別れたら次の人、別れたらこれからは一人、人生いろいろです。選択肢があっていいと思います。
 離婚も、結婚と同様、新たなる人生のステップ、キャリアとして前向きにとらえることのできる社会、文化を築き、それにふさわしい法整備も求められているのではないかと考えますが、官房長官の認識をお伺いしたいと思います。
 つまるところ、政府案は、財政対策として何とか児童扶養手当を抑制するために、生活支援や就労支援など、非常に耳ざわりのいいことを並べ立てているような気がしてなりません。児童扶養手当の削減だけが期限まで明示されて決まっているにもかかわらず、それを補うための、例えば養育費の取り立ての問題などは、法務省で検討中とあるだけで、まだ中身は何にも決まっていないじゃないですか。政策実行の順番が逆です。三割負担引き上げが決まっていて、抜本改革がすべて先送りされている医療制度改革の議論と全く同じじゃありませんか。(拍手)これでは、再スタートを切ろうとする母子家庭が納得できないのも当然です。坂口大臣の答弁を求めます。
 次に、養育費の問題について伺います。
 離婚して親権者にならなかった親も養育費負担の義務があるのは、民法上明白です。しかし、協議離婚の際に、財産分与や子供の養育費などについて十分な話し合いができないまま離婚されるケースが少なからずあります。そのため、離婚して養育費を受けている母子家庭は、全体の二割程度にとどまっています。
 政府は、養育費確保の施策を今次改正案に盛り込むとしたものの、実際、法律案にあるのは、養育費取り立ての義務を母子に負わせているだけで、子供を監護しない親には何の義務も負わせておりません。これで養育費の確保と言えるのでしょうか。離婚した多くの父親は口実をつくって支払いを履行せず、せっぱ詰まった母親が児童扶養手当を受給してしのいでいるというのが現実じゃないでしょうか。
 現在、法務省の法制審議会で、養育費など少額債務について、将来分まで含め一括した強制執行の制度を検討中と伺っておりますが、子供は、その親にとって宝であるだけでなく、社会全体にとっても宝です。経済的な問題で十分な教育を受けられない子供も多くいることでしょう。法務大臣、多くの母子が抱える切実なこの問題、ぜひ、森山大臣から、一人で子育てする母親に光明を与える前向きな答弁をお聞きしたいと思います。(拍手)
 政府案の目玉の一つに就労支援がありますが、政府は、現下の経済・雇用状況の深刻さを一体どうとらえておるのでしょうか。
 政府は盛んに景気の底入れをアナウンスしていますが、雇用の現場では、全く一向に明るい兆しは見えておりません。実質的賃金の切り下げと雇用慣行の崩壊、正社員としての雇用枠減少とパート、派遣労働などの増加、若年者の就職難、フリーターの増加、年齢、賃金、能力などの雇用のミスマッチ、それに加えて、雇用の受け皿がないための失業が増大しておるのです。我が国の従来型雇用対策は既に限界に来ています。
 そこで、坂口大臣、母子家庭に対する就労支援を政府の雇用政策においてどう位置づけ、また、今次改正案の就労支援策によってどの程度の効果を見込んでいるのか、具体的に数字を挙げて説明していただきたいと思います。
 最後に、母子家庭のお母さんが働きながら経済的自立をするときには、住宅問題も大きなハードルになっております。意外と知られていないのですが、賃貸住宅を借りる場合、保証人の問題なんですね。母子家庭の場合、高齢者や外国人に対するような入居拒否は少ないと言われていますが、お母さんが一から生活をやり直そうとするときに、別れた夫や父親などの男性を保証人にしなければ、仮に安定した仕事についていても家を借りられないという実態を御存じでしょうか。
 民間の債務保証制度の拡充とともに、こうした実態についてもきちんと把握し、適切な対応をとるべきだと考えますが、政府の答弁を求め、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔国務大臣坂口力君登壇〕
国務大臣(坂口力君) 中津川議員にお答え申し上げたいと存じます。
 英国の「第三の道」についてのお尋ねがございました。
 我が国におきましても、これまで、社会保障や雇用対策の充実に努めてきたところでございますが、高齢者や障害者、母子家庭など、援護を必要とするさまざまな方に対しまして、所得保障や各種の福祉サービスの提供を行うとともに、働く意欲や能力のある方の自立を支援する取り組みを行ってまいりました。
 御指摘の、英国の「第三の道」と言われます考え方の特徴の一つは、福祉から就労へ、すなわち、社会的な援護を必要とする方々をセーフティーネットでしっかりと救済するとともに、就労に対する自立の促進を重視するものと承知いたしております。
 今般の改正案は、こうした考え方を踏まえまして、きめ細かな福祉サービスの展開と自立、就労の支援に主眼を置いた総合的な母子家庭対策を推進したものでございます。
 改正案の提出時期についてのお尋ねがございました。
 近年の離婚の急増により、母子家庭が大幅に増加してきておりますが、母子家庭の母は、子育てを行っているだけではなくて、生計の主たる担い手でありまして、その経済的自立が必要であります。このため、このように経済・雇用状況が大変厳しい状況におきましては、母子家庭の自立を総合的に支援する施策が大変重要であると認識いたしております。
 また、中央省庁の再編による厚生労働省の発足、本年八月からの児童扶養手当支給事務の福祉事務所設置市への移譲などによりまして、きめ細かな福祉サービスの展開と自立の支援に主眼を置いた施策を展開するため、国、地方の体制の整備が進んでいるところでございます。
 このような状況を踏まえまして、今般の改正案を提出したところでありまして、これに基づいて母子家庭等に対します子育て支援策、就労支援策あるいは養育費の確保策、経済的支援などの施策を総合的に展開いたしまして、母子家庭等の自立が一層促進されるよう支援することといたしております。
 母子家庭が抱えております問題と母子家庭等の対策のあり方についてのお尋ねがありました。
 母子家庭の置かれております状況につきましては、厚生労働省で、さまざまな調査を実施し、また、関係団体とも意見交換を重ねまして、その状況の把握に努めてきております。
 母子家庭の母は、子供の養育と生計の維持とを一人で行わなければなりませんため、非常に負担が大きく、また、離婚後、十分な準備のないまま就労せざるを得ないため、十分な収入を得られない場合が多いと認識いたしております。
 厚生労働省といたしましては、本法案を早期に成立させていただきまして、このような母子家庭が直面しているさまざまな問題に対応した各種の施策を展開し、その解決に全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 児童扶養手当の見直しに関する施策の順序についてのお尋ねがございました。
 母子家庭等の自立支援策を総合的に展開する一環としまして、児童扶養手当制度におきましては、母子家庭の自立が促進され、また、母子家庭が増加し、かつ厳しい財政状況の中において、今後とも、制度そのものが持続できるような仕組みを内在させておきますことが必要と考えております。このため、自立が困難な者に配慮しつつ、児童扶養手当の受給開始後五年経過後に手当額を減額する措置を設けることとしております。
 しかしながら、この措置は、この法律の施行後五年後を目途に適用することとしており、その際の減額の程度等につきましては、母子家庭に対する子育てや生活支援策、就労支援策、養育費の確保策等々の進展状況や離婚の状況などを踏まえて決定することとしているところでございます。
 養育費の確保についてお尋ねがございました。
 今般の改正案では、まず、児童を監護しない親につきまして、その児童の養育に必要な費用の負担など、児童の扶養義務の履行に努めるよう明確に求めまして、その上で、児童を養育している親についても、児童を監護しない親に対しまして扶養義務の履行の確保に努めるよう求めるものとなっております。
 また、改正案におきましては、このように、児童の父と母の双方の扶養義務を明確化することに加えまして、厚生労働省といたしましては、養育費の取り決め、支払い等に関する啓発活動の促進、養育費に係るガイドラインの作成、離婚や養育費取得に関します相談、情報提供の充実など、さまざまな施策を展開し、養育費の確保を支援することといたしているところでございます。
 現下の経済、雇用の状況につきましてのお尋ねがございました。
 景気は依然厳しい状況にありますが、生産が下げどまってきていることなどから、底入れしているものと認識いたしております。一方、雇用情勢は、三月の完全失業率は五・二%と、前月に比べまして〇・一ポイント低下しましたものの、依然として高水準にあり、また、求人や賃金も弱い動きが続いておりますことから、依然として厳しい状況にあるものと認識いたしております。雇用情勢は景気の動向におくれて動くことから、当分の間は厳しい状況が続くものと考えているところでございます。
 母子家庭に対します就労支援策の位置づけやその効果についてお尋ねがございました。
 先ほども申し上げましたとおり、現在の雇用情勢は依然として厳しい状況にございます。こうした中、政府といたしまして、総合雇用対策に基づきまして、雇用の受け皿整備、雇用のミスマッチの解消、セーフティーネットの整備等の施策に全力で取り組んできているところでございます。
 母子家庭の母は、生計の主たる担い手であることから、雇用政策の中でも重要な対象と考えておりまして、今回の改正案におきましても、就労支援策の強化を最も重要な柱の一つに位置づけているわけでございます。
 就労支援策の効果につきましては、我が国の経済情勢等により変動するものでありますから、現時点におきまして数値を示すことは困難でありますが、厚生労働省としては、本法案を早期に成立させていただき、就職や職業能力の向上を希望する母子家庭の母が適切な支援を受けられるよう、福祉施策と雇用施策の緊密な連携のもとに、全力で取り組んでいきたいと考えているところでございます。(拍手)
    〔国務大臣福田康夫君登壇〕
国務大臣(福田康夫君) 中津川議員にお答えします。
 離婚も前向きにとらえることのできる社会、文化を築くべきとの御指摘がございました。
 女性が、どのような状況にあっても、個性や多様な能力を生かし、前向きにチャレンジすることができる社会をつくることが重要と考えております。
 このような観点から、男女共同参画会議において、さまざまな分野への女性のチャレンジを支援するための方策やライフスタイルに中立的な税制度を総合的に検討しており、今年度中に提言をまとめることといたしております。(拍手)
    〔国務大臣森山眞弓君登壇〕
国務大臣(森山眞弓君) 中津川議員にお答えいたします。
 養育費などに関する強制執行制度の見直しについてのお尋ねでございます。
 法務省では、現在、権利実現の実効性を高める等の観点からの担保・執行法制の見直し作業を行っており、その一環として、養育費などの履行確保のための強制執行制度の見直しについても検討を行っております。
 その具体策といたしましては、支払い日がまだ到来していない将来分の養育費なども含め、一括して、債務者の将来の収入に対して差し押さえをすることができる制度の導入が検討されております。この点につきましては、担保・執行法制の見直し作業の中で、引き続き、鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣扇千景君登壇〕
国務大臣(扇千景君) 中津川議員から、母子家庭が民間の賃貸住宅に居住する場合の家賃債務保証についてのお尋ねがございました。
 母子家庭の居住の安定を図るため、賃貸住宅への円滑な入居を保証していくことは重要な課題であると考えております。
 従来より、母子世帯の入居を優先する公営住宅を約一万七千戸提供するとともに、公団住宅におきましても母子世帯の優先入居を実施してまいりましたが、一昨年から民間事業者による家賃債務保証制度も実施され、平成十二年十二月六日からこれを開始いたしまして、平成十四年一月末現在、五千四百二十一件の保証実績がございます。母子家庭が民間賃貸住宅に入居しやすい環境が整いつつあると認識いたしております。
 このような民間事業者による取り組みの活用状況等を踏まえまして、母子家庭の居住の実態も勘案しつつ、必要な施策について検討していく所存でございます。(拍手)
議長(綿貫民輔君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十四分散会


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