衆議院

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第14号 平成14年5月31日(金曜日)

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平成十四年五月三十一日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 大畠 章宏君
   理事 逢沢 一郎君 理事 小島 敏男君
   理事 渡辺 具能君 理事 渡辺 博道君
   理事 野田 佳彦君 理事 細野 豪志君
   理事 河合 正智君 理事 工藤堅太郎君
      岩崎 忠夫君    小野 晋也君
      奥山 茂彦君    亀井 久興君
      桜田 義孝君    実川 幸夫君
      谷川 和穗君    谷本 龍哉君
      西川 公也君    望月 義夫君
      吉野 正芳君    石毛えい子君
      枝野 幸男君    仙谷 由人君
      藤村  修君    山元  勉君
      横路 孝弘君    太田 昭宏君
      吉井 英勝君    北川れん子君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      中谷  元君
   国務大臣         竹中 平蔵君
   内閣府副大臣       松下 忠洋君
   総務副大臣        若松 謙維君
   内閣府大臣政務官     奥山 茂彦君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    津野  修君
   政府参考人
   (総務省大臣官房長)   畠中誠二郎君
   政府参考人
   (総務省行政管理局長)  松田 隆利君
   内閣委員会専門員     新倉 紀一君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十一日
 辞任         補欠選任
  嘉数 知賢君     吉野 正芳君
  古賀 正浩君     桜田 義孝君
  山花 郁夫君     枝野 幸男君
同日
 辞任         補欠選任
  桜田 義孝君     古賀 正浩君
  吉野 正芳君     嘉数 知賢君
  枝野 幸男君     山花 郁夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 個人情報の保護に関する法律案(内閣提出、第百五十一回国会閣法第九〇号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七〇号)
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七一号)
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案(内閣提出第七二号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七三号)


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     ――――◇―――――
大畠委員長 これより会議を開きます。
 第百五十一回国会、内閣提出、個人情報の保護に関する法律案並びに内閣提出、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案及び行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官藤井昭夫君、人事院事務総局総務局総括審議官山野岳義君、防衛庁長官官房長柳澤協二君、総務省大臣官房長畠中誠二郎君及び総務省行政管理局長松田隆利君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
大畠委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
大畠委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。工藤堅太郎君。
工藤委員 おはようございます。自由党の工藤堅太郎でございます。
 今国会の重要法案でもあります個人情報保護法案、関連法案の実質審議が始まりまして、国民の皆さんがその成否について注目をいたしている、そういう状況でありますけれども、今回の防衛庁のリスト問題は、個人情報に関しての管理を含め、いかに官が、官のすることが信用できないかを証明したようなものである、私はこのように思っております。
 一昨日の当委員会で、小泉総理は、法案審議の中でいろいろな提案、議論をしていただくことが必要だと答弁されましたが、この発言は、実質的に法案修正を認めたものと理解できるわけであります。しかしながら、今回の防衛庁の不祥事を踏まえれば、修正で済むような話ではございませんで、法案の根幹からつくり直すことが必要である、このように考えます。政府には、一連の法案を撤回した上で、新たな法案提出まで住基ネットワークシステムの八月実施を見送るように、この際、要請をしておきたいと存じます。
 そこで、質問させていただきますが、これまでの質疑で重複する点が多々あろうかと思いますけれども、よろしくお願いをしたいと存じます。
 初めに、中谷防衛庁長官にお尋ねをいたしますが、昨年四月に施行されました情報公開法に基づいて防衛庁に情報公開を請求された方々の総数、並びに、リストには氏名、住所以外にどのような事柄が記載されているのか、さらに、どのような手段で情報を入手されたのか、その点をお伺いいたします。
中谷国務大臣 ただいまお尋ねの昨年四月から本年三月までの一年間に防衛庁に開示請求を行った請求者の方々の数でございますが、総数は百四十八名でございます。これまでの調査によれば、問題となっております本件の資料には、平成十三年の四月から平成十四年三月の中旬の間に防衛庁に対して開示請求を行われました百四十一名について、開示請求者に対応した窓口でのやりとり、インターネットによって得られた情報などをもとに、開示請求者の方の職業、その他個人情報が記載されているという報告を受けているところでございます。
 具体的に申し上げれば、その職業を記述した欄には、例えば、フリージャーナリストや学生、また受験生の母といった、開示請求書に記載されていない情報も含まれていたという報告を受けているところでございます。
工藤委員 これらのリストを作成したのは海上自衛隊の三等海佐とのことでありますけれども、この三等海佐の氏名を明らかにはできませんでしょうか。何という方であったか教えていただきたい、こういうことであります。そして、いかなる理由をもってこれを作成したのか、さらに、三等海佐個人の意思によるものかどうか、その点もお伺いいたします。
中谷国務大臣 氏名につきましては、捜査の途中段階でありまして、この事実が完全に明らかになりました時点でお答えしなければならないと思います。
 この意図につきましては、これまでの捜査段階によりましたら、この担当の三佐は開示請求者がどのような人物であるか把握する必要があると判断して本件資料を作成したものであると報告を受けているところでございます。
工藤委員 今の長官の御答弁、これは処罰等々、全部済んでからということなんですか、それとも、その前段階で氏名を公表するといったようなことなんでしょうか。全部済んでからということなんですか。
中谷国務大臣 調査が済んだ段階で明らかにしなければならないと思っております。
工藤委員 この捜査の状況でありますけれども、大体、日にち的にいったらどの程度を見込んでおられますか。
中谷国務大臣 現在、防衛庁におきましては、萩山副長官並びに事務次官にも、徹底的に、予断を持たずに調査をするように命じておりまして、全力で実施をいたしております。できるだけ早く調査を進めまして、結果をまとめて報告いたしたいというふうに考えております。
工藤委員 一昨日の武力事態特別委員会で、長官は、本当に個人かな、そうでないかもしれないという気がすると発言をされましたが、もし組織ぐるみでこのような調査をしてリストを作成したのであれば、一体防衛庁は何を考えて日常の勤務についているのか、甚だ疑問なわけであります。
 特に、現在審議されております武力事態関連法案は、国民を守るためのものであることはそのとおりでありますが、その当該官庁が情報公開を求めた方の身辺調査に乗り出しているということは、情報公開法の趣旨に照らしても絶対に許されることはできない、このように思うわけであります。
 組織ぐるみであったかどうか、有事に際して国民を信用できないともとられかねないこうした行為を、長官はどのように考えておられるんでしょうか。
中谷国務大臣 現在、本件につきまして調査をいたしておりますが、現在のところ、本件資料を作成した担当の三佐は、上司の指示ではなくて、担当者個人の発意によって作成をしたというふうに言っていると報告を受けております。
 今回、このようなことが起こりましたことにつきましては、情報公開制度の趣旨からしてあってはならないことでありまして、開示請求者や国民の皆様方に大変な御不安また御迷惑をおかけしたことは極めて遺憾でございまして、厳しく反省する必要があると考えております。
 特に、情報公開と申しますと、国民の知る権利に基づきまして、開かれた政府行政を実現するためのものでございます。通常、市民生活と密着した形で各市町村の役場とか県庁などでは行われているわけでございますが、防衛庁にとりましては、こういったいわゆる市民の窓口となる業務に基づいて情報公開を行うということは初めてのことでございまして、今回こういうことが起こったということにつきましては、この趣旨をよく理解しないで行っていた、また、業務自体も、一般の官庁等の感覚については非常になれない部分もございまして、不適切な部分があったというふうに思っておりまして、今後徹底した調査によりまして事実関係を明らかにし、改善、対処をいたしたいというふうに考えております。
工藤委員 今、これから真剣に調査をしていくというようなお話なわけでありますが、それは当然でありますけれども、ただいまの長官の御発言で、上司の命令というか指示でやったのではないというように聞いているというようにお答えされました。
 これは、確かめておきますが、絶対に間違いない、そう思っておられますか。
中谷国務大臣 現段階で本人に聞き取り調査を何度も行っております。
 この一点につきましては、本人がみずから、自分の発意によって作成をしたものでありまして、上司の指示ではないということを強く主張している状況でございます。
工藤委員 次に、防衛庁では、情報公開法に基づく請求者リストを情報公開室が管理しているということでありますけれども、情報公開室はどのような組織形態になっているのか、また、今回のリストを情報公開室以外の部署で回覧あるいは閲覧していた事実はあったのかなかったのか、その点をお答えいただきます。
中谷国務大臣 防衛庁におきまして、防衛庁の情報公開に関する事務の総合調整などを行う部局といたしましては、長官官房文書課に防衛庁情報公開室が置かれております。また、陸海空それぞれの自衛隊においては、各自衛隊の幕僚監部総務課にそれぞれ情報公開室が置かれております。これらの各機関の情報公開室は、それぞれの機関内における情報公開に関する調整事務を行っているとともに、それぞれに、相互に協力して事務を行っておりまして、各機関にまたがる協議や開示、不開示の判断の総合的な調整などは情報公開室同士を通じて行われる体制となっております。
 今回問題となりました資料につきましては、これまでの調査をしたところでは、海幕の情報公開室以外の部署の者に本件の資料が配付されたことがあるのは事実でありますが、いずれの場合も、個人で管理し、使用せずに保管または破棄がされているということでございます。
 いずれにせよ、さらに詳細な調査を行うことによりまして、この事実につきまして、関係等明らかにしてまいりたいと考えております。
工藤委員 次に、総務省の行政機関等個人情報保護室の見解では、検索可能な形で体系的に登録されていれば、リストは個人情報ファイルに当たる、新たな情報を加えてリストをつくることは、一般的に言えば情報公開法に基づく事務処理とは考えられない、こういうことにしているわけでありますが、今回の事態をどのように見ておられるのか、担当しておられる行政機関の個人情報保護法案の審議にどのような影響が出てくるのか、その辺をどう思われるのか、お尋ねをいたします。
若松副大臣 今お尋ねのリストの件でありますが、現在、防衛庁におきまして詳細に調査していると伺っているところでありますが、いわゆる一般論で言う情報公開の開示手続を実施するためのリストの内容についてのお尋ねでございますが、あくまでもその内容というのは、開示請求権制度は、何人に対しても、理由を問わず、支障のおそれのない情報を開示する制度、こういうことになっておりまして、請求者の連絡先以外、当該ファイルの保有目的の達成には必要性は考えられない、そのように認識しております。
 具体的には、法の趣旨に照らしまして、防衛庁長官において事実をさらに確認していると承知しているわけでありますが、その上で、防衛庁長官においては厳正に対処すべき問題と理解しております。
 なお、今般審議をいただいておりますこの法案でございますが、いわゆる行政機関の個人情報の対象情報を紙に記録されている個人情報にまで拡大しておりまして、個人情報ファイル簿への掲載の有無を問わず開示請求の対象としておりまして、今回のようなケースでも開示請求権を行使することが可能となっております。
 また、不要な個人情報を保有しているとか誤った利用、提供がされているということを知った場合は、その御本人は利用停止請求権を行使できる、このようになっております。
 そういうことでありますので、個人情報の保護を一層拡充する観点から、ぜひ、現行法を全面的に改定する今回のこの法案を審議の上、速やかに御賛同いただきたいと考えております。
工藤委員 総務省では、こうしたケースのリストの取り扱いをどのように管理されておられるのか、また、あわせて他の省庁の管理状況を、把握されている範囲で結構でありますので、御説明をいただきます。簡潔にお願いいたします。
畠中政府参考人 まず最初に、総務省ではどうかというお尋ねについてお答えいたします。
 総務省では、情報公開事務の的確な処理、具体的に申し上げますと、事案の進捗状況の進行管理のために請求の受け付け順に一覧表は作成しております。なお、この一覧表は、請求者の氏名とか住所など開示請求書に記載された個人情報のみを記載しているものでございます。
松田政府参考人 他省庁の状況でございますが、情報公開法に基づきまして、毎年度、施行状況の調査を行うことになっております。その調査を今取りまとめつつあるところでございますけれども、この情報公開請求者のリストの具体的なあり方についてまで現時点では把握はいたしておりません。
 このたび、大臣から、他の省庁におきましても情報公開法の開示請求手続におきまして開示請求に係るリストがどのように作成されているか、緊急に調査を行うよう御指示がございましたので、速やかに調査を行うこととしているところでございます。
工藤委員 次に、中谷長官にお尋ねをいたします。
 今回のリスト作成に絡む行為は、個人情報保護関連法案を審議している中で、個人の情報を行政官庁に管理させることがいかに恣意的に使用されるかを証明したと言っても過言ではない、このように思います。
 そこで、現在の状況下で、今回の行為をいかなる罰則規定で処分することができるのか、お伺いをします。
中谷国務大臣 情報公開の事務に不必要な情報も含む本件の資料を作成した行為につきましては、個人情報ファイルに記録される個人情報は当該の個人情報ファイルの保有目的の達成に必要な限度を超えてはならないことを規定する個人情報保護法、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報保護に関する法律の第四条第二項との関係から、問題があったと考えております。
 また、本件資料を隊員相互間で配付または転送をした行為は、ファイル保有の目的外の利用をしてはならないと定めております同法第九条や、個人情報をみだりに他人に知らせてはならないと定めております法第十二条との関係から、今後詳細な調査の結果いかんによっては問題があるものであるというふうに考えております。
 罰則につきましてお答えをいたします。
 防衛庁といたしましては、確認された資料の作成行為は、個人情報保護法第四条第二項との関係で少なくとも問題となるものと考えておりまして、この点を踏まえましたら、処分を行うとすれば、自衛隊法上の懲戒処分、隊法第四十六条等の規定が適用されることになるのではないかと考えております。
工藤委員 先ほどの質問と重複するかもしれませんけれども、若松副大臣並びに中谷防衛庁長官にお尋ねをします。
 現行の行政機関の保有する電算処理に係る個人情報保護法では、第四条で個人情報の保有は所掌事務の遂行に必要な場合に限定、さらに第九条で個人情報の目的外の利用、提供の禁止、第十二条で個人の情報をみだりに他人に知らせることなどの禁止等を規定しているわけであります。まさに、法的根拠もなく個人情報ファイルを作成、管理したり、事務処理以外の目的で利用することはできない、こういうことになっているわけでありまして、今回の行為はそれぞれこれらの規定に違反していると考えられるわけであります。
 具体的にどの行為がどの条文に違反して、結果、どのような罰則規定が適用されるのか、その点をお伺いいたします。自衛隊法第五十九条の職務上知り得た秘密の漏えいの禁止、これに当たることは当然だと思うのでありますけれども、あわせてお伺いをいたします。
若松副大臣 防衛庁から現段階の調査内容を聞いた限りにおきましての判断でございますが、現行の行政機関個人情報保護法、これは昭和六十三年からできている法律でありまして、いわゆる国家公務員がみだりに個人の情報を保有してはいけないと、これは何度も何度も徹底している法律でございます。その第四条第二項に規定しております個人情報ファイルに記録される個人情報でございますが、当該個人ファイルの保有目的の達成に必要な限度を超えてはならない旨の規定に抵触する可能性があると考えております。
 その他、報道等では、目的外利用の禁止について規定しました第九条、業務上知り得た個人情報をみだりに他人に知らせることを禁止した第十二条に違反するのではないかという御指摘でもございますが、これにつきましては、当然疑義は感じておりますが、さらに事実関係の説明を聞いた上で判断する必要があると考えております。
 罰則または処分の問題につきましても、事実関係が明らかになった段階で防衛庁長官が自衛隊法等に則して厳正な対応をする、そのように期待しているところでございます。
中谷国務大臣 自衛隊法五十九条、秘密を守る義務に違反したかどうかという御質問でございますが、この資料を隊員相互の間で配付または転送した行為が自衛隊法第五十九条違反に当たるかどうかという点につきまして、本件資料に掲載された事項が職務上知ることのできた秘密に該当するものであるか否か、また、当該秘密に接する権限のない者に漏らしたこととなるか否か、さらに、情報公開の事務といった正当な業務以外の目的で行われたものであるか否かなどによるわけでございますが、これは、今後詳細な調査を踏まえて検討されるべきものであるかと考えております。
工藤委員 時間もなくなってまいりました。
 ジャーナリストの桜井よしこさんを初め、石原行政改革担当大臣の私的懇談会であります行革断行評議会のメンバーとして特殊法人改革や公益法人改革に携わっておられる作家の猪瀬直樹さんまで、内閣提出の個人情報保護関連法案は官僚支配を助長させるものだ、このように批判をいたしております。特に、基本法はもとよりでありますけれども、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法案の方がより問題は深刻だと指摘をしているわけであります。
 これらの批判の矛先は、現行法でも何ら罰則規定もなく、その現行法の改定版ともいうべき今回の政府が提出した行政機関に関する法案の中でも、第三条第三項の規定、すなわち、個人情報の利用目的変更が相当の関連性がありまして合理的に認められる範囲の規定が、今回の不祥事のように行政官庁の恣意的利用に使われるおそれが大であり、さらに何らの罰則規定もないことにあるんだろう、私はこのように思っております。
 今回の事態は、こうした法案の不備を具現化したものではないか、このように言えると思っておりますけれども、片山大臣はこれらの指摘についてどうお答えされるんでしょうか、お伺いをいたします。
片山国務大臣 現行法はいろいろ問題があるんですよ。例えば、ファイルは規制の対象にするがペーパーはしないとか、あるいは利用停止の請求権がないとか、それを今度の法律は全面改正によって補っているわけですね。
 一番問題は、いずれにせよ、法律は、行政機関が持っている個人情報を行政機関に恣意的に使わせないようにするためのルールなんですよね。その点で今回の法律は現行法よりは相当前進している、私はこういうように思っております。
 そこで、罰則なんですけれども、罰則は、いろいろな議論があるんだけれども、国家公務員法というのがありまして、これがうまく使えるものですから、それから、こういうことに罰則をつくるについては全般的なバランスや何かの議論がありますので、現行法は行政機関の長に義務づけているんですね。それから、行政機関の長の下の補佐職員は、上司の命令に従う義務だとか法令遵守義務があるわけですから、これに違反すれば、これは皆さん御承知のように懲戒処分の対象になる。それから、守秘義務というのがちゃんとあるわけですから、守秘義務は罰則がかかりますね、一年以下の懲役。それから、それ以外の職権乱用だとか公文書破棄だとか、いろいろな、刑法に当たるものなら刑事告発をやって刑罰の法規の適用がある。
 そういうことで、全体が担保されていることで、この法律そのものには罰則は書いておりませんけれども、国家公務員法の仕組みをあわせて使うことによって全体としては効果が期待できるということで、こういう法律をつくっているわけでございます。
工藤委員 今、総務大臣、行政機関に恣意的な使用をさせないようにするための法律だというようなことでお答えをいただいたわけでありますが、現実にこういうように、例えば官房長官が、口を滑らせたか、行政側は悪いことをしないのだといったようなことからきている、そういう建前になっているというようなことを発言されたわけでありますけれども、実際問題としてこういう問題が出ているわけでありまして、そのためにもきちっとした罰則規定が必要ではないかというように思うんですが、いかがでしょうか。
片山国務大臣 官房長がどう言われたか知りませんが、行政機関が悪いことしないということはないんですよ。それは性善でも性悪でもないんですよ。そこで、法律というのは皆さん御承知のように、釈迦に説法ですけれども、行政機関に勝手なことをさせないという意味が非常にあるわけですよ。そこで、例の現行法もそういうことであり、今回の法律もそういうことで出しているんですよ。これからIT時代になって個人情報がはんらんするわけですから、行政機関もいっぱい保有する。それを恣意的に勝手に使わせない、一定のルールのもとにきちっと処理させる。しかも、本人についていろいろな権利を、利用停止だとか中身を直せとか開示だとか、そういう権利を認めるというのが今回の法律でございまして、そういう大変な前進であるということは御認識をぜひ賜りたいと思いますね。
 しかし、どんな法律をつくっても、必ず法律をそのとおり守るかどうかといったら、それは人によりますよ。不心得者が出る。それは厳罰でその場合は対応していく、私はこういうことではなかろうかと思います。どんな法律をつくっても、だれも破らないということは保証できませんよね。そういう場合にはきっちり対応していくということが同時に担保になる、こういうふうに考えております。
工藤委員 今片山大臣から御答弁をいただきましたが、どうも納得できない点も多々ありまして、申し上げたいこともあるんですが、もう時間も参ったようでありますので、私の質問はこの程度で終わらせていただきます。ありがとうございました。
大畠委員長 これにて工藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、枝野幸男君。
枝野委員 民主党の枝野でございます。
 ちょっと順番を変えまして、今の片山大臣の御発言は非常に問題があると思いますので、その点からお尋ねをいたします。
 まず一点は、従来の行政の個人情報に関する法律と今度審議されている法律案との間で、今回の防衛庁の問題について何か変わることはあるんですか。
片山国務大臣 恐らく現行法なら、これはペーパー情報でしょうから、恐らく、現行法の対象になったかならないかという議論には、私はまずなると思う。またそれから、利用停止の権限が今回の全面改正法では認められるわけですから、そういう意味では、もし仮にリストに載せられた人が利用停止をしたいという場合には、今回はできるわけですね、権利で。現行法ではできませんよね。そういうことを申し上げているわけであります。
枝野委員 総務大臣、こんな重要な問題について、よくわかっていないんじゃないですか。これはコンピューター情報になっているんですよ、既に。コンピューター情報のリストが問題だと。紙は関係ないじゃないですか。事実関係をよくわかっていないじゃないですか。
片山国務大臣 だから、コンピューター情報は前からあれになって、今度はペーパー情報も入れるからその対象が拡大される、いろいろな情報が今回を含めても対象になる、こういうことを言っているのです。
枝野委員 私は、一般論を聞いているんじゃないんです。今度の件について何か変わるのかと聞いているんです。
片山国務大臣 今回の件について言えば、利用停止の請求権の問題がある、こういうことであります。
枝野委員 では、ちゃんと撤回してください。その一点でしょう。
 では、どこの条文で、どういう要件で利用停止できるんですか。
片山国務大臣 条文を一々言えというお話ですからあれでございますけれども、それはリストに載った本人が利用停止の請求をするという権限が認められるわけであります。だから、本人がどうお考えになるかということであります。
枝野委員 そもそも、この問題は、リストを勝手につくっていたこと自体が問題なんですよ。たまたま報道機関が報道をしてくれて世間に知らされたから、だから大きな問題になっているだけで、知らないうちにつくっていたことについては全然対応できないじゃないですか。
片山国務大臣 それはそうですよ。だから、今回のような事態が起こって知らされた場合に、本人が利用停止の請求ができる権限が制度的に認められるということを言ったわけで、実際のことはこれから事実を調べてからの話じゃないですか。
枝野委員 つまり、全然今度のことを防止するような意味には役に立たないということじゃないですか。抑止力ないじゃないですか。何か変わるんですか、今度のようなことが起こらないようにする。隠れていたわけですよ。今度の法律では表に出ますという話になるんですか。なりませんね。表に出てしまったときには、それは利用停止が出てくるかもしれない。今度のことは隠れて黙ってつくっていたことが問題なんだから、そのことについての抑止力は全くないじゃないですか。
片山国務大臣 今回の場合は、開示請求権というものが請求権として認められたわけでありますから、開示請求をやり、利用停止も権限として求めることができる、こういうことであります。
枝野委員 開示請求をするのは、そういうリストがあるだろうという予測がされるから開示請求できるんですよ。こんなリストをつくっているかもしれないだなんというのはだれも知らないじゃないですか。
片山国務大臣 それは、情報公開法に基づいて本人はその開示請求ができるわけですから、だから、そういうことを知った上での利用停止権ができるということでございます。私は一般論を申し上げているわけであります。
枝野委員 ちょっと待ってください。私は、先ほど来、一般論なんか聞いていないですからね。ちょっと注意してください、委員長。
大畠委員長 総務大臣、今回のケースについての質疑でありますから、そのようなことを前提として答弁願います。
片山国務大臣 今回のケースについては、現在防衛庁が厳密に調査中でございまして、それに基づいてどうこうということは言えますけれども、それは今防衛庁が調査している段階で、私どもが全部つまびらかに承知しているわけではありませんから、それは防衛庁の方に聞いてください。
枝野委員 だったら、無責任なことを言わないでくださいよ。今度のようなケースについて、新しい法律ができたらそれは少しよくなりますねなんて、さっき御自身で言ったんじゃないですか。全然めちゃくちゃじゃないですか。今度の事実、よくわかっていません、よくわかっていないから今度のことについて言えませんと。さっき、今度のことについても新しい法律をつくったらよりよくなりますと言ったじゃないですか。めちゃくちゃじゃないですか。
片山国務大臣 今回の法律が成立すれば、個人情報ファイルというものがきっちりできて、それが我々の方にも通知を受けるわけですから、それは開示請求の対象になるわけですから、現行法よりはずっと本人のいろいろな権利が守られる、こういうことであります。
枝野委員 だめですよ。主務大臣が法律をわかっていないんじゃないですか。今度のリストなんかは個人情報ファイルで総務大臣に行きますか。行かないでしょう。(片山国務大臣「いや、通知が来るんですよ」と呼ぶ)
大畠委員長 委員長の許可を得て発言してください。
片山国務大臣 各省の大臣が個人情報ファイルをつくった場合には、総務大臣に通知が来るんですよ。そういうことを申し上げているんです。
枝野委員 では、こう聞きましょう。個人情報ファイルの通知について、第十条の第二項の第九号「本人の数が政令で定める数に満たない個人情報ファイル」、本人の数は何人ということを想定しているんですか。
片山国務大臣 これは、法律が成立した後政令で決めるわけでございますから、現在検討中でございます。
枝野委員 少なくとも百四十何人というのはこれに入っちゃうわけですね、あなたのおっしゃり方だと。
片山国務大臣 それは入ることになると思いますが、どの辺までどうするかは検討中であります。
枝野委員 大事なことですよ。つまり、この本人の数が少な過ぎたら通知が出されないわけですから、今回の件が入るとおっしゃっているということは、百四十何人のファイルというのは通知の対象になる、そういう御答弁ですからね。よろしいですね。
片山国務大臣 数の少ないものまでどうするかということでございますので、それは各省庁とも意見を調整して、どのくらいの数まで通知の対象にするかはこれから決めていきます。
枝野委員 だめだ、こんなのは質問できないですよ。先ほどあなたは、今度のファイルは通知の対象になります、そうおっしゃったんですよ。そこのところ、はっきり整理させてください。質問できません。
片山国務大臣 原則としてなるけれども、いろいろな便宜や各省庁のあれもありますから、数については政令で決める、それを現在検討中だと申し上げたわけであります。法律はまだ通っていないんですから。
枝野委員 だったら、さっきの発言はどうなるんですか。今度のケースも通知の対象にされて、ファイルをつくったら総務大臣のところに通知されてきますという御発言をされたから聞いているんですよ。それは、その発言、では、逆に撤回して謝罪してください。
片山国務大臣 一般論としてはと申し上げました。防衛庁のことについては、これから厳重に調査していただいて、その書類を見て我々が検討するということを申し上げたわけであります。(発言する者あり)
大畠委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
大畠委員長 速記を起こしてください。
 そこで、質問者に申し上げますが、もう一度質問の整理をして、もう一回質問していただいて、それに対して答弁者側の方も、感情論をちょっと抑えて、整理をして答弁願います。
 それじゃ、枝野君。
枝野委員 大臣は、今度のケースについて、新しい法律ができたら変わる、よくなるところということで、停止の請求ができるということをおっしゃいました。だけれども、そもそも、こういうリストがつくられているということがわからなければ停止の請求なんかしようがありませんねと言ったら、いや、ファイルをつくったら総務大臣に報告がありますということをおっしゃいました。ということは、今度のようなリストも、この法案での、新しい法案での十条の規定で総務大臣に報告が来る中身ですねということで、論理、必然的になります。
 ところが、この法律の中には、本人の数が政令で定める数に満たない個人情報ファイルは適用除外になります、総務大臣への通知について。今度の件がそういうふうに大臣に通知が出されるということは、今度のリストは百四十何人ですから、百四十何人のリストも、当然のことながら、適用除外にはならない。つまり、適用除外になるのは、一般的に言えば、切りのいい数字でくるでしょうから、百人未満とかそういう決め方になるんでしょうねということをお尋ねしているわけです。
片山国務大臣 ちょっと私の答弁が整理不足のところが確かにありましたので、もう一度お答え申し上げます。
 情報公開の請求をする人は、防衛庁なら防衛庁に請求しますね、その結果は本人が知っているわけでありますから、自分の請求したことが防衛庁の方でどう扱われているかについては開示請求権の対象になるわけで、開示請求できるわけですね。現行法では開示請求の権限がありませんから、そこのところは今回変わるので、それは、防衛庁から開示請求された内容を受け取って、場合によっては利用停止の請求ができる、こういうことが一点ですね。
 それから、各省庁から総務大臣に通知が来るものにつきましては、現行は千以上なんですね。これについて、今回は法律を直してどうするかは政令で決めようということなんですが、こういう問題が起こりましたので、現在、各省庁について、どういうリストをつくってどうなのか、どういう対象なのかについて、今調査中でございますから、その結果を見て、現行の千を引き下げることになると思いますけれども、どのくらい、どうするかは、今後、状況を見、各省庁と相談して決めたい、こういうことでございます。
枝野委員 全く意味がよくわからない。前段の話、まず伺います。
 当事者、情報公開を請求した当事者は、何法に基づいてどういうことの公開請求を求めるという意味なんですか、今のおっしゃったのは。
片山国務大臣 この法律が通りますれば、この法律に基づく開示請求権であります。
枝野委員 具体的に、どの条文に基づいてどういう請求ができるんですか。
片山国務大臣 十二条、開示請求権。十二条でございます。
枝野委員 十二条は無条件じゃありません。十三条にちゃんと書いてあります。「開示請求に係る保有個人情報が記録されている行政文書の名称その他の開示請求に係る保有個人情報を特定するに足りる事項」。今度のようなケース、こうやって報道されてみんなが知る以前の段階で、こんな特定できるわけないじゃないですか。法律の中身、わかってないんじゃないですか、提出者が。
片山国務大臣 だから、これに基づいて、ここに書いていることについての請求ができるわけであります、開示の。それを受け取って、そこで、場合によっては利用停止についての請求ができる、こういうことを言っております。
枝野委員 全然、今のは答えになっていないです。だって、どういうことを今回の場合、行政文書の名称や内容について特定して請求するんですか。しようがないじゃないですか。だって、そんなリストがつくられていること自体、想像できないことなんですから。
 ちょっと、わかるように説明してください。
片山国務大臣 四十七条に、開示請求等をしようとする者に対する情報の提供ということがありまして、そこに書いてありますように、行政機関の長は、その機関が持つ保有個人情報の特定に資する情報の提供その他開示請求等をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずる、こういうことが義務づけられているわけであります。
枝野委員 今度のようなリストがつくられているということを、防衛庁、自衛隊の中でも十人ぐらいの人しか知らないのですよ。どうやって四十七条一項を適用するんですか。その場限りの場当たり的な逃げ口上であってもだめですよ。
若松副大臣 今、枝野委員のお尋ねでございますが、いわゆる現行法でこのような問題が起きた場合の発見機能というのでしょうか、そういったお尋ねでありますが、総務省といたしましては、先ほどの、現行の法律が昭和六十三年にできました。そして、その翌年の九月に、総務省といたしまして、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の安全・正確性確保の措置に関する指針というもの、いわゆるガイドラインを出しておりまして、そのような情報を持たないように、そういうことを周知徹底しているのが現在の状況でございます。
枝野委員 議論の中で聞いていらっしゃったと思うのですけれども、今の議論は、総務大臣が、今度の法律ができたら今回のようなケースについてもよくなりますとおっしゃったから、このことを聞いているんですよ。そこから始まっているんです。全然意味が違うじゃないですか、今の答えは。今度の法律ができたら、今回のようなケースは、抑止力が働くなり、もっと早く表に出てくるなりということになるということでなければ答えにならないわけですよ。
 四十七条があるとおっしゃったって、あるいは今おっしゃったようなことをおっしゃっても、それは今ある話だし、四十七条を使うといったって、全然、そんなものを持っていること、行政機関の人たちも知らなかったわけですね。防衛庁長官知らなかったわけですから。どうにもならないじゃないですか。
片山国務大臣 私が申し上げているのは、現行法よりはこの法律は相当進歩しておるし、行政機関の長にもいろいろなことをこれは義務づけておりますから、そういうことについて、今回のケースでも前よりはこれはプラスになる、こういうことを申し上げたわけでありまして、細かくあれしますと、例えば十三条の三項では、行政機関の長は、こういう場合においてできるだけ情報を出せ、こういうことを言っているわけでありまして、そういう全体の仕組みが現行法よりは相当進歩した、こういうことを申し上げたわけであります。
枝野委員 だから、一般論として今の法律と今度の法律を比べていいか悪いかなんて僕は一回も聞いてないです、きょうの質問で。何ならとめて、議事録全部精査してもらってもいいですよ。今回のケースについて、この新しい法律が通ったら何かいいことあるんですかと聞いているんです。今のような話、今回のケースにどう関係あるんですか。
若松副大臣 いわゆる今回の法律でございますが、十二条に開示請求権というのがありまして、これが新しい制度ということになりまして、いわゆる「何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求する」ということでありまして、ですから、そのような情報があるかという不安を持たれる方は、行政にしっかりその事実を確認できる、そして、かつ利用停止ができる、こういうことでありまして、これは法の改善だと理解しております。
枝野委員 こんなリストをつくっているだなんということを一般国民の皆さん疑ってください、そういう御答弁ですね。
若松副大臣 ですから、十二条の趣旨は、あくまでも、そのようないわゆる不安に駆られている国民の方がいらっしゃる、それに対して、それをいわゆる回避するための措置としてこの十二条をつくったわけでございます。
枝野委員 今度のケースなんか、だれもこんなリストをつくっているだなんて想像してなかったわけですよ。
 それから、あえて言えば、この十二条、十三条なんか使わなくたって、情報公開法そのものでいけますよ、そんな変なリストつくっていませんかだなんていうことは。全然今度の法律をつくったから前へ進むという話じゃないですよ。情報公開法で今だって聞けるじゃないですか、変なリストつくっていませんかだなんということは。
 全然答えになってないですよ。時間のむだをしないでください。
若松副大臣 今回の法律によりまして、先ほどの情報、いわゆる請求とかまたは利用停止とか、そういった新しい事実が付加されたことは事実でありまして、これはいわゆる情報公開法から見ても制度の改善だと理解しております。
枝野委員 ちょっとこれ以上、申しわけない、審議できないですよ。だって、私は一貫して繰り返し、今度のケースについて、大臣がおっしゃったんですから。今度のケースについて新しい法律があったら前進したとおっしゃったから聞いているんですが、では具体的に詰めていったら全部一般論の話で、今までよりは制度としてよくなっていますよと。そんなこと否定していませんよ、我々は。今の制度よりは少しはよくなっている部分もあるけれども、全然こんなのじゃ骨抜きだと言っていて、今回のケースには全然当てはまらないじゃないか、抑止力がないじゃないかということを申し上げているわけです。
 これ以上こんな抽象的な話をするんだったら、質問できませんよ。
片山国務大臣 もう既にお答え申し上げましたが、情報公開請求した人は、自分がしたということはわかっているわけですから、それについての開示請求ができる。そこで住所だとかそういう通り一遍のものしか開示に応じなかった場合に、それが疑わしいと思う場合には、それは不服申し立てもできるわけでありますし、そういう手だてがあるわけでございまして、全般として私は、今回の場合でも、現行法より前進している、こういうふうに申し上げているわけであります。(発言する者あり)
大畠委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
大畠委員長 それでは、速記を起こしてください。
 私の方から、総務大臣に質問させていただくといいますか、今のやりとりの内容をちょっと整理させていただきますが、一つは、総務大臣が、この法律案が通れば、今回の場合も大きく改善されるという話がありましたが、一つは抑止効果の問題。今理事間で話をしましたが、抑止効果というのはどういう形で発揮されるのかということと、今回百四十一名の方のリストでありましたが、今回の場合には、総務大臣の方に伝わることになり、要するに、マスコミを通さなくても、こういうことが、リストがつくられているということを、開示請求権を行使した人に伝わるかどうか。
 この二つについて、総務大臣の方から明確に整理をして答弁願います。
片山国務大臣 事実については、現在詳細な調査を防衛庁にお願いして、我々の方に御報告いただくようにしておりますから、詳細な事実が確認できましたら、具体的にこの法と今回の問題がどういうことでどうなるかということをさらに御答弁申し上げる機会もあると思いますけれども、どう今回の法案で違うかというと、何度も同じことを言っておりますけれども、開示請求権を持つということ、それについて行政機関の側は誠実にこたえる義務がある、不開示情報以外全部これは開示しなければならない。こういうことは今までなかったわけですから、これは行政機関の方も身を持するというのか、私は大変な抑止効果があると思う。
 その場合に、もし怪しければ、これは審査会への不服申し立てや訴訟の手段もある、明らかになれば利用停止の請求もできる、こういうことでございまして、ポイントは、十二条の開示請求権と十四条の行政機関がそれについて応ずる義務、これがセットになって現行よりは進んできて、今回の場合でも恐らく、開示請求権があればそういうリストをつくることにかなりブレーキがかかったのではなかろうか、私はこういうふうに思うわけであります。
 また、こういうことが明らかになった場合には、さらに開示をして利用停止の請求もできる、こういうことになるのではなかろうかと思いますが、冒頭申し上げましたように、詳細な事実確認をいたしておりませんので、これをやった方の名誉もありますし、きちっとわかれば、この法律でどうなるかということをさらに御説明申し上げる機会もあろうと思います。(発言する者あり)
大畠委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
大畠委員長 速記を起こしてください。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前十時四十九分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕



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