衆議院

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第11号 平成27年6月3日(水曜日)

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平成二十七年六月三日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 井上 信治君

   理事 秋元  司君 理事 亀岡 偉民君

   理事 田村 憲久君 理事 谷川 弥一君

   理事 中山 展宏君 理事 泉  健太君

   理事 河野 正美君 理事 高木美智代君

      青山 周平君    池田 佳隆君

      石崎  徹君    岩田 和親君

      越智 隆雄君    大隈 和英君

      岡下 昌平君    加藤 寛治君

      神谷  昇君    木内  均君

      新谷 正義君    武部  新君

      寺田  稔君    中谷 真一君

      長尾  敬君    長坂 康正君

      ふくだ峰之君    松本 洋平君

      宮崎 政久君    若狭  勝君

      阿部 知子君    緒方林太郎君

      近藤 洋介君    佐々木隆博君

      鈴木 貴子君    津村 啓介君

      古本伸一郎君    山尾志桜里君

      小沢 鋭仁君    高井 崇志君

      初鹿 明博君    升田世喜男君

      輿水 恵一君    濱村  進君

      池内さおり君    塩川 鉄也君

    …………………………………

   国務大臣

   (女性活躍担当)     有村 治子君

   内閣府副大臣       赤澤 亮正君

   内閣府副大臣       平  将明君

   厚生労働副大臣      永岡 桂子君

   内閣府大臣政務官     越智 隆雄君

   内閣府大臣政務官     松本 洋平君

   文部科学大臣政務官   山本ともひろ君

   厚生労働大臣政務官    高階恵美子君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  谷脇 康彦君

   政府参考人

   (内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室次長)            向井 治紀君

   政府参考人

   (内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室次長)            久保田 治君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       笹島 誉行君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 井野 靖久君

   政府参考人

   (内閣府男女共同参画局長)            武川 恵子君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    高橋 清孝君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 藤井 健志君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           義本 博司君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局次長)      岸本 康夫君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           福島 靖正君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大西 康之君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           木下 賢志君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           武田 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山崎 伸彦君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局雇用開発部長)       広畑 義久君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       安藤よし子君

   内閣委員会専門員     室井 純子君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月三日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     長坂 康正君

  平口  洋君     新谷 正義君

  宮崎 政久君     中谷 真一君

  緒方林太郎君     鈴木 貴子君

  津村 啓介君     阿部 知子君

  小沢 鋭仁君     初鹿 明博君

同日

 辞任         補欠選任

  新谷 正義君     平口  洋君

  中谷 真一君     宮崎 政久君

  長坂 康正君     池田 佳隆君

  阿部 知子君     津村 啓介君

  鈴木 貴子君     緒方林太郎君

  初鹿 明博君     小沢 鋭仁君

    ―――――――――――――

六月二日

 韓国・朝鮮人元BC級戦犯者と遺族に対する立法措置に関する請願(横路孝弘君紹介)(第一三三三号)

 特定秘密保護法廃止を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一三三四号)

 関東大震災時の朝鮮人虐殺の真相究明を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第一三三五号)

 特定秘密保護法を速やかに撤廃することに関する請願(田村貴昭君紹介)(第一四四九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一四五〇号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一四五一号)

 同(畠山和也君紹介)(第一四五二号)

 同(藤野保史君紹介)(第一四五三号)

 同(堀内照文君紹介)(第一四五四号)

 同(真島省三君紹介)(第一四五五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一四五六号)

 同(宮本徹君紹介)(第一四五七号)

 同(本村伸子君紹介)(第一四五八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案(内閣提出第八号)


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     ――――◇―――――

井上委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案を議題といたします。

 この際、本案に対し、田村憲久君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党の共同提案による修正案が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。泉健太君。

    ―――――――――――――

 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

泉委員 ただいま議題となりました女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 第一に、女性の職業生活における活躍の推進は、男女共同参画社会基本法の基本理念にのっとり行われるべきものであることを明確にするとともに、男女の人権が尊重される社会の実現を目的に追加することとしております。

 第二に、女性の職業生活における活躍の推進は、職業生活における活躍に係る男女間の格差の実情を踏まえ、女性に対する職種及び雇用形態の変更等の機会の積極的な提供及び活用を通じ、かつ、性別による固定的な役割分担等を反映した職場における慣行が女性の職業生活における活躍に対して及ぼす影響に配慮して、その個性と能力が十分に発揮できるようにすることを旨として行われなければならないものとすることとしております。

 第三に、女性の職業生活における活躍の推進は、家族を構成する男女が、男女の別を問わず、相互の協力と社会の支援のもとに、育児、介護等について家族の一員としての役割を円滑に果たしつつ職業生活における活動を行うために必要な環境の整備等により、男女の職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となることを旨として行われなければならないものとすることとしております。

 第四に、一般事業主行動計画を定め、また変更しようとするときに把握する事項として、労働時間の状況を追加することとしております。

 第五に、一般事業主行動計画を定めた一般事業主は、一般事業主行動計画に基づく取り組みを実施するとともに、一般事業主行動計画に定められた目標を達成するよう努めなければならないものとすることとしております。

 第六に、特定事業主行動計画を定め、また変更しようとするときに把握する事項として、勤務時間の状況を追加することとしております。

 第七に、その他所要の規定を整理することとしております。

 以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

井上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

井上委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官谷脇康彦君、内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室次長向井治紀君、内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室次長久保田治君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官笹島誉行君、内閣府大臣官房審議官井野靖久君、内閣府男女共同参画局長武川恵子君、警察庁警備局長高橋清孝君、財務省大臣官房審議官藤井健志君、文部科学省大臣官房審議官義本博司君、文部科学省科学技術・学術政策局次長岸本康夫君、厚生労働省大臣官房審議官福島靖正君、厚生労働省大臣官房審議官大西康之君、厚生労働省大臣官房審議官木下賢志君、厚生労働省大臣官房審議官武田俊彦君、厚生労働省大臣官房審議官山崎伸彦君、厚生労働省職業安定局雇用開発部長広畑義久君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長安藤よし子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

井上委員長 これより原案及び修正案を一括して質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部知子君。

阿部委員 民主党の阿部知子です。

 本日は、人口の過半、半数よりも、男性よりも多い女性たち、そしてその女性たちが個人として、尊厳をきちんと認められ、生き生きと生き、暮らし、働くための法案となるよう、私も一生懸命質疑をさせていただきますので、担当の大臣初め、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 まず冒頭、有村担当大臣に伺います。

 この女性活躍法案というのは、そもそもは女性の活用、ある意味で利活用的な観点から発案されたと言われて、ちょっと、女性は対象物じゃないよというふうに思われ、大変に評判が悪かった中で、女性の活躍というふうに最終的にはなってきたものですが、それでもなお、女性は経済成長のために活用される道具ではないし、もちろん女性の中で一握りがよりよい状態になればいいということでもないと思います。

 もともと、一九八五年の男女雇用均等法は、性に関する男女の差別等々について、これをどのように解消していくかということでつくられた法律で、しかし、この法律についても、国連の女性差別撤廃委員会などが、いろいろな意味で、これは雇用管理区分の性差別については判断していないことや、間接差別を広く適用していない、また、複合差別に関する規定がないなど、課題があるんだということが指摘されておる中であると思います。

 大臣にあっては、今回、この女性活躍推進法を提案なさるに際して、一方の雇用均等法、もちろん大臣の所掌ではない、厚生労働省のこととなるとは思いますが、そもそものスタートから見れば、雇用均等法を国際的な要請に沿って変更していく、改正していくということも前提として重要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

有村国務大臣 阿部知子委員にお答えをいたします。

 この分野に多大の関心と御支援をいただいていることに、まずもって敬意と感謝を申し上げます。

 冒頭おっしゃっていただきました、活用と活躍という語句でございますが、私も、何かの問題解決のために女性を活用すると言われることには大変違和感を覚えます。少なくとも、去年の九月以降、私が総理に任命をしていただいてからの九月以降は、一切合財やはり女性活躍ということで、女性が活躍したいかどうか、御本人、当事者がどう思うか、それを応援できる、そしてそれが社会の活性化につながるというその順番は絶対に間違うことのないようということを徹底しております。御指摘を真摯に受けとめます。

 この法案を通して、働く意思を持った女性の活躍推進を進め、結果的に豊かで活力ある社会を実現したいと考えております。

 条文によって、国、公共団体、大企業に対して、女性の採用、登用状況を把握、分析していただき、数値目標を含めて計画を策定して公表していただく、これを義務づけることによって、働く場面における女性の活躍を強力に進めていく枠組みを実現したいというふうに考えております。

 この法案に基づいて取り組みを進めることで、企業などにおいて女性の活躍に対する意識が着実に根づき、男性も含めた働き方の改革、また、男女ともに子育てなどをしながら仕事を続けることができる環境の整備が進むということでは、男女雇用に係る均等な機会及び待遇の確保に資するものだと考えております。

 御質問がありました男女雇用機会均等法に関しては、御指摘いただきましたとおり、所管がそもそも厚生労働省でありまして、この改正の是非については厚労省にお聞きいただきたいと存じますけれども、明確なことは、この男女雇用機会均等法がなかりせば、きょう私たちがこの法案を審議することもこの段階ではできなかっただろうということを考えると、その貢献ということにも大変感謝して、先人の御労苦ということにも思いをはせる次第でございます。

阿部委員 今の御答弁にのっとって、さらに厚生労働省とも協力して、雇用機会均等法の改善、改正についても、内閣としてお取り組みいただきたいと思います。

 二点目の質問ですが、今の国会の中で、ちょうど厚生労働委員会でいわゆる派遣法の審議がございまして、これも大変緊迫をしておりますが、今大変問題なのは、非正規雇用の女性たちの数がふえて、働く女性の六割というふうな現状にある中で、男女格差だけではなくて、女性の中の、女女格差というのかしら、女性の中でも格差が拡大をしてしまうというようなこともあろうかと思います。

 有村大臣においては、今回のこの女性活躍推進法において、こうした問題、重層的な構造だと思いますが、ここについての御見解をお願いいたします。

有村国務大臣 阿部委員からの御指摘は、大変大事な問題提起だというふうに共感もいたします。

 働く女性のうちの半数以上が非正規雇用です。女性の活躍を推進する上で、非正規雇用の女性への対応は極めて大きなポイントの一つだというふうに認識をしております。

 その中でも、詳細を見てみますと、自分が好む時間に働きたいなどの理由から非正規雇用での働き方をそもそも選択している女性がいらっしゃる一方で、正社員として働きたいのだけれども、その機会に恵まれず非正規雇用で働いていらっしゃる女性、あるいは、みずからの希望で非正規雇用を選んでいるものの、その働きに応じた処遇がなされていないという思いを持っている女性もいらっしゃいます。

 この法案は、そうした非正規雇用のさまざまなステージにある、あるいは状況にある女性も含めて、職業生活を営み、あるいはこれから営もうとする全ての女性を対象としております。

 非正規雇用の女性への対応は、本法案の目的を達成するためにも、最も重要なテーマの一つというふうに考えております。本法案が成立した暁には、この法案に基づく基本方針や事業主行動計画策定指針において必要な取り組みを盛り込ませていただきたいというふうに思っておりまして、速やかな成立を願っているところでございます。

阿部委員 力強い御答弁、ありがとうございます。期待しています。

 高階政務官にお伺いいたします。

 今、有村大臣の御答弁にもありましたが、この女性活躍推進法を実効力を持って前に進めていくためにも、各都道府県に置かれた雇用均等室の役割というのは大変重要だと思います。

 なお、私がいろいろいただきました資料を見ますと、ここに二つの問題があって、平成十年には、全国集計で二百四十三人の方がこの雇用均等室で働いておられる。私は昨日も、では、その雇用均等室で働いている人の中に、正社員と非正規はどうなっていますかとお尋ねしましたけれども、きょうに至るまでお返事がないので、私の疑問の点というか懸念の点は、この平成十年二百四十三人だったものが、平成二十六年現在は二百二十六人。

 雇用均等室というのは、非常に大事な役割を持っている。ただ、そこの人員が減っている。そして、今、有村大臣がお答えいただいたと思いますが、そこで働く職員の正社員と非正規の率はどうであろうか。まず、こういうことは隗から始めよでありますから、相談に行ったときに、実力もあって、きちんと寄り添ってくれるような雇用均等室の人材というのは本当に重要だと思います。

 この雇用均等室の充実、あるいは、非正規雇用問題についてお考えがあれば、よろしくお願いいたします。

高階大臣政務官 雇用均等室への期待、先生からエールをいただいた気がいたします。

 これまでも、法改正を契機といたしまして、順次、業務の質的、量的変化に対応する形で体制整備に努めてまいったところでございますが、現在、各都道府県四十七カ所にある労働局の中に設置された雇用均等室、定員として働かせていただいている職員が二百二十六人、先生御指摘のとおりでございます。また、このほかに、非常勤の職員の方々、現地採用で働いていただいている方々が六百六十八名ございます。

 地域の人口規模あるいは事業所数によって配置されている人員の数というのは差はございますけれども、この職員の方、そして非常勤で働いている方々が同じように対応ができるようにということで、本省といたしましても、研修あるいは、適宜、情報提供、こういったようなことはこれまでにもさせていただいてまいりました。

 今般のこの法律を通させていただきました暁には、必要な通達等を出し、また必要な研修等もするなどして、しっかりこの雇用均等室での仕事を充実していけるよう指導を徹底してまいりたいと考えてございます。厳しい定員状況下でございますけれども、なお、先生にも応援いただき、充実に努めてまいりますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

阿部委員 私がまず問題にしたいのは、平成十年の定員よりも減ってしまって、もちろん省庁全体の定員削減はあったとは思いますけれども、やはり、こういう法案をつくって、実効性を高めていくために、今大事な時期ですので、内閣を挙げて定員増。

 そして、非正規がどんどんふえていっている現状かと思います。非正規でも、おっしゃったように、研修とかいろいろなもので能力アップはしていけますが、やはり相手の訴えを受けとめる人自身が不安定では、これはいいアウトプットがないと思いますので、今お答えいただきました点も含めて、よろしく御尽力をいただきたいと思います。

 次に、修正案の提出者である泉さんに伺いたいと思います。

 私ども民主党は、臨時国会での審議の折から、家族を構成する男女という一文が、今、多様化した家族構成、シングルマザーもおられますし、性同一障害のカップルもおられますでしょうし、あるいは、場合によってはおじいちゃま、おばあちゃまがお孫さんを預かって暮らしていられる、他人でも家族かもしれません、多様な家族がある中で、今に見合う、そうしたいろいろな中にいる女性たち、男性もですけれども、活躍に資するものになるかどうかというところでの修正案かと思いますが、趣旨について再度、御答弁をお願いいたします。

泉委員 御質問ありがとうございます。

 まず、本法案の二条二項ですけれども、幾つか修正をさせていただきました。

 この二条二項のところでは、職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となることを女性の職業生活における活躍の推進の基本原則の一つとして掲げており、そこで念頭に書かれているのは家族を構成する男女ということであり、また、男女共同参画基本法第六条と比較をして、社会の支援の観点が明記をされていないこと等々がございます。これでは、委員御指摘のように、シングルマザーですとか女性同士のカップル、あるいは女性単身世帯、そういったものがこの法案の対象から抜け落ちてしまうのではないかという懸念については、数多くこれまでも指摘があったところであります。

 これまでの大臣の御答弁でも、決してそういう趣旨ではないということではございましたが、やはり、法案というのはわかりやすさが大事でありますので、これに対してしっかりとそういった趣旨が盛り込まれた法文にしようではないかという修正を民主党からも求められていたところであります。

 そういった中で、与党との累次の協議の結果、この主張を反映する形で、「家族を構成する男女が、」の後に「男女の別を問わず、」という言葉を入れさせていただいて、「相互の協力と社会の支援の下に、」という言葉を追加させていただきまして、その後、さらに「必要な環境の整備等により、男女の職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となること」と修正をすることで合意をいたしました。

 やはり、そういった修正を通じて、わかりやすく、伝わりやすい法案でありたいということを願っております。

阿部委員 真摯な御協議の結果、よりよいものに修正していただけたと思っております。ありがとうございます。

 次に、有村大臣にもう一度伺いますが、先ほど御答弁の中にもございましたが、女性の職業生活における活躍というと、専ら働く場面というところがクローズアップされてまいります。

 しかし、一方で、大臣も深い関心がおありと思いますが、自営業や農業や、またその家族従事者である場合に、働く場面と生活場面というのは混然一体になって、例えばお子さんをおんぶしながら御商売をやっている場合もあるでしょう、農家の方もそういうふうになっている場合もあるでしょう。そうすると、ここに、働く、職業生活と言われますと、そういう自営業、農業などの方に果たして目配りがあるんだろうかということが大変気になりますが、この点はいかがでしょうか。

有村国務大臣 大事な御指摘でございます。

 この法案は、みずからの意思によって職業生活を営み、あるいは営もうとする女性全てを対象としており、御指摘のように、起業をしたり農業を営む方も対象としております。こういった自営業の方も含めた女性を対象に、相談や関係機関の紹介、情報の提供などの支援措置についての規定を設けてございます。

 例えば、自営業の方々への支援として、起業については、経済産業省において、女性が起業を目指す際に資金や知識の不足が課題となっていることなどを踏まえて、起業向けの補助金における優遇措置、具体的には女性の申請者に対する加点など、資金面での支援を行っていただくと同時に、女性経営者の資質向上のための研修などを行っていただいています。また、農業については、農林水産省において、家族経営協定の締結数増加に向けた取り組みを促進していただくとともに、経営面における女性リーダーの育成やネットワーク化に向けた支援などを行っています。

 同時に、委員御指摘のとおり、自営業の方は、とりわけ働く場面と生活場面にクリアカットな境界線がない、こういう特徴に鑑みて、やはり私たちは、関係省庁とも連携をしながら、特に、雇用関係が必ずしも明確ではないという働き方をしている方々にも目くばせをした支援を充実していきたいというふうに考えております。

阿部委員 今の御答弁で、この法案の幅というか、厚みというか、膨らみが確認されたかと思います。

 今大臣のお手元に、大臣の御答弁にあった家族経営協定の推進、これは主に農水省がやっていただいておりますが、農家の女性たちが、例えば、自分の働いている時間、労働報酬、そしてどんな役割を農家の中で果たしていくかなど、家族内で協定をつくって、たくさん協定をあちらこちらでつくっていけるような体制にすることで、女性の労働を見える化しようというものであります。

 この取り組みは、特に農水省、熱心にやっていただいておりまして、第三次男女共同参画基本計画、平成二十二年の第三次計画では、平成三十二年までに七万件という成果の目標を立てておられます。具体的だし、数値目標があるし、私はこれは大変いい取り組みだと思っております。

 同時に農水省は、食料・農業・農村基本計画の二〇一〇年版においても、また今申し上げました第三次男女共同参画基本計画の二〇一〇年版においても、こういう女性の参画をどうすればもっと前に進められるかということを数値目標化しておられます。

 今度、第四次の男女共同参画基本計画ができ上がると思いますが、この中においても、ぜひ、この取り組みを含めて、いろいろな場面で、単に雇用関係にある労働者だけではなく、商工会議所あるいは商工会あるいは農協など、いろいろな関連する皆さんのお力を寄せて、より女性が活躍できるよう、そして、例えば、実は女性が活躍しているところの農協の方が元気がいい、それからいろいろな、農業委員に入っておられるところの方が新しい取り組みもあるというふうに言われております。

 御質問は、第四次男女共同基本計画の中でもそういう目配りをきちんとしていただきたい、第三次がそこをきちんとなさったことを評価した上で、大臣の第四次基本計画のお取り組みについてお伺いいたします。

有村国務大臣 今御紹介をいただきました家族経営協定、女性の活躍、特に農林水産分野での御相談を農林水産大臣といたしますと、まさに農林水産省挙げて、いわゆる三ちゃん農業と言われる、おじいちゃま、おばあちゃま、それから奥様という三人でやってきた、だからこそ、女性の貢献ということをしっかり認めていかなきゃいけないという強い熱意と、それから今までの努力の積み重ねということを、私自身もひしひしと感じています。

 農林漁業の経営が、家族の話し合いと男女の共同参画によって充実、成長していく、競争力も持ち得ていく。また、家族一人一人が個性と能力を認め合って、かけがえのない対等な仲間として家族関係をつくっていく。また、営業なりの営みをしていく。それから同時に、その営みを次の世代にスムーズに引き継いでいくためということでの家族経営協定の価値を私も尊重し、また、大変いい取り組みだというふうに敬意を持ちます。

 今、第四次男女基本計画をまさに策定しております。ことしじゅうに策定をしたいというふうに思って検討を始めておりますけれども、きょうの委員の御指摘も踏まえて、しっかりと、その部分に光が当たるように留意しつつ、これから文言なり内容を精査していきたいというふうに思っております。

阿部委員 これも前向きな御答弁をありがとうございます。本当に、単に会社で働くということでなく、幅広い分野で女性は日々働いておりますから、そのことが支えられるような関係団体との上手なコラボのもとにやっていただければと思います。

 同様に、先ほど大臣の御答弁の中にも少しございましたが、例えば弁護士、専門職、デザイナーなどで、起業をしたい、一人で頑張るぞという女性も多いと思います。これからますます多いし、頼もしいと思います。

 この法案を見ますと、先ほどの大臣の御答弁、いわゆる就業支援が第十八条に出ておりますが、就業支援ももちろんスタートの支援ですから重要ですが、実は、お一人で弁護士事務所をやったり、あるいはデザイナーになったり、いろいろ自宅で開業状態になったりしたときに、本当に大変なのは、やはり子育ての問題であったり、先ほどの家事労働の問題であったりするわけです。

 大臣は、もちろん、そうした一人でこれからみずから起業して頑張ろうという女性たちも、もう視野の中におありと思いますが、この法案だけ見ると、十八条の起業支援のところだけにちょっと限局をされているようで、この点についてはいかがでしょうか。

有村国務大臣 個人事業主であっても被雇用者であっても、女性の活躍を推進するためには、出産、育児、介護など家庭生活と仕事の両立に向けた環境の整備は不可欠であり、御指摘のとおり、法案にはこのような視点を盛り込ませていただいております。

 第二条において、女性活躍推進の基本原則として、職業、家庭生活の円滑な、継続的な両立を可能とすることを旨とする、第三条において、国、地方公共団体の責務として、両立のための環境整備を初めとする必要な措置の策定、実施を規定してございます。

 個人事業主、ここには起業家も入ります、その方々も含めて、女性が、働く場において十分に活躍しながらも両立が図られる環境を整えていくというのは、日本の置かれている状況を鑑みても極めて大事な、また、てこ入れをしなきゃいけない分野だと思っております。

 正規、非正規の課題が出てきておりますけれども、英語で言うところのセルフエンプロイド、あるいはマイクロ起業家と言われる、一人でみずから業を起こし、そしてみずからの好む時間で経営をしていく、そういう生き方もありだというキャリアデザインを、日本の中で、とりわけ女性の働き方の選択肢として早い段階から提示していく、そういうキャリア教育も大事だなというふうに思っております。

阿部委員 おっしゃるとおりと思います。

 そして、その上で、では我が国の制度は、そうして一人で頑張ろうと思う女性たち、あるいは農業者、あるいはお店、自営業の皆さんの、特に女性についてどうなっておるだろうということを考えたのが、次の国民健康保険問題です。

 この委員会には、長いこと厚生労働分野で御活躍して、今、与党の筆頭理事である田村先生もおられますので、ここぞとばかり、私はこの問題を取り上げたいと思いますが、実は四月十七日の厚生労働委員会でも、塩崎現厚生労働大臣に私の方で幾つか宿題を出させていただきました。

 国保というのは、御存じのように、昔は自営業の農家や御商売や、あるいはもうリタイアされた後の方たちが入っておられましたが、今では非正規雇用の皆さんも含めて国保に加入される率が大変ふえてまいりました。

 特に非正規問題との関係でありますが、同じ年齢層の中で、組合健保に入る方、国保に入る方、女性を年齢で分けて見たときに一体どのように国保加入率があるのかなどのデータを厚生労働省がお持ちであるかどうかなんですね。

 皆さんのお手元にあるのは、これは厚生労働省がいろいろ推計をいたしまして、国保に入っている女性の年齢別を出していただいています。国保というと高齢者ばかりというイメージで皆さん語られますが、例えば十から十九歳の女性で百六万人、二十から二十九歳で百二十八万人と、決して少なくない。もう一つ上まで行けば、三十から三十九で百五十五万人と、少なくない数の女性たち。ここだけ選んだ理由は、出産年齢との関係もあって今ちょっと読み上げさせていただきましたが、これだけの女性が国保の中におられます。

 そうすると、一体、年齢層で、国保に入っている女性、国保がよい悪いではないのです、後ほどお示しするような差がございますので、年齢別に見た健康保険の加入割合の数値。日本の統計というのは、やはりすごく男女別が手薄いと思います。それは男性目線であったことにもよると思いますが、これからは、すべからく男女のところにきちんとフォーカスを当てて、見比べていく手法が重要となると思います。

 厚生労働担当で高階政務官にお伺いいたしますが、年齢で見た国保加入率、これを厚生労働省として、これまでのデータ、あるいは今後データ化していくおつもりや、いかがでしょうか。

武田政府参考人 恐れ入ります、数字の御質問でございますので、私の方から回答させていただきたいと思います。

 ただいま御質問にありましたように、医療保険の被保険者の数、そしてその中の男性、女性の数という点につきましては、若干データが限られている現状にございます。

 御指摘のとおり、サンプル調査という形で国民健康保険の被保険者の実態調査を毎年行っておりますけれども、これによりますと二十代の女性の国保の被保険者数は約百二十八万人と推計をされておりますが、これを二十代女性の総人口約六百三十九万人に対する割合を計算いたしますと、約二〇%ということになります。したがいまして、二十代の女性のうち約二割が国民健康保険に加入をされているという状況でございます。

阿部委員 高階政務官、お願いがあります。今のようなデータをとり続けていただきたいんですね。二十代の女性の五人に一人は国保なんですね。

 では、国保の中で妊娠したり出産したりするときどれだけ不利益があるかという比較表も後ほどお示しいたしますが、こんなに少子化対策だと騒がれている日本の中で、みずからが所属する健康保険ゆえにもろもろの不利があるとしたら、これは取り払わなきゃいけない社会的バリアにもなっていると思います。

 少子化問題は今、国を挙げたというか、子供は未来ですし、子供のいてくれる風景というのは本当に心が和みますし、希望にもつながります。でも、その子供たちを産める、女性たちが選べる状態にあるのかどうかということで、今お知らせいただきましたような、これも初めてだと思います、二十代の女性のどのくらいが国保に加入しているかということ、そういう男女別データをとり続けていただきたいと思います。

 あわせて、例えば、同じような質問で、非正規の方で国保となられた方が果たして雇用保険にはどの程度入っておられるか、これは厚労省、データはありますか。

武田政府参考人 現在、私どもの把握している調査によりますと、国保の被保険者の世帯主の職業別構成割合というのは把握をしておりますけれども、それぞれの被保険者が、例えば、雇用保険に加入しているかどうか、就業形態、それから働いている事業所の状況までは、実際に国民健康保険を運営している市町村では把握をできておりませんので、このようなデータの把握につきましては、なかなか実務的な課題が多く、制約があるものと考えております。

阿部委員 正直言って、実務的課題は、何を目指して何を明らかにしようかという政治的意図によって克服をされるものであります。例えば、多くの女性が非正規雇用で、国保にお入りで、もし雇用保険を持っていなかったら何が起こるかというと、いわゆる育児休暇がとれません。育休がとれません。理由は、雇用保険から育休が支給されているからです。

 先ほど来申しましたように、これだけ国を挙げて産めよふやせと言っているのに、あら、気がついたら、育休はとれないんだというような実態がずっと放置されたまま国の政策が進むということは大変問題が多いと私は思います。

 高階政務官にあっても、本当に女性たちが選べるという状態に持っていくまでにはまだまだバリアがある。今、年金の情報が流出して大変な騒ぎになっておりますが、これからマイナンバー等々のナンバリングも始まろうとする中で、施策の上で必要な情報というのは、それは個人とは特定されない形で前向きに検討もできるものと私は思っています。

 個人の情報が流出というのは問題です。でも、非正規の女性で国保の人が雇用保険にどれくらい入れているだろうくらいなことは、今の分析能力をもってしては、やろうと思えばやれる、ただやらない。としたら、やはり政治の無策だと思います。

 私は、きょう、問題意識を政務官にお伝えしましたので、よろしく省内で検討していただきたいが、いかがでしょう。

高階大臣政務官 御指摘いただきましたとおり、働き方によって不利益を生じることのないような、現場をしっかり把握するということは大切なことだと思っております。私どもといたしましても、把握すべき情報等については、どのような形で情報収集できるか、しっかり検討した上で対応を図ってまいりたいと思います。

阿部委員 実はこの問題は、四月十七日に、塩崎大臣に私が投げかけまして、国保法の改正の中で、ぜひ早急に手をつけられるべき、例えば育休をとれるようにするにはどうすればいいか、本当に挙げて考えていただきたいが、何か担当部署として検討されましたでしょうか。厚労省に伺います。特に、その後の進捗、進展、何かやったかです。

武田政府参考人 お答えいたします。

 国民健康保険の審議の過程におきまして、大臣に御質問いただき、大臣の方から、どういうふうな調査が可能かということを含めて、検討してみたいというような答弁をしていただいております。

 それにつきまして、国民健康保険の実態調査の中で集計でできるもの、それから新たに調査項目をとり直さなければいけないもの、こういうふうに分けて検討していかなければならないと思っておりまして、中では議論を始めているところでございます。

阿部委員 迅速にやっていただきたいです。今、世では、団塊二世の女性たちがあとどのくらいの間、出産可能年齢なのかとかいうデータはよく出されますが、それが可能になる社会的な仕組みがなければ、幾ら数字を出されても、本当に産むに産めない。

 有村大臣に、三枚目の資料を見ていただきたいですが、同じ働いているのに、国保、例えば農業、自営業、非正規の女性はこんなに不利という、これは私の事務所でつくった一覧です。

 例えば、出産育児一時金は、これはお産のとき産院に払うものですから出ますけれども、自分の、女性の方には来ません。一時金はあります。

 次に、出産手当。出産したことに伴って所得が、産前、産後八週は働けませんから、では、そのときの手当はあるか。国保の場合、ないんですね。

 次に、もしそこで御病気になられても、お産というのは、健康であればですけれども、いろいろな、また不測の事態が起こって傷病手当等々が要る場合もあります。これもありません。

 育児休業給付金は、先ほど、数値もない、データもない、一部もらっている人があるらしいというので、よくわからない。ただ、制度上は、雇用保険に入っていなければ、ない。

 育児休業中の保険料免除、産休も含めて。産休中は、雇用保険に入っていれば保険料免除があります。すなわち、国保の女性の場合は、所得が全くなくても払い続けなきゃいけないし、お産の間も何の保障もありません。

 これだけ差があれば、当然私は、それは例えば、御家族の中でやりくりしてとかいろいろなことはあり得るし、今までもやってこられたでしょう。でも、これだけ世の中が挙げて女性の活躍、女性をという時代に、余りにも不平等だし、置き忘れられた課題だと思います。

 これは塩崎大臣には申し上げましたが、有村大臣にもぜひ、この現状、実はこうなんだということを知っていただいて、どういう方法があるか。いろいろなお考え、大臣の所掌以外のことも多いと思いますけれども、でも、今度の女性活躍推進法を契機に、ここにエアポケットのように取り残された問題についてもぜひ前向きにやれることを考えていただきたいですが、有村大臣、いかがでしょうか。

有村国務大臣 小児科医として、お子さんの健やかな健康、安全、また母子関係の健やかな育みということに大変大きな御貢献を行ってこられた委員の真摯な問題提起に謙虚に耳を傾けます。

 強い関心を持って先ほどから御紹介いただいております四月十七日の阿部委員と厚生労働大臣の厚生労働委員会での御質問また答弁のやりとり、当該部分はけさ全て読ませていただいた上で、私も答弁に臨ませていただいております。

 そこで厚労大臣も冒頭におっしゃっています。阿部委員がおっしゃっていることを、方向性として、否定するつもりは全くありませんというふうに厚生労働大臣がお認めのとおり、御主張はかなり共感を持って聞かれる話だというふうに私も思います。

 同時に、この所管をしていらっしゃる厚生労働省のトップとして大臣がおっしゃっていることは、さはさりながら、先立つものがないと、何を財源にしてこれをやっていくのか、その財源をどこから確保してくるのか、また、対象となり得る被保険者の就業状況、収入をどのように正確に捕捉するのか、そこがどこまで公平性が担保できるのか、実効性という意味では数々の難題があることも率直におっしゃっているというふうに、私もこの答弁を見て思いました。

 そういう意味では、共感する、また問題提起をしていただいていることに敬意と感謝を申し上げながら、私がここで調子のいいことを言っても何も進みません。厚生労働省さんとともに問題提起ということを共有させていただく、そういう中で、ここにも光が当たっていけるようなことが、方策がありやなしやという強い問題意識を抱かせていただいております。

阿部委員 一言付言すれば、ほかの、組合健康保険や協会けんぽに入っている女性たちは、その方の収入がどうこうで傷病手当が得られないとか、育休がとれないとか、そういうことではないのですね、保険料の減免も。

 今おっしゃられた、塩崎大臣のお言葉をそのまま繰り返されたんだと思いますけれども、国保の女性たちの経済状況がではなくて、私は、国保というこの仕組みの中にこれが整っていないということは、実は改善方法は幾多もあると思いますし、今与党である自民党、公明党の皆さんで、女性の二十代の五人に一人がこの状態ということに光を当てなければ、私は、政権である役割はないんだと思うくらいの重要な問題と思っております。

 なお、もっと言えば、国保に置かれた子供たちも不利です。子供なのに保険料の頭数に入れられるとか。本当に本当に差別や区別や不平等ということをなくしてこそ、活力ある社会だし、女性たちが安心して産み育てられるんだと思います。

 問題意識を持っていただいたということで、有村大臣には感謝します。

 同じような問題の続きで、高階政務官にお伺いできればと思います。

 さっきは国保ですけれども、非正規の女性の育休取得率というのは、これだけは出ているんですね、四%と。非正規でも雇用保険に入っているということなんでしょうね。でも、これは正規の職員の十分の一なんですね、育休取得率も。そして、就業継続率が一八%。非正規であるゆえに、もちろん、望んで非正規で、お子さんができたらやめようかという人もいないわけではありません。でも、やめざるを得ないというふうな状況もあります。

 ここに、私が問題としたい正規と非正規の壁、女性たちが本当に当たり前に産み育てられる、選べるという状態になっていないと思います。いろいろな研究会も、厚生労働省の両立支援研究会というのがございますし、これは育児と、家庭と仕事の両立ですね、こうした正規、非正規問題、あるいは育休はとれるのか、就業継続はどうなのかというところに、さらにきちんとしたデータをお出しいただけるようにお願いしたいが、いかがでしょう。

高階大臣政務官 非正規雇用であっても働き続けたいという意思をお持ちの方が、産休もしっかりとった形で、育休もとった形で就業を継続してもらうための工夫、今ほど御指摘いただきました研究会におきまして、昨年十一月から、どのような対応ができるかといったようなことを取り組ませていただいているところで、これまで十回、この研究会を開催させていただいております。

 その中で、育児・介護休業法の改正法附則の五年後見直し規定がございますので、この夏には、実際の労働者そして事業者の方々から現状についての調査をさせていただきまして、その結果を踏まえた報告書をまとめさせていただきたいと考えているところでございます。

 具体的には、その調査の中身につきまして御紹介させていただきますと、非正社員の産前産後休業あるいは育児休業の利用状況であるとか、それから育児休業を取得できた非正社員の契約期間あるいは契約更新回数といった契約の長さ、そういったものの調査、あるいは非正社員の方が育児休業を取得できなかった、しなかった理由、こういったものについて調査をさせていただいておりますものと、それから事業所の方でどういった取り組みをしているのかといった調査もあわせて現在実施しているところでございまして、これを鋭意集計し、分析した上で、七月ごろにはこの最終結果を取りまとめて公表させていただきたいと考えてございます。

 この研究会においては、これらの調査結果も踏まえた形で、期間雇用者の産前産後休業あるいは育児休業の取得促進策も含めまして検討させていただき、育児・介護休業法の見直しに向けた報告書、これをまとめ、提出をさせていただきたいというところでございます。

 こうした取り組みを通じまして、非正規雇用の労働者の現実の声、実態というものをしっかり把握した上で、仕事と育児を両立しつつ就業を継続していただける、そういう環境整備を進めてまいります。

阿部委員 ぜひ基礎となるデータの集積をよろしくお願いしたいです。そこからよい施策が出ることを願っております。

 次に、有村大臣にお伺いいたしますが、私がこの法案でもう一つ違和感を持ちますのは、家事労働について、果たしてこの法案はどのように視線というか目線があるんだろうということでございます。

 よく言われますように、第三次男女共同参画基本計画の基本方針にも、固定的性別役割分担意識をなくした男女平等の社会とございますが、これは昔から、おじいさんはしば刈りに、おばあさんは洗濯に、これも性的役割分業なんだと思いますが、そういう固定的な意識。おばあさんがまき割り、洗濯じゃなくてもいいんです、何でも、男女がおのおのの固定的役割分業意識を超えて支え合うということが大事と思います。その際に、家事労働はこれまで女性が多く担ってまいりましたので、そのことも含めて、この法案の根本に固定的な性別役割分担意識をなくした男女平等の社会ということは水脈としてベースにあるものというふうに考えてよろしいでしょうか。

有村国務大臣 お答えいたします。

 御指摘のとおりでございます。

 第一条で男女共同参画社会基本法の基本理念にのっとるということを規定しておりまして、この法律に基づく男女共同参画基本計画とも当然に整合するものであるというふうに寸分の違いなく認識をいたしております。基本原則として、職業生活と家庭生活の円滑かつ継続的な両立を可能とすることを旨とすることなどというふうに規定しておりまして、持続可能な形での両立ということをうたっております。

 同時に、委員御指摘のように、女性活躍というならば、まずは男性の働き方を変えてほしいという切実な市井の声もございます。そういう意味では、女性の活躍を推進するためには、男女がともに仕事と家事などを両立できる環境整備をさらに加速させていくことは喫緊の課題だと思っております。

 多様で柔軟な働き方ということは、もっと主流派にしていくこと、また、長時間労働の是正、ワーク・ライフ・バランスの推進を実現していくことなど、また、父親の育児休業、休暇ということの実施率を高めて、育児、家事への参画、介護への参画ということも同時に進めていかなければこの法の趣旨は実現は難しいというふうに思っておりますので、並行して加速していきたいと考えております。

阿部委員 ありがとうございます。

 今の大臣の御答弁のように動いていくことを願って、ただ、その場合に、やはり前提として、これまでの意識で家事労働はただであるというか有償化されない無償労働であるという実態があって、シャドーワークとも言われましたし、算定されない、数値化されない家事労働を何とか見える化して、これは男性でも女性でもいいんです、そのことを担う人の働きを正当に評価しようという流れが、一九九五年の北京女性会議以降、世界の中でも強くなっております。

 我が国においても、一九九七年、当時の経済企画庁の政務次官、当時というか、九五年から九七年の間ですが、清水澄子さんという社民党の議員でいらっしゃいましたが、その方が無償労働の貨幣評価ということを出していく。すなわち、見える化して、これだけの価値がある、これだけの労働なんだということを明示化して、ともに分かち合っていこうというようなことを経企庁として始めていただきました。

 お手元には、直近の二〇一三年六月の報告からの抜粋がございまして、タイトルが「家事などの無償労働の貨幣評価」となっておりますが、これは内閣府が出しているものでございます。

 ここには、家事労働が果たして現金に換算した場合、男性と女性が両方やっていますから、それを時給当たりに換算して幾らとやってつくる、あるいはスペシャリストにその仕事をやっていただいた場合に幾らになる、あるいはいわゆるお手伝いさんと言われる方に投げた場合はどうかというので、一番上が男女の家事労働時間を合わせて賃金で掛けたもの、真ん中がスペシャリストに投げたもの、三番目が家事労働の家事使用人の賃金としてやった場合ですね。

 これをよく見ていただくと、何とGDPの三割に及ぶだけのボリュームですね、家事労働に単位時間の賃金を掛けていった場合にここまでなるということであります。それくらい無視し得ないボリュームを家事労働は担っており、下のグラフは、多くはそれは女性、女性の構成比率は、昔、一九八一年は九割の家事労働を女性、今は八割ちょっとでありますね。

 この家事労働というところにフォーカスを当てる、そしてそれを、多くは女性が担っているけれども、男女の間で分配していく、このことも非常に重要なこれからの施策だと思います。

 よくイクメンとか言われますが、単に育児だけではない、さまざまな場面がありますから、そうしたことも、いわゆる働く女性の職業生活だけでなく、すなわち人間は、寝て、食べて、子供を育て、家庭を営み、また次への英気を養うというトータルな存在ですので、企業の中で事業計画を立てていくときにも、働く部分だけ切り取られると、どうしても不幸が起こると私は思いますので。

 お尋ねしたいのは、家事労働の再分配を促す政策とこれを一言で言うんですが、男性も女性も分け持つ、また、会社もそのことに理解を持つ、事業所レベルの取り組みというものを、政府としていろいろ促進していくというお考えはいかがでしょう。有村大臣に伺います。

有村国務大臣 御指摘いただきました無償で行われる家事活動の評価については、平成二十五年版の男女共同参画白書において取り上げております。また、そのようなデータの把握を行っております。

 委員がおっしゃっていただきましたとおり、家事、育児等は、家族を支えるとうといものであると同時に、めちゃくちゃ大変なものだという実感がございます、私自身も。そして、それらにかける時間は、男性と比べて、圧倒的に女性の方が明らかに多い現状にあるというのも御指摘のとおりです。

 そういう意味では、女性の活躍を推進するためには、男性の家事、育児等への参画を促すことが重要で、この部分に関しては、さきに取りまとめました少子化社会対策大綱にも明記をさせていただいた部分でございます。数値目標も挙げたところでございます。

 そして、この女性活躍法案に基づいて、労働時間の状況に関する課題などを踏まえた事業主行動計画が策定されますと、各事業主における働き方また職場風土の改革に向けた取り組みが促進されるというふうに思います。そのことによって、男性の家事、育児への参画促進にも寄与するものだと考えております。

 やはり、御紹介いただいた、イクメンがふえるだけではなくて、そもそも、イクメンがしっかり活躍できるようにするためには、イクボス、すなわち、部下は時間制約がある人々が主流派なんだという前提での人事評価、そして時間制約がある部下たちをしっかりとマネージできる上司が人事的に評価されるという、価値観のはかり方の物差しを変えていきたいというふうに思っております。

阿部委員 家事労働は、家事ハラと言われるように、ハラスメント、無視されたり評価されなかったり、見えない労働になってしまっていて、そのために労働から排除されているというものですが、これなくしては、人はあすも人たれないほどの重要なものですので、今の大臣の御答弁をしっかりと実践、実行に移していただきたいと思います。

 次の参考資料ですが、ここには、共働きの男女、夫と妻における生活時間の使い方、そして夫が有業で妻が無業の場合の時間の使い方、一次、二次、三次と分けているんですけれども、一次は眠る時間等々、生活、お風呂に入ったり、二次は働くのとそれから育児を含めた家事の時間、三次は自分の余暇の時間となっております。

 ここで特に共働きの妻を見ていただきたいですけれども、三次活動に費やせる時間というのが他よりも少ないと同時に、これは専業でやっていらっしゃる女性よりもさらに少ない、そして一次活動の時間も少ない。すなわち、共稼ぎしていると、睡眠時間も少ないし、余暇も少ないと。これも総務省のデータですが、非常によくできておりますので、ぜひ、さっき大臣がおっしゃった、これからの行動計画の中に入れていただきまして、ぱたぱたお母さんで、働いて働いて、体壊してという女性が大変多い。もちろん男性だってそうです。子供と親子でいる時間がない、あるいは家庭にいられる時間がないという方も多いし、それはもう非常に問題と思いますから、ぜひ、先ほどの大臣の御答弁の流れの中で、こうした資料も参考にしていただければと思います。

 一つ、家事労働について大変懸念の点がございます。実は、さきに既に、昨日通過しました国家戦略特区法案の中で、いわゆる家事労働部分を外国人家事支援人材に頼ろうかということが可決、成立をしております。

 ただしかし、我が国は、ILOの百八十九号条約、これは、家事労働というのは今、世界的にそこに注目が集まっておりまして、きちんとその方たちの人権の保障も含めて、労働の評価も含めていかなければいけないという世界潮流ですが、日本はまだこれを批准しておりません。ぜひ、政府として、批准に向けて加速をしていただきたいが、有村大臣、いかがでしょう。

有村国務大臣 このことについては、大変恐縮ですが、厚生労働省にお聞きいただきたいと思います。

阿部委員 済みません。その打ち合わせでした。

 高階さんにお願いします。

高階大臣政務官 ありがとうございます。

 先生今御指摘のILO第百八十九号条約でございますが、ここで定めております家事労働者の中には、今回の特区法の中で議論されました外国人家事支援人材のみならず、個人の家庭において、その家族の指揮命令のもとに家事一般に従事することを本来業務とする方々も含まれておりまして、そうなってまいりますと、現在、我が国では労基法第百十六条の規定によりまして適用除外としているところの範疇まで含まれてくるということで、国内法制の整合性という点でもまだ検討すべき材料があるという状況にございます。

 今回の外国人家事支援人材の受け入れに関しましては、受け入れる企業の側が労働契約に基づいて労働者として雇用するという位置づけになってございますので、となると、この方々については労働基準関係法令が適用されるということになってまいります。そうした観点から、私どもといたしましては、この方々については適切な労働条件が確保されるよう、しっかりと、内閣府を含む関係各機関の皆様とも協議を進めた上で保護を進めていくということ。

 また、先ほど御指摘のILO条約のことに関しましては、国内法制との整合性等について検討していくということで、お答えとさせていただきたいと思います。

阿部委員 いずれにしろ、家事労働が、先ほど来申しますように、見えないところに追いやられていて、また、外国の方が来られて、働く場面でいろいろな問題が起きたときの受け皿や法令のこともなかなか行き渡らないと思います。両面にわたって御尽力いただけますことをお願い申し上げます。

 最後に一言申し上げたいと思いますが、有村大臣にこれはお願いいたします。

 せんだって、内閣官房のツイッターにキャラ弁というのが出て、今、すごく上手にお弁当をつくるお母さんたちがいるんですね、もうすごいという。でも、一方で、キャラ弁はすごいよと言われると、あら、私はそれはできないわという嘆きの女性たちの声、余力ですね。

 それから、十三歳の川崎の少年が殺された事件で、お母さんは非正規雇用で長いこと働いて、子供とお食事をする時間がなかったんですね。最後に、子供が差し出したパンを夜の九時ごろ食べて、それが子供とのお別れだったんですね。

 私は、女性たちにとって、暮らす、働く、生きる、一体化しないと、悲しい思いが、本当に、活躍活躍と言われれば言われるほど深くなると思いますので、ここは、人間の尊厳と幸せということを根幹に置いてこの法律のさまざまな対応をしていただきたいとお願い申し上げて、一言、それで終わります。

有村国務大臣 本質的な締めくくりの御発言だというふうに思います。

 一部だけを解決して問題の全ての本質を解決することにはいかないということを考えると、人間のクオリティーライフを高めていくために日本国が何ができるかという視点で進めたい。当然、女性の活躍という意味では、男女の働き方、生き方、そこが本質であるということの問題意識の中で、これからも施策を進めていきたいと考えております。

阿部委員 ありがとうございます。終わります。

井上委員長 次に、古本伸一郎君。

古本委員 おはようございます。民主党の古本伸一郎でございます。

 閣法並びに議員修正案が出されましたので、両案について質疑してまいりたいと思います。

 政府、役所の皆さん、それから与野党の理事の皆様の御尽力に、修正案にこぎつけたということに敬意を表する次第でございます。

 まず冒頭、前衆議院議長の町村信孝先生が御逝去されました。謹んで哀悼の誠をささげる次第でございます。昨日、目黒の私邸に、私の師匠、藤井裕久先生のお供で弔問に参って、先生にお別れを申し上げてきた次第でございます。

 振り返れば、社保・税一体改革の税財源は、旧来の年金、介護、医療に加え、子ども・子育ての分野に、新たに加えるんだということは大変エポックメークなことであったと思っておりまして、きょうの議論を通じて、あのときの三党交渉の自民党の責任者として手前どもの藤井先生と御議論された町村先生の思いも少し思い出しながら質疑に当たりたい、このように思います。

 まず、本法の狙いをよく考えますと、八七年の雇均法の施行がまず出発点にあったと思うんです。私は、その年に社会人になりましたので大変鮮明に覚えていますけれども、これは、女性が社会に出るんだということでもう精いっぱいの時代だったわけですね。今回の法律は、御案内のとおり、男女共同参画社会基本法が出発点になっている、発射台になっていると思っておりまして、大変隔世の感があると同時に、いよいよここまで来たんだなという思いであります。

 質問に当たり、私自身、振り返れば、子供、子育てにはほとんど、いや、全く参加しなかった深い反省に立って、あがないの気持ちも込めて質問をするわけでありますし、したがって私に質問の指名があったんじゃないかな、こう思っております。そのことを告白した上で、家内には苦労をかけたなと思いながら質問するんです。

 まず、六割の女性が第一子を出産したことを契機に退職をするということ、この事実が、このことをこの建議書にも書いていますね。今回の法律のファクトとして大変多用されていますけれども、これは、実は大事なことを忘れているんです。

 大臣、完結出生児数という言葉を御存じですか。

有村国務大臣 済みません、教えてください。

古本委員 だからだめなんですよ。

 完結出生児数というのは、婚姻関係が十五年から十九年続いた夫婦の間に生まれる子供の数、直近のデータで一・九六人です。先日も小泉政務官に質問しました、御存じなかったですけれども。つまり、実は、六割の女性が第一子の出産を機に退職するというのは、裏返せば、六割の女性の退職によって完結出生児数が成り立って、合計特殊出生率に比べれば、ほぼ二・〇人に近い数字をそれでも何とか守っているんだろうと思うんですよ。

 先ほど来出ている女性の性的な負担、そういう家事労働は女の人がするものなんだという先入観、男性自身がこのことの意識が変わらない限り、家事労働の負担軽減、つまり、男性が参加するかどうかという家事労働にこの鍵が握られていると思うんです。

 さっきキャラ弁の話を阿部先生が最後におっしゃっていましたが、私の男性秘書の東君というのは、朝、弁当をつくってから来ていますからね。これは心がけ次第なんですよ。

 委員長は、お子さんの弁当をつくって子育てされましたか。

井上委員長 お答えします。

 心がけが余りよくないものですから、弁当はつくっておりません。

古本委員 泉さん、どうですか。お子さんの弁当をつくったことはありますか。

泉委員 弁当は、まだ子供が小さいので、ありませんけれども、毎週土曜日は、私が朝御飯をつくっています。

古本委員 修正案を提出する権利はありますね。

 つまり、政府原案に、何とも言えない性別による固定的な役割分担、どうしても日本社会というのはしみ込んでいるというのを書き込んでおりますか。これは役所の方から。くだりが入っているか、入っていないか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 それに類する趣旨は書いてあると思いますが、端的に書いているというふうな感じではないと思います。

古本委員 では、提出者。朝のお弁当というのはお母さんがつくるものなんだ、あるいは女性がつくるものなんだという先入観に一石を投じるくだりは、修正案に入りましたか。

泉委員 ありがとうございます。

 やはり、政府案を見ていて、もう少し明確に、固定的な役割分担に一石を投じていくんだという姿勢が私たちも必要だというふうに思っておりました。

 例えば、今回、第二条の「基本原則」のところで、「性別による固定的な役割分担等を反映した職場における慣行が女性の職業生活における活躍に対して及ぼす影響」というものを追記させていただいて、こういうものが現在にもあるんだよということを書かせていただいたこと。あるいは、二条の二項においては、家族を構成する男女が育児や介護その他家庭生活における活動を、男女の別を問わず、しっかりやっていかなければいけないんだ、そういうことを追加するために、「男女の別を問わず、」という表現を書かせていただいたところです。

古本委員 高く評価したいと思います。

 続いて、現状から言えることを二、三拾っていきたいと思うんです。

 これは建議書に書いてあることです。大臣、ですから、少し聞いていただきたいんです。配偶者の男性が、あるいはパートナーでもいいかもしれませんが、長時間労働である御夫婦ほど、あるいはカップルほど、フルタイムで就業する女性の数は減ると。したがって、この長時間労働が、女性が仕事を続ける、ましてやフルタイムで続けるということ、つまり男性側ですね、これが物すごくネックになっているということが浮かび上がるわけでございます。

 きょうは男性陣の答弁者で固めたつもりでありますので、まず、厚労省。

 原局の男性職員、多残業ですか。それとも、お子さんが熱が出た、迎えに行きたいという話があったら、率先して迎えに行く環境をつくっていますか。それとも、子供を迎えに行くのは女性の役割だという先入観を持っていますか。国会での答弁は院外では問われませんけれども、うそをついたら後で恥をかきますよ。本当に答えてください。

木下政府参考人 失礼いたします。

 私の経験からいたしますと、私、子供が三人おりますけれども、一子目は長男で、平成元年に出産しております。初めての子供でしたので、当然、家内も仕事をしておりましたから、やはりそれは夫婦の役割分担ということで、家内が行けなければ私が行くという分担をしております。

 ただ、二子目、三子目が実は双子でございましたので、これは必然的に我々が共同でやらざるを得ないということと思っておりました。

 私、職場の中でも、当然、男性職員も、夫婦の中できっちり、一緒に、ともに子育てをするということが大事だと思っております。

古本委員 きょうは人事局も来てもらっていますね。今、当然、引っ張っている担ぎ手ですから、率先垂範で結構ですけれども、政府部門全体で、例えばキャリアが、子供が熱が出たので迎えに行くなんて言っていたら、出世の妨げになりませんか。現実問題、率先して帰れる環境を人事局としてつくろうという、いろいろな役所の指針、これを確認した上で言っているんですけれども、実態はそうなっていますか。

笹島政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもも、政府全体の旗振り役でございまして、そういった中で、これまでも、次官級会議の場で、国家公務員の女性活躍とワークライフ推進のための取組指針というのを定めまして、これに基づいて各省は取り組み計画を策定して、進めているところでございます。

 やはり、その問題意識の中には、おっしゃるような、帰りにくいような環境とか、あるいは、男性が育児のための休業をするとか休暇をとるとかいったことがしにくい環境、あるいは、育児休業をとった、育児休暇をとったということが、周囲の評価とか昇進との関係で影響があるような状況もあるんじゃないかというような議論もあるわけでございます。こういったことを少しずつ改善していくべく、我々も旗を振っているところでございます。

 私自身も、家庭内でどれだけやっているかというと、妻の評価からするとかなり厳しいというのが実態でありますけれども、内閣人事局の中におきましても、例えば、育児参加という観点でいえば、個々人にいろいろ働きかけて、育児休業あるいは休暇を取得ということで男性職員に働きかけているところでございます。

古本委員 私は、わずかな与党暮らしで、財務政務官というのを少しやっただけですけれども、少なくとも財務省のキャリアのばりばりは、子育てと両立しているスーパーキャリアもいましたよ、だけれども、一般的には仕事命という印象がありましたよね。だから、こういう話は、人事局長の部下なんですから、本音でもっと言った方が僕はいいと思うんですけれども。

 委員長は建設省のキャリアだったですよね。本音が聞きたいんですよ。僕は、男性の責任だと思っているんです、この問題は。はっきり言って、国交省のばりばりのキャリアが、あるいはノンキャリでもいいですよ、仕事を置いて家事を優先したいんだなんということで務まりますか。今そんなことを言える環境にありますか。昔話でもいいですよ。

井上委員長 お答えします。

 私、十五年前まで国土交通省に勤務しておりました。ですから、最近の状況は余り定かではありませんが、少なくとも私が在籍中は、確かになかなか両立は難しい、そういう環境にあったと思います。

古本委員 多分、今でもそうは変わっていないと思います。委員長、ありがとうございました。

 さてそこで、幾ら人事局が今旗を振っていただこうとしても、今回、一般事業主行動計画の策定、これがワークするかどうかが本法がワークするかどうかの鍵を握っていると承知していますけれども、配偶者、つまり男性側、夫の側の、あるいはパートナーの男性側の長時間労働が、結果として、女性の就業継続支援、あるいは第二子、第三子をもうけようかというインセンティブが逆インセンティブになってしまっているという、この労働時間という観点が政府原案に入っていますか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 政府原案の考え方におきましては、基本的には、その企業に勤めておられる従業員である女性の活躍という視点が主だというふうに考えております。そういう意味では、先生の御指摘の部分が端的に入っているということではございません。

古本委員 では、泉提出者、男性側の多残業が結果として女性の、育児、子育ての共同参画にまさになっていない、根源に問題があると思っているんですけれども、修正案に入りましたか。

泉委員 まさに御指摘のとおりで、これまでも、ワーク・ライフ・バランスの中で、世界的に見ても日本の男性の育児参加が非常に時間が少ないということが問題になってまいりました。その裏返しとして女性偏重ということになっていたということでありまして、やはりここをしっかりと管理していくことが大事であろうということで、修正案においても、我々は、労働時間というところについても明記をさせていただく形で修正をさせていただいているところであります。

古本委員 高く評価したいと思います。

 さて、少し今の観点をおさらいするファクトを御紹介しますと、これは建議書に書いてあります。夫が平日の家事や育児を四時間以上担ってくださっている場合の妻あるいはパートナーの女性は、継続就業率が七割を超えるそうですね。それから、第二子の出生の割合も、九・九%から五五%に、五倍増にはね上がるそうですね。

 つまり、早く帰って男性が家事に参加すればするほど女性は働ける、このことが、今度の法律が通った暁には具体の話になるかどうかの鍵を握っているのが、先ほど来申し上げております事業主の行動計画策定指針だというふうに思います。

 これは、今、私は深い反省に立って、みずからを省みて問いかけておりますので、ある意味で、もう子育てが終わった世代なんです。つまり、今まさに子育てをしている方、あるいは、してもいいなと思っている世代が何を求めているかということが物すごく大事だと思うんですね。つまりユーザーの声ですよ。

 これは、何やら事業主の行動計画策定に当たっては、事業主サイドが、企業でいえば人事部の方なんでしょうか、あるいは総務部的な方なんでしょうか、考えるとありますけれども、私はここに、ぜひ働く人の声を反映させるべきだというふうに思うんですけれども、政府原案に入っていますか。

木下政府参考人 事業主行動計画の関係でございます。

 これは、今先生がいろいろお話しされましたように、やはり女性の働き方あるいは男性の働き方が非常に大きく出産ですとかそれから子育て等々に影響を与えるということで、特に今、男性の長時間労働が非常に大きな影響を与えるということでございました。

 今回、男性は仕事、女性は家庭といったような性別の伝統的な役割分担意識というものを見直しをしていくということが極めて大事でございまして、その意味で、職場の風土改革といったものにつきまして、この行動計画の中できちっと定めてもらう。それは、企業の中で労働者等々と相談をしながら具体的に事業主が行動計画を定めるというふうな考え方で構成してございます。

古本委員 いや、端的に答えてくださいよ。

 働く人の、だって、ベビーシッターの支援をしてほしいのか、それともポストを用意してほしいのか。女性課長、女性部長をふやしてほしいという、政府原案はそれを狙っていますよね。ポストがあったら女の人は働く目標になる、インセンティブになるかといったら、僕はそれはあるんだと思いますよ。頑張れば重役になれるといったら、みんな頑張るかもしれませんね。

 でも、そういう方もいれば、早く配偶者が帰ってきてくれた方が、子育て、茶わんを洗ってくれた方が助かるという人もいれば、ニーズは千差万別なので、ある意味で、これはプロダクト・アウトじゃなくてマーケット・インで、ユーザーの声を聞くたてつけになっていますかと聞いているんです。

木下政府参考人 お答えいたします。

 そういう意味では、事業主行動計画を策定する際には、それぞれやはり企業が労働者の状況等を、きちっと現状を把握した上で、それがどういう現状にあるのか、今おっしゃいましたような現状なのか、あるいは職種によってはまた違うような現状もあると思いますので、そういったものを踏まえた上で、行動の目標ですとか取り組みを具体的に定めていただく。その中で、今申し上げたような男女の性別役割分担意識をどう変えていくのかという視点も欠かさずに盛り込むべきだと思っております。

古本委員 いや、つまり、この平成二十六年九月三十日の建議書の段階では、労働者の意見も聞くべきだ、労働者というと何となくかた苦しい感じがしますけれども、要は、働く女性の声を聞こう、あるいは、そのパートナーである男性の意見を聞こうということの建議に対し、実は法律には書き込まれていないんですね。

 ぜひ、実際に、恐らく大臣告示でやられると承知していますけれども、それに当たって、運用できちんとそれはやりますということをここで約束してください。

木下政府参考人 お答えいたします。

 今先生がおっしゃいましたように、やはり労働者側の具体的なニーズを酌み取ることが非常に大事だと思っておりますので、労使の対話によりましてそうした把握をし、その旨を事業主の行動計画に定めるというふうに考えてございます。

古本委員 心強い御答弁をありがとうございます。

 加えて、その際に、今回、三百一人以上の社ということになっていますけれども、これは税法なり会社法でいけばまだまだ中小企業で、場合によっては、社長さんがライン入りしているような会社もあるかもしれませんね。

 したがって、そういったところで働いておられる方々が非正規である可能性も大変高くなるわけでございますね。加えて、そういう非正規の皆様ほど、お互いに、パートナーも大変だと思いますよ、一般的には。感覚で言っているかもしれませんけれども。

 非正規の方々もそのときに視野に入れてきちんとやりますと約束してください。

木下政府参考人 業種によって非正規の状況は変わると思いますけれども、基本的に、この行動計画の中においては非正規の方も対象とするというふうに考えてございます。

古本委員 対象に入っているのは当然なんですけれども、労使で話し合うということがありましたけれども、恐らく非正規の方は、そういう組合とか従業員代表とか、そういう組織に、組織化されていない可能性があるわけでありまして、ぜひそのことを、非正規の方の声も、その告示に当たっては、行動指針策定に当たっては反映させますと約束してください。

木下政府参考人 今御指摘もございましたので、具体的な方法につきましては、また今後、労使の場で議論をさせていただきたいと思っております。

古本委員 といいますのは、恐らく一般的な大企業は私はきちんとしているんだと思いますよ。やはり中小・小規模事業者、さらにはそこに働いておられる正社員の方、さらにそこの非正規の方の声を拾うことこそ、本法の狙っている趣旨に合致するのではないか、このように思います。

 さて、幾つかお尋ねしてまいりましたけれども、ベビーシッター、つまり、熱が出て迎えに行くというのは象徴的に言っていますけれども、塾の送迎であったり、幼稚園から保育園へのつなぎリレーであったり、こういったのは、この辺、東京なんかですと、そういう子育て支援サポーターの方々がいらして比較的ワークしていると思うんですけれども、日本のいろいろな都市に行ったら、なかなか赤の他人でそういうことをしてくださる、ボランティア参加、あるいは一定の報酬を少し得てしていただくというシステムが少ないと思うんですけれども、こういう本当にちょっと困ったときに助けてくれるだけで、物すごく子育てをされている方々の力になると思うんですね。

 今回、修正案で、そこまで射程には入っていないと思うんですけれども、泉さん、その辺の観点は今回議論になりましたか。ちょっと短目に、済みません。

泉委員 今回のこの法案の中でということではありませんが、まさに子ども・子育てのさまざまな新制度の中で、多様なサービスに対する国からの補助ということをさせていただく中で、やはりこういったベビーシッター等々についてもしっかり今後手当てをしていけるように制度を整えていくべきだ、まだそこまでいっていない部分はありますけれども、そういう努力をしているということです。

古本委員 私どもも、政策調査会、部会、それぞれまた研究を深めていくことを確認し合いたい、このように思います。

 役所の方は、正直、きのうも大変遅い時間まで質問を通告しているメンバーがどうもいるようで、私は、この役所の多残業が、皆さん自身が直していこうという大前提に、答弁を書く側も、実にシンプルで、物すごく準備しなきゃいけない環境を変えていくことこそ働き方を変えていくと思うんですよ。

 だから、我々議員側も、質問する側もできるだけ早く通告するとか、あるいはそういう働く皆さんのことも想像しながらということに加えて、お互いに努力できる可能性はあるんじゃないかなというふうに思うんですね。

 人事局、各省各官房に、夜中に通告してくる議員の質問にはもう軽く答えればいいと訓示したらどうですか。

笹島政府参考人 お答え申し上げます。

 やはり、国会答弁作成というのは、役所の中ではどうしても他律的な問題でございまして、なかなか我々だけでは解決できない問題はあるわけでありますけれども、御通告をいただいた後の割り振りの仕方とか、誰が答弁を書くかとかいうことで時間がかかったり、答弁作成もなかなかシステムとして確立していないので時間がかかるということがありますので、こういった点も我々はやはり改善すべきだろうというふうに思っているところでございます。

古本委員 大臣、今回、議員修正で、少子化のくだりがちょっと倒置文に変わりましたね。御案内のとおり、少子高齢化の進展に対策する意図を持って本法が出されたという政府原案から、本法を対策すれば結果として少子高齢化の進展の対策の手だてになると。

 これは似て非なる話だと思うんですが、私は、全国にごまんとある事業者の皆様に、これだけの行動指針を策定して、これに努めるようにと、これから大臣告示まで出してやっていこうかというときに、何か国家として共通の課題を持っておかないと、これは難しいと思いますよ。

 つまり、我が国は、ダウンサイジングしていくと、内需は減りますね。ダウンサイジングしていくと、労働力も減りますし、消費力も減りますし、納税力も減りますよ。大変な世の中になりますね。

 したがって、倒置したのはいいんですけれども、これは提出者には逆に聞きませんけれども、答えにくいと思うので。やはり、ここまで企業に協力を求める以上は、日本として少子高齢化の問題には取り組むんだということを事あるごとに言っていくしかないと思うんですよ。でないと、企業に何のインセンティブがあるんでしょうかと各企業の人事部長から言われたらどうします。

 大臣、ぜひここは、ある意味で遠慮せずに言い続けてください。

有村国務大臣 古本委員にお答えいたします。

 先ほど黙って伺っておりましたけれども、完結出生児数ということを私が答えられなかった、秘書官も存じ上げなかった。当然、このことは、私の部門では大事な共有した価値というふうにはなっていませんが、その一言をもって、だからだめというのは、この分野を本当に進めようと思っているスタッフのことを鑑みても、額面どおり受け取るわけにはいきません。切り捨てていただいたところは甚だ不本意であることを申し上げて、さはさりながら、委員の率直な問題意識には心からの敬意と共感を持ちます。

 やはり、少子化というのは、閣法においても、結果としてこのような状況が進んでいるので、女性の活躍は極めて大事になってきている、重要性が増しているという書き方ですが、今回の共同修正によってその趣旨が明確にされたことを、私も担当大臣として率直に評価をさせていただきます。

 これからの日本の大事な課題、また今回の法案の趣旨というのは、まず、女性御本人の当事者の希望ということが一つ。もう一つは、日本の持続可能性、持続可能、サステーナブルな仕組みになっているかどうかが一つ。もう一つは、日本の将来の浮沈をかけての活性化、競争力を維持できるかどうか。この三つの大事な要素を、連立方程式を解いていかなきゃいけないというのが、日本の将来のあるべき姿だと思っています。その中の肝は長時間労働の是正そのものだというふうに、私も明確に、率直に申し上げたいというふうに思います。

古本委員 お尋ねしていないことまで答えてくれて、ありがとうございました。

 私は端的に、少子高齢化対策だというのが自民党原案だったわけですよ。でも、それは企業側サイドからしても、ダウンサイジングしていく日本のままでは内需は減るわけで、そのためなら協力してもいいという気持ちがあるというのは偽らざる本音だと思いますよ。そのことを、修正案が出たからそう譲らなくていいんじゃないですかと大臣に塩を送ったつもりでお尋ねしましたので、そう熱くならなくてもいいと思います。

 もう時間が来ましたけれども、お尋ねしていないことを大臣が答えてくれたので、泉さん、最後に、僕はハラスメントの問題は物すごく大きいと思うんですよ。やはり男の人は、子育ては二の次で、仕事を頑張れと。子育てのために会社を休みたいとかいろいろなことを言う女性社員が肩身の狭い思いをするというのは、現実的にあると思うんですよ。今回、ハラスメントの観点からいうと、言うならば子育てハラスメントですよ。それを本当のバリアフリーにしないと、日本は北欧のような国にならないですよ。

 その観点から、最後、修正案に込めた思いなり何かがあったら伺って、終わりたいと思います。

泉委員 ありがとうございます。

 今の時代、実は男性も本当は育児に携わりたいと思っている人はたくさんいると思うんですね。しかし、その男性こそがまさに声を上げにくい職場、そういったこともあるんじゃないか。やはり、どちらともが何か子供にあったときにそれを会社に伝えられる、また対応できる、それは親としてですから、男親として、女親としてということではなくて、やはりどちらとも親としてしっかりと子供のために動けるような状況を職場でつくっていく、そういうことが大事であろうと思います。

 そういった意味で、先ほど話もありましたけれども、ハラスメントという意味では、女性なんだから何々させるとか、女性の職員なんだから何々しなさいですとか、やはり職場からあらゆるそういったことをなくしていくということを、男女ともに、そして上司もしっかりと意識を持つ、会社の執行部そのものもそういう意識を持ってもらうことが非常に大事じゃないかということで、今回の修正の中でも、基本原則の中にそのような文言を追加させていただきました。

 男女の人権が尊重されるということも大変大事でありますし、そして、先ほどの繰り返しになりますが、固定的な役割分担が職業生活にさまざまな影響を与えているということにしっかり鑑みて、その改善をしていかなければいけないということを訴えております。

古本委員 終わります。ありがとうございました。

井上委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 維新の党の初鹿明博です。

 内閣委員会で初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 維新の党は、今、女性議員が一人しかおりませんで、女性局というのをつくっているんですけれども、男性の私がその女性局の事務局長をさせていただいております。そういうこともありまして、きょうはこちらで立たせていただいているんです。

 先ほど古本議員からお話がありましたが、お弁当をつくったことがあるかというお話です。実は私、二年間浪人している間、大体一年半ぐらい、女房が仕事を始めたということもあって、家計が大変で仕事を始めたんですけれども、家の夕飯は私がほぼ毎日つくっておりました。ところが、十二月に当選をしたら、やはり忙しくなってつくれなくなってしまったんですね。今は、一番上の娘が高三なので、女房じゃなくて高三の娘が弟、妹の分をつくっているんです。

 そのことを考えても、やはり我々政治家も少し意識を変えて、家庭と政治活動、国会活動というものの両立も考えていかないと、やはりこういう法案を出しておいて自分たちは知らないよということにはならないんじゃないかなというのを、まず自戒を込めて言わせていただいて、質問に入らせていただきます。

 さて、今回の法案ですけれども、女性の活躍法案ということですけれども、では、活躍というのはどういう意味なのかということなんですよ。辞書を引くと、活躍というのは、目まぐるしく活動することと書いてあるんですけれども、女性が目まぐるしく活動するようにするということなんですか。

 ここで言う活躍というのは、女性がどういう状態になるということを大臣はイメージされて、この女性の活躍ということを使っているのか、お答えいただきたいと思います。

有村国務大臣 初鹿委員にお答えをいたします。

 安倍総理初め安倍内閣が女性の活躍という分野で明確にしているのは、全ての女性が輝くということ、そして、女性の置かれた状況やライフステージはさまざまな状況にあるという現実を鑑みた上で、どのような生き方を選択しても、その生き方に自信と誇りを持っていただくということが大事だと思います。

 もっと具体的に申し上げれば、例えば専業主婦の方々、その生き方も、みずからの主体性を持ってその生き方をしているのであれば、そこにしっかりとした敬意を持っていく社会でなければならない。また、外で働いている方々も、例えばお子さんをお世話になりながら、預けながらということに負い目を感じ続けるという状況は是正しなきゃいけない。

 そういう意味では、専業主婦の方が働く女性に対して後ろめたさを感じることなく、また、子育てをしながら働いている人がその現状に対して負い目を感じることなく働ける、そういう社会を目指していかなければならないと考えております。

初鹿委員 わかったようなわからないような感じなんですけれども。

 女性が活躍することを目指すということですけれども、では、今まで男性は活躍していたんですか。きょうは男性がそちらに並んでいますが、向井さん、男性はこれまで活躍していたんですか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 この場合の女性の活躍というのは、多分、これまでの過去の男性と女性とを比べてみて、やはり男は仕事に、外に出て好きなことをしている、女はその点制約が多いというふうな、過去の歴史に鑑みて、女性の活躍という言葉が出てきているのではないかと思います。そういう意味では、過去においては少なくとも女性よりも男性の方がそういう制約は少なかったのかなという気はしております。そういう意味で活躍というのはあるのかもしれないと思います。

初鹿委員 これで女性の管理職の比率が高まって管理職になる女性が多くなるとか、これは私もいいことだとは思うんですけれども、ただ、やはり考えなければいけないのは、では、今までの男性の働き方と同じような働き方をさせることが、それを求めていくことが女性の活躍なのかということなんですよ。

 今、年間に約三万人が自殺していますけれども、そのうちの七割近くは、圧倒的に男性が多い、七割近くが男性なわけですよね。そして過労死も多い。こういう長時間労働を強いて、男性が活躍しているといいながらどんどん壊れていっているような社会をつくっていて、そこに女性もはまっていくということは、私は、これは望ましいことではないと思うんですね。

 先ほど長時間労働のお話を大臣はされていましたけれども、やはり女性が活躍をするような社会とあわせて、男性の側の意識改革、先ほど言いましたけれども、我々政治家もそうなんですけれども、男性の側の意識改革を徹底的に行わないと、女性も男性と一緒に潰される社会になりはしないか、そういう懸念がありますので、大臣の御見解をお伺いいたします。

有村国務大臣 初鹿委員の問題提起は全くもって共感をいたしておりまして、この分野を進める上での肝だというふうに思います。

 とりわけ、女性が一定の割合、なぜ管理職になりたがらないのかということを考えると、意欲がないわけではありません。彼女たちの率直な話は、長時間労働を前提とした、そして昼夜を問わず、土日を問わず、時間制約がないということを前提とした管理職というのには、できようはずがない。意思があったとしても、家族を、何とか家庭を切り回していく最後のストッパーである私が、そこに行けば家族は潰れるということを本能的にわかっているからこそ、長時間労働を前提とした管理職には、なりたい意思があるかないかにかかわらず、事実上なれないという率直な声に、私たちが、どれだけ社会がそこの現実に耳を傾けるかによって成否は決まってくるというふうに思っております。

 そういう意味では、時間制約があるということが仕事場の主流派になるという前提で、私たちの何を評価するか、何を評価しないかの価値基準そのものを変えていかないと、現実、前に進まないという問題認識を持っております。

初鹿委員 そういう意味では、今厚生労働省が出している高度プロフェッショナル人材の法案などを考えても、本当にこれで長時間労働を制限していくことができるのかというのはいささか疑問に思いますので、ぜひ大臣も、ほかの閣僚の皆さんにこの意識を徹底してもらうようにお願いをしたいと思います。

 次の質問に入りますけれども、我が党の女性局長は今、太田和美議員なんですが、太田議員から、今回、私が質問すると言ったら、これだけは言ってくれということで託されたので、ここでちょっと紹介させていただきます。

 先ほど、少子化のためにこの法案をやるのか、この法案を進めることによって少子化を改善できるのか、これは逆になっているけれども大きな違いだということが古本議員からお話がありました。

 一般的に、高学歴化が進んで女性がキャリアを積んで仕事をするようになってくると、晩婚化を招いて、結果として、子供を産まない、また、産んでも一人や二人ということで、少子化に逆行するんじゃないか、そういう指摘がされておりますよね。これは事実かどうかはまた検証が必要だと思いますが。

 太田議員とお話をしていて、彼女が言うには、彼女は三十代ですけれども、今の三十代、四十代の女性たちは、キャリアアップをどんどんしていこうとしたときに、仕事と結婚、出産をはかりにかけたときに、子供はいつでも産めると思って、まずは仕事と思ってずっと働いてきて、キャリアを重ねてきて三十後半、四十になった。いざ、ではそろそろ子供を産もうかなといったら、年齢的に妊娠がしにくくなってしまった。そこにその年齢になって初めて気がついた。女性の体というのは年齢とともにやはり衰えていって、特に卵子の劣化というのは非常に進んでいくわけですよね。その知識がないままに働いてきちゃって、この年齢になってなかなか子供がつくれない、不妊治療をやってもなかなかできないという状況になっている。

 ですので、これからの若い女性たちに対しては、社会で活躍をする場をつくっていくことも私は必要だと思うんですけれども、それとあわせて、やはり出産の適齢期がどのぐらいなのか、また、卵子というのは劣化をしていくんだ、年齢が高くなれば高くなるほど妊娠しにくくなるし、障害がある子供が生まれる可能性も高くなる、そういう知識をきちんと身につけさせた上で、最終的に本人がどういう選択をするかということを徹底してもらいたいというのが太田議員のお話なんです。

 有村大臣、この太田議員の主張を聞いて、どのようにお感じになりますか。

有村国務大臣 一〇〇%賛同いたします。そして、それを前提にした少子化対策なり、キャリアデザインなり、女性の職業生活における活躍ということを進めていかなければなりません。

 キャリアデザインとライフデザインというのはきれいに分かれるものではないというふうに思っております。御指摘のとおり、子供はいつでも産めるからというその前提が、事実、私たち、医学的、生物学的にそうじゃない、結婚には適齢期はないですが、安全に妊娠、出産できるのには、悔しいかな、おのずから適齢期があるというこの現実をやはり伝えていかなければならないというふうに思います。

 同時に、現在、産科、婦人科の先生方が、不妊の定義を二年から国際標準である一年に見直すかどうかという動きを出していただいておりますが、不妊治療も、やっていただくならば早ければ早いほど成功率は高まります。そういう現実も含めて告知をした上で、最終的な御本人の意思が尊重されるような社会でなければならないというふうに考えております。

初鹿委員 ぜひ、無知だったことによって後で後悔をする女性が出ないように、これは本当に学校の中できちんと取り入れていくというようなことも検討していただきたいと思います。

 それでは次に、先ほど古本議員のお話の中で行動計画のお話がありましたけれども、三百人以下の事業主については努力義務なわけですよね。これは作成をするのに、やはり企業の側の負担というか手間というか、これは非常に大きいんだと思うんですよ。つくるからにはメリットがないと、やはり企業にとっては、もう嫌々やらざるを得ないということになるんだと思うんです。

 ですので、これは、進めていく上で、例えば地方自治体の仕事を入札するのに何らかの優先的な機会を得られるとか、そういうインセンティブをつくらないと進んでいかないと思うんですよ。やはり圧倒的に日本は中小企業が多いわけですから、そこの事業主の意識も変わってもらわないとこういうのは進まないと思うんですけれども、この行動計画をつくるに当たっての何らかのインセンティブをつくるということについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。

有村国務大臣 インセンティブというのは、特に営利を目的としていらっしゃる企業の中では大事なことだと思います。

 そして、今回の法案の目指すところの一つですが、見える化をすることによって、女性活躍を推進していらっしゃる、働きやすい社会をつくっていく、そういう企業努力をしていらっしゃるところが競争力を持ち、そして優秀な人材を確保できるという意味でも、そして財務指標からも好転しているという結果を出していく、そういう多様性を競争力にしっかりとやっているというところが評価されるような社会という意味ではインセンティブは働くのではないか。そして、それが評価されるように全部を見える化していくということが本法案の目的の一つでもございます。

初鹿委員 取り組みをしているから評価がされていい人材が集まっていくというふうにはなかなかならないんだと思いますので、ぜひ本当に実効性のあるインセンティブを考えていただきたいなと思います。

 次に質問をさせていただきたいのは、今回、全ての女性が輝くということを目指してこの法案ということになっているんですけれども、現状、今の日本の制度で、専業主婦であるかどうかで、働き方がどうかで差のある制度が残っている。これをどうにかしないと、私は、本当の意味で全ての女性が輝くような世の中にはならないんじゃないかと思います。

 具体的に言えば、一つは配偶者控除です。

 私は今、障害者福祉事業をやっているんですけれども、ヘルパーの派遣をやっているんですけれども、同じ障害の分野の事業主や介護事業の人たちと話をしていても、よく出てくるんですけれども、登録ヘルパーさんたちが、十一月の後半ぐらいから出勤調整し始めるわけですよ。やはり百三万の壁があって、その中で働こうという意識が非常にまだまだ根強く残っていて、ヘルパー不足、もうただでさえ深刻なのに、年末、結構大変になるんですよ、これは本当に。深刻なんですよ。

 配偶者控除があるから専業主婦をやっているという人は、僕はほぼいないと思うんですね、そんな人はいないと思うんですよ。でも、配偶者控除があるからその範囲の中で働こうと思っている人は相当数いるというのが私の実感であります。

 このような、働き方によって差がある制度、しかも、配偶者控除というのは所得控除ですから、所得の高い人ほど税金が多く割り引かれるわけで、所得の再配分ということを考えても、非常に逆進性が高い制度になっているわけですよね。ぜひこの配偶者控除を私は廃止してもらいたいと思うんです。

 現在見直しが検討されているということで、一部の報道では、二十七年末までですかね、二十七年度までに決着をつけるようなことが報じられていますけれども、現在の検討状況を教えていただけないでしょうか。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 配偶者控除につきましては、配偶者の就労を抑制する効果があるという指摘があります一方で、家族の助け合いですとか家族における子育てに対する配偶者の貢献を積極的に評価すべきだという指摘もございまして、さまざまな立場から議論があるものと承知しております。

 この制度のあり方につきましては、政府税制調査会で御議論いただいて、昨年の十一月に一旦論点整理がなされております。そこでは複数の選択肢が示されております。その上で、「家族のあり方や働き方に関する国民の価値観に深く関わることから、今後、幅広く丁寧な国民的議論が必要」とされているところでございます。

 この配偶者控除の見直しにつきましては、まさに国民の価値観に深くかかわる課題でありますことから、幅広く丁寧な国民的な議論を行いながら判断していくべきもの、こういうふうに考えておるところでございます。

初鹿委員 私は、別に配偶者控除がなくなったからといって専業主婦をないがしろにすることになるとは思いませんし、やはり、所得控除という形で所得が高い人ほど税金が割り引かれるという制度をこのまま残し続けるというのは適切じゃないと思います。ですので、見直しの中で、夫婦控除とかいろいろ出ていますけれども、少なくとも所得控除という形で残すということだけはやめていただきたいと思います。

 次に、もう一つ、働き方によって差がある制度の第三号被保険者について質問します。

 御存じのとおり、サラリーマンの夫を持つ専業主婦の方は、第三号被保険者となって保険料を一銭も払わないでも将来年金がもらえるようになっている、自営業者の御夫婦だと、二人とも国民年金に入ってそれぞれが保険料を納めるようになっているということで、同じ年金という制度なのに、個人単位の国民年金と世帯単位の厚生年金とが並立しているところに私は非常に無理があるんだと思います。

 以前のように、一回就職をしたら三十年間同じ会社にい続けるという時代ではなくなって、転職も多くなっているし、起業をする女性も非常に多くなっておりますし、結婚して、ずっと同じ人と結婚し続けるわけでもなくて、離婚をしたり、再婚をしたりという方も多い時代ですね。

 そうなると、転職を三回して、起業もして、結婚、再婚を二回ぐらい繰り返したら、一号になったり二号になったり三号になったりと、もうあっち行ったりこっち行ったりで、保険料を納めるときもあれば納めないときもあるという、制度上、非常に複雑であるということもあるし、やはり、自営業者の専業主婦の方とサラリーマンの夫を持つ専業主婦の方との保険料の負担の差は、私は非常に不公平だと思うんですね。

 ですので、私は、三号被保険者というのは廃止をして、サラリーマンを夫に持つ専業主婦は国民年金に入るようにするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

山崎政府参考人 第三号被保険者制度について御質問いただきました。

 厚生労働省におきましては、働き方に中立的な社会保障制度への見直しという観点から、この問題について検討を進めております。

 まず、昨年十月二十一日に開催されました経済財政諮問会議におきまして、いわゆる就業調整行動は、百三十万円の壁とは別に、被用者保険の適用基準、具体的には、通常の労働者のおおむね四分の三以上働くことで被用者保険が適用されるという被用者保険適用の壁による事業主の社会保険料負担の回避行動が作用していると考えられること、この問題に対し、被用者保険の適用拡大を進めることで解消を進めていくことが必要であることにつきまして、厚生労働大臣から説明を行ったところでございます。

 これを受けまして、社会保障審議会の年金部会におきましても、御質問の第三号被保険者制度も含めて議論を行いまして、第三号被保険者は、短時間労働に従事しておられる方、出産や育児のために離職された方、あるいは配偶者が高所得でみずから働く必要が高くない方など、さまざまな方が混在しておられるということで、第三号被保険者制度を、単に専業主婦を優遇しているという捉え方ではなく、多様な属性を持つ方が混在しておられるということを踏まえた検討が必要であるということにつきまして認識を共有いたしました上で、まずは、被用者保険の適用拡大を進め、被用者性が高い方に被用者保険を適用していくということを進めつつ、第三号被保険者制度の縮小、見直しに向けたステップを踏んでいくことが必要であるというふうに議論が整理されているところでございます。

初鹿委員 働いている人が被用者保険に入って二号になっていくということを進めるのも当然なんですけれども、やはりそうはいっても、三号が残るというのは私は非常に不公平だと思いますので、抜本的な見直しというか廃止をぜひ行っていただきたいと思います。

 大臣も、女性活躍の担当なんですから、閣僚の会議の中で、財務省や厚生労働省の大臣に対して、この三号被保険者の問題や配偶者控除の問題を積極的に見直していくように進言をしていただきたいとお願いをさせていただきます。

 それでは、ちょっと時間がなくなってきたんですけれども、保育士不足について質問をさせていただきます。

 今、二十九年度までの五年間で四十万人の保育の受け皿を確保する待機児童解消加速化プランというのを進めておりますけれども、このとおりに進めていくと、平成二十九年度末に保育士が六万九千人足りなくなるということで、この保育士の確保というのが非常に大きな課題であるということになっております。

 そこで、質問をさせていただきますが、現在、保育士の資格を取るのには、大学や専門学校などの指定保育士養成機関を卒業するか、もしくは、都道府県が実施している保育士試験に合格するか、この二通りがあるわけです。

 ところが、今、この保育士養成学校が定員割れになってきておりまして、いただいた資料によると、定員が五万四千五百九十六人のところ、現員は五万九百四十三人となっていて、実際に卒業して保育士を取得している人は三万九千四百五十六人、四万人ぐらいということで、一万五千人ぐらい、学校の定員よりも少ない人しか保育士を取得していないという状況になっております。

 この保育士の養成学校の定員が割れているという状況、また、入ったのに保育士にならない人がこれだけいるということについて、その原因についてどのように分析をされているのか、お答えいただきたいと思います。

安藤政府参考人 保育士養成施設に関する御質問でございます。

 御指摘のとおり、保育士の指定保育士養成施設については、入学定員割れという、全体としてはそのような状況になっております。また、保育士養成施設を卒業した者のうち保育士として勤務しなかった者の割合につきましては、保育所、児童福祉施設など、保育士として勤務している者が約六割、幼稚園に勤務している者が約二割ということで、それ以外に勤務している者が約二割、そのような状況になっております。

 保育士養成施設を卒業して保育士資格を取らない方というのは、保育士養成施設といえども普通の大学であったりすることもございますので、必ずしもその保育士資格を取るべきコースを修了されない方もいらっしゃるというところについては、留意が必要かと思います。

 また、保育士として勤務しなかった方々が二割ということでございますけれども、やはり根底には、職業としての保育士についてなかなか目を向けてもらえない方々もいらっしゃるということだと思います。

初鹿委員 やはり苦労の割には賃金が低いとか、労働時間が朝早くから夜遅かったりとかするということもかなり原因しているんじゃないかと思いますが、賃金を引き上げるということも少し考えていかないと、なかなか解消できないんじゃないかと思います。

 次に、今度は都道府県の行っている保育士試験について質問をさせていただきますが、保育士試験で資格を取っている方は、保育士全体に対して割合はどのぐらいになっているのか、また、毎年どれぐらいの方がこの試験で保育士の資格を取得しているのか、お答えいただきたいと思います。

安藤政府参考人 申しわけございません。ちょっと、詳細な通告がございませんでしたので、今手元に数字がございませんので確たる数字ではございませんが、毎年保育士になっておられる方が大体三万七千くらいで、そのうち九千名ほどが保育士試験を通ってこられる方々でございます。保育士試験の合格率、それは大体二割前後だったと記憶しております。

初鹿委員 そうなんですよね。大体一万人弱ぐらいが試験で保育士になっていて、合格率が結構低いんですよね。二割を切っている、一七%とか一八%とかで、県によって受ける人数が違うので、二〇%を超えているところもありますけれども、おおむね毎年十何%なんですね。

 都道府県の保育士試験というのは、では誰がこの試験を作成しているんでしょうか。

安藤政府参考人 現在では、都道府県におきまして、それぞれ試験問題の作成ができる機関に対して委託をしているというふうに承知をしております。ちょっと正確な本名が思い出せないのでございますけれども、保養協という養成機関の団体というふうに承知をしております。

初鹿委員 一般社団法人全国保育士養成協議会というところが全ての都道府県の試験を受託して運営をしているということですね。平成二十年に全都道府県の事務を受託するようになったんですけれども、この団体は、今答弁にあったとおり、保育士養成施設が会員になっているんですよ。要は、教育機関が会員になっているわけですね。

 資格を取るルートは、教育機関を卒業するか、もしくは試験で取るかなんですよ。試験の合格率を高くしていったら学校に通う必要がなくなるから、学校の側からすれば、試験の合格率を厳しくしているんじゃないかと言われてもおかしくないんじゃないかなというのを私は感じるんですよね。違いますか。そう思いませんか。

安藤政府参考人 一定のレベルを担保いたしました資格試験をつくるということにつきましては、やはり大変専門的な知識が必要な分野でございます。そういった専門的な方々が集まっている団体ということもございまして、そのような協会が選定されているものと考えております。

初鹿委員 それはそうなんですけれども、全ての都道府県が、養成機関が集まってつくられた団体で試験をつくっているというのは、私は非常に違和感があるんですよ。だって、試験でどんどん受かっていけば、今ただでさえ定員割れなんだけれども、わざわざ高いお金を払って学校に通うよりかは、通信教育だとか、自分で勉強して試験で通っていった方がはるかにお金をかけずに取れるようになるわけですから。

 ですから、保育士を本当にふやそうと思うならば、この試験のあり方というのも根本的に考え直さないといけないんじゃないかということを指摘させていただいて、ちょっと質問がたくさん余ってしまったんですけれども、時間ですので、これで終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

井上委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。河野正美君。

河野(正)委員 維新の党の河野正美でございます。

 ただいま議題となっております女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案について質問させていただきます。

 午前中は、何やら質疑者の皆さんから委員長まで含めまして私生活を暴露するような状況になっておりましたが、私も、もう子供は大学生になりましたけれども、しっかり頑張りたいと思います。

 全ての女性が活躍できる社会を目指すという姿勢そのものには大いに共感できるところでありますが、期待しながら法案を見てまいりますと、この内容で本当にそうした社会が実現していくのか、若干心配になる点もございます。昨年秋から本日に至る質疑と一部重なる論点もあるかもしれませんけれども、改めて見解を伺いたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 さて、安倍総理は就任以来、女性の活用、活躍の重要性を説いてこられました。女性が輝く社会の実現に向けた全国的なムーブメントを総理主導でつくり出すとのことでありました。しかしながら、安倍総理は、本法案の成立のめどを待たず、昨年十一月、解散に踏み切られました。衆議院の解散は、御承知のように、一般に総理の専権事項とも言われておりますので、この点は何とも言えませんけれども、地方創生などの法案は解散前にぎりぎりで成立したことに比べると、この内閣は本当にこの女性活躍推進法案を重要視しているのかなという疑問も感じないわけではございません。

 まず、安倍内閣の一員である有村大臣の御見解を伺いたいと思います。

有村国務大臣 お答えいたします。

 御指摘のとおり、昨年の臨時国会において提出しました際は廃案になりました。けれども、安倍内閣の、女性が輝く社会の実現に向けた意思は揺るぎないものを実感として持っております。

 現に、去年の十一月、永田町に突然解散風が吹いたときも、最後の瞬間まで、官房長官と私の間で、これを何とか通してほしい、通してほしいという発言を官房長官も記者会見で毎日言ってほしいということで、その旨も共有をしておりましたし、この意思は全く揺るぎないということを改めて御報告させていただきます。

 そして、安倍内閣が初めて女性活躍を内閣の最重要政策として強力に推進したことによって、この二年で、女性の活躍推進の地盤というのは力強い歩みを進めているというふうに認識をしています。特に、この法案は、働く場面で活躍したいという希望を持った女性が、その希望に応じて個性と能力を十分に発揮できる社会を日本として実現していくために極めて大事なエンジンとなる法案だと認識をしています。その一日も早い、早期の成立に全力を尽くします。

河野(正)委員 法案の審議が、今もお話しいただきましたように、当初の予定から大幅におくれてしまうことになりました。企業への周知徹底など、かなりタイトなスケジュールになっているんじゃないかなと思います。

 来年四月までに、企業に責務が生じることになりますが、これが間に合うのか、大丈夫と認識されているかを伺いたいと考えております。あわせて、おくれていた間、半年程度おくれたわけですが、何らかの進展があったのか、何か具体的かつ前向きに政府として動かれていたのか、あるいは単に半年間時間が流れてしまったのか、認識を伺いたいと思います。

有村国務大臣 事業主の皆様には、国が策定する事業主行動計画策定指針等に即して、現状の分析あるいは課題分析を行った上で今後の行動計画を策定していただくことから、一定の準備期間が必要だというのは、委員と問題意識を共有しております。ゆえに、一日も早い成立に努めているところです。

 今国会においての法案成立がかなえば、指針や府省令を速やかに策定して周知徹底をして、予定どおり平成二十八年四月一日までに各事業主が行動計画を策定していただけるよう、万全を期してまいります。

 なお、去年の暮れに廃案になりました、十一月に廃案になりましたけれども、そのときでも、この計画の期日を後にずらす意図がないということを明確に意思表示をしておりまして、この法案が通った暁にはぜひ準備を進めていただきたいという発信もずっとやってまいりましたので、そういう意味では、おくれが生じたとの御指摘は当たらないというふうに認識をしております。

河野(正)委員 四月ということですので、かなり成立後に時間がないということで、それは準備万端されていたというふうに認識をいたしましたので、しっかりとしていただきたいと思います。

 次に、二〇二〇年に指導的地位に占める女性の割合を三〇%にする、これが我が国の目標となっているかと思います。しかし、二〇一三年の管理職比率は七・五%にすぎません。数字を並べてみれば、目標達成が既にかなり厳しい状況ではないかと感じられますが、目標達成への見通しについて政府の認識を伺いたいと思います。

有村国務大臣 お答えいたします。

 指導的地位に女性が占める割合を二〇二〇年には三〇%にするという目標を安倍内閣として掲げております。私も、去年の九月の着任以来、この目標は大変ハードルの高いチャレンジングな目標であるということを、着任一日から率直に認めてまいりました。

 しかし、この目標というのは、実は、政府が掲げたのは十二年前のことでございます。国民にはほとんど知る機会がなかった、注目されてこなかったこの目標を、第二次以降の安倍内閣が初めて政府の最重要政策として強力に推進したことによって、この二年での女性の活躍推進が力強い歩みを進めてきたということが、国民の御期待のみならず、内外でも大変大きな注目を浴びています。

 五月十五日には、総理から、女性の活躍を加速するためのさらなる取り組みを検討するよう各省に御指示をいただきました。今月中の施策の取りまとめに向けて、各省と連携をしている段階でございます。

 二〇二〇年があと五年に迫る中で、機運が高まっている今こそ、さらにこの取り組みを加速すべき最大のチャンスであるとも認識しています。御指摘のとおり、達成が見込める分野、それから、そもそも率が少なかったから三〇%というのにはかなり厳しい分野、いろいろなでこぼこが出てこようかと思いますけれども、全力でそれぞれの地域なり業界なり分野別の数値ということを見える化していって、その取り組みを加速したいというふうに思っております。

河野(正)委員 ありがとうございます。

 我が国におきましては、国会議員はもちろん、政治家やさまざまな役員に占める女性の割合というのが、今お話がありましたように、まだまだ低いのが現状だと思っております。

 そういったことで、定員の一定割合を女性に割り当てるクオータ制の導入を主張される方が最近ふえてきたように思います。安倍内閣におかれましても、女性閣僚が有村大臣を初め登用され、女性の活躍、女性の社会進出をアピールされているかなと思います。

 最近は、今も話しましたように、議会に限らず、さまざまな分野でクオータ制を導入するという意見がありますが、クオータ制等の導入について有村大臣がどのようにお考えか、まずお伺いしたいと思います。

有村国務大臣 御指摘のとおり、指導的立場の女性を多くするという意味で、最もその進展が厳しく、また進んでいないのは、政治分野だというふうに思っております。その中で、クオータ制というのには賛否両論いろいろございます。どのくらいのポジティブアクションをとるかということの度合いについても、さまざまな御意見がございます。

 これまで男女共同参画会議の検討では、それ以外のポジティブアクションの実施によるだけでは依然として厳しい格差が存在するし、強制型のクオータを採用するほかに格差を是正する効果的な手段がないということが示されなければならないというふうに有識者の方々からも御指摘をいただいております。

 積極的なアクションということは私は賛成でございますけれども、同時に、先ほどの議論にも関係いたしますが、例えば、二〇二〇に三〇%という数字だけがひとり歩きしてしまって、手段が目的化してしまっては意味がないというふうに思っております。そういう意味では、男女ともに適材適所の登用を行うこと、そして、秩序が保たれて、男女ともにその目的を実現するための手段が適正に使われることが大事だというふうに認識をしております。

河野(正)委員 さきに述べました、今もお話があった目標が達成できない場合、クオータ制のような積極的な措置を導入するお考えがあるのか伺いたいと思います。内閣府の方。

武川政府参考人 先ほど大臣からの御答弁がありましたとおり、法令で強制的なクオータを導入するということにつきましては、憲法十四条の平等原則に照らし、かなり厳密に目的と手段の間の実質的な関連性についての慎重な検討が必要であるということが言われております。

 でございますので、他のポジティブアクションの実施によるだけでは依然として著しい格差が存在するということが示されなければならないということでございますので、まずは自主的なクオータでございますとか、目標とその期間を定めるゴール・アンド・タイムテーブル方式、また、それを進めるためのインセンティブ、そういった他のポジティブアクションから進めることが適当というふうに考えているところでございます。

河野(正)委員 先ほど大臣も御答弁いただきましたが、政治の分野は、そういった意味では女性進出が非常におくれているということもございました。

 例えば、地方自治体議会などが独自にそうしたクオータ制などの取り組みを進めることは現行法上可能なのかどうか、また、不可能であれば、より地域の自主性に委ねるという観点から法改正するなどが検討されているのか、内閣府に伺いたいと思います。

武川政府参考人 地方議会におきまして、性別による議席の割り当て制を設けたり、また、候補者の男女比率を政党に義務づけるというためには法改正が必要であるというのが総務省の見解というふうに承知しております。

 その上で、先ほど御答弁いたしましたけれども、法令による強制的なクオータということにつきましては、憲法との関係もありまして慎重に検討ということでございますので、政府におきましては、女性の候補者の割合を各政党に高めていただけるためのお取り組みを自主的に行っていただけますように、地方議会の女性の参画状況マップなども作成いたしまして、働きかけを行っているところでございます。

河野(正)委員 それでは、多分、有村大臣には最後の御質問になると思いますけれども、有村大臣が政治家を志されて、今大臣として御活躍ですけれども、今日に至るまで、女性政治家として壁を感じたり、あるいは御苦労された点を、率直な感想という形でいただければと思います。

有村国務大臣 国会で議席をお預かりしている間に二人の子供を出産いたしました。

 つわりがかなり厳しい方で、一日も欠くことなく毎日吐き気を催しておりました。委員会の調査中につわりが出てきたことがございました。そして、質問していただいたのでお答えいたしますが、文字どおり吐いちゃうぞというときに、コップを抱えてお手洗いに行きましたら、女性の先輩議員から、仕事中につわりが出るなんてプロとして信じられないという御叱責をいただきました。このときばかりは、では、どうすればいいんだというふうに、さすがに途方に暮れたことがございます。

 同時に、深夜国会で、夜中の二時近くに与野党ガチンコ対決のとき、本当に臨月近いところでの投票がございました。そのときには、でっかいおなかだったものですから、おなかに何人入っているんだ、体型が戻らねえぞという野党議員のやじもございました。

 そういう意味では、この十年を鑑みても、随分とこの分野に対する理解というのは深まったなというふうに思います。

 ただ、ハラスメントはまだまだございます。そういう意味では、私の在任中に、全国の都道府県議会及び町村議会及び市議会、全国の標準規則に出産ということをしっかりと委員会やあるいは議会を欠席する理由として書いてほしいということで、積極的に働きかけをしています。

 その結果、全国市議会と町村議会では、標準会則を先週、先月、変えていただきました。残る三県の改正を待ったら、全国四十七都道府県の議会でもその会則が変わることになっていきます。

 これは、私の在任中に、みずからの経験の悔しさも含めて、絶対に完遂させようと思っている次第でございます。

河野(正)委員 ありがとうございました。

 本当に生の御意見で、こういったことをもとにしっかりと女性が活躍できる議会になっていかなければいけないなと思いますし、都道府県にもそういったのが波及していけばと思います。男性議員としては、しっかりそういった意見をもとに肝に銘じて頑張っていかなければいけないと認識させていただきました。ありがとうございました。

 次に移りますが、法案の目的には、女性の職業生活における活躍を推進すると同時に、職業生活と家庭生活との両立が可能になると明記されておりますが、法案で義務化しようとしている事業主行動計画は、女性採用比率や女性管理職比率の目標を定めるとしており、職業生活における活躍の数値目標が強調される一方で、子育て、介護などの家庭生活との両立についての施策が見えてこないのではないかと思います。

 職場での地位を与えられ、活躍できるようになるからといって、家庭が犠牲になってしまえば全く意味がないというふうに思います。男性社員が半ば家庭を犠牲にして仕事に打ち込まなくてはなかなか実績を上げることができないというのが現実かとも思いますし、両立というのは極めて難しい課題だと思います。

 仕事と家庭の両立を図る上で政府としてどのような支援、施策を考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

武川政府参考人 現在、政労使の合意のもとで策定されました仕事と生活の調和憲章、またその行動指針に基づきまして連携して取り組みを進めておりまして、政労使でその進捗及びその課題を明らかにした上で進めるということをやっております。毎年、仕事と生活の調和レポートというものにその状況も記載しているところでございます。

 そういった憲章を踏まえまして、長時間労働の抑制、多様な働き方の促進など、働き方の改革に向けました取り組みを進めますとともに、部下の家事、子育てへの参画に配慮ができる上司を評価する制度の普及促進など、さまざまな取り組みを進めてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 法案は、女性の職場での昇進を一つの目的に挙げられていると思いますが、働く女性の意識調査などにおいては、女性は必ずしもキャリアアップを望んでいないという現状もあります。

 法案の中には、女性にキャリア意識を持ってもらう啓発活動の実施なども盛り込まれていますが、自分の価値観やライフスタイルに合った仕事をしたいという女性もいらっしゃると思います。

 職場でキャリア志向の高い人だけが尊重され、管理職への昇進を余り望まない社員が職場で窮屈な状況になってしまっては意味がないというふうに思うわけであります。

 多様な価値観を認め合う中でどのようにバランスをとっていくとお考えか、お聞かせください。

向井政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、家庭の事情などで昇進を望まない場合など、女性の置かれている状況やその希望は多種多様であり、働き方を選択する際はその方の意思が尊重されることが重要と考えております。

 このため、本法案は、第一条「目的」におきまして、「自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性」を対象とすることを明確にし、第二条第三項、「基本原則」におきまして、「女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきものであることに留意されなければならない。」と規定しているところでございます。

 本案が成立いたしますれば、事業主行動計画策定指針等を通じまして、それぞれの価値観やライフスタイルに応じて働き方の選択肢が広がるよう促してまいりたいと考えております。

河野(正)委員 時間もありませんので、先に進んでいきます。

 例えば、今、日本は、年功序列的なものがあって、長年勤めていれば管理職につけるということを期待していた方もいらっしゃるかもしれません。女性が登用されることになってくれば、男性でそういった地位につけなくなってくるというようなことでトラブルが生じたりする場合もあるかもしれませんが、そういったことについての政府の認識を伺いたいと思います。

安藤政府参考人 御指摘のように、女性が例えば実力とかけ離れた評価をされて、適切な能力開発も受けることなく、無理に登用が行われるというようなことが起こりますと、男性側からの不公平感に加えまして、何よりも、長期的な視点で見て、それが真の女性の活躍推進にはつながらないというふうに考えております。

 今回の女性活躍推進法案におきましては、このような事態が生じないように、各事業主に対しては、自社の女性の活躍に関する状況把握や課題分析を踏まえて、それぞれの課題解決にふさわしい数値目標や取り組みを行動計画に盛り込んでいただく、そのような構造にしたところでございます。

 また、法案を成立させていただいた後に検討を行う予定にしております省令や行動計画策定指針におきましても、状況把握や課題分析の的確な実施に資する手法を示すことを考えておりまして、企業の実態からかけ離れた高い水準の目標を掲げて、無理な登用によりあつれきが生じるとかいうようなことがないように、事業主に対しまして、冒頭申し上げましたような考え方を十分御理解いただけるように努めてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 やはり、女性が登用されて、そしてまた女性が輝くためには、男性がもっと家庭で輝いていかなければいけないということで、ここもいろいろな質問があったんですけれども、時間もありませんし、午前中そういった話はずっと出ていましたので割愛して、次に行きたいと思います。

 ところで、今回、従業員三百一人以上の大企業は義務づけ、三百人以下の中小企業は努力義務とされています。事務負担の大きさや普及啓発にかかる時間などが考慮されてこういった位置づけにされたのかなと思いますが、今後、中小企業にも義務を拡大していく考えはあるのでしょうか、お聞かせください。

安藤政府参考人 委員御指摘のとおり、今回の法案では、三百人以下の中小企業に対しましては、事務負担などを勘案いたしまして、行動計画の策定は努力義務という形になっております。

 一方で、労働者の約六割が中小企業に勤めているということからも、女性の活躍推進の取り組みが中小企業においても進められていくようにしていくことは大変重要な課題でございます。

 このため、行動計画策定の前提となる各社の女性の活躍状況の把握や解決すべき課題の分析を的確に行うことができるように、支援ツールを作成いたしまして、インターネットで公表するというようなことを考えております。また、今年度の予算には、ポジティブ・アクション加速化助成金といたしまして、中小企業が行動計画策定、取り組みを行う場合に、それを支援する助成金というものも盛り込んだところでございます。

 こうした支援を通じまして、中小企業を含めた日本の企業全体における女性の活躍の取り組みが進むように、まずは取り組んでいきたいと考えております。

河野(正)委員 では次に、若干細かい点を伺いたいというふうに思います。

 医療や福祉の現場は、他の業界に比べれば女性が多い業界だというふうに思っております。医師、看護師など専門職の待遇はある程度保障されていますが、介護や福祉の現場で働く方々は、非正規であったり低賃金だったり、厳しい雇用環境に置かれているかというふうに思います。

 また、福祉の仕事といっても、子供、年寄り、障害者など、さまざまなバックグラウンドを持った方がおられ、それぞれに支援を行うためには、求められる能力も異なってくると思いますし、また就労時間というのも全く異なってくる、非常に厳しい職場であるというふうに思っているところであります。

 今後の少子高齢化社会の進展を踏まえれば、こうした職業はどんどんニーズがふえて、人材の流入がふえていかなければならないというふうに考えます。実際には、厳しい雇用環境であり、なかなか人が集まらないというのが現状じゃないかと思います。

 女性がその持てる力を発揮する場として、医療・福祉分野の雇用環境を改善し、双方のニーズをマッチングさせていく必要があると考えますが、政府の見解を伺いたいと思います。

広畑政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、医療、介護、保育などの医療・福祉分野における人材確保のため、ハローワークにおきましては、福祉人材コーナーを設けて、求人と求職の専門的なマッチングを行っております。

 また、職場自体の魅力アップを図るため、介護、保育分野の関係団体に厚生労働大臣から、魅力ある職場づくりに向けたメッセージを直接お渡しし、各分野における課題について意見交換を実施したほか、全国の都道府県労働局やハローワークにおきまして、事業主や団体を訪問いたしまして、雇用管理の改善を推進するための啓発運動を進めてきたところでございます。

 医療分野につきましては、昨年六月に成立いたしました医療介護総合確保推進法に基づき、ナースセンターの機能を強化し、看護職員の復職支援や勤務環境改善を通じた定着の促進、平成二十六年度からは、地域医療介護総合確保基金を活用し、都道府県による地域の実情に応じた人材確保を支援しております。

 また、介護分野につきましては、今年度、地域医療介護総合確保基金におきまして新たに九十億円を確保し、地域の実情に応じた都道府県の取り組みを支援するとともに、介護報酬を改定し、介護職員一人当たり月額一万二千円相当の拡充を行うこととしたところでございます。

 さらに、保育分野につきましては、今年度から、保育士・保育所支援センターの機能を強化し、福祉人材センター等の協力のもと、保育所を離職した保育士に対しまして、センターへの登録の促進、就職希望の把握、求人情報の提供など、再就職に向け、きめ細やかな支援を実施することとしたところでございます。

 こうした取り組みを通じまして、引き続き人材確保対策を推進してまいります。

河野(正)委員 時間もありませんので先に行きますけれども、例えば女性医師とかの復職支援、あるいは看護師さんの復職支援というようなものを日本医師会あるいは日本看護協会でいろいろ試みられていると思いますけれども、まだ十分ではないというふうに思っております。そういった意味では、しっかりとやっていっていただきたいなと思っております。

 次に移ります。

 まち・ひと・しごと創生本部において、人口減少対策の観点から、合計特殊出生率一・八を目指すとの方向性が示されています。

 出産を希望する人の数を根拠にした数値だから問題ない、出産を強いるものではないということであります。しかし、これまで数値目標を示してこなかったのは、国が出生率の目標を数値で示すことが、産まない、産めない女性に対して過度な圧力をかけてしまうということで、かえって女性の自己決定権や人権を損なうとの判断があったからではないでしょうか。

 今回、あえて数値目標を明示することに何か意味があるのか、明示することでどのような効果を期待しているのかを伺いたいと思います。

平副大臣 河野委員御指摘のとおり、いろいろな議論があります。一方で、人口というものは、経済成長や財政や社会保障の持続可能性など、大変大きな影響を与える要素となっているわけであります。

 今回示した出生率一・八程度というのは、御指摘のとおり、数値目標ではありません。女性に、もしくは個々人の極めてパーソナルな決定にプレッシャーをかけることがあってはならないというふうに思っております。

 一方で、一つの中長期の展望として仮置きをしているということでありまして、これは、これを目標というよりは、例えば結婚希望実績指標というのがあります。結婚をしたいんだけれどもまだ結婚できていない人とかですね。あとは、夫婦子ども数予定実績指標というのがあります。本当は二人持ちたいんだけれども二人いないとか、三人欲しいんだけれども三人までいっていないとか。

 こういうような指標が、希望が実現しやすい環境をつくることによって、結果として一・八にいくのではないかということもありますので、そうした個々の希望がかないやすい環境をつくっていく。そしてまた、何がボトルネックになるのかということを注視しながら政策を打っていくということで、こういった数字を書かせていただきました。

河野(正)委員 時間がありませんので先に進みたいと思いますが、シングルマザーなど一人親世帯の多くが厳しい経済状況に置かれている、生活に困窮されている方も少なくないというふうに言われております。

 本法では、みずからの意思によって職業生活を営み、営もうとしている女性の活躍ということを対象にしていますが、シングルマザー等々であれば、働こうと思ってもなかなか働く場所が見つけられないなど、さまざまな点で不利な環境に置かれているのかと思います。

 こうした世帯への支援をどのように考えているのか、政府の見解を伺いたいと思います。

安藤政府参考人 母子家庭の母を含めました、多様な状況にある女性全てが、その希望に応じて十分に能力を発揮できるように、事業主に対して、自社の女性に関する状況把握、課題分析、行動計画の策定を求めるというのが今回の法案の中身でございます。

 さらに、事業主が行動計画を策定する際に踏まえていただくこととなる行動計画策定指針におきましては、例えば、非正規雇用から正規雇用への転換でありますとか、女性の再雇用、中途採用、また、長時間労働の是正などの働き方改革といったような取り組みも規定することを考えておりまして、これらの取り組みは、母子家庭の母といった、さまざまな制約のある女性の支援にも資するものと考えております。

 また、この法案以外の施策といたしまして、母子家庭の母に対しまして申し上げますと、例えば、ヘルパー派遣や資格、技能取得支援、児童扶養手当の支給などの、さまざまな角度からの自立支援を行っているところでございまして、今年度は、よりよい条件での就業を支援するために、一人親家庭の親への学び直しの支援というものも新たに始めたところでございます。

 このような施策を総合的に組み合わせながら支援をしてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 時間が来ましたので終わりたいと思いますが、同じように、障害児や病児を抱えたお母さんというのも、通園、通所に付き添いが必要だったり、病院に連れていかなければいけなかったり、そういった意味では大変難しい問題もあると思います。

 そういったことも含めて、全ての女性ということでありますので、そういった女性にも十分に配慮をしていただきたいと思いますし、有村大臣におかれましては、先ほど本当に、多分、委員各位にインパクトのある御答弁もいただきましたので、しっかりと先頭に立って頑張っていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

井上委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 維新の党の高井崇志でございます。

 きょうは、女性活躍推進法案ということで、質問したいことはたくさんあるんですけれども、その前に、この内閣委員会はサイバーセキュリティーを所管しております。日本年金機構の年金情報の流出問題は、大変ゆゆしき事態だと思っております。

 昨日、我が党は、厚生労働省それから日本年金機構からヒアリングを行いましたが、本当にずさんの一言であります。ちょうどこの後二時から、我が党の松野代表が日本年金機構の方へ行って、実際に見てくるということであり、非常に問題だと思っております。

 ただ、きょうは厚生労働委員会でも集中審議をやっているということでございますが、この問題は、厚生労働省あるいは日本年金機構にとどまらず、我が国のサイバーセキュリティー上、非常に重要な問題ではないかと思いますので、きょうは、内閣官房と警察庁、国家公安委員会に来ていただいております。

 まずお聞きいたしますが、今回、五月の八日の日に、内閣官房の情報セキュリティー室、通称NISCと言っている組織が、異常な通信が日本年金機構に発見されたというのを厚生労働省に伝え、そして、厚生労働省から日本年金機構に伝えられたときのう聞いております。

 しかし、その五月八日から、日本年金機構では、パソコンの端末を取り外すということだけをやって、そのまま何も対処はしていない。ところが、その後、いろいろウイルスの感染などによって、情報の流出の疑いがわかったのが五月の十八日。五月十九日になって、ようやく警視庁に相談をした。しかして、その相談をした後、五月十九日から、五月の二十八日になってようやく、警視庁から日本年金機構に対して、大量の情報が流出しているという事実を伝えた。

 五月八日の発覚から二十八日まで、二十日間という長い時間が経過しておりますが、この間、一体、NISC、内閣官房それから警察はそれぞれ何をしていたのか、それぞれお答えください。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、NISCにおきましては、政府機関に対するサイバー攻撃等の不審な通信を監視、分析し、これを検知した場合には、関係府省に通知を行いまして、所要の対策を講じるよう求めているところでございます。

 他方、各府省におきましては、みずからの組織に対するサイバー攻撃による障害などが発生した場合に、これをNISCに報告するとともに、緊急対処方針の決定、被害拡大の防止、早期復旧のための措置を講じているところでございます。

 今回の事案におきまして、NISCにおいて五月八日に外部への不審な通信が行われていることを検知いたしまして、厚生労働省に対してその旨を通知するとともに、厚生労働省における対応について随時必要な助言を行ってきたところでございます。

 助言の内容でございますけれども、例えば、標的型メールあるいは不正プログラムの分析並びにサイバー攻撃等に関する最新情報が含まれているところでございますけれども、より具体的な内容につきましては、当方の対処能力を明らかにするなど攻撃者を利することになりますので、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。

高橋政府参考人 警察の対応についてでありますが、警視庁では、五月十九日に日本年金機構から、同機構に対する標的型メール攻撃により、職員の使用する端末が不正プログラムに感染した結果、外部に対する不審な通信が検知されたとの通報を受け、所要の捜査を進めていたところであります。

 こうした捜査の過程で、五月二十七日に、同機構から流出したおそれのある情報が日本国内のサーバーに保存されていることを把握しましたことから、当該サーバーが攻撃の踏み台としてそれ以上使用されないよう、その機能を停止させるなど、被害拡大防止のための措置を講ずるとともに、情報流出の状況を具体的に把握するため、当該サーバーのログ等を至急に分析したものであります。その結果、同機構からの情報流出が判明したことから、二十八日に同機構に対する情報提供を行ったものでございます。

高井委員 それぞれ対応はされていたということのようですけれども、結果としては防げなかったということであります。

 もう一点、内閣官房にお聞きしたいんですが、去年にも、同じような攻撃の手口で、大手の民間企業に同様のサイバー攻撃があったような報道がありました。あるいは、衆議院にもそういったアタックもあった。そういった教訓を、日本年金機構という非常に個人情報を抱えているそういった組織にきちんと伝えたりアドバイスしたりしていたのかどうか、お聞かせください。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 本件事案にかかわります情報提供がどのように行われているのかという点についてはお答えを差し控えたいと考えておりますが、ただ、一般論として申し上げますと、今委員御指摘の、過去の事案から得られた教訓につきましては、NISCにおいて各府省との間で随時情報共有を行うなど、緊急性の高いものについて速やかに点検あるいは対処措置を講じてきているところでございます。

 具体的には、NISCから各府省庁に対しまして、不審メールに関する情報提供を含め、サイバーセキュリティーに関する助言、注意喚起を適宜行っております。また、これらの情報につきましては、所管省庁を通じまして、独立行政法人あるいは日本年金機構を含みます特殊法人等にも提供が行われているところでございます。

 なお、今回の事案につきましても、杉田官房副長官のもと、サイバーセキュリティ対策推進会議を六月の一日に開催いたしまして、今回の事案を踏まえて、各府省のシステムの点検あるいは個人情報の適正管理について指示が行われたところでございます。

高井委員 私も、厚生労働省、年金機構の対応も本当にずさんだったとは思うんですけれども、しかし、正直、両者はサイバーセキュリティーの専門家ではないということで、やはりその対処を彼らに全部考えろといってもなかなか難しいのではないかなと。

 そういう意味で、NISCがそういった政府全体のサイバーセキュリティーを所管し、そして、そういう特に重要な個人情報を扱う機関については、助言であったりあるいは指導であったりということが常日ごろから大事ではないか。特に、今回も、五月八日から二十八日まで二十日間の間に何らかの対処ができていれば、百二十五万の情報も流出することはなかったんじゃないかとも思われますので、この点は、引き続き、内閣委員会でまた質問の機会をいただけるようですので、さらに詳しく、まだいろいろ捜査中であったり情報収集中のこともあるかと思いますので、また改めてお聞きをしたいと思います。

 内閣官房と警察は、もう結構でございます。

 それでは、続いて、法案の中身についていきたいと思います。

 まず、もう用意したもの全部はできないので、ちょっと幾つか質問を飛ばさせていただいて、実は、今回の法律そのものというよりも、この法律をもとにしたいろいろな文書とかを見ると、妊娠、出産、子育て、育児、こういう言葉はよく見ます。どこでも並んでいる言葉。しかし、実は、妊娠の前の、妊活と一般的には言っていて、政府の用語としてあるんですかと聞いたら、事務方からは、いや、そういう用語はありませんと言っていました。でも、ないということは、その妊活という世間一般では結構取り上げられていることが政府としてなかなか位置づけられていないんじゃないかと思います。

 その中で、妊娠したくても妊娠できない、不妊治療をされている方が私の友人にもいまして、実は、その不妊治療の助成金の対象年齢が四十三歳で打ち切りと。それまでは違ったんですが、おととしですかね、四十三歳以上はもう助成がされなくなったという制度改正がありました。

 ちょうど私の友人も四十三歳でございまして、大臣も同世代の女性だと思いますので、大臣、通告していませんけれども、これから私の友人からいただいた手紙をちょっと長いんですけれども読みますので、それについて御感想をお聞きしたいと思います。

 不妊治療支援に年齢制限が設けられていることに、疑問を感じています。

 「妊娠・出産に係る意思決定は当事者である男女が自らの意志で行う事柄」と明記されており、妊娠・出産に臨むタイミングは、十人十色です。

 妊娠適齢期を過ぎ不妊に悩んでいる人には、色々な状況が考えられます。

  ・女性の社会進出による晩婚化

  ・親の介護による晩婚

  ・金銭的事情

 等、色々な事情が考えられ、その人それぞれに、時期やタイミングがあると思われます。

 そのメンタルやフィジカルな状況が整った時期が、妊娠出産をしづらい時期になっていた人こそ救ってあげることが必要なのではないでしょうか。

 年齢制限を設けるのは、教育的側面もあるのかもしれないですが、今後、若いうちから教育し、不妊に対する正しい知識をつけていくのと、今、現在困っている人を助けるのは別問題だと思います。

 また、年齢制限を設けることで不妊に悩む人々のメンタルはひどく傷つけられます。

 そもそも、「女性が社会進出したこと」=「自分で好きなことをやっている」という偏見もあって、好きなことしていたのだから仕方ないよね。という意識があるのではないでしょうか?

 妊娠適齢期くらいまでは、社会人にとって、とても重要な時期であり、ある程度の責務を負い始める大事な時期でもあります。

 妊娠出産がスムーズに進みやすい時期と、ぴったりと一致しています。

 そのような時に、結婚・妊娠の機会を逃してしまうのは、現状の日本の社会構造では仕方がないです。家庭を優先したり、休職したりすることを、政府が表向きは推進しているものの、現実でそのような事が許される民間企業は本当に限られた大企業だけで、ほとんどは、そのような環境にはありません。

 また、親の介護や家庭の事情でやむなく働かざるを得なかった、環境にいる場合もあります。

 税金を投資するわけなので無制限にというのは、無理があると思いますが、治療に年齢制限をつけるのは、そもそもの意思決定を当事者が行うというものと逆行していると思います。

 また、すぐに不妊治療を始めたくても、都内の不妊治療可能な病院が、手が回っていないケースが多々あり、先日申し込みをした病院から、十三か月待ちとの報告がありました。そういった、専門医(カウンセラー・培養師含む)を増やしてほしいという声もたくさんあります。

 三十代、四十代の多くの女性が共通に抱えている悩みです。不妊に悩む女性は本当に多いです。政治家や官僚の皆さんはそういう現実をご存知なのでしょうか?ぜひ国会で聞いてください。

という、ちょっと長くなりましたけれども、でも、すごく思いがこもっていますし、また、この女性だけじゃなくて、この女性の仲間、三十代、四十代の多くの女性から私もこういう声を聞きます。

 率直に、大臣、いかがですか。お考えをお聞かせください。

有村国務大臣 先ほど御紹介いただきました声は極めて切実であり、極めて日本社会の直面する本質的なところにメスを入れられた切実なお話だと、心からの敬意を持って拝聴をいたしておりました。

 同時に、なぜ年齢制限がというところは、私自身もかなりの時間をかけて学んできたところでございます。

 例えば、大臣も同じ世代だがとおっしゃっていただきました、私、現在四十四歳でございますが、四十四歳が不妊治療をした場合に、実際に赤ちゃんの産声を聞ける、抱ける方々は一・三%でございます。百人近くが受けて一人産まれるかどうかというところで、年齢が高くなればなるほど、体外受精をしたときの、分裂は始まるんですが、そしてここで妊娠は続けられるんですが、流産する確率も相当高く、格段に高くなります。こういう現実も伝えた上で、御本人の進めるか進めないかの選択という意味では、正確な情報が伝わることもこれまた大事だと思います。

 その中では、医学的に、生物学的に安全にできるという意味からの、先生方からの四十三歳という区切りであったかというふうに聞いておりますけれども、患者さんにとって不妊治療というのは何なのか。実際にその成功というのが、お子さんを抱けることなのか、それとも、御本人のメンタルにある程度の区切りがついて、実際は、不妊治療を受けられている方々のほとんどは、お子さんを授かれないまま不妊治療をやめているという現状の中では、メンタルの部分の、自分の決着がつくまでやってみようというお気持ちに対しても繊細でなければならないという現場の御意見もまた御紹介をさせていただきます。

 その上で、治療というと、通常は私たち、病気が完治して卒業するのかと思いがちでございますが、事不妊治療に関しては、多くの方々が授からないまま不妊治療を終了しているという現状をお伝えした上で、そこにまず誤謬があるということ。

 それから、産みたくても産まれない方、あるいは、今いろいろな状況でそれが実現できない方々がいらっしゃるという前提で、ハラスメントのない社会、そして働きながら不妊治療ができるという社会をつくっていくことが極めて大事だと思います。

 そして、不妊治療を開始する年齢というのも、諸外国に比べて日本は格段に遅くなっています。

 そういう意味では、午前中に申し上げましたが、何をもって不妊と言うのかというのを、二年、今までは日本の産科、婦人科がやっていましたけれども、国際標準に照らし合わせて、子供を授かりたいと思っていて性生活をしていても授からないということを一年。

 だったら、不妊治療を開始するスタートを早めていく上でも、今その定義の見直しが行われているところでございますけれども、不妊治療も早い段階でやっていただいた方が成功率、御本人の幸せにはつながるということも、これまた率直に、謹んで御報告をしていかなければならないというふうに思っております。

 しっかりと、御意見としては、勇気を持ってよく言ってくださったという思いで拝聴いたしました。

高井委員 大変よく御存じで、思いもおっしゃっていただいたのはありがたいんですけれども、この彼女も言っていますとおり、不妊治療というか妊活を早く始めるということを周知する、教育する、このことが大事だということはよくよくわかっている、でも、その教育なり誘導の方法として、四十三歳という年齢で切るんだとすれば、それはやはりメンタルとして、四十三歳になったらもう子供は産めないのかという、国からレッテルを張られるような、そんな気持ちになってしまう。そういう繊細な気持ちの部分も、大臣も今おっしゃっていただきましたけれども、ぜひわかっていただきたいと思います。

 大臣からもかなり御答弁いただいたんですけれども、改めて、きょうは厚生労働省にも来ていただいていますので、この不妊治療の対象年齢四十三歳を見直す考えはないでしょうか。

 それと、もう一問通告していますけれども、専門医が少ない。都内では本当に十三カ月待ちという、私はメールの回答文を見たんですけれども、本当に十三カ月程度。現在、二百三十六番から三百十番目になりますので、御案内まであと十三カ月かかる見込みですのようなメールが来ている。こういう状況を見て、厚生労働省としてはどう対処するお考えでしょうか。

安藤政府参考人 不妊治療への助成に関しましては、先ほど大臣の方から御答弁を差し上げましたとおりのことでございまして、妊娠、出産に伴う年齢別のリスクなど医学的な知見に基づきましてこのような結論を出しまして、対象年齢や助成回数の見直しを行ったところでございます。

 視点といたしましては、安心、安全な出産をしていただくという観点からの見直しでございまして、助成対象を四十三歳未満とするとともに、助成回数につきましては最大六回まで、これも九割が妊娠をされるという回数でございました。それと、あと、年間助成回数につきましては、制限をなくして、早い段階で集中的に治療ができるようにというような見直しをしたところでございます。

 先ほど大臣からも申し上げましたが、やはりこうした正しい知識を普及することによりまして、ライフプランを早く立てられるようにするということと、それから、希望するタイミングで妊娠、出産が実現できるような職場環境の整備というものにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 それと、専門医、施設が少な過ぎるという御指摘でございますが、不妊治療に従事する生殖医療専門医、日本生殖医学会が認定している資格でございまして、新規認定者は増加傾向にございまして、現在では五百五十九名おられます。また、日本産科婦人科学会が定める施設や人員の基準を満たして、体外受精を初めとする生殖補助医療を実施する施設としてこの学会に登録されております施設数もまた増加傾向にございまして、現在五百九十三施設となっております。かなりの部分が都内に集中しているというふうにも聞いております。

 こうした専門医や施設につきましては、各専門の団体が適切に認定を行っているものと承知しておりますけれども、厚生労働省といたしましては、まずは不妊治療の質や安全性の確保が非常に大事だと思っておりまして、平成二十六年の母子保健課長通知におきましても、不妊治療を実施する医療機関の配置すべき人員の基準といたしまして、年間採卵件数が百件以上の施設については生殖医療専門医がいることが望ましいことといたしておりまして、引き続き、不妊治療の質、安全性が確保されるように体制整備を図っていきたいと考えております。

高井委員 私も、厚生労働省から資料をいただいて確かに驚きました。高齢出産の危険、流産する確率、あるいは母体も死亡する確率も高まる。しかし、その資料も彼女には見せた上で、それでもやはり年齢制限、それは自分で判断したいし、それから、そういう教育は別でちゃんとやってほしい、そういう資料をどんどんみんなに見せて広めてほしいということも言っていましたが、それと年齢制限は別ではないかと思います。

 ぜひ、きょうは高階政務官がさっきいらっしゃったので、女性の立場で高階政務官にもお聞きしたかったな、ちょっと失敗したなと思ったんですが、高階政務官にもこの彼女の手紙をぜひ読んでおいていただいて、また改めて聞きたいと思います。この対策について、またこの委員会で取り上げさせていただきたいと思います。

 続いて、関連するんですけれども、今度は、では、不妊治療をして、それでも子供が授からなかった、そういう方が今度里親になりたいといったときに、ここにもまた障害があります。

 我が国の里親の委託率は、諸外国に比べて極めて低い。大体、児童養護施設に預ける子と里親に委託する子の割合が九対一となっていまして、一二%なんです。でも、ほかの国を見ると、オーストラリアなんて九三・五%が里子になって里親に預けられている。アメリカも七七%、イギリスも七一%、日本だけ一二%、これは厚生労働省の出している資料ですから。そういう率であります。

 では、里親になりたい人が少ないのかなと思うと、そうでもなくて、里親になりたいといって登録する世帯は九千四百四十一世帯ありますが、それに対して、マッチングして委託される里親世帯が三千五百六十世帯にとどまっているんです。この理由はなぜでしょうか。

安藤政府参考人 諸外国よりも非常に里親への委託率が低いというようなお話でございました。なかなか日本では、里親、ファミリーホームへの委託率は大体一五%程度ということでございます。御指摘のとおり、登録里親数九千四百四十一世帯に対して、委託をしている里親数三千五百六十世帯にとどまっているというようなこともございます。

 我が国で里親制度が普及しない理由につきましては、平成二十七年にまとめられました「社会的養護の課題と将来像」という文書がございますが、この中で指摘されておりますのが、文化的要因のほか、里親制度の認知度が低い、里親といえば養子縁組を前提としたものという印象が強い、研修や相談、レスパイトケアなど里親に対する支援が不十分である、また、里親と児童のマッチングが困難であるというようなことが挙げられているところでございます。

 登録里親数、また里親への委託児童数につきましては先ほど申し上げた数字のとおりでございますが、その数字には乖離がございますけれども、この登録里親数に占める委託里親数の割合を見ますと、平成十五年度末の二七・七%から平成二十五年度末の三七・七%へと、上昇はしてきているところでございます。

 また、登録されている里親に対して委託がなかなか進まないという理由につきまして、地方自治体に聞いてみましたところ、里親の希望と委託児童の条件が合わない、また里親委託に対する実親の同意を得ることが難しいといった理由に加えまして、発達障害など複雑な問題を抱えて、里親への委託が困難なケースがふえているというような課題が挙げられていると承知しております。

高井委員 その課題についてもちょっと御質問したいんですが、その前に、先ほど、不妊治療は、女性は四十三歳で終わりになると。四十三歳まで頑張って不妊治療をしたけれども、子供が授からないので、では里親になろうと決心した人が、なろうと思っても、実は、里親委託ガイドラインという厚労省が発出しているガイドラインによると、養子縁組を前提とする里親の場合はという前提つきですが、子供が二十に達したとき、里親の年齢がおおむね六十五歳以下であることが望ましい。つまり、ゼロ歳で里子をもらったら、四十五歳以下の人じゃないと育てられないじゃないか、子供が二十になったときに、もうおじいちゃんで、育てられなくなるでしょうみたいなことを書いているわけです。

 実際、現場の児童相談所は結構このガイドラインを遵守しているどころか、四十歳ぐらいの方が里親になりたいといって、物すごい数が順番待ちをしているのに、マッチングしてもらえないという現実があるんです。そういう現実を厚生労働省は把握されて、なぜ六十五歳以下が望ましいとしているのか。そして、このガイドラインを見直す考えはありませんか。

安藤政府参考人 まず最初に、先ほど、私、「社会的養護の課題と将来像」につきまして、平成二十七年と申し上げましたが、二十三年の誤りでございました。大変失礼いたしました。

 御指摘の里親委託ガイドラインにおいて、「養子里親の年齢は、子どもが成人したときに概ね六十五歳以下となるような年齢が望ましい。」としているところは御指摘のとおりでございますけれども、これは養子縁組里親が養子縁組による親子関係を目指したものであることから、一般的な家庭の年齢構成などを踏まえてお示しをしているところでございます。

 また、実際の里親認定に当たりましては、これを参考としつつ、各自治体において、里親を希望する方のそれぞれの適性や経済状況などを確認して認定を行っていただいているものと承知をしておりますが、私どもといたしましても、その全国会議などを通じまして、こうした趣旨の徹底については図ってまいりたいというふうに考えております。

高井委員 現場の声を聞くと、実は、実際、児童相談所がこの里親をマッチングすることをやっているんですけれども、児童相談所がとにかく忙しい、虐待がふえて、そこの対応に手がとられてしまって、もう人数も足りない、そういう状況を非常によく耳にします。

 ですから、私は、この児童相談所の職員の数をもっとふやすべきだし、それからもっと言うと、もっと専門化させる。

 現場に聞くと、都道府県がやっていますけれども、都道府県に入って、新入職員が、二、三年まずここで勉強してこいみたいな感じで児童相談所に派遣をされて、そしてまた本庁に戻っていく。そういう、里親という、マッチングという非常に難しい、確かに、里親さんに子供を預けるというのは物すごく責任のあることです。だから、児童相談所の、現場の人もなかなか軽々にはマッチングできない、だから、安心な児童養護施設に、安易にという言葉をあえて使いますけれども、安易に預けてしまうという現実があって、そして六千世帯もの里親になりたいという人が順番待ちをしてもなかなか来ないという状況があるわけです。

 私は、ほかにも、里親制度をもっとPRすべきとか、週末里親をふやすべきとか、きょうはいろいろ質問したかったんですが、時間も参りましたので、最後に一つお聞きしたいのは、こういった児童福祉司、児童相談所の職員の数をふやして、もっとその体制を拡充すべきじゃないか。

 それと、もう一問通告していますけれども、もし予算が厳しいのであれば、例えば、経験豊富な方々に、安いアルバイトとかボランティアとか、そういった形でかかわってもらって、里親会の方とか、あるいは児童養護施設を退職された方とか、そういった方を入れて里親支援体制というのを拡充すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

安藤政府参考人 児童相談所の体制整備は大変重要な課題でございます。

 児童福祉司につきましては、里親支援を含めた相談体制の充実のために、地方交付税措置におきまして年々増員をお願いして、これが実現してきているところでございます。また、児童相談所職員OBなどを非常勤職員として雇いまして、専門的な支援などに活用するための予算措置もしております。

 さらに、児童養護施設、乳児院に里親支援専門相談員を配置するということをいたしまして、里親への支援を行っているところでございます。さらに、里親会、児童家庭支援センター、児童養護施設、乳児院、NPO法人などを里親支援機関として指定をいたしまして、里親に定期的に訪問するなどの相談支援を行うとか、里親や里親を希望する方々に対して、情報交換や養育技術の向上を図るというような取り組みをしまして、里親支援を推進しているところでございます。

 これらを組み合わせまして、さらなる支援を推進してまいりたいと考えております。

高井委員 大変大事な問題なので、これからもこの委員会で取り上げたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

井上委員長 次に、池内さおり君。

池内委員 日本共産党の池内さおりです。

 法案にかかわって、女性研究者、技術者の分野の問題について質問をいたします。

 今月十四日に女性の研究者、技術者が、女性研究者・技術者全国シンポジウムを開くという記事を私は五月末に読みました。その見出しは、女性研究者、技術者、輝く余地少ないというもので、安倍政権は、成長戦略の中核として女性の活躍推進を掲げるが、女性の研究者らからは、研究、教育条件の格差は拡大し、女性の研究者、技術者が置かれている状況は今までに増して厳しいとの声が上がっていると報道されていました。

 管理職や国会議員など、女性の社会進出については日本の後進性が指摘されてから久しいわけですが、日本の女性研究者の現状は、世界との比較でどうなっていますか。

岸本政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国の女性研究者の割合は、平成二十二年度におきまして一三・六%、平成二十六年度において一四・六%と、年々増加傾向にございます。

 一方、諸外国における女性研究者の割合は、英国は三七・八%、米国は三三・六%、ドイツが二六・八%、フランスは二五・六%、韓国は一八・二%となっておりまして、諸外国と比較すると、我が国の女性研究者の割合は依然低い水準にあると思います。

池内委員 女性研究者の割合の各国比較では、日本は一四・六%で、お隣の韓国よりも低く、ヨーロッパなどとの比較ではその半分程度、イギリス、アメリカでは半分以下という割合になっています。

 その一つの原因として、民間また企業の研究所や研究施設での女性の割合が低いことが指摘をされています。これも大きな問題だと思います。

 では、もう一つの研究現場である大学などでは女性の進出は進んでいるのかどうか。EUの女性教員と日本の女性教員の割合は、それぞれどうなっていますか。

義本政府参考人 お答え申し上げます。

 EUの大学の女性教員の割合につきましては、OECDに加盟するEU二十一カ国の大学の平均としまして、二〇一二年時点において四〇%であると承知しているところでございます。

 また、日本の大学の女性教員の割合は、いわゆる本務教員、専任教員のベースでございますけれども、二〇一四年度時点において二二・五%でございます。

池内委員 私の手元にあるこの資料を見ると、教授に相当するグレードAでは、EU二〇%に対し日本は一四%、准教授から講師に相当するグレードBでは、EU三七%に対し、日本は准教授で二二%、講師で三〇%、助教に相当するグレードCでは、EU四四%に対して日本は二七%となっています。大学でも日本の後進性は残念ながら明白だと思います。

 今回の法案では大学も対象となると思いますが、確認します。

久保田政府参考人 お答えいたします。

 この法案で規定いたします事業主には、大学も含まれると考えております。

池内委員 私は、この間、先輩、後輩、また多くの女性研究者の声を実際に聞いてきました。話を聞けば聞くほど、現状は、最初に紹介した記事の見出し、女性研究者、技術者、輝く余地が少ない、これを地でいく話に加えて、さらには、未来が見えない、悲鳴に近い話も少なくありませんでした。

 とりわけ、私も含めて三十代という世代は、まさに、結婚、出産というライフイベントを迎える年代であると同時に、研究者を選んだ人にとってみれば、そのキャリアの入り口に立つ時期にも当たります。キャリアの入り口ともなる非常勤講師で働くある女性の声は切実でした。

 非常勤をやっているが複雑な思いになる、ある大学は一こま九十分で月二万円、生活をしていくためには一月に十こまを持たなければならない、新しく始まる前期は一こまでも準備が大変、なれないと生活すらしていけない、なれたとしても研究時間の確保は困難で、研究と教育の両立というのが大変に難しい。一こまの講義九十分という時間ではあっても、学生にはなるべく興味を持ってもらいたいし、知的好奇心ももっともっと広げてもらいたい、教育効果を上げたいと、何とか学生とやりとりをして関係もつくっていきたいという思いはあるけれども、全く労力がかけられない。働きがいやモチベーションもやはり継続するのが難しい、生活も大変だからもう限界を感じているというふうに話してくれました。

 このような教え方でいいのかという葛藤も持ちながら、でも、大学に行けば学生の中には寝ている人もいるしという、そういう複雑な思いになるときもある、非常勤は余りにも条件がなくて自分の研究時間もない、教育に対しても、また研究にも集中できる環境ではないということを私はお話として聞いてきました。

 こうした非常勤講師の実態は今どうなっていますか。

山本大臣政務官 お答えいたします。

 文部科学省では、学校教員統計調査におきまして、大学の兼務教員数について調査をしております。

 この兼務教員というところに委員御指摘の非常勤講師も含まれておりまして、その数は、平成二十五年十月時点で延べ二十万六千二百二人であります。延べでございますので、統計をとるのが若干難しいところがございまして、非常勤講師で、先ほど委員が御指摘のとおり、一こまで数万円という方もいらっしゃると思いますが、我々でいう本務教員、いわゆる専任教員を兼ねて非常勤講師をされているような方もいらっしゃいますので、どこまでが非常勤講師でという統計調査というのがなかなか難しいところはあるんですが、その延べの約二十万の中で本務を持たない者は、また、延べ八万人というふうに承知をしておりまして、なおかつ、その本務を持たない人たちの男女比率ですとか、そういった詳しい調査のデータは文部科学省としては持ち合わせていないところでございます。

池内委員 実態がない、把握されていないということでした。

 日本学術会議の昨年九月の報告、学術分野における男女共同参画促進のための課題と推進策では、専任の本務を持たない者の非常勤教員の男女別構成というのは、一校平均、男性六十・九人、女性四十五・七人、女性の比率では四二・八%となっています。先ほどの女性教員の割合では、助教が二七%という数字があったと思うんですけれども、非常勤の教員の割合というのは女性がさらに高くなっているというふうに思います。

 ことし一月、国立大学における男女共同参画推進実施に関する第十一回追跡調査結果報告で、本務を持たない非常勤講師、六十歳未満は、六千百八十三人中、女性は三千二百八十一人、五三・一%、女性の比率が高くなっています。

 この国立大学協会の報告書は、安定的な雇用形態である本務を持つ女性比率が低いのに対し、不安定な雇用形態である本務を持たない非常勤講師の女性比率が高いと言えるというふうに述べています。また、男性常勤教員五万四千六百五十二名に対して非常勤講師二万八千八百人、女性常勤教員が九千七百五十一名に対して非常勤講師が八千四百七名であることからも、女性非常勤の割合が高いと言えるとも指摘をしています。男性教員は非常勤率が三五・五%に対して、女性は非常勤率が四六・二%にも上っているということです。

 非常勤講師について把握されている一部のこうした実態からも、非常勤講師における女性の問題というのが見えてくると思います。全体として把握して、具体的にどういう問題があるのか、文科省として実態把握の調査をすべきではないでしょうか。

山本大臣政務官 お答えいたします。

 先ほど申し上げたとおり、文部科学省では、学校教員統計調査を通じて大学の教員数の把握には努めております。一方で、非常勤講師の雇用のあり方については、各大学の設置者の判断において決定されるべきものであり、文部科学省として、その実態の調査を行うことは今のところ考えておりません。

 また、先ほど申し上げたとおり、極めて物理的に難しいという実態がございます。例えば、Aという大学で助教をされている、あるいは准教授をされている。ただ、Bという大学で一こま二こま担当が出てきたという場合は、そのBの大学では彼あるいは彼女は非常勤講師ということになりますが、本務である学校に戻れば、その方はまた本務教員ということになりますし、相当これは、実態を全て把握するというのはいささか物理的に困難をきわめると思います。

池内委員 先ほども私は声を紹介しましたけれども、女性の非常勤講師というのは、本当に不安定な状態の中で、さらに出産、育児にも立ち向かわなければならない状況があります。

 文科省は、女性研究者の活躍促進として特別研究員RPDという制度を実施していると聞いていますが、これはどのような制度ですか。

岸本政府参考人 お答えいたします。

 まず、特別研究員事業は、すぐれた若手研究者に対しまして、その研究生活の初期におきまして、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与え、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成確保を図るために実施しているものでございます。

 この特別研究員事業の一環としまして、学術研究分野における男女共同参画を推進する観点も踏まえまして、すぐれた若手研究者が出産、育児による研究中断後に円滑に研究現場に復帰する環境を整備するために、研究奨励金を三年間支給し、研究活動を支援する、特別研究員RPDを平成十八年度から実施しているところでございます。

池内委員 対象が、研究中断から復帰する博士課程修了者等となっておりまして、ポストドクター、いわゆるポスドクの方々が支援の対象となっている。

 直近五年間、この支援を受けてきた男女別の人数、男女比はどうなっていますか。

岸本政府参考人 お答えいたします。

 直近五年間におけるRPDの採用率は二割前後でございまして、その大半が女性研究者となっております。

池内委員 五年間で男性六人、女性二百六十一人、女性が九八%を占めています。男性もわずかながら含まれていることから、育児による研究中断に対する支援策であることは見てとれますが、出産、育児で研究中断を余儀なくされる、これは圧倒的に女性になっているということが、この数字からも見てわかると思います。

 この制度で、申請者数に対する採用数の比率というのはどうなっていますか。

岸本政府参考人 申請に対する採用率でございますが、直近五年間で二割前後に推移してございます。

池内委員 毎年二百五十人ほどの申請があり、採用率はこれまで二〇%程度、今年度は枠が広がって二六%となっています。申請者はドクター課程修了者であり、実際に、出産、育児によって研究が中断されている。そのうちの二〇%、五人に一人、あるいは、二六%の枠で考えれば四人に一人しか支援が受けられていない。これは支援が足りていないのではないでしょうか。

山本大臣政務官 お答えいたします。

 委員御指摘の、二割程度というのが低いのではないかというお話ですが、これは数字をどう評価するかによると思います。出産、育児によって研究を中断した人に全てこの特別研究員の制度を当てはめるというものではございませんで、すぐれた若手研究者で、なおかつ、そういう状況にある方ということでございますので、そのすぐれた研究者であるかどうかというところがネックになって採用されなかった人もいらっしゃるでしょうし、あるいは、そういうクリアすべきものをクリアできない人で申請をされたのかもしれません。

 枠があって、例えば、二十人の枠に二十人が応募をしてきて、全員がその条件に当てはまれば十割の支援になりますし、それが全然箸にも棒にもかからないということになれば、こちらは、申請してもらって、支援をしようと思っても、その枠内に入っていただけなければ支援できないということになります。なかなか、申請された人が何割受かっているので、それで手厚いのか、手薄いのかという単純な議論にはならないのかなと思います。

 ただ、委員の問題意識は我々も同じでございまして、そういったすぐれた若手の研究者で、状況下に置かれて研究を中断して、それをまたリスタートしたいという方には支援をしたいという思いで、平成二十六年は五十人の枠でありましたが、平成二十七年には七十五人と枠を拡大しております。

 また、こういった研究者個人に向けての我々国としての支援策だけではありませんで、そういった研究者をきちっと支援している大学、そういった大学に対しては、ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブという事業を設けまして、そういうすぐれた若手の研究者、そして、育児、出産等で研究環境が厳しい中でも、大学、研究機関が組織としても支援しているところには我々もきちっと支援の手を差し伸べるということも、あわせて文部科学省としてはやっております。

 今後とも、個人に対しても組織に対してもそういった支援をして、女性の研究者がしっかりと、生き生きと研究活動できるような環境に努めてまいりたいと思います。

池内委員 そもそも申請者の数をどう見るかという問題はあるとは思います。対象となるポストドクターのうち、出産、育児のライフイベント期に、そういう時期に当たる人数は一体どれくらいいるのか。そもそも、育児、出産を断念してしまっている人も多いのではないか。

 私が聞いた声の中でも、女性としてのキャリア、続けていくための最大の壁は、子供の妊娠、出産だというふうに話していました。博士論文を書いて研究者として生きていく、それだけでも先が見えない。いつ就職できるかもわからない。出産しようという気持ちにはならないという声でした。

 また、この特別研究員RPDに申請をしたけれども採用されなかった方々は、その後どうなったのか。この制度の政策効果を判断するためにはこうした実態の把握が欠かせないと思いますが、ポストドクターの方々のこうした実態把握というのはありますか。

山本大臣政務官 ポストドクター等の実態把握については、これまでも文部科学省で定期的に調査をしております。直近、二〇一二年十一月、例えば我が国のポストドクターに占める女性の割合というのは、二六・九%というようなデータがございます。

 また、今委員御指摘の、特別研究員に採用されなかった人の実態、どういうところで研究を断念しているのか、あるいは出産がどうなったのか、そういうような後追いの調査をしているかと言われると、残念ながら、我々としては、そこまでの把握はできておりません。

 ただ、文部科学省としては、このポストドクターの問題、これの実態把握をきちっとしていくべきだという問題意識を持っておりまして、博士課程を修了した人たちが今どういう状況にあるのかというのを調査を始めました。二〇一二年に博士課程を修了した人たちがその後どういうキャリアパスをされているのかということを調査を始めた段階でございます。

 こういった調査の結果をしっかり踏まえまして、女性研究者の活躍、そういった場をきちっと整備していくということに引き続き取り組んでまいりたいと思っております。

池内委員 昨日いただいたこの表があるんですけれども、ポストドクターの男女別の年齢構成の資料をきのういただきましたが、男性に比べて女性の方が高い年齢層のポストドクターの割合が高いというふうに述べています。その原因についてはどのように分析されていますか。

山本大臣政務官 お答えいたします。

 確かに、委員御指摘のとおり、ポスドク、年齢層が高くなるにつれて女性の比率が上昇している傾向があるというのは、我々も承知をしています。

 ただ、その原因がどこにあるのかというところまで我々が把握しているかというと、そこまでは把握していないというのが事実でございます。

池内委員 女性の方が高い年齢層のポストドクターの割合が高いと。まさに、ポストドクターから大学などへの研究機関への就職において不利な立場にあるということの反映だと思います。

 私は、こういう話も聞いてきました。セクハラです。しかも日常的にあると。就職が難しい女性は結婚すればいいんじゃないとか、そういうことを先輩から日常のように言われると。コピーは女がやるものだ、どうして俺がやるんだという声。さらに、業績を積むことと家庭生活の衝突というのは不可避で、ある大学の女性研究者の方は、産休をとりに申請に行ったら、休んでいるんだからその間に論文を書いてくるんだろうね、そう言われ、育休中でも常に論文や業績をためていかなければならないんだという不安を感じたというふうに話してくれました。

 有村大臣にお尋ねいたします。

 研究現場の女性の活躍について私はきょう文科省と質疑をさせていただきましたが、法案は、大学も事業者として対象としています。一つ一つの事業者に対策を求めるだけでなくて、女性研究者という分野として、一つ広い視野から対策が必要だと思います。大学などは文科省の所管だとは思うんですが、そこに男女共同参画という視点で現状を把握し、分析し、対策を立てる、こういうことが求められていると思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。

有村国務大臣 お答えいたします。

 私自身も、非常勤でこまを持ちながら大学院の博士課程で博士論文を書くということを試みていた。そして、そのときには、非常勤の枠というのは授業をやったこましかお給料が払われないという中での、前後の準備、成績もつけなきゃいけないという中での、悲鳴に似た女性研究者あるいはその卵の皆さんの痛烈な思いということを本当に共有いたします。

 女性研究者の活躍というのは、世界最先端の科学技術立国を目指す我が国が、持続的な成長を確保し、さらに社会におけるさまざまな問題解決を図るための人材育成の面においても、極めて重要だと思います。

 先ほどから文部科学省に御質問をしておられるように、しかしながら、我が国の研究者に占める女性の割合は諸外国に比べても低い水準にあります。女性研究者が研究活動を継続できるように、出産、育児、介護等との両立を可能とする環境の整備を進めていかなければなりません。

 とりわけ大学、大学院キャンパスでの保育園ということは、単に大学に勤められる職員のためにあるだけではなくて、学部生の判断は分かれるところでございますが、院生、博士論文を書いている方々にとっては、子育てで保育園を、キャンパスで見ていただける、そういう利用を促進すると下村文部科学大臣も明言をされていらっしゃいますので、具体的にタックルをしていかなければならないというふうに思っております。

 私自身の問題意識としては、特に女性の参画が少ない理工系分野、この活動を総合的に支援していかなければならないというふうに思っております。先々週、公務が重なりましたので、私の腹心の審議官に私のメッセージを携えて行っていただきましたが、日本の女性科学者の猿橋賞の受賞で、ここをどうやって女性科学者をバックアップしているかということをこれから議論していく対話のチャンネルを築きました。経団連とも、女性の科学者、研究者をふやしていくためのお互いの協力をしようという話し合いを先々週終えたところでございます。

 そういう意味では、本日の議論も踏まえて、この分野の層を厚くしていくということに、私も、女性活躍の分野で加速をしていく力を、関心を強めていきたいと思っております。

池内委員 私も、最初にお話をさせていただきましたが、この間、先輩、後輩、本当に多くの女性研究者の声を聞いてきました。三十代という、さまざまなライフイベントを迎える年代、そして研究者としてもキャリアの入り口に立つ時期、話を聞けば聞くほど、困難な実態、未来が見えないという、本当に悲鳴に近い声が相次ぎましたので、その中でも、きょうは一部についてしか質問することができませんでした。引き続き、この問題は取り上げていきたいというふうに思っています。

 次に、法案に関連をしまして、長時間労働の問題について質問をします。

 今回の法案審議に当たり、子育てしながら働くお父さん、お母さんの話も聞いてきました。その中で、女性活躍を阻んでいる一つの根本問題として長時間労働がある、私はその思いを一層強くしました。

 ある大手企業に勤める方からお話を聞きました。職場結婚されて、すぐに子供ができたところまではよかったけれども、保育園が決まらない、保育園を何とか三月の段階で決めて、四月の職場復帰にはこぎつけたけれども、夫は絵に描いたような長時間労働で、家事、育児の責任は彼女に全て覆いかぶさってくる、その中で仕事をこなしていくことは並大抵のことではない、体だけでなくメンタルの面でも健康を害したり、以前は三カ月に一回ぐらい仕事をやめたいなと思っていたのが、一月に一回になり、今では二週間に一回になっているというお話でした。

 もう一方、三人の子供を持つお母さんからもお話を聞きました。こちらも夫の長時間労働があって、平時の保育園の送り迎えだけでなく、保育園で子供が熱を出せば迎えに行くのは女性の役割だ、いつ何どき子供が熱を出しても、病気にかかっても仕事を休まなければならなくなってしまうと。この方は、仕事を休んでいる間に勉強して、幾つか資格を取ったそうですが、その資格を生かして責任のある仕事につくということもちゅうちょしているとおっしゃっていました。

 今回の法案の土台となっているのは、昨年九月の労政審の「女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について」だと思いますが、その中で長時間労働の問題はどのように位置づいていますか。

安藤政府参考人 御指摘の、本法案に係る労働政策審議会の建議における長時間労働に係る記述について申し上げます。

 「長時間労働は、その職場における女性の活躍の大きな障壁となるだけでなく、その職場の男性の家事・育児分担を困難にし、当該男性の配偶者である女性の活躍の障壁ともなるとともに、少子化の要因ともなっている等、当該企業だけでなく、社会全体へ負の影響を及ぼす。」「恒常的な残業を前提とした働き方は、男女ともに家事・育児参画を困難にするものであり、共働き世代が増加する今後に向けても、各職場での改善に向けた努力が望まれる。」と記載された上で、残業削減に効果的と認識されている取り組みも、実際に行われている割合は低いという事実について指摘をいたしまして、「女性が出産・子育てを通じて働き続けられる職場環境とするためには、長時間労働の是正に加え、働き方の柔軟性が重要である。男女を通じた長時間労働の是正を含めた働き方の改革に向け、事業主の取組につながるよう有効な方策を検討していく必要がある。」と述べておりまして、建議におきましては、男女を通じた長時間労働の是正を含めた働き方改革を進めていくことの必要性が強く認識されているところでございます。

池内委員 御答弁いただいたように、労政審の報告というのは私が聞いてきた実態そのものだと思います。長時間労働の悪影響がはっきりしていると思います。

 大臣に質問をいたします。

 もう一つ、長時間労働が女性の働く意欲の阻害要因となっているという指摘なんですが、きょう配付させていただいた資料の二枚目に女性管理職の実態があって、婚姻状況では、大企業の男性の未婚率が八・六%に対して、女性は四一・五%、管理職の子供の人数、男性でゼロというのが一九・二%で、女性は六二・七%。

 こうした実態を見ている女性たちが昇進を望まなくなるということは、私は当然のことだと思います。配付した資料でも、昇進を望まない理由の女性のトップというのが、家庭と仕事の両立が困難だというのがありました。

 長時間労働、男性の長時間労働の実態というのがあると思うんですが、大臣の認識を伺います。

有村国務大臣 委員御指摘のとおり、女性管理職の未婚率は男性管理職と比べて高いというふうに私も承知をしております。

 さまざまな要因があると考えられますが、いわゆる固定的性別役割分担意識が残る中で、長時間労働により仕事上の負担が大きい場合は家庭生活との両立が困難になるため、結果的に結婚を諦めざるを得なかった、あるいはお子さんを授かるという選択ができにくかった、そういうことも現にあるというふうに思います。はっきり申し上げれば、本人の希望というよりは、事実上の二者択一の選択を迫られてきたという経過があるというふうに思います。

 だからこそ、この法案を仕上げて、長時間労働の抑制を本丸に日本社会が向き合っていかなければならないというふうに思っています。働きたい女性が、結婚、出産、子育て、介護などのライフイベントということを進めながら働き続けることができ、昇進できる環境が整備できるかどうかというのが日本の浮沈にもかかわっていますし、御本人たちのクオリティー・オブ・ライフ、暮らしの質にもつながっていると確信をするものでございます。

池内委員 最後に一つだけ、大臣もお答えになっていただいた長時間労働。

 今回、この法案でも、企業が労働時間をきちんと公表するということが含まれていると思うんですが、この労働時間の状況把握について、まさに改善すべき長時間労働をなくしていくために、雇用の形態や実態に沿った労働時間の把握というのが求められていると思いますが、いかがですか。

安藤政府参考人 状況把握項目としての労働時間につきましては、男女を通じた長時間労働について自社の状況を明らかにするという観点から把握していただくことを意図しております。

 したがって、労働時間につきまして、御指摘のように、例えば全ての雇用管理区分を含めて平均して把握するというような形で算出するというようなことは好ましくないのではないかというふうに考えておりますが、具体的にどのような把握の仕方をすべきかということにつきましては、本法案を成立させていただいた後に、今後の労働政策審議会における議論でさらに深めてまいりたいと考えております。

池内委員 質問は以上です。ありがとうございました。

井上委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後二時三十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時四十六分開議

井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山尾志桜里君。

山尾委員 民主党の山尾志桜里です。

 本日、女性活躍推進法に関して質問に立たせていただきます。

 有村大臣におかれましては、予算委員会や本会議、そしてこの委員会と、いつもおつき合いをいただきまして、ありがとうございます。そして、永岡副大臣、私が一期目のときに、現職で、妊娠でおなかが大きいときに、お気遣いの言葉をいつもいただいて、本当にありがとうございます。きょうは主に女性三人での議論ということになろうかと思いますけれども、何とぞよろしくお願いをいたします。

 それでは、まず初めに、私、本会議の冒頭の質問ということでも挙げさせていただきました、やはり男女間の賃金格差について、ちょっとこだわりたいんですね。

 労働基準法、これは昭和二十二年の制定当初、ここで第四条、男女同一賃金、こういうふうに定められました。六十七年経過した今もなお、原則が原則たり得ていないということがやはり残念でなりません。

 その現状を申しますと、平均賃金指数ということでいえば約七〇。先日、この内閣委員会や本会議でも御紹介させていただいたイコール・ペイ・デーの概念でいえば、少なくとも女性は四月十日まで、三カ月と十日以上多く働かなければ男性一年分に追いつかない。こういう状況が今の現状でございます。

 そういう中で、この男女間の賃金格差については、やはり本来であれば現状把握の必須項目に入れるべきではないかということを今もなお私自身は思い続けているわけです。

 まず、前提としてお尋ねをいたします。

 永岡副大臣、今回、原案及び修正案において必須項目が例示された後に、「その他のその事業における女性の職業生活における活躍」を推進するために改善すべき状況というふうに、「その他」が書き込まれております。ということは、必須項目については、今後厚労省の省令にて定められるという成り立ちになっているわけですけれども、例示以外のものも含めて、その項目を拡大することも含めて、今後検討され得るという理解でよろしいのでしょうか。

永岡副大臣 山尾委員にお答えいたします。

 先生がお聞きになりたいなと思っているのは、職業別の見える化支援ツールのことではないかと思っております。

 我が国の男女間の賃金格差の要因を分析いたしますと、最も大きな要因というのは、男女間の管理職の比率でございます。これは職階の違いであるということでございまして、次いで、勤続年数の違いということになっております。

 したがいまして、やはり昨年、無事に御出産されて、お母さんとしてきょうを迎えていらっしゃるわけですけれども、出産、子育て期の継続就業を可能とすることなど、こういうことが、女性の勤続年数が延びまして、女性の登用が進めば、男女間の賃金格差は相当程度解消されることになるというふうに考えております。

 このような男女間の賃金格差の主要な要因でございます管理職比率とそれから勤続年数の差異につきましては、この法案に基づきます省令におきまして、大企業が、先生おっしゃいますように、行動計画を策定する際に、状況把握すべき必須項目として課題分析することになっております。そして、これらの項目の把握、分析の結果、各企業の課題に即した行動計画が策定されまして、女性の継続就業また登用に向けた取り組みがこれで進めることができるようになるということになって、男女間の賃金格差の縮小につながるというふうには考えております。

山尾委員 少し先取りした形で御答弁をいただきましたが、無事子供を出産したのは二〇一一年で、今うちの子は四歳になっております。

 ちょっと今お伺いしたかったのは、まず前提として、今回、必須項目につきまして例示が明示されているわけですけれども、今後、実際に、では必須項目をいかに定めていくかということは、省令で定められるということになっていると思いますが、その例示されている項目以外にも拡大され得る余地があるかどうかということをお伺いしたいと思います。

安藤政府参考人 状況把握の必須項目についてでございますが、状況把握につきましては、これまでの労働政策審議会における議論では、多くの企業に該当する課題に対応するものとして、採用者に占める女性比率、勤続年数の男女差、労働時間の状況、管理職に占める女性比率について、この四点について必須項目として把握すべきとされたところでございます。

 ですので、今後、法案が成立しました後に定めていく省令におきましては、この四項目について必須項目として定めることとなると考えておりますが、それ以外の任意項目につきましては、さらに労働政策審議会においてどのような項目を任意項目とすべきかについて議論を深めていくこととされているところでございます。

山尾委員 今の御答弁からすると、当面、必須項目はこの四項目で、今後の省令の検討は次の任意項目のところの検討に入るのだという趣旨の御答弁だったかと思います。

 ちょっとというか、かなり残念なところがあるんですね。なぜかと申しますと、先ほど副大臣もおっしゃってくださいました、厚労省が作成された「ポジティブ・アクションを推進するための業種別「見える化」支援ツール活用マニュアル」というものなんですけれども、皆さんのお手元にも、資料一とあるものがこの見える化ツール活用マニュアルの一部でございます。三枚めくっていただけますでしょうか。四枚目のところに、「指標解説」と上にありまして、「平均賃金指数」と書いてありまして、そこから四つの丸があります。今副大臣が言っていただいたことがわかりやすく文章に落とされております。

 ちょっとまとめて読みますと、要は、男女間の賃金格差というのは、管理職比率、そして勤続年数、この差異が主な原因になっているんだと。管理職比率が同じになっていけば、これは活躍が進んでいくことをあらわす。勤続年数が男女で同じになっていけば、これは女性の定着が進んでいくことをあらわしている。そして四つ目のポツになるわけですけれども、したがって、男女での平均賃金は、活躍や勤続の実態を総合的に反映した指数だと。平均賃金指数が一〇〇に近づくほど、この両方が進んでいて、男女格差が解消されつつあるんだということを示しますと書いてあります。

 これを厚労省の見解としてそのまま伺うと、やはり男女の平均賃金指数というのが男女格差の解消を図るための非常に重要な指標なんだということを言っているように素直に読むんですけれども、このことについては、副大臣、いかがお考えでしょうか、厚労省でつくられているマニュアルですので。

永岡副大臣 先生御指摘いただきました男女間の賃金格差解消のためのガイドラインにつきましては、厚生労働省におきまして、民間分野を対象にいたしまして作成されたものでございます。公務分野に関しましては、公務員法制のもとで任用管理などがされております。

 男女間での賃金格差解消のガイドラインを直ちに民間の部門で当てはめるというのは難しいと考えますけれども、例えば人材の育成ですとか働き方の見直しなど、ガイドラインの考え方において参考になる点があれば、情報を提供して、共有していくということが非常に有効なのかなというふうに考えます。

 また、都道府県におけます労働局の雇用均等室、ここでも、事業主に対する周知とともに、労働組合に対しても、積極的に活用していただけるように周知も行っていきたいというふうにも考えております。

山尾委員 済みません。多分、少し質問を先取りしてお答えいただいていると思うんです。今、多分、資料二というガイドラインの方の説明をいただいたんだと思いますが、今申し上げているのは資料一、先に副大臣がお答えいただいた、見える化支援ツール活用マニュアルのところの平均賃金指数の解説のところの話です。

 ここを読むと、やはり厚労省としては、平均賃金指数というのが男女格差が解消されつつあることを示す大変重要な指標だということが書いてあるわけで、その御認識にお変わりはないですかということをまずお伺いしたいと思います。

永岡副大臣 先生おっしゃいます見える化の支援ツール、この使用によりまして、格差を分析する際の非常に、男女の活躍、昇進ですとか、あと勤続の実態に関する指標としては、管理職比率とさっき申し上げましたけれども、勤続年数の違いのほかに、異動、評価それから配置ですとか、あとは定着率の違いなど、さまざまのものが挙げられますが、これらの指標も、突き詰めてまいりますと、管理職比率と勤続年数の違いにつながるものと考えられるわけですね。

 そういうことで、今審議されているこの法案に基づきまして、企業が必須項目として状況把握、そして課題分析すべき項目には、先ほど申し上げたとおりに、管理職比率と勤続年数の差異を含めることを予定しているところでございます。

 また、必須項目を把握した上でさらに分析を深めるためには、見える化支援ツールを活用していただく、一つの方法ではございますが、いずれにいたしましても、効果的な状況把握、そして課題分析のあり方については、今後、施行に向けまして、審議会などでしっかりと議論を深めてまいりたいと思っております。

山尾委員 もう一つ言うと、やはり、厚労省の変化する賃金・雇用制度の下における男女間賃金格差に関する研究会報告書というのもありまして、さっきからガイドライン、ガイドラインと言っているのは、この報告書に基づいて二〇一〇年につくられたガイドラインのことだと思うんですけれども、この報告書にもこういうふうに書いてあるんです。「男女間賃金格差の問題を賃金・雇用管理のあらゆる点から検討し、要因を明らかにすることは、女性の活躍推進の課題を明らかにすることであるといえる。」と。

 私が申し上げたいのは、個別の指標として、勤続年数そして管理職比率、これが賃金格差を生んでいると思われる二つの重要な原因となる指標だということは私も同意します。そうだと思います。だけれども、そうであれば、それをとった上で、そのゴールとなる、その結果となる総合的な指数である賃金格差のデータをとらないというのは不自然じゃないかということなんです。

 これからいろいろな企業が勤続年数や管理職比率を、今現状を把握して、そしてそれをアップさせていくための取り組みをやっていただける。でも、そうであれば、今スタートした現状段階として、スタートの賃金格差がどの程度あるかということを把握してもらわなければ、その二つの指標を一生懸命アップさせたことによって、では、実際、総合的なゴールとしての指標である賃金格差がどの程度縮まったか、そういう検証が、今から賃金格差をとっていかなければ、後からできないんじゃないか。

 この二つの指標が本当に賃金格差をどれぐらい縮めるのかということは、今ようやく、せっかく始めるわけだから、今からそのデータをとる必要があると思いますし、逆に言うと、とれない理由というのは何なんですかということをお伺いしたいと思います。とることによって不都合が生じるなら、その不都合を御説明いただきたい。

安藤政府参考人 賃金格差につきましては非常に重要な指標だとは考えておりますけれども、先ほど来申し上げておりますように、賃金格差の非常に大きな要因というものが管理職比率と勤続年数であるということで、賃金格差の次の段階、一段階先に進んだ指標をとっていただくことによって、さらにその指標をブレークダウンして、その違いが生じている要因を分析していただく、その分析に従って各社で必要な課題を抽出していただいて計画をつくる、こういうプロセスになっております。ですので、賃金格差につきましては、そのようなプロセスを通じて結果として縮小されていくものだというふうに考えております。

山尾委員 だから、賃金格差がその結果として縮小されていったかどうかということは、今このスタートの段階からスタート時点の賃金格差をとらなければ、縮小されていったかどうかわからないじゃないですか。もう一回、答弁をお願いします。

安藤政府参考人 賃金格差を生じさせる非常に大きな要因であるということでありますので、それが改善されていくということで賃金格差の縮小にはつながるものだと考えております。

山尾委員 確信を持って考えておられるのであれば、今とらなければ、後から本当に縮まったんですかと私はまたこの場で質問しますよね、そうすると、縮まったと思いますけれどもスタート時点のデータはとっていませんのでわかりませんという答弁になるんじゃないですか。

 なので、もし、賃金格差を今から把握するということを必須項目に挙げるのについては、率直に言ってこういう不都合があるのだというのがあるのであれば、それは今率直に言っていただいたらいいんじゃないでしょうか。もし不都合がないのであれば、今のお二人の答弁を聞いていても、どう考えても、とった方がいいですよね。お願いします。

安藤政府参考人 賃金格差の動向については、国内のさまざまな指標によって、統計数値によって把握ができると考えております。

 また、必須項目にするかどうかにつきましては、建議をいただいた厚生労働省の審議会におきまして公労使三者構成の中で議論をして、先ほど申し上げました四項目を必須項目にするという議論がなされて結論が出されたという経過がございますので、これを尊重したいというふうに考えております。

山尾委員 後者については、要は会合で決まったのでという答弁でした。

 前者については、それは全国平均統計をとっているんだと思いますよ。だけれども、せっかく各企業で、それこそ本当にこの格差を生じさせる最大の原因の二つである勤続年数と管理職比率、これを今からとり始めるんですよね。今はとてもとても貴重なタイミングではないんですか。

 この二つの指標をとって、それぞれの企業がこの二つについてどういう努力をして、そして、例えば五年後にそれぞれ、勤続年数がこのように変わった、そしてまた管理職比率がこのように変わった、その結果賃金格差はこのように変わった、こういう、男女の働き方に対して、今を逃したらとれない非常に有用なデータをとれる最大のチャンスを今回逃すことになるんじゃないかというふうに、私はもったいないなと思っているわけなんです。

 ここまでの議論を聞いていただいて、副大臣、コメントをお願いできますか。

永岡副大臣 繰り返しで大変申しわけございませんが、状況把握につきましては、これまでの労働政策審議会における議論では、多くの企業に該当する課題に対応するものとして、やはり採用者に占める女性比率、そして勤続年数の男女差、それから労働時間の状況、そして管理職に占める女性比率について、これを必須項目として把握をすべきだとされております。ここのところは、やはり非常に重要なことでございますので、今やっている法律に入っているということで、これが今現在ということではまたちょっとないのかなというふうには考えます。

 しかしながら、任意項目につきましても、男女別の配置ですとか育成、こちらの方も、これからの女性の活躍に対して非常に有効であるということは間違いないということでございます。

 以上です。

山尾委員 ちょっと苦しい答弁かなと思わないでもないんですけれども。

 ここから先、必須項目にどうしても挙げるのが難しいと。恐らく、企業側から、賃金格差を入れるのは勘弁してくれという声も随分あったのでしょう。でも、そういう中で、もし今私が申し上げた理屈については納得をしていただけるのであれば、ここから先、ぜひ頭に置いていただきたいというふうに思います。

 もう一つ、本会議でも申し上げましたけれども、男性の育休取得率、もちろん女性の育休取得率とあわせて把握をしていただいたらとてもいいのではないかと思うわけですけれども。先ほどから出ているガイドライン、ちょっと資料にページが打っていなくて、見にくくて大変申しわけないんですけれども、資料二が、「男女を問わず社員の活躍を促進するための賃金・雇用管理に関する実態調査票」というものなんです。

 これは、二〇一〇年に厚生労働省が、さきに副大臣が御説明いただいたように、企業においてこういう実態調査をすると男女を問わず社員の活躍を促進できる、そういう実態が把握できるよというもので、実際に、もう五年前につくっていただいているんですね。

 もちろん、こういうものを把握するといいよ、こういうのが目安の指標になるよというのがるるあって、当然、今回必須項目に入る四項目も入っております。そして賃金格差も入っております。なので、賃金格差も把握した方がいいよということは、もう二〇一〇年時点で厚労省もそういうふうに判断をされているんだろうと理解します。

 そして、もう一つページをめくっていただくと、この調査票のページ数でいう五ページなんですけれども、指標八―一ということで、育休の取得状況に関する指標とあるわけです。育児休業取得者数、男性は何人、女性は何人。取得割合は、男性何%、女性は何%。やはり、こういうものを企業としては、ぜひ把握するといいよねということは、もう五年前から、厚労省の皆さんがそう判断をされて、ガイドラインに書いていらっしゃるわけです。

 男性の育休取得率は、今、三%に満たない。本会議でも申し上げましたけれども、もし今回、企業さん、ぜひ把握してくださいよとやったら、いろいろな指標を入れるより、何よりも恐らく有効だと思います。なぜなら、やはり企業側も、社会の中で何となく、男性の育休取得が低いのはまずいよな、こういうムードになっている。社員さんも、特に男性の方も、やはり以前と比べると、ぜひ、とれるものならとりたいな。でも、みんな周りを見渡して、もじもじしているんですよね。そういう中で、やはりこの指標が、もうこれは把握しなきゃいけない、場合によっては公表されるんだと。そうしたら、会社の中で、君、とってくれよ、あっ、そう言われるならとりたいと思っていたんですよと、物すごくいい反応が生まれるはずなんです。

 女性にとってみれば、やはり男性、父親が育休をとれるというのは、本当にありがたいといいますか、一番助かる。

 あえて聞きます。この男性の育休取得率、何とか必須項目には入れられないんでしょうか。

安藤政府参考人 申しわけございませんが、繰り返しの御答弁になりますけれども、先ほど申し上げました労働政策審議会の建議におきまして、申し上げました四項目を必須項目として省令で規定することが適当であるとされております。

 また、さらに加えまして、任意項目として、例えばということで例示をされているものの中に、両立支援制度の利用状況ということで例示されておりますが、これの中には当然、育児休業の取得率というものも俎上には上ってくるというふうに考えておりますし、その議論を差し上げる場合には、先生がおっしゃいますように、男女別のものを把握していくというような議論がされていくものというふうに考えております。

山尾委員 せめて、百歩譲って、任意項目にあるということですけれども、この任意項目に男性の育休取得率というのは入っているんだよ、そして、後でちょっと議論しますけれども、これは、把握して公表していないと、ちょっとこの御時世、企業として、求職者に対してのアピールもなかなかしんどいよというような方向で、いろいろな工夫をしていただきたいと思います。公表については、もうちょっと後で議論したいと思います。

 今見ていただいているこのガイドラインなんですけれども、これは非常によくできているというふうに思います。今の育休取得率のこともそうですし、例えば、妊娠、出産を契機とした女性社員の退職状況に関する指標のとり方も書いてあります。子育てを契機に一回退職して、その女性社員が再雇用された状況に関する指標というのも入っております。本当に使えるガイドラインを五年も前につくっていただいて、余りこれが使われている気配がない。

 先ほどいただいた御答弁とちょっと重なるかもしれませんけれども、今までこの五年間、このガイドラインが厚労省からどんなふうに周知あるいは使われていて、そして、ここから先、どんなふうにお使いになる予定かということを答弁いただけますか。

安藤政府参考人 男女間の賃金格差解消のためのガイドラインについてでございますが、作成いたしまして公表いたしました後には、労使団体にも周知を図りまして、利用を呼びかけてきたところでございます。また、各都道府県労働局に雇用均等室という私どもの出先がございますので、そこを使いまして、具体的に事業主に周知を図ってきたというような経過がございます。

 今後ともそのような形で、特に労使の皆様方には御理解を得て活用を図っていきたいというふうに考えております。

山尾委員 これから先で、任意項目を含めていろいろな項目、指標を詰めていくときに、何度も何度も同じ議論をする必要はないと思うので、これは非常に使えると思いますので、改めて、このガイドラインもしっかり使っていただいて、本当に効果的に周知していただきたいというふうに思っています。

 そして次に、必須項目は四項目だという話になっているわけですけれども、では、この項目を把握する手法、正規、非正規、雇用管理区分のことについてお伺いしたいと思います。

 法案だけ見ると、企業がこの項目を現状把握する際に、非正規そして正規、それぞれ区分ごとに把握をしなければならないんだということが明示をされておりません。これは今後、把握する際に雇用管理区分ごとの把握が必要なんだよということ、私は必須だと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。副大臣、お願いします。

永岡副大臣 状況把握の項目につきましては、各企業が自社におけます女性の活躍に向けた課題を明らかにする観点から把握していただくことを意図しておりまして、今後、省令によりまして具体的に設定していくことになるということになっております。

 御指摘のように、女性の活躍推進につきましては、非正規雇用の女性を含むあらゆる女性を対象とすべきものと考えておりまして、状況把握の各項目の雇用管理区分ごとの把握の必要性につきましては、この法案を成立させていただいた後になりますが、労働政策審議会においてさらに議論を深めていただきたいと思っております。

 なお、この法案の枠組みでは、状況把握をしました項目に基づきまして各社の課題分析が行われます。その結果として、数値目標、そして目標に向けた取り組みというものが、そういうものに向かいまして、どんどんやらなければいけないこと、その数というものが収れんされまして、行動計画となって公表されるということになろうかと考えております。

山尾委員 今言っていただいたのは、建議でもそういうふうに指摘をされて、「状況把握の項目については、雇用管理区分ごとに把握する必要性についてさらに議論を深めることが適当である。」と書いてあります。そして、今副大臣は、今後労政審で議論を深めていくのだというふうにおっしゃいました。

 ただ、私が申し上げたいのは、議論を深める場というのは本来、立法府であるこの国会の場だと思うんですね。必須項目については、これは審議会で決まったから、さらに議論を深めるのはこの法案が通った後、労政審で、こう言われたら、この委員会では何を議論するんでしょうかということを率直に、特にこの法案を議論していると正直思うわけです。

 やはり、雇用管理区分ごとに把握をしていただく必要というのは、私は必須だろうと思います。だって、区分は場合によっては要らないということで、このまま放置をしておくと、その後、企業が任意で一項目選んで公表することもできるというふうになっていますけれども、例えば、非正規雇用は省いて正規雇用だけの分母で女性管理職比率のみを公表して、その高さをアピールするということもできちゃうかもしれないし、あるいは、今度は非正規雇用の方も全部含んで、そういう分母で労働時間を計算して、長時間にわたっていませんよというふうにアピールすることもできちゃうかもしれないし。やはり、こういうことが起きては、本来の目的である、現状を本当にしっかり把握して、そこから課題を抽出して、そして目標をつくって、そしてそれを達成するために行動計画をつくっていくということにならない場面が出てき得るというふうに思うわけです。

 なので、ちょっと改めて副大臣に、副大臣としての方向性といいますか考え方といいますか、この把握の際には、正規、非正規のそれぞれの問題点をしっかりやはり数値として浮かび上がらせることができるような形での把握が必要なんだということについて御答弁をいただけないでしょうか。

永岡副大臣 先生が発言なさっていらっしゃること、納得するばかりではございますが、先生の御指摘も踏まえまして、やはりここのところは少々目をつぶっていただきまして、御指摘はしっかり、先生の御意見をしっかり踏まえまして、審議会で検討させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

山尾委員 むしろ、しっかり目をあけて今後の議論を見ていきたいというふうに思いますし、今後も委員会等で物を言っていきたいというふうに思うんですけれども、そうやって理解をするということを言っていただいて、その点は大変感謝を申し上げます。

 今、公表のことについても少し先走って申し上げたんですけれども、公表については、これはこういう理解でいいんでしょうか。企業側が、必須項目あるいは任意項目の中から任意に一項目以上を選んで公表するというたてつけになっているという理解でよろしいんでしょうか。

安藤政府参考人 公表につきましては、その会社における女性の活躍に関する状況につきまして、項目を省令で限定列挙いたしまして、その中から企業が何かしら項目を選んで公表する、そういうふうなたてつけになっておりまして、状況把握の項目に連動するという仕組みにはなっておりません。

 情報公表の方の項目の中には必須項目も含まれるという仕組みを想定しておりますが、それ以外の項目についても、さらにピックアップをいたしまして、省令の中で限定列挙をしていくというような仕組みを考えているところでございます。

山尾委員 そうすると、今のをかみ砕くと、これから省令で限定列挙されていくんだ、そしてその限定列挙については必須項目の四項目プラスアルファをこれからつけていくんだ、こういう理解でよろしいですか。

安藤政府参考人 御指摘のとおりでございます。

山尾委員 では、それを前提に話を進めますと、私の問題意識は、どれか一つ選んでいいよということでいいんだろうかということなんです。何でそういうふうになっちゃったんだろうかと。

 普通に考えると、必須項目というのは、やはり、女性活躍のために必須で把握すべき項目だから、よほど隠さなきゃいけない事情がない限り、少なくともこの必須四項目については公表してくださいねというのが自然な流れかなと思うんですけれども、どうやらそういうたてつけになっていない。

 そのエッセンスというか、建議をつくる審議会の中で紆余曲折があったんだろうなと思われる文章が建議の中にありまして、公表についてこういうふうに書いてあるんですね。三行ぐらいになりますけれども、読みます。「企業が自身の経営戦略に基づき公表する範囲を選択する制度とすることで、公表範囲そのものが企業の姿勢を表すものとして、求職者の職業選択の要素となり、企業間の取組促進につながるものと考えられる。」と。

 そもそも、これは経営戦略に資することが目的なんでしょうか。それとも、企業の中で男女ともにしっかり活躍できる、そういう環境をつくることが目的なんでしょうか。どっちなんでしょうか、副大臣。

永岡副大臣 それは、それぞれの企業の経営戦略であったり、またその企業の目標、それぞれ会社によって違うということでよろしいのではないでしょうか。

山尾委員 ちょっと今わからなかったんですけれども。

 この法案、そもそも、今この議論をしている目的は、私は決して、別に企業の経営を後押しするという目的ではなくて、あくまでも、それぞれの企業に、男女ともに活躍できる、そして今少なくとも女性についてはさらにその活躍を阻害するいろいろな要因があるから、その方向でしっかり企業に頑張ってもらおう、これが目的であって、企業の経営戦略にこのさまざまな指標を使ってもらおうということが本来の目的ではないと思うんですけれども、もう一度御答弁をお願いします。

永岡副大臣 企業が計画作成に際して把握しました状況把握の項目の中には、先生おっしゃいましたように、各企業の人事戦略、それから経営戦略、本当にその企業の根幹に事業上かかわる場合もあると考えられますので、そういうことから、やはり公表を一律に求めるというのは適当ではないということでございます。

山尾委員 いや、本当にその答弁で、副大臣、よろしいんでしょうか。

 経営戦略に使われると、経営戦略ということをそこまでお認めになると、それこそ私がさっき申し上げた懸念なんですよ。正規と非正規をごっちゃにして、本当に、いい数字をつくってアピールするというようなことも起きないんだろうか、そして求職者をミスリードするようなことも起きないんだろうか。そういうことをよしとする法律じゃないですね。やはり、しっかり現状把握してもらって、場合によってはその一部を公表してもらって、その公表するという一つのプレッシャーの中で取り組みを前に進めてもらおう。

 そして、率直に言えば、今の段階ではちょっと、四項目を全部公表するというのは今のうちの会社の状況では勘弁してくれと。恐らく、そういう中のいろいろな紆余曲折というか審議の中で、まずは一つからという話になったのではないかと、善意に推測するとこうなるんですけれども、もう一度御答弁をお願いします。

永岡副大臣 善意に解釈していただきましてありがとうございます。

 これは、公表を一律に求めることは必ずしも適当ではないと考えられます。全て出さなければいけないということじゃなくて、やはり、一律ということで非常にこだわってしまったところが、今先生のところで、ちょっとなかなか納得いただけなかったかと思います。

 他方で、この法案におきましては、それとは別に、省令で限定列挙された実態に関する項目の中から事業主が選択して公表する枠組みを設けることとしております。これによりまして、企業が自身の経営戦略に基づいて公表する範囲を選択する制度になっております。

 その企業が何を公表しているか、公表していないかということ、そのこと自体全て可視化されることになりますので、このようなことで、この公表範囲そのものが企業の姿勢を示すものとして、それこそ求職者の企業の選択の要素になりまして、企業間での競争を通じて女性の活躍の推進に関する取り組みが進むことが期待されると考えております。

山尾委員 やはり、必須項目の四項目、これはそんなに機微に触れるような、何か企業の経営の根幹を揺るがすような項目だとは思えないんですね。始めてみれば、これはそういうものなんだ、企業は公表するものなんだと。今回の対象範囲というのはある程度の大企業ですからね、そんなにそんなに機微に触れて経営を揺るがすというような項目を一律公表せよと言っているのではないわけです。なので、もう一度、今の趣旨の御答弁で本当にいいのかどうかということはお考えをいただきたい。

 もう一つ申し上げると、これは本当に、経営戦略というようなおかしな文言を入れることによって、これから会社に入ろうとする新入社員とか頑張っている学生さんをミスリードするような新たな制度を設けるようなことになってほしくないんです。なので、これは理屈で言うと、副大臣、やはり雇用管理区分ごとの把握の上での公表というのは、企業のいいとこ取りを許さずに、これから就職を考えている若い人をミスリードすることがないようにする大前提だと思いますけれども、その点はいかがですか。

永岡副大臣 先生がおっしゃいますことをよく……(発言する者あり)いい指摘をいただいておりますので、情報公開の項目、これについても、雇用管理区分ごとの公表の必要性について、今後の審議会におきまして、先生のおっしゃいますことをしっかりと踏まえまして、審議をさせて、深めていきたいと思っております。

山尾委員 今の答弁を信じて、ぜひお願いをいたしたいと思います。

 非正規の話をしましたので、今企業の話をずっとしてきましたので、公務分野についての非正規労働の話を一点お伺いしたいと思います。

 これは、公務の分野においても非正規労働者の方というのは多いんですね。民間の非正規の方に比べると、ちょっと光が当たりづらいというか、話題になりにくいかなということを思っているものですから、ちょっとせっかくなので伺います。

 公務の非正規労働の方には、今後どのような取り組みを行うのか。正規への転換、そしてまた非正規のままである場合の処遇改善、この二点について御答弁をお願いします。

有村国務大臣 この法律、法案は、働き、または働こうとする全ての女性を対象としておりますゆえ、公務部門における非常勤職員の方々も当然ながらその対象となります。

 御質問いただきました常勤職員への転換につきましては、一般論として申し上げても、国家公務員に関しては、例えば国家公務員法などの法律や政令などの法制によって厳格にその運用が定められておりますので、公務部門の職員の採用が、基本的に、競争試験を通じた成績主義に基づいていること、厳格に法令に基づいていること、また、政府全体として常勤職員の定員管理を、これは野党からも大変厳しく御指南をいただいておりますが、行っていることなどから、民間と同様の取り組みを直ちにそのままキャリーするということは事実上難しいことだと考えております。

 さはさりながら、女性活躍の観点から、公務部門の非常勤職員についても取り組みが進められるよう、法案成立の暁にはしっかりと検討していく必要があると考えております。

山尾委員 しっかりした検討をお願いしたいと思います。ここもしっかり目をあけて見ていきたいなというふうに思っております。

 次に、いわゆるハラスメントについてお伺いをしたいんです。

 皆さんのお手元の資料三、ちょっと小さい文字で、男女雇用機会均等法の九条と十一条を載せております。九条は、婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取り扱いの禁止等、いわゆるマタハラというふうに言われている分野です。そして、十一条、職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置、いわゆるセクハラというふうに言われているものです。

 私が問題にしたいのは、これを見ていただくと、九条のいわゆるマタニティーハラスメントの部分は、退職理由にしてはならない、解雇してはならない、不利益な取り扱いをしてはならない。これはいわゆる禁止条項なんです。一方、十一条のセクシュアルハラスメントの方は、雇用管理上の措置を講じなければならないという、雇用者側に義務づけられた防止措置なんです。なので、マタハラは防止はなくて禁止のみ、セクハラは禁止がなくて防止のみなんです。

 私なんかもしみじみ感じるんですけれども、ハラスメントというのは、ここから先はマタハラで、こっちから先はセクハラで、そこから別はパワハラでと必ずしも分かれていないんですよね。やはり、すごく複合的なものであります。そういう中で、このマタハラ、セクハラで禁止のみであったり防止のみであったり、すごく一元化がされていないというか、統一的な国としての意思があらわされていないまま今日に来ているということを問題意識で持っております。

 今回、マタニティーハラスメント、セクシュアルハラスメントという言葉は入っておりませんけれども、性別役割分担意識の見直しなど職場風土改革に関する取り組みをしなきゃいけないよということで位置づけられてきましたので、ぜひこれを機会に、このハラスメントについて、やはり一度、一元的に防止、そしてもちろん禁止、こういう措置をちゃんと、統一的に措置をしていくということを考えていただきたいんです。これが雇用機会均等法の抜本的な見直しということになるのか、あるいはほかの方法があるのか、そこはこれから研究だと思いますけれども、その点、ぜひお願いをしたいんです。副大臣、いかがでしょうか。

永岡副大臣 先生おっしゃいますところのマタニティーハラスメント、これは妊娠などを理由とする不利益取り扱いですね。そして、セクシュアルハラスメント。これは、先生よく考えていただきますとおわかりのとおり、発生の形態が違っております。二つですね。

 具体的に申しますと、妊娠などを理由とする不利益取り扱い、例えば解雇ですとか雇いどめ、これは事業主としての行為であるのに対しまして、セクシュアルハラスメントというのは、主として上司であるとか、あとは同僚、労働者の間における行為として発生しているということでございます。

 こうした、形態がそれぞれマタハラとそれからセクハラでは違うということになりますので、現行の男女機会均等法におきましては、九条の三項において、事業主に妊娠などを理由とする不利益取り扱いを禁止しておりますし、また、十一条の一項におきまして、職場におけますセクシュアルハラスメントの防止に向けた雇用管理上の措置を講ずる、そういう義務を事業主に課しているということでございますので、少々違うと思います。

 このように具体的な態様が違いますので、それに着目いたしましてそれぞれ適切に規制を行っているものでありますけれども、いずれにいたしましても、妊娠などを理由とする不利益取り扱いもセクシュアルハラスメントも、女性が本当にやりがいを持って、希望を持って働くことを阻害する、決して許されないものでございますので、法に違反する事業主に対しては、引き続き、都道府県の労働局の雇用均等室におきまして厳正な是正指導を行ってまいりたいと考えております。

山尾委員 今、ハラスメントについては、民主党では党の中にハラスメント対策委員会というのが立ち上がりまして、私もなぜかその委員になっているんですけれども、党の中では、本当に、議会における、あるいは議員によるそういうハラスメントに率先垂範という意味で集中的にしっかり取り組もうということでやっておりますので、このハラスメントの問題というのは、やはり意識改革というのは一番大変なんだけれども一番大切なことですので、ぜひしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。

 次に、選択的夫婦別姓、これをちょっと取り上げたいと思います。もう少しで時間になりますので。

 ぜひ皆さんにちょっと見ていただきたい資料がございまして、副大臣と大臣にもぜひ見ていただきたいと思います。最後の資料なんですけれども、これは「国家資格における旧姓使用状況」というものです。

 本会議でも言いましたけれども、女性の方が変更するというのが九六%。そして、日経新聞のインターネット調査では、働く既婚女性の四人に一人が職場で旧姓を通称使用しております。その調査では、そのように旧姓を通称使用している人の四割が、やはり、幾ら通称使用が認められても、給与とか社会保険とか税とか、そういう分野で二つの名前を使い分けるというのは大変だということを実感している。

 これは、使い分ける女性個人のみならず、職場にももちろんその使い分けにおいては負担があるわけです。職場に負担がかかってしまうからということを考えて、職場での通称使用、旧姓使用をちゅうちょして、それをしない女性も、私が想像するに、かなり多いのではないかなというふうに思います。

 私は、通称使用できればいいじゃないかということを言っているんじゃなくて、逆なんです。

 では、そもそも国家資格で通称使用がどれだけ認められているのかということが、皆さんのお手元にある「国家資格における旧姓使用状況」というこのリストなんです。所管省庁ごとに資格名があって、マル・バツがついています。これは、一部でも旧姓使用できるのはマルになっています。全てに使用不可でバツになっています。

 これを見ていただくと、結構バツが思ったより多いんだねと思われる方も多いんじゃないかと思うんですけれども、数えてみると、ここに百一個、国家資格が挙がっています。四十八がバツです。厚労省は、三十八、国家資格が挙がっています。三十五がバツです。マルは、社会保険労務士、職業訓練指導員、そして技能士。

 これは、所管だからだめじゃないかと一概に言えるかどうかというのはいろいろ議論はあるんですけれども、がしかし、こういう状況を今見ていただいて、まず、副大臣、どんな感想をお持ちになりますか。

永岡副大臣 ほかの省庁の国家資格ではマルがついているところも大分あるようでございまして、厚労省だけ大分、大幅にバツということ、これはどういう理由からこのような状況になっているのか、聞いてみたい、調べてみたいと思います。

山尾委員 では、ぜひ調査をしていただいて、また報告をしていただきたいというふうに思います。

 有村大臣にもお伺いをしたいんです。

 これはほんの一例でして、こういうふうに、通称使用で何とかなるじゃないかといっても、何とかなっていない現状がある。

 そしてまた、通称使用できるかどうかという問題ではなくて、やはり、一人っ子同士の結婚の場合には、それぞれ親との家族のきずなを守るためには分けていきたいと考えるところもある。そしてまた、お互いの名前を大事に思い、その大事に思う気持ちを思いやり合うがゆえに別姓を望む夫婦も中にはいる。

 そういういろいろな家族を思いやり合う姿があって、そこを、家族のきずなのために夫婦は同姓であるべきだというのはどうしても納得がいかなくて、余りイデオロギーの議論はしたくないけれども、この場でお伺いしたいと思います。有村大臣、いかがでしょうか。

有村国務大臣 お答えいたします。

 旧姓を含む通称の使用については、既に社会の一部において、本日も御紹介いただきましたとおり、実施されておりまして、婚姻後の氏の変更による社会生活上の不都合を取り除くことに一定の効果があるものと私自身も認識をしております。

 個別の国家資格制度と旧姓を含む通称使用との関係については、例えば、先ほど御提示いただきました国家資格を見ましても、国民の権利義務を縛るもの、あるいは、倫理上、職業倫理や責任を問うものということがございますので、これは軽々に、私の所管ではないところの権利義務を縛ることで発言ということは慎まなければなりません。各省庁の今後の対応を見ていく必要があると認識をしております。

山尾委員 女性活躍担当大臣ということで、所管の話をすると余り仕事がなくなってしまうようにも見受けられるので、ぜひ、これから先、所管、所管と余りおっしゃらずに、横串で物を言っていただきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。

井上委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 女性活躍推進法案について質問をいたします。

 安倍総理は、成長戦略スピーチの中で、女性の活躍は成長戦略の中核をなすものと述べておられます。その秋の臨時国会の所信表明演説では、この国会を成長戦略実行国会と位置づけて、世界で一番企業が活躍しやすい国づくりを目指すことを打ち出しました。

 そこで、有村大臣にお尋ねしますが、この総理の言う成長戦略の中核をなす女性の活躍というのは、この世界で一番企業が活躍しやすい国づくりに資するものということなんでしょうか。

有村国務大臣 塩川委員にお答えいたします。

 日本における最大の潜在力であります女性の力を発揮できるようにすることというのは、本格的な人口減少社会にもう突入しております、とりわけ、これから格段に割合が落ちていく生産年齢人口が大幅に減少する中では、御本人の希望がかなうということでは、自己実現の意味でも大事ですし、また、人材確保、社会の活性化、企業の競争力、そういう意味でも、持続可能性を実現する上で極めて大事だというふうに思っております。

 この点については、総理と直接お話をさせていただきました。成長戦略の中で女性活躍を位置づけることによって、今まで、特定の人は関心を持っていたけれども、それ以外の人には必ずしも響いてこなかったこの分野の応援団を新しく、力強くふやすためにも成長戦略の位置づけをしたい、そういう女性活躍を前に進めるための総理なりの極めて冷徹な戦略というのがあったということを知らされました。

 そういう意味では、御本人の希望がかなうこと、それから、これから人口がますます減っていく社会の持続可能性を維持すること、そして、世界における日本の競争力を維持すること、つながっていくものだと認識をしています。

 女性の活躍を推進することで、男女ともに仕事と家庭を両立できる、全ての人にとって暮らしやすい社会づくりにもつながるというふうに認識をしていますので、そもそもは、長時間労働の是正や、今ほど議論がありましたハラスメントがない社会をつくっていくという社会の豊かさを実現する上でも、前に進めていきたいと考えております。

塩川委員 こういった、総理が女性の活躍について成長戦略の中核をなすものと述べているわけですけれども、榊原経団連会長は、女性の活躍は企業が厳しいグローバル競争を勝ち抜くための重要な戦略だと、企業の経営戦略、競争力強化の観点で女性の活躍を語っているわけであります。このように経済界の発言と安倍総理の発言が符合しているという点も、しっかりと見ておく必要があると考えます。

 そこで、一昨年、二〇一三年秋の臨時国会では、世界で一番企業が活躍しやすい国を目指して、国家戦略特区制度を創設しました。その国家戦略特区制度の一つとして、今国会で審議中の国家戦略特区法改正案に盛り込まれている外国人家事支援人材の活用について、平副大臣にお尋ねをいたします。

 この法案のベースとなったのは、日本再興戦略改訂版の二〇一四であります。そこでは、外国人家事支援人材の活用についてどのように位置づけているのか。この法案のたてつけについて御説明をいただけますか。

平副大臣 塩川委員にお答えをいたします。

 委員御承知のとおりでございますが、現行では、外国人家事支援人材については、外交官や高度人材などの外国人に雇用される場合にのみ入国、在留が認められています。国家戦略特区における特例は、関係行政機関と地方自治体により適正な管理体制を構築した上で、国家戦略特区内において家事支援サービスを提供する企業に雇用される外国人家事支援人材の入国、在留を許可するものでございます。

塩川委員 この法案をつくるのは、この成長戦略、日本再興戦略の改訂版二〇一四で書かれているわけですけれども、その中には、「外国人家事支援人材については、現在、外交官や高度人材などの外国人に雇用される場合にのみ入国・在留が認められているが、」御説明があったところですけれども、「女性の活躍推進や家事支援ニーズへの対応、中長期的な経済成長の観点から、」「所要の措置を講ずる。」とあります。

 そこで、重ねてお尋ねしますけれども、なぜ外国人家事支援人材の活用特区が女性の活躍推進となるんでしょうか。

平副大臣 まず、先ほど、経済界からも女性の登用、女性の活用が成長に資するという御指摘がありましたが、企業経営はやはり多様性がないと社会の変化に対応し切れないということで、今ダイバーシティーということもありますが、そういったことで、やはり女性の感性を企業が活用していくということは、企業にとっても、危機管理上も、また成長戦略上も重要なんだと思います。

 そこで、何で外国人の家事支援人材が必要なのかということですが、いずれにしても、男性にしろ女性にしろ、家事といったものをどちらが負担するかは別として、家事を担うのか、もしくは、家事は外注して、ほかの人にお金でやってもらってその分仕事に専念をしたい、そういった生き方も当然あるんだと思います。今ライフスタイルが非常に多様化をしておりますので、さまざまなそういう需要に対していろいろなオプションを用意していくということが重要なんだろうというふうに思います。

 女性に限って今御質問でございますので、お答えをすれば、例えば、私はばりばり仕事をしたいんだ、でも家事もしなければいけないんだという方がいらっしゃると思います。その際に、日本語がしゃべれるか英語がしゃべれるかは関係ない、どちらでもいい、家事支援のスキルが高ければどちらでもいいんだという方もいらっしゃると思います。そういう方には、こういった外国人家事支援人材がある、そういうサービスがあるということは非常に活用しやすいということになろうかと思います。

 また、そのばりばり仕事をしたいという女性以外でも、主に家事をやっているんだけれども、少し家事の負担から解放されれば、ほかにいろいろやりたいことがあるんだ、例えば、習い事をしたい。また、その習い事が将来教える側に回るかもしれません。そういったときにも、さまざまなサービスがあれば女性の活動の領域が広がる、そして、それがひいては成長につながっていくということだろうと思います。

塩川委員 女性の活躍推進の点について、冒頭、有村大臣の答弁にもありましたけれども、女性の活躍推進に当たっては長時間労働の是正とハラスメントをなくすということもお話しになりました。

 そうしますと、今のお話を聞いていますと、この特区というのは、家事の外注です、仕事に専念する、ばりばり働いてもらうということですから、女性活躍の推進を銘打った特区というのは、女性活躍の推進といいながら、長時間労働の是正の観点というのはないということですか。

平副大臣 それぞれが時間のマネジメントをどうするかということだと思います。

 例えば、女性の企業家であれば、その二十四時間をどう使いたいかというのはそれぞれ自由でありまして、何も、何時から何時まで働け、そのために家事は外注しろというような、そういう社会があるのかどうかわかりませんが、働き方は極めて多様なわけですから、女性がタイムマネジメントをするときに、自分が働く時間をもっととりたい、もしくは余暇の時間をもっととりたい、家事は外注をしたい、そういうニーズも確実にあるんだろうと思いますので、あくまでオプションをふやす、そして特区において試行的にやってみるということだと思います。

塩川委員 オプションをふやすという言い方をされましたけれども、でも、そもそも女性活躍の推進というのであれば、長時間労働の是正だということは有村大臣が述べておられたところで、今回の女性活躍の推進を銘打った特区というのは、労働時間短縮の観点はない、長時間労働是正の観点がないということであれば、女性も目いっぱい働くということになりかねないというのは平副大臣もおっしゃっていたところであります。(平副大臣「言っていません」と呼ぶ)いやいや、ばりばり仕事をしたいということを先ほどおっしゃいました。(平副大臣「余暇も楽しむと言いました」と呼ぶ)仕事に専念するということをおっしゃいました。(平副大臣「タイムマネジメントをすると私は言いました」と呼ぶ)質問しておりません。

 労政審の建議にもあるとおり、女性の活躍を阻む要因の一つが長時間労働であります。日本男性の有償労働時間はOECD最長で、家事労働時間は韓国に次いで下から二番目だと聞いております。女性も男性も、長時間労働の是正で家事、育児をともに担える職場環境をつくることこそ必要で、そういう点でも、育児、介護分野への財政投入など、公的責任を果たすことも極めて重要だということを指摘しておきます。

 さらに言えば、今国会に政府が提出をしております長時間労働を野放しにする労働時間法制改悪は断じて認められないということも申し上げておくものであります。

 この特区に関して、厚生労働省にお尋ねをしますが、日本政府は家事労働に関する条約を批准しているんでしょうか。

大西政府参考人 家事労働に関する条約、ILO第百八十九号条約というのがございますが、我が国は批准しておりません。

塩川委員 政府は、企業に雇用される外国人家事労働者には労基法が適用されるということもおっしゃっておられますけれども、外国人家事労働者に対してその利用者が、指揮命令関係が発生するという問題が出ます。利用者が家事代行事業者との請負契約を逸脱する指揮命令を行わないという担保があるのか、こういう点でも問題があり、外国人家事労働者の権利を守る措置も明らかではありません。そういう点でも、ハラスメント、どうこれを行わないようにしていくのかというその仕組み、措置についても明らかになっていない。

 日本政府は、ILOの家事使用人に関する条約は未批准ということで、この特区で就労する外国人労働者の労働条件、これは主に女性ということが想定されるわけですけれども、女性の労働条件が劣悪となるという懸念もあるというのが、今回の特区の大きな懸念の点だと言わざるを得ません。

 平副大臣にお尋ねしますけれども、先ほど私が紹介しました日本再興戦略の文章の中で、家事支援ニーズへの対応という観点ということも述べておったわけですけれども、このような家事支援ニーズ、政府として利用者のニーズ把握というのは行ったんでしょうか。

平副大臣 ニーズの把握でありますが、例えば、事業者側からは、しっかりとしたスキルを持った家事支援人材が欲しい、その際に日本語がしゃべれるのか英語なのかということは余り問わないと。また、この需要はますます拡大をしていくといった話も聞いております。

塩川委員 ですから、事業者のニーズは聞いているかもしれないけれども、利用者のニーズについては把握をしていないんですよ。ですから、参入するような事業者については、どんなことが今ニーズでありますかというのは経産省などがお聞きになっているということを聞きましたけれども、利用者のニーズ把握というのは行われていないんです。それなのに何でこういう特区をつくるのかということがあります。

 では、そもそも利用者のニーズも把握していないこういう施策というのは、一体どういうきっかけで、誰の要望で具体化をされたのか、言い出したのは誰か、わかりますか。

平副大臣 済みません、ちょっと言葉が足りませんでした。

 事業者というのは、多分、今、塩川先生がおっしゃったのは、人材を派遣する会社というふうに把握されたかもしれませんが、企業、いわゆるグローバルにいろいろな展開をしている企業等では、そういったグローバルな人材、もしくは日本人であってもそういう活躍する人たちがいて、英語がしゃべれる家事支援人材が足りないという声を聞いているということで、決して、いわゆる業をなす、人材派遣業をなす人たちの要望ということではないということです。

 あと、誰が言い出したかは、済みません、把握をしておりません。

塩川委員 一連のこの経緯、特に産業競争力会議で議論があったわけですけれども、直接お話が出てくるというのは、長谷川閑史氏、産業競争力会議での雇用・人材分科会の主査をされておられる方の発言が直接の最初ではないでしょうか。

 二〇一四年の三月の経済財政諮問会議、産業競争力会議の合同会議で、長谷川氏は、「育児・家事支援サービスの利用促進について、特に女性が社会で活躍するのに際して育児・家事サービスのニーズは高い」「外国人エグゼクティブや日本人の高額所得者には非常に評価の高いフィリピン人等のいわゆるナニーのニーズも高いと思われる。」「一定の条件を課した上で育児・家事支援での在留資格を与えること等も御検討いただきたい。」、これがだから具体化にぐっと来ているわけですね。

 ただ、ここの「ニーズ」というのも具体的な把握が前提なのかどうかというのは、ここを見る限りでもわかりません。先ほど、企業の話では、いわゆる人材派遣の業者とは違うという言い方をされましたけれども、でも、直接の利用者の方のニーズの把握というのはされていないというのは同じことであります。

 この点でいえば、要求が出されている団体には在日米国商工会議所もありまして、「日本人女性の就業を促す外国人家事労働者の雇用に向けた移民法の改正を」、こういった要望なども出されているところであります。

 私、率直に思うんですけれども、今回の特区というのが、入管法の規制緩和になるわけですけれども、外国人労働者の拡大のための規制緩和のいわば突破口の一つにしようとしているんじゃないのかというふうに率直に受けとめているんですけれども、いかがですか。

平副大臣 移民については、単純な移民ということに対しては、自民党を初め与党でも、慎重論、もっと言えば反対の意見が強いと思います。

 一方で、東京とか大阪とかで、今回、国家戦略特区で想定したのは大都市でありまして、大都市はグローバル化をしていく中で、英語をベースにビジネスや日常生活をしていく中で、日本は、家事支援人材でさらに英語もしゃべれるというところが非常に薄いものですから、そこのニーズには応えられていないということもあるんだというふうに思っています。

 そういった意味では、英語がしゃべれる家事支援人材が必要だというのはかなり広く認識をされていることではないかなと思います。決して企業側から言われたからとかそういうことではない、そういう認識を持っている人はたくさんいるんだと思います。

塩川委員 もともと、あの女性活躍推進の文脈の中で、この外国人の家事労働者の活用を述べたのは、安倍総理その人であります。

 昨年の一月のダボス会議におけるスピーチにおいても、多くの女性が市場の主人公となるためには、多様な労働環境と、家事の補助、あるいはお年寄りの介護などの分野に外国人のサポートが必要ですと述べ、また、産業競争力会議の議員でもある竹中平蔵さんも、女性の躍進については、総理もおっしゃっていた外国人の労働の活用がセンターピンだ、こういう言い方もしておられるわけですね。

 ですから、成長戦略のため外国人労働者の活用を進めようという意図というのはこういうところにもあらわれているわけで、これでは、本当の意味での女性活躍にも逆行することになりはしないのかということを言わざるを得ません。

 外国人家事支援人材の受け入れというのが、財界や在日米国商工会議所が女性の就労を促すという名目で具体化をされたものであり、世界で一番企業が活躍しやすい国づくりを目指して企業の競争力を高めるという観点での女性活躍ということでは、本来の目的をたがうということを言わざるを得ません。

 その上で、もう一つお尋ねしたいのが、今度は厚生労働省にお聞きしますけれども、この女性活躍推進法案を準備するに当たって、労働政策審議会雇用均等分科会の報告があります。「女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について」の参考資料、「企業規模別にみた管理職・社員の女性割合」というのがあります。そこには、「管理職に占める女性の割合は、大企業ほど低い。」「同様に、女性の従業員の割合も、大企業ほど低い現状にある。」と指摘をしています。

 そこで、数字で教えていただければありがたいんですけれども、企業規模別の女性の正社員比率を、千人以上ですとか、五百から九百九十九人、それでパーセントで結構なんですけれども、教えていただけますか。

安藤政府参考人 企業規模別の正社員の女性比率でございます。

 総務省統計局労働力調査、平成二十六年の数字で申し上げますと、千人以上規模で二三・二%、五百から九百九十九人企業で二八・五%、百から四百九十九人企業で三二・一%、三十から九十九人企業で三二・二%、一から二十九人企業で三六・七%となっております。(塩川委員「二十五年」と呼ぶ)二十六年の数字でございます。

塩川委員 今お答えいただきましたように、企業規模が大きくなればなるほど女性の正社員比率が低い。中小企業も決して高いわけではない、低いわけですけれども、大企業ほど女性の正社員の割合が低い。

 その理由は何かについて御説明いただけますか。

安藤政府参考人 済みません、詳細な分析をしたわけではないんですけれども、一つの理由として考えられるのは、大企業ほど、正社員の供給源となる女性の新規学卒者の採用割合が低いということが挙げられるのではないかと考えております。

 具体的に数字を見ますと、先ほどの数字とはちょっと年度はずれますけれども、平成二十二年度の雇用均等基本調査によりますと、新規学卒採用者に占める女性の割合が二〇%未満である企業割合が、五千人以上規模で三九・九%、千から四千九百九十九人企業で二八・〇%、三百から九百九十九人企業で一五・二%、百から二百九十九人企業で五・五%、三十から九十九人企業で一・六%、十から二十九人企業で二・七%というようなぐあいになっております。

塩川委員 今数字でお示しいただいたわけですけれども、では、新規学卒者の採用割合が低い理由というのは何なんですか。

安藤政府参考人 これもまたちょっとデータによる分析を行ったわけではないんですけれども、例えば大企業ほどコース別雇用管理の実施割合が高く、いわゆる総合職における女性の採用比率が低いといったようなことも影響しているのではないかと考えております。

塩川委員 分析を行っていないということでもあるわけであります。

 大臣は、大企業ほど女性の正社員比率が低い、中小企業も決して高いわけではない、低いけれども、それ以上に大企業が低い、こういう現状についてはどのように受けとめておられますか。

有村国務大臣 突然の御質問でございますけれども、大事なポイントだというふうに思います。

 多くの人事採用関係者が、成績だけを見ると女性が上位を占める、けれども、男性頑張れよというような、率直なお話をしてくださいます。

 二〇二〇・三〇という目標にも関係することですが、女性が優秀であること、能力的に遜色はないということを皆さん率直に認められながらも、でも、長時間労働ということを前提にした中では、ライフイベントでどうせやめちゃうんじゃないかという怖さもあってその数値にとどまっているのではないかというふうに、これは生活実感として思います。

 だからこそ、長時間労働ということを是正しなければ、女性の活躍の真に日本社会に根づくことは難しいと再三申し上げておりまして、ここは本丸だというふうに認識をしております。

塩川委員 それは大臣の率直な感想として受けとめました。

 同時に、そもそもこういう現状になっていることについて、わざわざ労政審の参考資料の中に、そういう企業規模別のデータで示しているわけですよね。大いに政府としても検討してもらいたいわけですよ。なぜこんなことになるのか。コース別云々の話もちょこっとありましたけれども。やはり、こういう現状がこのままでいいのかという話になってくると思うんです。その意味でも、政府として真摯に、こういった事態についてどうなっているのかということをしっかりと分析して、それに対する対応策を考えるということであります。

 その意味でも、今回の法案でその点はどうなのかということですね。

 私たちは、民間企業に対する目標や改善計画などの義務づけは、大企業だけが対象では不十分で、例えば百人以上の規模の企業を対象に、採用に占める女性比率や、管理職、役員における比率、男女賃金格差、非正規の比率、産休等の制度の利用状況などの公表、改善に向けた数値目標とそのための具体的な取り組みを含む計画の策定の義務づけが必要だと思います。男女格差が大きい大企業には実施報告の提出を求めることも必要だということ訴えてまいりました。

 その点で、こういった企業規模別、大きいほど女性の採用比率が低いという現状について、大企業に対して、こういう現状を企業として率直に分析してもらって、公表もし、女性正社員比率を高める数値目標を持つように義務づけるということも行わないんでしょうか。

有村国務大臣 御趣旨のポイントは理解します。

 女性の活躍に向けては、採用から登用に至る各ステージにおいてさまざまな課題があり、その課題を乗り越えていく中でも、女性自身のライフステージ、ライフスタイルの変化がございます。その状況というのは、業種によって、また個別企業ごとに、また御本人のライフステージごとに実に多種多様でございます。ゆえに、一律の項目について数値目標の設定を義務づけるのではなくて、状況把握、課題分析の結果を踏まえ、各社あるいは各業界の課題解決を図るためにふさわしい項目について、個々に目標を設定していただくことが妥当であるというふうに考えております。

 本日の御質問でございますが、やはりある意味ではガラス細工で、そこを何とかということで、労政審も含めて、民間も含めて御協力をいただいてここまで来ていますので、そういう意味では、彼らの自主性ということもたっとびながら、国全体で、強制力を持っていく、確実に進めていくことも必要かというふうに思っております。

塩川委員 財界の要望もあって義務づけの部分について曖昧になっている部分もある、そういう点でも、私は、この現状から出発したときに、やはり率先してやるということが必要なんじゃないのかと。榊原経団連会長なども女性の活躍推進と言っているのであれば、まさに足元の会員企業においてしっかりと対応してもらうという点では、ふさわしく行うということについて改めて求めていくということも今本当に重要だということを強く思うところであります。

 今回の法案提出の背景には、そもそも安倍総理が述べているように、社会政策の文脈ではなく、成長戦略の中で女性を活用しようという安倍政権の経済政策があります。財界も、女性の活躍は女性のための施策ではない、企業の競争力を左右する経営戦略、日本経済の持続的な発展を可能とするための成長戦略そのものであると提言をしています。

 安倍政権の女性政策は、企業の競争力を高めるための、女性の活躍ではなく活用ということであり、その方向に私たちは反対であります。

 現状は、ジェンダーギャップ指数が百四十二カ国中百四位となっているとおり、先進国として恥ずべき状況であります。働く女性の二人に一人が非正規雇用であり、賃金は男性の半分にすぎません。働く女性の四割以上が年収二百万円以下です。それは将来の無年金、低年金につながるものであり、女性の貧困は無視することができません。

 法案は、こうした現状も反映し、男女共同参画社会基本法の理念に基づくことを目的に明記した上で、事業者や国や地方公共団体に、女性活躍推進のための現状分析と、それに基づいて、数値目標等の行動計画策定とその公表、女性の活躍の現状に関して職業選択に必要な情報の公開を義務づけています。

 女性活用の側面もありつつ、これらは、不十分ながらも、おくれている女性の社会進出を進め、働く女性の労働条件向上を図る上で前向きな方向を持ったものであり、この点を評価し、私どもは賛成とするものであります。

 女性たちは、強い日本を取り戻すという安倍政権の野望のために都合よく利用されることを望むはずがありません。

 日本共産党は、女性への差別を解消し、男女がともに人間らしく働き、暮らす、ルールある社会実現のために力を尽くすことを述べて、質問を終わります。

井上委員長 これにて原案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

井上委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、田村憲久君外五名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

井上委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

井上委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

井上委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、亀岡偉民君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。泉健太君。

泉委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府及び地方公共団体は、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。

 一 女性の職業生活における活躍の推進には、男女の別を問わず、家庭生活における活動について自らの役割を円滑に果たしつつ職業生活における活動を行うことが重要であることに鑑み、そのために必要な環境の整備を行うこと。

 二 女性の輝く社会の実現において、男女間賃金格差の是正に向けた取組が重要であることから、女性がその職業生活において、意欲をもって能力を伸長・発揮できる環境を整備するため、男女間に賃金格差が存在する現状に鑑み、公労使により賃金格差の是正に向けた検討を行うこと。また、一般事業主行動計画を策定するに当たっては、「男女の賃金の差異」を省令によって状況把握の任意項目に加えることについて検討すること。

 三 非正規労働者の七割、かつ雇用者全体の四分の一を非正規労働者の女性が占めていることに鑑み、その待遇改善のために、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第九条のガイドラインを策定することを速やかに検討するものとすること。

 四 女性の活躍を一層推進する観点から、積極的改善措置について、その実施状況を確認し、必要な措置を講ずるものとすること。

 五 一般事業主行動計画の策定に当たって、男女の育児休業取得割合、男女間の賃金格差、自ら使用する労働者に占める正規労働者の割合及び自ら使用する女性労働者に占める正規女性労働者の割合等について、省令によって状況把握の任意項目に加えることについて検討すること。

 六 一般事業主行動計画の策定又は変更に当たっては、労使の対話等により労働者のニーズを的確に把握するよう、行動計画策定指針において示すこと。

 七 一般事業主による事業主行動計画に基づく取組の実施状況の公表を促進すること。

 八 特定事業主行動計画の策定に当たって、男女の育児休業取得割合、男女間の給与格差、任用する職員に占める正規職員の割合及び任用する女性職員に占める正規職員の割合等について、内閣府令によって状況把握の任意項目に加えることについて検討すること。

 九 公務員の臨時・非常勤職員においても、女性が多数を占めることに鑑み、すべての女性の活躍を促進する観点からも、臨時・非常勤職員について、制度の趣旨、勤務の内容に応じた任用・勤務条件が確保できるよう引き続き配慮すること。

 十 協議会を組織する関係機関は、必要に応じ、協議会に男女共同参画センター、労働組合、教育訓練機関その他の女性労働者に対し支援を行う団体も構成員として加えるよう検討すること。

 十一 協議会に学識経験者を加えるに当たっては、その構成員の男女比が特段の理由なく大きく偏ることのないよう配慮すること。

 十二 固定的性別役割分担意識が払拭され、女性が活躍しやすい環境となるよう、本法の施行後三年の見直しに併せて、男女雇用機会均等法の改正について検討を進めるものとすること。

 十三 本法の施行に当たっては、その実効性を確保するため、労働者又は企業からの相談等に迅速かつ的確に対応できる体制の強化を図るものとすること。

 十四 社会における女性の活躍は目覚ましいことから、本法の施行後三年の見直しについて、積極的に検討を行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

井上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

井上委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。有村国務大臣。

有村国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

井上委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

井上委員長 次回は、来る五日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二十三分散会


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