衆議院

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第17号 平成25年6月5日(水曜日)

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平成二十五年六月五日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 平井たくや君

   理事 木原 誠二君 理事 関  芳弘君

   理事 田中 良生君 理事 西川 公也君

   理事 平口  洋君 理事 若井 康彦君

   理事 松田  学君 理事 高木美智代君

      井林 辰憲君    大岡 敏孝君

      鬼木  誠君    勝俣 孝明君

      菅家 一郎君    小松  裕君

      島田 佳和君    新谷 正義君

      田所 嘉徳君    田中 英之君

      高木 宏壽君    豊田真由子君

      中谷 真一君    中山 展宏君

      平沢 勝栄君    福山  守君

      宮澤 博行君    山際大志郎君

      山田 美樹君    吉川  赳君

      荒井  聰君    岡田 克也君

      後藤 祐一君    津村 啓介君

      木下 智彦君    杉田 水脈君

      中丸  啓君    山之内 毅君

      輿水 恵一君    浜地 雅一君

      大熊 利昭君    穀田 恵二君

      村上 史好君

    …………………………………

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 古屋 圭司君

   内閣府大臣政務官     山際大志郎君

   内閣府大臣政務官     亀岡 偉民君

   国土交通大臣政務官    赤澤 亮正君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   山崎 史郎君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    倉田  潤君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長) 小川  誠君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    岡田 太造君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           若林 陽介君

   内閣委員会専門員     雨宮 由卓君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月五日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     菅家 一郎君

  川田  隆君     宮澤 博行君

  遠藤  敬君     木下 智彦君

  赤嶺 政賢君     穀田 恵二君

同日

 辞任         補欠選任

  菅家 一郎君     青山 周平君

  宮澤 博行君     島田 佳和君

  木下 智彦君     遠藤  敬君

  穀田 恵二君     赤嶺 政賢君

同日

 辞任         補欠選任

  島田 佳和君     井林 辰憲君

同日

 辞任         補欠選任

  井林 辰憲君     川田  隆君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

平井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官山崎史郎君、警察庁交通局長倉田潤君、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長小川誠君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長岡田太造君、国土交通省大臣官房審議官若林陽介君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平井委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。津村啓介君。

津村委員 おはようございます。民主党の津村啓介と申します。

 本日は、道路交通法の改正案ということで、主に、参議院で余り議論になりませんでしたラウンドアバウトについて後ほどお伺いしたいと思っておりますし、四十五分間のお時間をいただいておりますので、その議論に先立ちまして、昨年、私もこの内閣委員会の与党筆頭をさせていただいておりましたが、当時成立いたしました不正アクセス防止法、暴対法、そして死因究明法、この三つがその後どのように運用されているのかというところをフォローアップさせていただきたいというふうに思っております。

 そういった趣旨で、昨日の三時ごろですか、いわゆる質問通告をさせていただきまして、きょう、大臣そしてお二人の政務官に来ていただいているんですけれども、実は、その後、夜に古屋大臣の御発言の報道に接したものですから、少しその話をさせてください。

 交通違反、速度規制の取り締まりにつきまして、きのうの閣議後の記者会見だと思いますが、御地元の例を引き合いに出されて、直線の道路で二十キロ超程度のものを取り締まるのはいかがか、もっと優先するべきところがあると。前向きな御発言と受けとめてはおるんですけれども、御発言の趣旨を改めて御説明いただけますか。

古屋国務大臣 私、昨日会見しましたけれども、実は、交通違反の取り締まりのあり方については、国家公安委員会の中で、具体的な内容はお示しできませんけれども、かなり議論しているんです。

 ちょうどきのうの記者会見の前日、月曜日の日に全国の本部長会議というのがございまして、私はそこで指示を出させていただいたんです。ですから、きのう、ああいう発言になって、一部マスコミがちょっと切り出して報道しておりますけれども、私が申し上げたのは、取り締まるに当たっては、まず、真に事故の防止に資するということが大切だ、それからもう一点は、取り締まられた側が納得できる取り締まりをする、結果として、そういうことが交通事故の防止と、そして警察に対する信頼というのが高まっていくんだと。こういう趣旨で申し上げて、一例として、例えば、本当に、直線の信号がないところで周りの流れを乱さないような走り方をしているときに取り締まりをしているというケースをよく仄聞する、これはいかがなものかなという、一つの例として申し上げたんです。

 そう言うと、では、それは速度違反を容認しているんですかという意地悪な質問があるが、そういうことじゃないんですよ。実際、各都道府県の警察も地域の皆さんに御説明をされる、あるいは国会答弁も、では、五十キロのところで五十一キロ出したら全部違反なのかというと、いや、決してそうじゃないんです、やはり安全という視点で流れを乱さないで走っているときはそうではないんですということは、警察もはっきり、昔からこれは言っていることなんですね。

 ポイントは、やはり、本当に事故が多発する地区と取り締まりの地点、このミスマッチングがあってはまずいわけですよ。ですから、それをしっかり合致させていくことこそが、真に交通事故防止に資することになりますでしょう、ですから、そういった交通の取り締まりの時間、場所をもう一度しっかり検証していきましょうというのが私の発言の趣旨でして、現実に、交通事故が起きる時間は結構深夜の時間帯が多いんですよね。でも、深夜の時間帯に速度の取り締まりは、オービス以外は余りしていませんので、やはりそういった適切な取り締まりをすることによって交通事故の抑止に努めていきましょう、これが私が申し上げた趣旨であります。

津村委員 ありがとうございます。

 ドライバーの方々から見れば、あるいは一般市民、一般国民として聞いても、一々ごもっともなと思うんですけれども、一方で、現場の取り締まりをされている方からすれば、そういうモチベーションにちゃんとなるように仕組みがなっていれば、それはそうだということになると思うんですが、必ずしもそうじゃないのじゃないかということを確認させていただきたいと思います。

 交通反則金を各署でどれだけ取ったかということのノルマというのはあるんですか。

古屋国務大臣 反則金のことですね。

 これはもう、反則金はルールがありまして、年によって差がありますけれども、大体年間七百億円から八百億円ぐらい、それは全て都道府県あるいは市町村に、財政力指数であるとか交通安全対策にどれぐらいの費用を投じたかによって、計算式がございまして、いわば普通交付税のような形で機械的に交付をされています。

 ですから、ノルマがあるとか、よくちまたで言われているような所轄の警察にバックマージンがあるなんて、そういうことは一切ありませんので、ぴしっとそうやって客観的な基準に基づいて、それもあくまでも交通安全対策に資するものに活用していただくというのが反則金のあり方であります。

津村委員 いきなりの質問なのに何も見ずにお答えになって、現場のこともお詳しいんだなと思いながら拝聴したんですけれども、私が伺ったのは、集めた反則金をどう使うかということを伺ったわけではありませんし、バックマージンというのは私は余り聞いたことがありませんでしたので、そういう趣旨で聞いたわけではなくて、警察署員の方々のいわば業績評価の中で、しっかりそういうことをやっているのか、幾ら集めたんだということをされていないですかということを確認したんです。

古屋国務大臣 業績評価の中では、一切そういうことはしておりません。

津村委員 逆に言うと、評価しなくていいんですか。随分今はっきりと威勢よくお答えになりましたが、これも大事な仕事ではあると思うんですよ。評価はしていないんですか。

古屋国務大臣 いや、だから、どれだけ取り締まりでやったかとか、そういうようなことによる評価はしていないですけれども、しかし、何で取り締まりをするかというのは、やはり取り締まりをすることによって交通事故を防止していくというのが一番の目的なんですよ。だから、そのためには、それぞれの警察がそういう高い意識を持ってやっていただくというのは当たり前のことでありまして、これは警察、警察官の責務であるというのはもう申し上げるまでもないことです。

津村委員 昨日、岐阜五区の御自身の選挙区の道路を例に挙げてお話しになったということなんですけれども、そこは何という地名のところですか。

古屋国務大臣 どこの地名かということについては、具体的に言及することは、委員会で言うことは適切ではないと思いますので控えさせていただきたいと思いますが、現実に津村委員も多分、地元の方々からそういう声というのは、例えば懇親会をやったりとかいうときに、私が国家公安委員会の委員長になる前からそういう声というのは、恐らく皆さん、全部、きょう出席している委員は聞かれていると思うんですよね。そういう意味では、ある意味で、一般のドライバー、市民にとっても素朴な疑問ということなんじゃないでしょうかね。

 その延長線上で、私はそういう声を聞いたことがありますよということを記者からの問い合わせがあったからお答えをした、こういうことであります。

津村委員 最初にも申し上げましたように、私は、古屋大臣の今回の御発言がそのまますぐ問題発言だということを言っているつもりはないんです。非常に重要な問題提起と思いますし、前日に全国の署長会議ですか、そういうものの議論を踏まえておっしゃっているわけですから、非常に中身のあることをおっしゃっていると思うんですけれども、ある意味では少し唐突に世間に伝わったわけですから、そこをちょっとこなしたいと思ってお話を伺っているわけです。

 逆に伺うと、直線で二十キロオーバーでというところで違反を取り締まっている警察官の方が今いらっしゃるわけですよね、現に。その方たちはなぜそこで取り締まりをしていると思われますか。

 皆さん職業意識の高い方でいらっしゃると思うので、当然、事故があるところでやった方がいいというのはわかっていると思いますよ。でも、そういうところで取り締まりをされているということは、もしかすると、例えばノルマなのか何なのかわかりませんけれども、短期間にある程度の結果を出さなきゃいけない、では、ここはいつも捕まえやすいということで、これも私の一つの実感なんですけれども、何でこんなところでやっているんだ、やはりここはひっかかりやすいからかな、そうじゃないとこんなところでやる意味はないよなというふうに思うときがあるんです。

 何でそういうところで警察官の方はやっていると思いますか。遊びでやっているわけじゃないと思うんですが。

古屋国務大臣 先ほど申し上げましたように、やはり取り締まりは事故防止に資するものでないといけない。だから、事故が非常に多いと言われているところで取り締まりをする、これが理想ですよね。ただ、現実的には、技術的な問題とか、機材の問題でできないこともある。それで、私、実は、警察庁にも指示をして、例えばヨーロッパ等々は事故多発場所で取り締まりをするとか非常にそういう意味でのきめ細かな対応ができているということを私も聞きましたので、それはやはりぜひ見に行ったらどうかということで、今視察をさせているんですよ。

 本当に、私がもう何度も申し上げますように、やはり交通事故の防止に資する取り締まり、そしてもう一つは、取り締まられた側も、ああそうだなと納得できる取り締まり、これをしていくということに尽きると思います。

 私は、そのためにも、警察をしっかり督励して、そういう適切な取り締まりが行われていくように徹底をしていきたいというふうに思います。

津村委員 大臣のおっしゃることは一々ごもっともなんですが、大臣、私たちは評論家ではありませんので、よくないよねと言っているだけじゃだめで、現にきょうも、暑い中、取り締まりをされている警察官の方もいらっしゃるわけで、そういう方々からすると、何を言ってくれるんだという部分も正直あると思うんですよ。それは、制度としてきちんと裏づけがないと、なかなか、現場の方、そして我々一般のドライバー、両方の理解にはつながっていかないというふうに思うんです。

 ミスマッチとおっしゃいました。具体的にどういう見直しを指示されるおつもりですか。

古屋国務大臣 だからこそ、今、詳細に、全国の取り締まり、そして交通事故の場所等々を、もう数カ月かけて警察が検証していますよ。やはりそういうものをきちっと適切な取り締まりに反映させていくということが何よりも大切なんじゃないでしょうか。恐らく、このことに委員も異論はないと思うんですね。ですから、そういう取り締まりを現場でもしていただくことが、警察官にとっても、士気が高まっていくということにもつながると思うんですね。

 ですから、やはり、そういったことについては常に検証して、よりよきものに是正をしていく。これは、事警察だけに限らず、行政を預かっている人間は、やはり常にそういう視点に立って仕事をしていくということが極めて重要だ、私はそう思います。

津村委員 逆に、直線で、その二十キロ超過というのは例えば五十キロを七十キロで走ったりということだと思うんですけれども、この速度規制の方を見直すというお考えはありませんか。

古屋国務大臣 世界では、いろいろな細かい速度規制をしているところもあります。しかし、日本は、長い交通安全対策の歴史で今こういったルールが確立をされています。ですから、今この場で、ああ、では、委員がおっしゃるように変えましょうとか、見直しましょうとか、軽々に言える話ではないんですね。

 ですから、一つ一つを検証していくということが極めて大切でありまして、私は、国家公安委員会の委員長に就任以来、そういう視点に立っていつも仕事をさせていただいております。その一環として、今回はこういう指摘を私はさせていただいた、こういうことであります。

津村委員 きょうは友好的な質問をしようと思っているんですが、ちょっとお言葉を返すんですけれども、若干きのうの御発言は軽々におっしゃったと思うんですよ、今、軽々には言えないとおっしゃったけれども。二十キロ超過のものを取り締まりするのは疑問だというのは、あなたの部下のことを否定していることにもなるんですよ。速度規制をやっている皆さんは、別に遊びでやっているわけじゃないんですよ。それを、一番トップの方が、取り締まりのやり方が疑問だということを、それに対応策を具体的に示さないままおっしゃるのは、それはやはりやや軽々ですよね。

 一般論と今おっしゃったのは、私、何の異論もありません。しかし、それを実際現場でやっている方のモチベーションとかインセンティブというものに落としていくためには、今の速度規制のあり方を、別に個別の箇所のことを言ってくださいなんて言っていませんよ。しかし、見直していくということにも汗をかかれるのか。あるいは、反則金の話で、ノルマは一切ないとおっしゃったけれども、私は、それはちょっと発言を訂正された方がいいと思うんです。そうじゃないと、現場でそういうケースがあったときに、何だということになりますからね。全くないとはとても思えないですよ。だって、仕事の一環ですから。ノルマという言い方かどうかは別として、全く業績評価の対象でないというのは、その点、少し修正された方がいいと思います。

 そしてもう一つは、このミスマッチを解消していく上で、やはり、現実に交通事故を減らしたらきちんと評価するということをされないと、自分が署長である二年間の間に交通事故を一件でも減らしたらちゃんと表彰されるんだ、そういうことをちゃんとインセンティブづけしないと、とりあえず反則金をたくさん集めた方が目に見えた業績だというふうになっちゃうんじゃないですか。そういうことを具体的に例示しておっしゃらないと、一般論の評論家になっちゃいますよ。

古屋国務大臣 今ここで具体個別の話を申し上げるというのは、私は適切ではないというふうに思います。これは、警察行政全体のあり方の中でしっかり議論をしていくべき問題だというふうに思います。

 その上で、今、取り締まりについて点検を行っているということを私申し上げましたけれども、例えば、事故の分析、取り締まり場所、時間、それから組織的な検討、事故抑止の効果検証に基づく取り締まり計画を不断に見直していく、こういったことを、今、各都道府県警にも指示をさせていただいているんです。

 要するに、私が申し上げましたように、事故の防止に資する、そして取り締まられた側も十分納得のできる形で取り締まりをしていくということが何よりも大切なんですよ。だから、そういったことは、ぜひそれは委員も御理解をいただけるというふうに思います。

津村委員 道交法の話もしたいので、この辺にしておこうと思うんですが、最後に、ここは大事なところなので確認したいんですが、これは個別具体じゃないですよ、非常に大きな一般論としてお聞きするんですけれども、さっき一切ノルマはないとおっしゃったのは、やはりちょっと修正された方がいいと思います。それが一つ。

 もう一つは、やはり、交通事故を減らすことが目的だ、そのために選択と集中をすべきだとおっしゃるのであれば、交通事故を減らすということを一つの業績評価の目標にするということははっきりさせた方がいいと思うんですけれども、いかがですか。

古屋国務大臣 今の取り締まりの評価のことですけれども、取り締まりを何件するとか、そういったことで評価をつけるということはないんです。やはり、何度も申し上げているように、事故の減少、交通事故の防止、その総合的な取り組みをしていく、こういうことに対する取り組み、これはもう当然のことでありまして、先ほど件数のノルマというお話がございましたけれども、そういうことは一切ございません。

津村委員 わかりました。またこれは、今回問題提起をされたことでもありますし、しかし、どこかで現実に落としていかなきゃいけませんので、引き続き、私なりほかの皆さんで議論していただければと思います。

 それでは、幾つか御質問していきたいんですが、もともとは、冒頭申し上げたように不正アクセスの問題から入ろうと思ったんですけれども、ちょっと交通安全の話で盛り上がってしまったので、では、今回の法律案のまさに一つでございますラウンドアバウトの話を先にさせていただこうと思います。

 今回の法律案の中に、ラウンドアバウト、つまり環状交差点ですね、丸い交差点の日本での交通ルールというものが今まではっきりとなかったものですから、全国に百カ所あるこの環状交差点の使い勝手が、一時停止のあり方だとか、幾つか優先の原則が複雑だったということで、これを整理しようというのが今回の道交法の趣旨でございます。

 これを機会に、日本の交通安全の状況を見ますと、このラウンドアバウトというのは、世界的にもこの三十年、四十年で急速に普及が進んでいるもので、まさに交通安全のために、あるいは、都会の部分では少し渋滞を招くケースもあるんですけれども、逆に、地方では経済的な意味も含めて非常に有用ではないか、そういった議論もあるわけですけれども、大臣に確認させていただきたいと思っています。

 このラウンドアバウトを導入すると、どのような効用といいますかメリットがあって、そのためにはどういった条件が必要か。恐らく通告では二番目の質問になっていると思いますが、ラウンドアバウトのメリットについて伺いたいと思います。

古屋国務大臣 ラウンドアバウトの先進国はイギリスですよね。イギリスでも実際に人身事故が四割近く減ったという報告も出ております。

 だから、ラウンドアバウト、環状交差点のメリットは何かという趣旨ですね。これは、まず、車両同士が交差をする地点はなくなるわけですよね。いわゆる直進と右折の事故というのはなくなる。それから、信号の交差点に比べて、必然的に車の速度は、交差点を走るときカーブしていますから、ゆっくりになりますので、重大事故が起きないという視点からはメリットがあるというふうに考えております。

 ただやはり、交通量のある程度の許容というか、一定限度を超えるとなかなかうまく機能しないだろう、こういうふうに言われております。この辺は、今、全国三カ所で実験をしておりますので、そういったデータベースもしっかり分析をしていかなければいけない。

 基本的に、交通量が過大でなければ、信号の待ち時間はまず解消されますね。それから、ストップ・アンド・ゴーを繰り返さないので、CO2の削減という意味でも効果があるし、それからもう一つ、災害という視点で申し上げますと、信号機の倒壊とか停電があり得ますので、そういうことにはならないという意味では、災害時の事故の発生を防止するという意味でも効果はあるというふうに思っております。

 まず、警察の分析、これは最終的な分析ではありませんけれども、大体、一時間に九百台ぐらいまでの交通量ならば、ラウンドアバウトの目的というものがある程度達成できるのではないか、これ以上になってしまうと、ちょっと渋滞等々の事態が発生する可能性がある、こういうような第一義的な分析はしております。

津村委員 具体的な数字も挙げていただきまして、ありがとうございます。

 最初にちょっと意地悪な質問をしたものですから、ちょっと警戒されているかもしれませんけれども、大臣が参議院でラウンドアバウトについて、山谷さんですかね、御質問になられたところで、今回この法律改正によりラウンドアバウトの整備を推進をしていきたいというふうに思いますと、かなり率直なことをおっしゃっていて、私も趣旨に大賛成ですので、そういう意味で、参議院ではその一問しかなかったので、非常に簡単に、この法案の一部分ですが、さらっと流されているので、ここで少し光を当てたいという意味で、残りの時間を少し割いて伺っていきたいと思います。

 皆さんのお手元にこういうのが配られております。これは一種の公共事業ですので、やはりそれぞれ皆さんが、御地元の国会議員さんが十分趣旨を御理解いただきながら、場合によっては党派を超えてこれを進めていけるのかどうかということで、ある種、問題提起をさせていただきたいと思うんです。

 環状交差点というのは、先進国と言われるイギリスでも五十年ほどの歴史しかなくて、アメリカに至っては、日本よりもちょっと、十年ほど先を行っているだけなんですけれども、下にありますように、アメリカのラウンドアバウトというのは、この十年で飛躍的に、全米で二千ですから、それがどれだけ多いのかというのはちょっとわかりませんけれども、しかし、数としては急速に、加速度的に普及をしてきているということでもございます。

 こういった国では相当データの蓄積が進んでいるようなんですが、事故の発生がどのぐらい減少したかというデータを大臣はお持ちだと思うんですけれども、御紹介いただけませんか。

古屋国務大臣 ラウンドアバウトによってどれだけ事故が減っているかということですけれども、まず、イギリスから申し上げます。先ほど申し上げましたように、二五%から三九%、人身事故は減っていますね。アメリカは、全事故の三五%、人身事故の七六%。オランダが、これは全事故ベースですけれども、四七%。ドイツが三六%。フランスが、人身事故のデータですが、これが五七%から七八%。オーストラリアが、全事故の四一%から六一%で、人身事故が四五%から八七%。

 こういうふうに申し上げると、かなりその効果はあるというふうに私たちは認識をしております。

津村委員 今皆さんお聞きになられたとおり、全事故ベース、つまり物損も含めてということだと思いますが、これが大体三割、四割。そして、速度が非常に落ちますので、環状交差点ですからゆっくり走らなきゃいけないので、仮に接触をしても人身事故というところまで至らない。その結果、六割、七割の人身事故が減っているわけで、きょうの冒頭取り上げました大臣の、交通安全は事故が大事なんだ、速度以上に事故にちゃんとフォーカスしなきゃいけないということからすれば、これは非常に効果的なことだと思うんです。

 費用面でも、確かに、環状ですので、少しその角、四つ角のところを削らなきゃいけない部分が多少出てくるんだと思うんですが、都市部でそれをやるのは余り、先ほどの一時間に九百台というのを超えるところ、そういうところは地価がもう高いので、そういうところでやる必要はないと思うんですけれども、田舎の、周りが田んぼというようなところでは、これはそんなに土地がかかるわけではありませんし、信号機が要りませんので電力が要りませんから、電線を敷設する必要もありません。いわゆるエネルギー問題と言うとちょっと大きな話になりますけれども、実際、東日本の被災地では、復興の一つの手がかりに、信号を新しくつける必要はないから、ラウンドアバウトでやってほしいというような話も出ているやに聞いております。

 我が国でも既に長野県の飯田市とかあるいは軽井沢で近年導入が始まっているようですけれども、この実証実験の結果につきまして、警察庁はデータをとっていらっしゃいますか。

古屋国務大臣 今議員御指摘のように、実証実験、長野県ですけれども、飯田市の吾妻町と長野県の軽井沢町、それから飯田市の東和町、この三カ所で実証実験が行われております。

 そのうち、例えば、吾妻町の実証実験のアンケートでは、全体的な印象として、よくなったというのが過半数を超えています。悪くなったというのが二〇%。それから、交差点全体として車両の安全性が向上したというのが五六%。ですから、効果はあらわれているのかなという認識をいたしております。

 まだ軽井沢町と東和町の詳細な分析は終了しておりませんので、これも近々に掌握して、的確に把握をして、ラウンドアバウト交差点の導入の際の参考にしっかりしていきたいというふうに思っております。

津村委員 軽井沢の方の社会実験は、実は、国交省さんの道路局さんが主体的にされていると聞いております。まだ始まったばかりだとは思いますが、二点伺わせてください。

 ラウンドアバウトを整備するのにどのぐらいのお金がかかったのか、そのコストですね。そしてもう一つは、既に半年余りたって、ゴールデンウイークも過ぎているわけですけれども、この半年間の知見としてどのようなものが得られているのか、お願いします。

赤澤大臣政務官 二問まとめて御質問をいただきましたので、二問まとめて順番にお答えをさせていただきます。

 昨年度、軽井沢で行われた社会実験については、国交省で、社会実験の実施主体である地元協議会に一千万円の支出をさせていただいております。

 その使途としては、社会実験実施のための路面標示あるいは注意看板の設置など、ハード整備として約百万円を要した、それ以外に、実験のための設計あるいは交通量調査、アンケート調査、広報資料作成などに経費を要したというふうに聞いております。

 それから、現時点までの、どのような効果が認識されているかということでありますけれども、御案内のとおり、これは六本つじ交差点ということで、六肢の信号のない交差点、いわゆる六差路でございます。交差点内では自動車同士の錯綜が多く見られて、特に御指摘のゴールデンウイークなど観光シーズン、自転車や歩行者もかなり錯綜するという課題があるということでございます。

 これについては軽井沢町で整備を検討し、有識者や国土交通省、県警など、協議会を設置して、昨年十一月十三日から実験開始ということで、主な結果としては、交差点内での自動車の走行速度が最大で時速三十キロメートル程度低下をした、あるいは、自転車や歩行者の乱横断が減少するなどの安全性の向上が図られる。それから、サンプル調査の結果ですけれども、交差点に流入する自動車の待ち時間が平均で十秒程度減少するなど、交通の円滑化も確認できたと聞いております。

 アンケートの結果については、全体的な印象がよくなったとする者が五二%、悪くなったが二六%ということで、倍半分の違いがある、好印象を与えているというふうに聞いております。

 ただ、委員御自身も御指摘のとおり、まだ運用継続中でございますので、観光客が多く訪れたことしのゴールデンウイークにおいても特段の混乱はなかったということでありますけれども、引き続き、経過を見て、最終的にしっかりと検討していきたいというふうに考えております。

津村委員 一つお答えいただきたかったのは、ハード面で整備にどれぐらいお金がかかったのか。今のお話ですと、一千万円、そのうち道路標示が百万円というお話でした。私が不勉強で申しわけないんですが、もともとここは環状だったのですか、それを十一月から社会実験をソフト面で始めたということなのか。一千万円でラウンドアバウトができると思えないんですけれども。

赤澤大臣政務官 御指摘のとおりでありまして、もともと六差路になっていたところで、やはり六差路なので、小ぶりかもしれませんが、ラウンドアバウトが置けるぐらいのスペースがあって、特に用地の新たな取得とかそういうことが基本的には必要なかったという前提でラウンドアバウトを置き、周りにここは入っちゃいけないというカラーリングをしてみたいな感じでやらせていただいているということなので、ハードについては用地に絡んだり実際に大きな造作をするというような費用がなかったので、百万円で抑えられたものというふうに承知をしております。

津村委員 ありがとうございます。

 私の想像をはるかに下回る費用で、私は、角っことかつくったりして、何億というお金がかかったのかなと勝手に想像していたんですが、一千万円で今おっしゃったような大きな効果が得られた。特に、単純に考えても皆さんおわかりだと思うんですけれども、六差路は信号機をつけると非常に複雑になります。それがラウンドアバウトですと、信号機がなくなっていつでも入れるわけですね。特に、ゴールデンウイークはなかなか大変でしょうけれども、深夜なんかになりますと、当然、六差路ですと六分の一しか進入できるチャンスがないわけですけれども、ラウンドアバウトであればいつでも入っていけるわけですから、それは待ち時間が飛躍的に向上するわけですよね。

 そういったことであれば、ぜひ積極的に進めていくべきだと思うんですけれども、一千万円をかけた社会実験の成果というのは、いつごろ整理をされて、どういう形で私たちにお示しいただけるんでしょうか。

赤澤大臣政務官 これについては主体が地元の協議会ということで、私どもも必ずしも時期についてちょっと今明言ができませんので、これは改めて調べて、協議会の考え方について委員の方に御連絡をさせていただきたいと思います。

津村委員 ありがとうございます。

 今回、道路交通法ですので、最初は警察庁さんにお話を伺っているうちに、警察庁としては、さっきの大臣答弁にもありますように、推進をしたいということでお話がかなりはっきりあったんですが、どうしても、それはハード面の支出といいますか、伴っていくものですので、国交省さんの御協力も必要と。ただ、これは霞が関独特のあれだと思うんですけれども、なかなかどっちからと大きく手を挙げるというのは、どうしても、これはある程度政治が判断をして、ぜひそこのお二人で一緒にやろうということをやらないと、事務方がいつの間にかやるということにはなりませんので、ぜひこれは大臣や政務官の御決意を聞きたいところなんです。

 ことし、この法案が通るまではラウンドアバウトの交通ルールというのはちょっと未整備でしたので、今回がようやく、いわばそのきっかけになるわけですし、軽井沢と、あと東和町というんですかね、二つの町においては……(古屋国務大臣「吾妻町と東和町」と呼ぶ)吾妻町と東和町ですね。申しわけありません。

 こういった町で本格的に運用しているのは去年、ことしですから、いわばことしをぜひラウンドアバウト元年にして、先ほどのアメリカの数字もお見せしましたけれども、一年で何十倍というのは難しいにしても、さらにルールを整備して、あるいはコスト対効果みたいなことも試算をするなどして、ぜひ警察庁あるいは国交省さん両省が協力をして前に進めていただきたいと思いますし、例えば有識者の研究会でありますとか、外部に分析を委託するとか、そういったことはそれほど費用のかかることじゃないと思いますので、今回、今骨太もやっているんでしょうけれども、大臣と政務官、ぜひ御協力されて前に進めていただきたいと思いますが、御決意いかがですか。

古屋国務大臣 委員御指摘のラウンドアバウト元年、いい言葉ですよね。

 実際、法律がこうやってできたので、このラウンドアバウトが、まだ三カ所の実験ですけれども、世界の例を見ても効果があるということは大体ファクトベースで明らかになっておりますし、また日本の実験もそうなんです。

 今後は、警察庁としても、ラウンドアバウト交差点を導入するにふさわしい交通量等の条件についても、やはり国土交通省との連携が、今委員御指摘のように極めて大切ですよね。ですから、そういった連携をさらに密にして、そういった検討を行っていきたいというふうに思っております。

 また一方、警察としても、都道府県の公安委員会が、環状交差点を導入するに当たって、参考となる基準というものをつくってお示ししていくということが必要かなというふうに考えております。

 また、導入に当たっては、やはりドライバーの皆さんあるいは歩行者の皆様含めて、しっかり認識していただくということが必要なので、こういった新たな交通方法でございますので、その周知が徹底されるように、広報活動というのも徹底していく必要があるな、こういう認識でおります。

赤澤大臣政務官 先ほどの答弁もちょっと補足させていただきますが、軽井沢町は現在も運用を継続中ということでしたが、ゴールデンウイークの交通状況の調査結果をさらに詳細に検証した上で、平成二十五年度中の本格運用を既に目指しているようでございますので、そういう意味で、先ほど申し上げたのよりもさらに、協議会を中心に、前に進めようとしているということだと思います。

 国交省としても、軽井沢町の意向を踏まえて、技術的支援など本格運用に向けて必要な協力を行っていきます。

 それ以外の部分のラウンドアバウトについても、一定の条件が整っていれば、先ほどから御議論ありますように、安全面それから交通の円滑化、環境面、災害対策面から効果が期待されるという認識をしておりますので、国土交通省としても、海外の知見あるいは社会実験の実施結果、有識者の意見などを踏まえて、ラウンドアバウトの適用性について、引き続き社会実験を実施するなど、警察庁とも連携しながら検討を重ねてまいりたいと思います。

津村委員 どうもありがとうございます。

 これからもフォローしていきたいと思いますが、これは党派性のあるテーマじゃありませんので、ぜひ力を合わせて前に進めていければ、そのことによって交通事故で亡くなる方が少しでも減っていけばいいのかなというふうに思っております。

 それでは、ちょっと飛び飛びになりますけれども、死因究明、政務官も来ていただいておりますが、伺いたいと思います。

 昨年議員立法で成立した死因究明関連の二法案、その後、検視制度の充実ということで取り組みをしていただいていると思うんですが、我が国の異状死体の解剖率というのが、近年一一%前後で推移をしております。海外は四〇%台、あるいは地域によってはもっと高いわけで、日本で犯罪死の方が見過ごされているケースがあるということが問題になっております。それを何とかしようということで、昨年、これも超党派だったかと思いますが、一つの法律的な成果だったわけです。

 古屋大臣に伺う質問なんですけれども、これは四月から施行されていると思います。二カ月余りたちますけれども、この解剖率が今どういう状況で推移しているのか。そして、検視官が現場に臨場するという臨場率というのがあるはずなんですけれども、これは以前一〇%程度で非常に低かったんですが、この法律が成立したことによってかなり向上しているはずです。この数字をお示しください。

古屋国務大臣 死体の死因又は身元の調査に関する法律、これは四月一日から施行されまして、ことしは、本予算において解剖経費として一億五千六百万円が新たに措置されました。検視官について、全国で三百三十三名の体制で、増員を図りました。

 四月中の警察における死体取扱数は、暫定的な数値ですけれども、一万三千二百三十七体、本法に基づく解剖数が百四十八件、司法解剖等も含めた解剖数としては全体で千五百五十八件。解剖率については、一月から三月までが九・九%だったのに対して四月中は一一・八%、若干の向上はしています。

 それから、今御質問の検視官の現場の臨場率、一月から三月までが五一%だったんですが、四月中は六二・三%ということで向上しています。

 犯罪死の見逃し防止のため、引き続き、本法の適切な運用に努めるとともに、必要な予算の確保、それからやはり検視官の現場臨場率のさらなる向上が極めて大切ですので、それに努めてまいりたい、警察をその視点で指導してまいりたいというふうに思っております。

津村委員 この数年、民主党政権期というわけではありませんが、検視官の数は随分ふえまして、その結果、臨場率そして解剖率も上昇してきているわけです。

 そういう意味では目標に向かって前進をしているわけですが、死体の取扱件数は、独居老人の方の孤独死がふえていることもあって、もともとの分母が非常に大きくなっているんですね。それにもかかわらず何とかかんとかそれで解剖率を上げてきているというのは、検視官の数の増加と比べても、お一人当たりの仕事、今、相当大変になっているということが数字的には予想されます。

 ぜひ検視官の増員というのを引き続き、今まさに骨太の時期ですから、これから大臣がリーダーシップを発揮される場面だと思うんですけれども、この検視官制度の充実というところをぜひ意にとめていただきたいと思います。

 そのことで実は政務官をお呼びしたんですが、これは、そうはいっても、省庁をまたがるテーマでありまして、死因究明の推進会議というのが、本年末ですかね、計画を立てるということで今されているわけですけれども、省庁をまたがるものというのは、どうしてもエッジが丸まって一般論で終始することが多いんです。ぜひ、PDCAサイクルをしっかり回していかなきゃいけませんから、今、臨場率ということと解剖率ということをお話しになりましたけれども、そういったことの数値目標をしっかりと書き込んでいただいて、政治が責任を示すということをやっていただきたいんですが、御決意、いかがですか。

亀岡大臣政務官 今、本当に津村委員からいろいろお話しいただきました。これは八年ぐらい前から、異状死の問題を取り扱おうということで、超党派でやっていこうということから始まったものでして、本当に昨年はいろいろお世話になりまして、そこで形ができ上がってきました。

 今お話のあったように、第一回死因究明等推進会議が昨年の十月に開かれまして、その下に置かれた死因究明等推進計画検討会ということで、しっかりと、専門家の方にお集まりいただいて、もう八回に及ぶ検討会が開かれております。

 その中で、きちんと死因究明等推進計画ということを、具体的かつ実効性のあるものになるようしっかりと検討しておりまして、鋭意その中にしっかりと入れていくということで現在やっておりますので、もうすぐ中間報告が出せる、その中でしっかりと……(津村委員「数字入りますか」と呼ぶ)今やっている段階ですので、ここですぐに明確に言うことはちょっと難しいかもしれませんけれども、現在はその方向で取り組んでいただいているということであります。

津村委員 審議会とか推進会議とかいうものは、政治家がしっかりと決意を持って何かするときに、データといいますか、ちゃんと礎を持ってやるためにあるわけであって、会議に使われる立場じゃありませんから、そこは本末転倒されずに、ちゃんと根拠のある数字を出せというふうに政務官がおっしゃれば、会議は出してくるはずですから、そこはぜひ、会議をやっていますからわかりませんということじゃなくて、そういう方向でさせるんだ、やるんだということを言っていただきたいんですが、いかがですか。

亀岡大臣政務官 どうしても親会議の方が、死因究明等推進会議の方の、これは大臣が皆さん入っていらっしゃって、そこで決めることがございまして、今、私の方できちんと推移を見守っておりまして、私自身もしっかりと、検討会の方にオブザーバーとして、激励会に参加をすることになっておりますので、その中できちんと対応していきたいと思っております。

津村委員 時間が参りましたので、暴対の話と不正アクセスの話は別の機会に回しますが、今、解剖率の話もありましたし、あと暴対の方も、私から少し先取りして言いますと、昨年の改正暴対法の結果、九州北部における対立抗争事案であるとか、あるいは事業者襲撃事件というのは、対立抗争についてはここまでゼロ、そして、襲撃事案についても大幅に減少しているんですね。

 これは、ぜひ委員の皆さん、国会議員の皆さんに申し上げたいのですけれども、警察行政の分野といいますのは、これはもう本当に党派を超えて、国民の安全、安心そのものにかかわるテーマですので、私たちは野党ですけれども、若井筆頭を初め、皆さんとも話し合いながら、協力すべきはしっかり協力してまいりますので、先ほどのラウンドアバウトの話も含めて、動かない政治と言われないように、私たちが責任を持って前に進めていきたいと思いますので、皆さん、ぜひ協力し合いましょう。

 終わります。

平井委員長 次に、中丸啓君。

中丸委員 おはようございます。日本維新の会の中丸啓でございます。

 きょうは、道路交通法の一部を改正する法律案について、質問させていただきます。

 まず一番初めに、今回、一定の病気等に係る運転者対策ということの改正があると思うんですけれども、この法案の中で、一定の病気等に該当する者を診察した医師の届け出を、届け出ることができるという表現になっていると思うんですけれども、逆に、運転免許証を取得するときに、取得する側の方は、虚偽の記載があった場合は罰則があるというところだと思うんですが、片や罰則があって、片や届け出ることができるという、義務化になっていないと思うんですけれども、そこの何か理由があれば、教えていただければと思います。

古屋国務大臣 委員御指摘のとおり、今度、医師の届け出を義務化していませんけれども、その理由は、まずは医師の職務上、患者の疾病に関する情報を知り得る立場に医者はあるわけであって、情報提供者としても最も信頼に足りるということでありますから、一定の病気等に該当する者を的確に把握するための政策の一つとして、医師の届け出制度を設けるということにしたのです。

 一方、医師に対して届け出を義務づけるということになりますと、病気の治療における医師と患者との信頼関係というんですか、こういうものが損なわれる可能性もある。ひいては、運転免許を失うことを恐れる患者さんが、治療から遠ざかってしまうというおそれもあるんですね。

 また、対象となる病気は極めて多岐にわたっておりますので、それらを正確に診断するためには、かなり専門的な知識が必要であって、全てのお医者さんがそのような診断をできるということではないわけでありまして、そういった視点で、届け出の対象となる可能性のある患者が、結果的にそれを回避したりとか、逆に過剰に届け出されてしまったりとか、そういう事態が生じる危険性もありますので、今回は任意規定にとどめて、医者と患者との信頼関係にしっかり配慮しながら、当該届け出を法律上に位置づけることで守秘義務と法律との関係を整理して、医者が対処しやすい環境を整える、こういうことにしたものでありまして、これは検討会議でもそういった趣旨の提言がなされておるわけで、それに基づいて対応させていただいたということです。

中丸委員 今おっしゃられたように、患者と医師というのは、非常に信頼関係で成り立っていると確かに思います。もちろん、守秘義務もあると思うので、こういう文言を入れられたという御趣旨はよくわかるんですけれども、個人の診察結果というのは、当たり前のことですが、非常にセンシティブな情報である特定機微情報に該当してくると思うんです。これを、改正後の道路交通法の規定に基づいて、診察結果を公安委員会に届け出るというようなことがあったり、逆に、そういった事故等があったりとかというときに、確認のために行かれる場合、さまざまな場合が想定されると思うんです。

 そういった中で、本来、今、医療業界に関しては、個人情報保護法という法律の中でガイドラインというのがありまして、もちろん、犯罪捜査の協力等であれば協力するということになっていると思うんです。その場合は、手続として、通常は、まず、捜査に来た、情報をとりに来た方に対して、その方が本当に例えば警察官の方であるのか、そういったところを確認したりとか、もしくは令状を見るとか、こういうのがなければ、例えば電話であれば、かかってきたものに対して電話番号を聞いてかけ直して、相手が確かにそこであるかどうかというのを確認するとかという作業がガイドラインにはあると思うんです。

 そういった中で、「届け出ることができる。」確かにできるように今回なるんですが、一方で、個人情報保護法と医療業界の方に対してのガイドラインという二つの軸が存在している中で、法律としての優先順位、これは当然、現場での曲解とか混乱も予想されるので、どちらが優先的になるのか、御方針をお示しいただければと思います。

古屋国務大臣 今委員御指摘は、個人情報保護法との関係と、それから、ガイドラインとの関連ということですよね。

 まず、個人情報保護法では、個人情報取扱事業者があらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供することができる場合の一つとして、「法令に基づく場合」というふうに規定をされていますね。今回の道路交通法改正によりまして、医師による公安委員会への届け出規定が新設をされた場合には、当該届け出行為は、この「法令に基づく場合」に該当します。したがって、個人情報保護法の規定に違反しないということがこれによって明確になっているわけであります。

 一方、医師の届け出に関するガイドライン、こういったものも必要ではないかと。実は、昨年、警察庁において開催しておりましたいわゆる有識者検討会、これでも同趣旨のことが指摘をされました。

 今後、届け出を行うべき場合は、その手続を定めた自主的なガイドラインというものを医師会団体等に作成していただこうということの取り組みをしたいというふうに思っておりまして、このガイドラインに沿って届け出を行っていただくことによって、届け出制度の実効というものが担保されるのではないか、こういうふうに考えております。

中丸委員 実は、次の質問でガイドラインを設けるべきかどうかお伺いしようと思ったんですけれども、今お答えいただいたので。

 今大臣がおっしゃったように、本当に、そこのラインをきちんと明確にして周知することがまた、この法律のこの部分のところの誤解をなくしたりとか適切な運用につながるものと考えますので、できるだけ早急にお願いを申し上げたい、このように思います。

 続きまして、無免許運転の罰則引き上げ等についての、法案についての質問をさせていただきます。

 無免許運転が検挙されるのは、通常、偶然取り締まりを受ける場合、それから交通事故等で捜査にかかったりとか、そういったときがほとんどだというふうに思うんです。

 実際、私の広島の、私は広島三区で選挙戦を戦わせていただいたんですが、そこに所属している、名前はあえて言いませんが、県議会議員の方が、常習的に無免許運転をして議会に通っていたという恥ずかしい事件がありまして、結果、逮捕されて、それでも議員辞職をせずに、辞職の住民リコールという全国で珍しいケースが起こって、結局、リコールで過半数ということで辞職されたんですけれども、そういうこともありました。

 そういう常習的に行っている者に対しての偶然の取り締まり、例えば飲酒の検問だったり、通常のところ以外で何か今後考えられていることがあれば、お聞かせ願えればと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 無免許運転に対する取り締まりにつきましては、日常の交通取り締まりや多目的検問等のほか、各種警察活動を通じて無免許運転の情報収集を行っているところでございます。

 例えば京都府警察におきましては、無免許運転等の無謀運転者を検挙するため、無謀運転検挙チームという専従班を結成いたしまして、府民からの情報等を集約、分析して常習的な運転者を割り出して、内偵捜査等により検挙するという手法を取り入れているというふうに承知をしております。

 今後とも、警察庁といたしましては、こうした各都道府県警察における効果的な取り組みを紹介するなどして、悪質な無免許運転常習者の取り締まりを推進するよう指導してまいる所存でございます。

中丸委員 ありがとうございます。

 無免許運転の常習者というお話で、無免許運転、それぞれ今回も罰則が引き上げになります。そういう中で、無免許運転をして捕まる、例えば、何月何日何時何分、どこそこで無免許運転をやっていた、これは現行犯で捕まえれば当然立証できるわけですが、先ほどの常習の場合、実は毎日通勤にも使っていた、レジャーにも使っていた、そういう常習者も実際に私の身近なところでいたわけです。

 そういう場合、行政上、もちろん刑事罰も含めて、ペナルティーというのは、現行犯で立証したときは当然なんですけれども、この前の部分というのはどういった形に今されているのか、教えていただければと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 無免許運転に対する法定刑につきましては、今回の法改正によりまして、一年以下の懲役または三十万円以下の罰金から、三年以下の懲役または五十万円以下の罰金に引き上げることとしておりまして、常習的に無免許運転を繰り返している場合には、その悪質性、重大性を考慮し、この法定刑の範囲内において量刑され、科刑されるものというふうに承知をいたします。

 なお、二回以上の無免許運転に対し一度に刑を科す場合には、刑法の併合罪の規定によりまして、法定刑の上限は、三年の懲役の一・五倍の四年六月の懲役となるものと承知をしております。

 また、行政処分につきましては、無免許運転として認定した事実に基づきまして違反点数を付すことになりますが、無免許運転は一回であっても免許の拒否基準に該当し、欠格期間が科されることになります。さらに、無免許運転を繰り返した場合には、累積された違反点数に応じ、より長期の欠格期間が科されることになります。

 具体的には、無免許運転一回であれば十九点が付され、欠格期間一年でございますが、二回であれば欠格期間三年、三回以上であれば欠格期間五年ということになります。

中丸委員 あわせて、ちょっと通告はしていないんですけれども、何度も言うようですけれども、そういう常習的な人の場合、車は自分のものだったとして、一緒に乗る人が結構いたと思うんですね。

 今回、広島の件に関しては、本人以外は何もない、おとがめなしということだったんですけれども、同乗している人、もちろん、県会議員が毎日運転していて、まさか無免許とは思わないだろうと普通は思うんですけれども、実際そうだったということで、逆に、それをもし知っていて乗っている場合は、当然、幇助とかそういった問題になると思うんです。

 この幇助に関しては、現行犯以外の場合、どの程度までさかのぼるのかということと、それに対する捜査というのは少しはされるという方向なんですか、それとも、御本人、違反をした運転手だけ罰則を受けたら、もうそこでとりあえず捜査は打ち切りということでやられているんでしょうか。お答えできればお願いします。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のように、無免許運転をした場合に、同乗者についてもその責任を追及すべき場合もございます。捜査におきましては、そうした同乗者について、知りながら乗っていたということになれば、現行法では刑法犯の幇助という形で処罰されることになるわけでございますが、今般の法改正におきましては、幇助ということになりますと科刑が十分ではないということにも鑑みまして、新たに法定刑を定めまして、より重く罰することができるようにしたところでもございまして、今後とも、そうした悪質な無免許運転を助長するような行為につきましては、厳正な取り締まりを進めてまいる所存でございます。

中丸委員 この幇助に関して、私、すごく難しいなと思うのは、先ほどの例でもそうですけれども、知っていたかどうかというのは、究極を言えば、本人以外わからないわけですよね。仮に知っていても、いや、知りませんでしたと言うこともあるんですけれども、そういった場合、どういった形で捜査をして立証されるのか、何か例でもあれば教えていただければと思うんです。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 いろいろなケースがあろうかとは思いますけれども、運転者と同乗者との日ごろの関係、また、その関係において十分に無免許運転であるということを承知しているはずであるということを、周囲の状況、いろいろな関係者の供述、あるいは繰り返しそうした無免許運転に同乗していた事実というものを立証していきながら、そうした事実を裏づけていくという作業をしているものと承知をしております。

中丸委員 参考までになんですけれども、捜査に対して、時効といいますか、捜査期限といいますか、大体何年ぐらいさかのぼってされるのか、もしわかれば教えていただければと思うんです。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 公訴時効は三年ということでございます。

中丸委員 ありがとうございます。

 三年ぐらいですか。なかなか三年前のことまで思い出すのは難しいと思いますけれども、その辺、やはり、運転する本人はもちろんですけれども、知っていて同乗するとか、そういうのがまた助長することにもつながると思いますので、今後ともしっかりと取り締まりをお願いしたいと思います。

 質問をかえまして、自転車の利用者対策についての質問をさせていただきます。

 悪質な違反を繰り返す、違反をする自転車運転者に対する指導取り締まり、これはもちろん重要なことだと思うんですけれども、自転車運転者の中には学生さんだったり小さなお子さんだったりも当然おられるわけですから、運転免許証や身分証にかわるもの。例えば、私も学生時代に学生証は大体家に置いていましたので、常に身につけているということは余りなかったりするんですけれども、そういう所持していない人の場合、取り締まりをして罰則を与える場合、現場で何をもとに本人を確認していくのか。今現在の取り締まりを実施される中で、どんなことをされて本人確認をされているのかという一例でもあれば、教えていただければと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のように、自転車の運転者は必ずしも免許証を持っているとは限りませんので、学生証であるとかあるいは身分証明書であるとか、そうした本人を証明する書類について提示を求めたり、あるいは、場合によっては、家族や関係者に来ていただいて本人さんの確認をさせていただくということをする場合もあろうかというふうに考えております。

中丸委員 現場で、いわゆる成り済ましといいますか、全く偽名であったり、知り合いの名前をかたったりとか、そういう可能性もあると思うので、先ほど、家族の方が自宅におられればということですけれども、それがない場合等もあるので、例えば、学生さんだったら、ちょっとかばんの中を見せてとかといって、教科書の名前を見たら大体学校とか名前とか確認できたりする、そういうことというのは現場で可能なんでしょうか。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 通常の場合は本人さんに身分証明書を出していただくことをお願いして、本人さんの了解がないのにその場でかばんの中まで見るということは、通常、とっていないというふうに思います。

中丸委員 今のは例えば名札とかでもそうだと思うんですけれども、そういう何か確認できるもの。違反した人が全てみんな正直にお答えされるとはやはり思えませんので、そういう本人確認というのは一定、もちろん本人の承諾なしにというわけにはいきませんから、ちょっとあけさせてもらっていいかなとか、それぐらいのことはあってもいいのかなと思います。

 例えば、先ほど電話と言われましたけれども、家族に電話というと、うちは電話がないんですよとか、やはり逃れようとするときというのはもうあの手この手で来ると思いますので、もう少し踏み込んでもいいんじゃないかと私個人的には思うんですけれども、いかがですか。

倉田政府参考人 悪質な違反を繰り返すような運転者に対しては厳正に取り締まっていかなければいけないということも当然あろうかと思います。

 現場ではいろいろな苦労を重ねているところでございますけれども、身分の確認について、自動車の場合とは異なり、免許証がないという事情もございますが、いろいろな工夫を凝らして、本人の了解を得ながら身分証明するものを提示していただくであるとか、あるいは御家族や職場の同僚等に確認するなどといった手段も講じながら、しっかり進めてまいりたいというふうに考えております。

中丸委員 ぜひ、その辺の本人確認、もちろん個人のプライバシーの問題もありますので難しいところだと思いますけれども、特に自転車の取り締まりに関しては、釈迦に説法だとは思うんですが、通常いろいろな事例を踏まえて考えられていると思いますけれども、その辺は一層厳正にやっていただきたい、このように思います。

 それから、今回の道路交通法改正の、自転車運転者に対する違反した場合とかに講習があると思うんですけれども、よく運転免許の更新の講習とかがあると思いますが、その講習の時間はどれぐらいの時間で、どんな内容を、どこで行われる計画なのか。

 例えば、普通、車の運転免許の講習であれば運転免許センターでやって、その講習の中で、新しく変わった道交法の説明だとか、ぶつかって事故は怖いよという映画を見たりとかすると思うんですけれども、自転車の場合はどのようにお考えなんでしょうか。

古屋国務大臣 どういう講習をするのかということですけれども、違反者による再犯を防止する、これは大切ですよね。そのために、自転車による交通事故の未然防止を図る、これが目的です。

 そのためには、数時間程度の時間は必要なんでしょう。例えば、運転免許センターなど各都道府県の警察の庁舎において、主として、従来の自己の運転行動がいかに危険であるかということを気づかせる、運転行動を自発的に変えさせるよう促す講習内容とする方向で今警察庁において検討中であります。

 具体的には、簡易なテスト等によって自分の運転行動の問題点を気づかせたりとか、個々の、人の個性に応じた個別的な指導を行う、あるいは、具体的な事故事例に基づき、事故原因、回避方法についてディスカッションを行う、あるいは、自転車による交通違反により交通事故を起こした者の実際に科された刑や損害賠償責任について教える、こういったことを含め、今現在で一番適切な方法はどうあるべきかということを今検討を進めているところでございます。

中丸委員 ありがとうございます。

 内容についてはこれからということなので、概略の骨組みは今お聞かせいただいたのでわかりました。やはりこの講習、先ほど大臣の方からテストというのもありますけれども、どれぐらい本人が理解をしたかという理解度の把握、どれぐらい納得しているか等も含めて、やはりそういったテストを通じて検証していくということも有効だろうと私も思いますので、ぜひとも法案の成立に合わせて制度化をお願いしたい、このように思います。

 それから、今回の道交法の改正で新設する講習のお話を今させていただいたんですけれども、それ以外にも、違反者だけに限らず、自転車というのは、極端なことを言えば、買ってきて、二輪で運転することを覚えれば誰でも即日公道を走ることができるという軽車両でありますので、全般的に大臣にお伺いしたいんですけれども、今後そういった自転車の交通安全教育を充実させていかないといけないことだと、事故もふえているということなので、そういうことに関して、今後充実させるという方向に関しての大臣のお考えをお聞かせください。

古屋国務大臣 違反者以外にも、一般的な自転車の交通マナーを徹底、充実させるべきという趣旨だと思いますけれども、自転車の交通ルールの徹底方策に関する提言において、自転車運転者に対する交通ルールの遵守を徹底させて、自転車の安全利用の促進を図っていくためには、特定の年齢層だけに偏らない体系的な自転車の安全運転教育を行っていくことが極めて重要だというふうに考えています。

 警察では、自転車のルールを簡単にまとめた自転車安全利用五則というのがありまして、これを用いた広報活動であるとか、あるいは、スタントマンによる交通事故の再現とか、シミュレーターを利用した参加、体験、実践型の交通安全教育とか、自転車と歩行者のふくそうから重大事故の発生が懸念される路線等における指導、だから、そういう事故多発地帯での指導ですね、こういったものを行ってきているんです。

 今後は、こういった取り組みだけにとどまらず、やはり大学とか企業とかあるいは自転車を売っているお店、こういったところの連携を強化して、安全教育が不十分である大学生とかあるいは成人の方は、データも実際出ているんですけれども、非常にその辺が不足しているので、交通ルールの遵守に徹底的に取り組んでいただくということが必要ですので、そういった地道な啓蒙活動をするよう警察を督励してまいりたいというふうに思います。

    〔委員長退席、関委員長代理着席〕

中丸委員 ありがとうございます。

 そういう自転車販売店だったりいろいろなところで、そういった五則を配付されたりとかいうのも、もちろん今後とも引き続き地道に続けていかないといけないところも一つあると思うんです。

 これは一つの提案なんですけれども、例えば、自転車の安全な乗り方、これは大体子供向け、学生向けが多いと思うんですけれども、今はやはり高齢者の方でも自転車に乗られる方が結構おられると思うんですね。特に、制動装置に対して負荷がかからないような一部電気モーターを使ったようなものとか、そういうのを利用される方も非常にふえていると思うんですけれども、そういった方々が、非常に楽しく、ああ、そんな講習だったら行ってみたいなみたいな、単純に、こうだから守れよというのではなくて、そういうイベントとして楽しめるようなものがあると、よくある消防とか警察の写生大会とか、白バイにまたがれるよ、パトカーに乗れるよというと子供たちが喜んで来るみたいな、そういう警察と先ほどの自転車販売店だとか学校だったり、官と民が一体となって何かできるようなものをぜひとも考えていただきたいと思うんですけれども、そういうのはやはり難しいんでしょうか。

古屋国務大臣 今、答弁でも若干触れさせていただきました、例えばスタントマンを使ってやるなんというのは、これはなかなか見ても楽しいと言ったら語弊がありますけれども、わかりやすいですよね。やはりそういう工夫をする必要はあるんでしょうね。

 それから、講習を受けている対象の人が今は小中高生がほぼ九〇%なので、今御指摘の高齢者の方、最近自転車に乗られる方も多いですし、今、高齢者の交通事故死が全交通犠牲者の半分を占めている、そういう非常に深刻な状況もありますので、やはりそういった全体的な取り組みが必要でしょう。

 しっかり各都道府県警察とも連携をとって、できるだけ効果のある、そして、皆さんに聞いていただける講習をしていく不断の努力をしていく必要があると思います。しっかり委員の御提案も心にとめて、警察を指導してまいりたいと思います。

中丸委員 ありがとうございます。

 本当は、さっきの運転免許センターの講習もそうなんですが、大体半分ぐらいの人が寝ていたりとか、こういう現実もあるので、もちろん、寝る方がいけないことではあるんですが、やはりそういう少しでも興味を引くようなものを、今大臣がおっしゃっていただいたようにスタントマンもその一つだと思いますし、今後、ぜひともさまざまなアイデアを入れていただいて、楽しく学びながら交通事故が減っていくというような流れになればいいかなというふうに思います。

 それで、今自転車の話なので、ちょっとその続きで、今回の中で制動装置不良自転車というのがあるんですけれども、非常に漢字が多くてわかりにくいところもあると思うんです。具体的にどのような自転車が該当するか、説明をお願いいたします。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 道路交通法上、「自転車の運転者は、内閣府令で定める基準に適合する制動装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない。」とされているところでございます。

 この内閣府令は、制動装置の基準といたしまして、前輪、後輪を制動すること、また一定の制動性能を有することを定めておりまして、これらの基準に適合するブレーキを備えていないために交通の危険を生じさせるおそれがある自転車をいわゆる制動装置不良自転車と呼んでいるところでございます。

 実際の指導取り締まりの現場におきましては、いわゆるピスト等の外形的にブレーキを備えていないことが明らかな自転車について取り締まっているというふうに承知をしております。

中丸委員 そういうピスト、要はブレーキのない自転車、簡単に言えばそういうことだと思うんですけれども、そういう自転車に乗ること自体非常に危ないということで、今回の流れになっていると思います。事故も非常にふえているというのも、新聞等々でも私も聞いております。

 そもそも、道路を走ることに対する問題のある自転車を、自分でつくるわけにいかないですから、どこかで購入されるわけですよね。もちろん、競技場であったり、広場とか公道でないところで乗るのに対しては全然問題ないと思うんですが、そういう販売する側に対して、売るなとは言えないと思いますから、販売する際に、これは公道では使用できませんよとか、何かそういった一定の表示とかの義務だったり通達だったりというのはございますでしょうか。

倉田政府参考人 部品の販売という場面もございますので、販売自体を禁止したり規制したりというものは承知はしてございません。

 ただ、そうしたブレーキを備えていない自転車は公道を走ることができない、検挙される対象になるのだという点について広く広報していくということは重要であろうかと思いますので、今後とも、そうした販売店の皆様とも連携しながら、そうした広報、啓発には努めてまいりたいというふうに考えております。

中丸委員 それは販売店のどこかで買うわけですから、販売店の人がつけていたとしても、改造して勝手に外すというのもあるとは思うので、そういう意味でも、その啓発ポスターであったりチラシであったりというのは、やはり販売の現場にでかでかと大きなポスターでも張っていただいて、これは走れませんよというのをぜひともPRしていただきたいですし、そうやって掲示することで販売側の意識づけにもなると思うんです。

 販売するときに、この自転車はピストだけれども、ブレーキがやはり必要だからついているんだ、勝手に外さないでねという、自転車屋の経営者の方だとか販売員の方の一言が乗っかったりということもあると思うんですけれども、そういった啓蒙活動をされるという理解でよろしいでしょうか。

倉田政府参考人 販売店の方々とも相談しながら、より実効性のある広報啓発活動についていろいろ検討してまいりたいというふうに考えます。

中丸委員 大臣、今のようなやりとりだったら、ぜひともその辺も啓蒙活動をしっかりできるようにしていただければと思います。

 それでは、今の制動装置不良自転車、俗にブレーキのない自転車等で、非常に事故とか取り締まりで検挙も多いと思うんですけれども、わかる範囲でよろしいので、現状の検挙状況や、具体的な事故、どういった事故が発生しているのか、御説明いただければと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 いわゆるピスト等の制動装置不良自転車の取り締まりにつきましては、各種の警察活動や交通検問などによりまして、ブレーキを備えていない自転車等を発見して行っているところでございます。

 検挙件数につきましては、平成二十二年は六百八十六件、平成二十三年は一千二百七十七件、平成二十四年は一千四百二十四件と年々増加をしているところでございます。

 なお、ピスト自転車による交通事故につきましては、平成二十二年二月に、東京都渋谷区におきまして、道路を歩行中の女性、六十九歳の方でございますが、この方に衝突をし、死亡させたという事故や、平成二十三年七月に、熊本県山鹿市におきまして、赤信号で交差点に進入をして、横断歩道を歩行中の七十二歳の女性に衝突をし、頭蓋骨骨折等の約六カ月の重傷を負わせた事故などがあるというふうに承知をしております。

中丸委員 やはり今聞いても本当に胸が痛むような痛ましい事故が起こっていると思います。

 もちろん、加害者には大きな責任があると思うんですけれども、加害者も、例えば賠償であったりとかそういったことで、もちろん刑事罰も含めて、本当に一生を棒に振るようなことにもなりかねない事故につながるものだということも含めて、しっかりと今後、やはり、法律を変えるだけではなくて、それを実際の道路の上で、公道の中で、啓蒙ももちろんですけれども、実際に取り締まりをしながら、抑止力効果というのも当然行っていかないといけないと思うんです。

 取り締まる側の警察の方々の中で、今回この法案が通って実際にやるとなると、今現在でもいいんですけれども、自転車の取り締まりに対して、何か特別な試みとかそういう対策チームとか、もしあれば御紹介いただければと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 各県それぞれ事情は異なり、それぞれのやり方をしているかとは思います。地方部と都市部とではまた事情も異なります。とりわけ都市部で歩行者と自転車との錯綜の激しい地域等につきましては、所轄の警察署は特に重点的にそうした区域、路線について啓発活動もしつつ、またあるいは交差点における街頭活動、取り締まり活動を進めているところでございまして、そうした活動によりまして、悪質、危険な違反に対しては厳正に対処してまいりたいというふうに考えます。

中丸委員 ありがとうございます。

 自転車の質問はこのぐらいにさせていただきまして、ぜひとも引き続きよろしくお願い申し上げます。

 ラウンドアバウトの話は先ほどたくさん出ていたので、私は通告もしておりませんので、させていただかないんですけれども、放置車両の違反金の納付について、収納事務の委託について御質問させていただきます。

 今回の道路交通法改正により、放置違反金のいわゆるコンビニでの納付を可能にするという改正の趣旨があると思うんですけれども、今まで郵便局等だったものをコンビニエンスストア、非常に便利だとは思いますけれども、一番、二番もあってもいいんですが、一番どのような効果を期待されておられるか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

古屋国務大臣 放置違反金の納付の方法のことですよね。

 今、収納率が、平成二十三年度末で九二・三%です。未収額の方は累計で百億円になっていますね。未収金の対策が求められているところでございます。

 放置違反金というのは都道府県の収入になります。その納付窓口は各都道府県が指定をする金融機関ということになりますので、納付の場所や時間が限られていることから、コンビニ納入を導入して納入機会を拡大して、自主的納付を促進する、これは必要だと思いますね。

 参考ですけれども、自動車税のコンビニ納付を導入した結果、導入前に比べて納付率が一・五%増加しているんですね。だから、放置違反金についても、コンビニ納付を導入することによって、私はその促進が図られると思いますので、ぜひ、委員におかれましても、御地元の知事さんに、そうやってコンビニ納入ができるようにぜひ督励してください。よろしくお願いします。

    〔関委員長代理退席、委員長着席〕

中丸委員 ありがとうございます。

 広島に帰りまして、県知事の方にぜひとも御上申申し上げたいと思います。

 今のはコンビニ納付で、今回は放置違反金ということなんですけれども、通常の交通違反の場合に反則金というものがあって、指定の金融機関で、郵便局さんだったりで納付をするんです。これも、先ほど大臣がおっしゃられたように、平日の昼間しかやっていないというところで、特に働いている方にとっては非常に立ち回りの難しいところもあると思うんですけれども、こういったものに、今後、ほかの反則金等の納付に関して、コンビニ支払いというのは、拡大できる可能性というのは、さまざまなことが重なってくるとは思うんですけれども、可能なのかどうかというのをお聞かせいただければと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 反則金は、交通違反に対する一種の制裁金でございますが、その納付は反則者の任意に委ねられておりまして、これを納付しない者は、通常の刑事手続により処理されるものでございます。

 現在、反則金の納付率は九八%前後で推移しておりまして、放置違反金とは異なる事情にございます。

 また、交通反則金をコンビニで納付させるためには、納付書に納付期限や納付金額等の情報を表示するバーコードを付す必要がございますが、後日郵送する放置違反金の納付書とは異なって、反則金の納付書は、取り締まり現場において警察官が作成し違反者に交付をしておりますことから、取り締まり現場で納付書にバーコードを付す、そうした機器の導入が必要となるところでもございます。

 こうした課題もございますので、費用対効果の問題も含めまして、今後の研究課題とさせていただきたいというふうに思います。

中丸委員 現状で九八%であれば、変えなくてもいいじゃないかという議論はあると思うんですけれども、でも、皆さんやはり、あったらいいなと思っているところだと思いますので、今の切符にバーコードを入れたりとかそういうことだと思うんですけれども、ぜひ今後の検討課題としていただきまして、より利便性が高くなることに対して問題点があるとは余り思いませんので、ぜひお願いしたいと思います。

 時間も迫ってまいりました。では、最後の質問。

 先ほどから、自転車のこともそうですが、今回、道交法の改正全般についても含めて、こういう交通安全とか道交法改正についての広報、周知活動として、通常の新聞広告だったりテレビの広報だったり、そういうのもあると思うんですけれども、大体、道交法の何が変わったかと知るのは、免許証の更新のときに今回はこういうふうに変わりましたよというのを聞くんです。通常はそれが三年、ゴールド免許であれば五年ですから、何がどうその間に変わったのかというのがなかなかわかりにくいところもあると思うんです。

 今回、自転車という、特にそういう講習を受ける場もないところもありますので、今後、国民全体に啓発活動をしていくに当たって、どのような活動をお考えか、お聞かせ願えればと思います。

古屋国務大臣 お答えいたします。

 広報活動、啓蒙活動は極めて重要ですね。今も、例えば春、秋の交通安全運動とか、いろいろ啓発運動をしていますけれども、今後ともやはり、まず免許の更新のときだけじゃなくて、関係機関とか、いろいろ協力してくれる団体にも働きかけてやっていく必要があると思います。

 ポスターとか、パンフレットとか、テレビとか、それからネット。最近は、若者はもうテレビを見ないでネットしか見ないと言われていますが、こういったネットを通じて、あらゆる手段を通じて啓蒙活動をしていくことが大切だと思いますので、しっかり警察を指導してまいりたいと思います。

中丸委員 そういう広報活動、ネットと今おっしゃられた、非常に大事だと思います。私も日本維新の会の広報委員会に所属していまして、そこでは日々頭を痛めているところではあるんですけれども、やはり若い人に対しては特にインターネットを使った啓蒙活動というのは有効だと思いますので、先ほどの話もですけれども、かたいものではなくて、見ていて楽しくて、思わず誰かに言ってしまいたくなるような、そういうことになればというふうに思います。

 あと、最後に一言申し上げたいのは、一連の改正を行うということは、やはり一定の効果を期待してされるということですから、法改正をして、それに対した取り締まり等、罰則等をするというだけではなくて、どれぐらいそれによって交通事故が減るのか、違反が減るのかという、現場の方に対しては数値目標を持っていただいて、一定の効果が出るような動きになっていただきたいということを申し上げまして、中丸の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、大熊利昭君。

大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。本日もよろしくお願いをいたします。

 順番を変えて、大臣が戻られてからラウンドアバウトのことをお伺いしようと思っておりましたが、まず最初、通告の順番どおり、お伺いしたいと思います。

 第九十条でのいわゆる「一定の病気等」という部分についてお伺いしたいと思うんです。

 まず、この「病気等」の「等」について、これは、衆議院の調査室の資料の五番目の、アルコール、麻薬、大麻、アヘンまたは覚醒剤の中毒、いわゆる病気ではない、ここの部分を「等」で読むことになっているのかというのを、ちょっと確認させていただければと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のとおり、アルコール、麻薬、大麻、アヘンまたは覚醒剤の中毒者というものを含むという趣旨で、「等」というふうに表現しているものでございます。

大熊委員 そうしますと、例えば「発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気」という規定、法律第九十条第一項第一号のロですか、その中に再発性の失神というのがございまして、これは、この調査室の説明によりますと、「脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気」というふうに書いてございますが、例えば、これの関連で、基準というのをお伺いしようと思っているわけなんですが、脳全体ではなくて、脳のある一部の虚血によりというふうになった場合には、これに該当することになるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のとおり、道交法九十条一号ロ「発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの」、この政令が道路交通法施行令第三十三条の二の三の第二号というところにございまして、その第二号に「再発性の失神(脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であつて、発作が再発するおそれがあるものをいう。)」というふうにございますので、この脳全体の虚血によりというものに該当しないものは、ここには当たらないということかというふうに考えております。

大熊委員 そうしますと、この基準というのは、今御説明があった当該政令ということでよろしいのかどうかということと、それから、脳全体についてのみ政令の中では定められているので、一部分ということになると該当はしないという理解でよろしいかどうかの御確認をお願いいたします。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 病気等の範囲について政令で定めておりますので、これに該当しないものは対象ではないというものでございます。

大熊委員 病気、どの程度の範囲、医学的に厳密に定められるのか、ある程度幅を持った規定なのか、考え方だけでも結構なんですが。

 要するに、今、細かい議論、全体的な議論、ごちゃまぜにして申しわけないのですが、脳全体なのか、一部分なのか。全体とした場合、一部分の出血が全体に広がったものを全体というのか、全体から出血しているものなのか。私も素人ですが、いろいろ考えられると思うんですが、政令の中である程度幅を持たせた規定という考え方なのか、かなり厳密に医学的にも診断上特定されたそういう規定であるのか、その辺の考え方だけ教えていただければと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 この政令を規定する際には、関係の専門の医学会の方々の御意見等も踏まえて制定をしたというふうに伺っております。また、これに該当するかどうかの具体的な判断につきましては、臨時適性検査、すなわち専門医による診断というところで御診断をいただくという状況でございますので、そういう中で御判断をいただいているものというふうに承知をしております。

大熊委員 医師の診断については、ちょっとまた後ほど違うところでお伺いしたいと思います。

 大臣が戻られたので、ラウンドアバウトの方から、ちょっと質問が切れるんですが、順番を変えさせていただいてお伺いしたいと思います。

 あくまでも建設的にという点で、一方でリスクをしっかりと御指摘させていただき、議論させていただきたいと思うんですね。

 と申しますのは、私自身も、十数年前、イギリスの郊外でレンタカーを借りて運転をしました。私は、駐在ではなくて、短期の、十日ぐらいの用件で行ったんですが、行く前に、イギリスに駐在したことのある人から、ドーナツみたいなものがあるから注意しろよというふうに言われて、どんなものですかと。交差点に信号がないから、イギリスは日本と同じ左側通行だから、とにかく時計回りに行っておけば大丈夫だよ、でも注意しろということで、その程度かということで行ったものの、やはりかなり戸惑いが実際ありました。

 大臣は、実際、ラウンドアバウトを運転された御経験はありますでしょうか。それをお願いします。

古屋国務大臣 私、決して車の運転は嫌いな方じゃないものですから、国家公安委員長になってからは一切しておりませんけれども。

 イギリスへ行ったときも、レンタカーをよく借りて車を運転しています。最初ちょっと戸惑いましたね。でも、すぐなれましたけれども。最初は少し戸惑いがあるとは思いますが、なれはすぐ来るのではないかな、そんな印象を持ちました。

大熊委員 大臣は恐らく運転がお上手なんだろうと思います。私はなかなか、一週間、十日ぐらいでしょうか、最後の二、三日はようやくちょっとなれてきたんですが。

 特に、ロンドン郊外ぐらいならいいんですが、もっとさらに田舎と言うと語弊があるんでしょうか、ほとんど交通量のないところに行って、そうなりますと、要するに、地理もよくわかりませんから、道に迷っている状態なわけでございますね。ああ、ここは右折だというときに慌ててそのまま右折してしまいがち、実際一回やりそうになったことがあります。つまり、ラウンドアバウトの逆走ですね。

 それは、結局、ある程度車が走っているところなら流れがありますから、左に行かなきゃいかぬとわかるんですね。ところが、いわゆるど田舎で、車が走っていない、しかも広い、そういうところですと、思わず、右折ですから右に行ってしまう。そうなりますと、正面衝突の危険が伴うわけなんですね。

 この点を、やはり、先ほど海外の事例で、統計的に交通事故の数字は下がっているという、全体としては大変いい話なんだろうと思うんですが、特に、なれない、導入後一年とか二年とかそういう時点で、私が経験したようなことが各地で起こり得るリスクがあるのではないかというふうに、実体験として、運転がうまくないものですから感じるわけなんですね。

 そこで、事前に警察庁の方からでしょうか、資料をいただいて、道路標識をつくるんですと。青い標識で矢印が時計回りに回っている標識ですね、これはこれで悪くないと思うんですが、道路標識というのは、あくまでも空間といいますか、地上のある程度高い地点のところに設置されるんだろうと思うんですね。私の実体験からすると、やはり、迷っているときは道路標識を見る余裕がないこともありまして、正面と道路の方を見ているわけですね。

 なので、路面に何かを描く、何かをというのは、右側の方には侵入禁止だとか、あるいは左の方だけに大きい矢印を描いておくとか、ちなみに、イギリスは、不親切といいますか、もちろん、大臣御存じのように、何も描いていない。非常にこれはとっさのとき困ったことになるので、やはり日本らしさ、海外に出ている日本らしさを発揮するためにも、路面にいろいろわかりやすく描いていただくことで逆走のリスクをあらかじめ減らしておくということが重要なんじゃないかと思うんですが、御見解をお願いします。

古屋国務大臣 委員御指摘のように、イギリスでは全く路面にも描いていないですから、ちょっと戸惑いますよね。でも、日本は初めてこの試みをしますし、また、実際、今度実証実験をしていますね。特に飯田の東和町のラウンドアバウトは、全部路面にもペイントをして、そういう誘導を、矢印等の標示をしてあります。やはり、それをやるというのは必要でしょうね。

 日本の場合はそうやって非常にきめ細かくいろいろな対応をしますので、その辺はしっかり徹底をして、啓蒙活動していく必要があると思います。

 すごく昔の話なんですけれども、昭和四十七年に、沖縄返還のあったときに、右側通行が左側に変わりましたよね。それで、あのときに、メディアはもう大事故が山ほど起きると結構おどしたというか、そういう報道がなされたんですけれども、結果的に、それは事故は多少ありましたけれども、やはり警察関係のいろいろな地道な取り組み、関係者の取り組みがあって、そんなに混乱がないうちに右側通行を左側通行にするという大作業も終えました。

 今回は、それぞれやれるところからやっていくということですので、全国が一斉にということではありませんし、また、そういった交差点ができれば、都道府県の警察あるいはその関係者、そういった方からの広報を徹底していけば十分その周知は広まっていくかな、そんな認識でおりますが、しかし、しっかりそれをチェックしていく必要が警察としてあるというふうに認識しております。

大熊委員 冒頭のとおり、あくまでも建設的にリスクを御指摘という観点で続けさせていただきたいんですが、先ほどの質疑の中で、ラウンドの中は徐行だと。それはそういうことに当然するわけなんですが、ところが、ドライバーの心理として、自分がラウンドに入っている、左前方に直進車がとまっている、自分は優先だ、この心理状態だとアクセルを踏むんですね、どうしても。これは、ラウンド内は徐行だと言われていても、自分は優先だ、左前方にとまっている直進車、アクセルを踏んでしまうのが人情だと思うんですね。これは非常に危険を伴うわけですね。法令上、ラウンドは徐行ですよ、それはそうなんですけれども、それだけでは事故は必ずしも防げないといいますか、リスクを減らすことはできない。

 そこで、これも一つの御提案なんですが、ラウンドの中にでこぼこ、よく商店街なんかでスピードが出ないようにちょっとでこぼこになっているところがございますね、私の地元の商店街なんかにもあるんですが、こういったものを、全部つくるとなると予算的にもあれかもしれませんが、用意するということが不可欠とまで言えるかどうか、必要なのではなかろうかと。

 それは、もうちょっと言いますと、実際にイギリスで目にしたわけではないんですが、悪く考えますと、あのラウンド、軽井沢は、私も一回見てきたんですが、非常にちっちゃなラウンド、飯田の方は見ていないんですけれども、もし大きなラウンドですと、変な話、若者の格好のスピード競争の場所みたいに悪用するやからが出ないとも限らないんですね。きれいな路面のまま、日本の塗装技術は優秀ですから、あの中をぐるぐるぐるぐる何周して何秒かみたいな、そういうやからが出ないとも限らないわけでございます。

 したがって、あの中にでこぼこの工作物を置くということについて、必要なのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

古屋国務大臣 そういうちょっと路面にでこぼこをつけることによって、特にスクールゾーンとか、そういうところは効果を発揮していますね。

 今回、このラウンドアバウトにそういうものをつけるべきかどうかという御提案だと思いますけれども、まず、三カ所で実証実験しておりますので、そこの分析がまだ全部終わっていませんので、しっかり詳細な分析をしていく必要があると思いますね。その上で、やはり安全対策の徹底のために、もし本当にどうしてもそういうものが必要かといったら、選択肢の一つかもしれませんが、今すぐここで私が必要だ、必要でないということは、言うのは避けさせていただきたい。やはりあくまでも客観分析に基づいて決めていくということが大切だと思います。

 それから、後段の、中でレースまがいのことをするんじゃないかと。これこそ取り締まりの対象ですよ。ということだと思います。

大熊委員 しっかり後段の部分については取り締まりの方をお願いいたします。

 もう一つ、リスクの関係でございますが、ラウンドアバウトの真ん中の工作物、ここについての制限ですね。

 具体的に申しますと、真ん中の、中心部の工作物のところに、何でもいいんですが、交通安全という大きな看板を仮に立てたとすると、直進側から看板の向こう側が見えなくなる。そうしますと、ラウンドに入っていこう、それで、ぐるっと回って右折しようという車と、反対側から直進してきてラウンドに入ってくる車、何もなければ、あっ、向こうから入ってきたな、ラウンドの中に先に入られたな、そういうのを思うわけです。

 済みません、通告を具体的に申し上げていないんですが、要するに、工作物の制限ですね。何かいろいろなものを立てちゃうと向こう側が見にくくなってしまうので、これについての制限をどうお考えなのかというのをお伺いしたいと思います。

古屋国務大臣 警察はやはり安全対策ということなんですけれども、道路の構造物とか看板になると道路管理者が対応する、あるいは地元の意見というのもありますので、私だけがこうだと答えるのはちょっと適切ではないと思いますので、いずれにしても、もしそういうものを立てるということであるならば、警察だけではなくて、道路管理者、地元の関係者の皆様と議論して、そして納得できるお答えを出した上で対応するというのがとるべきステップではないかというふうに認識をいたしております。

大熊委員 わかりました。ぜひ安全対策、考え得るリスクに対していろいろな対応をとった上で、ラウンドアバウトが適切に日本にも導入されていくということを期待させていただきます。

 それではもとに戻りまして、冒頭の質問の続きでございますが、法律の百一条の六の関係なんですが、免許を受けた者等であることを知ったときというふうに条文がございますが、これは、お医者さんが問診などで免許がありますか、ありませんかということで確認を、要は知るという、そういうプロセスを考えていらっしゃるのかということをお伺いします。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 改正後の道路交通法第百一条の六第一項でございますが、一定の病気にかかっている者を診察した医師が、診察の過程等においてその者が運転免許を受けていることを知ったときに、その診察の結果を公安委員会に届け出ることができることとしたものでございます。

 これは、医師が受診者に運転免許の有無の確認をすることを求めているものではございません。医師は受診者が運転免許を有しているかどうかについて必ずしも正しく認識しているわけではございませんので、届け出を適切に行っていただくため、同条第二項で、医師は公安委員会に対し、その者が免許を受けた者であるかどうかについて照会することができるという規定を設けているところでございます。

大熊委員 お医者さんの方で公安委員会の方に求める、そういう理解をさせていただきました。

 続きまして、先ほど来も出ました届け出を行うべき場合等を定めた自主的なガイドラインについてなんですけれども、これを作成する主体は医師団体に限られる、こういう理解でよろしいでしょうか。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 公安委員会に対する医師の届け出は任意の制度でありますことから、その実効性を担保するとともに、医師と患者との信頼関係が保たれるよう、医師団体の自主的な基準として届け出を行うべき場合やその手続を定めたガイドラインを作成していただくこととしているものでございます。その趣旨から、医学的知見を有し、患者の実情等を把握している医師団体において作成していただくものでございます。

 ちなみに、イギリスにおける医師の通報に関するガイドライン、これも医師団体において作成されているものと承知をしております。

大熊委員 ここで言う医師団体、例えばお医者さんが何人か集まって、では、法律も改正されたし、このための団体をNPO等でつくろう、設立しようということで、そういう団体が方々でできてしまう。では、それは全部それでいいですかという、要はガイドラインをつくる団体の基準ですね、そういったものは何かありますか。

倉田政府参考人 何か法令上の基準というものがあるわけではございませんが、今、日本医師会及びそれぞれの関係学会の方々と御相談をさせていただいておりまして、法律が成立した暁には、その施行に備えて、ガイドラインづくりについていろいろと御相談をさせていただきたいというふうに考えております。

大熊委員 医師会等以外に、自主的につくった団体が違うガイドラインをつくってしまうということも考え方としてはあり得る、そういうことなんでしょうか。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 それぞれの専門のお医者さんから成る学会等においてこうしたガイドラインをつくっていただくということにおいて、それぞれのお医者さんがそれに従っていただくという形になることを期待しているところでございます。イギリスにおける事例等を参考にしながら進めてまいりたいというふうに考えております。

大熊委員 改めて確認なんですが、学会でも、学会の中でいろいろな会派というんですか派閥というんですか、わかりませんが、ある場合がありますよね。学会としての意見以外に、何人かお医者さんが集まってということでも、それは一種のオルタナティブというんでしょうか、そういうガイドラインとして認められ得る、そういうことでよろしいでしょうか。

倉田政府参考人 ガイドラインというものは、法令上の効果を持っている、法律上の位置づけをしているものではございませんので、あくまで自主的に、それぞれの医師の団体、具体的には学会でございますけれども、そこで決めていただくということでございまして、その中でのお話し合いの中でしかるべく定めていただくことを期待しているものでございます。

大熊委員 はっきりわからないんですが、しかるべく定めるというのは、一つだけに定まるとは限らなくて、複数定まる場合もあるんですが、複数定まる場合、しかも、わかりませんが、相当違うガイドラインが書かれている場合、これについて法令的な基準がないと先ほどおっしゃったんでしょうか。その場合、複数違うものが出てきた場合についてどう考えるか、御答弁をお願いします。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 やはり、一つの専門医の中では一つのガイドラインとしてつくっていただく方がより安定した運用ができますので、そのようにに期待をしているところでございまして、それぞれ自主的にそのように措置をしていただくことを期待したいというふうに考えております。

大熊委員 もちろん私もそのように期待はしますが、期待どおりに必ずしも事が運ばない場合もあり得るということでお伺いをしているわけでございます。

 期待どおりにならない場合には、何か法的な要件があるわけじゃないということで、それを阻止する、つまり、違うものが出てきたもの、それに対して阻止するような法的な根拠なりというものは、残念ながら現状では用意されていない、こういう理解でよろしいかどうか、確認をお願いします。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 法的な要件等はございません。

大熊委員 わかりました。確認をさせていただきました。

 続きまして、お医者さんから公安委員会へ、先ほどの、一定の病気等ということで届け出るという、この届け出そのものの正しさ、あるいはその確認の方法なり主体なりというところについてお伺いしたいんです。

 間違った診察のもとに届け出が行われるということもないことはないと思うんですが、実際に出された届け出が正しいかどうかをどのように確認する仕組みなのか、教えていただきたいと思います。

古屋国務大臣 届け出の正しさについてどう判断するのかということですね。

 公安委員会では、医師からの届け出がありまして、一定の症状を呈する病気等にかかっている疑いがあるというふうに認められる場合は、臨時適性検査を行って、専門医の診断を受けていただく、こういうことになりまして、その結果を踏まえて運転免許の可否を判断するということになります。

 したがって、医者からの届け出は、あくまでも公安委員会として把握するためのきっかけとなるものであって、運転免許の可否の判断というのは、臨時適性検査という専門医の診断を踏まえて行っていく、こういう流れになっています。

大熊委員 わかりました。

 続きまして、今度は逆にといいますか、例えば、ある運送会社があるとして、運転手さん、ドライバーさんを雇用しています、その使用者、運送会社の経営者がドライバーさんに対して一定の病気等ではないということの書面を徴取する、そういうことは可能なんでしょうか、あるいはすべきなんでしょうか。あるいは、法的にそういったことは多分定められていないんだろうと思うんですが、その部分についてはいかがでしょうか。

小川政府参考人 お答えを申し上げます。

 特定の障害がないことを示す書面の提示を、使用者が、雇用している労働者に対して求めることは、基本的には適切でないと考えております。

 したがいまして、職場においてそのような取り扱いがなされないように、機会を捉えて事業主に対する周知啓発に努めてまいります。

大熊委員 基本的にはそうだろうと思いますが、運転免許を使った業務の場合について、ちょっと特殊性があるのではないかなというような気もいたしますが、現状では今お話しになったとおりだということで了解をいたしました。

 続きまして、あと二、三分なんですけれども、今回改正の法律によって免許が取り消しあるいは停止になりましたということで、一定の病気等の患者さんが仕事ができなくなりましたという場合の救済措置のようなもの、これは何かないのでしょうか。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の道路交通法改正に伴って、職場において、一定の病気等を理由に、解雇など雇用管理上の不利益な取り扱いが行われることは適当でないと考えております。

 職場に対しましては、今回の道路交通法改正を踏まえて、一定の病気等を持つ者であっても適切な配慮があれば十分能力を発揮して働くことができることにつきまして、警察庁を初めとする関係省庁とも連携しつつ、リーフレットを作成することも含め、周知に取り組んでまいりたいと考えております。

大熊委員 ありがとうございました。

 時間となりましたので、以上で終了させていただきます。ありがとうございました。

平井委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。

 鹿沼児童六人クレーン車死亡事故を受けて、昨年六月から、一定の病気等に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会が開催され、十月にまとめられた提言が今回の法改正案の土台になっています。

 提言は、一定の症状を有する者を的確に把握するための方策について、「運転に支障を及ぼす症状について故意に虚偽の申告をした者に対する罰則の整備が必要」と結論づけ、それが今回の法案に盛り込まれています。

 症状等の虚偽記載に対する罰則の整備の是非に関して、検討会の委員が次のように質問しています。「結局、虚偽申告が明らかになるのは交通事故が起こったときだとすれば、罰則を付けたことの実効性はどの程度になるのか」、こう質問しています。

 これに対して、警察庁の担当者はどのように回答していますか。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの有識者検討会におきましては、提言にも掲載されていますとおり、事務局である警察庁の出席者から、「虚偽の申告が発覚するのは、実際には事故の発生後になることが多いかもしれないが、事務局としては、罰則の積極的な適用を目指しているのではなく、虚偽申告に対する抑止力・感銘力を期待している」旨の説明を行ったものでございます。

 同検討会において取りまとめられました「一定の症状を呈する病気等に係る運転免許制度の在り方に関する提言」におきまして、同検討会として考える運転免許制度の見直しの方向性として、「罰則規定の感銘力(抑止力)によって、虚偽申告に一定の抑止効果が期待できることからすれば、罰則を整備する必要性は認められる。」との御提言をいただいたところでございます。

穀田委員 実効はどの程度になるかと聞いているので、後の方はいいんですよ。

 提言では、虚偽申告に対する抑止力が今回の罰則に期待される、今もそうありました。

 現行の道路交通法第百十七条の四は、偽りその他不正の手段により免許証または国外運転免許証の交付を受けた者に対して、一年以下の懲役または三十万円以下の罰金に処すると規定しています。この一年以下の懲役または三十万円以下の罰金という規定は、今回の法案で新設を予定している虚偽記載の量刑と同じです。

 運転免許の取得時に病歴なしにチェックを入れる虚偽記載を行った場合には、臨時適性検査を経ずに免許が付与され、現行の免許証不正受交付罪が成立するのではありませんか。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 免許の取得時におきましては、免許を受けようとする者が一定の病気にかかっていないことを含め、運転適性を備えていることを確認した上で免許を与えることとしているため、病状申告の内容によっては免許が保留される場合がございます。そのため、病状申告の内容と免許証の交付には因果関係が認められることから、免許を受けようとする者が自己の病状に関し虚偽の記載をすることにより免許証の交付を受けるに至った場合においては、免許証不正取得罪が成立することとなるものと認識をしております。

穀田委員 現在でも、運転免許の取得時には、運転の適性がない、一定の病気等の症状があるにもかかわらず、申請書裏面の病気の症状等申告欄に虚偽の記載をして不正に免許の交付を受けた場合には、今回の法案と同じく、一年以下の懲役または三十万円以下の罰金という罰則があります。

 虚偽申告に対して罰則が全くなかったのではなく、免許取得時の虚偽記載については、法案と同じそういう罰則があって、一定の抑止力、感銘力があるということになります。

 第二回の検討会には、「「病気の症状等申告欄」の虚偽記載と免許証不正受交付罪の関係」という資料がありましたが、これを見ますと、運転免許の取得時に病歴なしにチェックをして虚偽記載をした場合には、そういう意味での不正受交付罪が成立すると書いてあるんですね。その一方で、運転免許証の更新時に病歴なしにチェックをして虚偽記載をした場合には、免許継続、犯罪不成立となっています。

 ですから、現行の罰則に問題があるとすれば、免許の更新時にこの罰則が適用されないことであります。抑止力が不足しているということであれば、現行の免許証不正受交付罪を免許証更新時にも適用するという方法もあったんじゃないでしょうか。

古屋国務大臣 お答えします。

 これのそもそもの発端は、もう委員御指摘の、栃木県鹿沼市で、一昨年の四月、子供六人が亡くなりました。大変痛ましい交通事故ですけれども、その運転者は免許更新時に自己の症状を正しく申告していなかったということが判明しているんですね。ですから、今回の改正は、そのような悲惨な事故を防止するため、その者の症状に関する質問票に虚偽の記載をした者に対する罰則規定を設けることによって、質問票に正しく記載しなければならないという規範を法律上明記した、こういうことであります。

穀田委員 悲惨な事故を何とか防ぎたいというのはみんな共通なんですよね。それはそのとおりなんです。ただ、私が言いたいのは、肝心なことは、運転の適性のない者に運転をさせないことであって、現行でもそのための虚偽記載に対する罰則があるわけです。今回の改正は、これを更新時に適用拡大するのではなく、正確な記載をしているかどうかに対して新たな罰則をかけるものとなっています。皆さん御承知のとおり、大臣もよく御承知のとおり、ここのところにあるわけですね、罰則規定を含めて。これは何回も皆さんが議論してきたところですよ。

 そこで、不正な取得や更新自体への罰則ではなくて、今言いましたように、結局のところ正確な記載のための罰則であります。私は、適切な罰則かどうか議論が残るところだと率直に思います。検討会の提言で、警察当局も、「罰則の積極的な適用を目指しているのではなく、」ということをわざわざ発言している状況であります。したがって、今回の罰則が適切だったかどうかは、今後、検証していかなければならないと私は考えています。そのことは言っておきたいと思います。

 そこで、これまで虚偽記載の罰則のあり方について議論しましたけれども、現実問題として、運転の適性のない者が、免許の申請時や更新時にチェックをくぐり抜けてしまった場合、その不正な免許を取り消すには当然適性相談があると思います。もう一つは、不正が発覚する場となっているのが、客観的には交通事故ではないかと考えます。最新の統計で、一定の病気等取り消し等処分件数でその発見の端緒となったもので一番多いものから三つをお答えいただきたい。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 平成二十四年中、一定の病気等を理由とする取り消し等の行政処分を行った者の発見の端緒として最も多かったのは交通事故でございまして、全処分件数の一七・九%でございました。

 次に多いのは、一定期間後の臨時適性検査でございまして、これは、例えば今後一定期間であれば発作が起こるおそれがない旨の医師の診断があった場合に、免許の付与等をした上で、その一定期間経過後に症状を確認するために行う臨時適性検査でございますが、全処分件数の一四・六%でございました。

 三番目に多いのは、本人からの運転適性相談であり、全処分件数の一三・三%でございました。

穀田委員 今、三つありました、交通事故、一定期間後の臨適、それから本人からの相談、こういうことですね。

 そこで、今回の法案の、先ほども大臣からお話がありました、発端となった鹿沼児童六人クレーン死亡事故では、遺族会の資料によりますと、事故を起こした運転手は、その事故の前に十二回の事故を起こしています。しかも、その多くは物損事故であります。これらの事故のときに運転の適性を見きわめていればと思わずにはいられないんですね。

 実際に、人身事故よりも物損事故の方が多いと思うわけですけれども、聞きますと、物損の全国的統計はないと報告を受けました。ところが、物損事故のデータベースがある埼玉県では、大体過去五年間で、人身事故に対して物損事故は約三倍なんだそうです。二〇〇八年には物損事故の割合は人身事故の二・九倍だったものが、二〇一二年には三・七倍になっています。

 つまり、これは、データベースに整備されたことが影響して物損事故の把握が進んでいるのか、それとも、実際に物損事故がふえているのか、それ自身は不明です。しかし、いずれにしても、より把握が正確になったということを示しているのは間違いありません。物損事故データベースの整備は、運転の適性を見きわめる上で重要な手段となると思いますが、いかがでしょうか。

古屋国務大臣 委員御指摘のとおり、物損事故のデータベースでは、一定の症状を呈する病気等に該当する者を把握する、このための有効な手段の一つであるというふうに認識をいたしております。

 昨年の、一定の症状を呈する病気等に係る運転免許制度の在り方に関する、いわゆる有識者検討会の提言においても、有効な方策の一つとして物損事故のデータベース化が提言をされているところでございますので、今後とも、警察庁を通じまして、まだ未構築の都道府県がございますので、そういったところに対しては、このデータベースの速やかな構築について督励をしてまいりたいというふうに思っております。

穀田委員 今、督励とありました。調べてみますと、やはり、運用を行っていない都道府県というのが、青森、岩手、神奈川、東京、富山、岐阜、愛知、滋賀、京都、兵庫、広島、山口、愛媛、熊本、結構あるんですね。ですから、これを、今大臣からありましたように、有効な手段であるということはもうお互いに認識しているわけですから、ぜひ、いつぐらいまでに、やはりこれは期限を切って、大した話じゃないんですよね、大した話じゃないというのは言い方が悪いですけれども、データベース化するということについて言えば、決めればできることなので、その辺の見通し、考え方を最後にお聞きしたいと思うのですが。

古屋国務大臣 先ほど答弁申し上げましたように、これは極めて有効なデータベースですので、警察庁から各都道府県警察に対しては、早期にデータベースを整備するよう指示を出しております。できるだけ早い時期にこのデータベースの整備が推進をされるよう、引き続き督励をしていきたいと思っています。

穀田委員 ぜひお願いしたいと思います。

 私は、今回の問題でもう一つ最後に言っておきたいんですけれども、法の一定の病気等の対象であって今回問題が取り沙汰されたてんかんは、社会に差別が現に存在しています。それから身を守るために患者がその病歴を隠さざるを得ないという現実があります。そのもとで、新たな罰則や医師の通報制度の新設について、専門医からは、かえって患者と医師の信頼関係を損ない、逆効果になるのではないかという指摘もあります。

 法令で明らかにされているように、てんかん患者の全てに運転の適性がないわけではありません。七割から八割の患者は投薬などでその発作が抑えられると言われています。運転の適性のない者に運転をさせないという目的に沿って今回の道路交通法改正案に盛り込まれた対策が効果を上げているかについては、先ほどお話ししましたように、検証していくことが求められていると私は考えます。

 障害者差別の問題では、今国会には障害者差別解消法案が提出され、当内閣委員会では、前々回、その質疑を行い、全会一致で参議院に送りました。現実は、障害によって車の運転ができない人たちへの支援措置がおくれていることは皆さん共通の認識であります。したがって、この問題の解決も焦眉の課題だということを特に強調して、終わります。

平井委員長 次に、村上史好君。

村上(史)委員 生活の党の村上史好でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 まず、この改正案でございますけれども、既に何度も触れられておりますけれども、てんかんによる大事故を起こして、そして、その遺族の方々のさまざまな思いを改正につなげていったという側面もあります。そのことは十分理解をいたしますけれども、その一方、一定の病気という表現で、特定の病気に対する偏見や差別があってはならないということも十分留意をしていかなければならない、そのことをまず前提にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 まず、今回の道路交通法改正案でございますけれども、先般、この委員会でも採決をいたしました障害者差別解消法、既に衆議院を通過いたしておりますけれども、この法案にかなうものなのかどうか、まずその御見解をお尋ねしたいと思います。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の障害者差別解消法案でございますが、現在国会において審議をいただいているものでございます。

 この法案は、個々の場面におけます個々の障害者に対する対応を対象としておりまして、他の法律に定めます立法内容そのものは対象にしてございません。

 また、個々の取り扱いの面でございますが、正当な理由がある場合、例えば、障害者御本人や第三者の生命身体を保護する理由がある、こういった場合につきましては不当な差別的取り扱いには当たらない、こういうものというふうに考えている次第でございます。

村上(史)委員 それでは、具体の話に移っていきたいと思いますけれども、ほかの法律案では見られない、一定の病気のある人を対象にした罰則を含む規定がございます。

 そもそも、この罰則を含む規定、これはどのような意味があるのか、お尋ねをしたいと思います。法案にとってどういう意味があるのか。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 一定の病気等にかかっている方というものを掲げている規定の意味という趣旨の御質問かというふうに承りましたが、いわゆる自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断または操作のいずれかに係る能力を欠くこととなる症状を呈する病気のうち、医学的に病気としての概念が定着しているものを掲げているところでございます。

 こうした病気につきましては、まさに自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断または操作のいずれかに係る能力を欠くこととなる症状を呈することとなるから、その症状に着目して免許の可否を判断しているところでございます。

 したがいまして、発作が再発するおそれがない等、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがない症状の方については、免許の拒否等の対象とはしていないところでございます。

村上(史)委員 また、この法案を作成するに当たっては、さまざまな角度から当然検討をされたと思います。当事者の方、またその関係者、並びに専門家からの意見を聴取されたと思いますけれども、その中での、反対あるいは賛成の立場からの意見、それぞれあったと思いますけれども、事例についてお話をいただきたいと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 昨年、有識者検討会を開催いたしまして、鹿沼市における事故の御遺族を初め、一定の病気等に関係する学会及び患者団体等に対するヒアリングを実施いたしました。その上で、一定の病気等に係る運転免許制度のあり方について、有識者の委員に御議論をいただいたところでございます。

 そうした御議論の中では、例えば、差別の助長等、内容に十分配意していただきたいという御趣旨の意見であるとか、あるいは、二度とこのような事故が起こらないようにしっかりした把握をする制度を構築してほしいといった御意見を賜ったところでございます。

村上(史)委員 やはり差別につながるようなことがあってはならないのは当然でございます。そういう意見を踏まえて、法の執行については十分な配慮をしていかなければならないと思いますけれども、特に、質問票のことについてお尋ねをしたいと思います。

 「自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある一定の病気等に関する質問票を交付することができることとし、」云々がございます。質問票とは具体的にどういう内容になるんでしょうか。表現によっては、触れられたくないこともあるでしょうし、その内容によっては、差別につながるような表現になってしまうおそれもあります。

 その点、どのようにお考えなのか、お尋ねしたいと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 現在でも、この質問票というものは運用してございまして、その内容といたしましては、過去に発作等の経験があったかどうかをお尋ねするというもののように、特定の病気についての質問ではなく、その症状の自覚についての質問というような形になっているところでございます。

 質問票の具体的な内容については、有識者検討会における提言等も踏まえまして、例えば、よりわかりやすくするよう、イエス、ノー方式にするであるとか、あるいは申告の対象となる期間を明示するなど、よりわかりやすく適切なものとなりますよう、今後、警察庁において、関係学会等の御意見を聞きながら策定してまいる所存でございます。

村上(史)委員 ありがとうございました。まさにいろいろな角度から、質問の内容について今後決定をいただきたいと思います。

 また、きょうは一定の病気ということを中心に質問させていただいておりますけれども、あえて、てんかん患者への偏見や差別を少しでも薄めていく、またなくしていくために、著名人の方のお名前をちょっと申し上げたいと思います。

 著名人の中で誰もが知っている、画家のゴッホ、あるいは作家のドストエフスキー、また、学者でいえばアインシュタイン、政治家でいえば、革命家というんですけれども、レーニンなどもてんかんの病気を持っておられた方だということを聞いております。世界的にもさまざまな影響を及ぼした偉人たちでございます。

 そういう偉人たちもおられる中で、昨今、日本の場合も、障害者に対する考え方は当然いい方向に変わってきていると思うんですけれども、実は、平成十三年の法改正で、精神病、てんかん等を免許の欠格事由から除いた経緯がございます。

 そういう面では、今回の改正はそれとは逆行するような形になるのではないかという思いもいたしますし、また、その対象となる人々、関係者から新たな差別を生むのではないかという懸念もあるやに聞いております。それに対する御見解を古屋国家公安委員長にお尋ねしたいと思います。

古屋国務大臣 平成十三年の改正前、これは絶対的欠格事由として、てんかんにかかっている方は運転免許証を取ることができませんでした。ただ、こういった障害者に対する欠格条項は、平成十一年の障害者施策推進本部決定において、ある意味、障害者が社会活動に参加することを不当に阻む要因となる可能性がありますので、対象となる全ての制度について見直しを行いました。

 そこで、その決定を踏まえて、平成十三年度の法改正によって、病気による絶対的欠格事由を廃止して、そして、病状により免許の拒否、取り消し等をできる相対的欠格事由として、免許を受けようとする者ごとに自動車等の安全な運転に支障があるかどうかを見きわめる、こういうたてつけにしたところでありまして、今回の改正は、一定の病気に関する免許の可否基準を変更するというものではないですね。現在治療により症状が抑えられている方は、改正後も引き続き免許を保有することが可能になっておりまして、そういう意味では平成十三年の改正の趣旨にも整合をしているというふうに考えております。

村上(史)委員 ありがとうございました。

 それでは、時間も迫ってまいりましたので、自転車の取り締まりのことについて二点ほどお伺いをさせていただきたいと思います。

 特に、自転車利用者対策の推進に関する規定の整備の中で、自転車の運転に関して、反復して一定の違反行為をした者が、さらに交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、危険防止のための講習を受けるべき旨を命ずることができるとあります。

 ただ、繰り返し違反行為をしたということを人定把握するのはなかなか難しいのではないか。免許証があって、過去の違反歴があるとかそういうことならば、そういうことも特定することが可能だと思いますが、一般の方がそういう危険行為を繰り返したということをどのような形で人定把握されるのか、お尋ねをしたいと思います。

倉田政府参考人 お答えいたします。

 講習の対象となる反復した危険行為をした方の把握方法というお尋ねかと存じますけれども、これにつきましては、いわゆる交通切符で検挙した者、検挙する場合には必ず人定を把握するということが前提でございます。それから、事故等を起こしたことにより事件送致した者、これも当然、人定事項として把握することが前提でございます。そうした方について把握をして、反復したかどうかを確認して規定を施行していくというふうに考えているところでございます。

村上(史)委員 そういう違反切符を切った人に限っての法案であるというふうな理解になるんだと思うんですが、現実には、違反しないから検挙されない、あるいは指導されないケースの方がよっぽど多くて、結局、そういう方々を放置することで重大な人身事故を引き起こしているのが現実だと思います。

 高齢化社会の中にあって、自転車が高速化をする、その一方で、お年寄りが被害に遭うというケースもたくさんあると思いますので、もちろん、過去に指導をした者も対象にした取り締まりというのは必要だと思いますが、その一方で、予防という観点から、そういう危険行為をする人たちへの事前の教育啓発活動、これも先ほども何度か質疑に出ておりましたけれども、やはりそういうことにも十分力点を置く必要があるのではないかな、そのことをお伝えしたいと思います。

 それでは最後に、交通事故、特に自転車と人との事故を未然に防止するということも大変重要なことであります。行き着くところはやはり、歩道、そして自転車のレーン、また車道、その三つがきちっと区分けをされている道路を整備するということも大変重要なことだと思います。今の日本、そういう道路整備というものが大変おくれているのも御承知のとおりでございます。

 これは国家公安委員長だけでできる話ではありませんけれども、国交省を含め、関係省庁と連携をとって、高規格の道路整備ということも広い意味で究極の安全対策につながっていくというふうに思いますので、その辺の大臣の御見解をお尋ねして、質問を終わりたいと思います。

古屋国務大臣 自転車と自動車が別々に、自転車の空間を確保する、大切ですよね。ただ、現実に、今、道路延長が百二十万キロありまして、自動車及び歩行者と分離された自転車通行空間は三千キロだそうでありまして、まだまだ十分整備されていないというのが現実ですね。

 ただ、昨年十一月、警察は、国交省とも連携して、自転車ネットワーク計画の作成手順、自転車通行空間の設計の考え方を示したガイドラインをつくりまして、都道府県警察や地方公共団体にお示しをさせていただいておりますので、今後は、やはり道路管理者も含めて、関係行政機関と連携をしながら、自転車のネットワーク計画の形成、それから自転車レーン等の自転車の空間の確保、こういったものにしっかり努めてまいりたいというふうに思います。

村上(史)委員 ありがとうございました。

 終わります。

平井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

平井委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、参議院送付、道路交通法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

平井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

平井委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、平口洋君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党、みんなの党、日本共産党及び生活の党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。村上史好君。

村上(史)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。

 その趣旨は案文に尽きておりますので、案文を朗読いたします。

    道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。

 一 一定の病気等に係る運転免許制度について、民間団体等との連携により、全国的に周知するとともに、病気を理由とした差別が生じないよう十分配慮すること。

 二 一定の病気等に係る質問票、また医師による届出に関するガイドラインについては、国民に分かりやすい内容とするよう医師会や関係学会に対して要請すること。

 三 自己申告の機会が可能な限り確保されるよう、一定の病気等に該当する者が安心して相談できる窓口の充実を図ること。

 四 一定の病気等に該当する者の生活実態について十分な把握に努め、一定の病気等に該当する者が社会生活を営む上で不利益や支障が生じないよう、医療、福祉、保健、教育、雇用などの総合的な支援策を充実させること。

 五 一定の病気等に該当する者の権利利益を尊重するとともに、その侵害が生じた際には迅速かつ効果的に救済すること。

 六 国内外における一定の病気等に関する科学的な調査・研究を推進するとともに、最新の医学的知見を反映させるため、一定の病気等に係る免許の可否等の運用基準については、必要に応じ見直しを行うこと。

 七 本法施行後五年を目途に、虚偽記載に対する罰則整備や医師の通告の在り方など本法の施行の状況について検討を行い、必要があると認めるときは所要の措置を講ずること。

 八 無免許運転等の悪質・危険運転の根絶に向け、本法を始めとする関係法令の適正かつ厳格な適用に努めるとともに、広報活動を強化すること。

 九 関係省庁等が適切に連携し、特定の年齢層に偏らない体系的な自転車安全教育を充実させるとともに、自転車道や自転車専用通行帯等の自動車や歩行者から分離された自転車通行空間の計画的な整備を図ること。

 十 本法の施行を機会に、安全な自動車や先進的な交通システムの開発について、情報通信技術の積極的な活用を検討し、政府が総合的見地から促進すること。

以上でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

平井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

平井委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。古屋国家公安委員会委員長。

古屋国務大臣 ただいま御決議がありました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処をしてまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

平井委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

平井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十分散会


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