衆議院

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第11号 平成23年5月17日(火曜日)

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平成二十三年五月十七日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 奥田  建君

   理事 滝   実君 理事 辻   惠君

   理事 橋本 清仁君 理事 樋口 俊一君

   理事 牧野 聖修君 理事 稲田 朋美君

   理事 平沢 勝栄君 理事 大口 善徳君

      相原 史乃君    井戸まさえ君

      大泉ひろこ君    川越 孝洋君

      京野 公子君    熊谷 貞俊君

      黒岩 宇洋君    黒田  雄君

      桑原  功君    階   猛君

      橘  秀徳君    中島 政希君

      野木  実君    浜本  宏君

      三輪 信昭君    水野 智彦君

      山崎 摩耶君    横粂 勝仁君

      河井 克行君    北村 茂男君

      柴山 昌彦君    棚橋 泰文君

      森  英介君    柳本 卓治君

      園田 博之君    城内  実君

    …………………………………

   法務大臣         江田 五月君

   法務副大臣        小川 敏夫君

   総務大臣政務官      内山  晃君

   法務大臣政務官      黒岩 宇洋君

   厚生労働大臣政務官    岡本 充功君

   最高裁判所事務総局総務局長            戸倉 三郎君

   最高裁判所事務総局民事局長

   兼最高裁判所事務総局行政局長           永野 厚郎君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    原   優君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  高宅  茂君

   法務委員会専門員     生駒  守君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十七日

 辞任         補欠選任

  川越 孝洋君     浜本  宏君

同日

 辞任         補欠選任

  浜本  宏君     川越 孝洋君

    ―――――――――――――

五月十七日

 受刑者の円滑な社会復帰の基盤整備によって再犯減少を実現することに関する請願(服部良一君紹介)(第六八七号)

 犯罪被害の減少及び受刑者の更生を実現することに関する請願(服部良一君紹介)(第六八八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 非訟事件手続法案(内閣提出第五四号)(参議院送付)

 家事事件手続法案(内閣提出第五五号)(参議院送付)

 非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第五六号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

奥田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、非訟事件手続法案、家事事件手続法案及び非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として法務省民事局長原優君、法務省入国管理局長高宅茂君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

奥田委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局戸倉総務局長及び永野民事局長兼行政局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

奥田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大口善徳君。

大口委員 公明党の大口でございます。

 この三法案につきまして質疑をさせていただきたいと思います。

 今回の法律、非訟事件手続法というのは、明治三十一年制定以来、抜本的な見直しがなされていない。そして家事審判法も、昭和二十二年制定、これも抜本的な見直しがされていない。家事審判法は、これを見れば手続がわかるというような改正でございます。

 そういう点で、今回の見直しによって、参加制度の創設、記録の閲覧制度の創設、テレビ会議、電話会議システムの導入、また当事者の手続保障、国民にとって利用しやすい制度を創設する、現代社会に適合した内容にしようとする趣旨で、理解ができます。賛成をいたします。

 その上で、特に非訟事件というものが、この名称あるいは非訟事件手続法という題名、これにつきましてはもっとわかりやすいものはないのか、こういう議論も法制審議会でもされたようでございますけれども、非訟事件あるいは非訟事件手続法というもの以外なかなかいい題名あるいは名称が浮かばないということでございますが、せめてこの非訟事件というのは定義づけできないのか、こういうことが議論になったわけでございます。

 商事非訟ですとか借地非訟とか、家事審判、家事調停事件、労働審判事件とさまざまなものが入っているわけでございますけれども、この定義づけにつきまして、まず大臣からお伺いしたいと思います。

江田国務大臣 御指摘のとおり、非訟事件という言葉は一般にはやはりこなれた言葉とは言えないだろう、確かにそう思います。

 非訟事件というのは何だと言われますと、判例等で訴訟事件の方がまず定義されて、これは、裁判所が当事者の意思いかんにかかわらず終局的に事実を確定し当事者の主張する実体的権利義務の存否を確定することを目的とする事件だ。

 こういうことで、非訟事件というのは、裁判所において取り扱う事件のうちそのような訴訟事件以外のものをいう、こういう言い方しかないのでありまして、これを踏まえて非訟事件を非訟事件として定義をする。これは、今回、委員おっしゃるとおり、検討されたんですが、なかなか、今のような長々としたそれ以外のものというのでは、これは定義になっているようでなっていないので、過不足なく適切なものを置くことは大変技術的にも困難だということで、従前から定義はなかったのですが、今回も、個別の法律によってどういうものが非訟事件かが明らかになっていることも多いので、実務上の支障もありませんし、また、先ほど申し上げたような、以外のものという定義を置いてみても、それで何も解決しないので、ここはやはり従前どおり定義は置かないということにいたしました。

大口委員 そういう点では、本当に、今回こういう抜本的な改革がなされたわけですから、国民にしっかり広報して、皆さんにこういう形で改正しましたよということをアピールをしっかりしていただきたい、こういうふうに思います。

 次に、非訟事件手続法第二十二条一項及び家事事件手続法第二十二条第一項で、家庭裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を手続代理人とすることができる旨の規定があるが、現行法上の運用では、裁判所が本人の従業員が代理人となることを許可する例が見られるだけであり、新法制定に当たり、趣旨を変更することでないことを確認したいと思います。

江田国務大臣 非訟事件手続法では、いわゆる事件屋等の介入を一般的に防止するとともに、法律事務に精通していない当事者の利益を保護するため、原則としてはやはり弁護士でなければ手続代理人となることはできない。しかし、第一審の手続では、第一審の裁判所の許可を得て、弁護士でない者を手続代理人にすることができるということにいたしました。

 これは家事事件手続法でも同様で、これらの規定は、これまで実務でそういうふうになっておりましたので、明確化したものにすぎず、従前の実務を特に変更しようという趣旨ではございません。当事者の便宜のためということでございます。

大口委員 これまでの非訟事件手続において、ある非訟事件についての利害関係を有する者がその手続に参加する参加制度というのがなかったわけですが、新たな非訟事件手続法では参加制度を創設するということで、利害関係を有する者が手続の主体となって主張、立証することが可能になりました。

 この参加制度につきまして、非訟事件手続法では、第二十条で当事者参加の規定、そして二十一条で利害関係参加の規定がそれぞれ設けられております。この二種類の参加制度を設けた趣旨と両者の違いについてお伺いしたいと思います。

江田国務大臣 この点は、今回の改正の大きなポイントの一つでございます。

 非訟事件の手続は、やはり裁判ですから、しかもこれは裁判所がある意味で公権的に一定の権利義務関係を形成するといったことがあって、いろいろな人にその効力が及ぶというようなこともあります。これは、当事者として及ぶ場合もあるし、あるいはいろいろな利害関係として事実上及ぶということもございますので、そうした人々に手続に関与する道を開こうということで、当事者となる資格を有する者は当事者参加、当事者となる資格まではないが影響を受ける者、これは利害関係参加という制度をつくったわけでございます。

 もう少しこれを説明いたしますと、当事者参加制度というのは、当事者となる資格を有する者が、既に係属している非訟事件の手続について、他の者の手続追行にゆだねるばかりではなく、自分も手続追行に当事者として関与することができる、その道を開いたという制度でございます。これは、それまで当事者であった者と同様の、当事者としての扱いを受けることになります。

 他方、利害関係参加というのは、裁判を受ける者となるべき者あるいは裁判の結果により直接の影響を受ける者、こうした者が、既に係属している手続について、当事者の手続追行にゆだねるのではなく、みずからも手続追行に関与できるようにするために、当事者以外の者として手続に参加できる。

 そういう違いでございまして、当事者参加人は当事者と同様に扱われる、しかし、利害関係参加人は当事者そのものではないから、性質上当事者しかできない手続行為、例えば申し立ての取り下げとか変更とか、これは利害関係参加人はすることができない、そうした違いがございます。

大口委員 私も昔、民事訴訟を勉強したり、また、今実務でもいろいろ使われていますが、民事訴訟法の第四十二条で「訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。」と、補助参加制度というのがございまして、この補助参加制度と今回の非訟事件手続法二十一条の利害関係参加、特に「裁判の結果により直接の影響を受けるもの」とこの民訴法の補助参加の範囲の比較をお伺いしたいと思います。

原政府参考人 お答えいたします。

 まず、民事訴訟法の補助参加制度と非訟事件手続法案の利害関係参加制度の相違でございます。

 補助参加制度は、訴訟の結果について利害関係を有する第三者が、当事者である原告または被告の一方を補助し勝訴させるために手続に参加する制度でございます。これに対しまして、非訟事件手続法案の利害関係参加制度は、裁判の結果により影響を受ける裁判を受ける者となるべき者等が、そのような立場から独自に手続の追行をするために手続に参加するものでございまして、民訴のように、当事者の一方を補助し勝訴させるために手続に参加する、こういう制度ではございません。

 このような制度趣旨の相違から、補助参加人は、補助する原告または被告の訴訟行為と抵触する訴訟行為はできないとされておりますが、利害関係参加人は、参加できる者が限定されている反面、独自の立場から手続行為をすることができる、こういう違いがございます。

 次に、利害関係参加が認められる「裁判の結果により直接の影響を受けるもの」という具体例でございます。

 この「裁判の結果により直接の影響を受けるもの」といいますのは、当事者または裁判を受ける者に準じて、裁判の結果により自己の法的地位や権利関係に直接の影響を受けるものをいいます。例えば、会社について清算人を選任したり解任したりする場合には、当該会社がこれに該当するということでございます。

大口委員 次に、この参加制度では、当事者の手続保障を図るためという、この制度は一つ望ましいものであると思うわけでありますけれども、一方で、利害関係人の参加によって手続の迅速性が損なわれる可能性がある、こういう懸念も指摘されています。

 手続を著しく遅滞させるおそれがある場合に参加を認めるべきではない、こういう意見もあるわけでありますが、これにつきまして、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

江田国務大臣 非訟事件も家事事件も、訴訟事件よりも簡易迅速に処理すべきものであると言われていて、それはそのとおり、今後とも迅速に処理することは重要だと思っております。

 しかし一方で、当事者、関係する者、直接影響を受ける者、こうした者の利益を図っていくということも必要で、そこで、今回、利害関係人の範囲を当事者に準じて主体的に手続追行をするにふさわしい者に限定をしており、利害関係人の参加によって手続の迅速性が損なわれることはないと思っておりますし、逆に、これらの者が主体的に手続に関与しようとする場合まで手続が遅くなるからということを理由に参加を拒むと、裁判の効果が形成力を通じて当事者以外の者にも及ぶ、そういう非訟事件、家事事件の手続の特徴から、手続保障の観点で問題が大きくなってしまうわけですね。

 逆に、こうした人たち、自分はやはりその手続に参加をしたいといって入ってくる人も含めて、一つの裁判の効果で一気に決着するといった方がずっと簡易迅速に資するということもありまして、私どもは、これは簡易迅速という要請に資することこそあれ、反することにはならないと思っております。

大口委員 わかりました。

 次に、記録の閲覧等の制度についてでございますが、これまではこの制度がなかったわけで、新たな非訟事件手続法で記録の閲覧、謄写の制度を創設するということになったわけでございます。

 ただし、この制度、これは三十二条ですか、裁判所の許可を得ることを必要としています。許可が得られない場合は閲覧、謄写できないということでありますが、記録の閲覧、謄写によって適切な攻撃防御方法の検討が可能となるわけでありますから、裁判所が許可しない場合は極めて限られた場合に限定すべきである、こう思うわけでございます。

 この記録の閲覧等の制度について、裁判所が許可をしない場合とは具体的にどういう場合か、お伺いしたいと思います。

江田国務大臣 これはなかなか微妙な制度設計をしておりまして、非訟事件では、裁判所は、当事者または第三者に著しい損害を及ぼすおそれがあると認める場合には許可をしないことができる、それ以外はもうこれは許可と決まっているわけですが、具体的には、例えば会社の非訟ですと、記録の閲覧で営業秘密とか取引先の情報が明らかになってしまうというようなときにはこれは許可しない。

 あるいは、家事審判の場合、これは、規定ぶりは、事件の関係人である未成年者の利益を害するおそれがあると認めるとき等に閲覧を許可しないことができる、それ以外は許可ということでありますが、そうした場合、具体的にはどういうことかといいますと、例えば、親権者の指定について家裁調査官が子自身の意向を聞いた資料がある、これを当事者である父母が閲覧すると、良好な父子関係、母子関係が損なわれるといったことがあってこれが子の利益を害することにつながってしまいますので、こういう場合には不許可とするということでございます。

 さらにもう少し続けて、第三者からの申し立てという場合もございまして、これは非訟、家事、いずれの場合も、裁判所は、相当と認めるときは許可できると。これは、認めて許可する、それ以外はだめということになっておりまして、許可しない場合は、例えば利害関係を有する旨の疎明がないとか、あるいは第三者に記録の閲覧を許可する必要性とか合理性が認められないということもございます。

 さらに、家事調停も一緒にお答えをしておきましょうか。家事調停というものもございまして、こちらは、原則として、裁判所が相当と認めるときは許可することができると。いろいろな書きぶりをしておるわけですが、家事調停の場合、許可しない場合は、例えば、調停はいろいろな書類、いろいろな資料が出てまいりますので、一方当事者の提出した書面の内容が他方当事者を感情的に誹謗中傷するもの、そうしたものも出てくることがございます。これを閲覧すると、当事者間の関係の修復とかあるいは紛争の適切な解決が困難になるというようなこともありますので、そうしたことは許可をしないというような扱いをすることになると思います。

大口委員 この制度は、手続の透明化ということからいっても非常に大事な制度でございますが、ただ、当然、一定の、今大臣がおっしゃったような、プライバシーの配慮ですとか、かえって紛争が複雑化するとか、いろいろなことがございますので、そういう点では、裁判所におかれましても、この趣旨をきちっと踏まえてやっていただきたいと思います。

 次に、こういう規定もあるんだな、これはやはり非訟事件の一つの特性なのかなと思いますが、新たな非訟事件手続法五十九条で、終局決定をした後、その決定を不当と認めるときは、原則として、職権でみずから取り消しまたは変更することができるとしています。新たな家事事件手続法の七十八条にも同様の規定があります。

 そして、このように、原則として取り消しまたは変更が可能ということでございますが、このような規定について、そもそも現行の非訟事件手続法と家事審判法にも規定されているわけでありますが、一たん裁判所が示した判断を取り消しまたは変更することを認めることは、紛争の蒸し返しになりかねず、かえって混乱を招く場合があるという意見もあるわけですね。現実にも、裁判所もその判断には責任を持っていることですから、判断を覆すことは余り想定できないと思われるわけであります。

 そもそもこの規定を設けた意味、その立法趣旨、そして、この規定で取り消しまたは変更とされる具体的な事例をお伺いしたいと思います。

江田国務大臣 もちろん、裁判でございますから、余り勝手気ままに取り消し、変更が自由だというわけにもいかないのは事実でございます。しかし、非訟事件の終局決定あるいは家事審判事件の審判は、民事訴訟の判決と大きな違いがある。

 民事訴訟の判決の場合は、これは既判力の主観的範囲であるとか、あるいは既判力の基準日というのが事実審口頭弁論終結時であるとか、そうした限定が付されておりますから、これはもうこれで決まりだ、しかし、その効果はこの範囲しか及ばないといったものでございますが、非訟あるいは家事の場合は、裁判所が合目的的あるいは後見的な立場から事案に応じて裁量権を行使してあるべき法律関係を形成するということでございまして、終局決定または審判が初めから不当であったということがあるいはあるかもしれない。それをそのまま置いておくことはやはり好ましくないとか、あるいは事後的な事情の変更によって不当になる場合が起こり得る、そういう場合に、そのまま存続させるのは相当でなく、裁判所が職権で取り消したり変更することができるようにするのが相当だということで、こういう規定、制度を設けました。

 具体的なケースについて説明せよということでございますが、例えば、非訟事件で清算人選任の終局決定、これは会社法の規定で不服申し立てができないとされているわけですが、そうした決定がなされた後に、清算人に選任された者が任務を終えた、そして清算人の地位にとどまることが相当でなくなった、こういう事情の変更が起きるとか、あるいは、家事審判でいえば、遺留分の放棄についての許可の審判がなされた後に、その放棄の合理性や相当性を裏づけていた事情が変化して、そのため遺留分放棄の状態を存続させることが客観的に見て不合理、不相当となるに至ったといったような場合が挙げられるかと思います。

大口委員 次に、電話会議システム、テレビ会議システムの導入でございます。

 遺産分割する等では、遠方の方が来ていただくというのは大変なことですね。そういう点では、この非訟事件手続法の四十七条あるいは家事事件手続法の五十四条で、手続を利用しやすくするために、遠隔地に居住している者が裁判所に出頭する負担に配慮して、電話会議システム、テレビ会議システムを導入するということ、これは非常にいいことだ、こういうふうに思うわけでございます。

 ただ、訴訟手続でも利用されている電話会議システムは、本人確認が不完全であって、一般回線であるために情報セキュリティーも不十分だ、こういう指摘もあるわけでございます。特に、家事調停事件なんかにつきましては、当事者の合意形成に向けて事実や論理を積み重ねるだけじゃなくて、当事者の感情への配慮、デリケートなプロセス、こういうものが必要とされているわけでございまして、電話会議、テレビ会議では相手の微妙な反応をとらえ切れない可能性も指摘されているわけでございます。

 そういうことで慎重論もあるわけでございますけれども、その点どうなのかということと、そして、離婚や離縁の調停事件についてはこのテレビ会議システム、電話会議システムは認めないということでございますけれども、あわせてこの件についての御所見をお伺いしたいと思います。

江田国務大臣 当事者が遠く離れている場合に、出ていらっしゃいというのは、なかなか、余計な負担をかけるといったこともございまして、簡易迅速な処理の要請ということを考えると、やはり電話会議システム、テレビ会議システムといったことを導入することが必要かと判断をして、これをできるものとしたわけでございます。

 民事訴訟や人事訴訟においてもこうしたものが導入されていますが、この利用の際には、あらかじめ電話会議システムを利用する日時を定めて、当事者からの届け出があった電話先に裁判所から電話をかける、そして、必要に応じて、あなただれだれですかというような人定に関する質問をするなどして本人確認を行って、特段の支障が生じないように民訴、人訴でやっておりまして、非訟、家事でも同様の方法をとることは可能でございます。

 ただ、これは当事者の意思確認が裁判官の面前で行う場合に比べると不十分になるという懸念がありますので、意思確認を特に慎重にすべき場合は、電話会議システムは音だけですから、それはちょっとやめておこうとか、さまざまそうした細かな配慮をしております。各裁判所で適切に判断されるものと思っております。

 なお、離婚または離縁については、これは調停成立時における当事者の真意、この真意を慎重に確認する必要があるので、今のようなシステムだと当事者の顔色であるとか態度であるとかそうしたことが直接認識できないということがあり、なお不十分で、これは使えない。同様の趣旨から、人事訴訟法においても、離婚または離縁の訴えに係る訴訟では、電話やテレビで和解を成立させるということはできないということになっておりまして、家事調停の手続においても、離婚、離縁の調停ではより慎重にということにいたしております。

大口委員 もう時間も少なくなってまいりました。

 子の監護に関する処分の審判事件についてお伺いをしたいと思います。

 これは十五歳以上に限定して子の陳述を聴取することとされているわけですが、手続行為能力について定めた百五十一条では、十五歳以上の子に限定する規定になっていないということでございます。また、新たな家事事件手続法の百五十二条の第二項では、子の陳述を聴取する場合の子とは十五歳以上の子に限定しています。その他にも、家事事件手続法では、親権者の指定、変更の審判をする場合、百六十九条第二項、それから当該審判事件を本案とする仮処分を命ずる場合、百七十五条の第二項、未成年後見人または未成年後見監督人の選任の審判、百七十八条の一項一号等において、同様に十五歳以上の子に限定しています。

 これらの点について、子どもの権利条約第十二条の二項で、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上の手続において子の意見を聴取する機会を与えられるという旨の規定があるわけでございます。国連の子どもの権利委員会でも、あらゆる場面において自己に影響を及ぼすあらゆる事項に関して全面的に意見を表明する子供の権利を促進するための措置を強化するよう日本政府に対して勧告しているところでございます。

 子の発達の程度は個人によって差があり、特定の年齢で線引きすることは適当でないという意見もあるわけでございますが、子の利益の観点から、子の陳述を聴取するに当たってそれぞれの発達の程度を考慮することが適当だと思うんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

江田国務大臣 子供の意見表明権というのは、これは国際的にも大切にしなきゃならない子供の権利利益であると思っております。

 そこで、制度の全体を見た場合に、子供によって発達段階はさまざまでございまして、なるべく子供の意見を聞かなきゃいけない、しかし個別の事情を法律に書き込むわけにいかないということで、十五歳以上というところへ一つ区切って、十五歳以上については子供の意見をちゃんと聞きなさいよということにいたしました。

 ただ、財産的な事項については、これは子供に行為能力が制限ということがございますから、その部分は子供の意見を聞かなくてもいいということにして、しかし、十五歳未満であってもやはりこれは聞くべきだという場合がございますので、その場合にはさまざまな配慮を払って、例えば家庭裁判所調査官による優しい聞き方であるとか、いろいろなことがございまして、十五歳未満の子供の意見も極力聞ける場合には聞いて、適切な判断をしていこうということにしているわけでございます。

大口委員 時間が参りました。

 あと、管轄の問題もございます。特に、また、今回の家事審判規則や特別家事審判規則の最高裁規則が、今度新たな法律事項等を定められたというような点もございます。いろいろまだまだ聞きたいことはたくさんあるんですが、時間も参りましたのでこれで終わります。

 ありがとうございました。

奥田委員長 次に、階猛君。

階委員 おはようございます。民主党の階猛です。本日も質問をさせていただきます。

 最初に、法案の審議の前に、関連して、総務省の内山政務官、そして厚労省の岡本政務官に少し質問をさせていただきます。

 まず、今回は民事事件の関係の非訟事件手続法ということでございますが、行政事件におきましてもいわば非訟事件手続法的なものがあります。行政不服審査法などと言われていますけれども、今総務省の方でこの行政不服審査法の見直しということがなされているかと思います。

 お配りしております資料の一をごらんになってください。私も総務省の政務官のときに見直しの作業にかかわらせていただいたのでございますが、ここに掲げてあるような改革方針、イメージ図に沿って見直しを進めていこうということで、「簡易迅速な手続の下で、柔軟かつ実効性ある救済を実現」ということで、楕円で囲んでおりますところがさまざまポイントとなっているわけでございます。

 一番右上の吹き出しには、審査請求に原則一元化して、二段階の異議申し立てをしなくても済むようなことにしよう、あるいは、審理官という新しい審査をするための機関を設けて、そこが独立して職権行使を行うようにしよう、また、国民が申し立てる場合の申立人適格を拡大したり、不服申し立て前置という、訴訟する前に必ず不服申し立てをしなさいということを見直して、訴訟との自由な選択を可能にしたり、あるいは、申し立てをする国民にとってなかなか申し立て手続というのはなじみがないものですから、補助体制を整備したり、それから、一番右下に箱で囲んでおりますけれども、地方における新たな仕組みを検討して、不服、苦情を広く受け付け、権利利益の救済や行政の運営、制度の改善に資するようにしよう、また、代理人制度というものも検討していこうなどなど、ポイントが書かれております。

 そうしたことを踏まえまして、改めて総務大臣政務官であります内山さんにお聞きしますけれども、なぜ今見直しが必要なのか、この点をわかりやすく御説明ください。

内山大臣政務官 おはようございます。御質問いただきまして、ありがとうございます。

 今、階政務官がおっしゃったとおりでございまして、(階委員「政務官じゃないです」と呼ぶ)元政務官がおっしゃったとおりでありまして、答弁がなくなってしまいますが、改めて御説明をさせていただきます。

 行政不服審査法の見直しにつきましては、昨年の八月末に、総務大臣と行政刷新担当大臣とが共同座長となりまして、行政救済制度検討チームを立ち上げ、検討を進めております。検討準備や立ち上げに当たっては、階議員には当時の政務官として大変御努力をいただいたというふうに聞いております。

 不服申し立て制度を取り巻く環境としましては、平成五年には行政の事前手続を定めた行政手続法が制定され、また、平成十六年には国民の権利利益のより実効的な救済手続を整備するため行政事件訴訟法が改正され、一方で、行政不服審査法については、昭和三十七年に法律ができてから半世紀近くにわたって改正がされておりません。ですから、先ほど述べたように、現在の環境変化に対応できていないところが多々ございます。

 従来からその点が懸案になっていたところでございまして、また、行政機関による手続であることから、簡易迅速な救済を旨としつつも公平性を確保すること等が課題となっていたところでございまして、以上のことから、行政不服審査法を見直すに当たり、階政務官にお敷きいただきましたレールに沿って今検討を進めているというところでございます。

階委員 ありがとうございます。

 今回、法務省では非訟事件手続法が制定されるわけでございますし、総務省としても行政事件の非訟手続ともいうべき行政不服審査法の見直しをぜひ積極的に進めて、一刻も早く国会に提出して、そして成立させていただければと思っております。

 その点に関してもう二つほどお聞きしますけれども、前政権のときにも、実は行政不服審査法の改正法案が国会に提出されて廃案になっていますけれども、今回新たに総務省で検討している案は、必ずしもこの廃案になったものは踏襲していないわけであります。なぜ踏襲されなかったか、従前の、前政権のときの法案にはどのような問題があったのかということについて御説明ください。

内山大臣政務官 前政権、平成二十年に国会に提出されました旧行政不服審査法、これが二十一年七月に廃案になりました。例えば、審理手続の後にさらに第三者機関である行政不服審査会への諮問手続を要しており、手続の簡便性、迅速性の向上を図るべき等の指摘がございました。要は、手続が二重になるということでございます。

 そこで、現在検討中の案では、公平性にも配慮しつつ、簡易迅速な手続を確保するため、独立して職権を行使する審理官が審理手続を行い、審査会は置かない仕組みとしています。その他、審査請求人を補佐する体制、不服申立人の適格の拡大など、旧法案では取り上げていなかった事項も幅広く検討しておりまして、チームにおいては、行政不服審査法だけでなく、個別法により不服申し立てを訴訟の前に義務づける不服申し立て前置の全面的見直しについても取り組むこととしております。

 このように、行政救済制度検討チームにおいては、国民の権利利益救済の実効性がより高まるよう、旧法案を見直すとともに、より幅広い改革に取り組んでいるところでございます。

階委員 今、不服前置主義を全面的に見直そうということで検討を進めているというお話でございました。不服前置主義を改めるということは、申し立てる側にとってみれば、訴訟を直接選ぶことも可能になるわけでありますから、それだけ自由度は広がって、これはこれでいいわけでございます。

 しかし、きょう、ここに法務省の政務三役初め法務省関係者、また最高裁の関係者もいらっしゃっていますけれども、そういった方たちにとっては、今まで、行政庁で不服審査手続が行われるのを待って、そこでまだ不服がある場合に訴訟で受け付けていればよかったものが、これからは直接訴訟に来るかもしれない、事件がふえるかもしれないということで戦々恐々としているかもしれません。私も総務省のときに、法務省にいろいろな問題で横やりを入れられて苦労しましたけれども、場合によっては、この見直しについても、法務省サイドからまたいろいろな指摘が来るかもしれません。

 そこで、この委員会で、ぜひ内山政務官に、この不服前置主義を改めることのメリットというものを力強く説明していただきたいのですが、お願いします。

内山大臣政務官 力強くやらせていただきたいと思います。

 行政事件訴訟法において、行政処分に対して行政不服申し立てを行うか、行政訴訟を行うかは自由選択が原則でございます。実際には、大量に行われる処分であって、裁決により行政の統一を図る必要があるなど、さまざまな理由により、個別法に不服申し立て前置が規定されております。

 不服申し立て前置の見直しに当たっては、前置を義務づける合理性があるかについて検証していくこととしておりますけれども、不服申し立て前置を全面的に見直し、国民が救済手続を一層自由に選択できるようにすることにより、もともと不服申し立てに期待をしていない多くの国民に対して強いている負担を軽減するというメリットがあろうかと思います。

 また、行政不服申し立てと行政訴訟とのいわば制度間競争、並行している問題を、国民の権利利益の早期救済を一層図ることにもつながるメリットが大変あるんではなかろうかと考えております。

 ありがとうございました。

階委員 今、大臣にも御答弁を聞いていただいたかと思いますけれども、行政事件訴訟法は法務省の所管でございます。その訴訟法の八条でしたですか、ここでは、むしろ訴訟が原則で、もし不服前置をする場合には例外的に個別法で規定せよ、こういうことでございますから、今、総務省がやろうとしている不服申し立て前置の見直しということは、いわば当たり前のことをやろうとしている、当たり前の、原則の方向に戻そうとしている、こういう取り組みであるということをぜひ御理解いただいて、法務省としましても、こういった見直しについてもいろいろな御知見をおかしいただければと思っておりますので、よろしくお願いします。

 では、できればコメントをお願いします。

江田国務大臣 私への質問の予定に入っていない話でございますが、せっかくですので。

 行政不服手続の見直しについては、今、総務省の方で検討が進み、法務省も、側面協力といいますか、大臣政務官が時々伺わせていただいているものと承知をしております。

 行政事件訴訟法は、先般大改正がありまして、かなりこれまでの判例法理を取り入れて改革をしてまいりましたが、その中で、委員おっしゃるとおり、これまでの不服申し立て前置というものは、行政事件訴訟法の立場からは、原則これはとりませんということにしているのはそのとおりで、ただ、委員今御指摘のとおり、個別法にいろいろありまして、そこはこれから改められていくところだと思います。決して戦々恐々とはしていませんので、そこは大いに改革の実を上げたらと思うんですが。

 ただ、一つ。これは私の知識ももうかなり古びていますので、ひょっと間違っていたら訂正してほしいですが、行政事件訴訟、これは裁判所による行政チェックですので、行政の当不当というところまではなかなか入り込めないということがございます。

 違法とか無効とかということになってチェックができるということ、これは次第に今広がってはきているのでありますが、やはり行政の内部で判断すべきところまで司法が入り込むというのはなかなか困難で、その場合に、行政不服審査であれば、これは行政手続の中ですから、これは違法じゃないけれどもちょっと不当ですよというような場合の是正はできるといったメリットもありますので、そこは当事者がどちらでも選択できるというふうにすることが妥当かと思っております。

 ちょっと踏み込みましたが、答弁といたします。

階委員 さすが江田法務大臣、確かに不服申し立て制度は、申立人の救済ということのほかに、行政機関が自分が行った処分を自己反省する契機にしようという趣旨もあるわけであります。

 したがいまして、違法、適法だけではなくて、当不当も判断し、必要があれば見直す、こういうことも趣旨に含まれているわけでございますから、今大臣がおっしゃったような訴訟と不服申し立て制度とのすみ分けは、まさに念頭に置いてこれから制度の見直しということをすべきだと私も考えます。

 突然の論点提起にもかかわらず、的確な御答弁ありがとうございます。

 内山政務官、きょうは、お忙しいところ、ありがとうございました。御退席ください。

 続きまして、今の行政不服審査にも関連するところも若干あるんですけれども、きょうは、厚労省の岡本政務官に、災害弔慰金の支給についてお尋ねしたいと思います。

 資料の一番最後のページの六というのをごらんになっていただきたいと思います。

 「東日本大震災における災害弔慰金の支給件数、支給額」。五月六日現在、まだ全体で五十七件、金額に直すと二億二百五十万円ということで、ちょっとこれは少ないのではないかと思うわけであります。今般、災害弔慰金の予算が一次補正で四百八十三億手当てされて、これから進んでいくとは思うんですけれども、今の段階では支給が余り進んでいない。この原因についてどのようにお考えになるか、お願いします。

岡本大臣政務官 委員御指摘のとおり、災害弔慰金の支給が進んでいないというのは事実でありまして、私もけさ、答弁レクを受ける中で、問題点を整理させていただきました。

 一つは、支給対象となる御遺族がなかなか見つかっていないということがあるようです。それから、遺族感情にも配慮をしなければいけないので、亡くなられたからすぐ、ではどうですかという話にもなかなかならない。そういった中、もう一つの論点は、やはり支給事務をつかさどる市町村がかなりの被害を受けている、こういったこともあるようであります。

 ただ、いずれにしても、今委員が御指摘になられました五十七という数字は五月六日現在でありまして、こういった数字の把握も遅い。毎週金曜日にどうやら集計をしておるようですけれども、しかしながら、それがきょうになって十三日の分が来ていないというのは遅いじゃないかと。これもあわせてきょう事務方に指摘をしたところでありまして、そういう意味では、委員御懸念のことのないように取り組んでいかなければいけないというふうに考えています。

階委員 災害弔慰金というのは、前回この委員会でも少し指摘しましたけれども、行方不明の方でも三カ月経過すれば支給できるように法律上規定が設けられております。ですから、行方不明になっていて、また遺族の方も見つからないとかいうのもあるのかもしれませんけれども、それにもかかわらず法律が早期の支給を定めている趣旨というのもぜひ御勘案いただきたいと思います。

 むしろ私は、根本的な原因は、事務をつかさどる市町村が、被災地では、私の地元岩手県でも陸前高田とか大槌とか山田とか、まさに市町村の職員自体が行方不明になっていたりするわけで、行政機能が大分衰えている。そこで、やはり厚労省としても、そういったところの行政をバックアップして早期支給を図るべきではないかと思っております。

 今の提案なども踏まえて、厚労省として、これから支給を迅速に行うための方策をお聞かせください。

岡本大臣政務官 委員御指摘のとおり、市町村の職員の方もたくさん被災をされ、中にはお亡くなりになられた方がいると承知をしておりまして、そういった実態をかんがみると、さまざま事務手続があって、災害弔慰金だけではありませんけれども、今事務手続、それぞれの市町村で大変お困りのことがあるかもしれません。

 厚生労働省といたしましては、この災害弔慰金の支給に当たりましては、そういった中で、少しでも迅速にということで、一つは、災害弔慰金を事後に精算交付することが通例であったところを、今回の震災は被害が甚大であること等、今のお話のとおり災害弔慰金も支給が滞りつつある中、また支給が相当額になることでありまして、災害弔慰金の国庫負担については、五月二日成立の第一次補正予算により概算交付をするということにさせていただきまして、本日、被災県に国庫負担金を支払う交付決定をすることとしております。

 市町村の事務が円滑かつ適切に行われるように、過去の先例や、判断が必要なケースについて検討する審査会の設置、これは中越地震等でも九市町村で六十八名の審査をしたそうでありますけれども、こういった審査をする、設置の例をお示ししておるところでありまして、少しでもそういった支給に当たっての手助けになればというふうに思っております。

階委員 ありがとうございます。

 一次補正では、災害弔慰金が四百八十三億円、この数字の根拠を事務方に以前お聞きしました。そうすると、二十三年四月四日現在の死者・行方不明者二万七千五百七十四人を前提として、これが、ざっくりですけれども、世帯主の方とその他の方が四対六に分かれるだろうというのが過去の諸制度を踏まえて決められた。その四対六の割合で、世帯主なら五百万、その他の方であれば二百五十万ということで積算して、ちゃんと二万七千五百七十四人の方に災害弔慰金が行き渡るような計算にして、四百八十三億というふうにされたと伺っております。

 ですから、もうお金は十分あるわけです。あとは事務だけですから、きょう県に交付決定がされて、これから市町村にお金も行くんだと思いますけれども、ぜひ市町村で円滑に事務処理が進むように、何とぞ政務官の方でも御差配をお願いします。

 それから、災害弔慰金の支給等に関する法律という根拠法について、少し問題点を指摘させていただきます。

 この法律の、たしか三条の二項というところで、支給される遺族の範囲が掲げられております。「死亡した者の死亡当時における配偶者、子、父母、孫及び祖父母の範囲とする。」ということでありまして、実は、兄弟姉妹というのは、民法上は相続権があります。しかしながら、この支給法では、兄弟姉妹、仮に生計を一にしている方でも災害弔慰金は支給を受けられない、こういう問題があります。

 私の方で弁護士の方からいろいろ伺ったところによりますと、何か東松島市あるいは栗原市、これは宮城県の方でございますけれども、こちらの方では条例で、今申し上げた兄弟姉妹についても支給を認めているケースもあるようです。

 法律をこの際改正して、兄弟姉妹についても、せめて生計が同一の範囲内で支給を認めるようにすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

岡本大臣政務官 御指摘のとおり、災害弔慰金の支給等に関する法律の三条二項のところで兄弟姉妹は支給対象とならないということとなっておりまして、御指摘のような、いわゆる民法との見合いという見方もありましょうが、一方で、厚生年金法や国家公務員共済法の公的年金制度による遺族の範囲というものを踏まえつつ、この法律は昭和四十八年に議員立法で全会一致をもって制定をされたという経緯があります。

 したがいまして、ぜひ国会で広く御議論をいただいて、こういった問題点、論点を御議論いただければというふうに考えているところであります。

階委員 これは通告していないんですけれども、今掲げた東松島あるいは栗原、こういった市では、法律の規定を上乗せするような形で兄弟姉妹にも支給されています。これは、厚労省としては問題ないというお考えということでよろしいですか。

岡本大臣政務官 国庫負担に基づく災害弔慰金ということであれば、当然法律に基づくということになりますし、市町村が独自に条例で弔慰金見合いのものをお出しになられるという範囲はその条例の中で決まっていくんだろうというふうに理解しています。

階委員 今お答えいただいたことは私は重要だと思っております。法律の範囲内で条例は定めなくてはいけないというふうに憲法に規定がありますから、法律で支給範囲に兄弟姉妹が含まれていないということで、大半の自治体はそもそも兄弟姉妹は最初から支給範囲から除外していると思うんですが、これは必ずしも絶対的な拘束力を持つ規定ではなかったという趣旨で今お答えになられました。

 市町村がみずからお金を負担するということになるのかもしれませんけれども、私もいろいろ聞いていますと、やはり気の毒なケースがあります。兄弟二人でほかに身寄りもなく暮らしていた高齢者の方々で、一方が津波に流されて亡くなってしまった、そういった場合に、もう一人残された兄弟姉妹の方がどうやってこれから生計を立てていくか。災害弔慰金がこのような方に支給されれば、少しでもお役に立つのではないかと思っております。

 条例によって兄弟姉妹にも支給するということについては問題ないということを、厚労省としてこの際自治体に通知して、そして東松島のような例をなるべく広く普及させるようなことも考えられていいのではないかと思います。

 これも通告していませんが、ぜひ政治家としての御答弁をお願いします。

岡本大臣政務官 今委員御指摘になられましたように、条例がもちろん法に違反していてはいけないというのは、弁護士である先生にお話をするまでもないんですが、しかし、その一方で、裁量の範囲がもちろんあります。

 そういった中で、それぞれの自治体の中で御議論いただいて、国庫負担の対象とならないケースとなると考えておりますけれども、独自に弔慰金を制定するということについて問題がないということは、それはお話をしていかなければいけないんだろうというふうに考えています。

階委員 ありがとうございます。

 今、岡本政務官の方から、今のような御見解を市町村、自治体にちゃんと示されるということでしたので、ぜひお願いします。

 それで、関連してなんですけれども、けさ出がけに朝日新聞を見ていましたら、きのうの予算委員会で、義援金の支給についても、今まで、義援金については別に法律で支給範囲が決まっているわけではないですけれども、やはり弔慰金が先ほどのような規定になっていることとの絡みでしょうか、義援金は兄弟姉妹に支給されないケースが多かった。ところが、きのう厚労大臣が予算委員会の御答弁か何かで、今後は義援金の支給、兄弟姉妹にも行われるというふうに指導していくやに、ちょっと私もちらっと見ただけなので、事実認識に誤りがあるかもしれません。そういうこともお聞きしておりますけれども、この点について、事実確認をお願いします。

岡本大臣政務官 義援金につきましては、民間ベースのお金で集められています。税金ではありませんので、基本的に国が、厚生労働省が直接関与するということはとってはおりませんが、都道府県設置の義援金配分委員会での決定に従って支給されるという理解でありまして、その決定については、必要に応じて他の地域における取り扱い等も参考にしつつ、支給対象者等を決定していくというふうに理解しておりまして、例えば先生のお地元の岩手県なども、生計の同一者に限る兄弟姉妹を義援金の支給対象とする方向で検討しているというふうに聞いてはおりますが、もちろん決まったわけではありません。我々としては、その都道府県の配分委員会での御議論にゆだねるということであります。

 きのう、大臣はそれを踏まえて、配分委員会で議論されず、そのまま弔慰金と同様の取り扱いをしているのであれば、それはそれで厚生労働省としても、そういうことではなく、自由にお決めになっていただいていいということを周知徹底したいと思う、このように予算委員会で答弁をさせていただいております。

階委員 ありがとうございます。これも一歩進んだ御答弁だったと思います。ありがとうございました。

 最後に、せっかくなので不服審査の関係でお尋ねしたいんですが、先ほどの資料一を見ていただきたいんですけれども、この右下の箱に、「地方における新たな仕組みの検討」、不服、苦情を広く受け付け、権利利益の救済、行政の運営、制度の改善などということを総務省の方で今検討しています。

 この絡みでお尋ねしますけれども、先ほど、弔慰金を支給される場合に、災害関連死かどうか認定するための審査会を設置するんだということでした。この審査会で審査した結果、不幸にも災害関連死とは認められず支給されないということになった場合、当然、支給されると思っていた方は異議の申し立てをしたいと思うんです。これは地方における行政不服申し立てだと思うんですけれども、この手続といいますか、審査会の審査結果に異議ある場合の申し立て手続はどのようになっているのか、教えていただけますか。

岡本大臣政務官 先ほどの議論を聞いておりまして、私も改めてお話をさせていただくわけでありますけれども、当然、先ほどお話をしました審査会につきましては、市町村独自の判断で設置をしますので、設置をしない市町村もある可能性があります。

 いずれにしましても、例えば、その死亡が災害関連死であるかどうかについての決定に対して承服しかねる場合には、一つの方法として、今お話がありました市町村に対しての異議申し立てもありましょうし、もちろん裁判所に提訴をするという方法もあると思います。

 市町村に対して異議申し立てを行うという場合には、具体的には、不支給と判断されたということを知った日の翌日から六十日以内に、書式は問いませんけれども、書面によって、行政不服審査法に定められている事項、これは、異議申し立てを行う方の氏名、年齢、住所、それから異議申し立てを行う処分の内容、今回の場合は災害弔慰金の不支給となったこと、それから異議申し立てを行う処分があったことを知った年月日、そして異議申し立てを行う趣旨及び理由、加えて市町村からの教示の有無及びその内容、そして異議申し立てを行う年月日を記載していただき、市町村に提出をしていただくこととなります。この申し立てがあれば、市町村は異議申し立ての内容に対して回答もしくは決定を行うということとなっております。

 もちろん、こういったいわゆる弔慰金の不支給に対してこれまでも訴訟が提起をされておりまして、平成十四年に最高裁の判決も得ている。こちらの方は、結果だけ申し上げると、行政側敗訴だったというふうに理解をしております。

階委員 御丁寧な答弁をありがとうございました。ぜひ、今後とも、災害弔慰金あるいは義援金の支給などについて、被災者の立場に立った、いろいろな施策をお願いしたいと思います。

 それでは、御退席願って結構です。ありがとうございました。

 いよいよ本題に戻ってまいりますけれども、まず、非訟事件手続法並びに家事事件手続法の法律のたてつけといいますか、そういったことについて、根本的なことをお尋ねしたいと思っております。

 四月二十六日、この法案は参議院先議でございますから、既に参議院の法務委員会で議論がされております。江田法務大臣はその場で、裁判所が当事者の意思いかんにかかわらず終局的に事実を確定し当事者の主張する実体的権利義務の存否を確定することを目的とする事件、これが訴訟事件だというふうに明快に述べられております。そして、訴訟事件以外の裁判所において取り扱う事件が非訟事件に当たるということで、これも明快に述べられております。

 この点について確認をお願いします。

江田国務大臣 余り明快でないかもしれませんが、そのとおりでございます。

階委員 とすれば、家事事件も非訟事件に含まれる。資料二というのをごらんになっていただきたいんですが、これは法務省の方で法案説明用に用意してきたポンチ絵だと思います。これが非訟事件の具体例ということで、一番左に家事審判・家事調停事件ということで、非訟事件の中にこういったものが含まれるというふうにされています。

 だとすると、家事事件も非訟事件なのですから、今回、家事審判法を廃止して家事事件手続法とするぐらいならば、思い切って非訟事件手続法の中に取り込んだ方がわかりやすいのではないかというふうに思います。現に、今回の二つの法案、非訟事件手続法と家事事件手続法で共通する条文も多数ありますし、重ならない家事事件特有の部分だけ別途章を設けるなりして法律を一本化すればよかったのではないか。

 これもちなみに申し上げますと、後でちょっと取り上げさせていただきます公示催告手続というのがありますが、公示催告手続も、もともとは公示催告手続法という別な法律だったものが、非訟事件手続法、これは旧の非訟事件手続法のときでありますけれども、これに取り込まれたという経緯があります。

 るる申し上げましたけれども、今申し上げたことを踏まえて、今回も非訟事件手続法の中に家事事件も取り込んでよかったのではないかということについて、どうお考えでございますか。

江田国務大臣 これは立法技術上の問題かと思っておりますが、家事事件も非訟事件の一種である、これは今申し上げたとおりでございます。非訟事件というもの全体をその性格でもって定義するならばそういうことになる。あとは、それぞれの事件の特質がいろいろございまして、非訟事件は個別の法律の中でいろいろな手続がございますから、そうしたものに共通する一般法をつくろうということなんです。

 家事事件の手続というのは、そうした一般的な非訟事件の手続の中の規律と共通する部分もありますが、家事事件独特の手続というものもございまして、今回お願いをしております家事事件手続法案の第百十七条から第二百四十三条まで、かなりの数の個別の家事審判事件の手続の規定というのは、これは家事事件固有の規定でございます。

 そこで、これを非訟事件手続法の中に取り込んで規定をすると、家事事件の手続を知るために、非訟事件の手続の規定と家事事件の手続に固有の規定双方を見なければわからないというようなことにもなるばかりか、非訟事件手続法案のうちの相当部分が専ら家事事件のための規定で占められるということにもなって、非訟事件手続法案の非訟事件のための基本法という性格があいまいになる、そういう懸念がありまして、家事事件については、独立した新法として自己完結的な構成とした方がわかりやすいと考えたということでございまして、専ら技術的な配慮だと思います。

階委員 技術的な配慮というのは、法律家は好きな話でございますけれども、実はこれは、ユーザーである一般国民にとっては余りそんなにうれしい話ではありません。

 また、もう一点、指摘だけさせていただきますけれども、非訟事件手続法、実は以前から同じ法律はあったわけでありますけれども、私はつい先ほどまで誤解していたんですが、非訟事件手続法を、従来のものを改正するのが今回の法律かと思ったら、これは違うんですね。新たに非訟事件手続法という法律をつくる。それで、一方で、旧非訟事件手続法というものは、外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律という名前に変えて、その部分に限って生き残るということで、これも非常にテクニカルな話だなと思っております。

 こういうことも、私も自分で条文を見たので発見できたんですけれども、何か普通の人は、昔の法律が変わっただけだから今の外国法人の登記なんかは当然残っているんだろうなとか思ったりするかもしれません。ぜひ、そのあたり、技術的なことを重視して改正された結果、ユーザーにとって、いろいろなふぐあいとか、わかりにくさがあるかもしれませんので、子細に検討されて、しかるべき措置をとっていただきたいなと思っております。

 その上で、次の質問ですけれども、時間の関係で理屈のことはちょっと飛ばさせていただきまして、裁判外紛争解決手続、英語で言うとADRというのがありますけれども、裁判外紛争解決手続ないしADRというのは、非訟事件の中では民事調停、家事調停を指すという理解でいいのかどうか、まず前提として確認させてください。

江田国務大臣 これは定義の話ということになるんだと思います。

 ADRというのは、裁判外紛争解決手続、オルタナティブ・ディスピュート・リゾリューションということで、裁判外というんですが、狭い意味でいえば、やはり裁判所がかかわるものは違うんだということになるかもしれませんが、広い意味でいえば、裁判所が運営主体の場合も含むと理解をされておりまして、こういう広義の立場でいうなら、非訟事件の中で民事調停、家事調停はADRに含まれると解釈することも可能だと思います。

階委員 ここでは、民事調停、家事調停もADRに含まれるという前提で議論をさせていただきますけれども、平成十九年からADRの認証制度というのが法務省所管の法律によって設けられまして、認証ADRについては、時効の中断効が認められるなど、申立人にとって非常に使い勝手のいいものにされているということであります。

 資料を読みますと、この認証ADRの利用が最近増加しているようでございます。法テラスの方でもこれをもっともっと紹介していこうということで、法テラスの窓口の方にも、これを紹介するように指導しているということも資料の方で読ませていただきました。

 そうなってきますと、先ほどの裁判所のADR、民事調停、家事調停との役割分担が問題になってくるかと思います。極論すれば、もう今後は認証ADRにADRは全部やらせてもいいんじゃないか、それで裁判所はほかの部分に資源を集中すべきではないかということなんだと思いますけれども、このあたりについて、今後、認証ADRと裁判所のADR、すなわち民事調停、家事調停、どのように使い分けていくかということについて、法務大臣の御所見をお願いします。

江田国務大臣 これは、こうした制度の利用者、一般国民の皆さんの選択にゆだねる以外にないのでありますが、現実には、認証ADRというのは極力拡大をしていこうということで、今、九十を超える事業者が認証を受けて、利用件数も増加をしてきているということは確かでございます。

 しかし一方で、裁判所による民事調停、家事調停というのは、これは訴えによらない紛争解決手続として国民に広く定着しているのも事実でございまして、現実には、認証ADRも広がってはきているんですが、まだ数において、例えば平成二十年度、この当時は二十六事業者しかありませんでしたが、受理件数が七百二十一。平成二十一年度は、事業者が六十四にふえて、しかし八百八十九件。これに対して、平成二十一年度の裁判所による事件は、民事調停が十万八千六百十五、家事調停は十三万八千二百四十が新受だというようなことで、量的にはまだ圧倒的な違いが実はございます。

 そこで、極力裁判所によらず、調停ですから、そんなに手続が面倒で長く時間がかかってということではないんですが、それでもやはり裁判所というのはいろいろな面倒なこともありまして、認証ADRを大いに使ってほしいと民間の皆さんに周知をしていきたいと思います。

 また、民間の認証ADRは、民間事業者の自主的な工夫でいろいろな専門的な知見を活用して、建築紛争であるとかさまざまなものがあるので、ここは裁判所とはまた一味違った特色もあるわけで、そういうものを活用させたいと思いますが、裁判所の方もまだまだ役割を終えるということには到底なっていない。

 いずれにしても、両方の制度とも利用者の便宜に従った活用が図れるようにしていきたいと思います。

階委員 別に裁判所のADRをなくせということを申しているわけでもございませんで、それぞれ得意分野などあるのかもしれませんので、適切な事件の振り分けなどを法テラスの方でやればよりいいのではないかなという問題意識でございますので、御検討いただければと思います。

 さらに進んで、今回の法案、東日本大震災にも関連してちょっと議論をさせていただきますけれども、資料三をごらんになってください。これは、阪神・淡路大震災が平成七年の一月に起こったわけでありますが、その前後の非訟事件の新受件数の推移ということで、調査室の方でまとめていただいた資料であります。

 丸をつけている部分、大阪地裁管内の調停事件、公示催告事件、あるいは神戸地裁管内の借地非訟事件、調停事件、公示催告事件、こういった丸をつけている部分が、全国の増加割合に比べると増加割合が高かったり、あるいは全国的には減っている中で増加していたり、こういうことがあるわけです。

 今後、東日本大震災の被災地でも同様の動きがあると思われるんですけれども、そのための体制が裁判所として整備されているのかどうか。これは最高裁の方からお願いします。

戸倉最高裁判所長官代理者 今委員が御指摘のとおり、阪神・淡路大震災の際には、調停事件、借地非訟事件、公示催告事件が増加しております。

 とりわけ、委員御指摘の資料にはございませんでしたが、調停事件のうち宅地建物調停事件は、神戸地裁管内で、前年度、平成六年と比較いたしますと、平成七年度には約三・五倍に増加しておる、そういう激増状況でございます。そういった関係で、神戸のときには、神戸地裁と簡裁にまたがりました震災事件処理対策センターを設置して集中処理をいたすという体制をとったところでございます。

 今回の震災につきましても、私ども、こういった震災関連の事件につきましては、いろいろな問題に迅速に対処できるように必要な体制整備に努めるため今検討しておるところでございますが、とりわけ、今回の震災の被災範囲が非常に広範であるといった点で神戸の場合とは若干違った事情もございまして、現在、弁護士会あるいは法テラスなどの情報交換を通じまして、被災地におけます法律相談の内容を情報収集するなどいたしまして、今後どういった形でこの地域で法律的な紛争が生じるかということを今予測しておるところでございます。

 こういった予測の結果を急ぎまして、私どもとしても、こういった事件は迅速に対応できるような体制を早急に検討してまいりたいというふうに考えております。

階委員 ということで、事件がふえてきますと、調停を裁判所でやってもらうだけではなくて、やはり認証ADRの活用というのも重要になってくるのではないかということで、法務省としましても、震災の関連で、今までは調停事件に行っていたような案件についても認証ADRを利用してもらうように呼びかけるなど適切な対応をとるべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。

江田国務大臣 適切な御指摘をいただいていると思っております。法テラスと協力をしながら、そうしたことも進め、また、もちろん裁判所とも協力をしながら、裁判所における手続も極力柔軟、簡易迅速に行えるようにしていきたいと思います。

階委員 ありがとうございます。

 資料四というのをごらんになっていただきたいんです。

 先ほど、公示催告手続が非訟事件手続法に取り込まれたという話もしましたけれども、平成十六年に法律の改正がされて、新しい公示催告事件の流れということで、従来、公示催告期間が六カ月以上だったものが二カ月以上に短縮されたり、あるいは除権判決という判決手続だったものが除権決定という決定手続でやや簡便な手続になったり、いろいろな改正がなされて、例えば、手形、小切手、受け取ったものをなくした方が除権決定を得て、そして自分は権利者だということを主張して、手形、小切手なしでその金額を請求できることを容易にしているわけであります。

 ただ、さはさりとて、やはり一般の人にとっては、このフローチャートを見てこのとおり手続しろといっても、なかなか容易ではないと思います。私も弁護士でしたけれども、そんなにわかりやすくはないという気はします。

 そこで、一番最初の話に戻るわけであります。総務省で今検討している「行政不服申立制度の改革方針」という資料一なんですが、今回総務省で検討するに当たって、幾ら制度はよくしたとしても、それを使ってもらわなくては意味がない、だから、申立人をちゃんとサポートする仕組みをつくるべきではないかということで、この資料一でいいますと、一番下段の真ん中の楕円のところに「申立人の補助体制の整備(手続を自ら進行できるよう助言)」、これも大きなポイントとして掲げているわけであります。

 今回の震災で手形、小切手をなくされた、中小企業の方々を含め、たくさんいらっしゃると思いますので、ぜひ法務省でもこういったサポートも考えるべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

江田国務大臣 公示催告手続が変わって、期間の短縮など、あるいは口語体にしたとか、使いやすくしたのは委員御指摘のとおりですが、しかし、公示催告といっても、私ももともと弁護士ではありますが、弁護実務をやっていないということもございますけれども、そんなことはやったことがございません。自分でやれといっても、一から勉強し直さなきゃできないというような手続でして、これを民間の一般の皆さんにしっかり活用していただけるための広報というのは必要だと思っております。

 弁護士会やその他関係団体等の協力もいただきながら、法テラスにおいても問い合わせに応じて適宜情報提供しているというふうに思っておりますが、なお一層そうしたことを督励してまいります。

階委員 非訟事件の中で、今回の震災に関してもう一つ利用がふえると思っているのが特定調停手続です。

 特定調停手続は資料五の方に挙げておりますけれども、法的整理手続である民事再生手続との対比表を掲げさせていただいております。

 特徴としていろいろ書いておりますけれども、事実上一番大きいと思われるのは、利用者の立場にとってみると、民事再生手続は、申し立てた債務者は倒産をしたという社会的評価を受ける。ところが、特定調停の場合は、倒産という評価を受けませんので、利用者にとって抵抗が少ない。また、調停手続なので、迅速かつ柔軟な手続の進行が可能ということもあります。

 こういった特定調停手続を利用することで、前回私が質問した二重ローンの問題で、既存の債務を減免する、こういうことを債務者が考えた場合に、より効率的にスムーズに進められるのではないかと思います。

 特定調停手続の利用についても、先ほどの手形をなくした方たちの公示催告手続と同様、法務省としてサポートを考えるべきではないかと思いますが、いかがでございますか。

江田国務大臣 御指摘のとおり、二重ローン問題について、法的整理手続ではなくて、既存債務を減免する手続の一つとして特定調停手続が考えられる、有効である、これはもう委員御指摘のとおりだと思っております。

 法務省はこの制度を所管する立場でございますので、裁判所等の関係機関に対し必要な情報提供を行っていくほか、さらに、特定調停手続の活用を図るための方策として、申し立て手数料の免除であるとか、あるいは被災状況の把握をしっかりして、対象地区や適用期間を定めて、そうした免除を早期に適用する方向で検討していくなどしてまいりますし、また、法テラスにおいてもこの特定調停手続について情報提供を適切に行っていると思いますが、さらに一層頑張るように指導していきたいと思います。

階委員 ぜひよろしくお願いします。

 がらっと話題がかわります。ちょっと法案を離れますけれども、先日の日曜日に司法予備試験が行われました。初めての予備試験に六千四百七十七人の受験者があったと報道されております。

 この委員会で私も指摘しましたけれども、近時、ロースクールに入るための適性試験、この受験者がどんどん減ってきて、今や八千人台と言われております。旧司法試験のとき、ピークでは三万人以上司法試験を受けていたことからすると、まさに危機的な状況だということも申し上げました。他方、予備試験は六千四百人ということであれば、ロースクールの適性試験、ロースクールに入りたいという人と余り変わらなくなってきています。

 そもそも、このロースクールによる法曹養成制度を設けた趣旨というのは、一発試験ではなくてプロセスによる法曹養成制度を目指すという趣旨だったはずでありますが、この数字を見ておりますと、何となくこの改革の趣旨が骨抜きになりそうな不安を覚えるわけであります。この点について大臣の所見をお聞かせください。

江田国務大臣 私なんかはもう旧制度の中でどっぷりつかってしまっている人間でございますが、旧制度一発試験、夢を持ってというのはいいんですが、夢破れ、破れ、破れ、さらに破れ、人生台なしというような人たちもいっぱいいたのもよく知っているんです。そこで、やはりそういう制度ではなくてプロセスとして養成しようということで、いろいろ考えをめぐらせたあげくロースクールということを導入いたしました。しかし、今委員御指摘のとおり、そのロースクールが大変な困難を抱えているというのは事実です。

 ただ、この予備試験というのは、ある意味、ロースクールというプロセスの養成ではなくて、しかしロースクール修了者と同等の力があるという者を判定する、そういう制度として設けていますが、やはり、私ども、予備試験は予備試験で重要であるが、しかしロースクールというのが法曹養成の中核的な道筋だというところを何としても崩さないように、ロースクールの改革をきっちりやっていきたいと思っておりまして、今、法曹養成フォーラムをつい最近立ち上げたところで、そんな中で大いに、当初の理念を大切にしながら、しかし既定の制度にしがみつくことなく、やはりそこはしっかり見直しながらいいものにしていきたいと思っております。

階委員 この予備試験の受験者の中には、新司法試験をロースクールを卒業して受けたんだけれども、いわゆる三振制、五年以内に三回不合格になったら失格になってしまうという三振制にひっかかった、三振制が適用された方が含まれているそうです、六千四百人の中には。

 もしその大体の人数がおわかりになればそれを教えていただきたいんですが、それはさておくとしても、三振制度というものは廃止すべきではないかと思います。結局、三振制度があったとしても、予備試験の方に流れていくんだったら、一発試験の方で、本来受けるべきではないロースクールの人たちが予備試験に行くというのは何か矛盾のような気がしますので、三振制というものはもはややめた方がいいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

江田国務大臣 まず、今回の予備試験を受けた人たちの中で、今委員が御指摘になりました、三回受験をしてすべて失敗で受験資格を失った者がどのくらいいるのか、これは、把握が今のところ、今のところといいますか、どういう方法で把握できるかというのはなかなか困難で、把握は残念ながらできないというお答えしかできません。

 ただ、しかし、三回でアウトになった者が、予備試験でもう一度志を持ってという人たちが出てくるのも、それも容易に想像できることではあります。そうさせるぐらいなら三振制というのはやめたらいいんじゃないかという御指摘ですが、ここは、三振制を導入したときの意図というものも、そう軽い意図じゃありませんで、いろいろな思いを込めながらこの制度を導入したので、今の委員の御指摘を踏まえて、また検討してまいりたいと思います。

階委員 時間が参りましたので終わりますけれども、そもそも三振制が導入された際には、ロースクールを卒業すれば七、八割は合格します、こういう話とセットだったわけです。その七、八割が崩れた以上、三振制も存続の前提を失ったというのが私の見解ですし、この委員会でも何人かの方が指摘されたと思いますので、ぜひ、その点も含め、三振制の見直しをお願いします。

 以上です。ありがとうございました。

奥田委員長 次に、柴山昌彦君。

柴山委員 自由民主党の柴山昌彦です。

 昨日付で、中村明福島地検検事正を交代させるという人事が発表されました。これは、私が三月三十日に質問させていただいた、東日本大震災後、同地検が勾留中の容疑者を処分保留で釈放したことを問題とした更迭処分でしょうか。

江田国務大臣 福島地検における委員御指摘の被疑者の釈放、これは、個別の事案について、さまざまな要素を判断してなされたもので、違法であるというようなことはなかったと思っておりますが、しかし、釈放された者が後に同種の事犯を起こすとか、軽微だと言われたものが必ずしもどうかなというようなことがあったとか、あるいは関係の役所との連絡がどうも十分ではなかったのではないかとかいろいろなことが言われて、混乱が生じたこと、これは確かでありまして、反省しなきゃならぬ点もあるし、私も申しわけないということを言ったところでございます。

 そうしたことも踏まえて、さらに、当該検事正の在任期間も相当の期間になっているとか、あるいは震災後の対応で大変な状況にあった福島地検も落ちつきを取り戻してきたとか、関係の役所との連携を一新しなきゃいけないとか、そうしたことを総合勘案して、人心一新の趣旨も込めて、人事異動ということをいたしました。

 委員の御指摘の点も踏まえているというふうに御理解いただければと思います。

柴山委員 率直な御答弁、ありがとうございました。

 続いて伺います。

 釈放された被疑者については、その後、身柄の所在の把握や、捜査は進んでいるんでしょうか。

江田国務大臣 これは、私は、いろいろな、やれ処分だとか何だとかのことよりも、まずはこの釈放した事件についての捜査をしっかりと遂げて、そして適切な最終処分に全力を挙げてほしいと願っておりました。

 そして、現在、警察ともいろいろ協力をいたしまして、釈放した被疑者三十一名のうち、既に福島地検が発表しております部分もございますが、残りの事件も含めてすべて処分ができる見込みになったというふうに承知をしております。すべての処分が終われば、その段階で検察庁から発表するものと思っておりますが、そういう状況にやっとなってきたということを申し上げておきます。

柴山委員 とにかく、被災されている住民の方々に生じる不安というものをぜひ払拭していただきたいと思います。三十一名の方々の中には、私が前回のこの質疑で申し上げたように、住所不定の方もいらっしゃると思いますので、それは今法務大臣が重い御答弁をされましたので、引き続き、この案件の推移については見守らせていただきたいというように思っております。

 法案質疑に先立ちまして、もう一つ確認をしたいことがあります。

 前回の当委員会で、黒岩政務官は、あなたが御自分のキャッチフレーズとしていた越後の暴れん坊という名称を使い、その上、あなたの名前が収支報告書の表紙に載っている登録政治団体の存在をお認めになりました。

 この団体は、あなたを応援する団体ということで間違いありませんね。

黒岩大臣政務官 せんだっての委員会でも、私、答弁させていただきましたけれども、私の承知しているところでは、その団体は、その他政治団体ということで、いわゆる二号団体ということだと承知をいたしております。その際に、私のことを応援するという意思を持ったということを、今委員御指摘のような、書面上あらわれているということで承知をいたしております。

柴山委員 前回の、同僚である河井議員の指摘によれば、横浜市議会を国旗引きずりおろしという理由で除名された井上桜氏や、拉致犯で指名手配中の森順子容疑者及びよど号ハイジャック犯故田宮高麿容疑者の子供で、三鷹市議選に立候補した森大志氏などが所属する市民の党に、この越後の暴れん坊が献金と選挙応援をしていたということですが、政務官はこれらのことは御存じでしたか。

黒岩大臣政務官 それらの事実については、私は承知をしておりませんでした。

柴山委員 あなたは、越後の暴れん坊の役員である山本ひとみ市議会議員、菅総理のおひざ元である武蔵野市の市議さんですけれども、この役員の方を御存じだと前回答弁されました。間違いありませんね。

黒岩大臣政務官 山本ひとみさんという方が市議をしているということは存じ上げております。

柴山委員 前回の質疑後、今私がいろいろと申し上げたことについて、越後の暴れん坊の山本さんを含む役員に事実を確認されるなどの行動をとられましたか。

黒岩大臣政務官 事実確認ということがちょっとどういうことかあれなんですけれども、ただ、この前も私、申し上げたんですけれども、私が参議院をしているときに、当時、選挙に向けてさまざまな勝手連が、最初の補欠選挙のときもそうですが、その後の二度目の選挙のときにも多数の勝手連ができたということは、私、承知しております。その中には、例えば私の黒岩という名前を使ったところもあるでしょうし、私のキャッチフレーズを使ったようなところもあるでしょうし、そういった幾つもの勝手連というものができたということは承知しております。

 そのうちの一つが、政治的に、政治団体として多分登録をされたんでしょう。ですから、そういったことで私を応援いただけるんだったらそれはありがとうございますということだったと思います。ですが、その団体がその後、どういう独自の政治活動をされているかというようなことは、私、せんだっても何度も申し上げましたけれども、私自身は承知をしておらなかったということでございます。

 ただ、そういう経緯の中で、時間がかなり経過した中で、もともと私のことは応援してくださる、参議院のときはということは認識しておったんですが、その後、時間の経過によって、応援するとかそういったことも、多分、当初の向こうの団体の意図等とも、今時点では現状が変わってきているという認識もありますので、私の事務所の方からは、先方の団体の方には、私を応援する意図とか団体とかそういったことではないような、そういうような事務的な手続をしてほしいということは私の方から申し上げました。

柴山委員 ちょっとわからなかったんですけれども、あなたのキャッチフレーズを冠している越後の暴れん坊という団体で、しかも、あなたの登録政治団体であるというその団体の方に、あなたを応援するという形をとらないでくれというようにあなたの事務所から要望した。

 具体的には、一体どのような手続で何を要望したんですか。もっと具体的に細かく教えてください。

黒岩大臣政務官 繰り返し申し上げますけれども、私の団体、黒岩の団体というところは、ちょっと事実の考え方というのがいろいろとあると思います。

 私の場合は、一号団体では、例えば私の資金管理団体とか、私が代表者を務めているような団体が一号団体ですので……(柴山委員「質問に答えていただければ結構です。誤解していませんから」と呼ぶ)今の委員の御指摘のような二号団体ですと、応援をいただく場合は被推薦書とかそういった書類を当初出しておると聞いておりますので、それについて、異動届というのでしょうか、そういった書類を出していただくように要請をいたしました。

柴山委員 名称の変更は申し入れましたか。

黒岩大臣政務官 名称は、そこは、その団体自体がどういう意図か、主体的にやっておるので、そこまでは申し入れてはおりませんけれども、ただ、誤解を招くようだったら、その活動は……。名称変更については特段何かを申し上げてはおりません。

柴山委員 繰り返しになりますけれども、武蔵野市議さんが役員をされていて、それで横浜市議さんですとか、あるいは、今言ったように、三鷹の方から立候補をされた、問題のあるとされる方々がいる中で、越後の暴れん坊という団体、しかも、あなたの名称を付した収支報告書が提出されている、そしてあなたを応援する団体である。これは私は極めてイレギュラーだとしか言いようがないと思っています。

 だから、この名称はやはりあなたとの結びつきを強く推認させるものですから、これは名称も含めて変えさせるのが当然じゃないですか。

黒岩大臣政務官 今委員からそういう御指摘を受けまして、それは私としても、また自分なりにしっかりそれは考えさせていただく、きょうはこう答えさせていただきます。

柴山委員 そもそも、先ほど来私が申し上げた市民の党ですとか、所属メンバーである井上桜氏の、河井議員がいろいろと指摘をした事柄について、あなたは御自身でどう評価されているんですか。

黒岩大臣政務官 これもせんだっての委員会で申し上げましたけれども、ある政治団体は政治団体として独自の活動をされているということだと理解しておりますので、そのことについて私が特段どうこうというのを評価という形でするのは、それは政治団体にとっては政治活動の自由があるというのは一般論としてあると思いますので、それ以上のことは私はなかなか申すことはできないと思っています。

柴山委員 ここにあなたのホームページのコピーがあります。「黒岩たかひろブログ 本人が書く活動日記」とあります。この二〇〇二年六月二十八日の部分を今から読み上げます。繰り返します。あなたが書いた活動日記です。

  ところで皆さん、横浜市議除名のニュース知ってますよね。写真は

このブログには写真が添付されています。

 写真は二十六日付新潟日報の社会面です。

  概説すれば、横浜市議会が議場に国旗を掲揚することに反対した女性市議が二人、議長席を六時間に渡り占有し、強制退場。その後、その責を負って議会の四分の三以上の多数決をもって市議を除名されたと言うもの。

  写真左のきれいな女性が、除名された井上さくら市議。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、この度の補選、一ケ月ほど新潟に入り、私のうぐいすをして下さった方です。さくらさんとは堂本選挙以来の付き合い。当時、「気の強い方だな」という印象でしたが、確かに気は強いが、気さくな素敵な方です。

  今回の騒動での問題点は二つ。一つは国旗国歌法を通過させたとき、国歌斉唱や国旗掲揚の強制はしないと政府は言っておきながら実際には様々の現場で強制が行なわれていること。もう一つは「除名」という重い処分。

 政令指定都市では初めての議員除名。有権者からの負託を受けた議員と言う身分を議会の多数決で剥奪すると言う、およそ民主主義を崩壊させかねない暴挙。

  さくらさんに早速電話したら意外にしょげてました。この事件は新潟日報のみならず全国各紙、朝日新聞にいたっては社説で取り上げるほど。凄まじいパブリシティー効果です。裁判をおこすでしょうから「横浜市議除名処分裁判」として日本の稚拙な議会制民主主義の足跡として後世に残ることでしょう。「功績デカいよ」と伝えたら喜んでいました。

  さくらさん頑張れ。

これがあなたの日記です。あなたが書いた日記ですよ。(発言する者あり)

奥田委員長 御静粛に。御静粛にお願いいたします。

柴山委員 先ほど述べたことと違うじゃありませんか。

 そして、前回の質疑、覚えていらっしゃいますか。あなたは、河井議員から、井上議員が「市議会から除名処分を受けている。そのことは御存じ、そしてその理由も御存じでしょうか。」政務官「済みません。その除名云々の厳密な認識というのは、ちょっと私、わからないんですけれども、」こういうふうに御答弁されているんですよ。虚偽答弁でしょう。いかがですか。

黒岩大臣政務官 私、率直に正直に申し上げます。

 せんだって指摘を受けたときには、九年前のことで、細かなことは本当に私はもう失念をしておりました。ただ、そのときも、記憶を手繰る中で、何らかの議会で議論というか、多分もめたことがあったなというのは徐々に思い出してきたことは事実です。ただ、それが、一個一個の事実、除名とかそういったことについての正確な記憶はこの前の委員会ではなかったもので、私はそれは率直にそのことを申し上げた次第です。

柴山委員 御自分が書いて、しかも写真まで御丁寧に添付して、そして井上議員と電話までやりとりをして、「さくらさん頑張れ。」というように書いておきながら、いや、九年前、日韓ワールドカップの年ですよ、これは記憶にありませんでした、でもだんだん思い出してきました、こんなことで通じると思ったら大間違いです。

 そしてもう一つ。先週の河井議員の質疑の直後、直後です、あなたはこの日記を迅速に見つけ出して、御自分のホームページから削除されましたね。違いますか。

黒岩大臣政務官 私もホームページの記述とかについては本当に記憶はかなり薄れておったんですけれども、ある方から、こういった形でブログがあるということで、私、確認しました。先ほど柴山委員がお読みになった内容を私も読みました。ただ、私の記憶の中ではもう一カ所記述がありまして、議場占拠したことはもうこれは明らかに不適当である、井上市議が悪いんだということが書いてありました。

 私は、国旗・国歌法については、私は国旗は間違いなく敬礼しますし、国歌についても大きな声で斉唱いたします。(発言する者あり)いや、それは私は尊重しております。ただ、九年前に……(発言する者あり)

奥田委員長 御静粛に。答弁中です、御静粛に。

黒岩大臣政務官 九年前に、強制云々が政府の見解としてはいかがなものだろうかと。

 私は、その中でもっと書いてあったのは、私は当時は無所属の議員だったので、多分、私の記憶だと、議会から除名というのは国会でもないですし、無所属の議員が四分の三以上か何かの規定で除名をされるというようなことがあれば、これは大変重いことであると。

 ですから、少数会派であるとか無所属の議員が活動するに当たっては、この除名処分というのはいかにも重いということで、非常に、私は、民主主義というのは、少数派の意見を尊重することも民主主義の一つの大きな要素だと思っておりますので、これを、ともすると、かなり……(発言する者あり)

奥田委員長 不規則発言はおやめください。御静粛にお願いいたします。

黒岩大臣政務官 かなりその権利を阻害するような、そういったことはいかがなものかということを私は記述したと、その後自分の文章を見て改めてその点は思い出させていただきました。(発言する者あり)

奥田委員長 不規則発言はおやめください。御静粛にお願いいたします。

柴山委員 ちゃんと井上議員が悪かったということも書いているというふうにおっしゃいました。内容に自信があるんだったら削除なんかしなければいいじゃないですか。河井議員の質問の直後、削除をしなければよかったんです。

 どうぞ皆さん、メモしてください。メモしてください。(発言する者あり)

奥田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

奥田委員長 速記を起こしてください。

 柴山議員の方から、もう一度、政務官の答弁に不足がある、あるいは答弁が入っていないという点がありましたら、再度御指摘をいただきたいと思います。

 柴山君。

柴山委員 繰り返します。

 今、黒岩政務官は、御自分の書かれた内容についてるる正当化の弁明を行われましたけれども、御自分のおっしゃっていること、書かれたことに自信があるのであれば、なぜ、河井議員が質問した直後、これを抹消したんですか。ほかの日記の部分については削除されていないんです。この日記の部分だけ削除したんです。お答えください。なぜでしょう。

黒岩大臣政務官 前回の委員会質問で、河井委員の方から、例えば他の方に与える印象についてどうかとかと、いろいろなことを聞かれました。

 私は、九年前から今に至っても、それはもちろん私の考え方だってその時々で少しずつ変わりがあります。そして、私の今持っている真意とか本意とか、それが仮に伝わりづらいとすれば、それについては私は訂正しなければいけないという思いがございます。

 ですから、先ほど、私は最後ちょっと結論的な答弁が、的確に答えなくて、それは柴山委員に申しわけなかったんですけれども、今言ったそういった意図はあるんだけれども、とらえようによっては、確かに、ともすれば国旗・国歌に対する否定的な見解ととられかねない。そうなると、それは私の本意と違うことですから、これは明らかに本意と違うことですから、私は、自分の著作物として、その部分は削除をさせてもらったということでございます。

柴山委員 いつ削除したんですか。正確な時間をお答えください。

黒岩大臣政務官 法務委員会が昼に終わって、その後、その報告を受けまして、私はその日のうちに削除したと思っております。

柴山委員 今でも、例えばヤフーあるいはグーグルなどの検索ページで、二〇〇二年六月二十八日、横浜市議除名、黒岩たかひろブログということで検索をかけて、出てきたページのURLを押したら見られないんですけれども、その後のキャッシュという欄をクリックすると、削除された日記を見ることができます。

 黒岩政務官、こうやってやりとりをされた後、この日記は、きちんともう一回、今おっしゃったような留保つきで、復活をさせるおつもりはありますか。

黒岩大臣政務官 今、柴山委員の指摘は初めてそういう形で受けたので、どういう形で私の表現をするかは、またこれはちょっと私、考えさせていただこうと思います。

柴山委員 江田法務大臣は、前回の質疑で、法務大臣……(発言する者あり)

奥田委員長 御静粛にお願いいたします。

柴山委員 大臣は、前回の質疑で、黒岩政務官の適格性について疑いはないと述べられました。今のやりとりを聞いて、あるいは、黒岩政務官の答弁内容ですとか、今のさまざまなその後の経過をお聞きになった上で、黒岩政務官の政務官としての適格性に問題はないというお考えに変化はありませんか。

江田国務大臣 そうです。変化ありません。

柴山委員 市民の党は北朝鮮に近い立場にある疑いが濃厚である、河井議員の質疑から明らかになったと思っています。そして、この市民の党のメンバーが黒岩さんの登録政治団体の管理を行っていたことも、河井議員の前回の質疑で明らかになりました。これからも、市民の党の構成メンバーと黒岩さんの関係は、今の質疑を皮切りに明らかになっていくことだと思います。

 にもかかわらず、黒岩さんは、民主党政権発足後、平成二十一年九月から十二月まで、衆議院で北朝鮮拉致問題特別委員会の筆頭理事でありました。民主党は、拉致問題の担当者にこういった人物を置いていた。大臣は、このことをどうお考えになりますか。

江田国務大臣 申しわけありませんが、そのこと自身は私は存じておりませんが、しかし、これは、党の方でそういう決定をしているということだと思います。

柴山委員 党人事だからコメントの限りではないということでした。

 それでは、法務省の責任としてお伺いします。

 公安調査庁は、法務省下にあります。菅内閣は、法務大臣政務官として公安情報に関与できる立場に、今さまざまなことを申し上げた黒岩さんを任命されているんです。李下に冠を正さず、日本の国益を守らなければいけないという職責が法務大臣にはおありのはずです。この人事に問題があるとは思われませんか。

江田国務大臣 思っておりません。

柴山委員 なぜでしょうか。(発言する者あり)

奥田委員長 御静粛に。

江田国務大臣 今いろいろやりとりをされていますが、まだ私も、ここで聞いて、何が事実であるかというのもよくわかっておりませんし、また、黒岩大臣政務官が公安調査庁が視野に入れている団体とどういう関係にあったかもよくわかっていないので、むしろ、私の判断としては、それはそういうような組織的な関係はないということを私は確信をしておりまして、それ以上でも以下でもありません。

柴山委員 ないと確信をしているというふうにおっしゃいましたけれども、あるかないか、どうぞ調べてください。

 この問題は引き続き私どもも追及してまいりますが、時間もありませんので、次に移ります。

 東京電力の株式の問題です。

 枝野長官は、金融機関に東電の債権放棄も求めたというように報じられていますが、法的には、ガバナンスの一端を担う株主がまず損失を負うべきではないでしょうか。上場廃止どころか、新しい国の機構が資本の充実を行うという決定をしたというように、関係閣僚会合の決定、このペーパーは私も思っておりますけれども、報じられています。法的にバランスと透明性を欠く処理は、国際的にも日本の信用性を失わせると思いますが、大臣、どうお考えでしょうか。

江田国務大臣 東京電力が今回の原発事故によって負担をする債務をどういうふうに弁済していくか、それについてだれがどう負担をしていくかという話の中で、今の債権者と株主との関係について問題提起をされたものだと思います。

 原子力損害賠償法、いわゆる原賠法では、原子力の事業者は、一元的な責任、無過失責任そして無限責任というものが規定をされております。それを免れる場合というのは、原賠法三条一項ただし書きの場合ですが、このただし書きには当たらないということで今のスキームはできておりまして、しかも、十六条によると、その事業者が十分な賠償ができない場合は、もちろん予算措置の範囲内ですが、国が支援をする、そういうスキームになっておりまして、清算であるとか破産であるとか会社更生であるとか、そういうような手続の場面というのは想定できませんので、私としては、どちらが優劣というような話にはなっていかない。

 株主というのは有限責任でございまして、自分の株券が紙切れになればそれ以上の責任を負うわけではないので、株主が後に追加的に何かの支出を求められるということはあり得ない話だと思っておりまして、そのような認識でおります。

柴山委員 株主有限責任のことを今大臣にはお聞きしたんじゃないんです。仮に破綻とか更生の処理がされなくても、法のたてつけとして、やはりガバナンスの一端を担っている株主が、会社債権者である金融機関を初めとした、社債権者も含まれますけれども、そういう方々にあたかも優先して守られるかのごときメッセージが発せられているのは、これは国際社会から見て極めて異例である。これは自民党の関係者のところにも、何で債権放棄を求められて、上場廃止もされていないし、これっておかしいんじゃないかという声が届いているというように実際に私は聞いているんです。

 大臣、再度、法律の専門家として、今議論の方向性がおかしいと思われないかどうか、御答弁ください。

江田国務大臣 大変申しわけないんですが、東京電力の負債の弁済の仕方というものは、これは法務省の所管ではないという前提でお答えを申し上げますが、恐らく東京電力に対しては、国も、あるいはこれはこれからいろいろなスキームをつくっていかなきゃなりませんが、原子力発電をしていた他の電力の事業者も、いろいろな形で支援をしていかなければ賠償ができないのではないかなと感じております。

 そういうときに、債権者あるいは社債権者、そういう人にもステークホルダーとして一定の拠出をお願いするということは、これはちゃんとそういうスキームができれば、行われてもいたし方がないことだと思います。

 ただ、その場合にも、今申し上げたとおり、株主であることによって追加の負担が求められるというようなスキームは、これは考えようがないのだと思います。

柴山委員 具体的にお話を進めたいと思います。

 今回改正案が提出されている非訟事件手続法、これは株式価格の決定も対象にします。今後、東電を処理する中で、仮に事業譲渡ですとか会社分割ですとか、あるいは一〇〇%持ち株会社をつくるための株式移転といった組織変更を行うとすると、議案に反対する株主はどのような手段をとればいいんでしょうか。

黒岩大臣政務官 今委員御指摘の個別の事案については、回答することは適切でないと考えますけれども、ただ、当然一般論としては、株式会社が事業譲渡、会社分割または株式移転をする場合は、反対株主は株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができるとされております。そして、買い取り価格については、株主と株式会社との間で所定の期間内に協議が調わないときは、株主または株式会社は裁判所に対して価格の決定の申し立てをすることができるとされております。

柴山委員 まさしく非訟事件手続に入るわけですけれども、その際の株式の価格決定について、利害関係を持つ会社ですとか、あるいは他の株主の利益に配慮する必要があるのではないでしょうか。

黒岩大臣政務官 確かに、反対株主が株式の価格の決定の申し立てをした場合において、裁判所が価格を決定する裁判をすると、会社はその裁判により拘束されることになりますから、会社については、その手続保障を図るため必要な措置を講ずる必要があると考えております。

 他方、これに対しまして、特定の反対株主が株式の価格の決定の申し立てをした場合において、裁判所がその株主の株式について価格を決定しても、他の反対株主の株式の価格が決定されることにはなりません。したがって、特定の反対株主の価格の決定に係る事件において、他の反対株主については、その手続保障を図るために必要な措置は講じる必要はないと考えております。

柴山委員 とすれば、株主や会社がこういった手続に対応する機会を保障するために、例えば、一部株主から、反対株主ですよ、反対株主から買い取り請求というものがあれば、それについて会社や他の株主に、そういった申し出がなされたという通知をするといったような制度は設けられたんですか。

黒岩大臣政務官 今委員御指摘のように、このような問題意識のもと、今回の整備法においては、会社法を改正し、反対株主が株式の価格の決定の申し立てをした場合には、会社が反対株主の主張に対し反論する機会を十分に保障するため、原則として、会社に対し申し立て書の写しを送付して、申し立てがあったという事実を知らせることとしております。

 そのほか、原則として、審問の期日を開いて、株主と会社の陳述を聞かなければならず、そしてまた、主張及び反論の期限を設定し、裁判をする日を定めなければならないものとしております。

柴山委員 会社はいいんですけれども、今政務官が御答弁になったように、ほかの株主にも事実上大いに影響が出てくるんだと私は思うんです。それはやはり私は等閑視してはいけないというように思っております。

 それに、もう一つ申し上げさせていただくと、今でも裁判所が関係者を審尋するということは行われていると思いますけれども、裁判所の許可を得て参加をすることができるようになるということにどれだけ意義があるんですか。

黒岩大臣政務官 お答えいたします。

 委員が今御指摘されたように、これまでも裁判所は、事実の調査として当事者以外の者を審尋し、その言い分を聴取することがあったものと承知をしております。ただ、もっとも、これは、その者の言い分を聞くのみで、その審尋を受けた者は、例えば証拠の申し立て権など手続上の権能を行使することができるものではございません。

 ですから、今回の非訟事件手続法案では、参加制度を設け、参加した者は、証拠の申し立て権など当事者が行使することができる手続上の権能を行使することができるとしているところでございます。

柴山委員 そういう意味では、いろいろなことができるようになるということ自体は評価をしたいと思うんですけれども、ただ、今回は、それに加えて和解の制度というものが取り入れられています。

 例えば、株主が理不尽に低い価格で会社と和解してしまった場合に、その効果というものが他の株主などには及ばないということで間違いないでしょうか。

黒岩大臣政務官 委員御指摘のとおり、今回の非訟事件手続法案では、第六十五条において和解を可能としております。

 ただ、この和解についてでございますけれども、株式の価格の決定に係る事件では、反対株主と会社との間で和解をすれば、その反対株主の株式の価格を決めることができます。もっとも、この和解は、当該反対株主の株式の価格を決めるのみで、他の反対株主の株式の価格を決めるものではございません。したがって、仮に特定の反対株主と会社との間で例えば低廉な価格で和解が成立いたしましても、他の反対株主の株式の価格の決定に法律上の影響を及ぼすものではない。ですから、他の反対株主に悪影響を与えないものと考えております。

柴山委員 そこが不徹底だと思うんですね。

 やはりアメリカなんかでは、例えばクラスアクションなんかで、あるクラスター、層の一部から法的手続があった場合には、同じような立場にある方々にそれについての告知を広くされるというような制度もあります。私は、手続保障ですとか関係人の立場というものを考えるんだったら、やはりそういったことまで踏み込んで対応するべきだったというように思っております。

 端的に伺いますけれども、訴訟事件の扱いと今回の改正法での非訟事件の扱い、それはどこが違うんですか。

黒岩大臣政務官 これも委員の御指摘のとおり、今回の非訟事件手続法案では、例えば証拠調べや電話会議システムなどに民事訴訟法の手続に類似した制度を導入しております。

 ただ、もっとも、非訟事件の手続は民事訴訟に比して簡易迅速に処理すべきものであり、よって憲法上の公開の要請がございません。そこで、そのような特質を踏まえて、民事訴訟では必ず弁論期日を開き、そして弁論を公開しなければならないのに対しまして、大きな違いとしては、非訟事件の手続では、その審理は非公開とし、期日を開かなくても裁判をすることができるとされております。

 ただし、非訟事件の中にも紛争性がある事件もあることから、個別法におきまして、例えば借地非訟やきょう議論になりました株価の決定の申し立て事件などの会社非訟の一部などは、期日を開かなければ裁判をすることができないこととしております。

柴山委員 公開の原則が必ずしも貫徹されていないというふうにおっしゃったんですけれども。

 今回、利害関係人の記録閲覧権というものについて定められましたが、利害関係人については裁判所の許可に係ることとなっているんですね。当然認められるべき労働審判事件などとの不均衡というものが私は指摘され得るというように思っているんですけれども、同じ訴訟ではないにもかかわらず、これはどのように説明されるんですか。

黒岩大臣政務官 お答えいたします。

 非訟事件一般におきましては、この非訟事件手続法案の閲覧、謄写等の規定は、特段の定めがない限り広く非訟事件一般に適用されますけれども、非訟事件の中には、紛争性の程度、そして収集される証拠の種類や秘匿性の高さ等においてもさまざまなものがあり得る。

 そこで、非訟事件手続法案においては、このような多様な事件に対応できるように、閲覧、謄写等の請求が当事者からされた場合と利害関係を疎明した第三者からされた場合とでは、要件を異にしつつも、いずれについても閲覧、謄写等を許容しない場合を認めることとし、それぞれ要件に該当するかどうかを判断するために裁判所の許可に係らしめております。

 他方、これに対しまして、労働審判法が手続を規定している労働審判事件は、紛争当事者の利害の対立が顕著な事件であるため、当事者等が裁判資料を十分に了知した上で主張、反論をすることができるようにする必要がございます。そのため、労働審判手続においては、当事者及び利害関係を疎明した第三者は特段の例外なく記録の閲覧等をすることができるものとするのが相当であり、裁判所が許可を通じて記録の閲覧等を認めるか否かを判断すべきものとはしておりません。

    〔委員長退席、牧野委員長代理着席〕

柴山委員 ぜひ、許可において不明朗な運用がなされないようにお願いしたいと思います。

 そして、改正法では、鑑定によらないで機動的に専門的な知見を活用するために専門委員制度の創設を決めました。

 ただ、非訟事件には借地条件の変更なども含まれまして、今回の東日本大震災で、こういった借地条件の変更などのニーズは非常に大きくなることも予想されます。当局として、専門委員の確保、恐らく鑑定士などだと思いますけれども、こういった問題をどうするかなどの対応は考えておられるんでしょうか。

永野最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 専門委員については、既に訴訟事件の審理のために専門家が専門委員に任命されておりますので、これらの専門家を非訟事件においても利用していくことが考えられますほか、さらに、事件の動向を見ながら、必要な分野の専門家の確保に機動的に当たってまいりたいというふうに考えております。

 また、御指摘のように、借地非訟の分野では、専門家が鑑定委員という形で必要になってまいります。被災地におけるニーズ等も把握しながら、こういった形での専門家の確保についても遺漏のないよう適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

柴山委員 最後に、家事事件手続法の改正案について伺います。

 当事者の権利を強化する方向には一定の評価ができると思うんですけれども、子供の陳述の聴取について、各法条で十五歳以上に限定されている趣旨は一体何でしょうか。

黒岩大臣政務官 十五歳以上に限定している理由についてお答えさせていただきます。

 子の陳述聴取とは、子から言語的表現による認識、意見、意向等を聴取するものであるから、子の陳述を聴取するためには、子がみずからの認識を表現し、または意思や意向を表明することができる能力があることが前提であると考えております。

 したがって、そのような能力がある程度に発達した子から陳述を聴取すべきということになりますけれども、それぞれの子の発達の程度には個人差がございます。他方、陳述聴取を必ずしなければならない対象者を法律で定めるためには、明確な基準を定めなければいけないことから、従前の例に倣いまして、少なくともその年齢になれば陳述を聴取することができると考えられている十五歳を基準とした次第でございます。

    〔牧野委員長代理退席、委員長着席〕

柴山委員 委員の方で、今のやりとりをお聞きになっておられる方は、先日私が合同委員会で質問した親権の停止や喪失などの質問で、何で子供単独でできるんだということを聞いたのを御記憶だと思うんですね。意思能力があれば特に申し立てができるというふうにしているんですよ。なのに、証拠方法だとか陳述を聞くというのに必要的な要件として十五歳以上に限るというのは、これは私は筋が通らないと思う。通らないんじゃないんですか。

黒岩大臣政務官 お答えさせていただきます。

 民法等の一部改正では、十五歳未満の子であっても意思能力があれば親権喪失等の請求をすることが可能となっております。

 十五歳未満の子の取り扱いについてでございますが、陳述聴取について、家事事件手続法案では、家庭裁判所は、子の陳述の聴取、家裁調査官による調査その他の方法により、子の意思を把握するように努め、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならないとされております。

 そのことから、十五歳未満の子であっても、陳述聴取が常に不要ということになるのではございません。その子に意思能力があり、手続行為能力が認められる場合など、その年齢や発達の程度等を考慮して、陳述聴取の方法により子の意思を把握することが適切であると家庭裁判所が判断するときは、十五歳未満の子であってもその陳述が聴取されることになりますし、たとえそうでない場合であっても、他のさまざまな方法により、子の意思の把握に努めることとなる、そういう次第でございます。

柴山委員 ぜひ、さまざまな法律の間の整合性というものをしっかりと検討してやっていただきたいと思います。

 それから、政務官においては、今の答弁だけじゃなくて、やはり私が最初に質問したことにも、きちんと国民が納得できるような、そういう答弁を改めてしていただきますように、これから質問続きますから、ぜひよろしくお願いいたします。

 以上で質問を終わります。

奥田委員長 次に、北村茂男君。

北村(茂)委員 自由民主党の北村茂男でございます。

 まず、議案となっております非訟事件手続法案について伺いたいと思います。

 今回の法改正は、非訟事件手続を国民にとって利用しやすくするため、現代社会に適した内容にするものであります。

 また、明治三十一年制定以来、抜本的な見直しが行われていない等のこともあり、文語体表記を口語体表記とするなど、また、電話会議やテレビ会議システムの導入や和解、調停制度の利用により協議により手続を終了することも可能になる、さらには専門委員制度の創設等により専門的知見の機動的な活用が可能になるなど、内容的にも多くの改善がなされるなど大いに評価をしており、私自身は賛成の立場であります。

 しかし、非訟事件とは一体どういうものなのか。確かに、中には文章としては書いてあります。しかし、一般の国民視点からは、非訟事件というのはなかなかわかりにくい。私自身も、法曹関係者でもなければ法務行政に詳しい者でもありませんが、実は、非訟という言葉を知ったのは正直言ってごく最近であります。非訟ですから、訴訟でないというふうに考えればおおむね合っているのかな、第三者の判断を求めないで物事を解決する方法の一つなのかな、こういうふうには思うわけでありますが。

 非訟の定義について改めて大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、本法律案では非訟事件の定義規定がありません。その定義を規定すべきだという意見もあったというふうにも聞いておりますが、そのことについてはどのようにお考えか。冒頭、大口先生の方から質問もあったかもしれませんけれども、私からも伺っておきたいと思います。

 また、非訟との呼称、呼び方ではなくて、もっと国民にとってわかりやすい呼び方がなかったのかどうか。私は、非訟事件というだけでは、字を見てわかる人はいるかもしれませんが、言葉で聞いてもわからない国民の方々が大多数ではないかというふうに思うんですけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。

江田国務大臣 この点は先ほども別の委員からの御指摘もあったところで、同じ答えということになるんですが、別の角度からいいますと、非訟事件というのは訴訟事件以外のもの、こうなっております。そうすると、訴訟事件は何だということを定義しなきゃならぬ。これは判例でいろいろ言っているわけです。それを全部入れて、以外のものを非訟事件という、そういう決め方しかどうもなかなか知恵がないので、それでは定義をしてみても結局同じことなので、そういう定義じゃなくて今までのとおりでやっていこうということにいたしました。

 非訟事件というのは確かに言葉としてこなれていない。まあ明治何年からで、今までたってまだこなれていないというんですから、これは幾ら時間がたってもこなれるものではないんですが、しかし、具体的に個々の法律の中で、例えば会社において清算人をどうするとか、株式の価格をどうするとか、あるいは借地借家において借地条件、借家条件の変更をどうするかとか、あるいは家事の事件においてさまざまな、子の氏の変更をどうするとか、そうしたようないろいろな手続がございます。それらを通じて、基本的にこういうことが共通しているじゃないか、こういう手続を決めようじゃないかということで基本法というものをつくった。それをどういう法律の題名にするかというので、非訟事件手続法というのを引き続き使っていこうということにしたわけでございまして、ぜひそこは、非訟事件というのはこんなものだというのを国民の皆さんに広めていただければと思います。

北村(茂)委員 それでは、家事事件手続法についても一問伺っておきたいと思います。

 今回、この法改正についても、非訟事件手続法案と同様に、家庭をめぐる紛争を扱う非訟手続を規定する法律の現代化を図るものであり、もちろん、内容的にも異論などあろうはずもありません。

 本法律案につきましても、国民視点からお伺いいたしますけれども、旧法では家事審判法との名称であります。新法において家事事件手続法と名称が変更されております。これには、なるほど、これなら変更しても十分、こういう言葉に変えた方がいいということなんですけれども、今のお話のように非訟事件はなかなかそうではなかったということなんですが、今回変えた大きな理由は何でしょうか。

江田国務大臣 これはもう今委員が御理解をいただいているとおりで、これまでは家事審判法という法律でした。しかし、その中には家事審判という手続と家事調停という手続があって、いずれもこれは裁判における手続でございますので、それらをまとめて家事事件手続法ということにして、両方を含むということにしたということでございまして、従来の家事審判で、家事審判、家事調停両方を代表させるというのがそもそも無理があったので、そこはより率直な物言いにしたということです。

北村(茂)委員 非訟事件手続法案、家事事件手続法案及びその施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に関する質問は、以上二問にさせていただきたいと思います。

 この際、震災関係についてお伺いをしたいと思います。

 まず、このたびの東日本巨大地震、津波災害によりお亡くなりになられた方々と被災された皆様に対しまして、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧復興を心から願っている一人でもあります。

 そのことに関して、改めて質問をさせていただきたいと思います。

 三月十一日、私は羽田空港におりました。三時の飛行機で選挙区に帰る予定でおりました。あの二時四十六分、起こった津波災害は、能登半島地震で直撃を受けた体験があるとはいえ、それを絶する大きな恐怖感を抱いた体験でありました。テレビから流れるあの様子を見ても、まるで家が浮き船のように、あるいは船がマッチ箱や木の葉のように流されていくあの姿を見て、本当にこれが現実のものかと我が目を疑ったぐらいでありました。

 地元への飛行機がありませんでしたので、東京へ戻って、それから三週間、東京で足どめになり、もちろん、我が党は、当日の午後三時半に直ちに災害対策本部をつくり、被災経験者の私も、その事務局スタッフの一員として参加を求められて、以来三週間、東京に、そのことに没頭させていただいたものであります。とりわけ私には、避難所及びボランティアという部分で、積極的に窓口となって取り組むようにという御下命でありましたので、以来、政府関係者とも再三の連絡をとりながらの取り組みであったことを今覚えております。

 特に政府は、三月二十二日に、被災者生活支援特別対策本部のもとに、各府省の事務次官らによる連絡会議を設置したということであります。政府は、地震発生後、原発事故や電力需給問題など、発生する課題に合わせて幾つかの組織を次々と設立いたしました。しかし、数多かれど中は遅々として進まず、各省庁間の連携不足のために被災者の物資輸送のおくれや計画停電の発表をめぐる混乱などが続発したという指摘が各方面からあったことは間違いありません。実務、事務を担う各省庁間の連携は重要であるにもかかわらず、地震発生から十一日も経過した後に連携の確立をされたということでありますが、まさに遅きに失したのではないか。

 我が党の災害対策本部事務局の一員として、先ほど申し上げましたけれども、震災発生直後から内閣府へ何度も訪問いたしました。十九日に私が訪問したときには、災害服であっただけに身分証明書を持ち合わせていなかった私は入り口で差しとめを食いました。しかも、中ではそんなようなものはまだできている形跡がないということでありました。それで翌日、二十日の日に身分証明書を持って伺いましたら、ようやく二十日の日にあの地下講堂で、各省庁から派遣された人を前に、平野内閣府副大臣ですか、そのときが初めての、いわゆる被災者生活支援特別対策本部のスタートの式をお昼ごろにやっておられました。そのときを皮切りに、私は何回となく足を運んで連絡をとってきたわけでありますが、このように政府の対応は極めて遅かったことは私自身もそのように感じてまいりました。

 このように、その対応等のおくれやあるいは連携不足に対して、法務省として、この震災対応にどんな問題があったのか、あるいはなかったと思っているのか、このことについて法務大臣の感想を率直に伺っておきたいと思います。

江田国務大臣 北村委員が御自身の地元での地震の経験を踏まえながら、今御指摘になられました。私も、三月十一日、午後二時四十六分、ちょうど参議院の決算委員会の真っ最中でしたが大変な揺れで、その夜は法務省に戻りましたが、まずエレベーターが動いていないというので大臣室までなかなか上がれないとか、しかし、大臣室に戻って夜は仮設のベッドで大臣室で泊まりながらテレビを見ておりまして、大変なことが起きているということを痛感し、これはやはり我々は責任重大だということをその瞬間に感じながら、今日まで、もちろん一度も地元へ戻ることなく職務に精励をしているところでございます。

 そんな中で法務省としてどうだったかということでございますが、法令の整備あるいは関係部局におけるさまざまな取り組み、いろいろやってまいりました。特定非常災害の被害者の権利利益の保全を図るための特別措置に関する法律、これは既にできている法律でございましたが、その関係の政令の制定であるとか、登記手数料のことであるとか、あるいは罹災都市借地借家臨時処理法とか罹災マンション法の検討であるとか、法の適用のための政令の検討であるとか、出入国の管理の関係、いろいろ申し上げるとたくさんありますが、こうしたこと。あるいは、刑務所。矯正の職員を派遣するとか、矯正施設にある毛布やマスクなども現地に提供するとか、メンタルヘルスのための心理相談であるとか、あるいは人権擁護の関係などなど、精いっぱいやってまいりました。

 被災なさった皆さんが、まだ足りない、遅いぞ、こう言われる気持ちは本当に痛いほどわかりますが、私どもも一生懸命やっておりまして、これは本当に今、国の力を総動員してこの危機を乗り切るためにみんなで力を合わせていきたいと思っております。足りないところがございましたら指摘をしていただいて、一刻も早くそうしたことを改めながら、被災者の救援、そして復旧から復興に向けて、国民の底力を出していかなきゃいけないところだと思っております。

北村(茂)委員 震災発生から既に二カ月が経過いたしました。今なお全国で約十二万近くの多くの方々が苦しい避難所生活を余儀なくされております。

 今ほど大臣からお話ありましたように、法務省においても、自衛隊、警察、消防などのように実動部隊ではありませんけれども、いろいろな被災者対応をしてきたということであります。そのことも承知をいたしております。

 私自身も、福島県に一回、そして宮城県に一回、都合二回の現地の状況を視察すると同時に、仲間と一緒に物資等を持って届けに行ってまいりました。現地で見る異様なさまは、あるいはテレビメディアから得る震災状況とはまた、あの異様なにおい等を含めて、災害の現場に立っての思いは格別なものがありました。

 いまだ被災地では多くの瓦れきの山が見受けられます。この災害廃棄物の処理に関しては所有権などに関する法的問題が生じるが、いわゆる無価値物は迅速に処理ができるよう対処方針を決めてやっているということであります。しかし、価値がある、価値がないという現場判断はなかなか難しいものでありまして、その現状が、瓦れき処理の進捗状況についてどのようになっているのか、民事局長に伺いたいと思います。

原政府参考人 お尋ねありました瓦れきの処理に関しましては、所有権等の法的問題が生じてまいりますので、政府の災害廃棄物の処理等に係る法的問題に関する検討会議におきまして、その法的問題について検討がされました。その検討結果が、東北地方太平洋沖地震における損壊家屋等の撤去等に関する指針として取りまとめられた次第でございます。そして、去る三月二十五日付で、被災者生活支援特別対策本部長及び環境大臣から関係県知事に対して通知がされたと承知しております。

 法務省といたしましては、この検討会議におきまして、民事基本法を所管する立場から意見を述べるなどしてきたところでございますが、今後とも、環境省等から、関係省庁等から協議があれば可能な協力を行ってまいりたいと考えております。

北村(茂)委員 先ほどの質問にもありましたけれども、この震災直後に、いわゆる容疑者の安全確保や参考人聴取などの裏づけ捜査が困難になったことなどを理由に、福島、仙台両地検は勾留中の容疑者を、福島地検においては三十一人、仙台地検においては二十七人釈放いたしました。

 このことについては先ほどの質疑もありましたから、このことに対する質疑はもう飛ばしたいと思いますけれども、最初、この問題がこの委員会でも質疑されたときに、江田法務大臣は、検察の判断に問題はなかったということが最初の答弁であったと思います。その後、質疑の中で、容疑者の中には強制わいせつ等問題のある者もある、あるいは窃盗容疑で入っていた人が直ちに現行犯逮捕されるなどの問題が起こってきて、やっと大臣も、若干どこかに問題があったかのように答弁内容が変わってきたと思っております。

 福島地検と仙台地検で容疑者が釈放された一方で、北海道警と岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉、神奈川の各県警は、東日本巨大地震の直後、津波や留置施設倒壊の危険性があるとして、八道県警の三十五警察署に留置されていた容疑者や起訴後勾留中の被告など約二百人を他の警察署などに移送していると伺っております。地検においても同様に、勾留場所の変更など、釈放という手段ではなくて他の別の手段で対応できたのではないかと考えるのですが、このことに対する見解を伺っておきたい。

 同時に、今回の件に関して、地検は県警に相談することなく釈放していたようでありますが、法務省や検察庁に対して、移送や釈放についての相談や助言を求めてこなかったのかどうか。また逆に、法務省や検察庁は、各地検に容疑者の安全確保等に関する対処指針などは示さなかったのか。その対応について大臣に伺いたいと思います。

江田国務大臣 地震直後の被疑者の釈放関係についてでございますが、まず、時系列を追っていきまして私自身の説明が変わったというのは事実でございます。

 これは、私も、十分な調査をしっかりした上で確定的な答えをした方があるいはいいのかもしれませんが、しかし、その都度その都度の状況が移っていくときでございますから、その段階で得ている判断というものを申し上げました。率直に、わかっている範囲のことを申し上げました。

 最初は、重要事犯というものは含まれていない、軽微なものだという報告でございまして、そういうことを言ったんですが、その後、釈放された者がまた店に入ったぞとか、あるいは大した強制わいせつじゃないというんだけれども、強制わいせつというのは女性にとっては大変恐怖がある、しかし、やはり若干の、強制わいせつという罪種の持つ嫌らしさというものがある事件だということがわかってまいりまして、これは問題なきにしもあらずと。

 しかし、全体として見ると、個別の判断で、一つ一つを見ますと、違法だったというようなところではないんだということで、その後わかってきたことを含めて、今、ある意味で確定的なことを申し上げて、しかも、そうしたことを踏まえ、検事正の異動ということも行ったところでございますので、全体として、この釈放について、私は、これは、地域住民の皆さんに対しても、あるいは国民の皆さんに対しても、申しわけなく思うということは言いまして、率直に反省をしなきゃならぬところだと思っております。

 さて、その上で、この釈放について、これは法務当局なり私どもの方からいろいろな指示をしたり、あるいは相談があったりということではございません。ただ、個別の事件の担当検事が上司と相談をし、この判断をしたものであって、何か特定の個人の独断ということでやったわけではございません。

 そして、そういう場合に何か基準というものをつくったらどうなのだということもあるかと思いますが、これは担当検事の個別の判断でございまして、そこに何か基準をつくるというのは非常に困難で、これはやはり個別の事案の適正な判断にまつほかないと思っております。もっとすごいケースになって、例えば、もうこれは拘束している受刑者などを釈放するしかないなどというときは別ですが、今回はそういう事態ではございません。

 また、委員御指摘の、関係の官署と十分な連絡がなかったケースも見られたという、これも残念なところでございます。

北村(茂)委員 時間がなくなりましたので、一点。

 先ほどの質疑の中で、いわゆる釈放したことは法律違反ではない、釈放したことはそれなりの、当時の判断としては問題はあるけれども、大枠として許容の範囲内であったということであります。この釈放は、無罪放免じゃないんですね。文字どおり無罪放免じゃなくて、フォロー捜査が、場合によっては、落ちつけば当然するということであります。

 したがって、福島地検の三十一人については、そのすべてが処分の見通しがおおむね立ったという先ほどの答弁でありましたが、それでは伺いますが、福島地検はわかりましたが、仙台地検の方のフォロー捜査によるその後の対応はどうなっているんでしょうか。

江田国務大臣 問題は福島とそして仙台と両方あるわけでございますが、個別の事案ですので、具体的に、一つ一つが特定されるような答えというのは差し控えておきたいと思いますが、しかし、そういう思いを込めながら申し上げますと、福島においても仙台においても、近々すべて処理できたという報告はできる状況になってきていると申し上げておきます。

北村(茂)委員 そうあるべきだし、そうあってほしいと思っています。国民もまた、安心、安全の立場からも、あるいは法体系を維持する上からも、ぜひそうあってほしいと私からも要望しておきたいと思います。

 時間がだんだん刻々となくなってまいりました。この震災による登記問題や権利関係等についても、あるいは戸籍の消失問題等についてもやりたかったんですが、どうも時間がなくなってきましたので、外国人留学生、研修生や外国人労働者について伺いたいと思います。

 入管行政についてでありますが、震災発生にかんがみ、海外からの災害救助隊の皆様などに対しては、入国に関する最大限の円滑化を図っていただいたというふうに伺っておりまして、この対応を評価いたしたいと思います。

 そこで、入管行政に関連してですけれども、日本に滞在されていた外国人留学生のうち、震災発生後、再入国の手続をとらずして母国へ帰国されてしまったケースが非常に多いというふうに伺っております。これに関しては、特別に再入国の手続を簡便にするよう法務省は対応されているようでありますが、また、外国人研修生についても簡素化を図りながら対応されていると伺っております。

 そこで、いわゆる外国人労働者の方々についてでありますが、外国人労働者についても同様のケースがあろうかと思いますが、このような労働者に対する法務省の対応はどのような状況になっているのか、伺いたいと思います。

高宅政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、留学生の方が出国前に引き続いて学業を継続する場合、あるいは出国前に引き続いて研修・技能実習を継続する場合、このような場合につきましては、新規入国の場合、通常、在留資格認定証明書というものを求めておるんですが、これがなくても在外公館に必要最小限の資料を提出するということで極力短時間で査証を取得できるように、取り扱いを外務省と協議した上で行っております。

 その上で、一般の就労目的で在留している外国人の方が震災の影響を受けまして再入国許可を取得せずに出国した場合でございますが、この場合につきましても、勤務先等に変更はないということであれば、在留資格認定証明書の交付申請を行ってもらいますが、その中で、これまでの就労状況を確認した上で、可能な限り簡易迅速な処理に努めてまいりたい、このように考えております。

北村(茂)委員 ぜひそのように迅速な対応をしていただきたいというふうに思っています。

 最後に一点。福島第一原子力発電所の事故を受けて、福島県からの避難者に対するホテル宿泊の拒否、あるいはガソリンの給油拒否、避難先の小学校でのいじめなど、いわゆる人への風評被害が起こっているとメディアで幾つか報じられている記事がありました。これらに対して、法務省は、人権侵害防止に向けた緊急メッセージをホームページに掲載するなどして、根拠のない思い込みや偏見で差別することは人権侵害につながると指摘をして、人権侵害防止の啓発を図られておると伺っております。

 収束の見通しがいまだはっきりしない原発事故に対する不安や不信から、今後も人への風評被害による人権侵害が懸念されますが、法務省における今後の対応等について法務大臣の見解を伺いたいと思います。

江田国務大臣 こういう大変な状況の中で、まさに国民の底力が問われているときだと思っております。被災された皆さんに対してどれだけ思いを寄せていくのか、思いやっていくのかということが大切なときに、思い込みや誤解でこういう人たちを差別する、宿泊を拒否するとか、子供をいじめるとかいうようなことが起きるのは本当に残念なことで、これはどうしてもそういうものを起こしちゃいけないということだと思っております。

 まず、人権相談でございますが、これは、これまでも面談、あるいは電話などの人権相談、さらに特設の相談所などやってまいりましたが、これからもさらに一層強めてまいりたい。それからもう一つは啓発でございまして、国民の中にそうしたことはいけないんだということをちゃんと周知していくということで、緊急メッセージのことを今委員お触れになりましたが、そのほかさまざまな啓発活動で、例えば、これはきょうから、避難者を多く受け入れている地域でのラジオスポット放送をするとか、あるいは、さらに一層の相談体制の充実、人権相談の内容や新聞報道等の情報等を踏まえた効果的な人権啓発活動もさらに一層やってまいりたいと思っております。

北村(茂)委員 ありがとうございました。以上で終わります。

奥田委員長 次に、城内実君。

城内委員 国益と国民の生活を守る会の城内実でございます。質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 本日は、まず家事事件手続法案について、そして二番目に、人権侵害救済機関の設置について再度質問させていただきます。

 既に本日の法務委員会で、大口委員、柴山委員から、家事事件手続法案の中で、家事事件における子の陳述の聴取について、陳述聴取の対象を十五歳以上の子に限定していることについての疑問点がただされました。江田大臣は、先ほど大口委員に対しまして、子の個々人の発達段階がさまざまであるということをお認めになりつつも、しかし、個別の事情で法律に書き込むわけにいかないから十五歳という線引きをするのは妥当であるし、また、十五歳未満であっても、家裁の調査官によって意見を聞くことが可能であるということをおっしゃいました。また、黒岩政務官も、発達段階の個人差を認めつつも、子の意思を把握するよう努め、意思を考慮しなければならない、これが裁判所や家裁で徹底されているというようなことをおっしゃいました。

 ただ、私は、子供の権利を考えてみた場合、例えば、子供の名前で、悪魔とか怪物とかいう名前をつけられた子供が、なぜこの名前が嫌だということを、意見を表明するのは、これは幼稚園生だってできるわけですよ。したがって、十五歳以上の子に限定するという合理性はありませんので、個々の裁判官や家裁の調査官が判断するということで任せ切って本当にいいんだろうかと私は思います。したがいまして、もっと踏み込んだ答弁を大臣にしていただきたいんです。よろしくお願いします。

江田国務大臣 踏み込んだ答弁ということで、どう答弁しようかと思っているところですが、子の意見陳述権、子供も意見を述べる権利があるというのは、これは国際社会の共通の準則でございまして、私ども、もちろんそれは大事にしていかなきゃいけないということでございます。

 しかし、子ももちろんさまざまで、発達段階もありますが、年齢的にも、それは生まれたばかりの子もいるし、間もなく二十という未成年の者もいるわけでありまして、子から言語的表現によって認識や意見や意向を聴取するということでございますから、まず、みずからの認識を表現する、あるいは意思や意向を表明する、そういう能力がなければいけない。

 この能力は事案によってさまざまだと確かに思います。今委員がおっしゃるように、悪魔という名前をつけられた子供が幼稚園でいじめられる、悪魔なんて僕は嫌だと。これはやはり一つの意見であり意思の表明で、これは幼稚園の子供でもできるかもしれません。しかし、もっと進んで、どういう親とどういう関係で自分のこれからの成長をしていきたいかというようなことについては、これは相当年齢が上がってこなければ表明できないかもしれません。

 そういう意味で、一般的にもずっと子の中でさまざまな能力がありますし、個別に見ても個人差というものが随分ございます。しかし、子の意見表明というのは大事なことですから、どこかにやはり法律的に一つの基準をつくろうということで、十五歳以上という基準を設けた。

 十五歳以上はこれはちゃんと聞くということがもう大原則でございますが、それではそこで限定して十五歳未満は聞かないのかというと、決してそんなことはない。十五歳未満の子の場合にもその意思を尊重しなければいけないことは当然でございますので、意見聴取が常に不要というのではなくて、やはり最大限認めていこうということで、家庭裁判所の判断にそこはゆだねて、家庭裁判所がみずから聞く、あるいは家裁調査官によって聞く、そういういろいろな手法を駆使してほしいと思っているわけで、家庭裁判所にゆだねるのがどうかということですが、これはやはり、司法判断というのはある人にゆだねるという場合があるので、家庭裁判所の裁判官が適切に判断してもらえると思っております。

城内委員 ぜひ、子供によってはしっかり意見表明ができる子もいるわけですから、原則として意見の陳述ができる、それを聴取できるというふうな原則論でお願いしたいと思います。

 時間がないので、人権侵害救済法案についてお尋ねしたいと思います。

 四月に、民主党内に人権侵害救済機関検討プロジェクトチーム、座長は川端達夫さんですけれども、民主党内で既に議論を始めている。五月十三日の各紙の報道によりますと、人権侵害救済機関設置法案を与党民主党は次期臨時国会に提出する方針であると報じられました。しかし、私が野党だからしようがないのかもしれませんが、どういう議論を行っているかということが全く伝わってこないというのが一つ。二つ目には、民主党の議員の方に聞いてみたら、よくわからないと。一体これはいかがなものかと思います。

 人権というのは、これはもうすべての人が対象になるんです。私は法務委員会で何度も、人権侵害救済機関が国家行政組織法上のいわゆる三条委員会、例えば公正取引委員会とか公害等調整委員会、すごい強力な権限を持っているわけですよ。しかし、対象になるものは限定されているんですけれども。これが人権侵害救済機関となった場合は、日本国に居住するあらゆる日本人及び外人が対象になるという意味では、化け物みたいな機関になるわけですね。したがいまして、この震災のどさくさに紛れて何かやっているんじゃないかというような、私はそうじゃないと信じていますけれども、そういうことを言う方もいらっしゃいます。

 したがいまして、まず大臣にお尋ねしたいのは、当然、大臣は民主党の大臣ですから、最新の民主党案についてお尋ねしたい。特に、かつて自民党が与党のときは法務省の外局として人権委員会を設置するという案でしたけれども、その点についてはどうなっているんでしょうか。

江田国務大臣 人権救済機関の設置というのは古くて新しい課題でして、これは委員御承知のとおり、人権擁護推進審議会答申から始まって、あるいはその前からずっとございます。そういう長い経過を経て、政府が人権擁護法案というものを出したこともございます。それが途中で頓挫をして、民主党は民主党独自の案を出したこともございます。

 そうしたことも踏まえて今日に至っておるわけで、とりわけ昨年の六月、当時の政務三役が中間報告として取りまとめたものがございまして、その方向性を基本として政府としては検討しているということがまず第一。

 次に、民主党において、これは今委員紹介していただきましたが、プロジェクトチームを立ち上げて検討しているというものがございます。プロジェクトチームの検討がどこまで進んでいるかという具体の細かなことは私は確実には承知をしておりませんが、さまざまな検討をしておられるものと思っております。

 その中で、私どもは私どもの思いがあり、私も、民主党にいる当時に民主党の案をつくった責任者の一人でもございました。しかし、私どもの思いだけではなくて、それはいろいろな意見があって、これを大きく取りまとめていくのが国会というところですので、危惧を抱かれる方、反対される方、そうした皆さんの意見も聞きながら、みんなに納得いただけるものをまとめようとしているところだと承知をしており、その上で、今の、法務省か内閣府かということについて言えば、私どもの当初の主張あるいは政務三役の中間報告、これは内閣府ということが念頭にというような微妙な書き方をしておりますが、内閣府ということに絶対にこだわるという姿勢ではないということを申し上げておきます。

城内委員 内閣府どころか内閣に設置するというような考えもあるというふうに漏れ聞いているんですが、内閣府というと、何か、原子力安全委員会が内閣府にあって、経産省のもとで原子力安全・保安院がある、こういう構図と似ていますよね。だって、法務省には人権擁護局という立派な局があるわけですから、私は、人権擁護局がもっともっと人権啓発活動をすべきだと思いますし、各地域にいらっしゃる人権擁護委員の方は本当に頑張っていらっしゃいますから、その点で予算をふやすということはぜひやっていただきたいと思います。

 わざわざ内閣府もしくは内閣にこのような人権委員会というのを設置する、その意味というか、私はこの間も、三月九日に大臣に、コスト・ベネフィットの観点で、費用について具体的な検討をされたんでしょうかという質問をしましたら、まだお答えできないというようなことをおっしゃいましたよね。

 事ほどさように、今まさに民主党さんが事業仕分けをやっているわけですから、こういう巨大な組織を、しかも行政組織法上の三条委員会ですよ、つくって、では何をやりたいんだと。前にも言いましたように、ネズミはネズミ取り、ゴキブリはごきぶりホイホイと、個別法をしっかりつくってやればほぼ一〇〇%解決するはずじゃないですか。

 その点について、大臣、今回ははっきりと御答弁いただきたいと思います。

江田国務大臣 これは、ですから、いろいろな皆さんのいろいろな意見があって、そして、数年前に民主党が議員立法で出したそういう意見も、私は、そういう意見も十分国会の中にあるということは認めていただきたいと思います。しかし、そうでない意見もあるので、今委員おっしゃるように、個別法で、個別の人権侵害の場面場面で対応するのでいいという意見もございます。

 しかし、やはり、そこはもう少しこの事案を適切、迅速に処理できるような専門の機関をつくった方がいいという意見も当然あるわけで、それを内閣府に置くという私どもの意見もあったんですが、先ほど私はそこはちょっと踏み込んだ答弁をさせていただいたつもりでございますが、そういう制度設計を今やっている最中でございますから、したがって、その制度設計によってどの程度の財政措置が必要かというのは、まだ言える段階には至っていないということでございます。

城内委員 ぜひ、これは本当に重要な問題ですから、拙速を避けて、十分議論していただきたいと思います。

 まだ時間がありますので、質問通告はしておりませんが、元労働大臣の村上正邦氏が、喜連川社会復帰促進センターに収監中の守屋元防衛事務次官に会いに行きましたという話がございます。

 これは恐らく大臣もお聞きになっていると思いますけれども、その際、刑務官から、刑務官会議で会えるかどうか決まる、会議にかかる時間はわからないと告げられて、一時間も待たされた、さらに、刑務官にお世話になったので、そこの所長さんにもお礼というか、会って激励にということで申し入れたら、それも断られた、これはまさに人権侵害ではないかと。

 受刑者が刑務所を出て社会復帰をしているにもかかわらず、このような待遇を受けたということは納得できないということですが、大臣、この点についてどうお考えですか。

江田国務大臣 村上正邦さんは、同僚の参議院議員時代だったことがございます。かなり厳しいさや当てをしたこともございますが、大変魅力のある人でございまして、私も、折に触れ、いろいろな話を交わしております。

 ホームページにもちょっと書いて、お目にとまったかどうかわかりませんが、先日、議員会館の私の部屋にお見えになりました。いろいろなお話をしまして、その際に、村上さんから喜連川へ行ったときの話を聞きました。

 それはやはり、いろいろな事情はあろうとも、刑務所というところでつらい日々を送って、無事に受刑を終えて出てきて、ある日訪ねて、そして、その責任者の人にちょっと会いたいといったら、会わないというのは冷たいじゃないかと。とりわけ、喜連川は社会復帰促進センターというところですから、これはやはり社会との接点というものを大事にしていった方がいい。閉じられた施設ということはもちろんですけれども、そこはやはり、ある思いを持って、懐かしさの余り来られた人を追い返すというのはどうかなという感じもいたしまして、別に、村上さんが前、国会議員だったから、偉いからどうというのではなくて、そういう受刑者の皆さんの思いというのは大切にする、そういう矯正行政にしていきたい、そんな感じを持って、ちょっと部内でそんな感想を漏らしたことがございます。

城内委員 私が言いたいのは、まずは法務省の中における人権侵害と思われるような行為をなくすことが最初にあって、人権委員会をつくる前に、まずみずから襟を正していただきたい、これを申し上げたくてこの話を取り上げさせていただきました。

 もう時間も終わりましたので、これで質問を終わります。ありがとうございました。

奥田委員長 次回は、明十八日水曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時六分散会


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