衆議院

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第3号 平成22年3月9日(火曜日)

会議録本文へ
平成二十二年三月九日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 滝   実君

   理事 阿知波吉信君 理事 石関 貴史君

   理事 辻   惠君 理事 樋高  剛君

   理事 山尾志桜里君 理事 稲田 朋美君

   理事 森  英介君 理事 大口 善徳君

      石原洋三郎君    加藤 公一君

      桑原  功君    後藤 祐一君

      斉木 武志君    坂口 岳洋君

      竹田 光明君    橘  秀徳君

      中島 政希君    永江 孝子君

      長島 一由君    野木  実君

      藤田 憲彦君    向山 好一君

      柳田 和己君    山崎  誠君

      横粂 勝仁君    柴山 昌彦君

      菅原 一秀君    永岡 桂子君

      馳   浩君    福井  照君

      柳本 卓治君    神崎 武法君

      城内  実君

    …………………………………

   法務大臣         千葉 景子君

   法務副大臣        加藤 公一君

   総務大臣政務官      階   猛君

   法務大臣政務官      中村 哲治君

   外務大臣政務官      西村智奈美君

   国土交通大臣政務官    三日月大造君

   最高裁判所事務総局刑事局長            植村  稔君

   政府参考人

   (内閣法制局第三部長)  外山 秀行君

   政府参考人       

   (法務省刑事局長)    西川 克行君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    岡本 榮一君

   法務委員会専門員     生駒  守君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月九日

 辞任         補欠選任

  石森 久嗣君     柳田 和己君

  熊谷 貞俊君     向山 好一君

  細野 豪志君     後藤 祐一君

  牧野 聖修君     斉木 武志君

  山口 和之君     石原洋三郎君

  河井 克行君     菅原 一秀君

  棚橋 泰文君     永岡 桂子君

同日

 辞任         補欠選任

  石原洋三郎君     山口 和之君

  後藤 祐一君     細野 豪志君

  斉木 武志君     牧野 聖修君

  向山 好一君     熊谷 貞俊君

  柳田 和己君     石森 久嗣君

  菅原 一秀君     河井 克行君

  永岡 桂子君     棚橋 泰文君

    ―――――――――――――

三月四日

 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

滝委員長 これより会議を開きます。

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第三部長外山秀行君、法務省刑事局長西川克行君、国税庁課税部長岡本榮一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

滝委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

滝委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局植村刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

滝委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

滝委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲田朋美君。

稲田委員 おはようございます。自由民主党の稲田朋美です。

 まず、副大臣にお伺いをいたしたいと思います。

 副大臣は、権利能力なき社団とは何であるか、そして、その要件についてどのようにお考えであるかについてお聞かせください。

加藤副大臣 おはようございます。本日もよろしくお願いします。

 法律の専門家でいらっしゃる先生から素人の私への御質問でございますから、余りいいかげんなお答えはできないと思いますが、私の知り得る限りお話を申し上げれば、民法上、権利能力なき社団というのが明文の規定があるとは承知しておりませんけれども、社団としての実体を有するけれども法人格を持たない団体を一般に権利能力なき社団というふうに呼んでいるものと理解をいたしております。

稲田委員 それでは、権利能力なき社団が成立する要件について、一般的に最高裁なども示しておりますけれども、その要件について、副大臣、お答えください。

加藤副大臣 過去の最高裁の判例によりますと、団体としての組織を備えていること、それから、多数決の原則が行われていること、三つ目に、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続をすること、四つ目といたしまして、その組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定していること、以上の四つの要件を満たすことが必要であるというのが最高裁の判例だと理解をいたしております。

稲田委員 それでは副大臣、前回、前々回と副大臣の政治資金の問題について質問をいたしましたけれども、副大臣が平成十七年に設立、平成二十年に解散をされた、あなたが代表者となっている政治団体、これは権利能力なき社団と言えますか。

加藤副大臣 事前にお伝えをいただいておればきちんとお調べをしてお答えを申し上げるところでありますが、今、急なお問い合わせでございますので、余りいいかげんなことを申し上げるとよろしくないと思いますので、必要であればまた検討してお答えをさせていただきたいと思います。

稲田委員 驚きましたね。権利能力なき社団の要件を、先ほど副大臣は最高裁の要件をきちんと述べられたではありませんか。また、前回、前々回と、あなたの政治団体についてそれぞれ私が質問いたしておりますのは、それが権利能力なき社団かどうかを聞いているわけであります。それについて答えられないというのはおかしいと思います。もう一度お答えください。

加藤副大臣 今の最高裁の判例については申し上げたとおりでありますが、基本的にはその判例の要件を満たしているものと思います。

稲田委員 では、あなたの政治団体で、多数決の原理が行われているんですか。

加藤副大臣 私も細かな法律論まで一〇〇%今ここでお答えをするほどの知識はございませんけれども、その団体ごとに意思決定をするときに、だれかが独裁的に決定をしていたということではないという理解でございますので、それはこの要件に当てはまるのではなかろうかというふうに今は理解をしております。

稲田委員 しかし前回、私の質問で、あなたの政治団体からお金を引き出すときに、あなた自身の判断で通帳から預金が引き出せるとお答えをいただいておりますけれども、あなたの政治団体から預金を引き出すのに多数決の原理が行われていますか。

加藤副大臣 前回お答えをしたのは、私どもの御支援をいただいている団体として適切に処理をしていたつもりが、たまたま事務担当者の連絡不行き等々あってミスが起きてしまった、ミスが起きたものを放置するというわけにはまいりませんので、その団体の代表者としてすぐにミスを訂正するという、その手続をとったにすぎないということでございます。

稲田委員 前回の私の質問に対して副大臣は、自分の判断で預金をおろしたと答えておられます。

 また、あなたの政治団体、六つの後援会については、光熱費、備品・消耗品費、それから事務所費、全く計上もされておりませんし、同じところに事務所を置いて、そして同じ日に解散をして、人件費は計上されておりますけれどもそれは何に使ったんですかと聞きますと、その地区ごとのビラ配りに使ったか何だかというようないいかげんなお答えだったわけであります。

 同じ日に解散をし、それから収支報告書の宣誓の日付なども同じですし、会計責任者も全く同じというような六つの団体、これは、実体として、六つではなく、あなた個人ではありませんか。

加藤副大臣 政治家個人と一緒ということはあり得ない話でございまして、前回もお話を申し上げましたけれども、私は先生の御活動がどれぐらい力強いものであるかという細かなことを調べておりませんから承知していませんけれども、先生方のようにしっかり、各町ごとにとか、地盤があって後援会があってというところまで私もまだ力が及んでおりませんので、また、それだけの資金もありませんから、同じ事務所に幾つかの後援会を設置するということはあり得ることだと思います。

 そのときに、ダブって光熱費を計上すればそれこそ問題でありますから、重複しないようにそこは計上しなかった。しかし、別々、地域ごとに活動に要した経費についてはその都度適切に計上をさせていただいたというだけのことでございます。私と同一ということは一切あり得ません。

稲田委員 ただ、その六つの後援会の政治団体は、光熱費、備品・消耗品費、事務所費、全く計上されていないんです。全くですよ。そして、その代表者はすべて副大臣、あなたなんです。

 私の政治団体は、地区ごと、代表者も別々です。場所も別々です。別々の活動をしているから、たとえ解散するようなことがあったとしても別々なんです。あなたの場合は、平成十七年の巨額の政治資金を寄附を受けた年に六つ設立をして、そしてその寄附を受け終わった年、平成二十年に、すべて同一の日に解散をされております。

 この六つの政治団体が別々の権利能力なき社団であるとは私には思えないんですけれども、その点はいかがですか。

加藤副大臣 この前もお話ししましたけれども、先生のようにお強い地盤がおありで活動できていればもう少し私も楽なのかもわかりませんが、私の選挙区、五つの市、それぞれ地域性がございますから、それぞれ、私としても先生のように地盤をつくりたいと思ってさまざま工夫を凝らして活動しているところではありますが、御支援いただいている方が、例えば転居をされるとか転勤をされるとか、あるいは残念ながら他界をされるとか、さまざまな事情がありますから、なかなか思うようにその活動がはかどらないということも、当然、過去あったわけでございまして、その中で、やはりうまく後援会というものが成立をしていかないのであれば、ほかの方法で選挙に向けて私も頑張りたいという判断をしただけのことでございまして、これは政治家としての活動の仕方の問題にすぎないんじゃないか。

 先生はそういう御指摘をされるかもわかりませんが、私といたしましては、全くそうは理解をしておりません。見解が違うということだと思います。

稲田委員 では、あなたのその六つのそれぞれ活動している地区の政治団体を同じ日に解散したのはなぜですか。

加藤副大臣 それぞれ、地域にいろいろな応援団の方がいらっしゃいます。それぞれ、応援していただく方もあれば、長いおつき合いの中でそうでなくなってしまう方もいらっしゃれば、ここでそんな固有名詞を出して、どなたがこうなって、ここでこう仲たがいしたからどうのこうのなんという話は申し上げるべきことだとは思いません。

稲田委員 今の副大臣の話を聞いて、なるほどなと思う人がどれだけいますかね。同じあなたが代表となっている政治団体を、六つの地区に、別々に、同じときにつくって同じときに解散をする、しかも、巨額の政治資金を受ける年に六つつくって、受け終わったら六つ解散をする。すべて同じ所在地にあって、そして、事務所費も、それから光熱費、備品、全く計上されていない、そして収支報告書の宣誓の日付も全く同一。それを、全く別々のもので、別々に解散していて、それぞれの活動をしていて、それぞれの事情があるんだという今の副大臣の説明を、ああそうだなと思う人がどれほどいるかと思います。

 副大臣、あなたが代表者をしている政治団体はほかに幾つあるんですか。

加藤副大臣 今現在代表をしているという意味でいうと、政党の支部はあります。それから地元の後援会が一つあったかもしれませんが。言っていただければ幾らでも正確に調べておきますけれども、今、急のお尋ねですので、政党支部は確かに一つ私が代表者だと思いますが、これも、ほかの後援会でたまたまその後援会長をお務めいただいていた方が、個人的な事情でどうしても退任をしたいというお申し出をいただいて、その後、後任の方がうまく決まらないというものも存在しておりますから、もしかしたらそこは今代表者が私の名義になっているかもしれません。

 そういうものは、言っていただければ、何の問題もありませんからきちんとお調べしてお答えしますが、今の段階では総支部だけは間違いありませんけれども、ほかについては調べてからお答えをさせていただきたいと思います。

稲田委員 では、その点についてはまたお伺いをいたしますけれども、政治家個人が一人の個人から年間に受けることができる政治資金の上限は幾らですか。

加藤副大臣 政治家個人は一円も受け取れないと理解しています。

稲田委員 政治家個人が一人の個人から受け取ることができる年間の最高額は百五十万なんです。受け取れますよ。年間百五十万です。

 一つの政治団体が一人の個人から受け取れる最高額は幾らですか。

加藤副大臣 今の先生の御指摘は、政治家個人というのは選挙に際してということであれば、おっしゃられるとおりかもしれません。

 それから、一つの政治団体が一個人から受け取れる年間の上限額は百五十万円だというふうに思います。

稲田委員 素朴な質問なんですけれども、なぜ、あなたを支援してくれている一人の個人が、二年間で、あなたの政治団体とそれから政治資金管理団体、政党支部、平成十八年だったら、一人の個人と、その方が代表を務めている会社の限度いっぱいいっぱい額、六つの政治団体に分けることによって、限度いっぱいいっぱい額の三千九百万、その前の年は三千五百万、二年間で合計七千四百万もの巨額の寄附をあなたにしたんでしょうか。

加藤副大臣 それは、私が理由を申し上げるというのもおかしな話でありますが、これも前回お答え申し上げましたとおり、自分で申し上げるのは大変不遜でありまして余り言いたい話でもありませんが、私が営業マン時代のお客様でございまして、私の仕事ぶりを極めて高く御評価いただいておりました。それゆえ、私自身が志一つで会社を飛び出して活動をしているという中で、では加藤の活動を応援しようとか、あるいは、当時はまだ政権交代前でありますから、常に政権交代が起こり得る政治体制が必要だという御信念がおありで、なおかつ先様の経済状態が良好だったゆえ御支援をいただけたものと想像いたします。

稲田委員 その巨額な寄附をあなたにしてくれた方とあなたとの関係、それは単なる支援者と政治家の関係ですか。

加藤副大臣 支援者と政治家の関係といえばそういうことでありますが、さっきも申し上げたとおり、私が政治家になってからおつき合いをしたわけでは全然なくて、もうかれこれ二十年近くおつき合いをいただいておりますので、政治家と支援者というよりは、人生の先輩後輩といいますか、友人と言うには余りにもおこがましいですけれども、よく知った仲という表現の方が適切かと思います。

稲田委員 平成十八年は限度いっぱい。今申し上げたように、三千九百万というのは、その人と、その人が経営している会社の限度いっぱいなんですけれども、その限度いっぱいの寄附を受けるについて、政治団体六つに分けるというのはあなたの方から提案をされたんですか。

加藤副大臣 これも前回申し上げましたけれども、私もそこまでずうずうしくありませんから、加藤が今どういう活動をしている、政党の支部がどういう状況にあるということは御説明を申し上げました。なおかつ、何の見返りもなく御支援いただけるのであれば大変ありがたいということも、直接、面と向かって申し上げました。その上で、先方が、では法律にのっとって応援できることは考えるということでございましたので、私から何か、ああしてくれ、こうしてくれというずうずうしいお話を申し上げた記憶はありません。

稲田委員 法律にのっとってということですから、政治団体に最高額の百五十万ずつ六つに分けて寄附してくださいということは副大臣の方からおっしゃったんですね。

加藤副大臣 ちゃんと聞いていただきたいんですけれども、私からああしてくれ、こうしてくれと申し上げたことはないというふうに記憶しておりますとお答えしたとおりです。

稲田委員 その六つの政治団体ですけれども、先ほど言いましたように、その方から寄附を受ける年に設立をして、そして別の方も平成十九年に寄附をされていますけれども、翌年に解散をする。そして六つの政治団体に分けて、あなたがすべて代表者で、事務所もみんな同じで、光熱費、そんなもの全く計上していなくて、どう考えても、その寄附をもらうためだけに設立をして解散をした政治団体としか思えないんです。

 そのことを、あなたは何度か新聞でも、不適切な政治資金の受け方だという報道をされています。平成十九年にも読売新聞で指摘をされていますが、その後に同じようにその政治団体でもらわれているんですけれども、その点はなぜですか。

加藤副大臣 新聞が絶対正しいということで御指摘をいただくのは、ちょっと私としては心外でございまして、たしか一番最初、何か読売新聞に、総務省の方でこんな見解が示されたかのような記事がありましたので、私自身が総務省に問い合わせしましたが、そんなこと言うはずがありませんということでございましたので、私としては、きちんと証明されていない記事が載ったもの、いわゆる誤報だという認識をいたしておりますし、何らやましいところもありませんし、何ら法律にも触れておりませんので、その後も同じように、さっき申し上げたとおり、私なりに一生懸命地元活動をしようという趣旨で活動しただけのことであります。

稲田委員 遵法精神がないというか、そうなんですよ。あなたは、その政治資金を、巨額な寄附を受ける年に、六つの政治団体を、あなたが自由に出し入れのできる、あなたが代表者で、すべて実体のないものをつくり、そしてそれを平成二十年に解散されて、そして、それは何のやましいこともないんだとおっしゃるとすれば、私は、あなたは全く政治資金規正法の趣旨も理解をされていないし、全くその点についての認識に欠けていると思います。

 次に進みます。

 権利能力なき社団の要件を備えていない場合の政治団体の法的性格は何ですか。大臣にお伺いをいたします。

千葉国務大臣 法的性格ですか。一般的な団体という意味でしょうか。法的性格……。

稲田委員 権利能力なき社団の要件を備えていない場合の団体の法的性格は何ですかと。

千葉国務大臣 こういうことでしょうか。例えば、法人格を有する場合には法人ということになります。権利能力なき社団は権利能力なき社団ですから。あと、それ以外だと、例えば組合とか、団体ではなくて全くの個人ということになるのかもしれませんが、ちょっと、法的性格というと、権利能力なき社団は権利能力なき社団という意味だというふうに思いますが。

稲田委員 権利能力なき社団は権利能力なき社団だということを聞いたんじゃなくて、権利能力なき社団の要件を備えていないような政治団体は法的には何に当たりますかということを質問したわけであります。

 ただいまの大臣のお答えでは、組合もしくは個人であろうかというお答えだと思いますが、それでよろしいですか。

千葉国務大臣 権利能力なき社団ということに該当しないとすれば、考えられるのは、組合とか、あるいはあとは個人ということではないでしょうか。

稲田委員 それでは、権利能力なき社団である政治団体が所有をしている不動産の所有権の帰属、権利能力なき社団だと主張している政治団体、政治団体が権利能力なき社団である場合の不動産の帰属はどうなりますか。

千葉国務大臣 これは、判例等で言われておりますように総有という概念だというふうに思います。

稲田委員 今問題になっております、小沢さんの陸山会という政治団体があります。この政治団体、資金管理団体ですけれども、資金管理団体である陸山会、これが権利能力なき社団であるかどうかということが判例の中でも問題になっているわけですけれども、権利能力なき社団でないとした場合には、この陸山会の所有だと主張している不動産はだれの所有でしょうか。

千葉国務大臣 一般的に、不動産がだれの所有であるかということについては確定的なことは言えないというふうに思います。それは例えば、権利能力なき社団の要件に該当すれば先ほど言ったように総有ですけれども、そうじゃないとすれば、それまでの不動産の取得の経緯とか当事者の意思とか管理の状況あるいは登記の経緯等々、さまざまな要因を総合して判断するしかないというふうに私は思います。

稲田委員 陸山会が権利能力なき社団ではないと私は思っております。先ほど副大臣からお話がありましたように、権利能力なき社団であるかどうかについては最高裁で要件があります。構成員の入れかわりにもかかわらず存続するとか多数決の原理が行われているとか、そういったものがない場合、これは権利能力なき社団ではない、個人である、政治家個人であると思います。

 そうしたら聞きますけれども、所有者が所有権を放棄した場合の不動産の帰属はどうなりますか。

千葉国務大臣 所有者が所有権を放棄した場合は、基本的には国庫に帰属をするということになるんじゃないでしょうか。

稲田委員 所有者が所有権を放棄した不動産は国庫に帰属をいたします。

 そうしますと、平成十七年に、陸山会の代表者としての小沢さんと、それから個人の小沢さんが、不動産の帰属について、これは小沢一郎個人のものではなく陸山会のものだと確認した書面があります。これは、陸山会が権利能力なき社団ではない場合、小沢さんが小沢さん個人に対して、小沢さんが小沢さんに対して、所有権がないと自分の所有権を放棄したことになるのではありませんか。

千葉国務大臣 今、一定の仮定を立てて御質問なさっておられますので、それにお答えをすることは私はちょっとできない、差し控えさせていただきたいというふうに思いますけれども、先ほど言ったように、一般的に、放棄をしたという場合には国庫に帰属をする、こういうことは言えるとは思いますが、あとは、具体的に発言やあるいはどのような経緯かということなぞは仮定の上ではわかりませんので、お答えをすることはできません。

稲田委員 いや、仮定じゃないんですよ。陸山会は権利能力なき社団とは言えないんです。言えないんです、権利能力なき社団とは。権利能力なき社団でない場合は個人なんです。

 私が大臣に質問いたしましたのは、個人が所有権を放棄した、自分のものではないと確認をした場合、不動産はだれのものに帰属をいたしますかという質問です。

千葉国務大臣 これも、権利能力なき社団かどうかということについても、稲田委員は権利能力なき社団ではないというお話ではございますけれども、そのように評価できるかどうかというのは、私にはそれを前提としたお答えをすることはできません。

 先ほど言ったように、一般的に、放棄をしたというときには国庫に帰属をするということでございますので、それ以上のお答えは、御質問に対してはできかねるということでございます。

稲田委員 権利能力なき社団かどうかのところについては、水かけ論になるのでこれ以上は言いませんけれども、私は、副大臣の政治団体だって権利能力なき社団じゃないと思っていますよ。あなたの、個人の、言ったら別財布だと思っていますから。あなたが幾ら何と言おうと、実体は別財布ですよ。あなた自身なんですよ。あなたが勝手に出し入れできる。

 ですから、陸山会も、私は権利能力なき社団ではないと思っておりますが、そこを、前提を仮定だとおっしゃるのであれば、質問を変えます。

 仮に権利能力なき社団だとすれば不動産は総有なんだと先ほど大臣がおっしゃいましたけれども、だれの総有ですか。

千葉国務大臣 これは、権利能力なき社団である場合には、権利能力なき社団を構成する者の全員の総有でございます。

稲田委員 ということは、陸山会の構成員に今小沢さんが入っていることは間違いがないんです。たとえ、私が言っている権利能力なき社団じゃないというのは仮定だとおっしゃって、権利能力なき社団だと百歩譲ったとしても、その権利能力なき社団の陸山会の小沢さんの分については所有権を放棄されたということになります。それでよろしいですね。

千葉国務大臣 権利能力なき社団の財産、総有の場合に、単独で財産を処分するというようなことはできないというふうに思います。

稲田委員 ただ、権利能力なき社団でない場合、個人である場合には、所有権を放棄し、それが国庫に帰属をするということは確認をさせていただきます。

 次に、大臣にお伺いをいたしますが、民法において贈与は契約でしょうか。

千葉国務大臣 おっしゃるとおりです。

稲田委員 贈与契約というのはどのような契約ですか。

千葉国務大臣 もう先生十分御承知のところだというふうに思いますけれども、贈与は、一方当事者が自己の財産を無償で相手方に与えるという意思を表示して、そして相手方がこれを承認するということによって成立をいたします。

稲田委員 贈与を受けた人が贈与の意思表示なしに贈与契約が成立することがありますか。

千葉国務大臣 基本的には、双方の契約ですので、全く承諾がないということで成立をするということは法的にはあり得ないものだというふうに思います。

稲田委員 そうしますと、贈与を受けたという意思表示なしに贈与契約が成立することはない。とすれば、贈与を受けた人が贈与の事実を知らないのに贈与契約が成立するということはないんじゃないですか。

千葉国務大臣 全く知らないという場合に成立するかどうかはわかりませんけれども、どういうことが贈与を知ったことになるのか、あるいはどういう場合に承諾ということに評価されるのか、これは個々具体的に違うと思いますけれども、少なくとも、その意思があったと法的に評価をされなければ契約は成立しないというふうに思います。

稲田委員 贈与の意思表示なしに贈与契約が成立することはない、それは先ほど大臣がお答えになったとおりです。だとすれば、贈与を知らないのに、贈与を受けたことを知らないのに、意思表示できないじゃないですか。だから、贈与を知らないのに贈与契約が成立することはないんじゃないですか。一般論としてお伺いします。

千葉国務大臣 一般論として、贈与を全く知らないで意思もなければ成立をいたしませんけれども、ただ、どこかで贈与を知った、そしてそれを承諾したということが認定されれば、意思表示が合致をする、それによって贈与契約は成立するということになるのではないでしょうか。

稲田委員 認定の話を聞いているんじゃないんですよ。贈与を受けた人の意思表示なしに贈与契約は成立しない。だから、贈与を知らずに贈与の意思表示をするはずがないんですよ。一般論として、贈与を受けた人が贈与の事実を知らないのに贈与契約が成立することはないんです。

 政府参考人にお伺いをいたしますが、予算委員会の柴山議員の、総理の贈与税について、政府参考人は、平成十四年分、十五年分については、期限後申告は何ら効力を有しないことになり、その贈与税が納付されたとしても、納付された贈与税は還付することになるということでございますというふうにお答えになっております。しかし、総理が贈与を知ったのは昨年の十二月です。なぜ贈与を総理が知らないのに贈与税が発生するのか、そして、なぜ贈与を知らないのに時効が完成をするのか、どうして時効が完成もしていないのに還付しなければならないのか、お伺いをしたいと思います。

岡本政府参考人 一般論としてお答えさせていただきます。

 相続税法における贈与とは、民法の借用概念であります。したがいまして、契約の当事者間の意思の合致がない場合には贈与契約は成立せず、贈与税が課されることはありません。しかし、明示的な意思の合致がなくても、財産の管理運用の状況など、その他の事実関係から意思の合致があったと認め、贈与契約の成立を認定する場合もございます。

 いずれにいたしましても、国税当局としては、個々の事実関係に基づき、法令等に照らし、適正に取り扱うこととなります。

稲田委員 ちょっとわかりにくいんですけれども。総理は明確に、平成二十一年十二月二十四日に贈与の事実を知ったということをおっしゃっております。贈与の事実を知らないのに贈与が成立するというのはどういう場合ですか。

岡本政府参考人 一般論としてお答えさせていただきます。

 先ほども申し上げたとおりでございますけれども、財産の管理運用状況等、その他の事実関係から意思の合致があったと認め、贈与契約の成立を認定する場合もございます。

稲田委員 意思の合致って、贈与を知らないのに何で意思の合致があるんですか。贈与を知らない場合に意思の合致がある場合というのはあるんですか。認定できるんですか。

岡本政府参考人 お尋ねの課税上の問題につきましては、個々の事実関係に基づきまして、法令等に照らして判断していく必要がございます。そういった意味では、一般論として一概にお答えすることは困難であることも御理解いただきたいと思います。

稲田委員 一般論で聞いているんですよ。贈与の事実を知らないのに意思の合致があるということがあるんですかということですよ。知らないのに。

岡本政府参考人 一般論として申し上げますが、贈与契約が成立していない場合には、贈与税の納税義務は成立せず、贈与税が課されることはございませんし、そのような場合に、徴収権の消滅時効でありますとかの問題は生じることはないということでございます。

稲田委員 いや、私の質問は、贈与を知らないのに意思の合致を事実で認定できるようなことがあるんですかと。あるんですか。

岡本政府参考人 一般論としてお答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたとおり、明示的な意思の表示、合致がなくても、具体的に事実関係を調べて、その事実関係に基づいて意思の合致があったものとして課税するということもございます。

稲田委員 今政府参考人がお答えになっているのは、意思の合致があったと認定できる場合があるというのは、その時点で知っていたということなんですよ。その時点で知っていたということを認定できるということなんですよ。

 私が聞いているのは、贈与を知らないのに意思の合致があったなんということがあり得るんですかということを聞いているんです。

岡本政府参考人 一般論としてお答え申し上げます。

 意思の合致がなかったということであれば、それは贈与契約が成立していないということになりまして、贈与税の納税義務は成立いたしません。しかし、さまざまな事実関係から意思の合致を認定するというケースもございます。

稲田委員 同じ答弁ばかりなので聞くのは無駄なんですけれども、意思の合致が認定できるとすれば、意思の合致のときに知っていたということなんです。

 そうじゃなくて、贈与の事実を知らないのに意思表示することはないんだから、知らないのに意思の合致があるということはないんじゃないですかという質問なんです。贈与の事実を知らないのに、贈与を受けたということを知らないのに、何で意思表示ができるんですか、贈与を受けましょうと。もし認定ができるんだったら、その時点で知ったということじゃないですか。違うんですか。

岡本政府参考人 一般論として申し上げます。

 個人と個人の間で資金の提供があった場合、さまざまなケースが想定されます。例えば、名義の変更だけでありまして、いわゆる名義預金などのケース、これは全く贈与などもないというケースであります。それから、いわゆる貸し付けという形態もございます。それから、贈与という形態もございます。そういったものにつきまして、事実関係を個別に認定いたしまして、適切な処理に努めておるところでございます。

稲田委員 答えがないので、時間の無駄なので次に行きます。

 平成二十一年十二月二十四日に贈与に気がついたということでは、その時点でしか贈与は成立しないんです、それまで知らなかったんだから。知らないのに意思表示できないから。その時点で贈与を受けたということになりますと、納付期限は平成二十二年、ことしです。それを平成十四年分、十五年分として申告することは、故意による脱税になりませんか。

岡本政府参考人 一般論としてお答え申し上げますが、贈与の契約が成立していない場合には贈与税の納税義務は成立いたしませんので、相続税法第六十八条等の罪が成立することはないということでございます。

稲田委員 二月九日の高市議員の質問で総理は、「税務調査そのものは今国税の方で行っているわけでありますので、最終的にそのことに対してどのような判断がされるかというのは、そこの調査を待つ」ということを答弁されています。

 総理自身が現在国税の調査が入っていることを認められているんですけれども、国税の調査はいつごろまでかかるんでしょうか。

岡本政府参考人 個別にわたる事柄につきましては、守秘義務の関係上、お答えを差し控えさせていただきます。

 一般論として申し上げれば、国税当局としては、課税上有効な資料情報の収集に努め、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなどして、適正公平な課税の実現に努めているところでございます。

稲田委員 総理自身が国税の調査が入っていることを認められているんです。まじめに納税している国民は怒っているんですよ、総理に。

 総理だからといって特別扱いすることなく、悪質な脱税について厳正な処置をとることを国税庁はお約束いただけますか。

岡本政府参考人 一般論としてお答え申し上げます。

 税法上、納税者という面では、公人も一般人もひとしく納税者でございます。これを異なる扱いをするということはございません。

稲田委員 ぜひ、その贈与の時期の認定も含めて、適正に、厳正に調査をしていただきたいと思います。

 法務大臣にお伺いをいたします。

 国民の知る権利、これはどうして尊重されなければなりませんか。

千葉国務大臣 国民の知る権利は、それぞれの思想、信条あるいは表現の自由、そういう基本的な人権を担保するという意味で、知る権利をきちっと保障しなければならないというふうに私は理解をいたしております。

稲田委員 それだけじゃないでしょう。やはり民主主義、議会制民主主義のために国民の知る権利が担保されていないと、国民はきちんと国の代表を選ぶことができません。そういった意味から、国民の知る権利というのは憲法上も非常に重要な権利だと思います。

 さて、小沢幹事長が国会の場で自分の不動産の疑惑について説明をしようとされませんけれども、法務大臣、国民の知る権利という立場から、小沢幹事長は国会の場で説明を尽くすべきだと思われませんか。

千葉国務大臣 知る権利の基本的な考え方は、今、稲田委員も御指摘をされたように、民主主義、あるいはそれぞれの基本的人権の保障という意味から大変重要な権利だということは私も理解をいたしております。

 あと、個別にそれをどういうふうに保障していくかということについては、いろいろなケースがあるだろうというふうに思います。そして、どのような形でそれをみずから担保していくか、これはそれぞれ判断をするべき問題だというふうに思っております。

 例えば公権力がそれを抑止するとか、そういうことがあってはなりませんけれども、個別、個人的にそれをどういうふうに実現するかということは、それぞれお考えになるべきものではないでしょうか。

稲田委員 国民の知る権利というのは議会制民主主義にとって大変重要なものである、それは大臣もお認めのことだと思います。そして、国民の知る権利にこたえるために、説明をするのに最もふさわしい場というのがこの国会なんです。そこに来て説明をするのが、私はやはり政治家の務めではないかなと思います。

 不起訴処分になって、政治資金収支報告書の虚偽記載に幹事長が関与していたかどうか、国民はそんなことだけを知りたいんじゃないと思います。例えば、四億円の土地の原資がどこから来たのか、ゼネコンからの賄賂でなかったのか、それから、新進党、自由党を解党したときの党のお金がどうなったのか、そういったことを国民は知りたい、そして、なぜ政治活動として十億もの不動産を取得する必要があったのか、そういった点を国民は知りたいんだと私は思います。

 ですから、その点について国会の場で説明されない限り、私は国民の知る権利にこたえたことにはならないと思います。

 時間があと十分しかないので次に移りますけれども、夫婦別姓問題についてお伺いをいたします。

 現行法では、夫婦別姓が認められていなくて、夫婦は同姓であると。大臣は、現行法で夫婦別姓が認められずに、女性の九〇%以上が夫の姓に変更しているというこの現状が、女性の権利、人権を侵害していると思われますか。

千葉国務大臣 基本的には、女性だけのことではございませんで、それは、女性にとっても男性にとってもそれぞれの選択をすることができる、こういうことが基本的な幸福追求にも資しますし、そういう意味では、女性、男性問わずして、憲法の規定をしている、大きく言えば人権の尊重あるいは幸福追求の権利、そういうものと相反する部分があるというふうに思います。

稲田委員 そうしますと、現行法で法律婚をする夫婦に同姓を義務づけていることは、基本的人権の侵害、もしくは基本的人権を侵害するおそれのある制度だとお考えですか。

千葉国務大臣 そればかりではありません。例えば男性と女性の両性の平等というようなことから考えても、一定の、人権を侵害するといいますか、抵触をする、それを脅かすような、そういうおそれは私はやはり持っているものだというふうに思います。

稲田委員 同じ質問を副大臣にしたいと思います。

 現在、法律婚をしようと思えば夫婦は同姓ということを決めているわけですけれども、それが、女性であるか男性であるか、人権の侵害もしくは侵害のおそれに当たるとお考えでしょうか。

加藤副大臣 現行法では、婚姻届を出されたときには、夫の姓を名乗るか妻の姓を名乗るか、同一にするにしてもどちらかは選択できるということになっておりますが、結果的に、九〇%以上、九五%ぐらいでしょうか、男性側の氏になっているという現実があるのは私も理解をしております。

 そのことが女性の社会進出に伴って大変御不便がある、あるいは、よく私も友人などに言われますのは、少子化の折、家名を継ぐ人がいなくなる、お墓を守る人がいなくなる、これも困ったなというような声も聞いております。

 そういうお困りの状態というのが、いわゆる一般的に言うところの人権侵害あるいはそれをするおそれに当たるかどうかというのは微妙なところでありまして、なかなか明確にお答えするのは難しいとは思いますが、しかし、実際にそうしてお困りの方がいらっしゃるときに、御自身の判断でその困っている状態を解消できるという知恵を我々が考えていくということは有益なことではなかろうかというふうに思っております。

稲田委員 大臣は、最終的には戸籍制度を廃止すべきだとか、それから、そもそも、法律婚制度、届け出をする、婚姻届をするという制度については反対ですか。

千葉国務大臣 基本的に、私は、法律婚制度に全く反対ではございません。

 それから、戸籍制度を廃止する、一つの考え方として、個人的な登録制度ということも選択肢としてあり得るのではないかということはこれまでも考えてきたことはございますけれども、別に、すべて廃止をするというふうには考えておりません。

稲田委員 千葉大臣が、かつて、福島みずほ少子化担当大臣と「夫婦別姓 家族をここからかえる」というブックレットをお出しになっております。

 その中で、千葉大臣は、そもそも、家族がどうだとか、だれとだれがカップルであるとか、そういうのを何でお国に届けておかなきゃいけないのかな、それが不思議なんだ、結婚しましたのでなんて、何でお国に届けなきゃいけないのかなということで、法律婚、届け出をすることに疑問を呈しておられます。

 また、この末尾にクエスチョンとアンサーがありまして、「通称使用も事実婚もできるのだから、夫婦別姓を法制化する必要はないのじゃないですか?」という質問に対して、答えで、「たしかに結婚届を出さない人がふえ、婚外子差別がなくなることを本当に望んでいます。」とこの中で書かれているんですけれども、大臣は、法律婚主義、結婚しましたという届け出をするという制度、また、一つの戸籍に夫婦と氏を同じくする子供が住んでいる戸籍制度、これについて反対なのではありませんか。

千葉国務大臣 私も、そういう考え方もあるなというふうには、そこでも申しておるとおり、届け出をしなくてもみんながわかり合えるという社会だっていずれあり得るかなということは言ったこともありますけれども、別に、法律婚を今の段階ですべて否定するとか、あるいは戸籍とか登録の制度を全く否定しようということには、私自身は今考えをまとめているわけではありません。

稲田委員 そうしますと、政治家千葉景子さんは、このときには、婚姻届を出すことについて、何でそんなことをしなきゃいけないのか、それから、戸籍があるから家制度があるのだ、戸籍をやめて個人登録にすべきだということをこの中で書かれているわけですけれども、そういう、政治家としての、千葉景子としての考え方はもうやめたということですか。

千葉国務大臣 そういう考え方も全くないと私も考えているわけではありません。

 ただ、私が、現在どのような制度が、あるいはどのような社会の形がいいかというふうに今考えをまとめているのは、法律婚をきちっとする、それから、戸籍という制度も多くの皆さんの納得を今いただいているということですから、その戸籍という制度を存続しながら、しかし、だれもが本当にみずからの生き方を選択できる、そういう制度を確立していきたいというふうに考えをまとめているところでございます。

稲田委員 そうしますと、大臣がかつて、何で結婚したということを婚姻届を出さなきゃいけないのか、また、婚姻届を出さない結婚がふえることはいいことだ、そして、戸籍制度があるから家制度から脱却できないんだという考えは、今はもうお捨てになったというふうにお伺いをいたしておきます。

 さて、今現在、この夫婦別姓についてどのような法案を出すかについて、どのような検討をどこでなさっているんでしょうか。

千葉国務大臣 内容は、もう稲田議員も御承知のとおり、法制審議会でさまざま検討をいただいたその内容を基本としながら、法案の取りまとめを、今、私のもと、法務省を中心にいたしまして、内閣の中で議論をさせていただいているということでございます。

稲田委員 この夫婦別姓の提出の予定が三月中旬ということなんですけれども、法務省に問い合わせをいたしましても、現段階で法案の中身はまだ決まっていない、論点はといいますと、何をやっているんですかと聞きますと、政務三役で検討中ですというような驚くべきお答えをいただいております。民法の改正という、我が国の婚姻制度、親子制度、相続制度、こういったものについて政務三役だけで検討をされている、私は、それは大変驚くべき答えだと思います。

 また、平成八年の法制審議会の案を基本に今検討しているということでありますけれども、ずっと民主党案の代表者として大臣が民主党の法案は出し続けられていたわけです。例えば子供の姓の決め方などは法制審議会の案と民主党の案と全く違うわけですけれども、その民主党の案を捨てて、そして法制審議会の案で今御検討されている、そのようにお伺いをしてよろしいですか。

千葉国務大臣 民主党の案を捨てたとか捨てないとかいうことではございません。さまざまな議論をする中で、子供の姓については一つにまとめた方が皆さんの御理解もいただけるし、混乱も少ないという御意見も多々ございますので、やはりそういうものも取り入れるということも大切なことだということで、法制審議会の結論を尊重しようということになっているわけでございまして、別に民主党案を捨てたとか捨てないとかいうことではありません。それも一つの考え方としてあり得るというふうには思っております。

稲田委員 この民法の改正というのは家族制度や我が国の婚姻制度にかかわる大変重要な問題でありますので、ぜひ十分な議論を、政務三役と言わずに、十分な議論をなされた上できちんとしたものを、提出をされるかどうかも含めて御検討いただきたいと思います。この問題についてはまた御質問もさせていただきたいと思いますので。

 本日はどうもありがとうございました。

滝委員長 次に、柴山昌彦君。

柴山委員 自由民主党の柴山昌彦です。

 本日は、まず検察捜査の公正性について伺います。

 民主党石川知裕議員が政治資金規正法上の虚偽記載罪で起訴されたにもかかわらず、小沢幹事長は不起訴となっております。この理由につきまして東京地検はどのように説明しているのか、改めて伺います。事実関係の確認なので、当局に伺います。

西川政府参考人 お答えを申し上げます。

 検察当局においては、小沢幹事長について、告発を受け、処分に必要な捜査を遂げた上、嫌疑不十分による不起訴としたものと承知をしております。

 嫌疑不十分のより具体的な理由について申し上げますと、検察当局において、収支報告書の作成、提出義務者でもなく、現にその作成、提出に直接かかわっていない小沢議員を収支報告書虚偽記入等の罪に問うためには、会計責任者らの行為を通じてみずから犯罪を実行する意思を有していたことが必要であるが、同議員にそのような共謀の成立を認定すべき証拠は不十分であると判断したため、嫌疑不十分により不起訴処分としたものと承知をしております。

柴山委員 石川元秘書の行為を通じて虚偽記載罪を実行する意思、これが認められなかった、共謀を認定するに足る証拠が不十分だったというようなお答えであったのでしょうか。

 共謀を認定するに足る証拠が不十分というのは、一体どういうことなんでしょうか。小沢氏は、当時の石川秘書が勝手にやったことで自分はあずかり知らないというように主張されているわけですけれども、検察は小沢氏が虚偽記載を知っていたことが証明できなかったわけではないのですか。

西川政府参考人 小沢議員に対する嫌疑不十分の具体的理由については先ほど申し上げたとおりでございまして、今の御質問にかかわりましては、小沢幹事長の認識も含めまして、ただいま申し上げた以上の事柄につきましては、現在公判係属処理中の具体的事件の証拠関係にかかわる事柄でありますので、お答えは差し控えさせていただきます。

柴山委員 繰り返しますが、小沢氏は、自分はあずかり知らないというように主張しているわけです。ただ、今回、検察側が嫌疑不十分とされたことについては、あくまで当該石川秘書との共謀について立証されていないというにすぎません。

 一月二十一日に私が予算委員会で指摘したように、小沢氏は、自分の積み立ててきた金で世田谷の不動産を買うように石川氏に指示したと一方では言いながら、同じ金額を銀行から借り入れて当該不動産の購入資金とすることを了承して関係書類にサインしていたわけですから、どう考えても、小沢氏自身が前者のみずからの積み立ててきた金が収支報告書に記載されていないことを知っていたとしか思えません。

 検察がもし小沢幹事長が知っていたことが証明できたのであれば、そのようにぜひ指摘をしていただきたいと思います。

西川政府参考人 繰り返しになりますが、嫌疑不十分の理由については先ほど申し上げたとおりでございまして、今の小沢幹事長の認識の問題も含めまして、お尋ねの事柄は、現在公判係属中の具体的事件の証拠関係にかかわる事柄でございますので、答弁は差し控えさせていただきます。

柴山委員 では、本当に共謀の事実、共犯性は証明できないんでしょうか。

 現在、検察審査会に不起訴不当の申し立てがされていますから、そちらの展開にゆだねますけれども、私からは判例を一つ紹介します。

 これは、暴力団の組長である被告人が、直接みずから指示を下さなくても、ボディーガードが襲撃に備えてけん銃を所持していたということを確定的に認識しながら、これを当然のこととして受容し、ボディーガードも被告人のこうした意思を察知していた以上、意思の連絡があるというように認定し、しかも、被告人がボディーガードを指揮命令する権限を有し、ボディーガードによって守られているという事実があることで、実質的には被告人がけん銃をボディーガードに所持させていたとして、銃刀法違反の共謀共同正犯を認めた事案です。最高裁の平成十五年五月一日の決定であります。

 こうした事例があるにもかかわらず、今回、小沢氏の起訴が見送られた背景として、最高検の伊藤鉄男次長や東京高検の大林宏検事長が消極的であったとか、あるいは、検事総長の人事に与党の介入があるのを恐れたとか取りざたされていますが、そのようなことがあり得るのか、当局に伺います。

西川政府参考人 個別事件の捜査機関の具体的活動内容、それからそれに関連する事項については、お答えを差し控えさせていただくしかないわけでございますが、検事総長の任命につきましては、検察庁法十五条一項により、内閣が行う、制度上そのようにされているということでございます。

柴山委員 検事総長の任命は内閣がするということを今おっしゃったんですけれども、確かに検察庁法十五条にはそのような規定が書いてありますけれども、例えば、先日、二月二十六日に開催された衆議院の予算第三分科会で、民主党の議員がこんな質問をしているんですよ。検事総長は内閣が任命すると書いてあるが、法務大臣が人事権の一環として自分が選んだ人を内閣に諮るということにはならないのか、また、法務大臣が民間人を検事総長に指名することができるのではないか。これについてはいかがですか。

西川政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、検事総長の任命につきましては、先ほど申し上げたとおり、検察庁法十五条一項によって、内閣が行うとされているところでございますが、検事総長の適任者について、その任命のための閣議を求めるのは法務大臣、制度上そういうような関係になるということでございます。

 それから、どういう方を検事総長に任命するか、民間人の登用はあり得るかということでございますが、これは検察庁法に規定がございまして、検察庁法十九条で、八年以上二級の検事、判事補、弁護士の職にあった者などを検事総長、次長検事、検事長に任命することができるとされておりまして、いずれにしろ、検事総長、次長検事、検事長には、この法律の定めに従い、その時々でその地位にふさわしい者が任命されるというふうに承知をしております。

柴山委員 例えば弁護士ですとかあるいは大学の先生とか、そういう方を検事総長に任命することも理屈の上では可能だということですね。

西川政府参考人 委員のおっしゃるとおりでございまして、検察庁法十九条の要件を満たせば可能でございます。

柴山委員 では、検察幹部、例えば検事総長あるいは次長検事、各検事長、こういった方に今申し上げたような民間人の登用をした場合に、どのようなことが起きると考えられますか。現に、民主党は、国家公安委員に高木前連合会長を充てています。どうぞお答えください。

西川政府参考人 事務当局としては、先ほど申し上げた制度の説明を申し上げるしかないわけでございまして、先ほど申し上げましたとおり、検察庁法十九条の要件を満たし、かつ、先ほど申し上げた手続に従って、その地位にふさわしい適格な者が任命されるというふうに承知をしております。

柴山委員 答えになっていないんですよ。時の与党の息がかかった民間人が検事総長になった場合、権力の適正なチェックに支障が生じないか、そういう疑問が当然出てくるじゃありませんか。

 また、先ほど申し上げた二月二十六日に開催された衆議院予算第三分科会、この委員会で、先ほど私が言及した議員はこんな驚くべき質問をされているんですよ。「千葉先生のように、弁護士の経験があって国会議員である方が法務大臣になった。法務大臣と検事総長を兼任することは可能でございますか。」「私は、解釈上、法務大臣と検事総長が兼任することは憲法上も検察庁法上も何ら問題はないというふうに思っているんです。ぜひこれは法務省内で研究されて、」「公式の解釈を書いていただきたいというふうに思います。」

 この発言をお聞きになって、刑事局長、どう思われますか。

西川政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘の分科会において、中島議員より、まず国会議員と検事総長との兼職についてのお尋ねがございました。それについて、私、その場では、憲法上、法律上、除外する規定はないという言葉を申し上げましたけれども、これはやや舌足らずでございまして、憲法、検察庁法には除外する規定はないという趣旨で答弁をいたしましたが、いささか正確性を欠いた嫌いがございますので、この場において正確な表現に改めさせていただきたいというふうに思います。

 その上で、お尋ねに関する法律の定めについてお答えいたしますと、国会法上、議員は、別に法律で定められた場合などを除き、「その任期中国又は地方公共団体の公務員と兼ねることができない。」とされているため、国会議員が検事総長となるためには法律の定めが必要でございますが、現在、そのような法律の定めはないので、国会議員が検事総長を兼任するためにはこの手当てが必要であるということになるというのが第一点でございます。

 次に、もし法務大臣が民間の方であったら検事総長と兼任することができるのだということになりますが、これは、国会法上の問題ではございません。しかし、他方、検察権は行政権に属するものではありますが、司法権とは密接不可分の関係にある。その独立性と政治的中立性を確保すべきことが要請されるということで、検察庁法十四条は、法務大臣は、「個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」と定めているところでございます。

 ところが、法務大臣が検事総長を兼任した場合を考えますと、検事総長たる法務大臣がすべての検察庁の個々の検察官の具体的事件の捜査や処理について指揮するということができることになります。したがって、さきに述べたような検察庁法の趣旨に反することとなると考えられますので、法務大臣と検事総長の兼任は、本来、法律が予定しているところではないというふうに考えられます。

柴山委員 当然です。こんなことを許したら、これまでいろいろと議論をされている法務大臣の指揮権、こんなことを議論しなくても、政治が検察に圧力をかけ放題ということになってしまうんですよ。こういう発想がある、こういう質問をする議員がいる、これは私はスキャンダルに匹敵する大問題と思いますよ。マスメディアはもっと大きく取り上げるべきです。このような発想があること自体、私は、今の与党の極めて危険な体質をあらわしている、そういうふうに言わざるを得ません。検事出身の議員もおられますけれども、私は同じ意見だと思います。

 ところで、東京地検が最高検などと小沢氏の処分について協議をしたとされる二月三日の一部新聞に、朝刊で早々と「小沢氏不起訴の方向」という報道があったんです。何でこういう報道があったんでしょうか。どのような背景によるものなんですか、お答えください。

西川政府参考人 個別事件における捜査機関の具体的活動にかかわる事柄については答弁を差し控えさせていただきますが、今の御質問が、あるいは検察当局側から何らかのリークがなされたのではないかという御質問であるとすれば、従来から、捜査上の秘密に検察当局は格別の配慮を払ってきたものと承知をしておりまして、捜査方針や捜査情報を外部に漏らすということはあり得ないというふうに承知をしております。

 報道機関各社は取材活動に基づいてさまざまな情報を各社の判断で記事にしているものと思われますが、各社の判断の根拠は承知しておりませんので、法務当局としてコメントすることはできないところでございます。

柴山委員 民主党でも検察情報の漏えいに関するプロジェクトチームが立ち上がったということを仄聞しておりますけれども、今の御答弁にどれだけの方が納得をされるか、私は極めて疑問であります。

 私も実は与党時代に、重要な政策会議が開かれるまさにその日の朝、ああ、こうやって役所側の方針にしっかりと異論を唱えてこようと、喜び勇んでというか、しっかりと決意を固めて会議に臨むわけです。ところが、その朝刊に役所側の方針が、本来一部の政党幹部とか役所の中でしか知らないはずであるにもかかわらず、ばんと新聞に掲載されるという経験を何度もしております。

 これは意図的なリークではないんですか。これは、さまざまな一覧表とかを使って、そういう形でリークをされることがあり得るわけです。いかがですか。(発言する者あり)

西川政府参考人 委員の今提起された問題について私は承知しておりませんので、お答えができませんけれども、検察当局に関しましては、先ほど答弁申し上げたとおりということでございます。

柴山委員 先ほど後ろの方から、それは自民党の幹部が漏らしているんじゃないかというお話がありましたけれども、例えば、今回の検察捜査のさまざまな情報の漏えいというのは、与党幹部は経由していないんです。にもかかわらず、本当にこういう形で、しかも大変重要な会議が開かれる朝に、その会議に予断を与えかねない非常に重要な情報が出てくるということは極めて問題だと私は思っています。ぜひ、情報管理には注意を徹底してほしいというように思っております。

 いずれにせよ、秘書に当たる者、しかも現職の、現在国会議員の身柄をとって、しかも小沢幹事長の取り調べを二回も長時間にわたって行って、黙秘権の告知を行い、被疑者調書もとりながら、また資金源について再三小沢氏本人の供述がぶれているのに起訴を見送るというのは、私は経験則上、極めてイレギュラーであると感じています。

 さて、政治資金規正法以外にもさまざまな問題点があります。石川議員も小沢幹事長も、不正な、かぎ括弧が必要かと思いますが、不正な資金を受け取ったことは断じてないと言われていますけれども、それでは、なぜ、石川議員が、御自分も認めておられるように、不動産購入の資金源をこのような形で隠し、そして小沢幹事長がそのことに異を唱えなかったのか、納得のいく説明はついぞありません。

 先日の予算委員会で、私は千葉法務大臣にお伺いいたしました。もし公共工事を受注する会社から国会議員が見返りとして寄附を受けた場合、あっせん利得罪などの刑罰に触れる可能性はありますか。覚えておられると思います、いま一度御答弁ください。

千葉国務大臣 一般論として、あっせん利得処罰法上の公職者あっせん利得罪というのは、公職にある者が、国もしくは地方公共団体が締結する契約または特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、またはさせないようにあっせんをすることまたはしたことについて、その報酬として財産上の利益を収受したときに成立をする。この要件に当たればあっせん利得罪に該当する、成立をすることになるというふうに思います。

柴山委員 今の要件の中で、野党の議員には、公務員に対する影響力を行使する権限は認められないんでしょうか。

西川政府参考人 お答え申し上げます。

 これも一般論でございますけれども、あっせん利得処罰法第一条の主体、これは衆議院議員、参議院議員または地方公共団体の議会の議員もしくは長とされております。

 また、同法立法時の国会審議によりますと、同条に言うその権限とは、公職にある者等が法令に基づいて有する権限を行うもので、その例としては、議案発議権であるとか修正動議の提出権あるいは質疑権等もろもろが挙げられております。

 また、その権限に基づく影響力というのは、この権限に直接または間接に由来する影響力、それから、法令に基づく職務権限から生ずる影響力だけではなくて、法令に基づく職務権限の遂行に当たって当然に随伴する事実上の職務行為から生ずる影響力も含むと承知をしております。

 したがって、あっせん利得処罰法は与野党の議員の区別はしておりませんので、一般論として申し上げれば、以上の要件を満たせば、野党の国会議員においても、その権限に基づく影響力が認められる場合はあり得るものと承知をしております。

柴山委員 今、大変重要な御答弁をいただいたと承知をいたしました。事実上の職務行為を含め、公務員に対する影響力というものを行使したということが認められれば、野党議員であってもあっせん利得法の処罰の対象となり得るという御答弁だったかと思います。

 私は、数件、事業者の話を耳にしていますが、岩手県では野党であっても小沢氏の影響力は絶大だったと承知をしています。現在公判中の西松建設事件でも、ゼネコン関係者の供述として、小沢事務所の意向で指名を外されたこともあったですとか、小沢事務所の意向には逆らえなかったというものが出てきています。

 こういう事情があったら、さっきおっしゃった影響力を行使する権限というものは認められるんじゃないですか。

西川政府参考人 委員御案内のとおり、犯罪の成否それから犯罪の構成要件を充当するかどうかというのは、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断されるべき事項ということでございますので、お答えはできないのでありますけれども、あくまで一般論ということで申し上げれば、このあっせん利得処罰法は議員立法であって、法務当局として立法時の検討資料がないわけでございますけれども、当時の委員会の質疑等を見ておりますと、提案者である議員が、国会議員が、例えば県の職員に対しまして、県の行う公共事業に対する国の補助金は過剰ではないか、所轄の委員会で質問するぞなどと言いながら、特定の業者との間で物品納入契約を締結するように働きかけた場合はそれに該当すると思うという旨の答弁をしたことがあるという、これも承知しております。

柴山委員 わかりました。

 では、一般論としてお伺いしますけれども、請託に関する要件として、入札手続における地元企業との公平な取り扱いを求めるといったような比較的弱い内容であっても要件を満たす、同罪成立のための請託の要件を十分満たすという理解でよろしいでしょうか。

西川政府参考人 今の御質問の点もやはり証拠によって個々に判断されるべき事柄ということでございますが、これもあくまで一般論ということでございますが、あっせん利得処罰法の請託については、同法立法時の国会審議によりますと、あっせん行為の請託とは、権限を有する公務員に一定の職務行為をさせるように依頼することであるというふうにされております。

 ところで、刑法百九十七条の四のあっせん収賄罪におきましては、公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、または相当の行為をさせないようにあっせんすることまたはしたことが要件とされておりますが、あっせん利得処罰法においては、このような職務上の不正行為をさせるとか相当の行為をさせるというのは構成要件になっておりませんので、被あっせん者に正当な行為を行わせた場合でも成立する犯罪であるとされているものと承知をしております。

柴山委員 専門用語で言えば枉法性という、要するに法律を曲げる内容であることは要件とされていないという今の御答弁だったかと思います。

 個別の指摘には御答弁をいただけませんでしたけれども、少なくとも、今申し上げたような内容の、つまり、よそから参入をしたい事業者が地元の事業者と同じような形で入札に参加ができるようにしてほしいというような、普通余り内容的に問題がない請託であっても同罪の請託として成立し得るというように私は受けとめました。

 あと、小沢氏のおひざ元で今話題になっている胆沢ダムですけれども、きょう、委員各位のお手元に写真をお配りしているかと思います。この写真を見ておわかりのとおりに、建設予定地にこんな立派な胆沢ダム学習館という施設があるんですよ。

 国交省にお伺いしますけれども、こんな施設はどこのダムでもつくるものなんですか。

三日月大臣政務官 お答えいたします。

 これは、国直轄のダム事業は現時点で四十八事業あるんですけれども、そのうち八事業において当該ダムの広報等を行うためのこうした施設を設置させていただいております。

柴山委員 こうした広報館、学習館はどういった基準で設けられるんですか。そもそも何のためにつくるんですか。

三日月大臣政務官 設置基準は特にありません。

 それぞれのダムが置かれている状況、またその進捗状況等を広く国民の皆様方や一般住民の皆様方にお知らせするため、広報、伝達するために設置させていただいております。

柴山委員 国民や一般住民に啓蒙普及というか、啓発宣伝、説明のために設けられるというのであれば、こんな立派な施設は要らないんじゃないですか。

 ほかには用途はないんですか。

三日月大臣政務官 済みません、何をもって立派と表現されているのかというのは私は存じ上げませんが、不断に、その事業にしろ、置かれているものにしろ、必要なのか必要でないのかということを検証していくことは必要だと思いますし、前原大臣以下、これまで行ってきた事業についても、人口が減り、そして少子長寿化が進み、財政悪化が進行しているこの機において、前例にとらわれることなく、継続事業であったとしてもそれを見直していこうという方針で、今、事業のさまざまな再検証を行っているところであります。

 今お尋ねの胆沢ダム学習館については、先生も御承知かと思いますが、胆沢ダムの学習館とともに、工事の監督員の詰所と合築させていただいておりまして、半々のスペースを分けながら使用をさせていただいております。

柴山委員 工事事務所だったら、ダム建設が終わったら取り壊すということになるんだと思うんですけれども、この学習館というのは、ダム工事が終わったら取り壊すんですか。

三日月大臣政務官 これは、旧胆沢町、現奥州市の教育関係者からの御要望にこたえて学習室を併設した施設となっておりまして、その工事が終わった後は、地域住民の皆様方の御要望におこたえする形で、地域の施設として活用される予定だと伺っております。

柴山委員 要望があるというふうにおっしゃいますけれども、どれぐらいこれは使われているんですか。

 ホームページを見ますと、この学習館というのは、十二月から四月までは閉鎖しているんですね。要は、やはり、建設工事の受注ということが本当に透明な形で行われたのかということを私は極めて疑問に思っているんです。一体、この学習館の必要性というのはどれだけあったんですか。(発言する者あり)さっき質問したじゃないですか、野党が権限を行使できるということを。どうぞお答えください。

三日月大臣政務官 先ほども答弁をいたしましたように、その事業の置かれている状況、進捗状況も含めて、住民の皆様方にお知らせする広報施設としてつくられたもので、地域の実情に応じて、御要望に応じて、教育施設等も併設する形で今活用がされていると。

 先生御指摘のとおり、十二月から四月までの冬期間については、工事が冬期休工、工事を休む状態になるものですから、休館とさせていただいておりますが、事前の申し込みがあった場合は臨時に開館をしながら活用をされているということでありまして、その必要性については、その当時あったものだということで、つくられたものだと承知をしておりますし、その活用状況については、私たちはしっかりと不断の検証をしてまいりたいというふうに思っております。

柴山委員 ところで、この施設の建設費用、それと、併設されていると言った工事事務所の建設費用、それぞれ幾らかかっているんですか。

三日月大臣政務官 これは、約一億二千万円の費用をかけて建設されております。

柴山委員 一億二千万というのは、この学習館の費用単体ですか。それとも、併設されている立派な工事事務所、これも合わせての費用なんですか。

三日月大臣政務官 失礼いたしました。

 学習館の建設費用が一億二千万円でございまして、詰所の合築分も含めて全体フロアにかかる費用は、約二億五千万という形で算出をされております。

柴山委員 ぜひ、この施設についても仕分けにかけて、その必要性というものを検討してほしいものだというふうに思っています。

 ちなみに、この学習館の受注事業者は何というところですか。

三日月大臣政務官 この建設は、十二年から十三年にかけて建設をされたんですけれども、当時受注した企業は高弥建設株式会社でございます。

柴山委員 今御答弁になった高弥建設、この会社と小沢事務所が一体どういう関係かということを、実は私は情報を持っております。ただ、時間の関係上、きょうはここまでにいたしまして、三日月政務官はここで御退室いただいて結構です。御出席どうもありがとうございました。

 さて、予算委員会で一部指摘をさせていただきましたけれども、政治家個人が寄附を受けた場合、法人から受けるのは当然政治資金規正法違反ですけれども、寄附を受けた場合は雑所得収入となり、政治活動のための支出を含む必要経費の総額を差し引いた残額は課税の対象となります。

 東京佐川急便事件では、金丸信元自民党副総裁が、政治資金規正法違反により、罰金二十万円の略式命令を受け、一たん刑事手続は決着しましたけれども、半年後に脱税で逮捕されました。検察当局が先輩諸兄に恥じない公正な捜査、処分をされるよう切に希望するものであります。

 ところで、特捜部を含めて検察人事の春の異動はいつですか。

西川政府参考人 お答えの前に、先ほど、あっせん利得処罰法の構成要件について若干間違いの答弁をしたようでございますので訂正をさせていただきます。

 先ほど、他の公務員に職務上不正な行為をさせることや相当の行為をさせることなどは構成要件となっておらずと答えたようでございますが、相当の行為をさせないことなどは構成要件となっていない、そういう意味でございますので、その点は訂正をさせていただきます。

 それから、検事の異動時期でございますけれども、通常、四月に多数の検事の異動があるほか、適時適切にそれ以外の人事異動も行われるということでございます。

柴山委員 適時適切な異動はもちろんありますけれども、当然、まとまった人事異動というものは四月一日に予定されているという御答弁だったかと思います。

 ところが、それを前にして、民主党の中でさまざまな活動がされているようでありまして、その一つが取り調べの可視化をめぐる動きですので、次に、この点についてお伺いしたいと思います。

 民主党は、取り調べの可視化法案を、平成十九年の臨時国会、第百六十八国会だったかと思いますが、また、平成二十一年の通常国会、第百七十一国会だったと思いますけれども、参議院に二回提出をされておりまして、二回とも可決しているんですね。当然です、参議院は民主党が多数派ですから。

 大臣、あなたもこの提出責任者に入っていたはずです。どうしてこれを今国会に提出されないんですか。

千葉国務大臣 私も、取り調べの可視化法案、参議院で提案をさせていただくという際に、何回かその議論には加わっておりましたし、責任者になっていたこともあるかと承知をしております。

 この取り調べの可視化については、今、その実現に向けて努力を続けているところでございます。決して出さないということを、方向を決めているわけではございませんで、さまざまな具体的な課題、あるいは、実務的に、実際に運用するに当たってそごがないような、そういう内容で整備をしなければいけないということもございますので、実現に向けて、今、省内に勉強会を設けて議論、検討を進めているところでございます。

 その結論をできるだけ早くまとめさせていただいて、法案提出の運びにできるだけ早く持っていくことができればと考えております。

柴山委員 運用の問題その他というようにおっしゃいましたけれども、この可視化というのは、非常に大きな重たい問題なんです。

 どのような形で対象となる事件をピックアップするのか、本当にすべての事件で取り調べ過程を録画、録音するのか。あるいは、出張尋問のような場合に一体どのような手だてを講じるか。また、財政が一体どういう形で手当てをされるのか。諸外国がどういう形で運用されているのか。プライバシーの配慮、こういうことが必要なのではないか、特に暴力団犯罪のような場合で問題となります。また、新型捜査。こういう形で取り調べ過程をオープンにしていく一方で、しっかりと捜査の機能というものを失わせないための捜査機能の強化ということについて、いろいろと必要な検討があるんじゃないか。そういうような、本当にさまざまな検討をしなければいけないと思っております。

 冤罪を防ぐことも正義ですけれども、罪を犯した者を逃がさない、うそをつけば逃げられるという制度にしない、そういうこともやはり正義だと思います。

 大臣、大臣はさっき、法案提出に際して議論をさせていただいたというふうにおっしゃいましたけれども、この法案、中身を見ましたけれども、至ってシンプルで、議論の形跡が全く見えない法律なんですよ。今大臣がおっしゃった事柄、そういったさまざまな配慮を、さきの法案を国会に提出するときに何で議論をされなかったんですか。

千葉国務大臣 確かにシンプルな法案であろうというふうに思います。

 しかし、そのときに可能な限りで議論や、あるいは論点を党内で議論させていただいた、あるいはいろいろな皆さんから御意見をいただいたということもこれは事実でございます。ただ、そのときにまだまだ十分に議論し尽くしていない、あるいは、今委員がおっしゃったようないろいろな問題点、まだきちっと精査をし尽くしていない部分がやはりあったなというふうに今考え、さまざまな詰めをさせていただいているということでございます。

柴山委員 これはあの後期高齢者医療制度廃止法案と同じなんです。いろいろ調整や検討が必要だとわかっていながら、争点を単純化して、やりますといって有権者を引きつけて、衆議院で否決されると知りつつ欠陥だらけの単純な法案を参議院に提出して、政権をとってみたら、やはり先送りだと。これでは、詐欺だ、あるいはパフォーマンスだと言われても仕方ないじゃないですか。

 どうですか、大臣。

千葉国務大臣 その御指摘は、私は当たらないというふうに思っております。

 参議院でも議論した際に、そのときはできるだけの詰めやあるいは論点を真剣に議論させていただいたというのは事実でございます。ただ、やはり改めて考え直してみますと、漏れていた論点や、あるいは実務的にここは詰めておかなければいけない、そういう問題も出てくるということも事実でございまして、私たちは、それに真剣にまた改めて対応をさせていただいているということでございます。

 決してパフォーマンスで、あるいはまた議論を全くせずして形だけ出したなぞということは全くございませんので、そこだけは御理解をいただきたいと思います。

柴山委員 これは政治の質が問われている問題なんです。マニフェストというものは一体どういう性質のものなのか、そして、それを実現するために一体政治家はどういう責任を持っているのか、こういうことをやはり与野党を超えてしっかりと、これからいろいろ、政権交代ももっと頻繁に起きるはずですから、議論をしていくべきだというように思っております。

 さらに、見過ごせないのは、さっき異動の話もしましたけれども、この問題を民主党が検討されているタイミングなんですよ。

 先ほど申し上げた、東京地検が最高検などと小沢氏の処分について協議をする日だったまさに二月三日の参議院本会議において、施政方針演説など政府四演説に対する質疑の中で、民主党の参議院議員が、延々とこの被疑者取り調べの全面可視化の必要性を訴えるとともに、千葉大臣に、可視化法の今国会成立に向けた決意と、いつごろ提案されるのかという見通しについて質問されました。間違いありませんね。

千葉国務大臣 そのような御質疑があったことは事実でございます。

柴山委員 これについて千葉大臣はどのようにお答えになったか、御記憶ですか。

千葉国務大臣 基本的に概略になるかというふうに思いますけれども、そのときのお答えといたしましては、今の段階で提出時期について確定的に申し上げることはできない、政務三役を中心にして今論点を精力的に議論させていただいている、こういうことを概略御答弁申し上げたと承知をしております。

柴山委員 大臣は、今おっしゃったように、省内に政務三役を中心とする勉強会を設けて検討するというような内容をまずおっしゃっております。そして、提出時期については、「今確定的なことを申し上げることはできませんが、」「今後とも皆さんの協力の下にこの実現に向けて取組を進めてまいりたいと思います」、このように御答弁をされているわけです。

 そこで、加藤副大臣にお伺いします。

 今大臣がおっしゃった、省内に政務三役を中心とする勉強会を設けてというようなお話がありましたけれども、この可視化についての省内勉強会は既に活動しておりますか。

加藤副大臣 大臣がお答えをした省内の勉強会については、昨年から活動を進めさせていただいております。

柴山委員 いつ開催をされたんですか。

加藤副大臣 これまで開催されました省内勉強会の日程でございますが、昨年の十月二十三日に第一回目、同じく十二月二十五日に第二回目、そして、年が改まりまして本年一月二十日に第三回目の勉強会を開催いたしております。

柴山委員 一月の二十日、微妙な時期ですね。

 次回はいつ開催されるんですか。

加藤副大臣 本日今の段階では、まだ決定をいたしておりません。

柴山委員 また、この省内勉強会に加えて、副大臣を座長とするワーキンググループが開催されているというように仄聞をしておりますけれども、このワーキンググループはどのように開催され、どのような問題を扱っているんですか。

加藤副大臣 国会の日程にもよりますので、一〇〇%このリズムでということではございませんけれども、おおむね毎週一回程度ワーキンググループを開催させていただいておりまして、第一回目の省内勉強会で指摘をされた論点等について研究を進めているところでございます。

柴山委員 ちなみに、勉強会あるいはワーキンググループで議事録はちゃんとつくられているんですか。

加藤副大臣 あくまでも私どもの研究、勉強のための会でございますので、議事録というものは作成をいたしておりません。

柴山委員 これはぜひ、本気で検討している会議であれば、しっかりと議事録をつくっていただきたいと思います。

 それから、これは、被疑者段階の取り調べも重要な論点なわけですから、公安の方とも、公安委員長ともしっかり連携をとって、ぜひ、きちんと誤りないような制度設計にしていただきたいということを希望したいと思います。

 あと、民主党の中にも取り調べの全面可視化を実現する議員連盟というのが立ち上がっていて、何か当局の人を呼んでヒアリングをしているということなんですけれども、これはいつ開催されたんですか。

西川政府参考人 お答え申し上げます。

 取り調べの全面可視化の実現を求める議員連盟から要請があったことから、本年二月十六日と二月二十三日の二回、法務当局において、同連盟の会合に出席させていただきまして説明を行いました。

柴山委員 余りよそ様の党についていろいろとせんさくするようなことはいけないかもしれませんけれども、どのようなことが議題になり、どういう追求がされたのか、差しさわりのない範囲でぜひお答えください。

西川政府参考人 先ほど副大臣が答弁なさいましたような取り調べの可視化に関する省内勉強会について、開催状況等について説明を求められましたので、これらの点について報告をいたしました。

柴山委員 誤解をしていただきたくないんですけれども、可視化に伴うさまざまな問題点に、先ほど申し上げたような形できちんとした検討が加えられ、そしてそれに対する対応が行われた形であれば、全面的な録音、録画を進めることに私は賛成なんですよ。

 ただ、先ほど来申し上げているように、政治的な思惑ですとか不当な圧力ですとか、そういうものを伴わない形で、冷静に政策そのものを純粋に議論していかれることを強く希望申し上げまして、ちょっと早いですけれども、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

滝委員長 次に、馳浩君。

馳委員 おはようございます。自由民主党の馳浩です。

 きょうは、まず親権の問題の方から先に入りたいと思います。最近また報道が相次いで心を痛めております虐待という観点からの親権の問題と、それから、離婚をした場合、いわゆるハーグ条約に関する問題での親権の問題、まずこの二点から入りたいと思います。

 私は、新聞記事を見て大変なるほどなと思って、参考に質問をさせていただきます。二〇一〇年二月二十八日日曜日の北陸中日新聞の「虐待めぐる親権制限の検討」この新聞記事を参考にいたします。

 今現在、親権の一時・一部制限について研究会の報告がなされて、そして法制審議会の方に諮問をされる、検討の段階である、こういうことを承っております。また、この件については、先般、予算委員会の分科会でも取り上げさせていただきました。

 そこで、この記事をちょっと読み上げさせていただきます。

  親権制限が導入された場合、子・親と児童養護施設、里親の関係、家裁や児童相談所の役割が変わってくるなど、大きな影響があるはずだ。親を納得させられる公正な判断を担保するために、子どもの親権制限には必ず家裁が関与すべきではないか。

このような提案が記事の中においても出されておりました。そして、続けてこうあります。

  仮に家裁や児童相談所の関与が広がれば、業務量も当然増える。議論が深まらない理由を、虐待防止に長年携わる弁護士は「関係機関、特に裁判所の積極的に関与したくない姿勢がにじみ出ている」

この取材に応じた弁護士さんはこういうふうに申しておられました。

 そこで、これは私たちなかなか、司法にかかわる人を含めて予算を拡充することは、これまた政治的な課題でもありますが、もし、業務量がふえるから困るとか、こういうふうな言い方を、現場の家裁の方や弁護士さんや、かかる司法関係者が言うとしたら、これは本末転倒ですね。むしろ、現状に合わせたあるべき姿としての司法の体制整備をすべきではないか、私はこのように思うんですよ。

 概略的な問いかけではありますが、大臣に、こういう心配が一部司法関係者からなされているという指摘に対して、どのような見解をお持ちですか。お聞きしたいと思います。

千葉国務大臣 基本的に、これから親権制度、そしてその制限などについて、まだ、最終的な考え方がまとまった、法案になっているということではございません。

 そういう中で、裁判所がどのような関与をするのか、あるいはどういう形で虐待防止のための何らかの役割を果たすのかということは、なかなか難しい問題ではあろうかというふうに思っております。裁判所ができることというのは、ある意味では限られているのかな。

 ただ、全体として、やはり司法というのが十分にその機能を果たし、そして今の現実の社会の課題についてきちっと対応する、そういう体制をつくるのは当然のことだというふうに思っております。

 そういう意味で、忙しくなるから困るのだというようなことは許されることではなくして、むしろ、私ども全体として、司法、裁判所などの体制の充実やあるいは財政のきちっとした措置、こういうものについて努力をしていかなければいけない、こう私は考えております。

馳委員 大臣のおっしゃるとおりだと私も思います。

 この記事は、こういうふうな結びとなっております。

 親権制限を加えた社会的養護制度について、裁判所など公の機関は考えを明確にして目指すべき姿を描き、現時点での最善の施策は何かを、議論していくべきではないだろうか。

こういう提言という形で取り上げられておりますので、私は今の大臣の答弁はそれで十分だと思いますし、先般もお約束いただきましたが、この問題については、厚生労働省と連携をとりながら、親権の一時・一部制限をするとしても、公的な関与がやはり一定程度必要である、こういう理念のもとに体制の整備に取り組んでいただきたい、まずこのことを申し上げておきます。

 もう一点、実は私、きょう厚労省の方を呼んでいないので、これは大臣には所感としてお聞きしたいと思います。

 親権には五種類あるということは先般も申し上げたとおりですが、財産管理権の問題です。この記事の中でもこういうふうに取り上げられているんですね。

  新年度実施予定の「子ども手当」に関連した課題もある。施設入所の子どもらにも支給される方向だが、親権には子どもの財産管理権も含まれる。一方、研究会が提言した施設長らの優先権限には財産管理権は含まれておらず、親が財産管理権を盾に支給金の権利を要求してくる恐れが出てくるのだ。

これもやはり一つの課題だと思います。

 子ども手当の是非等については、これは厚生労働委員会で話し合われることではありますが、親権を盾に、財産管理権があるのだといって、一時保護している児童相談所であったり、また強制あるいは同意の入所をしておる乳児院とか児童養護施設に、よこせと。これはやはりなかなか対処が難しいだろうなというふうに思います、特に現場は。

 したがって、親権の一部として財産管理権がある、そして、子ども手当のお金は、直接子供に行くのではなく、やはり親権を持つ者に与えられるわけですね。そうすると、財産権が優先するのか、それとも子供が今置かれている現状が優先するのか、この判断というのはやはり大変難しいと思うんですよ。

 私は、このことをまず指摘した上で、これは直接質問通告しておりませんでしたが、こういう問題もあるということの認識をいただきたいし、このことにもやはり法務省としても一定の見解を示した方がよいのじゃないかなと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

千葉国務大臣 今この場での御質問でございますので確たることはなかなか申し上げられませんけれども、子ども手当の支給の対象が、子供ではなくて親権者を含む保護者という建前になっているというふうに承知をいたしております。

 そういう際に、親権、財産管理権ということをもって、それを盾に、何かトラブルが起きるということになっては、本当に、これは子供のためにという大きな理念があるわけですので、大変混乱を来すというふうに思います。

 そういう意味で、適切にこの支給がされるように、当然のことながら、厚生労働省ともきちっとすり合わせをさせていただき、そごのないようにしてまいりたいというふうに思います。

馳委員 もとより私は子ども手当という政策については反対の立場ではありますが、これは、法案が通れば国会の意思として、行政は適切に業務を遂行しなければならない、そうなったときに現場が混乱することがあってはならない、改めてこのことを指摘しておきたいと思います。

 次に、今度は、二〇一〇年二月二十七日土曜日の朝日新聞の「ハーグ条約早期加盟 首相が検討指示」この記事に基づいて指摘をし、説明を求めたいと思います。

 私もかねてからこの点は委員会でも指摘をしてまいりましたが、いよいよ鳩山総理がハーグ条約について早期加盟の検討を指示した、こうあります。そこで、この中で、なるほどなという心配事項がまずあります。一点目です。

 加盟への道のりは平坦ではない。加盟した場合は、外国からの要請を受けて子の所在を確認し、子を元の居住国に返還するなど、条約上の義務を果たさなければいけないが、どの省庁がどのような法に基づいて何を行うのか、検討はこれからだ。中心的な役割を果たす機関として条約が設置を求める「中央当局」についても、外務省は「加盟国の多くがそうしている」として法務省を想定しているが、法務省は「各国との窓口の役割なら、外務省が適当」との立場をとる。

こういう指摘になっておりまして、ここはやはり岡田外務大臣と千葉法相で話し合いをして、どこがこのハーグ条約を締結するために中心的な役割を果たすのかということを決めた上で、その上で当然関係する法令も準備しておかなければいけない、このように私は思います。

 こういう指摘が朝日新聞によってなされておりますが、さあ、外務省でしょうか、法務省でしょうか。検討の途中ではありましょうが、現在における見解をちょっとお示しいただきたいと思います。

 最初に西村さんにお伺いした方がいいかな。では、西村さん、お願いします。

西村大臣政務官 御質問いただいてありがとうございます。

 ハーグ条約でございますが、委員も御存じのように、国際結婚の破綻に伴う子供の親権が昨今大変大きな問題となっておりまして、外務大臣に対しても、各国政府から何度となく、この問題の早期解決をということで申し入れ等がなされているところでございます。

 今、国際結婚の件数はどんどんふえておりますので、やはり放置するわけにはいかない事態に立ち至っているというふうに考えまして、今、法務省とも協議をいたしまして、この条約について検討を行っているところでありますけれども、中央当局については、まさに今後の議論ということになってくるのではないかというふうに考えております。

 この条約のプラクティスも各国によってそれぞれでございますし、また、そのことによって守られるべきはやはり子供の福祉、子供の最善の利益であるというふうに考えますので、それがいかにして守られるのかという観点から検討をしていきたいというふうに考えております。

馳委員 千葉大臣、いかがでしょうか。

千葉国務大臣 今、外務省西村政務官からも御答弁がございましたけれども、総理も今大変意欲的にこの問題を考えておられるということでございまして、外務省そして法務省、あるいは、これは多分関係省庁も大変多岐にわたることになろうかというふうに思います、そういう間で、できるだけ、論点や、あるいは締結の方向について議論をこれから進めていこうということでございます。

 中央当局につきましても、この条約がどのようなことをその中央当局に求めているのか、そういうことももう少しきちっと精査をし、各国の状況や、あるいは、それにふさわしいのがどういう部署なのか、こういうことも考えつつ、しかしながら法務省としても積極的に、この協議を連携して進めてまいりたいというふうに考えております。

馳委員 そこで、二つお尋ねしたいのは、これはいつまでにやりますか。やはりこれは、ゴールを決めておいて、逆算をして、今ほど申し上げたような、中央当局をどこにするか、関係法令をどうまとめるか、こういう作業をしていくスケジュール観というのは必要だと思うんですね。私は、今多分お答えしづらいと思いますので、基本的なこういう問題は、やはり一年ぐらいかけて検討した上で、来年の通常国会には関係法令も出し、また、ハーグ条約を締結するという姿勢を示していく、こういう政府としての大きな方針は必要だと思っております。

 加えて、今の問題に一歩私なりに踏み込むならば、これはやはり外務省が中央当局になった方がよいというふうな指摘を私はしたいと思います。西村さんも今おっしゃったように、子供の最善の利益ということを考えるべきなんですよ。これはまさしく、国際離婚ということになってくると、子供にとって親は親である、その子供の置かれている現状を、どう法的に、外交的に対応していくか。やはり交渉する前面に立つのは、これは外務省であるべきだと私は思います。と同時に、今から共同親権の話を指摘したいと思いますけれども、こういう国内法の問題については法務省が前面に立って責任を持ちますよ、こういう連携が必要だなという、これは私の私見でありますが、まず申し上げておきたいと思います。

 そこで、共同親権導入へ向けての問題を、また記事の方から指摘したいと思います。

  日本の加盟は、一部の国際結婚カップルだけにかかわる問題ではない。条約は、子と別居する親の面会権も保護しているため、日本人夫婦で離婚後、子と会えなくなった側や在日外国人らが波及効果に期待を寄せているのだ。

  加盟国の多くは、一九八〇年代以降、離婚後も両方の親が親権を持つ「共同親権」に移行し、子どもが両親の家を行き来するのが当たり前だ。しかし、日本は離婚後は片方の親が親権を持つ「単独親権」制で、調停などで母親が親権を取るケースが八割を超える「母子関係優先社会」。子との面接交渉の権利が民法に定められていないこともあり、離婚後、子どもと交流を断たれる父親は少なくない。

  「離婚後も子は両方の親と交流するべきだというのが世界の潮流。ハーグ条約に加盟しても、日本の裁判所がこれに反した判決を出せば、条約を順守していないことになる」。

こういう指摘がありまして、棚瀬孝雄中央大法科大学院の教授はこのように警告をしております。

 「別居親と子の面会交流を原則として認めるなど、国際水準に合った形に国内法を整備する必要がある」

この問題は、むしろ私よりも千葉大臣の方がよく御存じであります。私も、共同親権については認めていくべき時代にある、このように思っております。

 そこで、これはもし答えられる方がいたら、単独親権、現在の民法において、なぜ日本はこの単独親権を後生大事に守り続けているのか、私はこういうちょっと意地悪な指摘をさせていただきたいと思います。

 なぜならば、国際結婚の数も、恐らく昭和三十年代のころと比べて現代ではけた違いにふえているはずでありますし、当然国際離婚もふえているでありましょう。私がいただいた資料で、離婚をした家庭の子供、十四万件の中で、二十四万人の子供が親が離婚している。そして、単独親権である。原則、子供に責任はない。子供が悪いから離婚するんだという親はちょっといないでしょう、あり得ないですね。そうすると、子供からすれば、お父さんはお父さん、お母さんはお母さん。しかしながら、日本の現在の民法では単独親権を優先しているんですね。

 まず、もしおわかりになれば、なぜ我が国は単独親権でなければいけないのか、この民法の原理原則的な、立法過程において、なぜ単独親権じゃなければいけないのかということについて改めてお示しをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、樋高委員長代理着席〕

千葉国務大臣 なぜ単独親権でなければいけないのか、私も、ちょっと今、確定的な、あるいは正確なことを申し上げることはなかなかできませんけれども、多分これまで、離婚をしたさまざまなトラブルが逆に子供に悪影響を及ぼしてはいけないのではないか、そういう意味で、監護をする親を決めて、なるべく子供をそういうトラブルや、あるいはそういうものから防御しよう、こういうのが、どちらかといえば、これまで単独の親権を維持してきた背景にはあるのかなという気がいたしております。

 ちょっとその程度で。今御質問いただきましたので。

馳委員 私は、この背景には、我が国の伝統的な家族観というものがあるんだろうなと思うんですよ。だから、記事にもありますとおり、母子関係優先社会。つまり、離婚した後、恐らく五割は超えているでしょう、ほとんどはお母さんが子供を引き取るわけですね。そして、この議論は、私は大臣もよく御存じだと思いますが、なぜ共同親権を求める方が多いのかという背景には、お母さんが、離婚をしたお父さんに会わせないわけですね。こうやって吹き込むわけですよ。お父さんは、離婚をしても養育費も払わない、DV、暴力、あるいは女性関係とか、とんでもないのよ、あんなお父さんみたいになっちゃいけませんなんて。なかなかやはり、協議離婚であったとしても調停離婚であったとしても、離婚後もお父さんと会えるようにしているようになっていたとしても、こうなるわけですよ。子供が会いたいと言わないから会わせません。この理由は随分多いんですね。

 したがって、私は最初に申し上げたように、子供が言っているからと、子供に責任を負わせるのではなくて、そもそも子の最善の利益を考えた上で共同親権という制度にし、そして、第三者機関、家庭裁判所が入るべきなのか、ADRのような組織がかかわるのがいいのか、これはまた議論があるところかもしれませんが、第三者機関的な部分で判定をし、そこにおいて会わせる機会を設ける、こういうふうにしていった方が子の最善の利益にかなうんじゃないかな、私はこういうふうに思っているんですよ。

 そこで、大臣、共同親権の必要性について認識をしますか。それとも、いやいや、単独親権のままでいいですよ、馳さん、そんなこと言わないで、共同親権を考える時期ではありませんよと思いますか。大臣の見解をお伺いしたいと思います。

    〔樋高委員長代理退席、委員長着席〕

千葉国務大臣 御質問いただきましてありがとうございます。

 ちょっと先ほどの御質問にかかわって、母子中心のというお話がございました。ただ、私のつたないいろいろなこれまでの活動の経験からいいますと、一定のところまでは、父親が親権を持つというケースがやはり多かったのではないかというふうに思います。

 それは、やはり経済的に、父親の方が経済的な力がある、そちらが親権を持つ方が子供のためにいいのではないか、そういう時代といいますか経過もあったと思いますので、もともと母子ということを中心にこの親権というのが考えられてきたかどうかというのは、いささか、ちょっとどうなのかなということはございますけれども。

 それはさておいて、私は、子供の最善の利益ということを考えたときには、どちらの親も子供の親として接触をすることができる、そういうことがやはり大事だというふうに思っております。今も、でき得る限り面接交渉、こういう場をつくる、法律に明文はございませんけれども、離婚に当たってそういうことを取り決めるということも随分行われておりますし、これから、例えば面接交渉の権利をきちっと法文に盛り込んでそれを実行していくということも一つの大きな流れかというふうに思っております。

 それと、さらに共同親権という形まで進めていくか、ここはもうちょっと議論をしていかなければいけない、いろいろな影響もどうなっていくのかということも含めて議論をしていく必要があるかなというふうに思っておりますけれども、いずれにしても、やはり、コーディネートをする、そういう環境があり、そして親子がいろいろな形で面接交流を続けることができる、こういうことは、私は方向としては大賛成でございます。

馳委員 またちょっと意地悪な質問をすると、この共同親権ということを、民法を改正して位置づけた方がよいと思いますか。

 今現在でも、単独親権ということについても民法の中には多分書いてないはずですよね。書いてありましたか。単独親権と書いてありましたか。(千葉国務大臣「離婚の際に定めること」と呼ぶ)定めることとありますから、一方を定めることとありますから、書いてありますね。

 では、やはり、共同親権についての概念や、また文言を入れるとすれば、これは民法改正ということになりますから大きな議論が必要になる、私はこのようなことを今大臣がおっしゃったんだというふうに認識します。

 それの前におっしゃった、子との面接交渉に関するかかわりは、これは民法に盛り込むような話かな。そうすると、やはり民法の枠のちょっと外に置いて、これはむしろ議員立法になじむような案件なのではないかなと思っておりますし、私たち議員の中でも勉強会をしながら、先ほど申した棚瀬先生などから、こういう案はどうだろうかという提案も既にいただいております。

 大臣は、単独親権、これを、共同親権を盛り込むかどうか、民法にかかわる大きな改善点である、そういう認識を持っておられると思いますが、民法の中で共同親権を位置づけた方がよいのかという議論をすべきか、そして、面接交渉ができるようにということは民法の枠の外に置いて、これはそもそも、国民の代表である国会議員が意見を集約して議員立法としてやった方がいいのではないかと思っているのか、ちょっとこの辺の考え方をお聞きしたいと思います。

千葉国務大臣 この法整備につきましては、これは当然、国会で、議員の皆さんの御議論の中で一定の方向をつくっていただくということも決して否定すべきものではないというふうに思っております。ただ、例えば共同親権というような形で民法を大きく改正するということになりますと、これは政府が責任を持ってそれに当たるということも大事だろうというふうに思いますので、これはさまざまな対応の仕方があるだろうというふうに思います。

 それから、面接交渉についても、これは法律の問題ではないというふうに、別な形で運用していくということも必要でありましょうし、あるいは、今明文はございませんけれども、離婚の際の、例えば財産を分与するとか、そういうものと同じように、面接交流についてきちっと離婚の際には取り決めなさいよ、こういうような条文を盛り込むということもあり得るのだろうというふうに思います。

 そういう意味では、これは形式とかそういうことに決してこだわることではなくて、まずは、子供の最善の権利、こういうものを保障するためにはいろいろな形で議論が進んでいくということが、そしてみんなが納得をしていくということが求められるのだろうというふうに私は思います。

馳委員 私は、今大臣は重要な示唆を与えていただいたと思います。共同親権について、民法改正を視野に入れた議論が必要なのではないかということではないかと思います。それでよろしいですか。

千葉国務大臣 もう少し正確に申しますと、共同親権ということをこれから方向を定めるのであるとすれば、やはり民法の大きな改正といいましょうか、そういう形で行うことが筋ではないだろうか、こういうことを申し上げました。

馳委員 今の段階ですから多くは語れないのかなと思いますが、とすれば、共同親権のあり方について、まさしく、法務省、政務三役のもとで研究会等を行った上で、法制審議会に諮問すべき、それにふさわしい問題点であると私は思っております。そのように理解してよろしいですか。

千葉国務大臣 それは当然、議論をさせていただいて、やはり必要だなという方向になれば、法制審議会なり、また国会などにも皆さんの御意見をいただかなければいけないというふうに思っております。

 ただ、今御議論をさせていただいている民法の改正案という中でも、面接交渉については、離婚の原因、それを明確にすると同時に、面接交渉ということも法文上もう少しきちっと明確にしていこうということも検討させていただいておりますので、面接交渉、あるいはその先に共同親権という議論もまた進んでくるのかなというふうに思っておりますが、まだそこまでの段階に至っていないというのが実情でございます。

馳委員 大変前向きな答弁をいただいたと思います。面接交渉、私は本当にこれは必要だと思っています。改めてこのことを強調して、では次の質問に移らせていただきます。

 けさ、日刊スポーツを読みました。びっくりしました。本日の日刊スポーツの記事にこうあります、「オウム真理教麻原原理派は十五年前そっくり」「前代表野田氏「警告本」出版」。私も早速、出版されたならば取り寄せて読みたいと思っています。

 団体規制法によって観察処分を継続していただいたこと、改めて大臣にはお礼を申し上げます。また、公安調査庁の諸君は立入調査を行い、大丈夫なのかなと、観察処分に従って対応しておるということにもお礼を申し上げます。

 しかし、全国に三十カ所近くありますオウム真理教関連、後継団体と言われているアレフ、ひかりの輪周辺住民にとっては、けさのこの新聞記事は極めて極めて心配な記事であります。ほら、おれたちの言っていたとおりだろう、我々の、施設周辺住民の暮らしを、あなた方は、国会議員は、あるいは公安調査庁や法務省はちゃんと守ってくれるのかね、こんな不満がせり出してくるけさの記事でありました。

 そこで、急遽私は、けさ法務委員会で質問の時間をいただいておりましたので、質問をさせていただきます。

 記事の内容をちょっと指摘させていただきたいと思います。

 最近の教団内部事情について「警告」している。同書によると〇二年ごろから、松本智津夫死刑囚(教祖名・麻原彰晃)の一部近親者が教団運営に口を出すなどし「裏支配体制」がスタート。内部が分裂するなどしたという。

  最近では、松本死刑囚への帰依を続ける「原理派」が実質的に運営しているといい、野田氏は同書で「現在の原理派連中がたどっている道は、九五年までの教団武装化の過程とまったく同じです。グル(師)麻原の絶対性を妄信し、外敵を作りながら、独善的な世界に閉じこもっていく道です」と指摘。「私が言えた立場ではありませんが、外から見ると「カルトって怖い」というのが本音です」と続けた。

  野田氏は日刊スポーツに対し「「麻原を処刑せよ」という気持ちは変わらない。現在の「麻原原理派」はかつてと同じ道をたどっており危ない。麻原絶対視の姿勢は、社会との摩擦を起こすでしょう」

こういう警告をしております。

 私も外敵の一人に入るかもしれません。なぜなら、私は、団体規制法の見直しをし、より一層内部のことが明らかにされるような法改正が必要だと言い、同時にそのための議員立法も準備しているということを公言しているからです。

 そこで、実は私は、この質問をお願いしようと思ったのがもう時間が過ぎておりましたので、公安調査庁からは直接答弁をいただくことはできませんが、大臣からかわりにお願いしますというふうにしてあります。

 現状、立入調査をし、また、金沢方式によって住民にもその一部、立入調査の情報が知らされております。現状、公安調査庁として、オウム真理教の後継団体の各地域にある施設についてどういう認識を持っておるのかをまずお示しいただきたいと思います。

千葉国務大臣 オウム真理教の現状について、公安調査庁においては、その実態解明にこの間努めておりますけれども、主流派及び上祐派ともに活発な動きを展開しており、依然として麻原彰晃の影響下にあるなど、本質的な危険性を引き続き保持している、こういう認識のもとで対応をさせていただいていると承知しております。

馳委員 国会の場で大臣からこういう答弁をいただいたことは極めて重いと私は思っています。

 改めて申し上げますが、いまだに麻原彰晃の写真を置いて、その教義であるタントラ・バジラヤーナを唱え、閉鎖的な体質は全く変わっておりません。

 私も、先般、金沢で行われた金沢方式による説明会に参加をさせていただきました。施設の周辺住民、金沢市の防災課、石川県警、そして公安調査庁、いわゆる四者が定期的に情報交換をしながら協議をし、見守っていこうと。住民は、一年三百六十五日、夜中の十二時過ぎまで見守りをいまだに行っております。私は、この金沢方式をぜひ公安調査庁にも御理解いただいて、全国の施設においてもできる限り対応をとっていただきたいというふうに要請をしてまいりました。

 そこで、実は、私が先ほど申し上げた団体規制法の見直しについて、こういう点はやはり必要なんじゃないかといった点を改めて申し上げたいと思います。

 一つ、立入調査に当たって、不審な物品について、それを押収することができるようにした方がよいのではないかというのが一点目。

 施設ではたびたび集会が行われております。その集会を行うということを、やはり報告義務として事前に提出をさせるということ。

 三点目として、毎年、団体規制法の対象となっている団体において収支報告書を提出すべきだということ。これらの報告について虚偽があったり間違いがあった場合に、報告義務違反である、こういうふうな罰則を検討すべきではないか。

 今、現状の法では、観察処分と再発防止処分の間に極めて高いハードルがあるということは、既に公安調査庁も理解しておるところでありますが、しかし、公安調査庁は私にこういうふうに言っております。馳さん、そんなこと言うけれども、法律ではそこまで求められていないんですよと。その答弁を聞いて、周辺住民は怒り心頭なんですよ、だったら何とかしろと。おれたちは二十四時間、一年三百六十五日、あのサリン事件の問題等がいつ起こるかわからないような、一番の不安は、いまだに麻原彰晃に絶対帰依、タントラ・バジラヤーナを信仰し、立入調査に入っても、公安調査庁は、怪しい水があったとしても、あるいは中からごみを出して何か穴を掘っているみたいだと、わかっているんですよ、周辺住民は見ているから、しかし、それについて一切知ることができない、物品も押収することができない。不安だから、わかるように透明性を頼むよ、これが周辺住民の声です。

 やはり私は、こういう声にこたえた法律の見直しを検討することから始める必要があると思っています。大臣、いかがでしょうか。

千葉国務大臣 馳委員の本当に強いこの間の御要請、それから大変なる御活動、心から敬意を表させていただきたいというふうに思います。

 その御意見もいただきまして、団体規制法、今回そのまま存続をさせるということにさせていただいたところでございます。

 今、その団体規制法に基づいて、最大限、住民の皆さんにもさまざまな状況を御報告するなどして不安の除去などに努めさせていただいてはおりますが、今、馳委員から御指摘のような、押収をするとかあるいは集会について事前の届け出をするとか、あるいは虚偽記載についての罰則、これは、現在の法律のもとではそこまで強い規制をすることはできません。

 御意見、十分に私も念頭に置きながら、今後の対応、どのような対応をすべきかどうか、またよく頭に置かせていただきたいというふうに思います。

馳委員 引き続き、国民が不安を感じることのないような対応を求めて、次の質問に移ります。

 裁判員制度について二つお伺いします。

 昨年五月二十一日、裁判員制度がスタートいたしました。順調にスタートしたと法務省としては判断しているでしょうか。そして、何か一年間を経て課題があるという認識をお持ちでしょうか。この間の法務省としての認識をまずお伺いするのが一点。

 二点目は、控訴審のあり方について、ある司法研究会の裁判官がこう述べております。一審の裁判員裁判の結果を尊重する、こういう声明を出しております。この事実関係を私は問うとともに、最高裁判所はこの発言についてどのように評価しているかをお伺いしたいと思います。裁判官の発言でありますから、最高裁も知らんぷりをしてはいけないのではないかなと思います。

 つまり、尊重するとはどういう意味かということです。控訴審のあり方からいって、裁判員裁判であろうとなかろうと、一審の誤りを正すのが控訴審でありますから、尊重するという発言を裁判官がしたのであるならば、これは不適切な発言であろうと私は思いますし、少なくとも、個人の人権保障の観点からいうと、民主的価値に重きを置き過ぎているように思えます。

 この経緯も含めて、また裁判員制度の評価も含めて、関係者に答弁をお願いいたします。

植村最高裁判所長官代理者 まず、裁判員制度施行後の評価でございますが、制度施行前は、本当に国民の皆様に裁判所に来ていただけるのかという思いもございました。これまで裁判員候補者の皆さんの裁判所への出頭率が極めて高いものをちょうだいしておりまして、多くの国民の皆様に御参加をいただいております。

 それから、裁判員経験者に対しましてアンケートを実施させていただいております。その集計結果を見ましても、審理の内容につきましては、理解しやすかったというふうにお答えをいただいた方が七二・二%に上っておりまして、おおむね国民の皆様にとってわかりやすい審理が実現されているのではないかというふうに考えております。

 それから、参加いただく前は、実は、やってみたいというような積極的な参加意向を示される方よりも、余りやりたくなかったとか、やりたくなかったなど消極的な参加意向を示される方の方が多かったわけでございますが、実際にやっていただいた後は、非常によい経験と感じた、あるいは、よい経験と感じたと回答された方が九八%に上っておりまして、充実感を持って制度に参加していただいたものと考えております。

 これらのことからいたしますと、国民の皆様の大変な御協力をいただきまして、これまでのところ、裁判員裁判は順調にスタートを切れていると思っております。今後とも、運用におきまして改善すべき点が出てくると思いますが、これらの点について適切な運用に努めたいと考えております。

 それから、二つ目のお尋ねでございますが、控訴審のあり方の問題でございます。

 委員の御指摘の、研究会のところでの裁判官の発言というのはちょっと正確には把握できておらないのでございますが、実は、裁判員制度のもとにおける控訴審のあり方というのは非常に難しい問題でございまして、裁判員制度導入に当たりまして、第一審、地裁の訴訟手続については大幅な改正があったわけでございます。現に、第一審の審理というのは、かつてに比べますとさま変わりになっております。一方、控訴審に関する刑事訴訟法の規定には変更がございませんでした。

 そこで、裁判官としては、裁判員制度のもとでの控訴審のあり方、どうしたらいいものかというのをこれまでも考えてきたわけでございます。もとより、この問題は個々の事件を担当する現場の裁判官それぞれが考えるべき問題ではございますが、手始めに、最高裁判所の中に司法研修所という機関もございまして、そこが裁判官の研究も担当しておりました。そこが、現場の裁判官三名とそれから刑事法の研究者一名に実は研究を委嘱いたしました。その結果が、平成十九年度の司法研究ということで公表されております。

 その中では、今委員御指摘のとおり、例えば、「第一審の判断は裁判員と職業裁判官とで協働して行われるものとなり、その判断には、国民の視点、感覚、健全な社会常識などが反映されることになる。そして、そのことによって司法への信頼が高まることなどが正に裁判員制度導入の意義であり、控訴審としては、こうした国民の視点、感覚、健全な社会常識などが反映された結果をできる限り尊重しつつ審査に当たる必要がある。」こういうふうに述べている部分がございます。

 私どもといたしましては、こういう研究成果を材料にいたしまして、今までもいろいろな研究会で検討を重ねてまいりましたし、今後とも、今後は現実に控訴審に事件が、今までも既に係属はしておりますけれども、今後とも係属してまいりますので、そういった中でさらに検討を尽くさなければいけないと思っております。

 もう少し司法研究の内容を御紹介させていただきますと、中では、すべての事件について第一審の結論を尊重し維持するというふうに言っているわけではございませんで、例えば、司法研究におきましても、証人や被告人の供述の「信用性の判断が、客観的な証拠と明らかに矛盾するなど経験則・論理法則上明らかに不合理であり、これが結論に重大な影響を及ぼすといった場合」でございますとか、間接事実を総合して立証する事案におきまして、「客観的な証拠により認められる事実を見落とすなどして、経験則・論理法則上あり得ない不合理な結論に至っている場合」などには第一審の判決を破棄することとなるというふうな報告も含まれております。

 いずれにいたしましても、裁判所といたしましては、控訴審のあり方につきまして、先ほどもちょっと申しましたが、裁判員裁判の現実の運用、これをよく見まして、現場の裁判官さらには刑事法の研究者にもさらに議論を深めていってもらいたいというふうに考えているところでございます。

馳委員 例えは悪いかもしれませんが、衆議院に対する参議院みたいなもので、補完、抑制、均衡という役割が参議院にはあるんだよというのを私は十五年前に参議院議員になったときからよく先輩から教えられたようなものでありますが。

 この裁判員制度についても、一審の、ある意味では司法に民主的な手続が入ってきた。しかし、制度として控訴審というものは当然認められておりますから、そのあり方について今までとはやはり趣が違ってきたんだなという認識は、やはり司法関係者も我々一般国民も持たざるを得ないんですよ。したがって、裁判員制度ができた、一年がたった、いろいろな検証をする中で、裁判員裁判をやったその後の控訴審のあり方というものをもっと、より検討すべきではないかなというふうに私は思っています。

 これも、大臣には、司法関係者であった専門家としても見解をちょっとお伺いしてこの質問を終わりたいと思いますが、いかがですか。

千葉国務大臣 裁判員制度につきましては、施行されましてから三年を目途に検証をするということになっておりますので、既にさまざまな今の実情などを私どもも収集させていただき、検証に当てていかなければいけないと考えております。

 そういう中で、やはり、今御指摘のあるように、控訴審のあり方とか、あるいは、私も、おおむね国民の皆さんが非常に真正面からこの制度を受けとめて、裁判員になった皆さんも真剣に対応していただいているということを本当に心から敬意を表しているところでございますけれども、例えば、時間をどうしても限られた中でやるので、被告人の防御権というのは十分にこれで果たすことができるのか、こういう御疑問もあることも事実ですし、それから、例えば被害者の皆さんにとっては、やはり法廷でそういういろいろな事実が裁判員の皆さんなどにもどうしても明るみになる、女性の被害者などについてもそういう大変御懸念もある、いろいろな問題がまだまだあろうというふうには思っております。

 そういう意味では、今の御指摘の問題も含めてきちっとした検証をさせていただき、そして、これからのよりよい制度にまた発展をさせていかなければいけない、こう私は認識をさせていただいております。

馳委員 もうあと残り五分しかないんですが、永住外国人の参政権問題にちょっと入らせていただきます。

 永住外国人の地方参政権付与法案が政府・与党として提出されるのではないかと話題になっております。この法案の理論的な根拠は、最高裁判所の平成七年二月二十八日判決の、判決理由ではなく傍論にあります。

 そもそも傍論とは何でしょうか。判決理由のほかになぜ傍論が述べられるのでしょうか。傍論の法的拘束力など、この法的な意味をお聞きしたいと思います。

階大臣政務官 お答えいたします。

 最高裁判例の傍論の意味ということで、私からお答えするのがいいのかどうかというお話でございますけれども、一応、外国人参政権との関係ですので、私からお答えさせていただきます。

 今御指摘の傍論については、法令上の明確な定義があるわけではございません。しかしながら、最高裁の判決の中で、判決の結論と理由と二つに分けたときに、理由の中でも、結論を導くのに必要な部分と、結論を導くのには直接必要がない部分と二つに分かれるわけでございます。

 そういった中で、結論を導くのに必ずしも必要ではない部分を傍論というというふうに理解しております。

馳委員 結論を導くのに必要ではない論、だけれども、議論はあったのでちゃんと記録として残しておきますよ、こういうふうに私は今認識をしました。

 そこで、この平成七年二月二十八日、当該判決の傍論でどんな内容が主張されたのかをお聞きしたいと思います。

階大臣政務官 お答えいたします。

 平成七年二月二十八日の最高裁第三小法廷判決ですけれども、以下のようなことを述べました。「我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。」このようなことを述べております。

馳委員 そういう傍論が、結論とは別の理由で述べられたということでいいですね。

階大臣政務官 先ほども述べましたとおり、結論を導くのに直接必要ではございませんが、最高裁の考え方として述べられたものでございます。

馳委員 今、階さんが申されたように、最高裁判決の単なる傍論である。しかも、その後に同様な傍論さえ出ていないこの状況の中で、この当該傍論を根拠にして、最高裁は、永住外国人の地方参政権付与について、立法でこれを付与することについて、憲法上許されると言っていると明言してよいのでしょうか。

階大臣政務官 先ほど引用しましたとおり、最高裁の考え方としては、憲法上、永住外国人等で一定の要件を満たす者に対して選挙権を付与するということは、禁止されているものではないというふうに考え方を示しているということだと思います。ですから、立法を積極的にする根拠となるかどうかということとは別だと思います。

 と申しますのは、最高裁の考え方自体、立法府に対して積極的に立法しろということを言っているわけではないわけでございます。言っているのは、禁止されていないということです。ですから、立法府が立法するか立法しないかは、すべて立法府の判断だということを述べているというふうに御理解いただければと思います。

馳委員 佳境に入ってきたんですが、時間なので、では最後に、次回の質疑の参考にさせていただくために、最高裁に聞きたいと思います。

 私が今質問したのは、憲法上許されると言っているのか、憲法上許されると言っているのか、この判決は。こういう質問の仕方をしたんですね。

 憲法上許されるんですか。永住外国人の地方参政権付与について、立法でこれを付与することについて、憲法上許されると言っているんですか。何度も言いますよ。憲法上許されると言っているんですか。もし憲法上許されるとしたならば、まさしく結論とは違う意味の傍論が、この当該判決の結論とは違う意味を持ってくることになるのではありませんか。

 改めて最高裁に聞きますが、憲法上許されると言っていると最高裁として判断しているんですか。

植村最高裁判所長官代理者 突然のお尋ねでございまして、しかも最高裁の判例の中身の解釈についてのお尋ねでございますので、事務当局としては、申しわけございませんが、答弁は控えたいと思います。

馳委員 約束ですから時間は守ります。

 きょうはこのあたりで終わりますが、私は、判決理由とこの傍論は矛盾している、したがって、憲法上許されるとは言っていないと判断しておりますが、この是非についても次回委員会において明確に、論理的に議論をしたいと思います。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

滝委員長 次に、内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。千葉法務大臣。

    ―――――――――――――

 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

千葉国務大臣 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。

 この法律案は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判所の職員の員数を改定しようとするものでありまして、その内容は、判事の員数を六十五人増加し、判事補の員数を二十人減少しようとするものであります。これは、民事訴訟事件の適正かつ迅速な処理を図る等のため、判事の定員を四十五人増員するとともに判事補の定員から判事の定員へ二十人の振りかえを行うことにより、執務態勢の強化を図ろうとするものであります。

 以上が、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

滝委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十八分散会


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